外交・総合安全保障に関する調査会国際経済・社会小委員会 第1号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1988/02/19
会議録
○小委員長(矢田部理君) ただいまから外交・総合安全保障に関する調査会国際経済・社会小委員会を開会いたします。 最初に一言ごあいさつを申し上げます。 私、このたび国際経済・社会小委員長に選任されました。小委員各位の御支援をいただきまして公正かつ円滑な委員会の運営に努め、責任を全うしたいと存じますので、何とぞよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。(拍手) ─────────────
○小委員長(矢田部理君) 国際経済・社会問題に関する件を議題とし、昭和六十三年度ODA関係予算及びODA執行上の問題点について、政府から順次説明を聴取いたします。 それでは、まず外務省から説明を聴取いたします。経済協力局久保田審議官、お願いいたします。
○説明員(久保田穰君) それでは御指名によりまして、外務省経済協力局審議官久保田でございますが、六十三年度ODA予算及びその問題点ないし今後の方向性ということについて御説明申し上げます。 近年、開発途上国の経済は、輸出の不振、一次産品価格の低下等の影響で経済成長が低迷しておりまして、加えまして累積債務問題という大きな重圧がかかっておる状況にございます。 その中にあって、我が国は、自由世界第二位の経済力にふさわしい政府開発援助の拡充を通じまして国際的責務を果たすということが、諸外国から強く期待されておる次第でございます。 このために、ODAの中期目標を設定いたしまして、経済対策閣僚会議、これは昨年の五月でございますが、その緊急経済対策では、第三次中期目標の極力早期達成、少なくとも七年倍増目標の二年繰り上げ、三年間で新たに官民合わせて二百億ドル以上の資金還流計画、それからアフリカ諸国等、後発開発途上国に対する三年間五億ドルのノンプロジェクト無償資金協力という諸項目を決定いたした次第でございます。 これらは諸外国から高い評価を受けておりまして、厳しい財政状況のもとではありますが、引き続いて政府としては開発援助の拡充に努めるよう、内外に明らかにしている次第でございます。 第三次中期目標、これは六十一年から六十七年でございますが、その第一年目に当たります六十一年の我が国ODA実績は五十六億ドル、九千四百九十五億円でございまして、基準年の六十年の三十八億ドルすなわち九千五十七億円、基準年の三十八億ドルを倍額、七十六億ドルというものに引き上げる内容が盛り込まれておるわけですが、基準年に比べまして四八・四%の大幅増加を見ておるわけでございます。 二年目に当たる六十二年におきましても、大幅な円高の関係もございまして、ドルベースでは前年実績をさらに大幅に上回る伸び率が見込まれております。現在、この倍増目標の部分は事実上達成されてしまうのではないかという見通しに立っております。 お手元には「六十三年度ODA一般会計政府原案(政府全体)」という表題をつけましたペーパーを資料としてお配りしております。これをごらんいただきたいわけでございますが、六十三年度のODA予算におきましては、我が国の国際的な貢献に対する諸外国の期待にこたえようということで、政府としまして最大限の努力を払いました。そして前年度を上回る高い伸び率をODAにおいては確保したということでございます。 六十三年度、一番右端のコラムの一番下に六・五とございますが、このように六・五%という、全体で前年度の五・八%の伸びに比べまして大幅に伸びたということでございます。これはもちろん防衛予算等主要な予算項目の中で最高の伸び率ということでございます。 内訳としましては、まず無償資金協力、技術協力等で構成される一番上の段のIの贈与のうちのさらに1二国間贈与とございますが、これが三千七百六十五億円で前年度比六・三%の伸び、これに国際機関への出資、拠出を加えました贈与予算全体は四千五百十五億円。この六十三年度の右端のコラムの一番上の数字でございますが、これが四千五百十五億円、前年度比六・四%増でございます。 二国間贈与のうち、経済開発等援助、(1)の経済開発等援助という項目がございますが、これは先ほど申し上げましたアフリカなどに対するノンプロジェクト、プロジェクトをつくるのではなく、商品援助等の形態によりますノンプロジェクト援助の第二年目という中身も含まれております。百三十一億円増で千四百七十一億円、前年度比九・八%増という非常に高い伸びを示しております。 今申し上げた九・八%増の項目と、その二段下の(3)の技術協力一〇・七%増というこの無償と技術協力の伸びをもちまして質の改善に非常に寄与しているという項目でございます。 それから借款でございますが、Ⅱの項目の借款、これは二千四百九十五億円、対前年度比六・七%増でございます。このうち、海外経済協力基金が二千四百五十三億円、七・六%増ということになってございます。 以上の一般会計に財政投融資やそれから国際機関に対する国債での払い込み等を含めました六十三年度ODA事業予算は全体で対前年度比八・八%増の一兆三千五百億円、これがすなわちドルに換算しますと百億ドルの規模になるわけでございます。 それから、三枚目のページをめくっていただきまして、縦書きにリストアップしている表の下の段の昭和六十三年度外務省ODA一般会計予算でございますが、これは後ほど関係各省の方から各省の予算の御説明があるとは思いますが、それに加えまして、外務省の予算の状況でございます。そこにございます外務省のODA予算六・三%増、三千二百九十七億円でございます。この伸び率は六十二年度の外務省予算の伸び率五・三%増を上回っております。これは政府全体の先ほどの六・五%増に比べますとそれを下回っておりますが、外務省のODA予算の中身としましては外貨予算、外貨関連予算というものの占める比率、すなわち国際機関に対する拠出金というような部分が多いために、伸び率としては一般の分を下回っております。 外務省ODA予算は無償資金協力、経済開発等援助費という名目でございますが、これと国際協力事業団、JICAに対する事業費、それから国際機関への分担金、拠出金というこの三本柱になっております。この主要の三項目で三千二十九億円、ODA一般予算の約九割を占めております。 無償資金協力の内訳は、一般無償千三百三十一億円がございまして、これは対前年度比百三十三億円増でございまして、それから水産無償の百億円、災害無償としまして二十億円、それから文化無償として二十億円という金額を計上しております。 次に、JICAの技術協力事業費は、前年度比五・二%増の一千八十六億円でございまして、主なものは研修員受け入れ事業の拡充、これは従来四千九百二十名でありましたが、二百人増加を見まして五千百二十人。それから青年招聘事業の充実、これは太平洋地域からの招聘数を八十名増ということになりまして、全体で一千百名の青年を招聘することになりました。それから専門家派遣事業の拡充、これは四十名の増を見て、一千二百六十五名になっております。 それから今年度は開発途上国で生産管理、経営面で指導を行う民間技能者百二十名の派遣、民活利用の技術協力という項目が新たにできた次第でございます。 それから青年海外協力隊は派遣数九百十名、前年に比べまして三十名の増加を見ました。それから青年協力隊の募集対策のための費用、帰国隊員の就職等対策費、就職等のいろんな問題がございますが、これに対する対策費の充実等を行っております。 以上に加えまして、経済協力のプロジェクトの形成の確認、それから終了した案件の評価、こういうものを行うための予算の充実ということで、援助効率促進費という名目で八億九千三百万円というものを計上しております。 また、実施体制の強化ということで、JICAの定員は六名の純増を見まして、総計九百八十名となっております。 また国際機関への分担金、拠出金でございますが、ODA分で前年度比八・五%減、四百七十二億円、外貨建てのために減っております。 それから、その他の項目としまして、我が国のODAを理解してもらうために、開発教育関係費、適正かつ効果的な経済協力の実施を確保するための経済協力評価調査費、それに経済協力情報処理関連の経費を増額しております。 次に、以上の予算の状況を踏まえまして、今後の我が国のODAというものに対する課題、それから方向性という点に触れてみたいと思います。 まず我が国のODAの量は、絶対量で米国に次いで第二位でございますが、国力に応じた貢献度の指標である対GNP比率では〇・二九%、それから質におきましても非常に低いということは、ここにおられる諸先生方もそれぞれ経済協力に関する権威の方々ばかりでございますので常々お聞き及びであると思う次第でございます。 昨年のベネチア・サミットにおきましても、御承知のように国際的にはこのGNP比率というものを引き上げるべしという声が非常に日本に対して強かったわけでございます。世界に貢献する平和国家日本という立場からしまして、ここがまず第一に課題になっていると思います。 さらに、質の面について敷衍いたしますと、贈与比率、グラントエレメントという部分がございますが、これはお配りしたこの表の次のページ、横長の横棒グラフのリストをごらんになりながらお聞き願いたいんですが、この右から三番目のところに贈与比率、それから二番目がグラントエレメントとなってございますが、この贈与比率、グラントエレメント、ともに日本としましては前年に比べまして若干改善を見ております。前年、八五年四七・五%の贈与比率が六〇・七%になり、グラントエレメントも七三・六%から八一・七%になっておるわけですが、DAC諸国全体としましては、日本は十八位ということで最下位であることに変わりはなく、今後とも努力が必要ということでございます。 相手国のニーズに応じた援助を効果的に行っていくということがかねがね課題でございますけれども、これにつきましても努力をしておりまして、昨年一月、国際協力事業団に各方面の有識者の参加を得まして国別・分野別援助検討パネルというものを設置して、ここで集中的に討議をしております。フィリピン、タイ、インドという国について現在作業を行い、かつまた完了しておりますけれども、こういった方向で国別のきめの細かい援助を実施していきたいと思っております。 また、現在の途上国の傾向としまして、経済状況の悪化を踏まえて大きなプロジェクト、それもさることながら同時にノンプロジェクト、商品援助タイプのものを非常に緊急的に必要としているということでアフリカへの五億ドルのノンプロジェクト、無償援助に見ますように、または経済支援借款という借款の分野でも見られますように、そういった弾力的な経済協力の運用ということが必要になっております。 また、適切な援助の実施ということから、事前調査の拡充、評価の充実、アフターケア援助の実施等が必要になっております。このような見地から、外務省としましても、有識者、外部の機関、第三者による評価、またはそれとの合同の評価、国際的な専門家、権威による評価等、種々工夫を凝らしまして現在実施しております。これらの結果は逐次評価報告書として公表いたしております。 次に、民間団体、NGOの役割が重要性を増しております。我々とNGOの果たす役割というものが、GツーGの援助と並んで重要性を増しつつあるという認識を持ちまして今後NGO支援を積極的にやっていくという方向づけを持っております。NGOの活動としては、その主体性、自主性というのが何よりも大事なわけでして、その辺を十分尊重しつつ今後研究、検討をしていきたいと思っております。 また、国民の一層の理解と支援を得るために十月六日、国際協力の日というものを設置しまして、これに向けて国民的な意識の高まりというものを期待している次第でございます。 また、企業名の公表、トランスペアレンシーと申しますか、この経済協力の中身を国民によく知ってもらうということもこれにあわせて大事でございますので、情報公開という面にも努力しており、広報の強化または開発教育の振興ということにも力を入れていく考えでございます。 最後に、援助体制の実施につきましては、この援助事業を効果的かつきめ細かく実施するためには何よりも現場の仕事が大事でございまして、在外公館それから実施機関の事務所の強化というものを含めた実施体制の強化、なかんずく援助実施要員の拡充というものに重点を置いております。 我が国の経済協力の現状というものは、援助量が非常に大きいという割にはそれに携わる人数が他の主要援助国に比べますと少ないということが言えるわけでございます。JICAに至っては、過去十四年、事業量の大幅な伸びに対して、それとの比較においては、定員はむしろ減少していると言えるような実情にあります。行政改革の折ではございますが、今後ともぜひこれらに対しまして御援助をいただきまして思い切った強化策を得たいというふうに思っております。 それから、援助行政その他援助実施に携わる人材の養成ということも不可欠でございます。 昨年十一月、JICAに国際協力センターを設立するなど、この養成に努めておりますが、今後はさらに国際開発大学というものを設立しようということで検討会議を開きまして、昨年七月、外務大臣に対しまして報告書の提出を受けております。その中で、日本の大学が他国と比べまして非常にまだ開発援助の分野で人材の育成ということに立ちおくれておるという認識を我々は持っております。こういったような方面にも今後力を入れていきたいと思っている次第でございます。 以上をもちまして、簡単でございますが、説明といたさせていただきます。
○小委員長(矢田部理君) ありがとうございました。 次に、大蔵省から説明を聴取いたします。国際金融局岩崎次長。
○政府委員(岩崎文哉君) 国際金融局の岩崎でございます。大蔵省所管のODA予算を御説明いたします。 大蔵省所管の予算でございますけれども、国庫を預かる役所として経済協力基金への出資金及び各種国際機関への出資金というものがその主なものでございます。 お手元に封筒に入れてお配りした表の一ページでございますが、六十三年度予算(案)という合計欄でございますが、二千八百二十二億六千五百万円をお願いしております。これは昨年の予算額二千六百五十億八千万円からプラス六・五%の伸びでございます。 個別の費目でこの伸びを分けてみますると、1の海外経済協力基金出資金千九百四十億円が二千百十五億円、プラス九%と一番大きい伸びになっております。 次の項目でございます経済協力費は、ごらんのとおりほとんどゼロということで、中での項目ごとの振りかえでやりくりをいたしております。 3から8の各種国際機関への出資金でございますが、これはドルベースで出しておるものもございまして、例の為替のレートの円高になりました結果、伸び率としましては、3から8を合計いたしまして三角の二・一%と、円ベースでは減の数字になっております。 さらに、この大蔵省の予算を分けて考えてみますると、1の海外経済協力基金出資金及び2の(1)食糧増産等援助費、この二つの項目がいわゆるバイの、二国間直接の援助の費目でございます。それ以外の項目は国際機関を通ずるいわゆるマルチの援助の費目になっております。このような分けをいたしますると、六十二年度のマルチとバイの比率は、六十二年度が、バイの予算が九三・八%、マルチが六・二%ということで、ほとんどバイ中心でございましたのが、六十三年度におきましてはバイが九一・二%、マルチ八・八%と、若干ではございますが、国際機関を通ずる資金協力というものをふやしていただいたというやりくりになっております。そういうマルチとバイの伸び率ということで計算をし直しますると、バイの援助の伸びがプラス三・六%、それからマルチの援助の伸び率がプラス五二・二%ということで、いずれも援助の伸び率を確保しているということになります。 個々の費目の御説明を簡単にいたします。 海外経済協力基金出資金でございますが、海外経済協力基金は、東南アジアその他の開発途上における海外の地域の産業の開発または経済の安定に寄与するため、資金の供給等の業務を行い、海外経済協力を促進するために設置されております。その財務体質の強化を図り、必要とされる業務の遂行を可能ならしめるために出資金を増額するものでございます。これは既に御聴取のOECFの活動のために要する資金でございます。 2の(1)食糧増産等援助費でございますが、これは食糧増産援助費及びKR、ケネディ・ラウンド食糧援助費でございますが、開発途上国のニーズをも踏まえ、六十二年度並みの援助量を確保することとした。最近における円高効果及び小麦価格の低下等により金額ベースでは減額になっております。ただ、数量におきましては昨年並みを確保できたということになっております。 (2)のアジア開発銀行等拠出金、これのさらに細目は下に参考として掲げてございます。後ほど御説明いたしますが、全体の概要といたしましては、例の百億ドル、さきに発表いたしました百億ドルの資金還流構想及び続いて昨年発表いたしました二百億ドルの還流構想、これを合わせまして三百億ドルの資金還流、これを円滑に実施するため六十二年度に認められた国際復興開発銀行特別協力拠出金、これはその下の参考欄の真ん中辺にございますが、六十億円というものがございます。これにつき六十三年度において百五億円に増額いたしております。これはさらに、ここにございませんが、補正予算でプラス三十億円ついてございまして、実は六十二年度補正後でいきますと六十億円というのが九十億円になっております。したがいまして九十億円六十二年度補正後でお願いしたものを百五億円に伸ばしていただいたということでございます。 それと同様のものをアジア開発銀行及び米州開発銀行にも特別協力拠出金として二十億円及び三十五億円を新たに計上しております。これは参考の欄の三行目及び下から二行目に書いてございます。 これ若干御説明をいたしますと、このグラントでございまして、これを各国際機関に拠出をいたしまして、その国際機関と日本政府が協議をいたしまして、プロジェクトの発掘及びいわゆる新しい形のセクターと申します分野別の融資あるいはその国の経済政策全体に対する融資、構造調整融資、そういうものを促進するための費用に充てる、こういうことによってそれらの機関の資金需要を拡大させる。その結果、それらの機関の資金需要の拡大された分を日本の民間資本市場からの資金調達の拡大に充てる。したがって結果的に日本の黒字資金が還流を促進される、国際機関を媒介として日本の黒字を還流するための誘い水的な役割を果たさせる、こういう性質のものでございます。これをさきに世界銀行に出しましたものと同様のスキームをアジア開発銀行及び米州開発銀行、日本が加盟しております国際機関でございます、それぞれに設けるというのがこの趣旨でございます。 このほか資金還流にかかわる予算措置として、国際通貨基金特別勘定拠出金というのがございます。これも参考の下から二行目にございますが、二十六億三千五百万円いただいております。これはIMF、国際通貨基金でございますが、これが極貧国を対象に十年無利子と手数料〇・五%という特別な新しい融資制度を設ける。それで各国間の拠出を求めるという動きがございました。これに日本が応ずるための拠出金でございます。実はその一つ下に国際開発協会特別協力拠出金四十二億円というのが昨年度までついてございました。今年度はゼロになっておりますが、これは過去三年間、例のサブサハラに対する世界銀行による特別の支援というために拠出をしておりましたものが昨年終了いたしまして打ちどめになったものでございます。いわば、国際開発協会特別協力拠出金が終了し、それに続く極貧累積債務国対策としての手当てがこの国際通貨基金特別勘定拠出金という形になったというふうに見てもよろしいかと思います。 そのほかの予算項目といたしましては、国際金融公社によるアジア及びアフリカ地域における開発計画の策定、実施に対する技術援助のための拠出。それから、六十二年度に認められた国際復興開発銀行における日本の資金による奨学金制度への拠出、あるいはコンサルタント派遣のための拠出並びに世銀の経済協力セミナーのための拠出を引き続いて行うということで、ソフト面での充実も図ることにしております。また、六十三年度において新規にアジア開発銀行における日本の資金による途上国学生の奨学金制度のための拠出も予算計上いたしております。 このような形で参考に掲げましたように、アジア開発銀行等拠出金、昨年度百十七億八千二百四十三万四千円が二百三億七千二百八十七万九千円と八十六億円増をいただいておるわけでございます。 2の(3)でございます。国際開発金融機関協力経費三億二百万円が七千百万円と大きく減ってございます。これは昨年四月にアジア開発銀行年次総会が大阪で開かれました経費が六十三年度は不要になった。これは大成功に開催をいたしましたんでございますが、これが今年度はなくなったということに伴う減でございます。 そのほか各種出資金につきましては、従来からの継続のもの、それから新規に計上したものございますが、3の国際復興開発銀行出資金十六億八千百万円、これは日本の国際復興開発銀行に対する出資をプラス一・五%ふやすというための出資金でございます。これは日本がかねて要望しておりました発言権をふやすということが成功いたしまして、アメリカが二%投票権を放出いたしまして、それを日本ほかカナダ、オランダ、インドその他が分け合うということで増資がなったものでございます。日本の国際的な地位が向上し、発言力が増すということで、有効な措置であろうと思います。 国際金融公社出資金、一次産品共通基金出資金、米州投資公社出資金、多数国間投資保証機関出資金、それからアジア開発銀行出資金、これらはそれぞれの機関の出資に伴う出資金の計上でございますが、特に5、6、7のものにおきましては、昨年成立を見込んでおりましたものが成立しなかったことに伴って前年と同額の計上ということをやったものでございますけれども、為替のレートが変更になる、片や出資金はドルベースで出資をするということでございますので、金額が減っておるということでございます。 以上、簡単でございますが、大蔵省所管のODA予算の御説明を終わります。
○小委員長(矢田部理君) ありがとうございました。 次に、通商産業省から説明を聴取いたします。通商政策局南学経済協力部長。
○説明員(南学政明君) ただいま御紹介にあずかりました経済協力部長の南学でございます。 お手元に一枚紙で「昭和六十三年度通商産業省所管ODA予算の概要」、政府原案の内容を主要なところを網羅したペーパーが配られていると思いますが、それをもとにして説明させていただきます。 総括表、Iのところに通産省所管ODA予算全体が上の方に書いてございます。六十二年度予算が二百十三億でございましたが、六十三年度の原案では二百二十九億円が計上されております。伸び率といたしましては、六十二年度が六・一%増であったのに対し、六十三年度の原案はこれを上回る七・四%の増を計上させていただいております。このうち主要事業がその下に六つほど掲げられております。 まず第一の海外開発計画調査事業等でございますが、これは発展途上国の工業化のための調査協力に要する費用等でありまして、六十三年度では約八十億円を計上させていただいております。 第二が研修生受け入れ、民間専門家派遣事業等、人づくり協力に要する費用でありまして、六十六億円を計上させていただいております。 第三が発展途上国との研究協力に要する費用でありまして、十二億円弱を計上させていただいております。 第四が貿易産業振興協力事業、ジェトロが行っております日本からの投資あるいは貿易面への協力に要する費用でありまして、二十九億円弱を計上いたしております。 第五がアジア経済研究所、発展途上国の地域研究の充実を図る、推進を図るということのための費用でありまして、三十四億円を計上させていただいております。 以上が概要でありますが、予算の項目に従いましてそのうち主要な項目を下半分に明記いたしております。そのうちのまた主要なものについてコメントをさせていただきたいと思います。 まず第一が、アジア工業化総合調査事業の拡充ということで、この費用は六十三年度、対前年度に比べまして約倍増の四億円を計上させていただいております。発展途上国の多くは一次産品の輸出を主要な外貨獲得源といたしておるわけでありますが、発展途上国は、今一次産品価格の長期的な低迷あるいはその価格の短期的変動が極めて頻繁に行われるというような不安定な状態から極めて苦しい経済運営を余儀なくされているのが現状でございます。したがいまして、発展途上国いずれも自国の経済の自立のために一次産品以外の外貨獲得産業の育成ということを切望いたしているのが実情であります。こうした発展途上国のニーズにこたえまして、昨年一月、田村通産大臣はバンコクにおきまして新アジア工業化相互協力プラン、いわゆるニューAIDプランと言われておりますが、そうしたプランを提唱したわけでありますが、各国の首脳の大きな関心を呼び起こすに至っております。 このプランは、経済協力手段の一部をいろいろ活用いたしまして、発展途上国における外貨獲得産業の育成に寄与しようというものであります。例えば、ソフト面での協力、すなわち発展途上国の技術者の育成、あるいは日本市場にどのように商品を売り込んだら売り込め得るかというようなマーケティングの協力、あるいは製品改良指導事業等、いろいろなソフト面の協力が一つであります。また、第二がハード面の協力ということで、産業のインフラの整備等も重要であろうということで、その辺も考えていきたい。第三が、資金面の協力ということで、発展途上国の民間産業部門が設備投資をしようとするような場合に、その資金を供給していくというような考え方もこの構想の中には含まれているわけであります。 今、タイとかマレーシアからは既に要望が出されておりまして、JICAのスキームのもとで専門家を派遣いたしまして、タイ、マレーシアそれぞれがいかなる産業を今後の輸出有望産業として育てていくか、その辺の議論を詰めている段階でありまして、そのほか中国とか、あるいはフィリピン、インドネシア、パキスタン等からもいろいろな要望、要請が出されているところであります。そうした有望産業セクターについての詳細な調査をし、提言をするということのための費用がここに計上されたアジア工業化総合調査事業でございます。 第二の、主要項目の上から二番目、発展途上国貿易促進協力事業の拡充でありますが、これはジェトロが行っております発展途上国の製品の改良指導事業、あるいは日本市場の調査、さらには投資勧誘ミッションの受け入れ、日本の市場にどのように売り込んでいくかということのための輸入促進ミッションの派遣等の費用がここの第二番目の項目でございます。 一つ飛ばしていただきまして、第四番目にあります海外技術者受入等研修事業、その次の民間専門家派遣事業、この二つについて説明さしていただきます。いずれも、人づくり協力の一環の重要な柱になるものであります。 まず、前者の海外技術者受け入れ等の研修事業費でありますが、発展途上国から産業技術研修生を受け入れてほしいという要望は年々高まってきております。このための研修生の受け入れ費用等の補助のために、ここに計上いたしております四十六億円を計上さしていただいております。 この「うち新横浜研修センターの建設費」というのが書いてございますが、今海外技術者研修協会には横浜に研修所がございます。しかし、今申しましたように、発展途上国からの高まる要請に収容人員がこたえ切れないというような現状、施設も老朽化しているというようなこともありまして、六十一年度から新しい研修所の建設を着工いたしまして、六十三年度中にこの新横浜研修センターの建設を完了する予定であります。それに要する費用が、六十三年度七億計上さしていただいております。 それから次の、民間専門家派遣事業でございますが、発展途上国は彼らの民間産業部門における技術水準の向上のために、日本からの専門家派遣を強く期待いたしておりまして、この「うち」というところで書いてございます民間協力型専門家派遣事業、これは本年度の補正で、昨年五月の緊急経済対策の一環として六十二年度の補正予算で新しく創設された事業でございますが、実践的な技術を発展途上国に移転しようということで、我が国の民間企業等の協力も得ながら技術者の派遣を行おうとするものであります。六十三年度におきましては、三百人の専門家派遣をこれで予定いたしております。 それから、その次の研究協力プロジェクト推進事業、その代表的な事例といたしまして、括弧書きに書いてあります機械翻訳システム、これについて簡単にコメントさしていただきたいと思います。 発展途上国の方から、日本と一緒になって新しい研究を行っていきたい、それが発展途上国の技術水準の向上にも寄与するということで、この分野における要請も年々高まっております。この機械翻訳システムと申しますのは、特に技術文献等の内容を近隣の発展途上国に素早く移転する、そのためには言語の障害というのを克服する必要があるわけであります。日本語から中国語、あるいは日本語からタイ語、マレー語、インドネシア語、こういう外国語とのランゲージバリア解消のためにコンピューターを駆使しまして翻訳システムを新しく開発しようと、こういう内容でありますが、六十三年度におきましては三億五千万円の予算を計上さしていただいております。 以上、主要な項目のうちの重立ったものについてコメントをさしていただきました。ありがとうございました。
○小委員長(矢田部理君) ありがとうございました。 次に、経済企画庁から説明を聴取いたします。調整局田中審議官。
○説明員(田中努君) 田中でございます。 お手元に一枚紙がございますが、これによりまして経済企画庁関係の予算につきまして御説明申し上げたいと思います。 まず、表の上段の経済企画庁のODA予算でございますが、合計のところをごらんいただきますと、三百三十八億五千七百万弱という規模になっておりまして、前年度と比べますと〇・五%の減ということになっております。 この合計額の内訳は、実はその一つ上の欄にございます交付金、すなわち経済協力基金に対する交付金でございまして、これが大半と申しますか、ほとんどを占めておるわけでございまして、これが一億八千万円ほど減少しているということから総計が減ったものでございます。 この経済協力基金に対する交付金と申しますものは、これは御案内のとおり、経済協力基金におきまして、前々年度におきまして、発生いたします損失を考慮いたしまして、これに見合って交付金を交付するというものでございまして、六十三年度の場合には、六十一年度の決算上の欠損に対応しておりますが、これが前年度に比べて若干減少をいたしましたので交付金も減少をするということになっておるものでございます。 交付金以外の経済企画庁の予算といたしましては、上の方に掲げてございます幾つかの項目がございますが、合計一億円余りということで、比較的少額のものでございますが、その内容は、調査関係の経費、事務的な経費というものから成り立っておりまして、例えて申しますと、援助効果の評価のための種々の調査を行うというふうなことを初めといたします各種の調査事業に充てられる経費が計上されているわけでございます。 下段の海外経済協力基金の予算でございますが、事業規模が七千四百億円ということで五百億円の増加、比率といたしまして七・二%の増加ということになっておりまして、ODA全体の六・五%の増加率を上回っておるわけでございます。 この事業の内容といたしましては、直接借款に充てられるもの七千百億円、一般案件に充てられるもの三百億円ということを予定をいたしております。 資金の調達面でございますが、最初にございますのは財政投融資からの借り入れでございまして、六十三年度は四千九百十億円ということで、前年度の額に比べまして約二倍強、二・〇六倍という倍率になっております。 次に、自己資金等ということでくくってございますが、その中身といたしまして三つの項目がございます。 第一番目が一般会計の出資金二千百十五億円というものでございまして、これは先ほど大蔵省からの説明にございましたが、大蔵省に計上される予算ということになっておりますが、これは前年度に比べまして九%の増加という高いものとなっております。 次にございますのが一般会計の交付金、これが先ほど申し上げました三百三十七億円余りの金額でございます。 第三番目が回収金等ということでございますが、六十三年度三十七億円ということで前年に比べましてかなり減少をいたしております。この回収金等の減少の要因といたしましては、一つには財政投融資からの借入金の償還がふえておるということが一つございますと同時に、もう一つは、この回収金等には財投借入枠の繰り入れ、これが前年度の予算で御決定をいただいたという意味で自己資金の中に入っておるわけでございますけれども、六十三年度におきましては、前年度における事業の執行がかなり進んでおりますために、財投の借入枠の六十三年度への繰り越しはそれほど大きくないということが見込まれますためにこれが減少をしているものでございます。 以上が経済企画庁関係の予算の内容の御説明でございますが、円借款をめぐる状況といたしましては、途上国からの要請も非常に強うございまして、二百億ドルの資金還流措置を既に講じまして量的な充実に努めているところでありますけれども、さらに、国際的に質の向上につきましても強い要請が寄せられているところでありまして、今後とも質、量ともにその充実、改善に努めてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○小委員長(矢田部理君) ありがとうございました。 以上で説明の聴取は終了いたしました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○下稲葉耕吉君 ただいま四省庁から六十三年度のODAの予算について御説明を受けたわけでございますが、外務省は金額が非常に多いものですから数字の御説明が中心で、大蔵、それから通産省からはやや内容に立ち入った御説明を伺ったわけでございます。外務省に伺いますけれども、現在我が国のODA関係の省庁は幾らございますか。
○説明員(久保田穰君) 我々、この円借款におきましては四省庁、ここにおります外務省、大蔵省、通産省、経済企画庁、この四省庁が直接関与しておりますけれども、技術協力、無償技術協力の分野になりますと、先ほどの予算にも出てございますように、無償援助の大宗部分、それから技術協力を主に実施しておりますJICAに対する交付金という形で外務省の予算に計上しておりまして、ほとんど外務省が関係省庁と協議しながらやる体制をとっております。 しかしながら、その中でもさらに通産省、その他関係省庁に計上されている予算がいろいろございまして、また文部省のように、最近留学生に対する対策というものにこのODA予算を充てまして、この伸びも多いというところを入れますと十省庁以上になります。現在、十五省庁、十六省庁ということで考えております。
○下稲葉耕吉君 私の伺っているところによりますと、ODAの一般会計予算について関連省庁が十六省庁あると聞いておるんですが、これは間違いございませんか。
○説明員(久保田穰君) はい。私どもも十六省庁という形で考えておりまして、外務省、大蔵省、経企庁、通産省、文部省、農水省、厚生省、労働省、総務庁、運輸省、法務省、建設省、科学技術庁、郵政省、環境庁、警察庁、以上十六省庁が実施及び予算の面で関与しております。
○下稲葉耕吉君 そこで、きょう御説明いただいたわけですけれども、ODAの一般会計で政府原案が六十三年度予算七千十億円、それから事業予算で一兆三千四百八十七億円、それはもう大変なお金になってきているわけでございますが、各省庁がそれぞれの立場で一生懸命おやりになっているということはよくわかるわけでございますが、援助行政の一元化ということが言われて大変久しい。私の勉強するところによると大方二十年ぐらい前からですね、言われてきているように思うんですが、現在一元化の問題についてそれぞれの本省間、それから現地のは現地、それから実施、現場ですね。現地は大使館なりなんなり。具体的にどういうふうな連絡といいますか、調整といいますか、そういうふうなものをなさっておられるか。関係省庁からお伺いできればと思います。
○説明員(久保田穰君) 先生御指摘のように、確かに援助の中身が、実態が非常に各分野、経済、厚生、労働、各分野にわたっておるということと、先ほど申し上げましたように実際の予算上、その他協議体制におきましても各省と相談する体制になっておりまして、他方、効率的、効果的実施と申しますか、対外関係というようなことも考えて援助実施の統一ということも言われております。 現状は、我が国政府と相手国政府との間で話がまず起こるわけでございまして、これは在外公館を通じまして外交チャネルによって東京に届くということが基本的に一つございます。これを受けまして外務省の方からそれぞれ関係する各省庁と協議いたしまして、その結果一つの意思決定というものができまして、大きなものにつきましては外交文書、口上書、その他のいわゆる政府間の取り決めというものを通じて中身を確定して実施に入るわけでございますが、その実施の分野につきましては、円借款では海外経済協力基金、それから無償技術協力になりますとJICAというものを通じまして実施するという建前になってございます。 それぞれの権限関係につきましてはそれぞれの各省の設置法、それから今申し上げた実施機関の法律というものに規定がございまして、これをもちまして関係省の間で効果的な運用に努めておるというのが現状でございます。
○下稲葉耕吉君 大蔵省にちょっとお伺いしますけれども、きょうの予算の御説明の中でアジア開発銀行等拠出金の内訳ということでいろいろ御説明いただきました。これはこれでいいんですが、このことは大蔵省だけでお決めになっていることですか。それとも関係省庁とどういうふうな御相談なりなんなりなさってお決めなさっていることですか、お伺いいたします。
○政府委員(岩崎文哉君) お答えいたします。 このアジア開発銀行等拠出金の内訳の三項に掲げてございます細目のうち先ほど御説明をいたしました特別協力拠出金というのが大きい柱で三つございます。アジア開発銀行、国際復興開発銀行、それから米州開発銀行特別協力拠出金、この三つにつきましては、例の二百億ドル構想、これの中で政府のグラントをてこにして民間資金の還流を図る、こういうことで関係の各省とも御相談をし、一般的な枠組みとしては御相談ができておることでございます。それの具体的な実施のための予算措置ということは大蔵省だけでやっております。
○下稲葉耕吉君 通産省にお伺いしたいと思うんですが、どっちかといいますと技術協力に関係するような内容の御説明がございましたですね。あれは、外務省のJICAとの関係はどういうふうなことでございますか、外務省系統の。
○説明員(南学政明君) JICAとの関係でありますが、例えば先ほど説明させていただきました海外開発計画調査事業、この多くの部分がJICAに対する委託費ということで、その実施に当たりましては、外務省及びJICAといろいろ調整を、意見交換をしながら進めさせていただいております。 それから、研修生の受け入れ、民間専門家派遣、これは民間ベースの技術者の派遣、専門家の受け入れでありまして、JICAが担当しておりますのは主として政府ベース、政府の要請に基づき相手国の政府関係機関に日本から専門家を派遣する、そういう場合にはJICAが担当いたしておりますが、専門家派遣について申すと、日本の民間企業から相手国の民間企業に専門家を派遣する、このような場合には通産省の予算に計上されております民間専門家派遣事業、これでもってその推進を図っているというのが現状であります。
○下稲葉耕吉君 それでは今度は、話を変えまして、援助体制の強化の問題でちょっと御意見をお伺いしたいと思いますが、この援助体制の強化の問題は、我が国の経済協力が金額の上でも、それから事業対象が非常にふえるとかいうふうなことでも莫大になってきておる、大変増加してきておる。お話がございましたように、私どもは量的にも質的にももっとODA予算をふやさぬといかぬということについては全く賛成で、我々も努力せぬといかぬ、こう思っておるわけでございますが、援助体制の強化の問題も、これも言われて大変久しいわけですね。ところが、実際にはどうかといいますと、行政改革だとかなんとかだというふうな形で、JICAの実員のお話、定員の話もございましたが、ほとんど伸びていないというよりも、当初より減っておるぐらいの実情じゃないかと思うんですね。それから、諸外国のそういうふうな援助に従事している人たちとの比較をしてみても我が国の実員というのは何分の一ですね。そういうふうなことからいいますと、ODAというのは、これは国民の血税でございますから、やはり一円たりともむだ遣いがあってはいけない。そういうふうなためにはやっぱりしっかりした体制をもって、そして相手国のニーズに十分こたえられるような援助というものが具体的に行われなければいかぬわけですね。言われて久しいんですけれども、どういうふうなことで体制の整備というのが今日こういうふうな状態、声は大きいんですけれども、その辺の原因がよくわからないんですが、ひとつ御指摘いただきたいと思います、どうしてできないのか。
○説明員(久保田穰君) 援助の効果的な実施という観点から、確かに援助体制の強化は先生御指摘のように叫ばれて久しいわけでございます。ただいまこの援助実施に当たる人数、人員のお話も出ましたが、一例を引きますと、先ほど御説明申し上げましたように、JICAの職員、これは実施機関の一例でございますけれども、九百六十六名、OECFの職員二百四十九名、本省関係でございましても、外務省の場合かなり多くの人員を経済協力に割いておりまして、経済協力局だけで百十一名という規模でございますが、アメリカの場合をとりますと、AIDの在外職員だけで二千七百七十五名おりまして、ワシントンには千九百六十九名、いわば外務省関係から見た援助実施体制の人員を大幅に上回る人間を擁しておりまして、なかんずく現地に置いておるAIDの職員が二千七百七十五名と膨大な数をもって実施しておるわけです。 予算面で見ますと、日本は今やアメリカに追いついてくるような金額になってきておる。特にこの予算につきましては、今や一般の間でも、日本がGNP比較のもとに量的にも不十分ですし、先生御指摘のように質的にもまだまだ、無償を中心とするようなそういう性格の予算をもっともっと増額しなければいけないというふうなことが言われておるわけですが、ひるがえってこの実施体制を見ますとこういう状況である。 そこで、我々としても、これまで毎年、まずこの伸びる予算を効果的に実施できるような人間の体制、これはまず数量的にもそうですが、中の質も高めなくちゃならないわけでして、いろいろな養成機関の設立であるとか開発大学構想とか進めておるわけですが、何分、行政改革と申しますか、人員の伸びの抑えというものに非常に厳しい状況がありまして、なかなか思うように人間の伸びが確保できないということで苦しんでいる状態でございます。 日本の場合、一方においてなるべくふえる援助資金を効果的に手数を余りかけないで実施していくという考慮もあるかと思いますが、やはり今後ともまず人員、特に現場の人間の増員ということを確保するように努力していきたいと考えておる次第でございます。
○志苫裕君 これはなかなか聞いててもわかりにくいんですが、大蔵省から出ている予算の概要説明と、今各省庁お話があった数字の食い違いはどこから出るんですかな。例えば外務省、外務省所管分三千二百九十七億円、ところがこっちの予算説明書で三千二百六十五億円、随所に食い違いがあるのはどういうわけですか。大蔵省から国会へ予算書出ているでしょう、予算の概要説明、それにODA一括まとめてあるわね。そこだと外務省分は例えば三千二百六十五億円となっているのが、きょうの外務省の説明は三千二百九十七、わずかだけれどもそれで二、三十億は違ってくる。随所にあるんだけれども、これは何から出てくるんでしょうか。一例です。
○説明員(久保田穰君) 先生御指摘の、今お手元に配付いたしましたこの外務省所管の方はわかるんですが、もう一つ御指摘されたのは……。
○志苫裕君 もう一つは大蔵省が国会議員に配っておる、抜いてきたからあれだけれども、大きい予算の説明書あるでしょう、でかいもの。それの経済協力費の内訳、この場合には経済協力総枠が六千八百二十一億になっているけれども、こちらは七千幾らだけれども、これは何の食い違いになるのかな。
○説明員(久保田穰君) ちょっと申しわけありませんが、そちらのもう一方の表が手元にないわけでございますけれども、後ほどよく調べて正確なところはお答えしますが、私の今感じでは、経済協力費、大蔵省区分いたしておりますものは厳格にODAというもの以外の部分を含んでいるのではないかと思います。国内の会計上の区分でございまして、ただいまお配りした三千二百九十七億円の方はDACで国際的に要請されておりますODAの条件、これに合っている部分を集計したものでございます。
○小委員長(矢田部理君) 今の点、大蔵省わかりますか。
○志苫裕君 そういうふうに理解しておけばいいわけですね、今の食い違いは。
○政府委員(岩崎文哉君) 私も専門家ではございませんので、間違っているかもしれませんが、経済協力費とODA予算との差、これは経済協力費の中のODA以外の予算というものが一部含まれている、そういうことだろうと思います。 申しわけございませんが、経済協力費の中にODA、これはほとんど大部分でございますが、若干そこにODA以外の部分が入っておる。また、ODA予算として拾っておりますものの中には経済協力費以外のものも含まれている、その出入りがございますので、そこで若干の差が出るということだと思います。
○志苫裕君 それで、どうもいろいろなところにばらばらにあるものですから、見るのに一苦労する。 例えば、今お話のあった経済企画庁が扱っておる分ですね。そこで、下の方の海外経済協力基金予算の自己資金等、一般会計出資金二千百十五億円、一般会計交付金三百三十八億円。まあ、交付金と出資金だから幾らか違いのあることはわかりますが、これはどうして片や大蔵省が計上し、片や総理府が計上をするんですか。同じように大蔵省が食糧増産等援助費、これは、なぜ大蔵省が計上するんですか。ちょっと今の点説明してください。
○説明員(田中努君) 経済協力基金の発足の経緯から申しまして、大蔵省所管の日本輸出入銀行の中に設けられておりましたアジア関係の基金、これが拡大強化充実されまして経済協力基金という形で独立をいたしたわけでございまして、恐らくそうした経緯から出資金につきましては引き続きまして大蔵省計上になっておるというふうに理解をしておりまして、片や交付金につきましては、これは事業を遂行するための経費でございまして、事業所管官庁に計上するのが妥当であるという判断から、交付金の必要が生じました時点におきましてそのような整理をいたしたわけでございます。
○志苫裕君 ちょっと大蔵省、食糧増産。
○政府委員(岩崎文哉君) 食糧増産等援助費を大蔵省所管としたのもこれも同様の経緯があり、どの役所の所管とするかという議論があったんであろうと思います。 私の聞いておりますところでは、この本件援助の性格、つまり、米等の穀物や肥料等の農業物資を供与するのみならず、見返り資金の積み立てを義務づけ、被援助国の経済開発を支援していこうという、こういう援助の性格に着目いたしまして、これが投資的な性格を有するということで、大蔵省設置法の四条百十八号、これは、本邦からの海外投融資に関する事務を扱うとなっております。これで読み込んで、現在国際金融局の中でこれを取り扱っております。
○志苫裕君 いやいやあなた、投資的性格と言うけれども、これはODAの大きい区分けをすると贈与でしょう。二国間贈与の中の食糧増産等援助でしょう。それがどうして投資的性格を持って大蔵省行くんですか。
○政府委員(岩崎文哉君) 売却した代金を見返り資金として現地に積み立てを義務づけ、それを被援助国の経済開発等の支援に使うということに着目して、投資的性格を有するものと考えたためでございます。 これは、その当時の各種議論がございました結果、私どもの省の所管になったと聞いております。
○志苫裕君 いや、議論はしませんが、MSAでアメリカから小麦、粉をもらっちゃって、その売った代金をためておいて、それを例えばあの当時創設した自衛隊の経費に回すとか、そうしてみると、この贈与というのは一種のひもつきになっちゃうわけですよね。そういうふうなものはやめましょうやというんでできるだけやめてきているわけで、それがまだこんな形で実際援助した食糧が売られて、そのお金が実際にどうなっているか、そこまで余り厳しいことは言うてないというのが実態なわけでして、予算の組み方ばかりはずうっと連綿と続いているという感じがしたんでちょっと聞いてみたんです。 さっき申し上げた総理府に計上をする交付金とそれから大蔵省に計上する出資金、そのほか財投等々でこの基金予算はでき上がっているんですが、入ってしまえばお札に色はないんじゃないかなと思うんですが、この基金がいろんな仕事をするときに、これは出資金分これは交付金分といって資金枠を区分けして何かやっておりますか。
○説明員(田中努君) これにつきましてはそういう区分けをいたしておりません。
○志苫裕君 そうでしょう。ですから、懐へ入ってしまえば使い道は同じなのに役所が計上するときには従来のいきさつでそれぞれ別のところに計上するというのも何とも余り合理性のない話だなという感じがしたんで、ちょっと聞いてみました。 それから、これはどこに聞いたらいいんでしょうか、総まとめをしているのはどこだかわからないんですが、先ほど御質問が同僚委員からありましたが、十五、六省庁というところまで今分かれて、何らかの形でこの政府開発援助あるいは国際開発協力というようなものの経費を組むんですが、額の多少にかかわらず、一つの理念、一つの計画といいますか、一つのスタンスでどこでも計上されているものだろうか。大蔵省は、各省庁に盛り込まれたODAにかかわるものを全部まとめて、はいODA予算七千億円、こう言うんですが、案外組んでいる方は、例えば何か一つの理念とか一つのプランとか、ことしはこういう問題に努力しようとかいう、どこかに中心的なそういうものを調整をするところがあって、それに基づいてことしはアフリカの農業関係をふやそうや、どこどこの飢餓の問題を何とかしようやというような、そういうプランニングなり意思に基づいて各省庁がそれぞれ予算を積み上げてくる、こういう予算編成していますかね。
○説明員(久保田穰君) 十六省庁に及んでおりますので、確かに今先生御指摘の問題が発生すると思います。これを原点に返りまして、経済協力の、先生御指摘のようにそもそも基本的な考え方と申しますか理念と申しますか、これに立ち返って考えてみますと、大きな柱が二つございまして、一つは、いわば日本が経済的と申しますか、世界における先進国としての立場で、南北問題というものを頭に置きまして、開発途上国に対する経済的な援助、経済発展を支援していくというこの大きな相互依存、要するに南と北との相互依存という立場の柱と、もう一つは人道的に素朴にこの持てる者から持たざる者を助けてやるといういろいろな貧困者、保健、医療、国民福祉、広く言えばそういう分野でございますが、焦点を合わしていくと人道的な援助と、そういったような経済開発と人道的な援助と、大きく分けますとそういうところに収れんしてくると思います。 これを各省庁の立場から見ますと、例えば農業開発であるとか、先ほど通産省から御説明のありました工業化であるとか、こういったところは非常に大きく経済的な南北問題の経済発展を支援していくというところから出てくると思います。そこにいろいろなバリエーションが生じると思います。他方、人道的な面でいきますと、厚生省のような役所の分野は非常に大きいと思います。または先ほどもちょっと出てきましたが警察庁とか緊急的な難民の援助、今度は緊急援助隊法のようなものをつくってやっておりますが、こういうところに分かれていくわけです。したがって、大きなところでは各省庁とも今私が申し上げた経済協力の理念というところに沿った上で政策を考え、実施を考え、かつ予算要求をしていると言って間違いないと思います。ただ、実施の面でそれぞれ各省庁の特色を生かした重点分野の予算要求というものは出ることも事実だと思います。
○志苫裕君 外務省は別に役所の文書や規則や法律にはないけれども、外務省でまとめた経済協力の理念とかそんなものもこれは出していますが、しかし現実に皆さん各十数省庁がこの国際開発協力の仕事をしておるのは単なる設置法でやっているわけですね、それぞれの。そこにあなたがおっしゃったような理念というようなものが別に設置法にみんな明記してあるわけでもないわけです。そうなると勢い例えば開発協力といっても通産サイドにすると工業化を急ごうかな、あるいは別の省庁にしますとこれはそっちの方急がないでもう少し農村基盤の方を強化しようかなという発想の違いが出てくるのは当然だと思うんですよ。そういうふうなものの調整はどこがおやりになるの。
○説明員(久保田穰君) ただいま申し上げましたように、経済協力の理念と申しますか、基本的な考え方、これはいろいろな場で過去議論されておりまして、国際的にもかなり確立しておるわけですが、特に日本の場合いろいろな機会の国会答弁、その他を通じまして理念に関する限り確立されていると思います。一つの行政と申しますか、政策の柱でございますが、他方、先生御指摘の設置法その他で各省庁等それぞれの事項を規定しておりまして、多くの場合経済協力を扱う国際課というようなものを設置していまして、そこを窓口にして外務省と具体的な問題が起きましたときには相談し、すり合わせを行っておるという状況でございます。
○志苫裕君 それならね、例えば今外務省お答えになってるんで、私は役所の内側のこと知りませんが、ODAに関して何か統一的な本年度の目標なりがありまして、それに基づいて各省庁が予算を組む、外務省がそういうものの大まかないわば主務官庁だとすると、そことの協議なり調整をした上で各省庁の予算が大蔵省に出ていくというのならそのルールわかります。現実にはそういう形はとられていません。各省庁から直接大蔵です。大蔵省はあなたが言ったようなそういうことをマスターしているわけではない。去年より要求ふえたか、枠は幾らだと、何%伸びたかというのでやっているに違いありませんよね。そういうふうになりますと、あなたがお答えになってることはあんまり貫徹されてないんじゃないですか。
○説明員(久保田穰君) この経済協力の中身というものが先ほどから議論されて検討されておりますように、非常に時代時代によって工業化に力が入ったりまた農業分野に力が入ったりまた非常に新しい債務累積問題というものがあるということで多岐にわたっておりまして、恐らく今後も非常に分野別にふえ続けるんだろうと思います。 他方、外務省としましてはできれば予算要求の前段階で先ほど申し上げたような経済協力の理念なり日本の立場というものも勘案しながら十分それが予算面で反映されるように努力は行っております。事実上多くの場合いろいろ御相談しながらやっておるということでございます。ただし先生も御指摘されましたように非常に広がりを持っておりまして、新しいアイデア等々たくさん出てまいりますので努力はしておりますけれども、御指摘のような分野もあるかとも思います。
○説明員(田中努君) 経済審議会におきまして、経済協力の中長期的な観点からの基本的な方針につきましては国際経済部会とかそこに設けられます経済協力小委員会というふうな形の機関におきまして検討をいたしまして、この場におきましては各省からも幹事という形で御参加をいただきまして、合意を経た上で総理に答申を申し上げるということをやっておりまして、ただいまの経済計画でございます一九八〇年代の展望と指針という計画におきましても経済協力につきましてその量的質的な拡充の目標を計画の本文の中に書き込んでおりますし、それから発展途上国の経済発展の段階あるいは局面に応じまして経済協力を最も効率的に実施をするということについての方針につきましてもいろいろな角度から検討いたしまして一つの基本的な考え方というものをそこで合意をいたしておるわけでございます。したがいまして、先ほど来先生御指摘の個別の予算の要求等の場合におきましても、基本的にはそういった政府部内の統一的な考え方というものが生かされているというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。
○志苫裕君 七千億それから事業ベースにしても一兆五千億ぐらいの経費になるわけですが、例えばきょういただいた通産省の説明を聞いていますと、ここに主要項目というのがございまして、これぐらいの中身になってまいりますとああこのお金はどういう場所にどういう事業に使おうとするんだなと、これはわかりますね、ほぼ。これくらいになりますと審議にたえられる。もう少し狭く細かくいえばもっとわかってくるんでしょうね。ですが大きい何々に何千億円と、こうなりますとそれは一体ことしどこの国にどんな分野の事業にどれぐらい使われるものかというふうなのはこんなでかい数字をもらっただけじゃなかなか審議にたえない。ましてや国民もわからないというような形になるんですが、この大きい七千億とかあるいはそれぞれの省庁何千億とかというようなのは一応積み上げになっているのですか。それともことしよりも国際的な要請もあるんで五%ふやそうや一〇%頑張ろうやという予算形成になっているんですか。ひとつそこのところを説明してください。これはどの省庁でもいいです、説明してください。
○説明員(久保田穰君) 外務省の場合を申し上げます。 予算部分の大宗が無償援助及びJICAに対する、性格的には無償ですが、交付金という形での技術協力、これはかなり細かな積み上げ計算をやっておりまして、技術協力についてはどこの国に何名の専門家を派遣し、また研修生を何名受け入れてそれをどのくらい増加させる、それに伴う経費。調査につきましてはそれぞれの調査の技術費とかそういうのを国別に分けまして積み上げて計算するわけでございます。無償援助につきましても各国別に外交チャネルを通じましていろいろな要請が来ておるわけでございますが、そういうのをよく分析しながらプロジェクトと申しますか、そういうものの積み上げを行いまして、これをもって主計局と協議して要求する、こういう形をとっております。
○政府委員(岩崎文哉君) 今御説明いたしました大蔵省関係のODA予算のうち海外経済協力基金の出資金、これは事業量の方からの積み上げ計算でこういう予算要求が出ておるというふうに聞いております。そのほかの部分につきましては、国際的な協力でございまして、日本に対する義務的な拠出というものが割り合てられているものがほとんどでございます。そういうものが、さっきも申しましたが前年同額のドルベースで拠出義務が生じているというようなことがございましたり、あるいは何年間かに分けて出すというようなことがそれぞれの加盟措置法あるいは協定で決まっておるというようなことで、ある意味で言えば積み上げでございますし、ある意味で言えば国際的な協力の割り合て額というふうなことでなっております。
○中西珠子君 大体私のお聞きしたいと思っていたことは同僚議員がお聞きになりましたので、重複を避けたいと思いますが、もう一度ちょっと念のために具体的にお返事をいただきたいんです。 十六省庁にまたがる予算が、ODA予算が出てきますね。それを結局総合調整なさるのはどこなんですか。経済企画庁は、もちろん総合調整を設置法に基づいてやる、こういうこともこれまでの国会における予算委員会などにおける答弁もいただいているし、一方外務省はとにかく外交ルートを通じてすべてやらなくちゃいけないんだから、総合調整をやるのは外務省ですと、こういうお答えもこれまでいただいているんですね。 じゃ、この六十三年度予算で七千十億円という一般会計の方の予算、また事業予算にいたしますと、それを入れると一兆四千億近い予算が十六省庁のいろいろなプラン、それからこれからやっていきたいという企画に基づいて出てきている。それを最終的に総合調整して、基本的にはこういう方針だというふうなことを今各省の方もおっしゃいましたし、外務省も積み上げであるというようなことをおっしゃいましたけれども、大蔵省が査定してこれでいいよと、これを政府の予算要求としようというふうになさる前において十六省庁の間の総合調整というか、そういう協議というものはきちっとした協議の機関があって、そこでなすっていますか、具体的になすっていますか。
○説明員(久保田穰君) 常日ごろ密接にいろいろこういった問題について検討しておる各省の同僚の次長、部長、審議官おられるので補足、私の発言に、ありましたら補足していただきたいわけですけれども、まずこの経済協力全般、先ほどから御説明いたしましたように円借款、それからその国際機関への拠出、それから資金面における二国間の無償援助、技術協力、大きなこの四本柱がございます。 例えばこの円借款につきましては、四省庁が緊密に協議、すり合わせを行うことによって、結果的に総合的に調整されるという形になっております。 その他無償援助につきましては、大宗の予算が二国間の場合には外務省についておりますので、私の方からかなりイニシアチブをとりまして、調整と申しますか、結果的にはそういったようなことが遺漏なく行われる体制になっております。 国際機関につきましては、義務的な経費というような面がございますので、これは先ほど大蔵省次長の方からも御説明ありましたような実態になっております。 技術協力につきましては、先ほども御説明しましたように極めて多岐、具体的に十六省庁にまたがっておるわけでございまして、特に新しい項目が要求されるというような場合にはこれは非常に念を入れて協議、調整がなされるプロセスが起こるわけでございます。一元的に明確に調整機構ということとは若干遠いかもしれませんが、ただいま申し上げたように現行法律、法令の枠内におきまして効果的な運用に努力しまして、総合的に経済協力が効果を発揮されるというような形になっておると言うことができると思います。
○中西珠子君 それからとにかく日本の開発援助は要請主義に基づいているということが言われておりますね。じゃ、予算の編成段階におきましては、大体これくらいの要請はもう既に来ているとか、こういった技術協力が要請されているとか、無償協力はこれだけ要請が来ているというふうなそういうものに基づいて積み上げをなすっていますか。それから分野におきましても、この分野に非常に協力要請がある、それは無償協力プラス技術協力であるとかというふうなそういう具体的なものが集合形成されて、そして予算の形として出てきているのかどうかということをやはりお伺いしたいと思うんです。
○説明員(久保田穰君) 要請主義という言葉が広く行き渡っておることも今先生御指摘のように確かだと思います。これはやはり援助の基本的な性格、国際的な考え方が与える供与国だけの意思ではなくて、やはり受け入れ国側の自助努力というものが一番柱であって、それを助長する形で援助は行われるべきであるという理念から来ておりまして、したがって相手国側の考えというものを最大限尊重しようという姿勢で悪いことではないというのが国際的な通念だと思います。 ただし、手続におきましては、要請主義という言葉は非常に幅広いわけでございまして、その中にはやはり我が国と相手側との非常に双方のやりとりというプロセスを経ております。したがって結果的にはいろいろな国際機関、例えば世銀のような専門家集団の意見等々全部入った形でのプロジェクトができ上がってくると思いますが、現在我々が予算要求の基礎として積み上げ計算を行う場合には、やはり多くの部分が相手国からのいろいろな形での重点を置いた、プライオリティーを置いた要請案件というものが多いと思います。 ただ一点、先ほどもちょっと触れましたように、国際的にいろいろ世界銀行であるとか、その他主要な援助国機関の場であるDACであるとかそういうところでは、途上国に対してもこのいろいろな専門的見地から債務累積問題その他国内の経済発展の段階に応じた重点の置き方、こうあるべきではないか、その時代時代に即応した経済的な指針というようなものでいろんな考え方を打ち出しておりまして、そういった観点からいろいろなサゼスチョンを行うということもいろいろな面を通じまして反映されているということも言えるかと思います。
○中西珠子君 最後におっしゃったことは、いわゆる政策対話というふうなものを通じてやっていくということなんでしょうけれども、この予算を一応出していらっしゃる段階において、やはり根拠があってそして積み上げ的に大体なすっているだろうと思うんです、あらゆる分野において。それをやっぱりもう少し細かい計画の形で内訳というものを国会に提出できないんでしょうかね。お出しになってくるブレークダウンというものが余りにも大きな範疇であり過ぎるんですね。もう少しこういった分野でこういうことをしたいのだとか、こういうことをする予定だとか、こういった国に対してこういうことをやっていきたいと思っているのだ、それについては既に政策対話も何年かやっているし、大体こういった要請も来ているもしくは来るであろうということで、もう少し細かく詳しくお出しになるということはできないんですか。よその外国の議会ではこんなラフなブレークダウンというか、大まかな範疇だけで予算要求をなすってそれで通るものではないと外国人に言われているんですけれども、この点はいかがですか。
○説明員(久保田穰君) ただいま先生御指摘になったように政策対話というようなものを通じまして、例えばフィリピンそれからインド、タイというようなものをやっておりまして、これは公開のパネルということで、そこで行われる議論そのもの、それから報告書というものは公開しております。 また、この実施の面につきましても、まず予算の御承認をいただくという形での全体像、それからそれに伴う説明というものは、これは当然事前に国会の承認を経ておりまして、中身につきましてはこの実施に伴っていろいろな形で我々としても資料を出しておりまして、従来から案件ごとの各種の発表、それからJICA、OECF等援助実施機関の定期的な刊行物、報告書、この中にかなり詳しく、今先生御指摘のような案件別の問題点、その他要請ないしは我が方の実施状況というものも公表いたしております。また……
○中西珠子君 ちょっと。 私はかつて、既にもう実施したものの報告書とかそれから評価の報告とか、そういったものの公開というものがこれまで足りないと言ってきましたけれども、それは大分公表されるようになってきているわけですね。ただ、私が今言っているのは、予算というものを国会に提出するときにもう少し詳しい計画案というものが出せないものですかということを言っているんです。
○説明員(久保田穰君) この各国別かつ各プロジェクト別の詳しい内容というものはあるわけでございますが、これを事前に全部提出しまして審議いたすということになりますと、現行単年度予算ということのもとで執行が非常に困難になるという点が一つございます。 それからもう一つは、やはり相手国側との外交交渉の一環という性格を持っておりまして、したがって相手側におけるそれぞれのプロジェクトの内容に対する審議ということになりまして、外交上、相手国と交渉する立場上これが難しいということがございます。その審議の我が方の結果いかんでは外交問題にもなりかねないという側面もございまして、現在、我が方としてはただいまのような形をとっている次第でございます。
○中西珠子君 少なくとも分野別ぐらいには分けることはできないんですか。例えば、これはインフラ的なものをつくるあれだ、これは保健衛生の面だとか、これはやはり貧困の人たちを対象にして職業訓練を行い、また雇用開発をやっていく面だとか、そういうような少し分野別にもそれは発表できないんですか。
○説明員(久保田穰君) 我々としましては、政府開発援助の内容なり方向を十分明らかにして国民的な参画と申しますか、協力を得るという観点からも、先生の御指摘のような国会との関係につきましてもますますいろいろな意味で努力をしたいと考えておりまして、ただいま先生の御発言につきましてもその趣旨を十分参考にして考えてまいりたいというふうに思っております。
○中西珠子君 それではもう少し具体的なことをお聞きしたいんですけれども、人材の養成というものが非常に大事なことはもう私も本当に痛感しているわけでございますが、今、構想として持っていらっしゃる国際開発大学ですか、これは実施体制を強化するための援助を実施していく人たちの訓練も含んでおりますか、今の構想におきましては。
○説明員(久保田穰君) 国際開発大学につきましては、いろいろな多面的な内容を含んでおりまして、援助にかかわるいろいろな人材の中には、開発援助の学問的な分野における人材の開発、それから実施面でのいわばプロ、そういうプロフェッショナルなスタッフの質の向上というようなことも含まれております。
○中西珠子君 既に活字になった構想というのはありますか。あれば後ほど私は資料としていただきたいと思うんですがね。
○説明員(久保田穰君) この問題につきましては、昨年外務大臣のもとに検討会議を設置しまして、各界の専門の方々から意見を聴取しまして、会議を何回か開きまして、提言をつくっていただきました。これにいろいろな問題点が述べられておりますので、後ほど御提出いたします。
○中西珠子君 お願いします。 通産省にお聞きしたいんでございますけれども、大変細かくいろんなものを書き込んだ資料をいただいて大変ありがたいと思ったわけでございますが、新規の事業としてなさる御予定の、これに御説明がなかったんで、例えば乾燥地帯における保水剤開発事業、それから燃料電池活用地域発電システム開発事業、これはどういうものですか。そしてまた、開発途上国のどこかからこういうものを研究してほしいという要請があったんですか。
○説明員(南学政明君) 時間の関係で説明を省略させていただきましたが、簡単に御説明申し上げます。 まず、乾燥地帯における保水剤開発事業でありますが、これは高分子保水剤、例えば紙おむつに使われているような保水剤ですね、ああいうのが新しく開発されてきましたので、乾燥地における砂漠化防止、土壌の改良、こういうことを行う技術に関して研究を行いたいとエジプトの方から申し入れがありまして、エジプトの政府研究機関とともにこれを研究していこう、こういう案件であります。千五百万と金額は少ないわけでありますが、極めて興味のあるテーマだと思います。 それから第二の燃料電池活用地域発電システム開発事業、これも千五百万という新規事業でありますが、これはタイにおきまして、天然ガスが出てくるわけでありますが、その天然ガスを利用しまして、天然ガスから出てくるH2をH2Oにする段階で電気が発生するということになりますが、こうした化学反応と申しますか、電気の発生のメカニズムを研究しまして、小規模なガス田の活用を図りながらローカルエネルギーの供給を図っていこうという新しい研究でございます。これはタイの方から要望があって、一緒に研究をしようということにしたものであります。
○中西珠子君 タイの研究所、大学ですか、研究所ですか。
○説明員(南学政明君) さようでございます。タイの発電公社というところと日本の技術者が研究しようと。
○中西珠子君 タイアップしてやるということですね。どうもありがとうございました。
○上田耕一郎君 まず久保田審議官にお伺いしたいんですが、国会でもマルコス疑惑問題が非常な問題になりましたね。 〔小委員長退席、志苫裕君着席〕 この小委員会でもJICAの理事が来て参考人で述べたとき、あの反省でいろんな措置をとったということがあったんですけれども、政府としてはどうですか、今度の予算をつくるに当たってあのマルコス疑惑から教訓を引き出していろいろと検討をして、この予算を立てるに当たってもこういうふうにしたというようなことはありますか。
○説明員(久保田穰君) お答え申し上げます。 マルコス疑惑、これは対象はフィリピンでございますが、これに端を発しまして援助の適正な執行ということに対し一層我々としても努力しなきゃいけないという認識は非常に強く持っておりまして、今回の予算要求及び現在いろいろ運用において行っておる各種の活動において引き続き十分配慮しております。 具体的には、この援助を実施するに際しまして事前の調査、これをもっと拡充する必要がある。また、フィリピンは当然でございますが、この各国内における実施というものを円滑に行わせしめるための支援、それから第三者による公平なプロジェクトの評価、質的改善、アフターケア援助、これらに要する費用というものをそれぞれ調査予算、評価の予算ということで計上しております。 また、六十一年の四月から六月に第三者の有識者を団長とした四つのチームを編成しまして、フィリピン側の協力も得てこの評価調査を実施いたしております。 また、JICAの中に、先ほどもちょっと触れましたが、JICAの中の国別の総合研究所というものを場としまして、そこでフィリピン・パネルをつくりまして、フィリピンを多角的に、いろいろな専門家、一般ジャーナリスト等も交えまして検討し、かつ大来佐武郎元外相を団長とする対比経済協力総合調査団という形で団を派遣しまして、フィリピン側との意見交換も行った次第でございます。 そういうことで、我々としても一層の配慮ということに努めておる状況でございます。
○上田耕一郎君 今、出ている雑誌の「政界往来」に「ODAを食い物にする有力政治家の”隠し金脈”を斬る」という論文が出ていまして、この中に書かれていることを一々我々も裏づけとれないけれども、かなりODA問題についてマルコス疑惑以来世論の注目が集まっているということはぜひ考えていただきたい。 この中にも引用されているんですけれども、朝日新聞の去年の十二月十一日付の夕刊ですけれども記事があるんですね。会計検査院が初めてODAの本格検査に取り組んだ。「フィリピン、インドネシアをはじめ、マレーシア、シンガポール、バングラデシュ、メキシコ、パラグアイの計七カ国に三、四人ずつ送り込んだ。」「検査の結果、フィリピンなど複数の国で、ODAの三つのパターンである無償資金協力、円借款、技術協力のすべてに問題点が見つかった。」「このため、検査院は外務省、国際協力事業国、海外経済協力基金に対し、詳しい説明を求めた。」ところが、「十分な実態把握までには至らず、今回の検査報告では一切触れないことを決めた。」この中に「外務省の反発も激しかった。」とあるんですな。「「ODAの検査は相手国の主権にもかかわり、内政干渉に結びつきかねない。相手国の検査機関がやるべきことだ」」となっているというんですけれども、先ほどのお答えで、マルコス疑惑問題で真剣に受けとめているというお話なんだけれども、せっかく会計検査院が予算を使って初めてやったのに、どうも外務省が協力しなかったという記事になっているんですけれども、この事実いかんは別として、もっとやっぱりこういう国民の疑惑が、疑惑を受けとめて会計検査院が調査を始めた。またずっとやるそうですよ。これはやっぱり外務省としてももっと協力的態度をとるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○説明員(久保田穰君) この会計検査につきましては、昨年検査院が海外調査を行いまして幾つか視察を行ったわけですが、これはODAにつきまして海外の検査という性格ではなくて、海外の経済協力案件の実情の視察のためのものであるというふうに承知しておりまして、外務省としましても会計検査院に協力を申し上げた次第でございます。 それで、この出張の結果、視察対象としましたプロジェクトにつきましては、特に問題を会計検査院の方からは指摘は受けておらないというふうに承知しております。 ただし、先生御指摘のように、この援助の中身につきまして十分この中身を明らかにして、効果的な援助が実施されるという観点からは、先ほども申し上げたような形で我々としてもこれから十分努力していきたいと思っている次第でございます。
○上田耕一郎君 これまでGNP比が〇・二九%だというんですが、今年度七千百九億円の予算ですわな、政府原案で。〇・三を少し上回るとも聞いてるんですけれども、DACの目標は〇・七ですわね。そうすると、その目標にまで達するとすると今の二倍ぐらいになるわけで、すると予算で一兆数千億、事業費で言うと相当大きな事業になるわけですね。そういう予算が、これまでいつもこの小委員会でも問題になって、みんなで何とかひとつ考えようじゃないかということになってるんですけれども、援助の理念、目的、対象、内容等々を決めた法律がないということがどうもおかしいんじゃないか、ヨーロッパ諸国と比べても。ということでこの小委員会も取り組もうということになってるんですけれども、私が去年の八月二十一日にその問題で少し聞いたんですよね。外務省の経済協力局政策課長の林さんがその問題についてこう答えられてるんですよ、法律問題等々については我々反対することは全くないんだと。しかし、法案、中西先生、古くは田先生がお出しになった法案などを拝見した場合に入ってくる二つの事柄がある。一つは行政の組織の一本化の問題だと、それから、年度別の計画というものを国会の承認にかからしめるという二点だろうと思うと、こう言われて、この二点についての政府の立場はどうかということであれば、従来総理初め御答弁申し上げているように、現在のやり方でうまくいっているんじゃないかというのが基本的に政府の考え方だと、こういう答弁をされてるんですけれども、今でもやっぱりこの林課長の課長個人の意見じゃなくて、外務省としては大体こういう考え方ですか。
○説明員(久保田穰君) 基本的に変わりはないと思います。
○上田耕一郎君 そうするとなかなか、これ国会の方でやらなきゃならぬかなというふうなんですけれども。 次の質問は、先ほどの、政府原案の数字について四人の方から御説明があったんですけれども、これを拝見しますと、まず外務省の所管分が全体の四七%でしょう、大蔵省が四〇・三%だと、二つの省で八七%握っているわけですね、これなかなか大変なことだと思うんだけれども。で、質問は、贈与で経済開発等援助千四百七十一億円、これは外務省所管になってるんです。食糧増産等援助は四百五十九億円、大蔵省所管と。これはなぜこういうふうに外務省と大蔵省で分けてるんですか、基準は。
○説明員(久保田穰君) これは経済開発等援助といいますのは、これは先生御承知のように二国間無償援助と称しておりまして、いろいろな訓練所であるとか、保健医療施設であるとかそういったもの、これは施設型、まあ一般無償と呼んでおりますが、こういうものと、それから資材、資機材そういった開発に必要な機材を供与するものに分かれておりますが、これは全額外務省についております。他方食糧増産等援助は、ケネディ・ラウンド交渉における国際義務であるところの食糧そのもの、お米であるとか小麦、主として小麦なんですが、これの供与と。それから、その後これは日本の発想で入りましてつくったわけですけれども、そもそも食糧そのものをやるんではなくて、それをつくるいわば魚と釣りざお論ですが、その手段を援助してやる方が必要だろうということで肥料とそれから農機具、こういった機械。こういった食糧を増産するために必要な機材というものを供与するのが食糧増産援助と、これはまあ第二KRと俗称しておりますが、こういった分野でございます。で、これは相手国に、それを日本から受取国の政府がもらいまして、これを売却して得た国内の通貨を積み立てて、さらにそれを農業開発のために有効に使うという国内においての投資的な性格を持っているということから外務、大蔵両省との間でいろいろ相談しまして、当時の予算上のいろいろな問題等もいろいろ勘案しまして、大蔵省所管という形で行っておるわけでございます。
○上田耕一郎君 円借款の方は、二千四百九十五億円のうち四省庁でおやりになっている、そういう説明でしたね。きょう四名の方が来てくださったんです。外務省は千八十六億円ですな。これ四〇%を超えるんですね。これはやっぱり大蔵省がその次に多いんでしょうけれども、この円借款についてはどういうふうに分けているんですか、外務省所管と大蔵省所管。何か基準があるんですか。
○説明員(田中努君) 円借款は、大蔵省の本日の資料によりますと、六十三年度の予算額が二千百十五億円となっておりますが……
○上田耕一郎君 だから基準ですよ。基準は何で分けているのか、外務省と大蔵省が。
○説明員(田中努君) これが、実は経済企画庁が所管しております経済協力基金の出資金に充てられているわけでございまして、これは出資金につきましては大蔵省の所管、それから三百三十八億円ほどの交付金がございますが、これは経済企画庁計上。それから、その他財投資金等々にまたがっておりますけれども、経済企画庁が経済協力基金の予算を編成いたしますときには、その点につきましては総合的に取りまとめを行って大蔵省に要求申し上げている、こういう姿になっておるわけでございます。
○上田耕一郎君 これ、全体として見て、外務省がかなり主導の感じなんですね。 それで、その次の問題なんですけれども、LLDC、後発発展途上国に対する援助問題なんですね。これは、この小委員会で室教授が参考人としてお見えになったときに重要な問題として出された。私ここに室さんの手書きの表を持ってきているんですけれども、政府からいただくデータには入っていないんですよ、このLLDCについての援助、パーセンテージはね。これ非常に重要だというのですね。先ほど審議官は二つの理念があると。一つは南北問題の解決、一つは人道主義だと言われた。人道主義で最も中心になるのがこのやっぱりLLDC。国連で三十六カ国占めているわけですね。これに対する援助。この援助はパリの国連会議で、これ室先生が言われていたけれども、GNP比〇・一五、これが目標ということを決めているというのですね。一番少ないのが大きな国では日本、アメリカ。非常に少ないわけですね。デンマークなんというのはGNP比〇・三ある。日本は〇・〇六、アメリカは〇・〇四、ノルウェーは〇・三三と、非常にもう目標の二倍ぐらいデンマーク、ノルウェー、北欧諸国はやっておるわけだ。それで、ODA全体の中のパーセンテージ、これはOECDの計算で発表されたのを見てみますと、一番デンマークはODAの四八%LLDCへの援助がある。非常に人道的ですね。イタリアなんというのも四四%で、日本は一三%、十六位です。アメリカは一四・五%、十五位と、十八カ国中本当に下にいっているわけね。今度アフリカのLLDCに五億ドルですかということを新しくやったというのだけれども、こういう人道主義ということを理念に掲げていながら、額はアメリカ、日本、非常に多いんだが、やっぱりこういう経済協力で最も重要だと思われるLLDCについてこんなに低くなっているということについて、なぜなのか、今後どうされようと思っているのか、ここをお伺いしたいと思います。
○説明員(久保田穰君) 確かに先生御指摘のように、LLDCに対する援助に重点を置くということは国際的にも非常に叫ばれておりまして、LLDCのための「一九八〇年代新実質行動計画」というようなものも八一年に国連の場で採択されております。 我が国としては、この二国間のODAを考える場合に、このLLDCも含めてLDC、なるべく低所得の国というものに対して重点を置いておりまして、半分以上が途上国の中でも低所得国に対して置かれておるわけですが、特に無償援助でございますけれども、一九八六年の支出、ディスバースメントベースで見ますと、二国間政府開発援助のうちにLLDC向けは五億七千八百万ドルということで、シェアは一五%でございます。これは八五年に比べまして絶対額で約七八%、シェアとして約二割伸ばしております。これは確かにLLDCは困難も非常に多いわけでございまして、これに対して我々も特別の考慮を払っていきたいということで、例えば円借款の返済に対してその分面倒を見てやろうということで無償による債務救済、それから先ほど先生御指摘のように、特にアフリカ諸国にLLDCが多いわけでございますけれども、アフリカのLLDCを中心とする国に対しては五億ドルという規模でノンプロジェクトのすぐに役立つ無償援助を現在実施中でありまして、今後ともLLDCを中心としたそういう形の使いやすい無償援助を拡大していきたいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 あと一問。 なぜ僕は、こういうふうにLLDCがアメリカとともに日本が際立って低いかというと、久保田審議官は先ほど二つの理念を言われたんだが、あなたが言わないもう一つ大変悪い理念が入ってきている。これはやっぱり要請主義というけれども、アメリカの要請ですな。アメリカの要請にこたえる戦略援助ですな。これの協力ですね。こういう理念が総合安全保障ということで、特に八〇年代初めから非常に際立ってきたということが僕は日本のODA問題で最大の問題だと思うんですよ。法律はないんだけれども、七八年と八一年には国会決議があるわけだ、対外経済協力に関する件がね。この中には、軍事的用途に充てられる、あるいは国際紛争を助長するがごとき対外経済協力は行わないということを国会で決めているわけですよ。「紛争当事国に対する経済・技術協力については、その紛争を助長するがごときものは行わないこと。」。 僕が一つここに持ってきているのはアメリカの議会の「NATOプログラムアンドホストネーションサポート」、これは八三年なんですが、これ議会で、日本について書いてあるところはこういうふうになっているんだな。「日本はこの五年間に海外経済援助を二倍にし、次の五年間にもそうする意図を明らかにしている。我々の勧告に、日本はエジプト、ソマリア、トルコ、パキスタンに対してソ連のアフガニスタン侵攻を受けて各一億ドル以上援助を増額した。」というふうになっている。だから、「インリスポンスツーアワーアージング」と言って、ちゃんと我々の要請に応じてアフガニスタン侵攻でこれらの援助を一億ドル以上ふやしたということをアメリカの議会で言っている。幾らでもこういう資料はあるわけだね。 私、ここの小委員会で読み上げたんだが、日米諮問委員会報告、これはもう中曽根内閣もこれ非常に尊重するということを閣議で決めたのだけれども、この中でも「エジプト、パキスタン、トルコ、スーダン、ソマリア、およびアラブ湾岸諸国の一部、さらにカリブ海地域などに対する援助の拡大は、戦略的に重要な地域に対する援助の政治的重要性を日本が認識していること」等々と。だから、今後、こういう「総合安全保障政策の一部として決定していくべきである。」ということになっていて、アメリカの国防報告だとか、いろんな報告の中で日本のこういう援助がアメリカのそういう戦略的重視、大体毎年国防報告でどれとどの国を重視するかということが全部発表されているんですから、全部合わせると約三十七カ国あるんですけれどもね。日本のODAというのはアメリカが重視している戦略重点国に対して半分行っているんですよ。日本のODAの半分はそこへ行っているんだ。こういうことをおやりになっているということが、これは国会決議に僕は反すると思うんだけれども、国際紛争をそれこそ激化させる役割をしていて、あなたの言う理念と全く違う現実が進行していると思うんですね。この点についてもし何らかの反省があれば、それからまた今後少しでも改善のお気持ちがあればお答えいただいて、私は終わりたいと思います。
○説明員(久保田穰君) 先生御指摘のように、アメリカの援助の場合には、確かに戦略援助というものが非常に二国間ODAの中で重要な位置を占めております。御承知のように、国防省が実施している直接の軍事援助のほかにこのODAというものが対外的な援助としてアメリカの場合あるわけでございますが、まず非常に足の長いプロジェクト援助、我が方が円借款で行っているような援助でございますけれども、これは主としてアメリカの場合世銀を通じて多数各国マシーナリーの手に任せて行っております。二国間援助は国務省の庁であるUSAIDが実施しておりますけれども、これは一口で申しますと、技術協力と無償、それに若干の非常に譲許的なローンを加えた形の援助でございまして、これがいわゆる人道的援助にかなり近い、かつては数年前まで、現在もそうですが、BHN、ベーシック・ヒューマン・ニーズ、人道的な非常に必要なものに対する援助というものにアメリカは非常に力を入れておりまして、これも大きな柱にしております。 しかし、金額で見ますと、ODAの中に現在はエコノミック・サポーティング・ファンド、ESFと称しておりますけれども、これが非常に大きな部分を占めておりまして、具体的な対象国はイスラエルとエジプトでございます。かつてはベトナム紛争が盛んなころはそういったベトナムとか、こういった方に向けられておりまして、これが非常に外交的な、戦略的な援助ということで、今申し上げた人道的な援助と両方相まって二国間援助の大宗を占めているのが現状でございます。 我が国の場合、先ほど御説明しましたように、この南北問題の理念といいますか、経済開発というものを中心とする経済インフラストラクチャーの支援と、それから人道的な分野における援助と。先ほどちょっと申しおくれましたけれども、北欧諸国とかそういった国では、確かに、先生御指摘のように、人道的な、歴史的な経緯からもそこに非常にウエートが置かれていると思います。我が国の場合そのあたり非常に相手国の開発の段階、ニーズ、要請、そういったものを勘案しまして幅広くバランスをとって実施しているのが実情でございます。 御心配、御指摘いただきました米国援助の肩がわりと申しますか、重視している国に偏重ということはないのではないかと思いますし、また、現在実施しております援助について戦略的というふうに考えてもおらないという現状でございます。
○関嘉彦君 二つ問題を出したいと思います。 一つは外務省に対してですけれども、これは援助の透明性の問題、先ほどの中西委員の質問されたことに関連するんですけれども、私もやはり予算の場合に予算書、予算書の中には書き込めないにしても参照書ですか、あるいは附属文書として各国別、あるいは事業別のプロジェクトの最高限、そういったふうなものを書いて国会の審議にゆだねることが、私はやはり透明性を維持していく上において必要ではないか。その場合に外務省のお答えは、相手国のプロジェクトの内容に触れるので、外交上いろいろな問題が生ずるおそれがある、そういうふうにお答えになったわけですね。しかし、後の評価の報告書には非常に詳しく書いてあるわけですね、プロジェクトごとに。予算の場合、結果としてどうせ発表されるんですから、それを予算の段階で発表することがなぜ、どういう外交上の問題を生ずるのか。こちらからどうぞ援助を受け取ってくださいと頼んでいるわけではないわけですからね、向こうの要請に応じてやるわけですから。どういう外交上の摩擦が心配されるかということが一つ、それ外務省にお答え願いたいと思います。 それから、第二点は一元化の問題ですけれども、これは外務省を除いて三省庁にお答え願いたいと思いますが、先ほど来いろいろ説明をお聞きしました。例えば、志苫委員が質問されました海外経済協力基金の予算の中の一般会計出資金の方は大蔵省、一般会計交付金の方は所管官庁に計上している。それに対する説明として、出資金の方は日本輸出入銀行の中に計上していたものが独立したんだと、歴史的な経過はわかります。 〔小委員長代理志苫裕君退席、小委員長着席〕 しかし、それを別にすることがどういう合理的な根拠があるのか。 それから、もしこれを一省庁に統合する、どこに統合するかということはまだ十分検討しなくちゃいけない。総理府の中の一省庁に統合するか、あるいは外務省の外局なんかに統合するか、それはまだ検討の余地があると思いますけれども、統合した場合に日本の経済援助としてどういう国益上のマイナスがあるか。それぞれ各省の権限が削られるわけですから各省益には非常に影響があると思いますけれども、国益の観点からどういうマイナスがあるのか、そのことを三省庁の方にお聞きしたいと思います。つまり、合理的な根拠と国益について。
○説明員(久保田穰君) 事前に相手国別に各案件を承認いただく場合の問題点でございますけれども、この計画を事前に国会に提出する、仮にそういうことになりますと、当然その内容は公開されることになるわけですが、通常と申しますか、外交チャネルを通じまして特定プロジェクトに対する要請、それを受けてこちらがそれを供与するかどうかという一連の対話はまさに外交交渉そのものでございまして、非常に簡単に申しますと、例えば特定案件に対して一定の金額を向こうが要求してくる、こちらはそれをいろいろ査定して、専門家の手でいろんな、場合によっては調査団を送ったりなんかしまして詰めていくわけですが、多くの場合、これは不当だというようなことで、もう少し、不適当なんで、効率、効果的にこのくらいに削るというようなことがありますし、まあそういったものを事前に詰めてしまいますと、そこで動きがとれなくなるという点が一つございます。 それから、決定して、ある程度交渉が煮詰まった段階でも、さらに後から変更ということがございまして、国会で審議していただきまして御承認を経てしまったということになって、またこれの変更というようなことに伴い生ずる不都合な点もございます。また、より基本的には、やはり相手のあるといいますか、相手側にしてみると、自分たちの主張の内容そのものがすべて公開されてしまうということで、我が方だけではなくて相手方も非常に困ってくる問題がいろいろ生じてくるということで、我が方の内側で生ずる問題、それから相手側と、両方相まって、やはり事前に承認、検討いただくということは非常に不都合が多い。やはり予算、承認という形で御承認いただいて、それに伴う御説明をさせていただいて、いろいろな資料を提出させていただき、その上で行政府、特に今の外交交渉の過程を通じて弾力的に結論を出していくという形で、交渉もまとまった段階で公表するという形をとるのが一番適当だと思っております。
○関嘉彦君 私は、何も交渉の過程においてそれを公表しろなんて言っているわけじゃないんで、煮詰まって、決定してから、どうせ予算出すわけですからね。それから、あるいはその途中で変更があったときに変更ができなくなるというふうなお話だけれども、変更されるような計画を出してくるということがおかしいんで、やはり変更がないように十分検討したやつを出してこなくちゃいけないわけなんですから、その意味で、今申したようにはっきりさせるということは、特に相手国が何か不正でもやろうと思うんだったら話は別ですけれども、相手国が堂々とやってくるんでありますならば特別に外交上のフリクションが起こるというふうなことは私は理解できないんですけれども、その点だけもう一つお答え願いたいと思います。
○説明員(久保田穰君) 予算を計上しまして、そして詰み上げた予算の御承認をいただいて、それに基づいてその年度の交渉を始めるわけでございまして、まだ根拠のない段階、詰めている段階もありますけれども、具体的には予算の基礎の上に立って、大体それを眺めながら進めていくというプロセスがあると思います。そういたしますと、事前に計画段階で国会の御承認をいただくということは、やはりその内容を公表するということにほかならないと思いますので、先ほど申し上げた、やはり交渉に伴うもろもろの不都合が生じるということになるかと思います。
○関嘉彦君 納得しませんけれども、次の質問に答えていただきたいと思います。二番目の答え。
○政府委員(岩崎文哉君) 厳しい御質問でございまして、確かに援助体制の一元化というのは叫ばれて久しいわけでございますけれども、先ほどの御質問にありましたように、被援助国からのニーズというのは極めて多様化しておりまして、関係官庁も十六に及んでおるというような現状でございます。そういう現実を踏まえますと、一元化した方がかえって非能率になるというふうに考えることもあり得ると思います。ただいま主たる経済協力を扱っております四省庁の間では、毎週連絡会を開いて、そのときそのときの事案の協議をいたしておりまして、この体制をもって円滑に運営できておるものと自負しております。ただ、それでうまくいかないというところがございますれば私ども運用の面において直していきたいと考えております。 それから、もう一点の経済協力基金の交付金あるいは出資金がばらばらに各省についておるではないかという御質問でございますが、出資金につきましては、およそ国の機関の出資にかかわることが大蔵省設置法において大蔵省の機能として掲げられております。そういう事情がございまして、海外経済協力基金に対する出資金についても大蔵省で取り扱っておる、いわゆる国庫を預かる役所の事務、予算を取り扱う大蔵省としての、大蔵省もございますが、国庫大臣としての大蔵大臣が扱っておるということでございます。
○説明員(南学政明君) 通産省といたしましても、今大蔵省の岩崎次長が発言されましたように、現在の経済協力の実施体制は全体として順調に機能しているという認識を持っております。四省庁の中で頻繁に連絡調整を行い実施に移すということで、改善すべき点があればこの運用面で改善していきたいと考えております。 一省に統合するあるいは新しい機関をつくるというような御見解もあることは我々承知いたしておりますが、国益にどのようなマイナスかという点につきましては、私ども次のように考えております。 一つは、やはり発展途上国の日本国に対する経済協力の要請は極めて多様化し、きめ細かな要請がなされてきております。先ほど通産省の予算の主要項目について御説明申し上げましたが、例えば民間専門家の派遣事業、これをいかに円滑に推進していくか、こういう段階になりますと、日本の産業界のどういう分野にどのような専門家がいるか、その辺をやはり所管し熟知している所管省が責任を持って処理していくということが円滑な推進に寄与するゆえんではないかと思います。新しい調整をする機関ができましても、結局は屋上屋を重ねるおそれがあるというのが私どもの認識であります。
○説明員(田中努君) 御承知のとおり、経済協力というのは非常に多面的なものでございまして、外交的な配慮も必要でしょう。また通商上の配慮も必要である。それから国際金融に対するインパクト、そういう配慮も必要でございますし、また世界経済の調和ある発展、そういうふうな観点も必要である。そういう多面的なものでございますので、これを一元化するというのは、これは非常に難しい問題がございまして、むしろ、それぞれの分野に専門化しておりまして、専門的な知識を有する各担当省庁がそれぞれの特徴、専門分野を生かして、お互いに足らざるところを補いながら協力をして進めていくというやり方が一番適しているのではないか。一元化よりは、これをむしろ多元的に行うことによっておのずからそこにチェック・アンド・バランスというふうな力が働きまして、おのずとバランスのとれた考え方なり政策の方向なりというものを見出すことができてくるのではないか。そういうふうに基本的に考えておるわけでございます。 現行のやり方がそういった線に沿ったやり方であるというふうに私ども考えておりますけれども、この実情につきまして、やはり順調に執行が行われているということで、もちろん改善すべき点、多々あると思いますけれども、それは各省庁間の連携を一層強化するというふうな形でこれをなし遂げていきたいというふうに考えております。 それから、出資金、交付金等の計上の問題でございますけれども、これはかなりの部分がいわば予算技術的な問題でございまして、実態といたしましては、経済協力基金の予算につきましては、経済企画庁が総合的な観点からこれを取りまとめて大蔵省に要求申し上げているという実態でございますので、問題はそこにないというふうに考えております。
○関嘉彦君 私は、何も、例えば総理府の中に開発庁をつくる、あるいは外務省の外局として開発協力局をつくったとした場合に、そこがほかの省と連絡とらずに独断専行にやれというふうなことを言っているわけではないんで、もちろん協力はしなくちゃいけないけれども、責任体制をはっきりさせる意味で一つにした方がいいんではないかということを言っているわけですが、それで外務省にお尋ねしますけれども、一つにした場合のメリット、あるいは一つにした場合のデメリット、それをどういうふうに考えておられますか。メリットとデメリットがあるに違いないと思いますけれども。
○説明員(久保田穰君) 経済協力の内容的なただいま種々御説明ありましたように非常に各般にわたっており、説明一つとりましても非常にばらばらになるわけですけれども、恐らく、統一機関というところで扱う場合には、そういったような一つの整合性と申しますか、いろんな意味での手続問題、いろいろな各種の企画立案、実施、そういったものにかかわる事務が一本化されてかなりそこで整理されるというメリットはあるのかなという気がいたします。 政策理念につきましては、現在でも先ほど私申し上げましたように一般的に確立しておりまして、そのバリエーションが各省における重点の置きどころということでございますので、特段の変わりはないかなという気がいたします。 デメリットといたしましては、今も御指摘、各説明員からございましたように、やはり非常にきめの細かい各段の各分野の援助ということに関連しまして、その統一機関たるものがよほど内容的に十分そういうものをこなせる能力と申しますか、内容にならないとかえって屋上屋を重ね、または不適当ということで欠陥が出てくるのかなという気がいたします。
○青島幸男君 私、皆様方同僚各委員の質問などを通じまして、あらかた疑点に思っているところは了解をたいしました。改めて皆さん方に質問をするというよりは、むしろ国民の一人として今までの経緯についてどういう考えを持っているか、どういうことを要望したいかということだけお話しして終わりにしたいと思いますけれども、歴史的な経緯から見ましても、確かに我が国は戦後海外に援助するどころか援助を受けるような状態が十年も続いておりまして、それから急激に経済的にも発展をしまして、おかげさまで海外に援助の手を差し伸べられるような立場になった。その歴史的な経緯から見ましても、とつおいつその都度逐次やってこられたということで、聞けば十六省庁にわたるということで、その都度大局的な見地から一貫してこれを行おうというような体制ができる前にもう事は始まっておったということからこういうことになったと思うんですね。ですから、これを一挙に改めるというのは難しいかもしれませんけれども、国民の目から見て非常にわかりにくいわけですよ。事が起こったときの責任の所在だとか理念の実現にしましても、それぞれの省庁で考え方が違っている、接する態度に開きがあるということからすれば、これはどこかでそごを来してきて、結局事が起こったときに国民の目の前に何がどうなっているのかよくわからない。行政の面からすれば、わかりやすいということが何よりもまず国民にとってはサービスの第一だという考えがしますね。ですから、皆さん方余りにも律儀であり過ぎて、自分のところで始めた仕事はもう首尾一貫完結せにゃならぬ、これはよそへ回すのはどうもじくじたるものがあるというようなところがおありになるのかもしれませんけれども、そこのところは国民がわかりやすく納得ができるような方向にしていかなきゃならぬと。人材養成のことを一点とっても、それぞれの考え方が違うということからまとまりができないからうまくいかないんじゃないかというような点もありますし、一元化のデメリットばかりをそう言い立てないで、何とか一元化できる方向に御努力ありたい。もうちょっと柔軟な考え方でこの一元化の問題に対応してくださるように要望したいと思います。その点だけ要望しまして、終わります。
○真鍋賢二君 今まで各同僚の御意見いろいろ拝聴して適切な御質問があったわけでございますけれども、やっぱり制度と運用の面で考えてみましたら、制度的なやはり日本の省庁の縦割りを考えると、一元化していくというのは難しいと思うわけですね。ですから、一元化の体制はとってほしいけれども、制度的には各省庁いいところを存分にひとつ出し合っていただいて、目的を一にするわけですから、その目的に向かってひとつ協力し合っていただきたいと思うわけです。 運用の面ですけれども、まあこれ簡単に言えば金の使い方なんですね。皆さん方も、その持った金をどのように使うかということについていろんな方法を考えておると思うわけですね。ですから、金というものがどういう意味をなすんだろうかと。私自身は、金というのは自分の力のないところを補ってくれる力はあるけれども金にすべてを頼ったらすべてがだめになるというような気持ちを持っておるわけですから、お金をどういうふうにして有効に使うかということについての考えを皆さん方はいろんな形でなしていっておるものと思うわけです。ですから、金を人様にくれてやったり、渡すというときには、渋い顔をして渡したって金の生き方というものはないわけですから、まさににこにこしながら金を渡して、この金を有効に使ってくれよというような気持ちで金を使うというのが私は一番いい方法じゃないかと思うんです。 そうすると、もう余りへ理屈をこねたり、目的が何だかんだというようなことをせんさくするよりは、先ほど外務省の方から説明がありました、アフリカ等にはノンプロジェクトで金を渡しましょうということで前年比九・八%もアップしておるという話を聞いたわけなんですけれども、やっぱりある程度、こういうものに使いたい、ああいうものに使いたい、お金が欲しい、援助してほしい、協力してほしいということだったら、それに対して、もう大まかなところお金はこの程度要るんだからこの金をそれらのために有効に使いなさいということで、私は言葉は悪いけれどもつかみ金で渡した方が生きるんじゃないだろうかと。今地方の時代を迎えて、地方に中央集権的なことをやらせないという意味においては、補助金制度というのはそういう形をとった方がいいんじゃないかとも言われているわけでしょう。ですから、お金の有効的な利用ということは、もう少しそういうノンプロジェクトという、その内容はいろいろありますけれども、そんな形で金を使っていくというような形で援助してあげる方がいいじゃないかと。 援助してさしあげるということは、日本がそれほどに金持ちの国になったということを立証するわけなんですけれども、しかし、渡す金は生きなきゃいかぬわけですね。生きるということは、日本の国をやっぱりある意味においては尊敬したり畏敬して喜んでもらえるというところに目的があるわけなんだから、今外交交渉の中で一番難しいというのは、日本が好きだ、日本人が優秀だというようなところの気持ちを大きくしていかなきゃならないわけですから、このODA援助というのはそういう一つの目的を持っておるわけですから、そういう目的に従ってひとつ金を使ってもらいたいという気持ちでいっぱいです。 それで通産省が、きょうの新聞なんかを見ますると、南学さんのところはODAの経済協力白書を発表しておられましたね。我々まだ説明を受けておりませんし、内容もわかりませんのでぜひ読みたいと思うわけですけれども、この経済協力白書を出していろいろ反省してみた結果、これからの経済協力、援助というものはこうあるべきだという意見が白書の中に随所に織り込まれておるんだと思うんです。大まかでいいですから、そういう点についてのひとつ御見解を御披露していただきたいと思うのと、外務省には、さっき言ったようにノンプロジェクトの資金協力というものが非常に有効的に働いているというところもあるんじゃないだろうかと思うんですけれども、そういう、これをやろう、アフリカなんかにこういうものをやろうという考えになった背景というものがおわかりでしたら御説明していただきたい、こう思います。
○説明員(久保田穰君) 確かに先生御指摘のように、相手が本当に感謝して、税金である援助資金が効率を十二分に発揮するという観点に絶えず心を砕いておるわけです。やはり迅速に、何よりも迅速に反応して、リスポンドして相手の手に渡してやるという点が一つあると思います。そのために、我々関係省庁の間でもまずそういった面に非常に気を使っております。 それから、そのやるもの自体が、今御指摘のように大きな施設をつくるというよりも、むしろすぐ使える形の援助というものを希望している国が多いことも事実でございまして、それに対する対応のあらわれでございます。やはり非常に苦しいLLDCのような国、こういうところにはそういう形の援助が非常に必要かと思います。恐らく今後そういったものをふやす努力は引き続き行われると思います。ただし、やはり貴重な税金でございますので、その使途を我々は重大な関心を持って眺めざるを得ないわけで、並行的にその効果的な使用における面も確保しようということで、これは各供与国皆一様に苦労している部分でございますが、我々もよくよく研究しながらその確保には努力していきたいというふうに考えております。将来はアフリカのみならず、中南米の困った国、さらにはアジアのLLDCに匹敵するような国に対しても、今先生御指摘のノンプロジェクト援助というものを拡大していかなくちゃいけないんじゃないかというふうに考えております。
○説明員(南学政明君) 真鍋先生から御指摘がありましたいわゆる経済協力白書について簡単に御説明申し上げます。 一九五八年以来、通産省は「経済協力の現状と問題点」という名のもとに経済協力のいろいろな問題点、考え方を整理したものを世に問うているわけでありますが、一九八七年度版が新聞発表をいたしまして、けさの新聞に載っていたと思います。 簡単に結論だけ申しますと、いろいろな過去の英国やあるいはアメリカ等の歴史的な役割等も分析しながら、世界最大の資本供給国となった日本が今何をなすべきかというところを勉強したわけでありますが、やはり我々としては次の三点を今後進めていく必要があるということで取りまとめを行いました。 第一点が、援助と直接投資、輸入、この三つが三位一体となった総合的協力を推進する必要があるということであります。 先ほど新アジア工業化総合協力プランを予算の中でも御説明いたしましたが、発展途上国の工業化を円滑に進めるために、援助と日本の企業の直接投資、日本が発展途上国の製品をもっともっと買い入れるという市場を提供するという、そういう協力があって初めて発展途上国の工業が円滑に発展していくだろう、こういう総合的な協力の推進の必要性を第一点として説いております。 第二点は、資金フローの一層の拡大であります。大幅な貿易収支、経常収支の黒字を計上している日本といたしましては、やはり歴史的な過去の英国の動きあるいは第二次世界大戦後のアメリカ等を見ますと、それなりの大変な資金の還流を世界に行い、資本と物の流れの好循環を形成するという役割を彼らは果たしてきたわけであります。アメリカは今双子の赤字に大変苦しんでおりまして、これまで同様の役割というものを果たすということは極めて困難な事態にあるわけでありますが、一方、アメリカにかわって日本だけがこれを担えるというような実態もあるわけでもありません。先進国間の協調というのは極めて重要でありますが、日本が世界最大の資本供給国となったという現実を踏まえて、やはり二百億ドルの資金還流に満足することなく、さらなる資金還流のために、特に民間資金の一層の還流のために努力すべきであろう。このために、優良なプロジェクトの発掘、形成あるいはリスク対策の一層の整備ということの必要性を説いております。 第三は、今の第二点とも関連いたしますが、政府開発援助の量質両面にわたる拡充、改善の必要性であります。先ほどから議論になっておりますように、日本のODAの対GNP比、これはDAC加盟国中十五位というような実態にあります。また、グラントエレメントは十八カ国中第十八位、最下位というような状態にありまして、やはり発展途上国あるいは他の先進国からの日本に対する強い期待を考えますと、量質両面にわたるさらなる拡充、改善というものが必要であろう、このように指摘しております。 以上が白書の取りまとめの部分の三点であります。
○真鍋賢二君 その取りまとめの三点について今そういう反省をしたけれども、通産がこれからのいろいろこの経済協力援助の計画書を出しておりますね、それに対して、その反省に立ってなお今後こういうものをという何か将来に対する期待というものを調査を通してお持ちでございますか。
○説明員(南学政明君) 項目によっていろいろ違いがございますが、例えば今回の白書の中で資金フローの一層の拡大、リスク対策の整備というようなことを指摘いたしましたが、これは今貿易保険当局の方で審議会を開いて、このためにいかなる対応をすべきかを研究いたしておりますし、我々といたしましては今回のいろいろな提言に、提言というか指摘に沿ってこれからまた関係省ともいろいろお話し合いをし、さらに来年度の予算要求等に当たりましてこうした考え方の上に立った要求を行っていきたいと考えております。
○小委員長(矢田部理君) 以上で質疑は終了いたしました。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十六分散会