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112回国会衆議院1988/05/18

公職選挙法改正に関する調査特別委員会定数是正に関する小委員会 第1号

発言数
80
登壇者
8
会派数
5
開催日
1988/05/18

会議録

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 これより定数是正に関する小委員会を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  各位の御推挙によりまして、本小委員会の小委員長の重責を担うことになりました。  この定数是正は、議会制民主主義の最も基本となるものでございますので、非常に重要な仕事であると認識いたしておるのでございます。浅学非才でございまして、非常に重責を感じておるのでございますが、幸い、小委員の皆様方はそれぞれの党において最もベテランの方々でいらっしゃいますので、皆様方の御支援、御協力によりましてこの委員会の使命を円満に果たしたい、かように存じておる次第でございます。  今後の委員会の運営につきましても、円満を旨として皆様方の御意見を十分拝聴していくように運営していきたいと思っておりますので、どうぞ皆様方の御支援、御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。  一言ごあいさつといたします。(拍手)  定数是正問題に関する件について調査を進めます。  本日の小委員会は、先般来の理事会等の協議に基づきまして議事を進めることといたします。  まず、昭和六十一年五月二十一日の本院決議「衆議院議員の定数是正に関する決議」に関連して、各党の小委員から順次御意見を述べていただき、次いで、小委員間において自由に討議を行うことといたしたいと存じます。  討議の進め方は、本院決議の検討事項を便宜次の五項目に整理いたしまして、各項目について順次討議を行っていきたいと存じます。  第一は、格差の問題について  第二は、二人区・六人区の解消について  第三は、議員総定数の見直しについて  第四は、選挙区画の見直しについて  第五は、過疎・過密等地域の実情に配慮した定数配分について 以上であります。  それでは、まず、自由民主党の鹿野道彦君から御意見をお述べ願います。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 衆議院議員の定数是正に関する決議に関連して、自民党といたしまして意見を申し上げたいと思います。  申すまでもなく、衆議院議員の各選挙区への定数配分は本院の構成にかかわりまして、議会制民主主義の根幹に関する問題でありますので、我が党といたしましても最も重要な課題として取り組んでまいりました。もちろん、さきの衆議院議員の定数是正に際しての院の決議は、これをまさしく厳粛に受けとめておることは申すまでもありません。  顧みますと、衆議院議員の定数是正は、これまで三次にわたりまして行われてまいりました。  第一回は昭和三十九年であります。御案内のとおりに、昭和二十二年に戦後間もない当時の人口を基礎といたしまして各選挙区ごとの議員定数が定められましたが、その後の人口移動が甚だしく、選挙区間の議員一人当たり人口に格差が生じてまいりました。昭和三十五年の国勢調査によりますならば格差が最大三・二一倍になっていたため、十二選挙区について定員を十九名ふやしまして、これを最大二・一九倍まで縮めました。  第二回目は昭和五十年であります。昭和三十九年に定数是正を行ったものの、経済の高度成長期におけるところの人口の急激な変動によりまして選挙区間の格差は再び広がり、昭和四十五年の国勢調査人口で見た選挙区間の定数の格差は最大四・八三倍となりました。このため、著しい不均衡を生じている十一選挙区につきまして、定数を二十人ふやしまして格差を最大二・九二倍に縮めました。  第三回が昭和六十一年であります。憲法違反から早急に脱するための措置といたしまして、幾多の紆余曲折を経て実現を見るに至ったものでありますが、この間における我が党を初めとする各党の精力的な調整作業と努力は、記憶に新しいところがあるわけであります。この一昨年の措置は、八増・七減、三選挙区に係る境界変更という前の二回と比べて違った形で定数是正を行ったものであります。  以上のような三次にわたる定数是正は、いずれも公職選挙法の附則において措置してまいりました。いわば暫定措置が積み重ねられてきたと言えるのでありますが、特に昭和六十一年の定数是正につきましては、違憲とされた規定を早急に解決するための暫定措置であることを本院みずからが決議において明らかにいたしておるわけであります。かつ、昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまって速やかに抜本改正の検討を行うものとしたのであります。  我が党といたしましては、党の選挙制度調査会に設置いたしております定数是正等に関する小委員会を衆議院議員の定数是正の検討の場といたしまして、本年の一月以来、これまでに五回にわたり会合を重ねてまいりまして、鋭意審議を進めてきているところでございます。  当小委員会におきましては、定数是正に関する本院の決議を踏まえまして、まず、二人区・六人区から選出されております議員及び境界変更によりその一部を割譲した選挙区から選出されておりますところの議員からの意見聴取を行いまして、現在は、学者、有識者から意見を伺っているところでございます。  抜本改正をいかに図るか、二人区・六人区の解消、総定数及び選挙区画の見直し、過疎・過密等地域の実情等への配慮を全国百三十の選挙区を通じてどのように実現していくかということは、極めて複雑多様な検討を必要とする問題であります。  選挙区画の問題を一つの例として申し上げますならば、選挙制度は、有権者感情、住民感情を基礎としなければならないのでありまして、地域的なつながりを重視するべきだ、境界変更のあった地域では、投票率はわずか五〇%、また投票に行っても十人に一人強が編入抗議の無効票を出しておる、境界線変更がいかに大変なものかわかってもらいたい、ぜひもとに戻してもらいたい等々の発言がなされるなど、それぞれの地域や選挙区の実情、地域住民の切実な感情等を踏まえたさまざまな意見が表明されておるところでございます。学者また有識者からは、抜本改正とは何か、またいかなる方法が考えられるかなどにつきまして、幅広い見地、さまざまな角度からの御示唆をもいただいておるところであります。  以上のような状況でありまして、現段階で我が党といたしましてのまとまった考え方を申し上げることはできないところでありますが、今後さらに党選挙制度調査会の小委員会におきまして精力的に審議を進めてまいらなければならない、このような考え方でおるところであります。  以上でございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ありがとうございました。  次に、日本社会党・護憲共同の佐藤観樹君にお願いいたします。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 我が党は、この衆議院定数是正問題を極めて重要な案件としてとらえておりまして、中央執行委員会内に岡田副委員長を長といたします選挙制度対策会議を設置して、これまで数度にわたり議論を積み重ねてまいりました。この議論をもとに、定数是正については、次の考え方と方法により早急に是正すべきであると考えます。  近代民主主義国家の基本の一つは、基本的人権の尊重であり、我が国憲法の柱の一つでもあります。個性豊かな個人がおのおの一人の人間として尊重され、平等に扱われる権利を有することが求められているのであって、このことは、国民の政治参加の一形態たる選挙権の行使についても当然貫徹されなければなりません。すなわち、投票価値、投票効果の平等が保障されなければならず、憲法第十四条の法のもとの平等も、人種、信条等の差別を禁止するのにとどまらず、選挙権の内容の平等、投票価値の平等をも要求するものと解すべきであるとの文言が昭和五十八年の最高裁判決に見られるのもこのためであります。  このような基本的な考え方に基づき、議員定数のアンバランスについて選挙のたびごとに定数訴訟が起こされ、今日まで、三十九年、五十年と増員により、そして六十一年五月にはいわゆる八増・七減の定数是正案が成立いたしましたが、この案は根本的な欠陥を内包しておりました。  すなわち、一つ、是正幅が二・九九倍であったことで憲法違反にならないとされるいわゆる三倍案の根拠は、五十八年十一月の最高裁判決で、四・八三倍の格差を二・九倍に縮めた五十年の二十人増員是正について、投票価値の不平等状態は一応解消されたと評価できると述べていることによりますが、この判決は三倍以内なら合憲という基準を示したわけではなく、ぎりぎり許容できる定数の不均衡は三倍ぐらいまでという消極的な判断を示したものと見るべきだというのが国民の常識であります。同じ一票の投票行為が、ある人には三倍の投票価値を生むというのでは、国民の常識からかけ離れていることは言うまでもありません。  したがって、当小委員会で論議しなければならない中心課題である抜本是正とは、特定の有権者に二人分の投票権を与えることのないように、格差の許容限度を二倍に抑えるという常識をどう実現するかにあると考えております。  いわゆる八増・七減案の第二の欠陥は、二名区をつくったこと。第三は、増減主義の手法のため、県全体としては人口の多い石川県が五人区で、少ない隣の富山県が六人区などの逆転区をつくったこと。第四に、議員総定数が一名ふえて五百十二名になったことであります。これらの三点の問題は、我が党の考えを述べる各論の中で触れます。  このように、六十一年五月のいわゆる八増・七減案は欠陥を有した定数是正であったため、国会は、これを暫定措置として、速やかに抜本改正の検討を行うものとするという決議をしたのであります。したがって、我が党は次のような抜本是正を行うべきだと考えます。  一、格差の問題について。  今まで述べてきたように、ある一人が二票を持つことは許されるべきではなく、したがって、最大許容できる格差は二倍未満とすべきです。  二、二人区・六人区の解消について。  我が国は、長い間三名ないし五名の中選挙区制を衆議院においては採用し、若槻内務大臣が改正案の趣旨弁明の中で述べているように、大小選挙区制の両者の長所をとって短所を除いた選挙区制として定着しているところであり、多党化時代にそぐう選挙区制と考えられます。  昨年秋、大阪高裁の定数訴訟判決でも、府県単位に定数を再配分し、一選挙区の定数が三ないしは五になるように区割りを改めることが明治以来の憲法的習律とまで指摘しているところであります。したがって、その枠を外れる二人区・六人区については、二人区は、同県内の隣接選挙区と合区するか、それによって定数が五名を超える場合には分区をする、六人区は、当然三人区二つに分区をすることといたします。  分合区の原則は、後ほど選挙区画の見直しの際申し述べます。  なお、昭和二十八年以来一名区になっております奄美群島区は、この際解消します。  三、議員の総定数の見直しについて。  結論的には、一名減らして五百十一名に戻します。公選法の本則は、四百七十一名であることは承知しておりますけれども、私は、以下三つの理由で五百十一名を主張いたします。  第一は、その間人口がふえていること。  第二に、我が国の議員定数は、絶対数においても議員一人当たりの人口においても、先進国と比較して格別多いということにはなりません。アメリカが上下両院とも議員数では少なく、一人当たり人口でも我が国より多いのが目立つ程度です。  第三に、議員の数を行政改革の趣旨にのっとってもっと少なくとの意見がありますが、今、国会内で仕事をしていて、実態的には立法府より圧倒的に行政府の力が大きくなってきて、議員の行政監視の目が届きにくくなっているという感じがしているのは私一人ではないと存じます。議員数を数人カットするよりも、国民の行政監視の負託の責任を十二分に果たすことが必要と思います。  四、選挙区画の見直しについて。  さきに述べましたように、定数是正によって生ずる二人区、六人区等は、当然中選挙区制の堅持のため分区、合区を行います。分区の原則は、五十年の公選法改正のとき四項目が挙げられています。すなわち、人口の均衡性、行政区域の尊重、地勢・交通・行政的沿革等の考慮、地域的なまとまり・一体性の保持などですが、合区についても、県内の隣接選挙区との合区の原則、さらに分区が必要な際にはさきの分区の原則を当然適用するなどいたします。  私は、分合区の案づくりの経験からいって、恣意的になることはそうないと存じますが、分区、合区などの境界線変更が多くの選挙区になりますので、この際、この作業をする客観的な区画委員会をしかるべきところに設置することを提案いたします。具体的な内容は各党で詰めればいいと存じます。  五、過疎・過密等の地域の実情に配慮した定数の配分について。  政治の課題は、狭い国土の均衡ある発展という観点から、過疎地域の振興もありますし、焦眉の急となっております東京の一極集中のような過密問題の解消もあります。したがって、当課題は二倍未満の中に含まれていると理解をします。  この際、定数是正の中で忘れられている問題を一つ指摘しておきたいと存じます。現在、衆議院選挙区には三名区の議員一人当たりの人口の方が四名区のそれよりも多いという逆転区があります。これも是正する必要があります。  また、各国で行われている抜本的是正の諸方式には、一、六十一年にやりました増減方式を二倍まで拡大する方式、二、昭和二十二年の現行制度発足に当たって採用された人口比例による再配分の方式、三、西ドイツで採用している三分の一偏差方式、四、各都道府県ごとの定数を再配分した上での上下三分の一偏差方式など考えられますが、一長一短あり、各党の議論の中で国民の皆さん方の声を聞きつつ決定をして、区画の細部は区画委員会にゆだねればいいと存じます。  以上述べてきたとおり、極めて重要であると同時に、国会が国民の皆さん方に速やかに検討することを約束してきたことであります。したがって、いやしくも定数是正ができない限り衆議院解散はできない性格のものであると私は思っております。国民からの負託に十分こたえる責務を感じつつ、社会党の意見陳述を終わります。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ありがとうございました。  次に、公明党・国民会議の伏木和雄君にお願いいたします。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 御承知のように、六十一年五月、八増・七減による衆議院の定数の是正を行ったわけであります。その際、「今回の衆議院議員の定数是正は、違憲とされた現行規定を早急に改正するための暫定措置であり、昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまって、速やかにその抜本改正の検討を行うものとする。」旨の国会決議これは全会一致で採択したものでございました。  その際の一票の最大格差は、長野三区と神奈川四区とでは二・九九倍という結果に終わりました。これは真の定数是正にはほど遠いものでありました。しかるに、昨年、六十二年三月の住民基本台帳の人口比による一票の最大格差は三・〇八倍までに拡大しておりました。また、自治省の六十二年九月公表の選挙人名簿登録の有権者数によりましても格差は三・〇一倍と、三倍を超すという結果になっております。  公明党は、かねてより、憲法に規定された選挙権の平等及び投票価値の平等の確保は議会制民主主義の基本であり、したがって、国民の基本権を守り、定数の不平等から起こる政治不信を払拭するためにも、国会決議に基づく抜本改正の早期実現を強く主張してまいりました。  定数訴訟における司法の判断は、立法府である国会の裁量権にゆだねられる部分が多いことからしても、国権の最高機関である国会は、このような現状を深刻に受けとめるとともに、かかる事態を早急に改正して、このゆゆしき状態から脱却することが政治の責任であると考えております。  したがって、直ちに抜本改正に着手するために、次のような提言を行い、速やかにその成案が得られるように努力をしてまいりたいと考えております。  その「抜本改正の基本原則及び定数配分の具体案の作成」について申し上げてみたいと思います。   衆議院決議に基づく衆議院議員の定数の抜本改正については、その経緯にかんがみ、速やかに公職選挙法に(一)に掲げる基本原則を定め、これに基づき(二)により定数配分の具体案を作成し、改正法案を国会に提出するものとする。  (一)といたしまして「抜本改正の基本原則」。この基本原則につきましては、暫定措置の際もいろいろと議論が出てまいりました。しかし、あの定数是正は、あくまでも制度の改正ではなくして、定数の是正というところに限定した国会決議でございます。したがいまして、今回の抜本改正におきましても従来の制度を踏襲し、それを公職選挙法に規定をする、基本原則を規定するということを強く主張してまいりたいと思います。  その基本原則は、①「衆議院議員の総定数は、五百十一人を超えないこと。」とする。②といたしまして「各選挙区の議員定数は、三人以上五人以下とする」。③は「各選挙区間の議員一人当りの人口の格差は、二倍未満とする」。④といたしまして「各都道府県の議員定数は、総定数の枠内で、各都道府県の人口に比例して定める」。二十一年法にいたしましても大正十四年法にいたしましても、すべて抜本改正の際は、選挙制度をつくった際は各都道府県の配分から定められております。したがいまして、最大剰余方式を用いて各都道府県に総定数の枠を定める。⑤といたしまして「選挙区は、郡市の区域によるとともに、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に定めること。」  以上五項目を公職選挙法に制定いたしまして、続いて、(二)の「定数配分の具体案の作成」に入ってまいりたいと思います。  各選挙区に対する定数配分の具体案であります。  1 内閣総理大臣は、昭和六十年の国勢調査の確定人口をもとに、現在の定数の不均衡を是正するため、速やかに、(一)の基本原則に基づく定数配分の具体案について、二で設置する定数委員会に諮問しなければならないものとする。  2 内閣総理大臣は、1の諮問に対する答申があったときは、直ちに、これを国会に報告するとともに、その答申に基づく衆議院議員の定数の抜本改正に関する法律案を国会に提出しなければならないものとする。なお、昭和六十五年以後の国勢調査の結果による確定人口が公表された場合における定数の見直にしついても、(一)の基本原則に基づき、(二)と同様の手続きにより行うものとする。  二、定数委員会  1 総理府に、定数委員会を置くものとする。  この総理府に置くというのは、国勢調査が総理府において行われます。人口調査は総理府において行われる。したがって、あくまでも諮問は内閣総理大臣の諮問にするという意味から、総理府に定数委員会を設置することと考えております。  2 定数委員会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、衆議院議員の定数の抜本改正の具体案の作成について調査審議するものとする。  3 内閣総理大臣は、定数委員会から答申があったときは、これを尊重しなければならないものとする。  4 内閣総理大臣は、定数委員会から答申があったときは、これを国会に報告するものとする。  5 定数委員会は、委員十人以内で組織し、委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するものとする。  6 定数委員会は、必要があるときは、公聴会を開くことができるものとする。  7 定数委員会は、必要があるときは、関係行政機関の長に対し資料の提出その他必要な協力を求めることができるものとする。  8 その他定数委員会の組織及び運営については、別に定めるものとする。  以上のような形で定数委員会を設置して、あくまでも選挙区における定数の配分は第三者機関である定数委員会において行う、このようにしてまいりたいと考えております。  なお、以上、党といたしまして、党の部会といたしまして検討し、成案を見たものでございますが、今後各党間においていろいろ御議論もあろうかと思います。その際は柔軟な形で各党調整をしてまいりたい、このように考えている次第でございます。  以上です。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ありがとうございました。  では次に、民社党・民主連合の岡田正勝君にお願いいたします。

岡田正勝民社党・民主連合

○岡田(正)小委員 私は、民社党・民主連合を代表して、当小委員会において、昭和六十一年五月二十一日本院において採択された「衆議院議員の定数是正に関する決議」について意見を表明いたします。  国民の選挙権が平等であることは民主主義の根本的要請であります。民主主義は、国民の意思が正しく国政の場に反映されることによってその正当性が担保されるものであります。ところが日本の現状は、人口移動の激化する中でも選挙区ごとの議員定数の是正が行われず、一票の価値が著しく不均衡である状態、すなわち選挙権の平等が著しく損なわれている状態が長らく続いてまいりました。その結果国民の政治への信頼は大きく損なわれ、我が国の民主主義体制への信認は根底から覆される危険すら存在するに至りました。  この状況を背景に、議員定数の是正、とりわけ国権の最高機関の中心である衆議院の議員定数の是正を求める議論が国民の間から沸き起こり、数多くの定数是正訴訟が起こされました。その結果幾多の判決が定数不均衡の違憲性を判示し、最終的に昭和六十年の最高裁判決が当時の定数不均衡を違憲と断定いたしました。これを受けて、国会の中でも各党間の協議がこの問題をめぐって行われましたが、抜本是正を主張する我が党を初めとする野党側の主張に対し、自民党は格差三倍以内への当面の是正を主張し、結局合意には至りませんでした。  そして昭和六十一年の春、通常国会も終わりに近づいた時期に議長調停に基づく委員長提案という形で出てきたのが、いわゆる八増・七減法案であります。表題の本会議決議はこの八増・七減法案と不可分一体のものであります。私が長々と八増・七減法案に至る経過を述べてきましたのは、表題の決議がこのような性質を持つものであることを明らかにするとともに、それが定数是正に関する議論の集大成であることを申し上げたかったからであります。  さて、以下、決議の各条項について意見を述べさせていただきます。  まず、選挙権の平等の確保が議会制民主政治の基本であることは、冒頭に述べたとおりであり、余りにも当然のことであります。しかし、この点については、政府並びに与党がさらに一層の認識を深めることを私は強く望むものであります。  また、選挙権の平等の内容は、一人の持つ投票権の価値が平等であることであります。すなわち、一議席当たりの人口ないしは有権者数がどの選挙区においても可能な限り等しくなるようにすることであります。我が民社党は、格差を一人二票にならない範囲にまで是正することを当面の目標といたしております。  選挙区別議員定数の適正な配分とは、今述べた選挙権の平等を確保するために、人口移動に伴う一議席当たりの人口の不均衡を常に是正しなければならないということであります。憲法の精神とは、まさに選挙権の平等の基礎である法のもとの平等であります。  決議の次の項は、いわゆる八増・七減案の暫定性をうたったものであり、六十年の国勢調査をもととした抜本是正が図られるべきだということを示すものであります。政府が六十年国勢調査の確定後も抜本是正の作業を進めないのは怠慢と言うほかはないと思います。  また、民社党は、具体的な抜本是正案の作成作業を現在休眠中の選挙制度審議会にゆだねるべきだとの主張を持っておることをこの際付言をしておきます。  さらにこの項は、国会自身もまた抜本是正の実現を目指してその方法や内容の検討を進めるべきだとの責務を負う意味を持っており、当小委員会や議会制度協議会における議論をさらに進めるべきことを示しているものであります。  最後の項は、二人区及び六人区の解消をまずうたっていますが、これは定数三ないし五名の中選挙区制を維持すべきことを確認したという意味であります。  また、昭和六十一年の定数是正では総定数を一名増加させましたが、これも暫定的な措置であることをこの決議が示しているのであります。総定数は少なくとも五百十一名に戻されるべきであり、本来は公選法本則にある四百七十一名にまで削減すべきであると思いますが、民社党は当面五百名よりも少なくすることを主張しておるのであります。  さらに、定数配分に当たって過疎・過密に配慮すべきであることがうたわれておりますが、公選法では地方議員の定数配分についてしか認められておりません。あくまで人口比例配分の原則を基本とすべきであり、その中で許される限り反映されるべきものであると考えているものであります。  以上で私の発言を終わりますが、当小委員会の議論が実りあるものとなり、一日も早く決議にのっとった抜本的定数是正ができる日が来ることを心より希望するものであります。  また、この選挙法の定数の改正なしに解散は行うべきではないことをこの際強く主張して、意見を終わります。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 どうもありがどうございました。  それでは次に、日本共産党・革新共同の松本善明君にお願いいたします。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して定数是正についての意見を述べます。  我が党は、一昨年一月、衆議院の定数是正について、三ないし五人の中選挙区制維持、格差一対二未満、五年ごとの国勢調査結果によって定数是正を義務づけるという原則を明記し、総定数は当面五百十一とするが固定化しないことなどを盛り込んだ抜本的な定数是正法案を提出しましたが、残念ながら各党の賛成が得られず可決に至りませんでした。これが可決されていれば抜本是正についての国会決議も必要でなかったし、現在のような抜本是正の議論の必要もなかったのであります。  前回の定数是正後、すぐ違憲訴訟が起こるだけでなく違憲の高裁判決が出たり、日時は幾らもたっていないのに、国会で定数是正の議論をしなければならないのはなぜでしょう。前回我が党を除いた定数協での非公開のいわゆる密室協議が繰り返され、国会での開かれた議論が十分なされず、定数是正がいわゆる暫定措置にとどめられたからであります。この経過を振り返ってみると、今回国会の機関として、公選法特別委員会に定数是正に関する小委員会が設置され、国民の前で議論されるに至ったことは、遅きに失した措置と考えます。  我が党は、今述べました基本的立場から、以下述べるような理由も含めて国会決議には反対しましたが、速やかな定数の抜本是正を行うために国会決議に関連して意見を述べるものであります。  定数是正は、主権者としての権利である選挙権の不平等という憲法違反の状態を正すことですから、直ちに行わなければなりません。国会決議は「昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまつて、速やかにその抜本改正の検討を行うもの」としていますが、六十一年十一月の調査結果公表後既に一年半が過ぎている今、一刻も早い抜本是正が必要です。自民党の一部で言われている六十五年までは八増・七減による現行の定数で差し支えないという見解は、みずから決めた国会決議にさえ反すると言わなければなりません。  抜本是正の第一は、何といっても議員一人当たりの人口格差を二倍未満にし、できるだけ一対一に近づけることであります。  現在百三十選挙区のうち、三十が格差二倍を超えています。ここの有権者の一票の価値は、格差の小さい選挙区の二分の一以下であり、逆に格差の小さい選挙区の有権者は二票以上の価値を持つことになるのであります。こういう一票の価値の違いは、法の下の平等を定めた憲法に反するものであります。主権者である国民が行使する選挙権は、国民に差別なく平等に保障されなければなりません。完全な平等である一対一にすることができなくとも、少なくとも一人が二票持つことはどう考えても平等ではありません。だからこそ、西ドイツでは格差が二倍を超す場合は自動的に定数を是正することになっているのであります。一人が実質二票以上持つ格差二倍以上への国民の批判は当然であり、憲法学者、公法学者の圧倒的多数や日本弁護士連合会が二倍以内を主張しているのは御存じのとおりであります。決議で言う「憲法の精神に則り」とは、まさにこの立場での格差是正でなければならないと考えます。現憲法下の最初の定数配分は、最大格差一・五一(愛媛一区対鹿児島二区)で出発したことを見れば、一対二以下が非現実的などと言うのは到底当たりません。  言うまでもなく、国会は国権の最高機関であり、この問題を根本的に議論するところであります。最高裁判決を唯一の根拠に、格差一対三を主張する意見は、なぜ一対二はいけないのか、一対四はいけないのか、なぜ一対三がいいのかという合理的根拠を示すことができず、国会が国権の最高機関であることを忘れた議論と考えます。  第二に、決議の「過疎・過密等地域の実情に配慮した定数の配分」については反対であります。それは、これが格差是正をしない口実になるからであります。  現在の格差約三倍のもとで、格差の小さい選挙区は格差二倍未満にすると、定数を削減しなければならない場合が生ずるのは当然です。ここが過疎地域である場合に、過疎を理由に定数是正を行わないのは正しくありません。それは何よりも憲法四十三条で言っているように、国会議員は全国民を代表するものであって地域の代表ではないからであります。過疎対策が必要なことは言うまでもありませんが、これは国土の均衡ある発展のために国会や政府が挙げて努力すべき別の次元のことであります。  なお、過疎地域の定数が減っても、他の区と合区することができるならば、関連の議員はふえることになり、過疎地域と議員の結びつきが必ずしも弱まるとは言えません。  第三に、選挙区制についてであります。  我が党がさきに提出した法案では、現行三ないし五人区の中選挙区制を維持するとしていますが、これは現在も変わりありません。したがって暫定措置としてとられた二人区、六人区は解消すべきであると考えます。  とりわけ二人区は、大量の死票を生み出すと同時に、中選挙区制をなし崩しにし、小選挙区制導入の布石になるもので断じて認められません。前回の選挙での二人区の最大の死票率は、四五・三%(新潟四区)にも達しました。選挙区定数が少なくなればそれだけ死票がふえるのであって、国民の多様な意思と選択を国会の議席配分に正確に反映することから遠ざかることになり、これまた議会制民主主義にとって重大な問題であります。  さらに、二人区が固定化されるならば、五人区の二人区、三人区への分割につながるおそれがあり、大正十四年に普通選挙法がしかれて以来、戦後の一時期を除いて六十年以上の歴史を持っている中選挙区制のなし崩し的改悪、小選挙区制の一里塚となる危険が大であります。  第四に、総定数の見直しについてであります。  定数は、主権者である国民の意思を正しく国会に反映させるために、必要な数を確保すべきであって、当面現行定数を維持すべきだと考えます。  ただこのことは、現行定数を不動のものとして固定化することを意味しません。抜本是正の過程で無理な飛び地や分区などがあれば、それを避けるために多少定数がふえることがあってもやむを得ないと考えます。  一部に議員が多過ぎるとして定数削減論があります。しかし、戦後の発足時、議員一人当たりの人口は十五万七千人だったのに、現在は二十三万六千人となり、人口の伸びに比べ議員の増加は抑えられていることがわかります。また外国との比較では、大統領選の行われているアメリカだけを引き合いに出して議員数を云々すべきではありません。日本の議員一人当たりの人口は、ヨーロッパの主要国よりは多くなっています。本来、歴史も政治的条件も異なる外国との比較は単純に行われるべきではないと考えます。  第五に、選挙区画の見直しについてであります。  格差一対二未満とする定数是正によって、定数が二人以下になった場合には同一都道府県の適切な隣接区と合区し、六人以上になった場合には分区する方法をとり、中選挙区制を維持する考えです。この際必要な場合は、適切な隣接選挙区と境界線変更などの再編を行います。ただし、こうした見直しに当たっては、社会的地理的条件を考慮し、また現行の行政区画の範囲内で行うことに留意します。  以上、我が党の是正内容についての基本的考え方を述べました。  最後に、定数是正問題をどのように検討するかについて意見を述べます。定数是正問題の検討に当たっては、まずこの小委員会で各党が詰めた論議をし、是正原則での一致を図るべきであります。それ抜きにいわゆる第三者機関にゆだねることは、公正・民主的な選挙制度を確立し、議会制民主主義をみずから発展させるべき国会の責務を放棄することにほかならないからであります。  以上が日本共産党・革新共同の意見であります。  以上で終わります。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ありがとうございました。  これにて各党の御意見の開陳は終わりました。  この後から各項目別にわたりまして自由討議に移りたいと存じますが、一応ここで休憩にいたしまして、討議は午後に行うことといたしたいと思います。  午後零時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時二十二分休憩      ────◇─────     午後零時三十四分開議

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより討議に入ります。  なお、討議の際は、議事整理のため、小委員長の指名により発言されますよう、また、一人一回の発言は五分程度にまとめていただくようお願いいたします。  まず、第一項目の格差の問題について討議を進めます。  御意見のある方は、挙手をお願いいたします。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 最初に、自由民主党の鹿野先生に少しお伺いをしたいのでありますが、大世帯でありますから、鹿野先生に代表してお伺いするのはちょっと酷なような気もしないわけではありませんけれども、一応御発言がございましたので、大きく言って二点、格差の問題についてお伺いしたいと思うのであります。  一つは、先ほどの御発言にも、こざいましたように、今学者、有識者の方々から、抜本改正とは何か、またいかなる方法が考えられるかについて幅広い見地、さまざまな角度から御示唆をいただいているという御発言があったわけですが、この定数是正問題は、長い間我々がこの委員会で取り上げてきたときに、いつも自民党さんの方から出ますのは、我々が言っておりますような二倍程度ということになりますと、かなり動くことは私たちも覚悟しておるわけでありまずけれども、そのぐらいやるんだったら中選挙区制そのものを見直したらどうだという話になり、それが小選挙区制へとつながっていく、いつも非公式の理事懇談会ではそういうような話が、何も党議で決まったとかいうような話じゃないと思いますが、御発言があって、いつも話がまとまらない方向に行ってしまうということの繰り返しが随分今日まであったわけであります。  その意味では、今度の国会決議も定数是正に関する国会決議でありますし、また本問題が議員の定数の問題であって、選挙制度そのものの問題をテーマにしているのではない。この枠組みの中で自民党さんの方にもお考えをいただきませんと、とかく抜本是正というと小選挙区制の問題とごちゃごちゃになってしまって、これが定数是正がなかなか前へ進まない今日までの繰り返しだったと私は思っているわけでありまして、これではいかぬのじゃないだろうか。したがって、話の前提としてはあくまで定数是正の問題として抜本是正というものを扱うんだ、この辺のところは党内的には詰められているんだろうか。ちょっと先ほどの御発言の中で、抜本改正は何かとか、幅広い見地、さまざまな角度なんて言われますと、またまたこれが出てくるのかなという気がいたしましたので、その点を一つ。  それともう一つ、自由民主党の選挙制度調査会の会長であられる後藤田会長が、理論的とは申せ、次の国勢調査は六十五年なので、それらの確定値が発表される六十六年十一月までは、理論的には定数是正は三倍以下になっているからしなくていいのだということを言われておるわけでありますけれども、このあたりの御発言というのは、会長としての御発言でございますので、定数是正に関する自由民主党の小委員会では、一つの考え方の基本と申しましょうか、討議の枠組みと申しましょうか、このあたりはどういうふうに議論がなっているのでありましょうか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 二点ございまして、要するに抜本改正とは何かということで、中選挙区制から小選挙区へというふうな繰り返しであった、こういう今日までの経緯、経過は別といたしまして、先ほど申し上げましたとおりに、私どもは国会決議というものは厳粛に受けとめておりますから、やはりこの際におきましても、過去の経緯、経過の議論というものは別にして、抜本改正というものは何であるかというふうなことは当然触れていかなければならない、そういう根本的な問題でありますから、真剣に小委員会においても学者なり有識者の人たちからそういう点を、改めてというふうな意味におきましても、いろいろ御示唆をいただかなければならないのじゃないか、こんなことで、別に中選挙区から小選挙区というふうな、そういう何か一つの枠をはめた形の議論では決してございません。まさしく抜本改正とは何であるかというそのままのことにつきましての取り組みをいたしておるということだけは明確にさせていただきたいと思います。  それから二番目の、私どもの後藤田会長の発言等々につきましては、会長としての意見考え方として述べられたという認識をいたしておりまして、そういう考え方が小委員におきましての合意というふうなことにはなっておりません。その点も申させていただきます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 格差の問題でありますけれども、憲法で要請されているところの国民の権利というものは、あくまでも一人に対して一票というのが大前提になければならない、このように私どもは考えているわけでございます。しかし、選挙区にいろいろ案分すれば必ずしもしゃくし定規にぴしっとはいかない。多少でこぼこが出るのは物理的にやむを得ないことではないかと思います。しかし、従来の改正と異なりまして、抜本改正とうたった以上は、あくまでも基本原則にのっとるような案であって初めて抜本改正と言えるのではないか、このように考えます。  かつて、三十九年あるいは五十年等の改正は積み上げ的な改正であった。したがって改正の都度新しい矛盾を生み出してきてしまっている、このように考えているわけでございます。したがいまして、今回抜本改正とうたった以上、やはり国民の権利というものは限りなく一人一票に近づけていくのが抜本改正ではなかろうか、私どもこのように考えているわけでございます。初めから二倍でいいんだとか三倍でいいんだとかいう議論、我々も二倍以内ということは申し上げておりますけれども、初めから何か何倍でいいんだということよりも、まず限りなく一票の原則にのっとって案をつくる努力をしていかなければ抜本改正とは言えないのではないかと考えておるわけですが、この点につきまして自民党さんの方のお考えを承っておきたいと思うのです。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 まことに貴重な御意見をお聞かせいただきました。  自民党としましてもいろいろ考え方がありまして、先ほど申し上げましたとおりにまだまとまったというふうなところまで至っておりません。今日の状況におきましては、今伏木先生申された点を私どもも謹んでお聞かせいただきましたということにさせていただきたいと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 自民党の意見を確認をさせていただきたいと思うのですけれども、今社会党の佐藤さんからの質問に答えられたことの一つは、中選挙区制の今の選挙制度を変えるというのじゃなくて、定数の是正として取り組んでいるということで確認をしてよろしいのかどうか、これが一つ。  それから、後藤田さんの発言、六十五年の確定値の発表までは現行定数で差し支えないというのは小委員会の意見になっていないという話でございますが、後藤田さんは同時に、一対二未満は空理空論というようなことも言っておられるわけですね。一対二未満ということを否定する意見を言っておられる。自民党の中でも一対二未満ということを主張される方もありますが、この点では今までどのような議論が自民党の中では展開をされているのか。  それから、格差と直接かかわりはありませんが、やはり決議との関係で「速やかに」ということになっているので、今の後藤田さんのように六十五年の確定値発表までなんということになるとはるか先になりますが、自民党としては一体いつごろまでにこの案をおまとめになるつもりなのか、お聞きをしたいと思います。  それから、社会党、公明党、民社党にもお聞きをしたいのですけれども、社会党は前に格差一対二・五ということを言われたように報道されていましたが、党議として一対二未満ということで先ほどの佐藤さんの御発言のようなことになったのかどうか、伺わせていただきたいと思います。  それから、これは社公民三党それぞれ共通でありますが、百二国会では三倍以内ということで六増・六減修正案を出されたと思いますけれども、今はそれぞれきょうお話しのように一対二未満ということを目指して定数是正をやる、こういうお考えなのか、伺わせていただきたいと思います。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 ただいま選挙制度と定数是正を別にしてというふうな御質問ですか。――定数是正は、選挙制度という中においての一つの基本的な考え方でありますから、別にしてという考え方ではございません。選挙制度というふうなものを基本的ないろいろな議論の中で、もちろんその中の抜本改正の基本原則五項目につきましても一つ一つ議論をいたしております、いろいろな考え方をお聞きいたしております、こういうふうなことでありまして、分けて考えているということではございません。  それから、一対二についての具体的な議論があるのかどうかというふうなことでありますけれども、どうあるべきかというところまではまだ至っておりません。  いつごろかということでございますが、私どもは今の時点でいつごろというふうなことを明確にさせていただくことはできないわけでありますけれども、できるだけ早くというふうな考え方に立って精力的にやっていきたいと思っております。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 私どもにも御質問がありましたので、お答えさせていただきます。  かつて、これはもう何年前になりますか、二・五というのは、自民党さんが全然話に乗ってこない、ここで二なんて言ったらとてもじゃないという政治情勢の中で、とりあえず、じゃ二・五ということで話を少し始めましょうという呼びかけ、呼び水的なことで言ったわけで、それが二・五ということであります。  抜本是正ということでやっと、中身はこれからでわかりませんけれども、とにかく話になってきたわけでありますから、当然のことながら私たちは二を切る、倍率二倍未満ということでこの問題を進めるべきであると党の中で決めてきているわけでございます。したがいまして、六増・六減というのも前に申しました政治情勢の中でやっている話でありますから、いわば扱いとしては暫定的な、とにかく是正をしなければならぬというもとで出たものでありますから、今後の基本的な考え方は、これから皆さんで十二分に協議をした中で抜本是正をやっていくというふうに御理解をいただければと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花小委員 この点は共産党の場合にも、衆参の選挙制度、抜本的に考えた場合には比例代表の見地を重視すべきであるというお考えがおありになったと思うのです。そうした見解について読ませていただいた記憶があります。ただきょう、今日の段階で先生の方から提案があった共産党の見解は、今日のこの小委員会を開くという情勢での御意見のおまとめであるというふうに承ったところですが、我々としてもきょうの段階に備えて改めて党内で議論をいたしまして、きょう佐藤小委員から発表したような形での意見にまとめた、こういうことでございます。  なお、関連して、ちょっと私、ほかの委員会があったものですからおくれて済みませんでした。項目別に議論が始まりましたけれども、冒頭全体の御意見を伺った印象として、野党側からはこの決議にかかわる具体的な問題についての立場が報告されたと思うのです。抜本改正に対しては、まず二人区・六人区の解消の問題がある、議員総定数の問題がある、選挙区画の見直しの問題がある、そして過疎・過密問題についての定数配分の問題がある。この問題について、先ほどメモをしましたけれども、また資料をいただきましたけれども、野党側は五百十一、共産党の場合には固定化しないでというお話もありましたが、そうした総定数についての意見の発表があり、選挙区画については三人―五人区といった原則がそれぞれの立場でありました。格差につきましても、若干のニュアンスの違いはありましても、二倍以内ということでの具体的な話があった。こういうふうに思うのですけれども、与党自民党のお話は、今書面でちょっと確認しましたけれども、この点について全くお触れになっておらないわけですね。  抜本改正をいかに図るか、二人区・六人区の解消、総定数及び選挙区画の見直し、過疎・過密等地域の実情等への配慮を全国百三十の選挙区を通じてどのように実現するかは極めて複雑多様な検討を要する問題である、こういうことだけでありまして、どのテーマにつきましても、これでいったらどうかという具体的な話はなかったというところが大変特徴的ではなかったかと思うのです。  まとまった考え方はないとおっしゃいました。しかしその前段は、鋭意委員会を設けて検討するということで進めてきたのだけれども、それだけ鋭意検討されてなおこの状態であるということですと、かつての六十一年の議論の際にも、まず多数派与党の考え方が全く出てこないというようなところから長引き長引きという経過があったわけでありまして、今回の場合にも、今格差の問題から始まったわけですけれども、こうした抜本改正について議論をする、そのいわば個別的な前提として整理しなければいけない幾つかのテーマについて与党の側から全くお話がないと、そこだけ与党に質問が集中するということの繰り返しで終わるのではなかろうか。やはりこの問題についてまず与党自民党としても、二人区あるいは六人区の解消をするのかしないのか、総定数五百十二になったところを一にするのかどうか、あるいは関連しますけれども三から五のところを一体どうするのかということについて、鋭意これからも検討をしていくというお話でしたが、まずその点について方針を打ち出していただかないとなかなか議論は進まないのではなかろうかという気がするわけでありますので、この点をぜひお願いしたいということを要請したいと思います。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 一つ一つその方針を出さなければならないということで目下鋭意精力的に努力をさせていただいておりますので、ただいまの社会党さんからの御意見は私どもも十分踏まえて、これからも懸命になって努力を払っていきたいと思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花小委員 蛇足ですけれども、実は二月十八日に議長の方から議運の理事に要請がありまして、決議の実行について速やかに議論を進めてもらいたい、そして三月十七日に議会制度協議会を開かれまして若干議論があったようですが、ここでの経過も、形はつくったのだけれども一、二回議論したら前へ進まなくなってしまったというのが現状ではなかろうかと聞き及んでいるわけであります。やはり自民党の方が問題点について整理していただかないと、この議会制度協議会における議論と同じように一、二回ぐらいから行き詰まってしまうのではないかと思いますので、くどいようですけれども、その点お尋ねしたいと思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 共産党から公明党にもお話がございましたが、私どもは従来から格差は二倍以内ということは一貫して言ってきておったわけでございます。しかし、前国会におきましてもぎりぎりの段階になって格差二倍ということをあくまでも主張し各党間の意見の調整ができないと、あのまま、以前の選挙区のまま選挙戦に飛び込んだかもしれませんし、そうなりますと異常な混乱状態が起きるのではないかというような懸念も多々ございました。したがいまして、抜本改正が行われるならば、人口の確定値が決まった段階で抜本改正を行うという約束ができるならばまあやむを得ない、百歩譲って八増・七減で一応クリアしていかなければならない、やむにやまれずあの案に同調をしたわけでございまして、あの話し合いの際に各党で約束した六十年の確定値に基づく抜本改正を行うというかたい前提のもとに、これは口約束じゃだめだ、本会議で全会一致で約束をしようではないかということで決議に至ったわけです。したがって、今回このように小委員会を設けられましたけれども、あの決議は本院としても重大に考えていかなければならない、このように私は考えております。

岡田正勝民社党・民主連合

○岡田(正)小委員 共産党さんからの御質問がありましたのでお答えいたしますが、公明党の伏木先生の意見と我が党は全く同じです。抜本改正は六十年の国勢調査の確定値が出たら速やかに行うということを本会議で決議をしよう、その約束のもとでさてどうするか、こういうことでしたから、あくまでも暫定的な改正であるというので八増・七減案というのを認めるに至ったわけでありまして、格差二倍以内ということは終始一貫変わっておりません。  さてそこで、鹿野先生にちょっとお尋ねするのですが、非常に立派な御意見を冒頭にお伺いしたのでございますけれども、またこれは同じことになってしまうのではないかなという心配が非常にありますのが、肝心かなめの過半数以上を握っていらっしゃる自民党さんそのものが、この抜本改正に対していわゆるまとまった意見といいますか、自民党としてのまとまった意見が出てこないと抜本改正の作業は全然進まないのではないか。  野党、我々の方は全党そろって具体的な案を提出しておりますね。意見も発表しております。ところが、肝心な自民党さんが具体的な御意見の発表がないということになると、何を相手にして討議したらいいのか全然進んでまいりませんので、この小委員会をつくるときにたしかこういうお約束があったと思うのです。党として決まった意見を発表できないこともあるでしょう、またそういう党もあるでしょう、その場合には個人的な見解でもいいからフリーに討議をしようじゃないですかというようなことがあってこの小委員会がつくられたというふうに私は理解しておるのですよ。  それで鹿野先生が、先ほどから聞いておりますと、幾ら各党から御質問が具体的にありましても、ただいま党内ではまとまっておりませんのでまたいずれ、こういう御返事で終始しているわけです。それで、私は口が悪いかわかりませんが、まさしく自由討論をやっておって隔靴掻痒の感があるのです。これは何とかならぬものかな、もう一歩前進した話ができないものかなというふうに思うのですよ。  せっかく小委員長もこの衆議院本会議決議を五項目に分けられて、そして各項目ごとに検討しようやといって検討項目を印刷までして配っていらっしゃって、議事の進行の仕方も、それではまず第一項の格差是正について各党の御意見を承りたい、こういうことで進んでおるのでございますが、まとまっておりませんのでということでそこで意見が出てこないということになったのでは、一体これから後どういうふうにこの小委員会は論議を進めたらいいのでしょうかね。非常に迷うのですよ。個人的な見解でもお出しになるというようなお気持ちはございませんですか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 この小委員会が発足する際には、ただいま岡田議員の方から言われました各党それぞれ自分の党の基本的な考え方を出せるところは出しましょう、こういうことであったわけであります。個人的な見解でもというふうなところは、これは私どももちょっとその辺のところはどうであったかなと思っておるのですが、それではということで小委員会がこうやってつくられたわけでありますが、全然このままでは前進しないのではないか、こういうことでこざいますけれども、決して前進しないというわけではなしに、正直私どもも人数が多いわけですね、議員の数が多いわけですし、それぞれ各選挙区複数というようなこと等々もございまして、同じ選挙区でもいろいろな考え方がある、これを本当にまとめていく、党の考え方としてこうなんですということは、五項目について一つ一つやっていたら大変なことでありまして、大変なことはわかっているよというふうなことを言われればそれまでなんでございますが、しかしそれを何としても出さなければいけない、何としてもこれは大変重要な問題だからというふうなことで、新たな一つの気持ちのもとに今日努力をいたしておるわけでありまして、それぞれ三つの、定数是正だけではなしに、そのほかの問題等につきましてもやらさせていただいておるということでございますから、このまま何も前進がないんじゃないかというふうなことはどうぞおっしゃらずに、私どもも野党からの御意見を、本当に貴重な御意見だ、非常に大事なことをおっしゃっているな、こういうふうなことを踏まえさせていただきましてこれからも努力をしていきたいと思っておりますから、決して前進のないものではないということだけはひとつ御理解をいただきたいと思うのであります。

岡田正勝民社党・民主連合

○岡田(正)小委員 鹿野先生のお気持ち、よくわかります。お気持ちよくわかりますが、今のようなことで進んでまいりますと、この小委員会というのは、自民党さんが野党を参考人に呼んで、それでその参考人の意見を聞きおくということにとどまってしまうような感じがいたしまして、何か変な感じだなという気がするのですよ。  それで、願わくは、先ほども御質問ありましたけれども、党が大きいですからなかなかそう簡単にはまとまらぬよという御事情はわかりますが、しかし六十年の確定値が出てもう一年はゆっくり越えちゃったわけですね。一年半目に入っているわけですね。一年半かかって、やはり三百一ありますから意見がなかなか集約できないのだということを、一応きょうのところはそうですかということで我々が了解するといたしましても、しからばいつの時点になったら自民党さんの御意見がまとまるんですかと聞きたいのですよ。それはお答えいただけませんか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 今日の時点では、なかなかいつまでというふうなところは申し上げるまでに至っておりません。しかし、できるだけ早くというふうなことだけは申させていただきます。

戸塚進也自由民主党

○戸塚小委員 私は、鹿野委員のような党総務局長という立場ではないので、責任ある者じゃないと思いますが、ただ小委員の一人として感じたことをちょっと申し述べたいと思います。  先ほど来共産党さんからも、小選挙区のことを指してこれは議論の対象外であろうなとか、いろいろなお話があったわけですが、しかし各党からの御意見を伺ってみると、ともかく全く公正にすべきだ、格差がないようにすべきだというのが考え方でありますから、その考え方からいくならば、小選挙区であろうとどんな選挙区であろうと、ともかく最も公正にあるべきはどういう選挙区制度であろうかということもやはり当然検討の対象に考えながらやっていくべきことである、こういうものはもう頭から考えるべきではないという議論から入るというのはどんなものかなということを、私、伺いながら感じたわけです。  それで、韓国なんかでもこのほど小選挙区制やったらあのように与党が全く負けちゃっているわけですから、そう簡単に自民党が小選挙区をとるなんということは僕はなかなか思いにくいのですけれども、要は、各党各党ということも大事ですけれども、この場はやはり衆議院の公選特の定数是正に関する小委員会でありますから、あるときには党も離れた中で、議員としてどうあるべきか、選挙制度としてどうあるべきか、こういうことの論議もこの委員会の中であっても決して悪いことではないのではないか、こんなふうに思います。  それからもう一点だけ申し上げたいのは、先ほど非常に大事なお話で、この是正ができなければ解散すべきではないのではないかというお話があったのですが、気持ちの上ではおっしゃっていることまで否定するということじゃないのですが、やはり今のところは、これは今の選挙制度が合憲だということがはっきりしているわけでございますし、やはり国会も憲法に基づいて、また関連の法律でやっているわけでございますので、この是正ができなければ解散できないというのはちょっと適当ではないのではないか。  以上二点、意見として申し上げます。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 一つは、今戸塚先生言われたこと、一般論として私は、選挙制度をいろいろなことで論ずることは、それは自由だし、その自由があることは非常に重要だと思うのです。ただ、そこまで今度議論の枠を広げちゃいますと、これはまたまた収拾がつかなくなっちゃう。当面、国民の中で非常に不満が多いのは、制度論の問題ではなくて、定数是正といいましょうか、議員と有権者数との余りのアンバランスということが最大の関心だというのがいわば共通した土壌ではないだろうかというふうに思っているわけで、あくまでこの国会決議というのも「定数是正に関する決議」ということになっておって、私たち当委員会のテーマとしては、とりあえず当面この定数是正についての決議をどう実現をしていくかという議論を深めるということではないかというふうに思っているわけです。一般論として選挙制度がいかにあるべきかということは、これはある意味では絶えずお互いに検討しておかなければいかぬことではないか。ただ、今当面焦眉の急になっている話はやはり定数是正ではないかということで議論を深めていただきたい。自民党さんの方も、この枠の中でこの問題については深めていただきたい。  それともう一つは、鹿野先生の御発言を聞いていて非常に異に思うのは、税制改正の法案を精力的にいついつまでにやるといって次の国会を開く日程までやっておいて、こちらの問題というのはいつ結論が出るか全然わからないというふうな議論は、天下の与党としては私はなかなか受け入れにくいのではないか。その意味では、税制も一生懸命議論していらっしゃるのだから、確かに私たちの方が関係する議員が皆さんの方に比べれば少ないということで議論が簡単だということがあるかもしれませんし、与党の方は確かに人数が多いからその意味での大変さというのは私たちもわからぬわけではありませんが、ひとつ自民党の税調ぐらい一生懸命この問題を議論していただきたいなと思うのですが、いかがでございますか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 いつ出すかわからないというような無責任な考え方は、私どもは一つも持っておりません。責任を持っておりますゆえ、非常に速やかにかつ慎重にこれは運んでいかなければならない、こんなことから、税調の話が出ましたけれども、御案内のとおりに、選挙制度三つの小委員会を設けて、これは精力的にいろいろ議論をいたしております。また、いろいろな御意見もお聞きをいたしておるということでありますから、無責任にいつ出すかわからないというふうなことではございませんということだけは、私ども自民党として明確に申させていただきます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 今お話がございましたこの小委員会でございますけれども、選挙制度については委員会の方もございますし、その委員会の中でわざわざここに定数是正の小委員会ということを前提にこの小委員会を設置した以上、やはり私は、この小委員会は定数是正に限定して議論をしていかないと、これはいつまでたっても結論が出ないのではないか、このように思います。ですから、制度上の御意見は委員会の方で幾らでもできるわけですから、ここはひとつ小委員長、定数是正に限定する、そのためにつくった小委員会ですからそのようにしていただきたい、これが一点でございます。  それから、私ども、自民党さんの方から案が出るのを期待するわけですけれども、と申し上げるのは、六十一年の改正の際の暫定措置の際も申し上げたのですけれども、あの暫定措置をやる以前に、五十八年から最高裁は違憲の疑いありという判決を出しておるわけです。その後、各党の代表者が集まりまして、これは何とか是正しなければならないということで三年間にわたっていろいろと議論をしてきたわけであります。その三年の間に野党からはいろいろな案を出しましたけれども、とうとう自民党さんも、三年間いろいろな事情があるということでお出しにならないで、そして六十年の遅くになりましていきなり六増・六減というとんでもないものをぶつけてきて、時間ぎりぎりになって初めて案が出るということで、結局あのような結果に終わってしまった。その反省を踏まえるならば一日も早くお出しいただかないと、案が出てからでも相当の議論をしなければならない、それであるのに案が出るのにこれまた二年、三年とかけられたのでは、結局この小委員会をつくった意味がなくなるのではないか、このように考えますので、ぜひこの点をお願いしたいと思います。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 最初の御意見の、この小委員会は定数是正ということでつくられたんだから、議論はそれを主として、それに集中してやっていくということが必要だということについては私も同感でございまして、そういう方針で運営したいと思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 よろしくお願いします。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ではその次、鹿野委員、何かありますか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 ございません。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 やや議論の焦点が絞られてきた感じがするのですけれども、この定数是正について、今委員長の御発言で自民党の委員の皆さんの御発言が否定されたような形になっているかと私は思います。決議そのものは、例えば二人区・六人区の解消ということをうたっているということは、これは三ないし五人区の中選挙区制を維持して、そして定数是正をする。それは自民党の中でいろいろ御意見があるでしょうけれども、やはりこの決議の範囲で今この定数是正に関する小委員会ができてやろうというわけですから、いろいろな意見があってもこれに拘束されていくべきものではない。だから、やはり小選挙区制とかなんとかいうことは、心の中でお考えになっていたりあるいは選挙制度委員会で議論をするということはあっても、ここでは三ないし五人区の中選挙区制を維持した定数是正をどうするかということについて真剣に意見をまとめるということでなければならぬのじゃないか。これは自民党の御発言いただいた委員の方にもお聞きしたい。  もう一点は、特に総務局長でもあられる鹿野委員に伺いたいのですが、本委員会で政府に質問をしましたら、自治大臣はやはり国会でやってくれ、こういうお話ですね。それで国会でやり出したわけですけれども、自民党が案を出さなかったら、これはどうにも動かない。先ほど来野党の各委員からお話があったとおりでありまして、これは自民党、政府与党としては、一体政府が案を出すのか、それとも自民党が案を出すのか、責任は一体だれが負うのか、この問題についてやはり自民党としての責任をはっきりさせなければならぬのじゃなかろうか、この点についてはいかがお考えか、この二点を伺いたいんです。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 まず二番目の、党として案を出さないかどうかということでありますが、もちろんこれは国会におきまして決議をいたしておることでありますから、我が党としては責任政党でもありますから、党として案を出さなければならない、こういうことで取り組んでおるところであります。  それから、小選挙区等々の問題との絡みというふうなことでございまずけれども、結局私どもは、その決議された問題等について結論を出していかなければならないわけです。しかし、結論を出していく場合に、いろいろな観点からの議論が当然出てくるわけであります。しかし根本的には、決議に沿ってどのような考え方に立っていくかということを結論を出すわけでありますから、その中でやはり自民党は自民党としてのやり方もありますし、取り運びというものもあるわけでありますから、私どもはその点だけは履き違えないでいくということだけは明確に申させていただきます。

戸塚進也自由民主党

○戸塚小委員 今の松本委員の私に対するお尋ねなんですけれども、私が一番申し上げたかったことは、きょうの各党の御意見を承った中で、ともかく最も公平を期せ、一対一と申しますか、一対一はできなくても一対二とかそういうことは断固として実施すべしという各党の御意見を伺ったのですが、この前のあの八増・七減ということでさえも今大きな大きな問題が出てしまって、そのために今、合区されたりいろいろされた一人一人の議員の立場というのが大変なことになっているのは委員も御存じのとおりですね。であるならば、そういう非常に大きな平等を期せという御意見を考えるならば、今の選挙制度だけにこだわって、そのものの中で考えたんじゃそれはなかなか難しいのじゃないか。だから、それが今すぐ実現できるとかできないという問題はともかくとしても、どうあったら一番公正な点に近づくかというふうなことの議論からやっても悪くはないのじゃないか。この議論は頭からだめで、今までの選挙制度というものだけの中でがちがち考えていくんだよということになると、なかなか今の理想に近づくことが困難になってくるのじゃないかということを考えたので、その点に余り初めから足かせ手かせみたいな形じゃない形の議論をした方がいいのじゃないか、こんなふうに申し上げたわけです。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 どうでございましょう、格差の問題ですが、時間もある程度過ぎましたので、項目を一応ここでそれぞれ意見を述べられましたので、次の段階ではまたいろいろそれに基づいて各党からより固まった意見が出てくると思いますが、この格差の問題についてはここで一応とめまして、次の二人区及び六人区の解消の問題について討議を進めたいと思いますが、いかがでこざいましょうか。(「結構です」と呼ぶ者あり)

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 報道によりますと、自民党の中で、二人区選出国会議員から二人区解消に消極的な意見があるということが報道されておりました、ある新聞ですけれども。そういうのは実際あるんでしょうか、自民党内の意見として御紹介いただきたいと思います。  そして、自民党としては、この二人区解消ということについては決議のとおりですから当然ですけれども、二人区・六人区の解消ということはもう異論はないということなんでしょうか。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花小委員 今、二人区問題についてお話がありましたけれども、過日の公選特の議論の場では、自民党の方から、六人区も維持すべきではなかろうかといった立場での御質問があった記憶があります。したがって、松本小委員おっしゃった二人区解消だけではなく六人区についても解消しない方がよろしいのではないかという議論が、それぞれそういう議論が自民党内におありになるんじゃなかろうかというように印象を持っておるのでありますが、その点もつけ加えて、二人区だけでなくて六人区の解消問題についても同じような意見があるのではなかろうかと思いますが、いかがですか。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ちょっとさっきの格差の問題につきましていろいろ御意見が出まして、一対一、一対二、それぞれ意見が出ましたが、一対一、一対二についての何か具体的な進めていく案というのは、これはもう各選挙区に全部関係が深くなると思いますが、それらの問題について何か党で御研究になっておりましょうか。それを御研究になっておりましたらその具体的な案を何かこの次まででもお示しいただく、用意をしてきていただくということがいいんじゃないかと思いますが、どうでしょう。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 それは、例えば二倍未満にどう是正するかという方法論のことですか。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ええ。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 それは私もちょっと先ほど言いましたように、昭和二十二年につくった法律のように各都道府県に定数を割ってそれから境界線を変えるというやり方もあるでしょうし、あるいはこの前のように、八増・七減のときにやったように一番甚だしいところだけを上から順番にいじっていくということもありましょうし、ただしこの場合には先ほど触れたように逆転区が新たにできてしまうという問題もありましょうし、あるいは西ドイツのように上下三分の一、つまり三分の四と三分の二平均値からどれだけ離れているかという偏差方式を使うやり方もあるでしょうし、それはまたこの次の深い議論に言っていけばいいのではないか。伏木先生のところは昭和二十二年にやったやり方でどうだという御意見を先ほど言われていましたけれども、私はそれは一つの案でもあるしやり方でもあると思いますが、これはまたいろいろさらに、どのやり方も長短あるので、それは本当に自民党さんの方が乗ってきてくれれば、乗ってもらわなければ困りますが、やり方についてはさらに深めた議論をここでまたすればいいのではないかと思うのです。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花小委員 今佐藤小委員のおっしゃったとおりでありまして、我々としてもさっき佐藤小委員がおっしゃったA、B、C、Dのケースについて、あるいはそれをさらに詳しくした場合、一応試算したりしていますけれども、なかなか難しいのは分合区境界変更等をかみ合わせますと、二倍ということを目標にやる場合には、恐らく感じでは、一・五倍くらいに振り分けた中で分合区境界変更をやって結論的に二倍になる。こういうように具体的に試算をいたしますとかなりレベルが違ってくるわけでありまして、そうなってくると前提として二・九九なのか二倍なのか二倍以下なのか、このあたりが固まってまいりませんと何十通りの案が並んでくるということにもなりかねないわけでして、やはりここのところは格差の基本的な各党の合意というものがないとその次には進みにくいのではなかろうか、こういう気がするわけであります。そういうことでございます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 私どもは、今議論されている一倍、二倍という議論のほかに、格差の問題としては県と県の逆転現象もこれは議論をしていかなければならない問題ではなかろうかと思います。これはさらに細部にわたったときに議論しようと思っておりましたけれども、逆転現象の県がたくさんあるわけですね。私ざっと見ただけでも、十以上逆転現象の県があるわけです。要するに人口が少ないのに定数が多いということですね。これはもう明らかに是正をしていかなければならない。しかし、これは二倍とか三倍とかというそんな大きな差にはなっておりません。しかし、県対県の格差の是正は二倍とかどうとかじゃなくて、厳密に人口比によって、我々は最大剰余方式を用いて県対県の比例配分をせよという案を提示はいたしておりますけれども、これはまたさらに細部にわたって議論するとき私どもも申し上げていきたいと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 私たちの党は、五百十一で格差一対二未満というのは、前国会で区割りまで出して提案をしたわけです。それで、今まで定数是正をやってきた方法、いわば同数増減法ということでいきますれば、格差一対二未満で五百十一というならおのずから大体出てくる。事務当局がつくっても大体出てくる。それは細かい区割りはいろいろありましょうけれども、出てくる性質のものではないだろうかと思うのです。だから、ちょっと先ほどの自民党の方からのお返事をいただきたいと思うのですが……。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 二人区・六人区の問題につきまして我が党においてどうであるかというふうな御質問がございましたが、もちろんこの問題につきましても、解消等につきまして決議もされていることでありますから、それを踏まえての議論がいろいろな意見が出されておりまして、そのことは記憶をいたしております。ただ、二人区の解消について消極的である、あるいは六人区について解消が消極的であるというふうな考え方の意見が出されたということではなしに、私どもの記憶といたしましては、選挙区の有権者の人たちが果たしてどうなるのだろうかなというふうな点について非常に不安な気持ちを持っておりますという等々の、選挙区の有権者の人たちのいわゆる現状、現況等々につきまして御報告があった、こんなようなことを記憶をいたしております。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 この二人区・六人区の解消については、私はここでそう議論すべき内容ではないと思っておったのです。ということは、前回の暫定措置のときに、どうしても二人区をつくらなければならない、六増・六減で出てまいりました当初、その際に我々はこれは小選挙区制につながっていくという意見で大分議論になりましたけれども、そのとき今回の暫定措置に限って何とか認めてもらいたいというのが自民党さんからの御意見でございました。したがって、この決議のときにさしたる議論もなく、当然二人区・六人区は解消されるということでそう議論なしにこの決議の中に入ってきているわけですので、やはり従来からの三人区―五人区という前提に立って二人区・六人区は解消すべきである、私はこのように考えております。

岡田正勝民社党・民主連合

○岡田(正)小委員 この分については、自民党さんも意見がまとまっておるのが本当じゃないかと思うのですね。二人区・六人区の解消、これは衆議院の決議におきましても明確に活字になっておるのですね。それも決まっておりませんか。二人区・六人区の解消ということすらまとまっていませんか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 その点についてまとめるというところまでは至っておりません。ただ、解消というふうなことについては、先ほど申し上げましたとおりに国会におきます決議でございますから、それを前提としていろいろ意見なりあるいは議論をされたということでありまして、その中身については先ほど申し上げたとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 今、伏木先生、岡田先生からもお話があったように、私たちは、この二人区・六人区の解消というところはもう国会決議にもはっきり書いてあるわけで、検討するとかなんかじゃないわけですから、そういう意味では、これは当然次の選挙には解消されて選挙が行われるという解釈でおるわけです。  言うまでもありませんが、特に六人区というのは、かつて昭和五十年の改正のときに分区というのは十二分に経験をしているわけです。それから二人区というのは、合区した後分区するという関係になるわけで、実際に地域が移動するということになるわけでありまして、この前委員会で塩崎先生からもいろいろと現状についてお話がございましたが、その点ではわからないわけではないが、しかし今のような定数のアンバランスというのは国民の基本的な権利を奪っているという観点に立つならば、それもおしのぎをいただかなければいかぬのではないかなというふうにも思っているわけでありまして、このことはこの場で鹿野先生に、次の選挙までには必ず二名区・六名区の解消はいたしますというふうにお答えをいただきたいところでありますが、解散権は鹿野先生が持っておるわけじゃないから……。しかし、いずれにしろ今野党が言われているのは共通の認識だし、国会決議の重みから申しまして、当然次の選挙までにはこの二人区・六人区の解消ということは行われてしかるべきであるというふうに思いますが、個人的でも結構でございますが、いかがでございますか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 よく踏まえてやってまいります。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 それでは、大体二人区・六人区については、今お話しのようにかなり決定的なものの方へ結論が出ることになると思います。  そこでさらに、次に第三の問題について御議論を願いたいと思いますが、議員総定数の問題、この見直しについての討議を進めたいと思いますが、どうぞ。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 これは自民党さんではありませんが、議長は五百十二名を減らすというのはなかなか現実には難しいのではないかという御発言があったやに、議長さんは言われたというようなことが新聞に出ていたのですけれども、自民党さんの方でこの総定数問題についてはまだそこまで議論がいっていないということならば、それはそれまでということになるかもしれませんが、どんなような議論になっているのでしょうか。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 いろいろな考え方が出ておりますけれども、まだこの小委員会という中において御報告を申し上げるようなところまでは至っておりません。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 ちょっと岡田先生にお伺いしたいのです。  岡田先生の案ですと、できれば五百人未満にしたいというような御趣旨が言われているのですが、確かに地方議会もいろいろ減らしていらっしゃるし、私たちも行政の効率ということをいろいろな意味で考えれば、多いだけが能ではないことも一面ではそうだと思うのですが、ただ先ほど私が三つ例を申し上げて、一つは人口が事実上ふえていること、それからもう一つ、非常に私が国会の中で感じているのは、立法府との比較において行政府の力の強さですね。これは各役所が年次経るごとに極めて膨大な人を使い、立法府の人数あるいは国会議員という立場から見て比較にならない。行政府の守秘義務といういろいろな壁もありますし、こちら側が調査権といってもおのずと限界があるということを考えますと、私は五百人と五百十二人、それがどう違うかと言われて別にそれは理屈があるわけじゃないが、行政効率の面だけでこの問題を論じていいのだろうか。三権分立という中で形骸化している、唯一の立法機関とは言われつつ実際の権限の実感としての弱さみたいなものを、国会議員の人数が多ければそれですべてカバーできるということじゃないけれども、やはり我々の責任を十二分に果たすことでこれは御理解をいただけるのじゃないかと思いますけれども、その辺などはできれば五百人未満にしたいと言われた中ではどういうような議論、お気持ちがあるのでしょうか。

岡田正勝民社党・民主連合

○岡田(正)小委員 お答えします。  気持ちの上においては、佐藤先生と私全く同じなのですよ。同じなのですが、なぜ民社党が三つの出し方をしておりますかというと、少なくとも当面は五百十二を五百十一に、それは国民感情として、行政改革の風潮が非常に進んでおる中で逆に定数をふやすとは何事かという国民の非難が非常に多かったことも事実でありますので、少なくとも当面五百十一に戻すべきではないか、そして五百名以下に削り込むように定数の削減に努力したらどうか。それで本則が改まらぬとするならば、四百七十一の本則に戻すべきではないかというような三段階の意見を言っておるわけでありますが、議員の数を減らすばかりが能だとは思っておりません。  議員の数を減らすことが即行政改革であるとも、私は短絡的に結びつけてはおりません。今佐藤先生がおっしゃったように人口もどんどんふえてきておることでもございますし、議員一人当たりの人口数というのは、昔と今とを比べたらそれは比較になりません。そういう意見もよくわかりますし、行政府の力の強さに対して立法府の力の弱さというのは、これはもう実に著しいものでありまして、これを嘆いておるのも、私も全く同じ立場のところであります。  そこで、それを嘆いておるのに、行政改革の一端としてでも定数を少しでも減らすべきだということをとっておるのはなぜか、それではますます力の差がつきはしないかということでありますが、これに対しては、例えば今国費をもって各議員に秘書が二人認められております。これをアメリカ並みにもっと議員の秘書を、いわゆる議員から見たら調査機関ですね、これの数をふやしていくべきである。この数をふやしていくことによって議院の力をつけていくという方向に持っていくべきではないのか。もっと議員の手足をふやしてやるべきだ、今の二人の秘書というのでは余りにも少な過ぎる、これでは行政府との力のアンバランスはどうしょうもないというふうに考えております。  以上です。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 先ほど一般的には申しましたけれども、世界年鑑で議員一人当たりの人口を調べてみますと、日本は二十三万六千で、イギリスは下院の場合八万七千、フランスが九万六千、西ドイツが十二万三千、イタリアが九万一千、スペインが十一万一千。日本は一人当たりの人口は相当多いですね。アメリカは一人当たり五十二万一千ですけれども、アメリカは先ほど申しましたように大統領選挙が行われておって、民意の反映の仕方がちょっと違うわけです。日本の場合はそれなりに歴史は持っていますし、外国と単純に比較するというのは違っていると思います。それから、何か少なければ少ないほどいいみたいな議論は、私は完全に間違っているのじゃないか、民意の反映を十分にするということを定数の場合でも考える必要があるのじゃないかというふうに思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 公明党の方は、定数につきましては五百十二、これは前回一名ふやした、これは間違いなく減らすべきである、したがって五百十一を超えない定数、こういうふうに定めてございます。と申し上げますのは、世論的に議員の定数を減らせという世論も確かにございます。そこで、一つの案ができまして配当基数を並べたときに、その配当基数が〇・〇〇〇〇一というような細かい数字が出てきた、それでも〇・〇〇〇〇一多いがために一議席無理やりふやす必要はないんではないか、そういう意味で、配当基数を出した上で余りにも小数点以下の少ない数字になった際はその分は減らしてもいいんではないか、これは国民の権利、公平な権利の上からはそう大きな問題にはならないことである、したがって、重点は国民の平等の権利のところに置いて、総定数については、公平であることを目標にして算出上若干減らしても可能なところがあれば減るのはやむを得ない、こういう考え方でございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 それでは、大体御意見が出たようでございますが、時間も過ぎましたので次の項目に入りたいと思います。  選挙区の区画の見直しについて討議を進めたいと思います。

戸塚進也自由民主党

○戸塚小委員 きょうの午前中の各党の御意見を伺っている中で、区画委員会とかあるいは総理府に設けられるその機関とか、あるいは眠っている選挙制度審議会を復活すべきだとか、表現は違いますけれども、私は、非常に貴重な具体的な御提案で非常に参考になり、敬意を表したわけですが、ただその中で、眠っている選挙制度審議会ということがなぜ眠ってしまったかというあたりが非常に一つの問題点なんじゃないかな。つまり、場合によるとこれは国会が眠らしてしまったのかもしれないし、そういう第三者的、客観的、あるいは総理府なら総理府の中にできた機関というものでそういう区画の見直しをしたり、その他あるいは定数是正のこと全体もあるのかもしれませんけれども、特にこの区画の見直しとか難しい問題についてはそういう人たちにあんばいしてもらったらどうかというのはいい御意見だと思うのですが、その場合にそういう機関に対して国会がよほどの信頼とか何かがないと、その機関で任せられた人はとんでもないことになってしまって、神経衰弱になってしまうというようなことにもなりかねないので、そういう機関を仮につくるということであるならば、よほど国会がそういう方々を信頼するような形でそれが実行ができるというようなことをやはり担保してあげるようなことでないと、また一つの問題があるのではないかな、こんなふうな気がいたします。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 私どもは、選挙区に対する配分は第三者機関仮称、定数委員会ということを申しております。そしてこの第三者機関、政府の審議会はすべて内閣総理大臣のもとに設置されて総理府が所管をするということになっているようですから、それをそのまま踏襲する。それでは従来選挙制度審議会があるではないかという御意見もございますが、選挙制度審議会は選挙制度全般についての議論を行うところでございまして、そこへ持ち込みますとまた制度の問題から一からやり直しということになってしまう、それで国会の方とも意見の調整もつかないままに答申が出てくる、国会へ出てくるとそれがずたずたになってしまうというのが過去の経緯であったのではないかと思います。  そうした弊害を除くために、やはり制度は公職選挙法の中に明記する、基本線を公職選挙法の中に明確に法制化いたしまして、その法律に基づいて定数の配分を第三者機関において行う。これは基本線が法律に明確になっておりますれば、事務的な配分についてはどなたがおやりになってもそう変わるものではない。ただ、これを議会でやりますと、あそこの選挙区を、あの市をとられては困る、こっちの市は持っていっていいけれどもあれはおれの方ということで、国会でやると結局はまたこれで長引いてしまうということで、基本線に基づいた配分は、第三者機関を総理府に設置して、定数に限定して案をつくっていただく、このような形にするのが一番いいんではないかということで提案いたしました。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 今、戸塚先生から御発言があったように、白紙委任をしたらそれは確かにノイローゼになっちゃうと思うのですよね。我が党も基本的には今伏木先生からお話があったように考えておるわけでありまして、基本的なことは法律事項で定めなければいかぬと思いますし、これは五年ごとの国勢調査ごとに定数是正を見直すという制度そのものも組み込まなければいかぬのじゃないか。  その際に分区も、先ほどちょっと触れましたように、五十年の定数是正のときに既に、これはだれが考えてもそうなると思いますが、四つの分区の方針といいましょうか、分区に当たっての考え方というのが出ているわけですね。「分割により設定される各選挙区の人口及び将来人口が配分定数との関係においてなるべく均衡のとれたものとなるようにすること、」これはある意味では当然のことであります、そのためにやるわけでありますから。二番目として「行政区域を尊重し、この区域を分割することとならないようにすること、」ただ、政令都市のような大きな市、百万都市、百五十万都市を分けることはあるでしょうけれども、その他の都市が分割することがないようにすること。三番目は「分割後の選挙区の区域が、それぞれ地勢、交通、産業、行政的沿革等諸般の事情を考慮して合理的なものとなるよう定めること、」ということも一体感ということでそうでしょうし、四番目に「分割後の選挙区の区域が、それぞれいわゆる拠点を中心として地域的なまとまりを示すこととなる等社会的、経済的観点からも地域的一体性を保持することとなるよう配慮すること、」という原則のもとに昭和五十年の分区というのができたわけでありますから、この原則をもとにし、ただ、今度の場合には合区というのが生じますから、それは当然県内の隣の選挙区ということで一度合区をして、また分区をこれと同じような考え方でやるという手続をする。  その実務面をやっていただくのが、私どもの委員会は仮称区画委員会ということにしましたけれどもその実務面をやっていただくということで、先ほどちょっと触れたようにこの原則をもとにすればそうそう恣意的にできませんけれども、しかし今度もし昭和二十二年にやったような方式をすれば、百三十選挙区中全く変動のない選挙区が三十三選挙区、増員となるところが三十五選挙区、減員となるところが六十二選挙区になるというふうにできてくるわけでありますから、なかなか作業としては大変なことになるわけで、したがって、権威のあるそれなりの方々にも委員になって監視していただく中でこれを遂行していくということだと思います。  ただ、それを総理府に置くのかどこに置くのか。これは国会の中に置く、議長のもとに置くということだって考え方としてはあるでしょうけれども、いずれにしろ基本的なことは全部枠組みを各党合意のもとにつくって、そして具体的な境界線変更というものは、もちろん自治省がやるという考え方もあるだろうし、自治省がそんなものは御免だといえば、区画委員会をつくって、しかもこれはある意味では五年ごとにそういう変動があったときには見直すということを原則にしてやるということにすれば、ノイローゼにならずにスムーズにいくのではないかというふうに考えているわけです。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 戸塚委員のお話でありますが、先決問題は原則の一致だと思うのです。原則が一致しないで第三者機関に任せたのでは、もうとてもできない。それから選挙制度審議会に関しては公選特の委員会でも自治省が、それは原則が決まればいいけれども、決まらなければできないという趣旨の答弁があった。だから、今野党の方では大体原則はほぼ一致しているのではなかろうか。自民党が原則について、格差と総定数と中選挙区という問題について考えを述べられれば、本当にすぐにでもできるという段階になるのではなかろうか。そこを先決にぜひ考えていただきたいと思います。  選挙区画の見直しについてのやり方は、最初に述べたとおりであります。

岡田正勝民社党・民主連合

○岡田(正)小委員 私どもの方は、この第四番目の選挙区画の見直しの問題につきましては、議会の方で各党で協議をして、一番、二番、三番、いわゆる格差を何倍程度にするか、それから中選挙区制を守る、それから議員総定数は何名にするというこの三つの大原則について各党の合意を得て、その上で第三者機関に選挙区画の見直しの具体的な作業はお任せをして、出てきた結論を議会は尊重するということでいいのではないかという考え方でございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 今お話がありましたように、いずれもこれは一、二、三、四のさっきから御審議をいただいたことそれぞれ相互に関係の深いものでございますし、殊に選挙区画の見直しについてはまさにおっしゃるとおりだと思います。したがいまして、これも大体いろいろ貴重な御意見を伺いましたが、もう一つ残っております次の第五項目の過疎・過密等地域の実情に配慮した定数の配分についてという最後の項目についてもひとつ御討議をいただきたいと思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 この過疎・過密につきましては、私は格差二倍以内ということに含まれている問題だと理解をいたしております。と申し上げますのは、あくまでも選挙権というのは一対一、国民の一人一人に与えられた権利でございます。憲法上もこの国民の権利に対しましてはあくまでも人口をもとにするというのが大前提でございますし、定数の配分に人口以外の非人口的な問題を余り大きく入れますと、過疎・過密だけではないほかの問題もたくさん出てくる。例えば人口密度の問題も出てきたり、あるいは山があったり海があったりという面積の問題も出てまいります。そのようにいろいろと議論すれば、非人口的な要素を加味いたしますと幾らでも膨れ上がっていくという問題がこざいます。結果的に国民の権利を不平等なものにしてしまうということから、冒頭から申し上げておりますように、一人で二票の行使はいかなる条件といえども持ち得るべきではない、最大限二倍以下という前提に立って、過疎・過密の問題もこの中に含めて解消していくべきではないか、このように考えております。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 先ほどからも御発言があったように、我々も確かに地域問題というのは、当然のことながら選挙区を持っていればやることも事実でありますけれども、じゃそればかりやっているかというと、そんなことは決してないんで、私たちは国民を代表するという立場で国際的な活動も当然するわけだし、そういった意味では過疎問題こんな狭い日本で一極集中などということをやって、狭い国土をますます狭く使っているというような政治のあり方というものも当然議論をして改善していかなければいかぬわけで、そういった意味では過疎・過密問題というのはお互いに議員としてやっているし、過疎地域の地域振興にいたしましても、当然おのおの頑張っているのだと思うのです。  ということから申しますと、やはり国民の代表という観点、それから今伏木先生の言われたように、原則的にどうやっても一人が二票分持てるというのは許されるべきことではありませんし、言うまでもなく一対一から一・九九九九九までいわば最大限許そうというのが二倍以下という意味でございますから、これだけの幅を設ければ、私たちはこの過疎・過密問題、過疎・過密等地域の実情を配慮したということにこれはなるのではないかというふうに考えております。竹下総理が総理になる前に、投票率も加味をしているなどということをかつて言われたということも覚えていますけれども、そこまで言ってきますと、島の多いところは関東平野の面積があるところもあれば、北海道五区に至っては四国プラス中国地方に近い面積を持っているということを考慮に入れていきますと、クマまで有権者かという話に結局なってしまうので、最大限二倍という許容する範囲内でこのことが考慮されているということで十二分ではないかというふうに私たちは考えております。

岡田正勝民社党・民主連合

○岡田(正)小委員 私どもが二倍以内ということを言っておりますのは、大体原則的には法のもとに平等でなければならない。一人が一票であるということから考えましたら、数学的に考えても、四捨五入という論からいっても、一・四九九九倍までであるということが数学的になってしまうわけでございますが、それをわざわざ一・九九九倍まで、二倍にはならないというところまで許容すべきではないかということを言っておりますのは、そのあたりに十分過疎・過密という問題を包含しての話であるというふうにお受け取りいただきたいと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 私も過疎・過密問題は別次元の問題だと先ほど申し上げましたけれども、伏木委員が言われたように、これを言いますと本当にいろいろな問題が出てくるわけです。例えば都会でも、用地費が高いので公立高校が非常に少ないわけです。ですから、各委員の皆さん御存じのように、どの国会でも私学助成の請願というのが一番多いわけですね。これは都市部中心です。地方とは比較にならないぐらい高校が少なくて、教育費の問題では都市部、特に東京なんかの場合は大変な違いが出ているわけです。そういうことも言い出すと切りがないわけですね。ですから、やはり過密・過疎問題というのは別次元で考えなければならぬということを繰り返して申し上げておきたいと思います。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 この問題につきましても党内でもいろいろな考え方があるわけですけれども、基本的には社会経済的に恵まれない過疎地域に対してどう政治があるべきか、そういう地域にこそ温かい政治の力をさらに向けていき、その地域の振興を図っていかなければならない、こういうふうなことの基本的な考え方というふうな意見が出されておりますということだけは申し上げておきます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 この五項目は一応終わったのだろうと思うのですが、先ほど来、焦点はやはり自民党の方でいつまでに案を出されるかということに結局絞られてきているのだと思うのですね。この点について決議の速やかな是正、憲法違反の問題ですからやはり早急に出さなければならないだろうと思うのですね。この点について今は自民党内でいつまでということが言えない状況になっているというお話を再々伺いましたけれども、これは一体どうされるつもりなのかということを最後に自民党にちょっと伺っておきたいと思うのです。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 今まで申し上げたとおりでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)小委員 きょうの意見を踏まえて鹿野さんはどうされるおつもりかということを聞かせていただきたいのです。今までの意見は要するに今は言えないということだけれども、きょうの議論が大体集中していよいよ出すべきじゃないかということになってきたのだけれども……。

鹿野道彦自由民主党

○鹿野小委員 いや、それはとても重要な問題であるというふうなことは認識した上で今日まで我が党は取り組んでおるわけでありますから、もちろんきょう各党からも貴重な御意見も出され、自民党さん急いでよ、こういうふうなこともございましたし、引き続き私どもは重大な関心を持ってなるべく早くというふうな方向で努力していきたいと思っております。

戸塚進也自由民主党

○戸塚小委員 きょう、こういう本当にフランクな話し合いが行われたわけですけれども、確かに政党政治なものですから、各党からも自民党しっかり早くやれとか、いつまでやるのだと、これはまことにごもっともな御意見とも思うのです。しかし、この定数是正小委員会はあくまで院の中の非常に権威のある小委員会でございますので、親委員長もきょうの理事会でもおっしゃったかなと思いますが、非常にこの小委員会に期待しておって、例えばどうやったら最も国民の期待にこたえられるか専門家の意見を聞いてみたらどうかとか、あるいはこの間塩崎委員が親委員会で境界を変えられたことについて切実に訴えられたのですね。  もちろん、我々は自民党の議員の意見は党内でも十分聞けるわけなんですが、各党の方の切実な意見というのはなかなか聞けないわけですね。何かこの前の選挙制度が緊急に改正されたことによって当面選挙をおやりになったそういう立場の議員さんの御意見を聞くというのも一つの考え方じゃないかな、これは別に無理にしろと言っているのじゃないのですけれども、ただ各党の意見をすり合わせるだけじゃなくて、もう少し広い範囲でそういう定数是正のあり方についてよりよい方向を求めていくように小委員長にお計らいいただいたら非常に意義があるのじゃないか、私はこう思って提案だけしておきます。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 今戸塚先生からお話のあったことは、小委員会の運営は各党代表会議というのですか、そういうところでやるそうでございますけれども、それはなるべくいろいろ御意見を聞くことはやぶさかではないのだと思うのであります。ただ、我々の方からも言われましたように、やはり何といっても過半数を持っていらっしゃる自民党さんがある程度早目に詰めていただきませんと、私もかなりきょう意見を述べた中では、これでもコンクリートしてない部分も随分残してあるつもりであります。というのは、原則のところだけはそうでありまして、その他細部にわたっては、これからやはりこれをお互い各党が合意をするもとでやるべき性格だと思うから、区画委員会のあり方なりその他余り細かくはコンクリートしてないで意見を申し上げているわけで、その意味では与党の皆さん方の責任というのは大変大きいのではないか。  おくればせながら小委員会という形できょう定数是正問題がこういう形で話し合われたのは、端緒と申しましょうか、緒についたといいますか、きょうはそういう意味で抜本是正のスタート点だということになろうかと思うのです。ですから、戸塚先生の言われたようなお話も皆さんで諮っていろいろ意見を聞いてみることもやぶさかではありませんが、ただ、繰り返し申し上げますけれども、皆さん方も税制改革だけはもう血道を上げてやられているのでしたら、もう少しこの重要課題であるところの議会のあり方の基本にかかわる定数是正問題も、ほぼそれに並行してマスコミにのるぐらいの審議をひとつ党内でしていただきますことを強くお願いをしていきたいのです。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 きょうは各党から大変忌憚のない御意見を拝聴いたしまして、今後協議を進めていく上において非常に大きな参考になると思います。各党とも、殊に与党である自民党さんにも野党各位の御意見も十分お聞きいただきましたので、ひとつ十分御考慮の上、また理事会といいますか相談会で各委員からの御意見を承りながら、今後どういうふうにこれを進めていくかということを御相談申し上げたいと思います。したがいまして、きょうはこの程度でとどめることにいたしたいと思います。  今後、本小委員会の運営につきましては、各党間の協議の上進めていくことにしたいと思いますので、どうぞよろしく御協力をお願いいたします。どうもありがとうございました。  本日は、これにて散会いたします。     午後二時七分散会

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