社会労働委員会 第13号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1988/05/12
会議録
○稲垣委員長 これより会議を開きます。 第百八回国会、内閣提出、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。藤本厚生大臣。 ───────────── 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○藤本国務大臣 ただいま議題となりました後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現在、後天性免疫不全症候群、すなわちエイズの蔓延は、欧米を初めとして世界的に深刻な状況にあり、特にアメリカ合衆国では、一九八一年に最初の患者が確認されて以来、既に五万人以上の患者が発生していると言われております。我が国においては、現在までに確認されているエイズ患者は、欧米諸国等に比べるとなお少数にとどまっておりますが、最近では女性患者の発生等エイズの一般への感染が懸念される状況も見られ、現段階において緊急に総合的な対策を講じ、エイズの蔓延を防止することが喫緊の課題となっております。 このため、政府においては、昨年二月にエイズ問題総合対策大綱を策定し、国民に対する正しい知識の普及を初めとして、感染源の把握、二次感染防止対策の強化、国際協力及び研究の推進等の総合的な対策を講じているところであります。 この法律案は、人権の保護に配慮しつつ、エイズの伝染の防止その他その予防に関し、法律上の措置が必要な事項について定めることにより、エイズの蔓延の防止を図ろうとするものであります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 まず、予防に必要な施策、知識の普及、研究の推進等について国等の責務を規定し、総合的な対策に取り組む関係者の役割を明らかにするとともに、患者等の人権の保護について留意しなければならないことを規定しております。 次に、感染源の把握及び二次感染の防止に関して必要な事項を規定することであります。エイズは一たん感染し、発症すると重篤な経過をたどる疾病でありますが、その感染力は比較的弱く、感染経路が限られていることにかんがみ、この法律案では、医師と感染者の信頼関係の上に立った保健指導の徹底により、二次感染の防止を図ることを対策の基本としております。これに対し、都道府県知事は、医師との相互の連携のもとに、感染者の発生に関する疫学情報を常に的確に把握することを原則とし、感染者が医師の指導に従わない等公衆衛生上特に問題が生ずる場合に限り、健康診断の勧告及び命令、二次感染防止のための指示等を行うことができることとしております。 さらに、患者等のプライバシーを保護するという観点から、医師の都道府県知事に対する報告には原則として感染者の氏名等を含めない等の配慮をするとともに、エイズの治療等を行った医師、予防事務に従事した公務員その他の関係者に厳しい守秘義務を課すこととしております。 このほか、出入国管理及び難民認定法の一部を改正し、エイズに関する出入国管理上の措置について規定することとしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日から一カ月を経過した日としております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○稲垣委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十五分散会