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112回国会衆議院1988/03/10

予算委員会 第23号

発言数
311
登壇者
43
会派数
5
開催日
1988/03/10

会議録

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより会議を開きます。  この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事が四名欠員となっております。この際、その補欠選任を行うのでありますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは       上田  哲君    村山 富市君       池田 克也君    吉田 之久君 を理事に指名いたします。      ────◇─────

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 昭和六十三年度一般会計予算、昭和六十三年度特別会計予算、昭和六十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。  第一分科会主査愛野興一郎君。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 第一分科会における審査の経過を御報告いたします。  本分科会は、昨九日審査を行いました。  質疑応答の詳細は会議録に譲ることとし、その主なものを申し上げます。  国会関係では、国会職員の労働条件について、皇室関係では、皇太孫の御婚儀の見通し、皇位継承と大喪問題、皇室に関する学校教育のあり方、陵墓参考地調査等について、  防衛庁関係では、三宅島の夜間着陸訓練場建設計画、リムパック88参加と集団的自衛権、我が国の安全保障問題、防衛庁本庁市ヶ谷移転に伴う問題、在日米軍基地とその施設等の支援問題、有事来援研究等について、  総理府本府及び総務庁関係では、平和祈念事業特別基金等に関する法律案とシベリア抑留者の補償措置、軍人恩給欠格者の救済策、土曜閉庁、税務職員の定員増、同和訴訟判決と地域改善対策の推進等について、  科学技術庁関係では、高レベル放射性廃棄物の処理と安全性の確保、筑波研究学園都市の今後の課題と対応等について質疑が行われました。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 第二分科会主査池田行彦君。

池田行彦自由民主党

○池田(行)委員 第二分科会における審査の経過を御報告いたします。  本分科会におきましても同様に、昨九日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものを申し上げます。  まず、外務省関係では、調査捕鯨等水産外交のあり方、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約等の批准、在外公館の充実、海外ホームステイの体制改善、人種差別撤廃条約の批准と国内法の整備、竹島・尖閣列島問題、政府開発援助のあり方等であります。  次に、大蔵省関係では、税制のあり方、キャピタルゲイン課税、税務調査のあり方、国鉄年金問題等であり、  法務省関係では、無期懲役者の仮釈放問題、福岡県苅田町住民税横領事件、人名用漢字問題、狭山事件、原野商法事件、人権擁護の推進、法務局における事務量と定数のギャップ、恩赦、大赦の取り扱い等でありました。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 第三分科会主査西岡武夫君。

西岡武夫自由民主党

○西岡委員 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  本分科会も同様に、昨九日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、質疑事項のうち主なものを申し上げます。  まず、文部省関係では、柔道界の正常化、学校図書館の整備、ユーモア博物館の創設、基礎的学問教育の推進、教育における同和対策、放送大学のエリア拡大、教育委員の準公選条例の違法性、映画振興対策、東京駅舎の再建保存策、学校における色覚異常児対策、オリンピック・メダリスト等への年金給付、ポスト臨教審の役割、外国人留学生の受け入れ体制の整備、大学入試改革のあり方、日本現代詩歌文学館への助成、四十人学級の促進と過大規模校の解消、文化振興政策の推進、特別史跡の保存対策、教科書検定のあり方等であり、  自治省関係では、ペーパーカンパニーによる軽油引取税の脱税対策、ゴルフ、ボウリングに対する娯楽施設利用税課税の可否、地方振興のための整備新幹線の建設促進等であります。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 第四分科会主査代理鈴木宗男君。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 第四分科会における審査の経過を御報告いたします。  本分料会におきましても同様に、昨九日審査を行いました。  その質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、労働省関係では、母子家庭、身体障害者、季節労働者、同和関係住民の雇用対策、林業、鉄鋼、造船業の労働条件の改善、育児休業制度の立法化及びパートタイマー対策、職業安定機関の機能強化、アイヌ等少数民族の保護・同化とILO条約、労働時間の短縮と週休二日制の拡大などであります。  厚生省関係では、同和関係住民及び母子、寡婦、父子への福祉対策、融資条件の改善等社会福祉施設の整備拡充と防災対策、スポーツ競技大会への助成、通所授産施設の措置費の改善等障害者対策、血友病患者への感染及び救済等エイズ対策、筋短縮症被害の救済措置、医療経営の健全化、高齢化社会に向けての長寿科学の研究、はり、きゅう、マッサージの医療保険上の取り扱い、生活保護と重症心身障害者対策、歯科の診療報酬の改定見通しと歯科医師の過剰問題、高度先進医療と診療報酬、国民健康保険制度の改正問題、アスベスト汚染及び廃棄物処理等生活環境問題、公衆浴場の活性化、中国残留日本人孤児、婦人に対する援護対策などであります。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 第五分科会主査志賀節君。

志賀節自由民主党

○志賀委員 第五分科会における審査の経過について御報告いたします。  本分料会も同様に、昨九日審査を行いました。  質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは主なるものを申し上げます。  まず、農林水産省の関係では、日米自由貿易圏構想についての大臣所見、ガット裁定品目中、でん粉、乳製品と競合する品目に対する所見、水田農業確立対策と日本農業の将来の展望、牛肉、水産物の価格形成及び流通の改善、畜産振興事業団の輸入牛肉競争入札の改善等、同事業団のあり方、温州ミカンの生産出荷安定対策、農業施設災害の被害調査における国の責任、土地改良事業の金利部分に対する国の全額補助と農家負担金の軽減、国有林野事業の経営改善計画の地域経済に及ぼす影響、公正確保等のための競馬法の見直し、宍道湖・中海の淡水化試行事業のいきさつと今後の取り扱い、国営かんがい排水事業の工期遅延による事業費の増高と地元農家負担の軽減策等であります。  環境庁の関係では、フロンの規制等によるオゾン層の保護についての立法化問題、PCB廃液の焼却計画における安全性の確認、琵琶湖の水質改善状況と今後の下水道建設等の計画、石垣島におけるアオサンゴの保護と空港建設計画、公健法指定地域解除後の基金拠出に関する問題と水俣病対策等について質疑が行われました。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 第六分科会主査林大幹君。

林大幹自由民主党

○林(大)委員 第六分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  本分料会においても同様に、昨九日審査を行いました。  質疑応答の詳細は会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものを申し上げます。  最近の国内経済及び通商産業等についてであります。二十一世紀に向けての産業構造調整の進め方と内需拡大策の考え方、原子力発電所の安全対策と使用済み核燃料の輸送問題、現行の石油備蓄計画の達成見通しと将来の備蓄対策のあり方、SDI研究への企業参加と秘密保護のあり方、繊維産業の現状と輸入品の増加対策、訪問販売法の運用状況と改正の考え方、医療福祉機器等の開発の現状と研究機関の窓口一本化の必要性、スパイクタイヤの使用状況と脱スパイクタイヤ対策の進め方、産業廃棄物及びフロンガスによる生活環境の悪化防止と規制法のあり方、家庭用プロパンガスについての円高差益の還元と安全対策、産炭地域の鉱害復旧事業の現状と今後の見通し、大井川水系に係る中部電力株式会社の水利権更新と流域住民対策の進め方、本四架橋の名称統一と登録商標の使用問題、石綿紡織業の現状と事業転換対策の進め方等であります。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 第七分科会主査左藤恵君。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 第七分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分料会も各分科会同様、昨九日審査を行いました。  質疑内容は広範多岐にわたりましたので、その詳細は会議録に譲ることとし、ここでは主な質疑事項について申し上げます。  まず、郵政省所管については、最近における郵便物の取り扱い状況、年賀郵便の窓口引受期間の改善、不在とめ置き小包の引き渡し方法の改善、手紙文化の振興策などでありました。  次に、運輸省所管については、鉄道関係では、地方交通線の電化と複線化の推進、常磐新線の早期建設の必要性、リニアモーターカーの実用化の見通し、中央新幹線の建設問題など、陸運関係では、自動車登録ファイルの管理体制のあり方、自動車検査登録事務所の新設基準問題など、航空関係では、関西新国際空港の建設の推進、地方空港の建設と整備の促進、航空運賃の見直しの必要性など、以上のほか、旧国鉄用地の売却方針、旧国鉄長期債務の償還方法、造船業、海運業の円高不況への対策、国際コンベンションシティーの設置問題などでありました。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 第八分科会主査村田敬次郎君。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 第八分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会においても各分科会同様、昨九日審査を行いました。  質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、国土庁関係では、三全総の成果、首都移転問題、関西文化学術研究都市構想、大規模リゾート基地の建設などであります。  次に、建設省関係では、第十次道路整備五カ年計画の策定、本四架橋、尾道―今治ルート建設計画の現状と展望、明石海峡大橋建設の進捗状況、高規格幹線道路網の整備、高速自動車道開発、インターチェンジの整備、連続立体交差事業の推進、交通渋滞の解消策、道路整備に関する国の基本的姿勢、新都市拠点整備事業の進捗状況、都市再開発と地域住民への配慮、電柱電線地中化事業の推進、下水道整備事業の推進、ダムの砂防対策、河川の汚染対策、河川法の見直し、地すべり防止対策などであります。  以上、御報告申し上げます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。     ─────────────

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより締めくくり総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田哲君。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 まず、一昨日の与野党合意の内容について総理から伺いたいと思います。  与野党で国対委員長間の合意は項目三点にわたっておりますけれども、まず一つ、社公民三会派の要求は減税額二兆九千四百億円であります。御回答はその満額を超えるものと理解してよろしゅうございますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 一昨日の与野党国対委員長会談における社公民三会派の要求についてのお尋ねでございますが、この問題は、今後この合意に基づいて各党政策担当者間の協議が進められていくということになりますので、政府としてはその間、御要請によって最大限の御協力をするという立場をとるのはもとよりでございますが、その推移を見守るというのが今日の時点の立場であろうかと思っております。  したがって、具体的問題について、各党間の話し合いによって決められたものであるから、行政府からとかくの見解を申し上げる立場にはないという姿勢を行政府が対国会における党同士の話し合いにおいては通すべきものであろうというふうに私は、これはいつものことでございますけれども、理解をしております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 行政府と同時に与党国対委員長の総帥でもあられるわけでありますから、その立場からのお答えもいただきたいわけでありますが、二番目は、この財源にはいわゆる間接税を含まないという御確認をいただけますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 これも同じようなお答えになって恐縮でございますが、それらのことがまさに国会における各党間の話し合いの合意に基づいて政策担当者会議で議論されるわけでございますので、その前に行政府から見解を申し上げる立場は差し控えるべきであろうというふうに考えております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 この合意は「予算成立までに結論を得る」ということになっておりまして、この点は行政府としても大変かかわりのあることだと思います。そのような御努力を総理あるいは総裁としてなさるというふうに理解してよろしゅうございますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 これは各党間の合意事項でございますから、それに対して総裁としてはもとより、国対委員長、そして政策担当者会議の合意に対する協議にゆだねるという立場でございますが、行政府としては、それに対して御要請あれば、あらゆる協力をしなければならぬ立場であるというふうに理解をいたしております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 わずかに三点をお尋ねしたわけでありますが、総理の立場は単に行政府の長たるにとどまらないわけでありまして、まとめてひとつこの合意を誠実に履行するように努力するというふうにお答えいただけましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 各党間で合意に基づいて真剣な協議が行われるものというふうに私はそれを確信をいたしております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 誠実に各党間、公党間の合意を実現するよう御努力いただくべきものと確認をいたしまして、次に移ります。  さて、懸案の大型間接税についての総理の御定義を伺うときだと思っております。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まずお許しをいただかなきゃなりませんのは、あのときにも苦吟してまいりますのでと申しましたので、一生懸命、まあ卒業論文ぐらいなつもりで自分では苦吟をいたしましたので、少し長くなることをまずお許しいただきたいと思います。  いわゆる「大型間接税」という言葉については、それを厳密に定義することは難しいとの趣旨をたびたび申し上げてきておりますが、先日重ねて上田さんからのお尋ねがあり、世の批判は覚悟の上で、私なりに考え方をまとめてみるとお答えしたところであります。その後時間をいただいて、この問題についての整理を行い、改めて真剣に検討した結果を答弁申し上げたいと思います。  第一は、「大型間接税」の語源であります。  「大型間接税」という言葉が世の中でこれまでどのように使われてきたかについて、私なりに調べてまいりました。  まず、政府の税制調査会の答申ですが、今日まで「大型間接税」という言葉は一度も使われたことがございません。なお、「個別消費税」に対置されたものである、広く消費一般を課税対象とする「一般的な消費税」を示すものとして、「課税ベースの広い間接税」という用語がございます。  我が国の現行間接税は、自動車やテレビ、ビデオ等一定の物品を選んで課税する物品税や、酒税、入場税など、特定の物を買ったりサービスに支出したりするときに限って、その値段を通じて税負担を求める制度、すなわち、個別消費税制度になっております。しかしながら、今日のように国民の消費水準が高くなり、新しい物やサービスが次々生まれてくるようになりますと、また、経済社会の国際化が進んでまいりますと、現行の個別消費税制度には不公平その他さまざまの問題が目につくようになりました。例えば、よく言われる例として、水上スキーやゴルフ用具には税金がかかるのに、雪の上で滑るスキーやテニス用具には税金がかからないとか、コーヒーやココアには税金がかかるのに、紅茶や緑茶には税金がかからないとか、パソコンやファミコンには税金がかからないとか、自動車は大きさによって税率が違うので、外国製には不利だとかといった問題がございます。  このような個別消費税と違って広く消費一般を対象とする間接税が、「課税ベースの広い間接税」と呼ばれ、アメリカやヨーロッパの諸国を初め諸外国においてとられておるものであります。  税制調査会においては、昭和五十五年の中期答申から「課税ベースの広い間接税」という用語を使用してきているようでございます。これには五十三、五十四年のいわゆる一般消費税(仮称)をめぐる論議が一段落した後、間接税の問題に関する審議を進めるに際し、用語ないし概念の混乱を避けるため、「課税ベースの広い間接税」という表現が使われるようになったという背景もあるようです。  また、この十年間ほどの新聞報道等での使われ方を調べてみますと、昭和五十年代半ばごろから「大型間接税」とか、「大型新税」とか、「大型消費税」といった言葉を見つけることができます。手元にありました現代用語辞典等も幾つか繰ってみましたが、このころから、こうした言葉が掲載され始めたようでございます。「課税ベースの広い間接税」という用語が、税制の専門家の間ではともかく、一般には長過ぎてなじみのないものだったところから、マスコミ等では「大型間接税」といった極めて簡略な表現が用いられるようになったのではないでしょうか。このころ、国会審議においてもこれらの言葉が使われ始め、時に「大型とは何か」との質疑もなされておりますが、当時はその内容について余り立ち入った議論には至っていないというのが実態ではなかろうかと思われます。  このように、当初さまざまな表現が用いられた後、次第に収れんしてきた「大型間接税」という言葉には、したがって、厳密な定義はなく、一般にわかりやすい時事用語というか社会用語として、世論調査等でも便宜的に使われ、定着してきているのではないかと思います。  例えば、これは少し比喩が我々の世界に通用しがちな言葉になりますが、「大型新人」という言葉がありますが、これは特定の基準を想定して定量的に比較したものというわけではなく、漠然とはしているが、一般的にはある程度共通して認識されているイメージを端的に表現したものであり、「大型間接税」も言葉としてはこのようなものではないかと思われます。  第二は、中曽根前総理の答弁であります。  前内閣時代においては、「中曽根内閣としてはとりたくない」とされたいわゆる大型間接税とはいかなるものかについて、議論が行われております。  このときの議論は、六十年二月の矢野委員及び大内委員に対する前総理の答弁において、「いわゆる大型間接税については、厳密な税制上の用語ではなく、したがって、学問的定義も必ずしも定かではありません」とされた上で、次のように集約されております。すなわち、前総理は「多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を投網をかけるようなやり方はとらないという立場でございますので、これに該当すると考えられるようなものは、中曽根内閣としてはとりたくない」とされ、この点について「課税ベースの広い間接税の諸類型のうち、いわゆる一般消費税(仮称)及び旧取引高税といったものを念頭に置いて申し上げたものであり」、「EC型付加価値税といってもいろいろの態様が考えられますので、多段階という理由だけで、このような消費税をすべて否定する趣旨のものではございません」と述べられております。  第三は、この問題をめぐっての私の考え方の整理であります。  当委員会で私は、「御批判は受けても」と、この定義に取り組むことをお約束しました。さきに述べた点から見ると、「大型間接税」という言葉は税制用語としてのいわゆる「課税ベースの広い間接税」を漠然と指して使われ、これと同義ではないかとの見解もあります。しかしながら、この字句のみをもってそのように断定してしまうことには、やはり無理があるのではないかという気がいたします。  とりわけ前内閣において「中曽根内閣としてはとりたくない」とされたことから、「大型間接税」は一種の懸念を表明する用語として使われてきたものと思われます。国会を初めとする各界の議論を集約してみますと、「大型」という呼称によって国民一般に懸念を生んでいるのは、次の諸点かと考えます。  逆進的な税体系となり所得再配分機能を弱めるのではないか、結局中堅所得者の税の不公平感を加重するのではないか、所得税がかからない人たちに過重な負担を強いることになるのではないか、いわゆる痛税感が少ないことから税率の引き上げが安易になされるのではないか、新しい税の導入により事業者の事務負担が極端に重くなるのではないか、物価を引き上げ、インフレが避けられないのではないかなどと思われます。  私はこれらの懸念にこたえていくことが極めて大切なことであると認識しています。  こうした「大型間接税」という用語にまつわって人々が抱いておる懸念の中には、議論を積み重ねることによって和らぐものもあると思いますが、同時に税制全体あるいは財政全体の中で考えていくべきものもあろうかと思います。例えば、税体系が逆進的かどうかは、税体系全体を見て判断すべきものであり、個々の税目ごとに考えるべきではないと思います。また、歳出面をもあわせて考慮する必要もありましょう。さらに、税率の安易な引き上げという点については、国会で御審議、御決定をいただくべき問題であります。事務負担の問題は、我が国の取引慣行にも十分配慮の上工夫をすることも可能ではないでしょうか。いずれにしても経済財政政策全体との調和を保つことが不可欠であります。  私はできる限り多くの国民が納得し得る税制を確立したいと考えており、このためにもこうした懸念に対し十分配慮してまいりたいと思います。  以上が私がまとめましたお答えでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 総理、ちょっと申しわけないのですが、最後の方の、国民一般に懸念を生んでいるのは次の諸点と思われるという、たしか六項目ございましたが、そこちょっともう一遍恐縮ですが、ゆっくり読んでいただけますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 「大型」という呼称によって国民一般に懸念を生んでいるのは、次の諸点かと考えます。  逆進的な税体系となり所得再配分機能を弱めるのではないか、結局中堅所得者の税の不公平感を加重するのではないか、所得税がかからない人たちに過重な負担を強いることになるのではないか、いわゆる痛税感が少ないことからして税率の引き上げが安易になされるのではないか、新しい税の導入により事業者の事務負担が極端に重くなるのではないか、物価を引き上げ、インフレが避けられないのではないか、この六つ、などと思われます、こう申し上げました。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 まさに苦吟の跡が読み取れるわけでございまして、長いから申し上げるのじゃありませんが、御労作であると思います。  私が総理に二月六日、定義を問いましたのは、今新しい税制を目指して、それを最重点課題とされる内閣の総責任者が、みずからあるべき税制はこのようなものであるということを鮮明にされる、あえて言葉を使えば税についての竹下憲章とでもいいましょうか、そういうものを明らかにされる任務があるであろうということを問うたわけでありまして、今伺った限りでは、さまざま不満はございますけれども、総理が初めて御自身でこのような税制というものを語られたということは、評価すべきだと思います。  伺った限りでは、この中に随分「課税ベースの広い間接税」という言葉が出てまいりました。総理は慎重に、これのみをもって判断することは、断定することはできないという趣旨のことを言われているようでありますが、「課税ベースの広い間接税」というのは、総理にとっては当たらずといえども遠からずというお考えになるわけでありますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 強いて言葉を選んで申しますならば、それと同義語というふうに受けとめる性格のものである。しかし、これを定義だと言うに至ると、私も自分の能力も考えてみました、別に税法の学者でもございませんが、定義というのには少し遠いのかな、同義語という意味で私どもがよく認識しておる言葉だというふうに理解すべきだと自分の心に言い聞かせたわけでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 中に言われております大型間接税の「大型」というのは、定量的に言うのじゃなくて、長い経過の中で世論調査にも使われて、国会を初め各界からですか、国民一般に懸念を生んでいる、懸念を表明する用語として使われてきている、こういうふうに言われました。私はそうだと思います。それのゆえにこそ大型間接税とは何かということが突き詰められなければならないわけであって、そういう立場で、総理が六項目を挙げられました。これは私は客観的なテーマだと思います。私どもが見ても、今日までの経過と今日の想念において、大型間接税というものに向けられている懸念、不安、我々の反対、それはやはりおおむね総理が挙げられたこの六項目と一致すると言っていいと私は思いました。  六項目は、てにをはは十分書き取れていないかもしれませんが、逆進的な税体系となって税の所得再配分機能を弱めるものだろう、結局中堅所得者の税の不公平感を加重するものだろう、三番目に、所得税がかからない人たちに過重な負担を強いるものだろう、四番目に、痛税感が少ないことから税率の引き上げが安易になされるのではないか、五番目に、事業者の事務負担がひどく極端に重くなるのではないか、六番目に、物価を引き上げ、インフレが避けられないのではないか、こういう御指摘のように承りました。  これは今申し上げたように、客観的であり、そして総理がこれを国民一般に懸念を生んでいる中身である、こういうふうに指摘されたことは、思い切った踏み込みだと私は思います。だから、逆に言いますと、これを頭に振って、大型間接税とは、逆進的な税体系として所得再配分機能を失っちゃうものだ、結局中堅所得者の税の不公平感を強めるものだ、所得税がかからない人たちにまで税を強いることになるぞ、安易な引き上げもあるだろうし、事務負担も重なるし、インフレにもなるぞ、こう言うと、ぴたり定義になると思うのです。私は、総理がそれを懸念という言葉で表明されたけれども、これは裏返して言えば大型間接税の定義だ、こうしたものを集めたものが大型間接税として人々から不安や懸念や我々が反対しているものだというところをとらえられたというふうに私は理解をいたします。言うなれば、これは逆の定義です。  そういうことを率直に私も評価してお伺いするのですが、総理がこのように踏み込まれたというのは、この六項目で尽くされるかどうかわかりませんが、この六項目で大型間接税が語られるとすれば、総理はこういう大型間接税をとりたくない、こういうことでありましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私が申し上げておりますのは、大型間接税という言葉からくる懸念が国会の論議等で大体今言った点に集約されて議論が行われてきたのではないか。しかしながら、それとは別の問題あるいは以前の問題として、直接税と間接税との対比からくるところの別の意味における不公平感あるいは税に対する不公平感というものも一方に存在する。したがって、今おっしゃった大型間接税の懸念などというものをさらに掘り下げることによって、それらの懸念というものが取り除かれていくべく今後とも努力をしなきゃならぬというふうに私は考えておるところでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 つまり、この六項目にあらわされる懸念が解消されなければ国民のコンセンサスは得られないだろうと理解してよろしいですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 重ねて申し上げておりますが、これらは、人々が抱いておる懸念の中には、議論を積み重ねることによって和らぐものもあると思います。私はそれはあろうかと思います。そして一方、税制全体の中で、いわゆる間接税一つを取り出さないで、全体の中でそれの比重とか姿というものを考えていくならば、私は、国民の理解と協力が得られ得るものではなかろうかという期待を持ち、それに対する努力をしていかなきゃならぬというふうに考えております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 重ねてお伺いするのですが、総理が示された六項目の懸念、これは国会も各界も国民一般もと言われているわけで、私はこの指摘は正しいと思っているのですが、こういう懸念が集まったもの、集積されたもの、それが大型間接税だとするならば、そのような大型間接税は国民のコンセンサスも得にくいだろうし、それではそういう大型間接税ならば、総理はとるべきではないとお考えだというふうに理解していいわけですね。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 いわゆる大型間接税という用語にまつわって人々が描いておる懸念を整理すればそういうことになるのではなかろうか。しかし、これらの懸念というものは、問答を重ねていくごとにあるいは脱体系全体を考えていく中に国民の理解と協力が得られるものではないかという前提に立って、これからも努力をしていかなきゃならぬ課題だというふうに、私は問題意識を整理しております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 私は、総理は非常に踏み込んでよく言われたと思っているわけですよ。これはたたき台ですよ、十分。だからここまで言われて、この六項目というのは私たちが見てもいわゆる大型間接税の問題点だと思っていますから、そうするとこの問題を解消しなければならない、これが総理が、この懸念にこたえていくことが極めて大切だと思う、こういうふうにおっしゃっているわけですね。この懸念にこたえていくということはこの懸念を解消することが大事だ、そうでなければ新税制とはならないだろうというふうに素直に理解していいんだろうと申し上げているわけです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 この懸念に対してこたえていく、すなわち懸念に対して問答を通じてその理解を和らげていただくとかあるいは税制全体の中で議論していただくとかいうことでこれらの懸念というものをなくすように努力をしていきたいという考え方が私のとる考え方でございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 つまり、新税制に向かう基本の態度だと御理解していいわけですね。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 間接税論議をしていく際に、これらの懸念があるということを前提の上に議論すべきだという意味においては、基本的な考え方と理解していただいて結構でございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 よくわかりました。それは大変よくわかりました。  その上で少し踏み込むのですが、大型間接税について総理は反対なんですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 そうなりますと、もう一遍大型間接税という言葉に返らなきゃいかぬものですから、その点は非常に答えにくい問題でございます。  いわゆる大型間接税からくる懸念というものが解消されるように努力すべきであるという考え方で包括的にそれこそ御理解をいただきたいと思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 私は、きょう御提示になったこの六項目の懸念こそ大型間接税へのテーマであるというふうに理解をいたしますので、総理、一口で言えば、一番近い課税ベースの広い間接税――課税ベースの広い間接税というのはひっきょうするところ結果的に大型間接税になるのではありませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 それはいわゆる今の個別消費税から比較すれば、これは当然大型であるというふうに思いますが、この大型の定義というものの中に、税制調査会でも苦労して使われた言葉で課税ベースの広い間接税というものが、ある意味において同義語と理解されるのかな、こういうところまでは私も心の中で整理をいたしておるところでございますが、それがイコール大型間接税だというところまで断定するには、これはやはり、私、学者でもございませんし、それは無理じゃないかなということを素直に申し上げたわけでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 大体わかりました。  総理、私はこのお考えを評価いたしますよ。つまり、はっきり申し上げておきたいのは、私たちは間接税絶対反対であります。間接税絶対反対でありまして、総理が後の方で言われている例えば税体系全体を見て判断せよなどなど言われても、あるいは税率の引き上げは国会の審議にかかるじゃないかと言われておりますけれども、それ自身が、私たちの意見がどこまで通るかという危惧を含めて、総理の言われるような形でこの懸念が簡単に解消するとは思いません。  しかし、少なくとも単純に言葉をつなぎ合わせる定義というようなものではなくて、具体的に総理が示された懸念という表現での大型間接税のネック、問題点、障害、我々の反対の理由、そういう立場からするとこれはまさに逆定義でありまして、第一に逆進的な税体系となって税の所得再配分機能を弱めるだろう。第二に、結局中堅所得者の税の不公平感を加重するだろう。第三に、所得税がかからない人たちにも過重な負担を強いることになるだろう。第四に、痛税感が少ないことから税率の引き上げが安易になされることになるだろう。第五に、事業者の事務負担が極端に重くなるだろう。第六に、物価を引き上げ、インフレが避けられないことになるだろう。こういう問題点を一つの土俵としまして、まさにこのことをかけて大いに議論をしていく、入り口ではなくて中に踏み込んで我々は議論をしていくことができるように思いますから、あえて珍しく総理が踏み込んでここまで言われたことを受け取って、私たちも踏み込んで中身の議論で反対をしていくというふうに考えていきたいと思います。  確認をいたしますが、総理が踏み込んで言われた懸念というのは、大型間接税を、我々からすれば通してはならない懸念をやはり表明されたのであって、総理はここに向かって最大の問題点を克服していく努力をされ、それがなければ、やはり税制は国民のコンセンサスを得られず実施できないのだというふうに私は理解をして、この問題を受け取っていきたいと思います。いかがでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 これは、私がその懸念、大型間接税という用語から来る懸念というものを整理したことは事実であります。その懸念というものが国会の中でだんだんおわかりいただいて議論が深まっていくであろうということを私も期待をしております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 それでは、これからの長い論議にゆだねまして、次にポンカスの問題、有事来援についての締めくくりをいたしたいと思います。  政府は有事来援についての研究を進めていくについて、たくさんの問題が派生するので、しばらく整理のために時間をかしてほしいということでございました。締めくくりでありますから外務省にお尋ねいたしますが、有事立法ですね、自衛隊の任務遂行に関する法制上の問題点の検討とされているそうした有事立法と、米軍が来援することに向けての有事立法とは同じものですか、違うものですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 違う問題であります。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 どこが違いますか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 今度の勉強会におきましての例をとりますと、これは第五条に関する問題である。だからその場合には、日本の自衛隊が動く場合にどういうふうな法制上の整備をしなくてはならないか、これがいうならば一つの問題である。同時にまた、ではいよいよ米軍がやってくる、そうしたときにおける米軍と諸法制との問題はどうなるのであるか、こういう二つに分かれると思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 防衛庁にお伺いいたします。どう違うのか、具体的に御説明いただきたい。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 我が国に対して武力攻撃がなされた場合、自衛隊と米軍は共同対処行動をとることになるわけでございますが、米軍の行動は自衛隊の行動と重なり合う場合が多いと考えるわけでございます。したがいまして、有事における米軍の行動にかかわる法制上の研究につきましては、現在行われております有事における自衛隊の行動にかかわる法制上の研究の結果を待って慎重に検討すべきものと考える次第でございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 もう締めくくりですからこんな答弁では困るのですよ。どこが違うのかと言っているのですから、質問に答えていただきたい。事務当局でもいいですから、少し具体的に言ってください。

依田智治防衛庁長官官房長

○依田政府委員 お答えいたします。  現在政府の方で進めております有事法制研究は、先生御存じのように、自衛隊法七十六条によって自衛隊が防衛出動を命ぜられるというような事態において円滑、効果的に任務を推進するという面から、第一、第二、第三ということで、既に防衛庁所管は終わりまして、各省所管も終わった。現在政府の安保室等を中心に第三分類、どこか所管がわからないけれども、国民生活等にかかわってくるような部分について、自衛隊の行動との関係で進めておるわけでございます。  米軍の場合には、米軍が行動する場合に国内法上どういう問題がかかわってくるかという問題にかかってきますので、大体似たようなことになるかなということでございますが、まず自衛隊の方の現在やっている方の法制を研究し終わった時点で、これを米軍の行動と引き合わせてみて、どういう問題点が生ずるかということで研究してみるというのが効果的であろうということでございまして、中身はその時点で多少違ってくるものが出るかと思いますが、大方は国内法制上やや似ているものが出てくるのではないか、こんなように感じているわけでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 困るな、こういう答弁では。手順なんか聞いてないのです。どう違うかということをわかる人にちょっと説明していただきたい。例えば輸送、補給というようなものについてはどうですか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○西廣政府委員 自衛隊の行動にかかわるものと米軍の行動にかかわるものとの法制、米軍の方、私、勉強しておりませんが、明らかに違うと思われますのは、自衛隊の行動にかかわる場合の有事法制と申しますのは、自衛隊の任務遂行のために必要な範囲内でいろいろな法的措置がとられるということでありますし、米軍の場合は、日本防衛のために米軍が行動するためにということで、その行動の主体が米軍である、自衛隊であるということで全く違うという点が一番違う点だろうと思います。  ただいまお尋ねの、例えば輸送の点について申し上げますと、現在自衛隊法の百三条には、自衛隊の任務遂行上必要な場合には輸送とか、あるいは医療であるとか、建設であるとか、そういった業務に従事させることができるような規定が自衛隊法にございます。ただそれは、あくまで自衛隊の任務遂行のためにということで書かれておりますので、それでは米軍のためにはできない。米軍のためにできるべくそういった他の法制が必要になるかもしれないということであろうかと思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 公表されておりませんけれども、例えば既に防衛庁の当時の渡部統幕議長と在日米軍のティシエ司令官が署名をいたしました共同作戦計画、極秘になっておりますけれども、その中で挙げられているのは、有事に来援する部隊というのは、戦術航空部隊は七個航空団、二十一個飛行隊程度、空母部隊は三から四個群、一個群は空母一隻と護衛の艦艇で七、八隻程度ですね、陸上部隊は一、二個師団程度、こういうことになっているはずであります。  確認できなければしなくても結構ですが、そういう当然な数字からすると、これはどれぐらいの数字かというと、防衛庁の幹部の言葉を使えば、これだけ来られると日本じゅうがアメリカ軍だらけになってしまう、こういう数字であります。これほどの有事来援を研究するということになれば、自衛隊の機能、役割を中心にして今進められている有事法制研究と、こうした米軍とかかわる有事法制というのは明らかに違うのであって、これを一緒にしようなんということは到底できない、このことははっきりするわけですね。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 先ほど申しましたとおり、はっきり区別せられるべき問題であります。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 各論を省きますけれども、ドイツやイギリスの例を挙げていくのを省きますけれども、例えばドイツの場合は九万人の予備兵員をここに投入するとか、戦死傷者の後送、核・生物・化学兵器防護の問題等々、いろいろあるわけです。あるいはオランダなどでは水先案内から艦船修理、補給等々、いろいろなことがあるわけです。これは、こういう問題を取り扱わなければならない以上は、日本の自衛隊の機能を中心にする有事立法では含まれないことになるんですね。念のために伺います。先ほど防衛庁長官は共同対処というお話になりました。日本有事ということでこれだけの米軍が来援するということになれば、共同対処、つまり一緒になってタンクを動かすということになります。  具体例で一つ伺っておきましょうか。米軍と日本自衛隊のタンクが並んで走っています。日本の自衛隊のタンクローリーが油を持って駆けつけました。日本のタンクローリーからアメリカの戦車に油を入れることができますか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○西廣政府委員 何度も申し上げますように、有事における相互支援の問題というのは今後研究すべき課題でありまして、私どもまだ研究しておりませんので確たることは申せませんが、少なくとも相互に補給し得るようにしなければいけないというように考えております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 今はできませんね。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○西廣政府委員 戦場、戦闘状況におきまして各種の支援の態様というのはあると思います。  例えば、隣におった米兵が負傷した場合にこちらの医薬品を使って治療するとか、あるいは二人でざんごうにこもったとき片方が弾がなくなってどちらかが提供するというような場合がありますが、それら個々について一つ一つ協定がないからこれはできるとかできないとかということになるのか、あるいは包括的な何らかの協定が必要なのか、そのあたりも含めて将来、研究課題であろうかと思っております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 これは貸し借りということならできることになっているのです。便宜的にそういうことになっていますが、私が言いたいのは、法制上はできないのです。防衛庁長官何遍も言われているように、有事来援というのは日米安保体制の核心である。もう一遍言ってもらってもいいのですが、何遍でも言っておられる。米軍の有事来援というのは日米安保体制の核心である、中心である、これがなくては日米安保というのは意味がないんだというぐらいに、はっきり言っておられるのです。そうすると、有事来援した米軍が、実は自衛隊と共同対処と言われるけれども、貸し借りなんという形でやるなら話は別だが、法制上は共同対処はできないのですよ。  例は幾らでも出します。幾らでも出しますが、今の一例だけで十分だと思うのです。それはどういうことになっているかというと、防衛庁設置法の第五条には、条約に基づいて日本国にある外国軍隊、駐留軍に対して施設、区域を提供し並びに駐留軍のため物品、役務を調達すること、こうなっておりまして、自衛隊みずからが役務を提供する規定はないのであります。共同対処といっても全然別々な、タンクならタンクが並んで別々に走るということしかないことになるのです。  こういうことになると私どもは、だからしっかりやれということを言っているのではありませんよ、法制上の欠陥というのははっきりしているということを言っているのです。だから、米軍と自衛隊の共同対処、米軍の有事来援が絶対必要だ、これが日米安保体制の核心であると言われるのであれば、当然今進められている自衛隊の機能を中心とする有事立法だけではなくて、米軍の来援を前提とする別な有事立法というものがなされなければならない、そういうことにならざるを得ないのだ。これはもうはっきりお認めになるでしょう。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 この間もお答えしておりまするとおりに、今申しました自衛隊がどういうふうなことをするか、諸法制の整備、これは防衛庁が今やっているということでございます。したがいまして、米軍来援のときにはどうか、これはまた別のことを考えなくてはならぬと私は申しておるわけでございますが、作業等々を考えました場合には、一般論として、自衛隊に関する有事立法というものを眺めながらやらなくてはならぬ、その答えが出たときに私たちも考えなくてはならぬ。  今防衛庁長官、恐らく有事だから、いざというのだから、こちらはアメリカ、こちらは日本というわけにいかぬだろうから、アメリカの場合にも自衛隊の場合に準ずる場合が多いだろうと想像される、こう言っておるわけでございます。これは何回も私、申し上げておると思いますが、今回の勉強は有事立法をつくるための勉強でない、これだけは申し上げておきたいと思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 もう全然矛盾しちゃって、答弁にならないですよ。これは困るのです。ちょっと日本語をきちっとつなげて言ってください。  明らかに安保体制の核心であると言われている有事来援を、防衛庁長官が向こうへ行って、国防長官と約束をして二、三年の間にやりましょうと決めてきたのですよ。それをやることが中心であると言って、そして今進んでいる自衛隊の有事法制とは違うのだと言って、それもはっきりお認めになった。そして、違うのだと言って詰めていってみれば、今の日本の法制の中では賄い切れないところが明らかに出てきている。とすると、その有事来援の研究をするのならば、アメリカ軍の来援を前提とした有事研究をせざるを得ないというのは当たり前な帰結ではありませんか。段取りなんかを聞いているのじゃないです、段取りは後から聞きますから。それは避けざるを得ないところへ来たのだなということを、これは単純に認めていただかないと、言を左右にして日本語が途中でわからなくなるようなことでは困るのです。これは確認してください。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 我が国有事において米国から来援が確実かつタイムリーに行われるか否かは安保体制の核心をなすことである、かようなことを申し上げまして、なお、この問題につきましてガイドラインの中におきまして研究をする。有事来援研究は、あくまで日本に対する侵略が生起した際の米軍の時宜を得た来援を得ることを目的とした研究でございまして、有事のホスト・ネーション・サポートあるいはまた在日米軍の行動にかかわる有事法制の研究に直接つながるものではない。そしてまた、有事のHNSの研究や在日米軍の行動にかかわる有事法制の研究を行うといたしましても、これは有事来援研究とは別の研究である、かようなことは累次お答えをいたしておりますし、また、そのための手続や枠組みをまた設けて行うものである、かようなことも申しておるわけでございます。  でありますから、今委員御指摘のように、有事の際、そして今日本の安全をより確実にするためにガイドラインの中で各種の研究が行われておるわけでありまして、この枠組みの中の研究というものをまず踏まえながら、これは予算であるとか、またたびたび申し上げておりますが、行政措置であるとか立法にかかわる問題とかそうした前提条件はありますが、その枠組みの中で研究をいたしまして、そしてそこからいろいろ派生する問題もありましょうし、また、そういうことを踏まえながら取り組んでまいらなければならぬ問題もあるわけでございますが、相互の体制につきましては改めて研究をする、かような段取りで進むわけでございまして、今一挙にそこへ参るというような話とはこれは別の問題でございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 これでは困りますよ。段取りのことなんか聞いていないのです。  いいですか。何とかしてきょうはポンカスの話をとめようと思っていらっしゃるかもしれないが、ポンカスはその一部だということで私は位置づけていますから、もっと基本的なところで答えてください。  それでは逆に伺いますが、有事来援研究をするについては、アメリカ軍来援を前提とした有事法制を研究しないと言い切るのですか。それならそれでいいです。しないというのなら、しないと言ってください。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 仮に今回開始する有事来援研究を行った結果、例えばこの研究におきまして在日米軍で十分である、かような結論がたとえ出たといたしましても、いわゆる有事におけるホスト・ネーション・サポートの問題であるとかあるいは在日米軍の行動にかかわる有事法制の問題につきましては依然として私は必要なものである、かように存じております。これらの問題は従来から存在しておる問題でもございまして、今回の有事来援研究の開始に始まって新たに生ずる問題ではございません。  今、先ほど申し上げましたように、今度の有事来援研究というのはガイドラインに沿いまして研究をしてまいるわけでございますが、先ほど外務大臣から御答弁もございましたが、これから派生する問題につきまして外務省当局でお考えになる問題もありましょうし、また政府全体として研究をしなければならぬ問題もあるわけでございますが、今有事来援研究といいますのはガイドラインに沿って日本有事の場合にいかに米軍の支援が確実、タイムリーに行われるかという点につきまして研究をしてまいるということでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 よくわかりました。明快ですよ。それをちゃんと言ってくれればいいんです。  今大事なことを言われた。在日米軍にかかわる有事法制は必要なんである、どうあっても必要なんである。しかも言葉を強めて言われたのは、仮に在日米軍、今いる米軍だけで賄われて来援することがないとしても、在日米軍にかかわる有事法制は必要だと前から思っておる。大変明快です。そうなんですよ、あなた方は。たまたまそれがポンカスで明らかになっただけの話だ。ポンカスをどんなに外そうと外すまいとです。今極端な例を言われた。向こうから、ハワイから二十五師団、ワシントン州から九師団などなどが来なくても、今申し上げた日米共同作戦計画の中で予定されているような来援部隊が仮に来ないで済むとしても、ホスト・ネーション・サポートという言葉も今使われたが、ホスト・ネーション・サポートにかかわる意味で在日米軍にかかわる有事法制は必要だ。やるわけですよ。これは総理、ここは非常に大事なことです。  私どもはずっと調べてみますと、例えばガイドラインができた十年前にももう既にその指摘はあるんです。ガイドラインの中に、第一に、日本は日本国内における補給品の取得を支援する、第二に、日本及び米国は米国から日本への補給品輸送に協力する、第三に、日本は日本国内における米軍装備品の整備を支援する、こういうふうに書かれているところから、いずれ研究が進み体制が進んでいけば、アメリカ軍に向けた有事立法というのはやらないわけにはいかないんです。日本の自衛隊法なり日本の有事法制では賄えないことになるんだということはもう十年前からわかっているのでありまして、それがいよいよここへきてはっきりしてきた。  そうしたら、ポンカスだけではないよ、まさに有事来援には、有事来援がない場合にも在日米軍にかかわる有事法制は必要である、ここまで言い切っておられるわけですね。これは私は大変問題が明らかになったと思うのです。日本の法制では足りなくなっているというところに、現行日本の法制の中ではこの有事来援問題というのは議論できなくなってきているということになった。総理の御見解を承ります。

有馬龍夫外務省北米局長

○有馬政府委員 技術的な部分を私がお話しいたしますが、今これから始めようとしている、いざというときにどのような来援を米国から期待することができるか、これについての研究と、それから、それが参りました場合に我が国の法体制がいかような態様でこれを迎えるかというのは別の問題でございます。  前者につきまして、この研究についての性格は、従来政府側が何度も御説明しているわけでございますけれども、この結果がいかような形で出てくるか今にわかに予断し得ませんけれども、これについてはいずれの政府をも法的、財政的あるいは行政措置という点で拘束しないということについては、日米双方ともに共通の認識があるわけでございます。  他方、先般来の有事、いざそれでは我が国の法制がどういうことになるか、これは二つございまして、一つは本日も既にるる述べられております重なる部分もあるであろう、ほかの部分はどうなるんだろう、これは今後米国との研究とは別に、我が国が自主的に考えていく必要が多分ある問題であろうけれども、研究とは別の問題であるということだろうかと存じます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 全然わからない話をするから、また、問題がぼけないために、もう一遍総理に申し上げておきます。  きっかけはポンカスでありますが、安保体制の核心であるという有事来援、この研究をいよいよ始めようということになったら、これまでの日本自衛隊にかかわる有事法制の問題では足りないんだ、明らかに違うものでなければならない、そしてその違うものとしての有事法制というのは、たとえ来援の必要がない場合を想定したとしても、有事法制は考えなければならないということが指摘されたのであります。  まさに私が申し上げたいのは、今明快な答弁があったように、国内現行法制のもとではできない、それを超える状態になってきている、その中で、日本の自衛隊にかかわる、その使命遂行にかかわる云々という有事法制ではなくて、米軍に向けての有事法制を研究しなければならない事態に今あるということを総理が御確認をいただくことなんであります。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 上田さんがいわゆる有事来援問題というのは日米安保の核心である、これは安保条約を締結した時点からそれは核心として、それを是認する者は当然のこととして、今日までそれが核心であるという位置づけをしてきた、そのように私も思います。したがって、これらの研究につきましては今日まで徐々に行われてきて、その中で、いわゆる自衛隊そのものの行動に関するものはおおむねできて報告をした。で、私どもも当時その話を聞いて、じゃ大体それに準用しておおよそ米軍の行動というものもできるのかなという感じを持ったことも事実であります。  が、さらにこれから、核心の問題でございますから研究を重ねていって、必ずしもそれを前提とすることでなく、必要となってくることは私はあり得るであろうというふうに思いますけれども、今度の研究は有事法制そのものを前提に置いたものではなく、その以前の問題を研究されておるものだというふうに私なりに整理しておるところでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 確認しますが、つまりその研究の中では、米軍に向かっての有事法制の研究も波及してき得るであろうということですね。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 それは私は可能性を否定するものじゃ決してございませんが、今の段階でそれらがインクルードされるであろうというところ以前の話し合いの段階ではないかというふうに問題を整理しております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 総理としてはそういう言い方になるでしょう。つまり否定されるわけではない。そこで、先ほどから先走った御答弁が出ておりますが、段取りは日本の有事法制が終わったらそれに取りかかってみる、こういうことであります。  安保室、来ていますね。安保室に伺いますが、既に日本有事法制の第二分類が終わった。第三分類も各省の仕分けが終わった。私はせいぜい半年か一年の間にはこの第三分類も終わると思っていますが、見通しはどうですか。

佐々淳行内閣安全保障室長

○佐々政府委員 お答えいたします。  第三分類、どこの省庁の所管にも属さない問題点、これは安保室が設置をされました一昨年七月一日、どこの省庁も担当しないことであれば政府全体でやるべきであろう、ただし私どもは実施官庁ではございませんで、調整官庁でございますので、どこの省庁がそれを担当すべきかの仕分けをやるのが安保室であろう、こういう御答弁がございます。現在、私どもは実務者レベルにおきまして防衛庁からいわゆる第三分類の問題点についてのヒアリングを行っておるところでございます。  何でそんな時間がかかっているんだという御質問でございますが、実は国防会議時代にはこのいわゆる有事法制の研究は国防会議の任務ではございませんでした。一昨年の七月一日以降新たに任務付与された仕事でございましたので、第一分類、第二分類のヒアリングを終え、先ほど先生、第三分類の割り当ても大体終わったんではないかという御質問でございますが、まだそこまで行っておりませんで、現在防衛庁からヒアリングをしておるという段階でございます。(上田(哲)委員「いつごろまで」と呼ぶ)私どもは五十二年に有事法制の研究を防衛庁に対して総理から御指示があって以来、なるべく早くやりたいと思ってやってまいりましたけれども、大変時間がかかっておるのは御承知のとおりでございます。何分、国民の権利義務にかかわる重要な問題でございますので、慎重に進めてまいりまして、第三分類については、現時点においてはいつまでにできるかというお答えをできる段階でございませんので、もう少しお時間をちょうだいしたいと思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 逃げ回っているなら言いようがありませんが、一年はかからないです。半年ぐらいだろうと私たちは計算をしているのです。  そこで、そういう形で第二分類が終わり、第三分類が進められている。当然のことを確認いたしますが、第三分類が終われば米軍に向けての有事法制の研究に入りますね。

有馬龍夫外務省北米局長

○有馬政府委員 今の御指摘の問題はいわゆる安保条約第五条における米軍の行動に関連する国内法上の問題についてでございます。これは今後の問題としてはこのような研究も行う必要があろうかと一般的には考えておりますが、現在政府の内部では具体的に検討を行っていないというのが実情でございます。将来の課題と従来申し上げていることでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 防衛庁は。――だめだよ、もっと真剣に答えなきゃ。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 有事来援の研究につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、ガイドラインに基づいて行う研究でございますし、別途有事法制の問題につきましては、法治国家としていわゆる平穏なときに静かに研究をする、してまいるということは極めて重要なことでありますから、これは別の枠において研究されてしかるべきものでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 時間のむだを省きましょう。はっきりいたしましたから、私はそこで整理をしておくことにいたします。  明らかに自衛隊対象の有事法制では賄えない、現在の国内法制では賄えない米軍の有事来援を目途とした有事法制の研究は当然含まれてくるだろう。その研究の開始は、今自衛隊にかかわる有事法制が第三分類にかかっている、この第三分類が終わった後に着手することになる、これはもう今の御答弁をつなぎ合わせればはっきりしているわけでありますから、これ以上むだな時間を費やさないようにいたします。  そこで、こういう研究が進んでいく、こういう研究が進んでいけば当然にWHNSを含むのだと前に答弁がございました有事来援。そのWHNS協定というものが出てこなければならない。これは地位協定でできるんだということを御答弁になると思いますから、先回りして、時間の省略をするためにその点を押さえておきます。  既に二月二十六日の御答弁で西廣防衛局長は「例えば米側が自分の負担において装備を集積する、あるいはそれを管理するということであれば地位協定の範囲でできるものはあろうかと思いますが、」「研究の結果、」「おっしゃるとおり、新たな国内的措置なり、あるいは協定なり、そういったものが必要である場合も当然出てくると思います。」斉藤条約局長は「例えば一つのケースを申し上げますと、」「現在の米軍の施設、区域にその事前集積という形で大きな資材その他が蓄積されてその管理を米側が行うという形であるとすれば、これは現在の地位協定の範囲内でできることでございます。」ぴたり一致しております。  つまり、逆に言うと、米軍が経費をすべて負担する、米軍が現在の米軍の施設、区域の中でポンカスを行うという場合には地位協定でよろしい、しかし新たな区域を設定するとかホスト・ネーション・サポートをやるということになると、これは地位協定ではできないということが明確になっているわけですから、そうなるとここで当然WHNSに基づく協定が生まれることになります。これは避けられないことになります。有事法制はやがて取りかかることになる。そしてWHNS協定を結ぶことになる。  WHNS協定は先ほど、先般の御答弁では外国九カ国においてそれに類するものが取り決められていると御答弁がありました。どうもその数字も違っているようであります。例えばその中で西ドイツとの問題は有名なんで、そのほかイギリスの問題等々があります。ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、イギリス、デンマーク、ノルウェー、西独、トルコ、イタリー、防衛庁が確認されたところでありますが、それぞれの名前は、例えばイギリスとの問題は米英兵たん線取り決めというふうに、名前は一定しているわけではありませんが、この九カ国はこれに該当するものだと防衛庁が認定をされた、こういうものであります。これらは、これまでのシーレーン共同防衛計画でありますとか日米共同作戦計画でありますとか、アメリカの司令官と日本の統幕議長、制服同士が調印をしたままになっているのとは違って、すべてアメリカ議会を通り、この協定は議会の承認が必要であります。  こういう問題が必要になってくるということになると、何遍も何遍も耳を聾さんばかりに言われているガイドラインの範囲だということにならない。ガイドラインは両国政府の予算上、行政上、法的な措置を縛らないということになっている。なっているから大丈夫なんじゃなくて、そうなっているにもかかわらず、このガイドラインを出発点として行われた研究、その結果としての協定の調印はガイドラインの中ではもうおさめられない。両国議会の承認を必要とする。つまりガイドラインの外に出ざるを得ないのです。ガイドラィンがあるから大丈夫だという話にはならなくなってきているのです。当然我が国の国会もそのような協定に対して論議をさせていただかなければならない。アメリカが議会を通るのであれば、日本もそうした協定が締結される場合には、これまでのガイドラインに基づくシーレーン防衛計画や日米共同作戦計画、オペラビリティー等々ではなくて、今回は当然国会を通していただかなければならないということになりますが、いかがですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○有馬政府委員 まず第一に、先ほども申し上げましたけれども、この研究の内容がいかなる形で出てくるかということを現在予断できないわけでございますが、いずれにいたしましても防衛協力のための指針の中にございますように「研究・協議の結論は、日米安全保障協議委員会に報告し、」これは我が方は外務大臣と防衛庁長官が代表をされておられるわけですが、「その取扱いは、日米両国政府のそれぞれの判断に委ねられるものとする。」ということがありまして、この「判断に委ねられる」という段階が一つございます。  それから、NATO諸国の一部と米国との間に取り決められておりますいわゆる有事の際の接受国の支援についての取り決めでございますけれども、まずヨーロッパで考えられることと、それから我が国がこれから有事ということで米国と考えてまいりますものとが多分違うのだろうと思いますので、どこまでNATOについて、ここで私は御説明いたしませんけれども、NATO諸国と米国との間で結ばれている、これは二国間も、場合によると多数国間もあるようでございますけれども、これとは当然に同じであるというような前提では多分ないだろうと思いますし、接受国の支援の態様の多様さから申しますと、どういう形でこれを受け入れるのかというのもまさに研究の成果が出て、それについて行政府がいかなる判断を下すかということにかかっているのではないかと思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 とんでもない話ですよ、これは。行政府の判断にかかってたまりますか。これは重大な発言ですよ。いいですか、アメリカは議会の承認で協定を結んでいるのですよ。あなた方が例に挙げられたベルギー、オランダ、ルクセンブルク、イギリス、デンマーク、ノルウェー、西独、トルコ、イタリー、具体的な例を一つ一つ伺いたいところですよ。これと結んでいるアメリカは議会を通している。ところが、日本の場合は行政府の判断にゆだねられる。一方は国会を通し、日本は国会を通さないで行政府が判断するなんてことがどうして言えるのですか。大問題じゃないですか、これは。こんなばかなことを……

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 有馬北米局長。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 時間がだんだんなくなりますから、同じことは言わないでください。ちょっと待ってください。私が今主張しているのですから、質問者が質問しているのに妨害することはない。  こんなばかなことがありますか。明らかに各国は、各国と結んでいるアメリカは議会を通し、そういう形で協定が結ばれているのですよ。ところが、日本は行政府の判断にゆだねられる、こんなばかなことがありますか。これは当然我々の場合も、だから今までのシーレーン防衛共同計画だとかインターオペラビリティーとか日米共同作戦計画とかというのは防衛庁の二階の会議室で両国の制服がサインをしたままで終わっていて、我々には全然見せてもらえない。しかし、こういう形になってWHNS協定と類するものが協定されることになり、アメリカが議会を通すのだったら、当然これは日本の国会にゆだねられるべきであるというのが国会の常識ではありませんか。これは、どうしてそれをねじ曲げるかというと、ガイドラインがある。ガイドラインは両国政府を拘束しない。拘束しないでやってきたというのが今までの隠れみのなんですよ。ところが、このガイドラインに基づいて始めたものであっても、これが両国政府ののりを越えて議会の承認を得なければならないところへきているのに、なおガイドラインを理由にして日本の場合は国会を通過させないということにするのかどうか。これは、官僚の答弁ではありません。総理なりその他の責任ある御答弁をしっかり伺いたい。

斉藤邦彦外務省条約局長

○斉藤(邦彦)政府委員(外務省) 先ほど有馬北米局長が答弁しました点は、仮にWHNS協定というものが必要になった場合、それは行政府の判断で、すなわち行政取り決めとして結ぶということを申し上げたわけではございません。北米局長が申し上げましたのは、研究の成果をいかに取り扱うかは、これは各政府の判断に任されるということを申し上げたわけでございます。その判断の結果、両政府間でWHNS協定をつくろうということになる可能性はそれはございます。そのような協定ができました場合、その内容いかんによりまして国会の承認をお願いするということになる可能性もこれは当然あるわけでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 わかった、それを確認しましょう。――初めから言っていないですよ。ガイドラインの範囲だ、ガイドラインの範囲だと言っているじゃありませんか。前の外務大臣は黙っていてください。いいですか、ガイドラインの範囲だ、ガイドラインの範囲だから行政府の判断だと言っているじゃないですか。今の見解ならいい。それが行政府の判断の中で終わっているというなら、残念ながら私たちはしようがないということになりましょう。しかし、少なくとも一方の政府が国会を通すのであれば、当然我が国の国会を通すというのは当たり前のことです。これは、政府、総理、ひとつ御確認いただきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 行政府が判断をいたしましてそのものをいわば国会に提出して批准していただく案件、あるいは現協定の中で読めるものもあるいはあるかもしれません、仮定の事実として。しかし、そのとき判断してこれは当然この国会で承認、批准をいただくべきものだというのも一番大事な判断ではないかというふうに考えております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 そこをお約束いただくということが一つの最低限の国会、シビリアンコントロールの歯どめであります。  そうすると、もう一遍確認します。これは官僚答弁でも結構ですが、今確認したというのは非常に大事なことで初めてのことなのです。そうすると、今までガイドラインの中でやっているのだから両国政府を拘束しない、ガイドラインの中でやっているのだからどこにもかける必要がないというふうに言っていたが、例えば今度のポンカス、有事来援問題等々はガイドラインの中だけに閉じ込められない、これからはガイドラインだけでやっていけない事態になってきているということはお認めになりますね。

斉藤邦彦外務省条約局長

○斉藤(邦彦)政府委員(外務省) 今回の研究がガイドラインの範囲内で行われるということは累次御答弁申し上げているとおりでございます。その研究の成果がまとまりましたときにそれをどう扱うかということは、ガイドラインに書いてございますとおり各政府の判断に任されるわけでございます。その時点で各政府が、行政府が判断した結果としてガイドラインとは次元の別の問題といたしまして、例えばWHNS協定の話を両国政府間でするというような事態になるということは可能性の問題としては当然あり得るということでございます。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 どうしてもこういう言い方になりますから、もう時間を省きますよ。余計なことを省いてもう一遍申し上げておきます。  行政府の判断ではないのです。一方の締結国の、一方の国会を通っていれば、行政府の判断によってこっちの国会にかけるかかけないかなんてばかなことはない。当然我が国の国会にかけるべきだというのは当たり前のことですから、確認をしておきます。そして、それはそういうことが想定されるということはガイドラインの範囲ですべて終わるのだから大丈夫ということはもう言えなくなった、こういうことになるのでありまして、まさに今日の、現行法制下のあり方では賄い切れなくなっている日米軍事体制あるいは法制の問題、その事態にいよいよ私たちは踏み込んでいる、こういう認識を持つのであります。総理、まとめてひとつお答えいただきたい。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 ガイドライン、確かに古くなっておりますが、私は、研究というものがガイドラインに基づいて行われていくということはなお継続して今日もそのとおりであると思っておるわけであります。  上田さんのおっしゃるのは、もう事ポンカスに至るようなところまでを予測した場合に、とてもじゃないがガイドラインを踏み越してしまう研究に入らざるを得ないではないか。しかし、研究はあくまでもガイドラインに基づくものであって、その結果について仮に日本政府がそれを判断をいたしたといたしますならば、当然これは批准、承認を要するものは国会の御審議をいただくでございましょうし、あるいはものによっては既存の協定等の範囲で読めるものがあるかないか、そこまで私はつまびらかにしておりませんが、本質的に協定等において承認を受けるべきものがあると判断をすれば、当然これは国会の承認をいただくべき課題であるというふうに思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 最後に承っておきますが、二、三年でやる、例えばさっきの共同作戦計画というのは六年もかかっているわけですから、二、三年でやるというのはかなり急いでやるという意思表示であります。いつから、どこでやりますか。

西廣整輝防衛庁防衛局長

○西廣政府委員 御承知のように、日米共同研究というのはカウンターパートとしましては防衛庁と在日米軍が中心になり、太平洋軍も若干入ってやることになりますが、いずれにしましても、こういった問題、最初が大事でございますので、どういうアプローチをしていくかということについて、私どもも十分参画をして相談をしたいと思っておりますので、御承知のように今、国会審議等が盛りでございますので、一段落した段階から始めたいというふうに考えております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 よくわかりませんが、五月にハワイ会談、そこで具体的な問題に入る、二、三年というのはそういうことです。そして統幕四室、ここが担当することもわかっています。こういう具体的な現実の問題になっているわけですから、言葉を左右にしないで、ひとつ的確に、国民の不安が募らないためのシビリアンコントロールの強化を私たちは目指していかなければならないと思います。非常に危険な状態に入ってきた。まさに戦後最大というべき分水嶺を越える事態に入った。今まではアメリカ軍が一カ月ぐらいしたら来てくれるかななどと言っていたのが、そうではなくて、具体的な問題としてこれが浮かび上がってきたというところを私は強く警告をし、できればポンカス、有事来援研究はやめるべきだということを申し上げておきたいのであります。  締めくくりでありますから、わずかな時間でありますが、持ち越している問題についてもう一点だけお伺いをいたしておきます。  この委員会で緊急なテーマでありますが、冷凍受精卵の問題を取り上げたわけであります。これは初めて人間の生の倫理あるいは医の倫理にかかわる問題として、医学の進歩ということを大いに尊重をしつつも、例えば、医学界の判断の基準に合わせて二週間の間は受精卵は生命とは認めないというようなところから、遺伝子工学的な対象になり得る危険等々も指摘する部分がございます。  参考人も招致して議論をしたわけでありますが、政府が法制的な面を含めて容喙をするということは正しいとは思いませんが、世論の一角としてやはりぜひ、例えば、人間が死ぬときの問題としてクローズアップされている脳死の場合に、さまざまな社会の見識を集めてその判定基準を今もなお探っておられるというような慎重な配慮が、こうした新しい分野の開発に当たり、早ければもう今月から来月にかけてそうした受胎が行われるということも予想されているだけに、ひとつ政府も、そうした面で慎重ながら倫理の問題について御配慮をいただくべき見解を示されるべきではないかということに思いをいたしているわけであります。  厚生大臣からは、やや部分的でありますけれども御見解がありましたけれども、できれば厚生大臣、あるいはその上に立って総理からそうした高い見識を承っておきたいと思います。

藤本孝雄自由民主党厚生大臣

○藤本国務大臣 先日の委員会におきまして、この問題はまさに医療上の技術の問題と生命の尊厳をどう調和させていくかという極めて重大な問題でございまして、今後この問題をどう進めていくかということにつきましては、国民のこの問題に対する倫理観の形成ということが極めて重要である、かように申し上げたわけでございます。さらに、この問題を具体的に取り扱ってまいります病院側につきましても、国民のこの問題に対する考え方、こういう点を十分に配慮して、取り扱いにつきましては慎重にお願いしたい、さらに、その倫理委員会等の運営につきましては公正に、しかも部外からの専門家も入れて運営をお願いしたい、かように申し上げたわけでございまして、御理解いただけておるものと考えております。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 厚生大臣からお答えがありましたが、生命観、倫理観に関する問題でございますので、にわかに私が意見を言うだけの自信は全くございません。したがって、だれが見てももっともだという構成に基づく委員会等で結論を出されるのが適当ではないかというふうに思っております。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 総理の御発言も慎重な方がいいと思いますから、それで結構です。しかし、できるだけ広い人々の意見を入れて、物として扱われたり実験の対象とされることのないような点については、法務省までかかわるものになってまいりましたので、ひとつ慎重に御検討いただきたいと申し上げておきます。  もう一つの問題は、二年前に当委員会で取り上げました、すぐれた日本の予防ワクチンを使って、開発途上国で年間五百万人の子供が亡くなっている、これは飢え死にだというふうに食糧不足の点だけが強調されてまいりましたが実は感染症である、この感染症対策を行うことによって年間五百万人の子供たちの命が救える。これは具体的に申し上げると、破傷風、ジフテリア、百日ぜき、結核、ポリオ、はしか、以上六種類。この六種類のワクチンを完全に供給できるのは日本だけでありまして、これが大体一人頭、六つのワクチンを使って干円だ。高く見ても、輸送費を含めて千五百円。五百万人を救うという掛け算をすると五十億。ぜひこれをやってもらいたいということを提案し、実は外務、厚生、大蔵等々が協力をして一年間も研究してぜひやろうということになった。これは大変結構なことだと思っているのです。  ところが、事情はよくわかるのですが、コールドチェーンが必要だというようなこともあったので、ワクチンだけ持っていったって腐っちゃう。それをちゃんとやることが先だというふうな問題もあったり、いろいろございましたけれども、今日までその成果を見ますと、結局ワクチン供与は五十億どころか五千二百八十万円しかないのです。そしてそれはスリランカとネパール。ネパールは狂犬病が行っているのですね。これは別なわけです。それを全部合わせても五千二百八十万円しかやっていない。これでは、これだけすぐれたワクチン技術を持ちながら、しかも国会でそうした決定をしていながら、日本の努力というのは足りないのだろうと思うのですよ。事情はわかりますけれども、もっと力を入れるべきだという点について御見解いかがですか。

藤本孝雄自由民主党厚生大臣

○藤本国務大臣 六十一年の二月二十二日の予算委員会での当時の今井厚生大臣との御質疑、私も読ませていただきました。百万人の子供の命を救いたい、その考え方は今も私ども念頭にございまして積極的に進めておるわけでございますが、問題は、御承知のようにいろいろ問題がございまして、例えば今も言われました輸送の問題、保存の問題、それからまた相手国の取り扱いの人たちの教育の問題等々ございます。そのことについて今懸命に努力を積み重ねているところでございます。  仰せのように、発展途上国で毎年一億人の子供が生まれる、その中で五百万人が感染症で亡くなっていく、これらの方を救っていく、これは先進国としての我が国の大きな責務である、かように考えておりますので、今後とも努力を続けてまいります。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 総理、これは大変大事な日本の外交だと私は思うのですよ。大した金じゃないと言ったら語弊がありますけれども、五十億、百億ということで顕著な効果が生まれる。しかもこれは日本ならできる、日本でなければできない。それが結果的にはどうあれ五千二百万円しか使っていない。これはひとつ乾坤一てき頑張ってそういう役に立つということを総理、号令をかけていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 実態としてどうやったら一番効果が上がるかということも含めて、これについてきちんとした対応を、私の方からも厚生省当局を督励をいたします。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 じゃ最後に、あと関連質問に譲りますが、もう一遍もとの問題に戻ります。  ポンカスという問題が大変大きな、日本有事あるいは極東有事という問題を絡めながら、日本のいわゆる防衛体制、日米合同体制というものに一つの光を当てる結果となりました。これはまさに今までの机上プランの段階から動く段階に入る。これは来るまでの研究である、来たら米軍は帰るんだ、こんなばかなことはないのでありまして、研究というのはやりたいからやる研究なんでありまして、やらないこともあり得るが、やれるならやりたいということであるとすれば、さまざまな研究テーマが入ることは明らか。結果的にはそうなることもあるだろうと言われたようなことではやはり私は十分ではないと思います。  私は、より慎重にということよりも、ポンカスというような問題、有事来援の問題は今しばらくとめるべきだ、国民のコンセンサスのないところで、ひょっとすれば国会をも通り抜けてしまうような事態がひそかに進んでしまうようなことになってはならない。シビリアンコントロールという言葉で言えば余りにも単純でありますけれども、こうした実態がここまで明らかになった以上、できるだけ国会にもそうした問題を明らかにし、資料も提供し、政府としてはそうした面でのシビリアンコントロールを強めていく、こういうことを、総理、最後にもう一遍御決意を承っておきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私はいつも申しますように、いわゆるシビリアンコントロール、これを積み上げていくには、制服に対する背広の問題、あるいは内局の問題とでも申しましょうか、そして安全保障会議、それから閣議、だが、最終的にはやはり国会がシビリアンコントロールの機能を発揮する一番大きな場所ではなかろうか。したがって、その問題の、自分自身がどこまでかかわる、かかわらぬの問題をも含めて、こういうような議論が出ることがまさにシビリアンコントロールそのものではないか。したがって、それらに対する資料の提供であるとかいう問題は可能な限り努力すべきものであるという姿勢を今後も貫いていきたいと思います。

上田哲日本社会党・護憲共同

○上田(哲)委員 終わります。ありがとうございました。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 この際、井上普方君から関連質疑の申し出があります。上田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。井上普方君。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 私は、この問題につきましてはまだ通告はしていないのでございますけれども、けさの新聞を見ますと、中国残留日本人孤児の大量訪日調査につきまして、継続に中国側が難色を示しておるという記事が出まして、私も愕然としたのであります。  私ども戦中戦後派といたしましては、あの残留孤児の姿をテレビで見ますときに涙なきを得ないのであります。ところが、中国側に大変な大きな負担をかけている。広い中国大陸の中で中国側の役人がそれを調べる負担も膨大なものになるというようなことで、あるいはまた北京までの残留孤児を集める費用あるいは出迎えの費用等々が負担になるというかに伝えられておるのであります。もちろん中国というところは誇り高い国でございますから、そういうようなことは、財政的な問題だというようなことはなかなか言いにくいではございましょうけれども、しかしこの問題は、やはり日本民族として残留孤児の身元をいかに確認するかということは重大な問題だと思いますので、きょうの新聞に出ておりましたので、今後の政府の対応についてお伺いいたしたいと存ずるのであります。

藤本孝雄自由民主党厚生大臣

○藤本国務大臣 けさの朝刊の記事についての御質問でありますが、昨年十二月に厚生省職員らが訪中をいたしました際に、中国側関係者から、集団で行う訪日調査については一九八八年前半で区切りをつけたい、そういう趣旨の意向打診がありましたことは事実でございますけれども、訪日調査の打ち切りという話は承知をいたしておりません。  しかし、中国側からの集団訪日調査が難しいという理由や実施上の問題点についての説明がなく、真意が十分に掌握できませんので、今月の十四日から十七日まで担当課長を派遣いたしまして、この問題に関しまして中国側の意向を確認するとともに、今後の進め方について協議をいたすことといたしております。  いずれにいたしましても、この訪日調査というのは日中両国が共同して行うものでございまして、中国側の事情も十分に尊重する必要がございますが、この集団訪日という、そういうやり方が孤児の肉親調査の方法としては最も有効でございますので、我々といたしましては、未訪日の孤児がいる限り調査を実施する、たとえ一人になりましても調査を実施する、この方針のもとで、現在のこの方式による調査の継続につきまして理解を求めるとともに、今後の実施方法について十分に協議をしてまいりたい、かように考えております。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 それでは、残留孤児の大量訪日の調査の問題につきましては今後も継続していただけるもの、こういう理解のもとでよろしゅうございますね。――はい、それじゃわかりました。ぜひともこの問題はやっていただきたいことを強くお願いいたしておきたいと存じます。  続きまして、先般私は土地問題について質問をいたしました。その際、どうも政府側の御答弁が十分じゃない。といいますよりも、詰まってしまったと言った方がいいのでしょうな、これ。したがって、この問題は理事会預かりということになって今日に至っておるのでありますが、私のところへちょこちょことお出かけになる自民党の議員さんはおられるけれども、まとまった文言を私は聞いておらない。その後どんなことになったのですか、ひとつお伺いいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先般井上委員から御質問のありました問題につきまして、その後政府部内で協議をいたしました。その結果につきまして便宜私から御答弁をいたします。  一、公共用地取得の手続に当たっても、国有地売却の手続に当たっても、いわゆる規準としての公示価格の意味合いに差異があるわけではございません。  二、国土利用計画法においても、国等は買収、売却いずれの場合においても適正な地価の形成に配慮するものとされております。これを担保するための措置として、国有地等の売却に際して、関係行政機関の間で緊密な連絡、情報交換を行うこととしております。  三、国有地の民間への売却は、処分の公正かつ適正を確保するため、原則として競争入札によることとされており、地価公示法及び国土利用計画法のいずれにおいても入札による国有地売却が否定されているわけではない。  四、入札による売却価格は、これは国有地のことを言っておるわけでございますが、入札による売却価格は、地価が安定している場合は正常な取引価格を反映したものとなるのが通常であるが、最近における地価高騰の状況にかんがみ、異常な地価高騰地域における入札による売却については見合わせているところである。  五、今後とも国有地売却が地価に悪影響を与えることがないよう、政府部内で十分連絡を密にとりながら対処してまいります。  以上であります。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 ただいま御答弁いただきましたが、これでは国民は納得できませんな。今おっしゃった第一項目目の、国有地の売却手続に当たっても、規準としての公示価格の意味合いに差異があるわけではない、何を言っているのですか、これ。意味合いに差異がない、わからぬじゃないですか。どういうことなんですか。具体的におっしゃっていただきたい。  それからもう一つ、今おっしゃっただけでも、第三項の地価公示法及び国土利用計画法のいずれにおいても入札による国有地売却が否定されているものでもない、こうおっしゃいます。入札というのは土地取引の手段じゃありませんか。入札というのは、会計法に書かれておるけれども、土地取引について規制を加えているのですよ。この点についてどうお考えになります。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 足りませんところは政府委員から御説明を申し上げますが、第一に、規準としての公示価格の意味合いに差異があるわけではないということを申し上げましたのは、先般御質問に対して政府委員のお答えが、同じ規準というものの考え方に何か違いがあるのではないかという印象をやや与えるような答弁を申し上げましたので、その点は、国有地取得の場合でも国有地売却の手続でも同じ規準という言葉を用いておりますし、その公示価格が持っておる意味合いは同じでございますということを改めて申し上げたのであります。  それから、三の地価公示法及び国土利用計画法のいずれにおいても入札による国有地売却が否定されているものではないという意味は、御承知のように、国有地の売却は公共団体あるいは公共の用に供するほかは会計法の規則によりまして競争入札を本来すべきものであるというふうに書かれておりまして、その考え方は地価公示法及び国土利用計画法で否定されておるわけではない。地価の安定に努力しなければならないということはございますわけですが、競争入札という方法をこれらの法律が否定しているわけではないということを三で申し上げております。  この点は、先般お尋ねがございましたように、これらの法律においても会計法の競争入札というものを実際これを否定するわけにはまいらない原則でございますから、いわばこれらの法律を国有地の場合でも尊重をすると言っておりますものの、それなら会計法による競争入札ではいたしません、それでなくてもよろしいのですというわけにはまいらぬものでございますから、法律の間の調整が尊重義務ということで図られておる、こういうことを裏から申し上げておるわけでございます。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 裏から申された、こう申しますけれども、入札というのは土地の取引の一つの手段にすぎない。ですから、会計法によりましても入札をした後契約をしなければならぬということは書いてある。契約することによって、忠実に契約が履行せられることによって土地の取引ということが行われる。公示法というのは土地取引についてなんだから、入札によろうが何によろうが土地取引については公示法、これを守らなければならないのは理屈の当然じゃございませんか。

藤田弘志大蔵省理財局次長

○藤田(弘)政府委員 先ほど大蔵大臣からも答弁ございましたが、公共用地取得の手続におきまして公示価格を規準とされておりますが、国有地売却の場合にも予定価格の設定につきまして公示価格を規準としております。従来申し上げてきておりますとおり、国有地の処分は公用、公共用優先の原則のもとに行っておりまして、地方公共団体等にその多くを処分しておりますが、このときは随意契約で、売却価格が予定価格を大幅に上回ることはございません。  次に、国有地の民間への売却でございますが、これは原則として入札ということになっておりますが、この場合には予定価格以上の最高価格で応札した者にその価格で売却することを自動的に決定しております。これは処分の公正かつ適正を担保するためにはこれ以外に方法がないということでございます。それで、通常の場合、要するに地価が安定している場合ですと落札価格というのは正常な取引価格を反映したものとなると考えられますが、最近の地価高騰が著しい状況にかんがみまして、異常な地価高騰地域における入札は現在見合わせているところでございます。  以上でございます。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 入札即土地の取引というのは、私はそういう解釈は初めて聞く。落札したらすぐにそれで取引が行われる、土地の取引の一手段にすぎないじゃありませんか。これは常識ですよ。だからここにはっきりと「土地取引」ということが書かれておるのです。土地の取引については公示価格を守らなければならないし、また公共用地の取得の際にも公示価格を規準としなければならない。へ理屈はもうやめましょうや。常識的に考えていったならば、私も政治家の一人だ、国民から取るときには、土地を買うときには公示価格を規準として買うのです。そう法律がなっている。しかし、国が国民に土地を売る場合には、入札によるならば青天井、幾ら高くてもいいという解釈も成り立つんだ。こんなことがあっていいのかというのがそもそもの私の質問なんだ。  現に、私が申し上げるまでもなく、公示価格の三倍半、三倍ということで売ったことによって今日の東京の地価高騰が起こったんじゃありませんか。私は今の答弁では納得するわけにはまいりません。国民も納得しないでしょう。言いかえますならば昔の悪代官が、これは比喩が非常に悪いんだけれども、百姓から米を取るときには大きな升を使え、商売人に売るときには小さい升で売れ、こういうような悪代官的なことが行われてきているから私は言うんだ。国民から土地を取るときには公示価格でやられているんだ、売るときには青天井、こんなことであっていいんですか。

藤田弘志大蔵省理財局次長

○藤田(弘)政府委員 国民の貴重な財産でございます国有地の民間への処分に当たりまして、これは処分の公正性、適正性を担保することは非常に大切なことでございます。このときに入札をしまして、最高落札者にその価格で売るということが一番処分の公正、適正を担保するために適した方法でございます。もしそこで最高落札者以外に最高落札価格以外で売るということになりますと、その処分の適正性、公平性が疑われる場合も出てこようと思います。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 顧みて他を言うという言葉がある。全く違う言葉を言っている。私も政治家の一人なんだ。考え方が私は出てくると思う。入札というものは取引の一つの方法なんだ。それはいみじくもこの間宮澤大蔵大臣は、法律のところにちょっと、何というお言葉を使いましたかな、なにがありましてこういうことになっております、こう申されましたけれども。しかしこれは、私のところへ盛んに電話がかかってくる。役人からかかってくる。どうしたんだと言ったら、いや先生おっしゃるとおりだ、国は青天井で売られて、そして私ら公共用地、道路取得のために提供者のところへ行く、公示価格はこうでございます、公示価格によって不動産鑑定士から土地鑑定書ができました、これで売ってくださいと言っておることが全部吹っ飛んでしまう。土地取得ができないようになったというようなことを役人からも切々たる声で私らに言ってくるんです。  一体どうすればいいのか。私はこの法律というものを、ここにギャップがあるということも十分知っている。頭がいい頭がいい大蔵省の役人さんの今の答弁では、国民は納得せいと言っても納得しませんよ。国民だって土地を高く売りたいんだ。道路ができたら道路際で商売をやりたい、地価が上がるのがわかり切っている。しかし土地収用法という法律がある。収用法をかけている。ここをかけるぞという伝家の宝刀を抜く構えを示しながら国民から土地取得をやっておるのが現状じゃありませんか。しかし、国は幾らでも青天井で入札で売ってよろしいというのは、これは国民の常識から考えても、だれが考えてもこの点は納得できない事柄であります。総理、あなたも建設大臣をやられ大蔵大臣をやられている、しかも今たちまち、竹下内閣の一番重要な施策として地価の安定ということを考えられておる現状で、どういうようにされるおつもりでございますか。私はお伺いしたいのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 総理のお答えになられます前にもう一度お答えをさせていただきますが、これは井上委員は御承知のことでありますので恐縮でございますけれども、会計法によりまして、「公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。」そして「最高又は最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするものとする。」これはもう御承知のように会計法の原則でございまして、この点は公正に国民の財産を、しかも国民の収入として目指して売却するとすれば、どうもこの原則というものはこれにかわるものは求め得ないと思うのでございます。  他方で、井上委員が先ほどからおっしゃっていらっしゃいますような地価公示法、国土利用計画法等の規定がございますので、そこで国土利用計画法の中に「国等は、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、適正な地価の形成が図られるよう配慮するものとする。」私が先ほど努力義務と申し上げました規定でございますが、この規定を設けることによって、会計法と国土利用計画法とのいわば接点をここで片づけようと法律上はいたしておるわけでございます。したがって、行政としてはこの法律の二十七条の五、「配慮するものとする。」規定によりましてできるだけ地価公示法、国土利用計画法の精神に国有地の場合も沿わなければならない、そのように配慮をせよという、これを行政でどのように生かすかということにこの問題は帰着をいたします。  そこで、私が先ほど申し上げましたような統一見解を御説明いたしましたわけでありまして、現実の問題としては、このような状況下においては、国有地の売却というものは会計法に違反するわけにはまいりませず、さりとてこのとおりやれば好ましからざる影響を与えるという井上委員の御指摘の問題がございますから、現実の行政としてしばらく見合わせるようにさせていただく、こういうふうにお答えをいたしております。  答えとしては、法律上の不備をと申しますか、二つの法律の目的とするところを十分に調和しているような答えとは思いませんけれども、行政としてはこういう形で二つの法律の目的に沿うように努力をいたしておる、このように御理解を願いたいと思います。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 ここに問題がある。総理、どうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私もそれこそ理財局を担当しておった時代があるわけでございますが、私自身、当時悩んで自分なりの心をおさめた一つの事例を申し上げますならば、言ってみれば国の所有する土地と考えないで国民全体の財産である、そういう考え方に立って幾らか自分の良心との調和を行ったことが率直に言ってございます。  が、今二つの法律の接点をどこに求めるかということで宮澤さんからお答えがありましたように、今凍結しておるわけですが、当面凍結しておるのはまさに当面の施策であって、あなたのおっしゃる基本的問題を解決しておるわけじゃないわけでございますので、これらについてお互い知恵を絞ろうじゃないか、こういうことを、隣に座っておりますので折々話しておるのが今日の実態でございます。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 私いろいろ法令を調べてみました、通達を。そうすると、国土庁の次官が去年の七月の十三日にこういう通達を出しているのです。「国等の適切な地価の形成についての配慮の趣旨徹底について」といって国土庁から各省庁の事務次官、それからこれは関係ないと思うのだけれども、都道府県及び指定都市に対して通達を出している。力の弱いと思われる、これは私が思っているんだが、思われる国土庁が、こんなむちゃくちゃな、ともかく国有地を売ったがためにこのように高くなったじゃないかということの嘆きと力のなさをここに証明しているのではないかとこの通達を見て私は思うのであります。わざわざ「国等の」と、次官通達で「国等の適正な地価の形成について」という項目の通達を出さざるを得ないほど、ともかく今の縦割り行政の弊害があらわれておるのではないかと思いますが、奥野さんいかがでございます。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野国務大臣 国有地を競争入札に付したために非常な高値が出た、これが地価高騰に拍車をかけた、大変残念なことだったな、こう思っております。私自身、地価公示法の中にうたわれております公示価格、これは取引の場合の一般の指標としなければならないという意味が書かれておると思います。それは国でありましても民間でありましても、同じように考えていかなければならない規定だと心得ているわけであります。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 奥野長官のおっしゃる意味も私はよくわかる。地価の安定のために御努力なさる役所とすれば、当然のことなんです。  しかし御存じのとおり、このたびの、地価を一番高くしたのは五十九年の三月に東品川の国有地を売って、これが公示価格の三・五倍だ。これが引き金になり、その次には紀尾井町の大蔵省の土地、これが二・四倍です。こういうことが引き金になって地価高騰を起こしたんじゃありませんか。だから、そこらあたりに知恵を出しなさいと私は申している。会計法が入札を行うことにつきましては、私はこれは初めから知っています。しかし、ああいうような役人の答弁であれば、一体地価安定はいつできるのか。  これからも清算事業団が土地を売ります。これを一般入札にかけられたらどうなります。しかも国公有地というのは固まった土地なんだ。固まった土地でありますから、そこに何か施設をつくろうとすると高くなる。現に四十七、八年のときの土地狂乱の引き金は内幸町のNHKの土地の売却であった。これが引き金になった。今度は東品川の土地の売却、これが五十九年の三月に行われている。これからですよ。この土地を、引き金を引かせたのは国であるということになっている。どうするんですかと私は申し上げている。  ただいま宮澤さんは、異常な地価高騰地域における入札による売却は見合わせておるとおっしゃる。異常な地価高騰地域とはどういうところを言うのです。今地価は、去年は七〇%も上がったけれども、ことしは、さあ四、五%でおさまっておる。高値で推移しています。これを一体どういうように、下げるのですか、現状を認定してそのままいくのですか。この異常な地価高騰地域という意味もわからない。どうお考えになるのですか、お伺いしたいのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 実際問題といたしますと、東京都二十三区内ぐらいにおける国有地の売却の例は過去毎年三、四件でございますから、まあしかし国有地であるがゆえに話題になりましたことは井上委員のおっしゃるとおりです。でございますから、これをやめておきましても実際上余り行政に大きな差しさわりがあるわけではない、その売った害の方が大きければこれはとめておくということは、やっぱり行政の一つの判断だろうと私は思っております。ですから、東京以外にそのようなおそれのあるケースがございますと、これはやはりそういうふうにいたしておいた方がいい、行政としてはそうやっていきたいと思います。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 いや、あなたの御答弁で異常な地価高騰地域における入札による売却は控えたい、こうおっしゃるが、異常な地価高騰地域というのはどういうところを言うのですか。現状の上がったまま、それを追認したのはこれに入るのですか、入らないのですか、こう聞いているのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 実は事柄の性質上、非常に厳密にきちっと申し上げるわけにはまいりませんのですけれども、土地が上がり続けていてまた国が売った、それでまた火がつくというようなことは、それはやっぱり避けなければならないではないか、そのような考えを大体申しておるわけでございます。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 私はただいまの大蔵大臣、大蔵省の答弁には納得できるものじゃありません。昔から非理法権天という言葉がある。理は法にかなわず、法は権にかなわず、権は天にかなわずという言葉がある。あなた方大蔵省の考え方はまさに権じゃありませんか。法律を無視してどんどんと進めておるのが今の現状じゃありませんか。しかし天は恐ろしいですよ。天は国民の声なんだ。これは、国民の声には勝てない。  私もきのう第七分科会に行って聞いてみると、京王電鉄が鉄道を敷く用地が取得できないからといって、今ともかく土地収用法にかけておるんです。その土地収用法の価格というのは、何遍も申しますように、公示価格を規準として算定した価格なんです。いいですか。片方、国有鉄道の土地は、これは青天井だ、幾ら高く売ってもいいということにはならないと私は思う。少なくとも、私は一つの考え方を持っている。それは、こういうような土地は、国有地拡大法という法律もあるんだから、少なくとも土地を売る際には、地方自治体あるいはそれに類する団体が買いたいというときにはそれに売る。もちろんそれには利用計画というものがなければならない。まず優先的にこれに売っていく。それは公示価格の三倍にも売れないけれども、公示価格を規準とした値段で地方自治体に売るんだという方針を今ここで確立するならば、国民もある程度納得するでありましょう。  しかし、奥野国土庁長官はこのことを主張されましたが、清算事業団はそういうことを約束したことはない、こう言って否定している。ここらあたりは、政府部内における土地に対する考え方が一致してないからにほかなりません。奥野大臣、いかがでございますか。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野国務大臣 清算事業団から土地の処分についての相談を受けましたときに、公用、公共用に供するものは地方公共団体に随意契約で売り渡すということを書き込んでもらいたいということを求めました。そのとおり書いていただきました。そしてそれ以外のものにつきましては、一般に地価上昇のない地域でしか今日は行われていないわけでございますし、また行う場合には事前に相談を受けておるわけでございます。大体において、公示価格を基本にして売買が行われているというふうに予測しておるわけであります。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 しからば、地方自治体が清算事業団の土地を計画を立てて欲しいというときには、まず優先的に公示法にのっとった価格で地方自治体に渡すもの、こう考えて差し支えございませんか。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野国務大臣 公用または公共の用に供するものは地方公共団体に譲渡するということが、明確に文書にうたわれているわけでございます。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 公共用地もしくは公共の用に供するというところに逃げ道があるように思われてならない。その土地その土地には利用計画というものがある、その村、その町の発展のためには。だから、まず第一番にそれを考えるべきだ。公共用地あるいは利用計画がしっかりしておるということがまず第一番でございますけれども、それに計画がきっちり立っておるときには地方自治体に優先的にともかく売却する、随意契約によって渡るということが確立しておるんですか、どうなんです。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野国務大臣 公用、公共の用がだんだんふえてきておるわけでございますので、地方団体は多くの場合に土地を求めている場合が多うございます。したがいまして、大変便利なところに清算事業団の土地があります場合にはそういう話し合いになっておる、こう思います。  おっしゃいますように、土地利用計画あるいは都市計画で明確になっておれば心配ないわけでありますけれども、従来は、鉄道用地でございますから、鉄道用地としてそれを都市計画で別な用途に格付していることはないんだろうと思うのであります。したがいまして、これからの話し合いになるわけでございますけれども、できる限り公用、公共の用に供することが明確になっているものにつきまして清算事業団がそれを拒否するようなことはないと思いますし、また私もそういう努力はしていくべきだ、こう思っております。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 総理大臣いかがですか。もう時間が参りましたので、私はこの点の……。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 奥野大臣から総じて申せられましたように、私どももとにかく公用、公共用地、都道府県、市町村等が手を挙げたらまずそれに優先的に話し合いをするという姿勢は今日までも貫いてきた。したがって、今奥野大臣が方針として申し上げましたことに私も異存はございません。

井上普方日本社会党・護憲共同

○井上(普)委員 最後に一つ申し上げておきたい。  実は国有地が売却せられた場合に、その価格については発表がない、公表がない。国の、国民の財産が売られたのにもかかわらず、幾らで売ったのかわからない。どうしてだといいますと、買った人が発表せられたら困る、こういうことでなかなか大蔵省もあるいはまた鉄道側も発表しようとしない。しかし、国民の土地なんだから売った価格は公表すべきだ。情報公開法もつくられる世の中なんです。ですから、それは入札の前に発表しますと一言言えば発表できるんだということも聞いておる。だから、これはどうしてもやらなければならないと思うのですが、大蔵大臣いかがでございます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 持ち時間を超過していますから、質疑の結びをしてください。  理財局次長、簡単にやって。

藤田弘志大蔵省理財局次長

○藤田(弘)政府委員 先生おっしゃるとおり、これは私契約の内容でございまして、国側が一方的に公表するということは問題でございますのと、それから国有財産の処分件数、大蔵省一般会計、普通財産で見ましても一年度一万六千件ということでございまして、これすべてについてその公表の同意を取りつけるとか公表の事務を行うというのは大変でございますが、しかしながら、公表した場合の処分に与える影響等についても考慮する必要はございますが、ある程度の規模の財産で、その処分が各方面から注目されているものにつきましては、相手方の了解を得ました上で……(井上(普)委員「相手方のは要らぬ、それは」と呼ぶ)いや、相手方の了解を得ないとこれは私契約の内容でございますから公表できませんが、相手方の了解を得ました上で公表することにつきまして今後検討してまいりたい、かように考えております。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて上田君、井上君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ────◇─────     午後一時一分開議

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。池田克也君。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 公明党の池田克也でございます。予算審議の締めくくりとして、前回お伺いした問題、加えて教育問題等、お伺いをしたいと思います。  最初に、前回二月二十二日の本委員会総括質疑の際にこの席で取り上げまして理事会の協議にゆだねられました、いわゆる前中曽根総理のお示しになった有名な、多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を縦横十文字に投網をかけてやるようなやり方で取ることはしない、これにつきましてこの席でお伺いをいたしまして、竹下総理からは、統一見解であると池田さんがお認めになるのは私はそれは結構だと思うのですと。私は、それに対して、総理がお認めになるかどうか、そして竹下内閣がこれに縛られるのかどうか。私は、歴代政権が政府統一見解としてきたものは当然それは縛られてくるというふうにお伺いをしたわけでございますが、そこで結論が得られませんで理事会の協議にゆだねられたわけでございます。きょうこの場で、ちょうどきょうは最後になるわけでございますので、総理からお答えを伺いたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 そもそもこの議論は、昭和六十年二月六日でございましたか、矢野当時書記長が、この場で、今の池田さんのお座りになっておる場で御質問になり、それから端を発したものでございますので、正確に整理をいたしましたので、少し長くなりますが読み上げることをお許しいただきたいと思います。  去る六十年二月六日の矢野委員に対する中曽根前内閣総理大臣の発言は、「私の考えを改めて申し上げます。」として述べられているものであります。したがって、その場においては内閣の統一見解として出されたものではありませんが、内閣の首長である総理大臣の国会における発言でございますから、その時点の内閣の統一した考え方であることは当然であります。後日、前総理が中曽根内閣の統一見解という言葉を引用されておりますのもそういう趣旨に出たものであると考えております。  「中曽根内閣としてはとりたくない」とされた前総理の発言は、字義に即して申し上げれば、その意味するところはその範囲内にとどまるものでありますが、政治的にはたびたび申し上げておりますように、内閣総理大臣の発言ということにおいて極めて重い意味を持つものであります。そのような発言を踏まえて売上税法案を提案したところ廃案になった次第でありまして、この一連の経緯に十分留意して今後のあるべき税制を検討してまいる所存でございます。  前総理の発言も、要は望ましい間接税の姿について述べたものでございます。  間接税を含めた税制の抜本改革については、昨年十一月に税制調査会に諮問したところでありますが、その際には「現在に至るまでの諸情勢の進展を踏まえ」て審議を行うよう求めております。税制調査会においては、特別部会を設けたり、地方公聴会を開催したりするなどにより、現在、精力的な審議が行われております。その成案が得られた段階において、私としては、当委員会における論議に十分配意し、政府としての改革案を取りまとめて、国会の審議を求めることとしたいと考えております。  以上でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 極めて重い、今までの総理のお話は、重い、あるいは重い意味だ、こういう御答弁でございましたが、極めて重いという総理の評価でございます。  ただ、今のお話を伺っておりまして、中曽根内閣の統一見解というくだりにかなり力点を置いてお述べになったように私には聞こえました。政治的には極めて重いという修飾語もつけられました。私は、それぞれの内閣がそれぞれ国会で議論し総理が御答弁をされる、そしてそれが統一見解として表明される、これについて憲法上、前回もちょっとうちの議員からもお伺いしていたと思いますが、憲法六十六条の三項でしたか、これに内閣が国会に対して責任を持つ、こういうくだりがございますが、ことで言う内閣というのはそのときどきの内閣を言うのか。  日本の政情はいろいろと政局が変化していきますが、これから国際社会になっていくにつれて、外国から見たときに、時の内閣が政府統一見解として発表したものが対外的な認識あるいは対外的な判断の基準、よすがになると思いますときに、そのときどきの内閣という一つのとらえ方ではなしに、やはり憲法六十六条三項というのは、いわゆる一貫した内閣というものが国会に対して責任を持つ、こう読むのが素直な読み方ではないかな、こう思ってきたところでございますが、これについて法制局長官、いかがでしょうか。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 我が国は議院内閣制をとっておりまして、そのため、先ほど先生が御指摘になりましたように、内閣は国会に対して連帯して責任を負うという規定があるわけでございます。これは現在、閣僚から成ります内閣、そういった合議体としての機関が、国会に対しまして、行政権の行使につきまして閣僚の皆様方は連帯して責任を負う、こういう意味でございまして、現に存しております内閣が国会に対して責任を負う、そういう趣旨であろうかと存じます。  先生の言われましたように、かつて前の内閣が何か約束をされたということにつきまして後の内閣が責任を負うかどうかということは、これはその前の内閣が約束されましたことについて後の内閣がどのような立場をとるかということによるわけでございますが、内閣で閣議決定をいたしますれば、原則としてはその閣議決定の効力は後の内閣にも及ぶというのが従前の取り扱いでございます。ただ、法律とか条約とかそういうものに縛られません限りは、これは純粋に法律論だけでございますが、後の内閣でそれを、前の内閣の行った閣議決定を変更することは、あるいは撤回することも可能でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 今の御答弁で、私はそれぞれの内閣にやはりかなりな裁量というものはあると思います。竹下総理が極めて重いとおっしゃった意味も、中曽根前総理がこの問題については一遍の答弁ではなしにかなり繰り返し繰り返しいろいろな角度から答弁をされております。閣議決定をしたものであれば次の内閣を縛るという法制局長官の答弁でしたが、私は閣議決定というものがどういうものであるか、閣僚の経験がございませんのでよくわかりません。しかし、閣議決定というのはどの閣僚からも提起できるというふうに私は理解しておりますし、また、時に持ち回りでそれを決めることもあるというふうに伺っておりますし、また、意に沿わない閣僚について総理大臣が罷免する力もあると規定されておりますし、総理大臣が国会で答弁され、いろいろな機会に繰り返し繰り返し同じことを強調しておられるということは、むしろ閣議決定というものにほぼ同じ重みを持つんじゃないか。  私は、閣議決定ということを今法制局長官がおっしゃり、閣議決定ならば縛るが、総理大臣の答弁というものあるいは総理大臣の統一見解の表明というものは閣議決定とは違うんだ、こういう趣旨のことを今法制局長官がおっしゃったんです。これは非常に重要なことだと思うのです。今後の私たちが政治を見ていく上に、統一見解ということがいろいろ国会運営の中で示されたときに、ははあ、こういうものなんだなということを改めて認識を新たにしていかなければならない。今まで私は、統一見解というものはずっと縛ってくるものだ、そしてそれは当然だ、今日までも、防衛問題でも外交問題でも、外務省あるいは防衛庁の一局長さんの答弁でも政府をずっと縛ってきた例もあるように私は理解をしております。  そうした意味合いにおきまして、中曽根前総理の統一見解というものは私は守るべきものである。ただし、いろいろやった上で、どうしてもこれはこういうところに逢着した、したがってそれについてはこういう転換が出る、まさにこれは私は国会でいろいろ議論されるべき場合もあると思うのです。しかしながら大前提は、守る、まずベースは守るということになるんじゃなかろうか。竹下総理がさっきおっしゃった極めて重いという意味もほぼ守るということに近い、微分積分じゃございませんけれども、極限に迫る、こういう御答弁ではないかなと。  官房長官に、その閣議のあり方について、私は閣議というものは重要なものだと理解しておりますが、かなり形式的なときもおありのように私は理解しておりますし、やはり総理大臣の発言というものは、閣議決定と大きな落差がある、閣議決定されたものは縛るけれども、総理大臣はちょっと違うんだというふうには私は受けとめたくない。そういう場に当たったことがないのでお伺いするのですけれども、法制局長官の解釈はそうですが、現に運営されているお立場として、どんなものでしょうか。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 先ほどの答弁に関連いたしまして一言申し上げておきますが、私が閣議決定のことを申し上げましたのは、これは憲法六十六条の内閣の責任に関してお話がございましたので、その一例として申し上げたわけでございまして、国会における答弁につきまして、それがどのような政治的責任を負うことになるのかということについては触れておりませんので、その点は御了解いただきたいと存じます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ちょっと今、法制局長官のさっきの答弁に補足された部分が意味がよくわからないのですけれども、重ねてもうちょっとわかりやすく教えてください。私の理解は、閣議決定されたものは継続するけれども、そうじゃない統一見解はそれぞれの内閣のものだ、こういうふうに二つの落差を持って受けとめたのですが、違いますか。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 閣議決定は、後の内閣で特段に廃止するとか変更するとかいうことがない限りは継続するというふうに取り扱われているというふうに申し上げたわけでございます。  国会におきまして、総理あるいは各閣僚の方々が国会での質問におきましてお答えになりましたこと、これにつきましては、それは当然にそれについての政治的責任というのがあるわけでございます。その場合に、その御答弁になりました方はもとよりその答弁について政治的責任を負うことは当然でございます。  前の内閣における閣僚あるいは総理の御発言につきまして、後の総理なりその後任の閣僚の方々が責任を負うのかどうか、政治的責任を負うのかどうかということは、これは一概には決せられないわけでございまして、それはその前に総理なり閣僚がなされました答弁の内容いかんにもよりますし、その後の事情の変化というようなこともございましょうし、これはなかなか一概には決せられないわけでございますが、全く前の閣僚の御発言には拘束されないのだという趣旨を申し上げたわけではございません。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 官房長官、いかがでしょうか。一つ一つ総理の答弁というものが閣議決定されたかされないか、私たちは毎日こうやって一問一答で総理の考え方をいろいろな角度から伺っております。  基本的には施政方針演説というのは閣議で決定されておるものですか。

小渕正義民社党・民主連合

○小渕国務大臣 施政方針演説につきましては閣議でこれを決定いたします。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ところが、施政方針演説というのは、やはりあれだけの短い時間でこれだけ広範な国政全般、外交、防衛、語っているわけですから、とても紙幅の点でいって語り切れないと思うのです。そこで代表質問がある。  代表質問の答えは閣議決定されておるのでしょうか。

小渕正義民社党・民主連合

○小渕国務大臣 特に閣議決定いたすものでもございません。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 しかしながら、閣議決定はしてないけれども、施政方針演説で述べられたことを各党代表が質問しています。それに対して答えていらっしゃるということは、施政方針演説を補足している、意味を国民に対してこういうことだということを解説している。一体じゃないか、私はそう思うのですが、どうですか。

小渕正義民社党・民主連合

○小渕国務大臣 一体というこの意味がちょっと認識が違うかもしれませんが、当然のことながら、閣議決定された施政方針演説を総理が演説をし、それに対して御質問があり、それに対しての答弁ですから、当然その総理大臣の基本的考え方を申し述べたものであるというふうに思います。それが、閣議決定というような手続を踏まないことではありますけれども、大変重いものであるというふうに思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 一体という表現が悪ければ延長線というふうに私は思うのですね。ですから、施政方針演説について各党代表が質問をする、それに対して総理が答えられる、また政府の各種演説がございます、これもそれぞれ今閣議決定されたということだと思いますが、そうなってくると、この委員会は一体何なんだ。やはり施政方針演説というものを踏まえて、時の政権、時の内閣が何を考え何をしようとしているかということを我々は伺っているわけです。ですから、そんなにたくさんの時間、しょっちゅうあるものじゃありません、非常に限られた期間に私どもはこういう場を与えていただき、国民の重大関心事をお伺いしているわけですが、私は、施政方針演説が閣議決定された極めて重い重要なものであるとするならば、代表質問も、そして予算委員会の総括質問も、特にテレビ中継などがあった各党の代表の一巡などは、もうその全く延長線のものである。ですから、そこで答弁されたことは、私は、いわゆる閣議決定された政府の演説と一体になるものだ。これとそう大きな違いがあるものじゃないんだ。ですから先ほど法制局長官が、閣議決定されたものは継続性があるけれども、そうじゃないものはちょっと違うふうに私は受けとめたのですが、私は、それであるならばやはり閣議決定の延長線だ。  しかも、中曽根総理が何度もいろいろな機会にこの問題をお話しになり、御自分の哲学だという感じでお示しになっていらっしゃる。というものは、私は素直にそれを受けとめるならば、閣議決定がなかったというふうな先ほど総理のお話でしたけれども、やはりあれから、六十年の二月にあり、六十二年に売上税ができるまで二年たっています。その間にいろいろな議論もあったと思いますし、クレームをつける閣僚がいれば、いろいろな形で閣議で問題にできたはずです。それがそのまま来ていたということは、やはりそれなりのコンセンサスがみんなあって、私は単なる中曽根総理のものだけじゃなくて、自民党政権下における一つの税の取り方についての考え方だ、そういうことを含めて総理が極めて重いのだというふうにおっしゃっているのじゃないか。  ちょっと話を幾つかしましたが、ここでのやりとりがどういう重みを持つか。私は、閣議決定された施政方針演説の全く一体、延長線というふうに受けとめますが、違いますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まず、内閣が国会に対して一体としての責任を負うということは、これは三権の立場、行政府というものは、すなわち行政権を代表する内閣というものは国会に対して連帯して責任を負うという、これは何内閣であろうとそれはそうあるべきだという大原則であると思います。だから憲法に書いてある。  そこで、次の閣議決定という問題は、これはいろいろございます。私も、すべて定かにしておるわけじゃございませんけれども、例えば総理大臣談話を出す。そうすると、これに当たっては閣議決定を要するとか、それから主要なる人事について閣議の了解を得るとか、こういういろいろな行政上の措置としてそういうものがあるわけでございますが、閣議決定をして、一つの、例えば武器三原則の変更とでも申しますか、後藤田官房長官が説明された、ああいう閣議決定というものもあるわけでございます。したがって、閣議決定というのは、今いみじくもおっしゃったように、自民党政権が続いておる限りにおいて変更というようなものがない限りにおいては、この閣議決定というのは行政のベースとしてはこれは生きていくというふうに私も考えます。  そこで、今度は国会における答弁でございますが、これは閣議決定をして一つ一つ答弁するものでもございませんし、したがってこれは少なくとも、延長線上という言葉がいいのかどうかは別として、国政全般にかかわる施政方針演説を行って、それをベースとしてお答えしているわけですから、やはり私は、これは一体的に存在するものであるというふうに考えております。それが個々の案件ではなく、いわば国政全般にわたっての御論議を願う予算委員会の総括の際であれば、今度は政治的にはなおのことそういう重みを感ずるでございましょう。したがって、極めて重いものだという表現でもってお答えするのが最も適切だろう。だから、やはり政治的判断におけるお答えということになろうかと思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 この問題だけをきょうはずっとできません。私、今までいろいろお伺いしてきた中で、総理が極めて重いとおっしゃった、そしてこの中曽根前総理の見解は、特に中小企業に対して関心を持つ私どもにとってはかなり配慮されたものであった。くどくどとは引用できませんが、EC型というのは税の論理としてはある。しかしながら、日本のような経済構造の社会は、ヨーロッパと違って流通の段階が複雑であり、非常に多数の中小企業がそこに存在する。したがって、先ほど六つの懸念を示されましたが、そうした流通経路の手続、煩瑣なもの、そうしたものが出てくることは好ましくない。そういう意味で中小企業に対する配慮として、中曽根前総理が示されたものとして、私はその点においてはよかったというふうに理解をしてまいりました。  商法改正の動きの中で、資本金を限度額を上げて、そしていわば大会社と小会社に区分けして、そして帳面のっけ方あるいはそうした申告のあり方等をもう一遍考え直そう、こういう動きもある。私は、それとこの問題とを直接に結びつけようとはあえて思いません。しかし、いろいろ勉強していくうちに、やはり前の売上税のときにも、こういう多段階の税がかけられてくると、それをバイパスで仕入れた方が安くなるとか、あるいはかなりの人件費や徴税コストや申告の手間がかかってくるというものが存在する。そういう中で流通が合理化される。裏を返せば中小零細の人たちが苦しめられるかもしれない。あるいはそれが日本の将来にわたって合理化、近代化になるかもしれない。これは大変難しいところだと思います。  特に一言お伺いしておきたいのは、法務大臣に、商法改正の動きがどういうふうになっているのか、そしてそれがそうした中小企業等の合理化というものにつながるのかどうか、一点だけお伺いをしたいと思います。

藤井正雄法務省民事局長

○藤井(正)政府委員 昭和五十六年に商法改正がされましたときに、残された問題といたしまして大小会社の区分ということがございまして、現在の商法は株式会社らしい、本来の株式会社らしい会社を対象にした法律でございまして、中小の株式会社にとってはこれは守られない、実効性のない制度となっております。そこで、大会社には大会社にふさわしい法規制を、小会社には小会社にふさわしい法規制をするという方向で現在商法の見直しの作業が進められているところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 それはいつごろ法案として出てくるのですか。

藤井正雄法務省民事局長

○藤井(正)政府委員 昭和六十一年に法務省民事局において改正試案を公表いたしまして各界の御意見をちょうだいいたしまして、昨年から法制審議会の商法部会で審議をいただいております。かなりいろいろな問題にわたっておりますので、答申が得られますのは早くても今年末あるいは来年にかかるのではなかろうかというふうに思っております。立法作業はそれから先のことと相なります。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 先ほど総理は上田委員に対して答弁されて大型の定義をお述べになっているのですが、これは例の多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を投網と、この大規模という部分の総理の解説というふうに受けとめていいでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 大規模というのも、これは私が申しましたように現存する個別消費税というものではなく、この課税ベースの広い間接税という言い方からすればそれは現存のものより規模が大きくなる、こういうことであります。  ただ、私が申し上げましたのは、定義そのものは実際難しい。前総理も定かな定義はと言って先生にもお答えしておる。だから、定義そのものは難しいが、いわば大型間接税というものの印象から来る懸念というものを申し上げて御理解を、税制論議に御参加していただける御理解を賜りたい、こう思ってお答えしたわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 実は定量的には余り具体的な定義をさっきお示しにならなかったのですが、中曽根総理がかなり定量的なことをおっしゃっているくだりがございまして、六十二年三月十三日の楢崎委員とのやりとりなんですが、「投網でごっそり全部取っちまうというものでないように、一億円以下は取らないとか、あるいは品物にいたしましても、消費物価を定める中で三五%のものしかやらない、六五%は外しておる、あるいは金額にいたしましても、外国は租税収入全体の中の多い国は四十数%、少ない国でも二十数%、日本は来年度は三%であります。そういう意味から見ましても、これは大型ではないのだと前から申し上げておるところなのでございます。」これはかなり大型という意味を、三%、これは大型じゃないんだろう、四〇%あるいは二〇%、これが大型だ、こういうふうなことを中曽根前総理がおっしゃっているくだりがある。この辺は先ほどいろいろと御答弁になりましたその段階で御議論があったのでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 これは私自身の勉強に関することでございますから私からお答えをいたしますならば、確かにそういう中曽根発言というものに基づきまして、そうしていろいろ工夫をして売上税という法律案をつくった。それの中身に触れて、これだけの例外品目をつくったんだ、これだけの一億円という限度もつくったんだ、だからたくさんの例外があるから、かつて自分が言っておった例外のないものが、網羅的、普遍的、包括的といっても字引を引いてみると全部例外なくと書いてありますから、したがって、例外をこれだけつくったからあれの趣旨には反しないんだ、こういうつもりで大体おっしゃったんだろうなと思って整理をしてみたことは事実でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 いろいろと議論をさせていただきましたけれども、やはり私は、政府統一見解というものは本来守るべきものである。今総理は極めて重いと受けとめられました。私は、半分ぐらい今までの総理のお気持ち少しわかる気がしましたけれども、しかしながら、本来守るか守らないかというものであり、縛るか縛られないかというものであり、極めて重いと言われましてもこれはやはり重いのである。守るという一つの縛りといいますか、そこまでは至っていない。十分に納得はしかぬますけれども、きょうの総理の新しい大型についての懸念とかいろいろお示しいただきました。これからこの問題について、税の問題いろいろと議論が出てくると思います。これからの議論にゆだねまして、次へ進みたいと思います。  教育の問題をずっとやるつもりで準備しておりましたらば、竹下総理はかって文教委員会等にもおいでになったことがおありで、そのことに関してかと思いますが、数学者の広中平祐さんと対談をなさっておりまして、「創政」という自民党さんの機関誌だと思いますが、その中で、そろばんの効用について数学者に聞いていらっしゃるのですね。私はそろばんに関心を持つ者として大変興味深く読ませていただきました。「算盤は算数の才能を伸ばすのに本当に有効か。それから、コンピュータ時代になっても算盤の存在価値はあるのか。」こういうふうに聞いておられまして、それに広中さんがいろいろ答えていらっしゃる。これは一つの教育を見る意味でなかなかおもしろい問答になっておるのです。これを総理はどう思っていらっしゃるか。総理の御出身地は雲州そろばんの産地とも伺っておりますが、そろばんを通じての教育というものを総理がどう思っていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今御質問の中でおっしゃってしまいましたので、やはりそういう言葉が出たというのは雲州そろばんの産地であるということもあったかと実際思います。私ども自身そういう産地の中におりますので、四つ玉時代じゃございませんけれども、子供のころからそろばんをいじらしていただいたことは事実でございます。  私が対談いたしましたことを思い出しますと、広中先生といえば私どもから見れば恐らく知能指数、IQ、すべて一〇〇対一〇ぐらい差があるんじゃないかというある種の劣等感を持ちながらもお話ししてみたのですが、こういう時代にあってそろばん教育というのはどう思われますかという、若干の私の過去への郷愁みたいなものもあったかもしれません。したがって私自身も、算数、数学などで数のあらわし方、計算の仕方などに有効なものとして文部省も指導しておられる、ただ先生の能力とでも申しましょうか、昔みたいな大変な先生は少なくなっておるようでございますけれども、そういう方針で文部省がやっておられるということについては、その世代に生をうけた者として、単なるノスタルジアだけでなく、いいことだと思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私がお伺いしたいのは、総理が伺っているやりとりの中で、そろばんというものが非常にシンプルだ、そして単なるシンプルだけじゃなくて、暗算などに入ってくると非常に頭の中のパターン認識というものに効果がある。左の脳と右の脳というような話があるのですけれども、右の脳は情緒とか創造力とかということになるのですね。左の脳は理論とか計算とかということで違うのだそうですけれども、単なる計算だけだと左の脳なんだそうなのが暗算なんかになってくると頭の中に思い浮かべていく、したがってそういうシンプルであると同時にビジブルだ、この二つが非常にいい。そして、これからの日本の社会を築いていくのに、ある面では技術的、計算的、論理的という左の脳と同時に、情緒的あるいはパターン認識というふうな、アナログとディジタルというふうな分け方にもなるようですが、そういうふうな点でそろばんである程度のところまで鍛えていくというのは教育的にはおもしろいという話が世界的な数学者から出ているのですね。それを竹下総理が引き出していらっしゃるわけです。私も、そういう現場を総理は何年か前に経ていらっしゃるというので、もうちょっとそれについてのこれからの教育観というものが出てくるかなと思って伺ったわけなんですね。  例えば今大学入学試験の時期なんですけれども、幾つかの大学の中には、そろばんの一級の人は推薦入学させる、こういうところが出てきたわけです。名古屋大学の商学部か経済学部、早稲田大学の社会科学部もそうなんです。福岡大学とか、そういう大きな大学も単なる受験でもって鍛えられた子供だけじゃなくて、特殊な能力、特殊というと語弊がありますが、一芸に秀でた人たちを入れようということにだんだんなってきまして、その中にそろばん一級の者は推薦で入れるとか、こういうのが出てまいりまして、後からまた文部大臣にも伺いますが、一つのあり方としてどうかな、なかなかいいんじゃないか。  ところが、今学校教育では計算機の時代になりまして、そろばんというものが軽視される。時間数がだんだん減りまして、小学校三年生で八時間ぐらいしかやっておりません。足し算引き算しか教えない状態になりまして、親に聞いても、持っていったけれどもすぐ持って帰ってきてしまったな、余りちゃんと覚えないうちにまた戸棚にしまっちゃったというような状態で、伝統的そろばんというものがだんだん消えつつある。しかし、こういう世界的数学者が推奨しているというのはもうちょっと見直してもいいんじゃないかな。この話ばかり長くするつもりはありませんが、もう一間だけ総理と文部大臣に感想をお伺いしたいのです。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 そろばんについてでありますけれども、御指摘のように私もそろばんは伝統的な計算用具と申しますか、私見を加えれば優秀な教育器具だと考えます。現在、小学校では三年で足し算引き算をやっております。ただ、小学校四年になりますとこれは適宜指導するという範疇に入っておりまして、あと中学、高校ではこれは適宜必要に応じてお使いなさい、こういうことでございます。そろばんというのはそういう計算器具だけでなくて脳の活動にも確かにプラスであろうと思いますので、今後指導要領等の改訂も行われますので、三年プラス四年でももう少ししっかり教えてもらうという方向で考えていきたいと思っています。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 正確には文部大臣が申されたとおりでございますが、私も、文部省もそういう考え方で進められておることは好ましいことだなと思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ぜひ珠算の教育における効用を関心を持っていただきたい。珠算オリンピックなんというのもありまして、日本、韓国、台湾、シンガポール等、アメリカも含めましてやっております。ことしは日本が優勝しまして、去年は韓国が優勝した、こういう状態なんです。  さて、先日ポスト臨教審の問題をお伺いしましたが、時間が短かった関係で、ちょっとこれについて重ねてお伺いしたいと思います。  最初に、文部大臣は、ポスト臨教審はスクリュー役だ、応援団だというふうに答弁されておりますが、応援団というのは何の何に対する応援なんでしょうか。何か試合があって、どっち側に応援するということになると思うのですが、お伺いしたいと思います。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 スクリュー役という言葉は確かに使ったわけでありますが、何に向かって、どこへ向かって推進するのかという御質問だといたしますれば、ちょっと前段がありまして、もちろん臨教審で三年間の御審議をいただきました。何を御審議いただいたかということになるわけでありますが、日本の教育水準は一応高い、高いけれども、社会そのものが成熟度を増しますと社会が多様化、個性化していく、そういう変化にみずから対応できるような青少年を育成しよう、こういう前段がございます。  それにはどうしたらいいかということにつきまして御審議をいただいて、そして、数多い御示唆に富んだ御指摘をいただいた、それを八項目にまとめて教育改革推進大綱という閣議決定をしていただいた、したがって、当面そこに向かって着実に教育改革を進めていくという使命と課題が今与えられておる、その方向に向かってスムーズに進めるための推進役になっていただこう、こういうことでございまして、この流れの中でそう申し上げたところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 僕は文部大臣の応援団なんですよ。ずっとここで中曽根総理にも伺ってきたのですが、教育改革には金がかかる、たしか総理も当時大蔵大臣としてこの話は聞いていらしたと思うのですけれども、この金が一体どこから出るかとか、国民の関心が高まれば当然金を出すとかという議論を私は何度も総理にいたしました。つまり、臨教審でどんなプランを立てても金の話がきちっと決まらなければ同じだ、今度の臨教審の答えを見ても中教審と大差ないなという論評があるのです。そう言うと臨教審に失礼ですから私はあえて言いませんが、やはり行き着くところは、共通したものがかなりある。そういう意味では今度のポスト臨教審は、臨教審が果たせなかった教育予算拡充のお墨つきを与える審議会という論評があっていいのではないかと私は思う。それくらいの力を与え、それくらいの議論がそこでなされなければまた同じことになるのではないかな、こういう懸念を持つのです。これは総理が内閣としておやりになるということなんですが、ここは総理の本当に政治的な御判断というふうになると思うのですが、どうでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今度御審議いただく委員会は、文教委員会あるいは内閣委員会、内閣委員会ではポスト臨教審の法律、こういうような、合計六本でございますか御審議いただくようなことになるわけでございますが、これは、教育改革というものを各般にわたって議論していただいたことを、応援団とかスクリューとかいろいろな言葉がございましたが、国民全体の次元で押し上げていこうということに関する考え方に基づいたものばかりでございますので、ぜひともこれらが実を上げるようにこの国会での御協力をお願いするという立場で、私もまたその線に沿って教育改革の先頭に立たなければならないというふうに考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 非常に意味が不明確なんですね。要するに同じことになるのじゃないかと私は伺っているのです。  それで、文部省からの教育改革の関連予算というのをずっと資料を伺ったのですが、これも、教育改革関連予算というのは確かに教科書の問題だとか留学生の問題だとかいろいろあるのですが、いわゆる教育改革のために臨教審が打ち出して、新しくこれとこれをやるために今年度はこれだけの予算をつけた、六十二年度はこれだけもらった。ずっと資料はありますが、これは私はちょっと資料として使えないなと思ったのです。もっとコンパクトに、いわゆる学歴社会のためにどれだけ、あるいは単位制高校のためにどれだけ、あるいはまた今言われているような教員の初任者研修に幾ら。いわゆる臨教審が打ち出した非常に鮮明な教育改革のために、ことし六十三年予算に幾らの金が予算化され、それが大蔵省の査定を通ったのか、文部省に聞かせていただきたいのです。

川村恒明文部省大臣官房総務審議官

○川村政府委員 ただいまお尋ねのございました教育改革に要する経費の問題でございますけれども、先生既にお持ちでございますように、私どもで取りまとめた資料がございます。  教育改革の推進につきましては、ただいま御指摘がございましたような初任者研修という制度を新しく始める、そのためにこれだけの予算が要るという部分もございますが、同時に、これまでの積み重ねてまいりました文教行政をさらに進めていくという部分もあるわけでございます。そういうものにつきましては従前からもそれなりの予算が計上されている、さらにそれをもっと進めていこう、でございますから既存の予算にどれだけのものを積んでいくか、こういうことになろうかと思います。  お手元に先生お広げになっておりますそのペーパーが、結局そういうことで文部省、文教関係の経費を積み上げたものでございますから、やはり教育改革を推進するためにこれだけの予算を計上したということでその資料をお目通しいただければ大変ありがたいというふうに思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ですから、この七千百五十四億ですか、これは継続的なものも入っていると私は理解しているのです。それはそれとしておいて、新規に、いわゆる鮮明にと申し上げているのです。臨教審がこれだけ騒ぎがあってつくった、今まで三年間議論は控えてきた、ようやくできた。はっきり言えば、今国会などはある意味では教育的な国会としてどうするんだという問題も議論すべき要因だったと思うのですが、私が伺いたいのは、この七千百幾らという中でいわゆる鮮明な、これは本当に議論して、ここのところはもう取ったんだというのは幾らなんですかと聞いているのです。

川村恒明文部省大臣官房総務審議官

○川村政府委員 臨教審がこれまでに三年間御審議をいただきまして、四次にわたる答申が出されたようでございます。その四次の答申、数え方もありましょうけれども答申をいただきました項目は五百項目以上になろうかということでございまして、それにはいろいろな程度の差がございます。ございますけれども、それらについて、従来の文教行政の中で進められてきた部分もかなり多い、そういうことでございます。このペーパーに出ておる事項は、それぞれやはり臨教審で十分な御議論をいただいたことだというふうにぜひ御理解をいただきたいと思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そういうことを文部省がおっしゃっているから予算折衝が難しいと思うのです。鮮明にこれとこれがある、どうしてこれを大蔵省は認めてくれないのだ、国会はこれを応援してくれ、私はこういうことでなければいかぬと思うのですね。  要するに、今までやっていることがぶわっと出てくる。確かに議論すれば全部そうです。けれども、これとこれはどうしてもやりたいということはあると思うのです。項目を見れば、臨教審答申は本当にたくさんの項目なんですから、どこからやるかということが鮮明でなければならないし、それがこれだけ金をかければ何年後にこうなるということが国民にわかれば、そうした経費がかかるんだなということもわかってくるわけです。私は、この間永末先生もおっしゃっていましたが、老後、高齢化社会のビジョンというものも示すべきだという御提言でしたが、教育もこれからどうするんだ、それにどれだけ金がかかるんだということは鮮明に示すべきだと思うのです。ですから、私はそういう意味では、ポスト臨教審はそういう金の計算をするところだ。そして、これについていろいろなところと議論を詰めて、これだけ金がかかるということを国会にもあるいは内閣にも理解してもらって、それに対して財源をどうするんだということを議論する、そういう場であるべきじゃないかなというふうに思うのですが、総理、どうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今の御意見を聞いておって感じたのは、例えば池田さんのおっしゃるのは、昭和五十五年度予算でございましたか、四十人学級をどうするか、そうすると十二年間ということだが、芽を出したんだ、こういう鮮烈な予算というものがあるじゃないか、おっしゃる意味はそんなような感じで、私の体験から思い出さしていただいたわけでございますが、したがって、ポスト臨教審等における議論も今池田さんのおっしゃったような方向で恐らく議論が進められていくんじゃないか。そうすれば、教育行政推進のための、まさにおっしゃった応援団とでも申しますか、そういう機能を果たしてくるようになるだろう。そうなれば、少し今度は出過ぎでございますが、財源問題、そうすれば税制問題と、こういうところへもまた入ってくるきっかけにもなるのかな、ありがたくお聞かせいただきました。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 税制の話をなさるからうまくないのですよ。財源は、確かに不公平税制とかあるいは企業の持っている土地の再評価とか、いろいろございます。これも議論するということは大事なことだと思うのです。私は国民の理解を得るためにはやはり今抱えている問題、ちょっと後から資料も差し上げますけれども、大学へ受かって電報が来た途端に最低百万円かかる。兄弟二人が浪人、現役と、そろって受かってしまった。そうするとたちまち二百万円を合格の日から一週間以内に払わなければならない、こういう事態ですね。私はそういう点では限界に来ていると思っております。  臨教審の問題についてだけ余り長くかかれないのですが、実は内田健三さんがまとめられた「臨教審の軌跡」という本がありまして、かなり客観的に臨教審での議論の内容を発表しております。臨教審は議事録を公表しておりませんのでほとんどよくわかってなかったのですが、通産OBの天谷委員と大蔵OBの細見委員の意見が対立的であった。これは教育財政の問題である。  天谷氏の意見は「国内の過剰な貯蓄が海外への資本輸出に向けられているが、これは大変不健全である。対外不均衡の是正のための内需振興としては、ハードよりソフトのインフラストラクチャーの整備が重要で、人的資本の充実や人格形成のための教育などの資本の充実が必要である。基礎科学研究、留学生、奨学制度は公財政支出をふやすべきだ」というふうに天谷さんは主張されている。一方、細見氏の方は「教育のサービスの向上を行うのであれば、受益者負担でいくべきだ。塾などの民間教育産業の隆盛をみると、そこにはニーズがある。民間資金を教育の分野に導入することを考えるべきだ」と反論している。こういう議論の中で「国全体の財政の中で教育をどう位置付けるかが重要であり、教育の重要性を考えれば、国の財政全体の枠組みを替えるぐらいの決意を持って臨むべきで、答申にもその点を書き込む必要があるのではないか。」こういうレポートがあるわけです。  内閣の直属で臨教審が設置され、首相が国会の同意を得て任命した臨教審の委員、これは非常に重い立場だったと私は思うのです。どんな議論をしたかということはこういうところで初めてわかったのですが、財政問題をこういうふうに議論しておりますと、やはり特別な配慮というものをすべきだということをおっしゃっている。片一方では受益者負担ということが出てきている。  私はこれについて大蔵大臣にお伺いしたいのですが、受益者負担ということは確かに重要だと思います。しかし現在、国立大学といえども特別会計の四割が納付金になっておりまして六割国立だなんて言われておりまして、国立というのはそういうものなのかな、やはり国立とある以上は趣旨、目的を鮮明にし、もうちょっと安いものであっていいんじゃないのか。私はその辺も整理しなければなりませんが、大蔵大臣の頭の中にある教育予算の考え方というのはどういう位置づけがなされているか、聞かしていただきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいま天谷さんと細見さん、二人の議論を内田さんが対立と言われましたのですかどうですか、そこを伺いそびれましたけれども、対立というよりは一つの問題を二つの面から言われたように私は思います。ですから、平凡のようなことでございますけれども、その中間あたりのところにやはり真理があって、しかし問題がありますからそういう御議論を二人がなすったのではないか、そういうふうに伺っておりました。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 総理はいかがですか。もうちょっと続きを申し上げます。  文部大臣も先日おっしゃっていたのですが、今後の教育の改革は個性の重視、選択の機会の拡大ということになる。そうなってくると、子供のために芽をはぐくむということが非常に大事だと思うのです。岩波新書の「自民党と教育政策」という本があるのですが、この中で、臨教審の一次答申の中で「答申草案の「改革の基本的考え方」の中に「教育改革の推進に当たっては……必要な財政措置が考慮されなければならない」という文句が書き加えられた。」ところができ上がってみると、「教育改革の推進に当たっては……国家財政全般との関連において、適切な財政措置が講じられなければならない」こういうふうに後退したわけです。最初は「必要な財政措置が考慮されなければならない」となっていたのが、「国家財政全般との関連において、」というので後退した。  いろいろ経過が書かれているのですが、私は教育投資というのは受益者負担、これは限度がある。やはり高学歴化の利益というのは社会全体が受けている。大学進学者がふえれば大学卒業も必ずしも有利ではない。むしろ進学しないことの不利が増大する、それまで高卒でも入れた会社に大卒でないと入れなくなる。それは社会にとって労働力の質が上昇するということであって、受益者負担を強調して学費の負担を重くする、進学の機会を狭めるというふうな政策はとるべきではない。そういう点で、私大の学費の大部分を負担する私大生の親は税金を払っておりますから、国立大学も経営しているようなものです。それでいて子供は私大へ行って学費を払うとなると、二重の教育負担をする。国立大学生の面倒も見ながら、自分の子供は私大に行かせる。これはどこかでこの辺を整理して考えていかなければならない。今大蔵大臣はその中間だとおっしゃったのですが、中間ぶりをもうちょっと聞かしていただけないかなと思うのですけれども。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今経過的におっしゃいました、必要な財源は確保しなければならぬ、国家財政全体の中において、こういうふうに後退したと。しかし、国家予算というものを考えますと、総体的に考えればやはり全体の財政状態の中でそれぞれをどう位置づけていくかということがオーソドックスな考え方になろうかと思います。しかし、そこにおのずからアクセントがある。そのアクセントを前段は主張されたのじゃないか。いみじくも宮澤さんがおっしゃったように、その中間ぐらいというのが手ごろだな、こんな感じで承っておりました。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 非常に重い意味の中間というお話でございました。  さて、ちょっと資料をお配りしたいと思うのですが、実はいろいろ調べておりますうちに、国立大学の大学院の定員がかなり割り込んでいるということでございます。  これは大学院のあり方ですから、臨教審の答申の中にも非常に特筆大書されておりまして、現在の教育財政を考えていく中で、大学院のあり方というのは非常に重要な位置づけをされております。「教育財政の充実と重点配分」という中で、「基礎研究の充実」「学術の国際交流の促進と留学生の受入れの充実」「大学院の飛躍的充実」特に「研究費に占める公財政支出の割合は、欧米先進国に比して相当低い水準にあり、」こんなような問題も指摘されております。  私は大学院にちょっと関心を持ってみたのですが、ここにお示しをしましたように、修士課程でいいますと、国公私立トータルで人文科学系で定員の六〇%の充足率、社会科学系では三九%の充足率。これは博士課程になりましても人文で七七%、社会科学で三六%でございます。理学は若干ふえましてそれぞれ八九%、七九%。工学になりますと修士課程は一二〇%、博士課程は四二%。つまり企業などは修士までは欲しいが博士は要らない、修士段階で就職をなさる。私は、国立大学だけを見ましても、社会科学が三八%というのはいかがか、あるいは人文科学が六九%というのもどうだろうか、四割、五割を割っているというのは異常な姿ではないかと思って見ているのですが、これはどういうことになっているのか、文部大臣からお答えいただきたいと思います。

阿部充夫文部省高等教育局長

○阿部政府委員 お答えをいたします。  大学院の入学状況についてでございますけれども、御指摘にございましたように、全体としては定員を満たしているという状況になっておらないということは御指摘のとおりでございますが、分野によりまして事情が異なって、例えば工学系の場合などは修士課程で定員をかなり上回って入っておるというようなケースもあるわけでございます。全体の充足率で見ますと、最近大学院の充足率というのは、例えばここ十年ほどの間で申しますと修士課程で約七割、六九%であったものが現在八五%までになっている、それから博士課程で申しますと四八%であったものが五六%になっているというような形で、徐々にではございますけれどもふえてきているという状況にはあるわけでございます。  こういうことは、こういう状況になっておりますということの原因でございますけれども、一つには、日本の大学の大学院の場合には研究者養成というニュアンスが大変強いわけでございますけれども、アメリカ等の大学院の場合には高度の職業人、専門家あるいは学校の校長先生になるとか、そういうような方々の供給源としての位置づけができているというようなこともございます。また、それぞれの役割に応じた教育内容なり方法なりが大学院の中で確立していないのではないかというような問題点もあるわけでございますし、さらには、これも先生お触れになったことでございますけれども、我が国の雇用の現況から見まして、全体として学部卒業生中心の雇用というような社会的な慣行がある、そういったようなもろもろのことがこの背景にあるのではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 それは冷静に人ごとみたいにしてこういうことだと分析をすればそうなるのですが、私はやはり大学は生き物でどんどん変わってきているんじゃないかと思うのです。ですから、先ほどお話が出たような雇用の状況とかそういうものも、非常に激しい技術革新とかあるいは国際化とか、こういう問題を背景にして企業の求める人材あるいは学生が目指すべき進路というものも移り変わってくる、したがって、大学全般のあり方というものがはっきりとした目途を持って分析され直すべきではないか。また、後ほど時間があればお示しをしたいと思うのですが、大学氷河期なんていう話もございまして、北海道におきましては、短大などは非常に学生募集が難航しておりまして、定員を充足してない短大がかなりの数に上っている、あるいは南九州の方でも大学の名を変えて編成替えをしたという事態もございまして、非常にそうした点では大きな変革期に今来ていると思うのです。  なぜ私は国立大学の大学院を例に挙げたかといいますと、やはり一番象徴的な、国が基礎研究、確かに学問の教育という分野はいろいろあると思いますが、技術の進歩という問題に国が関与して、そしてそこに財政というものを十分につぎ込み、それに対する関心を寄せていかなければならない分野というのは、当面はまず大学院じゃないかという気が私はするのです。これは簡単に育ちませんから、かなり早くから手を打ち、そうした体制というものを用意しなければ取り返しのつかないことになるかもしれない。今までは日本はある意味では追いつき、追い越した面もあると思いますが、また逆転されることもあるだろう。こうした点で、大学院の定員の充足とか変化、もう保健と工学はこれだけオーバーしておりますし、かなりミスマッチというものが国立大学にあるのではないか。これに焦点を当てて早急な手を打つべきだということを私は指摘したいのですが、総理もしくは文部大臣からお伺いしたいと思います。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 確かに一つの御見識ある御指摘でございます。大学並びに大学院そのものを活性化、高度化していかなければならぬときに来ておるだろう。それは先ほど言った大前提に即した見直しでもあるわけでありますけれども、それを含めまして、大学審議会をつくっていただきまして今御審議をいただいておるわけでありますが、まずその中で大学院の活性化を取り上げていただきまして、大学院審議のプロジェクトをつくっていただきました。そういうことでございますので、おっしゃるところはよくわかります。  また、大学院のあり方が社会の進み方とマッチしてなければいけない。それは当然でありまして、今おっしゃるように工学部修士課程は相当な、人間も欲しい、また人間も入るということで定員をオーバーしておりますし、その他は社会の流れとのマッチング、それからもう一つは、情報の中で大学院のあり方の設定とアピールの問題もこれはあろうと思います。そういうことを含めまして取り組んでおるところでございますので、一層の御鞭撻をいただければと思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 それでは問題を新テストに移したいと思います。  お示しした資料は後ほどちょっともう一カ所、大学の費用の問題で小さな紙を使わせていただきますのでよろしくお願いしたいのですが、最初に文部大臣に、現在新テストに参加をある程度意向表明している私立大学はどのくらいあるのか、お伺いをしたいと思います。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 御質問でございますが、現在私立大学で……(池田(克)委員「新テストに参加しますと手を挙げているところは幾つありますか」と呼ぶ)これは新テストそのものがこれからでございますし、それから新テストそのものを今前面に押し出して申し上げているのではなくて、申しわけありませんが細かくは政府委員から御答弁させますけれども、その新テストの以前の問題がありまして、これは先ほどの続きで、やはり教育の多様化、個性化のためには大学入試も個性化、多様化を進めるべきであろう、個性化、多様化するにはどうしたらいいのかという御審議をいただいた結果、この新テストというものは大学入試の個性化、多様化には必要なものであるというおまとめをいただいたものでございますから、そのまとめの趣旨をこれから全国的に御理解をいただくようにお願いをいたしつつ進もうと思っておりますので、これからその新テストを利用していただく私学の数もふえてくると思いますが、きょう現在幾つかということ、あるいはこれからの見通しにつきまして御質問があれば政府委員からお答えさせます。

阿部充夫文部省高等教育局長

○阿部政府委員 新テストにつきましての私学の参加の見込みの問題でございますけれども、御案内のように昭和六十一年に基本的な考え方の公表をいたしまして、以来御検討いただいてきたわけでございますが、私ども先般、去る二月十五日に入試改革協議会の最終報告が出されました時点では、各大学の御方針を大綱的なものについてこの夏ごろまでに発表していただこうという方針を決めて、今御連絡を申し上げているところでございますので、したがいまして、その時点にならないと何校参加するのかあるいは利用するのかということについては明確にはならないわけでございます。  ただ、昨年の十一月ごろでございましたか、各私学における検討状況等を口頭でお問い合わせをしたことがございますが、そういったことから見ますと、現在の段階で、いつから、六十五年度から参加するかどうかということは別にしても、このテストについて前向きの意向で検討しているあるいはしようとしているというような姿勢を示される大学も既に数十校出てまいっております。これから私どもさらに説明会等を催しまして御理解を深めるようにいたしたいと思っておりますが、いずれ夏の段階には当面の参加校が明らかになってくるだろう、こういう予定でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 この法案を拝見しますと、「大学に入学を志願する者の高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定する」、法律の中にこういう文言があるのですね。これは従来の入試センター法には入ってなかった。「大学に入学を志願する者の高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的として大学が共同して実施することとする試験」、つまり今度言われている新テストというのは高校段階の基礎的な学習の達成度、試験についてはそういう達成度を見るというのと大学側が自分の大学にふさわしい学生を選抜するというのと二つの見方があるわけです。このことは現在の共通一次試験を議論するときにも随分と議論になった部分なんです。やはり大学は自分の存立をかけて、いい学生をとりたい、そういう点からいけば、大学側が自分で選ぶ、そして自分の手で確かめる、これが一番重要なところだと思うのです。だれかに問題をつくってもらうというのは本来あるべき姿ではないと思う。それが過密化しちゃってえらい難問奇問になったから共通一次ができたわけです。私はこの二つの考え方は非常に重要なポイントだと思う。  私はこの法律を初めて拝見したのでお伺いしているわけですが、この入試改善のレポートを見ますと、最初の文言は、「受験生の将来の進路や学部・学科の専門分野等に応じて、その個性・能力・適性を多面的に判断するように努め、」となっております。ですから、言うならば、こういう段階におきましては専門分野等に応じて能力、個性を多面的に判断する。片っ方では高等学校の段階における基礎的な学習の達成度、法律にこううたわれてきますと、これはやはり縛られてくると思う。今度の新テストは高校レベルの卒業資格試験的なものになるんじゃないか。反面、大学が求めているものは、そういうことを求める大学もありますが、片っ方では、いや、そうじゃない、うちの学校についてこれる学生が何人来るか、ここのところがはっきりしないと、この試験があってももう一つ大学はやりたくなってくる。  この法律の意味するところは、高校段階をチェックする試験なんでしょうか。法律にはそう書いてありますが、この意味するところをお聞かせいただきたいと思うのです。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 基本的なことを申し上げて、詳しくは政府委員から細かい点は申し上げます。  今二つの点をおっしゃいましたけれども、これはまさにいろいろな方が御疑問で質問されたいという点ではないかと思います。これは個性化、多様化するのになぜ統一のものがなきゃいかぬかということと、それから高いある部分の水準、また建学の精神に従ってとりたいのであろうのに高等学校の水準的なテストをする、この二つどうかみ合うのかという御疑問だと思います。  これは明らかに、大学は自分の建学の精神に従い、そして自分の学部学部でとりたい分野で、できるだけ受験者の能力を部分的にも全体的にも知りたいと思うのは当然でございまして、例えば理科系の大学でございましたらば理科系の専門的な試験、質問をして能力を試す、あるいは文科系でございましたら、例えば国文系の問題を専門的に出す、あるいは小論文を書かせる、あるいはそれでも足りなければ面接をしてその受験者の人間性あるいは創造性、それから分野の専門的な知識を確かめる、これを十二分にやっていただこう、これがあくまでも主でございます。その場合には、例えば数学なら数学だけを見ようという場合には、それ以外の学科につきましては、自分のところでやらなくとも、その新テストでやられた分野でこの部分は参考に利用したいというところだけ利用していただければいい。ですから、あくまでも各大学は自分の専門分野で専門的な知識を確かめたいということを主にしていただいて結構だと思うのでございます。

阿部充夫文部省高等教育局長

○阿部政府委員 趣旨は大臣からお答え申し上げたとおりでございますけれども、要すれば今回のテスト、従来の共通一次もさようでございますけれども、共通で行う部分というものにつきましては、高等学校段階での学力の到達の程度を見るということを中心に考えまして、それから各大学が、従来の国公立で言えば二次試験を行っておりますけれども、その段階で各大学が自主的に判断をして、みずからの学部に適性を持っているかどうかというような独自の試験をしていただく、両者の組み合わせで全体、全一巻としての入学者選抜になる、こういうような考え方をとっておったものでございます。したがいまして、今回のお願いをしております法律案でございますけれども、これも従来は省令で同様の規定を置いておったわけでございますが、国公私立共通でやろうということでもございますのでこの部分を法律に書き込んだということでございます。したがいまして、各私学が独自の試験をさらにこれに加えてやるということはむしろ個性化等の観点からは望ましいことでございますし、大いに工夫してやってほしいという気持ちを持っておる次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 いろいろな指摘をしなければなりませんが、なぜ国立学校設置法で新テストをやるのか私はわからない。国立学校設置法というのは国立の学校を決める法律です。その中に第三章入試センターというものがあります。従来それは国公立大学での共同利用機関として入試問題をつくり、研究していました。あくまでも国立のものです。その法律のもとで、一条項加えて、国立大学という二字を削って、ただ大学の入学試験はとして、私立もいらっしゃい、これは随分安直だと思うのです。やはりやるならばそういうものは全部外しまして、国立も公立も私立も全部入って、お金も出し合って、そして理事者も決め、出題者も決めて、そして新しい機関を入試センターとしてつくって、みんながそれぞれ自分のものだと思えるような機関にして、そこで入試問題をつくってやるべきだ。国立の機関が便宜的にあるから、そこに、法律を直して、私立もどうぞ、出題者も民間から、私立学校からいらっしゃい、高等学校の先生もいらっしゃい、お金は費用分担で持っていただきます、私はこれは私立は入りがたいと思うのです。やはり国優先ということにならざるを得ないと思うのです。少なくとも日大とか早慶とか大きな大学はそっぽを向くと思いますね。やはり自分たちの一つのプライド、試験問題は自分たちでつくれますよ、そういうところにお願いしなくたってたくさんの先生がいるのですと。私は、将来にわたって、今何十校かお話があったけれども、小さな大学で、出題についていろいろと専門の先生がいらっしゃらないところはこの試験を使うかもしれません。しかしながら、全体が、臨教審が目指していた国公私立を通じて、難問奇問じゃなしに、みんながきちっと大学の水準がチェックできるような試験というものにはならないのじゃないか、こういう懸念を持つのですが、文部省、この指摘についてどうお答えになりますか。

阿部充夫文部省高等教育局長

○阿部政府委員 入試センターでございますけれども、現在は、国立学校設置法の規定の中で国立大学についての入試をやる機関という形で規定をされておるわけでございます。これにつきまして臨教審の答申でも、国公私立の各大学が対等に利用できるような、そして高等学校の関係者の参画もできるような機関にしてはどうかというような御提言がございまして、先ほど来申し上げております入試改革協議会という国公私立あるいは高校の関係者の協議会に諮って御検討いただいてまいりました結果、この現在の入試センターの規定を改正して国公私立共同だという趣旨を明らかにするようにするべきだ、こういうような御提言を受けまして現在御提案を申し上げておるわけでございます。  国立学校設置法の中にこういう大学入試センターが従来から置かれているわけでございますが、今回はそういう趣旨、目的の規定を変えましたことによりまして名実ともに国公私共通の機関になると私ども考えておるわけでございますが、それが国立のという形でつくります、経費の問題その他もございますのでそういう形でつくります関係上、国立学校設置法という学校教育に関する国立の機関が書かれている法律の中に一緒に規定していくということでよろしいのではなかろうかという判断をいたしておる次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ですから、臨教審を受けてのいろいろな研究の中にも、設置形態は検討しなさいとなっていたのですね。それがいつの間にか国立学校設置法をいじってやろう。日本のこれからの一番根幹です。科学技術、人材で生きていかなければならない日本が子供たちをどういう試験で育てるか、この一番根幹になるところにまだはっきりしないものがある。六十五年に実施だと言ってかなり駆け足でやっていらっしゃる。新聞の論調も一年延期した方がいいんじゃないかというふうに言っている。これは私は前にも、六十四年と言う中曽根総理に六十五年じゃなくてはだめですよと申し上げた。そうなりましたが、まだまだ十分に煮詰まっていないのじゃないか。毎回毎回変えますと、もう子供たちは信用しなくなります。ことしもAB群とかいろいろありまして、非常に混乱しました。猫の目のような試験だと言われました。  それから、新テストの時期も、十二月に実施すると言われているのですね。共通一次試験のときには高校の三学期がめちゃくちゃになるとして共通一次の実施を十二月から一月に持ってきた。この教訓が今度生かされていないのです。国が決めて、私大の日程が関係があるから機械的に早める、こういうわけですね。私大は一月から試験します。ところが、さっき申し上げたように、私大もその気になれば、私大の入試も変えられると思うのです。やはり私大はそっとしておいて、国が決めて私大の前にやるというと十二月になっちゃう。そうすると高校の三学期はめちゃくちゃになる。やはり国と私大と公立大が本当に意見が一致してどうしようかということになっていないところにこの問題があると私は思うのです。  ですから、新テストの機会が単一であるということも問題で、例えば、私大の中には三月の下旬に二次試験をやるところもあります。子供の中には、試験にみんな失敗して、しようがない、浪人できないから最後にあそこを受けようかと思ったときに、たまたまそこが新テストを課していたとしたら、その科目を受けていなかったらもう受けられません。やはり十二月に、確かに一応こことことと思って何科目かとって受けておきますが、それじゃどうにもならなくなって、もう一つ、あの学校へ行きたいけれども、十二月にとってなかったからここ受けられない。  私は非常に難しいと思う。もう一回機会を与えなければならないだろう。そういう点では、いろいろなことを考えるならば、この入試問題はもっと幅広く議論をし、ことしのこの国会に法律を出して通すということよりも、もう一年ぐらい時間をかけた方がいいのじゃないか、まじめにそういうふうに思い、いろいろな人もそう思っているのですが、どんなものでしょうか。

阿部充夫文部省高等教育局長

○阿部政府委員 今回の入試改革につきましては、昭和六十一年にその内容を公表いたしまして以来各団体等にも御検討をお願いをし、各大学あるいは高等学校関係にも御検討をお願いし、その後も引き続き審議を続けながら最終的に六十五年度入試から実施しようということで関係者の合意を得たということでもございます。  これだけの長い時間も経ておりますし、そしてまた、この夏に公表いたしまして高校長協会等の御要望に応じて二年生の夏までには方角を大体お示しできるというような日程でも進めておるところでございますので、私どもといたしましては、教育改革の一つの個性化、自由化といった方向へ向けての一歩を進めるという意味で、これはぜひ予定どおりやらせていただきたいと思っている次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 それはお立場上、どうしてもやりたいとおっしゃるでしょう。だけれども、私は心配するのです。要するに、試験はこれ以上失敗できないのですね、この共通試験は。随分議論して、今の共通一次だって八年ぐらい準備しています。始めて今九年目ですか。こういうふうな状態で、まだ今の共通一次の方がましだという声があるのですが、文部大臣、この声に対して、いや、こっちの方が絶対いいのだ。そういう質問に対して、どうお答えになりますか。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 大学側と同時に、今度受験者の方から考えてみる必要があると思うのですね。受験者というのはやはり人間でありますから、得手不得手がありまして、数学は得意だけれども国文は不得手だとか、多少そういうことがございます、先ほどの先生の右脳と左脳の関係かもしれませんけれども。  その場合に、今までの試験でありますと、得手の部分、また不得手の部分も一律に勉強してある程度のものをとりませんと大学入試をクリアできない。そのために、えてしてねじり鉢巻きで暗記に暗記を重ねるということこそ受験地獄の最たるものではないだろうか。これからの受験生はある程度高校の水準的な頭脳を持っておればいい。それ以上は今度自分の得意な分野で勝負できるということでありますから、そこに受験生としては過酷な受験から解放されて自分の得意な分野で勝負できるという意欲が生まれる。  そういう意味を含めまして、先ほど申し上げたように、あくまでも大学の自主的な試験を重点にし、そしてそれ以外の分野のテストは新テストで結果を参考に利用できる、こういうことでありますから、受験者にとっても福音であろう、こう思うわけであります。それを新テストと称しておるわけです。  では、果たしてそれが試行もせずにどうなのだということにつきましては、今まで十年近くやりました共通一次の結果をやはり参考にはできると思うのです。参考にした場合に幾つかの利点がありまして、一つは難問奇問がなくなった、あるいはそれによって小論文その他を採用することによってあるいは社会人がもう一度学ぶ機会に門が開かれた、あるいは帰国子女の方々も再び大学に入りやすくなった、そういういい面がございますから、そういういい面をさらに伸ばしていくという面が新テストのまさにとろうとしている方向であります。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ですから、文部大臣もちょっと混乱したことをおっしゃるのですね。要するに、福音とおっしゃるのですが、ある意味ではそれはそういう見方もあると思うのですが、高校教育の成果を問うということであるならば、高校教育というのは単発的なものじゃないのです。英語、数学、理科、社会、まあ五教科、本当は七科目ぐらいです。それらをまんべんなく学び、それらについてそれぞれ必要な力を備えて高校を卒業されている。ですから、その高校教育のレベルを問うというのであれば、単発、切り売りはまずいのですね。水準は少し下げてもいいからある程度のセットされたものが高校教育のクリアされた試験だと思うのです。  ところが、別に、今おっしゃるような多様な人間というものは世の中にいるだろう。そうすると、この科目、この科目というふうにして試験を受けていく。というのは、今度の入試も確かに一科目でも受けていいということになっていますが、そういう一つのことはありますが、そうなってくるとかなり専門的な個性が問えるような試験でなければまずい。ことに矛盾したものがある。高校水準をクリアするというふうに法律に書かれ、余り無理がない試験、まじめに勉強してきた者は塾へ行かなくてもこの新テストはクリアできるということを言っているわけですよ。塾へ行かないとだめだ、今の共通一次でも塾へ行かないとある程度の試験が通らないです。  ですから、私はそういう点では、高校水準ということになればセットだ。大学側がかなり個性的なものを求めているとなると、もう一つ、いわゆる新テストA、新テストBみたいなものをつくって、どっちをとるかみたいなことをしないとうまくない。  どうも私の頭の中にもちょっとそのことがよくおさまらない。試験の問題をずっと今まで考えてきましたけれども、どうもまだ議論が生煮えだという思いがある。どうでしょうか。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 大変いい御指摘でございます。ただ、それを整理して申しますと、高校の平均的な水準を見ようというならば、これはできるだけ多くの各教科にわたるではないかとおっしゃるわけであります。せめて五教科。それで五教科五科目とは決めませんで、大体五教科、それ以外の科目はふやしても結構です、それによって高校で学んだ水準、これは大変な天才、秀才でなくても大体高校の水準を学んできたな、また自分も学び終えたなということを確かめるために新テストがあるわけでございます。だから、それは五教科であり、さらに科目は幾つでも結構であります、またその五教科以外にもできるだけ多くテストはつくろう、こう思っておるわけです。それが一つの判断材料になるわけですね。それがありますと、今度各大学は自分のところで特にこの部分を見たいという一教科とかあるいは二教科を抽出して、そして受験者の能力を確かめることができる。だから両方あっていいわけでありまして、またもう一つ言えば、受験者あるいは受験者の御両親にとりまして、自分の息子さんなり娘さんの能力をマークシートだけでいいんだろうかという御疑問もあるでしょうし、また一方で論文、面接だけでいいんだろうか、こういうこともおありだろうと思いますね。その点、新テストは主にマークシート方式であります。それから、各大学がマークシート以外に、先ほど言ったように論文を書かせ、あるいは筆記で書かせ、あるいは面接をする、そういう独特なものがとりやすいという方法だ、こういうことで御理解をいただきたいわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 この問題、もっと議論したいのですが、時間がなくなってしまいました。  入学金の返還問題を最後に一つ伺いたいと思います。  現在、大学の入学に際して入学金が課せられております。先ほどお配りした紙の小さい方、ちょっと細かくて恐縮ですが、入学金の高い大学は、一番高いのが医大で、日本医大、金沢医大等で二百万、東京女子医大で百五十万等々でございます。全国平均が二十五万でございますが、慶応が二十三万、早稲田が二十六万でしたか、いろいろな大学のばらつきがございますけれども、かなりの額に上っていることは事実でございます。安い大学は、近畿大学が八万とか、あるいは岐阜経済大学十二万、立命館十四万と、関西の大学は割と安い入学金でございます。  この入学金が、入学に際して一たん納めておきながら、入学金を除いて返還するという仕組みになっておりまして、文部省は、入学金は入学辞退者からでも徴収してよい、こうして指導しておられますが、そのとおりでしょうか。

坂元弘直文部省高等教育局私学部長

○坂元政府委員 お答えいたします。  私立大学の入学時の入学料を含む学納金の取り扱い方というのは、私どもは原則としては私立大学の責任で処理すべき問題だというふうに考えております。  ただ、私どもの基本的な私立大学に対する指導といたしましては、入学金を含む学納金全般は極力抑制するようにという指導は毎年いたしております。その結果、ちなみに申し上げますと、ここ二、三年間の平均の学納金の値上げ率は大体三%前後で推移してきております。  それからもう一つ、学納金の中における入学金以外の授業料等については、その入学試験の発表を行った後直ちに取るようなことはしないで、十分時間を置いて取るようにしようという指導をいたしております。  ただ、入学金につきましては、これはあらかじめ募集要項で、入学しない場合でも入学金は返還しないということで私学が扱って今日まで来ているわけでございます。俗な言葉で言えば、一種の保険料じゃなかろうかという、もしかしたらほかの学校を落ちるかもしれないからこの学校にあらかじめ入学金だけ納めておこう、そういう性格のものだというふうに私ども理解をいたしておりますし、仮に入学金が入ってから、私学は、入学者の入学料を払った人が入学の意思があるのだという意思を確定した後に二次試験を行ったり、補欠募集の人数を決めていくわけでございます。これを仮に三月中いっぱい入学者が確定できない、入学料を払わないで確定できないということになりますと、最終的にどういう段階でどういう時期にどういう方法で入学者の意思を確認するかというのが大変難しいのではないか、そういう意味で入学金を返還しないという今の仕組みもやむを得ないものじゃないかというふうに考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 入学しないのに入学金というのは変な話ですね。やはり先ほどおっしゃるように、確かにいろいろ選択があって、ある種の敷金みたいなものだ、そういう答弁があったこともあるのです。権利金ですか、それを権利を放棄したのだから仕方がないだろう、不動産業界でも二割だということになっておるのですね、上限は。ですから、要するに学納金の二割ということになりますと、年間大体百万ぐらいですから二十万ということになるわけで、それが二十五万取っているわけですから、相当高いということになるわけです。学納金全体の二割。二割が不動産業界でも最高なんで、不動産と大学と一緒にできません。できませんが、やはりこれだけ学納金が上がり、年々そういう計算です。  ちょっと時間がございませんのでもうできませんが、私学経営が大変危なくなりまして、八割ぐらいの私大がことし来年と値上げしなければならないという事態を迎えていると言われております。それはやはり六十七年度をピークにする十八歳人口が非常にふえますので、定員の枠をふやしてもらうように文部省も要請し、それに伴って学校のキャンパスをつくったりいろいろしております。その費用がかかるという事態です。  私は、入学金の問題は前に松永文部大臣が参議院で答弁しておられますが、やはりもう一遍、名前のつけ方とか返還の仕方とか、この入学金の額の決め方とか、これはもう一遍見直すべきではないかな、こういう問題意識を持っておりますが、いかがでしょうか、文部大臣。

坂元弘直文部省高等教育局私学部長

○坂元政府委員 ちょっと大臣がお答えになる前に私から答えさせていただきますが、名称は確かに、例えば早稲田大学は登録料というふうに言っておりますし、慶応大学などは入学申込金というような、名称はややまちまちでございます。  額の問題につきましては、先ほど申し上げましたとおりに、各大学の財政状況に応じて各大学が自主的に決めておるという性格上、文部省で統一的にこの程度にということはなかなか難しいのではないか。文部省としては、一般的に入学料を含めて学納金を極力抑制するようにという指導が極めて適切なんではないかというふうに考えているところでございます。

中島源太郎自由民主党文部大臣

○中島国務大臣 政府委員から答弁をいたしましたとおりでありますが、入学金を含めた学納金はなるべく低く抑えるようにという指導はしております。また、入学金以外の学納金も、試験を受けて可及的に速やかにというのはもう少しゆとりを持たせろ、こういうことも言っておるわけであります。  ただ、入学金そのものは大学の自主性に任せるべき前提ではありますけれども、中に相当高いではないかというせっかくの御指摘でありますので、私からその御指摘を踏まえてよく伝えてはみたいと思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ほかにもいろいろと質問を用意し、また準備していただいたところもございます。時間が切れてしまいまして大変恐縮でございますが、また改めて機会をいただきたいと思っております。くれぐれもこの共通新テストは大変問題を含んでおりますので、ぜひいろいろと検討されて、子供たちが迷惑をしないように進めていただきたいことを強く要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて池田君の質疑は終了いたしました。  次に、吉田之久君。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 去る二月五日、本委員会におきまして、我が党の永末副委員長が、二十一世紀当初の社会保障の展望、言うならば青写真を示さないと、我々は今後想定される老齢化社会、その社会にどう対応すべきか詳しく立ち入った検討ができないではないかということを強く申し述べました。  このことにつきまして、委員長初め各理事間で御協議をいただきました。その結果、藤本厚生大臣より当日、二〇〇〇年及び二〇一〇年の時点における老齢人口数、勤労者数及び社会保障給付費等の見通しについて、大蔵大臣と協議した上、およその姿を本委員会に示そうという御発言があったわけでございます。どうやらその資料が整ったようでございますので、この機会に各委員に配付していただき、また閣僚の方々もごらんいただければいかがなものかと思う次第でございます。  それでは、まずこの資料につきまして厚生大臣から御説明をお願いいたします。

藤本孝雄自由民主党厚生大臣

○藤本国務大臣 この資料は、高齢化社会におきます社会保障を展望するために、人口の高齢化の状況であるとか、また人口の高齢化の状況と社会保障の給付と負担の見通しにつきまして明らかにしたものでございます。  私といたしましては、この資料によりまして、今後本格化されます高齢化社会における社会保障の給付と負担につきまして今後どう進めていくかということについて、国民全体の皆様方の幅広い観点からのお考えをいただきたい、かように願っておるものでございます。  なお、資料の内容につきましては、政府委員から説明いたさせます。

黒木武弘厚生大臣官房総務審議官

○黒木政府委員 ただいまお配りをいたしました資料の概要を御説明申し上げます。  まず、一、二ページでございますけれども、二十一世紀初頭における高齢化状況等に関する資料でございます。  まず一ページ目の人口に関してでございます。総人口は微増で推移いたしておりますけれども、老人人口は今後急速に増加いたしまして、昭和八十五年の時点におきまして総人口に占める割合が二〇%に達します。したがいまして、我が国の高齢化は現在のヨーロッパ諸国を上回る水準となります。これに伴いまして、老人一人に対する生産年齢人口の比率でございますけれども、丸い数字で申し上げまして、現在の六人に一人から、昭和七十五年には約四人に一人、昭和八十五年には約三人に一人に減少していくことになります。  二ページに参りまして、就業者数、雇用者数、いずれも現在より一・一倍程度の増加でございます。  年金受給者数でございますけれども、昭和八十五年には現在の約一・八倍の約三千三百万人に大きく増加することが見込まれております。  また、老人医療費でございますけれども、今後急速に増加いたしまして、国民医療費に占める割合は、現在の二五%程度から、昭和八十五年には四〇%以上に上昇すると見込んでおります。また、寝たきり老人等は二十一世紀には百万人をかなり超えるものと見込んでいる次第でございます。  三ページでございますけれども、社会保障給付費、社会保障負担及び国庫負担の推計に関する資料でございます。この資料は末尾の注にございますように、現行制度を前提とした仮定計算でございます。また、推計に当たりましては、昭和六十四年度以降の国民所得が年平均四%で伸びると仮定した場合と、五・五%で伸びると仮定した場合の二つのケースで試算をしてございます。  まず、社会保障給付費でございます。上欄に書いてございます。昭和六十三年度におきまして、その国民所得に対する割合は一五・四%でございますが、これが昭和七十五年には二一カ二分の一ないし二三%程度に、さらに昭和八十五年には二六ないし二九%程度に達すると試算をいたしております。  次に、社会保障負担につきましては、これは社会保険料負担のことでございますが、昭和六十三年度におきましてはその国民所得に対する割合は一一・一%でございますが、これが昭和七十五年には一四ないし一四カ二分の一%程度に、さらに昭和八十五年には一六カ二分の一ないし一八カ二分の一%程度になるものと試算をいたしております。  社会保障に対する国庫負担につきましては、昭和六十三年度におきましてはその国民所得に対する割合は四・一%でございますが、これが昭和七十五年度には五カ二分の一%程度に、さらに昭和八十五年度には六ないし七%程度となるものと試算をいたしております。  なお、国民所得に対する割合とともに社会保障給付費、社会保障負担、国庫負担のそれぞれにつきまして金額を名目値でお示しをしてございます。  四ページ以降は、参考までにただいま申し上げました試算を年金と医療等に分けてお示ししたものでございます。  以上でございます。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 かなり御努力をいただいたことにつきましては評価をいたします。ただ、惜しむらくは、この程度の資料をつくるのに、もっとその気であるならば本委員会が始まる時点において出されてしかるべきであったと思います。こういう数字をきちんと目にして、これからあるべき国家の財政、社会保障のあり方等について論議すべきであったと思うわけでございます。  それはともかくといたしまして、今示されました数字の幾つかにわたりまして若干の疑問点や問題点等を申し上げたいと思います。  まず一ページ目は、これは今お述べになりましたとおり、当然一つの統計推計で出てくる数字でございますので、これはこれでこのとおり了解せざるを得ません。  さて、二ページ目でございますが、年金受給者が現在の千八百四十万人から三千三百万人にふえる、これも現行制度がその限りにおいてはこういう数字になるだろうということは理解できます。  さて問題は、老人医療費でございますけれども、昭和六十年現在で年間四兆円かかっております老人医療費、これが何と昭和八十五年では三十六兆円になる。これはまさに驚くべき数値であると言わなければなりません。また、国民医療費は現在十六兆円でありますけれども、これが八十八兆円になる。ちょっと腰を抜かすような数字で当惑するわけなんでございますが、さて、この国民全体の医療費がここ二十数年間に五倍に膨れ上がる。とりわけ老人医療費が九倍にも大きく伸びてくる。これをどう分析し、また、どう対応すべきであるかということが当面の急務になってまいったと思うわけでございます。  およそ物が二倍に膨れ上がるのには算数的には次のようなことになると思います。年々三%ずつ増加してまいりますと二十四年かかって倍になります。それから、年々五%の場合には十五年かかって倍になる。七%余りで十年後に二倍になる、これはお互いの常識でございます。したがって、ここで仮定計算されております根拠は、国民所得は年平均四%ないし五・五%で伸びていくであろう。だといたしますと、まず十五年で二倍、二十年余りたちまして三倍程度に膨らむ、そういうことが予想されるわけでございます。その中で国民医療費が一挙に五倍に膨らんでいく、あるいは老人医療費が九倍、十倍に膨れ上がっていく、これはどのような根拠に基づくものであるか、また、いろいろ想定される数字からはこう出ることはあながちうなずけないわけではございませんけれども、これを異常な事態と考えないかどうか、この辺につきましてまず御答弁をいただきたい。

黒木武弘厚生大臣官房総務審議官

○黒木政府委員 国民医療費あるいは老人医療費についてのお尋ねでございます。  私どもは今回の推計、年金等は国民所得にリンクさせて推計をいたしておりますけれども、医療費につきましては国民所得のリンクよりも過去の実績の方が至当であろうということで、できるだけ直近の一年半の伸び率の実績を見まして、それを将来に投影する形で試算をいたしたわけでございます。そういたしますと、医療費については全体で七%の伸びがここのところの伸びでございますから、それを過去に向かって投影をしてございます。  老人医療につきましては、一人当たりでは五・七%ぐらい伸びておるわけでありますけれども、何しろ老人の人口がオンされるわけでございますから、合計いたしますと九%台、九・三%ぐらいの伸びということで、十数年後あるいは八十五年を試算をいたしますと、先ほど先生から御指摘いただいたような大きい数字になるわけでございます。  もとより私どもは、医療費については極力国民の所得の伸び範囲ということで政策努力をしてきておったわけでございますけれども、最近、御案内のように国民所得が四%台で推移いたしておりまして、医療費の方がそれを上回っているという傾向が出ております。できるだけそういう政策努力はいたしておりますけれども、現在の医療費の伸びの状況を将来二十一世紀に展望するとこういう数字に相なりますということの試算数字でございます。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 最近医療の実態が極めて近代化し、科学化し、高度化してきておることは私どもも承知いたしております。だからといって、ここ最近一年半のそういう傾向、伸び率をもって今後十五年、二十年先を想定できるのかどうか。最近の一連の現象、それは一つの進歩ではありましょうけれども、その伸び自体はある意味において異常なものであるかもしれない。ノーマルなものとして、このタンジェントのままで十五年、二十年の将来をはかることは間違えていないだろうかどうかという疑問をこの際に申し上げておきたいと思う次第でございます。  ともあれ三ページ目に入りまして、今御説明ありました社会保障負担、保険料でございますが、これが国民所得比にいたしまして六十三年度の見通しでは一一・一%であります。これが七十五年には一四ないし一四・五前後ということになるのだろうと思います。だといたしますと、七十五年の時点でこの社会保障の負担というものは国民所得比にいたしまして三・五伸びるということになります。  一方、国庫負担の場合でありますが、これもしょせんは財源は税金になるだろうと思うわけでありまして、我々国民にとりましては、この社会保障負担も国庫負担も重く双方のしかかってくる部分でございますけれども、この国庫負担四・一%が五・五%前後になる、ここで一・五%伸びるわけでございます。ともに国民にかかってくる負担でございますから、そういう観点からこの双方を合計いたしますと、四・五ないし五%上昇せざるを得ない、これが七十五年度の推計でございます。さらに十年後二〇一〇年の時点では、それが社会保障負担において現在より五・五ないし七・五%伸びる。国庫負担においても二ないし三%ふえる。これを双方合計いたしますと七・五%ないし一〇・五%オンしなければならないことになるわけなんでございます。  だとするならば、ここで税金でふえてくるのか、あるいは社会保険料でふえてくるのか、いずれにしても国民負担率というものがかなり上昇することが想定されるわけでございます。土光臨調を初めここ最近の私どもの一番の重大な問題点は、国民の負担率をEC並みにまでは決して引き上げない、それよりもはるかに低い水準で抑え込もうということが私どもお互いの合い言葉であったと思うわけでございますけれども、この今の仮定計算に基づきまして他の諸要因を全部除去いたしましても、この老齢化現象に伴う社会保障の給付費等をにらんだ場合に、国民所得の、現在三六・六%が国民負担率でありますけれども、それが八十五年あたりでは四四ないし四七%まで上昇してこざるを得ないのではないかという数字が読み取れるわけでございますが、大蔵大臣はこの辺どうお考えでございますか。     〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この推計はまさしく今吉田委員の言われましたようなことを示しておると存じます。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 ですから、推計はそうなんですが、今私がお伺いしておりますのは、この仮定計算推計の延長線上でとらえるならば、問題の国民負担率というものは今よりはかなり上回ったものになるのではないかということを尋ねておるわけでございます。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 そこで、ただいま言われましたように、この推計で見ておりますと、昭和七十五年度における国民負担率、二つのケースがございましょうから成長いかんにもよりますが、四一・五あるいは八十五年には四六・五、そのようなことになる。その内訳は、仮に社会保障の負担率が一四とか一四・五、八十五年度には一六とか一八、その残りは勢い租税負担になるわけでございます。  そういたしますと、このような租税負担率を現行の制度のままで推計をいたしますと、現在国民所得の中で給与が負担しております所得税及び住民税はほぼ四・八でございますが、現行制度をそのままにおいておきますと、七十五年度におきましてはそれが七ないし八になる。八十五年度におきましては一〇ないし一三になるという計算になりますので、現行制度をそのままおいておきますならば、給与所得の負担は四・八から、この四・八というのは国民負担率、国民所得に対する率でございますが、同じことでございますが、四・八が八十五年度には一〇から一三になる。つまり三倍ぐらいになるということになります。現在の給与所得者が所得税及び住民税において七十五年の段階においてほぼ二倍、八十五年の段階においてほぼ三倍のものを負担をしてもらわなければならない、こういうことになってまいります。  それはトータルでございますが、これは給与所得者について申し上げておりますので、給与所得者の数は老人人口が多くなるにつれまして相対的には伸びは大きくございませんから、仮に議論を単純化いたしますと、給与所得者は二倍ないし三倍の負担を所得税及び住民税の形でしてもらわなければならない。現行制度を維持いたしてまいりますとそういうことになろうと存じます。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 政府は口を開けば、何か事あるごとに、だから現行税制を見直さなければなりません、とてもこのままの直間比率ではサラリーマンは耐えられないでしょうといって、しきりに間接税導入の糸口を見出そうとなさっているようでございますけれども、私が今問題にいたしておりますのは、そういう直接税、間接税の問題ではなしに、いずれにしても、税金とそれから社会保障負担率ですね。この国民にのしかかる国民負担というものがこのままでいくならば、今よりぐっと上がってくる、そして五〇%近くまでいくだろうと想定せざるを得ないわけなんですね。これは大変容易ならぬ問題でありまして、単にちょっと広く薄く間接税を導入すればいいんじゃないでしょうかというような簡単な問題ではないということを私はまず申し上げておきます。またいずれ、これがどんな増税を意味するものか後でお伺いいたしたいと思いますけれども、ともかく大蔵大臣自身は、今間接税だ、直接税だという論議もさることながら、もっと深刻に国民の負担がどう変わっていくんだろうか、それには単に税金だけで対応できるだろうかというもっと広い視野からお考えをいただかないと、この問題は解けない問題だということだけまず申し上げておきます。  さて、国民所得というものは四%ないし五・五%で伸びていくだろう。平均五といたしましょう。だといたしますと、大体私の簡単な計算では、昭和八十五年度、二〇一〇年の時点で一般会計予算というものは、まず現行の三倍程度に膨らんでいくはずだと思うのですね。ですから、百五十兆ないし百八十兆ぐらいになるのではないか。さて、仮にそういう予算の将来あるべき姿を想定いたしまして、その時点における社会保障給付費、これが何と百九十五兆から二百四十兆の間にまで膨らんでいくだろう。その時点では国家予算よりもさらに大きい社会保障の給付を必要とする社会が訪れるかもしれない。昭和六十年度では三十五兆六千億、昭和六十三年度で四十四兆円、いずれも一般会計予算より下回っておりますけれども、その辺が全然バランスの変わった社会になると思うわけでございますから、ちょっとやそっと税金の問題では解決しない問題だという点、総理、少しせき込んでいらっしゃるようでございますが、私の言うことを御理解いただけますでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その前に私が一言申し上げさせていただきます。  先ほど私が給与所得者の負担が二倍ないし三倍になると申し上げました意味は、この厚生省が試算されました試算をそのままにいたしまして、すなわち、ここにございますような社会保障負担を前提にし、ここにございますような国庫負担を前提にし、ここにございますような国民所得を前提にいたしますと、しかも基本的には給付もここに想定されておりますので、そうなりますと、それは結局国庫負担という形でくるしか方法がございませんので、その国庫負担を分析いたしますと、給与所得者の負担がこうなるということを申し上げたわけでございます。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今吉田さんの御指摘というのは、いわゆる社会保障給付費と社会保障負担、受益と負担ということでございましょう、従来私どもがよく使っている言葉といたしましては。受益と負担というのは、最終的には、これは国民が選択する問題だと思います。が、現行制度、施策をそのままの延長線上に置けば、今吉田さんがまさに指摘されたとおり、単なる財源問題だけでこれは解決するという問題ではない、制度、施策の根本にもさかのぼった議論というのが行われていかなければならぬというふうにかねて考えております。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 今総理がおっしゃった言葉は、大変重要な、かつ将来にわたっての重い意味を持った発言だと思います。  私がまず申し上げたいのは、この二十一世紀当初の我が国の将来を展望するときに、この重大な問題を抱えて、単に税制いじりだけで事は解決するというような錯覚をお互いに持ってはならない、それも一つの問題点であることは認めますけれども。もっともっと大きな問題が横たわっている、それを無視、忘却しては本末転倒の論議に入っていかざるを得ないのではないかということを特に政府首脳の皆さん方に御理解をいただきたいと思うのです。  次に、四ページに入りまして、「社会保障給付費」の中で「うち年金」あるいは「医療等」という項目がございますが、この「年金」というのは、厚生年金、国民年金等を含むんだろうと思うのですが、その含まれるものは何であるか。それから「医療等」に含まれるものは何なのか。例えば生活保護費とか身体障害者に対するいろんな対策とか、難病対策費などは含まれているのか含まれていないのか、御説明をお願いします。

黒木武弘厚生大臣官房総務審議官

○黒木政府委員 お答えいたします。  まず、「年金」に何が含まれるかというお尋ねでございますけれども、これはサラリーマンの厚生年金、それから自営業者等の国民年金、それから共済の年金、それから恩給等もここに入れさせていただいております。  それから、「医療等」でございますけれども、政管健保、それから国保、健保組合等々の医療がもちろんございますほかに、おっしゃいましたような生活保護から社会福祉関係の措置費あるいはいろんな公衆衛生の施策等ももちろんございますし、「医療等」と書いてありますように、年金以外の医療関係予算、それから福祉関係予算、その他のいわゆる社会保障関係予算がここにすべて「医療等」で入っておるということでございます。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 多少細かい論議に受け取られるかもしれませんけれども、恩給というのは時代とともにだんだん終息していく部分でありまして、そういうものをこの「年金」の中に入れて、そして他の伸び率と同じように膨らましておるとするならば、この推計、統計には若干の問題があります。また、生活保護費とか心身障害者とか難病対策、これも社会保障の一環であることはよく認めますけれども、それとこれとはちょっと別個の問題でありまして、このデータのインプットの仕方等につきましても、なお少し問題の余地があるのではないかと思うわけでございますが、それはともかくといたしまして、私は、今総理もお答えになりましたけれども、一つ大事な点を申し上げたいと思います。  それは大蔵省広報の「ファイナンス」等でも既に明らかにされております「年齢別人口の将来推計」でございますが、例えば昭和八十五年の時点では、ゼロ歳から十九歳まで、言うならば幼少年の年代ですね。これが総人口に占める比率が二四・四%でございまして、そしていわば働き盛り、生産年齢人口と称すべきものが二十歳から六十四歳でございますけれども、これが七千五百六十四万人、率にして五五・七%、現在は六〇・八%でございますから、少し落ち込んでくるわけでございます。それとは逆に、いわゆる六十五歳以上の方々、これが先ほどお話しのとおり二〇%、二千七百十万人、現在千二百四十七万人から比べますとかなりの増大傾向をたどることがわかるわけなんでございますが、ここで今お気づきのとおり、大変異常な社会保障費が絡んでくる状況の中で、かつ働き盛りの人口が減ってくるとするならば、年齢的にはこうであったとしても、実態的に我が国の社会を、いわゆるこの働き盛りの年代をさらにどう拡大していくかということを真剣に政治の中で解決していかないと問題は解けないと思うのですね。  昭和九十五年にはさらにいわゆる生産年齢人口というものが下がってまいりまして、五三・五%になるわけでございまして、そして老齢人口が二三・六%になります。私の何となく一つの勘みたいなことで申しましたら、この六十五歳以上と申しますか、いわゆる扶養されるべき高年齢層の方々を何とかして実質二千万人ぐらいにどう抑え込んでいくか、表現は少しおかしいと思いますが、この三千万人に近くなってくる人たちの中の二千万人ぐらいはいろいろお手伝いしなければならない人であるとして、人生八十年時代になってくるとするならば六十五歳、六十七歳ぐらいはまだ元気いっぱい働ける人たちがいっぱいおると思うわけでございまして、この人たちを生産年齢人口にどう政策的に組み入れていくかということの方が非常に大事だと思うのでございますね。ついこの間まで五十五歳が定年でありましたのが今六十歳になってきておりまして、それは何ら今日不自然なことではございません。だとするならば六十一歳、六十二歳ぐらいまでさらに定年を延長していく、人によっていろいろ選択の自由はあると思いますけれども。あるいは六十五歳を超えたとしても、なお社会の第一線で働ける人たちは大いに働いていただく、そういう社会の仕組みをまず考えることの方が先決なのではないかと思うわけでございますが、この点厚生大臣どうなんでしょうか。

藤本孝雄自由民主党厚生大臣

○藤本国務大臣 長寿社会対策につきましては総務庁が所管をいたしておりますので私が申し上げることはいかがかと思いますけれども、今吉田先生言われましたように長寿社会がこれから本格化するわけでございまして、いかにこの長寿社会に活力をもたらしていくか、こういう御指摘だと思います。これはまさに人生五十年型から人生八十年型の経済社会システムをこれから築いていく、一口で言えばそういうことでございまして、先般閣議決定をいたしました長寿社会対策大綱、これに基づきまして、まさに政府全体としてこれは取り組んでいく大きな問題であるというふうに考えております。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 今厚生大臣から御答弁がありましたけれども、ともかくこの推計どおりの結果のような社会にしないために、あらゆる制度の合理化や効率化を極力実施していく、しかも、それは労働省にも他の省庁にも通産省にも全部またがってくる問題だと思いますので、これは総理、お答えは結構でございますけれども、ひとつ本気でそういう問題と今から取り組んでいただかなければならないと思います。  さて、改めて大蔵大臣にお伺いいたしますけれども、国庫負担が昭和八十五年の時点で国民所得比で現在より二ないし三%上昇することになりますが、これは結局増税が不可避であるということを意味する数字と受け取らなければならないのでございましょうか。どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 そこは確かに考え方の分かれるところだと思います。と申しますのは、この計算を見ておりますと、ただいまのこの現行税制をそのままにいたしましても、累進等々がきくはずでございますので、毎年これだけの国民所得がございますと相当のいわゆる自然増収がある、こういう考え方は当然できると思います。私が先ほど給与所得者の負担する住民税、それから所得税、源泉所得税でございますが、これが今四・八であるものが二倍ないし三倍になると申し上げました意味は、現行の税制をほうっておきますと一番そこへ累進がきいてまいりますので、何とか自然増で勘定はある程度は合う、恐らく私は二、三ポイトは自然増収があるという感じと思いますので、一ポイントぐらい足りないかもしれませんが計算上は合うと思います。ある程度合うかもしれないと思いますが、それはいわゆる源泉所得、給与所得者の非常な負担の増高によって勘定が合っていく、そういうことになるということを申し上げておるわけでございます。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 今、自然増収あるいは税の弾性値というんでございましょうか、そういうことでほぼ吸収されるかもしれない、しかしそれはサラリーマンにとってなお不公平感を増大するであろう、そうはおっしゃっておりませんけれども、おっしゃらんとするところはわかるわけなんでございます。だから、それを何か間接税らしきもので検討しようということになるのかもしれませんけれども、私は、それもさることながら、先ほど申しましたような租税負担率全体を大蔵大臣や総理大臣でそろそろ絵をかいてもらわないと、例えば税金はその辺で処理できるとしても、社会保険料の方がぐんぐん上がってくる、この方が大きいわけでございます。したがって、今後この種の論議をする場合には、国民負担率、それを構成する租税負担率と社会保障負担率、この両面からとらえながら、八十五年に向かって、このような対策、このような傾向をたどれば事は処理する、あるいはその結果、国民負担率は今と余り変わらない程度に抑え込むことができる、こういう一つの仮定計算といいますか、計画的な数字をはじき出していただかないと、国民はどこまでいっても、何だかおびえながら、混乱しながら、時には絶望してしまうような状況から脱することができないと思いますが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先ほど申し上げましたことは、確かに租税負担率、弾性値を一・一で計算をいたして申し上げたのでありますが、今言われましたように、これを見ておりますと、昭和七十五年度までにはトータルでほぼ五ポイント上がるという計算でございますが、その五ポイントを社会保障の方で三つぐらい、租税の方で二つぐらい、こう分けておるようでございます。それから八十五年で申しますとほぼ一〇ポイント上がる、一〇ポイントを社会保障の方で六ぐらい、租税で四ぐらい、こういうふうに分かれるような計算に見えます。これはしかし、給付を動かさないといたしますと、社会保険で負担するか租税で負担するか、それ以外に持っていきようがないわけになりますので、給付を動かさないといたしますと、そのどちらかがそれを担わなければならないということになることはどうも避けられないところでございます。  本来、保険制度でございますから、なるべく保険で負担してもらうことの方が給付と負担との公平感が出てよろしいのだと思いますけれども、無論そればかりでいくわけにもいかない、国庫負担分がございますから。そうしますと、やはり両方で分けろ。私の立場から申せば、もし国が租税負担でこのように、いわば今二五・五であるものを七十五年には二ポイントばかり余計に、八十五年には五ポイントばかり余計にということであれば、それはなるべく国民に負担のしやすいような形で負担をさせていただくような、そういう税法改正を考えさせていただかないと、毎度申すようで申しわけございませんが給与所得者の負担は大変なものになる、ほとんど耐え切れない負担になるのではないかというふうに考えるのでございます。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 必ず話をそこへ持ってこないと、どうも大蔵大臣、気が済まないのかもしれませんけれども、私が申し上げたいのは、要するに、どんなに理解を求めたって国民はその負担に耐えなければならない。それよりも、そういう負担が増加しない社会をつくるために、そしてこの問題に対応できるように、他のいろんな政策手段をどう講ずべきであるかということをかなり真剣に考えていただかなければならないということを重ねて申し上げておきます。  時間がございませんので、運輸大臣と総理にお伺いをいたしたいと思います。  この間、我が党の田中慶秋君から、ペルシャ湾に危険を冒して日々国家のために頑張ってくれておる船員、言うならば海員組合員の人たち、この人たちに対して政府はどう思うかということに対しまして、運輸大臣からは、昔の兵隊さんを思い浮かべ、今の船員さんが国家のために頑張ってくれているというお言葉をお述べになりましたことを私も聞いたわけでございますが、しかしそれはこの院内だけの話でありまして、本当に兵隊さんも行かないところで身を挺して、国民の命を守るために、エネルギー資源を求めるために頑張っているこの人たちに対して、何かもっと本当に具体的な感謝の意思表示をしていただいて当然ではないかと思いますので、重ねて運輸大臣のお考え方を伺いたいと思います。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○石原国務大臣 実は昨日午後遅く、ホルムズ海峡近いペルシャ湾で韓国籍のタンカーが被弾しまして乗員の日本人の船員が亡くなったという知らせが入って、一部新聞、テレビにですか報道されました。愕然といたしましたが、確かめましたら幸い誤報でございました。  いずれにしろ、年間一万六千人に及ぶ日本の船員さんがあそこを通過して、非常に危険な作業をしていらっしゃるわけでありますが、今までそれに対して当たり前のこととして国民も看過してきたわけでございます。ここにも石油連盟が新聞に出しました意見広告というのでしょうか、「石油海峡 運ばなければならない。だから、通らなければならない。ありがとう。石油を運ぶ男たち。」という広告もございますが、またその後海員組合などの新聞に、家庭を守っていらっしゃる奥さん方の御心配の記事も出ておりまして、本当に改めて心を痛めます。遅きには失しましたけれども、しかしこの間も総理から謝辞を述べていただきましたし、気配りの天才の心優しき竹下総理が率いる内閣でございますから、私は具体的に皆さんに喜んでいただける何らかの形があるものと期待しております。  この間の冬季オリンピックは残念ながら日本振るいませんで、銅メダル一つに終わりましたけれども、それでも非常に、橋本さんなど必死の戦いぶりで胸を打ちました。内閣としてもこれをスポーツ功労者ということで表彰されるようでございます。比較の対象にはならないかもしれませんが、しかしオリンピックの選手は注目の中で戦っているわけでありますけれども、この船員さんたちは本当に弾の下を、だれも見ない、目の届かないところでまさに日本のために石油を運んでいるわけでありまして、何らか具体的に総理の方から、たとえ数人の代表でも結構ですから御引見願って言葉をかけていただければ、これは本当に大きな張りも出てくるものだと私は思います。あとはひとつ総理に私の方からも陳情いたしますので、よろしくお願いします。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 先般本委員会におきまして田中慶秋委員の御質問に答えました。気持ちは全くそのとおりであります。  具体的にどのようなもので国民全体の感謝の意を表するかということについては、関係者で本当に検討すべき課題だ。鋭意検討を必ずいたします。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 今もペルシャ湾の掃海それ自身が問題ではないかという声もありますが、私どももその問題につきましては真剣に問題だと考えております。  さて、なかなかにその辺の問題も解決しない現状において、なおかつ日本を守るために船員あるいは海員組合の人たちが働いている。ですから、心優しき気配り大きい総理、いろいろ気を使ってはおられましても、それがやはり何らか態度で表明されませんと、彼らも誇り高き船員たちでございますから、例えばひとつ感謝状を贈ってやるとか、あるいはちょっと例外ではございましょうけれども、海員組合の大会も年に一回やっております、奥さん方も駆けつけております、そういうところに総理や運輸大臣あたりが行って本当に心から、諸君ありがとう、頑張ってくれというようなやはり何かが、一言があっても当然ではないかと思います。  時間が参りましたのでもう何も申し上げることができませんけれども、特に先ほどの上田質問あるいは我が党の楢崎質問等の経過を見まして、最近我が国のシビリアンコントロールがかなり危機に瀕しておるのではないか。軍事に秘密はつきものでありますけれども、だからといってこれを国会や国民に知らさないではシビリアンコントロールは全うできない。この辺何よりもシビリアンコントロールが優先する。時には秘密会であってもやはり国会の中のしかるべき機関にいろいろ話すべきは説明をする、報告をするということでないと、国民は大変不安がります。この辺を申し述べ、最後に一言、重ねて総理のお言葉をいただければありがたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 シビリアンコントロールの問題につきましては、私がたびたび申し上げますように、内局があり、そして安全保障会議があり、さらにはやはり最高のシビリアンコントロールの場は国会そのものであるということにつきましては、これは可能な限りの情報等を公開する姿勢を持って、やはりこの国会の議論の中で、あくまでも軍事は政治が優先するという姿勢は貫いていくべきものである、このように私も問題意識を絶えず整理しております。

吉田之久民社党・民主連合

○吉田委員 終わります。

宮下創平自由民主党

○宮下委員長代理 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。  次に、岡崎万寿秀君。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 まず最初に、国会の問題についてお尋ねいたします。  自社公民四党の合意によって審議が再開をされました。その間、国会の正規の機関で協議し審議すべき予算案の組み替え要求やあるいは修正問題が、我が党を除き密室で事が進められたことは極めて重大だと考えます。こうして予算委員会で、理事会でもう決まっていた一般質問の残や集中審議が削除され、あるいは分科会が短縮された、それこそこの密室協議による国会の形骸化である、このような批判が強まっています。  マスコミの中にも、社説でこの問題をかなり厳しく批判をしていまして、私ことに持ってまいりましたが、例えばきょうの読売の社説でございますが、「国会対策優先型の議会運営が、また審議の形がい化をもたらしている。国会はこれでいいのか。まことに憂慮にたえない。」「とくに解せないのは、二日間にわたって行う予定だった外交、防衛政策と税制問題に関する集中審議が、いとも簡単にとりやめになってしまったことである。」これは読売でございます。東京新聞のきのうの社説でございますけれども、「むしろ、税制改革という国民生活に直結した重要課題について、突っ込んだが”中身”の議論を尽くすどころか、新型間接税への与野党の思惑だけが先走った今回の予算修正問題は、国会の形がい化を一層際立たせたといっても過言ではない。」このような厳しい指摘がなされています。  私が特に憂慮するのは、これからなんです。これから減税の財源問題といって四党の政策担当者会議で協議が進められるということになるわけでございますけれども、これは昨年来の税制協に同じような問題がありました。大臣たちは、この税制協で今審議を願っているのでそれを見守りたいという口実で、ほとんど国会の議論がなされなかった。そういうことが当時の新聞等でも指摘されていたとおりでございます。新聞等も、税制論議というのは公開の場でやれと厳しく要求していますけれども、けさの朝日新聞によりますと、「本来、こうした政策問題の協議は国会の正規の機関である予算委員会や大蔵委員会で行うのが筋だろう。」と、まことに筋を述べているわけでございます。  そこで、総理にお伺いいたしますけれども、これは議会制民主主義の立場から見まして、こうした国会の形骸化、マスコミが憂えている、国民も憂えている国会の形骸化、どうお考えか、お答え願いたいと思います。     〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 国会運営というものは、これは政党政治で現実的にありますので、各党間の話し合いというものが国会運営の機能を発揮するのに大いに役立っておるという、まず基本的な認識に立っております。したがって、今行政府の責任者として国会運営そのものを批判する立場にはありませんが、各党間の協議に基づいて国会の運営が進められる相談が行われていくというのは、私はこれはそれとして素直に受けとめるべきものであるというふうに考えております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 本来その場でやらなければいけない国会の正規の機関がとまってしまって、それ以外のところで、密室で協議されている。これをマスコミも含めて国会の形骸化と言って憂えているわけなんですよ。この形骸化問題について、総理総裁、見識がないのかということをお聞きしているわけなんです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 国会が形骸化しておるかということについては個々それぞれの批判があろうかと思いますが、私は各党が共通の土俵の上で物事を相談していくというのは国会運営の手順としてあるべき姿であるというふうに考えております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 どうしても形骸化という重大問題について答えたくないようでございますが、話を進めましょう。  今回の四党の合意について自民党の安倍幹事長は、早速記者会見で、政府・自民党の税制改革は拘束されない、こういうふうに言われていますが、総理も同じお考えでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 税制改革を今日進めていき、国会の議論等をもとにして、今はあるべき姿を政府税制調査会へ諮問しておるという過程にあるわけでございます。その過程そのものが左右されるというものではないというふうに考えております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 総理も過程そのものは左右されないというふうに言われました。  そこで、直間比率の見直しと生計費課税問題について話を進めたいと思います。  総理は所信表明演説の中で、所得、消費、資産等の間で均衡のとれた税制改革、これが必要だとおっしゃいまして、参議院の予算委員会、二月十九日でございましたが、結論としてこれは直間比率の見直しであるということは一応お認めになっているわけです。この直間比率の見直しというのは、現行の七三対二七、これを五対五に変えるだけでも十兆三千億円という大変な間接税の増税が必要になることは政府自身もお答えになっているとおりでございますが、そうしますと、この直間比率の見直しという問題は、酒税や個々の物品税をいじるだけではどうしようもない額なんですね。当然きょうも答弁されていました課税ベースの広い間接税、これを導入することなしにはできない。当然そういう結論になると思いますし、それに近いことを先ほど言いました参議院の予算委員会で述べられていますけれども、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 酒税あるいは物品税、いわゆる個別消費税の手直しにはもう限りがございますものですから、おっしゃいますようにベースの広い間接税を考えさせていただきたいということは、政府はただいま検討をいたしておるところでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 今、つまり直間比率の見直し、それをやるためには課税ベースの広い間接税を考えさせてもらいたい。きょう総理は、この課税ベースの広い間接税というのは大型間接税の同義語だというふうにおっしゃったわけでございますが、そうしますと、直間比率の見直しというのは大型間接税の同義語という意味になってくるわけでございますね。これは大変な問題だというふうに私は思います。  そこでお聞きしたいのは、これは宮澤蔵相でございますけれども、参議院の大蔵委員会、六十二年の九月十日でございます。会議録を持ってきましたけれども、「生計費非課税といったような考え方は今日でも私は有効であると思います。」こうお答えになっています。これは参議院の我が党の吉岡委員の質問に対して「総合性、累進性、生計費非課税といったような考え方は今日でも私は有効であると思います。」こういうふうに述べられていますが、これは今もお変わりありませんか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 いわゆる最低の生計費というものは、これは生活保護等がございますように、国としてどうしてもそれは確保する必要があるという考え方は私どもの政策にございますように思っております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 それは生計費非課税ということ、これはやはり重要だということなんですね、おっしゃったことは。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 最低の生計費は、これはやはり生計を立てる人のために残しておかなければならないということと思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 竹下総理、同じ御見解でしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 大蔵大臣と同じでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 そこで、小倉政府税調の、ごらんになった方も多いと思いますが、週刊朝日三月四日号のインタビューの中でかなりずばり発言されています。大型間接税は「どうしても一律課税だって、大蔵省は固執するんだなぁ。」「大蔵省みたいに、ゼロ税率も軽減税率もいっさいいかん、財貨もサービスも例外なしの一本だということでは、「間接税も仕方ないか」と思っている人まで、反対に回りゃしないかね。」こう述べられているわけでございます。大蔵省は新大型間接税は例外なしにすべての商品、サービスに一律課税の方針のようでございますけれども、これは今おっしゃった生計費非課税と両立しないと私は思いますけれども、御答弁願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 まず、そのようなことを政府がただいま考えておるということは、税制調査会の審議中でございますので、ございません。それから仮に、仮にでございますね、仮に消費税のようなものが例外が多いということが非常に行政にも納税者にも不便であり、かつ適当でないという場合に、かなり広い部分にまで及んだといたしましても、それは生計費というものに税が入り込むということではない。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 ところが生計費にうんと食い込むのです。  これは私は実際に調査いたしましたけれども、神奈川県のあるひとり暮らし、生活保護を受けていらっしゃるお年寄り、これは去年からきちょうめんに一年間の家計をおつけになっていまして、私の計算では、年間生活保護費が百六万二千二百八十円、これに対しまして、現行の酒税や当然物品税などは除きます、そして五%の税率にしますと、四万九千六百八十六円もの新たな間接税が負担されることになるわけです。これはまさに生計費に対する課税じゃありませんか。憲法二十五条は、国民は、最低生活を保障する、そういう原則が規定されていますし、また生活保護法の五十七条は公課禁止の原則もうたっているわけです。これが無意味になるんじゃありませんか。そのことを私は非常に憂えるわけですが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それはまだ政府が案をつくっておりませんし、いわんや御審議を願っておるわけでもございませんので、ただいま全く仮定のお尋ねにお答えをするわけにはまいりません。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 仮定のことには答えられないということでございますが、実際はこうなるのです。本当に消費を切り詰めて生活している人たちは大変な重税になってくる、不公平になる。きょうも総理はそのようなことをおっしゃいましたね、まさにこのような形であらわれるわけなのです。これは憲法からいいましても、生活保護法からいいましても、大変重大な問題だと指摘しておきたいと思うのです。  総理府に頼んでおきましたけれども、総理府が昭和六十一年三月に出しました「全国消費実態調査報告」、ここには夫が六十五歳以上の夫婦二人の高齢者世帯と母子家庭について、商品とサービスを合わせて平均月額消費支出が書かれています。私の方から言いましょう。高齢者世帯は消費支出は月額十五万七千三百二十九円です。母子家庭の消費支出は月額十六万二千六百十九円。大変つましい生活をされているわけです。  ここに一律五%の間接税がかかるとしますと、高齢者世帯と母子家庭のそれぞれの消費にかかる税額は年間どのくらいになるんでしょうか。計算をお願いしていたんですが、お願いします。

高鳥修自由民主党総務庁長官

○高鳥国務大臣 ただいま委員から総理府とおっしゃいましたけれども、これは総務庁の所管でございますので、私から申し上げたいと存じます。  ただいまの数字を基礎にいたしまして、仮にこれを十二倍するということになりますと、年間の増加額が、夫が六十五歳以上の夫婦のみの世帯である場合には九万四千三百九十七円、それから母子世帯の場合には九万七千五百七十一円となるという計算になりますが、これだけで計算すればそういうことになるということでありまして、これは私の申し上げることでないかもしれませんけれども、いろいろな税の仕組みの中でこれは考えられるべきことであろう、このように思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 総務庁の今の計算、私の計算と一致しています。年額約十万に近い間接税が増税になるわけです。月にしましても約八千円からの増税なんです。十五、六万で生活している人にとって八千円というのは大変な負担なんです。  去年の十一月に厚生省が発表しました「国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の半分以上が年間所得は百六十万円以下、母子家庭では約半数が百七十万円以下、大変ぎりぎりの生活をやっているのが現実なんです。生計費非課税というならばこういう人をこそよく考えなくちゃいけないわけでございますが、今言ったように年間十万円もの間接税がかかってくるようにしますと、三百三十二万世帯の高齢者世帯や五十九万七千の母子家庭世帯はどうなるのか。総理の言う不公平を是正するということとまさに逆の方向になるんじゃないか。総理どうでしょうか。これは逆の方じゃありませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 参議院でもちょっとお話聞いておりましたが、十兆円の増税になる。しかし、一方減税があるという論議はございませんでしたので、私もそれ以上は余りお答えしない方がいいだろうなと思って聞いておりました。  それから今の問題も、いわゆる生計費そのもののカウントの仕方が、当然物価の中へ入ってくるものであるとすれば計算が改めて行われていきますから、したがって、現行の基準そのままを置いてそれに生計費に五%という間接税分を掛けて、それでもって議論するというのはやはりいかがなものかな、こう思っております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 まあ、五%というのは決まったわけじゃありませんので、これは仮に五%とした場合はこんな大変な負担になるのだ。しかし、今言われているのは、もっとこれより重いような大型間接税が予定されているようで、大変懸念しているわけでございます。  それで総理は、きょう大型間接税について六つの懸念を表明されました。課税ベースの広い間接税について六つの懸念を表明され、その三番目に、所得税のかからない人たちに過重な負担がかかる、この点をお挙げになりました。  今、私いろいろ例を挙げて申しましたけれども、やはりこの問題についてはよほど考えないと、総理は懸念を解消するために努力すると言われますけれども、どんな努力があるのでしょう。社会保障予算は削る、さらに今年度の予算では生活保護費を削る、こういうことをされていて、そういう懸念が本当に解消されるかどうか。大変私は懸念を、また疑問に思うわけです。どうなんでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今の大型間接税という言葉からくる懸念の実例の中のおっしゃるとおり三番目に述べたことでございますが、これらの問題は、例えば生活保護基準というのは御承知のとおり毎年変わります。そういうもののいわゆる歳出の面においての手当てをする部分とか、そういうことがございますし、また総体的な税体系の中で調整するものもございますというようなことを議論の段階で御説明申し上げて、理解を深めていくという土台ともなれば幸いだと思って、この懸念というもので終始言われておる問題を羅列してみたわけでございます。したがって、今の問題などは、これはもういわゆる政策上の中でそれらの問題が解消をさるべき方途はあるということは、どなた様でもおわかりであろうと思っております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 今挙げられたようなことでは、決してその懸念は解消されるものではない。これから大いにこれは議論があるところだというふうに思います。いずれにせよ、このようにつましい生活をされている、税金も所得税も払っていないような方々に対して大型間接税は大変な直撃になるということ、生活費非課税あるいは応能負担という原則に照らしてもこれは大変な大衆課税だ、悪税だ、このことを今の議論を通じてもはっきり私は言えるというふうに思います。  そこで、次の核持ち込み問題について話を進めたいと思います。  六〇年の安保条約が国会に提出された当時、外務省はこれについての解説の文書を出しました。ここに持ってまいりましたが、外務省情報文化局、昭和三十五年一月二十日「日米相互協力及び安全保障条約の解説」「記事資料」となっています。これです。それから、それがそっくりそのまま、同じ情報文化局から「新しい日米間の相互協力・安全保障条約」こういうパンフレットになって出されているわけです。  ここによりますと、事前協議の問題について説明をされていますが、その二つ目の「米軍の装備における重要な変更」について、この事前協議というのは「これは核兵器というものに対する日本国民の強い反対にかんがみて、日本側が知らないうちに核兵器が持ち込まれたりするようなことのないようにするために設けられた規定である。」いいですか。日本側が知らないうちに核兵器が持ち込まれたりすることのないようにするために設けられた規定である。  ちなみに三の方の戦闘作戦について紹介しておきますと、「日本がその意に反して戦争にまき込まれる可能性があることに対する日本国民の危ぐに答える意味で設けられた規定である。」このように書いてあるわけです。  いずれにせよ、国民の知らない間に核兵器が持ち込まれたりあるいは国民の意に反して戦争に巻き込まれたりすることのないように事前協議制度はあるのだ、そういう目的なのだということを書いてあるわけです。この見地は今も変わりませんか。これは外務大臣でしょう。

斉藤邦彦外務省条約局長

○斉藤(邦彦)政府委員(外務省) 今も変わっておりません。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 外務大臣、同じ御見解ですね。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 だから事前協議におきましては、装備の重要な変更に関しては事前協議、アメリカからそれを持ち出す、こういうふうに規定しておるわけであります。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 そこで、問題を進めますが、こういうように核が持ち込まれる懸念に対して、あるいは戦争に巻き込まれる懸念に対して、こういう事前協議があるとするならば当然これは日本から問いただす、そういう権利がなくてはいけないと思うのです。  私は国会の論戦、この問題について全部調べてみました。持ってきましたけれども、まず事前協議でやれるとするもの、この見解もあります、政府は最近否定なすっておりますけれども。これは一九六一年四月二十六日衆議院外務委員会の中川条約局長、六三年六月三日衆議院予算委員会の志賀防衛庁長官、六四年二月十八日の衆議院予算委員会分科会での大平外相の答弁等がそれでございます。ちなみに二つだけ紹介いたしますと、六一年の中川条約局長は「事前協議の問題でございますが、これはもちろん双方からできるわけでございます。」事前協議の問題は双方からできる。つまり、日本側も発議権があるということを言われている。また、一九六四年の大平外相は「事前協議の申し出は、当方からもできると承知いたしております。」こういう見解が一つございます。  もう一つは、事前協議での発議権はないけれども、それを補うものとして随時協議、安保第四条の随時協議でやれるとするものが、これは多くございます。六〇年四月二十八日衆議院安保特での藤山外相の答弁、六八年三月十七日衆議院予算委員会での三木外相の答弁、六九年三月十三日の参議院予算委員会での愛知外相の答弁等々でございます。ちなみに二つだけ紹介いたします。六八年の三木外相の答弁というのは「どうもこれは事前協議にかかるような事態が起こっておると思うから、ひとつ事前協議をやってもらいたい、こういうことを常に四条によって日本が言い出すことはできる」、飛ばしまして「どうも積んでおるようで、怪しいからやろうではないかという申し出は、四条によるやはり協議だと私は思います。」核積んであるから怪しいんじゃないか、だから随時協議によって協議をやろうじゃないかと申し出ることができる、三木外相は言われているんです。六九年の愛知外相「何らかの必要、あるいはさらに一そうの安心感を求めるために日本側がアメリカに対して積極的に申し入れをするということはもちろん安保条約上できることであります。  このように、事前協議の制度そのものでやれるという見解もあるし、随時協議でやれるとするものもありますけれども、いずれにせよ日本から核持ち込みの疑いに対して、あるいは戦争に巻き込まれる不安に対して問いただすことができるということは共通しているわけなんですね。この国会答弁の事実はお認めになりますか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 この委員会では、同様の質問が累次なされております。そして一部政府の答弁に関しまして、私からも解釈の誤りがあったのではないか、こういうふうにはっきり申し上げましたが、そうした累次の答弁を踏まえまして、この間総理大臣みずから、今日の事前協議並びに随時協議、この関係を御説明なさったわけであります。  だから、我々の解釈といたしましては、事前協議は第六条に示されたものであり、それは交換公文並びに口頭了解によって内容が明らかにされておる。そして、あくまでも三つのケースは米軍が拘束されておるケースであるから、この拘束を解いてほしいというときに米軍から発議をされるので、当然この発議は米国の義務である、米軍の義務である。したがいまして、第六条に関して、日本はそういう義務がないから発議はいたしません。  ただ、第四条は、安保条約全般の問題に関しましていろいろお話をするところでございますから、日米ともに発議はできます。ただし、第六条に言うところの三つのケース以外の問題です。三つのケース以外の問題ならば、核を含めていろいろと日米双方でどちらからでも協議を申し入れて、第四条によって随時協議ができます。  ただし、今日、日米間は極めて信頼関係が強うございますから、核の問題に関しましては、こちらから第四条の随時協議を行おうとは考えておりません。これがこの間の総理大臣の御答弁でございますから、これに寸分変わりはございません。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 私がまだ聞かぬことを先におっしゃいましたけれども、要するにこういう政府答弁があったことを認めますかということなんですよ。こういう政府答弁があったことをお認めになりますか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 私は、そのうちの幾つかは、この間具体的に申されましたときに解釈に誤りがあったのではないか、こういうふうに申し上げております。そして、六条、四条との関係におきましても、改めて今私が申し上げましたような内容で総理大臣が御答弁なさった、こういうことであります。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 それではお聞きしますけれども、私は二つ例を挙げました。事前協議制でできるといったもの、もう一つは随時協議でないとできないといったもの。解釈に誤りがあったというのは両方ですか、それとも先に挙げた事前協議のものだけですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 事前協議に関して、我が国よりも協議を行うことを発議ができるというそういう答弁に関しましては、その答弁は解釈に誤りがあった、こういうふうに申しております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 わかりました。そうしますと、随時協議でやれるという解釈については、これは誤りであったというふうにはお認めにならないのですね。先ほど私は、三木外相とか愛知外相のことを引用してから紹介しましたけれども、これは誤りだったとはお認めにならない。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 三木外相並びにいろいろな方々の答弁を私も十分吟味いたしておりますし、読んでおりますが、私をして言わしめるならば、あくまでも第四条は随時協議であって、日米双方でできる。三木さんの場合には補完することはできるという表現も用いられておったかもしれませんが、あるいはそういう表現もなし得るかもしれませんけれども、あくまで三つのケースのことは第六条によって協議はアメリカから発議されるべきものであり、それ以外の問題ならば、核を含めて、安保条約全般に関する運用は第四条でやってよろしい、こういうことでございますから、私の言うた部分に関して私のただいま申し上げた答弁のとおりならば、その内容と同じ答弁ならば、それは正しい答弁である。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 ちょっと正しい答弁ということについては開きがあるように思いますね。随時協議で、どんどん核の問題についても事前協議にかわってアメリカに問いただすことができるというふうに三木さんは言っているわけなんですよ。先ほど外相が説明されたのは、そうはできないような説明でしたね。  だから、お聞きしたいのは、この随時協議でやれると言った政府答弁というのは、これは今日まで有効なのか、解釈に不十分さがあったから正したんだというふうにおっしゃるものか、そのことを聞いているんです。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 間違った答弁は間違った答弁でございまして、これは有効ではありません。だから、私はやはり先輩がいろいろ御答弁なさったことに関しまして、それらを踏まえてこの間総理大臣が一括してお話しになった、それが今日の政府の一番正しい見解である、こう申し上げておるわけでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 私は冒頭にパンフを引用してから、核持ち込みの疑惑をただすために、戦争に巻き込まれることについては国民の不安をただすために事前協議があるということ、こういうふうな見解は今も同じじゃないかと言ったのですが、こういう見解に立つならば、当然問いただすことが必要なんですよ。だからこそ、これまでの多くの政府、大臣の方々は事前協議でできると言ってみたり、あるいは随時協議でできると言ってみたりなさっているわけです。  それは今、すべて否定されました。そして、今おっしゃっていることが一番正確だとおっしゃったんで、そうすると、結局これまで言った政府の見解を大きく変更したわけです。大問題なんですよ、これは。大問題だと思いますよ。今、三沢にF16が配備されたり、横須賀には核トマホーク積載艦がどんどん入ってくるような、まさに日本の核基地化が憂えられているときに、かつては事前協議の問題としてあるいは随時協議によって問いただすことができるというふうにしていた政府見解が、ここで崩れてしまったというのは大問題なんですね。これは世界が今INF条約に見られるように大きく軍縮の方に向かっているときに、これに逆行するものであるというふうに私は思います。総理に聞こうと思ったら、総理いなくなった。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 その間、斉藤条約局長にちょっと説明させますよ。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 政治答弁なんですよ。ちょっと待ってください。済みません。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 総理来るまでお待ちします。  速記をとめて。     〔速記中止〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 速記を起こして。  岡崎君。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 今、日本の核基地化の問題について、それが進んでいるときに、また世界の軍縮の流れに逆行して、こういうふうにかつては日本の方が問いただす権利があるとしたにもかかわらず、もうそれもなくなったと言われるような政府見解が出されて大問題だというふうに申し上げまして、そこで世論調査、これは朝日新聞の八五年七月二十日付に載っていますけれども、非核三原則、核を持ち込まないということについて、守られていないという回答が何と七三%もあるわけですね。  まさに国民の疑惑はここに集まっているわけです。これについて総理はどうお考えになるか、そのことをお聞きしたいんです。世論調査の結果では、国民のうちの四人に三人までが、核兵器を持ち込まれているんじゃないか、非核三原則は守られていないんじゃないかという懸念を今表明しているわけですね。これは問題だということを言っているわけです。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 安保条約は忠実に日米ともに守っております。したがいまして、重大な装備の変更は、御承知のとおりに交換公文並びに口頭了解では核の持ち込みのことである、こういうふうに示されておりまするし、そのことはもう与野党通じまして御認識賜っておるところでございます。それを持ち込もうとするときには事前協議に付しますよということでありまして、持ち込んでおらないから事前協議に付しておらない、そういうことであります。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 外相、私はそんなことは聞いてないんですよ。世論調査の結果、こういうふうに国民の核疑惑があるんだ、これについて総理としてどうお考えかということをお聞きしているわけなんで、これはやはり総理としてのお考えをお聞きしたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 四条、六条問題につきましては、私も聞いておりましたが、外務大臣から正確にお答えしたとおりであります。  なお、世論調査問題については、その実態を私が今承知しておるわけではございませんが、いずれにしても非核三原則というものを堅持しておるという我が国のナショナルポリシーには変わりありません。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 そういう態度では、ますます国民の疑惑は強まるばかりだと思いますし、日本の核基地化は一層進むものだということを私は警告しておきたいと思います。  残りの時間で、ミッドウェーのNLP基地化問題についてお尋ねします。ミッドウェーです。  さて、この問題は、私この間二月六日の予算委員会でもやりましたけれども、時間足らずで、ちょっときょう詰めておきたいんですけれども、アメリカの一月の上下両院協議会でも、このミッドウェーというのは老朽しているから九〇年会計年度では廃艦することを提言されているわけだし、それが九〇会計年度になるか少し延びるかにせよ、いずれにせよ廃艦の方向にあるわけです。また、八七年度のアメリカの国防報告でもレーマン長官はこのミッドウェーの代替艦としては八万一千トンの原子力空母ニミッツにかわる可能性を言われているわけで、いずれにせよとの横須賀を母港としたミッドウェーは退役、そして代替問題が起こってくることははっきりしているわけです。  ところが、今三宅島につくろうとしているNLP基地、これは御承知のような状況でなかなかできない。仮に取りかかったにしても数年、五、六年はかかるとおっしゃっているわけです。そうすると、できるときにはこれはミッドウェーの艦載機の訓練基地じゃないということははっきりしているわけなんですね。そのことを私はこの間聞いたんですが、友藤さん、何かぼかしたですね。ちょっとはっきりしてくださいよ。

友藤一隆防衛施設庁長官

○友藤政府委員 先般御質問になられました際、ミッドウェーがいなくなるのに三宅にミッドウェー用の訓練場をつくるのはおかしいではないか、こういうような御趣旨の御質問であったかと思いますけれども、私どもとしましては、従前から米側からの要請と申しますのは空母の艦載機の着陸訓練場の確保ということで進めてきておりまして、現地での御説明というのは、現に厚木を使用いたしております艦載機というものは空母ミッドウェーに載っかっているものでございますので、空母として現在の空母ミッドウェーを引用させていただいておるということで、空母艦載機の着陸訓練場の確保をお願いをしておるということにおいては変わりはございません。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 そうしますと、今ミッドウェーが横須賀にいるから引用させてもらっているというだけであって、実際は代替空母のことも考えての基地化なんですか。そのことをはっきりしてもらいたいと思うのです。ミッドウェーだけですか。

友藤一隆防衛施設庁長官

○友藤政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、空母艦載機の着陸訓練場を確保したい、こういうことでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 とにかく、この前もそうでしたけれども、今言っているように空母艦載機の着陸訓練基地をつくらしてもらいたい。これはだからミッドウェーだけではなくて新しい、もうこれは固有名詞挙がっていますけれども、八万一千トンのニミッツ級の原子力空母の訓練基地さえも想定されている、大問題なんですね。ところが、説明にはそういうことをされてない。  この間、私これを持って見せました。東京防衛施設局の出しているリーフレットです。全部ミッドウェーだけなんです。大したことはありませんということさえ書いているのです。さらに、三宅島の村長さんに東京防衛施設局が六十年八月十八日に見せましたこの資料の中にもミッドウェー、ミッドウェーと書いているという。実際入ってくるのはミッドウェーだけじゃないのですよ。それよりもっとでっかい、もっと危険な原子力空母が入ろうとしている。このことを正直に言わずにミッドウェーということで大したことありませんというのは、これは三宅島と国民を欺くものだと私は言っているのです。そのことをどうですか。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 岡崎君の持ち時間は切れております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 それでは、答えができないことと承知しまして、これで終わります。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて岡崎君の質疑は終了いたしました。  これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。  以上をもちまして昭和六十三年度予算三案に対する質疑はすべて終了いたしました。     ─────────────

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 この際、日本共産党・革新共同中島武敏君外二名から、昭和六十三年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。  これより、本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。中島武敏君。     ─────────────  昭和六十三年度一般会計予算、昭和六十三年度特別会計予算及び昭和六十三年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、昭和六十三年度予算三案につき、政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。  まず、撤回、編成替えを求める理由について述べます。  政府提出予算は、第一に、米ソ首脳のINF全廃合意に結実した世界的な核軍縮の流れに逆行して軍事費を超突出させ、実質世界第三位の軍事費で、米軍基地の強化と自衛隊の参戦態勢を推進し、我が国をアメリカの核戦略体制にますます深く組み込んでいることであります。  第二に、昨年の売上税廃案に示された国民の意思を踏みにじり、公約違反の大型間接税の年内導入、次年度実施をねらっております。  第三に、NTT株売却益を財源にして巨大企業に奉仕する一方、国民に対しては、国保制度の改悪や生活保護費の初めての削減など新たな福祉・教育の切り捨てを推し進めております。また、狂乱地価の犠牲を国民に押しつけ、住宅難の一層の深刻化など都市問題の激化を招くものであります。  第四に、異常円高のもとで加速されている大企業の海外進出を野放しにして国内産業の空洞化を促進するとともに、不当な農産物輸入の自由化で農業を破壊するなど、我が国の経済主権を放棄しております。  まさに、大軍拡、大増税、国民生活犠牲の三悪予算と言わなければなりません。平和と軍縮、国民生活向上を願う国民の要求にこたえるためには、このような政府提出予算は抜本的に組み替えなければなりません。  次に、編成替えの概要について述べます。  第一は、世界的軍縮に貢献するために、軍事費は、正面装備・後方施設増強費、日米合同軍事演習費、米軍駐留費を中心に一兆九千億円以上削減することとしております。  第二は、大型間接税導入の一切の準備活動を中止するとともに、国民の購買力を高めるため、八兆円規模の内需拡大策をとることとしております。まず、減税については、所得税、住民税合わせて三兆円の減税を実施することとしております。また、福祉・教育、農業、中小企業分野など国民生活関連予算については一兆円以上の追加、地方自治体に対しては、補助金一律カットをやめて国庫負担を回復させるなど新たに一兆六千億円の財源を保障することにしております。さらに、円高差益については、電力、ガス、石油を中心に少なくとも二兆円を国民に還元させることといたしております。  第三は、財政のゆがみを正し、福祉と教育、地方財政の再建を図ることであります。  国民健康保険法の改悪を中止し、三千億円強を増額し、国庫負担率を四五%に戻すこととしております。また、生活保護費の増額、老人、障害者のための施策の抜本的強化、教育条件改善のための四十人学級の二カ年での完全実施、私学助成の大幅拡大などを図ることとしております。  第四は、異常円高を是正し、国民経済・経済主権を擁護することとしております。このため、外国為替資金特別会計・日銀によるドル買い介入と米国債券の大量買い入れの根本的再検討や農産物十品目の自由化の撤回などを行うこととしております。  第五は、地価引き下げと住宅・生活環境確保対策であります。緊急対策として、固定資産税評価がえの中止や相続税減税などを実施することとしております。  第六は、こうした諸施策を実施するため、軍事費一兆九千億円削減とあわせて、不公平税制の抜本是正、国民本位の財源対策を講ずることとしております。  以上が動議の概要であります。これこそ、平和と軍縮、国民生活防衛、真の財政再建を図る道であると確信し、委員各位の御賛同をお願いするものであります。(拍手)

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて動議の趣旨の弁明は終わりました。     ─────────────

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより討論に入ります。  昭和六十三年度予算三案及び中島武敏君外二名提出の動議を一括して討論に付します。  討論の通告がありますので、順次これを許します。近藤元次君。

近藤元次自由民主党

○近藤(元)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和六十三年度予算三案について、政府原案に賛成し、日本共産党・革新共同提出の編成替えを求めるの動議に反対の討論を行います。  政府原案に賛成する主な理由を申し上げます。  まず、賛成の第一は、内需拡大、雇用の安定等、経済及び国民生活の各面にわたって十分な対策が講じられていることであります。  具体的に申し上げますと、一般公共事業費については、NTT株式の売り払い収入の活用分を含め、前年度当初予算に対して二〇%増という高い伸びを確保するなど、内需拡大に最大限の配慮を払っているのであります。  また、雇用対策についても、改善傾向にある雇用情勢をさらに確かなものとするため、産業間、地域間、年齢間において見られる不均衡の是正を図ることとして、新たに、産業・地域・高齢者雇用プロジェクトを実施することとしております。  さらに、社会保障関係費、中小企業対策費等のその他の経費についても、真に必要な施策について重点的な配分を行うなど、厳しい財政事情のもとで、その効果が最大限に発揮されるようめり張りのきいた予算配分が行われているのであります。  なお、政府開発援助いわゆるODA予算については、前年度比六・五%増と防衛費の伸びを上回り、一般歳出中、最高の伸び率を確保しており、国際的責務に取り組む我が国の並み並みならぬ意欲は、国際的にも高い評価が得られるものと確信するものであります。  以上のとおり、本予算案は、内需主導型経済構造への転換、国際経済摩擦の解消、雇用の安定、国民生活環境の整備等に資するよう、経済の各面にわたって積極かつきめ細かな配慮が払われているのでありまして、現下の経済情勢に十二分に対応し得るものとして高く評価するものであります。  賛成の第二は、財制改革が着実に前進を見ていることであります。  今後、急速に進展する人口の高齢化や、国際社会における我が国の責任の増大など、財政需要の増大を考えた場合、財政が一日も早くこのような社会経済情勢の変化に弾力的に対応し得る力を回復することが肝要であり、財政改革の強力な推進が依然喫緊の課題であることは論をまたないのであります。  このため、本予算案におきましては、歳出の徹底した見直し、節減合理化等に取り組むことにより、公債発行総額としては一兆六千六百億円の減額、特例公債発行額では一兆八千三百億円の減額を行ったのであります。この結果、公債依存度は一五%台にまで引き下げられ、特例公債が発行された五十年度以降では最も低い水準となるなど、六十五年度までに特例公債依存体質から脱却し、公債依存度を引き下げるという努力目標達成は今や現実のものとなりつつあります。  しかしながら、このような努力にもかかわらず、公債残高は依然として累増傾向にあり、六十三年度末では百五十九兆円に達する見込みであります。また、その利払い費は十一兆円を超え、実に歳出予算の約二割を占め、社会保障関係費の十兆九千億円をも上回る最大の経費として、依然大きな財政の圧迫要因となっているのであります。財政再建の必要性は、いささかも減じていないのであります。税の自然増収が見込めるからといって、歳出合理化の努力が鈍るようなことがあってはならないのであります。むしろ、このようなときこそ政府におきましては一段と気を引き締め、財政改革を一層強力に推進されんことを強く要望する次第であります。  賛成の第三は、防衛関係費についてであります。  昨年末、米ソ間でINF全廃の合意が実現したことは、核軍縮への一歩をしるすものとして、我が党としても大いに歓迎いたすものであります。しかしながら、これをもって直ちにデタントが成ったかのごとき、あるいは我が国の防衛力整備の必要性を否定するがごとき説は、短絡的見解と言わざるを得ません。依然として、核兵器を含めた力の均衡に基づく抑止が世界の平和と安定を支えていることは冷厳なる現実であり、通党兵器充実の必要性は増しこそすれ、いささかも減殺されてはいないのであります。  我が国が、専守防衛等の基本的防衛方針にのっとり、防衛計画大綱に定める防衛力の着実な整備を行うことは、決して軍事大国化を志望するものではなく、侵略の未然防止、侵略対処を基本とした必要最小限の防衛力の整備であり、我が国の安全を確保する上で必要不可欠なものであります。  六十三年度の防衛関係予算が、中期防衛力整備計画に沿って、着実に整備が実行され得るものとなっていることは、通常兵器の重要性が増し、西側の一員としてその責任が重いものとなってきている現状をもかんがみた場合、極めて妥当な措置であると言わざるを得ないのであります。  以上、政府原案に賛成する主な理由を申し述べました。  なお、日本共産党・革新共同提出の編成替えを求めるの動議は、防衛費の大幅な削減等を内容とするなど、発想の基本が異なり、到底現実的な提案とは言いがたく、断固反対の意を表明いたします。  以上、申し述べ、政府予算三案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 上原康助君。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました昭和六十三年度政府予算三案に対し、反対の討論を行います。  まず、主たる反対理由を申し述べます。  第一に、日本社会党は、一九八八年を軍縮と内需主導、国民の生活水準向上のための転換元年と位置づけ、その出発を内外に明らかにする六十三年度予算編成を行うよう強く主張し、党首会談でも強調してまいりました。  しかし、ただいま議題とされている政府予算案は、本委員会の審議を通して明らかにされたように、その全体が残念ながら極めて問題の多い、また時代の趨勢に欠ける内容であると言わざるを得ません。  第二に、私どもは、臨調、中曽根行革路線に基づく縮小均衡財政を転換し、内需拡大、国民生活向上、地域経済の活性化を実現させる積極財政の展開と生活優先の経済への質の転換を求めてまいりました。ところが、政府予算案は、六十二年度補正後の予算規模にも及ばない中途半端なものであり、その内容も地域経済社会の再建、社会保障、教育などの充実を軽視したものとなっており、加えて、抜本的な土地並びに住宅対策など、極めて不十分なものとなっております。  第三に、唯一の被爆国として核兵器の削減、撤廃を訴え、さらに通常兵器を含めた世界の軍縮の推進に貢献することこそが日本の果たすべき役割であるにもかかわらず、政府は、またもや六十二年度に引き続き、しかも大蔵原案の段階から防衛費の対GNP比一%枠突破を強行いたしました。  さらには、有事体制に拍車をかける米軍装備の事前集積など、日米軍事同盟強化を一層推進しようとしていることは、INF全廃に見られる緊張緩和、軍縮への世界の潮流に反し、東西対立を持続化させようとするものであり、ASEAN諸国を初めアジアの隣人たちの、軍事大国化を目指そうとする我が国に対する警戒心をますます高めさせる結果を招いております。また、海外経済協力、ODAの量と質の改善充実についても極めて不十分であります。  第四に、税制改革問題でございます。昭和五十四年の一般消費税に関する国会決議、六十年の大型間接税に関する政府統一見解、六十一年の自民党の選挙公約など、国民に対する政府・自民党の約束に当たって、竹下総理は常に責任者の一人であったにもかかわらず、約束をほごにしようとする姿勢は断じて許せるものではありません。  政府の姿勢は、不公平税制は温存させ、所得税減税や相続税減税をちらつかせ、国民の立場に立った社会保障のあり方を放置したまま、まず国民に大幅な負担増をもたらす新大型間接税の導入を図ろうとするものだと、国民のだれしもが疑問を抱いているところであります。  さらに、本予算案においては、このほかにも農産物の自由化容認、NTT株式売却益の使用方法の改善策の欠如、国民健康保険制度の改悪を初めとする地方自治体への負担転嫁、環境、公害行政の軽視、労働時間短縮推進等で不十分な面が多く、到底賛成できるものではありません。  また、予算案審議に際して国会の品位にかかわる事態が生じたことは極めて遺憾であります。  さて、新大型間接税導入抜きの所得税減税、相続税減税など二兆九千四百億円の減税要求を中心とする社会、公明、民社三会派の六十三年度政府予算案修正要求は、八日の国会対策委員長会談で一応の合意に達しました。  肝心なことは、この与野党間の協議においては、我々が修正要求に明記した項目以外は検討課題にしないという確認が明確に行われていること、そして、その協議の結論は予算案の成立する四月上旬までに出すと約束された点であります。  不公平是正の基本的合意は、自民党が決意さえすれば容易にできることであり、我々は早急な減税と不公平税制の是正を求めつつ、今後に備えていく決意であります。  野党の要求する減税要求及びその財源補てん措置は極めて妥当なものであり、一部に誤報されたように建設国債を財源にしたり、あるいは自然増収に恒久的に依存しようとするものではありません。大企業に対する数々の優遇税制、地価高騰を容認している現行土地税制、株式譲渡益の非課税などを是正することで実行できる減税要求であり、協議の中で自民党が拒否できる理屈は成り立たず、ましてや、この結論がつかないまま大型間接税の検討など行えるものではありません。  しかも我々の要求は、単に減税を求めているだけではなく、我が国の税制をより公平に、より国民の理解が得られるようにするという税制抜本改革の理念に基づくものであります。  我々は昨年のマル優廃止のような欺瞞的な態度を断じて許しません。不公平是正と減税を六十三年度中に実施することを不退転の決意で追求するものであります。  政府・自民党においても誠実な姿勢で協議に応じ、減税の早期実現に努められることを強く要求し、なお、日本共産党・革新共同提出の編成替え動議についても反対であることを表明し、私の政府予算三案に対する討論を終わります。(拍手)

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております昭和六十三年度政府予算三案について、反対の討論を行うものであります。  昭和六十三年度予算は、持続的な内需拡大と貿易に偏った経済構造、産業構造の転換を同時に進めるために、山積するさまざまな課題を解決し、我が国の今後の方向を決定する重要な役割を担っております。  我々は、この一カ月余にわたる予算審議において、さまざまな角度から政府予算案の矛盾をただしてまいりました。その結果、我が党は、日本社会党、民社党、社会民主連合と共同で大幅所得税減税などを含む二兆九千四百億円に上る予算修正要求を与党自民党に提出したのであります。  当初、与党自民党は、重点項目に絞った四野党の共同修正要求に謙虚に耳を傾けようとせず、国会の空転をもたらしました。さらに、税制の抜本改革と称し、大型間接税の導入を既定路線化しようと固執しました。このような与党自民党の姿勢は、少数意見の尊重という議会制民主政治のルールを踏みにじるまことに遺憾なものであります。  私は、与党に猛省を促すとともに、我々の粘り強い要求によって与野党間で合意した大型間接税導入抜きの大幅減税の実施を政府・自民党が誠意を持って速やかに実行するよう強く要求するものであります。  以下、本予算三案に反対する具体的な理由を申し述べます。  本予算案に反対する第一の理由は、本予算案には所得税減税等が盛り込まれていないことであります。  我が国経済を持続的な内需拡大基調に乗せるためには、内需の大きな柱である個人消費の持続的拡大を図ることが重要であります。ここ数年来続いている消費性向の低下を食いとめ上昇させるためには、昨年の所得税減税では余りにも不十分であります。既に昨年の所得税減税は、社会保険料等の増大などから帳消しになっているのが実情であります。しかも、政府・自民党は、この四月からマル優制度の廃止など、庶民、弱い者いじめを強行しようとしているのであります。また、ことしの春闘も、生活向上を求める賃上げ要求にもかかわらず、厳しい状況にあります。それゆえに、我が党は、共産党を除く他の野党と共同して、所得税減税を柱とした大幅減税を要求したのであります。  個人消費を拡大し、内需拡大を図るためには、与野党間で合意した二兆円規模の所得税、住民税減税の実施は緊急の課題なのであります。所得税減税等の実施による消費水準の向上は、我が国が迫られている経済構造、産業構造の転換という面からも重要な意味を持つものであります。  私は、重ねて大幅減税の早期実施を強く要求するものであります。  さて、反対の第二の理由は、税制の抜本改革と称して、大型間接税の導入を既定路線化しようとしていることにあります。  さきの六十三年度所得税減税等に関する与野党合意では、大型間接税抜きの減税が明確にされ、減税との絡みで大型間接税を導入しようとした政府・自民党のねらいは崩れたものの、政府・自民党は、依然として、税制の抜本改革と称し、国会での政府統一見解を空文化し、国民に対する選挙公約に違反し、国権の最高機関である立法府の国会決議に違反する大型間接税の導入を画策しようとしているのであります。  昨年、国民や自民党員が反対するような大型間接税は導入しないとの選挙公約に反し国会に提出されてきた売上税法案が、国民の怒りが爆発して廃案になってからいまだ一年もたっていないにもかかわらず、再び大型間接税を導入しようと画策する竹下内閣の姿勢は、売上税の教訓を既に忘れてしまったとしか言いようがありません。  現在の竹下内閣が、一昨年の衆参同日選挙のときに得た議席の上に成り立っている以上、大型間接税はやらないとした自民党の選挙公約は、今日でも生きているのは当然であります。また、「多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を投網をかけるようなやり方はとらない、」という六十年二月の政府統一見解は、その経緯から見て白紙化できるものではなく、竹下内閣がこの見解を遵守しなければならないことは自明の理であります。重ねて強く主張するものであります。  さらには、五十四年十二月の「財政再建は、一般消費税(仮称)によらず、」云々との国会決議を、これは財政再建に関する決議であって、これに竹下内閣の税制改革は縛られないと言い、また、竹下税制改革は、むしろ国会決議に沿うものだと強弁することは、立法府が解釈すべき国会決議を、行政府が決議の趣旨を歪曲して解釈するものとして、国会軽視と言わざるを得ないのであります。  税制改革に当たっては、まず、不公平税制の是正、総合課税の再構築、資産課税の強化等を行うべきであり、特に、有価証券譲渡益課税の強化、赤字法人に対する課税の適正化、大企業の持つ含み資産の再評価益課税の検討等を速やかに行うべきであります。これらに手をつけず、逆進性の極めて強い大型間接税の導入を企図することは、所得、資産、消費において一層の不公平、格差拡大を広げる結果になることは必至であります。  我々は、大型間接税の導入を画策し既定路線化しようとする税制改革には、断固として反対するものであります。  第三には、内需拡大を持続させる施策が不十分なことであります。  我々は、日本経済が直面している最大の課題は、いかにして中長期的かつ持続的な内需型成長を図るか、そして日本経済の構造転換、産業構造の転換をいかにして実現するか、この一点に集中していることをかねてから指摘してまいりました。  そのためには、個人消費拡大の問題を初め、余剰資金の効果的吸収方法や企業投資、民間と地方自治体の独創性を発揮させての活性化などに至るまで、まさしく広範な分野にわたる総合的政策と誘導的施策の組み合わせが求められているのであります。  ところが、昨今の政府施策がもたらしたものは何かといえば、地価の狂乱を挙げざるを得ません。しかも、地価高騰を抑制する有効な施策はほとんど皆無と言わざるを得ません。これは極めて遺憾なことであります。  内需拡大を持続させるための具体的施策が講ぜられていないばかりか、公共事業の円滑な執行とその効果的配分についての改善が全く行われていない本予算案では、せっかく上向きつつある我が国経済が今後とも持続的に内需主導で安定成長できるかどうか、極めて不安であります。  最後に、昨年に引き続き防衛費の対GNP比一%枠を突破していることであります。  本予算は、正面装備の拡充、在日米軍の駐留経費の増額などにより、その伸び率は他の一般予算に比べ突出しております。特に、今国会でも指摘したように、五十三年度から始められた思いやり予算は、六十二億円から六十三年度は実に約千二百三億円にも上っているのであります。したがって、思いやり予算の提供施設整備費の見直し、正面装備の拡大の中止、円高差益、原油の値下がり分等により、GNP比一%枠内におさめることが十分に可能であります。世界が米ソのINF全廃条約に見られるように軍縮方向に向かいつつある中で、ひとり我が国が、防衛力増強への歯どめであり平和政策の一つである防衛費の対GNP比一%枠の突破を行ったことは断じて容認できません。  日本が世界の平和勢力としてその範を示すためにも、防衛費の対GNP比一%枠を断固死守するため一%枠突出分を削減し、我が国が軍縮推進の役割を果たすべきであることを強く要求するものであります。  以上、反対の主な理由を申し述べまして、私の反対討論といたします。  なお、日本共産党・革新共同提出の政府予算三案に対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議についても反対の態度を表明し、討論を終わります。(拍手)

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 北橋健治君。

北橋健治民社党・民主連合

○北橋委員 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となっております政府提出の昭和六十三年度予算三案並びに日本共産党・革新共同提出の編成替えを求める動議に対し、反対の討論を行います。  最初に、政府予算案についてであります。  戦後四十年余を経た今日、我が国は国民の営々たる努力の結果、米国に次ぐGNP大国、世界一の債権国に発展いたしました。しかし、我が国の経済発展の担い手である国民、とりわけ勤労者の生活実態は、ウサギ小屋に住む働き中毒と海外から指摘されるように、国自体の豊かさとはかけ離れたものであります。また、外需依存型の経済運営に伴う貿易摩擦は依然深刻な様相を呈しており、急激かつ異常な円高のもとで、これまで我が国経済の発展を支えてきた幾多の産業が塗炭の苦しみにあえいでいるのであります。  今、国民が政治に期待するものは、GNP大国にふさわしい豊かな国民生活を実現し、円高不況に苦悩する地域、産業の再生を図ることであり、予算はまさにこれらの諸点に光を当てたものでなければなりません。しかるに、政府予算案には、以下指摘するように重大な問題点が存在し、到底我々は賛同できません。  その第一は、政府がいたずらに大型間接税導入の準備を急ぐ余り、国民の待望する大幅減税並びに不公平税制の是正が当初予算で見送られたことであります。  今日、中堅所得者層を中心に国民の間には税に対する重圧感、不公平感がかつてなく渦巻いており、我が会派は、この国民の切実な要求を踏まえ、三兆円規模の思い切った減税を政府に要求してきたところであります。税制改革は、まず現行制度のひずみ、ゆがみの解消をもってその出発点としなければなりません。不公平な税制が放置されるならば、社会全体の不平等化が助長され、国民の勤労意欲の低下を招くことは明らかであります。まじめに働く者が不公平な重税を強いられる一方で、株や土地取引をする者が巨大な利益をむさぼる社会が果たして健全な社会と言えるでありましょうか。  この見地から、我々は情理を尽くして不公平税制の是正を要求するとともに、キャピタルゲイン課税、土地譲渡益課税の適正化に政府が今こそ抜本的に取り組むならば、今日の税収動向から見て、三兆円規模の減税は十分実施し得ることを主張したのであります。政府がこうした不公平税制を放置し、さらに行財政改革や高齢化社会の福祉ビジョン策定など、まず実行すべきことを実行せずして新型間接税の導入を強行するならば、それは国民の意思を無視するものであり、我が会派は断じて容認できないことをこの際改めて明らかにしておきたいと思います。  先般の与野党折衝を通じて、政府・与党が我々のかかる主張にようやく理解を示し、予算成立までに大型間接税の導入を前提としない大幅減税を実現するため、与野党の実務者協議が行われることになったことは大きな前進であります。我々は、政府・与党が今後この与野党協議に誠意ある態度で臨み、国民の期待にこたえるよう強く要望するものであります。  問題点の第二は、臨時行政調査会でもいまだ道半ばと指摘された行財政改革がないがしろにされ、予算案に改革の意欲が全く認められない点であります。  肥大化した旧態依然たる行政機構は本予算においてもそのまま温存されており、また補助金、許認可を通じて国が地方を制御し、国の財政赤字のツケを地方に転嫁するといった行政のひずみがむしろ拡大したことに国民は大きな失望を感じております。政府は、高齢化社会の到来を理由に安易に増税を検討する前に、今日の肥大化した行財政に徹底的な合理化の大なたを振るい、国民の期待にこたえるべきであります。  問題点の第三は、本予算によっては国民生活の向上、不況の打開など、当面する重要課題の根本的な解決が期待できない点であります。  我々は、国民生活に直結する内需拡大を強力に推進することが貿易摩擦を解消し、経済大国にふさわしい国民生活を実現するために不可欠との見地から、これまで生活先進国づくりを提唱し、その具体的政策の実現を政府に要求してきたところであります。しかるに政府案は、公共事業費を例にとっても、従来からの硬直的、固定的な手法で各事業予算を機械的に振り分けることに終始しており、国民生活に直結した施策に対して重点投資を行うといった努力の跡が皆目見られません。また、首都圏への経済の一極集中や地方経済の衰退という憂うべき状況に歯どめがかかるような抜本策を国民は何ら予算に見出すことができないのであります。  円高不況で雇用不安の渦巻く地域や無定見な農産物自由化で荒廃する農村の現状を直視するとき、我々は、日本列島が「ふるさと創生」というよりは「ふるさと喪失」の一途をたどっていると言わざるを得ません。このような重大な問題点を内蔵したものに対して我々は断固反対であります。  また、日本共産党から提出された編成替えを求めるの動議についても反対の意思を表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 岡崎万寿秀君。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の昭和六十三年度予算三案に断固反対、我が党提出の予算組み替え動議に賛成する討論を行います。  米ソのINF全廃合意に見られるように、世界の大勢が核軍縮の方向に大きく動き始めている今日、唯一の被爆国である我が国が真に「世界に貢献する日本」として行うべきことは、レーガン核戦略への加担、追随をやめ、核兵器廃絶への決意を明らかにし、軍事費の大幅削減を行うことであります。  また、異常円高と産業の空洞化、農作物自由化や地価暴騰など国民の暮らしが根本から脅かされているもとで、暮らし、福祉、教育予算の拡充こそ急務であります。  かかる状況のもとで提出された政府の予算案は、世界の大勢にも、国民の求めるところにも全く逆行する大軍拡、大増税、暮らし破壊の予算案となっています。  以下、具体的に反対する理由を述べます。  第一の理由は、本予算が核軍縮への世界の流れに逆らい、アメリカの核戦略を補完する大軍拡を一層露骨に推し進めるものであるという点であります。  本予算における軍事費は、六十二年度に計上した売上税負担分と異常円高によるアメリカからの輸入装備品の値下がりを勘案すれば、その実質伸び率は六・六%の超突出となります。新規計上されたイージス艦、ASWセンター、OTHレーダー設置調査費などは、アメリカの要求を全面的に受け入れたものであり、米軍有事来援の日米共同研究とあわせ、日本をアメリカの核戦争に巻き込む危険をますます強めるものであります。  また、地位協定の改定までねらった思いやり予算の拡大や安保は国是であるとして、三宅島NLP基地建設と逗子池子米軍住宅建設強行のための予算計上は、憲法と地方自治を真っ向から否定するものであり、断じて許すことができません。  第二の理由は、大企業への大盤振る舞いを行う一方で、新たな福祉、教育の切り捨てを強行しようとしていることであります。  民活無利子融資の対象事業の拡大や東京湾横断道路など大型プロジェクトの軒並み大幅増は、大企業の要求に至れり尽くせりこたえるものであります。それに対し、中小企業対策費の六年連続削減、中曽根前内閣でさえ手をつけなかった生活保護費の実質削減など、国民への負担と犠牲の押しつけは枚挙にいとまがありません。  第三の理由は、本予算が軍事面だけでなく、ココム規制の強化を初め政治、経済のあらゆる面でアメリカとの運命共同体的性格を強め、日本経済を一層ゆがめるものとなっていることであります。一般会計予算の二分の一にも膨れ上がった外国為替証券発行枠は、米政府の財政赤字を補てんし、レーガン軍拡を支える仕組みを拡大、固定化するものであり、絶対に容認できません。  第四の理由は、本予算が大型間接税の年内導入へ道を開くことをねらったものであるということであります。国民が強く求める大幅減税を見送る一方で、公約違反の新大型間接税の導入をたくらむなど断じて許されません。  次に、本予算修正問題での自民党と社公民三党の合意について一言します。  この合意は、国会の審議権を侵し、我が党を除いた密室協議によるものであり、それは、大軍拡と国民犠牲の予算案が事実上無修正で衆院を通過することを前提として合意されたものであります。しかも重大なことは、その実施時期、内容のあいまいな減税の財源確保のためと称して、我が党を除く各党間協議の場が設けられたことであります。ここでの論議の対象からは大型間接税を排除していないことは明白であり、国民の厳しい批判を受けた税制協の焼き直しであります。我が党は議会制民主主義の名において、かかる国民不在の合意を厳しく糾弾するものであります。  私は、日本共産党・革新共同提出の予算組み替え動議こそが、日本の政治を平和と軍縮の方向に転換させ、国民の暮らしを守る唯一の道であることを強調し、政府提出の予算案に重ねて断固反対することを表明して、討論を終わります。(拍手)

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて討論は終局いたしました。      ─────────────

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより採決に入ります。  まず、中島武敏君外二名提出の昭和六十三年度予算三葉につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 起立少数。よって、本動議は否決されました。  次に、昭和六十三年度予算三案を一括して採決いたします。  右三案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 起立多数。よって、昭和六十三年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました昭和六十三年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて昭和六十三年度総予算に対する議事はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る一月二十九日の審査開始以来、真剣なる論議を重ねていただきまして、本日ここに審査を終了するに至りましたことは、ひとえに各党の理事並びに委員各位の御理解と御協力のたまものであります。ここに、審査に精励されました委員各位並びに関係各位に、委員長といたしまして衷心より感謝の意を申し上げ、ごあいさつといたします。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十七分散会

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