災害対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1988/03/25
会議録
○委員長(梶原敬義君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、下田京子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。 また、昨二十四日、佐藤昭夫君が委員を辞任され、神谷信之助君が選任されました。 ─────────────
○委員長(梶原敬義君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 災害対策の基本施策について、国土庁長官から所信を聴取いたします。奥野国土庁長官。
○国務大臣(奥野誠亮君) 災害対策に関する私の所信を申し上げます。 我が国は、その自然的条件から地震、台風、豪雨、豪雪、火山噴火などによる災害を受けやすく、また社会経済環境の変化に伴い災害の態様も複雑、多様化してきております。 このような災害から国土を保全し国民の安全を守ることは国政の基本であり、二十一世紀への国土づくりの指針として昨年策定された第四次全国総合開発計画においても、安全で質の高い国土環境の整備を基本的課題の一つとしております。政府といたしましては、従来にも増して防災基本計画に基づき、防災に関する科学技術研究の推進、災害予防の強化、国土保全の推進、迅速、適切な災害応急対策及び災害復旧の実施などに重点を置いて災害対策の推進に努めてまいる所存であります。 昨年は、災害による被害が少ない年でありましたものの、梅雨前線、台風第五号、十二号、十九号、千葉県東方沖の地震などの災害が発生いたしました。 政府といたしましては、これらの災害に対処するため、関係省庁連絡会議の開催などを通じ、迅速かつ適切な災害応急対策等に努めてきたところでありますが、今後ともこれら災害に係る復旧事業等の促進を図ってまいります。 震災対策につきましては、発生が懸念されている東海地震に対処するため、大規模地震対策特別措置法の的確な運用に努めるとともに、引き続き地震対策緊急整備事業の促進を図ってまいる所存であります。また、大都市震災対策につきましては、避難地、避難路の確保など都市の防災性の強化に努めることとし、特に南関東地域等を対象とした広域的な震災応急対策活動体制の整備を推進していくことといたしております。さらに、立川広域防災基地の整備を進めるほか、地域の防災拠点となる防災基地の整備を促進することとしております。 次に、火山対策につきましては、全国の活動的な火山に係る防災体制の整備を促進するほか、特に桜島について降灰対策、土石流対策を、伊豆大島について観測監視体制の充実、避難施設の整備等を推進してまいります。 近年多大の被害をもたらしている土砂災害につきましては、治山・砂防施設の整備、警戒避難体制の整備など総合的な対策を推進していくこととしております。 また、災害時における応急対策を迅速かつ円滑に実施するため、引き続き防災無線網の整備など防災情報収集・伝達システムの充実強化を図るとともに、地域の実情に即した防災訓練を実施してまいります。 さらに、防災情報ライブラリーの開発、防災マップの整備など、高度情報化社会への進展に対応した総合的な防災対策の推進を図るとともに、国民の防災意識の高揚と防災知識の普及になお一層の努力を傾けてまいる所存であります。 最後に、さきの国連決議に基づき自然災害の軽減を目的として一九九〇年から始まる国際防災旬年に対しまして、我が国といたしまして積極的に取り組んでいくこととしております。 昭和六十三年度においては、これらの災害対策の総合的な推進を図るため、科学技術の研究、災害予防、国土保全、災害復旧などに要する経費、総額二兆八百四十七億円余を予算計上いたしております。 以上、災害対策に関する所信を申し述べましたが、今後とも各省庁の緊密な連携のもとに防災対策に万全を期してまいる所存でありますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(梶原敬義君) 次に、昭和六十三年度防災関係予算に関し、政府から概要の説明を聴取いたします。三木国土庁防災局長。
○政府委員(三木克彦君) 昭和六十三年度における防災関係予算の概要について、お手元にお配りをいたしました資料に基づきまして御説明を申し上げます。 この資料は、一ページ目に総括表、二ページ目以降はその各論になっております。 一ページ目をお開きいただきたいと思います。関係省庁から提出されました防災関係予算を国土庁においてまとめたものでございますが、下から二段目の合計欄につきましてそれぞれの項目をごらんいただきますと、まず科学技術の研究に関しましては三百七億七千四百万円で前年度に比べ〇・二%の増、災害予防に関しましては四千二百九十八億一千六百万円で六・五%の増、また国土保全といたしましては一兆三千七百五十八億二千八百万円で一八・九%の増、次に災害復旧でございますが二千四百八十三億二千六百万円で一・〇%の減になっております。これらを総計いたしますと、右端、下から二段目でございますが、括弧書きのいわゆるNTT株活用資金(Bタイプ)の無利子貸付金二千六百億一千三百万円を含めまして二兆八百四十七億四千四百万円で、対前年度比が一三・一%の増となっております。 次のページをお開きいただきたいと思います。二ページ目は科学技術の研究でございます。関係省庁におきます各種の災害対策に関する科学技術研究費を計上いたしております。ここには地震予知に関する経費も含まれておりますが、米印がついておりますものが地震予知に関する経費でございます。 その主なものを申しますと、首都圏南部における地震活動に関する研究あるいは関東・東海地域における地殻活動に関する研究、こういった科学技術庁の研究がございます。 おめくりをいただきまして三ページ目でございますが、米印がついておりますのが文部省所管では国立大学における地震予知の基礎的研究、通商産業省の地質調査所で行っております地震予知に関する地質学・地球化学的研究、海上保安庁の海底地形・地質構造の測量等、さらにおめくりをいただきまして気象庁におきまして直下型地震予知の実用化に関する総合的研究、建設省におきまして測地的方法による地殻変動調査等をいたしております。こういった地震予知関係の経費が一番下にまとめてございますが、これは後に御説明申し上げます、七ページに出てまいりますが、気象庁の地震観測の施設の経費と合わせまして五十七億三百万円、予算が計上されております。 これらを含め、各種の災害対策に関する関係省庁の研究費として合計三百七億七千四百万円が計上されております。 次に五ページ目をお開きいただきたいと存じますが、災害予防に関する経費でございます。 主なものを申しますと、科学技術庁におきます原子力に関する防災対策に必要な経費、次に国土庁でございますが、災害対策を総合的に推進するための経費、中央防災無線網の整備に関する経費、大規模地震対策の執行あるいは南関東地域震災応急対策調査、それから豪雪地帯対策の推進経費、こういったものが計上されております。 また文部省でございますが、主なものを申しますと、二番目の公立学校におきます建物の改築、補強でございますが、これは東海地震の地震防災対策強化地域におきます公立学校の校舎の改築に要する経費で、四十四億円余を計上いたしております。 次に六ページ目に参りまして、厚生省の関係では社会福祉施設の施設整備等、これは老人福祉施設のスプリンクラー等の設置に要する経費でございます。 農林水産省の関係では、活動火山周辺地域の農林水産業防災施設の整備、応急復旧用材としての木材の備蓄に関する経費、それから広域防災基地の整備に関する経費を計上してございます。 通商産業省の関係では、高圧ガスの保安あるいは石炭鉱山の保安に関する経費や原子力発電所の保安に関する経費等を計上いたしております。 七ページ目に参りまして、運輸省関係では輸送関係諸施設の防災対策にかかわる経費を計上いたしております。 海上保安庁におきましても、巡視船艇あるいはヘリコプター等を含む航空機、こういったものの整備に要する経費を計上いたしております。 また気象庁でございますが、気象観測施設の整備あるいは先ほど地震予知に関する経費ということで申し上げました米印のついております地震観測施設の整備等に要する経費を計上いたしております。 労働省におきましては、労働災害の防止に関する経費を計上いたしております。 八ページをお開きいただきます。建設省におきましては各種の経費を計上いたしておりますが、主なものを申し上げますと、道路の防災にかかわる諸経費、都市の防災化の推進あるいは道路の雪害防止対策、雪崩対策等々の経費、街路事業で避難路の整備等を計上いたしておりまして、合計三千五十三億円余となっております。 消防庁でございますが、主なものとしては消防防災無線の整備、さらに九ページ目に参りまして大震火災対策施設の整備あるいは消防施設の整備等がございます。 これら災害予防に関する経費として、括弧書きのNTT(Bタイプ)の無利子貸付金二百九十六億一千三百万円を含めまして、合計四千二百九十八億一千六百万円を計上いたしております。 次に、十ページに参りまして、国土保全に関する経費でございます。 主なものを申し上げますと、農林水産省でございますが、治山事業、海岸保全事業、農地の防災事業等の国土保全事業に要する経費を計上いたしておりまして、二千八百五十九億円余となっております。 次に建設省でございますが、河川事業、ダム事業、砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業等の国土保全の経費を計上いたしておりまして、一兆四百二十一億円余となっております。 その他各省庁の経費も合わせまして、十一ページでございますが、国土保全として、括弧書きのNTT(Bタイプ)の無利子貸付金二千三百四億円を含めまして合計一兆三千七百五十八億二千八百万円の経費を計上いたしております。 次に十二ページ目に参りまして、災害復旧等の経費でございます。 大蔵省のところで計上しておりますのは地震再保険に要する経費でございます。次に文部省でございますが、国公立の学校施設の災害復旧に要する経費を計上しており、また厚生省におきましては災害救助費、災害弔慰金、災害援護資金に関する経費を計上いたしております。また農林水産省においては、治山施設等の公共土木施設あるいは農地・農業用施設、林道の災害復旧事業に要する経費並びに農林漁業関係の災害補償及び保険に要する経費を計上いたしております。さらに運輸省においては港湾関係、建設省においては河川等の公共土木施設の災害復旧事業に要する経費等を計上いたしております。 これら災害復旧等につきましては合計二千四百八十三億二千六百万円が計上されております。 なお、括弧書きにございますように、自治省におきましては地方債計画に災害復旧事業債として百四十三億円を計上いたしております。 以上、昭和六十三年度における防災関係予算の概要につきまして簡単に御説明をいたしました。
○委員長(梶原敬義君) 以上で災害対策の基本施策についての国土庁長官の所信並びに昭和六十三年度防災関係予算に関する概要の説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(梶原敬義君) 次に、先般行いました委員派遣について派遣委員の報告を聴取いたします。青木薪次君。
○青木薪次君 委員派遣報告。 本班は、去る一月十八日から二十日までの三日間、梶原委員長、星理事、太田委員、近藤委員、勝木委員、秋山委員と私、青木で、熊本県、大分県における防災行政及び災害復旧状況等の実情を調査いたしてまいりましたので、以下簡単に御報告申し上げます。 なお、熊本県下の調査について、浦田議員が現地参加されております。 まず、熊本県及び大分県における災害復旧状況及び防災行政について申し上げます。 熊本県は、阿蘇火山帯を水源とする河川が多く、しばしば甚大な被害をこうむっておりますが、幸い、過去二年間人命にかかわる災害はなかったものの、昨年は、七月の大雨及び台風五号による被害二百十一億五千万円余を初めとした被害総額は二百八十七億九千万円余となっております。 また大分県でも、昨年は台風五号、十二号、十九号等により、六十、六十一両年と比較して二倍以上の大きな被害を受けており、被害総額は二百四十二億五千万円余となっております。 これらの被害に対しては、既に早期査定の実施、激甚災害の指定等の措置が講じられており、秋の大型補正や予備費の使用により、その復旧事業はいずれも高率の復旧進度を示しており、熊本県では、県、市町村工事を合わせ、進捗率七八%となっており、また大分県では九〇%近い数字となっております。 しかし、災害は未然に防止することが肝要であり、両県とも、治山、河川改修、砂防等の各種防災事業を積極的に推進しているとのことでありました。 次に、防災行政の実情でありますが、熊本県では、大雨、地震等による災害の発生を想定して、毎年総合防災訓練を実施しており、特に、実践的であること、情報ネットワークを活用すること、広域的災害に対処すること等に重点を置いて訓練を行っているとのことでありました。 一方、大分県では、市町村の自主防災組織の育成に努めるとともに、災害危険地域の防災パトロールの実施、総合土砂災害対策推進連絡会の設置等と、山地が七割を占める大分県の実情に対応した防災活動を積極的に推進しているとのことでありました。 次に、白川及び加勢川の河川改修事業について申し上げます。 白川は、昭和五十五年八月に熊本市内の十数カ所ではんらんし、二千八十七戸の家屋が被害を受け、浸水面積も三十五ヘクタールに及ぶ大災害となったのでありますが、その後、激甚災害対策特別緊急事業に採択され、改修工事の促進が図られた結果、五十七年七月には、五十五年出水と同規模の毎秒千五百トンの出水があったにもかかわらず、内水浸水による三十七戸の家屋被害、はんらん面積二ヘクタールにとどまり、溢水による被害の再発を防止することができました。 しかし、二十八年の大災害では毎秒三千四百トンもの流出量があったと推定されており、熊本市内の流下能力の拡大等の抜本的な改修事業の促進と洪水調節を目的とした上流の立野ダムの建設が待たれております。 次に、緑川支川の加勢川は、加藤清政公以来、左岸は無堤防のまま放置されており、出水ごとに地元嘉島町一帯は水浸しになり、町の開発も思うようにならない状態であり、加勢川のショートカットによる抜本的な改修事業の促進が緊急の課題となっております。地元嘉島町長から地元としては用地買収等に協力しており、改修事業費の大幅な増額をお願いしたいとの強い要望がありました。 次に、阿蘇山火山対策事業について申し上げます。 阿蘇山は、東西十七キロ、南北二十五キロの大カルデラ内に十数の火山を有する複式火山で、現在、そのうちの中岳が活発な火山活動を続けております。これまでも大規模な爆発により、昭和二十八年に五名、三十三年に十二名、五十四年に三名の死者を出すなどの被害が発生しておりますが、五十四年九月六日の大爆発を契機に活動火山対策特別措置法の対象火山に指定され、避難施設の整備、降灰除去等の事業が実施され、年間三百八十万人と言われる観光客の安全確保のための事業が実施されております。地元関係町村で構成される阿蘇火山防災会議協議会において阿蘇火山防災計画が策定され、気象庁の阿蘇山測候所、京都大学阿蘇山火山観測所等の協力を得て、災害の予防、応急対策、災害復旧等、必要な措置を実施する体制を整備してきております。なお、現地において地元町村長から、観測施設の整備と観測体制の強化、避難施設の整備、治山事業の促進等について要望がありました。 次に、竹田市の集中豪雨災害について申し上げます。 昭和五十七年七月二十四日、竹田市の西北部を襲った梅雨前線による集中豪雨は、市街地の中心を流れる稲葉川、玉来川の上流で一時間雨量百ミリ、竹田市の市街地においても四十七ミリを記録し、地区内の河川が急激に増水はんらんし、死者七名、住家の全半壊流失合わせ二十六戸、床下床上浸水合わせ三百五十六戸、浸水農地八百七十五ヘクタール、被害総額五十三億円という大災害となったのであります。竹田市にとって未曽有の大惨事をもたらしたこの災害については、激甚災の指定が行われ、国や県を初めとする関係機関の努力により、現在、復旧事業は一〇〇%完了しており、稲葉川では中小河川改修事業により河床の掘り下げ工事が実施されておりました。私どもも旧竹田土木事務所近くの稲葉川で、当時の増水した川と現在の静かな川を比べ、改めて水害の恐ろしさを感じた次第でありますが、なお一層の抜本的な改修事業の実施が求められております。 次に、大山町山際地区の地すべり対策について申し上げます。 大山町の山際地区において、昨年六月の長雨及び台風十二号の後、町道、河川護岸並びに山腹に地すべり現象による変状が生じていることが発見され、その規模は、幅約四百メートル、奥行約三百メートル、滑り面の厚さは七十メートル前後で、地すべり面積は十三・五ヘクタールと想定され、日本でも有数の大規模な地すべりであることが判明したのであります。町当局の発見が早く、大規模な地すべり災害が発生する前に避難体制の整備等の措置がとられ、また、地すべりの原因となっている地下水の排出等の緊急対策が実施されることとなったのであります。六十二年度では、災害関連緊急地すべり対策事業として四十九億円で防止工事が実施されることになっておりますが、今後の対策としては、昨年十二月に出された地すべり対策工法の検討委員会の結論を踏まえ、全体計画約七十億円で本格的な地すべり防止工事を実施することとなり、去る二月から、排水工、排土工、抑止杭、地すべり自動監視装置等の工事に入り、今年秋までには完成させたいとのことでありました。 緊急対策による地下水の排除等の効果が出て、現在のところ、地すべり運動は安定しているとのことでありましたが、梅雨期の長雨等による影響等が心配されており、防止工事の促進方が強く要望されておりました。政府において善処されたい。 以上のほか、下筌・松原ダム、九州横断道別府地区建設事業等を視察いたしましたが、報告は省略させていただくことといたしまして、簡単でありますが報告を終わります。
○委員長(梶原敬義君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十五分散会