文教委員会 第5号
- 発言数
- 293 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1988/04/13
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤徳雄君。
○佐藤(徳)委員 義務教育国庫負担法の中身に入る前に、通告はしておきましたが、立法府の基本にかかわる問題がございますので、若干時間をとって質問申し上げ、大臣から適切な御答弁をいただきたい、こう思っておるところであります。 先般行われました衆議院の文教委員会では同僚の中西議員が、そしてまた四月五日に行われました参議院の予算委員会におきまして同僚の久保亘議員が、いわゆる「教職員の服務規律の確保について」の問題についていろいろ大臣のお考えを承ったはずであります。私も、御両人の発言をされました内容、そしてまた大臣の詳細な答弁、これを読ませていただきまして幾つか疑問点なり問題点があると思ったわけであります。指摘をしながら大臣の御見解を承りたい、こう思っているわけであります。 いわば、冒頭私が申し上げましたように、この「教職員の服務規律の確保について」の問題につきましては、大臣の御答弁を聞けば聞くほど、まさに立法府の基本にかかわる問題だというふうに私は認識をしているところであります。 さてそこで、参議院の予算委員会における久保亘議員と内閣法制局長官のやりとりがございます。大臣、お聞きになってその中身は既におわかりだと思うのでありますが、特にその中で憲法第十六条の問題について触れていらっしゃいます。この憲法第十六条は国民の請願権を保障している問題でありまして、憲法第十六条は請願権を保障しており、請願権の保障はすべての国民に及ぶものである、こういう法制局長官の答弁が出されているわけでありますが、本委員会におきましても、この部分についてそのとおりであると確認ができますか、大臣お答えください。
○中島国務大臣 過日、久保亘議員の御質問に対して法制局長官がお答えをいたしました。その質疑の内容は私も伺っておりました。そして法制局長官は、原則・一般論として、そして具体の事例が御質問の中からは酌み取れませんが、一般・原則論的にお答えをいたしますということを前提といたしまして、今おっしゃったようなお答えをしたわけでございまして、その件に関しましては、私もそのとおりであると思います。
○佐藤(徳)委員 それでは確認をさせていただきます。 さてその次に、行政府の立案中の法令に対して反対の意思を持って請願を行うことは憲法第十六条に認められる権利である、こういう主張に対しまして、法制局長官は、憲法第十六条の請願権の範囲であると明確に答弁をしているわけでありますが、確認いただけますか。
○中島国務大臣 法制局長官の御答弁のとおりでございます。
○佐藤(徳)委員 憲法十六条は、国や公の機関が既に決定をした法令であっても、その政策に対して意見があり廃止や改正を求めるということも十六条の請願権の権利に含まれる、こういうことに対しましてもそのとおりであると答えられておりますが、この点についても確認をいただけますか。
○中島国務大臣 法制局長官御答弁のとおりだと思います。
○佐藤(徳)委員 それでは関連いたしまして、憲法第二十一条にかかわる問題についてお尋ねをいたします。 御承知のとおり憲法第二十一条は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とあります。したがって、団体あるいは個人を含めまして、これによって示威運動、署名運動の企画・指導あるいは文書、図画の発行・回覧等を行うことも、憲法二十一条は保障しているはずであります。この点についても確認ができますか。
○中島国務大臣 憲法二十一条につきましては、おっしゃるとおりと思います。
○佐藤(徳)委員 これは、久保亘議員が法制局長官に質問をいたしました中身についての確認をさせていただいたわけでありますが、そういたしますと、昭和六十三年三月二十九日付文部省教育助成局長名で出されました「教職員の服務規律の確保について」の通知には、やはり問題があると言わざるを得ません。いわば立法府、つまり国会が一つも法案が審議に入らない段階で、これに反対をする、そういう意思表示をしてはならないというようなことを行政機関が行うことは明らかに誤りであるし、そればかりではなくて、審議権に対する介入、冒涜であると私は思うわけであります。これは久保議員が指摘しておりますように、明らかに文部省の越権行為であると言わざるを得ないわけであります。同時に、予見の上に立った制約ではないのか。あるいは、国民に対しては思想、言論、表現、出版の自由に対する圧殺であると言わざるを得ません。大臣のお考えをお聞かせください。
○中島国務大臣 そのときにも私お答えをいたしまして、この三月二十九日の通知は私も承知をいたしております。 そこで私がお答えいたしましたのは、包括的に後段部分で、政治の中立性、それから違法行為を犯さないように、例えば違法行為を犯す、あるいは教育の中立性を損なうという行為をもって国民の教育に対する信頼を損なうようなことがあってはならないという通知であります、というふうにお答えしたわけでございます。当時、その部分の意味は当然わかっておるということで、前段あるいは中段の部分の解釈について御質問があったわけでございますが、それもその当時は文教委員会に譲りましょうということになっておると思います。したがって私のお答えは、前回と同じように、一番重要な点は今申し上げた後段部分である、このようにお答えしてまいったところでございまして、もしそれ以上、中段あるいは前段について御質疑があります場合には、私あるいは政府委員から御答弁いたしたいと存じます。
○佐藤(徳)委員 だから私は、冒頭確認をさせていただいたのであります。つまり憲法第十六条による請願権の範囲である、これは国民固有の権利でありまして、憲法の規定でありますから、何人もこれを侵すことができないことは、私が言うまでもないわけであります。 したがいまして、この確認をさせていただいたわけでありますから、団体もしくは個人が、これによって署名運動の企画をしたり、指導したり、文書、図画の発行をしたり、回覧をすることは憲法上認められている。しかし、あの通達はこれを全く否定して抑え込んでいるというような意味合いの通知じゃありませんか。大臣が確認をしていただいた憲法二十一条の問題と明らかに事実が相反する。いかがですか。――大臣に聞いているんだ。
○中島国務大臣 一つの事柄につきまして――まさにこれから教育問題についてもいろいろ法案を御提出をいたしておりまして、その付託が早からんことを祈りつつ御論議、御審議が続けられますことを望んでおるところでございますが、一つの問題について御審議をいただくということは当然でありますし、また世論の上でもいろいろな御意見がある、これは当然のことでございます。私はそれを制約するということではないと思うのでございます。 ただ、国、行政で進めると決定いたしましたものを妨害をするという形で行われるものについてはどうか、こういうことでございまして、いろいろ御意見があり、国会で御審議をいただき、また世論としてもいろいろな御意見が開陳されるということについては、私は何ら制約するものではない、このように考えております。
○佐藤(徳)委員 どうも、やはり答弁が矛盾していると私は思うのであります。この通達の中身、御承知かと思いますけれども、「例えば初任者研修の実施を妨害するために、」云々とありますが、請願権の問題からいいましても、あるいはお答えの中身からいいましても、憲法で保障されている限り、この通達の中に書いてありますようにたとえそれが反対する目的であっても、文書、図画等を発行し、回覧に供することは政治的行為に該当するものではないと解釈するのが至当じゃありませんか、どうですか。
○加戸政府委員 三月二十九日付の通達のちょっと技術的な解釈でございますので、私の方から申し上げさせていただきます。 通達には二つのことを書いておりまして、一つは、いわゆる六法案粉砕のためのストライキ等の行為が行われるということにつきましては、ストライキは公務員に禁止されていることでございますので、ストライキという行為をとらないようにというのが第一点でございます。 第二点は、政府の決定した政策、例えば初任者研修の実施などにつきまして、国家公務員法並びに人事院規則によりまじて制約を受けております、いわゆる政策の実施を妨害するための署名運動の企画あるいは文書の発行・配布等につきましては法令上の制限に該当するような行為はしないでほしい、そういう意味の二つの視点からのことを通達では述べておるわけでございまして、単に、現在審議されております法案に対する反対、批判の意見等のデモ、あるいは文書の配布等についての制約を加えるものでないことは明らかだと考えております。
○佐藤(徳)委員 そうだとすれば、この部分については当然撤回してしかるべきじゃありませんか、あなたのおっしゃるようなことであれば。例えばストライキ行為の問題についてはいろいろ見解が分かれております。しかし私はその問題について今ここで言及しようとは思いませんけれども、制約するものではないとするなら、ここに書いてあるような文章、表現そのものは存在をしないということに理解するのが当然じゃありませんか。大臣いかがですか。大臣、答弁。
○中島国務大臣 失礼いたしました。 先ほどからおっしゃっているところは、第十六条、二十一条に関しましてのことでございますが、私は、そこに含まれましたものは一般的、原則論的に法制局長官がお答えになったとおりだというふうに申し上げた次第でございます。 ただ、その場合法制局長官は、具体の例を想定できませんが、ということが前提でございました。そして、今やや具体に政府委員からお答えしたわけでございますが、私はそのような理解ができるであろうというふうに思うわけでございまして、法制局長官の御答弁と今の政府委員の答弁とは乖離があるとは思いません。
○佐藤(徳)委員 それは立法府の根幹にかかわる問題ですから、きちんとしておいていただきたいと思って私は発言をしているわけであります。 つまり、繰り返すようになりますが、憲法二十一条は、集会、結社及び言論、出版の自由、表現の自由を認めているのであります。そして、私が確認を求めたことに対しても、例えば団体、個人を含む、これによって示威運動、署名運動の企画・指導あるいは文書、図画の発行・回覧等を行うことさえも認めているということを先ほど確認をいただいたわけでありますから、そうだとすれば、まさに憲法が我が国の基本でありますので、よって、先ほど申し上げたこの部分については明らかに、憲法違反とは申しませんけれども、その疑いがあるし、これらをもって事前に抑え込む、しかも国会がまだ審議に入ってない段階で、文部省の意図するところを行政権力によってこれを抑え込むというのは、私はまさに問題であると思っているのであります。大臣いかがですか。
○中島国務大臣 私も再三申しますように、国会で御審議をいただく、あるいは世論としていろいろな御意見があるということは当然であろうと思います。ただ、その第十六条につきましても、請願をしたことによって差別されることはないが、ただこれは平穏な請願、こういうことでございまして、具体に申し上げれば、一つの実行事象に対しまして、それを例えばストライキというような違法な行為がある場合、こういうものは当然避けなければなりませんし、それはもう先生もおっしゃるとおりでございます。そのほか、違法か違法でないかということにつきましても、これを妨害するということと第十六条の平穏な請願ということはやはり心すべきことだと私は思いまして、そしてお答えをいたしておるところでございます。
○佐藤(徳)委員 平穏な請願、まさにそのとおり憲法の条文には記載してあり、私も承知しておりますが、平穏でなかった状況が一体あるのでしょうか。実効行為がまだ伴っていないというような状況で、そしてこのような争議行為をやるかやらないかもまだ決定もしておらない、判断もしておらない段階で、しかも国会がまだ審議に入っていない段階で、こういう通達を出すことは好ましくない、しかも誤りである、こう私は思うのであります。また、こういう表現に対してはまさに好ましいものではないと思いますが、大臣どうですか。
○中島国務大臣 先ほども申し上げましたように、具体の例を想定できませんがという法制局長官のお答えでございましたが、例えばここでは教育改革に関することも出てまいります。あるいはもっと具体的に言えば初任者研修の試行についてということでありますが、まだ初任者研修に関します法案はこれから御審議をいただく、これは先生おっしゃるとおりでございます。ただ、それを進めるにつきまして、試行というのは試みに行うことでございまして、だからこそ、そこにいろいろな御意見なり反省点も出てくるわけでございますので、いいところは伸ばし、反省点は改めるというための試行でございますから、試行を進めるということは、やはり法案を準備いたしますためには必要な準備行為、このように思いますので、それはぜひ平穏に進ましていただきたい、その試行部分を妨害されるようなものについて違法あるいは平穏の度を過ぎるようなことがあってはいけないという予告的な通知でございまして、そのようにお受け取りをいただきたいと存じます。
○佐藤(徳)委員 時間の制約がありますからそう多くをこれに割くことはできませんが、しかし予防的措置だとすれば、まさに戦前行われました治安維持法時代の予防拘禁と類似するように解されるような中身については、まさに民主主義の否定につながるものである、こう私は思いますし、そして、従来までも文部省がたびたび通達、通知を出していることを、その中身についても私はよく知っているつもりでありますけれども、しかし、今回のようにこのように強圧的に、しかも予見を前提にしてこういう文書を出したということについてはこれが初めてではないか、こういうふうに私は実は思うのであります。したがいまして、我が同僚議員が私の不足する部分については後ほど指摘しながら質問をするかもしれませんが、まさにこのような通知そのものが教育現場を混乱に陥れる引き金を文部省自体がつくり出した、こう言っても私は過言ではないと思っておるわけであります。 重ねて、通知の撤回を求めたいと思います。大臣いかがでしょうか。
○中島国務大臣 再三の御質問でございますが、私どもは、先ほど申し上げたとおりのことでございますので、撤回の意思はございません。
○佐藤(徳)委員 本来ならば、大臣の所信表明に対する質問の時間をもっと費やすことができれば時間を割いてやりとりしたいわけでありますが、与えられた時間の配分もございますので、今回はこの部分でこの問題については打ち切らしていただきたいと思います。 さて、本題に入ります。 義務教育諸学校施設費国庫負担法は、公立の小中学校並びに盲学校の小中学部の建物の建築に要する経費について国がその一部を負担することにより、これらの施設の整備を促進し、もって義務教育諸学校における教育の円滑な実施を確保することを目的として、御承知のように昭和三十三年に制定されたはずであります。 さて、そこでお尋ねいたしますのは、本法案の提出に至るまでの経緯につきまして御説明をいただきたい、こう思います。
○加戸政府委員 今回の提案いたしております義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正の経緯でございますが、先生御承知のように、児童生徒の急増が始まりました時点、具体的には昭和四十八年からこれらの人口急増いたします市町村に対します補助率のかさ上げをさしていただいたわけでございますが、それは四十八年から五年間の措置として規定されておりまして、その後、五年たちました昭和五十三年、さらに五十八年と、二回、五年間ずつの延長措置を講じてまいったわけでございますが、昭和六十二年度をもちましてこのかさ上げ措置が満了いたしますものですから、現時点におきまして、全国的には児童生徒の急増の状況というのはなくなってきたわけでございますが、まだ一部の市町村におきましては依然としてそういう状況、特に宅地造成等に伴います事情が出てまいったわけでございますので、これらの人口急増市町村につきましてなお引き続きかさ上げ措置を継続して講ずることにより円滑な義務教育の実施を図りたいという観点から、さらに五年間の延長措置を当該法案においてお願いをしている次第でございます。
○佐藤(徳)委員 次に、国庫負担の問題について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。 この問題を整理しているうちに、私は広辞苑を引いて当てはめてみました。つまり国庫負担、これは国庫と負担の二つに分かれた解釈になっているわけであります。国庫の場合については「経済活動、特に現金の受払いの主体としての国家。」である、こういうふうに解釈づけられております。あるいは負担の問題につきましては「義務、またはそれに対する責任。」である、こういうふうに規定をしているわけでありますが、近年問題になっておりますように、事務職員あるいは栄養職員の国庫負担の適用除外問題が、大蔵省の財政的関係からここ二、三年攻撃がかけられてきておりまして、これは大臣初め文教委員会全体がこれに対して食いとめるという措置をとって成功してきているわけであります。それだけに、国庫負担の問題につきましては、国民生活におきましても学校教育におきましても極めて重要な位置づけでございますので、今の問題を含めまして、国庫負担についての概念と申しましょうか、大臣のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○中島国務大臣 おっしゃいますように、私は二つあると思いまして、一つは、やはり国庫負担というのはその責任を課せられる範囲があると思います。それで、学校設置法によりまして、学校の設置につきましてはいわゆる設置者負担が原則である、こういうことは原則としてまずある。この二つを申し上げたいわけでありまして、設置者負担主義であることは事実でありますけれども、しかし、その前提の上で、義務教育施設が十分な水準を維持するということはやはり国の責任であり地方の責任であるという意味におきまして、これは国、地方がともに責任を分担するものである。その中で、国が義務教育の水準の維持あるいは向上という面で、その分を補助、育成するというよりはその分の責任分担という意味が多いのではないか、私はそのように解釈して、広辞林は引いておりませんけれども、国庫負担というものは基本としてはそのように考えてしかるべきものではないかと思います。
○佐藤(徳)委員 この部分について、前段申し上げました、いずれお尋ねしようかと思っておりましたが、仮にまた大蔵省あたりから事務職員、栄養職員の国庫負担適用除外の問題が出てこないという保証もありません。これは従来歴代の大臣が、この点については学校の根幹にかかわる基本の問題である、つまり基幹職員であるということから、反対の意思表示をされて大蔵省にも折衝に当たってもらったのでありますが、新しくなられました大臣、いかがでしょうか。見解を承りたいと思います。
○中島国務大臣 おっしゃる事務職員、栄養職員等に関しましては、これは基幹的な職員というふうに考えまして決着したいところでありますが、今後いろいろ出てまいりましたら、またその基本精神で頑張るつもりでございます。
○佐藤(徳)委員 毎年こういう問題が出ないように、今おっしゃられたようにぜひ決着をつけて、大蔵省が文部省に持ち込まないというようにひとつ強力な運動をお願い申し上げたいと存じます。 さて、次でありますが、中曽根内閣が発足いたしましてから、六十三年度、今年度の予算に至るまでの各年度ごとに、教育費、それから社会保障費、防衛費等の国家予算全体に占める割合とその伸び率を明らかにしていただきたいと存じます。
○野崎(弘)政府委員 まず教育費の関係でございますが、文部省所管予算ということで説明をさせていただきたいと思います。 五十七年の場合、対前年度比伸び率が二・六%ということでございます。各年度ごとに全部数字をあれしましょうか、概略の形で……(佐藤(徳)委員「中曽根内閣以降」と呼ぶ)はい、昭和五十七年以降ということでございますね。五十七年は二・六%でございます。それから五十八年は若干マイナスでございまして一・一一%・の減、それから五十九年が〇・八四%の増、六十年が〇・〇五%の増、六十一年が〇・〇四%の減、六十二年が〇・〇三%の増、六十三年が〇・〇六%の増ということでございます。国の一般会計に占めます文部省予算は、五十七年が九・二%でございますが、その後九・〇、それから六十三年には八・一%というような形になっております。ただ、一般歳出に占めます文部省予算は大体一四%前後で推移をしてきているということでございます。 それから社会保障関係費につきましては、五十七年が伸び率二・八、五十八年が〇・六、五十九年が二・〇、六十年が二・七、六十一年が二・七、六十二年が二・六、六十三年が二・九ということでございます。構成比は、五十七年の場合一八・三%、大体これぐらいの推移で来ておりまして、六十三年も一八・三%というように把握をしております。 それから防衛関係費でございます。防衛関係費は、五十七年の伸び率が七・八、五十八年が六・五、五十九年が六・五、六十年が六・九、六十一年が六・六、六十二年が五・二、六十三年が五・二という伸び率でございまして、構成比は五十七年が五・二、これがだんだん上がりまして六十三年には六・五%の構成比になっている、このように把握しております。
○佐藤(徳)委員 数字をもって明らかにしていただきましたように、今お答えになった部分だけでもこれはだれもが気がつくことでありますが、全体に占める割合の伸び率からいいましても教育費が著しく少ない。これは与野党を問わず共通する考え方ではないかというふうに私は思うのです。 問題はどこにあるかということになるわけでありますが、人件費が高まるわけでしょう、そういたしますと政策経費がそれに伴って減少せざるを得ないという今日のシステム。だから、どちらかを別枠にしてしまえばこういう問題は解消できるというように私は考えるわけでありますが、予算上からの問題だけを言いますと、極めて憂うべき日本の教育予算の現状であると言わざるを得ません。特に、初任者研修等についてはいずれ触れるにいたしましても、全くあれに費やす金というのは膨大でしょう。国民が望んでいるものではないと私は申し上げたいわけでありますが、本題はその議論でありませんから意見だけ申し上げてとどめておきますけれども、いわば教育予算に関係して、私が今申し上げました中身についてを含めて、大臣の見解をお示しいただきたいと思います。
○中島国務大臣 御指摘の点は、ある意味では訂正をいたせ、ある意味では御激励と受けとめさせていただきたいと思うわけでございます。 国全体の予算の中でとおっしゃられますと、一般会計とおっしゃられますと、これはなかなか比べにくいものでございまして、一般会計の中には国債費十一兆円が入っておりますので、一般会計と比べるよりは一般歳出と比べる方が正しいのであろう。そういうふうに考えさせていただきますと、大体一四%、〇・一%上下いたしますけれども、大体は維持をしてまいっておる。六十三年度につきましては二十九億円増の四兆五千七百六十六億で賄わしていただく、こういうことでございます。 それを前提といたしますと、今後、教育改革も含めまして中長期的な改革を遂行するためには、やはり公財政支出の枠をふやさなければいかぬ、こう思っておりまして、六十四年度概算あるいは予算編成時には御激励を御鞭撻とさせていただきまして、最大限その努力をいたしてまいりたい。先生おっしゃるようにこれは枠外でとおっしゃる、はっきり言えばその意気込みでやらしていただかなきゃならぬな、こう思っておる次第でございまして、六十四年以降さらに努力をいたすということだけ申し上げておきますので、御鞭撻をお願い申し上げます。
○佐藤(徳)委員 決して後ろ向きの状態にならないようにお願いをしたいわけでありますが、それにいたしましても、伸び率、先ほどお答えになって明らかになりましたとおり、他と比較いたしますと残念ながら非常に低いと言わざるを得ないわけであります。 かつて、海部文部大臣の時代に連合審査がございました。その連合審査のときに私も質問をさせていただいた経験があるわけでありますが、そのとき当時の海部文部大臣は明らかに、私が指摘するように、どちらかを別枠にすることによって政策経費が高まる、こういう同意見の見解を述べられたわけでありますが、どうも大蔵大臣が同じような答弁になりませんで残念であったわけであります。全体的な大きな予算の中で占める教育費の割合、同時にそのことはこれからの教育を推進していくための極めて重要な問題でございますから、これらの問題につきましても十分心して頑張っていただきたい、こう思います。 そこで、この部分について関連してお尋ねするのでありますが、現在文部大臣が考えております望ましい教育予算の比率というのはどのくらいだとお考えになりますか。
○中島国務大臣 これは現在六十三年度に臨むところでございまして、予算をようやく成立させていただいたところでございますので……(佐藤(徳)委員「とらわれないでしゃべってください」と呼ぶ)一応、とらわれたところを一度申し上げさせていただきますが、六十三年度はこの四兆五千七百六十六億、これでまいる、こういう前提でございまして、今後は、いろいろ教育について、例えば申し上げさせていただきますと教育改革、これは中長期的なものでございますから今どのくらいと申し上げるわけにもまいりませんし、また申し上げて逆に枠をはめるということがあってもいけませんので、もうできるだけこういうことで頑張らせていただきます。
○佐藤(徳)委員 いずれこれは予算の段階が参りますのでそのときにも詳しく意見を申し上げて、大臣のお考えをお聞きしたいと思っております。 さて、次の問題に入りますが、公立学校施設整備費の過去十年間の実態がどういうふうになっておりますか、明らかにしていただきたいと思います。
○加戸政府委員 御承知のように、児童生徒の増減状態によって学校建築の動向も左右されるわけでございまして、いわゆる児童生徒の急増状況といいますのは四十年代から五十七年まで続いたわけでございまして、その間におきます公立文教施設の予算も当然伸びまして、五十七年をピークとして児童生徒が減少する傾向に伴いましてまた予算並びに事業費も減少している形態でございます。 ちなみに、数字といたしましては、昭和五十三年度の予算が四千二百九十億でございますが、昭和五十五年のピーク時に至りまして五千七百十三億、予算上も事業量といたしましてもピークに達したわけでございますが、それから年々二、三百億ずつの減少を続けまして、六十三年度には予算といたしまして二千六百七十五億円の予算を計上しているという状況でございます。
○佐藤(徳)委員 今お答えになりましたような状況でありますが、この過去十年間における公立文教施設費の実績額、私の手元にも資料がございますけれども、いずれもその伸び率というのは減少しているわけですね。これは教育費全体の問題とのかかわりもあるということはよく承知しておりますが、局長、あなたはかなり専門家でありますから将来の見通しも立つのだろうと思いますけれども、年々減少している、これを回復していくために、大臣にお聞きしたと同じようなことでありますけれども、望ましい状況というのはどういう状況を想定されておりますか。
○加戸政府委員 これまでの学校建築は、いわゆる児童生徒の急増に伴います量的な整備ということを重点に考えてまいったわけでございますが、ちょうどこういった減少時期に入りまして、いわゆる質的な整備が求められている時代だと考えておるわけでございます。 そういう意味におきまして、単に子供たちの数を収容するという意味では余裕が出てまいったわけでございますので、学校が豊かで潤いのある環境として条件整備をする時期に参っているという考え方から、多様な観点でいろいろな施策をきめ細かく展開する必要もございますし、また新築、改築、増築のみならず、大規模改修という形で学校のリニューアルを図っていくというような点にも力を用いていかなければならないと考えておるわけでございまして、そういった点では、これからの事業量自体は年々減少する時期でございますけれども、そういった質的な整備に向けて意を尽くすべき時期に参っていると考えているわけでございます。
○佐藤(徳)委員 関連いたしましてまたお尋ねをいたしますが、教育の近代化、それから情報化、国際化、これらの社会に対応するために、さらには行き届いた教育の実現のために、公立学校の施設整備につきましても抜本的な検討、施策が必要じゃないかという声が高まっていることは御承知のとおりであります。 さてそこで、六十三年三月二十二日に教育方法等の多様化に対応する学校施設の在り方に関する調査研究会議が調査研究をまとめて発表をしたはずであります。これは御承知でしょうか。
○加戸政府委員 三月二十二日付で「教育方法等の多様化に対応する学校施設の在り方について」という調査研究のまとめを、文部省内におきます調査研究、いわゆる外部の学識経験者等の協力を仰ぎましてまとめたものでございまして、これは六十年八月から約三年近くかけまして、先ほど申し上げましたような量的整備から質的整備へ転換を図るという視点のもとに、例えば今申し上げた「教育方法の多様化」のみならず「情報化に対応する施設の在り方」あるいは「豊かな教育環境としての学校施設の在り方」、さらには「地域社会における学校施設の在り方」といったような各般の視点を踏まえましてその検討を行いました成果を一応取りまとめて、地方公共団体あるいは学校等に対しまして一種の普及・指導をする視点から作成したものでございます。
○佐藤(徳)委員 私はこの全文を拝見いたしまして、極めて重要な部分が提起されているという認識をしたわけであります。 そこでお尋ねをいたしますのは、この中に「調査研究の目標」が掲げられています。四点ございますが、この目標について一体どのようにとらえられておりますのか、ひとつ具体的にお示しをいただきたいと思います。
○加戸政府委員 この「調査研究の目標」としましては、今先生おっしゃいましたように四つございます。 一つが「児童・生徒の個性の伸長や創造性の育成等を重視した多様な教育への対応」でございまして、これはそれぞれカリキュラム等も変わってまいりますし、またカリキュラムが同じでも教育の仕方自体が変わってまいる、今の時代の進展に対応して、学校施設がどのようにあればいいのかという観点からの検討でございます。 第二点が「コンピュータ等の導入への対応」でございまして、情報化社会、情報化時代と言われておりますけれども、学校教育の場でもコンピューターが大幅に導入される時期になってまいりました。学校施設はどのような形であればコンピューター教育が適切に行い得るかという観点からの検討でございます。 第三番目が「児童・生徒の心身の豊かな成長を促す環境づくり」ということでございまして、これは従来ともすれば学習の場としてとらえられていた学校をいわゆる子供たちの生活の場として、そこで一種の豊かで実りある生活が送れるような学校の環境というものを、従来はともすれば副次的に考えられていた事柄でございますけれども、そういった視点に立つ豊かな教育施設という観点からの検討でございます。 第四点が「生涯学習、社会活動の場としての役割の重視」ということでございまして、これは今や日本が、臨教審答申にもございますように、生涯学習の時代に移ってまいりまして、学校施設は単なる学校教育の場としてのみならず生涯学習の場としても、地域住民に開放し利用できるような視点から、学校施設がいかにあればいいかというような観点からの検討をいただいたということでございます。
○佐藤(徳)委員 私は昨年の前の国会のときに、特に学校のコンピューター導入の問題について質問したことがあります。幾つかお答えをいただいたわけでありますが、当時申し上げましたように、アメリカや先進ヨーロッパ諸国と比べますと、我が国の学校教育におけるコンピューター導入というのはかなり低い。内需拡大の問題を含めまして、これからコンピューターが学校教育の中でも極めて重視されるということは御承知のとおりなんでありまして、前年度から比べますと予算上は十億ふえたようでありますが、今後の見通しとか文部省のこれからのコンピューター学校導入に対する考え方とかをひとつお聞かせいただきたい、こう思います。
○加戸政府委員 六十三年度予算におきましては、いわゆる教育方法の開発研究という考え方で、従来からのコンピューター機器等の学校に対します導入の補助金につきましては、先生今おっしゃいましたように、十億近くの大幅増額をさせていただいたわけでございますけれども、これは一つの研究の観点から学校教育上コンピューターを有効利用する、そういうような視点のものでございまして、全国にすべてこれを配置することに対する補助金ではないわけでございますので、ある意味では十全なものとは言いがたいものがあると思いますけれども、そういった今の欧米諸国の傾向あるいは設置率等にかんがみますれば、日本でもこれからどんどんそういった方向へ向かう時期に参っていると思います。 ただ、事柄としましては、教員の方におきましてコンピューター教育が十分できるような能力、資質、そういった面の養成も急がれるわけでございますけれども、それと両々相まちまして、教員のそういった情報化教育並びに学校におきます情報化教育関係の施設というものの充実にこれから力を尽くすべきだと考えておるわけでございます。
○佐藤(徳)委員 前回申し上げたとおりでありますけれども、新しいものがどんどん開発をされていく、そうするともっと新しいものができるのではないか、あるいはもっと安くなるのではないか、そういう先入観がありまして買い控えをしているというような傾向が、これは学校関係だけではありません、家庭においてもそうなのでありますが、特に学校においてはそういう意味では統一規格のコンピューター導入を考えたらどうかという提起をしたのでありますけれども、その点についてはどうなっておりますか。
○加戸政府委員 現在、確かに各学校等に導入されております機器につきまして機器の規格あるいはソフトの規格はそれぞれ違うわけでございまして、それは地域の実態に応じ地域においてそういう利用のされ方をしておりますが、確かに全国的な形での規格の統一ということは望ましいことでございますけれども、これまた機器提供側あるいはソフト提供側の立場もございますので、私どもとしましてはなるべく共通の規格でできるような要請をしている次第でもございますし、またメーカー、ソフト開発企業者等におきましてもそれぞれの段階等におきましてそういった方向での精力的な取り組み、検討が行われておるということでございまして、私どもその成果を期待しているという状況でございます。
○佐藤(徳)委員 全体が関連するわけでありますが、第二章には「教育方法の多様化に対応する学校施設の在り方」について触れていますね。この中から幾つかお尋ねをしたいと思います。 今のはやりと申しましょうか、多目的オープンスペースの導入、これが全国的に広まっているのではないか。私の選挙区内における学校でも幾つか目新しいものがつくられまして、非常に興味を持たれているわけであります。このオープンスペース導入の全国的な傾向であるとか実態であるとか、それから多目的オープンスペースを導入したことによる短所、長所と申しましょうか、いろいろあるだろうと思いますけれども、これらについての実態の中身、それから考え方をお聞かせいただきたいと存じます。
○加戸政府委員 先生おっしゃいました今の多目的スペースあるいはオープンスペース等の考え方は、どちらかといいますと欧米等で行われている教育の実態等を見まして、日本にも導入可能あるいは導入した方がいいと考えられるような観点からそういった機運が出てきたわけでございます。 文部省といたしましては、昭和五十九年から多目的スペースのための補助基準面積を改定いたしておりまして、多目的スペースを導入して校舎を建築いたします場合には、従来の補助基準面積に、小学校でいいますと七・六%、中学校でございますと六・〇%加算することといたしたわけでございます。この結果として、文部省の補助を受けましてオープンスペース等の導入が図られました小中学校は、昭和五十九年度におきまして三百五十七校、昭和六十年度で四百三十八校、昭和六十一年度四百六十三校、昭和六十二年度におきましては五百一校、年々累増しているわけでございまして、過去四年間だけで合計いたしますと、既に千七百五十九校におきましてオープンスペース、多目的スペース等の導入が図られたということでございます。 これらの長所、短所というお尋ねもございましたが、導入いたしました学校におきましてはいろいろな観点で学校としても有効利用ができるし、また子供たちの校内での活発な活動も展開できる、あるいは相互コミュニケーションも図られる等の利点がございますけれども、短所として指摘されたあるいはこれでは困るというような御意見は私どもまだ聞いていない段階でございまして、そういう意味ではこれからどんどん伸びていく事柄だと思いますし、全国に広がっていく、そういういい方向へ向かうものと私どもは期待をしている次第でございます。
○佐藤(徳)委員 私も、長い間の学校における経験がございますからよく知っているつもりでありますが、幾つかの学校をお訪ねして見せていただいたことが何回かございます。確かに立派ですね。まさに趣が変わったといいますか、従来の学校の生活というものが考えられないような展開になっているということは事実だと思うのです。今局長から報告がありましたとおり、年々増加しているということはそれだけ予算が認められているのかな、こういうふうにも感ずるわけでありますが、どうも私どもの経験では、やはり一つの教室に生徒と一緒に、しかも仕切りだけで、いざとなったら全部それを取り払って学年集会をやるとかその他の行事ができることは確かなんでありますけれども、私は、必ずしも利点だけではない、幾つか欠点があるはずだし、今後直していかなければならないような状況が必ず生まれてくる、こういうふうに理解をしているわけでありますけれども、さらに全国的に調査をしていただいてそういう点をまとめて見解を出すというお考えがありますか、ありませんか。
○加戸政府委員 確かに先生おっしゃいますようなそれに伴う短所もあり得ることだと思いますし、そういった点はつぶさにまた地方の御意見等も踏まえて対応したいと思うわけでございます。 ところで、この多目的スペースあるいはオープンスペース等につきましては、いわゆる既存の学校で既存の建物がある状況の中でつくることは技術的にも面積的にもかなり難しい話でございまして、実態的にはほとんどが新増築等の改築等が行われました場合に多目的スペースの導入が図られるということでございますので、計画的にこうするということではなくて、これからつくられていく新改築あるいは増改築を行われる学校につきましては導入の方向で指導し、また市町村も積極的に取り組んでいただくということを期待しているところでございます。
○佐藤(徳)委員 この問題については先ほどお答えいただきましたように全国的に進行中でありますので、今の段階でここがいいとか悪いとかという指摘がなかなか難しいと思いますが、私は、やはり子供たちがいい環境の中で勉強ができる、学習ができるという状況づくりをどうすれば発展することができるのか、その点については、建物ばかりではなくて子供たちの心身の問題をとらえてひとつこれから十分御研究をいただきたいものだなというふうに考えているわけであります。 さて、その次の問題でありますが、これもこれから新しくでき上がるであろう、学校がいろいろな配慮をすることだとは思いますけれども、この報告書の中でも指摘をされておりますが、教材教具、教育機器、先ほど申し上げましたような適正配置の問題を考えなければならぬと思っておりますし、この点については収納できる学校用家具等の導入等についても検討すべきであるということが指摘をされているわけであります。お考えをお聞かせください。
○加戸政府委員 確かに教育方法等の多様化に伴いまして多様な学習方法を可能にいたしますためには、多種多様の教材や教具あるいは教育機器等が適正に配置されていることが必要になるわけでございます。具体的に申しますと、児童生徒が自由に学習メディアを利用できること、あるいは教師がどの場所でも円滑に教育機器が利用できる、あるいは個人の教材等が整理しやすく、かつ、使いやすい位置に用意すること等についての工夫というのが必要になるわけでございまして、このためには当然学校用の家具、例えば机、いす等を整備しておくことや、それに対応した施設計画を行うことが大切であると考えておるわけでございます。 現在のところ、児童生徒の減少時期に向かっているわけでございますので、例えば空き教室等を利用し、それを改造して一つの収納を図るということも考えられましょうし、また、将来の機器の発展等は予測しがたいものがございますし、その効率的な使用というのは学校それぞれの事情があると思いますけれども、それぞれ御判断いただきながら適切な方向へ持っていくような一つの参考指針として報告書があるわけでございますので、各学校現場でその学校の施設の実態に応じた内容の改訂なりをどうしていくかということが大きな課題になるであろうと考えております。
○佐藤(徳)委員 この中では情報化に対応する施設のあり方についても指摘されていますね。これに対するお考えもお聞きいたしますし、同時に、この中では余り触れられておりませんけれども、木造校舎建築の問題について、前の百九回国会で私は問題提起をしながら、特に林野庁からも来ていただきまして考え方を聞かせてもらったことがございます。そのときに、私の選挙区の学校の事例をとらえて発表させていただいたわけであります。 皆さん御経験がおありだと思いますけれども、木造校舎というのは非常に温かみがあるといいますかぬくもりがあるといいますか、最近非常に見直されてきている。特に木材需要の関係でいいますと、国産材を使えという運動がかなり年々広まってきているわけでありますが、これらについての現状、それから考え方、木造建築校舎に対する考え方等についてお聞かせをいただきたいと思います。
○加戸政府委員 豊かな人間性をはぐくむ環境ということでは、確かに木造の場合にはやわらかな手ざわりや温かみが感じられる環境として、そういった素材の活用ということが効果的であると考えておるわけでございます。 文部省としましては、既にそういった視点に立ちまして、昭和六十年八月付の教育助成局長通知によりまして、木材を学校施設に積極的に使用するよう指導しているわけでございます。また、国庫補助の面に関しましても、昭和五十九年度以降、木材を内装に使用して校舎を建築した場合につきましては、補助単価のかさ上げを行うということといたしております。また、六十一年度には木造校舎の補助単価を鉄筋並みに合わせまして、従来の木造単価から約六九%という大幅な改善を行う。そのほかに、木の教育研修施設の補助制度を創設する等の多様な施策を展開しているわけでございます。 これらの結果を踏まえまして、現在、小中学校の木造校舎の建築実績といたしましては五十九年度で十三校、六百四十一平方メートルにしかすぎなかったものが、昭和六十二年度におきましては四十六校、二万六千八百六十二平方メートルという形で、大幅な増加がされているわけでございます。もちろん、全国の学校数に比べますれば極めて低い比率ではございますけれども、そういった木材使用の方向へ目が向いていっているということでございます。また、今申し上げた木造校舎以外に学校の校舎の中に木材を内装に使用している学校もどんどんふえておりまして、例えば昭和五十九年度の三百四十校から六十二年度には七百七十三校と、着実に増加をしているわけでございます。 こういった過去の木材使用の実績あるいは実況等を参観されました地域におきましては、それをどんどん取り入れる方向に行くだろうという予測をしているわけでございまして、今先生おっしゃいました方向へ向かっての努力を私どももさらに続けていきたいと考えているところでございます。
○佐藤(徳)委員 ひとつ十分な対応をされるよう、私の方からも要請をしておきたいと存じます。 次でありますが、今回の特例措置を五年間延長するに当たりまして、児童生徒急増市町村の小中学校施設整備事業計画と国の助成計画は一体どのようになっておりますか、お答えください。
○加戸政府委員 この整備計画という形でございますと、私どもは未整備なものがどの程度あるかという把握をし、そして、毎年度市町村からの事業計画をとりまして対応するという形になっておりますので、もちろん全部一遍に整備されることは望ましいわけでございますが、市町村の財政状況、その地域の必要性等に応じてそれぞれ違うわけでございますので、当面、私どもは、将来を展望いたしまして、今の状況の中で学校建築につきましての事業規模計画をとり、それに必要な事業量を計上していくという形で対応している状況でございます。
○佐藤(徳)委員 次に、過大規模校の解消についてお尋ねをいたします。未解消の実態はどういうふうになっておりますか。
○加戸政府委員 いわゆる児童生徒の急増に伴います過大規模校は五十四年がピークでございまして、五十四年度におきましては小中学校合わせて二千四百八十一校というものが三十一学級以上の過大規模校として存在したわけでございますけれども、その後減少いたしまして、昭和六十二年五月一日現在では千二百三十一校ということで約半減をしたわけでございます。しかしながら、この千二百三十一校につきまして、過大規模校の解消の方向で各般の努力をしておるわけでございます。御承知のように学校管理運営上からもいろいろな問題が生ずるわけでございますし、学級規模の適正化という視点から、なお今後の努力をしたいわけでございます。 このための問題としましては、六十一年度予算におきましては、児童生徒急増市町村以外の市町村における過大規模校につきましても、分離を促進する観点から用地取得費の補助を始めたわけでございます。各市町村からの実情を毎年市町村長等から、あるいは市町村の教育長等から事情を聴取いたしまして、具体的な解消策についての指導を行う。そのほか、また分離・新設に伴う用地取得費の補助を行うという形で進めているわけでございまして、現在私どもの把握しています限りでは、千二百三十一校のうちの約八六%につきましては解消の見通し予定が立っているわけでございます。残りは、かなり解消困難な学校等もございますけれども、今後なお努力を続けてまいりたいと思っております。
○佐藤(徳)委員 過大規模校の基準は、現行は一体どういうふうになっておりますか。
○加戸政府委員 私どもが今申し上げました過大規模校分離のための用地取得費の対象といたしておりますのが、基本的には三十一学級以上ということでございますけれども、三十学級以下の学校につきましても、これはケースによるのですけれども、分離をいたしますと、地域によりましては、分離した結果として標準規模を維持できない小規模校というのが出現する可能性もあるわけでございます。そういうことで今申し上げた三十一学級というものを、これは一応考え方としては、学校指導上あるいは学校管理運営上特に問題が生じやすいとか、あるいはこれまでの学校設置者の考え方として三十学級程度をおよその目途として分離の計画を立てるというのが一般的である、そういった状況もございますので、文部省といたしましても、三十学級と三十一学級で区分した考え方をもって対応している次第でございます。
○佐藤(徳)委員 学校管理運営上支障を来す場合についてはという説明もございましたが、これは文部省自体も既におわかりだと思いますけれども、三十一学級よりは三十学級の方が効率的である。あるいは二十八学級、二十七学級、減少すればするほど、限界はありましょうけれども、大きな学校にしておくよりはさらに適正規模の学校に直していく方が、これは教育効果をもたらすためには非常に大事な部分だと私は思っているわけであります。 そこで、学校教育法施行規則第十七条には、小学校の場合ですけれども、「学級数は、十二学級以上十八学級以下を標準とする。」こうありますね。そういたしますと、これとも関連をいたしまして、三十一学級以上校にしている法律的な根拠がちょっとおかしくなってしまうような気がするのでありますが、これとの関連でどうお考えですか、その法的根拠を示してください。
○加戸政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、三十学級未満のものにつきましては、仮定の話でございますけれども、それを分離いたしますと、通常、地域の実情によりまして真っ二つということは考えられないわけでございます。したがって、その結果としては、十二学級未満の学校が出現する可能性が極めて高いわけでございます。そういう意味で、学校の適正規模としては「十二学級以上十八学級以下を標準とする。」という考え方が基本でございますけれども、これ以上の学級であるから分離するという考え方をとるといたしますれば、かえって適正規模以下の小規模校をつくる結果となるという問題もございますし、また市町村の財政負担上の問題等もございます。 そういう意味で、学級規模として学校運営上これが極めて困難な状況というのは、そういった現実的な視点から見れば、私どもは三十一学級以上という考え方の対応をしているわけでございます。
○佐藤(徳)委員 それは私は全面的に否定するものではありませんけれども、確かに地域によってはそういうところも出てくるかもしれません。しかし、一般的に言いまして、先ほど申し上げましたように、学校教育法施行規則第十七条、つまり「十二学級以上十八学級以下を標準とする。」という適正規模にできるだけ近づいて、そして、子供たちがよりよい環境の中でより効率的な学習が進められる、そういう方向が私は望ましいのだというふうに今でも理解しているわけであります。文部大臣なり局長が大規模校を学校訪問した経験があるかどうかわかりませんけれども、三十学級以上あるいは二十七、八学級、特に中学校の場合なんかは大変な状況なんでありまして、何とかこれを改善しなくちゃいけないという地域の声も高まっていることは事実なんであります。 文部大臣、大臣に就任されましてから幾つの学校を歩かれて、これに関連するお話ですけれども、もし歩かれましたら、どういう感想をお持ちでしょうか、お聞かせください。
○中島国務大臣 幾つかの小学校あるいは養護学校あるいは専修学校等を含めまして拝見いたしました。生徒諸君にお会いをいたしましたり、その教育内容、限られた時間でございましたので、すべての面で十分納得できる視察、見学ができたかどうかはあれでございますが、特にお尋ねの学級規模あるいは教室の生徒数その他については、比較検討するほど多く拝見したわけではございません。ただ、御指摘の大規模校につきましては、一応二千四百八十一校が千二百三、四十校に減ってまいったわけでございますが、先生おっしゃいますように、その規模は、たとえ十二学級から十八学級とおっしゃるその標準ということは確かにございますけれども、しかし、現在三十一学級以上の過大規模校をできるだけ早く整備をする、これに努力をいたしていくべきことでございましょうし、またそれを分離することによりまして小規模校ができてしまうということもございましょうから、そこは十分参酌しつつまいりますけれども、当面はやはり大規模校の解消に努力をいたすべきときだ、このように考えております。
○佐藤(徳)委員 それは御指摘のとおり、あるいは今お考えが示されましたとおり、事務的、機械的に学級規模をこうするというわけには、地域の実情なり地理的条件を考えないでやるということについては、やはり問題があることも事実であります。しかし、基本は、大臣がお答えになりましたように、よりよい教育効果を求めるためには適正規模に近づけていく、できるだけ年々そういう状況をつくり出していくということが望ましいのでありまして、ぜひひとつこれからの促進方をお願いしたい、こう思っておるわけであります。 さて、関連いたしますが、公立義務教育諸学校施設の整備の促進を目的といたしました義務教育諸学校施設費国庫負担法及びその施行令について再検討する時期に来ているのではないか、こう考えられている状況にもあります。特に施行令に定める「特別教室の種類」、それから「適正な学校規模の条件」、「学級数に応ずる必要面積」等については積極的に改善のための検討がなされるべきであろう、こういう考え方が非常に広まっているわけであります。これらにつきまして、担当局長並びに文部大臣の見解をお尋ねいたします。
○加戸政府委員 施設費国庫負担法の条文におきましては、学校の分離に関する規定はないわけでございますけれども、学校を分離する場合は当然に新しい一つの学校をつくる、つまり新築に相当するわけでございまして、実際上の処理としましては、そういう学校新築の一形態として取り扱えれば足りるわけでございまして、また、このことによる支障も生じていないと考えておるわけでございます。 なお、これは過大規模校の場合のみならず、普通の過大規模校に相当しないものにつきましても、地域の実情に応じましてはこれを分離するケースは幾つかあるわけでございますから、それを画一的に法律で規定するのはいかがかという問題も一つあると思います。 それから、いわゆる教室その他の面積基準等の問題もございますけれども、これは予算上の補助基準を定めておりますが、例えば五十人学級から四十人学級に変わり、四十五人学級から四十人学級に変わりましても、教室の面積の基準を変えていないということは総体的にはゆとりが出ているという状況もございます。ただ、今後の状況を見てまいりますと、例えば先生が先ほどおっしゃいましたような、教育方法の多様化等に伴います各般の設備というのは変わってまいるわけでございますから、そういうのを踏まえまして、学校の補助対象の基準というのも当然また将来の検討課題として大きく出てまいるわけでございますけれども、その辺は法律でぎしぎし書き込みますと、弾力的な運用といいますか、実態的に機能しない状況も想定できるわけでございまして、私どもは予算上の現状の措置で十分対応できる事柄ではないかと現時点では考えているわけでございます。
○佐藤(徳)委員 学校統合の場合に、上限学級数は何学級になっておりますか。
○加戸政府委員 小規模校あるいは過小規模校を統合する場合の統合の基準といたしましては、二十四学級を上限といたしております。
○佐藤(徳)委員 そうですね、二十四学級なんであります。そういたしますと、法律を整備するということにも関連するわけでありますが、大規模校の場合、先ほど申し上げました学校教育法施行規則の第十七条の適正規模「十二学級以上十八学級以下」の基準の問題、これらについて、もちろん地域によっても異なってくることは明らかでありますが、基準といたしまして、あるいは望ましい状況といたしましてはこれらを整備しなければいけないんじゃないか、そうでないと矛盾が出てくる、こういうふうに私は思っているわけであります。つまり学校統合の場合は二十四学級が上限でありますから、これらについて総体的に検討を加えて整備していくというお考えがありますかどうか、お聞かせください。
○加戸政府委員 この学級規模の問題は大変難しい事柄でございまして、先生御承知のように、四十五人学級にいたしましても四十人学級にいたしましても、場合によりましては児童生徒数がある年に一名変わるたびに学級数が変動するということでございますので、これからの児童生徒の減少時期、方向を考えてみますと、一つの基準でこの学級規模を規定した場合には、学級規模数が当然に減少していくという事態が相当程度に起こり得るということもございます。そういった点では、一応の目安として適正規模をどの程度という考え方はございましても、その過大規模校との間の中間地帯というのは常に存在し得るわけでございまして、いかような形で定めましても、そういった画一的に学級規模によって学校を規律するというのはかなり難しいことではないか。そういう意味では、およその目安として対応し、例えば過小規模校、過大規模校を解消する、そういう方向での一つの求心力へ向かっての努力ということが私どものなすべき事柄ではないかと考えております。
○佐藤(徳)委員 ちょっと文部大臣にお尋ねいたします。 私は、文部大臣がおかわりになるときにいつでもこの問題をお聞きするのでありますが、教育効果を上げるためには一学級の学級編制は何人ぐらいが望ましいと大臣はお考えになっていますか。
○中島国務大臣 私どもは、当面四十人学級を目指しまして、六十六年度完成を目指して努力をいたしておるところでございまして、第一目標を四十人学級、これに最大限の努力をいたしておるところでございますので、それに頭がいっぱいだと言ってしまえばそれまででございますけれども、現在は四十人学級、この完成のために最大の努力をいたしておるところでございます。
○佐藤(徳)委員 それは政治家の答弁でございまして、納得するかどうかは別にいたしまして、海部さんが文部大臣をやっているときに同じ質問をいたしましたら、海部文部大臣は三十五名と答えました。いい答えでしたね。ところが、四十人学級が進行中である、昭和六十六年度が完成年度である。御承知のとおり、これは財政の関係もあったのでありましょうが、延長されて六十六年度完成ということになったわけですね。ところが、今日既に社会的運動として三十五人学級を実現したらどうかという運動さえ実は起きているわけであります。ですから、完成年度を少し早めて、そして世界的趨勢に合うような、そういう学級編制基準を指向すべきじゃないか、こんなふうに考えるわけですが、将来の見通しについて、いつまで大臣をやっておられるかわかりませんけれども、せめて大臣をやっておられる間、確信を持ってひとつその点をお聞かせいただきたいし、次の大臣にそれを譲り渡してください、まだ早い話でしょうが。
○中島国務大臣 これは歴代大臣の中から示されました目標でございまして、まず私が、その与えられました任期中それに責任を持って、与えられた六十六年四十人学級完成というものを目指して、しかも前大臣がおっしゃられましたように次の目標を早く掲げられますように、とりあえず四十人学級完成を目指してまいりますし、また恐らく来年度概算要求をさせていただけると思いますので、頑張ってまいりたいと存じます。そして、次にその目標をさらに受け継いでいけるように責任を持って頑張ります。
○佐藤(徳)委員 ぜひ責任を持って頑張っていただきたいし、これは結果が出ることでありまして、評価はそのときいたしますから、信頼しておりますのでひとつ十分力を出し切ってほしい、こういうふうに思います。 さて、次の問題でありますが、児童生徒急増市町村における不足教室の現状は一体どのようになっておりますか。
○加戸政府委員 児童生徒急増市町村におきます一校当たりの不足普通教室数は、昭和五十七年度には〇・四七教室でございましたが、昭和六十二年度には〇・三七教室となっております。それから、一校当たりのプレハブ教室数は、昭和五十七年度の〇・二〇教室から昭和六十二年度には〇・一四教室となりますなど、それぞれ着実に減少している状況にございます。
○佐藤(徳)委員 四十人学級の実施により全国で増設を必要とする教室は、昭和五十八年の本法改正の際、昭和五十八年度から六十六年度までの九年間で六千三百教室。これは当初の計画では多分八千三百六十教室だったと思うのでありますが、昭和五十八年度から六十二年度までの増設状況と昭和六十三年度以降六十六年度までの四十人学級計画期間内の増設事業計画は、一体どのようになっておりますか、お聞かせください。
○加戸政府委員 御承知のように、昭和五十七年をピークといたしまして児童生徒数は減少しているわけでございまして、現在のところ、四十人学級を学年進行によりまして小学校、中学校それぞれの人口・児童生徒急増状況に応じまして今着実に進めているわけでございます。この実施に当たりましては、施設の新増築を行わなくても、空き教室の活用やあるいは特別教室の転用等で対応できるような施設余裕校から実施しているわけでございます。そして、今までのところ四十人学級の実施そのこと自体によって新増築が特に必要とされてはいないわけでございます。また、今後とも児童生徒数はなお減少を続けるわけでございますので、一部の例外的な中学校、ごくまれなケースを除きましては、四十人学級を実施することによります新増築の必要性は出てこないのではないかと私どもは判断しているわけでございます。
○佐藤(徳)委員 四十人学級の実施方法の中に施設余裕校という用語が用いられておりますね。その施設余裕校という定義について、ひとつ御説明ください。
○加戸政府委員 これは、四十人学級を実施するために当然なる増改築が必要とされる、つまり現状の施設では対応できないものを除いた、それ以外の学校を施設余裕校という考え方をしているわけでございます。運用上の問題としては、本来ならばこの施設増改築が必要であるけれども、既存のプレハブ教室をなお継続してしばらく使うという場合、あるいは特別教室を暫定的に普通教室に転用するという場合も施設余裕校に含めて運用いたしておるわけでございまして、その結果としては、施設余裕校に該当しない学校というのは極めて数が少ない、レアケースになっているというのが実情でございます。
○佐藤(徳)委員 さらに念を押させていただきますが、臨時的なものとして特別教室の転用も含まれているのですね。
○加戸政府委員 当該学校教育を円滑に遂行するために特別教室を転用しても支障がないと認められるようなケースにつきましては、そのような対応をさせていただいております。
○佐藤(徳)委員 さて、説明ありましたとおり昭和六十三年度で負担率の抑制措置の期限が切れることになるわけでありますが、六十四年度以降の負担率三分の二は当然保障されなければなりません。政府の都合によっていろいろな移り変わりがあったのでは将来にかなり影響する問題でありますからお答えをいただきたいのでありますが、文部省の御見解をお尋ねいたします。
○加戸政府委員 今回の改正案におきまして、昭和六十三年度はいわゆる補助金特例法との横並びの関係がございまして十分の五・五のかさ上げにさせていただいておりますが、六十四年度からはどうなるかという御質問でございます。そういった期間特例措置の終了後におきます負担割合の取り扱いは、人口・児童生徒急増市町村地域だけではなくて、いわゆる文部省の他の領域のみならず各省庁すべてにわたる補助金のかさ上げの問題に関連いたしますものですから、それらは諸情勢の推移、あるいは国、地方の役割分担、さらには財源配分のあり方等をも勘案しながら、関係省庁で協議をして、適切に対応すべき事柄だと思っているわけでございます。
○佐藤(徳)委員 時間ももうあとわずかしかありませんので締めくくりたいと思いますけれども、学校建築に当たりましては、先ほど若干お答えがありましたが、用地買収・取得が困難になっているという状況も中にはあるわけですね。それで、校地等の提供にかかわる際の税制上の優遇措置は一体どういうふうになっておりますか。現行、多分三千万円までは非課税と記憶をしているわけでありますが、改善の余地が考えられるのかどうか。現状とあわせましてひとつお聞かせいただきたいと存じます。
○加戸政府委員 個人有あるいは法人有の土地を学校用地として譲渡しました場合の所得につきましては、個人の場合には所得税、法人の場合には法人税が課税されるわけでございますが、先生が今おっしゃいましたように、租税特別措置法の規定によりまして三千万円までの特別控除が認められているわけでございます。したがいまして、文部省といたしましては、この金額では不十分であるという考え方に立ちまして、特に公共性の極めて強い学校用地であるということでございますので、この特別控除額の金額の引き上げを昭和五十六年度から関係省庁に要望をし続けているところでございますけれども、一方におきまして、道路や公園に提供する用地の場合につきましても同様の取り扱いがされているわけでございますので、学校用地のみについての引き上げの実現を見るに至っていない段階でございます。今後ともなお要望を続けてまいりたいと思っております。
○佐藤(徳)委員 過大規模校、いわゆる三十一学級以上を指しているわけでありますが、この分離のための用地取得費補助については、五十九年度にそれまでの急増用地補助を拡大する形で制度化をして、六十一年度から過大規模校解消の学校用地費補助事業として五年計画で進めてこられたと思いますけれども、今後の解消計画についてどのようにお考えになっておられますか。
○加戸政府委員 ただいま先生おっしゃいましたような各般の施策、特に用地取得費の補助によりまして過大規模校の解消に努めているわけでございますが、先ほども申し上げましたように、千二百三十一校のうち千六十一校、具体的には八六%に相当するものにつきましては、将来における解消が見込まれておるわけでございます。 残りました学校数につきましては、周辺に用地がないとか、あるいは過大規模校でございますけれども土地、校舎等も基準を満たしているというような状況もございまして、そういった計画がないわけでございますけれども、そういった困難点はございますが、今後とも解消の方向に向かつての努力は続けたいと思っております。
○佐藤(徳)委員 最後に一つお尋ねをいたします。急増市町村の関係者からも非常に要望の強い体育館の負担率の問題であります。 これは一般市町村との均衝上の問題から据え置かれてきたはずでありますが、校舎と同様に教育上必須の施設でありまして、現在では九〇%以上の学校が保有をしている。こういう現状から考えまして校舎と同一の負担率にすべきではないか、こういう要望が非常に強いわけであります。これらについての展望をお示しください。
○加戸政府委員 急増市町村につきましては、確かに校舎についての補助のかさ上げを講じているわけでございますけれども、体育館に関しましては一般市町村と同様の取り扱いになっているわけでございます。 これは一つには、人口急増市町村の場合には何よりも児童生徒を収容するという校舎の整備が最も急がれるわけでございまして、そういった観点からのかさ上げをしておるわけでございます。 一方、体育館の方の保有率は実は急増地域の方が一般地域よりも高いという状況にございますし、また、どちらかと申しますと一般市町村よりも人口急増市町村の方が財政力指数も高いわけでございまして、その意味では、体育館の整備が急がれる点におきましては急増市町村のみならず一般市町村も同様でございますので、急増地域だけに限って補助率のかさ上げをするということは均衡を失するものではないか、私どもはそう考えておるわけでございます。
○佐藤(徳)委員 ちょうど質疑時間が終了いたしましたというメモが回ってまいりました。時間があればもっともっと掘り下げた中身で議論したいのでありますが、時間の制約もありますのでこれで終わりますけれども、どうぞひとつ今まで九十分間論議をしたその中身を十分大臣も精査をされまして、さらにこの問題につきましても大きな力が示されますよう、私どももすべては子供たちのために頑張り抜きたい、こう思いますので、それを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○中村委員長 馬場昇君。
○馬場委員 まず大臣に、先ほど佐藤委員も質問をいたしましたし、参議院でも同僚の久保委員、この本委員会でも中西委員が質問したのですが、三月二十九日に加戸助成局長が、各都道府県の教育委員会の教育長に「教職員の服務規律の確保について」という加戸通知を出しておられるわけでございます。私もこの通知を実は地元に帰っておるときに見たのです。これを見まして直観的に、これは戦前の治安維持法、これで思想とか言論とか表現とか出版の自由を全面的に圧殺した、ああいうはしりではないか、そういうおそれを実は私は感じたわけです。これは運用次第によっては本当に民主主義を殺してしまうのじゃないか、そういうおそれがあると私は直観をいたしました。だから私は何回でもやりますけれども、これは決して与党とか野党とかというのじゃなしに、やはりこの国会が民主主義を守るという立場において、そういうおそれがないようにきちんとしておかなければいけないのじゃないか、そういう考え方を持っておりますので、少し重複するかもしれませんけれども、まずこの問題から質問をしたいと思います。 大臣が本委員会で中西委員にお答えになった速記録も、それから参議院で久保委員にお答えになった速記録も、またただいまの答弁も聞いておるわけですけれども、重複いたしますが、大臣の考え、文部省の統一見解、法制局長官がそう言うからそうだとか、こうだからこうでなしに、大臣自身の文部省の統一した見解という形でお聞きしますので、ぜひそのようにお答えいただきたいと思います。 まず第一に、参議院の議論の中でも出ておりますが、憲法十六条に定める法、命令、規則の制定、廃止、改正その他の事項に関する国民の請願権はすべての国民に保障されているものであるということを法制局長官が答弁して、大臣もそのとおりだとおっしゃったのですが、これはそのとおりと確認していいですか。
○中島国務大臣 三月二十九日の助成局長の通知についてのお尋ねでございますので、今おっしゃいました憲法第十六条に関しますことにつきましては、おっしゃるとおりだと思います。
○馬場委員 一つ一つ、これは速記録にそう書いてあるものですから、それを読んで確認しておるところでございます。 それから次に、「各省で立案の段階におきましてその法律案につきまして何らかの御意見を有する方々が請願をなさるということは、これは当然の憲法十六条の請願権の範囲」であります、こうなっておりますが、いかがですか。
○中島国務大臣 これは法制局長官もお答えしたと思います。これはそのとおりだと思いますが、十六条で「請願」と言うのは平穏な請願、こういうことがございまして、法制局長官は、具体の例が頭に浮かびませんが、一般論・原則論として申し上げます、こういうことでございました。したがって、違法でない限り、おっしゃるとおりだと思います。
○馬場委員 平穏であるかないかというのは、どういうのが平穏か平穏でないかということは後でお聞きしますから、この部分について確認していただいたわけでございます。 次に、国や公の機関が既に決定した法令であっても、その政策に対して意見があり、廃止や改正を求めるということは憲法十六条の請願の権利に含まれているということですが、そのとおりですか。
○中島国務大臣 そのとおりと思います。
○馬場委員 「思います」ということと「そのとおり」というのは違うのですか。ちょっとはっきりしてもらっておかぬと、思い違いだったなんて言われると困りますから。
○中島国務大臣 先ほど「思います」と申し上げたのは、委員の御指摘の中に法制局長官が言われたからこうというような御関連もあったものですから、私の中では、私の申し上げる質疑はその後こういうことでございましたので、前回法制局長官がお答えをいたしましたことを受けましてお答えしたわけでございまして、私もそう思うというのは、法制局長官が答弁されたとおりであります、こういう意味であります。
○馬場委員 それから、やはりその議論の中で、教職員団体がその請願の権利で法令に反対の意思を明らかにして、その権利を行使する目的で集会を開催する、そして団体の意思を確認または決定する、これは国民が集会の権利、表現の自由を持っているので何ら違法な行為として制限される行為ではない、こういうことをおっしゃっておられますが、そのとおりに大臣も考えておられますか。
○中島国務大臣 今おっしゃったのは憲法第二十六条の解釈だと思いますが、第二十六条の一般解釈はおっしゃるとおりでございます。
○馬場委員 さらに、適法な――私が今言っていますのはみんな違法ではない適法な話ですからね、適法なデモあるいは署名活動は行政府が決めた政策に対して反対するからといって禁止されるものではない、大臣、そのとおり思っておられますか。
○中島国務大臣 法解釈上そのとおりでございます。
○馬場委員 次に、請願のために必要な文書、図画を発行し、その文書を必要な人たちに回覧に供することは言論の自由ということで憲法の保障する範囲である、これはそのとおりだと思いますか。
○中島国務大臣 憲法解釈上そのとおりでございます。
○馬場委員 最後に憲法二十一条の、繰り返しになりますが、言論、出版、表現の自由は何人に対しても保障されている、このとおりですね。
○中島国務大臣 そのとおりでございます。
○馬場委員 そこで最後に、幾つかのことを今お尋ね申し上げたのですけれども、ただいまのやりとりというのは文部大臣、それから文部省の統一見解として確認してよろしいですね。
○中島国務大臣 法解釈上おっしゃるとおりで、結構だと思います。
○馬場委員 そこで、加戸通知を読んでみますと、これは大臣がよく言われる中段の部分ですが、「公立学校の教育公務員については、他の地方公務員とは異なり、その職務と責任の特殊性にかんがみ教育公務員特例法により政治的行為が」制限されている、こういう前置きを中段に書いて、そしてさわりのところは、「国の機関又は公の機関において決定した政策の実施、例えば初任者研修の実施を妨害するために、示威運動や署名運動の企画・指導等を行うこと、そのような目的を有する文書、図画等を発行し、回覧に供すること等は政治的行為に該当するものとして禁止されているところであります。」こう書いてございますね。これは、ただいま文部大臣が文部大臣の見解、文部省の統一見解としておっしゃいましたことと大分違うのですね。そういうことで、先ほどの答弁を聞いておりましたら「妨害」ということがやはり議論になるようでございますので、ここに書いてある「妨害」というのはどういうことを指しているのですか。
○加戸政府委員 局長通達は、国家公務員法並びにそれに基づく人事院規則を受けて流したものでございまして、その人事院規則で「実施を妨害するために」という解釈は、人事院事務総長通知がなされております。その通知によりますと「「実施を妨害する」とは、その手段方法のいかんを問わず、有形無形の威力をもって組織的、計画的又は継続的にその政策の目的の達成を妨げることをいう。従って、単に当該政策を批判することは、これに該当しない。」という解釈がございます。したがいまして、単に反対とか批判の意見を述べるだけでございますれば問題ないわけでございますけれども、当局側に対しまして有形無形の威力をもって組織的、計画的、継続的に政策目的の達成を妨げる場合を指しておるわけでございます。
○馬場委員 今加戸局長は威力をもってというようなことをおっしゃった。私が聞いているのは、威力とは何だということを聞いているわけです。そういう意味において威力とはどういう行動形態を言うのですか。
○加戸政府委員 威力といいますのは、その政策を決定した当局側においてその自由意思において判断する行為に対しまして制圧を加えることをもって、威力と考えております。
○馬場委員 それでは、例えば初任者研修制度反対であるということで集会をする、国民にわからせるために署名運動をやろう、そしてそこで例えば署名運動をしてこれを請願しよう、ここに請願の行動をする、それで国会に請願署名を出す、このことは威力ですか。大臣どうですか。
○中島国務大臣 まさに公務員の政治的行為の制限の問題でございますが、法的に申せばこれは教育公務員特例法がございますが、それの第二十一条の三を敷衍いたしますとこれは国家公務員法に戻る。国家公務員法で規定されているものは、これは人事院規則で書かれてあるものでございます。その中に妨害という言葉が出てまいります。その妨害というのは、国、行政が決めましたものに対する御意見、それから実際に決めましたその行為が実行できなくなる、できなくなるということはこれは妨害でございまして、このできなくなるような圧力がある場合、これは妨害と称してよろしいのではないかと思うのです。ですから、一つ一つの行為は、例えば署名をする、あるいは請願をされる、これは私は当然許された行為であると思いますが、どこからが妨害的な行為かというと、国が決定をいたしました事項が実行不可能になればこれは妨害、こういうことであろうと思います。その範疇で考えていってよろしいのではないか、こう思います。
○馬場委員 今、初任者研修の試行をやっていますね。それを例えば請願権でもって県議会とかあるいは県の教育委員会とかにして、こういうことはしないということを決めたとする、そうすると文部省が企画する初任研の試行はできなくなる。それは威力による妨害ですか。
○加戸政府委員 初任者研修の試行に関しましては、都道府県教育委員会が試行することを決定して試行をスタートさせる段階以降のことを指しておりまして、試行するかしないかの段階におきます反対行動等に触れているわけではございません。具体的に試行をやると都道府県教育委員会が決めたその政策を実施しようとする段階において、その政策を実施させないためのいわゆる有形無形の威力を用いて行動する場合を指しているわけでございまして、今申し上げたように、この事柄はあくまでも都道府県教育委員会が試行を決定し実施要綱を発表したそれ以後におきますその実施を妨害する行為を指しているわけでございます。
○馬場委員 ここで余り時間をとりたくないのですけれども、有形無形などと言いますと、はっきり言えば、無形なんていうことはわからないわけですよ。違法な行為でもってそれを妨害するということは確かに触れますけれども、例えば無形なことでもっては妨害とならないのです、形がないのですから。そういうことで、もうここで議論するのはなんですが、この文書は今言ったようにたくさんの問題を含んでいるのですよ。それで拡大解釈といいますか解釈の違いと言って、逆にこういうことは混乱を招くだけの話なんです。これは文章で解釈の相違がいろいろございます。もうみんな、例えば署名運動はいいんだという憲法になっているんだけれども、これでは違法だと言っているし、文書、図画等を発行して回覧に供することは憲法で認められているんだとなっているのに、それも禁止されておる。いわゆる妨害というような拡大解釈ができる行為でもって、憲法で許されておることが禁止されるとこれには書いてある。この妨害ということは、今抽象的に行政府がこれを考えれば事が済むことだというように受け取れるのですよね。だから、これはやはり出し直したらどうですか。そして説明を――さっき前段で私は憲法十六条、二十一条、こういう国民の権利はあるのですということを確認しました。しかし違法なことで妨害なんかすることはやはりいけませんよ、こういう趣旨だろうと私は思うのですが、これでは非常に誤解をいたしますから、さっき文部大臣が統一見解として確認されました基本部分、そういうものを踏まえて、違法なことはいかぬ、こういうぐあいにして説明を付加されたらいかがかと思うのですが、大臣いかがですか。
○中島国務大臣 御質問の趣旨は先ほどから伺っておりまして、逐一御確認になりましたときに、法解釈一般論として法制局長官がお答えしたとおりでございますと申し上げました。そしてそれは違法のない限りと私も申し上げましたし、馬場委員も、自分が聞いていることは違法のない限りで聞いておる、こういうことでございました。それは正しいことだと思います。そして、この三月二十九日の通知の集約されるところは、教育というのは人づくりでございますし、国家百年の大計でもございます。学校教育が国民から信頼を受けるということが一番必要でございますので、そのために違法な行為をしたり、あるいは教育が政治的中立を損なうようなことがあって学校教育が国民からの信頼を損なってはいけません、そういうことがないようにしてください、これがこの通知の最大ポイントでございますね。したがって、じゃあ違法とか教育の中立性が損なわれるというのは何かということが中段にございまして、その中段の、憲法に定められたものはそのとおりであるということは当然わかっておる上で、妨害というのは何か、これは、人事院規則で書かれております妨害というのは、国が定めたものを実施していく、それに対する妨害があってはいけません、こういうことでございますので、おっしゃる意味は、前段に当然憲法あるいは基本法その他の問題を頭に入れた上で、最後に集約いたしましたように、かつ、その中で違法、教育の中立性が損なわれることがあってはいけません、こういう通知でございますので、そのように御理解をいただきたいと存じます。
○馬場委員 違法という言葉については、例えばストライキ等については、これは違法でない、あれは違法だと、いろいろ見解にも違いがあります。裁判でも争っているわけですから、この辺について「違法」の言葉の違いというのはあることを確認しておいていただきたいと思うのですが、私が言うのは大臣、今までは大臣の言われたとおりの通達が出ているのですよ。今度それが変わったのです。今までは、例えばよくストライキなんかをやる、これは違法だ、違法でないという議論はありますけれども、そういうときにはよく通知を出しているのです。例えば去年の売上税のときにも加戸通知を出している。それは「教職員の争議行為について」という通知を出しておって、争議行為が実施される場合には、違法とそっちは思っておられるのでしょうから、学校教育の正常な運営が阻害されないように教職員の服務について十分な指導を徹底することということで、前文とか中文とかは書いてないのです。ここにわざわざ、誤解を招くと思うのに、その中に説明をつけ加えたというのは、やはり意図があると思わざるを得ませんし、それは混乱のもとですよ。本当を言うと、これがひとり歩きすると憲法十六条、二十一条の精神というのはゆがめられていく。その結果は、例えば労働運動だとか民主主義というものの弾圧とか破壊につながってくる。そういうおそれを、今までと変わったことを出していますから非常に感ずるわけですよ。これははっきり言って、大臣の意向で今までより変えて出せと大臣が言ったかどうか知りませんけれども、そういうことを一局長が出すということは、政治家出身の大臣としては、また国会議員としても、例えば私たちは、初任研反対ですという請願を受けて、この文教委員会で請願の審査をやっているでしょう。あるいは、こういう法律をつくってくれ、この法律はやめてくれという請願を受けて、この委員会で審査をしているのです。ところがこれを拡大していきますと、そういう署名をして請願をすること自体がおかしいという、国会の審議権さえも否定するということに実はなるわけでございます。 そういうことで、この問題については、従来より変えておるというところに非常に意図がある。そのことは労働運動弾圧とか民主主義の否定という方向にいく可能性がある。だから、この国会において、民主主義とか国民の権利、憲法十六条、二十一条を守るという立場から、この加戸通知というのは従来のような通知に変えるか、あるいはさっき言ったように大臣が確認された、そういう国民の権利はあります。しかしあなた方の立場からいうと違法なことは困りますよ、こういうわかりやすい、憲法に抵触しないような、また国民が理解できるような通知に出しかえるか、あるいは大臣が説明を行うべきじゃないか。そして、民主主義をこの国会があるいは大臣が守るということにすべきじゃないかと思うのですが、大臣どうでしょう。
○中島国務大臣 私は、先生がおっしゃる後段の意味、それはすべてが民主主義を守ってまいる、憲法に規定をされました、要するに理想的な国家のあり方、これをつかさどっていく中心は教育だというふうに教育を位置づけたのは教育基本法でございますし、それに従って私どもは教育改革も進め、教育行政も進めておるつもりでございますので、根本的には私は先生と差異はないと思います。 ただ、そういう民主的な国家を培っていきます教育だからこそ国民の信頼が必要である、その国民の信頼を培っていくには違法行為あるいは教育の中立性が損なわれてはならないのだ、ここも先生と御一緒だと思うわけでございます。したがって、そういうものは前段に明らかにございます。明らかにある上のことでございますから、先ほど申し上げましたように、ここで対処しておりますのは教育の中立性、それから違法行為が行われないようにということがあくまでも主でございまして、これは私に説明しろと言われれば何回でも御説明を申し上げるところでございます。そして、その違法という範囲につきましてこのように御質疑をいただくことは結構であります。また妨害というのは何かということについても質疑をしていただきまして、妨害というのは、先ほど申しましたように、私どもは一つ一つの憲法に保障された行為そのものは一般論として当然認められるものでございますが、一つの行政上進めるべきものが妨害されるというようなことは、先ほど申した教育の中立性、それから違法に入らない範囲においてということについて御忠告をいたしたということでございまして、今までと違った厳しい通知というわけではないと思います。 それから一つ訂正させていただきますが、先ほど私は、先生の御質疑に対して、それは憲法第二十六条の解釈としてと申し上げましたが、第十六条の解釈でございます。
○馬場委員 大臣が今答弁されておるのは私もわかるのですよ。前段にちゃんと十六条、二十一条があります、それはきちんと守った上でのことですとおっしゃるけれども、前段に、この文章にはそれは書いてないのですよ。それを書きなさいと私は言っているのです。 それから、今大臣が言われる教育だからこそ、学問とか研究の自由、教育の自由、これが日本の平和国家あるいは文化国家をつくっていくという、これは憲法、教育基本法の精神でございますから、教育にこそ自由とか民主主義とか平和ということが必要だということが教育基本法にも書いてあるわけでございますから、そういうことも非常に大切だと思うわけです。 そこで、今大臣が憲法十六条、二十一条についてさっき確認されましたけれども、ぜひお願いしておきたいのは、この誤解のある中段は削除して、そして基本的な憲法上の十六条、二十一条の精神を、さっき言われたようなことを書いて、誤解のないように通達をやり直していただくとか説明をしていただくとか、こういうことをまず強く要求をして、この問題について終わりたいと思います。 そこで、法案の審議に入っていくわけでございます。先ほど佐藤委員もある程度詳細にわたって質問いたしましたし、重複する部面もあると思いますが、まずこの国庫負担法の一部を改正する法律、ここで見てまいりますと、この法律は四十八年度にできて五年、五年、五年と、十五年経過してきておるわけでございます。だから、その急増地域の施設をつくるのに金が支出され、金が二分の一から三分の二になったわけですから、言うならばどれだけかさ上げされたかということを調べますと、十五年間で四千三百二十三億円、これだけかさ上げが行われた、そういう意味においてはこの法律をつくったということは非常によかったことだと私は思います。 しかしずっと中身を見てみますと、後半十年ですけれども、いわゆる予算のマイナスシーリングが始まりましたね。あの五十七年を基盤にして五十八年から始まったのですが、この五十八年から六十二年までの五年間には八百十五億しか上積みが行われていないのです。このことについて、これは何か指定基準というのがあるわけですけれども、そういうのを変えて抑えたのか、本当に生徒が減ってきたからこんなに要らなくなったのか、あるいはマイナスシーリングでやむなく削らなければならなかったのか。このマイナスシーリングになりまして五年間、予算の額が非常に減っている、上積みが少なくなっている。このことについてどうお考えでございますか。
○加戸政府委員 先生御承知のように、小中学校の児童生徒数は昭和五十七年がピークでございまして、それまで年間三十万人程度の増加を続けたわけでございますが、学校建築の場合には大体二年前ぐらいに建築に対応するのが一般例でございます。そういう意味では、五十七年のピークに対応して、予算上あるいは事業量についても昭和五十五年がピークに達したわけでございます。それ以後は児童生徒数が年々減少するのに伴いまして、整備の度合いもあるいは必要性が低くなってきたわけで、現実に児童生徒急増に伴う学校建築の件数等も減少してきたわけでございます。 この予算上の問題でございますが、予算については、毎年度市町村からの事業量を把握いたしまして、それに見合った予算計上をしておるわけで、意図的に抑え込んだわけではなくて、各市町村におきます事業量の減少に伴いまして予算が減少した、こういう実態になっているわけでございます。
○馬場委員 それは後でまた施設費の全体の問題にかかわったときに質問をしたいと思いますが、大臣、四十八年にこの法律が制定されましたとき、五十三年延長するとき、五十八年延長するとき、先ほども佐藤委員が質問したのですけれども、国会の意思として附帯決議がついているのです。危険建物の改築費の国庫負担を引き上げなさい、それから先ほど出ましたように学校用地の取得費に対する助成を上積みしなさい、屋内運動場及び用地の整備費の助成も上積みしなさい、こういう附帯決議が三回ともついているのです。この附帯決議を体して、政府はどのような附帯決議の趣旨を生かすような措置をとったのか報告してください。
○加戸政府委員 昭和五十八年に五年間の再延長を行いましたとき、当文教委員会において附帯決議が四項目についてつけられております。第一項目が指定都市等の小中学校……(馬場委員「それはわかっています。私の言った危険校舎とか体育館と用地、それも附帯決議に入っているのです。その部分だけでいいです。ほかの部分はもういいです」と呼ぶ)今の文教委員会の内容としては五十三年の附帯決議ではないかと思いますが、五十三年については、児童生徒急増市町村の屋内運動場、用地の整備費に対する助成措置の改善に努めることという御指摘がございます。 この屋内運動場の新増築につきましては、市町村の計画事業を踏まえまして大幅な事業量の増を図ってきたわけでございますし、また基準面積につきましては、小規模校あるいは積雪寒冷地の学校についての引き上げを行ったという状況がございます。また補助単価につきましても、毎年物価上昇等を考慮しながら引き上げを図ってきたということでございます。なお、補助率につきましては、児童生徒急増市町村の方がその他の一般市町村よりも屋内運動場、体育館の保有率が高いわけでございまして、そういった点で一般市町村との間に格差をつけるということは必ずしも適切な施策ではないという考え方で、急増地域のみに限って体育館の補助率のかさ上げをするという措置は講じていない次第でございます。
○馬場委員 これは大臣に質問しますけれども、四十八年も五十三年も五十八年も、実は三回とも危険建物の改築費の国庫負担率の引き上げということが附帯決議でついているのです。これは大臣、古い話ですし余り具体的に御存じないかもしれませんが、私が聞きたいのは、国会で附帯決議をつけるでしょう。ところが今の話のように、国会議員がどういう意思でもって政府はこうしなさいと言っても、おれたちは関係しないんだ、大体急増地は体育館が多いんだ、そうでないところは体育館が少ないんだ、国会議員はばかな附帯決議をつけるものではないかというような今のような答弁で、そんなのはしませんよという答弁でしょう。しかし、国会議員がここで附帯決議をつけるのは、それなりの、たくさんの地方の実情も知っているし、たくさん勉強もされて、国民の代表としてここへ出てきて、こういう公の委員会で附帯決議をつけるわけですから、附帯決議というのは尊重しなければならぬと私は思うのです。 そこで、もう内容については言いませんけれども、附帯決議の尊重について大臣の所見をひとつ伺っておきたいと思います。
○中島国務大臣 委員会でよく附帯決議をおつけいただきます。私は当然尊重すべきことだと思いますし、附帯決議を委員会でつけていただいたときには、当該大臣と申しますか、附帯決議を尊重してまいりますという言葉をその都度申し上げているはずでございますので、私も尊重してまいるつもりでございます。
○馬場委員 そういう意味におきましては、この法律の附帯決議というのはほとんど尊重されていない、非常に遺憾だということを申し上げておきたいと思います。 次に、現行の児童生徒急増地域は政令の定めるところによりまして文部大臣が指定することになっておりまして、指定基準があるわけで乙ざいますけれども、この指定基準について今まで十五年やって何か問題はありませんでしたか。
○加戸政府委員 この指定基準につきましては、昭和四十八年に基準が定められまして、その後五十二年度にはこの緩和措置を講じておるわけでございます。例えば、児童生徒数の増加数は少のうございますが増加率が高いものにつきましてはこの特別かさ上げ措置を適用できるように、小学校あるいは中学校についてそれぞれ人数並びに増加率という観点で、具体的に申しますと小学校では三百人以上の場合かつ増加率一五%以上、それから中学校につきましては百五十人以上かつ一五%以上の増加の範囲にまで、指定要件の緩和を図ったわけでございます。昭和五十五年度におきましては、急増指定の有効期限が従来でございますと単年度で切れて補助対象にしなかったわけでございますけれども、一年間延長しまして、言うなれば期限切れ後の翌年につきましても、指定要件から外れた場合につきましても当該年度に限って児童生徒急増市町村として取り扱うというような措置で対応させていただいたわけでございます。それから六十一年度におきましては、今のような過大規模校の分離につきましても、児童生徒急増市町村以外の市町村に対しても補助対象にするというような用地取得費の補助で、実質的に申しますと指定要件の緩和に相当するような行為を行ったわけでございます。 以上のような措置によりまして、児童生徒の急増の実態に即した対応を行ってきたと考えておるわけでございます。
○馬場委員 この指定基準によりましてこの法律が今から五年間いくわけです。先ほどもちょっと質問あったようですけれども、五年間で児童の急増地域、それから生徒の急増地域、これはどういう推移をたどるのか。その五年間でもこの基準でいってもまだ終わらないのか、この見通しを教えてください。
○加戸政府委員 児童生徒急増市町村は、小学校のケースと中学校のケースとでそれぞれ市町村数は異なるわけでございますが、延べ市町村数で申しますと、ピーク時が昭和五十七年の千七十二市町村でございまして、それが現時点で、昨年度が四百七十八市町村でございます。 なお、今後の見込みでございますが、六十三年度以降は児童生徒が大幅に減少していきます関係上、特定の宅地造成等が行われる特定市町村で、数は減ってまいるわけでございますが、とりあえず六十三年度の見込みとしましては三百七十五市町村が予定されているわけでございまして、この延長五カ年の最終年度でございます六十七年度におきましても、約百市町村ほどが対象になるであろうという予測をしているわけでございます。
○馬場委員 生徒急増が小学校、中学校、高等学校にずっと移っていくわけでございますが、もちろん高等学校の負担の方はないわけでございますけれども、文部省としては、高等学校の生徒の急増対策というものについて、各都道府県市町村、そういうものに対してこの急増対策としてどういうことを行われ、どういう成果が上がったのかということ、高校の急増対策についてちょっと説明してください。
○加戸政府委員 高等学校につきましては昭和六十四年度が生徒数のピークに達する年でございますが、学校建築等の整備につきましては、六十四年度を想定しますと六十二年度までにほぼそういった校舎の整備等が行われたわけでございます。その意味で、文部省としましては、五十一年度から六十二年度にかけまして高校急増対策としての補助を行いまして、延べ学校数でございますが、全国で六百六十四校をこの補助の対象として実施をしたということでございます。 また急増対策としましては、それ以外に、高等学校を新設する場合のほか、校舎の増築あるいは特別教室の転用による学級増であるとか、暫定的な措置でございますけれども一学級の定員増というような形態で一応対応してきてはおるわけでございますが、六十四年度をピークといたしまして今後減少に向かうわけでございますので、急増対策につきましては今申し上げた措置によって、あとは一般的な地方公共団体、都道府県の事務として対応する事柄であろうというような考え方でいるわけでございます。いずれにいたしましても、高校急増対策につきましては各都道府県において円滑に進捗しているものと承知をしている次第でございます。
○馬場委員 これは大臣にお尋ねしますけれども、結局、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律だとか国の補助金等の臨時特例に関する法律、こういうのが六十年、六十一年に出まして、補助率が三分の二が十分の六になり、十分の五・五になる。ことしも十分の五・五になっているのですね。補助率が三分の二から下がっているわけでございますが、これは先ほど佐藤委員の御質問にもございましたように、この国の補助金等の臨時特例に関する法律は三年でしたから、ことしで終わるわけでございますね。そこで六十四年度から当然三分の二に戻るものと私たちは思っておるわけでございますけれども、二、三日前の新聞の報ずるところによりますと、大蔵省はまたこれを続けたいということで、さらにそれに社会保障だとか公共事業分野もつけ加えたいとか、いろいろな考え方を持って各省庁、自治とか建設、厚生、運輸、農水、文部、こういう省のOBを集めて、学識経験者も含めて補助金問題検討会みたいなものをつくって、六十四年以降も補助金の削減を続けていきたいというようなことを考えておるということが報道されておるわけでございます。 そういうことについて、これはこの前の予算委員会でも議論になりまして、予算委員会の我が党の委員の質問に対して、梶山自治大臣は国会でこういう答弁をしています。緊急避難の暫定措置であるからこの法律は廃止すべきだ、六十四年以降続けるべきでない。こういうことを言いながら、また一方では、交付税交付金三二%をずっと引き上げてくれれば補助率が少し下がってもというようなことを言っているようですけれども、いずれにしてもこの法律で補助率を下げるということはもうこれでおしまいだ、こういうことを自治大臣は言っておるわけでございます。 そこで、今後、さっき言いましたような大蔵省を中心に自治、建設、厚生、運輸、農水、文部等々で話し合いが行われていくと思うのですが、この話し合いに対して文部省は、文部大臣は、この法律はもう廃止すべきだということを主張すべきじゃないか、こういうぐあいに思うのですけれども、この法律の延長問題というものに対する、今後の話し合いになると思いますけれども、大臣の決意のほどをまず聞かせていただきたい。
○中島国務大臣 おっしゃるとおり、今提案し御審議いただいておりますのは六十三から六十七の問題でございまして、特にその間の六十三年度分について国の特例と横並びで十分の五・五、こういうお願いをしておりますので、おっしゃるのが正しいと思います。私どもは政府答弁というのがございまして、諸情勢の推移、国、地方の役割分担のあり方、財源配分のあり方等を含み、関係省庁と協議をいたす、こういうことでございますが、おっしゃることを含んで頑張ります。
○馬場委員 優等生答弁というのですかね、そういうのを。しかし、私は政治家文部大臣に対して、梶山さんみたいに、おれはこれは反対なんだ、そういう主張をするよ、こういう積極的な答弁を求めたのですけれども、大体そういうことで御答弁になったと理解しておきたいと思います。 そこで、今度は少し話を変えまして、今急増地の対策というのをこの法律で議論しておるわけですけれども、もう片一方に過疎地、僻地、こういうたくさんの問題を抱えた地域があるわけでございまして、国土の均衡ある発展というのは、そういうところが落ち込んでいるということでもって今大きい問題にもなっているわけでございますが、私は教育を考える場合も、私はこのところ地方をずっと回ってみたのです。過疎地の教育とか僻地の教育というのは、過疎町村なんかがあるものですから本当に大変な、財政事情も困難な状況にございます。 そこで、この急増対策にさっき言ったように四千何百億というたくさんの金が使われたのですが、僻地とか過疎対策というものに対して文部省はこの間にどれだけやってくれたのかということを考えざるを得ないのです。いわゆる過疎地・僻地に対する教職員の加配の問題と、それから一年生・二年生の複式がまだ大分あるのですが、今一年・二年の複式が幾ら残っているのか。今は新学期ですが、行ってみますと、一年・二年の複式というのは教育になっていません。一年生というのは家庭におって、僻地とか過疎とかの複式のあるようなところでは、就学前の保育とか教育とかいうのはほとんど行われていないところも多いわけですけれども、まず第一に言葉というのが理解できない。だから、その一年生と二年生を同じところに入れて授業しますので授業にはならないと先生たちは言うのです。私も授業を見ていまして、これではちょっと授業にはならぬと思いました。もともと複式学級は解消すべきであるけれども、少なくとも一年生・二年生の複式だけは早急に解消すべきだ。何にも増してそのことは優先的に早くやるべきじゃないかと思うのですけれども、僻地に対する加配の問題とか一学年の複式の解消問題についてどうお考えであるかということをお聞きしたい。 〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕
○加戸政府委員 今、僻地指定を受けています学校が全国で五千五百校、児童生徒数にして四十万人弱の子供たちが学んでいるわけでございまして、今言った僻地対策というのは非常に重要な事柄だと思っているわけでございます。厳しい財政状況のもとでございますけれども、文部省としても従来からその充実にできる限り努力してまいったわけでございます。 現在、複式学級としましては小学校で七千八百四十学級、中学校で二百九十学級存在するわけでございますけれども、このうち小学校の複式学級につきましては、第五次教職員定数改善計画の中におきまして、現在の学級編制基準を、複式の場合につきましては、小学校の第一学年を含む複式学級につきまして現在の十二人から十人に減らしていく、それから第二学年以上の複式学級につきましては一学級二十名から十八名に改善するという形で現在計画を進めているわけでございまして、特に低学年に対する配慮は今申し上げたように意を払っているところでございます。今後、文部省としましてもこの着実な推進に努めてまいりたいと考えている段階でございます。
○馬場委員 大臣、今言ったように複式がまだたくさんあるのですが、私は、一学年・二学年の複式の中に――去年、僻地加配といって、僻地の例えば六学級しかないところには教員の一人加配というようなことも行われておるのです。ですから私は、一年・二年、三年・四年、五年・六年と複式のあるところ、まあ一年から六年まで一クラスずつあるところには一人加配があって、そうでない複式のところでは加配が行われていない。それで、例えば一年・二年の複式のあるところには専科の先生くらいをやって、そして国語だけは、言葉だけはきちんと修得させる、その上に教育を積んでいけばいいと思うのですが、そういう国語の専科教員だけでも何とか一年・二年の複式のあるところには加配をしてはどうかということを僕は現場に行ってみてつくづく感じてきたのです。そういう点について、大臣ひとつ検討を庁内でしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○中島国務大臣 今、僻地あるいは過疎対策、大変大事なことを御指摘いただきました。まさに低学年では特にそういうことは必要でございましょうから、おっしゃることを心に置いて努力してみたいと思います。
○馬場委員 そこで、また施設整備費に戻るわけでございますけれども、いわゆるマイナスシーリング、ゼロシーリングが始まりましてから物すごく施設整備費が減額をされ続けてきておりますね。五十七年に公立学校施設整備費が六千百四十二億円あったのですが、五十八年はそれを三百五十七億円削られておる。五十九年には八百三十億円削られておる。六十年には千二百十三億円削られておる。六十一年には何と千五百四十億円、前年度から削られておる。六十二年度はまさに前年度から千八百七十四億円削られておる。そして六十三年度は昨年に比べて二千百六十二億円削られておる。どんどん施設整備費というのが削られていっているわけですね。そういう中で急増地域の負担がふえているわけです。削られておる中でふえておるというのはどこから金を持ってきたのか。ほかを削る以外ない。トータルがずっと下がっている。その中で急増地域のはふえているわけでしょう。この金はどこから持ってきたのかということをまず申し上げておきたいと思うのです。施設整備費が減って急増地の負担金がふえる、この辺の関係についてどう理解されていますか。
○加戸政府委員 毎年度の公立学校施設費の予算は、各市町村が翌年度に計画をいたしております事業量を把握いたしまして、それに見合う予算措置を講じてきておるわけでございます。 一般的傾向は、先生おっしゃいましたように、五十五年度をピークといたしまして予算は減少を続けているわけでございますが、それは主として児童生徒数の急減に伴います事業量減少に由来するものでございまして、そういった点では人口急増関係のものにつきましても、同様なピークからボトムへという傾向で、一般的な全体の事業量とほぼスライドした形で急増の分も行われている状況でございます。 なお、急増についての特別な傾向としましては、先ほど先生おっしゃいました補助金特例法によります三分の二のかさ上げが十分の五・五に減少したことに伴います金額の減少がなおそれに加算をされているという状況が、特別な事情としてあることは事実でございます。
○馬場委員 とにかく加戸さん、あなたの説明というのは血が通ってないですよ。そして事の本質というのを完全にそらして、言葉でちゃらちゃらとごまかすというような答弁ですよ。大臣、よく聞いておってくださいよ。だれでも知っているのですよ、施設整備費というのがどういうことで削られていったかというのは。それを今聞いてみますと、各市町村とかなんとかの計画に基づいて予算は計上していくのですから、少しもほかの要因で削られるようなことではなくて、地元の計画どおりやっておりますとか、生徒が減っておるのですから施設整備費が減るのは当たり前ですとか、まさに血もない、何とかもない、現実を無視した、聞くにたえぬような答弁ですけれども、本当は大臣、例えばこのゼロシーリングの中で各大臣が一番困ったのは、人件費がどんどん上がっていく、それを現在の枠の中で、ゼロシーリングの中で賄いなさいというものだから、人件費が削れない場合は施設整備費なんかをどんどん削ってその金を今日までずっと回してきたんじゃないですか。それでもって、今人件費の割合が文部予算の中で七六・五%になっているでしょう。そして施設整備費の割合がずっと下がってきているでしょう。全体のトータルが伸びない。だから施設整備費がやはり犠牲になってふえないのです。それが基本的な原因ですよ。それを市町村側の計画だとか生徒が減るから当たり前だ、こんな考え方では文部予算の財政を扱わせておくわけにはいかぬですよ。 そういう意味で、そういう政治的な、例えばゼロシーリング、マイナスシーリングが始まった中で、施設整備費が犠牲を受けなかったかどうか、これは大臣どうですか。
○中島国務大臣 それはまさに両方ありまして、厳しい中をゼロシーリング、マイナスシーリング、これはそれぞれの省庁が大変厳しい中をやりくりしてきたと思います。したがって、文部省としてもやりくり算段をしたというのが正しい実情じゃないかと思います。 ただ一方で、幸か不幸か急増から減少に向かっておったということで、施設費に投じる規模というものも予算との乖離がそう生じずに、今日まで何とかやりくりができたというのが正しい表現じゃないかと私は思うのです。 したがって、これはいつも言われます、それぞれの分野においてこれで十分なのか十分でないのかということについてはいろんな御論議があるわけでございますけれども、六十三年度は御承認いただいた決定額、四兆五千七百六十六億で回してまいりますけれども、確かに人件費が七六%を占める文教予算について、全体の根本的なあり方について心を定めてと申しますか肝に銘じてと申しますか、中長期的に見て相当強い姿勢で関係省庁と折衝をしていく必要がある、また今後生じてくるというふうに私は率直に考えておりまして、これからよほど腰を定めてと申しますか頑張っていく必要があろうなと、実感としてそう思います。
○馬場委員 これはもう大臣も痛切に感じておられると思うのですけれども、例えば五十四年度から十年間を見てみますと、国家予算は五二・六二%伸びていますね。文教予算は二六・五八%しか伸びておりません。その十年間に防衛予算は六九・〇三%伸びていますね。それから、ゼロシーリングが始まりました昭和五十八年からいいましても、国家予算は一三・六八%伸びています。文部予算は〇・二%マイナス。そういう中で防衛予算は三六・九三%ふえておる。少なくとも日本は平和国家、文化国家、福祉国家で行きましょうというのがあの新しい憲法をつくった戦後政治でしょう。文化国家の基盤になるとか、そういう中の教育。防衛予算が三六・九三%もゼロシーリングの中で伸びるのに、これが〇・二%減るということは私はちょっと許されない問題ではないかと思うのです。こういう国家予算の伸び、防衛予算の伸び、それに比べて教育予算がマイナスになっている、このことについての文部大臣の感想をまず聞いておきたい。
○中島国務大臣 一つには、いろいろな省庁の予算がございます。それを束ねたものが国家予算でございますので、国家予算については言及できると思いますが、その中にも先生が触れられましたように長い間、ゼロシーリング、マイナスシーリングを課せられた。一方で、その間に国民の方々からの借財がある。百六十兆円にかさむその借財の返済というものもそれぞれの年度の国家予算に盛らなければならない、そういう状態。だから、国も厳しい、それぞれが厳しいという結果が今国債費十一兆円というもので出てきておりまして、それを含めて五十六兆の国家予算というものはやはりそれだけ伸びておるけれども、厳しい中の後始末が残っておるのだなあという傷跡と申しますか、厳しさの名残があるわけでございますから、その中で文部省予算が一般歳出から見れば一四%程度をとにかくキープしてきた。これは各委員の御激励もありましたでしょうし、歴代大臣の努力もあったと思いますが、そこまでは努力目標を〇・一%前後のところでとにかく維持してきた。こういう御努力を、今私は責任を持たされておる中で今後これを落とさないように、先ほども申したように、七六%も人件費をもって占められておる文教予算について根本的に腰を据えて六十四年度以降頑張っていかなければならない事態に来ておるなという感じは十分いたします。こういうことでございまして、それぞれの委員の御努力その他によって一四%を一般歳出で占めてきたということは、私はやはり過去のことは評価し、これからさらに努力するということが正しいのではないかと思います。
○馬場委員 過去のことをただ評価されたら、今後のことは全然よくはいきませんよ、あなた。過去のは、こうあるべきじゃなかったとかもう少しこういう努力をすべきだったとか、例えばみんな国民は借金を持っていますよ、国債があるわけですから。そういう中でも、今言いましたように防衛費なんかがどんどん伸びていっているわけでしょう。例えばこれは予算を査定する場合に聖域だという言葉を使われているでしょう。本当に教育こそ聖域だという言葉をゼロシーリングの中でも使って、ここは聖域だから踏み込んでもらっちゃ困る、削っちゃ困る、そういう国民のコンセンサスを受けてそしてこれを聖域として持ってきて、削らないとかふやすとかそういう努力をしてしかるべきだったと私は思うのですよ。それを思わなくて、過去は一生懸命やられたから何とかじゃなしに、やはりよかった点は確かによかった点であると思う、頑張った点もあると思う、しかしまずかった点、足らなかった点もあるわけですから、そういうことを肝に銘じてやらなければ、さっき大臣が言われましたように心を定めてとか肝に銘じてというのも、具体的に行動するのでなければ金は入ってきませんよ、肝と心では金は入らない。 それでは具体的に言いますよ。じゃ今後肝に銘じて、心を定めてやられると言うのだったら、少なくとも七六・五%という人件費の比率、もう文部省というのは給与支払い省と言われても仕方がないじゃないですか。それならば、まずこの給与というのは別枠にするという、教育における給与というこの特殊性をほかの省庁に理解させて、給与に関する限りは別枠といいますか、少なくともシーリングの別枠にはする。そういうように予算編成の仕方を変えて、そして施設整備費なんかが削られてきたのですが、例えばそういうものを他省庁並みに伸ばしていくとかあるいはいろいろなことで、こういう予算の構成のあり方、編成のあり方というのを再検討する必要があると私は思う。そうしなければどうにもいかない。これが具体的な今後の心と肝の具体化じゃないか、こう思うのですけれども、大臣どうでしょう。
○中島国務大臣 私も、今後のことについて申し上げたことでございまして、今後はまさに七六%以上の人件費を抱えておる文教行政そのものを根本的に見直し、訴えるというところから始めるべきだと思います。どの部分を枠外にということはいろいろ技術論もございましょうけれども、少なくとも枠外を少しでも取っていくということでありませんと、やはりこれは相当厳しい。私はやはり厳しさは早く今後表へ出してそして訴え、頑張っていくことが必要であろうと思いますので、当面、六十三年度でございますから八月を目指して頑張ります。
○馬場委員 大臣、本当に真剣に考えて、少なくとも六十四年度の予算編成においては抜本的な予算の構成のあり方等も含めて頑張ろうという決意を示していただきましたので、ぜひやっていただきたいと思います。 文部省がこの間発表されました大学生の生活費の調査がございましたですね。こういうものを見てみますと、五十七年のゼロシーリングになりましてから、例えば大学の授業料も五十七年は年間二十一万六千円だったのが六十三年度は三十万円になっている。入学料が五十七年度は十万円だったのが六十三年は十八万円になっている。入学検定料が一万七千円だったのが二万三千円になっているとか、大学病院なんかも二千四百八十億だったのが三千八百三十二億に収入をふやせと、こういうぐあいにどんどんなってきておりまして、大臣御存じと思いますけれども、今やまさに教育費貧乏、教育費地獄という言葉がございます。さらに言うならば、学力というものあるいは学歴というものは金で買わなければならぬ時代だ。金がない人は行けないのだから買えないのだ、こういうことさえ言われておりまして、そういう中で父母の負担というのはもう限界に来ておる。こういうぐあいに教育予算が削られた分、ふえなかった分は全部父母負担に転嫁していっているのです。それはおたくの調べで具体的に数字がはっきり出ておるわけでございまして、この間の調べによりますと、とにかく東京に下宿して私立大学にやりますと百九十六万八千八百円要るんだ。二百万円時代だ。家庭の収入が大体、大学にやる人は七百八十三万円、それから大学にやってない家庭はこれよりも二百万円ぐらい少なくて平均は五百万円ぐらい。だから七百万円ぐらいないともう学校にやれないという状況になってきていますし、その人でも収入の大体二〇%ぐらいは子供に仕送りしなければならぬ、こういう時代になってきておるわけでございます。考えてみますと、これが進んでいきますと、憲法や教育基本法に言いますところの教育の機会均等というのはなくなってしまう。金がなければ教育ができないということに今なりつつあるわけでございますが、これを解消するのは教育予算を大幅増額する以外にないのです。 そうして、ユネスコなんかの統計によって見ましても、例えばGNPに対する教育費の予算というのは日本は低いです。例えば高等教育についていいますと、日本は〇・三七、イギリスが一・〇四、米国が一・七三、西ドイツが〇・五八、GNPに対してそういう比率である、こう言われております。例えば奨学金なんかにつきましても、奨学金が高等教育費に占める割合は、日本では四%で、イギリスは三五%、西ドイツは一六%と、諸外国に比しても教育予算は本当に少ない。 こういうことから教育費貧乏、教育費地獄、憲法、教育基本法の機会均等がだんだんこれで空洞化されていっておる。金がなければ学校へ行けない、勉強もできない、こういう方向に行きつつあるという現実は大臣もお認めにならざるを得ないのじゃないかと思うのですが、父母負担を軽減し、教育の機会均等を守るという立場からもぜひ教育予算の増額について奮闘をしていただきたいと思いますが、この父母負担の問題についてどういうお感じをお持ちですか。
○中島国務大臣 おっしゃるように父母負担が家計に占める割合がだんだん重くなる、消費支出に占める教育関係費の構成がだんだん重くなる、これはゆゆしき問題だ、こう思います。 それで、先生おっしゃるように教育費予算をとにかくに大幅に頑張れ、これはよくわかります。先ほどおっしゃったように六十四年度は頑張るということでございますし、また一方で、そういう方々については複合的に対処いたさなければならぬでございましょうから、今後も所得減税の機会があれば、特に教育費負担が過重に感じられる年齢層、所得層にとって特段の配慮をいたすとか、あるいは地方から出てこられて下宿その他の費用が高いという場合にはやはり寮その他の完備とか、こういうことも含めて総合的に考えていくべきことだと思います。
○馬場委員 今言おうと思ったのですけれども、やはり教育費減税なんかというのは早急に実現させなければいけないのじゃないかと思いますので、これも頑張っていただきたいと思います。 それからもう一つ、先ほどちょっと言い残したのですけれども、ODA関係の予算の取り扱いですね。文部省の予算というのはことし余りふえていないのに、ODA関係の予算というのが六十二年度百五十四億、ところが六十三年度は二百三十億。四九・二%ODA関係の文部予算は伸びておるわけでございますが、そういうものの主な内訳は、留学生を受け入れるというような問題、あるいは学術・文化の外国との交流の問題、国連大学等の協力の問題ということになっていますけれども、ODA関係の予算というのは、文部予算の中に置く、外に置くは別にして、僕は別枠にした方がいいんじゃないかと思うのです。そして文教予算にしわ寄せが来ないように、今後この留学生問題なんというのはどんどんふえていきますからね。ところが、文部予算がふえないでこれだけふえていったらほかのところがどんどん削られるということになるわけですから、このODA予算の取り扱いというものに対してこれまた検討し、工夫を重ねるべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
○中島国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。そのとおり御一緒に頑張りたいと思います。
○馬場委員 大臣は臨教審、臨教審とおっしゃいますけれども、臨教審の答申の中に例えば文部省は政策官庁にしなさいというのがありますね。しかし、金が全然ないのに政策を出したって実行はできぬ、こういう格好に今なっていますね。悪い政策はしてもらわない方がいいのですけれども、とにかくそういう面も含めて頑張っていただきたいと思います。 余り時間がございませんので、先ほどもこれは出ましたが、第五次学級編制及び教職員定数の改善計画について、六十三年度、ことしは九年目でございますけれども、その進捗率は四十人学級が四〇・五%、教職員定数の改善が四五%でございます。そういう進捗率でございますが、あと三年ですね。先ほど力強い大臣の決意は聞かしていただいたわけでございますけれども、十二年計画を六十六年まで完全に実行したいとおっしゃいましたけれども、できますか。頑張ってください。
○中島国務大臣 これにつきましては与野党を問わず各委員の方々から大変な激励をいただいておりまして、ありがたいことだと思っております。 おっしゃるように四十人学級が四〇・五%、それから教職員定数の改善率の方は四五%でございまして、あと残されました年数がだんだん短くなりますが、最大限の努力をいたすということはもちろんでございますし、また、教職員定数の改善率につきまして多少のばらつきがございました、これはばらつきをできるだけならして一斉に押し上げていくというふうにいたしたい、こう思っておりますが、これも先ほどの決意と表裏一体のことでございまして、最大の努力をするという以上は、やはり教育予算全体の枠組みをしっかり腰を定めて枠外のものは枠外でとっていく、ODAが伸びた分も枠内調整ではどうにもならぬというようなこともすべて含めて、これを努力の中枢に置いて頑張ってまいりたいと思います。
○馬場委員 この第五次の改善計画の中で、研修代替教員というのが二千四百人あるわけですね。ところが初任者研修の試行を今やっておるわけですけれども、試行の中でも指導教員というのが大分要るわけですね。これが本実施になるかならないかは国会の審議にかかっておるわけでございますけれども、十二カ年計画をつくるときには、研修代替教員というのは初任研を予想せずに計画があるわけですから、少なくともこの十二カ年計画の研修代替教員と初任研の指導教員をふやすこととは完全に別だということを確認しなければならぬと思うのですが、いかがでございますか。 〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕
○加戸政府委員 先生おっしゃいましたように、この十二カ年計画の中では研修等定数として二千四百名を目標にしておるわけでございますが、六十二年度の試行並びに六十三年度の全面的な試行という形で、この二カ年度にわたりましてそれぞれの指導教員等の定数の措置をさしていただいているわけでございますが、今申し上げました研修等定数の枠を借りまして、その中で試行を実施させていただいているという状況でございます。 ただいま御審議をいただいております初任者研修法案、もし成立をいたしますれば昭和六十四年度からは本格実施になるわけでございますので、この教職員定数改善計画とは別建てで定数措置をしたいと考えているわけでございます。そうなりますと、現在試行で使っております分は、段階的に本格実施がされるということになりますと、全部ではございませんけれども、本格実施に移行した分野につきましては、今申し上げた指導教員等の定数は本格実施の方に振りかわるわけでございますので、この研修等定数の中で今指導教員等で使っております定数が浮いてまいりますと、本来の研修等定数のためにこれは使用したいと考えている段階でございます。
○馬場委員 次に、義務教育の国庫負担金の問題についてでございますけれども、補助負担率が昭和六十一年度に引き下げられましたね。そのときに、大蔵大臣と自治大臣が覚書を書いておるのはもう大臣も御存じのとおりです。引き下げは今後三年間の暫定措置とし、この期間内においては国、地方の財政関係を基本的に変更するような措置は講じない、こういう大蔵大臣、自治大臣の覚書がございまして、この義務教育国庫負担の中から事務職員、栄養職員を外そうという大蔵省の攻撃が毎年かかってくるわけでございますが、そのとき私どもは大蔵大臣にも、もちろん文部大臣も一生懸命頑張ってこられたわけですけれども、自治大臣にも会いまして、国と地方の関係を変えないという覚書があるじゃないか、これを外すことは変えるわけじゃないか、この覚書に従って絶対に外してはならないというようなことを武器に使いまして、今日までこれこそまた与野党全体で頑張って外していないわけでございます。ところが、この覚書が三年で切れるわけで、あと六十四年度からどうなるかということを先ほどまた大臣に質問したわけです。こういうことで、基幹職員である事務職員や栄養職員をこの国庫負担の中から外すということは教育の基本にかかわる問題でございますので、こういう覚書が例えば切れるとかいう場合になったときに、また相手側の攻撃が強まるとかということもないわけではない、あるかもしれませんので、文部大臣としては、この国庫負担の中から事務職員や栄養職員を外さないという不退転の決意をぜひひとつ表明をしていただきたいと思います。
○中島国務大臣 御指摘の事務職員、栄養職員につきましては、これはあくまでも基幹的な職員というふうに認識をいたしております。当然、本来ならばもう決着をしたいところでございますけれども、今後そのようなことが出てまいりますれば、今申し上げた基幹的職員であるという認識のもとに頑張ってまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○馬場委員 これは予算編成のときに大臣なんかも苦労なさいますけれども、碁で言うと劫立てみたいに使いまして、これをやらなければこっちをとるぞ、これをやらなければこっちをとるぞと。だから、そういう劫立てをなくするということで、今大臣が言われましたやはりこの問題を決着しないと、教育界を混乱に陥れるだけですからね。そういう意味で本当に決着をつけていただきたいということ、大臣もそういう決意でございますので、申し上げておきたいと思います。 次は、高等教育の整備についてお聞きしたいのです。私立大学の経常費の補助、現在日本の高等教育、大学というのは七二%は私立大学におんぶしておるわけでございますから、私立大学の充実発展なくして日本の高等教育の充実発展は語ることはできないわけですから、そういう意味で経常費の二分の一補助ということも打ち出してきておるわけでございます。 実は、ことしの予算を見てみまして、私学補助が十億円ふえた、十億円ふえたといって、よかった、よかったと言っております。削られたよりもよかったのですが、中身を見てみますと、一般補助は二十億円減っているのです。特別補助が三十億円ふえている。だから差し引き十億円ふえている。特別補助というのは、具体的に項目をつけて研究とかなんとかに出していくわけです。経常費の一般補助は減っているのです。そういうところから、例えばさっき言った教育費地獄とか授業料を上げていくとか、こういうことが出てきておるわけでございます。 特別補助の中身を見てみますと、国際交流で七億ふえまして、六三%ふえておる。研究所なんかで六億円、三〇%ふえている。それから大学の一般に対する公開で四億円ふえているとか、いろいろこういう特別補助はふえている。一般補助が減っている。こういうことで、私学の経常費の補助が五十七年度には二千八百三十五億あったのが、六十三年度は二千四百五十三億円。だから、ゼロシーリングが始まります前に比べますと三百八十二億円減額されているのですね。そのことが私学振興に役立っていないし、あるいは父母負担に転嫁されてきておるわけでございます。 そういうことで、まず聞きたいのは、大学の一般補助と特別補助の関係というのをどのように考えておられるのか、こういう点をまず明確にしてください。
○坂元政府委員 先生も御承知だと思いますけれども、臨時行政調査会で私学助成について答申されておるのですが、その中でも、「私学の独自性が十分発揮され、その質的向上が図られるよう適切な教育研究プロジェクトについての助成を重視する等の改善を図る必要がある」という御指摘がございます。それから、昨年四月の臨教審第三次答申におきましても、私立学校振興助成法に基づく「経常費補助を基本的に維持・充実しつつ、特色ある教育研究プロジェクトに対する補助の大幅な拡充を図る」という提言があるわけでございます。 私どもとしましては、私立大学が独自に特色ある教育・研究をしていただくということをエンカレッジするという観点から、ぜひとも経常費補助における特別補助の割合を高めていきたいというふうに考えておりまして、こと数年間経常費補助全体の伸びはそうございませんけれども、その中で特別補助の方の割合は徐々に高めてきているわけでございます。 例えば、六十一年度は前年度に比べて二十五億、この年はトータルは前年度と同額でございました。六十二年度は前年度に比べて二十五億やはりふやしておりますし、六十三年度は三十億ふやしたわけであります。したがって、先生御指摘のとおり、全体で十億ふえているけれども一般補助の方は二十億減っておるというふうになっておりますが、これは特別補助も一般補助もすべて経常費に対する補助でございますので、私立大学に行く補助金額としては、全体としては十億ふえておるというふうに私ども考えているところでございます。 今後とも、できることならば全体の経常的経費の総枠をふやしつつ特別補助をふやしていくというのが、最も理想的なふやし方だと思うのでございます。そういう意味で、国の財政状況等あるいは先ほど来先生が御指摘のような文部省全体の予算の構造的な問題がございますけれども、その中で、従来も私学助成についてはなるたけ確保しようということで頑張ってまいりました。そういう問題もありますけれども、全体として経常的な経費、経常費補助をふやす努力を続ける中で、特別補助の割合を引き上げてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○馬場委員 私はやはり、特別補助と一般補助というのは、簡単に特別補助をふやした方がいいという理屈にはならないんじゃないかと思います。それは十分検討してもらいたいと思いますし、今の答弁ではちょっとまだ疑問が残ります。 大臣、なぜそういうことを言うかというと、特別補助の中に例えば国際交流とかというのが入って、ことしはもう六三%補助がふえているのですよ。こんなのはさっきのODAの中に入れてしまうとか、さっきちらっとお話がございましたそういう知恵を働かせれば、一般の補助というのはふえるわけです。そういうように、特別補助というのはまだそういう検討の余地がいっぱいある項目があるわけです。そういうものは、今一つの例を申し上げましたけれども、国際交流の七億とかなんとかというのはODAの方に繰り入れていくとか、そういう知恵を働かせる必要があろう、こういうことでございますので、先ほどのODAの問題のときなんか、ことにもそういうことがあるということをひとつ御記憶いただきたいと思います。 次に、留学生の問題について申し上げます。もう余り時間もないわけでございますけれども、二十一世紀の初頭には外国人留学生の受け入れ規模を十万人にするということになっておるわけでございます。この中で、具体的にどうやつて二十一世紀初頭に十万人にされるのかということで、量の問題が一つございます。 それから、今聞きますと、留学生諸君としょっちゅう会うのですけれども、生活とか日本語の問題とかを含めて非常に苦しんでおる状況はもう大臣も知っておられると思います。そして、なかなか親日にはならなくて、せっかく来て日本で勉強しながら、反日といいますか、日本の国、社会に反感を持っているという人たちがどんどんふえているような気がして私はならないわけでございます。せっかく留学生を受け入れるんだったら、その人たちが帰ってから、日本の国との親善友好、日本の国はよかった、立派な国だ、仲よくしよう、助け合おうという、それがまた留学生を受け入れる一つのあれでもあるわけですが、それが帰っていって、日本留学のときに苦しめられたとかよくなかったとかいって、今後の日本の国との国際交流の中においてマイナスになっては困るわけですから、この留学生問題というのは本当に長い目から見て実に大切な仕事であるわけでございまして、もちろん数を受け入れなければならぬ。そういう中で、例えば十万人受け入れるとした場合、国費の留学生はどういうようにして増員していくのか、それから私費の留学生についてはこのように援助をして私費留学生をふやしていくんだ、それから外国から来た場合の宿舎とか、その他の受け入れ態勢はこうやって、そして十万人にふやしていくんだ、そういう具体的なものを明らかにして、そのことでもってこういうことで一生懸命頑張ります、留学生を受け入れますということで、国際的に高く評価されなければならぬ立場にあるんじゃないかと思うのです。そういう留学生問題について、大臣の今後の所見というか決意のほどをお聞きしておきたいと思います。
○中島国務大臣 留学生は確かに大事なことでございまして、強いて言えば、日本に入られる前の事前の予備知識を十分持っていただくという段階、それから留学をしていただいておる段階、それから留学を終わった後の、それぞれの重要なお仕事につかれると思いますけれども、そのアフターフォローの問題、こういうふうに三つに分かれると思います。 特にその中で留学中の問題、これは今二万二千人おられますけれども、そのうち確かに一般のアパート、それから下宿におられる方が四分の三でございまして、寮あるいは留学生会館そのものの施設も今の二万二千人に対しましてもなかなか道遠いというところでございます。 それともう一つは、諸外国を見ましても、私費留学生、国費留学生、大体九対一ぐらいなところでございまして、今の二万二千人の段階ではそれを国費留学生が上回っておりますけれども、この率をできるだけ落とさないように頑張っていかなければいかぬでしょうし、今の私費留学生の中からもできれば国費留学生に組み入れていく方を多くしていかなければならぬ、こう思っておるわけでございます。 ただ、もう一つは、私も留学生諸君に伺いますと、留学生会館はありがたいけれども、留学生と日本の青年と一緒に共同生活をしたいという御希望も多いものでございますから、そういう面では、一般の民間施設の開放も含めまして、日本の青年と留学生諸君が同じ屋根の下で共同生活をする。これは心の交流もありましょうし、語学の習得もありましょうし、習慣の理解もございましょうから、そういう面も含めて、民間にもお願いし、そして民間財団も大分できておりますから、その民間財団に対する法人、個人の寄附行為に対しましても、より税制上の優遇措置も講じられる範囲があれば講じるというように、これは総合的に努力をしてまいる重要な部分だと思っております。 経費については、先ほどの総体的な枠外の問題もございまして、これはまた全体のこととして頑張ってまいりますが、以上のように考えます。
○馬場委員 具体的にちょっと聞きますけれども、学位を取る希望者が留学生の中に非常に多いわけですよね。ところが、博士の学位取得が非常に困難だと言われておりまして、大学局長が五十七年に、そういうことでなるべく取れるように、実効の上がるようにやってくれという通知を出しておられるようでございますけれども、まだ根本的に改善されていないようでございますが、留学生が博士の学位を取るということについて十分でないという点についてどう改善しようと思っておられますか。
○植木(浩)政府委員 留学生の学位の取得状況でございますが、修士課程では、既に先生御案内のとおり九八%が修士課程を修了するということで、ほぼ問題はないと思っております。博士の理科系でも既に八四%が学位を取る。これは日本人の学生の平均よりは上回っておるわけでございます。問題は、今先生が御指摘ございました人文社会系でございまして、これが二六%という数字になっております。留学生、日本人学生全体を含めますと、四%ということですから、これも留学生の方が上回っているわけですが、問題は、日本の大学では留学生のみならず学生一般に対しまして文化系の博士の学位の取得が非常に困難である、特にアメリカなどに比較しまして難しいということで、今後さらに改善していかなければいけないということでございます。 それで、留学生の学位取得に関しましては留学生の特性に応じまして教育研究の指導が必要であるということで、その通達の中にも指摘されておりますが、外国語による論文作成を認める、あるいはチューターをつけたり、それから留学生専門担当教官というものを配属をしたり、そういう努力を年々重ねてきておるわけでございますが、基本的にはやはり新しい学位制度の趣旨に沿いました、通達の中にもございますけれども、適切な学位の授与ということにつきましてもっと大学の方で御理解をいただきまして、留学生に限らず日本人の学生も含めてそういった趣旨で推進をしていただきたいということで、私どもも機会あるごとに大学側にもお願いをしているわけで、今後とも続けてまいりたいと思います。
○馬場委員 時間が来ましたが、あと一つ大臣に、これは前から言っておるのですけれども、文部省は機構改革を今度やるわけでありまして、その中で結局学校給食課というのが名前がなくなるわけでございますが、これはだれが考えてみても、やはり名は体をあらわすでもって、学校給食の軽視につながるという意見が一般の人には非常に強いのです。だから、健康教育課とやっておられますけれども、健康給食教育課というくらいにして、やはり「給食」の名前を残した方がいいのではないかということで、統合しない方がいいけれども、やはり給食という言葉を残して給食教育というのを推進していかなければいかぬと私は思うのですが、こういうことを検討してみませんか。
○中島国務大臣 これは私からぜひ逆に御理解、御協力を得たいところでございまして、その言葉にひとり歩きをしていただくと本当に困るところでございまして、少なくとも給食の重要性は十分考えておりますし、今までの給食だけでいいのだろうか、少なくとも食器、それからランチルームの拡充、こういうものも含めまして、六十三年度は二億四千万ほどでございますけれども計上いたしまして、少なくとも食文化というところからまた健康につながる、また小学校、中学校にも成人病がふえているというゆゆしき状態でございますから、家庭との接点としても、そして健康教育、それから食文化の吸収ということからいたしまして、これは教育の一環上の問題で給食の地位を高めていこう、こういう感じを私は十分持っておりますので、そこで教育の一環であり健康の一環であるということで、いろいろ知恵を絞りまして健康教育課といたしておりまして、給食という文字がなくなったということについての寂しさはわかります。しかし、これは給食がさらに大きくなるのだというふうにひとつ幅広くお伝えいただいて御理解を得たい、このように考えます。よろしくお願いします。
○馬場委員 これは基本的に言って私と全然考え方が違うのです。消えるということは、過去の例を見ればみなそうなのですから、これはぜひ検討してもらいたいという要望をして終わります。
○中村委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時十八分休憩 ────◇───── 午後二時三分開議
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鍛治清君。
○鍛治委員 私は、提案になっております義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に関しまして、若干の関連も含めて御質疑を申し上げたいと思います。午前中の質疑ともしダブるところがございました節は御容赦を願って御答弁をいただきたいと思います。 最初にお尋ねをいたしますが、学校施設の整備の問題というのは、学校教育を進めていく上で最も基本的な非常に大切なことである、教育条件整備の一つの大きな柱である、私はこういうふうに考えておりますし、行政としても、その思いの中で真剣な取り組みをしなければならない大切な問題であると思います。 ところがこの数年来、公立学校施設費の国の予算額を見てみますと、毎年大体一割近くが減額されてきておる。これは学校施設の整備に大きな支障が出てきておるのではないか、こういうふうに心配をいたしておるわけでございますが、最初に、この点についてひとつ詳しくお答えをいただきたいと思います。
○加戸政府委員 ただいま先生御質問ございましたように、公立学校施設の予算は、五十五年をピークといたしまして大幅に減少を続けているわけでございます。 理由といたしましては、基本的に、児童生徒数の減少に伴いましてそのような需要が減ってきたということでございますけれども、数字的に申し上げますと、児童生徒数がピークに達しましたのが五十七年度でございまして、小中学校の児童数千七百二十二万五千人というのが最高であったわけでございます。これまでに増加をたどる一途ということでございましたから、当然学校施設の整備がその二年前ぐらいに行われるわけでございますので、結果的には公立学校施設の予算も昭和五十五年度にピークに達したわけでございまして、その五千七百億という金額から、先生がおっしゃいますように毎年減少を続けたわけでございます。 児童生徒数の減少が五十七年からどんどん移っていっているわけでございまして、例えば昭和六十三年度、本年度の児童生徒数で見ますと千五百四十三万七千人ということでございますので、この間わずか六年間で約百八十万の子供たちが減っているという状況がございます。今までの学校施設は、どちらかと申しますとそういった児童生徒数の増に合わせて予算をふやしていった、事業量もふえてきたということがあるわけでございますが、今申し上げた子供たちの減少に伴いまして、学校施設の整備を新しくするという必要性はだんだん減ってきているということが一般的に言えるわけでございます。そういう意味で、この児童生徒の増減に関連します校舎の新増築につきましては、今後とも事業量はなお減少していくであろうということを考えているわけでございます。 しかしながら、そのほか市町村の側からは、新増改築のみならず強い要望がございますのがいわゆる大規模改修というものでございまして、その大規模改修によります学校施設の衣がえ、あるいは機能的に子供たちの教育に適するような方向へという動きがだんだん出てまいっているわけでございます。予算全体は今申し上げたように減っている中ではございますけれども、例えば強い要望のございます大規模改修費につきましては、昭和六十三年度には大規模改造費ということで名称を変更いたしまして、九十二億円増の三百三十四億円を計上しているというような実態にあるわけでございます。また、臨教審の第三次答申等を踏まえまして、ゆとりのある充実した都活動のための部室の整備ということにつきましても、六十三年度は新たに補助制度を創設いたしまして、市町村から要望の強い小中のクラブハウス等につきましてもなお増額をする、そういう形で、金額的には減少する中にありましても、きめ細かい配慮をしているわけでございます。 このように、予算の計上に当たりましては市町村等の整備計画を十分に勘案いたしておるわけでございまして、計画をする施設整備に支障を生じている実態には余りないのではないかと私ども考えているわけでございます。また、教育条件の充実を図るために、多目的スペースやあるいは小中クラブハウス等の補助制度の改善も行っているわけでございまして、こういった量的な整備がだんだんに変わりまして質的な整備の方向へこういう学校施設の予算も重点的に振り向けていきたい、そんな考え方でいるわけでございます。
○鍛治委員 児童生徒数が減少しつつあるということは事実でございまして、それに伴って事業量が減ってきたというのは、一面考えますと確かにそうかなというふうな気もするのですけれども、今ちょっと答弁の中でも触れておられたようですが、いろいろな変わった意味での施設の改修とか整備というものの要求も出てくるであろう。さらには、児童生徒が減少していけば今まであった校舎等も必要なくなって、極端に言えば空室ができてくるとかいうようなこともあるかもわからない。そうすると、これは後でもお尋ねをする予定ではおりますが、今後やはり生涯学習という流れの中で学校の開放ということも考えなければならないようなときが来ていると私は思うのです。そういったことに生かして使っていくという面からいえば、今まで一番ピークになってきていろいろ施設整備をしてきた、また新しくつくってきた、こういうものに対して、やはりこういう建物とかいろいろな道具でもそうですが、手を入れませんとだめになってしまう、そして全く使えなくなってくるということもあり得るわけでございます。しかし、そういうことでは、せっかくの税金を使い子供のためにつくった施設、これを何かの形で生かすという意味からいっても、一面からいえば減少ということはそうかなと、繰り返すようですが思われもしますけれども、そういった面から考えると、やはりこういう形で減少していくということは極めて好ましくないのではないか。そういう意味からいって、今後のこういう関連の予算の推移というものは私は非常に重大な関心を持っておるわけでございますけれども、どういうふうな形で今後推移し、考えていかなければならないのか、改めてまたお尋ねをいたしたいと思います。
○加戸政府委員 確かに今後の児童生徒数の推移を見てみますと、高等学校の生徒につきましては六十四年度がピークでございますので、なおこの一、二年は増加状況があるわけでございますが、既に小学校が五十七年度以降引き続き減少を続けておりますし、中学校の生徒数も六十一年度をピークとして減少しておるわけでございますから、小中学校合計して依然として減少傾向があるということは、先ほど申し上げた状況にはございます。しかしながら、一方におきまして、昭和二十年代から三十年代に建築されました建物があるわけでございまして、今までの急増時期といいますのは、児童生徒を収容しなければならない、そのための校舎の整備ということでございましたが、かつての、今申し上げた二十年代、三十年代に建築されました学校の建物を中心といたしまして、今までは木造の危険改築が多うございましたけれども、非木造、鉄筋・鉄骨の校舎もだんだん老朽化してまいっている状況でございますので、これらの改築が必要になってくるという状況が一つ現象として出てくると思います。また、先ほど申し上げましたように、大規模改造事業という形で、まだ十分な耐用年数内ではございますけれども、衣がえをして近代的な教育に対応したい、また快適な教育環境をつくりたい、そういった志向も市町村の方から同時に出てくるであろうと思うわけでございます。そのほか、教育方法の多様化に伴います施設の整備というのも当然必要になるわけでございますから、きめ細かな各般の要望にこたえていろいろな手直しをし、学校の施設の整備ということはなお必要になってくるという意味で、総合的に勘案いたしますと、今後の予算額というものは余りふえるということは予定できないとしても、減り方も横ばいあるいは漸減傾向で、今までのような急段階を降りるような形ではなくて予算を確保し、その予算の中できめ細かい施策を展開していく時期に来ていると考えているわけでございます。
○鍛治委員 今までの御質問に多少ダブるかもわかりませんが、確かに今までは児童の急増という時期に当たりまして、小中学校の整備とか高校生の急増対策に対する高等学校の整備というものが非常に緊急な必要とするものであり、また、むしろ量的に拡大しなければならないというふうなことで追われてきたというのが実態であったのかなという気はいたします。私もかつて北九州市議会に席を置いたことがございますが、特にあの昭和四十年の初めのころでございまして、そのころはとにかく財政的にも大変ではございましたが、子供がふえていく中で校舎をどうするかということで大変問題になって、あのころは実はとにかくつくることが先決だということで、私どももそのころを思い出してみますと、学校の校舎なんかはもう画一的に設計図もつくって、設計図の経費を節約してでも、とにかくそれをいろいろ活用しながら、同じ校舎でいいから早くたくさん建てろというような時期があったことを覚えておるわけです。 ところが、やはり時代が変わってまいりますと、先ほど局長の御答弁の中にも質的という意味でちょっと触れておられたと思いますけれども、やはり学校の建物も個性のある、地域のいろいろな実情にのっとった、地域地域によってある程度は個性のある、異なった学校づくり、校舎づくりというものが考えられていいのではないかな。また、そういう意味での整備が行われていいのではないか。要するに、質的にも十分考えていかなければならない、今そういう時期に来ているのだというふうに私たちは思うわけでございまして、そういう意味からは、そういったいろいろなことを勘案して十分に施設の整備には取り組むべきであろう、こういうふうに思っております。 そういった意味で、今後どういった点に特に重点を置きながらどういう形で整備を進めていかれるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○加戸政府委員 公立学校の施設整備につきましても、あくまでも基本は子供たちをまず学校に収容して教育をできる体制というのが最大の眼目になるわけでございますから、ただいま児童生徒の急増期のピークは過ぎまして、急減期に入っているわけでございますけれども、地域によりましては、例えば大規模な団地造成とか住宅造成等もございまして、そういった地域別に見ますと子供たちを急遽収容しなければならない学校施設の需要というのは依然あるわけでございます。そういった観点からの、まず量的な面でもなお維持して確保すべき問題が基本的にあると思うわけでございます。 同時に、今申し上げた量的な面は減少傾向にあるわけでございますので、その中にあっていろいろな問題を解決していかなければならない。一つの大きな、基本的な問題は、教育指導上あるいは学校運営上種々の問題が指摘されておりますいわゆる三十一学級以上の過大規模校の解消ということが当面の重要施策でもございますし、そういった早期解決のためにはもちろん用地取得費の補助も重要でございますが、同時に学校建築についての補助も必要になるわけでございますから、そういった面の配慮も改善すべき問題点として当然あるわけでございます。 これからの学校施設といいますのは、そういった当面の要請なり問題点解消の場合のみならず、より質の高い教育環境を整備して、特に新しい教育方法に対応した施設づくりに配慮する必要があるわけでございます。 午前中の御質問にもございましたが、「教育方法等の多様化に対応する学校施設の在り方について」という報告書を研究協力者会議でまとめていただいたわけでございますけれども、その中でも各般の指摘がございまして、例えば児童生徒の個性の伸長や創造性の育成を重視した多様な教育へ対応するために学校施設がどうあればいいかとか、あるいはコンピューター等が導入されてくる状況にもある、あるいは児童生徒の心身の豊かな成長を促す環境づくりも考える必要がある、さらには生涯学習社会を迎えて一般の社会人に対する生涯学習、社会活動の場としての役割を重視していく、そういった多面的な要請というものを考えますと、そういう要素を十分考慮しながらこれからの計画なりあるいは取り組みを考えていく必要があるわけでございます。 既に今まで、学校環境を整備するために学校自体の補助基準面積というのはそれぞれ改善を行ってきたわけでございますけれども、これで十分かどうかという問題もさらにあるわけでございます。さらに五十九年度からは多目的スペースの整備というのを補助をいたしてまいりました。 そういったこれからの需要の動向も伸びてくるであろうというような感じがするわけでございますし、既に文部省として補助をしております豊かな児童生徒を育てる教育環境づくりの観点からの屋外教育環境整備事業というものも、これからは児童生徒あるいは教師と生徒相互間のいろいろな人間関係を深めあうための中高セミナーハウス整備、こういった需要が多分に出てくると思いますし、またその規模なり形態が今までどおりではなくてもっと多様化、高度化したものの要請も出てくるのではないかという感じがするわけでございます。 昭和六十三年度は部活動のための部室の整備の補助をスタートさせましたけれども、これからの部活動、クラブ活動の進展に対応した、そういう実態に適応したものも考えていく必要がある、こういうような質的といいますか、内容的に見て今までの学校がもう少し、今までより以上に子供たちにとって快適な環境であり、また教育に資する、そういう観点からの各般の施策というものを進めなければいかぬと考えておるわけでございます。 さらに、生涯学習の観点から、学校の校舎というのは学校教育だけのものではございませんで、やはり公共のものでございますから、そういった学校教育に支障のない範囲内におきまして、一般社会人に広く開放され、それが生涯学習の場として活用できるような方向へ、既に文部省としましても、校舎、グラウンド、プール、体育館等の開放のほかに、六十二年度からは一般の教室、音楽教室とか調理室とか図書室、そういったものの開放も進めておるわけでございますが、こういった事柄ももっともっと学校が地域の中で大きな生涯学習の場として活用されるような方向へ行くべきだろうと思っておるわけでございます。 そういったたくさんの各般にわたるきめ細かい施策を展開することによりまして、学校施設の整備に一層力を入れてまいりたいと考えておる次第でございます。
○鍛治委員 その中で一つ御要望、御提案申し上げたいのは、校舎の木造建築ですね。木造をもう少し強力に進めていいのではないかと思うのです。これは多少進められておるし、木造でつくっているところについてはよろしいということでやられているようにも思うのですけれども、もっともっと木造の校舎というものをふやしていくべきではないかなという気がいたしております。 今デパートなりいろいろな建物を見ておりましても、ああいう耐火建築のセメント構造のがっちりとしたつくり、これは丈夫ではありましょうが、やはり人間性の豊かさを養うという意味では、教育の上から考えるとマイナスがあるのじゃないかな。木造というのは、家におりましても気持ちが安らぐという面があるのですね。私どもも小さいときは木造の校舎で育ちました。あそこをぞうきんがけしながらやったことを覚えておるのです。そのときはそんなに感じなかったのですが、今度は、私どもも現在のようにそれこそ壮年になり、それを振り返り、そして今の学校の校舎なんかを見まして、よく学校にも行くことがございますけれども、何となく殺風景な感じがするのです。そして、それはどこにそういうところがあるのかなと考えてみますと、木造じゃないということに大きな影響があるような気がするのですね。特に廊下だけでも板張りといいますか、板にしてやると随分感じが変わってくるのではないかな。ともすれば、そういう学校の校舎だけで児童生徒がそれこそ非行が多くなったとか暴れたとかいうことではないと思いますけれども、そういうことも児童生徒の人間性ということを養う上でひょっとしたら少しはマイナス部分があったのじゃないかなということを痛感するわけです。だから、今有楽町のデパートなんかへ行ってみても、特にセゾングループあたりのところは木造を入れるべきだというような何か主張をされておるようで、入っていっても感じが違う。木がぽっとありますと何となく安らいで落ち着ける、そういうような環境もあるわけでございます。 これは私がくどくど申し上げるまでもないかもしれませんけれども、もう一遍そういった点では視点を変えて、多様化または質的にもいろいろな面からも、また、特に人間性豊かな児童生徒を養成するための教育環境、局長もさっきちょっとおっしゃっていたようでございますが、それらをつくる上でも、この木造の校舎というものはもっともっと進めていいのではないかな。こう思いますが、これについてはいかがでございましょう。
○加戸政府委員 鍛治先生もそうでございましょうが、私も木造校舎で学校生活を過ごした一人でございまして、当時を思い返しましても、廊下を走ってぎしぎしと音がする、今から思いますと懐かしい思い出でございまして、今の学校は大変近代的になってしまいましたけれども、どちらかというとオフィスビルに近いような学校もございますし、そういった点では、木造の見直しというのが最近叫ばれるようになったわけでございます。 一般的に木造校舎の問題といいますのは、ちょうど学校が宿日直が廃止され、無人化の方向へ進み、また火災が起き、そういった状況も一つは拍車をかけたのだと思いますけれども、学校安全のためにというような理由から鉄筋、鉄骨化が進められた、そのこと自体を否定するわけじゃございませんけれども、その結果として木造校舎が失われていっているという寂しい状況にあるわけでもございます。 私は、実は二年前までは文化庁次長を三年間いたしておりまして、文化財の保護関係をしておったわけでございますけれども、すばらしい文化財の古い建物、何百年もたった木造建築が今立派に残っておりますし、ああいうものを見ますと、木は永遠だなという感じかするわけでもございます。 学校建築の場合に、大規模校について木造建築にするというのは、これは建築基準法上、その他若干の問題もございます。あるいは構造上の問題もないわけじゃございませんが、普通の適正規模程度の学校でございますれば、木造でも十分に耐え得る事柄でもございます。そういった視点がございまして、木造に対する要請を受けて、文部省といたしましても、学校の木質化というのは温かみと潤いのある教育環境づくりに大いに役立つ、期待ができるということで、木材を学校施設にも積極的に使用したいという考え方で、昭和六十年八月に教育助成局長の通知によりまして各都道府県を指導している段階でございます。 また、国庫補助の面におきましても、昭和五十九年度以降に木材を内装に使用いたしまして校舎を建築した場合には補助単価のかさ上げをするということで、木材の内装使用を奨励したわけでございます。 さらに六十一年度におきましては、従来木造単価というのは極めて低かったわけでございますが、この理由としましては、一般的に鉄筋化の方向へ進んでおりましたために、木造建築を抑制するような意味合いもなかったとは言い切れませんけれども、それを鉄筋単価と同じように上げるということで、当時としては画期的でございますけれども、木造単価を六九%一挙に引き上げたというような措置を講じました。 さらに、学校の校舎のみならず、環境としまして、近辺にも木の教育研修施設の補助制度を創設することによりまして、木を使ったいろいろな施設というのを、学校の敷地内ではございますけれども、校舎の周辺につくるというような制度も設けておるわけでございます。 そういったことで今木材使用を奨励しているわけでございますが、この結果といたしまして、小中学校の木造校舎の建築面積につきましては、昭和五十九年度ではわずか十三校しか木材を使用した校舎はございませんでしたけれども、六十二年度におきましては四十六校、しかも面積的には二万六千八百平米という大幅な伸びを示しているわけでございます。全般的には、学校数が非常に多うございますから、今の木材使用の学校数というのはこれでもまだ少ない方だと思いますけれども、今言ったような形のほかにも、鉄筋・鉄骨の校舎でございましても、教室の中にあるいは床に木材を使用する学校がどんどんふえてまいっておりまして、木材のよさというのが見直されているということでもございます。 また基本的に、今後木造建築がどうあればいいのかということを、安全上あるいは構造上、さらには子供たちの教育影響面というような観点から、六十二年度に木造校舎の推進方策に関する調査研究会議を設けまして、今その研究を進めている段階でございまして、その成果を受けまして、なお一層の木材の使用を図ってまいりたいということを考えておるわけでございます。この事柄自体は、一般的に見ますと、やはりその市町村長さんあるいは教育長さん方の認識によりまして、いっちょう木造でいってみようとか木をたくさん使ってみようという発想をしていただけることがまた必要なことでもございますし、私ども、いろいろな木造建築のいい例あるいは成功している例というものを資料をつくりましてお勧めしてまいりたい。そういうことで各市町村の認識も変わってくるんじゃないかという形で、日本の失われたよさを取り戻したいということで、なお今後とも努力を進めてまいりたいと思っております。
○鍛治委員 これまでのやりとりの中で、学校施設の整備につきましてのお考えというものもお伺いいたしました。私どもの考えも申し上げました。そういったものを踏まえながら、時代の流れにも即応しながら、ひとつ質的な、またバラエティーに富んだ形での、本当に子供のために役立つ校舎づくりというものを進めていっていただきたい。御要望を申し上げておきます。 さらに、学校施設の整備というのは、何といっても財政的な、お金が伴うものでございまして、特にこれは市町村段階で十分な対応をしていかなければならないし、具体的な対応がなされるわけでございますので、そういう意味では、やはりこれに対する国の助成を充実しなければならぬというのは当然のことであろうと思うのです。国庫の予算の確保というものが重要になってくる、この点は言うまでもないことでございますけれども、この点もあわせて強く要望を申し上げながら、本改正案についてまた幾つか御質問を続けたいと思います。 児童生徒の急増市町村に対する負担割合のかさ上げ措置というのは、昭和六十年度には三分の二から十分の六に下がった、さらに昭和六十一年以降は十分の五・五に引き下げられた、こういう流れが出てきております。今も申し上げたように、市町村にとってはこれは大変な問題であろう。校舎を建てるという意味では、財政的には国の方がむしろ補助率を上げてでもバックアップしていかなければならない、こういうふうにも考えなければならぬところを、こういうふうに下がってきているというのが実情です。これは非常によくないことじゃないかと私は思うのであります。この引き下げられたことによって、市町村において財政的な面から校舎の整備等に極めて支障が出てきているという可能性もあるのではないか、こういうふうにも思うわけでございますが、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○加戸政府委員 先生今おっしゃいましたように、昭和六十年度に十分の六、それから六十一年度から三年間の措置として十分の五・五という三分の二からの引き下げ措置が講じられたわけでございます。この問題につきましては、市町村におきましては財政上そういった経費の面で整備率に支障が生じているのではないかという御質問であったように受けとめるわけでございます。 ところで、この問題につきましては、三分の二の国庫負担のときにつきましては残りの三分の一が地方の負担になっていたわけでございますけれども、その地方負担分のうちの二五%については地方交付税算定の際に算入されていたということでございますので、残りの七五%が地方債によって措置されるというような状況でございました。その残りの七五%の地方債措置のうち、いわゆる将来の元利償還が必要になるわけでございますが、元利償還分の七〇%につきましては、地方交付税上、後年度の地方交付税において措置をしていくということで、実質的には地方負担分のうちの三〇%が自己財源、結果的でございますけれども、将来の交付税措置を含めればそういうような措置になっていたわけでございます。 ところで、負担割合が現在十分の五・五に落ちているわけでございますが、この分の差額分につきましては臨時財政特例債ということで財源措置をしているわけでございまして、これにつきましても、後年度の元利償還分につきましては同様に交付税で、後年度の負担ではございますけれども計上しているわけでございます。ということは、結果的には三分の二の時代と十分の五・五の時代とは財源措置的には地方の単独負担という比率は同じなんでございますけれども、いずれにいたしましてもとの国庫負担が減少した分は地方債で措置するわけでございますから、地方公共団体にとってみれば、後年度の交付税で措置するとはいいながら、やはりそれなりの、単年度措置ではない、後年度からの追いかけ措置であるという点の差は当然あるだろうという感じはするわけでございます。 そこで、今のような補助率の引き下げによります影響の問題でございますけれども、数字的に見ますと、そういった措置が講ぜられました六十年度、六十一年度、六十二年度の間におきます急増市町村の整備状況を見ますと、校舎整備率は着実に上昇はしているということでございます。例えば人口急増市町村につきましては、昭和五十九年度では校舎の整備率が九〇・五%でございましたけれども、六十二年度では九二・八%の整備率に向上しておるわけでございます。こういった急増地域を含めましたすべての全国平均の整備率が、昭和五十九年度は九一・五%でありましたものが、六十二年度は九三・八%に上昇しておりまして、全国の整備率と急増市町村の整備率との伸びはほとんど差がない状況でございます。整備率自体は一般的に他の市町村よりもおくれているということは言えますけれども、伸び率を見るとそれほどでもないなということでございまして、今のところは施設整備に大幅な支障は生じていないのではないかと考えておりますけれども、制度的に申し上げれば、先ほど申し上げた後年度の交付税措置でいくのとその年に国から補助金が単年度でストレートに出るというのは、やはり財政的な意味においても違いましょうし、また心理的な意味でも校舎整備を図る誘導要因として違うという点は先生おっしゃるとおりでございます。そういった点は十分意を払っていかなければならない事柄の一つではあろうかという感じは私どもも持っているところでございます。
○鍛治委員 人口急増地域についてのかさ上げ措置の引き下げについての必要な補てん措置というものはなされておるように今のお答えの中でうかがえるわけでありますけれども、これに関連して、この補助金持例法が期限切れになった場合にどうなるのかというようなことがございますし、同時にまた、特に地方の市町村においても教育のことに関する限りは相当財政的には無理をしてここにつぎ込むということもあるのだろう。そういうようなこともありますし、それがまた他の方面のいろいろな住民の皆さんに対する施策にマイナスの影響が出てくることにもならないだろうか。そういういろいろな意味も含めまして、この人口急増地域市町村に対する特例措置が他の同種の地域特例に比して不利な扱いにならないように、これは本当に当局においても努力をしていただくし、配慮すべきである、こういうふうに思うのでございますが、この点についていかがでしょうか。
○加戸政府委員 補助率のかさ上げ措置は人口急増以外にもたくさんあるわけでございまして、過疎地域に対するもの、離島地域に対するもの、あるいは特別豪雪地帯、あるいは奄美、小笠原、沖縄とか、各方面にわたりますいろいろなかさ上げ措置がございます。これらがすべて補助金特例法によりまして、三分の二の高率補助が十分の五・五に引き下げられているわけでございます。こういった問題はそれぞれ地域の事情の違いはございますけれども、地域特例に対するかさ上げ措置を現下の財政状況にかんがみ十分の五・五に引き下げているという実態があるわけでございまして、今後の問題はこれからの状況の推移も見なければなりませんし、また国、地方でどの程度の役割の分担をするのが正しいのか、財源配分等の問題もございますけれども、少なくとも私どもの考えとしては、他の地域と比べて人口急増市町村におきますかさ上げ措置の扱いがバランスを失しないように、不利な扱いにならないように力を尽くしていくべき当然の事柄であると思っております。
○鍛治委員 これは先ほどの御答弁の中にもありましたように、小中学校の児童生徒数は昭和五十七年度をピークに減少に転じていることはそのとおりでありますが、今後もその傾向が続いていくものと考えられますし、したがってこれからは学校施設の有効な利用を図っていく必要があるだろう。これは前に御質問申し上げたとき若干触れたのでございますが、この件について文部省としては、やはりはっきりとした方針を持ちながら対処をすべきではないか、そういう時期にも来ていると思うのですが、これについてはいかがでしょう。
○加戸政府委員 既に児童生徒の減少が五十八年度から始まっているわけでございまして、それぞれの地域によって違いますけれども、現在でもある程度余裕教室がだんだんできている状況でございますし、今後児童生徒の減少によりましてなお一層余裕教室が出てくるのじゃないかということは考えられるわけでございます。 学校数に比べまして教室の余裕があるということは、将来の学級増に対応するとか、弾力的な学校運営を図っていったり、あるいは例えば習熟度別学級編制をする場合の利点にもなるとか、いろいろ望ましい面があるということは言えるわけでございます。 将来の児童生徒数の変動を見込みましても、普通教室として使用することは考えられない余裕教室につきましては、むしろ改修時期をとらえまして、例えば特別教室に改造するとか多目的スペースに転用したりするとかいった形、さらには地域への開放ということで、先ほど申し上げた生涯学習の場として活用できるようなものとしても考えていくとか、空いたままではなくて、積極的な有効利用ということを考える時期に来ているであろうと思っているわけでございます。 このために、公立学校の大規模改造事業につきましては、特に今申し上げたような余裕の出ました教室を利用いたしまして、新たに特別教室や多目的スペースを設けるなどの改修工事を補助対象にいたしておりますけれども、一方におきまして、昨年の七月には「学校施設のリニューアル」という、余り横文字の言葉はよろしゅうございませんけれども、ナウい意味で「学校施設のリニューアル」と題しましたパンフレットをつくりまして関係施設にお配りをしまして、これからのそういった余裕の出た教室をどういう形で再生させて使っていくかという手引書を出しておりまして、これに基づいてそれぞれの市町村が実情に即して、空いた教室をどういう形で使っていくのかということでさまざまな創意工夫を凝らし、学校施設がそういう意味で生まれ変わっていくということを期待し、むだな形ではなくて、それが積極的に将来の学校あるいは地域のために利用できるということを念願している次第でもございます。
○鍛治委員 学校を地域に積極的に開放していくということは今後の大切な視点であるし、今具体的にいろいろお取り組みのお話もございました。これは我が党が従来から主張してきたことでもありますし、それが実現していくことは大変うれしいことでありますけれども、この開放という意味、地域社会に積極的に開放しこれを活用していくというような意味からいって、学校の施設自体も、今後の施設整備を図る、または改修するとかいうようなときには、学校開放ということを前提にした整備のあり方というものもこれは一つの重要な視点として考えていくべきときが来ているのではないかなというふうにも思うわけですが、こういう点について文部省としてはどういうふうな考え方を持っており、具体的にどう取り組むというお考えがあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○加戸政府委員 学校教育法の中におきましても、学校施設は学校教育に支障のない限り、社会教育等のために利用させることができるという規定はございます。ただ、この規定の趣旨を考えてみますと、学校というのは本来学校教育のためのものであるから、それが支障なければ社会教育には使っていいよという程度の意味でありまして、積極的に社会、公共のものとしてこれを開放する考え方がなかったのは、学校教育法制定の時点ではそうではなかったかと思うわけでございます。 個人的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、私、昔学校給食課長時代にハワイの学校給食を見に参りましたときに、そこで地域の老人に対しましても学校給食が行われているという状況がございまして、不思議に思って聞きましたら、これは住民の税金でつくったものであるから住民のために使うのは当然だ、しかも、できた施設設備というのは昼一回しか使わないというのはむだだから朝・昼・晩も使うのだということで、日本とは実情が違いますけれども、学校というのは学校教育だけのためのものじゃない、地域社会のものだという認識があったという点に非常に感銘を受けた記憶がございます。 日本におきましても、学校の設備が学校だけのものだという認識ではなくて、学校開放の必要性というのが、特に余暇時間の増大に伴いまして、地域の人たちの活動の場がない、近くにグラウンドがあるじゃないか、あるいは体育館があるじゃないかということで、学校開放の要請が出てきたわけでもございます。そういう意味で、そういった動きというものがだんだん加速度的にふえてまいっておりましたが、先ほど申し上げましたように、これからの生涯学習社会というものを考えてみますと、そういったスポーツ活動のみならず地域住民のいろいろな活動の場としてそれが使えていく、そういう方向へ学校も生まれ変わっていく必要があるのではないかということを考えている次第でもございます。 従来から学校開放のための各般の施策を講じておりますけれども、何しろ学校という場に地域住民が入ってくるわけでございますから、それが学校の中をひっかき回す結果になってはいけない。そのためには、例えば更衣のためのクラブハウスであるとかミーティングルームであるとか、これは学校教育とは切り離した形で、地域住民だけが使う場としてそういうものの特別な設備を設ける必要がある。そういうクラブハウスを設置するための補助金もまた出しているというような状況でございまして、これからもいろいろな形での学校の開放を図っていくべきであると同時に、これから建てられる学校というのは、もともと学校教育だけのためではなくて、学校開放を前提として、それを念頭に置いた設計をし、学校の児童生徒に対する教育のみならず地域住民のためにも使えるような方向で、設計から考えてしかるべきではないかというふうに思っているわけでもございますし、今申し上げた既存施設の学校開放並びに新しい学校開放を前提とした校舎建築というところまで踏み込んで、今後の施策を展開していく必要があるなと考えている段階でございます。
○鍛治委員 では次に、ちょっと問題を変えまして、関連でお尋ねをしたいのですが、学校のアスベストの問題がマスコミをずっと今までもにぎわしてまいりました。この問題でちょっとお尋ねをしたいのですが、アスベストは急性の毒性というものはないと言われているようでありますけれども、これを長期的に吸い込んでいくということによって肺がん等の原因となることがあるというふうに言われておって、アメリカでは日本よりも極めて厳しい規制が行われておる、こういうふうに聞いているわけでありますが、学校は発育途上にある児童生徒が家庭に次いで非常に長時間過ごす場所でもございます。この児童生徒の健康と安全を考えますと、これは国においても地方においてもこれに対する対応は早急にとるべきである、こういうふうに考えます。 文部省においては、昨年、吹きつけアスベストの使用状況というものを教室等を中心に調査をされたようでございますけれども、その結果についてお伺いをいたしたいと思います。
○加戸政府委員 ちょうど昨年の初めでございましたが、マスコミ各紙等でも非常に取り上げられましたことでございますし、児童生徒の健康、安全に関する問題でもございますので、全国的な概況を把握したいということで五月に調査をお願いし、十一月に取りまとめたわけでございますが、公立の小中高等学校約四万校ございますけれども、悉皆調査を実施いたしまして、普通教室、特別教室、それから屋内運動場、寄宿舎、それぞれの部門におきましてどの程度の吹きつけアスベストの使用状況であるかという調査をさせていただきまして、昨年十一月にまとめましたものが全国で千三百三十七校でございまして、学校数にすれば全体の三%でございまして、多いと言えば多いし、少ないと言えば少ないし、物の見方はございましょうけれども、いずれにしても千校を超えるような状況があるということにつきましては、私ども早急な対応をしなければならないと考えている次第でございます。
○鍛治委員 文部省が調査をなさったその内容を見てみますと、廊下や調理室というものが入っていないようですね。これは設置者としては当然この調査を行って、そして状況をしっかりと把握をした上で対応しなければならない、こういうふうに思うわけですけれども、こういう点については文部省は地方に対してどういうふうな形で対応されているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○加戸政府委員 昨年五月に実施しました調査におきましては、全国の公立学校約四万校ございますが、それはどのような概括的な使用状況であるかということで、それぞれ先ほど申し上げましたように普通教室、特別教室、それから体育館、寄宿舎という四つの項目にわたって調べたわけでございまして、これで一般的な大よその概数というのは大勢が把握できますので、それによります対応策を予算措置あるいはその他で講じていこうという考え方であったわけでございます。したがいまして、廊下とか調理室につきましては、先生御指摘のように調査の対象にはいたさなかったわけでございます。しかしながら、各学校におきます使用状況というのは詳細を設置者におきまして的確に把握しておく必要があるわけでございまして、そのことは既に指導いたしておりますし、恐らくは各市町村におきましてすべての状況を把握されていることと思います。 私どもは、別に今回調査をした学校であるからあるいは調査対象になった部分であるから補助対象にするということではなくて、廊下や調理室につきましても当然改装の申請があればこれに対応する構えでおるわけでございます。一般的に申し上げまして、廊下や調理室のみでアスベストを使用しているという状況は比率的にはそんなに高くないのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、調査自体は先ほど申し上げましたように一般的な概括傾向を把握し総合的な対策を講ずる参考資料とさせていただくという視点からのものでございますので、もちろん設置者はすべてを把握し、把握した上での適切な対応をとられる、それに対する私どもの対応も十分に万全を期してまいりたいと思っておるわけでございます。
○鍛治委員 当然設置者はこういう廊下や調理室の吹きつけアスベストの問題についても把握はしておられるのだろうと思いますけれども、そういった点を踏まえながらも、この吹きつけアスベストの撤去改修工事について補助対象とすべきではないかな、こういうふうにも思うのですが、この点について。 さらには、この吹きつけアスベストの撤去のためにどのような施策を講じていらっしゃるのか、市町村に対しましてどのように指導し対応されていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○加戸政府委員 昨年このような調査をいたしまして千三百三十七校という実態が判明したわけでございまして、そのすべてが喫緊に差し迫って危険があるというわけでもございませんので、著しく老朽化しているために危険性があるというものにつきましては早急に措置する必要があるということで、市町村に対してもその旨の指導を行ったところでございます。 文部省におきましては、従来から大規模改修に対します補助制度がございましたので、昭和六十二年度につきましては大規模改修を行います学校で申請のございましたものにつきましては、吹きつけアスベストの撤去等も工事対象の補助対象に加えまして実施をいたしました。その結果、昭和六十二年には三十六校が吹きつけアスベストの対策工事を実施をしていただいたということでございます。 この吹きつけアスベストの問題につきましては、撤去がいいか囲い込みがいいか封じ込めがいいか、いろいろな方法論があり得るわけでございまして、確定したような段階ではございませんけれども、いずれにいたしましても、その市町村の実情に応じいろいろなガイドライン等も踏まえましてそれぞれの対応をしていただくわけでございますが、こういった状況でございますので、私どもといたしましては、六十二年度は大規模改修の中の一工事として工事対象にしたわけでございます。今までの大規模改修の工事費が下限額が二千万円以上でございましたものですから、アスベスト単独で工事をしようとすると小さい工事になるわけでございますので、今度の六十三年度予算におきましては、大規模改修の中で吹きつけアスベスト対策工事に限りましては工事費の下限額を四百万円以上の工事であっても補助対象とするということで、具体的には他の工事と共同でなくても吹きつけアスベストのみの工事でも補助対象にするという考え方で予算を計上いたしておりますので、市町村からの要請がある大部分のアスベスト対策工事については十分対応できるものと考えております。今後とも、関係省庁とも緊密な連絡をとりながら学校施設におきますアスベスト対策に遺漏なきを期してまいりたいと思っております。
○鍛治委員 ちょっと時間が早いのですが、大体予定しておりましたものを御質問申し上げました。 最後に、大臣お答えしたくてうずうずしておられるかもわかりませんから、ひとつ今まで御質疑申し上げたことを総括する中で、学校施設の取り組み、また財政的な負担の問題等含めまして、最後に大臣に総括してお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○中島国務大臣 公立学校の施設整備費につきましていろいろと有意義な御指摘をいただきました。先生のおっしゃっておることを拝聴しておりますと、児童生徒が減ったからそれでいいというものではなくて、一方で余裕のできたスペースをよりゆとりのある、そして温かみのあるものに変えていく、例えば木材使用促進などを含めまして御指摘がございました。その点は先生もおっしゃいますようにそれは生涯学習の一環でもあるのではないかということでございますので、まさにクラブハウスの整備ですとか一般の方々も学校施設を十分に使えるような配慮も、政府委員からお答えいたしましたように入れてございます。また一方でアスベスト、これは健康に関することでございますから非常に重要なことでございまして、廊下、調理場に対する御指摘もございましたけれども、これから御指摘の点を十分踏まえまして、大変有意義な御指摘だと思いますので、きめ細かく対応してまいりたい、このように感じました。ありがとうございました。
○鍛治委員 質問を終わります。
○中村委員長 林保夫君。
○林(保)委員 大臣を初め皆様、御苦労さまでございます。義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の内容及びそれに関連いたしまして現在提起されている問題がどのような実情にあるのか、そしてこれが社会との関連で一体どうなのか。過日一般質問の中でも申し上げましたように、法律、制度だけやっておったのではまず教育改革はできないということになろうかと思いますので、そういう視点で、少しプリミティブな質問を含めまして御質問申し上げたいと思います。 大臣は、本問題につきまして、いろいろ日本の経済水準あるいは国際的な比較あるいはまた、私は地域の偏りが非常に大きいのではないか、これをきょう局長にも教えていただければとこのように思うわけですが、そういった中で住宅環境、かなり整備されてもなお足りませんね。教育が図抜けて悪いのかいいのか、どこをどういうふうにやっていって、次代を背負う子供たちをどう育てていったらいいのか。これは施設だけではございません、いろいろございますけれども、なお施設についてはどういう御認識をお持ちでしょうか、承りたいと思います。大臣からまず承って、後でひとつ局長さんの方からお願いしたいと思います。
○中島国務大臣 先生の御指摘は水準をどこにとるかということでございますが、私は、やはり教育というのは人づくりでございますので、その施設というものはあくまでも人を育てるという上で考えていくべきであろうと思うわけでございまして、一人当たりの校舎の保有面積はこの十年間で例えば小学校は三六%、中学校は一一%ふえておる、とはいうものの、それでよしとするものでもなかろう。一方で、先生は日本の経済事情と比較してとおっしゃいますが、確かに日本の経済は世界的な中では経済大国と一口では言われておりますけれども、しかし、家庭生活そのものは果たして経済大国と言われるにふさわしいような居住生活を含めました環境があるかどうかということも今指摘されておるところでございます。そういう面では、学校におきましても、やはり今も御指摘がありましたように、例えば学校の教室あるいはその面積が確保されている以上に、例えば木材使用の促進がどのくらいあるのか、少なくとも学びの舎と言われる中でございますから、冷たい校舎よりは温かみのある校舎を、そして学校の校庭で体育をいたします場合にもやはりそこには緑のある体育の場、そして環境のいい学び舎というものを総合的に考えていくべきではないだろうか。そういうことから考えればこれは予算は幾らあっても足らぬということになるかもしれませんけれども、その与えられた中でその環境整備を急いでいくべきときに差しかかっているのではないだろうか、概括的にそのような考えを持っております。
○加戸政府委員 私の個人的な感じになるかもしれませんが、日本の学校施設状況といいますか環境を見てみますと、例えば普通教室、特別教室、体育館、プールとかいったような形で、諸外国に比しましても、それぞれの施設整備は相当進んでいるであろうという感じはいたします。 一方におきまして、日本の学校は、どちらかと申しますと規格品でございまして、あれが学校だとみんながわかるようなものでございます。そういった点では、諸外国の学校を見ましても、それぞれの地域、風土に根差した個性のある学校が存在している。だから学び舎というものが全国画一的な規格品でいいのかなという反省が一つあるわけでもございます。 もう一つは、学校の置かれた環境条件の違いもございますけれども、特に都市部におきましては、学校に建物があってグラウンドがあるというだけで、何か潤いのない感じがするわけでもございますし、そういった周辺といいますか、学校、校舎を取り巻く環境の整備というのはまだまだ日本としてはどうかなという感じも私は個人的な感想として持っているわけでございます。
○林(保)委員 私も大臣及び局長に同感なのでございますが、やはり画一的といいますか、非常に基本的にできておる面はありながらも、なお地域によっては大変な差が出てきておるような実情を私は目にしております。これをどのようにレベルアップして標準化すると同時に、今の新しい時代、二十一世紀に向かって多様化してビビッドなものにしていくかということで、大変御苦労な役割を担っていると思います。 またもう一つ、これは要らぬことのようですけれども、ついでに申し上げておかなければならぬのですが、日本の私たちが住んでいる家が、役所その他に比べて必ずしもよくはないですね、こういう事実、世界的に見てもやはり貧しい住まいになっている。しかし、中に持っておる道具とかそのほかのものは大変豊かになっている。ところが、学校はそういうものがありながら全く使われてないというようないびつな世界になっておる。そうすると、その結果として家庭と学校との落差、教室じゃなくて教材とか器具の問題ですけれども。そして、社会へ出てすぐに会社で先頭に立って働こうとしたときに、そういうものも学んでいなかったから、どこかの機関でもう一段階勉強をやるか会社へ入ってからやらなければ使い物にならぬ、こういういびつな状況が出ていると私は思います。そこらあたりを、これから長きにわたってということになりましょうけれども、あくまでも基本的な条件だけはしっかりした上で、何か先ほど来余裕の出た教室を使う方向が出ておりましたが、私も後で聞かせていただきたいと思いますが、こういう土地と建物はあるのですから、本当に真剣になってそれをどう使うかということで、ひとつ後ほど御報告いただきたい、そういう趣旨で御質問申し上げたいと思います。 そこで、本法を御提案なされました経緯を御面倒でもお聞かせいただきたいと思います。
○加戸政府委員 この法律案を提案した経緯、理由でございますが、この児童生徒急増市町村に対します補助率のかさ上げ措置と申しますのは、ちょうど昭和四十八年にスタートした制度でございます。当時、小中学校、特に小学校につきまして児童の増加が始まった時期でございまして、急激にふえます子供たちに対応して校舎の整備が急がれる事情がございました。それは急増市町村における特別な需要、要請であったわけでございますので、財政負担が非常に膨大なものに上るという観点から、一般市町村の補助率二分の一に比べまして三分の二の高率補助を行うことによって校舎の整備の対応を図っていただこうという視点から出たもので、当時は五カ年の暫定的な措置でございました。それを昭和五十三年並びに五十八年の二回、五年ずつ更新をいたしまして、昭和六十二年末をもってこの措置が切れることになったわけでございます。 その間におきまして、この三分の二の措置は、補助金等の特例措置によりまして昭和六十年度は十分の六、六十一年から六十二年におきましては十分の五・五と切り下げられていたわけでございますが、その措置が六十二年で切れるわけでございますので、私どもとしましては、児童生徒の急増時期はほぼ全国的には終わってこれから減少時期に向かうところでございますけれども、一部の市町村におきましては、依然として宅地造成あるいは団地の造成等によります子供たちを収容するための学校建築が急がれる地域もあるわけでございますので、そういったものに対する財政負担を緩和するために、従来に引き続いて、なお昭和六十七年度までの五年間においてこの補助金かさ上げ措置を講じたいという考え方をとったわけでございます。 なお、先ほど申し上げました補助金等の特例措置は、他の領域におきましても昭和六十三年度まで横並びで措置されておりますものですから、その関係上、昭和六十三年度につきましては児童生徒急増市町村に対します特別かさ上げ措置も横並びで十分の五・五とさせていただき、六十四年度からは本則の三分の二へ戻るという形の法律案として提案をさせていただいている次第でございます。
○林(保)委員 基本的なことで恐縮でございますけれども、このように義務教育施設となっておりますね。それで公立小中学校ですね、これがもし対象になるとすれば、今全国で小中で何校あるのでございましょうか。急増地域ということでなくて全対象と、それから急増という形ではどれぐらいあるのか、お知らせください。
○加戸政府委員 大変恐縮でございますが、私どもは市町村の数で押さえておりまして、そういった人口・児童急増の小学校を抱えている市町村数、あるいは生徒急増の中学校を抱えている市町村の数というところがございまして、ピーク時が昭和五十七年でございます。昭和五十七年度におきましては、児童急増の小学校を抱えた市町村が四百三十五、生徒急増の中学校を抱えておりますのが六百三十七、合計いたしまして、延べ市町村数でございますが千七十二市町村というのがピーク時でございました。それが年々減少いたしまして、昭和六十二年度におきましては、児童急増小学校を抱えております市町村が三、わずか三でございます。それから生徒急増の中学校を抱えている市町村数が四百七十五、合計いたしまして延べ数四百七十八市町村でございます。 それで六十三年度の、これは見込みでございますが、児童急増の小学校を抱えておる市町村が四、生徒急増の中学校を抱えております市町村が三百七十一、延べ市町村数が三百七十五の見込みでございます。
○林(保)委員 そうすると、ここに施設となっておりますが、校舎というか教室を主にして考えているのだろうと思いますが、補助対象となる方で施設というのは何を指されますか。
○加戸政府委員 ここに書いております法律の題名の義務教育諸学校施設費国庫負担法の施設と申しますのは、校舎それから体育館と呼ばれております屋内運動場等を指しておるわけでございますが、今回の提案申し上げております人口急増市町村に対しますかさ上げ措置と申しますのは、校舎部分についてのみでございまして、いわゆる体育館と呼ばれております屋内運動場につきましては、一般市町村と同様の二分の一の補助としておるわけでございます。
○林(保)委員 よくわかりました。 それで、私が先ほど申し上げましたように地域差が大変あるんじゃないかというものを持っておりますが、この六十三年の四というのは何と何と何と何という村ですか。これは町でしょうか、市でしょうか。
○加戸政府委員 昭和六十二年につきましては、千葉県印西町並びに千葉県栄町、それから京都府加茂町の三つでございます。これが昭和六十二年度でございます。
○林(保)委員 何か金持ちの県のところばかりが出ておるような感じがいたしますけれども、これは何かちょっと考えられぬような気もいたしますが、それはそれといたしまして、生徒の方の三百七十一でございますが、これも全部リストを見たいのでございますが、一体どうなっているのだろうかという感じがいたします。きょうお持ちでなければ、何々地方が割と多いんだぞとか、おまえの岡山県は全部ひっかかるんだというようなことでも結構でございますが、その辺のニュアンスをちょっと教えていただければと思います。
○加戸政府委員 昭和六十三年度はまだ措定告示をいたしておりませんので、昭和六十二年度が既に告示をしておりますものですから、先ほど申し上げました児童急増小学校の場合は昭和六十二年度の町名でございました。昭和六十二年度の生徒急増中学校を抱えております市町村としましては、ぱっと見ましたところ、数が多いのは埼玉県、千葉県が群を抜いて多うございます。それから静岡県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、このあたりがその次あたりでございます。 なお岡山につきましては、岡山県では岡山市、倉敷市、山陽町、総社市外二カ村、中学校組合と書いてございますが、四カ所でございます。 それで、今先生おっしゃいましたように、金持ちのという御印象でございますが、全国市町村の財政力指数は単純平均いたしますと〇・四三でございますが、児童生徒急増市町村に該当します財政力指数は、六十一年度のケースでございますが、先ほどの全国平均の〇・四三に比べまして単純平均で〇・七八でございますので、全国的な平均からはやや裕福な方の市町村が相当該当しているという例でございます。
○林(保)委員 やはり財政力豊かなところへ人が集まりますね。ですから急増になってくる、これも理屈だろうし、そこでテンポが合わぬのだろうと思うが、何も特別に市長さんや町長さん、村長さんがサボっておったということではないと思うのですけれども、皆なかなか豊かなところだという実感を禁じ得ないわけです。私どもの岡山県でも何か四カ所ほど入っておるようでございまして、これはひとつ特段によろしくお願いしたいな、こういうことでございます。 ただ、私ども歩いてみまして、今の話はこの対象にはちょっとならぬと思いますけれども、体育館と運動場、昔の講堂と屋内スポーツセンターみたいなものが今どこにもたくさんできておりますが、この場合は対象になりませんね。まあ本法とは関係ないかもしれませんけれども、こういうものが全国の公立の義務教育の学校でどの程度できておりますでしょうか。できてないのがどのぐらいあるのでございましょうか。
○加戸政府委員 概数でございますが、ちょっと今手元に数字を持ち合わせておりませんが、いずれにしましても、全国的に体育館の整備率は九十何%には到達しているわけでございます。一般市町村と人口・児童生徒急増市町村の比較におきましては、体育館の整備率はむしろ児童生徒急増市町村の方が高かったように記憶いたしております。――失礼しました。今数字の資料を取り寄せました。 体育館につきましては、小学校では全国平均としまして保有率が九四%でございます。それから中学校につきましては全国平均が九六%でございます。総計いたしまして、全国平均は小中学校合わせて九五%でございますが、児童生徒急増市町村につきましての整備率は九七%でございまして、全国平均を二%上回っているという状況でございます。
○林(保)委員 きょうは陳情の場でございませんので、実情だけ申し上げておきたいと思いますが、私の総社市というのは、生まれ育ったところで一番よくわかるのですが、私の小学校で、私が入学し卒業証書をもらった講堂が、三年ぐらい前にやっと新しい体育館と講堂兼用に切りかわったのです。それが市内で最後から二番目なんです。一番最後は、今の総社市長さんの通われた学校が残っておりまして、私も一生懸命早くやりなさいと言っているのですが、きょうは陳情しませんけれども、そういうような形でいろいろな地域での問題があると思うのです。それで、局長なり大臣なりから、どういう形でそういうところが残されているのか、私もこの文教に入りましたのがおととしですか、その辺の事情をしかと知らないままに見て、ああ、これは立派に古いものを持っておられるなというところとか、あるいは今民主政治ですから、行政上先にこっちをやってそれからこっちをやるというような形で残されているのかなという問題とか、いろいろあるのでございましょうが、これは局長、文部省では大体どのような認識でそれを見ておられるのか、それからいつごろになったらそれが大体解消するのかぐらいの腹づもりを少しお教えいただけたらありがたいと思います。
○加戸政府委員 状況等をつぶさに調べているわけじゃございませんが、一般的に申し上げまして、体育館の設置ができてない地域といいますのは、主として用地難ではなかろうか。つまりグラウンドを小さくしなければ体育館がつくれないということで、そういった観点のものが多いかと思います。しかしながら、全国的に見ましても、毎年体育館の保有率は〇・何%ずつ上がっているところを見ますと、それなりの努力は、敷地を獲得するなりいろいろ工夫はしていっているのじゃないかと思いますけれども、依然として物理的な状況で、体育館を建てる金がないから建てないということではなくて、建てたくても建てられない状況が存在するというぐあいに私どもは見ております。
○林(保)委員 そういたしますと、先ほどのお話の九四%、九六%、平均九五%というのが大体いつごろまでに解消するものでございましょうね。
○加戸政府委員 これは先生御承知でございましょうけれども、僻地の方へ参りますと、がけの上の狭いところへ学校を建てているような例もございまして、とても体育館を建てるスペース、余裕がないというような状況は依然として続くのじゃないかと思います。結局地方公共団体、市町村の御努力の問題ではございますけれども、完全に解消するのが何年先ということを申し上げるのは、ちょっと今の段階で私ども甚だ自信のない状況でございます。
○林(保)委員 文部省としては、条件さえ合えば鋭意やる、こういう御意向のように承っておきます。 それで、先ほども出ておりましたけれども、今度の補助率で、市町村の負担する財政負担というのはかなりのものになりますが、その辺についての一般の印象として、大丈夫なのか大丈夫でないのか、出したいけれども、こんなに負担があったんではとてもじゃないが出せないというところもあるだろうし、これだけ大きな立派なところばかり出ておりますとそんなにないんじゃないかと思いますけれども、どういう御印象でございましょうか。
○加戸政府委員 今回の措置は、六十一年度、六十二年度に引き続く措置として、六十三年度も十分の五・五で対応させていただくということでございまして、この三分の二との差の部分につきましては、いわゆる臨時財政特例債という形での起債を認めていただいておりまして、この部分につきましては実質的には一〇〇%元利償還費を後年度の地方交付税で措置をするという仕組みになっているわけでございます。したがいまして、事業を行います六十三年度におきましては地方債でございますが、六十四年度以降の交付税措置によって後追いでその元利償還費が補てんをされる、そういうような仕組みになっておるわけでございますので、財政的な理由によって急増状況に対応する校舎建築ができないということではないと理解をしております。
○林(保)委員 これに伴う予算措置について御説明を承りたいと思います。それから、大規模な改修工事も認められるようでございますので、その辺もあわせてお聞かせください。
○加戸政府委員 児童生徒急増市町村に対します予算額でございますが、昭和六十三年度におきましては、小中学校合計いたしまして事業量として四十万七千平方メートル、補助金額といたしまして二百四十四億六千四百万円を計上いたしております。ちなみに、この校舎新増築、全国状況の中で占めるシェアは予算額といたしまして五八%、事業量として五六%でございます。 それから、大規模改修の経費でございますが、これは六十三年度は六十二年度に比べまして九十二億円の大幅増額を図っておりまして、六十三年度予算として大規模改造に要します予算額は三百三十三億六千五百万円でございます。
○林(保)委員 言うまでもございませんが、近ごろ用地がえらい上がっておりますし、材木など建設資材が物すごく上がっておりますので、一体どうなるのだろうかな、こういう質問もしたいのでございますが、時間の関係もございまして、大規模改造の三百三十三億六千五百万円、これをどのような形で使われ、そして、どういう効果があるかということを少し具体的に御説明を承りたいと思います。
○加戸政府委員 この大規模改造はさまざまなものでございまして、ある意味では、完全に老朽化いたしますれば改築になるわけでございますが、改築に至らない段階での衣がえでございますので、例えば窓の枠を取りかえてアルミサッシにするとか、屋根は雨漏りがしやすいので屋根のつけかえをするとか、あるいは外壁が壊れかかっているのでそれをつけかえるとか、あるいは機能的に内容的に構造上使いにくいものを修理をする、例えば目に見えないものとしましては排水設備とか電気、ガス設備といったものの改修もございますし、それから、教育内容を新しいものに適合させるために例えば先ほども話が出ておりました空き教室を改造して別の特別教室なり多目的スペースに転用するとか、そのほか、例えば消防法の規定によりまして注意を受けておりますために必要となる改修工事、そういったような事柄もございます。そのほか、先ほど鍛治先生の御質問にございましたけれども、吹きつけアスベスト対策工事も当然この中に含めて対象としておるわけでございまして、地域によってさまざまでございます。要するに学校が少しさま変わりをするために衣がえをする、それは外観的にもそうですし、機能的にもそうでございますし、法令の規定にも適合させる。そういう各般の要請で、内容的には画一的にこれということを申し上げるような状況ではないわけでございます。
○林(保)委員 実にそういう時期に来ておりますし、また先ほど来御答弁もございましたように、学校の施設そのものを社会的にあるいは生涯学習の見地から、あるいは地域のニードに応じて変えていくというあれがございましたが、その点について、教育効果を上げながらそうやっていくということについて、大臣、どういう未来図があるのでございましょうか。 私なりには、山は緑がいいですね。松くい虫はいけませんね。空は青い方がいい。川が流れている。学校がある。それからやはり生産しなければいけませんので、機織りの音が聞こえるとか、あるいは近くに自動車工場がなければいけないかもしれませんね。また化学工場もある。その中で、若い者やお年寄りが生き生きとしてやっている。そういう環境の中で、学校をいわゆる役場とそれから公民館とどういう位置づけをするかという問題、口で言えというとなかなか難しいものでございますけれども、学校をこれからどういう位置づけをするか、子供だけではなくて青年もそれからお年寄りも含めてやるようなことまで踏み込むべきなのかどうなのか、どういうお考えなのでしょうか。大臣の御見解をひとつ承っておきたい。
○中島国務大臣 これは、先ほど申したように学童についての優良な環境というのがゾーニングの中に組み込まれるということは当然でありますけれども、これからは生涯学習の一つの拠点でもございますから、そういう意味で学校は全国的に、僻地にある場合もありますし、また都心過疎校というものもあるわけでございまして、一口にはなかなか申しにくいところでございますけれども、やはり生涯学習の一つの学習拠点であるということを考えつつ、今ある学校の敷地、用地を、そう簡単にゾーニングを動かすというわけにもまいりませんので、今ある中でできるだけ環境を整備する、こういうことに当面は徹していくべき時期であろうか、このように考えます。
○林(保)委員 先ほど局長のおっしゃいました大規模改造ですが、その後ろ向きのアスベスト対策であるとかあるいは危険回避の対策だとかがありますけれども、御構想の中に、三百三十三億でしたか、前向きでやろうというところではどういうものがございますでしょうか。
○加戸政府委員 前向きという言葉が適切かどうかわかりませんけれども、強いて申し上げれば、先ほど申し上げましたように、例えば空き教室を転用するとか、あるいは新しく多目的スペースをつくるとかオープンスペースをつくる、そういったような、これからの教育活動を展開するに当たって新たに必要とされるようなものを既存の施設を改造することによって生み出す、そういったような工夫は私どもの目から見れば当然遊ばすものあるいは使い道がなくなるものを有効利用に供するということでございますし、また、そのほかに、この大規模改造に関連いたしまして、例えば地域開放のためのクラブハウスの設置が同時に行われるとか、そういう併用して行われるような事柄もございますし、学校の機能として今まで持たなかったものを付加するような内容のものというのは、これは前向きと私どもは理解をしているわけでございます。
○林(保)委員 その点で、先ほど来お話もございましたけれども、三月二十二日に出されました「教育方法等の多様化に対応する学校施設の在り方について」というのは大変示唆的であり、また方向性をはっきり出しておるものと評価できるのでございますが、この概要についてひとつ御説明を少し詳しくお願いしたいと思うのです。
○加戸政府委員 この「教育方法等の多様化に対応する学校施設の在り方について」は、昭和六十年の八月にスタートいたしまして、各般の学識経験者、学校建築関係の有識者等によりまして調査研究をお願いしたわけでございまして、約三年近くの間御審議をいただいたわけでございます。 基本的な考え方としましては、四つの視点からこの学校施設がどうあればいいのかということを御検討いただいたわけでございます。 一つが、これからの児童生徒の個性や創造性の育成等を重視した、言うなれば多様な教育への対応ということで、これからの一種の新しい布石をしくというような意味の観点からの御討議でございます。 それから二番目が、情報化社会と言われております現在におきまして、学校教育の中でもコンピューターの利用というのがどんどんふえてまいるわけでございますので、コンピューター等を学校に導入する場合の学校条件、環境がどうあればいいのかという問題が第二点でございます。 第三番目が、これは心の問題でございまして、児童生徒の心身の豊かな成長を促す環境づくりということで、どういうような学校環境であれば子供たちの心身形成に資するのかという視点から、学校を学習の場というよりむしろ生活の場としての視点からとらえてみようということでございます。 それから第四番目が、生涯学習社会になってまいりますと、これからは地域社会に開放された形で学校を活用していく必要がある。そういう意味で、生涯学習、社会活動の場として学校が果たす役割を重視していきたい。こういった四つの視点におきまして御検討いただいたわけでございます。 御提言をいただきました一つが、教育方法の多様化に対応する学校施設のあり方といたしまして、教育方法の多様化としましてはいろいろな形がございますが、一つの例としましては、オープンスペースあるいは多目的スペースの導入を図りまして、学習指導の個別化、個性化を目標とする学習システムにおきまして、一斉指導を含めたさまざまな学習指導を可能にするための考え方でございます。 それから、この多様化の関連といたしましては、これから多くの教材教具が学校で導入されるようになるわけでございますけれども、そういった教育機器が適切に配置され、適切な収納場所があり、かつ、持ってきて使う場合に使い勝手のできるような施設計画を考えていく必要がある。それから、さまざまな特別活動が行われるわけでございますけれども、諸種の学校教育の周辺の事柄としまして、今申し上げた特別活動等のための施設設備面の質的、量的な整備をどう図っていけばよろしいか。そういった活動の多様化に対する配慮あるいは多様な学習システムの準備、導入、実施のために、教職員がそういう創造的な自主的な活動を展開するためには施設設備の充実をすることが大切である。こういった事柄を教育方法の多様化に対応する環境のあり方として御提言をいただいているわけでございます。 さらに、情報化に対応する施設のあり方といたしましても、コンピューターを導入する場合には利用目的に合った施設の配置が必要になるわけでございます。と同時に、コンピューターをどのように配置するか、つまり個別的に教室に置くのではなくて専用という形でコンピューター教室へまとめて置くか、あるいは教室ごとに一台ずつ子供のコンピューターを配置する、言うなれば学校内におきますコンピューターネットワークづくりとかという観点からの施設はどうあればいいのかというようなこと。それから、もちろんコンピューターを導入するわけでございますので、故障が起きないような、室内環境を快適にするあるいは制御するための空調設備等も必要になるわけでございます。そういった点をいろいろ御検討いただいたという御提言をいただいているわけでございます。 さらに、子供の心の問題としまして、豊かな教育環境として教育施設をどうすればいいのかということの第一点として、豊かな人間性をはぐくむ環境のあり方といたしましては、学校生活で多様な活動が行われるわけでございますけれども、それが空間的に連続しているということも留意する必要があるわけでございまして、学校内の活動が自由に展開できるような施設のあり方。それから、児童生徒相互間あるいは児童生徒と教師の間のコミュニケーションを図るためには、言うなれば一つのオープンスペースのような形で自由にコミュニケーションが図れるような場も必要であろう。これは若干付随的な話でございますけれども、これからの子供たちの体位向上に伴います施設はどうあればいいのか。あるいは子供たちが過ごす空間でございますのでインテリアについても工夫が必要である。そういったような生活環境ということが第一点でございます。 二番目が、健やかな体をつくる環境のあり方といたしまして、子供たちは当然に学校の中で跳びはね、動くわけでございますので、安全で安心して子供が行動できるような体育施設設備という工夫が必要である。同時に、学校教育として行われるもののみならず、子供たちが自由に動けるような屋外環境も整備する必要があるのではないか。さらに、これは精神衛生の問題でございますけれども、子供たちの保健衛生やカウンセリング体制あるいは給食指導室、そういったものに必要な施設設備も配意していく必要があるというのが第二点でございます。 第三点としましては、いわゆる文化性を持つ施設のあり方ということでございまして、学校自体が先ほど申し上げましたように規格品になっておりますけれども、自分の学校はこんなような姿であるとか、あるいは施設設備面において例えばその学校の歴史、伝統を表現するといった工夫も必要ではないか。学校の中におきましても地域の風土や歴史に根差した文化的な雰囲気を工夫していく必要がある。こういった三つの観点から、豊かな教育環境としての学校施設のあり方についての御提言をいただいているわけでございます。 さらに、地域社会における学校施設のあり方といたしましては、立地条件等を生かしまして、その施設が地域住民による共同利用あるいは、例えば一つの高度化の話でございますけれども、情報通信機能の導入によるネットワーク化を図りまして、地域社会における生涯学習活動の拠点となる、あるいは拠点と連携をするといった施設計画も考えていく必要があろう。さらには、学校施設が地域住民や専門的な技能・技術を持つ人が学校教育へ協力できるように施設設備を工夫する必要がある。さらに、生涯学習の身近な拠点となるわけでございますから、学校開放につきましては情報サービス機能も含めた施設設備を将来考えていくべきである。といったことが大きな事柄でございまして、今申し上げたような視点を踏まえまして、例えばこれから学校建築をいたします場合の基本設計の段階での計画づくりとか、情報をどのようにして得るのか、あるいは面積、コストの関係につきましても多様化の観点からどう工夫すればよろしいのか、いろいろな注意すべき視点等についての御提言をいただいておるわけでございます。 今申し上げた事柄すべてを満たすのは大変困難なことであろうと思いますけれども、その理想のうちの何分の一かをそれぞれの学校において工夫して生かしていけるような方向へ向かえば、学校の施設の将来像というのは現状よりははるかに進んだ、住民にもあるいは子供たちにも喜ばれ、豊かなものとして、学校教育活動のみならず、生涯学習活動の場として大きく飛躍的に成長していくものだと期待を寄せているところでもございます。
○林(保)委員 ありがとうございました。私も本当に同感でして、まさにこういうものこそ根っこにあって、それで諸制度を改革していくということが非常に大事だと思いますので詳しく御説明いただいたわけですが、方向性はすべて出ていると思います。やるかやらぬかというのは非常に難しい問題ですが、まさに政治の決断以外にないと思いますので、これは大臣に後から聞かせていただくといたしまして、今出ておることを全部聞くと時間が足りなくなってしまいますので、二点ばかりちょっと聞かせていただきたいと思います。 コンピューターの導入につきまして、私ども見て回ってみますと、私学あたりは熱心なところは物すどくやっているし、やっていないところは全然していないというアンバランスがある。しかし、義務教育課程で余り差があったのではいかぬと私は思います。コンピューター一つとりましても、何かほかに目盛りになるようなものがあればまた局長の御判断を教えていただきたいのですが、どのような形に公立学校はなっておるのでしょうか、入れておるところがあるのでしょうかないのでしょうか、あるいは先生方の間ではこうだけれどもどうだ、子供たちは家庭へ帰ったらどんどんやっているがそれが学校の現場ではどうなのか、その辺のニュアンスを現状でよろしいからひとつ率直に教えていただいて、それをスタートにてどうやっていくかという問題を考えたいと思いますので、御説明いただきたいと思います。
○加戸政府委員 文部省としましては、こういった情報化時代に対応いたしまして、学校におきます教育方法の研究開発という事業の一環といたしまして、小中高等学校におきますコンピューターの導入につきましての補助を行っておりまして、六十三年度予算では、私どもの局の関係では二十億円の予算を二十九億円という形で飛躍的に伸ばさせていただいたわけでございます。私、ちょっと今数字を持ち合わせておりませんけれども、小学校での設置率が六%台ではなかったかと思います。中学校が一五、六%程度、高等学校になりますともっとパーセンテージが伸びると思いますけれども、そんな感じでございます。ただし、今の設置率と申しますのは、学校におきまして一台二台しかコンピューターを置いていないものも含めておりまして、小中学校の平均設置台数は多分三台だったと思います。一方、高等学校の場合の平均設置台数は大量に置きますので大体二十台ぐらいではなかったか。数字を持っていないので非常にアウトな申し上げようで恐縮でございますけれども、そういった点では、学校におきます今のコンピューター利用状況は、高等学校の場合には集中的に置かれ、例えば二十台に四十人の子供たちが使うとか、四十台置かれて子供たちが一台ずつ使うというようなケースもございますけれども、小中学校の場合はどちらかというと一校に二、三十台を置くケースは余り多くございませんで、どちらかというと、例えば教育的なカリキュラムの編成あるいはその他の目的のために一台ないし二台が使われているというような状況でございまして、コンピューター教育としましては、一教室に二十台が置かれ、二人について一台くらいが使えるような体制に持っていくのが本来の姿ではないかと思っているわけでもございます。 そういう意味では、コンピューターの普及率といたしましては、欧米先進諸国に比べまして日本の場合はまだまだ開発途上国のような状況であると思っております。一つには財政的な問題もございますと同時に、それを使いこなせる教員がまだ養成されておりませんで、学校に置いても猫に小判になってしまうということもございますので、教員に対するコンピューターを利用した教育の方法、そういった技術というものを身につけさせることが現時点における大きな課題の一つではないかと考えております。
○林(保)委員 ありがとうございました。やはり学校でゼロのところがかなりあるわけですね。これらは補助ですから、市町村の発意が強くないとこれはいかぬと思う。そういうことが今まで義務教育で多過ぎましたよね。義務教育であるなら、つけるときは一斉につける、つけないならやはりつけないようにしないと、これが高校入試そのほかに全部反映しているというふうに、私は実は田舎に育ちましたから見ているわけですけれども、ひがんで言っているわけではないので、やはりそういう教育環境が非常に大事なのですね。そうすると、これは行政の問題よりもむしろ政治の問題になってくると思うのです。したがって、もしつけるのであったら二年ぐらいでつけてしまうとか、遅くとも三年でつけてしまうとかいうような決断がなければいかぬのじゃないですか。つけておるところもあり、つけてないところもある。この辺、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。もし御同意いただけるなら、ことしはもう仕方ないにいたしましても、来年度予算ではもうコンピューターのない学校はないのだというように、規模によって台数の差はありましても、そうやるくらいに決意していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中島国務大臣 先ほどから申されておりますように、学校施設のあり方の中の一つの御指摘でございますから、先生がおっしゃっているコンピューターがすべてというわけでなくて、一つの例としてコンピューターのことをおっしゃっておると思いますが、まさにもう少し平均して、そして理想的に言えば、局長がお答えしましたように二人に一台というようなところまで整備するのが理想でございます。 それについて、ことしも例えばクラブハウスに十四億ですとか、セミナーハウスに五億ですとか、それぞれに環境を整備するために予算を計上いたしておりますが、コンピューターに全力を入れてしまうというわけにもまいりませんが、そういうものをにらみ合わせながら、六十四年予算ではさらに、先ほどおっしゃるように建物の中の整備、これに心して少し充実に頑張ってみたいと思っております。
○林(保)委員 大臣のおっしゃることもわかりますが、義務教育という以上は、全部画一でもいけませんけれども、何よりも格差のないようにする、そのために、後でちょっと空き教室の問題あるいは生涯学習の問題で承る中でも聞きたいのですけれども、市町村あるいは父兄の援助、そういったものとの関連でどうなっておるのかというのもこれから聞かせていただきたいのでございます。 第二番目の問題として、先ほど地域で空き教室を共同活用する、それで、今まで実際に生活しておりまして、講堂を貸してくれ、あるいは料理教室あるいはまた裁縫教室にと言いましても、貸してもらえるときと貸してもらえないときというようなことがいろいろありますよね。それはもちろん特殊な目的で、あるいは今特に政治活動なんかで貸してくれと言ったって学校が貸してもらえぬのはわかり切っておりますが、局長、大体その辺の基準はどの線で文部省は押さえておられるのでしょうか。先ほどいろいろと音楽教室、調理教室、図書館、これの開放というのを六十二年からおやりになっているというようなお話もございましたけれども、原則はどういう形になっておるのでしょうか。大体あれは教育委員会が押さえているわけですよね。それからまた校長が管理監督しているのでしょうから、その辺の権限と合わせて、文部省がどの範囲で、学校教育の邪魔にならぬ範囲ということだろうと思いますけれども、どういうルールをもって臨んでおられるのか、お教えいただきたいと思います。
○加戸政府委員 学校のグラウンドとか体育館等につきましては、その開放についての促進を進めてまいったわけでございまして、現在公立学校につきましては多分九割を超した開放率になっていると思います。非常におくれておりましたのがいわゆる教室関係でございまして、これは多分に理由のあるところでございますけれども、例えば家庭科の調理室を貸していただきたいということでございましても、全部棟続きでございますから、入ってこられる住民の方がほかの教室にも行ってしまう、あるいは極端な場合にはそこで教材が紛失するというケースがないわけではございませんし、そういった点を嫌った面もございますが、いわゆる校舎部分の開放というのは極めておくれていたわけでございます。そういった点で、六十二年度から開放のための補助制度をと申し上げておりますのは、今実際に行なっておりますのは、例えば一定の、音楽室なり調理室なりあるいは特別の教室を貸与する場合に、その部分と他の校舎部分とが区切りができる、例えばシャッターで仕切るとか入り口は別につける、そこにミーティング用のルームをつくるとか、そういったような工夫をしていただいた場合に対する補助でございます。学校の中におきます管理上影響がないような配慮というのが必要になってくるわけでございまして、もちろん利用されるのは地域住民の方でございますからそういうことはないとはいえ、結果的に起こりますと学校としても不安になるわけでございますので、通常の学校教育活動の展開に支障のない形で、いわゆる学校の授業時間外における利用が地域社会においても十分活用できるように、そういったある程度のけじめができるような方法で学校開放を進めたいと今考えているわけでございます。学校開放というのは、日曜日になれば全部だれでも自由に出入りできてぱっと使えるという状況になりますと、子供たちの持ち物なり教材教具が置いてありますので大変な影響を受ける。そういった点の問題がございまして、体育館、グラウンド、プール等の取り扱いとは異にしたという過去の実情がございます。 貸与するにつきましては、それぞれ教育委員会が判断する事柄でございますけれども、学校長が授権を受けている場合もございますし、いずれにいたしましても、その間責任を持って、例えば地域社会が使う場合にはチームリーダーが責任を持って借りて、使った後はきれいになっているという状況でないと、翌日子供たちが出てきて掃除をしなければならないというような負担もかかるわけでございますので、その辺が一気かせいにはできないことでございますが、住民意識の向上によりまして、使われる実態として、学校開放しても問題は起きないよという形でどんどん進んでいくことを私どもも願っておるところでございます。
○林(保)委員 ついででございますが、これによって、借りた場合に料金を取ったり何かそういうようなものはありませんでしょうか。あるいは取るなと言っておるのでしょうか、あるいは多少は取れと言っておるのでしょうか、どういうけじめをつけておられるのでしょうか。文部省が直接やることではないことでございますけれども、全国的にどういうふうになっておるか、これも承っておきたい。
○加戸政府委員 基本的には使用料金はちょうだいをしないという考え方で各教育委員会は対応されておると思いますし、こういう料金を取っているからという苦情を聞いたケースはございません。しかしながら、場合によりましては整理料程度、つまり貸すことによりまして実際にかかる、例えばプールの場合でございますと、プールを借りることによって監視員を一人置く、そのための人件費がかかるという場合もございます。これは一般的には地方公共団体で負担をいたしておりますけれども、そういった負担のない場合に事実上そういうような措置が考えられないわけではございませんが、幸いながら今までのところ学校施設の利用につきまして料金を徴収したという事例は聞いておりません。
○林(保)委員 学校開放するということが全国的に知れ渡りますと、本当にこれは大変大きな地域社会の改革になると思うのです。御承知のように、道をつけるにいたしましてももう土地がなかなかありません。見ると河川の上の堤防だけがあいていますね。これは河川管理上許されぬことでございますけれども、それをもあえてやるとか、あるいは学校の中のなかなかない土地、しかも建物のあるところをあげるというようなことになると、大変な改革になるわけです。河川、道路の問題は別の議論といたしまして、学校がそういうふうに開かれた学校になっていく。そのかわり、やはりきっちりとした、今局長のおっしゃったようにかぎのかかるよう、学習の場とは仕切られるような形もなければならぬと思いますので、よほど対応に慎重を期さなければならぬことだと思います。そういうことで、今度出ましたこの「教育方法等の多様化に対応する学校施設の在り方について」はこれからますます議論を深められるということもありましょうけれども、なお、いけるものなら早くやっていただけるよう私は要望しておきたいと思います。 時間がありませんが、最後に一つ。きょう新聞に出ておりましたが、いわゆる教員希望者の問題、免許取得の問題、卒業生の四人に一人が教員免許という見出しで文部省が六十二年度調査というのを出しておられますが、担当の方おられましたらひとつ、どういう傾向で今日このようにあるのか、これがいい傾向なのかよくない傾向なのかを伺いたい。
○加戸政府委員 新聞で報道されましたのは、私どもの局の教職員課で毎年調査いたしております教員免許状の取得状況並びに教職就職状況の調査結果でございまして、六十二年三月卒業者についての調査でございます。それによりますと、大学等の教員養成機関におきまして免許状を取得しました人数が十三万八千名強でございまして、そのうち教員に就職した者の数が二万八千名というところでございまして、教員の免許状を取っても教員になれる率は約五分の一というぐあいに言われるわけでございます。昨年度と比べますと、昨年が十四万五千名免許状を取得されまして教員に就職された方が三万名強でございますので、傾向的には若干ダウンしておりまして、これはピーク時でございますと、昭和五十四年三月の免許状取得者が十七万八千名を超えておりまして教員採用者が四万名でございました。やはり一般的な傾向としましては、教員の需給状況と見合って比率的にだんだん低下してきている傾向はあるなという感じはいたします。 この場合に、文部省の目から見ていい悪いという言葉を申し上げるのは大変恐縮でございますけれども、免許状をたくさんとってこられることは大いに結構なことなんでございますけれども、せっかく教員の勉強をしながら就職の道が狭いということでございますと、そういった意味では本当に教員になりたいという方に絞られてくるのかあるいはそうでないのか、その辺は定かに申し上げにくいところでもございます。ただ、一般的に申しますと、免許状を取るためには小学校教員の場合でございますと四週間の教育実習、中学校・高等学校の場合ですと二週間の教育実習を必要要件としておりますので、免許状取得者の数が減るということは、教育実習で学校に迷惑をかけている分は減るという利点はあると思いますが、一方におきまして、教員の世界で多様な個性を持ったいい教員を採用したいという場合でございますれば、志願者が多いほどその中で選択のチャンスは任命権者側としてできるという意味におきましては、取得者が減るというのは人材確保の観点から若干マイナスの面もあるのかなという感じはいたします。 いずれにいたしましても、この傾向が昨年、ことしと大幅に変わっているというわけではございませんが、一般的にこれから教員の需給状況は厳しくなっておりまして、採用数が減っていくという状況の中で、教員を志望する、免許状を取得しようとする方の数も必然的には若干比例した形で減っていくのかなという予想をしている段階でございます。
○林(保)委員 いろいろな意見を私もほかの人から聞いておりますけれども、学校の先生になるのが魅力がないというようなことになってはいけませんので、その点を当然御留意いただくといたしまして、これから、先ほど来問題になっておりますような教育施設の充実を含めて、きょうもう一つ聞きたかったのですが、環境整備をしっかりやる。それから教育費の減税も含めまして、みんなで学校へ行く雰囲気をつくる、そのかわりお金持ちは寄附もする、それが免税になるというような環境をつくらなければいかぬというのが私の持論でございます。それらを踏まえまして、これからひとつ、五年の先を見通しての法案でございますが、やはり施設も変わらなければならぬと思いますし、それがどのような変わりようがされますか、大臣の御決意を最後に承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中島国務大臣 学校施設のあり方、また教員の内容の問題、それから学校の施設が開かれた施設として生涯学習の一つの拠点になっていくべきであろうという幅広い御指摘でございまして、確かにおっしゃるような方向を目指して頑張ってまいらなければならぬと私ども思いますし、また、その免許取得者の中から五分の一が教員として立たれるということで、これをどういうふうに受け取るかというのが最後の御指摘でございましたけれども、そういう五倍ある、五倍免許を取る方の中から資質の高い、そして愛情を持って教育に当たられる、そういう教員として適格であり、かつ、意欲を持った方々が五分の一の中で教育に当たられていく、そして愛される教育であり、親しまれる学校であるということを目指して努力してまいりたいと思います。
○林(保)委員 終わります。ありがとうございました。
○中村委員長 石井郁子君。
○石井(郁)委員 国庫負担法改正案についての審議でございますが、まず過大規模校の解消という問題で質問したいと思います。 教育上大変好ましくないということでははっきりした結論が出ているこの過大規模校の問題ですけれども、文部省も一定の努力をされてきたわけでありますが、現在なお切実で急がなければいけない課題だというふうに思っています。 まず、八七年五月時点での過大規模校、二十五学級以上と三十一学級以上、小中別でどのぐらいあるのかという点をお示しいただきたいと思います。
○加戸政府委員 昭和六十二年五月現在の調査でございますと、三十一学級以上の過大規模校が千二百三十一校、内訳としまして小学校が七百一校、中学校が五百三十校でございます。なお、六十二年度におきます二十五学級以上の大規模校は四千四百二十四校でございまして、そのうち小学校が二千七百五十八校、中学校が千六百六十六校となっております。
○石井(郁)委員 まだ大変な数が残っているということがわかるわけですが、今後この三十一学級以上をどのように解消していく計画なのか、文部省の見込みといいますか、それをお示しいただきたいと思うのです。
○加戸政府委員 過大規模校につきましては、毎年市町村に対しましてその解消方の努力を要請しているところでございまして、現在のところ千二百三十一校のうち約八六%は近い将来に解消される見通しでいるわけでございます。残りました学校につきましては用地取得の困難ということで解消のめどが立っていないものがほとんどでございますので、これは強く指導はいたしますが、そういった学校の置かれている条件下、市町村の対応状況から考えまして、今後ますますの努力を必要とする事柄ではないかと考えております。
○石井(郁)委員 見込みが立っているその計画ですけれども、何年ぐらいの見通しの中ででしょうか。一概には言えないかもしれないのですけれども、ちょっとお示しいただければと思います。
○加戸政府委員 年度として確たることは申し上げにくいわけでございますが、いずれにいたしましても今の時点から五、六年から六、七年先というおよその見通しでございまして、それは現在は過大規模校でございますけれども、児童生徒の減少によって過大規模校でなくなるケースも含めての対応として想定しているわけでございます。
○石井(郁)委員 めどが立っていない部分というのは用地の取得が大変困難だということでございますが、私も大都市におりましてそれはよくわかるわけです。そういう問題はそれとしてあるわけですが、ちょっとここでお尋ねしたいのですけれども、自治体の姿勢でおくれているという例はないのでしょうか。 実は横浜市の場合ですけれども、ことでは三十七学級・千五百人以上という基準でしか分離しない、そういうふうに聞いているわけですけれども、過去にもこの問題は取り上げられたというふうに伺っておりますけれども、文部省としてどのように指導されてきたのか、伺いたいと思います。
○加戸政府委員 横浜市、非常に過大規模校をたくさん抱えているところでございますけれども、文部省も従来から三十一学級以上の解消を強く指導してきたわけでございますが、実はそれに至りますまでの、三十五、六学級とか七、八学級とか、もっともっとかなり過大規模校の大きいケースがございまして、横浜につきましても努力をいただきまして、五十九年度から六十二年度までの間には二十八校の過大規模校を解消していただいているわけでございます。横浜におきます過大規模校が、六十二年度ではまだ四十二校残っておりますけれども、昭和六十七年度までには残り二十六校を解消する計画と聞いておるわけでございます。
○石井(郁)委員 市の方の姿勢としてどうなのですか。三十一学級校以上の分離ということでははっきりとしたそういう方針で臨む、国の基準に沿ってマンモス校を解消するという点でははっきりしているのでしょうか。
○加戸政府委員 何しろ他の地域と違いまして、極めて過大規模校の数の多いところでございますので、年次的にその解消を図っているわけでございますが、横浜市としましては、とりあえずこれまで三十七学級以上の超々過大規模校につきまして最重点的に解消を図っていくということで、三十七学級以上の学校を解消してきているわけでございますが、今後は三十一学級以上の過大規模校についても積極的に解消を図っていくというぐあいに聞いております。
○石井(郁)委員 本来二十五学級以上も大規模校でありますけれども、とりわけ過大規模校については三十一学級以上が残るなどということはとんでもないと思いますので、そういう方向でぜひとも指導すべきだと思います。 次に、先ほど来出ておりますように、分離が困難な学校の問題ですね。そういう問題の対策としてどういうふうに臨まれるのかということです。用地の取得が困難だというのは、最近の地価の高騰の中でますますそうなってきているわけでありまして、そういう学校を放置しておくのか、何らかの対策を考えるのかという点で、まず文部省のお考えを伺いたいと思います。
○加戸政府委員 先ほど申し上げましたように、多くの理由が、分離新設のために校地が必要になるわけでございまして、最低でも一万五千平米から二万平米というものを当該児童生徒の所属する地域内に求めなければならないわけでございまして、特にこういった都市部の場合につきましては、もはやそういった用地を取得することは極めて至難の状況のようなところが残らざるを得ないわけでございます。その意味では、相当程度の市町村の大きな努力も必要でございましょうけれども、努力しても結果的に得られないということが実態としては残り得るのじゃないかということで、甚だ遺憾なことではございますが、最大限の努力をした結果として残らざるを得ないものというのが、数校かは依然として引き続くものというように、やむを得ない事情として私どもは考えているわけでございます。
○石井(郁)委員 残るのは数校というふうに考えていいのでしょうか。到底そんな数ではないように思うのですけれども。――私は、やはりいろいろなことを考えていいように思うのです。分離するまで待つとかまた児童が減少するまで待つとかではなくて、現に、こういう学校の適正規模という点では大変な不公平というか、そういう教育条件にあるわけですから、直ちにできることがいろいろあるのではないかと思うわけです。現実にとにかく都市部の場合にはもう用地がないということですから、その中でできるだけのいい教育条件をということでは知恵を出していいのではないかというふうに思うわけです。 ちょっと具体的に申しますと、これは私は実際に学校を目の当たりにしたわけですが、例えば三十三クラスという中学校がありまして、そこでもプールは一つだ。一つのプールで、一時間の授業で結局三クラスがプールの授業を受けている。実際は一時間でプールに入るのはほんの一回くらい入ったくらいで終わり、大体は水着を着てプールの周りで他のクラスが泳いでいるのを見ている。だから水泳指導なんというものではありませんよ。そういう点では、今新設校の場合にはプールは屋上につくるとかいろいろやっていますよね。そういう努力はできるのではないか、現にある校舎の中の施設をいろいろ使って。だから、分離ということだけで考えるのではなくて、学校の分離というのは合意を得るまでになかなか難しいということがありまして進まないという面もあるわけですけれども、過大規模校の教育条件の改善という点では、一つは文部省の知恵をぜひとも絞っていただきたいというふうに私は思うわけです。 もう一つ、同じような意味で、今すぐにでもできることは教員の加配という問題だというふうに思うのです。これもずっと要求が強いことだと思うのですけれども、この教員の加配という問題では文部省は検討されることがあるのかないのか、伺いたいと思います。
○加戸政府委員 先生御承知のように、教員の定数配当基準につきましては、学級数がふえますればそれにスライドした形で教員の定数が増加しているわけでございますので、ある意味では、大規模校の場合におきましては小規模校に比べますと教員の余裕といいますか授業分担の割合の余裕その他はあるわけでございますので、大規模校であるがゆえに加配をするという定数上の措置は現時点では考えてないところでございます。
○石井(郁)委員 しかし、文部省の方も、この過大規模校の解消という問題では、五十八年ですかの調査の中でもはっきりしているように、生徒指導上大変問題があるというわけですね、現に非行やそういう問題があるわけですから。そういうことで、解消が必要だという点でいいますと、やはり過大規模校であるゆえに本当に生徒に手が届かないという点では、先生方は四苦八苦している状況がありますね。だから、学級数に応じた定数の配分だけでは到底間に合わないという状況があるわけです。 そういう意味で、標準定数法の特例措置、先ほど来この問題も出ていますように、やはり特例措置として位置づけることは可能ではないかというふうに私は思うわけです。分離できる学校と、そういう状態で大変な教育の困難を依然として抱えているこの過大規模校の教育上の差をなくしていくという点で、やはりこの特例措置ということを考えてみてはどうかという点ですが、いかがですか。
○加戸政府委員 学級数が三十何学級であるからそれに対して単純に定数を加配するということではなくて、たまたまそういった三十何学級であるがゆえに生徒指導上困難を来している、あるいは非行が多発をしているとか、そういった特殊な事情があります場合には、これは教育困難校に対する加配という視点から教員定数を加配することは可能なわけでございまして、やはりそれは学級規模に伴う定員ではなくて、結果として生徒指導上困難な状況が起きているという事態に対応した定数加配というのが現実にはあり得るわけでございます。
○石井(郁)委員 その場合は、既に行われているというかケースはあるのでしょうか。それから、いろいろと府県段階の教育委員会とのそういう協議の上で文部省としては措置をするという点では、具体的にいかがでしょうか。
○加戸政府委員 個別的に学校を審査しているわけではございませんので、各県に配りました加配定数を、各県におきまして、その地域の実情に応じどういう形で配分されているかというのは、県の判断によって措置されているところでございます。
○石井(郁)委員 ぜひともそういう方向で文部省の方も御指導いただきたいというふうに思うわけです。 次に、今加配という問題が出ましたので、これは国の基準に照らしてぜひとも是正というか見直しをしていく必要が起きているという問題で指摘をしたいわけです。それは、同和校の加配という問題が大阪では特にありますが、これは全国的にもあるわけです。この同和校では、教職員の定数についての国の配置基準というのはどうなっていますでしょうか。
○加戸政府委員 現在、第五次十二カ年教職員定数改善計画が進捗中でございまして、六十六年度の完成年度の目標といたしましては、同和地区の児童生徒数が一〇%以上のものにつきましては一人、それから同和地区児童生徒数の段階によりまして、例えば当該学校におきます児童生徒数が八十人から百六十人までの場合にはその上に一人加配、それから百六十人から三百二十人の場合にはさらに二人加配、三百二十一人以上の場合には三人加配という考え方でございます。今申し上げた基準以外で未配置となります同和地区の学校につきましては、その三分の一の学校について一名という配置を目標として今十二カ年計画は進行中でございますけれども、この十二カ年計画、現在までのところ総体の達成率は四二・七%でございますが、同和につきましては八三・三%という考え方で、特別に同和についての配慮をして加配措置を講じているところでございます。
○石井(郁)委員 国の配置基準はそういうものがあるということがわかりました。しかし、具体的な配置という点では各府県段階に任されるということなんでしょうか。それで、現実に文部省からごらんになりまして基準に照らして適切な配置がなされているとお考えになっていらっしゃるかどうか、伺いたいと思います。
○加戸政府委員 先ほど申し上げましたように十二カ年計画が進行中でございますので、この目標値に至りますよう一定の比率で各都道府県に同和加配定数を配当しておるわけでございます。都道府県によりましては、国が配当した定数のほかに、都道府県費で単独で負担をする同和担当教員を置いているケースもかなりございますし、そういった国加配の教員と県単の教員と合わせてどのように配分するかということは都道府県の問題でございます。国としましてはあくまでも客観的な、今申し上げた係数基準の進捗段階に応じた比率に応じまして、各都道府県に加配を行っているという状況でございます。
○石井(郁)委員 大阪市の場合で申し上げるのですけれども、実はここは同和行政についていろいろ問題があるところでして、一般校の教員定数と同和加配の数とで非常に問題が出てきているわけです。一般校の教員定数を削ってまで同和校の加配が行われているのではないかということが先ごろ大阪市議会でも取り上げられました。 大阪市内の小中学校は四百三十校ありますけれども、そのうちの二百三十校で二百五十九人の定数割れをしているということが明らかになったわけです。しかも大規模校で削られる。ですから、先ほど局長は、大規模校はそれに応じて数が多いということが、逆にそこから削られているということになっているわけですね。そういう点で、一般校の教職員の定数が削られるということは文部省としてお認めできるのでしょうか。
○加戸政府委員 標準法で定めております教職員定数の標準と申しますのは、積算は学校ごとの定数ではございませんで都道府県ごとの定数を算定する仕組みになっております。その場合の積算をいたします計算の論拠が、何学級の学校であれば何人という積み上げ計算をしてトータル数が出るわけでございますが、そういった各都道府県について何万何千何百何十何名という計算上出た定数を各県にお配りしているわけでございます。したがって、個々の学校については部道府県教育委員会、指定都市が絡みます場合は都道府県教育委員会並びに指定都市の教育委員会がその教職員の配当基準を決めるわけでございまして、その基準に基づいて、個別の事情に基づいて定数配分がなされているものと考えているわけでございます。
○石井(郁)委員 もう少し御説明いただかなければいけないのですけれども、これは単年度に起こったことではなくて、ここ十数年来こういう状態が続いてきているわけですね。 実は問題にしたいのは、配置基準というのは、これは受ける子供の側からしましたら、どの子もやはりみんな行き届いた教育を受けたいということがあるし、親からしてもそうですよね。そういう教育条件が公平に行われるかどうかということですけれども、大阪では同和校の配置基準というのがちょっとけた外れであります。これは市議会で明らかになった資料ですけれども、十二クラスという同じ規模の学校を取り上げてみると、教員数で何と二倍近い差があるわけです。教職員に至りますと、一般校では二十四人ですけれども同和校では何と六十七人。それはいろいろな行政区で調べてみましても、一般校で三十人のところが同和校では八十人、また一般校で四十一人のところでは七十六人というふうに、そういうことが今なお放置されているというか、まかり通っているということがあるのです。そういう点で私たちは、こういう配置の不公平さという問題について、適切な基準できちんと指導が行われなければいけないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○加戸政府委員 教職員定数を標準法で定めておりますのは、全国的に義務教育の規模並びに一定の教育水準を確保するという視点から、義務教育を受ける全国の子供たちについての教育条件の一定の水準を維持しようという視点に出たもので、また積算もそういう考え方ででき上がっているわけでございます。しかしながら、今先生がおっしゃいましたような同和加配の問題については、国の加配をはるかに何倍と超える県単の、大阪府単独の経費で負担されているわけでございまして、それは一定の全国水準の上に特別に大阪は大阪なりの考え方でそういった施策を講じられていることと思います。しかし、その結果が余りにも一般の他の府県あるいは当該府県内におけるバランスを失することは好ましいことではございませんけれども、要するにそれは府の判断としておやりになっている事柄であって、私どもは、国の全体の基準は国庫負担の関係上定数標準法に基づいた考え方で全国一律平等に水準が保たれるような定数配当をしている次第でございます。
○石井(郁)委員 国の同和校への配置基準というのを先ほどお聞きいたしましたけれども、実はその基準自身が実態と合っていないというか、加配自身がその基準どおりになっていないのです。 と申しますのは、先ほど同和地区の子供が一〇%以上という加配条件の話がありましたけれども、現実に同和地区の人口は大変減少しておりますし、それから国民的な融合が進んでいますから、私の知っている中学校では三百七十人の学校で地区の子供は七人、現実は大体そういうような事態なのですね。だから一〇%どころか、もう数%ないし二、三%しかいない。しかいないというのは変ですが、そういう中でこれだけの加配が、今なお国の基準を上回る加配が行われている。だから二つの問題があるわけですね。国の基準自身に沿ってもいないようなことが起こっている、しかもその基準を超えるような加配がこの十数年来今なお続いているという点では、これはもう到底このまま放置できないという事態に来ているというふうに思うわけです。御存じのように、地対協の意見具申や、それから総務庁の啓発指針なども出されている折でもありますので、ぜひ同和校加配が正しくというか適正に行われているかどうかという点では、今の時点できちんと文部省としてやはり一定の調査なり見直しなりをすべきだ。私は今大阪の例で申しましたけれども、言うまでもなく、いろいろ全国的にこういう問題は起こっているというふうにも聞いておりますので、やはり適切な指導をすべきときに来ているのではないかというふうに思うわけですが、大臣いかがでございますか。
○中島国務大臣 今の先生の御指摘、いろいろ伺っておりまして、私ははっきり言って、初めてそういう実態があるかなという、率直に言ってそういうことが多かった点がございました。よく実情を勉強いたしまして、局長とも相談をしながらやらせていただきたいと思います。
○石井(郁)委員 重ねて申し上げますが、昭和四十年に同対審答申が出されましてもう二十年以上経過いたしましたし、同和地域の実態というのもその間、随分政府を挙げてお取り組みいただきましたし、また改善されました。ですから、やはりそういう時点に立って見直しを図るということが今本当に必要だというふうに思うわけです。ぜひともお願いしたいというふうに思います。 そういう点で私は加配の問題を取り上げたわけですけれども、この過大規模校ですね、本来二十五学級以上からやっていただきたいというふうに思うのですけれども、三十一学級以上の学校については、先ほどは教育困難校については実情に応じて措置をするという話でございましたけれども、もっと前向きにといいますか、大いに文部省として取り組んでやっていただきたいというふうに思うわけです。 次に、大規模改造の問題で質問したいと思います。今年度は、大規模改造事業ということで、文部省としても前向きに予算が計上されたという点で大変喜んでいるわけですけれども、改造対象事業の適用という問題でいろいろと問題がありますね。この弾力的な運用ということでちょっとお尋ねをしたいと思っているわけです。 一つは、先ほど来の審議でも、体育館、プールの問題がいろいろと出ていますけれども、十五年以上が対象ということですが、例えば体育館の場合、この間の体育館の建設というのは床をコンクリートにするという体育館が多かったわけですけれども、大変傷みが激しいというふうに聞いています。だから、十五年たたなくても、ぜひともそういう点では、最近木造の見直しということもありますし、十五年でないとだめだというふうに線を引かずに、特に体育館などについては対象にするという点の検討をぜひしてほしいということが考えられるわけですが、いかがでしょうか。
○加戸政府委員 大規模改造は、基本的には、例えば鉄筋コンクリート造の建物でございますと、相当年数が経過いたしますれば、窓枠を取りかえたり屋根の防水をしたり給排水設備を改修したりするというようなことで、学校施設の質的な確保を図るという観点から設けられた制度でございまして、鉄筋コンクリートなどの建物につきましては、おおむね十年から二十年周期で部材の取りかえ等の大規模な改造工事を行えば所定の耐用年数が確保できるという観点から、建築経過年数をおおむね十五年以上と定めて従来から対応してきているところでございます。ただし、児童生徒数が減少したりあるいは教育内容、方法の多様化に伴いまして学校施設を有効利用して教育効果を上げる、そういったような教室等の改造を行う場合には、今の十五年の制限に満たないものも対象にしているわけでございまして、また今回のアスベストについても同様の取り扱いをしているわけでございますが、屋内体育館の場合につきましては、そういった十五年に満たないもので必要性があるかどうかという議論はあり得ると思いますが、例えば私どもは、子供の安全上の観点から床部分につきましては体育館の床を改修する、つまり安全上の必要性に基づいて改修するという場合については、経過年数に関しても弾力的な取り扱いをしているところでございます。
○石井(郁)委員 そういう点で安心をいたしました。やはり体育館の床というのは子供たちの体の上からも非常に大事なところでありまして、ぜひとも要望が強いことだと思います。 もう一つ、ちょっと具体的な事例でお伺いしたいのですけれども、ここは学校の建物面積に抵触するということで補助対象にならないということで困っている例があるのです。それは、学校をつくったときに開放廊下というのをつくりました。普通は廊下まで窓枠になっているわけですね、建物としてあるわけですから。それを開放して窓枠を払った、そういうものになっているわけですね、すぐ校庭に接するという学校ができたわけですけれども、しかし、その後やはり付近の交通量が大変ふえてきている、そういう問題等々で環境が変化をいたしまして、やはりきちっと窓枠をつけなければ教育の効果の面から非常に問題が起こるということになりまして、ぜひともそういう窓枠の工事を進めたいという問題なんですね。そういう場合に、この大規模改造の対象に検討していただけないだろうかという点で、これも弾力的な運用として考えてほしいという問題なんですけれども、そういう点ではちょっと個別事例になりますけれども、いかがでしょうか。
○加戸政府委員 大規模改修あるいは今度六十三年度からは大規模改造事業でございますけれども、この考え方自体は、機能の低下した学校施設を機能を回復するという視点から行われる事業でございまして、先生が今おっしゃいましたような渡り廊下のみの改修であるとか、あるいはその結果として学校の建物の面積に増減を生ずるような工事につきましては従来から補助の対象にしていないところでございまして、大規模改修の目的とするところとはいささか異なるような感じでただいまの御質問を承ったような次第でございます。
○石井(郁)委員 学校の建物自身は改造対象になっているのです。だから、そういう中では廊下も含めて学校全体として大規模改造の対象にやはり当然していただいた方がいいという内容なんです。それは廊下だけの対象ではないのです。だから学校全体として大規模改造の対象になっているという中で、しかしその部分を取り除くとか除かないとかそういう問題でありまして、その辺をしゃくし定規に切るということではなくて、学校全体としてそれを補助対象にしていただけないだろうか、そういう考え方はできないかということです。
○加戸政府委員 公立学校施設の補助につきましては、全国的な教育水準の維持向上ということで共通の物差しによりまして学校に対する補助をしているわけでございますので、ただいま先生おっしゃいましたケースは、多分に既存の学校で国の全国共通の補助を既に受けた面積の上に付加して新しく面積をふやすような形態になりますと、言葉はよくございませんけれども、そういう方法をとることによって基準面積を膨らまして国の補助をふやすという方法が他のケースとしても出てくる危険性のある事柄でございまして、この先生のケースはそういった意図はないと思いますけれども、結果的にそれを認めれば、そういう方法でなら文部省の基準面積を膨らましてこういう二段階方式でいけば補助対象がふえるなというような形で対応される危険性を持つものでございますので、技術的に申し上げますと、今の全国的な公平の観点、バランスからいいますといかがなものかなという感じを今受けているところでございます。
○石井(郁)委員 初めからいろいろと結論を出すかどうかは別といたしまして、いろんなケースがあるわけでございますので、そういう意味でケース・バイ・ケースとしても、この大規模改造事業というのは非常にやはりそういういろんなことが出てくると思うのですね。そういう点でぜひとも御検討いただきたいということでお願いをしたいと思います。 それから、全国の自治体から強い要望が出ている裏負担の保証といいますか起債の問題ですね、この点でちょっと文部省のお考えを伺っておきたいのですけれども、改造事業に起債を認めてほしいという強い要望に対してなかなか困難だということを伺っているわけですが、困難な理由としてはどういうことなんでしょうか。
○加戸政府委員 学校の新増改築の場合につきましては当然に交付税上財源措置がなされるわけでございますけれども、一般的な改修につきましては地方交付税の上で措置されておりまして、これは細かい修理からすべて入るわけでこざいますが、小中学校、高等学校それぞれ一校当たり何百何十万という地方交付税の措置がなされているわけでございます。そういう意味で、改修というものにつきましては、地方財政当局の立場としましては、建設事業ではなくて維持修繕的なものを含んでいるので起債を認められないという考え方で従来から来ているわけでございます。 一方、文部省としましては、大規模改造事業を円滑に進めるためには、学校環境の整備という視点から行っていることでもございますし、ある意味では建築に準ずるような性格のものだということで、今回も名称を「大規模改修」から「大規模改造」に改めたというゆえんもそこにあるわけでございますが、できればそういった裏負担につきましては地方債の許可を取れるような形でお願いをしたいということで、地方財政当局とも折衝をしている段階でございます。現実には、こういった制度上の問題としては、今申し上げたような改修費についての地方交付税措置がなされておりますので一般的な形での許可はございませんが、大規模改造の内容等によりまして、市町村の財政状況を勘案して、自治省におきましても必要と認める場合には許可を出している例もございますが、これは極めてケースが少のうございまして、私どもは一般的な形で起債の許可が基本的にできるような方向での努力をなお続けてみたいと思っております。
○石井(郁)委員 ぜひとも文部省の方で一層の御努力をお願いしたいというふうに思います。 次に、概算要求としては幼稚園から高校までを対象とされていたと思うわけですが、この辺が認められなかったのですけれども、その事情をちょっと伺いたいと思います。
○加戸政府委員 確かに六十三年度予算要求の時点では高校と幼稚園の要求をさせていただいたわけでございますけれども、本来、義務教育と違いまして高等学校の場合には、一般的には、人口急増によります特別な高校急増対策としての補助を除きましてはすべて地方交付税で措置されているところでございまして、しかもこれは、高等学校の大規模改造につきましては従来から交付税によりまして高等学校一校当たり二千四百五十万の財源措置が講じられているわけでございますので、これについて国庫補助を行うということは財源措置が重複をするというような反対意見、指摘等もございまして、とりあえず高校への大規模改造事業の適用、補助事業の適用ということは六十三年度は見送りとさせていただいたわけでございまして、今後、今申し上げた地方交付税上の措置の考え方との調整の問題もございますし、検討を続けてまいりたいと思っております。
○石井(郁)委員 来年度はぜひとも実現できるように取り組んでいただきたいというふうに思います。 もう一つ、やはり過大規模校の問題で取り上げたいことがございますが、それは障害児学校の問題でございます。私は昨年も質問いたしましたけれども、養護学校とそれから高等部の新増設という問題が大変切実になってきています。そういう点で、まず過去五年間での養護学校高等部の新増設の件数をひとつお示しいただきたいと思います。
○加戸政府委員 養護学校の高等部につきましては、従来から高等学校の新増築に比べて手厚い措置を講じて、その設置の促進に努めてきているわけでございます。 高等学校の新増築につきましては三分の一という補助を急増対策で行っておりますけれども、養護学校の高等部につきましては、補助率は小中学校に準じまして二分の一という差をつけているわけでございまして、従来から都道府県の計画に応じた事業量を確保してきたわけでございます。この結果としまして、五十七年度から六十一年度にかけて四十六校の新設校に対する補助を行って実現を見ているところでございまして、結果的には五十七年に三百十でありました高等部が六十二年には三百八十三に増加をするという形で、在学者数も五十七年の一万五千名から六十二年には二万四千名に増加をしているという実情にございます。
○石井(郁)委員 そういう方向で一定の前進が見られるというのは大変わかるわけですけれども、過大校の問題ですね。これは、この五年間で全国上位十校というのを、私もちょっと資料をいただいたのですけれども、見てみますと全く解消されていないわけです。養護学校は三百人あるいは四百人という学校があらわれていますし、高等部についても同じことが言えるわけですね。養護学校やそれからまた高等部についても過大校がいわばこのまま残されているというか、そういう問題については文部省としてどのように実情を把握されていますでしょうか。
○加戸政府委員 養護学校につきましては児童生徒の障害の態様が多様でございまして、また年齢の幅も広いということで、一律に過大規模校を分離するという方針はとっていないわけでございますけれども、基本的には、都道府県の方で学校の実態、地域の実情を勘案いたしまして養護学校の分離新設を行うという考え方を持ちました場合には、私どもは優先的に採択を行うということで補助を行っているわけでございまして、先ほど申し上げました四十六校の新設というものの中にはこういった分離に伴います新設が相当部分あるわけでもございます。
○石井(郁)委員 しかし、現実にこの過大校が依然として大きく残っているという問題がありますので、申請があれば優先的に文部省としては予算をつけているということでありますけれども、なかなか県段階の方からの申請も上げにくいといいますか、思うように上がっていないのもあるのではないかというふうにも思われるわけです。というのは、やはり養護学校の場合の適正基準ですね、つまりどこ以上が過大校だという点ではこの基準というのはもう一つはっきりしていない、そういう点もあるのではないかということがありますので、その辺を含めて御検討をされる気があるのかどうか、伺いたいと思います。
○加戸政府委員 先ほど申し上げましたように、養護学校の場合には、通常の小中学校、高等学校と違いまして、障害の態様が極めて多様であるということ、それから学校の中に小学部、中学部、高等部という形で若干独立した形で運営される組織が存在している、それから発達段階が小中高それぞれまちまちでもある、また個人によっても差がある、それから学校の実態、地域の実情にも違いがあるということでございますので、一般的に小中学校でいいますような三十一学級以上を過大規模校として分離をするという考え方、あるいはそういったような基準はとっていないところでございます。しかしながら、実際上の問題として、当該大規模な養護学校における教育運営上あるいは学校管理上の問題というのは当然出てくるわけでございますので、そういった実情に応じまして、私どもとしましては、主管課長会議その他におきましても、そういった学校運営上困難を来すような養護学校につきましては分離をするような指導を行っているところでございます。また、そういう考え方を持っていただければ私どもは積極的に先ほど申し上げたような優先的採択を行っているわけでございまして、そういった指導に今後とも意を用いてまいりたいと思います。
○石井(郁)委員 その辺の前向きな姿勢は一応はわかるわけですが、しかし教育上あるいは運営上こういう点で困難が起こっているということで、やはり適正な学校規模というのがこの障害児学校についてはないという点は非常に問題ではないかというように思うわけですね。そういう点で、地域の実情や子供たちやまた学校やいろいろ難しい問題があるということはわかりますけれども、やはりその辺は一定の適正な基準といいますか、そういうものをお示しいただくということが、一層学校規模を適正にしていくという点で府県段階のそういう申請なども進む糸口になるというふうに考えるわけでして、その辺の御検討をされるお気持ちがあるかないかということを含めてちょっと伺いたいと思います。
○加戸政府委員 先生おっしゃいますように、そういった大規模校におきます問題点というのは十分理解できるところでもございます。ただ、客観的な線をどこで引くのかという非常に難しい問題はあると思いますが、いずれにいたしましても、そういう教育上の支障を来さないような方向で、私ども積極的に都道府県に対しても指導を強く行ってまいりたいと思います。
○石井(郁)委員 障害児学校の最後に、ちょっとプールの問題で伺いたいと思います。 これは昨年の参議院の予算委員会でも、助成局長から、プールがないという学校がありますので整備に一層取り組むように指導してまいりたいというふうに御答弁があったわけですけれども、その辺の文部省の指導はその後どのように行われたでしょうか。
○國分政府委員 養護学校のプールにつきましては、他の学校に比べますと、保有率と申しますか、これが低いのは事実でございます。六十二年度現在で三八・一%ということになっているわけでございます。 御案内のとおり、養護学校が義務化されましたのは昭和五十四年度でございまして、何よりもまず校舎の整備、それから順次着手していくというような事情がありますために、他の学校に比べて保有率が低いということがあるわけでございます。しかし、昭和五十五年度に一八%でございましたのが三一・八%というふうに、ほかの学校に比べますと保有率が非常に高まっているという状況にございます。私どもも、各県からの補助申請につきましては優先採択しているところで乙ざいますので、今後ともその整備を進めてまいりたい、こんなふうに考えております。
○石井(郁)委員 こういうプールの問題でも、都道府県の計画待ちということでは今の実情ではなかなか思うような形で進まないということがあると思うのですね、現在のいろいろ地方自治体の実態の中では。そういう点では、私は、障害児学校の整備充実という問題で何よりも文部省に一層指導を強化していただく、指導性を発揮していただくということが非常に大事になっているというふうに思うわけです。そういう点で、引き続いてというか一層この分野で充実のために前向きに取り組んでいただきたいということを申し上げまして、まだちょっと時間はあるかもしれませんが、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 ────◇─────
○中村委員長 内閣提出、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。中島文部大臣。 ───────────── 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○中島国務大臣 このたび、政府から提出いたしました昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 私立学校教職員共済組合の行う年金その他の給付につきましては、共済組合設立以来、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことを本旨とし、逐次改善が進められ、現在に至っております。 この法律案は、私立学校教職員共済組合法に基づく退職共済年金等につきまして、別途本国会において御審議をお願いしております厚生年金及び国民年金の改定措置にならい、昭和六十三年度における国公立学校の教職員の年金の額の改定措置に準じて、年金の額の改定の措置を講じようとするものであります。 その内容といたしましては、私立学校教職員共済組合法に基づく退職共済年金等につきまして、昭和六十一年の消費者物価指数に対する昭和六十二年の消費者物価指数の比率を基準として、昭和六十三年四月分以降の年金の額を改定することとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る十五日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十七分散会