予算委員会 第16号
- 発言数
- 352 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1988/04/01
会議録
○委員長(原文兵衛君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十三年度一般会計予算、昭和六十三年度特別会計予算、昭和六十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和六十三年度総予算三案審査のため、本日、税制調査会会長小倉武一君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 本日は税制・財政に関する集中審議及び外交・防衛に関する集中審議を行います。 質疑者等はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 それでは、まず税制・財政に関する集中審議を行います。 これより小川仁一君の質疑を行います。小川仁一君。
○小川仁一君 最初に小倉税調会長にお伺いしますが、会長は一般消費税、売上税のときも会長をやられ、しかしこれは二つとも国民に受け入れられなかったわけであります。今回の素案も一般消費税や売上税と本質的、機能的には全く同じでありまして、この素案の決定に前後して新聞の世論調査が出されました。朝日新聞では六〇%が大型間接税に反対し、日経新聞でも五七%の人が導入について慎重または反対という結果を出しております。したがって、その結果国民は不公平税制是正と税の正確性というのが要求であることもわかっております。このようなことについてどうお考えでしょうか。国民に受け入れられないのではないかということを前二回の例によって類推するんですが、そういう点についてのお考えを伺いたい。
○参考人(小倉武一君) お尋ねのように、新聞等の世論調査ではお示しのような記事が出ておったことを承知しております。ただしこれは、ちょっと世論調査そのものについてはどうこうということを申し上げるほどの見識はございませんけれども、新しい税金を導入する場合に世論調査が賛成だというふうなことになることはこれはなかなか期待しにくいことかと思います。私どもといたしましては、税制改革を全体としてごらんいただいて、その上でどうこうというようなことの御判断を願いたいと思っております。 ただし、世論調査に示されているようなことは今後の税制調査会の審議の上においても心得ておきたいと思っております。
○小川仁一君 前二回の売上税と一般消費税が国民に受け入れられなかったという点についての反省と分析はございましょうか。
○参考人(小倉武一君) これは税制当局でもって反省といいますか回顧といいますか、そういうことを相当詳細に文献としてお出しになっているのも承知しております。税制調査会としても若干そういうことについての論議もあったわけでありますが、これは見る人によって大分違いまして、例えて申しますれば、いわゆる新型間接税と称せられる課税ベースの広い間接消費税というものについては押しなべて反対だ、こういう意見の方もおられますが、そういう方はやはり売上税あるいは一般消費税についても同じような御意見をお持ちになるかと思います。ただし、大型間接税ということと同時に所得税の大幅減税というような必要、その他の不公平税制の是正というような必要性というふうなものを取り入れて考えますとまた別の判断もできると思います。 非常にテクニカルな話になりますと、一般消費税は大分昔の話で別にいたしましても、また法案になったわけではありませんから別にいたしましても、売上税につきましては、大方の方がおっしゃる難点の一つは、やっぱり例外といいますか非課税品目、これが非常に多い。非課税品目が多いということは、御承知のとおり税額の計算上なかなか困難を来す、納税義務者の事務が複雑になるというようなことがありましょうから、そういうことが一つの大きな難点というふうに示されたことを承知しております。 なお、これはあらゆる多段階の消費税について避け得ないわけですが、特殊の、消費によって違いますけれども、卸売業の段階で非常に複雑な構造になっている、あるいは小売の段階で非常に複雑なものになっているというのもあります。さらにまた製造業そのものについても簡単ではないというようなものもございまして、そういう日本の産業構造といいますか、生産、製造、流通、消費、その段階において余り合理化されていない。合理化されていないと言ったら語弊がありますが、単純明快になっていないというようなところがありまして、これもまた一般消費税あるいは売上税的な消費税を導入することについてやはり一つの難点になっているということかと思います。 ただし、税制の持っていき方については、そういうものの合理化に資するというような持っていき方もできると思いますが、何しろ税制の一つのプリンシプルといいますか考え方のもととしては、産業、経済に中立的であるべきであるというふうなことも、最近は余り言われないかもしれませんが、そういうふうなこともございますので、税制の持っていき方で流通業関係の構造を合理化していくのだというふうなことも言いにくいというようなことがありまして、それはなかなか問題になるところでありますので、そういう点は今日も、先ほどの売上税あるいはさかのぼれば一般消費税のときでも、特に経済情勢あるいは産業構造が変わったことはないということで、税制の難点というよりは日本の産業構造についての問題点はあることは想像にかたくないと思います。
○小川仁一君 一つ一つの項目だけを問題にするのではなくて、総合的なものとして、国民の意のあるところを十分御承知おき願いたいと思います。 次に、転嫁及び非課税品目についてお伺いしたいが、会長は岩手県宮守村の記者会見で、衣食住、教育、医療は非課税とすべきだと発言しておられる。一方、間接税特別部会の会長である加藤寛さんは、八七年の売上税騒ぎの最中に「THIS IS」四月号で、「穴抜けをつくったことはよくない。これはつくってはいけない。そしてみんな一律に一%でもいいからかけておく。」云々、これが「基本的な線なんですね。」と、こう言っておられる。お二人とも税制についてはそれぞれの御主張をお持ちになっており、よもや自分の御意見を変えたり曲げたりするような方とは思われないんですが、税調としては、この二つの非課税問題についてはっきりしたお立場をおとりになっている方として、どういう方向に非課税問題を持っていかれるか、お伺いしたいと思います。
○参考人(小倉武一君) お尋ねの点は、このたびの税制調査会、このたびと申しますのは昨年十一月に総理から御諮問がありました後の税制調査会でございますけれども、そこではまだ非課税品目をどうこうするという討議を全くいたしておりません。したがいまして税制調査会がどうだということは申し上げられませんが、その間若干の方々の意見をお聞きしたりあるいは発言をお聞きしたりしている感触では、例外品目といいますか、非課税品目はできるだけ制限するといいますか非課税品目はないようにするのがいいと、そういう意見がどうも多いようであります。 この中にもいろいろの立場、いろいろの考え方の方がおりまして、余り根拠がはっきりしませんのですけれども、非課税品目がない方がいいということはそれは簡単だということだけに尽きるわけです。簡単であるということは税制のスキームの上でやっぱり非常に大事なことですが、しかし簡単ということよりはもっと大事なことがある。公平ということ、公平の原則から見れば、あるいは非課税品目を何がしかやはりつくることが必要であるということになろうかと思いますが、簡素ということで非課税品目なし、公平ということである程度の非課税品目をつくる、二つの立場の考え方がありまして、その辺の議論はまだいたしておりませんので、税制調査会の大体の雲行きとしてどうなるかということはちょっと申し上げにくいと思います。
○小川仁一君 非課税品目について議論がないということでございますから、いずれお二人の議論を理論的に闘わしていただきたいと思います。 続いて、同じ「THISIS」四月号で加藤部会長は売上税についに言及されて、税の転嫁と非課税は相対立する概念だと、こういう言い方をしておられますが、会長としては税の転嫁と非課税というものは対立する概念とお考えでございましょうか。
○参考人(小倉武一君) 今お尋ねの、加藤部会長がどこでお話しになったのか知りませんが、私は余りその意味がよくわかりませんのです。転嫁の問題というのはこれは難しい問題でございまして、間接消費税についての難点といいますか反対理由としましては、転嫁というものが必ずしも容易でないということもよく言われるわけであります。 また他方、この非課税というのはむしろ政策的に特定の物資、特に社会生活上なり個人生活上なり不可欠の最小限度のサービスないし物品については非課税にするというところから来ていまして、転嫁の可能性とはこれは別問題というふうに私は存じます。
○小川仁一君 この非課税の問題にしても転嫁の問題にしても我々非常に関心があるところでございますが、税調内部の議論というものは一切こちらにはわかってこないわけでございます。大変恐縮でございますが、いずれそういう重大な論点についての討論の資料あるいは討論の経過等をできるだけ国会並びに国民にお知らせを願って、我々も税制討議に参加できるような形態をとっていただきたいと思いますが、会長、いかがでございますか。
○参考人(小倉武一君) 今お尋ねのような点は非常に重要な問題でございますけれども、ただいまのところまでは税調の中でそういう議論がまだ行われていなかった。今回の問題につきまして、昨年の十一月以来のことでありますが。多分きょうの午後からそういう問題を討議するという場面になりますので、無論重要点については広報をいたしまするし、国会の先生方にもおわかりになりますように政府によって措置が講ぜられるものと思いますので、ひとつまたいろいろ御教導願いたいと思います。
○小川仁一君 ただいまのお話をお聞きしていまして、密室討議から国民の間に開かれた討議になる、我々国会議員にも重要論点の問題点、討議形態が公表されるという形を聞いて安心をいたしました。ぜひよろしくお願いをしておきます。 次に、これは大蔵省にお聞きしたいんですが、この新型間接税の二つの類型三方式それぞれの課税ベースの数字をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 素案でお示しいただいておりますのは、累積方式と非累積方式とがある、非累積の場合でもこういう方法が二つぐらい考えられるという、全くまだ考え方の方向でございますので、今お話しのような非課税の問題でございますとか、そうした問題を含めましてその具体的な課税ベースが出てまいるわけでございますので、現在のそういう考え方の筋の中で課税ベースを確たる数字で申し上げるということはなかなか難しい問題でございますし、また後々の御議論にミスリードをしても申しわけないと思いますので、ここのあたりはよろしく御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○小川仁一君 よろしく御理解いたすわけにはまいらないんです。 課税対象ベースとして年間取引額が千二百兆円ぐらいあるようでございます。一%と見ると十二兆円、〇・五%と見ると六兆円。それから国民所得統計の国内家計最終消費支出は、これは昭和五十九年で百七十五兆円、六十二年になると二百兆円ぐらいになっている。この数字で一%と見ると二兆円、三%で六兆円になります。期せずして六兆円という数字が出てきている。しかも、三月三十日の毎日新聞によると、加藤部会長は新型間接税の税率として、三%が上限で〇・五%でもいいと、こうおっしゃっている。何かぴたりこれが六兆円というところへ来て合うんですよ。 そういうことを考えてみますと、課税対象ベースというもののいわゆる最終支出あるいは年間取引額、この程度という数字だけは示していただきたいと思います、現在における数字を。
○政府委員(水野勝君) 素案でお示しいただいておりますところの課税方式と申しますか、考え方の課税ベースと申し上げますと誤解を招くかもしれないところでございますが、ただいま委員御指摘のような関連した数字はいろいろあるわけでございます。今お示しのような金額もございますし、例えば、法人企業統計によれば法人企業の付加価値と申しますのは百八十兆円というのが六十一年度の統計数字でございます。しかし、これが現実に仕組まれるときには恐らく輸出入分というのはいろいろな調整が行われる、これは非課税の問題とは全く別に行われるものでございますので、これがまたどのように変化をするのか。 それから総売上高と申しますか、そうしたものはお示しのように千二百兆円という数字はございます。これもまた輸出輸入、こうした点がどうなるのかという観点、それからまた、総売上高なり総取扱高としてはこういう数字がよく言われておりますけれども、実際に、ではそういったものが課税対象になるといった場合に、今までは単に取扱高として帳簿にだけ上げておったものが、実際の金額としてはこれがどういうふうに変化していくのかといった点もございますので、総売上高的に申し上げるときには一千兆円程度というのが一つの目安かなという、これは感じでございます。 まさに、先ほど申し上げましたようにまだ考え方の筋だけでございますので、そうしたものと結びつけてお答えをするのは大変心苦しいところでございますが、周辺の数字としてはそうしたものはあるということでございます。
○小川仁一君 今のような数字がいろいろありますが、税調としては一体どの程度の税収額をお見込みになり、どういう税率を考えているか。一つの税金の制度を改革するためには、間接税でどの程度の税収をお見込みになるかということはある程度胸算用しておられると思いますが、それをお出し願えればありがたいと思います。
○参考人(小倉武一君) まだお示しできるような胸算用というものはございません。 しかし、いつまでもございませんと言っているわけでもございませんので、先ほどからお話しのような課税ベースをどのようにするか、したがってまた税率はどのようになるか、他方、特に所得課税、所得税と住民税の減税をどの程度にするかということもだんだんと詰まってまいりますから、両々相まって、増減税どの程度になるかというおおよその数字はやがて出てくるのが当然だというふうに思っておりますけれども、まだしばらくはそこまで行き着きませんので、先ほど申しましたように、先ほどお尋ねのような例外品目をどうするか、それはなしにするのかということもありますでしょうし、また所得税の課税最低限の基礎控除等についてどうするかというような問題もまだ詰まっておりませんので、しばらく御猶予を願いたいと思います。
○小川仁一君 予算委員会の進行に合わせて内容を討議しているような進行方法については、ちょっと私は納得できません。むしろこの予算委員会開会中に案を出して、我々も含めて討論に参加するという形があってこそ国民の総意をつくり出すことができると思いますので、先ほどのお話を含めて、正確な数字その他を出していただきたいと要望しておきます。 そこで、建設大臣もお見えになりましたが、この素案の間接税部分について伺いますが、既存の間接税にかかわって、特に建設省は第十次道路五カ年計画というのがございます。この財源措置を含めた法律がきのう本会議で成立いたしました。道路の特定財源と言われる間接税は今回の税調の見直しの対象になるんですか、ならないんですか。もしなるとしたら、建設大臣、どうなります。この点ひとつ。
○国務大臣(越智伊平君) ただいま税につきましては各党あるいは政府税調、いろいろ御論議をいただいておるところであります。でございますから、私が税の問題について今予見を申し上げるわけにはいかない、かように思います。 ただ、第十次の五カ年計画、五十三兆円の財源につきましては、こうした税制をいろいろ論議しておる中で常に注意して特定財源の確保には努力をしていくし、何としてでもこの五十三兆の財源については確保をする覚悟であります。
○小川仁一君 大蔵省の方は、この第十次道路五カ年計画における特定財源確保というものは、新型間接税とのかかわりの中でどう考えておられますか。これはやっぱり五カ年計画が成立するかしないかという問題も将来を含めてあるだけに、大蔵省のお考えを聞いておきたいと思います。大臣の方から。
○政府委員(水野勝君) 素案では、間接税の今申し上げましたように方式、考え方は示されてございますが、それではそういう考え方に従った場合に現在の既存の間接税がどうなるかという点は、問題としては指摘はされてございますけれども、それを具体的にどうするか、これは全くこれからの御検討になる問題でございます。 参考のために申し上げますと、素案では「既存の間接税については、直面している諸問題を根本的に解決する観点から、それぞれの税目の特性、仕組み等にも留意して、その存廃を含め見直しを行う。」とございます。まさにそれぞれの税目の特性、仕組み等々に留意されてこれから御検討になる問題でございますので、個々の税目につきましてまだ税制調査会としても全くこれからの課題として残されているということではないかと思うわけでございます。
○小川仁一君 私は税制調査会の考えを聞いているんじゃないんですよ。国民に約束したんです、第十次の道路五カ年計画というのは。一万四千キロのネットワークをつくるということをぴしっと約束して、そのために特定財源というものをつくり出した。これは間接税だ。だからそういう具体的な問題について、建設省は最大の努力をすると言うが大蔵省はどうするかと聞いただけで、税調に話を転ばしちゃいかぬのです。大蔵省の考えを聞きます。
○政府委員(水野勝君) 前回の六十一年の答申のときには、こうした間接税、中でもこうした特定財源の扱いについてはいろいろ検討がされたところでございますが、結論としては、これはこの新しい間接税とは別の世界の税として仕切られたところでございます。 しかし、先ほど申し上げたように、今回どうするかは税制調査会としてはこれからの検討課題でオープンになってございます。そのことと特定財源の確保云々というのはこれはちょっと次元がずれる問題かなと思いますので、それはそれぞれの考え方によりまして処理をされる。私どもとしては、今後、既存間接税、この税目がどうなるか、それとの関連で今の特定財源のお話も大蔵省全体として今後検討される話ではないかと思うわけでございまして、こういうことでございますと今申し上げるところの点にはちょっとまだ遠いところでございます。
○小川仁一君 一つの重要な政策が決定しているときは、これはどういうふうな方向で進めるんだということが将来を見通してあると思うんです。しかも五カ年計画なんてかなり向こうの問題でしょう。だから具体的に私は聞いたんだ、建設委員の一人としてきのう賛成した手前もあるものですから。ということですから、この点はきっちり仕分けをして、法律で決まって長期的な計画を持つものと新型間接税、これも間接税、こういうものをきっちり仕分けをした形で今後御整理を願いたいと思います。 その次にお聞きしますが、竹下総理の懸念の一つに逆進性が挙げられる。それで昭和五十四年、一般消費税のときに大蔵省は、一般消費税負担率の数値を各収入分位ごとに計算をして発表していました。私はきのうから、ぜひ同じような方式による計算をお願いしたい、しかしまだ税調がはっきり決まっておりませんから、仮にとして、非課税品目がない、現行間接税はそのまま、税率は五%として試算をしてもらえないかと、こうお願いしていましたが、けさになっても先ほどになってもまだ出てきませんので、改めてこの席上でお聞きいたします。
○政府委員(水野勝君) 御承知のように前回の売上税では五%でございましたが、その際には、物品税など八つの税目を廃止いたしましてそこで調整が行われておるわけでございます。またほかの税目で、廃止はされなくても新税の創設と関連しまして負担率を調整している部分がかなりあったわけでございます。 したがいまして、そうしたもろもろの要素がおよそまだこれからの話でございますこの段階で、階層別にそうしたものをお出しするということは、たとえ割り切って仮定の上での話としても、余りにも何と申しますか割り切り過ぎと申しますか、それからまた、今の御指摘のような仮定、前提でございますと、それは少し本当に考えられる形なのかどうか、そうしたものを推定計算なり割り切り計算としてお出しするのにしましても、ややそれは今後の御議論をミスリードする点が多いのではないかということから、今回はそうしたもろもろの仮定といたしましてもちょっとお許しを願えればとお願いをしていたところでございます。
○小川仁一君 一つの問題が提起される過程で幾つかの試算が行われて、そういう中で討議が深まると私は考えておる。ミスリードだとかなんとか言って、全部決まっちゃってから、はいと出して、これが最善でございます。それがいいか悪いかという討議、こういう討議はもうやるべき時期じゃないと思うので、仮定を含めて計算をしてくれと言った。別にここで公表しろという意味じゃなくて、私が欲しいと言ったのに私にも持ってこないからあえて言うんですが、これは計算してもらわなけりゃこれからの討議に非常に大きな影響がありますので、ぜひ計算してください。再度要請します。
○政府委員(水野勝君) 例えば勤労者世帯それぞれの分位の別に、家計調査年報等によれば、実収入なり可処分所得なり消費支出、こうした金額はございます。ただそれを、ほかの税目はこうだとして、税率はこうだとしてというふうに具体的な税の仕組みとして仮定を置いて申し述べるということになりますと、これはちょっと私どもも僣越ではないかと思うわけでございます。 その消費支出金額がわかっておって、それの例えば一%がそれぞれ幾らであるかということでございましたらそれは計算の問題として出るわけでございますけれども、税の仕組みとして関連づけられてお答えを申し述べるということは、少し今の税制調査会の議論の段階としては私どもとしても御遠慮すべきところではないかと思うわけでございます。 例えば、五分位階級で消費支出が一分位の十九万一千二百八十円から五分位の四十二万六百九十一円までございますから、この消費支出の一%当たりということでございましたら、それぞれ、十九万の一%ということで千九百円とか四千二百円とかという数字は出ますけれども、仕組みとして前提を置いてと言われますと、そこは御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○小川仁一君 新聞には、税調の会長、委員の方方が何%だとかなんというようなことを平気でインタビューしておられる。知らぬは国会議員ばかりなりというふうな格好で税の討議が行われるということは私はどうしても我慢ができない。そこで幾つかの前提を置いた試算でもいいからということなんですが、こういう計算をすることが私は総理が懸念している逆進性に対する一つの回答にもなる、こう思うんです。 再三言ったら、「年間収入五分位階級別収入等に対する消費支出の割合全国勤労者世帯昭和六十一年」、こういうのが出てまいりました。これで電卓で計算したらわかるでしょうと、こういうごあいさつだ。これは電卓で計算してわかりますよ、計算してきたんだから。しかし、そういうふうなやり方でこれから討議が進められるんだったら、おれは承知できない。一つの計算なり一つの方式なりというものを頼んだらやっぱりやってもらわなけりゃ。はい、これで勝手に計算しなさい、電卓があったら。幸いあったからよかったけど、なかったらえらいことになる。こういう態度ではいけませんので、ぜひこれは計算をして出してもらいたい。ひとつお願いします。できるまで待っています。
○委員長(原文兵衛君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(原文兵衛君) 速記を始めて。
○小川仁一君 今の問題について申し上げておきたいことは、出された、最後の完成したものだけが存在をしているという形で討議をされるということは、国民に対して討議の機会を非常に保障しないことになるし、しかも今回は三つの案を出しているから、これはたたき台じゃない、選択になっちゃうんです、一つの案を討議するというわけじゃないから。したがって、本日は進行の関係もありますからこれ以上申し上げませんが、あらゆるデータはお出しを願いたい、こういうことをお約束願えますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 承知いたしました。
○小川仁一君 先ほど言われた年収五分位の計算を私なりにやってみました。もちろん先ほど申し上げたように、非課税品目なし、現行税率のまま税率五%で試算をすると、各分位ごとの間接税導入による支出増額は、第一分位九千五百六十四円、第二分位一万二千三百二十二円、第三分位一万四千百十八円、第四分位一方六千三百六十七円、第五分位二万一千三十四円、こうなります。これを実収入を分母として負担税率に直しますと、第一分位は三・八%、第二分位三・五%、第三分位三・三%、第四分位三・一%、第五分位二・九%となります。 この数字から見る限り、どうしても竹下総理が御懸念をしている逆進性というものは解消されない、こういう感じがはっきりするわけでございます。私は、逆進性が解消されないという限り総理の懸念が終わらないと思いますので、間接税はないものと考えますが、いかがでございますか。それとも逆進性をなくする方式を大蔵省としてはお考えになっておりますか。いかがでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 先般御提案した売上税のときには、制度として仕組まれておりましたので、これを前提として試算をお出しいたしてございました。その際、おおむね五分位で見ますと、実収入に対しまして〇・八%から〇・九%ぐらいの割合でお出しをしてございました。したがいまして、三%、四%というのは、今の委員の御計算というのは、これはちょっと前回のと余りにも乖離しているという感じが強いわけでございますが、そういう御計算をされているということにつきましては、私どもその結果としてはそうかなと思いますけれども、前回のものと比べるとそんな感じがいたすわけでございます。
○小川仁一君 これで計算してみてくれといって出したからそれで計算したんだよ。それがおかしいと言われたんじゃ、算術の計算ですからそんな間違っていませんからね。したがって、一%以上も違うという事実は素直にお認めになった方がいいだろうと思うし、それから大臣にお聞きしたいのは、逆進性をやっぱりどこまでなくするかということをどう考えておられるか、御返事願いたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今小川委員の言っていらっしゃいますことは、極めてある意味で自明のことを言っていらっしゃると思います。第一分位から第五分位までを分けまして、片方に実収入がある、あるいは可処分所得がある。それに対して消費の割合というのは、それは収入が低いほど消費の割合が多いはずでございます。それはもう当然のことでございますね、エンゲル係数なんか考えましてもそうでございますから。それに一定の税率を掛けましたら、それは下の方の負担が比率としては大きいというのはもう極めて自明のことでございます。 そこで問題は、そういうような税制がどのような税率で行われるかということは一つの問題でありますし、それからほかの所得税なりなんなりとどういう組み合わせになるか、税制全体の中でやはり逆進性というものを考えていただくことが一つと、そのようにして得た国の歳入がどのような歳出に使われるか、社会保障的なものにどれだけ使われるかということでまた逆進性というものも変わってまいります。そこらを総合的に御判断いただきたいというふうに考えるわけでございます。
○小川仁一君 終わります。
○委員長(原文兵衛君) 以上で小川仁一君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、大木正吾君の質疑を行います。大木正吾君。
○大木正吾君 通告はしていなかったのでありますけれども、けさの新聞でまた地価の公示が出ました。これについての感想をちょっと大蔵大臣、自治大臣等にお伺いいたしたいのでございますが、東京の場合に一年間で六八・六%、こういうふうになっておりましたですね。 私は一般質問のときにも相続税関係の問題について若干伺ったわけでございますが、ますますもってこういう状態が続きますと、結果的には東京は、言えばアスファルトジャングルあるいは人間の住まない町、オフィスだけがあって住めなくなってしまう、こういう状態になると思うんですが、新しい税制の抜本的改革問題に関しまして相続税問題等について議論があるようですが、これについて、このこととの関係において大蔵大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大都市を中心にした地価の急激な上昇と相続税との関連をどう考えているかというお尋ねでございました。 現在の相続税は、昭和五十年にほぼ骨格を決めておりますものですから、その後十何年経過しておりまして、やはり抜本的な見直しをいたすべき時期に来ておるというふうにかねて考えておりましたし、また相続税は税制の中では非常に大きな項目でございますから、やはり抜本改正の一部として考えさせていただきたいと思っておりました。そういう状況の中で、非常に地価の上昇があって、殊に大都会におきましていわば大きな土地を持っていらっしゃる方なら別でございますが、親から受け継いだいわば猫の額みたいなところでも非常に大きな相続財産になってきて、住み切れるかどうかというような問題に実際なってきつつあると思います。 そこで、かねて国会のお許しを得て、法律によりまして小規模の住宅、居住用あるいは業務用の宅地につきましては評価を三割ないし四割落とすということを二百平方メートルまではお認めいただいておるわけでございます。したがってこれは十分に働いておりますが、なおそれでもいろいろ問題があると考えられますので、このたびの税制改正におきまして何かその辺のやはり緩和措置を考えざるを得ないだろうということで、ただいま税制調査会で御検討中で、素案の中にもそういうことがあらわれております。つまり、昭和五十年と現在とのいろんなことを比較いたしまして、基礎控除等々をどのようにするかということが基本になるわけでございますが、そういうことを今御検討願っております。 ところでしかし、相続そのものは進行を新たにいたしますから、そのような新しい改正を国会で御審議いただきますときに、いろんな形での遡及の方法を考えまして御審議をいただく必要があるであろう、そういうところまでは今考えております。
○大木正吾君 この前も議論いたしましたけれども、少しく大蔵省と私たちの受けとめ方が違うというふうに考えますが、大体この二割、三割、四割という問題は、農業の方々のために、二十年間営農移譲をする方々のためにつくった法律を、結果的には五十年に手直しをしながらサラリーマンの場合等にも持ってきた、こういう形の法律の立て方になっていますね。そういう関係からしますと、いわば私たちが住んでいる二百平米程度のところの場合には付加価値を生まないんだから、結果的には住むだけなんだから。そうなったら、営農と同じ形でもって二十年、三十年そこに住んでいるんだと、こういうようになった場合には相続税をずっと免除したらどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは全く営利的と申しますか、そういうお考えがなくて住んでおられる方、そういう方はもう数少なからずおられるわけでございますけれども、他方で申しますと、財産運営の方法として、そうなればやっぱり土地を持っていれば相続税はかからないということに、これは利用しようとする立場からすぐそうなりますので、なかなかそこは踏み切れないところだと思います。
○大木正吾君 千坪持っていようと、百坪持っていようと、一万坪持っていようと、たとえ百平米でも結構です、自分が住む分だけは絶対にこれはもう東京に、だから宮澤さんおっしゃるとおり、もし東京に人間が住まぬでもいいというんだったらそれやりなさいよ、あんた、住まなくたっていいんだったら。東京は全部オフィスなんだ、全部近県から通ってこい、群馬県でもどこでも。だったらやってもいいですよ。じゃなしに、一定の人間が住む町にしておくのだというんだったら、やっぱりやるべきでしょう、そのことは。そうじゃないですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは人が住めるような程度に軽減を考えるべきだということでありましたらそのとおりと思いますけれども、相続税の対象から外せと、それは比喩的におっしゃったんだと思いますけれども、なかなかそこまではやり切れないだろうと。
○大木正吾君 いずれにしても、これは将来また議論が出ましょうから、その際に譲ります。 自治大臣に伺いますが、三年後にまたべらぼうに、これいずれにいたしましても固定資産税、都市計画税等が上がってくるわけですが、法律の改正については全く今のところ考える余地はありませんか。
○国務大臣(梶山静六君) 私もけさ新聞を拝見いたしまして、率直に言って来るべきものが来たという感じすらするわけでございますが、今年度の評価の見直しは、おかげさまで前回、三年前よりはやや下回っております。しかし昨年、一昨年来のいわば地価高騰が三年後の評価につながってまいるわけでございますから、この評価をどういわゆる適正にという形で、今の実勢地価というものでない、適正な評価をすることによってどこまでなだらかにすることができるか、あるいは今後二年間でどれだけ地価が鎮静をするか、そういう問題をひっくるめまして、いわば小規模住宅用地の二百平米以下四分の一という救済措置で果たしてそれが賄えるかどうか、この問題をあわせ考えていかなければならない問題でございますが、年々歳々かかる税金でございますので、もちろん土地の価格に応じた資産としての評価をして、いわば市町村の普遍的な財源でもございますので、その両面をにらみながら今後の対応、幸いに時間が三年間あるわけでございますから、検討を重ねてまいりたいと思います。 なお、地方はそれほどでもございませんので、いわゆるそういうものを一律的に直すことができるかどうかという問題が一つございます。 それから今委員御指摘のように、東京は住まなくてもいいのかという問題がありますけれども、これは恐らく産業や諸機能が東京に集中をする、あるいはこれだけ東京の地価が高くてもなおかつ吸収、集中できる力というのを考えますと、私は個人の住宅ということよりは、そういう企業責任における職員、社員のいわば確保という問題もあわせこれからは考えられてしかるべきだと、こういう感じすらするわけであります。
○大木正吾君 土地の行革審の答申が五月に出る予定で、一部中間報告等が新聞に出ていますが、これは言えば公的な、個人の所有に対する制約問題等が相当厳しく入ってくるような報道になっていますが、そういった方向でもって出た答申については守っていくおつもりでしょうね。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは本来ならば所管大臣がお答えになるべきでございますけれども、前内閣でいわゆる新行革審にお願いをいたしましたときに、政府としてはその御答申あるいはアドバイスについてはできるだけ尊重するという、こういう基本のもとに御検討をお願いいたしておりますので、そのようになってまいると存じますが、なお御答申あるいはお考えが出ましたときは閣僚会議を経て政府の考えを決めていくことになるだろうと思っております。
○大木正吾君 それでは本論に入らしていただきますが、時間が余りありませんので簡単に要約して伺っていきます。 現在の所得税関係におきまして垂直的不公平、感でもいいですが、そういったものはどういったものがございますか、簡単に答えてください。
○政府委員(水野勝君) いろいろな点は御指摘がございますが、例えば今回の素案で指摘されております点は、社会保険診療報酬課税の特例の問題、みなし法人の問題、有価証券譲渡益課税の問題、こういった点が問題点として指摘されてございます。
○大木正吾君 サラリーマンと事業者等の捕捉の差、経費の差等について、これは垂直的不公平の中に入りませんか。
○政府委員(水野勝君) そうした点は、いわば制度の問題とは別に、執行と申しますか、現実の面の問題として、例えばこの素案におきましてもさまざまな特別措置がございます。というのは今申し上げたような点ですが、さまざまな特別措置が講じられていること、課税所得の捕捉にアンバランスがあること等のために、サラリーマンの方々の重税感、不公平感が募ってきているというような記述は素案の中でもされておるところでございます。
○大木正吾君 それでは法人関係については、いわゆるこれは税の基本的な考え方の違いがありますから、私の方では特別に区別をいたしませんが、シャウプ税制あるいは法人擬制説、その他の問題もございますけれども、大蔵省としては法人関係に対する特別措置、その他の問題についてはどの程度のものについて把握されていますか。
○政府委員(水野勝君) いわゆる租税特別措置につきましては、昭和五十年に特例公債が発行され始めまして以来、特にこれは政策税制の基本的な見直しということを毎年行ってまいったところでございまして、租税特別措置によりますところの減収額、これの税収に占めますウエートというものも逐次低下はしてまいっているところでございます。 また、特別措置としてはカウントはされないものではございましても、引当金償却等につきましても実態に即した検討をこの十年来行ってきているところでございます。
○大木正吾君 数は国税において、地方税において幾らありますか。
○政府委員(水野勝君) 企業関係を含めまして、全体としては現在百七十六項目ございます。 それから、このうち企業関係といたしましては八十一項目程度かと思います。
○大木正吾君 それによる減収額はどれぐらいですか。
○政府委員(水野勝君) 百七十六項目、これによりますところの減収額としては、一兆六千九百四十億円ということで試算をいたしてございます。
○大木正吾君 大きなものといたしまして貸倒引当金、あるいは退職給与引当金、賞与引当金、そういったものがありますが、今回政府税調の方では賞与引当金問題等については何らかの是正ということが若干出ておりましたが、それ以外の大きな問題といたしまして、大蔵省がこれを是正しようとして考えたものはございませんか。
○政府委員(水野勝君) 一昨年の税制調査会の抜本改革答申におきましては、引当金につきまして貸倒引当金、退職給与引当金、賞与引当金、それぞれにつきまして検討の方向を指示いただいているところでございます。 先般の現実の御提案では、まず賞与引当金の段階的廃止ということで御提案をしたところでございました。 貸倒引当金につきましては、これは昭和四十七年度以降、毎年ではございませんが、随時その法定繰入率につきまして見直しを行ってきております。この方向は、今後とも現実に即した引き当てが行われるように検討してまいる必要があろうかと思います。 退職給与引当金と申しますのは、これは非常に金額も大きい。しかし一方、利用法人割合としては低い。それからまた、保全措置というものと必ずしも直結していない。これは税の理論上からは別にそれとは関係はないのでございますが、現実的な点からはいろいろ御批判がある。したがいまして、今後公的年金制度の今後の動向、外部拠出的な年金制度の充実といったものが今後どの程度進展するのか。そこらとの見合いにおきまして思い切った見直しをする必要があるというのが税制調査会の考え方でございますが、これは規模も非常に大きな引当金で、影響するところも大きいわけでございますので、こうした税制調査会の検討の方向も踏まえながら今後検討してまいる必要があろうかと思っております。
○大木正吾君 言わずもがなのことでございますけれども、一流企業で全社員の四割がやめるということはまずあり得ないことだとは思いますが、どうしてこの問題についで税制調査会の答申などが出ていましても実行できないわけですか。
○政府委員(水野勝君) この引当金は六十一年度末でも九兆五千億という非常に大きなものでございます。それにつきましての問題点としては、ただいま申し上げましたように利用割合が大法人に偏っておる、結果的に内部留保につながっているという御批判があるわけでございます。 一方、やはりこれは退職給与につきましての引き当てがなされているという企業の態度を示しておる。これを縮減してまいりますと、労使双方の観点から退職給与水準というものが切り下げられるのではないかという御懸念も時にお聞きするわけでございます。したがいまして、この点は先ほど申し上げましたように、外部拠出的な年金制度の充実と並行して検討してまいればそういう御懸念もなくなろうかとは思うわけでございますが、そうした観点からの御批判もあることはあります。 昭和五十五年度の改正で、従来五〇%引き当てというのを一応四〇%に引き下げた。それがその効果としては、数年間は積み増しが停止されて推移して、その効果は徐々に出てまいったわけでございますが、最近数年はこの積み増し停止的な効果も、そうした経過期間も終わりましたので、また数年間は伸びがかなり毎年大きい、一兆円程度の伸びがふえたりしておるということから、やはり検討はいたす必要があるわけでございますが、なかなか複雑な背景を持つ引当金でございますので、広い角度から検討はしてまいりたいと思っておるところでございます。
○大木正吾君 質倒引当金について一つの例だけ伺いますが、銀行が日本の場合には倒産という事例は余りありませんが、アメリカなんかはよくある話なんです。銀行に対しまする貸し倒れ引き当てについて現在のパーセンテージ、あるいは最近これに対して改正を加えようとした動きはあったか、ないか、これについて答えてください。
○政府委員(水野勝君) 現在の引当率は千分の三でございます。これは先ほども申し上げましたが、昭和四十七年におきましては千分の十五でございました。それを十二に引き下げさしていただいたわけでございますが、四十九年千分の十、五十年千分の八、五十二年千分の五、五十六年に現在の千分の三ということでさしていただいたわけでございます。 現在、平均的な貸し倒れの実績率と申しますのは千分の一程度であるというように見受けられますので、実績との間にはなお開差はございます。しかし、こうした引当金制度でございますので、やはりそうした実績そのものというわけはもいかないと思います。 そこにどの程度のアローアンスをもって引き当てを認めることが適正かどうか、この貸倒率の実績の推移も見ながら今後さらに検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○大木正吾君 多くの不公平感あるいは不公平税制と私たちが感じるものが、所得税におきましても間接税におきましても、あるいは法人税におきましてもあるわけでございます。 そこで、宮澤大蔵大臣にお伺いいたしますが、今回のこの税制改革については、中曽根総理のときには、あの方は大変きれいな言葉を並べることがお好きでございまして、言えば公正、公平、簡素、選択、活力ですね、こういう言葉を随分と本会議でも委員会でもお使いになっておったわけでございますね。あなたが大蔵大臣になられたときには正直に直間比率の是正と、こういう話がなされました。そしてその下に、ちょっとこれは気に食わないんですが、所得の平均化というような話もございましたですね。直間比率の問題については、これは宮澤さんのお考えですから、私はとやかく今ここで申し上げませんが、所得の平均化が進んでいるというふうにお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、いわゆる五分位層等々におきましてのことの議論あるいはジニ係数の議論なんでございますが、この数年あるいは石油危機以後ぐらいまで申し上げなきゃいかぬかもしれませんけれども、我が国の雇用、円高などがございまして、非常に不安がございましたものですから、そこではどうもこの格差というものはやや縮まるよりは、ひょっとしたら逆の方向に多少行っているかもしれないということはわかっておりますが、少なくとも戦後三十年とかなんとかいう間でございますと、非常に格差は締まってきたことは確かと思います。 例えば、五分位層の一と五の格差は、三十年ぐらい前でございますと五とか六に近いと思いますが、いっときは二・七まで行きました。今は二・九だそうでございますが、この二・九というのは、二・七からややこの何年間か残念ながら広がった。それは、雇用の不安等々による部分が私はかなりあると思いますし、また全然別に、実はこれは世帯間の格差でございますものですから、若い女性の方が新たに社会に進出されるとか、そうして世帯を持たれる。そうすると一世帯であるが、その世帯そのものの所得は大きくはないというような統計上の問題もあるらしいのですが、ややここで広がりはありましても、世界的に見て、やはり私は日本は格差の一番小さい社会であるというふうに考えております。
○大木正吾君 予算委員会が始まりました初日の第一質問者でございました久保委員の方から指摘いたしましたが、大変分位によって所得が開いている、こういう話もたしか具体的な数字を挙げて指摘をしたはずでございます。同時に、私がきょう冒頭申し上げました土地の問題等を、これを資産でもって見ていきますと、東京あるいは総理の出身の島根県等、こういった土地などを換算していきますと大変に格差が開いているわけですね。むしろ私たちが見ている目では、結果的に格差が増大しつつある、こういうふうに見ているわけでありまして、少しその辺の見解が違います。 しかし、きょうはそのことを論点にしようとは思いませんが、そういったお話もありまして、最近では税制改正のいわゆる根拠といたしまして所得、消費、資産の間の均衡、こういう話が主として竹下さんなり宮澤さんのお考えの中にはあるようでございます。現状において一番新しい数字というものが大蔵省の中にあるかどうかわかりませんが、手元に少しく資料がございます。これは三年ほど前のものでありますが、OECDが出した分で、所得、利潤、そしてその次に消費関係、さらにその下に財産、こういったものについてどの程度のいわゆる国際比較あるいは分布図があるかということについては御存じですか。
○政府委員(水野勝君) そうしたOECDの一つの基準に従いましての区分、国民所得に対する負担率、構成比、それからそれを国際的に比較した計数、こういったものを承知いたしてございます。
○大木正吾君 これは総括の中でうちの安恒委員の方からさらに話が出ることになりますが、いずれにいたしましても幾つか、時間がありません中で並べたわけでございますが、垂直的不公平が厳然として存在をする、さらには法人税の中にも当然直すべきものが相当残っている。そういった中で、言えば新型間接税を導入しようという理由の中には、そういったものを直すためにやるんだと、こういう理由が、たしか冒頭に何回かそういったいきさつが書いてあるはずなんでありますけれども、依然としてこの不公平が存在したままでもって新型間接税を導入されるおつもりですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年からことしにかけまして、この税制改正について国民の間でいろんな議論がなされておりますが、その中で殊に顕著なのはやはり不公平感、おっしゃる方は不公平税制と簡単におっしゃいますが、仮にそのお言葉をかりて、不公平税制というものが直されない限りこの新しい税というようなものはなかなか考えられないぞというお声が強いということは、私どもももとよりよく気がついておりますし、税制調査会におきましてもその点は非常な御議論になっておりまして、それは私どもも今まで努力をしてきたつもりでございますけれども、なおそのお声が強い。今の大木委員の御質問にもそれが中心にあったわけでございまして、この点は十分私どもは考えてまいりませんと新しい税制を御議論いただくのにやはりいろいろ問題があるということはよく気がついております。
○大木正吾君 終わりますが、とにかくこういった不公平税制を温存したままで新型間接税の導入ということは絶対にまかりならぬ。同時に、世論が許さない、こういう気持ちでもって私たちは意見を持っておりますので、そのことを申し添えて終わります。
○委員長(原文兵衛君) 以上で大木正吾君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、和田教美君の質疑を行います。和田教美君。
○和田教美君 まず、六十三年度減税問題についての与野党合意について、大蔵大臣にお尋ねをいたします。 野党の三会派が要求いたしました六十三年度の大型減税については、先月の三十日の与野党国対委員長会談で野党の要求する減税を実施するなど、四項目の確認事項を合意いたしました。この合意によって、政府・与党は誠意を持って野党要求の所得税、法人税あるいは相続税の減税、内職所得者への減税などを盛り込んだ関連法案を今国会に出すものと我々は期待をいたしております。また、その財源として新型間接税は導入せず、これを切り離すというふうに我々了解いたしております。 ところが新聞報道、これは毎日新聞ですけれども、大蔵省はこの確認事項に強く反対で、大蔵大臣は与野党合意ができた当日総理大臣に会って、六十三年度減税の規模については、予算成立までに結論を得るとしている確認事項の三項目目は実現不可能だと、したがって、四項目目の減税法案の今国会提出について最大限努力するということについてもできないというふうな考えを伝えたというふうに報道されております。また、大蔵大臣は安倍自民党幹事長に対しても同様の反対の意向を伝えたというのでございますけれども、この報道は事実ですか。大蔵大臣にお答え願います。
○国務大臣(宮澤喜一君) やや事実と異なっております。私といたしましてはこの三月三十日の確認事項がどういうことを意味するのかということを知っておきたいと考えまして、総理官邸にもあるいは安倍幹事長にもお話を伺いました。また、国会対策関係者からも伺いまして、この意味は私なりに意味としての読み方はわかったつもりでおります。
○和田教美君 それでは、大蔵大臣がこういうふうにわかったという意味について、ひとつ御答弁を願います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が動きましたのはそういう意味であったのでございますが、そこで、こういう国対委員長の間の確認事項でございますから、政府として、この第二項にもございますように、担当者間で引き続き協議をされるというふうにございますので、その推移をただいま見守っておるところでございます。
○和田教美君 そうすると、担当者間の協議が調わなければ、第三項目の六十三年度の減税の規模については予算成立までに結論を得る、また、今国会にこのための減税法案を出すように最大限努力するという項目についても、大蔵省としてはまだ態度を決めていないと、こういうことでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもといたしましては、この担当者間で引き続き協議が行われる、今日にもあるいは行われるのではないかということを伺っておりますので、それによりまして対処をしなければならないとこう思っておりまして、協議がいわば不調に終わるというようなことを今考えておるわけではございませんで、この確認事項では何か協議の結果が出てくるということで各党が努力をされるというふうに私どもは考えております。
○和田教美君 少なくともこの確認事項というのを全く反対だということではなくて、これを尊重するということは言えますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは公党同士でお約束になられたことは、与党も入っておることでございますから、政府としてもそれを尊重すべきものと考えます。
○和田教美君 六十三年度減税問題の中で、特に所得減税についてお尋ねいたします。 国税庁の資料によりますと、サラリーマンの給与所得と源泉徴収された税額を年代を追って比較いたしますと、民間給与総額に占める税額の割合は、昭和五十年は三・六%だったのが五十五年では五・二%、六十年では五・九%、六十一年では六%とふえてきております。五十年の民間給与所得総額を一〇〇といたしますと六十一年は二一六・四でございますけれども、税額の方は五十年を一〇〇といたしますと六十一年は三六三・六になっております。要するに、給与の伸びよりも税負担の伸びがはるかに大きいということを示しておるわけでございます。ここに中堅サラリーマンを中心とした勤労者の所得税減税を行うべきだという要求の根拠があると思うんですが、与野党協議の自民党の回答でも、「所得税減税については、中堅所得者及び低所得者の負担の軽減に配慮しつつ、税率の緩和、控除の引上げを行なう。」というふうに明記いたしております。大蔵大臣としては、今の点について、この点をぜひ実行するというふうにお約束をいただけますか。お答え願います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 和田委員の御指摘になられましたことは、概して私どもの考えておりますラインでございます。このたびの税調の素案も拝見しておりますと、これは素案でございますが、そしてまだ人的控除等は何も触れておられませんですが、税率構造だけを見ましても、第一段階の一〇%が五百四十二万円まで、第二段階の一五%が八百八十九万円まででございますから、これですとまずほとんど全部の給与所得者が一つあるいは二つの税率の中へ入る、ライフステージがそれでいわばカバーされるということで、私はそういう方向が大事だと思っております。
○和田教美君 次に、円高不況転じて円高好況になるというふうに言われております最近の景気状況についてお尋ねをしたいと思います。 まず、経済企画庁長官にお尋ねいたします。 経済企画庁が十七日に発表いたしました昨年十月から十二月の間の国民所得統計速報、これによりますと、我が国の経済は昨年後半から内需中心という非常に好ましい形の景気拡大が続いておるということでございます。そして、この期間の実質経済成長率は年率換算で七%、そういうことで、経企庁でもこの景気拡大というのは最も好ましい形、理想的な形だというふうなことを自画自賛しているという報道もございますけれども、経企庁長官は六十二年度は一体実質経済成長率はどこまでいくのか、それから六十三年を通じてこの景気は持続する、持続力が非常に長期化するというふうに見ておられるのかどうか、いろいろ現状の詳しい分析は時間の関係もございますから要りませんから、その点だけをひとつ明確にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) まず御答弁させていただきますが、簡単にということでございますので簡単に申し述べたいと思います。 最近の景気動向そのものを国民所得統計速報、QEで見ますると、実質GNPの季節調整値は十月—十二月期には一・七%となったわけです。これは、外需の寄与はマイナスとなったものの、内需が住宅投資あるいはまた設備投資、政府支出というようなものが中心に伸びておりますからそれが原因である、こう考えていいと思います。 また、六十三年の一月の景気動向指数を見ても、先行指数と一致指数は十三カ月間連続して五〇%を上回っておりまして、遅行指数も四カ月連続して五〇%を上回るということがございまして、我が国経済が拡大過程にあることを示していることだけは事実でございます。 以上のような状況をもとにするならば、六十二年の成長率が実質見込み、すなわち先生御指摘の三・七%をある程度上回る可能性は否定できません。が、四半期ごとの成長率はかなりぶれるということもございますので、今後の経済指標の動向を見守ってまいりたいと考えております。 また、六十三年度の我が国経済につきましては、外需は対外不均衡の是正過程を反映して引き続きましてマイナスの寄与となるものと見込んでおります。一方、内需は、第一番目として、個人消費が雇用者所得等の着実な伸びなどによりましてさらに堅調に推移することと見込んでおるということが一点。第二点は、設備投資が非製造業において堅調に推移しまして、製造業においてもこれまた内需関連分野の投資が増加すると見込まれておることなどによりまして、引き続き好調を持続することが見込まれております。 以上あわせますと、六十三年度は景気回復局面の二年目を迎えまして、全体として内需を中心とした着実な成長が見込まれて、また続けていかれるものと、このように判断をしておる次第でございます。
○和田教美君 非常に何と言いますか、景気回復のパターンは理想的だというふうな趣旨の答弁であったと思うんですけれども、そう言われてみますと、何かそこに落とし穴があるんじゃないかというふうに勘ぐるのが人情だと思うので、そういう観点からこれから二、三御質問したいんですけれども、通産大臣が何か所用がおありのようですからそれに先立って一つお聞きしたいのは、今の経企庁の国民所得統計速報ですけれども、民間企業の設備投資は去年の四—六月期以来伸びが大きくなってきているわけですけれども、しかも設備投資意欲はサービス部門、第三次産業から第二次産業部門にも移ってきているというのが一つの注目点だと思うんです。 これを、産業界が円高不況対応策としての合理化投資から本格的な積極投資に進んできたというふうに見るべきなのか。また設備投資が所得増、それから民間消費増加を呼んでさらにそれが設備投資を呼ぶというふうな、つまり投資が投資を呼ぶというふうなパターンですね、そういうふうにつながれていくと見られるのか。そういう積極的な見方をしておられるのかどうか、通産大臣の判断をお聞きしたいわけでございます。
○国務大臣(田村元君) 最近の民間企業の設備投資は全体としては着実に増加をしております。産業別に見ますと、製造業がようやく低迷から脱したという感じでありますし、非製造業も堅調に推移しております。 今のお尋ねでございますが、製造業の投資内容、これは本年三月に御承知のように各金融機関が調査、発表いたしました。もちろん中に若干のばらつきはあります、各金融機関によって。ありますが、大体よく似た傾向を示しておりますが、生産拡大投資のウエートが過去二年に比べて若干上昇しておる。全体として大体三割程度ということだと思います。ですから、三割程度にとどまっているという表現をしてもいいかもしれません。 参考までに申し上げますと、合理化投資が二割程度でございます。これも大体昨年とほぼ同様でございます。残りは研究開発投資等が大勢を占めていると。 今後の民間設備投資の見通しにつきましては、内需型の製造業を中心に回復が見られますものの、電力や鉄鋼が前年対比マイナスにとどまっております。そういう業種別の跛行性というものも見られますが、投資が投資を呼ぶというような直線的な上昇に展開していくかどうか、これはちょっと現時点では即断いたしかねます。 いずれにいたしましても、今後の見通しにつきましては、円レートなどの要因というものが大きく影響いたしましょうし、今後引き続き十分その動向について注視していかなければならないと考えております。ただ、全体としての回復基調というものは確かに好ましいものであるというふうに我々は判断しております。
○和田教美君 通産大臣、結構でございます。 さっき申しましたように、今の景気回復というものにはいろいろな問題点があるというふうに私は感じるわけなんですけれども、まず申し上げたいことは、内需中心の成長が定着をしていくということ自体は非常に歓迎すべきことだと思いますけれども、しかしそのこと自体は手段であって目的ではないと私は思うんですね。つまり、内需中心の成長への転換が評価できるかどうかは、対外不均衡の是正、国民生活の質的向上という二つの目標をどの程度達成できるかということによって決まってくるというふうに思うんです。 そういう意味でまずお尋ねしたいのは、円高を背景に輸出が減少して輸入が、特に製品輸入が急増している結果、対外バランスが改善に向かっているわけですけれども、かつて前の経企庁長官の近藤さんが答弁したことがありますけれども、経常収支の黒字というものが余り国際的な摩擦を起こさないでいける一つのめどは大体対GNP比二%以下だと、こういうことを答弁されたことがございますけれども、今の日本の対外不均衡といいますか対外黒字というものは余りにも水準が高いわけでございまして、今のような調子が、つまり輸入の増加というような調子が続いて、大体六十二年度、六十三年度どの程度に対GNP比の黒字が減少していくか、また現状はどういうことか、さらにまた二%以下という近藤さんが言った目標、これを達成するのには一体どのくらいかかるか、そういう点についてひとつ企画庁長官の答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 近藤前長官の答弁もちょっと先ほど調べてみました。そういう中で私が答弁させていただきますならば、我が国の国際収支の動向を見ますと、円高の数量調整効果の浸透により、製品輸入の激増といいましょうか、その問題、あるいは六十一年度の原油価格の急落というものがございまして、その回復が見られました。したがって、経常収支の黒字幅は縮小傾向にある、こう断定できるのではないかと思います。大体これは六十二年四月から六十三年の一月の経常収支の対前年度比は、円ベースではマイナスの二・九兆円、ドルベースではマイナス八十八億ドル、こういうことになるわけでございます。 政府経済見通しとしては、六十二年度の経常収支は前年度に比べまして三・六兆円程度縮小しております。十一兆五千億円、大体八百二十億ドル程度になると見込んでおるわけでございますが、最近のこうした傾向から見まするとほぼ政府経済見通しに沿ったものになるのではないか、こう思われます。また六十三年度においても経常収支は六十二年度に引き続いて黒字幅はかなり縮小しておりまして、九・六兆円約七百二十億ドル程度になる見込みでございます。 こうしたことから、経常収支の黒字の名目GNPに対する比率は、六十一年度の四・五%、あるいは六十二年度はそれに引き続いて三・三%、六十三年度は二・六%、このように着実に低下する見込みでございます。 そういう中にありまして、適正な経常収支に関しては、そのときどきの国際情勢あるいは貿易相手国との関係等の総合的な勘案に成るものでございまして、一概に申し上げることは全くでき得ないと思います。しかし、我が国の経常収支に関する過去からの経験として、黒字幅がGNPの二%程度を超えると、先ほどの言葉にもございましたようになりますと、諸外国との摩擦が激しくなるとの見方があることだけは承知しておる次第でございます。さきの大蔵委員会における当庁の担当者のその説明というものの趣旨は、私も同様なものになるのではないかと、このように理解するものでございます。これは先生の前の経企庁に対する御質問に関連して申し上げられるかと思うわけでございます。 現在我が国は、経常収支不均衡を国際的に調和のとれるような、着実に縮小させることを国民的政策目標として設定しておりまして、その実現に努めているところでございます。経常収支黒字は、対GNP比で見ますると昨春以降着実に減少していることだけは事実でございます。現在経済審議会におきまして経済計画策定の作業の最中でございますが、中期的な経常収支の問題につきましても御検討いただいているところでございますことを報告申し上げたいと思っております。
○和田教美君 いつぐらいまでかかるかということについての御答弁はなかったわけで、非常に不満ですけれども、次の質問に移ります。 次の問題は、やっぱり目標は国民生活の質的向上だと、こういうふうなことだと思うんですけれども、そういう点から見ると改善には依然として全然見るべきものがないというふうに私は思う。私は総括質問でも経済大国と生活小国の矛盾ということを指摘いたしたわけでございますけれども、例えば物価です。なるほど、物価は平均値としては安定しているということを政府は盛んに強調される。しかし、今冒頭に話題になりました地価の問題一つ取り上げても、国土庁公表の地価公示、六十二年一年間で東京圏の住宅地の上昇率は六八・六%というべらぼうなものになっております。十年前に比べると七・二倍になっているというふうなことでございまして、これを含めた物価水準というものを考えなければ、ただそれを除いて物価が安定しているというのは全く説得力がないのではないかというふうに私は思うわけでございますが、その点大蔵大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 物価指数の中に土地価格というものが入っておりませんものですから、今のような御指摘があって、それはもっともな御指摘だと思います。ただ、ですからそのことは都会地が主でございますけれども、都会地に住んでおられる人々が家をつくられるというようなことに非常に苦労をされるということで、これはそれなりの対策を実際していかなきゃならない。全国的に余り大きな問題だとは思いませんが、都会では大きな問題でございますから対策を必要といたします、確かに。 しかし、他方でそういう苦労をしながら、昨年の新規の建築着工数というのは非常に大きかったわけでございますから、苦労の中で、しかし国民生活そのものはやはり私はいろんな面で社会資本の整備等が進んでいると。土地の問題は決して無視してはいけませんし大切な問題だとは思いますが、概括してはそういうことが言えるのではないかと思っております。
○和田教美君 次に、今の内需拡大、好況というものを支えてきた一つの柱は住宅建設の好調だと思います。しかしその中身はやっぱり非常に問題があるというふうに私は思う。 首都圏だけでも一億円以上の土地資産を持つ家庭が五十六万戸に達したというふうなことですが、その結果相続税対策としての貸し家建設が非常にふえているというふうなことがございますね。しかし、庶民の一戸建て住宅について見るとどうもピークは過ぎつつあるようで、住宅ローンの件数も伸びに陰りが見えてきているというふうなことでございます。特に、今の地価の高騰から見ると首都圏においてはますます庶民にとってはマイホームは夢のまた夢になってきているということでございまして、いかにもいびつな現象が起こっておるということじゃないかと思うんですね。 国は、住宅対策について、もう民間任せというふうな姿勢をやめて、そして景気を持続させるというためにも、住宅金融公庫の融資の限度額の大幅な引き上げだとか、あるいは超低利融資の検討などを急ぐ必要があると思います。また、特に首都圏では、一戸建て持ち家政策というものを転換して、そして良質で安い公共賃貸住宅の大量建設ということに踏み切るべきだと私は思うわけでございますが、この点について、建設省がいらっしゃっていると思いますが、お答え願いたい。
○政府委員(片山正夫君) 我が国の住宅事情、物理的にも低い状況にあるところに加えまして、最近の住宅価格の高騰によりまして、中堅勤労者にとりましてはますます住宅の取得は困難になっている状況でございます。 このための対策といたしましては、御指摘にありますように持ち家、借家ともどもその対策の推進を図ることが重要でございますので、六十三年度におきましても、まず負担力の軽減の措置を図るという観点から、住宅金融公庫の貸付限度額を大幅に引き上げる、あるいは規模区分を見直す、特別積立ローン制度を新設する、さらに住宅取得促進税制をかなり大きく拡充したところであります。また、賃貸住宅の供給の観点からは、公営、公団住宅の建設の促進、特に都市部におきましては建てかえを促進して高度利用を図っていくという措置も考えておりますし、また土地所有者による民間の良質賃貸住宅の供給ということで利子補給をしておりますけれども、そういう制度の拡充も図っておるところでございます。
○和田教美君 次の問題ですけれども、内需の主役は何といっても私は消費だと思うんですね。ところが、最近の消費の特質というかパターンは、非常に資産格差というもの、これによる階層分化が進んでいるんじゃないかというふうに私は思う。今の消費は、高級車だとかあるいは数百万円もする家具だとか、そういうふうなものが飛ぶように売れる。つまり、株だとか土地なんかでもうけた資産家というのがどんどん消費をしている、こういう形でリードされていると思うんですね。これは、この間総務庁が発表いたしました六十二年度の家計調査報告にも出ておるわけでございまして、高額所得者の消費は伸びている。また、サラリーマン以外の一般世帯の消費もなかなか堅調だと。ところが、勤労者世帯の実質消費支出は伸び悩みどころかマイナスだというふうな結果が出ておる。 マクロとしての急成長のもとでこのようなゆがみ、ひずみが続いているということを決して軽視できないと思うんですけれども、本当にこの景気を持続させるということであればやっぱり消費、そのための所得をふやす、そのためには例えば今の春闘でも積極的な賃金引き上げをなるべくやる、あるいは大幅減税を実施する、さらにまた円高差益の完全な還元をする、こういう方向に強力に政府は指導すべきだと思うんですけれども、その点大蔵大臣いかがお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは所管大臣からお答えになられるべきことかもしれませんが、大観して申しますならば、和田委員の言われたようなことがここ何年か見られたと思います。それは一つには株式や土地の上昇によるものでありますが、一つは何といっても雇用不安があったということであると思います。雇用不安がございますから、そういう意味で五分位で言えば下の方の世帯の消費というものはどうしたって萎縮しがちである。それは私は本当であったと思いますから、基本的には雇用不安を解消していくということであると思うのでありますが、けさも閣議で二月の有効求人倍率が〇・八八になったと。〇・八八というのはかつてない大きないい数字でございますが、昨年の二月には〇・六二でございました。毎月毎月上昇して〇・八八に至ったということは、明らかに雇用の回復が極めて目覚ましいということを意味しておりまして、これは私は大変喜ばしいことであると思います。そこから消費というものがやっぱり健全に少しずつ拡大をしていくという、これが本当の姿であろうと思っております。 春闘についてお話がございましたけれども、これはもともと政府がかれこれ申すべきことではございませんで、労使でお話し合われるべきことでございますけれども、その背景として雇用状況が改善してきたということは私は大変喜ばしいことではないかと思います。
○和田教美君 今のこの好況というものがいつまで続くかということについては、楽観、悲観、両論いろいろございますね。強気論はこれは大型景気の始まりだというようなことを言う人もあるし、一方、弱気論はことしの下期には下降するのではないか、あるいはことしは四%ぐらいの成長が続いても来年は景気はダウンするのではないかというふうな見方もございます。しかし、エコノミストたちが押しなべてこの今の景気の不安要因、不安定要因として指摘をしているのは、アメリカ経済の動向、特に円ドル相場、為替相場のこれからの先行きというものが非常に未確定というか不安定要因であるということについてはほぼ一致していると思うんです。 そこで、アメリカの経済ですね、貿易収支は多少改善されているというけれども、一方ではアメリカの純対外債務の残高が既に四千二百億ドルに達しているというふうな報道もございますし、いろいろな見方ができると思うんですけれども、その点について、我が国の景気に与える今後の影響という観点から、経企庁はどういうふうに分析をされておりますか。
○国務大臣(中尾栄一君) アメリカの経済を中心にした景気の動向の御指摘でございますが、アメリカ経済は個人消費や住宅投資の伸びが鈍化していることは事実でございます。しかし、輸出が依然として非常に好調であるという好ましい傾向にもあるわけでございまして、設備投資も回復してきておりまして、引き続き緩やかながら拡大傾向にある、こういうことは言えると思います。貿易収支赤字も依然大幅ではございますが、縮小の兆しもこれまた現実として存在しておるわけでございます。 〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕 今後につきましては、輸出の好調ができるだけ持続をしていきますならば、生産設備投資等への好影響も引き続いてあらわれてくるであろう、またあるいは経済の拡大は続く、こう見てよろしいと、こう考えておる次第でございますが、八七年十月の株価のあの大暴落、大幅な下落の影響というものを見きわめる必要がこれまたあるのではないか。すなわち、ブラックマンデーに対する注視ということはあくまでも必要である、こう考えております。 いずれにしましても、米国経済の動向は注意深く見守っていく必要があることはただいま申し上げたとおりでございますが、我が国経済の今後については、外需は対外不均衡の是正過程を反映いたしまして引き続いて減少するものと見込んでおります。それに対しまして、内需は景気回復二年目を迎えまして個人消費支出あるいは民間設備投資を中心に着実に伸びが期待をされておりまして、全体として内需中心の着実な成長が可能と考えておる次第でございます。 アメリカ政府の見通しによれば、八八年は前半やや鈍化するけれども年平均の実質成長率は二・九%ぐらいであろうと、このように見込まれておる次第でございます。
○和田教美君 今円ドル相場についての言及がなかったわけでございますけれども、この点は大蔵大臣にひとつお尋ねをしたいと思うんですが、最近また少し円高ドル安という状況が続いておるわけで、ちょっと一落ちつきしたとは思いますけれども、日銀が連日ドル買い介入をやり、ニューヨークの連銀も買っているというふうなことでございますけれども、基本的にはやはり市場のドル先安感というのは消えていないと僕は思うんですね。 それで、景気見通しについて悲観論をとる人は、ことしの年末か年度末にはやっぱり一ドル百円ぐらいに近い場面があり得るのではないかというような見方が依然続いております。日本企業は大体百二十五円から百三十円ぐらいの線で対応策を考えていたわけですけれども、仮にそこまでドルが下がるというようなことになると、この円高克服感、円高景気というふうなものも一気に消え去ると、景気もダメージを受けるというふうなことにならないかどうか。政府はその点について一体どういう見方をされておるのか、円ドルの問題は関連して大蔵大臣のお答えをお願かういいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) もう十分御承知のような理由でそれに今すぐお答え申し上げることができませんけれども、先ほど経済企画庁長官が言われましたように、アメリカの貿易収支あるいは財政収支についてもいろいろな努力が行われておって、今アメリカでは輸出企業というのは非常にブーム、もうけております。これは恐らくアメリカの産業に競争力が回復してきたことを意味するわけでありますから、私は、アメリカの経済の将来というものについて、もう最悪期は明らかに脱しておると。 〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕 したがって、ドルというものは強くなる、上昇傾向にあるというふうに私は思っておるものでございますから、今和田委員の言われたように思っておりませんが、もともと昨年の暮れにG7でああいう合意もいたしております。政策協調もまあまあでございますし、市場における共同の行動も必要があればやっておりまして、両方のことをあわせて考えまして、私はただいまの点は、何と申しますか、円のために、あるいは我が国の経済の動向、アメリカの経済の動向、まずまず比較的楽観して考えていいのではないかと思っております。
○和田教美君 この円ドル相場というものの関連で一つ私ちょっと気がかりな点は、今度の、何といいますかね、円高ドル安という状況の中で、投資家が日本のファンダメンタルズの良好さ、つまり、円高不況を乗り越えて、それでとにかく構造転換にもまあまあ成功している、こういう日本の産業のバイタリティーの強さというふうなものを買って、そして海外からの円買いがふえているというふうなことがあるわけですね。特に海外の機関投資家だとかあるいは銀行などが円をそういう姿勢で買っているというふうに報道されているんですね。 そうすると、日本の企業がせっせせっせと合理化をやり、相当無理をして、そして円高のデメリットをとにかく克服しようとして努力すると、そのこと自体がまた円高を誘うというふうな悪循環というか循環に陥る危険性がないかどうか。その点について、だから日本だけが幾ら一生懸命やってもなかなかこの問題は解決しない。やっぱり大蔵大臣の言われる国際協調が特に必要だと、為替相場の安定については。まあそういうことにもなるのかもしれませんけれども、その点についての大蔵大臣の見解を聞いて、おしまいにしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 落ちつくところはまさに和田委員の言われたようなところに落ちつくのだと思いますが、我が国の経済のファンダメンタルズがいいということはこれは昨今わかったことではございませんので、やはり円ドルの関係で言えば、アメリカの経済のファンダメンタルズがいい方に向かっていくかどうかということが私は円ドルの関係を決定するのだと思いますので、先ほど申しましたような意味で、確かに我が国の経済は順調に動いておりますけれども、アメリカの経済もそういうふうに財政赤字、貿易赤字の縮小に向かっておる、かなりいわゆる競争力がついてきたという意味で、彼我の相対的な関係で言えば、私はドルは強くなる傾向にあるのではないかというふうに考えるものでございます。
○委員長(原文兵衛君) 以上で和田教美君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、神谷信之助君の質疑を行います。神谷信之助君。
○神谷信之助君 国民は不公平税制の是正を要求し、大幅減税を強く願っているわけであります。この国民の期待にこたえる責務をこの国会は担っているというように考えております。 ところが、この問題の国会における論議というのは一体どういう状況なのか。具体的に税制問題で追及をいたしますと、政府は税調に諮問していることを理由にその考えを明らかにしないし、また我が党を除く政策担当者の協議を見守ると言って国会審議が空転する、そしてそれに左右されて国会がまた運営もされている、こういう状況が見られるわけであります。まさに、国権の最高機関としての国会としてはあり得べからざる事態が進行しているのであります。 新聞論調は、したがって、この問題を取り上げ、各紙とも密室論議を批判しております。例えば、きょうの日経の社説でも、 国会の中の公式の論戦で検討したのでは全くない と。あの三十日の合意の問題であります。 全政党が参加していないのもさることながら、すべては「与野党政策担当者会議」というような公開の論戦のない場で話し合われ、事態を取り繕うための妥協だけが進んだ。これは一種の「密室」状況である。税制をどのように変えるか、というテーマは国民各層に関心の深いテーマである。だからこそ、国権の最高機関である国会の「公開された論戦」として展開するにふさわしい もの、という批判をしています。これは多くのマスコミに、報道機関の社説や主張で最近繰り返し指摘をされているところであります。 ところで、きょうは短時間ではありますが税制についての集中審議をやろうということになりまして、したがってその実効を上げるためにも、特に大蔵大臣を初め政府の考えをひとつ率直に国民に知らせてもらう、国民の前に明らかにしてもらいたい、こういう点をまず申し上げて、以下質問に入っていきたいと思うんです。 最初の質問ですが、政府税調は二十五日の総会で税制改革についての素案をまとめて、その中で新型間接税について三つのタイプ、三方式といいますか、これを提示いたしました。そこで、この三方式を税調が既に出しております四つの基準というもの、それから竹下総理が言いました六つの懸念、これらに照らして考えてみますと、公平、中立性という面ではEC型と一般消費税、それから簡単で事務負担がふえないという点では一般消費税と取引高税ということになる。そして、中立的でわかりやすく事務負担が軽いというならば一般消費税ということになるというのが衆目の一致したところではないか。あるいは新聞の論調なんかでもそのように見られますが、基本的にはこういうことになるんじゃないかと思いますが、大蔵大臣のお考えはいかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは税調のお立場で、けさほど小倉会長も言っていらっしゃいましたが、いわばああいう幾つかの選択をこれから国民の御意見に聞いてみようということと存じておりまして、しかも細目は別に示されておりませんので、ただいまかれこれと私から申し上げるべきことでないのであろうと思います。
○神谷信之助君 具体的にこの三つのタイプが出ているわけでしょう。三つのタイプ、取引高税、EC型、それから一般消費税。そして片一方では四つの基準を出し、それから総理はまた六つの懸念というものを出される。 そういう幾つもダブっているところがありますから簡単にはいかぬと思いますが、その中で、今言いましたように公平それから中立、そういう面からいうとEC型と一般消費税、もちろんいろんな具体的な中身がつきますから単純には言えないにしても、基本的には大体そういうことが言われるし、それから簡単で事務負担がふえない、比較的軽い、そういう長所があるという点では一般消費税と取引高税。そういう長所、それに反する短所もあるというのは当然のことでありますが、そういう中で比較的中立的でわかりやすく事務負担が重くならぬという面では結局一般消費税ということに落ちつくというのが大体識者の原則的な基本的な考え方、見方というように思うんですが、そうはおとりになりませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 恐らく税調のお立場からは、いろいろ御検討なさってああいう三つでございますか素案に示されたのは、おのおの長所もあり短所もある、一概にどれということはなかなか言えないというようなことから、あれを国民のいわば選択の問題として意見を聞こうとされておるのだと思いますので、おのおのやはり長所、短所があるという感じじゃないかと思うのでございます。
○神谷信之助君 しかし、いずれにしても、その中で取引高税は前に一遍失敗していますし、また一般消費税の問題では先進国ではまだ今日の段階では一つも実施をしているところはない。一般消費税はこれはもう既に国民の批判を受けた税である、これも明らかだと思います。 そこで、とりわけ一般消費税の問題ですが、七九年の財政再建に関する国会の決議に反することになるというように私は思うんですが、先般の橋本議員の質問に対して大蔵大臣は、簡単に言うと、いわばそれをクリアしたという御見解をお示しになったというように思うんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和五十四年十二月の国会の決議、これは財政再建に関する決議でございますが、行財政改革をやれ、そして歳出は合理化しろ、税負担の公平を確保し、既存税制の見直し等をやるべきであるという、こういう御趣旨であると私ども思っておりまして、その後政府は、殊に財政を中心に非常な、ゼロシーリング、マイナスシーリング等々も長年やってまいりましたし、行政改革の方も幾つかの成果を生みまして、この財政再建で述べられておられるような幾つかの努力を政府としてもいたしてまいりました。その末に既存税制の見直し等を今お願いしておる、こういうふうに私は思っておるのでございます。
○神谷信之助君 おっしゃるように、経費の節減、歳出の節減合理化、これをまずやってきて、それであと税負担公平の確保と既存税制の見直しなどをやるんだ、それを今やっているんだというようにおっしゃっている。しかし、同時にそれは、一般消費税はその仕組み、構造等について十分国民の理解を得られなかった、こういうように言っております。このことは、国民は不公平の是正、そしてその見直し、これを求めていて、一般消費税のような間接税は反対だという意思を反映してこの決議は生まれてきているということはお認めになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは国会の御決議でございますので行政府が余り立ち入って解釈について申し上げるべきではないと思いますけれども、これまで検討してきたいわゆる一般消費税(仮称)というのは、一つの特定のものをこの御決議が頭に置いて言っておられるのではなかろうかと存じます。
○神谷信之助君 その意味は、七九年に問題になった一般消費税(仮称)という以外の一般消費税ならばいいと、こういう趣旨ですか。それはこれにはまらないということですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこまで申し上げますと、国会の御決議を政府がいわば有権的にと申しますか解釈をするようになりますので、それは慎まなければなりませんが、「これまで検討してきたいわゆる一般消費税(仮称)」と言っておられるのは何か特定のものを言っておられるのではないか、文意はそうではないかと思いますけれども、しかしこれは国会のお決めになられることだと思います。
○神谷信之助君 それは、大型間接税を導入する、その名称が一般消費税、たまたまそういう名称で提起をされる。それに対して国民は、商品を買うたびに税金がかかるようなそんなものはもう御免だぞという意思表示をし、それを反映して国会決議が出てきているというのが歴史的経過であります。私はこの経過というものを、国民の意思が那辺にあるかということを十分に認識して考えなきゃならぬというように思うんです。 そこで、先ほども同僚議員が言っておりましたが、最近行われておる世論調査、例えば朝日新聞のそれは、低所得者層の負担がふえるとかあるいは物価が高くなるというのが大きな理由で反対が六〇%、賛成は二一%にすぎないという状況が生まれています。それから日経の同じ世論調査でも、慎重に検討すべきだというのと反対というのを合わせますとまさに過半数を超えるという状況が生まれてきています。だからそういう状況を踏まえて、私は大型間接税の導入はやるべきではないと思うんです。総理府が行ったような極めて作為的だった有識者調査なるものとは全く反する調査結果を示しておりますが、この世論は当然政府としても尊重なさるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 新聞社の行われた世論調査は私も承知をいたしております。実はその調査が行われた段階は、いわゆるその税調の素案というものがまだ示されていない段階でございましたものですから、素案そのものについてのこれが国民の反応であるというふうには考えておりません。この調査でいろいろ国民の、例えば不公平税制と言われるものについてのお考えとかいったようなことはいろいろ参考になることがございました。
○神谷信之助君 公平な税制というものは一体どういうものでなきゃならぬのかという点ですね。公平にもいろいろありますから、そういう点でひとつお尋ねをしたいと思うんです。 きょうからいよいよマル優が廃止されるということになりました。これをめぐって具体的にお尋ねをしたいと思うんですが、総理府の調査によりますと、サラリーマン世帯の昨年末の平均貯蓄高というのは前年比一一・八%増の八百十九万円というように言われています。最も集中している世帯の貯蓄額は二百三十一万円にすぎない。そして全世帯の六八・六%が平均以下であります。しかも、この総理府の調査の中身を見ますと、金持ちの財テク投資である株なんかも貯蓄の項目に入れられている。それが平均化されて、そして一般勤労者の貯蓄がふえたかのようになってきています。確かに一般の預金、貯金の方はわずかしか伸びていませんが、有価証券は対前年比三〇%もふえる。そのうち株は四五・五%も膨らんでいます。この有価証券を保有している世帯の割合というのは全体の三〇・九%、三割ぐらいの状況であります。 したがって、平均的な貯蓄額がふえているといっても、低額所得者といいますか、全世帯の六八・六%は平均以下ですから、それらの人々の中身というのは、今言ったように決して貯蓄がどんどんできるような状況ではない。そういう状況の中で、きょうからマル優が廃止されました。このマル優制度廃止は、昨年の論議のときにも私ども強く主張したところでありますが、まさに金持ちにとって利子課税は三五%から二〇%に減税になります。そして、金融界の預金争奪略が今、庶民にとっては縁のない大型な高利回り商品がどんどん発売されて新聞をにぎわしています。世間をにぎわしています。そういう状況であるわけです。 そういう中で、実はある投書ですが、これは六十四歳の無職の人の次のような投書が出ていました。 ことしの五月で六十五歳になる。だから新マル優の対象者になる。申請をすればそのまま適用されるというように思っていた。ところが、聞いてみたら適用されないということがわかった。退職したときに預金したもの、これは現在の利率の二倍以上になっている。これを解約してやらなければ適用されないわけです、六十五歳以上の老人に対する、高齢者に対するもの。そのまま続いていればそのままでそれにはばんと二〇%の税金がかかる。どっちが有利かということを今苦慮しているのだと。しかし、考えてみたら前の中曽根総理は胸を張って六十五歳以上の老人や母子家庭などには新マル優制度でこれを残します、こうおっしゃった。ペテンにかかったみたいなものだ。退職したときに貯金をしたものをもう一遍解約してやらなきゃいかぬ。解約して今度新しくしたら利率は下がります。しかし税金はかからぬようになる。そのままいれば、利率は高いけれども今度は二〇%取られる。どっちが得かということを一生懸命に考える。しかし国民は、前の中曽根総理が六十五歳以上の方々や母子家庭にはマル優制度は残しますと胸を張っておっしゃった、それを信用しておったら、ふたをあけてみたら違うじゃないか、ほかにするにもほどがある。 これが投書の内容です。あのマル優制度を廃止するときに、これは不公平税制の是正なんだと。名義を変えたり、架空名義や何かをやって、実際に金を持っている者がマル優を適用されて税金を払わぬでいいようにしている、脱税をやっている、そういう不公正をなくすためのマル優制度であるとおっしゃった。実際にふたをあけてみたら、違うんですよ。まさに不公平がますます深まっていく、そういう制度じゃありませんか。この点についての見解を聞きたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 昨年御審議いただきましたときも申し上げましたが、個人利子所得十数兆円が課税除外になっておる、この点につきましての見直しをお願いしたいということでございました。それからまた、六十五歳以上のお方は一定の金額の範囲で非課税は続けるということで御提案をし、御審議をいただいたところでございます。 原則は、六十五歳以上のお方の貯蓄でございますので、六十五歳におなりになったときからの預入されたものというのが原則でございます。ただいま御指摘の場合はまさにその直前である。また、経過措置としての適用もそこで切れるという場合でございますが、その経過措置にいたしましても長いものは十年という商品もあるわけでございますので、そうしたものをじゃ十年前からということもなかなか難しいところでございますので、経過措置としてはそこは割り切らしていただいておるということでございまして、大きな方向はこの点の昨年のお願いをした考え方で御理解いただきたいと思うわけでございます。
○神谷信之助君 それは事務的な問題ですよ、事務的なやり方、あるいはその結果。それは我々にもわかっている。問題は政治なんです。そういう人たちが信用して、信頼をし、そうだないいことになったなと思って、実際にその日がやってきたら裏切られている。しかし片一方で、大金持ちの預金は三五%から二〇%にこれは確実に減税になっておる。これが公平な税制をつくる一つの方法だということが言えるのか。大蔵大臣自身、その責任をどう考えられますか、責任は感じませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 金持ちの課税が三五%から二〇%になったと言われるわけでございますけれども、事実は、これは法律に従って一人九百万円までの優遇が、非課税があったわけでございますから、したがって家族四人であれば三千六百万円までの元本についての課税がなかったのが今までの制度でございます。したがって、今度それに二割の課税があるということは、仮に三千六百万円を仮に五分で運用しておるといたしますと、それに二割を掛けるわけでございますからかなり大きな、三十何万円になりますか、新しい課税がそういう金持ちの人々に起こってきた。決して今まで脱税をしていらしたのではないのでありまして、合法的にそれだけの免税があったものがなくなるということ、また所得の高い人ほどこの制度をフルに、これは利用なさるのが当然でございますから、私は利用しておられたと思うわけでございます。
○神谷信之助君 今の三五%から二〇%にしたことについていろいろ弁解なさる。しかも当時の論議では、片方ではそういうたくさんの金を持っている人がいろんな架空名義をつくってそして脱税している、こういうのが許せるかと言って中曽根総理なんかは胸を張って開き直っておられましたよ。やろうと思ったらできるじゃないか、名寄せをもっと強化すればいいし、そのための電子計算機を含めたそういう装置もできておるじゃないかということも指摘いたしましたけれども、結局はそれをなさらなかった。現実にはそういう国民の恨みつらみが投書欄に出てくるという事態が起こっているんですよ。 きのう日切れ法案ということで処理をされました土地税制に関する法案ですけれども、資産課税を強化すると言いながら、優良宅地に対する優遇措置というものを考えられた。そこまではいいんです。ところが、問題はその対象です。ホテルやその他で収益を上げ得るそういう土地、そのための土地の取得に対しても優遇するという、そういう条項があの法案の中に含まれています。だから、土地対策として優良住宅の土地を確保する、そのためのいろんな政策手段を講ずる、そして税体系全体としては資産課税をもっと強化していこうと我々も主張したし、政府の方もそういう点で今政府税調の方でも御検討になっているわけです。しかし、そう言いながらその中にするっと入っているんです。収益を上げる目的のための土地の取得、これに対しても同様な優遇措置が行われる、いわゆる優良宅地以外の土地にどんどんどんどん。こういうのがきのうの法案で、昨日成立しています。 だから、資産課税を強化すると言いながら、片一方ではそういうことをしながら片一方ではそういう大資産家なり大企業なんかの土地買い占めがさらに自由にやれるようなそういう穴、それが残されている、こう言わざるを得ぬわけです。この点はどういうようにお考えですか。
○政府委員(水野勝君) これは三大都市圏の既成市街地の中で、特に一体的に総合的に市街地開発を促進すべき地域として指定された地域でございますとか、都市計画に高度利用地区として定められた地区でございますとか、そういう地区におきまして四階以上の中高層の耐火建築物を建築する、そういうことでございまして、いわば過密地域のところを再開発いたしまして土地の有効利用を行っていただく、これが今回の一つの目標でございますので、そうしたまさに不燃化共同建築物ということを促進するという意味では土地の有効利用に役立つ事業でございますので、従来からもその所有要件は除きまして適用されていたものを、今回そうした要件も若干緩和して有効利用のために導入をお願いしたところでございます。
○神谷信之助君 しかし、それは優良宅地のみに限定はされていない。耐火の高層建築物のための土地、これも優遇措置をするということですから。ホテルなどをやってどんどん収益を上げるそのために土地を取得しやっていく、それに対して優遇をいたしましょう、こういうことですからね。だから、法律の制定の趣旨と、しかし実際にその中でやってきている具体的な規定の中にはたくさんの抜け穴があって、そしてそれらをうまく運用して大企業や大資産家というのは土地の買いあさりや、さらに一層の収益を上げるということがやられてきたのが今日までの事実ですし、歴史です。 そこで、もう一つだけ最後ですから簡単に聞きますが、地方税源の拡充強化という点は今度の改革の中には頭の中に入っているのでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの税制の抜本的改正の中で地方の税源をどう考えるかというお尋ねであろうと思いますが、できるだけそういうことをやはり考えていきたいと思っております。
○神谷信之助君 もう時間がありませんからあれですが、五十年代以降御承知のように地方財政は窮迫をして財源不足を繰り返してきています。そうすると、これは地方交付税法上、六条の規定に基づいて交付税率の引き上げもしくは制度の改善をやらにゃいかぬ、こういう規定になっています。ところが、実際上は糊塗的な手段が繰り返されただけで、事実上これは踏みにじられてきています。しかし、地方団体を初め福祉や教育の具体的な施策をやっていかなきゃいかぬ地方自治体の財源をもっと拡充強化しろというのは国民の声なんです。だから、地方税源をうんと拡大強化をしていくという点は当然今度の議論の中に含まれるべきだというように思います。 最後になりますが、中堅サラリーマンに不公平感が強いということを強調されておりますけれども、それだけじゃなしに、低所得者層を含めてそういう不公平感というのが大きい。したがって、減税を実際にやっていこうと思えば、私が何遍も強調しているように、課税最低限を三百万円以上に引き上げる、そういうことによって低所得者も中堅層も含めた大幅な減税をひとつやるべきだと思います。同時に、その財源としてもし間接税を導入しようとするならば、その逆進性はもう明らかです。 したがって、それを先ほどから総理も大蔵大臣も中和をしていくということを盛んにおっしゃっている。ただ、現実にはどうかというと、社会保障の予算は削られてきているし、例えば国保税の三十九万円から四十万円の引き上げが昨日成立しましたけれども、こうやって国庫負担をどんどん減らすことによって国民やあるいは自治体に負担を転嫁していく、こういう政策をどんどんやってきておいて、いかに社会保障政策なんかを含めて中和をするなんておっしゃっても、これは信用するわけにいかない。そんなことは一時的に格好はつけても、すぐまたつぶされるものだ。だから、この点では国民の中に間接税導入は絶対反対だという意見が根強いことを十分念頭に置いて、そういう考えは捨ててもらうということを特に強調して、もう時間ですから終わります。
○委員長(原文兵衛君) 以上で神谷信之助君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(原文兵衛君) 予算委員会を再開いたします。 昭和六十三年度総予算三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、税制・財政に関する集中審議を行います。 これより三治重信君の質疑を行います。三治重信君。
○三治重信君 予算委員会の集中審議でございますので、ひとつ確認的な意味で、各党から質問されていることなんですが、改めて確認さしていただきます。 財政再建と税制の抜本改革との関係において、税制抜本改革は財政再建に役立てるものではない、こういうふうにはっきり理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政再建のために新たな財源を税制改革に求めるという考え方はただいまいたしておりません。御説のとおりでございます。
○三治重信君 そこで財政再建の問題ですが、第一目標は六十五年度赤字国債ゼロ、これはいろいろの質疑を通じて、今の景気が続く限りにおいては大体実現は可能であろう、こういうことに相なっておるわけなんですが、財政支出の中で国債費が今年初めて二〇%を超す、十兆円を超す、こういうようなことが言われておりますが、この国債費が歳出の中では非常に異常なものだと、こういうことでございます。 そこで、ひとつ国債費を減らすために、今や株や土地が非常に高くなってきているんだから、政府が持っている処分できる株を中心として、土地は若干大都会において調整の問題がありますが、そういうものを処分して、できる限り国債償還を積極的にやって公債費の支払いを少なくしていくという財政再建の方途は考えられないものか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的には、三治委員の言われるような可能な限りそういう努力をいたすべきだと思っておりまして、例えば結局NTTもめぐりめぐりましてはそういうことの効果になってきましたし、日本航空の株も処分いたしつつございます。土地の問題が、実際は御承知のようないろいろな事情でしばらくの間土地を高く売るということはできない状況でございますから、これは財源的にはどうもすぐには効いてこないかもしれませんが、できるだけおっしゃいますようなことでやはり考えていくべきだと思っております。
○三治重信君 そこで、つい最近、三月二十九日に税制国民会議が野党三党と打ち合わせの懇談会をやったことは新聞に出ておるんですが、大蔵大臣御存じですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 詳しく御討議の内容を知りませんが、会議がありましたことを報道で承知しております。
○三治重信君 この中で、今質問した二つの問題についても討議されたんですが、いま一つは、抜本的な税制改革を進めるについても、同時ということでなくて順序を立ててやってもらいたい、こういうことでございます。それの一つに歳出の構造の抜本改革、こういうことで今御質問したことでございます。 いま一つは、抜本改革で何と申しますか、老齢化社会、長寿社会を盛んに抜本改革の理由として挙げるならば、将来の確立されるビジョンですね、社会保障なりそういうビジョンというものをはっきりさすべきだ。これは先日衆議院で我が党の永末副委員長も社会保障について長期ビジョンを求めて、出てきたんですが、こういうのもこれはどうもまだまだ本当のまじめな案とはなかなか考えられない。もう少しこれは政府全体としてそういうふうな、いわゆる二十一世紀二十一世紀と言われるんですが、その二十一世紀の初めの段階でもいいんだが、いずれにしてもこういうふうなときの、今度発表された経済五カ年計画のようにはいかないにしても、一つの見取り図、こういうものがやはり示されないと抜本改革の、何と申しますか理由づけというものが国民の前にはっきりしないんじゃないか、こういう意見でございましたが、その点についていかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは基本的にはごもっともな御意見だと申し上げざるを得ないのでございますけれども、そうしてまた、衆議院の予算委員会におきまして永末議員から御要求がありまして、厚生省と大蔵省とで一つの機械的なと申しますか、余り政策決定を含まない見取り図のようなものをお目にかけたわけでございますが、三治委員も御承知のように、我が国では経済長期計画というものがございません。経済企画庁で今作業を新しく始めましたものも五年間でございます。これは、我が国のように成長の早い、激しい変化のある経済ではやはりその五年間でもしばしば無理でございますので、したがって二十一世紀に及んでの長期の経済のフレームというものがつくれない。つくれないために整合性のある、今言われましたような計画ができないという、こういう基本的な問題を一つ持っておるわけでございます。 その上で、しかし社会保障の給付をどのぐらいにするかということは、結局国民がどのぐらいの負担をされるかということにかかりますから、それはまた選択の問題だということがもう一つかぶってまいりまして、今の各省庁の間で、おっしゃいますような幾らか整合性のある計画を書くということが現実の問題としてできない、それを政府は持っていないのはよく御承知のとおりでございます。 しかし、そうかといって、今おっしゃいましたような問題がございますので、先般お出しいたしましたのは、ともかく二〇〇〇年において租税と社会保障の負担が今より五ポイントぐらい上がるであろうか、二〇一〇年には一〇ポイントぐらい上がるであろうか。その場合、GNPの伸びを四ないし五・五%、これもそういう幅でもって計算をしてみた。これはそういう一種の、何と申しますか仮定計算と申しますか、機械的な計算をいたしました。それですら、しかし政府部内でこういう作業をいたしましたのは初めてのことであったわけでございまして、なかなかその辺に難しい問題がございます。
○三治重信君 そういう諸準備が行われて、そして抜本改革の所得、資産、消費というものの均衡ある税制というものが出てこないと議論が軌道になかなか乗りにくいんじゃないか、こういうふうに心配されるわけですが、抜本改革の提案というものは一度に出されるのか。あるいは我が党が要求するように、今年は所得税を中心としての大型の減税をやって、そうしてそれに対する財源として不公平税制の改正の税制を今年はやる。そうしてやってみて、なおその財政構造を直す必要があるということで政府・自民党が要求されるような間接税なりというものをつけ加えてくるというならば、我が党も審議に応じても構わぬ、こういうような姿勢でおるわけなんですけれども、そういう観点で、今度の抜本改革をやるにも、一度にやらないで段階的にやって世の理解を高めていくべきだと、こういうような主張に対してどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府として本来どう考えているかという考えがないわけではございませんけれども、ただいま与野党におきましてこの問題で国対委員長会談があり、またその申し合わせによって政策担当者等々の御協議がきょうにもあろうというふうに伺っておりますので、その帰趨いかんということをやはり私どもとしては慎重に見守らなければならない立場でございますので、ただいまとしてはその程度に申し上げさせていただきたいと思います。
○三治重信君 いずれにしても、この不公平感の解消、いわゆる不公平税制の我々が言う是正、総理大臣は不公平感と、こういうことでございますが、その不公平感の是正というものの案がまず第一に出てこないと、それとまぜこぜに三税の均衡というものを余り一度にやるということはどうか、非常に入り口で混乱しやしないかと、こういうふうに思うわけなんです。その点を篤と配慮してひとつ今後の準備を進めていただきたいと思うわけでございます。 次に、今の景気はいいんですが、一番問題は、きょうの新聞にも出ておるように土地が異常高、しかも非常に大都会において集中して異常高になっておる。これは国土庁長官もおっしゃっているように、いわゆる勤労者が夢をなくしてしまう、自分の一生涯働いてどういう成果かということの評価としての個人の住宅をつくるという夢をなくしてしまう、これではいけない、こういう認識においては我々も一緒なんです。そうすると、これ一たん高くなったやつを下げるというのは、まあ下げるとおっしゃっているんだけれども、下げるというのは大変な努力だと思うわけでございます。 そこで私は、この一助としてどうしても土地の税制というもの、また固定資産税の税制というもの、これをバックアップしてというふうな体制をぜひ実現していただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。それは何といっても私は、税制の中で土地の評価額が大蔵省、自治省それから国土庁の公示価格と、三通りあるというのが大体が一番初めからおかしい。これを一つにしていく努力がまず行われなければ、評価方法にしても値段にしてもね、その上で税制の問題が考えられると、こういうふうにならぬとおかしいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃいましたように、土地の価格は公示価格と都道府県の地価調査、それから固定資産税と相続税の評価額、四つあると言ってもいいんじゃないかと、こう思います。 しかし、最初の二つは自由な取引が行われるとして、その中で正常な取引の結果生まれてくる価格、これを一般の土地取引の指標にしますと同時に、国土利用計画法の価格審査の基準に使っているわけでございます。固定資産税や相続税は言うまでもなくそれぞれの租税制度の課税標準に利用しているわけでございまして、目的や性格が違うものでございますので、なかなか一つにするということは難しいんじゃないか。しかし、少なくともお互いに利用し合ってできるだけ手続を省けるようにしていくべきじゃないかと、こう思うわけでございます。 しかし同時に、一つにしていけという三治さんのようなお考え方も強いわけでございますので、今後とも検討は続けていかなきゃならない。この問題は古くして新しい問題と言った方がいいんじゃないかなと思いますが、御指摘の点、将来とも検討を続けさしていただきたいと思います。
○三治重信君 土地がこういうふうに異常に高くなっていくというのを、今の十二時のテレビでも、今度の土地の値上がりの中心である東京二十三区内で主に土地を買ったところは法人が八五%買っている。で、二十三区内で法人の持ち分が今や二二%になってきている。こういうことになってくると、完全にスペキュレーション、いわゆる財テクが株ではなくて土地に来ている、こういうことも非常にはっきりしてきたんじゃないかと思うんですよね。 そういうことで、固定資産税みたいな永続的な税制をそれに応じてころりころりと変えるのは、これは非常に問題があるわけなんですが、そういうふうな特別な臨時の土地保有税、そういうものについて自治省なり大蔵省なりはこういうふうに臨機応変にこの土地の暴騰に対してそれを抑えると。これはもう会社法人が投機のために買っているということはきょうの調査でもはっきりしてきているわけなんですが、そういう対応策、いわゆる土地保有税というようなものについてひとつ実施すべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(梶山静六君) 土地対策という観点からのいわば土地保有税ということでございますと、現行の特別土地保有税との関係が考えられるわけでありまして、これについては既に現行特別土地保有税を創設する際、その性格から固定資産税に似ており、課税対象の把握という点からも、国税として実施するより地方税として実施することが適当だという答申に基づいて地方税として創設された経緯がございます。 この点を考えながら検討すべきことと思いますが、また土地保有課税の強化という観点であるとするならば、現在の固定資産税との関係をどうするか、そういう問題がございますので、片や小規模所有者に対しては課税が過重であるという問題があるし、一面大規模の土地を保有する者には保有税的性格でかけろという両論の議論があるわけでございますから、その整合性を保つことを検討しながらいかなければならないというふうに考えております。
○国務大臣(奥野誠亮君) 租税を担当しておりませんのに私がお答えするのはいささか恐縮に存じます。 今度の土地高騰の一番の原因は、土地が高くなる高くなる、だから買ってもさらに高く売れる、こういう気持ちを私はつくったんじゃないかなと思います。株式の場合でも同じだと思うんです。株価が上がるということになりますと、いつまでも上がるように思う。下がっていくということになると、いつまでも下がっていくように誤解をしてしまう。そういうことから、土地の売買をされる方が土地を買って、また同じように土地を売買される方に売られる。売る場合には当然値を上げて売るわけでございます。 神奈川県で昨年の暮れに一億円以上の土地の売買を調査したら、八割が不動産業者から不動産業者への売買だったということがわかりました。これは一種の仮需要でございます。でございますから、仮需要のようなところへ融資してくれちゃ困るわけでございまして、それを、金余りのことでございますので、普通は土地価格の六割ぐらいしか融資しないのが、七割を融資する、八割を融資する、やがては一〇〇%を超えて融資するというような状態にもなっておったわけでございます。 したがいまして、こういう場合には転々売買されるわけでございますから、特別土地保有税を課しましても売買される結果は負担しないのでございます。列島改造のようなときには山林を買い込んで、将来高くなったらこれを売ろうというようなことでございますので、これはやっぱりそういうものを抑えるためには特別土地保有税を課税して、早く用途に供しなければ重い負担を背負い続けますよ、だから買った土地を放させようという政策でございまして、今度のような土地転がしみたいな場合には特別土地保有税がすぐ役立つとはちょっと思いにくいんじゃないかな、こう思うわけでございます。 いずれにしましても、しかし一つの課題でございますので、税制で考えるならどんな方法があるか。私もいろいろな方法があると思いますけれども、今の特別土地保有税構想については若干今言うたような意味で、列島改造のような場合には大変効果があったわけでございますし、今日でもミニ保有税、自治省の方で苦労していただいて、遊休地は許さぬよという姿勢をとっていただいているわけでございまして、早く用途に供させるという意味での特別土地保有税は私は意義がある。しかし、地価高騰を抑えるというような場合は、今度のような場合には当てはまらないんじゃないだろうかなというような疑問を持っております。
○委員長(原文兵衛君) 以上で三治重信君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、野末陳平君の質疑を行います。野末陳平君。
○野末陳平君 法人税の減税について質問します。 この減税は、法人税法の枠組みの中で、租税特別措置も含めますけれども、この枠組みの中で財源を調達できるのが一番いいだろうと思うんですけれども、規模によってはまたそれが難しい面もあるだろう。そんなことを含めまして、各種引当金についてちょっとお聞きしたいんです。 午前中の質疑で大蔵当局の考え方はもちろんわかりました。 それから、税調の答申なども今まで何回にもわたっていろいろな見方をされておりますが、さて具体的に今後これをどうするかという点で大蔵大臣にお聞きしたいんですね。 一番大きい問題は、やはり退職給与引当金だと思うんです。これが九兆六千億余り既にしてある、六十一年度で。これはかなり大きいですし、それからこれは午前中の答弁でもあったとおりで、利用度の点からいってもいろいろな点からこれは当然圧縮すべき方向にある。 そこで大蔵大臣、今度の税制抜本改革の中でこの退給をどういうように圧縮する方向で具体的な検討をしているのかどうか、まずその辺をお聞きしたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 六十一年の十月の税制調査会の抜本的改革答申では、引当金につきまして貸倒引当金、退職給与引当金、賞与引当金、その三つのものにつきそれぞれ検討の方向をお示しいただいたところでございます。こうしたものを受けまして、昨年御提案した改革法案では、賞与引当金の段階的廃止ということを具体的に御提案申し上げたところでございます。 今回税制調査会の素案におきましても、引当金等法人税の課税ベースのあり方につきましては、「実態に即しつつ見直しを進める。」ということを申されつつ、「この場合、賞与引当金を段階的に廃止する等の見直しを行う。」と具体的に提言されておられます。したがいまして、順序といたしましては大きな引当金、この三つの中ではこの順序でやっぱり検討を今後していくことになるのではないかと考えておるところでございますので、退職給与引当金につきまして直ちに具体的に検討のスケジュールを持ちまして、立ち入った検討をしているというのは実態としては現在ございませんが、問題点は十分認識し、引き続き検討はしてまいるところでございます。
○野末陳平君 大蔵大臣、今のは午前中と余り変わらないんですけれども、要するにこれはかなりの大企業優遇にもなっております。そもそもこの九兆六千億のお金を今後有効に使うために年金の方へとかいろんな考え方があるんですが、具体的にもうやってもらわなければ困るんじゃないかと思うんです。今のだと、まだ全然やっていないのでまず賞与引当金からやるというのですが、ちょっとこの退給の場合は急ぐべきだ、また検討に早く入るべきだと思うんですが。
○国務大臣(宮澤喜一君) シャウプ税制のしばらく後で法人税の引き上げをしたことがございますけれども、そのときに多少それと無関係でなくこの退職金引当金の制度が導入されたというようないきさつもございましたし、その後こういう労使関係、あるいは公的年金が十分でない、それを補完するといったような意味から、これはいろんな意味でかなり何と申しますか、どう申せばよろしいんでしょうか、ビルトインされたものになっております。したがって、おっしゃいますようなことを私ども感じないわけではございませんから、いろいろ検討をしてまいる対象であろうということはどうもこれはやっぱり申し上げてよろしいのだろうと思います。
○野末陳平君 もう少し積極的な踏み込みをしてもらわないと、今の感じは大体経済界の人たちが言うあるいはまとめるレポートと余り変わらないんですね。賞与引当金にしても段階的に廃止と素案にもちゃんと出ておりますが、順序からいってだからとりあえず賞与引当金をというんじゃなくて、この貸倒引当金も含めてかなりの額になっております。ここに手をつけないと、やはり先ほど来問題になっております不公平感というものが何ら払拭されない。ここはかなり大事な部分だ、そういう認識を私持っているんですが、いかがでしょうかね。
○政府委員(水野勝君) 退職給与引当金は、御指摘のように金額としても十兆円近いものがございます。これは賞与引当金と比べますと、やはりその方の平均の予定在職年数等々から計算して引き当て額を推算いたしまして積み立てておる非常に長期的な引当金でございます。これに対しまして賞与引当金は、前一年間にどれだけ賞与が支払われたか。それからいたしますと、例えばこの数カ月間にどのくらいのものが予定されるということからその分を引き当てるということでございますので、せいぜい三、四カ月から半年ぐらいの間の引き当てでございます。そうしたことは、それだけ短期間にそういったものが支出されるものであれば、果たして税制上の制度として引当金として銘打って措置するような話であるかどうか。そういったところからいたしまして賞与引当金の廃止をまず御提案したところでございます。 それに対しまして、退職給与引当金はかなり長期の視野に立った期間費用の配分の問題でございますし、金額も大きい。したがいまして、先ほど大臣から申し述べましたように、企業の間ではかなり深く定着しておる制度でございますので、検討にはそれ相応の態度、期間等が必要ではないかということで、順序立ててまず賞与引当金から取り上げさしていただくのがいかがかということで去年御提案申し上げたところでございます。
○野末陳平君 私はこれら引当金の検討をもっと積極的に急いだ方がいいというのは、経済界の人たちの意見の中ほとんどがそうなんですが、要するに法人税の減税は今の枠組みの中でやられたんじゃ実質減税にならないので、これは新たなる財源として間接税を導入することによって減税をしろ、こういうふうになっているんですよね。それは恐らく大臣の手元にもそういうお答えがいずれ行くだろうと思うんですよ。これが大蔵省の基本方針だったらまずいなと思っているんです。 そこで、じゃお聞きしますが、最初に言ったように法人税の枠組みの中だけで財源が出るかどうか、それは規模によって非常に微妙なところもありますが、少なくも今の枠組みの中で余りいじるなと財界の人は言っているんです。いじらないで、引当金にも手をつけないで、そして財源は間接税を導入して、それでやって実質減税にしてくれなきゃ困ると言っている。この基本方針に対して大蔵省、大臣はどうお考えになるか、それを聞いて終わりにします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、原則はやはり課税ベースを広くして、その上で税率を下げるということが本来だろうと思います。
○委員長(原文兵衛君) 以上で野末陳平君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村泰君。
○下村泰君 先般来税制改革と高齢化社会についてさまざまな議論がなされておりまするが、けさ方の新聞を拝見しますと、総務庁統計局が三十一日、我が国の六十二年十月一日現在の推計人口、これを発表いたしました。 総人口が一億二千二百二十六万人。ここまではいいんですけれども、六十五歳以上の老年人口が千三百三十二万人で四十五万人もふえている。しかも、逆に十四歳までの年少人口が二千四百七十五万人で前年よりも六十八万人減っていると。そうしますと、完全なこれは逆三角形の形になってくるわけですね、将来。しかも、老年人口が一〇・九%ということで、もうほとんど一一%に近くなってきた、これは驚異的な増加なんですね。 さて、そうなりますると、先般来言われております長寿社会対策大綱を策定するなど、政府の方でも一生懸命動いてはいらっしゃるんでしょうけれども、果たして今と何がどう変わるのか、この長寿社会。大綱というものが作成されて、それが実現されるとどういうふうに変わっていくのか、それをひとつお聞かせください。
○国務大臣(藤本孝雄君) 今御指摘がございましたように、あと三十年ぐらいたちますと六十五歳以上の人口が約三千万を超えるわけでございまして、四人に一人は六十五歳以上のそういう社会になるわけでございます。 したがって、私どもといたしましては、長寿社会におきましてお年寄りが肩身が狭い、そういう思いをする社会ではなくて、だれもが喜べるようなそういう長寿社会の建設ということが今後の厚生行政の基本的な理念になろうかと思うわけでございます。国民の皆様一人一人が安心して、しかも明るく健康で生きがいを持って生活できるような社会、そういう社会を建設するために最大限の努力をいたしたいと思いますし、同時に、体にハンディキャップのある方につきましても温かく、抱擁力をもって受けとめられる、そういう社会をつくるということも今後の大きな課題であると、そういうふうに考えております。
○下村泰君 今のお話を聞いていると大変バラ色みたいなんですけれども、しかし現実の問題として、その長寿社会というのはどんな形になるんでしょうかね、個々に。
○政府委員(黒木武弘君) 大変難しい御質問でございまして、的確にお答えができるか自信がないわけでありますけれども、何といいましても高齢化社会でございますから、お年寄りがたくさんおられる社会になるわけでございますが、私どもが一番心配申し上げているのは、そのために国民の負担が大きくなって社会の活力がなくなると、これであってはならないというふうに考えておりまして、今と同じように活力のある社会をどうしたらつくれるかということを最大に考えておるわけでございます。 それに加えまして、そのためには、私どもはできるだけ国民一人一人が、お年寄りも含めましてやはりまず自己努力というものをしていただく必要があるであろう。健康に対しても、その他老後の備えにつきましても、いろいろみずから努力をしてもらうというのが先決ではないか。その後にやはり互助と申しますか、地域社会の連帯、あるいは公的な援助をしてさしあげることによって、大臣から申し上げましたように、そういう活力ある長寿社会、あるいは地域社会なり社会連帯を背景にした抱擁力ある地域社会、あるいは健康で長生きするような豊かな長寿社会ということで私どもは長寿社会対策大綱を政府として決定いたしておりますけれども、そういう長寿社会をイメージに描きましてこれから全力を挙げて対策に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○下村泰君 これは実際のことを申し上げて、お答えになった厚生大臣もあと三十年生きているかどうかわかりません。まして大蔵大臣も。私を含めてのことですから他意はございませんけれども。 ですからもう、今どういう形になるんだ、どういうふうにするんだと申し上げても、今のようなお答えしか返ってこないのは当然だと思います。けれども、現在福祉三審議会で公私、それから国と地方などの負担のあり方について検討されているわけだと思います。で、将来、税であれ保険料であれ自己負担であれ、国民負担増がどうしても避けられないというならば、国民からいろいろとこうして集めた財源を一体どういう使い方をするのか、それをちょっとお聞きしたいんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) これも難しいお尋ねをなすっておるわけですが、今厚生大臣が言われましたように、要するにお年寄りの方々がやはり家族となるべく一緒にいたいと考えられるでしょうし、地域から離れたくないと考えられるでありましょうし、それなりに御自分なりの生きがいを持ちたいと考えられるでありましょうから、結局在宅福祉であるとか、あるいは地域の健康、医療、福祉というものを一体化するとか、そういったようなことを施策としてしていくことが必要だろうと思うのでございます。 さて、しかしどれだけのことがどうできるかということになりますと、それは、給付についてはやはり負担というものがどうしてもついていくわけでございますから、それで、せんだってもお目にかけました厚生省と大蔵省の共同作業では、保険料によるか税金によるかは別として、やはり二〇〇〇年には今より国民負担というのはどうしても五ポイントぐらい上がるのではないか、二〇一〇年には一〇ポイントぐらい上がるのではないだろうかと機械的には計算をしておるわけでございます。ただそれは、国民がそれ以上負担するからもっとやれと言われるのか、そんなに負担したくないからそんなに要らないと言われるのか、やはり先々の選択の問題であろうと思いますが、政府部内ではなかなかそういう作業が、長期経済計画がございませんできちんとはまだできておりません。私がおりませんでもきっとだれかが立派にしてくれることと思います。
○下村泰君 そこまでお気遣いいただいてまことに申しわけないと思いますけれどもね。 結局、今厚生省の方からのお答えもありました、それから大蔵大臣のお答えもありました。そういったユートピア的な高齢化社会をつくるとしても、その財源を一体どこに求めるかという、これはもうずっと今まで論議されていることでございますわね。そういうふうに国民の負担のふえること、これはある程度、国民大衆というのはそれほどあほじゃありませんからね、皆さんそれぞれに考えてはいらっしゃるし、税制改革は当然来るあらしであろうと、多少の受けとめ方は考えていらっしゃると思いますよ。ただ問題は、そうして集められた国民の財源がどういう使われ方をするか。 先般来も私は申し上げましたけれども、会計検査でいろんな国民の税金の使い方が出てきます。そして、随分浪費されています。そういうことに対して大蔵大臣が責任をとってやめたという話を一度も聞いたことはないし、それから各関係の方がおやめになったという話も聞いたことはありません、私はいまだかつて。いつでも何かそのまんま。国民の目から見たらあんな不思議なことはないですよ。一つの会社であれだけの金をむだ遣いしたら会社は当然つぶれるわけだ。しかも社長はいなくなるんだ。それにもかかわらず、どういうわけだか国民の税金を使っている各省庁のだれも罰せられるわけでも何でもない。 そうしますと、今これからこういった高齢化社会に向かって、納めるものは納めました。さあ、一体その金をどういうふうに使ってくれるんだろうか、これは心配ですよ。しかも、毎度毎度この予算委員会でもお話が出ておりますが、防衛費だけがどんどこどんどこひとり歩きして伸びていくわけですよ。それに対しては政府ではいろんな言いわけをなさっていらっしゃいますけれども、ああいうふうに使われるんならたまらないなと、これが私、正直な気持ちじゃないかと思う。そこのところをもう一回ひとつお答えを願う、つまり福祉の方に回るだけのあれがあるのか、考えていらっしゃるのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは会計検査院からしばしば不当な支出として指摘されておりますことは、私ども常に反省をいたさなければならないところでございます。 それから福祉につきましては、先ほど申しましたようなことで、結局は国民がどういう選択をされるかによりますが、もとよりちょうだいしたものは国民の一番希望されることに使ってまいらなければならない、これは間違いなく支出をしていかなければならないのは当然のことだと思います。ただ、防衛は防衛でまたそれなりに重要な意味を持っておりますので、この点も御理解をお願いいたしたいと思います。
○委員長(原文兵衛君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、青木茂君の質疑を行います。青木茂君。
○青木茂君 まず、税制改革の順序でございますけれども、この前も申し上げましたように不公平税制、特にサラリーマンの不公平税制の制度をまず直す、これは減税ですね。それと、いわゆる宗教法人や、みなし法人だ、医師優遇だ、そういう不公平を直す、これは増税的不公平是正ですね。それをまずやっておいて、一体まだ財源がどれぐらい足りないかということを計算して新税が必要かどうかということを踏まえて、そのワン・オブ・ゼムとして間接税なるものが出てくる、これが税制改正の順序ではないかと思いますけれども、その順序に対する大臣の御見解はどうか、これが第一問。 それから第二問。今度の政府税調のいわゆる新型間接税なるものの三素案を見てみます。取引高税——取引高税というのは、これは日本を含めて世界じゅうが実験して全くだめだと言われたものですね。いわばワーストタイプのものですな。それからその次の一般消費税、これは脱税、クロヨン目こぼし型の性格がかなりある。これはクロヨンタイプです。最後のEC型、これはクロヨン是正という隠し味がある、インボイスのやりとりがありますから。その意味においてまあまあタイプですわ。このワーストタイプ、クロヨンタイプ、まあまあタイプ、この三つが仮にあるとするならばどれをおとりになるか。 特に、新内閣は根回し型だとか気配り型だとか言われておりますね。根回し型、気配り型というのは、発展いたしますと意識的、無意識的は別問題として、僕はだましのテクニックに入る危険性があると思う。それはどういうことであるかというと、ワースト型ということは百も承知でワースト型をやっておいて、それで国民から文句が出たらクロヨンタイプに移って、さらに何年か後にまたクロヨン、クロヨンと騒がれたらようやくまあまあ型に持っていくというような僕は深謀遠慮があるのではないかと、これについてはどうなんだということが第二問です。 まずこの二つにつきまして大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回税制の抜本改正に当たりまして、殊に国民各層からいわゆる不公平感というものを生ずるような税制を改めなければならないという強い御意見があることはよく知っております。その点は政府も過去からそれには努めてまいったつもりでございますけれども、特に今回それを強く国民が言っておられることはよく承知をいたしております。でありますから、私どもとしてはまず不公平をというふうなことでなく、不公平税制は不公平税制で是正をしながら、従来申し上げておりますので繰り返しませんが、またいろんなことも含めた意味での全般的な税制の抜本改正をお願いしたいと考えておるわけでございます。 それからその次の問題は、素案で出た段階でございますので、私がこれがいい、あれがよくないということは申し上げるべきでないと思いますが、けさほど小倉会長も言われました、簡素ということと公平ということが実際ぶつかるのだという意味のことをちょっとおっしゃいました、この席で。そういうことが実際あるだろうと思いますので、あの中の長所、短所をこれから国民に聞かれて税制調査会として収れんをしていかれると、こういう段階であろうと思いますので、私が今申し上げることはひとつどうぞお許しをいただきたいと思います。
○青木茂君 しかし、税制の抜本的改革というものがある以上、そこに当然理念と哲学があって、その理念と哲学を踏まえたプロセス、順序があるのは当然じゃございませんか。全部のやつを一緒にやるんだというんじゃ、どこにどう吹っ飛んでしまってどういう内容になるかさっぱりわからないじゃないですか。 それともう一つ、税調税調とおっしゃいますけれども、とにかく国会は国権の最高機関なんだ。税調税調といって逃げられたらもう何にもできない。また蒸し返すわけじゃございませんけれども、税調の会長さんはああいう発言をなさる方。そういう税調から出てくるものが、今一番問題になっているサラリーマン減税にとって有利なあれが出てくるとは思えないわけなんですよ。だから私は、税調は税調、政府は政府として国民の意思を指導する立場にあるんだから、おれはこう思うけれども国民はどう思うんだ、ああそうか、それならこの点を直そうというのが当然の順序じゃございませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 第一の問題は、抜本改正に当たりまして、従来からいわゆる不公平と言われております制度をできるだけ抜本改正の一環として直してまいりたいというふうに実は考えているという意味でございます。 第二の問題は、政府が国会に御提案をいたしますに先立ちまして、税調という法律で定められた機関において諮問をして御答申を願っておるという今の段階で、これは国会に対して政府が責任をもとより回避するものではございません。税調というところで答申をいただいて、その上で自民党内の問題もございますが、政府・与党が検討いたしまして案を具して国会の御審議を仰ぐということでございますので、ただいまの段階で責任を回避するために税調ということを申し上げておるのではございません。
○青木茂君 そうしたら、これはお願いですけれども、税調の論議というものはオープンにしていただきたい。これは朝も出ました。と同時に、税調のメンバーというものも、少なくとも国民の意思を反映させるようなメンバーであってしかるべきだ。勝手に選んで何か多数がこうなったということでは恐らく国民は納得しないんじゃないかと思っております。 時間があれですからさらにもう一問つけ加えます。税調論議のお答えいただきますよ、いただきますけれども一問つけ加えます。 私はこれから総理のおっしゃった六つの懸念というのをきょうと締めくくりで一つずつ伺っていきたいと思いますけれども、やや異様に感じるのは、事務負担の増大という項目が六つの中に入ってきました。大体事務負担の増大というのは取る側の徴税コストが問題になっているんだけれども、どうもあの内容はそうではない。そうすると、事務負担の増大があるから、まあまあが一番いいところのEC型はこれはとても事務負担が増大するからできない、それでクロヨン容認型の一般消費税へ持っていこうという、ここに落とし穴が一つあるのではないかという気持ちを、非常にひがみかもしれませんけれども、持っております。それについての御見解を伺って私の質問は終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府税調の人選につきましては、十分に私ども実施省と御一緒になりまして、それは総理府でございますが、お願いをしておるつもりでございますし、また、現に今御活躍いただいている方々、私どもは国民の各層といいますか、バランスのとれた方々にお願いをいたしておると考えておりますけれども、御批判もございますようでございますからよくそれは戒心をいたします。 それから次の事務負担の問題は、昨年政府が一度御提案いたしました制度が国民の中で非常にわかりにくいという印象を与えた、殊に税額票というところで、非課税が入ったからでもございますけれども、もう大変に難しいことがあって、これはもうとてもやり切れるものではないというような印象を与えたことが事実であったものでございますから、その反省を言おうとしておるのでございまして、これによってそれが徴税上の資料をとらないようになる云々というそういう効果をねらったものじゃもとよりございません。
○青木茂君 終わります。
○委員長(原文兵衛君) 以上で青木茂君の質疑は終了いたしました。 これにて税制・財政に関する集中審議は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、外交・防衛に関する集中審議を行います。 これより野田哲君の質疑を行います。野田哲君。
○野田哲君 まず、きょうは防衛費のあり方について大蔵大臣、防衛庁長官にお伺いしたいと思います。 昭和六十三年度の予算案の防衛関係費が三兆七千三億円、伸び率で五・二%、GNP対比一・〇一四%、こうなっているわけです。アメリカからは非常に高く評価されているわけですが、アジアの国々の中ではこれに懸念を表明しているところもあるわけです。防衛庁長官は、この防衛予算の決定に当たって、大綱の「防衛力整備実施上の方針及び留意事項」に定めている「経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、」、こういう考え方が防衛計画の大綱にあるわけでありますけれども、このことは念頭に置いておられたのかどうか。
○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。 六十三年度防衛関係費につきまして、先生御指摘のようなことも踏まえまして、厳しい財政事情のもとでございますが、このことを踏まえながら極力全体規模の圧縮に努める、こういう努力をいたしておるところでございまして、大綱に定める防衛力の水準達成、このことを目標といたしながら、中期防の第三年度目としてその着実な実施に必要な経費を計上させていただいたものでございます。
○野田哲君 私が聞いたのは、大綱の中でもうたわれている「国の他の諸施策との調和を図りつつ、」という、国の諸施策との調和を図るという考え方があっての今回の防衛予算なのかどうか。
○国務大臣(瓦力君) もとより国の財政事情並びに諸施策との調和を図ってまいるということは大切なことでございますし、もう一方におきまして中期防の達成という問題もあるわけでございまして、その接点といいますかその調和を求める、そういう形で私ども取り組むわけでございます。もちろん、中期防の三年度ということが当面の目標として、私どもはこれを踏まえながら予算の要求並びにその努力を重ねてまいったところでございます。
○野田哲君 防衛庁長官の念頭にはもう防衛費、中期防衛力整備計画の達成、このことしか念頭になかったように思うんですよ、今の答弁では。 大蔵大臣に伺いますが、今お手元へグラフをお配りしていると思うんですが、五年間を見ると、昭和五十八年度ここを一〇〇として主要な経費の伸び率の状態を折れ線グラフであらわしますとこんな形になるわけであります。経済協力費それから防衛費、これが一三五、一三四、こういうふうになっているわけです。社会保障関係費が一一三。それから公共事業費はずっと落ちていたんですけれども、六十二年度から例のNTTの株の売却のあれによって一挙に上がっているわけですが、食糧管理費に至っては四九・一%。こういうばらつきが出ているわけです。少なくとも、「諸施策との調和を図りつつ、」ということであれば、一一〇から九〇ぐらいの間でずっと横に並んでいるというのが調和を図ったということじゃないかと思うんですが、大蔵大臣、このグラフを見てこれで一体調和が図られているとお感じになりますか。
○政府委員(西垣昭君) 今拝見したばかりでございますので。数字をチェックしておりませんが、多分このとおりだと思います。 この五年間で一番伸び率で大きかったのが経済協力費、特にODAでございます。それに次ぎますのが防衛関係費でございます。それから社会保障関係費につきましては、増加額としては最高の費目でございますが、規模が非常に大きいために、率としてはそれを下回っていることは事実でございます。それから文教、科学技術振興費につきましては、その他の経費が大体前年度よりも下回っている中で減らない方でございました。あとの経費につきましては、いろいろと工夫をしながら、とにかく増税なき財政再建の枠の中で一般歳出をどうしても抑えざるを得ないということで、いろんな工夫をしながら前年度より下回る予算を計上せざるを得なかったということは事実でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今主計局長が申し上げましたが、やはりマイナスシーリングというものをかなり厳しくやってまいりました結果がここに出ております。ただ、マイナスシーリングと申しましても、どうしてもやっぱり国としてのしなければならない最低のことといったようなものはその例外にいたしておりますから、そういう意味で経済協力費も防衛関係費もそれからはやや例外扱いを受けてこれだけの伸びをいたしておると思います。しかし社会保障関係費が、やっぱりこれは決してマイナスになっておりませんで、これだけプラスになっておるということはゼロシーリング、マイナスシーリングのもとでは私は随分の努力と言ってもいいだろうと。これが十兆三千億でございます。防衛関係費は三兆七千億でございますから、何といっても元が大きゅうございまして、その中では私は社会保障関係費はよく伸びておる。文教、科学振興費が気の毒、これでもしかしマイナスにはなっておりません。 〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕 公共事業は意識的にいたしたことでございましたが、いかにもこう見ますと、これはなかなかやっぱりつらいことであったと、今回こういうことで処置をさせて新しく一兆二千億円を加えさせていただきましたが、そういう感じ。食糧管理費はこれはもう制度がああいうことになっておりますから、やむを得ないのではないかと思っております。
○野田哲君 社会保障費は、大蔵大臣、もう私が言わなくても御承知だろうと思うんですが、金額でこういうふうになっておりますけれども、総額で。これは先ほど来の議論もあったように、高齢化社会が進んでいって人口比率の中でお年寄りがふえていったからこういう形になっているのであって、国民一人当たりの社会保障が決してよくなったからこういう線になっているんじゃないんだと、こういう点をまず私は指摘をしておきたいと思います。一三五から、食糧管理費は制度が変わったといたしましても、中小企業対策費は八〇になっているわけですね。これだけのばらつきがあることは私は決して調和がとれているとは思えない。 そこで防衛庁長官に再度伺いますが、今から十年前、防衛白書が作成される前に坂田元防衛庁長官が基盤的防衛力整備、こういう構想を持たれて、これが引き続いて大綱になっていったわけであります。この基盤的防衛力整備の構想の中でこういうふうに述べておられるわけです。これは非常に私は貴重な意見だと思うので、防衛白書にも書いてありますので読み上げてみますが、 GNPに対する防衛費の割合が、米国で六ないし七%、NATO各国で三ないし五%程度であるのに、日本では極めて低いので、外国では、日本が日米安全保障体制にただ乗りしているという批判がないでもない。また日本は、その発展と繁栄を国際平和に大きく依存しているのに、世界各地の紛争処理や国際平和の維持を他国にまかせ切っているという指摘も一部にある。 しかし、わが国は、外交、経済その他さまざまの非軍事的手段を通じて、国際平和の維持に貢献することに政策の重点をおいている。また、わが国は、自国の安定はアジアの安定にとって不可欠であるとの認識に立ち、自衛の範囲内で防衛努力を払ってきている。こうした行き方は、わが国の独自のものであろうが、わが国の国民はもちろん、アジアの多くの国においても支持されるところであろう。 こういうふうに述べているわけです。非常にこれは貴重な方針だと思うんです。この考え方、どう受けとめられますか。
○国務大臣(瓦力君) 我が国は戦後新しい憲法のもとで出発をしておるわけでございますが、もとより主権国家としてのその自衛のための努力を払わなきゃならぬことでございますが、これほど大きな経済を営み、また国民の生活を安定なさしめる、そういう過程におきましてそれぞれの国と日本のつながりは友好的でかつ平和なものでなければならぬと思うわけでありますし、今御指摘のように、我が国の防衛力整備に当たりましても他国に脅威を与えるものであってはならぬわけでありますし、おのずから限度のあることであります。分野を離れまして外交、さらには文化、学術の面で広く世界各国とその信頼を深めてまいるということはもとより大切なことでありまして、今御指摘のように坂田元長官当時に述べておられること、私は大切なことだと心得ておるわけでございます。
○野田哲君 今私が読み上げたこの基盤的防衛力整備の基本的な考え方、明らかにこの思想は、今の防衛政策の中にある運命共同体論あるいは西側の一員論、こういう考え方と一線を画しているわけであります。私はそういうふうに受けとめているんです。 瓦防衛庁長官は、大臣就任間もなく、長年、十年間ずっと政府が守ってきた防衛費はGNPの一%以内、これを超えるものを前年に続いてあなたが長官になって初めての予算でも策定されたわけでありますけれども、この大綱と一体の形で決定をされた防衛費の一%以内、これを去年、ことしと大きく超える額を決定されているわけでありますけれども、この超えるべきだという議論を注意深く聞いておりますと、三つの主張があるわけであります。 まず一つは、大綱と一%、これは一体のものではない、別々のものなんだ、こういう主張があります。中曽根前総理がそういう主張をされていたわけであります。だから、一%よりも大綱の方が優先をするんだ、こういう考え方です。それから二つ目には、これは主に防衛庁、自衛隊の制服のOBの方々がいろんな座談会とか論文で発表されている考え方です。つまり、それはGNPの一%以内というのは軍事的な合理性がない、こういう主張であります。それから三つ目には、これも二とある程度通じるものでありますけれども、GNPの一%以内の防衛費では軍事的な脅威には対抗できない、また安全保障条約の相手国であるアメリカの了解も得られない、日米関係がうまくいかない、こういう主張であります。 瓦長官は、長官になられて間もなく半年になるわけですが、こういう主張に対して、この中のどの主張を取り入れられたわけですか。三つが三つともこれは肯定的に考えられたわけですか。それとも三つの中のどの主張を肯定的にとられたわけですか。
○国務大臣(瓦力君) 五十一年十一月の閣議決定は、大綱水準に到達するため年々の防衛関係費の当面のめど、GNP一%の閣議決定でございますが、を示したものでございまして、両者を比べて大綱の水準達成、このことが優先するということを私は申し上げてまいっておるところでございます。 また、防衛の観点からの合理性について申し上げますと、防衛費というのは一国の存立、さらに自由と独立、こうした問題にかかわりあるわけでございまして、理論的に申してそのときどきの国際情勢、経済、財政事情等を総合的に勘案すべきものでございますし、経済的な数字のみにリンクして決定さるべき問題ではない、そういう性格のものでない、かように考えています。 また、脅威対抗論、そういったことに立って所要の防衛力整備を図る、こういうようなことの考え方をとっていないことは従来からも申し上げておるところでございます。 米国政府からは、我が国の自衛につきまして一層の防衛努力、このことに対しましての期待をする、そういう表明はございますが、GNP一%、これをとらえた要求は現在までもしていないわけでございますし、私は自主的にこれらの問題は決めていくべき問題だと、かように考えております。 五十一年十一月の閣議決定の節度ある防衛力整備を行うという精神は、今後とも引き続いて尊重してまいらなきゃならぬと。今委員からそれぞれどの道をとるのかという御質問でございますが、かように申し述べさせていただきます。
○野田哲君 GNPの一%の枠にかわる総額明示方式として中期防衛力整備計画、十八兆四千億円という計画が決定されているわけであります。 そこで、瓦長官に伺いますが、また引き続いて大蔵大臣にも伺いますが、この総額明示方式によりますと、六十一年度三兆三千四百三十五億円、六十二年度三兆五千七十八億、六十三年度、今審議しておりますが、これがそのまま成立いたしますと三兆七千三億。そういたしますと、三年間でその累計は十兆五千五百億円になっているわけです、十兆五千五百十六億。十八兆四千億、これが総額明示方式でここまではオーケーなんだと、こういうことを認めていきますと、残りが七兆八千四百八十四億円あるわけです。 これを目いっぱい使うことになると、六十四年度、六十五年度で単純に案分をすると、六十四年度、六十五年度は三兆九千億台の防衛費、こういうことになるわけであります。それはGNPに対しては一・三三%、四%の伸びで計算いたします。前年比六・〇五%、こういう急カーブになってくるわけです。 そこで瓦長官、十八兆四千億の総額明示方式だということであるとすれば、この残りの七兆八千四百八十四億円、これを六十四年度、六十五年度で目いっぱい使うつもりなのか、それともGNPの一%以内というあの精神は尊重すると、こういうふうに去年の一月は閣議決定されているわけですから、その一%を尊重するという方向にできるだけ近づけるという立場をとるのか、長官いかがですか。
○国務大臣(瓦力君) 中期防は、先生御承知のとおり今三年目を迎えておりまして、この五カ年間の防衛力整備を図る上におきまして、広く国際情勢、経済、財政事情等を総合的に勘案してこういう金額を決めながら、防衛力整備実施の合理的指針として取り組んできておるわけでございますが、三年目を迎えまして、名目、実質、実施額、それで若干のあれがあるといたしましても、今御指摘のように、十八兆四千億の枠内で今後の防衛費を目いっぱい使うように取り組んでいくのか、こういうことでございますが、節度ある防衛力の整備を行うという精神は、先ほど申し上げましたようにこれは大切なことでございますし、またこの中期防達成は大綱の目指すもの、そのことに到達をしたい、こういうことでその整備に努力をしておるわけでございますので、六十四年度及び六十五年度の防衛力整備に当たりましては、私どもといたしまして当然この計画に沿いまして取り組んでまいりたいと考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、毎年その年度ごとに、予算につきましてはときどきの財政事情、こうしたものを勘案いたしまして、国の諸施策とも調和を図ってまいらなきゃならぬ。編成時におきましては、大蔵大臣いらっしゃいますが、厳しい査定もいただかなきゃならぬわけでありますので、そういう中で私どもとすれば防衛力達成、この計画達成のために取り組んでまいりたいと考えておるわけでございます。
○野田哲君 いろんなことをおっしゃったが、よくわからないんですよ。 要するに十八兆四千億を認められているんだから目いっぱい使おうという、そういうスタンスで六十四年、六十五年は臨んでいかれるのか、できるだけ調和を図るために一%の精神は尊重するというんだから内輪目に内輪目に考えていこうという立場なのか、そのどっちなのかと、こう聞いているんですよ。
○政府委員(西廣整輝君) 従来から同じ方針でやっておりますし、お答え申し上げたいと思いますが、ただいま防衛庁長官がお答えしたように、中期計画そのものが各省間で十分調整され、かつ安全保障会議等で御審議をいただいたものでありまして、それ自身いろんな状況を勘案してしかるべく主要な内容を定め、そして総額六十年度価格で十八兆四千億というものが決まっておるものでございます。したがって、それ自身そういった合理的なものであると思っておりますが、さらに年度年度で、今防衛庁長官が申し上げたように、年度の予算を編成するに際して改めて諸般の事情を勘案しながら節度ある防衛力の整備に努めていくということでございますので、二重にそういった配意のもとにつくられていくということでございます。
○野田哲君 だからその基本的なスタンスはどうなのかと。内輪目に内輪目にいこうとおっしゃるのか、それとも十八兆四千億は既得権だということで目いっぱい使うという立場に立たれるのか、その基本的なスタンスを聞いているんですよ。
○政府委員(西廣整輝君) お答えしたつもりでございますが、十八兆四千億という六十年度価格での枠があるから何が何でもそれを使うということではございませんで、それ自身私はいろいろ勘案したものである、計画であると思いますが、年度年度でさらに精査をされ、節度ある防衛力にしていくということでございます。
○野田哲君 大蔵大臣、最終的な判断をされる重要な役にあるわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま防衛庁長官、政府委員から言われましたそういう精神で恐らく防衛庁としてもお考えになるのでございましょうから、私どももそういう同じような精神でひとつ御一緒に相談をし、また査定をさせていただきたい、こう思っております。
○野田哲君 今はこの場で、防衛庁側は節度あるという言葉を使われたわけですが、恐らく、私は予言をしておきますが、十八兆四千億はもう既定の枠だということで目いっぱいの要求が出てくるだろうと思うんです。 大蔵大臣、中期防衛力整備計画によって総額明示方式だからこれが歯どめだと、こういうふうに言われているわけですが、この中期防衛力整備計画というのは、これは要求する方の側の買い物プランなんですよ、もともとは。それまでは防衛庁内部の買い物プランであったわけですよ。それをこれが歯どめなんだということで、中期防衛力整備計画ということで、閣議決定によってこれが総額明示方式の歯どめですとこうなっているわけで、要求する方の側のプランなんですからね、これが有効な歯どめになるはずはないんですよ。おやじやおふくろが気がついてみたら、せがれがツケ買いでいっぱい自分の好きなものを買っていたと、こういう卑近なケースと同じなんですよ、これは。 一%を超えることになった要因が二つあると思うんですよ。 まず一つは、冒頭にも議論しましたけれども、軍事的なスタンスが大綱決定時と現在とでは非常に変わっているんですよ。今や、もう日本の軍事的なスタンスというのはNATO諸国と同じような位置づけを持とうとしているわけです。アメリカはもう既にそういう位置づけをしているわけなんです。憲法九条の規定、あるいは防衛費はGNPの一%以内、こういう枠があったにもかかわらず、高い、金のかかる装備の要求が先行したから一%を超えざるを得ないようになってきた、これがまず第一です。 二つ目は、安保条約でも極めてもう明確な、本来アメリカが持つべき駐留経費の相当な部分を日本が肩がわりをしている、これが大きな負担となっている。この二つの要因があると思うんです。 まず第一の、軍事的な基本的なスタンスの問題でありますけれども、大綱の基本的なスタンスは、はっきりと局地戦以下の侵略事態に対処する、こうなっているわけであります。これは政府委員で結構ですが、間違いないと思うんだ。局地戦とはどういう態様のものを指すのか、まず答えていただきたいと思うんです。
○政府委員(西廣整輝君) 大綱では、御承知のように、限定的なというような言い方をしておりますが、局地戦事態といいますのは、グローバルな戦争に対して局地紛争なり局地の戦争というようにお考えいただきたいと思います。 なお、若干追加させていただきますと、御承知のように、二次防以来、我が国は局地戦以下の事態に最も有効に対応できる防衛力をつくるということで、二次防、三次防、四次防と進めてまいりました。しかし、局地戦以下の事態といっても非常に幅があり、かつそれに最も有効に対応できる防衛力ということになるとかなり大きなものになるということで、大綱におきまして限定的な事態でかつ小規模というようにさらに枠をはめたというように御理解をいただきたいと思います。
○野田哲君 防衛庁も関係しているこの防衛学会の出している解説では、局地戦というのは、これはローカルウオー、こうなっているわけですから、グローバルに対抗する言葉だということではないローカルな闘い、こういう解説をしてあるわけですよ。防衛計画の大綱で、対処すべき侵略の事態、この中では明確に局地戦以下の侵略事態の中でも、単に地域だけでなく、目的、手段、期間などにおいても限定され、かつ小規模な侵略までの事態に有効に対処することを目標にしている、こういうふうになっているわけであります。 中期防衛力整備計画、これは局地戦に対する対処、こういうことであれは作成されているんですか。
○政府委員(西廣整輝君) 中期計画は、先ほど来申し上げていますように、大綱、すなわち限定的かつ小規模な事態に対応するものということで作成をされております。
○野田哲君 それでは、中期防の中にある洋上防空体制について、検討の結果によってということになっているんですが、これはどういう検討の結果、結論を出されているわけですか。
○政府委員(西廣整輝君) 中期防で洋上防空について書かれ、かつ幾つかの項目についてその検討の結果しかるべき措置をとるものというものが定められておりますが、現在、洋上防空につきましての研究は、まず、なぜこういう研究をしなくちゃいけないかということから申し上げますと、御承知のように、最近の諸国の軍備の動向、軍事技術の進歩等を見ますと、我が国周辺に洋上まで進出し得る航空機の数が増加の傾向にある。かつまた、その航空機なりあるいは艦艇に搭載されるミサイルというものの射程が延び、スピードが上がり、命中精度が上がる。そういったものが通常戦、いわゆる非核戦においても使われる傾向が増大しつつある、そういった状況下で洋上における防空を考える場合に、従来の装備、例えば高射機関砲であるとか従来のミサイルであるとかそういったものでは従来のような防御率といいますか、防御の程度が確保できないということで、この洋上防空について種々研究を始めたわけであります。 現在までのところ研究が終わっておりますのは、やはりこういった広い洋上における防空を考える場合には、相手の動静を早期にキャッチしなくちゃいかぬ、そのためには広域の監視警戒能力を持つ何らかのものが要るということで、それらについて例えばOTHレーダー、例えば航空機に搭載したレーダーを使う、いろいろな方法を考えてみました。そういう点でOTHレーダーというものが、精度はともあれ、早期探知については極めてコストが安い、有効なものであるということについては検討が終わりました。 しかしながら、これを設置する場所ということになりますと、これは設置場所から一千キロぐらいは見えない、それから先が見えるというものでございますので、日本国内で置くとなると置く場所が非常に限られてまいります。しかも相当な用地が要るということで、置くについてまだまだ研究しなくちゃいかぬ点があるということで、さらにもう一年、六十三年度におきまして調査を継続いたしたいということで、まだ決心をしかねているという状況であります。 一方、今申し上げたようなミサイル攻撃に対する終末部分、最後の防御手段として、対ミサイルミサイルということが必要になってまいるわけでございますが、そのために、中期計画の中で艦艇搭載のミサイルシステムの近代化について、検討の上、必要な措置を講ずるという趣旨のことが書かれてございます。これについての研究をいたしまして、現在我が方で既に所有しておりますターター艦、あるいはこれの改造型、その他現在入手可能と考えられまする艦艇搭載のミサイルシステムについていろいろ検討いたしまして、最も経費効率がよくて従来並みの防御能力を持ち得るものということで、エイジスシステムを搭載することがよかろうという結論を得て、現在六十三年度予算でお願いをしておるということでございます。
○野田哲君 洋上防空体制について私も資料をいただいたんですが、簡単な資料なんですが、図面がついているわけです。北東アジア全域の日本列島を中心にした図面があって、はるか南の方にエイジスシステムのエイジス艦が二隻配置されているわけです。それから太平洋の日本列島から東の方に要撃戦闘機、空中給油機、早期警戒機と、こういうふうにずっと広い範囲のところに図面の中に記されているわけです。そしてサハリンからカムチャッカ半島、沿海州、これにかけてのOTHレーダーの範囲が地図にあるわけです。これはどう見ても局地戦の構想ではないですよ、これはもう。日本列島全域での全面戦争の図になっているわけですが、長官、これを見られて、洋上防空構想というのは局地戦に対応するものだと思われますか。お持ちでなかったら、ここにありますから見てください。
○政府委員(西廣整輝君) まず、先ほど私、局地戦の定義を申し上げたと思いますが、局地戦というのはあくまでグローバルなウオーに対してローカルウオーということでございまして、ある国の中のローカル、東京に対して地方とか、そういう意味のローカルウオーではないということは御理解いただきたいと思います。 それともう一方、先生のお手元に提出いたしました資料のOTHレーダーの覆域でございますが、これは先ほど申し上げたように、OTHレーダーというのは設置した場所から一千キロぐらいは見えない、そしてそれから先が見えるということになります。一方、そういった配置できる日本の領土というものは非常に限られておりまして、本来見たいところというのはもう少し南に下がったところでもっと見えればいいわけでございますけれども、残念ながら日本の領土がない、太平洋上でございますので設置する場所がない。 しかもその島の形からいいますとこの角度にしか置けないということでこういう形になるということで、これは陸上の移動物については見えるという説も全くないわけではございませんが、主として航空を移動する航空機なりあるいは海上を移動する船舶が見えるものでございますので、どこにでも置けるということであればもっと置く位置もあろうかと思いますが、日本の領土内で置き得るような島を探すとここしかないというところで図が書いてありますので、このような形になっておるというふうに御理解いただきたいと思います。
○野田哲君 今、局地戦についての説明があったわけですが、これはグローバルに対するローカル、こういうことであって、一地域、日本の局地的なところを限ったものの意味ではないんだ、こういうふうに私は説明を聞いたわけですけれども、つまりそういうふうに軍事的なスタンスが大綱のときと今とでは変わっている、局地戦一つの考え方も変わってきているわけですね。大綱で言っているのは、もう明らかに局地戦以下の小規模な侵略に対する事態に有効に対処する、こうなっているわけでありまして、OTHレーダーをもって何千キロ先までも監視をしながら、世界でも有数の能力を持った15伍とかあるいは新たにF16を改造したFSX、あるいはエイジス、こういうものでやるというのはこれはもう局地戦に対する対応ではないわけですよ。まさにグローバルの中の一地域、こうなってきているわけであります。 そういう点で私が言ったのは、防衛の構想が、スタンスが、もう大綱で一番最初に構想した局地的な限定的な小規模な侵略、こうでなくなってきている。だから大綱を超えてしまっている。そのための兵器体系としてOTHとかあるいはエイジスとか要撃戦闘機とか、こうなってきているわけですから、これは明らかに大綱を変えている、こういうふうに見ざるを得ないし、それが一%を超える元凶になっている、こういうふうには長官は考えていないんですか。
○政府委員(西廣整輝君) 局地的なという点についてさらにちょっと補足して御説明さしていただきたいのですが、大綱策定当時と現在と変わっていないという点を御理解いただきたいと思いますが、大綱にも書かれておりますように、例えば配備において均衡のとれたということで、同じ日本領土の中でも例えば北海道だけで九州は守らないとか、そういうことじゃございませんで、やはり日本全域について均衡のとれた、すきのない防衛体制をとるということを申し上げております。 したがって、ローカルウオー、局地戦と申しますのは、一国の中の一地域というふうにお考えいただくのは一般の軍事常識ではございませんで、やはりグローバルウオーに対して局地というようにお考えいただきたいと思います。 〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕
○野田哲君 この問答はどうしても理解できないからここでもう終わります。やっぱり局地というのは常識的に物を考えなければこれは国民には理解されない、私はこういうふうに思います。 ところで防衛庁長官、防衛計画の大綱を定めています。これは中期防によってほぼ達成されるわけですね。全部ほとんど達成される。その後引き続いてのポスト中期防、この中では大綱の別表は守るという考え方で策定をされますか、それとも大綱を変えるという考え方ですか、どっちですか。
○国務大臣(瓦力君) 防衛力整備につきましては量的な面、質的な面がございまして、量的な面におきましてはある意味では大綱に達する、おおむねさような考え方に立つわけでございますが、質的な問題、このことを考えますと、先ほど防衛局長の答弁にもありましたとおり、また野田委員からの御質問にありましたとおり、経空脅威等の問題もありまして、これからなお考えてまいらなければならぬ問題があろうと思うわけでございます。 よって、今、次期防につきましての御質問でございますが、私は国際情勢あるいは経済財政事情、こういうものを勘案して、なおかつ我が国の基本方針たる専守防衛、こういったものを踏まえながら次期防に取り組んでまいりたい、かようなことを申し上げておるわけでございますが、国際情勢等の基本的な変化、そういうものがない限り私は大綱の基本的な枠組み、これを見直す必要はないと思うわけでございます。 別表につきましてはこれは弾力性もあるわけでございますので、これから研究がなされると思うわけでございますが、いずれにいたしましても安全保障会議等にお諮りいただく、こういうようなことで年内にも着手をいたしたいと考えておるわけでございますので、今具体的に申し上げる、そういう立場にないことは御理解いただけると思うわけであります。
○野田哲君 今の長官の、大綱は見直す必要はない、しかし別表は弾力性があるんだと、そこのところがくせ者なんですよ。 別表の中で、海上自衛隊と航空自衛隊については護衛隊群とかあるいは飛行隊の何個飛行隊、こういう飛行隊の数だけを定めてありますね。機数とか隻数は明らかになっていないんですが、まず支援戦闘機部隊三個飛行隊、こうなっているわけです。今たしか十八機で編成されていると思うんですが、これはずっと今後とも一個飛行隊当たりの機数は厳密に守っていくということでいいんですか。
○政府委員(西廣整輝君) 大綱別表、先生も御承知のとおり、各部隊の主要な部隊数で書かれていると同時に、作戦用航空機ということで、航空機全体の数として縛ってございます。したがって、そうむやみに数がふやせない、あるいはいじれないということは御理解いただけると思います。 そこで、支援戦闘機についてのお尋ねでございますが、支援戦闘機部隊はもともと一個隊二十五機編成でずっとかねがね来ておりまして、それがF1になりました段階で、これは練習機の改造型を中間的に使うということでありましたので十八機編成まで落としておりますけれども、いずれは二十五機編成に戻さなくちゃいかぬだろうというように考えておりますが、いずれにしましても、この別表の作戦用の航空機の機数の枠組みの中でやるというように御理解をいただきたいと思います。
○野田哲君 作戦用航空機四百三十機、この中にはいろんな種類の航空機があるわけですけれども、この枠組みの中であれば、例えば支援戦闘機部隊あるいは要撃戦闘機部隊、この一個飛行隊当たりの戦闘機の配置数はかなり融通無碍に運用していく、こういう考え方ですか。
○政府委員(西廣整輝君) 部隊の配備機数につきましては、御承知のように、この大綱のもともとのつくり方が平時における領空侵犯措置、領空侵犯待機をさせる。一方、待機をしておりますとその間数機というものが、二十四時間に直しますと十機近いものが固定をされるわけであります。そうしますと、訓練その他ができませんので、それをしながら人員を維持していく、新陳代謝をしていくための訓練をしていくということで、一個隊の飛行隊をどう配備をするかということをあんばいしております。そういうことで、例えば沖縄の部隊でございますと一個飛行隊しかおりませんので三十機ぐらいのものを置いているとか、それからそれ以外の飛行隊につきましては、従来要撃戦闘機部隊については十八機部隊が多かったわけでございますが、アラートの回数、要するに平均の年間回数によりましてそれに張りつけられる航空機がふえてまいりますので、それの回数によりまして配備機数をあんばいしておるという形になっております。
○野田哲君 その辺にやはり一番問題があると思うんですが、今の洋上防空体制、この図面の方を見ると、エイジスは既に二隻書かれておりますね。もう二隻を想定しているわけですか。
○政府委員(西廣整輝君) 対空ミサイルを積んだ護衛艦をこの中期防期間中に二隻つくるという計画になっておりますので、この中期計画としては二隻というものを念頭に置いております。
○野田哲君 あとの一隻はいつ予定をされるわけですか。
○政府委員(西廣整輝君) 中期計画は明確な年度割りをつくっておりませんので明快なことは申し上げられませんが、かなり高額な艦艇でございますので、連続してつくるということは難しかろうと思いますので、恐らく五カ年計画の最終年度になるのではないかというふうに考えております。
○野田哲君 際限なく装備の保有が広がっているわけですけれども、法制局長官に伺いますが、憲法上持てない装備、持ち得る装備、政府の見解がいろいろ出ているんです。一番最初に説明をされているのは、「他国に攻撃的な脅威を与えるような」ものは持てない。五十一年の防衛白書ではそういう表現になっています。それがいつの間にか今度は「性能上専ら他国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる兵器」、これは持てないのだ、こういうことで、具体的な説明として、ICBMとかあるいは戦略爆撃機とか、こういうものを挙げているわけです。攻撃的な脅威を他国に与えるようなものは持てないということと、専ら壊滅的な破壊のためにのみ用いられる兵器、こういうことでは大分これは持てる装備、持てない装備の範囲が変わってくると思うんですが、これは法制局長官、現在の竹下内閣としてはどういう判断をしておられるわけですか。
○政府委員(味村治君) 政府は従来から、自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは憲法九条二項によって禁じられておりませんが、その限度を超えますものは憲法九条二項によってその保持が禁止されている、このように解しているところでございます。この考え方に基づきまして、個々の兵器について考えてみますというと、個々の兵器の保有が禁止されるかどうかということは、その兵器を保有いたしますことによりまして、ただいま申し上げました自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるかどうかということによって決まるべきだ、このように考えるわけでございます。 そういたしますというと、先ほど先生が御指摘になりましたように、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器を自衛隊が保有するということは、これによりまして我が国の保持する実力が直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなりますから、そういう兵器の保持は憲法によって許されないというふうに解釈しているところでございまして、これは従来から一貫いたしまして当局、私ども前任者が答弁をしているところでございます。 それで、先生御指摘のように、従来政府側の答弁といたしまして、憲法上保有することができない兵器といたしまして、他国に侵略的攻撃的脅威を与える、侵略的脅威を与えるとか攻撃的脅威を与える、こういう表現を用いているものがございますが、それは結局、基本的には私が先ほど申し上げましたと同じ考え方によるものでございまして、そういう兵器を保持するということになりますと、自衛のための必要最小限度の範囲を超えることになる、そういう兵器について説明のしぶりでございまして、その趣旨は同じことを言っているものというふうに考えております。 なお、このことにつきましては昭和五十五年十月二十一日、衆議院安全保障特別委員会におきまして、年々の防衛白書の記述に関連いたしましてただいま先生の御質問と似たような趣旨の御質問がございまして、政府側において、従来いろいろな表現をしたことはあるけれども、その趣旨は別段変わるわけではないという答弁をしておる次第でございます。
○野田哲君 防衛庁の方に伺いますが、攻撃的な兵器と防御的な兵器、これはどういうふうに区別をするわけですか。例えば高射砲とかいうようなのは明らかにこれはわかりますよ、防御的だということは。それ以外に、殺傷力を持った装備、破壊力を持った装備を攻撃的と防御的とどこで区別をするわけですか。
○政府委員(西廣整輝君) この点についても従来しばしばお答えしていると思いますが、今法制局長官から御説明があったように、専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためのみに用いられる兵器というような明確な攻撃的兵器というのがございますけれども、それ以外のものにつきまして、多くの場合、両面持っておると思います。したがいまして、従来から私ども申し上げておりますように、それらの装備につきましては、我が国がそれらの装備を持つ、全体の防衛力として自衛の範囲を超えるものであるかないかという判断にゆだねざるを得ないというようにお答え申し上げている次第でございます。
○野田哲君 攻撃的か防御的かということは区別できないという見解が発表されております。それはそれを使う意思によって決まるんだと、こういう見解もあるわけですが、それについてはどうですか。
○政府委員(西廣整輝君) 意思というものも確かに重要な要素ではございますが、やはりその国なり、我が国なら我が国が保持しております防衛力、一般的には軍事力と言われるもの全体の力としてそれが攻撃的に相手方に脅威を与えるほどに用い得るほどのものであるかどうか、自衛の範囲を超えてそういった使用も可能なほど強大なものであるかどうかという御判断にゆだねられるべき問題ではなかろうかというように考えておる次第であります。
○野田哲君 いろいろ装備の問題、運用の問題、議論してきたわけですが、時間が参りましたので、この問題は、私どもとしては今のこの防衛構想は既にもう防衛計画の大綱の意思を外れている、はみ出している、そのことが一%を超える要因になっている、こういう点を指摘して次の問題に入りたいと思うんです。 外務大臣に伺いたいと思うんですが、日米科学技術協定について大体結論が出たやの報道がありますが、その状況についてまずお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(遠藤哲也君) お答え申し上げます。 昨三月三十一日に第七回目の交渉でやっと日米間で大筋の合意ができまして、あと残りは条文の整理とかあるいはワーディングの整理等々が残っておる状況でございます。まだそういう状況でございますから詳細に御説明するわけにいかないわけでございますけれども、概要だけ申し上げたいと思います。 まず一つは、日米間の科学技術協力協定は、まず平和の目的のための協力関係及び協力活動を規定するものであるということが一つ。第二番目に、日米間の科学技術協力を拡充するため、強化するための基本的な枠組みをつくるものであるということ。第三番目に、協力活動を拡充し、また両国間の研究者あるいは情報の交流を拡大する、それがうたわれております。次に、協力活動に関連しまして生じ得る知的所有権の効果的なあるいは適正な配分、それも中に盛り込まれることになろうと思います。それから次に、情報公開の原則というものを確認いたしております。それから最後でございますけれども、協定の適切な運営のメカニズム、どういうふうにして協定及び協力活動を運営していくかというメカニズムを設けると、こういうことになっております。 大体以上でございます。
○野田哲君 今報告があったわけですが、情報公開のことが最後に言及されているわけですが、軍事特許については非公開にする、こういう条項を受け入れたという報道があるんですが、その点はどうですか。
○政府委員(遠藤哲也君) 先ほど申し上げましたように、この協定は平和目的ということでそれに限られておるわけでございます。確かに、先生今軍事ということをおっしゃったわけでございますが、この協定の中で情報の取り扱いということがうたわれておるわけでございますが、同時に科学技術情報の公開というのを確認するのが基本的な合意でありますが、安全保障という字句は確かに使われております。しかしながら、この安全保障の字句を使うことによりまして我が国の制度を何ら変えるものではなく、したがいまして、日本には科学技術情報の公開につきましての安全保障の観点からの一般的な規制はない現状でございまして、かかる状況は新協定のもとでも何ら変わることはございません。
○野田哲君 これはちょっと了解できないんです。外務大臣ね、今、制度を変えるものではないと言われましたけれども、私どもの受けとめ方はそうではない。日本の特許制度の公開の原則、これが根本的に変わってくる。そして秘密保持の大きな非公開の網がかぶせられる。これは今までの日米間の科学技術協定、そして日本の特許制度に大変な変更をもたらすものだと、こういうふうに思いますし、ワシントンでは何か小沢副長官は、日本の制度に変更を及ぼすものでないから国会の承認を受ける必要はないんだと、こういうふうな発言をされておりますが、これはとんでもないことじゃないですか。そんなことでいいんですか。
○政府委員(斉藤邦彦君) ただいま野田委員御指摘の一部の特許を秘密に保つということについて合意ができたのではないかという点でございますけれども、これは科学技術協力協定とは全く別の問題でございます。 科学技術協力協定につきましてはただいま遠藤審議官が御説明したとおりでございまして、その特許の方の話は、先日来時々御質問にお答えしておりますけれども、一九五六年にできました相互防衛援助協定の実施のための協定、これも国会の御承認をいただいてつくった協定でございますけれども、そこで既に米国で秘密に保たれている特許は日本でも類似の取り扱いをするという合意がされておりまして、それの実施のための約束ができておりませんでしたので、そのための話し合いをずっとやっておりまして、これもたまたま昨日でございますけれども、技術財産委員会というところから両政府にその実際の取り扱いについて勧告がなされたという点、これが同時に報道されたということだろうと思われます。
○委員長(原文兵衛君) 以上で野田哲君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、及川順郎君の質疑を行います。及川順郎君。
○及川順郎君 初めに、私の方は経済外交に絞りまして何点か伺いたいと思うわけでございます。 きのうの新聞によりますと、日米科学技術協定改定交渉がほぼ合意に達したという報道がなされておりまして、その中でちょっと一点気がかりな点がございますが、この点の確認をまずさせていただきたいと思うんです。「国家安全保障の考え方が初めて協定に取り入れられ、研究成果は公開の原則を確認する一方で、米国で行われる研究については米国内法による機密のしばりがかかる可能性を残した」というような報道がなされておるんです。まだ三カ月先送りということで、状況はこれからという詰めの段階もございますでしょうけれども、実体の中身についてどのような実情なのかお願いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 昨日期限が来ておりましたので、それで合意されました。 経緯を申し上げた方がいいと思いますが、これは昭和五十五年大平・カーター間においてでき上がった協定でございまして、五年間でありまして、六十年に一応期限が来たんですが、その後毎年毎年やはり平和目的と科学技術のお互いの向上のためということでずっと結ばれてまいりました。 その後に、はっきり申し上げまして、日本が科学技術ただ乗り論というのがまかり通った。これはもう委員も御承知のとおり、我が国からは千人ほど人が行くが、向こうからはその十分の一しか日本は受け入れない。これにも理屈はあります。しかしながら、そういうことから技術がどんどん日本は流れておるんじゃないかというふうな意見が、やはりアメリカの一部の社会にあったことは事実でございます。そこへまた東芝問題が起こったというようなことでございますから、したがって、こうしたことに関してアメリカが非常に神経質になっておったことも事実だろうと私は思うのでございます。 しかし、その間をうまく我々といたしましても、さような意味合いのもとでありましたけれども、アメリカが主として主張いたしました安全保障という字句は入れましたけれども、この字句はアメリカについての字句であって、私たちは何ら現行国内法を改定するという意思はない、その枠組みの中でこれは実施されると。だから、三カ月間内容に関しましてもう少しくいろいろと検討して、それから新協定改定と、こういう段取りでございますので、今粗筋は政府委員から申し上げましたが、余り細かく内容に入るということは、両国間の取り決めの上におきましてもいささか支障があろうと思いますから、この程度で御理解賜りたいと思います。
○及川順郎君 それでは話題を変えまして、今牛肉、オレンジ交渉で農水大臣が大変な御苦労をしている状況でございますけれども、どうも会談の中身を見ておりますと、非常に難航の様子が伝えられておるわけでございまして、割り当て制度廃止後の措置につきましてもかなりのやはり乖離があるようでございますし、また自由化時期の明示につきましてもアメリカ側との隔たりは大変大きいと。また、代償措置等でも対立しているというようなこういう状況の中で、決裂は避けたいという状況はあるんでしょうけれども、かなり厳しいという状況の中で継続中ということでございますが、留守を預かっております農林水産の官房長、状況をもしよろしければ初めにちょっと御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生御質問の牛肉、かんきつ交渉の経過等につきまして、私の方から御報告を申し上げたいと思います。 牛肉、かんきつに関する日米間の現行措置、三月三十一日の期限切れということでございまして、急遽、本院の御了解を賜りまして農林水産大臣が訪米さしていただいたわけでございます。訪米いたしました当日、二十九日でございますが、その夜から三十一日、現地時間の三十一日でございますが、深夜にかけまして、ヤイター通商代表と四回にわたる会談を行い、またリン農務長官とも会談を行わしていただいたわけでございます。 我が国の方からは、我が国の牛肉及びかんきつの農家の健全な営農の確保の観点に立ちまして、これらの産品の輸入自由化が困難であることを主張しながら、現実的な解決を求める方向で精力的に対応したわけでございます。しかし米国は、本年四月一日からの輸入自由化を基本的要求といたしまして、それができない場合の輸入自由化の時期の明示であるとか、あるいは今先生お触れになりました代償措置等、極めて厳しい要求を行ったため、先ほどの連絡によりますと、今回は決着に至らなかったということでございます。しかしながら、今後とも二国間によります協議を継続する必要性につきましては、日米双方で合意ができているということでございました。 〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕 他方、米国は、四月の八日に本件に関しましてガット理事会の開催のための手続をとった様子でございまして、日米間の話し合いの進展によってはパネルの設置等ガットの紛争解決手続による解決を求めるという態度を変えておりません。我が国といたしましては、このガットの紛争解決手続の役割ということは認識しておりますけれども、日米間の農産物の貿易を通じる太いきずなと申しますか関係、あるいは牛肉、かんきつの対日輸出の経緯等にかんがみまして、最後まで二国間による現実的な解決の実現を目指して粘り強く話し合いの協議を進めてまいるという考え方に立っております。 以上をもちまして経過を御報告いたしました。
○及川順郎君 官房長、どうもありがとうございました。どうぞ、結構でございますから。 実は、この話し合いが行われる経緯の過程で、ガット臨時理事会が四月の八日に設定されているという状況ですね。日米の信義、二国間の外交上から見まして、他意はないとは言っているんですけれども、非常に不自然ではないか。報道によりますと、与党の中でも外務省筋から正式にこれは抗議すべき内容じゃないかというような話も出たようなことが報道されておりますけれども、この件につきましては外務大臣はどういう認識をお持ちになっておられますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 交渉でございますからいろんなことがあったと思いますが、今も官房長が言いましたとおり、先刻、本日でございますけれども、佐藤農水大臣から私にも直接電話がありました。ただし、私は国会中でございますから外務省の官房長がそれを受けたのでありますけれども、中断せずに帰ることができましたのでありがとうございますと、こういうことでございますから、やはり二国間の問題はあくまで二国間で貫くべきである、こういうことで恐らく農水大臣も話をされたのではなかろうかと、かように思っております。 したがいまして、いろいろ途中でそういう話があったかもしれませんが、外務省はあくまでも農水省と一心同体となってこの問題に取り組んでおりますので、さようにお心を賜りたいと思います。 なお、三〇一に関しましても大丈夫じゃないかと、そういうふうなことで、楽観ではございますが、そういう見方で、決して決裂して帰ってくるんじゃない、中断して帰ってくるんじゃないという状況ではないかと思っておりますので、また帰りましてから十二分に佐藤農水大臣の御意見を承りたい、かように思っております。
○及川順郎君 ここ一連の日米間のやりとりの中で、若干アメリカの強腰が目立つわけですけれども、ぜひ日本政府としてもこれはもう毅然たる主張は貫いていただきたい、このように御要望をしておきます。 次に、ODAの問題について私は何点か触れたいと思うわけでございますけれども、六十三年度予算編成で外務大臣は、六十二年ODA費の対前年伸び率五・八%を上回る六・五%増、これを主張したと。やはりこういう姿勢というものが国際社会の中における非軍事的な日本の貢献という意味でその必要性は認めながらも、ある意味ではアメリカ国内の、特に議会の中にある対日感情、その空気というものを見た顔色うかがいではないかという指摘もあるわけでございますが、この政府開発援助の予算の取り組み、その基本的な姿勢をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) いろいろと経済協力さらには援助等々ございますが、ODAこそ真の援助であるというのが、これは世界の通念になっております。ましてや経済大国と言われた日本は、軍事大国にならない、こういうふうに言っておるわけですから、したがいまして経済大国という見地から世界が日本に期待しておるところが多いであろう、こう思いますと、当然日本も、言われるまでもなくやはり行動をもってそのことを示すということが大切でございますから、したがいまして私たちといたしましては、議会の御支援も賜りつつ、苦しい財政の中でございますが、ODAに関しましては財政当局並びにいろんな諸官庁の御協力を得てやっと七千億台に到達したということでございます。 その結果、今日までの積み重ねの結果を一つ申しますと——もちろん、この援助というものは南北間にあるところの相互依存並びに人道上の考慮、これが一つの大きな理念にされております。そういうことから、途上国に対しまして私たちもいろいろと手を尽くしてまいりました。今までは東南アジアだけでよかったのでございましょうが、さらには中近東あるいはアフリカ、あるいは中南米というふうに、ここには全く戦略的なものはないわけです。本当に純粋の援助という考え方でしてまいりました。 その結果、顕著なるあらわれといたしましては、先般も申し上げたかもわかりませんが、WHOの事務総長に初めて日本人が当選いたしました。この方は有能な方でございますが、やはり票集めに関しましては外務省が応援をしなくちゃなりませんから、あちらこちら在外公館が努力をしてくれました。その結果、決選投票で当選をさせてもらったのでございますが、やはりODAに対するところの感謝の念があらわれておったのではなかろうか、かように思いますので、先ほど申し上げました理念に基づきまして、今後も日本はこの面において大いに努力をしなくちゃいけないと、かく思っている次第であります。
○及川順郎君 大蔵大臣、ちょっとお伺いしたいんですけれども、この六・五%増、一般会計で七千十億円、事業予算を全部入れますと一兆五千億を超えるという、この予算の金額ですね、これに対して大蔵大臣もやはり外務大臣と当然同じような考え方だろうと思いますが、念のために確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国がこれから世界に対して負っております一番大切な務めであろうというふうに考えております。こういう憲法を持っておりますから軍事力をもって世界の平和に寄与することはなかなか困難でございますから、こういうODAというような方法で世界の人類の福祉と平和増進のために果たすことは我が国の大切な務めであると考えております。
○及川順郎君 このODAに関して第三次中期目標、この目標を立てられました年数まだ少しあるわけでございますが、もう六十三年度中に目標完遂というような、円高も手伝いましてそういう状況で進んでいるわけですが、新たな中期目標になるようなものを政府はお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(英正道君) 御案内のように、第三次の中期目標にはいろいろな指標がございます。その中で、九二年に六十年の実績の倍に持っていくというのを、昨年の緊急経済対策において九〇年に前倒しするということをしたわけでございます。そのほか、この第三次の中期目標の期間七年間のODAの総額を七百億ドルにするというような指標もございますし、またその間にGNP比の改善をするということもございます。そういうことで当面私どもといたしましては、円高の進行によりまして、確かにドル建てになっておりますこの第三次中期目標の達成がさらに早まる可能性があるということはございますけれども、現在のところ、こういういろいろな指標が立っておりますので、現行の目標を極力早期に達成するということに努力を傾注していきたいと思っております。
○及川順郎君 質の充実ということがこの問題については大きなテーマになっているわけですけれども、GNP比、最近の統計データに出ております数値に照らしまして、今回の六十三年度予算に盛り込まれましたこのODAの金額、どのぐらいのパーセントになりますか。
○政府委員(英正道君) GNP比でございますけれども、これはその年の援助が全部執行され、援助額が確定して、また、その年のGNPの額が確定した、いわば事後的に出てまいる数字でございます。 御案内のように、八六年ではGNP比〇〇・二九%、八七年度はまだ実績が集計されておりませんので確たる数字がまだ出ておりませんけれども、八六年よりも上回るであろうというふうに私どもは期待しております。
○及川順郎君 このGNP比につきましては、非常に日本は低いということで、フランスのミッテラン大統領が批判をしているという経緯もありますし、また、アメリカ上院では一九九二年までにGNPの三%まで高めるというような、これは法外な考え方としましても、このGNP比の目標設定についてはどのような考え方で臨んでおられるんでしょうか。
○政府委員(英正道君) この点につきましては、いろいろな考え方ができると思いますけれども、やはり一般会計におけるODA予算の手当てを多くするということを通じて、GNPの方もかなり早く大きくなってまいりますけれども、比率を漸次向上さしていかなければいけないと、かように考えております。
○及川順郎君 具体的な数字は持っていない、このように理解してよろしいですね。
○政府委員(英正道君) 現在のところは、第三次中期目標におきましてもGNP比をどこまで持っていくということは決まっておりませんことは御案内のとおりでございます。
○及川順郎君 もう一つ、内容的に見ますと、金額の中身、目的によって諸外国、関係国から見ますと非常に不満の内容のもう一つの状況の中で、贈与比率が非常に低いという、こういう指摘があるわけですね。欧米の九〇%から一〇〇%に比べて極端に低くて、六十年度実績では四七・五%、開発援助委員会加盟国では最低であるという。この改善についてはどのような考え方をお持ちですか。
○政府委員(英正道君) 若干技術的で申しわけないのでございますけれども、贈与比率等の数字は、先ほどのODA総額はいわばディスバース、支出された額の計算ですが、贈与比率というのは借款を幾ら供与した、または無償援助を幾ら供与したという供与のコミットメント、約束が行われたベースの計算でございます。 それで、御指摘のように、八五年はたしか四七%強でございましたけれども、八六年は六〇%、六〇・七%というところまで上がりました。ただ、依然としてDAC十八カ国のうちで一番低いという点は変わっておりません。
○及川順郎君 それからもう一点は、政府開発援助は自国の貿易を伸ばし経済的利益を図ることという、そういう方に我が国のあり方が傾斜しているんじゃないかという、こういう指摘がございまして、発展途上国からも円高に伴う為替差損を補うための借款条件緩和なんかを求める声が出ておるわけでございますが、こういう特にA SEANを中心にした関係国、もっと大きな広がりをこれからますます見せていくだろうと思いますけれども、こういう要望に対してどのような対応策をお考えになっておるか、これはぜひ外務大臣にその姿勢を伺いたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 過般、総理とASEANに参りましたときにも今御指摘の問題が二、三の首脳からやはり言われました。随分と日本の厄介になっておるけれども、急激な円高をどうしたらいいんだ、むしろドル建てでいかぬのかとか、いろいろお話がございましたけれども、十二分にそういうようなことも考えていかなくちゃならないなと。今のところはあくまでも円借款でございますから円建てでございますけれども、しかしながらやはりそれをどのように今後、そうしたときに出た、相手にとりましては大変な差額をどうするかということは大変難しい問題でございましょうが、今外務省は財政当局とも御相談をしておるということでございまして、今のままでよいとは考えておりません。
○及川順郎君 それからもう一点、六十三年度予算でODA関連の予算を要求した省庁、全部で幾つになっておりますか。
○政府委員(英正道君) 十六省庁というふうに理解しております。
○及川順郎君 これだけ多くの省庁では対外的に対応していくのに連携がとり切れるのかという指摘も非常に根強いわけでございますが、この点の政府開発援助機構の一元化、あるいはまた、そこまで至らなくてもこの点の機構改革に対してどのような姿勢で臨んでいかれるか、この点も伺っておきたいと思います。
○政府委員(英正道君) 確かにいろいろ御意見があって、一元化を考慮すべきであるという貴重な御意見もいただいておりますけれども、日本の経済協力というのはいわばオールジャパン型といいますか、関係の省庁、関係諸機関等が力を合わせてやるといういわば日本型の援助で、それぞれの省庁、機関の設置法等に基づき、またその予算の範囲内で対応するということで、私どもとしては途上国に迷惑をおかけすることもなくかなりスムーズに援助が実施されているというふうに考えております。 それぞれいろいろな国の背景があっていろいろなやり方がありますけれども、日本の伝統といいますか、それから官僚機構とか、そういうものを前提とする場合には、私どもは現在の体制の中で運用の改善によって効率化等を図っていくということで足りる、このように考えております。
○及川順郎君 この件についての細目は私はまた別の機会に譲りたいと思いますが、先ほど野田委員から配られましたこの資料でも明らかなように、経済協力費の伸び率というのは防衛費の上をずっと進んでいるわけですね。これからますますこれはふえるだろうということ、ふえることはあっても減ることはないだろう。こういう状況の中で、やはりこれらの費用というのはとりもなおさず国民のとうとい税金によって賄われているということは事実でございまして、この使途については不都合があってはいけない、こういうことを強く感ずるわけでございますが、かつてマルコス疑惑がありまして、あの当時は大変騒がれましたけれども、その後の経緯についてはちょっとしり切れトンボのような感じで最近は余り話題にならない、こういう状況の反省もありましたか、会計検査院で昨年から初めて会計検査の実施をこれは外国についてもおやりになった、こういうぐあいに理解しておるわけでございますが、具体的におやりになった内容をお知らせいただきたいと思います。
○会計検査院長(辻敬一君) 海外経済協力に対する検査につきましては、昨年から検査体制を整備いたしまして充実に努めたところでございます。 昨年は東南アジアを中心にいたしまして調査官を派遣いたしまして、政府開発援助の対象国七カ国につきまして現場を実地調査いたしたわけでございます。 検査に当たりましては、我が国の援助によって建設された施設でございますとか、あるいは購入された機材が有効に活用されているかどうか、あるいはまた技術協力の成果が上がっているかどうか、そういった援助の効果の側面に重点を置いて検査を行ったところでございます。 昨年実施いたしました限りにおきましては、特に検査報告に掲記するような事態は認められなかった、かようなことでございます。
○及川順郎君 具体的におやりになった国、事業名をちょっとお示しいただけますか。
○説明員(疋田周朗君) お答えいたします。 昨年、ODA関係の検査を実施いたしましたのは、国名で申し上げますと、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、シンガポール、それからメキシコ、パラグアイ、フィリピン、この七カ国でございます。 それで、この検査のために要しました人員でございますが、延べで二百四十六・七人日をもって検査を実施いたしました。 次に、事業名でございますが、非常に事業数が多うございまして……
○及川順郎君 後ほど資料で出してください、結構でございます。
○説明員(疋田周朗君) 各国ともに数カ所ないし数十カ所検査いたしておりますので、詳細につきましては後ほど資料でお届けいたしたいと思います。
○及川順郎君 会計検査院としまして、六十三年度もおやりになる、この検査の継続をなさるお気持ちですか。
○会計検査院長(辻敬一君) 先ほど申しましたように、昨年からいわば本格的に海外の検査を始めた段階でございますけれども、海外の調査の経験を蓄積いたしまして、また検査手法等につきましても工夫を加えまして、さらに六十三年度以降検査の充実を図ってまいりたいと考えております。
○及川順郎君 この会計検査院の活動というのは非常に私は大事な要素になるというぐあいに理解をしておるわけでございますが、その後の終わった時点におけるマスコミ報道は、いろんな状況があって必ずしも指摘事項も表に出ないでそのままになったというその背景に外務省筋の猛烈な反発があったというぐあいに報道されているんですけれども、この事実はいかがでしょうか。
○政府委員(英正道君) まず、外務省が猛烈に反発したというふうな事実は全くございません。海外のODA活動というものが会計検査の対象になるということは、もう以前からそうでございます。外務省を初め援助にかかわる関係省庁、それから援助実施機関、従来から会計検査院による会計検査を受けております。 外務省の関心は相手国との関係でございまして、このODA活動と申しますのはやはり途上国が主体でございまして、途上国の自発的な開発のための努力というものを側面から支援する。いわゆる途上国の自助努力を側面から支援するという立場で無償、有償の資金協力、技術協力を提供する、こういう形になっております。したがいまして、あくまでもその活動の主体が途上国でございますので、その実施主体である相手国政府というものに対して検査を行う、つまり日本の公権力の行使が行われるということは、やはり相手国の主権の問題にかかわる。こういう点は私どもとしてはやはり外交を考えていく場合に非常に重要な点であるということで、相手国の政府機関そのものに対して会計検査を行うということは、そういう自助努力を支援するという日本の援助の基本的な姿勢からも、また相手国の主権の尊重という関係からしても不適当であろう、こういう考えを持っております。 しかし、そういう枠内で会計検査院によるいわゆる検査、私どもは現地の調査というふうに考えておりますけれども、そういうことが行われることにつきましては、外務省としても出先機関を含めまして十分協力させていただく、そういうことでやっております。
○及川順郎君 先ほど会計検査院の実施した事業名を聞いて答弁が、資料が整わなかった。私は、政府開発援助につきましてはいやしくも不透明な部分があってはならない、こういう感じもいたしますので、このODAのうち無償資金協力、それから円借款、技術協力の三つに分けまして、この十カ年間の各国別、五億円以上の件数について後で資料の提出をお願いしたい、このように正式に要望しておきます。 外務大臣、この件につきまして私たちがやはりよく耳にするのは、実際の会計検査あるいはまたその使途について検討するにしても、相手の国の主権というものもある、そういう状況の中で相互信頼、相互の信義というものの立場から、スムーズな外交を進めていく上において配慮しなければならない部分もある、この部分はよく理解できるわけでございますが、先ほど私が申し上げましたように、国民のとうとい税金がこの賄いの財源になっておるわけでございますから、今後ますます大きくなっていく、国際化の進む中で、日本の世界に貢献する一つのバロメーターであるというぐあいに見られれば見られるほどこの事業内容や会計検査のチェック体制、これをやはり明確にしておく時期に来ているのではないか、このように思うわけでございますが、外務大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほど辻さんから申されましたとおり、非常に会計検査院としてもデリケートな問題でございましょうが、そうしたことを十分考慮しながらの調査をされた。これは一つの意義があると私は思っております。特に公権力の行使なんというようなことになりますとこれは大変でございます。 だから、そういうことの起こる前にというので、例えばフィリピンでございますが、この間私も第十四次の借款の調印をしたばかりでございますけれども、やはりそうしたことに関しましてはパネルをつくりまして、そして十二分にプロジェクトに関する調査をしまして、評価をしまして、さらに念入れのためには元外務大臣の大来佐武郎さんが団長で、ちょっと調べてきてくれというので調べに行きまして、その結果、こういうことなら結構でございましょうと。そういうぐあいに非常に人手不足で、何もかもできるかと申しますとそうはいかぬかもしれませんが、しかし、そうしたことをも一つの考慮の中に入れながら、やはり国民の税金でございますから、これは大切に使わせていただいて、最大の効果を上げたい、かように考えております。
○及川順郎君 建設大臣がちょっと間に合わないようでございますので、この二十九日に日本の建設市場開放問題に関する日米協議の決着合意ができたという、これはぎりぎりの選択であったろうと思いますけれども、今後の実績いかんではやはりまた火を噴くという状況をはらんでいると思いますけれども、今回の合意につきまして外務大臣の御所見を伺って、質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 最終的には、官房副長官が行かれまして、一、二プロジェクトをいろいろと話し合われて、そして円満におさまりました。 だから私たちといたしましては、御承知のとおり最初は関西空港に端を発し、そうしてやっとおさまったと思いますとそこから今度はもっと広げてくれという話になり、さらには公共事業になり、さらには民間というふうにだんだんと広がってまいったことは事実です。しかし、私が少なくともシュルツさんと会談したときにはもう既に合意に達するというような土台はできておったわけでございまして、これは竹下・レーガン会談におきましても確認された次第であります。 というのは、アメリカが日本の諸手続に習熟をされておらない。だから習熟されるように十分配慮しましょう。あるいはまた、日本に実績がない。実績がない方は、ひとつ入っていただけるようにアメリカの実績でもやってもらおう、こういうことでいろいろと議論を進めてきたわけでございまして、結論は、日本の制度とアメリカの制度が本当に違いますから、なかなか向こうにも理解がいかなかったんじゃないだろうかと思います。しかし、一応この問題は決着を見ましたので、決して後に尾を引くようなことのないように、むしろアメリカさんにもっともっと習熟してくれよ、そして言うた以上はやはり参加してほしい、こちらは門戸を開放しておるんだからというふうなことが今後の話になるのではなかろうか、かように思っております。
○国務大臣(越智伊平君) 大変おくれて参りまして失礼いたしました。 今外務大臣からお答えしたとおりでありますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
○及川順郎君 じゃ、終わります。
○理事(林ゆう君) 以上で及川順郎君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○理事(林ゆう君) 次に、吉川春子君の質疑を行います。吉川春子君。
○吉川春子君 日本政府は昨年までは米軍の重装備の事前集積、ポンカスについては日本側から話を持ち出すことに消極的でした。今回、有事来援研究について日本側から米へ提起し、しかもその研究の結果としてポンカスにも及ぶというふうに予算委員会などで答弁されています。これは日本政府がポンカスについても何らかの負担を行う覚悟を決めた、こういうことでしょうか。
○政府委員(西廣整輝君) 従来、ポンカスにつきまして日本側からその実施について米側に要請する意図があるかないかという御質問があった際に、そのつもりはございませんとお答えしております。 今回、日米の防衛首脳会談において我が方から申し入れましたのは、ポンカスをしてくれとかそういうお話じゃございませんで、有事における米側のタイムリーな来援、そういった問題について研究をしたいという申し出でありまして、ポンカスというような具体的な施策について申し入れをしたというのとは性格が非常に異なる問題でございます。 なお、今回のこれから行う研究に関連をして事前集積の問題等も出てまいることもあり得べしということはお答えしておりますが、その結果、それをやるかやらないかというようなことは、その研究を終わり、さらに政府としていろいろな検討があった後の問題でございますし、事前集積そのものが取り上げられるかどうかということすらまだ明確でない段階でございますので、ましてや日米間でその経費負担をどうこうするというような問題には立ち至らないというように考えております。
○吉川春子君 先日の内閣委員会で私の質問に対して、ポンカスの日本側の費用負担について米軍の装備を負担することはないと防衛局長は答弁されましたけれども、防衛庁長官もそういうことでよろしいんですか。——いや西廣さんからはもう聞いていますね。長官に聞いたんです、同じ意見かどうか。
○政府委員(西廣整輝君) ポンカスというものについては各国の例等を私申し上げて、それらは米軍の部隊の装備を事前にそちらに集積をしておくというものでありまして、事前集積を仰ぐ方の国がそういったものを負担する、装備品そのものについて、購入について負担をするというような例はないということを申し上げると同時に、我が国についても、仮にある装備を買ってまでアメリカに提供するかということになれば、自衛隊がまずみずからの装備を更新することの方を優先すべきであるし、そのような考えは全くございませんとお答え申し上げた次第であります。
○吉川春子君 その答弁は伺っておりました。防衛庁長官はいかがですか。
○国務大臣(瓦力君) 極めて防衛局長の答弁が明確でございますので、私はつけ加えることはございません。私もさように考えております。
○吉川春子君 外務大臣もそういう同じお考えでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) そのとおりでございます。
○吉川春子君 そうしますと、アメリカの装備を日本が買えないということは、集団的自衛権に抵触する、そしてまた武器輸出三原則にもひっかかる、こういうことで買えないわけですね。
○政府委員(西廣整輝君) 私が申し上げているのは、買える買えないという問題以前に、そのようなつもりはないということを申し上げておるわけであります。
○吉川春子君 つもりはないということの場合は、できるけれどもつもりはないという場合と、できないんだという場合がありますが、どっらですか。
○政府委員(西廣整輝君) つもりもないようなことを余り研究したこともございませんので、私も明確なことは申し上げられませんが、余り例のないことなので直ちにはお答えできないというようにお答えしておきたいと思います。
○吉川春子君 これは、今言ったような理由で日本は買うことはできないと思います。 防衛庁は、今回の研究によってポンカスが必要という結論が出て本当に実施しようということになれば、新たな施設の提供、それを管理するお金をどちらの負担にするかという問題が出てくるかもしれないと、これは二月二十九日の衆議院の予算委員会で答えておられるわけです。そうしますと、来援する米軍部隊のすべての物資をポンカスできないケースが想定されますけれども、それは具体的にはポンカスの規模を縮小して装備物資を自衛隊が肩がわりして、例えば弾薬を自衛隊の弾薬庫で管理するとか、そういうことを指しているんですか。
○政府委員(西廣整輝君) どうも御質問の趣旨がよくわかりかねますが、私ども再々申し上げているように、今回の有事来援研究というのは、日本有事に際して米側の時宜を得た来援というものが可能かどうかということについて研究いたすものでありまして、それについていろいろな隘路があろうと思いますが、隘路があるとすればそれがどういう問題であるか、それを解消する道があるとすればどういう考え方があろうかというような研究をするわけでございまして、具体的に今先生から御指摘があったように、ポンカスをするかしないか、その経費負担がどうかというような問題を研究するわけではございませんので、今お尋ねのような点について私どもは現在お答えする立場にないわけであります。
○吉川春子君 でもあなたが、結局、どっちが管理するかというような問題、施設の提供の問題が出てくると、こういうふうに言っているんですよ。そのことについてはどうなんですか。
○政府委員(西廣整輝君) 仮定の問題として事前集積を日本について行うということになれば、そのための施設の提供ということもあり得るであろうし、あるいはそれを管理するのをどちらがするかという問題も生じてくるということは、一般論として申し上げておるわけであります。
○吉川春子君 そうすれば、日本が負担するという可能性だってあるじゃないですか。今回の有事来援の研究において、米本土から米軍の兵器、補給物資あるいは兵員の輸送、こういうものを日本が行う、例えば輸送費の負担であるとかそういうものがあり得るんですか。
○政府委員(西廣整輝君) 同じ答えを繰り返させていただくことになりますので省略さしていただきたいと思いますが、たびたび申し上げるように、今回の研究というものは、具体的に日本政府が何らかの措置をとるというようなことではございませんので、要するに有事来援にかかわるファクトファインディングと申しますか、いろいろな問題点の洗い出しをやるということが研究の主たる目的であるということを御理解いただけますと、今のような御質問にはならないのではないかというように思うわけでございますが、いずれにしましても、今回の研究において、どちらが何を負担するかとか、そういった問題を研究することはございません。
○吉川春子君 問題を取り違えているんじゃないですか。要するに米軍が有事のときに駆けつける、日本に。その研究をするということを繰り返し言っているわけでしょう。そうしますと、日本の国土に入ってどうするかという問題じゃないですよ。アメリカから米軍が日本へ駆けつける、その過程の問題ですね。日本へ到着するまでの間に、そういうことを日本が負担するということだって当然出てくるんじゃないですか。輸送とか兵員の確保とか、そういうようなことを全然研究しないという意味ですか。
○政府委員(西廣整輝君) まだ私の方、どうも頭が悪いせいか理解できないわけですが、確かに来援の仕方には、相手方が自分で戦闘機等で飛んでくる場合もあるでございましょうし、船が自分で行動してくる場合もある、あるいは陸上部隊等であれば輸送船に乗って来たり航空機に乗って来たりする場合もあろうと思いますが、その際の何に乗るか、我が方がそれを支援するかしないかというような問題、仮に輸送能力というものがネックで来援できないということになれば、それをどういう形で確保するかという問題はあろうかとも思いますけれども、いずれにしましても、今後の具体的な研究が進んでいかないと、どういうことが問題であるかということもわからないということを申し上げておきたいと思います。だからこそ、研究をさしていただきたいということであります。
○吉川春子君 全部研究ということに逃げ込んでしまうのは、ちょっとひきょうだと思うんですね。つまり、米軍が米本土から米軍の物資を輸送するのに、それは当然輸送してくる場合だってあるわけでしょう、ポンカスするかどうかわからないと言っているくらいですから。そうすると、そういう場合に、アメリカの本土から米軍の物資を輸送してくる場合に、その負担を米が負担するか、あるいは日本が負担するか、こういうことだって当然研究のテーマになるんじゃないか、そういうことを伺っているんですけれども。 〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕
○政府委員(西廣整輝君) 私ども今こういうことをやりたいと申し上げているのは、繰り返すようでありますが、問題点を洗い出しよく知るために研究をしたいということでありまして、こういう政策をとりたいという御提案を申し上げているわけではございませんので、どういうことが出てくるか、まさにそれがこれからの勉強であるということで、研究でも終わりまして御参考になるようなことがあればお答えしたいと思いますが、今の段階で余り先走って申し上げられないのが実情であります。
○吉川春子君 当然そんなことは、事前集積するか米から運んでくるか、どっちかなんですから、そういうことについても当然研究の対象になると思うし、そのことの答弁をはぐらかすというのは大変けしからぬことだと思います。 次に、米軍のための有事法制の問題についてお伺いしたいと思いますが、日本の有事ではなくて極東有事の際に、自衛隊の米軍への役務の提供について、この問題については一九八一年の七月二十八日の参議院の内閣委員会で我が党の安武議員の質問に答えて当時の塩田防衛局長は、自衛隊関係法上できないと、こういうふうに答えておられますけれども、この見解は今も変わりないんでしょうか。
○政府委員(西廣整輝君) 御質問の趣旨十分受け取っているかどうかわかりませんが、極東有事の際における米軍の活動、それに対して自衛隊が役務の提供ができるかできないかという御質問だろうと思いますが、その種極東有事の際に、オールオーバーに自衛隊が何かできるというような協定なりあるいは法的根拠はないというように私どもは考えております。しかしながら、平時から米側に対して、自衛隊、防衛庁独自の案、固有の権限として役務等の提供ができるものもございますし、あるいは一般的な法律に基づいて、米軍に限らないわけでありますが、役務の提供等あるいは需品の貸与等ができるという規定がございますので、その種のものはやはりできるというように申し上げるべきだと思います。
○吉川春子君 きのうちょっと通告しておいたんですけれども、そうすると、今のお答えですと八一年の答弁よりは若干前に進んだ感がしますが、そういうことですか。
○政府委員(西廣整輝君) 当時と現在と自衛隊の持っておる権限なりあるいはそういったもの、それ以外のもろもろの一般的な法による権限等が変わったというふうに私は承知しておりません。例えば、私が今申し上げたのは防衛庁設置法第六条に防衛庁の権限という条項がございますが、そこの十九号に「相互防衛援助協定第七条第二項の規定に基づき」云々というところで附属書Gというイン・カインド・コントリビューションといいますか現物提供の取り決めがございまして、それに基づいて不動産、需品、備品及び役務を供することができるといったような権限があるわけでございます。そういったことについては現在も、平時も、できれば引き続き極東有事の際もできるであろうというふうに私どもは考えております。 そのほか自衛隊法に、例えば自衛隊の基地に不時着陸したような場合の航空機、これは米軍の航空機に限りませんけれども、そういったものに燃料等を支給することができるとか貸すことができるとかそういった規定がございますし、あるいは物品管理法等に基づいてやり得るものもあるというように御理解いただきたいと思います。
○吉川春子君 その有事来援研究、ポンカスに関して、極東有事の際の自衛隊の米軍への役務の提供のような研究は理論的にというか、法的にできるんですか。
○政府委員(有馬龍夫君) そのような研究はできます。
○吉川春子君 そうすると、日本が攻撃されていない極東有事において役務提供が可能な有事法制の研究ということもあり得るということですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 先般来取り上げられております防衛協力の指針の第三項に、いわゆる極東における有事の際、我が国がいかなる便宜供与を米軍に対して行うことができるかということを研究するようにとございますけれども、その一環としてそのような研究ができると考えております。
○吉川春子君 集団自衛権の行使に踏み切ることができるようになるということだと大変重要な問題だというふうに思うわけですね。もし、日本有事でなくて極東有事のときに米軍に便宜供与ができる、今そういうようなお答えがあったと思いますけれども、そういうようなことになれば相手国からは自衛隊が参戦していると、こういうふうにみなされることになるわけです。かつてのベトナム戦争のときでさえ椎名外相は、安保体制にあるがゆえに一種の敵性を持ったと決められそして攻撃を受けるあるいはその他の脅威を受けるということはあり得ると思う、このように答弁されているわけです。米軍の極東などでの戦争の際に自衛隊が便宜供与をすることがあり得るなどということは日本を戦争に巻き込む大変危険なことだと、そういう研究というのは絶対許されないし、中止するように私は要求して次の質問に進みたいと思います。 次期防についてお伺いいたします。防衛庁が間もなく検討に入る次期防についてですが、現行中側防の検討事項である空中給油機AWACSあるいはOTHレーダーについてはいつまでに結論を出すんですか。
○政府委員(西廣整輝君) 中期計画におきましては空中給油機について検討するということが書いてありますので、この期間中に検討すればいいのではないかというように考えております。 なお、AWACSについては特に中期計画に記述はございませんで、早期警戒機、引き続きE2Cを購入するということで計画が組まれているというように理解をいたしております。 なお、先ほどの御質問に関連して申し上げますが、集団的自衛権と申しますのは、我が国が攻撃されていないにもかかわらず日本が第三国のために、同盟国のために武力行使をするという武力行使にかかわる問題であろうと思いますので、先生のおっしゃる集団的自衛権に抵触するというような問題は生じてこないというように私どもは考えております。
○吉川春子君 OTHレーダーはどうですか。
○政府委員(西廣整輝君) OTHレーダーにつきましては、この期間中に検討を終え、要すればその整備に着手をするということになっておりますが、現在まだ検討中でございまして、六十三年度引き続き技術的な問題等を検討し、それによって結論を得たいというように考えております。
○吉川春子君 そうすると、いずれにしてもその結論はこの期間内に、こういうことですか。
○政府委員(西廣整輝君) OTHレーダーにつきましては、期間内に結論を得ればそれによって事業に着手するということになっておりますので、期間内に研究を終わらせる必要があるというように考えております。 なお、給油機等については、検討するということにとどまっておりますので、場合によっては期間を超えてさらに研究が続くということもあろうかと思っております。
○吉川春子君 現行の中期防は一九九〇年までですけれども、その間に大綱別表を達成する計画になっているわけですが、その大綱に決められている数字を確認したいと思いますが、例えば対潜水上艦艇約六十隻、それから潜水艦十六隻、作戦用航空機約四百三十機、この限度数を変更するということは次期防の計画の中であるわけですか。
○政府委員(西廣整輝君) 次期の計画につきましては防衛庁長官から本委員会でたびたびお答えしておりますように、防衛庁としてはその種中期的な計画が必要であるというように考えてはおりますけれども、実際つくるかつくらないかということにつきましては政府として安全保障会議等で御審議をいただいて決定をしてからの問題でございますので今後の問題である、ましてやその内容についてはこれからの検討にかかわりますが、再々申し上げておりますように、状況の大きな変化というものがない限り大綱の基本的な枠組みというものは変えないというのが我々の考え方でございます。
○吉川春子君 大綱別表の護衛艦、対潜水上艦艇、作戦用航空機、潜水艦の数は、これは予備のものとか訓練用のものも含んでいるんですか、それとも含んでいないんですか。
○政府委員(西廣整輝君) 航空機、艦艇等について、いわゆる退役したものについては含んでおりません。
○吉川春子君 もうちょっとお伺いしますが、訓練用のものとかそういうもの、それから潜水艦、そういうものについてはどうですか。
○政府委員(西廣整輝君) 艦艇であれば例えば練習艦、あるいは航空機について練習機、そういったものは作戦用航空機でありませんので含んでおりません。なお、予備機等について申し上げますと、いわゆる在場予備等については含んでおるわけでございますが、いわゆる減耗予備というものにつきましては、ある機種の生産をいつまでもだらだら続けておくわけにいかないということがありますので、その機種の終わりの段階、生産が終わる段階では相当なものは持って、要するに耐用命数に見合う予備機を持たなくちゃいけないということで、それについては含んでいないというようにお考えいただきたいと思います。
○吉川春子君 そうしますと、予備を含めないということは大綱別表の表の数と違ってくる、変更するということにつながるんじゃないんですか。
○政府委員(西廣整輝君) その点につきましては、大綱をつくった当時に、例えば作戦用航空機について言えば百数十機もそれをオーバーしておるというようなことでございまして、いわゆる予備機なりあるいはもう既に減耗直前のやつがたまってしまったというようなものについてはその数に入らない、部隊編成及び在場予備、そういったものについての枠組みというようにお考えいただきたいと思います。
○吉川春子君 そういうふうにして訓練用のものとか予備のものとか、いざ有事になればこういうものはみんな使えるものが大部分だと思いますけれども、そういうような形で事実上の大綱別表を変更するということはやっぱり許されないんじゃないかというふうに思います。 そして、日本の軍事費についてお伺いいたしますけれども、大蔵省にお伺いいたします。——防衛庁だったかな、これは。対GNP比一%の枠を突破して青天井で軍事費が膨張を続ける危険性もあるし、今も続けているわけですけれども、仮に次期防の計画が六十三年度並みの前年対比五・二%の増で防衛費が伸び続けた場合、五カ年ではどれぐらいの金額になるんですか。
○政府委員(西廣整輝君) これは計算すれば、先生が計算されても私どもが計算しても同じ数字になると思いますが、ということではなくて、私どもも前々申し上げているように、我が防衛力の整備というのはまず憲法の枠組みの中でやる、そして大綱がある、そして中期計画というような政府計画の中で具体的な中身を精査して主要な中身とともにその金額の総額を決めていくという考え方が、先にお金ありきというような形で決めるよりも、よりシビリアンコントロールも行き届くし精査できるものになるという意味で、私どもはそういうつくり方といいますか、防衛力整備のやり方を考えておる次第でありまして、単にお金を先にパーセンテージで伸ばして決めて、その枠内で何でもやるという考え方をとっておらない次第であります。
○吉川春子君 計算すれば出るということですから、お答えください。
○政府委員(斉藤邦彦君) 計算が行われております間に、申しわけございませんけれども、先ほどの吉川委員の御発言の中につきましてちょっと一つだけ申し上げさせていただきたいと思います。 先ほど、いわゆる極東有事の場合、我が国が米軍に対して便宜供与を行うことは憲法上禁止されている集団的自衛権の行使に当たるのではないかという御趣旨の御発言がございましたけれども、この点につきましての政府の考え方というのは、従来から御答弁申し上げておりますとおり、憲法上認められていない集団的自衛権の行使は我が国による実力の行使を伴うものでございますので、実力の行使に当たらない便宜供与はそのような集団的自衛権の行使に当たらないと考えております。したがいまして、我が国が米軍に対しまして極東有事の場合にいわゆる便宜供与を行うということは、一般的には実力の行使に当たりませんので、憲法上認められていない集団的自衛権の行使には当たらないというのが政府の考え方でございます。
○政府委員(西廣整輝君) 今先生のお尋ねは六十三年度現在御審議をお願いしている防衛関係費三兆七千三億円、これを要するに五・二%ずつ伸ばしていって、それで六十六年から七十年でございますか、といいますか、を足したらどうなるかということでありますが、二十六兆三千億ぐらいの数字が出てくるというふうに思います。
○吉川春子君 今、もちろん仮定の前提でお答えいただいたんですけれども、それにしても五・二%ずつ伸ばしていくと物すごい数字になるということはおわかりのとおりですが、最後に大蔵大臣、もしこういうような形で次期防あるいは防衛費の膨脹が続いていきますと、大蔵省としてはどこからこういう防衛予算を出すんですか。むしろ私はそういうものは出せないんだとはっきりお答えいただきたいし、大型間接税を導入して出すなんというお答えは困るんですけれども、とにかくそういう二十六兆なんというそういうような大変な金額というのは大蔵省としては出せないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 防衛のための支出は我我と我々の子孫の平和と安全のために必要なものでありますから、我々は一生懸命働いて、そしてそれだけのものを我々の成長によって稼ぎ出す、そういう心がけが大事であると思います。
○吉川春子君 二十六兆も出すんですね。
○政府委員(西廣整輝君) 数字を訂正させていただきたいのですが、五・二%、名目で五・二だけで伸ばしますと二十三兆九千億ぐらいになるということで、訂正させていただきます。
○吉川春子君 いずれにしても膨大な金額です。 終わります。
○委員長(原文兵衛君) 以上で吉川春子君の質疑は終了いたしました。 (拍手) ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、関嘉彦君の質疑を行います。関嘉彦君。
○関嘉彦君 まず最初に外務省、あるいはむしろ外務大臣にお伺いいたします。 発展途上国に対する開発援助は、重武装を持たない日本が世界の平和及び日本の安全保障に寄与する非常に重要な道だと私は思っております。そういった途上国に対する援助の目的は、私の考えでは、そういった途上国の人たちが援助を受けなくて済むように経済的、社会的、政治的に自立していく、それを助けることだと思うのであります。 ところで、先ほど来質問を聞いていてちょっと奇異な感じがいたしたんですけれども、日本では、先ほど来政府委員の人が経済協力という言葉を盛んに使われましたし、外務省には経済協力局という局があります。予算の項目を見ても経済協力費というふうになっております。しかし私は、そういった途上国が自立し得るようにするためには経済的な港湾であるとか道路であるとか、そういったインフラストラクチャー、これはもちろん必要ですけれども、単にそれだけにとどまらず、そういったものを使いこなす技術を移転する、技術を教える、あるいは人間の教育あるいは衛生、そういったものの各方面の援助が必要だと思いますので、単に経済協力という言葉は何か日本がいかにもエコノミックアニマルであるかのような印象を国の内外に与える。その点で、以後外務省としても経済協力局という名前を諸外国がやっていますように開発協力局あるいは開発援助局というふうに改めるお考え、検討される考え方があるかどうか。 突然の質問であるいはお答え、質問通告が間に合わなかったかと思いますけれども、どうも先ほど来の答弁を聞いていまして私は奇異な感じがしましたので。
○国務大臣(宇野宗佑君) 厳密に申しますと、援助と経済協力はおのずから性格が違います。援助はあくまでも先ほど申し上げましたとおり人道上の考慮並びに南北間にあるところの相互依存。経済協力はそうした途上国以外にもなされる場合があるわけでございますから、おっしゃるとおりに、それが混同して使われました場合には非常に奇異な感じを専門家の先生方には与えることもあると思います。今、局名を変えろということになりますと、これまたちょっと私もとっさに判断ができませんが、仰せの趣旨は私は非常にわかるような気がするわけであります。
○関嘉彦君 外務省の中の経済協力局というのは、アメリカなんかとの経済協力じゃなしに私が言っている開発援助、開発協力のことなんですよ。したがって、ぜひ名前を変えることを検討していただきたい。 それから、そういった意味の開発協力、いろんな機関がやっておりますけれども、私はやはりそういった人づくりなんかの点で一番重要な活動をしているのはJICAの活動じゃないかと思います、青年協力隊でありますとか技術協力。ところでそのJICAの予算を見てみますと、無償資金協力の事業費なんかは除いてありますけれども、確かに毎年増加してきております。六十二年度は千三十五億、六十三年度予算案で千八十五億。ところが事業団の人員、定員、これはもう確かに最近数名当ては伸びてきておりますけれども、これが創設されたときの人数は九百九十四人、ところが六十三年度予算案では九百八十人でそれょりもっと低いわけです。創設当時の定員よりも低いわけです。 私は、こういった人づくりの協力なんというのは、純然たる経済援助の場合もそうなんですけれども、やはり人が非常に大事になってくるんじゃないか。この人が非常に少ないように思うんですけれども、殊に現地でいろいろインフラストラクチャーの調査なんかをやっている人、あるいは青年海外協力隊の指導をしている人、あるいは技術協力の手伝いやなんかをしている人、現場の人が非常に不足しているように思うんですけれども、現在海外事務所の総数は幾らあって、その中でJICAの職員が一人しかいない一人事務所というのは何カ所ございますか。
○政府委員(英正道君) 六十二年度現在四十七の事務所がございますが、そのうちの十五の事務所がいわゆる一人事務所でございます。昭和六十三年度で御審議いただいております政府原案、予算の原案においてモロッコ等四カ所に増員が認められますれば、これが十一に減る、こういうことでございます。
○関嘉彦君 お聞きのように三分の一近くが一人事務所ですね。これはちょっと出張でもしておれば空っぽになってしまうわけで、やはりJICAの人員の増強、特に現場で働いている人たち、そういった人たちの人員の増強に一層の努力をお願いしたいというふうに考えております。 それから次は、青年協力隊の問題について質問いたしたいと思います。 私は、海外に行く機会があるごとに、できるだけ時間を割いて青年協力隊の人たちのやっている活動あるいは専門員なんかの技術協力の現場を見ることにしている。例えばペルーなんかのあの治安の悪い、ホテルの下で鉄砲の撃ち合いなんかをやっているようなああいう治安の悪いようなところでも若い青年たちが農業技術の指導なんかをしておりましたし、あるいはマレーシアのクアラルンプールの辺くでは、重症障害児、これを日本の若い女の人が行って、実際に面倒を見るだけでなしにその面倒の見方なんかを指導している。 あるいは、私ことし行ってきたんですけれども、マレーシアの昔のボルネオ領の方ですね、あそこなんかに行ってきたんです。戦争中私が飢え死にしかかったジャングルの中なんですけれども、二十を過ぎたばかりの若い女の人が一人で、師範学校でしょうね、そこで体操の指導をしている。それを見て私は大変感激いたしまして、何か最近の日本の若い者たちはマイホーム主義で自分のことしか考えない、このごろの若い者はだめだというふうな考え方をしておりましたけれども、それは大変な認識不足であるということを非常に痛感したわけです。 こういう人たちがもっともっとふえていくということは、単に開発協力の観点だけではなしに、日本人の間にボランティア精神を養成していく上においても非常に大事なことじゃないかと思う。その観点からこの人数をふやすこと、これについてちょっと質問いたしたいと思います。 青年協力隊あるいはその同種の例えば平和協力隊、国によって呼び方は違いますけれども、ヨーロッパ諸国と比較しますと、人口比をとってみますと、アメリカはちょっと例外的に多いんですけれども、日本の場合、その絶対数それから相対的な比率、それほど大きな違いはない。劣ってはいないと思います。しかし、諸外国の場合は、ODA予算以外の本当の民間のボランティアの団体がいろいろ活動しているわけです。日本はそれが非常に少ないわけです。そういう点から考えて、やはり日本の場合はODA予算をふやすことによって、プロジェクトなんかの援助よりもむしろそういった人間をふやしていく、そのことが大事じゃないかと思うんですが、これは質問していると時間がないので項目ごとに言いますからまとめてお答え願いたいと思います。 途上国からのいろいろな申し込み、需要に対して供給、こちらで提供している供給割合といいますか充足率といいますか、これは職種によって随分違いがあると思いますけれども、平均して何割ぐらいであるか。 それから、今派遣国の累積合計が三十八カ国となっていますけれども、もっと実情を知れば申し込みはもっとふえてくるのではないか。と申しますのは、私今度行った昔のボルネオ、マレーシアの島嶼部なんですけれども、北の方のサバというところでは二十人近い協力隊が働いている。ところが、その南半分のサラワクというところでは一人か二人しかいない。これはつまり、北の方には領事がいるけれども南の方には領事がいないものですから余りよく知られていないんじゃないか。これなんか、もっと知られれば恐らく、ほとんど人口は同じぐらいのところですから、もっともっと需要がふえるのではないかと思いますので、もう少しもっと各国に、宣伝というのはおかしいんですけれどもふやしてもらいたい。 それから三番目に、国内での応募者の数は毎年三、四千人と言っていますけれども、この中から毎年八百人ぐらいずつ選んで送っているわけです。これももっと宣伝広報活動をやればもう少しふえてくるのではないかというふうに思いますので、その三点についてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 全く我が意を得たりと申し上げたいような御質問でございます。実は、青年協力隊は竹下総理が青年局長、私が青年部長のときに初めて送り出した部隊でございまして、累計七千名になっておる。本当に頑張ってくれています。 最近、先生おっしゃるように、やや数が足りないというのが事実でございますから、これもやはり公務員からはわりかた身分を保障されて出ることができるんですが、一般社会からはアフターケアがやや不足のところがございます。この間も私は財界首脳と出会いましたときに、幾つもの問題の中に特にこの問題もとらえまして、やはり善隣友好の実を上げるという意気に燃えておる青年がたくさんいるんだから、ぜひともそうした人たちをひとつ送り出していただきたい、そのためには身分保障等々をお考え賜りたいということを申し上げまして、JICA等々を通じましても直接話し合いをさせていきたい。仰せのとおりのことでございますから、ますますその御期待にこたえたいと思っております。
○関嘉彦君 もう時間がありませんので、数字の方は後で資料としてお届け願いたいと思います。 それからまた、技術協力の問題についても質問通告していましたけれども、私の時間があと五分しかないので、外務省ばかり質問するとちょっと防衛庁に不公平になりますから、これから防衛庁に。 日本の防衛費が多いか少ないかということは、この国会でもたびたび繰り返し議論されたところでありますし、きょうもその問題についていろいろの議論がございましたけれども、私はやはり日本が国を守るに必要最小限度の自衛力を持っているということが日本の安全のために大事で、もしこれを侵すような国があれば、侵略するような国があれば手ひどい打撃を与えるのだということを外国に示しておくことが日本の安全にとって非常に大事であるし、また、それが世界の平和にも寄与する道だ。そういう点で防衛力の整備の問題についてお尋ねいたしますけれども、一つだけその問題についてお尋ねします。 現職の自衛官、これでも陸なんかはまだ充足率が十分達していないわけですね。これの充足率を高めることも問題かと思うんですけれども、諸外国と比較しまして予備自衛官、この数がやはり非常に少ないわけです。それぞれの各国の例、それぞれ制度が違いますので一概に比較できないんですけれども、ミリタリー・バランスなんかに書いてあるところを見ますと、それから日本とほぼサイズが同じような、人口なんかがそれほど違わない例えばイギリスと比較してみますと、現役の一〇〇%ぐらい、ほぼ同数の予備隊がいるわけです。リザーブと書いてあるのがあるわけです。フランスは七割、西ドイツは一五〇%、制度が違いますので機械的な比率の比較はできないと思いますけれども、しかし、日本の場合は予備自衛官の定員は非常に少ないと言っていいんじゃないかと思います。 そこで、それを補う方法としていろいろな方法があると思うんですけれども、予備力をふやす方法として、一つは現在の予備自衛官の定員はそのままにしておいて、その招集期間は今五日ですね、これは技術なんかが変化していくときに五日ぐらいで足りるだろうか、一年五日、もっとそれを延ばすということが一つの方法。あるいは第二の方法は、予備自衛官の人数そのものをふやす。それから第三番目は、昨年の国会で栗原防衛庁長官だったと思いますけれども、民間人から予備自衛官を募集するんだ、そういう案を検討しているということを国会の中で言われました。 その三つの方法がいろいろある、その長所と短所があると思うんですけれども、民間から予備自衛官を採用しようということの目的は一体何なのか、それからその三者のそれぞれのメリット・デメリットをどういうふうにお考えか、防衛庁長官お答え願いたいと思います。
○政府委員(松本宗和君) お答え申し上げます。 まず民間から、つまり自衛官を経験していない者から予備自衛官を採用しようとしておるその目的は何かというお尋ねでございますが、これは民間から、つまり自衛官を経験していない者から採用をするということが先に出てまいったわけではございませんで、予備自衛官につきましていろいろもっと適用し得る業務があるのではないかと。そうなりますと、予備自衛官の員数というものを現在の員数よりもずっとふやしていかなければならないだろう。そこでその数によりましては、現在、先生ただいま御指摘のように自衛官を経験した者から採用しておりますけれども、そういう制度では採用し切れないのではないかというところから、自衛官を経験していない者からも予備自衛官として採用し得るようにしたらどうかというアイデアとして浮かんできた。そこで、そういう問題について法的な側面を含めまして検討をしようというのがこの自衛隊を経験していない人からの予備自衛官採用の問題でございます。 それから訓練日数のこと、これは法律では二十日以内ということになっておりますが、現在五日ということで訓練をやっております。これは退職しました段階で持っております技量と申しますか、それを維持する程度ということと、それからやはり民間で勤めておる人たちが大部分でございます。そういうことで一年の間に相当の日数を割くということが大変困難であるという状況もございまして、この二つの点から現在、年間五日というところで技量維持を図るということを主体に訓練をしておるということでございます。 以上だったと思いますが。
○関嘉彦君 答弁が不十分な点がありますけれども、時間がありませんので——それじゃ防衛庁長官。
○国務大臣(瓦力君) ただいま人事局長から御答弁がございましたが、予備自衛官の問題につきましての先生の御意見、大変貴重な御意見だと思います。各界の意見も徴しながらいろいろ研究をしてまいりたいと思っております。
○委員長(原文兵衛君) 以上で関嘉彦君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島幸男君。
○青島幸男君 私は専ら海外援助の問題についてお尋ねを申し上げます。 我が国のODAは近来大幅に伸びておりまして、今や米国に次いで二位の地位にあるというようなことになってまいりまして、各界から非常に注目を浴びておりまして、世界的にも非常に評価が高くなっておるということでございます。その実績と役割の割には国民の方々の中に一般的に海外援助のありよう、実態というものが理解されていないような気がするんですね。それで、たまさかマルコス疑獄のようなことが起きましたときに大々的なニュースになりまして、そのとき初めて、ああそうか、我が国もこういうふうに経済援助をしていたのかというようなところで改めて驚いたりするというようなことでは、何となく情けないような気がいたしますですね。 しかも、それは自分が納めている税金で行われているんだということでありながら、そのように余り関心が持たれない、知識が持たれないということを私は大変残念に思うんです。これを国民の間にもっと理解を広めるようにするためにはどうしたらいいかということなんです。これは外務大臣一人の御責任じゃないと思うんですけれども、海外援助は予算の関係からしても十六省庁にまたがっておるとかいうことでございますし、外務省にとっても重要な所管でもございますので、その点御関心もおありだと思いますので、その点からまずお尋ね申し上げます。
○国務大臣(宇野宗佑君) おっしゃるとおりの面が多々あると思います。したがいまして、具体的なことは政府委員からひとつ説明させます。
○政府委員(英正道君) まさに仰せのように今まで途上国、援助を受ける方の国において日本がこれだけのことをやっておるという、いわばPRというのに実は意を注いでまいりました。実は肝心の国内において、日本が外でどういうことをやっておるかということの積極的な広報努力というのが不足していたということは、これはもう明らかでございます。 遅まきながら、昨年閣議決定をいただきまして、十月六日を国際協力の日というふうに定めまして、そういうことをきっかけにいろいろ資料を整備し、また情報公開を促進する等、援助の内容について広く国民の御理解、御支援を得るためにも情報をひとつ広く周知する努力をしたい、このように考えております。
○青島幸男君 大体、これは我が国の国民性にもよるんですね。先進諸外国ですと植民地の経営に当たったり、あるいはいろいろ対外的な目も開けておりまして、それから宗教的な問題もあるでしょうけれども、救済を求めている者には手を差し伸べるということがもう自然に行われる行為だという認識もあったりしまして、そういうところからボランティアの方々の考え方の方が政府援助などより先に進みまして、友好を深めているというような理想的な形になりつつあるように思うんです。我が国は歴史的な経緯から見まして、なかなか諸外国と少なくとも援助をしてというような状況には今までなかったのですが、幸いなことに我が国は非常に経済的に発展してまいりまして、やっと人に手を差し伸べても大丈夫というような状態になりましたけれども、戦後の荒廃のときから考えますととても人に手を差し伸べるような状況ではございませんでしたし、やっとこのごろそうなったというところからしまして、理解が行き届いていなかったという土壌みたいなものもあると思うんです。 それと、もう一つわかりにくいのは、先ほども私申しましたけれども、援助のあり方が、十六省庁にもまたがって各個に縦割りで行われておって、具体的に実態として一つに把握することが大変困難だということもありますし、それからなぜそういうことをやるのかという理念が、先ほどから外務大臣がるるおっしゃられておりますように、東西の格差をなくす、あるいは経済的な格差をなくす、それから道義的なものに基づいてそれで手を差し伸べ、開発にお手伝いをすることが世界的な平和につながるんだというような、そういう理念がまだ国民の間に行き届いていないような気がします。 それからもう一つは、それぞれさまざまな格好で行われる援助が、国会を通じるとか、あるいは適当な法制があって、その法制下ですべての国民が認知するというような格好に万全になっておりませんですね。少なくとも各省庁で国会の承認を得てから何かするという手続を踏んでおりませんし、ですから、国民の代表である国会を通じて何が行われているかということが国民の目に明らかにならないというところが国民に広く理解を求められない重大な欠陥のように私は感じるんです。 理念を明確にうたい上げてないということ、それから各省庁にまたがって繁雑になっているということ、これが一本になっていないということですね。それから国会の承認を、あるいは何らかの形で国会を通して国民の目に正確に触れていくようなルートがないというこの三点が私はネックだと思うんです。 これをこのまま放置しておきますと、外務省が言われたように、幾ら一生懸命PRなさってもなかなか理解が行き届かないと思いますので、この点をどのように今後かみ砕いて国民の方に御理解いただけるようになさっておいでになろうとしているのか、政府のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 理念に関しましては、しばしば申しておりますとおり、ODA、つまり政府開発援助、これこそが唯一の援助であるというのが大体先進国の共通理念になっております。また、LDCと言われる途上国の方々も、そうした理念に基づきまして、やはり南北の相互依存、そして人道上の考慮、こうしたことから援助を求めてきておられる。それを肝心の国民が知らない。これは青島さんのおっしゃるとおりかもしれませんので、今政府委員が申しましたとおり、ひとつことしも七千億台というようなところまでになったわけでございまして、しかも国民の税金でございますから、大々的に、全国的に国際協力の日を設けましてあらゆるPRもいたしたい、そして御理解も深めたい、かように思っておるところでございます。 また、一元化したらどうかというお話もございますが、現在の我が国の行政のいろんな組織上、現在は現在として極めてそれぞれの部署で機能いたしておりますので、今直ちにこれを一元化してどうのこうのというよりも、今までの方法でやはり合理的に進めていきたいというのが私たちの気持ちでございます。
○青島幸男君 もう一点、国会を通じて国民の皆さんに御理解いただけるようにしたらという御質問にお答えがいただけなかったんですけれども、これは今お答えになりましたことよりもっと難しいことなんだろうと私も感じてはおります。どういうふうに法制化したらいいのかということも模索しているような状態だということも私は実は承知はしておるんです。 ただ、希望としまして、国民一人一人の側からしたら、そういうふうに明快になっていた方がよりわかりやすいし、国民一人一人が開発援助に自分もみずからかかわり合いがあるんだという認識をお持ちになって、監視の目も一層行き届くでありましょうし、それからその理念を認識すれば、日常誇りも持っておられるでしょうし、そういう意味からしても、ぜひこれは解決の方途を考えてもらいたいというのが私の考え方です。 それから、もう時間がなくなりましたから省略しますけれども、近年我が国が大変に経済的に裕福になってきたということで、ただ何でも金で片づければいいんだというので、成金の大盤振る舞い、つかみ金みたいに振りまくというのも実は大変にゆゆしき問題でありまして、それがひいてはマルコス疑獄みたいなものを生むということで、より大事なことは、先ほども質問に立たれた方がおっしゃいましたように、技術援助という面で、人を養う、知識を養うという格好で、その国の方方が自分の力で力強く立って世界に雄々しく歩を進められるようにお手伝いするのが本来の趣旨かと思いますので、技術援助の方にもっともっと力を注いでほしいというようなこと、私数字を挙げてお尋ねしようと思ったんですけれども、時間がございませんので、そのことを切に要望申し上げまして質問を終わりますけれども、御所見がありましたらお聞かせください。
○国務大臣(宇野宗佑君) まさにおっしゃるとおりだろうと思いますので、やはり援助のみかは、技術協力によりまして、そしてむしろ自立の道を選んでいただく、人づくりにも大いに貢献をしなくちゃならぬ、かように思います。
○青島幸男君 終わります。
○委員長(原文兵衛君) 以上で青島幸男君の質疑は終了いたしました。 これにて外交・防衛に関する集中審議は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(原文兵衛君) この際、お諮りいたします。 本委員会は、昭和六十三年度一般会計予算外二案につきまして、内閣委員会外十四委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されました。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 なお、このほか、報告書は別途印刷して委員の皆様方に配付することといたします。 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会