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111回国会参議院1987/12/10

国民生活に関する調査会 第2号

発言数
72
登壇者
9
会派数
6
開催日
1987/12/10

会議録

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国民生活に関する調査のため、本日の調査会に参考人として厚生省人口問題研究所所長河野稠果君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 国民生活に関する調査を議題とし、出生率の動向と対応について厚生省人口問題研究所所長河野稠果君から意見を聴取いたします。  この際、河野参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多用中のところ、本調査会に御都合を差し繰り御出席いただきましてまことにありがとうございました。  本日は、出生率の動向と対応について忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にしたいと存じます。  議事の進め方といたしましては、まず最初に六十分程度御意見をお述べいただき、その後委員の質疑に対しお答えをいただく方法で進めてまいりたいと存じます。  それでは河野参考人にお願いいたします。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 今回、先生方の前でこういうお話を申し上げるのは大変光栄と存じ、また僭越と存じますけれども、六十分間、日本と世界の出生率の動向についてお話をさせていただきたいと思います。  日本の場合、いろいろ人口問題というのは、紆余曲折と申しますか歴史がございまして、現在は人口の高齢化ということが最大の人口問題ということになっておりますけれども、実は今から四十五年ぐらい前ですか、いわゆる終戦、第二次世界大戦の後、日本が荒廃しましてたくさんの人たちが外地から、旧植民地から戻ってきたときには、そのときの人口問題は人口過剰というのが人口問題でございまして、どうしたら増大する人を養っていけるかと。それから、そのときは非常に出生率が高こうございまして、ベビーブームというのがあったわけですけれども、それをいかに抑えるか、そういうことでございました。  ところが、おもしろいことにその当時は七千万の人口でございましたが、今一億二千万になりまして、人口過剰という言葉はどこにも聞かれておりません。むしろ逆に、出生率をあるサークルではもう少しこれを上げた方がいいのではないかと、そういう声が聞かれるようなことで、大変時代の流れというものを感じるわけでございます。  途中、昭和三十年代、四十年代ごろは過疎、過密ということがございまして、人口過剰というのはどこかに行ってしまいまして、逆に何といいますか、非常に高度成長期で大都市にたくさん人が集まりまして、また当時の経済がいろんな若い労働力を要求したということがございまして、金の卵とかそういうことがございましたけれども、そのころはむしろ、言われたのが大都市圏の過度の人口集中ということと、それから農村地帯の過疎、そういう過疎、過密ということが言われました。  その問題は今でも残っていると思いますけれども、現在昭和六十年、これは五十年代の後半ごろから始まったんですけれども、現在、最大の人口問題、あるいは社会問題は人口の高齢化ということでございます。  さて、高齢化の原因としましてよく言われますのは、平均寿命が伸びたからということを言われますけれども、実は世界の歴史といいますか日本もそうなんですが、歴史的に見ますと、人口の高齢化の原因が平均寿命というのは本当は間違っている。これはいわば俗説でございまして、本当といいますのは、普通平均寿命が伸びるということは若い乳幼児死亡率のところの死亡率が低下して、そのために平均寿命が伸びる効果が非常に強かったわけです。我が国におきましても、今から十年ぐらい前までは実は平均寿命が伸びるということは人口をむしろ若年化する効果があったわけなんです。  そういうことでありましたが、最近の五年間ぐらいは、平均寿命が伸びるということは、もう若いところの死亡率の低下がほとんどぎりぎりまできまして、ようやくいわゆる成人といいますか高齢者のところの死亡率の低下というものがそのまま寿命の延長になっているということで、初めて平均寿命の伸びと高齢化が一致したわけですけれども、長い間の歴史で見ますとむしろ逆でありまして、それは平均寿命の伸びということは青少年の死亡率の低下の効果が多くて、だから、むしろ人口の若年化を促進するという効果でございます。  現に、これはちょっと大変ジャンプして申しわけないんですけれども、お手元に三つの資料がございますが、一つは「参議院国民生活調査会テーマ「出年率の動向と対応」」という六ページ物のB4版のが一つございます。それからもう一つ、「人口問題についてのおもな数字」というのがございます。それからもう一つ、これはぎりぎりになってつくってきたんですけれども、「国際流入人口についての政策的立場」という三つがございますが、今その「人口問題についてのおもな数字」というのをちょっとごらんになっていただきたいと思うわけなんでございます。  そこで、二ページの表の四に一応大正九年からずっと現在まで六十五歳以上のパーセントがどうなっているのかというのがありますけれども、表の四、二ページの一番トップに、ございます。  それで、大体この高齢化ということは六十五歳以上の人口のパーセントがふえる、こういうのが形式的な考え方なんですけれども、ごらんになりますように、大正九年からずっとむしろ六十五歳以上のパーセントは減っているんですね。減っているということは、これは先ほど申し上げましたように、実際は平均寿命がこの間どんどん上がっているにもかかわらず、六十五歳以上のパーセントが減っているということは、先ほど申し上げましたように乳幼児死亡率のところの効果が平均寿命を押し上げているわけで、ですから、そのためにむしろ平均寿命が伸びるということは若年化をもたらしたということのあらわれでございます。  じゃ、何がその高齢化をもたらしたか、これが出生率なんでございまして、出生率の低下こそ、いわばもう、日本の場合九〇%の原因は、最近はちょっとそれがあれしましたが、今までの歴史で見ますと、もう出生率が最大の高齢化を促進する要因となっているわけでございます。  それで、またもう一つ日本の場合、高齢化の問題が非常によく問題にされますけれども、その中で一つの要素は、日本では高齢化の速度が非常に速い、諸外国に比べて非常に速い、これが問題になっているわけですね。諸外国ですと、大体、百年も百五十年もかかって高齢化が進みますから、その間に政府、国民がそれに適応できるわけですけれども、余りにも日本は速いものですから、そこであれよあれよというところがあると思うんですけれども、それはなぜそうかといいますと、実はいわゆる昭和二十年後から十年間に物すごいスピードで日本の出生率が低下したわけです。それはいろんな表にございますけれども、例えば、お手元の資料のB4版の、いわゆるメインの「参議院国民生活調査会テーマ」にもございますし、また、この「人口問題についてのおもな数字」にもございますけれども、例えばこのメインのテーブルを見ますと、一ページの表の二に「人口の動態」というのがございます。それをちょっとごらんになっていただきたいと思いますけれども、前からまず「実数」、それから「率」というのがございます。出生率というのは三番目のコラムですけれども、そのコラムで昭和二十二年に人口千について三四・三と、これは非常に高い数字でございまして、まあ、昔は三五ぐらいまで行ったことも、穴もありますけれども、非常に高い数字なんです。これは御承知のように、いわゆるベビーブームの効果でございまして、それまで何というか外地あたりから若い兵隊さん、あるいは引き揚げた人が帰ってきて、そこでまず、今まで結婚してなかったわけですけれども、結婚ブームが起こり、それから、いわゆるベビーブームが起こったわけですね。  そこの三四・二という数字が十年後の大体昭和三十年、三十五年ぐらいまでは、もうこれが既に一七・一と、ちょうど半分に減っております。このように十年ぐらいの間で出生率が半分になったケースは、その当時は空前にしてまず恐らく絶後であろうと言われるような、そういう物すごいスピードでございまして、実はこの出生率の低下のスピードが速いから、現在高齢化のスピードが速いと、こういうわけになっております。ですから、そういう意味でも出生率というのは非常に大事だというわけでございます。  さて、もう既に、ですから申し上げたように、日本の出生率というものはそのように最近は、これは最近の昭和四十年あたりは一八・六ぐらいですけれども、これがぐんぐん下がりまして、昭和六十一年では一一・四と非常に低い、恐らくもう毎年最低のそのあれを更新しているというわけでございます。  ただ、その出生率というものは、普通この場合にはいわゆる総人口を分母といたしまして出生数を割っているわけで、人口構造の影響というのがございまして、非常に若い生産年齢といいますか、若い人口があればそれは子供を産むのは当然ですから、将来、例えば今でも西ドイツのような国になりますと非常に老人が多い、そうしますと当然ほかの条件が一定ならば子供数は少ないということで人口構成というのはかなり影響を及ぼすわけですね。ですから、そこで何か人口構造をコントロールするというものが下の合計特殊出生率という大変難しい言葉でございますけれども、これは平たく言いますと、結局一人の女子が何人の子供を産むかと、そのとき与えられたところの率でいくとしますと、一生かかって何人産むかというそういう潜在的なものをあらわすわけです。これは非常に難しいわけですけれども、平たく言えば今のそれぞれの時点で女子一人何人子供を産むかということをあらわすわけです。こういうものに還元するわけですね。  さて、実は女性が一人の女の子を一生かかって産めば、大体今一対一の人口再生産がなし遂げられるわけですね。そういうことで人口は将来ふえもせず減りもせずになると考えられるわけですけれども、実際その一人の女性が女児を産むというときには男の子もくっついてきます。男の子が女の子よりも少したくさん産まれまして、これはいわゆる出生性比というのがございまして、大体女の子を一〇〇としますと男の子は一〇大産まれできます。そうしますと大体二〇六ですから、一人の女性が二・〇六人の子供を産めば大体その中に必ず一人の女の子がいると。そうすると人口再生産は一対一対でうまくいくということになるわけです。そうしますと、しかし実際は二・〇六よりもっと産まなきゃならないというのは、産んだその女の子が、それが今度再び成長していわゆる成人して子供を産み出すまでにまた幾らか死ぬわけです。そういう歩どまりを考えますと、日本の死亡率の条件のもとにおきましては二・〇九人産むと大体人口はふえもせず減りもせずになる。つまり二・〇九人産むというのはいわば日本の再生産の生命線といいますかそういうものになるわけです。そうしますと、ごらんになりますように、それが表の三でございますが、昔は昭和五年ごろは四・七とか四・五とか非常にたくさん産んでいたわけです。ところが昭和四十五年以後はこれが減りまして、今は二を割っております。二を割るということはこれは一対一の人口再生産はできないということで、このまま続きますと人口はやがて減少する。もちろん今までのもう既に産まれたところがございますので、それがまた残っておりますからいわゆる人口のイナーシアというか、いわゆる潜在力がありますからあしたからこれが人口が減るわけではございませんけれども、だんだんこれがせり上がってきますとだんだん死ぬ人が出てくる。そういうことでどう計算しましても、大体、もしこのままでいけば来世紀の初めには人口はピークになります。それからもう下り坂になるいわゆる絶対減少が起こるということが起きるわけでございます。実は既に西欧諸国ではこういう人口の絶対減が起こっている国がありまして、有名なのは西ドイツですね。西ドイツは驚くなかれ合計特殊出生率が一これはちょっとあっちこっちジャンプして申しわけないのですけれども、同じような表が表の五にのっております。二ページをお開きになっていただきまして欧米主要諸国における合計特殊出生率とございますけれども、そこで全く今と同じような数字なんでございますが、西ドイツは一九八四年に一・二七ということ、ということは平均して女性が一・二人しか産まない。その一・二ということはありませんから一人とかゼロが多いということですね。結局、三人産まれる方もたまにはおりますけれども、なべていくと一・二七ということでございまして、ですから、もう既に西ドイツは人口が毎年減っております。しかも西ドイツは幾らか後でも申し上げますけれども、地中海を隔てたところ、トルコとかあるいはユーゴスラビアあたりからかなりの移民が来ております。移民が来ていてもかつ下がっているわけですね。そういう現象でございます。あとオーストリアとかそういうところも減っている、そういう数字が出ております。そういうことでありますので日本の場合は今非常に出生率が低いということがおわかりになったと思います。  我々も一応人口推計をやっているわけですけれども、人口推計はいろいろ中位推計、低位推計、高位推計とやっておりますけれども、低位推計は大体非常に低いのを維持しているというような感じでやっております。中位推計は幾らかこれが回復すると、将来は究極的には一応一対一の人口再生産を行うようなレベルまでは回復するというのが中位推計でございます。しかし、低位推計はそのまま横ばいとなるという、こういうのをつくっております。  それで世界のことをもう少し申し上げたいと思うんですけれども、世界のことは——大変順序が狂って恐縮でございますけれども、その一ページの表の一、再び戻りまして表一が世界全体の出生率の動向というのを見たわけでございます。出生率の動向ぐらい世界の中で、特に先進地域とそれから途上地域と分けまして違うものはございません。こんなに際立ったものがないというくらいでございます。  そこで普通出生率と合計特殊出生率というものを掲げておりますけれども、世界は先進地域、途上地域と分けておりますが、先進地域というのは御存じのようにこれはヨーロッパ、全ヨーロッパ、ソ連、それから全北米ですね、カナダ、それから米国、それから日本、それからあとオーストラリアとニュージーランドが入りますね。それ以外の領域、つまりアフリカ、全アフリカ、日本を除いた全アジアそれからいわゆるオーストラリアとそれからニュージーランドを除いたオセアニア地帯、それからラ米ですね、ラテンアメリカ、それが全部いわゆる途上地域になるわけでございます。こうやってみますといわゆる途上地域が南と言われ先進地域は北と、いわゆる南北と言われるわけでございますが、それはもう普通出生率を見ましてもこれは五年間の平均値なんですけれども、一九八〇年から八五年、先進地域は人口千人に対して一五・五、途上地域はちょうど倍の三一・〇、こういう数字になっています。  それから合計特殊出生率、先ほどのもう少し人口構造をコントロールした数字になりまして、一九八〇年から八五年は先進地域は一・九七、常に先進地域は二・一を割っているわけです。先進地域全体としまして再生産がもうできないということ。ところが途上地域は四・〇六とこれははるかにまさっている。  さらにちょっと御参考までに見ますと、アフリカは六・三四でございまして非常に高い。アフリカの中には八とか力とかそういうような非常に高い出生率を持つところもございます。それに反しまして北部アメリカ、これはカナダと米国でございますけれども、これは一・八三とはるかに二を割っている。ヨーロッパも一・八八ということでございまして南北の対比というものは非常に激しいわけでございます。もちろん南北の対比とも言いましたけれども、最近は新興工業国、いわゆるNICSというのがございます。これが主に東アジアにあるわけです。東アジアの国々はやはり工業化しますと出生率が下がるものでございまして、例えばシンガポールなんというのは最近は逆に産めよふやせを始められましたけれども、それまでは日本よりもむしろ低いぐらいまで下がっている。それからあと香港、それから中国も非常に低い。それから韓国それからマレーシアの中の中国系の人たち。非常におもしろいことに、一つは何か儒教文化の国は、日本も広い意味で儒教文化です、そういうところは何か出生率が低いというそういう現象があらわれております。そういうことで非常に南北の対立が激しいわけですけれども、ここで特に御興味のあるのは、日本と同じような欧米のいわゆる先進工業国かと思いますので、それについて少し、なぜ先進工業国は出生率が低いか、逆にそれはなぜアフリカとかは高いかということになると思いますけれども、ずばり申し上げまして、全世界的になぜ南の方が高く北が低いか。考えてみますれば、北の方は豊かなんですから、もっとたくさん子供を持ったってよさそうなものですね。逆に南のアフリカとかラ米とかそういうところは貧しいんですから、子供は少なくてもよさそうなものです。ところが、逆にいわゆる貧乏人の子たくさんということで逆なんですね。全く現実はあべこべというのが一つおもしろいんですけれども。  これはいろんな考え方がございますけれども、やはり子供の価値というものと子供のコストというものが何かだんだん工業化の途中で逆転するといいますか、そういうことがあったと思います。  例えばインドネシアとかあるいはフィリピンでなぜ出生率が高いかと。一見たくさん持てないように思いますけれども、実は子供の価値というのが非常に高いんですね。例えばそういうところでは、もう五、六歳になりますと労働力としましてこれは働ける。特に農業が中心ですから、刈り入れのときとか田植えのときには、猫の手もかりたいというときに少年労働として働ける。逆に日本のような状況ですと、私なんか子供を使ってやろうと思っても使う場所がございません。子供は学校に行きますから、使ってやろうということも……。それから、ある意味じゃ学校というものが、もちろん学校というものは合理的な考えを与えるとともに、ある意味じゃ物理的に少年少女を取り去るという意味で効果があるように思いますけれどもね。ですから、そういうように労働の価値というものが途上国では無限大、先進国ではゼロ、もう限りなくゼロに近いというわけなんです。  今度は逆にコストを考えますと、コストというものは途上国では余りかからない、学校に行きませんから。だから、もうほとんどゼロなんですけれども、先進国は、これだけの日本のような受験戦争ですと、とにかく単に金銭的なコストもさることながら、精神的なコストが莫大なものですね。いわゆる時間を食われる。あるいは受験勉強のときには下では抜き足差し足。アメリカでエンジョイやるようには、週末にどこかドライブなんかに行くのはさたの限りで、もう月月火水木金金で、そういうところでありますから、金銭的なコストもさることながら、精神的なコストあるいは時間を食われるということですね。これがひどいと思うんです。  それからもう一つ、価値の点でちょっと言い落としましたけれども、もう一つの価値は、子供の価値というものはなぜ子供をたくさん産むか。それは例えばフィリピンのようなそういう農業社会でありますと、結局、国とか自治体の社会保障というのはないわけですから、自分が老人になったときにだれが面倒を見てくれるか。これが結局自分の子供しかいない。しかも、そういう国ですと死亡率が非常に高いわけですから、例えば二人か三人、まあ一人の男の子じゃどうも頼りない。やっぱりスペアを少し産んでおかないと、三人ぐらい産んでおかないとどうも頼りない。といいますのは、現在、日本の場合ですと、大体百人オギャーと産まれまして二十歳の成人式を挙げるまでにほとんど九十九人生き延びますけれども、日本でも昔は、例えば昭和の五年ごろは七十五人しか生き延びなかった。今でもアフリカとかそういうところへ行きますと、百人産まれましても成人式までに四十人は死んでしまう。そういう状況でありますと、一人だけ男の子を産むのはとても——三人ぐらい産んでおかないととてもたまらない。スペアを産む。こういうことでそれも産んでおくということで、そうすれば当然女の子も三人ぐらいいきますから六人ということになっているわけですね。ですから、相対的に言いますと、価値というものが非常に違う。先進国では子供の価値がもうゼロに近い、コストは無限大に大きいということだろうと思います。それが大体一つの考え方なんです。  それから、もう一つさらにつけ加えますと、西欧でなぜ出生率が特に下がったか、これは西欧の場合は大体一九六四年、これがビルの折れ曲がりという言葉がございまして、そのときに急に出生率が下がっているんですね。それは後で申し上げますけれども、大体一九六二年ですから昭和三十七年ごろですか、そのころから西欧ではビルが解禁になりまして、それで一九六四年、そのころから一斉に下がり始めたということがあるわけですけれども、大体西欧の場合には三つの原因が考えられまして、やっぱり一番大きな理由は女性の地位の向上といいますか、女性が働くようになった。特に結婚をしている人たちの就業率が非常に高いということでございます。大体もうこれは御存じのように、スウェーデンとかあるいは西ドイツとかあるいはアメリカでは六〇%とか七〇%の人たちが結婚をしてもなおかつ働いている。これは背後にやはり女性の地位の向上、女性の役割の拡大というようなそういう歴史的な背景がございまして、やはり今までは分業状況で女性は家にこもって子供だけ産んで子育てやっていればよい、男が外で働く、そういう分業的な考えがだんだん崩れ始めまして、女性の生きがいというものは夫と子供の面倒を見るだけではどうも満足しない、自分も社会で男性に伍して立派に生産的役割を果たして社会のために働きたい、そういうのがだんだんほうはいと起きてまいりまして、これが女性の地位のいろいろな運動となったわけですから。そういうようなものが背景となって非常に女性の就業率が西欧諸国では高いということがございます。  それから二番目は、これは離婚率が高いです。これも話せば非常に背景があることでございますけれども、日本と比べまして離婚率が高い。アメリカの場合には、よく言われますように、十人結婚すれば五人は離婚する、そこまで本当はいってない。十人なら三・八ぐらいなんですけれども、ある部分的に言いますと五人ぐらいということになるんですけれども、非常に離婚率が高いですね。ところが、この原因の一つは女性が外に出て働くようになったからだということが言われます。  もちろん、ほかのもう一つの理由は、やはり女性が働くようになって、女性の悪口ばかり言うわけじゃないんですけれども、女性が自立できるようになったということもあると思います。  それから、アメリカなんかですと、結婚というものを非常に理想化しておりまして、非常に美化する傾向がある。我が国では亭主は丈夫で留守がよいということで、ある意味では賢明な大人のあれだと思いますけれども、向こうですと愛とか恋がなくなればすぐ離婚した方がいいと、そう考える結婚ロマン主義がありまして、そういうことがあると思うんですけれども、そういうことで非常に離婚率が高い。これはもし後で時間があればまた御説明申し上げたいと思いますけれども、そういうことが二番目でございます。  三番目はやっぱりビルですね。結局、経口避妊薬というものがある程度のきっかけになった。もちろんこれは大きな遠因ではございません。きっかけでございますけれども、ただこういうものがあるということで、西ドイツで言われるようなビルの折れ曲がりということで、そこまで高いのがここでがくっと下がってくるという、そういうような非常にそこで以下の出生率が下がるということでございます。  さて、日本について見ますと、実はよく言われるんですけれども、日本は以上の低出生率の三条件に余りかなってないんじゃないかと、よく外国人の方言われるんです。離婚率はアメリカの五分の一しかない。ビルはまだ正式には解禁されてない。それから就業率も、先ほどはスウェーデンとか西ドイツは六〇%から七〇%のそういう就業率といいますが、日本はせいぜい三五%ですね。大体高い高いと言われましてもまだ半分。もちろん戦後直後と比べますと大分上がっておりますけれども、まだまだ低い。そういう三つの条件は必ずしもかなえてないのになぜ日本は出生率が低いかとよく聞かれるんですけれども、日本の場合には私は一つは晩婚化ということがあると思います。晩婚化は恐らく隠れたる世界一でございまして、寿命が高いと言われますけれども、晩婚化は世界一でございますね。  それからあとは、やはり二番目は、全く私個人の意見ですけれども、受験戦争というようなものが関係している。受験戦争のような状況になりまして、先ほど申し上げましたように、これだけいわゆる親のエネルギーを使うような状況になりますと、子供が二人、もう男の子が二人おったら桜もあれも果てるということだろうと思います。だから、やはりこういうことがあると思います。  それから、第三番目について、やはり日本の場合には非常に大量消費と申しますか、何かこれだけテレビとかいろんなもので、雑誌でもいろんな、いわゆる美しいヨーロッパのパック旅行だとか、あるいはその新しい電化製品が来ますと、そういうものが洪水として来ますと、何かそういうものを買わないと、あるいはヨーロッパに行かないと人生損をしているんじゃないかと。そういうことで、子育てやなんかしてたら自分は人生損をしているんじゃないかと、そういうことを考えさせられるぐらい、そういうすごい大量消費時代ですね。そういうことがさっきの三条件は十分がなえていないにもかかわらず、それを充足してもなお余りあるような、そういう条件があるんではないかと思います。なかなか出生力の原因というのは複雑でございまして一口で申し上げませんけれども、大体評論的に申しますと、そうでございます。その出生力決定要因モデルにつきましては、三ページに一応ややこしいのが載っておりますけれども、これは非常にややこしいことでございますけれども、一口で申しますと、例えばよく言われます不景気になったから出生率が減る、出生力の場合にはなかなかそういう簡単に短絡的にはいかない。途中にいろいろな条件がございまして、先ほど申し上げましたように、一見途上国というのは貧しいから子供が少なくてもよさそうだと言いますけれども、これが実は逆なんですね。いろんな別のそういう効果がありまして、これはただ読み過ごしていただければ結構だと思うんですけれども、こういういろんな条件あります。中でもやっぱり結婚だと。結婚というのは非常に大事でありまして、日本の場合には晩婚化ということで、だんだん、いわゆる有配偶者といいますか、有配偶率と申しますか、そういう女性でも男性でも、いわゆる適齢期のところの配偶率というものがちょっと下がっているということがかなりあれだと思います。そのほか、いろんな社会経済的な条件があるということでございます。ただ、一つ明るい状況は人口問題研究所が五年に一回ずつ出産力調査というのをやっておりますけれども、出産力調査によって、いわゆる子供を産む意欲というものを聞いておりますが、それは余り変わっていない。理想子供数は大体二・四ぐらいは産みたいと思っておりまして、現実にもやっぱり二・二人ぐらいは産みたいと、結婚した人は思っているわけなんですね。ですから、私はいわゆる出産意欲の基調は変わっていないと思います。ただ、それが晩婚化とかそういうことにありますと、いわば産みたいけど産めないというそういうような状況、いわゆる産みたいけれどもいろんな状況で産めない、それにはいろんな肉体的な状況もありますし、また社会的な状況もあると思うんです。それを実は大変あっちこっちで本当に先生には失礼でございますけれども、もう一回その二ページをちょっとごらんになって、大変申しわけありません、二ページに図一というのがございます。これはなぜ今日本がそういう出生意欲は昔と余り変わらないにもかかわらず出生率が減るかということをあらわした図でございますけれども、これはAとBとございまして、大体日本の場合には二十六歳あたりが一番よく産まれるわけでございまして、非常に日本の場合には二十五歳から二十九歳の間で大体その半分以上の子供を産むという、非常に集中が激しいのですね。このようにある特定の年齢に集中しているところも余りないんですけれども、そのようにAの早婚・早育パターンと晩婚・晩育パターンというのがございまして、大体今のところその晩婚化によりましてAからBに移っているわけですね。で、この面積が大体いわゆる延べ出生数でありまして、そういう一生かかって産むものはそれほど変わらないのですけれども、現象的に見ますと、これがずれることによって、何といいますか、ちょうどハッチで斜めに書いているぐらいしか産まないというそういう現象になる。つまり晩婚化しますと、これは何といいますか、Bに移るわけですけれども、Bの前半のところはすぐここへ移るのですね。ところがおしまいの方はまだAのパターンで産まれている、Bの方に移りますとそこでいわゆる産み戻しといいますか、いわゆるおくれたのが産み返し、産み戻しといいますか、いわゆるおくれたのを産んでキャッチアップが起こるわけですけれども、それが現在まだ起こっていないということで、今現象的には非常にそこが谷間になっておりまして、産まないということになっているわけです。しかし人間のあれには、人間の女性の妊孕力というようなものはある程度限度がございまして、大体三十五歳を過ぎますと、妊孕力というのは七五%に落ちると言われているわけです。そうしますと、余り晩婚化しますと、まあ一人産むと、で、二人目を生もうとしますと、女性の方もう結構だ、もう元気がないということで、初めは二人産もうと思っておりましても、だんだん晩婚化の影響で、最初産もうと思っても産めないままに終わると、そういう状況が出てくるわけでありまして、こういうような状況がないようになればよろしいがなと思っているわけでございます。  まあ、長い間そういう出生力の変動について申し上げましたけれども、日本を含む世界の出生率の変動をどう見るかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、これは南北の対比というものは物すごいわけでございますけれども、ただ明るい材料は、最近、途上国の間でもNICSとか、あるいは中国あたりで非常にあれの影響が多いのですけれども、だんだん出生率が下がってきまして、例えば人口増加率というものは長い間一%、世界は二%でございましたけれども、これが最近は一・六%ぐらいまで下がってきている。これは中国を初めとするそういう一部の途上国、いわゆる発展途上国の出生率が、これは国連とかWHOとか、そういうところでいろいろな家族計画の普及活動をされている影響もございますし、例えばインドとか、そういう国で自分で何とか人口増加率をとめない限りは経済発展もできない、いわゆるマルサスのわなといいますかね、人口がどんどん増加して青少年人口がふえていけば、本来ならば農業生産の剰余を今度は回しまして、何といいますか、経済投資をしてそこで経済的な離陸をするところが、全部青少年の養育に食われてしまう、いわゆるマルサスのわなですね。そういうことをやっていれば悪循環で、いつまでたっても貧乏だということはもう特にアジアの各政府は皆自覚されておりましてやっております。そういう地道な効果がようやく実を結んだということかと思いますけれども、最近になりましてようやく人口増加率は二%から一・六%ぐらいに下がりまして、将来これは二十一世紀になりますと世界全体が一%以下になると、それから途上国も大体一%に近づいてくると、そういうような状況になると思われます。ですから途上国としては大体順調にいっているんじゃないかということなんです。ただ、先進国の間では出生率が低過ぎるのではないかというようなことは非常によく言われるわけでございます。例えばこれは特にフランスはそういうことを昔から懸念しておりまして、これは一九八四年だったと思いますけれども、特にいわゆるECのあそこは社会省といいますか、厚生省あるいは社会省、そういうところのECの十カ国の人たちが集まりまして、これは社会労働担当ですね、社会労働担当の大臣の方が一九八四年の一月に集まられまして、何とかして世界人口に対するEC人口のシェアを、この低下を食いとめなきゃならないということでお互いに協力し合おう、努力し合おうという決議を行っておられます。だから、かなり懸念を持っておられるというわけでございますね。特にフランスを中心としては非常に何といいますか、人口政策、何とかして出生力を増進させようという、そういう政策をされているということが、ございます。  そこで、実際にそういう諸国はどのような政策をされているかということがまた一つのあれでございまして、それにつきまして一応まとめたのがございます。これはその表の、途中国際人口移動のことがちょっと出ておりますけれども、これは出生力の後ちょっとまた簡単に御説明したいと思いますけれども、表の12に一応「自国の人口増加率に対する認識と政策」というのが、ございます。その中で、特に表の13に先進諸国は自分の人口増加率に対してどう思っているかというのが、これは一九八五年に出ました国連の報告書に出ているわけでございます、一九八三年の時点でやっているんですけれども。そうしますと、人口増加率が高過ぎるというのは、これは一人もおりません。皆低過ぎる、低いか満足なということですけれども、人口増加率が一応満足な数字になるというのがまた意外なんですね。それからまた増加率が低過ぎるというのがございますけれども、その中で、多くはこれは東ヨーロッパと、フランスがこれは大きな国でございますけれども、フランスと東ヨーロッパは、これは増進政策をやっております。それからまたモナコとかリヒテンシュタインとかルクセンブルク、そういう小国もやっておりますけれども、そういう比較的限られた特定の国が人口増加率が低過ぎる、またやっておりますけれども、おもしろいことは、西ドイツはあれだけ出生率が低いのにもかかわらず直接介入はしていないというのがまたおもしろいところでございます。これは申し上げますと、やはり西ドイツはナチスのもうあの昔の産めよふやせよのあれがございまして、とても人口増加率を上げようとか出生率を上げようということは言えないんですね。これはもう本当のタブーでございまして、一たび言われるとまたナチスをやっているんじゃないか、また産めよふやせよということで。だから恐らく西ドイツは表きっては言わない、いわゆる出生政策としてはやらないけれども、家族政策ということで実はかなりやっているわけなんですね。ただ表立って看板を掲げないというわけでございます。  それからこの中でございますけれども、大多数のところは既に、例えばオランダなんかはかなり、これは先ほどのあれは何というんですか、表がございましたですね、二ページの表の5にオランダがございますけれども、かなりオランダは低いのにもかかわらず、オランダは一・五なんですね、今。合計特殊出生率一・五、一・五人しか子供を産まないにもかかわらず人口増加率は一応満足など言っている。これもいろいろな含みもあるんですけれども、実際問題として余り出生率が低過ぎるとは思っていない、結構それでもいいと思っているんですね。そういうことがございます。  それで日本の場合には、これは一応こういうアンケートが来ているわけですけれども、日本の場合には低過ぎるとは感じていない、一応満足な数字ということで、これはちょっと古い話でございまして、一九八三年ですけれども、そういうことになっております。今のところでは直接介入せずということですが、直接介入せずというのもまた一つの人口政策ですけれども、日本の場合も、またこれは個人的な意見ですけれども、日本も産めよふやせよというようなことで昔やりましたから、多少その辺のあれがあるかと思いますし、また一応介入せずというのも一つの政策だと思いますけれども、一応こうであるわけでございます。  それからしがしそうは言いましても、人口増加に関する政策と、その次のページの六ページに今度は出生率に対する政策、これはよく似ておりますけれども、多少違っている面もあるわけです。ほとんど同じですけれども、例えば表の15ごらんになりますと、出生率が低過ぎるというのには今度はスウェーデンなんかも入っております。しかし直接は介入しないというようなことがございますけれども、多少違っておりますけれども、大体これはよく似ているわけで、時間がございませんからこれはスキップいたしますけれども、大体これが現在非常に実際は低いにもかかわらずいろんな理由から人口政策をやってないという、表きってはやってない、そういう国があるというわけでございます。  そこでところが、そうは言っておりますけれども、実はかなりやっているわけでございまして、これが家族政策と申しますか、そういうものとして表の16に掲げたわけでございますけれども、実はかなりの国は非常にリベラルな、例えば特に感心するのは女子の就業と出産、育児を両立させるための出産休暇が長い、特に育児休暇が長い。いろいろ人口学的な研究によりますと、育児休暇というものが長いというのが非常に効くというそういうこともありまして、特に東ヨーロッパではこの育児休暇、つまり出産の後、例えば月給の七割とかもらいまして、しかし二年ぐらいはその間育児に専念できる、二年たちますとそのまま職場に戻ってきて何ら不利がないような状況で、シニオリティーを失わずに戻ってくる、そういうようなことでございます。それからその間にもちろん育児休暇手当というようなものももらっておられるわけです。これは一々御説明する時間ございませんですが、一応これは私どもレビューをいたしまして一斉新しいところを掲げたわけでございます。  それから時間がございません。最後に一応国際人口移動と申しますか、それについて申し上げたいと思います。  最近特にいわゆる外国から人口の流入とかいうことが問題になっておると思いますので、そのことでございますが、大体人口流入しているということは、これは最近では、昔はこれは人口の移動というものは、どちらかというと先進国が自分の領土をいわゆる植民地を設けてそこに行くという、例えばヨーロッパからアメリカあるいはオーストラリア、ニュージーランドあるいは南アフリカ、そういうところに行く状況でございますけれども、最近はそれが変わりまして、いわゆる貧しい国、資源の少ない国から豊かな国、資源の豊かな国へ行くというそういう状況になっておりまして、全く国内人口移動と同じようなことになっております。大体三つのスポットがあると思いますけれども、一つのスポットはもちろん伝統的ないわゆるアメリカへの移動です。これも昔はアメリカあるいはカナダ、そういうところの北米の移動は昔はヨーロッパから行くというのがほとんど圧倒的でございましたけれども、最近はラ米とアジア、それでほとんどもう四分の三ぐらい、もうほとんど。ですから、ラ米と貧しいアジアあるいはアフリカ、そういうところから来るのが圧倒的でございます。全然性格が変わりました。  それからもう一つのスポットはヨーロッパ、特にドイツ、一つはドイツを中心とする国、ドイツ、スイス、オーストリア、もう一つはフランス、ベルギーという、あるいはドイツ語圏あるいはフランス語圏でございまして、それぞれ同じドイツ語を使うところの方あるいはフランス語を使うというそういう言語圏で行っているというのはおもしろいと思います。  もう一つは、さらにイギリスへの旧イギリス植民地、パキスタンとかインドとかそういうところから行く、そういうルートもございます。これは非常に貧しいあれがありまして、特にそれはドイツとかスイスでは非常に問題となっております。特に貧しいトルコあるいはユーゴスラビアからドイツの市に行きまして、そういうところは全然別の部落を形成しまして非常に文化的な摩擦がある、非常に言語とか文化的な摩擦があるということを聞いておりますけれども、ですから、これはお手元の第三番目のこの表の「国際流入人口についての政策的立場」というのがございますけれども、大体そういう国々はもう現在は移民の流入は削減する予定であって、今入っている移民はしようがないけれども、大体将来はこれを削減するという、そういう方向が出ております。これは第三番目に最後に配りました「国際流入人口についての政策的立場」でございます。それについてのあれでございます。そういうことで第二のスポットはヨーロッパに行く。  第三のスポットは、最近特にアラブ、いわゆる湾岸地域の石油産出国、これについて非常に多くの流入が起こりまして、特にこれがまた問題となっておるんですけれども、例えばクウェートとかあの辺のアラブ首長国とか、そういうところですと、流入した人の方が自国の労働力より多いとか、そういうような状況になっておりまして、現在はいいけれども、一たびこれが不景気になってまいりまして石油が売れなくなると問題になってくる、いろんな問題を起こしているわけでございます。  それで、そういうことがございまして、ここで時間があれですから国際流入人口についての政策的立場というようなことをちょっと今のあれで御説明しておきますと、先ほど申し上げましたように、やはりだんだん全体的な状況が変わりまして、これを見ていただくとあれですけれども、だんだん将来移民の流入を削減する予定であるけれどもというのが多くなっておりますね。より高い率で、さらに高い率で流入というのは、これはオーストラリアとスリランカと、そういうことになっておるわけです。大体カナダとアメリカというのは最大の、特にアメリカは最大の人口のいわゆる流入先でございまして、大体アメリカは一種のクォータといいますか、制限、大体年間四十万、五年間で二百万のネット、純移動というものを受け入れるということでございますけれども、これは厳格な制限のもとに置くということで、これを余りふやしたいとは思っていないというわけでございます。それから、幾らかの国は移民の流入が望ましいとも望ましくないとも考えてないというのでございまして、こうあるわけでございます。日本もそれにあれでございますね。  それから、次ページを開いていただきますと、今度は流出の方でございますけれども、たまたまトルコなんかというのはちょっと矛盾するわけでありまして、先ほど申し上げたトルコあるいはユーゴスラビアというところは、特にトルコはドイツへの移民、移民と言いませんでいわゆるゲストアルバイターといいますか、いわゆる臨時的な、暫定的な移民なんでございましょうけれども、そういうものをたくさん出しているわけですけれども、トルコはまだもっと出したいというようなことを出しているわけですね。しかし、全体としましては余りそういうことは考えてない、あるいは望ましいとも望ましくないとも考えてないというのが多いわけでございます。  そういうことで、国際人口移動、特にそういう国境を越えて流入するのはなかなか把握が難しいんでございますけれども、特に一九七〇年代は非常にふえまして、特に湾岸地域への移動、あるいは西ヨーロッパ主要国に対する移動というのがございまして、それはいわゆるこのメインの表の四ページの表の九、あるいは表の十、そういうところにございますので、御参考までにごらんになっていただきたいと思います。  それから最後に、五ページに難民というのがございます。難民というものはこれはまた非常にふうておりまして、大体、難民というのはアフリカが非常に多いわけなんですけれども、しかし最近ではアジアも、これは特にベトナム関係のいわゆるボートピープルとかそういうものだと思いますけれども、非常に難民がふえているということでございます。  それから、最後にちょっともう一つ、人口の高齢化についてもう一回時間を一分ほどおかりしまして御説明申し上げたいと思いますけれども、それは四ページでございまして、このメインの表の四ページに日本の高齢化のことが出ております。 これをちょっとあれしまして、終わりとさしていただきたいと思います。  一応これは人口の高齢化で将来の推計というのを出しておるわけでございますが、よく老人何人を何人の現役で養うということが言われておりますけれども、これがそうなんでございます。これはいろいろな組み合わせで、何が現役が、何が従属人口といいますか老年かということによって違うということなんですけれども、表の八の右に三つ老年人口指数というのがございますけれども、これが三つの組み合わせで出ております。一番最初の六十五歳以上というのが分子で、十五歳から六十四歳、これを分母としたものがよく使われるわけでございます。  こうやってみますと、例えば、これは西暦で書いてちょっとあれですけれども、一九八五年というと昭和六十年、これが一五・○となっております。一五・○ということはどういう意味かといいますと、十五歳から六十四歳を現役としますと、現役百人が十五・○人の老人を支えなければならない。もちろん六十五歳でも十分働いている人もいますけれども、六十歳未満でも働かないということがありまして、これは全く人口統計学的な仮に線を引っ張っただけの話ですけれども、これが一五・○ということでございます。ですから、これを逆算しますと大体七人弱の現役が一人の老人を支えればいいというのが現在でございます。ところが、これが将来ぐっとふえまして、例えば西暦二〇二〇年になりますとこれが三九・二になります。といいますと、現役が百人で老人が三十九人ということは、それを逆算しますと、たった二・五人の現役で老人一人と、非常に変わってくるわけです。これあたりが一番よくジャーナリズムなんかで言われている数字でございまして、今七人で一人がよかったのが二・五人で一人という、その辺が一番何といいますか、人口の将来の高齢化を最も劇的に表現している数字だと思います。  ただ問題は、実は六十五歳はまだはなったれである、七十歳あるいは七十五歳までということになりますと、またこれが軽減するということになりますね。ですからこの辺は、私は政策的なことを言う立場でございませんですけれども、やはり一つの考え方は六十五歳では若過ぎるということ、そういうことも一つのあれだと思います。そうしますと、数字から申し上げますと、いわゆる従属人口指数は減るということでございます。  大変これは手前みそでございますけれども、ここで宣伝する気は毛頭ございませんけれども、私は「世界の人口」という本を書いておりまして、東大出版から出ております。これ、本当はたくさん持ってきて先生方にお配りするべきところですけれども、ありませんので一冊だけ長田先生のところへ置いてまいりますので、後でまたあれしていただきたいと思います。時間がございませんでしたものですから、大体このデータは、資料は、出所といいますか、この本からとっているわけでございます。しかし、これは一応私の名前になっておりますけれども、実は人口問題研究所の総力を挙げたそういう背景のもとにできた本でございますのでよろしく……。  以上、大変時間をとりましたですけれども、大変雑駁なことを申し上げて恐縮でございましたけれども、一応これで終わりとさしていただきたいと思います。質問がございましたら喜んでお答えします。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 有意義なお話をありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は会長の許可を得て順次御発言を願います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 大変、数字を私どもにもよくわかるように御説明いただきまして、感謝申し上げます。  そこで、二点だけお伺いしたいんでございますが、一つは、「ヨーロッパ諸国における避妊・中絶施策と出生促進的施策の現状」というのが表十六に載っておりますですね、一番後ろの六ページでございますが。これ、いろんなことが言われているわけですけれども、これによって出生率そのものに一体どんな影響、効果が出ているか、それをもしあれでございましたら御説明いただけないかということ。  それからもう一点は、女子の未婚者の数が出生率と関係しているのかいないのか。未婚の女性が大分ふえてきている、これはヨーロッパといわず我が国といわず最近言われておりますので、それと出生率との関係。その二点、お教えいただきたいと思います。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 最初の先生の御質問の効果というのは非常に難しゅうございまして、例えば、フランスは非常に熱心なんですね。ですから、先ほどの表で見ましても、フランスはどちらかというと合計特殊出生率が一・八ぐらいでちょっと高くなっておりまして、隣の西ドイツよりもかなり高くなっておりますね。これは、もし熱心でなければもっと低いのではないか。しかし、考えたら、それだけやってもなおかつこれぐらいしかいかないということでもあると思います。それは、全体的な流れが、どっちかというと先ほど申し上げましたように、女性の地位といいますか、一種の社会革命のようなものが進行しておりまして、女子の生きがいということは子育てだけではない、そういう考え方があるものですから、幾らかそれを——フランスの場合には特に児童手当が手厚いですね。児童手当が手厚いし、またいろんなことをやっているにもかかわらずなっていないということで、ですから結論としては、もちろんかなり効くと思いますけれども、幾らやってもこれを完全にその二・二まで戻すまでにはなかなかいかないということだと思います。しかし、フランスはその近所の国に比べますと非常に明示的な政策で手厚いものですから、それだけ高いということはやっぱり効いている証拠ではないかとも思いますね。  それから二番目のことでございますけれども、実は未婚というのはかなり効いておりまして、それにつきましてはちょっと計算をしておるわけでございます。このメインの表の二ページの一番上のところ。いわゆる年齢別有配偶率ということは未婚率の裏でございますね。未婚率が高ければこれが減るということでございます。だから、未婚率と裏腹の関係で、この有配偶率というものが多ければどうかということになるんですけれども、最近のこの出生率の低下に、昭和四十五年から五十五年の十年間で実は五七・七%も効いているということで、随分これは効いている。ですから日本の場合は、晩婚化に伴いまして、昔はいわゆる二十歳から二十四歳の産み盛りのところがほとんど結婚していたのに、今や結婚している人が少ないぐらいですね。過半数は結婚していない。そういうことの効果が多くございまして、六〇%に近い出生率の低下の効果は実は未婚率ということになっているんです。だからこれは非常に効くわけです。ただ、日本のはおもしろいんでございまして、晩婚化だけれども皆婚なんですね。四十歳ぐらいになりますと、離婚をする人も入れまして九五%は結婚しますから、おしまいには収支は合うんですけれども、やっぱり最初のところの産み盛りが少ないというのがかなり効いてくると思います。これはヨーロッパの場合にもやはり同じですけれども、ただヨーロッパの場合は日本ほど効かないと。せいぜい未婚の効果は二、三〇%で、あとはもっといわば社会経済的なもの、そういうものが効いてくると思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 ちょっともう一つ。  最初の問題でもう少しお聞きしたいのは、例えばフランスでは育児休暇期間が二十カ月というふうな保障がされている。あるいは西ドイツでは四カ月、こういうふうにこの数字がございますね。こういうふうなこととの相関関係を示すようなデータは何かございましょうか。これは余りありませんですか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) やっぱりそれはなかなか難しゅうございまして、そうなってきますと、実験をしまして——あるほかの条件がありまして、そうやっているのとやっていないということですけれども、それはちょっとデータがございません。また、フランスとかドイツは、意外とそういう出生力のデータが、私ども行って聞くんですけれども、ありません。そこをはっきり出せるところは、ちょっと私の方は寡聞にして存じ上げません。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 ありがとうございました。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 小野清子君、斎藤文夫君、お二人合わせましてほぼ二十五分程度でひとつお願いします。

小野清子自由民主党

○小野清子君 大変関心のあるお話を具体的にお示しいただきましてありがとうございました。  今回の「出生率の動向と対応」というのは、日本におきましてもやはり出生率が低下してきたことにおいてこういう話題が提供されたことと思いますし、今の先生のお話をお伺いしておりましても、二・〇九人産まなければ人口再生産数に至らないという、こういう数字から見ますと、今、日本は一・七幾つでしたか、その辺あたりが問題であろうか、そんなふうに思います。  先生のお話を今お伺いしておりまして晩婚ということが大変大きな要因になってきているように思うわけですけれども、私自身も考えてみますと、やはり女性が社会進出をして就業する点、それから高学歴になってきたと。それから、経済的理由として先ほど教育費の問題が出ましたけれども、それから住居が狭いとか、こういう問題。その他、私の周辺では、両親の面倒を見るとか、こういうことも結構原因の一つになっている場合がございましたり、あとは、核家族になってまいりますと、育児の協力者不足というんですか、向こう三軒両隣が消えてしまいまして、自分の家族以外に育児の協力者がいない。それから、御主人さんは特に会社の方が忙しい、主婦一人の手にゆだねられるというふうないろいろな原因があろうかと私自身も思いました。  それで、この二番目の高学歴に関しましてですけれども、お出しいただきました資料、この百三十ページというこのページの中の表二十六ですけれども、「属性別にみた「一生結婚するつもりはない」と答えた女子の割合」、これ中卒が一八・一と大変数が多いんですね。これは違いますか、いただいた資料の中に入っておりましたんですけれども。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それは別のあれかと思いますんですけれども……。

小野清子自由民主党

○小野清子君 そうですか、大変失礼いたしました。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それでも結構でございます。

小野清子自由民主党

○小野清子君 手持ちにありましたこの資料によりますと、中卒の方の十八歳から二十四歳までが七・○、二十五歳から三十四歳が二八・八。高卒の共学の場合が一・四と八・九。別学それから専修学校、短大、高専卒、大卒と、こう分けておりますが、中卒の場合の一生結婚するつもりはないというダントツな数字がここにありましたものですから、これと私自身も認識しておりました高学歴との違いがどこにあるのか、これを最初にちょっと御質問申し上げたいと思ったんですけれども、そのような数字は先生の方にはございませんでしょうか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 私どもは、実は、前回は昭和五十七年に出産力調査をいたしました。特にこういう結婚意欲と申しますか、そういうものが大事でございますので、私どものところは七千とか八千とかかなりサンプルが多いんですけれども、聞きましたところが、割合に安定したデータ、つまり結構国民皆婚的なところが出てきているんでございまして、これは聞き方もちょっと難しいんで、よく雑誌なんかに出ているように、興味本位で聞きますと、結構シングルライフを礼賛とかがございますけれども、落ちついて聞きますとそうでもないということで、ちょっとこれはあれだと思いますけれども、ちょっとこれだけでは私はよくわかりませんが……。

小野清子自由民主党

○小野清子君 申しわけございません。こちらの方のデータだったようでございますので……。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) まあ、しかし興味のあるデータだと思います。

小野清子自由民主党

○小野清子君 私も、ですから、この「するつもりはない」ということと現実がどうなのか、この辺あたりで別の数字が出てくるんではないか、そんなふうにも思ったわけでございます。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 実際は、しかしやはり社会的なプレッシャーがありまして、結婚させるといいますか、——よくクリスマスケーキとかいう言葉がございますけれども、二十五過ぎたら何とかでございますね。だから、そういうようにかなり日本では適齢期という概念があって、個人はそう思っていても結構お父さん、お母さんから責め立てられて結婚するというところはございます。これはまた考え方が変わりまして、若いころは非常にロマンチックでそういうことがあると思いますけれども、この辺は非常に流動的だと思うんですけれども、先ほど先生の御質問にあった三世代世帯の影響というのはこれはかなりございますですね。  今我々のところで調査しておりますと、三世代世帯とそれから核家族、どちらの若い女性の出生率、いわゆる奥さんの出生率が高いかと申しますと、三世代の方が高いんです。なぜかといいますと、やはり育児と就業が、自分のしゅうとめさんとかがまだ元気のいいときは見てくれるわけですね。だからかなり差があるわけです。ですから先生のおっしゃいましたように、核家族化すればそういうところが失われるということで、もちろんそれに見合って託児所とかなんとかが非常にがっちりいけば、またよろしいんでしょうけれども、そういう条件が一定としますと三世代の方が有利ということになりますね。しかし、その三世代の場合、これもまた別の立場で見ますと、私どもの計算によりますと、男子、いわゆる世帯主が三十五歳から五十五歳までの年齢二十年間は、片方では子育てをする、いわゆる二十歳未満のまだ学校に行っている子供を持っている、片方ではまたいわゆる老夫婦も持っている、片一方では子育て、片一方ではいわゆる高齢者を養うといいますか、それがありますので非常に苦しい。そういうことで、またある意味では高齢者を持っているところでは逆に子供が産みにくいという、そういう効果も幾らかあるようにも思います。ですから、三世代世帯というのはある意味ではプラス的な効果とマイナス的な効果があるようにも思いますですね。非常に複雑だと思いますけれども。

小野清子自由民主党

○小野清子君 先ほどのデータの中では、日本の場合の就業率三五%とおっしゃった……。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それは結婚している人でございます。

小野清子自由民主党

○小野清子君 それに限定した場合ですね。全体的にはもっといっているわけですけれどもね。  そうした皆さんが、年齢のずれ込みというお話も先ほどございましたね、晩婚に関しましての。こうなってきますと、条件整備を整えてやることによっていわゆる出産率が上がるものかどうか。例えば保育制度の問題、それから先ほどのフランスの育児休業期間の長期的なもの、それから再就職がいかにうまくいくかという点でございますね。そういった意味での再雇用制度の問題などが非常に、女性が社会進出をする上で、今一番話題になっているところであるわけですけれども、その辺のデータは何かございますんでしょうか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それは先ほど申し上げましたように、出産力調査が、一応理想子供数であるとかあるいは、これは私ども予定子供数と言うんですけれども、現実的に何人子供を産むつもりかというのがございまして、理想子供数はたしか二・四、五ですね。それから予定子供数は二・二ぐらいですけれども、実際はそこまでいっていないわけですね。そうしますと、やはりその辺のギャップというところが、いわゆる先ほど私が申し上げたように、産もうと最初はしていても晩婚化のために結局産めないままに終わるとか、あるいは、いわゆる経済、社会的な条件が整っていれば産むんですけれども結局産めなかったとか、そう いうものがあるわけでありまして、私はそこでは社会、経済的にも、例えば託児所とかなんとか、かなりそういう産みやすくする環境をつくるということは余地があると思います。恐らくこういう考え方というのは、厚生省さんの方でも、そういうとにかく産みたいと思う人は産めるようにするような環境整備をされるということでおやりになっていると思いますけれども。

小野清子自由民主党

○小野清子君 現在は二十四時間時代に入ってきているわけでございまして、女性の場合の仕事も職種が非常に幅が広くなっておりますし、また時間帯もそういう二十四時間体制の中に入ってきておるわけです。特に、そうなりますと、産後明けというのはゼロ歳児の保育体制というものがなかなか難しいんですね。それと同時に、保育内容というものが、例えば八時半から五時とか非常に限定されているというのが現状でございますね。こういう問題がやはりフレキシブルにうまくいきませんと、ただ施設、そういう体制がありますよといいましても、体制が二十四時間ぐるみになってきますと、こういった点が改良されていかなければ現実にはいわゆる出産の問題にも踏み切ることがなかなか難しいんじゃないか、そんなふうに思いますけれども。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 全く同感でございます。例えばドイツの場合は、出産休暇期間がもう既に一九八四年は十四週間ですけれども、最近では半年だということでございますね。日本は八週間ですか。しかしこれも、例えば明くる日から日本も半年にして、実際に半年だよと言っても、そういう半年もまた、いわゆる昔ながらの日本的な伝統がございまして、実際の企業の中で半年ということが法制的になっていても、とてもそう半年もとれる環境ではないという、そういう内部的な人間関係とかいうのはそう急に変わるものじゃないですからね。ですから、その辺のところが変わらないと、なかなか半年というわけに、仮に決めても難しいところがあると思いますですね。ですから、いわば伝統的なあれが影響しますといいますかね。

小野清子自由民主党

○小野清子君 ありがとうございました。時間が参りましたので……。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 それでは二、三お尋ねをさせていただきます。大変貴重なお話を拝聴して興味深く承りました。  ことしのたしか七月だったと思うんですけれども、世界人口がたしか五十億を突破したと七月の十一日だったか新聞で見たわけでありますが、今一年間この地球上で人口増加約八千万、メキシコ一つの国が毎年ぽこぽこと生まれている、こういう計算になるわけです。現在の人口五十億、それが将来一体どこまで膨張していくんだろう。言うなら、地球の静止人口というのはどのくらいを考えていいのか、またその静止人口の来る時期というのがこれから何年後になるのか。  それとあわせまして、しからば地球資源その他有限でございまして、こういう現状の中で一体地球の理想とする許容人口というのはどのくらいなんでしょうか。自然条件、あるいは衣食住という社会条件、いろいろと人口決定の要因というのはいわば我々の日常生活すべてにかかわる問題なんですけれども、それらをひっくるまとめていただいて、どのくらいが地球上の許容人口であるか、大きなことをお尋ねいたします。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 大変大きな問題で、私はそれに答えられるかどうかわかりません。ただ、私は実は厚生省人口問題研究所に初めはいたんですけれども、途中で十二年間ほど国連の方に出向しておりまして、そこで人口推計課長を六年ぐらいやっておりまして、その経験といいますか、多少手前みそのようなことでございますけれども、国連は人口推計をしておりまして、ある人に言わせますとかなり楽観的なんじゃないかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、だんだん人口増加率が減ってきておるのはうれしいあれなんですね。ことしの七月十一日に人口五十億になりまして、その前に人口が半分の二十五億になりましたのはたしか一九五〇年なんでございます。そうすると、三十七年かかって人口が倍になっているわけですね。そうしますと、またこの次三十七年かかったら人口百億になるかといいますと、そうではなく、これはかなり人口は減速しておりますのでなかなかならないわけでございます。一応国連の推計によりますと、西暦二〇〇〇年になりますと大体世界の人口が六十一億。ところが、現在大体先進地域と途上地域は、先進地域が四分の一で途上地域が四分の三なんですけれども、これが今度は先進地域は五分の一で途上地域が五分の四、こういうことになります。それで二〇二五年まで国連が一応いわゆる中期の推計をやっておりますけれども、それによりますと、世界の人口は八十二億ということでございまして、先進地域が十四億、途上地域は六十八億と今の人口を、もう二〇〇〇年の世界人口よりも途上地域が多くなる。そうしますと、問題は、先進地域の比率は六分の一ぐらいになると思いますから、あと六分の五、そういうことになりまして、非常に人口はあれですけれども。  ただ、国連の人口推計の基本的な考え方は、途上地域も工業化といいますか、そうしますとだんだん出生率が落ちていく。これは先ほど申しましたように、だんだん工業化しますと、結局、子供の価値が減って、コストが高くなるから、早晩、やはりそこでプラスとマイナスの関係で子供の数は減るだろうということで、やがて先進国が長い間かかって到達しましたような、現在のような低出生率まではいきませんけれども、近づいているということでございます。これは長期的な推計は二十一世紀の終わり、例えば二二〇〇年で百一億、大体百億でございますね。大体百億で、そこで静止するというようなことを考えている。それは後でいろんな改定をしております、百二億になったりいろいろしますけれども、大体百億ぐらいで安定をするということになっております。  これは人に言わせますと、ちょっと途上地域のこの出生力低下が楽観的過ぎるんではないかということを言われるわけでありますけれども、しかしある意味では、ちょうど先進地域の例なんかも見まして、それから新興工業国の例なんかも見ましても、こういうものはある程度下がりますとかなり加速のつくところがありますので、まあ、大体適当なところではないかと思うんですけれども、果たして、先生のおっしゃいますように、次は世界にそれを養う資源があるかどうかということでございます。  これは私ども、実は計算をしましてやりましたんですけれども、まだまだ地球上には、現在の科学技術をもってすれば、いわゆる今は耕地でないところを耕地にするところがあるわけです。恐らく今の倍近くまではできるんではないかという考え方がございます。これは一つの計算ですね。それからもう一つは、さらに農業的な、いわゆる収穫高といいますか生産性が上がるという考え方がございます。そうしますと、一つの考え方は、これはかなり楽観的かもしれませんけれども、もし世界に国境がなかったらば、大体地球全体で三百八十億から四百八十億の範囲の人口を支えることができる、そういう計算もございます、ちょっとこれは楽観的かもしれませんけれども。これはいろんな人間がどれだけたんぱく質をとらなきゃならないか、どれだけカロリーをとらなきゃならないかということを、今からさらに農地があれしまして、今の密林地帯であるとかあるいは耕作不可能なところが変えられるとかいう計算をします。さらにこれはアメリカにおけるのと同じ生産性を持つとしての考え方でございますね。  しかし問題は、やはり世界には国境がございまして、北は非常にいいんです。北は最近はもう、例えばヨーロッパ自体が、単に自給自足できるだけではなくて、最近では非常によく、今までの倍ぐらいとれるような乳牛ができまして、もう牛乳が余って困ると。物すごくバイオテクノロジーとかなんとかの関係でできるんだそうです。それからまた、インドあたりも最近は自給自足できるようになった。人口問題の宝庫といわれ人口問題のデパートといわれますところのインドにしましても、自給自足が可能だといわれますから、あれだと思いますけれども、しかし、やはり世界には国境がありますので、とても三百億とか四百億はできないと思います。  ただ、最近の考え方は、ひところは非常に暗い、マルサスあるいはローマクラブのレポートとか、それからたしかアメリカでカーター政権のときに環境レポートですか、そういうのが出ておりましたけれども、最近はちょっとまた楽観的なものが出てきておりまして、やはり究極的な資源は人間の英知といわゆる自由企業的な精神だ、そういう考え方がまた起こってきまして、ある意味ではそういうものがかなりのところ資源の不足というものをカバーできるんじゃないかという考え方がございます。  それからさらにもう一つは、環境関係が思ったほど、ローマクラブのレポートですと、食糧もさることながら環境が悪化する、汚染が非常に悪化してそれで人類が滅亡するというのがございましたけれども、実際問題としてはそれほど、書かれたほどの影響がなかったんじゃないかというようなことがいわれております。  そういうことで、私は、ちょっとどちらかと言えば国連は楽観的な方かもしれません。しかし、先ほども申し上げましたように、二〇二五年ごろまでに南の人口が六十八億、本当にそこまで上がるかなという懸念はございます。確かにそうなって、今でも貧しいのが、今の倍となって果たしてどうなるだろうかという、南北問題というのが非常に激しくなるということがございます。そうなってきますと、南の方から少し北の方に行ってもいいかという、そういう少し人口を移動させた方がいい、させてくれというのが強くなってくるんじゃないかと思います。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 時間があと三分足らずですから、もう一、二お聞きしたかったんですけれども、もう本当に一つだけ結論的といいますか、非常にこれもまた難しいところですからあれでございますが、今の南北問題、あるいはこれは即置きかえれば大陸間問題とかいうようなことにもなるわけですが、各国でいろいろな人口政策、とるのも政策とらないのも政策なんですね。  こういうような状況の中で、先ほど来御説明がございました、日本の紀元二〇〇〇年あるいはそれ以降、特に二〇二〇年で興味ある数字を私かつてある会合でお話を聞いたんですが、零歳から十九歳、十五歳なんというのじゃなくて、十九歳までの層が約三千七、八十万、紀元二〇二〇年には。そして、六十五歳以上、いわゆる高齢化時代に突入をする年齢層が三千百万。まさに数字の逆転をする紀元二〇二〇年と、こういうことになるわけです。先ほどもそういう数字の、年齢の区切りは違いましたけれども、お話はお聞きいたしたわけですが、それはもうその場になって慌てても、これからの高齢化対応でもってとてもその人口構成では養い切れない。だからこそ社会的に大変革が起きるであろう。価値判断が全く変わってくるわけです。そうした場合に、今から日本は人口政策を何らかの形で打ち出していく必要がある。このまま野放しで不介入ですと、それも方法とはいいますけれども、やっぱり何か、わずかもう約三十年後でしょう、三十年後の対応を今から日本は考えるべきではないか、こう思っているんですが、いかがでしょう。もう一、二分しかありませんので。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それはもうおっしゃるとおりでございます。ただ、人口政策となりますと、実は前に昭和四十年ごろだと思いますけれども、一度厚生省の人口問題審議会で何とか出生力を二・〇九のレベルまで回復させようというのが出ましたが、すぐニューヨーク・タイムズに出まして、日本は産めよふやせよと、ばんと出てくる。だから、国際的にも非常に——それはドイツの場合と同じでございます。そうするとまた、これは大変激越な言葉かもしれませんけれども、アジアの国はまた日本が攻め込んでくるんじゃないか、今度は経済力で攻め込んでくるんじゃないか、そういうふうに思われる懸念はかなりございまして、ですから非常にそれは、むしろ人口政策で打ち出すかどうか私はあれでございますけれども、確かにそれは大事でございますけれども、やり方がいろいろあると思いまして、むしろこれはドイツ式で、家庭政策としてそうやられるとか、そういうことはやっぱり大事だと思います。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 ありがとうございました。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 今、斎藤先生のお聞きになりましたような、いわゆる世界の適正人口といいますか、そういうものは非常に私は重要だと思いますが、結局は分野の問題も非常に大きいというふうに思うわけです。  日本の適正人口ということについてちょっとお考えをお聞きしておきたいと思うんですけれども、私が生まれたのは一九一〇年でございますが、そのころは大体四千九百万ぐらいの人口でございました。先ほどお聞きしますと、戦後は七千万ぐらいであったと。そのころは非常に人口が多いんじゃないかと言われておったと。現在は一億二千万であるというわけですけれども、しかし出生率が少ないということを心配しておられる方の方が多いわけなんでして、どうも考え方が逆転してきているわけなんですが、その基本にあるのは、高齢化が進むと若年層との比率が変わってくる、そういうことが一つの原因であるのか、あるいはほかの国と、途上国なんかと比較しての問題であるのか、いろいろあると思うんですが、先生は適正人口は大体どれぐらいがいいか。これは全体との関係ですから何とも言えないと思いますが。それと、今ふやそうというような気配が少しある、出生率を上げようという気配がある。その原因は高齢化ということが主体であって、そのほかに何かあるだろうかということですね。そのことについて最初お答え願いたいと思うんですが。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 適正人口が幾らかというのは大変よく聞かれるんです。先生のおっしゃいましたように、適正人口は戦後は七千万ぐらいでも多過ぎたと。今は一億二千万でも余りだれも多いとは言わないということですね。かなり基準というのが動いておりまして、やはり根本は経済的な実力といいますか、あるいは生産性とか、そういうものによってこれは幾らか動くものだと思いますので何とも言えませんけれども、やっぱりある意味ではもっと生産性が向上すれば二億ぐらいでも適正ということになるかもしれません、ちょっとその辺はわかりませんけれども。今は大体今のところで適正になっていると思われている方もおられるんじゃないかと思います。ただ、おもしろいことは、国土庁さんで、たしか昭和五十九年だったと思いますけれども、そういうアンケート調査をされております。そこで、このように出生率が低下してきておりますけれども、日本の人口はこれからもっとふえた方がいいのか減った方がいいのか、そういうことを聞かれたのがございます。それによりますと、全く陣営が分かれておりまして、日本のいわゆる過密、特に大都市の人口集中、朝のラッシュアワーとかあるいは環境汚染、そういう意味では人口は必ずしもふえるのはいいと思わない。しかし、高齢化ということ、それからさらに経済の活性化、そういう意味では人口がふえるのもいいんじゃないかという全く二つに割れておりまして、ですから結局のところ、全体としては、しかしこれから人口が今のように出生率が余りにも低くなりまして増加率が将来減るというのはやっぱり困るというのがちょっと多かったように思います。ですからちょっと難しいと思うんですけれども、一億二千万でもちょっと適正——それもまあしかし数という吉もむしろ青少年人口が少な過ぎることだと思いますね。数そのものは必ずしもこれが少な過ぎるとは思ってはおられないんじゃないかと思いますけれども。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 人口寿齢の問題ですかね。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) ただ、だから将来高齢化を支えるところの現役が今若い方ですから、それがちょっと少な過ぎるということは者かなり多いと思いますですね。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 先ほどもお話しありましたように、老人ももし元気であれば六十五で切らなくて も七十五まで働いてもいいわけであって、むしろ働けるわけですから、それは職場を考えれば何とかやれるんじゃないかという気もするわけですけれども、余り六十五で切るというような考えが強過ぎるとどうしても考えが固定してしまうんじゃないかと思います。  それから、人口問題はドイツにもあるわけですけれども、これは同じように敗戦国でありまして同じような経過をたどってきたんだと思うんですが、それはどうなんでしょう。人口動態は戦前から戦後、それから現在、日本と同じように動いているんでしょうか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) ドイツの場合は、先ほど申し上げましたように一九六四年ごろまでは非常に、大体ドイツの場合は日本のように出生率が余り高かったことはございません。それほど高いベビーブームもございませんでしたけれども、それが大体一九六四年ごろまでは合計特殊出生率が二以上でございましたけれども、一九六四年から急に下がりまして、その経過がお手元のメーンのところの二ページの表の五に、ございますけれども、そこの「欧米主要国における合計特殊出生率の推移」、これの上から五番目にございますが、一九六〇年ごろはまだ合計特殊出生率は二・三七、一九六五年は二・五一とかあったんですけれども、それが急に下がるんです。六五年から後どんどん下がってくるということで、非常に低いわけで、最近の状況は日本よりもはるかに低いということで、かなり違うわけでございます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 それから、人口をふやす、あるいは出生率をふやすというのは、先ほどのように育児休暇の問題とかあるいは経済問題が非常に大きくこれは響いていると思いますが、人口を減らすという途上国の方でとられている政策というのは、中国なんかは非常に厳罰主義をとって、それからビルが非常に簡単に手に入るようにどこででも売っているというような、そういう政策をとっているわけですが、そのほかの途上国ではどういうふうな方策をとっているんでしょうか、政策として。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) まず、必ずしも全体の中で、その辺の経過はちょっと時間がなかったからあれですけれども、メーンの六ページの表の十四に、「各国政府の自国の出生率に対する認識と政策」でございますけれども、意外にアフリカあたりでは出生率がまだ低過ぎるとか、そういうところもあるわけなんです。これはお話で申し上げますと大変長くなりますけれども、アフリカというところは非常に国がたくさんございまして、ですから、ある意味ではまだ近代国家の体をなしていないのもありまして、そういう場合には、部族のいわゆるヘゲモニーをあれするというのが非常に大事でございまして、人口を減らすなんというのは自殺行為である、そういう考え方があるわけでございます。ですからあれなんですけれども、そうでない、大体アジアとラテンアメリカは比較的、やっぱりマルサスのわなから逃がれるためには出生率を下げた方がいいというふうなコンセンサスがだんだんと出てきているわけですが、そういう国は政府が積極的に家族計画を推進する。それから、やはり一つは、ただ家族計画を推進するのもそうですけれども、今は教育程度を上げることがある意味では最良のビルであるというんですか、教育程度というのが結局そういうものを握るかぎだという認識が高まりまして、それをやっています。実は教育というのは先ほど申し上げたように二つの効果がございまして、一つは女性の方が非常に合理的な考えを持つということで、もっと計画的ということがありますけれども、実際は、さっきの労働の価値なんですけれども、学校で義務教育をしますと、全部子供を連れ去って学校に連れていくわけです。そうすると、働かそうにも働けないという、そういう物理的な効果が意外と効くということがわかりまして、そういうことのためにということ。また一つは、教育を非常に促進させる、それは特にまた女子の方ですね。それからまた、義務教育をあれする、そういうことにかなり力を入れていると思います。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 ネパールなんかは確かにそうでして、識字率が非常に低いんですね。だから、いろんなことを言おうと思ってもそれが向こうに通じないと。インドでもそうでしたけれども、インドなんかでは、今お聞きしますと、かなり人口政策はうまく、幾らか人口を減らしている。それなんかも何かのある政策を講じたんでしょうか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) インドも、ちょっと申し上げますと、女性差別というのが割に高うございまして、女性の方が平均寿命が低いんです。ですから、ある意味では、結婚しまして女性が嫁してくる、そうすると、子供を二、三人産まないと、その家の中でもう全然一人前として扱ってもらえないというそういうことのために子供を産む、自分が本当に家族のメンバーとしてなるためには子供をとにかく産むことしかないという、そのために子供を産むということがあるわけですね。ですから、やはり女性の地位の向上といいますか平等にするといいますか、そういう効果も大事であります。  もちろん先ほど先生がおっしゃいましたように、非常にインドは昔から、早くから政府が目覚めまして家族計画を推進するということでやっておられるわけで、もうそれは一番歴史は古いんですけれども、ただ、インドというのは中国と違いまして、州が違いますと全部宗教が違う、言語が違う、その中には無数のカストがありまして、何といいますか、家族計画の知識とか家族計画がいいということがなかなか流れてこないんですね。そのために遅くなっているという結果でございます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 最後にもう一つお聞きしたいのは、例の中絶の問題もここにちょっと書いてございますけれども、中絶そのことは書いてないわけですが、まあ、私のあれは古いものですから、中絶が表面に出たものは八十万ぐらい、それで実際は陰でやっていますから二百四、五十万である。現在は二十年ぐらい前と比べて中絶というのはどれぐらいになっているものでしょうか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) これは例えば「人口問題についてのおもな数字」の三ページの表の十一に一応載ってございますけれども、しかし人工妊娠中絶が最近、大体全体としては下がっておりますですね。やっぱりこれは、もちろん私は必ずしもそういうことを言う立場ではございませんけれども、幾らか仮にそういう報告していないのがあるとしましても、全体としてはやはり下がっていることは事実だと思います。これだけ何といいますかいろいろな、いわゆるビルこそあれですけれども、ほかのいろんな家族計画の手段ですね、いろんな薬だとかあるいは器具がこれだけ自由に、しかも安価に普及しておりますから、割合にだんだん中絶から普通のそれの方に、もっと計画的な出産に変わっていることは事実だと私は思いますですね。ですから、これが例えば昔のように何倍もあるということではないと思います。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 ありがとうございました。  出生率をふやすというのは、もともとは助からないような子供を何とかして助けよう、医学の進歩とともに助ける、しかしそれには大変な金がかかるわけですね。今まで七カ月ぐらいだったらばまあ育てられる。今は六カ月とか五カ月でもとにかく子供を育てることができる。ところが、それには非常に大きな金が、費用がかかるわけですね。それは老人を何かするよりももっと金がかかるかもしれない。そういうことで、余り出生率を上げるということで、逆に今度は出生率を上げたために経済的には非常に苦しくなるというふうなこともあるんじゃないか。だから単に出生率といっても、それがどれぐらいの状態で生まれてくるのか。一人の子供は非常にお金がかからないんだけれども、それが早産になってくると、あるいはそれを取り出すということになってきたり、あるいは体外受精をやるとかということになると、それが何人分にもなってくる。それは全体の経済に大きく響いてくるというふうなことにもなるんじゃないか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それはおっしゃるとおりでございます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 だから今後どういうふうになるかということは、老人の今後の処遇というものと何か産まれた子供の処遇というものと両方を対比して考えないと、そこで非常に大きな金がかかるということになるんじゃないかと思いますね。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それはおっしゃるとおりでございます。  特に、ちょっと観点が違いますけれども、今までは社会的な弱者は老人だけだ、こう考えておられるわけですけれども、実は社会的弱者は同時に子供であるという考え方が最近アメリカで出てきまして、特に人口がだんだん少なくなりますと、いわば教育というものが衰退産業になるということ、そうしますと、だんだん先生方の待遇といいますか、そういうのが落ちてきまして、だれも有為な人は行かなくなると、極端な例ですけれどもアメリカでは。そういうことになりますと、だんだん教育の質が落ちてきて読み書きもできなくなる。現に今アメリカはそれを非常にあれしておりますですね。ですから、そういう、高齢化というのは両方のあれがあるということは先生のおっしゃるとおりだと思います。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 どうもありがとうございました。  終わります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 共産党の吉川です。  二、三点御質問させていただきますが、まず第一点は、結婚して子育てしながら仕事を続けるということは大変困難なことで、私もその道を通って今日に至っているわけですけれども、社会的なバックアップがあればある程度子供をたくさん産んで育てることも可能であるというお話はさっき小野先生との論議で伺っておりました。  育児休業とか保育所、それから女性の賃金、教育費、こういう問題をどれとっても日本の場合は欧米先進国あるいは社会主義国と比べて、劣悪と言うと言い過ぎでしょうか、かなり負担が重いので、これを改善することによって出生率が上がるように私も思うんですが、今いただいた表を見せていただいていますと、出生率とどういうふうに保護しているかという関係を見てみますと、例えばフランスは一・八と、それで育児休暇は二十カ月ある。日本も一・八一だけど、育児休暇はこれは原則としてないんですね。特殊の女性だけに認められていることで、一般にはない。ソ連の場合は、社会主義国ですからちょっと同列には言えませんが、二・三七の出生率で十カ月ある。スウェーデンは十一カ月ある。こういう数字を見てみますと、一つは、日本は社会的なバックアップがないにしては先進国の中で出生率が高く保っている、女性が頑張っているんじゃないかということが考えられますし、もう一つは、必ずしも社会的なそういうものを上げても出生率の増加につながっていないというほかの数字を見ますと、今後日本がどうなるかわかりませんが、そういう女性が結婚して子供を育てながら働ける条件というのはうんとつくってほしいと私いつも国会でも主張しているんですが、そのことと出生率の向上に結びつくのかどうかですね、それを一つお伺いしたいんです。  それで、日本に適正人口が二億というお話もありましたけれども、もっと出生率を上げなければいけないとして、高める必要があるとして、そういう場合にはどういう施策が一番有効なのか、それが二番目です。  それから、よくお話としてあるのは、アフリカやアジア、日本以外のアジアの諸国でうんと出生率がふえて人口がふえちゃう、ヨーロッパとかアメリカとか北米、そういうところは人口が少なくなっちゃう、これは大問題だというふうに問題提起されますが、アジア・アフリカ諸国の人口がうんとふえて先進国と言われる国の人口が少なくなる、これはよくないことなんでしょうかね。その点です。  それから最後に、人口問題の一番の敵といいますか、ネックは何なのかということなんですけど、さっき地球の適正人口のお話もありましたが、国境がなければ三百億とか四百億とか養うことが可能だというお話もありまして、政治、経済、いろんな体制が——人類は必ず前進するわけですから、いずれ国境のない時代も来るかもしれませんが、今の時点に立って考えたときに、例えば砂漠化とか気候の変化とか、あるいは戦争とかエネルギーの枯渇とか、いろいろな問題があると思うんですけれども、私たち地球の上にやっぱり必要な人間が住み続ける上で何が一番大切なことか。人口問題に限りませんけれども、そういうことをちょっと疑問に思いましたので、最後に総論的に伺います。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 大変皆、何といいますか、非常に難しい、また非常に適切な御質問でございまして、なかなか答えるのが難しいのですけれども、まず第一点につきますと、日本と西欧社会と違うところは、やはり二世代世帯というようなことが日本は非常に多いわけですね。特に老人の場合でも六十五歳以上の方は大体六〇%近くは三世代同居である。まあ、この辺のところは非常に違っておりまして、ある意味では三世代同居というものが、もちろんプラス・マイナスはございますけれども、一応幾らかプラスの、まあ、どっちかというと、ほかの条件が一定ならば出生率を高めるようなそういうところにあるわけで、その辺が日本の場合は効いているとも思いますし、それからやっぱり日本の場合は文化的といいますか、そういうような考え、少し違うところがございまして、例えば西欧ですと非常に子供に対して冷たさといいますか、そういうところがある。例えば離婚なんかとりましても、日本ですと子供がいるから離婚しないということで、向こうは子供のことまで考えるのは、何といいますか、二の次でありまして、やっぱり自分の、子供のために犠牲になることはないんじゃないかという、そういう考え方があります。その辺がかなり、百八十度違うところがございまして、そういう点では日本の方が少し、子宝思想とは言えませんですけれども、幾らか子供に対してやわらかいような考え方。こうなってきますと、全く評論的なことでございますけれども、そういうところがあるので、多少そこら辺が日本では働いているんじゃないかというようなことも考えられるわけでございます。  もちろん、先ほど申し上げましたように、日本の場合にはまだ就業率が低いとか、それから離婚がそうですね。離婚が少ないというようなことは多少そういう、亭主は丈夫で留守がよい、そういうこともありますけれども、子供のことを考えるというのはもう少し、何といいますか、いわゆる本当に夫婦個人主義というのがちょっと薄いということがあると思いますけれども、そういうことが多少効いてくるんじゃないかと思います。  それから、どういうことをすれば出生率が上がる。これは非常に難しいことだと思いますけれども、確かにおっしゃるとおり、いわゆる法制的なこと、政策的なことでもかなり限界があった。フランスあたりはもう一九三〇年ごろからドイツとの対比でやはり人口をもっとふやさなきゃならない。特に青少年ふやさなきゃならないということがあって、五十年以上の歴史があるわけですけれども、なかなか出生率は上りませんですね。  しかし、ある程度これは波がございまして、ある程度は、二・〇九は超えていたこともずっとございまして、あるわけですけれども、やはり一つは先ほど申し上げたように、行政といいますか、そういうものは産みたいけれども産めないという状況を緩和するということだと思います。そうしますと、いろいろこれはすごく多岐にわたると思うんですけれども、単に先ほどから言いました育児手当とかなんとか、それから思い切った税制の改革、それから思い切った児童手当。例えば私も、フランスなんか聞きますと非常に多いわけですけれども、思い切った児童手当とか、それはいろいろあると思いますけれども、しかしもう一つは、全体としてやはり女性の地位の向上といいますか、女性の生きがいが子育てではないという、この考え方が私は一番根が深いと思うんです。だから、これに対して子供たちが本当に、この考え方というのは今さら女の人は家庭に戻って子育てをやれとはもう言えないと思うんです。やっぱり歴史の流れを変えることはできません。  そうしますと、結局、片方ではそれを生かしながら、かつ女性は喜んで、そして安心して少なくとも二人の子供を産めるような何か新しい哲学といいますか、子宝思想といいますか、言うは易しく行うは難しい、何かそういう、新しい新家族主義のパラダイムと申しますか、そういうものをつくると。これはもういろいろあれですけれども、それにはやっぱりいろんな、新しい出産と子育て、子育てとそれから就業とを調和させるには、やっぱりいろんなそれを妨げる、実現には法制的、慣行的障害があると思うんです。これは無数にあると思うんです。それを片っ端からシラミつぶしにつぶしていただくというのしかないと思います。例えばさっき言いました税制とかいうのも一つだと思いますけれども、お互いにそれが矛盾しているわけです。片方では非常に影響ありますし、片方では逆の方向があると思います。だからそれをもう少し新しい哲学でやっていただくということじゃないかと思います。  それからもう一つは、確かに私個人はそう思っているわけではございませんけれども、ヨーロッパの中では人口が減るということは、ヨーロッパの人口の比率が世界の中で減るということは、いわゆる西欧の没落と申しますか、やはり西欧の没落というのは、前もシュペングラーが一九三〇年ごろ言われたのも同じような背景、人口が減るから西欧の没落ということが言われるわけでありまして、こういうことは彼らは言いませんけれども、やはり根は皆持っていると思うんですね。ですから確かに、これは今の時代には、だからといって戦争で相手をつぶすということはとてもできませんし、やはりこれはお互いに協調でやらなきゃならないということで、この辺が難しいことだと思いますけれども、しかし、やはりヨーロッパの人たちはある程度、五%は確保したいということが関心になっていると思います。  それから最後の問題で、何が人口問題で一番、これは本当に難しいことだと思います。私は意外と文化的なものを考えるんですね。やはりかなり文化的な物の考え方、先ほども申し上げましたように、これだけ何といいますか、ある意味では女性の地位が向上したというのはいいことなんだけれども、それが回り回って現象的には出生率の減少ということで悪いようなことになっておりますね。この辺のところの哲学と申しますか、社会観というか、その辺がやっぱり根じゃないかと思うんですけれども、これは勝手な幻想でございます。  大変簡潔でございますけれども。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 どうもありがとうございました。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 ちょっと時間がなくて質問できぬかと思ったんですけれども、五分ほどあるから質問させてもらいますが、国連の主唱で、世界人口問題でアジア地域が、御存じだろうけれども、特に人口問題の会議を日本が特別資金を出して毎年会議をやるようになっているわけなんですが、その中で、私が今度参加して一番印象に残ったのは、人口が宗教問題に非常に関係がある。だから、したがって人口の過剰に対して減少政策をやるのに、宗教の各指導者がそういう人口、出生についての手段についてとかく主義主張というんですか、教化の関係で余り表面に主張しない、こういう了解ができたんだと、こういうようなことが宣言に載っているわけですよね。そうすると、結局宗教というものが人口の増加に非常に影響していたという認識があったんじゃないかと思うんですが、きょうのお話では宗教関係が全然ないもんだから、どうかと、こういうことが一つ。  現に回教徒の関係は、これはソ連においても、同じソ連の中で人口が片方の種族は減っても回教徒の種族はふえるということがある。それからアフリカは宗教があるかどうかはわからぬけれども、先ほどのお話聞けば、種族、部族の一つの生存の考え方から非常に人口増加政策をとっている。こういうようなことがあるんだけれども、中国は人口を抑制している。これは儒教で繁栄の思想がある。そういう宗教関係のやつが非常に影響しているということがあって、それは主義主張として、また宗教的なもので余り強制をしないということが了解できだということが書いてあるんですが、きょうのお話だと人口問題の増加というやつは余り宗教関係載ってないんですが、その点は研究になっているんですか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) それは一つは、先ほどちょっと触れたんでございますけれども、儒教が宗教がどうか問題でございますけれども、やはり先ほど申し上げましたように、こういう言葉を言っては悪いんですけれども、いわゆる出生率が低いということが必ずしも優等生とは限りませんけれども、いわゆる途上国の中で出生率を低下させた国々は一部を除きますと皆儒教国、儒教文化圏なんですね。ですから何か儒教にはそういう、ある意味ではある目的を定めますと、目的合理的に事をやるというような、そういう面があるんじゃないかということと、それから割合に儒教というのは、カトリックとかあるいは回教徒はある意味ではそういう家族計画をやるのは神への冒涜であるという考え方がございますけれども、割に儒教はそれはニュートラルなんですね、割に。だから確かにそういうことはございますし、宗教はものすごく大事だと思うんですけれども、それはまた現に、ちょっとそれは言葉足りませんでしたけれども、確かにある国の中で、例えばキリスト教、特にカトリックの国が少し出生率の低下が遅いとかいうことは確かにございますけれども、しかし、出生率の低下につきましては割合に最近では物を言わないと、特に目くじら立てて反対されるということはなくなっているように思いますね。  しかし、確かに回教、特になかなかそこが問題でございまして、やはりそういう一番の家族計画の根本は、家族計画の知識もさることながら、こういうことをして自分の子供の数を制限することが神への冒涜ではなかろうか。いや、そうでは必ずしもないんだよというところを認識するところが大事でございまして、その辺が宗教のあれによっていろいろ違うと思います。その点儒教なんかは割にそこがフリーにいったというふうに思います。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 サラリーマンが子供を育てるというのは本当に大変なんです。今、先生が言われたとおり、税制から何から全部改革していただかなきゃ三人も四人も子供を持つなんということはとても無理だと思います。そういう意味で、諸先生から全般的なことを、もうみんな私聞きたいことは御質問がありましたし、時間も五分しかありませんので、全然違うことをお尋ねしますけれども、きょういただいた資料の中で各国の態度が出ていますが、例えば日本なら日本の移民に対するところに「より高い率で」なんというようなふうに日本がなっているわけですが、これは日本のどこが決定しているものなのか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 大体これはどういうところから出てくるかと申しますと、国連には人口部というのがございまして、そこでいろんな人口政策のアンケートをとっておるわけでございます。それを一応外務省を通じて各省庁にまたがって配付されて、それの関連のところを答えるようになっているわけでございますけれども、これは恐らく、ですから厚生省ではなくて、あれは法務省でございますか、そういうところでおまとめになったと思います。それで、最終的には外務省がおまとめになって向こうに回答された、それを全部まとめたのがこの報告でございます。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 そうしますと、日本の国際流出人口は積極的だと解釈していいわけですか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 割に、出る方は別にもっと出ても差し支えないんじゃないかということを思っておられるんだと私は解釈します。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 そういう解釈なんですか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) ええ。少なくとも望ましくないとも考えないというよりも、より高い率でもいいということだと思います。割にもともと進取の気性——何といいますか、雄飛してくださいといいますか、そういうのは変わらないんじゃないかと思います。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 それから三番目に、日露戦争か日清かわかりませんけれども、ある物の本によると、太平洋戦争までに軍人、民間を含めて四百万人以上が死んでいると。それから交通戦争が始まって既にもう四十何年間、二十四時間以内に死んだ人だけだって年間九千人、それに四十年間を掛けますとすごい数字になるわけです。そういう戦争災害、交通事故みたいなものが仮に日本になかったとしたら今の人口はどうなっているかというような、そういう研究までなされているんでしょうか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) 実は安定人口とかいうのがございまして、戦争とかそういうものがなければピラミッドがもっときれいな形になります。それはあるわけでございますけれども、恐らく戦争がなかったら人口はもっと多いかと思います。  ただおもしろいことは、一たび戦争がありますと、今度は逆にベビーブームのようにこれを埋めようとする、そういうまた働きが出てきまして、そうすると山あり谷ありが出てきます。それが二十年ぐらいたちますと、また、いわゆる第二次ベビーブームとか出てきまして、なかなか複雑なわけでございますけれども、しかし収支あれしますと、結構、これはちょっと軽々しいあれかもしれませんけれども、意外と安定人口に近いというところもございます。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 では最後に、出生力と小さな国なんかの防衛力の問題がありますね、この数字を見てみますと、国の名前の中にイスラエルが出てこないんです。イスラエルの最大の失敗は人口をふやさなかったことだというような俗説だか、何かそういうことを聞いたことがあるんです。それからもう一つアメリカでは、これはいい悪いは別として、近い将来黒人の大統領が出るだろうと、白人の中に相当の恐怖心があると、僕たち日本人に言わせれば、黒人の立派な人が大統領になったって構わないと思いますけれども、そういうイスラエルの人口問題と、それから南北の流入によって自国民といいますか、もとの人たちとの関係。それから日本が今まで——単一民族というのは当たるか当たらないか、いろんな問題がありましたけれども、このままで推移すべきなのか、もっともっと難民その他、いろんな他国人種を入れていくのが国際化の中で生きる道なのか、ちょっと難しいと思いますけれども、簡単で結構でございます。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) イスラエルの場合は、実はこれは一応国連の定義によりますとヨーロッパでないことになっていたものですから、それで入れてなかったわけでございます。  実はこれはございまして、イスラエルの場合にはやはり人口増加率が低過ぎると思っております。しかもまだ、積極的に国はもっと政策をしてこれを上げるべきだと答えております。ですから、おっしゃるとおりイスラエルは人口増加政策をとっていると思います。  それで、失礼しました、もう一つの質問……。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 例えば日本は日本人だけでほぼ住んでおると思います。そういう意味で、アメリカの、白人と黒人の確執の問題とか。

河野稠果厚生省人口問題研究所所長

○参考人(河野稠果君) わかりました。失礼しました。  やはりその辺のところが難しいところでございますけれども、そういう研究は余りございませんですけれども、ただやはり、よそから流入してくる人を同じ受け入れるにしましても、日本はかなりそういうことを——まず文化的摩擦が多くなるということを強調される方が多いですから、なかなかやっぱり難しいし、アメリカのようなモザイク社会あるいは複合社会と申します、そういうものに対してかなり抵抗があるように思います。アメリカでもやっぱり抵抗があると思いますけれども、アメリカの場合は徐々に変わると思います。  大変どうも失礼しました。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 ありがとうございました。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 以上で参考人に対する質疑は終わりました。  河野参考人にはお忙しい中をお差し繰り御出席いただきましてありがとうございました。非常に有意義なお話を承りました。お述べいただきました御意見等は今後の調査の重要な参考にさせていただきます。河野参考人に対しまして調査会を代表して厚くお礼申し上げます。  どうもありがとうございました。(拍手)     —————————————

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  国民生活に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御意識ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十八分散会

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