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112回国会衆議院1988/04/25

決算委員会 第4号

発言数
288
登壇者
32
会派数
5
開催日
1988/04/25

会議録

野中英二自由民主党

○野中委員長 これより会議を開きます。  昭和六十年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、外務省所管について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として海外経済協力基金理事笹沼充弘君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────

野中英二自由民主党

○野中委員長 次に、外務大臣の概要説明及び会計検査院の検査概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────    昭和六十年度決算について                   外務省  昭和六十年度外務省所管一般会計歳出決算につきまして、その概要をご説明申し上げます。  歳出予算現額は四千七百二十一億三千七百三十一万円余でありまして、支出済歳出額は三千九百四十二億三千五百六十五万円余、翌年度繰越額は七百二十億八千七百九十八万円余、不用額は五十八億千三百六十七万円余であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額四千十四億二千九十九万円余、前年度繰越額七百三億九千五百十五万円余、予備費使用額三億二千百十六万円余でありまして、前年度から繰り越したものの内訳は、経済開発等援助費七百三億九千五百十五万円余であります。  支出済歳出額の主なものは、経済協力の一環として、青年海外協力隊派遣、開発調査、センター協力、機材供与、保健医療協力、農林業協力、産業開発協力、開発協力、専門家養成確保等の事業、アジア諸国等の開発途上国に対する経済開発援助および国連開発計画等の多数国間経済技術協力のための拠出等に要した経費二千八百十九億八千五百八十七万円余、エネルギー対策のため国際原子力機関に対し同機関の憲章に基づく分担金及び拠出金として二十五億五千五百三十一万円余並びに各種国際機関に対する分担金等として四十九億九千九百三十二万円余であります。  次に、翌年度繰越額について申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰越のものは七百十五億八千七百九十八万円余でありまして、その内訳は経済開発等援助費七百十五億八千七百九十八万円余及び財政法第四十二条の規定による事故繰越のものは五億円、その内訳は経済開発等援助費五億円であります。  不用額の主なものは、国際分担金其他諸費の項で外国為替相場の変動があつたこと等により、経済協力国際機関等拠出金を要することが少なかつたこと及び在外公館の項では、職員諸手当を要することが少なかったこと等のためであります。     …………………………………    昭和六十年度決算外務省についての検査の概要に関する主管局長の説明                 会計検査院   昭和六十年度外務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。     ─────────────

野中英二自由民主党

○野中委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷津義男君。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 まず最初に、在外公館につきましてお聞きいたしたいと思います。  私は何度か海外出張あるいはまた外遊した折に、大使館、領事館というものに寄らしてもらったり、またいろいろ御指導いただいたりしてきたわけでございますけれども、そういう中で私の目から見ますと、東ヨーロッパといいますかヨーロッパの共産圏あるいは不健康地、こういうところの在外公館の設備がそう言っちゃなんですが非常にみすぼらしいといいますか、民家を借りたりなんかしているのが多いわけでありまして、日本の国民としましてもっとしっかりつくったらいいじゃないかという感じを持って帰ってきたわけであります。特に円高のときでもあり、いろいろな問題があるものですから、こういうときにこそむしろ思い切って在外公館を改築あるいはまた新築、そういうふうにしたらいいのじゃないかというふうな考えを持っているわけであります。外務省におきましてもこの点は非常に努力をしておるわけでありますが、私が見てきた中のハンガリー等は民家を借りて非常に手狭で大変だったのですが、これも今つくっているという話を聞いておるわけであります。今後この問題については大臣どんなふうにお考えでございますか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 率直に申し上げまして在外公館に対する非常にありがたいお考え方であります。私たちもそうしたお考え方を中心といたしましてやはり期待に沿わなければならないと思いますし、また、日本の外交のあり方から考えましても、在外公館というものはその国の評価される一つのタイプである、かようにも思いますので、今後大いに努力をいたしたい、かように考えております。何分にも財政再建とか行政改革とかそうしたことも歴代政府が懸命にやっておりますから、私どもも余り言えないこともありますが、財政当局もそうした面に対しましてはある程度の理解を示していてくれるという段階でもございますから、こうした谷津さんを初め国会の先生方の力強いアドバイスということを私たちも十分受けとめまして努力をいたしたいと思います。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 確かに今お話がありましたように国の評価の一つになりかねない面もございますので、この辺は本当に真剣に、しかも早急にやらなければいけない問題ではなかろうかなというふうに思うわけであります。  その大使館等を訪ねたときに職員の方たちからもいろいろお話を伺ってきたわけでありますけれども、不健康地に在職している皆様方は、どちらかというと大使館の規模も小さいといいますか、そういった中で一人何役というふうな大活躍をしている様子をよく知ったわけであります。大変なハードスケジュールの中で日本国のために大変な努力をしているわけでありますが、この不健康地に勤められておる方たちがなかなか休暇がとれないという話をよく聞くわけであります。  資料を調べてみましたところ、ちょっと古い話ですが、――例えば不健康地なるがゆえに病気をしても休みがなかなかとれないという話も聞いたわけなんであります。ちなみにちょっと数字を申し上げますと、これはちょっと古い話で恐縮なんですけれども、調査対象の職員が三千四百五十三名、これは外務省の職員の数であります。そういう中で病気にかかっておる人たちが、これは五十五年九月の調査なんですけれども、五百九十八名、一五%ぐらいの人たちが何らかの病気にかかっている。ところがこれが集中的に不健康地の職員の人たちに非常に多くかかっている傾向がある。それにもかかわらず、なかなか休暇がとれない、規則で決められた休暇がとれないで大変な苦労をしているという話を聞いて、私は気の毒にも思い、またそういう中で頑張っている姿に感激もしたわけでありますけれども、この辺のところは外務省としてはどういうふうな対策を打ち、どういうふうなお考え方をお持ちですか、お聞かせいただきたいと思うのです。

藤井宏昭外務大臣官房長

○藤井(宏)政府委員 先生ただいま御指摘のとおり、不健康地はおおむね小規模公館という事態が多いわけでございます。小規模公館におきましては館務の都合等もございまして休暇がとれないという側面も確かに存在いたします。他方、外務省といたしましては、先生方の御理解を得まして、毎年不健康地対策というものを外務省予算の最重点事項の一つに掲げて累次努力してきているわけでございますが、同時にその運営におきましても、不健康地における休暇の申請があればそれはできるだけ認めるという方針をとってきておりまして、また館長等にもそういう指導を行っているわけでございます。  数字を一つ挙げさせていただきますれば、六十二年度におきましては年度の当初でございますけれども、当初休暇をとりたいという希望を申しておった数と実際に休暇をとりました数とを比較いたしますと、不健康地におきましては七〇%が実際に休暇はとれておる、健康地におきましてはそれが四六%という健康地の方が低率になっておるという状況もあるわけでございます。これから改善しなければいけない点多々ございますし、ただいま先生の御指摘のように、特に健康、病気等についての感染病あるいはその他の病気について当人及び家族が日々危険にさらされておるわけでございまして、それについての対策を、さらに御理解を得まして、今後さらに推進していきたいというふうに存じておる次第でございます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 ただいまのお答えでちょっともう一つ突っ込んで聞きたいのですが、今のお答えからいきますと、私はこういうふうに感ずるのです。結局は定員が不足しているのではなかろうか。いわゆる休暇帰国あるいは健康管理休暇というものが規則の中にあって、それを希望をとっても、今お聞きしますと不健康地はその達成率といいますか、希望をかなえられる率が物すごく低いわけです。そういう面からいくと、どう見てもこの辺から見ると定員そのものがどうも不足しておるというふうに私は率直に感じるわけでありますけれども、この辺は大臣どういうふうにお考えになっておられるでありましょうか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 定員に関しましては、経済大国日本にふさわしくない定員が現在の外務省の定員であろう、私はこう考えております。だから大臣就任前にも極力定員をふやしてあげたいものだ。ただいまのところは五千名、せめて五千名、そこら辺ぐらいまでは確保したい、かように思っておりますが、先ほど申し上げましたような事情もこれあり、今行革の最中ですが、関係省庁においては外務省には特別の考慮を払っていてくれる、こういう段階であります。しかし、率直に申しまして今の特別の考慮はありがたいのでございますが、これだともう少しく時間がかかるのではないだろうか。だからこういう面も特に議会におきまして超党派的にこの問題は諸先生方大いに応援をしていただいておるというのが現状でございますので、そういうお声を唯一の後ろ盾として今後努力したいと思います。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 数字を見ますと本当に努力をしている、気の毒だと思う以前に、私は率直な意見を申し上げますと、人道上の問題が出てくるのではないかと思うくらい非常な努力をなさって国益を守っておられるし、また外交上本当に努力をなさっている。頭の下がる思いでございまして、感謝を申し上げているところでございますけれども、そこで私お聞きしたいのは、――総務庁、いらっしゃっているのでしょうか。  そこで、この定員の問題については総務庁が査定をなさっておるわけであります。この件について私、実は外務省にいろいろ問い合わせをしたことがあるわけですが、外務省も行革のときであるからということで総務庁の御配慮に大変感謝はしているというふうに聞いていますし、私どもも大変御努力なさっている姿を知っておりますが、今お話がありましたようなことで大変な御苦労を願っているわけですが、総務庁はこの辺のところはどのようにお考えになっておるのか、その辺をお聞かせしていただきたいと思うのです。

太田省三総務庁行政管理局管理官

○太田説明員 先ほど外務大臣からもお話がございましたように、先生も御案内のように現在国家公務員の定員につきましては行革を推進するという立場から臨調、行革審の答申等を踏まえまして全体としまして毎年純減を確保するという厳しい管理を行っております。そういう中にございまして、外務省の定員につきましては外務省の行政需要にかんがみまして従来からできるだけ配慮してきておりまして、六十三年度におきましても全体としましては三千六百人を超える純減を確保したわけでございますが、外務省につきましては百二人の増員、特に在外公館につきましては六十八人の増員ということで全体の中で非常に手厚い配慮をしたところでございます。  先ほど来御質問の休暇帰国等の問題と定員の関係といいますのがどこまで実際上リンクといいますか、関係があるかという点は、もう少しいろいろ詳しく外務省からも伺ってみないと今直ちにお答えできませんが、今後につきましては、もしそういった事情がございますれば、毎年度の要求の中で、また査定の中で考慮してまいりたいというふうに考えております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 そういう中で私が聞いた範囲内では、例えば電信官なんというのは一人しかいないためにほとんど休暇がとれないというふうに聞いているわけであります。非常に大事な仕事でありますし、体力も必要とする仕事だろうというふうに思うわけでありますが、そういう方たちが休暇すらとれない状況にある。電信官というのはほとんど一人しかいないということでそういうふうに聞くわけでありますけれども、そういう立場にある方もおられる。これから日本はますます外国との関連も強くなってまいりますし、また発展をさせていかなければならない、そういう大事な時期だけに人員の査定の問題については総務庁としましては特段の配慮をする必要があるであろう。これはほかの役所とは違った立場で、日本の国にとっては外交というのは非常に大事な問題でありますから、その辺のところを特段の配慮をしていただきたいというふうに要望をしておきます。ひとつよろしくお願いしますよ、その点は。大丈夫ですね。  次に、在外公館の中で保秘対策についてお聞かせいただきたいことがあるわけであります。と申しますのは、機密なことがいろいろあるだろうと思います。訓令をしたものが事前に知られるということであっては交渉上非常に支障を来すというようなことで、この保秘体制というのを強化しなければならないというふうに考えるわけであります。  私もこの件につきましては在外公館何カ所かで聞きますと、なかなか話し合いをする場所がなくて、道を歩きながら大事な話はするんだというふうな話も聞いたことがあるわけでありますけれども、この保秘対策について外務省は今どのような対策をなされておるのですか、あるいは万全を期しておられるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

藤井宏昭外務大臣官房長

○藤井(宏)政府委員 先生御指摘のように保秘対策と申しますのは外務省にとりましてますます重大な問題になってきております。それは日本国と外国との交渉のみならず、日本がいろいろ地位が上がるにつれまして世界のいろいろなところで起きてくることについていろいろな情報を得る、それを我が在外公館との関連等におきまして電報等で流しております。それを取っていくということはあり得るからでございまして、外務省といたしましては、例えば六十三年度予算におきまして最重点事項の一つとして在外勤務環境の改善などの外交実施体制の強化ということを定員とともに掲げておりますけれども、今の項目の中に重点事項が四つございまして、そのうちの一つがこの警備対策及び秘密保全体制の強化ということでございます。すなわち外務省の予算の最重点事項ということで財政当局等の御理解を願っておるところでございます。  具体的にどういうことをしておるんだということにつきましては、問題の性質上具体的な御説明は残念ながら避けさせていただきたいわけでございますが、例えば暗号の使用でありますとか文書管理の徹底、職員の教育、それから建物の警備、立入規制、それから秘密保全の点検等でございまして、これらの諸点につきまして今後とも非常な重点事項といたしまして体制を整備していきたいというふうに存じております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 万全を期して当たっていただきたいと思います。  次に、ODAの点についてお聞かせいただきたいと思います。  円高等によりまして今や我が国は世界一のいわゆる政府開発援助、ODAがトップになっておるということで喜ばしい限りでございますが、最近になりましてこの問題についていろいろな議論が出てまいりまして、我が党の特別委員会におきましても政府に対してこういったお願いもしようかという話も出てきておるわけであります。  そこで大臣にお聞かせいただきたいと思うのでありますけれども、円高等によりまして中期目標はほとんど達成できる、これはもう大丈夫だということで、新たな対策が必要になってきているのではなかろうかというような議論が大分出ているわけであります。総理におかれましても、次期サミットにおいてそういった面では特段の配慮をするというふうな報道記事も見ているわけでありますが、大臣といたしまして、これは改定でいくのか、新たな目標を立てるのか、その辺のところの所見を承りたいと思うわけでありますが、いかがですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 ODAに関しましても、この国会を通じまして本当に衆参両院においてもあるいは与野党超越して、非常に関心を持っていただいておるということも私たちは感謝しております。特に、ODAというものは何か。これも大切でございますが経済協力というのじゃなくして、あくまでも援助である、ODAこそが援助の最高のものである、これが世界の認識でございまして、私たちもODAの哲学あるいは理念を申し上げるときには、南北間に横たわっているその根底にある人道上の考慮並びに相互依存、これをODAは一つの理念としてつくられておるものでございます。  こういうことで、我が国も世界有数の大国になりましたから当然の義務といたしまして、そういう理念に基づいて今予算編成をさせていただいておる。特にことしは、はっきり申し上げまして世界で一番大きくなったのじゃないか、かように存じております。しかしながら、よく指摘されますが、額は大きいけれどもGNP対比は少ないよとか、無償という面だけを考えるとその無償の依存度というものは極めて低いよ、確かにそういうことは当然我々は考えていかなければなりません。したがいまして、途上国に対する私たちの理念を国民の方々にもなお一層よく知っていただいて、また途上国に対しても、我が国も財政再建途上であるけれども、懸命の努力をして経済大国としての義務を果たしているつもりだ、またそれはそうした理念のもとにやっているんだ、こういうことでございますと、確かに今仰せのとおり量も大切でございますが、質ということも考えていかなければならぬ、かように思っております。  先般自民党の特別委員会におきましても、そうした問題が広く議論されておるということは非常に結構なことである。これもいろいろ関係省庁ございますから、十二分に党の方の御意見は御意見として御参考にしながら、その改善を量質ともに考えていきたい、これが現在の私の心境でございます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 大臣の今のお答えで力強く感じたわけでありますけれども、この問題につきまして、中期の目標がほとんど達成できますから、改めてそういう見直しも含めて今おっしゃったようなことを含めて、新たな目標を設定した方が私はいいのじゃなかろうかという感じを持っている一人なのですが、大臣はその辺のところはどのようにお考えですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 あらゆる面を含めて、やはりそうした問題を速やかに検討したいと思う。今おっしゃったように総理のサミット出席なり、いろいろな国際的な発言もございますから、そうしたときにおきましてはより一層あすに向けてのODAはいかがあるべきか、日本はこう思うというふうなことも十二分に発言していただきたいと思いまして、現在いろいろと取り組んでおる最中でございます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 途上国のこの件に対する日本への期待というものは大きいし、なお日本にとりましてもこの問題をしっかりやるということは、途上国に対する日本への信頼を得るためにも大事なことであろうというふうに考えるわけでありますので、この辺は大臣、ひとつ蛮勇を振るってきちっとやっていただいて、これからの日本の発展のために頑張ってくださいますることをお願い申し上げます。  そこで最後になりますけれども、広報活動についてお聞かせをいただきたいと思います。  この広報活動につきましては、最近になりまして外務省は非常に力を入れて対策を打っているという話を聞いておるわけでありますが、実は予算の推移をちょっと調べてみましたところが、予算が逆に減っているのです。例えば六十年がピークでありまして、二十九億六千七百万、これは海外広報課の予算ということですか。六十一年が二十八億八千九百万、六十二年が二十八億五千万、そして六十三年が二十七億六千二百万、だんだん減ってきているのです。この辺のところはどういうふうになっているのですか、ちょっとお聞かせいただきたいのです。

松田慶文外務大臣官房外務報道官

○松田(慶)政府委員 御指摘のとおり、海外広報関係予算は実額におきましては確かにいささか減っておりますが、これは主として為替レートの変動に基づくものでございまして、海外広報予算の相当部分は外貨で外国で使いますので、その分のいわゆる予算上における支出官レートが二百円から百八十円、百六十円と上がっていくのに比しまして、計算上実際の仕事をするのに必要な円貨が少なくて済むものでありますので、額面上減ってまいりました。しかし、これを円貨、外貨で合わせて実質計算いたしますと、わずかではございますけれども年間数%の伸びで仕事をさせていただいている次第でございます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 それはわかるのですよ。わかるのですけれども、これからの外交というのは非常に大事なときでしょう。特に日本の立場というものもしっかりと外国にも知っていただかなければならぬ。特に最近問題になっている牛肉、オレンジではありませんけれども、日本などは食料品の輸入国としては世界一でしょう。そういうことを知らない面があるからこそ、ああいう面でジャパン・バッシングの一部ではありますけれども、いろいろとアメリカあたりからもそういった問題が起こってくるのじゃなかろうか。ですから、海外の広報活動というものは本当に大事なことだろうというふうに思うわけです。ですから、そういったレートの違いで数%ずつ伸びている、これはわかりますけれども、それよりも基本的にはもっと額をふやすなりあるいはそういう対応をするなりして、日本の置かれている立場というものをもっともっと知ってもらわなければならないときだけに、私はこのぐらいでは不満なのですよ。そういった面を大臣ちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 おっしゃるとおり、意外と努力しておって評価されておらないというのがあるいは日本外交の一部にあるかもしれません。  この間もアメリカの下院でございますが院内総務が共和、民主両党おそろいでお越しになられました。当然貿易摩擦の話に終始したわけですが、単に品物の問題だけではなくして資本の移動、これにおいても日本はアメリカの年間、いわゆる本邦資本流出で二十兆円も出ていますよ、そうしたことがアメリカの経済をどこかで支え、また資本を支え、なおかつアメリカの赤字財政をお助け申し上げておる、こういう面を忘れてもらっては困るのだ、私も大臣だけれども議会人だからそうした意味でお話ししましょうと言ったら、そういう面を全然知らなかったよというような意外なお答えをちょうだいしました。やはり、お互いに日本というものが世界に貢献しようとして努力しておることは、さらにそれぞれの立場において大いにPRすべきだと思います。したがいまして、外務省も今ODA等々に関しましては国民の税金を使わせていただいているというふうな観点に立ちまして、国内におきましてもさらには海外に対しましても一層そうしたPR活動をいたしたい、私はさように存じます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

野中英二自由民主党

○野中委員長 渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 まず最初に、委員長にお願いしたいのは、私はきょう朝九時ごろ国土庁長官の出席を求めて、しかも政府委員がその質問取りに来て、これは国土庁長官でなければ答えられない問題ですねと承諾して帰ったにもかかわらず、委員会始まって、それから都合が悪いという、しかも聞いてみれば土地特の方は既に終わっている、そうすると憲法六十三条でこれは議院の要求した場合来なければならないのですよ。時間の関係で全部読みませんけれども、「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」となっているんですよ。それを来ないのは甚だもって憲法を無視し、国会の権威を無視するものであるから、委員長から私の質問が終わるまでの間にぜひ出席するよう要求してください。  そこで最初に、時間の関係で農林水産省にお伺いいたしますが、これはあすの二十六日、農林水産大臣が訪米の御予定であるようでございます。これは言うまでもなく、牛肉、オレンジあるいは米の問題まで及ぶと思いますが、どのような態度でこれにお臨みになるのか、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○塩飽政府委員 お答え申し上げます。  牛肉、かんきつ問題につきましては、ことしの三月に佐藤農水大臣がワシントンに参りまして、二国間協議を引き続き継続するということでヤイター通商代表と合意ができたわけでございますが、この合意を受けましてその後ワシントンあるいは先週は東京におきまして、日本側からは外務省、農水省局長レベルの代表による協議を重ねてきたところでございます。しかしながら、残念ながら日米双方の主張は依然として平行線をたどっておりまして、問題の解決に向かって距離は依然として縮まってないわけでございます。  アメリカは自由化時期、本来ことしの四月をもって牛肉、かんきつについては自由化をすべきであるという強い主張を持っておりますが、それが仮にできない場合にも一定期間後に自由化をするという自由化時期の明示が不可欠であるという前提に立っておるわけでございます。それとあわせまして、自由化後に日本政府がとるであろう代替的な国境措置について、関税以外のものは認められないという主張をやっておりますし、また一定期間の自由化までの期間に引き続き輸入枠が残るわけでございますが、その輸入枠をどのようなペースで拡大をしていくのか、さらに現在牛肉についてはその相当部分を畜産振興事業団の一元的な運用のもとに行っておるわけでございますが、その運用の改善の問題でございますとか、あるいはオレンジ果汁についての国内産の温州ミカンの果汁との混合のもとでの流通を条件づけておるわけでございますが、その条件の撤廃の問題でございますとか等、いわゆる自由化時期の問題のほかに、実質的な市場のアクセス改善に向かってのそれに関連した要求を出してきているわけでございます。これに対しまして、我が国は、肉牛産業あるいはかんきつ産業が抱える現状にかんがみまして、自由化は困難であるということを主張の基本に据えながら、仮に将来自由化をする事態が生じたとしても、ガット上、ガットと整合性のある措置を導入するガット加盟国としての権利は当然あるわけでございますので、そういった権利は、もしそういった事態が生じた場合にも日本として当然保有する必要があるということ、あるいは米国の輸入枠の拡大等の要求は、それぞれの産品の需給の実態等に照らしますと大変過大な要求を行っているわけでございますが、それらについての日本の立場を踏まえた主張を行っているわけでございます。  一方、この牛肉、かんきつ問題につきましては、ガットの場で、四月八日に臨時の理事会の場でアメリカはガットの紛争手続でございますパネルの設置の要求を既に行ったわけでございますが、次回のガットの理事会でございます五月四日の理事会までに本問題の二国間による解決が実現できない場合には、再度パネル設置の要請をすることが見込まれておるわけでございます。  今申し上げましたような状況にございますが、我が国としては日米の長年にわたる友好関係、とりわけ農産物貿易をめぐる日米間の太いきずながございますので、そういう基盤の上に立って、友好裏に話し合いによりまして問題の解決を図っていきたいという考え方に基づいて、引き続き最善の努力を行ってまいりたいと考えているわけでございます。  これまでの経過では事務レベルによる問題の解決にはかなり困難性がございますので、三月末の農水大臣のワシントンにおけるヤイターさんとの折衝に引き続き、高いレベルでの本問題の最終的な努力が必要な時期に来ているのではないかという考えで現在取り組んでいるわけでございます。     〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 これは前々からいろいろと折衝を重ねてきて、全然その解決のめどがついていないわけですね。ここまで来て、しかもアメリカでは包括貿易法案を下院を三分の二以上で通過させる、こういう情勢の中で、一方においてはガットのパネルが要求されておる。そうすると、全くどこに見込みをつけていいのかわからないと思いますよ。それなのに、今このときに農林大臣が行って、何か可能性を把握できるでしょうか。これは、もし行って何も持たないで帰ってきたら、これこそ責任問題になると私は思うのですよ。もっとこの問題に対する基本的な日本の態度、米は絶対に何が何であろうとも守るというなら守る、そしてオレンジ、牛肉についてはこういう方法で行く、どれが公正なのかということを訴えることが一番大事だと思うのですよ。ただ利害関係がどうのこうのというよりも、国際的な一つの場から見た際にどっちの態度が最も公正であり、最も妥当であるか、こういうことを国民の前にはっきりさしていただきたい。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○塩飽政府委員 先ほど御答弁の中でも申し上げたわけでございますが、この牛肉、かんきつ問題については大変長い経緯がございまして、前回の日米間の四年間の協定についても大変厳しい要求が当初あったわけでございますが、最終的には両者の立場を反映した現実的な解決ということで協定ができた経緯がございます。今回は、現在のアメリカの貿易収支の赤字問題等大変厳しい環境があるだけに、アメリカの本問題についての要求は大変厳しい要求内容が出されているわけでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、私どもはやはり日本の肉牛あるいはかんきつ産業の実態というものを踏まえつつ、同時に長い経緯を踏まえて出てきている問題の性格というものも十分念頭に置きながら、二国間による現実的な解決に向かっての努力をすることによりまして、我が国のかんきつ産業あるいは肉牛産業に対する不測の事態を回避した形での決着に持っていきたいということで、ガットの理事会が迫っているわけでございまして、期間は大変限られておりますけれども、なお一層努力をしてまいりたいというのが我々の考え方でございます。  また、ただいま先生の方から米の問題についてお触れがございましので、一言お答え申し上げますと、この問題については、御案内のように一昨年、アメリカの米の業界からアメリカ通商法に基づく提訴があったわけでございますが、その問題の処理を通じまして、我が国としては本件については、現在行われておりますガットのウルグアイ・ラウンドの枠内で、他のガット加盟国の農業に関する諸制度の議論とあわせて議論することは否定をしないという立場で、従来から米政府ともそういった対応でやってきているわけでございまして、その立場で今後とも対応していきたいという考え方でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 次に、外務大臣にお伺いいたしますが、今度閣僚の靖国神社参拝に関して、その後で、国務大臣である奥野国土庁長官が、この靖国神社参拝問題やあるいは鄧小平氏の言動云々という発言、さらには侵略者とは実は白人そのものじゃないかといった趣旨の発言をして、今大きな国際問題にまで発展しておるようでございます。こういう閣僚の発言というものが軽々になされていいものかどうか。しかも、今の時期は何かこの間ココムの問題や光華寮の問題で非常に日中関係がぎくしゃくしてきた。しかも、今竹下総理は八月に訪中すると言われておりますし、そして外務大臣自体も今月の三十日に訪中される、こういうふうに聞いておるわけですが、こういう重大な時期に伊東自民党総務会長はその地ならしにわざわざ訪中されてやっと帰ってきたばかりである。そして総理に進言されておる。こういう中で閣僚の一員がこういう全く常識もなければ国際感覚もない、本当にこれが日本の大臣をしておるのかと疑われるくらいひどい発言をしておることについて、外務省としても、今までの築き上げた日中関係の友好というのがまさに音を立てて崩れようとしているのではないかと私は思うのですよ。そういう非常な御努力に対して、このような発言についてどういうふうに思いますか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 私も閣僚の一員として同僚の閣員がいろいろとお話をなさる、そのことが外国の新聞で非難されておるということは非常に遺憾なことである、かように存じております。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 それは遺憾なことには間違いないわけですが、外務大臣としてはこういう問題をどういうふうに対処していくおつもりなのか、その辺のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 現在といたしましては中国のそうした公式の新聞で批判が加えられておるという段階でござます。我々といたしましては、やはり外交はいずれの国とも私たちは仲よくやっておるし、特に中国につきましてはことしは日中平和友好条約十周年記念であるというふうな大切な年でもございますから、したがいまして、伊東さんも行っていただき、私も行き、また総理がその締めくくりでお行きになることでございますので、公式にそうした他国の方々のことを申し上げるということにつきましては、だんだんとこれが大きくなるというようなことは余り好ましいことではございませんから、どのような見解をお持ちであるか、そうしたことはやがて私が参ることにおいて明らかにされるかもしれないし、そんなことでございますから、今日ただいまからいろいろとこれに対しましてこうだああだと言うことは私は差し控えさせていただきたいと思うのであります。  靖国神社の問題に関しましては、先般、公式参拝ということで非常に物議を醸したということも十分承知いたしております。私も学徒出陣でございますから、個人的な意見を申すのならば、多くの友人が祭られておりますからその人たちには私はやはり感謝をしなければならないと思いますが、しかし、かつての戦争を引き起こした、またその戦争がアジアの方々に御迷惑を与えた、戦場と化したという等々を考えますと、政府といたしましてはそうした反省の上に立っての行動も必要である、こういうふうに考えておりますから、総理を初め私たちは靖国神社に公式参拝はいたさないということで、まあ総理はまだ決めていらっしゃいませんが、私はそういうことでしばしば議会ではっきり申し上げております。したがいまして、そういう面におきましても今後慎重を期さなければならないのではないか、かように存じております。過般、総理と一緒にフィリピンに行きましたときにも、やはりアジアの方々は、経済大国日本は軍事大国になるんじゃないかという潜在的な意識をお持ちであり、中には公然とそのことを口にされる国の人たちもおられるわけですから、我々といたしましても、経済大国たりといえども軍事大国にならない、これが今日の政府といたしましてもはっきりした私たちの主張でございますので、そうした意味において国内の行事でありましてもやはり政府としては慎重であった方がよい、このように私も考えております。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 これは余りにも反響が大きいと私は思うのですよ。韓国の新聞でも指摘されているし、批判されている。中国もそうであります。しかし、今度は、この侵略者は本当は白人だ、こういうことまで言及されるとなると、まさに極東裁判のやり直しを要求しておるようなものだと思うのですよ。私はこういう問題については、これは外務大臣からはどうこうするわけにいかないでしょうが、きょうはそのもの本人を呼んで、本人がどういう責任を感じておるのか、その責任を男としてどういうふうにとろうとしているのか、その辺をはっきりさせたいと思って呼んだわけですが、このとおり、憲法まで無視して逃げるような大臣を日本国の大臣として認めていられるのだろうか、こういうふうに私は思うのです。これは私の発言で終わらせてもらいますけれども、外務大臣も国会内でのそういう批判は十分中国側にも伝えて、日本としての真意をはっきりと理解してもらうようにしていただきたい。  次に、大臣はこの間、北方領土の視察に行かれたようでございますが、その御視察をされた感想についてお伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 五年ぶりでございましたが、やはり我が国の主張はあくまでも北方領土は我が国固有の領土である、今日ソビエトによってその北方領土は不法占拠されておる、こうした主張を繰り返さなければなりませんから、そうした意味で私が北方領土を視察するということは、そうした日本の主張を私自身が示したものである、こういうふうに考えおります。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで、どうでしょうか、大分戦後時間も経過していることでありますし、今までもずっと日本が努力を続けてきたことは認めますが、この辺で返還の可能性についての見通し、それから、もし返還するにはどういう方法ならばできるかという考え方について大臣の御所見をお願いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 あくまでも返還を求めなければなりませんが、特にソ連と接触をいたしますと、やはり経済関係、文化関係、スポーツ関係、あらゆる面においてお互いの国交を改善し、なお一層親密の度合いを深めよう、これは双方が言うわけでございます。そのためにはやはり平和条約を結ぶことが一番いいのではなかろうか、このように日本としては申しております。平和条約の前提としては、やはり今申し上げました北方四島の一括返還、これが一番大切ですよ、こういうふうに申し上げておる次第でございまして、どなたにお目にかかりましても、私は外務大臣としてそれをただいま主張いたしておるということでございます。中には、非常に難しいじゃないかという考え方もあるかもしれませんが、やはり外交というものは粘り強くやることが必要である、私はかように考えております。  例えば、この間INFの合意ができました。その裏話を聞きましても、アメリカはゴルバチョフ書記長以前の三人の書記長にも常にそのことを申し上げてきて、なかなか同意は得られなかったが、やっと四人目のゴルバチョフ書記長の時代になってお互いが合意したのだ、したがって、外交というものはやはりそうしたものであって、お互いに粘り強く話し合うということが必要だねというふうなことも私は直接アメリカの高官から耳にいたしましたので、ソビエトとの真のお互いの親善を図るためには、ソ連政府に対しましても粘り強く私たちの主張は申し上げなければならぬ。それは恐らく首脳会談によっても同様の主張がなされるべきであろう、そのためには、まず外務大臣同士が語り合うことである、こういうことでございますので、私はひたすらシェワルナゼ外務大臣との会談を東京において開催することを現在いろいろと申し上げておる。御承知のとおりに、ことしの上半期におきまして次官レベルでそうしたおぜん立ても整えてもらうようにしたらどうかと、この間ソ連にもそのことを申し入れてありますし、在日ソ連大使館といたしましては、それは非常に必要なことである、こういうふうな回答も得ておりまするから、そういう経緯を踏まえながら粘り強く、国論というものも背景といたしましてやっていかなければならない問題である、かように心得ております、

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで、返還が実現したと仮定した場合、四島は完全に非武装地域として、自衛隊はもちろん、米軍基地にも絶対に使用させない、こういうことは言明できましょうか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 四島返還ということは、現在私たちが言えることは、あくまでも無条件で返還をしていただく、こういうことでございます。したがいまして、現在は、私たちの立場はその主張あるのみ、こうお考え賜っていいのではないか、かように思います。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 これはもちろん公式な会談ではありませんが、私どもがソ連に行っていろいろ話をしている中では、日本は返還されるとアメリカの基地にさせるだろう、そういうことでは今の国際情勢の中で返還できるはずがないじゃないか、そういう言い分を持っておるようでございます。したがって、この辺についてのはっきりした見解を持たないと、ただ返してくれ、返してくれで頭を下げるだけではどうにもならないのじゃないか、私はこう思いますが、いかがでしょうか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 今渡部委員が申されましたそういうところまで具体的に政府同士で、たとえそれが裏であっても、そういうような話がなされるということならばまたいろいろ話は別でございましょうが、実はまだそこまでなかなか話が裏の話であってもなされておらないというのが現状でございます。したがいまして、そうした場合における我が国の考え方というのはまだ申し述べる段階でもない、こういうふうに私は考えております。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 次に、ペルシャ湾における米軍の行動でございますが、この間米軍はイランに向けて攻撃を加えましたが、この攻撃はつまり自衛権の行使である、こういうふうに言われておったわけです。これは大臣はどのように考えますか。こういう自衛権の行使の仕方があるとすれば、これは日本の自衛権とも無関係ではないわけですから、私は非常に大きな問題を含んでいると思うのです。その辺に対する大臣の御見解をお願いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 あのときにも国会で御答弁申し上げたのでございますが、私たちが理解すると申し上げておることは、アメリカがイランの施設並びにそうしたものに対する爆撃をするという連絡も事前にありましたし、また、これは国連憲章に基づく自衛権、それにアメリカとしては従ったのである、こういう御説明でございましたので、事情に対しましては理解をしますよ、ただし、英国あるいはその他の国々で直接ペルシャ湾に掃海艇などの艦船を派遣していらっしゃる国は、サッチャーさんのごとく、支援する、こういうふうに言っておられましたが、我が国はあくまでも平和的な手段しかペルシャ湾におきましても今日講じておりませんし、そういう建前から、支援するということまでは私たちは言うわけにはまいりません。だから、事情は私たちは理解しますと、こういうふうに申し上げたわけでございまして、今渡部さんから自衛権というものはどうだろうという話が出ましたが、私たちの説明は、これは国連憲章に基づく自衛権をアメリカは発動したのであるというお話でございますが、自衛権そのものがああした場合によかったか悪かったかどうかということまでは私たちは言及しておらないという段階であります。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで私はイランとの関係、イラクとの関係において、この戦争の中に入って一番解決しやすい立場にあるのは日本ではないかと思うのですが、そういう意味でこれからイ・イ戦争をやめさせるためにどういう御努力をされるおつもりか、またぜひともしていただきたいと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 日本といたしましては、今まで経済大国だからODAを初め経済的な援助だけで事足りるというふうな時代もあったかもしれませんが、平和にも積極的に大いに貢献をするような役割は果たさなくてはいけない、これは竹下内閣になりまして、前内閣もそうでございますが、特に私たちが強調しているところでございます。     〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕 だから渡部委員が今仰せられましたとおりに、確かにイラン、イラクに対しましては、世界でも数少ない両国と折衝を保ち得る国家である、こういうふうな立場をさらに私たちはみずからうんと汗をかいて、そしてその使命を果たしたい、かように思っております。  昨年あたりは御承知の国連決議五九八、イラクはよろしい、オーケーですと言いましたが、イランがなかなかこれを認めてくれません。イランと話し合いますと、元凶はイラクだと言ってくれたらすぐに停戦並びに撤兵をしましょう、こういうような議論の繰り返しでございます。にもかかわりませず、努力をしてイラン、イラクともどもに、そうして人を派遣したり、また私みずからが外務大臣と会ったり、やってまいりましたが、残念にしてミサイル攻撃がお互いに始まって、なおかつ機雷をまた再び敷設して、アメリカの艦船がそれにひっかかって被弾をして人的損害も出てアメリカが爆撃する。あの爆撃は一過性のようなもので終わりましたけれども、我々はそういう経緯を非常に遺憾といたしますけれども、国連を通じましてさらに両国に対しましては日本の立場を鮮明にしながら、いかに戦争というものがむだなものであるか、特にあたら命を捨てさせている若い青年たち、将来国家のために貢献し得る能力のある青年を、有為の青年をなぜ国は戦死させなければならぬか、日本は嫌というほどそういうことを体験してきたのだから、そうした日本の体験というものを学んでほしい、実はそこまで私はイランの外相に申し上げたことがございますが、いずれにいたしましても、こうしたときには国連中心で国連を重視してもらうということ以外にないと思うのであります。  だからいろいろと過去の経緯はあったでございましょうが、国連が中に入った以上は国連重視で両国ともに事務総長の努力を評価してほしい、そして国連が中に入った以上は紛争が解決するようにしなくてはいけない、私はそう思いまして、今日のところは国連重視で、いかなることであろうとも日本が果たし得ることはどんどん言ってください、私たちとしてもいたしますから、こういうことを続けております。もちろん両国に対しましても日本は独自の立場で紛争処理のために全力を挙げることは申すまでもございません。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 ぜひひとつこれからも引き続いて努力していただきたいと思います。  それで、四月二十三日の毎日新聞の朝刊に、「対米偏重の修正へ」という見出しで竹下総理の外交方針が変わるような趣旨のことが出ておったわけです。つまり、日欧、日米あるいは米欧、米日といいますか、この関係を何とか二等辺三角形から正三角形に持っていきたい、こういう趣旨のことが言われておるようですが、そうすると外務大臣もこういう立場でこれからは、日米関係に偏り過ぎてきたので、これを日欧関係にもずっと重点を移して、そしてこの三極外交を正三角形に持っていきたい、こういうふうにお考えでしょうか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 ちょっと解釈があるいは新聞によって違っておるかもしれませんが、総理も私も考えておるところは、現在いかなる点から考えましても、日本、アメリカ、ECが世界の三極であるということは事実である、何人もこれは否定できないだろう、三極なら三極としてのそれぞれの任務もまた責任もあるではないか、これがよく国際場裏においてほかの国からもそういう意見が出、また私たちみずからも考えておるところでございます。  したがいまして、今日までは、三極でありながら日米間に関しては、太平洋を挟んだ隣国だというので非常にいろいろと交流が重ねられてきたが、日米間と比較すると日欧の間はやや遠い存在であったが、それではいけませんので、ひとつ同じような力を持って、お互いに三極としての意義をみずから自覚しながら責任を果たしましょう、こういう趣旨が総理の御趣旨であり、また私たちもそういうふうに考えておりますので、日米はもう今日までやってきたからもういい、ほかはほっておいてこっちだというわけではない。やはり日米間の強いきずなと同様に日本とヨーロッパも強いきずなを持つべしである、こういうことの正三角形でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで私は、今までの日本の外交をずっと見ておりますと、余りにも日米関係に偏重し過ぎている、傾き過ぎている。考えてみますと、例えばココム問題で、あの東芝の製品が国会議員の手によってハンマーでたたき壊される。あるいは農産物の自由化の圧力も、御承知のとおりこれがガットにパネル要求されておる。あるいは防衛分担金についての増額にいたしましても、またアメリカの武器購入の件についても大変な圧力があることは御承知のとおりです。そればかりではありません。アメリカは日本に対してGNP比三%の要求をしているのに日本は一%そこそこしかしていないのだから、あとの二%はアメリカによこせというような要求まで出されておる。そしてまた、そのほかあのような包括貿易法案で、日本を全く何と思っているのか知らないけれどもがんじがらめにして、そして有無を言わせず言うことを聞かせようという態度がありありと見えるわけです。他方、日米安保条約を持ち出して、これまた当然のように分担金の増額、あるいは思いやり予算というような形で日本は対応したようでございますけれども、これも問題があるし、SDIについてもこの参加を表明しました。これはアメリカの学者やその他の人たちでつくっている会が今度結論を出して、とても可能性がないというようなことになったようですが、こういうものをずっと見てまいりますと、まるで日本の外交というのは両手を縛られてむちでたたかれているような状態じゃなかろうか。私はこれを考えると、早く両手を縛られた縄を解きほどくことがまず大事じゃないか。したがって、日本の外交の戦略というものは、日本の国土にあるアメリカの基地を一日も早くなくして、独立国家として日本の国土が使われるようにしなければならない。そういうことをやはりこれからは考えていく必要があるのではないか。そういう意味でのこれからの外交戦略について、ひとつお伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 私は国会の外交基本演説におきましても我が国の立場を次のように申し上げました。日本は西側陣営であること並びにアジア・太平洋諸国の一員であること、また、外交は日米外交というものを一つの基軸にしておること、そういうふうに申し上げた次第でございまして、日米間には一番大切な安全とその平和を保障するという安保体制が組み込まれておることは御承知のところでございます。したがいまして、米国を一つ考えます場合には、議会と行政府というふうにして考えたいと思いますが、レーガン・竹下会談におきましても、縮小均衡はいけません、拡大均衡ということで、一つ一つの問題は両国でひとつ処理していきましょう、こういうふうな合意がなされております。  先ほど農林省の局長がお答えになられましたように、今日問題になっております自由化の問題も、そうしたことで、二国間で生じたことは二国間でひとつぜひとも解決しようではないか、こういうふうな努力が今払われておるわけでございまして、私は超三〇一条と言われるあの貿易包括法案、これが下院で成立しましたことはまことに残念だと思いますが、これは向こうの議会の話でありまして、それに対しましては、レーガン政権としてはこのような保護貿易主義的な法案に対して拒否権を発動する、このようにはっきり言っていてくれますので、そうした関係におきましても、ひとつ議会に対しましても、私はこの間出会っていろいろとお話を申し上げたわけでありますが、日米親善というものを今後も続けていかなければならぬ、さように思います。  また、いろいろとアメリカの指図によって動いている、決してさようでございませんので、この間衆議院におきましては既に本会議において、今後可決されますと参議院に送付される予定の従業員の特別協定に関しましても、やはり日本から自主的に判断をして暫定的、限定的に判断をしたというふうなこともございますので、決してアメリカから押しつけられてやっておるという問題ではない、あくまでも外交は自主的である、防衛もまた自主的である、こういうふうにひとつお考え賜りまして、我が国の政治も外交もすべて国民の立場を重んじて、そうしたことから自主的に判断をしてその路線をしいておるのである。これが私たちの立場でございますので、御理解のほどをお願い申し上げます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 委員長にお伺いしますが、私が最初に委員長を通して国土庁長官の出席を要請したのですが、その経緯についてお答え願いたいと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 速記を起こしてください。  渡部君。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 それでは、きょうは以上で終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 まず大臣に、ODAを中心とする経済を中心とした外交についてお伺いをしたいわけでありますが、今主として日米関係、日米だけではなくて対欧もそういう問題がありますけれども、日本の巨額の黒字のためにいわゆる貿易摩擦、これは既にもう新しくて古い問題でありますけれども、こういう状況を背景にして、今後の日本の外交をどういうふうな基本政策で進めていこうとされるか、これをまず伺いたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 現在日本が貿易上黒字の最大国であるということについて、諸外国からいろいろと、もっと開放しろとかあるいはまたもっと世界に貢献せよとか、いろいろな注文がございます。もちろん、これはわからないことではありませんが、私はやはり日本みずからが、御承知のとおり内需の拡大をいたしまして、輸入をできやすい体制にいたしまして、そしてみずから黒字を少しでも減らして世界に貢献してあげるということも大切なことであろう、かように考えております。  同時にまた、そう簡単に黒字が解消できるものでもない、ことしは一応百億ドル減るように考えておりますけれども、なかなかそう簡単に大きな黒字が減るものでもない。しからば、その間やはり輸入拡大も必要でございましょう、そのための内需拡大も必要でございましょうが、世界に対しまして貢献し得るところは貢献しなくてはいけない。これが今おっしゃったような、一つのODAというふうなものを中心として、途上国の間において、ほかの国々が果たし得ないところを日本がどんどんと果たすということも一つの方策ではなかろうか、かように存じておる次第でございます。  さらにまた、ODA等々を通じていろいろと途上国問題が今日議論を呼んでおるわけでございますが、なかんずく、留学生という問題に関しましても、やはり日本はさらに貢献をしていかなければならない。現在のところでございますと、せっかく留学生が参りましても、その中には日本の悪口だけ言うためにこっちへ来ておって、結果的には何か日本の敵をつくったあるいは日本に対する評論家をつくったということであってはいけませんので、そうした面におきましても、私たちはやはりいろいろと世界に貢献をする、平和に貢献をするという立場で新しい体制をしきたいものである。こんなことで、ODA並びに留学生に対しましても、既に外務省といたしましては各省庁と連絡をして、そうした質、量ともにおける世界への期待を込めた対策、これを講じなくてはならぬ、かように思っておる次第でございます。  そのほかに紛争地域がございますが、アフガンの場合のごとく、ソ連の撤兵に関しまして国連の監視団が動きます。そうした場合の費用等々に関しましても、我が国が国連を通じましていろいろと御貢献申し上げますよということは既に宣明をしたところでございますし、そうした問題はカンボジアあるいは西岸・ガザ等にも及ぶ問題である。また特にいろいろと人道上騒がれております南アフリカの問題に関しましても、今とやかくと言われておりますが、ひとつ私たちの体制を改めて、そうした問題にも対処しないことには、それこそ日本は世界の人たちから慕われる、畏敬される国家にはならない。やはり慕われる国家になりたいものだ、これが私たちの今日の方針でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 大変広い範囲でお答えをいただいたわけでありますけれども、まず経済問題に限って考えてみても、すべて国対国の問題は相互主義でございましょうから、経済もまた相互主義ということであれば、一方的に日本だけが千億ドル、去年は少し減りましたけれども、六十一年は千億ドルを超えたと思いますね。そういう黒字を一方的にため込むということについては、これは仮に主客転倒して考えた場合には決して心安らかではないと思うのです。日本がその立場に立った場合には大変な危機感を覚えると思うのです。ですから、それは一つの国がこういう巨額の黒字をため込むということ自体、確かに日本から見てもアンフェアだと言えると思いますね。ですから、そういう事態に対する日本政府あるいは日本国民の対応が極めて遅かったあるいはその対応が極めて鈍かったと言わざるを得ないわけであります。そういう点では、やはり国際間の問題は手前みそだけでは片づかない問題でありますから、十分そういったことを反省をして、これから黒字対策というか日本の置かれている国際的な立場を十分認識をしなければいけないし、それに相応した国際的な貢献をしなければいけないと思うわけであります。日本政府の大臣方はいずれもそういうことはおっしゃっておりますけれども、国際的な貢献というか国際化という点については、これまた必ずしもまだ成果を上げていないというか、その方策についても極めて微温的であると言わざるを得ないのです。大臣、ひとつそういった点で、ODAを初め国際的な貢献という点については、この際根本的に発想の転換をしなければいけないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 今おっしゃるとおりの面も多々あると思います。したがいまして、まずガット体制そのものも今いろいろと問題を呼んでおりますが、資源の少ない日本が資源を諸外国の理解によって入手し、それに加工を加えて輸出をしたということが言うならば今日の黒字大国になったわけでございますから、この経緯においてはもちろん日本人のたゆまざる技術革新そして経営改善、この二つが大きな基盤であった。私は常に外人に対しましてもそういうふうに言っておりますものの、やはり余りにも膨大な黒字を抱えたということに対しましては、私たちは輸出体制から輸入体制へ切りかえつつある、これが幸いにある程度効を奏しておるのではないかというふうに考えております。  したがいまして、やはり世界の中の日本ということに立ちますれば、国際化の時代でございますから、自主的にいろいろな問題に対しまして日本としては範とならなければならない問題はたくさんあると思います。しかし、こう言いますと農業はどうなんだ、すぐにそういう問題も出てきますし、あるいは零細企業、中小企業等円高に弱い体質の産業はどうなるんだ、これもまた大切なことでございますから、したがいまして、我々といたしましては国内体制に対しましても十二分な配慮をしながら、そう簡単に一〇〇%国際化できたというわけにはまいりませんが、極力その間も諸外国に十二分に説明をしながらやっていかなければならぬ。  この間アメリカの議員に対しましては、率直に言って、貿易黒字大国といえどもにわかに大きくなった、そのために私たちの着物は寸足らずのような着物を着ておるからあるいはそでを直しズボンを直す時間がほしい、こういうこともひとつお互いに理解し合ってほしい。にわかに大きくなって、それは悪いとおっしゃるかもしらぬけれども、そういうこともあったのだ。それも、はっきり申し上げて、諸外国の理解も多くあって日本は助けてもらったかもしらぬが、日本人自身の努力によるところも大きいのだから、その点もひとつ理解してもらいたいよというふうに申し上げておりますが、確かに仰せのとおり、国柄といたしましてもあるいはまた国民一人一人の心構えといたしましても、これだけ大きくなった日本でございますから、やはり世界に貢献する、平和に貢献する、そうした体質へ変えていくということが今日一番求められているところであろうと私も考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 一つの例を見れば、例えば自動車にしても、昨年ですか、日本の自動車の生産は千二百二十五万台ですよ。そのうちで輸出が六百二十五万台。国内よりも多い輸出をしているわけですよ。これだけの集中豪雨的な輸出をして、そういったことが主たる原因になって黒字がたまっておるわけですから、それに対する輸入はしないということでは国際的には通らないと思うのですね。そうかといって、国内の産業もこれは無視できないわけでありますから、そういった点の国際間の経済調整について政府・自民党が今まで大変怠慢であった。もっと早く手を打ち、もっと早く国際化の国内体制を整備すべきではなかったかと思うのですけれども、そういうことを余りやらずに輸出だけを野方図に進めてきたということが国際的に非難をされるあるいは国際的に孤立とまではいかないにしてもこのままいけば孤立するでありましょうが、そういう状態になったわけでありますから、経済といえども国際的にはこれは相互主義でなければならないわけでありますから、もう少しその問題について政府は深刻に根本的に考えるべきであると思いますけれども、いかがでしょう。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 輸出性悪説というものもないわけではございませんが、考えてみますると、我が国の自動車は今日そのように大きく発展をいたしましたが、かつてのアメリカにおいて日本の自動車がテレビのコマーシャルで入ったときに、アメリカの人たちはだれが乗るのかねと言って笑ったという話があります。しかしながら、日本は一生懸命にアメリカ人の生活にふさわしい自動車をつくったことも事実でございましょうから、したがってニーズの合ったところに勢い輸出がふえたかもしれません。しかし、おっしゃるように余りにも洪水的であった、さながらスコールのような輸出であったというようなことでございましては大変でございますので、両国間でいろいろと知恵を働かせましていわゆる自動車の輸出規制というものをみずからやったわけでございます。しかし、このことはガット機構等々から考えますと、やはり二国間ではなくして世界じゅうがお互いに考えなくてはいかぬのだよという議論もございますから、したがいまして私たちは輸出というものは大切にしなくてはならぬし、そうしたことは今後ガットの面において、二国間だけでいいことをせず、その恩恵はほかにも施せ、こういう声も出てくるわけでございますので、そうした面でお互いに、これから多国間で国際的ないろいろな問題も議論していった方がよい。ただ、今日行われております二国間の問題は、二国間だったのですから二国間で解決せよ、私はこういうふうに主張していますが、今後は極力多国間というものにおいて話し合いをすべきではなかろうか、そうしたことにおいて日本の体質をそれぞれ考えていくことも必要であろう、かように考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 日本は日本人のたぐいまれな勤勉さあるいはまた高度の技術、その技術も戦後は大部分外国から輸入してきたものでありましょうけれども、最近はその技術もトップになったということで、日本国民の努力によることはもちろん疑いないわけであります。そうかといって、国際間の経済秩序を乱していいということではない、乱すというと語弊がありますけれども。それにはそれなりにやはり国内政策を整備をし、一方的な形にならないような政策的な配慮が必要であると思うのですね。  今までの日本の経済発展を見てみますと、戦後の発展のまず第一のきっかけは朝鮮戦争による特需の利益だったと思いますね。それからその次にはベトナム戦争における特需、ですから外国の戦争を奇貨として――奇貨としてといってはおかしいのですけれども、外国の戦争が日本経済の発展に大きくプラスに働いたということは争えないことだと思います。それからまた、一方には広大な市場が開けてきたということでありますから、日本自身の努力はもちろんその基本にありますけれども、そういう意味では大変幸運に恵まれて今日の日本経済が発展してきた。したがって、そういったことを考えた場合には、日本はそれこそ本当に発想の転換をして、世界に貢献をするという政策をこの際打ち出していかなければ世界の孤児になるのではないかということが言われているわけであります。  ところが、今の政策を見ますと、必ずしもそういう点が見られない。例えばODA一つをとってみましても、政府は自画自賛をされておりますけれども、ODAの成果は必ずしも日本が他の諸国に比べてすぐれているとは言えないのですよ。  これは政府の文書でありますけれども、まずODAの量的な拡大ということが言われておりますけれども、それで八七年度には七十億ドルを超えてGNP比〇・三%になるだろうと言われております。これを各国に比較をすると、〇・三%仮に達したとしても決して自慢すべき額ではないですね。日本の今までの経済発展の経過あるいは世界経済における日本の立場等を考えた場合には、〇・三%は決して誇れるものではない。かつて外国から、日本は軍備がないんだからGNPの三%程度やれと言われたこともあると思います。三%をいきなりODAにというわけにはいかぬと思いますけれども、やはり飛躍的にこの額を拡大するあるいは質的にも改善していくということが必要だと思います。  まずこのODAの問題を考えるに当たって、量的な拡大という点についてひとつ大臣あるいは局長からお伺いしたいのですけれども、現在のこの〇・三%、八七年度これを達成するとしても、これは決して満足すべき額ではないし、外国から見れば何だ、そんなものかという程度の額ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 現在政府が実施しております第三次ODAの中期目標、この中には一九九二年までの七年の間に対GNP比を着実に改善するということがうたわれております。  御案内のように、この比率はいろいろな要素から成り立ちますが、かつて〇・三四%というような比率を達成したこともございます。去年の数字はまだ出ておりませんが、昨年、一昨年は〇・二九%。確かにDAC平均の〇・三五%に比較すれば低いということはいろいろな方から御指摘を受けていることでございます。  したがいまして、厳しい財政事情のもとでございますけれども、やはりODAをふやすためには一般会計における予算の確保ということが非常に大切でございますので、本年度御承認をいただきました予算におきましては対前年度比六・五%、総額で七千億を超えるという資金の確保をしたわけでございます。これが多いか少ないかということにつきましてはいろいろな御意見があると思います。私ども経済協力を担当しておる者といたしましては、委員御指摘のようにもっと国際的な貢献が求められているという点にも十分配慮してやはり対応していかなければいけない、かように考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 これは政府の文書でありますけれども、我が国のODAの対GNP比は八六年において〇・二九%にとどまり、国際的目標である〇・七%からはほど遠い、そういうふうに政府がみずからおっしゃっておるわけですね。そしてDAC平均の〇・三六%も大きく下回っておるということでありますから、ODAの努力についてはまだ全く努力不足と言わざるを得ないと思うのです。  要するに、ODAを初めとする日本の国際的な貢献、経済が中心になると思いますけれども、国際的な貢献というのはやはり広い意味では安全保障なんだと思います。日本の国も将来平和国家として世界から信頼を受けていくためには、これは武力で平和を維持するという方針を日本はとれないわけでありますから、一%で自衛力を整備しておりますけれども、この一%で国は守れないわけであります。そのためにはやはり世界から尊敬をされる国家にならなければいけないし、それには世界に貢献をしていかなければこれは尊敬されないわけでありますから、そういう意味でODAを初めとする対外援助あるいは経済的な国際的な負担、たくさんあると思いますけれども、そういったものをこれから積極的に負担をしていかなければ、日本の国際的な地位の向上あるいは広い意味での安全保障というものが確保されないということになると思うのです。そういった見地を大臣はお持ちであるかどうか、伺います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 世界ではODAこそ真の援助である、こういうふうに言われておりますし、まさにODAこそ南北問題の根底に横たわる人道的な考慮と相互依存、こうした理念に最もふさわしい制度である、だから経済大国日本はさらにその質、量ともに改正すべしと。確かに今日は絶対量では世界で一位かもしれませんが、新村委員が御指摘のとおり、内容におきましては例えばGNP対比は十四番目であり、さらにはまた無償という比率におきましてはもう最下位である。これは余り喜べた現状ではございません。したがいまして、そうしたことをも改めていくということが非常に大切なことである。  これ以外にも御承知のとおりに、実は途上国に対しまして、昨年還流資金として二百億ドル準備をした。こうしたこともございまして、世界からは一応日本も世界に貢献する、口先ではなくしていろいろとやってくれておるという評価は受けておりますので、この点もつけ加えさせていただきます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 今大臣言われるように、これはDAC諸国のうちで十四位ですね。十四位というと、これは経済規模の小さい国もあるわけですから、そういった国の中で十四位ということですから、これは極めて不十分と言わざるを得ないのです。ここまで日本が経済大国になった以上、そしてまた一方では第三世界あるいはアフリカ諸国、途上国の惨状――惨状というと悪いかもしれませんけれども、大変な経済不振、そういうことを考えた場合には、かつてアメリカがやったようなマーシャル・プラン程度の、あるいはそれを上回る対外援助を日本はやるべきではないか、そういう時期に来ているのではないかと思うのです。  例えばODAというのは、DACの中でほかの国におつき合い程度の――全くおつき合い程度ですよ、日本の国力からすれば。こういうおつき合い程度のささやかな援助ではなくて、世界一の経済大国にふさわしい大援助計画をこの際政府はやるべきではないか。マーシャル・プランを上回る程度の大援助をやるべきではないかと思うのですけれども、大臣はそういうお考えありませんか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 ODAそのものは国民の税金をお預かりしてそして使わしてもらっておるという手前もございますから、ことしなんか思い切ってこれを大幅拡大することに成功し、また財政当局も外務省初め関連各省の言い分を聞いてくれた、この点は感謝しているわけでございます。したがいまして、今おっしゃるようなマーシャル・プラン等々雄大な構想を持って臨めということも大切な御意見だろうと今まで考えておりますけれども、とりあえず今申しましたような財政的な拘束もこれあり、その中を乗り越えて日本といたしましてはいろいろ知恵を振り絞っておるところでございますから、新村委員のいろいろ御意見も私は貴重な御意見である、かように存じますが、今直ちに日本がそういうふうな体制をとり得るかということに関しましては、やはり当分のところはODAの体質改善をしてやっていこうかというのが現在の私たちの考え方であるということもひとつ御理解賜りたいと思います。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 安全保障についても丸腰とは言いませんけれども丸腰に近い軽武装でこの厳しい国際社会の中で世界から尊敬をされながら、世界から信頼をされながら生きていくにはその程度のことをしなければだめじゃないかと思うのですね。そうでなくて今は、一方的に一千億ドル近い黒字を毎年ため込んでいるということでは、これは世界の信頼を得る道ではないと思うのですけれども、大臣、ひとつそういう意味で対外援助を初めとして日本が世界に果たし得る国際的な責任、これをこの際ひとつ初心に返ってというか、抜本的に原点に返って御検討いただきたいと思うのです。  それで、次にODAの質の問題でありますけれども、質の問題についてもDAC諸国がグラントエレメント八六%の目標を達成している中で、日本は質的にそれを大きく下回っている。ということは要するに無償援助が少なくて借款が多いということ、一口で言えばこういうことだと思うのですが、ですから援助の質が低い。金を貸すことも確かに援助ですけれども、援助というのはくれることが援助ですよね。金を貸して後で取り返す、しかも利息がついているということでは、これは援助には違いないけれども、質的にははるかに落ちる。ですから、後進国には無償援助をどんどんやらなければだめだと思うのですよ。後進国に金を貸し込んだって、それこそ債務が累積してその国を窮地に陥れるということにもなるわけですから、もちろん方法は十分検討しなければいけないわけですけれども、無償援助をこれから飛躍的に拡大をしていかなければ、日本はありがたい国だとは思われないと思いますね。そういった意味ではいかがでしょう。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 先ほど大臣から経済協力の中でODAこそ真の援助であるという御答弁がございましたが、そのODAの中でさらに贈与が本当のクリームであるということであろうかと思います。そういう意味では委員御指摘の贈与をふやしていくということが必要だという点については全く同感でございます。  サハラ以南のアフリカ諸国を初めとする途上国の窮状を前に、昨年五月の経済対策の中で三年間で五億ドルの無償援助という計画を実施に移したわけでございます。これはいわゆる従来のプロジェクト援助ではなく、ノンプロジェクトでかつアンタイドであるということで、アフリカ諸国から大変評価をされておりますし、また先進国の援助関係者からも大変高い評価を受けております。このためには昨年補正予算を御承認いただいて、昨年度の補正予算で百四十五億円の手当てをしていただきました。それから本年度の御承認いただいた予算の中で百三十一億円の無償援助の増額ということをいただいております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 援助の質の問題がありますが、もう一つは地域の問題もありますね。地域がアジア諸国に偏っている。これは、アジアは隣国ですから当然アジア重点でいかなければいけないと思いますけれども、同時にまた、サハラ以南の大変な貧困の地帯があるわけですが、そういった地域に対するものが少ない。ですから、二国間だけではなくて多国間援助についてもやはりこれから十分配慮をしていくべきではないかと思います。  それから、これも政府がそう言っておるように、大変な、年間一千億ドルに近い黒字をため込みながらそれが間接投資等に動員をされておって、一向に必要なところに還流していかない、流れていかないという問題を政府みずからも反省をされておるわけでありますけれども、それをどういうふうにして還流さしていくかということになるとなかなか大変だと思いますが、それをひとつこれから十分努力をしていただきたいと思います。  そこで最後に、ODAの問題について今後の大臣の決意についてお伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 先ほど来申し上げましたとおりに、やはり我が国の今日の立場はあくまでも世界に貢献する日本ということを一つの大きな柱といたしまして、それを具現化していかなければなりません。そうした中で、いろいろ私申し上げましたが、ただいまODAに関しましてもODAこそ唯一の援助である、こういうふうな認識に立ちましてその量並びに質の改善に努めたい。先ほど新村委員も御指摘あったとおりに、ODAもやはり無償という面を拡大してこそ本当のODAであるというふうな御意見も私たちも当然の御意見である、かように思っております。したがいまして、ひとつそうしたことで作業を進めますので、この問題はこの国会におきまして本当に与野党を超越した問題となって、私はありがたくいろんな御意見を拝聴してまいりましたので、そうした議会の御期待、御意見に沿うように今後政府といたしましても最大の努力を重ねていきたい、かように思っております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 ODAの拡大については与野党一致しておるわけであります。一番おくれているのは政府だと思います。ですから、その点をひとつ十分反省をされて、口だけで国際的な責任を果たしていくということだけではなくて実際に行動に移していく、金を出すあるいは金を贈与していくという行動に移っていただきたいと思います。  それからもう一つお願いですけれども、経済協力、対外援助についてはしばしば疑惑を生ずる向きがあるわけです。フィリピンの援助等についてもそういう経験があるわけですけれども、これは国民の貴重な税金でやるわけでありますから、そういったことが絶対ないようにするためには、相手国との関係もありましょうけれども、やはり会計検査院の活躍できるようなそういう取り決めなり方法なりを考えるべきではないか、あるいはまた経済協力の評価についても日本政府が評価をすると同時にやはり客観的な評価も必要でありますから、そういった点についても十分検討されて、貴重な援助が最も有効に被援助国で機能するように御配慮をいただきたいと思います。  次の問題でありますが、実はいまだに解決を見ていない問題として中国の残留孤児の問題があるわけです。中国残留孤児の問題は既にもう政府も長期にわたりて努力をされて相当の成果は上がっておりますけれども、依然としてまだ訪日調査を待っている孤児がたくさんいるわけです。それからまた実際には潜在的にわからない、登録をされない孤児が相当いると言われております。そういう情報があるわけであります。大臣、今度中国へ行かれますので、もしそういう話が出ましたら、そういう点について両国政府が協力をして、最後の一人まで完全に救済というか解決をしていただくようにぜひお願いをしたいわけであります。  そこで、この直接の担当は厚生省でありますが、厚生省の情報と我々がほかから得ておる情報とでは残留孤児の数がかなり違うのですね。厚生省では、もう残りは二百、三百だ、登録されているのは百数十人しかいないというようなことを言っておるわけでありますけれども、我々が得ているほかの情報によりますと、まだ潜在的にあるいは顕在的に二千人程度はいるのではないか、ほぼ間違いなくその程度はいるんだという情報もあるわけであります。ですから、そういう情報が単なる情報として無視されてはいけないわけでありまして、基本的な人権の問題でもありますので、最後の一人まで完全に解決ができるという手をぜひ打っていただきたいわけでありますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 詳細は政府委員から説明をさせたいと思っておりますが、今日まで約千六百名近いお方がふるさとを求めて日本に来られました。そして、多くの方々がまた肉親を捜し求めることができた。これは人道上大変大切なことでございますから、今、委員がおっしゃるとおりに、私たちといたしましては最後の最後までこうしたことを続けたい、かように考えております。  同時に、中国政府も、そうした日本人孤児を捜すという調査は大変な仕事だろう、かように思いますが、協力をいたしましょう、こういうふうに現在は言っていただいておりますので、果たして現在どのような数字になっておるか、そのことも厚生省とも十二分に打ち合わせいたしまして、この問題にさらに誠意を持って当たっていきたい、かように私は考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 この問題は、日本が中国を侵略したわけですよ、侵略して攻めていって、そして敗戦ということで日本人が引き揚げた。そのときに、親がやむにやまれず、極限状況の中で現地に子供を頼んできたわけですから、そういう状況を考えた場合には、これはすべて日本の責任において解決すべき問題であるし、日本が戦争という惨事を引き起こしたその結果として出てきた問題でありますから、中国とすれば、むしろこの問題については一つの負担になっていると思うのですね。  最近の新聞報道でありまずけれども、中国としてはもうこの問題についてはけりをつけたい意向だということであります。それからまた、政府においても、聞くところによるとなるべく早くこの問題は切り上げてしまいたいという気持ちがあるやに聞いておりますけれども、その問題は、根本はその境涯にいる孤児そのものの運命の問題でありますから、これは最後の一人まで解決をしなければいけないわけであります。  そこで、一つの問題としては、中国が今まで日本の要請に好意的に協力をされたわけでありますが、その調査あるいはその後のいろいろな手配等について相当の財政負担が伴うわけですね、中国としても財政負担が当然伴うと思います。ところが、その問題についてのすべての経費を日本は出していないというふうに聞いておるわけです。訪日調査について、その段階までの調査費や人件費とかいろいろなものを全部向こうで持っている。いざ訪日調査ということになって、もちろん日本に来てからの費用は日本政府でありましょうけれども、旅費と日本に入国してからの費用だけしか日本政府は持たない、調査費や何かは全部中国で持っているということのようでありますが、これでは費用負担等について公正ではないような気がするわけでありますけれども、その点はいかがでしょうか。

藤田公郎法務省大臣官房審議官

○藤田(公)政府委員 ただいま委員から言及なさいましたように、孤児の方が居住地から北京、上海等に旅行してこられましてそれから渡日されるという場合にはもちろん日本側の経費負担になりますけれども、その前段階の調査等では確かに中国の公安当局がこの登録等々ではいろいろと御負担になっているところがあるやに伺っております。  この問題について中国政府は従来から、国内での調査の問題は中日友好と人道主義という立場から考えるんだということを表明されてきております。私どもといたしましても、この公安当局が国内でいろいろ調査、登録等をなさっている業務について少しでも負担が軽減されるようにということで、中国側との協議を経まして、例えば孤児との通信の一部を我が方の在外公館または厚生省が直接行うというようなことで、中国側が少しでも負担軽減されるようにということで努めてはおりまずけれども、基本的にはかなりの御負担をおかけしているということは事実だと考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 大臣、日本政府も今おっしゃったように向こうに相当な負担をかけているということを言っているわけですよ。ですから、向こうの立場からしたらこれは相当な負担だというふうに考えるのは当然だと思います。しかも、一切の原因は日本側にあるわけですから、そういう点で、費用負担についても積極的に日本が負担するということを、中国へ行かれたらそうお願いしたいのです。  それから、何回も言うようですけれども、最後の一人が解決するまでこの問題は放棄をしない、政府の責任においてやっていただくことを特にお願いしたいと思います。  それから、今度中国へ行かれたら、日中の間はお互いの信頼とそれから隣人の信頼関係でこれから将来とも長く隣人としておつき合いを願わなければならない関係でありますし、それから、戦争でも中国は賠償を要求しなかったわけですね。そういったことを考えて、ぜひこの問題については日本の責任と人道上の立場を踏まえて完全な解決まで努力をしていただくように、中国の方にも協力をお願いしてくださることを特に要望して、終わりたいと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員長 小川国彦君。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 私は、海外経済協力の問題について、宇野外務大臣並びに外務省その他関係省庁の皆さんに質問をいたしたいと思います。  最初に、食糧増産援助の問題でございますが、昭和六十三年、海外の諸国に対する食糧増産援助は三百二十九億円というふうに伺っておりますが、この数字はよろしゅうございますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 まことに申しわけないのですが、突然の御質問でございますので、今すぐチェックして御返事いたしたいと思います。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 昭和六十三年の食糧増産援助は三百二十九億円行われるというふうに承っております。そして、昭和六十二年まででいえば、二百十六億円の食糧増産援助が行われてきた。そして、その対象国は、昭和六十二年度でいえば四十九カ国を対象としている。したがって、各年度とも、大体五十カ国前後を対象として食糧増産援助を行ってきた。そこで、この食糧増産援助では対象国、アジア、アフリカの国々が主でございますが、対象国に肥料、農機具、農薬が贈られてきたわけでありますが、この援助がどのような成果を上げてきたのか、伺いたいわけであります。特に、この食糧増産援助によって、援助の成果、効果、そういうものの測定はどのように行ってきているかということを、まず伺いたいと思います。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 先ほど、六十三年度の食糧援助、確かに御指摘のように三百二十九億円でございます。  食糧増産援助につきましては、これはもちろんいろいろな国の状況によって異なりますけれども、相手の国が食糧を増産するために必要な機材、肥料、農薬というようなものを供与するというのが中心でございまして、これまでに非常に被援助国から高い評価を受けておりまして、効果的に実施されておるというふうに考えております。  また、事柄の性質上、全体のそういう必要な農業資機材の中で日本の援助の占める比率というものは、もちろんそう絶対的なものでございませんので、効果測定という観点からはなかなか手法の確立等難しい点がございますけれども、我々が供与したそういうものがちゃんと目的に使われているという点については、現地の大使館、援助の実施機関等を通じて評価、チェックに努力しております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 この援助の成果とか、例えば農業生産計画に対して農水省の参画を求めて、そして例えばこういうところではこういう病虫害が発生しているから、こういう農薬を使ってこういう成果を上げたとか、あるいはこういう畑作地帯、こういう水田地帯ではこういう農機具を使ってこういう成果に取り組んだ、こういう生産向上に取り組んだ、あるいはこういうところではこういう肥料を使った、フィリピンにしてもインドネシアにしてもタイにしても、そういう国々のこういう地域にこういう機械、こういう肥料、こういう農薬を使って、ここでこういう成果を上げられた、そういう具体的な、こういう地方の農業生産にこういうプラス面を与えることができた、そういう援助の効果の測定は行っておられますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 まず最初の点でございますが、もちろん私どもがこの食糧増産援助を供与するに当たりましては、そういう問題について最もよく事実関係、知識をお持ちの農林水産省の方と密接な連絡をとりながらやっております。現地の高官にも、そういう省庁からの出向の方もおられまして、そういう方の御意見ももちろん聞きながら、専門家の意見も聞きながらやっておるわけでございます。  質問の後半の、それでは今まで供与した食糧増産援助というものが、どこの国で、どういう効果が上がっているかという点について評価をしたのかという点につきましては、これは昭和五十七年から外務省といたしましては評価を行っておりますけれども、例えば五十七年には、バングラデシュについてかんがい用のポンプのエンジンがいかに使われたか、五十八年度には、中国におきまして食糧増産援助がどう使われたか、五十八年度の評価におきましては、パキスタンにおきましてシンド州の農業開発計画、バルチスタン州における農業開発計画、これに食糧増産援助がいかに使われたかというようなことを具体的に調査いたしました。その後、五十九、六十、六十一年度の評価でそれぞれいろいろな国について同様の評価が行われております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 世界、特にアジア、アフリカにおける食糧の確保というのは重大な問題でありますが、中国、インドネシア、タイ、スリランカ、ビルマ、フィリピン、ラオス、インド、ブータン、パキスタンと、ずっとアジアからアフリカの国々があるのですが、毎年度、六十三年度でいえば三百億も食糧増産援助を出されるわけですから、それらの国々においてどういう効果を上げられたか。例えば昭和六十一年度でいえば、中国の場合には農機具に二億九千万、農薬に六千万、肥料に一億五千万ですか、あるいはインドネシアでは農薬だけに二十二億円を注いできている。あるいはフィリピンでは農薬に十七億九千万円を注いできておる。あるいはネパールでは肥料だけに二十億円を注いできておる。非常に特徴があるわけですね。  例えば六十一年度は、二年前でございますから、ここにこういうような注ぎ方をしてこういう成果を上げた、こういう報告書、例えば六十一年度における食糧増産援助の成果について各国別に、ここはこれを重点としてやって、こういう地方でこういう成果を上げました、そういう成果についての評価なり検討はなさっておりますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 冒頭に御答弁申し上げましたように、これは先方政府からそのときどきの必要というものの説明を受けた上で、関係の省庁と協議をしながら進めている、これが基本でございまして、御指摘のありました具体的な国それぞれが、どういう状況でそういう肥料、農薬、農機具が混合体として供与されたかという点について、細部にわたって今資料を持ち合わせておりませんけれども、例えば非常に際立ったということで御指摘を受けましたインドネシアにつきますと、この年には二十四億の食糧増産援助が行われておりますが、肥料はゼロで農薬が二十二億ということでございますが、これはこの年にトビイロウンカというウンカの大群が発生いたしまして、大変な危機感を持つインドネシア政府から、この年の援助は農薬に絞ってもらいたいという極めて強い要請がありまして、それを検討した結果、また日本人の専門家が現地におりまして、そのとおりであるということで、こういうところに絞って供与したということでございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 部分的な報告はわかるのでございますが、少なくとも六十二年でいえば四十九カ国これらの国々に対してこういう援助を行って、こういう仕事を行った、そういう報告書は残念ながら私どもお目にかかる機会がないのでございますが、外務省はそういう各国別の食糧増産援助の報告書というものはお持ちでございますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 食糧増産援助に限って、今委員御指摘のように、どの年に、どの国に、どういうタイプのものが出たかということを公表した資料というのは、私の承知する限り、ないと思います。  ただ、私どもは、これは食糧増産援助に限ることなく、一般論でございますけれども、供与した援助の効果の測定、評価ということを重視しておりまして、その中で、先ほど申し上げましたように、繰り返しになりますけれども、毎年何件か、そういう食糧増産援助の現地における効果の評価ということをやっておる次第でございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 今日まで、昭和六十二年度まででいえば、世界各国に対して二百十六億の食糧増産援助が行われた。累計はこれでよろしいのでございますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 ちょっと御質問の意味を取り違えておるかもしれませんけれども、累計でいきますと、毎年二百億円とか三百億円に達しておるわけでございますから、もっとずっと大きな数字になると思います。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 これは、ちょっと私も手元に資料を持っておりませんが、実施されて、毎年二百億としまして、およそ何カ年くらい既に実行されておりますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 たしか昭和四十三年から、つまり二十年前から実施しているというふうに理解しております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 発足当初は大体年間どのくらいでございましたか、何百億という百億単位で結構ですが。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 調べた上で直ちに御報告いたします。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 今までの投資された額は、私の記憶でもたしか、私の質問がちょっと数字的には不正確でございましたが、年間二百億として仮にそのまま二十年間を掛ければ四千億になりますし、当初のころが百億くらいでいけば三千億くらいになりますから、いずれにしても大変な額の食糧増産援助というのが行われてきている。しかし残念ながら、私が外務省の諸報告を見ても、これがどこの国で、例えばインドネシアのウンカの発生に対する対策はよくわかりました。しかし、全般の五十カ国前後に及ぶ国に対しての食糧増産援助が年々長期にわたってどういうふうに行われてきたかというものはないわけです。四省庁協議というようなことは時々聞きますが、これについては恐らく外務省さんだけが中心でやっているのではないか。先ほど農水省の方にもよく御相談なすっているということを伺っておるのですが、これは何か最終段階で、閣議請議というところで農水省に御相談はある。しかし具体的に、毎年この国でこういう地方にこういう農薬を使いたい、こういう農機具を使いたいということの相談は、残念ながら私が何度も伺っている中では農水省とそういう協議はないようなのです。  これは外務省の主たる事項ではありましょうけれども、少なくとも食糧増産援助と言うからには、毎年毎年継続して一つの国に二十億単位のお金が流れていく。それはその国全体の農業生産をどこでどう高めていくのかという年次計画なり将来目標というものがやはりなければならぬじゃないか、援助をすればいいということではないはずだ、こういうふうに私ども思うわけですね。そういう点でやはりこの辺のあり方を検討する必要があるのではないかというふうに思うのですが、いかがでございますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 まず、ちょっとおわびでございますが、先ほど昭和四十三年度からと申し上げましたけれども、昭和五十二年度、十年前からでございます。その年の供与額は百六十億円、この予算は大蔵省に計上しておりまして、外務省が実施を他の無償援助と一緒に行っている、これはいわゆるプログラム援助というタイプのものでございまして、先方政府からの要請はどこどこで使うための農薬が欲しいとかという話は、先ほどのインドネシアのような特別のケースはございますけれども、普通はその農業省が必要とする――農業省、その国によっていろいろ違いますが、農業関係の先方の省庁が判断して、こういうタイプのものがこれだけ欲しいということで我が方に要請があるわけでございまして、どこどこの地域のどこどこに使うというタイプの援助ではございません。  それから御指摘の、相当の金額がずっと歴年供与されているので、そういうものの効果を少しきちっとやってみるべきじゃないか、また、それに当たって関係省庁の協力も得るべきじゃないかという点につきましては、確かにそういうことも必要かと存じますので、検討させていただきたいと思います。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 そういうふうにぜひお願いしたいと思います。  次に、この食糧増産援助で品物を、肥料、農機具、農薬を贈与した。そうすると、当該被援助国の政府が当該関係農業者にそれを売り渡した。売り渡した金は見返り資金としてその国の中央銀行に積み立てていく、こういう制度になっているわけでありますが、どうも私がいろいろ検討するところ各国とも残念ながら、この見返り資金の積み立て状況というものは、必ずしもその売り払い代金に見合って、積立予定額に見合って積み立てが行われていないのではないか、こういうふうに感ずるわけでございます。例えば東南アジアのASEAN諸国に対して、これらの積立額は、積立予定額に対して実際売り払われた代金は入っているはずでありますが、実質的な積立額はそれぞれおよそ何%ぐらいが積み立てられておりましょうか。ASEAN諸国についてでも結構でございます。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 この増産援助関係の見返り資金の積み立てでございますが、これは委員御案内のように、インドネシア、ビルマとそれからそのほかの途上国とそれぞれケースによってちょっと異なるわけでございます。また、先方の行政組織それから先方の財政当局の問題とかいろいろありまして一様なものではございませんが、例えばフィリピンについて申し上げますと、昭和五十二年度に積み立ての予定額が三千八百九十万ペソというのに対して三千五百十万ペソの積み立てが行われた。そのほかずっと毎年の数字が出ております。ちょっとその合計額がございませんので、ここで何%というふうに申し上げる数字を持っておりませんけれども、フィリピン、ビルマ、インドネシア等については積み立てが行われている。例えばインドネシアにつきましては、先方が積み立てているという金額は、積み立てが必要な予算に計上すべき額よりも大幅に上回っておるというような国もあります。これは向こうの制度でいろいろな予算の費目が入っているというようなことがあって、こういうようなものについては調査中でございます。タイについては積み立ての状況はちょっと不十分じゃないかという感じは持っております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 フィリピン、ビルマ、インドネシア、タイ、アジア諸国でございますが、例えばタイなどの場合は、五十三年から五十八年までは積立額がないようでございます。それからフィリピンについて言えば五十九年はまだ調査中ということでございます。  ただ、こういう決算委員会の席上でこういう積立予定額に対して積立額は私がもう資料請求しているのでございますから、少なくとも、ここは一〇〇%積み立てられています、ここは残念ながら七〇%、ここは五〇%という具体的な数字が出てこなければならないと思うのですが、残念ながら私がちょうだいした資料でも、アフリカのケニアなども五十四、五十五、五十六、五十七、五十八とずっとやはり積み立てがないのですね。私はそれぞれの国々に事情があろうかと思うのですが、いずれにしても、アジア、アフリカの国々がせっかく日本が援助した品物を農業生産者、農民に売り払って代金を回収されたにもかかわらず、その積み立てが確実に確保されているという確認が外務省では持ち得ているでしょうか。この金額については向こうの政府からの報告に基づくものですか、あるいは中央銀行に積み立てるということになって中央銀行の口座を確認なすって毎年度この数字が報告されているのですか。この点はどうなっておりますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 この積み立て義務は政府間の交換公文に基づく先方政府の義務でございます。したがいまして、先方政府に対して我が方から必要な積み立て状況の資料を求めているということでございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 口座については確認をされておりませんか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 中央銀行に直接口座について幾ら入っているというチェックはしておりません。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 この各国の、アジア、アフリカ約五十カ国の報告というのはすべて相手方の政府が報告されたものをそのままここに掲載している、こういうことで、その確認方法については、例えば食糧増産援助の交換公文によりますと、フィリピンの場合は、「積み立てられた通貨は、フィリピン共和国における食糧生産の増大を含む農業開発の目的のために利用される。」こういうふうになっているわけですね。そういう点ではこの積み立てられた通貨がどういう農業開発の目的に利用されたかということを確認しなければならないわけでございます。それから、「両国政府の関係当局は、積み立てられた通貨の利用について相互に協議する。」こういうふうになっているわけでございます。そうすると、仮に今三百億、正確にはことし三百二十九億援助した、そうするとそういうものは三年以内に相手国で積み立てられて、それがどういうふうに農業開発の目的に使われるかということについては我が国政府との間に協議が行われるということになっているわけですが、こういう協議は行われておりますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 そういう協議は行われております。ただ、この点に関連いたしまして、率直に申し上げて積み立てを求める仕組みというものはこの十年やっているわけでございますけれども、これは先ほど委員からも御指摘のあったそういう調査を少しやってみるべきではないかということで私どもも検討してみたいと思っておることの一つでございますけれども、やはり諸外国のやり方等を見まして、それから途上国の行政制度、財政制度、財政の困窮した状況等々を見ますと、最近私どもの持っている印象は、やはり積み立て義務というものは当初の目的、つまり第一には、そういうものを供与して余りずさんに使われないために、先方がそれに伴って売却した場合には売却した資金を積み立てるということによって安易な使われ方をしない、それからインフレを防止するということ、そういう消極的な意味で行っている。そして先方の政府の考え方というのは、いずれの国もそうですけれども、そのお金は自分たちのお金だという基本的な認識は持っております。しかし、協定に基づいてそれは食糧の生産等に使われるべきものであるということで先方政府も協議に応じているわけでございますが、その点につきましては、これは途上国援助一般につきまとう問題でございますけれども、協定で書かれていることと現実の実施の間には率直に言ってやはり問題点があるような認識も持っております。  したがって、協定は協定でございますから、協定で約束されていることの実施ということは今後もやっていきますけれども、やはり援助をする側がこの種の援助に対してどこまでどういうふうに関与すべきかという点についてはやや見直しの時期に来ているのではないかという率直な感じはいたします。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 これは援助する我が国の国民の立場からいえば、やはり国民の税金の使途でございますから、そういうことについては、こういう各国との交換公文はひとりフィリピン共和国政府だけではなくて、四十九カ国なら四十九カ国の国と交換公文が交換され、農業開発の目的のために利用される、そしてそのために相互に協議する、こういうことになっているのですが、残念ながら私どもはそういう協議が行われたという協議の報告もその成果の報告もまだ見聞したことがないわけですね。そういう報告書はつくられておりましょうか。そういうものは公表されておりましょうか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 経済協力の実施に当たりましては、最近、いわゆる先方の必要、ニーズに対応して援助を供与する、そのためには単に要請が出てくるのを待って臨むというのではなくて、もちろん先方の要請しないものを援助するという押しつけはいけませんので、要請主義というものは原則でございますけれども、やはり先方と政策対話ということをやっております。これは主要な被援助国につきまして有償、無償、技術協力年次協議ということをやっております。そういう中で先方政府と今御指摘を受けております点についても協議を行っている。しかし、これは先方とのいわば外交上のやりとりでございますので、私どももかなり突っ込んだ意見を述べることもありますし、また先方から率直な回答ということもありますので、それを公表するということは適当でないと考えておりまして、公表はいたしておりません。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 私は大変残念に思うわけです。その協議が行われて農業開発の目的に、こういうふうに――日本の国民のために国の積んだ予算は、例えば日本の農林水産省はこういう方面に使ってこういう成果と結果があったということで報告されますね。少なくとも援助も日本の国民の税金をもってその当該被援助国の農業生産のために使うわけですから、それがどういう結果を起こしたか、どういう成果を上げることができたかというのは堂々と国会にも報告され、国民にも知らすという義務があるのじゃないですか。それは援助の実態がどういう中身のものであれ、それをきちんと報告していくという義務を外務省は負っていると私は思うのです。  大臣、この点いかがでしょうか。今までの議論をお聞きになって、どうも私は、今までの局長の答弁の中では、こういう協議が行われたと言いながらそれは非公開だ、こういうようなことでは援助をなしてきた、農業生産のためにせっかく援助をしてきた、そして積み立てられたお金は現地の農民のために使われると言いながら、どういうふうに使われてきたかということが国会にも国民にも何ら報告がない、こういうのが実態なんですね。これは公表されないということでは、せっかく食糧増産援助の名のもとに各国に援助を行っていっても、その成果が何ら報告書に出てこないということでは、何のための援助なのかということが国民として大いに疑問に感ずると思うのです。この点いかがでございますか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 従来の経緯もございまして、また横にらみというような話もありまして、私もこうした問題に関しましては極力国会の御意思に沿うようにといろいろ調査もいたしましたが、今後はどういう方法があるかひとつ検討してみたいと思いますが、現在のところは、局長が苦しい答弁ではなくして現在やっておることそのままを報告したのではないか、かように思っております。しかし、せっかくの国民の税金であり、また国会においてもそういう御議論があり、そうしたことに関しましては私たちといたしましても十二分に今後配慮しなければならないと考えます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 総額はお幾らになりましたか、今日までの累計は。――答えが出る間質問を続けます。十カ年分の累計ですから、そこにおられる方で答えが出るだろうと思います。  商品借款の問題でございますが、八七年度の交換公文では世界の中で六カ国に対して千四百億円借款が行われた。これは外務省は、国際収支のバランスを補うための資金づくり、被援助国の資金づくりを助けることが主眼であり重点である、こう説明されているわけです。しかし、商品借款にはいま一つ、どのような商品がいかなる形でどのような対象に提供されたのか、そういうことが明らかにされる必要があるのじゃないか。この商品借款については、日本側が相手国に対して調達した調達品目の単品名、価格、数量、調達者、供給先、供給目的、こういうものを明らかにしてほしいということを私ども要望しておるわけでございます。かつて経済企画庁長官の方が、援助の金は女房に渡した小遣いのようなもので、その使い道をただすものではない、本当にそうおっしゃったかどうか私も疑問には思っておるわけでありますが、そういうようなことはあってはならないというふうに思っているわけです。そしてこのことについては、OECFの懇談会の方で受注企業名の公表というようなことが言われてきているようでございますが、こうした商品借款の今申し上げた事項について公表はされたのかどうか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 先ほど御要請のございましたこれまでの食糧増産援助の供与額の累計額でございますが、昭和五十二年度から六十三年度までの合計額は三千二百七十一億五千万円ということに相なります。  商品援助に関する資料の公表でございますけれども、従来からその商品借款の対象としてどういうものが購入できるかという商品リスト、それから品目別の実績などについては御照会に応じて明らかにしてきているところでございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 その他の事項については今後公表するお考えはお持ちになりましょうか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 これは先ほど委員からも最初にお話がございましたように、商品借款を供与する目的というものは、先方の政府が国際収支上の困難に直面している、そういうときに国際機関の判断等も参考にしながら、我が国としては、そういう国際収支上の困難に対処するために先方の一般輸入を適当な我が国の応分の比率で援助するということが基本的な目的でございます。したがいまして、その供与された商品借款によって何が調達されたかという点につきましては、これは二義的な問題というと誤解を受けますけれども、援助の目的からいたしますと二義的な問題でございます。それぞれの国の一般的な輸入というものを助けるということが商品借款の目的でございます。では現実にその商品借款の中でどういう調達が行われたかということは先方の、これはいろいろな国の仕組みによりますけれども、民間で購入したものを政府が外貨を割り当てるというような感じで、政府がその輸入に必要な外貨を日本の円借款の商品援助から使用することを認めるということになるわけです。したがって我が国としてはその円借款で、例えば奢侈品であるとか、軍事目的に使用されるようなものとか、そういういわば決して使ってはならないものということは明確にしておるわけでございます。また、先ほど申し上げましたように、どういう商品の購入に使われるかということは明確にしておるということで十分であって、その援助のもとで何が買われたということはむしろ私契約の分野に属することでございますので、公表になじまないというふうに考えております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 私契約とおっしゃったのですが、その私契約についての支払いは、きょうOECFの方がいらっしゃっていますが、その支払いをチェックしてお金を支払うのは海外経済協力基金がそのチェックの役割を果たすと思うのでございますが、いかがでございますか。

笹沼充弘海外経済協力基金理事

○笹沼参考人 お答え申し上げます。  経済協力基金といたしましては、先方から支払い請求がありましたものにつきまして、その内容が我々が考えております援助の先方と打ち合わせをしている対象とすべき品目になるかどうかをチェックしております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 会計検査院は、このOECFに対して会計検査をなさいますか。

疋田周朗会計検査院事務総局第一局長

○疋田会計検査院説明員 お答え申し上げます。  私どもの検査対象として毎年会計検査を実施いたしております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 私契約といいながら、その支払いはOECFがやっている。しかもそれはまた会計検査院の検査が及ぶ。当然国政調査権の及ぶ範囲でこういうものについては当然国政調査権の要求に基づいて公表さるべきものと私は考えますが、大臣、いかがでございますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 商品援助を供与するに当たりまして政府間の交換公文において、そういう今委員から御指摘を受けました、どういう品目が私契約で購入されたかということを明らかにするということを義務づけることは行っておりません。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 義務づける問題ではなくて、これは国政調査権が及ぶ範囲だと私は申し上げているわけなんです。交換公文にそういう規定があるかないかじゃないんです。当然その支払いについて国の機関がチェックをする、それは私契約ではないんですよ。私契約だったら何もOECFの国の機関がチェックする必要はないので、国の機関がチェックしている限りにおいては私はそれは私契約ではない、断じて公契約だと思うのです、最終的には。私契約であっても国のチェックを受ける限りにおいては公的な支配を受けると私は判断するんです。しかも、ですからそこに会計検査院の検査まで及んでいるのですから、それを私契約であると称して、そういう資料の公表を拒む姿勢というのは、私は、やはり援助の実態を国民に明らかにしない極めて独善的なと言いたいやり方ではないかと思うのですが、いかがでございますか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 基本的には私契約というものであると認識しておりますが、それが海外経済協力基金に認証に回ってくるというときに、それは海外経済協力基金としては政府間の交換公文に基づいて、どういう品目を対象に幾ら供与されるかということを担保する手段として行っているというふうに理解いたします。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 この点は私はかなり見解を異にして、この点の外務省のあり方というのはかなり問題がある。国政調査権を、そういう名のもとにこうした商品援助の商品の実態を明らかにしない姿勢は非常に問題があると思うのですが、時間が限られておりますので、最後に、フィリピンへの円借款について、先日フィリピンの外相と宇野外相の会談の中で、三十五億ドルの新規経済援助が求められている、そしてその中身はかなり、使途については何かフィリピン国の債務の返済に充てたいというようなことが言われていたり、あるいは在比米軍の基地使用料の肩がわりが行われるのではないか、あるいはまたそういうことについてフランク・カールーチという米国防長官が上院の予算委員会でそういう発言をしたというようなことも伝えられておりますが、私ども、こうした三十五億ドルの経済援助の中身が先日の外相会談の中でどういうような話し合いがなされたのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 先般訪日いたしましたマングラプス・フィリピン外務長官と宇野外務大臣との会談等におきまして、今後のフィリピンに対する援助をフィリピンの現下の必要性にかんがみ、増大してほしいという要請がございました。しかし今御指摘のような何年にわたって何十億というような話は議論されておりません。  先般、昨年の十二月でございますか第十四次の円借款八百二億円の供与が行われて、十五次、十六次というようなものを着実にやってほしいという一般的な要請がございまして、今後先方からの要請を受けて検討いたしますということをお返事申し上げた次第でございます。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 今、フィリピンの外相と出会いますと、すぐ肩がわりの問題ではないかというふうな揣摩憶測が流れておりましたから、一切そういうことではございません。むしろ私の方から、第十四次はこの間行ったときに円借款の署名調印をいたしました。それに関しまして十五次、十六次お願いしますよということでございましたから、我が国も非常に財政再建途上であって、手元不如意でございます、いろいろ努力しておるのです、しかし、そうしたことならば早速内容をお出しくださいということを申し上げて、その後、私は次のように申し上げたのです。時々あなたが来られると、恐らくいろいろのフィリピンの肩がわりというふうな問題になってくるが、我が国はフィリピンにおけるところの基地等々に関しては、これはアメリカとフィリピンの単独の問題であって我が国の関与するところにあらず、それだけはひとつ御認識賜りたい、したがいまして、そういう話は恐らく出まいと思うが、私の方からはっきり申し上げましょうということでございまして、向こうさんからは全然出なかったわけですが、私の方からは我が国の基本方針を説明しておいた、そして、マングラプス外務大臣は当然のことでございますというふうな内容であったわけであります。  ただ、そのほかに、ことしフィリピンは干ばつで相当お米が足りない、それを買う金がほしいということでございましたから、それはひとつ緊急の対策としてスケジュールを出してください、そして、円借款というものに対する考え方を早速申し入れていただければこちらも検討いたしましょう、以上がこの間のマングラプスさんと私の間のお話でございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員長 小川新一郎君。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大臣、通告にはないのですが、極めて重要関心のある問題として、私ははげの問題を取り上げたいのです。  私もはげているから言うわけではございませんが、最近、はげ薬である101号、102号、中国で新しい薬が開発されたと聞いております。これは大臣も御存じだと思いますが、今、中国にはげツアーと称してはげの薬を買いに行くためにツアーまで組んで大騒ぎしております。この中にも大分それに御関心をお持ちの方もおるやにお見受けいたします。  今、関心の中で一番大きなものはエイズの薬の開発、二番目はがんの薬の開発、三番目は水虫の薬の開発、四番目に、はげに毛が生えたら大変な金もうけになるとまで言われておりますが、これは中国で非常に有効な薬が開発されたということで、今、新聞や週間誌、木曜日でしたか二十一日の第六チャンネルで大々的にこれを報道いたしております。それで、向こうの、社会主義である中国の薬の博士、つくられた方、製造されている工場、全部撮影いたしまして、また、取材をいたしまして、こちらの医学博士の答弁、それから、ツアーに行っている人たちのあれ。大体一本一万五千円しているのですが、これがプレミアムがついて三万円、このくらいわずかなものが三万も二万もする。香港にも相当出回っておりますが、香港のものはすべてにせもの、九九%にせものだと言われている。  こういう問題は、日中友好の中でどういう観点に立つかということなんですが、効かなかったときの国民のショック、副作用の問題そうすると結局、人間というのはおかしなもので、効く、効くと言って買いに行って、ツアーまで組んで大騒ぎをして買ったけれども、ろくな効き方はしなかった、害が出たということになりますと、せっかく今日本と中国とは友好的ムードに立っているのに、そのはげの薬のおかげでおかしくなったというのでは、外務大臣、これは非常に遺憾であると思います。奥野大臣はわざわざ水を差すような発言をして、国民から今怒られておりますけれども、私は逆に、そうならないように、これは外交サイドから一遍確認をとって、大臣としても興味を持っていただいて、今このまま野放しにしておきますと大変なことになると思うのです。今大騒ぎになっております。大臣は毛があるからそんな無関心の顔をして笑って聞いておりますが、我々にとっては深刻でありますので、どうかその辺のところをひとつ御回答いただきたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 この間議員会館の散髪屋に行きましたら、隣にお若い方が頭を洗いにだけ来たので、頭だけ洗うのかねと言ったら、いや先生、実はこのごろ非常にそうしたことに効く薬がありますから、塗りに来られたのですという話を聞いて、そうかねというようなことで、初めて私は小川委員から申されたような事実を知ったわけでございます。しかし、それ以上、私は余り関心がなかったものでございますから、聞き捨てのような状態でございます。  今申されたようなことが本当に事実であって、もし効かなかったならばということでございますが、これはいろいろ問題があるかもしれませんが、ひとつ私も調べてみまして、どういうルートでどこへどういうふうに申し上げたらいいのか、やはり大切な問題として一応伺っておきました。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これはテレビで十時から特集をやったのですね。ですから、一遍外務省にこういう問題、今日本の国としては社会問題化しつつあるだろうという大きな問題をはらんだ、これは病人にとっては、あるいは健康な我々にとっても、大臣、自分の頭の毛がはげておったところに毛が生えるなんということになりますと、これはもう金の問題ではなくなりまして、今や必死でございます。どうか一遍外務省、中国当局に問いただして、今ツアーまで組んで大騒ぎしているという状態なんだけれども、一体、実態はどうなんだ、これはどうなんですか、こういうことぐらいはこの席でちゃんと約束できませんか、これは国民の声ですから。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 近く中国の大使ともお目にかかることがありますから、重大な外交問題というわけにはまいらないかもわかりませんが、コーヒーブレーク等々のときに一応関心がある、特にうちの藤田アジア局長も関心があるだろう、こう思いますから、局長からでもひとつそういうことはお互いの今後のためをおもんぱかって問うてもらうようにいたしたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 宇野外務大臣は近々訪中する予定があるということが報道されておりますが、私はいつも、この前も韓国へ行く問題を予算の分科会でお尋ねしたら、いいかげんなことではないけれども、非常にあいまいもこなことを言っていて、一週間後には行ってしまうなんということは、韓国へ行ってそれぞれ向こうの外相との懇談を行っている。私がその一週間か十日ほど前に御質問したときには、全くその気ぶりも見せない。さすが大した外務大臣だと驚嘆したのですが、それでは余り水臭くひどいではありませんか。少し正直に物を言ってもらわないと困るのですね。一週間か十日前のことがわからないで、あと半年から一年先のような雰囲気の中でお話をしてお答えになった。あなた、私と質疑応答をしているときにそういう思い出が出てくると思うのです。  そこで、外務大臣、近々訪中する御予定だということを聞いたのですが、日程はどうなのか、その目的は何か。  また、先日、自民党の伊東総務会長が訪中したときに、呉学謙副首相との間で光華寮問題を持ち出されて、この問題を重視しているようでありますが、我が国政府は、外務省としては今後光華寮の問題をどのように対応していくかということは、私ども非常に興味があるのです。この問題は国会でもしばしば質疑に出ておりまして、憲法問題の絡みの中でそれ以上の発展は、国会答弁の、重要な外交問題の話の中でもうそれ以上発展はしないのだということであるならば、そのようにここでお答えいただきたい。  まず、光華寮の問題を含め、また日中友好の中で訪中の御予定等がございますかどうか、その目的等々についてお願いします。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 過般の予算委員会の分科会において、確かに小川委員からの御質問を受けて日程がもう少しく定かでない点を申し上げましたことは事実であったのでございまして、その後すぐに決まったとか両国政府の関係があったとか、いろいろありまして、あるいはせっかく、不断の友情を傷つけた点は私もおわび申し上げますが、事実でございましたので、御寛恕賜りたいと思います。  今度の訪中は、やはり日中友好十周年を迎えた本年でございます、当然これは条約といたしまして、私は永久にお互いに持続いたしたいと、過般もそのように表明をいたしたわけでございまして、総理がその締めくくりで八月にお出かけになられます。また、この時期はそれこそ両国政府が同時に発表しようということでございますから、まだ時期の発表に至っておらないわけではございますが、私は三十日出発いたしまして、北京に着きますのは五月三、四、五というふうな日程に相なっております。  もちろん、先般の党大会で新しい人事も決まり、また先般の全人代におきまして新しい組閣も終了いたしましたので、そうしたことの敬意を表し、なおかつ両国間のいろいろな問題がございますから、これに関しまして両国のさらに友好を深めたい、これが唯一の目的でございます。相当案件は多岐にわたると思う次第であります。  今お触れになられました光華寮の問題も、現在といたしましてはやはりまだ残っている問題でございまして、伊東総務会長がお行きになったときにも、呉学謙副首相を初めいろいろな方々からそうした問題の存在を指摘されているような次第でございます。これは日中間に横たわる大きな問題だと政府も意識をいたしておる次第でございます。したがいまして、一応我が国においては三権分立、そうした建前上現在最高裁に付せられておる問題であるけれども、私たちはこれに重大な関心を持っているのですということは政府といたしましても申し上げておるわけでございます。  そうしたことも含めまして、誠意を尽くしてお互いが今後の日中国交のさらに発展をこいねがう会談にいたしたい、これが私の目的でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 次に、同じくココム問題、対共産圏輸出の問題でございますが、これまた李鵬首相がココム問題で中国向け輸出の規制の緩和を求めてきております。特に一定の機種のコンピューター、通信機器については規制対象から外せ、契約のキャンセルや納期おくれで中国側企業が直接間接に受けた経済的被害を日本企業は賠償するよう等々日本政府に働きかけるというような意味のことが報道されておりますが、これに対してはどのようなお考えをお持ちでございましょう。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 お答え申し上げます。  先生御案内のとおり、対中国のココム輸出規制につきましては、これまでもココムの場におきまして規制の緩和が図られてきております。日本といたしましては中国の近代化を支援するという見地を踏まえまして、このココムの場での対中規制の緩和に向けて今後とも積極的に参加していきたいというように考えている次第でございます。  中国との間では、今般も極東商会ともう一つ新生交易でございましたですかにかかわる事件が起きましたけれども、これも先生御案内のとおり、これは中国を意識してといいますか、中国であるからということでの事件ではございませんで、やはりココム違反の事件に対しましては政府といたしましても厳格に対処しなければいけない。ただし中国との間の関係につきましては、できるだけ今申しましたとおりココム規制のできる限りの緩和、そういうことを通じて中国の近代化にできる限り協力するということで政府としても進めていきたい、このような方針で臨んでいる次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大臣、これは、今私が申し述べたような個々の問題については、まだ議題にのせるのは早いのですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 この間もやはり李鵬首相の懸念とまた希望というものもございます。現に中国は今経済特区というものがございます。いわゆる沿海経済圏、それにやはりココム問題は重要な関連があるので、ぜひとも日本においても考慮を請う、こうしたことが伊東総務会長にも語られたと聞いておりますから、当然外相会談におきましてはそうした問題も出ることを想定しながら、日本といたしましても、これは外務省だけではございませんが、十二分に関係各省と話し合わなければならない問題だな、かように考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そういう大事な日中友好の問題で、全人代を通して新しい中国の指導陣がかわった、そういう立場の儀礼的な立場も踏まえながら、さらに外務大臣としては発展的に前向きに友好関係を結ぼうとするお話し合いをしようというやさき、この奥野国土庁長官の発言というものは非常に我々としては遺憾だと思うのですね。これは、昨年六月外務省の首脳は、鄧小平氏は日中関係の実態を把握していないとして、いわゆる雲の上発言を行って問題化した。確かに政府として中国要人の一言一句に一喜一憂すべきではないと思っているでありましょうが、日中関係は他の国と異なり、戦前の関係を考慮すれば非常にデリケートな問題でございますことは大臣も御理解のとおりだと思う。あえて政府の発言も十分考えて発言しなければならないと思いますがどうかということですが、国民から見れば、アメリカが我が国に言いたいことを言い、今、日米貿易摩擦の中でオレンジ、牛肉の問題等我々が言いたいこともあるわけですね。それも政治的な決着を求めなければならないところに追い込まれている。また、今大統領の拒否権の問題や米国の上下院の、両院における決議、そういうものを踏まえた中で、我々は余り反論もできないという中で、中国に対しては言いたいことを言っているように映ることはまことに外務大臣としても、これは我々としても考えなければならぬと思うのですが、そこで奥野国土庁長官の発言というものは、今私が申し上げました外務省首脳とはどなたを指しているか知りませんが、似通っておりますが、この長官が言う日本外交は鄧小平氏の言動に振り回されていると思うのか、外交の基本にかかわる問題でありますから、これはまず明確にお答えいただきたい。  先ほどちょっと私が聞いたところによると、土地委員会において奥野長官は何か陳謝したということを聞いておりますが、果たしてどうなのか私はわかりません。  また奥野長官の発言は、中国韓国にかかわる問題であるばかりか、我々日本人としても見逃すことのできない発言を行っているわけです。すなわち、日本人は天皇を中心に神道で団結していると述べています。また、侵略は日本だけではないんだ、白色人種が主にやったんだというような意味のことも述べております。これは欧米の方々の神経を逆なでするような言葉であり、また天皇を中心にした神道で団結している、これは重大な問題発言だと思いますが、どのように他国に対しこれを説明する場合いたすのか、大臣としてこの問題についての御見解これは大臣にお答えいただきたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 一応奥野発言を離れまして、韓国に対しましてはやはり三十六年間我が国が領有をしておったということに関しましては、韓国と日本との間の基本条約等々を通じまして、我々といたしましても、当時の外務大臣は遺憾の意を表された次第でございますから、そうしたものを再び再燃させてはいけない、こういうふうに私は思います。  また中国に対しましても、奥野発言を別といたしまして、やはり戦争はいけない、こういう反省の上に立って、今日、新しい中国との友好条約、四原則、さらには共同声明等々を通じて、永遠に不戦である、永遠に我々は平和友好を深めなければならない国である、こういうふうに私たちは臨まなければならない、かように感じております。また諸外国に対しましても、やはり日本はそうした精神の上に立って今日まで四十三年平和を保ってまいった次第でございますから、資源の少ない国に資源を与え、食糧の少ない国に食糧を供給し、さらには我が国の安全に関しましても、全力を挙げてその体制を組んでいてくれるアメリカ等があるということに対しましても、私たちは感謝の念を持って今後もいろいろと友好を深めていかなければなりません。これが私の個人的な見解であります。  したがいまして、私は同僚の奥野さんの話がどうのこうのと言える立場ではございませんが、そうした奥野さんの発言が中国の新聞で報道されたということは遺憾である、かように存じます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これは本当に大事な問題でございます。我々も天皇陛下を尊敬してはおります。天皇御一家に対して何らがたがた言っているわけではございませんが、神道を中心にして団結しているというようなことは、戦前の忌まわしい思い出が浮かんできても仕方がない、こういう問題でございますので、竹下内閣の閣僚の立場から、また閣僚会議の席上、本来なら決算委員会へ長官が来て釈明をお願いするところですがそういうわけにまいりませんので、ひとつ大臣から厳しくお伝えいただけますかどうか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 こうした問題に決算委員会の委員の方々が大変関心を持っておられたということに関しましては、閣議そのものの席は別といたしまして、閣議の前後にお目にかかる機会はいつもあるわけでございますので、そうした機会に私から申し上げることは決して私は辞退するものではありません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 次に、外国公館の敷地売却問題についてお尋ねしますが、最近、オーストラリア、スウェーデン、アルゼンチン、中国等、続々と東京にある外国公館の敷地の売却話が持ち上がっております。売却を計画している国々はどれくらいあるのか、またこれまでに正式に売却したいと言ってきたのはどこか。それぞれの国の事情は聞いているのか、この点についてお願いします。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 これは私が直接陳情を受けた問題でございまして、やはり我が国の外交上、当然そうした悩みを持っていらっしゃる外国公館に関しましては、政府としても直接の予算を出すとか出さないという問題では決してないわけでありますが、しかし無関心にやってはいけませんから、そうした意図に沿い得るように外務省内にプロジェクトチームをつくりまして、いろいろ検討して今非常に成果が上がるような段階になりつつあるということは申し上げていいのではないかと思います。あとの数とかそうした問題に関しましては、政府委員から答弁をしてもらいます。

藤井宏昭外務大臣官房長

○藤井(宏)政府委員 ただいま委員の御質問は、土地の売却というふうに了解いたしますけれども、最近、オーストラリア等の在京公館が土地の売却を考えておるということは、個々のケースについて外務省としてもできるだけ把握をしているところでございます。またその把握をした段階におきましては、この売却に関連いたしまして、我が国の国内法を遵守するようにということを極力先方に申し入れ、指導しているわけでございますけれども、どこの公館が今考えているかというようなことにつきまして、外務省として公の席でこうであるということを開陳いたしますのは、外務省がたまたまそういうことを知っておるということでございまして、その行為としては各大使館の私的な契約でございますので、これ自体外務省として公の席で開陳することは差し控えさせていただきたいと存じます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 今まで売却話が持ち上がって、それをキャッチしている国はどこなんです。

藤井宏昭外務大臣官房長

○藤井(宏)政府委員 例えばオーストラリア、スウェーデン、中国等がございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そのような土地を売却したい理由はまだ聞いておりませんが、いろんな理由があると思います。この理由を聞きたいのです。  そこで、その在京外国公館の敷地の売却というものは国土利用計画法の対象になるのかならないのか、これは国土庁に聞きたい。またその場合、これは外務省に聞きたいのですが、ウィーン条約と国内法である国土法との関係はどのようになるのか。

鈴木克之国土庁土地局土地利用調整課長

○鈴木説明員 外国大使館所有地の売却につきましても、国土利用計画法の届け出を求めておるところでございますが、外交関係に関しますウィーン条約等の趣旨にかんがみまして、公表であるとか立入検査であるとか、あるいはまた罰則の適用はしないといった取り扱いをいたしておるところでございます。

斉藤邦彦外務省条約局長

○斉藤(邦彦)政府委員(外務省) 外交関係ウィーン条約と国土利用計画法との関係についての御質問についてお答えいたします。  外交関係ウィーン条約第四十一条におきましては、「接受国の法令を尊重することは、特権及び免除を享有するすべての者」、すなわち外交官でございますが、これの「義務である。」と規定しております。したがいまして、外交官といえども一般的に接受国の国内法令を尊重する義務があることを規定しているところでございます。  外交官に対しまして国内法が普通の意味で適用されるかどうかということになりますと、これは普通の意味の適用がないというふうに考えざるを得ない状況にございますけれども、この尊重義務が外交関係ウィーン条約で規定されているような趣旨にかんがみまして、外国公館に対しましても、国土利用計画法に即した所要の手続を政府として要請している次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 国有地の売却については、国土法の適用が除外されておりますが、異常な都心の地価高騰の引き金になっておる国公有地の払い下げ問題これは土地委員会で問題になっておると思いますが、国有地は国土法の対象から外しておきながら、在京外国公館の敷地の場合には国土法を適用するというのは片手落ちにならないのかどうかという点でございます。さらに、それは罰則は適用されていないんだ、公表はしないんだ、今度は国内法との、また国土法とのバランスの崩れが出てくる。このように二段論法的な発想からいえば片手落ちなことが二つの段階になってくるわけですが、この辺のところはどうお考えになっているかということでございます。  そこで、オーストラリアとの交渉は最終的にどうなったかということに興味を持っているのですが、このオーストラリアは駐日大使館の一部を約六百億で売却する考えのようですが、東京都が国土法に基づき価格引き下げの指導をしてきた。この交渉の中で六%の引き下げ指導に対して、六%相当の三十六億円は、売却敷地内の旧蜂須賀侯爵家跡に残る石灯籠や石橋などを美術品として、同じ民間デベロッパーに売る形をとることについてどうかという話が出たようでございますが、こういう糊塗的な、一時的、ごまかし的な姿勢で国土法を動かしているということは日本の土地政策に対して大きな影響を与えると思います。  そこで、時間がありませんからまとめて言っているのですが、オーストラリアとの交渉で最終的にそういった問題はどうなるのか。東京都知事の発令というものはどういうふうな影響が出てくるのか、また今言ったような二段階的不公平についてはどう考えているのか、お願いいたします。

鈴木克之国土庁土地局土地利用調整課長

○鈴木説明員 まず、国公有地は国土利用計画法の適用除外となっておるのに、外国公館の所有地については適用除外してないのは片手落ちではないか、この点につきましてお答え申し上げます。  国公有地の処分につきましては、御案内のようにさきの通常国会におきまして国土利用計画法が改正されまして、国等は適正な地価の形成について配慮する旨の規定が新設されたところでございます。また、この規定を実施いたしますために、政府部内におきましては関係行政機関の間で緊密に連絡、情報交換を行うという申し合わせがなされておるわけでございます。そして、さらに昨年の十月緊急土地対策要綱が閣議決定されたわけでございますが、その中で国公有地等の処分につきましては「現に公用、公共用の用途に供することが確実と認められる場合等を除き、その地域の地価の異常な高騰が沈静化するまでこれを見合わせる。」こととされたところでございまして、かような措置によりまして政府としては適正な地価の形成に努めておるところでございます。  なるほど御指摘のように、形式的には外国公館の場合には適用除外になっておりません。国の場合、適用除外に形式的にはなっておりますが、ただいま申し上げましたように実質的には最も厳しい措置をみずから講じておるところでございます。

藤井宏昭外務大臣官房長

○藤井(宏)政府委員 オーストラリア大使館の敷地売却の交渉につきましては、東京都とオーストラリア側との間で鋭意話し合いが進められた結果、国土利用計画法の趣旨にのっとりまして円満な解決に至ったというふうに承知しております。その詳細につきましては外務省として公式にお述べする立場にございませんけれども、外務省といたしましては、昨年の秋から、本件につきましてはオーストラリア大使館に対しまして我が国の国内法の遵守を行うよう、正式な手続を踏むようということを先方に働きかけてまいったわけでございまして、その手続の踏み方、その妥結の内容、これはあくまでその法律にのっとりましての手続でございまして、外務省として具体的にこうこうであるということを評価し、あるいは公の席でお述べする立場にはないと思いますけれども、円満な解決に至ったということを喜んでおる次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 円満な解決にはなってないんじゃないですか。だからこういったこそくな、三十六億について、民間デベロッパーに売る形をとることについて話が出ているんじゃないでしょうか。  そうしますと、法務省にちょっとお尋ねしますが、美術品を過大に評価し、評価以上に高く買うということは、買う側の民間デベロッパーの側に株主に対する背任などの問題が起きるのではないでしょうか、いかがでしょうか。

古川元晴法務省刑事局刑事課長

○古川説明員 御指摘のごとき事例につきましては、具体的な事実関係が明らかではございませんので、それにつきまして何罪が成立するかにつきましてお答えいたしかねる次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 それでは私は、そういう紋切り的な答弁をされたんで黙って引き下がるわけにはまいりません。こういう重大な問題を私もおとなしく黙って聞いているわけではないのですが、声を大きくして言うことではないのですが、そういう問題を外務省はキャッチしてない、ただ円満だと言っているのですが、我々の方でこういった問題があるのではなかろうかということを今この場で話しているのであって、じゃ、この次の決算委員会でなくても結構ですが、委員長、この答弁をはっきりさして、私の疑問に答え得るよう調査していただきたい。

野中英二自由民主党

○野中委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 速記を起こして。  承知しました。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 承知しましたといったって、当然のことなんですね。私どもが調査してくれと言わないでも、円満だ円満でないとかということを言って、片一方にしたら、そんなことは知らないから質問に答えられないなんて言っているのですから。私たちはこういうことがあったらどうなんだということを言っている。  次に、我が国の対韓援助の問題について、時間がありませんからさあっと言いますから、さあっと答えてくださって結構です。  我が国の韓国に対する経済援助、特に資金協力の実態がどのようになっているかということですが、この間いただいた政府の資料によりますと、一九八三年四百五十一億、一九八四年四百九十五億、一九八五年五百四十四億、一九八五年までの累計で七千七百六十二億。これは外務省からいただいた資金協力の数値ですが、我が国の韓国への資金協力のうち農業関係はどのくらいあったのか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 農業関係に対する円借款は約八百五十億円でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 一九七〇年、昭和四十五年から始まったセマウル、新しい農村開発運動に対する援助は行ってきたのかどうか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 我が国が韓国に対して行いました技術協力の一環として過去に研修員の受け入れということをやっております。その中にセマウル関係の農業指導者が含まれているという実績がございますけれども、これ以外にはセマウル運動を直接の対象として経済援助を行った実績はございません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 韓国への援助に対する在韓の日本大使館による昭和六十年四月の評価の中で、セマウル運動のことに触れております。「大韓民国、「日韓農業共同研究」(プロジェクト方式技術協力)」の中で、  本プロジェクト発足当時の韓国の経済状況は、工業部門の高度成長と裏腹に農家所得の低下が激しく、両セクター間の格差是正、即ち高米価政策による増産意欲の向上を図るなど農業生産力の向上に努めると共に、一九七〇年よりセマウル(農村開発)運動を展開していたことから、かかる時期に農業技術に関する研究協力を開始したのは、真にタイミングを得たものであった。と記述されております。  そこで、日本輸出入銀行からの資金、海外経済協力基金等からの資金が韓国へ相当向けられておりますが、これらの資金がセマウル疑惑に巻き込まれていないのかどうかということは我々としても非常に関心がございます。調査する必要があるのかないのか、これはいかがでしょうか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 小川委員から御指摘のありました外務省の経済協力評価報告の中で日韓の農業共同研究というプロジェクト方式の技術協力の評価を行った際に、この研究が行われた背景に六〇年代の韓国の工業セクターの発展、それに比較して農業セクターがおくれている、その格差を是正するためにセマウル、農村開発運動というのを始めたわけでございます。そういうときにこういうプロジェクトが始まったのは非常に時宜を得ているという、背景の説明というところでセマウル運動についての言及があるわけでございます。  セマウル運動につきましては韓国でいろいろな報道がなされております。私ども関心を持っておりますけれども、これは基本的には韓国の問題であるということで、私どもとしては現時点で調査をするというような考えは全く持っておりません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 フィリピンのマルコス疑惑のときも我が国の経済援助のあり方が問題になったことは記憶に新しいところでありますが、輸銀や基金の資金が相手国でどのように使われたのかを調査もできない。しかも、こういった疑獄事件が起きた。会計検査院は調査できるのは、国内法と外国の関係でできないかもしれませんが、その場合これは外務省が外交ルートを通じて韓国政府に確認を求めることは、紳士的な態度の中で果たしてできるのかできないのかということが私たちは非常に関心を持つものでございますが、これはそういう先例があるのかないのか。また、例のマルコスのときはどうなったのかという例を引きながら、時間が来ましたのでこれで質問を打ち切らざるを得ないのですが、その辺いかがなものでございましょうか。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 簡潔にお答え申し上げます。  このセマウル運動にかかわる疑惑につきましては、現在韓国において同国の司法機関によって調査が行われているということでございます。それで、先ほどこれは日本から韓国に供与された資金の使用についてということで、これはその資金をいかに使用したかということは韓国の一義的に関心を持つ問題であって、私どもはもちろんそれが適正に使われたかどうかということに評価等を通じて関心を持っておりますけれども、ただ、この現在韓国で問題になっているいわゆるセマウル運動に関する疑惑というものは、一九八○年にセマウル運動本部が設立された以降の問題について、これは新聞報道でございますけれども、韓国側で司法機関の調査が行われているというふうに理解しております。この辺も情報入手に努めておりますけれども、しかしながら、私どもが先ほど韓国の農業セクターに対して援助を行ったというのはそれ以前の時点でございますので、そういう点からもちょっと直接関係はないのではないかというような印象を持っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 ちょっと肝心なことを、海外援助基金の問題とか輸銀の問題等を踏まえた中での御答弁がなされていないのですね。時間が来たからやめますけれども、何かわからないような顔をしているから、この次に聞きます。よく考えておいてください。  終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 まず最初に、奥野大臣の答弁について。  私実は午前中土地特別委員会で答弁を聞いていたわけでありますけれども、韓国はどうして反発をするのかわからないというような御答弁もございましたし、それから中国の新聞報道の反響に驚いた、これが遺憾であるというようなこういう御趣旨でございます。でございますから、私はかつての日本が中国に犯した罪あるいは韓国に犯した罪というものの御反省が全然ないというところに一番問題があると思うのであります。今も大臣、間接的に中国の新聞報道に出たことが遺憾だというようなお話がございましたが、出なければいいのか、こういうことではないと私は思うのであります。  そこで、今度中国へ行かれましてあくまでも個人的な問題だということでおさまるのかどうか。中国側は、注意すべきは個人の声ではないというような非常に強い問題があるわけですが、どのように釈明をなされるのかお伺いをしたい、こういうように思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 今さっき奥野さんがこの問題に関して本院の委員会で釈明をなさったということを伺いまして、今ちょっと秘書官に調べさせたのですが、詳細がわかりませんし、もう少し私は詳細をきちっと聞いてみて、かように思っております。なおかつ、韓国並びに中国に対する外務大臣としての見解は申し述べまして、私たちはそういう気持ちを抱いておる、にもかかわらず中国の新聞で奥野発言が問題になったということに対しては私は遺憾だ、こういうふうに申し上げておりますから、私らは、やはりそういう問題になるような発言が新聞に載ったこと、こうしたことに対しましては当然我が国の政府も留意、注意をしなければいけませんし、そういうことがあってはいけない、そういう意味で私は遺憾であると申し上げた次第でございます。  したがいまして、私が行きますまでにこの問題がおさまることを非常に私は心からこいねがうものでございますので、今からこれは中国に行ってこういうふうに話しますということを私の方から申し上げることはどうであろうか、こういうふうな考え方も現在ございますので、ひとつその点は御理解賜りたい、かように思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 事は国際問題でございますので、日本の真意というものをまた国民の気持ちというものをぜひ正しく伝えていただきたい、こう思う次第であります。  そこで、二番目に同じような質問になりますが、このたび包括貿易法案というのがアメリカの下院で可決いたしました。これに対して田村通産大臣が大変立腹をしてみえるわけでありまして、それはそれで私どももアメリカの態度というものについて強い不満があるわけでございますが、日本に対する人種差別、反日感情があるのではないかと思いたくなるほどで強い憤りを覚える、大国主義の思い上がりも困ったものだという記者会見がございます。これはいささか粗雑な議論ではないだろうか、物の言い方が。私はこういう記者会見というのは、今日アメリカが持っている日本に対するいろいろな意見があるわけですが、かえって火に油を注ぐような結果を生むのではないだろうかと思うのですが、外相としては田村発言についてどのような評価をなされるのか、お伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 私もこれは新聞で見ただけでございまして、直接御本人の意見を聞いたわけではございませんが、常に通産大臣は守備範囲が広いものでアメリカのいろいろな方々に出会っておられます。そして友人として常に言うておられることも多々あろうと私は考えております。したがいまして、そういう面からおっしゃったのではなかろうかな、かように存じております。恐らく通産大臣としては、そこまでこうした問題に関しては自制してほしいということを言っておったにもかかわらずこうなったからというふうなことからの発言ではないか、かように私は考えております。  もちろん、これがよしあし、私はそれをコメントする立場にはございません。しかし、確かに私自身もアメリカの方々に出会いますと、議会は政府同士がけんかをしても中に入るほどの冷静さが必要だし、民間同士がけんかした場合も議会がその中に入ってまあまあと言うのが議会の言うならば中立主義、さらにはまた議会のそうした使命である、こう考えると、包括貿易法案は我々が考えた場合には、これは自由貿易というものに対する一つの大きな障害になる、こういうふうに私も考えるから、ぜひともこの点はアメリカ議会においてもそのようなことのないようにお願いする、これは私は直接、この間参られました下院のフォーリー院内総務、マイケル院内総務、このお二方はそれぞれ民主党、共和党を代表する実力者でございまして、院内総務であります。それに随行されました下院の方々も八名ばかりおられました。そうしたところで言うべきことはきちっと言っておるような次第でございまして、恐らく通産大臣も、表現はともあれ、そうした気持ちをお訴えになったのだ、こういうふうに考えております。  したがいまして、余り極端な表現だと今草川委員が御心配になられましたようなこともあるいはあり得ないとも限りませんから、十分に今後そうしたこと一つに関しましても慎重を期さなければならないと思いますが、しかし、政府同士は今そうしたことを心配し合いまして、アメリカの政府は特にレーガン大統領が拒否権を発動する問題である、ここまで認識されて議会対策を進められておるということも事実でございますので、そうした全般的なものを考えながら今後我々といたしましてはこの問題に対処いたしたい、かように思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 政府間は一生懸命意思の疎通を図っている、議会というのはお互いに問題がある、一言で言えばこういうことになると思うのでございますが、問題は、この包括貿易法案が予想外に大差で可決をされるに至るアメリカの議会工作、これに外務省は大変努力をなされておみえになると思うのでございますけれども、残念ながらこういう結果になっておるわけであります。  そこで私は、これはきょうは決算委員会ですから申し上げるのでございますけれども、いわゆるロビイスト活動というのがあるわけです。このロビイスト活動という言い方をいたしますと外務省は大変嫌うわけでありますけれども、定義は明確ではありませんけれども、大使館の業務を補う意味で外国のコンサルタント事務所等と契約を結ぶ、そして各種の広報活動を行い、日本の立場が正しく理解をされるよう努力をする、そのための予算だというように私どもは聞いております。そこで、予算項目は自由貿易体制維持強化事務委託費として、六十一年度は三億六千万、六十二年度が三億二千万、六十三年度が三億七百万というような形で少しずつ逓減をしておりますけれども、三億近い金がコンサルタント予算として支払われているわけであります。このほかにも民間の各企業が雇っているところの予算額を合算をいたしますと、これは六千幾らでございましたか、かなりの大きい金額になると言われておるわけです。そういうコンサルタント業務をしていても今日のような事態を招くというのは一体どこに問題があるのか。コンサルタント業務というのはもう要らないのではないかというような感じもするわけですか、その点はどうでしょう。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 先生ただいま御指摘のとおり、日米の間の経済、貿易に関する諸問題につきましては、アメリカ議会の対日空気に大変厳しいものがあると外務省としても認識している次第でございます。そういう意味で議会に対する働きかけというのは極めて重要でございますし、鋭意努力しているところでございます。ただ、アメリカの行政府、議会への働きかけは、私ども基本的にこれは我が国の政府、特に大使館の独自の業務だと考えておりまして、基本的には松永大使以下、人数は大変少のうございますけれども、一丸となって努力している次第でございます。  他方、我が国の対米外交活動一つとりましても、行政府、議会に対する働きかけにとどまりませんで、各種の業界あるいはマスメディアその他極めて多岐にわたってアメリカにおける事情を把握するとともに、日本の実情を紹介するということが大変必要になってまいります。大使館のこのような業務を補う意味におきまして、米国の法律事務所あるいはコンサルタント事務所と契約を結びまして、調査の業務あるいは広報活動の業務を委嘱して、このような活動を通じまして日米間の活動の一層の強化に努めてきている、そしてそういう対米広報活動上、このようなコンサルタント業務は効果を上げてきているというように考えている次第でございます。  つけ加えますが、ただいま先生御指摘の予算の額は、その中でも自由貿易体制維持強化事務委託費というものの数字をお挙げになったと承知いたします。六十三年度には三億七百万円ということになっている次第でございます。ほかにも若干、広報PRコンサルタントとか経済PRコンサルタントの経費がこのコンサルタント関係経費として計上されている次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 外務省が六十一年から六十三年に予算を減らしてきているというのは、コンサルタント業務に対する評価を下げてきておるのではないか、こう思います。現在、二十社程度のコンサルタントと契約をしているという話でありますが、今後ともこれを使うのか。あるいは六十一年の二月にワシントンで総領事の方を集めまして広報会議が開かれたそうでございますが、対日批判はロビイストがマッチポンプ的な役割を果たしておるのではないかという議論がその際に出たようであります。こういうことも含めまして、民間を合わせると六千万ドル、こう言われておりますし、外国代理人登録法によりますと、これはアメリカの話でありますが、八五年度版の司法省の報告書にも日本が一番高いロビイスト費用を払っておるという評価がございますが、本当の日本の実情を説明するには、外務省が今全力を挙げておられるように、あるいはまた民間のいろいろな友好関係が深まることが大切であって、ロビイスト活動というような亜流というのですか、そういうのは採用すべきではないと思うのですが、その点どうでしょうか。

松田慶文外務大臣官房外務報道官

○松田(慶)政府委員 委員御指摘の対米理解を求める努力をさらに努めるという観点からお答え申し上げる次第でございますが、御指摘のとおり、いわゆるロビーイングということが私どもの対米理解増進のための大きな道筋だとは考えておりません。それはやはり私ども政府が実質的にいろいろと事柄を改善し、そのための広報をみずから行うことが本筋であろうと理解しておりますし、そのための補助的な業務を、広報資料の作成であるとか、いろいろな配付であるとかを含めましてPRコンサルタントを活用しておりますが、あくまでも責任は当省にあるわけでございまして、御指摘のとおり、そういったコンサルタントに頼ることなくみずからの責任と努力を満たすべしという御指摘は全くそのとおりでございまして、鋭意努力しております。広報のための在米総領事会議も実は先週ワシントンで本年度分を開催した次第でございますが、その場合も今委員御指摘のような努力の方向が出席者によって確認された次第でございまして、今後ともその方向で努力する所存でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 今度はODAの方に移ります。  先ほど来から議論に出ておりますが、この政府開発援助の拡充というのが今後の経済援助外交の大きな柱になる、当然のことでございますが、問題は、ODAというのはオフィシャル・ディベロップメント・エイド、公的援助ですね。すなわち公的資金を用いた援助の意味で、政府援助だけを指すのではないのではないか、私はこう思うわけです。OECDのDAC、開発援助委員会加盟国のこのODA資金を見てまいりますと、民間団体、これは労働組合だとかボランティア活動だとか宗教団体等を通じて相手国との協力に用いている率が非常に強いわけでございます。各国の表もございますが、時間もございませんので触れませんけれども、日本の場合を見てまいりますと、民間団体に対して協力をするという率は一番低い、こういうように思うのでございますが、それは一体なぜか、お伺いをしたい、こう思います。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 なかなか難しい御質問で、ちょっとお答えになるか自信がございませんけれども、やはり基本には民間のいわゆるNGOと言われる団体の活動が、欧米においては宗教、慈善等の長い伝統を持つ活動として広く行われており、かつ、いわゆる途上国世界にそういう団体のネットワークが広がっている。それに対して日本ではそういう慈善援助活動の伝統がなかった、いわば政府がやってきたことを民間も同じようなスピードでやっているというところに基本的な問題はあるのではないか、かように考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 政府が中心になってやってきた援助、特に有償援助が日本の場合多いわけですけれども、それが失敗をしているのではないか、失敗とまでは言いませんけれども、相手国の民衆の心をつかむことになっていないのではないかということが言いたいわけであります。スウェーデンの例なんかを調べてまいりますと、小さいときからボランティア活動を通じましていろいろな国際交流ができるように、特に飢餓国というのですか、低開発国の方々の援助等も、教育を通じて、あるいは品物を通じて行われる、それに対して公的援助がなされる、だから生きるわけですね。日本の経済協力というのは大型プロジェクト中心であった。しかも、その大型プロジェクトのあっせんをするのはおおむね商社が中心になるわけです。商社が、日本にはこういう制度があるから君たち受け入れるか、喜んで受け入れる、そして大きなプロジェクトが生まれる、こういうことになって、失敗もするわけであります。多少話は違いますけれども、IJPCなんというのは、そういう意味では最も最たるビッグプロジェクトの失敗の例ではないだろうかと思うのです。  最近外務省の経済協力局が、経済協力評価報告書というのを出すようになりまして、これは非常に立派なことだと思っております。ところが、この評価は必ずしも正確でない、こういうことを今から申し上げてみたいと思うのです。  例えば、これは六十三年三月の――イラクの医療機器供給プロジェクトというのがあります。これは七十ぺージに出ておるわけですが、協力金額は七十二・二億円、円借款、そして細かいことを申し上げますと、これは病院を全部で十三つくったわけであります。最初病院を五つつくりまして、後で八つ、大成建設が十一、フジタが二であります。私はこの病院へ行きました。全部の病院を見ておりませんけれども、最初の五つの病院ができるときに既に言われておったわけでありますけれども、これはすごいでかい病院ですが、つくっても医者がいない、看護婦もいない、これは本当に大人のおもちゃ的な要因があるという話が出たわけです。ところが、そういう評価というのはここに全然出ていないのですよ。非常にうまくいっておるという書き方なんですよ。しかも、中身によると、五年間かぎかけて病院は稼働しなかったのですよ、最初のうちは。今でも南部の方は戦争ですから、防空ごうのかわりになっているのですよ。それでメンテを頼むというような話が今日本にも来ておるわけです。その私が言ったような評価はここの中には全然書いてありません。  それから、そのほかたくさんありますけれども、「スペアパーツの迅速な購入等が施設の有効な活用の鍵である。」これはバングラデシュのところでございますが、私バングラデシュへ行きましたけれども、いろいろな訓練所ができましたけれども、日本の設計はもうオープンだから、泥棒が来て、ガラス窓を壊して、すぐ中へ入って器械を持っていってしまう、こういうわけですよ。こういう悩みがあるのですよ。だから行った青年協力隊の人たちが部品買うにも困るというような悩みは、ここの中にも出ていないわけです。  これもずっと例を挙げていきますと、ルワンダの例なんかでもあるわけですけれども、バスを与えるわけですよ。ところが、バスを四十一台持っていくのだけれども、その運転が乱暴だということもあるのですけれども、日本のバスは砂利道を走るようにできていないものですから、スプリングは折れるというわけですよ。スプリングが折れるから今度は高い材料に切りかえる、高度なハイテンの材料に切りかえると、今度は車のシャシーがかたいのでフロントガラスが割れる、こういうわけですよ。こういう例は全くむだな話だと思うのですね、たくさんの金が。  これは、基本的に民間団体を通じていろいろな交流をすれば、こういう今の私の指摘したようなことはないと私は思うのですよ。ところが、政府間だけの話あるいは中に商社が入って、商社が金もうけのためにこういうプロジェクトにしようじゃないか、あるいは日本で鋼材が余っているからどこどこに鋼材を運ぼうじゃないか、そこに実は政治家が介在をするわけでしょう。アンダー・ザ・テーブルということになるわけでしょう。そういう経済援助は本気でやめないとだめだというので、私は外国の例でDACのあり方を見ても、ODAというのは民間団体を通じて非常に大きなウエートが出てくる、そこで初めてせっかくのお金が生きると思うのでございますが、その点はどうお考えになられますか、お伺いをしたいと思います。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 大変広範な御指摘をいただいたわけでございますが、私の理解するところでは、ODAはいろいろ問題もあるのでNGOの活動の方をもっと力を入れるべきだという基本のお考えに対してどう思うか、こういう御指摘なんだろうというふうに理解いたしました。  私どももNGO活動の重要性というものは十分認識しておりまして、冒頭申し上げました日本のNGO活動の限界というようなものも他方ございますけれども、例えば政府の資金によってアジアのNGO機関を日本にお招きして日本のNGO団体と交流していただくアジアNGOフォーラムというようなこともやっておりますし、幾つかのNGO活動に対しては具体的な補助金の支給等を行うというようなこともやっておるわけでございます。したがいまして、一般論として申し上げますと、日本のODAを補完する、また日本のODAでできない部分にNGO活動というものの役割を見出していこうという基本方向については、これは政府としても重要な一つの検討課題である、かように考えております。今後ともそういう方向で考えたいと思います。  他方、日本の現在のNGOの状況等を考えますと、NGOというと三種類あるわけでございます。国際的な機関としてのNGO、例えばケアインターナショナルでありますとか赤十字とか、そういうものがあるわけでございますが、さらには最近、途上国のNGO活動というものが大変活発になっている国もございます。それに日本のNGO機関、これら三者のNGO活動というものがだんだん有機的な活動を遂げるようになってきているというような認識も持っておりまして、その中で何とか、これはやはり税金でございますので、アカウンタビリティー、ちゃんと説明のつく使い方をやはりしなければいけないという点も考えつつ、どのようなことができ、どのようなことができるかという点を今後とも鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私は、国際交流あるいは国々との友好というのは必ずしも金ばかりじゃないと思うのですよ。自分のことを言うわけではございませんけれども、私は長年盲導犬の育成ということに努力をしておるわけでございまして、中部盲導犬協会というものが私の地元にもあるわけでございますが、このたび、韓国には盲導犬が一頭もいないものですから、韓国の盲人の方々に盲導犬を差し上げようということをしております。今週中にようやく韓国の方からも盲人の方が名古屋の方へやっておみえになりまして、約二カ月間、中部盲導犬協会で韓国の盲人の方に日本の盲導犬を差し上げて訓練をいたしまして、二カ月間、費用は全部私どもが持ちまして、それで韓国に盲導犬を連れて帰ってもらう、これを毎年、一頭か二頭継続的にやろうということをやっておるわけであります。韓国側の方も大変喜んでいただいて、ことしの秋のパラリンピックでは、世界の盲人の方々が盲導犬を連れて行進しよう、こういう計画になっております。昨年の十月に日本から日本の盲人四人と盲導犬四頭を連れまして韓国を訪問いたしまして、明洞あるいは梨泰院を私ども買い物でずっと、一種のデモンストレーションをやりましたら、もう現地の韓国人の方に喜んでいただいて、日本はこういういいことをやってくれるのか、連日KBSのテレビに出ました。私はテレビに出ることがどうのこうのということはございませんでしたが、大使も、大変すばらしいプロジェクトを組んでいただいて、大使館としてもこんなうれしいことはないと喜んでいただいたわけです。要するに、やろうと思うと、そういう運動を積み重ねていくならば、海外経済協力、人の交流というのはもっと生きるのではないかと私は思うのですが、その点、大臣どのようにお考えになられるのか、お伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 草川委員がかねて韓国に対しまして盲導犬、ボランティアとして非常に大切なお仕事をしていただいておるということを承りまして、私も非常に感銘を深くいたしておった次第でございます。特にことしはオリンピックの後のパラリンピック、そうしたことを通じまして本当のグッドウイルと申しましょうか、よき善意が伝わるということは大切なことである、かように私も考えますので、そうした面におきましても我々は参考にさせていただきたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 韓国の話にもう一つ、ぜひこれは聞いていただきたいし、あるいは私どもが今考えておることについて御協力を願いたいことがあるわけでありますが、実は戦前に韓国から、当時朝鮮半島でございますけれども、学徒動員、勤労動員で大量の若い学生を日本に連れてきているわけであります。そこで、私今申し上げましたように名古屋でございますけれども、その当時中部地方は航空機産業のメッカでございまして、飛行機をつくっておったわけでございます。若い学生さんも名古屋に来まして、戦争の空襲によりまして犠牲になられた方も大変たくさんお見えになります。また、これはたまたま昭和十九年のことでございますけれども、十二月七日に東南海地震が起きました。これは中部地方を初め紀伊半島の方も大きな地震を受けたわけでございますが、そこで工場で働いてみえる学生の皆さんが随分亡くなられたわけであります。もちろん日本人も亡くなりましたが、当時の朝鮮半島から動員で日本にお見えになった方々もそこで亡くなっておるわけであります。  それが戦後になりまして、名古屋にあります三菱重工業、今の航空機になるわけでございますが、工場も慰霊碑をつくろうというので殉難の碑というのですか、もちろん工場で亡くなられた災害の方々も含めた霊でございますが、そういう塔ができたわけでございます。その塔の裏に銘板というのですか、戦前に空襲で亡くなられた方々あるいは東南海地震で亡くなられた方々の名前がずっと刻み込まれているわけでございますが、どうしたことか、今日でいう韓半島から学徒動員でお見えになった方々、徴用になった方々の名前だけが外されているわけであります。そこで、戦後いろいろと私どももかつて犯した罪というものの反省の中から、それは同じ場所で同じ仲間が霊を慰められるならばそこの中にも同じ扱いをしてもらいたい、そういう声が出てくるのは私当たり前だと思うのでございますが、そういうボランティアの声が非常に沸き上がっているわけであります。残念ながらそれはまだ実現をいたしておりません。しかも、当時亡くなられた方々の名前もいまだ正確ではないわけでございますので、きょうは厚生省がお見えになっておられると思うので、厚生省の方から昭和十九年十二月七日どのような方々が亡くなられたのか、死没者の名簿をお示し願いたいと思います。

山岸親雄厚生省援護局援護課長

○山岸説明員 お答え申し上げます。  東南海地震によりまして、ただいまお話しの三菱重工業株式会社名古屋航空機製作所、当時の名称でございますが、そこで亡くなられた方々につきまして、たまたま私どもが戦傷病者戦没者遺族等援護法という法律を所管しておりますが、その施行に関連しまして、昭和三十五年に厚生省から愛知県を経由しまして入手した資料がございます。名簿の写しが残っておりまして、それによりますと、東南海地震によって亡くなられた方の総数は六十一名でございました。そのうち半島挺身隊の死亡者とされる方が六名ございます。  以上でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 六名の方のお名前がわかれば発表していただきたいと思います。

山岸親雄厚生省援護局援護課長

○山岸説明員 仮名がありませんので正しい読み方かどうかちょっとわかりませんが、申し上げます。  宮本貞淑、呉原愛子、金田光子、大山福栄、山本貞禮、光沢禮子の六名とあります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 そこで、私どももこういう方々がどこからお見えになったのか、現在の韓半島それぞれの地域に散らばっておみえになりますので、家族の方々にも御連絡をしようというような運動もあるわけでございますが、そういう方々の訪問をいたしますと、実は挺身隊という言葉を聞いただけで身の毛がよだつという御家族もおみえになるわけであります。どうしてかといいますと、戦前日本の軍隊が強制的に当時の朝鮮半島の女性の方々を日本の軍隊の慰安婦に徴用してしまった。そして、戦争が終わったときにはそういう方々は半狂乱になってしまい、ほとんどが自害をするとかというむごい歴史的な傷跡があるのだ、そういう言葉を思い出すのだから、それは日本に残った君たち日本人が、これはそういう方々と違う学徒動員だということもはっきりと証言をしてもらいたいというような声もあるわけであります。そういうお話を聞きますと、我々は非常に胸が痛むわけでございまして、そういうところに先ほど申し上げましたように奥野長官の発言は非常に相手の国を理解していない、私はそう思うわけでありまして、あえてこういう例を出したわけでございますが、大臣の御見解を承りたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 韓国に関しましての今のお話は私も初めてでございますが、本当に草川委員は地元のことで大切な問題としていろいろと御腐心なさっておるということを承りまして、我々といたしましても当然のことでございますが、この問題は、・御家族に対しましてもそういうふうな誤解のないということを何らかの機会に速やかにやらねばならぬということを本当に私も痛感いたしました。  したがいまして、けさも新しい大使が表敬に参られまして、韓国も第六共和国が誕生したわけで、大使も、前の外務大臣が、日本を重要視して盧泰愚大統領から大使として選任を命ぜられました、このようにおっしゃってお越しになられまして、非常に大きな人事をして日本との関係をなお一層強固なものにしたいというときでございますので、私も、今申されましたお話は直ちに外務省といたしましても厚生省と御連絡を申し上げ、そして忌まわしき戦争の傷跡をふくように最大の努力をいたしたいと考えております。  以上であります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 ぜひこれは外務省としても、国内のことについては所管が違うかもわかりませんけれども、戦前の強制徴用をした方々あるいは学徒動員の今のような例、そしてまた霊を慰める場合についても日本人だけの塔が建って、同じ職場に働いておみえになった方々の韓半島出身者の方々の名前だけは除外をする、こういうことのないように、これこそ閣議でも、関係のそれぞれの企業にも、私全国にこういう例は山ほどあると思うのでございますので、ぜひ働きかけをしていただきたい、このことを強く申し上げますが、最後にもう一言お願いをしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 戦争中朝鮮半島に住んでおられた方々に対する当時の軍部、そうした関係者がいろいろと悲しい思い出をつくらせてしまったということは幾つも例がございます。したがいまして、既に日韓間は非常によい関係になっておりますが、まだそういう問題が残っておるということもやはり大切でございますから、私たちといたしましては十二分に配慮をし、またその人たちの御遺族の、また御本人の名誉というものを新しくきちっとするということが大切だと考えております。何らかの措置をとるように努力いたします。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 非常に前向きに答弁をしていただいてお礼を申し上げるわけでございますが、ぜひ今後とも御協力をお願い申し上げたいと思います。  そこで次に移りまして、私は海外経済協力というのは基本的には援助基本法というような法律が必要だという自論を持っておるわけであります。それはなぜかといいますと、きちっとした法律があった方が今後の経済協力、特に民生安定のため、平和目的のために日本の援助が使われるのではないか、こう思うわけでございます。なぜそういうことを言うのかといいますと、この四月にアメリカとフィリピンとの間で基地協定の見直し交渉が行われております。この基地交渉と日比関係というものが一体どうなるのかということがあるわけです。特にこの西太平洋における安全保障問題日本のシーレーン防衛の流れからいきますと、このフィリピンのスービック軍港あるいはクラークの空軍基地の維持費の費用の一部肩がわりというものが連動するのではないだろうかという心配がございます。先ほど来大臣は、全くそれは違う話だというような御答弁があったわけでございますが、私が実はかねてから気にしているのは、フィリピンに日本から造船所が一つつくられているわけです。これはスービックの軍港の反対側にあるわけでございまして、日本の場合は川崎重工業が中心になり、フィリピン側の企業と合弁で約百十一億の海外経済協力基金が円借款をもってつくられたわけでございますが、私もこの造船所へ行ってまいりまして米軍の司令官ともお会いして、米軍は、スービック軍港の反対側にあるわけですから、艦艇の建造というものをこの日本とフィリピンの合弁企業に申し出をするのではないですか、修理の依頼をするのではないですかと言って私は質問をしたことがございます。そうしたら、それはもう日本側次第ですよ、我々はいつだつてここへ、目の前なんだから、大きな造船所、修理工場があるわけですからここに入れたいのですよ、しかもフィリピンではそこに入る大型タンカー船というのはないわけですから、常識的に見るならばこの造船所がいずれは第七艦隊の修理艦艇を受け入れるのではないだろうかという心配をこの目で見てきたわけでございますので、あえて今回の米比基地交渉があったことを契機に改めて御質問をしたいと思うのです。  質問の内容というのは、この経済援助で行われた造船所が軍事目的に使われることはないのか、あるいは今までフィリピン側からあるいはアメリカ側から修理依頼が全くなかったのかどうか、依頼があったけれどもそれを断ったことはあるのか、お答えを願いたいと思います。

英正道外務省経済協力局長

○英政府委員 本件造船所をいかなる軍事目的にも利用しないということにつきましては、円借款供与に際してフィリピン側から明確な確認を得ておるということは累次国会における御質問で御答弁申し上げておるとおりでございます。実際にもかかる問題に利用されていないと承知しております。第三国に言及して云々することは差し控えた  いと存じますけれども、いずれにしても御懸念のごとき事態はないものと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いずれにいたしましても、フィリピンに限らず日本の経済協力というものはあくまでも民生安定、社会基盤の拡充、そういうところに目的があるわけでございまして、いやしくも軍需目的のためにそれが利用されては相ならぬと思うのでございますが、大臣の御見解もこの際あわせてお伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 今英局長からお答えしたとおりでございます。私もそれでいいと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 もう時間がございませんので、最後にイラン紛争の問題についてお伺いをします。  米軍によるところのペルシャ湾のイラン石油基地の攻撃は、限定的な作戦ということで一応拡大をしないと私どもは信じておりますけれども、問題は、日本はいち早く支持声明を出しておりますし、ペルシャ湾の動向については非常に重大な関心があるわけであります。この際、時間の許す限り外務省の方からこのペルシャ湾の紛争の見通し、これをお伺いをしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 今支援と申されましたが、実は私たちは支援という段階ではなくして、アメリカから事前に通告がありました爆撃の件に関しましてはアメリカの事情を理解する、こういうふうに申し上げたわけでございます。その点は直接艦船あるいは掃海艇を派遣しておられる英国のサッチャー首相が、支援する、こうおっしゃったのと日本とはその意味が異なるということも、この際でございますから御理解願いたいと思います。  事情とは何かということになりますと、機雷が敷設されましてアメリカの艦船がそれに触雷いたしました。大変な損害を出した。そこでその機雷を確認をした。紛れもなくイラン製の機雷であった。そういう意味で国連憲章に基づく自衛手段に出たのである、こういうことでございますから、そのことに関しましても我々といたしましてそうした事情ということを理解する、しかしながら、鎮静化することを望みますということをつけ加えておった次第でございます。  イラン・イラク紛争というのは大変なものでありまして、どこからともなくどちらの国にもまた支援をしておられる国があるのではなかろうか。そんなことで日本はもう本当に無手勝流と申しましてはいかがと思われますが、やはり国連重視主義でございますから、国連を中心といたしまして審議官を派遣し、みずからも外務大臣を招致してお話をし、イランの外務次官も来てくれました。そしてこの間、実は私たちが理解を示しますと直ちにイラクの方からは大使が参られまして、日本はイラン、イラクともに等距離だと思っておったがという抗議も受けております。しかしながら、いずれにしても爆撃をした方もあるいは機雷を敷設した方も、そうしたことをやっていると果てしなく紛争というものは続くので、日本としてはこの際きちっとしてほしいということを両国に申し上げておるということでございますので、今後もそうした努力を続けながら、国連の事務総長が言うならば紛争解決のそうした平和的な力をもってこの問題に乗り出しておられますから、私たちもそうしたことに対しましては全力を挙げて御支援を申し上げて、そして紛争を解決する平和的な貢献を日本も果たしたい、これが私たちの考えであります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 以上で終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 大矢卓史君。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 民社党の大矢卓史でございます。  日本の外交の主軸は、私どもは、日米安保の上に成り立った、お互いの立場を尊重しながらの経済協力、そして世界平和に向けての貢献であろうと思います。そういう観点から御質問を申し上げたいと思います。  まず、現在懸案となっております貿易摩擦、通産省の関係では包括貿易法案、また半導体の問題、ココムの問題、いろいろございます。通産大臣を通じてのアメリカとのこの解決、または、先ほどから言われておりますが、いろいろな発言等を含めて、通産省の考え方と、どういうそれに対する外務省の協力によってそれが一体となって推し進められておるのかということについて、お伺いをいたしたいと思います。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 お答え申し上げます。  最近の日米間の経済問題は、単に外務省のみがこれを取り扱い得るということではございませんで、関係省庁に広く関係しております。これは、最近、日本の経済自身が世界経済と深くかかわり合いを持っているということが具体的にあらわれてきていることだと考えている次第でございます。  最近日米間で行われました各種協議を見てみましても、公共事業につきましては建設省、運輸省、あるいは半導体の問題につきましては通産省、あるいは牛肉、かんきつにつきましては農水省といったところと深くかかわり合いがあり、かつ、各省庁が行っております国内の政策ともいろいろ関係する面が出てきていることは事実でございます。  外務省といたしましては、そういう内政、外交は一体であるという観点から、国内におけるこれら問題の持つ重要性にも十分配慮いたしまして、かつ、国際関係と申しますか、日本の置かれている国際的な立場、地位にも十分配慮しながらこういう問題に対処していかなければいけない、関係各省庁と十分密接な連絡をとりつつ、一体となって交渉を進めていかなければいけない、このように考えて問題に当たっている次第でございます。  以上でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 今、外務省の方からそういう見解が示されました。私も、本来は大臣が直接いろいろなことに当たられることが好ましいと思いますけれども、やはり多岐にわたっておりますので、その都度各省庁が行かれ、そして、大臣みずから出かけていっていろいろな交渉をやっていらっしゃいます。非常な御努力だと思います。  しかし、その間、やはりそれに対する外務省の役割はこれまた非常に大きなものがあって、私どもは、これからもどんどん外務省がその機能を発揮していただいて、日本の外交に遺漏なきを期していただきたい、そういう観点からお尋ねをいたしておるわけでございますので、通産省側はどういう受けとめ方をしていらっしゃいますか、お答え願いたいと思います。

伊佐山建志通商産業省通商政策局米州大洋州課長

○伊佐山説明員 ただいま内田次長からお話し申し上げた点と私どもは基本的に考え方を異にするわけではございませんで、私どもなりに直接率先して解決に当たらねばならない問題、これは多々ございます。そういった問題につきましても、外務省からいろいろと事前に援助をいただいたり、私どもなりに分析をして、それを外務省と打ち合わせをさせていただいて、それで日本国としての対応というものを、常に密接に連携をとりながらやってきておるつもりでございまして、今後ともそのような対応の仕方をしてまいりたいというふうに考えております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 東芝機械のココム違反問題、これまた通産大臣は非常なお怒りのようでありますけれども、これについて通産省はどのような御見解でございましょうか。

岩井篤通商産業省貿易局安全保障貿易管理室長

○岩井説明員 今先生御指摘ございました東芝等外国企業制裁条項に関しての当省の立場でございますが、この条項につきましては、他国の法令違反に対しまして、その国における制裁に加えて米国が独自の制裁を一方的に科するというものでございまして、私どもとしては、ココムの参加国が主体的にそれぞれココムの規制を行う、これがココムの基本的考え方でございますが、こういうココムの原則といいますか基本的考え方に反するものであるというふうに考えております。したがって、ココムの参加各国の協力の強化というもの、またそれの努力というものを阻害するものであるというふうに考えておりまして、非常に遺憾であるという感じを持っておるわけでございます。  当省といたしましては、昨年の大臣の二回にわたる訪米、それに引き続きまして累次にわたり、本外国企業制裁条項に反対であるという立場を明確にしてきておりまして、米政府からもこのような立場については理解を得ているところでございます。また、ことしの四月に入りましても、マンスフィールド大使に対してこういう立場を申しまして、大使からも、全く同感である、こういうような見解を聞いたところでございます。私どもとしましては、今後とも、こういう条項が成立することのないように、米国の行政府に対して、最大限の努力を行うようにということで要請していくつもりでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 国内における法令に従っての東芝機械の処分というものはそれなりに当然であったろうと私は思います。しかしながら、この東芝機械が輸出をいたしました機械が、果たして直接のアメリカが指摘するような形での影響があったのかどうか、これは議会のやりとりを聞いておりましてもいまだ私は釈然としない。そういうものがあったということが前提ですべてのことがなされるなら別でございますけれども、非常に消極的な肯定ということでございますけれども。これはやはり、軍事秘密は含むといたしましても、それが日本側に大きな責任があるんだということになれば甘んじて受けなければなりませんけれども、そういうことの因果関係はどの程度まで外交上つかんでいらっしゃるのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。

岩井篤通商産業省貿易局安全保障貿易管理室長

○岩井説明員 ただいまの先生の御指摘でございますが、当省といたしましては、東芝機械が虚偽の申請を行った、これは我が国の法令に違反しているということでございまして、我が国の法令に違反して非常に高度の工作機械がソ連に不正輸出された、このような事実に基づきまして、行政処分及び告発というようなことを行ったわけでございます。  因果関係の御議論でございますけれども、東芝機械の不正輸出とソ連の原潜のスクリュー音低下との間の因果関係につきましては、かねてから国会で総理大臣から御答弁を申し上げておりますように、大臣が訪米したときに、いろいろ米国等の関係者と各種レベルの情報交換を行っておりまして、そのような情報交換を通じまして、嫌疑は濃厚であるという心証を得ているところでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 それは、通産省としてはそういう嫌疑が濃厚であるということでございますけれども、外務省としてはいかがでございますか。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 外務省といたしましても、本件東芝機械の輸出と潜水艦の音の静粛化との因果関係につきましては、具体的な証拠は入手してないけれども、濃厚な嫌疑があるということでございまして、政府として一致した見解でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 ただ濃厚な嫌疑があると言うだけでは、軍事秘密として技術的な問題は別としても、それは私どもは釈然としない。しかしながら、これは日米間の大きな問題として、今後通産のサイドで、そういう濃厚な嫌疑というだけでやられることについて非常に不満であるということではないかと思いますけれども、それらのことを含めて大きな流れの中で、この問題について外務省は今後どのような見解をとり、日米間の貿易関係がどのように進んでいけばいいとお考えでございますか。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 先ほどちょっと言葉が足りずに、失礼いたしました。  濃厚な因果関係があるということでございますが、先生御指摘のとおり、翻って広くココムの持つ重要性を考えてみますると、今回因果関係のあるなしにかかわらず、東芝機械による本件輸出がやはり東西関係といいますか東西間の安全保障上に持つ重要性については我々も十分心しなければいけないところでございまして、このような本件輸出が行われたことは極めて遺憾であり、今後このようなことが再発しないように努力していかなければいけない。そのために政府といたしましても、輸出管理体制の強化等々万般の措置を講じてきている次第でございます。  さらに、東芝条項につきまして一言だけ私どもも外務省としてつけ加えさせていただきたいと思っておりますことは、在米大使あるいは外務大臣からも、いろいろなルートで、このような条項が成立しないように、最終的に法律にならないように申し入れをしているということでございます。     〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 これからももちろん、外務省を中心にまた通産省、この問題についての平和的な解決を図っていただきたいと思います。  農業問題、これも恐らく質疑があったと思いますけれども、これまた土壇場に来ているわけでございますが、この点の見通しについて、まず外務省、どのようにお考えでございましょう。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 日米間の農産物交渉におきましては、先生御案内のとおり、先般農水大臣が訪米されまして極めて精力的な交渉を行った次第でございますが、なお日米間の見解の格差が大きく合意に至らず、引き続きまして、農水省から真木局長以下さらに訪米いたしました。その後も、先方からスミスUSTR次席代表が訪日する等の機会をとらえまして、鋭意交渉を続けている次第でございます。  ただ、まだ現時点におきましては日米間の差は大変広うございまして、なお一層の交渉努力をしていかなければいけない現状にございます。若干具体的に申しますと、牛肉、かんきつにつきまして、米側は、自由化の時期を明示してもらわなければ困る、それが何年後になるのかはっきりさせろ、日本側は、そういう自由化の時期を明示することはなかなか困難であるという前提に立っている次第でございます。  ただ、自由化が何年後かにありました場合にどういうことになるのか、一つの仮説作業といたしまして、自由化に至る過程における各種の措置、枠の拡大等々がこの中には含まれますし、あるいは自由化後におきます特に国境措置でございますが、どのような代替措置をとっていくことになるのか、その辺についても、自由化ということを一つの仮説といたしまして日米間で議論を尽くしている、こういう現状にございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 農林省、どういう御見解でございますか。

野崎修農林水産省経済局国際部国際経済課長

○野崎説明員 ただいま外務省の方から御答弁いただいたことで、大筋同様でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 これは自由化を前提としながらということで、ある程度時期的に余裕があるという判断ですか。外務省と農水省は一緒だ、外務省の判断のとおりだとおっしゃるようですから、そこらのところもっと詳しく、外務省の方で入手しておられるアメリカの日本に対する態度、それをはっきりしていただかないと、私はいつも申し上げておるのですけれども、やはり農業政策をやる場合に、いかにも日本の国内だけでいろいろなことが解決をしていくような錯覚でやっておる。そして、今まさに何か自民党の党内問題のように思われておりますけれども、相手方のあることですから、自民党がどういう態度を決められようとも、日本とアメリカの外交問題としてこれがどう発展をしていくのか、そういう見通しがなしに頑張ろう、頑張ろうだけでは、かえって農民の方に将来を見誤らせることがあると思いますので、この点をお聞きをいたしたいと思います。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 現在行われております日米間の牛肉、かんきつに関する交渉と申しますか協議におきましては、アメリカ側はかねてより、もう過ぎておりますけれども、八八年四月一日からの自由化ということを強く主張してまいっております。ただ、四月一日からの自由化が不可能な場合には、いつから自由化できるのか自由化時期を明示してほしいということを言ってきている次第でございます。これに対しまして、日本側は、いや、自由化は国内の事情もあるしなかなか困難であるという前提に立っている次第でございます。  ただ、それだけでは議論が進展いたしませんので、万が一自由化をするということになりました場合に自由化に伴うどのような措置があり得るのか、仮説作業と申しておりますけれども、一つの仮定、前提を立てまして、双方で協議をするという意味での事務的な交渉は別途進んでおりまして、その中には、自由化後の代替措置ということでどのようなものがあり得るか。米側は関税のみということを言っておりますけれども、我が方といたしましては、自由化後といえども我が方が持っているガット上の権利は当然保持されるべきであって、ガット上整合性を持っている措置は日本の権利としてとり得る措置であるということを主張している次第でございます。また一つには、自由化後におきまして、畜産振興事業団の運用の問題ということも取り上げられている次第で、運用をどのように改善していけるかという問題を先方から提起されている次第でございます。  他方オレンジにつきましても、オレンジの自由化の時期、それからその後の、例えば米側が言っておりますのは、オレンジと本邦製ミカンとの間のジュースの混合の規制を廃止しろあるいは緩和しろというような要求が出てきている次第でございまして、この点についても一つの協議あるいは交渉の争点になっている次第でございます。  以上でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 言葉じりをつかまえるわけではございませんけれども、今の牛肉の問題で次長は、万が一自由化になるといたしますればというような御答弁でございましたが、そのような万が一の確率なんですか。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 いろいろ御説明申し上げましたけれども、先生御案内のとおりこれはまだ交渉中の事項でございまして、ただいま申し上げましたことは、先方あるいは我が方でいろいろ議論をしている中身の一部を申し上げさせていただいた次第でございます。ただ、具体的にこれがどのような形で日米間の協議が調うことになるのか、我々はできる限り二国間でこの問題を解決したい、日米の友好関係に基づき、かつ、竹下総理が一月訪米されました際の原則でございます協調と共同作業で日米間の懸案を解決していく、そのような精神にのっとりまして、できる限り二国間で解決を図られることを強く期待しているということは事実でございますが、具体的にどのような結末になりますかはまだ内容交渉中でございますので、先生にも御理解いただけると思いますが、これ以上推測でお話し申し上げられないということを御理解いただけたらと思う次第でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そういう事情はわかりますけれども、やはり外務省として国と国との間のもの、これが将来どうなるかという全体的な中で、関係省に対して過ちのない情報を提供していただかないと、今のように万が一程度のことなら、とことん反対してそれが通っていくということならそれで非常に結構でございますけれども、そうでないというのなら、そうでないような形のことでなければ、もう既に今言われております、自民党の中の内部調整の段階だと言われておる中で、まだ万が一ということでしたら、とてもこれはまとまりっこないと私は思いますが、いかがですか。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 私の言葉遣いが非常に悪うございまして、万が一と申し上げましたのですが、仮定としてといいますか、現在まだ決まっておりません。ですから、それが仮定の問題として、自由化される場合ということをそのような表現で申し上げた点、おわび申し上げたいと思っている次第でございます。ただいま先生の御指摘いただきました、外務省として関係省庁とも連絡をとりつつ、米側の要求も十分把握した上でしっかりやれという御指示につきましては、先生のお言葉を十分体して私どもも鋭意努力したいと考えている次第でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 これからの土壇場でございますので、日本の国益を損なわないように、国民全体の気持ちが通じるような解決を望んでいきたいと思います。  それで、この三月二十九日に合意をされたと言われております大型公共事業問題、この日米実質決着の内容についてお聞きをいたしたいと思います。     〔鈴木(宗)委員長代理退席、谷津委員長代理着席〕

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 先般三月二十九日に実質的に決着を見ました大型公共事業につきましての日米合意の、非常に詳細にわたっておりますのですが、概略を申し上げたいと思います。  まず第一点で、昨年十一月になりますけれども、日本側で決定いたしました関西国際空港に関して日本がとりました措置が米国にとっても満足のいくものであることを確認したということでございます。  第二に、特定の大型公共事業につきまして、日本の公共事業の手続に外国企業に習熟してもらうということを目的といたしまして、そのような七つの大型公共プロジェクト、公共事業プロジェクトでございますが、そのプロジェクトについて外国企業がこれに参入すると申しますか、具体的には指名ですとか各種情報の提供、入札期間等につきまして幾つかの特例を設けまして、これに参入しやすいような枠組みをつくったということでございます。  第三点といたしましては、このような大型公共プロジェクトに関連いたします民間及び第三セクターにおける事業につきまして、内外無差別の調達方針をこれら民間及び第三セクターの事業主体に対しまして政府から勧奨するということとした、大まかに申しましてこの三点から成っているものでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 運輸省から関西国際空港の方が来ていらっしゃいますので、今日本側が発表した手続がアメリカ側にとって満足をしたということのようでありますが、その内容、そして、今現在関西国際空港がどの程度まで発注事務が終わっているのか、これからどういうことがあるのかということをお聞きいたしたいと思います。

相原力運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○相原説明員 お答え申し上げます。  関西国際空港株式会社が関西空港の建設に当たっているわけでございますが、当初より原則として指名競争見積もりにより公正かつ内外無差別ということで発注を行ってきたわけでございます。二年ほど前からアメリカ等を初め外国企業参入問題等でいろいろと御要望がございまして、いろいろと日米協議があったわけでございますが、昨年十一月の日米協議の結果、特に一定金額以上の物品それから建設工事、コンサルティング業務の発注につきまして、特に手続の透明性の確保等を配慮いたしました手続を適用するということになったわけでございます。  若干具体的に申し上げますと、そのうち建設工事にかかわる手続につきましては、発注のつど官報に公告いたしまして三十日間の広募期間を設ける、そこで指名競争見積もりへの参加希望者を募集するというふうにいたしております。     〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕 それから、見積もり期間を六十日間とるということでございます。それから、指名業者名を日刊業界紙に公表する。その他細かい点いろいろございますが、大きく言ってこの三つの特色を有するものでございます。建設工事の対象工事については、七億円以上の滑走路、エプロン、ターミナルビル等の空港諸施設が対象ということになって、現在手続が行われることになっております。  それから、御質問の空港建設の実施状況、発注状況等でございますが、関西空港の工事につきましては、昨年の一月末に建設工事に着手いたしております。昭和六十七年度末の開港を目途にいたしておりまして、現在空港島それから空港島に連絡する連絡橋の工事を鋭意進めているところでございます。工事は極めて順調に推捗しております。護岸につきましては、既に海底の地盤改良工事も完了しておりまして、その一部は海面上に姿をあらわしております。それから、連絡橋の橋脚でございますが、これについても、全部で三十一基ほどあるわけでございますけれども、そのうち五基については既に設置がなされております。  それから、契約の関係でございますが、既に先ほどの護岸工事とそれから埋立区域の地盤改良工事につきましては、すべて契約が済んでおります。今後の主な契約といたしましては、ことし末ごろから予定しております埋立工事、本格的な土砂投入に伴う埋立工事を行うというのが今年末ごろに予定されているわけでございます。それから、連絡橋の工事についての契約でございますが、これも契約については既に六十二年度末までに上部工それから下部工ともに契約は終了しております、工事は引き続きやっておるわけでございますが。それから、今のは空港島それから連絡橋でございますが、空港島ができ上がった後の空港の基本施設の建設、これは六十五年度から建設工事に取りかかる予定でございまして、現在は基本設計、実施設計等を今後進めるという段取りでございます。  以上でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 アメリカが参入できるというのは、可能性のあるものはこれから幾つかやはりあるわけですか。そしてまた、これからまだまだ多くの発注事項があるということですか。

相原力運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○相原説明員 先ほど申し上げました手続につきましては、透明性を確保したということで内外無差別の手続でございまして、したがってアメリカ企業を初めもちろん日本企業にも平等に取り扱うような手続を用意したということでございます。  それで、先ほどの手続でございますが、対象が七億円以上の滑走路、エプロン、ターミナルビル等の空港諸施設の建設工事と申し上げましたが、これは逆にいいますと、護岸それから埋め立て、連絡橋工事につきましては一応これの対象外ということで従来の手続をそのまま踏襲するということでございますが、先ほど申し上げましたように護岸工事と連絡橋工事はすべて発注済みでございますし、埋立工事の一部についても既に発注済みである、あるいは埋立工事の残りにつきましても着工時期が極めて切迫している、あるいは非常に水深が深いところで軟弱地盤という自然条件が非常に特殊である、特定の工法が必要であるというようなことを勘案いたしまして、これらの工事は従来の手続をとるということでございます。このことにつきましては、アメリカ側も了解いたして手続がつくられているということでございます。  それから今後、発注といいますか外国企業の参入見込みでございますけれども、先ほど申し上げましたように本体工事につきましては六十五年度以降から取りかかるということでございますので、ターミナルビル等の建設工事自体はいましばらく先の話になるのではないかということでございます。ただ、それ以前の段階といたしまして、空港基本施設、滑走路、誘導路、エプロン等でございますが、航空保安施設、それからターミナルビル等の基本設計、実施設計等コンサルティング業務の一部でございますが、そういう施設の設計作業についてはこれから発注するという計画でございますので、そういうものにつきまして外国企業にも参加する機会があるということでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 いろいろ説明していただきましたけれども、聞いておりますと設計業務、コンサルタント業務についてだけはこれからも参入機会があるというふうに私は解釈いたしました。――時間がございませんので、何か……

相原力運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○相原説明員 私の御説明がちょっと不適当であったかもしれませんが、近い将来は設計業務ということでございまして、六十五年度以降は本体工事の工事につきましても当然参加する機会があるわけでございます。それはただ空港島が完成した後でございますので、六十五年度以降に工事が始まるということでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そういうことでございますので、一応そういうことでお聞きいたしておきますけれども、それ以外に七つのプロジェクトの名前が挙げられておりますし、またそれ以外に第三セクター等がやりますものがもろもろ挙げられております。これらをわざわざ挙げて何をするのかといいますと、その指名の基準にございます外国における実績を国内実績と同等に評価するということであります。そうなりますと、ただ単にこれを合意だということで受け取っておりますと――ただ、そういうことが、このもろもろの工事に関して外国における実績を国内実績と同等に評価して指名することがあり得るというだけのことなんですか、それとも、すべてのところに指名をされるということですか、いかがですか。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 今回合意に基づきます指名の基準として、外国における実績を国内実績と同等にカウントするということは、その実績をカウントされた結果指名されることがあり得るということでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 皆目指名されないこともあり得るというふうに解釈していいのですね。ですから、そういうふうな解釈が、日本的な解釈であって、果たしてアメリカの解釈になっておるのかどうか。まして指名はされますけれども、それが落札できるかどうか全くわからない。一般的に日本の工事に対して、官庁はもちろんのこと民間においても、そういう外国における各社の実績を評価してその機会を与えなさいというだけで済むことが仰々しくいろいろなものを出してくる。そうしますと、こちらの業者側からいたしますとそういうものが全部持っていかれるのではないかという心配があるし、またアメリカ側の期待が非常に大きいとなりますと、今のようにただ単に資格ができただけですから、指名競争入札のその中に入れてもらえる条件ができたので、入れる入れないはそのときの施行者によるのだということになりましょうし、またそれを落札するしないはその組み合わせの業者のあれによるということで、これはどのように私ども解釈をしていったらいいのか。  といいますのは、私もアメリカへ行かしていただいて、共産圏は私は大体全部回ってきましたので、共産圏というのはどこの国でもやり方が同じですからわかるのですけれども、自由主義圏というのはみんなおのおの、議会の制度も違いますしすべて違います。まして日本とアメリカというのは一番仲よくしなきやならぬ国でございますけれども、経済体制が全然違うわけであります。そして日本は日本としてのこれまでのやり方が正しいと思っておりますから、その上に立ってのいろいろな交渉があります。アメリカはアメリカで、アメリカの今やっておること、私どもも正直申し上げまして理解しにくい面がございます。議会にいたしましても、また経済にいたしましてもわかりにくい。その中で日本は日本の解釈をし、アメリカはアメリカの解釈をいたしておりますと、同じ土俵の上で、お互いに同じ表現で交渉をしてまとまったことでありますと、それはやはり日本側の今の説明のように、やってみて、努力してみてとれなきゃとれないことだということになりますけれども、果たしてそういうぐあいにアメリカが受け取っておるのかどうか。せっかくこのことはまとまりましたという結果、アメリカの方の企業で非常に参入に意欲的であるけれども、しかしそれが参入きるかできないかということについても別に言質を与えたわけでもない。それは日本側の業者に対して言う言葉なのか、それとも本当にそういう気持ちなのか。そしてまた、それが参入できた暁に落札できるかどうか。それまたあなた方の努力ですよ。といいますのは、今日本の企業が、公共企業も含めてやはりある程度の、いい意味でいいますと調整、その上に立っての発注がなされておる。果たしてそれがわかった上でアメリカが来られるのか、それとも今回のこの問題についてはそういうものは御破算にして本当に公平な形で入札をしていく、そして勝ったところがやっていくということになるのか。そこらの点はどのような日本側の理解またアメリカの理解なのか、その点をお答え願いたいと思います。

内田勝久外務省経済局次長

○内田(勝)政府委員 先生ただいま御指摘いただきましたとおり、各国の公共事業あるいは建設事業の制度と申しますのは、各国それぞれの文化ですとか社会のシステムに深く根差しているところでございまして、各国別に相当異なった制度を採用しております。ただいまここで各国別の差異を申し上げる時間はございませんけれども、日本の場合にも同様でございまして、日米間の今回の交渉の前提といたしまして、日本の建設、公共事業の制度、枠組みの中で可能な限り外国企業の参入を容易化する措置をとる。日本の持つ一つの制度の中には当然、単年度予算制度でございますとか指名競争入札といったような仕組みが入ってくるわけでございますが、その枠組みの中でできる限り外国企業の参入を容易にする措置をとる。と申しますのは、機会の平等、機会を提供するということでございまして、その結果を保証する、具体的には米国企業が日本の建設市場で何らかの仕事をすることを保証しているものでは毛頭ございません。日本の企業と平等の立場に立って、しかしそういうことではなかなか米国企業としてやりにくい点もあろうかと思うわけでございますから、指名の期間ですとか情報提供その他につきまして、日本の制度の枠組みの中でできる限り緩やかな制度と申しますか枠組みを今回つくったということでございます。したがいまして、その結果として出てまいりますことは、日本側も当然のことながらこの枠組みを誠実に実施していかなければいけないわけでございますけれども、このような枠組みをアメリカ企業、さらには外国企業ができるだけ積極的に活用して、ぜひ実績を上げてもらうように、むしろそういう努力を米国企業、外国企業に求めていくというのが私どもの立場でございます。  以上でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 日本でも自由にやれるといいますけれども、自由にやれたことはないわけです。そういうことを知っていて言うのかどうか知りませんけれども、日本の企業ですら枠にはめられて、いい言葉で言う調整の中で業界がもたれ合いで生きてきているわけです。そこへ外国企業にいらっしゃい、いらっしゃいと言ってみたところで、実際にそういうことが可能なのかどうか。アメリカがそういう大きな期待を持ってきたときに、まただまされたということになりますと、かえって長い日米の友好関係に傷がつくということを私は心配して、なぜこのようなことをされたのか。それよりも一般的に大きく開放して自由にいらっしゃいということなら、そこはそれから先は努力ですけれども、わざわざ幾つかのプロジェクトを挙げてここに参入さすということになりますと、物すごい期待を持ってくると思いますから、そこでそれが実現しなかった場合に後々の友好関係にひびが入ることを非常に恐れております。  時間がございませんので、先ほど問題になっておりました自由貿易体制維持強化事務委託費でございますけれども、アメリカとの大きな違いはロビイストがあるということ、これに当てはまるのですか。僕が説明を受けました段階ではそのように聞いておらなかった。いかがでございますか。

有馬龍夫外務省北米局長

○有馬政府委員 日本政府は、米国におきまして議会あるいは行政府と接触いたします際、専ら政府あるいは大使館が行っておりまして、いわゆるロビイスト活動は行っておりません。先ほど御紹介いたしました数字は、ロビイストではなくて、PRコンサルタントでありますとか経済コンサルタントでありますとかその他大使館の補助的な仕事をするところに支払っているものでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 ロビイスト、ロビイストでその国々の制度がある限りにおいてそれは利用されること、私は当然であると思います。日本の外交が過ちないようにするためには、こういう自由貿易体制維持強化の事務委託費でございますか、六つの国々のところの各事務所と契約を結んでやっておるようでございますけれども、これをもっともっと活用して、日本外交が過ちないように今後とも強力に進めていただきたい。  先ほど私いろいろなことをお聞きいたしましたけれども、要は、日米間が今後友好にずっと続いていかなければならぬと思います。今いろいろな問題を抱えておる中で、これからも大いに活躍していただくこと、これを最後に大臣の方から御所見を願って、質問を終わらせていただきたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 いろいろと公共事業を初め日米間の問題の関心深き点を御披瀝賜りまして、非常に参考になりました。レーガン・竹下会談におきましては、どんどんと科学が進展し、あるいは商品が近代化する、その都度いろいろな問題が出るだろう、しかしそれらは縮小均衡ではなくあくまでも拡大均衡で両国は努力して、そして一つ一つ解決するようにしましょう、そういうことで、今日おおむねその線でずっと来ておるのではないか、かように考えておりますので、今御指摘の段は我々政府といたしましても十二分に留意をしながら、やはりそうしたことがまとまればまとまっただけの成果が上がるようにしなくちゃならない、かように思っております。  以上であります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 野間友一君。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 御苦労さんです。まずナミビアの問題から質疑をしたいと思います。  南アフリカつまり南アが国連の勧告を無視して今ナミビアの領土を不法、違法に占領し、その支配がずっと続いております。一九七四年九月二十七日、国連のナミビア理事会が制定しましたナミビアの天然資源に関する布告、これについて、我が国は当然これを尊重し拘束されるというようなことについてはつとに国会でそれぞれの総理あるいは外務大臣が述べておられますが、これを今もずっと維持されると思いますが、いかがでしょう。

遠藤哲也外務大臣官房審議官

○遠藤(哲)政府委員 そのとおりでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ところで、いわゆる国連ナミビア理事会、これはこれまでナミビアでの天然資源の採掘あるいは輸出を許可したケースがあるのかないのか。いかがでしょう。

遠藤哲也外務大臣官房審議官

○遠藤(哲)政府委員 あるとは承知しておりません。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ないですね。  通産省、日本の電力会社七社がリオ・ティント・ジンク、これは略してRTZ社と言いまして英国に本社がありますが、これとウランの供給契約を結んで供給を受けておると思いますが、その事実の確認と、その量は幾らになっておるのか、明らかにしていただきたい。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 我が国の複数の電力会社が、今御指摘のリオ・ティント・ジンク社でございますが、それとの間に天然ウラン購入契約をしております。これは天然ウランを六弗化ウランに転換した後に引き渡されることとなっておりまして、そういう契約をしておりますが、量につきましては個別の会社の個別の契約でございますので、お許しをいただきたいと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 今ある契約、トータルで四万八千トンじゃありませんか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 リオ・ティント・ジンクとの量につきましてはただいま申し上げましたようなことで個別の問題でございますが、トータルとして見てまいりますれば、イギリスから日本が購入している量というのは大体先生のおっしゃった数字でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 わざわざイギリスと、それは前置きは要らぬと思うのです。少なくともRTZから入れた、入れる、このトータルが今言われた数字であります。それは認めたとおりであります。  そこで、外務省に聞きたいのですが、八一年七月に国連のナミビア理事会が「ナミビア・ウランについての公聴会」、これをニューヨークでやりました。これは日米、それからヨーロッパ、この多国籍企業、原子力産業がナミビア・ウランを盗掘し、これは盗掘になるわけですから、許可なしにそこで掘って外へ出すということは泥棒です。そして密輸出しておる実態を明らかにするために開かれたと思いますが、いかがでしょう。

遠藤實外務省国際連合局長

○遠藤(實)政府委員 今委員御指摘のナミビア理事会の公聴会でございますが、これは一九八○年の七月ではないかというふうに承知しておりますけれども、八○年の七月に開催されております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ここで日本からも参りまして公述人が公述していますよね。私も若干それ読ませてもらいましたけれども、いろいろな実態が出ています。  そこでお聞きしたいのは、先ほどRTZ社の話をしましたが、これは世界の非鉄金属の多国籍企業の最大手です。御存じのとおりなんで、これはナミビアにおきまして一九六六年だと思いますが、南ア政府から開発権を得てロッシング・ウラニウム・マイン社というものをつくる。そして酸化ウランの盗掘、輸出、販売を行っておるということも先ほど申し上げた公聴会でも問題になったわけですけれども、こういう事実については御存じなのかどうか。これは外務省と通産省、エネ庁、両方に聞きたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 RTZ社とナミビアの領域内にある会社との関係につきましては新聞報道等で私どももいろいろと知識を得てはおりますけれども、当省といたしましては、個別の会社のウランの調達先につきましてどういうところからしているかということについては知り得ない立場にあることを御理解いただきたいと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 外務省、この公聴会で私が申し上げたことは相当論議になり、日本からの公述人も具体的、詳細に述べておりますが、いかがですか。その事実だけの確認です。

遠藤實外務省国際連合局長

○遠藤(實)政府委員 日本からの公述人の御発言、詳細につきましてはただいま私どもの手元にございませんけれども、この公聴会の報告書によりますと、若干のナミビア・ウランが日本への再輸出の目的で米国に輸送されている。ロッシング鉱山は日本との間に長期契約を有しているという形で我が国に言及しておりますほかに、リオ・ティント・ジンクの日本における使用、販売エージェントとして我が国企業の名前が挙げられております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 そこで外務省、これは大変大事なことだと思うのですね。ナミビアが今不法に支配しておる南アから独立をして本当の国をつくる。それまではナミビア理事会が全部行政権、機関として権限を持っておるわけでしょう。だからここでの天然資源、とりわけ、鉱物もそうですが、これについてはとにかく探査から採掘から製練から搬出、輸出、もう一切のことはできない。これが例の布告の一号ですよね。しかもこれをやった場合にはこれは没収する、そして将来の独立したナミビアのためにこれを保管する、こういうような厳しいものがありますよね。ところが実際に今申し上げたようにRTZ社が子会社ロッシング・マイン社、これをつくりまして、ここでどんどん掘って外へ出しているというのが事実なんですが、これはもうまさしく泥棒なんですよ、この会社というのは。こういうことについて布告一号に違反するということを私は申し上げたいわけですけれども、外務省いかがですか。

遠藤哲也外務大臣官房審議官

○遠藤(哲)政府委員 冒頭私からお答え申し上げましたように、日本政府といたしましては従来からナミビア布告を尊重している、政治的な意義を理解しておるということでございますが、先生御指摘のように二つに分かれるかと思います。  一つはロッシング社と日本の電力会社とのウランの契約の件、それからもう一つはリオ・ティント・ジンクと日本との関係、この二つに分かれるかと思いますが、まず最初のロッシング社との関係につきましては通産省の方が答弁はいいかと思いますけれども、これにつきましては長期契約は一九八二年に解約されております。  後者につきましては、先ほど通産から御答弁しましたとおりでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 今もどんどん入っておるわけですよ。これは将来契約についてもエネ庁で認めたわけですけれども、これを破棄すべきですよ、継続契約ですから。要するに泥棒ですよ。泥棒から盗んだ品物を買いにいくなんてとんでもないですよ。  そこで、もう少し具体的に聞きたいと思いますが、エネ庁、本当にこのRTZが子会社をつくって、その子会社、ロッシング社がどんどんナミビアで掘っておる、それを搬出しておるという事実を知りませんか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 我が国の電力会社でございますが、ナミビア領域内の鉱山会社、今御指摘のロッシング鉱山株式会社かと思いますが、そういった鉱山会社と天然ウランの購入契約を結びましてナミビア産のウランを購入しているという事実はないわけでございます。  なお、今後段の方で先生が御指摘になりましたRTZ社との関係でございますが、これは先ほど答弁申し上げましたように、購入契約におきまして天然ウランを六弗化ウランに転換した後引き渡されるということになっておりまして、その当該六弗化ウランがどこから来ているか、その原産国については知り得ない立場にあるわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 そう言われると思うのです。  そうしますと、RTZ社から電力会社等が購入しておる、六弗化ウラン、それは認めたわけですね。そのRTZ社は今申し上げた六六年に南ア政府から開発権を取って、そしてロッシング社をつくって、ロッシング社がそれを掘って、それをRTZ社が世界にばらまいておるという事実ですね。これは事実であれば布告一号との関係はどうなりますか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 繰り返しで恐縮でございますが、RTZ社がナミビアの領域にございます会社との関係でどういう関係を持っているかについては私どもとして承知してない立場にありまして、あくまでも我が国の電力会社はイギリスのRTZ社から六弗化ウランを購入するというポジションになっているわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それでは重ねて聞きますが、これは正確にはロッシング・ウラニウム・マイン社と言うのですけれども、これがRTZ社の子会社であるという事実についてはどうですか、御存じですか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 新聞報道では承知をしておりますが、正確なところは私どもとして承知をしておりません。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それではロッシング・マイン社がナミビアでウランをどんどん掘っておる、そしてそれを売っておるという事実は御存じですか、どうですか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 ただいまの御質問につきましても先ほどと同様でございまして、新聞報道等ではそういう記事を私どもも拝見しておりますが、正確なところを私どもとして承知しない立場にあるわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それじゃそういう答弁を前提にしてお聞きしますが、子会社を使って掘ってそしてRTZ社がそれを処分する、処分したものを買うというようなことが事実であるとするならば、これは例の国連ナミビア理事会の布告一号に違反する許されない行為だということになるのじゃないでしょうか。外務省でもどちらでも結構です。

遠藤哲也外務大臣官房審議官

○遠藤(哲)政府委員 RTZがどこにどういうふうな鉱山会社を持っているのか、私自身つまびらかにしておりませんし、今先生の御質問もちょっと仮定の御質問で、私といたしましては何ともお答え申しかねる状況にございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 だから、布告一号というのはそこまで拘束力があるのですよ。政府は守らなければならぬ、国会で何度も答弁しておるわけです。エネ庁、今知らぬ存ぜぬで報道だけだと言いましたけれども、あなたそんなうそを言ってはだめなんですよ。ここは国会、神聖な場ですから。  金属鉱業事業団が海外鉱業情報というのを出しています。これは御存じでしょう。金属鉱業事業団といえば、これは政府一〇〇%出資で通産大臣の監督下にある法人ですよね。特殊法人、法律に基づいた法人です。この八七年の七月号の中で、ここの事業団の職員の方、これはナイロビの海外調査員澤田賢治さんという人が調査の結果を報告をしているわけです。そのタイトルは「ナミビアの動向と鉱物資源」。直接の所管で長が、報道報道といいますけれども、こういうみずからの監督下にある事業団のものを読んでないというようなことは許されませんよ。うそを言っては困る。どうですか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 確かに御指摘のとおり、金属鉱業事業団につきましては私どもの所管に属する事業団でございます。ただ、今御指摘のございました雑誌につきましては、たまたま私も不明なことで申しわけないのでございますが目を通してなかったわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますのは当省としての立場でございまして、新聞報道その他の個人的な見解というのは一般論としてあり得るというふうにお考えいただけたらと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ちょっとお許しを得て、参考までに資料をお配りしたいと思います。  これは資料一というのは、「ナミビアにおけるロッシング・ウラニウム社のウラン採掘」これをごらんいただきたい。これが海外鉱業情報の中に出ておる、そこから抜粋したのです。表の一というのは、ナミビアにおける主要鉱産物の生産推移。太く引いておきましたが、酸化ウラン、八一年から八五年まで、四千三百、四千百、四千、四千、四千と生産トンが書いてあります。ナミビアではウランをだれが掘っておるかというと、表の二を見ていただいたらいいのですが、ロッシング・ウラニウム・マイン、これも太線で囲んでおりますけれども、これしかないわけです。主要株主を見ていただきたいと思うのです。リオ・ティント・ジンク・コーポレーション、こうあります。それから主要鉱産物が酸化ウラン。これは政府の調査でもこうなっておるのです。新聞情報だなんて、そういうでたらめなことを言わないでほしい。これは事業団の人が一生懸命調査したのです。ナミビアに行って。この雑誌の中にありますよ。だからこれからも明らかなように、ロッシング社というのはRTZの子会社なのです。相当な資本を投入しておるのです。こういう事実を知らぬなんというようなばかなことを言わないでほしいと思います。これは四六・五%がRTZの資本です。私のような素人でもこんなこと調べたり勉強したらわかるわけです。あなた方専門家が知らぬ存ぜぬ、情報だけだ、そんなうそを言っては困ると思うのです。ここは国会ですから。  ですからここで明らかなように、RTZの子会社が毎年これだけ掘っておるわけです。そして掘ってその親会社を通じて世界にばらまいておるわけです。だからこういう事実、これは本当に大変なことなんですよ。これを政府は認めたら泥棒に加担して不法行為をやっておるわけですから、それはなかなか言いにくいと思うのですけれども、だからあなた方は今までの国会の答弁を見ましても逃げております。これは混合してそれで濃縮して云々と言います。しかし問題は、今も通産省認めましたけれども、RTZから買い受けておるわけです。買い受けておるRTZはここのナミビアから子会社を使ってどんどん掘っておることは事実ですから、調査録が出ておるわけですから、これが事実であれば布告一号違反で、これは全部契約破棄しなければならぬ。当たり前なんですよ。外務大臣お聞きになりましてどうお考えですか。これは布告一号に明らかに反しておると思うのですが、いかがですか。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 いろいろそうした御疑念はあるかもしれませんが、やはり先ほど来担当官がお答えしておるというのが現状であろう、私はこう解釈しております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 弁舌家の外務大臣も、これは実際になかなか言えないわけです。事実が明らかになったら困るからです。もしこれが事実であれば、布告一号に反する、これは実態かどうか別にしてですよ。このことについて明らかにしてください。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 先ほど来資料もちょうだいいたしまして、この統計につきまして確かに金属鉱業事業団の資料から先生が見つけられたということでございまして、私どもの不明をおわび申し上げるわけでございますが、こういう関係から見てまいりますと、資本的にリオ・ティント・ジンクの関係のある会社であるということが明らかであろうかと思います。  ただ、私どもの日本の電力会社が購入しておりますのは、あくまでもイギリスのリオ・ティント・ジンク社からでございまして、日本におきましてこれを統計的に把握する場合には、結局イギリスからアメリカに六弗化ウランが参りまして、それが濃縮された形で日本の通関統計に入ってくるということでございまして、そこのところはあくまでもアメリカからの統計ということになってしまうわけでございます。新聞報道等ではいろいろ言われておりますが、日本の政府の正確な立場といたしましては、これはあくまでも日本の電力会社がリオ・ティント・ジンクから買っておるというふうに判断をするわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 RTZ社について聞きますが、国際的な大泥棒で、要するに自分の配下の者が盗掘してそれを外へ出しておるわけです。そういうRTZ社とこんな契約をやるということはまさしく布告に挑戦することになりますよ、違いますか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 いろいろと国内の規制なりあるいは国際的な規制があるわけでございますが、その規制の中で許される範囲におきましては民間の自主的な判断というのが基本になるわけでございまして、我が国の電力会社は現状においてそういった形でイギリスのリオ・ティント・ジンク社と契約を結んでいるということは、基本的に民間の判断に属することかと考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 だんだん苦しくなりました。当然なんですよ。  これはかつてナミビアから直接八千二百トン関西電力が入れておって、これが国会で大問題になりまして、ちょうど社会党の岡田先生がこれを暴露して、その結果関西電力は全部契約を破棄したでしょう。それは布告一号に反するからですよ。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 ただいま先生が御指摘になられた事案というのは、確かに私ども承知をしておりますが、ただこれは一九六七年に契約を結んでおりまして、その後七四年にこれまで御議論の出てまいりました布告が決められたわけでございます。八二年に解約をしたというのはそういった新しい国連での動きを踏まえて、当該電力会社が解約をしたものというふうに承知をしております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 だから、これは当時の宮澤外務大臣の答弁、昭和四十九年にもありますが、国だけではなくて民間企業も当然これに従ってもらう。当時の三木総理も国連のこの決議に従ってやるんだと明確に言っておるわけですよ。だから、関電等のあれもパアになったわけです、実際に。そうでしょう。それだけ大事なものなんですよ、これは。だから、私はそれと同じようなケースだと思うのです。大体泥棒から物を買う、これはまさに泥棒ですよ、布告一号からすると。そうでしょう。RTZ社が子会社、自分の配下を使って盗掘し、それを世界に売り払う、こういうようなものと契約する。今民間企業の判断に任すと言われましたけれども、通産省が自分の所管の公益事業の電力会社が泥棒から物を買うような、こんなことは許してはならぬと思うのです。私は、国としても毅然として布告一号に基づいてこういうRTZ社から買うということはやめる、契約を破棄するというのは当たり前であると思うのです。いかがですか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 先ほど来御指摘のございます過去の事例につきましては、これはナミビア産のウランを直接日本の電力会社が購入していたわけでございまして、これは布告一号に触れるということでございます。しかしながら現状を見てみますと、先ほど来御説明申し上げておりますように、イギリスの会社から買っておるということでございまして、それの原料がどこから来ているかということは私ども知り得ない立場にあるわけでございまして、その辺は重ねて御理解をいただきたいと思うわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ナミビアでのウランの産出というのは世界の産出量のどのくらいあるのか知っておるでしょう。一〇%あるんですよ。一割ですよ。大変なものですよ。RTZというのは南アのパラボラ鉱山あるいは今申し上げたナミビアのロッシング、それからカナダのデニソン、リオ・アルゴム、それからオーストラリアのクイーンズランド、こういうところを多国籍企業ですからどんどん持っておるわけですが、この中でロッシングというのは非常に大きなウエートを持っておるのですよ。産出はロッシングだけですからね。しかも、これが世界の産出量の一割を占めておるわけですよ、一〇%。こういうものから買っておるわけですよ。これは何度も外務大臣に申し上げますけれども、大変なことなんですよ。あなたはこのことについては口が重いわけですけれども、私はこれは許してはならぬと思うのです。一遍調査して、実際にナミビア産のものが入っておったらこれは破棄するということが、私は国際的にも国連外交を中心とする日本の外務省としても当然だと思うのですが、いかがですか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 従来からそういう御議論がございますので、私どもも電力会社に対しましてはそのあたりも十分にこれまでも事情聴取をしておるわけでございますが、電力会社におきましても、何分にもその原産国については、リオ・ティント・ジンク社の購入しておる原料の原産国についてはわからないということでございまして、また統計的には、先ほど申し上げましたように最終的には濃縮ウランという形でアメリカからの輸入という格好になりますので、私どもとしても知り得る立場にないということを重ねて御理解いただきたいと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それはまさしく問題のすりかえなんですよ。これはロッシング社から昔直接買うておったわけです。それが問題になりまして、今度は親を経由して、スイスにまた子会社がありますね。RTZのミネラル・サービスというのがありますね。こういうところを全部混合して、ずっとわからなくしているわけですよ。だから、もとをただせば国際的な大泥棒から物を買うという姿勢を私は問題にしているわけですよ。私は何もあちこちよそへ行って混合して濃縮して云々、そういうようなことでなくて、そういう大泥棒に加担をするという姿勢を問題しにしているわけです。そのことについてどう思いますか。

遠藤哲也外務大臣官房審議官

○遠藤(哲)政府委員 お答え申し上げます。  先生先ほどもおっしゃられましたように、リオ・ティント・ジンクというのは幾つかの鉱山を持っておる、日本はリオ・ティント・ジンクから六弗化ウランの形で天然ウランを購入しておる、こういう形でございまして、先ほど通産省からの答弁のように原産地というのがわからない以上、日本がはっきりわかっておりますのは、日本はリオ・ティント・ジンクから買っているんだ、こういうことだろうと思うのでございます。したがいまして、リオ・ティント・ジンクが今の先生のお話のように泥棒かどうかというのは、私どもそれにつきましては全く何ともコメントを差し控えたいわけでございますけれども、日本はリオ・ティント・ジンクから買っておる。それがアメリカに行き、それから購入しておるという、この事実だろうと思うのでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 だから、そこで問題にしているわけですよ。RTZ、これは泥棒と違いますか。勝手によその土地に入ってがちゃがちゃ掘って、それを売り払う。まさしく泥棒でしょう。今申し上げたように、ほかにもオーストラリアとかカナダで山を持っていますよ。しかし、少なくともここロッシングでやっているわけですから、これは事実ですよ。これは事業団の調査でもちゃんと出ているわけですよ。主要株主ですよ。四六・五%持っているわけですよ。こんなことを知らぬはずはないわけですよ、私でも知っておるわけですから。言えないのは布告一号の関係ですよ。遠藤さん、私が申し上げたいのは、これは泥棒と思いませんか。思わぬということはえらいことでっせ。  私は外務大臣にもお願いしたい。これは国連で問題にしてほしい。こういうようなことを調査して、RTZがこういうことをやっていたらやめさせる、これは当然じゃないでしょうか。いかがですか。

遠藤哲也外務大臣官房審議官

○遠藤(哲)政府委員 リオ・ティント・ジンクは、私の承知します限り、本社イギリスにありますイギリス法人だろうと思うわけでございます。したがいまして、このRTZがどういうふうな会社であるかということ、先生の御指摘のようなことなのかあるいはそうでないのか、そういうことはイギリス国内法による判断の問題ではないかと思うわけでございます。したがいまして、私としましては、先ほど申しましたようにRTZに対してのコメントを差し控えさしていただきたいと申しましたのは、イギリスの判断によるところだと思うからでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 売り手はイギリスかもわからぬが、買い手は日本ですよ。何をおっしゃるのですか。エネ庁、これは実態を一遍調べて、布告一号に違反するかどうか、違反していたらこれは厳重な措置をしなければならぬ。どうですか。

高橋達直資源エネルギー庁次長

○高橋(達)政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、リオ・ティント・ジンク社からは六弗化ウランに転換した後に引き渡されるということでございまして、その当該六弗化ウランがどこの国から来たかということは各電力会社とも知り得ない立場にあるわけでございます。また、技術的に見ましても、先ほど来申し上げておりますように最終的には濃縮ウランになってアメリカから入ってくるということでございますので、統計的にも難しいということでございまして、この問題については、我が国が原産国について最終的に知り得ない立場にあるということを重ねて御理解いただきたいと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 だめですよ。承知できませんよ。  質問を変えます。  八○年の二月にアメリカ国務省のハレという南部アフリカ局長、この人が日本に再輸出しておるウランのうちのナミビア・ウランがアメリカに輸入されておる、これは回りくどい言い方ですけれども、つまりアメリカに輸入されたもののうちでナミビア・ウランがあり、それは日本に輸出しておる、こういうことを公式に認めておりますが、これは外務省知っていますか。

遠藤哲也外務大臣官房審議官

○遠藤(哲)政府委員 その点については承知しておりません。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 とにかく都合が悪いことはさっぱりあれだね。これは外務大臣、本当に何度も言いますけれども、大変な大きな問題なんです。人権の問題というのは大変なんです。ナミビアで、御承知のとおりここでもアパルトヘイトをやっておるのですよ。こんなことを許してはならぬ。これは南ア以上にこのナミビアの問題は布告一号をもろにかかってきますからね。ぜひ、一遍通産省と外務省国連局、督励してこの真偽のほどを調べて、もし布告一号に反することがあれば、これはやはりきちっと措置をするというふうなことはいかがですか。

遠藤實外務省国際連合局長

○遠藤(實)政府委員 事実関係が、本件につきましては日本政府として、ただいままで答弁ございましたように、先生がいろいろと御疑問に感じられ指摘されている点につきましては私どもとしては知り得ないわけでございます。もちろん日本政府といたしまして、そういった先生御指摘のようなことが事実でございましたならば、当然しかるべき措置をとらなきゃいけないというふうに考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 実際困ったものですな。これは、続いてまた私やりたいと思います。もしこんな態度を放置しておったら、知り得る立場にない、これはもうエネ庁も外務省も言うこと、それだと本当に独立して国ができるまで皆掘って、天然資源持っていかれますよ。ゆゆしいことですよ。布告一号、何のためにあるのですか。世界じゅうの国が同じようなことを言っておったら、RTZ社はロッシング鉱山をとにかく好きなように掘り尽くして、独立したころにはパアなんですよ。そうなりますよ、今の話を聞いておったら。私はこういうことは絶対許せないと思います。この点については、続けてまた別の機会にやりたいと思います。  もう一つの問題について、これは南ア貿易の問題であります。これも国会で何度も論議されております。これについては、外務大臣も財界に南ア貿易については自粛を要請した、こういうことで国会でも何度も御論議されております。私が問題にしたいのは、この自粛で果たして事が足りるかどうか。この問題については、宇野外務大臣も御存じだと思うが、非常に古い問題ですよね。私も会議録も随分古いやつも勉強したわけです。これは、かつてのスタンス、五十一年の外務委員会の議事録も持ってきましたけれども、当時は小坂外務大臣です。それから加賀美さんというのは政府委員でおられましたね。このころのスタンスは、我が党の議員が質問した中で、一遍にとにかく南アに対して貿易をやめるということはできぬ、だから徐々にこれを進めていく必要がある。つまり、南アとの貿易についてはこれはよろしくない、進められないということがございます。しかし、一遍にやめることはできないから、徐々にこれを進めていく必要がある。小坂さんも「全体の貿易額というものも微々たるものになりつつあるというわけでございます。さようなことで、順次建設的にその方向に向かって体制を馴致するという考え方をとりたい」「漸次この政策を続けてまいりまして、行く行くはそういう事態がないようなことにしてまいりたい」、つまり、南アとの貿易は、一遍にはできないけれども、だんだん減らしていってなくしていくんだということを五十一年当時言っておられるわけですよ。ところが、通産省からいろいろ資料を取り寄せて調べたところが、大体一九七五年に比べて二・四倍になっておるわけですね。物すごくふえておるわけですよ。ところが、そのサハラ以南の周辺国にうんとやって相対的に南アに対してその地位を低下させると外務大臣もよく言われますけれども、貿易が南アに対しては物すごくふえていますけれども、ところがその周辺にはうんと減っておるわけですよ。しかも、申し上げたように、常に今までは政府の方針も自粛、自粛として徐々にこれを減らしていって究極的にはやめていく、そういうスタンスでずっと答弁があるわけですね。ところが、どんどんふえておる、そして結局第一位になった。果たして自粛でそういうようなことが期待できるかどうか。  実は、資料も渡しておりますけれども、これは資料第二をごらんをいただきたいと思います。これは、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会が五十の企業に対して取引をやめろと要請書を出しまして、そして聞き取った、それを整理したものであります。これを見て私もびっくりしたのですけれども、日本のこの関係のある企業の中で南アとの貿易をやめるとか減らすというのはないわけですよ。これはやったのは最近ですからね。この特徴を見ますと、とにかく商売をやって何が悪いかというのが非常に多いわけですね。私は、ガイドラインをぜひともつくるべきだ、こういうふうに思うわけです。  一言だけ大蔵省に聞きますが、自粛、自粛とその以前から言っておった。それから漸次減らしていってなくしていくんだというのが政府のスタンスだった。ところが、日本輸出入銀行の対南アのサプライヤーズクレジット、この数字を見ますと、これは昭和三十八年から六十年にかけてサプライヤーズクレジットで供与金額が千七十二億円、日本の企業が南アに対する輸出、これに対してこれだけ信用供与しておったという事実があるわけですが、この点についてはいかがですか。

内田富夫大蔵省国際金融局開発金融課長

○内田説明員 ただいま先生御下問の件は輸銀の延べ払い輸出信用についての金額ということでございますけれども、一九八五年七月二十六日の国連安保理事会の決議に基づきまして輸出入銀行は南アに対する輸出契約の延べ払いを輸出信用を行っておりません。それ以前のものにつきましては確かに延べ払いの実績があったわけですけれども、それ以後は一切やってないという事実でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 だから、それ以後はやっていない、それまではやっておったということです。だから、自粛、自粛と言いながら、政府が奨励してこういう貿易をふやしたわけですからね。  もう時間ですから、外務大臣、自粛では足らぬ、やはりガイドラインをきちっとつくってやらぬことには、これは今までの経過からしても減らぬというのは間違いないと思います。それをつくるべしというのが私の意見ですけれども、いかがですか。それをお聞きして答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 第一義的にはやはり各産業を所管している通産省の問題であるということで、私といたしましても、通産省に先んじて経団連あるいはまた同友会の方々に来ていただいて強い要請をしたわけです。来られた方々も、みずから十二分に事態の重要性を知っておるので、したがいましてことしの実績でひとつ見てくださいということでありますし、うちの外務省の恩田局長と通産省の局長とが定期的に寄りましてこの問題は処理すべく努力しております。  だが、私はその経済団体にも申し上げたのですが、いずれ答えは出ますよ、答えが出た場合に再び一位であったとか、その一位を構成したゆえんは何々会社が少しも自粛も自制もしておらぬということだと、これは数字の問題じゃなくして人道の問題として私たちは扱っておるのだから、人道の問題に反する行為をした企業だということは当然社会的制裁を受けるような立場になるでしょう、私といたしましてはここまで申し上げております。したがいまして、野間さんの御意見も私は一つの御意見だろう、こう思いますが、第一義的にはやはり通産省が考えることであるし、それをしなくても、今のところは各企業が自粛しておりますといういろんなデータを私たちにも示していてくれますので、そうしたことを信じまして、そして本年度の最終的な数字を我々も期待して、やはり非難、攻撃を浴びないようにしなくちゃいかぬ、かように存じております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それでは、いろいろ不満、意見、ありますけれども、時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員長 次回は、五月九日月曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十分散会

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