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112回国会衆議院1988/03/01

法務委員会 第1号

発言数
10
登壇者
3
会派数
1
開催日
1988/03/01

会議録

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび、図らずも法務委員長の重責を担うことになりました戸沢政方でございます。  まことに微力ではございますが、法務関係に練達な委員各位の御理解と御協力を賜りまして、公正円満な委員会の運営に努めたいと存じます。よろしく御指導のほどお願いいたします。(拍手)      ────◇─────

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政等の適正を期するため、本会期中  裁判所の司法行政に関する事項  法務行政及び検察行政に関する事項 並びに  国内治安及び人権擁護に関する事項 について、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ────◇─────

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 法務行政、検察行政、国内治安及び人権擁護に関する件について調査を進めます。  この際、法務行政等の当面する諸問題について、林田法務大臣から説明を聴取いたします。林田法務大臣。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○林田国務大臣 委員長を初め委員の皆様には、常日ごろ法務行政の適切な運営につきまして、格別の御支援と御鞭撻をいただき、厚く御礼を申し上げます。  法秩序の維持と国民の権利の保全を図ることを使命とする法務行政の運営に当たる私の基本的姿勢につきましては、昨年の当委員会において就任のごあいさつをいたしました際に申し述べたところでありますので、ここでは、当面する法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。  第一は、最近の犯罪情勢と治安の確保及び法秩序の維持についてであります。  最近における犯罪情勢を概観いたしますと、全般的にはおおむね平穏に推移していると認められるのでありますが、その内容を見ますると、身の代金目的の誘拐事件、保険金目的の殺人事件、暴力団構成員による銃器を使用した殺傷事件等の凶悪事犯が後を絶たず、地方公共団体の首長等による汚職事犯も依然として多発しており、さらにはコンピューターによる情報処理システムを悪用した事件、多数かつ広域にわたる一般庶民を対象とした詐欺事件、えせ同和団体による恐喝事件、地価高騰を背景とした不動産取引に関連する暴力事件、多額の株式売買益の脱税事件等の最近の社会経済情勢を反映した事犯も相次いで発生しているほか、来日外国人による犯罪や諸外国と捜査共助を要する事件の増加など犯罪の国際化の傾向が一層顕著となってきており、また、覚せい剤を初めとする薬物の乱用も引き続き鎮静化する兆しを見せることなく一般国民の間に拡散浸透していると認められるのであります。さらに、過激派集団は、新東京国際空港第二期工事阻止等を呼号し、過般の皇太子殿下沖縄訪問の際における皇居等に対する金属弾発射事件に見られるように悪質なゲリラ事犯等を相次いで敢行しているほか、昨年十一月には昭和五十二年九月に発生したいわゆるダッカ・ハイジャック事件の犯人である丸岡修が日本国内において逮捕されるなど、日本赤軍の新たな活動をうかがわせる動向も看取され、警戒を要するところであります。加えて、次代を担うべき少年の非行は依然として高い水準を維持しているのでありまして、今後における犯罪の動向には、引き続き厳戒を要するものがあると申さなければなりません。  私は、このような事態に的確に対処するため、検察態勢の一層の整備充実に意を用いるとともに、関係諸機関との緊密な連絡協調のもとに、適正妥当な検察権の行使に遺憾なきを期し、もって良好な治安の確保と法秩序の維持に努めてまいりたいと存じております。  第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正処遇と保護観察処遇についてであります。  犯罪者及び非行少年の社会復帰及び再犯防止につきましては、国民各層の幅広い参加、協力を求めながら、刑務所、少年院等における施設内処遇と更生保護機関による社会内処遇を一層充実強化し、相互の有機的連携を図る等、その効果を高める措置を講じてまいる所存であります。  そのためには、まず施設内処遇につき、犯罪者の改善更生及び非行少年の健全育成の推進に効果的に寄与し、時代の要請にもこたえ得る適切な矯正処遇の実現に努めるとともに、関係機関・団体相互の緊密な連携のもとに適時適正に仮釈放を許して保護観察への円滑な移行を図り、また、保護観察等の社会内処遇において、現下の社会情勢、犯罪情勢の変化に即応した有効適切な処遇及び措置のあり方を追求し、実施してまいりたいと考えております。  また、監獄法の全面改正を図るための刑事施設法案につきましては、第九十六回国会に提出し、第百回国会において衆議院が解散されたことに伴い廃案となった経緯がありますが、その後、法務省では、同法律案の修正を求める動きのあった日本弁護士連合会と合計二十六回の会議を持って、意見の交換を行うとともに、留置施設法案を所管する警察庁と意見調整を図り、必要な修正を加えた上、昨年四月三十日、第百八回国会に再提出し、以後の四国会において継続審査の扱いとなって現在に至っております。刑事施設法案は、もはや時代に適合しなくなった現行監獄法を全面的に改めるもので、刑事施設の適正な管理運営を図るばかりでなく、被収容者の人権の尊重に配意し、被収容者の収容の性質に応じて適切な処遇を行うことを目的として、被収容者の権利義務に関する事項を明らかにし、その生活水準の保障を図り、受刑者の改善更生に資する各般の制度を整備するなど、被収容者の処遇全般にわたって大幅な改善を行おうとするものであります。監獄法の改正作業は、昭和五十五年十一月に法制審議会の答申を得てから既に七年を経過していて、立法化が急がれるのでありますが、これは、刑事司法の重要な一翼を担う矯正制度の近代化を図るものであって、現行法では実現不可能である国際水準を満たす法制度の確立という観点からも不可欠のものであります。今国会において十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。  第三は、一般民事関係事務の処理、訟務事件の処理及び人権擁護活動についてであります。  一般民事関係事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大するとともに、社会経済生活の多様化を反映して複雑困難の度を強めてきております。これに対処するため、かねてから人的物的両面における整備充実に努めるとともに、組織・機構の合理化、事務処理の能率化・省力化等に意を注ぎ、適正迅速な事務処理体制の確立を図り、国民の権利保全と行政サービスの向上に努めてまいったところであります。特に、登記事件は、経済規模の拡大、公共事業の活発化等に伴い増加の一途をたどっているところであり、その適正迅速な処理を確保することが重要な課題であります。このため、昭和六十年度に創設された登記特別会計制度の趣旨に即して、コンピューター化を中心とする登記事務処理体制の抜本的改善に鋭意努める所存であります。  その一環といたしまして、登記事務のコンピューター化について昨年十月に得た民事行政審議会の答申を踏まえ、不動産登記法等の一部を改正する法律案を今国会に提出すべく鋭意立案作業を進めているところであります。提出いたしました際には、十分な御審議をいただき、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。  次に、訟務事件は、今日の社会経済情勢と国民の権利意識の変化等を反映して、複雑困難な事件が増加する傾向にありますし、訴訟の結果いかんが政治、行政、経済、社会等の各分野に重大な影響を及ぼすものが少なくない状況にありますので、今後ともこれら事件の適正妥当な処理に万全を期し、個人の権利・利益と国民全体の利益との間の正しい調和が図られるようにすることに努めてまいりたいと存じます。  また、人権擁護行政につきましては、従来より、国民の間に広く人権尊重の思想が普及徹底するよう努めてきているところでありますが、特に本年は世界人権宣言四十周年に当たりますので、この機会に国民の基本的人権の保障をより一層確かなものとするため、さまざまなメディアを通じての啓発に一段と工夫を凝らしてまいる所存であります。また、具体的な人権に関する相談や人権侵犯事件の調査処理を通じて関係者に人権思想を啓発し、被害者の救済にも努めてまいる所存であります。  なかんずく、法務省が二年有半取り組んできましたいじめの問題及び教育職員による体罰の問題、さらには部落差別を初めとするもろもろの差別事象の問題につきましては、関係各省と緊密な連携を保ちながら、国民の人権意識に訴えることを通じて、その根絶を図ってまいりたいと考えております。  第四は、出入国管理事務の処理についてであります。  近年、我が国と諸外国との交流が、政治、経済、文化等のあらゆる面においてますます活発となるに伴い、我が国に出入国する内外人の数が逐年大幅に増加するとともに、我が国に在留する外国人の活動の範囲や内容も一層複雑、多様化しております。また、周辺アジア諸国から入国した者による不法就労等の違反行為も激増の一途をたどっている状況にあり、殊に、最近の円高等を背景として、発展途上国からの男性による不法就労事案が急増し、我が国の社会、経済などに悪影響を及ぼすおそれも生じております。さらに、最近発生いたしました諸事件との関係から改めて指摘されましたとおり、不良内外人の出入国の厳重な管理が一層必要となってきております。このような現下の情勢にかんがみ、今後とも出入国管理事務の迅速適正な処理及びそのための組織・体制の一層の充実強化に努めてまいりたいと考えております。  なお、さきの国会で成立いたしました外国人登録法の一部改正につきましては、国会での御審議の経緯等を踏まえつつ、実施へ向けて鋭意その準備を行っているところであります。  第五は、司法試験制度の改革についてであります。  司法試験は、裁判官、検察官または弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を判定する国家試験でありますが、その受験者及び合格者の動向を見ますると、近年合格者の平均年齢は約二十八歳で、合格までの平均受験回数が約六回であるなど、特に在学生を中心とする若年者にとって非常に合格が困難な試験となっております。もとより司法試験は将来の法曹となるべき者を選別する極めて重要かつ高度な試験であり、その合格が困難であることは当然とも言えるのでありますが、現状においてはその合格が余りにも困難であるがゆえに、かえって優秀な人材に法曹への道を敬遠させ、あるいはいたずらに長時間の受験勉強を強いる結果となっているのではないかと懸念するのであります。他方、法曹を取り巻く諸情勢を見ますると、我が国社会は将来ますます高度化し、また、国際化していくと思われるのでありますが、そうした中で法秩序を維持し、基本的人権を擁護すべき法律家の役割は一段と重要になると考えられます。こうした新しい時代において国民に対する法的サービスをさらに充実させ、社会の高度化、国際化に対して法曹がより的確に対応し得る条件を整備し、また、司法権及び検察権行使の一層の適正迅速化を図るためにも、司法試験制度の改革は焦眉の課題であると考えられるのであります。  このような観点から、私は司法試験制度のあるべき姿につきまして、各界の有識者から種々貴重な御意見を承っているところでありますが、さらに関係各方面とも十分意見交換を行った上で、可及的速やかに法務省としての改革案を取りまとめ、その実現に努めてまいりたいと存じます。  以上、法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べましたが、委員長を初め委員各位の御協力、御支援を得まして重責を果たしたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 この際、委員長から申し上げますが、昭和六十三年度法務省関係予算及び昭和六十三年度裁判所関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承を願います。      ────◇─────

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 お諮りいたします。  本日、最高裁判所大西事務総長から出席発言の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  大西事務総長。

大西勝也最高裁判所事務総長

○大西最高裁判所長官代理者 東京高等裁判所長官に転出いたしました草場前事務総長の後を受けまして、去る二月十五日最高裁判所事務総長を命ぜられました大西でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  改めて申すまでもございませんが、裁判所は、具体的な事件の裁判を通じまして基本的人権を擁護し、法秩序の維持を図るという重要な責務を負っております。この使命を果たすことができますように、司法行政の面におきまして微力を尽くしてまいりたいと存じております。  幸いにして、今日まで、当委員会の皆様方の深い御理解と力強い御支援によりまして、裁判所の運営も逐次充実してまいりました。今後とも一層の御支援を賜りますように切にお願い申し上げまして、簡単でございますが、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長 次回は、明二日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時二十二分散会

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