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112回国会参議院1988/03/31

内閣委員会 第4号

発言数
255
登壇者
23
会派数
5
開催日
1988/03/31

会議録

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  昭和六十三年度総予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所管及び総理府所管のうち総理本府、日本学術会議、宮内庁、北方対策本部を除く総務庁、防衛本庁、防衛施設庁を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

野田哲日本社会党・護憲共同

○野田哲君 まず、総務庁長官に公務員の週休二日制の問題、それと関連する官公庁の土曜閉庁の問題について伺いたいと思います。  これらの問題につきましては、今日までの新聞の報道や衆議院の内閣委員会における高鳥長官の答弁を聞いて、非常に積極的なリーダーシップを持ってこの問題に対応されようとしていることにまず心から敬意を表したいと思います。  さて、この問題につきましては、まず第一は労働時間の短縮という労働条件にかかわる問題で、公務員関係の労働組合や職員団体との間で最大限の合意が望まれるところであります。かつて四週六休制の試行段階で、省庁によっては労使間の合意が形成されないために、同じ公務員の中でもその実施についてかなりばらつきがありました。本格実施、とりわけ長い間ずっと国民にも定着をしている制度について土曜閉庁という新しい制度を実施するに当たっては、まず労使間の合意に特に留意をして進めていただきたい、このように考えますが、これについての長官の御見解を伺いたいと思います。

高鳥修自由民主党総務庁長官

○国務大臣(高鳥修君) ただいま委員御指摘のように、四週六休、開庁のままの週休二日制につきましては現在これを実施しているところでございますが、それぞれ部門によりましては導入に大変苦労をしたところもあるわけでございます。したがいまして、職員団体の御意見などにつきましても当然幅広く伺って合意を形成するように努めてまいりたい、このように存じますが、閉庁方式はまずもってやはり従来の国の業務をいたします具体的な窓口を閉めるわけでございますので、幅広くやっぱり国民の皆様方の御理解を得るということが最も肝要なことではないかと考えまして、現在総務庁だけではなく各省庁におきましても、広く国民の皆様方の御意見を承っておるところであります。官民の労働団体、職員団体からもそれぞれ私が直接に伺ったこともございますし、さらに私どもの担当部門であります人事局におきまして労働団体あるいは職員団体等からいろいろと御意見を承り接触をしておるところでございまして、今後とも十分そうした声に耳を傾けてまいりた い、このように考えております。

野田哲日本社会党・護憲共同

○野田哲君 公務員の土曜閉庁問題は、金融機関の完全週休二日制を本格的に今度実施することが決まったようでありますけれども、この金融機関の完全週休二日制問題とともに、その波及力といいますか影響力は非常に大きく、国民の関心も非常に高いものがあります。政府の経済審議会とかあるいは構造問題の審議会とか各種の諮問機関も、官公庁と金融機関の主導によって労働時間の短縮、週休二日制の実施を広めていく、このことをうたっているわけでありますが、実施が近づいてくるにつれて総論賛成各論反対という機運が出ていることを私たちは懸念しているわけです。このような風潮によって各省庁間の意見の不一致を見ないように、高鳥長官のせっかくの努力と熱意が空回りにならないように、政府部内の意思統一は特に念を入れてきちっとやっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

高鳥修自由民主党総務庁長官

○国務大臣(高鳥修君) 中曽根内閣のときに閉庁方式につきましては六十三年度中導入ということを決めておるわけでありますが、竹下内閣になりましてから関係閣僚会議を開きましたところ、労働大臣あるいは経済企画庁長官、通産大臣などから、これは当然やるべき時期に来ているから積極的に前向きに対処をすべきであるという御発言もございまして、総務庁としては、竹下内閣として前向きに対処をしていきたいという方針に基づきまして現在取り進めているところでございます。御承知のとおり、御指摘のように総論賛成各論反対ということになる部署もないわけではございませんので、それらにつきましては関係閣僚会議等におきまして十分政府の意思統一を図りまして実施に持っていきたい、このように考えているところでございまして、御指摘につきましては十分配意してまいりたいと存じます。

野田哲日本社会党・護憲共同

○野田哲君 公務員の週休二日制や土曜閉庁問題は労働界全体への影響も非常に大きいことから、ことしの春闘でも大きな注目を受けているわけであります。公務員関係の組合、職員団体も、今国民の理解を得るためにいろんなキャンペーンについても努力をしているというふうに伺っております。それだけに、何か四月の中旬には予定をされているようでありますけれども、公務員関係の組合の要求に対する大臣の回答は非常に大きな注目を受けることになりますので、その趣旨を踏まえてぜひ適切な対応をしていただきたいと思いますが、大臣のこれに対する御見解を承りたいと思います。

高鳥修自由民主党総務庁長官

○国務大臣(高鳥修君) 閉庁方式ということになりますと、これは民間にもいろいろ御意見がございまして、民間の場合には能率の向上等によっていわゆる時短を実現していっておる、公務員について能率の向上が考えられるのかねというような御意見や、あるいはまた土曜、日曜を開庁して逆にサービスをもっとすべきであるというような御意見を発表される向きもありますが、しかしおおむねもうその時期に来ておるという好意的な御理解が多いというふうに私どもは承知いたしておりまして、なお一層そうした御理解を深めながら推進してまいりたい、このように考えておる次第であります。そうした際に、私の手元にも今組合において国民の御理解を得るべく努力をしておられるというPRの様子の記事もございますが、こうした面で御努力をいただいておることは大変結構なことであると私自身も評価をしておるところであります。  いずれにいたしましても、銀行が全面的に週休二日制になる、そしてまた国の機関も月二回土曜閉庁になるということになりますと、週休二日制閉庁方式というものはかなりこれから急速に広がっていくのではないかと思われますので、そういう国民全体に対する影響等につきましても十分私どもとしては配慮をしながら、全体としてそういう方向に進むように努力をしていきたい、このように考えておるところでございますし、職員団体からいろいろ御要望をいただいておりますことにつきましては、私ども部内でただいま最終的な詰めをいたしておりますが、委員の御指摘の趣旨を踏まえまして、御納得のいただけるような御回答を申し上げることができますように最大の努力をいたしたい、このように考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 官房長官にお伺いいたします。  昨日、日米建設市場交渉につきまして決着がついたわけです。官邸主導外交ということでぎりぎりの収拾ができたということだと思いますけれども、その合意のポイントにつきまして、新聞では見ておりますけれども、改めて長官からお伺いしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) 日米間の大型公共事業への参入問題に関する日米協議は、お話しのようにワシントン時間で二十九日に、小沢官房副長官それからヤイターUSTR代表並びにベリティ商務長官との最後の会談をもちまして、実質的に決着をいたしました。この問題は、関西空港建設への外国企業参入問題に端を発しまして、約二年間にわたりまして日米間で日米経済摩擦というようなこととしていろいろ取り上げられてまいりました。しかし、政府といたしまして最後にこの決着ができたことは一応よかったことだと、こういうふうに思っております。  そこで、今般決着をいたしました枠組みを利用して今後積極的な企業努力を行うことによりまして特定大型公共事業への参加を果たし、我が国の制度に習熟いたしていくことを期待いたしておるところでございます。そして、今般の実質決着は、台頭しつつありますアメリカの保護主義の圧力に対しまして一応の勝利という言葉はいかがかと思いますけれども、こうした形で合意納得をすることによりまして、アメリカ国内におきます保護主義の台頭に対して一応の歯どめのような形になるのではないか。こういうことで、今も米国議会で審議をいたしております包括貿易法案の動向にもよい影響を与えるものと期待いたしておるところでございます。以上は、日本政府としてのとりましたことと今回の決着に対する評価でございます。  御指摘をいただきましたその内容と、こういうことでございますが、内容は細かくそれぞれプロジェクト別にわたっておりますので、御質疑があればすべてお答えしますが、一応概括的には関西空港の手続の問題、それから公共事業に対して対象プロジェクトを挙げましてその参入について協力をする、それから民間第三セクターの調達問題についても協力をする、それからモニタリングと二年後のレビューをお約束したということが概括的内容になっております。詳細にわたってそれぞれプロジェクト別のことの御指摘があればお答えをさせていただきたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 保護主義に対する歯どめになったと言われるわけですが、そのことは保護主義を一応なだめることができたようなので皆さんほっとはしていらっしゃるでしょうけれども、さりとて手放しで喜べないという状況だろうと思うんです。それは、今回の措置が七事業についての特例措置をアメリカに対して与えるという内容になっておりまして、内外無差別の調達方針という原則的なものはそれはもう結構だと思いますが、民間事業に対して政府としてこれを勧奨するというのはどういう意味なのか。私が心配しますのは、事実上の単独指名入札、つまり売り上げの保証というようなことでアメリカに対する優遇措置あるいは特権的な扱い、そういう方向へ一歩踏み出したんじゃないかということを危惧いたします。そうだとすれば非常に問題が多いと思いますが、官房長官はどういうふうに受けとめていらっしゃいますでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) そもそも日本の公共事業については、全世界から無条件無差別で参入することが許されていることでありまして、形式的には門戸開放されておるわけです。しかし、実質的には外国の企業が日本で公共事業に参加するということがなかなか難しい状況であることも事実であります。特に日米間におきましては、日本の企業がアメリカに行きまして非常に努力をされまして、民間事業はもとよりでございますけれども、公共事業関係にも日本の関係企業がかなり参 入をして建設にかかわってきておりまして、そういう実績が見えておりますものですから、アメリカとしてはそれに対するに日本においてアメリカの企業が実績がないじゃないか、こういうことからこの問題は起こったのだろうと思います。そういう意味では、一般的にはどの国もみんな日本に入れるんですけれども、アメリカは、大きく言えば貿易収支の大赤字から始まって日米間の貿易のインバランスその他の問題もこれあって、この事業の参入についてもなかなか難しい、したがってということでアメリカ側の要望があって、今回の問題が発したのだろうと思います。  そういう意味では、今特権というお話がございましたが、アメリカが日本に参入しやすいように日本としてはいろいろお手伝いもできることはいたします、そのことが日米間の経済摩擦の解消や大きく言えば日米外交の発展につながるということであるとすれば大変望ましいことだということで私どもとしては対アメリカの交渉をいたしてきたところでございまして、そういう意味では今回このことの決着によりまして政府として法律の許される範囲でそれぞれの企業体に対してもいろいろとアドバイスをするなりして、アメリカの企業が参入をするお手伝いができれば、結果的にその公共事業双方のインバランスも解消されていくのではないかということだろうと思います。したがいまして、優遇措置をしたかと言われればやはりまあ優遇措置かもしれませんけれども、なかなか日本の公共事業のみならず建設業界に対する参入につきましては巷間いろいろの難しい点もあるんじゃないかというようなことは、私どもは相手方の不勉強だろうと思いますけれども、しかし相手方からいいましたらいろんな制約があるのではないかというようなこともありますので、その誤解を解きつつお手伝いのできることをいたして、円満な参入について協力を申し上げるというのが今回の双方の決着の本意だというふうに御理解いただきたいと存じます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ほかの国につきまして、例えばECとか中国、NICS、こういうようなところが平等の扱いを既に求めてきておるわけでございますけれども、政府内部でも意見の相違がおありになるようで、この点については今後どのように対処されるおつもりですか。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) この点につきましては、昨日も建設、運輸、外務それぞれの責任者にお集まりいただきまして、今般の日米のこの協議決着につきまして他の国に対する対応については、今率直に申し上げて勉強いたしておるところでございます。しかし、申し上げましたように、形式的には日本に参入することはこれは門戸開放、相互主義の立場で許されておることでございますので、現時点では何らの制約がないことになっておるわけでございます。そういう中で、先ほど御説明も申し上げましたように、特にアメリカ側からの御要望もありましてその点に触れての話し合いがまとまったわけでございますので、話し合いそのものは対米関係に限定されるものだというふうに考えておりますが、しからば他の第三国ということになりますとこれはまた別の扱いだろうとは思いますが、しかし御指摘にありましたようにそれぞれの国々も非常に関心をお持ちの点だろうと思いますので、早急に政府としてはどう対応するかについて考え方をまとめさせていただきたい、こういうふうに思っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 つまり、アメリカとしてもずっと公共事業発注のシステムについて、もっと透明な国際性を持たせるということを要求していたんだと思いますけれども、今回の結果はその痛みに対して鎮静剤を与えたようなものではないかと思うんですね。つまり、建設業界のいわゆる談合等のそういった慣習、そういうものを温存しながらその中にアメリカを抱き込んでくるといいますか、そういう形でアメリカに優遇策をとったというふうな見方もできると思いますが、私はやっぱり今後いろいろ御研究になる上で、国際的に見てもフェアなシステムという方向に脱皮すべきではないか。そこがやっぱり一番対症療法でない根本的な解決につながるものじゃないか、そういう見方が大事なんじゃないかと思いますが、官房長官はこの点についてどういうふうにお思いになりますでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) 日米間でこういった公共事業のみならず建設業に対する参入の問題で話し合いをしなければならなかったという原点は、やはりそれぞれ各国とも建設業界に対する入札、応札、こういう問題についてシステムが非常に違っておるというところに誤解やら何やら発生するゆえんがあったんじゃないか。そういう意味で、日本政府としてはもし必要ならば、例えばウルグアイ・ラウンドみたいな形で世界各国同じような方式ですれば少なくとも各国間の摩擦問題は生じないんだから、そういうことで勉強しようというような提案もいたしておるところでございますけれども、それはなかなか簡単に全世界各国とも同じ入札制度を採用するというようなところにまで至らぬということで、今日の日米間の問題も起こったということだろうと思うんです。  そこで、今お話にありました日本のこの指名入札制度につきまして御批判のあることも承知はいたしておりますが、長い慣行としてまたそれなりの実績を上げている制度でございまして、この点がアメリカのボンド制度と異なっておりますので、アメリカ側からいうと日本の制度そのものがやや非関税障壁のたぐいではないかというような御批判もあって、ちょっと誤解が生じたということだろうと思います。しかし、それぞれの国において、イギリスでも指名入札制度のようなものをとっておりまして、長い歴史と慣行と実績を持っておるものですから、お互いそれはそれとして認め合った上でしからばという形のものが今回の決着だというふうに思いますので、我が方の制度そのものについて今回触れたものではないというふうに我々は理解しておりますし、それぞれの国の方法論についてはお互い認め合った上で、問題があるとすればそれは解消していこうという形の今回は一つの解決策であったというふうに思っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 将来的には、日本からもやはりガットなどマルチの場でのルールづくりというようなものを提案されたときもあるわけですし、そういった国際的なルールにたえ得るような方向へ進んでいただくことを希望しておきたいと思います。どうもありがとうございました。  委員長、私きょう甚だ遺憾なんですけれども、防衛庁、防衛施設庁に対して抗議しなければなりません。この時間は質問時間に含めないでいただきたいと思うんですが、きょうは施設庁長官を二日前からずっとお願いしておりました。にもかかわらず、全く何の予告もなくけさ欠席という通告を受けたわけです。これでは、私はきょうは非常に差し迫った池子弾薬庫跡の米軍住宅の問題について質問いたしたいので、これは施設庁長官が責任者としてここにおいでにならなければとても話にならないことなんでございますね。ですから、私は本当にこれではちょっと質問のしようがないわけでございます。どうかよろしく御処置をお願いいたします。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) このことについて防衛庁長官から発言を求められておりますので、許します。瓦防衛庁長官。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 久保田委員には本日の質問の中で施設庁長官に対する答弁要求がなされておりまして、委員の大変貴重な質問でございますから、施設庁長官出席いたしまして答弁に立たなければならぬわけでございますが、北富士の問題で入会権の交渉が期限も差し迫っておりまして、きょうは山梨県側にどうしても出張せざるを得ない実は事情にございましてお許しを賜りたいと思うわけでございますが、本日は委員の各質問に対しまして施設関係お答えをしてまいりたい、かように存じておりますので、これらの事情を御勘案いただきまして御質問を賜ればありがたいと、かように思う次第でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そこへ期限が迫っているのなら、わかっていたことじゃないですか。なぜそれ ならばこの質問を私はきょうしなければならないのか、そこのところを御説明いただきたいんです。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 速記を起こして。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 防衛庁長官、池子の問題につきましては十分にお聞きになっていらっしゃると思います。池子の問題、私も何回も取り上げましたけれども、この自然が大変すばらしいものでして、昭和十三年に旧海軍に強制収用された私有地であったわけです。そして、戦後は米軍がそれを引き続いて使用するようになりまして、オフリミットの状態で五十年になる、こういう状態なんでございます。そのために民間人の立ち入りも禁止されておりました関係で自然の植生が非常にようございまして、一部は天然林、それとあわせて非常に豊かな植物、鳥類、そしてそれに加えて天然記念物とか絶滅のおそれのある鳥類ですとか、また昔のさまざまな文化遺跡もあるという、そういう土地でございます。今回米軍住宅をお建てになろうとしているのはその逗子側の部分でございますけれども、この池子の自然や文化財について長官がどんな認識をお持ちになっていらっしゃるか、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 現在、横須賀地区におきましての米海軍の家族住宅の不足は実は深刻な状況でございまして、これを解消するため、池子米軍家族住宅建設事業を進めさせていただきたいと考えておるわけでございます。これは日米安保条約の円滑な運用、このことにかんがみましてもぜひとも必要な施設である、かように考えておるわけでございます。  今、久保田委員から御指摘の自然並びに文化財の保護の問題でございますが、国は神奈川県環境影響評価条例の手続の過程で、自然環境及び文化財につきまして配慮してまいらなければならぬことでございますから、これらにも配慮しつつ昭和六十二年九月から建設工事を実施いたしておるものでございます。また、文化財調査につきましては、神奈川県が実施しているところでございますが、当庁といたしましては、神奈川県と調整しつつ引き続き工事を進めてまいるという方針でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 では長官は、池子の自然がこの首都圏の中では非常にまれに見る残された、そういう事情だから残された土地であり、そしてそこが私どもにとって貴重な将来に残したいような資源であるということはお認めになりますですね。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) ただいまお答えさせていただきましたが、それらのことにつきましてももちろん配慮しなければならぬことでありまして、神奈川県のただいま申し上げました条例もございますから、そういった関係で調整しつつ、また一方におきましての日米安保体制、この円滑な運営につきまして私どもも進めてまいらなきゃならぬことでございますから、両面配慮しつつ取り組んでおるわけでございますが、県側との調整を鋭意進めつつぜひこの目的を達成させていただきたいと、こういうぐあいに考えておるわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 私どもは、安保イコール池子じゃないだろうと思うんですね。そのことを繰り返し申し上げているんですが、そこが何の回答もないままに進められているわけです。ほかにやりようがあるんじゃないかということが逗子市民の論点なんです。この方たちが先般アメリカを訪問して「セーブ・イケゴ」という訴えをしまして、非常に広範囲の人から、特に自然保護団体から支持を得ているわけですけれども、私、これは予算の委嘱でございますので、今予算の関連でちょっとお伺いしたいんです。  それは、三月二十三日に防衛設施庁が入札をしまして二十四日に契約した工事なんですが、新聞で見ますと八工事とあります。総額二十六億四千五百七十万円と報じられているんです。ところが、私が施設庁からいただいた資料によりますと六工事になっているんですね。契約総額は二十四億一千九百七十万円となります。これは契約は八工事なんでしょうか、六工事なんでしょうか。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) お答えいたします。  今般発注いたしました工事は、池子川の改修、調整池の設置、それから仮設道路整備、既存建物解体等を含めまして、工事といたしましては八件でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 六工事ですね。八工事ですか。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) 八工事でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 私の方でいただきました資料では六になっていますけれども、これは違っているんですか、そうするとこの資料は。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) 池子米軍の仮設防災工事というのが一、二、三工区に分かれてございまして、これを一つにまとめて先生の方にお話が行ったのではないか、このように思います。正確には、防災工事が一、二、三工区に分かれておりますので、全部で八工事の契約をいたしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 これまあ単純な食い違いなんですけれどもちょっと伺いたいのは、六十一年度に繰り越したお金が十三億三千六百万円ありますね。そして六十二年度に十億一千八百万ありまして、これは約となっていますけれども、これを足したものよりもこの発注した契約金額、これの方が五千万円余り多いように思うんですが、これはどういうわけですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) お答えいたします。  御指摘のように、六十一年度予算のうち約十三億三千万、六十二年度に繰り越しておりますが、これは六十一年度単年度で歳出すべき予算として計上されたものでございます。それから、二番目の御指摘の十億一千八百万と申しますのは昭和六十二年度の歳出分の予算でございまして、昭和六十二年度予算としましては二カ年にわたる国庫債務負担行為の予算がございまして、これは合わせて二十七億二千百万、このうちに先ほど申し上げました十億一千八百万が含まれておるわけでございまして、六十二年度に契約できる金額としては二十七億二千百万ある、この中で先ほどの金額を契約したということでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それで、横浜防衛施設局が、先般いただいたこの資料のうちで、池子川のつけかえ及び調整池設置についての協議書というのを逗子市に送付したということなんですけれども、この協議は成立したんでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 御指摘のように、横浜防衛施設局は昨年十二月に池子川の改修等にかかわります河川協議書を逗子市長に提出しております。逗子市長は、事前協議がなされていないという理由で現在まで協議に応じておりませんので、この協議は成立しておりません。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 協議がまだ成立していないということですけれども、ここで念のために、建設省おいでになっていますでしょうか——一応確認しておきたいんですけれども、河川法の九十五条によりますと、国と河川管理者との協議は必ずやらなければならないというふうに考えてよろしいわけですね。

横田猛雄建設省河川局水政課長

○説明員(横田猛雄君) 河川法上協議を要することになっております河川工事につきましては、協議の成立が必要でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 この点はもちろん設施庁の方も十分御認識でいらっしゃいますね。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 池子川の改修それから調整池の設置にかかわりまして協議が必要だということは、十分認識しております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それで、もう一つ建設省にお伺いしておきたいんですけれども、この河川管理者というのはこの場合どなたで、河川管理者の役割というものはどういうものなのか、お聞かせいただきたいんです。

横田猛雄建設省河川局水政課長

○説明員(横田猛雄君) 池子川は二級河川田越川の末端に当たります河川ですが、逗子市が準用河川に指定をしておりまして、その管理者は逗子市長ということになっております。そして、河川管理者として河川法に基づきましてそれぞれの適切 な河川管理を行う、そういう義務がございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ここで、河川審議会というのをお持ちでいらっしゃいますね、建設省は。この河川審議会が五十六年の十二月十八日に河川環境管理のあり方という答申を出していらっしゃるんですけれども、この答申の趣旨といいますか、河川管理者のあるべき姿といいますか、それについてちょっと一言御説明いただきたいと思います。

角田直行建設省河川局河川計画課長

○説明員(角田直行君) 昭和五十六年十二月十八日付の河川審議会の答申でありますが、河川環境管理のあり方についていただいたものであります。その内容は、「河川環境管理は治水及び利水の管理と並んで国民生活上極めて重要な課題であ」り、「豊かで潤いのある河川環境の保全と創造に努め」ることが従来にも増して重要であるとの答申内容となっております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ところで、この答申書の中に流域という言葉が出てきますですね、河川の流域。流域というのはどういうものか、御説明いただきたいと思います。

角田直行建設省河川局河川計画課長

○説明員(角田直行君) 河川の流域と申しますのは、その河川へ降水が集まってまいります全地域を意味しております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そういたしますと、これも念のためですけれども、池子地区につきまして、この池子川の流域というのは今回の建設対象となるいわゆる計画地域、つまり丘の上の分水嶺から水が集まってくる今回の住宅を建てるために使う区域、そこになるというふうに考えられるんですが、その点についてはどうでしょうか。

角田直行建設省河川局河川計画課長

○説明員(角田直行君) 先生が今御発言ありました分水嶺を流域界というふうに理解してよろしいと思っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ですから、この答申はこういうことを言っています。河川管理の基本方針を確立すべきだと、こういうことを言っているんですね。この基本方針の確立の中で河川管理者がどういうことをすべきかといいますと、こういうふうに言っているわけです。「流域と河川環境とは密接な関連があるので、河川環境管理と流域における各種の施策とは相互に調整が行われて実施されなければならない。このため、河川管理者は、流域の特性及び河川環境に関連のある各種の施策を踏まえ、かつ、」——ちょっと中略しますけれども、「流域においても河川環境を適正に管理するうえで必要な施策が実施されるように、関係行政との調整に努める必要がある。」と、こういうふうに言っておりますね。これは、つまり直接河川を管理するだけということじゃなくて、流域について、つまり水の集まってくるその地域全体について必要な施策が実施されるように関係官庁と河川管理者は調整を努めるのが仕事だと、こういうふうに答申では言っておられるわけですね。私はまことにこれは審議会の見識のある御意見だと思っているわけです。建設省としてはこの答申は河川法に反映されているのか、あるいはこういう答申を尊重して行政をお進めになるのか、そういう点についてはいかがでしょうか。

横田猛雄建設省河川局水政課長

○説明員(横田猛雄君) 建設省といたしましては、五十六年の河川審議会の答申を受けまして、その後各種の事業を通じまして、治水及び利水機能の増進に加えまして潤いのある河川環境の創設ということで、各種の施策に努めておるところでございます。  法制度といたしましては、そのための施策のための一環としまして、潤いと触れ合いのある水辺環境の形成ということは市町村行政にかなりなじむということがありまして、一級河川のうちの知事管理区間それから二級河川の一部につきまして河川管理者との協議、つまり県知事ということになりますが、その協議に基づきまして市町村長が河川環境の整備事業等をみずから行うことができる、制度的にはそのような制度も昨年の法改正で整えたところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 また、この答申は、河川管理者が河川環境の管理に当たってその基本計画を策定するということを義務づけているわけですけれども、そのときにいろいろな都市計画など河川環境に密接な関連のある各種の施策との調整を図り、地域の意見を反映させることに努めるものとする、こういうふうにありますね。そうだといたしますと、逗子市長の河川管理者としての立場というのは、やはりこの地域では米軍住宅建設反対という地域の意見が非常にはっきりしているわけですから、市長が今回の対象区域における事業の可否というようなことも含めて、協議を今求めておられるということなんです。そういう協議を求めるのは市長としては当然だし、その任務であり義務であるんじゃないか、私はそう思うわけです。  それで、長官にこんなことを長々聞いていただきましたのは、逗子市長の立場というのは河川管理者の立場であると同時に市長の立場でありまして、やっぱりこれは今回対象となっている地域全般について逗子市長がいろいろな意見を言う、そういう河川管理の協議書をただぽんと一本お送りになっているんだけれども、そのことについて答えられないのは当然であって、もう少し全般的な協議を逆に求めておいでになるんですが、それについては市長として河川管理者として当然なんじゃないかというふうにどうしても私は思うわけなんです。防衛庁長官にお願いしたいのは、そういう市長としての立場というものを御理解いただきたいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 現在河川協議書を逗子市長に提出しているわけでございますけれども、現在計画しております河川の改修等の工事は、池子川のつけかえとそれから大規模な調整池を設置しようというものでございます。この調整池の設置につきましては、米軍施設を建設することに伴いまして流入する水の量がふえるということに加えまして、元来逗子市から要望がありました施設外の洪水対策にも十分配慮して規模を決めていると。この規模を決める過程におきましては、当然環境影響評価の手続を通じまして逗子市の意見も聞いておりますし、また県の河川の担当部署からいろいろ指導も受けているということを御理解いただきたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 私は、そういうのは結局河川管理の問題を非常に狭義に解釈していらっしゃるんじゃないか、川のつけかえと調整池の問題だけで逗子市長に答えを求めるというそのことに無理があるんじゃないかと申し上げているわけです。水がふえるからとおっしゃるけれども、それは丘の上の非常に大きく育った木というものをお切りになるから、だから下へ流れ落ちてくる水が急に増水するわけです。そういうこと全般についての考察がないと、市長としては大変困ると思うんです。私は長官にお願いしたいと思います。この協議書に対して逗子市がこれだけに対して答えられないというその立場をぜひ御理解いただきたい、そう思うわけでございます。  次に文化財についてお伺いしなければなりません。文化財につきましては文化庁の方にお伺いしたいんですが、神奈川県の教育委員会が昭和六十二年十二月十七日から六十三年二月十六日の間に建設事業計画区域内の文化財の分布調査をしたんです。文化庁にもその報告が届いていると思いますけれども、いかがでしょうか。もし届いていましたらば、どんなものがあったかその概要を御説明いただけるとありがたいんですが。

小林孝男文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(小林孝男君) ただいま先生がおっしゃいましたように、昨年の十二月からことしの二月にかけまして、神奈川県教育委員会が建設事業計画区域内におきます埋蔵文化財の分布調査を行っております。神奈川県教育委員会は一部小規模な試掘を伴います分布調査をしたわけでございますが、その結果、住宅建設予定区域約八六・八ヘクタールの地域内に、やぐらそれから横穴墓計三十五基、そのほかに古墳から奈良、平安時代に属します遺物の包含層が確認された、こういう報告を受けているところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 五十九年の一月に私がこの質問をしましたときには仲川やぐらというのが一カ所だけだったんですが、文化庁としてはその当時か ら他にもたくさんあるという予測をしておられました。こういう大変たくさんあるということがわかったんですが、この神奈川県教育委員会の資料で見ますと、遺物の包含層は平地部分の全面にわたって広がっていることが確認されたとこう書いてあるんですが、平地部分の全面とはどの部分を指すわけでしょうか。

小林孝男文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(小林孝男君) 遺物の包含層が平地部分全面にわたって広がっていることが確認されたということでございますが、これは尾根が幾つかございますけれども、その山の斜面地を除いた谷戸地の大半に広がっているようである、こういうような報告を受けているところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 済みません、谷戸地といいますと草の部分ですか。

小林孝男文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(小林孝男君) 平たい土地の部分ということでございます。尾根筋に入り組みました平らな地域ということでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ああ、そうですか。  そして、調査所見として「やぐら群などについては、事前の発掘調査が必要です。」、こういうふうに神奈川県の教育委員会の調査所見があるんですけれども、これは施設庁にお伺いすべきでしょうね。事前の発掘調査は行うわけでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 昨年分布調査を行った結果、御指摘のようなものが発見されたということは事実でございます。ことしの三月の上旬に神奈川県から横浜防衛施設局に対しまして、工事実施区域内にこれまで確認されていた十四基のほかにやぐらが三十三基確認された、これにつきましては工事実施前に所要の調査が必要であるという協力要請がございました。したがいまして、防衛施設庁といたしましては、神奈川県の要請に基づきまして調査をするべく、今必要な調整を行っているところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 事前調査はするということですね。  そして施設庁の御計画では、遺跡の地図台帳というのがあって、それに記載されていた仲川やぐら、これは一つだけ前からわかっていたものですね、それは戦前からわかっていたようなんですが、これについて記録保存ではなくて現状保存が計画されているということですが、それでよろしいわけですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) そのとおりでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そういたしますと、六十三年一月三十一日付でもって遺跡地図台帳に追加されました全国発見の遺跡については、当然記録保存ではなくて現状保存をすべきだと考えますけれども、これはどうでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 先ほど申し上げましたように、現在調査の実施について神奈川県と調整を行っているところでございますが、この文化財の保存の方法につきましては、今後関係機関と調整してまいりたいと考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 これは関係機関いうのは、当然県の教育委員会及び逗子市の教育委員会と協議するというふうに考えてよろしいですね。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) そのとおりでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それでは、私も神奈川県民だものですから、こういった非常に貴重なものをぜひ現状保存の方向でお願いしたいということを希望しておきます。  それから遺物の散布地及び遺物包含層等について、再び神奈川県の教育委員会の資料ですね、調査所見として、「遺物散布地及び遺物包含層等については、別添図の範囲を中心としてその具体的な範囲・性格等を確認する試掘調査が必要です。」という所見を出しております。この試掘調査はやられるわけでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 先ほどやぐらのことだけを申し上げましたけれども、今御指摘の点についても同様に調査を実施する予定でおります。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ところで、施設庁が今回契約なさいました事業の中に文化財調査支援工事というのがございますね。その文化財調査支援工事というのはどういうことをなさるのか、その内容を御説明ください。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) お尋ねの三月二十四日に契約いたしました池子文化財調査支援工事でございますが、これは文化財調査に係る掘削等の支援を主たる内容としている工事でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 支援というのはどういう意味かよくわかりませんのですが、それじゃ伺いますけれども、この調査は受注者が多田建設というふうになっています。この方たちは少なくとも遺跡調査の専門家ではないというふうに考えられますね。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) 池子米軍家族住宅建設事業におきます埋蔵文化財の調査につきましては、関係機関と調整をいたしましたところ、神奈川県立の埋蔵文化財センターが対応することになっておりまして、本件工事はこれを支援するために土の掘削などを主体とする土木工事でございまして、工事の規模内容を勘案いたしました結果、建設業者を契約相手方としたところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そのセンターは県の教育委員会が主体というふうに考えてよろしいわけですか。あくまで県教委の指示でやる、そういうことでよろしいですか。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) 工事の実施に当たりましては、埋蔵文化財センターの調査員の指示に従って調査に遺漏がないようにするように考えているところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 遺跡調査というのは、私も素人なんですけれども、よく伺いますと場合によって素手でもって土を除いたり、そういうような非常に綿密な調査が必要だというふうに伺っていますので、つまりシャベルローダーなどで土を掘るようなことというのは非常に少ないのだろうと思うんですね。ですから、この支援工事というのは一体何をなさるのかなと私は思ったんですけれども、むしろこの工事が調査をどんどん早くやるように促進する、そういう役割なんじゃないかなと思ったんですが、その程度、それはどうでしょう。そういうことはないんでしょうか。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) 先ほど来申し上げておりますように、本件工事の実施に当たりましては、文化財センターの調査員の指示に従ってやるように契約図書にも規定はしてございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 次に、シロウリガイのことについて伺いたいんですね。これは、この地域でシロウリガイというものの化石が発見されたんです。それで、このシロウリガイの化石について文化庁にお伺いしたいんですけれども、これはどういう意味合いがあるのか、そのことについて伺いたいと思いますのですが。

小林孝男文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(小林孝男君) シロウリガイにつきましては、地球の地殻変動におけるプレートの沈み込み現象が生じている地域に生息している生物ということで、最近学界等で非常に注目をされるようになった生物である、このように聞いております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 これが池子で発見されたということなんですが、このことは御存じでいらっしゃいますか。

小林孝男文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(小林孝男君) 神奈川県が環境アセスメント審査を進める過程で専門家に調査を依頼した報告書を読ませていただきまして、その中で、シロウリガイ化石が事業計画予定地の南縁部の丘陵の尾根筋に沿って点々と露出する凝灰質砂岩の中に数カ所で密集して含まれ、そのうち最も密集する地点においては厚さ及び幅とも約一メートルにわたって両殻を閉じた自棲群集が見られると、こういうような報告を承知しております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 今現在、これはどのように保存されているんでしょうか。

小林孝男文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(小林孝男君) 先ほど申しました神奈川県の教育委員会が十二月からことしの二月にかけまして埋蔵文化財の分布調査をした過程におきまして、このシロウリガイというものを特に調査対象にしての調査ではございませんけれども、県の担当者が現地でそれを確認した、こういうことは 聞いておりますが、現状はそのままになっておるのではないかと思っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 今おっしゃいましたように、シロウリガイは、ここの化石は非常にいい形で発見されているということなんですけれども、プレート移動説それから地震の関連で注目されているんですがね。これは、今おっしゃいましたように、日本国内だけではなくて世界的にも注目されているということなんですが、このシロウリガイが分布しているとか、現にあるのは日本だけのものなのかそれともほかにもあるのか、それから国内で化石が発見されているのはどこどこで発見されているのか、この逗子市内以外で、そのことについてもし御存じでしたらお願いします。

小林孝男文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(小林孝男君) シロウリガイにつきましては、これはいろいろの書物で私ども承知している限りのお答えになりますけれども、深海の海底の断層の割れ目等から流出する硫化水素等をエネルギー源といたしまして生息しているバクテリア等をえさとして生活しているものと推定されているものでございます。世界ではガラパゴス諸島の沖合の深海、それからフロリダやオレゴンなどアメリカの太平洋岸の深海などが知られておりまして、我が国では相模湾、初島沖、城ケ島沖のほか天竜川沖等の深海に生息していることが確認されたほか、小田原沖から伊豆半島、熱川の東方まで続く深海は生息しているものと推定される、こういうようなことを聞いております。  それからシロウリガイの化石のことでございますが、先ほど申しましたように、まだ十分解明されていない面が多い新しい研究分野でございますけれども、現在までのところ日本国内におけるシロウリガイの化石につきましては、三浦半島付近の逗子、鎌倉市等を中心といたしまして十カ所程度に存在が知られているわけでございます。なお、ごく最近愛知県の渥美半島でも一カ所発見されたと、こういうことを聞いておるところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 実は、逗子市に対しまして学者の方々からの要望書というのが提出されまして、私もその一部をいただいたんですけれども、これについてはこの面での専門家の先生が三人連署で要望していらっしゃるんです。  これは千葉大学の理学部生物学科の教授でいらっしゃる堀越先生、京都大学理学部地質学鉱物学科の学科主任教授の鎮西先生、東京大学海洋研究所大洋底構造質部門というところの主任教授の小林先生、このお三方なんですが、このシロウリガイは、今おっしゃいましたように、プレートテクトニクスの一つのこういうところに地球の割れ目があるというその証拠として、その月があればそこに地球のプレートの割れ目があるんだという水先案内の役割を果たしてきたということなんです。御存じのように、伊豆半島、相模湾のあたりというのは、太平洋プレートとフィリピン海プレートが重なり合って日本列島の下に沈んでいくという地域でございますから、現在でもそういう一つの科学的な関心が集まりまして、科学技術庁の「しんかい二〇〇〇」あるいは日仏共同研究によるフランスの潜水艇ノチールというようなものがこれを研究して、シロウリガイの群落を発見しているわけですけれども、そういう観点からどこの地点にどういうふうに散在するかということを、その地点とその地質というものをぜひ研究させてほしいという要望が来ておるわけですね。  私は、日本のような大地震の懸念される国におきましては、こういう研究がぜひ進められるということが非常に大事だと思いますので、こういった逗子市の池子地区の中あるいは外、あるいはもっとどのようなところに存在するかというその調査をぜひさせてあげていただきたいと思うんですが、施設庁の方はどういうふうにお考えでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) シロウリガイの化石につきましては、神奈川県の条例に基づきますアセス手続の中の審査書におきましても、このシロウリガイの化石について調査を行いその内容を明らかにするようにという指摘がなされているところでございます。これの取り扱いにつきましては、現在神奈川県と打ち合わせを行っておりますけれども、さらに調査が必要となれば適切な措置をとってまいりたいと考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それじゃ、その点はどうぞよろしくお願いいたします。  それから、逗子市としても市内の調査予算を少しばかりですが計上しているというふうに伺ったんです。それで、施設庁としては計画区域内のこういうシロウリガイなどを含む調査についてはどういう御方針なのか。また、県なり逗子市なりの調査要望があればそれに対応してやらせていくのか。一連の調査というようなものを許していただきたいと思いますのですけれども、この点もう一度はっきりと確認させていただけますか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 今の御質問は、計画区域内のことでございましたら、先ほど来申し上げておりますように、神奈川県が調査を実施されておりまして、これは随時逗子市の教育委員会とも連絡をとっておると承知しております。私どもはこれを支援するという立場でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それから、大変調査にこだわるようですけれども、今何しろこの工事の契約で工事をお始めになるわけですから、急ぎませんといけないわけです。それで、もう一つこの調査につきましてはあるんですね。それは、この遺跡の事前の発掘調査や試掘調査に当たって、遺跡や文化財の調査をこの建設の対象地域の外にある、池子の米軍の管理下にある土地についてもやりたいという強い希望があったと思うんですけれども、それがどういうわけか挫折しているらしいんです。その経緯を聞かせていただけますでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 池子の建設計画区域外での立入調査につきましては、昨年末神奈川県から横浜防衛施設局に対しまして、計画区域内の調査とあわせて計画区域外についても調査を行いたいという意向があったことは事実でございます。現段階におきましては、この調査につきまして米軍の同意が得られていないというのが実情でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 米軍の同意が得られないというのは、何か理由をお聞きになりましたか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 建設計画区域の中で文化財の調査が必要であるということは米軍もよく理解しているわけでございますが、それ以外の区域につきましては、現に米軍が管理し使用している土地であるということ、それから現状を変える計画がないということであると伺っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ただ、こういう調査はそんなに長くその土地に滞留するものでもないし、それから純学術的な意味で調査をするということであれば、そんなに米軍の妨げになるということでもないだろうと思うんですね。それだったら、もう一度強く折衝していただくということがあってもいいんじゃないかと私は思うんですね。どうでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 文化財の調査につきまして関係機関が調査が必要であるということでありましたら、米軍と調整することについてやぶさかではございません。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ぜひぜひお願いしたいと思うんですね。と申しますのは、実はもうそういう調査ができるものだとばっかり思い込んでいた方たちもありまして、そういう計画で日時まで決めてもう出動態勢にあったわけなんですね。ところが、突如としてそういうことにならなくなってしまって、しかもそれを断るような理由が少しもはっきりしないわけですから、こういうことでは私はやっぱり対応できることはしていただくということでぜひ御説得をお願いしたいと思いますし、また長官にもお願いしておきたいんです。これは純文化的な、そして遺跡とか文化財とかあるいはそういった科学的な調査なんですけれども、この池子というのはそういうわけで五十年間をほとんどもうオフリミットで来たものですから、その周辺はいろいろと調査を進めているんですけれども、この部分が空白になっているわけですね。空白部分をまあこの際今回の工事に関係があってもなくて も調査は必要だということを地元の人たちは前々から言ってそのお願いをしてきたわけでして、ひとつこのあたりの事情を御理解いただいて、施設庁は調整するのはやぶさかでないとおっしゃってくださっておりますから、長官からもひとつお力添えをお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) ただいま施設庁からいろいろ御答弁してまいっておりますが、私どもは誠意を持って文化財並びに埋蔵の文化財も含めまして、シロウリガイですか、も含めまして協力しながらやっていこう、こういうようなことでございますし、また緑の保全につきましても、先ほど申し上げましたように、でき得る限り地域との協力をしながらやってまいりたいと思っておりますので、さような努力を誠意を持ってやっておるわけでございます。よって、逗子市長にもこれらの経緯はよく御承知をいただいておることでございますから、さらに県当局も含めまして三者の話し合いがうまくいくような形で私どもの目的、さらにまた地域の方々の進めたいという仕事、これらを早く整理させていただけるとありがたい、かように思っておるわけでございまして、今ほど答弁にありましたように、私もできる限りのことは今後地域に対する協力はやらせていただきたい、かように考えておるものでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 よろしくお願いします。  ところで、今回契約をなさった工事につきましては、細かいことまでも契約があるんでしょうか。例えば場所を明示したり工事内容を明示したりという詳細な契約が既になされているわけでしょうか。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) 契約の状況でございますが、会計法などの規定に従いまして図面、仕様書等整備しての契約でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ただ実際問題として、少なくとも河川工事についての協議が成立していないわけでして、この協議が成立する前にいろいろなことを決めて契約するというのはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですがね、どうなんでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 冒頭長官から御答弁がありましたように、この池子米軍家族住宅の建設事業は日米安保条約の円滑な運用のために極めて重要な国の事業でございます。この事業の一環として池子川の改修などの工事があるわけでございますけれども、これは国の機関委任事務として逗子市長に管理がゆだねられている準用河川であるということで、河川協議を現在市長に対して行っているわけでございますが、こういう国の機関委任事務であるということから、いずれ協議は調うものということで今回の契約を行ったわけでございます。もちろん、この契約の中には河川協議に関係のない部分もありますので、これらの工事については実施ができるわけでございますが、河川協議につきましてはこの協議が調いますように今後努力していきたいと考えているわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 おっしゃることを伺いますと、結局この協議が調わない前には工事に着手しないというふうに理解してよろしいんですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 河川協議を必要とする部分につきましては、工事を発注した後におきましても協議の成立に努力していく考えでございます。協議が必じや成立するものと考えているわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ということは、逗子市長が要求しておりますようなこの事業全体の可否あるいはそれについての意見調整、それを含んで協議をなさるおつもりがあるということですね。そうでないと無理なんじゃありませんか、つけかえと調整池だけでは。というのは、河川管理者としての逗子市長の立場というものがあるわけですから。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 先ほども申し上げましたけれども、この池子米軍住宅建設事業工事の発注に至りますまで長い経緯がございました。神奈川県条例に基づきます環境アセスの手続の中でも逗子市長に十分この内容を説明し、意見も聞いております。それから、先ほど申し上げましたように、この河川つけかえ等の工事の中の調整池の部分というものは、そもそも逗子市から御要望があったものということもございます。さらに、昨年の春に神奈川県知事の調停案が出るまでの間、逗子市長との間では種々の協議を重ねてきた、その協議を重ねた結果、この河川工事の内容も逗子市長の要望に従って変更しているというような事実もあるわけでございます。私どもは既に御指摘のような協議は十分なされているものと考えておるわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 施設庁の側からごらんになるとそうなのかもわかりませんけれども、逗子市の方ではその前に調整池云々のお話で逗子市と協議をなさった時点から政変が起きているわけですよね。そして、逗子市民の過半数の意見によって米軍住宅を受け入れないということは極めて明確になっているわけでして、私はそれ以前のことを持ち出されても今市長としてはとても対応できないだろうと思いますし、またあくまでもそういう市民の意向との関連を考えながらお話し合いを進めていく以外にないんじゃないかと思うんです。長官、首を振っていらっしゃるんですけれども、何かございますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 先ほど来申し上げておりますとおり、池子におきましての米軍家族住宅建設というのは、日米安保体制の円滑な運用、こういう面から考えましても私どもはぜひ必要だということで取り組んでおるわけでございまして、その立地につきましても、言ってみますれば国有地といいますか、ほぼそういう地域を今進めてまいるにつきましては、緑の保全につきましてもよく配慮しなきゃならぬ、さらに地元の意見もよく調整してまいらなきゃならぬということ等で、今日まで時間をかけながら取り組んできておるわけでございます。さらにその後、埋蔵文化財等の問題もございまして、これらにつきましても十分対応していかなきゃならぬというようなことで取り組んでおるわけでございます。  よって、国のなすべきことまた地域が取り組むもの、そういったことがおのずからあるわけでございますから、逗子市の方々にもそういったことを御理解いただきたい。また、そういうことも踏まえて市長とも話をさせていただきたい。調整の問題につきましては、神奈川県当局にもいろいろ御苦労いただきまして、御承知のとおり当初の予定も随分変更いたしまして、神奈川県当局のごあっせんも得ながらやっておる仕事でございます。でありますから、私どもの目的といいますか、今の池子米軍家族住宅の建設問題は政変があってそれは別ですということの立場にお立ちになりまして御質問を受けますと、これは私も首を横に振るわけでございまして、これらのことをどう調整して進めるかということが今時間をかけ私どもが苦労しておる問題でございますので、ぜひ国際通の久保田先生にも、やはり日本の置かれた立場というものは十分御理解できるわけでございますから、池子の市長を初め皆さんにも御協力いただけるようなお力添えをいただきたいな、こういうことを念じておる次第でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 私も神奈川県民の一人なものですから、やっぱりこれはもうぜひ——いろいろ文化財等に配慮していただいているということはよくわかるんです。ただ、根本的に言いますと、私がこのことをしつこく申し上げていますのは、今工事が八つも発注されていましてもうすぐにも手がつく、そういう状態にありますから、何としてもこういった文化財、自然、こういったもので押さえるべきことを今お願いしておかなければ手おくれになってしまうと思うからなんです。  長官の今の御説明につきましては、私は根本的にはなぜ池子なのかというところが最後までどうしても解明されないと思うんです。なぜ池子でなければならないのか。一番神奈川県民としてこれは保存したいという、たまたま接収という状況の中で開発を免れたその森、なぜそこでなければいけないのか、ほかにできるじゃないかというのが市民の言い分だと思うんです。その点については もう本当にただの一度も施設庁が耳をおかしになったことはないんですよね。なぜそこが歩み寄れないかということなんです。しかし、今は当面の課題としましてもう一度確認をいたします。遺跡の発掘、試掘調査以前は工事は着工できない、するつもりはないというふうに考えてよろしゅうございますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 先ほど施設部長からも答弁をいたしておりますが、私どもは鋭意工事発注後も協議を進めてまいりたい、河川協議が調うように努力をしてまいる、こういうことでございまして、協議に直接関係のない部分につきましては関係機関と調整しつつ工事を進めさせていただきたい、かように考えておるわけでございます。いろいろまた神奈川県当局とも調整しなければならぬ問題があろうと思いますが、そういう面におきましても私どもは協議努力を一層進めさせていただきたいというふうに考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 さっき河川審議会の答申を引用いたしました。それによりますと、河川の管理というのは河川そのものの管理だけではなくて河川の流域を含む管理であるという、非常に今の環境を考え人間の生活を考えるという見地から御提言いただいているわけです。したがって、つまり逗子の池子の丘陵の分水嶺から水の流れてくるこっちといいますとこれは提供施設、いや提供施設というのは池子全部ですけれども、建設対象地域のこの内側全部になるわけなんですね。そこのところをわかっていただいて、私はやっぱりそれらのことについてぜひもう一度逗子市長と全般的なお話し合いの機会を持っていただくこと、これが一つです。  それからもう一つは、さっき学術調査をするときにその分水嶺を越えた向こう側の提供施設全般についての調査、それはやっぱり全般的にこの地域の調査をするにはあと残っている地域もやらせていただくというのが本筋だと思うんです。特に科学的な調査についてはそうだと思いますので、それを米軍と本当に詰めていただいて、そちらに学者の調査団が入れるようにしていただくこと、その二つを私はこの際ぜひお願いしたいと思うんです。そして、無理な工事の強行はしないでいただきたい、こう思いますけれども、もう一回長官の御答弁をお願いしたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) ぜひ久保田先生にも御理解をいただきたいと思っておりますのは、この池子の問題といいますのは私どもも自然、文化財を十分踏まえつつ、なおこの河川問題につきましても流域住民にとりまして、やはり河川でございますから生活にかかわり深いものでございますから、十分な配慮をして取り組んでまいらなきゃならぬということも心しておるわけでございますし、先ほど施設部長が申し上げましたように、私どもとして米軍の施設内でありましても学術研究ということであればもう一度努力をしてみよう、そういうような誠意を持って事に当たることをこの委員会で申し述べておるわけでございます。でありますから、これらの問題を踏まえて私どもは池子の住宅建設というものをテーブルの上にきちっとのせていただきながら相談を進めたいということを市長に対しましても呼びかけておるわけでございまして、市長にもぜひこうしたことに御協力いただくという姿勢を持って神奈川県が間に入る形で進められるといいと思っておるわけでございます。でありますから、ぜひこれらの経緯も踏まえながら私ども努力していくということを答弁とさせていただきたいと考えるものでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 あと一問だけできそうですので。  実は市民の方が心配していることが一つあるんです。それはこの工事が契約になって始まると、そうなってまず最初に池子の聖域内、彼らから見れば聖域内なんですが、そこに作業員宿舎がばたばた建つんじゃないか、どうもそうじゃないか、そういう心配があるんですが、その点はどうなんでしょうか。そんなことはないだろうと思いますけれども。

田原敬造防衛施設庁建設部長

○政府委員(田原敬造君) 建設工事を実施するに当たりましては、請負業者の現場事務所はこれは現場管理上ぜひ必要でございますので区域を限定いたしまして設置することといたしておりますけれども、請負業者の宿舎につきましては特に敷地内に必要ではないと考えておりますので、設置させないことにしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 結構です。  ありがとうございました。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十四分休憩      ─────・─────    午後二時一分開会

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和六十三年度総予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所管及び総理府所管のうち総理本府、日本学術会議、宮内庁、北方対策本部を除く総務庁、防衛本庁、防衛施設庁を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 最初に、OTHレーダーシステム並びにイージス艦に関連して御質問いたします。  御承知のように、昨年末INF廃止の協定が締結され、そしてまた今や戦略核の五〇%削減についていろいろと話が進められ始めておりますけれども、しかしながら、このINFの撤廃そのものについてもまだ数年を必要といたしますし、それから戦略核五〇%の削減云々につきましても、これは協定がどうなるかという見通しもなかなか難しいし、また仮に五〇%削減されてもこれは大きな脅威として依然として続いて残るわけであります。さらに、今のこの協定で扱われないその他のINFあるいはSNF、もっと戦術的ないろんな核兵器というものが残されておるわけでありまして、今後見通し得る将来長い間にわたって我々はこの脅威に対抗していかなきゃいけないということになるわけであります。  また一方で、これらのミサイルのCEPつまり命中精度が非常に向上してくることによりまして、特に千キロ以下あるいはさらに特に言えば五百キロ以下のミサイルというのは非常にその精度が向上いたしまして、したがって通常弾頭で使われる確率が非常に高くなってきている。これは現在既にイラン、イラクの間で戦われておる現実を見ても、あれは古い型でCEPは新しい型に比べれば非常に大きい方でございますけれども、通常弾頭で三百数十キロの射程でもって戦われておるというようなことであり、そしてまた一般的に核兵器に対する依存度が下がってくれば下がってくるほど、通常兵器に対するあるいは通常弾頭に対する依存度が高くなってくる、こういうようなことでございます。したがいまして、我々は世界に展開されておる特に極東に展開されておるソ連のこういうミサイル類、特に戦術ミサイルあるいはSNFの範疇に入るミサイル、あるいはさらにINFで今回の対象になっていないようなINFについて十分警戒を必要とするわけでありますが、最初に、極東ソ連軍においてはこういうミサイル類を陸上、水中あるいは水上、空中発射のものをどの程度どういうふうに保有しておるか、その数量あるいは性能の概要を承りたいと思います。

小野寺龍二防衛庁参事官

○政府委員(小野寺龍二君) ソ連は極東におきまして、核非核両用のものを含め多様な核戦力を配備しております。その概要につきまして、非戦略核の兵器について御説明いたしたいと思います。  まず第一に、INF全廃条約の対象になっておりますのはSS20、SS12、SS23の各兵器でございますが、この対象になっておりますもの以下の、すなわち射程五百キロメーター以下のものにつきましては、フロッグそれからSS1スカッド等が核弾頭が使用されているものでございます。そのほかに核大砲ですね、砲が極東においても配備されていると見られております。  それから海上及び水中発射の核戦力につきましては、射程約四百五十キロメーター以上のSSN 12それからSSN19といったような非常に高性能の対艦ミサイル、これは艦上ないし水中発射のミサイルでございますけれども、が極東の艦隊に配備されております。これらはキエフ級空母、それからキーロフ級原子力ミサイル巡洋艦、あるいはエコーII型潜水艦等に配備されております。  空中発射の核戦力につきましては、射程三百キロ以上の空対地ミサイルといたしまして、これは主として対艦ミサイルでございますが、AS4を搭載しておりますTU22Mバックファイア、これは約八十五機配備されていると見られております。そのほかには射程二百五十キロないし五百六十キロの、これまた空対地ミサイルでございますけれども、AS6を搭載いたしておりますTU比でございますね、バジャーC改型やバジャーG改型がございます。さらにそれに加えまして、戦闘機の中でミグ27フロッガーそれからSU24フェンサー等は、これは核爆弾を搭載可能な兵器でございます。  以上が非戦略核搭載可能のソ連の兵器というふうに見ております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 今御説明がありましたように、かなりの数かついろんな種類の大変に防御しにくいバリスティックミサイルないしはクルージングミサイルを多数保有しており、かつ核非核両用のものが多くなってきておるわけであります。したがいまして、これに対する防御能力を持つこと、そしてそれによって抑止力を構築するということ、これは極めて重大な段階に入っておるわけでありまして、かつてのごとく我が周辺にこういうようなものが配備されることなく、せいぜい短い空中発射のASM等に対するものないしは海上発射のSSMに対する防御を考えていればよかった時代と変わりまして、経空脅威に対する防御能力というのは我が国の安全保障、防衛にとって極めて重大なものになっておるわけであります。  しかも防御能力そのものを同盟国であるアメリカに依存するということはなかなか難しいことでありまして、防御能力は少なくもみずから持たなきゃいけないと思われるわけでありますが、現在我が国が保有しておるこういう兵器に対する防御の能力、あるいは防御能力を有する兵器体系の状況はどうなっておりましょうか。そしてまた、これを現在の中期防衛力整備計画ではどのように改善しようとしておるのでしょうか、承りたいと思います。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 今の先生のお尋ねには核非核両用の話がありましたが、御承知のように我が防衛力というのは通常兵力による戦闘に備えるものということで、核防御についてはアメリカの抑止力に期待をするということで考えております。  しかしながら、先生も御指摘があったように、ミサイルについて従来から比べると命中精度が非常に上がってきた。従来CEPで言えば二、三百メートルであったものが、今後数十メートルというところまで命中精度が上がってくるということになりますと、非核のかなり長距離を飛ぶミサイルというものが有効になってくる。例えば非核のミサイルで艦艇を攻撃する、あるいはレーダーサイトのようなピンポイントを攻撃することが可能になってくるということで、この種経空脅威が非常に増大しつつあるということは事実であります。これに対応するために現在既に装備しつつあるものとしましては、御承知のように、防空兵器体系としては従来以上に機動運用が可能であり独立戦闘能力のあるF15に戦闘機をかえていくということもございますし、さらにより前方でこれに対応するために早期警戒機等を整備するといった従来の装備の延長線上にあるものもございます。  一方、艦艇等について言いましても、例えばCIWSのような対ミサイル機銃といいますか、そういった搭載機器を考えるということも引き続きやっておるわけでございますが、どうしてもそういったより遠方からのスタンドオフ攻撃と申しますか、ミサイルによるスタンドオフ攻撃に備えるためには、より早い時点で相手の動静というものをキャッチしこれに対応していくことが必要であろうということで、中期計画におきましても、御承知のようにOTHレーダーといったものについてこの有用性を研究しようということになっており、その研究の成果によっては整備に着手するようになっておりますが、本件につきましてはやはり早期警戒探知という意味で非常に有用なものである、かなり広い範囲について精度はともあれ比較的安いコストで探知し得る機材としてOTHレーダーが有用であるという見当はついておりますが、さて設置をするということになるとかなり大がかりな土地が必要なものですから、なお調査が必要であるというのが現状であります。  一方、ミサイル攻撃に対する終末の防御手段として、特に艦艇につきましては対ミサイルミサイルというものをどうしても考えなくちゃいけないということでありまして、先般来これまた洋上防空研究の一環として艦艇に搭載するミサイルシステムの研究を続けておりましたけれども、現状のターターミサイルでは十分な対応措置がとれないということで、より精度の高いイージスシステムが適当であろうということで、これも中期防の計画に基づいて機種選定をし現在予算をお願い申し上げておるというところであります。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 ミサイルによる攻撃に対して弱いところの例を、目標となるようなものについて若干の御説明がありましたけれども、その中で一つ重要なものを忘れていたというか、我が航空基地ですね、我が航空基地がミサイル攻撃を受けるとこれは非常に痛いことでありまして、我が航空基地は開戦と同時に使えなくなる、今のままでは。そういうような可能性についても考えておかなきゃならないほどこのミサイルに対する防御というのは重大ではないか、私はそういうふうに感じておるものであります。  なお、今御説明がありましたOTHレーダーあるいはイージス艦等のシステムについて考えますと、OTHレーダーは御説明がありましたように全般的に一般の早期警戒に任ずると、単にミサイルだけではなくて一般の航空機あるいはさらには艦艇の動き等も、あるいは状況によっては陸上の大部隊の動き等もある程度捕捉できるのではないかと思われますけれども、しかし同時に、やはりミサイルの動きをその精度は低くても早期に発見して警報を発するということは極めて大事であり、そしてまたこのOTHレーダーシステムとEW機、あるいは陸地のあるいは艦船に搭載する防空レーダーシステムとが連携をしてこの対ミサイル防御の情報システムを構成するということは極めて重要なことであると思います。  さらにまた、イージス艦は一般的には洋上において護衛艦隊の防空でありますとか、あるいは洋上におけるヘリの行動等を対空防護するというような目的に主としてアメリカ等では使われておるわけでありますけれども、これも本艦が持っている能力によって本土の要域の防空にも参加させることができる極めて有効な対ミサイル防御システムではないかというふうに思うわけでありますが、そういう観点から見たOTHレーダーシステムないしはイージス艦の現在把握しておられる性能諸元等をお教えいただければと思います。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) OTHレーダーにつきましてはまだ我々としても十分性能等把握していない点がございますが、御承知のように、これは設置しておりますところから一千キロぐらい離れたところから三千キロぐらいのところまでの間がドーナツ型に見えるというものでありまして、一基置くことによって約六十度ぐらいの角度が見えるというものであります。航空機あるいは艦船等をドップラー効果によって発見をするというたぐいのものでございまして、それがどの程度のミサイル、クルージングミサイルのままで見えるのか、あるいは地上の今先生の御指摘になった大部隊等の移動についてまで探知できるかどうかということについては、まだ正確にわかっていない部分がございます。いずれにしましても、こういった広域の早期探知能力を持つことによって我が方の対応手段というものが多様化できるということで、非常に重要なものであろうというふうに考え ております。  一方、イージス艦でございますが、これは現在のターターシステムと比較して申し上げますと、まずリアクションタイムが非常に早いということでありまして、現在のターターに比べまして二分の一以下にリアクションタイムが短縮されるということでございます。それともう一つは、同時に対処可能な目標数が非常に増大するということでありまして、ターターシステムが数目標に対して十目標以上ということで、数倍の対処能力を持っておるということであります。さらに、ミサイルの射程そのものがターターに比べまして五倍以上延びるということで、それらを全部組み合わせますと同時多目標に対して対応できる。さらに、最初の防御ミサイルを発射してこれが命中しなかった場合二の矢三の矢が撃てるということで、対ミサイル性能としては格段に向上するというものであるというように考えております。そのほか、相手方のジャミングと申しますか、電子妨害等に対して非常に強いというようなすぐれた点が多々あるわけでございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 御説明のように、OTHレーダーあるいはイージス、まだ不明確なところはありますけれども、今後の検討によってはかなり有用なものであるということが明確になってくると期待されます。いずれにしろ、先ほどからるる繰り返して申し上げておりますように、ミサイルに対する防御というのは我が国の立ち上がりにおいて極めて重大な防御システムを構成するものであり、そしてこれが有効な能力であることが抑止力の極めて重大な要素になってきたことは間違いないと思います。したがいまして、こういうことに関連いたしまして、今後このミサイル防御についてどういうふうな御決意で研究を推進され、また将来構想についての御指導をなさるか、長官の御見解を承りたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 永野先生、大変深い御見識のもとでの御質問でございまして、航空機の航続距離の増大あるいはまた射程の長いミサイルの出現、近年の経空脅威というのは質的に大きな変化をいたしておるわけでございますし、これらの出現に対しまして有効に対応するということが我が国の防衛にとって重要な問題である、かように認識をいたしておるわけでございます。よって、我が国は従来から防衛力整備に当たりましては、諸外国の技術的水準の動向に的確に対応し得るようその質的な充実向上、質の問題に配意をいたしまして基本的に進めてまいっておるところでございますが、今後ともミサイル攻撃に対する防御のあり方も含めまして、質の高い効率的な防衛力の整備に努めることが大切であると、かように考えます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 どうかその御決意で重大な防御について研究並びにその構想の指導をやっていただきたいと思います。  ここで、時間がありませんのでいろんなことをつけ加えるわけにはいきませんけれども、一つだけ私の見方をつけ加えさせていただきたいと思いますけれども、イージス艦そのものはアメリカの兵器として開発され装備されてきておるものでありますが、我々は何もアメリカの使い方と同じような使い方をする必要はないのでありまして、アメリカが本土の防空についてイージス艦をどうのこうのというような使い方というのはまず考えられない。もっと別な大きなシステムでやるのが妥当であろうし、現在そういうふうにやっていると思いますけれども、我々は非常に人口の密集した地域を持っておりますし、それからまた海峡という重大なボトルネックを持っているわけですが、こういうところのミサイル防御にはこういうイージス艦がちょうど艦隊の上に防空の、対ミサイル防御の網を張るのと同じような効果を持つことが予測されるわけであります。これはもちろん今後いろいろと御検討を願わなきゃいけないと思いますが、そういうことも御考慮の上、必要なものは必要なものとして今後装備を図っていただきたいと希望を申し上げておきます。  次に、問題を変えまして有事来援研究について承りたいと思います。  有事に米軍がタイムリーに日本に到着するということ、それから日本に到着後も一〇〇%直ちに戦力が発揮できるような態勢ができておるということは、日米安保体制を確実にしそしてまたそれによる抑止力を極めて有効に作用させるためのこれも非常に重要なファクターであると思うわけであります。また、特に最近米国の前方展開戦略が、あるいはその若干肩がわりといいますか、米国の能力そのものは後ろに下げて、改めてそれを機動展開するというような変形的な前方展開戦略に変わる可能性も出てきておるやに見受けるわけでありまして、そういう意味からも、有事来援のその戦力をどういうふうに受け入れどういうふうにこれをタイムリーにそしてまた一〇〇%に使うかということは極めて重要な問題であると思います。したがいまして、先回の長官の訪米に際してこの問題についてどういう討議がなされたかということはよく存じませんけれども、とにかく議題として討議されたということは非常に有意義なことであったと思います。  そこで最初に承りたいのは、現在までのガイドラインに基づくケーススタディーで一体有事来援についてはどの程度のところまで研究ができておるのか。今後さらにたくさん詰めなきゃいけない問題が残っているんだろうと思いますが、どういうものが残っているかということと、それからそれをチェックするための参考として、例えば西独でありますとか隣の韓国でありますとか、そういう国は有事来援についてポンカスを含めまして米国との間にどういう項目について協定をつくったりあるいはMOUをつくったり、あるいはさらに具体的な準備をやっているか、簡単に御説明をお願いいたします。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 有事来援の問題は、御承知のように従来もう数年間にわたって作戦計画研究というのをやっておりまして、その一環のものであります。作戦計画研究の細部を申し上げることはお許しいただきたいんですが、要は作戦様相によりまして、例えば航空部隊について言いますと、戦闘当初においてかなりの航空攻撃というものが予想される、そういうことで我が方の航空勢力、防空勢力というものは急激に減衰をするということになります。これをみずからの力で補てんするということはなかなか難しゅうございますので、どうしても早期に米側の来援を得てこれを補てんをしなくちゃいけない、しかる後に我が方もまた力をつけるというようなことになりますので、かなり早い時期に航空部隊の来援が要るだろう。  一方、同様に作戦初期におきまして、既にもう洋上に展開をされている潜水艦部隊というものがかなり海上交通破壊等を行うだろう。そういったものがワンサイクル終わって母港に敵方の潜水艦が帰りますと、次はまた海峡等を通らなくちゃいけないということでいろんな困難があるわけでございますけれども、当初展開しておる段階で対潜作戦をやるということになりますと、何せ広い海域でありますから、我が方も精いっぱい対潜作戦やるわけでございますけれども、米側にもそれなりにやってもらう必要があるということで、艦艇部隊等の作戦が当然必要になるということだろうと思います。さらに言えば、着上陸が行われれば陸軍部隊の来援ということも必要になってくるということであります。  現在までの作戦計画では、それら我が方が来てほしいなと思う来援部隊については、米側がこの種部隊についてはこの時期に送れるだろうというような一つの仮定を置いてやっておりますが、実際それが可能であるかどうかということを詰めたこともございませんし、それ自身我々が十分だと必ずしも思っているわけでもございませんが、そういった問題を中心により研究を深めまして、現在仮置きしておるそういった来援計画というものが妥当なものであるかどうか、妥当で必ずしもない、我が期待と若干ずれがあるとすれば、その原因となるものはどういうところにあるのかという点を十分究明しなくちゃいけない。  その理由としては、米側自身の来援余力といいますか、そういった問題もあろうと思いますし、我が方の受け入れ条件ということもあるかもしれませんし、場合によっては輸送の問題等もあるかもしれない。そういった来援上のネックになっておる問題というものを洗い出してみる必要がある。それによってそれを解決する道があるかもしれないということを研究してみようというのが今回の研究の主たるテーマであります。その結果として、何らかの手を打つことによってより我が方の期待するような来援が可能になるということでありますと、それに応じた施策というものも必要になってこようかと思いますが、その施策の内容によっては、今先生お尋ねのように、特別な協定が要るとかあるいは法制的な措置が要るとかということもあろうかとも思いますけれども、現在のところまだそこまでは中身が詰まっていないというのが実情であります。  お尋ねのように、西独その他NATO諸国なり韓国等で一部有事のホスト・ネーション・サポートの協定等ができておるようでありますが、内容的に見ますと現在の地位協定でできるものもあれば特段の手当ての要らないものもあるし、物によっては例えば仮に陸軍部隊のポンカスのような装備品の事前集積を行うということになればこの管理をどうするか、それを日本側が負担をするというようなことになればそのための新たな協定等が要るということも考えられるわけでありますが、それらはこれからどの種の部隊の来援が我々にとって望ましいか、そのためには何をしなくちゃいけないかということが十分詰まった後の問題であろうかなというように考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 現在までに行われておりますところの有事来援研究というものが極めて初期的なものであり、これからいろいろと詰めていかなきゃいけないということはよくわかります。しかも、有事来援に関する研究は作戦面の研究もありますし、それからまたロジスティックス、兵たん、後方面の研究もありますし、そしてさらにもっと具体的な平時、有事両方にわたるそれぞれのホスト・ネーション・サポートを具体的にこれから決めていかなきゃいけない、あるいはまた、時にはそれをさらに協定化していかなきゃいけない、そういうようなことだと思います。  いずれにしろ、最初に私が申し上げましたように、我々が同盟関係を本当に確立してその有効な抑止力を作用させるための極めて有力な要素、重大な要素が、有事来援をどういうふうに受け入れどういうふうに有効にするかということだと思います。しかも、今申し上げましたいろんなやらなきゃいけないことがまだたくさん残っておるわけでありますが、どうかこの研究を遠慮することなく、我が国の今言ったような重大な意義を持つことに照らして、着実にお進めいただきたいと思います。この件につきまして、長官の御決意を承りたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 有事来援研究でございますが、有事におけるホスト・ネーション・サポートを含めまして、日米の相互支援の問題は重要であるということは言をまたないわけでございますが、指針におきましても各種の研究を行った後相互支援に関する研究、これを行うこととしておるわけでございます。こうした研究が私は実り多いものとして進められるということを期待しておるわけでございます。当委員会並びに衆参両院の予算委員会におきましても、有事来援問題、米軍の来援が確実かつ時宜を得て行われるか否か、このことが日米安保体制が有効に機能するかどうかの核心である、かようなこともお答えをしてまいった経緯もございまして、有事来援研究はこれから取り組む研究といたしまして大切な研究でありその実を上げてもらいたい、かような期待をすると同時に、私も最大限の努力をいたしたいと考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 時間が参りましたので、あとの質疑事項についてはこれを省略させていただきます。  今の有事来援研究について、私の観察ないしは要望について申し上げたいと思いますけれども、とにかく有事来援研究についてもともとのガイダンスに基づくケーススタディから始まりましたのは、大体五十年代の初期といいますか、中期から始まっておるわけでありまして、既に十年はたっているわけでありますが、十年たってもこういうものが必ずしも十分には研究が進められてない。いろいろな努力をなされていることは結構でありますけれども、私は、時間的に言えばもうこういうものはかなり進んだ研究になっておるべきである、こう感じておる者の一人であります。したがいまして、これがいろいろと具体化され研究が進み、そしてできれば隣の韓国でありますとかあるいは西独等に見られるがごとく、日本に必要な日米間の協定もつくられ、またよく問題にされますところの有事法制の研究につきましても、もちろん有事法制をすぐどうこうするということではなくて、日本の自衛隊を動かすための有事法制の研究の上に本件についてもそれにのせていくような準備がなされておるべきである、そのくらいに急ぐのが本当ではないかと思っておりますことをつけ加えまして、私の質問を終わらせていただきます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それでは、長官並びに防衛局長にお尋ねします。  長官の新年の辞というのがありますね。「防衛アンテナ」に載っております。その前の栗原長官のごあいさつなんかも載っております。最近そういういろんなごあいさつを見てみますと、我が国の防衛力という問題につきまして質量ともに大綱の水準に達していない、したがって大綱の水準に達するまでしっかり頑張らなくてはいけない、そういうような意図のことが述べられているわけです。そういうことでここ数年、政府のいろんなその他の予算がゼロシーリングの中でも、防衛予算だけはずっと突出をしてきたわけであります。私どもは、防衛力の歯どめというのはやはりGNP一%の枠というのが、防衛力に対してまた防衛予算に対してあるいは自衛隊に対して国民がどう理解をするか、そういうふうな意味で大変な役割を果たしてきた、こういうふうに思っているわけでありますが、この一%の枠も破棄をされたわけであります。  そういうふうにいたしましてこれから一体どういうふうになっていくのかという点、さらには大綱水準という問題を頭に入れまして、大綱が策定された以降の各年度の防衛力整備の状況をずっと検討してみますと、確かに数の面では例えば作戦用の航空機等はこれは一時減少をしたことがあります。しかしながら、実際それの中身を検討してみるとまたちょっと違うと私は思うんです。そういうふうにずっと検討してみますと、現在の日本の防衛力というのがやはり相当落ち込んでいる、まだ水準に達していない、そういうふうに宣伝するのは宣伝し過ぎじゃないか、そういうふうに私は思うんですけれども、こういう点を含めまして最近の日本の防衛力の状況、これを大体どういうふうにお考えなのか、初めにお伺いしておきたいと思います。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 先生の御質問にありましたように、大綱策定当時の基本的な認識というのは、数量的にはあるところまで達しておるんじゃないか、あとは質的な改善というものを中心に考えていいのではないかというのが基本的な考え方でありました。また現在もそう変わっておらないわけでございますが、要は、今先生のお話にもありましたように、大綱策定当時までの防衛力整備というのはゼロから始まってどんどん増勢をしてきたということで、例えば戦闘機等をつくるにしましてもほかの装備にしましてもある時期にまとめてつくった、こういう傾向があります。  しかし、それは増勢時期でありますので次から次に増勢のいろんなものが出てまいりますから、それなりに全体としては平準的な伸びで進んできたということでありましたけれども、ただいま申し上げたように、大綱策定時期になりますと、もう数量的には一つの段階まで来ておる、あとは質的転換だということになりますと、以後つくって いくものについては船なり航空機が耐用命数が来て除籍をする、退役をするというときにそれに見合った数字を直ちにつくるということになりますと、ある年は非常にたくさんの航空機なり船をつくる、そして次の年はほとんどゼロになってしまうというような非常にでこぼこの整備をしなくてはいけないということになります。したがいまして、大綱策定後艦艇なりそれから戦闘機等で急激に耐用命数が来るものが幾つかあったわけでございますけれども、それをある程度平準的に毎年同じぐらいの量をつくっていこうということで、少し長い目で見て数量維持をしていこうというような政策をとりましたので一時的に落ちるものが先行した。例えば戦闘機であるとかあるいは固定翼対潜機であるとか艦艇等について、一時的に非常な落ち込みがありました。それは御理解いただけると思います。逐次そういったものを回復して現在大綱水準に向かって整備が進みつつあるという状況になっております。  そして、先生御指摘のように、大綱を策定した当時も単にその当時持っておった航空機なり艦艇をそのままつくりかえればいいということではなくて、その当時既に航空機について言えばF15クラスのものに置きかえなくちゃいけない、固定翼対潜機で言えばP2JからP3Cクラスのものにかえるという前提で、機数も百二十数機の固定翼対潜機を百機ぐらいのものに置きかえていくということで、ほぼすべてのものが現在装備しつつあるものと同水準の近代化されたものを置くという前提で考えておりますので、質的に向上しておることは事実でありますけれども、これは当時から見通しておった軍事技術の進歩というものに対応したものであるというようにお考えいただきたいと思います。  そこで、現在それでは大綱水準に対してどうなっておるかということでございますが、このまま五カ年計画というものが順調に実施できるという前提に立ちますと、私の見るところ例えばFSXについての整備が、これは開発する都合等もございましてこの問題については依然として穴があいたままでありますけれども、それ以外のものについてはほぼ大綱水準というものに近づいていく、近いものができ上がるのではないかというように考えております。なお、大綱後十年たちましてさらに将来の軍事技術の趨勢等を見ますと、先ほど永野先生の方からも御質問がありましたミサイル等の進歩に伴う経空脅威、そういったものに対応するための質的向上というものをどう加味していくかというようなことがなお相対的に改善しなくちゃならぬ部分は残ると思いますが、先ほど申したように、大綱水準について言えば既成の戦闘機部隊が一番大きな穴として残っている以外は、おおむね順調に進んでおるというようにお考えいただきたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 ということは、私はきょうはいろんなことをお伺いしたいのでありますが、時間の関係もありますから端的にお伺いをいたします。この大綱策定直後の五十二年当時、ただいま局長もおっしゃいましたように数の面では一応、これは「規模的には、」というふうに書いてありますが、「すでに目標とするところとほぼ同水準にある」、こういう記述もあるわけですから、今おっしゃいましたように例えば要撃戦闘機の場合は104からF4、そしてF4からF15というふうにかわっていくわけですから、だんだん性能のいいものになっている。機数は全体としては減ってきたにしても私は性能の面ではそんなに落ちてないんじゃないかと思いますし、また対潜哨戒機の問題も、これは今お話がございましたようにP2JからP3Cというふうにかわってきておるわけですから、数そのものの問題だけではなしに能力という点からいきますと、これはもう私は当時の能力とは比較にならないほど大変な向上をしている、そういうふうに思うわけです。  そこで私がお伺いしたいのは、防衛庁は我が国の防衛力が少なくとも一度でも過去の防衛力より今落ち込んでいると、要するに五十一年の防衛力より五十二年は落ち込んだ、五十二年より五十三年は落ち込んだ、そんなことは——私はずっとこれ実はいろんな面から全部検討してみたんです。確かに数がダウンして減っておる部分もありますけれども、実質上は落ち込んだという認識は防衛庁は一回も持ったことないんじゃないか。まずこれはどうですか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 防衛機能全般を細かく細分をしてある機能だけに着目した場合に、瞬間的にある年度だけ落ちたというものはないわけではないと思いますが、正直申し上げて私は能力的には全般の防衛能力というのは上がってきているというように考えております。絶対的な能力について言えば。ただ、何度も申し上げておりますように、防衛能力というのはある意味で相対的な面があるということも御理解いただきたいと思います。それは量的な問題だけではなくて質的に、例えば周辺諸国の航空機というものが第一世代からもう既に第三世代、第四世代のものにほとんど移りつつあるという状況というものをやはり踏まえて考えないといけない。したがって、私が申し上げておるのは、やはり質量ともに相対的に見まして限定的な小規模侵略に対応できるものという相対的な能力水準を維持することが重要でございますので、単に絶対的に上がっておればいいということではないということを十分御理解をいただきたいと思う次第であります。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いや、局長のおっしゃることはよくわかります。それはそうだろうと思います。絶対的なものが上がったからそれでよしとするわけじゃなしに、やっぱり相対的だろうと私も思うんですが、今局長がおっしゃった答弁の中のいわゆる周辺諸国というのは、どこを頭の中に入れておっしゃっているわけですか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 我が国周辺でどこの国を仮想敵国としていくとかそういうことじゃございませんが、我が国に対して侵攻能力があるという客観的な能力を持っておる国ということになると、やはりソ連が中心になると思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それは後ほど詳細にやりますけれども、周辺諸国というと何となく二つ三つ以上ようけあるような気がするんですけれども、私の手元でも周辺諸国、いわゆる諸国ですな、ソ連以外の国も全部調べてみました。持っている陸軍、海軍、空軍それぞれの能力等も全部詳細に調べてみましたが、今おっしゃるようにソ連しかありません、実際。ですから、周辺諸国じゃなしにソ連なんですよ、早う言うたら。  その点は別にしまして、その点を頭に入れてずっと検討してまいりますと、大綱策定当時の防衛力と六十三年度の予算で達成される防衛力というものを比較いたしますと、私が先ほどから申し上げておりますように、例えば陸上自衛隊の場合は大綱の中身には戦車が何両とかいうのはないわけですよ。けれども、大綱策定当時の戦車を持っていた数の面で言いますと、これは数は多少違うかもしれませんが私の調査した範囲によりますと、陸上自衛隊の戦車が七百九十両ですね。それが六十三年度の予算で達成されるのは千二百両。これはもう数もふえていますが、内容的にもうんと充実しているわけです。それから装甲車も六百三十七両から八百五両、自走砲も七十六両から三百両、これはいずれも数量性能ともにふえているわけですね。  さらには海上自衛隊の対潜水上艦艇の数ですが、これは総数で六十一隻と六十隻でほぼ同じなんですけれども、当時は護衛艦が四十九隻、うちミサイル装備艦が五隻、それと小型の駆潜艇十二隻。そういうふうな構成から現在では護衛艦が六十隻、うちミサイル装備艦が三十隻。実質的に数量、性能ともにこれは増大しているわけですね。それから対潜哨戒機、これは数量からいきますと百十四機から八十一機に減っているわけですね。しかしながら、当時はP2Vが九機、P2Jが八十機、S2Fというのが二十五機。これが現在はP2Jが六機、P3Cが七十五機。これは機数でこそ減っておりますが、性能の面からいきますともう大変な拡大である、そういうふうに私たちは見ているわけです。  最後に航空自衛隊の要撃戦闘機ですけれども、総数が当時二百八十二機。内訳はF104Jが百六十三機、F4EJが百十九機。それが今度は二百五十一機。機数では確かにこれも減っていますね。F4が百六機、F15が百四十五機、こういうふうになりますが、これも性能的な面を見ますと、当時の104とは比べ物にならないほど能力は私は向上していると、こういうふうに見るわけです。こういうふうに見てまいりますと、中期防の完成時にはより一層質の面でも——今までは質の面が落ちているそれで数量の面も落ちている、こういう国会での答弁もありましたしいろいろありましたが、こういうように一つ一つ検討してまいりますと我が国の防衛能力というのは質量ともに相当なところまで来ている。  先般の予算委員会で私はアーミテージさんの発言を取り上げて質問をいたしましたが、あのアーミテージさんの発言を見ましても、西太平洋、インド洋をカバーしている第七艦隊が持っている対潜機よりも海上自衛隊が持っている対潜機の方がうんと多いと。あの演説の中には二十三機と書いていましたが、この間の答弁では二十七機とおっしゃっている。その持っている対潜機の数と比べてみましても相当なものです。こういうふうに見てまいりますと、現在の自衛隊が大綱水準にまだ達していないから一生懸命頑張らないかんというお話というのは、これは防衛庁長官、まあ細かい数字はいいとしましても、私はやっぱりそういう点にも十分配慮をしながらこれからの防衛予算というのは考えていくべきじゃないかなと。日本の防衛力というのが相当なところまで来ているという御認識があるかどうか、そういう点率直な御意見をお伺いしておきたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) ただいま防衛局長と先生との質疑を伺いながら、歴史的に見ましても我が国の防衛力整備につきまして大綱に基づく整備をしながら今日に至っておる間、あるものにつきましては量の問題よりも質へ変化しておるものもありましょうし、また古くなったものにつきましてはその対応をしていかなきゃならぬという問題もございますが、私は大綱の求める水準に達したものもあればまたこれから取り組んでいかなきゃならぬ課題もあろうかと思うわけでございます。周辺国のことももちろんこれは頭に置いておかなきゃならぬことでありましょうし、さらに国際的な技術水準というものも描いておかなきゃならぬことでありましょうし、近年の経空脅威の質的変化というようなことにも格別留意する必要があると思うわけでございまして、一部を除いておおむね達成し得ておるとかように考えるものでございますが、なおこれは歴史はとまっておるわけではございませんので、それに対してどう対応していくかという課題は依然としてあると、かように思うわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣、大臣のおっしゃることはわからぬでもないんですけれども、大綱水準に早く達したいといういろんな発言というのは、逆に言えば大綱水準にまだまだ達していないから要するに防衛予算もふやさないといけないんだと、こういうふうになるわけです。そうじゃなくて、もう既に大綱水準にほぼ近いところまで来ておるという私は認識を持っているわけです。しかしながら、長官の答弁を聞いておりますと、今三つほどのことを言いました。一つは、大綱水準というのは一体何なんだと。具体的に数の面と質の面と両方あるわけですけれども、それを詳細に検討して、それでこれをきちっと装備したらもうこれで完成。一つずつ検討しなきゃいけない、本当は。我々きちっとわかればいいわけです。ところが、今の大臣の御答弁を聞いておりますと、例えば周辺諸国のことも頭に入れてと、こうおっしゃっているわけです。それから国際的な技術水準も考えてと、こうおっしゃっているわけです。また、経空脅威が質的に変化をしてきたからとおっしゃるわけです。  そうすると、絶えず相手は変わっておるわけですよ。相手の変わっておるものに合わせて大綱水準というのがあるとすれば、大綱水準はいつまでたっても達成できぬわけですよね。そうでしょう、大臣。相手がぽっぽぽっぽ変わっていくわけですから、それに合わせて大綱大準もぽっぽぽっぽ質的なりいろんな変化をしなきゃいかぬわけですから。そうなってくると、大綱水準というのはこれはもう本当にどうしようもないものですな。そういう感じになってくるわけです。ですからこれは非常に大きな問題でもあるし、この大綱水準達成というのは非常に——前の栗原長官は大綱水準を達成するというのは一つの大きな歯どめだともおっしゃいましたが、歯どめなんというものじゃないという感じが私はするわけです。この点はひとつ後ほど御答弁いただきたいと思います。  それで、もう一つ重ねてお伺いしておきたいんですが、これは西廣局長にお願いしたい。防衛力整備、質量ともに今一生懸命整備を進めているわけでありますが、今までのいろんな過去の答弁の中でいつも出てくる言葉の中でアジアの近隣諸国、アジアというあれは別にしましても、近隣諸国に対して脅威を与えないような防衛力の整備ということがしょっちゅう言われてきたわけです。それは具体的にどういう言い方をしたかというのはあえてきょうはここで言いませんが、もう一つの言い方をいたしますと、我が国は他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないと、こういうふうな発言の中身もあります。ここにいっぱい書き出してきてあるんですがもう言いませんが、そういうように説明してまいりますと、本当に現在の日本の防衛力の現状というのが、要するに近隣諸国に対して脅威とならないための歯どめ、そういうようなものは何か考えていらっしゃるのかどうか、あるいはまたそこまで達していないのかどうか、そこら辺のお考えについてはいかがでしょうか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 幾つかのお尋ねがありましたが、最後の点はおきまして、まず大綱水準ということでございます。まさに先生のおっしゃるとおり、軍事力というものには相対性がありますので、固定したラインというものがないということは率直に申し上げざるを得ない。しかるがゆえにこそ、大綱策定当時も水準という言葉を使わせていただいたわけであります。正直に申し上げて、例えば先生が幾つか例に挙げられました陸上自衛隊の個々の装備でございますけれども、確かに戦車が六百数十両から千両までになっているとかいろいろふえております。しかし、実を申しますと、陸上自衛隊の師団編成の骨幹というものは昭和三十五年に決められたと。これは今からもう三十年近く前でございますが、その当時十三個師団体制というものができ、そして師団は甲の師団は六十両の戦車を持つ、乙の師団であれば四十五両の戦車を持つということで、総数として千百数十両の戦車が必要であるというカタログはもうできておったわけであります。  しかし、カタログだけできてその充足ができないままに何十年か推移をして、現在ようやくそのカタログどおりのものができつつあるということでありまして、その三十年間の間にさらにいろんな面で各国の軍事技術の進歩があった。戦車だけについて申し上げても、戦車砲の口径が九十ミリから百二十数ミリまでふえてきておる、あるいは自走砲がふえたとかもろもろのことがあって、その種の近代化をしませんとかつて日本の通常の師団が火力指数で言えばソ連の師団の二分の一ぐらいの能力があったものが、火力指数だけを比べれば現在三分の一以下に落ちてしまっておるという状況になりますと、それでは同じ師団をさらに数多くつくるのかというとそれはなかなか難しい問題でありまして、やはり装備の質の向上を図らないと対応できないという状況にあるという相対的な面が非常に大きいという点については、御理解を賜りたいと思うわけであります。  そこで、他国に脅威を与えないという問題でございますが、これはもともとが憲法の基本的な理念に従ったものでありまして、我々としてはいわゆる攻撃性の高い装備をまず持たない、戦略攻撃力を持たない、非常に抑止効果の高い軍備を持たないという点がまず最大のポイントであろうと思 います。そのために、戦略・戦術核はもちろんとして戦略爆撃機であるとかあるいは攻撃型の空母を持たないとか、その種の点は厳格にした防衛力整備を行っておるわけでございます。それ以外につきましても、個々の部隊を精査していただきますとわかりますように、例えば我が陸上自衛隊について言いますと、これは外征軍たり得ないような編成になっておるわけでございます。国土内において戦うからこそもろもろの後方支援機能については国の中の例えば病院であるとかその他すべてそういったものに依存しながらようよう戦える戦闘部隊、一線部隊だけで編成されている。これが仮に外征軍になろうと思いますと、現在の一個師団というものはそれに数倍する後方部隊というものを備えないとそういったものになり得ないということになります。  さらに言えば、海上部隊にしても航空部隊にしてもそうでございますが、一つの完結した部隊勢力たり得ないような形になっております。例えば対潜能力については私はかなり高い水準にあるものと考えておりますけれども、これが外征をしてある国を攻撃するということになりますと、それなりのエアカバーも要れば航空攻撃力も要る。その種のもろもろの機能を兼ね備えて初めて一つの戦闘行動が行え他国を攻撃できることになるわけでございますが、そういったことをやろうとしましても非常にかたわなといいますか、まさに専守防衛の形につくり上げられた部隊編成であるということは御理解をいただきたいと思うわけであります。そういったことを十分精査した上で現在の大綱なり大綱に基づく防衛態勢はできているんだと、決して現在の日本が持っております防衛力をもって他国を侵略するというようなことは考えられない、そういった部隊編成になっておりかつそれぞれの兵器、装備品等の選択も行われておるということを御理解賜りたいと思うわけであります。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 局長、一つは脅威を与えない、そういうふうな態勢になっておる、そうおっしゃいますが、それは近隣諸国の中でソビエトだけを見て言えば、ソビエトは日本の装備やいろんな今のあれを見てそう脅威ではないかもしれませんね。あなたがおっしゃったように、日本を侵略する可能性を持っている国というのはそこしかないわけですから。しかしながら、近隣諸国というのはあそことは違うわけですよ。具体的に言いますと、中国とか北朝鮮とか韓国とかフィリピンとかインドネシアとかタイとか、そういうふうな近隣諸国があるわけですよ、これね。例えばこういう近隣諸国の主要装備、陸海空に合わせてどういうものを持ってますか、防衛局長大体概要を説明してください。

小野寺龍二防衛庁参事官

○政府委員(小野寺龍二君) 今たくさんの国を委員挙げられまして、ちょっと全部がカバーできますかどうかあれでございますけれども、東南アジアの方から始めさせていただきますと、例えばタイですと陸軍が十六万六千人、海軍が……

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 装備だけでいい、装備だけで。

小野寺龍二防衛庁参事官

○政府委員(小野寺龍二君) どういう装備を持っているかということでございますか。タイでございますと、例えば戦車ですと中型戦車を持っております。海軍につきましてはフリゲート艦を六隻持っております。空軍につきましては、作戦機が百九十機と申しておりますけれども、これは主として要撃戦闘機でございます。  インドネシアにつきましては、陸軍が二十一万ございます。海軍はフリゲート艦を十二隻、潜水艦を二隻持っております。空軍につきましては、作戦機百機でございますけれども、最近F16を数機調達するということを決定いたしております。  フィリピンにつきましては、陸軍六万二千でございます。海軍はフリゲート艦を三隻持っております。空軍は作戦機が五十機でございます。  韓国につきましては、陸軍五十四万。これは戦車は大型戦車を自主開発を今始めているところでございます。海軍につきましては、大体駆逐艦、フリゲート艦のたぐいのものが二十隻ございます。空軍につきましては、作戦機が四百機。これはF4でございます。  北朝鮮でございますけれども、陸軍七十五万。戦車につきましては、ソ連製の大型戦車ないしそれのライセンス生産をしたもの、T52型のようなものを持っております。海軍につきましては、護衛艦クラスが二隻、潜水艦が十九隻というふうに見られております。作戦機につきましては、七百四十機ございますけれども、そのうち最近ではソ連からミグ23、スホーイの25というような新しい戦闘機の装備を始めております。  中国につきましては、陸軍二百三十万でございます。これは兵器としては大型戦車等すべて備えているわけでございますけれども、性能については必ずしも最新式のものではないというふうに見られております。海軍につきましては、駆逐艦クラスを最大として駆逐艦等が五十五隻、潜水艦が百十五隻ございます。そのうち原子力潜水艦が七隻、現在海上発射ミサイル搭載の潜水艦の試験を行っている最中でございます。空軍につきましては、作戦機が六千二百機ございます。これは爆撃機から戦闘機、爆撃機についてはかなり旧式のソ連の爆撃機を模倣したような形のものを備えております。戦闘機につきましては、大体ソ連のミグ21程度のものを持っております。    〔委員長退席、理事岩本政光君着席〕 最近それを改良しつつ輸出するような能力をつけてきております。中国につきましてはそのほかにICBM、それからIRBMすなわち戦術ミサイルといったようなものも持っております。  以上でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 参事官、私手元にみんなあるんですわ、これね。要するに今いろいろおっしゃっていますが、一番装備が充実しているであろうと思われる国は韓国じゃないかと私は思うんですけれども、例えば韓国にいたしましてもその中身を見ますと、本当にこれ日本の海上自衛隊の装備の状況から見ましても、例えば対潜機一つ比べてみましても韓国が使っている対潜機というのはS2AFというやつですよね。これはもう日本では四次防の当時使って、昭和五十一年当時で終わった対潜機ですよね。そういうものでございますし、そのほかF4ファントムが六十五機ありますね。これが四百機の中身からいきますと日本で今使っているものと対応できるようなものじゃないかなと私は思うんですけれども、そのほかの国はこれは説明のしようがないほど少ない、また能力的に見ても比較にならないようなものじゃないかなと私は思うんです。そういうふうな国々から日本の自衛隊の能力や装備を見ますと、これは要するに脅威にならないなんて言えるかどうか。これはそういうふうに思う方がおかしいのであって、向こうの方から見れば、新聞やテレビやいろんなところで報道されておりますように、やはり日本の防衛力がどんどんふえていくということについてはそれなりの不信を持っているし不安を持っている。総理も軍事大国にならないとは言いながらそこら辺のところに不安を感じたとこうおっしゃっておりましたが、その点はやはり我々としてはそういう点に十分配慮しながらこの整備を進めていかなきゃならないんじゃないか、こう思いますが、いかがですか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 先生のおっしゃる趣旨は十分わかりまして、やはり周辺のアジア諸国その他に日本の防衛体制というものを十分御理解いただくということが大事だと思いますが、正直申し上げて、軍事力、防衛力というものはそれぞれの国の国力、国情等に応じてあるものでありまして、その力というものの比べ方が非常に難しいわけであります。オリンピックのようにどこかにそれぞれの軍隊が出かけていって勝負をするということじゃございませんで、それぞれの国のあるがままの形でどうやって守るかということでありますので、なかなか比較が難しい。例えば、私どもよく人に聞かれるわけでございますけれども、端的に言って日本と韓国とどちらが強いんだと、こういうことを聞かれることがございます。なかなか返事が難しいわけでございますが、私は常に仮に韓国が日本に攻めてきたら一〇〇%日本は勝て ると思います、日本が攻めていったら一〇〇%負けると思いますというお答えをしているわけでございます。それを聞いてがっかりされる方もありますし安心される方もございますけれども、本来防衛力というのはそういうものであろうというふうに私は考えております。  それはやはり防衛力の中身というものを十分御理解いただくことによってわかっていただけるものでありますので、我々としても今後とも周辺諸国の方々にもそういった日本の防衛態勢のありようというものを十分に御説明し、御理解いただくことが大事であろうということは常々思っておりますし、今後もそういった点に力を入れたいというふうに考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それではちょっと質問を変えまして、大綱の問題についてお伺いしたいと思います。  この大綱の位置づけ、これは非常に大事だと私は思うんですが、大綱というのはつまり必要最小限度の防衛力の水準を確保するためにつくられているわけでありますね。その一方で、我が国の防衛力の量的限界、そういうふうに言われたこともあるわけです。そこで、この大綱をどういうふうに位置づけておられるのか、これを一遍、言わずもがなの質問で申しわけないんですが、改めてお伺いしておきたいと思います。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) これはもう先生十分御承知のことでありますし、御説明すれば非常に長い話でありますので、幾つかの特徴点だけ申し上げたいと思います。  やはり大綱というのは、現在といいますか、大綱策定当時、そしてまたその基本的な情勢というのは変わってないと私どもは思いますけれども、そういった状況を踏まえた、日本としての平時から持つべき防衛力の水準というものを示したものだというように考えております。その基本的な条件と申しますのは、東西間を中心にした力の均衡といいますか、これは核抑止も含めて軍事力をもって直ちに現状を変更するといったようなことを非常にしにくい状況がグローバルな意味ではもう出現しておる。しかしながら、個々の地域を見れば紛争というものは引き続き続いておるということで、力の空白があるということはそれ自身がやはり国際的な安定、地域の安定を乱すものであるというような基本認識に立ちまして、日本として、日本自身がこの東アジアにおいて力の空白にならないように、そして日米安保体制というものを基調にしながら日本自身に対する侵略というものに対してすき間のない一つの防衛態勢というものが確立できるというぎりぎりの線をねらったものであるというふうに考えております。  そして、具体的な防衛力の量等につきましては、まず平時態勢、平時態勢と申しますのは平時における警戒監視というものが二十四時間三百六十五日すき間なく一応できる態勢をとる、そしてそういうことをしながら必要な人員なりの養成訓練というものが恒常的に行えるようにするだけの量がなくてはいけない。と同時に、そういった防衛力は日米安保と相まって専守防衛部分について各種機能について欠落のないものにしたい。あるものについては非常にでき上がっておるけれどもある攻め方をされると穴だらけであるというようなことがないような、一応むらのない基盤的なものにしたいというようなことからつくり上げられたものでありまして、そういったもので平時態勢を組んでしかも教育訓練が可能な量というものを前提にして、次に直接侵略事態、それがまさに限定的小規模事態でございますが、そういった状況のシミュレーションをやってみて、相当の抵抗力があるかどうかという検証をしたわけであります。  つまり、そういった小規模事態に対して一〇〇%勝つとかそこまでは我々は求めておりませんで、少なくとも七〇%、八〇%の力はあって抑止効果としてかなりの力が発揮し得るだけのものであるかどうか、あるいは二、三〇%しかなくて抑止効果としてほとんど期待できないものかどうかという検証をした結果が、この大綱にある装備の量なりあるいは自衛隊の態勢なりに結びついておるわけでございます。  そういう点、量的な一つの限界であることもまた事実でありますが、それらとあわせてさらにより現実的なことを申し上げますと、我が防衛力を整備していく場合にいろんな面の障害がございます。先生のおっしゃられているお金の問題等もございますけれども、さらに我々にとって非常に大きな障害となっておりますのは、やはり完全志願制の自衛隊としましては人員の確保ということが非常に重要であります。これがそうやたらに部隊数をふやせない一つの大きなネックになっております。もう一つは基地の獲得であります。航空機を買うことはできますけれども、航空機を配備する航空基地をふやしていくということは非常に困難な状況にあります。そういったことを考えたいろいろな総合的な結果として、現在の大綱の物の考え方なり、そして別表にある数量というものが決まっておるというように御理解をいただきたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これは大臣にお答えいただきたいんですが、栗原長官は、先ほどもちょっと申し上げましたが、一%枠を撤廃するときに、この委員会でもそうですが、私どもに対しまして、たとえ一%の枠を撤廃しても我が国の防衛力整備の基本には大綱がある、一%枠を突破しても大綱があるから我が国は軍事大国にはならないんだ、そういうふうに答弁をしておられましたし、大綱そのものがいわゆる歯どめになるから大丈夫だ、こういう発言をたびたびしておられました。したがって、大綱水準達成後もこの大綱をがっちり維持していく旨の発言もしておられますね。そうしますと、私は、瓦長官は大綱についてはどういうふうにお考えなのか、これを一遍お伺いしておきたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 峯山先生の本日の質疑応答を伺いながら、日本の防衛力整備の根幹を整備していく大事な問題でございまして、先ほど以来深く傾聴を実はいたしておったところでございますが、先ほど以来の質疑にありますとおり、日本には憲法がありますし、そしてこれほどの高密度社会をつくりながら資源を各国に求めていかなければなりませんし、ましてや日本の防衛力整備というのは他国に脅威を与えるようなものであってはならぬ、私はかように考えるわけでございます。また一方におきまして、主権国家として平時から保有すべき防衛力の整備というのは図ってまいらなきゃならぬことは当然でございます。そういう意味合いにおきまして、侵略を未然に防止する節度ある防衛力整備を図りつつ、また一方におきましては安保体制を大切にする、かようなことを基本に置きながら、この大綱が目指しております指針といいますか、そうしたものは極めて重要である、大切にしてまいらなきゃならぬ、国際情勢が大きく揺れ動いて変化が起こるというようなことでありますれば、またそれはさような問題も考えてまいらなきゃならぬことがあろうと思いますが、私は大綱というのは指針として重要な意味合いを持っておるという認識で取り組んでまいりたいと考えております。    〔理事岩本政光君退席、委員長着席〕

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣、そういうような中にありましてもやはり依然として、今国会でもそうでありますが、大綱見直し論というのが出てくるわけですね。新聞報道なんかにもいろんなところでそういう問題が出ております。したがって、大綱の見直しという問題について防衛庁としてどういうふうにお考えになっているかということも、これお伺いしておきたいと思います。それで、これはわざわざ私が言うことではないんですが、かつて大綱見直しをする際の条件ということで答弁があったことがあります。その答弁の中身を資料を調べてみますと、一つは国際情勢の変化、それからもう一つは国内諸情勢の動向、そして三番目が大綱の達成状況、この三点を挙げて、その三点の動向によっていわゆる大綱見直しをする、そういうふうに御答弁になったことがあるわけでありますが、現時点では大綱見直しをするときの条件はどうい うふうにお考えになっていらっしゃるか。今するとかしないというのは別にして、お考え御答弁をいただいておきたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) ただいまも申し上げましたが、大綱が前提とする国際情勢等に変化がない限り、私は大綱の基本的枠組みを見直す必要はない、このように考えておるものでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 今大臣一つしかおっしゃいませんでしたが、そのほかの条件はないんですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) よって、目下のところ大綱というものを変更する必要はないということでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣、今までは国際情勢の変化と国内の諸情勢の動向というのと、それから大綱の達成状況というのが昭和五十五年十月二十四日の答弁の中にあるわけですね。ところが、今大臣は国際情勢の変化という点一点を挙げておられますが、そうすると大綱の見直しというのは国際情勢の変化があれば見直しをするのであって、国内情勢とかそのほかの問題は問題にしないということなのかどうか。これは大事なことですから、やっぱりきちっとお伺いしておきたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 将来もし防衛計画の大綱を見直すことがあるとすれば、国際情勢の変化、国内諸情勢の動向、大綱の達成状況等を勘案することになるであろうと。国際情勢の変化というのは、そのときどきの国際情勢を総合的に判断するということになりますのであらかじめ申し上げることは困難でありますが、現在におきましては国際情勢の基本的な変化はない、かように考えておるものでございますし、また国内諸情勢の動向につきましても、私は今大綱見直しをするというそういう課題、問題というものが存しておるというぐあいには考えないものでございますし、また大綱の達成状況、これも先ほど以来いろいろ議論のあるところでございますが、この大綱の達成状況は私は別表によりましても、量の問題はともかくとして、質の問題につきましてなお努力しなければならぬ問題を抱えておるわけでございますので、大綱を今見直しをするというようなことは必要はない、こういうぐあいに考えておるわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 わかりました。私は質量ともにほぼ満足するところまで来ておると思っておるわけですが、まあ結構です。  そこで、あと二つこの点に関連をしてお伺いしておきます。一つはかつての条件、今大臣三つおっしゃいましたが、そういうような点から見ましても現在の時点では大綱を何ら見直しする必然性はない、私はこういうふうに思うんです。この点に対しては先ほど御答弁がございましたが、改めてこの点は確認をしておきたいと思うんです。  それからもう一点は、とはいいましてもそれでも大綱の見直し論というのはくすぶっているわけです。何でくすぶっているかといいますと、一つは大綱策定後もう十年もたっておる、十年もたって国際情勢やなんやかんやが全く変わっていないなんということはないぞというのが一つあるんです、実際問題として。それからもう一つは、基盤的防衛力構想というのは改めるべきだとか、あるいは国際情勢の見方が甘過ぎるんじゃないかとか、あるいは兵器の数量をもうちょっとふやした方がいいことないかとかいろいろありまして、この見直し論というのはいろんなところに出てくるわけです、その都度。そういうふうなことがございますので、そういうふうな情勢の中でも現在の時点では大綱は見直しはするべきではないと私は思うんですが、あわせて御答弁いただきたいと思います。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 見直しの件については後ほど防衛庁長官からお答え申し上げると思いますが、いろいろな点で大綱について御批判なりあるいは見直し論というのがあるということは私どもも存じております。  先ほど先生も申され防衛庁長官もお答えしたように三つの条件というのが挙がっておりますが、これは端的に申し上げまして大きく言えば二つの話だろうと思います。一つは国際情勢の推移いかん、もう一つは国内情勢。国内情勢と申しますのは、いろんな大綱達成とかそういったこともありましょうし、あるいは大綱の物の考え方そのものに対する御意見もあるわけでございまして、そういった点が変化してきた場合という意味であろうと思いますが、いずれにしましても大綱策定当時からこの考え方というものはある意味で世界でも類を見ないぐらい画期的であったのではないかと思います。そういう意味で、両面からいろいろな御批判があります。こういったことでは国が守れないのではないかという御批判もあれば、これではなおかつまだ多いのではないかという御批判もあるわけで、それが引き続き今も続いておるというのが実情であろうと思います。  しかしながら、我々としては少なくとも現状ではっきり大綱の基本的な考え方そのものが間違っているんだというような考えに変わるだけの十分な説得力のある意見というものは伺っていないというのが現状でありますので、今後とも大綱策定以来いろんな御意見、御批判のあることは承知しておりますが、やはり我々としては大綱の物の考え方というものを堅持していくのがいいのではないかというように考えておる次第であります。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 私は、大綱そのものは不磨の大典というぐあいには考えないわけでございますが、先ほど以来の議論を踏まえて我々はこの大綱の目指すものを大切にしながら、また時によりまして状況が変化を生ずるということであれば、その問題についてまた心配をしてまいらなけりゃならぬ。いろいろINF後の国際情勢の変化等を踏まえながら、さらに変化の時代ではないかというような声も重なって伺うわけでございますが、我が国は先ほど以来の議論で申し上げておりますとおり他国に脅威を与えるような防衛力整備を行っていくものではございませんし、また一層通常戦力が重要な意味を持つということになれば、この問題にも配意をよくしておかなきゃならぬなというようなことも考えるわけでございますが、私は、世界の動静、動向につきましては我が国は臆病なくらいに慎重にやっぱり取り組んでまいる、そのような姿勢であるべきだと思いますから、目下のところ大綱を変更するというような考え方は持たないわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 余りしつこいことはもう言いませんけれども、いよいよことしは中期防の三年目ですからあと二年で中期防は終わるわけでありまして、ポスト中期防についても当然私はこの大綱の精神というのはがっちり守っていくべきだと思うんですが、この点についてはどうですか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) ポスト中期防については、中期防というものをつくるつくらないということを含めてこれから政府部内で御論議いただくことになるわけでございますけれども、我々としてはその種中期の政府の計画というものが欲しいという気持ちはございます。ただ、内容的にはこれから具体的に検討していくわけでございますが、いずれにしましても、先ほど来防衛庁長官がお答え申し上げているように、基本的な状況の変化というものは少なくとも現在はない、ない限り大綱の基本的な枠組みを変えるつもりはないということで考えてまいりたいと思っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大綱に絡んでもう一点だけお伺いして、時間がございませんから私の質問を終わりたいと思うんです。  大綱の問題で今議論してきたわけでありますが、私は我が国はやっぱりアジアの一員であるということを忘れてはいかぬと思うんですね、実際問題として。ところが、いつも私が不思議に思うのは、防衛問題を議論するということになりますといつも、例えば防衛費の問題とかGNP一%の問題とかそういうふうな問題になりますと、すぐ政府があるいは防衛庁が比較するのは先進西欧諸国ですわ。全部そこと比較するわけです。そして、日本の防衛力は決して強大ではありません、こう言うわけです。日本はアジアに位置しておるわけですから、私はやっぱりそこのことをちゃんと考えないといけないんじゃないか。アジアの諸国は一体日本に対してどう考えているのか。  アジア諸国の皆さん方が日本に対して、日本は経済大国なんだからアジアの全体の平和を守るために日本が防衛力をしっかり増強してちゃんとやってくれと言っているのならまた話は別ですけれども、そうでもないのに西欧諸国と比較してぐんぐん防衛予算をふやしていくというのはどうも私納得できない。実は、もう時間がございませんから言っちゃいますけれども、防衛予算というのが例えばアジア諸国はどういうふうになっているのか。これは「ミリタリー・バランス」によって調べてみますと、例えば非常に大きいであろうと思われる中国でさえ五四・七億ドル、北朝鮮が・四十四億ドル、韓国は五十一億ドル、フィリピン・が五億ドル、インドネシアが十三・三億ドル、タイが十五億ドル、こういうふうになっていますね。これは一番新しい数字です。ミリタリー・バランスの八七—八八年版です。その同じ年代で見ますと、日本は二百四十億ドルです。これはもうこの金額を見ただけでうわっという感じを受けると私は思うんです。  ですからそこら辺のところはやっぱり、新聞にも書いてありますし、軍事大国にならないとか脅威を与えないとか、いや脅威じゃないんだとかいろんなことは言っておりますけれども、そういうところに十分配慮をしながら防衛予算というものを編成していかないといけない。私は何も防衛予算をゼロにせいなんて言っているわけじゃない。やはり必要なところは必要、締まるところは締まる。一%の枠というのは私どもが——総理はこの間も初めに一%ありきじゃないんだと。確かにそのとおりかもしれません。しかしながら、やっぱり一%というのは年度予算でがっちり縛るわけですから、それなりに絞るところは絞らないといけないわけですね。そういう点から考えてみますと、防衛予算というのはやっぱり諸外国に対して心配をかけないような防衛予算でなくちゃいかぬと、私はそう思うわけです。最後に大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わりたい。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 大臣がお答えになる前にちょっとお答え申し上げますが、確かにアジア諸国に対して我々もっと目を向けなくちゃいけないという御意見には十分私どももそれを参考にしなくちゃいかぬと思っておりますが、御承知のように、防衛力と申しますのはその国の置かれた戦略的な地位あるいは国力なり国情、そういったものにやはり対応したものじゃなくちゃいけないということは先ほど来申し上げている点であります。そういう点で、日本が西側先進諸国の一員としていろいろ行動しているということもございますし、日本自身の東アジアにおける戦略的な価値というものも十分認識したものでなくちゃいかぬということもまた事実であります。  一方、我が国がとっております日米安保体制、アメリカとの安全保障条約における体制の中で日本が行動している、その枠組みの中にあるということがある意味ではまた東南アジアを含めたアジア諸国が日本の行動というものについて安心をしている一つのゆえんでもあるというように私どもは考えておるわけでございます。そういったことをもろもろ含めまして、また日本が戦後数十年にわたって平和を維持できたということも含めまして、現在日本がとっておる防衛体制というものはそれなりに日本に適合したものであるというように私ども考えておりますので、その点御理解を賜りたいと思う次第であります。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 我が国の国防の基本方針は、国際協調等平和への努力を推進すると、これをうたっておるわけでございますし、また民生安定等による安全保障基盤を確立してまいるというようなこともうたっておるわけでございまして、また近隣国、ASEAN等に対しましても日本の防衛努力というのを理解していただくという努力はしなければならぬことでございますが、総じて日本がいろいろ貢献してまいらなきゃならぬ道もあろうと思うわけでございます。  また一方、日本は我々が外から見ても背筋のぴしっとしておる国だと、あの国は我々を侵すような国ではないというようなことで信頼を得ることもまた大切でございまして、節度ある防衛力整備といいますか、計画的にこれらを進めていくということ、そしてまた憲法を擁してこの日本はシビリアンコントロールが生かされる立派な議会を持っておるというようなことが、私は周辺諸国にまた尊敬を受ける道を開くものだと思っておるわけでございまして、まさにそういう意味合いにおきまして、議会におきましてのこうした議論というものは、近隣諸国は何よりもここに着目をして私は日本の防衛力整備が節度あるものだというぐあいに評価していただけるものだと、これまたかように考えるわけでございます。今後とも厳しく防衛力整備につきましては心を砕きながら取り組んでまいりたいと思っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 どうもありがとうございました。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私は、質問に先立って一言申し上げます。  防衛施設庁長官がきょうの内閣委員会に欠席であることがけさの理事会で突然報告されました。昨日私は防衛施設庁に対する質問レク、夕方は質問通告を行い、そのときはこの件について何も触れられておりませんでした。きょうは予算委員会の委嘱審査日であり、この日程は一週間以上前に決められているものであります。国会重視の立場からはきょうの欠席は到底認められません。また、けさになってそのように言ってくることは、国会の審議権というものをどう見ているのか、強い疑問を禁じ得ません。今後はこのようなことの絶対にないようにしていただきたいということをまず最初に申し上げます。  質問に入りますが、官房長官がお急ぎのようですので育児休業制度についてまず伺います。  働く婦人が大変ふえてきており、とりわけ既婚婦人の占める割合が、昭和五十年が六二%であったものが六十年には六八%と七割にも及び、今後ともこれは増加の傾向にあります。婦人の労働力が日本経済においてますます重要性を増してきております。労働省の婦人労働の実態では、女子の高学歴化とともに勤務年数の長期化、結婚、出産、育児により退職する婦人の減少が報告されております。育児休業は十三年前に国公立の女子教員、看護婦、保母などを対象にして実施されましたが、これらの職種の対象者の育児休暇の取得状況についてどうなっていますか。労働省お見えですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 育児休業法の対象については現在数字を持っておりませんが、これ後ほど御報告をさせていただきたいと存じます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 通告はしておいたはずなんです。八割の婦人が取得しておりまして、大変高い取得率だと思います。出産後も働き続けたい婦人にとって育児休業が制度としてあるということは大変利用したいということのあらわれだと思いますが、民間の育児休業を実施している事業所はどれぐらいになっていますか、過去の数字との比較でお答えください。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 労働省の調査では一部官公部門が含まれておるわけでございますけれども、従業員三十人以上の事業所で一四・六%となっております。このうち官公部門を除きますと一割を切っておるのではないかと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 育児休業奨励金の支給実績はどうなっていますか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 育児休業奨励金の支給実績でございますが、徐々に支給件数はふえておりまして、昭和六十年度が二百五件、六十一年度は二百九十件となっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 育児休業奨励金の支給実績、そして過去十年間における民間企業への広がり状況を見ますと、残念ながらほとんど前進していない。特に民間企業の育児休業制度というのが普及していないということがこれ数字でも言えると思うんですけれども、なかなか民間企業の間に育児休業制度が広がっていかない原因はどこにあるとお考えですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) さまざまな原因があると思いますけれども、私どもの調査の中で一番大きな割合を占めておりますのは代替要員の確保 が難しいというあたりでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 代替要員の確保だけですか。もっとほかに要因があるんじゃないですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) それが一番大きなものでございますけれども、そのほかには休業中に社会保険等の負担があるわけでございまして、これは使用者の負担分とそれから労働側の負担分があるわけでございますけれども、そうしたさまざまな負担の問題等につきましても使用者としてはかなり重荷に感じておるということはあるのではないかと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 育児休業が発足して十三年たってなかなかふえない。今述べられたような理由もあると思うんですけれども、これをやはり飛躍的に広めていくためにはどうしても立法化、法律の制度として設けることが必要ではないかと思いますが、労働省としてはいかがお考えですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) この育児休業の請求権という形で法制化するということにつきましては、私どもでも長いこと関係審議会で御審議をいただいておりまして、特に雇用機会均等法をつくる前の段階での御審議では、育児休業請求権を法制化するかどうかということにつきまして長いこと御議論いただきました結果、まだ現段階では育児休業の普及率が余りに低い、こういう段階で中小零細企業までも含めて使用者にそういう義務を課することは時期尚早である、まず普及率をもう少し高めてからにするべきであるという御建議をいただきましたので、私どもとしては普及に努めているということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 さっき十分に数字を報告していただかなかったんですけれども、実はこの十三年間ほとんどその普及率が向上していないわけですね。ですから、やはり百年河清を待つではありませんが、普及しないから法制化しない、法制化しないから普及しない、こういう悪循環に陥っていくのはやっぱりよくないというふうに思うわけです。私ども日本共産党は、三月の二十九日に育児休業制度の確立のための提案を行い法案要綱を発表したわけですけれども、その中でまずすべての産業の労働者に、二番目として本人の申請による権利として、三番目、休業後は原職に復帰でき、四、代替要員を確保し、五、休業中は一定の育児手当(賃金の三割)を給付することを内容とする要綱を出したわけなんです。  そこで、ちょっと官房長官にお伺いしたいわけですけれども、言うまでもなく日本は世界有数の経済大国でありますが、この育児休業制度に関しては先進国と比べて大変貧弱な状況にあります。西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画において、婦人の就業のパターンが出産、育児期を機に多様化する傾向を強めており、婦人の主体的な選択をより容易にし、その選択肢を広げるための条件整備を一層体系的に充実する必要があると書かれています。これは労働省任せにせずに、婦人問題企画推進本部の副本部長でいらっしゃるわけですが、その立場から育児休業制度の拡大に向けて大いに努力していただきたいと思いますけれども、決意をお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) 育児休業制度は、乳幼児を育てながら働く女子労働者の増加に伴い、ますます重要な意義を有するものになっていると認識をいたしております。こうした状況を踏まえまして、男女雇用機会均等法において育児休業の実施についての事業主の努力義務に加えて、同制度普及促進のための国の助言、指導、援助を規定いたしております。政府といたしましては、この規定を受けまして育児休業奨励金の拡充を行う等育児休業普及促進対策を推進しておりますが、先ほどお話しのように普及率はまだ一四・六%といまだ十分な状況になっておりませんので、今後とも一層の普及促進に努めてまいりたいと思っておりまして、現実にはこうした奨励金制度の拡充をしながら一歩一歩前進をさせていきたい、こういうことで努力をいたしております。  そこで、お話しのように法制をもってこのことを義務づけていきたいということにつきましては、各党ともそうしたお考えのもとに今要綱なり法律案なりを組み立てまして御主張されておることも実は承知をいたしております。そういった意味で、政府も国際的な比較において今後ともそうした制度が現実のものになっていくような背景をこれから一生懸命つくっていかなきゃならないというふうに思っております。一般的に私どもも、特にヨーロッパあたりの実態を見ますと、女性ばかりじゃなくて男性までに休暇が与えられておるというようなことを聞いておりますと、日本もいまだしという気も一方しますけれども、しかし余り理想を追い求めて現実に追いついていかないということであってもいけないわけでございますので、冒頭申し上げましたような制度の実施につきましては極めて遅々として遅いという御批判もあろうかと思いますが、そうしたものを充実するとともに、今御主張のような点に触れましても今後勉強を重ねていきたいと思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ぜひその立場でやっていただきたいと思います。官房長官、御退席いただいて結構です。ありがとうございました。  続きまして、喜界島で建設を計画しておりますいわゆる象のおりの問題についてお伺いいたします。  まず、象のおりの正式名称と建設計画の内容について御報告いただきたいと思います。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) 喜界島で計画しております通信所は喜界島通信所と言っておりますけれども、この通信所に関する建設計画の概要についてのお尋ねでございます。  概略申し上げますと、防衛庁では、我が国の周辺におきます軍事情勢を把握することの一環といたしまして我が国の上空に飛んでまいります電波を収集、整理、分析しております。喜界島通信所はこのような電波を収集、整理している通信所の一つでございます。この通信所が現在使っておりますアンテナなどの施設は昭和三十七年にこの通信所が開設された当時から使っておるものでありまして、老朽化してきておりますしまた旧式化しております。このような状況にありますので、この施設を更新近代化するということで、現在あります通信所の近くに用地約三十万平方メートルを取得いたしまして新しい円形アンテナ施設というものを設置することを計画いたしておりまして、現在用地取得のための予算を計上して、地主あるいはその他地元の方々の御協力をいただきまして地主との買収交渉をしているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 この象のおりに要する費用、それからどんな施設なのか、あるいは何人ぐらいの人員でもって運用をするのか、その辺具体的に説明してください。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) これからつくろうとしております通信所の施設は、半径約八十メートルの円周上に高さ約四十メートルの鉄塔を約四十本配置し、円の中心から半径二百五十ないし三百メートルの平たん地をその周囲に配したものでありまして、そのほかに通常の隣庁舎あるいは通信局舎、このような施設がその周囲に附属施設としてあるものでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちょっときちんと答えていただきたいんですが、予算そして人員です。どれぐらいで運用するのか。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) 今お尋ねの点を落としましたが、予算につきましては用地買収のための経費を計上しておりますが、買収交渉に支障を生ずるおそれがありますので、金額については差し控えさせていただきたいと思います。それから人員につきましては、新しい施設ができた場合には現在の人員に加えてかなりの増員が必要であろうと思っておりますけれども、まだその施設を現実に建設するという段階に至っておりませんので、具体的に何人だということまでは詰めていない現状にあります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 用地買収の費用を聞いているんじゃないんです。じゃ、用地買収の費用を除いて建設費のトータルはどれぐらいになるんですか。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) 喜界島通信所の建てかえにつきまして具体的に全体でどのくらいになる かということは、今後予算をお願いするというものでございますので、今の段階でどの程度ということはちょっと申し上げかねます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 おかしいじゃないですか、年内にも着工すると言っているんですよ、施設庁が。それなのに予算が幾らかわからない、そういうことはやっぱり答弁としては誠意がないと思うんです。ちゃんと答えてください。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) この建設経費につきましては、施設整備費であるとか通信機材の経費であるとかいうものがありますけれども、それが全体でどのくらいになるかということにつきましては今申し上げたとおりでございまして、今この段階で申し上げるのは困難であるということで御容赦いただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 前の美保、鳥取県につくった象のおりのときは、共産党の加藤進参議院議員の質問主意書で工事費とかその他一切通信機材を含めて幾らということを答えているんですよ。今度答えられない理由というのはどういうことなんですか。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) これから整備しようとしております通信施設と同じようなものが現在千歳と美保にございまして、その建設費はございますけれども、それと同じようになるのかどうか、それは今ここで確たることは申し上げられないということを申し上げているわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 大ざっぱにでもいいんですけれども、大体何百億ぐらいかかるんですか。それぐらい言えるでしょう。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) 要件がそれぞれ違いますので一概には言えないかと思いますが、今申し上げました千歳、美保の件で申し上げますと四十億から五十億ということになっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 十年前の費用を言ったって参考にならないでしょう。そういう不誠実な答弁では困ると思うんです。  それでは、なぜこの喜界島につくるんですか、軍事的な意味を説明してください。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) この種通信施設は千歳とそれから美保、北部と中部の日本、それから南西諸島にあります喜界島に現在あるわけでございまして、そのアンテナがだんだん古くなってきて新しい高性能のものを持ちたいというのが今回の計画であります。したがって、現在ある通信所の古いものをそのまま更新したいということでありまして、やはり地元の人を雇用したりいろんな問題もございますので、でき得れば現状の通信施設のあるところにつくりたいというのが我が方の希望であるわけであります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 どの方面の情報を集めるんですか。また、どのあたりまでの情報を集めることができるんですか、この象のおりは。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) この種情報の中身を申し上げることは差し控えさせていただきたいわけですが、日本の、日本列島というのは非常に細長うございまして、南西にありますから、日本の南西部分を中心にしてそのあたりに飛来する電波を集めておるというように御理解いただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 中国、朝鮮半島、カムラン湾、インドシナ半島、東シナ海はもちろんですけれども、大体こういうあたりが傍受できるんじゃないんですか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) 先ほど申し上げたように、個々には申し上げたくないわけでありますが、いずれにしましても電波を出しますのは地上にかかわらず艦船も含めて出すわけでありまして、日本の南西方面に飛来する電波を集めておるというようにお考えいただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私たちが家を買うときにも土地を購入しようとする場合は、大体どれぐらいで家を建てるかぐらいのことは計算しないと用地の買収ということはできないと思うんですね。そういうことも何も言わない、どういう方向の情報を集めるのかということもなかなか言わない、軍事的なことも言えない、何も言えないでこの問題について国会で論議することはできないじゃないですか。やっぱりシビリアンコントロールとか、あるいは国会の国政調査権とか、こういうものをどうお考えになっているのか、ちゃんとした計画と目的と軍事的な意味、こういうものを資料として提出していただきたいと思いますが、どうですか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○政府委員(西廣整輝君) この種情報関係の実態につきましては、従来からもたびたび委員会等で御質問があり、かつ質問主意書等でも御質問をいただいたことがありますが、やはりこの手の問題につきましてはその事柄の性質上外に出さないということにいたしておりますので、御容赦いただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 シビリアンコントロールということとの関係でどうお考えですか。大臣、いかがですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 国会におきましての御審議には、もちろん私どもは誠意を持って各種資料の提出等極力努力をいたしておるところでございますが、今ほど防衛局長答弁のように、事柄の性質上これは御容赦いただきたい、こういう問題もあるわけでございます。殊に情報の能力にかかわる事柄につきましては、いわば手のうちを明かすといいますか、そういうものでございますし、これは御理解をいただけるものと私はかように考えております。もちろん、国会におきましてもシビリアンコントロール、このことは大切なゆえをもちまして、私どもはでき得る限りの努力をしておるところでございますが、申し上げられないこともあること、これは御理解いただけるものと思うわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 言えないことが余りにも多過ぎるんですよね、今の防衛庁は。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) そんなことはない。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そんなことありますよ。いつだってちゃんと答えないじゃないですか。施設だって見せないし。これは社会主義国の情報を収集するスパイ基地なんですね。何のためにこんなものをつくるのか。私たちはこんなものを建設するのはやめよということを強く要求します。予定地には地主もたくさんいる。農民も強く反対しており、町の議会の一致した反対もあるわけです。工事の入札準備を進めているというふうに聞いていますけれども、地元住民が強く反対しているのに強行するつもりなんですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 我が国の防衛政策を進めることは、国会でも御議論いただきましたり自由主義諸国はそれぞれ国民に御理解いただくための相当の努力はしておるわけでございますが、今委員お話しのように、社会主義国はなかなかそういった情報が得にくい国家体制であることはもちろん承知をいたしております。この問題は軍事的な情勢を把握するために我が国上空に飛来する各種の電波を収集する、また整理して分析してまいる、こういうようなことは常々必要なことでございますので、今ぎりぎりのものはお示しをしておるということを御理解いただきまして、その後の質問は児玉参事官の方から答弁をさせます。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) 先ほど申し上げましたように、この施設を建設するのに必要な用地につきましては地主と交渉している最中でございまして、その用地をまず買収するのが先決で今それに全力を挙げておるというのが現状でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 大臣、非常に地主がたくさんいて強い反対もある。地元の方は強行的にもこの工事に着手されるのではないかという大変強い懸念を持っております。やはりこういうことは強行してやるべきじゃないと思いますが、少なくともそこはお答えいただけますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) まず地域の方々に御理解をいただかなきゃならぬものでありますから、そうしたことを踏まえまして私どもはできる限り地域の皆さん方の御意見を聴取しつつ、また建設しようとかように考えることにつきましても理解をいただく努力を重ねていきたいと考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 工事の強行着工などということは絶対にしないように強く要望をしておきます。  それで、象のおりの見学ツアーについてお伺いをいたしますけれども、三月二十六、二十七日、 沖縄県読谷村波平にある米軍楚辺通信基地の象のおりの見学ツアーを行ったと聞いております。この基地は実は昨年私たち共産党の国会議員団が視察を申し込んで断られたところなんですけれども、住民の皆さんにはお見せしたわけですか、中を。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 三月二十六日に喜界島の土地の所有者等の皆さんが楚辺にございます御指摘の通信所を視察されました。視察の内容でございますけれども、まず近くの高台からこの施設の全体を眺望したということ、さらに施設のそばまで行きまして、施設の外側から施設そのものあるいはその周辺のサトウキビの耕作の状況等を視察されたということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 中を見たんですか。それから、楚辺通信基地の見学時間はどれぐらいだったんですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 施設の通信鉄塔の外側、敷地の中でございますけれども、から施設を、中へ入ったわけではございません、外側から視察をしたということでございます。約二十分間ぐらいでございました。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 一泊二日で楚辺の通信基地象のおりを見ますとこう宣伝して、それで中も見ない、二十分ぐらいと、こういうことで本当はその通信基地の見学ツアーと言えるのか。まあ括弧つきの見学のツアーだというふうに思いますが、この沖縄へのツアーの参加費が一万円であるというふうに聞いていますけれども、通常沖縄へ行くのに航空機の利用で往復だと三万円以上かかる、それにホテル代などを含めますと四、五万かかるというふうに言われていますが、なぜこんなに安く行けたんでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 喜界島通信所の施設の整備に関連しまして、地元の自衛隊協力会から土地所有者の方々を中心に沖縄の施設を見学したいという要請があったわけでございます。これを検討しました結果、地元関係者の理解と協力を得ます上で有意義であると判断しまして、自衛隊の航空機による輸送等の支援を行ったわけでございます。したがいまして、通常の沖縄への経費よりも安くなったのは、防衛庁が航空機等の支援を行ったことによって運賃が参加者の負担とならなかったということであります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 使ったのはYSだけですか。そのほか何か使いませんか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 喜界島から那覇基地への往復は海上自衛隊のYS11を使用いたしました。それから、基地から現地までやはり自衛隊の車両による輸送の支援を行っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 車両というのはバスですか。ヘリなどは使いましたか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) バスでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうしますと、この予算はどこの項目から出したんですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) これは防衛庁の業務の広報ということで実施しておりますので、通常の防衛庁の経費から支出しているということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 広報費の中から支出したのですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) これは広報費から特に支出したということではございません。この輸送支援のために特に予算の項目を立てているというような問題ではございませんで、通常の経費から賄われたということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうすると、訓練費か何かに当たるんでしょうか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) この事業のために特に新しい支出を立てたということではございません。例えば、航空機の燃料代というのは予算科目ですと油購入費ということでございますが、特にこの支援のために特別な支出をしたということではございません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 防衛庁長官にお伺いいたします。  この沖縄ツアーは新聞でも大分批判されていますけれども、私たちが見ても本当にひどいものなんですよね。本当に楚辺通信基地を見るというんだったらば、丘の上から見たりちょっと離れたところから見たりしたぐらいじゃその通信基地がどういう機能を持っているかどうか、そしてその地元に建てられて本当に地元として安心していられるのか、そんなことはわからないわけですよね。楚辺の象のおりの中に入った人の話を聞きますと、もう終始背後から銃を持った米兵がついてくるというんですよね。それだけ重要な大変な基地なんですよね。そういうものを外側からざっと二十分ぐらい見せて、そしてしかもそういうようなことを楚辺象のおり見学ツアーと称して、しかも自衛隊の本来の費用の中から飛行機も出すと。これからもこういう旅行計画があるんでしょう、春だけではなくて。そういうようなことはやっぱり私は許されないと思うんですね。こんないわゆる括弧つきの見学ツアーなどということはやめるべきじゃないかと思いますけれども、いかがですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(瓦力君) 私は、こうした施設を理解していただくということは大切なことでございまして、なかなか一概に理解しがたい問題もあろうと思うわけでございます。また防衛施設につきまして地権者の方々にも御理解をいただくということは大切なことでございまして、その広報の一環として取り組んでおる仕事でございますので、私は住民の方々の理解を得られればいいと、実はかように考えておるわけでございます。もとより我が国は専守防衛でございますから、いろんな各種情報を得ることによって我が国の存立基盤を確かにしていかなきゃならぬことでございまして、かつては長い耳を持つというような話もありましたが、私はこれらの施設につきまして理解をいただく、さような努力というのを重ねてまいることは必要だと、かように考えております。施設の問題につきまして防衛庁も理解を得るために大変な苦労を実はいたしておりまして、また反対の方々はいろいろのまたそれなりの宣伝もされるわけでございますが、正しく理解をいただくということにつきましては、こういう機会に御参加いただくということも私は大切なことだと、かように考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 中にも入らないで外側から——象のおりなんというのは読谷に行けばどこからだって見れるんですよ、高いところにあるから。外からたった二十分程度見てどうして地元住民の理解が得られるんですか。それはやっぱり私は大変おかしいと思いますよ。理解を本当にしてもらいたいと思ったら施設の中へ入れて、米軍と話をつけて中へ入れてちゃんとこういう機能がありますというようなことを見せるんだったらば象のおりの見学ツアーと言えますけれども、外側から見て、それでしかもほかの基地やらあるいは南部戦跡観光旅行のようなことをやって、これが住民の理解を得る手段だなどというのはやっぱりとんでもないことだというふうに思うわけです。  もう一つ続けて伺いますけれども、用地買収のために施設局の職員がサトウキビ畑の収穫を手伝っているということですね。それは一日数時間何日も何日も手伝っているということなんですけれども、こちらの防衛施設局は人員が余っているんでしょうか。どういう根拠でそういうことをやれるんですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 今関係の土地の所有者の方に土地の契約を承諾していただくために福岡防衛施設局の職員が喜界島に行っておるわけでございますが、今キビの刈り入れ期でございまして、農家の方々はみんなキビ畑に出ておられるということで、話をするのも畑へ行って話をするとか、その際にキビ刈りの手伝いをしたということは聞いております。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) 今、短時間で見て何がわかるかというようなお話でございましたが、これは地元の地主であるとかそのほか町の方々に私どもがこれからつくろうとする施設は先ほど申し上げたような規模のものであるということは再々説明をしてまいりましたけれども、実際に見たことのないものはどういうものであるかわからないというようなことから実物を見たいということで ありまして、その機能だとか能力だとかそういうものを知ろうというのが目的ではございません。  それからもう一つは、現在買収しようとしております土地でサトウキビなどの農耕をしておられる方がおりますが、そういう方々がこの施設ができた後もそばでサトウキビの耕作を続けられるかどうかという点についての心配がありますので、現実にそういうものをつくっているところをお見せするのがこの旅行の目的であるというふうに理解しておりますので、機能だとか能力だとかいうようなのが対象でないことは御理解いただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 時間が参りましたので私は終わりますけれども、機能とか能力を理解させるものではないと今おっしゃったでしょう。あれ通信基地なんというのは普通のときは鉄塔が建っているだけですから怖くも何ともないんですよね。でも、どういう機能や能力を持っているかということを知らなければ地元の住民に本当に理解をしていただいたということにはならないと思うんですね。しかも、こういう大変な国費を使って住民を何というんですか、ある意味では私はこれは一種のごまかしではないかと、こういうことをやるのはけしからぬことだというふうに思うんですけれども、とにかく住民の中に強い反対があると。しかも国会の場で計画だっておっしゃらないわけでしょう。総予算さえ言えない、こういうことなんですね。だから私は、スパイ基地の建設なんというのはそもそも日本の国の憲法の立場からいっても絶対相入れないものだと、こういうものの建設はおやめになるようにということを強く申し上げて質問を終わりますが、御意見があればどうぞ。

児玉良雄防衛庁参事官

○政府委員(児玉良雄君) この施設の建設につきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、地元の御理解と御協力をいただきまして完成をさせたいと思っております。  それから今、どんな機能や能力があるのかわからないようでは協力のしようもないではないかというようなお話でございましたが、施設の規模であるとかその形であるとかいうようなものは、新しいものはこれからつくるわけでございますけれども、この喜界島には昭和三十七年から二十五年間同様の機能を持った通信所があるわけでございまして、その同じ機能を持ったものを新しい施設で今後その任務を果たしていこうと、こういうことでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 終わります。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 最初に北方領土の問題を取り上げてみたいと思うんですが、総務庁長官この間視察に行かれたはずで、そういう点でまず本当に敬意を表したいと思うんです。昔私予算委員会でこの北方領土の問題を取り上げたときに、時の外務大臣に言ったんです。一度現地に行ってあのところがどういう状態になっているかということを見てきて、そしてどういう対策を講じたらいいかということをおやりになったらどうですかと言ったら、そういう機会があったら行ってみたいと思いますという答弁だけはしたんですが、とうとう任期中行かなかったんです。大臣は就任をしてそんなにたたないのに進んで行かれたということに本当に敬意を表して、これから二、三お聞きをしていきたいんです。  一つは、今度の予算でありました北方領土問題対策の必要な経費として十四億八千三百万円、細かいことはいいですから、そのお金でどういうことをやろうということを考えているのかということをまずお聞かせいただきたいと思うわけです。

鈴木榮総務庁北方対策本部審議官

○政府委員(鈴木榮君) それでは、私の方から北方対策本部の昭和六十三年度の予算の概要についてまず御説明いたしますと、全体で十四億八千三百三十四万五千円ございますが、この主な内容を申しますと、まず北方領土問題対策に必要な経費といたしまして十四億一千百二十万円を計上しております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 いや、ちょっと、そういうことを聞いているんじゃないんだよ。何をしようとしているのかということを聞いているんだ。

鈴木榮総務庁北方対策本部審議官

○政府委員(鈴木榮君) 最初に大まかなことをお話しいたしまして、だんだん中身に入っていきたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 いや、予算の内訳なんかわかっているんだから、見れば。

鈴木榮総務庁北方対策本部審議官

○政府委員(鈴木榮君) 大きく分けまして、北方領土問題に関します啓蒙宣伝経費がございます。それから、北方領土から引き揚げられた人たちに対する援護措置の経費がございます。それから、北方領土隣接地地の振興の経費がございます。  大きく分けますと、その三つになるわけでございますが、特に北方領土に関する啓蒙に関しまして、最近は次代を担う青少年に対する啓発が肝心かと思いまして、この辺のところに力を入れている次第でございます。それで、従来から行っておりますのは、中学生向けの解説資料をつくっておりまして、これを各県ごとに、年次計画で作成しまして配布するのを六十年からやっております。それから、そのほか青少年向けのブロック単位での啓発事業、これも従来からやっておりますが、新たに六十三年度は全国の青年のフォーラムを開催することといたしまして、この経費を新しく要求しております。これは各県から青少年の代表を根室に集めまして、そこで地元の青年との意見交換等を行うようにしております。そのほか、啓発関係ですと国際シンポジウムなどをやっておりまして、これは外国から学者等を呼びまして、北方領土に関する話題についていろいろな形で検討をしてもらっているわけでございます。  そのほか、北方領土から引き揚げた人たちにつきましては、この人たちは何といいましても返還運動の中核をなす人たちでございますから、こういう人たちが返還運動をするための経費を一部助けるような手当てをしておる次第でございます。  それから、北方領土隣接地域の振興でございますが、何といいましても、この北方領土返還運動はもともとはこの隣接地域から発生したものでございまして、やはりこれからもこの地域の人たちが中心になってやっていってもらわないといけないということで、この地域の振興を行うための経費をつけている次第でございます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 私が聞きたいのはそういうことではなくて、その問題はもうそれでいいですからね。  次にお聞きしたいのは、あそこを引き揚げてくるときに、歯舞なんかでも町役場の職員の人たちが戸籍簿を持って、それで命がけでもって引き揚げてきているわけなんです。だから、あれからもう四十年からたつので、日本の固有の領土だと言うならばあそこの歯舞、色丹のいわゆる北方領土のところの戸籍がきちんと整備をされておらなくちゃいかぬわけだ。そういうことについての整備は終わっているのかどうかということをお聞きしたい。

南敏文法務省民事局第二課長

○説明員(南敏文君) 北方領土の各島の村役場に備えられておりました戸籍の原本につきましては、先生御指摘のとおり、当時の村役場の職員の旺盛な努力によりまして本土に持ち帰られております。で、それは現在、釧路地方法務局の根室支局に引き継がれております。  この北方領土の戸籍につきましては、昭和五十八年の四月一日から施行されております北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律がございますが、この施行後は、当地域の戸籍事務の管掌者といたしまして根室市長が指名され、現在これらの地域を本籍地とする戸籍事務の処理は円滑に実施されております。昭和六十三年二月末現在で二十戸籍五十三名の方々がこの地域に本籍を新たに設定されております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 日本の領土だということを主張するわけだから、やはり現在は北海道へ来ておっても自分たちの本籍地はあそこなんですといった、そういうことはやはりきちんとして、それでそういう書類は整備をしておいていただかないとこれ主張ができなくなりますし、だからこれはぜひその五十何世帯だけではなくて、少なくともかつてのあれはわかっておるわけだから、御苦労でもそのことはぜひお取り組みをいただきたいと思うんです。  それから、これはもう本来ならば外務省の方だけれども、大臣、さっきの十四億何がしかの中でも私なんかがむしろ一番やってほしいと思うことは、世界各国の地図が日本の北方領土をどういう扱いをしているか。もう八年ぐらい前になるか、初めて取り上げてこれをやったときに、日本領土と同じように地図の色分けをしておった国は、世界の中で韓国と中国と西ドイツのたった三カ国だったんです。そんなばかなことないじゃないかと言って、外務省の方から世界の各国におる日本の大公使館を通じてその訂正方をみんな言わせて、それですぐ直してくれたのがトルコ。それから私毎年これはもう取り上げて言うからあれですけれども、それから数年して今度はクウェートがやった。それからパナマがやった。今のところこの六カ国だけなんです。  で、肝心のアメリカがどういうことですかと、サンフランシスコ講和会議を主宰してやったそのアメリカが日本領土としての色分けをしていない、そんなばかなことありますかといって、これ二、三年前にどうしたかといったら、日本とソ連の色をしま模様にしてこうやって、変わりましたということなんですよ。だから、その六カ国以外にそういうぐあいで、その後この一年ぐらいの間にそういう地図の上で北方領土を日本頭として色分けをする国がふえたかどうかということをお聞かせいただきたい。

茂田宏外務省欧亜局ソヴィエト連邦課長

○説明員(茂田宏君) お答えいたします。  昭和五十四年に世界各国の地図、北方領土の地図を点検いたしまして、その最初の調査の時点では、北方四島を日本領としているものが先生御指摘の韓国、中国、西独、それにパナマの中学三年生用の地理の教科書というのが日本領にしている。その後、外務省、在外公館を通じての働きかけで、御指摘のトルコ、クウェート、それにインドネシアの方で小学校用の世界地図について訂正がなされておるということでございます。  アメリカですけれども、昭和五十九年にこれは日本側からミッションがアメリカを訪れまして、国務省、それからいろんな地図を発行しています会社にアプローチいたしました。これは国務省、それからナショナル・ジオグラフィック・ソサイエティー、リプルーグル社、これは地球儀を出している会社ですけれども、それからランドマクナリー社、ハモンド社、アメリカンマップ社というところに申し入れをして、これは自民党の地図ミッションが申し入れをしてくれまして、この結果、北方四島についてはまだらになっているところもありますし、ソ連によって占領されているということを注記するということになった会社もあります。大体そういうラインで多くの地図は訂正がなされているという現状でございます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 大臣、お聞きになっておわかりのとおりに、私はそんなことはわかっていて、だからそれから先どれだけ進んだんですかと私は今聞いたんですよ。今のようなことなんか何も答えてくれなくたって、私は毎年国会で取り上げているからわかっているのであって、そんな答弁しているんだったら何も出てくる必要ない。大臣にお願いしたいのは、国民とどこへ行ってでもお話ししてみてください。世界の地図がそんなことになっているなんて、ほとんどの国民知りゃせぬよ。みんな日本領になっていると思っているわけだ。だから、さっきの十四億何がしかの、いろいろフォーラムやるのもいい、何をやるのもいいけれども、もっと国民に向かってあの北方領土は日本の固有の領土ですということをあなたたちいろいろなところへ行ったり看板も出しているんだけれども、実際に世界の中であれがどういう扱いを受けているか。  それで、これも予算委員会で何度も言うことなんだけれども、去年も予算委員会で言ってもそうですよ。何で、あの国連に毎年行かれるんだから、国連に行って国際世論に向かって、北方領土は日本の固有の領土であるにもかかわらずソ連軍が来てこれは不法に占拠されているんですということを堂々と言わないのか。それを外務大臣は言うと言わないんです。いや、これは日本とソ連の問題です、四十何年たったってまだ返ってこないわけでしょう。どうやってじゃ返還させるんだと言えば、粘り強く交渉いたします、それだけのことじゃないですか。ですから、現実をそういうふうな形でもって十四億の予算をとったらとったで、そういう形でもって現実というものをもっと国民にわからせて、そしてやはり国民が挙げて北方領土の返還というものに対して行動を起こすぐらいのことをおやりいただきたいし、そういうことを大臣にお願いをしておきたいと思うんです。その点で大臣いかがですか。

高鳥修自由民主党総務庁長官

○国務大臣(高鳥修君) 対外的な問題については外務省でやっていただいておるところでございますが、この間北方領土を視察に参りましたときに、道議会関係者ほか地元関係者からいろいろ御意見を伺いました。そういう中において、諸外国においては日本とソ連との間にそういう問題があるということを全く知らないところが非常に多かった、自分たちがそういう問題を訴えたら、ああなるほどそういう問題があるんですか、初めて聞いたという国も非常に多かったということでございます。私どもといたしましては、国民の皆様方に領土問題の意義を広く知っていただくと同時に、やはり外国に対してもそういうことをいろいろな機会に知っていただくようにしなければならぬと思いますので、御指摘の点につきましては今後とも努力してまいりたいと存じます。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 次に、時間もなんですから、総務庁の方で行政改革いろいろ書いてあるんだけれども、わかりやすく言えば道半ばだと思うんですよ、まだ。それで、細かいことはいいですから、特にこの点についてことしは行政改革に取り組んで進めたいんですという点をお聞きをしてまいりたいんです。

高鳥修自由民主党総務庁長官

○国務大臣(高鳥修君) ことしの行政改革につきましては、六十三年行政改革大綱というもので閣議決定をいたしているところでございますが、特に今新行革審においてお取り上げいただいております問題は規制緩和の問題でございます。この規制緩和につきましては、おおよそ年内いっぱい結論を得るにかかるではないかというふうに考えられますが、その検討状況を踏まえながら、私どもといたしましては当然やるべきことについては積極的に準備をしたり推進をしてまいりたい、このように考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 規制緩和なんかぜひおやりいただきたいと思うんですが、その中で今度は週休二日制、これは手塚さんの方ですか、せっかく四週六休制今度はやろうというんですから、それは従来から見れば一歩前進していくことだしいいことだと思うんです。ただ、東京とか大阪なんかのような大都市、通勤時間に一時間半ぐらいかかるわけでしょう。そういうふうなところで往復三時間かけて出てきて、土曜日の半ドン三時間半しか働かないという、こういうふうな非能率なやり方というのは私は改めたらどうですかと言いたい。だから、労働時間はみんな同じようにしておかなきゃならないけれども、やはりその中でもって四週六休制にしていく。しかし、東京のようなところだったならばもう土曜半ドンやめちゃって、それで二つをまた一つにしてわかりやすく言えば四週七休制、そういう形で運営していくということの方がお互いによろしいと思うんです。だから閉庁するかしないか、そんなことはそれぞれのところで事情があると思うから、十分御判断してやっていただいたらいいんですけれども、もうちょっとやはり同じやるのならば効率がいい働く人たちにもぐあいがいい、そういうふうな方法をおとりになったらどうですかと申し上げたいんですが、いかがですか。

手塚康夫総務庁人事局長

○政府委員(手塚康夫君) 先生はこの問題何回もおっしゃったかもしれませんが、私ども今四週六休を推し進めておりまして、これは四月の十七日から本格実施がようやく実現いたします。それからさらには閉庁問題、これに取り組んでおりまして、これは六十三年度中導入を目途にということで、大臣からはなるべく早くという御指示を受けて作業をしているわけでございます。それで、そ の流れを見ますといわば大きくはやはり時間短縮、これを推し進めていかなければならないという状況の中で、一般的にもそうでございましょうが、国の場合やはりそれを週休二日制の形で進めていきたいというふうに考えてやっているところなんです。ただ、今のような四週六休が実は半数交代で四週六休という形にしておりまして、それが先生もおっしゃいましたように、効率の点から見ると例えばチームで研究しているような場合には効率が悪いじゃないかということで、むしろ閉庁の方がよりいいんじゃないかという観点になっているわけです。  ですから、先生のおっしゃるのは、時間短縮がなくても組み方によっては、例えば土曜日の午後までやるのならば四週七休もできるではないかと。おっしゃるとおりかと思います。ただ、その場合に問題なのは、そうなるとまたやはり土曜日には半数交代か場合によっては四分の一の職員で勤務するということを考えざるを得なくなる。そうすると、また能率上問題が生ずるということがございます。それから現実に窓口やなんかを考えまして、土曜日の午後に果たしてそれだけの行政ニードがあるかどうかという問題がございます。現に愛媛県で先生がおっしゃったような方式をとっていたわけなんですが、現実に統計結果を見ますと、土曜日の午後にはやはり極めて来る人も件数も限られているということで、今回はその方式はやはりやめて、土曜の半ドンに戻そうというような動きがあるというように聞いております。  そこら辺を考えていきますと、先生の職員に対する御愛情、それから大都市の通勤事情に着目された御示唆は本当に貴重な御示唆かと思いますが、当面は私どもは閉庁に向かって一生懸命やっておりますので、それにひとつ御声援をいただきたいというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 いろいろ難しい点があることはわかるけれども、手塚さん、そうしていくとね、逆に私が聞きたいのは、じゃ民間なんかの大手はもうほとんど週休二日制入っているんだけれども、それじゃもう思い切って時間短縮をして週休二日制にいってしまおう、今の四週七休制なんて中途半端なことをしないでというふうに受け取れるんです。そうすると、すぐ来年でと言っても無理はあると思うけれども、局長の頭の中で考えているのではいつごろになったらいわゆる完全週休二日制に入れるというふうな見通し、お考えをお持ちですか。

手塚康夫総務庁人事局長

○政府委員(手塚康夫君) これは完全に民間準拠という原則を外すことは私どもできないと思っています。やはり民間でもある程度そういった状況が深まってくることが前提になるかと思います。ただ、現実には金融機関が来年の二月から完全週休二日制に踏み切るといったような状況もございます。そういう意味で、いつとは申せませんが、正直申しまして今私どもは月に二回の閉庁、これについてもやはり国民サイドから見たら不便だという危惧を持たれる方が多いわけです。それに対して民意の反映ということでいろんな関係団体に出かけまして御説明もし、御意見も承りながら御理解を賜るような努力を今積み上げているところです。したがって、いつというのは、正直私どもの努力にもかかるかもしれませんのでなるべく早くとは思いますが、当面月二回の閉庁というものに対しての私どもの努力を見守っていただきたいというふうに考えております。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 官房長官、申しわけございません。記者会見で大分お忙しかったと思うんですが、これはやっぱり内閣を代表して官房長官の方から御返事をいただかなけりゃと思うのでお待ちしていたんですけれども。  行政改革の一環としてどうしても私やっていただきたいと思うのは、政府委員のあり方なんです。今大体三百六十人から三百七十人ぐらいいるはずなんです。それは我々側の質問なんかも、そう言ってはなんですけれども、重箱の隅をつついたような細かいことを余り言い過ぎる面もあることも事実なんで、そういう点を私たち側も改めにゃいかぬと思うんです。しかし、国会というところはもうちょっとやっぱり日本の国家全体のことを、一億二千万国民の将来はどういう方向へ進むべきかということをここは論議するところだと思うんです。だから、そういう点を考えればそれは大臣が一人で——外国でそんなものその大臣以外は答弁できない国もあるんですから。だけれども、そうは言ったって大臣お一人では無理だから、大臣お一人に五人ずつつけても百人で足りるんです。それ以外の人たちはお役所でもって仕事をしていた方がよほど国のために役に立つと思うので、この三百六、七十人もいる政府委員を思い切って減らして、そういうふうな百人程度にしてやっていくというふうなことに改めるお考えがないかどうか。やはり竹下新内閣になったところでそのくらいのことを勇断を持って行革の一環として取り組んでほしいと思うんですが、いかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) 政府委員の数につきまして、かねて柳澤委員から過去にもこうした御指摘をちょうだいいたしたことを承知いたしております。それで、今ほどお話ございましたが、行政機構の改革といいますか、縮小ということはこれは政府全体の問題でございまして、その中で政府委員につきましては御指摘のようなお考えもあろうかとは思います。しかし、現実には国会におきまして私ども大臣職にある者も、東奔西走とは言いませんが、あちらこちら各委員会に出席をして一生懸命政府の考え方を申し述べているところでございますが、しかし、いろいろ厳しい御質問も受けて、また詳細な事柄に触れて御答弁申し上げることが我々も不十分という点もございまして、そういった意味で補佐役として政府委員に答弁をゆだねる場合もあります。したがいまして、その数が百人であることが望ましいか、さらに今のような実情であることがやむを得ないかということにつきましては、率直に申し上げてなかなか判断しにくいところではありますけれども、できる限り我々も国会における質問に対しましては最高の責任者として、大臣として御答弁を申し上げることで政府委員の補助なしで物の判断を国会にお示しするように最大の努力をいたしていきたいと思いますが、しかしその数につきましてのこの判断というものはなかなか正直言って難しゅうございます。  また、ちょっとこれは考え方に御批判もいただきたいと思いますが、それぞれ政府委員になられる方々は各役所のいわゆるトップの地位におられるわけでございまして、そういった意味で国会開会中もそれぞれの役所で職務に精励をされるという意味で現実にはお仕事を持っておられるわけでございまして、そういうトップもやはり国会のこうした委員会に出席をいたしましてその質疑に答弁をするという形の中で、行政府と国会とのやはり議院内閣制における諸問題について肌身で議会の御意向を承るということも反面これ必要なことではないかというように思いますので、御指摘につきましては承知をいたしておりまして、いたずらに多くの政府委員が常に国会に出席するというような形につきましては反省をいたしたいと思いますが、その数についての今具体的な御指摘につきましては、大変申しわけありませんが判断しかねるということでございますのでお許しをいただきたいと思います。

柳澤錬造民社党・国民連合

○柳澤錬造君 官房長官ね、本当に本会議でいつも答弁聞いておっても、お役人が書いたやつを持ってきて読んでおるだけで、私たちの側もちょっと言葉を滑らせるとそいつを取り上げてああだこうだとやっぱり言い過ぎると思うんですよ。それだから、やっぱり大臣が思ったことをばかっと言って、それで間違えたらそれは訂正してそれを了解したらいいことであって、その辺が枝葉のところでもってああでもないこうでもないと与野党がやり合っている、こういうあり方はやっぱり改める。そういうためには今私が言っているようなことをやるべきだと思う。  去年のこと、私はカナダの国会へ行って、あそこは一時間だけれども毎日本会議を開いて、それでいきなり手を挙げてぱっと言ってやって、その かわり質問する方も一分半以内。議長なんか、長いとおまえさん演説やめて質問しなさいと言って注意する。それで、我々の日本のようなこんな質問通告もあるわけでも何でもない。挙げてぱっと言う。大臣の方もぱっとそこで答えて、それでやり合いをしているわけですよ。それだから、大臣答弁なんかだって聞いていると、そんなこと言ったっておまえさんたち何ですかと、おまえさんたち政権とっているとき何やりましたと、大臣はそういう答弁をするわけだ。そういうふうなことで、今ここですぐ御返事をと言っても無理だけれども、そういう国会のあり方そのものを改革する意味も含めて、その手始めにこの問題について御検討していただきたい、それで御検討していただけるかどうか、そこのところだけ官房長官に御返事をお聞かせいただいて、終わりたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) 十分検討させていただきます。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 他に御発言もなければ、これをもって昭和六十三年度総予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所管及び総理府所管のうち総理本府、日本学術会議、宮内庁、北方対策本部を除く総務庁、防衛本庁、防衛施設庁についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十一分散会

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