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111回国会参議院1987/12/09

環境特別委員会 第2号

発言数
7
登壇者
2
会派数
1
開催日
1987/12/09

会議録

松尾官平自由民主党

○委員長(松尾官平君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。  公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。石井君。

石井道子自由民主党

○石井道子君 環境特別委員会の委員派遣の報告をさせていただきます。  去る十一月十九日、二十日の二日間、自然環境保全、スパイクタイヤ粉じん対策等に関する実情調査のため、松尾委員長、星委員、小川委員、田渕委員及び私、石井の五名により岩手県及び宮城県への派遣を行いました。  日程の第一日は、岩手県庁におきまして、県の公害・環境行政の概況、葛根田ブナ林の現況等について説明を聴取しました。その後十和田八幡平国立公園内の葛根田地域に赴き、葛根田ブナ林の状況を現地調査し、また葛根田地熱発電所を視察いたしました。  第二日は、岩手山麓国民休暇村の網張スキー場を視察し、次いで四十四円ダムの水質の状況について説明を聴取しました。その後宮城県を訪れ、県の公害・環境行政の概況、スパイクタイヤ粉じん対策等について説明を聴取した後仙台市内の降下はいじん測定局を現地視察いたしました。  以下、これらの調査事項のうち主要な点について報告いたします。  まず、葛根田ブナ林の状況について申し上げます。  葛根田ブナ林は、岩手県岩手郡雫石町の葛根田川源流地帯に広がる広大なブナの原生林で、昭和三十一年に十和田八幡平国立公園に編入されております。この地域は、クマゲラを初め鳥類や哺乳類等の貴重な野生生物が生息する日本でも数少ない豊かな生態系が残されていると言われております。  六十一年度から七十年度を計画年度とする林野庁の第五次地域施業計画では、国立公園内約六千六百ヘクタールに広がる国有林のブナ林のうち千百ヘクタールを伐採の対象とし、そのうち二百五十ヘクタールを漸伐、八百五十ヘクタールを択伐することとされておりました。しかし六十二年に入り、自然保護団体、岩手県、雫石営林署等の調査で国の天然記念物であるクマゲラのねぐら木や食痕が発見され、その生息の可能性が確認されたことなどを契機としてブナ林保護、伐採反対の声が高まり、岩手県、自然保護団体等から関係行政機関に対して要望書が提出されました。また、この問題については当委員会でも議論がなされているところであります、こうした動きを受けて、去る十月三日青森営林局は施業方針の変更を公表し、葛根田地域のブナ原生林のうち既に売買契約済みの四・八ヘクタールについて、当初契約伐採量の約二割を縮減するとともに、残る原生林の施業計画を当面凍結することとしました。この間、当該地域について環境庁などが詳細な現地調査を行い、専門的な議論を煮詰めていく必要があると感じたところであります。  健全で恵み豊かな環境を国民共有の財産として二十一世紀の世代へ引き継いていくことは我々の世代に課せられた大きな責務であります。全国でブナ原生林保護の声が高まっている中、今回実際に現地を視察して、ブナ原生林の保護については貴重な資源の保持や生態系の保全の観点から検討していくことが重要な課題であると痛感いたしました。昨年末に林政審議会は、将来の国有林機能を木材生産、国土保全水源涵養、自然としての森林維持に分けて、その機能に応じた森林整備への転換を提言しました。林業との調和を図りつつ地域の実情に合った保全の仕方が必要であると考えます。  葛根田地熱発電所は、出力五万キロワットの我が国最大級の地熱発電所で、東北電力と日本重化学工業が共同で開発を進め、昭和五十三年に運転を開始しました。当発電所が十和田八幡平国立公園に位置することから、自然景観の保全、熱水及び排水対策、植生の保全、騒音対策など自然環境との調和、環境の保全について具体的な説明を受けました。  宿泊いたしました岩手山麓国民休暇村は、全国に三十カ所ある国民休暇村の一つで、十和田八幡平国立公園内につくられ、温泉とスキーを中心とするレクリエーション施設を備えています。これらの施設は自然の状態をなるべく残すような形でつくられており、自然環境との調和が保たれておりました。  次に宮城県におけるスパイクタイヤ粉じん対策の状況についで申し上げます。  宮城県では、スパイクタイヤの使用に伴って発生する粉じんにより街の景観が損なわれ、沿道の商店等では商品が汚れるなどの被害が出ており、健康への影響も懸念されております。交通安全への悪影響としては、わだち割れ、区画線、横断歩道の標示の消滅などが挙げられ、摩耗した道路や消滅した区画線などを補修するために多額の費用を要しています。  六十一年四月に制定された宮城県のスパイクタイヤ対策条例は、県をスパイクタイヤ対策重点地域とスパイクタイヤ対策推進地域に分け、四月一日から十一月三十日までの間はスパイクタイヤの使用を禁止し、残りの期間その使用を規制すると同時に、市町村、事業者、ドライバーの協力義務、知事によるスパイクタイヤ対策基本計画の策定などを定めております。その他、宮城県では「脱ス パイク一人ひとりのハートが決め手」というスローガンのもとにさまざまな広報活動やキャンペーンを行っており、条例の施行と相まってスパイクタイヤ装着率の低下や降下はいじん量の減少に寄与しております。  宮城県はスパイククイヤを規制する条例を全国で最初に制定した自治体であり、県を挙げてスパイクタイヤ粉じん対策に取り組んでいるという感を受けました。しかし、スパイクタイヤ粉じんの問題は一県だけのものではなく、より広域的な問題であります。国としても早急かつ積極的にこの問題に取り組まなくてはならないものと感じた次第であります。  なお、岩手県自然保護協会と八幡平の葛根田ブナ原生林を守る会及び雫石地区国有林材生産協同組合から要望書をいただいております。これらを会議録の末尾に掲載していただきたく、委員長のお取り計らいをお願いいたします。  以上、報告を終わります。

松尾官平自由民主党

○委員長(松尾官平君) これをもって派遣委員報告は終了いたしました。  なお、石井君の報告中、御要望のありました岩手県の自然保護団体からの要望事項を本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松尾官平自由民主党

○委員長(松尾官平君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

松尾官平自由民主党

○委員長(松尾官平君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  公害及び環境保全対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松尾官平自由民主党

○委員長(松尾官平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松尾官平自由民主党

○委員長(松尾官平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会      —————・—————

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