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112回国会参議院1988/05/26

決算委員会 閉会後第1号

発言数
276
登壇者
45
会派数
5
開催日
1988/05/26

会議録

穐山篤日本社会党・護憲共同

○委員長(穐山篤君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和六十年度決算外二件を議題といたします。  本日は、総括的質疑第一回を行いますが、質疑に先立ち、まず、昭和五十九年度決算における警告決議に対し、その後内閣のとった措置につきまして、大蔵大臣から説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和五十九年度決算に関する参議院の審議・議決について講じました措置の概要を申し上げます。  政府は、従来から決算に関する国会の審議・議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務・事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等に特に留意してまいったところであります。  昭和五十九年度決算に関する参議院の審議・議決について各省各庁において講じております措置を取りまとめ、その概要を御説明申し上げます。  自衛隊機墜落事故等の再発防止につきましては、自衛隊における各種訓練等の任務遂行に当たって安全確保に常に細心の注意を払っており、部隊等に対し絶えず安全への注意を喚起するとともに、事故の発生に際しては、徹底的な事故原因の究明を行い、教育訓練方法や機材の改善等、再発防止策の確立に努めてきたところであります。  今後とも、航空事故を初め各種事故の防止についてなお一層の努力を払い、安全確保に万全を期してまいる所存であります。  長崎県の魚価安定特別基金につきましては、政府といたしましても、水産県、被爆県でありながら原子力船「むつ」の修理を受け入れた長崎県の立場も考慮しつつ、同基金のうちの国庫補助金相当額の早期返還を同県に働きかけてきたところであります。  この結果、昭和六十二年度末に長崎県との間で協議が調い、国庫補助金相当額二十億円の返還を昭和六十二年度から昭和六十八年度にかけて実施することとしたところであり、昭和六十二年度分の二億円については既に昭和六十三年三月三十一日に返還されたところであります。  国際協力事業団に対する指導監督の強化につきましては、昭和六十一年八月の同事業団職員の不祥事を契機として、事件再発防止及び業務実施体制の強化のため種々の改善措置を実施するとともに、職員の綱紀粛正の強化を図ってきたところであります。  具体的には、国際協力事業団に内部監査機能の強化のための業務監査室の設置及び適正なコンサルタント契約業務の確保のための調達部契約課の設置を行ったほか、同事業団国際協力総合研修所において国別援助研究会を設けるなど、その改革に努めてきたところであります。  今後とも、業務のより一層の適正かつ効果的、効率的実施のため引き続き必要な措置を講じてまいる所存であります。  税務執行体制の充実につきましては、従来から税法の適正な執行により負担の公平を図るよう努力を重ねているところでありますが、今後とも、納税者等に対しては各種広報、税務相談、指導等を実施して税法の周知徹底を図るとともに、税務職員に対しては研修等を通じて税法についての一層の習熟及び調査技術の開発向上を図ることにより、適正かつ公平な税務執行になお一層の努力を続けてまいる所存であります。  簡易生命保険積立金の過大貸し付けの防止につきましては、既に、地方公共団体等に対する貸し付けの手続を定めた簡易生命保険及び郵便年金の積立金の地方公共団体等に対する貸付規則の一部を改正し、貸し付け時の審査及び貸し付け後の監査において、貸付対象事業の実施状況、経理の実態等を的確に把握できるよう措置を講じるとともに、その改正内容等について、貸付事務を直接担当する地方郵政局への指導及び地方公共団体等に対する周知の徹底を図ってきたところであります。  今後とも、地方公共団体等に対する貸し付けの適正化を図り、過大貸し付けの再発防止に努めてまいる所存であります。     ─────────────

穐山篤日本社会党・護憲共同

○委員長(穐山篤君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 まず、政治資金規制に関連いたしまして自治大臣の方にお尋ねいたしたいと思います。  最近は、一夜にして数千万とか数億円集めるようなパーティーの問題とか、あるいは企業献金を一挙に最高一億円を二億円に上げるような派手な話題が多い。その反面国民からの批判も強いというふうに思いますけれども、そういうこと以外に、やはり日本の民主主義をどう育てていくか、国民の立場に立った政治を進めていくためにはどうするかということで、個人献金の問題を真剣に考える必要があるんではないかというふうに思います。  五十年の七月十五日に政治資金規正法の改正が行われまして、その附則の八条に、この法律施行後五年を経過した場合には、政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途を講ずるについて検討しなさいということが規定されておるわけでございます。このことは国会で何遍も言われておるところで、かなり言い古された質問かもしれませんけれども、やはり政党あるいは政治の一番基本に関する重要な問題であると思います。なかなかこの問題は理屈ではいかないいろんな問題があると思うんですけれども、しかし御担当の自治大臣にしっかりしていただくということがどうしても必要であると思いますので、自治大臣に、この個人献金、それから政治資金規正法改正法の附則八条に関する御見解をお伺いすると同時に、この問題を真剣に取り上げていただくことを要望いたしたいと思います。

梶山静六自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(梶山静六君) 御指摘のとおり、政治資金規正法には、昭和五十年の法改正において附則第八条といういわゆる見直し規定が設けられており、自治省としても、過去の収支報告書にあらわれた政治資金の状況についていろいろ分析を行うとともに、政治資金に関する各方面の意見や諸外国の政治資金制度についての資料の収集などにも努めておるところでございます。しかしながら、政治資金規正法の見直しについては、選挙制度のあり方と密接な関係を持つとともに、各党のよって立つ財政基盤が異なっており、今後の各党の政治活動に直接影響を及ぼすものでありますので、自治省としては、事務的に案をまとめるということはなかなか容易ではなく、まず各党間で十分な議論を尽くしていただきたいというふうに考えております。  なお、個人献金の強化は望ましい方向だとは思いますけれども、団体献金や企業献金が悪だというふうにはにわかに言いがたいこともございますし、それからこの改正というのはそれぞれの時代背景のもとに行われるわけであります。政治には最小限度のお金が必要なことは御案内のとおりであります。啓蒙宣伝や、あるいは政治を身近なものにするために政治活動には政治資金が必要であるという認識の上に立っておるわけでございますが、そのときそのときの時代背景、例えば金権の排除とか、あるいは現在で言われますと、目に余るパーティーというような問題がこれあり、そういう背景を中心にしてこれからも政治資金の改正は各党間で十分にひとつ詰め合っていただきたいというふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 各党間で相談し合っておるといつまで日にちがかかるかわからないということがありますし、それから現実にその土俵もなかなかつくれない状況でございます。  この問題は、どの新聞の社説を見ましても、あるいはまじめな議論をすれば必ずやはり個人献金が大事だ、ここに政治の基本があるということに返ってくるところでございまして、その問題を忘れないで政治の場面で検討していくように持っていくのが自治省であるというふうに思いますので、政治家任せにしないで役所としてもやはりお忘れなく今後とも取り上げていただきたいと思います。昭和五十七、八年ごろ、中曽根首相のころにこれをやるべきであったとは思うんですけれども、できなかったわけで、将来やるとすればやはり大臣にお願いするほかありませんので、よろしく要望だけを申し上げておきたいと思います。  それから、次に法廷内での取材等に関連してお尋ねいたしたいというふうに思いますが、法廷内での報道機関による取材活動、これは写真撮影も含めてでございますけれども、憲法八十二条、裁判の公開の観点もさることながら、最高裁判所の判決例でも繰り返して述べられておりますように、憲法二十一条、表現の自由の観点から尊重されなければならないというふうに思います。まずその点についての裁判所のお考えをお伺いいたしたいと思います。

吉丸眞最高裁判所刑事局長

○最高裁判所長官代理者(吉丸眞君) 法廷写真取材の取り扱いにつきましては、御指摘のとおり裁判の公開の原則を踏まえ、また報道を通じ裁判のあり方について広く国民に御理解をいただき、裁判所を国民に近いものにするという見地からの考慮が大切でございます。他方、法廷の秩序の維持、被告人その他の訴訟関係人等の権利の保護といった面の配慮もゆるがせにすることができないところでございますので、問題はその間の調和をどのように図るかということにございます。  このような立場から、全国の各裁判所ではかねて慎重に検討を重ねてきたところでございますが、昨年の秋どろ以降、対応の記者クラブ等の御意見も伺った上、それぞれ法廷写真取材に関する運用基準を定め、これに基づいて、事件の審判を担当する裁判所が相当と認めるときは記者クラブの代表取材という形で法廷写真取材を認める取り扱いをしてまいりました。現在までおおむね円滑に取材が実施されている状況にございます。今後ともその適正、円滑な実施について十分配慮してまいりたいと考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 これは、判決例などを引き出しますと釈迦に説法になってしまうんですけれども、例えば昭和三十三年二月の北海タイムス事件では、「新聞が真実を報道することは、憲法二十一条の認める表現の自由に属し、またそのための取材活動も認められなければならないことはいうまでもない」。ほかにも、例えば博多駅テレビフィルム提出命令事件の最高裁の決定とか、これは「憲法二十一条の精神に照らし、十分に尊重に値いする」というふうに言うておりますし、ほかにも昭和五十三年五月三十一日の判決とか重なっておるわけでございますけれども、取材活動も憲法二十一条の認める表現の自由に属して、憲法上非常に重要な位置を占めておるんだということが繰り返し最高裁でも宣言されておるわけでございます。今いろいろ実務的な問題もお伺いしたんですが、最高裁として憲法二十一条の観点から取材活動を尊重しなければならないというそういうお考えがあるかどうか、一番基本ですけれども、その点をお伺いしたいと思います。

吉丸眞最高裁判所刑事局長

○最高裁判所長官代理者(吉丸眞君) 御指摘のとおり、報道機関の取材活動については憲法上十分尊重されなければならないというふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 ただいま局長さんの方から御説明がありましたように、最近非常に従来に比べますと法廷内での写真やテレビによる取材が拡大されてきておるということがあるわけでございます。  もう少しさらに古い時代を顧みてみますと、昭和三十年代には非常に緩やかな時代があった。その後裁判所が非常に厳しくしてきて、最近昔の状態にだんだん戻りつつあるというのが全体の流れであるというふうに思いますけれども、昭和二十六年七月二十七日の最高裁刑事局長通達とか、昭和二十七年一月の刑事裁判官会同というものが記録に残っております。そのころの状況を見ますと、今の局長さんがお話しになりました法廷での写真、テレビの取り扱いよりは相当緩い取り扱いが行われておるわけでございます。最近、昨年の十二月からかなり緩やかな方向に進んでおるわけでございますけれども、そういう中で何か問題になるような事案も起こっておりませんし、国民の間でも法廷が見られて非常にいいということで好評を博しているわけでございますから、もう少し緩やかにするという方向で御検討をいただきたいというふうに思うんでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。

吉丸眞最高裁判所刑事局長

○最高裁判所長官代理者(吉丸眞君) 法廷写真取材の条件などを定めるに当たりまして、御指摘のとおり、取材の自由に十分配慮すべきことはもとよりでございますが、同時に、先ほど述べましたように、法廷の秩序の維持、被告人その他の訴訟関係人の権利の保護といった面への配慮もゆるがせにすることができないものがございます。現在各裁判所で定めております運用基準は、これらの調和を図りながら適正、円滑な取材を実現するという見地から慎重に検討を重ねた上定められたものと承知いたしております。今後のことにつきましては、実際の取材の運用状況等も見ながら必要な検討が行われることになろうかと思われます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 現在の最高裁判所の矢口長官は、ことしの一月一日の「裁判所時報」の年頭のお話にも出ておりますけれども、開かれた裁判所という方向で御努力いただいているようにお受け取りいたしております。国民の目に見えるように、表現、報道の自由が拡大されていく方向に一層の御配慮といいますか、なかなか今までの制度を一挙に変えることは難しいと思いますけれども、御努力をお願いしたいと思います。  それから、今お聞きしたのは法廷内の問題でございますけれども、庁舎内での取材活動というふうな問題が一つ残されております。やはり写真、テレビが一番大事だと思いますけれども、これは全国一律にはいかないと思います。最近では恐らく庁舎内で許されておるのは民事事件の受付ぐらいではないかというふうに私は感じ取っておりますけれども、しかしそれだけでは本当に裁判活動の十分な取材ができていないというふうに思うわけです。よくテレビに出てまいりますのは、例えば公害の被害者が訴状を裁判所に提出するというふうな場面が放映されることが多いわけですけれども、受付で事務的に出しているというだけでは本当の姿があらわれない。  やはり裁判所の階段を受付の方に向かって歩いている、公害の被害者で体調が余りよくありませんから、階段を上がるにしてもかなり足を踏み締めて頑張って階段を上がっていくという状況があると思いますけれども、裁判所に向けて何とか自分の権利を守ろうとして、裁判所の中で一生懸命階段を苦労して上がっておるとかそういったときの顔の表情、そういったものがテレビの画面に出て初めて絵になるといいますか、現在の裁判所の映されておる状態というのは魂が抜けた殻といいますか、模型の裁判所が放映されておる。本当にどういう姿をした人間がどういうふうに動いているかということが出ていないということで、私ども国民の立場に立ってもいま一歩というふうな感じを持っておりますし、また記者諸君の方も、本当にああいった点を報道したいという気持ちを持っておっても、それが裁判所の方で許してもらえないので取材意欲が満たされないということで非常にストレスをためているという状況もあると思います。そういうこともありますので、どうかお持ち帰りいただきまして十分なる検討をお願いいたしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

吉丸眞最高裁判所刑事局長

○最高裁判所長官代理者(吉丸眞君) 裁判所構内におきます写真取材につきましては、一般的に申しますと来庁者の肖像権、プライバシーの保護、取材に伴う裁判所の執務への影響、その他庁舎管理の問題等いろいろ考えるべき点が多いわけでございますが、今後改善すべき点があれば検討してまいりたいというふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 テレビや新聞、報道機関が裁判所に来るのは大体本人とあらかじめ連絡がついている場合が多い、本人の方も出たいという気持ちを強く持っている場合が多いわけで、そういう場合には本人の肖像権とか本人の人権保護ということは余り要らぬのじゃないかという感じがいたします。一層の御検討といいますか、改善へ向けての検討を要望いたしておきます。  次に、大蔵省の方にお尋ねいたしたいんですが、例えば住宅金融公庫からローンを借用するような場合に、通常団体信用生命保険に加入いたしますけれども、この団体信用生命保険への加入の場合に、脊髄損傷のある者については加入が認められないという一つの現状があると思います。私はそれがいいとか悪いとか言うのではなくて、その状態とその理由についてお尋ねしたいわけでございます。

宮本英利大蔵省銀行局保険部長

○説明員(宮本英利君) 民間の生命保険の場合は、基本的に大数の法則と申しますか、大数の法則に基づく予定死亡率といったようなものを想定いたしまして、その通常の死亡率に当てはまる方々を対象とした助け合いの制度であるということが一般的に言えるかと思います。したがいまして、現在病気の方であるとか、一般的に医学的見地から見て死亡率が非常に高いと予想される方々、こういうのを標準下体というふうな言葉で言っておりますけれども、こういう方々が加入される場合には死亡保険金の支払いが予定したものよりも非常に多くなるというおそれがございます。そういう結果、通常の健康体の方々の負担がふえて加入者間の公平が保たれなくなるおそれが生ずる、こういうことの結果、保険制度全般の円滑な運営に支障を来すということが恐れられるわけでございます。  このために、民間の生命保険会社では、一般に保険の引き受けに際しまして医師の診察などを行いまして契約者間の公平を期すというふうなことを行っておるわけでございます。したがいまして、委員が御質問の脊髄損傷の方々の場合につきましては、単にそのような損傷があるからということだけで契約をお引き受けしないというものではないわけでございますが、そのような損傷の原因というものが、引き受けをするに際しましていろいろな医学的な審査等もするわけでございます。そういうことの結果、そのような損傷の原因あるいは症状、度合い、そういったものを総合的に勘案いたしまして、死亡に至る確率が相当に高いと判断されるような場合にはこの引き受けを御遠慮するというふうなこともあるということでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 現実に重度の脊髄損傷の障害をお持ちの方は団体信用生命保険には加入を許していただいていないという現実があるわけでしょう。その点だけで結構なんです。

宮本英利大蔵省銀行局保険部長

○説明員(宮本英利君) 先ほど申し上げましたとおり、生命保険会社としては、単に脊髄損傷者であるということだけで契約を断っているということではないわけです。個々のケースの死亡危険度合いによって引き受けの諾否を判断するわけでございますが、一般的に言えますことは、先生おっしゃるように脊髄損傷の方々の場合にはそうでない方々に比較いたしましてお断りせざるを得ないようなケースが多いというふうに伺っております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 労働省の方にお尋ねしたいわけでございますが、重度の脊髄損傷の後遺症を労働災害あるいは通勤災害の結果負うようになった方が死亡した場合、ただいま大蔵省の方も表現にはいろいろお気をつけであったわけでございますけれども、結果として重度の脊髄損傷の後遺症をお持ちの方は死亡率が高いという現実があるわけでございます。そうすると、脊髄損傷になった原因は労働災害等でございますので、やはり労働災害と脊髄損傷の方が死亡した場合には死亡との間に因果関係があるというふうに認めるのが相当ではないかというふうに私は思うわけでございます。  そこで、現実には脊髄損傷の方が死亡されていましても、死亡と脊髄損傷との間の因果関係が認定困難ということで遺族補償がもらえないという場合が多いようでございます。それでは、例えばローンを組んだ人が死亡した場合に、保険の方にも入れてもらえないので、保険金でローンを払うわけにもいかない、死亡後は遺族がまた重いローンを負うために非常に苦労するという現実も出てくるわけでございます。  そういうことで、脊髄損傷の後遺症を負っておる人たちの遺族補償については、とにかく監督署長の方でほかの原因で死亡したんだということが明らかに立証されない限りは、もう一律に遺族補償を給付してもいいと思うんですけれども、その点の御見解をお伺いしたいと思います。

野見山眞之労働省労働基準局長

○説明員(野見山眞之君) 労働災害によりまして脊髄損傷をこうむられた方々が、その後長期にわたりまして療養を続けておられる過程で、下半身麻痺というような状況のために体力的にも衰えていくというようないろいろな困難な事情にあることは十分承知いたしておるわけでございますが、労災保険制度におきましては、これらの長期間療養された後亡くなった場合でも、この死亡の原因が業務に起因するかどうかというところがやはりこの制度の建前として必要なわけでございまして、死因が業務に起因するということが明確な場合に遺族補償給付が支給されるという状況であるわけでございます。  したがいまして、今先生お話しのように、一般的な議論というよりも、やはり損傷と死亡との間の医学的関連が明確に認められない場合には、この制度の趣旨からして遺族補償給付を行うことは難しいと考えざるを得ないわけでございます。しかしながら、脊髄損傷によりまして長期間療養している方々が亡くなった場合におきましては、やはり個々の事案ごとに十分調査いたしまして必要に応じて専門の医師の意見を徴するなど、そのケースに応じまして慎重な判断をしているところでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 最近の取り扱いですけれども、具体的にはどのようになっておるのでしょうか。

野見山眞之労働省労働基準局長

○説明員(野見山眞之君) 昭和六十一年度当初におきまして、脊髄損傷により傷病補償年金を受給している方々は四千三百八十人おられたわけでございます。そのうち、六十一年度中に亡くなった方が百二十四人という数字になっておりますが、このうち業務に起因する死亡であるということで遺族補償給付が与えられた数については、私どもとしては把握いたしていないのが現状でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 恐らく非常に少ない状態ではないかというふうに思います。重症の後遺症等で半身麻痺とかあるいは全身麻痺の方をずっと見ておられた遺族の人というのはくたびれ果てておるという状況があるわけでございまして、本当に感情的にも死亡された後かわいそうな状況が出てくるわけですけれども、ただいま生命保険の関係では死亡率が高いという取り扱いになっている。これは大蔵省の監督もあるわけで、疫学的に十分検討なさった上だと思いますけれども、やはりほかに方法がなくて因果関係を探すとすれば疫学の方法以外ないわけで、疫学的には恐らく相当高度の一般人との違いが出てくるんじゃないかというふうに思います。そういう意味で今後十分に調査を進めていただきたいというふうに思います。特にこれまで心臓病あるいは脳出血で死亡された方と業務との因果関係というものが非常に問題になってきまして、その点はいろいろと努力がありまして乗り越えたわけでございます。今度は脊髄損傷の問題について十分に御検討賜りたいと思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

野見山眞之労働省労働基準局長

○説明員(野見山眞之君) 脊髄損傷によりまして長期にわたって療養されている中で併発される疾病などにつきましても、現在、医学の情報についての収集、調査研究に今努めているところでございまして、さらにこれらの長期療養者が亡くなった場合の家族に対する問題、その他非常に重要な問題を抱えているということも承知いたしておりますので、今後早急に医学専門家によります検討を開始いたしまして、この併発疾病問題等についても研究を進めてまいりたいと考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 そういう方向で医学的な解明とかいろいろと十分な御調査なりそして制度の前進をしていただくように要望いたして、とりあえず質問の方は終わらせていただきます。  次に、建設業における下請業者の問題についてお尋ねしたいわけでございまして、下請業者の保護という問題は建設行政上非常に重要であるというふうに思いますけれども、どのようなお考えでございましょうか。建設省の方にお尋ねいたします。

望月薫雄建設省建設経済局長

○説明員(望月薫雄君) 御承知のとおり、建設工事というのは一般的に各種の専門工事の組み合わせででき上がっている、行われているという実態があるわけでございまして、そういった意味においていわゆる元請だけでなくて下請との関係というものがいわば一般的であり必要である、こういうものであろうと理解しております。それだけに良好な元請、下請関係というものがぜひ必要である、こういった認識に立ちまして、建設省におきましても昭和五十三年、このときに元請・下請関係合理化指導要綱というものをつくりまして、特に優良な下請の選定、あるいは合理的な下請契約の締結、さらに適正な下請代金の支払い、こういったことを主軸としました指導を毎年行ってきている次第でございます。特にまたその中でも下請代金の支払いというのは大変重要な問題であるわけでございまして、毎年私どもはさらにきめ細かい指導を繰り返している、こういったのが実態でございまして、こういったものを通じまして元請、下請の適正化に努めていく必要があると考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 下請の保護の問題でございますけれども、業者の数からいったら下請をするような中小の業者が圧倒的に多いんではないかというふうに思います。それで、建設業の体質改善という問題の観点からしてもやはり下請に入るような業者を育成、保護していくということが大事だと思いますので、いろいろの御配慮をお願いしたいと思います。  私は六十二年七月三十日の建設委員会で一度この下請の問題について質問をさせてもらったことがございます。それから後、下請業者の状況がどういう実態であるかということを気にかけてきたわけでございます。私は地元が岡山でございますけれども、ちょうど瀬戸大橋の関連の高速道路の工事などでよく話題を聞いたりいたしております。そういう中の一つにこういう事例がございました。  公団から発注を受けて、元請の下に三段階か四段階の多重的な下請の構造があるわけでございますけれども、そのうちの一段階がどうもマージンを取って丸投げしているというのが一つ挟まっておるようなことがありました。それから、契約金額が二千数百万円で、その工事をやっているうちに追加工事が、五百万か七百万ぐらいが妥当ではないかと思いますけれども、そういう工事が出てきまして、最終的にはこの工事代金はまけてくれ、泣いてくれというふうになってまいりました。それから、その場合、同じ下請関係でございますけれども、最初は二カ月ぐらい後に下請代金をもらっておりましたけれども、だんだん長くなっていくうちに三カ月になっていって、しかも三カ月先の手形をもって下請代金を払わされる、そして手形の割引を依頼したら、ただでは割り引いてくれないで金利を要求されたと。それからもう一つ問題なのは、材料代というものを、そちらの方は毎月きちんと請求されまして、現地に材料が入ったらすぐ代金を差っ引いてしまうというので、月によってはマイナスになってしまって人夫賃も払えないというふうな状況が発生したということを聞きました。  これは一つの例でございますけれども、こういう事例が決して少なくないということを私はだんだんと確信を持つに至ったわけでございます。特に下請につきましては、一〇%の保留金を残して支払いをする、それをちゃんと払ってもらうためにやっぱり次の月も工事をせにゃいかぬということで、ずるずる赤字とわかりながら損を続けていくというふうな状況が現実にあるというふうに思います。  そういう現実の姿と、それから法制上の問題、法制上の形式というのは違っておりまして、やはり実情というものをよく見ていただきたいと思うわけでございます。昨年七月三十日の建設委員会で私が質問いたしましたのは、実情把握がもっと必要ではないか、その点の要望を兼ねた質問をしたわけでございますけれども、もう一遍下請の実態の確保が必要ではないかということを申し上げるわけでございます。いかがでございましょうか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○説明員(望月薫雄君) お話のように、元請、下請、あるいは下請も二次、三次と、こういう段階で今先生のおっしゃったようなケースを私どもも率直に言いまして時々耳にいたします。こういったことについてどう実態を把握するかという点でございますが、率直に申しまして個別、具体の契約の中身というものを詳細に私どもつかむということはなかなか至難なわざでございます。そういった状況の中ではございますけれども、私ども毎年下請代金支払い状況等の実態調査というものをアンケートによって調査をいたしております。大体六千社くらいのものを毎年対象に調べておりますけれども、そういった中では元請、下請の関係がどういう傾向、どういう動向にあるかということをできるだけ詳細につかみたいということでやっております。くどいようですけれども、今先生おっしゃったように個別、具体のものについて建設省が調査するということはなかなか実は率直に言って困難でございます。  基本的には、こういった問題は個々の民民の契約の中でそれぞれ本来合理的に契約なされなきゃならぬというものであるわけでございまして、そこに私ども期待をしているわけでございます。私ども実態調査等をやっておる中で感じますことは、実は先ほど申しました指導要綱の中でも、下請契約というものをしっかりと契約書によって結びなさいという指導も実は重点に置いていますにもかかわらず、なかなか契約書というものが合理的に結ばれていないというふうな元請あるいは下請、下請の関係での契約の姿として出てまいっておりまして、今先生おっしゃったような事柄等はまさしく契約をしっかりと合理的に結ぶというところが最大のポイントではなかろうか、こんなふうに認識しているところでございまして、私どもとしてはそういう点の指導をさらに強めてまいりたいと考えているところでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 工事というものは急速に進行いたしまして、なかなか契約書を結ぶことは困難であるという事情も一つはあるんじゃないかと思います。もちろんおっしゃったとおり契約書をきちんと結ぶことか非常に大事であると思いますけれども、やはり下請、元請の関係の問題はみんなわかっておっても避けておるといいますか、言葉は悪いんですけれども、臭い物にはふたをしろということで黙認するという状況でずっと来ていると思います。やはりこの問題を改善していくためには、これに光を当てる、外部から見えるようにする、そのためにはやはり建設省の方でも少し関心を強められまして、実情を積極的に調査していただくことが必要ではないかというふうに思いますので、ここでは重ねて要望を申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、これはたくさんあった一つの事例でございますけれども、早島インターその一という工事がありまして、その末端の下請の方から事情を聞いたわけでございますけれども、四千六百八十四万七千円という工事代金をもらったけれども、七百八十二万七千百十四円の赤字となったという事例でございます。これは下請の業者がぼやぼやしておった、放漫経営をやったというその辺がはっきりつかめないわけですね。それはともかくといたしまして、そういった問題について元請の方に相談に行っても、これは他の下請同士で契約しておるんだからということで相手にしてもらえませんし、また公団の方に相談に行っても、なかなか取り上げてもらえないという実情がございます。  その工事現場というのは、これは鉄筋工でございますけれども、かなり位置的に高い場所で、しかもカーブをしておりますから、そういう特殊な単価の問題になりますと、専門的で妥当な単価が幾らかということはわかりにくいわけでございます。私はその点について、どれぐらいの工事費が妥当なものか、下請の人間が放漫経営あるいはぼやぼやしておって赤字になったのか、あるいは元請の要求がきつかったのか、その辺がわからないものですから、実は建設省の方にもどれくらいの額が妥当なものかという相談をしたんですけれども、頼みっ放しで回答がいただけないわけです。  やはり下請の方というのはそういったいろんな問題が出てくるわけで、下請の方から出てきた苦情をどこかで受け付けるということが必要ではないかと思うんです。これは一般の民間の工事までするということは一つの問題が起こるかもしれませんけれども、公共工事の場合は景気対策ということで、特に地域の振興ということで発注をするということも多いわけでございまして、下請が泣かされておりますと、結局その地域にとりましては赤字になって、金が落ちるんじゃなくて金を地域から取られるというふうになっていくわけでございまして、公共工事につきましては何とかどこかに苦情の受け付けをする機関を設けていただきたいというふうに思うわけでございます。そうしますと、その苦情の中でだんだんと下請の実態というものも明らかになっていくんじゃないかと思いますけれども、その点の御見解をお伺いしたいと思います。

望月薫雄建設省建設経済局長

○説明員(望月薫雄君) おっしゃったように個別、具体のいわゆる苦情あるいは紛争の処理ということは大変大事になってくる、あるいは大事であると認識いたしております。先ほど来申しているように、個別、具体の指導というのはなかなか困難な点がございます。その苦情の処理ということにつきましては御案内のとおりでございますけれども、建設省あるいは都道府県におきまして建設工事紛争審査会というものを持っておりまして、そういったところの窓口、これが建設省であり都道府県の建設業担当の課になっておりますが、そういったところに率直に言ってどんどん持ち込んでいただきたいと思っている次第でございます。  最近の事例で申しますと、六十二年度の例では、紛争処理申請が出たものは県、本省合わせまして四十一件ございますが、その前の段階として事務当局である担当課に持ち込まれているのは五百七十九件というふうに活用されておりまして、私どもはむしろこういう場で大いにそういった検討をお願いできるかと考えている次第でございます。私どもとしてもそういう意味での普及啓蒙というものにさらに努めてまいりたいと思っております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 私がお聞きしている部分は、教えていただけるでしょうかどうでしょうか。今申し上げたように、単価が妥当なものかどうかお尋ねしているわけですけれども、そういったものについての調査する力というものは建設省にはないんでしょうか、どうなんでしょうか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○説明員(望月薫雄君) 今、本四架橋関連の具体の事例での御質問がございましたけれども、率直に申しまして、この件についてどうかということになりますと、まずこの辺の単価が妥当であったかどうかというのはちょっと私ども判断がしかぬるところでございまして、トータルとしてどういうことであるかというふうな面が大事になろうかと思いますので、むしろ関係県のそういったところに早速にも御相談いただくのが筋じゃないかと思っている次第でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 そういうふうにシステムがあるんでしたらそういうことを言うていただかないと、黙認する、黙っておるというのでは事は進みませんので、そういう問題が今後起こった場合にはとにかく適切に対処していただくということをお願いしたいと思います。  それから、現在、中央建設業審議会の方で下請対策が、下請対策と言ったら言葉が悪いかもしれませんが、建設業の構造改善ということで下請、元請の関係が協議されておるようでございますけれども、その点どういうふうな進行状況なのか、もう簡単で結構でございますけれどもお答えいただきたいと思います。

望月薫雄建設省建設経済局長

○説明員(望月薫雄君) 現在、中央建設業審議会で建設業の構造改善対策について御審議いただいております。近々御答申いただけるというふうに私ども承知しておりますが、その中でも元請、下請関係の合理化というものは大変重要なテーマとして扱っていただいております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 具体的に下請、元請の協議会をつくるということを聞いておりますけれども、これはどういうふうな進行状況ですか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○説明員(望月薫雄君) おっしゃったように、私ども答申をいただくに当たりまして、今事務的にいろいろと御相談申し上げているわけでございますが、その中で協議会というものを考えさせていただきたいというふうに我々も希望し、審議会でも御検討いただいております。  これは、はっきり言いまして今回御検討いただいているメインのテーマとして、元請、下請の関係は、基本はやっぱり責任施工体制というものが確立されなきゃならぬという考え方に立っているわけでございまして、それだけに元請と下請の間におきますその関係を合理化する、契約を明確化する、役割分担を明確化する、こういったことに焦点を当てました協議会の設置ということも御提案されているというふうに承知しております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 そういう中で具体的に下請の問題が出てくるようにしていただかなきゃいけないと思いますけれども、中央だけで持つんでしょうか、それとも各県でつくるんですか。どういうふうなシステムになるんですか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○説明員(望月薫雄君) この辺はまだ中央建設業審議会の御答申のための御検討をお願いしている段階でございますので、私どもこれを受けましてどういう運用をしていくかということを行政の場でまた改めて研究させていただきたいと思っております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 次に、けさの毎日新聞の記事を見て気がついたわけでございますけれども、昭和三十年の夏、重光元外相が天皇に外交問題を報告した際に、天皇から、「日米協力反共の必要、駐屯軍の撤退は不可なり、」というお達しがあったということが書いてあるわけでございます。  その問題にちょっと関連して質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず天皇の権能でございますね、象徴として政治的行動はできないはずでありますけれども、憲法上の権能という観点からしてこのような政治的な行動、政治的な発言というものはよいものかどうかということを、これは一般論、抽象論としてまずお尋ねいたしたいと思います。

大出峻郎内閣法制局第一部長

○説明員(大出峻郎君) 一般論として申し上げさせていただきたいと思います。  憲法第四条第一項でございますが、ここでは、天皇は国政に関する権能を有しないという趣旨の規定が設けられております。直接にはこの規定は、国家機関としての天皇は、憲法に定める国事に関する行為のみを行い、国政に関与する権能を全く持たない旨を定めるものでございますが、この規定の趣旨には、一般に天皇の行為によりまして事実上においても国政の動向に影響を及ぼすようなことがあってはならない、こういう趣旨を含むものと解されてきているところであります。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 政治的な発言は好ましくないということでございますね。

大出峻郎内閣法制局第一部長

○説明員(大出峻郎君) 先ほど申し上げましたように、憲法第四条の規定の趣旨からいたしまして、一般に天皇の行為によりまして事実上においても国政の動向に影響を及ぼす、こういうようなことがあってはならない、そういう趣旨をこの第四条の規定は含んでいるというふうに理解をいたしております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 この字句でございますけれども、これが真実あったかどうかという問題は別の問題といたしまして、言葉自体が象徴たる地位にふさわしいのかどうかという点をお尋ねしたいと思います。  ちょうどこの時期でございますけれども、昭和二十六年に日米安全保障条約が結ばれまして、昭和二十七年に日米行政協定の締結ということがありまして、その後日米関係をどうしていくかということが一つの国内の大きな問題になっております。また、米軍基地をめぐる基地反対闘争ということがずっとこのころ大きな政治問題になっておったわけでございますし、また、この新聞記事にもありますように、日本の防衛力を強化して、そのかわり駐留軍には撤退してもらおうというふうな、ひょっとして重光外相などそういうお考えではなかったのかという気もいたしますけれども、そういう中で、「日米協力反共の必要、駐屯軍の撤退は不可」だというふうに言われることは、非常に高度の政治的な内容を含んでいると思います。この言葉自体象徴たる地位にふさわしいものかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。

大出峻郎内閣法制局第一部長

○説明員(大出峻郎君) けさの毎日新聞に出ておるということでございまして、私も急遽、今手に入れたわけでありますが、大変突然でございますし、内容をよくまだ読んでおらないわけでございます。また、実際問題としましてどのようなお言葉が当時あったかということはよくわかりませんので、具体的なことはここでは差し控えさしていただきたいと思います。  ただ、先ほど申し上げましたように、憲法第四条第一項の規定の趣旨といいますのは、繰り返しになりますが、一般に天皇の行為によりまして事実上においても国政の動向に影響を及ぼすようなことがあってはならないという、そういう趣旨をも含んでおる規定であるというふうに私どもは理解をいたしております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 ただいまはっきりしたお言葉、回答といいますか、がなかったわけでございますけれども、回答を避けられたということは、やはりこの言葉は象徴たる地位にふさわしくないということだと私は考えざるを得ないわけでございます。  内奏のことでございますけれども、これは慣例として秘密とされておるわけでございます。国民の目にも耳にもこの内奏の内容はわからないわけでございますけれども、このような高度の政治的な発言、我が国の政治の方向などについて、こうすることが必要だとか、こうしたらいけないとか、閣僚にいろいろ言うあるいは命じるというふうなそういったことが行われておるわけなんでしょうか、どうなんでしょうか。  今までの例を見ますと、昭和四十八年の五月に増原防衛庁長官が内奏の内容を記者にしゃべった、それが非常に問題になりまして防衛庁長官は辞任するという問題もあったわけでございますけれども、この内奏の内容ですね、本当にこういう高度の政治的な内容のやりとりが行われておるんでしょうか、どうなんでしょうか。

大出峻郎内閣法制局第一部長

○説明員(大出峻郎君) ただいまの御質問につきましての具体的な事実関係ということにつきましては、私ども承知をいたしておりませんので、お答えを差し控えさしていただきたいと思いますが、これまた大変恐縮でございますが、一般論として各省大臣の所管事項についての天皇陛下に対する御説明の性格について申し上げさしていただきたいと思います。  現行の憲法のもとにおきましては、行政権は内閣に属するものとされて、天皇の国事に関する行為につきましても、その実質はすべて内閣がその助言と承認を通じて決定するものとされているわけでございます。そうでございますから、各省大臣が所管事項に属する諸問題について天皇に御説明を申し上げるということは、旧憲法下におけるような、そういう性格のものでないことは言うまでもないところであります。また、権限のある者に対して下級の官庁が所管事項について報告するというような、そういう性質のものでもないというふうに思うわけであります。それは、専ら象徴である天皇が、一般的な知識、教養を高められるための一つの手段として行われているというふうに私どもはその性格を理解いたしております。  具体的な実態につきましては私ども承知をいたしておりませんので、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 内奏の内容は秘密という取り扱いですから、これはわからないと言われたら仕方ないかもしれませんけれども、このような高度な政治的な内容のやりとり、特に天皇からお話が出るということは非常に好ましくないというふうに思います。今後こういったことは、これは重光元外相の日記が真実であるということが前提でございますけれども、重光日記については信擬性が高いということがこれまで言われているわけであります。こういうふうなことが起こらないように内奏については配慮してもらわなくちゃいけないと思いますけれども、その点はいかがでありましょう。

藤森昭一宮内庁長官

○説明員(藤森昭一君) 内奏につきましては、先ほど法制局の方からお答えがあったとおりの性格のものでございまして、天皇陛下が国事に関する行為をなさる前に、その国事行為について助言と承認の任務を負う内閣の構成員である国務大臣が陛下にお会いをいたしまして、当該国事行為に関連して口頭で御説明を申し上げるということをいっておるわけでございますけれども、内奏に出られた総理、閣僚が内奏後所管事項に関しまして御説明をするということがあるようでございます。また、時といたしまして内奏以外のときにも拝謁して所管事項を御説明するということがあるわけでございますが、これは法制局から御説明がありましたように、象徴としての天皇陛下に国情を知っていただき、理解を深めていただくということのために御参考までに申し上げるわけでございまして、これによって天皇陛下が国政に対して何らかの影響を及ぼそうとするものでないことはまことに明らかでございまして、憲法の趣旨に反するものではないというふうに理解をいたしております。  天皇陛下がそれらの説明を聞かれまして、これに関して御質問があるかどうか明らかではございませんが、仮に疑問の点について御質問になることがありましても、陛下はそのお立場を十分御理解になっているわけでございまして、御指示と誤解されるような御意見は一切申されないという理解でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 政治的な影響力が及ぶような言葉は慎んでいただくというふうに今の御回答を私はお聞きしたいと思います。特に、八月の二十日といいますと渡米の三日ぐらい前でございましたね。忙しい中、暑い中をわざわざ天皇にごあいさつに行くという形をとっているということは、天皇の影響力というものが非常に強いということを示しておると思うんです。ですから、今言われましたように、政治的な発言はなさらないように、そういう方向でのきちんとした処置を、これは宮内庁の方にお願いしたいと思います。  次に、あと一点だけ苅田町事件についてお尋ねしたいと思います。  これは東京地検の特捜部が一時、捜査を始められまして、去年の六月中に福岡地検の方へ移送するというふうになったわけでございますが、この問題が新聞記事になるようになってからもう一年もたっておるわけでございます。苅田町事件には幾つかの問題がありますけれども、最も大事な税金の預り金の問題、これについての処置がまだなされていないわけでございます。  こういうふうな大事な問題、特に政治絡み、あるいは地域で非常に重要な話題となった事件、特に税金が絡まっておりますこういった問題につきましては、新聞でいろいろ記事になり出してから一年以内ぐらいにはやはり捜査を完了するということが必要ではないかというふうに思うわけでございますけれども、やや長くなっていると思います。もう幾ら何でも、そろそろ最終的な御処置がなされはしないかと期待しておるわけでございますけれども、最近の状況と、そしてもし、まださらに時間がかかるんでしたら、本当に全力を挙げて速やかに捜査を完了することを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

岡村泰孝法務省刑事局長

○説明員(岡村泰孝君) 御指摘のありました苅田町の住民税に関しまする業務上横領の事件でございますが、昨年の四月に東京地検が告発を受理いたしまして、六月の二十九日、福岡地検に移送をいたしたところでございます。  その後、福岡地検にはこれに関連いたしまして幾つかの事件が告発をされたところでございます。これらの事件をあわせまして、福岡地検において現在捜査を継続いたしているところであります。  そのうち、捜査を終わりました二つの事件につきましては処分をいたしたところでございますけれども、住民税に係ります業務上横領の事件につきましては現在も捜査を継続しているところでございます。  この件につきましては、相当の期間にわたるという経緯もあるわけでございますし、また関係人も少なくないような実情にあるところでございます。そういうような点から、捜査にやはり相当の期間を要するという実情にあるのであります。もちろん、福岡地検といたしましてはできるだけ早く結論を見出すように努力はいたしているところでございますが、ただいまの時点におきましては、なお捜査継続中と申し上げるほかはないところであります。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 同僚議員の質問に引き続きまして、私の方からは四件問題を取り上げて政府の態度を明確にしていただきたい点と、私自身意見を持って政府の見解をただしていきたい、こういうふうに思います。  まず第一に取り上げたいと思うのは、過日の卓球選手権大会の中で生じた北朝鮮の選手団に対する問題についてであります。  ただ、外務大臣、法務大臣おられるわけですが、けさほどの新聞で、あえて私は不祥事というふうに申し上げますが、我が党自体が大変国民の不信を買うような形のものがあったようでありまして、何となく出ばなをくじかれたような気持ちがいたします。しかし、これは公党の機関紙でございますから、当然さちっとした措置をする、その上で政府に対してもというふうになるし、また諸外国との関係についても厳しくみずからを律していかなければならない問題だというふうに思っておりますので、そのことを十分念頭に置きながら、しかし現実に行われた我が国の北朝鮮問題に絡むこの選手団の扱いについては、やはりその真実を究明する必要があるし、同時に我が国のあり方ということについてもただしていかなければいけない、こんな気持ちで御質問、また御意見を申し上げますので、ぜひ誠実にひとつ受けとめて御答弁のほどもお願い申し上げたいというふうに思っております。  まず最初に、我が国と国交がないという国々は、かなりあるとは申し上げませんけれども、アジアにあっては北朝鮮であり台湾ということになっているのではないか。ヨーロッパではアルバニアという国がということですが、同時にまた、アフリカの地域等においても我が国との国交がないということが現実の問題として存在をいたしております。したがって、こういう国々の方と相互交流をやる、要すれば入国を認め合う、我が国が入国を認める、こうなった場合に、こういった国々との関係において、人国する際に何かこう標準的なものがあるんでしょうか、原則的なものといいますかね。例えば、あなたは入国してもかくかくしかじかのことについて制限をされますとか、行動の範囲はことまでですよとか、そういう国交のない国の国民の方々が入国される場合に、法務省、これは外務省より法務省ということになるんでしょうが、原則的な対応の仕方としているものというものがあるのかどうか、お伺いしたい。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 入国後の行動につきまして一般的な原則を持っておるわけではございませんが、個々のケースにつきましてその入国申請の際に、在日の保証人からの代理申請の提出書類及び保証人の説明等を聴取する等によりまして、申請人の経歴とか入国目的、入国後の活動や日程等について具体的に審査をいたしまして入国の可否を決定することになっておりますが、その際に、必要に応じ個々のケースに応じて条件を付することといたしております。  今回の卓球選手団の入国について申し上げますと、アジア卓球選手権大会の参加を唯一の目的として入国申請が出されておりましたわけでございます。さらに保証人であるところの日本卓球協会がその代理申請を行うに当たりまして、入管当局に対し、右目的以外の活動はさせないという旨の保証書を文書として出しておるということでございます。そういうことなどを勘案いたしまして、入国の際の条件を付したということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 後段の方までまだ聞いていませんから、それはちょっと別途にしてください。質問にはやはり順序があるんです。  そこで、一般的な事項は特にない、個々にという、しかも保証人という方々を意識しておやりになるということはそれはわかりましたが、そういったことについては入国前にそういったことを通知をされるのか、さらには入国時にやられるのか。    〔委員長退席、理事菅野久光君着席〕 とりわけ、本人に対してはどういう形になるんでしょうか。保証人からやるという形をとろんですか、それとも直接入国時におやりになるんですか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 未承認国から我が国への入国につきましては、すべて在日保証人があらかじめ代理申請をするということになっておりますために、入国前、つまり代理申請を行う時点においていろいろ御相談、お話し合いをさせていただきまして、それを通じて入国後の条件を保証人との間で決めていくということになるわけでございます。その上で、それを前提といたしまして入国を認める、あるいは認めないということになるわけでございます。  御質問の入国者自身にどうやって伝達するかということでございますが、私どもといたしましては保証人である代理申請者を通じて伝達をしていただくということになっております。    〔理事菅野久光君退席、委員長着席〕

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 そこで、今回の北朝鮮の問題はということに実はなるんです。お答えいただきました、つまり、日本卓球協会を通じてということになるわけですが、果たしてそれでもって十分な措置といいますか、これまでは余り問題が起きることは少なかったように思うんですが、今回はなぜこういった問題が生じたのでしょうか。  この辺の問題と、これは選手団に対する問題なんですが、もう一つは我が国の国民は知らされていませんね、そういうことは。恐らく保証人当事者と法務省の関係でやられているのかもしれませんが、日本全国の国民に知らせろとは私は言いませんけれども、少なくともその人たちを囲んでいるんな計画がありますね。そういう計画にかかわる人に対して法務省がどこまで責任を持たなければならないのかということもあるかもしれませんけれども、やはりこれだけの問題であるだけに、細心の配慮をする、慎重な対応をするというからには日本卓球協会のみならず、かかわってくるであろうと思われる諸団体との話といいますか、あるいは周知といいますか、そういったことまでは法務省はおやりにはならないんですか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 保証人であるところの代理申請者を通じて、かつ代理申請者に全幅の信頼をおいて我々は話し合いをしていろいろなことを決めるわけでございますが、決めるに当たりまして法務省だけで決定するということもできない事柄がございますので、その際には外務省を初め関係省庁と十分な連絡をとりながら、協議をしながら決定させていただいております。  国民の皆さんにどうか、特に関係の方々との連絡はどうかということにつきましては、私どもとしては代理申請人がすべてその方々と連絡をとり合いながらやっていかれるということを前提にしておりますので、私どもから未承認国の入国者に直接伝達するというようなことはございません。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 そうすると、法務省が一定の枠をはめた、それを保証人として了解をした、それが守られなかったということになりますと、これは保証人の責任、法務省の責任ではないと、こういうことになるんですか。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(林田悠紀夫君) ただいま入管局長が御説明を申し上げましたように、これは身元保証人でありまする日本卓球協会が確認書も出しまして、そして法務省の方ではこういう条件で入ってもらうんだということで、特に例外的に入国を認めたものでありまして、したがって相手は専ら日本卓球協会なんでございます。  それで、卓球協会が今まで出してまいりました確認書あるいは条件についてよく知らしていなかったということにつきましては、これは卓球協会に責任がある、かように存じておるところであります。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 大臣もちょっと早いんですよ、この問題は。後でじっくりやりますから、ちょっとそれは待ってください。  あなた、そんなに卓球協会が通知しなかったと、こう断定しておられるんですか。ついでですから大臣、答えてください、それなら。しなかったということははっきりしているんですか。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(林田悠紀夫君) 卓球協会は、その後、このパーティが行われる前の日にも、専務理事が入管の方へ参りまして十分話し合っており、それが伝わってないということは、卓球協会が伝えなかったものと、かように承知をしております。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 まだ仮定なんですね、今のお話を聞くと。通知しなかったものと思われるという、今最後のくだりですよ。ところが先ほどは、いや通知しなかったものと、こう言われた。これは私は大変なことだと思っています。ですから、これはもう少し先のシナリオになっていますからそこで議論しますけれども、その辺のことからいろいろと私は問題が出ておるように思うんです。  そこで、これはちょっと横に置きまして、お伺いしたいのは、これは入管局長で結構です。今回、レセプションに参加をしていることが好ましくない、あるいはいけない、やめてほしい、こういうふうに思われた理由は何ですか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 代理申請として出されたときに日程が出されたわけでございますが、その中に、今回の例えば朝鮮総連が主催ないし共催するような日程は入っておりませんでした。それと、これを認めるというときに官房長官が声明として発言をされた中に、今回の入国を認める大前提は、アジア卓球選手権大会に参加することを唯一の目的としているという申請があったということと、それから、そう考えられるということで認めることに至ったわけでございますが、そのように申請段階においてなかった日程でございます。その際に、在日保証人である日本卓球協会と入管当局との間でいろいろなお話をさしていただきました。その一つに、朝鮮総連の主催ないし共催するような行事には参加しないこと、それから日程を変更するに当たっては事前に入管当局の了承を得てほしいということ等でございます。それらにつきまして卓球協会は、そういたしますということ、それから目的以外の行動はとらせませんということを文書で確約しておるわけでございます。それが、そういう状況にありましたにもかかわらず、十八日に至りまして、現実にレセプションが行われる十九日の前日の夕刻になりまして、日程変更を認めてほしいといってまいったのが経緯でございます。  そういうような経緯を踏まえまして、私ども法務省当局といたしましては、関係当局と十分に協議をいたしました結果、関係当局のすべてが好ましくないという判断でございましたので、法務省から関係者に、つまり卓球協会の方に通報したわけでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 入管局長、文書で確認をしたというのは何点ですか。三点ですか、二点ですか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 身元保証書というのと確認書というのと文書は二つございます。  確認書は二点でございます。内容のお尋ねでございませんですが、お答えさせていただきたいと思いますが、二点、「日本国の政府の国際関係その他の関係における立場を損なう言動は一切させない」という点、それから二に、「日程を変更する必要があるときには事前に当局の了承を得ること」、これが確認書で文書で確認をしていただいているものでございます。  このほかに、身元保証書というのを別途文書で出していただいておりますが、これは通常のパターンでございますが、「滞在費及び帰国旅費を負担する」とか、「日本国法令を遵守させます」とかいうことがございますが、その中に「入国目的以外の活動はさせません」ということ、それから「許可期限内に出国させます」ということと、「日程に変更を生じた場合には直ちに当局と連絡をとります」ということが書かれております。  この二つの文書によって、合計七点につきまして、私どもは誓約という形で確認をいただいておるということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 総連との共催あるいは主催という言葉は一つも今ありませんでしたね。これは口頭で連絡されたんでしょう。私はそう受けとめています。  時間の関係もありますから先へ進めますけれども、新潟で行われたアジア卓球選手権大会での朝鮮選手団歓迎レセプション案内というのはどなたがされたんですか。この中に何か朝鮮総連と共催するということは、共催者が書いてありますか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 私ども、この「レセプションの御案内」という紙を持っております。この中に、「このレセプションは朝鮮総連県本部との共催で行うこととなります」というくだりがございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 そうなりましたか。日本的な感覚で見てください、これは。やっぱりそのときの事情を聞きますと、朝鮮総連もレセプションをやりたかったらしい。日程がなかなか折り合わない。だから、日程変更の中には別にあるでしょう、総連と何かパーティーしたいみたいなことが。変更の中に入ってきているはずですよ。だから、このレセプションは共催じゃないんです。ただ日本的な感覚として日程が折り合わない、日本の方が優先的にやってもらうことになった、それならまあ日本人的感覚でしょうな、浪花節というやつですよ。ひとつ、共催と同様ですからという意味で本文の中に書いてあって、呼びかけ人の名前には、実行委員会の名前には一つもないじゃないですか。  だから、そうなるとこれは外務省あたりが考えたらどういうことになるんだろうな。法務省は確かに法律を守るとか、あるいは約束したことはかっちり守ってもらわなければならないという立場をとるところですから抑揚がない。四角四面というようなことはあり得ますけれども、しかしこれは外交的な立場で物を考えていくと、本文に確かに「朝鮮総連県本部との共催を行うこととなりますが」とあって、共催を行うことにはなってない。しかも、ちゃんと呼びかけ人の実行委員会のメンバーには自由民主党系に所属しておられる方が二人、社会党系が二人、そして県評議長ですよ。そういう人たちが、要するに朝鮮を訪問した人たちが集まって、そのお礼にという意味合い、それから今立たされている条件も見て励ましもしてやろうという日本人の好意からこれは出た問題なんです。  そういう問題をあなたは、口頭か何か知らぬけれども、共催、主催という言葉が少なくとも七つの項目の中にはなかった。口頭では言うたということになっているらしいが、コウトウというんなら荒唐無稽じゃないですか、私から言わせりゃ。その程度のものについてレセプションに当てはめて、それでああでもない、こうでもないということで、結果としてこうなったということについて私は政府として、これは外務大臣のいる前で外交のあり方を考えろなんておこがましいけれども、もう少し人間的な扱いというものがあるんじゃないか。  少なくとも入国を認めた以上は、どうなんですか、国交のない国民だから監視つきで国内の行動を許すというんですか。私は入国を認めた以上、相手を信頼するということが前提だと思います。保証人をも信頼するという前提でなければいけないと思う。そして、決められた範囲内ということにはなるでしょうが、文化の違いもあるんですから、北朝鮮の人たちが政治活動というふうに思う考え方の内容というのはどういうものでしょうか。我々と全く同じでしょうか。そういう文化の違いというようなこともあるんですから、仮に違反する行為が出たとしても、それ自体は将来の北朝鮮との関係とか国交のない国との関係というものを描きながら対応されるべきだと私は率直に言って思っているわけです。  したがって法務大臣、ここへ来て黙っておられるんじゃなしに、いかがでしょうか、入国を許すということについては大変高度の政治的な判断からされたという、それだって私から言ったら聞きたいですよ、いろいろと。ソウル・オリンピックの問題とか北朝鮮との問題だって我が国は問題がないわけじゃないでしょう。課題がいっぱいあります。そのために我が国の同僚が、苦しんでいる人もいるわけだ。そういう問題の解決とか、あるいはアジアの平和のためとか、あるいはアジア地域における日本の国の役割とか、大所高所から見て今回はぜひとも入国を認めて、その成果をあらしめたいというふうに私は政府高官の人たちが判断をされて決めたものだと思います。したがって、あの大会は成功させたかった、途中で帰らすべきではなかったと私は思います。そういう観点から見ると、今さら戻ってこいというわけにいきませんから、むしろ今後のこういう問題に対する対応について、四角四面ではなしに、入国を許したという趣旨を最大限に生かしていくような、誤解をされるようなことのないような対応が必要ではないか。  同時に外務大臣にも、大変御苦労されていることは私はよく存じ上げていますけれども、今回のことを奇貨として今後の北朝鮮との関係とか、あるいは国交のない国々との関係については基本的にどう対応すべきなのかということについてお伺いしておきたいと思います。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(林田悠紀夫君) 一月末に北朝鮮に対しまする措置が決まりました。しかし、今回は純粋なスポーツ行事といたしまして日本卓球協会の保証のもとに入っていただこうと、特に例外として入国を認めたという経緯があるわけであります。そして、その例外として認めたのにつきましては、純粋にスポーツをやっていただくということでありまして、したがって行動につきましてもいろいろな条件をつけさせてもらう。しかし、それは身元保証人の日本卓球協会に申したわけでありまして、直接国交のない北朝鮮の卓球の選手団には申し上げることはできないわけであります。ところが、その行動日程の中にとれはと思われるようなことがありましたので、それは考えてもらいたいということにしたわけであります。政府といたしましては、関係各省が十分連絡をとりあいましてとった措置でありまして、間違ってはいないと存じております。  しかし、こういう結果になりましたことは極めて残念なことであるという感じはぬぐえないわけであります。しかし、行ってきたことについてはやむを得ずこういう措置をとってきたということであると存じます。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 今回のことを率直に申し上げますと、結果的には残念だったなと私はこう思っております。  いろいろ国交のない国家がございます。私たちも国交かないとはいえ配慮をしていることは当然でございます。特に朝鮮半島の場合には、言うならば我が国が領有をしておったという過去の歴史がございます。これに対しまして、私たちはもちろんその歴史に反省をしておる、こうしたこともございます。しかしながら、韓国と私たちが国交を正常化いたしましたときに、今申し上げましたように過去の歴史に反省するということを申しておりまするし、特に韓国政府に対しましては朝鮮半島における唯一の合法的政府であると日本は判定いたしております。  だから、第二次世界大戦後に分裂国家が幾つも出まして、欧州においては東西ドイツ、あるいはアジアにおきましては南北ベトナム、日本が領有権を放棄いたしました台湾と中国の関係、こうやって見てまいりますと、非常に難しい問題をそれぞれ抱えておったわけであります。中国に関しましては、私たちははっきりと一つの中国ということで今日、日中間は非常にその友好を深めておりますが、朝鮮半島におきましてもでき得べくんば南北の話し合いが実ることを私たちは祈るという立場にいるわけでございます。したがいまして、今回の措置もいろいろな立場から考えまして、法務省自体とも御相談申し上げまして、オリンピックのこと等もこれあり、入国を私たちといたしましても認めたんでございます。  私の体験から一言だけ申し上げますと、いろいろそうした北朝鮮の方が入国を要請される場合がございました。例えば国連大学に講師として来る、国連大学は横浜にある、どうするんだという難しい問題もございました。しかし、その場合といえども、やはり先ほど法務省が言われたような条件というものが付せられたわけでございますが、ことしでしたか昨年でしたか、そうした条件を付せましてもそのお方はきちっと条件を守って帰っていただいておる、何ら問題は起こらなかったということもございますから、今回は今法務省の政府委員からいろいろお話がございまして、私もそのように承っておりますが、結果的には残念なことだったなというふうに考えております。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 善意が無になる、その場合には無になった方が大変です。大変な損失だと思います。ですからそういう意味で、官房長官、おいでいただきまして大変恐縮ですが、五月二十一日の記者会見ですか、率直に言ってスマートさに欠けたというお言葉があったようですが、この意味は、意図したことと違った結果になって大変残念だなと、こんな思いもこれは含まれているんでしょうね。その辺のことをひとつ率直に開陳をしていただいてこれからの対応についての所信を述べていただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) 先ほど来の法務大臣あるいは外務大臣の御答弁と軌を一にすることでございまして、政府としては実は何らのその措置に瑕疵があったとは考えておりません。おりませんが、私が申し上げましたのは、新聞記事等で事実とすれば、この歓迎レセプションのさなかに、お食事中に退席を求められたというような記事もございまして、ごく素朴に食事が終わられてからそういう指示がされてもよろしいのではないかという感じがしたことと、片や北朝鮮のこの団におかれましても、その後の事実関係でかなりはっきりしたことでございますが、この選手団そのものも、卓球協会を通じて我が政府の考え方について完璧にその趣旨を理解しておったかどうかについても疑問なき点も明らかになってまいりました。  卓球団におかれましては、その昼の措置に関連いたしまして、直ちに記者会見を開きまして我が政府を非難し、そして直ちに帰国に及ばれたというような行為も、もう少しその間に意思疎通が深められて、せっかくおいでいただいたことでございますし、官房長官といたしましても、正月の対北朝鮮大韓航空機事件をめぐっての私の発表に対して、政府全体としては事がスポーツの親善だという建前から、先ほど先生御指摘のようないろいろな考えもあってお認めいたしたことでございますので、今少しく双方理解を深めてスマートに措置できなかったかなという実は感想を申し述べたということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 私が官房長官になっても大体その辺の答弁だったと私は思います。しかし、かなり官房長官は素直に物を言っておられると思います。大事なことだと思うんですね。私はこんな問題を、日本卓球協会の責任だみたいな、そんな話で政府が逃げるような問題と違いますね、これは。どんな事態でも、こういういいか悪いか、認めるか認めないかという問題を抱えての入国ということになりますと、入国を認めた以上はというのが私はあってしかるべきだというふうに思うんです。  ですから、出た答えは極めて遺憾なんでありますけれども、しかし、これをこれからの外交問題というか国交のない国々との、できれば国交はみんな回復した方がいいんです。ぜひそうしたいと思う。そういうためにも今回のことを参考にされて再びこういったことの起きないように十分ひとつ措置をされるようにお願いをいたしまして、この問題に対する質問を終わっておきます。  次の問題としては、今度は官房長官恐縮ですが、胸を張るのか正すのかわかりませんけれども、要するに広報問題にかかわる不祥事件が総理府として起きていますね。新聞の御紹介によれば昭和四年以来の不祥事ということになっているわけなんですが、問題はこの事件の性格とその責任の受け取め方の問題なんです。私から言わしめれば総理府全体の問題として、その前に政府全体というのがありますよ。事件を絞ってみると、総理府全体の問題なのか大臣官房というふうに限られた問題なのか、あるいは広報室、会計課というふうに極めて限られた形のものとして受けとめているのか、あるいは元参事官個人ということでこの問題を受けとめているのか、この点まずお伺いしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) 今回の事件につきましては、及川委員から本会議場でも御質問をちょうだいいたしたところでございまして、元職員にかかわる不祥事件が生じましたことにつきましては、まことに遺憾かつ残念であります。総理府としては、この事実を総理府全体の問題として厳粛に受けとめ、職務の公正な執行に対し自粛自戒し、綱紀の厳正な保持について真剣に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  そこで、内閣官房のことなのか、総理府のことなのか、政府全体のことなのかと申されれば、やはり政府全体の問題としてこれは取り組まなければならない問題であると思います。ただし所管として、私の総理府ということで官房の中にありますので、まずは総理府としてそれの対応につきまして全組織を挙げて今その努力をし、信頼回復に努めてまいりたいと考えております。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 官房長官のお答え、私は了としたいと思います。なぜこういうことを言うたかということになるんですが、広報室長おられますけれども、今月の二十三日の通産省関係の決算委員会のときに、時間がなかったから私はあえて言わなかったんですが、言葉じりをつかまえるようですがということで、これは広報室の事件じゃありません、会計課の事件じゃありませんというような意味の御発言があった。問題をそのようにとらえているんだろうかと物すごく腹立たしい思いが実はしたわけであります。しかし、当日は通産省問題ですから、そこにウエートはありませんでしたから、私は全体の問題としてとらえてほしい、そんな細かく言って、参事官の橋本が悪いんだなんという調子で国民は受けとめていませんよと。政府全体とか、あえて言うなら総理府全体ぐらいは本当に責任を感じて再発のないようにきちっとすべきではないか、けしからぬ、こういう思いが実はあるわけでして、そういったことを知らずして、私はこれからも再発防止なんてできっこないというふうに思うから、あえて御質問申し上げたわけです。  官房長官がおっしゃるように、政府全体でしょう。とりわけ総理府全体の問題でしょう。そしてまた、広報室の作業と会計課と支出担当官と、それぞれの内部牽制というものが一体どう行われているのか、どうすべきなのか、人事配置の問題を含めて私は洗いざらいにしなきゃいかぬのじゃないかという気がしてならない。この点は別に検察庁とかそういうものの手をかりなくたってできる話ですから、なぜこういう事件が起きたのかという、そこをえぐっていく姿勢がなければ私はだめだというふうに思うんで、あえて官房長官に御質問を申し上げましたが、お答えを了として、ぜひそういうような対応をしていただきたいと思います。  さて、具体的な問題でお聞きしたいのであります。今もちょっと触れましたが、総理府における会計処理の責任体制をお伺いしたいんです。なかなか世間一般に通用するような言葉が使われていない組織令などもございまして、一体これはどうなんだろうと。私などは皆さん方から言えば末端の役人ということになったのかもしれませんが、電電公社時代のことを体験しています。それだけに多少なりとも総理府の組織図というものについて理解はできるんですが、一体どうなんだろう、どことどこが責任を持って契約から支出をやるのかな、こんなことを考えるとちょっと壁にぶつかる問題もございますので、ぜひ作業、契約、支出、この関係についてどういう形でいわゆる印鑑が押されてお金が出ていくのか、あるいはどこに発注するというのが決められるのか、これをお伺いしたいと思う。

河原崎守彦内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(河原崎守彦君) ただいまお尋ねの問題でございますが、広報契約の場合に例をとりまして申しますと、業務の専門的な性格ということもございまして、広報室におきましてまず当該広報の広報媒体の選定、あるいはその広報の担当業者の選定、さらには経費の見積もり調整というようないわゆる契約の準備事務と申しますか、そういうようなものを行うわけでございます。これを受けまして会計課といたしましては、関係法令に照らしまして当該業者選定、あるいは経費につきましてその適格性を審査いたしまして、その上で契約あるいは支出の手続をとっておるということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 簡単に言うと、印鑑は幾つ必要ですか。

河原崎守彦内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(河原崎守彦君) ちょっと私、手元に持っておりませんので、具体的に幾つということは今申し上げられません。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 そこが問題じゃないですか。三つ要るのか四つ要るのか、日本は余りにも多過ぎるという説もありますけれども、どちらにしても今現在あなた方がおるところで行われておることが、毎日やられているんでしょうが、それが何ぼ判こが要るかわからぬなんて、そんなばかな話がありますか。

河原崎守彦内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(河原崎守彦君) 御承知のように、私ども組織で仕事をしておりますので、広報室におきましても、あるいはまた会計課におきましても、担当するといいますか、また補佐する参事官なりあるいは課長補佐というものがおるわけでございまして、そういう人の判こ、そういうところで一々チェックをいたしまして上がってくるということがございますので、全部で幾つかわからないというふうにお答え申したわけでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 残念ですね、それは。それじゃ、あなたは一体何を見て最後に会計課長として支出行為に判こを押すんですか。もうチェックされたからおれは関係ない、おれはおれのポストだけぽんと押せばいいと、そんなふうになるんですか、これ。伺い文書みたいなのには判こがついてくるんじゃないですか。しかも、内部的には額によって、どのポストはどの額までとか、会計課長はどこまでとか、その上があるのかないのかというのが一つあるけれども、ここも一つの問題点。これはもう大蔵大臣に答弁は求めませんけれども、よく聞いていてほしいんですよ。こんなばかな話がありますか、お金を支出するのに。少なくとも総理府は広報費だけでも百二十数億あるんでしょう。あなた一人で百二十四億支出するんですか。聞いておきますよ。

河原崎守彦内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(河原崎守彦君) 私が会計課長でございますが、会計課長が支出官という役目を委任されておりますので、私のところで支出いたしております。  それから先ほどの印鑑の数でございますが、今担当の方と加えますと、最低七つぐらいということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 企業の名前をずらっと並べて言うてあげてもいいんだけれども、時間の関係があるから言いませんが、大体、課長というポストで民間企業でどのぐらいのものが出せると思いますか、支出行為、オーケーというのは。わからないでしょう。やっぱりもう湯に浸っているんだよ、私らから言えば。コピー程度のものですよ。そこまでは自由にできる。せいぜい二十万ぐらいのところですよ。それ以上は全部、その上にいる部長とか、何やら取締役とか、あるいは専務とか、さらには社長とか、こういう人たちが皆かかわっておるんですよ。まさか総理大臣が判こつくとは私はそこまでは言わないけれども。そういう意味で言うなら、一体総理府ではどうも課長どまりでどんどん出せるように内規はなっているように私はお見受けするんだが、副長官とか審議官とか、何とか次長というのがおりますね、こういう人たちはこの支出行為には全然関係ないんですか。

河原崎守彦内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(河原崎守彦君) これは会計機関の設置の方式としましては、一般的なことだと思いますけれども、関係法令の規定に基づきまして会計課の参事官が支出負担行為担当官、それから会計課長が支出官というふうに委任をされておるわけでございまして、これは今申しましたように、総理府だけの問題ではないというふうに考えております。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 総理府だけの問題でないということは、総理府と同じような実態にあるというふうにお聞きしてよろしいんですか。それならなお私は問題だと思いますよ。本当にこれは一つ一つ突いていったら切りがないほど問題点がある。  そこで官房長官、あなたも恐らく広報費の支出について印鑑を押されるということは、なって間もないせいもあるかもしれませんけれども、ないんじゃないかというふうに思うんですが、まず見たことがありますか、支出について、会計課長から持ってこられて。持ってこられるということもあるんですか。

河原崎守彦内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(河原崎守彦君) 先ほどもお答えしましたように、会計関係の書類は会計機関で処理しております。また現に、会計関係の書類と申しますのは非常に数が多くて、実務的な問題でございますので、会計課で処理さしていただいておるということだと思います。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 金額百二十四億と言うけれども、それは政府機関全体で見ればさしたる金じゃないんですよ。むしろ、現場関係に行ったらどうなんですか。例えば政府事業ということだったら、郵政事業などは一兆三千億か四千億あるんでしょう。それぞれ会計やっているじゃないですか。そういうところではあなたのところでやっているようなぐあいにはならない。もっと厳しいものです。現場なんかでは局長が判こを押さなきゃ支出ができない、そういうものがほとんどなんです。それほどやらなければまた大変なんです、これは牽制組織的にも。  ですからこれは、こんな論議をしていたららちが明かないから、次にお聞きしたいのは、参事官、この際には支出負担行為担当官というのですか、これに橋本さんという方がなっておられましたね、約五年半とか六年と言われる。その間にどうも起きた問題ということになっているようですね。会計の支出には確かに間違いなかったか知らぬけれども、それでもってリベートをもらうということは、契約そのものに余裕がなければリベートは来ないんです。それは一般的な常識じゃないですか。ということになれば、業者の選定から始まって、それから契約の裁量について橋本さんが判断されたんだろうと思うけれども、橋本さんが判断される前にどこかが判断するんでしょうね、これ。今のお話だとどこもないのかな。そしてまた、会計課長というのは一体どうなっているんだと。少なくともこの参事官の上司であることは間違いない、会計課長というポストは。あなたという意味で言っているんじゃないですからね、会計課長というポストを言っているんですから、ひとつそこのところは区分けをして。あなたが責められる気持ちでも結構だけれども。どっちにしても、その関係、一体参事官の職務権限は何だと。

河原崎守彦内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長

○説明員(河原崎守彦君) まず、その前段でございますが、どういうチェックかということにつきましては、先ほど契約の流れで申しましたように、広報について申しますと、広報室におきまして準備的な契約事務を行う、それを受けて会計課が法令に適合しているかどうかをチェックするというようなチェックシステムがございますし、それぞれ広報室におきましても会計課におきましても担当者がおりまして、組織としてチェックをしておるということが第一点でございます。  それから、負担行為担当官の権限はどうかということになりますと、御承知のように、国の支出の原因となる契約をするというのが負担行為担当官の役割でございまして、これは言うなれば独立的な役割ということが言えるかと思います。  なお、支出につきましては会計課長が担当いたしまして、両者は牽制関係といいますか、そういう関係でチェックをいたしておるということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 その書いてある今の細則を読み上げる程度ですから、ちょっと議論にならないんですがね。私は改革をする必要があるという前提で御質問申し上げているわけです。だから、これは最後に譲りますけれども、特定の人間にいかに権限を与えるといったって、契約の内容から業者の選定から、それら金額まで含めてずばっともう橋本さんという人が一人で決めてしまって、それでもって支出行為が行われるんだ、後はもう課長はどうせ二、三年しかいないんだから余り余計なことを言わないで判こをつけというような雰囲気で総理府の中がなっているとすれば、これは大変なことですよ。あなたはそうじゃないと言うかもしらぬ。しかし、全体的にそういう雰囲気にあるからすきをつかれるんじゃないですか。私はそういうものだと思う、こんなものは。しかも、じかに確かに手にしないでしょう。業者を通してそれこそリベートをもらったということが、今被疑者になっているわけです。だから、断定的に私も言いません。言いませんが、少なくともなぜそういうことができるのか、そういう土壌は何なんだということを考えたら、内部の牽制組織というものがしっかりしていない。それは組織のあり方だけではない、人の配置の問題を含めてということに私はなってくると思います。だから、これは最後にまとめのときにまた御意見をいただきます。  私は次の問題として、橋本さんという方がこの事件発覚前に退職をされているんですけれども、一体勧奨と一般退職でどのぐらい退職金は違うんですか。

大金瑞穂内閣参事官兼内閣総理大臣官房人事課長

○説明員(大金瑞穂君) お答えいたします。  橋本前管理室長の場合を一応想定いたしまして計算をいたしますと、勧奨退職の場合の退職金は四千四百七十万円程度でございます。普通退職の場合には三千六百万円程度でございまして、差は約八百七十万円程度でございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 新聞とかマスコミ、情報誌などを通じていろんなことが書かれておりますから、それを追うわけにはいきませんけれども、どうもまだやめぬでもいいのにおやめになる。しかも勧奨という形をとられた。一体だれが勧奨するのかということが気になるんですけれども、本人の意思でやめればこれは勧奨にならないわけでしてね、おまえもういいかげんにせぬかい、こちらの方はどう、ぜひ頼むよ後輩のためにと、こういうようなロジックがあって、それで初めて勧奨ということになるんでしょう。あるいは大量にやるときには、労働組合があれば労働組合に提案をして、労働組合と協議決定の上で勧奨するということを認めて、具体的には公示をして申し出た人は勧奨ということで退職していってもらうという格好ですね。やめる理由は何なんですか、これは。

大金瑞穂内閣参事官兼内閣総理大臣官房人事課長

○説明員(大金瑞穂君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、私ども総理府本府におきましても全体の職員の構成の適正化を図る、あるいは後進に道を譲るという観点から、管理職につきましては一応五十八歳を目途といたしまして勧奨を行っておるところでございます。  同人も昨年十二月に五十八歳になったわけでございまして、私ども同人に対して勧奨を昨年の春ごろから行っておりました。これは申し上げるまでもございませんが、勧奨退職も一遍勧奨してそれでやめるということではございませんで、今後の身の振り方はどうするか等々、いろいろ本人の意向も聞きまして勧奨退職を行わせるわけでございますから、その勧奨を開始したのは昨年の春ごろでございます。その後同人は、昨年の夏から秋にかけまして胃潰瘍の手術をいたしました。その後職務復帰はいたしましたけれども、どうも体調が完全には回復しなかったということで、激務にたえる体力に自信を失ったというようなことで、その勧奨に応じて退職したいという旨の申し出があったわけでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 私も素直に受け取りたいと思うんですが、世間は甘くないですね。それ自体に大変疑問を持った意見が多いわけであります。ですから、私も素直に受け取りたいが、今のお答えだけでああそうですかと言うわけにはいかないなという感じがします。  そして、橋本さんという方は大分評価が高いそうじゃないですか。お世話になった人も大変多い、大人物であるということも言われているわけです。大人物ですから、いろいろとやっぱり好意的なものが働かなかったらこれまたおかしいなという感じもするんですが、いずれにしてもこれは水かけ論になるでしょう。  しかし、むしろ私はちょっとお聞きしたいのは、しからば、営利企業への就職の承認に関する年次報告書というのがありますね。人事院が出しておられます。これは各省を退職された方が再就職をする際に人事院として検査をしまして、いいかげんな何か変なものはないかどうかということを審査をして、この承認がないとなかなか行政府に関係した人というのは行けないようになっている。天下りという問題に関連をしてこういう措置をとられた、結構な話だと思う。  ところで、その中に百五十七番だったでしょうか、ことにちょっとこの事件に絡んだいわば会社の名前が出てくるわけです。例えば雷脳という会社あるいはサンコーという会社、これが二年どとに総理府から行っているんですな。ただし、総理府の人であるかどうかというものを見るとどうも総理府の人じゃなくて、政府機関ではありますけれども、今回の場合は何か学術会議の事務室長ですか、というような肩書が実は出ています。しかし、雷脳、サンコーというのはこの事件とかかわっているというか、あのサンコーという会社であることは間違いないのでしょう。

大金瑞穂内閣参事官兼内閣総理大臣官房人事課長

○説明員(大金瑞穂君) 私は、今御指摘の雷脳については申しわけございません、承知しておりません。サンコーというのは今回関連のある会社でございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 電脳のことはさておきましょう。  サンコーですが、サンコー自体が疑惑を持たれているわけですね。そして福沢さんという方が逮捕されておる。総理府がこのサンコーという会社にかなりのこれは広告代理店か何か知りませんけれども、要するに契約をしていますね。そういう関係ができて、だれが一体サンコーという会社に、総理府関係とは言わないんでしょうけれども、総理府の手を通じてそこに再就職をするという道を一体開くのか、これがようわからぬ、どういうことなんだろう。そして今現在、疑惑があるだけに総理府としてはこの会社をどうされようとしているのか、その二点についてお伺いしたいんです。

大金瑞穂内閣参事官兼内閣総理大臣官房人事課長

○説明員(大金瑞穂君) ただいま御指摘の六十二年七月にサンコーに嘱託として一人再就職をしておることは事実でございます。これは恐らく業務上の必要性あるいは総理府との仕事上の関係ももちろんあるとは思いますけれども、今回六十二年七月に就職しております本人につきまして申し上げますと、これは国家公務員法、人事院規則では離職前五年間密接な関係のあった企業へは就職が承認されないことになってございますが、同人は離職前五年間サンコーとの契約に関する事務は一切所掌しておりません。それは履歴でごらんいただくとおりでございます。一方、また就職します先での職務内容でございますが、嘱託という形で研究に従事するということで総理府との関係もないという判断で国家公務員法百三条の人事院の承認を得たものと承知いたしております。  ただ、私個人といたしましては、今回の事件を反省いたしまして、今後再就職を考える場合には当然社会に疑惑を持たれないような配慮は必要であろうと考えております。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 大体五年間程度これに基づいて調べてみますと、総理府が行かれているのは、雷脳とか、野村総合研究所、サンライズ社、東急エージェンシー、それとサンコー、こういったものが大体これ自体の報告の中に出ているわけです。ですから、これは別に確かに総理府や内閣だけじゃないと思います。警察庁もあれば宮内庁もあるし総務庁もある。各省もいろいろあるようです。それが総じて天下り問題とか癒着とかとやかく言われる要素になっているわけです。ですから、この辺ももう一度見直しをしてみる必要があるんじゃないかという気がしてなりません。  きょうは時間の関係がありますから、いずれにしても締めくくり的に申し上げるならば、どちらにしても再発防止ということについて私は官房長官、考えていかなきゃならぬと思いますね。これはもう総理府だけの問題じゃないと思います。ですから、内閣全体といいますか、行政府全体の問題として考えていただきたいんです。例えば巷間言われているように、ここに会計課長を置いてちょっと恐縮なんだけれども、何で総理府で会計課長のポストは建設省の枠なんですか、ほとんど建設省だと書いてある。聞いてみるとそうなっておる。それで、キャリア組がおいでになって二年、三年でほとんどお帰りになる。参事官が三十五人おる、そのうちの二十五人は全部各省からの出向だと。  確かに、内閣総理大臣がおられるわけですから、内閣総理大臣がこうだああだということをぱっと答える体制にしなきゃならぬことは事実です。だから、それ自体私は悪いとは言わないが、それだってノンキャリアとキャリアというのがあるのかないのか。橋本さんがノンキャリアならノンキャリアもあるんでしょう。その割合はどのくらいだ、ほとんどがキャリア組だ、こう言う。それなら皆腰かけじゃないか。そんな腰かけのところに、ノンキャリアは腰かけどころじゃない。橋本さんを例にとれば、三十七年間もおると言うじゃないですか。そして会計の仕事といいますか、それ自体がもうほとんど専門であられる。波に任しておけば何でもオーケー、大蔵省折衝であろうがすばらしい、こう書いてある。  本人に会ったわけじゃない、私はわかりません。そういうふうに言われりゃ言われるほど、なるほど癒着構造は黙っていてもでき上がるわい、いかにキャリア組でも、どんな厳しいやつでも厳しくすれば浮き上がらせられるというようなことになりかねない、そんなことが何か通るような社会になっているような気がするんです。そういう意味で、ぜひキャリア組の配置の問題あるいは各省庁の縄張りの問題、さらには広報室というところが約百二十億ということになりますと、各省庁の広告費を全部集めてもそれより上回った数字ですから、それを広報室だけで一体これをやることについての是非の問題なんかも含めて大いに私は検討をされるべきじゃないかと思うんであります。そういう観点で問題を不十分ではありますけれども指摘をいたしましたが、最後に官房長官からこの問題に対する今後ということで決意のほどをお伺いしたい。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) ただいま厳しい御指摘をちょうだいいたしました。それで、今後の再発防止対策といたしましては、今回の事実を厳粛に受けとめ、全職員に対し綱紀の厳正な保持に努めるよう注意を喚起するとともに、厳正な業務の執行を確保するため官房副長官を長とする業務適正化委員会を設置いたしまして、いろいろ御指摘がございましたが、広報の予算執行体制の見直し、それから人事管理、人事配置、こうした見直し等具体的な措置の検討を行っておるところでございまして、総理府全組織を挙げてかかる不祥事の再発防止のため万全を期する所存でございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 ありがとうございました。ひとつそういう角度できちっと対応されるように希望いたします。  時間が大変足りなくなって困ったなと思っておるんですが、実はこれは通産大臣、おしかりを受けるかもしれませんが、どうしてもやっぱりゴルフ場の会員権問題について通産省にお願いをせにゃいかぬなというふうに思うんであります。  田村通産大臣はゴルフをおやりにならないことはわかりました。したがって厳しい批判の持ち主であるということを前提にしながらお伺いしたいんでありますが、ゴルフ場という問題をめぐってはどうも収賄事件であるとか汚職であるとか、あるいはまた金集めのためにかなり悪用されているという実態がある。そういう中で泣くのは一体だれかというようなことを考えますと、ゴルフがかなり大衆化をしてきているということもありますので、どうしてもここでひとつまとめて論議をして、あるべき姿というものを求める必要があるんじゃないかというのが私の気持ちなんであります。したがって、今こうだという結論を持ち合わせてはいないんですが、自由民主党の中にも同じ観点かどうか知りませんが、ゴルフという名前がつく集まりがありますね。それで、過去には議員立法などということでいろいろ話題をにぎわした経過もあるわけであります。  私は時間の関係もあるので、ずばり会員権というのは一体何だ、預託金を預託して初めて会員権が来るんだが、これは有価証券なのか有価証券でないのか、株券か株券でないのか、どっちでもないというなら、預託金というのは何だ、こういうことが問われるところに実は来ているわけです。これは大蔵大臣にはどうも直接関係なさそうなんですが、何かゆうべ徹夜していろいろ検討してもらったそうなので、それに敬意を表しておかなきゃいけませんけれども、民法上、商法上の問題が先に行かなきゃどうも結論が出せないみたいなお話を伺いました。その限りでは私も不勉強ですから、大いに勉強をしようと思っているんですが、たまたま通産省の所管として特定商品等の預託等取引契約に関する法律、六十一年にでき上がっていますね。これはけさもらってはっと思ったんですが、この中にゴルフというのが入っておるわけです。しかしよく読んでみますと、どうも家に押しかけて押し売りとかああいう問題、あるいは月賦販売なんか等なんかもかなり意識をされてつくられた法律かなと。したがって、これ自体で果たして預託金とは何ぞやとか、会員権というものについてどう保護するかというようなことについては、これじゃなかなかうまくいかないなという感じを私は今しています。  いずれにしても、会員権とかあるいは預託金というものが実は借金の担保にされている。あるいはゴルフ場をつくった、四十億かかった、それを請け負った工事会社にゴルフ場から、現金は勘弁してくれ、会員権百枚ぜひとも工事費の一部としてやってくれ、こういう請け負い方をさせる。そのかわり一年後には倍になるよ間違いなくと言って、三百万なら三百万で計算しておいて、確かに一年後には六百万円になっている。だから工事業者は正規のものをもらったほかに、いわばマネーゲームか何か知らぬけれども、値上がり分でまたもうける。こういうものにも利用されているという実態です。あるいは大蔵省で言うならば、これは相続税の対象になっているし、同時にまた、売買をして売買益が出ればそれ自体に対して税金もかけることになっている。こうなってくると、一体これは預託金、有価証券、株券といろいろあるけれども、何だこれはということが一つです。  それと同時に、会員権に対して保護規定がほとんどない、大蔵省もどう見てもどれがどう当てはまるかという前に、もっと前に整理すべきことがあるというのがどうも結論のようなんですが、通産省いかがでしょうか。これは時間がなくて申しわけないんだけれども、私は率直に言ってこの種問題をとらえての作業というか白書というか、そういうものを出していただけないか。私は私なりに努力をしたいというふうに思うんですけれども、前段に対する見解と、それから後段の問題と二つをお伺いしたいと思います。

末木凰太郎通商産業省大臣官房審議官

○説明員(末木凰太郎君) ゴルフ会員権の法的性格につきましては、今のところでは幾つか争いになりましたケースについての判例からお答えをするのが適当かと思いますけれども、判例によりますと、これは一言で言いますと債権的な地位だということでございます。つまり、所有権だとかいうような物権的なものではなくて、債権上の地位である。その中身は、会員としてはそのゴルフ場の施設を優先的に利用するという権利を持っている。逆に債務としては会費を納入する義務がある。あるいはまた、一定の条件が熟したときに預託金を返還する権利を持っている、こういった地位であって、その地位を獲得するために入会金とかお金を払うわけでございます。  御指摘のように、物権的なものじゃなくて債権的な地位でございますから、契約によってその中身はいろいろにつくり得るわけでありまして、そういう意味ではなかなか性格がはっきりしない、つかまえにくいところがあると思いますが、基本的には私どもそういう前提で考えております。  それに伴いましていろいろ問題が生じておることはよく承知しておりますので、従来省内に勉強会をつくりましていろいろ勉強しておりますし、業界にも問題点の整理を今要請しておりますが、引き続き実態について多く把握をして、必要な対策を今後とも考えてまいりたいと思います。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 業界の方も何とか協会というのがあるようですが、大体三分の一ぐらいしか加入されていないという実態のようですから、ひとつそういったことも含めながら、後段でお話をされた、どういう結論を出すかは、これはこれからの問題なんですけれども、問題点をやはり出していただくということが必要じゃないかと思います。  そういった点で通産大臣にもお伺いしようと思ったんですが、大変時間の関係があって申しわけございませんけれども、また別途機会を改めてひとつゴルフに対する御見解をお聞きしたいと思いますから、きょうはお許し願いたいと思います。  ところで、郵政大臣にも大変お忙しいところを来ていただきまして、郵政大臣とは逓信委員会で大いにやっておりますので、余り言うことないはずじゃないか、こうお思いだと思うんですが、まあ世の中いろいろ進歩しておりまして、どうしてもこれはちょっとお聞きしなきゃならぬという問題が出てくるんです。  実はNHKの会長人事の問題が華やかに報道されておるわけです。これは経営委員会で決めるんでしょうけれども、アンケートをとったものをわざわざ発表するまでの行為があるとは実は思わないんですよ、経営委員会の人事ですから。ところが堂々とおやりになっている。そしてそれぞれの出走馬の優劣を新聞が論じている。それは人事というのはそういうものだけれども、おもしろいといえばおもしろいんだけれども、NHKの役割、任務からいうとどうも不愉快だという気がして実はならないわけです。  そこで、名前が挙がっているから言うわけではありませんけれども、郵政省としては経営委員会が決めることだからそちらにお任せということかもしれませんが、政府として関係する例えばNTTの社長なんていうのがありますね、あるいはKDDの社長は総理大臣ではないかもしれませんけれども、いずれにしても政府というところがいろいろ推奨されるというかかわり方になっています。そういう中に、その立場に立つ人たちの条件というものが三つほどあるんですか。この新聞記事によりますと、役員の在任は原則として六十五歳、総裁、副総裁などに相当する職で特別の事情がある場合は原則として七十歳、在職期間はおおむね六年、特別の事情があっても八年、こういうように内閣でお決めになったと報じられているわけです。これは前からあることなんですが、そういう原則というものはNHKの経営委員会で決めるのだからおれは知らぬというふうになるのかならぬのか、私はそこのところの見解をお聞きしたいんです。

中山正暉自由民主党郵政大臣

○国務大臣(中山正暉君) 国会が済みましたのでもうしばらくは及川先生にお目にかかれないかと思いましたが、早速決算委員会にお招きいただきまして感謝をいたしております。  今の御質問でございますが、五十二年の十二月二十三日に閣議決定されております今の条件の問題は、NHKの会長の場合には適用がないということでございますし、私もNHKの会長人事の問題が、経営委員会十二人の方々の中での投票の結果みたいなものが報道されておりますことに実は驚いております者の一人でございます。閣議の内容でも漏れてしまうんですから、経営委員会の内容がマスコミの執拗な取材で漏れるのも無理はないかなと思うのでございますが、私どもは一切もう経営委員の皆様方を御信頼申し上げてお任せをいたしておるというのが実情でございまして、次の経営委員会は十四日のようでございます。きのうも引き続いて経営委員会があったようでございますが、きのうは予算決算をおやりになったということをこれまたうわさで伺っておりまして、全くこの人事に関して私ども手を入れる権限がござ、いませんので、ひとつよろしく御理解いただきたいと思います。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 あなたに権限がなければ我々にも権限が実はないわけでありまして、そういった点では余りいちゃもんをつけたり意見を言うたりするのはいいことでないのかなと思います。ただ、やはりNHKの立場というのは、民放とわざわざ違わして公正中立というようなことが法文上で決められているわけです。そういう立場からいうと、NHKの会長という人が何かどこかに偏った方が出てくるというのはいかがなものか、だれがいいとか悪いとかじゃないですよ、というふうに感ずるんです、一般論として。  それで、今回は郵政大臣も御存じのように世論調査問題でほとんどの委員が発言をして、要するにNHKこれでいいのかということを言っているだけに、今何となくうわさに上っている人が数人おろからまだいいんですけれども、この人が有力だなんというてそれの名前をぱっと書いて理解すると、おい、ちょっと偏っていないか、世の中変わるんじゃないかみたいな、そういう議論に実はなってくるわけですね。やっぱり執行部ですから、そういう意味では、よく放送事業というものを知り、役割、任務というものをしっかり身につけた人が会長職になるのが一番ベターなんだろうと、私はこう思っています。  そういった点ではプロパーの方々がどういう考えを持っておられるのか、そういったことなどもかなりしんしゃくされて経営委員会などで論議をすべきじゃないか。アンケートでというのは、どう見ても私はぴんとこない、ふざけるなというような気持ちの方が非常に強いんです。いずれにしても郵政省に権限があるわけじゃないでしょうが、そこはひとつ人間関係でいろいろとお考えを述べる場はあるやに思いますので、その際には十分考慮されて、出た結果が少なくとも法律から見て変な認識でとらえられないように措置していただくことを要請いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○委員長(穐山篤君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

穐山篤日本社会党・護憲共同

○委員長(穐山篤君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和六十年度決算外二件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 今後の我が国の展望を眺めてみますと、国際化、情報化あるいは高齢化社会が到来すると言われているわけであります。そういう中から、例えば高齢化社会を一つ考えてみましても、いよいよ世界第一の長寿国ということでございまして、平均寿命もさらに延びていく、そして高齢者人口が増大する、これは大変好ましいことでありますが、反面、出生率が大変下がっておりまして、どうしても働く人口の度合いが今までと様子が変わってくると思います。そういう観点から将来を考えますと、税負担の対策ということを真剣に検討しなければならない重要な時期に直面をしていると考えます。また、直接税を考えてみましても、海外諸国と比較して大変我が国は高い。そういうことから改善をいたしまして、産業経済の国際化に対応して活性化を図っていくような時期でもあろうと思います。  そして、国民の中から大変不公平感が出てまいりまして、この際積極的に努力をしてもらいたいという多くの声がございます。このような大事なときでありますが、総合いたしまして直間比率の見直しをいたし、不公平感の改善を行い、新しい時代に対応するという重大な時期でありますが、これと並行いたしまして財政再建を図り、国家財政の健全化を図る必要にも迫られていると考えます。さて、このような折に若干の質問を大蔵大臣にさせていただきたいと思います。  まず、大蔵大臣に財政再建実現の可能性についてお伺いをいたしたいと思います。  現在の税収の状況は、内需拡大による景気の上昇もあって政府の見積もりを上回る好調さを見せております。このため、昭和六十五年度赤字国債依存体質からの脱却という政府の当面の財政再建目標は、この好調な税収によって達成可能なところまで来ているようであります。しかし、私は政府の税収見積もりが的確なものであるのかについて若干の疑問を持っております。昭和五十五年度以降の政府の税収見積もりを当初予算ことと決算額こととのそれぞれの比較によって見ますと、まず当初予算同士の比較では、前年度に比べ増収が大きい年度と少ない年度が大体交互に繰り返されているという特徴が見られます。また、決算額同士の比較では、増減の差は激しくなく一定しているという特徴が見られるのであります。さらに年度を追って税収見積もりを見ますと、五十五年度から五十七年度までは過大見積もりではないか。また五十八年度以降は六十年度を除いて過小見積もりではないかと思いますが、政府の税収見積もりに対する大蔵大臣のまず評価をお尋ねいたします。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお尋ねは、当面の六十二年度あるいは六十三年度の税収見積もりということよりは、むしろ過去における政府の税収見積もりというものの信頼性がどのような、もし傾向があるとすれば、傾向のもとに誤ってきたかというようなことについてのお尋ねでございました。  確かにおっしゃるようなことがこの七、八年の間に起こってきておりまして、あるときには非常に過大な見積もりをいたしたこともございます。また、過小になったこともございまして、どうも確かに落ちついておりません。我が国の二度の石油危機がやはり我が国の経済の体質をかなり変えたということ、それからさらに、一九八五年九月のプラザ合意以来の円高というようなものも我が国の経済にかなり大きな影響を、これはまた非常に即効的な影響を与えておるようでございまして、それらのことが重なりまして我が国の経済はかなり変わった部分また変わりつつあると申し上げるべきでございましょうか、そういうことが恐らく背景になりまして、税収というものの見積もりが大変に正確度を欠いてきたということは、残念なことでございますが御指摘のとおりだと存じます。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 最近の税収の動向を見てみますと、確かに好調な伸びを示していますが、しかしこの税収という中身は、株のブームによりました有価証券取引税や地価高騰による相続財産の評価高から相続税がふえるという、いわば臨時的、一時的収入によってふえているのが現実のように思います。  財政の中期展望によりますと、六十四年度二兆四千六百億円、六十五年度二兆六千三百億円という税収増を確保していかなければ六十五年度の赤字国債依存体質からの脱却はできない計算になっております。この巨額の税収増が確保できるのかどうか、そしてまた六十五年度赤字国債依存体質からの脱却ができるのかどうか、その見通しについてお伺いをいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま言われましたように、殊に昭和六十一年度の後半におきまして御指摘のように土地の価格の上昇によって相続税が意外に大きかった、あるいは所得税の譲渡所得があった、あるいはまた株式の売買によるところの有価証券取引税ばかりでなく、実は法人の決算そのものがいわゆる財テクによって予想外の好決算をした、営業外の利益でございますけれども。そういったように、どうも一過性と思われるような要素がかなり六十一年度の後半に特に見られたように存じます。したがって、今後の税収を見積もるときに、そういう一過性のものはやはり排除をしなければならないことで、これは御指摘のとおりだと存じます。  それで、さて次に六十五年度の赤字公債脱却の問題でございますが、六十二年度の自然増収、ある程度のものはあるであろうと予想しておりますが、今月末に最後の収納があるわけでございます。それを仕分けをいたしまして、六月のある時点になりますともう少し正確に申し上げられると思うのでございますが、何がしかの増収はあるであろう。しかし、その場合には、当然のことながら、かねて発行を予定しております特例公債の発行をその限度におきまして取りやめなければならない、それが当然であろうと思っておるわけでございますが、そういう状況のもとで六十五年度の赤字公債依存の体質から脱却するということは、六十四年度並びに六十五年度でと申しますか、一兆六、七千億のものをおのおの切り落としていきますと六十五年度にはゼロになるというふうなことでございます。  それが果たして可能かどうか。一つはやはりそういう問題がございますので、歳出の方を厳しくしてまいらなければならないと思っております。それはただ、こういうやや矛盾した話でございますけれども、社会資本充実という国内的、国際的な命題を背負っておりますので、この方はNTTの収入がかなり見込まれますので、これである程度のカバーができるというようなことの中から、一般の歳出をどれだけ削っていけるかということが実は六十四年度の編成の当面の目標でございます。それによりまして六十五年度には脱却をいたしたいというもくろみを持っておるわけでございますが、さてそれがきちっといくかどうかということは、なお六十四年度の予算編成を見ませんと正確に申し上げかねるというのが現状でございます。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 増税なき財政再建を実施する過程で、歳出の削減によって後年度への負担先送り等が行われ、その合計額が現在二十四兆円もあると言われているのであります。この二十四兆円を解消しない限り、本当の財政再建ができたことにはならないのではないでしょうか。その意味で、六十五年度赤字国債依存体質脱却後の新しい財政再建目標の設定が必要となってくると思われます。大蔵大臣が財政再建新目標としてどういうものをお考えになっており、また既にその計画があればお伺いをいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるマイナスシーリング、ゼロシーリングをやってまいりました過程で後年度への負担を残しております。御指摘のとおり、その分が十一、二兆あるわけでございます。国債の定率繰り入れを停止しております分も金額としては似たような金額でございますが、この方はその間国債償還をやっておりますので勘定しなくてもよろしいかと思います。しかし、例えば国鉄のような清算事業団に残っていきます債務といったようなものがございますので、仮に特例公債の新規発行をやめましても、実は過去における相当な債務の累積があることは御指摘のとおりでございます。でございますから、財政再建というのはまだまだ道の速いことでございまして、それならばどのような財政再建の目標を考えるかというのはごもっともな御質問でございますけれども、私どもとしてはまず特例公債がやめられた、あるいはやめられることがはっきりしたという段階におきまして、次の財政再建の目標というものを考えてまいらなければならない、さしずめ特例公債をやめるということがとにかく一里塚である、そんな考えでただいまのところおります。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 大蔵大臣、ありがとうございました。  次は、文部大臣にお伺いをいたしたいと思います。  たまたま昨晩の夕刊でありますが、留学生問題につきまして一つの報道がなされました。「留学生受け入れ態勢整備 日本語学校充実へ基準 自民対策 帰国学生に教材送る」という見出しでありますが、中身は、大変このどろ留学熱が高まりまして、「自民党の留学生問題特別委員会は二十五日、留学生の受け入れ態勢を整え、国際交流を推進するための総合施策案をまとめた。」という始まりでございまして、るる政策面が報道をされております。このようなことで、国際化という将来展望を踏まえまして、文部省といたしましては将来留学生十万人の受け入れ態勢にいたしたいという計画を承っております。さて、それを考えますときに、現在から十万人体制ということになりますと数倍の拡大計画になるわけでありまして、国民の理解と協力を得る必要が当然あるわけであります。そういうことをまず念頭に置きまして、ただいまから留学生問題についてお伺いをいたしたいと思います。  文部省の統計によりますと、在日外国人留学生の数は、この五年間でほぼ二倍の伸びを示して昭和六十二年には二万二千人を超えたとされています。この二万二千人のうち三千五百人は政府の奨学金を受けている国費留学生であります。あと一万八千人が私費留学生ということであって、また全体の八八・四%がアジア諸国からの留学生であり、これは今後ともふえ続ける趨勢にあると思っております。これら留学生、特に私費留学生は、最近の円高などによりまして経済的にも相当厳しい状況に置かれているものと思われます。  そこで、まず留学生対策として昭和六十三年度予算においてどのような措置を講じておられるのか、その内容についてまずお聞かせをいただきたいと思います。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(中島源太郎君) まず、総体的なことを申し上げます。  先生から留学生対策の必要性を御指摘いただいたわけでございますが、私どもも留学生対策がまさに国際交流の上でも、またお互いの信頼感を増すためのかけ橋としても大事な人材でございますから、これからも留学生対策に心してまいりたいと思っております。  おっしゃいますように、昨年六十二年五月で二万二千人の留学生を受け入れておりまして、その八〇%は私費留学生でございます。六十三年度では約二六%アップの百八十三億円を予算に計上さしていただいております。そして、特に私費留学生対策というものが八〇%を占めておりますものですから、その点が一番大切な重点であろうと思っておりまして、特に留学生対策といたしましては医療費補助の八割補助をさしていただいておりますのと、また同時に、授業料減免三割、それから私費留学生の方々には学習奨励費というものを差し上げております。また、民間の奨励団体などもふえておりますので、この点の寄附行為に対しましての税制上の優遇措置も一応講じておるところでございます。  これからあといたさなければならないのは宿舎対策でございますが、これは留学生会館を鋭意建てております。留学生の方々の御意見を伺いますと、それももちろん結構であるけれども、日本の青年諸君と共同で生活をすることによって言語あるいは習慣その他を学び取ることをお望みの方がいらっしゃるわけでありますので、そういう面で民間企業の社員寮などを開放していただいて、そこに共同生活をしていただくという面に関しましても民間企業の方々に御協力方をお願いをいたしつつあるところでございます。  以上、基本的に申し上げました。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 次に、外国人留学生の中でも、最近の急激な円高などの影響によりまして、特に私費留学生が経済的に非常に困難な状況に置かれていると認識を持っておりますが、これら私費留学生に対しての対応についてお尋ねをいたしたいと思います。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) ただいま文部大臣の方からもお答えの中でお触れになられたわけでございますが、私費留学生対策、従来から医療費の八割補助、病気になったりけがをしたりしたときに国の方で日本国際教育協会という世話団体を通じまして医療費の八割補助を実施してきております。  なお、近年の円高等に伴います私費留学生対策として、先ほど大臣がお挙げになりました授業料減免措置への援助を昨年の秋から急遽始めたわけでございますが、昭和六十三年度にはその数を五千四百人から八千四百人と、私立大学で学びます私費留学生に対する減免措置を拡充をすることにいたしまして、十三億六千万円計上をいたしております。また、私費留学生の中で経済上困難があってかつ成績優秀な者に対しまして学習奨励費制度という形で援助をいたしておりますが、これも昨年六十二年度では二百五十人分というものに対しまして六十三年度は二億六千四百万、五百人分に倍増したわけでございます。このほか、民間団体の数も六十四団体、千八百人分の奨学金をそういったところから出しておりますし、先ほど来大臣がお触れになりました社員寮の開放ということで、私どもの知る限りでも既に百三十人分の部屋が提供されておるという状況でございまして、今後とも各方面の協力を得ながら私費留学生の対策を講じてまいるべきものと考えております。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 民間におきましても私費留学生に対する支援が進んでいると聞いておりますが、民間の留学生奨学団体について、その数や支給対象者数を含めた活動の状況についてお聞きしておきたいと思います。また、このような民間団体に対してどのような税制上の優遇措置をとられているのか、御説明をいただきたいと思います。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) 従来からこういった留学生に対する奨学金を支給する団体というのはあったわけでございますが、特に最近、そういった機運が企業等にございまして、基金を支出して民間の奨学財団を設立するというものがふえております。現在は先ほど申し上げました六十四団体で千八百人分の奨学金が出ておりますが、過去五年を見ますと十団体が設立されているということで、年々二団体ぐらいがふえてきておるということでございます。  なお、このような留学生に対する奨学を行います公益法人に対しての税制上の優遇措置についてのお尋ねでございますが、民法第三十四条の公益法人は、財団法人とか社団法人で、留学生に対する奨学事業を行うもので特定の公益増進法人というものになっているものに対しましては、例えば民間企業が寄附を行う場合には通常の二倍まで損金算入ができるという優遇措置が講じられております。また、同様の法人に対しまして個人が寄附を行う場合には、総所得金額の百分の二十五を限度に所得控除がされている、このような制度ができております。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 さらに、地方自治体においても留学生のための奨学金の支給が行われ始めているようであります。今後もこの方向で進んでいくものと思われますが、この援助施策の現状はどのようになっておりますか、簡潔に御説明をいただきたいと思います。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) 地方自治体によります留学生に対する奨学金の支給等でございますが、従来から神戸とか福岡市が実施をいたしております。特に円高に伴いまして、近年地方自治体におきましてもとういった留学生に支援の手を差し伸べようという動きが大きくなりまして、現在、私どもの知る限りでは合計十県市が約千人の私費留学生に対して奨学金等の支給を行おうとしているというふうに承っております。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 また、これらの問題に関連してでありますが、我が国から諸外国への留学生が過去五年間では三倍以上の伸びを示し、特にここ一、二年は急激な伸びを示しておると承っております。また、夏休み等を利用いたしましてサマースクールなどへ短期的に留学する例もふえてきているといった現状にあると思います。このような急速な流れの中では、ややもいたしますと起こりかねないトラブルを防止するために一層の充実した対応が求められてこようかと考えますが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) 先生おっしゃいますように、法務省の統計によりますと、近年、特に海外へ留学あるいは技術研修ということで日本から外国へ行く学生の数が非常にふえております。特に先生がおっしゃいました短期の、例えば夏休みに英語を勉強に行くとか、そういった短期の留学生でございますが、時々新聞などでトラブルなどを私どもも承るわけでございます。文部省といたしましては、各国公私立大学に対しまして、学生がこうしたトラブルに遭遇しないように、巻き込まれないようにということで、例えばそういったプログラムの事業主体が信用のある団体であるかどうか、あるいは関係する旅行業者が運輸大臣の登録であるような責任のある旅行業者であるかどうか、あるいは語学研修等のプログラムの内容が適切なものであるかどうか、十分に大学側としても留意して学生を指導してくださるようにお願いをしてきているわけでございます。  また、短期研修と関連をいたしまして、ホームステーの実施団体等がございまして、これは短期研修とホームステーと両方同時にやっている場合が多いわけでございますが、オリエンテーションを実施していただくとか、ホストファミリーを選定する場合に適切なホストファミリーを選んでいただくとか、あるいは万一トラブルが起きたときの緊急な連絡体制を整えておくとか、こういった点につきまして文部省の方からもそういう民間団体の方にも指導をしているわけでございます。こういった有意義な学生、青年の海外研修等が充実して安全に行われるように今後とも指導してまいりたいと思います。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 いろいろとお尋ねをしてまいりましたが、いずれにいたしましても留学生対策は、我が国と出身国とのいわばかけ橋となって活躍できるような環境づくりが必要かと思います。つきましては、政府とされまして、今後とも関係各方面の協力を得ながら留学生の受け入れ体制の充実に一層の努力をお願いいたしたいと思います。一言大臣の所見を伺いまして、文部大臣への質問を終わります。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(中島源太郎君) 最も私どもが重要だと思っております留学生対策について御指摘をいただきましてありがたいことだと思っております。  おっしゃいますように、これは国際交流と同時に、それぞれの相互の信頼をさらに増すための貴重なかけ橋になっていただく人材の方々ばかりでございますので、おっしゃいますことを胸に置きまして一層留学生対策に努力をいたしてまいりたい、このように存じます。

杉山令肇自由民主党

○杉山令肇君 時間がありませんので、最後に法務大臣に一問お尋ねをいたしたいと思います。  近年、非常に外国人の来訪者が多くなりましたし、国際化が進むにつれましてやはりいろいろと労働問題として大きな提言を提起されていることもございます。私は、我が国で働く外国人がふえておりますが、現行法上外国人の就職はどのように取り扱っているのか御説明をいただきたいと思いますし、また、法務省が最近明らかにされた入管法の改正は我が国で働く外国人の増加にどのように対処しようとするものなのか、お答えをいただきたいと思います。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(林田悠紀夫君) 御指摘のように、企業活動は国際化し、また日本が豊かになってまいりまして、我が国において働く外国人の数は近年大幅に増加をしてきております。そこで、我が国における働く者を含めまして外国人の入国在留の可否及び在留中の活動内容に関する決定は、出入国管理及び難民認定法の規定に基づく許可と、その際の在留資格の付与という形で行われてきております。  現在、我が国において働く外国人のうち、いわゆる単純労働に従事することを目的とする者につきましては、原則としてその入国を認めないとの政策を採用しておりまするが、技術者、技能者その他、そういう方たちの外国人の入国在留につきましては、現行法の規定する在留資格の付与及び法務大臣が特に在留を認める者としましての在留資格の弾力的な運用によりまして、これを認めてまいっておるのでございます。  そこで現行の在留資格は、昭和二十六年の同法制定以後五十六年に一部手直しをいたしただけでありまして、現在の状況に必ずしも対応しない面があります。そこで今回、御指摘のように入管法を改正いたしまして、専門的な技術、知識などを有する外国人に係る在留資格の新設などを行うことによりまして、現下の国際化社会において必要とされる外国人の入国在留を積極的に認めることとする考えであります。  なお、今回の入管法の改正には、今述べました在留資格の整備のほかに、雇用主の処罰規定の新設などによりまして不法就労外国人対策などを盛り込んで、それらによりまして外国人労働者をめぐる諸問題に対処したいと考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 初めに三歳児教育の必要性についてお伺いをいたします。  三歳児教育については幼児の保育の適応性についての疑義がある一方、急速に変化する時代を考えますと早い年齢の時期から幼児教育の必要性を主張する意見など、賛否両論がありますが、文部大臣は三歳児教育についてどのような御見解をお持ちでいらっしゃいますでしょうか、お伺いをいたします。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(中島源太郎君) 御指摘の三歳児教育は、幼児教育そのものが非常に一人の人間形成の上で重要な時期だと私も考えております。特に三歳児教育というのはやはり重要な部分に入ると私は思っております。法令上、幼稚園は三歳児からの教育としてとらえられておるわけでございまして、ただ、今三歳児の幼稚園就園率は一六%弱でございます。一五・五%程度でございます。したがって、今まで就園希望者の中でどちらかというと四歳児、五歳児の就園に努力をいたしてまいってきたというのが事実でございまして、これから実は三歳児就園に対しまして積極的に取り組んでいかなければならぬと思っております。しかし、三歳児というのは人間形成では重要なところでございますけれども、自立にはまだ半歩手前ということでございますから、実は現在九つの都道府県でこの実践的な研究の委託をいたしておりまして、その結果を見ながら取り組んでまいりたいと思っております。御指摘の点は十分重要なことであるというふうに受けとめております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 ありがとうございます。  昭和五十七年度学校基本調査と六十二年度学校基本調査によって、五年間における幼稚園の編制方式別学校数を見てみますと、最近における出生率の低下に伴う園児の減少という傾向から、幼稚園の数は五十七年度の一万五千四十一から六十二年度は一万四千九百六十一と八十校減少しております。しかし、この調査で目を引くのは、私立において四歳児と五歳児校が減少しているのに比べて、三歳児、四歳児、五歳児校が七千六百二十六校から八千百七十四校へと五百四十八校も増加していることであります。五百四十八校の増加は三歳児教育に対する父兄のニーズのあらわれではないのかなと、かように考えておるものでございます。  文部省は三歳児の幼稚園入園を積極的に進めるためにあらゆる角度から、ただいま文部大臣がおっしゃられましたように調査研究をされて、そして慎重に進めてこられたかと思います。そして、六十三年度から三歳児教育のカリキュラムや教師の教え方の研究を開始したようでありますけれども、実は私は文部省の対応は少し遅過ぎているのではないのかなと、かように思う点もあるわけでございます。  先日、幼児教育振興大会が私の住んでおります埼玉県内四カ所で開催されました。そして出席をいたしましたけれども、どの会場も若いお母さんたちで超満員でございました。恐らくこの中の大部分のお母さんたちは職場を休んで出席をされていたのではないでしょうか。このことは紛れもなく幼児教育への父兄の関心のあらわれだと思うわけでございます。  そこで、労働省の昭和六十二年版婦人白書の産業別雇用者数に女子の占める割合を見ますと、サービス業では約半分の四九・一%が女子であるというように、最近女性の社会参加が、結婚しても職業を持つ女性がふえておりまして、母親が働くことと幼児期の教育ということは女性の関心が一段と高くなってきていることと思います。  三歳児教育を促進し、こうした父兄の不安に文部省はもっと積極的にこたえていくべきだと私は考えますが、文部省が開始した三歳児教育のための研究の要諦はどういうところにあったのかお教えいただきたいと思います。

西崎清久文部省初等中等教育局長

○説明員(西崎清久君) 三歳児教育の進め方につきましては、ただいま大臣からお答えがありましたように文部省も積極的に取り組みたいということでございますが、その具体例としてこれもお話に出ました九県への研究委託とその内容の問題でございます。  三歳児につきましては、先生も御案内のように、やはり四、五歳児に比べて若干いろいろな性格、行動が未分化である、それから先生への依存度が高いとか集団行動が非常にとりにくいとか、四、五歳児とは違ったビヘービアなり行動があるわけでございまして、この点なども中心といたしまして幼稚園教育の三歳児に係る内容、方法の問題、これが一つでございます。それから特に幼稚園児につきましては、自然とか人間とのかかわりということが大変重要な要素になるものでございますから、二番目としては自然なりあるいは身近な人々との触れ合いについての実践的な調査研究、それから三番目には、幼稚園というのはやはり家庭、地域との連係が中小学校よりもより密接でございますので、三歳児にかかわる家庭との連係の問題、地域とのかかわりの問題という事項、これは大事項でございまして、もう少し個別に分かれるわけでございますが、これらを実践的に九県でそれぞれ幼稚園を指定していただきまして、私どもの方も若干の補助金を指定委託費で出すわけでありますが、これを具体に研究をしていただき、その実践的な研究成果を踏まえて三歳児の幼稚園教育の積極的な充実策について私どもも十分検討してまいりたい、こんな考えでおるわけでございます。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 ありがとうございました。  我が国においては、核家族化の進展、さらには住宅環境等によって家庭の育児機能が低下しているという現実や出生率の低下という実態から、幼児期の子供が同年代の子供と触れ合う機会が非常に少なくなってきております。こうしたことから、早いうちから子供に集団生活をさせることはいわば時代の要請とも言えるのではないでしょうか。  私は特に、私立幼稚園で行われている三歳児教育を一層積極的に支援していくことが先ほど述べました父兄の不安にこたえていく方法でもあると考えますし、また、そのためには現在三歳児には適用されていない就園奨励費補助の適用など、こうした新たな私立幼稚園の振興策が必要になってくるのではないかと考えるわけでございますが、文部大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。

西崎清久文部省初等中等教育局長

○説明員(西崎清久君) 先生御指摘の就園奨励費につきましては、現在四歳児、五歳児についての措置として行われておるわけでございます。この措置が行われました経緯といたしましては、昭和四十七年以降私どもの方では、希望する四歳児、五歳児はできるだけ全員が就園できるようにという一つの方針を立てまして、現在は保育所と幼稚園との関係はございますけれども、四歳児、五歳児は、四歳児につきましては幼稚園に五四%、そして保育所に二六%、それから五歳児は幼稚園に六三・七、保育所に三〇、それぞれ四歳児、五歳児は八割から九割もう既に就園をしておるというふうな一つの実態がございまして、ほとんど全員がそういう段階で就園しているところで、経済的状況その他でこれがかなわないということではいかがかと、これが就園奨励費が支出されている事情でございます。  三歳児につきましては現在一五・五%なのでございます。これは先生もう少しふやすようにという御指摘でございますが、保育所を入れましても四割ぐらいになっておる、こんな事情がございまして、今後、就園奨励費と三歳児とのかかわりにつきましては、一つは、やはり三歳児の幼稚園の教育のあり方、先ほど申し上げましたそういうふうな実践的研究を私ども進めまして、より三歳児の幼稚園教育が充実されるべき方策というものを都道府県、市町村あるいは私立の法人、こういう関係方面とのコンセンサスを得ていく、これが一つでございます。  それからもう一つは、やはり父兄のニーズと申しますか、父兄の要望というもので、三歳児保育に対してどのような高まりが今後見られるであろうか、これが一つでございます。それからあと、やはり保護者の負担の問題とか経費の問題その他いろいろ勘案すべき事情がございますので、三歳児保育についての幼稚園奨励費の問題につきましては、いましばらくいろいろな検討をさしていただきながら取り組みを進めてまいりたい、こんな考えでおる次第でございます。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、学校法人立幼稚園の園地の相続税の課税問題について、まず大蔵大臣にお伺いをいたします。  学校法人立幼稚園は園地の一部を借地によって運営している例が相当数あります。この幼稚園が借地をしている地主が死亡し子供なりが財産を相続した場合、幼稚園に貸与している土地についても相続税が課税されておりますが、なぜ課税の対象になっているのか、その理由をお教えいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 詳しいことは政府委員からお答えをさせていただきますが、それは私が土地を持っておりましてそれを幼稚園にお貸しをしている、あるいは何か社会福祉法人でもよろしいわけでございますが、お貸しをしておって、私が死にまして子供がそれを相続するというときには、土地そのものは私から子供に所有権が移るわけでございます。その土地が幼稚園の用に供されておるにせよ、あるいは社会福祉法人の用に供されておるにせよ、つまり教育目的であれあるいは公目的であれ、私が所有者であることに変わりはございませんし、その所有権が私の子供に移るということにもまた変わりはございません。そういう意味ではやはり相続税の対象にはさせていただく、こういうことで、また多分幼稚園から収益が入る、あるいは社会福祉法人から収益が入るわけでございますから、その所有権についてのやはり課税ということではないかと存じますが、政府委員から御説明をいたします。

瀧島義光大蔵省大臣官房審議官

○説明員(瀧島義光君) 実は、詳しくは政府委員からということでございましたが、大臣から詳しく御説明がありましたので、今の御答弁に尽きておりますので、なお御質問がありますればお答えをしたいと思います。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 今のは学校法人なんですね。その片方で、個人立幼稚園の経営者が死亡した場合、その幼稚園をやはり子供が相続して幼稚園の経営を続けていく場合は幼稚園の相続人に対して相続税は猶予されておりますが、その理由はどの辺にあるんでしょうか。

瀧島義光大蔵省大臣官房審議官

○説明員(瀧島義光君) ただいま委員が御指摘になりました措置は昭和五十年の税制改正の際に設けられたものでございます。これは学校教育法上、幼稚園は基本的には国、地方公共団体あるいは学校法人が設立するということになっておりますが、当分の間こういった学校法人以外のものも設立できるということになっておりまして、さらに昭和五十年に私立学校振興助成法が制定されまして、今申し上げました個人立の幼稚園等についても当分の間補助をすることができるという規定が設けられました。ただ補助をすることができるというだけではございませんで、その補助を受けました個人立幼稚園等は補助金の交付を受けてから五年以内に学校法人に移らなければならないということが同時に規定されていたわけでございます。  このように、全体として幼稚園の学校法人化が推進されているということを背景にいたしまして、当分の間そうした措置が講じられていることを踏まえて、税制面におきましても個人立の幼稚園につきまして相続税の対象から外すという措置がとられたわけでございます。基本的には、これはあくまでも当分の間の例外措置というふうに私どもは受けとめております。  今のような全体としての学校法人化推進という措置がきちんと効果を上げておりまして、昭和五十年には個人立の幼稚園が二千七百三十ございましたものが、六十二年にはこれが半分以下の千二百三十五になっております。したがいまして、基本的に個人立の幼稚園にこのような措置を設けていることが逆に学校法人化を抑えるということになってはいけないといった問題意識は持ちつつも、こういった学校法人化への動きというものが今後どのような姿をとるか、これを見ながらこの特例のあり方については検討していかなければいけないと考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 おっしゃられるとおりだと思うんですね。でも、この個人立幼稚園の相続人に対して相続税が猶予されている要件が、相続した幼稚園が教育用財産であるからといって特例措置がなされたということなんですね。しかし、学校法人立幼稚園に地主が貸与している土地も幼稚園がグラウンドなり園舎に利用しているということでやはり考え方は教育用財産には変わりはない、かように思うわけでございます。私は、学校法人立幼稚園に対して地主が貸与している土地も相続税法施行規則の附則二及び三の要件に十分に該当しておるという見方をいたしております。相続税を猶予するのは当然だと考えますが、この点について個人立と学校法人立に対しての考え方といいますか、もう一度大蔵大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

瀧島義光大蔵省大臣官房審議官

○説明員(瀧島義光君) 先ほど大臣の御答弁にありましたように、相続財産はその財産が現実にどのような目的に使われているかということに関係なく、その財産自体の価値というものを基準にして課税が行われております。例えばその土地が学校ということでなくても、国あるいは地方公共団体に貸されまして、それが、よく新聞に出ておりますが、例えばちびっ子広場というような形に使われるとか、あるいは特定郵便局の敷地に使われるとか、いろいろ公共的な目的に使われているケースがあるわけでございます。しかし、そうしたことすべてを一切捨象いたしまして、その価値自体を取り上げまして相続税が課されるというのが基本でございます。  ただ、個人立の幼稚園につきましては、先ほど申し上げましたような背景から、あくまでも限定的な例外措置として昭和五十年に設けられており、これが当分の措置ということになっておりますので、確かに委員御指摘のように私立幼稚園だけ見ました場合に、それが学校法人、個人、その形態の違いによりまして、園長さんが自分の土地をそこに使っているということにおいては変わりがないにもかかわらず相続税上の扱いが違ってくるということは、それはそれで一つのアンバランスでございます。アンバランスを承知でこういった特殊な背景のもとに一定期間の特別措置として設けられたわけでございますから、やはりその特別措置の方に全体をさや寄せするのではなくて、特別措置のあり方が今のままでいいのかどうかという角度から考えていくべき問題ではないかと考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 私は、今御説明いただいたわけでございますけれども、その両方をあわせましたときに何か不公平じゃないかなと思ったものですから、ちょっと御指摘させていただきました。ありがとうございます。  先ほど申し上げましたように私は埼玉県に住んでいるんですけれども、埼玉県では学校法人立幼稚園が五百十三ございます。これはことしの一月十四日現在です。この学校法人立幼稚園に対しまして全埼玉私立幼稚園連合会が借地の有無に関する調査を行っております。この調査結果によりますと、アンケートに回答した三百二十二園の六五・二%の二百十園の幼稚園が園地の一部を借地で運営をしているということでございました。  現在、こうした学校法人立幼稚園に土地を貸与している土地の相続人に相続税が課せられているため、相続税を払うために幼稚園に貸与している土地を売って相続税を払っているという現実があるようでございます。なぜこうした園に貸与している土地を売ってまで相続税を払わざるを得ないかといいますと、それは今日における地価高騰が大きく影響しているということでありますが、いずれにしましても、幼稚園の園地の一部が売却されてしまいますと、幼稚園設置基準を大幅に割り込んだ園地になったり、また幼児教育に重大な支障を及ぼすという結果になっておりますし、中には園の経営すらできないという厳しい状況に追い込まれているということをお聞きいたしております。文部省としましても、こうした実態をほっておくことはできないと思うのでございますが、この辺についての御所見をお伺いいたしたいと思います。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(中島源太郎君) 二つ申し上げたいのでございますが、御質疑の中で、私立幼稚園の中で個人立と学校法人化がある。私どもはその点は、まず学校法人化を着実に進めたいと思っておりまして、先ほど大蔵省の政府委員から申されましたとおり、五十年の時点では全私立幼稚園の中で個人立は約三五%ございました。六十二年度では一四%程度に減っておりますので、その意味では着実に学校法人化が進んでおる、このように思っております。なおこれがスムーズに進みますように指導もいたしておりますし、また実態の把握に努めたいと思っておるわけでございます。  第二の点でございますが、詳しくは政府委員からお答えさせますが、学校法人化私立幼稚園の借地部分について御指摘でございます。この借地部分についての課税、非課税、これは課税になっておりますけれども、私の知識では、国公私立学校法人すべて横並びになっておるものと思いますので、その部分だけを取り上げて考えるには、これは慎重に考えざるを得ないのではないか、私自身はそのように思っております。なお、詳しくは政府委員からお答えさせます。

坂元弘直文部省高等教育局私学部長

○説明員(坂元弘直君) 先生御指摘の埼玉県の幼稚園で六五・二%が借地を持っておるという実態でございますが、学校法人を設立する場合の要件は、原則として学校法人が設置する学校の用に供する土地、建物は当該学校法人の所有でなければならないという建前をとっておるわけでございます。先ほど来問題になっております五十年の私学振興助成法を制定して以来、個人立幼稚園の学校法人化を進めてきているわけでございますが、学校法人化を進めるための一助といたしまして、幼稚園に限りまして半分程度の借地でも差し支えない、ただしその半分程度の借地というのは長期にわたってその幼稚園の用に供されることが確実であるものということで学校法人化を進めてきているわけでございます。そういう関係で、恐らく埼玉県のこの六〇数%の借地を持っておる幼稚園というのは、今までの個人立幼稚園の人たちが学法化する場合に、半分程度は自分の名義で土地を持っておって、あとの半分は学校法人に寄附するということで、こういう率が高くなっておるんじゃないかというふうに想像いたしております。  そこで、先生今御指摘の相続税の問題から、学校法人の幼稚園が借りておる借地を売られたために幼稚園の設置基準を満たさなくなってしまったという事例は、まことに恐縮でございますが、私どもは承知いたしていないわけでございまして、私どもとしましては十分その点は調査をしてみたいと考えております。いずれにしましても、個人立幼稚園の相続税の問題と、それから学校法人が借地で持っておるその借地にかかわる相続税の問題というのは、単に幼稚園だけの問題じゃございませんで、幼稚園から大学までの私立学校全体の問題に共通する問題でございますので、慎重に検討すべき課題ではないかというふうに考えているところでございます。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 今の御説明は原則としてはよく理解できるんです。でも、いろいろと人口の過密化、そして地価の高騰ということで、土地を幼稚園の方にお貸しをしているというケースも非常に多うございますので、これからいろいろと御調査をいただいて、そして御理解をいただけたらありがたいと思います。  時間でございますが、最後に、我が国の幼稚園教育は、明治九年に初めて幼稚園が開設されて以来、既に百十年の歴史になります。この間、第二次ベビーブームどきにおきましては、年間の出生数が二百万人台となっておりました。こうした幼児の教育は公立のみでは対応し切れず、私立幼稚園が大きな役割を果たしてきたことは文部大臣もお認めいただけることと思います。そしてこの私立幼稚園の運営に協力してきたのが園に土地を貸与されてきたただいまの地主さんたちであったと思うんです。  文部省は個人立幼稚園の学法化を進めておりますけれども、こうした相続税法上の取り扱いでもし不公平があれば、学法化はなかなか一〇〇%進展ということは望めないのではないか、このようにも考えるわけでございます。個人立を学法化するという文部省の施策に整合性を持たすという観点から、どのような御認識をお持ちでいらっしゃいますか、最後にお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。

坂元弘直文部省高等教育局私学部長

○説明員(坂元弘直君) 先ほど大蔵省の政府委員から御説明申し上げましたとおりに、昭和五十年度の個人立幼稚園と申しますか、全体で申し上げますと、私立の幼稚園のうち学校法人立の幼稚園は約三千百余でございました。それから個人立を含めましてその他立の幼稚園が四千六百余、率で申し上げますと、四〇%と六〇%でございまして、その他立のうちの個人立幼稚園が二千七百三十でございますので、全体の三五%を占めていたわけでございます。いろいろなことで学法化を進めてまいりました結果、六十二年、昨年の三月三十一日現在で申し上げますと学校法人立が七五%になっておりまして、個人立幼稚園は全体の三五%から一三%強に落ちているわけでございます。そういう意味で学法化はある程度円滑に進んできているのではないかというふうに私どもは考えているところでございます。  ただ、ちなみに、個人立幼稚園でも補助金を出すことができるわけでございますが、個人立幼稚園で補助金をもらった園は、補助金をもらった翌年度から五年以内に学校法人化に努めなければならないという訓示規定、努力規定が私学振興助成法に設けられております。五十六年度に個人立幼稚園で補助金をいただいて六十二年三月三十一日が翌年度から五年目の最後の期限の日でございますが、その日に至ってもなお学校法人化できなかったという園の理由を聞いてみますと、園地の寄附が不可能であると。それは、幼児の減少期を迎えて今後経営に不安で、いつつぶれるかわからないので、自分の土地として持っていたい、それから相続人、家族でございますが、相続人の同意が得られなかったというのが四十六園でございます。四十九園のうちの四十六園、圧倒的に幼児の減少期を迎えた経営不安を理由にするもの、あるいは家族の同意が得られないというものが大きな理由でございまして、相続税の関係その他でこういう理由になっているというのは私ども聞いてはおりません。  しかしながら、いずれにしましても、学校法人化を進めるというのは私どもの従来からとっておる施策でございますので、先生の先ほど来御指摘のようなことがあるのかないのかという点は、十分私ども実情を調査して対応してまいりたいと考えております。

寺内弘子自由民主党

○寺内弘子君 どうもありがとうございました。より積極的に御調査をいただいて、そして速やかに解決の方向へ向けていただきたいと思います。  ありがとうございました。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それでは、私はきょうは税制改革に関する問題、それから留学生の問題、そしてもう一つは薬害の問題、この三点についてお伺いをしたいと思っております。  それぞれ大臣は大変お忙しいそうでございまして、外務大臣は何か御用車があるそうでございますので、どうも三時までに大臣の質問が終わりそうにございませんので先に帰っていただいて結構です。どうも終わりの方になりそうでございますので、済みません。あと政府委員で対応することにします。  そのほかの方、早く終わってもらいたいという方もいらっしゃいますが、質問の順番の都合でやむを得ないところもありますので御勘弁いただきたいと思っております。  まず初めに、これは大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、一昨日、昨日と私ども衆議院におきましても問題にしてまいりましたんですが、例の五十四年の国会決議であります。  私どもは当時の国会で、あの財政再建のための一般消費税は導入しないという意味の国会決議をさしていただきました。非常に私どもは大事に考えております。そんな中で、現在政府税調並びに自民党の税調の中でいろんな議論が行われているわけであります。しかしながら、私どものところではまだその中身については全くこれはわからないわけであります。  そんな中で、実はこれは新聞報道でありますが、現在いろいろと議論されております一般消費税、この一般消費税につきまして、これを導入しても五十四年の国会決議には違反しないという意味の発言を大蔵省の首脳がしたということで新聞に報道されているわけでございます。この問題について大蔵大臣はどういうふうにお考えなんでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) このことにつきまして報道がございまして、またこれに関して公明党の委員長が代議士会におかれまして御発言になって、それに対しまして昨日でございますか、官房長官から議院運営委員会におきまして政府の立場をお述べいただいたというところと承知をいたしておりますが、その報道のようなことを大蔵省が正式に見解として申したことはないことはもとよりでございます。  私どもとしましては、昨日、官房長官からもお述べいただきましたように、国会の決議の解釈は、これは国会において有権的になされるべきものであって、私どもがそれをみだりにああこう解釈をいたすべきことでないということは前国会におきまして幾たびも申し上げたとおりでございます。国会決議の有無につきましては十分認識をいたしておりますし、これを尊重しなければならないことはもとよりのことでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 この問題につきまして、昨日、衆議院の議院運営委員会におきまして、ただいまも少しお話ございましたが、官房長官の方から釈明があったそうでございますが、正式には官房長官どういうことでございますでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) ただいま大蔵大臣から御答弁ありましたように、国会での決議はそれぞれ有権的に院が解釈すべきものであることは十分承知をいたしておるところでございます。また、いろいろ報道されておられるようなことがあるといたしますれば、いろいろ問題を提起したという意味で遺憾の意を表明いたしたところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これは大蔵大臣、先ほどから大臣は正式にはそういう発言はないというふうな意味の御発言ございました。正式にはなくても、つぶやいたりいろいろ大蔵省はいろんなところでやっていらっしゃるわけです。これは非常にいかぬことでありまして、こういうふうな表では国会決議の解釈については当然有権的な解釈は国会にあると言いながら、内々では、あるいはそういうふうなところではまたそういうふうなものを軽んじしめるような発言、これはやっぱりあったかなかったか、またはだれか発言をしたか、そういうせんさくはここで私はしたくありませんけれども、こういうことは厳重に注意をしていただきたいと思います。またもう一点違う方向で申し上げますと、五十四年の国会決議に対して大蔵大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるかという、この二点について御見解をお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 前段のことにつきましては、今後ともよく注意をいたしてまいります。  後段のことは、先ほど申しましたように、これは国会が有権的に御解釈をなさるということを申し上げましたんで、今度はおまえがどう思うかということを申し上げてはならぬことになりますので、国会の御解釈に従うということかと存じます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 一つ一つの問題について有権的に解釈をする、これはこういうことだああいうことだということはあると思います。ですから、そういう意味では大臣のおっしゃることもわからぬではない。しかしながら、この決議の中にうたわれておりますいわゆる有権的な解釈でなくても結構です、私はこういう点こういうふうに解釈をいたしておりますということはこれは言えると私は思うんですけれども、そういう意味で非常に大事な問題でございます。  これはもう一回改めて申し上げますと、全文を読み上げると時間がございませんので簡単に言いますと、   政府が閣議決定により昭和五十五年度に、導入するための具体的方策として、これまで検討してきたいわゆる一般消費税(仮称)は、その仕組み、構造等につき十分国民の理解を得られなかった。従って財政再建は、一般消費税(仮称)によらず、まず行政改革による経費の節減、歳出の節減合理化、税負担公平の確保、既存税制の見直し等を抜本的に推進することにより財源の充実を図るべきであり、今後、景気の維持、雇用の確保に十分留意しつつ、歳出、歳入にわたり幅広い観点から財政再建策の検討を進めるべきである。 と、こういう決議なんです。こういうふうな意味では、この決議に対してそれぞれ政府の方からも発言を求められて、ちゃんと決意のほどを述べていらっしゃるわけであります。  そういたしますと、この決議に対する現在の時点の大蔵大臣のお気持ち、考え方を改めてお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和五十四年の十二月二十一日の国会の御決議は、大平内閣が財政再建を考えまして、当時一般消費税(仮称)と呼ばれておりましたものをもって財政再建を図ろうとしたことについて、そのことは適当でない、そういう方法で財政再建をするのは国民の理解を得られないことである、財政再建は、そのような仮称一般消費税によらずにまず行政改革をやる。当時民間が減量経営をしておりましたから、政府も減量経営をすべきである、経費を減らせ、歳出を合理化せよ、税負担を公平にしろ、それから既存税制の見直しもやれ、そういうことで財源の充実を図るべきである、そういうことをしないで、いわゆる一般消費税といったようなもので財政再建をするということは国民の理解を得られない、こういうふうに国会が決定をなさった。昭和五十四年の十二月の時点において、それまでに起こりましたことにかんがみて国会が判断を示された歴史的な背景を持っておるというふうに解釈をいたしております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そこでまず、当時の歴史的な背景があるとはいえ、これは財政再建の途上にあるわけですから、この決議は現在でもそのまま生きていると私は判断をいたしているわけでありますが、特に、財政再建の一番目に挙げておりますのが行政改革による経費の節減ということであります。この行政改革は一体どうなったのかという感じが現在私はいたしているわけであります。  これは官房長官にお伺いしたいのでありますが、中曽根内閣の時代は行革という問題が、いい悪いは別にいたしまして相当華々しく盛り上がってもおりました。ところが竹下内閣になりましてからは、この行革という問題についての発言とか考え方とかいう問題が最近余り目につかないわけであります。そういうような意味では、行革という問題がやっぱり相当後退しておるんじゃないかと私は思うわけであります。これは総理にあした直接聞いてもいいわけでありますが、きょうは官房長官がお見えになっておりますので、竹下内閣の行革は一体どうなっているんですか。これは改めて聞くまでもないことではございますが、これからの取り組みを踏まえまして現在のお考えをお聞かせいただければと思います。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(小渕恵三君) マスコミ紙面には税制改正の字が踊ることが多いことは承知をいたしておりますが、行政改革につきましては、竹下現内閣におきましてもいささかもその熱意の衰えるところはないわけでございまして、しばしば国会でも、荷車を上まで押し上げて、行革の手を緩めるとそれががらがらとまた下に下ってくるということであってはならない、このことを戒めながら前進を図っていきたいとしばしば申し上げているところでございまして、行政改革に対する対応につきましては、前内閣に引き続いて懸命の努力を払っていく決意でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 あのときの国会決議でも、税制改革というよりも我々は当時も税負担の公平を確保してもらいたい、もっと簡単に言うと不公平を是正してもらいたいという声が強かったと思いますし、今でも私どもはそれが一体どうなったんだろうかという思いがしているわけであります。  そこで、これは大蔵大臣にお伺いをしたいのであります。先般の予備費のときにも私は少し質問をさせていただきましたが、大臣は、国民の負担率、特に租税の負担率の将来の見通しはどういうふうにお考えなんでしょうか。これは現在の負担率からいいまして、毎年毎年の租税負担率は大臣も御存じのとおりじわじわふえていますね、実際問題として。これから租税負担率は一体どうなるんだろうか、非常に私どもは心配をしているわけです。そういうような意味で大臣は、近い将来といいましょうか、西暦二〇〇〇年とかそこら辺を一つのめどにいたしまして、大体どういうふうにこの租税負担率というのはふえていくとお考えなんでしょうか、ここら辺のところをお聞かせいただければと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これにつきましては政府の決定は存在しておりませんので、いわば宮澤はどう考えるかというお尋ねとしてお答えを申し上げざるを得ないのでありますけれども、現在租税負担率は一応二五・五というふうに言われております。社会保障の負担率が一一・一でございますから合わせまして三六・六でございますが、前国会におきまして御審議の必要から、昭和七十五年度あるいは八十五年度にこれがどのように変化するであろうかという資料のお求めがございまして、これについては政府の政策決定がございませんので、政府の意思として、あるいは政策の志向するところとして申し上げることはできない。ただ、今のような状況を機械的にいろいろな想定のもとに推計をすればどうなるかという意味の資料を提出いたしました。  これは峯山委員も御承知のとおりのあの数字でございまして、それによりますと、昭和七十五年度には現在からほぼ五ポイントぐらい総合的な負担が上がるのではないか、昭和八十五年度にはさらにそれから五ポイントぐらい上がるのではないかというのが一応機械的な推計としてお目にかけたものでございます。したがって、これは政府の政策を表現しておるものではございませんし、実はこの十年あるいは十何年を展望いたしますと、どれだけの給付を国民が必要とされるか、したがって、それはそれだけの負担ということになるわけでございますが、給付と負担とをどういう関係にとらえるかということは、結局国民がこれを決定せられるべきものであろうというふうに申し上げざるを得ないのであろうと存じます。  ただ、私としましては、かねて行政改革等の答申にございますように、この負担が欧米の水準に非常に接近するということは問題があるのではないかという指摘がございます。それは、端的に言えば五〇に近づくということはいろいろ問題が多いんではないかという臨行審等々の答申がございますが、私も個人といたしましては同様な感じを持っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣、この問題は非常に大事な問題であると思っております。政府の政策として決定をしたものではないとは言いながらも、これは実際問題として七十五年から八十年まで五ポイントと。しかしながら、そうしてその後また八十五年まで五ポイントということになりますと、そういうふうに階段的にずっと順番に五ポイントずつ上がっていくかどうかはこれもわかりません。しかも、この計算そのものが仮定の計算ですからそのとおりになるかどうかもわかりません。しかしながら、これは大臣、片方でそういうふうに言いながら、それでは大蔵省の出しております財政の参考資料がありますね。この参考資料の中に「財政改革を進めるに当たっての基本的な大蔵省の考え方」という資料があるんです。これは六十二年、六十三年ともちろん毎年あるわけでございます。  六十二年の資料の中には、この間も少し申し上げましたが、税並びに社会保障の負担という項目があるわけです。六十二年度のときには「ヨーロッパ諸国の水準よりはかなり低い水準にとどめるよう努める。」、こういうふうな大蔵省の考え方、決意を述べていらっしゃるわけです。ところが六十三年からはそれを今度はカットしているわけです。というのは、今度は「ある程度上昇するものと考えられるが、その上昇は極力抑制するよう努める。」、要するに、本来、大臣も今お話ございましたが、五〇%前後という一つのヨーロッパ諸国の水準が、今現在の目標があるわけです。行革審やあるいは臨調の最終答申の中にもそのことがうたわれているわけであります。ということは、片方で政府決定ではないあるいは仮定の問題だよと言いながら、大蔵省としては五〇%を突破してもいいんじゃないか、あるいは突破してもやむを得ないという感じの資料になりつつあるわけですね、これは片方で。そういう点は私は、大蔵省自身がそこら辺のところの心配をもう既にしていらっしゃるんじゃないかという点が一つ。  それからもう一つは、こういうふうに見てまいりますと、臨調の答申やあるいは行革審の答申の中にもありますように、国民の負担というのは五〇%をオーバーするということになってくるとこれは大変な状況になる。もちろんそれは、私は、給付と負担の割合でその決定は国民がするというお考えもありますけれども、しかしながら、それはもう最終的な問題でありまして、それに至るいろいろな経過というのはいっぱいあるわけです。そんな中で私どもはやっぱり五〇%は最大限行ってもそういうところまで行かしちゃいけない。それよりか行革とかそっちの方をやって、その租税負担なり社会保障の負担を減らさなくちゃいけないという考えがどうしても先立つわけです。  そういうように考えてまいりますと、この税をふやす、負担をふやす、このすき間というのは本当に少ししかなくなってきているんじゃないかというふうに私は思うんです。大臣は、そこら辺の例えばある程度の限界というものを設けたとすれば、そのすき間というのは本当に少なくなってきているんじゃないか、しかも、現在の税制の立場でいってこうなんですから、今、自民党さんやあるいは税調や皆さんが一生懸命議論している問題で、この税の問題が大幅に伸びたりいろいろなことをいたしますと、またまた非常に国民の生活という面からいけば大変苦しい状態になるんじゃないか、そこら辺のところの心配というのは私は非常にしているわけでありますが、こういう問題に対する大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま峯山委員の言われましたことは私は同感を表したい点が多くございます。  大蔵省が、財政当局が国民負担がふえることはやむを得ない、むしろそれでいいのではないかと考えておるかといいますと、私はむしろそれは反対のように感じております。すなわち財政当局が国民に申し上げたいことは、これは社会保障を中心に主として申し上げることでございますが、社会保障関連の非常に大きな給付を国民が求められるのであれば、それはおのずと負担が大きくならざるを得ない。逆に申せば、負担がある程度以上大きくなるということに問題があるとお考えであれば、やはり社会保障の給付というものは一つの限度があるということを申し上げたいということが一つあると存じます。  それからさらに、これはその内訳のことになるわけでございましょうが、もしそういう負担が大きくならざるを得ない場合に、それは租税負担という形になるのか、あるいは社会保障負担ということになるのかという問題がもう一つございます。  全体が保険という制度でありますれば、それはやはり社会保障の負担ということがその場合に大きな役割を持たなければならないのではないか、あるいはそうではないといったような議論がいろいろあろうと存じますが、そういう問題も中に含んでおると思います。  私は結論として、確かにその他の歳出、一生懸命今後とも節減してまいりますけれども、一番節減できませんのは社会保障の施策でございますから、これを中心に負担と給付との議論が行われることが望ましい。その場合、私は、峯山委員の言われますように、国民負担というものはそう無限にふやせるものではありませんし、五〇%に近づくということは我が国としては好ましくないのではないかという感想を私個人といたしましては持っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いずれにしましても、先般の売上税の教訓というのはあるわけです。そういう意味では、当時の中曽根内閣の公約違反というのが随分国会におきましても、また選挙の結果といたしましてもとがめられたわけであります。そういうふうな意味では、今回はいろんな面で私どもは中身もわからないし何にもわからないから議論しにくいわけであります。そんな意味では、国民から一番要望の強いのは、何やかや言いましても税の不公平感の是正という問題です。これはいろんなものを見ましても一番強いわけです。そういうふうな意味で、そこら辺のところをきちっとしないで一般消費税を導入するなんということになると、私はまた先般の問題と同じような轍を踏むんじゃないかというふうに考えているわけであります。  そこで、端的に大臣にお伺いしたいのでありますが、これは大臣が御答弁できるかどうかは別問題にいたしまして、政府税調の最終答申というのはいつごろ出る予定なのか、またあるのかどうか。それからもう一つは、自民党の税調の答申はこれは一体どうなっているのか、新聞報道ではちょっとだけ見てはおりますが、いつごろになる予定なのか、これもお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いずれも私の直接の知識でございませんので、聞いておりますことを申し上げるのでありますが、まず政府税調でございますが、四月二十八日になされましたものが中間答申ということになっております。したがいまして、何らかの意味でどういう名称で呼ばれますか、どういう形式によりますかは別としまして、これで最終とするという形の御意見が何かの形で表示されるというふうに税調の方ではお考えのように私は承知をいたしております。その時期はつまびらかにいたしておりません。  それから、私ども自民党の方は連日この審議を続けておりますが、たぶん来月の六月半ばどろだとか、そこらあたりをきっとめどに話をできるだけ整理しようとしておられるのではないかというふうに聞かされておるところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それから、これも大臣にお伺いしておきたいのでありますが、最近朝日新聞社の方から「アエラ」という週刊の報道雑誌が出ました。これは大臣見ていただいたですか。大臣は見ていただいていると私は思うんですけれども、いわゆる先般の売上税に失敗したことにかんがみて、今回の新型間接税を導入するに当たって、これは五ページにわたりまして大蔵省のことを書いてある。その見出しが「新税ねらう笑顔の恫喝」という見出しです。笑顔で恫喝しておると。これは何かといいますと、今回の税制導入に当たって、先般の売上税のときには随分走り回ったらしいんですけれども、今回は笑顔で今晩一杯どうですかとか、そういうような形で、特に前回の売上税に反対した皆さん方をリストアップして、そしてそういうところに、それぞれ名前もあり、具体的に話の仕方から全部詳しく載っています。これは私は非常にけしからぬと思うんですよ。こんなことをされたんじゃ、もしそれに抵抗したり反対したりすると、マルサじゃありませんが、本当にこれもう嫌らしいなと、こんなことをされたら本当に困るわけであります。  この中身を読んでみますと、この中身に書いているようなことは実際やっているんだろうと私は思います。ですけれども、新しい税を導入するために、また反対している人たちにこういうことをやるというのは非常によくないと私はそう思っております。これは大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実はそれは読んでおりませんで、参考になりますのでいずれ読まなければならないと今お伺いをして思っております。しかし、これは申し上げるまでもないことでございますけれども、今の我が国の世の中で、そういうことで恫喝をして人を説得するということはとてもできるわけのことでございません。またすべきことでもございませんけれども、到底考えられないことです。それは昨年ああいう失敗をしておりますから、役所の方もみんな一生懸命あっちこっちへ御説明に伺ったり、ぜひわかっていただきたいという努力はいろいろにいたしております。それはいたしておりますけれども、いわゆる恫喝、おどしというようなことはできるものではございませんし、そういうことをすればもうむしろ結果は逆になってしまうことも明らかでございます。そういうことは一切やっておりません。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 だから、恫喝するときは怖い顔をして普通はやるんですけれども、大蔵省は笑顔でやるというんですから。しかも、御理解をいただくとか、やり方の中身も、大臣、書いてあるんですよ。一遍後でよく読んでおいていただいてこういうことがないようにしていただきたいと思いますし、また、大臣が今おっしゃいましたように逆効果ということもあります。そういうような意味では、多少時間をかけて、やるからにはみんな賛成していただくまで地道な努力というのが非常に大事でありまして、そういう点ではぜひお願いをしておきたいと思うんです。  それからもう一点、この五月の十五日に「社会意識に関する世論調査」というのが、総理府から発表になりまして、これは大臣お読みになっていらっしゃると思いますが、特にこの中で、税制度への不公平あるいは不平等感という部分があるんです。これを見ますと、この調査の中身、総理府がやられたんですから、これは公平なちゃんとしたものだろうと私は思うんですが、特に税制度に対する不公平感というのが非常に高いわけです。特に不公平感を強く持っている人というのが、五十五年三月には二二・五%だったのが、今回の調査では四〇・六%にふえている。  しかも、もう一つ私が非常にびっくりいたしましたのは、この不公平感というのは全体としましても、今までは六〇%台だったんですが、今回は八〇%になっているわけです。しかも、年間の所得が特に四百万から五百万、五百万から六百万というような中堅所得層の皆さん方の不公平感というのは九割をオーバーする不公平感というものを持っていらっしゃるわけです。そういう意味ではこういう方々のいわゆる税に対する考え方あるいは御理解というのをいただかなければ、少なくとも税制改革というのは非常にスムーズにいかない、私はそう思うわけです。なぜかといいますと、そういう部門の人たちが一番多いからです。そういうような意味でぜひこの問題に対する大臣のお考えも一言お伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 不公平感というのは、払う税の大きい少ないにかかわらず存在するはずのものでございますけれども、実は重税感がありますときに一番不公平感が強く感じられる。自分がかなり苦しい、それに対して人はと、こういうときに一番不公平感を強く感じるものでございますから、それは恐らく峯山委員の言われますような所得の四百万円―六百万円とただいま言われましたが、そこらのところはかなり重税感がございます。その人たちが、したがって余計人のことは、こんな苦労をしていないんじゃないかというような重税感と不公平感の二つがそこで結合してくる、そういう層が一番強いというのは私はそうであろうと存じます。  何としても税というのは、どなたも進んで納めたいとお考えになるものではありませんので、みんなが公平に負担しているんだということで初めて納めていただけるものでございますから、これがしっかりしておりませんと税務行政というのはやれないものでございます。今回そういう国民の世論が非常に高まっておりますのは、税が今国民の大きな関心になっておりますこととも関係をいたしておることでございますが、やはりその不公平感の是正というものが税制改革にはどうしても前提でなければならないということは私ども強く感じておりますし、税制調査会もまたそういう趣旨の答申をしておられるところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 官房長官、結構です。済みません。  もう一点これはお伺いしておきたいのでありますが、先国会終盤に至りまして、与野党、社公民と自民党さんとは随分所得減税の問題につきまして話し合ってまいりました。与野党書記長・幹事長会談等も開きまして、その合意事項もできました。随分話し合ってきまして、私どもも地道な話し合いがそれなりに功を奏したと思っておりますし、これは所得減税一兆二千五百五十億円、それに政策減税が幾らかあるわけですね。それに例の災害遺児の奨学制度の問題、そういうような問題も含めまして合意した問題があるわけであります。安倍幹事長もとにかく最善の努力をしてということで取り組んでこられましたし、また、今回の話し合いの中身につきましては、今、政府税調や自民党税調が取り組んでいる大型間接税の問題とは財源は別にということで、安倍幹事長もそのとおりということで確認をしていることであります。  そこで、これはきのうの国会までに何とか法案として処理をしたいということで強く我々も要望いたしておりましたわけでございますが、結局国会会期内には処理をすることができなかったわけであります。  そこで、この問題はどうなるんですかということがあるわけです。この問題については何とか臨時国会の冒頭とか、そういうことになるのかどうかわかりません。これはこれからの一般消費税なんかと一緒に出されたり、そういうことになってしまうともうどうしようもないわけであります。この問題に対しては与野党合意したことでありますから、我々としては何とかどこかの段階で処理してもらいたいという思いが強いわけでありますが、この問題については大臣いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先般本件につきまして幹事長・書記長会談におきまして、ただいま峯山委員の言われましたような回答を自民党幹事長から申し上げたところでございます。不幸にいたしましてそのための立法は前国会の会期内に行うことができなかったわけでございますが、このような合意が成立いたしましたことにつきましては、政府は当然これを誠実に実施いたさなければならないと考えております。法律事項でございますので、そのような法律を御審議いただける一番近い機会におきまして御提案をいたしまして御審議をいただかなければならないというふうに考えておるところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  それでは、留学生の問題についてお伺いをいたします。官房長官がいなくなりましたので、ちょっと質問のあれが変わってまいります。  そこで、これは文部大臣にお伺いをいたします。  実は、在日留学生対策の充実に関する意見書というのが日本国じゅうのそれぞれの衛星都市、市町村からも随分出ております。それで私の手元にも大阪府を初めそれぞれのところから要望が出ております。それでこの中身は、いろいろ私も検討してみましたが大体同じです。したがいまして、これは合わせて三項目ほどありますので、大臣並びに政府委員の方でも結構です、難しいわかりにくい問題もあるかもわかりませんので御答弁いただきたいと思っております。  まず初めに、要望の第一項目に学費の安い国立大学の入学枠を拡大するというのが一つ、それから入学試験や学位の取得条件を改善すること、こういうのが一項目目に出ておりますが、この問題についてはどういうふうにお考えでございましょうか。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(中島源太郎君) 具体には政府委員からお答えさせますが、確かに留学生問題、先生から御指摘をいただくまでもなくと言っては申しわけないんですが、私ども重要に考えております。特に留学生諸君は国際交流という点から見ましても、あるいは相互理解のかけ橋としても重要な問題でございますし、また先生から御指摘いただいた点につきましても、私も目を通しておるところでございます。  また学費の点、それから今申されました数点につきまして私も拝見をいたし検討いたしておりますが、その点につきまして政府委員から具体にお答えを申し上げさせます。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) まず第一点でございますが、国費留学生、これは日本政府が奨学金を支給しているものでございますが、年々国費留学生の枠を拡大いたしまして、そういった外国からの留学生が日本政府の補助によりまして充実した勉学生活が送れるようにという施策を講じております。六十三年度も五百二十数名の拡大をいたしております。  それから、入学試験の点でございますが、やはり留学生はいろいろと特性がございますので、一般の日本人の学生と同じような入学試験をやったのでは、その留学生の特性ということからして適当ではないという趣旨もございまして、例えば私費外国人留学生統一試験というものを実施いたしまして、留学生についてはできるだけ特別な試験で判定をする、そのための大学が判断する一助としてそういう制度も運用いたしております。  それから、外国人の日本語能力試験というものをやっておりますが、これらの成績につきましても大学に入る際の判定の資料として活用していただいておるというようなことをいたしております。  なお、学位の問題でございますが、私どもの持っておりますデータでは、理科系の修士課程、博士課程はいずれも八〇%あるいは九〇%以上の外国人留学生が学位を取得しておるという点で、まず問題はなかろうと思っております。文科系につきましても、修士では、既に九〇%を超えた外国人留学生が修士の学位を取得できるという状況になっております。問題は文科系の博士でございまして、二六%と、理科系等に比べると大変低い数字でございますが、これは日本人を含めた学位取得状況全般を見ますと、博士課程の文科系が四%という低い数字になっておりまして、これは戦後新しい学位制度ということで、研究者としてスタートできるところで学位を授与してほしいと文部省は繰り返し指導しておるわけでございますが、従来からの学位に対する考え方というものも若干まだあるようでございまして、この点は今後、特に留学生の問題もございますので、努力をしていかなければいけないと、このように考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それではあと二点ほどお伺いします。  もう一つは、授業料の一層の減免措置を講じるということと、それから奨学金制度を拡充する。それからもう一つ、アルバイトのあっせん機能を強化すること、こういうのがあります。それからもう一つ、寄宿舎の増設、企業の空き家社員寮等を寄宿舎に充てる援助措置という、この項目がそれぞれ地方自治体からも出ておりますが、そのそれぞれについて、簡単で結構です、概要を御説明いただきたいと思います。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) 授業料の減免につきましては昭和六十二年度の秋から、円高対策もございましてその拡充を図り、特に私立大学の私費留学生につきましては、三割授業料減免に対する援助というものを始めて、六十三年度もそれを拡充することになっております。  なお、奨学金制度の拡充ということでございますが、従来から学習奨励費という私費留学生に対する勉学奨励の制度で、月額四万円が学部、六万円が大学院というものがございますが、これを六十二年度の二百五十人から六十三年度は五百人に倍増することといたしております。  アルバイトのあっせんの強化でございますが、これはもちろん各大学等のいろいろ留学生をお世話するところでもやっております。六十三年度からは学徒援護会という団体が文部省関係でございますが、こういうところの各地の支所も活用いたしまして、そういうことの強化をする予定でございます。  宿舎につきましては、年々数百室ずつ国立大学の留学生用宿舎を増設をし、かつ日本国際教育協会の新しい留学生会館も今建設中ということでございます。  また、最後にお話がございました企業の社員寮の提供でございますが、経済同友会を初め経済関係の団体に非常に積極的に御尽力をいただいております。現在私どもの知る数字では百三十室提供されておりますが、さらに企業側でもいろいろと努力をしてくださるというふうに承っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 きょう総務庁長官にもお見えになっていただいておりますが、行政監察月報によりますと、六十二年の一月から三月に、特に留学生の受け入れ対策、それから帰国子女の教育等に関する行政監察というのを行ったということで報告が出ております。これは、その結果はまだ公表されておりませんが、特に最近は留学生の問題が大きくクローズアップをされております。そういう意味で、この行政監察の結果というのもみんな待ち遠しいわけであります。そういう意味で、中間報告でも結構ですが、大体どういうふうになっているのか、これはできるだけ早く発表もしていただきたいと思いますし、そこら辺の概要等もわかれば結構ですし、わからなければいつころ発表できるか、そういう点もあわせてお伺いしたいと思います。

高鳥修自由民主党総務庁長官

○国務大臣(高鳥修君) ただいま峯山委員御指摘のように、昨年の一月から三月にかけまして当庁といたしまして留学生の受け入れ対策、それから帰国子女教育等に関しまして行政監察を実施いたしております。  対象といたしました機関数といたしましては、大学が六十大学、日本語学校が十八校、留学生関係団体五。さらにまたアンケート調査を実施をいたしておりまして、留学生につきましては千百十九人からアンケートを聴取いたしております。  その内容といたしましては、留学生の受け入れ対策につきましては、入学選考方法の改善、それから日本語学校の実態把握、情報の提供、住居の確保等、それから奨学金の充実、地域任民等との交流の推進というような点につきまして行政監察を行ったところであります。  これらの行政監察結果につきましてただいま最終的な取りまとめをいたしておりまして、来月の半ばころまでには御報告ができるのではないかというふうに考えておるところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 わかりました。ぜひ早く発表していただきたいと思います。  きょうは時間の関係で、また官房長官や皆さんいなくなりましたので、文部大臣に三点お伺いをしたいと思います。  一つは、非常に大きな問題として日本語学校の問題があります。これは先般から何回も質問を私もいたしておりますが、データによりましても六十年ごろには千九十九人だったいわゆる中国人の入国して学校へ入る人、皆さんこの程度だったんですが、六十二年には七千百七十八人というふうに非常にふえているわけであります。そういう意味で、日本語学校の設置基準といいましょうか、しかるべくきちっとした指導をして、いいかげんな日本語学校ができないようにしていただきたいというのがまず一つあるわけです。  それからもう一つは、留学生に対する情報センターのようなものを、これは例えば中国の場合非常に我々と関係の深い国でありますし、いろいろな問題がありますので、中国各地にそういうふうな情報センターをつくったらどうか。特に今ODAの予算とかそういうものを利用してつくることはできないか、こういうふうに私は思うわけでありますが、この点はどうかという問題が一つ。  それからもう一つ、これは大臣もよく御存じの、日米間でかねがね私どもお世話になりましたフルブライトがあるわけです。これは日本の大部分の学者の皆さん方がフルブライトで非常にお世話になっておるわけです。そういうことに関連をいたしまして、先般ある週刊誌にそういうような意味の投書も出ておりました。そういうようなことがあるから私言うわけでもありませんが、非常にいいことだなと思って見たわけであります。  その投書によると、日本と中国とのいわゆる第八次の円借款まで約六千億の借款をしておりまして、期限が来たその返済金の一部をそういう留学生のために使用できないかということを書いております。しかしながら、そういうのは非常にこれは、大蔵大臣もそばにいらっしゃいますが、出したものと入るところは別ですから、これは無理な点もあるかもわかりませんが、いずれにしましても日中版のフルブライトみたいなものをつくったらどうか。  先ほどから民間のそういう考え方に立ったお話が随分ありましたが、いずれにしましてもそういうふうな将来中国の指導者になるような人たちに対する日本としての取り組みというのはやっぱりきちっとしておいた方がいいんじゃないかというふうに思いますが、この三点についてお伺いをいたします。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(中島源太郎君) 特に中国からの留学生について三点お尋ねでございました。  一つは日本語学校の点でございますが、今先生御指摘のように、昨年五月現在二万二千人の留学生がございますが、中国からの留学生はそのうち約二六%程度を占めておると思います。そういう方々に、中国の方々だけとは限りませんが、対応するための日本語学校というのは非常に数多い機関がございまして、この種類は全くまちまちでございます。大学等の日本語教育機関二百三十三、専修各種学校五十一、その他百五十三機関、これが財団法人もあれば社団法人、宗教法人あるいは個人、株式会社、有限会社等々ございますので、この点で実は六十三年度、こういう日本語学校に対する基礎的な基準を設けてみたいということで研究を始めたところでございます。これは本年度着手いたしまして、できるだけ速やかに研究を進めてみたいと思っておるところでございます。  同時に、第二点目の情報センターでありますが、これはまさに留学生の方々に対しまして、日本においでになる前に既にそれぞれの国に対して情報を提供するということは大事なことであろうと思います。中国に対しましてももちろんでありますが、それぞれ大使館、領事館を通じましてお願いをいたしておるところでございます。それから国内では、駒場にございます日本国際教育協会留学情報センターで、これは日本語だけでなく英文のちょっと分厚い情報の本を取りまとめました。それからここにお問い合わせがある場合には電話、書類にかかわらずお答えをいたしておるところでありますけれども、今後ともこちらから各国に派遣しておる人材もございますので、それを通じまして各国に情報をできるだけ多く提供いたしたい、これは積極的に努力をいたしてまいりたいと思っております。  第三点目のフルブライトでございますが、こういうような方法が直ちにとれるかどうか、具体に計画を持っておるわけではございません。また、これを中国だけに当てはめられるかということも慎重に検討しなければならぬわけでございまして、手元にその計画があるとは申し上げる事態にはございませんが、せっかくの御指摘でございますので、私自身よく勉強し研究してまいりたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 きょうは時間がございませんので、留学生の問題はこの程度にしたいと思います。  最後に、薬害の問題についてお伺いしたいと思います。非常に時間が短いのではしょってやりたいと思いますが、きょうは厚生大臣お見えになっていらっしゃいますので国家公安委員長と両方にお伺いをしたいのであります。特に幾つかの薬の名前も具体的に出ております。出ておりますが、きょうは時間の関係でせきどめに焦点を絞ってお伺いをしたいと思います。  東京の日暮里にあります薬物中毒のリハビリセンター、ここでは現在でもせきどめの中毒患者が六人いらっしゃるそうであります。そしてこの施設でいろいろな患者のあれを見てみますとシンナー、覚せい剤、それに続いてせきどめの中毒者が大体三分の一ぐらいずつというふうになっているんだそうであります。  しかも実は、私もこの問題をあえて取り上げようといたしましたのは、これはある新聞の渡辺節子さんという若い記者が、相当長い間この問題について追っかけて取材をして、新聞でも報道しております。その中身を読ましていただきましたし、それに応じて私も資料をたくさん集めさせていただきました。そうしましたところ、厚生省が考えているほど易しい問題ではないな、非常に重大な問題を含んでいるということがわかってまいりました。そこで、特に若者の間に薬の乱用が広がっているということもあるわけでございまして、この問題に対する厚生省の現在のお考えを初めにお伺いしたいと思います。

坂本龍彦厚生省薬務局長

○説明員(坂本龍彦君) ただいま御指摘のありましたせきどめ薬の乱用の問題につきましては、私どもも従来その事実を承知しておりまして、非常にこれについてはいろいろと頭を悩ませているところでございます。せきどめ薬につきましては、これは一般の方々がやはり日常のそういう症状に対して使えるような形にしておりまして、適正な使用を行えば特に問題がないという内容でございますが、やはりどうしてもこれを多量に飲用するという、特に若い人のケースが確かにあるようでございます。  そこで、私どもといたしましてはこういった乱用を防ぐために販売業者に対して強力な指導を行うとともに、製造業者に対しましても乱用しにくいような容器にするといったような工夫を指導してきておるわけでございます。例えば、特にこういうものは薬局、薬店での販売が中心でございますので、原則として一人一本という販売量を守る、あるいは購入する人から症状を聞いてその医薬品の効能、効果に該当するようなことを確認するとか、さらに中学生、高校生などの場合には保護者の同意の確認とか、あるいは身分証明書等による身元の確認といったようなことで、やはり専門家が販売の段階において十分注意してもらうように各種のルートを通じまして指導をしてまいってきているところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 国家公安委員長にお伺いします。  この問題は時間があればもう少しいろいろと申し上げて議論をしたいのでありますが、警察庁としましてもこの問題については相当いろんな面で取り上げているように聞いております。国家公安委員長でございますから、この問題のことについてはお聞き及びだと思いますが、どういうふうにお聞き及びでございましょうか。

漆間英治警察庁刑事局保安部長

○説明員(漆間英治君) 過去の我が国における薬物乱用の歴史を見ましてもまた諸外国の例を見ましても、各種の中毒性薬物の乱用は、一つのものについて取り締まりが厳しくなりますと別のものに移行しましたり、また各種のものが併用して乱用されるといったように複雑に絡み合って行われるのが通例でございます。しかも、これらの乱用はいずれも成長期の少年に大きな害悪を及ぼすほかに、乱用による錯乱でありますとか夢遊状態が誘因となりまして事件や事故を引き起こすなどの社会的な危険性が極めて高いというところでございますので、警察といたしましても広くあらゆる中毒性の薬物につきまして常に警戒の姿勢を持っておりまして、ただいま御質問のありましたような風邪薬につきましてもその種のものとしてとらえております。  したがいまして、徹底した取り締まりと補導活動等を推進するとともに、厚生省等の関係機関と緊密に連携をしまして各種の啓発活動を積極的に推進して、薬物乱用の蔓延の防止に全力を注いでまいりたいと考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これは時間がございませんので、厚生大臣、端的に申し上げますと、厚生省が今言っているような手当ての仕方じゃ非常になまぬるい。これは要するに一人一本ずつしか買えないという指導をしている。実際は一人で何十本とみんな持っておるわけですよ、現実に。そういう人はどうして持っているかというと、薬局をずっと回って一本ずつ買って歩くわけです。そういうこともありますし、しかもいろんな報道の中にもありますけれども、この実情を訴えても、結局何本も売ってくれる薬局も現実にあったというんですね。ところが、そのことを薬務局に電話を入れて言ったら、そんな不心得な薬局があるのなら名前を教えてほしい、こういうふうに言ったというんです。そしてもう一人の担当者は、乱用者は地獄に落ちても自業自得、一部の乱用者のために多数の人から良薬を奪っていいのかと、こうきたというんですね。  それから始まって、いろいろいっぱいあるんですけれども、これは現在、横田基地での殺人事件もありましたし、米軍のいろんな話も随分報道にも載っております。米軍の場合はこういうふうな中毒、薬を買ったりあるいはいろんなことをした場合は軍法会議だというんですよ。そして家族ともどもアメリカへ送り帰す、そのくらい厳しくなっているわけであります。しかもこれがだんだんふえているというんです。  そういうふうな意味では、これはきょうは詳しく本当はやりたかったんですけれども、私の時間がございませんので端的に申し上げますが、アメリカではこういう問題は、購入する場合に一人一本とかそういうふうなあれじゃなしに、医者の処方せんを持っていくとか、もう少し確実に効果のある方法をとっていただかないと、要するに患者やそういう人たちは非常に少ない、ほんの一部だと、こうおっしゃっておりますが、新聞の報道や全国の新聞を調べてみますと物すごくたくさんありますね。各都道府県にいっぱい出てきています。これでは薬務行政というのが後手後手になりますし、こういう芽というのは、本当はそういう薬はもうなくしてもらいたいんですけれども、どうしても必要なら特定の医者がそれなりの対応をちゃんとする。これは私は行政として当然のことだと思うんです。それくらいの厳しい姿勢で取り組んでいただきたいと思うんですが、大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

藤本孝雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(藤本孝雄君) 乱用によりまして中毒者が現実にはふえておるという問題、極めて深刻しかも重大な問題だと思います。対応策につきましては、いろいろ難しい問題があろうかと思いますけれども、要はどういう対策がより実効が上がるかということだと思うわけでありますので、その点、御指摘の方法につきましても参考にしながら、今後十分な対応策をぜひ早急に考えてみたいと考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 終わります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 きょうは農水大臣また沖縄開発庁長官にお越しをいただきまして、沖縄にとっては重大な問題でありますパイン栽培、そのパインの缶詰の輸入自由化問題について質問をしたいと思います。  二月のガットで勧告を受け入れるということから、いよいよパイン缶詰の自由化ということに向かってしまったわけでありますが、沖縄にとって、このパイン栽培はまさに農家にとっての死活にかかわる問題であるだけではなくて、生産農家が約千五百戸、そして沖縄全体の果物の生産の九割を占めておりますし、沖縄全体の基幹産業の中でも基幹的産業でありますから、この缶詰自由化がもたらす影響というものは極めて重大なものであるわけであります。そういったことを踏まえるならば、私は農民の要求を断固踏まえて自由化は絶対にすべきでないし、また撤回すべきだと考えておるわけでありますが、このガットの勧告を受け入れたことにつきまして、農水大臣の見解をまず聞きたいと思うのであります。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(吉國隆君) ただいまお話しございましたように、ことしの二月に開かれましたガットの理事会におきまして、パイナップル調製品を含めましたいわゆる農産物十二品目問題につきまして、パネル報告書の採択問題が審議をされたわけでございます。我が国といたしましては、この報告書の中で同意できない点あるいは問題点をきちんと指摘をいたしました上で、最終的には一括採択に応じたことは御指摘のとおりでございます。  この考え方といたしましては、我が国としてはガット締約国としての立場もございますし、ガットの紛争処理手続を尊重するという立場に立ちながら総合的な観点から、我が国の利益を確保していくという上でぎりぎりの選択としてそのような対応をしたという経過になっている次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ぎりぎりの対応とか我が国全体の利益とか、こうおっしゃいますけれども、いわゆる貿易黒字問題、こういうことを激化させて、そして対日圧力を一層激化させてきたのは、いわゆる大企業の輸出ラッシュであったことは、これは経過で明らかであります。だから、農家がそういった犠牲になぜならなくちゃならぬかという思いも当然農民には強いわけであります。同時に、沖縄のパイン栽培というものは、後でも触れますけれども、他にかわりようのない、農家にとってはそれこそ大事な大事な生活の根源となる事業であります。そしてまた、今日までパイン栽培がどういう経過で農民の苦労でやられてきたかも後で述べますけれども、そういった沖縄のパイン栽培農家の痛切な要求なり思い、あるいは反対の強い意志、こういったことをどういうように受けとめられたのか、まず大臣にその点を聞きたいということであります。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(佐藤隆君) 今日まで、貴党を含めて各党から実はそのことについて御質問がございました。その都度お答えを申し上げてきたとおりでございますが、今また重ね重ねの御質問でございます。沖縄の歴史的な今日に至る経緯、これを私どもは忘れてはならない、こういうことで、当院における沖縄出身の議員にも率直なお答えを申し上げてきたところでございます。  そういう観点に立ちまして、沖縄の産業の一つであるパインというものについて、私どもは禍根を残さないような形で対応を考えていかなければならない。そのために、我が省におきまして二月一日、プロジェクトチームを発足させ、多少時間がかかっておりますけれども、なるべくもうここまで来てそう時間はとらずにひとつ対応を示したいものだと、鋭意最後の詰めを行っておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そのプロジェクトチームの対応については後でまた大臣にもお伺いしたいと思います。  要するに、それでは具体的にいつから自由化されるのかという時期の問題でありますが、これは私はそのプロジェクトチームの対応もさることながら、いつからという問題は農家にとっては重大な関心であります。言ってみれば、これは撤廃してほしいという要求があるぐらいですから、できるだけ先に延ばしてほしいと農家が願っていることも事実です。大臣はこの点はどう踏まえていらっしゃいますか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(佐藤隆君) 十分な時間をとって対応しなければならない、しかし、その対応の中身は早くひとつお示ししなければならぬということで、このプロジェクトチームで検討しておることと、それから、いつからということと全部リンクしているわけでございます。ですから、いつからはどうなるんだというのとこれはワンパッケージでございますから、その詰めをやっておる、もちろんアメリカ側との話し合いも実務的にも必要でございます。そういう意味で、今詰めを実務的にも行っておるということでございます。  残余は、事務当局から答えさせます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 基本的に大臣のその答弁を伺いますと、プロジェクトチームによる対応が十分具体的になるということで、それがやっぱり前に進まないことには自由化の時期も早急には決断しない、だからそれとリンクだということですから、まず先決は十分な対応と、こういうように私は伺ったんですが、それでよろしいわけですね。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(佐藤隆君) リンクと申し上げたのはワンパッケージである、こう申し上げておるのでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ワンパッケージですから、私の言うたような理解も、ワンパッケージだから別々には来ないわけですから、十分な対応なしにはやらないというように受け取った、こういう意味でございます。  大臣も先ほどお触れになりましたが、まさにこの沖縄のパイン栽培の歴史というものはまことに大変なものであるわけです。今、本島の北部東村、それから石垣島、西表で行われておりますけれども、もともとこの歴史をたどってみますと、沖縄が米軍基地として広大な土地が接収された。そこで農民が土地を奪われ、やむなく移住するというような農民も多数あって、そして西表にしろあるいは本島北部東村にしろ、何とかパインならばやっていけるのではないかという米軍の見解もあり、沖縄県の指導もあってこのパインに取り組んだということが事の起こりだ。だから、そういうわけでは本当に未開の土地を、まさにジャングルを切り開いて開拓をしていった、そういう歴史が発端であったということは、これは沖縄開発庁もよく御存じのとおりだと思うんですが、間違いありませんね。

塚越則男沖縄開発庁振興局長

○説明員(塚越則男君) 戦後の沖縄におきますパインの栽培でございますが、昭和三十年ごろから本島北部、それから八重山地域の移住地等におきまして、これらの地域の酸性土壌に適した作目として急速に普及拡大したものでございますが、こうした普及拡大の背景には、まず第一に、戦後の人口増加の中で沖縄本島の平たん地が米軍基地として接収されておりまして、耕作地を傾斜地とか、あるいは八重山の未開地域に求めていく必要があったために、これらの地域への移住が計画的に実施されたということがございます。  第二に、これらの移住地での土壌条件等から見ましてパインが適当な作目であったということ。さらに、米軍民政府が移住の促進に資金援助等を行うとともに、パインの栽培につきましてもハワイから種苗の持ち込みを行うなど、指導、奨励を行ってきたこと等の事情が背景にあるというふうに理解しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そういうような中で、戦後御存じのようにマラリアが大変な発生率で、まさにマラリア地獄という言葉さえ沖縄のパンフレットにも残っていることでありますけれども、一家全滅とか、働き手が四人も五人も命を奪われるとかいう悲惨な状況が起こっていたことも事実であります。  ちょっと統計で調べてみましても、マラリアの患者数、死亡数、これは沖縄本島、宮古島、八重山等では大変なものが数字としても戦後出ておるのでありますが、この悲惨な状況について開発庁は十分承知しておられますね。

塚越則男沖縄開発庁振興局長

○説明員(塚越則男君) 戦後沖縄におきましてマラリアがしょうけつをきわめまして、その撲滅に大変な努力が払われたということは記録に明らかでございますが、統計的にその全貌を把握するに足るような公的資料というのは必ずしも十分に整っていないように思います。  今日利用できます統計といたしまして、沖縄県公衆衛生協会によって把握されているマラリアの死亡者数ということについて見ますと、昭和二十年、この年が一番被害が大きかったというふうに言われておりますけれども、これにつきましては県全体での死亡者数は明確にされておりません。その後昭和二十一年に九百六十七名、二十二年に九百九名、二十三年に三百九十五名、二十四年に九十七名、二十五年に二十二名、二十六年十一名、二十七年十四名、二十八年十八名ということになっておりますが、二十九年から三十四年までは計数が不明となっております。三十五年、三十六年にそれぞれ一名の死亡者が記録された後は死亡者は出ていないということになっております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私が琉球政府厚生局、厚生白書その他で得た資料では、宮古では昭和二十一年、何と患者数が七千九百八十五、二十二年には患者数が三万三千五百、翌年は七千五百七十八、死亡者は昭和二十二年で四百二十八を数えている。あるいは八重山諸島では昭和二十年には、患者数は一万六千八百八十四、死亡者数は三千六百七十四、八重山諸島では大変な状況であったということが明らかであります。  こういうような状況でございますけれども、では、現在パイン栽培はどういう状況になっているのかということであります。今農家の要求は採算ベース、生産費を償うには一キロ当たり六十円ぐらいはどうしても必要だと言うのでありますけれども、実際の価格は石垣島で四十九円、西表では、これが運賃等を天引きされるというような状況がございまして、西表から石垣へ持っていく運賃、あるいは西表でつくった工場がうまくいきませんで負債だけが残りまして、農家負担が一キロ当たり一円という状況もありまして四十五円三十銭、まさに生産費が償えない状況にもなっているという状況であります。  だから、したがって農家は年々減少するという傾向は避けがたい、まさに沖縄のパイン栽培農業はそれ自体でも大変な窮状にあるということが農家数の減少でも見られるわけであります。年々どういうように農家数が減っておりますか、統計で近年の様子を示してください。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(吉國隆君) 農家数のこの十年間の数字について申し上げますと、昭和五十二年当時約二千戸ございました農家が昭和六十一年におきまして一千四百戸となっております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 今御指摘のとおり六百戸も減っていっておるわけであります。ですから、こういったパインの缶詰自由化という問題は、おぼれかかっているといいますか危機に瀕しているパイン農業をさらに足を引っ張つて、守るどころか沈めるということになっていく、こういった危機的な状況を激化させることが明白であります。  そこでもう一つの問題は、それじゃこのパインがだめになったらほかの作物をつくるいわゆる転作が可能なのかという問題であります。この問題については私どもも現地を調査しておりますけれども、沖縄の酸性の強い土壌、これは大変なものであります。こういう強酸性の土壌の土地でパイン以外に栽培できるというようなものは、これはもうほとんどないに等しいわけであります。しかも、酸性土壌だけではありません。沖縄の立地条件については農水大臣も開発庁長官も御存じでありますけれども、あの斜面の海岸段丘の畑には、沖のリーフから波が上がってそれが風で霧のように吹きかかってまいりますから、それによる潮風の塩害は大変なものですね、まず第一に。それからもう一つは、強烈な日差しと乾燥、普通の作物なら干ばつで枯れるというそういう状況に耐えなくちゃならない。そして、それだけではありません。毎年台風がすごいわけです。  これはもう常識になっておりますから言うまでもありませんが、念のために気象庁に伺いますけれども、最近五年間に八重山諸島で毎年平均どれぐらいの数の台風が来ておりますか。

駒林誠気象庁観測部長

○説明員(駒林誠君) お答え申し上げます。  台風の来襲は、八重山諸島から約五百キロ以内に台風の中心が接近した回数を教えますと、過去五年の記録では昭和五十八年に三回、五十九年に四回、六十年に八回、六十一年に六回、六十二年に五回で、平均しますと年間五回程度来襲しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 台風の発生数ははるかにそれを超えておるわけですね。私の手元にある記録によりますと、八二年二十五回、それから八七年二十三回、八六年二十九回。ですから、今おっしゃったような台風回数以外に強風がたくさん押し寄せてきていることも、これは言うまでもないわけです。本土では一回台風が来ても大騒ぎするんですが、それが何倍も来るわけです。そして最大瞬間風速は、気象庁からいただいた資料によりますと、三十四メートルを超える、二十七メートル、二十五メートル、四十五メートルあるいは三十八メートル、三十メートル台が頻繁でありまして、六十メートル、七十メートルという瞬間風速もあったと農民は言っているぐらいであります。  こういうわけですから、こういった諸条件に耐え抜く栽培できる作物となりますとこれは極めて限定されるわけで、まさにパインは最もそれに適したものとして力を入れてきたわけです。沖縄開発庁長官もよく御存じですが、こういう問題についてことしの二月二十三日に衆議院の予算委員会で沖縄開発庁長官がブラックキャリアならどうかというように発言をされたということが記録にあるわけですが、このブラックキャリアという飼料をつくる、果たしてこんなことでパインにかわる基幹産業に変わり得るのかどうか。これは重大な疑問でありますが、どういう趣旨でおっしゃったのか、これはかわり得る、転作可能だという意味ですか。

粕谷茂自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(粕谷茂君) 御指摘のように、さきの衆議院の予算委員会で上原議員さんの御質問に対しまして私がお答えをしたブラックキャリアのことでございますが、これは御承知のとおりアフリカ原産の牧草でございます。それで、強酸性土壌それから荒廃地などでも生育する生命力旺盛な草種だということで、研究者の中で私は同わさしていただいたものです。  沖縄へ行きましたときにたまたま、琉球大学の附属施設の熱帯農学研究施設の施設長さんをやっていたと思いますが、琉球大の農学部長の高橋先生と、この方は御専門家ですからブラックキャリアのことについてお話し合いをしました。そのときの私の心境は非常に先の先の将来展望を模索すべきじゃなかろうかというような気持ちもあったものですから、そういう意味でこのブラックキャリアの牧草についてお話をしましたら、私もよくその話を聞いておりますと、そのときの話し合いでは、粕谷さんもよく研究なさっているんですねなんというようなことでございました。  もちろん私は、今日的なパイン栽培にかわるべき転作の意味を持ってブラックキャリアを提案したわけでもありませんし、そのことは上原議員さんへの御答弁の中でも、私が第一回目にお答えしたときに足らざるところを補足してあります。ですから、そういうふうに御承知おきをいただきたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 趣旨はわかりました。  農水省に伺いますが、今も長官からそういうお話もあったんですが、まさにそのとおりで、こういった厳しい気象条件、酸性土壌の中で簡単にパイン栽培にかわり得る農作物が今直ちにあるというような状況ではないということははっきりしていると思いますが、農水省、端的に言ってどうですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(吉國隆君) お話にございましたような気象条件、また強酸性土壌であり、また傾斜地で栽培が行われているというような条件下でございますので、他作物への転作ということは一般的には難しいのではないかというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 まさにそういうことであります。だからしたがって、農家にとっては缶詰の自由化という危機的状況が来てもやめるわけにいかないんです、ほかのものがないんですから。そういうわけで、先ほど農水大臣もおっしゃったように、まさにどう対応するかということについて政府は本当に責任を持って農家の立場及びこのパイン農家の栽培が成り立つように全力を挙げてやってもらわなくちゃならぬというのが私は政府の責任として当然だと思うわけであります。そういう考え方自体は農水大臣のおっしゃったプロジェクトチームをつくってワンパッケージで対応するというお考えの基礎に当然ある考えだと思いますが、間違いないんでしょうか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(佐藤隆君) 間違いございません。  あなたも現地に行かれたというお話でございますが、私も現地に参りまして、パインの畑に足を踏み入れまして、そしてその生産者たちとお話し合いも短時間ではございますがいたしまして、何とかしなきゃならぬなという気持ちで考えておるわけでございます。であればこそ、今一生懸命に検討しておるというわけでございます。それをまた、現地におきましては私どもの心を承知をしてくださっているものと私は理解しておりますので、もうなくなる、だめになるんじゃないか、なるじゃないかと、そうおっしゃらずに、ひとつ一生懸命やっていますから。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣がおっしゃる一生懸命やっていますとおっしゃってくださった内容をちょっとこれから同わしてほしいと思うんです。  まず第一は、沖縄にとっては基盤整備というのはやっぱり大事なものですから、土地改良事業を積極的にこれまでもやっていただいているものをもっと進めていただきたいんですが、とりわけその土地改良事業は本土と違いまして、強烈な風を防ぐための防風林の設置もあわせて行っていかなければ農家の要求には十分こたえられないと思うんです。この点についてプロジェクトチームではどうお考えでしょうか。

松山光治農林水産省構造改善局長

○説明員(松山光治君) せっかく農地整備を行いましても強風のために農地保全上問題があるということも間々あり得るわけでございまして、構造改善局といたしましては、既に昭和五十五年度からでございますが、地元の要望を踏まえまして圃場整備等の面的な整備とあわせまして防風林を設置していく。そういうものを補助の対象にいたしまして、既に石垣島なり西表島で事業を実施してございます。今後とも地元の意向を踏まえながら適切に対応してまいりたい、このように考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それからもう一つは、糖度の高いパインをどうつくるかが大事な研究対象でございます。そういう点では春夏秋冬四期作ではありますが、夏を除いてはなかなか糖度の高いのが難しいということで、ハウス栽培の助成をぜひお願いしたい、こういうことが農民の切実な要求でもあります。この点はいかがですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(吉國隆君) 消費者の嗜好に合いました優良な生食用のパイナップルの生産を促進していくということは、確かに沖縄のパイナップル生産の一つの方向であるという認識を従来から持っておりまして、既に六十二年度から新たに実施をいたしております事業の中で、優良品種の普及とあわせまして糖度の高い完熟パイナップル生産という見地からハウスに対する助成も行っているという状況でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それは今後とも強めてほしいわけであります。  それからもう一つは、生果対策として要望されておりますのが、冷凍船の配置の問題と同時に冷凍コンテナによる輸送体制の強化、この問題について何らかの助成措置がないのかどうか、ぜひこの点を検討してほしいという要望を聞いておりますが、これはいかがですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(吉國隆君) お話は生果としてのパイナップルの本土、内地等への出荷の面であろうかと思います。  こういった出荷ということにつきましては、もちろん品質、量ともにまとまった出荷量が確保されるということが先決でございますので、今直ちにという問題ではあるいはないのかというふうに思っている次第でございます。  いずれにいたしましても、輸送体制、航路等の問題とか、あるいはコンテナ等の物理的な設備につきまして、実は園芸振興というようなことで、野菜等でもいろいろそういったものの整備が既にされているという状況にございますので、当面の問題としましては特に隘路はないんじゃないかというふうに私どもは一応思っておりますが、今後の生産量のまとまりぐあいというようなこととの関係でもし問題が出てくれば、将来検討すべき問題であろうかというふうに思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それからもう一つは、ずっと競合してまいりますが、その中で、沖縄製品の需要がどんどん広がるように指導なりあるいは助成の方法なりを検討していただくということが、これも市場との関係では大事なことではないかと思いますが、具体的にこういった方法についての検討はしていただけますか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(吉國隆君) 品質の改良とあわせまして、そういったパイナップルあるいはその製品につきましての消費拡大あるいは消費啓発といったものが重要になってこようかというふうに考えております。実は既にこの面で若干国の方の助成によりまして、京浜地区等でパイナップルなりその製品の展示あるいは料理、消費啓発資料としてのレシピーの配付とか、あるいは試供品の提供といったような事業を行っているという状況でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それは国際的にもいろんな関係があるかもしれませんが、消費拡大については一層の助成と援助をぜひともお願いしたいと思います。  一番肝心な問題は価格問題がどうしてもあるわけですが、安定制度の充実、つまり果樹基金の保証価格基準をどうしても引き上げる必要があるのではないか。大体今、先ほどお話ししましたように四十幾円とこうなっております。生産費を償うベースが六十円というのが農民の要求ですから、現在の基準はやっぱり低いわけですので、この現在の低い基準、四十五円七十二銭を引き上げるということはこれもまた大事かと思いますが、この点の見込みはいかがですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(吉國隆君) お答え申し上げます前に、先ほど私御答弁の中で内地という言葉をうっかり使いまして、大変失礼申し上げました。本土ということで訂正をさせていただきたいと存じます。  ただいまお話のございました価格対策の問題でございますが、御承知のように、加工原料用果実の価格安定制度がパイナップルにも適用されているわけでございます。この制度におきましては、過去の平均取引価格をもとに保証基準価格を定めるというルールになっているわけでございまして、このルールに従って現在の基準価格が定められているという状況でございます。私どもは、今自由化が行われているわけでもございませんので、現在のところ、これを修正する必要は、要因は乏しいんじゃないかというふうに考えておりますが、パイナップル対策といたしまして現在、先ほど農林水産大臣からお答えありましたように、生産対策あるいは加工流通対策を幅広く検討いたしておるわけでございまして、その中で、先ほど来お話出ておりますような生食用の振興というようなもので、全体としての採算性をどう確保していくかというような点ももちろん関係をしてくるわけでございまして、そういった幅広く検討する中で検討していくべき事項ではないかというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 時間が参りましたので、幾つかの問題点を指摘してせっかくの努力をお願いしたわけですが、こういった大臣がおっしゃいました対応という問題が、今のお話にもありますように、まだまだ前へ進んでいかなくちゃならぬし、時間もかかる問題、例えば基盤整備にしましても、それからまた市場拡大にしましても。ですから、これはワンパッケージとおっしゃったそのことはわかりますが、この対応をもっと積極的に進めていただくということにさらに力を入れていただいて、そして農家が立ち行かなくなるような自由化の早急な実施はやらないということで、もう一度この点について、積極的にプロジェクトチームの促進にかけた大臣の御意見をお伺いすると同時に、何としても沖縄という、視察をなさっていただいておわかりの、特別の地域の重要性を踏まえていただいて守っていくように、格段の努力をお願いしたい。私どもとしては、自由化を撤回すべきだと考えておりますが、きょうはこういう問題について、最後に見解を重ねてお伺いして終わりたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(佐藤隆君) ただいま出ております結論を撤回するという状況にはないということは、言うまでもないことでございますが、申し上げておきたいと思います。  なお、いろいろな対策について、先ほど来申し上げているように、今最後の詰めを行っておるところでございますから、先ほど申し上げましたとおり、努力をしておるところであるということで、ひとつ御理解をいただきたいと思います。  なお、沖縄の歴史的経緯につきましては、当初申し上げたとおりでございまして、その認識はちゃんと持っているつもりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 終わります。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いわゆるJRの特定地方交通線の一つ、宮津線の問題できょうはお尋ねをしたいと思いますが、宮津線は、京都府北部住民の生活と産業は言うに及ばず、天橋立など観光の面でも地域の将来にとって欠くことのできない重要路線であります。この宮津線が、年間三十億から多いときには四十五億円にも上る大きな赤字路線だという理由で、国鉄再建法に基づき廃止路線とされてきたわけでありますが、最近、この廃止の前提となっていた大赤字が実際には極めて少ないか、反対に黒字になるんじゃないかという大問題が起こってきているわけであります。  まず尋ねますが、JR西日本の特定地方交通線に対する赤字補てん額、六十二年度は宮津線など七線で約五億円、六十三年度は宮津線など三線、というのは、先ほどの七線のうち既に四線は第三セクターに移行していますので、その三線で約四億円の見込みだというふうに言われておりますが、間違いありませんね。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 宮津線の六十二年度の補助金の見込みでございますけれども、それに関連します、宮津線自身ということではなくて、JR西日本に対します六十二年度の補助金は、概算の段階で五億円でございます。それから、六十三年度の補助金の問題につきましては、まだ概算払いをしておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 私の質問も、宮津線を含む七線で六十二年度については五億円ということで尋ねて、その確認をしたんですが、そのうち宮津線だけについての赤字補てん額は幾らですか。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 各千別の赤字補てん額につきましては、JR西日本の六十二年度の決算がまだ確定しておりませんので、その決算が確定後に示されることになると思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 既にこの六十二年度分については概算払いをしているんでしょう。もう既に三月をはるかに越してきょうは五月二十六日という段階ですから。そのアバウトな額でいいんですけれども、概算払いとしてどれだけ宮津線に投入したんですか。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 先生の御質問は、六十二年度の赤字補てん額のことかと思いますけれども、その六十二年度の赤字補てん額につきましては、概算払いをしてございます。それで、六十二年度の赤字補てん額の概算払いは、現実のJR西日本が行っております運営の経費ということではございませんで、ほかの第三セクターとかそういったところの運営の経費を参考にいたしまして、一定のモデル計算をいたしまして、それでその結果の推定値を、会社の資金繰りとの関係がございますものですから概算払いをしたわけでございますが、そういう意味では、現実にJR西日本が運営しまして出てまいります赤字との関係では、若干乖離が出る話になるかと思います。したがいまして、宮津線の現実の赤字補助という形につきましては、精算をいたしましてからお示しすることになるかと思っております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それはよく承知の上で私は、最終決算はまだこれからだというので、確定値ではないということは重々承知の上で、概算払いとしては幾ら支出したんですかと。これは清算事業団から出すわけでしょう、お金は。清算事業団というのは言うまでもなく国が管理をしておる。いわば国費が出ていくわけですから、当然宮津線については概算払いとして幾ら出したかということを聞いているんです。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) まず、申しわけございません。先ほど私、六十二年度五億円と申し上げましたが、JR西日本に概算払いいたしましたのは六億円でございます。その六億円の概算払いの中に、今のモデル計算をした各線の赤字補てん額が入っているわけでございますけれども、この補てん額の金額につきましては、私御説明申し上げましたとおり一つのモデル計算でございまして、現実に各線ごとのいろいろな協議会とかそういったような場で具体的な御議論が行われている段階でございますので、その金額自身は確定後に御説明するのが一番いいかと思いますので、現在の段階ではJR西日本会社にお渡しした金額ということで御説明いたしたいと思っております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 なぜ国の管理しておる清算事業団が国費という形で支出をしておるお金が、概算払いとはいえ幾らか、アバウトな数でいいと、そこまで聞いているんですけれども、どうもそこの公表を大変渋っているというのはまことに解せないわけです。  それならば、確定値が出たら公表できますか。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 確定値が出ましたら、数字は御提出申し上げます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それはいつごろ出ますか。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 会社の決算は、決算完結後三カ月以内に私どもの方に報告をいただくことになっておりますので、その段階におきましては当然数字が確定するわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 とにかく、六十二年度について言えば宮津線など七線で、運輸委員をしている小笠原質問に対する運輸省からのいただいた説明資料では五億円ということだったです。しかし、今あなたは六億円と訂正されました。そこは一遍きちっと精査したらいいでしょう、数字は。仮に六億円としても、七線で六億円といえば平均で割ったって一億足らずとなるわけです。でありますから、京都府知事が京都の府議会で、赤字と言っても一ないし二億円程度だと、こういうことも言っています。それから、先日私どもが清算事業団の担当官にちょっと聞きました。そうすると、六十二年度の見通しは最終的には三千万円ぐらい黒字になるかもわからぬという答えさえあったわけであります。こういうことになりますと、これはごっつい赤字が出るんだということでわいわい言ってこの廃止を決めてきたけれども、その大前提が狂うということになるわけです。四月七日、特定地方交通線の対策協議会では、第三セクターで鉄道を存続させる場合に地方自治体の意見をよく酌み取ってもらいたいという決議がやられているわけでありますし、また宮津線の関係で言いますと、沿線の三市十町が集まって構成をしております宮津線問題対策協議会が開かれて、資料はすべて公開をしてもらいたいという非常に強い意見が出されておるわけでありますから、この三千万円ということ、御存じですか。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 先日、ただいま先生御指摘のように運輸委員会の小笠原先生からの御質問がございましたが、その三千万円につきましては私ども全然承知いたしておりません。  それで、今の先生の御指摘の宮津線の関係の協議会の関係でございますが、本年の四月七日に第三回協議会で第三セクター鉄道に転換するということが既に決定されたというところと伺っております。それで、その場合の資料云々の問題につきましては、その協議会がお考えいただくことではないかと考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 かつて、廃止をする前、三十億だ、四十億だということがいろいろ言われてきた。しかし、実際にいよいよJRに移行した段階で今言いましたように七線で、さっきの答弁訂正によると六億円、さらに六十三年度は三線で四億円ということでありますし、さらに黒字になるという話さえ出ているという状況のもとで、これはしかもこの間十八日の日に私どもの党、共産党の沿線の地方議員団がJR西日本と交渉したときに、数字はおおよそ出ています、資料はありますと言っているんですから、ぜひこのときこそ運輸省が主導性を発揮して、JR西日本側に経営の実態、実際に赤字額がどういう実情かということを住民の前に明らかにすべく指導をしてもらいたい、どうでしょう。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 宮津線は現在、JR西日本で暫定的に運営されているところでございますけれども、六十二年度の、今の収支がどうなるかということにつきましては、その決算が確定していない段階でございますから数字自身を明快にお答えできませんですが、国鉄時代と輸送の実態につきましては、例えば輸送人員とかそういったようなことにつきましては国鉄時代よりもさらに減少傾向にあるとか、厳しい実態は同じようなものでございます。それで、ただ主体が国鉄時代と今度のJR西日本とは違ってくるわけでございますので、国鉄時代に抱えていた特定人件費その他の問題で差が出るかと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 そんなことを私は聞いているんじゃないんです。  JR西日本はこういう説明をしているんです。六十二年度について言えば、宮津線を含めた要するにJR西日本全体で七十八億円の黒字だ、また六十三年度の収支計画では百三十六億円の黒字を見込んでいる、こういう状況のもとでの特定地方交通線というものがあるわけです、その中に。しかも、それが三十億とか四十億とか、そんな巨大な額じゃさらさらないと、こういうことがほぼ明らかになってきているんですからね。JRが宮津線を引き続き運営していくということも私は可能じゃないかというふうに思うんです。  具体的には、国鉄再建法で廃止路線というふうに決まったわけですけれども、これはJR西日本が経営上の判断から、よし引き継いでやろうというふうに判断をした場合には、法律的にそういうふうにできないということではありませんね。法律上禁止条項はありませんね。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 特定地方交通線対策につきましては、先生御高承のとおり、輸送密度が小さくてバス輸送に転換するのが適切な路線ということで、これは新会社の経営基盤の問題にもなりましょうし、もう一つは、地域の一番効率的な輸送体系をどうするかということも勘案した対策でございますけれども、その問題につきましては……

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ちょっと時間がありませんから、私の聞いている法律上禁止条項はあるのかないのかということを答えてください。

丹羽晟運輸大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○説明員(丹羽晟君) 再建法の関係では、そういうものはもともと国鉄時代に切り離すべき問題として、路線としてとらえたわけでございます。それを国鉄改革関連法におきまして一定の経過期間を引き継いだわけでございますから、その考え方からしますと、代替輸送機関をどのようにするかということの御協議をいただいた上でその代替輸送機関に転換していただくというのが法の考えているところでございます。  したがいまして、明文の規定で先生のおっしゃるいわゆる禁止規定みたいなものはございませんけれども、考え方としてはJR西日本が引き継ぐという考え方はないと思います。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○委員長(穐山篤君) 佐藤君、時間ですから集約してください。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 あなたも認められたように、法律上は引き継いだらいけないという禁止条項はないということははっきりしているんですから、経営上ほぼ全体として見れば採算が全く合わないものじゃないということで判断すればやれるということなんです。  そこで、もう時間が参りましたから大臣に最後にお尋ねをいたしますけれども、とにかく三十億、四十億という赤字が出ると言われておったのと随分話が変わってきているということは今お聞きになっておって感じられることだと思います。いずれにしても、一つは、できるだけ早く実態はどういう状況かという数字的な経営的な面を公表する、そして自治体側が正確な判断ができるようにそういう実情を公表するということと、それからこの宮津線を実態に基づいてJR西日本が引き継いでいくということも検討の俎上に上せるということで、ひとつ運輸大臣としての指導性を発揮してもらいたいというふうに思いますが、どうでしょうか。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(石原慎太郎君) これは大変難しい問題だと思います、率直に申しまして。よしんば正確な決算が出まして、この六十二年度に幾ばくかの黒字が出ましても、一年二年の決算というものを基盤にそう大きな従来の方針の転換というのはかなり難しいと思います。  今総括審議官が申しましたように、在来線の扱い方はともかく、新しいJRの経営基盤というものを確立、確保するということと、その地方に見合った交通というものの手段を採択するということでございまして、既に関係の地方公共団体の協議会では、第三セクターでやるということを決定しているわけでございます。正確な決算が出なければわかりませんけれども、今仮に黒字が出てもと申しましたが、決算の見込みというものは非常に難しい。これを在来線のままで続けていけば、赤字のリスクの方がむしろ非常に強いと私たちは判断をしております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 きょうは質問通告表に「日本語教育について」、「外国人労働者について」となっておりますけれども、日本語教育についてということは内容は留学生の問題でございます。  政府が今世紀末までに留学生を十万人にふやすという計画を立てられているそうで、これは非常に結構なことだと思います。しかし、それに対してはやはり住居の問題でありますとか健康対策であるとか、そういった環境を整備する必要があるかと思います。  そのことにつきましては先ほど杉山委員からも質問がございました。私もこの委員会で前に取り上げたことがございます。きょう取り上げますのはちょっと少し違った観点からでございます。  と申しますのは、最近東南アジア、特に中国あたりで日本への留学ブームが非常に盛んになっている。例えば香港あたりでは、日本への留学生を募集する何かそういう団体が営利的に留学生の募集なんかをやっているという話も聞きます。また中国においてそういうことを伝え聞くんでしょう、ともかく日本に入りさえすれば、後はアルバイトでも何でもして何とかやっていける、そして学校も卒業できるんだといったかなりイージーな考え方で日本に来て、実際には実に惨めな生活をしなくてはいけない。円高で非常に生活も困る。中には病気をして、極端な場合餓死したということも出ていたように思いますし、あるいは病気になって非常にかわいそうな状態になっているのもいるし、あるいは金がないために風俗営業なんかを無理やりさせられているという例も新聞をにぎわしております。  例えば、これはことしの五月九日のサンケイ新聞ですけれども、就学をえさに風俗労働をさせている日本語学校があるというようなことが報道されております。こういうことになりますと、せっかく国際交流のための留学生が、結果としてはかえって国際摩擦を生む、あるいは非常に日本についての悪い印象を持って帰るということになってくれば逆効果じゃないかというふうに思いますので、そういった弊害が生じないように、文部省と法務省とが協力してやってもらいたい。そういう趣旨、そういう観点から質問をいたします。  留学生と言いましても、留学生と就学生という言葉があるそうですけれども、いわゆる入管法の四条一項六、大学、短大などで学ぶ人たちが留学生だそうですが、それ以外に四条の一項十六の三で入ってくる専修学校、各種学校その他塾などで学ぶ学生が就学生だそうです。そういった留学生あるいは就学生に対して、法務省入国管理局としてはどういう手続でどういう条件が満たされておれば入国を許可するか、ビザを発行するか、そのことをまずお伺いしたいと思います。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) お答えいたします。  留学生、国費留学生のようなちゃんとした留学生については余り問題がないように思いますので、私費留学生及び就学生として日本語を勉強しにくる人たちのことについて主にお答え申し上げたいと思いますが、二つの査証申請、ビザ申請の方法がございます。  通常、大使館でビザ申請をしますと、いろいろな手続がございまして非常に手続が煩瑣でございますので、事前審査終了証制度というのを設けております。大体の人たちがこの方法でやってまいりますので、通常の方法というのは普通でございますから、あえて御説明申し上げなくてもいいのではないかと思います。  入国事前審査終了証制度というので、どういう手続を我々が設けておるかということについて御説明しますと、これは日本にあります就学先の学校、そういう就学先校からその学校を管轄するところの地方入国管理局に対して願い出がまず出されます。ある外国にいる入国をしたいという就学生についての願い出がございまして、それに基づきまして就学生その本人につきまして、就学生としての適格性があるかどうかについてまず審査を行います。それが認められるときには入国事前審査終了証というものをその申請を出してまいりました就学先校に対して交付して、その就学先校が同終了証を海外にいる本当の申請者であるところの外国人本人に直接送付して、それで当該外国人が在外公館で査証を申請する。その際にその終了証を提示することによって、在外公館限りで査証発給を受けることができるということになっておるわけでございます。  その途中で、適格性についての審査を行うという際にどういうことを審査するかということを申しますと、いろいろな書類を提出してもらうわけでございますけれども、願い書のほかに入学許可書、入学申込書、それから現地における最終学校の卒業証明書、それから身元保証書というのが一つ、それから身元引き受けの経緯等の説明書、それから身元保証を立証する書類。その最後の三つは非常に重要な書類であると考えて我々も厳正に審査はしておるわけでございますが、この身元保証書を出させて、それで適格な外国人であるということが判明いたします際に許可をするわけでございます。  そのほかに就学先の学校についても適格性を審査いたします。その審査の基準といたしまして、私どもが採用いたしますものは、文部省が各種学校を認可する際に、文部省といいますか、文部省及び地方自治体でこざいますが、認可する際に使っております基準、つまり各種学校規程というのが文部省令でございますが、それに準ずる教育施設であるということを要件として就学先の適格性を判断いたしております。  以上でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 その中で私はやっぱり重要なのは、身元保証関係の書類と、それからその学校の適格性を調べる、その学校の入学許可書だと思うんですけれども、まず身元保証書、私ここに今写しをもらってきたんです。この中には、「本人が滞在費及び帰国旅費を支払うことができないときは私が負担すること。」その他のことが書かれてありますけれども、実際はそれが必ずしも守られていない。うわさとして聞きますところによりますと、保証人になるのに、五万円以上出せば大体保証人になる人を探してくれて、営業的に保証人を引き受けている人もいるという話を聞いたんですけれども、この保証人の実態を法務省は把握しておられますでしょうか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 就学生についての身元保証人が御指摘のような身元保証人であるというような報道がなされているということは承知いたしております。  入国管理局といたしましては、入国及び在留の審査等について身元保証意思があるかないか、それから保証の能力があるかないかということを厳格に審査を行って適格性を判断し、あるいは適格性を確保することに努めているということでございますが、身元保証人のことで問題が生ずるということが往々にしてあるということが事実あるようでございますので、今後身元保証の制度につきまして鋭意検討してまいりたいというふうに思っております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 どうも身元保証書というのが名目的なものになりつつあるように思うんですけれども、この点を十分に検討していただきたいと思います。  それから次は、文部省に対しまして、今法務省入管御当局の方から言われました学校の適格性の問題ですね。入学許可証を発給するところの日本語学校の実態について文部省に質問したいと思うんですけれども、今法務省の方から言われました各種学校であれば大体法務省の方はそれをオーケーするようでありますが、各種学校で日本語を教えている学校の設置基準あるいはその監督はどういうふうになっておりますでしょうか。

坂元弘直文部省高等教育局私学部長

○説明員(坂元弘直君) お答えいたします。  日本語学校あるいはその他の調理の学校とかという個別に私ども設置基準を、各種学校規程を定めておりませんで、一般的に各種学校規程を定めているところでございます。その各種学校規程に基づきまして、各各種学校の監督庁であります各都道府県知事がそれに基づいて認可をし、監督指導しているところでございますが、私どもが定めております各種学校規程は、例えば修業年限は原則として一年以上、それから年間授業時数は六百八十時間以上、それから教員の数につきましては、ここは人数が何人いれば何人の教員が必要だというようなかちっとした定め方ではありませんで、学生、生徒数に応じた必要な教員数というふうに定めておりまして、ただし最小限三人以上いなければいけないというふうに定めております。それから校舎は一人当たり二・三一平米以上、ただし最低百十五・七平米を下ってはならないというような定め方を一般的にしておりまして、これは日本語学校あるいはその他の調理学校等を含めた一般的な共通の規定、基準でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 そういった学校の設置基準、認可のときはよく調査してやると思うんですけれども、一度認可されてしまうと、その後の監督が必ずしも十分に行われていないんではないか。設置のときは教授何人、先生が何人というふうにやるけれども、ただ名目だけで実際には一人か二人しかいないとか、あるいは学校が何平方メートルなきゃならないとなっていますけれども、実際にはワンルームマンションみたいなところでやっているとか、ワンルームマンションというのはちょっとひど過ぎますけれども、実際にはそのとおりになってない。したがって、設置のときだけじゃなしにその後どういうふうになっているかということについて、監督は都道府県知事ですけれども、その監督の方を十分にやっていただきたい。これは希望しておきます。  それから、そういった各種学校の場合はまだいいんです。この新聞によりますと各種学校に至らないいわゆる日本語学校、塾と申しますか、株式会社とかいろんな設置形態があるようですけれども、これは文部省の監督が及ばないわけですね。それでいわば野放し状態になっていると思うんですけれども、法務省は各種学校でなければ入学許可は与えないわけですか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 先ほど適格校の適格性につきまして、文部省令の各種学校規程に準ずる教育施設であることを要件としている、これが法務省の就学校先の適格校の適格性の基準でございます。したがって、各種学校に至らない、あるいは各種学校としては認可し得ないようなものでも、設備とか授業日数とか教員数について、この文部省令に書かれていることに準じていると法務省で判断いたしまして、適格校の適格性を判断しております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 これも設置のときは何とかそれを満たしているでしょう。しかし、これも一たん設置許可、認可を受けますと、先ほどワンルームマンションと言いましたが、私は実際にそれを見たことがあるんですけれども、一度認可されてしまうと、その後で一々ビザの請求のたびに法務省は見られるわけでもないでしょうし、この監督はどういうふうにしておられますか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 仰せのとおり、認可といいますか、私ども法務省入国管理局の場合は、適格校であるということを認める場合に認可という言葉は使っておりません。適格校であるということで、あるリストに入れる。適格校リストと称しておりますが、それに入れる際には十分な審査を、実地に見に行きまして、それでいろいろ関係者に事情聴取をいたしまして適格であるという判断をいたします。その後、これは随時行っているというわけにもいきませんので、学生が期間更新をしてきたり、あるいは資格の変更を要請してきたり、そういう在留期間中に在留関係で入管に出てくる場合がありますが、そのような場合に学校の様子をいろいろ聞いたりなんかすることはございますけれども、制度として随時定期的に点検するとかそういうことはやっておりません。しかし、時々あの学校については問題があるというような情報が入ることがございます。そういうようなときには実地に調べに参りまして、これは不適格であるというような判断をいたしますときには適格絞リストから除外いたします。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 こういった各種学校でないものは、結局文部省が直接にどうする、こうするという権限はないだろうと思いますけれども、やはりそういう学校が自助的にといいますか、自発的に内容をよくしていくような努力を助けることが必要じゃないか。何か文部省の方では全国日本語教育機関振興協会というのをつくって、これに加盟している学校がお互いに相互監視ですか、そういうことをやっているという話を聞いたのですけれども、この目的は一体どういうところにあるんですか。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) この全国日本語教育機関振興協会は、大学関係で日本語を教えているところがございます、それから今先生がおっしゃいました専修学校、各種学校というところがございますが、こういったところが日本語教育の水準を向上しよう、日本語教育の内容を向上しよう、こういう角度から自主的に団体をつくって活動を始めておるものでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それは別にそこに入っているから入国管理局がビザを許可する場合に取りやすいというのじゃなしに、それと関係なしに、お互いに内容を高めていこうというものでございますね。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) 日本語教育の水準を向上しようという目的でございますが、多種多様にわたります日本語学校関係の中では、やはり大学とか専修学校、各種学校でございますので水準は非常に高いものが多いというものでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 何か法務省の方でも外国人就学生受入機関協議会というふうなものをつくっておられ、その対象になっているのは今の文部省のものと大体同じようなものですか。それともその目的は一体どういうところにあるんですか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 法務省の方は学校の教育内容というよりも、むしろ学生の入国後の在留に関連して問題にならないようにということが目的でございまして、外国人就学生及び外国人の就学先の学校同士で、就学生の入国在留中の問題がなるべく起きないように、あるいは入国在留が適正に行われるようにということで、関係の学校側が自発的にそういう目的で一つの協議会をつくろうじゃないかというような目的、趣旨に沿って設立されたものでございまして、日本語の教育の内容ということに重点を置いたものではございません。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 その協議会に入っている学校は、やはりビザの発行の場合に有利な取り扱いを受けるということになりますか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) この協議会は受け入れ先校方が多数集まって自主的に今申し上げましたような目的でつくられたものでございますけれども、そのほかに、法務省としては先ほど申し上げました適格性を判断いたしましてつくります適格校リストというものがございます。今の時点で百二十二校が協議会のメンバーでございますが、適格校として認定しておりますのが、日本語学校について申しますと百八十校ございますので、数としては適格校の方が多いわけです。したがって、協議会に入っているからということと、それから適格校であるということはちょっと別なリストであるというふうにお考えいただきたいと思います。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 文部省の方にもお願いしたいんですが、法務省の方の適格校に入れるように内容を高めていく、単に日本語教育のレベルを高めていくだけじゃなしに、そういった法務省の方とも連絡をとって、今それに入っている学校が三十三校とかなんとか聞きましたけれども、それに入っている学校はほとんど法務省の方でも適格校として認める、そういうふうなお互いの連絡をとっていただきたいということが一つ。  それからもう一つは、各種学校に入っていないそういったものもできるだけ各種学校に格上げするように、特に各種学校はいろいろたくさんありますけれども、日本語だけを教えている日本語教育のための各種学校、これについては例えば留学生対策としての日本語教育のために何らかの補助をするとか、そういうことは考えていただけないでしょうか。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) 先ほど来お話ございますように、多様な日本語学校の中には各種学校、専修学校になっていないものもあるわけでございます。文部省は直接の監督といったものをするというシステムにはなっていないわけでございますが、やはり日本語教育の水準を向上するという角度から、例えば研究協力校の指定というものを文部省の方で行いまして、これに若干でございますが委託費を出しまして教授法の開発であるとか、あるいは教材の開発であるとか、そういうことはやっております。また、日本語教育研究協議会というものを開催いたしまして、これは各種学校、専修学校だけでなく、そういう学校もお加わりいただいて、お互いに研究、協議をするという機会も設けておりますし、ごく最近は日本語教育能力検定試験というものを初めて実施いたしまして、そういったところで教えていらっしゃる先生方、あるいはこれからそういうところの先生になろうという人の専門性の向上のためにそういう試験を始めたというところでございます。そういうことで日本語教育の水準の向上という観点からそういった日本語学校等につきましていろいろな施策を講じておるわけでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 日本人でそういう日本語学校に入る人はほとんどいないと思いますので、これは結局外国人対象でしょう、今おっしゃったのは。そうすると、入管協会なんかがつくっておられるのもやはり外国人を対象にした学校ですね。両者の間でもう少し連絡をとって内容については文部省の方で努力をするとか、それから適格性については法務省の方でアドバイスをするとか、両方が協力してやったらいいんじゃないかと思うんですが、何か連絡をとっておられますか。

植木浩文部省学術国際局長

○説明員(植木浩君) 法務省とは事務的に適宜連絡をとっていろいろ協議をいたしております。特に本年度は、今先生がいろいろと御指摘になっておられます日本語学校の質的な向上をさらに図ろうということでその教育内容とか教育期間などにつきまして標準的な基準を策定したい、こういうことで文部省として検討に着手することといたしております。したがいまして、今後ともさらに法務省とも十分連絡をとりまして日本語教育の振興を図ってまいりたいと思っております。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 法務省といたしましても、最近の留学生問題の重要性がクローズアップされてきている状況にもかんがみ、文部省とも十分な連絡をとりつつ、いろいろ行政を行っておるわけでございます。特にこの適格性の問題につきましては、やはり御指摘のように文部省系統とそれから法務省系統の二つの何か基準のようなものがあるというようなことも指摘されておりますので、その点も含めて文部省と連絡をとりつつ協議をやっているところでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 別に官庁の縄張り争いの問題でも何でもないわけですから、ぜひ両省協力してやっていただきたいということを申し述べて留学生問題についてはそれで終わりにしまして、次は、外国人労働者の問題を質問いたします。  物、金の国際化に伴いまして、人の国際化もそれに伴って盛んになってくる。そのこと自体奨励すべきことであるんですけれども、物、金と違って人の場合は人間関係、いろいろな社会関係を生み出してまいりますので、どうしても人種的なフリクションの問題であるとかあるいは社会問題なんかを生み出すわけでございます。これを無制限に入れるということになりますと国際的な摩擦をもたらすことになる。かえって国際交流の目的に反する結果さえ生むことが予想されるわけでございます。国際交流といいますか国際人流といいますか人間の流れ、そのメリットを生かしながらデメリットをできるだけ少なくしていくにはどうしたらいいか。実は私にもいい考え方はないんですけれども、その問題について若干質問したいと思います。  入国管理法で規定しておられる商用とかあるいは日本人で代替できない熟練労働者、四条一項の五でありますとか七であるとか九であるとか十二、十三、こういったことは今後もふえるだろうし、またふえることを私は歓迎すべきことだろうと思うんです。ところが問題は、今まで四条の一項の十六の三で在留を許可される人たち、これについて入管法の改正をやっておられるということは前の機会に質問したときにもお答えいただいたんですが、それでこの条項で入国してくる人は一年間にどのくらいおりますか。それからまた、どういった種類の人が多いですか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 四条一項十六の四―一―十六―三と我々は言っておりますが、昨年一年間ということでお答え申し上げます。  昨年一年間、このカテゴリーで入国いたしました外国人の総数は五万九千七百九十九名でございます。そのうち、入国目的別で内訳を申し上げますと、いわゆる短期滞在、これは親族訪問とか友人訪問とかというそういうような短期滞在でございますが、三万二千七十六名、これが全体の五三・六%でございます。それから就学目的で来ますのが一万三千九百十五名、これが二三・三%になっております。それから定住ということで、このカテゴリーで認めますのが二千八百三十五名、四・七%、それから英語の教師とかその他外国語の教師等で参ります教師が千七百十八名、二・九%、それから既に入っている人たちに同伴または同居するために入ってくるというのもございますが、千六百十八名、二・七%、それからワーキングホリデーという制度がございますが、それで入ってまいりますのが千二百三十一名、二・一%、それから商用でという目的で、このカテゴリーで入ってくる者もおりますが、七百八十七名、一・三%、それから一般就職が七百五十六名、一・三%、その他四千八百六十三名の人がこのカテゴリーで入っております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 閣議決定でいわゆる単純労働者は入れないということになっておりますし、それから法務省、労働省それぞれ研究会をつくって外国人労働者の入国問題について研究しておられるようでございます。法務省の方でも、入管協会で外国人労働者入国問題検討委員会というのをごく最近つくられてその報告が出ているようですけれども、これもやはり単純労働者の入国は慎重にすべきである、しかし専門技術者であるとか日本固有の文化を習得しようとする者の入国は拡大すべきだというふうに報告があったと承知しております。  それから、労働省の方では職業安定局ですか、の団体として外国人労働者問題研究会でも報告書を出しておられて、ここでも単純労働者は入れるべきではない、ただし中間労働者についてはもっと緩和すべきである、そういうふうに報告を出しておられると思います。これは大体において、外国人労働者の問題については月刊雑誌、総合雑誌なんかでほとんど毎月のように議論されておりますが、すべて何もかも自由に入れるという議論はほとんどないように思いますし、現状のままでいいという議論も余りないように思います。やはりある程度拡大していく、ただし単純労働者は入れるべきでない、こういう論が大体において国民のコンセンサスを得つつあるんじゃないかと思うんです。  ただ、問題は労働省で言われる中間労働者といいますか単純労働者、それから日本人をもって代替しがたいような特殊の技術を持っている人、これは問題ないんですけれども、中間労働者というのがこれが非常に問題になってくるんじゃないか、どこまで入れたらいいかですね。例えばけさのサンケイ新聞で、建設市場に対して韓国との間でも交渉ができて、日本も韓国の建設市場に乗り入れるかわりに韓国の建設業者も日本の市場に乗り入れる、それを認める、これは新聞の観測記事かもしれませんけれども、そういう記事が出ておりました。そうなってきますと、例えば工場の設計者なんか問題ないだろうと思いますけれども、工事の監督をする人を認めるのかどうか、あるいは韓国の会社の事務職員を認めるかどうか、これは大変難しい問題だと思うんです。労働省の方それから法務省の方としてどの範囲まで入れたらいいというふうに現在のところお考えでしょうか。労働省と法務省それぞれお答え願いたいと思います。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 技能労働者でもない、いわゆる単純労働者でもないという労働者が果たしてどういうものであるのかということにつきまして、あるいはあるとすればどういうような入れ方でどの程度入れるべきかということはおっしゃるとおり非常に難しい問題でございまして、法務省としては今結論を持っておりません。労働省等の関係省庁、関係諸団体等の意見を求めながら、これから慎重に検討して適正、妥当な線引きをしてまいりたいと思っているところでございます。

岡部晃三労働省職業安定局長

○説明員(岡部晃三君) 先生御指摘のように、労働省の研究会の報告書では、相当程度以上の知識、判断力、技術、技能等を要する専門的技術的なまたは管理的な職業でありまして、労働市場の状況から判断いたしまして国内で確保困難なものについては拡大の方向で検討することが必要であるというふうに指摘をされております。  そこで、この単純労働者という概念規定が現在あるわけではございませんで、これは俗語でございまして、受け入れるべきそのような知識的技能的なグループの対極にあるものとしていわば俗語として使われているにすぎないわけでございます。したがいまして、今後の政策といたしまして、どの範囲を受け入れるかということが仮に決まりましたといたしました場合には、そうでないグループの中で、いわばアンスキルドワーカーというふうな部類の方々を単純労働者として把握することに相なろうかと思います。  それではどの程度のものを入れるのかというお尋ねでございますが、労働省におきましては今回外国人労働者に関する懇談会と申しますか調査会を発足させたわけでございますが、この場等を通じまして今後受け入れを行っていく外国人労働者の範囲につきましていろいろな角度から具体的に検討を進めていく、このような予定でいるところでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 その中間の労働者の範囲、これは大変難しい問題で、余りこれを厳重にするとまた商品の非関税障壁と同じような批判が出てくるだろうと思うし、余り緩やかにすると日本の労働市場が非常に混乱してくる、その危険も非常にあるわけです。私もどうしたらいいかということを聞かれても名案はないんですけれども、これは両方法務省も労働省もよく相談してその範囲を決めていただきたいということが一つ。  それからもう一つは、入国を許可する資格として、法務省の方は今の十六―三ですか、これをもっと細かく規定して、こういう資格の者は入れるという方針のように承っておりますが、労働省の方では日本の企業が雇用する雇用契約といいますか、労働省に申請して雇用許可を得た者を入国の場合の一つの条件にすべきじゃないかというふうに提案されているようですけれども、これは間違いございませんか。

岡部晃三労働省職業安定局長

○説明員(岡部晃三君) 研究会の報告書におきまして雇用許可制度の導入が提起されておりますことは御指摘のとおりでございます。しかしながら、この雇用許可制度につきましては、現行の入管制度と関連づけた上での具体的な仕組み、手続等今後の検討にゆだねるところが極めて大きかろうと思うのでございます。  基本的な性格といたしましては、研究会報告書におきましては、雇用許可制度は外国人労働力に関する需給調整のための新たな対策、成果として位置づけられるものであり、労働関係法令の適用関係との整合性も必要とされる労働政策上の制度であると言えるが、現行の入国・在留管理の制度を補強するものとして構想していくととが適当であろう、このように言われているわけでございます。しかしながら、現行の入管制度との調整と申しますかすり合わせということが極めてこれは大事な部分であろうと考えています。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 そういった労働省の方針が発表されましたら、法務省の審議官の方ですか、もちろん個人的な意見でしょうけれども、それに対して反論を早速発表されまして、入国許可のほかに雇用許可を得るということはかえって煩瑣にするとか、あるいは内外人の労働者を無差別にするのが労働法の目的であるのに労働法の精神に反するとか、あるいは日本の永住者、協定による永住者の人たちが困るようになってくる、その人たちが就職できなくなってくるであろうという反論を早速出されました。我々が聞いていますと、ああまた役所の権限争いが始まったなという印象を持つんですけれども、法務省の考え方としては、審議官個人の意見でしょうけれども、大体その線を考えておられるというふうに理解してよろしゅうございますか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 雇用許可制度の構想は私どもとしてもまだ研究会が労働大臣に対して行った報告の中で提言されたものであって、その制度についていまだ労働省として正式の立場をおとりになっていない、あるいは導入を決定されたというふうには承知しておりませんので、内容を労働省の方々から事務的に伺ったところに従いまして、先般入管局の審議官が個人的なメモということで意見を出したわけでございます。これは労働省がまだ正式に導入を決定したわけではないというそういう段階であり、こちらも省としてあるいは局としての意見を正式に出すことができないという段階でございますので、そういう対応をさしていただいたわけでございます。今委員御指摘のようないろいろな問題点があるのではなかろうかというようなことで、反論的なコメントを審議官の名前でメモという形で出したというのが経緯でございますので、そのとおりでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 もう時間がなくなったので質問を打ち切りますけれども、雇用許可というのは必ずしも日本だけのアイデアでなしにヨーロッパ諸国でもやっていますね。雇用許可を入国の一つの条件にするということは西ドイツなんかでやっているように思うんですが、違いますか。

熊谷直博法務省入国管理局長

○説明員(熊谷直博君) 雇用許可、これは労働省の方がお調べになっていると思いますけれども、雇用許可というのではなくて労働許可、それは西ドイツ、フランスその他ヨーロッパ諸国では労働許可という、個人に与える許可ということではやっているように聞いております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 労働省の報告書もその趣旨だと思うんですけれども、私はこれは必ずしも両者の主張は正反対のものではなしに、入国許可の一つの条件として、それがなければだめなんだ、それがあっても直ちに入国させるというのではなしに、必要にして十分な条件ではない、しかし、必要条件の一つであるというふうに考えれば、両方がそういがみ合う必要はない問題じゃないかと思うんです。  最後に両大臣に、それぞれの省庁の立場ではなしに国務大臣として、この問題はやっぱり早く結末をつける必要があると思うんです、先ほど申しましたように建設市場の開放の問題なんかが起こってきますと。ぜひ至急早く解決をつける必要があると思いますので、両大臣に国務大臣としての立場からこの問題についての考え方をお伺いして質問を終わります。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(林田悠紀夫君) 労働省と十分協議をいたしまして、できるだけ早く結論が出るように努力をしていきたいと思います。

中村太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(中村太郎君) 委員御指摘のとおりでございまして、受け入れ問題につきましては労働省はかねてから検討してまいった次第でございますけれども、ただ単に労働市場への影響だけにとどまらず、経済社会全般への重大な影響を及ぼすことでございますので、それだけに慎重でなければなりませんし、私としましては労使間あるいは関係者の意見を十分拝聴しながら、法務省を初め関係当局の論議を尽くして、いやしくも国際的に指弾を受けることのないような制度の創設に向けまして検討してまいりたいと考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○委員長(穐山篤君) 他に御発言もないようですから、本日の質疑はこの程度といたします。  次回の委員会は明二十七日午前十時に開会し、総括的質疑第二回を行うことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十八分散会

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