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112回国会衆議院1988/05/20

地方行政委員会 第16号

発言数
31
登壇者
5
会派数
1
開催日
1988/05/20

会議録

松本十郎自由民主党

○松本委員長 これより会議を開きます。  第百八回国会、内閣提出、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。北村直人君。

北村直人自由民主党

○北村委員 ただいま議題となっております地方自治法の一部を改正する法律案のことにつきまして、私は、そのほかにも地方自治のこれからの進め方も含めて質問をして、御指導を仰ぎたいと存ずる次第でございます。  冒頭、大変恐縮でございますけれども、私は地方自治の根幹をなすものは風土、社会、経済状態が共通で、同一の地域社会圏を構成しているという共通意識、あるいはまた親近感をその地域の住民が抱いているということであると考えております。したがって、地方自治行政の単位はこうした共通意識を認識し得る範囲が最も適当でないか。自分たちの税金がどこにどのように使われているのか、また、自分たちの共同の努力がどのようにあらわれているのかなどが、社会通念として身近から共同体的意識に支えられるようでなければならないと私は思います。  きょうお見えの森田政務次官におかれましては、私のおやじも大変お世話になりました。私的なことでございますけれども、お許しをいただきたいと思います。そのおやじが、地方自治は民主主義の原点だ、その地方自治を育てていくためには住民感情が連帯意識として盛り上がる行政範囲を考えていく必要がある、そう私に指導してくれました。  そういうことからいたしまして、実は私の住んでおります北海道内において、真の地方自治、住民自治を確立し、住民生活の向上と北海道の均衡ある発展を図るためには、北海道を幾つかの県並みに分県をして、地方分権、いわゆる権力を分けるということでございますが、地方分権を推進しようという意見がございます。  あの広大な北海道をどうすれば発展させることができるか。国は戦後、北海道開発のため膨大な投資をしていただきましたが、いずれもその計画が達成できずに、結果的には各種機能を過度に北海道の中心であります札幌圏に集中させてしまい、この三十年間に全道の八割強に当たる十二の市と百五十九町村で人口が減少し、過疎化が進んでおる現状です。さらに、経済、教育、文化、医療、社会福祉などの面でも地域格差は拡大し、本州各府県との格差も開く一方であります。  しかし、私のふるさと北海道各地は、地域特性を生かして発展していく可能性を十分に備えていると信じております。また、北海道の各地域の均衡ある発展を期して、北海道民の生活向上を目指すには、本州と同じような規模に分県をして、行政を整え直す以外に道はなく、行革の時代ならばこそ、かえって分県が必要でないかというふうに私は思うわけでございます。  人口にしてもあるいは面積にしても過大な自治体では、民主主義の機能が麻痺し、権力が一点に集中して、住民自治が形骸化してしまうおそれがございます。例えば神奈川県ですと八百万の人口がおります。あるいは川崎市ですと百十三万人の人方が住んでおられます。そうしますと、どうしても地域住民が行政に対して疎遠というのでしょうか、いわゆるどうでもいいやというようなことに陥っていくのではないかというふうな気がいたします。ですから、巨大な人口を抱える府県や大都市も、あるいは広大な面積を抱える北海道も、地理的条件や歴史的経過あるいは経済社会の実態など多面的な検討を加えて、適正規模の自治体に分割することが必要ではないかと思うわけでございます。  それは地域住民が新しい権力を構築することであり、自治権を獲得し、身近な政府と言うと大変語弊がございますが、身近な政府を樹立することにほかならない。それこそが地方自治、住民自治の原点であり、活性化の決め手であると私は考えます。北海道の分県は、一地域エゴではなく、民主主義の理想と地方自治の本旨に沿うものであると私は思うわけでございます。  特に、自治権を持つことは政治機能あるいは政治的発言力を持つことであると思います。北海道が幾つかの県は分県をして各地区が自治権を獲得すれば、生活環境の整備や、あるいは産業の振興にしても、道路交通網の整備にしても、各地域の特性や必要に応じて独自の取り組みが可能となり、よりきめ細かなサービスが可能となるのではないか。分県は、一極に集中している権力と富を地域に分散し、北海道民の物心両面にわたる豊かさを実現させる決定的な方法であると私は思います。財政上の負担の問題がよく指摘はされますけれども、工夫次第ではそれらは十分に回避できるのではないか。ですから、この北海道あるいは先ほど言った人口の多いところあるいは面積の広いところ、そういうところをより分割させるあるいは分県するということは、民主主義と地方自治の根幹にかかわる問題であって、物や金とは次元の違う課題ではないかと私は思います。  そういったことを頭の中に入れていただきながら、私の住んでいる北海道のことを申し上げて大変恐縮でございますけれども、例えば北海道の面積は約八万三千平方キロメートル、これは日本の総面積の二二%強であります。大きさにしますと、九州の七つの県、四国の四つの県、さらに沖縄、山口、広島、大阪、奈良の各県を加えた十六県とほぼ同じ広さでございます。この面積からすると十六人の知事かいても不思議ではないということになるわけです。また、北海道は人口が約五百七十万人、人口が最も少ない鳥取県の六十一万人で割っても九人の知事がいても不思議ではないという勘定になるわけでございます。  北海道の知事が北海道の市町村を視察するのに三カ月もかかってしまう。ところが本州の各県では、県庁所在地と市町村の距離が二百キロメートル程度の日帰り圏内にあります。そうしますと、住民と身近に接する機会も多くなって、それだけきめ細かな行政が行えるということになるわけです。北海道はそのために十四の支庁というのを置いていただいていろいろな権限が与えられておりますけれども、しかし結局北海道の道庁がある札幌もしくは東京に来なければ問題が解決できないという大きな問題がございます。そのために市町村の行政費の負担ははかり知れないものがあります。そのようなことも踏まえながら、今言った分県というのは一地域のエゴではないということを頭に入れておいていただきたいと思うわけでございます。  さらに、一番深刻な問題としましては医療の過疎でございます。全国の人口十万人当たりの医師の数は百五十・六人ぐらいでございますが、北海道は百三十五・三人ということで、ほかの府県と比べると充足度はそれほど落ちてはいないわけでございますけれども、しかし、実はこの北海道の百三十五・三人というのは、人口十万人当たりの医師数二百三十七・四人もいる札幌があるからこそここまで数がふえているわけでございます。しかし、私が住んでおります釧路支庁管内は七十九・八人、さらに根室支庁管内に至っては五十六・六人にすぎない。これをとっても、非常に医療の過疎化というのが大きいわけでございます。これは北海道だけではないとは思いますけれども、医者がいない無医村がたくさん存在して、医者の確保が市町村長の政治生命にさえかかわっているというところが北海道の随所にあらわれているわけでございます。  私のふるさとの釧路でも東北海道、いわゆる道東医大の誘致を進めておりますけれども、国は四十八年から医大のない県の解消を進めるということで、十六県に新しく新設されたわけでございます。しかし、国は、五十六年の沖縄で完了した、こういうことでありますけれども、ここで注目したいのは、私の住んでいる東北海道は人口が百十三万人でございますが、その半数がその百十三万人よりも人口の少ない県に医大を新設しているということでございます。ですから、人口や面積など全く考えない一県一施設という画一的な行政の典型的な例ではないか、この面ではちょっとした失策と言っていいのではないかという気が私はしているところでございます。  北海道の状況を申しますと、さらに政治力というふうなこともひとつ申し上げたいのですが、北海道は知事が一人、そして衆議院が二十三人、参議院が八人。これに対して人口が北海道より百四十五万人少ない政務次官の四国でも、知事が四人、衆議院が二十五人、参議院が十六人もいる。そしてさらには、面積で半分あるいは人口が倍いる九州では、知事は七人もいる。あるいは衆議院は六十六人、参議院は二十二名もいる。このように政治力の差というものは大変大きいわけでございます。  そういうようなことからいくと、私が冒頭に申し上げましたとおり、真の地方自治を考えていくときに、やはり適正な規模に分けていかなければ、これから統廃合、だんだん一つに集中させようという嫌いがありますが、そのときそのときの時代によって、住民感情あるいは行政の範囲がもうこれ以上手に負えないというときには逆に分散させていくということが、これからの地方行政の中で必要になってくるのではないかと思うわけでございます。その点について、ぜひ政務次官のお答えと、あるいは自治省の担当の方から御意見をお聞かせいただければありがたいと思う次第でございます。

森田一自由民主党自治政務次官

○森田(一)政府委員 皆様方御存じのように、ことしは置県百年、また地方自治法が制定されてから四十年という記念すべき年に当たるわけであります。その間にいろいろ変化が起こっておりまして、東京一極集中の問題とか、各府県において県庁所在地に人口が集中するというようなことも起こっております。  また、北海道は明治の昔から我が国のフロンティアと言われており、北海道にかける国民の期待というものは大変大きいものがあったと思うわけであります。また同時に、現在内需が非常に拡大をして発展している、また景気がよくなってきておる中で、北海道の景気の回復がなかなか難しい状況にあるというような点について、北村先生のお気持ちはよくわかるわけでございます。  このような年に当たって、北海道を分県して本当の地方分権を実現すべきであるというお考えにつきましては、お気持ちはよくわかるわけでございますが、北海道の面積を考えても、先ほどから具体的な数字を挙げて御質問をいただいておるわけでありますけれども、何しろ都道府県の統廃合ということになりますと、これはなかなか大変な問題でございますので慎重に検討していかなければならない、このように考えておるわけでございます。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 ただいま政務次官から御答弁申し上げましたとおりでございまして、これから二十一世紀に向かっていろいろな形で、長年議論されていたことも含め地方制度の根本的な改革にかかわる議論がなされるのではないかと存じますが、いずれにいたしましても地方自治制度の根本にかかわる問題でございまして、慎重に検討していくべき問題であろうと考えております。

北村直人自由民主党

○北村委員 私の質問に対してはなかなかお答えづらい問題ではないかと思いますが、ただ、歴史的には昭和三十年、三十一年に自民党の北海道開発特別委員長でありました広川先生を中心として一時北海道の分県を、経費まで取り上げて制度化、住民投票しようというところまで行った経過もあります。あれからもう三十年がたったわけでございます。また、三十年たって北海道の中でも、あるいは北海道以外の府県の中でも、こういう気持ちあるいは御意見が出ていると私は思っております。ですから、ぜひ自治省におかれましては、その分県、あるいは都市を分けるというようなことをこれから真剣に内部の中で考えていただきたい問題だというふうにお願いを申し上げておきます。  そういうような非常に地方自治という民主主義の原点を中心とした中で、多極分散型国土の形成のためには地方公共団体への思い切った権限移譲が私は必要ではないか。これは自治省としては今後具体的にどのようにこれを進めていくお考えがあるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

森田一自由民主党自治政務次官

○森田(一)政府委員 地方自治団体が本当にその自主性を発揮していくためには、どうしても国と地方との役割分担を十分に見直していかなければならないわけであります。そういう意味におきまして、地方への権限移譲の問題は大変大事な問題でございます。そして、従来からもそのことは指摘をされておりまして、いろいろ権限移譲の問題はなされてまいっておるわけでございますけれども、地方公共団体の側から見るとまだ不十分であるというのが実情であろうと思うわけであります。  このたびの地方制度調査会からの答小におきましてもその問題が提起されておるわけでございますが、自治省といたしましては、そのような観点に立って力いっぱい努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 権限の移調が必要ということは、先ほども申し上げたとおり、北海道ばかりでなくて沖縄にしても、政務次官の四国にしても、やはり東京まで出てくるということは、それは市町村長さんあるいはいろいろな方々にとっては大変な経費の負担が伴うわけでございます。ですから、なるべく県ですとかあるいは市ですとか町ですとか村で、国の権限がそこで施行されるというのでしょうか、そういうことが地方自治の活性化、あるいはそこの住民の人方の、ああ政治というのは本当に自分たちのためにあるんだなあというその豊かさが出てくるのではないかと思うわけでございます。  今のような中央集権体制を改めていくためには、予算や補助制度を通じた中央省庁による地方統制を改めていく必要があるのではないか、このような観点から、自治省の方は補助金の整理合理化に今後どのように取り組んでいくお考えがあるのか。また、現時点で取り組んでおられることがございましたらお答えをいただければと思います。

森田一自由民主党自治政務次官

○森田(一)政府委員 補助金の問題につきましては、補助金はいろいろな観点からなされておるわけでございまして、これは、そのものは必ずしも否定すべきものではないと考えております。ただ、補助金の中で既に零細になっておる補助金だとかあるいは地方に定着をしておる補助金、このようなものは、補助金を廃止または類似の補助金の場合には統合するというようなことをやっていかなければならないわけでございます。補助金はそのような目的でありますが、ともすると地方団体の自主性あるいは自律性を阻害するというようなことが起こるわけでございまして、このような観点からはどうしても地方団体の自主性、自律性を確保するように考えていかなければならないと思うわけであります。  そのような観点で、自治省といたしましても、補助金の廃止統合の問題についてはいろいろ努力をしてまいっておるというのが現状でございまして、今後ともそのような方向に向かって力いっぱいやってまいりたい、このように考えておるわけでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 補助金をいただくためにというんでしょうか、言葉が悪いようですが、いわゆるひもつきの事業というような言い方をさせていただきたいと思いますが、そのために私の北海道の道東の方から一人上京するとすると、飛行機代から、一泊をすると一人十万円がかかるわけですね。市町村長さんだけで来ればよろしいですけれども、担当の方々も来るということになると、一度の上京、陳情に数十万から下手すると百万単位のお金がかかってしまう。ですから、やはり何としても自治省に頑張っていただいて、地域、地方自治が、本当に自分たちが取り組んでいかなければならない、そして何を先にしなければならないんだというそういう地方の住民のニーズにこたえるというのでしょうか、地方の行政をしていくために何が一番最初に大切なんだということは地方にいる首長さん方が一番よく知っているわけでございます。ですから、交付金と補助金というふうに二つがあるわけですけれども、自治省の整理合理化というのを、補助金を含めてぜひ前向きにこれは取り組んでいただきたい問題だと思うわけでございます。  さらにまた、地方公共団体が中心となりながら地方の活性化を図り、魅力ある地域社会をつくり上げていくためには、自治行政のあり方として限られた財源の中で本当に必要な施策に全力を投入していかなければならないと思うわけです。行政改革については、地方公共団体もそれなりに相当努力をしていると思いますけれども、今現在どのような状況になっているか、あるいはまた今後どのように自治省として御指導をしていくのか、そこら辺のことをお聞かせをいただきたいと思います。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 御指摘のように、国、地方を通ずる行政改革がいわば国民運動として展開されてきたわけでございますが、自治省では昭和六十年一月に地方公共団体の行政改革の指針として地方行革大綱を策定いたしまして、各地方公共団体において行政改革の推進体制を整備されるとともに、自主的かつ総合的な行政改革に取り組んでいただくように要請をしてまいったところでございます。その結果、ほとんどすべての地方公共団体におきまして行政改革大綱が策定されておりますことは御承知のとおりでございまして、その大綱のもとに例えば事務事業の総点検、見直しでございますとか、組織、機構の簡素合理化、あるいは事務事業の民間委託などの努力が広範に行われてきたのでございます。  その結果でもございますが、例えば地方公務員の全体の数は、教職員あるいは警察官等に増加の要因がある中で、全体としては、少しずつでありますが減少をしてきているという事実がございますし、また、例外的に給与水準が高いというような地方公共団体におきましてもその改善が逐年行われてきたところでございまして、全体として行政改革は着実な成果を地方公共団体においても上げてきたものと考えております。  今後、さまざまな地域の課題に機動的に対応して新しい行政を展開いたしてまいりますためには、このような行政改革の努力を継続的かつ計画的に続けていく必要があろうと思いますし、特に、戦後長年にわたって行われてまいりました行政の事務事業あるいはシステム、組織等について、歴史的な役割を終えたものとか、あるいはもう陳腐化しているものとか、大変非効率なものとか、そういうものについては常時見直しながらそれを新しいものに入れかえていくという努力も、行政改革の一環として今後大変重要ではないかと思うのでございます。そういう意味で、自治省といたしましても、引き続き各地方公共団体における自主的な行政改革が続けられてまいりますよう努力をしてまいる所存でございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 ぜひこれは腰を据えて取り組んでいただきたいと思うわけでございます。  冒頭に北海道のいろいろな状況につきましてお話をいたしましたけれども、北海道の産炭地域あるいは漁業基地、そして酪農・畜産基地等は、産業欄造の変化あるいは二百海里の問題、そしてまた農畜産物の自由化等のために大変困難な状況に追い込まれております。このような地区の経済が疲弊している地域については、自治省としてどのような対策を講じていくのか。また、そのような地区の市町村の財政というのは当然もう苦しいと私は思います。その財政について自治省としてまたどのような対処をしていただけるのか。そこら辺のことをお聞かせをいただきたいと思います。

森田一自由民主党自治政務次官

○森田(一)政府委員 最近の円高の急速な進展と、また、我が国を取り巻く社会経済情勢が非常に厳しい状況にあることは御指摘のとおりであります。特に石炭とか水産とかあるいは鉄鋼等の特定産業に依存している地域におきましては、非常に打撃を受けておるわけであります。  このような中でどのようにやっていくかということでございますけれども、自治省としては、かねてから、広域市町村圏を中心とする経済基盤を確立するという対策を立ててまいっておるわけでございまして、地域経済活性化対策とこれを呼んでおるわけでございます。また、これだけでは不十分であるということで、昨年五月に決定をされた緊急経済対策において、特定の不況業種への依存が著しい地域については、地域経済活性化緊急プロジェクトということで、これは市町村が主体になるわけでございますが、このような緊急プロジェクトを発足させたわけでございます。そしてこの中で、北海道を重点地区としてこの支援を行ってまいっておるところでございます。  自治省といたしましては、今後とも、地域経済の動向に対応して、その地域経済が活性化をしていくように努力をしてまいりたい、このように考えておるわけであります。

湯浅利夫自治省大臣官房審議官

○湯浅政府委員 いわゆる不況地域の地方団体におきましては、地方税の収入が不振に陥っておりますとか、あるいは地域の経済の活性化のためにいろいろな対応を迫られるということで、特別な財政需要が数多く発生しているという状況でございます。このために自治省といたしましては、地域の経済状況を勘案しながら、地方団体の財政運営に支障が生じないように、地方交付税と地方債の配分を通じまして適切に対処してまいりたいと思っているわけでございます。  御指摘の北海道におきましても、先ほど来お話もございますように、非常にこの地域の産業、経済が困難な状況に陥っておりますので、地域経済活性化の緊急プロジェクトなどを行う市町村におきまして、これは道内では釧路市とか網走市とか十市一町にわたりますけれども、この十市一町が作成いたしました緊急プロジェクトに対しましては、地方債あるいは特別交付税の配分等によりまして、このプロジェクトが十分達成できるように所要の財政的な支援措置を講じてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 ありがとうございます。  それでは、質問を地方自治法の改正を中心とした質問に移らせていただきたいと思います。  それで、今回の地方自治法改正の趣旨を改めてお伺いをさせていただきたいと思います。

森田一自由民主党自治政務次官

○森田(一)政府委員 今回の地方自治法の改正案は、地方制度調査会の答申にのっとって行おうとするものであります。  その内容につきましては、まず、機関委任事務について職務執行命令訴訟制度を見直すとともに、機関委任事務に係る議会及び監査委員の関与を拡充しようとするものであります。監査委員制度については、この監査委員の職務権限の拡大等その整備を図り、議会制度において、今までは設けられていなかったわけでありますが、議会運営委員会の設置を行おう、このような内容の改正を行おうとするものでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 地方制度調査会の答申に含まれていた地方六団体の意見提出権が本法案に含まれていないようですが、これはなぜでしょうか。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 御指摘のように、地方制度調査会は早い時期から、いわゆる地方六団体の国に対する意見提出権の制度等、地方公共団体の意向が国政に適切に反映されるような方途を講ずることによって、国と地方公共団体との関係の改善をしていこうということを提言しているところでございます。  自治省といたしましても、この答申に沿いまして、長年にわたって地方公共団体の全国的な連合組織の意見提出権といったものを制度化すべく努力を続けてきておりますし、また、今次地方自治法の一部改正法案の準備に当たりましても粘り強く折衝を続けてきたところでございますが、いろいろ意見がございまして成案を得るに至らなかったのでございまして、大変残念に思っている次第でございます。  しかし、自治省といたしましては、今後ともこの制度の創設について引き続き努力いたしますとともに、その間におきましても、地方公共団体のいろいろな意見が国政に適切に反映されるように意見を聞く等の事実上の努力を続けてまいりたいと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。

北村直人自由民主党

○北村委員 今回の改正のポイントの一つは、機関委任事務に対して地方議会の関与及び監査委員による監査を認めることでありますが、機関委任事務の数というのはどのくらいあるものなんでしょうか。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 機関委任事務と申しますものは、御承知のように、法律またはこれに基づく政令によりまして知事、市町村長等地方公共団体の執行機関に委任されました国の事務が、通常機関委任事務と言われているわけでございます。そういうものは、各法律によってさまざまに設定されているわけでございますが、御承知のようにこれを精査いたしまして地方自治法の別表第三及び別表第四として整理をして掲げてあるわけでございます。したがいまして、この地方自治法の別表に掲げられている機関委任事務の数がおおむね現在の機関委任事務の数に近いということは言えるわけでございますが、まだこの地方自治法の別表に掲げられていなくて各個別法にあるものもございますので、正確な数字は地方自治法の最新の改正が行われた時点でわかるわけでございますが、現行の地方自治法の別表に掲げられている項目数で申しますと四百九十七件、現在提出いたしております地方自治法の一部改正案が成立いたしますと、また五百を超える数字になるようでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 私は、機関委任事務の整理合理化というのをさらに進めていく必要があるのではないかというふうに考える一人でございますけれども、その辺は、自治省はどのようなお考えをお持ちでしょうか。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 自治省も、基本的に機関委任事務はできるだけこれを減少し、団体事務としていくべきものと考えているのでございます。これまでにも一連の行政改革におきまして、例えば昭和五十八年及び昭和六十一年のいわゆる一括処理法律によりまして機関委任事務の見直し、整理が進んできているところでございますが、残念ながらこれらの整理合理化の内容は、地方公共団体が長年要望してきた内容から見ますと、なお理想にほど遠いものがございます。昭和六十一年六月にいわゆる行革審の最終答申が出されておりますが、その中でも機関委任事務の整理合理化が指摘されておりますし、現在の政府の行政改革大綱におきましても、この見直しを政府全体として引き続き着実に推進していくこととされているところでございます。自治省としても、あらゆる機会をとらえまして一層の整理合理化、基本的には縮小を図ってまいりたいと考えております。

北村直人自由民主党

○北村委員 さらに整理合理化を進めていただけるよう御指導いただきたいと思う次第でございます。  さて、職務執行命令訴訟制度の見直しの中で、職務執行命令に先立つ主務大臣による勧告の要件として、知事による機関委任事務の懈怠等を放置することにより「著しく公益を害することが明らかであるとき」と規定されておりますけれども、これはどのような場合がそれに相当するわけでございましょうか。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 御承知のように、この職務の代行制度と申しますものは、地方公共団体の公選による機関、あるいは公選による機関と議会の合意によって任命される機関等に委任した事務について代行を認める制度でございます。一たん委任した以上は、できるだけ委任された機関の自主的な判断によって事を進めていくのが理想であろうと考えます。そこで、それらの機関の職務の懈怠あるいは違法な状態による仕事の進め方が起こりました場合でも、それが著しく公益を害することが明確である場合を除いては、できるだけ通常の指揮監督あるいは協議等によって解決してまいりたい、そういうことがこの制度の趣旨でございまして、そのために著しく公益を害する場合のみに限られたわけでございます。  それでは具体的に、著しく公益を害する場合というのはどういう場合かということを例示いたしますのは大変難しいわけでございますが、そういった問題が起こりました場合に、現実の状況に即して主務大臣が判断をすることになるわけでございますが、それも客観的に著しく公益を害するということが明確でなければならないということでございます。少しあいまいでございますが、御了承いただきたいと思うのです。

北村直人自由民主党

○北村委員 「著しく公益を害することが明らかであるとき」というこの規定は、十分に御討議をいただかなければならないと思うわけでございます。  さて、もう一つの自治法の改正の中に、議会運営委員会を制度化するということがございます。私も、地元あるいは多くの議員の方々から、早くこれを制度化してほしいという要請、要望がございます。特に、市議会は別としまして町、村では申し合わせ事項のようなことになっているようでございますが、これは自治省として、今回この改正案の中に盛り込んだ議会運営委員会を制度化するという理由、そしてまた議会運営委員会の任務は、制度化した場合にはどのようなものとなるのか、ここら辺を御答弁いただきたいと思います。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 今回の議会運営委員会の制度化につきましても、実は第十六次地方制度調査会の答申に即した改正でございまして、歴史的にはかなり以前に提案されたものでございます。  地方議会には、御承知のように、国会の場合と同様に常任委員会及び特別委員会があるわけでございますが、実際には、そういう制度上の常任委員会、特別委員会とは別に、事実上のものとして議会運営委員会が設置されていることが多いわけでございます。近時、地方議会におきましてもやはり政党化が進んでまいりまして、議会運営を円滑に行いますためには議会運営委員会というものの役割が大切であり、一段と重要になってきているということでございます。また、先ほども申しましたように、すべての都道府県、またほとんどの市で事実上議会運営委員会が設置されておりまして、そういう現実を踏まえて、これを地方自治法上の制度として位置づける必要があるということが答申されたわけでございます。言うまでもなく、国会におきましても正規のものとして制度化されているわけでございます。そういった背景をもちまして、例外的にはこれを特別委員会として設置する県もないわけではございませんが、例えば常任委員会の数というのは法律上制限されておりますし、やはり別個に制度化する必要があるのではないかということで、特別の制度として議会運営委員会の制度を創設することとなったわけでございます。  その任務でございますが、これは通常議会運営委員会と観念されているものの任務と同じように御理解をいただきたいと思いますが、挙げますと、会期、会議時間、発言時間等議会の運営に関する事項の調整、それから議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項、それから議会の秩序維持と議長の諮問に関する事項について調査等を行い、議案、陳情等の審査を行う機関と考えております。

北村直人自由民主党

○北村委員 もう一 つ、従来の財務監査に加えて、今回、監査の対象を行政監査にまで広げておりますけれども、その理由はいかがなものでしょうか。

木村仁自治省行政局長

○木村政府委員 監査委員の監査の対象といたしましては、従来は地方公共団体の財務に関する事務の執行及び地方公共団体の経営に係る事業の管理でございまして、地方公共団体の経営に係る事業の管理につきましては、事務的なこと、あるいはその能率面についても従来から監査をいたしていたわけでございます。また、住民のいわゆる事務監査の請求に基づく監査あるいは議会の請求、市町村長、都道府県知事の請求に基づく監査においては、監査委員は事務の監査もできるということに従来からなっていたわけでございますが、しかし監査委員が能動的に監査ができる、自分の判断だけで監査ができる分野は財務に関する事務と経営に係る事業の管理のみであったわけでございます。  しかしながら、最近国民、住民の間で公正で能率的な行政の確保ということについて関心が大変高まってきておりますし、またいろいろな形で監査委員も、事務の能率でありますとか公正さというようなことにつきまして監査する能力も持ってきているわけでございますので、そういったことを背景として、監査委員独自の判断で事務処理方法等の行政運営全般についても監査し、適法性の確保は当然でございますが、能率性の確保の観点からも監査できるようにする必要があるのではないかということが認識されております。地方制度調査会もこの点について慎重に審議いたしました結果、監査委員の事務を一般行政事務の執行についても広げることが適当であるという答申を出しているわけでございます。そういうことを背景にして、今回一般専務についての監査を認めることになったわけでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 本来ですと、梶山大臣にお越しをいただいて御答弁をいただきたかったところでございますが、どうしても参議院の方で大臣がということでございまして、政務次官にお越しをいただきましたので、最後に私は大臣から決意のほどをお伺いをしたかったわけでございますが、大臣にかわって政務次官からお答えをいただきたいと思います。  冒頭、私いろいろなことを申し上げました。今後の地方の活性化のために分県が必要であるとか、いろいろな広さ、人口において分けたりくっつけたりということが必要でないかというふうなことを申し上げましたけれども、今後の地方自治の充実のためには、今自治省が提唱しているふるさとづくり特別対策事業、そしてもう一つのふるさとづくり財団構想、これは強力に推進していってほしいと私は思うわけでございます。そして、さらに本年は、先ほど次官が申されたとおり近代的地方自治制度が発足して百年、そしてまた地方自治法が制定されて四十年を経過したわけでございます。ふるさとづくり特別対策事業あるいはふるさとづくり財団構想も含めて、地方自治の現状をどのように認識して、今後の地方自治のあり方についてどう取り組んでいくのか、御所見をお伺いをさせていただいて、私の質疑を終わらさせていただきたいと思います。

森田一自由民主党自治政務次官

○森田(一)政府委員 ただいまの御質問でありますが、我が国の地方自治制度は四十年を経てだんだんと定着をしてまいってきておるところであります。しかし、いろいろ問題点も大変多く抱えておるというのがその実情でございます。  このような中にありまして、地方の自主的な単独事業として都道府県単位で実行するふるさとづくり特別対策事業というのを発足させ、都市への一極集中から少しでも多極分散型の国土形成に役立てたい、このように考えておるわけであります。  また、ふるさとづくり財団につきましては、地方団体が自主的に民法上の財団をつくり、そしてそれに融資をすることによって、民間の融資と相まってこの事業を推進しようというものであります。このようなことは、従来情報化が進めば地方の時代ということが実現するというように考えておったわけでありますけれども、逆に情報化が進めば進むほど東京への一極集中ということが明らかになってまいっておるわけでございまして、このような御点からも、ふるさとづくり財団につきましては大変重要な事業と考えておるわけであります。ただ残念なことに、ただいまのところでは各省からのいろいろ意見が寄せられておりまして、これらの各省との調整をこれから進めていかなければならないということになっておるわけでございます。そのような調整につきましては、梶山大臣を中心に全力を挙げてこれに取り組むということでやってまいりたいと考える次第でございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 ありがとうございました。時間が参ったので終わらせていただきますが、最後に、きょうは大臣にお越しをいただけませんでした。冒頭、私は大変勝手なことを申し上げましたけれども、しかし、それは一地区のエゴではない。今の日本全体を考えたときに、非常に人口の集中しているところもある。一極集中、これを多極分散にしよう、それにはどうしてもいろいろな意味でその地域住民が本当に肌で感じる行政の範囲に分けていかなければ、真の地方自治、いわゆる民主主義の原点に立ち戻れないのではないかという気がいたします。どうか大臣にそのことをお伝えをいただきながら、また機会がございましたら大臣から直接御答弁をいただいたり御指導をいただきたい、そう思う次第でございます。  きょうは本当にありがとうございました。これで終わらせていただきます。

松本十郎自由民主党

○松本委員長 次回は、来る二十四日火曜日午前九時四十五分理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十八分散会

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