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112回国会参議院1988/04/13

国民生活に関する調査会 第4号

発言数
109
登壇者
18
会派数
6
開催日
1988/04/13

会議録

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。  国民生活に関する調査を議題とし、出生率の動向と対応について厚生省及び労働省から説明を聴取いたします。  最初に、厚生省岸本老人保健部長。

岸本正裕厚生省保健医療局老人保健部長

○政府委員(岸本正裕君) それでは、お手元にお配りしてございます資料に基づきまして御説明をさせていただきます。  老人保健部の関係は三ページからでございますので、厚生省の関係の「高齢者医療、保健、福祉について」という資料の三ページをお開きいただきたいと思います。  老人保健制度でございますが、これはここに書いてございますように二つのねらいを持ってございます。一つは、壮年期からの疾病の予防、治療、機能訓練に至る総合的な保健医療サービスの提供ということでございます。もう一つは、老人医療費を国民が公平に負担するということでございます。  それで、まず老人の医療につきまして簡単に御説明を申し上げます。  中ほどちょっと下にございます「表1 老人医療費の推移」という表を見ていただきますと、六十三年度で推計でございますけれども、老人医療費(b)の欄は五兆六百四十八億円ということになっておりまして、五兆円台に乗るわけでございます。国民医療費十八兆九千六百億円に対する比率は二六・七%、四分の一強というウエートを占めるようになってきているわけでございます。  この医療費でございますけれども、老人医療は、また前に戻りまして、対象者といたしましては医療保険に加入している七十歳以上の者及び六十五歳以上七十歳未満の寝たきり老人等を対象にいたしております。  そして一部負担といたしまして、外来一月八百円、入院一日四百円、こういうことになっております。  費用の負担でございますが、図がございますが、老人医療費というのが大体四角い形になっておりまして、お年寄りの一部負担というのがちょっと離れた形で書いてございます。このちょっと離れたところも含めまして老人医療費全体になるわけでございます。そしてこの老人医療費から先ほどの一部負担を除きましたところを公費とそれから各医療保険の保険者の拠出金で賄っているわけでございます。まず公費が全体の三〇%でございまして、これは国が二〇%、都道府県五%、市町村五%、こういう内訳になっております。共同で拠出をする七〇%分は各保険者が、ここに政管健保、組合健保以下国保まで書いてございますが、これを加入者按分率、医療費按分率ということで拠出をすることになってございます。  今後の老人医療のあり方というところでございますけれども、私どもといたしましては、老人数がふえるということもございまして老人医療費の増大は避けられないところでございますけれども、これをいかに適正なものにしていくかというのが重要な課題であると認識をいたしております。そのために、従来からレセプト点検の充実強化でございますとか医療費通知の充実、壮年期からの健康づくり、それから適切な受給者教育等の一連の適正化対策を進めてきたところでございます。今後とも一層強力に進めなければいけないと思っております。  またそのほかに、老人の心身の特性を踏まえた良質な医療を効率的に供給するということが大切でございまして、ここに黒丸でありますように、老人保健施設の本格的な整備、それから訪問看護等在宅ケア総合推進事業の実施、それから四ページに入らせていただきますが、老人医療ガイドラインとか脳卒中リハビリテーションマニュアルの作成というようなことを進めていきたいと思っております。そのほかに良質な医療を効率的に供給するという趣旨で老人診療報酬の見直しを行うわけでございます。  それから医療と並びまして保健事業が非常に老人保健法の中で大きな柱立てになってございます。ここに図がございますけれども、いわゆる高齢化に伴いまして成人病というものが非常に増加してくるわけでございます。そういう疾病構造の変化に対応いたしまして、成人病につきまして予防とか早期発見、こういうことを通じて壮年期か らの健康づくりを推進していきたいと思っております。この老人保健制度におきましては、市町村が主体になりまして四十歳以上の住民を対象にした保健事業を総合的に実施しているわけでございます。  保健事業の種類といたしましては、中ほどにございますように①から⑥までの種類が決められております。  この保健事業でございますが、六十二年度から第二次五カ年計画を策定いたしまして、これは第一次五カ年計画を引き継いだ形でございますが、質的充実を配慮したい、こういうふうに考えております。  それで、「第二次五カ年計画の重点事項」というところで黒丸が三つございますが、まず一つは、住民の多様なニーズに対応したきめ細かな事業の実施ということで重点的な健康教育、例えば老人に対する日常生活指導とか、そういう焦点を絞ったような教育でございますとか健康相談、こういうことをやっていきたい。それから第二点目は、受診率の向上を目指して魅力ある健康診査づくりということで基本健康診査ということを導入いたしております。非常に一度の健診で幅広い検査が受けられるような魅力あるものにしていきたい。それから肺がん・乳がん検診等を導入いたしております。そのほかに在宅要介護老人対策といたしまして機能訓練、訪問指導の拡充ということを柱立てにいたしたいと思っております。  それから四番目でございますが、老人保健施設、これは老人の人口の高齢化に伴いまして、寝たきり老人等にふさわしい医療ケアと生活サービスを一体的に提供する施設といたしまして六十一年の老人保健法の改正によりまして創設されたものでございまして、ことしの四月から体制的には本格実施の体制に入ったわけでございます。昭和七十五年を目途に二十六万ないし三十万床を段階的に整備していくという方針でございます。  それから五ページ目に移らせていただきますが、老人保健施設の概要を少し表にいたしております。  対象者、これは病院の入院治療を終えて病状の回復期、安定期にある寝たきり老人等でございます。それから医療ケアが必要なため在宅での療養が困難な寝たきり老人等、こういう方々を対象に考えております。  サービスの内容といたしましては二つございまして、入所サービスと在宅サービスでございます。入所サービスといたしましては、家庭復帰のためのリハビリテーション等を非常に重視していきたい、こういうふうに考えております。それから在宅サービスは短期入所ケアでありますとかデイケア、こういうもので在宅支援という機能を持ちたい、こういうふうに考えております。  それから施設・設備につきましては、大体最近の特別養護老人ホームと同じ程度にゆったりと療養のできる施設・設備というふうに考えておりまして、診察室のほか機能訓練室とか談話室とか食堂とか浴室等を配置いたしております。  スタッフでございますけれども、医師を百人に一人の配置をいたします。それから看護、介護につきましては百人につきまして二十八人、看護婦八名、介護職員二十名というのを標準と考えております。それからリハビリテーションとか家庭復帰の相談指導のための例えば生活指導相談員等の職員の配置も確保しております。  費用負担でございますけれども、老人医療受給対象者が施設を利用した場合に、これは中医協の御審議を経まして月額二十一万円という定額の施設療養費を支給するということになっております。そのほか食費でありますとか理髪代、日常生活品費等につきましては利用者負担ということを考えております。国会御審議のときにも申し上げましたが、この利用者負担は大体平均すると五万円程度というふうに御説明を申し上げております。  利用手続でございますが、これは措置というようなことでなく、病院の入院手続と同様に医療受給者証で利用ができる、こういう簡易な利用手続でございます。  整備は、ここに書いてございますような設置主体が都道府県知事の許可を得て設置、運営をするということになってございます。  あと要介護老人数の見通しは、ここに表にございますので御参照いただきたいと思うわけでございます。  六ページに移らせていただきますが、「保健、医療、福祉の連携の強化」というところでございまして、私ども今までこの保健事業、医療事業、福祉というものがそれぞれ専門分化をして進んできたわけでございますけれども、最近こういう三分野を中心に連携を強化するということが非常に要請が強くなってきておりますので、そういう観点から、ここにありますように、高齢者のサービスの調整事業といたしまして六十二年度から各都道府県に高齢者サービス総合調整推進会議を設け、各市町村に高齢者サービス調整チームというものを設けまして、関係者が集まってその地区住民の適正な処遇等に対して協議をしていくという体制をとってきているわけでございます。そのほか高齢者総合相談センターというものも、これは六十二年で十五カ所、六十三年で三十カ所ということで、各県に一カ所ずつ設置していくということを進めているわけでございます。  そして、私ども厚生省の組織といたしましても、こういう時代の動きを受けまして厚生省の組織を再編成いたしまして、老人保健福祉部、これは仮称でございますけれども、本年の七月からスタートする予定をいたしております。  以上、簡単でございますけれども、資料に基づきまして御説明いたしました。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 次に、小林社会局長。

小林功典厚生省社会局長

○政府委員(小林功典君) 資料がちょっと逆になっておりまして恐縮ですが、資料1の一ページにお戻りをいただきたいと思います。  一ページの1「老人福祉について」というところを御説明申し上げます。  老人福祉についてでございますが、まず基本的認識といたしまして、本格的な高齢化社会を迎え、保健、医療、福祉の連携を図りつつ総合的な老人福祉対策の推進を行う必要があるということが第一点。その中でも、世帯規模の縮小等によりますいわゆる家庭の介護機能低下等の現象が見られますが、それに伴いましてますます増大してまいります寝たきり老人等のいわゆる要介護老人、それの介護ニーズへの対応が現下の重要な課題である、こういう認識を持っておるわけでございます。  そこで、各項目についてそれぞれ御説明申し上げますと、まず第一に在宅福祉対策の推進でございます。よく言われますように、お年寄りの多くの方は老後も住みなれた地域で家族や隣人とともに暮らしていくことが最も幸せであるということが言われていますが、そういった考え方に立ちまして、以下申しますような家庭奉仕員派遣事業、ショートステイ事業、デイサービス事業といったいろいろな在宅福祉対策に重点を置いて進めておるわけでございます。  まず、家庭奉仕員派遣事業でございますが、いわゆるホームヘルパーでございます。これはここにありますように、寝たきり老人等で日常生活を営むのに支障がある方に対してその家庭にこのヘルパーを派遣するという事業でございまして、六十二年度二万五千三百五人を今年度は二万七千百五人と千八百人の増を図っております。ここ数年来大体これに近い、この程度の規模の増員を図ってまいっております。  それから、ショートステイ事業でございますが、これは寝たきり老人等を介護する方、身寄りの方が病気等になりまして一時的にそのお年寄りを介護することが非常に難しいというケースが出てまいります。そういった場合に、そのお年寄りを一時的に特別養護老人ホーム等でお預かりをする、また家族の方が元気になられたらお帰しする、こういった事業でございますが、それが六十二年度四万六百四人でございましたのを今年度は四万九千七百九十五人と九千百九十一名の増を図 ったところでございます。  それから、ここにございませんけれども、新規事業といたしまして、ショートステイ事業の一つとしてホームケア事業というのを新たに五十七カ所設置しております。これは今申しましたように、本来ショートステイ事業というのはお年寄りの方をお預りするわけでありますが、ホームケアは家族の方と一緒に入所してもらう、もちろん一時的にでありますが。それで、お年寄りについては介護のお世話をするわけでありますが、一緒に入られる家族の方については介護の手法等を勉強してもらってそれで帰っていただく。こういった事業も新規事業として今年度予算に計上しているわけでございます。  それから次のデイサービス事業でございますが、これは寝たきり老人等をデイサービスセンターに通所させます。通ってきていただきまして、そこで入浴とか給食とか、あるいは日常生活訓練等のいろいろなサービスを提供する、あるいは逆に寝たきり老人等のお宅まで訪問しまして同じようなサービスをするというのもございます。これを総称してデイサービス事業と言っておりますけれども、その実施箇所数を六十二年度四百十カ所を六十三年度は六百三十カ所に二百二十カ所の大幅な増を図っております。これが現状でございますが、今後やはり在宅福祉対策はさらに一層充実を図らなきゃいけませんので、引き続きましてデイサービス事業、ショートステイ事業あるいは家庭奉仕員派遣事業、ここら辺につきまして量的な拡大を重点的に図ってまいりたいというのが私どもの今後の対応でございます。  それから第二に、老人福祉施設等の整備でございます。これは今申しましたように在宅福祉は大変重要な施策でございますけれども、そうは言いましてもどうしても家庭ではそのお年寄りを介護し切れないというケースがあるわけでございまして、そういう場合にはその方を入所させる施設、これが必要でございます。そういったことで特に今一番需要の高いのは寝たきり老人等を入所させる特別養護老人ホーム、これにつきましては大変需要が高いわけでありまして、地域的な適正配置に留意しながら重点的な整備を行うことが重要であるというふうに考えております。現在この特養といいますのは施設数が千七百三十一カ所、入所定員が十二万七千二百三十三人となっておりますけれども、これからどんどん老齢人口ふえてまいります。それに伴って寝たきり等の要介護老人の数もふえてまいります。そこら辺も見合わせまして、二十一世紀に入ります昭和七十五年を目途にこの特養を定員二十四万、大体今のほぼ倍近い数でございますが、二十四万人体制を整備するということで計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。  それから第三番目に、シルバーサービスの健全育成でございますが、高齢化の進展あるいは年金制度の成熟等の背景をもとにしまして、最近高齢者を対象とするさまざまなシルバーサービスが出てきております。例えて申しますと、有料老人ホームでありますとか、あるいは介護サービスあるいは入浴サービスといったものを企業でおやりになるというケースが出てきております。今後増大、多様化する高齢者のニードに的確に対応していくためには、もちろん公的施策の一層の推進は必要でございますけれども、それと相まちまして民間の創意工夫を生かした多様なサービスの健全な育成が必要であるというふうに考えております。  そこで、これからの対応でございますが、まず一つは有料老人ホーム及び在宅介護サービス、例えば入浴でありますとか介護でありますとかいうサービスに対する社会福祉・医療事業団の融資事業を創設したいということで、このため社会福祉・医療事業団法の一部改正法案を、この資料では「今国会に提出予定」と書いてありますが、ちょっと古い資料なものですから、実はこれは既に提出をしておりまして、参議院先議で御審議をいただきまして、昨日参議院の社会労働委員会で可決をしていただいているところでございます。これはそういう公的な融資制度をつくることによりまして良質の、いいシルバーサービス企業を育てていきたいということでございます。  それからもう一つ、民間の活動に対しましては、やはり事業者の倫理の確立といった民間事業者の内部の自主的な取り組み、自主的な規制というものがどうしても必要であると思いまして、その自主規制を今やっていただいているところでございます。  なお、繰り返しになりますけれども、シルバーサービスにつきましては決して公的部門の責任を肩がわりするというようなものではございませんで、先ほど来申しておりますように公的部門の必要性はさらに増大いたしますので、そこは大いに推進するという前提のもとに、それに付加すると申しますか、補うと申しますか、そういった意味でこの民間サービスも健全に節度ある経営ができるように育てていきたい、こういうことでございます。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 次に、長尾児童家庭局長。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 資料の2につきまして御説明をさせていただきます。  我が国の現在の人口構造の変動の問題は、老人の問題であると同時に児童の問題であると認識をいたしておりますので、児童と家庭をめぐります私どもの対策の現状について御説明をさせていただきます。  一ページをごらんをいただきますと、現在のところゼロ歳から十四歳、いわゆる年少人口は全人口に対しまして二一・五%という比率でございまして、老年人口は一〇・三でございますが、昭和八十二年に至りますとこの比率は逆転をするということでございまして、将来こういった姿になるということが推計をされておるわけでございます。これの前提に立ちまして児童の対策を立てていかなくてはいけないというふうに考えております。  二ページをごらんいただきたいと思います。  年齢別児童家庭福祉対策の一覧というものがございますが、これが私どもがやっております対策の大要でございます。一つが母子保健、いわば母と子の健康に対する対策、二が保育は欠ける児童の保育対策、それから児童一般の健全育成対策、四番目といたしまして障害児のための対策、五番目に母子家庭等の母子福祉対策というこの五つの分野で仕事をいたしておるわけでございます。  三ページをごらんいただきたいと思います。  三ページは児童福祉施設の全体の数字を掲げてございますが、児童福祉施設は施設数にいたしまして三万四千六百六カ所ございますが、このうち保育所が施設数で六六・一%を占めております。入所定員は全体といたしましてここにございますように二百二十三万四千人という数でございますが、保育所がやはり九一・八%という比率を占めておるわけでございます。  次に四ページを見ていただきたいと思います。  第一の対策の母子保健について御説明をさせていただきます。  我が国の母子保健の現状は、もうこれは先生方よく御承知のように我が国は世界でトップレベルの低い乳児死亡率ということになっておりまして、六十一年の数字でごらんいただきますと、出生一〇〇〇対五・二という数字になっておるわけでございます。この母子保健の対策といたしましては、妊産婦、乳幼児の健康診査及び保健指導、育成医療等の医療の援護、それから市町村の母子保健活動の整備充実、それから心身障害発生防止等のための研究の事業をやっておるわけでございます。  次の五ページを見ていただきますと、今申し上げましたそれぞれの対策がどういうような形で行われているかというものを表にいたしたものでございます。  御承知のように、現在乳児死亡がこのように減少いたしました中で、一般的な感染症対策、昔は肺炎とかそれから胃腸を悪くするということで亡くなる赤ちゃんが非常に多かったわけでございますが、こういった一般の感染症が抑圧されました 結果、病気といたしましては疾病の多様化現象がございます。乳児死亡の第一位が先天異常ということになっておるわけでございまして、きめ細かな対策へ移っているという状況にあるわけでございます。  六ページをごらんいただきたいと思います。  ここには現在話題になっております体外受精問題につきまして若干の資料を載せてございますが、お時間の関係で省略をさせていただきます。  次に七ページでございますが、保育対策でございます。  保育対策でございますけれども、現在先ほど御説明いたしましたように全国の保育所におきまして二百万を超えます定員を持っておるわけでございますが、措置児童数は近年わずかながら減少傾向にございまして、保育所の整備は全国的に見ますとほぼ必要な水準に達しているというふうに考えております。  もちろん人口急増地域等地域的にこの整備が必要な地域はあるわけでございますし、また老朽施設の改築ということも必要になっておりますので、こういうところに重点を置いて整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  次の八ページをごらんいただきたいと思います。  保育所につきまして今大きな問題となっておりますのが、いわば保育需要の多様化傾向に対します我々の対策の充実であると考えております。具体的には延長保育、夜間保育、乳児保育、障害児保育等でございます。  まず、延長保育でございますが、お母様の通勤事情からいいまして六時までに保育所に赤ちゃんまたはお子さんを迎えに来られないということがございますので、午後七時または八時ぐらいまでの保育時間の延長をしておるわけでございますが、現在実施箇所は全国で四百十一カ所ということで、これは大変少ないという御指摘もあろうかと思います。私どもとしてはこういった箇所数を伸ばすため努力をいたしたいと思っております。  次の夜間保育でございますが、お母様の働く時間が非常に多様化いたしておりまして、赤ちゃん等を夜間までお預かりすることの是非についてはいろいろ御意見もあるわけでございますが、私どもは一応およそ午後十時までの夜間保育を夜間保育対策として実施いたしております。現在全国で二十六カ所ということで、なかなかこの部分も伸び悩んでおるわけでございます。  次の乳児保育でございますが、ゼロ歳児の保育を保育所で行うことにつきまして、これはいろいろな御批判もあることは承知いたしておりますけれども、お母様方が働かなければならないという実情もあるわけでございまして、現在ゼロ歳児の入所児童は全国で四万弱、三万六千六百七十人というような数字になっております。乳児の特別対策ということで、これは親御さんの所得階層でございますが、一定の所得階層以下に限りまして三人に保母一人を配置するという特別対策を実施いたしておるわけでございます。  障害児保育でございますが、障害を持ったお子さんを保育所でお引き受けしていく、保育に欠けるお子さんをお引き受けしていくということを考えまして、中程度の障害児四人に一人という形で保母の配置をいたすという特別対策を実施いたしております。六十三年度の予算で四千八百七十人という対象児童になっております。  それからもう一つは、乳幼児健全育成相談事業というものを保育所等にお願いしてやっておりますが、お母様方の子育て不安の解消等に資するために、保育所を活用いたしまして電話によりまして相談に応ずるという事業をやらせていただいておるわけでございます。  今後はこういった特別保育対策をさらに充実していくということが私どもの大きな課題ではないかというふうに考えておるわけでございます。  九ページをごらんいただきたいと思います。  小学校低学年のお子様につきましては、現在児童館におきまして留守家庭児童対策を行っているわけでございます。  次に、十ページをごらんいただきたいと思います。  十ページ、児童手当でございますが、児童手当は昭和四十七年一月に発足をいたしたわけでございますが、六十年にこの改正が行われまして、児童二人以上を養育する家庭へ支給対象を拡大いたしますとともに、手当の支給期間を義務教育就学前に改めるということになっておるわけでございます。  現状といたしましては、第二子以降の児童につきまして小学校入学まで、第二子月額二千五百円、第三子以降月額五千円という児童手当の現状になっておるわけでございます。  給付の現状でございますが、受給者数全体といたしまして二百九十六万人という数字でございます。十一ページでごらんいただきますと、給付額総額が出ておるかと思いますが、全体といたしまして千六百五億円という数字になっております。  次に、十二ページをごらんいただきたいと思います。  母子福祉対策でございますが、私どもの調査によりますと、母子世帯数は七十一万八千百世帯というふうに理解をいたしておりますけれども、この母子世帯になりました理由といたしましては、離婚によるものが六三・九%で過半数を占めておるわけでございますし、また収入程度も一般世帯に比べますと半分以下というのが現状でございます。  次に、十三ページをごらんいただきたいと思いますが、こういった母子家庭に対します対策でございますが、まず第一は母子寡婦福祉資金の貸し付けをいたしております。これは事業開始資金でございますとか児童の修学資金等の貸し付けをいたしておるわけでございます。  それから母子家庭等介護人派遣事業、お母さんが病気になられましたときに介護人を派遣するものでございます。  それから自立促進のための諸事業をいたしておりますとともに、所得保障のためには児童扶養手当の給付をいたしております。もちろんこのほかに年金による給付があるわけでございます。  また、母子相談員による相談事業もいたしておるわけでございます。  十五ページに「女性による老人介護について」という資料がございますが、これは御指示によりまして資料を提出させていただきましたが、実は大変よく実情はわかっておりませんで、要介護老人の介護の担い手の中心が女性であると、五十九年の行政基礎調査によれば介護者の八八・八%が女性であるという数字が出ておるわけでございます。  以上でございます。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 次に、労働省竹村高齢者対策部長。

竹村毅労働省職業安定局高齢者対策部長

○政府委員(竹村毅君) 私の方からは高年齢者の雇用就業対策と、もう一つ職業能力開発対策の二点について御説明申し上げます。  まず、最初の高年齢者の雇用就業対策でございますけれども、お配りしております資料に基づきまして御説明申し上げます。  一番最初はこの概略、概要をまとめたものでございますので、三枚目の数表のところから順次御説明し、そして結果的に一枚目も御説明できるというような形で進めさせていただきます。  まず、参考資料でつけております一ページの「高齢化の状況」というところでございます。  一番最初に(1)として年齢階級別人口の推移と見通しを書いておりますけれども、これはもう先生方よく御存じのことだと思いますので一つだけ御説明いたしますと、昭和六十五年と七十五年を比較いたしますと、六十五年におきましては総人口一億二千四百二十三万人が、七十五年には一億三千百十九万人として、結果的に六百九十六万人ふえます。その増減数は、一番右のところに増減数、六十五から七十五というところを見ていただきますと、ここに書かれておりますけれども、総計で今申し上げましたように六百九十六万人人口が増加する。しかしながら、その下に全部年齢別 にその増減がどうなるかというものを見たのがこの表でございます。一番減が立ちますのが十五歳から二十九歳がマイナス、三角の百二十七万人。その次、三十歳から五十四歳までが六十一万人の減。いわば働き盛りといいますか、非常に若い層の労働力が減っていくということになります。そして一番ふえますのが六十五歳以上の人口でございまして、六百五十二万人ふえる。すなわち、六十五年から七十五年までの人口の増加の六百九十六万人のうち六十五歳以上が六百五十二万人、パーセントで申しますと約九四%近いものがいわゆる高年齢層、老齢層ということでございます。  そして、それがでは労働力人口にどう反映するかと見たのが(2)の「年齢階級別労働力人口の推移と見通し」でございます。これも六十五年と七十五年を比較してみますと、右の欄の二番目、増減数のところを見ていただきますと、六十五年から七十五年までのそれぞれ年齢階級別の労働力人口の増減を書いておりますけれども、この十年間で二百七十五万人労働力人口がふえるということには結果的になりますけれども、一番下の欄に五十五歳以上の労働力人口が二百三十万人ふえると。したがいまして、ふえる労働力人口の八四%近くが五十五歳以上のいわゆる高年齢層ということになります。  こういう状況でございますけれども、次の二ページに、では現状の高年齢者の雇用・就業の状態はどうかというものを表にしてみました。  まず、年齢階級別完全失業率の推移を(1)で見ておりますけれども、六十二年におきましては年平均で二・八%の失業率でございました。ところが、特徴的なのは若年層、十五歳から二十九歳というのも四・四%で非常に高いんですけれども、その次に高いのが五十五歳以上の三・四%ということがまず目につきます。そして、ほかのところはやや高くても横ばいかまたは大変減少ぎみのところもございますけれども、この高年齢層につきましては、なかなか微増ぎみというような状態でございます。  そういう状態はいろいろな要素からくるわけでございますけれども、その下の(2)に年齢階級別の有効求人倍率というものを四十六年以降とっております。それで見ますと、六十二年におきましては年間平均で〇・八〇倍という求人倍率で、久しぶりにかなり高目のものが出ておりますけれども、五十五歳以上のところを見ていただきますと、これが〇・一四ということで余り改善が見られない。なかなか低位の状態に定着しているという状態がこれでおわかりいただけるというふうに思います。これが高年齢者の雇用・就業状況を主な二点からとらえた現状でございます。  そして、次の三ページに年齢階級別の就業・不就業状況というものを男女別にとっておりますけれども、これはいろいろ内容も就業者の状態だとか、いろいろ年齢階級別に見ております。時間の関係で詳細は説明を省かせていただきますけれども、当然年齢が上がるに従って雇用者の部分が減ってくる。それが男女別にかなり女性の方が、次のページでございますけれども不就業率が高くなるという傾向でございます。  そして五ページには、定年延長というものを全力を挙げて従来から推進してきておりますけれども、その現状がどうか、これから見通しはどうかというのがこの①の「定年年齢別企業割合の推移」でございます。一応五十五歳以下の定年制をしいている事業所と六十歳以上の定年制を持っている事業所が昭和五十五年の三九・七%というところで交差しております。その後急激にこれが乖離いたしまして、六十二年度におきましては既に六十歳以上の定年を持っているという企業割合が五八・七%ということで、六割近くなっております。しかも改定が既に決定しているとか、または改定が予定されているというものを含めますと一番右の上の線にございますように七四・五%ということで、四分の三の企業が何らかの形で六十歳以上の定年制に移行しているというのが現状でございます。  それを企業規模別に見ましたのが②の棒グラフでございます。これで見ますと五千人以上が一番率が高いわけでございますけれども、三百人から九百九十九、そして百人から二百九十九、中堅企業規模の会社におきましてまだまだこれからも要請をしていくということが必要ではなかろうかというふうに思います。これが定年制の現状でございます。  そして、これは次のページでございますけれども、では就業対策としてどの年代までということの一応参考として掲げましたのがこれでございます。これで意外に大きく目につきますのが①の「高齢期の就労意向」という丸のグラフでございますけれども、ポツを打っておりますところ、六十歳以降は仕事をしたくないというのが二四・〇%にも達しております。そしてその下の、仕事をするなら六十五歳ぐらいまで仕事をしたいというのが一四・三%、合わせまして三八・三%ぐらいが六十から六十五というのが希望が強いようでございます。一方その右には、できるだけ長く仕事をしたいんだという方も四四・七%、半分近い方もいらっしゃいまして、この辺どう考えてこれから対策を講じるかということの一つの参考になろうかと思います。  その下が男女別に年齢五十五歳から五歳刻みで引退年齢をどれぐらいに考えているかというものをとった表でございます。これで見ますと、男性の五十五から五十九歳、五十代の後半におきましては、六十歳で引退したいんだという方が二一・九、そして六十五歳というのが四四・九と一番高くなっております。六十から六十四歳までの男性は七十ぐらいまで仕事をしたいというのが四一・八%ございまして、当然年齢が高くなるに従ってゴールの年齢も上がっていくという傾向が見られます。  以上、表で御説明いたしましたようないろいろな高年齢の方々の就業の現状、定年制の現状、そういうものをあわせまして現在行っております就業対策の概要を書いたのが次の3でございます。  大きな柱といたしまして、「継続雇用の推進」というのが一番上にございます。これは高齢者になりますと、どうしても従来の経験とかそういうものを生かす、知識を生かすという、そして人間関係その他もございまして、同一の職場で六十までの定年、そして定年が来ましても六十五歳ぐらいまでは同一企業か同一企業グループ内における継継雇用が望ましいということがございます。そういうことで継続雇用の推進というものをまず最重点にしておりますけれども、それには啓発指導、相談援助、助成措置といういろいろな総合的な対策を講じておるところでございます。  非常に細かく、かつ詳しくなりますので詳細は説明を省かせていただきますけれども、一つだけ御説明いたしますと、その一番上の「啓発指導」でございますけれども、定年の引き上げの要請を六十歳未満の定年制をしいておりますところには要請をする。そしてその要請に従わないといいますか、もっとこちらが強い行政指導をする必要がある場合は定年延長のための計画の作成命令をするということになっております。この要請につきましては昨年一月に約一万三千社に対して要請を行いまして、大半が定年引き上げという要請にこたえたところでございます。最終的に計画の作成命令を発したのが約四百三十社やっております。  一つだけ御説明させていただきましたけれども、その他、今御説明いたしました継続雇用の推進につきまして、いろいろとここにありますような細かな対策も講じながら継続雇用の推進ということに全力を挙げております。  次は、六十歳で定年になった、または再就職しなきゃいかぬという方々の対策がこの二番目に「再就職の促進」ということで、これも三つに分けて掲げております。需給調整機能ということで安定所の機能をフル活用するとかそういう形でいろいろやるとか、事業主みずからが援助するというものでございます。それに対して助成措置がつく。  一番下にございますのが定年退職後における就業の場の確保でございます。これは一応定年退職 後ということでございますから、定年退職後のいわゆる生涯の生活設計というものについてどうするかというものをいろいろやっていくと同時に、なだらかな引退を図るためにシルバー人材センター、一番下でございますけれども、臨時・短期的な就業機会の提供ということを目的にする制度を現在持っております。これは現在六十三年度におきましては全国で三百七十団体ということで設置しております。  一番最後に今最後に御説明申し上げましたシルバー人材センターの概要というものをつけておりますけれども、これは一口に言いますと、先ほど申しました臨時・短期的な仕事を、就労というものを目的とするのではなくて、そういう定年退職になったけれども、いわばその地域に密着した臨時・短期的な仕事の需要を家庭とか民間事業所または官公庁から有償で引き受けることによって働きがい、生きがい、そして地域への定着を図るという制度でございます。  もう一つ資料がございまして、「高年齢者の職業能力開発対策の概要」という資料がございます。これにつきましても簡単に御説明申し上げたいと思います。  順番が逆になってまことに申しわけないのですけれども、三枚目の一番上に参考3として「公共職業訓練施設における年齢別入校状況の推移」というものがございます。一応能力開発といいますか職業訓練には、公共の施設を使ってやるものと事業主等が行う生涯職業能力開発という二つの大きな柱がございます。そのうちの公共の職業訓練施設における年齢別の入校状況をとったのがこの表でございます。これで見ていただきますと、一応四十五歳から五十九歳の方がパーセンテージで申しますと三二%、六十歳以上の方も八・九%いらっしゃいます。ですから、これを合わせますと大体四割ちょっとの方々が、公共の職業訓練施設におきましては高年齢層、中高年齢層の方々がかなりの割合で訓練を受けておられるということでございます。  前のページの参考2に返っていただきまして、一番下でございますけれども、ではそういう方々がどういう訓練を受けているかというのがこの表でございます。一応高年齢者向けの能力、適性に応じた職業能力の開発を行うということで、特に高年齢者向けの訓練科目というものを設置しておりまして、下に書いております園芸料、造園科、事務科、これは医療関係の事務ということでございますけれども、建築物衛生管理、表具科、家電サービス、そういうものをやっておりまして、現在訓練科数がこの六十三年度のところを見ていただきますと八十五ということで、定員が二千五百五十名という定員になりております。  しかしながら、高年齢者の雇用環境は非常に厳しく、また早期再就職をより一層推進するために、公共職業訓練で引き続きこの訓練を今御説明したもので行いますけれども、それ以外に現場実習を中心とした訓練を事業主等に委託して行うという訓練制度を六十三年度から新たに設けることにしております。それが一番上の参考1でございまして、「高年齢者特別能力開発制度」というのがこの制度でございます。これは六十三年度から行います新規事業でございまして、一応五十五歳以上の離職者で安定所長の受講指示を受けた者を対象にいたしまして、先ほど申しました事業主等への委託訓練というものを中心にして行う。もちろん受講料は無料でございます。原則六カ月程度、最長一年の訓練を行い、それに対して事業主に対しては訓練委託費を支給するという制度でございます。  以上が公共職業訓練についてのあらましでございます。  今度は参考4、その次のページの真ん中よりちょっと上に参考4といたしまして「定年退職予定者等に対する教育訓練実施状況」という表を掲げております。これは民間における教育訓練の実施状況というものを見ますと、定年退職予定者等に対する教育訓練の制度を有しているという事業所の割合が、一番上にございます一四・三%の企業が持っております。その制度を実際に活用して実施したという事業所の割合が二・五%でございまして、いずれもこの数値についてはもっと上げなきゃいかぬということはございますけれども、率が比較的高いのが産業別に見ますと金融・保険・不動産業で一六・九%、実施したのが九・八%というふうになっております。下の欄は事業所規模別に見た実施割合でございまして、千人以上の企業におきましては制度を有している事業所の割合が約四分の一近い、実施した割合も制度を有している企業の割合にほぼ近づいているという状況がございます。事業規模が小さくなるほどやはり定年退職予定者に対する教育訓練まではという実態ではなかろうかというふうに思います。  参考5として次に掲げておりますのは、「加齢と職業能力に関する調査」というものから引いておりますけれども、加齢に伴いまして能力が低下するのはどういう能力がまず低下するのだろうかというものを見たのがこの表でございます。  一番上は「健康・体力要因」とありますけれども、これは意外に早くから出ておりまして、三十五歳から三十九歳の年齢層のところを見ていただきますと、能力が低下したという者が三・九%ございます。そのうち健康・体力要因がというのが七四%、能力が低下したと答えた四人に三人は健康・体力だということでございます。そしてずっとこれを年齢階層を横に見ていただきますと、能力が低下したと回答した者が五割を超えるというのが五十五歳から五十九歳。この年齢階層では六四・四%の者が能力が低下したと答えておりまして、やはり要因別に見ますと断然多いのは健康・体力要因でございます。その次が学習・記憶力要因、これもほぼ五〇%近い、四七・九%の低下回答がございます。六十歳から六十四歳ぐらいになりますと学習・記憶力要因というのが五五・八%になるということでございます。  また、そういうことから、やはり今まで身につけた能力なり経験というものをさらに磨く、そして能力の幅をできるだけ広げていくということが重要でございますけれども、このようなことから次のページの参考6に掲げました「生涯能力開発給付金」というものを実施することにいたしております。これは計画的、体系的な職業能力の開発ということでございまして、能力開発給付金、自己啓発助成給付金、技能評価促進給付金の三つがございます。それぞれいろいろございますけれども、時間の関係で省略させていただきます。  給付金の支給対象もございますけれども、一番最後のページに参考7といたしまして、これは六十二年度から行っておりますけれども、「高年齢労働者等受講奨励金制度」ということで、助成対象労働者といたしましては、五十歳以上の在職労働者であって教育訓練コースを修了して者というものを対象にいたしまして、入学料とか受講料というものを助成対象とする、助成率は二分の一、限度は十万円ということになっております。  これは、教育訓練コース等は(3)で説明しておりますけれども、高齢期における雇用の安定に資すると認められる教育訓練施設の教育訓練コース、これは通信制でも通学制でも両方対象にしております。例えば不動産科とか司法書士科とか行政書士科等を対象に現在二百三十コース指定いたしまして、対個人に対しても奨励金制度をもって能力開発の推進に努めておるというところでございます。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 次に、佐藤婦人局長。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 本日のテーマの出生率の動向と対応、これに直接関係がございます私どもの施策といたしましては育児休業対策等がございますので、その方面の話をさせていただきますが、初めに女子労働者の状況につきまして簡単に説明させていただきます。  お配りいたしております横長の資料がございます。1の(1)というところから御説明させていただきますと、まず女子の一雇用者数の推移でございますけれども、年々ふえております。資料では昭和三十五年、これがちょうど日本の経済の高度成長が始まった時期でございますが、この時期に女子 雇用者の数は七百三十八万人でございましたが、現在では千六百十五万人ということで、約二・二倍の増加になっております。これに対しまして、その表で女子雇用者は斜線の部分でございますが、男子の場合は白い棒の部分でございます。昭和三十五年千六百三十二万人から現在では二千八百十三万人ということで約一・七倍、伸び率といたしましては女子の伸び率がずっと大きいわけでございまして、特に昭和五十年代に入りましてから男子の雇用者の伸びが鈍りましたのに比べますと女子は堅調に伸びて現在のような状況になっております。  したがいまして、全体の雇用者の中での女子の割合も、三十五年には三一%でございましたけれども、現在では三六・五%ということで三分の一を上回るところまで来ております。  こうしてふえてまいります過程で女子の雇用者の姿もだんだん変わってまいりまして、例えば配偶関係別で見ますと、一枚目の右側の棒グラフでございますが、既婚者の割合が年々高まってまいりまして、昭和四十年、一番上のバーで見ていただきますと未婚の方が過半数でございましたけれども、現在では離・死別も含めますと既婚者が約七割ということで、女子雇用者の大宗を占めておりますのは中高年の既婚者でございます。  また、次のページをごらんいただきますと、勤続年数も年々延びてまいっております。昭和四十五年ごろですと勤続十年以上という人たちは一割までいっておらなかったわけでございますが、六十一年現在でごらんいただきますと、一番下の棒になるわけでございますが、女性はすぐやめると言われておりますが、それでも十年以上勤続している者が二五・四%ですから、四人に一人は十年以上もう既に働いているということでございます。  こうしたことは職業観にも影響しているわけでございまして、二枚目の右側に「職業観の変化」という表がございますけれども、いろいろタイプを分けてございまして、結婚、出産などでやめた方がいいというタイプ、ずっとできる限り勤めた方がいい、一度結婚とか出産でやめて、それからまた子供が大きくなったら再就職した方がいい、ずっと女は働かない方がいい、この四つのタイプに分けてみますと、昭和四十七年、今から十五年ほど前ですと再就職型が四割ぐらいございますが、結婚、出産でもうやめてずっと働かない方がいいという人も二割ぐらいはおりました。現在では再就職型、一度結婚、出産、育児等でやめてもまた戻ってくるというのが約五〇%、半分ということでございます。それともう一つふえておりますのは継続就業型でございまして、結婚や出産の後もずっと仕事を続けた方がいいという人が一六%というような状況で、継続志向あるいは一度やめても戻るということで、女性と職業とのかかわりが生涯続くものになってきているという感じでございます。  ただ、女子の職業に対する考え方は多様になってきておりますので、今申し上げましたように、ずっと働きたいという方もあれば一度やめても戻ってきたいという方もございますので、こうした多様なニーズにこたえるような対策をとらなければいけないということで、三枚目にございますが、私どもがこうした多様なニーズに対応するためにとっております一番中心的なものが育児休業制度と女子再雇用制度、この二つの制度の普及対策でございます。育児休業制度はどちらかというと結婚、出産後も続けたいという方のためのものでございまして、女子再雇用制度は一度やめてまた戻ってきたいという方のためのものでございます。  育児休業制度の普及促進対策の方でございますが、男女雇用機会均等法の方に、事業主は育児休業制度を導入するように努めなければならないという努力義務を規定しております。それと同時に、国も事業主に対して、こうした制度を導入するように援助、指導していくようにという国の義務が明示されているわけでございます。  そこで、私どもとしてはさまざまな対策をとっているわけでございますが、一つは奨励措置でございまして、②にございますように育児休業奨励金の制度をつくりまして、この充実に年々努めているわけでございます。現在ではこの育児休業制度を導入した事業主に対しまして、中小企業につきましては百万円、大企業につきましては八十万円の奨励金を出しております。それからこれは一回きりのものでございますけれども、出産する子供の数がふえ、また育児休業をとる方がふえてまいりました場合、三人以上は頭割りで中小企業の場合には二十万円、大企業では十五万円を支給するということになっております。  それから国公立の病院の看護婦等の特定職種の女子につきましては、いわゆる育児休業法によりまして育児休業の請求権があり、こういう休業をとりました場合に育児休業手当ということで共済の掛金の労働者負担分に当たるものを育児休業手当として支給いたしておりますので、民間の病院等につきまして育児休業制度を導入しまして、社会保険料の労働者負担分以上の賃金を支払う事業主に対しましては助成金を出しているわけでございます。  それから女子の再雇用制度につきましては、男女雇用機会均等法でやはり事業主が妊娠、出産、育児等で退職した女子に対しまして再雇用制度を導入するように努力義務を課しているわけでございまして、これも同じように国がそうした事業主に対しまして、女子の再雇用制度を導入するように、援助するように、そういう国の義務を明示しております。これに基づきまして国では女子再雇用促進給付金制度というのを創設いたしまして、導入しました企業に対しまして、再雇用した女子一人当たり、中小企業の場合年間三十万、それから大企業につきましては二十万の奨励金を出すことにいたしております。  それから育児休業制度につきましては、単に奨励措置だけではございませんで、各都道府県に婦人少年室がございますが、ここで育児休業制度普及指導員を配置いたしまして、企業への導入が促進されますようにさまざまな指導、援助をいたしております。  さらに、こういう問題につきましては、一般の関心が高まる、それから労使の理解が深まるということが重要でございますので、毎年五月に育児休業制度普及促進旬間というものを設定いたしまして、さまざまなイベント等も行い、マスコミの協力をも得まして育児休業制度につきましてのPRに努めているところでございます。  お時間の関係もございますので、以上説明させていただきました。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 以上で厚生省及び労働省からの説明聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 児童手当につきましてお伺いをしたいと思いますが、これは六十年の法改正のときにも論議をしたわけですけれども、六十年の法改正で今まで三子から支給であったものが二子からという形になったわけですけれども、さらに年齢が切り下げられて就学前までという形になりました。それで中央児童福祉審議会の意見具申の中では、第一子から支給対象とする、そして所得制限なしである程度の価値ある額を支給することが望ましいというようなことが具申されたわけですけれども、結果的には六十年の法改正で所得制限もされたし、それから二子から支給という形になったわけですが、追加して諸外国の児童手当の資料等もいただいたわけですけれども、おおむね諸外国では支給対象の年齢がおよそ何歳ぐらいまでなのか、それから所得制限のあるのはどのくらいの国があるのか、それから支給金額が平均して大体どのくらいなのか、その辺のところをお伺いさせていただきたいと思います。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 先ほどお時間の関係で追加いたしました資料につきまして御説明を省略いたしまして失礼をいたしました。  児童手当の諸外国の例でございますけれども、正直申しまして細かい部分まで承知いたしておら ない部分がございますので御了解をいただきたいと思うのでございますが、支給対象年齢でございますけれども、大体は向こうの義務教育終了ということが原則のようでございまして、年で言いますと十六歳未満という国が多いように思います。ただし、それぞれ例外がございまして、教育が続いておる場合は、学生である場合は支給年齢の延長等があるということでございますので、そういう意味ではもう少し私どもの制度よりは年齢的に高いのでないかと思うわけでございます。  それから所得制限が行われている国があるかということでございますけれども、これは所得制限を行っている国はあるようでございます。西ドイツは所得制限を行っているというふうに聞いております。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 平均した金額。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 平均の金額でございますが、これは今お手元に資料がお配りしてあるかと思いますが、一応円換算でさせていただきまして、西ドイツの場合に第一子が大体四千円、第二子が八千円、第三子になりますと一万七千八百二十七円、第四子以降になりますと一万九千四百四十七円ということでございます。スウェーデンの場合には第一子が一万一千八十八円、第二子も同じ額で、第三子が一万六千六百三十二円、第四子が二万二千百七十六円ということでございます。それからイギリスでございますが、これは九千二百三円ということでございます。フランスは第二子からでございますが、フランスは第二子が一万三千六百十一円、第三子が一万七千十三円、第四子は一万七千二百二十六円、第五子が一万六千八百一円、第六子が一万七千十三円というような額でございます。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 今、御説明いただいたわけですけれども、支給対象年齢も大体義務教育終了前までということが諸外国の例もそのようですし、何か伺うところによりますと、フランスとかドイツとかというのは大学卒業までも支給されているということも聞いておるわけです。  それから所得制限も、西ドイツはあるということなんですが、大体ほとんどの国は余り所得制限がないというふうにも伺っておるわけでして、それから支給金額も大体これを見ますと、平均して一万円と考えてよろしいでしょうか、非常に高額なわけですから、我が国においても、六十年の法改正で所得制限つき、そして二千五百円、五千円と非常に低額なわけですけれども、児童手当制度の目指す究極の目的からいえば、やはりこの児童手当の内容も考えていかなければならないなというふうに考えるわけでございます。  続きまして婦人局長にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、たまたまきょうの朝日新聞に、労働省が育児休業制度の実態調査を行ってその結果を発表したということが出ておりまして、それを拝見いたしましたけれども、その辺のところをちょっと概略御説明いただけますでしょうか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 六十二年度の育児休業制度実態調査、これは六十二年の時点で育児休業制度を既に導入しております企業の実態を調べたものでございます。  細かいものでございますけれども、ごく簡単にその骨子を申し上げますと、まずどんな目的を持って個々の企業が育児休業制度を導入していっているかということでございますが、一つは女子労働者の福祉の向上、それから既婚女子労働者の定着を図るというようなところが一番主な目的でございまして、実施した企業のほとんどでそういう目的を挙げておるということでございます。  それから育児休業を利用できる期間は約八割のところで子供が一歳に達するまでということになっております。  それから育児休業中の社会保険の被保険者資格のことでございますが、これは資格を継続させるというところがほとんどでございます。このうち休業中の社会保険料、これは労働者も負担しなければならないわけでございますけれども、この負担分につきまして何らかの措置をしております企業が七割を超えるという状況でございます。  それから出産者、六十二年度の調査でございますが、その前の六十一年度に出産した者の育児休業取得率、これが約四三%ということでございます。実際にとった育児休業の期間は、六カ月未満の者が約半数という形になっております。  それから復職をするという予定、六十一年度中に復職の予定であった者の復職率は八九・六%と、約九割が戻ってきているということでございます。  それから効果につきましても聞いておるわけでございますが、定着率が上昇したというような効果を挙げておりますところが一番多くて七割ということになっております。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 実は人口問題のときに、前回のときでしたか、文部省から法制化されております学校教職員の育児休業の実施率が八四%とお伺いをいたしました。それで、もう一つ法制化されております看護婦、保母さんの実施率というのはおわかりでございますか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 医療関係、社会福祉関係につきましては最近のデータがちょっとございませんで、非常に古いものしかないのでございます。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 いつごろのものですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 五十四年度でございますから、約十年前……

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 それじゃしようがないですね。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 国家公務員につきましてはございます。失礼しました。  それは六十一年度でございますが、医療施設の看護婦さん六一%、社会福祉施設の保母さん六四%。今五十四年のしかないと申し上げましたのは地方公務員でございました。失礼しました。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 わかりました。  もう一つお伺いしたいのですが、育児休業制度を導入している企業は、何か調査によりますと、民間企業を対象として千社とったということなんですけれども、実際に育児休業制度を導入している企業というのはどのくらいあるのでしょうか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 現在一四・六%でございます。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 導入している企業が全体の一四・六%ですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) はい。調査対象の一四・六%ということでございます。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 それから先ほど御説明ございました奨励金なんですが、大企業、中小企業、大体昨年度何件くらい奨励金を出しておるのでしょうか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 育児休業奨励金につきましては、六十二年度のはまだ数字ができてございませんが、六十一年度で大企業が五十四件、中小企業が二百三十六件でございます。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 じゃもう一つ、法制化をされております職場も全部まとめて全体の育児休業の実施率というのは大体どの程度と踏んでいらっしゃるのでしょうか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 先ほど申し上げました一四・六%は、それもほとんど入っておる数字でございます。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 そうしますと、導入をしている企業が一四・六%、そしてすべて実施率も一四・六%ということなんですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 実施率という御趣旨がちょっとよくわかりませんが、私どもの調査は実は国公立の教育機関その他も全部入った導入率ということでございます。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 わかりました。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 昨日でしたでしょうか自殺の白書が発表になっておりましたけれども、報道によりますとお年寄りの自殺者が大変多いということで非常に残念に思っているわけですが、中でもお年寄りの病気を苦にされて自殺される方が非常に多いと、こういうことでして、確かにお年寄りというのは家庭の中でも孤立しがちですし、社会の中でもそうなんですが、非常に寂しい生活を送っているわけです。  それで、お年寄りの自殺率を少しでも低下させるためには、やはり仲間を持つというか、例えば病気療養しておってもなるべく集団的な中で療養した方がいいんじゃないかなというふうに私はいつも思うのですが、このお年寄りの自殺者を減らすために厚生省でどんなことを考えていらっしゃるのかなと、きょう何かその辺の説明ありませんでしたけれども、もしお考えがあればちょっと聞かせていただきたいと思います。

真野章厚生省社会局老人福祉課長

○説明員(真野章君) 特に、高齢、お年寄りのための自殺防止策を厚生省としてはとっているわけではございませんが、お年寄りの長くなった老後を生きがいを持って暮らしていただくというのが最も効果的な方法とすれば、私どもといたしまして高齢者の生きがい対策ということで老人クラブに助成を行っております。大体十三万クラブ、八百万人の方が会員になっておられまして、いろんな創作活動でありますとか、それから仲間同士の安否の確認等の訪問事業でありますとか、そういう事業を行いまして生きがいを持って暮らしていただけるような助成をしているという状況でございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今お聞きしたのはそういうことでなくして、お年寄りの中でも自殺される方の一番多いのは病気を苦にして亡くなる方だ。ということは、病人のお年寄り自体が非常に孤立化しているんじゃないだろうか。それで、できるだけお互いに励まし合って仲間の中で生活をすることによって孤独を感じないで、少しでも自殺率というのを減らす方法はないものなのだろうか。そういう意味で、私はなるべくお年寄りの人たちの病気療養というのは孤立した形でなくして集団的な中で療養する方が好ましいのじゃないかなというふうに思っているんですが、そういう点についての厚生省で何かお考えがないかということなんです。

小野昭雄厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長

○説明員(小野昭雄君) 先ほど老人福祉課長が答弁申し上げましたように、自殺の原因といいますのは病苦が多いという御指摘でございますし、そのように報道されていることは承知をいたしております。  ただ、病苦の程度がどの程度であるかというふうなこと、あるいはその病気の実態がどうであるかということにつきましては十分まだ承知いたしておりませんのでコメントを差し控えさせていただきますが、御指摘のように、病弱のお年寄りの場合につきましては住みなれた家庭や地域で暮らすということが非常に重要であると言われていることは事実でございまして、したがいまして、隔離をするということは必ずしも好ましくないというふうにも言われておるわけでございます。  しかしながら、住みなれた家庭、地域と申しましても、お年寄りは孤独になってはいかぬということは御指摘のとおりでございます。そういう意味から申しますと、六十三年度から制度化いたしました老人保健施設におきましては、老人保健施設デイケア、昼間約六時間程度そういう病弱のお年寄りをお預かりいたしましてリハビリテーションあるいはレクリエーションを行うような事業を本格実施をいたしておりますので、そういった施設を活用していただきまして病弱のお年寄りの方方の生きがいの対策の推進に努めてまいる所存でございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ありがとうございました。  できれば、病気を苦にして、亡くなるお年寄りのもっと具体的な細かなデータなんか、もし調べる機会があったらぜひ調べていただきたいなというふうに思っております。  もう一つお聞きしますけれども、保健、医療、福祉の連携強化という問題でございますけれども、私もこれはお年寄りの生きがいのためにというか健康を守っていくためには三者をいかに連携強化していくかということが非常に大事だと思うわけです。ところが現実を見ますと、どうも行政の中では必ずしもそうなっていないような感じがしてならないんです。  例えば医療機関、これは地域医療を徹底して進めるためにはどうしてもやはり公的な病院というのが中心になっていかなければならないと思うのですけれども、最近どうも公的な病院の民間委託というものが非常に進められているような実態があるわけです。こういうことを一体どう考えていらっしゃるのか。  それから保健関係では、やはり保健婦さんなんかが病院ともっと一体化して、家庭訪問などをして保健活動を進めなければならないんですけれども、残念ながら保健所自体も統廃合が進められて田舎にあった保健所というものがどんどんなくなっていくという現実があるわけです。  それからもう一つ、医療関係ですけれども、今度老人保健施設、大変結構なことだと思っているんですけれども、これなんかを見ましても公立の保健施設というのは非常は少ないのです。民間の方が圧倒的に多いのです。  こんなことを考えると、今ここでおっしゃっているような、三者が一体となって連携強化して老人の健康を守っていかなければならないことが実際には必ずしもそういうふうな体制が整えられていないような気がしてならないのですけれども、その辺のお考えも聞いておきたいと思います。

小野昭雄厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長

○説明員(小野昭雄君) まず、老人保健施設の関係についてお答え申し上げますが、六十二年度におきます施設整備のために国庫補助を計上いたしておりましたが、これにつきましては全国七十六カ所の施設整備に対しまして国庫補助をいたしたところでございます。このうち御指摘の公的な設置機関はどうかということでございますが、七十六カ所中六カ所、したがいまして八%の施設につきましては六十二年度におきます施設整備につきまして国庫補助をいたしておるところでございます。  なお、六十三年度の施設整備に対しましては現在ヒアリングを行っておりまして、正確にまだそのヒアリングの結果を集約いたしておりませんが、数カ所程度地方公共団体等が設置する老人保健施設がございます。  それから保健婦の関係でございますが、先生御指摘のように、老人保健事業におきましていわゆる健診で要注意と判断された方、あるいは寝たきりの方につきましては市町村の保健婦が訪問指導、家庭を訪問いたしまして療養上の指導あるいは健康上の指導を行っているところでございます。これにつきましては、第二次五カ年計画におきまして計画的にその事業の拡大を図るべく所要の予算措置を講じておるところでございます。  御指摘の医療機関との関係でございますが、特に主治医との連携を密にいたしまして的確な指導を家庭において行うように保健婦研修等におきましては指導をしておるところでございますが、なお今後ますます在宅のお年寄りはふえるわけでございますので、そういった点の事業の強化に一層邁進してまいりたいと現在考えているところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 質問の公立病院の民間委託だとか保健所の統廃合問題はどうですか。肝心の問題です。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) まことに申しわけないのでございますが、私どもの所管で申し上げますと健康政策局なり保健医療局の問題になるかと思うのでございますけれども、その者が来ておりませんので、まことに申しわけございませんがちょっと方針を申し上げられない、お許しをいただきたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 できれば伝えておいていただきたいと思うのですけれども、非常にそういう点ではここで出されている方針と現実の施策とは矛盾を感じているんです。  特に、具体的に各地域で非常に熱心な地域医療なんかやっているところでは、この三者が非常にうまく一体化されているんです。そういう中で、例えば平均寿命も延びている現実が出ておりますし、今問題になっておる国保会計なんかも相当結構上手に運営しているし、そういう点でやっぱり公的な機関の持っている役割というのは物すごく重要な地位を占めているように思われているんですけれども、それが何か今の施策を見ていると逆な方向に進んでいるように思うものですから、そ ういう中で今説明あった三位一体の連携強化をするような施策が果たしてうまくできるのかなという心配もあるものですからちょっと聞いてみたわけです。  それでは次に、乳児保育の問題、それから障害児保育の問題、両方なんですが、最近子供たちの入所定数というのは非常に減ってきています。どこの保育所でも割に定数が満たされないであいているという現実があるんですが、こういうときにこそこの乳児保育、それから障害児保育というものをもっとやはり徹底してやるべきではないかな、そんなふうに思っているんですけれども、具体的にその促進策をどういうふうに図っていらっしゃるのか、その辺どうでしょうか。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましても保育対策の重点は保育需要の多様化に対応していくことだというふうに考えております。  乳児保育につきましての対策でございますが、乳児は御承知のように保護をいたしますのに慎重に注意深く、それから熟練をした者が当たらなくてはいけないという大変難しい保育になるわけでございますので、私どもといたしましては、指定保育所という形でつくりまして、設備の面につきましても、また人員配置の面につきましても乳児を保育するのにふさわしい、そういう保育所を指定していくということで対策をとってきたわけでございます。  しかしながら、この場合、乳児保育につきましては、先ほど申し上げましたように本来は育児休業なり、そういったお母様が御自宅で乳児の間は保育するのが本筋ではないかという御意見も、例えば私どもの児童福祉審議会でも非常に強い御意見がございまして、こういう意味でお母様方の対象者を一定の所得階層ということに絞らせていただきました。こういうこともございましてなかなか対象の伸びがなかったわけでございますが、私どもといたしましては、最近のお母様の働いておられる実情から見ましてこの所得階層の幅を広げていくということをやらせていただきたいと思っておりまして、現在は大体十二万円のD階層、税金で言いますと十二万円未満ぐらいのところで考えておるわけでございますが、大体平均の所得水準のところまできたわけでございますが、こういった形で乳児の対策を進めさせていただいておるわけでございます。  障害児保育でございますけれども、障害を持ったお子様のお世話というのは正直言って大変でございます。こういう意味では、現在の保母定数の中で障害児を引き受けていくということは、なかなか保母さん方の労働過重になっていくという問題がございますので、先ほど申し上げましたように、通常でございますと例えば三十人に一人、または七人に一人というような保母が配置になっておるわけでございますが、それに加えまして、中程度の障害児四人に保母一人が該当するような形で措置費上、上乗せをするという形で対策をとっておりまして、この対象者をふやしてきたというのが私どもの今までとってきました経緯でございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ゼロ歳児保育を希望する家庭というのが非常に多いと思うのです、所得に関係なく。それで、育児休暇制度がもっと徹底していればそれでいいんでしょうけれども、なかなかそういう制度が十分でない中では、やはりゼロ歳児保育というのを私はもっと所得の制限というものを外しても徹底していくべき今非常にいいチャンスじゃないかなと思うのです。どこの保育所でももう本当に子供が少なくて困っている現実があるわけですから、そういう点では所得の制限をそんなに厳しくするということについては果たしてどうなんだろうかなというふうに思うので、その辺もう少し検討してみていただけないものかなと思います。  それから障害児保育というのは、これは私も実際に自治体で経験したんですけれども、大変小さいときからこういう混合保育をやっていると、いわゆる子供の間に差別的な感覚というのが非常になくなって、今問題になっているいじめなんというのもこういう小さいときから、保育時代から混合保育をやることによって私はなくなるんじゃないかなというふうにいつも思っているものですから、この辺はもう少し厚生省で各自治体が積極的に取り組めるような指導をやっぱりもっとやっていただきたいものだな、そんなふうに思っているんですが、その辺もう一度いかがでしょうか。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 先生の御趣旨、大変ごもっともだと思っておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、乳児保育につきましては、保育所で積極的に引き受けていくということに対しまして相当に強い御反対の御意向もあるという事実もお酌み取りいただきたいと思いますし、それから、現実に乳児を保育いたしますと、これは今の保育所の仕組みでございますと、ある一定の所得階層以上は保育料をある程度いただくという仕組みになっておりますけれども、乳児保育の場合にはこれは相当の金額になっていくわけでございますが、そういった負担をどう考えていくのかという問題ももう一方にございまして、そこら辺を総合的に判断いたしますとなかなかに正直言いまして難しい問題がございます。  しかし、私どもとしましては、今の対策をできる限り進めていきたいという先生の御趣旨はごもっともだと思っておるわけでございまして、関係方面の御了解をいただきながら進めてまいりたいと思っております。  それから障害児保育につきまして、先生のお話は私どもも全くそのとおりと思っておりまして、できる限り多くの保育所で障害児を引き受けていただけるような、そういった私どもなりの対策を強力に進めてまいりたいと思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 もうちょっと時間あるようですから、もう一つだけお尋ねしますけれども、この障害児保育ですね、中程度の障害児四人に保母一人というんですが、私が実際にやったのは、完全に目の見えない子二人を六十人保育の中で預かったことがあるんですけれども、そうしますと、どうしても専任の保母さん一人つけなければ二人の盲児を見るということにはならないんです。その辺、これは今中程度の障害児四人に保母一人なんですが、そういう完全に失明しているお子さんなんかを一緒に預かった場合はどうなんですか。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 障害児を保育所でお預かりしていくということを当初導入いたしますときに、正直言いまして実は保育担当者からもさまざまな御意見がございました。非常に重い障害児についてはこれを保育所で引き受けるということは非常に問題があると、現実に保母さんの方からはそういう場合には一対一でないとどうも対処できないというような御意見もございました。  私どもは、財政上の制約もございますし、こういったものをどういう形で引き受けていただくのか、重い障害児の障害の程度はどこまでお引き受けいただくのか、いろいろ当初導入いたしますときに議論があったわけでございますが、いわば保育関係者とのお話し合いを詰めました上で、中程度の障害児につきましてこういった範囲で保母さんの加配をするということで障害児保育に踏み切ろうという形でやらせていただいたわけでございます。  今おっしゃいました、全盲という例を挙げられたわけでございますが、例えば自閉症児も相当に重い方がございます。これは非常に統合保育効果があるというふうに言われております障害児でございますが、障害の程度、いろいろなタイプの障害がございますが、相当に重い方をすべて保育所で、保育に欠ける障害児をすべて保育所で引き受けるということは正直言いましてなかなか保育関係者の了解を得られないのではないかと私どもは思います。現在の段階ではまずここでやらせていただきたいということでございますので、先生がおっしゃる相当重い者も引き受けてやったらどうかと、それも相当効果があるんじゃないかというお気持ちは正直申しましてわかるのでございますが、私どもの対策としてはここで進めさせていただきたいと思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 じゃ、もう一つだけ。  障害児保育ですね、現場の保母さんになかなか引き受けてもらえないという、そういうお話でないかと思うのですけれども、確かにそういう抵抗はあるのです。ということは、非常に責任を持てないという不安感があるわけです。  それで、実際に扱う保母さんにそういう関係の学校に入ってもらいまして相当の教育を受けて、それで全盲の子供を預かったわけです。そうしますともう全然心配ないんですよ。それでやっぱりその程度の障害の子供たちが一緒に生活をすることに一つの意味を私どもは見つけたわけです。  だから、中程度だったらどこでも引き受けると思うのですけれども、もっと重い障害児でも保母さんを教育するなり、保母さんの数をふやすなりによって私はやっぱりもっともっとそういうものは公的な保育所では引き受けてもらえるものだというふうに思っているものですから、もう時間もないから御回答をいただけないかもしれませんけれども、一度ぜひひとつその辺を研究してもらいたいものだなというふうに思うのですけれども。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 今、先生は全盲のお子さんの例をお挙げになっておられるんでございますが、障害の態様というのは非常にさまざまでございますし、保育の専門家のお話でも、全盲のお子さんについて、一応その障害の専門の機関である程度の訓練を経た上で保育所で引き受けるというような形の方が子供さんのためにもいいのではないかという御意見もあるようです。  その障害の態様、それからその障害の高度さ、難易さ、それから障害児専門の通園施設も私ども一方やっておりますけれども、そういったそれぞれの機能をどういうふうに組み合わせていく方がその障害児御本人、また先生が御指摘になっております子供さん全体の障害児に対する理解を深めていく、その両方でいいのかということにつきましては十分今後とも考えていきたいとは思っております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 ただいませっかく労働省、厚生省から資料をお示しいただいたわけでございますけれども、私は別の角度から問題になっております出生率の低下について厚生省にお伺いをいたしたいと思います。  合計特殊出生率、つまり一人の女子が一生の間に産むと推計される平均の子供数ですけれども、昭和六十二年には一・七二とますます出生率が低下しているわけでございます。この出生率の低下を考えましたときに、我が国の核家族化、そして子供の養育費あるいは住宅問題など、いろいろな理由があると思うわけでございますけれども、私は、こうした理由のほかに人工妊娠中絶問題、さらにはピルの影響なども全く無関係ではないのではないか、むしろ逆に大いに関係があるのではないかと思うわけでございます。  そこで、私は我が国におけるピルに対する厚生省の考え方、ピルが使用される目的、使用後の女性に対する副作用についてお伺いをいたしたいと思います。  厚生省は経口避妊薬の医学的評価に関する研究班を設置されまして、昭和六十一年十二月には研究班から報告書が出されております。この報告書は、ホルモン含有量の少ない低用量ピルの導入は望ましいとの結論をまとめております。そして製薬会社が臨床試験をする際の経口避妊薬の臨床評価方法に関するガイドラインをも作成されていらっしゃいます。  この報告書が出たことによりまして、我が国においては、ピル自由化時代とか人工妊娠中絶に悩む女性に福音などといったピル賛美の活字が当時新聞や週刊誌をにぎわしたわけでございますけれども、ピルは何年から解禁になるのでしょうか。まずこの辺のところから厚生省にお伺いをしたいと思います。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) ただいま先生から御質問がございましたピルの解禁の件でございますが、先生既に御案内のように、私ども厚生省として報告書をいただきましたのは、経口避妊薬の医学的評価を進める価値がある、こういうような研究班の御報告でございまして、これに基づきまして臨床評価方法に関するガイドラインが出まして、これに準拠しまして現在各医療機関におきまして臨床試験を実施している段階でございます。したがいまして、その成績がまとまった後、個別にその有効性、安全性を実証するデータとともに厚生省に申請が出てまいりまして、これを個別に慎重に審査をいたしまして中央薬事審議会の御判断をいただいた後承認するかどうかを決めるということになっておりますので、このピルが実際に使われるようになるのがいつになるかということになりますと、その資料のできぐあいによってくるというふうに考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 それに至るまで私は私なりの考え方を申し述べさせていただきまして、そして厚生省も一緒になって考えていっていただきたい、かように思うものでございます。  ピルが本当に解禁されるということになりますと大変な事態を招くのではないかなと、こんなふうに考えております。その最大の理由なんですけれども、このピルを使用した場合なんですが、女性への副作用の問題、これがまず解決していないんです。それとまたピル解禁に伴う青少年の性の意識、この乱れに拍車をかけるようになりはしないかといったこの二つの問題を考えるわけでございます。  六十一年に、あと二、三年後でピルが解禁されるのではないかということを厚生省が発表したことがございます。そのときに、一般の認識でございますけれども、ピルというと非常に安易な避妊薬である、そういう意識が非常に高いわけなんです。  このピルなんですけれども、私が承知いたしておりますところでは二種類あるそうでございまして、一つは卵胞ホルモンと黄体ホルモンの混合したもの、そしてもう一つが黄体ホルモンだけのミニピルと言われるものがあるそうです。解禁されるのはミニピルの方だと思うのでございますが、今は研究班にゆだねていらっしゃるということでございますけれども、女性がピルを使用した場合、それによってその女性の体がどう変わっていくかということ、こういうことについてお考えになったり、またいろいろとお調べになったことが今日まで厚生省としてあるかどうかということをお聞きしたいと思います。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) 経口避妊薬は現在まで我が国においては承認されておりませんので、我が国において、実際経口避妊薬として使用した場合にどういうような副作用が生ずるかということにつきましてはデータがないわけでございますけれども、諸外国におきましては既に長期間にわたりましてこの経口避妊薬が使われておるわけでございます。  最初に経口避妊薬が認可されましたのは一九六〇年にアメリカにおきまして認可をされまして、これ以来現在まで三十年に近い使用経験を積んでいるわけでございます。それで、そうしたところの使用経験、また認可後の各種の疫学的調査がアメリカ、イギリスを中心に行われておりますが、その結果、経口避妊薬の副作用というものがホルモンの量に関係するということがわかってまいりまして、ホルモンの含有量を極力減少させることによりまして副作用の軽減を図り、しかも避妊効果のある、こういう低用量ピルというものが開発されてまいりまして、現在これが世界的な主流となっているわけでございます。  我が国の研究班が研究報告をされましたのは、この低用量ピルについて我が国でもその有効性、安全性について医学的な評価をする価値がある、こういう内容でございまして、今後そうした医薬品の臨床治験の結果が出てくるということになろうかと思っております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 アメリカで開発されて、そして昭和三十六年にアメリカで解禁されたものが全世界に広がった、そういう経過があったわけなんです。  今アメリカでは非常にピルに対する反省が促されているのも、これは事実でございますし、ま た、私がなぜこのピルの問題を取り上げているかといいますと、今御説明がありましたけれども、外国の資料に基づいていわゆる研究班がいろいろと研究を進めていらっしゃるわけなんです。それはもちろん我が国では解禁もしておりませんし、使用者も非常に少ないわけですから、やむを得ないことだと思うのでございますけれども、欧米人と私たち日本人の生活環境それから食生活も、またいろいろそういうライフスタイルが違うわけでございます。外国人によるそういう資料だけをもとにして解禁に踏み切るのはどうかという思いがするわけです。そういう中で私は外国におけるピルの使用例が我が国の女性にも適用できるのかどうかということをお聞きしたいわけなんです。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) 臨床試験におきましては、やはり先生御指摘のように我が国の生活様式、また人種的な差もございますので、我が国での臨床試験を必須としておりまして、長期投与試験、これを我が国で行うようにということで臨床試験を実施しているところでございますので、海外のデータによって判断をするということではございません。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 そうしますと、今御答弁をいただいたわけでございますけれども、ピルというのはあくまでも化学薬品なんです。そして使用する目的といいますのは、自然な周期をコントロールするわけでございます。そうしたもので女性の体に異常が起こらないわけがないと思うのです。副作用がないということは断言できないと思うのです。  そして、私が調べたところによりますと、医師の処方せんをもらってピルを買いに行くわけです。そうしましたら、その箱の中に警告書が入っているわけなんです。その内容の一部を読みますと、最も過酷な副作用として、異常な血液凝固、血栓症を引き起こす。それが原因で心臓発作、脳卒中、肺梗塞になる。いずれも場合によって致命的で、特にたばこを吸う女性と、それからまた三十五歳以上の女性の危険はさらに増してくる。この使用に対して非常な警鐘を訴えていらっしゃるんです、この説明書の中に。そしてまた胆のう障害、肝臓腫症の危険性もある。それから妊娠に気づかずに使用したとき、生まれてくる赤ん坊に心臓欠陥や四肢欠損などの先天的異常の危険性があるというふうなことを書いて売っているわけなんです。  こういうことを考えますと、本当にピルというものは、医師の指示薬であっても安全なのかどうかということ、その辺などもちょっとお聞かせをいただけたらと思うわけでございます。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) ただいまの循環器系の副作用、それから生殖機能への影響というところが議論の論点であったと存じますが、循環器系の疾患との関連といたしましては、先生御指摘のとおり、この経口避妊薬の主成分の一つでありますエストロゲンによりまして血液凝固系が影響されている、こういうことで副作用の発現にこの経口避妊薬が関与をしているということは言われております。  ただ、その発現の仕方におきましても、経口避妊薬を御使用になる婦人の年齢、それから喫煙といった他の危険因子の有無が密接に関連しておりまして、例えば三十五歳を超えた方で喫煙をされる、こういうような方には危険の因子の影響が出るということがございますので、そういう状況の方はたばこをおやめになるか、あるいは別の避妊法を選択されるかというようなことで、その使用に当たりましては十分な注意をしましてこのピルの処方をしているというふうに私ども聞いております。  それから次世代への影響でございますが、例えば不規則な服用をしましたり、不注意のために妊娠して、これを知らずに服用を続けた場合の胎児への影響ということでございますが、これはこれまでの膨大な使用経験でも明らかな関連性は認められていないという報告をいただいております。  こうした問題につきましても、今後ともなお注意深い調査検討をしていく必要があろうかと思っております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 今の御説明にもありましたように、絶対だとは言い切れないんです。そうした中で解禁の方向に向けて研究班が研究を進めていらっしゃるわけなんです。そういう安全性に関する唯一の情報源がいわゆる外国になっているわけなんです。外国で安全と言われているから我が国でも低用量のピルを解禁するという、そういうことの見解、この辺に対して厚生行政のあり方はこれでいいんだろうかという一つの疑義を持つわけでございます。  それとまた、日本医師会、これは患者の生命を直接預かっているわけですが、日本医師会では、ピルの使用はこれは今おっしゃられたように医学的には必要であるけれども、解禁に対しては反対であるという態度をとっていらっしゃるということを聞いております。そういうときにどんどん解禁の方向へと研究班が研究を進めていらっしゃることにつきまして、厚生省の御見解をちょっとお聞かせいただけたらと思うのでございますが。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) 日本医師会は、この研究班が発足する前でございますが、六十年の九月以降、日本医師会、日本産科婦人科学会、こういう学会から経口避妊薬の有効性、安全性の確認方法の確立を図るために検討を始めるべきである、こういった趣旨の要望書をいただいておりまして、私ども日本医師会としてはこの問題に対して賛成の立場にあるというふうに理解しております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 使用することについて賛成ではあっても、市販をされて一般に広く解禁をするということには反対の態度であるということをお聞きいたしたものでございますから伺いました。  それから先ほど御説明にありましたように、このピルはもともとはアメリカで許可されたものなんです。そして昭和三十六年以来アメリカやヨーロッパで大変広がってきたわけですけれども、この目的は、自立を目指す女性のための、いわゆるみずからをコントロールできる方法として最もこれがいいということで広がったわけです。  ところが、アメリカの資料を私最近手に入れたんですけれども、避妊効果ばかりが話題にされて健康の視点が欠けていたということについて今反省が促されているということなんです。そしてその資料を拝見しますと、一九七三年、つまり昭和四十八年には十五歳から四十四歳までの結婚している女性のピルの使用者、これが三六・一%であった。ところが十年後の昭和五十七年にはこれが一九・八%となっている。一六・三%も減少しているわけなんです。そして年齢別に見ましても、三十五歳から四十四歳の使用者はわずか二・九%である。未婚の女性も含めた全体の使用者は二八・六%となっておるわけなんです。  ピルの先進国と言われたアメリカで、今非常にピルの副作用の怖さ、こういうことから非常に使用者が減ってきている事実、それからまた、見直されて反省をしてきている今のアメリカの現実を見ましたときに、そうした中でもやはり厚生省はこのピルの問題に取り組まれて、解禁の方向へ研究班が進めていくことをお受けになられるおつもりでいらっしゃるのかどうか。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) 研究班の報告は昭和六十一年の十二月にいただいたわけでございますが、その報告によりますと、冒頭に先生から御紹介いただきましたように、「低用量ピルの有用性が確立されつつある現在では、これを導入することは国民保健上からも望ましいものと考える。」というような研究班の先生方の御意見でございました。そういった基盤に立ちまして、「低用量ピルを対象としてその有用性を実証するための臨床試験を行う価値がある」と、こういうような御意見をいただいたわけでございます。  そうしたことで臨床評価方法に関するガイドラインが出されまして、我が国の国内におきます臨床試験の成績を添付いたしまして個別に今後申請がされることもあると考えますが、そうした場合には個別の品目ごとに十分有効性、安全性をその時点の科学の水準に照らしまして検討して審査を進めたいと考えております。  もう一つ、ピルの解禁という言葉でよく私ども聞かれますのは、ピルが承認されますと薬局に参りましてだれでも手軽に買うことができるという事態に即つながるというふうに聞かれることがございますが、こうした医薬品、特にそのピルを使う対象として、使うことが望ましくない方もおられるわけでございますので、実際に薬剤が承認される時点におきましては、専門の医師に十分相談をしまして使うような、そうした手続も必要かと思われますが、現在の段階ではまだ申請も上がっておりませんので、また申請が上がった折、そうした安全対策も含めまして考えていかなければならないと思っております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 恐らく、目下研究中であったり、臨床試験の最中であったり、そういう製薬会社というんでしょうか、がたくさんあると思うのです。六十一年の十二月ごろ、ピルが三年後に解禁の方向へということでいろいろとマスコミが騒ぎました。それが一般認識ではなかろうかと思うのです。  ですから、今御説明いただきましたように、本当に理想的に使われることを望むわけでございますけれども、この辺を厚生省が一般に向けてどのような指導をしていくのか、どのようにピルに対する理解といいますか、そういうものを進めていくおつもりでいらっしゃるのか。研究班がまとめてくださったものに対してのいわゆる厚生行政ですね、その辺のところをどう考えていらっしゃるのかお聞きをしたいと思います。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) 私ども薬事行政を特に医薬品の承認審査という観点から行っておりますが、こうした新しいものがもし医薬品として外に出る場合には、先ほど申し上げましたとおり、それが正しく使われるということが必要かと存じます。その限りにおきましては、使用上の注意をわかりやすく書いたり、あるいは使用に当たりまして医師の診断が必要かどうかということを検討したり、さらに承認をいたしました後にその副作用をきちっとフォローアップするための体制を考えたりということを十分に配慮していかなければならないと考えております。  このようなことにつきましては、承認申請が出てきました段階で十分に検討いたしまして、仮に有効性、安全性が実証されて承認して差し支えがないというような中央薬事審議会の御意見がいただける場合であっても、その安全使用に当たりまして格段の注意を払っていかなければならないと考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 次に、ピルと青少年の性非行の問題についてちょっとお伺いをしてみたいと思うのです。  六十二年の警察白書によりますと、性非行で補導された女子の数が毎年一万人前後にもなっているんです。この性非行のきっかけ、これを調査してみますと、遊ぶお金が欲しくてというのがほとんどなんです。最近における享楽的風潮の影響を受けた、そしてまた女子青少年自身が性というものを商品化してきている、女子少年の性に関する規範意識の低下、これがあらわれてきている証拠ではなかろうか。こうした社会情勢においてピルを解禁すれば、今のように非常に厳しく、また低年層にもよく理解ができるようにお示しいただけるものと思いますけれども、私は、そうした的確な指導がないともっともっとピルの解禁によって乱れた性風俗に拍車をかけていくようになりはしないか、そうしたことも考えるわけなんです。  その辺のことについて、警察庁きょう見えていらっしゃいましたら、この青少年の性非行の問題等について少しお聞かせいただけたらと思います。

遠藤豊孝警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(遠藤豊孝君) 御質問にございました性非行でございますが、私ども被害者的立場にある女子少年も含みました数字を把握してございます。私ども性の逸脱行為というふうに理解しておりますが、このような理由によりまして補導されました女子少年の数、六十二年は八千二百二十六人、六十一年までは減少しておりましたが、昨年から増加に転じております。これは女子少年の刑法犯の増加と同じような傾向にございまして、私ども憂慮いたしておるところでございます。  ピルの解禁がこのような傾向にどのような影響を与えるかということにつきましては、ただいま申し上げましたような事情もございますので十分に関心を持って見守ってまいりたい、このように考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 それと関連しまして、これは六十一年でございますけれども、六十一年の優生保護統計報告書によりますと、年齢別に人工妊娠中絶をした件数を見てみますと、二十歳以上の件数がいずれも低下してきているんです。そして逆に二十歳未満の件数が非常に増加してきているんです。この件数だけで今の青少年の性非行とは決めつけがたいわけでございますけれども、若年層や青少年がやはりただいま申し上げましたような中で性を商品化したり、あるいは性非行した結果というものがあると思うのです。ですから、くれぐれも、厚生省研究班から回答を出されましても、厚生省としてしっかりとしたそういう御指導を怠りなくやっていただきたい、こんなふうに思うわけでございます。  私は、人間の生命というものは受胎に始まる、そして受胎して生命が宿ったときから私たちはこの人間の生命を尊重していかなければならない、そして守っていかなければならない、このように認識をしているわけです。ピルはこうした人間の性、また人間の生命というものさえも否定しかねないものではないか、飛躍した私の考え方か知りませんけれども、そんなふうに思うわけでございます。  その人間の生命とこのピルによる避妊という両者の関係についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、私見で結構でございますので。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) 私、その先生の御質問にお答えすべき資格がある立場かどうかわかりませんが、本当に仕事と直接関係なく答えるとすれば、避妊ということは社会的にはかなり広く認められていることだと思いますので、その避妊の方法としてのピルというふうに位置づけて理解をしているところでございます。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 時間が参りましたけれども、今の時点でこのピルが要指示薬として指定されておるわけでございますが、これから想定されていると申し上げてもいいんじゃないかと思うのですが、このピルの解禁、そして現行優生保護法による安易な人工妊娠中絶というのが、これは届け出だけでは非常に少なくなっているようですけれども、まだまだたくさんの、その届け出数の数倍もやみ中絶が行われているということを専門医からも伺うわけなんです。  そうした中で、やはり私はこの人口問題の中で出生率の低下ということも否めないことではなかろうか。そして、本当に私たちが子供が欲しいときにはもう不妊症になっていて子供ができなかったりという事実があるわけなんです。そういうことを考えますと、やはりこの将来の我が国の人口問題というものに全く関係がないとは言い切れないし、また大いにその影響が出てくるのではないかと心配するものでございます。  優生保護法については別の委員会でお聞きをしてみたいと思うのですけれども、飛躍した質問になりますけれども、このピルの解禁と優生保護法というこのダブルパンチといいますか、そういうふうなことの中での出生率の低下との因果関係、この辺について厚生省は十分調査をしていただきまして、そして、もうそろそろこの解禁云々をする前に、一度国民の前にそういう研究していただいたものを公表していただいて、将来の我が国の人口を考えたときにこのようになるのではないかというようなものをお示しいただけないものかどうか、また、そういうことを考えていただけるかどうか、その辺のことをお聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

齋藤勲厚生省薬務局審査第一課長

○説明員(齋藤勲君) 欧米諸国におきまして、ピルの解禁と出生率の低下との関係があるという見方がございますことは承知しておりますが、出生率の動向に影響を与える要因といたしましては社 会経済情勢の変化等も含めさまざまのものが考えられまして、特定の要因と結びつけて結論を得るには慎重であるべきではないかというふうに考えております。  したがいまして、ピルが直接影響があるかどうかは難しい問題と存じますが、承認審査に当たりましては、十分にその有効性、安全性のみならず、その承認をした後の影響も考えつつ審査を進めてまいりたいと考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 ありがとうございました。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 私は時間をたくさん持っておりませんものですから、自分の意見等を陳述する時間がございませんので、大変恐縮ですが、質問だけを最初全部申し上げますので、少しメモっておいていただいて、後からお答えの方をいただきたいというふうに思います。    〔会長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕  まず最初に、厚生省にお伺いをいたしますが、先ほども同僚の委員の中からお話が出ましたけれども、この児童手当の問題につきまして、昨日別表で一覧表をちょうだいいたしましたが、これを拝見いたしますと、先ほど来お話がございましたように、大変に額の差があるわけでございます。この辺のところについて一つ疑問に思いますことは、我が国が進めようとしておる児童手当の趣旨とそれから諸外国におきますところの児童手当の趣旨、目的というものが果たして同じものなのかどうなのか、これは並列に並べて比較をしてしかるべきものかどうかということが大変に感じられましたので、このことを一つお伺いをしたいと思います。  それから、いただきました資料の十一ページにこれは特例給付分のものが掲げてございまして、その最後のところに、この特例給付のことを言っておられるんだろうと思うのですけれども、特例給付というのは六十六年五月までの措置であって、児童手当制度の見直しを行っていく必要があるという今後の課題を挙げていらっしゃるわけでございます。この場合の児童手当制度の見直しをしていくということは、児童手当制度全般にわたって今後見直しの余地があるという問題なのかどうなのか、この辺をお伺いいたします。  それから受給児童数、六十二年二月末現在で三百三十万人という総数が出ておりますが、これはつまり該当する人数に対するどのぐらいの割合になっておるのか。というのは、今度は現場の話でございますけれども、うちも申し込みたいんだけれども、実はこれを市役所なり区役所なりに申し込みに行く期日が非常に短いんです、御存じでしょうか。    〔理事斎藤栄三郎君退席、会長着席〕 その間、その機を外しますとその年度はもう申し込めないんです。地方自治体にするとその予算がありますものですから、やはりこの期日が短いことによってその年度はアウトになるということがあろうかと思いますので、その点をお伺いしたいというふうに思います。  それから母子保険の問題につきまして一連のことが書かれております。この母子保険の対策の概要の中で、出産時における先天性代謝異常症等の検査の問題がございます。この先天性代謝異常症についてはその検査が無料であることは皆周知のところなんでございますけれども、先ほど来先天異常の死亡率が大変高いというお話を伺いましたが、先般私どもの方で婦人問題関連予算の説明会をさせていただいて厚生省からもいろいろと御説明をいただいたときに、私どもの地方の議員から、この先天性代謝異常症検査、これは無料ではありませんと。実は各方面から調べましたら、三千五百円から二千円の間で有料でございます。ただし、これは採血料と称しておるところ、それから血液を輸送する輸送料と称しておるところ等々ありまして、検査そのものは確かに厚生省がおっしゃるように無料でございますけれども、事実上やはり点数がとられているわけなんです。この辺のところを御認識になっておられるかどうかをお伺いしたいというふうに思います。  それからもう一つは、いろいろあちこちにまたがって大変恐縮なんですが、保育所に対する多様なニーズの問題が先ほど出まして、これはまさにそのとおりだというふうに思いますし、今後そういう多様なニーズに対応する保育所施策というものが必要であろうことは私も大変よくわかりますし、大賛成でございますが、一方で留守家庭児童対策の問題でございますけれども、このいわゆる学童に対する対策、母親の帰りが遅くなればなるほど学童をどういう形で迎え入れておけばいいかという課題が地方自治体にいろいろございます。その対策については地方自治体がその自治体に応じた措置をしているようでございますけれども、この留守家庭児童対策、今後女性の労働時間等もさまざまな形になっていく中でこれは一体どのように考えておられるのか、このことをお伺いいたします。  年金の問題もあるのですが、時間がないかと思いますので年金ちょっと外しておきまして、これはまた後ほどもし時間が出ましたらお伺いいたします。  あと労働省には、先ほど育児休業制度のお話が出ましたが、両輪のように施策を進めておられるところの女子再雇用促進給付金制度の創設の後、私はこのことについて一度御質問したことがございますが、まだ創設後日が浅いので効果あるいは利用度等については掌握ができていないということでございました。この利用度がどんな状況にあるのか、効果をどのように考えておられるのか、この再雇用促進給付金制度について御説明いただきたい。  あわせて、育児休業制度については先ほどおっしゃったように指導員等を派遣なさって指導方なさっておられますけれども、この再雇用制度については指導あるいは給付方のPR、これが大変必要だと思います。これはどんなふうになっておるのか、このことについてお伺いをしたいと思います。  以上、一応お伺いします。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) まず、児童手当の関係の御質問でございますが、諸外国の児童手当と比べまして額に大きな差があるのではないか、それから児童手当の制度の趣旨自体が同じかどうかという御質問でございますが、児童手当の御説明で申し上げましたように、我が国では児童手当が諸外国に比べますと他の社会保障制度に比べまして非常に遅く発足をいたしました。ILOの社会保障に関します基本的な給付の中に児童手当があるわけでございますが、そこでは、これは欧米の賃金の体系が職務給的なもので、多子ということによる労働者の家計の大きな負担増というものを補うものとして児童手当を社会保障の一つのカテゴリーとして考えてきたという経緯があると思うのでございますが、そういう意味では児童手当は例えば年金とか医療保険というようなものと並びまして非常に基本的な社会保障の制度として欧米では位置づけられてきたという経緯があるのかと思います。  我が国では他の諸制度の後で児童手当が登場いたしたわけでございますので、後発であるということもございますし、また、我が国の賃金体系が諸外国とは違いまして家族給でございますとか年功序列型の構成をとっておって、子供さんが大きくなるような労働者においては賃金がある程度多くなるような構成を持っていたとか、いろいろな要因があるのかと思うのでございますが、そこら辺が、何か評論家的なことを言いまして恐縮でございますが、諸外国と比べますと我が国の児童手当につきまして国民経済上大きなシェアを占め得ないいろいろな理由があるのではないかというふうに考えております。  いわば手当が先ほど申し上げましたように全体といたしまして千六百億程度の金額になっておりますが、こういったものを大きくふやしていくためには、事業主なり国民の皆様なりの御理解を得て現在の社会保障負担の比率の中でこの部分のシェアを相当多くとっていかなくてはいけないということがあるわけでございますが、そういう意味では我が国の社会保障全体のシェアは年金が相当 な部分を占め、医療保険が相当な部分を占めるという、もう既にそういう構成をとってきたわけでございますので、その中で児童手当が大きなシェアを占め得ないいろんな沿革があるのではないかと思います。  今後、こういった児童手当の現状を踏まえた上でどうしていくのかという御質問が次になってくるかと思います。特例給付が給付としていわば過渡的な形になっておりますので、やがて児童手当につきまして基本的な検討をしなくてはいけないという時期になっておりまして、これはその特例給付をどうするかということのみ以外に児童手当についてどういうふうに考えていくのかということを私どもとしては検討しなくてはいけないということになるかと思います。  その中で、全体として今の給付の仕組みにつきまして、五十九年時点で児童福祉審議会等から御意見をいただきまして今の仕組みになっておるわけでございますが、こういった仕組みをそのまま続けていく、またはその中での手直しを考えていくのか、また全然違う方向からこの問題を考えていくのか、私どもとして大きな宿題と理解をいたしておるわけでございます。  それからその次の先生の御質問は、受給児童数が三百三十万人であって、これは申し込みの期日が非常に限られているからアウトになっている人間が多いのではないかということでございますが、私どもとしては、その対象児童数の推計、それから所得制限がどれくらいの該当になるかということを推計いたしますと、非常に多くの方が非該当という形になっているとは考えておらないわけでございます。  それから申し込みの期日でございますが、これにつきましては、該当の年齢、つまり何といいますか受給できる状態になりますれば申請ができるという仕組みになっておるわけでございまして、ある一定の期日が何か限られているということではございませんので、その点は御了解いただきたいと思います。  次に、母子保健の問題でございますが、先天性代謝異常についての検査につきまして、検査料は無料であるけれどもそのほかの項目の費用の負担をお願いしているケースがあるではないかということでございますが、私どもの方の仕組みとしまして、先天性代謝異常検査につきまして検査料だけを見るという仕組みにいたしておりますので、若干の費用負担をお願いしていることは事実ではなかろうかと思っております。  それから最後に、学童保育の対策をどうするのかということでございますが、学童保育、つまり小学校の低年齢の子供さんにつきまして、今児童館を利用いたしましたり、その他の都市健全育成対策の事業の中でこの対策をやっておるわけでございますが、この対策の充実を今後とも図っていきたいというふうに考えております。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 女子再雇用制度につきましては、予算上奨励措置ということで予算の準備をいたしておりますが、これまでのところまだ申請がございません。それはなぜかと申しますと、この制度が導入されましたのが均等法が施行されました昭和六十一年四月からでございまして、これまで約二年を経過いたしておるわけでございますが、この制度の建前が、まず企業で制度をつくりまして、そしてその企業での女子が妊娠、出産、育児等でやめまして、子供さんがある程度大きくなって就職したいということで再雇用されまして初めてお金が出る、こういうシステムになっておりますので、まだ二年という経過の中ではそういうところまでいっておらないということでございますので、これからおいおいに出てくることを期待しているところでございます。  それからPRにつきましては、育児休業制度の普及のための指導員がございますが、この指導員が、一つは事業所に対して指導やお手伝いをしているということと、もう一つは育児休業の促進のための旬間がございますが、このときにあわせて育児休業制度の導入と女子再雇用制度の導入を同じようにお勧めをしているということと、またパンフレットもつくっておりまして、こういうパンフレットも各事業所にお配りをしているというようなやり方で行っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 労働省の方にお伺いいたしますけれども、育児休業制度については例の有識者会議の提言の中にも順を追って進めていくことがいろいろ提言されておりまして、最終的には男女がともに育児休業制度がとれていくようなシステムまで持っていくべきであるというふうなことが書いてございます。この男性の育児休業制度についてはどういうお考えをお持ちでございますか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 諸外国では男性も育児休業がとれるようにというような制度になっております国もふえてきております。  ただ、この問題につきましては、やはり我が国の場合そこまでのコンセンサスが形成されておらないということで現時点ではなかなか難しいということがございますので、私どもとしては、まず、そこまでいきますのにはコンセンサスの形成ということが大切ではないかというようなことから、育児休業制度の普及促進旬間等を中心といたしまして、さまざまなイベントをいたしましたり、マスコミの御協力をいただいて皆様に、こういう考え方もありますがいかがでしょうかというようなことで問いかけをするというようなところからいたしておりますので、そういうことも含めて、世の中の考え方が、どこまでそうした考え方についての同意が形成されていくかということも頭に置きながら進めてまいりたいというふうに考えております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それから長尾さんの方に伺いたいのですけれども、年金の問題は中へ入りますとややこしい問題になりますので、最近の自分自身の思いでございますけれども、新国内行動計画の女性に対する十五の重点項目の中の所得保障の充実という重点項目の中で、公的年金の確立と、それからその次にやはり自助努力による資産形成というのが一つ入っておるわけです。私どもはあれについてかなりぎゃあぎゃあと騒いだわけでございますけれども、最近、経済企画庁でしょうか、経済審の国民生活部会がちょっと一部中間報告を出されて、その後ろに西暦二千××年における生活物語というドラマがつけてあります。私は大変バラ色の生活と絵を描いてくださったなと思って楽しく読みましたけれども、その一番後段の部分で、厚生年金とそれから企業年金と個人年金があるから収入はとても楽だけれども、社会保険とそれから税金があるからやっぱりつらいねというせりふのくだりがあるわけです。  そこのところで私どもは思うのに、ははあ将来は厚生年金だけでは食べられないから個人年金と企業年金がやっぱり必要なんだなという絵をあれで見たわけです。ずばりお伺いしたいんですけれども、やっぱり公的年金だけでは私たちの将来は保障されないのでしょうか。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 年金局におりませんので大変お答えが難しいのでございますが、私どもが申してまいりましたのは、公的年金制度といいますのは、いろいろさまざまな所得階層を含んだ方にお互い強制的にある一定額を拠出していただきまして老後の生活を保障するという仕組みでございます。その生活の態様もさまざまであるということを考えますと、拠出していただくものにある一定の限界が出てしまうということは御理解をいただけることと思います。例えば基礎年金を例にとりますと、国民年金の被保険者の中には本当に所得の少ない方もおられますので、この方々を考えに入れまして保険料を決めますと、どうしても給付のレベルにある一定の制約が出てしまうということは事実だと思います。  老後の生活設計を考えられます場合に、御自分が生涯過ごしてこられた生活のレベルというものを前提といたしまして老後の生活をお考えになるのが普通だと思いますので、いわば社会的にある程度恵まれた生活をしてこられた方が老後の生活として考えられますレベルからいいますと、厚生年金なり基礎年金なりというものが保障しますレベルについて御不満が出てくるというのは私はや むを得ない部分があると思います。そういう部分につきましては、御自分のお考えで個人年金というような商品を御準備いただくのも一つの方法かと思いますし、企業単位で企業年金という形で老後の生活の充実を図っていただくということも我我の老後の考え方としてあるのではないかと思います。  公的年金だけですべてを賄うということは、ある意味で非常に安定した確実なものであるように御理解をいただけるかと思うのでございますが、今申し上げましたように給付のレベルは一方拠出のレベルというものをどうしても制約いたしますので、拠出をする方があらゆる所得階層を含みました全国民ということからいいますと、やはり老後の生活の中で中核的な部分は公的年金で、これはきちんとスライドもいたしますので、きちんと保障していく、こういうような考え方でおるということは御理解をいただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 出生率を高めるべきかどうか、また、そのために政府が何か施策を講ずるべきかどうかというのは大変微妙な問題です。戦争のために人口をふやす、戦前の日本の産めよふやせよなどという施策は絶対にあり得べからざることであるというふうに考えます。私たちの立場は、働く婦人のうち既婚婦人が七割近くを占めている現在、保育所あるいは育児休業制度など働き続ける婦人が働きやすい条件整備、それを政府の責任でぜひ進めていく必要がある、こういう立場で伺いたいと思います。  まず、厚生省にお伺いいたしますが、婦人が退職を考えるときは、出産、育児、そして年老いた両親の介護、そういうときが多いわけですけれども、例えば今の保育政策を見ますと、国庫補助率が十分の五に引き下げられています。地方財政の圧迫が保育料の値上げを招いていますし、延長保育、夜間保育、ゼロ歳児保育というものは大変経費がかかるということで二の足を踏んでいる自治体が少なくありません。保育所運営費の国庫負担率が十分の五になった結果、個人負担は五十三年当時の三八・九%から六十三年度は五一・二%、こういうふうに大幅にふえているわけです。そしてまた、アメリカの大企業が保育産業と提携して保育園チェーンを展開する、こういう報道もあるわけです。  機会均等法の実施後、婦人の働き方の多様化、これは必ずしも好ましいことであるとは思いませんが、そういうことに伴って保育内容も多様なものが要求されているわけです。そういうものに対して政府が積極的に対応していかなければ企業の利潤の食い物にされかねない、その結果劣悪な条件のもとで保育が行われる、こういうことにつながりかねないわけです。  私は二点お伺いしますが、保育所運営費等の補助金、このカットをぜひやめるべきで、少なくとも以前の十分の八に戻すべきではないかというのが第一点です。  それから第二点目は、六十三年度予算には延長・夜間保育のための特別調整費四億円がついているんですけれども、まだまだこれでは足りないわけで、ゼロ歳児・夜間保育など婦人の要求に合わせて行き届いた保育行政をもっともっと国が力を入れるべきではないかということが二点目です。  それから障害児が生まれる率がふえているということも言われていますけれども、乳児健康診断とその受診率について実情をお伺いしたいと思います。  それから万一障害を持って生まれても、今の発達した医学あるいは学問研究のおかげで、かなり早期にいろいろ治療をしたりリハビリをすれば改善される例も多いわけですが、今の乳幼児健診の回数をもっともっとふやして早期発見、早期治療ということを国がやるべきだと思うのです。進んだ自治体では乳幼児健診の数をかなり細かく実施しているところも多いわけですが、そうでない自治体も数多くありますので、こういうものは国がイニシアチブをとってやるべきではないかというのが第三点目の質問です。  それから労働省にお伺いいたしますけれども、育児休業制度の問題です。現在行われている育児休業奨励金制度などでは、普及率がさっきもお話しありましたけれども、一四・六%にとどまっています。既にこの制度が発足して十三年たっているわけで、なかなか民間企業に広がっていかない、こういう問題があるわけです。育児休業を法制化すべきでないか、こういう質問をしますと、いや、普及率が低いのでもうちょっと待ってからと、こういうお答えが返ってくるわけですけれども、普及率がじゃどれぐらい高まれば法制化するつもりなのか、あるいは法制化することによって普及率が高まるということは確実なわけですから、私は、大企業に対して気兼ねせずに積極的に国は育児休業制度の法制化ということをやるべきだし、少なくとも公務員労働者についてはいち早くやれるんじゃないか、やるべきじゃないかというふうに思いますが、この点は労働省からお答えをいただきたいと思います。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 先生の御質問の第一点でございますが、保育所の措置費の国庫負担率の問題でございます。  先生御指摘のように、費用徴収分、保護者の方が保育所の総経費の中でどれくらいを負担していただいておるかという比率、確かに五十三年三八・九%でございましたのが現実時点では五一・二%に上がっておりますが、これは地方公共団体と国との負担区分が変わったというよりも、この間におきます階層率の変化、つまり市町村民税のみを払っておられるC階層の親御さんが減りましてD階層の親御さんがふえたということによるものでございますので、その点は御了解をいただきたいと思います。  それで、先生は保育所の措置費については現在の十分の五という暫定措置を十分の八のもとに戻すべきだという御主張であるかと思いますが、国と地方のこういった福祉に関する費用負担区分をどういうふうに持っていくべきかということは、昭和六十四年度以降国と地方の財政状態、それから役割の分担区分等を勘案しながら関係省これから十分詰めていきたいと思っておるわけでございます。  それから第二番目の、保育内容の多様化に積極的に取り組んでいくべきではないかという御指摘でございますが、乳児保育にいたしましても延長保育にいたしましても、それから障害児保育の問題にいたしましても、私どもといたしましては、御承知のように財政上大変厳しい折でございますので、できる限り精いっぱい努力させていただいたつもりでございます。先生がおっしゃいますように、今後働くお母様たちのバックアップをするために保育内容の多様化に十分に対応していけという御指摘はごもっともだと思っておりまして、できる限りやりたいと思っております。  最後の乳児の健診の問題でございますが、まず健診率がどれくらいになっておるのかということでございますが、乳児につきましては乳児健康診査というのをやっております。それから一歳六カ月で健康診査をやっておりますが、一歳六カ月児の健康診査の受診率が大体八割ぐらい、八〇・八%ぐらいというふうに私ども思っておりますが、この受診者数から想像いたしますと乳児健康診査もほぼそれくらいの、八〇%ぐらいの受診率になっているのではないかというふうに思っております。  現在、乳児の健診につきましては、一般健康診査と精密健診をそれぞれ二同行っているわけでございますが、そのほか全国の保健所におきまして必要があればいつでも乳児健康診査が受診できる体制をしいておるわけでございまして、そういった形の御利用をぜひお願いいたしたいと思っておるわけでございます。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) 育児休業制度の請求権の法制化についてでございますけれども、この問題につきましては、雇用機会均等法につきましての関係審議会での御議論におきまして、育児休業請求権を法制化するということは、大企業だけではなくて労働者を一人でも二人でも使っている零細企業についても義務づけをするということで ございますので、その時点での育児休業の普及率から考えて時期尚早である、まず育児休業制度の普及率をもう少し上げるように努力しろというお返事をいただきましたために、その普及に努めているわけでございます。  今、先生おっしゃいましたように、それでは何%になったらできるのかというお話でございますけれども、そのような御議論がありまして、これまで私どもとしては力は足らないということになるかと思いますけれども精いっぱい努めてまいりまして、現時点で先ほど申し上げましたような普及率ということでございます。今の時点ではちょっとまだ無理だというのが私どもの率直な考えでございまして、それでは何%かということは今の時点ですぐ申し上げられることではないのでございますけれども、さらに力を入れましてその普及の度合いを見ながら考えていきたいということで、その普及促進に力を入れているわけでございます。  それから公務員についてだけでもやるべきではないかという御意見でございまして、このことについては私お答えする資格がないのでございますけれども、一般論として申し上げますと、一般的には公務員の労働条件というのは、賃金等についてもそうでございますが、民間の企業での労働条件というものを十分勘案してという一般原則はあるわけでございまして、そういう意味でのいろいろな御検討はその所管の行政機関におきまして御議論がなされているのではないかと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 労働省にもう一点お伺いしますが、育児休業奨励金などを見てみましても全然ふえないわけです、利用者が。ですから、百年河清を待つと言うとちょっと失礼ですが、遅々として進まないという現実があるわけで、では昔及率を抜本的に高めて、それが結局世論のコンセンサスを得てという意味なのかもしれませんけれども、そういうふうにするためには何か新たな手を打ちませんと、十三年間で一四%ということで計算していくとなかなか広まっていくスピードが遅いものですから、この時点に立って飛躍的に昔及率を高めるための何か有効な手を労働省としても今後打っていかなきゃならないと思うのですけれども、その辺の対策はあるのですか。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) なかなか難しい御質問なのでございますけれども、企業でどうして育児休業制度を導入しにくいのかといういろいろな理由を聞いてみますと、もちろんさまざまございますけれども、大きいものとしては代替要員の確保が難しい、仮に代替要員を確保いたしましても、よほど大きな企業でございませんとそれが十分うまく回っていかない。育児休業をとった人が戻ってまいりましたときに代替要員は要らなくなるわけでございますが、その代替要員をすぐ解雇できるのかということも含めた問題がございます。  また、ある意味では企業が育児休業制度を導入していこうという気持ちになるのはどういうときかといいますと、女子労働者に少しでも長くここに定着してほしい、いてほしいというような状況になるということがまず大事なことだと思います。そういう意味で、女子労働者が企業にとって非常に重要な戦力になり、しかも産後も働き続けることが、女子労働者にとってだけではなくて企業にとってもプラスになっていくという状況になりますと、さらに進んでいくということがあると思います。そういう意味で、雇用機会均等法が円滑に施行され、女子労働者の能力が十分に生かされるようになり、女子も定着率が上がっていき、そのことが企業にとっても女子にとってもプラスになるというような全般的な改善というものが非常に重要なのではないかと思います。  私どもとしては、単に育児休業制度を導入なさるようにお勧めするだけではなくて、そうした全般的な改善が進むような努力をしていかなければならないという意味で女子労働者の対策すべてについて力を入れているということでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 ちょっと幼稚な質問をしますが、この中で寝たきり老人というのは、これはやはり年で制限しているのかどうか、六十歳以上という。  それから、この特別養護老人ホームと有料老人ホーム――有料老人ホームというのはぴんぴんしているんだろうと思うのだけれども、特別養護老人ホームというのはみんな市町村立で、私立のはほとんどないのかどうか。  それから老人保健施設というのが、先ほどの説明だと公立のは非常に少なくて公益法人的なものになっているみたいなんだけれども、この老人保健施設というのは医療も含んだ施設というふうに解釈していいのか。そうすると特別養護老人ホームと老人保健施設とどう違うのか。そんなことをちょっと御説明願いたい。

真野章厚生省社会局老人福祉課長

○説明員(真野章君) 寝たきり老人数でございますが、六十五歳以上の寝たきりのお年寄りということになっております。  それから特別養護老人ホームでございますが、現在千七百ほどございますが、そのうちの九割が大体社会福祉法人というものがつくっておるものでございます。県や市町村がつくっていただいております公立の施設は大体一割程度ということでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 だから、特別養護老人ホームと老人保健施設との違いは……。

小野昭雄厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長

○説明員(小野昭雄君) 特別養護老人ホームと老人保健施設の相違点についての御質問でございますが、これは幾つかの点でかなり異なっております。例えて申し上げますと、先ほど部長が御説明申し上げましたように、特別養護老人ホームへの入所は措置という制度で入所されるわけでございますが、老人保健施設の場合には通常の医療と同じような形で入所できるといったこと等々の違いがございます。  なお、医療面での違いはどうかということでございますが、特別養護老人ホームにおきましても医師の配置されておるところもございますけれども、大多数は非常勤の医師が配置されておるというのが実情でございますが、老人保健施設におきましては入所者百人当たり医師一人が常勤で配置をするという基準が定められておりますほかに、OTまたはPTを必ず配置するといったこと等、医療の側面を強くしておりまして、主として家庭復帰を目指すための施設体系ということにおきましては特養と異なっておるというふうに考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、将来はどちらを、特別養護老人ホームから老人保健施設へみんな一本化する方向でこういうような保健施設をやっていこうという方針なんですか。

小野昭雄厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長

○説明員(小野昭雄君) 老人保健施設に関しましては、先ほどお手元にお配り申し上げました資料の中の五ページに「要介護老人数の見通し」というのがございます。  例えば昭和七十五年度でございますと、介護を要するお年寄りの方が約百万人程度と見込まれておりますが、そのうちに老人保健施設におきましては二十六万から三十万人程度のお年寄りをこちらの施設で対処したい、福祉サービス等におきまして、例えば特別養護老人ホームにおきましては二十四万人、それから在宅につきましては三十三万から三十七万人程度、残りが病院の長期入院の患者さんというふうなことになるような形での施設体系の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

真野章厚生省社会局老人福祉課長

○説明員(真野章君) 先ほど有料老人ホームと特別養護老人ホームの違いをということがございまして、お答えを忘れましたが、有料老人ホームといいますのは、老人福祉法上の規定はございますが、設置をされる方それからそれをお使いになる方、それぞれ全部自由でございます。ところが特別養護老人ホームというのは、設置をされる方は今申し上げましたように地方自治体または社会福祉法人に限定をされておりますし、中へ入っていただくお年寄りは寝たきりのお年寄り、そしてその利用は必ず福祉事務所を通じて御利用いただくというところで特別養護老人ホームと有料老人ホームはかなり違っているということでございま す。  費用の負担も、特別養護老人ホームには措置費ということで国と自治体の公費が出ますけれども、有料老人ホームは全部御自分の御負担で入っていただく施設でございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、何というのかな、この寝たきり老人でそういうふうな特別の措置をとってもらえなくて入院なんかしているのはみんな自分の費用でやらんならぬ、寝たきり老人でも。こういうような特別養護老人ホームとか老人保健施設に入らぬで一般の病院なり何かに入院している場合には、そういう特別の国や市町村からの援助は得られない病人になるんですか。

小野昭雄厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長

○説明員(小野昭雄君) 特別養護老人ホームにつきましては、所得に応じた費用負担の基準というものがございますし、老人保健施設におきましては食費あるいはおむつ代あるいはレクリエーション経費等、実費的な経費を利用料として費用徴収をするという仕組みになっております。これにつきましては、おおむね一人平均約一月五万円程度の利用料負担になるだろうというふうに考えております。  それから病院につきましては、これは老人保健法におきまして、入院をされました場合には一日四百円の自己負担というものをお払いいただくというのは法律で定められておりまして、おのおの各施設の利用に際しまして一定の利用者の負担が生じておるという現状にございます。  なお、ちなみに老人保健施設につきましては、私どもは、いわゆる長期に入院をしておられまして、既に病院での治療は必要はない病状の程度であるけれども、まだ体のぐあいが余りよくない、例えば日常生活の動作がうまくいかないといったような条件があるために家庭に帰れないというふうな条件にあるお年寄りの方々を本施設に入所していただきまして、リハビリテーション等をやっていただいて家庭復帰ができるようになっていただくというための通過型の施設というふうに位置づけておりまして、この点も特養と若干施設の性格は異なるものであるというふうに考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 だから、この六十五歳以上の、例えば八十歳の老人が寝たきりになって例えばがん患者で一般の病院に入院している場合には寝たきり老人として特別の援助は別に国や市町村から何もないわけですか。

小野昭雄厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長

○説明員(小野昭雄君) 病院に入院されますと、当然病院には看護婦あるいは看護の助けをする補助者であります看護助手がおられるわけでございまして、こういった方々がそういう病気になった方々の看護なり介助に当たられるわけでございますが、これにつきましてはおのおの診療報酬が定められておりまして、医療保険の財源の方から医療機関に程度に応じまして診療報酬が支払われ、医療機関はその診療報酬をもとにといいますか、そういった費用をもとにいたしまして入院された患者さんをちゃんと看護していただくという仕組みになっておりますので、特別に公的な援助ということではなくて、実際の医療機関の中での看護で、あるいは介護で対処されるものというふうに考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 労働省に一つ、シルバー人材センター、これは今幾つぐらいあって、そしてその活動、雇用あっせんの紹介なんかの活動実績と、どれぐらいの県に設けられておって、どれぐらいのシルバー人材センターの数があるのか。

竹村毅労働省職業安定局高齢者対策部長

○政府委員(竹村毅君) 現在、シルバー人材センターは三百四十カ所六十二年度までで設置されておりまして、六十三年度三十カ所、合わせて今年度中に三百七十ということになります。これは最初主要な都市、大きなところから順次設置したという経緯もございますけれども、できるだけ希望のある市町村につきましては今後も基準に合うものについては設置していきたいというふうに考えております。  ではどの程度動いているかということでございますけれども、六十二年度のまとめがまだできておりませんけれども、六十一年度の末で見てみますと、このときは二百九十団体が活動しておりまして、約十四万人がその会員として登録されております。一団体当たり約五百人弱、四百八十八人だと思いますけれども、そういう二百九十団体でいろいろな仕事を請け負った結果として総額三百五十七億円のいわば報酬、これを受け取っております。一団体当たりに換算しますと一億二千万円ちょっとになりますけれども、こういう数字は今後かなりふえていくのではなかろうかというふうに思います。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 これに対して市町村はどれぐらい補助しているんですか。補助はほとんどなくて自活ですか。

竹村毅労働省職業安定局高齢者対策部長

○政府委員(竹村毅君) これは国の方から半額、市町村が運営費その他につきまして半額、国と五分五分で運営するという建前になっております。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 いろいろお伺いしたいんですが、いただいている時間が余りにも少ないので二、三まとめて御質問申し上げます。  まず、厚生省にお尋ねしたいんですけれども、二月に出ました六十二年度の厚生白書によりますと、高齢社会を支える人材確保ということで、今いる三百三十万人を七十五年度までに四百七十万人にふやす、要するに百四十万人ふやすということです。  今の若い女の子なんかに聞きますと、将来何になりたいかと言うと、保母さんになりたいという人はいっぱいいますけれども、社会奉仕員になりたいとか例えば家庭看護人になりたいというような子はめったにいないと思うのです。高齢者の方は黙っていたってどんどん人数がふえますけれども、皆さんが一生懸命確保しようと思ってもこの百四十万人が確保できなければ大変なことになると思うので、具体的にどういう形でこの人たちを年々ふやしていく方策をお持ちなのか。  それからもう一つは、日本の企業は、これちょっと言葉は悪いかもしれませんが、もうもうかるとなれば何でも手を出すだろうと思って、これから高齢社会に向かって高齢者を対象にしたいわゆる企業がどんどん進出してくると思うのです。そのときに、先ほどのお話ですと、シルバーサービス企業に対しては倫理綱領を設けて何かチェックされるというお話でしたけれども、一年に二遍か三遍臨時に立入検査したところでなかなか実態がつかめないと思うのです。企業によっては劣悪な待遇を強いたりすることがありはしないかという危惧を持つんですけれども、そういうチェック機能をどうされるのか。  それから母子家庭のことが盛んに取りざたされますけれども、どんどん今ふえている父子家庭という問題があると思うのです。僕の知っている範囲で、古い数字ですけれども、五十八年でももう既に十六万世帯いるという。もう相当たっていますので、もっともっと離婚率からいってふえていると思うので、この父子家庭に対する対策をどうお考えか。  それから、これは質問じゃないんですが、先ほど老人保健福祉部というのを新しく設けられると言われたんですけれども、お話を聞いていますと老人だとか高齢者だとかシルバーだとかいろんな言葉が出てきまして、新しくつくられるんだったら、せっかくつくられるんだったら何も老人保健福祉部なんて言わないで、何かもうちょっとユニークな名前ないのかなというふうに思うのですが、いかがですか。  それから労働省の方にちょっとお伺いしたいんですけれども、女性の方の勤続年限はもう大分延びてきたということを聞きますけれども、やっぱり今主流はパートだと思うのです。そのパートの時給の問題だとか退職金がないことだとか勤労時間の劣悪なこと、保健所がないこと、いろんなことがあると思います。特に税金の問題、ちょっと前、年収九十万円過ぎてしまえば夫の扶養家族から外されてしまうというようなことについて、もうちょっと強力にこのパート対策をする必要があるんじゃないか。  それから、いつかこれもどこかの委員会で僕お尋ねしたことがあるんですが、はっきりお答えい ただけなかったんですけれども、定年延長を盛んに労働省の方がお勧めになります。そうしますと、企業は指導を受けて定年延長をしますけれども、延長した条件が物すごく悪ければ勤労意欲がなくなってしまう。しかも定年延長になれば恐らく役職は外されるでしょうし、同じ職場にいて主従が、主従といいますか上司とあれが立場が急に変わってしまって何となく勤労意欲がなくなっちゃうというようなことも考えられると思うのです。  そういう意味で、定年後の賃金カットの上限とか、そういうことを企業だけに任しておいていい時代なのかどうか、余り時間がありませんので短く各質問に対してお答えいただければと思います。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 一番最初の今後社会保障福祉関係のマンパワーについてどういうふうに考えていくのかという御質問でございますが、御承知のように、昭和四十五年から現在までの時点を見ましても、実は百数十万人のマンパワーが我我の分野にふえておるわけでございます。今後百五十万人程度の確保が必要となってくるわけでございますが、その大部分は看護要員、介護要員であるだろうと思っております。  それで、今後どういった方々を対象にこういった分野への参加をお願いするかということでございますが、大きくなります看護の問題につきましては、例えば家庭に入っておられる有資格の保健婦さん、看護婦さんの活用ということが非常に大きな課題として出てくるのではないかと思います。本年、在宅のケア対策を充実しよう、老人の在宅対策を充実しようというものの中に、こういった看護婦さんが在宅されるお年寄りに対しまして看護の手を差し伸べていただくような、こういったモデル事業を開始させていただきますが、こういう形で特に御婦人のマンパワーの活用ということが大きなポイントになってくるのではないかと思っております。  それからもう一つは、今後ふえていきます民間社会福祉施設の確保の問題でございますが、御承知のように従来資格制度がございませんでしたこの分野に社会福祉士、介護福祉士という身分制度を創設いたしまして、この養成に本格的に乗り出したいというふうに考えておるところでございます。

真野章厚生省社会局老人福祉課長

○説明員(真野章君) 民間の福祉事業の倫理の問題、それからさらにそれをチェックすべきではないかというお話でございますが、一つは、先ほど局長が御説明を申し上げましたように、民間事業者の団体でありますシルバーサービス振興会というところで倫理綱領をつくっていただきまして民間福祉事業者としての自覚を持っていただくというのが第一点だと思っておりますが、それを私ども実際に担保する仕組みといたしましては、一つは社会福祉医療事業団が融資を今回行いたいと思っておりますので、その融資基準ともいうべきいわば指導基準、ガイドラインというようなものを設けまして、それに基づいて行政指導を行いたいというのが一つでございます。  それからさらに、問題が起こりましたときの苦情の処理ということで、これも個別の企業による処理という場合にはいろいろ問題もあろうかと思いますので、シルバーサービス振興会という社団法人の中にその苦情処理を扱うセクションを設けまして、これはまだできておりませんが、今年度中にそういう体制をしいてそのチェックをしていきたいというふうに考えております。

長尾立子厚生省児童家庭局長

○政府委員(長尾立子君) 父子家庭の対策でございますが、五十八年に全国の母子世帯等実態調査をやりましたときに父子家庭につきましても調査をいたしました。父子世帯は先生お話しございましたように十六万七千三百世帯のようでございます。それで、こういった父子家庭の実態でございますが、経済的な面では母子世帯と違いまして、因っておられる御家庭もございますけれども、全般的には経済的問題よりも育児や家事の面で困難を抱えておられるということが実態ではなかろうかと思うわけでございます。  現在の母子家庭対策全体をごらんいただきますと、経済的な自立を中心といたしまして対策を講じてきた経緯がございますので、母子対策そのものを即父子対策として対応していくということは困難ではなかろうかと思っておるわけでございますが、母子家庭対策の中の介護人派遣事業、病気になられたときのお子様のお世話をするための介護人の派遣事業につきましては、これを父子家庭にも適用するという形で実施をいたしてきておるわけでございます。

佐藤ギン子労働省婦人局長

○政府委員(佐藤ギン子君) パートタイム労働者の点につきましてですが、女子労働者がふえております主流は依然として常用労働者、フルタイム労働者でございますが、確かにパートタイム労働者年々ふえておりまして、現在女子雇用者全体の約二割ということでございます。  パートタイム労働者につきましても、フルタイムの労働者と同様に労働基準法その他労働関係諸法規は適用になるわけでございますから、その周知徹底には努めているわけでございますが、確かに御指摘のように、パートタイム労働者につきましては全く問題がないというわけではなく、さまざま改善を図らなければならないところがございますので、これまでもパートタイム労働対策要綱というのをつくりまして、これにのっとって改善に努めてきたわけでございますが、さらに今年度は総合的なパートタイム労働者対策をつくり上げようということで専門家の方々にお願いをいたしまして専門家会議をつくって御検討をいただき、できる限り早く御結論をいただいて総合的な対策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。  それから税金の問題でございますけれども、確かに有配偶の女子のパートタイム労働者の年収につきまして、これまで九十万円を超えますとその家計全体の可処分所得が減少するといういわゆる逆転現象が生じるという問題があったわけでございますけれども、昭和六十二年の所得税法の改正によりまして新たに配偶者の特別控除というものが設けられまして、これに消失控除の仕組みが導入されましたので、この問題は一部解決されたわけでございますけれども、完全に解決したというところまでいっておりませんので、労働省といたしましては、これを完全に解消することが必要だというふうに考えております。

竹村毅労働省職業安定局高齢者対策部長

○政府委員(竹村毅君) 定年延長に関する労働条件の変化を企業任せにしていいかという御質問でございますけれども、確かに定年延長の実施に伴いまして賃金、退職金、その他いろいろな人事、処遇制度につきまして見直しを行っております。しかしながら、定年延長に伴いますこれら労働条件の問題は、基本的には労使が自主的に決定すべきものでありまして、具体的に私の方で、行政サイドから定年延長に伴う労働条件のあり方とかまたは一定の基準を設けるということは、場合によりましては労使問題への介入ということにもなりかねない面がございますので、適当ではないというふうに考えております。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 以上で厚生省及び労働省に対する質疑は終わりました。     ─────────────

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 次に、先般本調査会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。高木健太郎君。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 国民生活に関する調査会の委員派遣の調査結果について御報告申し上げます。  本班は、去る二月二十四日から二十六日までの三日間にわたって、長田会長、矢野理事、山口理事、井上委員、斎藤委員、寺内委員、向山委員、山本委員、近藤委員、平野委員と私、高木の十一名で、人口動向等国民生活に関する諸問題の実情調査のため、沖縄県及び鹿児島県へ出向きました。  沖縄県におきましては、県当局から人口動向等県勢全般について概要説明を聴取した後、糸満水産加工団地、社会福祉法人沖縄偕生園、万座ビーチリゾート施設、福地ダム、オリオンビール名護 工場等を視察し、また国立沖縄戦没者墓苑、平和祈念堂を参拝してまいりました。  次に、鹿児島県におきましては県当局から人口動向等県勢全般について概要説明を聴取した後、宮之城町のウッドタウン、工芸センター、保育所、国分隼人テクノポリスの工業技術センター等を視察してまいりました。以下、調査の概要につきまして申し上げます。  まず、沖縄経済の動向でありますが、沖縄経済は、本土復帰後の十五年間に本土との格差是正を図るため、道路、港湾、空港、都市機能等社会資本の整備が順調に進められ、県民の不断の努力と相まって、沖縄の経済社会は総体として着実に発展してきております。しかしながら、沖縄経済は、財政支出に大きく依存する産業構造、全国最下位の一人当たり県民所得、若年労働力を中心とする雇用・失業問題等多くの問題を抱えております。  沖縄経済の今後の発展のためには、地域特性を生かした産業の振興等により、財政依存型経済から自立型経済への移行が重要な課題となっております。沖縄を訪れる観光客はここ三年間二百万人を突破しており、観光事業は沖縄経済の重要な柱でありますが、今後、国際化や余暇時間の増大に対応して、万座ビーチに見られるように国際的にも通用する観光・保養基地としての整備を推進することとしております。加えて、要望のあった航空連賃の値下げが実現されれば、観光客の一層の増大が見られるものと思われます。また、昨年十二月、那覇市に自由貿易地域の指定が行われ、本年四月中の開設が予定されております。自由貿易地域の設置は、雇用機会の増大、貿易の振興等により、沖縄経済の活性化に寄与するものと期待されており、こうした沖縄の地理的特性を活用した産業振興策に積極的に取り組んでいくこととされております。  沖縄県の総人口は、昭和六十二年十月現在百二十万五千人で、年平均増加率は一・二%と首都圏に次いで高く、全国でも有数の人口増加地域となっております。これは沖縄県では特に女性の就労、学習の場が少ないこともあり、若年で結婚する女性が多く、出生率が全国でもずば抜けて高いためであります。沖縄県はまた全国一の長寿県で、百歳以上の高齢者の人口比も全国一でありますが、沖縄県では年じゅう温暖な気候風土とあわせて、親兄弟、親族の結びつきが強く、助け合いの気持ちも強く、高齢者を敬愛する行事が多いなど精神的環境が非常によいということであります。老人ホームの整備水準も全国を上回っており、今回視察いたしました沖縄偕生園も機能回復訓練センター、附属診療所を併設しており、よく整備されておりました。今後、人口の高齢化に伴ない、社会的援護を必要とする高齢者へのこのような対応がますます重要となってきております。  沖縄県では以上のほか、糸満漁港高度水産都市構想の中核となる糸満水産加工団地への企業誘致推進状況、沖縄本島最大の水がめである福地ダムの水事情に悩む県民への都市用水供給実態、地場産業として代表的な産業であり、県内シェアの八〇%を占めるオリオンビール名護工場の活動状況等を視察してまいりました。  次に、鹿児島県の経済動向等について申し上げます。  鹿児島県は肉用牛、豚、ブロイラーが全国一位、採卵鶏が全国二位と全国有数の畜産県であり、我が国の南の食糧供給基地としての発展が期待されております。しかしながら、第一次産業のウエートが全国平均の三倍程度と高いこともあり、一人当たりの県民所得は全国平均の七六%とかなり低く、失業率も全国平均を上回るなど厳しい状況にあります。鹿児島県ではこうした状況に対処するため、二十一世紀の県政の方向性を示した新総合計画を昭和六〇年に策定し、その実現に向かって最大限の努力が行われています。特に鹿児島県を我が国の南の起点として飛躍的発展を図るため、新幹線、高速道路等幹線交通体系の整備が最重要の課題となっております。  鹿児島県の総人口は、昭和六十二年十月現在百八十一万八千人でありますが、その二九%が県都鹿児島市に集中し、県内九十六市町村のうち宮之城町等七十三市町村が過疎地域に指定されており、都市化と過疎化の同時進行が見られるなど、県土の均衡ある発展が大きな課題となっております。このため、今後、人口の都市集中を抑制し、県内全体の産業基盤を整備する観点から、地域振興構想として、おおすみバイオポリス、北薩アトムポリス、国分隼人テクノポリスの三つのポリス建設を進めております。特に国分隼人テクノポリスについては、昨年十二月、隼人町に工業試験場などの研究機関を統合し、テクノポリスの中核的存在を目指す工業技術センターが完成し、企業立地、人口増加も進んでおり、過疎問題の解決への寄与が期待されております。  鹿児島県では、毎年四月に一万人近い人口減少が繰り返され、県外の大都市に新卒の学生が出ていくという傾向を示しており、このような若年層の流出等により、高齢化の進行や一部地域の過疎の深刻化とも相まって、地域の共同体としての機能の低下が懸念されております。このため、今回視察いたしました宮之城町でも、従来の中央指導型から、住民の創意工夫を生かす自立自興連帯の精神に基づいて、新しい産業を興す「ふるさと特産運動」を展開し、竹材工芸センターなど新たな産地づくりを目指しております。また、過疎化等により児童数は減少傾向にありますが、婦人の就労割合が全国より高いため要保育児童数は増加しており、保育所の果たす役割が重要になっております。なお、この点につきましては宮之城町から児童保護措置費負担金の国の補助率を現在の五割から従来の八割に引き上げてほしいとの強い要望がありました。  最後になりましたが、今回の委員派遣に当たり、沖縄、鹿児島両県並びに関係各機関に大変お世話になりましたことを申し添え、厚く御礼を申し上げますとともに、両県から提出されました要望書の会議録末尾掲載方を会長においてお取り計らいいただきますようお願いを申し上げまして、派遣報告を終わります。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  なお、ただいまの報告の中にありました両県の要望事項につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十九分散会

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