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112回国会衆議院1988/02/01

予算委員会 第2号

発言数
124
登壇者
11
会派数
2
開催日
1988/02/01

会議録

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 これより会議を開きます。  昭和六十三年度一般会計予算、昭和六十三年度特別会計予算、昭和六十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 竹下さんが総裁選を前にいたしましてお書きになりました「素晴らしい国・日本 世界に開く「ふるさと創生論」」拝見いたしました。また先日は、第百十二回通常国会における総理の施政方針演説を承りました。これらの中で述べられております総理のお考え方、それを逐次ただしていきたいと思っております。  竹下内閣が百十回臨時国会において首班指名の上誕生されました。直ちに閣議をお開きになったようでありますが、その際の閣議の声明を拝見いたしますと、中曽根政治を継承するということを明確にお述べになっておられます。  ところで、竹下政権が誕生いたしました、世界の情勢は一体どうでしょうか。中曽根前総理・総裁が次期総裁に竹下さんを指名せられた。十月の十九日だったと思います。しかも深夜ですね。ちょうどそのときアメリカのニューヨークでは、ニューヨークの株式が大暴落、いわゆるブラックマンデーと言われる世界の経済を大きく揺るがした日でございました。そしてまた、竹下政権発足直後の十二月八日。十二月八日は私たち戦前生まれた者にとりましては忘れることのできない日であります。あの悲惨な太平洋戦争が勃発した日でございますが、この日アメリカを訪問いたしましたゴルバチョフ書記長、レーガン大統領との間で首脳会談が行われ、INF全廃条約が調印せられました。まさに世界の経済も大きく動く、そしてまたこの米ソ首脳会談によって核軍縮に向かって大きな第一歩がしるされた。世界は平和、デタント、東西対話の方向に大きく動きつつあるわけであります。  そういった世界の枠組みが大きく変わりつつあるという状況を踏まえました場合に、私は、それ以前のいわば米ソ対立、冷戦、このような構造、それからまた基軸通貨でありますドルというものの不安が若干あったにしても、ブラックマンデーのような大きな変化、激動というものが想像せられなかった当時の中曽根政治を継承するということは、私はこれは理屈に合わない、世界の大きな流れに逆らうものだ、こう言わざるを得ないと思います。その点総理の率直な見解をまずお聞かせいただきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今、山口書記長からお話のありました、確かに私が指名を受けました十九日、あるいは二十日未明といった方がいいかもしれません、そのときにブラックマンデーと言われる状態が起きて、それから八日の日に、私は十一月六日に本院で指名していただきましたから、八日の日にINF全廃条約の調印が行われた、それは大きな変化であると私も思っております。一つ一つについてその認識の多少のずれがありましょうとも、その認識は政治家としてみずからを位置づけた場合に当然の認識であると思っております。  そこで、この路線継承の問題となるわけでございますが、そういう大きな変化があることは十分承知しておるわけでございますけれども、今日まで自由民主党政権というものが自由主義、民主主義という基盤の上に立って、そうして当面、中曽根政権として例えば行政改革、財政改革あるいは税制改革、教育改革、こういう問題についての一つの方針が打ち立てられ、それが逐次実行に移されていく。そうした基本的な自民党政治路線というものを継承していくのは、私は自由民主党の総裁でもあるわけでございますが、党員の一人としても当然のことではないかというふうに考えておるわけであります。言うなれば、その基本路線というものは、私はこれは継承すべきものである、このように考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 枠組みの大きな変化は率直に認識をしている。しかし、自民党政治が今日までやってきた行政改革、財政改革あるいは税制改革、そういった基本路線は継承していきたいというお答えだったと思います。  そこで、それではお尋ねしたいと思いますが、中曽根さんは政権発足当時大変物騒なことを言われました。日本列島不沈空母化あるいは三海峡封鎖、このようなことをおっしゃられました。それから中曽根さんは、「憲法改正の歌」をおつくりになったように、まさに改憲論者、みずからも私は改憲論者であるということを公言してはばかりませんでした。これらの点については竹下さん、中曽根政治を継承されますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 人それぞれによって基本路線を堅持しておりましても、やはりニュアンスの相違というのはおのずからあろうと思っております。  今おっしゃいました二つの中曽根さんの発言そのものについて、これを論評し、これのどの部分を私は妥当と考え、どの部分はいささかニュアンスとしても行き過ぎではなかろうかというような論評を今しようとは思っておりません。  そしてもう一つは、「憲法改正の歌」というのは、これは私も代議士に出る前の話でございますが、一党員としてそれは承知しております。  私が憲法問題でいつも考えておりますのは、我が党の綱領に自主憲法の制定ということが今日もうたわれておることは事実でございます。それはどういうことかといろいろ私なりに考えてみたことがございますが、いわゆる憲法九条とかあるいは平和主義、民主主義、人権、こうしたものをだれしも今これが不都合だと思う者は一人もいないと私は思っております。が、今まで私なりの短い経験の中で、そう短くもございませんが、国会議員としての経験の中で、例えば私立学校に対しての補助を行うときに憲法八十九条とどうなるだろうかとかいろいろな議論を行ったことがございます。  あるいは予算委員会でよく問題になります暫定予算問題、戦前憲法がいいというわけじゃございませんが、諸外国の基本法等においても、例えば前年度予算を執行すべしというようなことがあったり、そういう、むしろ現実、自分たちが工夫していろいろ解釈の中で消化しておるような問題点というものを勉強しなければならぬなという考え方は、いつも持ち続けておっていいんじゃないかなというふうに思っておるところでございます。  あえてもう一つ申しますならば、私も山口さんと同じ年配でございますから、何か当時、翻訳憲法と言われる時代に青年時代のある種の抵抗感というものはあったんじゃないかな、これはノスタルジアのようなものかな、こう思っております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 竹下さんと私、ほぼ同じ世代ですけれども、私は日本国憲法が制定せられたときに、翻訳憲法というようなそういう意味の疑念は持ったことはありません。やはりすばらしい憲法だ。民主主義、基本的人権の尊重、しかも絶対平和主義、これでなくてはならない、こういう決意を持った。その辺、竹下さんと政治家になる以前の原点からして少し考えが違ったのかなということを思わざるを得ません。  そこでお尋ねいたしますけれども、中曽根前総理もこの憲法改正ということを盛んに言ったのですが、初めから九条とか言うことは、やはりさすがにあからさまに言うことは控えたようです。そうして、総理大臣は国民の投票で選ぼうというようなスローガンをお考えになって、全国に首相を国民の公選で選ぼうというような立て看板をたくさんお立てになった。  しかし問題は、現行憲法では総理大臣はこの衆参両院の、国民から選ばれた私どもの首班指名投票によって決まる。憲法を変えざれば、この国民の、総理大臣を投票するということは不可能なわけです。やはり、そういうところから憲法を変えていこう、こういう意図が私は中曽根さんにあったのではないだろうか。その後の発言、まさにそうだと思います。しかし、中曽根さんは今は総理ではありませんから、これ以上論評することは私は避けたいと思います。  そこで竹下さんにお尋ねしたいのですが、竹下さんが憲法八十九条、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」この問題に対してしばしば疑問を投げられておったということは私も承知をいたしております。したがって、私学助成については今財団をつくりまして工夫をしておられるという事実も、私も承知をいたしております。  問題は、これとそれから旧憲法の第七十一条、竹下さんがおっしゃられたいわば暫定予算に関する問題です。旧憲法では、予算が成立しなかった場合は前年度の予算を執行し得るという規定がこの憲法七十一条にありました。その点が検討課題だな、こうおっしゃっておられるわけですが、問題は、この「宗教上の組織若しくは団体」、これもあるわけですね。竹下さんは靖国神社に参拝する国会議員の会の会長を務められました。その辺も念頭に置いてこの憲法八十九条をおっしゃられたのじゃないでしょうか。その点いかがです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 八十九条を一番考えましたのは、これは古い話でございますけれども、私が農村青年運動をやっておりますときに、運動会とか研修会をするときに市町村から助成がもらえないか、こういうことを考えました場合に八十九条というものにひっかかりましたので、そこから八十九条ということ、そこが原点で、今おっしゃいました工夫して私学財団ということで今ろ過しておるわけでございますが、そういう疑問が継続したではなかろうかな、こう思っております。  それから靖国神社の問題につきましては、靖国神社国家護持の問題が起きてまいりまして、それで宗教法人としてそれはまず解散しなければならぬとかいろいろな議論をしておる中に、八十九条との問題についてまた勉強をしたことはございます。しかし、靖国神社問題から八十九条というものに対して勉強課題だなと思ったわけではございません。あくまでも原点は、田舎の青年運動をしておるときに実はそういうことを考えたわけであります。靖国神社に参拝するあのみんなの会というのは、みんなが参ればいいんじゃないかという極めて素朴な気持ちでつくられまして、そして私がたまたま初代の代表者になったということでございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 ふるさとの話が出まして、やはり「ふるさと創生論」をお唱えになる竹下さんかなとも思うのですが、そういうお話はされますけれども、やはり八十九条を検討課題というのは靖国神社の問題にもつながる極めて重要な問題だということをこの際指摘をいたしたいと思います。  そうして二点、具体的にお伺いしましょう。  中曽根さんも改憲論者だとは言いましたが、中曽根内閣としては、これは憲法九十九条で、あくまでも憲法を守ります、中曽根内閣として憲法を変えるつもりはないということは明確におっしゃいました。竹下さん、いかがですか。  それからまたこの靖国神社の公式参拝、当時藤波官房長官を中心にして審議会等をつくっていいろいろなへ理屈を並べて公式参拝をされました。しかし一度で、中曽根さんはこれをその後は断念いたしております。靖国公式参拝、いたすつもりがありますか、具体的にお尋ねいたします。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まず第一の点でございますが、改憲論者という位置づけであるかどうかは別といたしまして、自主憲法の制定というのを我が党の綱領にうたっており、そして、そういうところに問題提起、検討課題として挙げたというよりも、かつて疑念を持っておったことがあるという意味で申し上げましたが、憲法改正を政治日程にのせる考えは全くございません。  それから次の靖国神社の問題でございますが、今もお話がありましたように、藤波官房長官時代に見解が発表されました。その見解は見解として私は正しいというふうに思っております。しかし、あの見解の中に書かれてあります公式参拝という手法でするかしないかという問題は、そのとき私自身が判断すべき問題であろうというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 総理、ASEANの会議に行きましたね。あそこで立派な演説をされました。第二次世界大戦でASEANの国々に大変な被害を与えたことを厳粛に反省しなければならないということをおっしゃいましたですね。私は、藤波さんが官房長官当時出したあの見解、あれは了承することはできません。同時に、やはり私たちは、あの第二次大戦でアジアの国々に非常な惨禍を与えたという厳粛な反省、これは私は我が国の政治家にとって欠くことのできない問題だと思います。そういうことを考えました場合に、靖国の公式参拝はすべきでない。竹下総理の明確な見解を重ねて求める次第です。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 おっしゃいますとおり、かつてアジアの国々に大変な御迷惑をかけた、そういうことに対する厳粛な反省というものがやはり戦後政治に参加する我々としての原点にあらなければならぬというふうに思っております。一方、国民の皆様方の中に、やはり平和を誓い、そして戦没者を追悼するということで、素朴な気持ちで靖国神社へいらっしゃる、そういう心境が存在しておることも事実でございます。  したがって、諸外国に対するいろいろな懸念がございますならば、それをまた懸念は懸念として解消する努力も、私ども折に触れ、時に臨み、あるいは絶えずやっていかなきゃならぬことであろう。したがって、私は靖国神社に参拝をいたしませんということは、ここで申し上げる考えはございません。そのとき判断すべき問題であるというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 明確にお答えになったらいいんじゃありませんか。それが私はマニラにおける竹下さんのASEAN首脳会議における演説、それを忠実に履行する道であるということをここで申し上げておきたいと思います。とにかく、この問題については、そのマニラにおける演説というものを体して今後行動されることを強く要求をいたしておきます。  次に、竹下さんの施政方針演説、承りましたが、どうも総花的で竹下政治というものが一体どこを目指しているのかわからぬという声も随分ございました。私は、そうではない、竹下政治の顔というものははっきりしているというふうに思います。それは、六十三年度予算を見れば私は明確ではないだろうかと思うんです。  予算を拝見いたしますと、昭和五十八年度から昭和六十三年度、五年間、五十八年を一〇〇といたしますと、防衛費は一三四・四。社会保障は、お年寄りがどんどんふえているわけでございますから、どうしても年金の経費はかさむ、また、医療費もかさんでいます。そういう状況の中で削りに削って一一三・六。文教、科学技術関係予算は一〇〇・八、したがって、〇・八%しか伸びていない。中小企業対策については八〇・四、二〇%近くも減額をしている。食糧管理費四九・一、農家の皆さん方やあるいは消費者の皆さん方に非常に関係のあるこの食糧管理費は半分以下という状況です。まさにこの我が国の予算を見れば、二極化が甚しい。防衛予算の方は非常に突出しているけれども、中小企業の皆さんや農家の皆さんや消費者の皆さん方、国民生活にかかわる部分あるいは将来の我が国を担うべき子供たちの教育の予算というものは極めて冷遇されている。  したがって、これは中曽根内閣の時代が多かったわけでありますが、中曽根政治の顔も大きくゆがんでいたし、それからまた、竹下政治もそれを継承して、さらにそのゆがみを甚しくしているということだろうと思います。これに対する反省はいかがでございますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 総花的であるという問題は、確かに私自身も総花的であるな、こう感じております。しかし、所信表明のように、いわば重点を志向してお訴え申し上げるという性格のものと、施政方針の場合、いわばその年度の政策全体にとって触れる場合、多くのことを申し述べなければならぬから、それをして総花的と言われることは、これは当然のことである、こう私も思っております。しかし、あえてその中で予算を取り出しての御指摘でございました。  私も長いこと大蔵大臣をやらしていただいておりましたので、やはり財政再建路線というものは一方で堅持していかなければならない。いろいろな工夫によりまして、今日、六十五年度赤字公債依存体質からの脱却というものの可能性というものを説明し得るような環境にまでなった。しかしながら、それはあくまでも堅持していきながら、しかも一方、内外の要請にこたえていかなければならぬというので、内需中心に志向した予算というものを編成さして、きょうからこうして御審議をいただいておる、こういう状態であろうと思います。  その中にありまして、防衛費の問題、あるいは教育、福祉等の御指摘でありましたが、防衛費の問題は、やはり今日のいわゆる日米安保条約というもの、安保体制というものが効率的に機能していくための諸施策との調和のぎりぎりを選択した、私はその言葉で尽きるではなかろうかなというふうに思っております。  他の施策につきましても、制度の根幹にさかのぼりながら、その仕組み等にも配慮をしながら、言ってみれば、山口さんのかつてからの御主張からいえば地方にツケ回しということではなくして、国と地方はあくまでも車の両輪であるという基礎的考え方に基づいて、それらの施策についてもきめ細かな配慮をそのところどころでやらしていただいた編成ということで総括できるのかな、このように考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 いろいろ御発言はされましたけれども、とにかく予算の性格が極端な二極構造、そういう意味ではゆがみが甚しくなっているということに対する明確なお答えは、残念ながらありませんでした。  これらの問題は以下お尋ねしたいと思いますし、それから施政方針演説も総花的だと申しましたが、一カ所だけ異常に力を入れたところがございましたですね。税制改革については、「国民各界各層の御意見を十分に伺いながら、抜本的税制改革について国民の納得が得られるような成案を取りまとめるとともに、その実現に向け、渾身の努力を傾けてまいる所存であります。」ほかのところは、「努めてまいります。」とか「進めてまいります。」とか、「所存であります。」とか言っているのに、ここだけは「実現に向け、渾身の努力を傾けてまいる所存であります。」と、ここだけ異常に力を込めておられます。  しかも、土井委員長が異例の再質問、再々質問をいたしましてこの部分をお尋ねいたしましたのに、全く、竹下さんのいわば特徴ともいうべき言語明瞭、意味不明瞭、そのような答弁でございました点は極めて遺憾であります。この点は、この後取り上げてさらにただしたいと思います。  そこで、竹下さんにお尋ねしたいと思いますが、日米首脳会談に出席をせられました。レーガン大統領との間で、ロン・ャスに次いで今度ロン・ノボルの関係をおつくりになったというようなことが新聞に出ておりました。  問題は、今お話がありましたように、その時間が大変短かった、しかも、通訳を入れてお話しになったわけでありますから、竹下さんの御発言になった時間は、人によっては、四分だったのではないかというようなお話もあるわけであります。いずれにせよ、そのことについては深くお尋ねするつもりはありませんが、少なくとも、今、日本はアメリカに対して言うべきことは十分言える、そういう環境にあるんじゃありませんか。  日米間の貿易の収支、拝見をいたしますと、毎年四百億ドルから五百億ドル以上のいわば我が国は黒字になっております。しかし、それ以上のお金が、アメリカの国債を買う、あるいは財務省証券を買う、こういう形で流れているのじゃありませんか。五十九年、六十年、六十一年、六十二年、数字だけ、大蔵大臣わかりますか、教えてください。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 大体の金額を申しますと、やはり千億ドルをちょっと超える金額でございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 我が国は、貿易黒字は、例えば六十一年アメリカに対して五百十四億ドル、しかし債券等は九百三十億ドル日本がアメリカのものを購入しているわけですね。したがいまして、今アメリカが双子の赤字、財政の赤字、それから貿易赤字、最近では貯蓄も赤字だ、双子の赤字ではなくて三つ子の赤字だ、こう言われて、今、基軸通貨であるドルに対する不安というものが世界じゅうに大きく広がっています。  そういう中で結局日本が膨大な資金を出してアメリカの経済を支えている、この現実はだれも否定することはできないと思います。しかも、竹下さん、大蔵大臣時代、プラザ合意で当時二百四十円だったものを円高に誘導する、名前のとおり円ノボルであると大変自慢されたことを今でも私は忘れることができませんけれども、円が上がり過ぎたですよね。そうなりますと、ドルが下がり過ぎるということでしょう。結局アメリカの経済を支えるために、日本の機関投資家、生保その他の機関投資家が随分アメリカの国債、証券を買っている。  ところが、ドル安のために差損が膨大に出るわけですね。ですから日本の機関投資家も、こんな状態ではとてもこの証券は買いたくない、アメリカの国債は買いたくない、こう言っているときに、大蔵省はこれらの機関投資家に圧力をかけて国債を買わしているじゃありませんか、去年の五月、八月。どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先ほどお尋ねに私が千億ドルをちょっと超える金額と申しましたのは、正確に申しますと長期資本収支の出し入れが千億ドルを超える、こういう意味でございます。その中で証券だけをとりますと、六十二年は推計でほぼ八百九十億ドル。  次のお尋ねでございますが、大蔵省が特に業界に対して勧奨をして、アメリカに投資をすることを勧めておるということはございません。ただ、業界の立場からいいますと、御承知のように金利差が非常に大きいということから、金利の差を考えますと、多少の為替損を想定いたしましてもその方が投資としては得であるか損であるか、そういう判断で、それを基準にいたしまして投資をしておるというふうに見ておりまして、私どもが勧奨したというようなことはございません。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 現在、我が国とアメリカとの間の金利差は四%ぐらいありますよね。ですから、十年物、十五年物、そういうものを考えて複利計算をすれば何とかという話は、それは算術上できるかもしれませんね。しかし、そのときまたさらにドルがどうなっているかということはわからぬのでしょう。ですから、機関投資家の皆さん方は非常に不安で、特に昨年の五月、八月などは買い渋ったことは事実じゃありませんか。そうでしょう。  それに対して大蔵省が、それは困る、ことでアメリカの国債を買わなかったら大変なんだと言って圧力をかけたことは公然の秘密じゃありませんか。各新聞や雑誌にもどんどん書いてありますから、まさに公然たる、秘密でない事実、こう言ってもいいだろうと思いますね。はっきりおっしゃったらどうですか。もういろいろな報道にたくさん出ているじゃありませんか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 当時もそういう報道がございましたので、いい機会でございますから申し上げておきますけれども、私どもがそういうことを勧めたということは一切ございません。  山口書記長が言われますように、投資する立場から申しますと、殊に生保などは毎日非常に大きな金が入ってくるわけでございますから、これをどのようにして運用をするかということはやはり大変な問題であって、国内の運用というものに限度があるものでございますから、そこで、金利差を考えますと、将来の仮に為替差損を考えましても、その方が有利である、不利である、こういう計算をしてやっておる。現に、仮に私どもが勤めて買わせましても、売ることは自由でございますから、勧めるということはほとんど意味がないわけでございまして、ちょうど当時もいろいろなうわさがございましたので、そういうことをしたことは一切ない、これからもいたすつもりはございません。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 対外証券投資の動向、五十八年、五十九年、六十年、六十一年、六十二年、ネットで、とにかく五十八年は百三十一億ドル、それから五十九年は二百六十八億ドル、六十年は五百四十四億ドル、六十一年は一千億ドル、六十二年八百九十七億ドル。このうちの半分はアメリカでしょう。これだけネットで残っているわけですからね。  こういったものが、この円高・ドル安の進行によって膨大な差損というものが予想されるということはこれは事実であって、これはもう、宮澤さんあのような御返答でございましたけれども、現に大蔵省が生保に対しても信託に対しても銀行に対しても異常な権限をお持ちじゃないんですか。そういった権限をお持ちの大蔵省が一言しゃべれば、これらの機関投資家の皆さん方がそれを無視することはできない、これは常識じゃありませんか。だから、文章で堂々と要求をするなんということはしないだろうと思いますが、しかし現実にそういった指示をされていることは間違いない。このことはこの際明確に主張をいたしておきたいと思います。  それで、こういう形で日本は随分アメリカに対して協力をしている。また、日銀どうですか、介入するために膨大な資金が要るわけでしょう。本来日銀は相当額の納付金を国庫財政に入れてしかるべきじゃないんですか。ところが、最近見ると、日銀納付金は見る見る減額しているじゃありませんか。  お尋ねしましょう。ここ数年間の日銀の納付金、幾らでしたか。ことしは一体幾らを予定していますか。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 西垣主計局長。できるだけ答弁は早くしてください。

西垣昭大蔵省主計局長

○西垣政府委員 数字の御質問でございますので、私からお答えいたします。  六十三年度の日銀納付金は四千三百億でございます。それから、六十二年度の当初予算、八千百五十億円でございました。補正後はこれを減額いたしまして、三千八百四十億円でございます。当初と当初で比較いたしますと……(山口(鶴)委員「六十一年」と呼ぶ)六十一年度はちょっと手元にございませんので、後ほど……。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 そこが問題ですよ。昭和五十九年、当初予算ベース一兆二千九十四億円、決算ベースは一兆三千四百三億円でしょう。それから六十年、当初ベースでは一兆二千四十八億円、決算ベースでは一兆六千三百二十三億円じゃありませんか。それが六十二年、八千百五十億円を見込んだが決算ではわずか三千八百四十億円、こういう状態でしょう。四分の一以下に激減しているじゃありませんか。これだけ結局日銀、介入すること、これは必要であることは私は否定するわけではありませんが、結局アメリカの今の双子の赤字、こういった為替相場、状況で、本来日銀が国家財政に納入できるべきお金が四分の一にも減っている。まさに国家財政、国民に対して膨大な損を生じさしている。言いかえれば、その分だけドルを買い支えるためにアメリカ経済に対して奉仕をしているということになるのじゃありませんか。そのことをこの際指摘をしておきたいと思います。  問題は、そういう状況の中で、首脳会談でどういう状況だったかということを逐次お尋ねしたいと思いますが、結局、東芝制裁の問題も対日半導体の制裁の問題も残念ながら未解決でした。  通産省にお伺いしたらいいんでしょうかね。十月十六日、日米両国政府でこの東芝機械の問題に関して合意したことがありますか。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 大変申しわけありませんが、私はそれをまだ聞き及んでおりません。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 大臣も聞いていない。ところが、昨年の十月二十二日、それから六日後です。ノルウェー政府が、東芝機械及びノルウェーのコングスベルグ社のココム問題に関して捜査結果を公表いたしましたね。そのことは知っていますか。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 日時は私も定かでありませんが、そういう公表があったという報告は受けております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 内容はどういうことでしたか。(発言する者あり)

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 ちょっとお待ちください。静粛にお願いします。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 大変申しわけありませんが、今担当者を呼んでおりますので、後ほど詳細に御説明を申し上げることをお許しを願いたいと思います。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 それでは、山口先生に御同意を求めます。  本問題は、答弁者が参るまでお待ちいただくようお願いします。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 いや私は、土曜日でしたが、各省庁の人たちを集めまして、こういう質問をしますよ、ココム問題に触れますよということをちゃんと言っておきました。しかも、昨年以来、この東芝機械に対するココム違反の問題は、当予算委員会でも大いに議論された問題でしょう。まさに国政の重要課題の一つだったと思います。それが今のような状態では大変遺憾だと思います。  時間がむだですから、私の方から言いましょう。  東芝機械の製品の対ソ輸出以前からソ連原潜は静かになっており、この静かなスクリューを削ったのはフランス製の工作機械であり、ココム違反は、東芝以前に西ドイツ、イタリー、イギリスのメーカーも行っている、これが発表ですよ。東芝機械じゃないということをノルウェー政府は正式に公表しているわけですね。  このことは通産省の出先は知っておったわけですよ。だから、その六日前、日米の間で、ソ連原潜が静かになったことと東芝機械との因果関係の調査結果は日米間では公表しないことということで合意しているじゃありませんか。これはまさにペテンですよ。もうそういった公表があるということを察知をして、そうしてそれが発表される以前、ちょうど竹下さんが新総裁になられた直後のことですけれども、ノルウェーがこの調査結果を発表する、そのことを事前に察知をして、そうしてこの問題については日米間も一切知らない、調査結果は公表しない、こういったことを事前に決めるとは一体何ですか。国益に反するも甚だしい。  こういう状況がありながら、なぜ東芝機械の制裁解除ぐらい日米首脳会談で解決できなかったのですか。私はこの点は納得できない。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 政府に対して申し上げます。的確な答弁をお願いいたします。  野党の諸君も静粛に願います。後ろの方、静粛に願います。——何か不満があったら言ってきてください。いつでも受けさせていただきます。  通商産業大臣田村元君。ただし、発言の前に注意します。質疑に対しては的確にお答えください。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 大変申しわけございませんが、手違いというのでありますか、この質疑通告を通産省は知らなかったようでございます。これは、あるいは手落ちであったかもしれませんが、これはもちろん私の責任でございます。  私も実は、昨日母の葬儀をいたしておりまして、深夜に帰ってまいったものでございますから、詳しいことを存じませんでしたが、後刻正式にお答えをいたしたいと思います。(発言する者あり)

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 それでは、与野党の理事、前にお願いします。——それでは、委員諸君に申し上げます。  ただいま、明確な答弁資料が到着いたしますまでの間、社会党の主張どおり、到着を待つためにそのままの状況でお待ちいただきます。——それでは、大変お持たせをいたしました。会議を引き続き続行させていただきます。  山口質問者に対しては大変失礼を申し上げました。お許しをいただきます。  本問題の答弁は、通商産業省の貿易局長であります畠山貿易局長から答弁をいたさせます。畠山君。

畠山襄通商産業省貿易局長

○畠山政府委員 お答え申し上げます。  ノルウェー警察が、昨年御指摘のように十月二十二日に、東芝機械事件以前にもフランス、西ドイツ、イギリス、イタリア各企業がNC工作機械をソ連に輸出をしたのではないかということで調査結果を発表いたしました。具体的には、イタリアはイノセンティという企業、西ドイツはシーエス、ドリス、その他の企業、イギリスはカーナー・アンド・トレッカーという企業、フランスはフォレストラィンという企業、詳細もございますが省略いたしますけれども、そういうことを発表いたしております。  ただ、御指摘の、それの出たために日本と米国の間で何か捜査結果を公表しないようにとかいうような約束をしたとか、そういうことは一切聞いておりませんし、ないと考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 肝心のことをはっきり局長答えてないですね。問題は、ノルウェー政府の発表は、東芝機械の製品の対ソ輸出以前からソ連原潜は静かになっており、この静かなスクリューを削ったのは、今お話のあったようにフランス製の工作機械、そして西ドイツ、イタリー、イギリスの機械であるということをはっきり言っているじゃないですか。とすれば、東芝機械は全くぬれぎぬであった、これははっきりしたのじゃないですか。これははっきり認めてください。

畠山襄通商産業省貿易局長

○畠山政府委員 ノルウェーの警察の発表は、確かに東芝機械以前に今申し上げましたようなNC工作機械を今申し上げましたような国に出したということを言っておりますが、それとソ連の原潜が音が静かになったということの因果関係について、必ずしも明確にそのために音が小さくなったのであって、その後起こった事件とは全く関係がないんだというようなことは言っておりません。(発言する者あり)

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 静粛に願います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 今のようなことは、国民の皆さんは私は納得しないと思います。東芝機械がこの機械を出した。それ以前にフランス、そして西ドイツ、イタリー、イギリスからこのスクリューを削る機械が既に出ている。そうして、東芝機械が輸出以前からソ連のスクリュー音は静かになっていた、これははっきりしているじゃないですか。とすれば、東芝機械はまさにこれはぬれぎぬであった、もうはっきりしているじゃありませんか。これははっきり認めてください。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 私は、それを断定してお答えするわけにはまいりません。それは、コングスベルグ社の証明書自体がにせものであったのですから、いわゆる偽造されたものであったのでございますから、東芝機械もにせものを出したわけでございますから、明らかにこれは犯罪でございます。でございますから、それをもって今ここですべてを超えて、それはぬれぎぬであった、あるいはなかった、いずれにしても、それを私から今コメント申し上げることは差し控えたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 結局今のような御答弁が出てくるのは、このノルウェー政府が発表したのは十月二十二日、その六日前、十月十六日、日米両政府の間で、ソ連原潜が静かになったことと東芝機械との因果関係の調査結果は公表しないということを合意しているから、今おっしゃったようなことになるのじゃありませんか。そういうノルウェー政府の発表が出ることも察知して、事前にこういった合意を日米両政府でやるということは、まさにこれは国益に反する遺憾な事態じゃありませんか。真相の究明を徹底的にやっていただきたいと思います。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 私は、そういう合意をしたという報告を受けておりません。でございますから、先ほど私がお答えをいたしましたことはそのこととは無関係でございます。しかし、非常に事は重大でございますから、徹底的に調査をいたします。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 局長、日米両政府で先ほど申し上げたような合意をやっているでしょう。

畠山襄通商産業省貿易局長

○畠山政府委員 そのような合意があれば私どものところにそのような相談なりなんなりがあると思いますので、そのような相談は一切ございませんでしたから、私としてはそういう合意はないというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 外務省、どうです。

斉藤邦彦外務省条約局長

○斉藤(邦彦)政府委員(外務省) 外務省といたしましても、そのような合意が日米間にできたということは一切承知しておりません。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 私は、権威ある方からこのような事実を明確に聞いております。したがいまして、ただいまのような御答弁は納得できません。  十月十六日の合意を別といたしましても、先ほど通産大臣がお答えになったように、少なくともノルウェー政府がこういった正式見解を出していることは事実なんですから、とすれば、東芝機械はまさにぬれぎぬであったということは、事実が、私ははっきり日時の事実が明確にこれを物語っていると思います。したがいまして、そういう意味では、この東芝機械の問題はまさにぬれぎぬである。あれだけ当委員会で大きな問題になったこの問題です。この問題については、少なくとも今予算委員会中に真相を究明して当委員会に公表せられることを要求いたしておきます。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 詳細に調べまして御報告を申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 少なくとも衆議院の予算委員会が開会されている間に、明確な事実が公表されることを強く要求をいたしておきます。  次にお尋ねをいたしますが、こういったことがあることを踏まえれば、私は、今度の日米首脳会談で東芝の制裁条項を解除する、それから半導体制裁一億六千五百万ドル、まだ解決していませんね、この問題についてこの報復関税を解決するというのが当然ではなかったか、こう思います。この点、総理はどのような話を日米首脳会談でいたしたのですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 日米首脳会談におきましては、その問題は具体的に討議の議題として首脳会談の場所では出なかった問題でございます。  ただ、それまでの間におきまして、シュルツさんと私でございますとかベーカーさんと私でございますとか、個別会談も行われております。さらにはシュルツ・宇野会談、こういう間においてそれぞれの会談が行われております。これについて、その会談の中身を詳細にここで私が、全部知っておるわけではございませんので申し上げるわけにもまいりませんが、いわゆる東芝制裁問題というのは、御案内のとおり、東芝機械ではなくおよそ東芝と名のつくものを世界じゅうのPXその他にも納めることをしない、こういう国会の決議があるわけでございますよね。  その決議がどのようにして実効を上げない形になっていくか。これは、行政府間だけで話をする問題でもございませんけれども、そういう問題は十分念頭に置いてお互い意見交換をしたということは事実でございます。したがって、今山口さんが御指摘なすったように、全く東芝機械そのものでない、およそ東芝と銘打ったものがそのような形になることに対する懸念の表明とこれがないようになることを、これは行政府間で話す課題とは別といたしましても、その問題も指摘して話し合いをしたことは事実でございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 私は、東芝機械と東芝全体とは区別して言っているつもりです。したがって、もとの東芝機械がぬれぎぬなんですから、今東芝に対して全般的な制裁措置をとっているということはまさに不合理きわまりないということだと思います。  それから、これとはおのずから別個の問題でありますけれども、半導体制裁、一億六千五百万ドル報復関税を課しているという問題も、これは極めて不合理であることは言うまでもないと思います。先ほど私申し上げたように、日本は今アメリカに対して大きな貢献をしているのですから、私は、やはりこういった問題については率直に要求して国民のために問題を解決すべきである、それだけの姿勢を持って竹下内閣はこれから頑張っていただきたいということを強く要求をいたしておきます。  それから、次にお尋ねをいたしたいと思います。  今度の日米首脳会談の目玉と言われる米国のSDR売却によるドル下落防止対策、これは一体効果があるのでしょうか。また、日本がこのアメリカ財務省保有のSDR、これを買って円をアメリカに渡す。日本が保有したSDRというのは使い道が一体あるのですか。私は、このようなことはこの日米首脳会談で大きな成果というようなことは毛頭言えない、こう思いますが、一体いかがですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 G7等々の合意に基づきまして各国が為替市場に共同で介入をいたしておるわけでございますが、そのための資金にこれは関係する問題でございます。従来ともアメリカが介入資金に困ったということはないように思いますけれども、今度の場合、総理大臣と大統領との合意によりまして、特にSDRの売却によって必要があれば資金を調達するといたしましたことは、アメリカ自身が世界に対して資金的にはいろいろな方法がある、こういう用意もあるということを公に申したという意味で、大変に象徴的な効果があったと私は考えております。  アメリカ自身の持っておりますSDRは、確かにそんなに大きい金額ではございません。そういう御質問だと思いますが、それ自身はそうでございますが、SDRを売ってでも必要があれば資金をつくると申しましたことは、アメリカの決意を事実で裏づけるという意味合いがあったというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 アメリカの持っているSDRは八十億ドルぐらいでしょう。八十億ドル相当だと思いますがね。金額も大したことはない。問題は、それでは日本がSDRを買って円を渡した。日本はSDRを八十億ドル程度仮に保有をしても、このSDRというのは今日本には何の使い道もないじゃありませんか。総理、どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 御承知のようにSDRはああいう経緯でできておりまして、今一・プラスドル、一ドルより大きいわけでございますが、これを我々が外貨準備として持つということはそれなりに意味のあることでございます。我が国は、外貨準備は確かにかなり持っております。持っておりますが、その上にSDRが加わるということは、これは決して無用の財産ではございませんので、迷惑をするというようなことはもちろんございません。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 別に迷惑すると言っているわけじゃないのですよ。結局このSDRというのは、開発途上国の中南米が資金に困ったときにIMFに駆け込んで、そうして自国の通貨を防衛するためのものでしょう。ですから、結局、日本のような貿易黒字国がSDRを余計持ったところで何の使い道もないじゃありませんかと、こう言っているのですよ。どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 SDRをせっかく各国の合意でIMFでつくり出したわけでございますから、主要国の我が国がそのSDRをよその国よりたくさん持つということは、これはIMFに協力するあるいは世界の金融通貨体制に協力するという意味で私は結構なことである、外貨準備はたくさんございますから、特に今それが目先必要だというような意味ではございませんけれども、IMF体制の強化のためには私は結構なことだろうと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 ですから、目玉だ目玉だと宣伝するほどのものではないんじゃありませんかと私は言っているのですよ。それだけ長々と説明しなきゃならないようなものであって、決してこの日米首脳会談、目玉がありました、SDR、これでもってアメリカがドルを防衛することになりました、万歳万歳というようなものではないじゃありませんかと私は聞いているのです。総理、どうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 おっしゃるように、このSDRというものは、これは声明に別に載っけなくても、今でもそれはできることでございます。それからもう一つは、中央銀行間のスワップ、あるいは山口さんのおっしゃっているのはそれ以上にレーガン・ボンドなんか考えたらどうだというようなことが、山口さんの質問の裏が大体私には見えるような気がいたしますが、あえてSDRを書きましたのは、すなわち、そうまでしてでもいわば共同した協調をとる姿勢があるよということを内外に示すところに意義があるではないか、このように判断したわけでございまして、これでもって目玉だ目玉だなどといって喧伝するほど私もおこがましくはございません。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 ですから、目玉というには、レーガン・ボンドの発行ぐらい約束させてきたらこれは目玉じゃないんですか、こう私は聞きたいと思っておったわけです。なぜそこまでいかなかったのですか。したがって、SDRの問題では目玉でない、レーガン・ボンド、目玉を何でおつくりにならなかったのか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この点は、便宜私からお答えをさせていただきます。  レーガン・ボンドを発行することが世界を納得させるゆえんではないかという議論は、我が国の学者にもアメリカの学者にもございます。が、これについてのアメリカの政府当局の今の考え方は、私がそんたくいたしますと、介入資金は幾らでもある、それにもかかわらずなおレーガン・ボンドを発行するということになれば、アメリカ政府当局自身がドルのこれからの減価といいますか弱さをむしろ世界にいわば告白するようなことに受け取られるのではないか、アメリカ自身はこれについては十分の自信を持っておるので、市場に対して誤解を与えるような結果に逆になるのではないかという、そういう見地からこの問題について消極的である、私はそのようにそんたくをしております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 SDR売却によってのドル防衛というのは決して目玉でもなかった、竹下総理もレーガン・ボンドぐらいやれればよかったなという気持ちがあったけれどもそれはできなかったということだけわかりましたから、ほかへ移りましょう。  ここで一つ、私はちょっと違ったことをお尋ねしたいと思うのです。  それは、昨年の予算折衝に絡む党首会談で土井委員長から次のことを要求しました。それは、今交通遺児の奨学制度はございます。この奨学制度を受けております交通遺児の皆さんが、あの昨年十二月雪の日に募金までいたしまして二億円のお金を集めたそうです。  ところが、例えば子供さんが海でおぼれようとしている、それを助けるために飛び込んだ、ところが残念ながら死亡せられたという、災害でお父さんを亡くしたこの遺児、これらの方の奨学制度は残念ながら現在ございません。したがって、交通遺児の人たちは、自分たちが世話になったんだからやはり同じような苦しみをやっている災害遺児の奨学制度を何としてもつくりたいということで、熱心に運動しておられることは総理もよく御存じだろうと思います。私どももそのことを土井委員長を通じて要求をいたしました。  ところが、そうなりますと、災害遺児の場合は各省庁に絡む。したがって、内閣官房にある内政審議室で早急に検討させよう。問題は、六十三年度予算にはそれは計上されておりません。しかし、四月一日まで精力的に詰めていただければ、予備費等を使って数千万円の金を支出すればできることなんですから、私はやっていただきたい。  といいますのは、結局そういった中学生の三年生の方がいるわけですよ。それで、高等学校には四月一日進学しなければなりません。四月一日までにこれができなければ、中学三年生の子供にとっては一生高等学校に入学する機会が閉ざされるということにもなりかねないわけなんです。この点はひとつ、党首会談で出ました問題ですから総理もよく覚えておられると思います。四月一日までにぜひともこれを実現いただきたい、災害遺児の奨学制度を実現いただきたい、強くお願いしておきます。いかがですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 党首会談におきまして、土井党首のみでなく各党から出た問題でございますので、まさに共通認識になっておるのではないか。そのときにお答えいたしましたことは今おっしゃったとおりでございまして、日本育英会の制度の中で特別な配慮を行っておりますが、今の御趣旨はよくわかりますので、関係省庁でよく検討させる所存です、こう申し上げた。それに対して、やはり入学期の始まる四月一日ということをおっしゃって、そういうことを念頭に置きながら、確かに各省にまたがる問題でございますから、交通遺児の関係のように因果関係が非常にはっきりしない問題でございますので、御要請に沿う形で鋭意検討を進めてまいります。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 ぜひこれは新学期に間に合うように精力的に詰めていただくことをお願いしたいと思います。いいですね。  それから……

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 ちょっと待ってください。  総理、お答えはいいですか。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 いいですね。ぜひ間に合うように精力的にやっていただきたい。よろしゅうございますね。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 総理大臣、的確に御答弁願います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 よくわかりました。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 総理は物の豊かさばかりでなく心の豊かさを目指していきたいということも言われたわけですから、それで今のような御質問をいたしました。明確なお答えをいただいて結構に存じます。  経済見通し、拝見いたしました。六十三年度経済見通しによりますと、内需で四・八%の成長を達成したい、こう言っております。それから国民総生産、GNPでは三・八%の成長を達成したい、こう述べておられるわけですが、自信がありますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 便宜私からお答えいたします。  自信がございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 それから、経済見通しでは一ドル百三十三円ですね。予算では一ドル百三十五円で見込んでいるそうです。なぜ経済見通しの百三十三円とそれから予算で見込みの百三十五円、二円違うのですか。その点をお尋ねいたします。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 経済見通しは、六十三年度は一ドル百三十三円を前提にしておりますが、これはたしか見通しを立てる前の一月間の平均で計算をしております。  それから、予算の方も十一月中の平均をたしかとっておると思います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 何で違うのですか。何で違わなければならないのですか。何で合わせてはいけないのですか。

西垣昭大蔵省主計局長

○西垣政府委員 お答えいたします。  予算の積算に当たりましては、十一月一月平均のレート、これを用いております。これは予算積算上その時点でないと間に合わないものですから、一月平均にいたしました。  それから、経済見通しの方は、ぎりぎりの、恐らく十二月の半ばまでをとりまして、それまでの一月ということでおやりになったのだと思います。たまたまことしは違いますが、去年は一致しておりまして、たしか一昨年はまた一致しておりませんでして、これはそのときそのときの事務的な扱いでそうなっているのだと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 とにかく、こういったもとの数字が予算と経済見通しで違うのですからね。  それで、党首会談のときに、百三十五円、予算。これは大丈夫、責任持てますねと言ったら、宮澤さん、責任持ちます、大丈夫ですとおっしゃいましたね。今、百二十七円じゃないのですか。年間、この百三十五円、責任持てますか、

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 いわゆる市場において取引されていることでございますから、G7はその安定化に最大の努力をいたしておりますけれども、党首会談でお尋ねがございましたときも、もとよりこれは市場の現象であるということは御存じの上でお尋ねということはもう明らかでございますから、私どもとしては安定に万全を尽くすという意味で、自信があると申し上げたのでございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 党首会談でも自信がある。ここでも明確に言われたわけですから、自信があると言ったのに後で違った場合は、またその際質問をする機会があるだろうと思いますので、これはその程度にいたしておきましょう。  問題は、最近の経済数値を拝見いたしました。昨年、見ますと、七月から九月、個人消費の伸びがどうかといいますと、勤労者世帯は〇・六%しか伸びていません。ところが、自営業者、自由業者、一般世帯は四・三%も伸びております。いろいろ関係があるのでしょうが、そのことはいろいろ申し上げません。  それから最近の賃金、昭和五十二年から昨年までの賃金の動向を政府の資料等で拝見いたしますと、GNPの名目の伸び率を名目賃金の伸び率は下回っています。こと十年間ずっと下回っています。私は、これは大変なことではないか、こう思います。  そうして、我が国の労働分配率というものを見ますと、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツに比べて非常に労働分配率が低いわけです。西ドイツ、フランスに比べると約一〇%ぐらい低いですね。イギリス、アメリカに比べまして五%ないし三%も低い。ですから、これが我が国の国際競争力のいわば力になって出ているのじゃありませんか。だから、そのために貿易摩擦も激化するということになっていると思います。  したがって、私はそういった我が国の経済の動向を考えました場合、経済見通しで述べております雇用者所得五・二%を予定しているようですね、経企庁長官。私は、これ以上の伸びを雇用者所得でつくっていくということが日本の経済全体をマクロ的に見た場合、あるべき姿ではないだろうかというふうに思います。この点、総理、どう思いますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 雇用者所得が増加するということは、可処分所得が増加するということであって、それが消費を刺激して、いわゆる経済の成長率に寄与するという原則論からいえば、おっしゃるとおりであると思います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 名目賃金が伸びることが可処分所得をふやす道であり、そうしていくことが経済見通しで述べている内需四・八%伸ばしていこう、こういうことなんですから、それを達成するためには、どうしてもそれが必要だという認識では一致していると思います。  問題は、きょう日経連の会長をお呼びしたのですが、何か手違いで来ていないそうですが、その点は残念ですけれども……。日経連などは、定期昇給だけで結構ではないのかというような、大変いかがかと思うような考え方をとっておられるようであります。そんなことをしたのでは、経済見通しの内需寄与度四・八%を達成することもできないし、それからまた、経済見通し全般のGNPの伸び率を達成することも不可能になってくる。  したがって、政府全体としては、経済見通しをお立てになった以上、この経済見通しが目指している方向、内需寄与度四・八%、それから雇用者所得の伸び五・二%、これをやはり実現をしていく。さらにまた、今の我が国の経済全体を考えれば、もっと内需が伸びていくことは必要なんですから、そういった形に政策をマクロ的に誘導していくということが私は必要だと思うのです。その点の決意を、私は総理にお聞きしたいと思うのです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、国民生活の向上のために経済成長の成果を賃金等に適切に配分していくこと、これは望ましいことだという認識は申し上げました。ただ、企業における個々の具体的な賃金につきましては、これは労使が自主的に決定することが原則であるというのも、かねて歴代内閣で申し上げておるところであります。  そこで、私も日経連がどうおっしゃったということに対する論評を加える考えはございませんが、ただ私自身、政権を担当しましてから、例えば円高差益還元があったとする、ああ、これは結果として減税数千億になるのだな、そういうようなことを考えますと、やはりこれはただ、いわゆる可処分所得をふやすというのは、賃金の形で積極的にふやす場合と、諸物価が安定して結果としてふえる場合と、そういうのを総合的に経済計画の中では勘案してこの方向を提示されることが妥当ではないかな、こんな、これは単なる感想でございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 単なる感想と言われましたが、私も長らく国会で仕事をしてきました。総理も長い間、それぞれ経験がございましょう。特に総理官邸のお仕事が長かったように承知しています。  率直に言いますと、春闘の時期になる、そうすると、総理官邸、特に官房長官とか副長官とか、役人の副長官の方々が、政府はいろいろ許認可権限を握っていますから、そういった権限をちらつかせて、そうして特定の産業が特定の組合に対して賃上げ回答しようとするときに、それを牽制するということは、これはもうしょっちゅうやっておられたんじゃないですか。そういうことはもう具体的に言うことは差し控えますけれどもね。  そういうことは、少なくとも今言ったように、日本の経済全体を素直な方向に持っていこうというときには、むしろ上がることを誘導こそすれ、そんなに上げちゃいかぬ、そんな回答を出しちゃいかぬというような、そういった、何といいますか干渉じみたことは一切やらないということだけははっきりお返事をいただきたいと思うのですが、いかがですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 したがって、申し上げましたように、労使が自主的に決定するというのが大原則であって、山口さんの過去の経歴と私の過去の経歴が、賃上げ問題、なかんずく、やはり三公社五現業が主体であったと思うのでありますが、幾たびか話し合いをした経験は持っておりますが、政府がいわゆる民間の賃金問題に対して口を挟むというようなことは、これは厳に慎むべきことであるという鉄則は私も承知しております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 今まで、過去遺憾なことがあった。ことしはもうそういうことは厳に慎む。そうしてせっかくお立てになった経済見通し、それが達成されるように、この内需の寄与度、それから雇用者所得の伸びというものが見通しないしはそれ以上に達成するように、竹下内閣としてぜひとも、財界とお会いになる機会もしばしばあるんだろうと思いますが、そういう意味での政策の誘導を、個々になんてことは申しません、マクロ的な立場でおやりいただくことをこの際要求をいたしておきたいと思います。  と申しますのは、ドルで計算すれば、日本の働く皆さん方の賃金は高いじゃないかなんて言いますけれども、実際は購買力平価で見れば、決してそんな状況ではないわけですね。購買力平価、一ドルが今二百六円ぐらいじゃないか、こう言われておりますので、それを使えば、日本の賃金はアメリカ、西ドイツよりも三割ぐらいは低い、実際には、買えるものは、というのが実態だと思います。そういったことも十分考えてこれから経済を運営いただきたい。お願いをいたしておきます。  円高差益のお話が出ましたが、経企庁の資料をいただきました。今日まで二十九兆四千五百億円、このうち還元をされたものが二十兆五千百億円、還元率が六九・六%ということだそうであります。しかし、これも余り生活実感からはぴんとこないですね。衆議院本会議でも議論がありました。航空運賃のこときは、航空燃費は五〇%も五年間に下がっているでしょう。ところが、航空運賃の認可料金、サービスで割り引く運賃はこれは低いのもあるようですけれども、規定の認可料金というのは非常に高いですよね。これは民社党の委員長さんも本会議でおっしゃられたとおりだ。こういった航空運賃の認可料金、運輸省に権限があるのだろうと思いますが、こういうものはやはりずばっと下げるということは必要じゃありませんか。KDDの料金もそうだろうと思いますが、こういったものを円高差益が十分還元されるようにおやりになるつもりがあるかどうか、お尋ねいたします。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○石原国務大臣 航空料金の形成というのは非常に難しい方程式になっておりますから、ここでつまびらかにいたしませんが、いずれにしろ、差益をとにかく還元するように指導しておりまして、現在のところ、相手側の料金も上げさせまして大体百六十円建てにはなっておりますけれども、なおやはりこれは現況に近い形で改良するように努力いたします。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 ちょっとお待ちください。大臣、下げることを上げると言っていますから、それを直してください。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○石原国務大臣 失礼いたしました。  百六十円建てになっておりますので、為替の現況に近い形で値下げをするように指導するつもりでございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 そうでなければおかしいと思います。百六十円建てでいいなんということじゃ困るわけでして、現在百二十七円。下げるように、これも国民の福祉にかかわることですから、きちっとやっていただきたい。  ほか、いろいろ例を挙げたいと思いますが、時間の関係もありますので、一つだけ例を挙げました。  政府全体として円高差益の還元には全力を挙げるということで取り組んでいただけますね。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 先ほども申しましたように、まさに物価の安定あるいは円高差益の還元というのは、これは実質的な減税であるというような考え方に立って極力努力してまいります。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 そこで、先ほど来働く国民の皆さん方の可処分所得をふやすということが問題になってまいりました。所得をふやすことも可処分所得をふやす道でありますが、いま一つ減税の問題があります。  昨年竹下さんが自民党幹事長でございましたときに、書記長・幹事長会談をいたしました。そうして所得減税一兆五千四百億円の回答をいただきました。我々はこれでは不満だという意思表示を強くいたしたことは竹下さんも御存じだろうと思います。そうしてその際、来年度は住民税減税をその上に乗せるので二兆円を超える減税になるというお話もございました。その際私は、基礎控除を初めとする控除を引き上げるべきではないのか。  それから、パートの減税の問題。実は私、国対委員長をいたしておりましたとき、自民党の国対委員長はたしか森下さんだったと思いますが、国対委員長会談でパート減税について議論をいたしました。森下国対委員長は五万円の引き上げをお約束されたのでありますが、その後自民党内、政府のいろいろな御都合がございまして、残念ながら二万円の引き上げにとどまり、今、年額九十万円ということになっております。その際五万円というお話もあったわけでございますし、少なくとも年額百二十万ぐらいまでに引き上げることも当然ではないかと思います。  それからさらに相続税の問題。昨年来土地国会で問題になりました。速やかにこの相続税の問題を解決すべきだという野党側の主張に対して、大蔵大臣は、いや来年の秋ごろやるのでそのとき、それまで待てないじゃないか、いや実施時期は繰り上げますというようなことを言っておられたわけでございますが、そういうおかしなことをやるよりは、ここでもって相続税の減税についてきちっとおやりになったらいいじゃありませんか。固定資産税についても同様だと思います。  したがいまして、野党といたしましては、少なくとも一兆五、六千億円の減税の上積みが必要であるということをそれぞれ主張いたしているわけでございますが、昨年も書記長・幹事長会談でそのような話がありましたときに、これは来年検討する課題だなあということを当時竹下幹事長はおっしゃいました。ところが、あけてみると、この一兆五千四百億円の上、住民税減税の六千億という去年決まっておったものしか減税には出てこない。極めて残念であります。この際、減税をもっと上積みするというお考えはございませんか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 昨年お願いを申し上げました所得税の減税、住民税は今年になるわけでございますが、合わせまして二兆円の減税はさせていただきました。  なお、書記長の言われますように、これでサラリーマン等々を中心とした重税感が完全に解決できるかということになりますと、私どもも問題なしとしないと思っておりますので、将来に向かいましてもう少しいい姿の所得税等々を中心とした減税を考えさせていただきたいと思っております。  ただ、相続税の問題とも関連をいたしまして、私どもはこれから資産、消費、所得全般にわたりますバランスのとれた税制を御審議を願いたいというふうに考えまして、ただいま検討をいたしておるところでございますので、相続税の問題もやはりその一環として検討をし、案を決めさせていただきたい、こう考えましたので、今年はいわゆる住宅用財産の借りかえ等々の特例の廃止等々に限らせていただいたわけでございます。  他方で、土地価格の上昇がかなり急でございましたために、相続税については日をおくらせておりますと現実に困難な事態が生じてくるということもこれも事実でございますから、将来抜本的な改正の姿をお決めいただきます際にはそれを何かの形でさかのぼらせることを研究をして御審議をお願いいたしたいと考えておりますが、ただいま具体的にどのような形をとりますか、路線価額を御承知のように大体一月一日で改めておりますので、そういうこととの関連も考えながらやらせていただきたいと思っております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 秋にこの抜本税制を考える、何ですか竹下総理と宮澤大蔵大臣、あるいはその後自治大臣を加え、山中さんを加え、あるいは村山さんを加え、原田さんを加えて、秋にこの税制改革の政治日程というような物騒なことをお考えになっておるようでありますが、そのことは後で聞きましょう。そういうときにひっかけてやりましょうというようなこそくな手段でなくて、あれだけ国民的な問題になったこの相続税の問題等、今解決をするということが何でできないのでしょうか。それからまた、可処分所得の伸びが日本の経済のために必要だということになれば、所得減税はそういった抜本改正とは別に今国会できちっと解決をするということがあってしかるべきだと思うのです。そういったことを我々は強く要求をいたしたいと思います。  そこで、明日はガット理事会があります。一体どういう訓令を政府は出すのですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 ガット十二品目に対する御質問であろうと思いますが、昨年のガット総会におきまして、我が国の立場を明らかにし、なおかつ、その延長線上において二月の理事会においてきちんといたしますというふうに答えてございます。もちろん、国内体制を整えなくちゃなりませんし、農業の重要性というものを失ってはなりません。また同時に、ガット加盟国といたしまして、世界の協調、そうした雰囲気の中において、我が国もやはりガットに対しましては積極的な姿勢を示さなければなりません。  そういう意味で、本日正午に政府・与党首脳会談で最終的ないろんな問題が議論される、こういうふうに思っております。しかし、私たちといたしましては、理事会に対しましてはきちんとした措置をいたします、これがただいまの政府の考え方であります。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 きょうの昼の政府・与党首脳会議でなければわからぬ、こういうことですね。一体、受諾するのですかしないのですか。何品目受諾するのですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 御承知のとおり、十二品目のうちの二品目は灰色であるということになっております。したがいまして残りは十品目であります。その中におきましても、我が国の国情を考えた場合では、御承知のとおり、でん粉、乳製品、これに関しましては承諾できない、こういうふうに私たちは従来答えてきておるわけであります。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 アメリカがウェーバー条項で粉ミルクとか練乳とかチーズとかいうものを排除している、ECもフランスはパイナップル、西ドイツはでん粉というものを排除している、ところが日本にはこれらの問題の自由化が迫られている、大変不合理だということは我が党がかねがね主張したところです。  問題は、野党の議員みんなこれは十二品目自由化反対と署名いたしました。自民党の皆さん方も八割方は大体署名をいたしております。私の選挙区の群馬三区も大部分の方がやっておられますが、一人だけ内閣におられるからやらない方もおるようでございますが、それは別として、そういうことで、国会決議やったらどうかということを野党みんなが主張したですよね。ところが、自民党は八割の議員の皆さんが反対だと言っていながら、衆議院の国会決議はというと、自民党の幹事長あるいは国対委員長、執行部、うんと言わない。これは総裁がうんと言わないせいもあるんだろうと思いますが、これはおかしいと思う。議院内閣制という立場からいけば、竹下さんの基盤である自民党の議員の大多数がノーと言っているときに、それで野党も、そうだ、国会決議をやろうというときに、執行部がだめだと言う、これは議院内閣制に私は反すると思うのです。総裁の御見解を承りたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 確かに私、これは山口さんの質問等を受けながらいつも感ずることでございますが、議院内閣制で、主人が皆さん方で、主人から指名されたのが私であることも事実であります。そして一方、と同時に、行政府と立法府と、こういう考え方にあるときに、やはり国会内における問題は、行政府の長たる私はお答えを差し控えさせていただきたいというのが、限界として今日まで長いお互いの議会制度の中で定着してきたんじゃないかなと思います。  したがって、決議というのは立法府の問題でございますから、確かに自由民主党総裁じゃございますけれども、行政府対立法府という関係に当たる場合は、やはりそれは国会自身の問題だということで御理解いただくというのがお互いの長い経験の中の定着した最大公約数ではないかな、こう思います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 いや、納得することはできませんけれども、議院内閣制の立場からおかしい、安倍幹事長をここへ引っ張ってきて聞ければいいわけですけれども、そうもいきませんので……。  とにかく、自民党の八割までもの方が反対だと言っている、野党が全部反対の決議をしろと言っている、その決議ができないというのは、今の日本の議会制度からいって大変おかしい、問題だということだけは私、この際指摘をしておきます。  さて次に、お尋ねを変えたいと思いますが、INF全廃条約が調印をせられました。これに対して総理も、マニラであるいはアメリカのプレスクラブであるいは本会議で、それぞれ高く評価をされております。問題は、このINF全廃条約が調印され、そうして、ことしじゅうにはこの戦略核の五〇%が削減ということで米ソの間で合意するのではないだろうかというふうに我々期待をいたしております。  これは、今日まで広島、長崎の惨禍を受けた我が国の国民がこぞって核廃絶の声を上げてきた、そういったことを中心にいたしまして、また世界の国民の皆さん方が、核戦争の惨禍は避けるべきだ、こういう声を常に上げてこられた、こういったものがついに米ソの首脳をしてこのような全廃条約の調印に至らしめた、この点については私ども非常にうれしいと思っている次第であります。  問題は、このような状況が進んでいるわけでございますが、残っている核がございますよね。それは何かといえば、もうここで私が一々言う必要はないと思います。水中及び水上発射の核巡航ミサイルSLBM、SLCM、こういったものを持っている艦船、それから空中発射の核ミサイル、それから五百キロに満たぬ短距離の核ミサイルというものが残っていることになることはもう御案内のとおりであります。  問題は、今、日本の周辺、太平洋、日本海そうですが、このSLCM、SLBM、これらを持っている艦船がたくさん残念ながら存在をしているという状況を考えました場合、これに対する我が国としての対処の仕方を一体どうするかということが最大の課題であることは言うまでもないと思います。  我が国は非核三原則があります。我が党の元書記長でありました平林書記長が、この予算委員会で、非核三原則は国是であると認めますかということを当時の中曽根総理に向かって何回となく議論をしたことがございました。竹下さん、非核三原則は国是であるとお認めになりますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 我が内閣の基本政策であるというふうに私は整理しております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 国是かと聞いているんです。防衛庁長官に聞きましょう。国是であると思いますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 ただいま総理からもお答えありましたが、基本政策、かように心得ております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 おかしいですね。防衛白書を読んだのですか、瓦さん。防衛白書に何と書いてありますか。非核三原則は国是であると書いてあるじゃありませんか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 我が国の基本政策といたしまして非核三原則を堅持してまいる、このことは極めて重要なことと心得まして、基本政策として心得ながら政策を進めてまいりたい、かように思っております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 おかしいじゃありませんか。防衛白書に、六十二年度の防衛白書、六十一年度の防衛白書を読みました。「国是」とちゃんと書いてありますよ。国是であることを認めないのですか。だったらあの防衛白書を書き直してきなさい。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 基本政策である、こう申し上げまして、それは国是ととれるか、そうでありますとこう答えて以後、国是という言葉を使っておることは事実であります。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 それじゃ、国是であると認めますね。それから、防衛庁長官も国是であると答弁を訂正しますね。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、基本政策といたしましてまさにそれは国是に近い、国是として……(発言する者あり)

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 静粛に願います。——静粛に願います。答弁中です。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 基本政策として堅持してまいるということです。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 防衛白書を書き直してきなさい。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 基本政策としてこれを堅持してまいるということでございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 防衛白書を読んでみなさい。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 非核三原則を基本とし、これを国是として堅持してまいる、かようなことでございます。(発言する者あり)

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 静粛に願います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 防衛庁長官、防衛白書ぐらい読んでおいたらどうですか。総理も国是と認めました。——結構です。  そこでお尋ねをいたします。  非核三原則は、言うまでもなく核をつくらず、持たず、持ち込ませずですね。問題は、先ほど申し上げたような状況の中で、トマホーク搭載の艦船が日本に幾度となく寄港しようとして寄港いたしてまいりました。これに対して我が党、野党の皆さん方いずれも、当然安保条約六条に基づく事前協議、日本の側から核の有無を明確にすべきだということを絶えず主張してまいりました。私は、今こそこのことが国民にとって最も重要な課題ではないかと思います。  ニュージーランドのロンギ首相はそういった政策を堅持いたしております。非核三原則を持つ国是である日本。しかも、今申し上げたようにINF全廃条約が調印され、五〇%の戦略核がやがて廃絶される。そういった中で今、この非核三原則、持ち込ませず、これの持つ意味は私は極めて大きいと思います。疑わしい艦船が入港しようとするときには核の有無を日本側から事前協議を提案して確かめる、当然のことだと思いますが、それが国是に従う政策だと思いますが、いかがですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 古くて新しい問題とでも申しましょうか、今日まで議論を続けてまいりましたが、事前協議の対象になることは当然のことでありますが、事前協議がない限りにおいてその持ち込みはないというふうに、私どもは相互の信頼関係に立っておるということであります。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 事前協議がない限り核の持ち込みはない、私が聞いているのはそうじゃないのですよ。疑わしいものがあるから、当然日本側から事前協議を提案して確かめろ、こう言っているわけなんです。それをおやりになるつもりがあるかどうかということです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 日米安全保障条約というのは、相互の信頼関係に立っておりますので、こちらから検証のための話を持ちかけるという考え方はございません。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 それはおかしい。  じゃ、事前協議の提案権は日本側にあるという認識ですか、どうですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 事前協議に関しましては、ただいま総理がお話しなされましたとおりで、現在、事前協議はアメリカからするということが原則であります。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 そんなことは許しません。安保条約がこの国会で論議をされたときの総理大臣は一体どなたですか。外務大臣は一体どなたですか。また、非核三原則がこの衆議院本会議で議決されたときの総理大臣は一体だれでしたか。竹下さん御存じでしょうからお答えください。

斉藤邦彦外務省条約局長

○斉藤(邦彦)政府委員(外務省) 現在の安保条約が審議されましたときの総理大臣は岸総理大臣、外務大臣は藤山外務大臣でございます。  それから、先ほどの日本側から発議すべきではないかという点の御指摘でございますが、この点は国会におきまして何度か御議論のあったところでございまして、政府側からは、事前協議というのは、アメリカが核を持ち込もうと思うときに、それを日本側に事前に協議をして日本側の同意、これをアメリカ側の義務として規定しているという意味におきまして、日本側から発議をするというような意図を持ったものではないという次第、これは何度か答弁しておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 何を言っておりますか。この当時の岸総理は、事前協議はもちろん双方から提案できると明確に言っているじゃありませんか。それから藤山外務大臣は、ある部隊がそういうものを持っているかと聞くことを、日本側から聞くことを妨げるものでは毛頭ない、こう言っているじゃありませんか。安保条約を議論したときの総理は岸さん、外務大臣は藤山さん、このお二人の答弁こそが、当時国会が安保条約を批准するに当たっての政府の正式見解として受けとめてやったんじゃありませんか。  したがって、その後、条約局長が言っているように、高辻法制局長官がどう言ったとか役人がぐだぐだ言ったというようなことは、私はこれは問題ない。そうではなくて、今この非核三原則は国是であるということをお認めになった。しかも、あのレーガン大統領とゴルバチョフ書記長が十二月八日調印したときに、レーガンさん何と言ったですか、ゴルバチョフさんに向かって。信頼せよ、しかし検証が必要だということで、今度のこのINF全廃条約は詳細な検証手続が決まっているじゃありませんか。ゴルバチョフさんもそうだ。あなたは、レーガンさんはいつも会うとそればかり言う、おれもしかしそれは賛成だ。そういう時代じゃありませんか。しかも岸さん、藤山さん、明確な答弁をしている。これを変えるなんということはあるべきでない。国是である。したがって、岸、藤山、この当時の見解、日本側から申し出ができるということを明確にしてください。そうでなかったら私は日本の国益を守ることはできないと思いますよ。(発言する者あり)

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 斉藤条約局長。(発言する者あり)委員長が命令しております。静粛に願います。委員長が命令したのは斉藤条約局長です。斉藤条約局長、答弁。お静かに願います。

斉藤邦彦外務省条約局長

○斉藤(邦彦)政府委員(外務省) 安保条約、新安保条約の締結の国会での御審議の際に、この点、岸総理、藤山外務大臣よりの御答弁があったのは御指摘のとおりでございます。  そのときの藤山外務大臣の答弁の趣旨といいますのは、事前協議というのはアメリカ側から行われるべきものである、日本側からは随時の協議ということはできるけれども、事前協議の義務を負っているのはアメリカ側であるという答弁をしている次第でございます。  その後、何度も国会でこの点は御議論をいただきまして、いろいろな政府側の答弁もございますけれども、一貫して政府側が申し上げておりますのは、条約上の義務として負っておりますのは、事前協議の協議の義務として負っておりますのはアメリカ側である、事前協議というのはアメリカ側にその義務を負わしているものであって、発議権というものを日本側に与えているものではないという考え方に従って答弁しております。(発言する者あり)

浜田幸一自由民主党

○浜田委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ────◇─────     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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