農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1988/03/24
会議録
○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査のうち、畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○一井淳治君 まず、牛肉、オレンジの自由化をめぐる対米交渉に関連してお尋ねいたしたいと思います。 どの新聞を見ましても、今週が山場である、今週末かあるいは今月中には農水大臣も訪米なさって御努力なさるということが報じられておるわけでございますけれども、まず第一に、今後の牛肉、オレンジの対米交渉をめぐって、日本の酪農やあるいはかんきつ農家を守るために自由化はさせないということで御努力いただいているように私どもはこれまで継続して伺っているわけでございますけれども、農水省とすればどういう立場に立って交渉を進めていかれるのか、改めてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(吉川博君) 牛肉、かんきつにつきましては、我が国の困難な国内事情に照らし自由化は困難であると考えております。二国間による現実的な解決を図るべきと考えております。 本件については、合意期間の切れる三月末まで、残された日数もわずかであり、いまだに両国の立場の隔たりは大きいものがありますが、米側が速やかに話し合いのテーブルに着くよう最後のぎりぎりのところまで最大限努力してまいりたいと考えております。
○一井淳治君 私は、この点について二十二日にこの委員会で質問させていただきまして、大臣の答弁もいただいておるわけでございますけれども、新聞を見ますと、例えばこれはインチキ新聞ではなくてれっきとした日本経済新聞でございますけれども、二十三日の新聞を見ると、「自由化は時間の問題」ということを農水省筋が言っているとか、「農水省が着々と自由化への布石を打ち続ける」ということが新聞に載っているわけです。こういうのを見ておりますと、本当に自由化は困難という立場で本腰を入れて交渉をなさっておるのかどうか必配になるものですから、この点重ねてお尋ねしたいと思います。 この自由化はあくまでさせないように努力をしていくという決意をお持ちなのかどうか、もう一遍お聞きしたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 新聞等でいろいろな関心があるものですからいろいろな報道がされておりますが、ただいま御指摘になりました件については事実無根でございまして、私ども交渉をやるに当たって至極迷惑を感じておるわけでございます。新聞社に対しましても、そのような場合には事実無根である旨の抗議をいたしておるわけでございます。 交渉に当たりましては、ただいま政務次官が申し上げましたような方針で対処する考えでございます。
○一井淳治君 アメリカ政府とすれば、日本の新聞を見ておりましたら、農水省の考えを新聞からも読み取ってしまう、首相は農水大臣にとにかく任せておるというお立場のようでございますので、本当にそういうふうなお考えであれば例えば大臣がこの委員会でそういうことを表明するときには新聞記者を呼んでおいてどうこうするとか、いろいろと総合的ないろんな対策を講じていただいて、もう少し総合的な御努力をいただきたいというふうに思うわけでございます。 それはともかくといたしまして、今後どのように対米交渉を進めていただくのか、この点について御説明願いたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私ども牛肉、かんきつの国内における重要性、あるいは自由化した場合におきます影響からいいまして、先ほど政務次官が申し上げましたように、自由化は困難であるというふうに考えております。しかしアメリカ自身まだ正式のテーブルに着かないというようなこともございまして、何とかテーブルに着いてもらい、私どもの主張を述べるところは述べ、現実的な対応を図りたいというふうに考えておるわけでございます。
○一井淳治君 次に、農産物十二品目の中の乳製品の問題についてお尋ねいたしますけれども、乳製品の自由化は受け入れないという方針でございますが、十二品目の中には例えばミルク主成分の調製食料品とかあるいはブドウ糖等という項目がございますけれども、そういった項目を緩やかに解釈しておれば、場合によっては結局乳製品の自由化をさせないという原則がしり抜けになってしまうというふうに思うわけでございますけれども、この乳製品の範囲の定義をまずお尋ねいたしたいと思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 問題になっておりますいわゆる十二品目のうち乳製品関係の品目は、関税の番号で申し上げますと〇四・〇二の粉乳、練乳等と呼ばれているものと、〇四・〇四のうちのプロセスチーズ、さらに一七・〇二のうちの乳糖、これは先ほど先生がおっしゃいましたブドウ糖等というものでございますが、乳糖含量九〇%未満のものに限るわけでございます。さらに二一・〇七のうちのミルクを主成分とする調製食料品というこの四つのグループのものがございます。 このうち、粉乳・練乳等、それから乳糖及びミルクを主成分とする調製食料品につきましては、国内酪農業に及ぼします影響などにかんがみまして数量制限の撤廃は極めて困難であるという立場を明らかにしたところでありまして、今後米国を初め関係国との間で我が国の立場について理解を得られるよう努力をしてまいる所存でございます。
○一井淳治君 今極めて困難ということをお聞きしたわけでございますけれども、私どもは乳製品の自由化はないというふうに聞いておったわけでございまして、乳製品についてもまた将来交渉をして限界が危うくなっていくということなんでしょうか。どうなんでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 私どもの立場は、パネルの報告書の結論は、今申し上げました品目につきましていずれもガット上クロであるという判定をいただいているわけでございます。にもかかわりませず、我が国政府といたしましては、今申し上げました品目につきまして、プロセスチーズを除きまして粉乳・練乳等、乳糖及びミルクを主成分とする調製食料品につきましては受けられないという立場を明らかにしておるわけでございます。そういう前提で関係国と今後話し合いをしていく、こういうことでございます。
○一井淳治君 具体的に言いますと、アイスクリーム、ヨーグルト、製菓用原料というものもありますけれども、こういったものについてはどういうことなんでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) ただいま御指摘のございました品目は恐らく二一・〇七のミルクを主成分とする調製食料品という範疇に入るものであろうというふうに考えております。私どもはこれらを含めまして受けられないということで立場を明らかにしておりますが、いずれも関係国とのこれからの話し合いというのは残されておるわけでございまして、今後我々は我々の立場を主張していくということで対応していくということであります。
○一井淳治君 それから、擬装乳製品の問題ですけれども、いろいろほかの商品名で実質的な乳製品が輸入されておるという現実があると思います。擬装乳製品に対する輸入抑制の指導は厳正にやってもらわなくちゃいけないと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) いわゆる擬装乳製品と言われておりますものに二つあるわけでございますが、一つは調製食用油脂でございます。もう一つはココア調製品ということでございまして、これらはいずれも既に自由化されているわけでございます。しかしながら、このうちの調製食用油脂につきましては主要輸出国の自主規制を求めておりまして、また同時に国内の実需者及び輸入業者に対しまして輸入の自粛を指導しております。また、ココア調製品につきましては関係業界、団体等に対しまして自粛を指導するということによりまして、秩序ある輸入がなされるように配慮してまいっております。 今後におきましても、国内酪農、乳業の健全な発展に資するという観点から、関係業界等の理解を得つつ、これらの措置を推進してまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○一井淳治君 これは形だけではなくて、実質的に守られていくように指導を厳重になさっていただくようにお願いしたいと思います。 それから、牛肉の関係でございますけれども、生の牛肉についてはこの三月末で協定切れになるというので交渉中でございますが、これについては自由化は拒むという御決意というふうに私ども今聞いたところでございます。十二品目の中には牛肉の調製品がございまして、これの自由化は受け入れるというふうになっておるわけですけれども、牛肉調製品の範囲によっては実質的に牛肉の自由化が行われてしまうということになると思うんですけれども、牛肉調製品の定義をまず御説明いただきたいと思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 牛肉調製品と申しますのは、加熱処理、味つけ等の処理を施しました牛の肉あるいはくず肉、またはこれらを主成分とするものでございまして、具体的な品目を幾つか申し上げますと、コンビーフ缶詰、ビーフシチュー缶詰、煮沸牛肉、味つけ牛肉、この味つけ牛肉の中にはいろいろあるわけでございますが、例えばシーズンドビーフと呼ばれるようなものもございます。それからローストビーフというようなもろもろのものが含まれております。
○一井淳治君 言葉の問題と、その言葉で表現された現実の商品という対応がまことに難しい問題になると思いますけれども、シーズンドビーフというものの中には牛肉にこしょうや塩で味をつけている味つけ肉というものも含まれておるように聞いております。あるいはローストビーフというのはローストのしようによって生の牛肉に近い製品も可能ではないかというふうに思いますけれども、その程度ですね、塩やこしょうの量もこれは規格をする以外にはないんじゃないか、私は素人考えで思うんですけれども、塩、こしょうの規格とかそういった具体的な識別の規則をつくっていただくか何かしないと、実質的に牛肉の自由化が行われてしまうというふうに思うんですけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 確かに、御指摘のように、牛肉調製品につきましては、先ほどの乳製品の場合と異なりましてパネルの報告を採択いたしまして、これは受けるという立場を表明しているわけでございまして、これを自由化いたしました場合には、食生活上の嗜好面から見まして一定の制約はあろうかとは思いますが、お話に出ておりますようなシーズンドビーフあるいはローストビーフ等非常にバラエティーのあるものの中には、牛肉そのものとの代替性の高いものもあるわけでございまして、それらのものについて国産牛肉との競合が生ずることも懸念されるわけでございます。これまでは牛肉、牛肉調製品ともIQ――数量割り当てと同時に関税二五%ということで輸入調整が行われていたわけでございますが、このような牛肉調製品が自由化となりますれば、当然この牛肉本体との取り扱いにつきまして差が出てくるということになるわけでございます。 ただいまそういうような状況がございますので、私どもは牛肉調製品の自由化の時期、これは直ちということではないと思いますが、その時期に合わせまして、ガットとの整合性のとれました何らかの措置を具体化していくということと同時に、先生お話しのございますように、たくさんあります牛肉調製品の中で牛肉との代替性の高いものを頭に置きながら、牛肉調製品の定義につきましてもさらに明確なものにしていく必要があろうかというふうに考えている次第でございます。
○一井淳治君 自由化が行われて、現実に輸入がなされるような状態になってしまってから識別の規則をつくろうと思っても利害関係が絡まってできなくなると思いますので、その辺は早目に、実質的な生牛肉の自由化にならないようなものをできるだけ早目に厳重なものをおつくりいただきたいというふうに思います。 それから、十二品目の中の八品目の自由化は受け入れるということですが、この八品目の自由化によって生産農家は大変な打撃を受けるということは目に見えておるわけでございまして、この農家の保護と急激な変化に耐え得るような対策として国内対策あるいは国境措置、自由化の実施時期というふうないろんな問題があると思いますけれども、どのような対策をお持ちなのか、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 粉乳などの乳製品及びでん粉を除きますいわゆる八品目につきましては、適当な時期を置いてガットに適合する措置に移行させることになるわけでございますけれども、我が国農業の将来に禍根を残すことのないよう、関係の団体あるいは関係の市町村からも意見を聞くなど、十分な手続を踏みながら国境措置あるいは国内措置につきまして、私どもとしまして最大限の努力を傾注してまいる考えでございます。 そのため、現在農水省の中に検討を行うためのプロジェクトチームをつくりまして、農水省の全力を挙げて具体的な措置を幅広く検討しているところでありまして、できるだけ早く案をまとめてまいりたいというふうに考えております。
○一井淳治君 そういうことは早い方がいいんでしょうが、しかし、自由化は余り早くやっていただかない方がいいように思うわけですけれども、具体的なスケジュールですね、それについてはある程度見きわめをつけつつあるんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今先生がおっしゃったように、自由化する時期とも関係するものでございます。自由化する時期等につきましては、なお具体的な事務的な問題について、なお当事者でありますアメリカ側と話をすることになっております。そういうことを踏まえながら適切な時期にタイミングを失しないようにやってまいりたいというふうに思っております。
○一井淳治君 それから、輸入食品の安全性の問題でございますけれども、最近各方面から非常に指摘されておるところでございますが、新聞記事を見ましても、例えば昨年の五月以前にわかったことでございますけれども、オーストラリアから輸入した牛肉についてDDTが五二・九ppmと、直接与えたとしか考えられないような量が検出されるとか、あるいはこのオーストラリアの牛肉を、これはアメリカの方で検査したところが有機燐剤系の殺虫剤のクロルピリホスが発見された。これは発がん性の疑いがあるということが指摘されておるようでございますし、また、ごく最近の新聞記事など見ますと、アメリカ産の豚肉から抗生物質のスルファジミジンが検出された。これもやはり米国では発がん性のおそれがあるというふうな指摘がされておる。それから、台湾産の豚肉についても、最近同じような薬品の残留が発見されたということが報じられておりますし、これは日にちははっきりわかりませんけれども、たばこから除草剤が検出されたとか、あるいはポップコーン用のトウモロコシから高濃度の二臭化エチレンが検出されたとかいうことも昨年報じられております。 それから、米の安全基準をとってみても、有機燐剤系の玄米への残留許容量が日本とアメリカとではもう全然大幅に違うというようなこともありまして、輸入食料品の安全性が保たれていないということが現実に明らかになってきておるというふうに思うわけでございます。 我々は、毎日安心して何の心配もなく食糧を食べておりますけれども、こういった状況のもとでは外国の農産物の輸入に頼っておってはいけないんではないか、やはりこの主要な食糧の自給は国内でやるということで、主要食糧の自給率を高めるように努力していかなくちゃならないんじゃないかというふうに思うわけでございますけれども、そのあたりについてはいかがでございましょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 食糧につきましては、安全な食糧を安定的に供給するというのが私ども農政の重要な課題でございます。輸入食糧の安全性につきましては、第一義的の窓口は厚生省になっております。私ども厚生省と十分連絡をとりながら、輸入食糧につきましても安全な供給を考えてまいりたいと思っております。 また、国内生産、これは農産物の場合どうしても自然条件あるいは国土条件の制約があるわけでございますけれども、その土地条件の許される限り生産性の向上を図っていくということで基本的な食糧の供給力につきましてもできるだけ確保を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○一井淳治君 主要食糧の自給率の問題でございますけれども、現在の自給率について農水省とすればどういうお考えなのでしょうか、これは高めていかなきゃいかぬというお考えなのですか、どうなのでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 食用農産物の総合自給率を見てみますと、全体として七割程度維持しているわけでございますけれども、カロリー自給率は五割あるいは穀物自給率は三割程度になっているようでございます。 これも御案内のとおり、畜産等の進展に伴いまして飼料用穀物の需要がふえているわけでございますけれども、国土条件に制約があるというようなことから輸入に頼らざるを得ないということがこういうところにあらわれているわけでございます。先ほども申し上げましたように、どうしても飼料用穀物、その他穀類につきましては土地条件というものが基礎になるわけでございまして、その制約は免れないというわけでございますけれども、私どもとしましても、許される範囲内でできるだけ国内の安定供給に努めていきたいと思っております。 現に、米など国内で自給できる体制が確立しているもの、これはもう御案内のとおりでございまして、需給の均衡を図りながら国内自給ということを基本に考えていきたいというふうに思っています。
○一井淳治君 例えば牛肉の問題でございますけれども、私は現在の日本国民にとっては牛肉というものは非常に大事な、かなり基礎的な食糧であるというふうに思うわけでございます。ことしの二月に出ました答申によりますと、国内の牛肉の生産を積極的にふやしていくよりはかえって外国の輸入肉に頼っていくというふうな、頼って国内の需要を賄っていくという方向が出ておるわけでございますけれども、極力まず自国内の農家の生産を優先する、輸入は補完的にやっていくというふうなお立場でやっていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 牛肉並びに酪農業を含めまして、酪農及び肉用牛生産振興の基本方針というものをことしの二月十六日に畜産振興審議会にお諮りいたしまして決定をさしていただいたわけでございます。 これは、まず国内の需要をこれまでの需要のトレンドあるいは今後の人口の伸び等を踏まえまして七十年度の目標で設定をいたしまして、生産につきましては現在の家畜の頭数をベースといたしまして今後織り込み得る新技術によります生産の増大等も考慮いたしまして設定をいたしましたものでございます。 牛肉につきましてやや数字を申し上げますと、七十年度におきましては、これは需要の幅がございますので一本ではございませんが百十四万トンから百二十六万トン、これに対しまして生産量は六十九万トンというようなことになっています。それは枝肉の数量でございます。頭数の方は、基準年の、六十年でございますが、二百六十四万頭が三百八十万頭にふえるというような形になっておりまして、私どもは現在の我々が予測し得ますその生産量のファクターを十分に見まして需要の一部を賄っていく。 ただ、残念ながら需要の伸びの方が大きいわけでございまして、そのギャップは輸入によるという形になるわけでございます。
○一井淳治君 国内の農産物の需要の増大というものは、どの分野を見ましても非常に需要の伸びは期待できない。牛乳にしてもほとんど伸びは期待ができないような状況ですけれども、ただ牛肉だけはかなり将来とも伸びが期待されるわけでございまして、そういうものにつきましては外国産のもので賄うというのではなくてできる限り国内のもので賄うように、特にただいまも申し上げましたように、外国から入れる肉類は安全性の問題があって安心して食べられないようなものが多いわけでございますから、極力国内のもので賄っていただくように一層の御努力をお願いしたいというふうに思います。 それから、乳価の問題でございますけれども、酪農の農家の方々は計画生産を進めるということでこの二年間余り非常に努力をなさいまして、粉乳等については一部品不足ではないかということが言われるほど計画生産の成果を上げておられるわけでございます。この乳価の関係で言えば、酪農の方々がそういうふうな努力をして、これから品不足になれば当然商品経済というものは値上がりに向かうというのが経済法則だと思いますけれども、現在では価格の規制ということが現実に行われているわけでございますが、これまでの減産の努力は認めて取り上げていただきたいというふうに思うわけでございます。 それから、品質改善の努力につきましても乳脂等のグレードアップなど非常な努力をされまして、そのために今消費が拡大されておるという現実的効果が出ておるわけで、最近は酪農の農家の後継者の人も非常に少ないわけでございますけれども、そういう中で頑張っている若い人たちも希望を持ってきているというふうな状況があるわけでございます。 こういうふうに、一生懸命努力をしておったその末にどえらい保証価格が下げられるというふうになりますと、何のために努力しておったんだろうかということで、人間も感情を持つ動物でございますから、かえってコスト切り下げへの方向がうまく進まないんじゃないかという気もするわけでございます。 先ほどいただいた資料によりますと、保証価格の検討資料も出されたようでございますけれども、何とか八十円台にはなるような御努力をいただきたいというふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 酪農につきましては、農家の皆さん方の御努力もございまして、おかげさまで規模の拡大あるいは乳量の上昇等、これまでかなりの改善が見られることは事実でございます。 ただ具体的に、毎年度の加工原料乳の乳価決定が行われるわけでございますが、六十三年度の加工原料乳の保証価格の問題につきましては、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして、生乳の生産条件や需給事情、酪農経営の状況等各種の要素を総合的に考慮いたしまして、また同時に、二月に策定されました新しい「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」で示されております酪農振興の方向等にも配慮しながら、加工原料乳地域、これは北海道でございますが、その地域におきます生乳の再生産を確保し得る水準として決めるということでございまして、お手元に資料をお配りしておりますけれども、私ども保証価格につきましては七十九円八十三銭ということで、前年に比べまして二円九十二銭、三・五%の引き下げという試算値を算出いたしまして、本日開かれております畜産振興審議会にお諮りいたしまして御審議をいただいているわけでございます。 今後は、審議会の答申をいただきますれば、これを踏まえまして各方面との調整を経て、制度の趣旨に沿いまして適正に決定してまいる所存でございます。
○一井淳治君 最近、ある酪農の組合の方から聞いたんですが、昨年一年間で五%ぐらいの方が廃業なさっておるということで驚いたわけでございます。それで、統計を調べてみますと、この十年間で酪農の農家数は大体半分ぐらいに減っているということで大変な状態にあるんだなということを新たに認識したわけでございます。この酪農の方の借入金の統計など見ましても年間所得の倍ぐらいの借入金を平均的に背負っておられる。借入金がふえておることについては、一端には政府の方の過去の農政の指導においての責任もあるというふうに私は思うわけでございます。 こういう厳しい中で、加工原料乳の保証価格というのは酪農家の所得と再生産を保持するためにどうしても相当な価格を確保してもらわなくちゃいけないというふうに思うわけですけれども、これまで二年連続保証価格が大幅に下げられておるということで計画生産も非常に厳しい中で努力をしているわけでございまして、立て続けに大幅な切り下げが続きますと息切れがするんじゃないか、コスト切り下げよりももっと激しい脱落現象が急速に起こって酪農業の健全な振興ということから外れていくんじゃないかというような心配が非常に強いわけでございまして、体質強化のためにも一息つく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 酪農の戸数がかなり減少してきておることは事実でございます。また、お話にございましたように、酪農に限りませんが、酪農につきましてもかなりの負債を負った農家があることも事実でございます。ただ一方、資産の方も増大をしているという局面がございまして、まあ問題になりますのは、多額の借金に依存しながら設備投資を拡大してきて、その後生乳の需給バランスあるいは他の国民経済上の諸要素から、当初予定していたような所得が得にくくなったというような局面から負債問題が生じてきているという農家があることも事実でございます。 ただ、一般的に申しますと、負債と資産あるいは貯蓄との関係で全国的に見ますと、かなり改善をされてきているわけでございます。私ども全国平均で議論をするわけでございますが、個々のケースを見ますとかなり苦しい農家があることも十分に承知をしてきております。 ただ、この乳価決定の対象になります期間を見ておりますと、えさの値下がり、あるいは副産物としてのぬれ子の価格の上昇等によりまして経営がかなり改善をされているというのが一般的な状況でございまして、私どもは乳価の決定に当たりましては諸般のファクターを総合的に判断いたしまして制度の趣旨に沿って適正に決定をしていく、こういうことになるわけでございます。
○一井淳治君 統計数値から見れば確かに貯蓄あるいは財産がふえているということが出てくるわけでございますけれども、しかし個々の農家はもう一律ではなくていろんな農家があって、ある農家は確かにたくさんの財産を持っているけれどもほかの農家は必ずしもそうでないということで、それぞれバラエティーもあるわけでございますので、その現実の姿ということを前提にいろいろ御検討をいただきたいというふうに思うわけでございます。 しかし、乳価の方の問題と同時に、最近の品不足の関係の中で限度数量だけはふやしていただきたいというふうに思うわけでございます。先ほどいただいた資料によりますと、昨年の二百十万トンから二百二十五万トンということでかなり増加されておりますけれども、ここで問題なのは、十二品目の中の乳製品の自由化を拒んでいるというような国際的な問題の中でどうするかということが一つの大きな問題になってきておるんじゃないかと思います。しかし、品不足が起こっているのは国内の酪農家の人たちの自己規制の結果でございますので、余り国際的な問題は考えずに、限度数量については相当思い切った配慮をいただきたいというように思うわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 限度数量の問題につきましては、交付金を交付しても確保すべき加工原料乳の乳量を確保していこうという趣旨に出るものでございますが、六十三年度の数量につきましては、今申しましたような加工原料乳生産者補給金等暫定措置法、いわゆる不足払い法に基づきまして、その趣旨を踏まえまして最近の生乳需給の状況等を勘案して、前年度よりも十五万トン増加の二百二十五万トンということで試算値が算出されまして、本日の審議会にお諮りし、ただいま御審議をいただいているところでございます。 外国との関係について申し上げますと、ガットの十二品目の議論の中におきましても、国内で生産制限を行っているかどうかということが非常に厳しい要素になっているわけでございます。ガットのパネルを受けまして、乳製品につきましてはパネルの報告の内容とは異なりますけれども、一応我が国としてはこれを受けないという基本的な姿勢に立っているわけでございますが、これはまだ今後の各国との交渉に残された部分がございまして、我々の立場がすべて貫かれたということがまだ確保されているわけじゃございません。今後の問題に残されたということがたくさんあるわけでございますから、そういうことも頭に置いておかなければならないわけでございます。 ただ、具体的に申しますと、六十三年度の数量につきましては、昨年度減少いたしましたけれども、今回は十五万トンの増加という形で対応しようということで御審議をいただいているわけでございます。
○一井淳治君 今、保証価格の算定要領を拝見しているわけでございますけれども、労働賃金の計算について北海道ではなくて全国的な勤労統計調査によっていただくという点は敬意を表するわけでございます。しかし、飼料作物家族労働費については依然として農村雇用労賃の水準によっているわけでございまして、同じ人間が働いているわけでございますから、やはり飼育家族労働費と同じように勤労統計調査によるべきであるというふうに思います。 また、子牛の価格、素牛価格ですけれども、最近高騰しておると。これも長期的なものではなくて最近の需給の中で一時的に非常に高騰しているわけでございまして、これをそのまま取り入れてはいけない、やはりある程度の評価をした上で取り入れなくちゃならないというふうに思うわけでございますが、そういったふうなことを勘案しまして、やはり八十円台は超えていただく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 家畜の飼養管理労働におきます労働費につきましては、これはその労働の内容が極めて厳しく、また拘束性が強いということから、私どもは単価の高い製造業五人以上規模労賃を採用いたしまして、どちらかといいますと有利な形の評価ということで配慮をしているつもりでございます。 また、子牛価格につきましては、これは副産物として費用から差っ引かれる性格のものでございますが、最近非常に高騰しているということもございまして、通常の方式、これは直近三カ月で修正をするわけでございますが、それよりも長期間の平均をとりまして、より平準化が図られるような算定方式を今回採用させていただいております。
○一井淳治君 それから食肉、牛肉の安定価格でございますけれども、最近は乳肉複合経営の育成ということが進んでおりますし、牛肉の肉の中の乳用の雄牛の飼育がふえているというふうな状況があること、それからまた、養鶏農家が最近非常に不況で、大型の倒産も出ているということで養鶏等のほかの業界との関係があること。それから、ただいま申し上げましたように、乳牛を飼っておられる酪農家との関係もあるということで、牛肉の値段というのは非常に大きな影響があるというふうに思うわけでございます。それから消費の拡大ということで、消費者に対する肉の値段を下げなくちゃいけないということも問題意識として上がっておりますけれども、そういう問題は流通機構の整備をして消費者の肉の値段を下げるべきであるということでございまして、牛肉の安定価格はこの際少なくとも昨年並みでいくべきではないかというふうに思うわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 六十三年度の牛肉の安定価格につきましては、実質、実質と申しますのは、牛肉の指定食肉の規格を改正いたしました関係から前年度とストレートに比較できないわけでございますが、一定の前提を置いて推算をいたしますと四・三%の引き下げということになりまして、昨日の畜産振興審議会食肉部会に諮問いたしまして、審議の結果、「指定食肉の生産条件、消費の動向及び需給事情その他の経済事情を総合的に考慮すると、試算に示された考え方でその安定価格を決めることは、やむを得ない。」という御答申を得たところでございます。今後この答申の趣旨を踏まえて適正に決定をするということにしておるわけでございます。 今回の引き下げの試算でございますが、素牛の値上がりはあるわけでございますが、主要な生産資材でございます飼料価格の値下がりによります生産コストが低下していること、それから規模の拡大の進展によりまして生産性の向上が見込まれること等、生産コストの低下の事情がございます。そのようなことで試算をいたしたわけでございまして、この結果によりまして、関係農家の経営に悪影響を及ぼすようなものではないというふうに考えているわけでございます。 なお、流通の問題でございますが、牛肉の流通コストの低減と適正な価格形成を図るということは重要な課題でございまして、屠畜から消費に至るまでの牛肉流通の合理化を推進することが必要であるというふうに私どもも認識をしておるわけでございます。このようなことから、二月に公表いたしました酪肉基本方針に基づきまして、流通合理化につきましても、例えば、卸売市場整備基本方針に基づきまして、食肉卸売市場の整備を推進する、さらに搬入枝肉取引の拡大、それから冷屠体取引の推進等によりまして上場頭数を増加していくとか、あるいは流通の大規模化あるいは広域化に対応いたしまして、輸送コストの低減を図るとか、もろもろの施策を講じておりまして、今後とも流通面におきます合理化を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。 また同時に、今回の牛肉の価格決定に関係があるわけでございますが、規格の改定をいたしまして、歩どまり基準を導入し、また同時に従来の脂肪交雑基準、サシ偏重でございましたけれども、最近の消費者のニーズ等も考慮いたしまして、これを見直しまして、より適切な規格に改めるというようなことを行っておりますので、こういう新規格を適切に普及いたしまして、新しい流通、さらによりよき流通を確保していこうというふうに考えている次第でございます。
○一井淳治君 酪農の方の生産コストの引き下げの関係でございますけれども、酪農の飼料の合理的な需給による飼料基盤の強化が必要という方向での努力が進められておりますけれども、水田を牧草地に転作するということも行われております。ただ圃場整備がなされておるわけですけれども、周りが水田であると水が浸透してきて牧草地としてはなかなか使えない、機械を入れても機械が沈み込んでしまう、そういうことがありますので、やはり一つの地区を団地化して牧草地としていくということが必要ではないかというふうに思います。そうなりますと、大型機械を使って余った労働力も使って能率的に作業ができるということもありますので、転作の推進というのは、市町村の方も行政指導をしておるようでございますけれども、そういう中で牧草地の団地化を進めるということも現在飼料基盤の強化のために必要ではないかと思うんですけれども、そのあたりのことはいかがでございましょうか。
○説明員(兵藤宗郎君) 飼料作物生産、おっしゃるとおりに水田を使ってやる場合に、地域輪作農法の確立というような視点から見ますと、麦、大豆と並んで非常な重要な作物でございますし、また畜産経営そのものの安定に資するという点でも生産性を向上させる、生産コストを下げるという点で非常に重要であるというふうに認識をいたしております。もちろん、基盤整備と排水条件の改善というような努力も常日ごろしているわけですが、転作を奨励する水田農業の確立を進めるという視点に立ちましてお話をいたしますと、先生おっしゃいましたように一定規模を団地化するということですが、かなり排水条件の改善につながる、あるいは機械の効率的な利用につながるというようなことで、一定規模以上の団地で生産される場合には生産性向上加算というようなことで、転作助成金に上乗せの加算金を出すというようなことで、できるだけ団地化を誘導するというような仕組みを考えて推進しているところでございます。 さらには、畜産農家と結びついた三年以上の利用供給計画というようなものをつくりまして、一ヘクタール以上程度の団地化をしてやるような場合には畜産複合加算というようなことで、これについても生産性向上加算をするということで、水田農業確立対策の上からもできるだけまとまって畜産農家と有機的な結びつきを持って効率的な生産がなされるように配慮してまいったつもりでございますし、これからもいろんな指導機関を通じまして生産性の向上がそういった形で図られるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
○一井淳治君 質問を変えますけれども、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律の十八条を見ますと、契約の文書化を義務づけておるわけでございます。これは現在では完全に実施されておるんですか、どうでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 生産者と乳業メーカーの間で取引をいたすわけでございますが、その取引の内容につきまして文書によって行うこと、内容を明確にする意味におきまして、ということが定められておりまして、私どもはその趣旨に沿いましてこれまでも強力に指導してまいったわけでございます。かなり進展もしておりますが、まだ一部それが実施されていないという地域があるのも事実でございます。
○一井淳治君 ただいま十八条の一項で契約の文書化、第三項で届け出を受けた県知事が内容を見て、内容によっては改善を必要とするというふうになっておるわけでございますので、この契約の文書化というものはぜひとも強力に進めていただきまして、この程度は最低守っていただけるというふうにしていただきたいと思います。 それからもう一つは、全国生乳需給調整農業協同組合連合会という連合会が結成されておりまして、御承知のとおり、乳価の安定のために乳業メーカーと団体契約をするという目的でつくられたように思いますけれども、まだ依然として所期の目的の達成と申しますか、大手メーカーとの間の交渉ができないように聞いておるわけでございます。 先ほども言いましたけれども、この法律に規定した契約の文書化ができない。これは結局乳業の大手メーカーの力が強い、それに比べると各県の指定団体は非常に弱体である、結局指定団体が対等の立場で公正な契約が結べないでおるということを示しておるというふうに思うわけでございますが、農協法の十条一項十一号に農協は団体協約の締結ができるという一つの規定もあるわけでございまして、そういうふうな弱い立場での酪農家の方々、この指定団体の立場も守っていくということも考えていただくように、具体的にはいわゆる生乳連と各メーカーとがいろいろと話し合いができるような場をつくっていただくような御努力も必要ではないかというふうに思うわけでございますけれども、その点いかがでございましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 生乳の取引に関しましては、いわゆる不足払い法に基づきます指定団体によります、これは生産者による団体でございますが、指定団体によります一元集荷、多元販売というシステムのもとで、これらの指定団体と乳業メーカーとの間で自由な交渉によって取引がなされるということが基本になっているわけでございます。またその指定団体には、全国団体の農協の系統組織といたしまして専門農協系の全国酪農業協同組合連合会、全酪連、それから総合農協系の全農、全国農業協同組合連合会というものがございます。さらにより幅広い生産者団体の集まりといたしまして、社団法人中央酪農会議というものもございまして、これらの組織、団体がそれぞれ機能分担をして、酪農に関しましていろいろ活動を行っているわけでございまして、生産者側の取引交渉力は非常に補強された形になっておるわけでございます。 こうした中で、略称全国生乳連というふうに申しておりますが、全国生乳連の活動のあり方につきましてはその自主的な活動を妨げるものではございませんが、同じ農協でございますので、既存の全国団体との機能重複の問題もありますので、関係当事者団体間の話し合いの中で調整をしていく必要があろうかと考えておるわけでございます。 このような考え方から、関係者に対しましても我々農水省といたしましては十分喚起をし、また指導をしてまいっているところでございます。
○菅野久光君 けさのニュースで、きょうの畜審にかける諮問で乳価については七十九円台、それから限度数量については十万トン程度を上げるような諮問をするという報道がされたわけですけれども、それはきょうの畜審で今申し上げたようなことで諮問しているということですか。
○説明員(濱田幸一郎君) お答えいたします。 本日、畜産振興審議会の酪農部会が開催されておりまして、その席に農林水産省の案が諮問されたわけでございます。失礼ながらその案の内容につきましては、あるいは会館の方になったかとも思いますが、委員の皆様方、先生方にはお配りをしております。お忙しくてまだごらんになる時間がなかったかと思いますが、大変失礼いたしております。 内容を申し上げますと、今回決めますのは幾つかの法律上の事項があるわけでございますが、これはバター、脱脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳につきまして安定指標価格を決定をするということでございます。それから基準取引価格、それから保証価格、それから限度数量、これらについて決定をいたすわけでございますが、その前段として諮問をいたしておるわけでございます。 一番御関心があります保証価格と限度数量について申し上げますと、保証価格は六十三年度の諮問によりますと七十九円八十三銭、キログラム当たり。これは三・五%減ということになります。それから限度数量につきましては二百二十五万トンでございまして、前年度に比べますと十五万トン増、七・一%増という形になっておるわけでございます。
○菅野久光君 けさ今の資料は配られましたけれども、きょう質問するやつがけさ配られるということで、これはもうちょっと早く配る、もうちょっと早くできなかったのか。少なくとも前の日あたりには決まっていたのではないかというふうに思うんですが、この諮問案が決まったのはいつですか。
○説明員(濱田幸一郎君) 私どももできるだけさような段取りで取り運びたいわけでございますが、我々といたしましてもいろんな要素を整えまして作業いたしまして、実際にこういう案が固まりますのは明け方でございます。具体的に役所の中で申しますと、財政当局との交渉というのもあるわけでございまして、けさ未明ぎりぎりに印刷ができ上がったというのが実態でございます。
○菅野久光君 意地の悪い見方をしますと、余り早くに決めるとそのことでまたわあわあなるから、できるだけぎりぎりにというようなこともあるのではないか、そんなことも考えられるわけですよ。しかも、先ほど一井委員からも言いましたように、今の乳価を何としても八十円台、これだけはしっかり守ってもらいたい。それから限度数量も上げてもらいたい。これは酪農家の人たちの本当に切実な願いだと思うんですよ。限度数量はわずか上げました。しかし値段については八十円を割り込むような形になった。極めて残念な諮問をしているということをまず先に申し上げておきたいと思います。 それで、昭和六十二年度の飲用牛乳の需要は、乳脂率の取引基準を三・二%から三・五%に引き上げるなど生産者が大変な努力をした。それが消費者に認められた結果好調に推移しているということが言えるというふうに思うんですね。まず、飲用牛乳需要の見通し、これをひとつ伺いたいというふうに思います。 また、今後も消費者ニーズに応じた品質の高い原料乳の生産や供給を図るためにも、乳質の劣る搾乳牛を選別するための搾乳牛の個体乳質検査や選別された低質搾乳牛の処分、そういうものをして乳用育成牛または肥育素牛と入れかえを促進するなど高品質原料乳確保対策を進めるべきだというふうに思いますが、これもあわせて見解を伺いたいというふうに思います。
○説明員(濱田幸一郎君) まず、前段の飲用牛乳需要の見通しでございますが、六十三年度におきます飲用消費量は六十二年度に比べますとやや増加するというふうに見込んでおります。六十二年度におきましては飲用等向けの消費量が五・四%という近年にない伸びを示したわけでございますが、今後六十二年度に見られましたような好天が続くかどうかということが不確定であること、それから飲用牛乳の三・二から三・五%へというグレードアップによります消費拡大効果が二年目以降も同じように継続するかどうかというようなことにつきましてまだ不安定であるということ。それから学校給食向けの飲用につきましては、児童生徒数の減少によります需要減が当然考えられるわけでございます。このようなファクターを総合して考えますと、六十三年度も六十二年度と全く同様なかなり高い需要の増加が続くということを確信して言えるような状況ではないんではないかということで、六十二年度に比しましてやや増加するというふうに見ておくのが安全ではないかというふうに考えております。 それから第二段の、乳質三・二から三・五%に上がったわけでございますが、こういう高品質の牛乳の生産のために乳牛の質の向上を図る、あるいはその飼養管理技術をより改善していくというようなことは重要なことでございまして、もう既に一部民間におきましても畜種の入れかえのようなこともあるようでございますが、私どもといたしましてもできる限りの指導をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、追加いたしますと、高品質原料乳加工対策というものを六十二年度に実施中でございまして、これも今先生が御指摘のようなことをねらいとしたものでございます。
○菅野久光君 六十二年度から三・二%から三・五%、そういうことになった、そういうことも一つの大きな要因として需要が伸びたわけですね。六十二年度については、限度数量の問題を含めて牛乳の需要量というものが当初の見込みよりもかなり伸びた。そういう伸びということを考えて六十三年度さらに伸びるであろうということを想定して今回の限度数量を幾らか上げたということなんですね。それで六十二年度について言えば、バターだとか脱粉なども適正な在庫の水準、これは二カ月というふうに言っているわけですが、これを相当割り込んでいる。それは、前年度の場合に需要量についての見通しを誤ったということに結果的にはなるわけですね。 そこで、それらを踏まえて今年度の需要量を見込んでいるわけですけれども、今の需要の動向などから見て、これは責任を持って言えることなのかどうか。とにかく酪農家の人たちは限度数量を上げてもらいたいという希望が強くあるわけですが、それらの要望にこたえるものであるということを胸を張って答えられるのかどうか、そこのところを明確にしてください。
○説明員(濱田幸一郎君) 六十二年度の飲用乳向けの需要が、天候の動向あるいは消費拡大活動の強化等、いろんなファクターがあったわけでございます。それからさらに、今話題に出ております牛乳の品質の向上というようなことが相まちまして予想以上の伸びを示したわけでございます。そのため、長年一つの悩みの種でありました乳製品の在庫、バター、脱粉の在庫というものも、いわゆる適正水準と言われている水準にほぼ近づきつつあるというのが現状ではないかというふうに思っておるわけでございます。バターについて申しますと、我々は大体二カ月分相当、それから脱粉につきましては一・六カ月ぐらいが二月末の在庫というふうに踏んでおりまして、これがほぼ適正在庫水準のレベルに近いのではないかというふうに理解をしております。
○菅野久光君 特に、脱粉の場合に適正在庫水準に近づいているなんていうことに本当になっているんですか、六十二年度本当にそういうことですか。
○説明員(濱田幸一郎君) 私どもは、需給動向の分析をいたしまして、過去の統計等を踏まえまして今申し上げましたような数字として把握しておりまして、ほぼ適正水準に近い状況であるというふうに認識をしております。
○菅野久光君 畜産振興事業団から放出するというようなことを含めて脱粉の輸入ということはあり得ない、そのように考えていいですか。
○説明員(濱田幸一郎君) ただいま申し上げましたような在庫の状況でございますので、当面私どもはそういう需給計画の中で対応してまいっておるわけでございます。ただ、今のところそういう状況というのを具体的に予想しているわけではございませんが、今後の時点時点におきます判断によりまして適切に需給調整をやっていく必要があるというふうに考えております。
○菅野久光君 畜産振興事業団で在庫しているとはいいながら、直接そこに在庫じゃなくてそれぞれのメーカーに分けてあれしているわけでしょう。だから、需要があって出してくれと言われても、メーカーはすぐそれが出せるという状況にないというような報道もあるわけですよ。そういうことで、需要にどうしても本当にこたえなきゃならぬということで外国からの脱粉の輸入ということはないなということを確認していいですね。
○説明員(濱田幸一郎君) おっしゃいますように、事業団の現物の在庫の保管は、事業団が自分の倉庫にかぎをかけて保管しておるという形じゃございませんで、私どもは流動的混合保管ということを申しておりますが、メーカーの在庫繰りといいますか、原料繰りをより円滑にするということもございましてメーカー倉庫での流動的な保管、しかしそれは返済をするという予定で保管をする形態をとっております。しかし、今申し上げました在庫の率につきましては、そういうものを含めまして我々が調査をした結果の数字でございまして、当面需給の逼迫は予想されておりません。ただ、これは今後のいろんなお天気、昨年の飲用乳の消費が非常に伸びたと申しますのも我々実は予想していなかったようなことでございますが、需要もかなり天候に支配されるというようなこともございますので、そのときどきの状況に応じて的確に需給に支障のないような措置を講じなきゃいかぬということでございます。
○菅野久光君 片方で生産調整なども含めて限度数量を上げてくれ上げてくれという生産者団体の要求を抑えておいて、そして予想せざる需要の伸びがあったなどということでこれは済まされる問題じゃないんですよ。そのことだけははっきり私はきょう申し上げておかなきゃならぬ、このように思います。 それから、先ほど一井委員の質問の中で、算定の中に乳用の雄子牛価格の問題を質問されましたが、この乳用雄子牛も五十六年ごろから上昇傾向にあって、ことしの一月には十万二千三百円という値段になっているわけですね。今回の算定に利用される生産費調査期間の子牛価格はかなり高いというふうに私どもも聞いております。 そこで、この子牛の価格というのはかなり変動性のあるものですね。先ほど審議官がかなり長期的なものを平準化すると言っておりますが、いつ価格が暴落するかわからない、今の自由化の問題を含めて。そういう非常に不安定な要素だというふうに私は思うんですよ。六十三年度中に仮に子牛の価格が暴落するようなことがあったときに、この算定の基礎そのものが崩れてしまうわけですが、そういった場合に何か緊急な措置を年度途中でやるということはあり得ますか、あり得ませんか。
○説明員(濱田幸一郎君) 先ほども若干触れましたけれども、ことし子牛の価格が非常に高い水準にあるということは私どもも十分に認識をしておりまして、従来、価格算定をいたしますファクターといたしまして、これは直近三カ月の価格平均で算定をするわけでございますが、今回はそれをいたしますと高いときのレベルの価格が非常に強く反映をされてくるということに配慮いたしまして、ことしは子牛価格の二年平均を算定の中に織り込んでおるということで、いわば今の高い価格の影響がストレートにあらわれないような工夫を実はしておるわけでございます。ただ、これは現在そういうことで我々は作業いたしまして審議会にお諮りをしているわけでございますが、審議会の中での議論がどういうふうになっているか報告が入っておりませんのでわかりませんが、そのようなことで御議論いただきたいという形で私どもは試算をいたしておるわけでございます。
○菅野久光君 それは、二年なら二年で、二年間の価格を平準化したものを算定の基準にしている、それはそれで今やられているからいいんですが、年度途中で価格が暴落したというときにそれについての何らかの対応というものをやるのかやらないのかということです。今からちょっと心配なものですから。
○説明員(濱田幸一郎君) 価格決定後の経済事情あるいは算定に織り込みましたいろんな要素の変動というのは当然いつの場合にも起こるわけでございますが、そういうことを想定いたしまして、法律上は年度途中の見直しということも不可能ではないわけでございます。ただ、これまでの実績といたしましては、それほどの変更をしなければならないというような状況はなくて、変更した実績はないというふうに承知をしております。
○菅野久光君 どのように判断をするかということにかかってくるのではないかというふうに思いますが、酪農家の経営実態というのはそれぞれの経営体によって違うわけですけれども、一般的に言えば大変な状況の中で経営をしているわけですよ。ですから、算定基準の特に子牛の価格ですね、乳雄の価格がちょっと下がるともう途端に経営に大きな影響を及ぼすというのが今の脆弱な酪農経営の実態だというふうに思うんです。そういうことからいって、本当に日本の酪農をどうするのかということからいえば、その点については十分な配慮をしていかなければ酪農が成り立っていかないというようなことになると思うんです。 この際ですからちょっとお聞きしておきますが、バターと脱粉の一カ月の消費量、これはどのように考えられておりますか。
○説明員(濱田幸一郎君) ちょっと時間をいただきたいと思います。
○菅野久光君 それは後から、わかったときに言ってください。 それでは、生乳生産の損益分岐点についてお尋ねをしたいというふうに思うんです。 六十二年度の損益分岐点は、一キロ当たりでどの程度に政府としては考えておられたでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 先ほどの数字とあわせまして、後ほどお答えさせていただきます。
○菅野久光君 これは、政府で出している資料に基づいて農民団体の人が計算をしたところでは、一キロ当たりの損益分岐点が八十四円三十四銭というふうにはじいているわけです。ところが、昨年の政府の方でやった損益分岐点はたしか八十二円七十五銭だというふうに思うんです。そうしますと、ここだけで一キロ当たりで一円五十九銭生産者が血を出しているということになるわけですね。片方、生産者がそういうような血を出しながらでもとにかく頑張っている反面、乳業の方はどうなんだということになるわけですけれども、乳業の方は六十二年度三月期の決算見込みで、これは日本経済新聞に出ていたわけですが、例えば、一つの例を言いますと、「雪印乳業の経常利益は、過去最高だった前期の百二十八億円を上回り、百五十億円にのせる可能性大。」と、このように出ているわけです。片方では農民、酪農民が血を流し、片方では乳業が今までにかつてない利益を上げている、これはどこにその原因があるんですか。どのようにその点を考えられますか、見解を聞かせてください。
○説明員(濱田幸一郎君) 大手三社の六十二年度中中間決算によりますと、乳業部門以外のその他の部門、これは冷凍食品とかジュースとかデザートとかワインとかいろんなものを扱っているわけでございますが、その他の部門でも売上高が増加しておりまして、収益増の原因となっておるわけでございます。例えば、売上高の二一%のシェアを持っているわけでございまして、売上高は二・五%増というような形になっています。 問題になります乳業部門でございますが、乳業部門につきましては、飲用牛乳やアイスクリーム等の売り上げが伸びております。それから、乳製品の売上高減少にもかかわりませず、六十二年度決算でも営業収益が増加するということになっているわけでございます。これは、本年度の飲用牛乳の売り上げがほぼ一貫して天候に恵まれたこと、あるいは生乳取引基準の変更に伴いまして商品の品質が高まったこともございまして、近年にない高い伸び率を示したことや、アイスクリーム、発酵乳等の高付加価値商品の売り上げも順調だったこと、それから加工乳価の引き下げもある意味では増益に貢献をしておるというふうな形になっているというふうに考えております。
○菅野久光君 乳製品、牛乳直接の利益がそれほどあるとは私も思っていませんが、全体的に言って、それだけの利益が上がっているということであれば、やっぱり酪農家があって乳業があるわけですよ、そうですね。ですから、酪農家が血を流しているんだから、牛乳関係の直接の部門で多少血を流したとしても、お互いにやっぱり血を流すときには血を流し、汗を流すときには汗を流す、そういういき方というものがあってしかるべきではないかというふうに思うのは、これは自然な感情だと思うんです。 その辺についての行政指導をしっかりしてもらわなきゃいかぬし、大体農林水産省は価格を下げるという政策をずっとやってきました。それが国民の期待にこたえるものだという考え方、あるいは外国との価格差の問題、そういうふうなこともあるんだというふうに思いますが、価格を下げることにはもうすぐぱっときますけれども、下げたというそのことが直接消費者につながっていくようなそういう形になっていますか。生産者の方は下げられる。しかし、実際に消費者のところにいくときには下げた分がさっぱり下がっていないわけです。それを政府として生産者の生産努力というものをどのように消費者に還元するのか。その点どのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 保証価格とほかの安定指標価格あるいは基準取引価格というものの関係になってくるわけでございますが、メーカーと生産者との間の基準取引価格につきましては、乳製品の安定指標価格、これは市況から導き出されるものでございますが、その安定指標価格等から製造販売に要する標準的な費用を控除して算出しているわけでございます。安定指標価格につきましては、乳製品の需給その他の経済事情を考慮いたしまして、保証価格の引き下げの一部を消費者にも還元するという観点から引き下げられてきているわけでございます。このため、基準取引価格につきましても、乳業の合理化によりまして製造販売経費が縮小されていくわけですが、それにはおのずと限界があるということから安定指標価格の引き下げに伴って相当部分の引き下げが行われるということになってくるわけでございます。 消費者に還元されているかということでございますが、牛乳、乳製品は食生活におきまして基本的な食品ということでございまして、円高の問題等も含めまして乳業メーカーに対しまして小売価格の値下げを指導しているわけでございますが、例えば六十一年の七月にはチーズの値下げが七%から一〇%程度、それから六十二年の五月には家庭用のバターが、メーカーによりますけれども五、六%程度というふうな引き下げがなされております。 今後とも消費者価格、生乳価格等の原材料の価格動向等の状況を見守りながら、必要に応じまして乳製品が適正な価格で供給されるよう乳業メーカーには十分指導してまいる所存であります。
○菅野久光君 農林水産省には食品流通局というところもあるわけですから、実際に生産者の価格を下げた、それがなかなか消費者のところにいかない。途中のどこかにみんな吸収されてしまうんです。円高だ円高だといっても、外国から入ってくるウイスキーの値段がさっぱり下がらないということと同じように、国内では生産者だけが痛い目に遭って、そして、国民からも外国との値段でいけば何倍だとか何とかといろいろ言われながら一生懸命生産性向上で努力をしている。その努力は値下げという逆の形で報われてくるわけですね。そのことが消費者の理解を得られないという形になってくるわけですから、酪農家の人たちあるいは農家の人たちというのは大変な状況なわけですよ。 政府としても、その辺については十分配慮してとかなんとか言葉では言いますけれども、こういったようなことがすぐ消費者の方にいくような、そういう政府としての努力、これは当然なければならないことだというふうに思います。 それと同時に、下げることには一生懸命だけれども、すぐぱっと下げるけれども、一生懸命努力をして、例えば外国よりも高い生産資材、そういうものを買っているわけですけれども、それについての値下げの努力、それは胸を張ってやれるようなことになっていますか。
○説明員(濱田幸一郎君) 最初に、先ほどちょっと猶予をいただいておりました数字につきまして御報告させていただきますが、まず最初のバター一カ月の消費量でございますが、ただいまチェックいたしますと、バターは約七千トンということになっております。それから脱脂粉乳は一万四千トン、こういう数字になっております。 それから、第二点の損益分岐点でございますが、六十二年度第二次生産費水準によりますと、これは三・五%換算でございますが、百キロ当たりで七千百八十七円という形になっております。 それから、ただいまお話の生産資材の引き下げの問題でございます。特に畜産に関しますとえさが非常に大きなウエートを占めるわけでございまして、飼料の価格の引き下げにつきましては過去、円高以来八回でございましたか、引き下げがされておりまして、三一%ぐらいの引き下げ幅になっております。私どもはこれはメーカーと常時連携をとりまして、そういう要素が出た場合には還元をしていただくということで指導してまいっているわけでございます。逆に、最近ややシカゴの相場あるいはフレート等のアップがあるわけでございますが、これもその後の、現在据え置きになっておりますが、据え置き期間中の円高等も勘案をいたしまして性急な引き上げは行わないようにというような指導もしているような状況でございます。 その他、経費として非常に重要な畜舎の問題等にいたしましても、できるだけ過重な負担にならないような、畜舎建設ができるようないろんな方法も関係機関と御相談をしながらこれまでも進めてまいっておりますし、今後も続けてまいりたいというふうに考えております。
○菅野久光君 時間がなくなりましたが、酪農家の人たちはいろいろ投資をして、いわゆる負債をたくさん抱えているわけです。これは乳価の引き下げがない、あるいは若干でも上がるんじゃないかということだとか、あるいは生産調整なんというのはないというようなことである程度経営の計算をしながら、これなら借金を返していけるということで投資をしたわけですね。それが、乳価は引き下げられる、それから生産調整はある、こういうことで元利を返せない。いわゆるABCDで言えばCとかDという階層の農家が大変ふえてきているわけですよ。 こういうことについての金融対策、これは大臣が来てから私もやろうと思っていますけれども、政府としてやるべきことをきちっとやりながら、いろいろ価格の問題なんかについてもそれは畜産審議会という審議会にかけるんだから、そこで国民の声を聞いてやるんだからちゃんと手順は踏んでいるというふうに言われるかもしれません。その中には生産者の代表も入っていますと、こう言われるかもしれませんが、あの限られた時間の中で、しかも代表だってごくごく限られた代表の人たちですよ。ですから日常的にこういう生産者団体の人たちが意欲を持って日本の酪農というものを、あるいは畜産経営というものができるようなそういう日常的な対応、そういったようなものをぜひ農林水産省としてはやるべきだというふうに思います。それが農業基本法の精神にもぴしっと合っていくことだというふうに思います。 いろいろそれは外圧、内圧があって大変な事態だとは思いますけれども、日本の酪農家をつぶさないように、特に今回の諮問が、先ほど言ったような八十円を切るというような諮問は極めて遺憾な残念な諮問だということを申し上げて、私の質問を終わります。
○宮島滉君 目下、畜産振興審議会が開かれておるわけでありますが、各畜産部門にわたっての審議について御質問をさせていただきたいと思います。 まず、指定食肉につきまして、牛肉の価格が今回決定をされたわけでございます。今回の価格決定に当たって特に新しい規格が設けられたわけでございますが、新規格としてB―2及びB―3が合体いたしまして新しく一元化がなされたわけです。そのことによって当然牛肉の中心価格が四・三%引き下げられる、こういう結果に相なったわけでありますけれども、このことについてはどういうねらいが実はあったのか、そこらあたりをひとつお聞かせいただきたい、このように思います。
○説明員(濱田幸一郎君) まず、指定食肉の価格決定の前提となっております食肉規格というのがあるわけでございますが、この規格は民間団体が定めまして、農林省が承認をするという形になったものでございます。これは従来は極上、上等、中とかいうことで、六区分のサシも何も一緒にした総合的な評価方式によりまして等級を決めていたわけでございます。したがいまして、今度は安定法に基づきます指定食肉の価格決定は、その規格の中の和牛の中、それから和牛以外の去勢牛、いわゆる乳雄の中と、その規格の中に当たるものにつきまして二本立てで価格決定をして、畜産振興事業団の売買操作によります国内の牛肉の価格安定を図ってまいったことになっております。 そこで、前提となります牛肉の規格につきまして、最近の国民の嗜好あるいは牛肉のばらつき等を考慮いたしまして、総合的な判断ではなくて、歩どまりとそれから肉質、肉の色とか締まりとか光沢とかという二つの側面で規格を定めようじゃないかということになりまして、歩どまりにつきましてはA、B、Cの三つ、それからそれぞれについて五から一までの区分に応じまして等級を決めたわけでございます。それが十五区分になるわけでございます。そうしますと、今までのサシ偏重の規格というのが行われがたくなりまして、例えば生産面で見ますと、サシ偏重のために、脂をつけるために非常に長期に肥育をしてきていたというようなことも、それはやってもいいわけでございますが、規格上必ずしも有利に扱われることにはならなくなるということがあるわけでございます。そういうことがございます。 それから、新しい規格を今度は畜産物価格安定法上の指定食肉として価格決定をする対象には何を選ぶかという問題が出てくるわけでございますが、その際にA、B、C、それからそれについて五から一の十五区分のものがあるわけでございます。それを分析いたしますと、B―3とB―2というのを一くくりで見ますと国内の枝肉市場の動向が非常に早く先行指標としてあらわれる。しかも、その中に入っております枝肉の価格の分布が非常にきれいに正規分布としてあらわれるということがございまして、六十三年度におきましては、新しい食肉の格付規格の中のB―3、B―2を一本として、これについて決定すればよろしいんではないかということで、今回畜産審議会に指定食肉の価格決定の対象といたしましては新規格のB―2、B―3を一本でお願いをしている、こういうかぎがございます。
○宮島滉君 今お答えのように、いわゆる新しい規格というのは消費ニーズにこたえていくためのねらいが大きく実はあったと、このように思います。 ところで、そうしたときにいわゆる小売末端の店舗における表示というものもおのずからやはり指導していかなければならぬ、かように思うわけでありますけれども、そこらあたりはどのような指導を考えておられるのか。 そうしてまた、その新しい規格によっていわゆる安定価格の水準というのはどのように変化していくのか、その辺もひとつお聞かせいただければと、このように思います。
○説明員(濱田幸一郎君) まず第一に、こういう新しい規格につきまして関係業界、関係者に十分周知徹底をしていただくということで私どもは普及活動を始めております。これが第一点でございます。 それからもう一つ、先ほど申し落としたわけでございますが、ただいま申し上げました規格は枝肉の規格でございますので、これがストレートにお店屋さんに並んでいる肉と直結するわけじゃございません。したがいまして、消費者と直結しておりますお肉屋さんのいわゆる正肉でございますが、正肉につきましては従来から部位とかあるいは国産物、輸入物というようなものにつきまして、表示について公正取引委員会とも業界がいろいろ御相談をして適正な表示をするように努力をしております。これはまだ継続中のこともございまして、今後ともより表示が明確になるような努力が続けられてまいると、我々も指導してまいりたいと思っております。
○宮島滉君 そういたしますと、今度は生産面からとらえますと、現在の実勢価格というものが基準価格から非常に離れて、いわゆる高位水準を推移しているわけなんですけれども、その実勢価格にどのような変化を、影響を与えるのか、そこらあたりもひとつお聞かせいただきたい。
○説明員(濱田幸一郎君) これまで価格決定は、先ほど申しましたように、去勢の和牛と去勢のその他の牛ということになっておりまして、要するに和牛と乳雄の二本立てで安定帯の価格が決められたわけでございます。特に問題になっておりましたのは、最近和牛が安定帯の上位をかなり長い間超えてきたということがございます。これは五十七年でございますか、前回の牛肉交渉等の問題があったわけでございますが、生産者側のやや不安もありまして、雌牛を淘汰しまして、資源が減って供給量が減ってきたというようなことも影響いたしまして、和牛の価格がかなり高水準に張りついていたという実態があったわけでございます。このこと自体も我々は非常に問題であろうというふうに考えていたわけでございます。 今回、新しい規格、新しく一本化されました価格安定の設定によりますると、和牛と去勢和牛、乳雄との区別なく一本で表示をするということになりまして、今後の市況動向いかんにもよりますけれども、私どもが今諮問してお諮りしている水準でまいりますと、価格安定帯と乖離をしてどうしようもないというようなことは起こらないであろうというふうに期待しております。
○宮島滉君 そこで、昨今牛肉の需要というのは非常に順調に伸びているわけなんです。それを踏まえて新しい酪農、肉用牛近代化の方針の中で、いわゆる牛肉の需要の年率の伸びというものを四ないし五%を実は見込んであります。したがって、その高い伸び率が今後長期間継続するというふうに考えておられるのかどうか、その辺もひとつお伺いしたい、こう思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 二月に公表いたしました基本方針の目標年度は、七十年度を一応置いているわけでございます。この中で、需要量は先ほども申し上げましたけれども、牛肉につきましては百十四万トンから百二十六万トン、こういうふうになっておるわけでございますが、ベースとなっております六十年度と七十年度を比べますと、需要の年率は四・〇%から五・〇%毎年伸びていく、こういうふうに見込んでおるわけでございます。 それから、参考までに前につくりました六十五年度目標の酪肉基本方針によりますれば、基準になっております五十三年度と六十五年度との年率の伸びは、牛肉の需要量について申しますと、三・六から四・三%、こういう形になっております。
○宮島滉君 今お答えいただいたわけなんですけれども、いずれにいたしましても牛肉の需要の伸びというのはかなり高い水準で伸びていくということが言えるわけでございます。 そういたしますと、問題は国内生産基盤がそれに伴っていくかということが一番懸念されるわけなんです。今日の肉用牛の高騰、値段が高い水準で進んでいるという大きな要因は、何といってもやはり子牛が高いということが一番大きな要因ではなかろうか、私はこのように思います。 〔委員長退席、理事高木正明君着席〕 その子牛のいわゆる繁殖地帯でありますけれども、御高承のとおり子牛の繁殖地域というのは非常な山間地帯である、あるいはまた離島であるとか、そのように土地条件、地理的条件が非常に弱い、悪い地帯が繁殖牛のいわゆる地域に相なっているというふうに思います。そしてまた、今日いわゆる高齢化社会に相なっておるわけでありますけれども、後継者がいない。したがって、それに従事する農業者というのは極めて高齢者ばかりに相なっている。したがって、その繁殖の子牛生産が極めて脆弱である、このように実は思っているわけでございます。したがいまして、いわゆる繁殖の基盤、それをどのように今後政策として展開していかれるつもりか。技術的な新しい問題も含めてひとつお伺いしたい、このように思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 今後、国民の要請の強い、安価でかつ安定した牛肉供給の拡大を図るというためには、先生ただいまお話ございましたように、牛肉生産の基盤でございます繁殖経営につきまして飼養規模の拡大等を進めていくことが非常に重要であろうというふうに考えている次第でございます。 そこで、土地条件なり、あるいは労働力等のそれぞれの経営あるいは地域の実態に応じまして、稲わらや転作田、放牧の活用によります土地利用基盤の拡大、あるいは家畜の導入、自家保留促進等によりまして経営規模の拡大を進めていくということをやらなきゃなりませんが、同時に共同利用畜舎等の整備、それから子牛価格の安定、今のような子牛価格が非常に高いというのは、これは問題でございます。これを何らかの方法でできるだけ安定をしていくというようなことをやらなきゃなりませんし、経営技術指導を行っていかなければなりません。 それから、最近実用段階にも入っておりますあるいはまだ実験段階のものもございますけれども、双子生産等の新技術の導入を図っていくというようなことで、我々が現在動員できるあらゆる措置を講じまして、繁殖経営の安定的な規模拡大に努力してまいらなきゃいかぬというふうに考えております。
○宮島滉君 では、酪農の方で少しお尋ねをいたしますが、先ほどから同僚議員からも御質問がございましたので、若干重複する部分もあろうかと思いますけれども、お尋ねをいたします。 最近の飲用乳消費が極めて高い水準で伸びておるようでございます。その大きな要因というのは、何といってもグレードアップによるものだと、このように実は思っているわけでありますけれども、ただ、今回の新しい酪農、肉用牛近代化方針の中で、いわゆる牛乳並びに乳製品、これは乳製品の伸びがどうかという問題があろうかと思いますけれども、今度は逆に、年率の伸び率を一・五%程度に低く見込んでおられるようであります。 〔理事高木正明君退席、委員長着席〕 その要因等について少しお尋ねをいたしておきたい、このように思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 牛乳、飲用乳の伸びにつきましては、確かに六十二年度におきましてはいろんなファクターがございまして、予想以上に大幅な伸びをしたわけでございますが、それ以前を振り返ってみますと、やはりある程度限度にきたかなという感じもあるわけでございます。特に他の商品、競合ドリンクものがたくさん出てまいりましたし、それから、何と申しますか、国民の多様な商品を少しずつ摂取していくというような消費ビヘービアなんかも影響しているんじゃないかというふうに見られるわけでございます。しかしながら、我々といたしましては、牛乳製品の非常にすぐれた栄養性、特にカルシウムが特に中高年齢層にとっては必須なものでございまして、非常にそれを摂取しやすい商品であるというようなこともございまして、今後こういうPRを大いにやっていかなきゃいかぬということもございます。 そういうようなことをいろいろ総合的に勘案をいたしまして、過去の牛乳のトレンドからまあ少しは地道な感じもしないわけではございませんが、年平均の伸び率一・五%ということで設定をしたものでございます。
○宮島滉君 けさなんですが、いわゆる加工原料乳の保証価格の諮問が畜審の酪農部会に置かれたわけでありますけれども、それを拝見いたしますと、先ほども同僚議員から御指摘もあったようでございますが、今回保証価格におきまして三・五%の引き下げ諮問、七十九円八十三銭にとどまっているわけなんです。 そこで、生産費等の要素になる問題についてお尋ねもあったわけでありますが、私からもそのことにつきましてお尋ねをしたいと思うんです。特に家族労働費のとり方でありますけれども、家族労働費については、飼育家族労働費と、それから飼料作物の家族労働費とが区分されて計算基礎に、要素になっておるようであります。よくよく考えてみますと、つくる方の人とそれからそれを刈ってうまやでやる人の労賃が区分されて算定要素になるというのは極めて矛盾するんじゃないかなと、そのようにかねて私は思っているわけでもありますし、たまたまこのことにつましては、諸先生からも指摘がなされておるところでございます。しかしながら、一向に改めるというようなお話も伺わないわけでございますが、この点についてどうお考えになっておるのか、しかとお聞かせいただきたい、このように思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 家族労働費の評価の問題につきましては、いろんな御議論があるわけでございます。私どもが実際上保証価格の算定に当たりまして行っておることは、まず飼料作物労働につきましては、農村雇用労賃を物価修正をして出しておるというのが第一点でございます。この飼料作物労働の評価に採用しております農村雇用労賃とは、製造業なり建設業、運輸・通信業等、他産業も含めたその地域における標準的な労働賃金ということでございまして、これを飼料作物労働の労働賃金の評価基準としてとるということは妥当なものであろうというふうに考えておるわけでございます。 片や飼育労働につきましては、酪農におきます飼育管理労働は年じゅう無休というようなこともございます。それから、非常に拘束性が強いというようなこともございまして、このような特殊性に着目いたしまして、従来から加工原料乳地域におきます製造業労賃をもって評価がえをさしていただくということで、言うなれば特別な配慮をしているという側面があることを御理解いただきたいと思います。
○宮島滉君 今回も保証価格の算定に当たって検討された中で、酪農規模が大きくなった、そしてまた一頭当たりの搾乳が増加している。そしてまた飼料が安くなっている、あるいはまた副産物としての子牛価格の値段がいい。そういう総合的なものとして全体としていわゆる酪農農家は経営的に非常にいいんだと、そういうことからしての価格決定もなされて、コスト低減がなされている、そういう反映かと思われるわけでありますけれども、このことはごく最近のことであって、御存じのとおり数年前までは畜産農家、酪農農家含めまして大変厳しい時期がございました。ようやく少し日の目を見た、そうしてやはり経営が安定して足腰の強い酪農なり畜産農家が生まれてこようとしているわけです。 そういう中で、確かにコスト低減が図られながら、環境もよくなってきながら経営維持ができつつあるのに何か水を差していくような感じが実はいたすわけなんです。ですから、長い目で見ればこの乳価にしましても、先ほど同僚議員から御指摘があっておったように、わずか十三銭、総予算として数億だろうと思うんですが、その程度のものがどうしてものめなかったのかどうかという感じが実はするわけなんです。これは入荷量との問題もあるいは関連するかと、こう思うわけでありますけれども、そこらあたりどのようにとらえておられるのか、もう一度お尋ねをしたいと思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 確かに牛乳をつくる側あるいは保証価格を受ける側からいたしますと、できるだけたくさんのものを受け取りたいという願望が強いことはよく理解できます。しかし、これは制度に従いました価格でございまして、長い間専門家の意見を聞いて設定をされてまいった価格決定の方式というものがあるわけでございまして、これをそう恣意的に変えるというのは制度自体の存続にとりましても好ましいものじゃないわけでございます。 私どもは、こういう枠組みの中で、例えばただいま申しましたような家族労賃のとり方につきましても、これはまだ御不満があることはよく承知しておりますけれども、まあできる限りの配慮はするというようなこともやっているわけでございます。 これを、できるだけ金額を高める方がいいというようなことから、長年培ってきました枠組みを越えまして何らかのことをやろうということになりますと、最近の内外価格差の是正と、しかもそういうことが一つの農業に対する厳しい見方になっているというようなことも考えますと、価格の上昇につながるような方式の変更というようなことにつきましては、国民の理解がなかなか得がたいのではないかというふうに私どもは考えている次第でございます。
○宮島滉君 では、豚肉について一点だけお伺いしたいんですが、同じように指定食肉安定価格の中で決定されましたのが九・九%と大幅にこれは引き下げがなされているわけなんです。そういたしますと、今後生産者に与える影響もかなり大きいわけでありますけれども、同時にこの豚肉については、御存じのとおり、差額関税制度のもとで豚価安定価格の中心価格が引き下げられているわけなんです。そういたしますと輸入がさらに促進されてくるんではないか、このように実は判断をいたすわけでありますけれども、それらの影響についてお伺いしておきたい、このように思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 豚肉の安定価格につきましては、豚の枝肉の実勢取引価格が季節的に変動はありますが、年間を平均すればおおむね価格安定帯の中心価格水準になるということを想定して、そういうような価格を設定しようとしているわけです。もしその中心価格水準に年間の平均が確保されれば、これによりまして豚肉の再生産が確保される、こういうようなことになっておるわけでございます。そのような仕組みで設定をされるものでございます。 この場合、輸入が自由化されております豚肉につきまして、国産の豚肉が輸入豚肉に比較しまして不利な立場とならないように、現在、安定価格帯のその中心価格を基準輸入価格、これは我々別な言葉で言いますとせきどめ価格でございますが、そのせきどめ価格として設定をしておりまして、輸入されてきます輸入価格がその基準輸入価格、せきどめ価格を下回ることがないように関税を賦課する、いわゆる差額関税制度を採用しておるわけです。したがいまして、差額関税制度は一般的に見まして国産豚肉価格が安定価格帯の中心価格を超える水準にあるときには輸入豚肉は入りやすくなりますが、逆に中心価格を下回る水準にありますときには輸入豚肉は入りにくくなるというような、いわゆるせきどめをする機能を持っているわけでございます。 昭和六十三年度の豚肉の安定帯価格につきましては、中心価格ベースで今お話しのように九・九%引き下げということで答申を得たわけでございますが、この引き下げの試算はえさ価格の低下等によります生産コストの低下からくるものでございまして、この場合、国産豚肉の実勢取引価格が平均的には新しく設定する中心価格になるという想定でございます。したがいまして、その中心価格が引き下げられた場合でございましても、差額関税制度が存在して基準輸入価格を下回る価格では輸入豚肉が国内に流通しないという仕組みになっておりますので、そういうことである以上、国産豚肉の再生産の確保に支障が起こるということはないわけでございます。
○宮島滉君 今お伺いしますように、中心価格が引き下げられますと当然輸入も増大してくるんじゃないかという懸念を持つわけでございます。したがいまして、差額関税制度の機能が十分生かされていくようにひとつ御配慮をいただきたい、このように思います。 そこで、続いてお尋ねしたいんですが、きょうも審議会の中でそれぞれ畜産全般にわたっての対策につきまして、関連対策についての建議なりそういうものがなされておるようでございます。 御存じのとおり、先ほど申し上げましたように、昨今の農家におきましてはやや安定した方向で進んでいるわけでありますけれども、何せ今日まで決していい日の目を見てきていないわけなんです。したがって、何を言いましても負債をそのまま抱えている、これが現状でございます。したがって、負債整理資金として対応がなされてきたわけでありますけれども、残念ながらその適用範囲、対象範囲というのが決められているわけなんです。したがいまして、御存じのとおり農協におきます畜産農家に対する融資等それぞれあるわけでありますけれども、それになかなか当てはまらない。ですから、例えば組合勘定と営農勘定等がある畜産関係の負債あるいはまたえさとして未収金に残っておる負債あるいはまた預託牛として農家に貸し付けておるもの等については負債整理資金が何ら適用されていないわけなんです。ですからよく議論になりますのは、農協の金利が若干高いのじゃないか、だからそこですべてが吸収されてしまって農家の救済にはなっていないんじゃないかという議論まで実は出てくるわけなんです。 確かに、金利等の問題もあろうかと思いますけれども、負債整理資金は一定の金利で指導されておるわけでありますから、そのことについては何ら問題はないと思うんですけれども、適用範囲がもう少し考えられなければ幾ら金を出しても実際問題として負債の整理には相なっていない。ですから農協に負債がそのまま残っているわけなんです。ですから幾らつぎ込んでも対象者がない、ないからたまたま金額をこの程度出すということで資金枠を決めて出しても応じる人が少ない。言うなれば一頭当たり幾らの負債、だから貸し金としての契約の対象になっていなければ適用されない、こういうことに相なっておるようでございます。この点について、今後負債整理資金についても今回の関連対策として考えていきたい、このようにおっしゃっていただいておるところでございますが、その適用につきましてどうお考えになっておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 畜産の負債問題につきましては、平均的に見ますとえさ価格の値下げ等によりまして経営は改善されているわけでございますが、借金に多くを依存しまして規模拡大を急速に行った経営の一部に厳しい状況になっておるものがあることは私どもも十分に認識しておるわけでございます。したがって、これまでもいろいろと個別の対応策というのはとってまいっておるわけでございます。ただ、今後全般的にどうするかというのは非常に難しい問題でございますが、いろいろ実態調査を踏まえまして適切に対処をしていくというつもりでございます。 そのような状況でございますので、先生が今おっしゃいました非常に具体的なことにつきましては、今後の具体的な対処の研究課題の中身として引き取らせていただくということで御了承いただきたいと思います。
○宮島滉君 せっかく負債整理資金を今回また新たに融資していこうと、こういうような姿勢でありますから、そのことについては大変ありがたく存ずるわけでありますけれども、どうか確実に農家の負債が減るような対応をやっていただきたいということを強く私は御要望申し上げておきたいと思います。 最後になりますけれども、自由化のことにつきまして一点だけお尋ねをいたしたいと思います。 今回の自由化につきましては政府としても大変苦慮されておられるようでございます。そこで、六十三年三月十五日、「最近における畜産の動向等について」畜産局長が報告の要旨を実は審議会にお出しになっておりますが、その中の二十四ページにいわゆる「食肉関係」といたしまして、(1)といたしまして出ておりますけれども、ちょっと朗読いたしたいと思います。「畜産物の市場開放要求に対しては、国内生産に与える重大な影響に鑑み、今後とも慎重に対処すること。」。対応について、「(対応)」といたしまして、「牛肉については、その生産が我が国土地利用型農業に占める重要性等にかんがみ、新たな「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」に基づき、合理的な国内生産の推進による供給を基本としつつ、国際化に対応した適切な輸入を行い、その安定供給を確保することとしている。」と、このように実はうたっておられるようでございます。したがいまして、「国際化に対応した適切な輸入」、たまたま農林水産省としては、牛については困難である、このような発言をいただいておるわけでありますけれども、恐らくこのことは、自由化はしない、こういうふうに解釈される、このように思いますが、そのように解釈していいかどうかお尋ねをいたして、終わりたいと思います。
○説明員(濱田幸一郎君) 私どもの牛肉に対します海外との交渉の基本的なスタンスは、自由化は困難であるということでございまして、今後とも日米、日豪等の交渉の場におきまして我が方の立場が貫かれますように十分な説明をいたしてまいりたいと思います。
○星長治君 私は、食糧庁に絞ってお伺いいたしたいと思います。 昨年、在庫余剰米が大体百九十五万トンと、こういうふうな計画を出したんでございますが、もちろん作況指数が一〇二ですからそれ以上になったと思うんです。それで、実態をお聞かせ願いたい。 それと同時に、緊急対策というものを打ち立てまして、団体並びに各県の協力をもらいながら進めてまいったと思いますが、その実態をお知らせ願いたい。
○政府委員(甕滋君) 本年度から水田農業確立対策を始めまして、転作等目標面積七十七万ヘクタールにつきましてその転作に取り組んだわけでございますが、関係者挙げての取り組みによりましてその達成が図られたところでございます。 しかしながら、その後の消費の予想以上の落ち込みもございまして、六十二年十月末の在庫が計画の百九十万トンを三十万トン程度上回ったこと、あるいは六十二年産米が豊作であったこと、こういうことから六十三年十月末は二百三十万トン程度の持ち越し在庫が形成されると、こういう見通しになっておりまして、三たびの過剰も懸念されるという事態になっておるわけでございます。このため六十三年度におきましては、引き続き水田農業確立対策を進めますほか、ただいまお話ございました需給均衡回復のための生産、流通、消費の各般にわたる緊急対策に着手をしようというところでございます。 政府米の持ち越し在庫の上限でございます百五十万トンを八十万トン程度上回ってしまう、こういった事態に対しましては、生産者、集荷団体等によります自主調整保管でありますとか自主流通在庫によって対応いたしますとともに、販売業者の団体によります調整保管等も指導をしてまいりたい、こう考えているところでございます。
○星長治君 大体、おとといの委員会ですか、同僚議員からの質問に長官が、消費拡大に三万トン、学校給食一万トン、他用途米十二万トンと、こういうことを打ち出したわけですが、この十二万トンの他用途米の財政負担はどうなるのか。これをお伺いします。
○政府委員(甕滋君) ただいまお話しございましたような他用途米の拡大は、在庫造成の七万トンを含めましてほかに五万トン、都合十二万トンの拡大を計画してございますが、この分につきましては従来の他用途利用米と同様に政府からトン当たり五万円の助成を行うこととしております。
○星長治君 そうすると、十六万トン引くと十四万トンになるわけですが、これは今各県にいろいろお願いしているんでしょう。これの内容というものを、この前の委員会ではまだまとまっていないというけれども、大体中間報告ぐらいはしてもらってもいいんじゃないだろうかと、こう思うんですよ。この内容を言うと、いわゆる農家の買い戻しとかそれから転作とかいろいろあるだろうけれども、果たしてどういうような方法をとるのか、ひとつお伺いしたい。
○政府委員(甕滋君) ただいまお話しございました十四万トンにつきまして、地域の創意工夫のもとに消費純増等に取り組んでいただこうといった取り組みでございますけれども、これまで各県レベルで生産者団体が主体的に消費純増策に取り組むということでいろいろ工夫を凝らして取り組んでいただいておるわけでございます。 この集計そのものはもう少しで取りまとめというところでございますけれども、内容の主なものにつきましては、農協等によります備蓄がある程度目立った数量になっております。それに続きまして、米の加工食品等についての原料米の供給、製品の引き取り、あるいは米菓についての原料米の供給、製品の引き取り、それからさらには生産者団体等によります米飯学校給食の推進ということがございまして、また御飯もう一杯運動といったように農家レベルの消費拡大を図っていこうということと連動させまして、農協の保管する米を農家消費用に供給する、こういった取り組みもございまして、極力消費純増策で数量を消化しようという努力が払われているところでございます。 さらには、価格のいかんによっては需要を広げることができるんではないかということで、需要開発米の生産というものもある程度見込まれますけれども、極力そういったことによって取り組んで、なおかつその不足する分については生産者による転作を行うというようなことで、現在末端におきましての調整が進められているところでございます。
○星長治君 私が一番心配なのは転作なんですよ。これ以上転作するといってもなかなか無理なんです、実際から言うと。これをなるたけ避けるような方策をとってもらわなければならない。そのための方策でどういうふうな具体的な案があるのか、私はこれをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(甕滋君) 今回需給均衡化緊急対策に取り組みました趣旨が、もともと本年度から始まりました水田農業確立対策の七十七万ヘクタールの転作、これが以前の水田利用再編対策の数量を大幅に上回りまして実施しなければならない。しかも、初年度を経過するうちにさらなる需給ギャップに直面いたしまして、その需給均衡を急速に図らなければならない。こういう趣旨からスタートいたしまして、七十七万についてはこれまでどおり推進するとあわせまして、極力消費拡大でありますとか在庫調整でありますとか、そういうところで一生懸命やってみて、その結果地域の実態によって何としても需給ギャップは解消しなければなりませんので、差額が出ました場合には転作によって取り組んでいこうという、生産、流通、消費のそれぞれの各段階にわたる努力を尽くそうという趣旨でこれがスタートしようとしておりますので、その辺の趣旨を踏まえてお取り組みをいただきたいと考えているところでございます。
○星長治君 そうすると、今の段階では幾ら減反すると言うことはまだできないということですね。
○政府委員(甕滋君) 数字をきょうこの場で申し上げるところまでは至っておりませんけれども、消費拡大にいたしましても、需要開発米にいたしましても大変な御努力で取り組んでいただいてはおりますけれども、これまで努力をしている上にさらに積み上げるという話でございますので、大変な御苦労があるのも事実でございます。 また、数字自体も関係者が期待するほどの大きなところまでいくか、これは楽観できないと思っております。したがいまして、十四万トンの中のかなりの、相当な部分については転作で取り組んでいただくということにならざるを得ないのではないかと思いますけれども、そこは地域の実情によりまして、超過達成の運動でありますとか、いろいろどういう形でこれを消化していこうかという算段を今各地域で願っているところでございます。
○星長治君 これは大臣が来てからと思ったんですが、長官に聞きたいと思います。 何日か前に、NHKである学者が発言しているんですが、その内容を見ますと、もし米が自由化になったならば、こういう題で、一九九〇年に自由化になったら、十年たったら五百五十万トンの米が輸入されるだろう、さらにまた、今は生産農家は二百六十五万戸ですか、そのうちに百万戸になるだろう、こういうことです。さらにまた関連業者合わせると百六十五万の失業者が出るだろう、こういうことを言っているんですよ。もちろん多額の負債が残る。これどうですか、農水省ではどう受けとめるんですか、それを聞きたいと思います。
○政府委員(甕滋君) ただいまの学者の研究成果のお話として、そういった想定を置いた場合にはこうなるだろうというお話がございましたけれども、私もそれは実は読んだり聞いたりはしております。やはり想定といたしましてはそういう学者の御意見もございますわけですが、その中身自体について私からとかく申し上げることはございません。 しかし、米につきましての私どもの考え方は、これまでも申し上げておりますとおり、米の重要性、稲作の我が国農業における位置づけからいたしましても、あくまでも自給する方針をとって今後も臨んでまいりたいと考えているところでございます。
○委員長(岡部三郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後三時まで休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ─────・───── 午後三時開会
○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査のうち、畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○刈田貞子君 午前中に引き続き、私もただいま畜産振興審議会で審議されておりますところの畜産物の価格の問題について質疑をさせていただきますが、主として畜肉の価格の問題について質問さしていただきたいと思います。 午前中にもいろいろ出ておりましたけれども、今回の牛肉の価格の問題では制度の改正というのがまず出ております。今度は牛の枝肉取引の規格の改正の問題があるわけで、これは午前中にも話が出ましたけれども、これまでのサシ至上主義から赤身志向へと変更していくということで牛肉の安定価格帯を一本化するという問題が出ました。 これは生産者団体等からも取引実態に悪影響を及ぼさないようにというような要望がたくさん出ておるわけですけれども、ここで考えられる悪影響というようなもの、これはどういう種類のものが想定されるんでしょうか。
○説明員(東久雄君) お答えさせていただきます。 今回畜産物の価格安定等に関する法律の指定食肉の規格、特に牛肉の規格について変更ということになるわけでございますが、先生御承知のとおり、十五の分類をしたB―2、B―3という規格にいたします。 この規格の変更は、これは御承知のとおり、牛肉の価格安定帯と申しますのはいわゆる売買操作の基準になる一つの価格帯でございますので、その指標となる価格を決めるわけでございます。したがいまして、市場の状況をあらわす肉並びにその先行性と申しますが、非常に機敏に価格が動くものをとらえるべきだというふうに考えまして、今回統一の規格でB―2、B―3というのをとったわけでございます。これは全体に占める割合が四五%ということになっておりまして、こういう先行性のある指標をとることによってより的確に価格安定制度を運用できると私たちは考えております。あくまでこれは先行指標でございますので、それが市場に直接影響を与えるとは思いませんが、ただ規格が四月から変更することによって、流通段階ないしは生産者の中にその規格に対する御理解の不十分、不徹底ということが起こってはならないというふうに考えておりまして、これに対する、啓蒙、普及と一言で申しておりますが、これに我々は努めなければならぬと考えておりまして、予算措置もとり、この方向へ持っていくつもりでございます。
○刈田貞子君 午前中にも同僚委員の中から安定価格帯と実勢価格との問題について質疑がございまして、それに対して、その差は余り出てこないのではないかというふうなお話がございましたけれども、ここで、これは朝日新聞でしょうか、何か言われているところでは、高級なしゃぶしゃぶや、すき焼きに使われるような和牛は日本人の好みに合うと言われているので需要が極めて高い、このために政府が安定価格帯をこのものから廃止したとしても値段が安くなるということにはならないというふうに見ておるということなんですね。この辺のところの考え方はいかがなものでしょうか。
○説明員(東久雄君) 今お話ございました高級牛肉というものが、現在、特選とか極上とか上とかいうような非常に霜降りの多い規格に偏っておるために、この規格につきましては赤肉志向を強めた規格を採用いたしまして、今ちょっとややこしいんでございますが、上の上並びに極上、特選、この三つが5という一番上のランクになる、そのほかが、大体今の4というのが上の下と中、それから中と並の上が3になり、並の下の方が2と1に分かれるというふうな形になっておりまして、これら総合的に考えますと、あくまでこういう規格に持っていくことによって将来赤肉志向へ移りつつある国民の志向に合わした生産を進めていくという方向になっていこうかと思いますが、今申し上げました中での極上、特選というのは非常に特殊な流通でございます。数%の流通物でございまして、現在我々が持っております価格安定帯の和牛の中という肉でも、大変たくさんの輸入牛肉を売り渡していながら安定上位価格を突破するという形で供給面と需要面とが別の動きをしているというような状況でございまして、今先生がお話しになったような特選とか極上というものについて今回こうやることによって価格が下がってくるということにはならないと思っております。
○刈田貞子君 今言われたのは等級の問題ですよね。六等級から十五等級になるというあの問題ですよね。 それをやることによって霜降りの度合いの部分を単純化していって、それが赤身志向へとだんだん持っていくということなんですけれども、それは例えばよく言われているところの生産者がこれから輸入牛肉に対抗して質で勝負していくんだというようなことに対してはどういう影響性を持ちますか。
○説明員(東久雄君) 今申し上げましたとおり、B―2、B―3というところを基準にした目標価格を設定する関係上、その2と3というのが現在で言う並ないし中の肉になってまいります。したがいまして、これらについては機動性のある価格運用に努めたい、価格安定措置を講じてまいりたいということで、高くなってくれば輸入牛肉の売り渡しをふやすとか安くなってくるとそれを少し減らしていくとかというような機動的な操作をやってその価格安定帯の中にそれらの、大衆牛肉というふうに言えると思いますが、それらが入っていくような措置をとっていくという考え方でございます。
○刈田貞子君 ここでこうした制度上の改正を行っても牛肉の価格がすぐに下がるわけではないが、長い目で見ると歩どまり中心の生産体制に移行し、乳牛や並み牛の和牛の生産コストが二、三割下がるというようなことを言っておられるわけですけれども、この酪農と肉牛生産の近代化の基本方針ですね、これでもこれから七十年にかけて六十一年に比べて二、三割のコスト減を図るということが打ち出されていますが、これは、どういうのでしょうか、そういうことが実現できるのかどうなのか、現在の生産条件のままでやっていってそれがクリアできるかどうか、この問題はいかがでしょうか。
○説明員(東久雄君) 先生御指摘のとおり、赤身肉を中心の形の生産体系に長期的に移していくことによって現在の志向に合ったような形で大衆的な肉を供給していく体制というものを確立していくわけでございますが、その過程で、先生御指摘の二月の中ごろに公表いたしました基本方針の中で一つの政策目標としてコストを二、三割下げるということを打ち出しております。 これにつきましては、どうしたらそのコストの二、三割減につながるかということで一つの経営指標を出しております。例えば乳雄の肥育の場合には二百頭規模というような規模でえさの供給体系をとっていけば現在のコストに比べて二、三割安くなる、今の二百頭でしたら三割近く安くなるという試算を出して、これをこういうふうな目標に沿って、これまた地域によって自然条件その他の相違がございますから、各都道府県においてそれぞれの指標をまたさらにつくっていただきたいというふうな依頼をしておりまして、そういうふうな方向へ持っていくことによって二、三割のコストダウンにつなげられるというふうに考えております。また、そういう方向へ施策を誘導していくべきであるというふうに私たちは考えております。
○刈田貞子君 それから、同じ基本方針の中に需給見通しの問題が載っております。これによりますと、七十年度で需要が八十から八十八万トンということになっておりますけれども、国内生産量が四十八万トンということになれば、三十二から四十万トンぐらいは外国からの輸入が必要であるということを言っておられるわけですけれども、この辺の基本的な考え方、いかがでしょうか。
○説明員(東久雄君) 御指摘のとおりでございます。この需給見通しのすぐ下のところに乳牛の飼養頭数とそれから肉用牛の飼養頭数を同時に掲げてございますが、これでごらんいただけばわかりますとおり、乳牛につきましては生産調整の関係で頭数が余りふえない。そういたしますと、現在の肉の供給は三分の二が乳牛関係からまいります。三分の二のうちの半分は乳雄から、残りの半分がいわゆる老廃牛からでございますが、そういう生産状況のもとで乳牛がふえないということのために、肉牛で相当頑張った形での生産増強がなされたとしても、先生御指摘のような生産量になってしまう。現在のところ肉の消費は五%程度の伸びをしているために、年率四から五%の伸びを示していくとして考えた場合に、今、先生御指摘のような三十二万トンから四十万トンの、四十万トンというときは五%の伸びを考えております、三十二万トンというのは四%の伸びを考えておりますが、このような輸入数量になる、これは七十年度でございますという見通しを出しております。
○刈田貞子君 その数字をさらに自給率ではじいてみますと、これは現在の七二%から最低五五に低下をするということになっておりますね。この五五%の自給率というものに対してはどういう考え方をすればいいのか。これはもう固定的にこのぐらいのものを考え、あと残りは輸入で賄うというふうにするのか、それとも、この自給率を場合によっては向上させていくという方向で進めていくのか、その辺の考え方はいかがでしょうか。
○説明員(東久雄君) 先生御指摘のとおり、六十年度で七二%の自給率を示しておりました。しかし、先ほど申し上げましたとおり、乳牛の生産調整による乳牛頭数の増加もとまり、それと片や子牛生産の立ちおくれ、これは前の日米の牛肉交渉等の影響があったと言われておりますが、子牛生産の立ちおくれというようなことから、七十年度においては残念ながら上で六一%、下で五五%の自給率にならざるを得ないという自然の一種の見通しといいますか、数字的に見るとそうならざるを得ないということで出したわけでございます。そこのところは現在の生産状況からしてそういうことになるので御了解をいただきたいと思います。
○刈田貞子君 ならざるを得ないというお話なんですけれども、生産農家があるわけですね。一生懸命努力をしておられるわけです。にもかかわらず、その自給率が上がっていかないという考え方については私いろいろ異議があるわけでございます。 これは、政務次官にお伺いしたいんですけれども、たび重ねて農政審の答申が出ております。この自給率という言葉は、食糧に関して自給率を上げるということでずっと書かれてきました。それがやがて自給力に変わってきましたね。そして一昨年出た農政審の二十一世紀へ向けて云々ではこれが供給力に変わってきておるわけですね。そういたしますと、この自給率を上げる云々というような言葉はもう今の我が国の農政にはないのではないかというふうな思いを私持つわけでございますけれども、この辺いかがでしょうか。
○政府委員(吉川博君) 現状におきましては、国内で自給できるだけは努力して賄っていく、そういう方針でおります。
○刈田貞子君 そうなんですよ。輸入の、自由化問題が出ると、国内で自給をする、そして不足分について輸入をするというのがあらゆる農産物に対してこれが原則だったわけです。でも、そういうふうに考えられない部分がたくさんあると私は思います。例えば先般の十二品目の農産物の問題にいたしましても、それから今課題にしておりますこの牛肉の問題にしても、やはり生産農家は生産する意欲はあるんですよね。その意欲をさらにつけるための環境が整っていないためにこれが生産性向上につながっていない、あるいは自給率につながっていかないという、条件の方がそろっていないために私はこういうことが出てくるんじゃないかなというふうに思うので、実は逆に、輸入ありき、自由化ありきで逆算をしておられるんじゃないかなという思いがあるんですが、いかがですか。
○説明員(東久雄君) できるだけ国内で生産できるものはと申しますときに、先ほど先生から御指摘のありましたとおり、コストを二、三割下げるという努力をしてというのがついておりますとおり、これはやはり国民的な理解を得ながら、今のところ農産物について高い高い、特に牛肉については高いという非難が多いわけでございますが、自分たちもこれだけの努力をしてこれだけのものをつくる。先ほどもちょっと触れましたが、肉用牛の頭数というのは今のところは伸び率はほとんどもうゼロに近い状態なんでございますが、それをいろいろと意欲的な方向をとりまして年三・七%の伸びをいろいろな形でつくっていくという考え方のもとに、できるだけ国民に理解が得られる価格での供給をふやしていくという形をとって、なおかつ見通してこういう形になるということでございまして、決してそういう前提があって何か作業をしているということではございませんので、御理解をいただきたいと思います。
○刈田貞子君 理解はしたいんですけれども、この三月三十一日で牛肉、オレンジ協定が日切れになって、そうして四月一日からまた新しい年度が始まる。それに対して農水省は既に六十三年度分の輸入枠を明らかに明示なさっている。しかもこれはかなりの前倒しで御明示なさっているように私は思いますけれども、やっぱり先に輸入ありきという感じがいたしますが、いかがですか。
○説明員(濱田幸一郎君) 御案内のとおり、現在の日米、日豪、両方との間の牛肉に関します取り決めは三月三十一日で終了する、こういうことになっておりまして、四月一日以降の取り扱いにつきまして円滑に話し合いが進めばよろしいわけでございますが、仮に三月三十一日になっても話し合いがついていないときに、四月以降の取り扱いについて全く実務的に動きようもないと困るというようなことにも配慮いたしまして、これらの相手国の了承もとっているわけでございますが、上期につきまして従来どおりの方式により割り当ての公表をする、こういうふうにいたしたわけでございます。 その数字につきましては、これは話し合いがないわけでございますからこちらで一方的にやるわけでございますが、最近の牛肉の需給動向を勘案いたしまして前年度の上期に一定の数量上積みをして、これだけやっていれば国内需給に混乱あるまいという判断でとりあえず公表している。むしろ国内の牛肉の流通事情に混乱が生ずることを避けるために行った措置でございます。
○刈田貞子君 いろいろ言いたいところがたくさんあるんですけれども、時間がありますものですから先へ進めます。 先ほど、素牛価格の問題が出ておりまして、これが非常に高値安定で大変に肥育農家の収益性の悪化を招いているというような問題が出ておりましたけれども、 〔委員長退席、理事高木正明君着席〕 この素牛価格は牛肉の価格安定と非常に関連してくるわけでございますが、これから先の見通しみたいなものが読めるんでしょうか。先ほども、もしこれが下がった場合はどうするのかというような質問が出ましたけれども、この点の見通しについて畜産局ではどんなあれを持っていらっしゃいますか。
○説明員(濱田幸一郎君) 素牛価格が非常に高騰しておる、この理由につきましては先ほどもちょっとお話が出てまいりましたが、五十七、八年からの雌牛の屠殺増ということで、むしろ素牛の出てまいります資源の方が減少したというような客観的な事実がございまして、供給不足になっているわけでございます。 ただ、我々は最近の価格等をよく分析をしておる、にらんでおるわけでございますが、我が国の肥育農家の経営負担能力から申しましても、現在のこの価格はもう限界であろうというふうに一応見ておるわけでございます。それから同時に、今後供給もだんだんとふえていくんではないか。と申しますのは、一つには、関税割り当て制度で素牛につきましては免税の制度があるわけでございますが、この制度を従来の一万頭から二万五千頭に六十二年度においてはふやしたわけでございます。六十三年度につきましても、同じ数量で関税割り当て枠の設定をいたしておるわけでございます。それから、今後素牛の国内生産、基本的には国内生産で賄っていくというのが基本的な対策でございますので、この生産確保のためにいろいろ措置を講じていこう、こういうことでございます。 また、価格が下落した場合につきましても、繁殖農家につきまして今度は経営問題が生ずるわけでございますので、これは、小牛価格安定基金という価格安定の制度がつくられておりまして、この安定基金の方から、もし一定の価格を下回って 子牛価格が形成されるようなことになりますとある意味の補てん金が交付される、こういう仕組みになっておりまして、素牛価格の安定にいろんな手を使っておるということでございます。
○刈田貞子君 輸入牛肉のことでちょっとお伺いしたいんですけれども、昨日畜産振興審議会で話が出たそうでございますが、現在の輸入牛肉は、国内産四・三の引き下げに伴って五%ほど輸入牛肉の価格を引き下げるということが出ておりますね、これはそのとおりでよろしいんでございましょうか。 それからもう一つは、輸入牛肉が出回っているようでなかなか一般の者の手に入らないという話が昨日出たようでございます。七〇%が業界に回ってしまっていて、この輸入牛肉というのは一般庶民の手には実はそう渡っていないのだという話が出たようでございますが、この辺のところはどうなっているのか、これが一点です。 もう一つは、現在私ども市場というか、現場で見ますと、量販店なんかではちゃんとパックをしてあるものについては輸入牛肉というようなことが書いてあるものがございますけれども、ショーウインドーのばら売りの場合にはそれが輸入牛肉であるのかないのか全然表示がしてないわけです。したがいまして、一般庶民の感覚として、七〇%は業界に流れちゃっているんだというこの感覚が、もしかしたらそうじゃないんで、もっと一般市場にもあるんだけれども、それが輸入牛肉であるのかあるいは国内産の牛肉であるのかわからぬという実態があるのかないのか、そこら辺のことについてもお伺いしてみたいんですが、これは公正競争規約でやるんでしょうか、各県において輸入牛肉であるということを明示しようというような申し合わせができているところもあるようでございますが、この辺についてお伺いいたします。
○説明員(濱田幸一郎君) 昨日、審議会から引き下げの答申を得たわけでございますが、これを農林水産省におきまして今後決定をしていくということになるわけでございます。 その際、事業団の売り渡し価格との関係のお話が第一点だったわけでございますが、事業団は農林水産省が設定をいたしました価格安定帯の中の幅の中で売り渡しをしていく、こういうことになっておりまして、現在円高還元等の問題がございまして、下位の価格安定帯あたりで売り渡しをしていくということに事業団の中で決めておるわけでございます。今後、実際上事業団の売り渡し価格をどのくらいにするかというのは、品質格差あるいは事業団が具体的に扱ってまいります部位等を勘案して、今後決定をしていくということになります。 それから、輸入牛肉が消費者の口に直接牛肉の形として回ってこないじゃないかというお話でございますが、私どもが承知しておりますのは、大体輸入牛肉の三分の一ぐらいは家庭、家計消費に回っているというふうに理解しております。 それから、第三点でございますが、輸入牛肉の表示の問題でございます。表示につきましては、輸入牛肉を店頭で販売いたします場合には次のような方法で行うということで進められておるわけでございます。 一つは、畜産振興事業団の指定輸入牛肉販売店というのがございます。これは三千六百店ぐらいあるわけでございますが、その販売店におきましては事業団の方で要領を定めまして、輸入牛肉である旨の表示、それから部位の表示、どの部分であるかの表示ということを行うように義務づけております。 それから、事業団が「肉の日」というのを行っておりますが、この「肉の日」の協力店が一万一千店ぐらいあるわけでございますが、この協力店におきまして肉の日特売をやるわけです。安く売ることがあるわけでございますが、そのときも同じように輸入牛肉である旨及び部位の表示がなされるように義務づけております。 それから、先生もお触れになりました公正競争規約の問題もございまして、現在二十の都道府県におきまして不当景品類及び不当表示防止法に基づきまして食肉の表示に関する公正競争規約が定められておりまして、これに基づいて輸入牛肉である旨の表示が義務づけられております。これは公正取引委員会の指導のもとにおけるどちらかといいますと自主的な行為、こういうことになっております。このような形で輸入牛肉につきまして表示を進めておるという状況でございます。
○刈田貞子君 今度は豚肉の方ですけれども、豚については九・九%引き下げということで、これも生産者にとっては大変厳しい価格であるわけです。要するに、安くなっちゃうということで、これは輸入抑制の観点からもまたいろいろ問題が出てくるんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) これは私の推測でございますが、恐らく豚肉の基準価格を引き下げました場合に、現在の輸入差額関税制度との絡みで輸入がふえてくるんではないかというような御懸念ではないかというふうに理解しますが、しようなことでよろしゅうございましょうか。
○刈田貞子君 はい。
○説明員(濱田幸一郎君) 確かに、制度上豚肉の基準価格、中心価格でございますね、豚肉につきまして価格安定帯を設定いたしますと、その中心価格を利用いたしまして差額関税上の輸入基準価格、せきどめ価格と我々俗称しておりますが、このせきどめ価格が決められるわけでございます、中心価格と同じレベルで。輸入価格がせきどめ価格よりも低い場合は輸入がしにくくなってきます。ただし、せきどめ価格よりも高い場合には輸入がしやすくなるというのが差額関税の制度上の特徴なわけでございます。しかし、仮に幾ら輸入がしやすくなったということになりましても、それはあくまでも価格安定上の豚肉の中心価格と同じレベルで定められているわけでございます。 そうしますと、中心価格とは何ぞやと申しますと、年間を通じまして豚肉の卸売価格が中心価格になるとすれば、豚肉の再生産が確保されるという性格のものとして決められるわけでございますので、この差額関税制度がある以上、中心価格が仮に下がりましても輸入がふえたことによって養豚農家の経営が怪しくなる、おかしくなるということは起こらない、こういう仕組みになっているわけでございます。
○刈田貞子君 私が計算しますと、安定基準価格が四百十円でいいですか。それから上位価格が五百八十円でよろしいのか。それと、先ほど問題にしている中心価格というのは四百九十五円でよろしいでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 四百九十五円でございますが、端数がございまして、四百九十五円八十八銭という形になっています。
○刈田貞子君 わかりました。 〔理事高木正明君退席、理事水谷力君着席〕 それで、最近、自由化の中で豚肉の輸入が非常にふえておるということで、特に台湾産などは非常にふえております。私が今ここでお伺いしたいのは、外国産の肉を輸入するとき、やはり安全性の問題が、午前中にもオーストラリアのディルドリンの問題なんかで出ましたけれども、ことしに入って米国産の豚肉の中から抗菌性物質としてのスルファジミジンが検出されたというようなこと、それから同じく台湾産からもそういうものが検出されて大変問題になっているように思われますが、これ厚生省いかがでしょうか。
○説明員(難波江君) お答えを申し上げます。 初めに、米国産豚肉についてでございますが、本年の二月、米国におきまして自国産の豚肉にスルファジミジンに係る違反が多いというような情報を私ども入手したわけでございます。早速在京米大使館を通じまして事実関係の調査を依頼するとともに、二月十九日から米国産豚肉につきまして輸入時に検疫所においてスルファジミジンの全ロット検査を行う体制をとったわけでございます。さらに、既に輸入されている豚肉の在庫分につきましては、都道府県に対してその検査を依頼したところでございます。 その結果、現在まで輸入時の検査におきまして三つのロットからスルファジミジンが検出されたために、当該貨物につきましては廃棄または積み戻し等の処置を講じたところでございます。 次に、台湾産の豚肉でございますが、台湾産の豚肉を含めましてスルファジミジンのほか抗菌性物質等の残留については一定の率でサンプリング検査を行っているわけでございますが、今回米国産豚肉にスルファジミジンの残留問題が起きたということで、都道府県に対しまして既に輸入されております米国産及び米国産以外の外国産の豚肉、さらには国内産の豚肉についても検査を実施するよう依頼をしてきたところでございます。 その結果、三月十四日になりまして、東京都におきまして台湾産豚肉からスルファジミジンが検出されたために、台湾産の豚肉につきましても輸入時に全ロット検査を行うような体制をとったところでございます。その後三月十七日に埼玉県におきまして、さらに十八日には検疫所の輸入時の検査におきまして、台湾産豚肉からそれぞれスルファジミジンが検出をされているところでございます。
○刈田貞子君 それで、米国産の輸入豚肉については、米国が検査を強化するということを条件にして、我が国ではそれは書類審査、つまりノーチェックで上陸させられる、こういう話し合いがついていたばかりのところだと聞いておりますが、これいかかですか。
○説明員(難波江君) 御指摘の点でございますが、今回米国産の豚肉からスルファジミジンが検出されたということで少し騒ぎが大きくなりましたときに、米国の農務省から担当官と打ち合わせをしたい旨の申し入れがございまして、私ども打ち合わせを行ったわけでございます。この打ち合わせにおきまして、米国農務省が米国において豚肉のスルファジミジンの検査を行い、日本の基準に合致する旨の証明書を添付した貨物については日本の輸入時における検査が省略できないかというような提案がございました。本件につきましては純科学的に判断すべき問題でございまして、基本的にはこの点は評価できるものであるというようなことで、現在具体的な証明方法等につきましてアメリカ農務省と話し合いを進めているところでございます。 なお、従来から輸入食品全般について言えることでございますが、輸出国の公的機関が発給する証明書が添付されている貨物につきましては、原則として日本において当該証明されている事項については再検査を行わないというような扱いをしているところでございます。
○刈田貞子君 証明書がついていればノーチェックでパスさせるという基本的な方針はまだ持っているわけですか。
○説明員(難波江君) 私どもは基本的には食品衛生法の基準に合致するものは入れる、合致しないものは輸入を認めないという方法をとっているわけでございますが、輸入時にいかに効率的にそういうものを判断するかということになりますと、一つは輸出国において信頼できる公的機関が検査をし、なお政府がそれについて証明をしているものについては検査を省略する、そういう証明がないものについては輸入時に検査をするというようなことを従来から行っておりますし、今回についてもそういう申し入れがアメリカからございましたので、現在打ち合わせ中だということでございます。
○刈田貞子君 私の考え方の発想というのは、要するに、安い豚肉を輸入しているようだけれども、そのすべてについて検査をしてそしてチェックをしながら輸入を進めていくということになれば、実は事実上高いものにつきはしないかなという思いがありましてそういうことを伺っておるわけでございまして、できればやっぱり我が国の食文化に合った、その国民の思いを一番よく知っている国内の生産者による生産物が欲しいなという、こういう思いで聞いておるわけでございますけれども、あわせて、水際のチェックというものはできれば厳しくしていただきたい。これからますます豚肉等については輸入がふえていくのではないか、あるいはまた輸入牛肉についてもこれはふえていくわけでございますから、ぜひそういうチェックを厳しくていただきたいことを希望として申し上げておきます。 次に、食鳥肉についてお伺いいたしますが、これももう時間がございませんのでくくってお伺いいたしますけれども、鳥肉については国内産のものも一切検査がないんですよね。これについて、食鳥検査制度検討委員会ですか、これおつくりになって、そして牛、豚同様に公的な検査の導入をするべきではないかというような意見書も出ておりますけれども、この点についてまず厚生省の御見解をお伺いいたします。
○説明員(難波江君) 先生御指摘のように、牛、豚等はと畜場法に基づきまして都道府県におきまして一頭ごとに検査しているわけでございますが、鳥肉につきましては公的検査制度がないということで、昭和五十三年に厚生省が定めました食鳥処理加工指導要領に基づきまして、異常鶏の自主的な排除という形で営業者の自主的な努力にゆだねているというのが現状でございます。しかし、先生御指摘のように昭和六十年度から厚生省で検討会を設けて、諸外国で既に実施しているような公的制度を我が国に導入すべく御検討いただいていたわけでございますが、昨年五月、早急に制度を導入すべきであるという骨子の最終報告が出されたわけでございまして、私ども現在、本報告を踏まえまして制度創設に向けて鋭意作業中でございます。
○刈田貞子君 そこで、農水省にもお伺いしたいんですけれども、六十五年度をめどにこの鳥肉の食品衛生法に基づく検査を制度化していくというようなことについては、農水省はどんなお考えでいらっしゃいますか。
○説明員(濱田幸一郎君) 私どもも基本的には、安全な食料品を消費者に提供するということにつきましては、我々の使命というふうに考えておるわけでございます。ただ、本件につきましては、ただいまも厚生省の方から御説明がありましたように、まだ取りまとめ中ということになっておるわけでございます。したがいまして、現在までのところ制度化のスケジュール、その内容等につきましてはまだ具体的に明らかになっておりませんので、食鳥処理上にどのような影響が出るのかにつきましても私どもは現在では明確になっておりません。報告書ができました段階で、厚生省の方とも十分連携をとりながら、しかるべき対応をしていきたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 五十九年度で流通量が約百八十五万トン、八億羽と、私これで読みましたんでございますけれども、その一つ一つを検体として扱った場合には大変コストのかかる問題になりますし、それから業界からも円滑な導入をというような意見もあるようでございますので、これは私考え方としては大変痛しかゆしな部分があるように思います。けれども、午前中からもお話がございましたように、食品というのは安全なものをもって旨とするというお話がございましたから、そういう考え方に立って事を進めるとすれば、何らかのやはりこういう検査体制というものが必要ではないかというふうに思います。 〔理事水谷力君退席、委員長着席〕 あわせて、私は一九八五年、タイのボンレスチキンなんかが盛んに課題になり始めたときにタイに参りまして、現場の処理状況を見てまいりましたけれども、この輸入の分についても私たちが考える公衆衛生的概念とおよそ違う部分のものがあることを実は感じてきたわけでございます。したがいまして、輸入の鳥肉に関してもやはり検査体制が必要じゃないかなとは思うんだけれども、八億羽というような数量に対してどう対応すればいいのか。これによってコストが高くなってきたのでは優等生と言われる鳥肉もまたえらいことになるということで、これどないしたらよろしいでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 実は、先生の今持っていらっしゃいます悩みは、私ども業界を所管をしている行政部局といたしましても全く同様でございます。 かなりの数の施設につきまして、何億という鳥のすべてについて一々をチェックしますとこれかなりのコストがかかるわけでござまして、これをどのように負担し得るのかというのは大問題になってくるわけでございます。したがいまして、私どももまだ具体的に対応を決めていないと言いましたのは、そういう大きな経済的な問題が当然予想されるわけでございまして、せっかく優等生という安いブロイラー肉が国内に回っておりますものが、ますます競争力の問題が出てくるというようなこともありますので、今後厚生省の方で報告書をまとめられる過程におきましてもとにかく緊密に御連絡をとって、また関係業界とも十分話し合いをしていきたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 最後に、動物用医薬品の使用の規制に関する省令でございますけれども、これがたびたび改正になっているようです。 ただいま、食鳥肉の問題あるいは豚肉の問題等にいろいろその安全性について確認をさしていただきましたけれども、それについては今むしろ菌があったというよりは、医薬品がどんなふうに残留しているかという方の分に消費者は大変懸念を持っているようでございます。したがいまして、動物用医薬品の使用に関する規制についてもやはり国民の前に明らかにされなければいけないというふうに思うんですけれども、これは省令でございますので、その都度都度、ふえているのか減っているのかわかりませんけれども、改正がなされていることを私は農林水産省日誌で常に見ておるわけでございますが、この辺のところは国会の審議に値しない部分なんですね。ぜひこの辺のところも、傾向としてどんな傾向に今あるのかぐらいのところを教えていただければ大変ありがたいというふうに思います。 それを伺って、終わりにいたします。
○説明員(濱田幸一郎君) 動物用医薬品につきましては、人体に対します医薬品と同様、薬事法の規制の中に入っておりまして、ただそれが動物用であります場合には、農林水産大臣が農林水産省において薬事審議会と連携をとりながら製造承認等の事務を行っていく、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、薬事法の体系とほぼ同様でございますが、私どもは動物に対します使用規制につきましてかなり厳しい基準をつくっております。例えば、その残留性によりまして出荷前何日以内は使ってはならないとか、物によりましてそういう規制も十分に行っているところでございます。 それから同時に、その見直しを行っておりまして、既に承認申請、承認済みのものにつきましても、その有効性、あるいはさらにすぐれた薬が出てきている場合におきまして、なおその承認をそのままにしておくべきかどうかというようなことで、見直しの作業も進めております。
○諫山博君 農水大臣は、今まで何回となく牛肉、オレンジの輸入自由化は困難でございますと言われました。極めて困難でございますというのは、大変含蓄のある言葉で反面意味不明です。自由化をしたら日本の農家が大変な状況になりますという意味を含めていることは、議論の余地がないと思うんです。ただ、日本語としての困難でございますということの中には、自由化はいたしませんという意味を含ましめる場合があるわけです。午前中、その点が質問されましたけれども、どうも答弁を聞いてはっきりしません。極めて困難でございますというのは、自由化はいたしませんという意味を含めているんでしょうか、含めていないんでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 困難でございますという場合には、通常その前に、自由化をいたしますことは困難でございますということでございまして、まさにその自由化は困難、こういうことでございます。
○諫山博君 言語明瞭意味不明という言葉が今はやっておりますけれども、全く意味不明です。困難でございますという言葉の中には、いたしませんという意味が含められていますかという質問です。答えはイエスかノーです。
○説明員(濱田幸一郎君) 牛肉問題、極めて高度の政治問題でございまして、これは国内でもさようでございますが、相手国の米国なり豪州なりにおいても同様に非常に高度な政治問題でございます。したがいまして、私どもも言葉を使います場合には非常に気をつけておるわけでございますが、とにかく我が国の牛肉産業をめぐりますいろんな状況につきまして、どの状況から見ましても、相手国が要求しておりますような自由化というのは困難なことであるということをあらゆる側面から御説明申し上げておる、こういう状況でございます。
○諫山博君 結局、イエスかノーでは答えられませんでしたけれども、文脈の流れからいけば、自由化いたしませんという意味は込められていないように受けとれます。 きのうまではそれでよかったかもしれませんけれども、今はそれでは済まないと思うんです。きのう、農林水産委員会、衆議院ですけれども、牛肉、オレンジ等の輸入自由化阻止に関する決議がなされております。全会一致です。この中に、よって、政府は我が国畜産、果樹農業を守るため牛肉、オレンジ等の輸入自由化は絶対に行わないこととし云々という言葉が出てきます。ここでは、はっきり、政府は輸入自由化は絶対に行わないことと決議されております。 国権の最高機関である委員会での決議ですから、理屈の上からいけばこの決議は農水省を拘束するはずです。国権の最高機関である衆議院の農水委員会で輸入自由化は絶対に行わないことと決議し、この決議は行政を拘束するはずですけれども、政治家であられる政務次官の御見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(吉川博君) まさしく仰せのとおりで、その決議は尊重せなきゃいけませんし、またそういう最大限の努力をせなきゃならぬと思います。
○諫山博君 この決議は行政府を拘束するものだという点では見解に一にしましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 諫山先生のお読み上げになりました決議の案文というのは、実は私ども承知しておりません。恐らく政務次官も一般論としてお話になっているんじゃないかと思います。
○諫山博君 きのうまでは、極めて困難でございますで通用したかもしれませんけれども、この決議がなされている限り、輸入自由化は絶対に行わないことという拘束を農水省は受けた。だから、きのうときょうは状況が違うということを述べたのはその意味です。この点は立法府と行政府の基本的なあり方の問題ですから、ぜひ農水省で検討していただきたい、どうですか。
○説明員(濱田幸一郎君) ただいまも申し上げましたように、諫山議員お持ちの決議そのものにつきまして、私そういう内容の決議が行われたということを承知しておりませんので、後刻確認をいたしますが、国会の決議につきましては、政府は最大限の尊重をするということは、先ほど政務次官からもお話がございましたように、これまでの慣例であろうかというふうに理解しております。
○諫山博君 最大限に尊重する責任を負うだけではなくて、拘束されるものだというのが私の指摘です。 次に移ります。 牛肉の現在の自給率というのは、これからも維持されるつもりでしょうか。農水省の見解はいかがですか。
○説明員(濱田幸一郎君) 二月の十六日に、新しい牛肉振興並びに酪農振興に関します基本方針を七十年度を目標といたしまして設定をしたわけでございます。 その中には、ストレートには自給率というのは掲げられてはいませんが、先ほども議論が出ておりましたように、需要量と国内生産量がございまして、そのギャップは輸入によるということでございますので、計算をすると自給率は出るわけでございます。 その自給率でございますが、現在ございますのは六十年度目標の基本方針が一つございました。それから、農林水産省の農産物全般につきましての長期見通しによる数字がございます。いずれも目標年次が違いますので、ストレートに比較するわけにはまいりませんけれども、そのいわゆる自給率の数字は違っております。
○諫山博君 牛肉の現在の自給率を維持されるかどうかというずばりの結論はどうでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) その現在の自給率というものの考え方がいろいろあると思いますが、例えば六十年度なら六十年度の数字と私ども七十年度に掲げております目標としての、見通しとしての数字というのは異なっております。
○諫山博君 農水省が作成した牛肉の需要の推移と見通し及び牛肉の生産の推移と目標というのがありますね。これを見ると、昭和六十年から七十年までの間、総需要量は大変ふえております。国内生産量は若干はふえておりますけれども、総需要量ほど急激な伸びではない。そうすると、総需要量に国内生産量が追っつかないわけですから、自給率は年々低下していくという見通しを立てておられるようですけれども、そうですか。
○説明員(濱田幸一郎君) この二月に公表いたしました基本方針によりますと、これはあくまでも目標年度が七十年度でございますが、その七十年度時点につきましては、いわゆる自給率計算をいたしますと現在よりも落ちているということは先ほども申し上げましたとおりでございます。
○諫山博君 これは幾ら努力しても自給率は低下せざるを得ないという意味なんでしょうか。それとも、アメリカの強力な圧力、干渉があるから自給率は低下せざるを得ないだろうという見通しなんでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) この見通しをつくります場合に、アメリカから圧力を受けたという経緯は全くございませんで、私どもはいつも見通しを行います場合に、事務的に国内の需要量を一人当たりのこれまでの需要量の推計、あるいは今後の人口の伸び率、さらに生産量につきましては現在の国内におきます牛肉生産の資源、それから、それが将来目標年次まで新しい技術を利用する場合にはどのくらいいくであろうかというような方法で推計をいたしまして、かなり頑張って生産目標値を出して、なおかつ残念ながら需要を満杯に満たすわけにはいかない、こういう数字が出たということでございます。
○諫山博君 魚にしても果樹にしても、需要が伸び悩んでいるということはさまざまな問題が背景にあります。ところが、牛肉の場合は需要が伸びているし、将来も伸びるだろうという見通しを持っているわけですね。日本でとれる農畜産物の中で、牛肉というのは特異な立場を占めていると思います。そして肉用牛の生産というのが、牛肉に対する国民の需要を満たすだけではなくて、国土とか資源の有効活用という面から見ても非常に大事だということは指摘されております。 ところが、アメリカとの関係ではないと言われますけれども、昭和七十年度を見越しながら、自給率は年々低下していくだろうというのは余りにも情けない農業政策ではないのか。昭和七十年といったらまだ随分先ですよ。昭和七十年になればどんどん自給率は低下していきます、牛肉に対する需要は非常に伸びるけれども国内生産では追いつきません、こういう趣旨ですか。
○説明員(濱田幸一郎君) 農業全般も、いろいろ生産を伸ばす場合の制約要件があるわけでございますが、特に牛肉の場合には、工業製品などとは全く違っておりまして、まずそのふやしていくべき親牛の問題があるわけでございます。しかもビーフサイクルというのがございまして、一、二年でどんどんふえていくというわけにはまいりませんで、現在おります親から子供をとって、その子供からさらに子供をとってそれを太らしていく、こういうことでございますので、七十年度目標の今日見通しをするといたしますと、作業時点から申しますと八年ぐらい、目標年次から言いますと十年ぐらいの期間がございます。 したがいまして、これは需要があるからといって、国内生産をそれにマッチするまで幾らでもふやしていけるということではないわけでございまして、現在おります家畜の頭数をベースにして、これをどうやって少しでも効率よくふやしていけるかというようなことを詳細に積み上げていかなければならないわけでございます。そういうようなものの結果が今回発表されております七十年度の基本方針の生産の項目になっているわけでございます。
○諫山博君 基本方針では、牛肉について「合理的な国内生産の着実な推進による供給を基本としつつ、国際化の進展に対応した適切な輸入を行い」、こう書いてありますね。 問題は、二月に作成された基本方針の内容です。その前の基本方針がありましたけれども、それと対比して非常に大きな違いがあるのは、例えば昭和六十五年度の目標、これは国内の需要という点では上向きに修正されております。国内での供給というのは下の方に修正されております。つまり、この前の基本方針よりますます自給率は低下するということを既に見通してしまった。これが私の一番問題だと思った点ですけれども、計画そのもので自給率を低下させていくというのは余りに消極的だし、これで日本の畜産を背負うというような立場と言えるかという疑問を持ちますけれども、そういう見通しの変化になっていることはお認めになりますか。
○説明員(濱田幸一郎君) 見通しをいたします場合に、特に生産につきましては先ほど来申し上げているわけでございますが、家畜の頭数をいかにふやしていくかということが問題になるわけでございます。今回の見通しで制約の要件となりましたのは、五十七、八年ごろから牛の価格が下がったことによりまして雌牛が急激に淘汰をされたわけでございます。したがいまして、家畜頭数をふやしていきます基盤となるスタート時点となります母親の頭数がかなり制約を受けていたということがございまして、いかに努力をしようともその生産の上乗せができない、こういうような実態があるわけでございます。
○諫山博君 いかに努力をしようともいう言い方は到底納得できません。これは後で質問します。 ところで、結局需要はどんどん伸びるけれども、国内での供給は予定したように伸びない。その間は外国からの輸入で補っていくしかないというのが今までの実績だったし、どうもこれからもそういう方針でやりますということのように聞こえる。昭和六十二年度の割り当て数量十七万七千トンに対して実際は二十一万四千トンも枠がふやされております。こういう状況の中で、これは事実上の自由化ではないか。いろいろ牛肉の輸入自由化が問題になっていますけれども、輸入の枠を大幅にふやすことによって自由化したと同じような結果が既につくられているじゃないかというような声があります。これは農業団体、農民団体などが言っているだけではなくて、自民党の中にもそういう声があることを私は聞いております。 そこで、幾ら努力してもという言葉を使われましたけれども、問題は本気でそういう努力をしているのか。そして、今問題になっている価格問題にしても、そういう努力と逆行する方向になっているのではないかということに私は問題意識を感じます。昭和五十九年の牛肉、オレンジの合意の後、畜産農家が非常な不安を持って、これでは畜産の将来の見通しが立たないというので牛乳を搾る母牛を殺して肉にするという傾向が顕著にあらわれたはずですけれども、そういう事実がありましたか。
○説明員(濱田幸一郎君) 現行の日米、日豪の取り決めが行われました段階で、これはまあよく起こることではございますがいろいろ報道が流されるというようなこともございまして、肉畜業に従事しております農家の方々が先行きに不安を感じまして母牛を淘汰するというような傾向があったことは事実でございます。また、その結果が逆に現在の牛肉の供給不足に反映しておりまして、和牛の価格がかなり高いレベルで推移をしている、こういうふうな形になっておりまして、これも一つのビーフサイクルの一環をなしておるわけでございます。
○諫山博君 今の問題は、大変教訓的だと思います。牛肉輸入の枠をふやす、当然これは農民に深刻な心配を与えるわけですよ。これでは畜産に見通しが持てないということで母牛を殺した、この後遺症が今なお続いているというわけですね。これはまあ輸入自由化が広がれば広がるほど深刻な状態をつくり出すでしょうし、またそういう声が農家の間に広がるだけでも先行き不安の念を強める。ですから、幾ら努力しても国内での供給が追っつかないというんじゃなくて、その努力を十分していない、むしろそれに反するようなことを政府は行ってきた、その後遺症が今なお脱却できずにいるというのではなかろうかと思いますけれども、この点どう思われますか。
○説明員(濱田幸一郎君) 牛肉につきましては、東京ラウンド以来、輸出関心国との間で牛肉につきまして輸出取り決めをやろうということで取り進んでいるわけでございます。その際、今回起こっているのと同じように、具体的な国名を挙げますと、例えば輸出国の一つでございますアメリカは強硬に牛肉の自由化を要求するわけでございます。これは、牛肉が数量割り当て品目になっておるわけでございますので、アメリカ側から言わせますとこれはガット違反である、こういう基本的な認識があるわけでございます。 したがいまして、その交渉を行います場合には、自由化を求めるアメリカならアメリカと、牛肉を自由化することは困難であるというふうに言います我が国との立場が対立をするわけでございまして、そういう交渉に関心を持っております報道の方々は、当然これをニュースとして流す。しかもその内容はいろんな内容があるわけでございます。そういたしますと、牛肉産業に携わっている方がいろんな思いを持つわけでございまして、それぞれ将来どうなるかというようなお考えを持っていく、中には不安を持たれることがあるわけでございます。 私どもは、現在もそうでございますが、とにかく我が国のスタンスというのは自由化を行うことは困難である、こういう基本的なスタンスでありますということを一貫して申し上げるわけでございますが、いろんな報道が流れまして動揺が出てくるというのは、我々だけではどうしても抑えがたいという点があるわけでございます。したがって、いかに頑張ろうともどういう努力をしようともと私は申し上げましたが、家畜生産上の努力というのは、新技術の開発を初め草資源の確保、それから規模の拡大等々によりまして、これは財政資金もつぎ込みまして努力を払っているわけでございますが、不幸にして今の牛肉につきましては一定の期間置きますと取り決めをやるということがございますので、どうしてもその節目節目にさような事態が生じて生産者の間でやや動揺が起こる、これは避けがたい客観的な現象として生じてまいっておるわけでございます。
○諫山博君 現在の状態で避けがたい動揺が起こるということをお認めになりますけれども、これは自由化されたら大変でしょう。 そこで、私は提言ですけれども、今農水省は、牛肉、オレンジの自由化は絶対に行わないという衆議院の国会決議を手にしたわけですよ。従来、この場で眞木経済局長が何回も言われましたが、アメリカはウエーバー条項で外国からの輸入を食いとめている、ECは課徴金制度で事実上輸入制限の効果をおさめている。日本の場合はIQ品目を持っているということを言われておりましたけれども、これが今崩壊しつつあるわけですね。その場合、日本では国会で輸入自由化はしてはならないんだということが決議されていますという状況がつくられたわけです。ガットの舞台で、例えば韓国などでは国会決議を盾にとっていろいろ輸入自由化に抵抗しているということを聞いておりますけれども、そういう立場で農水省は頑張らなければならないと思いますけれども、これは政治的な判断の問題ですから次官の見解をお聞きしたい。 つまり、国会決議で我々は拘束されるのだということをガットの舞台、ガットまでまだいっていませんけれども、アメリカとの交渉の中で大いに主張する、外国も同じような主張をしてそれなりの効果をおさめているという話を聞いておりますから、私はそういう態度をとられることを要望します。
○説明員(濱田幸一郎君) 前段といたしまして状況を私の方から、経済局長いませんので、申し上げますと、パネル十二品目の交渉の過程あるいは牛肉交渉の過程におきまして、日本側といたしましてはアメリカ側のある意味では一方的な自由化要求に対しまして、アメリカ自身がウエーバーを持っているではないか、それから国内で食肉輸入法を持っているではないか、ECにつきましても禁止的な課徴金制度によりまして、牛肉が実際上一部の地域からを除きましては入らないようになっているではないかというようなことはるるアメリカにも申し上げているわけでございますし、またガットのパネルの議論でも申し上げているわけでございます。 ただ、これ当然相手側のまた言い分があるわけでございまして、ウエーバー自体はこれはガットの正規の手続を経て承認を得ているわけでございますので合法でございますと。それから食肉輸入法につきましても、これは国内法でありまして、過去に発動をやったことがあるようでございますが、少なくとも現在はやっておりませんので、ガットの規定とは関係ないと。それから、ECの可変課徴金につきましてはこれは少なくともクロではない、我々は少なくともグレーではないかと、こう言っておりますけれども、そういうような議論がお互いに厳しくやりとりをされております。日本は何もアメリカ側の言い分だけを聞きまして、そうかなと自分の部屋に閉じこもっているような状況ではございません。
○諫山博君 日本政府はアメリカのウエーバーを厳しく批判しているはずです。EC諸国の事実上輸入制限に匹敵するような課徴金についても批判的な態度をとっているはずです。決してきれいごとでは済んでいないんですよ。各国のエゴが厳しく対立し合っている、争い合っているというのがどうもガットの実情のようです。だから、私は国会決議を盾に、もっとアメリカとの交渉で頑張れということを要望しているわけですけれど、次官の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(吉川博君) 一生懸命努力いたします。
○諫山博君 ところで、素牛の価格が高くなっているということが大変問題です。高くなっているというのは供給が不足しているということの反映。供給が不足する一つの原因として、例えば畜産農家が将来に明るい見通しを持つことができず意欲を失いかけているというような問題があったことも審議官が指摘されました。 そこで、問題は乳価との関係があると思うんです。乳価が決定されますけれども、その場合、副産物としての子牛の価格が高くなっている。これが生産費が安くなっている一つの根拠に数えられておりますね。つまり価格引き下げ要因として働いている。これは農家にとってみれば大変残酷なやり方だと思うんです。牛乳だけではなかなか酪農農民が経営がやっていけない。ところが、副産物としての乳用の子牛の価格が上がったから何とか息がつけるというような人が幾らもいるわけです。こういう人に対して、いや子牛の価格が上がったからそれだけ乳価を下げるんだというのでは、何を希望として酪農をやっていくのか。これが結果的には酪農農民を困難な経営に追い込む。酪農農民を困難な経営に追い込むことが副産物としての乳用子牛の生産減につながってくる。そして、これが牛肉の国内での自給を困難にする要因として作用する。何か悪循環が続くわけですよ。 この悪循環を断ち切るためには、やはり高い乳価を保証する。まあ高いとまでは言いませんけれども、十分生産費を償い、農民の経営が成り立つような乳価を保証して、そして乳用子牛の値段が上がったからというようなことを余り言わないというようなやり方はできないんですか。そうでなければ悪循環が続いて、結局これが肉牛の国内自給を阻害する要因としてはね返ってきているというふうに思いますから、質問します。
○説明員(濱田幸一郎君) 三月十六日に農林水産省から発表されました生産費の中に、例えば生乳、牛乳の生産費があるわけでございますが、いろんなコストのほかに副産物価格の問題があるわけでございます。酪農家にとりましては、子牛でございますね、ぬれ子、雄の子牛は売るわけでございますから、それは副産物になるわけでございまして、副産物の収入が搾乳牛一頭当たりでしますと六十二年度は七万九千二百九十八円となっていまして、前年度は五万一千百四十二円とこういうふうになっております。非常に高い、多くの副産物が農家に入ったわけでございます。したがいまして、農家の家計からいたしますと非常なプラスになるわけでございますので、我々の乳価の算定方式によりますとこの副産物収入というのは当然経費から控除されるべきものであるということになるわけでございます。 これは、農家からしますと冷たいような感じがいたしますけれども、保証価格を算定いたしますような場合にはやむを得ざる一つの原理、原則でございまして、これを大幅な変更を行うということは私ども価格決定の方式としてはできないわけでございます。我々も、この異常な高騰の場合にはこれをそのまま使うのは酷ではなかろうかという気持ちはもちろん持っているわけでございます。 今回、乳用子牛価格はえさ価格の低下あるいは枝肉価格が非常に堅調に推移をしておるということで肥育農家経営が子牛を欲しがっているというようなこともございまして、六十年の末ごろから高騰を始めまして六十一年に入ってもその傾向が続いているわけでございますが、そういうような子牛の価格は、価格算定の方法によりますと従来は直近三カ月の平均水準に物価修正をしてきたわけです。生産費の調査期間から直近の三カ月に戻しまして物価修正をしてきたわけでございますが、この方式でいきますと、今の高いレベルの子牛価格がそのまま反映されてしまうということが起こるわけです。 今回は、この子牛の価格というのはかなり異常なものであるというふうに私どもは認定いたしまして、酪農経営の安定に配慮するという観点から六十三年度の試算に当たりましては、この直近三カ月じゃなくて過去二カ年間の平均価格で副産物価格収入として見よう、こういうふうな措置を講じておるわけでございます。これは価格決定の算式の原理、原則を崩さずに異常な要素を排除していこうという我々の取り得る一つの限界としての措置でございます。
○諫山博君 私は、制度の説明を聞くよりか、ここら当たりで悪循環を断ち切らないと酪農もうまくいかないし肉牛もうまくいきませんよということで再検討を求めたつもりでした。 ところで、今度は別な問題ですけれども、鹿児島県の大隅町に大きな畜産基地がつくられています。総事業費が約四十四億五千万円、そして国の補助が六〇%です。残りの四〇%については自治体とか農民の負担ということになっていますけれども、入植した農民は二十七戸でした。それぞれどのくらいの借金を背負ってここで畜産を始めたか、調査していただけましたでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 一応の数字を私ども手元に持っております。二十七戸の平均で、これは譲り渡し当初の数字でございますが、償還元本が平均二千七百万余となっております。
○諫山博君 二十七戸の農民が希望に燃えて畜産団地に入ったわけですけれども、十年もたたないのにその中の十戸が倒産して畜産から撤退しています。あらゆる努力を尽くして畜産を続けようとしたに違いないと思いますけれども、とにかく十戸しか残っていない。これは日本の畜産の置かれている深刻な実態を象徴するものだということで、私たちは現地に調査に入りました。 そこでわかったのは、幾つかの食品企業が倒産した農民の畜産経営の実権を握っているということです。私たちの調査で明らかになったのは、日本ハムが五戸、伊藤ハムが三戸、ダイエーが一戸、調査できてない分も恐らく残ると思います。こういう企業が借金の肩がわりをする。そして実質的には経営を支配する。ただ、農地法の関係で伊藤ハムとかダイエーがみずから名義的にも畜産経営者になることはできませんから、裏で資金的に経営面を操りながら畜産基地に入り込んでいるという実態であることがわかりました。これは現地の人はだれでも知っていますし、町役場もそういう状況だということを認めておられます。 この点について、農水省に調査をお願いしていましたけれども、判明した事実があったら御説明ください。
○説明員(濱田幸一郎君) 大隅第一地区は、当初の入植者は今お話がございましたように二十七戸あったわけでございますが、十戸が離農して、七戸が規模拡大のための資金不足のため現物出資によります農業生産法人化がなされておるわけでございます。私どもが承知しておりますことは、原因といたしましては、技術不足のため収益が計画どおり得られなかったこと、あるいは経営によりましては病気等のために営農ができなくなったこと等のような事情があったわけでございます。離農しました経営につきましては、個人または農業生産法人がその負債を引き継ぎますとともに、施設等を引き継いで経営を営んでおります。 このような経営主の交代に当たりましては、市町村、農協、普及組織、農業委員会等から成ります入植者選定委員会で、交代する者の資金力、技術力、経営能力、農業生産法人の場合は法人の適格性等を審査いたしまして、農用地開発公団事業で創設されました経営体の経営主として適格であるというような主体を選定しているようでございます。 以上が我々が承知しております状況でございます。
○諫山博君 日本ハムとか伊藤ハムとかダイエーが借金の肩がわりをし、事実上畜産経営に介入し支配しているという実態についてはどうですか。
○説明員(濱田幸一郎君) 我々は、今出ましたような具体的な企業名による支配形態ということにつきましてはつまびらかにしておりません。
○諫山博君 総事業費四十四億五千万、六〇%が国の補助、こういう形で始まった畜産基地に今私が指摘したような経営形態が入り込むということは妥当でしょうか、避けるべきことでしょうか。これは仮定の質問ですけれども、本来のあり方に照らしてどう考えたらいいのか、御説明ください。
○説明員(濱田幸一郎君) 本来この事業が行われましたのは農用地開発公団の開発事業でございますが、この事業の目的は、農畜産物の濃密生産団地の建設によりまして農畜産物の安定供給を行うということでございました。したがいまして、先ほど申しましたように入植者選定委員会の結果によりまして経営者の交代あるいは法人化がなされたということでございますと、その事業目的を達成するために、次善の策として、私どもが承知しておりますような事態につきましてはやむを得ないことであろうというふうに考えております。
○諫山博君 農水省が掌握しているような事態ならやむを得ないと言われますけれども、私が知りたかったのは、日本ハムとか伊藤ハムが借金の肩がわりをして事実上経営を支配したり介入したりすることは本来の姿だろうかと聞きたかったんです。私たちは、農畜産物の安定的な供給ということも大事だと思います。同時に、農民的畜産を確立する、農家の畜産を養成していくというもう一つの課題があると思います。別な言葉で言えば、企業畜産は排除すべきだ、農外企業の進出は規制すべきだ。少なくとも国が六〇%の金を出しているような畜産基地に対してはその立場は貫かなければならないと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) ただいま申し上げました農事組合法人につきまして、お話が出ましたような企業から資金が流れているという状況があるようでございます。ただ、私どもは、完全に農民による農畜産物の供給、完全に農民資本のみによる農畜産物の供給が行われればそれはそれにこしたことはないわけでございますが、資金源はどこに限るというふうに一方的に行政の側で決めつけてしまうということは現段階では極めて困難であろうかと思っています。
○諫山博君 今の答弁で、私が指摘したような企業から資金が流れている事実はあるようだと答えられました。問題は、日本ハムとか伊藤ハムとかダイエーがなぜ政府の金の出た畜産事業に資金面で介入してきたかです。これは単に金出しをやったんじゃないと思いますよ、相手はダイエーだし日本ハムだし伊藤ハムですから。ですから、この問題は個人的に私たちが調査するのには限度がありますから、金を出された農水省の方でぜひ調査して、後日で結構ですけれども、調査の結果をお知らせいただきたいと思いますけれども、できましょうか。
○説明員(濱田幸一郎君) 今のように農事組合法人、この団地におきます畜産農家が資本と結びついている部分があるというのは、農家は当然のことながら生産資材の、特にえさにつきましては安いところから買いたがるということはこれは当然でございますし、また生産物たる商品を最も有利に販売したいという気持ちがあるのもこれ当然でございますので、私どもがえさの購入先やあるいは家畜の販売先につきまして、これはどこかに限定すべきだというようなことをこちらから強制するというのは適切ではなかろうというふうに考えておるわけでございます。 それから、第二点の調査でございますけれども、経営者の交代につきましては、農用地開発公団法等の関係の法規に別に抵触する部分がないわけでございますので、役所側がしゃしゃり出まして調査を行うというのも、これはいかがかなというふうに感じております。
○委員長(岡部三郎君) 諫山君、時間ですので。
○諫山博君 納得できませんけれども、一応終わります。
○喜屋武眞榮君 私は、初めに牛乳乳製品の消費拡大という点からお尋ねしたいんですが、畜産局長の説明資料によりますと、 牛乳乳製品の消費拡大については、①学校給食用牛乳供給事業の効率的推進を図るとともに、②牛乳乳製品フェア、料理コンクール等各種催事の開催、③各種メディアを通じた牛乳乳製品に関する正しい知識の普及等各般の対策を講じている。 また、新たに学校給食用牛乳について、より良質な牛乳の供給を推進している。 こう明記されておりますが、私は時間の都合でこの一から三項までの内容については次回にお聞きします。 ここでお聞きしたい一つの点は、「新たに学校給食用牛乳について、より良質な牛乳の供給を推進している。」と、このことについてお聞きしたい。この「より良質な牛乳の供給」という言葉は、市販の牛乳よりもより良質な牛乳であるという意味なのか。もしそうであるとするならば、どんな良質であるのか、内容を示してもらいたい。
○説明員(濱田幸一郎君) 牛乳につきましては、御案内のとおり、昨年度から三・二の脂肪率を三・五脂肪率に乳価の算定方式の中でも織り込んだわけでございます。これはもともと乳業者と生乳生産者との間の話し合いによって決まったわけでございますが、六十二年度以来三・五というのがかなり定着をしてきつつございます。 したがいまして、財政資金の出ております学校給食につきましても、この三・五という良質の牛乳につきまして、成分無調整という形の牛乳につきまして何らかの奨励をいたしたい、こういう意味でございます。
○喜屋武眞榮君 私がこれをお尋ねしますのは、市販の牛乳よりもより良質なものを学校給食に提供しておる、こういうことについてはいささか私は疑問を持たざるを得ない、こういう点から聞きました。このこともきょうはこれぐらいにいたします。 次に、酪農経営安定対策という面から、 飼料自給度の向上を図るため、草地開発事業の計画的推進、既耕地における飼料作物の作付拡大と効率的利用の促進等を積極的に推進しているほか、畜産振興資金により自給飼料生産利用機械施設の整備に要する資金を無利子で貸し付けている。 また、配合飼料価格の安定、経営管理技術の改善・向上、乳肉複合経営の育成、意欲的な担い手の育成等のための諸施策を積極的に推進している。 ということに対して、一、貸付限度額は無利子で貸し付けるということですが、貸し付け限度はどうなっておるのか、私それをよく存じませんのでひとつお聞きしたい。 それから貸し付け総額は幾らになっておるか、この点。 それからもう一点は、「意欲的な担い手の育成等のための諸施策を積極的に推進している。」という。どのように積極的に推進しているのか伺いたい。それも詳しい、時間をかけてのコメントは要りません、項目だけでも結構です。 以上、まずお聞きします。
○説明員(濱田幸一郎君) まず、最初の自給飼料生産利用機械施設の整備に関する資金、畜産振興資金により無利子で貸し付けているという点でございますが、これは農業改良資金の中の畜産振興資金というのを特別に設定をいたしまして、利子は無利子でございます。それから全体の貸付総枠は百八十億というふうに設定をしております。ただ、具体的な貸付枠につきましては都道府県で決定をするということにしておりまして、私ども申しわけございませんが、ただいま手元には各県の枠についてのデータを持ち合わせておりません。各県で決定をするということです。 それから後継者、担い手の育成等の対策でございますが、いろいろ問題があるわけでございますけれども、消費の拡大を図って需要に見合った計画的な生産の推進を図っていくということが重要でございまして、例えば協同農業普及事業におきまして農村青年に対する研修教育の促進あるいは地域集団活動の助成、それから農業後継者育成対策事業というのがございますが、その中で新規参入者等も含めました若い農業者の確保育成のための資金、あるいは農用地保有合理化促進対策事業におきまして農用地保有合理化法人が離農農家等から農地等を一括に取得いたしまして、新規就農者あるいは担い手農業者等に一時貸し付け後売り渡すのに必要な資金に係る利子補給をするとかいうような、いろんな方策が進められております。
○喜屋武眞榮君 今の点についてもなお掘り下げてお聞きしたい点山々ありますが、次回に譲ります。 次に、沖縄における畜産問題について。沖縄における畜産は基幹作目のサトウキビと並行して畜産の収入が三百六十二億、これ全体の三一%を占めておるんですね。サトウキビが三百七十四億円、全体の三二%、二位になっておる。 ところで、戦後の推移から、肉牛はありましたが、特に沖縄県の肉用牛生産は粗飼料の採算性が高いことから低コスト生産が期待されておる。そのため未利用地の草地開発や安定的な良質粗飼料の確保を図るため今後とも飼料基盤の整備を推進することが必要である。また、安定的な肉用牛経営の確立を図るため生産から肥育に至る地域内の一貫体制の整備を推進することが非常に重要であると強調されておりますが、このことに対する政府の見解を承りたい。 〔委員長退席、理事水谷力君着席〕
○説明員(濱田幸一郎君) 沖縄におきます肉用牛の生産振興につきましては、私どもも重要な位置づけをしておるわけでございます。まずそのためには経営体質を強化していかなきゃならないわけでございまして、沖縄という恵まれた自然条件を生かしまして、飼料の低コスト生産を通じまして飼料基盤に立脚した経営を育成していこう、そういうことを通じまして飼料自給率の向上等特段の努力を図っていくことが肝要ではなかろうかと思っておるわけでございます。このため、沖縄は比較的未低利用地の区域が多いんではないかと思っておりますが、そういう未低利用地の活用を促進し、さらに既耕地におきます作付拡大と草地開発の計画的推進によりまして、良質粗飼料生産を図るための生産基盤を確保いたしまして、それを高度利用していこうということで、沖縄のメリットを十分に生かした肉用牛振興を図っていくべきであろうというふうに考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 その計画に基づいてひとつ具体的に実践を促進してもらいたいというのが私の特に政府に望みたいことです。 次に、畜産の中で乳用牛について見るというと、特に乳用牛については一進一退をたどっておりますが、六十一年度以降はぐんぐん急速に伸びてきつつある、こう見ておりますが、その点政府としてはどのように認識しておられるか、沖縄の乳用牛に対して。
○説明員(濱田幸一郎君) 特に沖縄についてのお話であろうということを前提で申し上げますと、沖縄におきましての生乳生産でございますが、特に沖縄におきましては季節的な変動が非常に強いというのが内地と違うところでございまして、先生御案内のとおりでございます。年間を通じまして県内需要を賄うほどの生乳生産が行われていないのが実態でございますが、近年はいろいろ技術的な向上もございまして、沖縄県におきましても生乳の生産量は着実に増加してきております。したがいまして、このために適切な飼養管理、あるいは特に暑い地域でございますので乳牛の防暑対策、それから適期の種つけ等の実行、あるいは牛群の向上等のための諸施策を講じることによりまして、季節を通じて需要に応じた生乳生産が行われるように、完全にこれはすぐに達成できるというわけにはまいりませんでしょうが、諸般のそういう技術的な対策を講じて努力をしていくべきであろうというふうに考えておる次第でございます。 〔理事水谷力君退席、委員長着席〕
○喜屋武眞榮君 沖縄の特殊事情というのは、金と技術さえ投入すれば沖縄はすべてにもっともっと発展向上すべき可能性を持っておる。基地あるがゆえにいろんな面において阻まれておる。こういうことを思うときに、可能な面でもあとう限り沖縄に対する投資と技術の向上に力を入れてもらわなければいけない、こう思うのでありますので、ひとつ御検討をお願いしたい、御協力をお願いしたい。 次に、畜産の中でも牛と特に養豚が沖縄の三百年来の歴史を誇っておる。戦後の特殊事情から一進一退はあった。ところが六十一年度以降は順調に伸びておるわけなんですが、詳しいことはもう時間の都合ではしょりたいと思いますが、枝肉価格が低迷しておる、配合飼料の価格が低下した、値下がり傾向に移ったことから、一進一退を繰り返しながらもとにかく前向きで発展しつつある。この実情を踏まえて、政府とされては、さらに特に養豚に対してどのようにこれから配慮をして、愛情をもって振興さしていこう、こう考えておるのであるか、このことについて、重ねて特に養豚という立場からお聞きしたいのです。
○説明員(濱田幸一郎君) 沖縄におきます養豚の状況でございますが、これは全国的にもさようでございますけれども、養豚農家は沖縄におきましてもかなり減少はしてきております。ただ、飼養頭数は相当に伸びてきておりまして、例えば十年前と比べますと、六十二年におきましては飼養頭数全体では二六%増ということになっておりまして、これは全国におきます飼養頭数の伸び率二九%に匹敵をするところがあるわけでございます。一戸当たりの飼養頭数について見ますと、沖縄におきましては百六十六頭、これは全国百七十四頭でございますので、非常に拮抗してきたということでございます。伸び率はこの十年で四・七倍くらいに一戸当たりの頭数は伸びてきております。 ただ問題は、沖縄におきましても、今後、内地で起こっております環境問題というのがいろいろ生じてくるわけでございましょうので、適切な環境保全対策等を通じまして、この規模拡大のメリットを生かした生産性の高い養豚経営の育成に努めていくことが必要であろうかというふうに存じております。
○喜屋武眞榮君 畜産に対する専門家の意見によりますと、全国的にも、世界的にと言った方もおりますが、沖縄における畜産の、牛と豚の種類の問題ですね、黒牛と黒豚は世界的にも全国にしても、肉質が最もすぐれておる、こういう意見を私に言った方がおられます。その点、政府としてはどのように理解しておられるか、お聞きしたい。
○説明員(濱田幸一郎君) 私も、技術者でございませんので詳細のところはよく存じ上げませんけれども、確かにおっしゃるとおり、黒豚につきましては非常に高い評価を受けているようでございますので、今後も黒豚の品種改良を一層進められればさらに商品価値が上がっていくであろうというふうに考えます。 また、牛につきましても黒牛につきましてはそれなりの評価があるわけでございますので、黒牛の品種改良、能力向上の方向でいろんな措置を講じていくことは沖縄の畜産振興上非常に有益であろうというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 戦前の話をしますと、沖縄の貧困性、貧困なるがゆえに圧力といいますか、たたかれてきたのではないかと思いますが、戦前、神戸牛ということが全国に風靡しておったわけです。今日ではそのランクはどうか私わかりませんが、とにかく神戸牛、その神戸牛は沖縄牛だったんですよ。九五%沖縄で飼育をして、仕上がりの段階で神戸に運んで、そこで仕上げて神戸牛として通っている、肉を売った、牛を売った、こういうことを我々戦前から知っておったんです。ところが、今日はそういうことはないわけですが、そういう歴史の真実からしましても、沖縄における牛、豚というのは非常に質的にもすばらしい、こう今にして思うわけであります。兵庫県の皆さんには怒られるかもしれませんが、こういうことを私たちは小さいときからよく聞かされておりました。そういうこともひとつ思い出していただいて、沖縄の畜産、特に牛、豚、これを大事にしていただきたい、国の立場からも、それを重ねて申し上げたい。 次にもう一件、養鶏の採卵系とブロイラー、これも戦後の沖縄の特殊事情から一進一退があるわけでありますが、特にこの採卵系に見ると飼養羽数は減少傾向が続いておる、これにも理由があります。ブロイラーはわずかながら増加してきたと。一方、ブロイラーの飼養羽数は六十一年で五十二万一千羽と最近低迷しておる。ところが、これには理由があると思います。どういう理由によるのか、ひとつ明らかにしていただきたい。
○説明員(濱田幸一郎君) 沖縄におきますブロイラーの飼育羽数は六十一年では前年に比べまして七%の減少というふうになっておるわけでございますが、一方、年間の出荷羽数で見ますと、六十一年は前年の一〇四%というふうな伸びを示しております。五十年に比べてみましても二・六倍ということでございまして、全国における出荷羽数の伸び率の一・七倍よりも大幅に高い数字になっております。 したがって、沖縄県のブロイラーが伸び悩んでいるというふうに言っていいのかどうか、やや戸・惑いを感ずるわけでございますが、今後の課題といたしましては、やはり生産コストの低減と品質の向上等に努める必要があろうかと思います。 仮に、採卵系も含めまして鳥の伸びが悪いということであるとすれば、これは鶏に対します気候の問題なり、あるいはえさの値段の問題なりというようなことがあるのではないかというふうに推定をいたしております。
○委員長(岡部三郎君) 時間ですが。
○喜屋武眞榮君 それでは、これで簡単に進めますから。 この問題でここでやりとりはしたくありませんが、問題としてひとつ投げておきたいことがあります。 いわゆる生産農家ならざる資本の論理で、何の生産の経験もない大資本家が、例えば大型養鶏団地をつくって、そしてどんどんつぶれざるを得ない、こういう状況に追い込まれておる、生産農家の皆さんが。いわゆる養鶏団地をつくっておっても成り立たないような資本の原理が、しかも生産農家ならざる資本家にそういう形でなぎ倒されるという、これは国にとっても政策の重大な基本的な問題になると思いますが、この点よく御承知と思いますが、問題として提起をしておきます。 終わります。
○委員長(岡部三郎君) 暫時休憩いたします。 午後五時六分休憩 ─────・───── 午後五時五十五分開会
○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 これより佐藤農林水産大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○菅野久光君 きょうは予算委員会等の関係もあって、当初この委員会で予定をしておったことが相当ずれました。したがいまして、公明党の刈田委員あるいは喜屋武委員も質問をやめる、二十八日の委嘱審査のときに改めて質問をする、そういうようなことになりましたので私の方からちょっとかわって申し上げたいというふうに思います。 大臣も、本当にあっちこっち走り回るというような日で、人間的には同情いたしておりますけれども、今回の畜産価格の諮問のことについては、全く、牛乳価格が七十九円八十三銭だとか、あるいは限度数量も二百二十五万トンとなったということで、生産農家の要求、それから私どもの要求からほど遠いような状況であることは極めて残念である、このことについては納得しがたいことだということだけは申し上げておかなければならないというふうに思っております。 このことがさらに、この後来る他の農産物の価格にも影響してくるのではないかというふうに思いますし、自由化の問題と、そして今置かれている農業の厳しい状況等から見て、本当に農民が安心して営農できるようなことを何としても政府の責任で今後やっていってもらわねばならぬ、そのことを私は強く要求をし、私どもが本日質問したいというふうに考えておりましたことは二十八日の委嘱審査のときにやるということで、本日の質問については私はこういうような意見を申し上げて、終わりたいというふうに思います。
○星長治君 大臣、就任早々難問題を抱えまして東奔西走する姿を見て、心から敬意を表したいと思います。きょうは、与えられた時間、二十分しかございませんが、大臣にお伺いして明快な答弁をしていただきたいかようにお願いを申し上げます。 まず第一に、水産問題でございますが、六十三年の一月に米国は水産物の漁獲割り当てがゼロという通達がございました。そのために先日の委員会で同僚議員からも指摘がございましたが、はえ縄二十二そう、底びき船、小型船十九そう、こういうふうな問題が提起されました。 二十二そうに対してはとりあえず融資の問題の決着をつけてもらったのでございますが、この融資につきまして、この中に労務費と固定経費というものは入っているだろうと私思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(田中宏尚君) ただいま、先生からお話ありましたような種目の経費は入っております。
○星長治君 そうすると、三月になってまた割り当てがゼロでございます。その分をどうするか、それをお伺いしたい。
○政府委員(田中宏尚君) 粘り強い外交で何とか割り当て確保ということに努力したいとは思っておりますけれども、至って厳しい状況にあります。 そういう中で、これからのあれとしましては、漁場をどこに求めていくかということも並行して考えなければだめだと思っておりますので、例えばその一つとしてソ連水域という問題が出ておりますが、これにつきましては民間ベースで具体的交渉に入っておりますので、我々といたしましても側面からいろんな支援なり応援なりしてまいりたいと思っております。
○星長治君 当面の問題、大体、もう一つあるんでございますけれども、御案内のとおり、昨年米国地裁におきまして環境団体から提訴せられ、本年に入りまして敗訴いたしました。そのために、母船式サケ・マス百二十九そうというものは一体どうなるんだろうかというような懸念を持っているわけでございますが、それについてお伺いしたい。
○政府委員(田中宏尚君) ただいまお話ありましたように、母船式サケ・マスのことしの操業ということが非常に難しい問題に遭遇しているわけでございます。こういう中で我々といたしましては、今後とも粘り強い漁業交渉ということで何とか我が国北洋漁業の操業の確保ということに努めてまいりたいというふうに考えております。
○星長治君 私は、なぜこういうようなことを質問したかといいますと、二百海里時代に入りましてから年々米国から北洋漁業が締め出しを食っております。ただいまのは漁業問題の一端にしかすぎません。さらに農業問題にしても幾多の問題が出るわけであり、先ほどの十二品目の問題、さらに三月三十一日に協定の切れる牛肉、オレンジ交渉の問題、我が国の農業発展を阻害する大問題であります。 こういうような問題を抱えて、牛肉、オレンジ交渉については前回山村・ブロック会談において妥結し、今日まで我が国は忠実に守って枠の拡大のために努力してまいりました。それなのに、自由化時期の明示をしなければ交渉に入らないなどとは友好国としてとるべき態度であるかどうか、大臣の所感をまずお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤隆君) 先ほど菅野委員からお話がございましたが、理由はそのとおりでありますが、大変お待たせをいたしましたことをお許しいただきたいと思います。なおまた、時間がずれておりますので、簡潔にさわりのところを要領よく答えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 今、アメリカ側の言い分等について厳しいお話がございました。私自身も正直申し上げて、言いたいことはたくさんございますけれども、いよいよ秒読みの段階とも言える時期に入りました。この期に及んで、どちらかといえば私は行動をいたしたい方の性格でございますけれども、こらえてこらえて冷静に対応しなければならない。わずかな残された時間ではございますが、冷静に冷静にということを自分に言い聞かせながら、どうしてもテーブルをつくっていただき、そしてテーブルに着いた上は我が方の事情というものを十分理解していただきたい。前々からも申し上げているそのことだけはどうしても理解させなければ入れない、こういう気持ちは今も変わりございません。厳しい環境の中でございますが、一層粘り強くやってまいりたいと思います。 なお、先ほど漁業関係についての外交交渉についてもお触れになりましたが、水産庁長官が申し上げますとおり、粘り強く努力を続けていく、こういうことでひとつ御理解をいただきたいと思います。
○星長治君 先日の委員会におきまして、同僚議員からの質問に対し、大臣は、畜産農家、酪農農家三十五万戸、百二十万ヘクタールを守るために譲れないと明言しておりますが、それはよろしゅうございますか。
○国務大臣(佐藤隆君) そのとおりでございます。
○星長治君 もし、牛肉、オレンジ交渉が自由化を前提として交渉しなければならない場合は、これは米の問題にまで波及するだろう、こう予想されております。総理並びに農水大臣はたびたび米は絶対自由化しないと言明してまいりました。 あくまで自給でいくべきである。アメリカがいわゆる三百一条を発動しようと包括貿易法案がどうであろうが、この政策を堅持すべきであると私は思うが、それについていかがですか。
○国務大臣(佐藤隆君) これも前から申し上げているとおり、今日ただいま現在、気持ちは変わりございません。総理も明快に答えておりますし、私もまた昨年来答えておるところでございます。そのように御理解をいただきたいと思います。
○星長治君 ただいま、大臣から心強い答弁を聞いて本当にありがとうございます。 それについて大臣は、たびたび新聞紙上で、牛肉、オレンジ交渉のために訪米する云々と伝えられておりますが、どういう予定になっておりますか。
○国務大臣(佐藤隆君) 新聞が報道することについてここで答えるのは、今までの経験に徴していかがなものかとちゅうちょをいたしております。 それはそれとして、三月末は大きな節目を迎える、これも昨年来申し上げているところでございますし、中川農林大臣当時の中川・ストラウス会談、これから延々と続いておる問題でもあり、その経緯を頭の中に置きながら、自由化は困難である、時間はたっておるけれども自由化は困難であるということを明確に申し上げておるところでございますので、先ほどもちょっと触れましたが、テーブルができましたならば話し合いをするということにやぶさかではございません。 しかし、一面逃げるというような印象を与えたらおまえどうするかという友情あふれる言葉もいただいております。逃げることはいたしません。訪米にはやぶさかではございませんけれども、しかしテーブルを何としてもつくらせる。秒読みの段階ではありますが、必ずテーブルはつくられるものと信じながら期待をいたしておるところでございます。
○星長治君 秒読みの段階になって本当に御苦労さんでございますが、我が国の農業全体を守るためには何としても大臣に毅然たる態度で臨んでもらいたい、かように思うものでございます。どうぞひとつ、今後も大臣の所信を貫くように心からお願いしたい、かように考えております。それにつきましての心構えをお聞かせ願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(佐藤隆君) 改めてまた心構えということでございますが、私自身、今御答弁申し上げましたとおり、毅然たる態度で、我が国には我が国の事情があるわけでありますから、そしてテーブルに着いて話し合おう、こういうことになっておるのに話し合わないわけでありますから、テーブルがないのでありますから、あくまでもテーブルに着かしてそして話し合いをするということでひとつ御理解を賜りたいと思います。
○諫山博君 休憩前の質問のときに、私は牛肉、オレンジの自由化は絶対に行わないという決議が衆議院でなされたという発言をしましたけれども、これは誤りでしたから取り消します。 ことしの二月、食糧庁は米流通改善大綱を発表しました。これを見て私が大変驚いたのは、経団連が昨年一月に発表した「米をめぐる問題についての報告」とほとんど同じ内容になっていることです。第一、項目の立て方がそっくりです。集荷業者制度の改善、卸売業者制度の改善、小売業者制度の改善。しかも、その中身も、いわゆる改善の内容というのはほとんど変わりません。 食糧庁は、米の流通について、経団連が考えていると同じようなやり方をしようとしておられるのだろうかということをまず食糧庁にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(佐藤隆君) これは我が農林水産省の姿勢にかかわることでございます。したがって、私に御指名はございませんけれども、一言答えさしていただきたいと思います。 経団連の指摘は、ちょっと私手元にその資料ございませんが、それでまたその比較を私自身はしておりませんが、もし諫山委員のおっしゃるとおりであるとするならば、どんな人が考えられてもあのような問題点を列挙し、そして改善を図るという見識は、私自身も米流通研究会の報告を受けてそう思いましたし、米農業について関心を持つ人はほとんど同じような認識で見てくださったのではないかな。決して、経団連の方式や経団連の内容をそのままうのみにして、まねをするような農林水産省ではございません。
○諫山博君 集荷段階、卸売段階、さらに小売段階といろいろ問題があるわけですけれども、流通の最終段階である小売制度について問題を提起いたします。 食糧庁の改善大綱案によりますと、店舗展開の促進、それは主として店頭で小袋詰精米を販売する形態の店舗の新規参入を促進する、そして、昭和六十三年十一月から実施と書かれております。経団連の報告では、米の店頭販売が許可されていないことを批判しながら、売り場制限の改善を主張しています。食糧庁の案では、小売店の許可要件の緩和ということを掲げ、現在の一年以上の経験というのをなくす。それに対して経団連の文書では、許可がなかなかおりない、このことを批判しながら、許可制度の弾力的な運用をうたっています。食糧庁の案では、営業区域の拡大を強調し、市町村単位の営業区域を都道府県単位に広げるというふうに言っておりますけれども、経団連の案では小売の営業区域を拡大する。つまり小売段階で食糧庁が改善の方向として目指しているのは、大体経団連が示しているのと同じ内容だということになります。 農水大臣は、経団連のまねをするわけではないと言われますけれども、やろうとしている方向は大体同じだというふうに理解していいでしょうか。
○政府委員(甕滋君) 米の流通改善の問題につきましては、つとに一昨年十一月の農政審の報告におきまして、自主流通米を中心とした米流通の実現と並びまして、流通の各段階における競争原理の導入による流通の活性化、こういった方針が打ち出されておりまして、それを受けまして昨年食糧庁に米流通研究会というものをつくりまして、各界の学識経験者あるいは業界の代表の方にも入っていただきまして、これからの流通改善をどうするか慎重にかつ精力的な御研究をいただいたわけでございます。その報告が昨年取りまとめられましたので、私どもといたしましては、その方針を十分尊重いたしまして、流通改善大綱といった形で今後の方針を示そうと、こうしておるわけでございます。 その内容につきましては、ただいま先生からもいろいろお話ございましたが、経団連の提言との一々の比較は私どもしておりません。ただ、経団連の提言を私ども読ませていただいた限りでは、将来流通を全面自由化することを目標にいろいろな改革を図っていくと、こういうことをうたった問題意識のもとに御提言があるようでございますが、私どもはただいま申し上げましたように、農政審、米流通研究会のラインに沿ってこれを検討しております。 先ほど大臣が申し上げましたように、個々の改善内容につきまして異同がある。方向としては同じじゃないかと、こういうお話がありましても、それぞれの事柄におきます意味合いは、ただいま私が申し上げたような位置づけにあるものでございます。
○諫山博君 流通改善の具体的なやり方が経団連の示しているものとほとんど同じだという点は否定されなかったと思います。ただ、最終的な目的は違うという反論がありましたけれども、大変疑問に思ったことの一つは、自主流通米に対する考え方です。 食糧庁は、自主流通米の拡大、具体的には米に占める自主流通米の比率をおおむね六割程度にすると言っています。経団連の報告では、自主流通米の一層の拡大、つまり目指しているやり方というのは同じことなんです。重大なのは、経団連がなぜ自主流通米の拡大を求めるかです。これは経団連の報告自体があけすけに説明しております。自主流通米の拡大は次のステップへの第一歩である。次のステップというのは、自主流通米を政府管理米から外すことだ、段階的に部分管理に移行する、これを計画的、段階的に進めるべきだ、経団連の報告はこう言っています。そして、自主流通米をふやすのは、食糧管理制度から部分管理に移行するための準備期間であると位置づけております。 そして、第一期の終了時には、政府管理米の大半を自主流通米が占めることになるだろう。第二期にいよいよ部分管理の時代が始まる。つまり経団連が米の流通のやり方に全面的にメスを入れ、さらに自主流通米をふやそうというのは、経団連自身が説明しているように、食管制度を崩すんだ、最終的には米の部分管理の時代をつくり上げることがねらいだというふうになっております。つまり、経団連の計画的、段階的なスケジュールに乗ってさまざまな提案をしているわけです。 ねらいは経団連と違うと言われましたけれども、今食糧庁がやろうとしていることはまさにこの経団連のレールに乗っかることになるのではないかと思いましたから、できれば大臣の御見解を聞きたいと思います。
○政府委員(甕滋君) 私どもの流通改善大綱で意図しておりますことと、経団連の提言していることと同じである、またそれを私がそのとおり肯定したという趣旨のお話があったかと思いますが、それはそういうことではございません。一々両者の相違についてチェックをしてはおりませんということを申し上げたわけでございます。かつ、その行おうとしていることの位置づけは違いますと、こういうことを申し上げたつもりでございます。 それから、経団連の提言につきましては、これを部分管理に乗せていく一つのスケジュールとして考えておる、こういうお話につきましては、私もそういったものと基本的には了解をしておるところでございますが、その点につきましては、実は私どもはそういう考え方を持っているものではございません。部分管理そのものについては、これがどういうことを指すか一義的に確定されているものではございません。人によっていろいろ違いますけれども、私どもこの部分管理というものを、政府が管理する数量はもう流通の一部分にとどめてしまって、それ以外の米は自由流通にもうゆだねるんだ、こういう趣旨のものであるとすれば、それは需給価格の安定を図っていく上に非常に大きな問題がある、その部分管理をしていくんだという考え方には重大な問題点があるということで考えておりまして、部分管理への移行というものを私どもが経団連のラインに乗って云々というお話がございましたけれども、その点についても重ねて否定を申し上げておきます。
○諫山博君 経団連は米の部分管理を目指している、こう言いましたけれども、あの経団連の提言を見ると、もっと大胆なことを言っているんですよ。例えば、米は単品で四兆円の商品だということをみずから書いているわけですね。さらに、日本の農業を産業として確立する必要がある。これは国民の主食である米を普通の商品と同じように営利の対象として位置づけているとしか考えられません。でないと、単品で四兆円の商品だというような言葉が出てくるはずはありません。経団連は自民党政府に対する最大の圧力団体です。日本の政治を背後で動かしているのは経団連だという批判はむしろ国内の常識ではないかと思います。この経団連が米の部分管理という旗を掲げ、四兆円商品である米という言葉を使って、そして食管制を崩壊させようとしている。さまざまなスケジュールを立てているわけですけれども、目的は違うと言いながら、食糧庁が目指している方向というのは、やり方としては経団連そのものという気がしてなりません。 ことしの一月二十七日の日本農業新聞に「大阪にやみ米取引所 業者が計画」という記事が出ております。これは、関西のある米穀取引業者がいよいよやみ米の取引所をつくる、そのやり方は、「毎朝定時に売買銘柄と価格を正米市場に連絡、正米市場はそれを各会員に知らせ、電話でセリを行う。」こういうやり方を早ければ三月にもスタートさせたいと言っているそうです。これに対して食糧庁のコメントが出ております。事実関係を十分に調べた上、食管法違反があれば指導したいというコメントです。この米穀仲介業者の談話も出ております。こういうやり方が食管法違反だということは百も承知だ、こういう言い方をしながら、いよいよ国民の主食である米を取引の対象にしようとしている。三月にも発足させたいんだと言っているわけです。 私は、こういう業者があらわれてきているというのは、やはり経団連の報告に刺激されたでありましょうし、さらに食糧庁が競争原理の導入とか、取引業者を刺激するようないろんな言葉を使っておられる、このことと無関係ではないと思います。 そこで、食糧庁長官にこの事実関係について御説明をいただきたいし、こういう状況が既にあらわれていることに対する大臣の所見をお伺いします。
○国務大臣(佐藤隆君) 前段のことについて、まず私から答弁を申し上げておきます。大阪の云々という話は食糧庁長官から答えてもらいます。 何か、経団連と我が省、我が食糧庁がもう一緒になってやっているという想定のもとに御議論を進めておられます。このことは先ほどの語調と、今の私はそう感ずると言われた語調と若干違ってきたことは、私も今承っておって、いろいろな言い方があるもんだなと思いましたけれども、重ねてこのことについて私の姿勢として、私ども農林水産省の姿勢としてお答えをしておかないと、その都度否定しておかなければ肯定をしたと言われたのではこれは我が省の名誉にかかわることでございますし、これからの運びに影響がございますから明確に重ねて申し上げておきますが、私どもは経団連と相談をしてやっているわけではございません。また、食管法はその根幹を堅持する、これも明言してきたところでございますので、そういうことで経団連と一緒になってなし崩しにしていくのではないかなと受け取られるような御発言に対しては、そうではないと重ね重ね申し上げておきたいと思います。 私と諫山委員とこういう議論をしておるときに、ほとんど意見が合わない部分が今日まで多かったと思います。これからどうか私は予測しませんが、しかし、これから先はあなたの意見と私の意見と合う部分もあるかもしれません。結果論だけでそしてスクープされて、それを結びつけて我が省の姿勢を問われてもいかがなものか。 この程度にしておきます。
○諫山博君 私は、農水省が経団連と一体になっているとか、経団連のまねをしているとは言ってない。食糧庁が今やろうとしているやり方はまさに経団連が実際に目指している具体的なやり方と同じではないか。これは目的がどうこうという点ではもちろん異論がありますけれども、いわゆる改善のやり方というのは共通している、こう言ったわけです。 そこで、大阪の問題を質問しましたけれども、この事実関係を御説明ください。
○委員長(岡部三郎君) 時間ですので、簡単にお願いします。
○政府委員(甕滋君) ただいまお話しの大阪正米市場株式会社は昨年十一月に設立されたというふうに承知しております。食糧事務所から実は会社の代表者に対しまして事情聴取も行っております。会社側の説明といたしましては、会員のみを対象に売買の仲介を行いたい、食管法に違反するつもりはない、こういうことでございました。 この場合、米の売買の仲介それ自体は直ちに食管法に違反するというものではありませんけれども、個々のケースにつきまして米の売買の仲介と称して米の売買そのものを行う、こういうことになりますと食管法に違反をする、あるいは不正規流通米の売買の仲介を行うといったことになりますと、不正規流通を助長することになる、こういう問題点も出てまいりますので、まだ業務は開始していない模様ですけれども、今後の事業展開につきましては、引き続き十分関心を持って監視、指導をしてまいりたいと考えております。
○委員長(岡部三郎君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。 菅野君から発言を求められておりますので、この際これを許します。菅野君。
○菅野久光君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派共同提案に係る畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 畜産物価格等に関する決議(案) 我が国農業をめぐる内外の厳しい現状を踏まえ、政府は昭和六十三年度畜産物行政価格等の決定に当たっては、次の事項の実現に努め畜産業の安定的発展に万遺憾なきを期すべきである。 一 加工原料乳保証価格については、九年間に及ぶ計画生産の実情、酪農家の経営実態等に配慮し、再生産の確保が図られる水準に決定すること。 また、加工原料乳限度数量については、近年における乳製品の需要の動向を反映した数量とすること。 二 豚肉、牛肉の安定基準価格等については、再生産の確保が図られる水準に決定すること。 なお、牛肉の価格安定帯の一本化に関しては、取引の実態に悪影響を及ぼすことのないよう十分配慮すること。 三 牛肉の供給については、安易に海外依存することなく、国内生産を基本とすること。 四 畜産農家の経営の実態を踏まえ、経営改善を図るために必要な措置を講ずるとともに、経営体質の強化のための指導を強化すること。 五 生乳をはじめとする畜産物の計画生産が円滑に推進されるよう、これに必要な助成措置を確保するとともに、価格安定制度の適時、適切な運用に努めること。 六 国民の要請する良質で安全な畜産物需要の高まりに対応した生産・流通体制を整備するとともに、消費拡大のための新製品の開発・普及を図り需要の増進に努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(岡部三郎君) ただいまの菅野君提出の決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、佐藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤農林水産大臣。
○国務大臣(佐藤隆君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従い、最近の畜産業をめぐる厳しい情勢を踏まえつつ十分検討してまいる所存でございます。
○委員長(岡部三郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十三分散会