交通安全対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1988/05/19
会議録
○近江委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井孝信君。
○永井委員 一番最初に、これは交通施策とは直接関係がないかもしれませんが、きのう、大阪港でソ連の客船が火災を起こしました。十一人が死亡されているわけでありますが、港内に係留しておって火災が起きたという状況でございますし、しかも、その中で十一人も死亡者が出たというのは特異なケースに入ると思うのです。テレビや新聞の報道を見る限りにおきましては、海上保安庁や警察の関係が原因調査をするについても、これがソ連の船であり、乗船者あるいは船の関係者が全部ソ連の国民であるということから、なかなか調査が進展しにくいのではないかというようなことが報道されているわけであります。直接の交通施策でないかもしれませんけれども、せっかく運輸大臣もお見えになっていらっしゃるわけでありますから、これについてどのような見解を持ち、どのように対応されようとしておるのか、冒頭にお伺いしておきたいと思います。
○石原国務大臣 いまだ詳細な報告を聞いておりませんが、概略は十一名の死亡者、負傷者二十八名、行方不明者三名を出しておるわけでございます。事故が起こりまして、保安庁としましては巡視船艇九隻を派遣しまして、特殊救難隊二隊六名も出動いたしまして対策いたしましたが、御指摘のように、言葉の問題がございましてちょっと対策がおくれたという報告がございます。やはりロシア語というのは特別な言葉でありますけれども、これからも行き来が多くなると思いますし、そういう点についての対策を講じなくてはならないと思っております。 それから、ほかの委員会でもちょっと御指摘があったのですけれども、国によりましては、日本のポートオーソリティーから眺めると船舶の安全基準でかなりずさんなところがあるようでありまして、これは外国のことでありますけれども、日本でこういう事故が起こる可能性もあるわけでありますから、やはり日本の規格、基準に合うような強い要請というものをしなくてはならないと思っております。
○永井委員 日本の国内においても、これを一つの教訓にして十分な対応をしていただきたいと思います。 さて、そこで、きょうは時間も非常に短こうございますので、ごく限った問題についてのみ御質問申し上げたり提起をしてみたいと思うのです。 まず最初に、ことしの一月、米子の空港で発生しましたYS11機のオーバーランの問題であります。これについては、現在、航空事故調査委員会において原因究明がなされているはずでありますが、事故調査委員会の事務局長にお尋ねいたしますけれども、これの進捗状況はどのようになっているのか、あるいはいつごろをめどに結論を出すことができるのか、まず初めにお伺いをいたしたいと思います。
○木村説明員 お答えします。 事故調査委員会は、事故発生以来、鋭意原因究明を行っているところでございます。現在、各種の試験研究を実施しているところでございまして、早期に原因解明をいたしたい。冬季の事故でございますので、次の冬季には間に合うように報告を出したいということで鋭意努力をしておるところでございます。
○永井委員 そこで、いろいろな角度から検討がされ、原因究明がなされていると思うのでありますが、今まで不幸にしてたくさん起きました航空機事故、例えばこの前の日航機の大事故のように、機体そのものがばらばらになってしまって関係者もほとんど死亡してしまったというようなときの調査と違いまして、あのYS11機のオーバーランの問題は幸いにして死者が出なかった。乗員も含めて関係者が全部生存をしているわけでありまして、そういう限りにおいては、今までの航空機事故と違って調査は容易ではないか、私はこう思うのです。 ところで、航空事故調査委員会がどのように、あるいはどういうことで作業を進めているのか私は定かに知りませんけれども、日本乗員組合連絡会議というのがございますが、この組合関係の皆さんがこのたびアラスカで、米子の空港事故の原因を究明するための自発的な行為として調査をされています。これについて、先日、調査結果がマスコミに載りました。お手元に入っているかどうかわかりませんけれども、この調査結果をどのように受けとめていらっしゃいますか。
○木村説明員 私どもでも類似の実験、調査を行っておりますけれども、乗員組合で行われた実験につきましても、現在資料は入手いたしております。鋭意詳細検討中ということでございますので、内容の評価については現段階では申し上げられないわけでございますけれども、あらゆる調査資料を我々として大いに参考にしたい、こう思っております。したがいまして、御指摘の資料につきましても十分参考にさせていただきたい、こういうように思っておるところでございます。
○永井委員 大いに参考にしていただくようでありますが、もちろんそうしてほしいのであります。 私は、ここにその調査結果の資料を持っておるのでありますが、その調査結果によりますと、例えば、その乗員組合の関係の調査ではこのように結論が出ております。「僅かな着氷であっても、その操舵力に及ぼす影響は非常に大きい。」という結論がまず一つ。あるいは、五ミリ以上着氷したときは操縦桿が言うことを聞かなくなるというのですね。そうしてその着氷する一つの原因に、滑走路にたまっている水をプロペラが吸い上げるとか、あるいはタイヤによってはね上げるとかしてこういうものが尾翼の付近に集中して、その水滴の霧がまた着氷の原因になる。こういうこともその調査の結果として明らかにしているわけであります。あるいは、現行の基準では、航空機の防氷装置は飛行中の着氷による障害を考慮した基準が適用されているのでありますが、離陸時あるいは着陸時のそういう障害を考慮した基準というものが実はない、こういうことが問題ではないかということも指摘されているわけであります。もちろん、乗客の命を守ることは絶対であり、乗務員はそのために全力を挙げるのでありますが、航空機事故の特殊性からいって、もし墜落事故を起こせば乗務員自身もまず一〇〇%命を失うわけでありますから、乗務員の皆さんが必死になることはもう当然のことであります。 そこで、この種の着氷などによって操縦桿が重くなって機首が上がらないという事例が今まで過去に幾つかあります。ちょっと調べてみました。YS11型機が操舵が重いために離陸を中止した例は五件ほどあるそうでありますが、具体的に把握できましたものだけ申し上げますと、全日本空輸では五十八年の二月十七日、羽田空港、これは滑走路は三千百五十メートルであります。二回目は五十八年の十二月二十九日、高松空港、これは滑走路千二百メートルであります。東亜国内航空では五十七年の十二月十八日、秋田空港、同じく五十八年の十二月二十日に山形空港、五十九年の一月十八日が福岡空港というように、いずれも同じような状況で操舵がしにくかったという過去の事例が存在しているわけであります。事故にはつながらなかったのでありますが、もしもこのときに本格的にその事故原因の究明をしておったとするならば米子空港の事故を防げたはずだ、私は素人でありますが、そう思うのであります。事故が起きて負傷者が出る、あるいは不幸にして死亡者が出るというような事例でない場合に、なぜそのときに徹底的な原因究明が行われなかったのだろう、私はこう思うのですが、これについて、運輸省なりあるいは事故調査委員会から御見解を賜りたいと思います。
○木村説明員 先生御承知のように、航空事故調査委員会は、航空事故についての原因解明ということが仕事になってございます。そういう意味合いで、ただいま申された件につきましては、いわゆる事故に至っていない、私どもの調査外ということで私どもでは調査ができないということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○中村(資)政府委員 五十八年、九年ごろにいろいろ事例がございまして、その当時、いろいろな対策を実は立ててございます。例えば、防除氷能力を高めるためのいろいろな機材がございますが、エチレングリコールを飛行機の上に塗るとか、そういうような機材の配備も不十分でございましたので、そういう機材の能力向上という手も打ちましたし、それから、各種の運航上の基準を見直してございまして、整備規程だとか運航規程というものの中身につきまして全般的な見直しを行いまして、必要なところについては外気温度がある一定温度のときには必ずエチレングリコールを塗布するようにとか、そういういろいろな基準づくりもいたしました。なおかつ、アメリカでたまたまナショナル空港での事故がございましたので、そういう事例も勘案いたしまして乗員に対するいろいろなブリーフィングを行う必要があるということで、各社にそういう説明資料をかなりつくらせまして、それを各エアラインのパイロットなり関係者に十分熟知をさせた、こういうようないろいろな手はずをとってきておるわけでございます。ただ、今回の米子の事故を顧みますと不十分な点があったかもしれませんが、その点は御勘弁いただきたいと思っております。
○永井委員 どうも腹の中にぽっとりとはまり込むような理解がなかなかしにくいのでありますが、しかし、少なくとも事故調査委員会の事務局長が言っておりますように、事故が起きたときは事故調査委員会が調査をする、しかし事故につながるような幾つかの事例が起きたときには事故調査委員会が乗り出すのではない、監督官庁の運輸省がそれに対応する、こういうことになってくるわけですね。そうすると、小さな事故につながるようなことであってもそこのところを重視をするということをやっていきませんと、航空機事故というものの絶滅は図れないと私は思うのであります。 これはこれ以上多くを申し上げませんけれども、まず運輸大臣に、そういう積極的な事前の対応というものを日常的に積み重ねるような指導、取り組みをするようにひとつお願いしたいのでありますが、そのことに対するお答えが一つと、それから事故調の方には、今私申し上げましたように、乗員組合の関係者がアラスカまでわざわざ出向いていってそういう調査をしている。これは事故をなくすことが一つの大きな目的でありますから、そこはひとつ事故調として、そういう乗員組合の積極的な対応についても素直にお互いに協力をし合うということでこの原因究明や今後の対策についてやってもらえないかどうか。これについて双方から簡単にお答えいただきたいと思います。
○石原国務大臣 先般、参議院の決算委員会でやはり社会党の委員の方から、こういう事故じゃございませんけれども、ニアミスに関しまして、アクシデントにならないインシデントについてのきちっとした報告をさせて、またそれを集積して解明してそういうことのないように努力をすべきだという御意見もございます。私も全くそのとおりだと思います。委員が御指摘のこういう事例につきましても、アクシデントにはなりませんけれども歴然たるインシデントでございまして、それが引き金になって大きな事故が起きる可能性は十分あるわけでございますから、やはりそういうものをその場その場で適切に分析して対策をしていくような努力をこれからも一生懸命したいと思います。
○木村説明員 航空事故調査はあらゆる角度から調査をして、科学的かつ公正に原因を究明していくということでございますので、私どもといたしましては、このために役立つ資料は大いに活用させていただきたい、こういうように思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○永井委員 要望でありますけれども、資料を活用するだけではなくて、積極的に意見の交換なりいろいろなことを幅広く進めてもらいたい、このことを要望しておきたいと思います。航空機の関係はそれで終わります。事務局、どうもありがとうございました。 次にトラックの輸送が最近極めて多くなってきているわけでありますが、そのトラック運転者の過労運転、過積みの問題などについてお尋ねをしたいと思うわけであります。 先般、当委員会におきまして参考人の方々をお招きいたしまして、いろいろ貴重な御提言をいただきました。その中で、トラックの過積み問題あるいは運転者の過労運転の問題について御提起があったわけであります。その細かい内容については触れませんけれども、その中で、トラックの過積載あるいは運転者の過労運転などは、荷主の方あるいはその運転手を雇い入れている使用者の方々の要請に基づいてやむを得ず行っているものが多い、運転者みずからが求めて行っているものではないのだという意見陳述がありました。私は、今までにもこの問題については実は何回かこの委員会で触れてきた経緯を持っているわけであります。本当に事故防止の立場から過積みをなくする、過労運転をなくするという立場に立つとするならば、この参考人が意見陳述で触れていることについては非常に重視をしなければいけない、私はこう思うわけであります。ところが、今までも質問しましたら、過積みについてはこれだけの通達を出していますとかいってどんと資料を持ってこられるのですけれども、その資料どおりになかなか現実は対応し切れていない、あるいは場合によっては、その運輸省が出される通達というものが末端まで行き渡らないで途中でとまってしまうということも現実に起きているわけであります。 そこで、私は、今までにも当委員会で御提起申し上げてきたことを振り返りながらちょっとここで具体的に申し上げたいと思うのでありますが、例えば過積みの場合、この間の参考人の意見では、宅配便のように荷物をずっと集荷して回る、その集荷して回るときに、行き先と品名は伝票に書いてあるけれどもその重量が書いてない、だから、もしもその荷物一つ一つの重量を載せる前にその扱い店ではかってもらって何キロと出てくれば、それを運転手の皆さんが計算をして、過積みにならないような段階でこのトラックはもうこれで終わりですと言うこともできるのではないか、それを制度化できないかという御提言も実はあったのですね。私は、これは非常に貴重な意見だし、新たな視点からの過積み防止のための対策だと思っております。 しかし、問題は、そういう宅配便のような荷物を集荷して回るのではなくて、定例的に定型的に出てくる製品を運ぶ企業と契約関係を結んでいる運送業者が一番問題なんですね。ということは、例えば認可運賃の問題であります。この認可運賃は、基準運賃の上下一〇%の幅の枠内で決めることになっていますが、もしも認可運賃どおりに守られていたとするならば、私は、この過積みということはかなり防げるのではないかと思うのです。現実にいろいろ運送業者を調べてみると、認可運賃の八〇%というのは非常にいいところであって、七〇%、六〇%ぐらいで、まあ言えばコストを下げるために無理やりに泣かされているのです。そうすると運転手の賃金も出てこない、トラックの減価償却代も出てこない、だから運送業者は、認可運賃を守ってもらえないものですから違反を承知で荷物をたくさん積み込む、そういう悪循環なんですね。これを私は今まで何回もこの委員会で指摘をしてきましたが、一向に改まっていかないのであります。だから、もしも本気にこの過積みを防止する気持ちが運輸省にもあるいは摘発する警察庁の側にもあるとするならば、かなり強行的にこの問題に取り組む必要があるのではないか。これについて、基本的な運輸省あるいは警察庁の方のお考えを聞きたいと思います。
○中島(眞)政府委員 ただいまの荷主対策が必要であるということは全く御指摘のとおりだと思います。お話にもございましたように、私どもといたしましても、そういう観点から荷主の協力を得るべく、荷主の所管官庁であります通産省、農水省にお願いをいたしまして、それぞれの省から荷主、団体に対して、認可運賃の遵守と過積載の防止について十分協力するようにということの示達をいただいておりますし、また私どもの方では、各地で荷主懇談会を計画的にまた積極的に開催するようにということをいたしまして、トラック協会を中心といたしまして、荷主の理解と協力を得るべく努力をしてまいっているところでございます。例えば、昭和六十一年度におきましては、全国で三百回を超える回数の開催を行っております。しかしながら、御指摘のとおり、過積載の違反というのは依然として非常に高い違反率を示しておるわけでございます。私どもは、過積載の防止と過労運転の防止ということを監査の最重点項目といたしまして昨年度監査を実施し、また過積載については処分基準を強化するということをいたしておりまして、本年度も同様のことをやろうとしておりますけれども、何といっても荷主の協力ということがぜひ必要でございます。 これについては、独禁法上、「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」というのは独禁法十九条で言います不公正な取引方法に当たるわけでございまして、公取におきましても、主として認可運賃の遵守の問題を中心にそういう指摘も行われているわけでございます。こういうこともございますので、場合によっては独禁法上の問題にもなるのじゃないかということを私どもの方も地方に徹底をいたしまして、理解と協力を求めるのが前提でありますけれども、悪質な荷主についてはこういう措置も講じていくことが必要ではないかと思います。お話しのとおりなかなか実効が上がってない状況でございますけれども、私どもとしては、できる限りの方途を講じまして荷主の協力を得るようにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○内田(文)政府委員 過積載の違反は大きな事故につながるということで、我々といたしましてはこれに重点を置いた取り締まりを行っているわけでございますが、先生おっしゃるように、この問題は荷主と運送会社の関係とか、そういった構造的違反といいましょうか、そういう問題だろうと思うわけでありまして、ドライバーをただ取り締まるというだけでは実効は上がらない、やはりその背後の責任を追及するということが大変重要なことだろうと思うのです。そういう努力をいたしているわけでございますが、道路の使用者、いわゆる運送会社の方の責任の追及はかなり数的にも行われると思うのですが、荷主への責任の追及というのは、法的にも過積みを教唆をしたとかということで把握をしなければならぬわけでございまして、荷主の会社と運送会社との関係というようなことからなかなかこれの立証が難しいというのが現実で、十分な取り締まりが行われてないということも御指摘のとおりだと思います。 我々といたしましては、これはやはり構造的な違反であるということで、何といっても関係行政機関によります関係業界への強力な指導によってそういうムードづくりをやっていくということが一番大切なことなのだろう、それとあわせて、そういう背後追及の捜査にも我々としてもますます努力していかなければならない、こう考えているわけでございまして、今後とも、関係行政機関とも連絡をとりながら、こういったものの対策を進めてまいりたいと思います。
○永井委員 言うはやすし行うはかたしで、なかなか難しい問題だと思うのですが、やはり本腰を入れていかないと過積みの問題は解消できません。私の記憶する限りでも、私もう七、八年言い続けてきておるのですが、ひとつぜひ実効の上がるようにしてもらいたい。 そこで、もう一つお伺いしておきたいのであります。過積載防止違反で幾つか摘発がされているのでありますが、例えば、昭和六十一年度には千九百三件が摘発されています。五十五年の三百九十二件から比べると確かに摘発件数も多くなっています。しかし、トラックの運行台数も飛躍的にふえてきているわけでありますから自動的にふえたのでありましょうけれども、この千九百三件の六十一年度の摘発の中身というものには荷主の側が入っているかどうか。これはわかりませんか。
○中島(眞)政府委員 ただいまの千九百三件と申しますのは、昭和六十一年度中におきまして、トラック運送事業者に対して過積載防止違反ということで車両の使用停止あるいは警告等の処分を行った数でございます。この中で荷主に対する処分といいますのは、私どもが所管しております道路運送法上の体系ではそういうものがございませんので、これの中で何件がそうなったということはちょっと掌握しておりません。
○永井委員 できれば関係当局とも連携をとってもらって、その中身がまあ言えば運送業者だけに責任を負わせてしまうということになっておったのでは問題がありますので、やはり指導する面からもその内容をひとつぴしっと把握をしてもらって対応してもらいたいと思います。 さて、これと関連をするのでありますが、先ほども私はちょっと申し上げましたように、この間の参考人の意見では、運行手帳の作成を義務づけたらどうか、こういう御提言がありました。それは、今申し上げたように荷物一つ一つの重量を明記して計算できるようにすることも一つでありますが、過労運転を防止する場合に、運転者の長距離運転ということがチェックできるように、そういう意味から運行手帳作成を義務づけて制度化して、それを一定のところでチェックができるようなチェックポイントを設けてもらいたいというような御提言があったわけであります。 私は、これは非常に大事なことだと思うのですね。これはトラック輸送に従事している労働者たちがつくっている労働組合で調べた資料でありますが、二七通達の関係では、例えば、全体の五割以上が一カ月に五千一キロ以上走行して、一日の平均運転時間については三割以上が二七通達で定められた九時間を超えているという実態が明らかになってまいりました。あるいは、二割以上の人が通達違背の四時間を超えた連続運転をしておったということも明らかになってまいりました。これが実態であります。二七通達があってもそれが守られていない。だとすると、守らせるための方法も考えなければいかぬ。私はここで今いろいろな質問を申し上げておりますが、一つは、今までの慣行、今までの惰性で対応してきてもなかなか交通事故を減らすことは難しいのではないか。ことしは一万人を超えるかもわからぬという危機的な状態にあるわけでありますから、そうすると、我々の知恵で考え及ばなかったような提言というものがいろいろなところがら出てくるのですね。そういう意味で、運行手帳の作成を義務づけてそれをチェックするという参考人の先日の意見というものは非常に新しい提言のように私は受けとめたわけであります。 時間の関係がありますから詳しいことは申し上げませんが、例えばこういう話があります。おとといの晩の話であります。私は国会から宿舎へ帰るのにタクシーに乗りました。もう一人一緒に乗った人がおりましたが、この人は国会議員ではなかった。もちろん交通問題については全く素人の人なのですが、たまたま先日テレビで報道されました乗車拒否とか、いろいろなタクシーの問題が話題になりまして、運転手とも話をしました。それで、こういうものをなくするためにはどうしたらいいのかという話になりまして、運賃値上げのときにはサービス向上を言うのだけれども、値上げをしてしまって一定の期間が過ぎるとサービスがどこかへ飛んでしまう。そこで、そういう事例があった場合にその事例を見つけた例えば警察なら警察、あるいはその業界の監視員がおりますから、そういう人が見つけたタクシーは、そのタクシーの青ナンバーを取り上げてしまったらどうか。例えば十台の営業車を持っている場合に一台がそういうことを起こしたら、その一台はナンバープレートを取り上げてしまう、一定期間はその復元を認めないということをすると経営者も運転する人も真剣になるのではないかという話も出ました。 これは直接交通事故とは関係ない話でありますが、思わぬところで思わぬ角度から皆さんが見ていらっしゃる。私はそうせよと言っているのではないのですよ。そんなことが可能かどうかということは別問題ですが、そういう新たな発想というものを私たちが大胆に各界から取り上げていくということも考えていかなければいけないのではないか。政府にはいろいろな審議会があります。学識経験者、立派な肩書を持った人がたくさん入っていらっしゃいます。特定の人は、幾つも幾つも審議会に名を連ねているという有名人もおりますけれども、しかし、本当に交通事故をなくするためにどういう対応が新たな発想として必要なのかという場合は、例えば、現場で働いているトラックの運転手がその委員の中に一人おってもいいじゃないか、労働組合の人が一人おってもいいじゃないか、あるいは零細なトラックの運送業の社長さんがおってもいいじゃないか、そういう本当に実務的に扱っている人たちを集めて新たな発想を求めるということがあってもいいのではないか、私はこう思うのです。この間の参考人の意見をどこまで聞いていらっしゃったかわかりませんけれども、監督官庁の運輸省としてそういうことについてどのような関心を持たれ、どのように現在お考えになっていらっしゃるか、ひとつ簡単にお聞かせを願いたいと思います。
○中島(眞)政府委員 今、例えばということで御提言のありましたようないろいろな手段の可能性といいますか、そういうことについて検討すべきだというのは全く同感でございます。働く方々の御意見をよく行政に反映するという趣旨におきましては、私ども、中央の段階では労働組合の方も入っていただいた官労使の懇談会を実施しておりますし、それからまた地方におきましても、ブロック単位ごとでございますけれども、地区の物流政策懇談会というものを設けましてそこで働く方々の御意見を聞くというようなことをやっておりますけれども、いろいろな手段を通じて、今のお話のようなことで実際に現場で働いている方々の御意見をよく聞いて、対処してまいりたいと思います。
○永井委員 ついでのことに、もう一つこの二七通達に関連してお聞かせいただきたいと思うのですが、労働時間の短縮ということが大変な問題になりまして、昨年は労働基準法の改正が四十年ぶりになされました。しかし、その中で、トラックの運送事業などについては特殊な関係がある、しかも長いのは三千時間も一年間に働いていることもありまして、これの対応を特別に考えなければいかぬということから、三年間の猶予期間を設けて特別に小委員会をつくって今検討されているのですね。だから、過労運転を防止する立場からいいましても、時間短縮について運輸省自体がこの運送業界については特別の対策を講じるべきだと私は思うのですが、これはどうでございますか。
○中島(眞)政府委員 労働時間の短縮については御指摘のとおりでございまして、四十六時間制についても三年間の猶予ということになっておりますけれども、労働省におかれましては、大手のトラック会社については三年よりも短い期間内に実現するようにということの指導をしておられますので、私どもも、それに合わせまして業界に対してそういう働きかけを行っております。先般、私の名前で業界に対する通達も出しまして、労働時間の短縮方について格別の努力を求めたわけでございます。お話しのとおり道路運送業につきましては、総労働時間が、一般の産業が千九百時間であるのに対して二千五百七十九時間というような非常に高いものになっておりますし、長距離の一部の路線においては三千時間も超えるというような実態でございます。こういうものの是正方に向かって私ども運輸省としても努力をしてまいりたいと思っております。
○永井委員 次に、この春の連休における交通事故の発生状況が先日出されました。それによりますと、十六歳から十九歳の若年者が当事者となった事故死が極めて多いのですね。これはもちろん初心者ということもありましょうけれども、やはり若者特有の冒険的な気持ちから暴走を繰り返すということもあると思うのでありまして、これも特別な対策というのはなかなか難しいと思いますが、ひとついろいろな知恵を絞ってこの若年者対策というものを考えてもらえないか。自動車教習所で免許を取らせるための教習を行うわけでありますが、ある意味においては金もかかりますし、またいろいろな問題に波及するかもしれませんが、教習所の学習というものがもう少し厳しくあってもいいのではないかというような気もするわけです。この若年者対策についてひとつ総務庁の方で特段の御配慮を願いたいということを申し上げて、御答弁いただきたいと思います。これが一つであります。 時間の関係で走ってしまいますが、もう一つは、建設大臣もお見えになっておりますから御要望を申し上げておきたいのであります。高速道路を含めて道路の建設は非常に目覚ましいものがあります。しかしその反面、在来の道路についていろいろな改善措置は講じてもらっているのでありますが、主要道路において非常に狭隘なままにあるために対応し切れないでいる。これは全国どこでもあるのですね。私の地元なんかでも、自分は毎日見ているからよくわかるのですけれども、例えば国道二号線というのがあって、とにもかくにももう車の切れ目なしです。ところが、そこの川にかかっている橋というのは昔のままで非常に狭いから、歩道があっても車いすに乗った人がそこを通行できない、危なくて自転車が通行できないというような状況にありまして、ところが、こんなものを広げると大変な金がかかるのですね。しかし、金がかかるけれども、そういう狭隘な道路は全国に随所にあると思いますので、そういう特に通行量の多いところあるいは狭隘なところについては、二、三百メートルだけでもバイパスをつくればその狭隘道路から回避できるというようなこともたくさんあるわけでありますから、ひとつそういう面で、交通事故をなくするという立場からの道路行政について特段の御努力をいただきたい。この二つを要望申し上げまして、御答弁いただいて、ことしは異常な発生状況でありますから、全部が知恵を出し合って、新たな発想でひとつ交通事故をなくするための努力をしようではないかという御提言を申し上げて私の質問を終わりたいと思うのですが、総務庁長官と建設大臣からお答えをいただきたいと思います。
○原田政府委員 青少年を中心といたしまして二輪車の事故が急増していることは御指摘のとおりでございまして、これにつきましては各般の施策を総合的に推進をしておるところでございますが、なかなか決め手になるようなものがございません。知恵を絞っておるところでございますが、なかなか出ないというのが現状でございます。しかし、総務庁といたしましては、関係省庁と連絡をとりながら、現在、二輪車事故防止対策のモデル事業というものを行っております。これは、若い人たちの事故が多いというのは怖さを知らないとか、あるいは技術的に未熟であるとかいろいろな問題がある、あるいはそれらを与えようとしてもその場がないというようなこともありますので、そういうことを勘案いたしまして、有名ライダー等を呼んでできるだけ若者に積極的に参加をしてもらう、そこでいろいろなデモをやりまして、テクニックと怖さというものを理解してもらうというふうなことでやっておるわけでございまして、これをやりました地域では事故が減る傾向にあるということもございますので、今後このモデル事業を、これまでの成果を踏まえて創意工夫を凝らしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○越智国務大臣 道路の問題につきましては、新しい道路につきましては、道路の構造上安全な、すなわち分離帯であるとかガードレールであるとか反射鏡であるとか、あるいはカーブであるとか、いろいろ努力をいたしております。既設の道路につきましては、今お話しのバイパスにつきましては、もう国道というところでは都市部ではほとんどバイパスに手をつけておるような状態であります。非常に需要が多い、でありますから逐次進めてまいりたいと思います。 また、道路の歩道あるいは歩道橋、自転車道、こういったところの歩行者あるいは自転車の事故が非常に多いものですから、そういう点にも重点を置いて進めておる次第でありますが、今後も鋭意努力をしてまいりたいと思います。
○永井委員 終わります。
○近江委員長 永井孝信君の質疑は終了いたしました。 次に、木内良明君。
○木内委員 初めに、石原運輸大臣にお尋ねをいたします。 昨日、大阪港で発生いたしましたソ連客船の痛ましい事故についてでございますけれども、日本の若者と交流を深めて日本を知ろう、日本親善の行事として非常に位置づけの大きい青少年の船旅におきましてこうした事故が起こったわけでありまして、特に聞くところによりますと十一人の犠牲者の方はいずれも青少年ということで、不幸にしてお亡くなりになった方々にまず心から哀悼の意を表させていただきたいと思う次第でございます。三月にやはり日本の高知学芸高校の生徒が修学旅行の際、上海郊外で事故に遭遇をいたしました。このときの中国側の対応は極めて献身的で、大変に不幸な事態の中ではありましたけれども、事故の当事者、関係者あるいは我が国としても大変に感謝をいたしたような状態でございました。今後の国際化の新しい時代の展開を考えますときに、我が国としても真心ある適切な対応が必要なのではないか。先ほどの永井委員の質問に運輸大臣も御決意を述べておられたわけでございますけれども、船舶の航行規則あるいは事故災害に対する対応の規則と申しますかルールに彼我の差もある、こういう事態もあるわけでございますが、まずその点についての我が国政府としての御決意を、通告しておりませんでしたけれども、大臣から承りたいと思います。
○石原国務大臣 日本人のライフスタイルがこれから変わろうとしておりまして、その先駆けの一つとして、日本人の特に青少年の海外旅行を運輸省も行政の眼目の一つとして推進しているわけでありますけれども、たまたま上海でああいう事故が起こりまして、今回また日本の港で外国の船舶の中で事故が起こって、日本の可能性に満ちた子弟が亡くなるということになりました。中国の鉄道にはいろいろな問題があることが顕在化したわけでございまして、運輸大臣がその責任をとってやめたりして、またその後事故が起こっている。この間の全人代でもこれが非常に問題になって討論されたようでありますけれども、その後、先方がどういう政策を講じているかつまびらかにいたしません。今回の場合には日本の港で起きたことでございまして、ソビエト船の建造年数も古いようで、一九七四年の条約規定の安全規格が満ちていないのではないかという懸念もございますが、これは日本側が取り調べ、そしてまた要請をすれば改善される可能性があるわけであります。先般、日本の海員の代表の方にいろいろお聞きしましたが、アメリカやヨーロッパのポートオーソリティーというのはこういう規格について非常に厳しくて、自分たちも出入港のときに非常に緊張するけれども、日本の場合には取り調べ官が調べてはおりますが、しかし、なおまだずさんな点がないでもないということでございます。実際に外国船で邦人が亡くなるという痛ましい事故が起こったわけでございますので、こういう規格の検査というものも厳しくしまして、こういう事故が日本の中で外国船といえども起こらないような努力をしていきたいと思っております。
○木内委員 我が国のこうした事故災害に対する対応と、ソ連国籍の船によるこうした災害における対応との差というのはどの辺にあるとお考えですか、この点だけ。もし情報を得ておられなければ結構ですけれども。
○石原国務大臣 技術的なことはつまびらかにいたしませんけれども、ソビエトとは必ずしも申しませんが、幾つかの国はかなりそういう点でずさんな点があると聞いております。また、現に日本のポートオーソリティーがそれをチェックしまして入港を拒否した例もあると聞いております。今回、実情をさらに詳しく調べた上でないと申せませんけれども、そういう欠陥があったならば、そういう条件をきちっと満たすようにこちらからも強く要請をしたいと思っております。
○木内委員 万全の対応をひとつ要望いたしまして、次の問題に移ります。 交通事故による死亡者の数が昨年度まで六年連続して九千人を超えました。私も、かつて本委員会の理事をいたしておりましたときからたびたびにわたって言及をしてきたところでありますけれども、年間の死亡者数を八千人以下に抑えようという目標がまたまた昨年度達成され得ず、また本年、今日に至るまでも極めて憂慮すべき事態が続いている、こういう実態であろうかと思います。こうした実態を直視いたしますときに、まさに交通安全対策こそは国の重要な政策課題の一つとして今後さらに強く明確に位置づけをされなければならない、こう思います。 一口に交通安全対策といいましても、道路交通環境の整備などのハード面からのアプローチ、さらにまた、交通安全教育や法的な整備などのいわばソフト面からの対応といったような各種の施策が有機的あるいは相乗的に効果をもたらすものでなければならないと私は考えるわけであります。また同時に、これらの具体的な施策というものは、それぞれの事故の発生状況の実態に即した有効的なものでなければならない、こう私は持論を持っているわけでございまして、きょうは極めて限られた時間でございますけれども、数点に限って具体的に提案も含めて承ってまいりたい、このように思います。 そこで、まず、昨年度から本年今日に至るまでの交通事故の発生状況というものについての確認をいたしたいわけでありますけれども、まず増加傾向のものとしては、先ほども質疑の中で触れておられましたが、若者による自動二輪車の死亡事故が急増をしている、二点目としては歩行者の事故死亡者の増加、とりわけ高齢者の事故による死亡が多い。逆に減少傾向としましては、自動車乗車中の事故死が減っている、もう一つは原付乗車中の死者が減少している、こういう状態であろうかと私は見ております。年々、車の保有台数も免許人口も三、四%ずつ増加しているわけでございますので、環境的には事故増加の要素が大きくなっている中でのこうした傾向ということが言えると思います。先ほど申し上げました減少傾向の中の一点としまして、先ごろ実施されました原付のヘルメットの着用義務化、それから自動車のシートベルトの着用義務化、こういった言ってみれば具体的に施策の講じられた部面についてはその効果があらわれて減少傾向を見ている、このように考えたいと思いますけれども、この点の確認ですが、いかがでしょう。
○内田(文)政府委員 お答えいたします。 最近の死亡事故の状況を見ますと、まさに先生御指摘のとおり、若者の二輪車の事故と高齢者の歩行者の死者というものが大変ふえておる。それとことしの一つの特徴は、これは昨年の十一月ごろからの傾向なのですけれども、四輪車の事故がふえているという傾向がかなり強く出てきておるわけでございます。四輪車の問題は、一昨年の十一月からシートベルトの一般道路までの義務化がなされたわけでございまして、それから一年間、昨年の十月ごろまではかなりの減少を見せたわけでございます。その前の年と比較して約百九十人ぐらい減っておるわけでございますが、十一月以降むしろ増加に転じてきているということが一つの問題でありましょう。そういう意味で、シートベルトの着用、そういった整備というものがそれだけの効果をおさめた。しかし、それがまたなれといいましょうか、最近ややシートベルトの着用率が落ちているのじゃないかとか、そういう問題があろうかと思うわけでございます。
○木内委員 いわばあれだけの国民的な議論といいますか、本委員会を中心に、シートベルトの着用義務化については大変世論を喚起して着用義務化になった。にもかかわらず、交通事故による死亡者がふえているではないかという一般の認識がもう一歩欲しいなと思う面も実はあるわけでありまして、シートベルトについてよく申し上げるわけでありますけれども、単純に事故衝突時の生命保護効果に限定することなく、例えば、動態視力の向上でございますとか安全意識の高揚であるとか、あるいは疲労防止であるとか、こうしたメリットがシートベルトには非常に多い。加えて、今答弁もありましたように、顕著な傾向として自動車乗車中のシートベルトによる生命保護効果というものが出てきている、こう判断をいたしたいわけであります。 そこで、これは詳しい説明は結構でございますが、着用義務化後一年間の統計で見ますと、自動車乗車中の死者は、前年比で百七十八人、五・三%減少、前席に限って見ますと百九十人で六・三%減少している。さらに、運転者だけに限ってみますと百八十六人、七・八%減少している。こうしたことから計算をいたしますと、昨年十月までの一年間で少なくともこのシートベルトによって三百人程度は助かっているのだ、こういうことになろうかと思いますので、こうした国会の場でこれはまず確認をいたしたい。時間の関係もありますので、イエスかノーかだけで結構でございます。 あわせてお答えをいただきたいのですけれども、今交通局長からも答弁がありましたように、こうした施策というものはともすると着用率の低下につながる、安心感から各ケースに応じて着用率が低下をしてくる。これは避けなければならないことだというふうに思いますが、夜間におけるシートベルトの着用率が下がり、昼間に比べて大変高い率で夜間のシートベルト非着用者の死亡事故が目立っているわけでございまして、ぜひこの夜間の着用率の向上に向けての具体的な施策というものを講じていただくように私は提案をしたい。この着用義務化の議論の際、私も何度か現場に参りましてシートベルト着用の実態を見て、取り締まりについては大変に難しい側面もあるのだなと実感をしているところでありますけれども、具体的に夜間のシートベルト非着用者の事故が目立っているのであれば、やはりこの面についての着用率の向上というものも目指していただかなければならない、こう思うわけであります。簡単な答弁で結構ですからお願いします。
○内田(文)政府委員 先生おっしゃいましたとおり、シートベルト着用の効果と申しますのは、私も先ほど申しましたように、いわゆる義務化して一年間で前席の死者が百九十人減ったということでございまして、現在車がふえている、全体の交通量がふえているわけでございますが、それと実際事故に遭った車の数といいましょうか、そういったものを総合的にいろいろ計算しますと、助かったのが三百人ぐらい、そして本来ならふえるところが百九十人減った、こういうように我々は見ているわけでありまして、これは今後とも大いにPRしていかなければならないと思っているわけでございます。 それから、最近ふえております大きな原因は、先生御指摘のとおりに、例えば、昼間と夜との死者の関係について昨年の一年間を見てみますと、大体昼間が四、夜が六という乗用車の前席死者ですが、それが最近は三対七ということで夜の死者が大変ふえている、しかも、夜のシートベルト非着用者の事故がふえているという傾向が顕著にあらわれてきておるのでございます。それが現在の四輪車の事故死の増加につながっていると思います。したがいまして、今後ともこのシートベルト着用の効果というものを大いに啓発広報いたしまして、夜間の着装率の向上に努力してまいりたい、こう思います。
○石原国務大臣 先ほど、私ちょっと勘違いいたしまして、ソビエト船で亡くなった若い方々を邦人と申しましたけれども、ソビエトの若い方々でございまして、訂正いたします。 同じことでございまして、やはりこういう事故が日本の中で起きないように、外国船といえども基準を満つように私たち要請をしていくつもりでございます。
○木内委員 それから、最近における事故死亡者の実態としまして、若年層の、それも免許取得後経過年数の少ない方々の事故が極めて急増している。かねてから指摘されたところでありますけれども、特に昨年、ことしと多くなっているのが実態であります。そこで、シートベルトにしてもそうでありますけれども、こうした交通安全対策というものは余り法律や規則で縛ることは望ましくない、むしろドライバー自身の自覚にまつことが望ましいわけでありますけれども、しかしながら、これほどまでにすさまじい急増を示している交通戦争の実態、死亡者の急増については、やはり行政面から何らかの打つ手があれば打たなければならないだろう、やむを得ず私もそう考えるわけであります。 そこで、具体的に二点お聞きをいたしますので、ぜひ検討をお願いしたい。一つは、免許取得経過後一年ないし二年のドライバーの事故が急増しているという実態から、この期間を、仮に一年ないし二年を暫定免許とする。そして二点目に入るわけでありますけれども、行政処分の強化を行うことも検討されてはどうか。すなわち、初心者における交通違反事犯については、厳しくこれを自覚してもらう意味から、あるいは安全運転を心がけていただく意味から行政処分の強化を図る。例えばダブルカウンティングといった方法もあるわけでありますけれども、この辺を検討されてはいかがかと提案をするものであります。いかがでしょう。
○内田(文)政府委員 初心運転者の事故というのが大変大きな数になるわけでございまして、これは日本だけではなしに、諸外国ともそういうあれを持っております。今先生おっしゃいましたようないろいろなこれに対する対策というものを諸外国でもいろいろやられて、また検討されてきているわけでございます。例えばドイツでは、一昨年からでございましたか、今先生言われましたような暫定免許といいましょうか、そういうような制度を始めたということでございますし、それからダブルカウンティング、これは正確にまさにそのとおりかどうかというのは中身にやや違いはありますけれども、例えばオーストラリアなどはそれに似たような制度をとっているとか、いろいろやっておるわけであります。 今、我が国といたしましては、六十一年の一月から初心運転者講習ということで、初心運転者で、ある一定の反則行為をやって三ないし五点の点数に達した者に特別に講習をやるというような制度を実は始めたわけでございます。そもそも初心運転者を出します指定自動車教習所における教習の内容をいろいろ充実していかなければならないという問題はありますが、我々今後ともこういった初心運転者に対する対策を、諸外国のそういった例等もいろいろ勉強して、何かこれを抑えるいい方策というものをいろいろと検討していかなければならない、こう考えているところでございます。
○木内委員 今答弁では、諸外国の例等も勉強しながらということでありますので、私が申し上げた課題については諸外国の例もあるわけですから、恐らく検討をされるのであろうというふうに受けとめてまいりたい、こういうふうに思います。 それから、石原運輸大臣にまずお聞きをいたします。石原大臣は東京二区、私は東京一区でございまして、いわゆる都市部の中心地域ということになるわけであります。いわば都市交通の円滑化のための交通渋滞解消対策の問題でありますけれども、衆参の各委員会における御発言あるいはまた閣議における運輸大臣の御発言等私も仄聞をいたしておりますが、いずれにいたしましても、このままではもう手詰まり状態の首都部における交通の実態であろう、こう思うわけであります。大臣は、総量規制を含めた抜本的な混雑緩和策が必要であるという旨のお話を何カ所かで行われているようでありますが、具体的にどんなお考えなのか、ぜひ承りたいと思います。
○石原国務大臣 総量規制だけではなくて、それを含めて少し野蛮なくらい思い切った案を出さないとどうにもならぬぞということを閣議でも申しました。交通対策本部というのは半ば眠ったような形になっていますけれども、これも動き出したようでございます。ただ、そこで事務方のお役人の発想だけでは済まない節もあるので、どうもこれは乱暴だなと思って関係省庁が一部反対するような案もなお出してください、それは政治家が閣僚として責任を持って裁断するからということを申しました。 ただ、交通総量規制、なかなか禁句のようでございまして、通産省あたりは余り望ましくないという意向のようですし、また建設大臣もおられますけれども、日本の道路に独特な電柱なども共同溝にして埋蔵したらどうかという案も建築家の方からもございまして、清家さんなどは、駐車と電柱というものが交通の一種の摩擦を起こしているので、これを何とか解消しろという案を述べておられますが、これまた電気を管轄しておられる通産省は非常に異論があるようであります。しかし、議論しているばかりでも進みませんので、やはり内閣の責任で思い切った手を講じませんと、渋滞がそのまま事故にはつながらない、むしろ事故の起こる余地もないほどの渋滞があるわけでありますけれども、しかし、そこから解放されると若い人は夜中に走って事故を起こすというような一種の逆現象が起こっていると思いますので、総量規制には限りませんが、ともかく何かドラスチックな案を出していただきまして、これは与野党みんなで鳩首しまして案を出して、何とか事を解決したいと思っております。
○木内委員 そこで、今の話にも関連をするわけでありますけれども、現在、警察庁によって開発研究が進められておりますいわば先進的な交通情報提供メディアの問題でありますが、新自動車交通情報通信システム、いわゆるAMTICSについてお聞きをいたします。 金澤警察庁長官は就任以来、警察における市民応接の改善ということに強く配意しておられるわけで、そうした報道に私も接しております。この点については私は高く評価をするものでありまして、言ってみれば、こうした行き方というものは、我が国警察の歴史の中ではかなりエポックメーキングな歴史をこれからつくっていくのかなという感じさえしているのであります。その具体化の一つとしてのドライバーへの交通情報の提供システム、これがAMTICSであると思います。ドライバーの多くは善良な人々でありますが、時に適切な情報が与えられないために心ならずも運転中に結果的に違反を犯してしまったとか、あるいは事故を引き起こしたりするケースもあるのではないか、こういうふうに危惧をいたします。交通規制等に関してわかりにくい標識の問題を解決しようという声もあるようでございまして、適切な道路情報の提供はドライバーの安全快適な走行に大きく資するものであり、私は、AMTICSの実際の利用、導入に大きく関心を持ち、また応援もしてまいりたい、こう思うわけであります。さらに、このシステムの開発研究が民間活力の導入によって進められている点にも、ドライバーニーズを踏まえた警察の新しい姿勢というものを感ずるわけであります。 そこでお聞きするのは、今後のAMTICSの実現に向けた具体的な日程とその概要について、時間がありませんので簡単で結構です、御報告を願いたいと思います。
○内田(文)政府委員 先生御指摘のとおり、今大変過密化しておる交通社会の中でドライバーに的確な情報を提供するということは大変大切なことだろう、それが渋滞解消だとか事故防止というものに大変大きな効果を発揮するのだろうと思うわけでありまして、そういったドライバーのニーズ、社会のニーズといいましょうか、そういうものにこたえるべく車に対して的確にいろいろな情報を提供しなければいかぬということで、今警察庁といたしましても、殊に情報の提供、目で見えるものとしては情報板の設置というものを強力に進めております。それとともに路側通信の問題だとか、さらに本当に個々のドライバーに必要な情報を提供するというので、AMTICSというものを今いろいろ研究開発をいたしておるわけでございます。 これは、民間の五十九社の方々が集まりまして実用化推進協議会というものをつくって、それを警察庁が主管しております財団法人の日本交通管理技術協会に研究の取りまとめを委託しておるといいましょうか、そういうことで進めておるわけでございまして、我々としてもその成果に大いに期待しておりまして、これに助言、指導を行っているところでございます。現在、具体的な路上実験といいましょうか、これをことしの四月から始めております。六月ごろにはその成果というものを何かまとめて発表するといいますか、そういう形ができるというような展望で進んでいる、こう聞いておるわけでございます。そして、そういった実験結果を経まして、本年度の末までに具体的な実用化の目途がつくのではないか、こう考えておるわけでございますが、何分今実験中でございますので確実にこうなるというものはちょっと申し上げにくいわけでございますけれども、何かそういう目途がつくのではないかということで現在研究を進めております。
○木内委員 最後に、高鳥長官にお尋ねをいたします。 今具体的な点に絞ってるるお尋ねをしてきたわけでございますが、この交通安全対策というものを考えるときに、単に実態に即した対症療法的な施策を講ずるということではやはり片手落ちであろうと私は思います。これは長期的な視点に立った国民的ないわば環境づくり、意識の問題というものもかなり大きな部分、大宗を占めるわけであります。その意味から、小学校、中学校、高等学校は言うに及ばず、大学教育の場に至るまで、あるいは学校を終え、社会に出たいわゆる社会人の方々に対してさえも、交通安全に対する意識をお持ちいただくという意味から、生涯教育としての交通安全教育が必要なのではないか、このように私は認識をしておりまして、かねて私どもの党では、交通安全教育振興法という法律をつくる考えで今進めております。政府部内におきましても、ぜひともこの交通安全教育振興法を法律事項として、交通安全に関する必要な資材、教材等についてはこれを国が面倒を見るといった各点を盛り込んだ、あるいは学校教育の中にこうした交通も含めた、先ほども触れたわけでありますけれども、一般的な災害等に対する対応の仕方等を含めた交通安全教育振興法というものを立法化いたしまして、長期的にこうした事態に対応していく、こういうふうに主張するわけでありますが、御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○高鳥国務大臣 先ほど来委員御指摘のように、交通安全対策につきましては、ハードの面だけではなくてソフトの面が持つ意味が非常に大きい、交通モラルというものを子供のときからしっかり植えつけていくことが必要である、このように考えております。 公明党から御提言のあります交通安全教育振興法につきましては、私もその内容を拝見いたしておりますが、幼稚園から大学まで、さらにまた社会教育、それからまた運転免許取得等にかかわる交通安全の一層の徹底等々非常に幅広い内容を含んでおります。私どもといたしましては、御提言の諸施策につきましては、立法の有無にかかわらずこれをしっかり受けとめて、できるものはぜひ取り入れてまいりたい、このように考えますし、関係省庁が多うございますので、立法化の点については関係省庁と慎重に検討してまいりたい、このように考えております。
○木内委員 以上で終わります。
○近江委員長 木内良明君の質疑は終了いたしました。 次に、玉置一弥君。
○玉置委員 最近、交通事故が例年に比べて非常に増加をしているということでございまして、我々見ておりますと、特に交通安全週間等におきましては、従来以上に多くの方々がその期間中に事故防止のためということでいろいろな業務をなさっておりますようでございますが、逆に、交通安全運動の期間だけに集中しているのではないかというそんな心配もちょっとするわけでございます。特に、死亡事故の増加が昨年に比べて一〇・一%ということで、その辺からいきますと、特に高速道路関係の大きな事故がたくさん続いているようでございます。時間が十三分ということでございますので、余り長々と聞かずに端的に聞いてまいりたいと思います。 まず交通事故でございますが、高速道路の交通事故が非常にふえてきている。それも追突事故というのがたくさんございまして、一番大きなのは十三台とかいうのがございました。追突事故がふえたということは、一つは車間距離の問題もございますし、地域的に高速道路がより拡大をされてきたそういう問題だというふうに思います。そこで的を絞りまして、車間距離を運転者に徹底するにはどうしたらいいか、この辺について、まず警察庁にお伺いしたいと思います。
○内田(文)政府委員 先生御指摘のとおり、高速道路におきます事故の約三〇%というのが追突事故でございます。その原因は何かということ、これはいろいろと要素が重なるというのはあるわけで、統計上、そのうちの一番大きな要因ということで分析しているわけですが、その中で、車間距離不保持というのが全体の中で二・五%を占めているわけです。しかし、第一次的には例えばスピード違反だった、あるいはわき見運転だったと言っても、車間距離が保たれなかったがゆえに追突事故が起こったというのが多いわけでございまして、そういった意味では、高速道路の追突事故の大半といいましょうか大多数が車間距離の不保持が原因、何らかの形でそれが原因になっているということは間違いない事実だと思います。そういった意味で、これを防止するため従来からいろいろと啓発活動も行ってきているわけですが、ことしは特に、高速道路の安全標語の年間スローガン三つの中の一つに車間距離の保持というのを入れてこれの啓発活動を現在進めておりますし、それから、更新時講習だとかそういう機会をとらえまして、運転者教育の中で、高速道路における車間距離の問題というものを教えてきたりしているわけでございます。それと、パトロールの機会を利用しての指導警告というものを行ってきておりますが、今後とも所要の広報活動を活発に行うとともに、悪質なものについては取り締まりをしていくということで、車間距離を適正に保つということのモラルといいましょうか、そういうものの一層の向上を図ってまいりたいと思います。
○玉置委員 高速道路ができた当初は、百キロメートルで走行するならば百メートル、八十キロぐらいだと八十メートル、それが一つの目安ということが言われてまいりました。今、東京近辺の高速道路で車間距離をあけてありますと次々次々とその間に車両が流入してくるということでございまして、適正な車間距離というのはどのぐらいなんですか、わかりませんか。
○内田(文)政府委員 高速道路の場合には、よく言われているわけですが、百キロだと百メートル、八十キロなら八十メートル、大体そのスピードのキロ数をメートルに直したのが適正な車間距離だということで我々としても広報いたしているわけでございます。
○玉置委員 車の性能も大分変わってまいりまして、昔は高速道路でブレーキを踏んでまともにとまる車というのはなかったのですけれども、今は大体急ブレーキを踏んでも、アンチスキッドとかいろいろな要素が働きましてかなり正常に停車ができる。今の交通事情から見て、昔の百メーター、八十メーターとかそういう間隔はなかなかドライバーも守り切れないということがありますので、実際はもっと短いのですね。先をある程度見ていればそんなに要りませんし、速度の二乗で効いてきますが、今の交通事情では従来の間隔ではないということで、より正確な数字を出して、少なくとも実測されて、このぐらいの距離をあけなければいけないという理論的な根拠をぜひ示して、それをまたドライバーに普及していただきたいと思います。 それから、建設省にお伺いをしたいのでございますが、高速道路の規格の話でございます。首都高速を見てもわかりますように、普通二車線が四車線、四車線が六車線とか流入があるごとに広がっていけばわかるのですけれども、設計された方は計算ができないのか、二車線ずつが合わさって二車線、あるいは場合によってはひどいところは一車線になっていますね。そういうふうに大体普通流量計算というのはプラス側に持っていくのですけれども、大体マイナスが多い。それから、高速道路でございますからある程度のスピードで合流するということでございますが、合流の地点が五十メーターぐらいしかない、あるいは三十メーターぐらいしかないということで、まさに車を知らない人が設計をしたのではないか。そういうところで非常に交通混雑の原因にもなっておりますし、あれはどこですか、ちょうど東京証券取引所の近くの、要するに環状線と上野方面あるいは千葉方面に行くところ、あそこのカーブなんか見てもとても高速道路のカーブじゃないのですね。あれを曲がり切れる人というのはよほどなれた人で、大体なれない人は真っすぐ行って上野に行ってしまうということも再三あるようでございます。 そういうふうに考えていきますと、まず、やはり道路は車をよく知っている人が設計をしてほしいということがありますし、それから、今度高規格幹線道路の整備をやっていこうということで、昨年の六月に道路審議会で答申を出されました。これに新たにいろいろな拠点間の連携強化というのがあるようでございますが、今申し上げましたように、まず車の流入それから合流あるいはカーブ、特に我々非常に怖いなと思いますのは、高速道路でカーブをしているところに、これは住民の要望か何か知りませんが防音壁が取りつけられておりまして、カーブの先が全く見えないというふうな形になっております。そこへ八十キロなり百キロというスピードで突っ込んでいくということは、まさに自分自身が自殺行為を行っているようなそんな感覚になるわけでございまして、ああいうことが本当に許されるのかどうかという、むしろそういう心配もあるわけです。 そういう面で考えまして、大体道路の規格の見直しをやらないと、何かお聞きしますと、ずっと昔からの同じ規格でやっているということでございますが、その辺についてお伺いをしたい。建設省で高速道路の今の規格ですね、まずそのものがいいのかどうか、それから、例えば高規格道路についてどういうふうなことを主体にやっていかれるのか、お聞きしたいと思います。
○三谷政府委員 お答えいたします。幾つかの問題がございましたので、順序にお話ししたいと思っております。 まず、道路の構造というものは構造令というもので決めております。しかし、これは一般的な技術基準でございまして、もちろん日本は戦後自動車社会に入りまして、いろいろ諸外国の事例を参考にまず昭和三十三年に決めさせていただきました。その後、いろいろ経済社会の発展に従いまして順次改正をしております。高速道路の基準が入りましたのは昭和四十五年でございます。その後、昭和五十七年にも若干変更しておりますが、今先生のおっしゃいました高速道路の基準というのは二つあります。 と申しますのは、一つは地方部の高速道路つまり、いわゆる高速道路でございますね、この基準を私ども一種の道路の基準と言っております。それからもう一つは都市高速なんかのいわゆる都市内の高速道路これは二種の道路基準ということで決めております。地方部の高速道路について申し上げますと、今ちょうど供用いたしましたのが四千三百キロぐらいでございまして、いわゆる基準を決めてから既に二十年、もちろん外国の基準を大分参考にしておりますが、その後日本でもいろいろな基準の変更がございまして今大体確立しておりますので、例えばいろいろな考え方については、まず抜本的な見直しということは必要でないだろうと思っております。ただ、都市高速というのは、都市の中で大変大量の交通を運ぶものですから非常に制約がきついわけでございまして、もちろん二種の基準の中で、例えば車が合流いたします合流部の考え方であるとかあるいは設計速度と曲線半径の考え方、こういうものはすべていろいろ外国の例も参考にしておりますし、余り問題はないと思います。 それからもう一つ、見にくい問題があるではないか。これは実は構造令では視距の確保と言っておりまして、ある速度で設計をした道路につきましては、これは今御指摘のあったとおり何メーター先まで見えないと危ないわけですから、当然そういうことで決めております。ただ、非常に交通が多くて、先ほど御指摘のありましたように流入部について非常に混雑をしているとか、そういう混雑が非常に問題である、あるいは混雑をしているものですから車がないときには非常なスピードで走る、そうすると非常に曲がりにくい、こういう問題が確かにございます。それらはすべて交通の流れを円滑にするために、局部的な改良とともに、情報それから標識、こういうもので対応する。それから抜本的な対策といたしましては、どうしても首都高は真ん中へ全部寄ってまいりますので非常に混雑いたします。計画時点には想像もできなかったような交通量になっておりまして、今一日九十五万台ということでございますので、今、中央環状というのが途中までできておりますが、そういうものの早期完成、それからできるだけドライバーに対して的確な情報を与える、さらには例えばランプとか曲部の拡幅とか、こういうことで対処してまいりたいというふうに考えております。
○玉置委員 時間が来たようなので終わりますけれども、例えば今のいわゆる一種の高速道路から今回の二種に移る、また一種に移る、運転者としては一種であろうと二種であろうと同じ感覚で運転するわけですから、その辺もぜひ御配慮いただいて、首都高では渋滞も非常にありますけれども、やはり高速道路という感覚でない道路はつくらないというぐらいの規格の見直しをぜひお願いしたいと思います。 終わります。
○近江委員長 玉置君の質疑は終了いたしました。 次に、辻第一君。
○辻(第)委員 交通事故による死者数は六年連続して九千人台を超える、ことしは昨年より約一〇%増加をしているというような深刻な状態でございます。そのような状態の中で、先般、当委員会で参考人の意見陳述並びに質疑が行われ、私、大変勉強させていただいたわけでこざいます。その中でいろいろお話がありましたが、やはりこの交通事故を減らすためにはお金もかかるのだ、それにはハードの面もソフトの面も含めて予算を増額しなくてはならないのではないか、このような御意見もございました。私もいろいろと交差点などの調査をしていく中で、ここに信号機があったらな、あるいはまた道路標識があったらな、あるいはまた立体交差であったらなといろいろ思うこともあるわけでございます。また、先般の当委員会の調査で小学校での交通安全教育を見せていただいたのですが、大変すばらしいことをやっておられる、これをもっともっと広範囲のところに広げていく必要がある、それにもお金がかかるのではないか、こういうふうに思っているところでございます。しかも、自動車台数の伸びがこの五年間で約一八・数%ふえておりますね。こういうときに予算の伸びはこの五年間で約三・五でしたか、そういう状況であります。必ずしもそんなに比例するというわけにいかぬでしょうけれども、しかし、そういう状況でやはりおくれているのではないか、こういうような認識を持っているわけでございます。 それで、交通安全対策の充実、予算の増額ということが重要な問題であろうかと思うわけでありますが、その点について、総務庁長官、運輸大臣、建設大臣に御所見を伺いたいと思います。
○高鳥国務大臣 現下の交通事故の状況が極めて厳しい状況にあることは、先刻来御論議いただいているところでございます。このために、交通安全対策としてやっております五カ年計画を完全に実施をするということが私どもに課せられました極めて重要な責務である、このように考えております。 第一次計画、第二次計画につきましては、それぞれ国の分については一〇三・八ないし一〇三・九ということで完全実施をしたわけでありますが、第三次計画は八九・六にとどまっておったわけであります。第四次計画につきましても、現下の厳しい財政事情の中で進捗率は必ずしも満足すべきものではございません。私どもといたしましては、現下の情勢にかんがみまして最大限努力をいたしまして、完全実施に向かって予算の獲得に努めてまいりたい、このように考えております。
○石原国務大臣 交通事故の死亡者の数を一万人から何とか減らそうということで九千人台にはなったのですけれども、高値安定ということでとても八千人台は望むべくもない。満州事変、シナ事変と、太平洋戦争は別にしまして随分犠牲者も出したわけですけれども、その戦争での死亡者もこんなに数多くなかったのではないかと思います。例がふさわしくないかもしれませんけれども、ともかく一万人近い方々がこの平和時に亡くなっていらっしゃるということは大変なことでして、これは私たち、決してなれてはいけないと思います。もしこれをお金をかけることで防げるならば、何といっても生命の問題でありますから絶対に防がなければいけない。おっしゃるとおり、ソフト、ハードの上で新しい技術なりシステムというものが導入されることでこれが少しでも減るなら、そのための予算獲得に全力を尽くしたいと思いますし、また、委員の皆様の御協力をお願いしたいと思う次第でございます。
○越智国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたが、高速自動車道につきましては、道路構造上の問題、また安全施設の問題等々を考慮して努力をしてまいりたいと思います。 一般道路につきましては、やはり歩道橋とか歩道あるいは自転車道あるいは老齢の方々のためには地下の横断とか、いろいろ考慮いたしまして努力をいたしております。 また、予算の面のお話でございますが、六十三年度は二千七百二十九億円の予算、これは前年度の二一%増でありまして、この面につきましてはもう思い切った予算の増額に努めておるところであります。
○辻(第)委員 ぜひ予算の増額に御奮闘御努力をいただきたいことを重ねてお願いをいたします。 我が党は、先日五月十日に、安心して渡れる交差点対策を求めて政府に申し入れを行ったところでございます。これには、愛知県を含む一都四県から合計四百八十六カ所に上る改善要求が盛り込まれておりまして、交差点の改善、信号機設置など住民にとって切実な要求となっておりました。この中に、繰り返すことになりますが、国の予算さえふやせばすぐ実現する信号機の設置というような問題も含まれておるわけでございます。政府は積極的に住民の要求にこたえていただきたい、このように思います。 また、先般の参考人の意見陳述並びに質疑の中でも、町ぐるみ、地域ぐるみの交通安全運動ということがございました。長崎県の川棚町でございますか、非常にすぐれた経験のお話も聞かせていただいたわけでございますが、こういう住民の方々が警察や建設省や運輸省にいろいろ御要求に行かれる、相談に行かれるということがこれからふえていくだろうと思うのでございます。 そこで、時間がありませんので警察庁にお尋ねをするわけでございますが、そういう地域の方々のいろいろな交通安全運動の第一線の現場へ行かれることがこれからふえると思うのですね。そういうときに、ひとつ積極的な対応をしていただきたいということであります。この問題について警察庁の方から御答弁をいただきたいと思います。
○内田(文)政府委員 地域の住民の方々からの安全施設等に絡みます交通安全対策といいましょうか、そういった要望で警察庁等へ参られた場合には、その趣旨を十分お聞きして誠意を持って対応するように今指導しているところでございます。また、そうなされていると思うわけでありますが、例えば信号機の設置という問題につきましては、これはそういった要望がありましても、ただ要望があったからすぐつけるということにはなかなかまいらないわけでございます。そういうものを踏まえながら、さらに関係行政機関だとかあるいは有識者の意見を聞いたり、それからその道路を利用する住民の方、実際にそこを使うドライバーの方とかいろいろな御意見があろうかと思うわけですが、そういったものをまたいろいろ聞いてそれを参考にし、さらに現場の交通の状況、交通量の問題だとか道路の幅員がどうだとか交差点の形状はどうだとか、そういったことを総合的に検討いたしまして、その必要性とか緊急性を判断して計画的に信号機の整備を進めるということにいたしているわけであります。 今後とも、こういった地域の皆さん方の声を十分参考にして、そういった安全に関します施設等の整備に努めてまいりたいと思います。
○辻(第)委員 ひとつよろしくお願いいたします。 次に、運輸省にお尋ねをいたします。 去る四月二十八日に、ハワイ・アロハ航空のB737型機がハワイで機体前部の上部が吹き飛ぶという事故がございました。アメリカでいろいろと調査がされているようでありますが、新聞報道によりますと、米国家運輸安全委員会の調査官は記者会見で、事故機のボーイング737の胴体の補強材にある六つのリベット穴から金属疲労によるものと見られる亀裂が発見された、このように発表されているわけでございます。この点に関連して我が国も、運輸省航空当局は、我が国の同型機二十一機のうち飛行回数が三万回を超える九機について胴体つなぎ目部分などを特別に点検するよう指示した、このように聞いております。 この金属疲労の問題については、私も交通安全対策委員会に参りましてから何度も聞いてきているわけでありますけれども、それの点検整備の問題は大変重要なことだなと思うわけでございます。あの日航のボーイングの墜落の問題でも、ちょっと質は違いますけれども、やはり亀裂があったのが早く見つけられなかったというようなことだったというふうに思うわけでございます。それで、こういう検査体制ですね、点検整備体制をもっともっと強化をしていただかなければならないのではないかというふうに私は思うわけでございますけれども、航空機全般の本当の安全のために検査体制を強化をしていただきたい、この点について運輸大臣の御見解を伺いたいと思います。
○林(淳)政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、四月二十八日のアロハ航空の事故にかんがみまして、アメリカ政府の方で、必要ないわゆる耐空性改善命令を二度にわたって出した。それに対応いたしまして、我が国といたしましても、最初の耐空性改善命令というものの基準の対象にはなっておりませんでしたが、さらに我が方としては万全を期すために、それよりさらに突っ込んだ内容のいわゆる点検整備というものを指示したわけでございます。その後、アメリカがさらに耐空性改善命令を強化いたしましたので、それに対応して、我が国としましても耐空性改善通報を出して、先ほど先生おっしゃいましたように九機について所要の点検を逐次やっておりまして、現在、八機まで点検が進んでおるという状況でございます。 今後とも、こういう事故の問題に対応して万全を期するというのが当然必要なことでございますので、私どもといたしましても、そういう教訓にかんがみまして、十分な検査を行うように航空会社を十分指導してまいりたいというふうに思っております。
○辻(第)委員 時間が参りました。終わります。
○近江委員長 辻君の質疑は終了いたしました。 ────◇─────
○近江委員長 ただいま、亀井善之君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五党共同提出に係る交通安全対策に関する件について委員会において決議されたいとの動議が提出されております。 本動議について議事を進めます。 この際、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。亀井善之君。
○亀井(善)委員 ただいま議題となりました交通安全対策に関する決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表し、私からその趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 交通安全対策に関する件(案) 政府は、第二次交通戦争といわれる現下の厳しい交通情勢に対処し、年初来の交通事故の発生増加傾向を阻止するため、早急に中央交通安全対策会議において従来の施策の評価解析をもとに総合的かつ効果的対策を策定するとともに、当面、次の諸施策を緊急に実施すべきである。 一 国民の安全意識の高揚と安全知識の普及を図ることにより、国民の自主自発的な安全行動を期待するため、各種の国民参加型キャンペーン等、広報啓発活動をより一層積極的に実施すること。 二 道路交通事故を防止するため、安全な道路交通環境を確保する必要性にかんがみ、交通安全施設等の整備の一層の促進を図るため、特定交通安全施設等整備事業五箇年計画における事業の完全実施とその見直しを図ること。 右決議する。 我が国の道路交通事故による死者数は車社会の進展に伴い年々増加し、昭和三十四年、戦後初めて一万人を突破するとともに、昭和四十五年には一万六千七百六十五人に達し、史上最悪を記録いたしました。 政府は、このような厳しい交通情勢に対処するため、昭和四十六年を初年度とする第一次交通安全基本計画を策定し、これに基づき、第一次交通安全施設等整備事業五カ年計画を初め、各種施策を広範にわたって総合的かつ計画的に推進し、計画策定時において設定した歩行者事故半減の目標を達成するとともに、計画最終年の昭和五十年には交通事故死者数を一万人以下に抑止し、昭和五十四年には、交通事故死者数は戦後最低の八千四百六十六人にまで減少させることができました。 しかしながら、昭和五十五年以降交通事故は再び増加傾向に転じ、特に昭和五十七年以来交通事故死者数は連続して九千人を超えた上、本年に入っても依然として増勢に歯どめをかけることができず、もしこのような厳しい情勢のまま推移すれば、本年中の交通事故死者数は一万人を突破することが十分予想されるところであります。 これは、まさしく第二次交通戦争とも言うべき容易ならぬ事態に立ち至っていると申しても決して過言ではありません。 よって、政府は、この際、この現実を直視し、早急に従来実施してきた各般にわたる交通安全施策の効果等について評価解析を行い、それに基づき総合的かつ効果的な対策を策定、実施するとともに、当面緊急に諸施策を実施し、現下の厳しい交通情勢の改善を早急に図るべきであります。 まず、これらの対策は、政府の交通安全に関する最高の審議機関である中央交通安全対策会議において策定し、政府の責任において実効を期すべきであります。 次に、当面実施すべき施策の第一は、積極的かつ効果的な広報啓発活動であります。 およそ交通安全の確保は地域の問題であると同時に、国民一人一人の安全意識に係るところが大であります。したがって、政府は、国民の自主自発的な安全行動を期待して国民に直接問いかけ、あるいは国民がみずから考える契機となる各種の国民参加型のキャンペーンや国民がいかなる状況下においてどのような安全行動をとるべきかを具体的に訴えるキャンペーン、また、全国で行われている交通安全運動の効果的事例を他地域や他組織に普及させるためのコンクール、発表会、表彰等を行うとともに、国民の自主自発的参加が期待できる安全指導等を行うために既存の交通安全団体等を活性化させるほか、新たに広く国民各層を地域、職域、趣味、レクリエーション活動等により多極的にグループ化、組織化する等、広報啓発活動の一層の効率化と積極化に努めるべきであります。 第二は、ハードの面における施策の充実強化であります。 交通安全施設等の整備は、安全な道路交通環境を確保し、交通事故を未然に防止するため極めて有効であり、また国、地方公共団体に課せられた重大な責務であります。 一方、我が国の交通を取り巻く環境は、モータリゼーションの成熟、高齢化社会の到来等により大きく変化してきており、交通安全施設等の整備については、これら経済社会の変化に連動して、質的高度化、量的拡大等の新たな対応が要求されております。 したがって、政府は、第四次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画について、事業の完全実施を図るとともに、計画の見直しを行うべきであります。 以上、政府は、早急に策定実施すべき総合的、効果的交通安全対策並びに当面緊急に実施すべき施策について、これを実効あらしめるための措置を早々にとられたいというのが本決議案の趣旨であります。 何とぞ、各位の御賛同をお願いする次第であります。
○近江委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 亀井善之君外四名提出の動議のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○近江委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。 この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。高鳥総務庁長官。
○高鳥国務大臣 ただいまの御決議につきましては、関係各省庁にかかわる問題であり、御趣旨を踏まえ、政府部内の連絡調整を図り、十分に努力してまいりたいと存じます。
○近江委員長 次に、石原運輸大臣。
○石原国務大臣 ただいまの御決議につきましては、交通安全の確保が運輸行政の基本であることにかんがみ、その趣旨を十分に尊重し、誠意を持って実施に当たる所存でございます。
○近江委員長 次に、越智建設大臣。
○越智国務大臣 交通安全対策の推進は、道路行政において極めて重要な問題であります。交通安全施設等につきましては、従来から整備の促進を図ってきたところでありますが、ただいまの交通安全対策に関する御決議の趣旨を十分に尊重いたしまして、今後とも交通安全対策の推進に当たる所存であります。
○近江委員長 次に、金澤警察庁長官。
○金澤政府委員 ただいま交通安全に関する御決議がなされたわけでありますが、その内容を踏まえ、関係省庁とも緊密な連絡をとりながら、広報啓発活動の実施、交通安全施設の整備等、総合的な交通事故防止対策の推進に万全を期してまいりたいと思います。
○近江委員長 なお、議長に対する報告及び関係方面に対する参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○近江委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十五分散会