農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1988/03/02
会議録
○菊池委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 農林水産業の基本施策についての質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石橋大吉君。
○石橋(大)委員 農林水産大臣の所信表明に対しまして、ただいまから質問をさせていただきたいと思いますが、まず初めに、私の地元であります島根県の中海・宍道湖の干拓淡水化問題についてお伺いをしたいと思います。 大臣も御承知のように、この問題に対しては去年の九月に農水省から水門の一部を常時開放しての限定的淡水化試行計画が提示をされまして、その後十月、島根県水質管理委員会の限定的淡水化試行容認の最終報告書、鳥取県の中海干拓対策委員会の十二月段階における限定的試行容認の報告書の提出、そしてこの間、十一月には総事業費九百九十億円、六十七年度完成、こういう事業計画の見直しが農水省から提示をされました。こういう経過を経て、当初の予定どおり事が運べば、今月三月三十一日までに両県知事の態度表明が行われる、こういう重要な段階を迎えまして、今両県民、特に中海・宍道湖周辺の住民の皆さんは果たしてどうなるか、かたずをのむ思いで事態の成り行きを見守っている状況であります。 地元の現状を少し申し上げますと、地元ではこの正月早々、淡水化反対、自然と歴史的遺産を守るための景観保全条例制定の直接請求が十三万五千人の署名を添えて知事に提出されるなど、大きな反対運動が盛り上がっているわけであります。そして、この直接請求を通じて注目されることは、松江市など中海・宍道湖周辺十市町の有権者の四三%が署名をしていることであり、とりわけ、既に淡水化賛成の方向を打ち出している平田市でも五〇%、斐川町でも四八%の有権者が署名していることであります。朝日新聞の松江支局と鳥取支局が一月下旬に実施した中海・宍道湖沿岸住民に対するアンケート調査ではもっと厳しく、淡水化反対が七三%の高率に達しているわけであります。 以上のように、地元住民の世論は政治的立場や利害を超えて淡水化反対で固まっている状況であります。特に島根県水質管理委員会がその最終報告書で、五十九年八月に提示をされた中浦水門の全面的閉鎖による淡水化試行について、宍道湖については、汽水性の魚介類の消滅により漁獲量は大幅に減少する、ヤマトシジミの代替種は見当たらない、夏期にはアオコの発生が懸念をされる、ユスリカの幼虫の発生は現況の十ないし百倍になる。私もユスリカの大発生が見られる地域の近くに住んでいるわけですが、この発生期には、湖岸の道路を車で走ればユスリカの幼虫がつぶれた油で車が滑る、こういう危険さえ感ずるほど大発生するわけであります。それが現在であります。これが十倍、百倍になるわけでありますから、非常に物すごい状況が心配をされるわけであります。中海については、アオコが大発生する、特に水質悪化の傾向が強い米子湾、安来湾は対策を重点的に実施するなど、全面淡水化に極めて否定的な報告書を公表したこともあり、もはや全面淡水化はないということで大勢は固まっているわけであります。 そして、全面淡水化なしということになれば、それを前提とした限定的淡水化試行もまた無意味ではないか、こういうことになっているわけであります。 もう一つ加えまして、事業目的に関連して少し申し上げますが、御承知のように、この干拓淡水化事業というものは、昭和三十八年の当初計画では水田、酪農主体に大型機械化による山陰のパイロットファームを目指すという華々しい目的を掲げて事業化が始まったわけであります。その後、昭和五十三年の計画変更によりまして、米の供給過剰と飼料作物などの自給率低下に対処するため畑地造成に変更されました。この間、昭和四十五年には江島・森山地区工業開発計画で干拓地の工業用地転用も検討されたわけでありますが、昭和五十一年に、当時の恒松知事は、高度成長が終わり土地代が高騰して企業進出も困難であるということを理由にして工業化を断念した、こういう経過があります。 その後、畑地営農について明るい展望の持てる営農計画も示されていませんし、加えて一九六〇年代以降、全国の農地の壊廃面積も、きょうは正確な数字を持っていませんが、恐らく九十万ヘクタールを超えているのではないかと思われるわけでありますし、最近の減反面積も七十七万ヘクタールという膨大な減反をせざるを得ないという状況になっているわけであります。島根県においては、昭和四十年から昭和六十年の農地の壊廃面積二万二千三百ヘクタール、六十二年度の減反面積が六千三百五十ヘクタール、こういう実態の中ではもはやこの二千五百ヘクタールの干拓によって農地をつくって農業をやるというこの事業目的そのものが失われたのではないか、こういう点でも地元の世論が一致している、こういう状況であります。ましてや生態系の破壊や貴重なヤマトシジミなどの漁業資源消滅の危険を冒してまで淡水化を強行する理由は全くないというわけであります。こういう現実の中で農政当局がいかにその必要性を強調しても、全く説得力なしという状況に残念ながら陥っているわけであります。 こういう状況の中で両県知事の判断が待たれるわけでありますが、この両県知事の判断は、一つは関係市町の意見が平田、斐川の両市町を除いては示されていないこと、地元の財政負担の問題などが詰まっていないことなどによりまして、三月三十一日までの態度決定は極めて困難ではないかと見られているわけであります。一日の島根県議会のやりとりの中でも、澄田知事が三月三十一日までの回答は非常に難しいというようなことを示唆をしている、こういう状況であります。 最後に、今国会における本件に関する質疑応答について若干復習をしてみますと、二月二十二日の衆議院予算委員会において、社会党の辻一彦議員の質問に対しまして島根県選出の竹下総理は、両県知事の態度決定待ち、こういう前提を置きながらも、県民全体のニーズというものが大きく変わっているという現実を無視できないと思っている、こういうお答えをされています。 二月二十六日の予算委員会において、共産党の山原健二郎議員の質問に対しまして農林水産大臣は、両県知事の意向待ちを前提にしながらも、農林水産大臣として最終判断できないときは総理からしてもらうこともあるかもしれないが、農水省としても的確に対処したいと答え、さらに、両県から断ります、こう言われたときにはやめるか、こういう質問に対しまして大臣は、決して硬直した考え方で対応しない、慎重の上にも慎重に対応したい、こういうふうにお答えになっているわけであります。そしてこれに引き続いて竹下総理は、簡単に申し上げますけれども、今まで投入した金の始末の問題もあり、自然環境保全という面で大きな運動も起こっており、あらゆる問題を考えて知事が態度決定をされるであろう、こういうふうにお答えになっております。 これらの答弁を総合的に考えますと、場合によっては、農水省はもちろん政府としても中海・宍道湖干拓淡水化計画の見直しが必要である、こういうお考えになっていただいたのではないかとも受け取れるわけであります。 そこで焦点を一つに絞ってお伺いしたいと思いますが、限定的淡水化試行について年度内に回答が得られない、こういう厳しい状況を踏まえまして、農林水産省としては今後本事業をどのように進めるつもりか、この際いよいよもって本事業の抜本的見直しをすべきではないかと思いますが、いかがお考えになっておるか、大臣のお答えをいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 石橋先生からは直接私に対しまして直言をされた陳情要請の機会もございました。また先般来、今おっしゃるように予算委員会におきまして総理の地元であるということに関連をいたしまして、総理にまずもって質問された経緯も質疑の中で明らかでございます。今先生が御紹介になったとおりでございます。 今も私の答弁も引用されてのお話でございますが、予算委員会で答えたそのことといささかも今日変わっておりません。限定的な淡水化試行という案をお示しをいたしました。年度内には結論が出なかった場合はと、こういうことでございますけれども、私は、あくまで年度内には私どもの示しておる案につきまして現状かくかくしかじか考えるというお答えが必ず出てくるものと期待をいたしております。そういうことでひとつ御理解を賜っておきたい、こう思っております。その上で判断をするということでございます。
○石橋(大)委員 予算委員会のやりとりでもそうですし、今のお答えもそうですが、両県知事の最終的な判断待ちという今微妙な状況の中でありますので、それだけに両県知事の態度決定なしには何ともそれ以上のお答えはできない、こういう立場のようでございます。そういう意味で、今日段階ではそれ以上の踏み込んだお答えは期待できないような感じもするわけでありますが、そういう意味で私は、ひとつここでこの際大臣に要望しておきたいと思いますが、結局この問題は、さっき言ったような地元の状況から見まして、知事が限定的試行賛成という態度表明をすることは非常に困難だと思いますし、仮にしても、後々また非常に大きな政治問題に発展する可能性が大きいわけであります。 そこで、もうそろそろこの問題解決の最終処理の段階では、ある意味で、農水省はもちろんでありますが、農水省の分野を越えて政府全体の立場に立って、もちろんそのときはたまたま島根県選出の竹下総理が総理大臣をやっているわけですから、総理大臣のリーダーシップをも含めて高度な政治判断が必要だ、こういうふうに考えているわけであります。先ほども申し上げましたような地元の実情を正確に踏まえて、そういう政治判断に立って早急に善処をされるよう強く要望を申し上げておきたいと思います。よろしくお願いします。
○佐藤国務大臣 予算委員会の席上において地元のことであるという前提で総理に対する質疑が始まった経緯もこれあり、まさに竹下総理の地元でございますから、地元選出国会議員としての立場もあるわけでございますから、その意見も聞かなければならぬという気持ちで、私が判断しかねる場合は内閣全体、竹下総理の御意見もという表現はたしかいたしたように思いますけれども、私の腹のうちは、この種のことで総理に決断を求めるというよりも、農林水産省が責任ある回答を、また決断というか判断というか措置をしなければならないと思っております。
○石橋(大)委員 本件については先ほどから申し上げておりますような事情がありますからきょうはこれでおきまして、ぜひひとつよろしく善処をお願いしたい、こういうことだけ申し上げて次に進みたいと思います。 次の問題は、我が国農業の振興策をめぐって、例えは余りよくないのですが、国際問題、自由化問題を前門のトラとすれば、後門のオオカミはいわば日本の農業の内部から空洞化をさせるというか崩壊をさせるような危機がいろいろな形で進んでいるように私は思うわけであります。国際問題などは先輩各位からも話がありますから、私はきょうは内部からの問題に中心を置いて幾つかお尋ねをしたいと思っているのです。 まず最初に食糧の安全保障をめぐって、御承知のように八〇年に出された「八〇年代の農政の基本方向」第二章には「食料の安全保障」、こういうことで自給率の向上ということが大きな柱に立てられておったわけですが、一昨年の「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」では一章を設けて安全保障論を論ずるというような位置づけを失っておる、自給論が消えたのではないか、こういう批判もあるわけであります。アメリカ政府の「西歴二〇〇〇年の地球研究」などによりますと、人口の増加あるいは農地の荒廃が進む、いろいろな事情からいって西歴二〇〇〇年レベル段階では世界的に食糧問題が逼迫する、こういう予測もあるわけであります。 そういう意味で考えたときに、御承知のように今先進国の中では穀物の自給率三二%というふうに最低の自給水準にあるわけであります。安全保障政策上も、こういう非常に脆弱な低い食糧、穀物自給率では、極めて危険ではないかと考えるわけであります。そういう意味で、食糧の安全保障政策に対する基本的な考え方と、国内自給の目標をどこに置いて農業政策を今後進めるのか、そういう目安について、ひとつ大臣の見解をこの際承っておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 世界的な食糧の需要と供給、人口問題とも関連しての今のお説でございました。 国際的に、私が過去において人口問題と取り組んできた経緯からいたしましても、これから先行きどうなるであろうかということになりますと、人口問題は非常に難しい問題になっていく。そういう中で世界的な食糧の需要供給、これを考えますと、過剰だ、過剰だという表現だけで言われる方々もおられますけれども、需給関係はそれぞれの地域を見ると不安定な状況にある、こういうふうに認識をしております。 ですから、やはり我が農林水産省が従来ともとってまいりましたスタンスとして、我々は基幹食糧、基本食糧、主要食糧というものを自給をしていく、そして足らざるところ、全部賄うといっても賄い切れないことはもう先生も御承知のところでございます、賄い切れないところは安定的な輸入体制によってあわせて国民に安定的な食糧を供給していくという責任を果たしていかなければならない、こう思っております。 そういうときに、自給率というものについてどう思うかというお尋ねでございますけれども、自給率が七割程度を維持しておりますけれども、カロリー自給率は五割程度、穀物自給率は三割程度となっております。そしてその間、えさの問題がまた大変大きなウエートを占めておるということでございまして、事また畜産問題にも関連してくる、こういうことになりますと、先行き容易ならざる部分もございますけれども、今現在の自給率というものを先行き割り込んでいっていいのかというとそういうわけにはまいらぬ、これを幾らかでも上げる努力はやはりしていかなければならぬ、こう考えておる次第でございます。
○石橋(大)委員 続いて、さっき言いました、日本の農業を内部から崩壊させかねない問題点について若干お伺いしたいと思います。 その一つは、後継者の問題あるいは後継者対策の問題であります。 これも正確なデータに当たる機会がちょっとなくて、少しうろ覚えなのですが、私の記憶で新規学卒者の農林水産業への参入の実態、たしか六十一年で農業に就業する者が五千二百人くらいであったと思います。農業五千二百人、林業関係が二百五十人ぐらいじゃなかったですか。水産業が二千二、三百人か、千二、三百人かな、ちょっと正確じゃないのですが、非常に少なかったと思います。山にしたって、国土の七割は山林、たった二百四、五十人しか新規に就業しない。四海、海に囲まれた海洋国家と言われた日本、水産業に新規に就業する者がわずか二千二、三百人。こういうことでは、幾ら派手に構造改善だとかコストの切り下げだとかいろいろなことを言ってみても、内部から崩壊の道をたどっているわけであります。これも現状のままでは歯どめがきかぬのじゃないか、こういう感じがして仕方がないわけであります。 毎年わずか四、五千人ということになりますと、全国の農村集落十四万という数からすればこの集落一つに対して一人の若い労働者が行き渡るのに二、三十年もかかる、こういう実態でもあると思うのですね。 御承知のとおり、農業の場合には農家一戸一戸の努力では日本の農業は維持できない。集落や地域の共同体でいろいろなことをやらないと農業をやれない。このまま推移するとすれば集落の崩壊、後継者の減少、そういうことを通じて内部から日本の農業は崩壊していく、こういう危機が進んでいますし、それに対する歯どめが残念ながらしっかりかかってない、こういう現状だと私は思います。大臣、この点どういうようにお考えになっているか。大臣からでも当局からでもいいですが、お答えいただきたい。
○吉國政府委員 新規の学卒就業者が低下していることは、ただいま先生御指摘のとおりでございます。 農業の場合で申し上げますと、ただいま先生お話しになりました新規学卒就農者のほかに離職就農者、一たん他産業で就職をしてから農業にUターンをしてくる人たちもかなりの数いらっしゃるわけでございます。 そういったことから、御指摘のように若い意欲的な農業者を確保していくということは非常に大切な問題でございますので、Uターン青年あるいは農外からの新規参入者、こういった方々を含めまして若い農業者を育成確保していくという対策を総合的に進めていく必要があるというふうに考えております。 先生御承知のとおり、普及事業におきます各種の指導でございますとかあるいは農業者大学校等での実践的な研修教育の活用でございますとか、あるいは就農青年の自主的な集団活動の助長でございますとか、また若い方々が農業経営を開始される場合の資金援助でございますとか、そういったものを総合的に進めてまいりたいと考えておりますし、六十三年度から若干の新しい、特に若い農業者の育成確保に力点を置いた事業も開始をしたいということで予算に組み込んでいただいているというような状況になっているところでございます。
○石橋(大)委員 農水省のことしの予算の説明を見ましても、新規就農者を含む担い手の育成確保対策、こういう施策を通じて後継者問題などが考えられておるわけですが、これを見ますと新規に参入をした人たちに対する技術だとか経営能力の付与が中心になっているわけであります。これはこれで非常に大事だと思いますが、やはり新規に就農をする人の数が非常に少ないし、もっとその数をふやすことをまず積極的に考えていかないといかぬのじゃないか、私はこういうふうに田仙いますし、その点がちょっと弱いのじゃないかなという感じがしておるところでありますが、この点が一つ。 それから、この農水省の政策の中では各県の農業大学校の卒業生というか入学者といいますか、これが非常に重視をされておる。これはこれでわからぬことはないのですが、これにしたって、一番最近の八三年の卒業者の数を見れば全国で千九百六十八人、こういうことになっておりまして、その中からまた就農する者は千二百三十三人というふうに非常に少ないわけであります。そしてまた、最近この農業大学校に入学する者を募るためにかなり努力をしないと集まらない、こういう状況も率直に言ってあるようですね。そういうこともありますので、そういう、特に基幹要員になってこれから農業を担っていく若い人たちの確保策について、数をふやすということを中心にどういうことをお考えになっておるのか、念のためもう一遍お伺いしておきたいと思います。
○吉國政府委員 先ほどあるいは冒頭に申し上げるべきであったかもしれませんが、基本的には、やはり農業を魅力ある産業として育てていく、また住みよい農山漁村をつくっていくということが何よりの基本ではないかというふうに考えているところでございます。 また、就農率の向上というような点につきましては、従来からも就農相談活動の実施でございますとか、あるいは学校教育との連携の上に立ちまして就農促進セミナーを実施するとか、あるいは先進的な農業施設の調査研修を行うとか、あるいは研修交流会を開くというようないろいろ多様な形で若い就農者を確保していくということの努力を行ってまいっているわけでございますが、御指摘のように後継者確保問題というのは非常に重要な問題でございますので、今後も努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○石橋(大)委員 今の問題は、いろいろと考えると、これから農業を担っていく人についてはある程度社会政策的な配慮をして、例えば一定以上の農業をやる者については生活費の保障の意味を含めて一定の所得の保障を社会政策的に考える、こういうようなことをやらぬと歯どめがきかないのじゃないかという感じもするわけであります。そういうことについてどうかということを次にできたらお答えをいただきたいと思います。 次の問題は、後継者不足の問題に輪をかけているのが御承知のように農村の、農家のお嫁さん不足の問題であります。 私も島根県の農村地帯の出身ですが、私の方でも、八十五世帯の集落の中で三十五世帯もお嫁さんがない、こういうようなうそのような本当の話もあるぐらいでして、深刻であります。これは全国各県とも農村県では同じだろうと思うのですね。なぜ農家のお嫁さんが不足するのか。これは愛知県の調査ですが、厳しい農業労働、これが六六%、これは女子高校生に対するアンケート調査ですが、長時間にわたる農業労働五八%、不安定な農業収入四九・二、こういうふうにある意味では農業というものの性格上仕方がないような面もありますが、やはり一面ではそういう労働時間だとかという観点からすれば非常に非近代的な面も残っておるからお嫁さんの来手がない。こういうふうに見れば、ある程度生活指導の面などで考えなければならぬ側面もあるし、農業そのものの持つ本来の性質上非常に難しい、こういう問題もあると思うのですが、最近は御承知のようにフィリピンだとかスリランカだとか、市町村なんかが非常に積極的に働きかけて外国からお嫁さんを確保する、こういうような話もあるわけであります。 農水省として国際問題にこたえてほしい、これはなかなかこたえられぬ面かもしれませんが、国内的な措置、国際的な措置も含めて、このままだとますます拡大をするし、またいろいろな面で問題が起こってくることも考えられるわけでありまして、事前に国際的な不要な摩擦などにならないような措置を、これは農水省も知らぬ顔をしないで一定の手だてをしなければいかぬ、こういうことになりつつあるのじゃないかと思いますが、この点どうでしょうか。
○吉國政府委員 嫁不足の問題につきましては、地域によってもいろいろ実情に差があろうかというふうに考えておりますが、嫁問題につきましては、すぐれて個人的な問題と申しますか、人の物の考え方によってもいろいろと違うような点があるわけでございまして、中央の行政の面で深く関与するというよりも、従来後継者対策等の事業の中で交流会をやっていくとかそういった形で環境づくりをやっていくというようなことには努力をいたしてまいっておるわけでございますが、そのほかに各県、市町村等で自主的な活動をなさっておられるというような状況も生まれてきているという状況でございます。 外国の花嫁問題につきましても、私ども事例的に承知をいたしておるわけでございますが、これもすぐれてプライバシーにかかわる問題であるというふうに考えておりますので、私どもとして一概に結論づけるということは難しいのではないかというふうに考えている次第でございます。
○石橋(大)委員 プライバシーにかかわる問題といいながら、現実にフィリピンやスリランカから花嫁さんが来ておることは間違いないわけですから、そういう事態が進めば進むほどいろいろな問題が起こってくることはこれまた避けられないと思いますので、プライバシーに関する問題だとか個人の問題だから知らぬということだけでは済まない状態がやはり来ると思うのです。ぜひそういうことに備えて適切な対応ができるようにひとつ御検討をお願いしておきたい。それはそれでこれでおきたいと思います。 次に、二つ目の大きな問題は、これも「八〇年代の農政の基本方向」の中では第一章に掲げられておった日本型食生活の問題ですが、「八〇年代の農政の基本方向」の中では成人病予防に日本型食生活は非常にすぐれている、こういうことと、一定の総合的な食糧自給力を維持する、こういう観点からいっても、国内で生産される食糧を定着させる、食生活を定着させる、このことが基本政策として非常に大事だ、こういうことで第一章に挙げて強調されておりました。残念ながら、これも安全保障と同じように、「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」の中では、これほど重要な位置づけを失っている、消えているわけでありますが、非常に寂しいわけでありますが、しかしそうかといって農水省としては日本型食生活の定着、形成、こういう方針を捨てられたわけではないだろうと思うのです。 そこで、これも今年度の予算の説明を見ますと、主としてこの日本型食生活の定着という面では農水省の方針は、情報、啓蒙活動中心、こういうことになっているわけであります。これはこれで非常に大事ですが、もっと直接的に日本型食生活を拡大していくための措置が必要ではないか。米消費拡大の中では学校給食を中心にして、学校給食の米消費拡大のために二百億余りですか予算が組まれておりますけれども、仮に言えばこういうふうに学校給食の拡大策などを通じて直接的にもっと消費を拡大する方法を考える必要がある、こういうふうに思っておるわけであります。同時に、米だけじゃなくて、特に学校給食の現状などを見ますと、日本型食生活のもう一つの柱であります魚は、まあ調理がしにくいということ、品ぞろえが非常に難しいということなどありまして、どうしても肉に偏っていく。肉と魚の割合は二対一だそうでありますが、それにしても日本型食生活の定着という以上は、幼児期における食生活の習慣というものが一生を左右する、こういう大きな影響力を持っているわけであります。せめて少しでも素材を生かした魚の導入などについても意を用いるべきではないか、こういうふうに思っておるわけであります。 そういうことと、米の問題に関して、学校給食法の関係がありまして、御承知のように学校給食会を経由をした米については農水省の補助もあって安く手に入る、こういう仕組みになっておるわけですが、私は、この学校給食法の関係を少し変えて、島根県なら島根県内の農村、農業で産出される一番身近なところの米、うまい米をもっと学校給食に使えるような、そういう仕組みをぜひつくるべきではないかと思っておりまして、この点を含めてちょっとお伺いをします。
○田中(宏尚)政府委員 日本型食生活においての重要な位置を占めております魚食の普及につきましては、先生からお話ありましたように、そのもの自体の効用であるとか栄養価の宣伝以上に、調理であるとか大量消費の仕方、そういうノーハウにつきましてどうやって普及していくかということが肝要かと思っております。おかげさまで、ここのところ学校給食で使われております魚の量は徐々にふえてきております。しかし、その中身を見てみますと、やはり簡単に料理できる、例えばイカリングでございますとか、こういうものが大宗を依然として占めているわけでございますので、我々といたしましては、大量、安定的に調理できるメニューのつくり方ということにつきましていろいろな形で宣伝なり普及を行っているわけでございます。 例えば、農林水産省におきましては、これまで外食における水産物消費の拡大を図るための事業、事業の名前といたしまして家庭外消費用水産物流通促進パイロット事業という事業の中で、学校給食業者等への水産物の安定供給を図るいろいろな取り組みについて助成を行ってきておりますし、それから関係団体におきましても学校給食用のメニューをつくって、これを学校給食関係者に講習するというようなことを通じまして普及に努めているわけでございます。今後ともこういう形で、調理の仕方、それから学校給食というような集団に適した流通の体制の組み方、こういうものにつきましてさらに研究を深め普及に努めてまいりたいと思っている次第でございます。
○石橋(大)委員 次に構造政策に関連をして幾つかお伺いをしたいと思っておりましたが、時間が来ましたので、これは別の機会に譲りたいと思います。 そこで、最後にもう一つ、水産業の振興策についてこの機会に伺っておきたいと思いますが、御承知のように日本海の漁業をめぐっては北朝鮮海域やソ連海域で侵犯をして続々と漁船が拿捕される、こういう事件が相次いでおるわけでありますが、それも一にかかって日本海の漁獲が急速に減っておることに最大の原因があるわけであります。水産庁ですから、私が数字を申し上げるまでもなくよく御承知のとおりだと思います。特にカニなどはかつての十分の一くらいに減ってしまっている。高級魚が急激に減っているわけであります。 そこで、水産庁も、今年度の予算で沖合漁場総合整備開発基礎調査費一億八百万円ですか計上して、日本海の漁場の再生作戦を十年計画でやろう、こういう構想をお持ちのようでありますが、この構想と、日本海沿岸各県の水産試験場との関係なども含めてどういうふうにお考えになっているのか。構想、十年間の投下資本、どれくらいつぎ込んでやるのか、そういうことをお伺いしておきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 日本海域は本来我が国の主要な豊かな漁場でございますけれども、現時点では、例えばマイワシでございますとかツブ、あるいは石川県以北のスケトウダラ、こういうものは資源的に若干高位水準にはございますけれども、残念ながらその他の魚種につきましてはただいま先生から御指摘ございましたズワイガニを初めといたしまして非常に低位あるいは減少傾向にあるということが現実かと思っております。 そういう中で、何とか日本海における資源研究あるいは海洋調査あるいは増養殖技術の研究等々の水産試験研究を進めていきたいということで、国の日本海区水産研究所を初めといたしまして各県の水産試験場が総体としてこれに取り組むということで、現在いろいろな取り組みをしているわけでございます。国といたしましては、これら関係府県の水産試験研究が効率よく推進されますよう各種の研究助成等を行ってきているわけでございますが、最近では、具体的にはホッコクアカエビあるいはズワイガニそれからベニズワイガニ、こういうものにつきまして、各県にそれぞれ特徴のある試験研究機関がございますので、それぞれのつかさのところに助成を行ってきておるわけでございます。 また、沿岸漁業資源の増大を積極的に図り日本海における栽培漁業を推進するという観点から、現在三カ所の国営の栽培漁業センターというものを設置しておるわけでございますし、日本海の重要資源でございますズワイガニあるいはトヤマエビそれからマダラ、ハタハタ等、こういうものの種苗生産の技術開発を行ってきておりますし、それから各府県の行っております栽培漁業センター、ここでは、既に技術開発の相当進んでおりますマダイ、ヒラメそれからクルマエビ、こういうものにつきましては種苗量産の技術開発というものができてきておりますので、その実施段階に鋭意入ってきているという形になっておるわけでございます。 これに加えまして、日本海の沖合の好漁場でございます大和堆、こういうものを、資源豊度を高めるという観点から漁場整備開発の内容及びその管理体制を整備するということで、ただいまもお話ございましたような総合的開発計画というものもこの中に組み入れまして、何とか豊かな海の再生ということをこいねがいまして、これからも力を注いでまいりたいと思っておる次第でございます。
○石橋(大)委員 水産庁の一層の御努力をお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○菊池委員長 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 昨日の農水大臣の所信に関連をして、若干の質問をいたします。 まず第一に、現在日本の農林水産業を取り巻く諸情勢というものは非常に厳しい状況にある、それはもう世論が言うまでもなく大変心配をしている状況です。例えば、ことしの一月八日には全国の酪農大会が四千名の代表を集めて日比谷で開かれた。十一日には農業団体がやはり同じ会場で全国の集会をやり、竹下総理大臣がアメリカに行くときにその決議を持ち込んでいった。こういうことはかつてないことであります。そういうようなときに、しかも二月には自由化の問題に対してほぼ結論が出されるであろうというような状況の中で、所信の内容を見ると依然として従来の延長にすぎない。しかも、きのうも話があったように生産性の向上という言葉が十数カ所に並んでいて、そして一番最後に、日本の農業と、対決じゃありませんが、非常に心配をしているあの重要な問題、ウルグアイ・ラウンドの問題がある。これは問題の立て方からしてもおかしいし、どうしても審議をするのに極めて不十分な内容だと言わなければならない。既に総理府の調査によっても、九〇%近い消費者が日本の国内の米を食べよう、こういうことが明らかになっているし、農業の問題を水や緑や国土の保全というところから国民が大変心配しているときに、少なくとも農林大臣は、土から生まれて土へ帰るということをきのう言われたけれども、その農民魂というものがないのじゃないかという感じがしてしようがない。その点について大臣の所信表明に一考を加える余地があったのじゃないか、こういうふうに思うけれども、この点について非常に不満であります。いかがですか。
○佐藤国務大臣 農民魂がないではないかというお言葉でございます。竹内先生と比較してあるいはないかもしれませんが、私なりに持っておるつもりでございます。 なお、所信表明それ自体の組み立て方がそもそも認識が少し違っておるのじゃないかということでございますが、急速な国際化が進む中でこれだけ大きな問題に食糧問題、貿易問題が言われておる中で、所信表明で外交案件について、特に我が省が責任を持たなければならぬ部分に所信表明で触れたというのは珍しいことだと私は思っております。したがいまして、私は実務者の意見もまた案も十分拝聴しまして、私の政治家としての感覚、これもすり合わせた結果があのような組み立てになっておるわけでございまして、それだったら最初に出せばよかったか、真ん中がいいのか、後だから軽いのか、こういうことになりますと、後であろうと先であろうと、やはり大事なことを具体的に限られた活字の中で盛らせていただいたという、その気持ちはひとつわかっていただきたい。 なお、本当に農民の味方なんであろうかというふうにも受け取られるお気持ちがにじみ出た質問でございます。私も今までの経緯からして、私がたどってきた今日までの歩みというものは先生御承知のとおりでございます。ただ、今現在は、米をつくる生産者は、米だけが生産者であって、他の者は全部消費者であると言っても過言ではない。そういう時期に、いよいよもって流通関係者、消費者のニーズも含めたものの感覚で農政を進めていかなければならない。そうすると農政で一番欠けておるのはやはり生産性の向上、そういう問題はどうしてもまだまだやらねばならぬという思いで、数いっぱい挙げればいいということではなくて、随所にそういう文言が出てきたということも御理解賜りたいと思います。
○竹内(猛)委員 ことしは農政改革二年と言われている。なぜそういうことを言うかというと、去年は三十一年目に米の値を下げた、五・九五ですか米価を下げましたね。ことしも下げるということにどうもなっているようです。米は農業の基幹作目であります。米価を下げるというのは、それに準じて他の畜産物も値を下げているわけだから、したがってことしは、農家にとってみたら農政改革値下げ第二年というように位置づけられる。それはある意味においては、海外の農産物に太刀打ちするためにはどうしても価格で競争しなければならない、あるいは生産力でやらなければならないということはよくわかるけれども、それであればあるほど将来の農業展望というものに対して希望と未来を与えなければならない、それでなければ後継者も残らないしどうにも展望が開けないではないか。 それで、きのうの質問の中にポイントがあります。予算委員会の中でも総理大臣は三分の一は国内で自給するんだと答弁しておりますが、三分の一というと、現在穀物は三一%の自給でありますから、もう既に現状三分の一だ。そこで、農林大臣はきのう長期展望の見直しをすると言われた。いつまでにどういう方法でやられるか、その点について……。
○佐藤国務大臣 総理が予算委員会で発言された現状の自給率でというお話でございますけれども、私も総理の言われたことを聞いておりました。竹下総理流の御答弁の仕方で言っておられるのですが、その心は、私流に解釈いたしますと、自給率はどんどん下がっていっていいものではない、しかし現状の数値をいささかでも上回る努力は当然しなければならぬ、今のものを割ってはならぬ、さらに切り込んではならぬという願望が込められているもの、私はそう理解しておるわけでございます。 きのうの所信表明の中で、長期見通しのことでございますが、六十五年見通しというものがございますけれども、一昨年の農政審の報告に一つの基盤を置いて、そしていろいろな勉強会がございます。その一つに米流通研の問題もございます。そういうことでいろいろ具体的に大筋は示されました。各界各層の方々がお集まりになっておられる審議会において決められました。それを受けてさらに具体的にやってまいらなければならぬ。そうすると、ごく最近時の需給動向、その変化を踏まえまして見直しは当然やらなければならない、こう考えておるわけでございます。六十五年見通しというものを見直す、こう申し上げておるのでございますから、なるべく早く進めたい、こう思っております。
○竹内(猛)委員 総理府の方見えておりますね。二月二十一日に世論調査を発表しましたね。そのことについて主な点だけをそのまま報告してもらいたい。
○坂東説明員 今先生が御指摘になられました世論調査は、「食生活・農村の役割に関する世論調査」でございまして、この中で国民の食生活と農村の役割について聞いております。お米のイメージについて聞きました結果では、お米は日本人の主食として最もふさわしいと思う者が九五・四%、お米は健康によいというのが八〇・五%、それから栄養に富む食べ物だというのが七二・八%というように、お米に対して非常にポジティブな好感を示した結果が出ております。これは昭和五十三年以来四回しておりますが、調査開始以来お米のイメージは一番よくなっております。それから食料の生産、供給のあり方について聞いた結果、最も多かったのは、外国産より高くても少なくとも米などの基本食糧については生産コストを引き下げながら国内でつくるほうがよいというのが三九・三%で最も多くて、外国産より高くても生産コストを引き下げながら国内で作る方がよいというのが三一・九%。外国産の方が安い食料については輸入する方がよいというのが一九・九%にすぎませんでした。
○竹内(猛)委員 かように生産者も消費者も米については日本の土でつくってもらいたい、何ぼか値段がどうこうあったっていいじゃないか、こういう状況の中で財界、一部のマスコミ、そういうものが米つぶし、水田つぶしをやっている。これに対して農林水産省はもっと自信を持って米を守り、農業を守るために頑張ってもらいたい。いかがですか。
○佐藤国務大臣 御指摘を受けるまでもなく、頑張っているわけでございますが、わかっていてもなお頑張れとこの席で言われるお気持ち、ありがたく拝聴をいたしました。
○竹内(猛)委員 ですから、自信を持って、たじろがないで頑張ってもらいたい。
○佐藤国務大臣 もう一つつけ加えておきますが、竹内先生の方から財界等一部というお話がございましたが、今の世論調査の結果を見ても、やはりコストを下げるべきは下げて、そして日本のお米をということがはっきり出ておるわけでございます。また、農民もそのことを自覚しておると私は判断しております。そういうときに財界の一部であろうと、余り勝手なことをと言うとこういう場で表現が悪うございますけれども、率直に言わしてもらえばそっとしておいていただきたい、自覚症状が顕著なんだから見ておってください、我々が責任を持って指導をいたしてまいります、こういうことを大きな会合のときに、わざわざとりたてて言うというのもいかがなものかと思いながら、個別に機会あるたびに申し上げておるところでございます。
○竹内(猛)委員 その配慮もわからないわけじゃないけれども、印象からすれば財界がアドバルーンを上げる、農林省がそれを受ける、報告が出る、それが法案になって出てくるという経過というものがあるのだから余りそれは言わない方がいい。そういう議論はここではしないから。 その次に、過保護論という問題があるからそれについてちょっと聞きたい。 二月十五日の衆議院の予算委員会の公聴会で食料・農業政策研究センターの並木正吉さんが、日本の農業は一部に伝えられているように財政支出面で過保護ではない、こういうことを言われている。この過保護論ということについて大臣は一体どういうふうにお考えになっているか、そのお考えをお聞きしたい。
○佐藤国務大臣 時代の変遷に伴い、あるいは生産者の意識、流通関係者、消費者のニーズ、そういう変遷の中で、政策としてこれが過保護という人もいるし過保護でないという人もいますけれども、過保護である、ないは別にして、適切な政策を推進してまいらなければならない。それは具体的に何かといえば、やはり主要食糧は国内で自給をしていく、足らざるところは安定的な輸入体制を図っていく、あわせて国民に安定的な食糧供給体制を図っていくんだというこの基本を踏まえて政策を実践していく、こういうことには変わりないわけでございます。
○竹内(猛)委員 極めて抽象的でよくわかりません。過保護論というのはこういうことじゃないですか。例えば補助金をむだ遣いしているとか税金を納めないとか高いものをつくって売りつけているとか、そんなようなことに対してまだ補助を出している、これが過保護論の内容じゃないかなと思うのだけれども、そこら辺についてはどうでしょうか。
○浜口政府委員 農林水産大臣から基本的なことのお話がありましたので、事務的に私の方から御説明をさせていただきたいと思います。 先生御指摘のとおり、我が国の農業は諸外国に比べて補助金とか国境措置により保護され過ぎているのではないかという御意見やらあるいは食料品価格が割高なのはこのような農業保護のせいであるといった声が一部展開されていることは事実でございます。 この農業保護の問題に関連いたしまして、私どもといたしましては、数点ばかり考えていかなければいけないと考えております。まず農業自体、他産業と異なり、生産そのものが自然条件に大きく左右されるものであること。第二番目といたしましては、農産物の商品特性、いわゆる貯蔵に不向きな上に毎日安定的に供給されねばならないものであること。第三番目といたしまして、やや広くグローバルに考えてみますと、世界の農産物貿易構造を見ますと、農作物の国際市場の規模は相対的に小さいものである、あるいは輸出の供給力ある国が特定少数国に限られている、量的にも価格的にも不安定の要素とならざるを得ないこと。さらに、農業には生産面だけではなくて、国土、自然環境保護の外部経済効果があること等々の点を他産業と比べまして十分念頭に置く必要があると考えておりまして、所要の保護助成措置は必要だと考えておるところでございます。もちろん、この場合におきまして、農業への保護助成に幾らコストをかけてもいいといったような考え方あるいは市場介入を混乱させるばかりかかえって農業自体に活力を弱めることになりかねないという論点は十分検討に値するわけでございますので、今後農政を展開するに当たりましては、農業者の自主的な創意工夫を基本といたしまして、これに必要な政策的支援を行う方向で、農業構造の改善を可能な限り加速することに重点を置きまして生産性の向上を図っていくことがどうしても必要だと考えておるところでございます。 なお、あえて申し上げますと、諸外国等との比較の議論がございますけれども、いろいろな資料等々を見ますと、我が国の国境措置あるいは農業保護の助成問題、そういったものを十分諸外国と比べていかなければいけませんが、必ずしも外国に比べて過重であるというふうな一般の部外者の批判は当たらないと考えているわけでございます。 なお、この際、今政府案として提案されております農業予算等について一言触れさせていただきますと、御案内のとおり、今回の農業予算におきましては、従来マイナスシーリング等々ございまして減少の傾向がございましたけれども、六年ぶりといいますか、中身の上ではNTTの予算が組まれておりますけれども、プラスの面に転換をしております。また、その内容等におきましても従来から追求してきたとおりでございます。先ほど触れましたように、構造政策といったようなものに重点を志向してということでございまして、農地あるいは水利施設の整備、さらにまた施設といたしましてはカントリーエレベーターなどの農業近代化施設等の整備に、いわばこれらは社会資本的なものだというふうに考えられますが、そういったものに重点が置かれているところでございます。
○竹内(猛)委員 大臣と一緒に一本にして理解をします。つまり、物をつくるだけでなくて、自然環境とかそういう国土の保全というものに対して相当な客観的役割を果たしているということも含めて一定の保護は必要だけれども、確かに過保護であってはならない。それはよくわかる。 そこでもう一つお伺いしたいことは、最近カリフォルニアから鯨岡という人が来まして、アメリカにはそれほど米はないんだ、やはり食糧は危険だということを盛んにおっしゃっていますね。皆さんも勉強されたと思うのだけれども、あれに対する感想はいかがですか。どうですか、大臣。
○佐藤国務大臣 アメリカで米生産を、また米経営をやっておられる方でもやはりああした意見があるものだな、なるほどな。我が意を得たりという気張った言い方はいたしませんけれども、なるほどそういう意見もある、いい意見だなと思いました。
○竹内(猛)委員 いい意見だということであれば結構です。大変参考になる。面積は広いけれども水が問題だという形になっているし、品質だってこれは問題だ。だから、わざわざ日本に来て警告を発してくれている鯨岡さんに敬意を表したい、私はそう思います。 そこで、今度は本論に行きますよ。規模拡大という話をするけれども、中核農家という言葉があちこちに出てきますね。中核農家、大型経営、機械化、近代化、生産コストの引き下げ、そういう場合に中核農家というのは一体何を指して中核農家というか。具体的に示してもらいたい。
○浜口政府委員 先生御質問の中核農家の問題でございますが、端的に申し上げまして、いわゆる中核農家という言葉でございますが、これは昭和四十八年の農業白書のときに初めて使われてまいっておりまして、基幹的男子農業従事者のいる農家、かつまた我が国の農業生産の中核的担い手ということで位置づけられてきたものでございまして、具体的な定義といたしましては、六十歳未満の男子農業専従者のいる農家で農業に百五十日以上従事しているものという定義であったように考えております。 ここの言葉でございますが、農業の生産性を向上していく、あるいは基本的農業食糧の供給力の中核的な担い手となっていただくというような農家というものを想定した場合に、やはり地域、地域におきましても中核的農家がいらっしゃるわけでございます。もちろんこの中核的農家を中心といたしまして地域におきます集落等々の方々と連携をとっていただくいわば生産組織というものが形成されていくものだというふうに考えております。 また、地域農業全体がそういったリーダー、中心的人物のもとに地域として向上していくということが各地域で図られておりまして、最近におきましては村づくりの中核的農家になっていっていただいているわけでございます。 そういう意味でこの言葉の、現段階における白書等々をごらんいただきますと、もちろんこの中核農家の位置づけで、全体の規模で二割程度といったような論述も各ページにございますけれども、現在のところこの農政の推進に当たりましては、いわばかぎ括弧の中核農家のみならず、地域の実態に応じましてすぐれた技術と経営能力を有する農家を中心に高能率の生産組織が地域農業の担い手として期待され、また育成されていくべきターゲットだというふうに考えておるところでございます。
○竹内(猛)委員 一部理解はできますけれども、やはり面積だけでなしに働いた労働の成果、勤労の成果というものは所得として農家の懐に入ってこなければ意味がない。面積が広ければ広いほどいいといったら、八郎潟は十五町歩の水田でしょう。それが今大変容易でない。あるいは根釧へ行くと、一頭の牛に一町歩の土地があっても借金で大変だ、こういう状況ですね。面積が広くて理想の形をとってもなかなかうまくいかない。しかし、都市近郊で五反歩の畑を経営していてもイチゴやその他のものをやると何百万というお金が入る。だから面積だけで物を考えるという考え方は、統計上もこれは考えてもらいたい。やはり所得というものと面積、労働力、技術、そのためのハイテクということを言っているんだから、そういうものを合わせて農家が本当にやっていけるように。地域のいろいろな骨組みがある。きのうも大臣が最後に言ったのは、地域農政ということを言った。私たち社会党は、地域農政という方向で三つの筋道で所得が獲得できるような方針をこれから進めていこうと思っている。つまり、あぜ道の声、山の声、漁港で働く人々の声を霞が関の農政に持ち上げていく、農林水産にね。そういうことで考えているので、ぜひこの点については、今の説明は一つの角度ではあるが、なお検討をしてほしいということを申し上げておきます。 時間の関係から次のことに移りますが、農業白書というものが農業基本法によって出すことを決められているんですけれども、あれだけ立派な作業をされて内容が豊富なものが出てくるときには国会も大体終わるころに出てくる、大体終了の十五日くらい前に。これは本当に議論ができない。せっかくあれだけの人手と資料と立派な内容を持ちながら、それが本論に入らないうちに国会が終わってしまう。これは非常にまずい。もっと早く予算と拮抗して、相ともなって白書が出せるようにならないか。それは統計の調査上云々ということを言うかもしれないが、統計なんというのは年がら年じゅう流れているんだから、あるときに切って、このときにやったということになれば出せないはずはない。せっかくのものが意味を持たないですね。これのやり方をひとつ変えてもらいたいと思うのですけれども、有効に白書というものは使えるようにしてもらいたい。いかがですか。
○浜口政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、農業白書の近年の公表、国会提出の日程を見ますと、大体四月の上旬といったような恒例になっているところでございます。ただ、これも先生御指摘のとおりでございまして、どういうデータを使うかという点が一つでございます。それから農業基本法の六条の規定がございまして、国会の諸先生の御議論を賜るべき国会提出の前に、農政審議会におきまして議論を賜るというふうなことが義務づけられておりまして、そういう手続を必要とするわけでございます。 まず時期の問題、データの問題でございますが、先生御案内のとおり、この白書におきましてはでき得る限り十二月現在、十二月までのデータをできる限り集めましてその年の報告の前年のといいましょうか、そういった歴年のデータに基づきまして内容を書かしていただいているところでございます。そういうこともありまして、私どもといたしましては国会におきまして大いに御議論をしていただくというような意味から、今後ともその白書の提出時期というものを勘案していかなければいけませんが、ここで反論するという意味ではございませんが、国会に報告を義務づけられております諸白書、そういったものを全部提出時期を見てみますと、ほかの白書に比べましても極めて早いといいますか、農業白書が一番早いわけでございます。それから林業白書、漁業白書という順番で四月の上旬に提出をさせていただくということでございます。私どもといたしましては、できる限り最新のデータに基づきましてその叙述、記述等について工夫を凝らしまして、御議論にたえるような白書を提出させていただきたいと考えております。
○竹内(猛)委員 皆さんが非常に努力をされて、立派なものができているのですから、それが議論になって、そしてそれがためになるように、棚に積んでほこりがたかって古本屋に行ってしまうようなことでは非常に困る。十分に活用できるようにぜひ工夫をお願いしたい。これはよろしいですね。 次に、大臣にまたお伺いします。 一省一局を移転するという話がある。これは総理大臣のたっての理想であるらしい。ところが、毎日の新聞を見ていると、役所の人たちが抵抗してさっぱり動かないと言っている。 私もこの間、金丸先生がリードする超党派の遷都懇談会に出て、それは反対だという意見を述べました。なぜ反対か。私のところには筑波研究学園というのがありまして、四十六の機関が移ってきたけれども、建物は移ったが人は移ってこない。建物だけでは、人口も減らなければどうにもならない。それをつくる建設屋さん、土地を動かす不動産屋さんが多少もうかるかもしれませんが、少なくともそれによって東京の地価は下がることはない、だからだめだと申し上げた。自民党の中にもそうだという意見が随分ありました。だから思いつきの話じゃだめなのだ。遷都あるいは一省一局などという、例えば農水省の場合には東海区水産研究所に手をつけるようなことが書いてあるけれども、それぐらいのものが移ったって何の価値もない。だからそんな目先を変えるような、地価を下げるなら地価を下げるように堂々と税金なり何なり、線引きなりをやり直して正面からやるべきであって、一省一局なんて、そんな理想みたいなことを言ってもだめだから、大臣、その点について何か議論をして、閣議が決定したのかどうか。
○佐藤国務大臣 今お話ございましたように、東海区水産研究所を移転候補機関として提出をいたしました。 この話の起こった経緯も既に先生御案内のところでございますけれども、長期的展望に立って、一極集中というのはいかがなものか。これは相当多くの方々の議論があることを承知しております。私もその考えを持っておる一人でございます。 ですから、第四次全国総合開発計画、これにも私自身、今の職をいただく前からそのような考え方を主張してきた一人でございます。 この後どうするか、遷都論について私がここで見識を述べるほど私も勉強いたしておりません。しかし、相当な時間をかけて議論しなければならない。そしてだれがもうけるか。建物を建てる人がもうけるためにやるとかというお話もございましたけれども、そういうことではなしに、そういうことを言われないように、だれがもうかるかと言えば、将来、国民から理解され、国民が得をするような形に持っていかなければならぬ。そこに焦点を当てた具体的な運びをすべきである、こう思っております。
○竹内(猛)委員 ぜひ間違わないように、この問題についてはときどきいい発言を閣議でされるようにお願いします。 続いて、これはある新聞が、すっぱ抜いたと言っては恐縮ですが、農業協同組合の問題を、亡くなられた玉置和郎先生が大分御執念で農協に手を入れた。そして一定の調査が始まって、ある新聞が明らかにしたことによると、農協は営利集団であって生産集団じゃないのではないか。 例えば、預金残高が三十九兆円、長期共済の契約が二百十兆、販売の方の収入が六兆七千億、購買の方が五兆二千億、こう言っている。それで三十七万の職員がおる。こういう農協というのは、生産の農協にはどうもなっていない、事業体だ、だから何とかしなければならぬ、こういうことで、後は何とも言っておりませんが、これの指導監督機関は農林水産省ですからね。我々も前々から農協のあり方については、すぐれた農協もあります、立派な農協がある。朝日農業賞をもらうような指導をしているいい農協もあるけれども、また事業を中心にしている農協だってないとは言えない。 この報告も、これはまだ全体に出ていないから何とも言えないと言えばそのようなものだけれども、そういう傾向について農協のあり方を大臣はどう御指導なさるつもりか。
○佐藤国務大臣 今、歴代の総務庁長官が取り組んできた姿勢にも触れられたのでございますけれども、私自身この職にあります前に、随分、もう七、八年もたったでしょうか、ある報道によれば、私が小委員長を務めた農協への提言、これは聖域である部分にメスを入れたと書かれたこともございました。 しかし、あの当時、系統農協がいかがあるべきか、世の批判にこたえてすっきりした考え方を示したつもりでおります。今もその考え方には変わりございません。そして生産、販売、購買、各般にわたって、しかもまた普及改良部分にも及んでもっと力を入れなければならぬな、そのバランスの中で今の農協批判があることは事実でございますから、そのバランスの中で成長をしていかれるべきだな。私は、そういう意味で、先般もかつての産組時代の理念に立ち返って、そして考えていただきたいものだな、事あるたびに私も系統団体の責任者にも申し上げているところでございます。 これを、私がまた農協批判をしたという報道も一部にございましたけれども、私は率直な意見を開陳しているところでございまして、ただこれが批判と受け取られるような、批判だけで済む問題ではない、建設的な見解を述べておる、この気持ちを御理解いただきたいと思います。 〔委員長退席、笹山委員長代理着席〕
○竹内(猛)委員 いい意味の批判のないところに前進はないのですから、やはり批判は批判として具体的に批判をし、そしてまた具体的な提案によって農協の本来の仕事を進めていって、愛され、信頼される農協になるようにぜひしてほしいということを、我々もまた一緒になってこれをやりたいと思います。 土から出発して土に帰る人だから、その在職中に大いにいい方針を出していただきたいことを特に要望します。 さてそこで、労働省は見えておりますね。社会党としては二十四回目になりますけれども、全国の出稼ぎ者の集まりを、東京、大阪、名古屋というようなところでやっています。これも既に二十四回になりますが、出稼ぎということになると、農閑期は青森や秋田や山形やあるいは南九州、北海道、そういうところから長期にわたって出稼ぎをし、その職場が建設業であり、工場であり、その仕事がパートあるいは運送というように非常に現場で苦労します。 このことについて、出稼ぎ組合というものをつくってあちこちでいろいろ交渉をしておりますが、先般大阪に参りました。大阪の労働基準監督署の皆さんはこの問題について大変苦労し、努力をしています。それで、この間も幾つかの問題を調査をされて、大変結構な報告をしていただいたことに対してまず感謝をしたいと思いますが、さてここで、内需優先、建設業に対して力を入れるという段階になってくると、仕事がますますふえてくるし、また出稼ぎの数もふえてくる。予算的に人的に、現場の数だけでは足りない面もあるし、そういう点についてさらにこれを情勢の変化に応じてその人数や予算もふやして仕事が綿密に、調査の届くようにするための努力をしてもらいたいと思うのです。今日も努力をしているが、なお特に飯場の問題、宿舎の問題、こういう点について大変いろいろ問題がありますので、そういう点を十分に調査ができるような、そういう努力をしてほしいということについて一言だけ注文なりお願いをしておきたい。どうですか。
○松原説明員 御指摘のように、建設業を中心といたしまして、出稼ぎ労働者の問題につきましては、労働条件の問題等、種々問題があるところでございます。私ども、これら出稼ぎ労働者の労働条件の確保を図るために、従来から建設業を中心に重点的に監督指導をしてまいっております。 今先生御指摘ございましたように、特に昨年の秋、これら出稼ぎ労働者の労働条件の確保並びに建設業の附属寄宿舎の安全確保を図る観点から、全国的に監督をいたしました。総件数で二千五百件余りいたしました。また、本年二月には、職業安定機関と連携をいたしまして、出稼ぎ労働者の福祉推進旬間を設けまして、出稼ぎ労働者の安定的な就労あるいは作業環境の安全衛生の確保等について指導、啓発を行ったところでございます。 御指摘ございました労働基準行政の職員定員につきましては、これら出稼ぎ労働者も含めて、労働災害の防止あるいは職業性疾病の防止、それから一般的な労働条件の維持確保のために、毎年、監督官等を中心といたしまして増員に努めてまいったところでございます。六十三年度、厳しい行財政事情のもとでございますが、基準行政全体といましまして百二十八人の増員が行われることになっております。今後ともこれら労働災害の防止を初めといたしまして、労働条件の確保を図るために、労働基準監督官等の増員を初めといたしまして、行政体制の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 ぜひその点については進めていただきたい。 ちょっと時間が来ましたけれども、最後に一点だけ、せっかく環境庁に来ていただいておりますから、質問をさせていただきます。 リゾート法案が去年成立をして、山を活用する、こういうことになっているわけです。国定公園というものは、日本において、面積というものは固定的にこれだけなければならない、そういう規定はあるのかないのか。これがまず第一ですね。 そこで、国定公園の中で国有林、民有林、公有林が雑居しているところがあります。そういうところに、最近は山村留学という形で都会の子弟がそこで勉強をする、長野県の北安曇郡の八坂村などはその代表であるし、私のところでも、筑波の山の中で勉強をしたい、自然の中で成長したいという要求もある。そういうときに、木を切らない、自然を残したまま、そこで木の下を使う、こういうことができるかどうかという問題ですね。 それから、もう一つは、私のところでは高浜入というところが干拓を中止して、これは二千七十三ヘクタールが国定公園に編入をします。そういうときに、そのつながりにある地域がやはり同じようなリゾートの仕事をしようという場合がある。これについて、どういう形になるのか。 それからもう一つは、ディズニーランドより、より以上の大きな開発を筑波でやろう、これは三菱が今計画している。六十五年ごろまでに物すごい大きなものをつくろうとしていますね。これは山を開発して、それこそ木も何もかもなくなってしまうような状態にするわけだから、これこそ大型開発です。その場合に、やはりリゾートの場合には自治体が入って、地域の住民も参加をして、その雇用を進めるという形でなければ、大資本が山の中に乗り込んできて乗っ取ってしまうということではうまくない。この点についての林野庁と環境庁の御答弁をいただきたい。
○島田説明員 今先生のお話の第一点でございますが、国定公園の国土面積に対する割合は基準があるかということでございますが、これは一言で申し上げてございません。国定公園と申しますのは、国立公園に準ずるすぐれた自然の風景地を、関係都道府県の申し出により、環境庁長官が審議会の意見を聞いて指定するものでございますので、確保しなければならない総面積あるいは国土面積に対する比率という基準は特に定めておりません。 それから、その他幾つかまとめて御質問がございましたが、まず、先生のところは水郷筑波国定公園だと思いますが、これに関しましては、基本的にはその国定公園の管理は都道府県知事の権限に属する問題でございますので、その中の開発等につきましては、県当局と十分調整していただきたいと考えております。 それから、国定公園内の開発はどういうものが好ましいかというようなお話だったかと思いますが、一般的に申しますと、自然公園の利用のあり方といたしましては、自然への影響が少なく、また自然に親しむものが好ましいわけでございまして、そういうものが最も好ましいというふうに私どもは考えております。 それから、高浜入のことについての御質問がございましたが、先ほども申し上げましたように、国定公園の開発は、それぞれの公園の保護及び適正な利用のあり方に照らして判断すべきものだろうと思います。具体的にまたどこをどういうふうに開発したらよいかということは、知事さんの判断にゆだねられる問題だろうと思います。ただ、公園区域の拡張と開発を認めるということは別個の問題でございますので、その点は御理解いただきたいと思います。 以上でございます。
○松田(堯)政府委員 ディズニーランドと同じような施設の開発につきましては、今私、初めて伺った次第でございます。その内容については存じておらないところでございますが、一般論といたしましては、そのような計画につきましては地元自治体等との調整というものが十分に図られていなければならない、このように考えておりますし、森林のサイドからいいますと、その地域におきます森林の保全、形成といった面からの関係がどのようになっているかといったようなことについてチェックをしていかなければいけない、このように考えておるところでございます。林地開発規制等で、当然該当をいたしますと上がってくるかと思いますので、十分にチェックさせていただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 時間を超過してどうも済みません。終わります。
○笹山委員長代理 田中恒利君。
○田中(恒)委員 大臣が予算委員会に出向かねばならぬようですので、若干質問も簡単にいたしますが、お答えもひとつ要点でしていただきたいと思います。 一つは、昨日来、当面の、ある面では国民の最大関心事になっております農産物の日米交渉をめぐっての議論が一番多かったと思います。特にガット十品目の一括受諾に伴う事後処置について、それぞれの関係地区の先生方から生の御要望や御指摘がたくさんあったと思います。私ども当委員会は、自由化問題によって当該農業者が犠牲にならないような万全の措置をという意味の文言が、何回か決定いたしました決議のまとめになっておると私は理解いたしております。そういう意味で、ぜひそういう趣旨に基づいて、いろいろ将来の品目の需給の見通しなども絡んでくるわけでありますから複雑でございますが、万全の体制をとっていただきたい。 と同時に、この問題は結局予算化の問題につながるわけであります。ことしお示しになりました予算の中では、当面この種の問題についての予算は全然見受けられないわけでありますので、当然補正の問題が起きてこようかと思うわけでありますが、この予算化についての農林水産大臣、あるいはこの問題は政府・与党の申し合わせにもなっておるわけでありますから、政府のこの種の問題に対する予算化についての決意とその手順、大臣がよくおっしゃる手順、大体のめどなどについてこの際明らかにしていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 一連の農産物貿易問題、これについて、特にまたガット上いろいろ議論をされて一つの節目をつけた、そのことについて当然予算の問題が出てくると思うが補正の時期はどうか、端的に言えばそういう御質問であったと思います。 ただいま六十三年度予算の審議をお願いしておる最中でございますので、補正そのものについて軽々に論ずることはできないという立場はひとつおわかりいただきたいと思います。しかし、私から言わせれば幅広に、農政に禍根を残さないよう、地域農政に大きな障害を受けることのないよう丁寧な手順を取り運んでまいりたい、こう申し上げておるのでございまして、二月一日、ガット理事会の前日におきまして、関係各大臣も同席の上申し合わせをした経緯もあり、そのことをもって幅広な対応を進めているという言葉で御理解を賜りたいと思います。
○田中(恒)委員 私ども既に大蔵省などからはこの種の問題について、予算の支出については期限を切るべきである、こういう意見も流されておるのを耳にするわけでありますが、そういうものも含めて、私は補正予算をするとかしないとかいうことは言えないと思いますけれども、しかし常識的には、これだけの体制の中で新しい日本のこの種の地域経済に打撃を与えないような対策を立てようということになれば、これは予算を組み立てなければ進めないわけでありますから、やはり次の時期には補正予算だと思いますが、これについての幅広い、ある面では農林水産省だけではない形の予算化が出てくると確信をいたしております。そういうものをやる場合に、焦点をはっきりして、単に予算を通して何か一つの別な意図が動くというのではなくて、予算を通して、例えば沖縄のパイナップルがどうなっていくか、まず第一に関係農家の所得に影響を与えないような形の施策が組み立てられるのかどうか、あるいはパイナップルの需要動向がどうなっていくか、これにかわるものが果たしてあるのかどうか、こういうものも含ませて幅広い具体的な施策をお示しになって、その上に立った大がかりな予算の計上をこの機会に強く御要請を申し上げておきたいと思います。 そこで、次に移りますが、先ほど総理府の方から一部分の御説明がありましたが、二月二十一日付で総理府が発表いたしました「食生活・農村の役割に関する世論調査」、これは三年か四年、あるいは二年に一度ぐらい総理府が行う農村食糧問題についての唯一の権威ある世論調査だと思うのですが、これが発表されました。この食糧問題に対する調査の各項目をつまびらかに見てまいりますと、私どもが考えた以上に国民の世論は健全である、こういうことを私は感じました。大臣はこの世論をどういうふうにお感じになったか、受けとめていらっしゃるか、この際大臣の所信をお伺いいたしたい。
○佐藤国務大臣 実は先ほどもお答えしたのでございますけれども、この総理府の世論調査の結果につきましては、私自身我が意を得たりというような気張った表現は差し控えたいと思いますが、国民各界各層の方々の集約された意見としてそのような結果が出たことはありがたいことである、いよいよまたその世論に従って責任を果たしていかなければならぬ、こう思った次第でございます。
○田中(恒)委員 しばしば言われておりますが、生産を合理化しながら食糧の自給をすべし、こういう意見がともかく七〇%を超しておる。そして、安ければ外国の食糧に依存した方がよろしいというのが一九・九%で二〇%を切っておる。このことは明らかに食糧については自給、こういう基本的な原則が国民の中に定着をし、しかもこれだけ国際化という波の中で、私どもから言わせれば、一部のマスコミやあるいは一部の階層の中から何か日本の食糧は外国に依存した方が日本のためになるのだということがいろいろな形で宣伝されておる中で、国民の各階層の中から抽出されたとはいえ相当権威のある世論調査の結果としてこういう数字が出てきておるということは、これまで私どもが主張してきたことについて自信が持てると思っております。そういう意味では私は、農林水産大臣がこれまでしばしば自由化はもうこれ以上やれない、オレンジ、牛肉の自由化もやれませんというふうに言明せられたことを裏づけたのでありますから、大臣は元気を持ってやってもらって結構だと思います。 ただ私は、先ほど大臣の所信表明を聞きながら、そういう立場に立った大臣の所信の開陳がどうもぴんとこなかった。例えば自給という言葉は最近政府の方から余り言わなくなってきましたが、歴代の農林大臣はこの委員会でしばしば自給向上という言葉を使ってきた。今度の場合は一言も自給という言葉はない。供給力の向上というのは、さっき調べてみたら一カ所ありました。これは農政審答申がいわゆる食糧の供給力という言葉に切りかえたからでしょうけれども、そういう意味では明らかに国民、特に農民はぴんとこない、そういうことを大臣の所信表明の中から私も感じざるを得ませんでした。これはあなたが考えていることと文字に書かれた表現の仕方との間に相当ずれがある。これはお役人が書いたのだからね。だから私は、大臣の所信表明というのはもっと生の、具体的な大臣そのものの政策のポイントを出してほしいということを今までも何度か申し上げたと思いますが、やはりそれは出していただきたいと思うのです。役所ですからいろいろな仕組みがあって、国際情勢があってそれは配慮されておる面もわからぬことはありませんよ。ありませんが、農村、農業がこれだけ深刻な状態に立ち至って、百姓代議士をみずから自称する佐藤さんが農林大臣になっておるわけでありますから、そういう意味では私は、国内の食糧を自給していくという原則をゆるがせにしないという言明があってしかるべきだと思います。 余り長々とやると時間をとりますが、この世論調査を見ると、例えば安いいい食糧を供給するために何をしなければいけないかというところの第一は、流通の改善、そしてその次が生産者と消費者が直結をしていくというのが二番目、この二つを合わすと八五、六%になりますよ。生産性を高めるとかあるいは輸入、備蓄をするとか政府がよく言っておるものはもうわずかな数字ですよ。こういう流通の問題は、農業経済なり農村の内部だけでは解決できない外の問題なのですよ。こういう問題について、農林水産省はどういう対応をしていくのかということも大臣の所信表明の中には、言葉としては一言も出ていない。中身としては、いろいろなたくさんのことをやっていらっしゃるわけでありますから関係しておりますよ。おりますけれども、そういう意味で、やはり農家なり国民なりと役所が投げかけてくるものとの間に何か断層があるのですね。ここのところを直していただく必要があると私は思いますが、大臣いかがでしょうか。
○谷野(陽)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、国民に食糧を安定的に供給いたしますためには、農業の生産の改善と並びまして流通の効率化を図ることは極めて重要な課題であるというふうに考えておるわけでございます。 我が国の食料品の流通でございますけれども、これが外国に比べまして効率的であるかどうかという御議論があるわけでございますが、消費をいたします品物の形態あるいは食習慣が異なっておりまして比較はなかなか難しいわけでございますが、率で見ますと、外国における流通経費率というものと我が国の率は、おおむね同様という結果になっておるわけでございます。しかしながら、一方、農業あるいは食品産業の体質の強化を図っていくという場合には、その効果を消費者に及ぼしていくということが極めて重要でございますので、今後はさらに食品の流通につきましてその機能の充実と合理化を一層推進することが必要であるというふうに考えておるわけでございます。 〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(恒)委員 私、大臣が出られた後で質問しなければいけないようになりますけれども、やはりこの問題は自由化に対応する対策としても非常に大きいと思っておるのですよ。後でジュースの製造原価の問題をめぐって、例えばジュース缶の問題などについて具体的に意見を出していきたいと思いますけれども、大臣のいらっしゃる間に次の点に移らなければいけません。 大臣、いま一つ考えてもらいたいのは、自民党の方でも最近有機農業の議員連盟というのができました。私どもも数人で研究会を持っておりますし、私自体も実は自分の町でも県でも、この有機農業の相談役のようなことをやっておるわけであります。バイオの技術、官学産一体化といったような表現で技術開発に非常に力を入れていらっしゃるが、やはり農村農業の伝統の中から芽生えた技術があるのですよ。そういうものも農林水産省は、これだけの幅広いシステムと研究施設と体系を持っておるわけでありますから、拾い集めてきて一遍そういうものの中から現代、そして今日の時代に合う技術のあり方というものも追求していかなければ、今までのように、ともかく科学的な資材を投入して生産量を高めて日本の農業を発展させていくという議論だけでは済まない今日の社会環境状態になっておる。有機農業というものが、あるいは自然農法とか生態系農業とかいろいろ言われておりますが、そういうものが最近非常に関心を持たれて全国各地でこういう試みがなされておる。私も有機農業がオールマイティーとは思わない、これで日本農業が塗りつぶされるなどとは思っておりませんが、しかし日本農業の新しい方向を進めていく指標としては、確かに注目しなければいけない。特に消費者が安全性という問題を非常に重視をし始めてきておる。この世論調査中にもその数字は具体的に出てきております。消費者がいわゆる食糧の供給について一番望むのは何だといったら、決して安い物でもない、安定して供給しろというものよりも、やはり安全な食品というのがずば抜けてトップに走り出ておりますね。 最近の国民の食糧、米問題に対する声の背景には、やはり安全性というものが何といったって大きな位置づけを持っておると私は思うのです。これは日本農業が、肥料といわゆる農薬を中心とした農業経営をやっておるからいろいろ問題が出てきておるわけでありますが、そういうものに対応して有機農業というものが十七、八年前から日本の中に出てきておりますね。最近は、中央卸売市場の蔬菜などの出荷量の五〇%を上回っているものが有機農品と銘づけている。だから、これは困ったということで市場関係者や業界などが農林水産省などにも要請をして、そして銘柄規格を設定してくれ、こう言っておる。農林省もそういう動きに対して乗り出そうとしておるやに聞いておる。こういう規格や基準の設定ということは、確かにECでもことしから本格的に始まるというふうに聞いている。国際的な状況にはなっておるけれども、有機農業というのはそういうものに乗るだけのものではないと私は思う。 これは佐藤大臣は御承知だが、私の先輩でもあるが一楽さんがこのことについては命をかけてやっていらっしゃいます。ああいう人には哲学というのがある。我々よくわからぬ面がありますけれどもね。しかし、いずれにせよ我々が学ばなければいけない問題であることは事実だ。農林省はやっとことし調査に入るという。その調査は何のために使うのだということについても実は議論をいたしたいけれども、やはり本来の日本の農業の今日の状態を、消費者と結びついて、そして新しい局面を開いていくという先達にさせるためにも、これはやはり目を向けなければいけない。役所はそういう意味で、今、日本各地でさまざまなこういう試みをやっておる層やあるいは組織もあるわけです。こういう人々とよく話をして、どういう方向に持っていけば一番いいのか、農林省が考えておる有機農業とは一体どういうものなんだ、こういうようなことについて御見解をお示しもいただきたいと思うし、ぜひこの問題についてはもう少し本格的に、ただどこかから要請があった、だれかが何かやろうとしておるからそれに対して補助金を一度つけて、こういうけちなことじゃなくて、生態系全体、自然全体、環境保全、そして今日の行き詰まった日本の農業の中でどういう農法というものを組み立てるかというような視点も絡ませてひとつお考えをいただきたいと思いますが、いかがですか。
○佐藤国務大臣 先ほど食品流通局長からお答えをさせましたが、流通の部分について、所信表明でも昨日若干触れたところでございます。まだ触れ方が足りないではないかということであればまた甘んじてその批判は受けたいと思いますが、踏み込みにくいと言われてきた流通に何としても踏み込んでいかなければならぬと考えておることを率直に申し上げておきたいと思います。 なおまた、所信表明について、もう少し私なりの味を生かした活字に、こういうお話もございましたが、今日まで引き続いてきた内閣の整合性ということを考えないでもございません。もちろんそれも考えながら、私自身がまた自分の持ち味を随所に具体的に生かしていかねばならぬという考え方も持っておるということも御承知おきいただければありがたい、こう思っております。 有機農業につきましては、また実務者の方から答えさせたいと思いますけれども、安全性の問題、確かに世論の高まりはございます。一楽先生のことも引用されたわけでございますけれども、六十三年度からということで今予算審議をお願いしておるその中にも有機農業技術実態調査、これを新たに行うことといたしております。その調査の結果も踏まえつつ適切に対応していく、前向きに対応していかなければならぬ課題だ、かように思っております。
○浜口政府委員 ただいま先生から有機農業についての御質問がございまして、農林水産大臣から基本的な考え方あるいは今後の予算上の進め方等についてお答えを申し上げたところでございますが、私の方からつけ加えるべきこともございませんけれども、有機農業は、これも先生おっしゃったように各地でそれこそそれぞれの特色を持った方々がいろいろの試みをなさっておりまして、今先生もおっしゃいましたけれども、有機農業を精神とするいろいろのネーミングでそれぞれ実践しておられるわけでございます。この多様な形態で行われておりますものを一概に役所流に定義をするというのもなかなか難しいかもしれませんが、あえて申し上げれば、農薬や化学肥料の使用を極力抑えて、堆厩肥等の有機物の施用を主体とする農法と言っていいのではないかと思っております。この有機農業につきましては、一つは時代的背景といたしまして多様化しております消費者のニーズに対応する農業者の方々の知恵であろうとも考えられますし、あるいはこれによる高付加価値の農業生産を行っていこうということでもありましょうし、さらに地域農振興の中で、農業の本来持っております自然のリサイクルシステムを最大限に利用しようという意図も見られるわけでございます。 ただいま大臣からお話を申し上げましたように、農林水産省におきましては、各試験場においても勉強してまいりましたし、それから調査だけに限定したものも行ったという経験もございますが、来年度予算案におきまして、有機農業技術実態調査を特に一項目新規予算として計上させていただいているところでございます。このねらいは、従来のような単なる調査ではございませんで、実用的な栽培技術として、客観的あるいは多角的な評価を行いたいということで、今後の発展方向を明らかにしたいという意欲を持つものでございます。 簡単でございますが、以上補足させていただきます。
○田中(恒)委員 有機農業についてはまだいろいろお尋ねしなければいけないことがあるのですけれども、また別な機会に譲らせていただきまして、水産業の問題、大臣に基本的な問題だけお答えいただいて、あとは長官で結構です。 二百海里問題が言われてちょうどことしでまる十年になるのだと思いますが、その間に漁業をめぐる状況はいろいろな形で大きく変わってきておるわけですね。特に沿岸漁業をどうするかということは、遠洋漁業が国際的に非常に厳しい状況になっておりますだけに強く求められておるのだと思いますが、その際にいろいろな問題がたくさん出てきております。例えば最近各省ごとに海洋開発という形のプログラムが次から次へとぶつけられてきておるという場合に、従来の漁場、漁業者との関係はどうあるべきかという問題提起もなされておる。あるいは漁業を生計の柱とする漁民と遊漁、遊漁人口も相当なものになってきております。この関係も大変放置できない状況になっておる。あるいは沿岸漁業はつくる漁業、栽培漁業である、管理漁業である、こういう立場からいうと、例えば稚魚を放魚しております。こういうものの権利は一体どこにあるのか。放流されて成長していく、とるものは自由、そういうところからこういう問題も出てきておる。つまり、漁業をめぐる漁民なり関係者の基本的な権利問題、漁業権、こういったような問題を含めて日本の沿岸漁業あるいは日本の漁業全体が、何か考え直さなくてはいけない状況になってきておるように思うのです。 水産庁は漁業問題の研究会を発足させて、昨年十一月に中間報告を出しておりますね。この中でもいろいろ出されておるわけでありますが、こういう基本的な問題はまだ詰められていないと聞いておるわけでありますが、これは詰めて、そしてこれまでの漁業権を含む漁業の諸制度、漁業の法律などを含めて突っ込んで、新しい情勢に対応する状況をつくり上げていかないとなかなかこの事態は乗り切れないのじゃなかろうか、こう思う一人であります。ともかくこの日本の漁業についての責任者としての大臣の基本的なお考え、それに関連しての長官の補足をいただきたいと思うのです。
○佐藤国務大臣 二百海里時代の定着とはいうものの、日米関係、日ソ関係等々対外的な極めて厳しい環境下に置かれておる水産業そういう中で我が国の周辺水域、ここでつくり育てる漁業ということで我々は真剣に取り組んでいかなければならぬということで、新しい年度には第三次沿岸整備計画それから第八次漁港計画、この長期計画を策定いたし、所要の予算も盛った次第でございます。 そういう中にあって漁業問題の研究会の中間報告も、今先生ちょっと触れられましたが、さらに議論を続けていただきながら、いずれにしても日本型食生活の中で大きな部分、役割を果たしておるこの水産物について、その生産体制また先ほど来話が出ておりますような流通関係、これも十分考えながら取り組んでまいらなければならない。そして、消費者のニーズも随分多様になってまいりました。それにもまたこたえていかなければならぬ、こういうことで、水産関係は極めて重要な役割を果たしてきましたし、今後とも内外厳しい中にあって新しい役割を検討していかなければならぬ、かように存じておるところでございます。積極的に取り組んでまいらなければならぬ、こう思っております。
○田中(宏尚)政府委員 ただいま大臣から答弁がございましたけれども、これだけ世界的に二百海里体制というものが定着してまいりますと、日本国周辺に残されております二百海里、これが最後の我が水産業の貴重なよりどころになるわけでございます。 ここの中でどうやってつくり育てる漁業というものを構築していくかということがこれからの水産の死命を制するわけでございますけれども、日本周辺の二百海里の中でも漁業者同士の利害の対立あるいは漁業者と遊漁者、さらには最近のマリンレクリエーションというようなものとのいろいろな対立、摩擦というものが出てきているわけでございます。日本周辺の二百海里に対してこれだけいろいろな人が関心を持ち、参加してくれるということは、水産業にとりましてもある意味ではプラスなわけでございますけれども、その結果摩擦なり衝突が起きるということは困ることでございますので、何とかそういう利害を調整したいということで、各県単位でいろいろな形で協議の場もつくっておりますし、我々といたしましても、漁業のPRなり漁業の仕組みについての説得を粘り強く先様に対しても申し上げているわけでございますけれども、それと同時に、水産の側でも新しい視点に立った二百海里の活用というものも考える必要があろうかと思っております。 例えばこれから御審議いただきます漁港法におきましても、漁港というものを単に魚をとり、あるいは流通加工させる拠点だけじゃなくて、一つの漁港空間といいますか漁村空間といいますか、そういう全体として都市住民との共存の中で漁村を支えていくというようなことも考えなければ、これだけいろいろな形でレクリエーション需要というものがふえてきている中でございますので、ほかの人が入ってきてそういう事業の主導権を握る前に、漁民みずからもそういうことに現金収入なり就労の場を求めていくということもある意味では必要になってこようかと思います。 いずれにいたしましても、我々として、残された貴重な日本周辺の二百海里、これを何とか育て豊かな漁場にすると同時に、いろいろな需要との調整を円満に図りながら、これからも沿岸水域での漁業の振興に努めてまいりたいと思っております。
○田中(恒)委員 漁業外交について一、二点、要点だけ御質問いたします。 一つは調査捕鯨です。いろいろいきさつもあったし、アメリカなどの強い抗議や力も加わりましたが、政府は現在これを実施していらっしゃるわけでありまして、一九九〇年までのモラトリアムの見直しまで継続される、そういうふうに思っておりますが、間違いないかどうか、これが一つ。 二番目は、サケ・マスの問題ですが、アメリカの裁判所で日本の母船式サケ・マス漁業に対して差しとめ請求の判決が下ったということで本年度の出漁について心配が高まっておるわけであります。これに対してどういう協議というか対策、対応をしておるか、その見通しなども含めてお示しをいただきたい。 第三番目は、この二月二十九日から始まっております日ソのサケ・マス漁業交渉ですね。これの見通しというか、この状況についても簡単で結構ですから、ひとつお示しをいただきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 調査捕鯨につきましては、いろいろな経緯があった中で現在粛々と行っておるわけでございますけれども、この調査自体が予備調査ということでスタートしておりますので、この結果も見、それから五月にまたIWCの総会もございますので、そういうところの議論の場というものを踏まえて最終判断しようと思っておりますけれども、少なくとも当方としましては、予備調査ということでしかるべき手続で進んできている話でございますので、継続の方向で検討してまいりたいと思っております。 それから二番目に、アメリカの二百海里内での漁獲につきまして、オットセイの混獲許可が入ってないということで、控訴審で当方の主張が入れられずに、実態問題として二百海里内でのサケ・マスの漁獲というものが近く始まろうとする漁期においてできないという問題が出てきているわけであります。現在当方の審議官を現地に派遣いたしましていろいろと事後処置を協議させておりますけれども、恐らく高裁段階での再審請求、先般の決定は三人の判事でやった、いわば日本でいいますと小法廷といいますか、そういう形になっておりますので、今度はフルベンチと称しまして全判事が参加した形での再審の道というものがアメリカの司法制度上ございますので、それに持っていく方向で今働きかけを行っておりますのと同時に、でき得れば関係の法律の改正ということも行ってもらいたいということで、現地の関係国会議員なり、関係省庁に働きかけておる次第でございます。 それから日ソ交渉につきましては、きのうから始まりましたけれども、現時点では、まだ昨年の日ソの漁業の実績等につきましてのいろいろな数値なり、あるいは見方というものの討議が始まったばかりでございまして、実質的中身についての提案、あるいは討議等は開始されておりませんけれども、開会冒頭に日本の沖合でのサケ・マスの沖取りは不合理であるというような発言が代表からきちんとした形でされております。それから推測いたしましても、これから中身に入るに従いまして相当厳しい事態というものが予測されるわけでございますけれども、我々といたしましては、何とか長い間続いてまいりました日ソ交渉、これを円滑に継続すべく全力を傾注したいと思っておる次第でございます。
○田中(恒)委員 残されました時間、果樹問題につきまして若干御質問いたします。 昨日来もういろいろお話がありましたが、ことしの温州ミカンというのはほとんど異常な価格の暴落を示しました。私の県などはミカンでは有名な県でありますけれども、その私の県でも、生で出たミカンというのは五割を若干上回る程度、大体半分程度は加工用のジュースに回したわけであります。ジュース工場は二十四時間、全期間フル運転を今もなおやっておるわけであります。ミカンの生産費キロ百円が二十円程度。生で出しても四、五十円に達するか達しないか、労働費などはゼロ、こういう状況が続いております。極めて深刻な状況にあることは言うまでもありませんが、これに対する政策的対応はいわゆるジュースの調整保管の事業だと思うのです。このジュースの調整保管の事業をいつ発動され、どの程度の規模になると見込まれておるのか、この点をお示しいただきたい。
○吉國政府委員 ただいま先生がお話しになりましたとおり、ミカンの需給につきましては深刻な状況になっていると私ども認識をいたしております。そういった状況のもとで、団体関係者の協議も踏まえまして、果汁等への仕向け量が増加をしているという状況が生まれてきているわけでございまして、これの調整保管の問題につきまして団体の内部でも今自主的な相談がいろいろ進んでおるようでございますので、搾汁量も見きわめながら今後検討を急いでまいりたいというふうに考えております。
○田中(恒)委員 大体三月十日ごろまでにはきちんとした数字が出てくるようですけれども、おおよそ四万トン、五分の一濃縮で四万トン程度のものが出てくるだろう、こういうふうに一般的に言われておりますね。政府の予定しておるものは二年間の積み立てで約十億、したがって二万五千トン。一万五千トンはなかなか難しい。今のままで行けばこういう状況、これをどうしていくかという問題が最大の課題であります。 銭がない、こういう話がいつも出てくるわけでありますが、私どもは、三年前ですか、オレンジ、牛肉の自由化が相当な枠の拡大で妥結したときに、中央果実基金に対して緊急特別の基金をたしか四十四、五億積んで、この金が三十五億ほど残っているはずですね。この金の使い道は、大蔵省の判が要るということでなかなか難しいそうですが、しかしこういうお金はこういう緊急な事態の中で使うという趣旨であったと思うのですよ。ことしの価格の暴落というのは、本来、私が前から言っておるように、外国の果物が円高でこれだけたくさん入ってきた、百五、六十万トン、ジュースを入れれば二百万トンを超す、こういう状況の大量輸入が背景になっておるわけだから、私などから言わせれば、果振法第五条を発動して、日本の国内法でもってアメリカがやっておるように外国の輸入に対して規制していく。さっき申し上げた魚の問題だって、基本的には、アメリカはいろいろなことをやる、我々の方は何していいかわからぬ、こういうことではいけないので、これに対応する手段、対策を立てなければいけないのです。果樹の場合はそういうものが果振法の議員修正でできておるわけだから、それは発動しようと言ったってなかなか発動しませんが、少なくともこういう事態の中では思い切って全量調整保管として、せめて金利、倉敷ぐらいは見てやる、こういう温かい施策が出てこなければ、何のためのミカン対策かということになるのですよ。この点を政府に強く要請しておきますが、局長、いかがですか。
○吉國政府委員 調整保管の具体的な内容につきましては、需給の状況、特にジュースの搾汁量の実態等を踏まえまして、また、今先生お触れになりました過去の経緯との関係、私もちょっと今詳細に承知をいたしておりませんが、よく勉強してみまして適切な内容で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田中(恒)委員 吉國さん、あなた初めてだからあれだけれども、思い切ってやってもらうときにはやってもらわなかったら、十二品目を初め、これからまたオレンジ、牛肉だ、難しい問題が次から次とかぶさってくるわけだけれども、やはりそういう状態が明らかにだれが見ても――私の町なんかは、百姓をお助けください、こう書いて、ミカンを山ほど売って、道行く人が二百円とか三百円で買っていく、こういう状態。私の家なんかも一五%は腐ってしまったのだ。とってくれぬから、出荷ができないからそういう状態が続いておる。こういうさなかですから、何も三年も前に出した金をそのまま積み立てておく必要がないので、こういうときに使う以外に最も生きた使い方はないと思うのですよ。そこへ踏み込んでいくような話を、大蔵省との合議が必要らしいから大蔵省と、大臣も一緒に話をしてもらわなくてはいけませんが、ぜひやってもらいたいと思います。 そこで私は、あと五分ほどだそうですが、五分ではあれですが、ジュースというものが、やはり日本の果樹というのはジュースなんですよ。ミカンにしてもリンゴにしてもブドウにしてもあるいはトマトケチャップ、今度の十品目の中にたくさんの非果汁のジュース、いろいろなあれがあります、フルーツピューレとかいろいろありますが、そういったようなジュースが日本に入ってくれば消費者は安くなる、こういうふうに期待をしておる。確かに数字を見る限りにおいては、大体、果汁のブラジルなどの安いものと日本との比較をしてみると二倍とか四倍とか日本の方が原料は高い、こういうふうに言われておる。しかし、本当になるかどうかというとなかなかならないと一般的に言われておる。 それはもっとよく見てみると、例えば私の町のジュースを搾る工場の試算でありますが、これは三〇%しかジュースが入っておりません、だから本物じゃありません。これなんかは宇和ドリンクと言っておりますが、原価五十五円四十三銭だ。この中のジュースの中身は六円九十銭、そして特化物、いわゆる異性化糖などを加えますとこれが四円八銭です。労務費一円九十三銭、工場の経費が三円三十三銭、販売費四円三十三銭、管理費三円三十三銭、そして何と容器、缶代だ、缶代が三十一円五十三銭、全体の五六・八%がいわゆるジュースと称して今市販されておるものの中で占めておる製造コストなんです。これはそれぞれの品目と工場によって多少違いまずけれども、全国的に見ますと大体缶代金が全体の五〇%から五二、三%、高いものは五六とか六割近いものも出てきております。こういう状況ですよ。そして原料代というのはいわゆる缶代よりもずっと安いということが実態であります。 しかも外国の缶代を見てみると、日本の缶代と比べてべらぼうに安い。例えばオランダはFOB一缶あたり一ドル百三十円で換算して十一円だ、韓国は十円五十銭、台湾は十円九十銭、日本は二十六円から二十七円というのが全体の平均であります。こういう状況になっておる。何のことはない、高いとか安いとかいったっていわゆる加工しておる製缶工場の中の缶代が圧倒的に価格の形成を支配している、こういう状況になっておるわけですよ。これは日本の製缶工場三社ほどで全体の九〇%のシェアを持っておるそうであります。安いから外国から買いたいという声も大分あるが、これもいろいろ業界の一つのシステムの中で動きがとれないという話も聞いておるわけであります。こういうところを直さなければ、外国から安いものが来る来るといって、何のことはない、果樹農家や米農家や畜産農家にあたかも高いものをつくっているように見せているけれども、実際は包装代であるとかいろいろなさっき問題になった流通のコスト、こういう問題がある面ではかぶさっておる。この果汁のジュースなどについては、完全にこの容器費の問題を解決しないと基本的な解決にならないわけですよ。これについて農林水産省と通産省はどういうお考えでこの問題に対応せられようとしておるのか、お示しをいただきたい。
○谷野(陽)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、いわゆるジュース等の缶につきましては種類、材質、その他いろいろございますから一概には申せないわけでございますけれども、大体百円売りくらいの二百ミリリットル程度の缶で二十数円というのが現在の日本のコストであるというふうに承知いたしております。また外国のものにつきましても形態等が異なりますのでなかなか難しいわけでございますけれども、円の対ドルレートが二百数十円であったころには外国のものとおおむね同じくらいの価格であったというふうに言われておりますが、最近の円高によりまして、ただいま先生御指摘がございましたようにかなりの格差が生じているということは私どももそのとおりであるというふうに考えておるわけでございます。 ただいま御指摘がございましたようにジュース等につきましては、缶に入れなければ販売できないという特性があるわけでございますので、私どももこの問題につきましては強い関心を持っておるわけでございまして、関係方面とよく相談をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○足立説明員 缶の内外の価格差でございますが、今もお答え申し上げましたとおり、円高によるものが非常に大きいというふうには考えております。ただ、これら円高の問題というのは製缶メーカーにおきましても非常なる脅威でございまして、そのコスト削減のための合理化努力をただいま必死にやっておるというふうにも聞いております。また他のプラスチック等の競合材料との競争もございます。そういう意味で、今後ともコスト削減の努力が合理化努力によってなされるということを期待しているわけでございますが、いずれにいたしましても私どもといたしまして、今後先生の御指摘の点も十分加味いたしまして、その動向につきまして十分に注視してまいる所存でございます。
○田中(恒)委員 大臣、私もう時間が参りましたのでこれ以上ちょっと質問できませんが、この問題は基本的に日本の最大の、鉄の鋼板などを蔵出しする場合の段階からいろいろな問題が起きておるやに聞いておりますが、十品目の具体的な品目の中でジュースに関する事項が全部共通するわけですから、それこそひとつ内部的にも検討してもらうし、幅広くですから通産省も入れていただいてやってもらわないと、このままいけば日本の製缶企業そのものも、製品でごぼごぼ今度入ってくるという形になるでしょうから危機感を持っていらっしゃいますよね、いろいろ業界の皆さんにお聞きをしても。それから農家の立場からいってもこれはなかなか納得いかない。リンゴやナシやブドウやミカンの原料代が二十二、三円で容器代が二十七、八円も、多いのになると三十円近くもなっていく、こういうことではなかなか理解がつかないと思うのです。ですから、早急にこの問題も含めてそれこそ幅広く十二品目問題に対する対応の中で検討していただきたい、このことを強く御要請を申し上げて、私の質問を終わります。
○菊池委員長 午後一時から再開することとして、この際、休憩をいたします。 午後零時二十八分休憩 ────◇───── 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕