予算委員会第五分科会 第1号
- 発言数
- 581 件
- 登壇者
- 53 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1988/03/09
会議録
○志賀主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしく御協力をお願いいたします。 本分科会は、総理府所管中環境庁及び農林水産省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 昭和六十三年度一般会計予算、昭和六十三年度特別会計予算及び昭和六十三年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。佐藤農林水産大臣。
○佐藤国務大臣 昭和六十三年度農林水産予算について、その概要を御説明申し上げます。 各位の御協力を得て御審議いただくに当たりまして、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。 現下の我が国農林水産業を取り巻く内外の経済情勢について見ますと、我が国経済は内需を中心として安定成長を持続しておりますが、主要国間にはなお大きな対外不均衡が存在することなどから、引き続き、国際協調型経済構造への変革の推進が求められております。 こうした中で、我が国農林水産業は、経営規模の拡大の停滞、生産性向上の立ちおくれ、農産物需給の不均衡などの諸問題に直面し、また、内外価格差の縮小、農業保護のあり方等につき、内外から強い関心が寄せられるとともに、諸外国からの市場開放要求が高まるなど厳しい状況にあります。 申すまでもなく、我が国農林水産業は、国民のニーズに即した食料の安定供給、活力ある地域社会の維持、国土・自然環境の保全とその調和ある活用など我が国経済社会の発展や国民生活の安定のため、重要な役割を果たしております。 今後の農林水産行政を推進するに当たっては、このような農林水産業の持つ基本的かつ多面的な役割を踏まえつつ、国際化、高齢化、大都市の過密と一部農山漁村における過疎化の進行、技術の高度化等今後の社会経済情勢の変化に的確に対応していく必要があります。 このため、農林水産省といたしましては、農政審議会報告「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」を踏まえ、食料供給力の確保を図りつつ、国民の納得し得る価格での食料の安定供給に努めることを基本として、与えられた国土条件等の制約のもとで最大限の生産性向上を図るとともに、生産と居住の場である農山漁村地域の活性化を推進する必要があり、これに焦点を合わせて諸施策を展開することとしております。 以上のような基本的考え方のもとに、二十一世紀へ向けて、将来への明るい展望が開ける農林水産業・農山漁村の実現を図るため、所要の予算を計上したところであります。 昭和六十三年度一般会計における農林水産予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて、三兆千七百十九億円となっております。 予算の編成に当たりましては、厳しい財政事情のもとで、財政及び行政の改革の推進方向に即し、各種施策について、予算の重点的かつ効率的な配分により質的充実を図るとともに、NTT資金の活用による公共事業の拡充を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開するよう努めたところであります。 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。
○志賀主査 この際、お諮りいたします。 ただいま佐藤農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略いたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○志賀主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ───────────── 〔佐藤国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点事項について御説明します。 第一は、土地利用型農業の体質強化を目指し構造政策等を積極的に推進することであります。 このため、農業の体質強化の基礎となる農業生産基盤整備につきまして、NTT資金の活用により大区画圃場の整備等を推進するとともに、生産性の向上、農業生産の再編成等に資する事業に重点を置いて推進することとし、一兆二十二億円を計上しております。 また、経営規模の拡大を図るため、構造政策の推進体制の整備、中核農家及び営農集団の育成を進めるほか、新農業構造改善事業等による生産条件の重点的整備等を推進してまいります。 さらに、新規就農者を含めた担い手対策についても、農地等取得資金等の貸付限度額の引き上げ、新規就農者や大規模担い手農家に対する農地等の一時貸付制度の創設等により施策の充実を図ることとしております。 第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開を図ることであります。 需要の動向に応じた農業生産の再編成を行いつつ、生産性の高い農業生産体制を整備するため、引き続き水田農業確立対策を推進するとともに、農業生産体質強化総合推進対策において、生産性の高い水田農業を実証するモデル地区を育成する等低コスト生産を志向した施策等の充実を図ることとしています。また、農業生産資材対策においても、生産コストの低減に資するため、農業機械の高度利用等を推進することとしています。 さらに、畜産総合対策について、肉用牛生産の低コスト化と肉用牛資源の拡大の重要性にかんがみ、肉用牛対策の充実等を図ることとしております。 第三は、農山漁村地域の活性化を図るため、NTT資金を活用しつつ、リゾート地域の整備、農村の集落整備等を推進するとともに、定住条件の整備、農村工業導入事業の拡充による就業機会の確保等を図ることとしております。 第四に、技術開発の推進等により、農林水産業、食品産業等の生産性の飛躍的向上等を図ることであります。 このため、二十一世紀を目指したバイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究を重点的に推進するほか、産・学・官の連携強化による研究の拡充を図るため、官民交流共同研究を実施するとともに、研究交流の拠点整備を図ることとしております。 また、最近の情報処理技術の目覚ましい発達に対応して、農林水産業に係る情報システムの開発・整備を推進することとしております。 第五に、国民に健康的で豊かな食生活を保障する観点から、食生活をめぐる消費者意識の変化等に的確に対応するため、各般の消費者対策を総合的に推進するとともに、農林水産物の需給と価格の安定に努めます。 また、食品産業のニーズに合致した国産原料農産物の供給体制の整備、食品産業の技術水準の向上等食品産業対策を充実するとともに、食品流通の効率化を進めてまいります。 以上申し上げましたほか、国際協力、備蓄対策を推進するとともに、農林漁業金融の充実、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営等に努めることとしております。 第六に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 国土の保全と林業生産基盤の整備を図る観点から、NTT資金を活用しつつ、治山、造林及び林道の各事業を計画的に推進することとし、三千二百五十五億円を計上しております。 また、国産材の供給体制を整備するため、川上と川下の連携のもとに地域材の産地化を推進するとともに、森林・林業、木材産業活力回復緊急対策を引き続き実施することとしております。 さらに、モデル木造施設の建設、間伐材の商品化等により木材需要の拡大を図るとともに、林業担い手の育成確保、森林機能の維持増進等を図るほか、国有林野事業の経営改善を強力に推進することとしております。 第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興を図るため、第八次漁港整備長期計画及び第三次沿岸漁場整備開発計画を策定し、NTT資金を活用しつつ、漁業生産基盤たる漁港、沿岸漁場整備の各事業を計画的に推進することとし、二千百億円を計上しております。 また、我が国二百海里内の漁業開発を進めるため、新沿岸漁業構造改善事業(後期対策)を発足させるとともに、沖合養殖システムの開発等新技術開発、養殖業対策、資源管理型漁業の推進等を図ります。 さらに、水産物の流通・加工の合理化を一層促進するため、中核的な流通加工施設の整備、水産加工施設資金の期限の延長等を行うほか、水産業経営対策の充実等を推進することとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、消費者米麦価の引き下げ、良質米奨励金の見直し等を実施するほか、管理経費の節減等食糧管理制度の運営の改善合理化に努め、一般会計から調整勘定への繰入額を二千六百二十億円とすることとしております。 農業共済再保険、国有林野事業特別会計等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等総額九千二百五十四億円を予定しております。 これをもちまして、昭和六十三年度農林水産予算の概要の説明を終わります。 ─────────────
○志賀主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。 ─────────────
○志賀主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。 質疑持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく簡潔にお願いを申し上げます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
○井上(普)分科員 先般、総括質問において、公明党の草川君が競馬の問題について質問をされておりました。その際に、農林大臣は競馬場へ行ったことがあるかという話がございますと、得々とした、得意然としたような顔をしておったように思うが、私はだれやらの総理大臣のときに総理大臣代理として一回と、二回しか行ったことがありませんと手柄顔に言っておったように私は承った。おかしいな、農林大臣というのは中央競馬会を監督する立場にある、その人が得意然として競馬場へ行ったことがないということはまことにけしからぬ話だな、こう思っておったのであります。 いろいろ調べてみますと、納付金にいたしましても、かなりの額が農林省に競馬会の上がりから入っておる。それが畜産事業の振興のために入っておる。だから、的確に申しますと、もう少し農林大臣は競馬場へ出ていって、ファンの皆さんにありがとうございますぐらい言ったらどうですか。
○佐藤国務大臣 先般の委員会における質疑のことを引用されてのお話でございますが、突然の御質問でございましたので、いささかちゅうちょしておったことは事実でございます。得意になって申し上げたわけではございません。馬券を買ったことがあるかという質問ではございませんでしたけれども、私、実は買ったことがないものだからそっちの方は素人でございます。威張っているかどうか、私にはその判断の尺度を持ち合わせてもおりません。そういう意味で、かつての二代にわたる総理大臣賞を政務次官として渡しに行っただけで、後ごぶさたをいたしておるという意味で申し上げたわけでございます。
○井上(普)分科員 私は行っているのです。農林大臣ともなれば競馬場へ行ってファンの皆さん方に、ともかくこんな高いテラ銭を取っておる競馬場へよう来てくださいましたと言って感謝の念をあらわすべきだと思うのですが、どうですか。
○佐藤国務大臣 中央競馬会の所管は我が方でしているわけでございまして、今おっしゃるような趣旨は中央競馬会におかれまして十分徹底するように、感謝の意をあらわしているものと心得ております。
○井上(普)分科員 農林大臣、あなたは中央競馬会だけではないのです。地方競馬会もあなたの方が主催しておる。よくそのところは忘れぬようにしてもらいたい。ともかく私は競馬のファンであります。でありますから、きょうはひとつファンを代表して質問をいたしたい。 その一つは、今や競馬は、中央競馬会にとりましても二兆円の売り上げがある。そのうちのともかく二千億円は国庫に納付されておる。そのほかに、この間草川君も言っておりましたけれども、第二納付金というのがある。第二納付金というのは馬券の余った分とか、何とかかんとかいろいろ名をつけまして大蔵省が取り上げることですが、この第二納付金が大体二百五十億から三百億出てきておる。このうちの四分の三は畜産振興のために必要な経費ということで使っておる。四分の一は民間の福祉事業に使うんだということが法律上書いてあるのであります。この民間の福祉事業に使うというのは、この競馬法が国会に上がった際に、昭和二十年代でございますが、当時我が党の江田三郎、中澤茂一等の諸君が努力いたしまして、そして余った分は一部は福祉事業に使ったらどうだというので、第二納付金のおおよそ四分の一を民間の福祉事業に使えということを法律に書いてあるのであります。 しかしながら、これはどうも明確になってない。法律ができた次の年におきましては、このことは当時の戦争未亡人の授産場に使ったことははっきりしておるのでありますが、その後このことが予算上明確になっておらないのであります。大蔵省の中へ入ってしまったから民間の福祉事業に使ったんだということがわからなくなっている。しかし片方、船舶振興会、あれらを見ますと、わしらは何に使った何に使ったといってテレビでまで宣伝している。ところが競馬の方はそれをさっぱりやらない。ファンとしたら、第二納付金は一体どのように使われておるんだ。ともかく何に使いました、世界の子供にも使いましたなんと言うてノーベル賞をねらうような人も出てくるんだ。そうじゃなくて、ここらあたりも、競馬会としては、あるいは農林省としては福祉事業にかくかく使いましたということを明確にしておく必要があると思うのですが、いかがですか。
○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘のございました日本中央競馬会からの国庫納付金の使途の問題でございますが、御指摘のとおり、国庫納付金の額につきましては、昭和六十三年度の予算について見ますと、第一納付金、第二納付金を合わせまして総額で約二千百五十五億円となっております。その四分の三相当額につきましては、お話しのとおり畜産振興費に充てられることになっておりますが、四分の三相当額を算定いたしますと千六百十六億円でございます。これにつきましては、農林水産省に計上しております畜産関係予算総枠が二千百二十九億円ということになっておるわけでございますので、法律の趣旨に沿った予算計上が行われておるというふうに考えております。 それから、第二に御指摘になりました四分の一相当額については、法律の規定で民間の社会福祉事業の振興のために必要な経費に充てるということで、厚生省に計上されております社会福祉関係の予算財源に充てられていると承知をしております。 六十二年度の状況で申しますと、四分の一相当額が五百十六億円、それに対しまして民間社会福祉事業関係に計上されております予算が三千四百六十八億円というふうに承知しておりまして、法律の規定に沿いました予算計上が行われておると承知しております。 さらにまた、この社会福祉関係に計上されております予算のPRの問題につきましては、私ども直接所管をしておりませんけれども、厚生省の方に、競馬会の納付金の四分の一相当額を財源としてそういった社会福祉事業が行われておるということについて、十分趣旨が理解されるようにしかるべき措置をとるよう厚生省の方にもお願いをしていきたいと考えております。
○井上(普)分科員 ちょっと私の考え方と違うんだが、畜産局長のお話をそのまま承ると、畜産事業の振興のためにほとんど、大体七割ぐらいはこの中央競馬会の売り上げでやっておるんですな。そういうことになる。そんなことは一般には知りませんよ。これが笹川良一さんが中央競馬会の理事長だったら、テレビで、これもやりました、あれもやりましたと言うでしょう。そこらあたりに役所としてのPRの不足があるのじゃないか。このごろ大体中央競馬会のあのテレビのPRを見ると、ともかくタレントを使っておるけれども、いかにもダサい、おかしげなテレビのコマーシャルをやりよるなと思うんだけれども、これは中央競馬会も、もう少し農林省の――大体農林省の役人というのは頭がかたいんだけれども、そのかたいまねをしよるんではないかいなというような気がしてならない。 だから、ここらあたりは大臣どうですか、もう少し我々競馬ファンにすれば、競艇ばかりあんなことに使っていいことをしているんだ、いや、そうじゃないんだ、競馬の上がりで畜産事業もこれだけ振興さしているんだ、民間の福祉事業に、ここにこれこれやっているんだということを示したらどうですか。このごろはともかくPRの時代になっている。競艇の上がりにしましても、これも競艇の上がりでつくった施設でございますと玄関に堂々と大きな看板を立てている。あるいはまたこのごろは道路にしましても、これは郵便貯金の還付金によってつくっておるのでございますと建設省が大きな看板を立てておる世の中だ。そういうような世の中だから、ひとつそこらあたり競馬会も、民間の福祉団体に使っておるお金は競馬会から行っておるんだ、看板を立てろとは言いませんけれども、もう少しPRしてほしいと思うのですが、どうでございますか。
○佐藤国務大臣 確かに頭のかたい部分はあるかと思います。何と比較してというのが問題だと思いますけれども、井上委員の柔軟性から比べれば相当かたい、私、自分自身がそう思っております。しかし、おっしゃるように情報化社会でございますし、やはりやっていることを広くお認めをいただく、そういう意味においても適切な広報は必要だ、一段の努力をいたしたいと思います。
○井上(普)分科員 実はこういうような問題がありますけれども、この競馬会法ができてもう三十五、六年になる。その間、長沼答申が三十六年につくられましてから、多少の改正は行われました。しかしながら、今やレジャー産業として大きな位置を占めるようになってきておる。これは昔のイメージと大いに違ってきておる。私は感心するのは、競馬場へ行きますと便所が非常にきれいになっている。国鉄の便所であるとかあるいはまたほかの便所と違って非常にきれいな便所になっておる。それだけファンの質も高まったのでございましょう。あるいはまた競馬会の努力もあるのでしょう。 そういうように非常にレジャーとして、言ってみますと子供さんを連れた家族連れがたくさん来るというような時代になってきておる。単にこれをギャンブルとして受け取るのではなくて、レジャーとしての考え方をもう少し濃厚に打ち出す必要があるのじゃないだろうか。それには三十六年の長沼答申以来全然答申を受けておらず、法改正も行われていないので、我々今から考えるならば、非常に時代にそぐわないところが出てきておるように思われてならない。ただ、農林大臣にしますと、長沼答申をやるということになれば、あるいは通産省あるいはまた運輸省とも協議した公営競技はいかにあるべきかの答申になるからあなたが一人でここで約束することはできないと思うけれども、しかし時代が変わってきているから変えなきゃならぬということはひとつあなたの方からも発議していただきたいと思うのですが、どうでございますか。
○佐藤国務大臣 公営競技全般の問題を今提起されたわけでございます。 長沼答申も古くなったぞ、また吉国答申のような政府諮問機関の答申を受けて今日に至っておる経緯もございます。そういういろいろな経緯はございますけれども、これは関係各省確かにあるわけでございますから、私としても関係各省庁に対して、やはり多岐にわたるそういうものは総理府が所管ということになりましょうか、そういうところに、今日の中央競馬会の運営全般の見直しについては確かに検討課題であると私も認識しておりますので、要すればひとつ公営競技の所管省とも十分相談をいたしてまいりたい、こう思っております。
○井上(普)分科員 それはぜひともやっていただきたいと思うのです。といいますのは、先般も草川君が質問いたしましたように、そもそも競馬というのを考えてみますと、競馬というのは馬匹改良というような意味はなくなってきている。とするならば、国家財政あるいは地方財政に寄与するという一面だけしか残ってない。その後、畜産振興のためとかいって、うまいこと畜産局は中央競馬会の金をふんだくるために一生懸命になってこんなことをやっているけれども、実際は競馬会というのは馬匹改良ということが中心になって起こってきたものなんですから、その意味がなくなってきているのだから、言いかえるならばもう国家財政に寄与するという一面しか残ってない、公に見るならば。しかし、国民に対しレジャーを与えるという大きな使命がある。とするならば、そのレジャーが、しかもギャンブル性を持っておるのだから、これが公正に行われるということが、国民の皆さん方から信用があるということがまず第一番でなければならない。したがって、その馬主あるいは関係者というものは姿勢を正してやってくれ、儒教のようなことは私は申しませんけれども、姿勢を正してやってもらわなければならない、そうでなければ信用がなくなる。 安部譲二の塀の中の男たちとかいう小説が出て、中央競馬会にあの安部譲二の言葉を使えばできレース、八百長レースがあるというようなことまで、これは刑務所におった人だから私はそのまま信用はしないけれども、そういうことがささやかれるようになったら困る。しかも、社会的に非難せられるような人が馬主になって、そして競馬をやられるということになると国民の信用は、ファンの信用はなくなって離れてしまいますよ。しかし、この反社会的な行為をした馬主を除外させるという法律がない、こうあなた方は解釈しているのだ。そんなことであったならばこれは大変なので、少なくともそういうことを直さなければならない。すなわち、これが競馬法の改正を必要とする理由の第一であります。この点について、競馬会理事長、どう思います。
○澤邉参考人 競馬が健全な国民のレジャーとして定着をしてまいっておるということで、私どもその基本として公正な運営をする、公正なレースを行う、それによってファンの信頼を得るということが一番基本であって、何よりも大事なことだということで、常日ごろ心がけて努力をしておるところでございます。 そこで、今お尋ねの馬主の登録の問題でございますが、確かに法十三条に馬主を登録する場合の要件が書いてございますけれども、取り消しの場合の要件は法律には規定をされておりません。ただ、私どもとしましては、登録の場合の要件、それからまた拒絶する場合の要件も書いでございますが、一たん馬主になった場合、それが反社会的な行為とか公正確保上問題のある行為があった場合の取り消しにつきましては法律の明文はございませんけれども、当然登録の要件あるいは登録を拒絶する場合の要件に該当するに至った場合には一たん登録したものを抹消できるというふうに考え、私どもの競馬施行規程におきましてもそのようなことを規程上明らかにして、さらに公正確保上馬主としての適性のない場合には抹消することができるという規定も施行規程上は定めております。その意味では、抹消に関しましては法律の登録あるいは拒絶の規定に即した運用をしておるということで、適正な馬主を確保するということにつきまして努力しておるところでございます。
○井上(普)分科員 理事長さん、あなたはそんなことを言いますが、安部譲二の塀の中の男たちという本を読んでごらんなさい。安部譲二はのみ行為をやりながら馬主になっておったということを明確に書いておるじゃありませんか。のみ行為をやっておる人間が馬主になったらどうなります。あるいは反社会的行為をやっておる者を除外するような規定が法律上ないじゃありませんか。懲役を受けた者は馬主になれぬぐらいしか書いてない。堂々と安部譲二は書いておるじゃありませんか。自分はのみ行為をやっておって馬主になったんだということを書いておるじゃありませんか。これは私はすべてがそんなきっちきっちいったものとは思わぬけれども、こんなことをやっておったのではいけないから、それで法改正を行いなさいということを申しておるのであります。法改正をやるにつきましては、先ほど申しましたような答申が要るということにも相なりましょう。だから努力をしてほしいということを申しておるのであります。 それからもう一つ申しておかなければならないのは、このごろ非常に共同馬主というのがふえてきている。共同馬主の問題も出てきて、前とはえらい違ってきている。これの功罪もあるでしょう。罪の方についてひとつお考え願いたいと思う。 あるいはまた、これは小さいことになるかもしらぬけれども、イギリスなんかへ行きますと、同じ馬主がレースに二頭、三頭出すときには一つの枠に入れてしまって不正が行われぬようにやっている。日本だったら、大きなレースに一人の馬主が三頭も出すようなレースもある。これはできレースじゃないかいな言うたら大穴を出すというようなケースもできてくる。それは事実ありました。でございますので、こういうような点につきましても十分な配慮をしてほしいと思うのであります。 それから、このごろ株式の取引につきましてもインサイダー取引と言いまして、大蔵省の役人はもちろんのこと政治家まで、ともかく内部情報が入ったらいかぬというので、罰せられるようなことが検討せられる世の中になっている。馬主が一番馬の状況を知っているのですから、こういうことにつきましても一応考慮に入れる必要があるのじゃないか。いろいろと今たくさん問題を中央競馬会は抱えておると思いますので、その点について法改正が必要ならば法改正を、あるいはまた内部で処理できるものであれば内部で処理する規約、規定というもの、これをきちんとつくって公正なる競争が行われるように――非常に古い言葉でひょっと思い出したのですが、馬券を買うという言葉は法律上ないのですよ。馬に投票すると言うのです、選挙でもあるまいに。こういうものが堂々と公式の言葉で通っておるぐらい古い体質が今中央競馬会にある。これはひとつ改めていただきますよう念願するものであります。大臣いかがでございますか。
○佐藤国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、中央競馬の運営の全般的な見直しについて、検討課題と認識しておりますと申し上げました。そして関係各省庁とも連絡をとってと、こう申し上げました。その中には、今おっしゃるような馬主登録の問題、あるいは共同馬主の功罪とあえて言われましたが、そういうことについても、今の御意見も含めて、中央競馬の運営の見直しということに大きな関心を持ってまいりたい、こう思っております。
○澤邉参考人 先生御指摘のように競馬法は古い法律でございまして、確かに実情に合わぬ点、数々ございます。私どもも機会を見て改正をしていただくのが適当ではないかというふうに思って、検討はいたしております。 馬主登録の問題につきましても、私どもも現在の法規が十全だとは思っておりません。したがいまして、私どもなりに検討いたしまして、必要な場合には法改正を含めていろいろ要請をし、また私どもの内部でできることはきちっとした改正もしていきたいというふうに思っております。
○井上(普)分科員 ともかく、ファンからあるいは国民から指弾を受けないような公正なる運営なり協議をやっていただきたいことを強くお願い申し上げまして、質問を終わります。
○志賀主査 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。 次に、井上和久君。
○井上(和)分科員 農林水産大臣にいろいろな点でお伺いをいたしたいと思います。 三月八日、きのう、全国農林漁業者総決起大会というのが九段で開催をされまして、全国の代表の皆さんがお越しになっておりまして、牛肉、オレンジ等農産物の輸入自由化阻止に向かいまして熱心に、また悲壮感さえ漂うような、大変厳しい決起大会を開催になっておられます。 我が国の食糧自給率というものが三二%まで低下をいたしておりまして、これは先進国の中では最低であります。この二月に総理府が世論調査をいたしまして、国民の七割以上が基礎食糧について国内の自給を望んでいるということが明らかになったと言われております。国内自給の安定、これは国民の多くの人たちの願いということが言えると思います。しかしながら現実は、先ほど触れました三二%の自給率であるとか、農産物の貿易におきましては日本は世界最大の輸入国でございまして、アメリカだけをとってみましても、年間に六十億ドル以上もの赤字を計上をしておる。アメリカにとりましては、日本は最大のお客さんであるということでもあります。 また、牛肉あるいはかんきつというものが現在の日本における農業の基幹的な作物であり、地域の農業、経済自体にとりましても大変な重要な役割を担っていることも事実であろうかと思います。そういう中にありまして、牛を飼っておられる農家の方は大変多額の負債を抱えているということが話題になっておりますし、またミカン、私も愛媛の出身でございますのでミカンの産地でありますが、このミカン農家というのは、価格が暴落をいたしまして大変厳しい状況下で農業を続けているということが言えると思うのであります。このような状況を考えるときに、自由化というものは大変重要な問題でありまして、特に生産者にとりましては、きのうの大会でも本当に厳しいお話がございましたが、そのように深刻に受けとめなければならない課題であると思うわけであります。 そういうことを踏まえまして、今回農林水産大臣が今月の末ごろには訪米をされるというふうに聞き及んでおるわけでありますが、この実態というものを踏んまえられまして、農林水産大臣としてこの訪米によってどういうことを決めてこられるか、言えばこれだけは絶対に言ってくる、あるいはこのことだけは納得をしてもらう、ホシになることといいましょうか、そういうことがしっかりあると思うのですが、これにつきまして、願わくば一つはこれだ、二つはこれだというふうな端的な言い方で御答弁をいただけたらありがたいと思います。
○佐藤国務大臣 今、三月末には私が訪米をしてというお話でございますけれども、一部の報道にはそのようなことを書いてあったものがございました。また一部の報道には私が自由化を考えておる、我が省が考えておるというようなことを活字とした報道もございました。甚だ遺憾でございます。 先刻来、牛肉、かんつにつきましては自由化は困難であるということを繰り返し繰り返し申し上げているところでございます。竹下訪米によって両国首脳の間で話が例示として出てまいりまして、早くテーブルに着いてまず話し合おうということになっておりますけれども、残念ながらそのテーブルに着こうという状況には今ございません。何としてもテーブルに着いていただきたい、そしてテーブルに着いていただいたならば我が方の主張をじっくり御説明申し上げ、円満裏に解決をしたい。自由化は困難である。繰り返し申し上げますが、あとそのほかのことについてさらに具体的にと言われても、今テーブルにまだ着いてもらってない段階、外交交渉であるという事柄、こういうことからして、それ以上私自身が言及する状況にはないということをひとつ御了承いただきたいと思います。
○井上(和)分科員 これも新聞報道でございますが、今月の三日に農林水産省の首脳と記者団との懇談会の中で、国際化の進展が急速に進んだことに合わせて農政のあり方も変更せざるを得ないというような話があった、牛肉、オレンジ市場開放問題についてぎりぎりの選択も考えざるを得ないと語ったというふうに出ておるわけですが、このぎりぎりの選択というのはどういうふうなことを指すのかということについて……。
○佐藤国務大臣 今までの経緯は先生も御存じのとおりでございますけれども、三月末で大きな節目を迎えるという経緯にございます。その三月末という時点が迫ってまいりますので、そういう意味で時間的にもぎりぎりの時間帯の中で円満解決への対応をしなければならない、しかし自由化は困難である、これは明言をいたしておるわけでございますから、さよう御承知おきをいただきたいと思います。
○井上(和)分科員 それはそれといたしまして、次に食料品についての全般的なことでございますが、食料品は生命維持の上において一番大切なものであることは論をまたぬのでありますが、食料品という場合にまず何よりも条件といいましょうか要件があると思います。一つは見た目であるということ、そして次に味がどうかということ、それから値段はどうなんだということ、そして安全であるかどうかということ、この四つが食料品の場合の気になる事柄だと私は思うわけなんです。この四つはそれぞれ大切なことであるということは事実言えると思うのでありますが、これで大臣に、この四つの事柄で、全部大事なんだけれども、あえてこの四つで一番大事なものはこれだ、その次と言えばこれでしょうというようなことで、ちょっとランクをつけていただけたらいいのですが。
○佐藤国務大臣 なかなかこれは四つ順番つけるのは、そこまで私見識がございませんので、専門家、実務者に答えさせます。
○吉國政府委員 大臣からも申し上げましたようにこれは大変難しい、個人によって考え方も違うと思いますし、また物によって違う要素もあろうかと思いますし、そういったものが全体の流通なり市場での評価の中で行われながら、消費者の選択に応じた生産、流通というものが行われるというふうに私ども努力をしていくべきだろうと思っております。
○井上(和)分科員 いや、だからこの四つの事柄ございますね、これについて、個人的で結構なんです、私はこれが一番だと思う、そういうことで結構ですから。
○吉國政府委員 ちょっと極めて一般的な御質問でございますので大変お答えがしにくいのでございますが、お話しになりました四つのうちで、安全性というのはある意味では非常に重要であると考えますし、商品価値という面におきましてはその他の要素もそれぞれ重要な要素であろうかと思っております。
○井上(和)分科員 それでは結構でございましょう。 六十二年度のミカンの生産についてでありますが、当初は二百二十万トンを予定をいたしまして、結果としては二百四十五万トンぐらいできたと聞いておるわけであります。私の出身地であります愛媛県におきましても三十一万トンぐらいの生産をという予定でございまして、三十四万五千トンぐらいできた、こんなふうに伺っておるのであります。特に、ことし六十二年度は八月、九月が天候不順でございまして長雨でごさいました。この時期というのはちょうどミカンの玉が太るときでありまして、また糖度が高くなるときであります。したがいまして、このときに雨が長く降ったということは糖度が低い、しかも大き目の玉になり、そして皮が浮くんですね。浮き皮といいますが、こういうことが起こりました。これは腐りやすいミカンになるわけなんです。そんなことで出荷調整なんかもできない、こういうことが事実ございまして、また新聞等でも御承知のように、ことしは大変暴落というのをどんどん出すことによりまして、この間も関係者の方々と懇談を申し上げたときに、余り暴落というのがどんどん出たために贈答用に使ってくれにくくて困りましたというお話がございました。何かことしミカンを差し上げると安いものをくれたと向こうが思うんじゃないか、そんな気がしてかえって大変だったというふうなお話もありまして、これが売れにくくなった原因でもあるんですよというようなことを言われました。 そのようなことで、実はこの間あるところへ行きましていろいろなことを調べてみますと、六十一年は一般の生食用というものが、一キロで七十円から八十円ぐらいが農家の手取りになったそうでございます。ところがこの六十二年、今年度はどれぐらいになりそうかというと、三十五円から四十円だということでありまして、いわばちょうど半額にしか農家の手取りになりません。ジュースにも回したわけですが、このジュースの加工用というのは生食用よりは安いのでありますが、それでも六十一年には一キロが四十五円ぐらいしたそうです。しかし、ことしは一キロが十七円だというふうに言われております。農家の手取りはミカン一キロ十七円です。 こういう実態がありまして、農家の皆さんはもう本当に大変というのを通り越しておるような状況が現実にあるわけでございます。私もその農家を抱える地域から選出された国会議員の一人といたしまして大変心配をし、努力しなければならぬと決意をしておるのであります。農家の庭先に行きましても本当に大変な感じが漂っている、これが今のミカン農家の実態というか姿であると私は思います。農林水産大臣に、このミカン農家の皆さんに対してどうか大臣としてのメッセージといいましょうか、激励も込めた言葉をぜひいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 まず、ミカン生産農家の方々に大変な不安、御心配をかけておる点をよく承知しておるだけに、やれることはやるということで最善を尽くさなければならぬ、かように思っております。なお、生食用需要の減少から供給過剰基調にあるということもまた御案内のとおりでございまして、関係農家の経営は非常に厳しいものがある、しかし、それが何とかやっていけるようにひとつ工夫をせねばならぬというふうに考えております。 なお、局長からまたもしあれでしたら補足をさせます。
○吉國政府委員 価格の低落、またそれが需給から発しているという状況につきましては、先生がお話しになったような状況、私どもも大変厳しく認識をいたしております。こういった状況に対処いたします基本的な問題としましては、やはり需給均衡の回復ということで、ミカン園の転換ということも農家の方々のいろいろな御努力をいただきながら進めていく必要があると思っておりますし、また優良品種への転換といった体質強化策も進めていく必要があると考えているところでございます。こういった施策に総合的に取り組むことによりましてミカン農業の健全な発展、農家経営の改善に資してまいりたいと考えているところでございます。
○井上(和)分科員 ぜひともお力添えを願いたいと思います。 次に、これは愛媛県でございますが、例年でありますと生産高の大体二〇%程度がジュースになりまして、あと八〇%ぐらいは市場に生食用のミカンとして出るわけなんです。しかし、ことしはそれが大変変わりまして、五〇、五〇というようにジュースをふやしたということも今の愛媛県におけるミカン農家の製品の処理のされ方の状況であります。 それから、今までは大体温州が中心でありましたが、晩かん類に取り組みまして、現在では晩かん類と温州とが大体五〇パー、五〇パーぐらいになったというふうに今聞いておるのであります。したがいまして、この晩かん類というのは、ちょうどグレープフルーツのできるときと競合をするわけでございます。そんな意味からグレープフルーツの輸入というものが今後伸びるとすれば、これは晩かん類に切りかえていった愛媛のミカン農家にとりましては大変重大な問題になってくるわけなのです。温州ミカンですとグレープフルーツとは時期的には競合いたしません。しかし、晩かん類ですとそれが競合するわけです。これは御案内のとおりでございます。したがいまして、このグレープフルーツというものが今までどうであって今後どういうふうに見込まれるか、その動向というものが大変注目をされておるところでありまして、農家の皆さんの気持ちの中にも、これはどうなるんだろうというふうなことが強くあるわけでございまして、このことにつきまして御答弁をいただきたいと思います。
○吉國政府委員 グレープフルーツの輸入量が、お話しございましたように近年大体十六万トン前後と申しますか、年によって若干の変動がございまして、十四、五万トンぐらいから十七、八万トンぐらいの水準で振れていたような状況でございますが、六十年以降の動きで見てまいりますと、六十年は若干低かったのでございますが、六十一年、六十二年と増加をしてまいりまして、六十二年には二十万トンに達したというような状況になっております。 私ども、この原因としましては、六十年秋以降の円高の進展、また、これは輸入先がほとんど米国でございますが、米国の産地における気象条件、寒波がなく条件が恵まれた、こういったことによるのではないかというふうに考えておりまして、現在のところの私どもの認識としましては、今後さらに大幅に増加をしていくというような要因は特に見当たらないと考えていいのではないかというふうに思っております。
○井上(和)分科員 次に、農業の後継者問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 このことにつきましては、農家全体につきましてもそういう傾向は事実あろうというふうに思うのでありますが、特にミカン農家につきましては、この後継者不足といいましょうか、後継者難というのですか、そういうことが顕著でございまして、愛媛県ですと大体四万戸ぐらいのミカン農家がありまして、その中の八千戸ぐらいがミカンの専業農家でございます。この八千戸ほどの専業農家のうちで後継者と目される人は一割ぐらい、八百人程度となっておるわけであります。これは、今ミカン農家としてやっておられる方々にとりましても本当に、値段とかいろいろなことももちろん大変なのですが、それ以上に後を継ぐ人がもういないということになりますと、毎日の作業にしましても非常に暗い思いがするわけでありまして、それについて大変心配もしておるというのが今実態だというふうに思うわけであります。 これにつきまして、いろんな理由があるというふうに思います。先ほど言いましたミカンが安い、収入がないということ、あるいは労働というものが極めて肉体労働であり重労働であるというふうなこと、いろいろなことがあると思うのですが、こういうことを含めまして、その対策といいましょうか、それについてどういうふうにしようとされておるのか、御答弁を願いたいと思います。
○吉國政府委員 ある意味では、後継者問題として農業のいろいろな分野に共通の問題であろうというふうに思います。もちろんミカンに関しましては、先ほども申し上げましたような体質の強化をやりながら事業としての安定を図っていくということが無論大切であるというふうに考えておりますが、一方、後継者対策としましては、やはり次の世代の農業を担っていただく、経営者感覚というものも十分に持った若い農業者というものを確保していくということが非常に大切であるというふうに思っているわけでございまして、私ども、普及制度を通ずる指導でございますとか、あるいは県の農業者大学校等におきます実践的な研修教育、あるいは就農青年によります自主的な集団活動の助長、それから先進農家への派遣研修、あるいは農業経営を開始される場合の資金の援助、こういったものを総合的に進めながら立派な後継者の確保に努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。六十三年度におきましても若干の新規事業を要求いたしておるところでございまして、今後ともあらゆる面からの努力を続けてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○井上(和)分科員 済みません、その新規事業というのをもうちょっと詳しく……。
○吉國政府委員 六十三年度の新規事業としましては、Uターン青年、一たん都会に就職をしましてから農村に帰ってこられる青年の方、また、新規参入、農外から新規に参入をされる青年の方に対する特別の養成事業を始めるという事業を考えておりまして、地域農業担い手養成特別事業という名称で予算をお願いいたしておるところでございます。
○井上(和)分科員 しっかりとお願いをいたしたいと思うのです。 次に、私は、これは先ほどの質問にもかかわりがあるのですが、ミカン園の基盤整備というものをしっかりしていくことによって、ミカン農家としての重労働が少しでも楽になるとか、あるいは能率が上がりやすいというようなことになると思いますので、これについて農水省自体も真剣にお取り組みをいただいておると思います。この間私、調査をいたしましたけれども、例えば農道であるとか、モノレールであるとかあるいはかん水施設につきましては大体うまくいっているという農家自体の声がございまして、私も大変安心をしたというか、いいことだというふうに思いました。その中で、ただ、現在排水施設というのが非常に不十分であるのですよ、これで困っていますというふうなお話を聞きました。いろいろと事情もお伺いしてみたのですが、百ヘクタール以上というのが五〇%の補助率でなされておって、二十ヘクタールぐらいが四五%の補助率で排水事業が行われておるというのが実態だというふうに思いますが、この百ヘクタールというのがどれぐらい現在まであって、二十ヘクタール以上についての事業というのがどれぐらいとり行われたかをまずちょっと聞いておきたいと思います。
○松山政府委員 今御指摘の百ヘクタール以上五〇%というのは県営の事業でございます。県営のかんがい排水事業、県が事業主体になって行うかんがい排水事業でございます。それから、二十ヘクタール以上と申しますのは、団体営と申しまして、土地改良区等の農家の集団がやる、こういう事業でございます。まことに申しわけございませんが、今私の手元にその実施状況の資料ございませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。
○井上(和)分科員 それじゃ、後ほどそれは見せていただけたらと思います。 ただ、言えますことは、農家の皆さん方は、もちろん百ヘクタールでその中へ入っている人というのは問題ないわけですが、そういうことは、例えば愛媛のことばかり申し上げて恐縮なんですが、百ヘクタールなんというのはちょっとないというのが結論じゃないかというふうに私は思うのです。むしろ二十ヘクタールないしそれ未満というようなところについて推進をする。いわば、補助率四五%しか出ない分についてが一番皆さん方が望んでおる分であろうというふうに思うわけなんです。したがいまして、こういう農家の実態に合わせましたときに、補助率四五というのを少しでももっと高くしてあげてほしいという願いがあり、また、事実そうすることが今の農家にとっての適切な対策の一つであるというふうに思うわけですが、ぜひ……。
○松山政府委員 今の採択基準の点でございますが、かんがい排水事業におきましては、畑だけということではなくて、水田その他も含めまして総体としていくらにまとまるかということになってございますので、そこは事業の地域の実態に応じてできるだけ有利なやり方をやっていただければいいのじゃないかというふうに考えております。 今の御質問の補助率の点でございますが、公共事業その他のいろいろな並びもあり、事業規模でございますとかそういった公共性の有無等々を勘案いたしまして、御案内のような率になっておるわけでございまして、なかなか率直なところ補助率のアップの問題というのは非常に厳しいというふうに考えており、また御理解を賜りたいわけでございます。 ただ、私どもといたしましても、ミカン園の整備を含めまして、この種の基盤整備としても大変重要だというふうに考えております。その場合に農家の負担との関係につきましては、例えば費用負担と整備水準との関係をよく考えて、どういうものをやるかを考えていただくとか、経済的な工法の採用に努める等々の努力を通じまして、できる限り農家の負担を少なくしながらその事業の円滑な推進に努めていきたい、このように考えておる次第でございます。
○井上(和)分科員 最後ですが、放任園の問題についてお伺いをしたいのです。 現在、放任園というのが大変問題になっておりまして、これは害虫とか鳥、そういうふうなものとか病原菌、こういうふうなものの温床になります。また、同時にそれだけでなくして、放任園があるということは、現在篤農家と言われるまじめに農業に取り組んでおられる方々も、放任園の状況を見ることによって精神的にも大変意欲をそがれるというようなことで、これは重要な問題だというふうに思うわけであります。 現在、愛媛県ですと、千四百ヘクタールも放任園があろうかと言われております。これは全ミカン面積の五%に当たるわけであります。しかも今後これが増加の傾向にあります。ミカンが値がしないということしみたいな状況だと、これはますますふえるでしょうというのが関係者の憂える言葉でございました。現実にそういうふうにふえております。それに対して、とにかく害を及ぼさないように最小限度手を加えなければならないということでございまして、放任園に対しての対策を実はいろいろとっておるわけでありますが、現在では県が五〇%と地元の青果連等で五〇%を出しまして、五〇、五〇でもって伐倒であるとか焼却であるとかというふうなことを行っているというのが実情なのであります。これにつきまして、今後これがふえる傾向にある、大変悲しいことではございますが、これは事実の姿でございますので、ぜひともこれは、地元でもって面倒を見ているということに対して、国の方で何とかしてやっていただけるような対策をお願いいたしたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○吉國政府委員 放任園の問題につきましては、御指摘のように病害虫の発生源になるといったような問題もあるわけでございます。 国の方といたしましては、うんしゅうみかん園転換整備特別事業という事業がございまして、放任園について、これを温州ミカン園の転換の対象としていくという場合には、この事業も活用できるという道を開いているところでございます。地域の生産者の方々の御努力あるいは地域の協力関係の中で必要な措置が講じられていくということも期待しながら、そういった放任園の転換が進められるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○井上(和)分科員 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、またの機会にぜひともいろいろなことをお伺いしたいと思います。ありがとうございました。
○志賀主査 これにて井上和久君の質疑は終了いたしました。 次に、三野優美君。
○三野分科員 どうも農林大臣、御苦労さまです。私は香川一区から出てきているわけですが、この機会ですから農林大臣に所信を聞いておきたいと思います。 農林大臣は今、農産物の自由化の問題で大変御苦労されているわけであります。私ももと百姓出身なんですが、言うまでもありませんけれども、今アメリカから我が国への農産物の自由化要請というのは全く我々の想像できないような狂気じみた要請だと思っているわけです。言うまでもありませんが、農産物全体としては五〇%を割ろうとしている、穀物については三一%ぐらいだ、こういうことなどを考えてみると、十人のうち三人しか食う物がない、一億二千万の命を預かる農産物がこういう事態の中で、私は常日ごろ思うのですけれども、それでなおかつ自由化を求められる、政府もそれをのまざるを得ないということになりますと、一億二千万人の食糧というものがそれほど海外に依存していいということは、裏を返せばそれほど世の中は平和であるということになる。これは戦争がないという前提だろうと思うのです。ところが、一方において政府は、御承知のようにことしも軍事費が六・五%、三兆七千三億円という予算を組んで、毎年膨れつつあるのですね。どうしたのだと言えば、いや、侵略の危険はあると言う。私は理屈に合わないと思うのです。私はないと思いますよ、戦争はないと思うし、また、それは防がなければならぬと思うが、それは政治家の任務ですけれども、ところが、それをあえて一方で戦争の危機があると言いながら食糧輸入をだんだん拡大していくということは、もしそういう事態が万が一にもあったとするならば、一体日本の食糧というのはどうするのだろうか、だれが水や空気だけを吸って兵隊に行く人がおるのだろうか、私の四国にはそういう人はいません。農民と話していたら、そんな者はいないと言う。したがって私は、とにかくこれ以上後退さすことはできない。それは、戦争の危機があるとかないとかいう以前の問題として、一億二千万人が生きるための食糧というのは何としても六割ないし七割程度、できれば七割程度確保するという原則を打ち立てなければならぬと思うのです、これは生産者も消費者も含めて一億二千万全体の問題ですから。そういう決意がなければならぬと思うのですが、この際、ひとつ大臣に、その決意のほどをお尋ねしておきたいと思うのであります。
○佐藤国務大臣 今先生おっしゃいます表現と若干異なる部分があったとしても、私も全くそのとおりに考えております。かつては食糧安保という言葉も生まれたこともございまして、今日になるとそれはまた古くて新しい話であるという考え方ももちろんございます。 そういう意味で、それじゃ全部自給できるかというと、現実的になかなかそうはまいらぬ。そうすれば基幹食糧、主要食糧というものは我が国で自給をしていく、そして需要と供給のバランスを図るために、足らざるところは安定的な輸入体制による、こういうことであわせて国民に安定的な食糧を供給していく、こういう考え方は変わらないわけでございますから、今日の自給力というものあるいは自給率というもの、今数字を挙げて言われましたけれども、まあ、えさの問題も大きな問題でございます、そういうものを含める含めないによってまた数字が違うことも、もうここでは長くなるから申し上げません、御案内のとおりでございます。そういう中にあって、我が国は食糧の輸出国ではなくて輸入国であって、そして必要最小限は我が国で自給体制をとっていく、そのために自給力をつけていかなければならない、これ以上自給率を割るようなことがあってはならぬなということで懸命の努力を続けてきたところでございますし、また、今後も続けていくということを明確に申し上げておきたいと思います。
○三野分科員 ひとつこれからの対米交渉なり対外交渉について、重大な決意でもって一億二千万の命を預かっている農林大臣としての対応をしていただくことを特にお願いをしておきたいと思います。 さて、災害問題について若干お尋ねしたいと思うのでありますが、昨年十月十六日、十七日に四国、中国、近畿などを襲いました十九号台風におきまして、私の香川県でも大変被害を受けたわけでありますが、その際農林省当局の一方ならぬ御協力をいただきましたことを、この機会に厚くお礼を申し上げておきたいと思います。 さて、私がお尋ねしたいのは、今国に集約されている十九号台風の被害調査というものは、災害対策基本法の五十三条に基づいておやりになったのか、それとも他の方法をお使いになってこの調査をおやりになったのか、まずそれをお尋ねしたい。
○伊藤(礼)政府委員 災害対策基本法五十三条、さらにそれを受けました農林事務次官通達ほかの局長通達等に基づいて調査をしていただいております。
○三野分科員 そうしますと、災害があった際の調査の責任というものは国及び地方団体にある、こういうふうに確認していいですね。
○伊藤(礼)政府委員 そのとおりでございます。
○三野分科員 そこで、実は私は実態は必ずしもそうはなっていないと思う。 この十九号台風があった二日後に、私は二日間ほど現地を回ってみました。そうしますと、実は三木町というところから入ったのでありますが、そのほか長尾町、寒川町、あるいは高松市の一部とかをずっと回ってみたわけであります。特に町村段階へ行きますとどういうことが行われるかというと、災害が発生した、このごろ有線があるものですから、町役場の方は町長名でもって、災害の状況を早く把握したいと思う、したがって災害を受けた農家の皆さんはそれぞれ役場の方に報告してもらいたい、こういう通達が有線であるわけです。その際に、いわゆる災害復旧しようとする場合には、補助率は農地において五〇%、農道、水路など施設においては六五%、こういう基準がありますよ、災害復旧する場合に、ブロック積みなどでやる場合一平米当たり約四万円であります、それを承知の方は申請をしてください、そのときにできれば印鑑を持ってきてください、こういうことで連絡があるわけです。農家の皆さんはそれぞれ水田何番地、何ぼ、だれそれということで出していく、あるいは農道、水路、ため池がこうなっちゃったということを報告していった場合に、ここで判をもらうというのは、実は、以後災害復旧する場合にもしあなたがそれをやらない場合には被害の実態調査のための約四%の調査費をいただきますよ、こういう報道が有線放送で流されるわけですね。 そうしますと、私が入ってみますと、農家の人は、さておれの田んぼが何枚流れちゃった、それで一平米当たり四万円ということになって五〇%だということになると、数百万の被害状況だから五〇%だと二百五十万なり三百万なり要るな、これはとてもじゃないけれども今の農業の実態からいって負担し切れぬわね、やろうかやめようか、農道、水路、ため池についても同じことが言える、それでちゅうちょしているわけです。私の方は、それはいかぬ、とにかく全部出してもらわないと国としては十九号台風が日本列島全体をどう襲ったかということを正確につかめないじゃないか、出してみないとわからないから、その状況によって、普通災害でいくのかあるいは激甚災害でいくのか、確認はその基準に基づいて検討するだけなので出してもらいたいということを言って説得しても、なかなか出てこないのが実態です。私は町役場へも言うし、あるいは県の土地改良事務所の方へも言うし、県の土地改良課長にも連絡をとって、このままじゃいかぬよということで言ったわけです。県も、確かにそれはそのとおりだ、そういう実態がある、しかし再三やってみてもなかなかいかない、こう言った。それから一週間ほどたって他の町へ行ってみても、やはり同じことが言われているわけですね。同じ現状で進んでいるわけです。 そうしますと、私はこの実態を見て、農家の皆さんなりあるいは町役場の皆さんというのは、いわば五十三条というものがどう行使されるかということを確実につかんでいないんじゃないだろうか。したがって、ひょっとすると運営としては、現場では、災害復旧申請を同時に出させてそれで被害実態を正確につかもう、こういう実態があるのじゃないかという気がいたしました。 もう一つは、いやこれはもう五〇%もいったらばとてもじゃないけれどもよう復旧に応じられないわね、やめた、出さないと。実際に私は先週帰ったときに回ってみますと、自分で石積みでやっているところがある。もちろん三十万円以下のところもあるでしょう。それ以上のところで石積みでやっているのは被害実態というのが出ていない部分だろうと思うのですね。そういう点からいうと、農林省、あなたのところでつかんでおることしの三百五十九億ですか、被害総額、これは果たして正しく掌握されているのかどうかという疑問さえ持つわけですよ。その点について確信ありますか。
○伊藤(礼)政府委員 災害の報告について今の全体の流れというようなものを最初に申し上げておきたいと思うわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり事務次官通達以下の要領によりまして都道府県から私どもは報告をいただきます。その都道府県は市町村から当然報告が上がってくるわけでございます。その調査を行いますときには、国、都道府県、市町村あるいは被害を受けられた農林漁業者の方々、それぞれの立場でそれぞれ実態についてのデータを努力して報告していただくことになるわけでございますが、市町村の区域内での被害実態の報告は本来的には市町村長さんの責任で調査をまとめていただくということだろうと考えます。しかし市町村では、先生今おっしゃいますように調査を取りまとめるのにもいろいろ経費がかかるわけでございます。通常時に比べまして財政負担が増加するという点に対応するために、毎年、災害復旧事業、災害対策事業等に要する経費の一%を特別交付税の算定基礎に算入いたしまして、この交付税の中から今言った調査費用が出るというわけでございます。 したがいまして、それぞれの市町村がその地域の実態に応じて、被害を受けられた方々と協力しながら、今申しましたような経費を使って実績をきちっと上げてくるということでございますので、おっしゃられるように農家の方の対応がいろいろあろうかとは思いますが、その市町村の実情に応じて今言ったような仕掛けで実態を把握して積み上がっているものと思いますので、私ども正確な数字をいただいていると考えております。
○三野分科員 そうしますと、測量も含めて被害の実態調査ですね、何番地が何平米崩れて被害実態が幾らという、その調査費は被害総額の何%でできますか。
○伊藤(礼)政府委員 今申しましたように被害総額の一%でございますから、例えば農林漁業被害が香川県の場合で五十億というようなことであったとすれば、五千万円というような調査費が該当する額になるわけでございます。
○三野分科員 私は一%で正確なものがとれるとは実は思っていないわけです。しかも、今まで農林省ともきのう、おととい、いろいろと打ち合わせをしましたが、町役場の職員が総動員をかけて行っていると言うのだけれども、小さい役場に行きますと、あなたのところの担当している経済課なんというのは二人か三人しかいないわけですよ。それなら、建設の方は河川や道路が荒れているからそっちに行かなければならぬ、教育委員会まで動員するわけにはいかない、民生部から幼稚園の先生まで動員するわけにはいかないわけなので、実際には現場の方ではそれはできないのです。三木町で出たのが何と九百七十三カ所、十九億九千百六十五万六千円、こう出ているわけです。これを二人や三人でできるはずがない。したがって業者に委託する。業者に委託すれば三%なり四%のものが要求されるわけなのですよ。そうしますと、結局は本来的には被害総額をつかんで、それで、今度の災害の実態から見て一体激甚災害に適用されるかどうかという方針が決まってから、その方針に基づいて災害復旧の申請をするわけですよ。ところが、災害復旧の申請を事前に適用して使っていわば実態をつかもうとしている、そこに問題点があって、出そうか出すまいか、実は出てきてない部分があると私は思うのです。したがって、現場の実情を見ると、あなたのところでおつかみになっている数字は必ずしも正確だとは言えない、私は現場を歩いてみてそう思う。これは私はそう思ってつかんできました。 さて、そこで五十三条に言う被害の実態は市町村長が把握する、それを都道府県に申請し、内閣総理大臣に報告すると法律で決められている。市町村長から県へ、県から内閣総理大臣へと法律で決めた以上、その実態調査のための費用というものはすべてその市町村に責任を持たせていいのか。あなたの言われる一%だけでいいのか。河川や道路やその他含めて全体として経費がかかったものについて交付税で総額の一%見ましょうや、復旧費の一%見ましょうや、これはいわば役場の事務費なのです。調査費ではないと私は思う。この調査費について責任を持って農林省は大蔵に要求して、被害実態は国の責任で把握するという方針をとらなければ、現場はそうはいかない。町役場の町長さんに会ったら、そんな金はないと言う。したがって、農民の皆さんから、現場から上がってきたものの実態でやらざるを得ない。それはこういう方法でやっていますということで、印鑑を押させてやらせている。それなら、動揺して出すか出さないかということになってしまう、こうなっているのが実態ですね。したがって、私は、あなたのところに上がってきている被害実態というのは場合によったら鉛筆をなめて出した数字などというのも少しあるのじゃないかという気がするわけですよ、行政の側はどうせ九十何%というのが後から出てくるわなんということを考えてしまって。現実にはあると私は思う、町役場がなめたかどうか知らぬけれども。 おかげで激甚災害を適用されて復旧の見通しは立ちつつありますが、それでも落ちこぼれが現に出てきて、こんなことになるのだったら出しておけばよかったということになってしまっているわけですね、現場では。したがって、この調査の責任というものは五十三条に基づいて国が財政的措置も負う。ですから、町村に行ってみなさい。町長の腹で出したところもある、出してないところもある。国が正確な対応をしないものですから、ばらばらなのですよ。大臣、私は災害全体の実態は少なくとも内閣において正確につかむ義務があると思うのです。そういう意味でこの措置について何としても対応すべきでないかと思うのでありますが、これについて対応するような決意を聞いておきたい。 それからいま一つ。これは技術的な問題ですが、例えば普通災害の場合だと基準は農地が五〇%、施設が六五%になっていますね。農道、水路、池など、みんな同じなのです。ただ、その中で農道というのは、昔の農道と違って今や三メートル、四メートル、五メートルの農道ができているわけです。これは従来と違って公共性が非常に高まってきた、水路あるいはため池という特定された受益者の範囲を越えて公共性を持っている、したがってこの部分についての対応は別に考えるべきだと思うのですが、どうでしょう。
○伊藤(礼)政府委員 先ほど申し上げましたように、調査につきましては国、都道府県、市町村、現場の方々それぞれがそれぞれの立場での努力を積み重ねて正確なデータを出すということであろうかと思います。国もその見地におきまして、これから正確なデータを把握するように努めてまいる所存でございます。 それから農道についてでございます。農道にかかわる災害復旧事業につきましては、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律というのがございまして、補助率をかさ上げする措置いわゆる増高措置をとっているわけでございまして、かなり高い補助率になっております。これ以上さらに特例的な国庫補助率を引き上げるということは難しいと考えております。
○三野分科員 何ですか、水路やため池と違って農道はもう既に高い補助率をしている――別枠でしてないのでしょう。だから、今の農道の実態から考えてみて公共性が従来より高まってきた、三十年、五十年前より高まってきたのだから。水路とかため池というのは受益者が限定されているわけです。三メートル、四メートル、五メートルの農道なんというのはいわば市道と変わらぬわけですよ。したがって、そういう物の考え方をすべきじゃないのか、こう言っているわけなのです。これはあなたが答えなければ大臣に答えてもらいたい。 もう一つはさっき言った調査費の措置。実は法律で市町村に義務だけは与えているわけです。銭は一銭も見ない。そんなばかな法律はないと思う。国も県も市町村も分担するのか、あるいはこの法律をつくった以上は国が財政的措置は見る、こういう考えをとるべきだと思うのです。今やれるやれぬは別として、大臣の考え方を聞いておきたい。
○佐藤国務大臣 私それほど実務に詳しくございませんけれども、災害対策基本法では国の責任、地方公共団体の責務、住民の責務、これ全部合わせて完壁を図ろう、こういうことになっておるわけでございまして、その趣旨に基づいて具体的な手当ては丁寧にやるべきであると私は心得ております。 そういう中にあって今の調査費の問題でございますけれども、町村、その現場によって尺度がなかなか難しいという部分になろうかと思います。であればこそ、特別交付金によって自治省からしかるべき時期に、大体年度末近くになっていると思いますけれども交付しておる。その中で、先ほど町村長によっては腹でやっておるところもあるし、やってないところもあるというお言葉がございましたけれども、そういう実態等も含めて交付金の交付が行われる、かように思っております。 また、農道あるいはため池、これは今日になれば多目的になっておる、そのとおりだと思います。そういうときに当たって、また災害の度合いにもよりますけれども、いわゆる補助率の普通の適用ということだけではなしに高率適用という部分もあるわけでございますので、そういう点きめ細かく実務的に配慮すべきである、かように思っております。
○三野分科員 ただいまの大臣の御答弁をいただいて、ありがとうございました。 私は、一%というのは、災害全体に対する、実態に対する補助ですから、調査費は本来国が見るべきである、こう思うのです。この点については前向きで検討してもらいたい。率直に申しまして、県にしても市町村にしてもそれを何とかしてもらいたいというのは願望ですよ。そうすれば、法律で明確にするだけではなしに財政的な裏づけがあれば町村の責任でちゃんとやれる、こう言っているわけですから、それをひとつ希望だけ申し上げておきたいと思います。 それから、時間がないですが、ため池の問題についてひとつお尋ねしたいのです。 実は、私どもの香川県は、御承知だろうと思いますが、一万六千三百四カ所というため池を持っているわけです。全国でも有数の県でありまして、このため池問題というのは、私、昔、県議会におるときからいろいろと意見を持っているのでありますが、何分にも全国的に見ると四県か五県に集中しているものですからなかなか全国ペースにならないわけです。そこで、私が考えているのは、池というものは確かに受益者は限定されているけれども、ため池は単に農業用水の確保というだけではなしに、治水面でもそれなりの役割を果たしているし、地域の環境保全という立場でも非常に機能を果たしている。しかも、今日、都市周辺のため池になりますと、水田がだんだん減っていって道路がついたり、住宅ができていって、そしていわば受益者の管理能力を超えるため池があるわけです。ではそれをつぶしていいかということになると、治水上の問題からいえばそうはいかない。香川県ではため池をつぶしてはいけませんよと言いながら、これは余り言ってはいかぬことなんだろうけれども、香川用水がついたものだから、隅の方からつぶしていって、改修して宅地にするかなんという話が出てくるほど管理が非常に困難な状況になっている。河川は、一級河川は国、二級河川は県、普通河川は市町村、こうなっていますね。その河川だって水をとったりあるいは水を活用しているのだけれども、国、県、市町村が持っているわけです。また、この池についても規模によりまして国管理、土地そのものが国有というのが非常に多いのですね。あるいは市町村有というのが多いのですよ、池の所有権というのは。したがって、管理についても国管理、県管理、市町村管理あるいは土地改良区管理というそれぞれのランクを置いていいのじゃないかという気が私は前からするわけです。水を利用しているのはおまえら百姓だけだからおまえらの責任だというだけではなしに、河川の性格というものを準用すべき段階に来た。とりわけ今日のように、ため池の地域に果たす役割が多様化してきた状況の中でそういう考え方を持つべきだと思うのだけれども、どうでしょう、この点ひとつお尋ねしておきたい。これはすぐするとは言えないだろうと思うけれども、前向きで、少なくとも検討する気持ちがあるのかどうか、これを聞いておきたいと思います。
○松山政府委員 御案内のように、ため池は本来的にはかんがい用水の確保ということが主目的でございますから、その利用者で構成されます土地改良区なり水利組合等がみずから管理しているというのがまず原則にはなっておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、近年の混住化等の事情が進む、そういう状況の中でどういうところにため池が所在しておるか、あるいは規模はどうか、利用されている実態がどうかというようなことに応じまして、現に市町村等が管理しておるというような事例も出ておるわけでございます。ため池は防災上特に適切な管理を必要といたしますから、私どもはその時期、時期に必要な指導も行っているわけでございますけれども、そういった最近の事情も踏まえながら、今後またいろいろ勉強することは勉強していきたい、このように考えております。
○三野分科員 私はこの問題は五、六県に限られた部分が非常に多いとは思うのですけれども、今申し上げましたような性格からしてみて制度としてそういう制度は考えられないものかどうか、これはぜひ検討してもらいたいということを要望しておきたいと思います。 さて、老朽ため池の改修の予算の確保の問題でございます。大変御苦労いただいて御考慮いただいていることはよく知っているのでありますが、何分にも予算がぼつぼつと来まして、私もきのうちょっと電話を入れて聞いたところが、私のところの大きな、有名な公淵池、五十六年着工、六十四年竣工目標、九年間、事業費七億円。野田池、五十六年から六十五年、十年間、三億六千万。三谷三郎池、五十七年から六十六年、十年間、六億四千万。そのほか規模の小さいものになると、ひどいのは、このごろ減ったけれども、百万みたいのがあったり数百万というのがあるのですよ。工事をするたびに毎年抜いたり入れたり、抜いたり入れたりして、近年御承知のように香川県――四国は渇水が非常に厳しいわけでしょう。抜いたり入れたり、抜いたり入れたりしてくたびれてしまって、とてもじゃないけれども何をしているのだということになるわけです。水がないのに決まっておるのに抜いてしまわなければ工事できない。それで秋ごろになって抜いてしまって、今度は工事するのが年度末ぎりぎり、四月ころまでかかってしまう。そうなりますと、いわば水の確保は非常に困難なんです。したがって、私は率直に申しまして、これは大臣も聞いておいていただきたいと思うのですが、老朽ため池の改修の予算は余りにも少な過ぎる。もっと運用の面も考慮してもらいたいのですが、思い切ってやってもらわなければ困るので、来年の予算概算要求の段階には私は農林省に行きますので、これは何とかしてもらわないと農民はたまったものじゃないですよ。これについてひとつ大臣に決意だけ聞いておきたいのです。
○佐藤国務大臣 老ため問題というのは自然災害発生防止と極めて直近の関係にございます。そういう意味で、どんなにやっても切りがないくらい進めなければならぬわけでございまして、逐次おっしゃるように進めてまいるという覚悟は常に持ちながら対応してまいりたいと思っております。
○三野分科員 どうもありがとうございました。
○志賀主査 これにて三野優美君の質疑は終了いたしました。 次に、中村巖君。
○中村(巖)分科員 最初に牛肉の価格の問題をお尋ねしてまいりたいと思います。 この問題につきましては、先般、私が予算委員会の一般質問の中でいろいろお尋ねしたわけでありますけれども、まだ議論し足りないということで引き続きお願いしたいと思っております。 まず、牛肉につきましても畜産物の価格安定等に関する法律の対象になりまして、現在安定価格帯が設けられておりまして、安定上位価格と安定標準価格というか下位価格の間に幅が設けられておる。そして、安定下位価格が低下をすれば買い入れをして、そして上位価格を超えれば放出をするというシステムになっておるわけでありますけれども、実際問題として今日まで、昭和五十年にこの制度が発足して以来、牛肉の価格が下位価格より下がった、そのために畜産振興事業団として買い入れをしなければならなかったという実績は、私が聞く限りにおいてはないようでございまして、そうなると、一体何のために安定価格帯があるのかということになるわけです。これがあるために輸入牛肉の放出がなされておって、そのために牛肉価格の乱高下がないのだといえばそれまでかもわかりませんけれども、そういうことだとすると、現在その安定価格帯というのは輸入牛肉の価格を設定するためにのみ実際は存在しておるのではないか、こんなような感じになるわけでございまして、その辺のことについて、いわば安定価格帯というのはもうやめてしまってはどうなのか、言ってみれば畜安法の対象から牛肉を外してしまったらどうなのか、こういうことについて農水省はいかがお考えでしょうか。
○京谷政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、牛肉の価格安定のために国産牛肉の枝肉につきまして安定価格帯が決められておるわけでございます。 この運用状況を見ますと、先生からお話がございましたように、国内の需要が大変旺盛に推移をしておるということもございまして、現実の制度運営面で、この安定帯で決めております下位価格、基準価格と私ども申しておりますが、これを下回る事態は制度発足以来発生をしていないことは事実でございます。そのような実情を踏まえて、そもそもこのような価格安定制度というものは不必要ではないかという御指摘でございますが、御承知のとおり我が国の牛肉生産に当たります肉用牛生産あるいは酪農生産というものは、我が国の農業の中におきまして、約百万ヘクタール以上に及ぶ土地利用を行い、また延べで三十五万戸に上る関係農家によって生産が行われておりまして、我が国の農業における大変基幹的な部門であるという認識を私ども持っておるわけでございます。したがいまして、これらの土地利用あるいは生産農家が安心をして再生産を行っていけるような体制を維持していくという観点から、この価格安定制度はやはり必要なものであるという考え方を持っておるわけでございます。もちろんこの安定帯価格水準そのものについて、私ども、生産者のいろいろな御努力によって生産性の向上をいたしまして消費者の皆さん方にも御理解をいただけるような安定帯の水準を実現していくための努力を怠ってはならないということで、各種の生産振興策を講じまして生産性の向上を図り、かつまた生産コストの低下の状況に応じましてこの安定帯のレベルを順次引き下げる努力をしておるという実情にありますことを御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○中村(巖)分科員 安定価格帯は現在のところは実際輸入牛肉の価格を決めるという機能を営んでいるのが実態だというふうに思いますけれども、輸入牛肉それ自体について、やはり消費者の立場からいえば、国内で売られる限りにおいてはかなり高いのではないか、こういうことでございます。今輸入牛肉の販売価格というのは、安定価格帯の中で畜産事業団が決めた価格を基準に市場での競り売り、二十九団体の競争入札、さらには定価売り、さらには問題になりました売買同時入札、こういうような形でなされているわけですけれども、こういう販売方法の中でも例えば市場における競り売りということになれば畜産振興事業団が決めた価格が指し値ということになっていくわけで、指し値になればそれ以上に価格は決まることは明らかでありますし、競争入札でも同じようなことであるわけです。そうすると、こういうような売り方がいいのかどうかということ、こういう売り方の結果として、もちろん安定価格帯があるからでありますけれども、牛肉が高くなるのではないかというふうな考え方があるわけですけれども、これに対してどうお考えでしょうか。
○京谷政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、畜産振興事業団が現在輸入牛肉の一元的な窓口の機能を果たしております。この畜産振興事業団の輸入牛肉の取り扱い方については、これまた先生から御指摘のとおり先ほど来お話のございました国産牛肉の価格安定帯制度と矛盾のない運営をしていくということでございまして、畜産振興事業団が売り渡します価格につきましても毎年度決めております安定帯価格を頭に置いて指し値を決定する、こういう仕組みになっておるわけでございます。 ただ、私ども牛肉需要が大変旺盛であるという実情も踏まえながら、極力この国産牛肉の価格安定制度と矛盾をしない形で売り渡し価格を引き下げ、末端の消費者価格にも反映させるべく努力をしておるわけでございまして、御承知のとおり、特に円高差益還元というふうな観点も踏まえまして、いろいろな工夫を凝らして畜産振興事業団からの売り渡し価格の引き下げを図っておるわけでございます。原則的に申しますと、六十一年の五月から本年の二月にかけまして畜産振興事業団の売り渡し予定価格水準というものを累計で約三〇%引き下げてきております。この引き下げの中で予定価格の決め方につきまして、従来安定帯価格の中心価格を基準にしてそこから国産牛肉と輸入牛肉の品質格差を差し引いて決めるという価格決定の仕方を、六十一年の八月以降は安定帯価格の下の価格、下限価格まで引き下げて、そこから品質格差を考慮した売り渡し価格を決定するというふうな運営の改善も織り込みまして、ただいま申し上げましたような売り渡し価格引き下げに努力をしておるわけでございます。こういう考え方がやはり国産牛肉の価格安定制度との矛盾のない価格決定の一つの限界ではなかろうかと考えておるわけでございます。
○中村(巖)分科員 円高差益の還元ということでやってきたということでありますけれども、六十二年度単年度をとってみれば大体六・四%ぐらいしか下げてない。六・四%というのは大変わずかなものでございます。また、先ほど売り渡し方法の問題を申し上げましたけれども、やはり売り渡し方法がどこか合理的でないところがあるのではないか。そのために実際に畜産振興事業団によって売り渡された牛肉そのものが仲間の間で転売されているうちに、肉転がしというのも大げさですけれども、やはり値段が高くなっていくということが指摘をされているわけでございまして、その点については売り方の改善というようなことについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○京谷政府委員 事業団の輸入牛肉の売り方の問題につきましては、先ほど先生からもお話がございましたように、市場での競り、それから一定の全国団体に対する指名競争入札、それから定価売りというふうな形に大別されるわけでございますが、これらのパイプを通じて売却されました輸入牛肉がさらにまた卸売、子卸、小売というふうな段階で転々流通することは、現在の食肉の流通体制からいろいろな流通過程を経過することはやむを得ない実態にあることをひとつ御理解いただきたいと思います。 そういう転々流通過程で余計な流通コストがかかるということもあるわけでございますが、そういったことが生じないように私ども事業団からの輸入牛肉の買い入れを行った団体が末端消費者にできるだけショートカットされて到達するような指導をすると同時に、放出量を随時増加させてきておりまして、そのことを通じて供給量を十分供給することによってそういった迂回流通が少なくなるような努力をしております。さればといって、長い間の商慣習ででき上がった流通過程でございますので、そう即座に事態が変わっていくものでもございませんが、元来牛肉の流通過程については歴史的に形成されたものでもございますので、改善には多少時間もかかろうかと思いますが、御指摘の点を踏まえまして関係団体の指導にさらに当たってまいりたい、また売り渡しの方法そのものにつきましてもいろいろ改善を要する問題があろうかと思います。特に私ども、御承知のとおり牛肉の輸入問題については、来年度、四月からの問題についてアメリカ、豪州等との交渉を進めておりまして、その中におきましても国内における流通改善問題というものが大きな課題であるという認識を持っております。したがいまして、まだ確たる展望を持っておりませんけれども、アメリカ、豪州等との交渉の成り行きも見ながら、新たな協定ができますれば、そのもとにおいて国内の流通改善も踏まえた売買操作の仕方についての改善を具体化させていきたいと考えておるわけでございます。
○中村(巖)分科員 最近伝えられているところによりますと、今度農水省の方でも今までの安定価格帯について去勢和牛とその他の去勢牛という二つのものを一本に統合する、それから牛肉の格付の問題を変更をするということで、最も流通量の多いものに焦点を当ててそれを中心価格帯にしていくんだ、こういうことでございますけれども、それによって輸入牛肉の価格は下がるということを期待していいわけでしょうか。
○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、実はこの四月から国産の枝肉についての格付方法を変更する予定をしております。御承知のとおり、これは食肉格付協会という団体が格付を決めまして私どもの承認を受けることになっておりますが、その手続を現在進めております。この格付の変更によりまして、従来和牛去勢の中とそれからその他去勢の中という規格に対応して決めておりました安定帯価格の決め方というものを直しまして、新しくつくられる格付の特定の格付部分について安定帯価格を決めるという方式に安定帯制度の運営の仕方を変えるということを私ども予定をしております。所要の手続は現在進めておるところでございます。このようなやり方、安定帯あるいは格付の変更、そのこと自体が直ちに輸入牛肉の国内での販売価格水準を規制するものではございませんが、国内における流通量の相当部分を占めるものについての安定帯制度というものを前提にして、従来からの考え方に即応した適正な輸入牛肉の販売価格というものを考えていきたいと思いますので、新しい運営方針のもとでいかなる価格水準に設定をするかということは今年度中に決めたいと思っておりますが、そのレベルに応じて適切な輸入価格の売り渡し価格水準が形成されるよう引き続き努力してまいりたいと考えております。
○中村(巖)分科員 時間がなくなりましたので牛肉の問題はこのくらいにいたしまして、次に魚の価格の問題をお尋ねをしたいと思っております。 魚の流通というものは、従来生産者から産地の集荷業者、そして消費地における卸売市場の荷受け会社、仲卸、そして小売、消費者、こういう流通経路が主体でございました。その中におきましても、消費地の卸売市場におきましては生産者からの委託を受けてそれを販売するという形であったわけでございます。ところが、近時非常に流通の形態が違ってきた。それは冷凍品とか規格品あるいは加工品、こういうものがふえてきたために流通経路が非常におかしくなりまして、市場外流通というものが物すごくふえてきた。それと同時に、また消費地の卸売市場におきましても委託品が減ってきて買い付け品というふうなものがふえてきたと言われております。そうすると、この魚の流通過程における市場の役割というものが非常に限られてきたし、市場を通じてやられないということでありますれば、市場外におきまして、まあ魚転がしということが一時盛んに言われましたが、そういうような実態がいろいろはびこってきて魚自体の価格が消費者の手元に届くときに非常に高くなるのではないかと考えられるわけでありますけれども、まず、農水省としてはこの魚の流通過程における市場というものをこれからどういうふうにしていこうというのか、市場の役割というものをどういうふうに位置づけておられるのか、その辺のことを伺いたいと思います。
○谷野(陽)政府委員 ただいまお話がございましたように、中央卸売市場は生鮮食料品の物的流通ばかりではなく、価格形成の両面にわたりまして中心的な存在になっておるわけでございます。水産物につきましても、ただいまお話がございましたように水産物の場合には産地市場というのがございまして、そこで一応価格形成の前段階が行われて、それが中央卸売市場等に入ってくる、こういうことが特徴でございます。そのような産地の事情、あるいは消費の形態、物の形態の変化というものが水産物についても進んでまいっておりまして、水産物の流通事情というものはこれに対応することが必要になってきておるわけでございます、しかしながら、現在までのところ、卸売市場の経由率でございますが、これを見てみますと、昭和五十年から五十九年の間の数字をとってみますと、七九%ということで全く変わっていないわけでございますし、むしろ中央卸売市場のシェアはこの十年間に上昇いたしておる、こういうことでございます。これは、日本の食生活というのは大変多様性のある品物を要求するということでございまして、野菜でもそうでございますが、水産物につきましても、消費者がお魚屋さんで買いますときにも大変多数の種類のお魚が並んでおる。また業務用の需要につきましても、同じお皿の中で刺身でも数種類の魚の刺身が入っておる、こういうようなことがございまして、品ぞろえ機能でございますとかそういうような中央卸売市場の機能に期待をするところが極めて大きい、こういう事情にあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 しかしながら、ただいま御指摘のような消費地あるいは産地の事情のいろいろな変化というものは事実あるわけでございます。消費者のサイドでも、お魚屋さんで頭のついた魚を買ってきて家庭の中で調理をするということは大変減ってまいりまして、いわゆるパック物のようなものがスーパーで売られるというような形態がふえておるということもございますから、中央卸売市場の関係者におきましても、このような消費者の消費形態の変化に対応した対応策というものを御検討いただかなければならない、これが水産物の流通を円滑にするためにも大変重要であるというふうに私どもは考えておりまして、そのような動きを農林水産省としても支援をしてまいりたいと考えております。
○中村(巖)分科員 魚は、消費者からすると今非常に高い、かえって肉より魚の方が高いのではないか、こういうふうに言う向きもあるわけであります。どうして魚が高いのかということの原因、それはいろいろあろうと思いますけれども、その一つの原因として指摘をされるのは、流通形態が余り整備をされていない。市場一つとらえてみても、市場そのものが現時点では非常に多過ぎるのではないかということで、市場が多過ぎるために、各市場の荷受け会社は荷引き競争でもってどんどん値をつり上げて勧誘をする。勧誘をしながら集荷をしている。さらに、実際一つの市場に品物が入ったとしても、それは転送というような形態で、より高い方へ高い方へ、高い市場へと品物が流れていくということがあるのではないかということでありますけれども、今後、この市場の乱立の問題、市場が多過ぎるという問題も含めて、農水省としては市場整備についてどういうことを考えておられますか。
○谷野(陽)政府委員 我が国の人口が都市に集中をしてまいりましたし、また、いろいろと所得の向上に伴いまして流通に乗ってまいります食品に対する需要というものがふえてきておるわけでございまして、これに対応いたしまして卸売市場の整備を計画的に進めてきたわけでございます。 全体といたしまして、私どもは大都市におきます量的な整備はもう一段落したのではないかというふうに考えておりまして、大都市におきましては、むしろ、現在もうかなり年数を経ております既設の市場の再整備、こういうことが非常に重要な課題になってきておるというふうに考えておるわけでございます。六十一年四月に発表いたしました整備の計画におきましても、そのような考え方のもとに、市場の開設につきましては、むしろ地方でございますとかあるいは花きのような既存の分野以外の分野についての重点の置き方を変えてきておるわけでございます。 ただ、市場における流通も流通一般の論理があるわけでございまして、産地間あるいは市場間の競争というものがしかるべく行われるということは極めて重要でございます。かつて、市場の中におきます卸売会社の数につきましても、これは公正取引委員会の方のお立場からいけば数が多い方がいい、私どもは、規模の小さい市場につきましてはむしろ、規模に見合ったということからまいりますと、場合によっては単数制の方がいい場合もあるのではないか、こういう単複論というものがかなり闘わされたわけでございまして、それにつきましてはケース・バイ・ケースということで、一定の理解がお互いにできておるわけでございます。そういうことでございますので、過熱する競争ということは御指摘のとおり望ましくないわけでございますが、しかるべき競争条件というものが維持をされていくということもまた重要でございまして、私どもといたしましては、いろいろな荷引き競争の過熱化というものが奨励金等のことを通じまして進められる、これが卸売会社の経理、ひいては全体としての市場の適正な運営のためにもよくないということで、いろいろのルールをつくりましてそのルールの中での競争をしていただく、こういう考え方をしておるわけでございます。 今後の問題でございますが、我が国の食料消費はかなり高い水準に達しておりまして、かつ人口の大都市集中も一段落しておるわけでございますので、量的には必ずしもふえるわけではない。また、単価の方も、全体といたしましては、農産物価格ばかりではなくて、その他の品物についてもどちらかといえば安定的もしくは下がっていくという傾向にあるわけでありますから、そういう条件からいきますと、市場の経営という観点からは大変厳しい条件になってきておる、私どもはこういうふうに認識をいたしておるわけでございます。 今後の市場行政につきましては、このような情勢を踏まえまして、機能の充実を図る方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
○中村(巖)分科員 最後に、なぜ魚が高いかという問題について、例えば市場において、今の中央卸売市場においてはもう生産者が指し値、指し値ということで指し値が横行しておって、ちっとも競りの効果がないということが一点。さらには、そのことによっていわゆる生産者、大手水産会社を中心にもうけ過ぎているのではないかということ。それから、卸売会社自体ももうけの伸びが非常に大きいのではないか。東京中央卸売市場で言うならば、東水だとか中央魚類だとか築地魚市場とか東都というような四大会社が非常な利益を上げているのではないかということで、経費の方も大してかからないで、仲卸に対する店先までの配送経費なんというものも仲卸に持たせているという状況があるというふうに指摘をされているわけですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
○谷野(陽)政府委員 ただいま御指摘のように、卸売市場におきましては、公正な価格形成を図るということで公開の競りを原則にしておるわけでございます。これは、当然のことながら物が生ものでございまして、また農産物についてはなかなか規格化が難しい、こういうことで、皆の見ている前で値づけをするということが公正な価格形成として大変重要である、こういう考え方できておるわけでございますが、その日の入荷の状況でございますとかそういうものによりまして、かなり値が振れるというようなことも一方ではあるわけでございます。 私どもといたしましては、そういう条件の中で、いろいろ商品形態が冷凍品でございますとかそういうようなものがふえてきておるという実態を踏まえまして、卸売市場法の中でも貯蔵性や規格が決まっておる、需給事情も安定しておるというものにつきましては、予約相対でございますとかあるいはその他の定価販売的なこともやるというようなことを定めておるわけでございまして、必要な場合にはそのようなもので対応すべきものというふうに考えておるわけでございます。 また、産地の方から価格についての希望があることは事実でございます。しかしながら、そういうことは前提といたしますけれども、競りで値が決まっていくわけでございまして、お客様に買っていただけないものは幾ら産地の方が希望いたしましてもこれは売れない、こういうことになるわけでございまして、全体として、私どもとしては需給の実態に応じた価格形成が図られているのではないかというふうに考えておるわけでございます。 魚の値段、消費者のお立場からしますとなかなか難しいわけでございまして、例えばマグロを丸のまま一匹の値段と、それからお刺身になりましたときには値段の計算も大変難しいわけでございます。最近は特に、同じマグロの刺身でもとろなどは大変高いわけでございますが、赤身は非常に下がっていくというような消費者の選好もあるわけでございまして、その辺につきまして私どももさらによく調べ、また消費者の御理解も得られるような努力をしていく必要があるというふうに考えております。 なお、卸売会社等の収益の問題でございますけれども、全体といたしまして、先ほど申しましたような量的な拡大が非常に今後は望めない、単価の方もむしろ低価格型であるというようなことで、必ずしも卸売会社の経営が全体としていいということはないのではないかというふうに私ども思っておりますが、また一方では、企業格差というものが多少広がってきておるという事実がございます。 私どもといたしましては、そのような経営の全体としての安定とともに、今御指摘のような御意見が今後非常に強い形で出てくるようなことがありましては、市場に対する信頼というものについて問題がございますので、そのような観点から十分関係者を指導してまいりたいというふうに考えております。
○中村(巖)分科員 時間ですので終わりますけれども、農水省に対しまして、生産者サイドばかり目を向けている行政でなくて、消費者の方へも目を向けた行政をお願いして終わりにしたいと思います。
○志賀主査 これにて中村巖君の質疑は終了いたしました。 次に、小沢貞孝君。
○小沢(貞)分科員 今、農政問題の中で一番重要な問題は、七十七万ヘクタールという膨大な転作に取り組んでいるにもかかわらず、四年連続の豊作と米の消費減退から需給ギャップがますます拡大して、このまま放置すれば第三次過剰を招き、ひいては食管制度の見直しが求められる、こういうような状況下にあるのではないかと思います。私は、農林省で取り組まなければならない最高の問題は、米の消費をいかに拡大するか、こういうことではないかというように考えます。今審議されておる予算案の中では、農林省の予算の中で米消費拡大の予算が突出して大幅に増額されているようで、大変ありがたいことだと思っておりますけれども、どうもまだそれだけでは間に合わぬ、こういうような状況ではないか。きのう減税問題に決着がつきましたから、いずれ秋に補正予算、こういうこともあると考えます。予算で足りないところはさらに補正予算の際に増額してもらうということを考えながら、実は、農林大臣も入っているし、委員長も加入しているのじゃないかと思いますけれども、奇妙きてれつな米消費拡大純米酒推進議員連盟、こういう役員会をやって、明後十一日に大臣のところへも申し入れる、大蔵大臣にも申し入れるという予定になっております。きょうは、あした申し合わせをやって申し入れをしようというその文言そのものの質問だけですから、いかぬという答弁をここでしないで、なかなか難しいことでもそれは実現するように努力する、こういうように言っていただかないと、あしたから相談をして申し入れるわけですから、さよう心得ながらひとつ御答弁いただくようにお願いをいたしたいと思います。 まず第一点は、抽象的なことですが、申し入れの文言をそのまま読んでみます。 「一、我が国の国土資源に合った米を中心とする日本型食生活の普及定着を図る米消費拡大について、関係者が一体となった取り組みを行うとともに、そのための予算の確保を図ること。」以上が第一項であります。後から具体的なこともありますけれども、さらに「予算の確保を図ること。」私が先ほど申し上げたように、臨時国会がある、また補正予算が出される、こういう状況のもとにありますので、格段の努力をまずお願いをいたしたいと思います。
○佐藤国務大臣 今お話がございますように、純米酒の超党派の議連の事務局長を務めておられる有力な小沢先生の御発言でございます。私もその部下でございまして、議連に加盟をいたしておるわけでございます。 日本型食生活にも触れられたわけでございますけれども、先般来公表になっておりますように、総理府の調査におきましても、いろいろ日本型食生活のことについても触れられておるわけでございますし、そういう方向は当然の方向で、私ども常日ごろ努力をしておる、それに相並行した物の考え方が出ておるということで、ありがたいことだと思っておるわけでございます。そのためには、それぞれの関係者が一体となってやるべし、こういうことでございます。その中には、予算の確保も当然、六十四年度予算要求に向けても一歩ずつ前進をしていけという、願望を込めての議連の役員会のお話であろうかと思います。そのお言葉をそのとおり受けとめて私どもは努力しなければならぬ、こう思っております。
○小沢(貞)分科員 申し入れの第二項は、「米飯学校給食については、地域の関係者が一体となって、さらに強力に進めるとともに、そのための予算の確保を図ること。また、日本型食生活に幼児期よりなじむための、幼稚園、保育園における給食の実現を行うこと。」であります。 実は、学校給食を始めるようになったのは、我が長野県の甕長官のすぐお隣の堀金村の烏川という学校で自分で始めておったわけです。そのときの教育長は、まだ印象に残っておりますが、丸山教育長。この熱意がモデルを持ってきて農林省、文部省等に働きかけて、それから学校給食は始まった。私は、その最初のときにモデルを持ってきてやったことをよく覚えておるわけで、今日においては全国に大変な普及をしていただいていることは感謝にたえません。さらに、学校給食を週幾日のところを週幾日にしろとかいうような要望もありますけれども、ここで私が特にお願いしたいことは、日本型食生活になじんでいくためにはやはり幼稚園、保育園でどうしても始めていただかなければならないと思います。 〔主査退席、松田(九)主査代理着席〕 私は、長野県へ持っていって、おい、どこか保育園一カ所でよろしい、幼稚園一カ所でよろしい、モデルをつくれ、こういうように盛んに言っておりますから、場合によってはことしから始めるんではないかと思います。大臣の新潟県でも、いきなり文部省の方からやれと言っても、なかなかお役所というのは頭がかたくて容易じゃない。特に厚生省と文部省に分かれておるんで、余計面倒なことになるわけですが、でき得べくんば我が長野県のまねをして新潟県でもまず実験的にことしすぐ始めて、その動向を中央へ持ってきて厚生省、文部省を動かさなければ、なかなか容易ではないと思います。頭下しに厚生省、文部省に頼んでどこかの保育園、幼稚園で実験的に始める、こういうことから始めないと、なかなか幼稚園、保育園は無理ではないかと思います。大体今の予算には幼稚園や保育園の給食は入っていないでしょう。だから、こういうことはわずかな額だと思いますから、秋の補正予算でやらせていただく、そして本格的にはその実験経過を見て始めていく、この辺が大切ではないかと思います。どうしてもうんと小さいときから米飯食生活になれないと、これはなかなか大人になっても容易なことではない、こう思いますので、幼稚園、保育園から始めるということが非常に大切ではないか、私はこう思います。
○甕政府委員 学校給食におきます米飯の給食でございますが、ただいま先生から御指摘ございましたように、これはただ単に米の消費拡大ということだけではなくて、やはり学童期の食習慣が将来の我が国の食生活に非常に大きな影響を与えるといった意味から、非常に意義の深いものであると私どもも考えておりまして、文部省ともども一生懸命これを進めているところでございます。 五十一年度から政府助成を行っておるわけでございますが、おかげさまでほとんど完全給食校についてはこれが行われるようになりましたし、週平均二・二回というところまで進められてきておるわけでございます。しかし、現状を見ますと、大都市あるいはその周辺の地域というところで、実はこれは給食施設の用地がなかなか確保できないとかいろいろ難しい問題があるわけでありますけれども、現実におくれております。 当面、私ども、これから大都市圏を中心に学校給食の回数増加を図ろうということで一生懸命取り組んでおるところでございます。また、六十三年度におきましては、昨年末に米需給均衡に関します緊急対策を決めました中で、年間一万トンの学校給食、米飯給食の拡大を図る、これによって全国平均では週二・四回というところまで持っていこうというようなことで取り組む方針でございます。そのために、教育委員会でありますとか関係者に対しまして積極的に働きかけを行いますと同時に、学校給食米飯導入促進事業、これは委託炊飯設備の設置に対する助成でございますが、これを進めますとともに、試食会の開催でありますとかモデル献立をつくるとか、こういった地域米の消費拡大対策といったものもあわせて進めまして、効果的な推進を図っていきたいと考えております。また、そのための必要な予算も計上をしておるところでございます。 お尋ねの幼稚園あるいは保育所といった段階で米飯給食を行ってはどうかという御提言でございますけれども、これはこれまでも、そういったところが学校給食法などの適用の対象となっていないというような事情もございます、また給食の実態、実施状況が種々さまざま、こういった事情もある、あるいは幼稚園や保育所に通園、通所していない子供とのバランスはどうかといったような議論などもございまして、これまでも進んでおりません。いろいろ難しい問題があるのは事実かと思います。できませんということは困る、こういうお話でもございますが、ただいまお話にございましたように、各地でどういうふうに実施されてくるか、実態的な面も見ながら慎重に検討させていただきたいと思っておるところでございます。
○小沢(貞)分科員 これはやはり政治的な問題だと思うので、大臣の方から文部省、厚生省に相当の圧力といってはおかしいのだけれども、しっかり話し合いをして、何とかこれを始めさせてもらうように、いろいろ難しい面があることは我々もわかっておりますけれども、これは大臣がやはり政治的な努力をしなければ容易なことじゃないと思われますので、どうでしょう。
○佐藤国務大臣 今食糧庁長官から申し上げましたように、確かに難しいことは御理解いただけると思います。しかし、それを中央関係官庁だけで考えて試験的なものをやっていいのか、あるいは各県ごとで地方行政庁において自主的な一つの地方施策の上に立ってそういうモデル的なものがどうやれるか等々、いろいろな努力はとにかくしなければならぬことは事実でありますから、そういう中に含めてひとつ、慎重に検討すると今長官も答えましたけれども、これは無理でございますということではなしに、やはり検討はせねばならぬ、不断の努力を重ねる、あらゆる角度から検討する、その中の一つの問題点でもある、こういう認識で、機会を得て議連の方でもいろいろお進めになると思いますが、我が方におきましても、きょうの御意見を随時地方庁のしかるべき方々にもやはり話題として提供してみる、そういうことはやってみたいものだな、ただいま御意見を承りながらそのような感想を持った次第でございます。
○小沢(貞)分科員 ひとつ、せっかく御努力いただくようにお願いをしたいと思います。 三番目の要望は、「主食用以外の需要拡大を図るために、米のアルコール化対策等の試験研究の充実強化、新たな仕組みの開発について検討するとともに、そのための予算措置を講ずること。」これが三番目の要望であります。
○畑中政府委員 私どもの試験場で、昭和五十六年から主食用以外の他用途とかあるいはサイレージ、えさにするようなお米、そういったものの研究を始めておりまして、海外から違った遺伝資源を入れてそれと交配をするとか、最近のハイテク等の新しい技術を使うとか、そういうことでできるだけ量をたくさんとる米の開発研究をやってきて、従来のものより一割増しとか、だんだんいろいろな成果が出ているところでございます。 その中で、今先生おっしゃいましたアルコールということでございますけれども、これも、工業用のアルコールを米からとって使うということになりますと、結局生産なりあるいはアルコールにするときに使うエネルギーの方が出てくるエネルギーよりも多くなってしまうというのが現在の実情でございますので、そういうものをできるだけ投入エネルギーを少なくしていくような研究もやっておりまして、先ごろ私どもの食品総合研究所というところで、生米からいきなりしょうちゅうなりアルコールをつくるというようなカララパラドキサという菌を新しく発見をいたしまして、そういったものが実験段階では成功いたしております。ただ、安い工業用のアルコールをつくるというためにはまだまだいろいろなことをやらなければいけませんが、そういう一つの段階としてそういった研究にも取り組んでいるということを御理解をいただきたいと思います。
○小沢(貞)分科員 時間の関係で、はしょって要望だけ申し上げます。今の件もせっかく御努力いただくようにお願いをします。 四番目には、「日本酒(特に純米酒)の良質で低廉な原料米を確保するため、他用途利用米の拡大、酒造好適米の生産確保などの措置を講ずること。また日本酒は、他の主要酒類より原料事情が非常に不利となっているため、これを是正するための酒税負担の軽減を図ること。」お酒の税金のこともあるんだが、国税庁はいるかな。これが四番目の要望であります。
○甕政府委員 それでは、まず私どもの方から、純米酒の原料関係のお話がございましたので、現状の御説明を申し上げたいと思います。 お酒の原料用米につきましては、これは先生御案内のとおり六十二年度から酒造用の他用途利用米を導入したところでございます。これは純米酒等の増加を図ること、アルコールの添加を減らしまして米の使用量を少しでも増加させることが目的でございますし、酒の品質向上といった観点も含めまして他用途利用米三万トンの導入を行ったところでございます。六十三年度におきましては、引き続き、純米酒等の需要の増加に対応いたしまして、昨年末の米需給均衡化緊急対策の中におきましても、需要拡大の一つの柱といたしまして、アルコール添加の一層の減少、米使用の一層の増加を図るために、酒造用の他用途利用米をさらに三万トン拡大いたしまして、合計六万トンの供給を行うこととしておるところでございます。 また、酒造好適米につきましては、現状が需要量に対しまして供給量が足りないという問題も考え合わせまして、六十三年度におきましては、酒造用の他用途利用米の中で、その一部としまして酒造好適米の生産を行うということにしたところでございます。産地が限られますとかいろいろ難しい問題がございますけれども、需要に対応してその供給増に努力したいということを考えております。
○薄井説明員 お酒の税金についての御質問をいただきました。御存じのように、今酒税といいますものが税収の五%ほどを占めておりまして、おかげさまでたくさんの税金をいただいておるといった状況でございます。したがいまして、お酒がたくさん売れればその税収も上がるという意味で、先生御指摘のように、お酒が世の中にうまくおいしいものとしてたくさん売れていくことは、同じ方向で私ども望んでおるような次第でございます。 ただ、お酒の税金につきましては、これまで余り大きな改正をしてきておりませんでした。そのこともありまして、いろいろと今御指摘をいただいておりまして、税制改革の中でお酒の税制、特に酒類間の負担の調整といいますかそういったことが必要となっておりまして、現在政府の税制調査会でもいろいろ御議論をいただいております。まだそれほど深いところまで行ってはおりませんが、税制調査会の審議等を踏まえましていろいろ検討してまいらなければいけないと思っております。 なお、特に清酒の税率につきましては、これまで税率改正の際にその原料の事情を勘案いたしましていろいろ調整もしてきたところでございます。この点を御理解いただきたいと思っております。
○小沢(貞)分科員 まだちょっと今の項目についてもお尋ねをしたいことがありますが、時間の関係で、最後の第五番目の要望は、「日本文化を育ててきた国酒・日本酒を守り、米の消費拡大を図るためにも、同じ醸造酒であるワインと同等ないしは、それ以下の税制度にすべきである。」この点はいかがですか。
○薄井説明員 御存じのように、お酒といいますのは税制の上では十種類に分かれておりまして、お酒というのは文化そのものだと思いますが、これまで、お酒のつくり方の違いあるいは消費、飲み方の違いに応じまして、私ども税率上の違いを微妙に設けてきております。これは国民に支持されてきていると思っているわけですが、そういったこれまでの沿革なりバランスというものはやはり尊重せざるを得ないとは思いますが、先ほど申し上げましたように酒税全体を見直さなければならないこのときに当たっておりますので、税制調査会の御審議を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○小沢(貞)分科員 酒造家は大手はわずかです。私から見ればあとは中小企業だ。監督官庁の大蔵省は税金製造工場、そういう目でもって見ているのではないか。率直に言って、お酒屋さんから聞くと、我々は通産省か農林省の管轄に入った方がいい、産業政策として見てくれない、税金製造工場だ、こういうように見ている、こう言うのですよね。だから、ガットの勧告から根本的に見直しのときですから、米消費拡大の一環でもあり、税率についてはひとつ慎重に要望にこたえていただくようによろしくお願いしたいと思います。これは今後の大問題だと思います。 なお、これは議連の関係ではありませんが、日ごろ私の考えている一、二点だけ要望させていただきたいと思います。 今、先進国並み生活を確保する運動が全国的にあらゆる階層で行われている。その中の一番大きな項目は、食料費が外国より高いと言われていることです。全国農業新聞のQアンドAの中の一つに、「日本の食料品価格は、高いといわれますが、本当に高いのですか」という質問に答えて、「通貨の交換レートは、めまぐるしく変動しています。その時々の価格だけを単純に比べて、高い安いを論じるのは、正しい比較の仕方ではありません。」私もこのとおりだと思います。そして、「各国の年間一人あたり食料費支出額を得るのに必要な労働時間を比較する方法によると、わが国の食料品価格は、欧米なみの水準となっています。」こうあります。その下に表があるわけで、日本は二百四十八・九時間、アメリカは二百三十一・〇、西ドイツは二百三十九・五、イギリスは三百六・六、イタリアは三百二十五・四ということで、アメリカや西ドイツ並みぐらいの労働時間になっているのです。この数字が正しいかどうかは見ていただかなければならぬと思うのだが、ちょっと農林省の宣伝が下手だかまじめ過ぎるんだか、国民みんなは食料品が先進国より高いと考えているんだ。この労働時間で見れば先進国並み、イギリスやイタリアと比べればはるかに安い、こういうことになっているのだが、農林省ももう少しPRをやったり、労働時間の短縮、近代化、こういうことにもっと努力をしてもらわなければならないのではないかと私は思うのです。
○佐藤国務大臣 私が自覚をしておる大きな問題点の中に我が省の広報活動があるわけでございまして、私が十七年前に農林政務次官をやっておりましたときもそのような感じを持っておりました。それ以後随分変わってまいりました。確かに自覚をしながら宣伝これ努めておるという経緯は私も認めますけれども、急速な国際化の中で国民にわかりやすく広報活動が徹底せられておるかというと、まだまだ努力は足りないと私自身自覚をしておるところでございます。一生懸命やります。
○小沢(貞)分科員 時間が参りましたので質問を終わりたいと思いますが、私が日ごろ、どうしてもこれは対米交渉、竹下さんがアメリカヘ行くときにきちっと交渉してもらわなければならないと思っているのは、アメリカは所得・価格支持費というもの、世界的に穀物が過剰になってきたにもかかわらず一九八〇年から一九八六年の間に十倍にしている。一九八〇年のときは二十七億ドル、一九八六年のときには二百五十何億ドル、十倍にしているのです。こういうことがもとでもって輸出圧力になっている。だから、これはアメリカ農政の誤り、間違い。円高・ドル安の問題もあるが、双子の赤字の一つはアメリカの財政赤字、その財政赤字の大をなしているものがアメリカの農業補助金、輸出ダンピング補助金、こういうものだ。それを忘れてアメリカは日本に盛んに圧力をかけてくる。こんなばかな話はないと私は思う。これは日米の政治関係の問題ですから、ひとつ日米交渉に当たってはその点をぴしっとやってもらわなければ、今に農民は反米的になっていきますよ、今のこの圧力を受けていれば。これは重大問題なので、ひとつ大臣、お願いします。
○佐藤国務大臣 おっしゃる意味はよくわかります。私もしばしば予算委員会でも答弁を申し上げておりますように、私自身にも腹の中を言えばいら立ちはございます。何でという気持ちはございます。しかし、円満解決に向けてまた全力を果たさなければならぬ。しかし、そういう中にあって、先ほど申し上げるように、やはり国民の皆さんに理解を仰ぐ、また国際的にも理解を仰ぐ。そのための農林水産省としての広報活動いかん、食料問題についての広報活動いかんと言われれば、率直にさっき認めますようにまだまだ足りない。努力をいたしたいと思います。
○小沢(貞)分科員 終わります。
○松田(九)主査代理 これにて小沢貞孝君の質疑は終了いたしました。 次に、田並胤明君。
○田並分科員 委員長も委員長席だとやじが飛ばせないで退屈でしょうが、ひとつしばらく御幸抱のほどを。 もう既に質問通告をお渡ししてありますように、二ヘクタールを超える農地の転用等の許可権限を都道府県知事に移譲されたらどうかという問題でございます。 私は埼玉県の出身でございますから埼玉県の現況をちょっと申し上げますと、現在人口が六百十万人を突破いたしまして、今全国では五番目に人口の多い大県になりました。しかし、県内の様子を見てみると、どうしても東京に隣接をする県南部の人口が非常に多くなる、一方では県北部、産業等の少ないところについては逆に人口が横ばいもしくは減少、こういう過密過疎の現象というのは引き続いて今埼玉県で進んでいるわけですね。それで、そのために県では県南部と県北部の地域格差の是正あるいは県土の均衡ある発展というものを図るために、当然のこととして経済の活性化であるとか人口の定住化であるとか、こういうものを県北部に重点的に今いろいろな施策を立ててやっておるわけです。 その一つとして、県北部を五つのエリアに分けまして、例えば地域的に言えば大里であるとか比企であるとか児玉であるとか秩父であるとか利根であるとか、こういう五つのエリアに分けて、そこをテクノグリーン地域というふうに指定をして、具体的なテクノグリーン構想というのを今推進しようとしておるわけなんです。これができ上がればかなり県北地域の人口の定住化だとか経済の活性化は図られるだろう、このように地元では大変歓迎をされておるのですが、この構想というのは、県北部というのはまだ緑がいっぱい残っておりますので、この緑を残しながら先端産業の誘致をしたり、あるいは理工系の大学を誘致をしたり、あるいは研究施設を誘致をしたり、こういうものを誘導する内容になっているわけです。 そこで、これはもちろん地元市町村と一体となって県が進めている施策なんですが、ここのところでこういう構想を推進するに当たっては、どうしても農水省の支援がないとできないという問題があるのです。というのは、農地を含む土地利用の変更ができなければこれらの構想が進まないわけですね。したがって、これが今非常に隘路になっているというのは事実なのですよ。もちろん土地利用計画を各地方の農政局の方と協議を進めるわけでありますが、これがなかなか進展をしない、こういう実態があるわけですね。 これらの点について、農水省としては、こういう県だとか市町村が一体となって進める、開発というとちょっと言葉が嫌らしく聞こえるのですが、とにかく経済の活性化、地域格差の是正、人口の定住化、こういうことを図る計画について農水省としては理解を示して支援をするべきではないか、このように思うのですが、その辺まず第一点お聞かせを願いたいと思います。
○松山政府委員 御案内のように、農地につきましては、国土の計画的、合理的な利用を促進するという観点から、いかに農業外の利用との調和を図っていくか、こういう観点からの一定の規制を行っているところでございまして、知事と大臣の間の関係につきましては一応二ヘクタールという線は設けておりますけれども、件数で申しますと九九%強のものが知事に実はおりておるという実態にあるわけでございます。二ヘクタールを超える農地というような話になりますと、これは国の土地改良投資の入っている場合も多うございますし、かつまた、それだけ大きい話になってまいりますと県が実際開発に関与されているというような場合も多うございますので、一定の距離を置いたところからひとつ判断していく必要があるということで、大臣の許可ということにしておるというのが今の制度の建前であることは御案内のとおりでございます。 今御指摘のございました埼玉県のテクノグリーン構想、私どもも概要は一応お聞きはしておりますが、詳細をつまびらかにしておるわけではございませんけれども、考え方といたしまして、やはり地域の自然なり文化等と調和のとれた形で地域の振興を図っていくということのように理解をいたしておりますので、それだけに土地の計画的な利用という点については非常に重要な課題に相なっておるのだろうというふうに私ども考えてございます。現に今特定の問題につきまして農政局との間の協議が進んでおるようでございますが、私どもの基本的な考え方といたしましては、具体的な土地利用計画が明らかになってまいりました段階で、今申しました土地の計画的な利用、農業と他産業との調和のある発展、こういう視点をきっちりと踏まえました上でできるだけの協力はしてまいる、こういう構えで御相談には応じていきたい、このように考えております。
○田並分科員 聞く内容について最後の答弁が出されたのですが、もう一つとしては、地価対策の面から見ても、この農水省の権限というのを都道府県知事に移譲したらどうかというような気もするのですね。というのは、これは今党内でいろいろ論議をしている最中なんですが、地価高騰がここのところぐっと進んで、国の方の指導でもって各都道府県でいわゆる監視区域を指定していますね。ところが、埼玉県なんかの場合には、監視区域を県南部に指定をした途端に、今度は監視区域の網のかかっていない県北部の方へその地価高騰が飛び火をしまして、ことしの四月一日から県北部の一部地域で監視区域を指定することにしたわけです。おかげさまで監視区域に指定されたところは地価が若干値下がりになってきているという現象はあるのですけれども、その分だけその周辺に飛び火をしておる、それでまた監視区域の網をかぶせる、かぶせればまたその周辺に飛び火をする、こういう形なんですね。ですから、地価の根本的な見直しというのはもちろん国土庁の仕事でしょうが、例えば県だとか自治体が進める緑の保全であるとか環境保全、こういうものを十分配慮した上で、大規模かつ計画的な住宅宅地の供給というものを今自治体としては非常に進めなければならない。一面では規制の網をかぶせると同時に、今言ったような宅地供給を進めないとこれはどうにもならないという状態に来ていることは事実なんです。特に埼玉みたいに人口が六百十万、後何年かすると六百五十万と将来予測できておりますから、そういう意味では可住面積が非常に広いわけですよ、平地が多いものですから。したがって東京一極集中にも該当するのですよ、埼玉の人口がふえるということは。それがあるにしても、地価の抑制の一つの方策として、先ほど申し上げたような宅地の供給というものも重要な課題になっておるということなのです。そのときにも、どうしてもこの土地利用計画を進めるに当たって農水省の支援がないと、いわゆる農地転用等の許可権限をがっちり縛られておるとなかなか難しい、こういう側面があるのです。 したがって、先ほど言ったテクノグリーン構想でもって南北の地域格差を是正をしたり、県北地域の経済の活性化を図ったり、人口の定住化を図る。要するに、国が四全総で示しておる一極集中を排除するのと同じように、今度は一つの県なら県の中にもそういう課題というものがあると思うのです、県内の一極集中みたいなものが。これが埼玉で言うと県南部に一極集中になっておる。一方では過疎が進む、一方では過密が進む、こういう状態がまだ本県なんかの場合はあるわけです。ですから、それを是正するためにテクノグリーン構想を進めると同時に、良質な宅地供給も一方では進めていかないと定住ができない。しかも地価がどんどん飛び火をして周辺部も上がってくる、そのことによってまたなかなか住めなくなる、しかも通勤電車は大混雑ですから交通は大渋滞、こういう首都圏に近い県に共通の問題点というのはいっぱいあるわけです。そういう意味で、農水省の支援というものが農地転用等においてないと時間がかかってなかなか思うように進んでいかないという実態がありますので、そこらも含めて、これは先ほど局長が答弁をしたような形で、具体的なものが出てくればそれでやるよ、これでも結構なんですけれども、それ以上に一歩先へ先へというふうに自治体は考えてやっていかないと、小回りがきかないものですからなかなか難しい面が出てくる、このような感じがするものですから、重ねて、二ヘクタール以上の今農水大臣が持っていらっしゃる許可権限あるいは指導監督権限、これらについては、各自治体からも、恐らくこういう問題にぶつかってそれを解決するためにということでもって地方への権限移譲、それから中央の事務の簡素化という観点からの提言がかなりなされているわけなんです、国に対して。その英断をお願いしたい。 埼玉県で各省に出した中身をちょっとコピーさせてきてもらったのですが、「二ヘクタールを超える農地の転用等許可権限」について農林水産省に提出をした。「農地の転用等に関する許可その他の指導監督権限は、面積が二ヘクタール以下のものについては知事、二ヘクタールを超えるものについては農林水産大臣が行使している。しかし、農地の転用等に係る事務は、地域の総合的な整備計画との調和が必要であり、また、現在も許可基準が示され実質的な審査は知事が行っている。」実質的な審査を行っているのだからそのものずばりでもって権限を移譲したらどうなのかということで、これは埼玉県だけじゃなくして各都道府県からこういう要望が出ておるのです。その辺をもう一回ひとつ慎重に検討していただいて、そういう方向を早く出してほしい。 例えば、今二ヘクタール以下ですから、これは大体小規模なものができるわけです。ところが、テクノグリーン構想だとかあるいは今テクノグリーン構想の中に先ほど言った利根地域というのがあるのですけれども、これは埼玉県で言うと東北部です。この中の行田市というところで、利根地域のテクノグリーン構想をひとつ推進をするという立場で理工系の大学を誘致をしたい、そして芝浦工大が来るという話が大体決まったわけです。ところが、いざ話が進んでまいりますと、農水省の方は、事業認可を取ってくれ、いわゆる公共事業に準ずる事業認可を取ってもらいたいという話が出てくるわけですね。建設省の方は、これは私学だ、私立の大学だから事業認可を出す必要はないというので、両方でぶつかってしまって、県庁内でも農林部と土木部、こういうところで話が進まない、あるいはテクノグリーン構想を進めようとすると商工部と農林部がまた話が進まない。同じ知事なのに、知事の監督下にある各部がそんなことでどうするのだということで、県民からおしかりを受ける。今の行政は縦割りですから、県の農林部といえども、私は県会議員をやっていましたから、その当時、農林部というのは農林水産省埼玉県出張所じゃないか、こういうふうに言ったことがあるのですが、とにかく縦割り行政で来ているものですから、これは、農水省の方の指導では事業認可を取らなくてはだめだ、一方では、事業認可は建設省の指示では要らない、だめですよ。これでは話が進まなくて、せっかく理工系の大学を誘致をして利根地域のテクノグリーン構想を一歩進めたいと思っても、また壁にぶつかってしまう、こういう現実問題が起きているわけです。ですから、ぜひそういう観点からも、先ほど言ったその県の中にある一極集中を排除して、県土の均衡ある発展を図ったり人口の定住を図ったり経済の活性化を図るためにはこういう構想が必要だというときに、どうしても二ヘクタール以上というのがぶつかってしまうわけですから、その点について、別に無制限に県知事に許可権限を移せというのじゃなくて、最低でもやはり二十ヘクタールくらいに拡大をしたらどうか、こんな話が今出ているものですから、私の方でも具体的にいろいろテクノグリーン構想を進めたりあるいは住宅宅地の供給を進めるという観点からいろいろな地域を回ってみましたら、市町村からもそういう要望が出ているのです。実情はそういうことですから、もう一回局長の方からのお考えと農水大臣の決意を聞いた上で、次の時間がありますので、私は質問を終わりたいと思うのです。
○佐藤国務大臣 二ヘクタール以下のものは知事にお任せをしておる、二ヘクタール以上のものは農林水産大臣の権限である、しかし手続がなかなかスムーズに進まないという批判もあったりいろいろな声がありまして、私どもも早くそれは手順よく進めるべきだと思いまして、現在におきましては、農林水産大臣の権限は、すなわち二ヘクタール以上のものは地方農政局長にその手続の一切を任しておる、こういうことでございますので、なおまた残余につきましては局長から答弁させます。
○松山政府委員 本件についてはいろいろな御意見があろうかと思うわけでございますが、今先生から御指摘ございましたように、県内でも農林関係と土木関係との間で若干の調整を要する問題があるといったようなことで、結局のところは、農業と他産業の土地利用の間をいかにうまく調整していくかという、ある意味での運用の問題になるのではないかという気もするわけでございます。二ヘクタール以上を大臣許可にいたしております理由につきましては先ほど申し上げたようなことでございまして、私どもはそういう考え方に立ちながら、転用の許可基準なりその事務の進め方なりをできるだけ実態に合うように必要な見直しをこれまでもやってきておるところでございます。 例えば昭和五十八年には、市街化調整区域内におきます開発許可の要件が引き下げられたのに伴いまして、私どもの方の転用許可の対象も拡大するといったようなこともやってございますし、そういうことで、これからも事態の変化を見ながら必要な見直しをやりながら農業と他産業の土地利用との間の調整をできるだけ円滑にしていく、こういう基本的な考え方で臨みたいと思っております。
○田並分科員 先ほど農水大臣から、各地方の農政局長へ権限を委任されていると。しかし、実質的には農水省が持っていることは間違いございませんので、今私が申し上げたことを十分理解をしていただきまして、早急に見直しの検討を開始してほしい、こういう要望を申し上げて終わります。どうもありがとうございました。
○松田(九)主査代理 これにて田並胤明君の質疑は終了いたしました。 次に、児玉健次君。
○児玉分科員 ことしの一月、竹下総理大臣がアメリカにおいでになった際、ロバート・バード上院民主党院内総務が竹下首相に対して日米自由貿易協定の共同研究を提案した、こういうふうに言われております。現在外務省が日米自由貿易圏構想の研究を開始している、その際通産省とも調整を進めている、こういうふうにも言われております。 そこで、この点は大臣にお伺いしたいのですが、バード氏の提案にある日米自由貿易協定または日米自由貿易圏構想、何と言おうとすべての商品が日米間で自由化されていく、このようになっていけば、脱脂粉乳、でん粉、牛肉、オレンジ、米、これを含めて日本の農業が壊滅しかねない事態に追い込まれる可能性があります。外務省がやることだといって放置できないと思う。三月一日の農水委員会で大臣の所信を承ったのですが、大臣はその中で、「我が国農業の将来に禍根を残すことがないよう最大の努力を傾注していく考えであります。」こういうふうに述べられました。私はこの際、日米自由貿易協定、このことについての大臣のお考えをまず伺いたい、こう思います。
○佐藤国務大臣 日米自由貿易圏構想について触れられたわけでございますけれども、先般の総理訪米の際の経緯を踏まえてスタディーを行うことになったと聞いております。しかし、この考え方にはガットとの関係等多くの問題点があるように思います。そういう意味では農業についても慎重に運ばなければならない、慎重に検討しなければならぬ、そう思っております。まさに禍根を残すような結果にはなってはならぬ、こう考えております。
○児玉分科員 重ねて聞きますけれども、今まで農水省としては日米二国間協議、これを重視されてきたと思うのですね。そして今大臣は慎重に進めるとはおっしゃらなかった、慎重に検討すると言われたけれども。その中で日米自由貿易圏構想、これがもしバード氏が提案するような方向で、または最近アメリカが幾つかの国と結んだような内容で日米の間に取り交わされるようなことがあるとすれば、これまでの農水省の努力というのは今後ますます困難になっていくと思うのですね。その点についても私は大臣の考えを聞きたいのです。
○佐藤国務大臣 今ほど先生はよく理解してくださったようでございますが、私の言葉に間違いがあるといけませんので慎重を期しておりますが、慎重に進めるではなくて、ちょっと言いかけてまたそれを消したわけでございますけれども、慎重に検討をということでございます。 また、今重ねてのお尋ねでございますが、経済局長の方から答えさせます。
○眞木政府委員 委員御指摘のように、この問題、先般総理訪米の際に話が出まして、これについて日本側としては、まず日本側として長所短所を十分に研究する、スタディーをしたいということであったわけでございます。今触れられましたように、外務省等でもこの勉強を始めるということで、農林水産省といたしましても同じようにその勉強を始めようというところになっておるわけでございます。 その際、今大臣の方から申し上げましたように非常に多くの問題がございます。特に農業についての問題、これはやはり両国の条件の差といったようなことがもう明らかにわかっている点でございます。こういう点も踏まえまして慎重に検討したいと考えております。 いずれにしろ我が国としては、この問題についてコミットするとか一定の予断を持つということは何らない態度で関係省スタディーをするというようになっておるわけでございまして、その点御理解いただきたいと思います。
○児玉分科員 この点だけ議論するわけにいきませんが、今までの二国間のこういった種類のものの推移を見たら、この点は大臣が前にも言われたように、将来に禍根を残さないという立場で毅然とした態度をとるべきだ、私はその点をまず強く主張しておきます。 そこで、ガットの十二品目の問題ですが、我々はこれは一括拒否すべきだった、こういうふうに考えておりますし、今もその考え方は変わりません。そのことを表明した上で具体的にお聞きしたいのですが、農水省が日本の国内農業を守る、そういう立場から留保されているでん粉と粉乳・練乳等についてです。 私はこの際具体的にお伺いしたいのですが、八品目の中ででん粉及び脱脂粉乳と競合する品目があります。三月一日の農水委員会で官房長は、品目等の特性についてこれは見ていく必要があるという趣旨のことを述べられましたが、我々が承知しているところによれば、昭和六十年度のでん粉の消費約二百二十六万トンの中で、その六二%に当たる百三十九万トンが糖化製品、すなわちブドウ糖、水あめ、異性化糖などになって消費されております。もし八品目の中に含まれるブドウ糖等を自由化したら、それが抜け穴になってでん粉の輸入規制は全く意味を持ちません。その部分に対してどういう具体的な措置をとるか。粉乳・練乳等々ミルク主成分の調製食品も同様の関係にあります。この点について農水省の具体的な措置についての考えをお聞きしたい、こういうふうに思います。
○谷野(陽)政府委員 まず、でん粉の関係についてお答えを申し上げます。 ただいま御指摘になりましたように、糖化製品はでん粉の極めて重要な需要先になっているわけでございます。今御指摘になりました数字は国産のでん粉ばかりではございませんで、アメリカから輸入をいたしておりますトウモロコシからつくりましたコーンスターチ等の数字がすべて含まれた数字だというふうに理解いたしておりますが、いずれにいたしましても、糖化製品がでん粉の極めて重要な需要先であるということにつきましては確かでございます。 私どもといたしましても、糖化製品の自由化に当たりましては、このような事情を踏まえまして対策につきまして検討を加える必要があるというふうに考えておりまして、現在省内に設置をいたしましたプロジェクトチームにおきまして所要の対策について検討をいたしておる段階でございます。
○京谷政府委員 ただいまお尋ねのございました乳成分を主体とした調製品に関する問題でございますが、私ども、今回十二品目問題に関連をいたしまして、輸入数量割り当て制を堅持していくという表明をしております。この場合におきまして、御指摘のございました乳成分を主体とする調製品で従来から数量割り当て制の対象にしているものにつきましても、あわせて従来の方式を堅持するという意味で私ども意図表明をしておるところでございます。
○児玉分科員 省内で検討の場を持って所要の措置を講ずるということなのですが、私が聞いているのは、競合する品目について野放しにしたら事実上二品目を守るという意味がなくなる、その点で必要な措置を講ずるのですねとお聞きしているので、その点に端的に答えてほしい。
○谷野(陽)政府委員 でん粉の極めて重要な需要先として異性化糖、ブドウ糖等があるわけでございまして、私どもはこの事実につきましては認識をいたしております。そのような認識の上に立って、いかなる措置を講ずべきか、あるいは講ずることができるか、こういうことを検討いたしておるわけでございます。
○児玉分科員 大臣に聞きたいのですが、結局二つの品目については国内農業を守るという見地から努力をなさると表明されているのです。ところが、その二つの品目と競合する品目について検討するとはいろいろ言われていますけれども、二品目が守れるような具体的な措置を講ずるということについて、どうも私の聞くところではお答えがないのですね。大臣、この点はどうですか。
○佐藤国務大臣 率直に申し上げますれば、今まさに検討しておるわけでございますから、それをそのまま受けとめておいていただきたい、こういうことでございます。
○児玉分科員 私も端的に言いましょう。 要するに二品目については国内農業に対する影響を可能な限り防いでいく、そういう立場で検討なさるのですね。
○佐藤国務大臣 そういうことでございます。
○児玉分科員 では次にまいります。 大臣の、先ほどこの分科会の冒頭でもお話のあった、ことしの農水予算の中で、やはり一つの重要な柱が構造政策の積極的な推進、大臣の所信の中では農業の振興の第一番目にそれが掲げてあります。私は主として農作地帯における土地改良事業に絞って質問をしたいと思います。 まず最初に、土地改良事業について要請があった場合に、土地改良法施行令第二条第四号にこういう部分があります。「当該土地改良事業に要する費用について負担することとなる金額が、これらの者の農業経営の状況からみて相当と認められる負担能力の限度をこえることとならないこと。」これが重要な要件になっていると思うのですが、そのとおりでしょうか。
○松山政府委員 事業を採択するに当たりましては、事業の必要性あるいは技術的な可能性、さらに投資の妥当性といったようなもののほかに、農家の償還可能性といったようなものも十分勘案の上採択しているところでございます。
○児玉分科員 全国で今非常に多くの事例が出ていると思うのですが、時間もありませんから、私はここで二つの土地改良区の問題に絞って具体的にお聞きしたいと思います。 北海道の上川管内の剣淵町、ここで国営の天塩川上流地域の事業が行われております。昭和四十二年から開始されたわけなのですが、岩尾内ダムを利用して用水路をつくり、農業用水を確保する、こういう目的で始められました。最初、関係農民に対しては工期九年間で事業を完成する、このように説明されておりました。それから総事業費は約百七億円の見通しだ、このように説明されておりました。ところが、実際はどうなったかというと、工期は二十年間を必要として六十一年に完工し、総事業費は三百三十二億円に拡大されてきました。この点についてちょっと確認を求めたいと思います。そのとおりですね。
○松山政府委員 四十二年から今日までの間、ちょうどオイルショックのインフレというような事情もございまして、いろいろな状況の変化があったわけでございますが、今御指摘の数字はそのとおりでございます。
○児玉分科員 今本格的な償還期に入ってきているのですが、これは後ほど大臣にもお聞きしたいのですが、そこで出ている事態として私たちが非常に重視しているのは、昭和六十二年度においてこの地域の減反が七〇%以上に及んでいます。そしてこの地域の負担金は十アール当たり二万七千円、七ヘクタールの水田を所有している農家について言えば、年約百九十万円の償還が必要になっている、こういう事態が生まれております。 もう一つの事例として、北海道の石狩管内の新篠津村高倉地区というのがございます。そこで圃場整備事業計画が昭和五十五年度において出発をしたのですが、その際この整備計画が進んでいけば機械化による省力効果及び作物の生産効果がある。私がいただいた計画書によれば、作物に対する積極的な生産効果は三千五百八十六万七千円に上っています。この計算は、米の単価をトン当たり二十九万八千円、それを前提にして組み立てられております。ところがこの地域は、昭和五十四年において減反が三〇・五%だったのですが、昨昭和六十二年において四三・六%まで減反の率が上がっています。 私が問題にしたいのは、昭和五十五年度の圃場整備事業計画概要書において前提として組み込まれた幾つかの要素、その要素はその後大きく変わってきている。米や小麦や大豆の行政価格の引き下げ、転作奨励金の引き下げ、それによって、当別町役場の資料によれば、この地域の平均的な農家において、この土地改良の年の負担金が二百十六万円です。平均的な農家という場合に八ヘクタールの水田の所有者です。ところが、そのような平均的農家が、先ほど言った農産物の行政価格の引き下げ、転作奨励金の引き下げによって、年約百五十二万円の減収を余儀なくされております。 そこでお聞きしたいのですが、こういった土地改良事業が出発をする、事業の進行過程、そして事業終了後、農家の負担能力の限度という点について重要な状況の変化が起こることが間々あると思うのですが、その点についていかがでしょうか。
○松山政府委員 御案内のように、土地改良事業の実施に当たりましては、地元からの申請に基づきましてこれをいろいろな形でやっていく。その場合にどういった形で営農計画を組んでいくかということが問題になるわけでございますけれども、例えば北海道の場合で申しますと、道の支庁なりあるいは市町村なり農協なり改良区といったものから成ります組織をつくりまして、そこで農家の意向も反映させながら営農計画を作成していく。そのために必要な経営資料のようなものも、道なども指導基準としてはつくっておるわけであります。そういう積み上げをベースにいたしまして一定の計画が行われてくるわけでございます。 先生御指摘のように、その後状況がいろいろと変化する場合ももちろんあるわけでございますし、また、今御指摘のございましたように、農業をめぐる状況がなかなか厳しいということは承知をいたしております。やはり地元におきまして、そういった状況の変化に応じてどういうふうな形でのこれからの営農を考えていくかというのを考えていただくのが基本だと思います。私どもも、新しい営農展開に当たってはいろいろな御指導もしなければいかぬ、お手伝いもしなければいかぬということもあろうと思いますが、同時にまた、償還の円滑化を図っていくという観点から、私どもの方もこれまでも若干のいろいろな措置は講じてきているというのが実情でございます。
○児玉分科員 今お話がありましたが、土地改良事業償還円滑化対策、先ほど御説明のあった六十三年度予算案の中で一定の部分が組み込まれております。これも大蔵省との折衝など農水省としては随分御努力があったことだと思います。それはそれで私たちは貴重な御努力の結果だった、このようには思います。しかし、これではやはり今の土地改良区の関係農民の負担金償還についての大変な困難が解決されない、解決されることが困難だ、その点を私は率直に指摘をしておきたいのです。 そこで、これは大臣に具体的に伺いたいのですが、先ほどの上川管内剣淵におけるように、事業の工期が九年から二十年に延びる、事業費が百七億から三百三十二億に拡大をしていく、この間減反や米価の引き下げが進む、こういった要素は農家の責任に属するものかどうか、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○松山政府委員 本地区の負担金につきましては、先ほど御指摘のございましたような増加が見られたわけでございますけれども、既に事業は完了したわけでございます。 増大いたしました理由といたしましては、物価上昇に伴います労務費なり資材単価の上昇、あるいは現地の地形なり地質等の状況に応じまして所期の目的を達成いたしますために用水路等の工法を変更したといったようなやむを得ない事情があったわけでございまして、その点について御理解を願いたいというふうに思います。
○児玉分科員 率直に答えてほしいのですが、確かに事業計画が変更されるときには関係農家の同意書が集められている、このように私たちは理解をしております。ところが、例えば米価の問題なんというのは、農家について言えばそれぞれ強い要求はしているけれども、彼らの要求が満たされるというふうにはなっておりません。工期が九年から二十年に延びた、これは明らかに事業を遂行していく上で困難な要素ですね。事業費が百七億から三百三十二億に、三倍強になっている、こういった点については関係農家の責めに帰さない、そういう要素だと思うのです。どうでしょうか。
○松山政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、外的な条件の変化としてやむを得ない事情があったということを関係の方々に御理解いただきたいというふうに考えておるわけでございますが、私どもといたしましても、先ほど先生から御指摘のございましたような限られた制約、いろいろな制約があるわけでございますけれども、できるだけ農家の方々の償還が円滑にいくようにと考えたような措置も講じているわけでございまして、そういうことを活用していただきながらひとつ頑張っていただきたいというふうに考えております。
○児玉分科員 三月二日の農林水産委員会で午後私は質問する予定だったのですが、どうしても質問したいと思った動機の一つは、旭川市東旭川町ペーパン土地改良区というのがございます。そこで理事長の仕事をなさっていた古小高保寿さん、六十二歳でございますが、この方が、受益農家の中で償還を進めるのが困難だ、そういう事態が進む中で間に立って大変苦労されて、二月二十九日に自殺されるという痛ましい事態が起きました。私は、古小高さんの冥福を心からお祈りしたい、こう思っておりますし、そしてこの方の生前の御苦労にこたえることが、報いることが政治の道でもあるだろう、このように考えております。今全国で土地改良区の事業の困難が進む中でこういった現職の理事長がみずから命を絶たれた、こういったことについて大臣、どのように受けとめていらっしゃるか、その点をお聞きしたいと思います。
○佐藤国務大臣 人の命のとうとさというものを私自身常日ごろかみしめておるつもりでございます。今、土地改良区の理事長さんが負担金問題で自殺をされた、こういうお話でございます。その間の事情については私自身つまびらかにしておりませんけれども、いずれにしても、土地改良事業に尽力をされた方がそのようなことに相なったということにつきましては心からお悔やみを申し上げたい、こう思っております。
○児玉分科員 このペーパン土地改良区でどのような困難があったか、それを私は細かく述べる時間もありませんが、昭和六十二年度において受益農家三十五戸が千八百万円分の償還についてそれが不可能になる、こういう事態が起きています。そして、ペーパン土地改良区について言えば、この償還金の収納率がかつては一〇〇%だったのですが、年々下がっていって、昨年について言えば九〇%まで落ち込む、こういう事態がありまして、その中で文字どおり誠心誠意御努力なさっていたこの理事長が亡くなった、非常に残念なことだった、私たちはこのように受けとめております。 そこで、先ほど私が挙げました石狩の篠津中央土地改良区についてちょっと言いたいのですが、ここで受益者負担に属する負担金は七億一千百七十一万円です。先日直接お邪魔して役員の方々から承ったのですが、約七億の受益者負担金のうち金利を調べていきますと、六・五%の金利で償還を求められているのが六億八千百万円です。全体の中の九五・七%に当たります。六・二%が八百十五万円分、五・二%が千六百八十万円分です。そして現在の金利である四・七五%、これはわずか五百七十六万円にしかすぎないのですよ。土地改良区がいろいろと皆さんの御努力の中で、農家の大変な努力も加わって制度として重要な役割を果たしておりますが、私はこの際元金についてまでとは申しません。この利子分について、特に資金運用部資金の金利が高くて、そのこととの関連で六・五%の金利が維持されていた、そこの部分について既往にさかのぼって軽減する手段、これが今土地改良区の事業を進めていく上で最も肝心だと思うのです。その点についての皆さんの御検討を要請したいのですが、いかがでしょうか。
○松山政府委員 金利負担の問題が一つあるということ、かつ最近の低金利の中で割高感があるということは私ども認識はいたしておりますけれども、特に今御指摘になりましたのは農林漁業金融公庫の農業基盤整備資金の既借入金の扱いというふうに理解いたしますが、これの金利の引き下げという問題はもう先生御案内のとおりでございまして、制度金融全体への波及の問題あるいは財政負担の問題というのを考えますと、極めて困難であるというふうに認識をしている次第でございます。
○児玉分科員 そのようにお答えになるだろうと思っていたのですが、大臣、ここのところはやはり農家の苦労をぜひ肌で知っていただきたいのですよ。先ほど申しました上川の剣淵の農家の方々はこう言います。工期が九年から二十年に延びた、事業費が三倍になったというそのケースです。この事業が開始されるとき、国と北海道の事業がそれぞれ入り組んで進められる、こういう形だったのですが、国と北海道の農家に対する説明は一反当たり米一俵分で負担金を払っていける、米一俵分だ、その程度ならというので皆さん積極的にこの事業を推進されたのです。ところが、今その地域は減反率が七〇%に達しています。一俵分といってもその米さえつくれなくなっている。 そこで、私は最後に大臣に強くその点は要請したいのですけれども、せめて農家負担金のうち、減反分に相当する利息について国の責任で何らかの農家負担の軽減措置がとれないものかどうか、この点について大臣の真剣な検討をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 減反分について一律的に負担軽減と結びつけよ、こういうお説であろうかと思います。 先ほど構造改善局長も答えておりましたが、その点は制度金融の中でいろいろな関係が絡み合っている中で画一的なやり方はできないという意味を込めて答弁したと思うのです。しかしそれでは、確かにそんな程度の答えだろうと思ったと言われるわけでございますが、ではどうするか。実際実情に即してどのように対応するかということになりますと、国営事業であれ県営事業であれ団体事業であれ、納得ずくで始めたものが、いろいろな要素、また時間がかかっておる中で理解し得ないものが出てくる、そして実際に負担が容易ではない、まさにそういう事態になれば個別案件として、先ほど元金分と言わぬが利息部分について云々というお話がございましたけれども、個別案件としての条件緩和措置等についてはしかるべく検討をすべきではないか、そういうふうに感ずるわけでございます。そういうことも含めて相互理解を得て、そしてやはり土地改良事業を推進してよかったということになるように努力してまいらなければならぬ、かように思っております。
○児玉分科員 最後に、今土地改良事業は部分的に困難が噴出しつつありますけれども、文字どおりこれが全体に及ぶ危険性がありますので、今大臣が言われましたが、個別具体の問題として積極的な対応を要望して、私の質問を終わります。
○松田(九)主査代理 これにて児玉健次君の質疑は終了いたしました。 次に、野坂浩賢君。
○野坂分科員 私は、二つの問題について質問をしたいと思っております。一つは同和地区内における農業問題、もう一つは郷里の問題であります宍道湖・中海干拓淡水化問題についてであります。 まず最初に、ごく簡潔に同和地区内の農業問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。 農水大臣も構造改善局長も御案内のとおりに、農林水産省は昭和六十一年度に全国の同和地区の農林漁業実態調査を初めて行ったわけであります。この調査の結果そのものについての意義は私は極めて大きかったなというふうに認識をしておりますが、農水省としてはどのように把握をし、どのように理解していらっしゃいますか。
○松山政府委員 昭和四十四年の同和対策特別措置法の制定以来、政府全体として十八年余にわたりまして施策の推進に努めてきたところでございますし、私ども農林水産省といたしましては、それら国の地域改善対策の一環といたしまして、対象地域の農林漁業の振興を図り、農林漁業経営の安定と漁家の生活水準の向上を図るという観点から、生産基盤なり近代化施設の整備等の施策を推進してきたところでございます。 今御指摘のございました六十一年度に全国同和地区農林漁業実態調査というのを実施いたしましたけれども、その結果を見ましても生産環境はかなり大きく改善されているのではなかろうかというふうに考えております。前回の五十年にも調査をしておるわけでありますが、そのときから今回の調査の間に、農業機械の普及向上に伴います農業の従事日数の減少、家畜飼養規模の拡大等が見られておるわけでございます。しかしながら、同調査によりますと、対象地区の農家は一般農家に比べまして耕地面積が依然として小さいわけでございます。また、不安定兼業農家の割合も高い。しかも、農産物販売金額は全体的に低位の状態になっておる。こういう現状にあるというふうに認識をいたしております。
○野坂分科員 お話がありましたように、耕地面積は五十年のときと同じように一般農家と比べて三分の二の面積だ、その結果格差が高いということは認識された。したがって、今後どのようにして格差是正その他を行っていくか、施策を進めるかということの課題に移っていくわけですね。これは中期的な達成目標というものを明確にしてもらわなければならない。その点についてはどの程度検討が進んでおるのかということが一点。 二点目は、営農相談員というのがありますね。これは順次改良普及員につないでいくという姿ですけれども、生首は切ることはないというふうにお考えだろうと思いますがどうかという点と、労働条件の低下を来さないように措置してもらいたいという点。そして、全国の同和地区の皆さんの農家戸数は四千三百七十四軒でありますが、小さな集落がありまして、五世帯未満というのが約五%、二百五十五戸ございますね。そういう小さな集落のところの基盤整備その他をやるに当たって、五戸というのはやはり無理だ。皆さんの事業指定は八十二から五十四に落とされておるということはよく承知しておりますが、構造改善事業の範囲内でありますからそれらについては十分御検討をいただきたい、前向きに考えてもらいたいというふうに考えますが、一括してごく簡潔に御答弁をいただきたい。
○松山政府委員 先ほどの調査結果を踏まえまして私どもといたしましては、いわゆる地対財特法の規定で一定の枠組みが決められておりますので、それを頭に置きながら、引き続き対象地区における農林漁業の振興なり農林漁業経営の安定、農林漁家の生活水準の向上に努めてまいりたいというのが基本でございます。 営農相談員の問題につきましては、御案内のようなことで昭和六十七年の三月という地対財特法の期限までに、関係省庁におきます人的事業につきまして、一般対策への移行を前提として計画的に削減する、こういう方針になっておるわけでございます。これに伴いまして、私どもの予算も対前年比五%の削減という形をとってございますが、これからの扱いといたしましては、改良普及所なり市町村農協等によります対象地域に対する営農指導の活動を強化するということで、六十三年度につきましてこれら関係職員の参加を得まして、府県が行います営農指導に関する対策会議を拡充するなど、営農指導体制の強化を図ることといたしておるわけでございます。 採択基準の問題があったわけでございますが、従来から、地域改善対策事業につきましては国は一定規模以上の事業を実施する、この基準から除かれる事業につきましては府県単独事業で対応するということにいたしております。今の先生からの問題提起をお承りしておるわけでございますけれども、旧地対法の有効期限内に残された事業を迅速に処理していく、こういうことになっておりますこともございまして、採択基準の緩和ということはなかなか難しい状況にあろうかと思っておりますけれども、これから除かれます事業につきましては関係府県とも十分連絡してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○野坂分科員 答弁が十分でないので大変時間をとって委員長には申しわけないのですが、営農相談員の生首は切らぬか、こういうことをきちんと答えなさい。 それから、三戸以上は単県等もこれあり、都道府県と十分に配意して、現在の農業情勢、格差是正のためにも十分に配意をしていく、慎重に検討するということは、私は局長として当然の態度だ、こういうふうに思います。その点については先ほどの調査の結果、意義は大きく、その結果については施策の中で明らかにしたいと言っておるわけですから、そのような点は当然じゃないか、こういうことは当たり前じゃないですか。
○松山政府委員 営農相談員の問題でございますけれども、先ほど申しましたように、予算上五%の減ということになるわけでございますが、私どもとしては、営農相談員の活動日数を調整するという形でことしの場合対応したいと考えておるわけでございます。
○野坂分科員 生首は切らぬわけですね。
○松山政府委員 採択基準の問題でございますが、よく関係府県とも連絡してまいりたいというふうに考えております。
○野坂分科員 若干の不満の点はありますが、時間がありませんから、あとは農林水産委員会でまたやることにします。 次は、宍道湖・中海の淡水化問題について、できるだけ佐藤大臣にお答えをいただければありがたい。昼食がまだだと思いますので、私もあなたの胃を考えて食事はしないでまいりましたから、お互いの立場を尊重しながらやりたい、こう思っております。 この問題につきましては予算委員会の総括あるいは一般質問、農林水産委員会その他で、単に地域の問題としてではなくして全国的な問題として注視を集めております。そういう意味で、この問題については十分議論をされてまいりましたが、不十分の点がたくさんある。 この中で、この宍道湖・中海問題というのは、昭和三十四年に島根県の松江市に調査事務所が設置をされて、三十八年から十年間という計画でやられたのですが、既に二十五年、三十年にも及ぼうとしておるというのが現況であります。当初の目的は、米不足時代、土地造成をして国民に安定的な食糧を供給しなければならぬ、こういう意味で発足したことは農水大臣も経過として御承知だろうと思うのであります。今は、先ほども議論がありましたように、当初の予定を三倍も上回っておる事業費という格好になっておるわけであります。総理大臣も島根県の出身でありますから、当時の社会経済の環境と今の環境とは大いに異なっておることは認識しておる、こういって御答弁がございました。言うなれば、当初の目標は失ったということであります。今は米不足時代から米余り時代、減反強行、こういうような時代に変わってきておるということは農水大臣もよく御認識のことだろうと思いますが、その点についてはどのように把握していらっしやるでしょうか。
○佐藤国務大臣 この問題はしばしば議論をされてまいりましたし、野坂先生からもしばしば陳情、要請を強く受けてきたところでございます。当初から今日までの経過を見れば、随分変わってきた経緯は率直にそのとおりでありますと申し上げておきます。
○野坂分科員 昭和五十九年の八月、淡水化の試行という問題を取り上げられました。これは本格的淡水化の準備段階として実施をする。その後、各県自治体に質問をされて、その回答を受けた上で、六十二年の九月にはその目的を変えて限定淡水化試行という姿で、この目的を「本格淡水化の検討に資することを目的とする。」いわゆる準備段階から変わってまいりまして、「本格淡水化の検討に資する」というふうに変わってきた。この意味は、今度の限定的淡水化試行というのは、前の準備段階とは違って弾力的な運用をする、こういう意味でありましょうか。その点はいかがですか。
○松山政府委員 現在、限定的淡水化試行ということで両県に御相談をいたしておるわけでございますが、これは今先生からも御指摘ございましたように、試行の目的といたしましては、本格的な淡水化の検討に資するために湖の水質なり魚介類等に極力大きな影響を与えないように配慮しながら、水質等の調査、検証を行いまして、水質予測の精度向上を図る、こういう考え方で御提案をいたしておる次第でございます。
○野坂分科員 非常に不明確ですね。それでは、なぜ淡水化試行が限定淡水化試行に変わってきたか、その内容を言ってください。
○松山政府委員 五十九年の八月に、私どもの方で委嘱しております研究委員会の結論、中間報告を踏まえまして、両県に対して淡水化試行を御相談申し上げたわけでございます。両県でも先生方の意見も聞くなどしていろいろな検討が行われました。そういう中で、淡水化後の水質の予測につきまして意見の一致を見ない部分もあったわけでございますので、そういう状況を踏まえて試行の実施を通じて淡水化後の水質予測の精度の向上を図っていく、こういう取り組みをいたしたいということで、今度限定的淡水化試行ということを御提案申し上げておる次第でございます。
○野坂分科員 おかしいじゃないですか。それならば準備段階と変わらないじゃないですか。本格淡水化の準備段階だということになるのじゃないですか。そうじゃないですか。弾力的運用ですか、あるいは非常に幅があるというふうに我々は理解しておったんですが、それならば淡水化試行と何ら変わらない、準備段階だ、こういうことになるわけじゃありませんか。そうじゃないんですか。どうなんです。
○松山政府委員 本格淡水化の検討に資するという一つの目的はあるわけでございますが、今の先生の御指摘の点は、試行を終了いたしました後の取り扱いの話ということに相なろうかと思います。私どもといたしましては、この限定淡水化試行というのは調査なり、いわば研究、検証の段階というふうに考えておりますので、その結果を踏まえまして試行の終了時までにその後の扱いを相談していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○野坂分科員 それでは、本格淡水化の準備段階としての限定的淡水化試行ではないということですね。
○松山政府委員 試行が終了いたしましたところですぐに自動的にその本格淡水化に移行する、そういうふうな性格のものではございません。
○野坂分科員 前提ではないということですね。
○松山政府委員 自動的に本格淡水化に移行するということではなくて、試行の結果を踏まえながらその後の扱いを両県ともよく相談してまいる、こういう性格のものでございます。
○野坂分科員 前提ではない、したがって弾力的な運用をするものであるということになります。その場合は参考の資料として、これからどうやるかということを協議するわけですから後戻りがあり得る。その後戻りをする場合の基準は一体何ですか。どの程度を言いますか。後戻りがあるとすればちゃんと基準がなければならない。その基準を明確にしてもらいたい。
○松山政府委員 試行終了後の取り扱いの問題でございますけれども、私どもとしては試行の調査結果を踏まえて、両県とも十分に相談して決めたいというふうにまず考えておりますけれども、アオコの大量発生が明らかになるとか、あるいはそういうようなことが原因でなかなか協議が調わないといったような場合には、一たん水門を全開することも考えられるだろうというふうに思っております。今、画一的にこういうことが基準になるというふうなことではございませんで、あくまでも試行終了後の調査結果を見た上で両県と十分相談し、納得ずくで話を進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○野坂分科員 農水大臣に政治家としてお聞きしますが、限定淡水化試行は本格淡水化のための準備段階ではない、弾力的運用をする、後戻り、いわゆる中止をする場合がある、こういうことになります。そうすれば、その中止をするところの基準というものが明確でなければならぬ。基準があるのかないのか、お答えをいただきたい。
○松山政府委員 先ほども申し上げましたように、試行終了後の取り扱いをどうするかというのは、調査の結果、試行の結果を踏まえまして、両県と十分相談して決めていきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。したがいまして、今画一的にこうというのはなかなか申し上げにくいわけでございますが、例えば、仮にアオコが大量発生する、あるいは明らかな水質汚濁が認められるというような不幸な事態がありまして、試行がその原因だというふうなことになり得るような場合がもしございまして協議が調わないといったような場合には、一たん水門を全開するといったような扱いになる場合も十分あり得るだろうというふうに考えておる次第でございます。
○野坂分科員 今度淡水化試行から限定的淡水化試行に変更した。その中の一番大きな、有力な問題は水質の問題ですよね。アオコの発生の問題ですね。しかし、これはちゃんとデータが出ておる。あなた方が出した昭和六十二年九月の研究委員会の成果では、「塩素濃度を現状より低下させればアオコが発生する可能性は現状より高くなることが推察される」と書いてあります。言うなれば、淡水化すればアオコができます、塩分濃度を加えればそれを防げると明確にしてあるのです。だから私たちは、この限定的淡水化試行というのは、基準もないでその後で決めるということは、当初の準備段階であるという認識から出てない、そう言わざるを得ない。後戻りがあるということであれば、やはり基準を明確にしてもらわなければならぬ。この点は明確にしますかどうかということを農水大臣に一言でいいですから承っておきたいということが一点。 それから今、揖屋地区、安来地区、弓浜地区、彦名地区等はほとんど干拓は完工されておる。問題は二千五百町歩のうち千六百町歩を抱える本庄地区の干し上げ干拓は今水面下にあるということだけなんです。したがって、十年の予定が三十年にも今日延びておった、干拓地はでき上がった、それを一つ一つ部分完工として、竣工したとして農家の皆さんに配分して生産に入ってもらうということが国全体の私は利益だと思う。ところが、淡水化干拓、干拓淡水だからこれはセッティングだということを農水省側は随分と力説をしておる。大蔵省がそれにかんでおるという事実があります。したがって、農業の発展、地域産業の進展ということを考えれば、部分竣工をやって農地の配分をやるということが政治家として当然だ、行政当局としてやらなければならぬことだ、私はこういうふうに思っております。構造改善局長は抗弁をして、いや、それは限定的試行をやらなければ名目が立たないと言うかもしらないけれども、この限定試行というのは宍道湖が一〇〇〇ppm、中海が五〇〇〇から七〇〇〇なんです。農業用水にも何にも使えやせぬ。それならば切り離してやるということが国として、国策として当然だと私は思います。その点は農水大臣いかがですか。一点と二点。時間がありませんから、委員長に注意を受けないように御答弁いただきます。
○佐藤国務大臣 この問題は、確かに今までの経緯を考えると、非常に扱いにくい問題になっていることは事実であります。そういう中にあって、農林水産省として限定的な淡水化試行、この案を去年の秋に示した、そして御意見をまず拝聴しよう、そしてその御意見によってまた調査研究もどのように進めるか、こういうことでございます。しかし、その中で基準はどうかこうかと言われると、私には今その見識はございません。 しかし、いずれにいたしましても、今日までの経緯を考えて弾力的な対応をしなければならないな、理屈はどうであっても、立場のいかんにかかわらず、総じて言うならば弾力的な対応をやはりしなければならぬな、弾力的な中身は何なのだ、どこからどこまでだ、こう詰められれば、現状答えるわけにはまいりません。三月末までに両県のお考えを一応承りたい、こう言ってきたわけでございますから、きょうはもう三月でございます。あと三月末までわずかな時間でございますけれども、その答えを待ってひとつ進めさせていただきたい、こう思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○野坂分科員 時間がありませんから多くを申し上げることはできません。 確かに三月末までにという話はあったと思う。しかし、両県を取り巻く情勢というのは、例えば島根県においては景観条例の住民請求、あるいは鳥取県においての米子地域においてはその判断は住民投票によれという条例制定請求が今起きております。そういう情勢の中で我々は一体どうやるのかということが大きな課題です。だから自治体の首長は、住民の側から見れば七四%に及ぶ反対陳情署名が出てきた、なかなか思うようにいけない。中央の方を見ると何とか催促をする、そうしなければ今度は予算のときにペナルティーでもつけられるのではなかろうかということで心配をする。投げられたボールがミットに入ったまま一体どうしたらいいかというような実情であります。 朝日ジャーナルに、農水大臣、こう書いてあります。「悪い結果をもたらす、とわかっていながら、その国策事業を止めることができない。いわば、行政の〝メルトダウン〟とでも呼ぶべき「宍道湖淡水化事業」。母なる湖の死を目前にして、」山陰人は立ち上がったと書いてあります。立ち上がらなければならぬと書いてあります。そういう意味で今のあの中海・宍道湖の状況を見て、あるいは住民の意向というものを考えてみて、確かに農地に対しての水の供給問題はこれから考えるとして、全体を見渡しながらどう判断をするかということは、ただ単にボールを投げるのを待っている、三月に期限を切るというようなことは極めて軽率ではないかというふうにさえ、最近の情勢から見て思います。したがって、農林省のいわゆる官僚の皆さん、お役所の皆さんは、決められたことを懸命に努力をしていかなければならぬという責務がある。これを途中でやめるというようなことはできない。地方自治体も請願陳情してやってきた問題である。そういうことになると、この問題を簡単にはいと言うわけにはいかない、やめるということがなかなか言いにくい。そこで、その状況を見る者は総理であり、担当の農水大臣以外にないだろうと私は思うのです。あなたがおっしゃったようにいわゆる弾力的な運営をするし、その基準はまだ設定をしていないが、後戻りすることはあり得るというふうにお考えの、物わかりのいい農林水産大臣、佐藤さんは、大所高所、あるいは児島湾のあの汚濁の状況、霞ケ浦のあの臭気の厳しい汚染された姿等を見て、この中海・宍道湖問題には一つの政治決断が今迫られようとしておるというふうに私は理解しないわけにはいかないと思うのであります。したがって、部下の皆さん方、職員の皆さん方の意向というものもわかりますけれども、地域の状況もわかる、したがって、すべてを見通して佐藤農水大臣はこの問題について、返ってくるボールを待たないで、またそれを督促をしないで、しばらく静観をして国民のために決断を、地域住民の意向を無視しない決断をすべきだと私は思うわけでありますが、いかがでございましょうか。
○佐藤国務大臣 御相談をかけた先様が三月末までにはという一応話し合いになっておりますので、まずそれを待とう、こう申し上げておるわけであります。しかし先生御指摘のように難しい問題があるんだよ、そういうことで、なかなかこれをこれ以上、早く現場の意見を持ってこい持ってこいと督促するなと言われても、やはり三月末には何がしかの御意見は承りたいものだ。しかし、その意見を聞きながら慎重に対応をしなければならない。後戻りはあるのかないのかとそう詰められると、私も行政の責任者として、今そういう意見を求めておるときに後戻りもあるなんていうことを、これは言えない状況にあるということもひとつ御理解を賜りたい。しかしいろいろなことを、今おっしゃることを含めて私自身が最終的な政治決断をしなければならぬ時期が来ないように、私は念じております。実務的に解決できればいいと思っておりますけれども、しかしそれがかなわない場合は、当然のことながら農林水産大臣として決断をしなければならぬ場合もあるでしょう。 いずれにしても、三月末、両県のお考えを十分聞き、慎重な運びをいたしたい、こう思っております。
○野坂分科員 質問時間の終了が参りましたのでこれで終わりますが、誤りのない政治決断を要望して、私の質問を終わります。
○松田(九)主査代理 これにて野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。 次に、滝沢幸助君。
○滝沢分科員 委員長御苦労さま。大臣初め政府の皆さん御苦労さまです。 大臣、初めのうちに御用をお足しになってください。局長方のお話を先に承っておきますから、どうぞ。 今大変議論のあったことでございますが、農業の置かれている立場は、申すまでもなく随分と難しいことになっております。そこで私は、昨年の秋に、民社党の、アメリカの米を初めとする自由化要求に対する要請ないしは調査という一行に加わってかの地に参りました。その体験をも含めて申し上げるならば、どうでしょう、実際、米はいつまで減反を続けていけば、いつこれが解除になるという見通しがあるかどうか。よくも今日までことしもことしもことしもと来たものだと思うけれども、これはあと何年、どの程度の減反調整に協力すれば、いつどの程度の見込みがあるというのです。出口のないトンネルであるものか、あるいはまたはっきりと出口があと何百メートル、何キロというふうに見通せるものか、まず端的にお伺いしたい。
○浜口政府委員 先生御指摘の米の生産調整に関する問題でございます。この点につきましては、これは先生御案内のとおり、昭和六十二年度から水田農業確立対策というものを発足させたところでございます。この水田農業確立対策は、これまでの実績等を踏まえまして、その経験及び教訓に基づきましていろいろの点の工夫を凝らしております。 一つは、農家の方々が主体的に取り組んでいただく、行政と一体的にやっていただくとか、あるいは奨励金等につきましての補助金の改廃におきまして構造改善的色彩というものを加える等々でございまして、そういった中におきまして、向こう六カ年におきます一つの方向づけをさせていただいたわけでございます。この中におきましての先生御指摘の面積の点でございますが、今申し上げました六年の間を前期、後期に分けまして発足時におきまして七十七万ヘクタールというものを、これまでの面積に比べて大幅な形ではございましたけれども、関係方面との御協議等々も踏まえた上で実施決定をさせていただいたわけでございます。 今後どういうふうな形でいくのかという問題につきましては、一つは米の需給等々の問題、さらには在庫水準というものをどうしても踏まえなければいけません。そういったようなことから、今申し上げました水田農業確立対策は全体で六カ年ということでございますし、そのうちの三カ年につきましての現行の考え方等々を踏まえまして、全体の条件、所要の条件を踏まえまして今後考えていきたいと考えているところでございます。
○滝沢分科員 上手にうまく答えられると結局わからないのね。生産調整と言おうが水田農業確立と言おうが一緒でございまして、要するに米はいつまで耕作面積を政府レベルで制限もしくは指示するというような体制をとっていくのか。ある日、これはそれぞれの経済判断に応じて御自由におつくりください、どうぞということになるのかどうかと、ここですよ、どうですか。
○浜口政府委員 ただいまお答えいたしましたように、水田農業確立対策の期間を六カ年と考えておるところでございます。今の米の需給状況から総合的に考えていく上におきましては、先生のおっしゃる生産調整、私ども申しております水田農業確立対策といったものの期間はこれをやっていくことは当然に前提をされているわけでございます。そういう意味におきまして、私が申し上げましたのは、期間の経過後の話といたしましては、需給状況等々を勘案いたしまして改めて考えていく課題であると考えているところでございます。
○滝沢分科員 つまり七年目からは自由に生産することができますね。七年目からは自由でしょう。
○浜口政府委員 私が申し上げましたのは、その後の問題につきましてはその後の、その当時の、例えば六カ年間に置かれた状況の諸般の事情というものを勘案して考えるべき問題でございまして、今の時点で先生の御指摘のような形になるということは私ども申し上げられないところでございます。
○滝沢分科員 農業を営んでいる人たちは七年後も十年後も二十年後も農業をしようとしているわけですよ。つまりは私が申し上げたいのは、政府は生産調整を水田農業確立対策と呼び名を変えても、実態はこれ以上つくってはいけませんよという制限の姿勢、それが六年だ。しかし七年後もそのときの状況というようなことでは、農業に対する大きなる将来的夢がないわけですよね。逆に言えば、あと七、八年もすればその夢のない人たちがどんどんやめちゃって、案外米は大変生産が落ちるであろうというようなことなのかもしれませんが、やはり私が申し上げたいのは、後で大臣が見えたらそのときにまたお伺いしますが、総じて農民に農家の将来についての展望を責任あるものを示す必要があるのではないか、こういうことでございます。 そこで、食糧の自給率、わけても米に対する自給の計画はどの程度に置いているのか、あるいはまた備蓄はいかほどがよろしいという展望のもとで今のおっしゃる計画が成り立っているものか承ります。 〔松田(九)主査代理退席、主査着席〕
○甕政府委員 米につきましては、これまでも国内でこれを自給するという方針でまいっておりますが、今後ともその方針をとってまいりたいと考えております。在庫ないし備蓄のお尋ねでありますけれども、これにつきましては現在の需給事情からいたしまして三たびの過剰を発生させてはならないという点は私ども絶えず念頭にあるところでございますが、一方、不作等の事情によりましても国民の主食の供給に欠けるところがあってはならないということでございますので、当然一定量の備蓄は必要であるという考え方でおります。具体的には、私ども不足等の場合にも対応いたしましてかつ過剰処理を迫られることはなかろうという水準として、適正なレベルとしては百万トン程度であろうという考え方をこれまでも持ってきておりますが、現在の需給事情、水田農業確立対策の実行状況等からいたしまして、これをさらに高く見るといたしましても、消費者に受け入れられるような回転備蓄の姿でどこまでが限度か、あるいは低温倉庫等の操作の上からいきましてもどこまでが限界か、こういう問題もございますので、在庫の上限といったものとしては百五十万トン程度であろう、こういう頭で現在の需給操作に当たっておりますが、現実にはたび重なる連年の豊作もございましたし、また残念ながら消費の減退もございまして、本米穀年度末、十月末におきます在庫の見通しも予定を大幅に上回りまして二百三十万トン程度というところまでいくのではないかといったような状況でございますので、水田農業確立対策とあわせまして米需給均衡化の緊急対策に現在関係者が総力を挙げて取り組んでいるといった状況でございます。
○滝沢分科員 委員長、御苦労さま。 それで、百万トンで足れりとする政府の考えと、いやそれでは足りない、やはり二百万トン台の備蓄をと主張する我々との間には大きなる差があります。それはそれといたしまして、今も低温倉庫というお話がありました。そもそも最初の発想の原点からして違うわけであります。我々はもみで保存した方がよろしい、そうなれば三年、五年、十年しても米というものは生きたまま保存することができる、品質は傷まない、こういうふうに、これは古来の生き方の中で学んでいるわけであります。しかも、これは倉庫業者という立場を十分に御配慮のことであり、また政府も勧めて農協等にいわゆる低温大型倉庫をつくったという立場もあるでありましょうか、本来はかくあるべきものではありません。各農家がそれぞれにもみのまま保存して、言うなれば斉藤さんは幾ら供出をしてくれますか、それを何月に供出をすることを希望しておりますか、五月である、なれば十カ月の保管料は斉藤さんに差し上げましょう、渡辺さんはいつまでに幾ら出すのですか、私は倉庫が十分でありませんからすぐさま出したいというようなことに応じて、各農家と協議の上で蔵出しの日にちを設定していくならば、そしてそれをそれぞれの農家に保存させる、そしてそれぞれの農家は先祖伝来の倉庫、蔵がありますから、その土蔵が傷んでいるならばその補修あるいはまた新しくつくる等についていろいろの援助、指導をすればよろしいということであります。万が一災害その他のことがございましても、何万俵も保存している低温倉庫一つが吹っ飛んだならば大変な損害になりますが、そういう意味では、古来日本の農家が歴史の体験の上で学びとった手法が一番正しい、誤りないことでありますから、政府が速やかにこの集中保管の方式をやめて、それぞれの農家が生産の力に応じでそれぞれに備蓄する分散保存の方法に切りかえてやること、そして玄米で保存するという米を殺して保存するという愚かなる方法ではなくて、もみのまま保存する、そして売り渡しについても、それぞれの生産農家の希望に応じた時期を設定して、保管料をそれぞれ農家に支払うというようなことを研究されるように私はお勧めをします。検討される用意はありませんか。
○甕政府委員 もみ保管と関係いたしまして、農家備蓄と申しますか、農家レベルで備蓄的な運営が可能ではないかといった御指摘はそれなりに私どもわかるわけでございますが、現在政府といたしまして、もみ保管について、玄米の低温保管との比較におきまして、玄米の低温保管を、恒常的な品質保持並びに国民の負担におきましての経済的な備蓄といった観点からいたしますと、その方式をとることにしております。現在もみ保管はカントリーエレベーター等においてこれが行われまして、実際にはこれをもみずりをいたしまして、その設備の整備あるいはもみ殻の処理といった観点の問題を解決しておるわけでありますが、実際に農家備蓄におきましてもみ処理の問題あるいはその経費負担等を含めた仕組みの問題等、これはなかなか難しい問題が率直に言ってございますので、直ちにそういったものの検討も難しいと思いますけれども、お説の農家備蓄等について今後何らか展開ができないかといった点につきましては、頭の中に置きまして、これからの課題の一つとして考えてまいりたいと思います。
○滝沢分科員 米のことは数々申し上げたいことがありますが、時間が参りますから次の課題に移らせていただきますが、農村の今日の状況というのは、工場の誘致に頼らずんば農業だけの収益によっては生活をしていけない、しかも求められるものは団地型工場の誘致であります。工場誘致について省が果たすべき役割がありましょうが。何か展望がありますか。
○松山政府委員 私ども、農業構造政策を推進するというのは非常に重要な課題だと思っておりますが、それを円滑に進めますためには、特に農地等の貸し手になる農家に対しまして、地域社会において安心して生活できるようなそういう就業機会の確保を図ることが不可欠であります。ひいては、これが農村の活性化につながる重要な課題だというふうに考えております。このために、関係省庁と連携をとりながら、これから申し上げますような農村への工業導入制度の拡充につきまして、これを取り進めたいと思っておるわけでございます。 まず一つは、御案内のように昭和四十六年から農村地域工業導入促進法という法律に基づきまして、これまで工業の導入を計画的に進めてきたところでございますが、今国会にこれの改正案を提出いたしまして、導入の対象業種を、工業のほかに道路貨物運送業、倉庫業、こん包業、卸売業、こういったものに拡大いたしますとともに、これらの業種の導入を促進するための税制、金融上の措置を講じたい、このように考えております。 それから、予算面の新しい措置といたしましては、農村地域への企業の導入を促進していく、円滑を図っていくという観点から、広範な企業に対しまして農村地域の工業団地等の紹介を行いますための立地情報システムを整備する事業、それから、企業から農家世帯員に下請されました作業を共同でやっていく、そういうことを通じて就業機会の拡大といいますか、企業の便益を図っていくということになろうかと思いますが、そういう施設の整備等を行います事業を六十三年度予算で新たにやりたい、こういうことで積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○滝沢分科員 大臣、今お聞きのようなことでありますが、農村の状況、大臣御存じのとおり厳しいものがございます。そこで、出稼ぎに追われ、出稼ぎに暮れているこの農業の状態でありますが、工場の誘致につきまして、今御説明の数々の対策はそれはごく結構でございますから、大臣の政治力と政治判断において、通産大臣あるいはまた経団連その他必要な方面との折衝をひとつ精力的に重ねられて、具体的な成果また各末端に対するお世話のお骨折りをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 農村への工業導入ということにつきましては、昨年作成されました第四次全国総合開発計画、これによって地方の地域ごとの活性化、地域住民の生活の安定、雇用問題等にまで及ぶいろいろな多目的な問題を含めましてこれを進めよう、こういう一つのベースがあるわけでございますから、今おっしゃるように、その上に立って、経団連に私が言っていいのかどうかちょっとここでお答えしにくい状況にございますけれども、やはり竹下内閣としてこの実効を上げるために通産省にはさらに私の方から御趣旨のほどを申し上げ、その実効を上げてまいりたい、こう思っております。
○滝沢分科員 大臣のひとつお骨折りによります成果に期待いたしたいと思います。 ところで、厚生省さんが見えていただいております。ワクチンですな、丸山ワクチン、大変みんなが待っている。もちろん百日ぜきからそれこそ天然痘に至るまで数々のワクチンが開発されて、非常に人間の健康に対しての大きなる役割を果たしていただいているわけでありますが、ワクチンが学界で発明、試作されて、それが薬事審議会等を経て公用に供されるということのシステムはいかがなものでございますか。あわせて丸山ワクチンの見通し等についても承りたいと思います。
○高橋説明員 最初に、ヒト用のワクチンの審査につきまして御説明させていただきたいと思います。ワクチンの審査、ヒト用のものでございますが、申請者からの承認申請がございまして、それにより中央薬事審議会において、それに添付されたデータに基づき審査を行いまして有効性、安全性等が確認されたものについて厚生大臣が承認を与えております。 添付されるデータでございますが、若干専門的になりますけれども、基礎データとして、規格及び試験方法それから安定性試験等がございます。また、臨床データとしては、臨床試験の成績等がございます。また、必要があると認められる場合には、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性というような毒性に関する資料や薬理作用に関する資料も要求されます。これらのデータについて先ほど述べました中央薬事審議会の中で調査会、特別部会での審議を経て常任部会において審議され、その答申を受け、厚生大臣が承認を与えております。 次に、お尋ねの丸山ワクチンでございますが、これにつきましては有償治験ということで、昨年再度の延長をしたところでございますが、現在は放射線を照射いたしますときの白血球の減少に対してそれを防止する効果があるということがわかってまいりまして、ただいま幾つかの大学、約五十近くでございますが、そういったところで臨床試験を今一生懸命しているところでございます。その取りまとめを待ちまして、また必要なデータがそろえば中央薬事審議会で審査されることになると思います。 以上でございます。
○滝沢分科員 今図らずもヒト用という言葉がありましたが、人に用いないもの、つまり家畜その他に用いるものがあるでありましょう。 ところで、水産用ワクチンというものがよその国ではあまねく用いられておりますが、我が国にはございません。つまり、内水面等で養殖される魚はいろいろの病気が発生しますが、そのたびごとにその病気そのものを治す薬を直接与えられて、そして、これがいろいろとこの前の委員会でも承ったことでありますが、出荷の幾日前に投与を終われというようなことでありまして、そうして健康になった魚がお客様に供せられる、こういうことであります。しかし、問題は、魚が一々物を申しませんから、私は夕べ薬を飲んできたばかりでございます、お許しくださいなんて言いませんから、そこのところに問題があるわけです。魚は生き物ですから、あっちこっち泳いでおりますから、そこで出荷の幾日前に投与を終われといっても、これはなかなか守られていない。いい注文が来れば、きのうこの池は薬入れたのだけれども、それは一週間待て、お断りしますというようなことはしていませんよ。そこに、ヒト用とおっしゃいますけれども、魚が薬を使いまして、そしてこれが食膳に供せられれば、すなわちヒト用の薬として今非常に強い薬が使われているわけですよ。 つまり、私が申し上げているのは、薬事審議会は水産用ワクチンの審査をなさっているのかどうか、なさらないのかどうか、なさらないならば何が隘路で、いわゆるこれは農水省だ、こう言うのでしょう。農水省が上げてこないものか、そこら辺のあり方を両省がどうぞひとつおっしゃってください。
○田中(宏尚)政府委員 先般来先生からいろいろと水産用ワクチンにつきましては御議論をちょうだいいたしまして、我々といたしましても、いろいろな対応をしてきているつもりでございます。 現在承認申請中のワクチンが、アユにつきまして製造承認、それから御承知のとおり、ニジマスにつきまして輸入承認というものが出ておりまして、我々といたしまして、事務的なヒアリングでございますとか、こういう手順を尽くしてまいりまして、四月の下旬に、薬事審議会の水産用医薬品調査会と、それから動物用生物学的製剤調査会、この二つの合同部会をいよいよ開ける段取りになりましたので、従来から先生からいろいろと御注意なり御注文をちょうだいいたしておりますので、そういう線に沿いましてできるだけ早く本件を処理したいと考えている次第でございます。
○滝沢分科員 そうしますと、四月には両審議会にかかるということですか。
○田中(宏尚)政府委員 審議会の合同部会でするということで、先生方の御都合や何か大体確認できましたので、四月末には開催の運びになろうかと思っております。
○滝沢分科員 とにかく大臣、今申し上げておりまするとおり水産用ワクチンの開発が行われたのにかかわらず、他の国ではこれが供与をされておりますが、日本はまだ薬事審議会を通らぬ。これは、我々の目から見れば、厚生省と農水省の谷間に低迷しているというふうに指摘をしてきたのでありますが、ようやく四月に審議会にかかる運びになったというので、これは一つの朗報として受け取ってまいりまするが、魚にワクチンを与えることはヒト用と全然変わらぬ、きょうは魚用、あしたはヒト用に食膳を通じてなるわけでありますから、国民健康に非常な影響を直接にもたらすものでありますから、ワクチンを一日も早く供与されまして、ひとつ健康な食品、つまり内水面の生産物が供給できまするように一段のお骨折りを期待したいと思います。 最後に、いろいろと大臣の留守中にも、農政のこと、米のこと、数々申し上げてきましたが、ひとつ一言大臣の所信を承って終わりにしたいと思います。
○佐藤国務大臣 最初に、私の先ほどの答弁で、通産省には言いましょう、経団連と言われてもちょっとと、突然なことだったので申し上げましたが、経済団体四団体と言っておる商工会議所あるいは日経連、同友会等、経団連を含めた四団体に対して、その事務当局には、これは我が方の事務方からも説明を十分させておくことが必要だな、こう思っております。 つけ加えて答弁をいたしておきます。 なおまた、水産用ワクチンの問題でございますけれども、お呼び立てをいただいたので、厚生省と農林省と並んでおりますけれども、やはり縦割りと言われないように、随時、こうしてここに呼び出されたときだけではなくて、横の連絡をとりながら食品の安全性、食用に供するものの安全性、健康、こういうことについて十分配慮をしていかなければならぬと思っております。 それから、私のいないときというのは米の話でございますが、一言だけ申し上げたいと思いますけれども、食管制度は堅持をいたします、その根幹は守り抜いていきます、しかし、運用は随時見直しをしていって当然のことである、こういうことで、米流通研究会の勉強の成果も受けながら流通問題についても検討を続けてきた、こういうことでございます。 なおまた、自由化というようなことでしばしば報道等にも刺激的な活字も出てまいります。いろいろ御心配をかけておりますが、昨年末の臨時国会におきましても竹下総理、私も、米の自由化は行わない、こういうことを明言しておりますので、さよう御承知おきをいただきたいと思います。
○滝沢分科員 大臣より大変明確にして、しかも力強い御答弁をいただきまして、大変ありがとうございます。どうかひとつ御検討いただきまして、全国の農民の期待ないしは国政の期待にこたえてちょうだいするようにお願いしたいと思います。 委員長、まことにありがとうございました。大臣初め政府の皆さん、御苦労さまです。ありがとうございました。
○志賀主査 これにて滝沢幸助君の質疑は終了いたしました。 次に、柴田睦夫君。
○柴田(睦)分科員 最初に減反の問題について若干お伺いいたします。 朝日新聞の去年の二月四日の投書に「飯米もとれぬ田に減反通知」という題で投書がありました。この中を読みますと、「私の田んぼは冠水常襲田です。一昨年も飯米に少し足りないほどでした。こんな飯米も満足に収穫できない田んぼを減反せよとは、一体何を根拠に決めているのか納得しかねます。仮に転作しようにも冠水常襲田では作る物もありません。」「私は飯米が足りるという保証もない少しばかりの田んぼを減反したくはありません。関係機関のご回答があれば幸いと存じます。」こういう投書に対しまして農水省の農蚕園芸局企画課長の名前で三月七日に御回答といいますか、投書がまた載りました。これを読みますと、「転作は、飯米農家を含めた稲作生産者の方々が自主的に実施していただくもので、強制的に稲作を禁止するものではありません。しかし、稲作という基幹農業は出来るだけ農業主産地で、中核的な農家によって効率的に行われることが重要で、飯米農家や市街化区域の農家は転作を推進していただきたいと考えています。」こういう答えが出ております。 そこで、最初に伺いたいのは、強制的に稲作を禁止するものではない、別に罰則があるわけじゃないということでしょうが、この人の場合のように、飯米だから自分は減反をしたくないということでやった場合、何か不利益を受けるというようなことはありますか。
○吉國政府委員 飯米農家の方々に、せめて飯米分は自分でつくって食べたい、こういう御希望があることは事実でございますけれども、今、先生お触れになりましたように、私ども水田農業確立対策を実施しているわけでございますが、これは御承知のとおり水田におきます農業の生産性の向上、地域輪作農法の確立、こういった視点を踏まえまして生産者、生産者団体の主体的な御努力、こういうものを基礎に進めるということでやっておるわけでございまして、地域ぐるみの取り組みというものが非常に重視をされているという問題がございます。また、需給均衡という観点からいたしますと、稲作生産者全体の問題として取り組んでいただくことが適当であるというふうに考えているわけでございまして、そういった意味で、飯米農家につきましても地域の実情に応じながら今まで以上に主体的、積極的なお取り組みをお願いをしたいということで進めておるところでございます。
○柴田(睦)分科員 そうしますと、この答えの中に「農協と地方自治体が、地元の農業や農家の実情に沿って検討の上決定したもので、ぜひこの配分に基づいて転作に取り組んでいただきたいと思います。」こうありますけれでも、結局決定されればそれをやらなければならない、そして、それをやり切れないと、結局村といいますか、その地域の人々に迷惑がかかる、こういうことになるわけですか。
○吉國政府委員 私どもといたしましては、この対策が本来の趣旨に即しまして全国の稲作農家の皆様方の御協力の上に適切に実施されるということを期しながら推進に努めているということでございます。
○柴田(睦)分科員 結局、私もこの新聞を見ながら、本当に困ったことだなということを感じるわけであります。この考え方からいたしますと、市街化区域を持つ都市部の水田、稲作につきましては、農水省とすれば県に一定のものを指示する、県が市町村にまた指示するということになるのでありますけれども、市街化区域の農家は転作を推進していただきたいという農水省の考え方からしますと、そういう指導が行われてまいりますと、結局都市部の稲作については減反の割り当てが大きくなっていくのではないかと思いますが、この点はどうでしょうか。
○吉國政府委員 水田農業確立対策におきます目標の配分に当たりましては、この対策の趣旨にもかんがみまして、稲作を担うべき地域とか担い手に配慮しながら配分をするということになっておりまして、各種の指標に基づいて配分が行われているわけでございます。市街化区域内の水田につきましては、線引き政策との整合性ということにも配慮いたしまして傾斜配分を行っていることは事実でございます。
○柴田(睦)分科員 そこで、千葉県の市川市の例でありますけれども、この市川市では、人口が最近非常にふえているという関連からでもありますけれども、大雨が降るたびに市内を通っております真間川などの河川が大はんらんをいたしまして、繰り返し被害を生じてまいりました。建設省の方も、この問題をとらえて激特事業の指定をいたしまして、水害対策を長年にわたって莫大な費用をかけて進めているわけです。 この市川市では、水害対策の一環といたしまして農家の水田を貯留池として利用しておりまして、補助金を出して農家に協力をしてもらっております。六十一年度は四十八ヘクタールで千六百三十万円、六十二年度は六十・八ヘクタールで三千五十万円が出ております。これは、水耕田一平方メートル五十五円、休耕田は一平方メートル四十五円ということから計算された金額です。ここでは、水田というものが水害対策に非常に有効な役割を果たしているわけです。 こういう点を考えてみますと、都市部における減反という問題は、言われておりますような米作の効率化ということだけではなくて公益的機能、これにつきましては昭和五十五年度に農用地及び森林の有する公益的機能試算というようなものも出されて、農用地については大変な公益的機能があるのだということも示されているのですが、こうした公益的機能や自然の役割というものも考慮して決めるべきではないだろうか。市川市の場合は、去年水耕田の六〇%減反という方針が出されておりますが、こういうことを貫いていきますと水害対策というような問題でも大変なことが生じてくる。そういう点からいうと、もっと弾力的な対応を考慮するような指導が必要ではなかろうか、こんなふうに考えますが、いかがでしょうか。
○吉國政府委員 一般的、マクロ的に申し上げまして、農地、これはある意味では林地もそうでございますが、また特に水田の貯水機能が非常に重要な公益的な役割を持っているということは御指摘のとおりに私どもも考えております。ただ、この転作目標面積の配分という次元、具体的にどこでどのように転作をやっていただくかという問題になってまいりますと、やはり客観的な幾つかの指標によって目標配分を行ってまいる必要が出てまいるわけでございまして、末端におきまして、具体的にどういうところで転作をやっていただくかという判断に基づいて末端での配分が行われる、このような仕組みになっているわけでございます。 私ども、貯水機能との関連で申し上げますと、転作の中にもいろいろな形態がございます。他用途利用米とか飼料用米のような、いわば水田の状態で米をつくりながら転作として取り扱われるというような形態もございますし、転作を行うことが一概に水田の貯水機能と矛盾するということではないのではないかということがあると思います。また、具体的な事例は私も必ずしもつまびらかでございませんが、地域の排水問題が、この水田を維持するということが唯一の手段であるかどうかということもいろいろ場所に即してあるのではないかと考えられるわけでございます。私どもとしては、転作目標面積の配分ということと貯水機能の問題とは必ずしも矛盾するものではないのじゃないかというふうに考えているところでございます。
○柴田(睦)分科員 転作といいますと、大体、野菜をつくる、果物をつくるというのが千葉県の実情のようであります。そうしますと、この市川市、大変な人口が張りついておりまして、河川のはんらんというのが大変問題になってまいりました。これは市川市だけではなくて船橋市、千葉市もやはりそういうことがあるわけです。そういう意味から、貯水池をつくることが都市水害対策の一つとして位置づけられてきていたわけであります。そういう中で、この貯水池、水田がそういうものに利用できないということになると、災害対策という面が大きく後退してきますし、激特事業として進めております根本的な災害対策、水害対策事業、これが行き詰まる、これだけでは間に合わなくなるというようなことになってしまうわけです。ですから、こういうこともやはり十分考慮してやらなければならないんだと思うわけであります。 次に、利根川水系などのような超湿田地帯の減反の問題であります。 海上郡だとか香取郡、あるいは佐原、八日市場、匝瑳郡、こうしたところが超湿田地帯だと言われております。こういうところでは排水という問題が大きな問題になってまいりますし、そのほかの条件整備についても普通の水田を転作用地化するのに比べると費用の面からも大変なことになってまいります。こうしたところで転作をさせるというためには、やはり必要な補助金がふやされなければならない、こう思うのですけれども、現在の奨励金等で超湿田の地域でもこれは間に合うのだというお考えでやっておられるのでしょうか。
○吉國政府委員 転作の奨励金の世界では、土地条件等によって仕分けるという要素は特別入れておりません。湿田地帯におきまして転作の進め方になかなか苦労があるという状況は私ども認識をいたしているわけでございますが、この対策の趣旨からいたしましても、湿田地帯におきましてもその地域の状況に即した作物の選定等を含めまして主体的な取り組みを期待せざるを得ない、こういう状況でございますので、対策の仕組みの面におきましては奨励金の単価の差ということではございませんが、農協等が中心になりまして地域ぐるみの話し合いで計画をつくって推進するという場合に加算を行うという制度は六十二年度から新たに設定いたしたところでございますし、こういったものも活用していただきながら、地域ぐるみの自主的な創意工夫に基づいて推進されるというふうに心がけてまいりたいと思っているところでございます。
○柴田(睦)分科員 その水田農業確立助成金の問題ですが、これは農家に行く金でありましたが、六十二年度に大きく減らされました。六十三年度はそれと同じだということで、ここらあたりは復活してもらいたいというのが、もとに戻してもらいたいというのが農民の偽らぬ気持ちであると考えるわけであります。 それから、こういう地域では現実に転作することが大変なことでありまして、それは農家としても自分たちの生活問題がかかっております。転作してもなかなかできないというところに問題がありまして、転作する場合には米にかわって何が現実的に自分たちの生活を支えるものになるのか。農林省の方でできるというのであればこの土地に来てやってみせてもらいたいという声を聞くわけであります。こういう超湿田地帯においてどういう品種のものをつくればいいのか、そういう問題について具体的な指導をすることが必要であろうと思うのですけれども、この点はどういう構えでいらっしゃるのでしょうか。
○吉國政府委員 転作作物の選択に関しましては、これは全体にそうでございますが、行政の立場で何をつくれということを余り生産者の方々に押しつけるようなことは適当でないのじゃないかと考えておりまして、地域の関係者の方々の自主的な創意工夫が基本ではないかと考えております。 湿田の場合について申し上げますと、水田農業確立対策におきましては、先ほどもちょっと触れましたが、飼料用米の導入というようなことも行っておりますし、また他用途利用米の生産予定数量の拡大といったことにも取り組んでまいっているところでございます。もちろん、一般的な普及組織面での技術指導の上では、転作にかかわります作物の選定等に関しましても一般的な技術指導は積極的に進めてまいりたいと考えておりますが、作物の選択ということについては最終的には生産者の方々の自主的な決定というものが基本であると思っております。
○柴田(睦)分科員 結局、本当に何をつくっていいかわからないというのが現地での声であるわけです。何をつくってもうまくいかないというのもまた現地の声であるわけです。そのほかに、今度は、何をつくるということを決めた場合に、それをどう販売するかという問題も出てきますし、そういう販売ルートあるいは販売方法、そうした指導もしてもらわないと生活が成り立たないというのが現実の声であります、 今度は佐倉市での例ですけれども、作付計画を各戸が出しまして、幾らつくる、幾ら買うということを決めるのですけれども、ここも超湿田地帯の中に入りますし、そういうことから減反が未達成に終わった農家が出てくる。ここでは未達成の農家、これは一軒だけではなくて何軒もあるわけですけれども、ここで一俵だけしか買わないということにいたしました。国の方の減反の指導が非常に強く行き渡りますので、結局それを実現するために地方自治体の段階でさらにそれをエスカレートさせて一俵だけしか買わないというようなことをやってしまっているわけです。こういう家が何軒も出てきております。佐倉市の水田農業確立推進協議会で決めているものですが、これは聞いてみましたら、前年度未達成があったからそれまでペナルティーになった、そして一俵にもなったというものではなくて、あくまでも去年一年が未達成であったということから一俵しか買わないということをやっているわけです。非常に転作が困難なところで、やろうとしてもなかなかできない、そしてまたこの指導の面においても行き渡ってはいないというような状況の中で一俵しか買わないということは、これは農水省の考え方からいっても行き過ぎたやり方ではなかろうかと思うのですけれども、こういうやり方はいかがでしょうか。
○甕政府委員 ただいまの一俵というお話は生産者別の限度数量の配分の件かと思いますけれども、この限度数量の配分につきましては、法令あるいは所定の手続に基づきまして市町村長がこれを行うということになっておるわけでございます。 そこで、六十二年度から実施しております水田農業確立対策におきましては、特に市町村が農協の主体的な取り組みと力を合わせまして官民一体で取り組んでいく、こういうことで進めておるわけでございまして、転作面積あるいは限度数量の配分に当たりましても、生産者側の意向も十分踏まえまして、かつ地域ベースの話し合いも十分尽くして適正な配分を行うように、私どもこういう指導をしておるところでございます。 今のお話は、佐倉市が農協等とも十分協議をして、また地域ベースのお話もしながら決めて進めたことであろうかと思いますので無理からぬ事情があったかと思うわけでございますけれども、個別のお話でもあり、また実際にどう行われたかというようなこともございますので、事実関係を確認の上で必要に応じまして今後の運営に支障がないように、県等を通じまして話も聞き、指導もいたしてみたい、こう考えております。
○柴田(睦)分科員 ともかく、農家の生活の問題でありますから、ぜひ調査して善処をお願いしたいと思います。 次に、成田空港の検疫体制について、あとの時間でお伺いしたいと思います。 農産物の輸入がふえるに伴いまして、ここ数年輸入植物の検査実績も大きく増加しております。一番新しい昭和六十一年度の実績を見ますと、前年度に比べ栽植用植物や球根類、こうした個数計算のものは総計で一二二・六%、栽植用種子、果物類、穀類なんかのキログラム計算のものは一七〇・二%となっております。これは当然職員の負担が重くなってまいります。私も先日ちょっと現場を見学させていただいたんですけれども、そのときの仕事の状況を見ておりまして、本当にこれは休む暇もなく腰かける暇もなくみんなが働いているその姿を見て、これは大変だという感想を持ちました。こういうところでは本当に職員をふやすことなど含めて体制を強化する必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○吉國政府委員 成田空港におきまして、生鮮農産物の輸入が特に増大をしてまいっておるということは先生御指摘のとおりでございます。私ども、成田空港におきます植物検疫を的確に実施するという趣旨で、貨物部門につきまして逐次植物防疫官の増強を図ってきておるところでございまして、昭和六十年度におきましては五名の増員を図っていただきまして、土曜日、日曜日、祝日の対応をするという体制を進めたわけでございますが、さらに六十三年度予算におきまして十名の増員を図るということを予定して計上させていただいているという状況でございます。
○柴田(睦)分科員 今増員の話を伺いましたが、やはりまだ問題が多いと思うわけです。ここ数年、輸入植物の検査実績も大きく増加してきていることは先ほど申し上げましたけれども、先ほどは前年度比で申しましたが、同様に栽植用植物や球根類など個数計算のもの、それから栽植用種子、果物類、穀類などのキログラム計算のものをそれぞれ昭和五十七年度と比較しますと、個数計算のものは一七〇・二%、キログラム計算のものが二二四・二%と大変な勢いであります。これは六十一年度の数字であります。六十二年度はまだ結果が出ておりませんが、農水省からお伺いいたしますと、円高などの影響があって今後も大いにふえるだろうということでありました。これまでの増員は、一応昭和六十二年度といたしましては、これを五十七年度と比較してみますと一二四・三%になっております。この量と人数とを機械的に単純に言うつもりはもちろんありませんけれども、こういうふえ方の中では人の問題では十分対応できるんだろうかという疑問を持つわけであります。成田の場合はこうなっておりますが、全国的に見ますとまだこれは本当に微々たる増加ということになります。 成田空港の特徴といたしまして、携帯用の輸入植物検査も多いわけです。それから特に栽植用種子等キログラム計算のものが、全国の三八・四%を成田でやっております。ところが、今回の増員は貨物関係がほとんどでありまして、さらに動物関係の検疫も大変だというふうに聞いております。外国からの害虫の侵入を防ぐいわば水際が成田でありますから、このままでは十分ではないのじゃないか。ひとつこの検疫の問題に万全を期すように職員の増加も含めて頑張っていただきたい。最後に大臣の御決意をお伺いさせていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 先ほどからお答えを事務局からいたしておりますように、輸入農産物の増加に伴う検疫体制、六十三年度予算におきましても十名の増員要求が盛られておる、政府原案決定の折に決められたことでございます。急速な国際化の中でいよいよ重要な問題になっておりますので、実情に即し随時ひとつ増員をしていくなど対応してまいりたい、こう思っております。
○柴田(睦)分科員 終わります。
○志賀主査 これにて柴田睦夫君の質疑は終了いたしました。 次に、佐藤徳雄君。
○佐藤(徳)分科員 私は、国営かんがい排水事業、請戸川地区の問題につきましてお尋ねをいたします。 水資源の確保は、我が国産業の振興にとりまして、生活基盤の整備には欠かすことのできない重要な課題であることは御承知のとおりであります。同時に、それに伴うダム建設に依存することそのものも極めて大きなものがあると思うわけであります。 福島県双葉郡浪江町に建設中の大柿ダムは、堤高八十四・五メートル、堤良二百六十二メートル、有効貯水量が千七百三十万立方メートル、そして五幹線用水路総延長二万八千四百二十六メートル、受益者面積が三千八百八ヘクタールという極めて大規模なものであります。 この大柿ダムは、昭和四十九年度に着工が始まりまして六十三年度、つまり明年度完成の予定であります。来年度が完成年度になっているわけでありますが、まさに十三年間にわたる長期事業であるわけであります。したがいまして、浪江町、双葉町、小高町、この三町が該当自治体でありますが、先般私は現地に実態調査に入りました。そして、該当する町長、助役あるいは関係者、そして三町の多くの町会議員の皆さん、さらに福島県の関係、あるいはまた土地改良区、そして農業各団体の皆さんとお会いをいたしまして、るる今日までの経過をお聞かせをいただき、そして幾つかの問題点を提起をされてきたわけであります。 そこでお尋ねいたしますのは、国と県、そして地元の負担割合はどうなっているのでしょうか、お答えください。
○松山政府委員 今御指摘がございましたように、この事業は、大柿ダムを建設いたしまして三町で約三千八百十ヘクタールの受益面積にかんがい排水する、こういう事業として行われておるわけでございますが、四十九年に始まりましたときは、我々一般型と言っておりますが、国庫割合を六〇%、それから県と地元がその残りを二〇、二〇で分け合う、こういう形の事業として始まったわけでございますけれども、五十一年度から財投資金を導入いたしまして、進度の促進を図る特別型という事業制度が創設されたことに伴いまして、それに切りかわっております。その結果、現在の完了時点におきます負担割合といたしましては国が五八%、残りを県と地元で持つということになるわけでありますので二一%、二一%、こういう現状に相なっております。
○佐藤(徳)分科員 国営請戸川の農業水利事業、請戸川地区県営かんがい排水事業に伴うところの浪江町、小高町、双葉町、この三町のスタート時点での総事業費は幾らだったでしょうか。
○松山政府委員 スタート時点での総事業費でございますが、百十億の予定で始まっております。
○佐藤(徳)分科員 完成年度であります六十三年度では幾らになりますか。
○松山政府委員 その後の物価上昇あるいは工法の変更等の要素がございまして、完成時点の見込みといたしましては三百十九億五千万に増加する予定でございます。
○佐藤(徳)分科員 今ほどお答えいただきました百十億あるいは三百十九億、これは国だけのものですね。県の負担を合計いたしますと地元に対してはもっと大きくなるはずでありますが、それは後ほどと申し上げます。それで、スタート時点における地元負担金は各町それぞれ幾らであったでしょうか。そしてまた、最終段階の確定金額は幾らに見られておりますか。
○松山政府委員 ただいま御説明申し上げました数字は国営事業でございますので、全体の事業費だというふうにまず御理解をいただきたいと思います。 この三町におきます地元負担額の問題でございますが、この三町では地元負担額、町で助成するという形をとっておられまして、その数字でございますが、当初計画で浪江町で九億七千八百万、小高町で八億八千五百万、双葉町で三億三千七百万というふうに予定されておったわけでございますが、完成時点におきます負担額といたしましては、浪江町で四十八億一千九百万、小高町で四十三億五千六百万、双葉町で十六億六千万というふうに試算がされておるところでございます。
○佐藤(徳)分科員 いま一度お尋ねいたしますが、その数字についていま少しゆっくり、書きとめられるようにひとつお答えいただきたい。
○松山政府委員 当初計画の数字を申し上げますと、浪江町につきましては九億七千八百万、小高町につきましては八億八千五百万、双葉町につきましては三億三千七百万というふうに予定されておりましたが、完成時点の試算といたしましては、浪江町が四十八億一千九百万、小高町が四十三億五千六百万、双葉町が十六億六千万というふうになるものと試算されております。
○佐藤(徳)分科員 私が今持っておりますこの資料は、この三町が返さなければならない地元負担金の償還表であります。これは御承知のとおり県営と国営が合わさっておりますから、今お答えいただいた数字は明らかに国営分でありますけれども、これに県営がプラスされるわけであります。そして、一つ一つの町が償還をする金は、これは国、これは県という区別なしに総額で恐らくはじき出すだろうと思うのでありますが、そうなりますと物すごい額になるわけですね。 例えば私どもの試算を申し上げますと、浪江町では十八億の当初出発が償還額が百億円にもなっておる。それから小高町が十五億八千万円が八十四億に上がっているという事実であります。そして、双葉町が六億六千九百万円でありましたのが三十八億七千二百万円にまで上昇しているという実態であります。これはお見せいたしますから、どうぞごらんになってはじき出してもらいたいと思うのですが、間違いない数字であります。そうなりますと、十三年間もかかるわけでありますから、いろいろな変動があった事実を私も認めます。認めますが、余りにもその上昇金額が膨大過ぎるということを私は指摘をしなければなりません。約三倍弱でしょう。そしてすべて地元負担でしょう。償還できるかどうかの問題については後で一例を出して申し上げますが、大臣いかがですか。私が今申し上げました十三年間にわたる償還、これから国のものは六十四年度から始まるわけですよ。そうなりますと大変な財政負担になる。一体、農水省がそういう十三年後の見通しに立ったかんがい水利事業であったのかどうか、私は極めて疑問を持つわけでありますが、大臣の御見解をお願いします。
○佐藤国務大臣 今数字を承っておりまして、全国的にどの程度あるか、そこまで私も承知しておりませんけれども、今おっしゃる事案に対しましては、時の経過がいろいろあったにしても大変な負担であるな、財政負担もさることながら地元負担、これはやはり大変なものだな、率直な感想を申し上げておきます。
○佐藤(徳)分科員 スタート時点での総事業費、先ほどお答えいただいた数字でありますが、県単分を含めますとたしか百三十三億になるはずであります。ですから完成年次の六十三年度が三百六十七億円、金額にして二百三十四億円の上昇、三倍に近いという驚くべき数字が実ははじき出されているわけであります。余りにも無計画でありずさんではなかったかという批判が現地には相当起きていることもお伝えをしておきます。このようになった要因というのは一体何ですか、具体的に明らかにしてください。
○松山政府委員 国営事業費の分の事業費の変動について申し上げたいと思いますが、約二百九億増加が見込まれておるわけでございます。そのうち物価変動によりますいわば自然増とでもいうべきものが百二十六億五千万でございます。それから事業量、これは受益面積がふえたという部分が一つございまして、それに伴いまして事業量がふえておるということがあるわけでありますが、これが二億五千万でございます。残余は工法の変更その他いろいろな状況の変化に合わせまして、例えば地質の変更によりまして幹線導水路もトンネルタービンに一部変更しておるといったようなことで約八十億五千万増加した、こういう事情になっておるわけでございます。
○佐藤(徳)分科員 八十億幾らですか。
○志賀主査 もう一度数字を言ってください。
○松山政府委員 物価変動によります増が百二十六億五千万でございます。それから、事業量の増によりますものが二億五千万でございます。工法の変更その他によります増が八十億五千万でございまして、締めて二百九億五千万の事業費の増ということに相なっております。
○佐藤(徳)分科員 それでは、計画変更の時期はいつだったのですか。
○松山政府委員 土地改良法第八十七条の三の規定に基づきます計画変更案の概要を昭和六十二年十二月八日に公告いたしまして、現在受益者から同意を取得中でございます。
○佐藤(徳)分科員 六十二年の十二月八日、完成年度は来年ですね。完成年度の前年にこういう大幅な工法変更ないしはその他、先ほど数字を挙げていただきました大きな数字の変更が、なぜ完成年度間近になって変更しなければいけなかったのですか。責任を持って答えてください。
○松山政府委員 計画変更を行います場合には、こういう大きな事業ということに相なりますればいろんな作業も伴う、そういったことで相当の時日を要するという現実があるわけでございます。したがいまして、他方、同意をとるまで事業をストップしておくというふうなことをいたしますれば、かえって早く促進してほしいという地元の要請に反することにも相なるということで、毎年度毎年度事業の予算なり事業の実施状況なりを総代会等に御報告、御説明いたしながら計画変更の実務を続けてきておる。今私、六十二年の十二月八日に概要を公告いたしたということを申し上げましたけれども、それまでの間に、当然のことながらかなりの期間にわたる計画変更の作業手続というものがあるわけでございまして、そういうものが同時並行的に進んでおったというふうに御理解いただければありがたいと思います。
○佐藤(徳)分科員 私が言っていますのは、物価の変動その他の問題、条件の変化に基づいて工法変更なりあるいはその他の変更なりはあり得るでしょう。しかし、来年が完成年度であるということを承知していながら、その前年にこんなに膨大な金額の変更は私は理解できないのですよ。あらかじめ中間に、こういう状況になるという予見はできなかったのですか。どうです。
○松山政府委員 いわば一種の積み重ねの作業という事柄の性格と、切れ目なく事業を続けてできるだけ早く完成して地元で受益してもらいたいという希望とが重なりまして、こういう形に相なっておるわけでございますが、そういう意味では計画変更手続のおくれたことは非常に遺憾に存じておりますけれども、私どもといたしましては、その間、できるだけ土地改良区の総代会なり理事会等に事情の御説明をしてきておる、そういうふうなことでございまして、ひとつ御理解を賜りたいというふうに考えております。
○佐藤(徳)分科員 その部分についての今のお答えでは、私は理解できません。それで地元との合意はなされているのですか、なされていませんか、現時点で。
○松山政府委員 現在、受益者からの同意をいただくべく鋭意努力中というふうに承知いたしております。
○佐藤(徳)分科員 努力中の中間結果はどうですか。
○内藤(克)政府委員 十二月八日に概要公告をしておりまして、現在地元の同意を取得中でございますが、現時点で約五〇%程度の同意を得ているという報告を聞いております。(佐藤(徳)分科員「それはいつ時点」と呼ぶ)約二月末と聞いておりますが、現在鋭意努力中でございます。
○佐藤(徳)分科員 地元にとりましては極めて重要な問題であるだけに、極めて大きな関心を持っているのです。ただ、五〇%の同意を得たという確信がありますか。私がこの前調査に行った時点では、既に同意した人であっても撤回をするという人だっているのですよ。そういう情勢があるわけであります。その原因は何だといったら、出発当初の計画総額と変更されました六十二年、先ほどお答えいただきました、余りにも期間が長過ぎて途中の修正のないまま大きな金額で修正を加えたところの反発があるのですよ。こんなことで立派な事業ができると思いますか。 それじゃ具体的にお尋ねします。三町とも、受益者個人負担をさせない、そして償還は自治体が肩がわりをして着工すること、これは町議会で決議していますね。その場合に、農水省の行政指導、特にヒアリングの段階で、この肩がわりした、つまり自治体であります、自治体に肩がわりしたというそのものについての指導は、一体どういうふうに当時なされたのでしょうか。
○松山政府委員 御指摘のように、この事業における一種の特殊性は、地元負担額のすべてを町が肩がわりされておるというのが一つあるわけでございますけれども、事業採択の際のヒアリングの際に、そのこと自体について特段の行政指導をしたというふうには私承知はいたしておりません。
○佐藤(徳)分科員 それじゃ別な角度でお尋ねをいたしますが、このような水田利用のダム建設の問題について全国的に自治体が肩がわりをしたという事例はどのくらいありますか。
○内藤(克)政府委員 全国的に見た場合の実態というのは正直言って把握してございませんが、この請戸川の例は特異な例の地区と存じております。
○佐藤(徳)分科員 そうですね、まさに特異な例だと私も思います。 そこでお尋ねいたしますのは、なぜ自治体に肩がわりすることをお認めになったのか、それはおわかりありませんか。大分年数がたっていますからあれですけれども、それはわかりませんか。
○松山政府委員 その辺のところは、私ども今ちょっとわかりかねるところでございます。
○佐藤(徳)分科員 実は三町とも、私どもがお尋ねをしたりお答えをいただいたりした範囲の中で判断をすれば、余りにも膨大な償還金額に驚いているわけであります。それで、一体こういうことが着工する場合にあるいはまた町議会が決議をする時点で予見できなかったのかどうかということが、一つは問題なんであります。ところが、いろいろ話を聞き出してまいりましたら、名前を出すことは控えますが、自民党の議員さんが、地元負担はなくなるから早く受け入れるという促進をやった話も聞いてきています。問題は、特に浪江町を中心にして原発誘致との関係でこのような推移をしたんじゃありませんか、どうです。
○松山政府委員 ちょっと、そのあたりの事情について私ども承知しておらないところでございます。
○佐藤(徳)分科員 大臣これを見てください。今すぐお答えはいただきませんから、ごらんになってください。これは償還金額の年次計画です。膨大でしょう、それを見ただけでも。つまり、これはよく調べてもらいたいのでありますけれども、原発が誘致されるだろう、だから当然町にも金が入ってくる、したがって、幾ら大規模の事業をやって償還が来ても入ってくる金で支払いができるという判断に立ったと伺っています。今のお答えでは、年月がたっていますから、人もかわっておりますので、おわかりにならない点は承知いたします。だが、わからないで済むという問題じゃないのです。 後で上坂議員の方から問題の提起をいたしますけれども、例えば小高町の場合、年間の総予算の一八%が償還金に充てられるという異常な状態が発生するのですよ。だから私は、これを見逃すことはできないというふうに実は判断をしているところであります。どうぞひとつ、先の見通しの誤りがあったといえばそれまででしょうが、しかし余りにも膨大な金額で、あるいはそのことによって自治体が破壊されるという、今日こういう形態は決して望ましいものではないし、そして健全な財政確立には反するというふうに私は判断せざるを得ません。 さてそこで、先ほど申し上げましたように、現在は県営に対する償還がずっと行われておりまして、昭和六十四年度、つまり完成年度の次の年から国に対しても返還をしなければならない、そういう事態になるわけであります。例えば、昭和六十二年度は三町合計で地元負担金の償還は五千八百五十七万円であります。そして六十三年度が六千四百二十八万一千円になります。これはいずれも今申し上げましたように県営分の償還額であって、六十四年度からは国営分も含まれますから、三町合計で八億三千百四十八万六千円となるはずであります。今お見せしておりますそれを合計すると出てくるんですね。償還計画によれば、年々償還金額が上昇いたします。そして昭和七十年からは三町合計で十三億一千四百八十四万、こういう膨大な金額になるのであります。しかも、最終償還年度は昭和九十二年まで続くという計算になるわけであります。 例えば小高町の場合に、先ほどちょっと触れましたが、お聞きをいたしましたら、年間の予算約三十億だそうであります。三十億に対して六十四年度の償還金額は三億一千四百三十万二千円、そして六十五年度は四億八千二百四十九万七千円、町財政に占める割合というのは実に一八%にも達する、残念ながらこういう驚くべき実態なのですね。 そこで浪江町の場合は、先ほど申し上げましたように百億円抱えるわけでありますから、そういたしますと、住民サービスにつながる投資的経費の三分の一に当たる、これじゃ町財政はもちませんし、町の健全な運営はもちろんできない。住民に対するサービスの低下、事業の停滞あるいは合理化、あらゆるものがつきまとってくることは明らかだと私は思うのであります。 私に与えられた時間になりました。今ちょうど質疑時間終わりのメモが来ました。それで、この次に控えております上坂昇議員が、私と同じ問題で、特に上坂議員の地元の関係もありますから、上坂議員に質問を移行いたしますけれども、ひとつ十分な誠意ある回答をお願いいたしますと同時に、これは何も福島県浪江町の大柿ダムに起こった問題だけではない、水田利用全体の問題についてたくさんの問題を全国的に抱えている大きな中の一つであるというふうに私は理解せざるを得ないのであります。恐らく最後に大臣の見解等も求められると思いますから、今農業問題が大変重大な危機に立っているだけに、農家の皆さんの暮らしを守っていく、そのためにも誠意ある答弁と見通しをお聞かせいただきたい、こう思って上坂議員に質問を移行いたします。ありがとうございました。
○志賀主査 これにて佐藤徳雄君の質疑は終了いたしました。 次に、上坂昇君。
○上坂分科員 それではタッグマッチで答弁を求めたいと思います。 今、佐藤議員からいろいろお話がありました。そこで、こうした大きな負担に現在の町財政からいって一体耐えられるとお考えになるかどうか、このことだけにお金を払ったら、あと何にもできなくなってしまう、地方自治体の本来の目的であります福祉行政、国民生活を守る事業は何にもできなくなってしまうと私は思うのです。どう思いますか。
○松山政府委員 町の実態についてそれほどよく承知しているわけではございませんけれども、先ほど来のあれを通じまして、やはり大変苦労をおかけするというふうに認識いたしております。
○上坂分科員 これは三町あるわけですが、特にそのうちの二町は、原発を東北電力がつくるというような話があったのだけれども、いまだにこれができない。これは到底できないだろうと私は思う。そうすると、双葉町というところはもう既に原発は終わってしまって、これからは電源三法の交付金は入らない。固定資産税は入るけれども、入らない。入らなくても、今までの事情で双葉町の方は財政がある程度豊か、ところがあとの二町、浪江と小高についてはこれは問題にならないのです。そうすると、一体これはどうしてくれるのかという地元の要望が出るのは当然であります。どうしてやりたいと思いますか。
○松山政府委員 いろいろな事情の中で事業費が増高したということでございますが、当然のことながら国の負担額も当初の六十六億から今の計画では百九十六億五千九百万ということで、二百億近いものにまでふえる見込みに相なっております。そういう意味では、三町には大変御苦労をおかけいたしますけれども、今ここでこういう手をというのもなかなかございませんし、私どもとしても県ともひとつまたよく相談していこうかというふうに考えておるところでございます。
○上坂分科員 最初から説明不足であり、見込みが間違っているわけですね。大体物価の上昇見通しは経済企画庁に聞くとわかるのだから。そうすると、十年ぐらいの見通しをある程度つけられて百三十億ぐらいのところで、そしてそれが約三百億近い、二百五十億というような点になりますと、これは全く何をやっているのかと不審に思う。そこで一番いいのは、そのふえた分、市町村分の肩がわりを国が全部やってくれれば一番いいと私は思う。やってくれませんか。
○松山政府委員 先ほど申しましたように、国もまたそれなりに財政負担をふやしまして頑張っておるという事情にございますので、なかなか難しい御注文ではあろうというふうに考えます。 なお、物価上昇等の要素につきましては、計画の策定の際に一応何年度価格ということで、それは織り込まないという約束事でどこについても計画をやってきておる、そういう事情にあることだけはひとつ御理解をいただければありがたいというふうに思います。
○上坂分科員 国は財政負担だからそれはできない、そういう答えが来るだろうとは思っていたけれども、県だって同じことを言うと思うのですね。県は償還をしてもらっているからいいけれども、これからは国の分がそれこそ二十九年も続くわけですから、この分については何らかの措置がなければとてもだめだ。財政が破綻してしまう。破綻してしまうというふうになると、じゃ今度は個人の負担にする、受益者の負担にするというふうにかぶせてくる。そういうことは最初の約束事でとてもだめだった、住民はこれについては全く反対するのは当たり前ですね。町議会は議決をしている、負担しますよと。こうなりますと、この関係をどう整理するかということが第一点ですね。 もしどうしてもそれが整理できないということになれば、地元負担金の膨大な金額があるわけでありますから、その金額が大きいから、それに基づいて利子も多くなってくる。元金を払ってもらえないということになればせめて利子ぐらいは何とかしてもらわなければ困る、こういう考え方になるのは当然だと思うのですね。利子補給とかそういう助成の措置というものは何にでもあるわけであります。そういうものは一体やれるのかということなんです。これはどうですか。
○松山政府委員 市町村の負担という点に着目いたしますと、かなり特殊なケースというような感じもいたすわけでございます。償還の際の利率につきましては、今一応の決めがございましてどの地方でも同じ形でやらせていただいておるといったようなことを考えますと、今の財政事情なりないしは金利体系等から考えてまいりますと、そういった利子の軽減措置というのもまた極めて困難なことではないかというふうに考える次第でございます。
○上坂分科員 困難、困難ばかりでは困っちゃうんだな。地元は余計困難なんだから。これは全く困っちゃうのです。 そこで、利子の問題で何でそれは困るのかというと、――今利率は幾らですか。
○松山政府委員 先ほど一般型という事業の仕組みから途中で特別型に移ったということを申しましたが、一般会計で実施いたしました分につきましては、これはたしか法定だったと思いますが、現在五%ということに相なっております。他方、特別会計で実施いたしましたものにつきましては、これは財投資金を使っておる関係上、この場合には平均いたしまして六・九五という数字に相なっておるところでございます。
○上坂分科員 そうすると、この財投の利子は六・九五%、事業を始めた当時に六・九五%になると、それがずっと続いて、そして今でも、利子が下がっている時代だけれどもこれはだめだ、こういうふうになるのか。これは大蔵省の皆さんに聞いているのだけれども、だれかおいでになっていますか。答えられますか。
○竹島説明員 財投金利につきましては、その事業の資金のために毎年借り入れしますので、そのときに適用される財投金利が適用されているわけです。ですから平均いたしまして六・九五という話でして、八%のときもございましたし五%のときもあるということですから、一定のものがそのまま、何といいますか、六・五で始まった地区は十年たっても六・五ということではない。毎年毎年財投金利は変わりますので、それに応じたお金をそのときの金利で借りているということでございます。
○上坂分科員 そうすると、借りた当時大体七・一ぐらいだったのじゃないかと思うのですね、今は少し下がっているから平均すると六・九五だ。これからずっと続くと、毎年毎年金利の上げ下げがあればそれは下がっていくということですね。また、その利子が高くなれば今度は平均はずっと高くなっていくということも事実ですね。
○竹島説明員 それは、事業が完了しますとそれまでに債務は確定するわけでございますから、その段階でその地区の結果としての平均利率というものが出てくるわけでございます。それ以降はそれに基づいて償還が行われるわけでございますから、それ以降の金利の変動はその地区に関しては関係のない話でございます。
○上坂分科員 そこがやはり一つ問題なんですね。今は六・九五%ですか。そうすると、後ずっと金利が下がっていっても下がらない。金利は今大体四・一%ぐらいになっているわけです、いろいろな面で。ところが財投の場合にはそうはいかないんだ、事業が完成しちゃったんだから、それがこれからずっと続くんだということになると、約七%の利子でこれから二十九年間、元利均等というのか、元利加えて払っていかなくちゃならないということになりますと、これはもう大変な金利の負担になると思うのですね。だから、せめてそのくらいは何とか農林省として、言ってみれば農林省の先の見通しが悪いところから生まれてきているのだし、今はあなた方が担当しているけれども、昔の人が担当したんだからとは言えないわね、ずっと続いているのだから。そうなると、ここのところの措置をどうするかということが問題だ。どうしていきますか。
○松山政府委員 これまでの実施年度において使わせていただいた財投資金、それをベースにいたしました利子ということで、最近の低金利からいたしますと確かにかなり割高だなという感じは否めないところでございますけれども、それではその金利を安くしてもらうかどうかというようなことを考えますときには、これまた財投資金の方は財投資金の方で、お預かりしている方が一つございますから、端的に申し上げれば郵便貯金の形で集まった金を使っているというようなことが大宗になっていることを考えますれば、預金者の利益の問題もある、そういったようなこともございまして、なかなか難しい問題であると申し上げておる次第でございます。
○上坂分科員 難しい、難しいばかりじゃなくて、僕が言っているのは、郵便局の資金を使おうと何であろうといいのだけれども、そういう資金に対する利子を何とか補給するような措置はできないかということです。
○松山政府委員 何度も同じような答弁を申し上げて恐縮でございますが、国自体といたしましてこの事業について六割ないしそれに近いような財政負担をしてこれを進めてきておるということでございますので、さらにその上に利子助成を行っていくのは二重助成といったような問題にも相なろうかと思いまして、これまた極めて困難な問題ではないかということを申し上げておる次第でございます。
○上坂分科員 行政側から見ればそう答えざるを得ないのかどうか知らないけれども、それでは地元はとてもたまったものじゃない。やはり農水省に責任のある問題で、見通しは誤るわ、当初の説明不足はあるわ、そして長い間かかって、もっと早くきちんとすべきところを完成の前年度になってようやく出してくる。事業を同時並行に進めるということはわかるけれども、そういう見通しがつかないで、完成時点に来て初めてこれだけのものがわかったということになれば、これは驚いてしまうのですよ。地元では政治ができない、行政ができないと現実に言っているのですよ。これを何とかしてやるのが国の責任である、その国の責任の中で農水省の責任は重大である、これに対して何とか善処してもらわなければならぬ。その善処方について、これはどういうふうにするという具体的なものがいただければ大変ありがたいのだけれども、これについて大臣の所見をいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 私も先ほど来のお二方の議論をずっと聞いておりまして、これは本当にえらいことだな、率直にそういう感じを受けます。私も土地改良事業、基盤整備等々関係してきたことも、ささやかな経験でありますがございます。そういう一つの経験からすると、これは特異な問題だな、やっぱりこれでいいのかな、率直にそう思います。 しかし、私不勉強でございまして申しわけございませんが、町議会が償還について全額負担を議決しておる、これがまた特異な状況、これが地方財政との関係でどうなるか。これは農林、大蔵との間の話では全くない。自治省との関連においてどうなるかということになりますと、県当局の考え方もあわせ含んでそして詰めていかなければならぬな。そうでないと、先生おっしゃるような具体的なことを言えるかというと、言えないことを御存じで言っておられるような気がしますけれども、正直に申し上げて、具体的な対応策をここで言えと言われても、私は、それは厳しいどころか、それは今できません。ですから、県当局とも相談し、そしてより難しくさせておる過去の経緯をほぐしていきませんと、これはなかなか対応策が出てきません。そういう意味で若干の時間を賜りたい。心からお願いを申し上げたいと思います。
○上坂分科員 大変誠意ある御回答をいただきましたが、願わくは、地元負担金が、今申し上げましたような地方自治体のいろいろな行政が停滞してしまう、あるいはストップしてしまうことのないように御配慮いただくと同時に、もう一つは、その地元の受益者負担の件なのですが、受益者は、こんなことならもとに返してくれという気持ちすらあるわけです。また、水利事業ができて自分のところへ水が来るのだと思っていたら、実際には幹線のところしか来ない。そこから自分のところに引くのではまた自己負担が必要であるということで、何のためにこういう水利事業をやったのだ、地元の住民の中にはこういう声すら出ているのです。ですから、余りおかしなことをされると政治不信につながってくる問題もありますから、地元の受益者の負担が違法であるかどうかは別にしまして、それについては、そういう負担をかけるよということのないように、その点を含めて御配慮いただくように要望をいたしておきます。
○佐藤国務大臣 今の後段の点でございますけれども、私の常識からいきますと、国営事業あれば県営事業、附帯県営あり、附帯県営あれば附帯団体営あり、こういうことで一連のものが完成して実効を上げていくというのが、私は技術屋でも何でもございませんが、普通だろうと思うのです。そうすると、そういう附帯的なものまで含めての説明が当初ないと言われれば、なぜなかったのだろうと、また新しい疑問も出てきます。当然そういうことがあるべきではなかったか、あったのではないかな、だけれども知らない人もいたのかな、そういう感想を今持つわけでございまして、とにかくいろいろ含めまして検討いたしますので、若干の時間を賜りたいと思います。
○上坂分科員 こういう大きな問題をやる場合には、前の説明というのは非常に大切だと思うのですよ。例えば受益者負担というのはどういうものであるか、地方議会はどういうふうな形でそれとのかかわり合いをするのか、県はどういうふうにするのかという説明をきちんとしなければなりません。それを、先ほど佐藤議員からもお話があったように、だれかがそこに介入した、政治家が介入して、そんなのは大丈夫だ、心配ないのだ、だから地方議会の議決で間に合ってしまうというような指導をするということになれば、これは大変な政治家の問題になると私は思います。そういうことをやるから困るのであって、福島県には日中ダムから、いろいろなダムの工事がまだ待っているわけであります。新宮川ダムもありますし、そういうダムの償還についても、きちんとした説明をしなければ、これに対して地元では賛成もできないし、検討しても地元としても取りかかれない、そういう状態がありますから、これは今後とも十分な説明をしていただきたいと思うのです。これは単に福島県だけの問題ではない、これから全国的な問題になってくると私は思うのです。そういう点での慎重な配慮をお願いしたいと思うのです。その点はどうですか。
○松山政府委員 この地区を含めまして、事業の実施に際してあるいは事業の途中におきましても、必要に応じてできるだけ丁寧に関係者の方々の理解を得るような説明をしていくのは当然でございますし、またこれまでもそのようにやってきたと理解をいたしておりますが、今後ともそのような考え方で一層関係者の方々の十分なる理解のもとに事業が進められるように努力してまいりたいと思っております。
○上坂分科員 この問題を質問すると言ったら、自治省から来ましてね、自治省の人がびっくりしてしまったのです、いつの間にこんなにふえてしまったのだろうと言って。自治省はこんなこと知らなかったと言うわけですね。自治省も知らないなどと言っているあれはないのだけれども、農林省ですら前のことはわからない、こうなっているのだから、これも困るわけです。どうしたらいいのだろうと、本当に困っているのですよ。ですから、先ほど大臣がお答えになりましたように、自治省とも十分な詰めを行っていただくと同時に、大蔵省の方に聞くのですが、こういうときに、地方自治体が赤字になってしまう、赤字団体に転落してしまう、そういうような状況になっているときに、何か特別交付金のようなものでこれは見ることができないのかどうか、そういう点はどうですか。
○竹島説明員 交付税の配分の問題でございますので、自治省の所管事項でございます。ただ、私の知識で申し上げますと、特別交付税にいたしましても、これは特別交付税のために決められた枠がございます。その配分というのは公平を期すことがもちろん大前提でございますので、余りに個別な事情に配慮するというのは当然限界のある話で、今伺っている地区のことにつきまして特別交付税で特別の配慮をするという事例であるかどうかについては、正直申し上げまして疑問に感じます。ただ、正式には自治省の方の所管事項でございます。
○上坂分科員 自治省の方は、今の点はどういうふうに考えますか。
○二橋説明員 他省所管の個別の事業でございますので、私どもの方から直接その事業内容についてとやかく申し上げるということではございませんが、今最後にお尋ねでございました特別交付税の関係でございますが、この事業が本来的に受益者のある事業であるというものでございますし、それから、先ほど来話の出ておりますように市町村の負担というのは極めて特異なケースということで、市町村がそれぞれいろいろな事情を考えながら任意に判断された事柄であろうと思います。そういうことからいいますと、特別交付税というのは地方団体全体の共有の財源でございますので、それでこれに対する財源措置をするということは難しいと考えております。
○上坂分科員 特別財源措置は特別交付税等をもってしてもなかなか難しいというお話でありますが、そこのところをやはり正常化し、過去の間違い、誤りというようなものを改めて、そしてよりよい将来をつくっていくという意味で、先ほどの大臣のお言葉を信頼して、自治省なりあるいは大蔵省等と十分話し合っていただいて、これは農林省だけの問題でなくして政府の問題としてこういう問題が解決され、将来においてこういう状態ができないような形での善処方をひとつお願いをしたいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 先ほども申し上げましたように、まず事実関係をということになりますれば、大蔵だ自治だという我が方の対応よりも先に県当局がどのようなことであったか、先ほどもそれを申し上げたつもりでございますが、さらにまた町議会等で決議をしておられる経緯、そういうことも含めまして事実関係をひとつ明らかにしながら、経緯を明らかにしながら、どのような方法があるか、どのようにして間違ってきたのか、いやこの部分は正しかった、この部分はちょっとどうかなとか、そういうことをほぐしていきませんと、もうこれ以上のことは何とも今ここで申し上げにくい状況にある。若干の時間をおかし願いたい。
○上坂分科員 僕たち農水委員会に入っていませんから、レギュラーでないのでなかなか質問の時間をとったりするのが難しいわけですよ。そこで、そうしたある程度時間がたって、ある程度の見通しとかいろいろな考え方がおありになった場合には地元の議員として私はぜひそれを聞かしていただきたい。それについてどうこうするということじゃなくて、聞かしていただいて、私たちの考え方についてもいろいろとその意見を聞いていただくような機会を持っていただくことをお願いをしたいと思います。これが一つであります。 それから、そこで最終的に一番問題なのは、現在減反が毎年毎年強化をされていくわけですね。そこへもってきて、御承知のように大臣大変御苦労なさっている米の自由化の問題が要求されているという状態の中で、こうした水田の特に構造改善事業あるいは基盤整備事業等、どこまでこの工事を進めていくべきものなのか。それはもちろん将来の米の国際的な価格競争とかいろいろあって、それから農業、第一次産業がなくなっていくという状態の中でこれから農家をどうしていくかということが基本的な問題になるでしょうけれども、とにかくこうした問題についての、こういう事業に対しての基本的な大臣の見解を承っておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 一般論として申し上げまするならば、農業の基盤整備事業、こういうものを進めていくについてはやはり地元負担金の問題を十分に検討していくことが必要だぞ、後でああだこうだと言われないように。また経済的な工法、これは技術的なことでございますけれども、そのとき考えられ得る最高の技術の水準でどうやっていくか、そしてその受益効果というものがなるべく早目に出てくるように考える、そして工期の短縮も考えればおのずからそこに金利負担の軽減も出てくる、こういうようなことをあわせ考えながら、ただ事業費がどんどんふえていくということのないように考えていくべきだな、こう思います。
○上坂分科員 時間が来ましたのでやめますが、福島県にもまだ先ほど申し上げましたようなダムの工事の問題があります。それから全国的にもこれはあるだろうと思います。その点で十分な地元との話し合い、それからどうも官僚の人というのは都合の悪いところを言いたくないというのかな、しゃべらない傾向が多分にある、何となくあいまいにしてしまうような傾向がある、そういうところからこういう問題が起こってくるのだと私は思うのです。それとやはり国民の将来にかかわる問題だから、これはきちんとはっきりと物を言って計画を進めてくれるように、これは要望しておきたいと思うのです。 では、終わります。
○志賀主査 これにて上坂昇君の質疑は終了いたしました。 次に、大矢卓史君。
○大矢分科員 民社党の大矢卓史でございます。大臣には内外ともに大変御苦労でございます、お疲れでございましょうけれども、私が日ごろから感じておりますことを大臣に所見を承って、今後私どもが国政の中での一つのアドバイスを国民の方々にしていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 私の選挙区は大阪市内のやはり農地と農民を持っておるところでありますけれども、御承知のように四十四年に都市計画法によりまして大阪市内全域が市街化区域になったわけであります。当初は、やはり現在もなお農業をやっておられますので調整区域を残したいという市の意向があったようでありますけれども、農業団体とも相談の結果、急速な市街化が進むであろうということで市街化区域に全域がなったわけであります。それからきょうまで十八、九年もたっておるわけでありますが、これまでこの市街化区域の農地なり農家、農民に対して農林省はどのように今日まで指導してこられたのか、まずお伺いいたしたいと思います。
○佐藤国務大臣 市街化区域内の農業、このことについて所感を申し述べよ、こういうことでございます。 市街化区域は都市計画法上おおむね十年以内に市街化を図るべき区域であります。でありますので、市街化区域内農地の転用は、今もちょっと昭和四十四年の話が出ましたけれども、昭和四十四年の都市計画法施行以降、許可不要で届け出のみで足りるということにしておりますし、農業基盤整備事業などその効用が長期に及ぶ施策は行わないということにいたしておるわけでございます。全国の市街化区域内農地についてみれば、昭和五十年から六十一年の間に約七割に減少しておりますが、市街化の進行の中で細分化を伴いつつ宅地化しておるということでございます。 こうしたことから市街化区域内農地の宅地化がいろいろ言われますが、この宅地化に当たっては、住民の合意を踏まえた町づくり計画のもとに、道路、下水道などの基幹的な都市施設の整備を伴って秩序ある形で計画的な土地利用転換が図られていくことが望ましい。スプロール化という過去の苦い経験もございます。そういうことは避けねばならぬ、このように秩序ある土地利用転換が図られていくことが望ましい、こう考えております。
○大矢分科員 今の大臣の御答弁にありましたように七割に減っておるということでありますから、今日まで宅地化してきたのが三割だということのようですね。そうなりますと、当初から言われておりますように、都市計画は五年ごとに見直しますので、十年先を見越して市街化になるべき土地だということで市街化区域に決めた、しかし二十年弱になりながらそれがまだ三割しかなっておらないで七割も残っておる、それでたまたまあのような土地の暴騰が起きました。いろんなことが原因と言われますけれども、すべて金を貸すのに土地を担保だ、事業がどうあれこうあれ土地にしか金を出さない、こういう金融政策のあり方に問題があって、現実に金融の規制をいたしましてから以後はそんなにべらぼうな値上がりをしているということはないし、また逆に、そういう土地の値上がりだけで利益を得ようとした人たちは今現在大損をしておるという中で、しかしそのときに農民が市街化区域の農地を出さないから土地が上がったんだということを常に言われておるわけですね。だから農民が非常に悪者にされておる。しかし、現実には果たしてこのときの都市計画が合っておったんであろうか。今二十年で三割ということなら、十年で全体が市街化になるべきところだと言われたそのことが逆におかしいのではないか。それならば、逆にこの際改めてこのところの線引きを見直してみるような考えがあるのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○松山政府委員 先生御指摘のように、本来市街化を進めるべき区域ないしは市街化を予定する区域として予定されております区域の中に、かなりの農地が残っておることは事実でございます。都市計画の線引きの問題でございますので私から申し上げるのはいかがかと思うわけでございますが、現実に市街化区域の線引き見直しというのはたしか過去二回ほどやられておりまして、私ども農林省といたしましても、その地域の土地利用あるいは土地需要の実態等を勘案しながら建設省の方にいろいろと御協力し、的確な土地利用計画をつくれるような努力をしてきておるところでございます。
○大矢分科員 大臣は農水大臣であると同時に国務大臣としてすべてのことにかかわっておられるわけでありますが、大阪市としては逆線引きをするつもりはないのだということを言っておるわけですね。それについてどのようにお感じになりますか。
○松山政府委員 長期的に見て、しかもまとまりのある形で農業をやっていくという腹のあるところでは、場合によったら逆線引きしてでも農地を保全するということは必要だと思いますが、むしろ長期的には市街化していく区域としてその地域の人々がお考えになっておる、ただ現状において農業が営まれておる、農地として存在しているという場合が多いんじゃないだろうかというふうに考えられるわけでございます。そういう意味では、市街化区域内の土地のあり方の問題としまして、先ほど大臣からもお答えしたところでございますけれども、地域、地域の人々のいわば町づくりの合意を前提にしながら良好な宅地形成が行われるような条件整備を進めて、これを土地局の方にやっていっていただきたいものだ、私どもとしてはそのように考えておる次第でございます。
○大矢分科員 私は大臣にお伺いしたいのですけれども、市内については逆線引きはしないということですし、そういう方向でいいのだろうということだと思うのです。そうなりますと、私がお伺いいたしたいのは、それは自然の流れでそうなるであろうということでございますけれども、市街化したところはもう農業ではないんだ、農民ではないんだということで、農水省は関係ないんだということでやられるのか、それとも農民に対して親切に、どうその土地を転換させていくのがいいのか。というのは、今いろいろなことを言われておりますけれども、農業に従事していらっしゃる方というのは、もうそれだけで、戦前からずっと農業をしてこられた方でありますから、ほかのことに適していらっしゃる方ではございませんし、またそこには農業の後継ぎの方も若干は出てきたというところもございますが、その場合にはどうすればいいのか。農業が平気でできるようなところを求めてかわっていく、それも一つの方法でございましょうし、またその方が生涯やっていくにしても、できなくなればどういうふうに転換したらいいのかというところまで親切に対応すべきだと思いますけれども、今まで省として対応してこられたこと、どのようなことがあるのかお教え願いたいと思います。
○佐藤国務大臣 いろいろ今先生も前段でおっしゃったように、もう農地は要らないんだというような批判もあったりいろいろあると言われましたけれども、偽装農地と言われていることについて非常な批判があるという一方、大都市においては、大阪の数値は私、今余り承知しておりませんけれども、例えば東京であれば葉菜類、葉類ですね、コマツナとかつまみ菜とかそういうものの供給は、都内の青果市場に出荷をされ流通されておるものは東京都で生産されたものが第一位である。その他のものは地方から入ってきて市場を通じて流通をしている。そういうことも考えれば、大阪にもまた似たような状況もあろうかなと考えております。だから、全部が出ていってもう大阪は農業は要らないよというような考え方を持つのはいかがなものか、こう思います。
○大矢分科員 大臣の言葉はわかるのですけれども、それなら都市計画上の市街化区域とは一体何なんだ。大臣は、農業をやっていってもいいんだからというのならこれを見直しをするとか、またこのままで農業を一生涯続けていけるんだということならいいのですけれども、土地問題が出てくると常に農地が悪者にされる。何であんなところで、坪百万もするようなところで農業をやっているんだということを言われるわけですね。ですけれども、大臣おっしゃるように、そういうものも必要だから続けていったらいいんだということになってきますと、農業従事者は、農民の方は一体どうしたらいいのか。片一方では、線引きでは農業をやらない地域だと言われて、片一方では大臣のように、非常に一面理解のあるような言葉ですけれども、どうぞどうぞやっていてください、これから我々はどうしたらいいのですかということを我々に聞かれた場合に、そういう人たちにどういうふうに言ったらいいのか、それを私は教えてもらいたいから御質問しているわけなんです。 施策の上で、これからも、それは市街化区域といえども農業をやる人は永久にやれるんだ、今言われている宅地並み課税にしましても、そういうことは心配要らぬのだ、ずっと農業を続けなさいというのか。これはもう五年ごとに見直しがあって、また五年先にこの課税の問題についても今度はだめなんだ、だからそのときが来てからもう農業できませんよということになったってすぐに転換できないわけですよ。四十四年から十年かかったときに、将来どうするのだということをやはりもっと親切に教えてやっていただかないと、大臣の気持ちとしては当然そういうものがあったらいいのだと言うけれども、これはそのときの言葉であって、永久にそれができるようにすべての施策が、国の施策がなっていくのかどうか。そういうことは任せておいてくださいというなら、自治省は自治省でまたそういうことが、今後も農地をそのまま農業として続けていく場合には宅地並み課税はしないのだ、これはもう国務大臣として責任を持って言えるのだということならそれでもいいのですよ。ただ、言葉の上だけでやってくださいと言われたって、こちらがもしそういう指導をした場合に、相談を受けてお答えした場合に、その時期になって今度はできないのだ、宅地並み課税になるのだということになった場合に、我々は我々でやはりその人たちに将来も責任があるわけです。ですから大臣にお聞きをしているわけです。
○佐藤国務大臣 これはなかなか難しい問題ではありますけれども、やはり市街化区域というものがどのようになっていくかということについては農林水産省だけでまたできる問題でもない。特に地価の高騰とかあるいは相続税等の税制上の問題とかいろいろ議論されるわけでございますけれども、やはり我が方といたしましては、市街化区域というものはおおむねかくあるべきというそのことは認めながらも、一方において地域農政という観点から、大阪府、大阪市がどのような考え方でいるかというのを常にすり合わせながら進めていく必要がある、これを無視するわけにはまいらぬ、こう思っております。
○大矢分科員 ですから、大臣の言うこともわからぬではないのです。しかし、きょう言ってあしたいろいろな方向転換ができるのと違うわけですからね。やはりそういう現状を踏まえながらというのはわかるのですけれども、将来どちらを向いていけばいいのか。例えばどうしても農業を続けたい人は農業振興地域のところへ行きなさいとか、そのためにはこういうことをいたしますとか、またどうしても転業しなければならぬ場合には、もう昔の農業の方というのは単純に土地の半分は売却して、あとの半分で文化住宅を建てるというのが昔のやり方ですけれども、これから一体その土地をどう市街化のために使っていくのかということを、市町村も農民のためにやってこられた農水省も一緒になって考えていかないと、ただ単に、現状はあるのだからあってもいいのだということだけでは、五十七年ですか、納税猶予制度ができて、今度五年たって、あと五年したらこれがどうなるかということになりますね。そのときになって、またどうだこうだということではなしに、どうしても農業を続けていくべきだというところについては逆線引きもあえておやりになったらいいと思います。また、どうしてもそういう意思がないという市町村については、将来農業を続けていく後継者がある場合には、そこでもできるのだという甘い考え方を持たせるということはその場限りのことだと思うのです。将来までもそこで必ずそういうものが生産にとって必要なのだということなら、僕はやはりここは逆線引きをすべきだと思うのです。逆線引きができないというなら、これはやはり転換していくためのあらゆる施策をしないと、その後三年、五年では転換しにくいと思います。 そういう人たちは将来にかけてそれだけでやってこられた。何も値上がりを待っているのではなしに、朝早くから起きて農地に出て一生懸命物をつくっておられて、その土地の値段からしたら全然合わないような、今おっしゃるように、確かに大阪でもそういう近郊の蔬菜をつくっておられます。しかし、そんなものは単価からいえば全然合いません。極端に言ったら生産の単価では全然合わない。それでもつくっておられます。それは何も値上がりを待っているわけでも何でもない。そういう人たちはそれで一生過ごしてきたわけですから、そういう人たちに対して将来こうですよという、そのことしかその方たちはわからないわけです。それに対してもう少し親切に言うていただかないと、その場その場でやられたのではその人たちがその場になってまた慌てることになる。 ですから、大臣はこういうことに非常に経験が豊かですし、また現状をもう一度見ていただいて、そういう方たちにどういう指導をしていったらいいのだということを、そういう市街化区域の農政を扱う、そういう全般的なことが行える窓口をつくっていただくべきだと私は思う。そうでないと、ただ単にそのときそのとき出たことは、なるほど文章的には立派な言葉ですけれども、現実の問題としてこれから一体どうしたらいいのだと聞かれた場合に、私どももずっと責任がありますからね。あなたはああいうふうに言うたけれども変わったじゃないか、また、こう変わるんだとあなたは言うたけれども、ずっと農地でやれるじゃないかと言われたら、これはどうにもなりませんので、そこら辺、長期の展望をもう少し出していただいてもいいのじゃないかと思いますが。
○松山政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、まとまったもので、まとまった農地で将来ともやろうという場合には当然線引きの可能性もあるわけでございます。あるいはまた、農地を買いかえていくといった場合には税制上の特例もたしかあったというように記憶をいたしておるわけでございます。要は、その地域地域での土地利用のあり方、あるいは農業のあり方についてのコンセンサスをどうつくりながら農業として生きていくのか、あるいは宅地化の方に向かうのかといったようなところの調整の問題がまず一つあるのだろうと思います。 同時に、制度的な問題として申し上げれば、御案内のように生産緑地制度といったようなものも一つあるわけであります。それにとどまらず、さらに中長期的な観点から何らかの計画制度的なものが要るのか要らないのか。これは都市計画法の世界の話にはなるわけでありますけれども、私どもといたしましても、農地を考える立場からも、ひとつこういうことも今後の検討課題にはしてみたいと考えておる次第であります。
○佐藤国務大臣 一口に言って、我が方の考え方も申し述べたわけでございますが、我が方所管の外にあるものは表現を割合遠慮しながら答えている部分があるのでちょっと歯切れが悪いなと思われるかもしれませんが、縦割り行政と言われないように検討いたします。
○大矢分科員 今言われました生産緑地制度というものはどの程度利用されているのですか。
○松山政府委員 二つの種類の生産緑地がございますが、地区数といたしましては、指定状況ですが千二百六十五地区でございます。
○大矢分科員 そういう制度があっても、それがうまく運用しないから固定資産税の納税の猶予制度というのができたと思うのです。全般的に全部の制度というのが市街化区域については農政から外されている。ですから大阪府なんかは、農林省から外されているものを単費でもって補助事業等をやっておるという現状があるようですけれども、そうですか。
○松山政府委員 市街化区域内の農地は本来市街化を進める土地ということで、転用の扱いにしましても届け出になっているといったようなこともございまして、長期にわたる投資はやらないということでやっております。現実に農業が存在しておる、一定の都市農業としての役割を果たしておるといったことを頭に置きまして、例えば防除でございますとか普及でありますとか、その農業が維持されていくのに必要な施策というのはその中でもやっておるわけでございます。これは農林省としてもやっておるわけでございます。 なお、各地方自治体におきましてそれぞれの実情に応じた施策は行われておるというふうに承知をいたしております。
○大矢分科員 大臣、今度の新しい予算で市街化区域等水田転換緊急特別対策プロジェクトということで、これは新規事業ですね、こういうことで市街化区域にもNTTの資金四十億ですか、これを使うような予算が出ているわけです。ですから、一貫してこうなんですよということでないと、片っ方でまた新規事業をやるわ、片っ方ではもう先がないわ、一体どうしたらいいんだということを私は先ほどから大臣にお聞きしておるわけです。ですから今後農水省でも、どこにお聞きしたら市街化区域のことが全部わかるんだという窓口、これからも含めてどういうことをやるんだ、現状はどうなっておるかもっと調査をしていただいて、そういう完全な調査の中で今後どうしたらいいんだということを出していただくセクションをつくっていただきたいということをお願いしたいと思うのです。
○松山政府委員 一応農林省の中といたしましては、私どもももちろん関係するわけでございますが、たしか省の窓口としては大臣官房の企画室というところに地域担当の参事官のグループがございまして、そこで担当いたしておるわけでございます。 なお、ちょっとお話のございましたNTT資金を使いました水田転換緊急特別対策プロジェクトでございますが、これは御案内のように一つには緊急に相当規模の畑地転換を行う、かつ土地改良の世界で許される限りの非農地の造成、生み出しをやるということで、言ってみれば当面の営農に必要な範囲で行います畑地転換のための経費を貸し付ける、こういう趣旨の事業というふうに御理解をいただければありがたいと思います。
○大矢分科員 時間がありませんが、市街化すべきところに四十億というのは、もらう金と違うのですから、金をかけてまた返さなければいかぬ金なんでしょう、無利子であっても。そういうものを使って向こう十年間という間に返していけるのかどうかということ。片っ方ではまたそういうものを推し進めていくというし、それならそれでそこはもう農業地域に変えたらいいわけですね。市街化調整区域に変えたらいいわけです。そういうことも含めてやはり不思議なようなあれなのでお聞きしているので、その点よく検討願ったらいいと思います。 ただそういうことで、農民おのおのそうですけれども、大阪市の農協にしても全然性格が変わってくると思うのですね。それは農業なら農業を認めていくんだということになればそれはそれで一つの行き方があると思いますけれども、それにしてもこれ以上伸びていくということはないわけであります。ですから、この大阪市農協に対しても適切な指導をしていただかないと将来生産事業というのは上がってこないですし、そうなりますと信用事業だけ一本でやっておる。私も大阪の議会のときに、大阪の農協が府の保証協会の保証を受けられるようにということで、保証協会の定款を変えさせて農協が少しでも有利に資金運用ができればいいと思ってやったことがあるのですけれども、なかなかそれができない。ワンマンのところでは自分で貸し付けて焦げつきしてみたり、消極的な理事長のところは全部信連に預けたりということで、なかなか自分のところで貸し付けるということが、僕はせっかく制度をつくりましたけれどもそれが運用されてない。 全国的にはやはり農協が単協として成長していくためにはそういうことも、農業圏だけのところはいいといたしましても、市街化区域を持ったところ、また大阪市なんか全部市街化区域ですから、そういう農協を今後どういうふうに進めていくのが一番いいのか、信用事業として成り立つように、また将来は信用事業としてだけの組合としてやっていけるように、これは農水省だけでなしにほかの省庁とも関係があると思いますけれども、そこらも含めて今後これも農民と一緒に、農協も特に大阪市のような市街化区域だけの農協なんというのはそれにどう向かっていったらいいのかということも、今ございましたら結構ですし、なければ将来に向かってそういう十二分な指導をして農協が信用事業だけでも立っていけるようなことを考えていただきたいと思うのです。
○佐藤国務大臣 今おっしゃるそこが非常に難しい問題でありまして、農協批判というものが今部分的であっても、全国的に部分部分によって農協批判もある。その農協が信用事業だけで事足りるとするのか、そう割り切ることによってそこがまた批判の多く出てくるもとになるかもしれません。あるいはまた単協、県連、全国団体、二段制、三段制論議がいろいろまた議論になってくるであろうと思います。 そういう中にあって、先ほど来申し上げておりますように、地域農政との絡み合いということを考えますと、団体の指導ももちろん私どもの責任でやらなければならぬ問題でございますが、また同時に、大阪であれば大阪府、大阪市の行政当局と意見交換を図りながら、その計画を承りながら、その地域の実情に合った地域農政というものは進めていかなければならぬな、かように思っております。
○大矢分科員 もう時間が参りました。今の問題でも全般的な問題と市街化区域だけの地域を持つ農協とでは事情が違うと思いますので、やはり市街化区域について先ほどからお願いいたしましたように窓口を決めていただいて、そこでいろいろな調査をしていただいて、そして過ちのないような指導をしていただきたいということをお願いして、終わらせてもらいます。 ありがとうございました。
○志賀主査 これにて大矢卓史君の質疑は終了いたしました。 次に、寺前巖君。
○寺前分科員 私は、きょうはアユの保護問題についてお聞きをしたいと思うのです。 総理は「ふるさと創生」とおっしゃいますが、私の選挙区には、京都から百キロ、百五十キロと離れた雪深い日本海側がございます。森林地帯もあれば、アユの、そこではそれが郷土の産物としてみんなから喜ばれているところがあります。 今、京都の丹後半島というところ全体に大きな国営の農地開発事業をやっております。農地開発事業によって、清流の汚濁という問題が出てくるわけですね。日本海側の宇川というところ、昭和二十七年以来京都大学の理学部がアユの生態調査を継続的にやっておられて、日本生態学会の陸水保護地域にも指定され、国際生物学会も自然保護地域に指定し、国際的にも注目されているところがあるのです。ところが、昨年の六月から、この宇川の上流部に当たる宮津市の木子というところです。今ですと雪が一メートル五十から二メートルもあるでしょう。この木子地区の国営農地開発事業による農地造成のために、アユの産卵期前の八、九月に三回、局地的な大雨が降って、宇川支流の須川に大量の土砂が流れるということが生まれた。そのためにアユの生育と産卵場の破壊が心配されて、私もすぐに来いというので行きました。山をはいだ開発による河川の汚濁のひどさに驚いて、近畿農政局長にも帰ってきてすぐ会いました。そして第二期工事での工法の再検討をやってもらう必要があるのじゃないか、また被害が実際にことし、要するに雪どけ後になってくると非常に明確になってきますから、そのときにはきちんと補償もしなければいけないよという問題提起をして帰りました。 ところが、つい先日、地元の学校の先生らでつくる宇川アユ研究会が調査したところ、昨秋の稚アユふ化が大幅に減少し、六十一年稚アユ数九百四十万匹、昨年は遡上が多かったのに六百七十万匹と三割も減っているということが明らかになってきました。このままでいけばことしの遡上は激減することが予想される。原因は、ウォッシュロード現象による微粒砂が岩に付着し、アユのえさである藻類がつかず種アユが発育不全となっていたこと、また二カ所あった産卵場のうち一カ所が微粒砂でだめになり、残る一カ所に集中し、産みつけた卵を傷つけたり流したためと見られるというのです。 そこで具体的にお聞きしたいのですが、国営農地開発事業の工法、再び被害が出ないようどう改善するのか、微粒砂の流出を完全に防ぐことは難しいと聞くのですが、一体どういうふうに見ておられるのか。また、ことしの遡上大幅減が心配されるが、被害補償はどういうふうに考えられておるのか。以上、まずは聞きたいと思うのです。
○松山政府委員 御指摘の事業は丹後東部国営農地開発事業という名称で呼んでおる事業でございます。この事業の実施に当りましては、事業の着手時から工事によって下流の河川等に影響を与えないようにする、こういう観点で勾配を緩やかにするといった造成工法を検討いたしますとともに、土砂の流出を防止するための沈砂池といいますか、砂を沈める池を設けるなどして配慮してきたところでございます。しかし、去年の台風時期に工事中の造成地の一部から若干土砂の流出が見られているようでございますので、今後の施行に当たりましては、今ここで具体的にこういう工法でとちょっと申し上げにくいわけでございますが、さらにきめ細かく工法の検討を行いたいというふうに考えておるわけでございます。 それでアユとの関係でございますが、私どもも今いろいろと事情を調べておるわけでございますけれども、命まで私ども調べました限りでは、六十一年と六十二年の間でふ化率の低下があったという情報も承知はしておるわけでございますが、そのことと、かなり離れたところの事業でございますので、この事業との因果関係が必ずしも明らかではないというのが現状でございまして、私どもとしては引き続き事情の調査をよくやっていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○寺前分科員 若干見られるという程度じゃないのですよ。私は降った後すぐ行くのですよ。途中ずっと、全部歩きました。宮津の木子というところからそこまでは随分離れているのです。海岸線のところで産卵をしますからね。そこを全部歩いた。現地の所長も途中までついてきました。その間にいろいろありました。スキー場のところのものが流れ込んだんじゃないだろうか、そこにも池があったから。違いますな。私は工法上もこれははっきりしなければいかぬと思う。沈砂池なんというものが初めからあったんじゃないのだよ。山肌をばあっとやってしまってから、それから沈砂地をつくったら、いっとき雨が来たらそんなものは流れる方が早いです。沈砂池の役割はしないですよ。沈砂池をつくるというのだったら、何はさておいても沈砂池を先につくってしまってから、それから肌をはがなかったらそんなもの、もつものじゃありませんよ。私はもっと研究してもらわなければいかぬと本当に思う。先ほど言いましたように、下流に国際的にも注目されるようなところがあるときに、さて沈砂池をつくったくらいでいいのだろうかという問題もあるんだ。川の流れそのものも相当研究しなかったら大変だなということをつくづく感ずるのです。 水産庁、一体どういうふうに思っておられるのか。たった三回の大雨でもう既に三割の減だということが言われるくらいになっているのだ。アユというのは非常に微妙なものです。私も初めて現場で教えてもらったけれども、石を見てみなさいというわけだ。筋がついていますやろう、あれはアユがばあっとえさを食っていった跡ですのや言うて、非常に微妙だというのです。だから沈砂池をつくっても、上から流れていくものがその岩についただけでもうあかんようになっていくんだ。アユは非常に微妙な魚だというのだ。それだけに微粒砂のアユヘの影響についてもっと積極的に研究しなければいかぬと思うのです。水産庁長官、この問題についてどうですか。
○田中(宏尚)政府委員 ただいま先生からお話のありましたように、アユは内水面漁業としても重要なばかりでなしに、生理的にも非常に微妙な生物であることは確かでございます。我々といたしましても、それぞれの地域の産業の振興という観点から何とかアユの育ちやすい、すみやすい河川ということで従来からもいろいろ気をつけてきているわけでございます。 本件につきましては、ただいま構造改善局長の方から国営事業の担当局長としてのお答えがございましたけれども、残念ながら水産庁といたしましても、あの地域のアユの減少とあの事業との因果関係というものについて確たる調査は現在のところまだ行っておりませんし、ただいま構造改善局長からお話がありましたように工法も含めて今後検討ということでございますので、我々水産原局といたしましても注意深く連絡をとりながら今後対応してまいりたいと思っております。
○寺前分科員 それじゃ大臣にお願いしておきますが、現地の諸君たち、私も見てそう思うのだけれども、アユの被害というのは微妙なことで出てくるものだという角度からもう一度見直しをさせてほしいということと、工法についても、微妙だから山肌を先にばあっとやってしまうような工法は改めてもらいたい。沈砂池のあり方についてももっと研究をしてもらいたいということをお願いしたいのですが、大臣、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 大規模な農地開発事業、そのやり方等従来ともいろいろ問題のある場合もあるわけでありますから、周辺環境、そういうものには悪い影響を与えないように当然のことながら配慮する必要がある、私はそう思います。これまでも調査をしてきたというふうに私聞いておりますけれども、さらに地域住民の理解も得ながら事業を円滑に進めていくためにはやはりこの調査を適切にやっていかなければならない、こう思っております。
○寺前分科員 そこで、各地で開発が生まれるものだからいろいろ起こってくるのですね。滋賀県の琵琶湖全河川のアユの生産、稚アユを含みますが、もう琵琶湖といえば全国の河川放流のアユの七割を供給しているところなんですよ。その滋賀県に、京都市の左京区の大見川というのと百井川という二つの川が流れ込んでいるわけですよ、ずっと京都から滋賀県に。その流れ込んで琵琶湖に入るところが実は安曇川というところになるわけですけれども、そこのところで琵琶湖全体の四分の一の稚アユができているんですね。アユが生まれているわけですよ。ですから、この上流部分で川の汚染をやるとなると直接滋賀県の琵琶湖のアユに影響することだから、何か京都のことであって、大分先の話だなというわけにはいかないのですよ。これは非常に微妙なんです。やはり今の私のところの話と同じなんですね。そういう現象が起こっているんですよ。私はそういうふうに滋賀県の位置、琵琶湖をめぐる位置というのは非常に高いと思うのですが、水産庁はどういう認識をしておられるのか、まず最初にそれを聞いておきたいと思うのです。
○田中(宏尚)政府委員 ただいま先生からお話ありましたように、琵琶湖産のアユの種苗の供給量、これは全国で大体七百トンの放流用種苗がつくられているわけでございますけれども、このうち七〇%を占める約五百トンというものが御指摘のとおり琵琶湖産で供給されておるわけでございます。こういうことで、内水面漁業、特にアユの漁業につきましては琵琶湖の占める地位というものは全国的にも非常に大きい地位でございまして、我々といたしましても非常に重視しているということは御指摘のとおりでございます。
○寺前分科員 それでは、何か特別に河川に対する保護の対策でもやっているんですか、その安曇川について。
○田中(宏尚)政府委員 こういうアユを初めといたしまして、いわゆる内水面漁業、こういうものにつきましての漁業権の法規制でございますとかいろいろな手だてというものは、それぞれ一番地元事情を熟知している都道府県知事、これに第一義的には任せてございますので、そういう地元段階でのいろいろな動きというものを常日ごろ注意深く見守ると同時に、いろいろな機会に指導なり助言なりということに努めている次第でございます。
○寺前分科員 いや、私は県を越えてしまうから、総合的にちょっとよう見なければあかんでと思うのですね。そういう全国の七割を占める位置を占めておるのやから、こういうのはよく見なければいかぬと思うね。 そこで、京都市でどういうことが進んでいるかというと、大見総合公園計画というのがあるのですよ。これは用地買収五一%、反対地権者八十一名で、住民や土地所有者の反対とアセス要求で六十二年にアセスが実施されたんです。私もここに持っておりますが、その結果は、ちょっと大き過ぎるでというので当初計画を縮小し、それでも造成面積は四十三ヘクタールで、盛り土の量が六百五十万立米、一日八百台の十一トンダンプが今後十年間も残土を運び、埋め立てるという計画だ。騒音や公害も大変だけれども、同時にこのアユの被害が心配になるという問題が上流部の一番いいところで起こるわけですよ。 そこで、水産庁にお聞きしますが、先ほどの京都の丹後の宇川の場合でも、山肌をばあっとはいで、たった三回の大雨が降っただけで大変な流出が生まれて汚濁被害が生まれるというんですが、これだけの大規模なものを、上流部分で残土をだあっとほうり込んでやって、これは待てよという気にならぬのかどうか、どういうふうに考えておられるのか聞きたいと私は思うんです。
○田中(宏尚)政府委員 ただいま御指摘ありましたように、京都でかなり大規模な公園の計画が進んでおるようでございまして、これにつきましては、長い間のいろいろな経緯の積み重ねの上で去年環境アセスを行い、これを公示いたしまして、現在地元関係者の意見を聴取していると聞いているわけでございます。この中で、例えば地元の大津市長、ここからは環境アセスについていろいろと問題点なり反対の意見表明というのもございまして、近々滋賀県としての意見をまとめ京都府に提出するという段階に来ているようでございますので、我々といたしましてもこの環境アセスの中身というものは技術的あるいは事務的に検討させていただいてございますけれども、地元の関係といいますか、それぞれの地域の話し合いということがこういう環境を守っていくためにやはり一番長続きするということでございますので、当面は両県での話し合いなり調整というものを見守ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○寺前分科員 環境アセス、京都市がやったのを見ますと、その中にこう書いてあるのですね。現在と比べて濁水は、大雨や中雨が降った場合には直下流で十五倍から三十倍になるだろう、こう書いてあるのですよ。そして年平均二十二回大雨、中雨が降るというのですよ。さっき私、三回の問題であれだけの大変なことになると言うたでしょう。そうしたら、二十二回も大雨や中雨が降ってくるのが平均だと言うておるのだから、これはただごとでない状況が生まれる。 それで、水産資源保護法にはこう書いてありますよね。大臣は「水産資源の保護培養のために必要があると認めるときは、」「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつその他水産動植物に有害な水質の汚濁に関する制限又は禁止」をやるということを言っていますよ。法律に全部書いてある。そうすると、これは有害なんだから、今両県の調整を見守っているとおっしゃるけれども、見守るどころか積極的にこの計画を分析して、水産庁として意見を言うくらいにならなんだらいかぬのじゃないだろうかなということを私は思うんですけれども、いかがなものです。
○田中(宏尚)政府委員 本件は、先ほど来お話がありますように、地方公共団体である京都市というものが事業主体になりまして、いろいろな経緯を踏まえて環境アセスをやり、現在地元の方との接触に当たっているという段階でございます。そして、こういう環境を守り次世代に引き継いでいくという仕事は、一片の法律で上からぱしっとやるということではなしに、やはり事業主体と地元関係者、こういう方々が将来に備えてひざを交えて話し合いを深めていくということが何といいましても永続させるもとかと思いますので、両者間の話し合い、しかも環境アセスということを通じまして、滋賀県も近々関係市町村の意見なりというものを取りまとめるという段階に来ているようでございますので、それを見守ってまいりたいというふうに考えております。
○寺前分科員 それで、下流の葛川、朽木村、広瀬、北船木各漁協はみんな漁協として反対していますわ、こんなのはむちゃくちゃや、そんなことをやられたらと。それから高島郡七町村も町村として反対決議を上げてきて、漁民として、隣の県の市長さんのことやけど、むちゃやと言っているわけですよね。よく踏んまえていただきたいのです。 建設省お見えですかな。――大見の運動公園なんですが、周辺全部いろいろやる、こう言うのですけれども、あの運動施設の計画を見ても、十六ヘクタールなんですね。そうすると、あすこへ何も盛り土してやらなくたって、運動公園だったら田んぼを埋めただけで、平地でできるんですよ。ところが、この公園では周辺を埋めていく計画になるのですね。埋めていくというのは残土ほかしということですよ。その残土の上にいい土、良質の土を入れてそしてここを運動公園、自然環境を守ってみんなに来てもらうところにするんだ、こういう理屈なんですが、結局、運動公園というのは看板であって、中身は残土をほかすということが一番のねらいになっているわけです。そうすると、建設業者に言わせたら、残土をほかしに来て上にいい土を入れるなんてことはわざわざしません。いい土は別なところで高く売れますさかい、こんな二十キロも離れた山の中まで来ませんわ。こう言うておるんです。だから本当にまじめに運動公園を語るのだったら、残土ほかしはやめたらいいのです。あなた、率直にもっといい土を初めから入れてやればいいと思う。 だから、残土ほかしでうまいこと金をせしめるのか何か知りませんけれども、そこがねらいであって、下流が迷惑をするというような計画になるとするならば、これは住民が反対するのは当然のことだと思うのですよ。建設省としてこの公園計画についてどういうふうに見ておられるのか。私は、関係住民の意見を聞くと、残土の廃棄、埋め立てが目的だからそんなものはやめろ、こういうふうに言ってほしいなというのが住民の意見ですし、下流の皆さんの意見なので、建設省の見解を聞きたいと思います。
○曾田説明員 お答えいたします。 大見公園につきましては、御指摘の点について都市計画決定を五十五年にいたしております。そして先生の今のお話にございましたように、昭和五十七年から六十二年までの六年間にわたって京都市におきまして学識経験者等から成る調査研究会を設けて十分に環境影響調査を実施してきているということでございまして、その調査結果をもとにいたしまして今住民に説明会をし、そして滋賀県等にも意見を聞いているというふうに聞いているわけでございます。 建設省といたしましては、これらの結果をお聞きしまして、そして必要に応じて適切に指導してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○寺前分科員 もう時間が余りないのであれですけれども、適切に指導してくださるんだったらひとつぜひ適切にお願いをしたいわけです。 ところが、ここへ残土を運び込むためには道路が要るということで、もうお聞き及びだと思いますが、保安林を勝手に解除するということを、大臣、京都市がやったんですよ。勝手に保安林を解除してしまいました。保安林を切ってしまった。それで道を広げてしまった。それで問題になって、原状回復せいと言われて、今度は木を慌ててまた植えなければならぬ。慌てて木を植えたものだから地域住民から、公金をむだな使い方をするといって裁判所まで行ってしもうたわけです。負けておるんだ、京都市。むちゃくちゃやっておるんです、京都市のこのやり方が。 ところが、その途中で今度はまた保安林の指定解除の申請を出したのです。それでまた住民が怒っておるのだ。なぜかというと、おれの土地勝手に保安林を解除することができるのか、こういう話になっている。市は買うているわけでも何でもないのに、一定部分は買うておるんですが、個人の土地がいっぱいあるのや、そこに木は植わっておるんねん、それを解除してくれと勝手に申請している、そんなことできるのか、おれの知らぬ間におれの木が勝手に保安林から解除されたり、勝手に保安林になったり、そんなことになるものかと言うて、また地域の人は怒っている。 ちょっと林野庁の人に聞きますけれども、そんなこと許されるのかいな。
○松田(堯)政府委員 五十六年当時、まだ解除を行う前に、事前に京都市が道路工事について着工した、こういったような事実がございます。それにつきましては、復旧命令等出しているところでございまして、そのような措置が行われているところでございます。 現状京都市がどのような御意向を持っているかはっきりいたしませんけれども、保安林の解除につきましては、保安林解除に利害関係を有する地方公共団体の長または解除に直接の利害関係を有する者ということになっているところでございます。
○寺前分科員 だから関係者が同意しないものを、土地所有者、木を持っている人、この人の同意なしに勝手に解除するというのはできまへんやろ、そういうことですな、これは。間違っていますか、私の解釈。
○松田(堯)政府委員 申請ができるものと、それから申請されたものがどういう要件を満たせば解除ができるかということは違っているわけでございまして、保安林の解除申請がなされた場合に、地権者が同意しておらないといったような場合におきましては解除要件を満たしておらない、私どもはこのように考えているところでございます。
○寺前分科員 結構でございます。それは当たり前やと私も思うのだけれども、そんなことやってまへんで、大京都市ともあろうものが。おかしな話やなと私は思っているのです。 さらに、これはまたちょっと山の奥の方になるのですが、大原百井地区というところで、これは安曇川の源流になりますが、民間業者から五十八年、五十九年、森林伐採計画が出され、残土処理を始め、その残土が谷底をあふれ、下流で泥水に見舞われるという被害が発生したのですよ。それで滋賀県の琵琶湖のところからずっと上流をたどって捜しに来た。そうしたら、こんなところでほかしておるわということがわかったのですよ。それで、府の調査で森林法の開発許可の必要な一ヘクタールを超す約五ヘクタールの開発だったために、府はその投棄を中止させた。これは当たり前のことです。その後、今度はちゃんと投棄できるように開発許可を得てやりなさい、そのためには泥水が下に行かぬようにちゃんとせいとかいろいろな指導をして、しかも下流の意見を聞きなさい、こう言うたのですね。 ところが次に、もう下流の皆さんの許可を得てきましたといううその報告を出して許可を得るという事態が生まれたのです。それで私の関係するところの議員さんが、もうそれは同意も得て、法的手続もちゃんと終わったんやなと思って滋賀県まで行ったら、まあ大騒ぎになっている。そんな同意したことあらへんでというわけですな。うそのことを平気で言うて開発許可までおりてしまった。そんなひどいものだったら、もうどんな文書出したってそんなものは信用にならないということで、きちっとした態度に出なかったらいかぬのと違うやろか、そういうふうに思うのですけれども、これは所管はどこになりますか。やはりおたくの方ですか。
○松田(堯)政府委員 開発許可につきましては各都道府県に委任しているところでございます。お話のあったことにつきましても、経過等承知しているところでございます。 現在、京都府において滋賀県、大津市、京都市、高島郡の行政関係者でこの問題につきまして連絡調整会議を発足させてこの問題の検討に当たっている、このように聞いているところでございます。
○寺前分科員 最後に、大臣にお聞きをしたいと思います。 重ねて、さきの丹後の宇川の事業について、私のところの結果ではないと思うという話もさっきちょっと――そうでもなかったのですかな、聞き損ないですかな、よく調査をお願いして、なるほどうちも責任があるなということになったらちゃんと補償をしてやってほしいと去年農政局長に言うておったことですが、ぜひそのことをお願いしたい。 それから、今の話についても、アユの問題は非常に微妙でございますので、本当に形式ではなくして、よくよくこれが占める位置を、残土をほかしてあるその目的なんか見てもらって、そしてちょっとでもいいかげんなことをした場合には絶対に許さぬぞという態度で対処してもらわなんだらアユは死んでしまう、私はそれを心配しますので、大臣の御所見をお伺いして終わりたいと思います。
○佐藤国務大臣 先ほども申し上げておりますように、よく調査をいたしまして、なおまた、アユがみんななくなってしまうというようなお話でございます、そういうことにならないように、まだ事実関係も私自身よく承知しておらない、ここで聞くのが初めてのこともございますし、ひとつ的確な対応をするようにここでその検討をお約束しておきます。
○寺前分科員 どうもありがとうございました。
○志賀主査 これにて寺前巖君の質疑は終了いたしました。 次に、井上泉君。
○井上(泉)分科員 大臣にまず最初にお尋ねをしておきたいのですが、日本では農業用地は不足しておるのですか、それとも余っておるのですか。どちらとお考えですか。
○佐藤国務大臣 ちょっとよく聞き取れなかったので済みませんでした。今聞きましたが、日本の農地が余っているのか余っていないのか、こういうお尋ねでございます。我が国の国民が全部輸入に頼らずに全部生産とするならばということについての数字はいろいろあるようでございますけれども、その中の一つとして、二・六倍ぐらいの農地があればというようなことも私自身前に聞いたことがございます。事ほどさように、日本の国民に安定供給をしていくための食糧、これを考えますと、基幹食糧はできるだけ自給をしている、足らざるところは安定的な輸入体制をとっているということで、我が国の場合は大変な輸入国になっておるということを申し上げておきたいと思います。
○井上(泉)分科員 いや、輸入国になっておるということは事実ですが、それは将来輸入国をやめるということの上に立って農業政策、農地政策を進めておるのか、それとも現在の食糧の輸入関係から見て、これは将来すぐにこの比率が大幅に変わる見込みもないじゃないか、そういう場合にあって、それでも日本の農地が現在の時点をとらえた場合には余っておるのか余っていないのか、その認識をお尋ねしたい。
○松山政府委員 今後の農業の姿ないしは食糧需給の姿につきましては長期見通しにおいて明らかにされておるところでありますが、おおむね現行程度の自給率を維持してという考え方のもとに、農地につきましては五百五十万ヘクタールということを前提にいたしました見通しに相なっており、私たちの方の土地改良事業といたしましてもそれを念頭に置きまして必要な整備を進めてまいる、こういうことで進めておるところでございます。
○井上(泉)分科員 あなた、それはちょっとわからない。五百五十万ヘクタールの農地があるということはわかっておっても、現在の時点で現在以上に農地が必要なのか必要でないか、それはどうですか。時間はわずか半時間しかないですから、どう考えておるのか。これは政治課題ですから大臣がそのくらいの認識を持っておるのではないかと思うて私は大臣にお尋ねしておるので、事務当局にそれをお尋ねしたわけではないのですけれども、事務当局としては、現在の農産物を生産するためには現在の農地で上等だとお考えになっておるのかどうか、そのこと。
○松山政府委員 やはりどういう立場でこれを考えるかということもあろうかと思いますが、現状程度の自給率を維持していくという考え方に立ちました場合には、やはり今の農地を維持しこれを有効に活用していくということが非常に重要な課題であるというふうに考えておる次第でございます。
○井上(泉)分科員 有効に活用しておると言うても、現実に有効に活用しておるのですか。水田を三五%減して稲作をなにして、その跡を有効に活用しておるのですか。
○松山政府委員 御案内のような米の需給事情でございますから、水田に米をつくるという形での水田の利用にはおのずから限度があるわけでございますけれども、先生御案内のように例えば飼料作物でございますとか麦でございますとか大豆でございますとかいったような日本が海外に今依存しておりますものの自給力強化と申しますか、土地の有効利用と申しますか、そういう観点からそういうものへの転作を進めておる、推進しておるというふうに理解をいたしておる次第でございます。
○井上(泉)分科員 それは、あなた東京におるから現在農地はどういう状態なのかということを御認識ないのだと思います。大臣は新潟の米の産地であるから休耕田が今どういう状態なのかということはよく承知だと思います。その現状を見て、これでよいのか、こんな休耕田をつくってそれでこんなに農地を荒らしていいんだろうか、そういう疑問が政治家としてわかないかどうか、その点をひとつ大臣。
○佐藤国務大臣 今日の水田農業確立対策、前に戻れば水田利用再編対策、そういう中で一連の世に言う減反政策というものが、生産調整が行われてきた。残念なことであります。やむを得ざる措置であると考えております。
○井上(泉)分科員 そのやむを得ざる措置をいつまで続けますか。
○浜口政府委員 現在の水田農業確立対策は先生御案内のとおり昭和六十二年から実施をしておるわけでございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、これまでのいわゆる減反政策といいますか生産調整の経験と実績とを踏まえまして水田農業確立対策を発足させたわけでございます。 この点につきましては、大きく分けまして二つばかりの特色があります。これは、現行の水田というものは我々の祖先といいますか先輩がつくった大きな遺産でございまして、そういったものを有効に利用しようということで、従来の水田再編対策におきましてはどちらかといいますと転作の方にウエートがあったわけでございますが、水田及び転作を通ずる生産性の向上ということを頭に置きまして、この点にウエートを置いております。 さらに第二点といたしまして、輪作農法の確立ということを明記しておりまして、これまで大きく言いまして二千年来築き上げました水田を有効利用しまして、あるときは水稲を植える、あるときは他の作物を植えるという形で有効利用していこうということを大きな柱として発足させたところでございます。
○井上(泉)分科員 それじゃ、現実に休耕田で六十二年あるいは六十一年にどういう農産物がどれだけ生産をされたか、それをお示し願えますか。
○浜口政府委員 六十二年から発足いたしております水田農業……(井上(泉)分科員「その前にも減反があったじゃないですか」と呼ぶ)それまでを含めまして転作水田の面積は七十七万ヘクタールでございます。この七十七万ヘクタールにおきまして現実に実施をいたしましたのは大体一〇二%の実施率でございまして、主な転作作物といたしましてまず麦、それから大豆、その他飼料作物、大体この三つが三大作物でございます。先生御案内のとおり、水田におきましての需要の減退といったようなものからここにおきまして我が国の自給率の低いもの、今三つ挙げましたけれども、そういうものを根幹といたしまして転作を実施しております。したがいまして、基本的には、この水田農業確立対策におきましてはそういった水田におきまして他作物が耕作をされておるという状況でございます。
○井上(泉)分科員 それで、休耕田でわきの作物をつくる。それは大体一〇二%とかいうことを言っておるようですが、ほとんどの休耕田が何らかのものをつくっておる、こういう御意見だと思うわけですが、現実につくっておるかどうか、農村を歩いたことがあるのですか。
○浜口政府委員 私が申し上げましたのは、七十七万ヘクタールの転作田におきまして転作作物の状況におきます主なものを申し上げたわけでございます。 先生の御指摘の休耕等々の関連でございますが、この点につきましては、各地域地域におきまして今の転作作物を生産しておりますけれども、それ以外の形といたしまして地域の農協等が主体になりまして管理転作といったようなものを行っている地域もございます。私もこの水田農業確立対策を実施する際におきまして農村地域を、全国各地をくまなく歩いたということではございませんが、各地域におきます典型的なところあるいは極めていろいろな問題において困難に逢着しているというところにつきまして実地に出張をさせていただきまして、具体的な地域を調査したことがございます。
○井上(泉)分科員 大臣は農村地帯、新潟という米作の中心地域をよく御承知ですが、現実に休耕田がどうされておるかということは十分認識なされておると思うわけですが、今のような休耕田対策で日本の将来の食糧の自給確立を目指す政策へ歩んでいくことができるとお思いでしょうか、これは何とかせないかぬとお思いでしょうか、どっちでしょうか。
○佐藤国務大臣 先ほども申し上げておりますように、生産調整という措置をとらざるを得なかったということを極めて残念に思っております、やむを得ざる措置だと考えております、こう申し上げておるわけでございまして、このまま続いていって日本農業はこれでいいのだというふうには考えておりません。
○井上(泉)分科員 このままでよいと考えていなければ、将来こういうふうな青写真で日本の農業というものは進んでいくものである、国民の食糧自給についてはこういう青写真のもとに農林行政というものを、農林政策というものを進めるんだという一つの展望というものを、農業白書、いろいろ出しておるわけですけれども、そういう展望を国民に知らしむ必要がありはしないか。国会では大臣は率先して自給確立の急先鋒であったことも承知をしておるわけですが、そうならなおさら日本の国民の食糧自給率は現在はこうである、そして現在の日本の農地はこういう状態である、ところが将来にわたってはこういうふうにしていくという一つの青写真を優秀な農林官僚を使って大臣の任期中につくられたらどうですか。
○佐藤国務大臣 将来展望への真剣な御提言であると今承りました。一昨年の農政審の答申、二十一世紀に向けてのを機会あるたびに申し上げているわけでございますけれども、しかしこれはまあ抽象的でございます。これを受けてさらに勉強をしなければならぬという一つの例示をするならば、米流通研究会、ここに出されたものをさらに具体的に実践をしていく、そういうこと等を考えながら将来の青写真というものは抽象的ながら描かれておる。しかし、具体的にまだまだこの青写真を詰めていかなければならない。そして私の任期中にどれだけできるかわかりませんけれども、私も重大な関心を持っておりますので、将来展望へのレールを敷きながら一つ一つ具体的なやれるものをやっていくということで、農業者側からもわかっていただけるような具体的な措置を運んでいかなければならない。もちろんその場合、流通関係者も、また消費者のニーズということも忘れてはならぬわけでございますから、そういう意味において、むだなことをやっているなというような批判を受けないように、需給のバランスということも十分考えながら、なおまた、第一線の指導的立場にある市町村行政におきましても、特に農協におきましても、考え方を自覚をしておるその面を具体的にあらわしていくべきだな、我々も両々相まって、行政としても責任を持って進めなければならぬ、かように考えております。
○井上(泉)分科員 私は大臣の見解を支持しますが、これは農林行政のことでありますから、イデオロギー的に物事をとらえるわけではないわけですから、その点は篤と大臣も理解をされての私は御答弁だと思うわけです。 そこで、私が最初に現在の日本の農地は余っておるか余っていないかという質問をしたのは、やはり草ぼうぼうの農地をたくさんつくる、これはまさに日本の国辱だ。私どもの愛する国土がこんな状態にあるということは外国の人が見たら、こんなに日本は農地を遊ばせておるか、こういうように思うだろう。その国辱を一掃するためにも積極的な農業政策というものをとらなければいかぬだろう。そこで、逆に今度は一方においてはそういう農村の状態の中で新しい開発事業というか、いわゆる田畑の造成事業というものが計画されておるようにも聞くわけです。それが六十三年度予算の中にも新規事業として幾つか計画されておるということを聞くわけですが、そういうのがありますか。
○松山政府委員 六十三年度におきます国営事業といたしましての農地開発事業でございますが、これは四地区で新たに事業を実施するということで提出いたしております。県営事業の扱いにつきましては、これからの話になるわけでございます。
○井上(泉)分科員 県営はもちろん県からの申し出もあることでありますから今は言いませんが、国営の事業について、やはり事務当局だけで考えるのでなしに、大臣も査定したのだから承知しておることだと私は思うわけです。国営事業としてどういう計画を、わずか四カ所ですから説明しても簡単だと思うのでひとつ説明してもらいたい。どことどことどこというふうに。
○松山政府委員 国営の事業につきましては、先生御案内のとおり、農地開発につきましては地元からの申請に基づいてまず行うことになっておるということを申し上げておきたいと思います。 地区といたしましては、飛騨東部という岐阜県の地区でございます。それから佐賀県の伊万里市、それから北海道の上川郡の萩野地区、それに北海道の天塩郡の幌延地区ということで、いずれも北海道につきましては牧草が対象、それから伊万里、飛騨東部につきましては野菜とか果樹等が対象、こういうふうなことに相なっております。
○井上(泉)分科員 それは面積はどれくらいですか。北海道は除いて本土だけの二カ所で。
○松山政府委員 岐阜県の場合は、農地造成分が五百三十八ヘクタール、あと若干の区画整理を別途行う、こういうことでございます。それから伊万里地区につきましては、農地造成を四百五十ヘクタール、そのほかにかん排事業とか区画整理を別途行う、こういうふうな事業内容になっております。
○井上(泉)分科員 私が承知をしておる範囲におきましては新しい農地の開発事業といいますか、そういう中には林地がたくさんあるということです。林地はやはり林業で栄えさせるようなことを考えなければ、林地を切り開いて農業用地をつくるというようなことは愚の骨頂だと思うわけです。そのことによる河川の汚濁というようなものを考えてみると、これはまさに逆な意味における国土荒らしになりはせぬかと思うのです。 大臣はその地域の地理的な条件、状況というものを点検なさったことはあるでしょうか。
○佐藤国務大臣 まことに申しわけありませんが、そういうことを全部承知しているわけではございません。承知しておりません。
○井上(泉)分科員 八郎潟で大干拓事業がやられた。ところがその後米が余って、八郎潟の農地も同じように千把一くくりに生産調整をやっている。農民は泣く泣くその生産調整に応じてやっている。そういう一方において新しく農地をつくってそこで何を植える、野菜をやる、あるいはミカンをやる。ではミカン農家はどうなっているのか。私は山を今さら開発をする必要はないと思うわけです。そういう点については、予算もいずれは通ると思うわけですけれども、通ったからといってすぐ実行するということではなしに、これは大臣にその地域の熱心な状況の把握をお願いしたいと思います。
○佐藤国務大臣 国費を投ずるわけでございますから、特にまた今御注意もございましたので、そういう意味では慎重な取り進めをいたしたいと思います。
○井上(泉)分科員 そこで、農業関係はあれして、今度は林業関係に移りたいと思うわけです。 林野庁の長官も局長として高知県、四国の山のことを大変熱心に取り組んでいただいたわけですが、今の林業というもの、林地、山の荒廃の状況というものは、私なんか山のことは実は素人ですけれども、素人である私ですらわかるわけなのです。そういう点からも今の山がこのままでよいのかどうか、山に対してはどうせないかぬかという、新しく長官になられたわけですから、山に対する造詣の深い長官ですから、ここに立派な青写真を描いて山村地域の人たちに光を点じていただきたい、こういうふうに思うわけなのです。まず、現在の日本の山林状況、そして林業の持つこれからの役割というものから関連して、長官の林業に取り組む姿勢についてお伺いしたいと思います。
○松田(堯)政府委員 林業は、長らく木材需要が停滞をしておる、あるいは価格が低迷をしておるということで、大変多くの問題を抱えておるわけでございます。一方、森林の状況を見てみますと、昭和三十年代からの拡大造林がようやく成果を上げてまいりまして、人工林も森林面積の約四割に相当いたします一千万ヘクタールの造林地が大変旺盛な成長を続けておる。資源的には、十年前と比較いたしますと、十年前の我が国の森林蓄積は二十二億立方でございましたが六十一年度は二十九億立方と充実をしてきている、このように考えているところでございます。しかし内容を見ますと、先ほど申し上げましたような林業事情からいたしまして間伐の手おくれといったようなものが目立つといった状況も見られるわけでございます。 国全体が豊かになってまいっておりますので、森林に対する国民の要請も非常に多様化しております。そういったような森林の現状あるいは国民の要請といったようなことを踏まえながらこれからの森林・林業政策というものを講じていかなければいけない、このように考えておるところでございますが、昨年、森林資源に関する基本計画を改正をいたしました。閣議決定をしていただいたところでございますが、今申し上げましたような状況の中で、伐期齢を長期化する、広葉樹資源を見直す、あるいは森林の機能につきましても木材の生産を初めといたしまして国土の保全、水資源の涵養、さらには教育的、文化的な活用といったようなことにまで及びまして森林を上手に生かしていきたい、このように考えておるところでございます。
○井上(泉)分科員 最初の問題に時間をとり過ぎて時間がなくなったから、私は一点だけ大臣にお伺いするわけですが、大体農林関係の融資の状況、資金の貸し付け状況の中で、今日八分だとか九分だとかいうような高利の金で林業農家が大変な苦難を味わっておる状態です。農林中金や農林漁業金融公庫等でこんな高利なもの、今の五分かそこらの低金利の時代に八分だ九分だという金利があってよいものかどうか、そのことを私は非常に疑問に思うわけです。そういう点について、この低金利の時代に、しかも林業が不景気なときに金利のそういう状態がありとするなら、それは改めるべきではないか。山を維持していくためにたくさんの資金を借り受けて、今度はその資金を金利を払うのにも苦労しておる、こういう状態が至るところにあるわけです。もしお気づきでなかったとするならば、それは関係者にお尋ねしたらわかると思いますので、だれかの言葉じゃないけれども、私はうそを申してあなたに申し上げておるのじゃないのですから、ひとつそういう実情を調査の上、適正な金利、今日の状況に応じた金利に戻すような努力をしていただきたいと思うのですが、大臣の決意をお伺いしたい。
○佐藤国務大臣 金利の動向というのは、刻々と随時変わっている状況にございます。そういう中にあっても、今農林中金それから農林漁業金融公庫のこともお触れになったようでございますが、系統金融あるいは制度金融両々相まって実効を上げていくという性格の農林金融に関連をいたしまして、適切な金利水準を維持していくよう、農林水産省の金融課を窓口としてさらに十分な対応をしていくように努力をいたしてまいります。
○井上(泉)分科員 きょうの農水大臣の答弁は非常に誠意がある、こういうふうに私自身理解をするわけであります。今私の質問に答えたことにひとつ積極的に取り組んでいただくように要望して、時間が参りましたので私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○志賀主査 これにて井上泉君の質疑は終了いたしました。 次に、永井孝信君。
○永井分科員 私はまず初めに、農水省並びに水産庁に対してお伺いをしたいと思うわけであります。 全国の河川に、農業用水であるとか、工業用水であるとか、いろいろな目的を持ったダムが随分つくられました。そのダムの中で、川の水面からはるか高いところにポンプアップをするというダムが一体どの程度存在しているか、もしわかっておれば教えていただきたいと思います。
○松山政府委員 まことに申しわけありませんが、今ちょっと手元に資料がございませんので、後で御説明させていただきたいと思います。
○永井分科員 分科会でございますからちょっと細かい問題で大臣恐縮でありますが、実は私の地元に加古川という一級河川が流れておりまして、この一級河川から工業用水、農業用水、上水道、いろいろな目的を持ってダムがつくられたり、また今つくられつつあるわけであります。例えばポンプアップするダムでいいますと、加古川本流からポンプアップするダムに、ダムそのものは県営の企業でありますけれども、平荘湖というダムがございます。これは既に長い間ダムの水を工業用水として使っているわけです。あるいは、国営事業で加古川大ぜきというのが今工事が進められているわけでありますが、その加古川大ぜきからポンプアップでダムに水を蓄えるということで、権現ダムというダムが実は今つくられているわけであります。あるいは、後の部分で触れますけれども、いわゆる農業用水を目的にした糀屋ダムというのがつくられつつあります。実は、これはいずれもポンプアップなんですね。 ところが、ポンプアップに思わぬ問題が生じてきました。私は、率直にその事実を申し上げて、善処してもらいたいと思うのでありますが、加古川という川は、前にも委員会で取り上げたことがあるのですが、アユという魚の漁では全国に非常に有名な河川なんですね。全国のアユの解禁よりも一カ月、全国で一番早く解禁される有名な闘竜灘というのが存在する一級河川であります。この川に漁業組合がありまして、この漁業組合の組合員はざっと三千人いらっしゃいます。漁業専業で生計を立てていらっしゃる人はごく少ないとは思うのであります、農業をされたり、いろいろなことで兼業が多いのでありますが、いずれにいたしましてもこの三千人という漁業組合の組合員は、加古川水系における漁業に生計のかなりの部分を頼っているわけであります。最近は、天然アユが大変減ってまいりまして、アユの放流ということをやるわけですね。これはどこでもやっておりますが。実は、このアユの放流を幾らしても川でアユがとれなくなってしまった。どういうことかといいますと、ダムが川よりもはるかに高いところにあるものですから、大変な馬力のモーターで水をポンプアップするのです。ポンプアップするときに、稚魚が全部ダムへ上がってしまうのですね。 きょうは建設省お見えになっていますか。初めにちょっと建設省に聞きますが、ダムに取水する場合に、ポンプアップした場合にアユの稚魚のような小さい魚を一緒に吸い上げてしまわないような設備が技術的にできるかどうか、建設省まず答えてくれますか。
○山内説明員 お答えいたします。 河川からポンプによって水を吸い上げる場合、一般には吸い込み口の前面にスクリーンというものを設けております。私ども河川管理者の場合は、それによって浮遊物等を吸い上げるのを防ぐのが目的でございますが、現在のところ、そのスクリーンの目より小さい稚魚が吸い上げられるということに関しましては、私どもとしては技術的にまだそういう対策を持っておりません。
○永井分科員 今のところはないとしても、これから先稚魚を吸い上げないような技術開発が可能かどうか、それをちょっとお答えいただけますか。
○山内説明員 私ども河川管理者の立場でいきますと、特に稚魚が入る云々ということは余り想定しておりませんし、私ども河川管理者として、水を吸い上げるケースは非常に少ないものですので、それに対する技術開発というのは現在特には考えておりません。
○永井分科員 大臣、あるいは水産庁長官はお見えになっておるのですか、ぜひひとつ聞いてほしいのですが、幾ら金をかけて稚魚を放流しても、それがほとんどが川で育たない。そうすると、漁業組合に加盟している組合員は網なんかでアユをとって販売ルートに乗せるのですが、それができないですね。あるいは、一般の人にアユを解禁する場合に、一定の料金を徴収して鑑札を出すのですが、アユが来ないものだからだんだん客が来なくなってしまった。これでは、アユの名所を抱えている加古川でありますが、アユ漁が全くだめになってしまうというのが現実の姿なんです。 実は去年の秋、平荘湖を見に行ったのです。もう五年ぐらい前ですが、地元の新聞が、平荘湖に大量のアユがわいたということでニュースになりました。そういうことがあったものですから、去年も漁業組合の人と私、一緒に見に行ったのですが、平荘湖の中に本当にびっくりするほど群れをなしてアユが泳いているのです。それは全部ダムへ上がってダムで大きくなっているのですね、人造湖で。ところが、放流した漁業組合はそのアユをとることができないのですよ、漁業権がないものですから。加古川の川には漁業権があってもダムには漁業権がないのです。これでは何のために放流したのか、何のために漁業権が保障されているのか、わからなくなるのですね。 これについて、管理は水産庁だと思うのですが、何か打開策を考えてもらわなければいかぬと思うのですが、どうでございましょう。
○田中(宏尚)政府委員 先生からきょうの御質問の予定がきのうございまして、きのう来地元の方にもいろいろと事実関係につきまして問い合わせなり調査を我々なりにしたわけでございます。現在のところ、加古川のアユの減収ということとダムでのアユの生息、この因果関係でございますとかそういうものにつきましても残念ながら必ずしもはっきりしていないという点があるようでございますけれども、ただいま先生からお話しありましたようにいろいろな現地の問題があるようでございますので、できるだけ県と十分に連絡をとりながら、適切な指導、対処をこれから行ってまいりたいと思っております。
○永井分科員 これから事実を調査してもらえばいいのですけれども、因果関係がわからないと言われますが、そのダムは流れ込む川は一本もないのですよ。ポンプアップ以外に水がたまらないのです。そして、工業用水ですから、川に流れ込むのじゃなくて、これまた大きな直径のパイプで工場地帯に全部水を送り込んでいる。いわば全く自然に入り込む。アユは上っていくのですが、これは前に、おととしでしたか、建設省の皆さんや農水省の皆さんに大変な御協力をいただいて、魚が上がりにくくなっている魚道を改修してもらいました。漁業組合は非常に喜んでいるのですが、その魚道のかなり上にポンプアップするところがあるのですね。だからそこから――アユは下流に放流するわけですが、それがだんだん上がっていくのですが、ポンプアップ以外にアユが平荘湖に入ったということは技術的に考えることができないのですよ。パイプで吸い上げてパイプで出すのですから、流れ込む川がないのですから。 だから、因果関係がどこまで証明できるかという問題もありましょうけれども、まずだれが見ても、漁業関係の人が見ても、ポンプアップで稚魚が吸い上げられたこと以外に考えることができないというのが現状でありまして、今ここでこうするとはっきり言えないにいたしましても、そういうケースはこれから――後で問題にしますけれども、農業用水のための糀屋ダムにしても、大臣行ってごらんなさい、ほとんど真っすぐに立ち上るぐらいの角度で、大きな直径二メートルものパイプで水をポンプアップするのですよ。流れ込むのじゃないですよ。加古川大ぜきが今つくられていますけれども、加古川大ぜきも全部ポンプアップですよ、流れ込む川はないのですよ。いわば機械の力で水を持ってきてためるのです。そこにほかから魚が流れ込むわけはないのです。そうするとそれの対策というのは、漁業に従事している人たちの生計を考えれば何らかの対策があってしかるべきだと私は思うのです。例えばその湖でアユをとることを認めるとか、どうしてもとれない場合、そこでとってはいかぬということならその場合の漁業権に対する一定の補償であるとか、何らかやってやらないと、上流にアユを放流するわけじゃないのですから、下流に放流するのですから、これから三つもポンプアップするところができたら加古川でそういう漁業は成り立たぬですよ。 だから、困果関係が今直ちにわかるかどうかという問題もありますけれども、もっと現実に――その湖は直接の管理は県かもしれません。しかし、加古川は一級河川であり、しかも漁業権ということになるとその所管は農水省、水産庁であるわけですから、そういう立場からいうと、現実に即したことを具体的に検討して、一定の処理、解決を図っていくということぐらいはこの委員会で約束してもらいたいと思うのですが、どうですか。
○田中(宏尚)政府委員 県と十分連絡をとりまして、適切な措置を検討してまいりたいと思っております。
○永井分科員 くどいようですが、ひとつ誠意を持ってその問題については調査もし、検討もし、県当局との間でも、それはもう一回尋ねますが、積極的に取り組んでもらえるということですね。
○佐藤国務大臣 今専門的には水産庁長官から答えたとおりでございますから、もちろん念を押されたそのことは十分含んで、やはり県あるいはこれは何か工業用水であるとするならば通産省に関連することでございましょう。 それから、川でつくり育てる漁業、二百海里時代の定着を迎えておる今日、日本列島の水域におきましてもつくり育てる、そういう趣旨で水産庁長官以下一生懸命やっておりますときだけに、やはりこれは看過できない問題でございます。川ということは直接この場合は関係ないようでございますが、間接的には関係ある、そういうことで建設省、通産省、もちろんまずは県当局に今長官が言うようにアプローチをかけまして、そして因果関係、実態を把握した上で検討を進める、随時また永井先生には御報告を申し上げたい、こう思っております。
○永井分科員 ありがとうございます。これからいろいろな開発の際に同じようなポンプアップのダムが全国的にできてくるかもわかりません。それだけに私はこの問題は重要だと思いますので、今の大臣の御答弁で私は大きな期待を持つことができると思いますので、善処をお願い申し上げておきたいと思います。 その次に、大臣、今度はちょっと耳の痛い話で恐縮でありますが、国営のかん排事業に関する問題であります。 これは、今までの国会で私も何回か取り上げましたから、議事録なども十分に精査されて御承知のはずでありますから、その細かい内容はきょうの短い時間の中で触れることは私は避けておきたいと思います。ただ、今度就任されたわけですから、大臣に事柄だけをひとつ頭の中にきちっと入れてもらいたいと思うのであります。 全国にたくさんかん排事業がありますけれども、私が具体的な例として今まで指摘してきた問題でありますから同じ対象をもとに申し上げてみたいと思うのですが、糀屋ダムというダムが今工事が進行しているわけであります。これも加古川水系であります。これは、工費の負担割合は、農業用水が八三・六%、工水が一六・四%という配分になっているわけです。ところが一番問題なのは、水の利用率は農水は五〇・五%、工水が四九・五%であります。まずここに大きな問題があるわけです。通産行政ということも産業政策上からあるのだろうと思うのですが、一六・四%しか工費を負担しない工水に水の配分は四九・五%、余りにも農水だけが高く負担をさせられるではないかという問題がまず一つあります。 そして事業費は、最初五十五億円からスタートいたしました。そうして現在ではその工費が、概算でありますが実に三百五十億円になっているわけです。これは当初予定されなかったほどの大きな工費になり、その負担割合が国が五八%、県が二一%、地元が二一%ということになってまいりますと、農家の負担というのは大変な数字になっていくわけです。これは、私が昭和六十一年の国会で質問しましたときに、当初反当たり、十アール当たり二万六千円で負担をしてもらえばいいということで同意書を得たものが、私は五十五年、六十一年にも委員会で質問しているわけでありますが、六十一年のときの国会答弁では、実に十アール、反当たり四十六万円という数字が政府から答弁がなされているわけです。しかもこれはまだ完成しておるわけではありませんから、六十五年完成の目途どおりいったとしても、さらに負担がふえることは間違いない。約束が違う。 しかも受益面積が、宅地転用とか工業団地とか、いろいろなことで当初の四千八百ヘクタールが八百ヘクタールも減りました。受益面積が八百ヘクタールも減って、減反が三〇%、実際米をつくる面積がぐんと狭まりました。そして、これも私が六十一年の国会のときに質問したのですが、この工事にかかった昭和四十二年当時の生産者米価、政府買い上げ米価からすると六十一年当時で二・四倍しか上がっていないのですね。政府の答弁でいきましても二・四倍しか上がっていない。昨年もことしも米価の据え置きということになってまいりますとこの倍数は変わりませんね。しかし負担だけはどんどん上がっていく。大臣、これではもたぬわけですよ。 きょうは時間がありませんから細かい論争はやめておきますが、私どもが何回も求めてきました農家の負担軽減ということを何とかして国の方で考えてやらないと農業というものは全く成り立っていかなくなる。この工期は七年間の計画でスタートしたのですが、現在既に二十年たっています。二十年たってまだできていないのですからね。延びたことにはいろいろな原因がありましょう。いろいろな原因があるでしょうけれども、国営事業であるとするなら、トータル的にいって工期がここまで延びてきたことについては国が責任を持つべきであって、農家の人たちが怠けて工期が延びたものではないということだけは明らかなのであります。 そういう関係からいくと、負担軽減の関係については、私は繰り返し繰り返し農水へも足を運びました。委員会でも質問しました。ことしじゅうに計画変更しないとあとの工事ができないということなら、この負担軽減についてはひとつ明確に対処できるような対応をお願いしたいと思うのですが、まず大臣からお答えいただけませんか。
○佐藤国務大臣 詳しい事情は私もちょっとのみ込んでおらないわけでございますけれども、この種の議論については、原則的にはやはり事業を早く完成させて、そして予定されておる効果が上がるということでなければならない。同時に、償還期間が迫ってくる、あるいは償還が、負担が大変である、そういうときに、その実態に即してどのような措置がとれるか検討する必要がある。負担が過重で返せないということでは困りますから、そういう意味での条件緩和措置等がどのようにできるかということも含めて検討すべきである、このように思います。
○永井分科員 基本的な考え方は大臣の言われるとおりで私はいいと思うのですね。全国にかん排事業は随分行われておりまして、どこもかしこもつばをつけて後は適当にということではなかなか目的を果たすことができないから、一点集中主義ではないけれども、集中的にやってみたらどうかということも私は過去に提言をしてまいりました。だからそれなりに御努力をいただいてかなり予算は上積みをしてきてもらったのです。ところが、農水省の職員のことを褒めるわけではないけれども、大臣、事実だけは知っておいてください、大臣は今度初めて経験されるわけですから。現地の事務所へ行きますと、私はよく前を通るのですが、夜中の十一時を回っても明々と電気がついているのです。だから私は時々飛び込むわけです。そうしたら、みんなねじり鉢巻きで仕事をしているわけです。僕が増務時間まともにもらっているのかと言ったら、いや、そんなこと言うておられぬですね、間に合わぬから、勤労奉仕やけどそんなこと言うておられませんということで、みんなねじり鉢巻きでやっているわけです。痛しかゆしで、予算がふえれば工事の量もふえるわけです。大臣、ところが出先のところの職員数はふえないのですよ。だから出先の職員はもう普通以上に、想像以上に頑張ってくれているわけです。頑張ってくれているけれども工事そのものはなかなか予定どおり進んでいかない。年度ごとの何年間という工期からいくとおくれっ放しになってきたわけですね。そうすると、農家の人がいろいろな問題で事務所へ押しかけたときに、一生懸命やっている職員が現地の苦情をまともに受けざるを得ぬわけですよ。現地の農家の方が農水大臣のところへ押しかけてくるわけではないのであって、現地の出先へ押しかけるわけです。見ておってもそれはもうかわいそうなものですよ。しかも、当初一般会計で扱っておったものが、工期が延びてきたものですから、あるいは財政事情の厳しさもあって、昭和五十二年から特別会計の金を使っておる。特会の金を使ったものですから、ここにも年度ごとの資料を持っているのでありますが、大変な利子を負担してきているわけですね。だから、なおさら負担額が上がってきたわけです。 ちなみに五十二年では六・五%です。どんどん上がってきて、一番高いとき五十五年には八%の利子です。それから七・三%と下がってきて、現在六・四からもうちょっと下がっているでしょう、これは六十年までの利子が出ていますから。この特会の利子の負担というものはこれはまた大変なことなのだ。そうすると、五八%という負担割合は一定のルールがあって決められておったとしても、農家に、おまえら二一%だからまけることはまかりならぬと言うことだけでは済まない問題になってきてしまった。これは構造改善局長どうでございますか。過去の歴代の構造改善局長がずっと私にも答弁してきておるのですが、とりわけ前の前の大臣の羽田さんですか、大臣が質問に対して、最終的にこの負担の問題は地元の農家の皆さんの御納得いただく内容で問題の処理を図りたいという趣旨の答弁もされているわけです。納得がいくとはどこまでいけば納得するのかわかりませんけれども、少なくとも農家の負担を国が責任を持って軽減させるということでないと、納得のナの字の入り口にも入っていかないわけですね、現地の空気というものは。ひとつ大臣なり構造改善局長から具体的にお答えいただきたい。
○松山政府委員 御指摘のように特会の利子負担の問題というのがあるわけでございまして、大臣からお答えもいたしましたように、早期完成による事業効果の早期発現ということがまず第一の基本であろうかと思いまして、予算の箇所づけの面でもそれなりの配慮をしてきておるつもりでございます。そういうことをやりながら、今後の地元負担、特に農家負担の軽減の問題につきましては、県なりあるいは関係市町とも十分検討を行った上で対応してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○永井分科員 局長、もう一つはっきりわからぬわけですけれども、農家の負担が大変だから軽減策は講じなくてはいけない、僕が農水省へ直接足を運んでひざ詰めで話をしても、全部そういう話が返ってくるのです。じゃ具体的にどういう方法があるのかということになると、壁ができてしまってそれから前へ進まないのですね。あるいは地元では今のこの特会の金が高くつき過ぎるから、別に起債を起こして安い利子のやつに借りかえようじゃないかという話もありました。ところが、これは補助に対してさらに補助をすることになるということで、大蔵省なりあるいは自治省がいろいろな意味でそれに対してなかなか御納得がいただけない。特会の金の高い利子を安い利子に借りかえることだってなかなかできない。ましてやこの二一%という農家負担を具体的に軽減するということについては、いろいろなひとり歩きをする数字の話は地元でも出てくるのですが、その裏づけとなるものは一切出てこない。県会でこの問題を取り上げれば、いや、国の問題ですから県はなかなかそんなことは答弁できません、こう返ってくる。一体農家や我々はどこへこの問題を持っていけばいいのですか。
○松山政府委員 一般論で申しましてかなり制約された条件下にはございますけれども、御案内のように、六十一年にステップ償還制度、六十二年に計画償還制度、それから六十三年度からは土地改良事業償還円滑化特別対策事業といったようなものを考えまして予算化を図ってきているという経緯はございます。先ほど申し上げましたように、県なり関係市町とも十分御相談しながら、そういった措置の有効活用の可能性ということを十分頭に置いて軽減の問題に取り組んでまいりたい、こういうことでございます。
○永井分科員 農家負担の軽減策について、私も今までやってきましたよ、農水でいろいろなことをやってきましたけれども、本当に本気になってどういうことができるかということを具体的に協議する用意があるかどうか、そのことを含めて大臣答えてください。
○佐藤国務大臣 いろいろな要請が陳情という形や何かで上がってくる、予算は限られたものである、地区別に箇所づけについて特に熱心な御要請がいろいろ出てくる、そういう中でわかった、わかったと言っているうちにだんだん事業量だけ、箇所数だけふえていって、そしてまた時間がかかる、工期が長くなる、長くなると負担がという、そういう一つの悪循環は現実的に認めなければならぬ。こういうことをここで言っていいのかどうかわかりませんけれども、私自身も農林水産省にそういう陳情をした経験を持つだけに、心しなければならぬな、こう思っております。 具体的には、実は去年の生産者米価決定時にも私もいろいろ平場で議論した経緯がございまして、そしてその後、農林水産省で六十三年度予算に対応するについて償還の円滑化を図るという一つの制度をつくって、では今の永井先生がおっしゃるようなその地域がこれに当てはまるかどうか、それは検討の対象にさせていただいて、そして具体的な措置につながっていけばそれでよし、具体的な措置につながるかどうか、それはやはり検討する時間をいただかなければならぬ、こう思っております。だから、決してそれは言葉だけで逃げようと思いませんから、真剣にやります。
○永井分科員 真剣にやってもらうという御答弁をいただいたから結構なんですが、もう一遍繰り返しますと、今までの国会の質疑を通して、負担軽減については十分に検討しますとか、あるいは農家の皆さんの御納得いただける解決を図りたいとかいう答弁はもう既に出てきておるわけです。出てきておって具体化していないことを私は今申し上げているわけです。しかもこれは糀屋ダムだけでなくて、きょうは時間がありませんから触れませんでしたけれども、同じ加古川で東播用水があるのです。全く同じことです。国営事業としてやられるわけですから、国営事業である限りはやはり国がその責任を持ってもらわなければいかぬわけです。しかも農水大臣は、私も存じ上げておるのですが、まさに誠意の人であり、日本の農業を守るためには大変な御努力をいただいている非常に立派な基本姿勢を持っていらっしゃる大臣だけに、私は期待を大きく持っておるわけでありまして、今までの答弁から後退じゃなくて、今までの答弁、過去の経緯を踏まえて、事実上負担が軽減できるようなことにつながっていくようなことを再度お願いして、終わりたいと思うのです。一言でいいですからお願いいたします。
○佐藤国務大臣 積極的に検討を進めたい、こう思っております。特に六十三年度の新しい制度にも関連をしてひとつ検討してみたい、こう思います。
○永井分科員 どうもありがとうございました。
○志賀主査 これにて永井孝信君の質疑は終了いたしました。 次に奥野一雄君。
○奥野(一)分科員 大臣は、農林水産関係の行政については大変精通されている大臣だというふうにお伺いをしておりますので、安心してお尋ねすることができるわけでありますが、きょうは余り時間がございませんので、先ごろ発表になっております国有林野事業の改善に関する計画の中で、特に今過疎化に悩んでおります北海道、私の地元の関係なども含めながらお尋ねをしてまいりたいと思っているところでございます。 各省庁がいろいろな計画をつくられるということはいいと思うのですね。ただ、各省庁がそれぞれ独自の計画を立てられる場合であっても、国全体の方針とかあるいは国が今どういう方向に進んでいこうとしているのか、そういうこととマッチをしなければならないのでないか、こう思っておるわけであります。 今、国としては、例えば東京一極集中主義を何とか緩和をしようとか、それからまた経済政策の中でも内需を中心とした景気の積極的な拡大あるいはまた雇用の安定、地域の経済の活性化、こういうことを図らなければならないということは、政府の出した経済政策の中にも入っているわけです。また、私の所属しております商工委員会などでも、今通産省の方としては地域経済の活性化とか産業の活性化などに対する法案を何本も用意している、こういう状況にあるわけでございます。 そこで、昨年の七月三十一日に変更になりました国有林野事業の改善に関する計画というものは、そういう国の方向なり方針なりというものの上に立って、一体これは地域の経済とか地域の雇用の開発に対してどういうような効果をもたらすものになっているのか、この点をまず最初にお尋ねをしておきたいと思います。
○松田(堯)政府委員 森林・林業がその所在いたします山村等におきまして大変大きな役割を果たしてきている、これからも果たしていかなければならない、このように考えているところでございますが、国有林経営は先生御案内のとおり今財政的に大変厳しい状況になっているわけでございます。その財政を立て直す、経営の再建を果たすということが今先生がおっしゃいました地域経済、地域振興にも資する、そのような考え方に立ちまして、今再建計画を立てまして改善を進めているところでございます。
○奥野(一)分科員 今のお答えの中で、これをやることが地域経済の活性化につながるというふうに聞こえたわけでありますけれども、実際問題として、この計画の非常に大きなポイントになっているのは、現行の四万二千人体制を二万人に人員を減らすということが一つ出ているわけであります。私どもの方の地域というのは大変過疎化の進んでいる地域でありまして、昨年十二月末の人口の動態を見ておりましても大体一%くらい減少してきております。東京だと十万人以上が減少するということになるわけでありまして、これは地域にとっては大変なことなんです。今おたくの方の計画を見ておりましても、私の方の管内の営林署、こういうところを見ても、甚しいところは現在人員の三分の一くらいに減らすというような計画になっている。あるいは半分、二分の一とか三分の一くらい減っていくということになるわけであります。町村の場合は十人減ってもこれは大変な打撃を受けるんです。過疎地なんかに住んでおられるサラリーマンの場合、もちろん高級品とかなんかを買う場合には函館に出てきたり、札幌までは行かぬと思いますけれども、そういうところから物を買うということがありましょうけれども、日常の生活に必要なものはやはり大部分がその町村から購入をしているということになります。ですから、例えば十人サラリーマンが減るということは、商店が一軒は倒産をしなければならないくらいの影響を持つわけです。これは単に林野の職員だけではありませんから、減ることによって学校だって影響を受けるわけです。生徒数が少なくなれば学級も少なくなる、教員もまたいなくなる。そういう波及的な影響というものもあるわけであります。 ですから、一方において、政府の方では一生懸命地域の産業の活性化をやらなければだめだ、あるいは雇用の安定をやらなければだめだ、こういうことでやっておって、一方では、とにかく赤字になっているのだからそれを解消しなければならないということで、人員を仮に減らしていくということになった場合、あるいは仕事そのものはそこに残っても人員そのものが減っていくということになれば、今言ったように地域にとっては大変に大きな影響を来すということになると思うのです。これは国が今やっているものと矛盾しているのではないかと私は思うのですね。幾らそれは各省が一生懸命地域の経済の活性化のためにいろいろな法案を出してみたところで、片方からどんどんそれを崩されていくのでは大変なことだ。 例えば、私の地元の函館市なんかでも、昨年末は約一%ですから三千人ちょっとの人口が減りました。減った原因は何だ。これは一つは国鉄の改革です。それから造船不況に伴う影響です。造船不況の方は全部が国の責任とは言われないかもしれませんけれども、国鉄の場合は我々から言わせれば全く国の責任だ。それで約一%からの人口がいなくなってしまう。こういうことになるわけでありますから、それだったらほかの省庁などが一生懸命地域の活性化のためにやったって何にもならないということになるのではないでしょうか。そういう面でこの改善計画がどういうふうな地域に対する好影響というものをもたらすことになるのですか、もう一遍説明してもらいたいと思うのです。
○松田(堯)政府委員 林政審議会の審議を経まして昨年七月の末に改善計画を改訂・強化したところでございます。要員の問題については、先生今おっしゃいましたような計画になっているわけでございます。そのような形で経営をスリムにしていかなければいけないわけでございますが、伐採、造林、林道等の事業量は人員の削減、調整とパラレルに動くということにはなっておりません。資源的な制約等々がございますので事業量はなかなかふえないといううらみはございますが、これまで直接職員がやった仕事を、民間活力を導入いたしまして、そちらの方向へ経営の方式、事業運営の方式というものを変えていこう、このように考えているところでございます。 また、森林に対する国民の要請が多様化してきておりますので、そういった点に着目いたしまして、国有林は昨年からヒューマン・グリーン・プランということで森林空間を活用した新しい事業を推進しよう、このように考えているところでございます。 改善計画を進めるに当たりまして、地元に全く影響がないということは申せないわけでございますけれども、極力地域社会に影響の少ないような形で経営の再建を図っていかなければいけない、このように考えているところでございます。
○奥野(一)分科員 もう時間がありませんので、本来ならその辺もう少し意見の交換をしたいと思うのですけれども、ちょっとこの時間では無理そうでありますから、一応先の方に進みます。 この計画を拝見いたしますと、七十二年度までに国有林野事業の収支の均衡を回復する、そのために六十八年度までにこれに必要な基本的条件の整備を図る、そしてまた特別会計のもとで原則として独立採算制として、収入の範囲内で支出を行う、徹底した軽量経営というものを行うのだ、こうなっているわけでありますが、私、前にも農水の分科会の中でちょっとお尋ね申したことがあるのですけれども、ほかの特別会計の事業なんかとは国有林野事業の場合にはちょっと違うと思うのですね。郵政の事業なんかでありましても、日銭が入るというのは語弊がありますけれども、その年の収入というのはきちんとわかるわけであります。しかし、林野事業の場合には三十年とか五十年とか長期のものになっているわけですね。そういうものの中で、これが特別会計だから収入の範囲内で支出をしていくということになった場合に、例えば新しい山林があって、土地があって、そこに木を植えた、その植えた年というのは収入なんというのはゼロになるわけでありますから、そうした場合にこの収支の均衡というのはどういうような計算になるのですか。この辺のところがどうもわからないのですね。ちょっと御説明いただきたいと思います。
○松田(堯)政府委員 特別会計は自分の収入で支出を賄うということが建前になっているわけでございますが、事業量が縮小傾向にある、木材価格も低迷をしておるということで、なかなか必要な支出を賄うだけの収入がないというのが現状でございます。先生おっしゃいましたように林道とか造林というのは投資的経費でございますので、それにつきましては現在財投資金をお借りしておる、こういうことでございます。一兆七千億ほどの財投資金が累積しておるわけでございますが、その収支の改善を図るということの目標を七十二年に置きまして、改善計画の内容が構成されているところでございます。
○奥野(一)分科員 時間の関係もあるし関連もありますから、次の問題と一緒にお尋ねをしていきたいと思います。 次は、森林の持つ機能の重要性については基本方針の中でも述べられております。国民の共通の財産だということでいろいろなことが書かれております。ただ、書かれておりますし、それからいろいろな議論の中でも必ずそういうお答えというのがはね返ってくるわけでありますけれども、一つは、大臣としてはまずどういう認識を持っておられるかということですね。これは大臣といいますか林野庁といいますか農水省といいますか、森林の持つ機能ということについてどういう認識を持っておられるか。 それから、政府自体が本気になってそのことについて考えているのだろうかという疑問もあるわけであります。一九七二年でしたかに、林野庁の方では、森林の持つ機能の、いわゆる効用というのですか、そういうことについて金額で試算をしたことがありまして、八三年度換算でやりますと約二十七兆を超える、今だったら恐らくそれは三十兆も超えていると思うのですね。そのくらい森林の持つ効用、機能というのがある。しかし、私としてはどうも政府自体がそういうことについて真剣に考えていないのではないかという感じがするわけでありますが、これは大臣の場合には閣議にも出られるわけでありまして、林野問題でいろいろな議論をされるときにはそういうようなものなどが出てくるのじゃないかと思いますけれども、当局としての認識の仕方、それから政府としては一体どこまで真剣に認識しているか、それをちょっとお尋ねしたいと思います。
○松田(堯)政府委員 一言で申し上げますと、森林は非常に多面的な機能を持っているわけでございます。木材生産を初めといたしまして、国土の保全、水資源の涵養、あるいはレクリエーションの場の提供といったような機能のほかに、最近におきましては教育文化的な機能まで及ぶことになってきている、そのような多面的資源である、このように考えているところでございます。 どのような取り組みかということについての御質問がございましたが、私どもといたしましては、自主的な再建努力を進めながら所要の財政措置をお願いする、このような基本姿勢の中で現在改善を進めているところでございます。
○佐藤国務大臣 私、前からこういう感じを持っているのですが、山についての、山と言えば森林を含むその多様な機能というものを、この自然環境の問題と合わせながら一つの哲学としてどう認識するか、これが一番大きな問題というよりも原点である。 そういう意味では、一例を挙げますけれども、最近では、この一月に入りましてから、建設大臣をお誘いしまして、建設省が窓口ではございますけれども、大阪花の万博、この予定地を視察いたしました。そこでも私、皆さんに、またマスコミにも答えたのですけれども、やはり山は大事である、森林の持つ機能というものも大事な問題だ、この花の万博が、そういう花と緑という山を生かしていくための、山を守るというための、そういう意味における一つの哲学がにじみ出て、そして国内の各界各層に大きなインパクトを与える、そして世界にも与える、こういうことを目標にして進めなければならぬ、こういうことを私自身言っておるわけでございまして、そのような考え方に立ちながら、特に国有林については経営改善計画、このことも去年以来の一つのなにが出ておるわけでございますし、その線に沿ってひとつ努力をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○奥野(一)分科員 今、国の一般会計なりあるいは財投の方からどのくらい金が入っていますか。
○松田(堯)政府委員 六十三年度の予算案で申し上げますと、財投資金は二千七百億お借りをするということになっております。それから一般会計からの繰り入れでございますが、百四十五億。そのほかに治山事業は全額一般会計の負担でお願いをいたしておりますので、それが二百九十億あるわけでございます。
○奥野(一)分科員 先ほど私は政府全体としてはどう認識をしておるのかというお尋ねをしたのです。今大臣の個人的な見解ということでお伺いしたんだけれども、政府全体というのはまた後でちょっと触れてもらいたいと思うのですが、本当に森林の持つ機能というものは、人類の生存のためにも、生物のためにも、自然環境のためにも、そのほかに、先ほどから言われております改善計画の中でも、人間の精神的な問題まで触れているわけですね。それほど重要なものである場合に、その効用というのは今なら三十兆を超えるだろう。そのくらいのものがあったら、一割出したって三兆ですよ。三兆くらいの金を本来つぎ込んだってどうってことないはずだ。 こんなことは例になるかどうかわかりませんけれども、例えば防衛費の問題でありますというと、日米関係がどうだとかあるいはまたソビエトの方がどうだとかというようなことで、国民がそんなに実感として脅威を感じているかどうかわからないのに防衛予算だけはどんどん突出をさせていく。しかし、本当に人類なり生物にとって重要な機能を持っている森林、これは民有林も含めてでありますけれども、我々から言わせるというとそんなに多額の金がこの中につぎ込まれているとは思えない、こう思うのです。もし本気になって、そういうつもりで仮にやっておったら、林野会計なんて赤字になるはずがないと私は思うのですよ。ですからそういう面では非常に不思議だ。 NTTの無利子融資なんていうのは国は使えないんだ、こう言いますけれども、国が使うか使わないかということは別にしても、そのことは結局国民生活の中に大変な影響を及ぼすものだ、こういうことになるわけでしょう。それだったら私は使ったって構わないという気持ちがあるのです。 それから、自然破壊だって重要な問題でしょう。例えば開発によって自然が破壊されていく。これは海岸だって同じですよ。自然海岸が破壊されるということは大変な影響を及ぼす。今これからオゾン保護の問題も我々審議をいたしますけれども、そういう環境整備ということについては、その中でやはり農水省が一番大きな要素を持っているわけです。そうしたら、そこのところにはどんどん金をつぎ込むことはできるはずではないか。なぜそういうことについてやらないのだ。政府全体なりあるいは金を握っている大蔵省の方がそこまで認識していないのではないかという疑問を持ってくるわけなんですよ。そういうことについてどうですか。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕
○佐藤国務大臣 政府全体としても随分認識は変わってきたのではないかな、これは手前みそでございますけれども、そう思っておるのでございます。山がある、森林がある、そして川がある。この川にまでつながるその機能を考えれば、本当は私も立場が違えば先生と同じようなことを言いたい気持ちです。金が何ぼかかったってそのぐらいはいいじゃないか、こう言いたいところでございますけれども、私の立場からして、今そういう今日の財政事情の中でそう簡単に私がまた言うわけにもいかず、しかし、限られた中であっても最大限ひとつ努力をする。それでやはりその哲学を持ってもらう。ヒューマン・グリーン・プランというハイカラな名前をつけて、事務方はいろいろ一生懸命勉強して考えてくれました。しかし、それも結局国民に理解を得られる一つの事業として発展していくためにはやはり先ほど申し上げたような哲学がなければならぬ。これはもう徹底的にやる時期だな、私はそのように考えておりますし、政府自体も私の意見に反論のあるはずはない。その点は、ちょっと気張って言い過ぎるかもしれませんけれども、私はここで率直にそう申し上げておきたいと思います。
○奥野(一)分科員 そういうようなことでいけば、本来なら、改善計画そのものは改善だから私はいいと思うのですよ、だけれども人間を減らす必要なんか本来出てこない。これはもう最大の要因は赤字解消になっているという、我々はそういう見方をしているわけですからね。本来なら、今大臣が言われるようなことで仮にやられるということになれば、山を守るのは現場の人間が守っているのですよ。それを例えば、いや、職員はだめだからそれは今度民間にやらせるとか、何のためにそれじゃ今まで国有林としてやってきたんだというのがあります。 しかし、議論している時間がありませんから、最後になりますけれども、この中で、地域やあるいは国民の理解と協力を求めなければならない、あるいは労使の協力体制というものを強化をしなければならないという項目もあるわけであります。私は、これはやはり一番重要なところだ、こう思うのですね。 ただ、私どもやはり、そう言葉に書いてはいるけれども、文章の中にはあるけれども、なかなかそう簡単に信用できない。と言っては大変申しわけないのでありますけれども、例えば営林署の統廃合なんかのときでも、必ず言われるのは、地元の理解を求めるように努力をいたします。それはされているかもわかりません。しかし、結果を見ると、地元の人々はすべて裏切られたという感情より残ってないのです。やられてしまうわけですから。林野庁の計画したとおりにすべてがやられてしまっている。営林署の統廃合で中止になったところなんというのはないわけでありますから。必ずそれはやられてしまう。そうすれば、地元が大変な反対をしておっても何だということになるわけですね。これからはやはり、こういうようなことをやっていくということになったら、先ほど言ったように、人口減少なんというものが伴う場合には地元とすれば大変な問題になってくるわけでありますから、これは地元の協力を一体どうやって得ていくのか、これが一つあります。 それから労使の協力体制、これももちろん必要になるわけですね。人員を減らすということになれば、当然労働組合との協議はしなければならないと私は思う。それから、全国的な問題は私はよく知りませんけれども、私の地元でありますと、例えば労働組合なんかの場合に、当局よりも私は優秀だと思う。それは、地域住民に対する理解とか森林の持つ重要性というものはいろんなことを工夫しながらやっているわけですよ。これは全く私は頭が下がる思いをするくらい一生懸命やっている。それだけ心配をしているわけですから、やはり労使の協力体制という場合には、そういう組合関係の意見も十分聞くとか、そういう合意を得ないでやはり突っ走るということだけはやめてもらいたい。 この点について最後にお尋ねしておきたいと思います。
○松田(堯)政府委員 森林の重要性につきまして国民の理解、地域の理解をいただくことは非常に大事でございますので、既に緑の羽根の週間が始まっておりますが、総理にも緑の羽根をつけていただきましたし、大臣にも銀座に一時間ほど立っていただきまして募金をお願いしたところでございます。いろいろのことを進める形の中で、国民の理解または地域の理解をいただいてまいりたい、このように考えております。 また労使関係につきましては、状況は大変厳しゅうございますので、そういう厳しいということの共通認識に立ちまして、これまでも理解と協力を求めて進めてまいったところでございますが、今後ともそのような基本姿勢で進めたい、このように考えております。
○奥野(一)分科員 いや、緑の週間は別に悪いとは私言いませんよ。そういうことも恐らくやっておるという一例だと思うのですけれども、地域の、特に自治体ですね、自治体の皆さん方に一体どうやって協力を求めていくのかというこれが大変難しいことだけれども、絶対やらなければならないことだと思うのですよ。だから、そういうことについてどんなような方針で進められるような気持ちを持っておるわけですか。
○佐藤国務大臣 林野庁長官は、この前まで次長でありました。前の林野庁長官は田中長官でございました。あの当時、といってもごく最近の去年のことでございまして、統廃合問題について今突っ走るなというお話がございましたが、私もそのような考えで、これは丁寧に運べ、特に労使関係というのは従来と違う、少なくとも私が政務次官をやっておった十七年前とは随分環境も変わりましたし、認識も変わりましたし、労使協調して、本当にいいものにつくり上げていこうという気持ちがにじみ出ておりまして、ここで一々申し上げませんけれども、地区別に相当いろいろな、野党の皆さんと言っては失礼な言い方かもしれませんが、関係する、関心を持つ皆さんの意見を頭の中に入れながら個別には相当な努力、時間を費やしたように思います。しかし、結果は予定したものをそのままおまえやっちゃったじゃないかと言われればそのとおりかもしれませんけれども、随分理解を仰ぐために努力をしたことは事実でございますので、長官から言わせると手前みそのことになりますので、私が最終的な責任を負わなければいかぬかったあの統廃合問題でございますけれども、私から率直な評価を、これも私が言うこと自体も自画自賛になっているかもしれません、そうだったら申しわけないと思いますけれども、申し上げさせていただいたわけでございます。
○奥野(一)分科員 もう時間が来ましたので、再度要請をしておきますけれども、先ほど申し上げましたように、本当に森林の持つ機能というものが重大だ、この認識を閣僚の皆さん方一人一人にも、特に私は大蔵省だと思うのだけれども、十分認識をしてもらうように、大臣にはこれからやはり頑張ってもらいたい。それをまた国民にも理解をしてもらうということ。それから、最後に申し上げました地元に対する理解を求める、協力を求める、あるいは労使の協力体制というものを、先ほど言ったように、決まっている計画なんだから断固やるなんというようなそんなかたくななことでなくて、お互いにやはり十分相談をし合ってやっていく、そういうことでお願いをしたいと思います。 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて奥野一雄君の質疑は終了いたしました。 次に、小川国彦君。
○小川(国)分科員 私は、輸入牛肉の流通をめぐる不正事件が相次いでいる、そういう中で畜産振興事業団のずさんな輸入牛肉の売り渡しの問題についてただしたいと思うわけであります。 具体的な問題から御答弁をお願いしたいと思うわけでありますが、農林水産省及び通産省は、昭和六十二年七月八日、岡山県の食肉事業協同組合連合会が弁護士を通じて前会長を岡山南警察署に告訴した事件がございますが、この内容を御承知なのかどうか。 これは、岡山県食肉連の前会長が、昭和六十二年一月から三月にかけて民間貿易枠の牛肉三十九トンを約六千六百三十一万円で注文し、その肉を東京都大田区平和島所在の東京都食肉センター冷蔵庫に保管中、独断で株式会社ゼンチクに売却処分して約三千四百万円の利益を上げたばかりか、買い入れ価格の約六千六百三十一万円も横領したという事実を確認しているかどうか。 ここで農水省、通産省に簡潔にお聞きしたいのでありますが、このように全肉連から県肉連に卸された肉が輸入商社・販売会社のゼンチクに転売された行為について、このような行為が許されていいのかどうか。 それからさらに、岡山県肉連においては、同組合員二百十人中八〇%以上を占める百六十八人の肉販売業者が、前会長を相手取って約四億四千二百二十三万円の損害賠償事件を起こしております。 この告訴状によりますと、前会長が、昭和五十七年から昭和六十一年にかけまして、民間貿易分の輸入牛肉一千百七十四・七トンを、昭和五十八年一月から六十二年三月までの間二十三回にわたって割り当てを受けながら、そのすべてを岡山県の組合員に配分せず東京の輸入商社ゼンチクに転売し、売上高約十三億五千二百四十二万円を上げ、そこで転売利益三億六千八十三万円を不当に得たということであります。 この事件については、前会長が県連会長としてのその地位を利用し、岡山県肉連に割り当てられた肉を、その構成団体である県肉連から西部食肉協同組合というふうにすべてトンネルとして利用し、前会長自身の会社である株式会社いろは食品がすべて買い取り、その肉をゼンチクに転売したというものであります。 このように輸入牛肉が五年間にもわたって不正に転売され、そこに一企業が膨大な利益を上げていたことに対して、これを割り当てし続けてきた農水省、通産省はどのように監督責任を感じておられるか、この点について御所見を承りたいと思います。
○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘のございました岡山県食肉連におきます諸事案につきまして、私どもの掌握しているところをまず申し上げたいと思います。 民貿枠の輸入牛肉三十九トンについての問題でございますが、これは御承知のとおり、民貿の輸入枠の割り当てを受けました商社から全国食肉事業協同組合が買い入れたものが岡山県肉連に売却をされたものと承知しております。私ども、この前会長の横領問題という事案につきまして、実は、この県肉連の直接監督機関でございます岡山県当局及び上部団体であります全国食肉事業協同組合からこの告訴の事実を報告を受けております。 ただ、私ども現時点で確認をしておりますのは、全国食肉事業協同組合から岡山県肉連に売却をした三十九トンの代金、六千六百三十一万円がまだ全国食肉事業協同組合に支払われていないという事実は確認をしております。この買い入れた三十九トンがいかなる手続で先生御指摘のような転売行為が行われているかという具体的な内容については、私ども確認しておりません。岡山県当局あるいは全国食肉事業協同組合から報告されました新聞記事等で仄聞をしているものでございます。 なお、この告訴案件につきましては岡山県警察当局でいろいろ御調査をなさっておるというふうに聞いておりまして、その結果も踏まえまして、私ども対処していく必要があるのではなかろうかと考えておるわけでございます。 それから、御指摘の第二の点でございますが、相当長期にわたりまして前会長が、岡山県肉連が購入をした民貿の輸入牛肉を転売して個人的にその代金を取得したというふうな問題について、組合員から損害賠償請求が出ておるという事実は私どもまだ掌握をしておりません。ただいま初めてお伺いしたわけでございます。必要がありますれば、また直接指導機関でございます岡山県当局、あるいは上部団体であります全国食肉事業協同組合連合会に対して事実を問い合わせてみたいと思います。 それからまた、民貿枠につきましては御承知のとおり割り当てを通産省と連絡をとりながら行っておるわけでございますが、この割り当てられた牛肉、私どもとしてはやはり予定された流通ルートを通じて的確に流通させていくことが牛肉の需給安定上、大変重要なことであるということをよく認識をしておりますけれども、末端におきますこの配分と申しますか流通につきましては、それぞれの流通の担い手でございます各県の協同組合、あるいはそこに加入しております組合員の商慣習あるいは商道徳に従って適正に行われるよう期待をしておるわけでございます。御指摘のような事実が事実であるとすればまことに遺憾なことでございまして、私ども直接県肉連に対して指導する立場にはございませんけれども、上部機関でございます全国食肉事業協同組合あるいは県段階の協同組合を指導する岡山県当局にも、このような事態が発生しないよう指導していくようによく注意をしていかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺説明員 第一点目の告訴事態が生じているという点につきましては、先ごろ畜産局からお話を伺いまして概要は承知しておりますが、詳細につきましては私ども把握をいたしておりません。 第二点目の監督責任の問題でございますが、私ども通産省といたしましては、民貿枠の割り当てを輸入業者三十六社に対して行っておりまして、御指摘の全肉連あるいは県肉連はその割り当ての対象になっておりません。事柄は国内流通の問題であろうかと思いますので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○小川(国)分科員 第一点目の三十九トンの問題については、事実を確認されたということでございますか。端的に……。
○京谷政府委員 全国食肉事業協同組合と岡山県肉連の間のこの三十九トンにかかわる決済代金がまだ清算をされていないという事実は、全国食肉事業協同組合の方から聞いております。それで、その原因として、岡山県肉連内部におきまして、前会長のいわば横領問題というケースに巻き込まれまして、現地において告訴事件が起こっておるという事実は口頭で聞いておりまするし、また、それに関連をした新聞記事を送付してもらいまして承知をしております。
○小川(国)分科員 この二点については今後徹底調査して御報告する、こういうことについてはいかがですか。
○京谷政府委員 私ども、先生から御指摘ございましたこの三十九トンの問題につきましては、現在警察当局が必要な調査をしておるようでございます。その結果も踏まえ、私どもとして独自にまた調査する必要があるということでありますれば、岡山県当局あるいは上部団体であります全国食肉事業協同組合連合会を通じて調査をしたいと思います。ただ、現在警察当局で調査を行っておるという情報でございますので、とりあえずはその結果を待ちたいというふうに考えております。
○小川(国)分科員 これはこういう問題を引き起こしているわけです。この不正事件について具体的に指摘しますと、岡山県肉連の前会長が県肉連に割り当てられた牛肉をゼンチクに転売した際の価格の推移を見れば明らかであります。すなわち輸入業者ゼンチクかちリブアイロール、サーロインステーキ用の肉が一キロ千六百八十円で全肉連に売り渡され、全肉連はこの金額に二十円を乗せて千七百円とし、県肉連、西部食肉では配分せず、会長の個人会社であるいろは食品に千七百円で売り渡してしまっているのであります。 〔近藤(元)主査代理退席、水谷主査代理着席〕 さらに、いろは食品はこの牛肉を二千四百五十円で株式会社ゼンチクに転売しているのであります。本来、この肉が岡山県肉連に千七百円で入ったならば、単協を通して小売店、消費者には二千五百円から三千円ぐらいで売り渡される牛肉であるべきです。ところが、ゼンチクに転売された牛肉は、さらに卸売の中間業者が入るため、末端価格は消費者の手に入るときは四千五百円ぐらいの高値になってしまっていると見られております。 このようなことについて皆さん方は、お金の不正事件が問題ではなくて、農水省としても通産省としても、その肉を割り当てたものとして、問題はその肉がどういうふうに流れていったかということについて、皆さんはそれを非常に安い価格で売り渡しているだけに、調整金もいわゆる畜産事業団の上乗せもない非常に低廉な価格で出されている肉でございますから、その肉がどう流れていったかということには責任がある、農水省も通産省も割り当てとして売ってしまえばいい、これでは高いと憤っている消費者は納得しないと思うのです。金銭の不正事件が問題ではない。農水省と通産省は、このように安い牛肉が不当に横流しされて消費者に高く売りつけられている、この実態については重大な責任があると思いますが、この点いかがでございますか。
○京谷政府委員 先生御指摘のとおり、民貿枠で輸入されました輸入牛肉が、御指摘のような形で流通過程で非常に多くの中間マージンが加えられて、せっかく需給安定のために輸入している牛肉が安い価格で消費者の手に届かないという事実があるとすれば、私どもとしても十分指導監督をしていく必要があるという認識を改めて痛感いたします。 ただいま御指摘の事実関係、私どもが現在認識しておりますところは、岡山県肉連が全国食肉事業団体連合会から買った後の処分の経過なりその価格の追跡までは、実は残念ながら事態を掌握しておりません。先生のただいまの御指摘を踏まえまして、事実関係を警察側の調査の支障にならないタイミングなり範囲で調べまして、今後の問題として、かような事態が起こらないように、改めて全国食肉事業団体連合会あるいは各都道府県に対して指導を強めるように注意をしていく必要があるというふうに考えております。
○小川(国)分科員 これは農水大臣にも聞いておいてもらいたいのですが、非常に怠慢であると思います。私がこの問題を質問するのは、既に三月二日の予算委員会の一般質問で、岡山県に流れた肉の問題は第一点、第二点とも質問通告済みなんですよ。それから既に一週間たっているわけですね。これだけ重大な十億円を超える肉の流れが問題化しているのであれば、全肉連に売り渡した肉は当然皆さんが全肉連に割り当てたのですから、その肉がどういうふうに行ったかというのは、全肉連を呼んで聞けば一週間の間にわかること。それからもう一つは、株式会社ゼンチクは農林水産省が指定している輸入商社、ここに、あなたの方は買ってきたのかとただせばいいのに、輸入商社の指定の取り消しもできる権限を持った農水省がこれを聞かないというのは怠慢の極だと思いますよ。こういうことだから畜産事業団に相次ぐ汚職、腐敗の事件が起こってくるということになるので、この点は厳しく取り組むべきと思いますが、いかがですか、大臣。
○佐藤国務大臣 御指摘を受けるまでもなく、昨年来の畜産事業団の事件、このことにつきましても、私、就任早々でございましたが、私ども考え得る処分をいたしたところでございます。また、ただいま岡山で起きた問題については警察が捜査中である。これもまた、その捜査の経緯を見ながら慎重な対応をしていかなければならぬと思いますが、しかしそれだけではなくて、小川先生がおっしゃるのは、農林、通産、もう少し流通関係をちゃんとせい、しっかりやれという御指摘だろうと思います。その御指摘は甘んじて受けたいと思います。そして流通の改善、見直しはどのようにやれるか検討をさせなければなりませんし、また、今牛肉の問題については御案内のように外交交渉がまだテーブルに着かずに、アメリカがテーブルに着かずにおる時期でもあり、もうそのことだけでも実は精いっぱいでございます。しかしそれでは行政責任は果たせないというおしかりをまた受けることを承知しながら申し上げておるわけでございますが、その交渉の経緯も踏まえながら適切な合理化等、事業団を初めそういうものについて適切な指導もしていかなければならぬ責任はある、こう考えております。率直な考えを申し述べたわけでございます。
○小川(国)分科員 大臣の率直な御所見をいただいて、さらにそういう形で厳正な改革への取り組みをお願いしたいと思います。 それからもう一つ、指名競争入札の輸入牛肉の問題があるわけであります。これは指定団体というものがございまして、六十三年の場合で見ますと、チルドセットの牛肉でキロ当たり千二百四十円で売り渡された牛肉が、末端の消費者に二千円から二千二百円で売り渡されています。ところが、その指定団体がこれを横流しした事件が起こっておりますが、こういうような横流しをした場合二千七百円以上の高値になってしまっているという実態を果たして放置しておいていいのかどうか。 こういうことから大まかに集約してみますと、一キロ八百円の牛肉が調整金の四百円が上乗せされて千二百円、そして業者の今指摘されている複雑な流通過程を通ってまいりますと、いわゆる学者は横持ち流通と言っていますが、私はこれは明らかに肉転がしだ、輸入牛肉転がしだと思うのですが、そういう過大なマージンがまた上乗せされますと二千七百円となってしまいまして、実に三・三倍以上の消費者価格になってしまっているのです。しかも、仮にこれを五万五千トンの指名競争入札の輸入牛肉に当てはめてみますと、五万五千トンの牛肉をトン二百七十万円として一千四百八十五億円、さらに五万五千トンの肉がトン当たり二百万円で売られた場合を考えますと一千百億円、この差額は三百八十五億円という数字になりますが、これは農水省畜産振興事業団は指名競争入札の肉のみで三百八十五億円もの不当利益を業者に与えているということになります。こうした責任は非常に重大であると思います。消費者の怒りというのは今もう絶頂に達しているというふうに私どもは肉問題では思っております。 こういうような牛肉の流通経路の複雑さ、不透明さ、不当な利権の取引のやり方では、消費者に不当に高い牛肉が売りつけられているのみでありまして、国際問題ということよりも、私はむしろこの際農水省が国内の流通経路を徹底的に洗い直して、そこで安い牛肉が供給されるような措置を講ずるということは国内問題として急務である、これは外交問題とは別である、こういうふうに私どもは理解しているわけであります。 こういう点でまいりますと、農水省、通産省が全国段階に割り当てた肉を県段階、単協段階にどのように売り渡しているか確認を怠ってきたのではないか。この点の確認はなされているのかどうか。農水省は畜産振興事業団において、全国的な連合会組織二十九団体に対して五万五千二百トンの畜産振興事業団扱い、輸入牛肉の三八%もの肉を指名競争入札の名のもとに割り当てていますが、これらの団体に割り当てられた肉が連合会から単協まで適正に配分されているのを確認しているのかどうか。農水省は二十九の指定団体がその下部組織に肉をどのように配分しているのか、その実態を把握しているのかどうか、この点をただしていきたいというふうに思うわけであります。 その点について簡潔に、まず第一段階、先ほどの問題じゃありませんが、全肉連に売り渡して、それが各県連にどのように割り当てられているか。あるいはまた、二十九のいろいろな全国組織の連合会がある、これに売り渡されたものが第二次段階にどのように売り渡されているか、その第二次段階の確認を行っているのかどうか、この点をひとつお答えを願いたいと思います。 〔水谷主査代理退席、松田(九)主査代理着席〕
○京谷政府委員 ただいま先生御指摘のございました畜産振興事業団の輸入牛肉の指名入札、お話しのとおり、全国団体二十九を対象に指名入札で処分をしております。これはお説のとおり、各全国団体の構成員であります県段階の組織等へまず二次的には配分をされるわけでございます。この配分の状況につきましては、売り渡しの主体でございます畜産振興事業団が各団体から状況を聞きまして、各全国団体段階において適正に行われておるという状況把握を畜産振興事業団において行っておるということで、私ども逐一細かい配分状況までは畜産振興事業団の監督にゆだねておるのが実情でございます。そういう意味で、私どもとしては、各都道府県段階への配分については各全国団体の各執行部において適正な配分を行い、それを畜産振興事業団がそれなりに監視をしておるということで、適正に行われておるものと考えておるわけでございます。 また、畜産振興事業団から売却されたものが末端におきまして三・三倍になるというふうなお話がございました。私どもの適正な末端価格といたしまして考えておりますところは、御承知のとおり事業団から売却される価格は部分肉の価格でございます。これが一定の経路をたどりまして、末端の卸売段階あるいは小売段階という経路の中で、部分肉から精肉に形が変わるわけでございます。この変化の過程で、各団体の手数料でありますとかあるいは運賃、保管料あるいはまた卸売段階、さらには小売段階におけるマージンがかかりますので、最終的な精肉としての小売価格は、事業団からの売り渡し価格の大体二倍弱程度になるのではないかというふうな考え方を持っております。したがいまして、すべてのものが三・三倍で動いておるというふうには私ども考えてはおりません。
○小川(国)分科員 私は皆さんが、今の岡山事件で見るように、全肉連まではわかっている、しかしその先はわからぬということでは、畜振事業団に任せるというのは怠慢だと思いますよ。少なくとも全国段階の連合会だと思って割り当てたところ、各県に割り当てた表を皆さんのところに欲しいと言ったって、皆さんのところにはないって言うんでしょう。畜振へ行くしかない。それじゃ監督責任は果たせませんよ。こういう事件があったって全くわからない。しかも、一週間も期間があっても調査できないということでは、皆さんが適正な肉の流通行政をやっているとは思えない。 そこで警察庁に伺いますが、これらの事件と関連して、岡山県ではミートフェアの開催をめぐってのまた不正事件といいますか、というようなことが告訴がなされているやに伺っておりますが、この事件についての対処はどのようになすっているか、御報告をいただきたいと思います。
○古川説明員 お尋ねの件でございますが、ことしの二月二日に岡山南警察署におきまして告訴を受理いたしまして、現在岡山県警察において事実関係の解明等の捜査を進めておるところでございます。
○小川(国)分科員 既にこれも一カ月余たつわけでございますが、中間的な段階でも、機動力のある日本の警察でございますからある程度状況の判断をお持ちではないかと思うのですが、お差し支えのない範囲で、どういうような告訴を受けて対応していらっしゃるか、もう少し詳しく御答弁を願えたらと思います。
○古川説明員 現在まだ捜査中ということで、その把握された内容につきまして申し上げる段階には至っておりませんが、内容的にはやはり横領にかかわる話であるというふうなことは承知しております。
○小川(国)分科員 捜査の完了見通しはいつごろとお考えになっていますか。
○古川説明員 今のところ、いつごろ捜査が終了するかということについてはちょっと申し上げがたいわけですが、できるだけ速やかに所要の捜査を終了して検察庁に送付することにすることとしております。
○小川(国)分科員 時間が参りましたので最後に大臣に伺いますが、先ほど大臣から適正な流通機構、体制をつくるようにというお話がございました。私どもは畜産振興事業団の組織そのもの、存在そのものが国民から見ても、また消費者だけではなくて農民サイドから見ても、ここに出ている補助金一つ見ても本当に農民のためになっているのか。この制度が本当に日本の農民のためになっているのか、いろいろな角度から検討してみると非常に疑問が出てきているのですね。これは先ほど申し上げたような、消費者の方から大変な不満が起こっておるわけです。この点で私は、やはり農水省としても畜産振興事業団をもう一遍徹底的に見直す、洗い直す、今私が指摘したように、全国段階まで売った肉はわかるけれどもその先はわからぬということでは困るのでありまして、やはり主たる監督官庁である農水省が大臣の指揮のもとに全面監査をする、それから内部でこの問題に対する調査報告をきちっと出す、それから、先ほど責任者が責任とったんですが、理事長がどういう責任をとったか私どもよくわかりませんけれども、少なくとも事業団の責任体制も、もっと明確にする、こういうことが必要ではないかと思いますが、その点について大臣はいかが所見をお持ちでしょうか。
○佐藤国務大臣 若干先ほどの私の答弁の繰り返しになりますが、世にいろいろ言われておる牛肉流通の問題、これは見直さなければならない。なおかつ、対外交渉を今牛肉関係で進めておるところでございますので、その結果を踏まえまして、ひとつ合理化等適切な措置をすべく検討、努力してまいりたい。いずれにいたしましても、消費者のために輸入問題だけではない、国産牛肉価格の安定ということも頭に置きながら対処いたしてまいりたい。 なお、事業団の事件につきまして昨年処分のことを触れましたが、ここで一つ一つを言うことは差し控えさせていただいて、後で御説明を申し上げさせていただきたい。私どもから考えまして適切な処分をしたところであります。こういうことでひとつ御理解をいただきたいと思います。
○小川(国)分科員 最後に一点要望だけ申し上げたいと思いますが、畜産農民なり生産農民の保護という一つの立場。それからまた、消費者に対して、五百円のステーキが食べたい、千円のステーキが食べたい、もうそのぐらいの値段で消費者のところへステーキが届いてもいいんじゃないか、これも国民の率直な声。そういうものにこたえるに、今の畜産振興事業団の存在、あり方というものが今のままではとても国民からは容認されない、そういう事態に来ているということを農水省当局も重要に考えまして、国民に納得のいく畜産行政というものをもう一遍見直して確立されるように、その点を要望して終わりたいと思います。
○佐藤国務大臣 最後に一言つけ加えておきますが、事業団はない方がむしろいいんじゃないかという厳しい御指摘がございましたけれども、事業団の持つ機能をさらに十分発揮させるのにはどのようにしたらいいか、そして消費者もわかっていただけるような体制をどうすればいいのかということを真剣に考えてまいりたい、こう思っております。
○小川(国)分科員 終わります。
○松田(九)主査代理 これにて小川国彦君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして農林水産省所管の質疑を終了いたします。 ─────────────
○松田(九)主査代理 それでは、続きまして、総理府所管中環境庁について政府から説明を聴取いたします。堀内環境庁長官。
○堀内国務大臣 昭和六十三年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 昭和六十三年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百六十八億三千六百三十万円であり、これを前年度の当初予算額四百七十三億八百四十一万五千円と比較すると、四億七千二百十一万五千円の減額となっております。 予算要求額の主要な項目について、御説明申し上げます。 まず、公害対策について申し上げます。 第一に、環境保全の企画調整等については、環境資源を生かした真の豊かさを実感できる快適な町づくりを支援するための情報整備や計画策定、先端技術の進展と化学物質の使用拡大に対応した環境保全施策の推進のほか、環境教育、環境影響評価及び公害防止計画の策定の推進に必要な経費など、合わせて六億六千百六十八万円を計上しているところであります。 第二に、公害による健康被害者の救済等については、従来に引き続き、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、公害健康被害補償予防協会に設けられる基金を活用した健康被害予防事業や総合的な環境保健施策を推進するほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として二百二十二億六千四百五十五万円を計上しております。 第三に、公害防止事業団については、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として三十七億五千百二十二万円を計上しております。 第四に、大気汚染等の防止については、窒素酸化物対策として、自動車排出ガスの規制、低公害車の普及推進等を進めるほか、オゾン層保護対策として、フロンガス等の監視、科学的調査研究の推進を図ることとしております。 また、未規制大気汚染物質対策や騒音、振動及び悪臭対策についても、一層の推進を図ることとし、これらの経費として六億九千七百八十四万円を計上しております。 第五に、水質汚濁の防止については、東京湾の環境保全に努めるほか、水質総量規制の推進、生活雑排水対策、湖沼や地下水質の保全等の対策を推進するための経費として七億三千百四十一万円を計上しております。 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として九千三百七十二万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億四千四百四十七万円をそれぞれ計上しております。 第六に、公害監視等設備の整備については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を助成するために必要な経費として七億八千六百三十五万円を計上しております。 第七に、公害防止等に関する調査研究の推進のための経費については、総額三十三億千二百十九万円を計上しております。 この内訳としては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として二十三億四千三百六十一万円を環境庁において一括計上するほか、環境保全総合調査研究促進調整費として一億五千万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的調整を図ることとしております。 次に、光化学スモッグ、公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する調査研究費についても八億千八百五十七万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしております。 第八に、国立公害研究所、国立水俣病研究センター及び公害研修所に必要な経費として四十五億三千五百二十二万円を計上しております。 次に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。 第一に、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等については、自然環境保全基礎調査を初めとする調査研究を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図ることとしております。 また、野生生物の保護対策のため、重要生息地選定調査を実施するとともに、国設鳥獣保護区の管理強化等を図ることとしております。 これらに必要な経費として、合わせて十六億五千六十六万円を計上しているところであります。 第二に、自然公園等の施設の整備については、必要な施設整備費として二十六億二千四百八十三万円を計上しております。 以上、昭和六十三年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
○松田(九)主査代理 以上をもちまして総理府所管中環境庁についての説明は終わりました。 ─────────────
○松田(九)主査代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井孝信君。
○永井分科員 大臣、この間三月一日に、水俣病の問題について最高裁で判決が出ました。企業の公害責任に断が下されまして、有罪判決が確定したわけであります。ただし、これはもう三十二年ぶりのことでございまして、有罪判決がなされたからといって、確定したからといって水俣病の問題はもとへ戻ってこないのですね。この水俣病に関係して、公害行政とは一体どうあるべきなのだろうという、水俣病の判決を受けた感想といいますか、それを受けての環境庁長官としての決意を初めにお聞きしたいと思います。
○堀内国務大臣 さきに、チッソ元社長ら有罪確定という新聞を私も見まして、公害防止といっていいのか、環境庁の設立にもつながる、いわゆる原点の問題だということで深く認識を新たにしておるところであります。 裁判については、私ども直接かかわりはございませんのでコメントを差し控えたいと思いますが、くれぐれも、これが環境庁の原点だなという気持ちを強くしておるところでございます。
○永井分科員 環境庁の行政の原点だというお答えをいただきました。 最近、世界的に見ましても、アメリカのスリーマイル島の原発事故であるとかあるいはソ連のチェルノブイリのあの原発事故であるとか、大変な事故が起きましたね。とりわけソ連のチェルノブイリのあの事故については、いまだに日本に輸入される牛乳製品であるとかいろいろなものから放射能が検出されるとか、いろいろなことが問題になっております。きょうそのことをここで取り上げて直接どうこうという議論をするつもりはないのですが、このことに見られるように、科学の発達ということと人間がそれに対応することとの能力の関係でいいまして、科学の発達そのものから起きてくる危険性というものはなかなかなくすることができない難しい問題である。しかも、その危険と科学の発達というのは常に表裏一体の関係にあるということですね。あえて言うならば、不測の事態発生のおそれというものは、技術革新がこれだけ進んだ現在でも常に持たれているということなんですね。そのことを念頭に置いて、今大臣が言われたように環境行政の原点だという認識を持たれたこと、私はそのとおりだと思います。その答弁を私は評価したいと思いますが、その答弁どおりの基本に立った環境行政をこれからも続けてもらいたい、こう思うのですね。これは前段の話であります。 さてそこで、この環境の問題について、公害の問題について、私は過去国会で何回か取り上げてきました。とりわけPCBの焼却問題であります。これは通産大臣にも質問したことがありますし、環境庁長官にも質問したことがありました。一番最近の質問はたしか昭和六十年だったと思うのでありますが、そのときの私の質問に対して当時の環境庁長官は、昭和六十二年までにこの処理をすることについてきちっとやりたい、六十二年度からは完全に焼却というか処理ができるようにしたい、こういう御答弁をいただいておりました。そしていよいよ二月の二十九日に、PCBの陸上焼却について兵庫県が地元の自治体に対して、申請に対して認可を与えました。これが現状であります。 さて、私はここで演説をするようで大変恐縮でありますけれども、短い時間でありますから演説したのでは悪いのですけれども、環境庁長官にも十分理解をしてもらうために申し上げるのですが、このPCBというのは、問題になってからもう十七年以上の年月がたっているわけです。カネミ油症事件は日本全国的な問題として注目を集めておりますが、たまたま高砂というところにPCBをつくる工場があってPCBがつくられた。カネミ油症事件が発生するまでは、製造工場がある高砂でPCBがある意味では垂れ流しの状態にあった。それでカネミ油症事件が起きた直後、PCBがどんどん海の中に堆積をしておることがわかって、魚の検査をしたら大変な有害PCBを含んでおったということから、魚が全く売れないというパニック状態も起きたことがありました。これも今までの委員会で私は申し上げてきました。そこで、急いで政府が有害物質を除去するためにPCBを全国から集めた。集めたところがまた高砂だ。製造元だ。結果的に全国のPCBの恐怖といいましょうか、そういうものを一手に高砂市が引き受けているという状態なんですね。これをひとつ環境庁長官は十分知っておいてもらいたい。 ところで二月二十九日、本焼却の認可がおりたのですが、果たして本当に安全なんだろうかという疑問が地元の中ではまだまだ払拭されない面がたくさん存在をしているわけです。ついては、県が認可をしたのだけれども、環境庁として、このPCBの認可について直接所管官庁としてタッチをされておったかどうか、あるいは環境庁としてその焼却については、安全性について万全の確信を持たれているかどうか、まずお答えをいただきたいと思います。
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。 ただいま先生お尋ねの第一問の、県の認可に当たって環境庁がどういうぐあいに関与したかということでございますが、県が鐘淵化学工業に処理の計画についての認可を与えるに当たりましては、県のレベルにおきましてPCBの高温熱分解処理のための審査会を設けまして、その審査会でいろいろな御意見を聞いた上で許可を与えたわけでございます。その審査会の委員の中に私どもの方の担当者を加えていただきまして、その中で十分環境庁の立場の考え方を述べまして、その結果を踏まえて審査会の意見がまとまり、それに基づいて県が許可を与えたというぐあいに理解をいたしております。 それから第二番目のお尋ねでございますが、この液状廃PCBの高温熱分解処理につきましては、昭和六十年に環境庁が行いました試験、それから昨年末に兵庫県の監視のもとで行いました試運転によりまして、環境に対する安全性が十分に確認されているというぐあいに考えておるところでございます。また、試運転の際に生じました誤操作問題も一時かなりにぎわした話題でございますけれども、それに対しましても、その後適切な対策が講ぜられることになっておるということで承知いたしておるところでございます。
○永井分科員 大体の経過を聞いたわけですが、環境行政というもの、いわゆる公害に対する責任というものは、結果として環境庁が全部責任を負わなくてはいけないわけですね、国の立場からすると。どうですか。
○長谷川(慧)政府委員 おっしゃるようにいろいろな環境問題あるわけでございまして、それぞれの自治体等がそれぞれの自治体におきましての責任を持たれるわけでございますが、全般的に見ました場合におきましては環境庁が全体の責任といいますか、そういうものについて十分監督なり指導する必要があるというぐあいに考えております。
○永井分科員 そこで毎年毎年環境庁にも陳情をしたり、あるいは厚生省に陳情したり通産省に陳情したり、私も過去七年も八年もおつき合いをしてきたわけですね。いよいよ処理が本格的に始まろうとしているのですが、そこの自治体、いわゆる五千五百トンにも上る液状PCB廃液が集荷されている高砂市においては、これはもう大変な問題なんですね。市会でも、市会のたびにこの問題の扱いに大変苦慮してきたという問題なんです。ですから、本焼却を認可されるまでの手続的なものは慎重な上にも慎重に自治体も扱ってきました、県も市も。しかし、現実はまだまだたくさんの市民が不安を持っていることもまた否めない事実なんです。たくさんの署名をとられたりいろいろなことをしているわけです。なぜ不安を持っていらっしゃる市民の団体がいろいろな行動を展開されているか、その根拠を私なりにちょっと分析してみました。そうしますと、確かに六十年に試験焼却を環境庁が行い、六十一年に県が試験焼却を行い、安全ということのお墨つきを与えていただきました。ましてや、当初規定されておった安全基準よりも十倍も厳しい基準につくり変えてもらってそれをクリアしたことも私は承知をしております。 ところが、そのデータの公表が、専門家的に言えばそれぞれ理由は存在するんで、私もいろいろ調べてみました。専門家の皆さんから見ればそれぞれの理由は存在するのでありますが、しかし、一般の人から見ると、これは素人ですからその資料の中身というのは、分析能力をなかなか持っておりません。たまたま環境庁が発表しましたPCBから発生する一番危険な恐れのあるダイオキシンについて、環境庁の発表した数字と国際ダイオキシン会議に発表されたデータの数字が違っておったわけですね。その違っている理由は、私はそれなりに環境庁からも説明を受けてきたのでありますが、素人からすると、そんな専門的な数値の違いがなぜ起きたのかということがなかなかわかりません。市民の皆さんに納得でき得るような説明が当時できなかったことが不安を大変増幅させていくという原因になったことが一つであります。 二つ目には、本焼却に備えて環境庁や県の指導もいただいて鐘化工業の会社が焼却設備をつくりました。そして試験焼却に入ったのです。昨年の秋ですね。ところが、最新のコンピューターを使って、人間が扱うのではなくてコンピューターが全部判断をしてやるのだから絶対大丈夫だと市民に説明して焼却に入ったら、人間がその機械を御し切れずに、結果として操作の間違いで運転が途中でストップしたという事故が起きました。これでまた不安が増幅をいたしました。その不安が、いろいろな対策を講じてきたけれども、もう自治体にしてもなかなか対応し切れないほど複雑な問題を含んでおって、大変な苦慮を積み重ねてきたのですね。そして、十七項目の条件をつけて県に申請をして、ようやく二月二十九日に県が焼却を認めました。 さて、それだけの不安を完全に除去する状況になっていないときに、第一線で自治体がそういう問題については全面的にその火の粉をかぶってやっているわけですから、やはり環境行政という面からいくと、むしろ安全の確認、安全の確保、あるいは安全性について担保するといいますか、そういうことについてはもっともっと環境庁が前へ出るべきではないのか、まずそのことについてお伺いしてみたいと思います。
○堀内国務大臣 この問題、先生は地元の問題として長い間、逐一御存じのようでございます。私も環境庁長官に就任してから、これは大変な猛毒だから、このままで長く置いておったら、もしも腐食等が起きたらその災害というものははかり知れない、だから一日も早く完全な処理方法をということで今日に至っておるわけです。その上、私もいろいろこの問題、庁内でも討議いたしました。そして県の段階で、私の方の一番この問題の専門家も委員に入って、この試験実験等においてももう大丈夫だ、これも焼くしか方法がないんだとかいろいろな話も私も庁内で聞きました。 そして今先生の御質問の一番本体でございますが、これは県、市が大変苦労しておるんだから環境庁がもっと前へ出るべきじゃないか、私もそう思います。だからこれから監視規制というもの、おっしゃったようにコンピューターで操作しておるのに間違いが起きたりするのですが、人間というものは、間違いは起きないと言っていてもどうしても間違いは起きる。また間違いが起きたらもう大変なことになるわけですから、監視規制を十分にするだけしてこの問題の処理に当たらなければならぬというふうに私も考え、認識して庁内にもそういう態度で言っておるところであります。
○永井分科員 一つだけ私、大臣に、何も発言にどうこうということで言うのじゃないんですけれども、私はそこの地元です。私の地元の問題だからということじゃないのです、全国の五千五百トンのPCBを政府の命令によって僕のところへ集められただけの話なんだから。しかしどこかの、三宅島の飛行場じゃありませんけれども、おれのところは困るからどこかへ持っていって、おまえのところで引き受けろなんということは私は一言も言ってないんですよ。どこかでやらなければいかぬのだから、全国から集められたPCBを製造工場がある高砂で焼くということになれば、それはそれで私はやむを得ないだろう。そのかわりに高砂市民や付近の市民、あそこら集めますともう四十万、五十万の市民ですが、その人家の密集地の真ん中で焼くわけです。山の中で焼くわけじゃないのです。しかしそれをどこかへ持っていって焼けと言ったら、今度持ってこられるところは大反対ですよ。私はそんなことを言っているのではない。これは単なる私の地元、兵庫県の地元の問題ではなくて全国的な問題なんですね、カネミ油症事件から発生したんですから。だからそれを焼却するについては、環境庁が前面に出て安全性を担保するということがぜひ欲しい、処理をしてもらうのは一日も早く処理してもらわなければいかぬわけですから。 そこで、時間がありませんからまとめに入っていくのでありますが、この本焼却に当たって、過去、その国際会議に出された数値と環境庁が発表した数値の違いというものがありました。どんな理由があったにせよ、このことが不信感を招いたことは間違いないわけだから、環境庁にも御努力を願ったのでありますが、いよいよこれは第一段階、とりあえず十五日間の試験焼却をもう一回することになりましたね。そしてその十五日間の試験焼却の結果を分析して、その分析の結果全部の条件をクリアすれば次の段階の本焼却に入るということを重ねて決めてもらっているわけです。その十五日間の試験焼却の検査というものは、県の条例でいきますと検査項目が三十項目ほどあるんですよ。この検査項目のダイオキシン、ホスゲンも含めて、その検査結果を住民の皆さんに不安感を持たれないようにすべて一〇〇%公表してもらう。資料にごまかしがあるとか隠しておるとかいうことが起きないように、そんな疑いが持たれないように必ず三十項目の検査結果については公表してもらう。その公表するに当たって、検査の期間がどのくらいかかるかわかりません。検査をする期間を定めて、次の本焼却をいよいよする場合のスケジュールをあらかじめ決めるのではなくて、環境庁も完全に確信を持って地域の皆さんにも自治体の皆さんにも住民の皆さんにも、こういう結果だから安全だということをきちっと説明ができてから焼却に入るということにしてもらいたい。あらかじめ決めたスケジュール的なものであっては困ると思うのですが、これからの焼却計画についての環境庁の対応を聞かせてもらいたい。
○長谷川(慧)政府委員 テスト焼却に関しましては、先生が今お話ございましたように、十五日間かけましてPCBを燃やしてその結果を出すという形になっておるわけでございます。 このテスト焼却に関しましては、兵庫県が監視計画に定めました項目にかかわります分析結果及びお話ございました兵庫県の公害防止条例に規定する有害物質の分析、この結果のすべてを公表するというぐあいに私ども聞いておるところでございます。 それからそういう形ですべての焼却、十五日間の焼却を終わった後にすべてのデータを公表するというふうに聞いているところでございまして、この結果につきましても、私ども十分データを見させていただきまして、その結果を踏まえて、私どもの方は必要があればそれなりの対応を講じてまいりたいというふうに思っておるところでございます。 また、次の焼却段階の移行につきましては、テスト焼却の分析の結果が当然各種の基準に適合していることが十分に確認された後に初めて行われるものというぐあいに考えているところでございまして、先生の御心配の点もあるわけでございますので、兵庫県を通じまして、適切にこのような考え方でこれからの作業が進められますように鐘淵化学工業を指導してまいりたいと考えておるところでございます。
○永井分科員 もう一回確認しますが、データは一切すべて公表する、もしもそのデータの結果クリアができないものがあったり、問題があれば本焼却はそれがクリアできるまでやらない、当たり前のことですね。本焼却を始めてから途中でずっと測定していくわけですから、測定の途中で異常が起きた場合はもちろん焼却を中止して、完全にそのことがクリアできるときになって初めて次の段階に入るという二重、三重、四重、五重の安全というものの関所をつくって対応してもらいたい。高砂市とか兵庫県という自治体だけがすべて第一線の弾を浴びるようなことになるのではなくて、環境庁が全面的にそのことについては責任を持って指導し出ていく、よろしゅうございますね、もう一回それを大臣、答えてくださいますか。
○堀内国務大臣 今先生のおっしゃっていること、人命にかかわる問題でございますから、情報公開、それはもう当然のことだと思います。そういうことも含めて、監視体制を十分決めていきたいと思います。
○永井分科員 もう一項、実は、これは環境庁が直接やらせるというとおかしいけれども、行政指導上実施ができるようにするとかいう問題ではないかもしれません。厚生省の担当かもしれませんし自治体の自主的な対応かもしれませんけれども、公害問題が非常に複雑多様にわたっておりますから、疫学調査をずっと、あそこらは工業地帯ですから、PCBの焼却ということに関係なく疫学調査を県の保健所などで一昨年までやられておりました。確かにやられておったと私は記憶している。ところが、去年からその疫学調査が中止になりました。これからいよいよPCBが本焼却に入るときに、地域の住民の不安を除去するためにも疫学調査ぐらいはやはりやって、私が冒頭申し上げましたように、技術革新がどんどん進んでも、必ずそのことは危険と隣り合わせにいるのですよ。想像もできないような事故が起きる場合もあるのですよ。三十二年前の水俣病の社長などの有罪判決が確定したとしても、もうそのことはもとへ戻ってこないわけです。環境とはそういうものですからね。 そうすると、疫学調査ぐらいは、これは環境庁の直接所管ではないかもしれないけれども、やはり住民の不安を取り除くために手だてを講じるものは講じ過ぎるほど講じても構わないわけですから、疫学調査を実施するようなことで、環境庁からも関係各機関に対してお願いをしてもらうなり、いろいろなことをやってもらいたいと思うのですが、どうでございましょう。
○長谷川(慧)政府委員 先生のお尋ねでございますけれども、環境中に存在いたしております汚染物質が極めて微量な場合におきましては、その影響を把握するために具体的にどのような疫学調査を実施すべきかにつきましては、現在のところなかなか定まった方法といいますか、いい方法が見つからない状況にあるわけでございます。今回の処理に当たりましては、先生も既に御案内のとおりでございますけれども、運転条件なりあるいは処理施設の出口の排ガス、排水中の濃度、環境中のPCB濃度に関しまして兵庫県の厳しい監視基準を設けて環境の安全性に万全を期しているところでございます。 例えば、先生御案内のとおり処理施設から排出されますPCB濃度は、排ガス中のPCB濃度の〇・〇一ミリグラム・パー・ノーマル立米以下、あるいは排水中のPCB濃度は定量限界以下というように、従来の基準から比べますと一層厳しい数値に抑えられているところでございまして、これらの監視基準の適合状況を監視するために、県におきましては監視計画を定めまして運転状況を常時監視する、それから定期的に排ガス等の監視基準にかかわる計測、測定を行いまして、公衆衛生の専門家も入っております県の監視委員会でそのデータについては評価する、しかもそれはその都度その都度発表するという形になっているわけでございます。このようにしまして、監視基準を厳重に守らせることが周辺住民の健康を守る上で最も適切かつ重要なことというぐあいに考えているところでございます。環境庁といたしましても、そういう面での監視、指導につきましては県とも十分連携をとりまして、一層努力してまいりたいと考えているところでございます。 なお、先生のお尋ねにございました疫学調査の実施につきましては、県から具体的に相談がありました場合には、環境庁としましても必要な指導等を行ってまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
○永井分科員 もう最後にしますが、大臣、今言ったように大変な問題なんですよ。だから疫学調査については今大気保全局長が言いましたけれども、県からの申し入れがあればじゃなくて、もうとにかく住民の不安を除去するために打てる手は全部打ってやろう、そしてその上で焼却がスムーズに行くようにというのが基本でなければいかぬと私は思うのです。 大臣に最初、この環境行政の原点ということに触れてもらいました。その原点というものを大切に踏まえてやるためにも、このPCBは五千五百トン焼却してしまえばあとPCBは製造してないのですから、いわばこれを全部焼いて始末をしてしまえばそれで終わりのものですけれども、そのことが何年も何十年も先に水俣病のような問題になっていかないようにするためにも、原点に立った対応、そのために私は疫学調査も環境庁が直接やるものではありませんけれども、関係省庁やあるいは自治体にも、疫学調査などについてもできるように環境庁からお願いをしてもらうとかいろいろなことをやはり努力はしてもらいたいと思う。そして、とにもかくにも安全にこの問題の処理を図ることにすべてをかけてもらいたい。安全に処理をすることにすべてをかけるという大臣の決意だけ聞いて、私は終わりたいと思う。
○堀内国務大臣 だんだんお話を聞いておりましても、非常に筋の通ったお話だと思っております。また、一たび失敗すればこれはまた大変なことでございますから、完全に、安全に処理できるように幾ら努力してもし足らないのじゃないかという気持ちでございます。今先生の御指摘のように、環境庁としては最大の努力をさせるようにいたします。
○永井分科員 終わります。どうもありがとうございました。
○松田(九)主査代理 これにて永井孝信君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)分科員 まず最初に、近畿一千五百万人の水がめと言われておる琵琶湖の状況、これの最近のBODとかCODとか汚染の状況はどうなっておるのか。特にまた滋賀県に関しましては、五十四年十月に滋賀県の琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例、いわゆる富栄養化防止条例を滋賀県で制定しましたね。それ以来どういうように変わってきたのか。それから、今後行われていく湖沼法の実施がどういうふうになっていくのか、そういった面を聞いてまいりたいと思います。 まず最初に、最近の琵琶湖の汚染状況というものを数字を挙げて御説明いただきたいと思います。
○渡辺(武)政府委員 先生御承知のように、琵琶湖につきましては環境基準というあるべき姿が設定されておりますが、琵琶湖は北に北湖というのと南に南湖というのと両方ありますけれども、両方とも基準は一ということになっております。一ppmでございます。 現在の状況は、まず北湖の方につきましては、五十年の前半といいますか、そのあたりが最高値大体二・三ppmでありまして、以後若干低下傾向でありますけれども、押しなべて申し上げまして横ばいといったようなことかと思います。最近六十一年は二・一PPmでございます。南湖の方はそれより少し汚れておりまして、先ほど申し上げました一番悪いような状態、やはり五十三年あたりでございますが、三・四ppm、若干それから下がりかけておりますけれども、やはり横ばい、ごく最近の六十一年は二・九PPmの水準にあります。
○竹内(勝)分科員 専門家がそんな数字の挙げ方では、もうちょっと詳しく言わなければ、BODとかCODとか。それから汚濁の状況の中身をもうちょっと、ただそんなppmで、一つの数字だけではなくて、私が今言っておるわけでございますから、その点の中身をもう少し詳しく答えてください。 それと、富栄養化防止条例を実施したというのは滋賀県といたしましてはもう非常に大きなことなんです。その辺が数字の上でどういうように出てきておるのか、そういった面ももうちょっと厳しく見て、もう一度御説明ください。
○渡辺(武)政府委員 ただいま申し上げました数値、ちょっと失礼いたしまして数字だけ申し上げましたが、CODの濃度でございました。そのほかに燐の濃度とかあるいは窒素の濃度とかというものもございます。 南湖と北湖とまた分けて申し上げますけれども、北湖の方でいいますと、燐の方でございますけれども、〇・〇〇九ppmといった水準でありますし、窒素は〇・二七ppm。それから南湖の方は燐が〇・〇一七ppm、窒素の方は〇・三二ppmという状態でございます。ちなみに、これの環境基準は燐の方は〇・〇一、それから窒素の方は〇・二があるべき姿でございます。ちょっと高くなっておるということでございます。
○竹内(勝)分科員 もう一度、私が何回も言っているように、富栄養化防止条例は昭和五十四年十月にこれが施行されていったわけですね。その推移を、その前と後とでどういうふうになっているのか、それから最近どうなっているのかという状況を説明してくれと言っているのですから、ちょっと頭の中に入れて説明してください。わからぬじゃないですか。
○渡辺(武)政府委員 富栄養化防止条例が滋賀県で五十四年に制定されました。それはいろいろ水が濁ってまいりまして、淡水赤潮というのですかが発生をするといったような状態になってきたことに伴いまして制定されたというように聞き及んでおります。以後いろいろな形での水質の浄化のための努力をされてまいっております。 排出基準というナショナルミニマムが私たち水濁法に基づいてありますけれども、それに非常に強い上乗せをいたされまして強化をして規制をされております。例えば五十トン以上出すような施設についてナショナルミニマムとしての基準が働くのですけれども、滋賀県では、琵琶湖に対しては三十トン以上のものにかけるといったように小さいものまでかけるという努力だとか、あるいは燐を含む合成洗剤の使用などを規制するというような努力もされてまいっておるわけでございます。そのようなこともありまして、先ほども申し上げましたように水質が一番悪い時期は五十三年、五十四年あたりでありまして、ちょうど富栄養化条例が制定された時期であろうかと思いますけれども、以後、先ほども若干御説明申し上げましたように、相対的に見ます限り、若干ではございますけれども水はきれいになってきかかっておる、ほんのちょっとでございますけれども水準が下がってきておるというように理解できるのではないかと思っておるということでございます。
○竹内(勝)分科員 わかりました。 そこで私どもが望んでおるのは、とにかくこの環境基準に、例えば南湖の状況などはなかなか遠い状況ですよ。そこでそれを達成してもらわなければならない。そのために今後どう努力していくのか。特に南湖の水は疎水を通って最終的には鴨川に流れ、淀川に流れていく。全部その水を近畿一千五百万の人たちは飲んでいるわけなんです。北湖のを飲んでいるわけではない。だからその原水である琵琶湖が、依然として若干いい方向へ来ているというようなものであってはならないわけです。臭い水、それから赤潮にいつも悩まされてみんな非常に苦労しておる。そういう中で今後この基準を達成していく、そしてまた汚濁を解消していく、そのためにどう努力していくのか、その点を述べていただくのと、目標をどういうように置いておるのか、その点を御説明ください。
○渡辺(武)政府委員 お答え申し上げます。 先生御承知のように、五十九年に湖沼水質保全特別措置法という法律ができ上がりました。これは環境基準の達成が非常に難しいような湖沼を指定いたしまして集中的に浄化をしていくための法律でございます。 琵琶湖につきましては、その法律の指定が六十年の十二月に行われております。そして具体的に浄化をする計画づくりが去年の三月に完成をいたしております。それに基づいて浄化をやっていこうということでございますけれども、まず浄化をいたします中身といたしましては、計画ができ上がっておりますけれども、六十五年度までの五カ年間に、一つは、いろいろな汚染源に対する規制を強化していこうということであります。 二番目は、下水道の整備等いろいろな水質浄化のための施設の整備を計画的にやっていこうということでありまして、それによりまして水質を着実に改善していきたいということでございます。 まずその改善目標を申し上げますと、六十五年度までにいろいろな施策を講じた結果、北湖で二・二、南湖で三・四ppmにしていこうということでございます。この数値、先ほど申しました数値とちょっと違うわけでございまして、先ほど申しましたのは平均値でございますからちょっと少なめに出ておりますが、水質目標値ということで私たちが正式に決めております七五%値、非常にややこしい話でございまして説明が難しいのでございますが、そのような数値でございますので、ちょっと性質が違いますが、現状六十年は北湖については二・四を二・二にしていく、南湖につきましては現状六十年ベースですが、三・七ppmを三・四にしていくという計画をつくっております。 それをどのようにして達成していくかということになりますと、一つは先ほども申しました規制を厳しくしていくということでございまして、新設工場につきましての汚濁負荷量の増大を削減するといったような話等々があります。それから、中心になりますのは下水道等のいろいろな施設整備を五年間着実に行っていくということでございまして、これは総事業費で約二千億円を五年間で見込んでおるところであります。これを、各省が所管しておる補助に係る事業が多いわけでございますが、計画的に各省の御協力も得ながら、琵琶湖を入れて七つほど湖沼がございますけれども、そこに重点的に配分投資をしていくということを考えております。琵琶湖につきましては二千億を五年間で予定しておるということでございます。
○竹内(勝)分科員 今のをもう一度説明してもらいたいのは、COD環境基準は一ppmですね。
○渡辺(武)政府委員 そうです。
○竹内(勝)分科員 それを北湖で二・四から二・二、それから南湖で三・七から三・四、これはどういう根拠のもとにその数字を出したのですか。その数字では意味がわからぬ。もうちょっと詳しく説明してください。
○渡辺(武)政府委員 簡単に申し上げますと、基準値一ppmにするのが目標でございます。しかしながら、御承知のようにこれは非常に長い期間をかけて徐々に汚染をされてきたということでございまして、その汚染源を断たなければならないというわけですね。 ところが、御承知のように一番中心になりますのは下水道の整備とか施設を整備していかなければならないのが、なかなか一挙にはいかないというわけでございます。したがいまして、どのような事業を、財源も含めまして五年間にやっていける可能性、取り得るかというような点から来るのが一つでございます。 それからもう一つは、一ppmに近づけるにいたしまして、さてどの程度の利水障害をまず除去していくかというようなことからいたしまして、一ppmにしてしまうのが一番いいわけでございますけれども、どの程度までのものであればその期間は一応耐えていこう、利水面からの障害は我慢できるのじゃないかというような水準、そのような両面からの接近ででき上がった数字でございます。
○竹内(勝)分科員 それでは建設省にお伺いしておきます。 滋賀県の、いわゆる琵琶湖の周辺を抱えておりますので、その下水道の普及状況はどうなっておりますか。それからまた、国の補助対象外の下水道については、この水質保全の立場からどう考えておるのか、その点を御答弁いただきたいと思います。
○安藤説明員 琵琶湖流域の下水道事業につきましては、昭和六十一年度におきまして七市十一町において流域下水道、それから公共下水道事業を実施しているところでございます。 このうち、琵琶湖流域下水道、これには湖南中部処理区と湖西処理区と二つございますが、それと大津市の単独の公共下水道、近江八幡市の沖ノ島浄化センター、こういったものが既に供用を開始しているところでございます。 琵琶湖におきます現在の下水道の普及率でございますが、昭和六十一年度末、六十二年の三月末でございますけれども、大体一五%ということになっております。 次に、面整備の方の件でございますが、下水道の面的な環境整備に当たりましては、経済的な工法を採用すること、それから補助対象となる主要な管渠と、それ以外の地方単独事業の管渠との整合のとれた整備を行うことなどによりまして効率的な実施を図るように関係地方公共団体を指導しているところでございます。 なお、公共下水道の管渠の補助対象範囲につきましては、昭和六十一年度、第六次の五カ年計画が始まった年でございますが、中小都市を中心にいたしまして、その補助対象範囲の拡大を図ったところでございます。これによりまして事業の一層の推進が図れる、こういうふうに考えているところでございます。 先ほど来先生御指摘のように、琵琶湖の流域の下水道事業というのは、琵琶湖の水質を保全する上で非常に重要な施策でございますので、今後とも流域下水道及び公共下水道の整備促進を図ってまいりたい、こういうように考えているところでございます。
○竹内(勝)分科員 六十一年度末一五%、これが、先ほど御答弁いただきました五十三年、五十四年、この辺が一番汚染度がひどかったときですね、このときの実態はどうだったのか、それが六十一年度末に一五%になり、それから今度は、先ほども五カ年計画を言われましたですね、そうしますと、昭和六十五年度にはどういうように持っていこうとしておるのか、この一五%がどこまで進んでいくのか、その点をもう一度御答弁ください。
○安藤説明員 五十三年、五十四年当時の普及率、ちょっと手元に資料がございませんので正確な数字を申し上げられませんが、昭和五十六年度のデータで大体五%くらいになっております。 それから、五カ年計画でどの程度達成されるかということでございますが、今までの傾向を見ておりますと、大体年間二%程度普及率が上がっておりますので、これからはもっと力を入れるということで二九%程度まで上げたい、こういうように考えているところでございます。
○竹内(勝)分科員 先ほども若干御説明がございました昭和六十年十二月十三日、その前にこの湖沼水質保全特別措置法、これは昭和五十九年にこの法律が制定されております。そして、湖沼の汚染に歯どめをかける、こういうことから指定湖沼ということで最初に閣議で決定したのは、五つの湖沼を指定湖沼として決めたやに伺っておりますが、まず、いわゆるこの湖沼法の指定湖沼がどうなったのか、そして全般にはこの湖沼法をどのように実施していくのか、今、琵琶湖に関してのことを若干御説明いただきましたが、全般的にはどうやっていくのか、それから指定湖沼は今後どういうようなものが要望があるのか、そしてまた、指定湖沼にしていこうとしておるのか、そういった面をあわせて御答弁いただきたいと思います。
○渡辺(武)政府委員 指定湖沼は、七つほど今指定されております。先生のおっしゃるように、初め五つ指定をいたしました後、おととし諏訪湖を指定いたしましたし、去年宮城県の釜房ダム貯水池というのを指定いたしまして、現在七つになっております。この七つにつきましてすべて、琵琶湖について御説明申し上げましたような具体的な浄化のための計画がもうでき上がっております。 そして、第二の御質問になろうかと思いますが、どのように進めていくんだということでございますが、琵琶湖について御説明申し上げたとほぼ同じでございまして、一つは排出の規制をきめ細かくやっていくということ。それから二番目は、いろいろな浄化施設を計画的に整備していくということでございます。どこもやはり同じようにその中では下水道の整備というのが非常に大きなウェートを持っておるわけでございます。 第三番目の御質問の今後のことでございますけれども、法律をつくりますときに、大体予想といたしましては、十ぐらいのものを現実のものとして予想をいたしておりました。今、七つでございます。あと、これは県から、県知事さんから指定の御要望がございましたときに、私たち各省と協議いたしまして指定をするという運びになるわけでございますが、まだ現実には指定の申し出がございませんけれども、準備をされておるとお聞きいたしておりますのが島根県と鳥取県の間にございます中海、それから島根県にございます宍道湖、この二つでございます。申請が出てまいりますれば私たちまた各省とよく協議させていただきまして、指定をする方向で検討してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○竹内(勝)分科員 じゃ、もう一つはどんなところを考えておるのですか。それで九つですね。もう一つは。
○渡辺(武)政府委員 もう一つは、今申し上げました二つの湖ほどまだ検討が進んでいないように聞いておりますけれども、相模湖を神奈川県の方でお考えになっておるということを聞いておるわけでございます。
○竹内(勝)分科員 それでは、次の問題に移らしていただきます。 まず、フロンガスの問題を取り上げさせていただきます。時間の関係で、できるだけ簡潔に御答弁いただきたいと思います。 この地球を取り巻くオゾン層を破壊し、健康や環境に悪影響を及ぼすとされるフロンガスについて具体的な規制策を検討しており、中央公害対策審議会が去る二月十九日に、オゾン層保護のための制度の基本的なあり方に関する答申をまとめました。今後提出しようとしておる法案の骨子について、そしてまた、いつごろ出そうとしておるのか、その辺をお伺いしておきたいと思います。
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。 中央公害対策審議会の答申のポイントでございますが、先生からお話ございましたように六十三年二月十九日に答申されたものでございますけれども、この基本的なあり方といたしましては、地球的規模の環境問題でありますオゾン層の破壊を未然に防ぐために早期に対策を講ずる必要があるという観点から、制度は環境保護のための制度であり、対策の総合的な推進が必要であることを明らかにした上で、講ずべき対策の概要といたしましては、特定のフロン等の生産規制、排出の抑制等に加えまして、科学的知見の集積と活用が重要であること、さらには、この基本的な考え方を踏まえまして対策を推進する上で必要な立法措置の具体的な内容を示したものでございます。 そのような答申を受けまして、私どもといたしましては関係省庁とともに鋭意その法律の案につきまして検討作業を進めているところでございまして、現在の予定といたしましては、十一日の閣議に諮っていただきまして国会に提出いたしたいというぐあいに考えているところでございます。
○竹内(勝)分科員 この排出規制の面では、IC産業やあるいはクリーニング産業あるいは発泡スチロールメーカーなど、このフロンガスを使用する業者に対して排出抑制とその使用の合理化に努めるよう規定しております。そしてまた、そのための具体案を国が作成、こうあるわけですね。 もう一つ、フロンの漏えい防止。製造の中でそのものを使っていくというのではなくて、使用している段階で漏えいしていく、その漏えい防止というものをどう考えておるのか、この点を御答弁いただきたいと思います。
○長谷川(慧)政府委員 大気中のフロンの排出抑制あるいは使用の合理化等につきまして、そういうものにつきましては、それぞれのフロンを使用する者が何らかの対策を講じてできるだけフロンを大気中に排出しないというようなことを進めるのが非常に大事であるという考え方から、お尋ねございましたように、排出抑制、使用の合理化等につきましては、この法律の中におきまして指針等をつくりまして、その趣旨に基づきまして指導をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 この指針の内容等につきましては、法律の制定を受けてから詰めていくところでございますけれども、現在のところ、例えば先生のお話にございましたような漏出防止というようなことにつきましても、施設の維持管理などの工夫をしてむだな漏出を防ぐことというようなことにつきましても指針の内容につけ加えて出したいというふうに考えておるところでございます。
○竹内(勝)分科員 ぜひそういうことでお願いしたいと思います。 もう一度、このフロンに関連していわゆるフロン規制法案ですね、この正式な法案の名前。それから、このフロンを規制していく、行政指導等でいろいろやっていかなければならない、そしてまた今後の立法に当たっての留意すべき点、重要な点はどういうものなのか、その点をもう一度もう少しわかりやすく御説明いただきたいと思います。
○長谷川(慧)政府委員 今考えております法律の名称のお尋ねでございますが、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律という名称で提出いたしたいというぐあいに考えております。 それから、第二番目のお尋ねでございますが、このフロンの規制等につきましては、国際条約あるいは議定書に基づきましてフロンの規制等いろいろ行うわけでございますが、私どもといたしましては、このフロンがいろいろな方面、いろいろなところで使われておるということに対しまして、そういう面でフロンの現在ある問題といいますものを広く使用者、国民の皆様方に十分理解をしていただきまして、この国民の理解のもとに、この法律に基づきます規制あるいは排出抑制等につきましても十分に理解していただいた上で、御賛同を得た上で、このフロン対策といいますかオゾン総合対策を進めていくということが非常に重要であるというふうに考えておるところでございます。法律の中身といたしましては、当然、製造の許可の問題あるいは排出抑制の指針、指導の問題あるいはいろいろな科学的研究の知見の集積等、いろいろな問題があるわけでございますが、何分にもやはり広く使われております物質につきましてのある程度の規制を行うわけでございますから、そういう面では各方面の周知徹底、理解を求めることが非常に大切であるというぐあいに考えておるところでございます。
○竹内(勝)分科員 それでは時間ですので、大臣、一点決意をお伺いしておきますが、まず最初の私が申し上げた湖沼、努力はしておりますが芳しい成果というものはなかなか上がっておりませんね。先ほどの琵琶湖の実態を見てもわかるとおりです。この湖沼法が制定されて、そしてそれがいよいよ実施の段階ですからね。五カ年計画、そういうものに従っていよいよ努力していくわけですが、やってみたらやはり大した成果が出ませんでしたというようなことにならないように、ぜひ長官として、その点の今後の環境行政に対する御決意。それから同じくフロンガス、これにかかわるオゾン層の破壊というのですから、これはまた大変なことですね。それが破壊されていくことによって今度は皮膚がんになったりいろいろな影響が出てくる、大変な状況でございます。この問題も非常に重要な問題でございますので、以上の二点に関しまして長官の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○堀内国務大臣 まず、琵琶湖の問題ですが、私も奈良県から東京へ通うので京都駅で待ち合わせの時間がございます。あそこで氷なんか飲むときに水を飲むと、飲めるような水じゃありません。だから、環境庁長官になったときに一番最初に、琵琶湖何とかならぬか、東京の水は飲めるけれどもあの琵琶湖の水は飲めないぞ、これは渡辺局長にも何遍も言っておるところです。 先ほど来説明がありましたように、六十一年から五カ年計画で二千億かけてやる仕事といえば下水道それから合併浄化槽、そういうことの仕事を推進するのですけれども、私は今この討論を聞きながら、先生も一番心配しているのと同じ立場だと思うのですけれども、この間第七番目に湖沼法を適用したのが釜房ダム、ちょっと先ほど説明したでしょう、あれは仙台市の水がめになるのですね。だから、そこが汚れているから汚さぬようにということで仙台市が金を出すのです。これは琵琶湖の場合、先ほど先生がおっしゃったように千五百万人の水がめやないか、そして原因をつくっているところは百万人の滋賀県でしょう。だから、これはなかなか私は解決しないと思います、今の状況では。ただ、このままでほっておいたら四・〇ppmになるのですね。今三・七、それを三・四にする、これは大したことないですよ。一・〇にするには、これはもうとても気の遠くなるほど時間がかかると私は思います。ただ、現状よりも随分下げることはできるという希望を――今先生おっしゃったように、私も非常に苦心しておるのです。だから本当の公害をそのままで、悪い水を飲んでいる京都とか大阪とかこういう大人口を持っているところが自分らの水がめだという気で一緒になってこの問題の解決に援助しないと、今の公共事業だけではとてもいけないんじゃないかなと、私はそのことを非常に危惧して、こんな意見を私から申し上げるのは非常に問題だと思いますけれども、この場で、先生も私も同じ立場で、この琵琶湖を何とかしなければならぬという立場で考える上では、それを考えなければいけないんじゃないか。そうじゃないと、事業費が二千億というたら大きな金に見えますけれども、一千六百億で下水道をやっていく、建設省では。先ほど話がありました。私も閣議でもそのことを主張していますけれども、なかなかこれは相当な時間がかかると私は思う。ただ、この二千億でもかけないともっと大変な水になるということで、今、やってみたけれどもそんななかなか余りいかないぞと言われるけれども、数字で見てもそんなにいくわけないのです。だから、これは根本的に洗い直して、琵琶湖をどうするかという問題をもっと大きな次元で考えなければいかぬのじゃないかなという気持ちを私は持っておるわけです。 もう一つは、今フロンガスの問題ですけれども、モントリオール議定書というのはもともとフロンガスの生産抑制をやろうというのが主になっておるわけですね。六十一年度まで戻そう、そのときの生産量まで減らそうというのが主になっておる。これはいろいろうちでもこんなことを――ひょっとすると今おっしゃるように皮膚がんだけじゃない、もう地球がなくなってしまうような問題にまでかかっておる問題ですけれども、だからもう少し踏み出そうじゃないかということで、先ほど説明してましたように、外へ出さない、大気へ出さないように密閉させて、これは予算措置で優遇するなり、あるいは通産省がやる仕事を私がここで言うのも適当かどうか別問題として、外へ出さないように、これは世界的に見ると日本が踏み出しておるのです。だから、皆さん方で規制法を可決してもらったら、私は世界的に非常に日本の態度というものは評価されるのじゃないか、そういうふうに思っております。しかし、これとても、やはり国民全部の理解がないとできるものじゃない。私もしみじみと、環境庁の仕事というのは国民的課題の上に立たぬとどうにもならないところだなという感を最近強く持っておるのですが、とにかく一生懸命やっています。そういうことでございます。
○松田(九)主査代理 これにて竹内勝彦君の質疑は……
○竹内(勝)分科員 いや、ちょっと待ってください。
○松田(九)主査代理 何で。時間が過ぎておる。大臣の答弁が長過ぎる。
○竹内(勝)分科員 大臣がいい答弁をしてくれたんですから、間違えぬようちょっとだけ……。
○松田(九)主査代理 簡単にやりなさい。もう八分過ぎておる。
○竹内(勝)分科員 数は、数字はあれでいいんですか。それと、京都と大阪などがもっと協力すべきだ、協力はしているんですよ。その辺をもうちょっと答弁を補足しておいた方がいいのじゃないかと思いますので、それだけ。さっきの数字は合っているんですね。
○堀内国務大臣 よくわかりました。
○松田(九)主査代理 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。 次に、坂上富男君。
○坂上分科員 前の竹内先生の御質問をお聞きをいたしまして、大変情熱を持った長官の御答弁で、大変感銘を受けておりますが、環境庁長官とされまして、私は本日お聞きをしたいのは、水俣病患者に対する環境行政としての救済に対する長官の対応について御決意をお聞きをしたい、こう思っておるわけでございます。
○堀内国務大臣 水俣病、これは私は公害の原点であるという認識をしております。したがって、この患者の救済には、医学的な見地に立ってできるだけのことをしなければならない問題だという認識でございます。
○坂上分科員 長官、この間チッソの元社長らに有罪判決が下りました。御存じだと思います。この判決について御所感をひとつ承りたいと思います。
○堀内国務大臣 直接環境庁という問題とは関係ございませんので、この問題についてコメントは差し控えるべきではないかという考えでございますけれども、出た判決自体の受けとめ方としては、これが公害というものの一番基本的な立場に立っている問題だなという強い気持ちで受けとめました。
○坂上分科員 この水俣病というのはまさに公害の原点であると同時に、世界的にも極めて有名な事件でございまして、その悲惨性や残虐性は筆舌に言いがたいという状況でございます。本当にこれらの患者の皆様方をどうやって救済をしていいのか、まだまだ私たちはこの方途がわからないというのが実態なんじゃなかろうか、こう思っておるわけであります。したがいまして、チッソ元社長らに対する有罪判決についても患者の皆様方は激しい怒りを持っておるわけであります。まさにこれは殺人罪じゃないか、まさにこれは傷害罪じゃないか、こういうような怒りをお持ちになっておるわけでございますので、そんなような意味におきまして、この水俣病患者の救済というのは本当に私たちが国民的な立場の中からも救済を図らなければならない問題だと思っておりますが、いかがですか。
○堀内国務大臣 私も基本的にはそういうふうに思っております。だから、医学的な定説に従ってできるだけのことをしていきたいという気持ちで受けとめております。
○坂上分科員 さて、これからしばらく関係局長さんらに御質問を申し上げますので、また最後に大臣に御意見を賜りたいと思っております。 どなたでも結構でございますが、水俣病患者の公害患者の認定の条件といたしまして、四十六年八月に事務次官通達がなされておりますが、この要点だけ、項目だけおっしゃっていただきたいのです。
○目黒政府委員 四十六年の次官通知は、公害にかかわります健康被害の救済に関する特別措置法の認定ということで、水俣病の認定の要件あるいは軽症の認定申請人の認定、民事上の損害賠償との関係等について示したものでございます。
○坂上分科員 この通達で水俣病の公害患者の認定は、病状が一つでもあれば、かくかくしかじかの病状が一つでもあれば公害患者として認定する、こういうことでございますが、いかがですか。
○目黒政府委員 当時の通知の前後を含めまして、この水俣病の認定につきましては総合的な判断をもっていたしているのでございます。
○坂上分科員 症状については幾つをもってこの認定の条件としているんですか、こういう質問です。
○目黒政府委員 後天性の水俣病あるいは胎児性または先天性の水俣病ということで分けておるのでございます。そして、その症状につきましては、四肢末端あるいは口の周辺のしびれ感あるいは言語障害等あるいは歩行障害、求心性視野狭窄、難聴などを来すことあるいは精神障害、振顫、けいれんその他の不随意運動、筋硬直などを来す例もあること、こういうようなことで主要症状について述べているのでございますが、幾つということではなく、あくまでもこれらの症状を総合、医学的に判断しているものでございます。
○坂上分科員 さて、その通達から、今度は五十二年に部長通達が出たのでございますが、御存じでしょう。この部長通達は今あなたが読み上げられました症状の認定条件についてさらにこの要件が厳しくなったというふうに理解をしていますが、どういう点がどういうふうに厳しくなったのか、お聞きをしたいのです。
○目黒政府委員 特に、五十二年に出しました判断条件についての環境部長通知、それから先ほど御説明を申し上げました四十六年の通知との問題でございますが、水俣病の認定促進ということで、いろいろな形で水俣病の範囲に関する基本的な考え方を、医学的な知見の進歩といったようなものを含めまして再度それまでのことを確認する目的をもって統合整理したのでございまして、この点につきましては四十六年、五十二年いずれも同じ趣旨、同じ総合的な判断に基づくものでございます。
○坂上分科員 さて、今御答弁になりまして、症状が同じ条件であれば、同じ症状であれば、前の通達も後の通達も同じ取り扱いをしているというわけですか。
○目黒政府委員 この点につきましては過去何年かにわたっていろいろ御質問をいただいたことも事実でございます。また、この辺についても御議論をいただいたのでございます。しかしながら私どものお答えは、やはり今お答え申し上げましたようなお答えをずっといたしてきているところでございます。 さらにつけ加えさせていただきますれば、この二つの通知を含めまして判断基準の問題につきましては、六十年の十月に開催をされました水俣病の判断条件に関する専門家会議におきましても、現行の判断条件は妥当であるというような意見が出されておるのでございまして、私ども環境庁といたしましてはこの意見を踏まえまして、現行の判断条件は妥当なもの、このような結論を下しているのでございまして、この一連の私どものお答え、それから先生から賜りました御質問、これにつきましても再々お答え申し上げ、御議論を申し上げてきたところでございます。
○坂上分科員 再々議論を申し上げてきたところがですね、熊本の裁判所で、棄却をされた患者が今度は公害患者としての損害賠償を提起いたしまして、環境庁の通達は水俣病に対する認定としては厳し過ぎるということで、公害患者、水俣病であるということを熊本の地方裁判所が認定をして損害賠償を命じておるのは御存じでしょうか。
○目黒政府委員 お答えを申し上げます。 御承知のように幾つかの判決がございました。また、その判決の中にも先生が御指摘になったようなものも含めましてさまざまのことが述べられておるのでございます。先生御指摘のものにつきましては中身がいろいろあるわけでございます。 例えば三つの裁判を申し上げますと、よく例に出しますのが……(坂上分科員「わかっていればいいのですよ」と呼ぶ)はい、わかっております。
○坂上分科員 わかっていれば、あなた方が患者でないと棄却したものが取り消しになっているんだが、それがいかがかと、こう聞いているのです。 さてそこで、新潟の裁判所でも、皆さん方が棄却をしたのを今損害賠償として、私も代理人になっているんだけれども、裁判を起こしているわけです。これは皆さん方の認定行政といいましょうか、患者に対する行政がどうも間違っているのじゃなかろうかと思うから私は聞いているのです。確かに再三国会で議論になった。そして、もう絶対大丈夫だと思ったのが熊本地裁で負けた。国の主張が敗れたわけです。今新潟でも敗れようとしているのじゃないですか。もうちょっと的確な御答弁を。
○目黒政府委員 先生御指摘の、判決を受けたものについてこれを棄却したということについては私、承知いたしておるのでございます。 この熊本県がとりました処置でございますが、この処置につきましては私ども妥当であると考えているところでございます。これは係争中のものでございまして、大変残念なことでございますけれども、私ども控訴をいたしているところでございまして、さらに上級審において争っているところでございます。したがいまして、この件につきましては、私ども行政当局は、先生から御指摘がございましたけれども、医学を基礎といたしまして救済すべき者は救済するという先ほど来申し述べておりますようなことで判断をしてまいったものでございます。また、今後このような争いが続いていくわけでございますが、やはり司法の判断は司法の判断、あるいは私どもの判断は私どもの判断ということで、係争中のものでございますので、特にこの件についてどうこうということについては差し控えさせていただきたい、このように思っているところでございます。
○坂上分科員 あなたたちの認定業務が間違っている、指針が間違っていると――棄却されたものが正しいかどうかということの裁判でしたら、あなた方の二度目の通達に問題があって、最初の通達をもとにして水俣病の患者であると熊本判決は言っておるわけです。だから、あなたの方は裁判は裁判、行政は行政とおっしゃっているわけです。今長官がおっしやった、本当に公害の原点であるものだから、私たちは環境行政を施行する上においてできるだけ温かくこれらの被害者の救済に心しておるというような御趣旨の答弁があるわけでございますから、今控訴で争っておりますからここで云々することは適当でないなどと言うことは、これはとてもじゃないが――今認定作業が進行中なんだから、熊本の判決、確定はしてないけれども行政の中になぜ取り入れられないのか、今長官のようなお考えがあるとするならば。 長官、そういう経過があるのです。でありますから、この際、今言ったような通達を見直して患者救済に、行政はもう裁判をしなくても第一審が出たのでございますから、そういう対応がとれないものだろうかということが私の一つの質問の趣旨なんです。まず御感想を長官からお聞きをいたしましょうか。
○目黒政府委員 長官の前にちょっと事務的に補足させていただきます。 先生御指摘のとおりでございますが、これにつきましては裁判が三つほど今までにございます。主として争われましたこの基本の根っこの問題の中に、水俣病は全身性の疾患なのかあるいは神経だけがやられるのかという論争もあって、そこから延長してくるものがあるのでございますが、この三つの判決の中でもこの点については違った判決も出ているのでございます。したがいまして、この裁判の中でも違った考えの判決もあることは事実でございます。また、先ほどの繰り返しで恐縮でございますけれども、現行の判断条件が妥当か否かにつきましては、六十年の判決の後で私ども詳細に専門家に検討していただきました結果、先ほど来申し上げているような判断基準は動かさないということで、現段階ではこのままで済む、こういう結論に到達したということを御説明申し上げたい、こういうことでございます。
○坂上分科員 長官、いかがです。
○堀内国務大臣 今先生がおっしゃっている裁判問題というのは、私専門家じゃないのでちょっとコメントを差し控えますけれども、私もこれは原点であるからということで、目黒部長もそうですけれども、何回も集まってもらって、この水俣病について検討いたしました。私が今一番思っているのは、水俣病の患者の中で、患者だ、患者でないということを決めかねている人たちがおられるわけです。この仕事だけは早くしてやれ、一日も早くして、一人でもシロクロをはっきりつけようということを結論的には指示しておるのですけれども、これは聞けば聞くほど非常に難しい問題でございます。特にお医者さんにもいろいろな意見がある。そしてどんな問題も、一つに固まった問題だと結論が出しやすいのですけれどもいろいろな意見がございます。だから、医学の定説に従うしか行政は方法がないんだなというような認識を私は現在しておるところであります。しかし、根本から言うと、水俣病にかかられた方は長い年数かかっておるわけだからできるだけのことをしてやらなければいかぬ、そしてその中途でおられる方が非常に多いわけですから、何とかして一日も早く結論を出してやれ、そうじゃないと余りにもむご過ぎるというように私は受けとめておるところでございます。
○坂上分科員 第一次の通達のときは、熊本で却下になっても行政庁、環境庁の方で疑わしきはこれに従うという理論で差し戻しをなさいましたね。そして救済をしてきたわけです。第二次の五十二年の通達が出てきてからまさに患者切り捨ての環境行政、被害者救済行政が患者切り捨てに変わったと私は思うのです。患者たちの怒りが熊本の裁判所への提起となりあるいは新潟の裁判所への損害賠償の提起となっているのです。したがいまして、これは第一審で一つの結論が出た、新潟でも私たちは勝つ自信を持っておるわけです。これは負けたら一体だれが責任をとりますか。金だけではありません、行政上の責任をとってもらわねばならないのです。負けたらだれがとりますか。御答弁をいただきたい。
○目黒政府委員 これは仮定の御質問でございますので、お答えできかねる問題ではございますが、大変難しい問題でございますが、私どもの方としては、最終的な判決が確定をいたしましたときには、これは判決に従うということでございます。
○坂上分科員 そんなのは当たり前のことを言っているのです、あなたたちが従わぬでも強制執行すればいいんだから。問題は行政責任をどうするかと言っているのです。国会で前にいろいろと議論があったが、私は再び持ち出しているわけだ。もうそろそろ環境行政の中で被害者救済のために第二次の通達というものは撤回をして、第一次の通達に戻るべきじゃなかろうかということを私は言っておるわけでございます。また後で締めくくりの質問をやりますから、そのときお答えをいただくことにいたします。 さて今度は、熊本と新潟の水俣病に対する差別についてお聞きしたいのであります。 患者の申請を棄却され、しかし一定の条件に合う患者に対しては特別医療事業というものが行われているそうでございます。お医者さんの医療費は見ていただいているんだという趣旨のようでございますが、これは熊本の関係者についてはそういう適用があるそうでございますが、新潟の患者についてはないようでございますが、これはどうしたわけですか。
○目黒政府委員 この特別医療事業につきましては、これは六十年八月に確定をした判決に基づきまして専門家会議を開き、その専門家会議の御意見等々あるいは私どもの判断等を加えまして、新たに水俣病ではないと判断はしたけれども同じような病状がある者に対して何らかの配慮をしようというような趣旨の専門家の意見に従いましてつくったのがこの特別医療事業というものでございまして、六十一年の夏以来実施いたしているものでございます。 先生御指摘の差別があるではないかということでございますが、私ども、水俣病の患者さんにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、医学を基礎として、救済すべきは救済するという考え方には熊本も新潟も変わりないわけでございます。しかしながら御質問の趣旨につきましては、これは特別医療事業の中では、水俣病の認定申請が棄却されたものの中で四肢の感覚障害等一定の要件を満たすもののほか、疾病の原因を究明できるまで治療費の自己負担分を助成するということでございますが、この対象等につきましては、水俣病の歴史、あるいはこの経緯、あるいはこの発生の状況、それからこの行政的な施策、あるいは検診を行ってまいりました状況、あるいは診査の状況、あるいは先ほど申し上げました水俣病の判断条件等を総合的に勘案をいたしまして、私ども、新潟につきましてはこの適用をしないことにしたのでございます。
○坂上分科員 新潟については適用しないことにしたというのがわからないというんです。今あなたがおっしゃったような条件があれば、新潟の患者の人にも適用されてしかるべきじゃないか、こう聞いているわけです。どうですか。
○目黒政府委員 申し上げましたように、明らかに熊本の場合にはチッソ株式会社では三十年代前半から、あるいはこのものにつきましてはそれから約十年近くたってから昭和電工ということで出てきたものでございます。経緯が違う、例えばこの補償協定も違うわけでございます。それを申し上げたわけでございます。また、発生の状況等も違ってきているのでございます。また、検診を受ける場合の検診に対する行政当局の施策あるいは検診の方法等についても、やはり熊本と新潟におきましては、具体的には違うという意味ではございませんが、この経緯の中で違った形で行われているのは事実でございます。 と申しますのは、やはりこの十年間の間に学問的な進歩あるいはその後水俣病そのものに対する研究といったようなものが加わったために、先ほど申し上げましたような物事の中で、医学的な考え方が進歩していることも事実でございます。また、この診査の状況等々を踏まえまして、全般的にそのように判断をいたしたのでございます。
○坂上分科員 水俣病の患者は同じでしょう。そして水俣病の患者であると認定してくれといって申請して却下した。しかし、新潟であってもあるいはあなた方が言うところの特別医療事業の対象者になるかもしらないのに、何で新潟だけ差別をしているのか、こういうことなんですよ。どうですか、大臣。今言ったことは全く私はわかりかねる。これはもう新潟でも大変な差別じゃないか、こう言っているわけです。これは新潟も適用せよということで、決して熊本が行き過ぎだと言っているんじゃないんですよ。どうぞ長官。
○堀内国務大臣 今聞くまでもなく、私これは何回も調べました。そうして違いのあることをよく認識しております。同じ病気だと今先生おっしゃっておるけれども、時期も、問題も、また相手も、いろいろ違うからこういうような解決になったんだな、だから違いがある。差別と、こう今おっしゃると、そういうことになるかどうかということには私はまだ疑問を持っておりますけれども、違いがあるということは認識をしております。
○坂上分科員 そろそろ時間が来たからまとめますが、まず、チッソの事件が発覚をいたしました。そのとき直ちに行政が廃液の垂れ流しであるということを的確に押さえれば、同じ仕事をしておりました新潟の昭和電工でも直ちにこれをとめられたわけであります。しかるに、これを平然と廃液の垂れ流しをさせたために第二の水俣病が発生したわけです。だから私たちはこれを未必の故意による殺人行為である、傷害行為である、こう言っているのです。新潟水俣の発生原因というのは、私はそこから来ていると思います。 ただ、遺憾ながら、これは不法行為ではあるけれども過失である、故意でありませんという裁判所の判決はありました。しかし、私たちはそういう認識を持っているのです。あのとき水俣で発生した教訓が直ちに昭和電工等に生かされるならば、あるいは第二の水俣病は新潟で発生しなかったのではなかろうか、こう思っているわけであります。それが今言ったように、最初は確かにびっくりしたのかどうか知りませんが、公害患者として割合によく認定をしていただいた。それが第二の通達が出たために片っ端から切り捨てた。そしてあげくの果ては新潟と熊本の患者の中でもそういう差別が出てきておるわけであります。何で新潟の人たちを、棄却になったけれども、症状が出ている限りにおいては救済ができないのでしょうか。御考慮いただけませんか。
○目黒政府委員 先ほど来申し上げましたこと等に尽きるわけでございますが、現在のところ、私ども現在の方針を変えることは考えていないのでございます。
○坂上分科員 今度は熊本、新潟に共通することでございますが、はり、きゅう、マッサージ、これの併給についても御検討いただけませんか。
○松田(九)主査代理 保健部長、時間がないから簡略に。
○目黒政府委員 この件につきましても、発足以来一年ちょっとということでございますので、もう少し推移を見守りながら将来の課題として慎重に検討してまいりたい、私どもこのように考えておるところでございます。
○坂上分科員 最後でございます。 この程度できょうは残念ながら終わりますが、先般、水俣病医療救済法の制定を求めて、関係者の皆様方から私らのところにも陳情がありました。環境庁にも陳情があったわけでございますが、こういう陳情を受けられまして今後いかがなさるつもりでございますか、御答弁を。
○目黒政府委員 水俣病の問題は、先ほど来御説明申し上げましたように複雑かつ経緯のある問題でございます。したがいまして、これに取り組みますためには十分に検討と用意をしていかなければいけないということで、この三十年来慎重に推移をしてきたところでございます。私ども、この水俣病につきましては、医学的に見て救済すべきは救済するという考えで今の認定の促進に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○坂上分科員 終わります。警察と検察庁、呼び出しておきながら時間がありませんで大変申しわけありません、お許しいただきたい。ありがとうございました。
○松田(九)主査代理 これにて坂上富男君の質疑は終了いたしました。 次に、東中光雄君。
○東中分科員 石垣島の白保海域を埋め立てて新石垣空港をつくるという計画ですが、この白保の海にあるアオサンゴなどの貴重な自然環境が破壊される、これを守っていく上で非常に重大な問題だと思うのですが、これについて二月十一日に南米のコスタリカで開かれました国際自然保護連合、IUCNは、日本政府に対して新石垣空港の建設計画を再考するように強く求める決議をしました。 これについて長官が二月二十六日の予算委員会総括質問で「私どもとしてはかけがえのない自然環境を保全するという認識で仕事を進めておるわけでございますから、この決議も大変な応援をしていただいておると受けとめておるところであります。」という御答弁がありました。ところが、そのすぐ後の二十九日に沖縄の県議会で西銘知事は、この堀内環境庁長官の発言について、これは一般的立場で述べられたものと理解しておる、従来の方針どおり計画は進める、こういう言い方になっておるわけであります。これは勝手に言うているんだというようなものですわ。どう思われますか。決議との関係を含めて長官の御所見を承りたい。
○堀内国務大臣 何というのか、どちらもある意味から言うたら答えになっておるような感じを受けるのですが、実は、今御指摘のIUCNの決議というものは、環境庁の諸君もこれに入っておるのですからこれは非常に大事な決議だと受けとめておる、これは事実でありますし、またそのときに、アオサンゴの保存ということも含めた話でございますけれども、四つぐらいいろいろな御指摘がございました。全般的に、基本的に非常に重要な決議だという受けとめ方を私はしておるということでございます。 ただ、沖縄の知事さんがどういう発言をなさったのか、今あなたから御指摘あって初めて聞いたのですけれども、言われるのも無理ないなと思うのは、御承知のように、私はあの石垣島の空港については一つも直接意見を述べた機会はないのですが、と申しますのは、政府の決めておる決定からいうと、現在沖縄県がアセスの準備をしておるという段階でございますから、私どもが今コメントするということはちょっとおかしい話で、このアセスを完了して、そしてこちらへ上がってきた段階で、私どもはこれに適切に対応するというのが筋じゃないかなという考え方を私は終始持っておるのですけれども、そういう機会がなかったものだから、一方的に聞かれたものだから、それだけを一般的な答え方をした。そういう考え方を持っていることを知事さん御存じだから、そういう意味のお答えをなさったのじゃないか、そういうふうに思います。
○東中分科員 決議は、まず定義をしていますね。白保海域は、「北半球において、今までに発見された中で最大、かつ最高のアオサンゴを含めて科学的に貴重な多くの自然相を有する豊かなサンゴ礁群落の特に顕著な例」であるという定義をやって、それで日本政府に対して一番目に、「白保リーフ海域への開発行為が及ぼす環境上の影響に考慮して、現計画を再考するための手続きをとることを強く求める」、だからもう中止せいということですね。それから二番目は、「日本の国内法の下で可能な限り、最大級の保護策をとることを要請する」、それから三番目は、「白保サンゴ礁の調査計画を立案し、サンゴ礁の生態系の調査と維持管理を促進し、日本におけるサンゴ礁の全般的現状監視、サンゴ礁破壊と衰退の原因提示を提案する」、こういう三つの提案です。これが、環境庁の立場からいって環境庁を応援するものになっておるんだ、こういうふうに言われたのですから、決して一般的なことではないです。白保のアオサンゴのことについての具体的決議が環境庁の応援という立場になっておるということなのです。しかし、それについては具体的なアセスが出なければわからぬ。それはわかりますけれども、この決議で言うておる内容は、これは民間でもありますが環境庁も入っておるわけですから、今具体的なことをどうするかというのは別にして、この趣旨はその方向で行くんだというふうに言われておるように私は理解しているのですが、そう理解していいですか。
○堀内国務大臣 考え方、マクロに立っては基本的に私はそういうふうに理解しておるのです。今おっしゃったとおりなのです。ただ、先ほど申しましたように、今の段階、沖縄県がアセスをやっておるわけなのです。だから、私どもそれについてのコメントをすべき立場でもないのだし、それが出てきた段階でこれを、このアセスでアオサンゴを守れるのか守れないのか、いろいろなことを環境庁の立場で検討することになると思います。
○東中分科員 同じ二十六日の予算委員会で石原運輸大臣が、運輸大臣としての発言というよりは元環境庁長官という立場で、「あそこで海の中を一部埋め立てするということになれば、いい変化はまず絶対にない。ある変化は決して好ましいものでない。私も前に環境庁におりましたから大変胸を痛めております」、あの例の発言がありました。私は、本当にこういう立場だと思うのです。 ところが、この問題が出たときに、新空港建設計画が二千五百メーターで発表されたときに、環境庁は去年の八月十九日の沖特で、「空港建設のための埋立予定地は、」「アオサンゴの群体に極めて近接している」「現行計画のままでアオサンゴが確実に保全し得るとはなかなか言いがたい」という発言をされて、それがすぐ影響して、八月二十七日には二千五百のものを五百メーター削った二千の滑走路にするということを沖縄県側が言い出した。そうしたら、今度はまたすぐ環境庁がそれを非常に評価するような発言をやっておる。だから、事実上認めてオーケーを出しているというふうなニュアンスになっておるわけです。だから西銘さんのこの間の発言も、「環境庁の理解も得ており、堀内環境庁長官の発言は、一般的」なものだ、こういう答弁になっているんですね。これは私は非常に重要だと思うのですよ。こんな格好で、いわば非公式みたいな格好で評価をして実際上オーケーを与えているみたいになる、これは非常にまずいと思いますので、基本的な環境保全の立場に立って、そしてアセスが出てきて、厳格にその実情を見て判断をする。オーケーを与えたようなことではぐあいが悪いと思うのですが、オーケーを与えているわけではないのですね。そこのところだけ確認しておきたいと思います。
○森(幸)政府委員 今先生のお話の点につきましては先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおりでございますが、沖縄県知事の変更案につきまして、私どもといたしましては、それまでの計画と比べましてアオサンゴの保全など環境保全の観点から配慮がなされたということについて、そういう環境保全の努力をなされたということの評価をいたしておりますということを環境庁としては申し上げました。 ただ、先ほどの大臣の御答弁にございましたように、私どもといたしましては、今後行われます公有水面埋立法の手続の中で、沖縄県の環境アセスメントの実施結果というものを踏まえまして最終的な判断を行い、また意見を申し述べるということにいたしておる次第でございます。
○東中分科員 だから、環境保全、自然保全の立場で五百メーター短縮したということ自体はそれはいいことでしょう、そのままでおるよりは。しかし、それでオーケーを出しておるわけではなくて、そこのところが私は大切だと思うのですが、オーケーを出したみたいな雰囲気になってしまっておるのです。事務次官がどう言うたとか、新聞にそう書いてある。そういうことではだめだ。今の答弁で、アセスが出た段階で、これで見てみてやはりだめだということになることだってあり得る。かけがえのない自然を保護をするということでよろしいですね。それだけ聞いておいたらいいです。
○森(幸)政府委員 変更計画につきましては、沖縄県が今まさに環境アセスメントというものを開始しようとしている段階でございますので、こういう段階で環境アセスメントの結果に言及することは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても環境庁といたしましては、環境アセスメントの結果を踏まえて判断をするというようなことでございます。
○東中分科員 評価したのは、五百メーター削ったのはいい方向を向いておるという評価だけで、それでよろしいという評価ではないということをしかと承りましたので、次の問題に入ります。 公健法の改正によって被害補償の地域指定解除がやられました。この二月いっぱいで解除がやられたのですが、公害患者はもうなくなったんだという建前で動いているわけです。これは大変な誤りだ。この法案が百八国会から審議されるとき私も審議に参加しました。けしからぬと思っているのですが、そういう中でこの二月いっぱいで締め切りがやられるということで、公害患者の認定打ち切り前の、あなた方の言う駆け込みですね、公害患者認定申請が随分たくさん出されています。この二月だけで全国で八千三百三十四名の申請者がありました。これは今まで大体一年間九千人ぐらいだったんですね。二月だけで八千三百三十四名。大阪市は二月だけで千六百七十一名。今まで一年平均で約千六百人だった。ところが千六百七十一人になっておる。一年分の申請がこの二月にだあっと出されている。公害患者はおらないのじゃなくていっぱいふえているんです。毎年九千人ぐらいずつふえてきたんです。そういう状態が今なお起こっておるということであります。昭和六十一年度の新規認定申請者数は一万五百四十二人だったんですから、この二月だけでそれの八割、そういう状態です。 それで、申請を出したらこれが要件に満たないということで、実際に障害が出ているのに、発症しているのに認められない。例えばこういう例があるんですね。大阪市の此花の例ですけれども、この患者さんは大阪の指定区域の中へ入ってきたのが六十二年の六月なんです。入ってきて間もなしにぜんそくになってしまって、今は非常に苦しんでいるわけです。その症状はことしの六月になれば一年の暴露期間があって公害患者になるわけですね。ところが二月で打ち切りですから、出そうと思っても一年たってないから出せない、こういう格好になるのですね。だから、任意的に決められた要件によって、満たないからといって、苦しい中でもう補償されないという状態になっておる。何とも今度の打ち切りというのは非常に異常な状態を起こしておる。患者はどんどんおるという状態である。これは事実だと思うのです。だから、このままで指定解除で置いておくというようなことではいかぬ、何とかせねばいかぬと思うのですが、どうでしょう。
○目黒政府委員 先生御指摘の患者の認定申請者の数の問題でございます。 昭和六十二年の十一月ぐらいまでが私ども正確に把握している数字でございますけれども、それを見ますと、四月から十一月までは大体ほぼ例年並みに推移しているのでございます。その後、私ども地方自治体から聞いているわけでございますが、申請者数は増加の傾向にあるやに聞いているのでございまして、私ども現在この締め切りの六十三年二月末までの速報値を集計中でございます。いずれにいたしましても、これはある程度の申請の増があるということは予想していたのでございます。 先生御指摘の点でございますけれども、ぜんそく等の公害の認定患者でございますが、これは大気汚染以外のダニとかカビとかいったような原因によっても発病するものでございまして、この辺のことにつきましては先国会で御議論申し上げたところでございますが、このような申請者がいるからといって、現在の大気汚染がぜんそく等の主たる原因というふうに私ども考えてないのでございます。 また、答申の趣旨からいっても、今回の地域指定の解除は合理的で妥当であるという考え方にはいささかの変更もないということでございます。また、……
○東中分科員 もういいよ、そんな答弁。前の、打ち切りのときの理由をここで繰り返したって何にも意味がないのです。あのときは、もう患者はなくなっていくんだという建前で強引に打ち切ったわけですよ。打ち切ったところが、さあ最後ということになったら一年分の患者が出てくるという状態になっているということについて、何にも反省も考えようともしないという保健部長の姿勢は非常に遺憾だと私は思うのです。 ところが、地方自治体はそうじゃないのです。実際にそういう患者が出てくるわけですから、例えば大阪の例でいいましても、守口市長は、今度の「昭和六十三年度市政運営方針及び施策概要」という市議会での演説の中で、こう言っております。「私は、公害健康被害補償法の改正により、本年三月一日から、疾病の認定制度が廃止されましたことを、まことに遺憾に思うものであります。そこで、新たに発生する患者への措置につきましては、」「可能な限り早期に実施の運びといたしたい考えてあります。」こういうことを言っております。具体的にとらざるを得なくなってきている。 吹田市の場合でいいますと、「公害健康被害補償法の改正に伴う医療費助成制度について」というのを発表しまして、「第一種地域の地域指定を受けている本市南部地域にあっては、なお大気汚染の顕著な改善はみられず、患者数も増加する傾向にある。」こうして医療費の一部を助成する制度を創設することになっております。 そして大阪市の場合も、「小児ぜん息等医療費助成制度について」ということで、公健法改悪による国の環境保健事業を補完する助成制度を新たにつくりました。 自治体は、自分たちのところの住民に対して、何とかせにゃいかぬ、解消しておらぬ、こう言っているわけです。ところが、本来やらなければいかぬ、保健部長の立場からいえば補償しなければいかぬ立場の人が、さっきの水俣病じゃないけれども、まるっきり切り捨てる立場だけで物を言っているわけです。これはいかぬと私は思うのです。だから、何としてもこういう態度を改めなければいかぬ。たまたま施行の期日を三月一日と決めたということによって、もうそこから公害でなくなるわけでしょう。それまでは公害になるんだ。おかしいですよ。だから、大気汚染というのは決してよくなっていはせぬ。それはSOxは別です。NOxにしたって粉じんにしたって大気汚染はあります。患者はひどくなっている。ふえてきている。今ふえているということは認めているわけです。しかし、それは大気が因果関係にあるかどうかわからぬと言う。それは随分議論のあったことでしょう。この際はっきりと改めて再指定をするような方向を常に考えなければいかぬということを、これは中曽根さんもそう言ったのですよ。汚染が起こってくればそれはそのときは考えたらいいということをこの前のときに言いましたね。長官、そういう点はどうです。
○堀内国務大臣 残念ながら私、そういう現状だと思ってないのです。中曽根総理の御答弁になった記録も読みました。だから、そういう状態にならないように努力するということは、私たちはもう全力を挙げなければならぬと思いますが、あなたももう十分知っておっしゃっているんだから余計なことは言わぬでもいいと思うけれども、いわゆる硫黄酸化物の大気汚染が今日ほとんどなくなっておるということはまた事実です。だから窒素酸化物の影響は、私はないとは言わぬですけれども、それがそのままだと、あるということもこれは断定できないと思う。だから、我々としては科学的知見に基づいて政策をやるとしか言いようがないわけなんです。そういう見地からいうと、中公審の答申も得てやっておることですから、私は、現在の状態で病気になる人がふえないように最善の努力をすることしかないのじゃないか。 だから、先ほど目黒部長がいろいろとお医者さんの立場で言っていますけれども、あなたが聞いてくれないから、そんなことはだめだ、あかんと言われるけれども、実際言うと、こういうようにもう都市化しまして、私らのような田舎でもじゅうたんを敷いたり皆都会生活になっています。ところがダニが相当おるらしいですね、掃除しなかったら。そのダニも原因だとか、あるいはペットをたくさん飼っている、猫の毛が原因だとか、いろいろな意見もございますので、いろいろなことを考えてみると、今はあなたのおっしゃることばかりでもないのじゃないか。 だから、もちろんNOxが原因でないと私はよう言い切らぬですけれども、やはりこういう補償しなければならぬような状態から一日も早く脱却する方がいいのじゃないかという考えでおるわけであります。
○東中分科員 この姿勢というのは、指定解除をするということについて、そして同時に、解除する前提として公害被害予防事業実施のための基金をつくるというようになりましたね。あのときの、昨年十月七日付の中公審の総理大臣あての答申、「公害健康被害補償法第二条第一項の第一種地域及び同項に規定する疾病の指定の解除について(答申)」あれが出ましたね。そこでは、指定解除をすることとあわせて「大気汚染防止対策及び総合的な環境保健に関する施策を実施すること」として、そして「特に健康被害予防事業を確実に実施するため、大気汚染の原因者及び大気汚染の原因にかかわりのある者からの基金への拠出が確実に行われるよう適切な措置が講じられることが必要である。」そして、後の部分について言うならば、現行法、この間の改正法の九十八条の二でしたかで、はっきりと基金の負担をするのは「大気の汚染の原因となる物質を排出する施設を設置する事業者その他大気の汚染に関連のある事業活動を行う者から拠出される拠出金をもってこれに充てるものとする。」こと、これは法律で決めてあるでしょう。つまり答申に従って法律で決めた。ところが、さあ実際に指定解除するということになったら、このとおりやってないですね。この「その他大気の汚染に関連のある事業活動を行う者」というのは、いわゆる自動車メーカーでしょう。自動車メーカーが百億円負担するんだ、そして直接の「大気の汚染の原因となる物質を排出する施設を設置する事業者」、これが四百億負担するんだ、その拠出によってやるんだ。基金への拠出が確実に行われるような適切な措置が講じられなければならぬ。これが内閣総理大臣に対する答申なんですよ。前の方だけやったけれども、後ろの方はやらないですよ。そして、今度出してきている法案はどうですか。自工の方は何ぼ出すのかこれから協議して決めていくんだ、こうなっているでしょう。この間つくった法律ですよ。それが実際に動き出すときになったらもう変えちゃう。そして公害、NOx関係ですね、今まで補償の場合に二割は負担してきたのですが、その予防協会、基金に出す場合の二割負担、百億というものをごそっと値切られてしまった。答申はじゅうりんする、法律は変える、企業に対してはその分は譲歩して、あとは国で金を出していく、こんな姿勢がありますか。これはまるっきり違いますよ。あなた方の姿勢がどっちを向いているか。切り捨てることだけに向いているわけですよ。それで、公害企業あるいは公害企業に関連あると思われる企業の支出を削ることに協力している。答申にもたがう。これはもう断じて許せぬと思うのです。 こういうことではだめですよ。どっちの立場に立っているのかということはもう明白だと思うのです。この姿勢をきちっと正さなければいかぬと思うのです。答申の内容を確実にできるようにせいという答申があるのに、それをやらぬでおいて、答申が出たのは十月七日ですよ、そして十月二十日には自動車メーカーとの話し合いで、もう負担しない、それは月々に決めていくんだ。百億負担というのはどこかに飛んじゃった。これは許せません。長官、どう思われますか。まるっきりなってないですよ。
○堀内国務大臣 私はこれの内容も調べましたけれども、今おっしゃっているような意味よりも、最後の大臣折衝、いわゆる政府の基金の点が、私が直接大蔵大臣と折衝した一億八千百万円が今おっしゃっている問題だと思いますけれども、この基金制度五百億をつくるためには政府の出資金がある方が安定するというような考え方のもとに政府の出資金を決めたのであって、自工会の方との話し合いは同じように責任を持って続けるというように決まっておるのです。だから、結局五百億の中の一割に相当するのは政府の出資金、それは基金を安定させるために持つのだというふうに決まっておるわけですけれども、別に、今おっしゃるように何か政府が余計なところに金を出しているということじゃないと私は認識しておるのです。
○森(幸)政府委員 今大臣がお答えしたとおりでございますが、今先生お話しの予防事業を実施するための基金に対しまして国が財政上の措置を講ずるということにつきましては、昨年改正をお認めいただきました法律においても明らかにされているところでございます。 国の財政上の措置の具体的方法につきましては、この予防事業に関する政府の積極的な姿勢を示す、ただいま大臣から御答弁申し上げましたようなことで、国の出資によることにいたしたわけでございます。
○松田(九)主査代理 東中光雄君、時間超過だから簡明に。
○東中分科員 簡単に言いますが、私は確実に読んだのですよ。答申書にどう書いてあるかといえば、基金は「大気汚染の原因にかかわりのある者」、それから「大気汚染の原因者」、この二つが基金への拠出が確実に行われるようにということになっているのです。法律も基金へ拠出するのはこの二つだということは九十八条の二にはっきり書いてあるのです。その法律を今度は変えるというのでしょう。これを確実にやらないで法律を変える。答申の前の方の指定解除だけはここに書いてあるとおりにやってしまう。これはもう言語道断です。何といっても内容がそうなっているんだから。そのことだけ指摘しておきます。弁解したって弁解の余地がない。ちゃんと書いてあるんだから。 これで質問を終わります。
○森(幸)政府委員 今先生御指摘の点につきましては、私ども答申のとおりやっているつもりでございます。
○松田(九)主査代理 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。 次に、左近正男君。
○左近分科員 どうも遅くまで御苦労さんでございます。できるだけ時間を切り詰めて終わるように協力したいと思っております。 環境庁長官どうですか、予算委員会の総括質問で長官が何か公害問題で御答弁なさったことございますか、そういう項目が。総括質問で何もなかったですか。
○堀内国務大臣 三人の方から聞かれたように記憶をしております。その内容につきましては、地球的規模の環境の問題と、それから逗子池子に関連した問題の端っぽの方だったですけれども、そういう問題と、石垣島の問題でございます。
○左近分科員 昭和四十五年のいわゆる公害国会がございましたね。その後を受けて、昭和四十六年に環境庁が設置されたのです。どうですか、今日までの環境行政の果たしてきた役割というのを大臣はどう見ておられますか。
○堀内国務大臣 環境行政というのは、公害を防止するという仕事が一つはございます。それから自然環境を保全していくというもう一つの大きな柱がございます。それから地球的規模の環境問題、国際的な問題、大まかに言うとその三つについて取り組みが今までずっとなされてきたと思います。 そういう意味からまず、いわゆる公害防止という立場の流れを申しますと、もともと、先ほど来出ておりますように水俣病という大変深刻な問題が出まして、それから環境庁ができたわけでしょうけれども、当時厚生省が対応をしておったようですが、だからこういう公害を起こしてはいけない、公害をなくさなきゃいかぬというような問題からいうと、これは大きく見るといわゆる油の公害じゃなかったかと私は思います。その石油の中で一番、電力なんかを起こすために重油を使って電力を起こす仕事をやっておった。それが硫黄酸化物というような、大気の汚染の大きな主力を占めておったのがこの二十年ほど前からの一番大きな公害じゃなかったか。それをようやく十年ほど前から克服してきて、ほとんど今大気の汚れというものはなくなっておる。ところが現在は、今窒素酸化物と言われていますけれども、もう一つ言うと、ガソリンあるいは軽油というものから出るところの公害、大気汚染というものが今なお横ばい状態にある。ところが、ガソリンは普通乗用車ですが、これはマスキー法もあったのでしょうけれども、十年ほど前からいうと一割ぐらいの抑制率に下がっておる。これは私は世界一にできておるのではないか、そういう意味で評価していいのじゃないかと思います。ところが軽油の方のことから見ていきますと、まだ半分ぐらいしかいわゆる排気抑制ができていないから、これから三カ年でやっていくというようなことで、そしてこの大気汚染の問題を解決していこう。 また水の場合は、下水道の普及あるいは合併槽を使って水をきれいに戻していこうというような問題があると思います。 また……(左近分科員「もう大臣、適当でよろしい」と呼ぶ) そういう問題から、流れからいうと、随分よくなってきたという認識に私は立っておるわけであります。
○左近分科員 大臣は環境のいい奈良に住んでおられるから、それはそういうようなかなり楽観視した物の見方をされていますが、実際問題、これは環境庁ができてから十七年目、今日、環境問題というのは環境庁自身も何か具体的な前向きな施策がなかなかとれておらないのじゃないか。何か環境庁が風化したような、後退したような現象を僕は見受けるわけですよね。 そこで、きょうは時間がないので、先ほどからも問題になっておる公健法の改正問題、これを私は大阪ですので、大阪は全国一なんですよね。現在認定者だけでも一万九千二百三十三人ですよ。これは非常に多いのですよね。また二月の駆け込み、これは大変な問題ですよ。大阪市では、六十年度は二月が百三人、六十一年度は百八人、ところが本年の二月は千六百七十一人ですよね。異常な形が出ている。これを、今大臣言われるように、公害患者がもうおらなくなったんだ、非常に改善されたんだ、こう言えるかどうか。大都市ではまだ大変な問題だと私は思うのですよね。そこらの認識を大臣としてどうされておるのか。どうですか。
○堀内国務大臣 私も、大都市圏における大気汚染は深刻な状態だと受けとめております。
○左近分科員 深刻な状況だと受けとめられながら、この三月一日から指定地域を外したわけですよね。私は、法律ができたからその上に立って問題点を指摘したいと思うのですね。国が患者の医療費の支給補償をしないということになりましたので、税金で新規患者の医療費の助成を実施するところが各自治体で出てきているわけです。公害患者というのは、国と企業がやはり責任を持って全国一元的に行政をやっていくということでなければならぬじゃないかと思うのです。これは自治体がばらばらになったらどうしますか。どうですか。
○目黒政府委員 先生御指摘の、今回の制度の改正に関連をいたしまして、幾つかの地方公共団体におきまして独自の制度を制定し、あるいは改正等を行いまして、そういうような動きがあるということは私どもも承知をいたしております。 環境庁といたしましては、先ほど末お答え申し上げておりますように、この健康被害予防事業の実施というものをまず行うということで、これを大前提としているわけで、これが基本的な立場でございますが、各地方公共団体ごとの独自の制度、これにつきましてはあくまでも地方公共団体の判断の問題であるのでございまして、これについて環境庁として具体的に何らかの対処をすべき問題であるというふうには考えてないのでございます。しかしながら、地方独自の制度というものは、これは現在の大気汚染を原因といたしまして個人に対して補償するということであるとすれば、これは私どもの先般の法改正の趣旨から申しましても合理的ではないので、環境庁としては望ましくないというふうに考えているところでございます。
○左近分科員 非常に型どおりの御答弁だと思うのですね。患者団体はこの法の改悪については反対だ、ところが法が通ってしまった、そうしたら今は自治体にどんどん強い陳情をしているわけですよね。それで自治体がそれをやらざるを得ないようになってきた。そこでどんな問題が起きているか。 例えば、大阪市は今申し上げたように二万人近いのですよ。だから、そんな新しい患者を救済するだけの財政的な余裕もないですよ。だから、十五歳の子供についてのみ小児ぜんそくについては何とか面倒を見ようか、そういうことで施策を今大阪市議会で審議されているわけです。ところが、お隣の吹田市では新規患者はたった三十五人です。年間の予算二百三十万円で今までの形がとれるわけです。そうしたら新聞はどう書いておるか。「先に大阪市が十五歳未満の患者に限って助成する独自の施策をまとめ、患者の反発を招いているが、吹田市は「高齢者に新規患者が多い」として年齢制限の導入を見送った。」これは朝日新聞ですよ、何も特定政党の新聞ではないですよ。こういう見方をするのです。だから大阪市は革新性に乏しいと言うのですよ。こんなばかなことがありますか。だから私どもは、公害問題というのはやはり全国統一に一元的に国が責任を持ち、企業が責任を持ってやらぬとだめだと言うのですよ。こんな形が全国ばらばらにできてきて、その自治体の財政規模なり患者数によってこんなものができないところはたくさんありますよ。これはその市長が悪いのだ、こんな短絡した見方をされるようではその市長がかわいそうですよ。ここらをもっと深刻にあなた方は受けとめていただきたい。どうですか。
○目黒政府委員 御指摘の点につきましては、特に医療費の自己負担分の補てん等々といったようなことあるいはぜんそく等の子供に限定するとか、このようなことにつきましては、東京都が現在ずっと行っているものについていろいろ各ところでそれを参考にされたと思うのでございますが、東京都の場合も子供のぜんそくということで医療費の自己負担分を補てんしているのでございますけれども、これは大島、三宅島からもう三多摩の奥地に至るまで、東京都全部の子供に対して非常に福祉的なニュアンスでやっておられるわけでございます。また大阪につきましても、私どもの理解では、私が先ほど申し上げましたように、大気汚染が原因で起こった病気に対する補償という考え方ではなくして、全般的な福祉的なもの、こういうふうに私ども理解をいたしているところでございます。 私ども、再々申し上げておりますように、この昨年の法改正の趣旨から申しましても、一定の指定地域内に起こったぜんそく等の患者に大気汚染が原因だということで補償するということは合理的でない、こういう考え方でおりまして、もしそういうような制度を地方自治体がおとりになるとすればこれは望ましくない、こういうふうに考えておるというのが私どもの統合的な考え方でございますが、もちろんこれは地方自治体がそれぞれ地方自治の本旨に従って行うべきものであるという前提のもとに考えているのでございます。
○左近分科員 国としては机に座ってそういう通達なり考え方を出されればいいですけれども、各自治体は常に住民と接点の行政をしているわけですね。だから、あなたの言うようなことにはなかなかならないわけですね。そうすればもうばらばらの状況が出てくる。住民は何とか救ってくれ、市長さん方は、また各市議会の議員さん方は、何とかしなければあかん、こんな形になってしまったら、何で環境庁があるのか。環境庁というのは国の環境行政を一元的にやっていこうということで設置されているわけですね。それが今日、この形は僕は嫌な形だと思うのですよ。私は、こういう状況について十分環境庁としても全国的な実態を掌握されて、やはり何らかの、患者を切り捨てるのじゃなしに、どう救っていくかというような観点からいろいろと知恵を出していただきたい。きょうは時間がございませんので、これ以上やりません。 そこで、先ほど大臣から幾つかの基本的な考え方を聞かせていただいたのですが、今の環境行政の中で何に力を入れていくか、私は固定発生源よりも自動車等の移動発生源にもっとしっかり焦点を合わせて対策を立ててもらう必要があると思うのです。そういうことで、この自動車の排ガスの問題あるいは騒音の問題、この公害対策について環境庁の対策というのは、特に大都市では東京、神奈川、大阪というようなところでは全く進んでおらないのじゃないかと思うのですよ。だから、これに対する基本的な考え方、今後の具体的な対応について聞かせてください。
○長谷川(慧)政府委員 大気汚染の問題では、先生お話がございましたように、自動車に伴います公害対策がこれから非常に重要なものという認識を持っております。 そういうことで、この自動車交通公害ということの対応といたしましては、これも何回も御説明している話でございますけれども、自動車一台一台から排出されますガスや騒音を低減させるための自動車の単体対策、それから自動車交通量の抑制あるいは交通流の円滑化等の自動車交通対策、さらに遮音壁の設置等の道路構造対策あるいは沿道土地利用の適正化等の沿道対策などの対策を、私どもといたしましては、関係省庁なり地方公共団体と連携して総合的に、計画的に推進していくことが重要であるということを基本に置いて考えているわけでございます。 また、公害対策基本法に基づきます公害防止計画におきましても、交通公害対策を特に重点分野ということで取り組みまして、その計画の推進を図ってまいりたいというぐあいに考えております。 それから、お尋ねの具体的なお話でございますが、先ほど申し上げました自動車一台ごとの排出ガス規制につきましては、これまでも何度か規制強化を行ってまいっているところでございますが、昨年一月にトラック、バス等にかかわります排出ガス規制の強化を内容とする告示改正を行ったところでございまして、本年十二月より具体的な規制がスタートする予定でございます。また、引き続き中公審におきまして、今後バス、トラック等に対します規制強化についての御審議をお願いいたしているところでございます。 それから、自動車交通対策につきましては、今年度中に、京浜なり阪神地区を対象といたしまして、具体的な自動車交通対策についての計画を策定すべく調査検討を進めているところでございます。 それから、道路交通騒音対策につきましては、使用過程車の街頭での取り締まりに適した近接排気騒音測定法を、本年六月より二輪車に引き続きまして乗用車に適用することといたしております。また、地域の実情に応じました道路交通騒音防止計画を総合的かつ計画的に実施していくための対策、計画の策定方法を昨年の九月に各自治体に示したところでございまして、各自治体におきましては、これを参考といたしまして対策の推進を図ってまいっておるというぐあいに思っておるところでございます。
○左近分科員 去年はこの分科会がやられなくて、ちょうど二年前の分科会で、私は自動車公害問題で質問をさせていただいたのですが、大体同じような答弁です。全くあなたのところはほんまにこれやというものがない。それは難しいですよ、けれどもダイナミックなものがないのですよ。NOxの総量規制の問題、東京、神奈川、大阪は六十年三月に基準達成せなければあかんかったでしょう。この基準というのは五十三年にかなり基準緩和した基準なんですよ。そうでしょう。それすら六十年三月に達成できなかったのですよ。これはいつ達成できるのですか。あなたが今言われたいろいろな対策、特に東京、神奈川、大阪、総量規制の三地域について、それではいつ達成できますか。
○長谷川(慧)政府委員 二酸化窒素にかかわります環境基準に関するお尋ねでございますが、先生のお話がございましたように、五十三年にその当時におきます科学的な知見を踏まえまして新しい二酸化窒素の環境基準の改正を行ったところでございます。その新しい環境基準を施行するに当たりましては、六十年度までに環境基準を達成すべく努力をするということでお約束をしたわけでございますが、御案内のとおり、先生からお話がございましたように、六十年度におきましても環境基準未達成のところがあるという現状でございます。そして六十一年度におきましても、残念ながら環境基準が未達成なところがございまして、それが先生お話しの総量規制地域であります東京、神奈川、大阪等の大都市を中心にあるという現状にございます。 そういうことで、先ほど来申し上げておりますように、私どもといたしましては、いろいろな要因、原因があるということの分析をいたしているわけでございますが、それらに対しまして、その分析の結果を踏まえまして、先ほど申し上げましたように、自動車単体対策、特に大型のトラック、バス等に対します排ガス規制といいますものにつきましての規制の強化を精いっぱい努力いたしておるところでございます。そういう単体規制にあわせまして、いわゆる自動車の流れあるいは全体の交通量を合理的な形でうまく動かすような形のものについての計画につきまして、関係の地域を対象といたしまして検討を進めておる。これからその計画がまとまった後におきましては、それの実施方について努力いたしてまいりたいということで、私どもいろいろな考え方、いろいろな対策につきまして順次その対策に踏み切って実施いたしているところでございます。 そういうことで、環境基準の達成がいつかというお尋ねでございますが、現時点におきましてはいろいろな諸対策を組み合わせまして実施してまいりたい、できるだけ早く基準の達成を図ってまいりたいというぐあいに思っているわけでございますが、ストレートに先生のお尋ねに対していついつまでということにつきましてのお答えは現在のところではちょっとわからない、これからもいろいろな対策を組み合わせながら精いっぱい努力してまいりたいということで御理解いただきたいと思っております。
○左近分科員 夜も遅いのでもうお疲れだと思うから余り言いたくないのですよ。だけど、このままの状況をどうしますか。東京にしても神奈川にしても大阪にしても、これは大変なことですよ。今、長官はかなりよくなっていると言っていますが、大都市では悪くなっているのですよ。集中的に悪くなっている地域が出てきているのですよ。そこらの問題について、今答弁されたような内容で、これはどうなるのですか。私は非常に手ぬるいと思うのですよ。あなた方は非常に頭のいい方々ばかりスタッフもたくさん抱えているんですね。何でもっと抜本的な、環境庁よくやるな、さすが環境庁だというようなものをびしっと出せないのですか。なぜそんな対策があなた方の知恵の中で出てこないのですか。今までの理論構成の延長線上の対策ばかりじゃないですか。それが私は不満なんですよ。もう少し発想の転換をしてくださいよ。その辺どうですか。
○長谷川(慧)政府委員 私どもといたしましてもいろいろなことをいろいろな対策について検討いたしているわけでございますが、やはり基本的には固定発生源対策あるいは自動車単体対策、それから自動車の全体の量あるいは流れをうまく合理的な形にするということが基本的に大事であるという考えのもとに、その三つの対策につきましてそれぞれの知恵を絞って、先ほども御説明しましたような内容で対策を講じておるということでございます。
○左近分科員 私は非常に不満なんですね。最近は東京でも、これだけ都内の交通が混雑したら商業活動にも都民生活にも影響する、何らかの車規制をしなければいかぬのではないかというような動きが出ていますね。一つのいい例は、先日大阪市内の高速道路、環状線を若返り工事ということでかなり長期間にわたって通行どめしたのですよ。そのときには阪神高速道路公団も警察も非常に心配した、市内環状をそれだけ通行どめしたら大阪市内は大変なことになるぞ、都市機能が麻痺してまうぞ、こういうような心配をしたわけです。ところがふたをあけてみたら日ごろよりもスムーズであった。何でだろう。これは余り急がない車、不要不急の車をおのおのが市民的な判断、感覚で自己規制、自主規制をやったから、あれだけの長い工事区間でもうまくスムーズにいけたんじゃないかと私は思うのですね。この発想を大都市においてはもっと環境行政の中に生かすべきだと私は思うのですね。今、車社会ですから車産業はどんどん伸びてもらわなければなりません。しかし、こういう大都市の中での車社会というのは、ある面では車を自主的に規制をしていく、そういう道義的責任が車社会の中にあるのではないかと私は思うのです。だから大阪商工会議所も、マイカー通勤を自制しましょう、自粛しましょうというようなアピールを各企業に対してかなりやっているのですよ。私はもうそういう時期まで来たのではないかと思うのです。やはり大都市の中心部における総量規制、こういう発想を環境行政の柱にしてくださいよ。これしか効果的な手だてはないですよ。それで、自動車産業は敵ではない、自動車産業は味方だということにもなるのです。日本国じゅういろいろ高速道路もできるでしょう、便利になってハイウェー時代も来るでしょう、自動車の社会的ウェートはどんどん高くなります。これは非常に尊重しなければなりません。しかし、極端な大都市についてはやはり車社会の常識、道義というものをしっかり確立させてもらう、こういうような形を環境庁としては音頭をとってくださいよ。このことが一番大都市における公害、騒音、環境、総量規制、これにつながる道だと思います。 私のこういう考え方、私はこれはきのうきょうの考え方ではなしに、私は交通出身ですので、そういう考え方をここ何十年も常に持ってきたわけです。大臣どうですか。局長どうですか。お二人から答弁してください。
○堀内国務大臣 先生、大阪に住んでおられて本当に腹が立つだろうと思います。これは一年に二百万台ふえて、それが大都市圏に集中しているのですから非常に問題だと思うし、今の車規制、環境庁直接の問題じゃないけれども、非常に重要な一つのポイントだと思います。 ただ私は、一番大事なのは、先ほどちょっと触れたけれども、ガソリンに対しての規制が、十年前からいったら十が一まで排気規制ができたのだから、ディーゼル車を何とかしなければならぬと思っているのです。今は宅急便が本当に町の中に入ってきますよね、これがいわゆるNOxの一番大きな原因になっているのですね。だから、環境庁としてやれるのはディーゼル車、いわゆる軽油を使っている大型車についての排気規制をやらなければいかぬ、これが環境庁としての一番の大きな柱じゃないか。そして、今おっしゃっているように本当に国民が、我々の文化生活、これは十年でしょう、十年の文化生活になれたらなれただけのルールを、今おっしゃっているとおりだと先ほど感心しながら聞いておったのですが、都市生活のルールをつくらなければだめだ。そういう意味からいうと、きょうは貴重な御意見を聞かしていただいたと思っております。
○左近分科員 専門的に何か御答弁ございますか。
○長谷川(慧)政府委員 先生からお話がございました人流、物流の問題でございますが、先ほどちょっと申し述べましたように京浜、阪神地域を対象といたしまして、それぞれの関係の自治体、それから関係省庁というのを加えました検討会をやっているわけでございます。その中におきましても当然、先生からお話のございました人流、いわゆるマイカーをできるだけ自粛してほしい、あるいは物流についても共同輸配送等の強化をやるというようなことで、そういう面で合理的といいますか、もう少し環境面も配慮したような人流、物流についての検討をやっていただいておりまして、そこら辺の検討が今年度中にまとまって、それを来年以降フォローアップしていくという形で進めてまいりたいというぐあいに思っております。
○左近分科員 ともかくパンチのきいた行政をしてくださいよ。長官、よろしくお願いします。 これで終わります。ありがとうございました。
○松田(九)主査代理 これにて左近正男君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理府所管中、環境庁についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力により本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後八時五十九分散会