土地問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/12/05
会議録
○小此木委員長 これより会議を開きます。 土地問題及び国土の利用に関する件について調査を進めます。 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として臨時行政改革推進審議会土地対策検討委員会主査林修三君及び日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ―――――――――――――
○小此木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野呂田芳成君。
○野呂田委員 先般来この委員会におきましても、東京の地価高騰の問題についていろいろな議論がなされましたが、共通点は、どうも地上げ屋が地上げをしている、あるいは金融機関が金融を過剰に緩和して投機がなされている、こういうことが非常に地価を高騰させた一つの原因ではありますけれども、私は、こういう現象は実は地価高騰の結果的に出てきた問題でありまして、本当の原因ではないのじゃないかというふうに思います。 と申しますのは、地価高騰は何も日本だけの問題ではございません。この一年間、アメリカの統計を見ても、フィラデルフィアでも住宅地が六〇%も上がっております。あるいはニューヨークでも五〇%以上、ワシントンでも四〇%以上上がっておりますし、今挙げた地域の中で主なる住宅地では二〇〇%から三〇〇%も上がっております。また、アジアの主要都市を見ても五〇%から一〇〇%以上地価がこの一年内に上がっているところを見れば、今日の地価問題はひとり日本だけではなくて、世界共通の現象であるということがよくわかります。そうして考えてみると、日本の地価問題で指摘されているようなことだけで今日の地価対策を議論しては、私は基本的に大きな間違いを犯すのじゃないかという気がしております。やはり世界が共通して地価が上がっているということは、これは何といっても世界の金利が非常に下がったということに大きな理由を求めるべきだと私は思います。 しかし、日本だけでこの問題を解決するということは不可能であります。そこで私たちは、この地上げ屋の退治とか金融機関の抑制だけでは日本の本当の地価はおさまらない、世界の地価ももちろんおさまらないわけでありますけれども、そういう観点から考えますと、やはり地価抑制のためのもっと基本的な問題に取り組まなければいかぬのじゃないか、こういうことを私はきょう御提案をしたいと思います。 そこで、まず建設大臣にお伺いいたしますが、四全総によりますと、この計画期間内に首都圏だけでも約三百万人人口がふえるということになっております。これをもし抑制しなければ五百万人ふえるということになっておりますが、仮に三百万人ふえるとしましても、四万ヘクタールの住宅地が必要だということになっております。ところが、残念なことに首都圏における宅地開発事業というのは停滞ぎみでありまして、余り進んでおりません。このままでは私は大変大きな問題を残すと思います。なぜ首都圏内における宅地の開発が進まなかったかといいますと、やはり首都圏内の地方公共団体が開発抑制方針をとってきたということが挙げられると思います。また、首都圏は殊さら宅地開発指導要綱が厳しい、こういうことも挙げられると思います。また、今までの建設省が所管してきた宅地開発事業については、税制上の優遇措置も財政上の助成措置も非常に乏しいのであります。 そこで、私たちは、これから本当にこの地価問題を解決して、これから四万ヘクタールも要る住宅問題を解決するためには、大都市における優良な宅地開発を必要とする、それを促進するための基本的な法制の整備をするべきじゃないか、こういうふうに思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○越智国務大臣 現下の土地問題に対応するためには、お説のように良好な宅地を大量に供給する必要がありますが、大都市地域において宅地開発事業は種々の理由により停滞ぎみであります。建設省といたしましては、国民の需要にこたえ、良質な宅地を供給する事業の促進を図るため、総合的な施策を講ずることが必要であると考えております。 なお、現在関係機関と調整を進めているところでありますが、今後法制度による措置を含めて検討を進めてまいりたいと存じております。
○野呂田委員 重ねてお願いでございますが、今五ヘクタールから二十ヘクタールぐらいの宅地を開発しようと思えば、関係地方公共団体が意見を調整したり、あるいは農地法の手続で、事業が十四年間通常がかっております。二十ヘクタール以上の土地では、二十年かかってようやく事業が完成するというありさまでありますから、このありさまでは、今から行動を起こしても、この首都圏における土地問題の解決には即効薬とはなりません。 そこで、この法律をつくる際に何とかこういった農地法の手続をもっと簡素化、迅速化する、あるいは関係地方公共団体が何年も持ち回って許可をしないという事態をなくさないと、私は土地対策としては成らないと思うわけでありますから、この点についてひとつぜひ建設省が強力な指導をし、あるいは法律上それを担保していただきたいと思うわけであります。 もう一つありますが、実は今、日本で約二千億お金を年間使って、五割以上の補助金をつけて区画整理事業をやっております。しかしながら、区画整理事業をやって、法律の目的で健全な市街地をつくるということになっておりますが、電気、水道、ガス、下水、公園、あらゆるものをつくりながら、今全国で区画整理事業施行済みの土地で利用されていないものが二万一千三百七十四ヘクタールございます。首都圏だけでも五千六百ヘクタールもあるわけであります。 そこで、これについてはどうなっているかというと、事業をやった土地にまた木を植えて、農地として扱われて宅地並み課税を免れている。大変残念な現象でございますが、今東京は手のかからないものを植えて――農地として宅地並み課税を外れるために一番手のかからない作物は何かというと、クリであります。驚いたことに、きのう農林省から作物統計を取り寄せてみたら、東京が熊本とか茨城とか愛媛に次いで全国で十番目のクリの生産県になっておるのでありますから、これはいかに国民の血税をむだにして、そして土地の利用が進まないで税を免れているかという実態がよく捕捉できます。 そこで、これから今大臣がおっしゃったような立派な法律をつくっていただけるとすれば、せっかくつくった宅地をこういうふうに利用されないで値上がりを待って、しかも税金は農地並みにして免れているという現象はやめさせなければいかぬ。法律でそういうちゃんと税金をかけてやったものは、どうせこの法律は今大臣がおっしゃったように税の優遇措置とかあるいは融資の助成措置をやるわけでありますから、そういう国民の血税によってなされた事業がまた利用されないで農地になって、値上がりを待って宅地並み課税を免れるという現象をなくするような担保措置をちゃんとやっていただきたい、この点について御要請しながら、大臣の所見を伺います。
○越智国務大臣 第一点の開発の問題でありますけれども、地方公共団体が今まで、どちらかといいますと開発を抑制してきた。でありますから、良好なところがありましても、五ヘクタールないし二十ヘクタールあるいは二十ヘクタール以上、こういったところの手続が非常に長くかかっておるのは、お説のとおりであります。そこで、指導また法等を改正いたしまして、できるだけ早く開発の手続ができるように今後指導してまいりたい、かように思う次第であります。 第二点の、今お説のように、せっかく開発した良好な宅地が、クリを植えるとかいろいろな方法で値上がりを待っているようなところについても何か規制の方法、またこれを、早く家を建てる、あるいは売却するにしても、早く家を建ててもらう、家とともに処理をしていく、有効に使われるような方法を、法を含めて指導をしてまいりたい、かように考える次第であります。
○野呂田委員 この問題は、やはり大変に土地問題を解決するに重要な問題でございますから、国土庁でもひとつ建設省と相談されて、今隣から声がかかりまして、農林大臣を呼んで究明したらどうかという話でありましたが、きょうはおりませんので、ひとつ各省庁間で横の連絡をよくしていただいて、こういう実態をなくするようにお願いをいたしたいと思います。 それから、建設大臣に二つ目の質問でございますが、いわゆる逆線引きの問題でございます。 きのうも盛んに出ておりましたが、そもそも日本の都市計画法は、フランスのZADという制度をまねをしたものでございます。このフランスのZADの制度は、実は十四年間長期整備区域というものを指定いたしまして、その間国や地方公共団体には先買い権を与えております。土地の所有者には買い取り請求権を与えておりまして、緊急に宅地化する地域についてそういう恩典を与えたものであります。しかも、価格は区域設定の一年前の価格で凍結しておりますから、大変効果が高いわけであります。日本の都市計画法もそれをまねしようとしたのでありますが、財政当局の反対に遭ってこれが実現できなかった。そこで、やむを得ず十年間かかって市街地を概成するという訓示規定にとどめましたわけですから、入るときだけはみんなが一生懸命市街化区域へ入って値段を上げたわけであります。ところが、入ってしまうと、今度は絶対に開発に応じないということで、ますます地価高騰の原因になって宅地が供給されないという悪循環をやっておるわけであります。 そこで、これを退治するために、埼玉県なんかでは相当、八百ヘクタール以上の逆線引きをいたしました。きのうも建設省から、既に逆線引きをした面積として――全国で三万四千ヘクタールばかり、これからするのが二万九千という話でありまして六万四千強の市街化区域の編入の問題がありましたが、逆に今度は市街化区域から調整区域に逆線引きしたものは五千六百ヘクタールしかございません。つまり八%程度しか、新たにふやしたものよりも減らした方は八%しかないという状況であります。 そこで、やはりこれからは、大事なことは、十五年たってもまだこれは利用されないわけですから、ひたすら値上げを待って、しかもクリなどを植えて値上がりを待って利用しないわけですから、これはやはり期限を定めて、今後三年ないし五年以内に開発しなければ調整区域に落とすということをすることによって、落ちれば値段が三分の一以下になりますから、開発が促進するのじゃないか。しかもまだ、それでもなお開発しないという人は永久に農地として持っていたい人でありますから、こういうものを市街化区域に入れて価格を上げておく必要はございません。したがって、開発を促進するためにも、地価を抑制するためにも、私は、十五年たってここでやはり大幅な逆線引きをすべきである、本当に必要なときは大幅に市街化区域に調整区域から編入すべきである、こういう操作を今、十五年たって改めてやらなければいかぬと思うのでありますが、その点についてひとつ大臣の御所見を伺います。
○越智国務大臣 お説のとおりであります。せっかく市街化区域に指定をしておきながら開発をしない、農地のままずっと続けている、こういうところは逆線引き、これに持っていく、こういうことが必要であると思いますので、強力に進めてまいりたいと思います。 また逆に、調整区域でありましても、開発が非常に進みそうなところは市街化区域に入れる、適切な運用を図るように指導をしてまいりたい、かように存じます。
○野呂田委員 私は改めて提言いたしますが、これは微調整じゃなくて、法律施行後十五年もたっておるわけですから、これは大臣に、実態に即した改革をやっていただきたい、重ねて御要請しまして、終わります。 三十分しかございませんので、残念ながらこれしか言えませんが、次に、国土庁長官に御質問でございます。 最初、地価問題は都心の商業地から発展いたしましたが、それがだんだんと、商業地といわず東京の周辺部に広がり、やがて南西部の住宅地に広がり、今や大阪、札幌、福岡、それぞれ大変な値上がりであります。大阪では対前年で四〇・三%も上がっておりますし、福岡で二七・六%、神戸で二〇、東大阪で一六、札幌でさえも一五%の値上がりであります。そればかりじゃございません。軽井沢初め名のあるリゾート地域はほとんど軒並みに大幅に地価が上がっている。こういうことを考えますと、これはひとり東京の地価問題、首都圏の地価問題を議論するだけではえらいことになってくるのではないか。 今まで私どもは、この地価問題というのは東京が中心で、東京に外資系の資本が入ってくる、あるいは国際都市になって東京の情報化が進むから今日の地価問題があるという説明をしてきました。総理大臣も、日本に二つの現象があって、東京は上がるけれどもその他は上がらないという説明をされておりましたが、今ここへ来て全く認識が変わってしまっている。地方のリゾートもあるいは札幌も福岡も二割以上地価が上がるという現象でありますから、東京の地価問題だけ議論しておったら、これは後手に回るのじゃないか。 この点について国土庁としてどういう対策をされるつもりか、御所見をお伺いいたします。
○奥野国務大臣 おっしゃっていますような現象が起こっているわけでございます。東京の都心三区と言われるところの商業地区が地価高騰を見せ始めたのは昭和五十八年ごろだったと思います。そしてやはり東京圏が一番先に上がってきたわけでございました。そして今度のような土地国会になってきたわけでございまして、東京の都心部の方はさすがに値下がりを見せ始めたけれども、東京の商業地区あたりでは四〇%も値上がりをする。伺っておりますと、関東勢が土地を買いにきている、こういうことも言われておるわけでございまして、東京の地価と比べてみるといかにも安過ぎる、そういうバランス感覚も働いているんじゃないかな、こう思うわけでございます。 東京の場合には、何といいましても需要が東京一極集中というようなことから値上がりを見せたと思うのでございます。地方の方は、高級別荘地あるいはリゾート地域などは別でございますけれども、その他の地域の高騰はバランス感覚が働いての値上がりじゃないかな、こう思っております。したがいまして、東京の都心の値下がり、もっと下げなければバランスが合わないのじゃないかなと逆に思っておるわけでございまして、そのための土地の供給をふやすことによって努力をしていきたいな、こう思います。 同時に、波及しております地域につきましては、やはり早く監視区域にして高騰を抑える手段をとっていかなければならない。そういうことで、大阪もおくれておりましたが、十二月から監視区域の指定をし、届け出制度をとってくれることになったわけでございます。その他の都市につきましても、監視区域に既に指定したところもございますし、準備もしてくれているわけでございます。高騰の事情はそれぞれ私は違うと思うのでございますけれども、よく見詰めながらやはり後手に回らないように先手をとっていくということが非常に必要なことじゃないだろうかな、そんな意気込みで努力を続けていきたいと思います。
○野呂田委員 今長官から監視区域の検討等のお話がありましたから了といたします。 大蔵大臣に通告なしで質問をいたしましてまことに申しわけありませんが、都市銀行に対して金融抑制の通達はよく出ていると思うのでありますが、今こうして全国のリゾート地域まで及んでいるわけでありますから、地銀に対する金融抑制の指導について、ひとつ私はどうしても必要じゃないかと思いますので、予告なしで恐縮でございますが、その点に対する大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 金融機関の貸し出しが結果として土地の投機をあおるようなことになってはならないということは何度か通達をいたしました。昨年もいたしましたし、この十月にもいたしましたが、同時に特別のヒアリングをいたしましたことも野呂田委員御承知のとおりでございます。 ただいま御指摘のように問題が地方に及んでいるといたしますと、金融機関の不適切な貸し出しが土地の投機をあおることがあってはならないということは、中央においても地方においても同様にこれは問題でございますので、そういう状況に応じまして検査なりあるいは場合によってヒアリング等々、そういうことになりませんように金融機関を私どもから御注意を喚起し、指導してまいりたいと思います。
○野呂田委員 どうぞひとつよろしくお願いいたします。 次でございますが、これは国会の附帯決議でも既に指摘されているところでありますが、我が国の土地の公的評価がどうもばらばらであるということはまずい。長官、一番御案内のとおり地方税である固定資産税は自治省、国税である相続税や贈与税は大蔵省、そして公示価格は国土庁ということで、まさに公的評価の一物三価という状態でばらばらであります。本来地方税法の三百四十一条では価格は適正な時価でなければいかぬと書いてあるし、相続税法の二十二条では財産の取得時における時価ということで全部時価を指摘している。公示価格も同じようなことが書いてある。要するに時価を適正に求めるということで法律はそれぞれ書いてあるにかかわりませず、例えば札幌では南一条の同じ地点で公示価格は六百五十八万円、そして固定資産税評価額は百七十五万円で二七%であります。相続税評価額は二百七十八万で四二%であります。大阪の梅田一丁目では公示価格は千八百二十万、固定資産税は三百二十五万で一八%、相続税は七百十万で三九%とまことにばらばらで、それぞれが適正な時価を求めると法律で書いてあるのに、同じ政府がやりましてこんなにばらばらであるということは、私はこれは幾ら政府が地価対策を議論しても、政府自体が求める価格は同じ地点においてこんなに違うのでありますから、何が適正価格で何が時価であるかということを、これは政府そのものも全く捕捉していないということになるのじゃないか。どれが正しいかわからないのに国民に課税をしているということ自体が行き過ぎじゃないか、こういうふうにも思いますので、地価問題をこれは余計複雑にしているものだと思います。税の公平化とかあるいは行政の合理化の点からいっても評価作業を一元化して、国民に同じ土地については政府のどの機関でやっても同じ価格であるということをちゃんと示すべきではないか。 こういうことで地価公示法ができたときに衆議院でも附帯決議がありまして、「適正な土地価格の形成とその確保を図るため、固定資産税、相続税等の課税上の評価にあたっては、公示価格との均衡を失しないよう努めるものとする」という附帯決議があります。参議院でも同じような趣旨のことがあって、技術的検討を行い、こう書いてありますけれども、議会重視の観点からも、こういう附帯決議がどのように扱われておって、政府がこの一物三価である土地の評価についてどういう検討をなされたか。 今これを聞いてもいたし方ありませんが、時間もありませんからまとめてお伺いします。私は、これをやると経費の節約になりますし、職員数の節約にもなりますし、土地税制の理解を深めて国民の地価に対する認識を増大させるものだと思いますから、この点においてきょうは提案でありますが、急にこれが統一できるとは思いませんけれども、ひとつ一元化する意思があるかどうか、そしてそのための検討会を持つような用意があるかどうか、長官にお伺いしておきます。
○奥野国務大臣 御指摘になりました問題、大変重大な問題でございますとともに、またお話しになりましたように難しい問題でございます。私も、官界におりましたときに同じような気持ちを持って随分話し合いをしたものでございました。 固定資産税にいたしましても、農地の価格を何に求めるか、私は収益還元価格をとっておったわけでございますけれども、その後売買時価をとろうじゃないかというふうに変わってきたりしながらも、真の売買時価じゃございません。固定資産税の中におきましても、価格をどういう価格に求めるかということにつきましては議論の多いものでございます。同時に固定資産税は、財産を持っていることに担税力を認めて負担を負っていくわけでございますけれども、相続税になりますと、これは資産の再配分をねらってできる限り平等な社会に近づけていきたいというような考え方も持っておるわけでございますだけに、お話はよくわかるのですけれども、なかなか難しい問題だな、こう思います。 しかし、大事な問題でございますので、今後もそれぞれできる限りお互いの仕組みを利用し合えるような方向の努力じゃないだろうかな。単純に一本化じゃなくて、例えば不動産登記の登録税の場合には、固定資産税評価額の百分の百五十ということを法定しているわけでございますけれども、どういう知恵がありますか、やはり今申し上げましたような方向での検討ではないだろうかな、こう思っておるところでございます。
○野呂田委員 ちょうど国土庁長官と大蔵大臣と自治大臣がそろいましたから、衆参両方の決議もあります、今の三価主義を改めまして、何とかひとつ三者で話し合って、この適正な土地価格が出たならば、税の負担が重くなることもありますから、これは税の目的なり担税能力を考慮して税率を変えればいいわけでございますから、土地の評価は一本化しても何もおかしくないと思うのです。とにかくばらばらな価格で、今読み上げたようなことでまかり通って、これは国民が政府には土地の価格なんというのはないんだという意識だけを持っているわけですから、ぜひひとつこの点を国会決議の趣旨も踏まえて真剣に検討に入っていただきたい、御要請をしておきます。 最後でございますが、政府もそれから各党も、臨時行政改革審議会の方でも、全部規制区域の指定あるいは指定のための準備を急げという答申をなさっております。しかしこの問題は、私は原則として土地をやたらに規制するということは好ましくないと思いますけれども、地価を鎮静させるためにやむを得ない場合は、そして有効な場合はやるべきだという国土庁長官の御意見に賛成であります。しかし最大の問題は、これを規制したら土地の流動がとまるということだと思うのであります。 そこで、御提案でありますが、規制区域を指定される場合に、大臣は優良な宅地開発事業や再開発事業には土地の譲渡益課税を軽減するということを御提案なさっているようでありますが、いよいよ規制区域がなされて地価が凍結される、しかも土地の利用計画が出てくる、そういうことであれば、これは優良な目的に使われるものであり、しかも定められた地価で売買されるわけでありますから、その場合は土地の流通がとまらないようにやはり土地の譲渡益について課税の軽減を図ることが両方の目的を満足させる、つまり地価も鎮静させるし、土地も流通させるという次第になるのではないかと私は思います。 それから、もう一つでございますが、中央紙の神奈川県版に載っておりましたが、神奈川県では約三千近い届け出件数があったそうでありますが、これを真剣に調査して不動産鑑定をやりますと、一件当たり十万円以上かかるそうであります。その職員の数と予算の額が膨大でありますので、どうも監視区域が規制区域がなされても真剣に取り組めないという記事が載っておりますが、そういうことであれば仏をつくって魂を入れないことになりますので、どうかひとつそういうものは政府においても予算措置を講じてきちっと指定したものはちゃんとやらせる。横浜、川崎、神奈川県で約七割が指導、勧告する事態に当たるそうでありますが、一件も勧告していないと書いてありますけれども、その点について伺って、私の質問を終わります。
○奥野国務大臣 土地の中には工場用地などで今は使われなくなったものがかなりあるようでございますし、個人の場合もそういう状況もございますので、何とか誘導政策で出してもらえるようにできないものかなということで建設省、国土庁相談し合って譲渡所得課税の特例を検討しているわけでございます。ぜひこれを税務当局にのんでいただきたいな。そうしますと、御指摘のような問題も解決できるわけでございます。 なお、監視区域、規制区域指定に伴います事務の費用、この問題につきましても既定の予算では不足でございますので、補正予算で追加していただくように事務当局間で話がついているようでございますし、地方団体にもその点は明らかにしているようでございますので、御心配のないように努力していきたいと思います。
○野呂田委員 終わります。
○小此木委員長 次に、菅直人君。
○菅委員 まず、資料を委員と各大臣にお配りいただきたいのです。 その間に少し申し上げてみたいのですが、きょうは国土、大蔵、建設大臣のほか土地対策関係閣僚会議を中心にして自治大臣、運輸大臣、法務大臣、官房長官さらには新行革審の方からもおいでをいただいております。それぞれの立場もおありと思いますが、例えば新行革審では、国会の議論と新行革審の議論が何らかの形で連動するようにということでおいでをいただいたということもありますし、また石原運輸大臣には東京選出の唯一の閣僚会議のメンバーということも重なっておりますので、おいでをいただいたわけであります。そういうことで、必ずしも担当部局への質問ということに関連する面、しない面あるかもしれませんが、議論に参加をしていただきたいと思います。 それではまず、お手元に配付しました資料の最初の二ページ目ですか、実はこれは昨日私の自宅に新聞に折り込まれた不動産の広告です。これを見ていただくと、毎日こんなものが送られてくるわけですが、四億二千万とか一億二千八百万とか一億六千八百万とか出ております。よくごらんになると、四億二千万といえばよっぽどの大豪邸かと思うと、これが三鷹市中原というところで、六十七坪の土地に家が建っている。あるいはそのすぐ左の下だと、二十七・九九坪の土地に建坪九十七平米、三十坪ちょっとでしょうか、それが一億二千八百万、新小金井の駅から八分と書いてあります。私の住んでいる武蔵野市のすぐ隣ですけれども、そういうことになっております。 これを見られて、奥野長官にお聞きしたいのですが、一体土地政策の目標というのは何なのかということですね。この間いろいろ議論がありましたが、ややもすれば東京の土地はもう鎮静化しているじゃないか、だからあとの問題は、地方への波及を抑えるとかあるいは長期的に東京の分散を図るとかという議論に何か重点が移っているようですが、私は、これは話がやや飛躍している。つまり土地政策の基本的な目標は、まじめに働いているサラリーマンなりあるいはいろいろな商売をやっている人が自分の収入の中で欧米並みの水準の住宅が持てる、つまりGNP一人当たりでいえば欧米並みを超えたと言われているわけですから、住宅水準も欧米並みを超えてもおかしくない。少なくとも同じ水準ぐらいには持ち得る、そういう結果をもたらすような、そこを目標とした土地政策でなければいけないのじゃないか。このビラに出ているような様子であれば、土地を持っている人がどこか売って買いかえること以外はもう全く不可能です、普通のサラリーマンにとって。そんな大豪邸を買おうというのじゃないのですね。 そういう意味で私は、土地政策の目標というのをどう考えておられるのか、長官に改めてお聞きしたいと思います。
○奥野国務大臣 都心の地価、若干下がりぎみになっていますけれども、もっと下がるべきだと思っていますということはたびたび申し上げているとおりでございます。やはりマイホームの夢が砕かれるということは日本の将来にとって非常に重大な問題だ。夢があってこそ勤労意欲を支えていけるんだ。やはり働く人たちが夢を持って一生懸命働いていける、こういう空気を壊しちゃいけない。ですから、そういう夢の持てるような社会にもしていかなければならない。私も同様に考えているわけであります。
○菅委員 それでは、そういう地価を下げていくあるいは住宅を普通のサラリーマンなりが持てるようにするためにどういうことをやっていけばいいかということを議論しているわけですが、順次いろいろな議論をしたいのですが、最初に私の方から提案をしてみたいと思います。 この資料の一番最後のページに、私の方から「土地政策とその手順の提案」というものをまとめてみました。この中で第一段階、第二段階、第四段階まで並べておきましたけれども、既に実施されているこの四つの政策、これは主に土地売買の規制に関することですね。それから、本来この国会とか次期国会で緊急に行われるべきと考えている政策、野党四党の提案も含めて並べておきました。そして中期的に行うべき問題として、土地行政の一元化と抜本的土地税制の創設ということを考えるべきだと思っております。第四段階としては、長期的に都市計画、国土計画の一つの進展というものが必要だろう、こんなふうに考えておりまして、これがいわば私の提案としての結論なんですが、それに至るまでのいろいろな議論をこの時間を使ってさしていただきたいというように思います。 まず土地の値段が、特に東京の土地がこれだけ値上がりした原因ですが、一般には東京に人が集まり過ぎているとか狭いとかいう議論があるわけです。この資料の三ページ目を見ていただくと、日本の国土あるいは首都圏の面積と人口の関係を表にしてみました。日本の可住地面積、いろいろなデータがありますが、少なくとも八万平方キロはあるというようにデータが出ております。これを一人当たりに割ると七百平米です。もちろん道路とかいろいろありますけれども、まあ人間が住むには決して日本は狭くないのじゃないかと思うわけです。あるいは首都圏内一都三県の面積を現在住んでいる三千万で割ると四百五十平米、もちろんこれには山もあり川もありますが、関東平野は割と平らですから、この半分だとしても住むにはそう狭くはないのではないか。あるいは市街化区域内部の農地が議論になっておりますけれども、これが三百五十平方キロ、これに例えば一ヘクタール当たり百人、つまり一人百平米ずつで割ったとすると三百五十万人分の宅地は十分にあり得る、こういう数字が出ているわけです。そういう意味で、この地価高騰の原因というのは必ずしも狭いということがすべての原因ではない。 それではどこにその原因があるかということを考えてみると、簡単に言えば、土地が最も有利な資産であるということです。つまり、土地を売るというのは逆に例外で、土地は、別に売って現金にしたり預金にしたり、あるいは株にかえるよりも確実で安全な資産だ。ですから土地を持っている人は手放そうとしない。あるいは、お金をたくさん持っている人は土地になるべく財産をシフトさせようとする。それが新聞や週刊誌の宣伝を見てもそういうことが常に書かれているわけです。つまりは、土地というものはいわゆる利用するために持つ持ち方と資産のために持つ持ち方が重なっているところに私は最大の問題があるのであろうと思う。 そういう意味では、とるべき政策というのは、利用する人にはまあまあの余り重くない負担で利用できるけれども、資産として持とうと思えば大変に持ちにくい――例えば車を十台買って値上がり待ちをする人はいないわけです。なぜかと言えば、車庫も要りますし、あるいは型が古くなったら安くなる。土地は、別に土地を置く場所は要らないし、古くなったからといって安くならないわけですね。そういう形で資産としてどんどん持とうとするわけです。そういう点で、私は、利用のための所有と資産のための所有を区別して考える必要があるだろう、結果的にそれが区別されるような土地政策をとるべきではないかというふうに今考えているわけです。 この点について、特に資産的所有について奥野大臣はどうお考えですか。
○奥野国務大臣 資産的所有に対しましては、保有税の課税を強化すべきだという意見がございます。そのことによって、十分な利用が行われない、また行い得ない人の手から十分な利用を行ってもらう人の手に移していくことができるじゃないかという意見がございました。私は、これはもっともな意見だ、こう思っているのです。思っているのですけれども、今の日本の所有者の所得状況と資産価値の評価の非常な乖離を見ますと、これはすぐにはなかなか実行はできない点だな、こう思っているところでございます。
○菅委員 今長官の方から、保有税の強化が必要という意見があるけれどもいろいろな事情でなかなかできないという議論がありました。この保有税の問題にそれでは先に入っていきたいと思います。 梶山大臣、大臣は竹下内閣成立の一つの大変な先兵として馬力を発揮されたというふうに拝見しておりまして、そういう点では自治大臣として土地問題に対してもその力を大変期待したいわけですが、大臣、今銀座のど真ん中の土地が大体坪どのくらいで売買されているか、一般的なことでいいんですが、御承知ですか。御承知だったらどのくらいか……。
○梶山国務大臣 不敏にして銀座のど真ん中の土地が幾らであるかは承知をいたしておりません。ただ、菅委員が御指摘のように、土地の問題、今国土庁長官から御説明がございましたけれども、否定しようと思ってもし得ないのは我々の土地信仰、これは長い歴史の中で積み重ねられてできてきたものでございますし、特にヨーロッパのように戦争でじゅうりんをされるという経験のなかった国民でございますから、これを一朝にして改めるということはなかなか難しいことだと思います。そして、その土地を資産として保有することが何よりもほかより賢明であるという長い体験を持っておりますから、これを何とか土地を持っていることが悪である、あるいは損だということに政策課題を持ち込むという、これは大変勇気を要することでございますが、これから取り組んでいかなければならない。特に大都市周辺で必ずしも私有権のみにこだわらない、そういう政策の展開が必要かと考えております。
○菅委員 大変前向きな見解を大臣の方からお述べをいただいたのですが、銀座の土地が幾らかということは御存じないということですが、大体坪一億とかそれ以上とかというふうに一般に言われているわけです。大臣、例えば坪一億の土地を銀座のど真ん中で十坪ほど大臣に提供しようという人があったとしますね。坪一億の土地十坪ですから十億ですね。これをその評価、いわゆる実勢価格の評価に対して現在の固定資産税の一・四%を掛けると、実際は今そうはなっていませんよ、今そうはなっていませんが、例えばそういうふうにしたとすると、一年間に固定資産税は幾らになりますか。簡単な計算ですから答えだけでいいです。数字だけで結構。
○前川政府委員 今のお尋ねは十億の一・四%ということでございますか。(菅委員「はい」と呼ぶ)十億で一・四%でございますと千四百万ということだと思います。
○菅委員 いいですか大臣、十坪の土地にもし実勢価格に対して固定資産税の今の税率一・四%を掛けると一千四百万なんですよ。幾ら銀座の真ん中でも十坪の土地で毎年一千四百万円ずつ税金を払って成り立つ商売があるがというんですよ。ですから、十坪もらってももらい切れないんですね、実は。いわゆるばば抜きのばばになるんですよ、そんな土地は。ですから、すぐ売らなければいけない。だから買う人はどうするか。一億なんかで買ったら割が合わないんですよ。五千万か三千万か二千万くらいにしてくれなければ買わないというんですよ。今土地信仰とまさに大臣言われた。実は土地信仰なんていうのはやりようによっては簡単に壊れるんですよ。今地方税法の税率については時価という言葉が法律には入っております。しかし御承知のように、あるいは先ほどの野呂田委員の方からもあったように、今の固定資産税評価額というのは実勢価格のまあ二割とか三割とか、そういうふうな水準、さらに低い場合もあると思います。そういう意味で、この保有税をどうすべきかという議論をもっとやるべきではないか。最終的な提案にも挙げておりますが、小規模の、つまり生活をしている人にとって必要な例えば三百三十平米程度は、世帯主なり人を特定してそれは軽減すべきだ。しかし固定資産税一般で言えば、私は、それを一律に軽減するということは、いわば未利用の大土地所有を放置することになると思う。今自治省は一生懸命固定資産税評価額の引き上げについて、据え置きまではいかないけれども引き上げの幅を圧縮することをいろいろ努力されているようですが、私は、当面の措置としては仕方ない面もありますけれども、本来は、一般的に圧縮するんではなくてあくまで小規模土地保有者についての軽減措置をより強化をして、しかし一般的には水準は公示価格なりそういうものに合わせていく、どうしてもそれが高過ぎれば、先ほどの野呂田委員と同じ意見ですが、税率で調整していく、こういうふうに考えるべきだと思いますが、自治大臣、どうですか。
○梶山国務大臣 固定資産税は本来、固定資産に着目をして安定的な財源を得るという一つの仕組みをつくっているわけでございますから、どんなものでも課税をさるべきだという原則は、これは当然でございます。しかし、今委員御指摘のとおり小規模のもの、これに関してはいわゆる生活権的なものも考慮に入れるならば、今二百平米以下四分の一ということで既に減税は一兆円を超えております。土地の固定資産税全体で今二兆円でございますから、一兆円を超える減税というのは相当大幅なものだというふうに御理解をいただきたいと思います。 それからもう一つは、やはり土地供給を促進するという意味での保有税、御案内のとおり四十八年度からこういうものが発足をして、徐々にではございますけれども、実効を上げつつある段階でございます。この税率がいいかどうかという問題はあろうかと思いますけれども、現状の中でやり得るもの、それからいわゆるミニ保有税もひっくるめて、期限も到来をいたしますから、さらにこれを延長という方向でひとつ検討していきたい、こういうふうに考えております。
○菅委員 ぜひ梶山大臣、実は前の内閣のときに葉梨自治大臣にも私は予算委員会でこの問題をいろいろ問うたんです。そうしたら葉梨大臣は、固定資産税というのは自治体の財源だからということを言われて、なかなか土地政策との関連をいわば認めようとされなかったわけです。それは自治省の立場としてわからないではないのです。しかし、まさに今こそ土地対策関係閣僚会議もつくられて、奥野大臣を中心に、あるいは竹下総理を先頭にして土地政策としていろいろなことをやっていこうとされるときに、私はまさに先ほど期待をした梶山大臣のいわば勇気を持って、この保有税のあり方というものを、特に首都圏における保有税あるいは大都市における保有税のあり方というものを踏み込んで議論をしていただきたい。それがまさにおっしゃった土地神話を打ち砕く私は実は最大の政策だというふうに思うところで、ぜひそれはお願いをしたいと思います。 あわせて、きのうきょうの新聞やあるいは報道で、土地の譲渡益課税の軽減ということが建設省やあるいは国土庁で検討されているという議論が出ております。 この資料の中で、四ページ目をちょっとおあけをいただきたいと思います。これには譲渡益課税制度の沿革を簡単に表にしております。 簡単に言いますと、土地の譲渡益については昭和四十三年まではいわゆる二分の一総合課税という課税でした。それが四十四年から五十年の間はいわゆる分離課税にしたんです。この年から長者番付の一位がいわゆる土地を売った人になったんです。そして、これでは余り不公平ではないかというまた税制調査会の答申が出て、五十一年から再度総合課税、一部分離課税ですが、総合課税に戻って、またいろいろあって少しずつ緩和をしているという状況なわけです。 私は、土地についての税制がこんなにも基本的なところでぐるぐる変わるということが基本的には非常におかしい。どういうことでおかしいかというと、結局土地というのはそのうちに売ったときの税金が安くなるときが来る、だから、いろいろ何か国会の方は言っているけれども、とにかく待っていればそのうちには必ず土地はもうかるときが来るということをこれは実証しているし、また今回、この土地譲渡益課税を低減するということは、そういうことをより一層確信させることになる。これは建設大臣も関係しておりますから、よく聞いておいてくださいね。 つまり私は、逆ではないか、これは、私の提案の中にもあります土地増加税という考え方がヨーロッパや台湾にもあります。つまり、土地の値上がり利益というものは、これは個人の努力によるものではない、だから土地の値上がり利益というものは基本的には社会に還元すべきだ、これは台湾の税制では孫文の三民主義から漲価帰公という表現でそのことが制度化をされているわけです。そういう意味で、土地というものは持っていても、将来売っても値上がり部分は逆に大部分税金で持っていかれてもうからないものなんだ、そういうふうにすることが、先ほど言いました資産として有利であるという神話を打ち崩すもう一つの一番大きな先ほどの保有税に並ぶ柱だと私は考えるわけです。 そういう点で、今検討されている譲渡益課税を下げるというのは、確かに一見譲渡益課税を下げれば、売るときに税金が安いから売る人がふえるじゃないかと言われますけれども、一層土地に対しての神話が大きくなる。もし導入されるとすれば、ごく限られた土地収用のときとか、一部に書かれておりましたが、国とか自治体に売るときに軽減措置をすることはいいけれども、民間同士の売買にそういう考え方をやることは私は逆行だと思うのですが、奥野大臣、どうですか。
○奥野国務大臣 今の地価高騰の現状をどう見ていくかということでも考え方が分かれていくと思うのでございます。私は、やはり先手をとって土地の供給がふえていくんだという気持ちを国民の皆さん方に持っていただくことが非常に大事なことじゃないかな、こう思っているわけでございます。そのためには思い切った誘導政策をとらなければならないな、もちろんこれについては賛否両論あると思うのでございます。あると思うのでございますが、おっしゃいますように単に不動産業者に売ったりするものについて特例を設けるのではなくて、地方団体でありますとかあるいは再開発が行われる地域でありますとか、そういうところに土地を提供してくれるならば譲渡所得課税の特例を開いて、やはり土地はあるんだ、出てくるんだという気持ちを多くの方々に今持ってもらう。やはり先手をとらなければ、幾ら政策をやっても後手後手に回っておったのじゃ何の役にも立たないのじゃないかな、こう私は心配をしておる一人でございます。 もう一つは、保有課税は強化して、流通課税はできる限り軽くしていくべきだ、やはり必要なところへ必要なところへ物が動いていくのを阻止するような仕組みはなるたけ避けていかなければならないな、こう私は思っているわけでございます。思っているわけでございますが、現状は、理屈ではそう言えても、なかなかそうはいかないんだということを先ほど申し上げたわけでございました。そういう意味において、私は、やはり譲渡を容易にしていくという仕組みをとって、土地が本来利用されるべきところへ移っていくということ、これを促進していくことも大事なことじゃないだろうかな、こう思うわけでございまして、これは私は当然意見が二つに割れてくると思います。割れてくると思いますが、私は、先手をとって今やらなければ、この地価問題についてほぞをかむようなことになってしまっては大変だ、こういう気持ちから建設大臣といろいろと相談をしている最中でございまして、これを政策としてどう取り上げていただくかということは、まだ議論の最中でございますので、結論は出ておりません。
○菅委員 これは先手じゃないのですよ。先ほどお見せしたように我が国でもやったことはあるのですよ。そして何が起きたかというと、より土地神話が増したのですよ。確かに部分的供給の促進というよりは供給阻害要因――よく大蔵省の人はロックエフェクトとか凍結効果とか言いますけれども、売っても税金でばかり持っていかれるから売らないんだという一見耳ざわりのいい話があるわけです。税金を安くしたら、じゃ売るのじゃないかと思うのですが、そうじゃないのですよ。売って何にするのですか。売って国債を買うのですか。売って何か株を買うのですか。それよりも持っていた方がもっと有利じゃないですか。例外的に売るときというのは相続のときと、あるいは倒産か何かでどうしても金が要るときと、土地の買いかえのときだけですよ。つまり売るという行動は、税金を安くしたからといっても、譲渡益課税を安くしたからといっても売る動機にはならないのですよ。売るときに有利だというだけであって、売る動機づけはないのですよ。逆で、保有税の方を先行させるべきなんですよ。 この昭和四十四年のときもいろいろ議論が税制調査会でやられていますが、保有税の方は結局まさに宅地並み課税の骨抜きを含めて実際上は進行しなかったわけです。そして譲渡益課税の方だけ軽減、軽減。今先手と言われましたけれども、私は最大の後手だと思うのです。つまり、一見目先はいいと思えるけれども、結局そこに集まってくるのは、やはり土地は持っていれば、五倍になったらほとんどは税金で持っていかれると思ったけれども、やはり持っていかれない、二割か三割で税金は済む、一億円で買ったら二億円になった、売ったら一億円の差額の八千万ぐらいは利益になった、いや妹よりは確実でもうかるな、そういう神話をますます確固たるものにするのですよ。 ヨーロッパでも台湾でも基本的に、先ほど言いましたように土地の値上がり部分というのは個人の努力じゃないから、それはどの時点で売ろうとも大部分は公に税金として還流させるんだということの基本を三十年、五十年単位でやるんだということになれば、持っておいても保有税もかかってくる、しかも長い間持っていて売ってももうからない、こうすることで本当の意味の供給が出るんじゃないでしょうか。私は、どうも大臣は、まあいろいろと役所の意見があるのでしょうけれども、何か目先の供給を考えて大筋を間違おうとされておると思いますが、いかがですか。
○奥野国務大臣 いろいろな意見があっていいと思うのでございます。菅さんは菅さんなりにこうしたら土地は出てくるんだよということをおっしゃっていただいたらいいと思うのでございまして、どの政策を選ぶかということだと思うのでございます。まだ譲渡所得課税の特例は私や建設大臣が考えている程度でございまして、党がどう取り上げる、政府がどう取り上げるということでございますので、その過程でいろいろな意見が出てくることは好ましいと思います。 ただ、私のお願いしたいことは、今の地価高騰、これをどうとらえていくか、どう事態を見ているか。とにかく今の買いあさり傾向は、やはり事務所床なりあるいは住宅地なりが不足しているという基本があるから買いあさっていくのだろう、こう思うのでございまして、土地が出てくるんだということになるなら、私はそれがある程度抑えられていくのじゃないかな、こう考えておるわけでございます。どうやれば土地が出てくるのかといういろいろな政策をお互いに考えながら、それが私は土地国会だと思うのでございまして、御批判も結構でございますけれども、そういう意味の御提案もいろいろお教えをいただきながらよりよい方向を決めていければ幸せだな、こう思っておるわけであります。
○菅委員 繰り返しになりますからもう避けますが、単にこれはあれが悪かった、これが悪かったという批判ではなくて、現実の結果が出るわけですよ、どっちの効果が出るか。既にやったこともあるわけですよ、日本でさえ。そういうものを十分に検討されてやられないと、まさに昭和四十四年から五十年までやって大変不平等であった、それでまた戻した、またそういうことになって短期的によさそうに見えるけれども長期的に間違うことになる、そういうことを私なりに論拠を挙げて申し上げているわけで、これはその過去の経緯も含めて十分に検討していただきたい。 大蔵大臣、どうですか、この問題。
○宮澤国務大臣 前段の問題につきましては奥野大臣と建設大臣といろいろ御相談中でございますので、その御相談の結果を見まして私も御一緒に考えさせていただきたいと思っております。役に立つことでありましたら、ひとつできるだけいたしたいと思っております。 ただそこで、それはそういうことでございますが、ただいままでお話しになりましたことは、実は過去において土地問題というのは何度も起こっておりまして、歴代内閣でそれについて税制をどうしたらいいかということを何度も御指摘のようにいたしました。比例税率をやったこともありますし大変いろいろ経験をいたしまして、その結果として、やはり税制というものは、土地問題については副次的なと申しますか、補完的な役割しかなかなか果たせないものであるということを長い間の経験は教えております。そのときはよろしいのですけれども、後になると今度は逆に土地が出なくなったり、一遍軽減いたしますともう一遍軽減があるだろうからそれまで待っていようとか、いろいろな複雑な影響を及ぼしておるということが我々の過去の経験でございます。 大蔵大臣として非常に長い間この問題を経験されました亡くなられました水田さんがよく言っておられましたが、それは大事なことではあるけれども、税制というのは補完的な役割しかしないように自分は思うということを述べておられまして、そういうことは少し長い間の経験に徴しますとかなりの真実ではないかと思っております。 しかし、それはそうでございますが、当面の問題は当面の問題でございますから、少しでも役に立つということでありましたら私はひとつできるだけ考えでみるべきものだと思っています。
○菅委員 これは税制調査会の答申の中にも今大蔵大臣の言われた補完的という言葉が入っているわけです。しかし私は、土地制度にとっての税制は補完的では――補完的という言葉をサブという意味でとらえるとすればサブの問題ではない、メインの問題の幾つかの大きな柱の一つだ。 これは先ほど銀座の土地の例をわかりやすく挙げましたけれども、保有税をかければ、銀座の土地十坪ももらえるなんといったらもうだれもが小躍りして喜ぶのが、本当に税金がそこまでかかったら、ばば抜きのばばになる。あるいは譲渡益課税についても、ちゃんとかければそれは土地保有の意欲をそぐことに効果があるわけで、逆に、今大蔵大臣も言われたようにいろいろなことをやった経験があるという、私も指摘したようにあって、いろいろなことをやったことが必ず先の方が有利になる可能性があるという期待感を持たせて、先ほどの議論もありましたが、いまだに市街化区域内部でももう十五年も開発が進んでない、そういうことがある。それはもう現実に持っている立場に自分が立ってみればすぐわかるわけですよ。 もうアパートはちょっとある、駐車場で現金収入が月に何十万か何百万か入ってくる。あと土地を何で売りますか。株にかえたってもしかしたら暴落するかもしれない、国債にかえたって、銀行預金にかえたって、せいぜい金利が五%とか七%しかとれない。戦後四十年間、例外的な昭和五十年を除けばほとんど一貫して十数%の勢いで上がっている。場合によったら倍になることもある。だれも売りっこないですよ。そういう意味で、私は税制は決して補完的というよりはサブ的な意味ではない、基本的な政策の一本だと思うわけです。 そこで、話は次に行きますけれども、先ほどもありましたが、地価の評価が、公示価格、相続税の問題あるいは固定資産税の評価がいろいろ違っております。例えば相続税でどんなことがそこで生じているのかということなんです。これも最近の週刊誌や財テクの本をよく読んだらたくさんあります。 例えば、これは大蔵大臣も奥野大臣もあれですが、五億円の現金を持った人がいるとしますね。そろそろお年寄りだ。そうすると節税対策をどうするか。極端な例を言うと、もう五億円借りるのです。十億円で土地を買うのです。今の相続税評価額というのは、路線価というのは大体実勢価格の四割、五割というふうに言われています。これは大蔵省から聞いた話ですし、実際の数字もあります。そうすると、十億円で買った土地が相続税の評価で言うと五億円なんです。借金が五億円です。そうすると、五億円の資産と五億円の借金があるから相続税はゼロなんですね。そういうやり方、それに類したやり方を今一生懸命節税対策として銀行やそういうところが指導しているのです。それが非常に仮需要を生んでいるのです。 私は、自由経済の中で本当の意味の需要であればある程度それで値段が上がるのは仕方がないと思うのです。しかし、資産的保有とか今言ったような節税対策のための仮需要が実は大変なその一つの要因になっている。その部分を外さなければいけないと思うのです。 大蔵大臣、この相続税の今の不合理性というのはどうですか。
○宮澤国務大臣 相続が近づいたという段階で、金融機関から借り入れをいたしまして、そして土地を買う。するとその土地の評価が市価よりもかなり低うございますから、結局それによって相続税をかなり軽減、逋脱する、逋脱といいますか、軽減することができるということは、事実問題としてそういう例を聞いております。また、税制調査会においてもそういう問題についての議論がかなりなされておりまして、結局それはその取得した財産の評価をきちんとしていくと申しますか、まあおっしゃるように相続税の評価というのは市価いっぱいいっぱいに評価をすることはまたそれで弊害がございますものですから、公示価格よりもかなり低く評価しておりますのですが、そこのところは行政でやはりそういう場合にはそういう場合に対応しなければならないのではないかと思います。
○菅委員 この資料の六枚目、下に手書きで(6)と書いてあるものに、これは東京都から資料をもらったのですが、ついせんだってまで東京で一番高いとされていたいわゆる新宿の高野フルーツパーラーの前の土地の昭和五十一年から六十二年までの公示価格と相続税評価額と固定資産税評価額の表があります。五十一年には、公示価格は平米当たり四百七十万、相続税が二百五十六万、固定資産税が二百十万。これは自治大臣もよくごらんいただきたいのですが、このころは相続税と固定資産税の評価は割と近かったのです。それが十年たった昭和六十年には、公示価格で千四百五十九万、路線価いわゆる相続税評価で六百二十五万、固定資産税評価で三百九十九万。実勢価格はこの公示価格のさらに三割から四割、今でいえばもっと上がっているでしょうが、当時でもあったというふうに言われているわけです。 きょうは新行革審の林主査にもおいでいただいておりますが、最近の報道によると、その新行革審の中でも公的土地評価制度の一本化の必要性などもいろいろと議論をされているというような報道もありますけれども、私もそのことはぜひ必要なことだと考えておりますが、そのあたりで新行革審の議論がどういうふうな考えで進んでいるのか、できる範囲でお聞かせをいただきたいと思います。
○林参考人 お答えいたします。 臨時行政改革推進審議会では、御承知のとおりに八月から地価問題について審議をいたしまして、当面の緊急対策については御承知のとおりに十月十二日に答申をいたしたわけでございます。その際に中長期対策、今後検討すべき課題もその中に掲げておるわけでございまして、その問題につきましては、その後引き続いてこの行革審の下部機構と申しますか土地対策検討委員会において検討を継続しております。 現在の段階では、この中長期対策として今後考えるべき課題についての若干の参考人の意見も聞きました上で、今メンバー間の自由な討議をいたしております。その自由な討議の中には今おっしゃったような問題も当然に含まれてくるわけでございまして、ただいまのところでは十二月中の日程は一応決めまして、大体これは御承知のように週一回のペースで会議をやっておりますけれども、一応の中長期の課題として緊急答申の後ろの方につけました問題について全面的に討議をいたしまして、来年に入りましたらもう少し問題を絞って公的な問題について検討しようかというような含みになっております。今おっしゃいました問題についても当然に検討の課題にはなると思います。具体的なその問題についてのいろいろな議論はまだやっておりません。
○菅委員 林主査にはどうもありがとうございました。どうぞ退席なさって結構です。 法務大臣、法務大臣もこの閣僚会議のメンバーであるわけですが、法務省は登記を扱っておられます。これはもっと拡大して議論をしたいのですが、一つだけまずお聞きしたいのは、登記簿の中に売買価格を記入させることを義務づけることができるかどうか。 というのは、いろいろな土地の商売がありますが、昔、原野商法、まあ今もありますが、本当は坪百円ぐらいの土地を、北海道のような土地をこっちで坪三万円だとか言って売ったりする商売があったり、あるいは最近土地転がしで非常に高くなる。売買価格を登記簿謄本に記入させておけば、そういった異常な土地の高い値段での売買に対する心理的な抑制効果が相当働くのではないか、こういうことが指摘をされておるわけですが、法律的に法務省としてそういうことが可能であるかどうか、あるいは大臣としてどうお考えか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○林田国務大臣 我が国の登記制度は、議員御承知のように、不動産登記と商業登記とがありまして、私権の保全を目的にしておるものでございます。それで、不動産登記は個々の不動産の特定と権利関係を登記簿に記載して公示をしておるのであります。それで、個々の不動産価格や売買価格を登記事項とすることは、制度の趣旨、目的や手続構造から見まして困難でございます。しかし、せっかくの御提言でございまするので、貴重な御意見として承っておきます。
○菅委員 奥野大臣、私は先ほど最初に提言をした中に土地行政の一元化、ある意味では国土庁の権限強化ということを提案をしているわけです。 私は、この五月の初めに台湾に行ってきまして、台湾の地政局というものをいろいろなところ、自治体とか全体とか見てきました。実は、登記も含めて地政局が一括管理をしているのです。この資料の中で七ページから八、九、十と台湾の資料を添えておきました。台湾では、ここに書いてありますように、一千万筆の土地についてあらゆる権利関係をコンピューターにインプットして、その土地のいわゆる公示価格に類するもの、あるいは後ほど申し上げます地価申告、自分で自分の土地を申告してそれを基準値として土地増価税のベースにするというその値段、そういうものを全部コンピューターに入れて、いわば登記簿謄本に載っているわけです。 次のページの八ページを見ていただくと、その公告地価の位置、X軸座標、Y軸座標で全部が固定され、もちろんだれが持っているというのがわかり、さらに九ページ目の中で地番とかによってこの公告地価が幾らかというのがわかる。さらに十ページ目には、図がこういう形でとろうと思えばとれる。つまり、先ほど来申している公告、日本で言う公示価格も路線価も固定資産税評価額も当然一本に決まっていて、しかもすべてがオープンなんですね。公開なんです。 今日本では、固定資産税評価額だけは本人以外には公開しないという制度がとられているわけです。路線価は公開されているわけです。そういう形で行われているわけですが、私はそういう意味では、国土庁という機関をせっかく土地の調整機関といいましょうか、統合機関として設けているわけですから、先ほど言ったように土地の地価の認定、公表、登記等を一元的に管理する役所として権限を強化すべきではないか。税制は、その地価に合わせて税率はもちろん、固定資産税は自治省、あるいは譲渡益課税等は大蔵省が主管されるのは当然だと思いますが、地価の認定、公表、登記は一括して管理すべきではないか。 さらには、今申し上げました地価の自己申告制度というのは、土地増価税、つまり、土地の値上がりの差益に対して税金をかけるという制度を考えるときに何をベースにするかということがあるわけです。それは公示価格をベースにしてもいいのですが、公示価格で一気に決めてしまうと若干議論が出るかもしれない。そこで、ある幅で自分の土地を自分で申告してもらいましょう。それで、余り低いときは台湾の場合は買い取りをやっていましたけれども、その幅の中である程度選択を認めましょう。高くすれば、売ったときには土地増価税は少ないけれども固定資産税は高くなる、低くすれば、固定資産税は安くなるけれども売ったときに土地増価税がたくさんかかる、こういうことを考えて自分で選んでもらいましょうという、こういうことを導入すべきだというふうにあわせて考えているわけです。 私は、単に国土庁長官だから権限を強化しろということで言っているわけじゃないことはおわかりだと思いますが、土地行政を連動させる意味で、つまり土地行政がまさにこれだけの大臣が並んでもなかなか――ばらばらにあるものを連動させる意味で、地価認定の一元化を含めた国土庁の権限強化をぜひやるべきだと思いますが、長官としての御意見を聞きたいと思います。
○奥野国務大臣 菅さんが雑誌に書いておられるものも読ませていただきまして、中華民国のことについて大変詳しくお調べになっているなと思いました。 同時に、自己申告制を基本にして、土地増価税とかいろいろなものを合わせると結果的には公正な負担になるんだということでございましたが、一体これが日本人の感情になじむんだろうかなという疑問も実はそのときに抱きました。日本人はやはりそれぞれの経過ごとに公平でないとなかなか納得しにくいんじゃないかな、しかし重要な御提言だな、将来ともよく検討、勉強していくべきことだな、こう思っておるところでございます。 同時に、価額を統一していくという問題。私が役所におりましたときには、固定資産税と相続税、ある程度固定資産税の評価額を基本にして、その何割増しというようなことでいこうじゃないかというような話があったこともございました。ところが余りにも地価高騰が激しいものだから、固定資産税の評価額はぼんぼん上げられていくわけにいかないし、相続税はある程度時価を基本にしていかなければ資産の再配分に役立たないというようなことがあったりしまして、今はかなり変わってまいっておるわけでございます。いろんな事情がございますので、将来の大きな課題ではございますけれども、早急におっしゃるような方向に行くのには障害が非常に多いな、こう思っておるわけでございます。 いずれにしましても、重要な提言でございますので、今後とも考えていくべきだと思っております。
○菅委員 まだまだいろいろな議論があるのですが、最後に、土地問題は東京問題だ、東京プロブレムだとも言われているわけですが、石原大臣に、そういう側面も含めて全体としてどういう御意見をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。この土地問題について、東京選出の大臣としていかがですか。
○石原国務大臣 夏前のある週刊誌に私の住んでいる町の写真が突然載りまして、日本で一番土地の上がった町だ、住んでいる人というので私の写真が出ておりましたが、ありがたいようなありがたくないような、大変面映ゆいというか迷惑をしました。 その以前から、いろいろ東京の問題、土地の問題、私なりに考えておりましたけれども、日本というのは何だかんだ言いながら、しょせん官僚統制国家でありますから、東京に必然、必要以上の機能が集中せざるを得ない。それに付随して、大学だけではなしに全国紙の新聞社の本社が全部ある、主要な劇団の九割が東京にある、オーケストラは九割が東京にある、こんなふうにめちゃくちゃに物の集中した町が健全に運営されるわけはないわけでありまして、そういう意味では既に梗塞を起こし麻痺をしているわけですけれども、これをどうやって解消していくかということは、当然土地の問題、地価の問題にかかわりがあるわけでございます。 私はたまたま今運輸行政を担当しておりますが、都市にかかわる交通網の再整備というのを今極力やっているわけでありますけれども、実はこれ自身もある意味で二律背反でして、四全総の眼目にのっとって多核分散ということを考えているときに、今、後手後手ながらともかく都市の交通の体制というものも整え直さなければいけないという、そういう一種の矛盾といいましょうか、焦燥というものを感じております。 お答えになるかならないかわかりませんが、東京というものよりも日本の政治全体の体質というものに結局大きな問題があるのではないかという気が強くいたします。
○菅委員 最後に、抜本的な政策の中で、土地増価税の導入と土地相続税を物納を奨励して、増価税と相続税ともに地方税化をしていって、地方の財源にすることで、ある意味では地方の町が自分たちのいい町をつくれば税収も上がるという形の、そういう方向での分散ということもあわせて考えるべきだということを、この提案の中に入っているわけですが、もう時間になりましたので、きょうは総理大臣にはおいでいただけませんでしたので、官房長官の方から総理大臣にもきょうの議論をぜひお伝えをいただけるようお願いをして、私の質問を終わります。 それでは、あとは井上先生に……。
○小此木委員長 井上普方君。
○井上(普)委員 私は、ここ三日間の当委員会における議論を拝聴いたしまして、私も議員になりまして二十年間、同じことの繰り返しで土地は上がっておるなという感じがするのであります。 すなわち、昭和三十五年から高度成長政策なるものを提起した。そのときには、まず上がったのは工場用地であった。それから商業用地になり住宅用地になってきたのが、昭和三十五年以降、高度成長政策を提言してからであります。そのときには、例の笠信太郎さんの「花見酒の経済」という言葉がはやった時期でもあったのであります。 続いて起こったのはいつだといいますと、昭和四十三、四年の例の都市計画法、先ほども野呂田さんが言われましたが、都市計画法を提言され、政府が提出した。途端に土地が上がってくるぞ、特に市街化区域と市街化調整区域との格差は激しくなるぞ、こう申したのでありますが、当時、都市のスプロール化を防ぐという大義名分のもとに調整区域それから市街化区域と分けてしまいました。ために市街化区域というのは膨大に高騰いたしてまいったのであります。 続いて起こったのが、田中内閣になりまして国土総合開発法という法律を提出いたしましたが、これは廃案にいたしました。国会がこれを廃案にしたのであります。それと同時に、田中さんは日本列島改造論なるものを発表いたしました。 その前に、皆さんも御存じでございましょうが、ニクソン・ショックによって仮性流動性、役人はうまいことを言うなと思うのですけれども、仮性流動性の増大なんという言葉を使いまして、物価は高騰するわ、土地も高騰してきた。そこで私どもは、国会におきましては、国土利用計画法なる法律をつくりました。これは奥野さんが昨日もいみじくも申されましたように地価抑制法であります。田中内閣が出した法律は開発と抑制と二つを」本にして出したのでありますが、後ろ半分を取り上げたのがこの国土利用計画法でありまして、これは議員立法でつくったのであります。その議員立法の提案者の一人が天野光晴さんであり私でもあるわけなんです。そのときに、共産党は違いましたが、各党とも一致いたしました意見、これは、国土というものは、土地というものは国民共有の資産である、国民共有の資源である、こういう定義をいたしたのであります。そうでなければあの法律ができるわけはありません。 しかしながら、このたびの論議を聞いておりますと、四十九年以降に、そのとき宮澤さんは平河クラブか何かをつくりまして、同じように、国土というものは、土地というものは国民共有の資源である旨の宣明をされたように思います。すべて、昭和四十九年、五十年代におきましては、土地は国民共有の資源である、国民共有の資産である、こういう認識に立ったのであります。 しかし、どうでしょう。その考え方のもとに国土利用計画法というものがつくられ、土地規制法として日の目を見たのでありますが、一体その後政府自体が、この共有の資源である、資産であるという認識を国民に知らしめたであろうか、あるいはまた、そういう認識のもとに土地立法を、税法をやってきたであろうか、私は大いなる疑問を持たざるを得ないのであります。 この法律は、規制区域をつくることが憲法二十九条の関係からして非常に問題があるということも我々は知っておりましたし、また、当時の法制局長官からの見解を聞きますと、これはできる、国民共有の資産であるという認識のもとに、公共の福祉に反するものはこれは制限することができるという結論に達して、あの法律はできたのであります。 しかしどうでしょう。今度聞いてみると、先ほども、きのうも奥野大臣は言われましたが、規制区域をつくるについてはまだ行政的な整備ができてない、準備ができてない。これは、臨調も、臨時行政改革推進審議会もこのことを指摘しておるじゃありませんか。一体国土庁は何でやらなかったのだ、これは行政のサボタージュじゃないかと私は思うのであります。 この東京あるいはまた全国に広がっております現今の地価の高騰は、まさしく国土利用法に言うところの地価の高騰で、並びに投機的な取引が行われておる、規制区域を指定する条件は十分にできておると私は思います。にもかかわらず、なぜ逡巡するのだ。これは行政的な準備が整っておらなかったからやらなかったのじゃないですか。ことしの八月に監視区域という制度を新しくつくられた、結構なことです。しかしながら、余りにもひどいこの東京都の中心地の高騰なんかには、これは規制区域をかけるべきだと私は当時主張いたしたものであります。行政的に政府がサボタージュしておったがためにこういうことが起こったのじゃございませんか、私はその感を深くするのでありますが、奥野長官の御意見を承りたい。
○奥野国務大臣 当時、監視区域の指定から始めた方がいいか、すぐに規制区域の指定をした方がいいか、これはいろいろ議論があろうかと思います。ただ、現在は監視区域の指定によりまして多くの方々の御協力が得られる状態になってきているものでございますから、監視区域の指定で届け出制度によって必要な場合には勧告をしていきたい。勧告をして従われないような状態は今日では招いていないということでございますので、この方向で進めさせていただきたいと思います。 ただ、状態によっては規制区域の指定に進まなければならない場合があるわけでございますので、事務当局間でそういう場合にはできるように打ち合わせもしているようでございます。これはいわゆる伝家の宝刀でございますので、抜かなくて済めばいいがなと思っておるわけでございますけれども、事態が必要になってきました場合には当然規制区域の指定にまで進んでいくべきものだ、こう思っております。
○井上(普)委員 奥野大臣、この監視区域ができたのはことしの八月ですよ。地価が高騰したのはいつです。六十年からですよ。行政的に準備できてないといって、行政改革推進審議会が、あそこから指摘されておるじゃありませんか。あなたは国土庁の長官じゃございませんでしたが、しかしながら、歴代内閣、五十年以降の内閣の行政的なサボタージュの結果、こういう規制区域を発動することができなかったのじゃありませんか。私はこの点、非常に残念に存ずるのであります。 昨今の大臣答弁、総理大臣初めの答弁を聞いておりまして、土地は国民共有の資源である、資産であるという認識が非常に乏しいように思いましたので、私はあえてきょう関連質問に立ったわけであります。この全政党が一致した意見、この意見を推し進めていくこと、これが土地対策に対する基本でなければならないと私は今も確信するものであります。 これからも、リゾート法ができる、これはまた政策によって土地が動かされる理由でもあります。今度の東京の土地の高騰につきましても、もう私が申し上げるまでもなく、オフィスビルが不足だという政府の宣伝からこういうことが起こったのじゃありませんか。一極集中からこういうことが起こったのじゃありませんか。まさに政策によって土地が高騰していくこの事実、これを認識して、ここに視点を置いて土地対策を講じなければならない、こう私は信ずるものであります。 いろいろと申し上げたいことがございますが、関連質問でございますので私は申し上げませんが、土地保有税という法律は、これは昭和四十六、七年から御存じのとおり大企業が土地を買いあさった、あるいは国民も土地さえ持っておれば心配ないというので土地を買いあさった。当時の言葉で言えば一億総不動産屋という言葉があった。そのために不用の土地を買っておるからこれらをひとつ吐き出させようじゃないか、こういう考え方のもとにつくったのが、これが土地保有税であります。これには長期、短期をつくって、善意で持っておるものは税率を低くする、短期のものにはうんとかけぬか、こういう意思のもとにつくられた法律が、五十七年からこれに緩和措置が講じられる。ために吐き出しも少なくなっておるのであります。一度つくった税法とか経済法というのは動かしちゃなりません。あめとむちとを両方使い分けるなんという器用なことは、その時、その時点時点においてはできるかもしれませんけれども、長期にわたってこれはできるものじゃない。 この国土利用計画法をつくる際には各党が申し合わせました。これによって時価の七、八割を目標にして、すなわち二割ないし三割を安くしようじゃないかという意思のもとに、あの国土利用計画法という法律はつくったのであります。事実、五十年には二割近く地価は下がりました。しかし、今度の竹下内閣についてはどうも、一体政策目標として時価の幾らにしたいのだという方針がありません。昨日も竹下総理は、五十五年を一〇〇として、物価水準があるいはまた定期預金の利子の高騰ぐらいに抑えようかなんということを申しておりましたけれども、まことに方向としては頼りないものがある。早く地価安定、あるいは地価の高値安定を容認するのじゃなく避けるというならば、政策目標としてどういうところに置くんだということを明確にして進まなければ地価の鎮静化あるいはまた安定化、低くすることはできない、このことを強く申し上げて私の関連質問を終えたいと存じます。
○小此木委員長 加藤万吉君。
○加藤(万)委員 きのうから議論を聞いておりまして、何か四全総が実施をされることによって地域的な分散、それから人口的な分散、結果的にそれが土地の値下がりにつながってくる、こんな感を受けました。しかし私は、率直に申し上げまして、四全総は必ずしもこの特効薬ではないという気が実はするのであります。長いこと地方行政をやっておりますから、四全総がさて実際に展開をされて、一極集中的なネットワークというものはなくなるんだろうか。最近の計画を見てみますと、新たに月島その他における情報センターの設置といい、東京に集中する情報網は三七%、こういいますから、四全総をそのまま実施をしても情報的なネットワークはやはり東京を中心とした放射線状態、こんな気がしてなりません。 そこでお聞きをしますが、昭和七十五年度までの関東における人口増加、これはいただきました国土庁の調整局の資料でありますが、七十五年度四千百三十万人であります。現在よりも三百六十八万人人口増加をする。さらにこれを東京圏に絞りますと、このうちの二百八十三万といいますから、大ざっぱな話ですけれども約三百万、東京圏、東京、神奈川、埼玉、千葉で約三百万人口が増加をするわけであります。長官、これは言われるところの東京へ需要をつくらずというこの人口増加について、どうお考えになりますか。
○奥野国務大臣 このままにしておきますともっとふえる、それを三百万人ぐらいにとどめたいということのようでございまして、三百万というのは、三千万が三百万ふえるわけですから一割ふえるわけであります。総人口も一億二千百万ぐらいから一億三千百万ぐらい、一割近くふえるわけでございまして、全国平均とそう大きく違わないようなものにとどめたいというような計画をしているというふうに承知しております。
○加藤(万)委員 今三千万というベースが高いんでしょう。このスタートラインが高いのですから、長官が言うように、全国で人口が一割ふえるから東京圏が一割ふえてもそうおかしくないんだというのは当たらないのですよ、発射台が高いのですから。そこで私は、もし長官が多極分散型の構造を考えるとするならば、全国が仮に一割ふえるとするならば東京は五%にする、特に東京経済圏はもっと少なくする、そういう人口構造を考えませんと、やはり物の流れというのは東京に集中化せざるを得ない、こう思うのです。 さて長官、この数字が実は大変な、各地方自治団体にはいろいろな意味での施策の基本になっているのです。例えば東京圏に二百八十三万人ふえるということをベースにしまして、ちょうど小此木委員長は横浜でございますが、横浜でどのくらいの世帯がふえるか。二十五万世帯だそうです。二十五万戸の戸数が必要だろう。さて、そういうことが出てきますと、今横浜が持っておる市街化区域の未利用地、これを全部合わせてどのくらいの家が建てられるんだろうか、こういう計算をするわけであります。ところが、残念ながら私の調べたところでは、横浜で農地、それから山林の平たん地、これを除きまして、仮に二百平米で戸別に割ってみますと、計算上ですけれども、十五万戸です。十五万戸しかありません。十五万戸しかつくれないところに二十五万戸の人を受け入れざるを得ないという国土庁のそういう方針が出るものですから、それっということで実はドーナツ現象。御案内のように東京ももちろんそうでありますが、東京は地価が高いのです。ところが、その変動率から見ますと神奈川県が一番高いのです。特に、小此木委員長御存じのように、横浜の、委員長の出身地ですが、緑区のたまプラーザ駅前ですか、これは全国一高いのです。何と一八九です。ですから約二・九倍、約三倍と言ってよろしいでしょう。こういう現象が起きるのですよ。 きのう五千ヘクタールの例のオフィス床面積の問題、千六百ないしは千九百というように修正をされましたですね。私は、どうもこの数字も修正をされるべき数字ではないかというふうに実は考えられるのです。そうでしょう。東京のオフィス床面積が三分の一に減って、そして東京圏の人口がそのままであるはずがないのです。きのううまい答弁をしたなと思いましたのは、保険の外交員などはオフィスを使いませんからそれを減らしたという答弁がありましたよ。なるほど保険の外交員はオフィスは使わないけれども、家は使いますね。ですから、答弁は恐らく二百八十三万人ふえるのですという答弁になろうかと思うのです。しかし、これはきのうの経過から見ますならば、オフィスの床面積の不必要な状況と同じように、人口の面も修正されるべきではないか。これは一つの例です。四全総がもしそういうことを基礎にして展開をされるとするならば、四全総は必ずしも多極分散型にならない、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○奥野国務大臣 四全総も一つの見通しを立てているわけでございます。しかし、その見通しも間違った見通しであってはなりませんので、いろいろ御指摘いただきました点はさらに研究を重ねていくべきだと思います。 それはそれとして、できる限り東京の荷を軽くしたいな、いろいろな機関を地方に持っていきたいな、持っていくと同時に、将来また、先ほど情報施設について御指摘がございましたけれども、施設が設置されていくというようなことをどう抑制していくかということもあわせて考えていかなければならないな、こんなことで四全総を絵にかいたもちにしないためにはどういう手法があるかということをいろいろと考えている最中でございまして、今考えられている以上に実行を確実にすることを通じて、人口のもっと分散といいましょうか、国土全体が均衡ある発展が図られていくように努力していかなければならない、こう思っているわけでございます。御指摘の点はさらに研究させていただきます。
○加藤(万)委員 申し上げましたように、東京の地価が高値で鎮静しているという状況はありましょうが、残念ながらこの周辺地域はますます高騰の状況であります。今年度の公示価格を見ましても、東京六十キロ圏くらいまでを含めての東京をしのぐ公示変動率であります。埼玉、千葉はもちろんですが、それの約倍近い形で神奈川県の方は変動率がある。そこで、実はさまざまな問題が起きてきています。 例えば、私どもの選挙区に海老名市というのがございますが、ここで新庁舎の建てかえということが起こりました。庁舎の敷地を実は売ったわけであります。売ったけれども、いわゆる一般競争入札でありますから、その庁舎の周りの地価が非常に高騰してしまいます。そこで、この自治体は、上限価格をつくりまして、これ以上の価格で入札されても売りませんよという政策をとったのです。私は、それはそれなりに評価はできると思うのです、いろいろこれは御意見があるようですけれども。そこで、この価格が高いとか安いとかいうことで大変議会でも問題になりました。市の当局者は、この価格は適正な価格であるという表現をされました。 きのうからも適正な価格という問題についていろいろ議論がございました。総理は、適正な価格とは、三十キロ圏内で五年間の所得で買えるようなことが大体適正な価格かな、あるいは今、菅先生のお話を聞いておりまして、課税の価格を時価にして、それを固定資産税の基礎価格にしたらどうか、こういうお話がありました。 一体、適正な価格とは何でしょうかね。私は、単に抽象論で適正な価格とは三十キロ以内で云々という議論ではもう済まない段階に来ていると思うのです。各団体ともそれぞれ適正な価格というものを、公示価格を見て、不動産鑑定が求める価格を見て、あるいは時価を見て適正な価格、こう言っているのですね。総合的な、ミックスしたものを見て適正な価格、こう言っているのです。 大蔵大臣、適正な価格というものを出しませんと、先ほど菅さんの質問でやりとりがありました固定資産税の基礎になるべき、課税の対象になるべき額が出てこないのです。例えば路線価にいたしましてもあるいは固定資産評価額にいたしましてもそれぞればらつきがありますから、額が違いますから、したがって、固定資産税を確定するときに、一体どのくらいが適正な価格が、何を基礎にして適正な価格とするのか。今、海老名市の場合には、庁舎跡地を売ったその価格が、地方自治体としては極めて地価を抑制しよう、これを野放しに一般競争入札にしてしまったら大変なことになるので、地価を抑制しようというので、上限価格を定めてその以内ならばこの庁舎の跡地は売りますよ、こう言ったのです。いわゆる適正な価格だ、こう言いました。 これは総合的な税課税の問題も含めましての価格という意味で大蔵大臣にお聞きするのですが、こういう場合の適正な価格というのは一体どう見るのでしょうか。後でまた私は一つ事例を挙げまして、この場合にでも適正な価格というものは出できますから、適正な価格というものに対する、大体こういうものを称して適正な価格だ、こういうスタイルと言いましょうかあるいは物差しをひとつ教えていただきたい、こう思うのです。
○宮澤国務大臣 今例にお挙げになられましたような特定なケースを存じませんのでそれについてお答えすることはできませんけれども、いわゆる評価のときの適正な価格というのは、これは御存じのことを申し上げるので恐縮でありますけれども、一般に行われている需給の出合い、その需給の場合、いわば不特定多数の需要と不特定多数の供給があって、それによって自然に生まれる価格というふうに適正な価格というのを考えてよろしいのではないか。 ただ、これは余計なことでございますが、相続税の場合なんかになりますと、これはいわば一生に一遍のことでございますし、自発的に起こる出来事ではなくて、いわば自分の意思によらない事情で課税が起きるわけでございますので、公示価格等々からいえば、基本的には七割と言っておるのでございますが、公示価格が非常に上がってまいりましたから、先ほどからお話しのように七割を下回っておる場合もございますわけですが、そういう配慮はいたしております。
○加藤(万)委員 長官、適正な価格という問題では幾つか問題があります。 今、現実に起きている問題で申し上げます。これは小此木委員長の地元でありますから申しわけないのですが、横浜市でつくっている、これが適正な、あるいは現在もしあなたが土地を買うならばこの程度の価格が目安ですよという目安価格、これは地図が細かいですから申し上げませんが、去年どことしとの公示価格をこういう表にいたしまして方々に張りまして、そして土地はこの価格が適正なあなたの取引の目安ですよ、こういうことをやっています。 それからいま一つ、監視区域をつくりました。大変監視区域における市、自治体に対する届け出が多くなりました。ところが、先ほどもどなたかの御質問にありましたように、勧告条件がないのです。どうしてですか、こう聞きましたら、何が勧告する基準なのか、何がその地域の適正な価格として取引をする、あるいは勧告しなければならない、あるいは容認するという、その何がというのがわからない。いま一つ、最近では不動産業者の人が持ってまいりまして、市がここら辺まで持っていってもまだ勧告しないからこれよりもっと上で売ってもいいようだよ、こういう監視区域ないしは勧告されるであろう価格を悪用して届け出をするという、そういうさままで見えている。 こうなってきますと、私は現実にこの住民の間で地価抑制のために働いている人々が何を目安にすべきかという指導が出てこないといかぬのじゃないか、こう思うのです。いわばきのうまでずっと総論的な話がありました。現実にはこうして動いているわけでありますから、動いているものに対して、適正な価格とはないしは勧告すべき価格とは、そういうものがもうそろそろ出てきませんと、十一月からそれぞれ百平米ないしは三百平米というところで線を引いてやっているわけですから、もうそういう指導が必要になってきたんじゃないでしょうか。長官の御意見はどうでしょうか。
○奥野国務大臣 公示価格を基本に置きまして、それと比べまして高過ぎると思われるようなものについて行政指導をやる、行政指導に応じない場合には勧告まで発展していくということのようでございまして、公示価格の上限はどこまでかということは、やはり地域の事情もあるのだろうと思うのでございますけれども、地域によっては一、二割ぐらいまでならやむを得ないのではないかなという運用をしているところもあるようでございます。基本はやはり公示価格、こう考えておるわけでございます。
○加藤(万)委員 公示価格を基礎にしてやる、基準にして適切な指導をする、これも方法でしょう。それから菅さんがお話しになったように路線価の問題もありますし、いわゆる国が定めた価格の統一性という問題について、率直に言ってとまどっています。これは私ども社会党の一つの要求としても、政府の統一価格にすべきだ。それは早急にしない限りそういう混乱が起きる。もしその混乱を避けて通るとするならば税率で考えればいいわけですから、税率面でこの場合はどうするか、価格としては統一的な価格標準ができるように政府側でぜひひとつ検討していただきたいし、結論を出していただきたい、こう思うわけであります。 そこで、先ほどの横浜市の例に戻りますが、十五万戸の未利用地がございます。これは農地を除きます。したがって、主として法人が持ったりあるいは不動産会社が持ったりという、そういう土地だと見ていただきたいと思うのですが、これは十五万戸の容積があるわけです、十五万戸が建てられるだけの。しかし、これは一戸建てですから、これを集合住宅化する、県営住宅をつくる、ないしは市営住宅をつくってくるということになりますと、仮に二十五万戸が横浜市に必要だといいましても、それを満たすことが可能だと現場の当事者は言っています。問題はその土地収用ができないということです。土地収用ができないということは、結果的に、土地を持っていれば含み資産として出てくる、この含み資産が、もうこれは議論として相当ありましたから言いませんが、税を払っても土地を持っている方が得だ、こういう意見ですね。 大蔵大臣、先ほども菅さんのお話がありました。それを引き継ぐ形になりますけれども、これは国会からいただいた資料でございますが、調査及び立法考査局が出しました資料ですが、これを見ますと、「国民所得に対する不動産税のウェイトをみると、日本(固定資産税、都市計画税、特別土地保有税)は一・九%であるのに対して、アメリカは三・四%、イギリスは五・六%」、いずれも一九八三年度の税制調査会の資料です。「もっとも、租税負担率の違い等もあり、これから一概に土地保有税負担の軽重は論じられないが、少なくとも、英米と比較してわが国の不動産保有税の負担が小さいのは事実のようである。」実はこう出しています。 事例はたくさんありますから、もう時間の関係で申し上げませんけれども、例えば田町の千五百平米の土地などを見ましても、土地を所有した、買ったときの固定資産税とそれから今評価をされておる額に対して払う固定資産税との差は、土地の値上がり十倍に対して片方ではせいぜい一〇%ないしは一五%ぐらいの固定資産税の増加、増額であります。 要するに、土地税制全体を含めて、土地を持っていれば含み資産として拡大をする、これに対する税負担が軽過ぎる。これは先ほど言いましたように、生存的な個人資産は除きますよ。中小企業であるとか農民が持っている農地であるとかあるいは個人の住宅であるとか、これを除きまして、十五万戸の家が建てられる未利用地を何とかして地方自治体で確保したい、ないしは土地供給公社が確保したいと言いましても、持っていれば得だという発想がある限り実は吸収ができないのです。したがって、市が持っている都市計画上の住宅供給あるいは宅地の供給ができない。 自由民主党の方でも、次の国会には何か十五ぐらいの法律案の改正を提起をするというお話がございましたから、土地保有に対する譲渡所得税もありましょうし、地方自治体でいえば固定資産税もありましょうが、その税の負担、土地を持っていることに対する税負担について、この際、私は本格的に考えてもらいたい。次期の国会には思い切った、アメリカに対してあるいはイギリスに対して日本の土地に対する税負担が余りにも軽いということを指摘されているわけですから、そのことからくる税法上の改正というものを、大蔵省もありましょうし各省いろいろあると思いますけれども、その立法に対しては中心になるのが大蔵省等でありましょうから、各省間の調整を整えて、土地を持っていることに対する税の負担率という問題をひとつ本格的に考えていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 ただいまのお話は、土地から生ずる所得に対する課税ではなく、土地を保有していることについての課税の問題と承りましたので、これは実は自治大臣のお答えになられるべき事柄かと存じます。便宜私の考えていることを申し上げることでお許しいただけるとすれば、保有をしておるということ自身、それが、売ることによって利益、所得を生ずるのでない限りはいわば実現しないところの含みに対する課税というようなことになるといたしますと、やはりその税率にはおのずから限度があるということになろうと思います。それは担税力の問題でございますし、今加藤委員御自身が、例えば住宅用地に対する固定資産税とか工場用地に対する固定資産税はこれは違うとしてもと言われました。そうなりますと、そういうものについての、いわば顕在化しないところの含み利益というものに対する課税の税率というものにはおのずから限度があって、そういたしますと、残りは未利用地ということになってまいるかと思います。つまり、未利用地を、遊休地をうまく活用させるために多少重課をする、特別保有税のような構想になってくるのであろうと思います。その点は政府としても、そうでないものとそうであるものとには差等を設けておるわけでございますが、なおただいまのようなことになっておりますから、御指摘の点は自治大臣にもよく私からお伝えを申し上げておきたいと思います。
○加藤(万)委員 なぜ大蔵大臣にお聞きをしたかといいますと、確かに固定資産税は地方税でありますから、地方財源として税制の担当である自治大臣でしょうけれども、どうも税制改正と財政調整システムというものがいつも連動するものですから、副総理でもあり、同時に大蔵大臣でもある宮澤大臣にお聞きをしたわけですよ、個別に切り離してできないものですから。 私は結論的に申し上げるならば、やはり生存的財産というものの税体系と非生存的財産というものに対する税体系は、本来別に仕分けをして考えるべきだという見解を持っています。しかし、今の税法の中で、どことどことを改正するかということになりますと、税法体系というのはたくさんあるわけですから、ここは非生存的部門だということはなかなか仕分けが困難ですから、少なくともそういう考え方でやってほしいということを実は述べたわけであります。 建設大臣、相模原の橋本というところに国鉄の橋本工場というのがありました。昔の車両センターといいます。これが廃工場になりました。工場がなくなったわけです。そこで、これを売ろうという話が今出ています。それはそれなりに国鉄用地の払い下げですからいいのですが、この地域を中心にして、ここは工住混合地域です。工住で、住の方を建てますとマンションをつくったりなんかするものですから、地価がぼっと上がります。そこで、相模原市は、この地域を工業専用地域に指定をしました。いわゆる網をかけたわけであります。工業指定地域ですから、仮に国鉄さんがどこかへお売りになっても住居的なものはつくれませんよ、土地が値上がりをするものですから、やむを得ず工業専用地域として、もちろんこれはハイテク産業を次に張りつけようという市の構想もありますけれども、地価抑制の一つの方法として、専用地域として網をかぶせたわけです。大変意見がありました。なぜかといいますと、住工ですから、家のある人は、そういう網をかぶせられたことによって自分の財産価値が下がる、したがって専用地域にすべきでないという意見がありました。しかし、市も県もこれをいわゆる工業専用地域として決めたわけです。確定をしました。どうでしょう、私は、先ほど監視区域とか規制区域とかいろいろ議論がありましたけれども、現行法でもこれはできるんですね。その地域を何に指定するのか、それによって次に国鉄の、例えば国鉄に限らず国公有地の一般的入札価格を抑えることができるんですよ。大変苦労したのだろうと思うのですよ。どうでしょうね。こういう方法を全国的にあるいは全市的にやった場合、どういう状況を大臣はお考えになりますか。
○越智国務大臣 今の用途地域の変更というのは、地価の高騰とか抑制に用うるべきものではないと私は考えます。用途地域はよりよい町づくりのために、先ほども野呂田先生からのお話もございましたが、要は、見直しはしていくにしても、よりよい町づくりのために用途変更をしていく、こういうことでなければ、地価の問題はいろいろ問題になっておりますけれども、地価の問題は地価の問題として、これを抑制するとかあるいは価格をつり上げるとか、そういうことに用いられては適当でない、かように考えております。でございますから、各都市において立派な町づくりのために見直していただく、このことは結構だ、こういうふうに感じます。
○加藤(万)委員 それは、大臣のおっしゃることは基本論ですからね。これは、町をどうつくるか、どの地域が工業地域でどこの地域が中小企業団地でという、もちろんそういう町づくりの構想の上に立ってです。 問題は、汐留の問題もありますし、蒲田の駅の前の国鉄用地の払い下げもありますけれども、一般競争入札で物すごいべらぼうな値段がついたわけでしょう。結果としてその地域の地価を押し上げたわけでしょう。今、地方団体にすれば町づくりをするために用地費というのは大変なんですよ、大臣、これは後でまた質問しますけれども。それを抑えなければ町づくりそのものができないんですよ。私は地元ですからよく知っていますけれども、高校をどうつくろうかとか、商店街をどうつくろうかというさまざまな計画の上に立ってもなお、それを遂行するには、国鉄の払い下げ用地が工業混住地域になった場合には大変な値段がついてしまうだろう、そこで抑えていく、こういうことをやっているのですね。私は、先ほどの海老名の場合には、多少これは問題があるかもしれませんけれども、少なくとも上限価格を決めて、その地域の開発、都市計画に対して、とにもかくにもこれ以上の値上がりをしてしまったのでは町そのものができない、だからみずからの財産を売る場合でも上限価格を設定してやる、こうしておりますね。さまざまな苦労をしているのです。 それだけに私は、例えば川崎でも同じ状況が起きています。けさテレビを見ておりましたら、法政大学のグラウンド跡地、あの辺は地価でいきますと平米で百万だ、こう言っておりますね。それを法政大学が公示価格よりもちょっと値段の上のところで市に譲ってくれた、こんな話が何か世間で言う褒め言葉になるような土地政策はあるべきではないと思いますね。公示価格よりもちょっと値段が上のところで市に譲渡をしてもらったことが、法政大学もそういう意味では時価相場より相当安く売ったわけですから利益を抑えたのでしょうけれども、それが称賛をされるというような状況は決して好ましい状況じゃないですね。今の状況下ですから、それはすばらしい行為だ、こうなりますけれども、本来あるべき行為じゃないですよ。 そういう意味でいきますならば、私は国鉄用地にそういう意味で網をかける、例えば駅前の開発計画をやる場合に、国鉄の所有地がある、その所有地を地方自治体がどう利用しようか、蒲田の駅前じゃありませんけれども、入札をしようとしても一般競争入札ではとても勝てなかった、結果として民間に払い下げられてしまった。私はむしろ、そういう区域の指定を積極的になされるようなことがあれば、用途の面から価格を抑え、しかも市の思った町づくりの用地として繰り込めるという要素があるのじゃありませんか、どうでしょうか。これからは出てくる可能性が非常にあるわけですが、自治大臣、この都市計画そのものは地方自治の仕事であります。今のこの法律は建設大臣ですが、そういうことが出た場合に積極的にお取り上げになる意思はありませんか、ありますか。 というのは、この相模原がやった場合にも大変問題が出たのです。大変県の方も市の方もちゅうちょをされたようです。しかし決断を持ってやろう、多少住んでいる人の財産権を用途の面から抑えることはあっても、これをやることによって地価の抑制が成ると同時に駅前の開発ができるというのでやろう、こう踏み切ったそうです。私は、むしろ積極的にそれを地方自治体の事業として、あるいは政策の一つとして自治体があるいは自治省が取り上げ、むしろ奨励をするというような施策があっていいのじゃないかと思うのですが、自治大臣、いかがでしょうか。
○木内政府委員 大臣の御答弁の前に、都市計画的観点から一言御説明申し上げたいと思います。 先生御指摘のように地域地区は、確かにその当該地域地区に定めた土地の地価に結果的に影響することは多分にあろうかと思います。地域地区のみならず、都市計画をいかに決めるかによって当該土地の値上がりあるいは値下がりに影響することがあろうかと思いますけれども、先ほど大臣から答弁がありましたように、都市計画は、例えばただいま御指摘の用途地域においても、その都市を全体としてどういうふうに繁栄させていくか、あるいは環境をよくしていくかという全体の観点からその地域地域の用途を決めるのが適正でございまして、そういう特定の地域の地価を上げようかあるいは下げようかということを目的として、それをねらって決めるというのはやはり本来の姿ではないと思うわけでございます。 御指摘の相模原市の場合を詳しくは存じませんけれども、お聞きしたところでは、相模原市は当該地域を工業地域として残したいというふうな意思がありまして、特に特別の工業地域というふうな地域に変更しようとしているわけでございますけれども、これも市と県の都市計画審議会を通じて十分議論した上で、そこの土地の利用が工業地域としての純化にふさわしいという結論に基づいて変更が、指定がなされているというふうに承っておる次第でございます。
○梶山国務大臣 必ずしも今の問題に端的な答えにはならないかもしれませんが、先ほどからの御議論を聞いておりまして、確かに日本の土地の保有コストがニューヨーク等に比べて安いのではないか、こういう御指摘が一つにはあったと思いますが、これは税制全般の問題でもございますし、あるいは譲渡益課税や相続税その他の問題との兼ね合いもございます。一概にこれが低い、高いという判断基準については、それぞれの税制の相違もございますので、今にわかに即断ができません。 それから保有コストを上げるということが、例えば宅地供給の視点からか、あるいは価格を低下させるための手法かどうかという問題と、その保有コストの中にある固定資産税のいわば税の目的、こういうものを見ますと、必ずしもこれと合致をいたしてまいりません。 それから先ほどの海老名市の問題、若干御質問があるということで私も慌てて調べてみたのでございますが、原則論で言えば、自治法上は違法だと言わざるを得ないかもしれませんし、それから川崎において法政大学がいわゆる一般競争入札的な価格よりは安く市に売却をしたということが美談に取り上げられている。もちろん私は美談であっていいと思うのです。そういう風潮がこれから高まることが望ましいし、さりとて公の機関、いわば市民、住民の財産でございますが、必ずしも市民との利益の整合性をどこで保ち得るかというための望ましい価格というものが本当にあるのかどうなのか、そういうものの検討をこれから重ねてまいらなければならないというふうに感じております。
○加藤(万)委員 建設大臣、先ほど私は、用地費が大変な額になっているという話を申し上げました。六十二年度上半期で事業執行契約八〇%を目標にやられましたけれども、残念ながら地方団体では七十数%ですね、なりません。どうなんでしようね。市の名前を申し上げると御迷惑になるといけませんから市の名前は省かせていただきますが、例えば保育園をつくる、学校をつくる、道路の拡幅をする、当初予算から見まして大体五割から多いところでは倍、補正予算を組まざるを得ないという状況ですね。六十二年度ですよ。横浜市で聞きましたら、いや六十二年度はまだいいのです、なぜかといえば六十一年度に用地の手当てをしましたから六十二年度はまだいいです、六十三年度になったら大変です。こう言いました。 どうなんでしょうか。今、国が挙げて内需の拡大とこう言い、地方団体にその単独事業あるいは補助事業を含めて事業執行を要請していますが、用地費から来る差ですね。補正予算をそれぞれ組みますが、そう地方団体だって金があるわけではないですから、この用地費に対する六十二年度どういう手当てをあなたされますか、ちょっとお聞きしたいと思うんです。
○小林(実)政府委員 お答え申し上げます。 国の公共事業に伴う地方負担、地方単独事業につきましてでございますが、私ども補正を通じまして財政措置をしたつもりでございます。御指摘の具体の話になるかと思いますが、土地の取得等に関しましては起債が絡んでくると思います。その辺は、地方団体の申請をよく見まして、事業の執行に支障のないようにいたしたいというふうに考えておるところでございます。
○越智国務大臣 今の、確かに公共事業あるいは住宅にいたしましても用地の取得が非常に難しい、お説のとおりであります。そうしたことから、けさも、先ほども菅先生からの御意見もございましたが、国土庁長官と御相談申し上げて、国あるいは地方公共団体あるいは公団、こういうところの用地を取得する場合、その譲渡所得を分離課税、こういうことによって少しでも早く供出してもらう、こういうことに力を入れていきたいということを提案しよう、こういうことに決まっておるのであります。今も用地を、収用あるいは収用に準ずる、こういう方法で取得しておることが非常に有効に働いておることは御承知のとおりであります。こういったことで、用地をできるだけ安く、安くといってもなかなか高くなっておりますけれども、できるだけ税優遇でもして出していただこう、こういうことの考えで進めていきたい、こういうふうに思っております。
○加藤(万)委員 まず第一に、課税控除額の問題がございますね。三千万円、そこまでは公共用地に提供した場合には云々、とれは当然引き上げられるべきだと私は思いますが、想定される額はどのくらいまで引き上げる予想でいらっしゃいますか。これは大蔵大臣への質問になるんでしょうか。 それからいま一つ。自治大臣、今各地で、市街化区域の農地を例えば提供していただいてそこでちっちゃな公園をつくったり、いろいろなものがあります。ところが、相続のときには、これは時価評価ですね。いわゆるそれが公共用地に使われているという、貸しているというにもかかわらず、相続の場合にはこれは相続税の対象として評価をされ、そのために全部地方団体がその用地を手放さざるを得ないんです。この面の税制改正はどうお考えになりますか。税に対する考え方、そうなった場合にはどういうような形でその地方団体が持っておる借地、そういうものをやられますか、これが一つ。 それから建設大臣、おっしゃいましたけれども、例えば今年度の事業執行計画、国の補助事業八四・八%ですよ。しかし地方の単独事業は七〇・六%ですよ。そして六十二年度の普通会計における投資的経費の中の用地費は、都道府県では一二%、市町村では二〇%ですよ。なおそれを今度は細かく分けますと、義務教育費の中の許可額、もう許可をした額に占める用地の割合が三九・五%ですよ。これはそうですね、学校をつくる場合には当然敷地が必要ですから。これが相当上がっているんですよ。これに対する、例えば補助率に対する単価ですね、これは補正予算で当然引き上げなければなりませんね、六十二年度分でも。いわんや六十三年度分は、今の地価高騰に対する単位費用を変えなければいけませんね。私は、交付税に入る単位費用について、東京圏、いわゆる近畿圏もそうですが、土地の値上がりの格差がこれだけあるときに、全国統一の単位費用を用いることは絶対できないと思うのですね。 自治大臣、交付税はこれから大蔵省と折衝されるのでしょうが、単位費用についても、多少はありますよ、差が。しかし、これだけの土地高騰の中における公共事業執行に差し支えがないようにするには、この単位費用については相当の格差を設けなければ都市における事業執行はできませんよ。いわんや建設省が言われているように、単独事業は年間九千億ですか、六十二年度は。執行ができなくなるんじゃないですか。六十三年度においてもそうです。 ところが、けさの新聞を見ますと、総理の「ふるさと創生論」ということを土台にして六十三年度から地方交付税、それから地方総合整備事業債を発行するんだそうですね。約一千億。私は一千億発行してもこれは用地の値上がり分に吸収されてしまう程度じゃないかなと思います。私は、総理が言うように地方分散の都市構造をつくる、多極分散型の都市構造をつくる場合には、確かに地方交付税に一つの調整財源を持ちながら財源調整システムをとろうという発想はわかりますけれども、こういう形でやるのはどうもいかがなものかと思うのですよ。地方交付税そのものに対しての問題をまず最初に解決すべきですよ。その次に、地方総合整備事業債を発行されるならば今言った単位費用の問題をまず解決すべきじゃないですか。地方団体の事業執行がこれほどおくれているということ、その事実の上に立って今の単位費用をどうすべきか、今の用地費に対する手当てを六十二年度予算の中でどう修正、補正をされて、地方団体が財源的に困らないようにすると建設大臣おっしゃっているのですから、そこのところを確立しないで次の事業債によってふるさと論の地方分散型都市構造をつくるというのは、ちょっと話が飛躍じゃございませんでしょうか。いかがでしようか。
○小林(実)政府委員 技術的な問題もございますので私の方からお答えを申し上げますが、国の公共事業の推進に伴います地方負担、それから単独事業につきましては、御承知のように地方財政計画に所要額を計上いたしまして財政措置をする、こういうのが基本でございます。明年度につきましても、必要な額を確保してまいりたいと思っております。 御指摘の交付税についてでございますが、個々の団体の需要額の算定に当たりまして単位費用に格差を設けるということはできないわけでございますが、御指摘の地価の差を反映し得るようにいろいろな補正をやっておるわけでございまして、この補正を適用することによりまして単位費用に差を設けると同等の効果を生ずるよう算定いたしておるわけでございます。具体的に申し上げますと、普通態容補正その他であるわけでございまして、今後とも御意見を踏まえまして補正係数の適正な設定につきまして適切に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
○梶山国務大臣 第一の質問の意味はよく私は捕捉できなかったのでございますけれども、地元にあってその土地をあるいは公のための緑地や公園等にお貸しをしている人が相続になったときには、それを返されて困るというようなことを挙げて、この相続税等に何らかの特別の税の対策ができないかということでございますけれども、まず、公に土地を貸しているということはそれだけの使用目的が公に発生しているわけでございますから、恐らくそういう場合においては公的機関が適正な価格で買い取りをされる、それに基づいて私は相続税は可能な範囲内におさまるはずだというふうに原則論としては考えております。 それから第二の問題でございますが、六十二年度、明年度、特に交付税算定の際には他団体との単位費用の格差をつけることができるかどうかという問題でございますが、地方負担分及び地方の単独事業については地方財政計画に所要額を計上してまいることは当然でございますが、お尋ねの交付税について個々の団体の需要額の算定に当たりまして単位費用に格差をつけることが具体的にできるかどうか、私も残念ながら承知をいたしておりません。なかなか個々の問題に関しては基準を設けることは困難であろうかと思いますが、普通態容補正等の各種の補正係数を適用することによって、単位費用に差を設けると同様の効果ができるような措置をこれから講じてまいりたいと思いますし、御意見を踏まえて、補正係数の適正な設定を含めこれから検討してまいりたいと思います。 第三の、これは当然のことでございますが、地方の自主財源の確立をしていかなければならない。その意味で事業債はある一部をなす、そういうふうに考えれば、私はこれをもって十分とは申しませんけれども、もろもろの問題を考えながらやっていかなければならないと思います。確かに今まで、財政の苦しい中にあっても内需を振興しなければならないという至上命題のもとにそれぞれ地方にもしわ寄せがあったことは現実でございます。しかし、これが長く続くはずがございません。ですから、あとう限り早くこういう負担の増加分、こういうものを取りやめをし、そして自主財源を設定をしながら、むしろ四全総がねらう多極分散に向かっての地方自治体の役割、こういうものにひとつ大きく期待ができるような手段を講じてまいりたいと思います。
○加藤(万)委員 もう時間が来ましたから申し上げませんが、国土庁長官、私はそういう意味では四全総のきめの細かな見直しをぜひこの際していただきたいと思うのです。 それから建設大臣、自治大臣には、先ほどお話がありましたように、多極分散型と言いますけれども、財源的な裏づけを、土地高騰による圧迫の中では多極分散型は進まないわけですから、そういう意味では多極分散型ができる地方財政の財源について交付税を含め御検討いただきたい、こう思うのです。自治大臣はその衝に当たるわけですから、あらゆる面に対する多極分散型の構造が本当の意味で実施ができるように強く要請をいたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○小此木委員長 午後零時四十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ――――◇――――― 午後零時四十三分開議
○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小谷輝二君。
○小谷委員 地価急騰問題につきましては、今回東京の都心部を初め周辺地域、三大都市圏、さらに主要都市へ大きく波及しておるわけでございますが、地価の高騰のそもそも原因は何なのか、いろいろきょうまで論議されたところでございます。 そこで私は、地価の狂乱問題に対しましては、反省すべき点は謙虚に反省する、さらに改めるべき点は改める、そして、今直ちに打たなければならない点は直ちに打ち出す、こういうふうな点で国民の生活または経済活動、最も有効に国土を利用すること、そのために論議する委員会でもあり、また土地対策についてはそうでなければならない、このように思っておるわけでございますが、まず副総理、また国土庁長官、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 当然そうあるべきだと思います。
○宮澤国務大臣 ただいま国土庁長官の言われたとおりでございます。
○小谷委員 この原因につきましては、首都東京が世界の情報、金融の基地としての役割を高めてきた、こういう大きな問題が一つあろうかと思います。さらに、東京一極集中が加速されて事務所の需給のアンバランスが生じてきた。さらに、国有地の処分に当たって、一般競争入札が地価の上昇に拍車をかけた、これも一つの大きな要因であろうかと思います。地価上昇の時点で、国土法の運用が地価対策におくれたのではないか、こういうことも指摘されておるわけでございます。 そこで、国土庁はどのような判断、この地価狂乱、そもそも起こってきた大きな原因はどこなのか、どういう問題が原因となってこうなったのか、この点についてどのように認識しておられるか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 やはり当初は事務所用地不足、これから始まっているんじゃないかな、こう思うわけでございまして、その後いろいろな要素が重なり合いまして、投機対象、土地転がしというような事態まで加わってまいったものでございますから急速な地価高騰になってしまった、こう思っております。
○小谷委員 我が国は中央集権による施策、これがずっと続いてきたわけでございます。したがって、すべての分野において東京一極集中が促されてきた。また国際的にも、首都という役割のほかに、ニューヨークやロンドンと並んで世界の情報、金融の基地としての役割を高めてきた。そこに地価急騰の一つの原因があったわけであります。これは、国の施策そのものがそうさせてきたのではないか、このように思うわけですが、この点は副総理、いかがですか。
○宮澤国務大臣 我が国の非常に急速ないわば国際化と申しますか、そういうことがこの問題の最初の一つのきっかけをつくったということはただいま御指摘のとおりでありますし、私もそう思っておるわけでございますが、それはある意味では、我が国の世界における役割の向上、しかし、その役割が向上するに際して、それから起こるべき事態、そこから生ずべきどのような準備を必要としておるかということについて、それが伴わないままに我が国の役割が増大したということ、それは確かに言われるとおりで、政府としてもやや思い設けない時期にそのような事態が起こってきたということは御指摘のとおりと思います。
○小谷委員 事務所需給のアンバランス、これが都心部の地価の上昇に大きな原因をしたと思われるわけであります。 国土庁長官が先月、十一月二十七日に第二回の土地対策関係閣僚会議の席上で、東京二十三区の昭和六十一年-七十五年までの十五年間における事務所の床面積、この需要の予測を、新しい推計を報告されております。これは、昭和六十年の五月に公表された首都改造計画、この予測約五千ヘクタール、これを三分の一の千六百から千九百ヘクタール、このように修正されておるわけでございますが、これはきのうのいろいろな質問によりまして、年次の違いとかまた起算の基礎が違うとかというふうな答弁であり、決して過大に見積もったのではないというふうな答えが国土庁の方からなされていたようではございますが、果たしてそうなのか、これが地価急騰の大きな原因になったというふうに認識されておるのか、数字は間違っていないのだ、国土庁がこれを出したからといって急騰の原因には何らなっていない、こういう認識なのか、この点はいかがですか。
○奥野国務大臣 私は、需要を出す場合には供給も示すべきではないかな、こう思っておるわけでございまして、そういう意味で先般需要と供給両方の見通しを報告を申し上げたわけでございます。需要だけ出しますと、その数字がいかがであれ、今のうちにという気持ちが出ないとも限らないな、こう思うわけでございまして、そういうおそれを生じさせるようなことは将来とも十分留意していきたいな、こう思っております。
○小谷委員 確かにおっしゃるとおりでございますけれども、この国土庁の予測がかなり仮需要を大きな予測として与えて、なおかつこれに対する地価の急騰が始まった、こういうふうにかなり判断もされておりますし、確かにそういう点があるのではないか、このように思うわけですけれども、全くそうではないんや、これは関係ないというふうな政府の考え方、国土庁の考え方なら、これは改めるべきではないか、このように思う。その点はいかがですか。
○奥野国務大臣 今のような意見を言われる方が何人もいらっしゃるわけでございます。それにはそれなりに私たちも耳を傾けて、将来対処していかなければならないな、こう思っております。
○小谷委員 今回の東京都心部、商業地における地価の上昇現象、この兆しは、五十八年都道府県地価調査、これは毎年七月一日の時点で調査されて発表されておるわけでありますけれども、東京の都心部は全国平均の四倍から五倍、このような高い変動率をこの時点で既に示しているわけです。現在のように地価の上昇地域が全国の主要都市に拡大するまでに、東京都内においてはこのような大きな地価の急上昇がちゃんとあったわけです。この時点でなぜ国土庁はもうちょっと――毎年、かなり費用をかけて調査しているわけですから、それは何のための調査をしているのか、地価の動向も常に目を通してバランスのとれた国土利用、また地価の上昇等を見ていくために調査はなされておるもの、このように我々は思っているわけですけれども、なぜ五十八年の時点でこれほどの大きな上昇率があるのにこれまで手をつけなかったのか、不思議でならぬわけです。この点はいかがですか。
○奥野国務大臣 御指摘いただきました五十八年、都心三区において早くも地価上昇を始めておるわけでございまして、やはりそのころから東京目がけて世界の企業が立地してきたんじゃないだろうかな、こう思っているわけでございます。今から過去を振り返って考えてまいりますと、ああすべきだった、こうすべきだったというようなことはいろいろあろうと思います。
○小谷委員 国土法は、かつて日本列島改造論に見るように全国的な大きな地価の上昇時点に、国会の方でもこれは大変だということで議員立法でこの法律がつくり上げられた、このように伺っているわけでございますけれども、まさにこの法律があったままで、何らこの法律の運用がされなかった。確かに、都心部におきましては二千平米以上の大きな土地の売買、要するにこの法の届け出の義務から除外された分野での売買が非常に数があって、法律の網にかからなかったということがあろうかと思いますけれども、それならなぜ今日とられたような、例えば監視区域を持つなり、また、この届け出を都心部においてはもう少し面積を小さくして現在の百平米あるいは二百平米等に縮めて、それで目を通していがなかったか。 これは後追いするようで、何か責任をおっかぶせるような質問かもわかりませんけれども、こういう轍を二度と踏んではなりませんし、私は大阪ですけれども、大阪は東京に倣って今上がりつつありますし、まだ手を抜ける状況ではございません。そういうためにも、今後のためにも反省すべき点は謙虚に反省しなければならぬ、私はこのように思うわけですが、この点はいかがですか。
○奥野国務大臣 御指摘いただいているとおりでございまして、法律改正が間に合わない、東京都ではぜひ条例をつくって指定区域の指定をしていただけませんかというようなことで、法律改正に先駆けて東京都は条例をつくって指定区域の指定を始めていただいたわけでございました。 おっしゃいますとおり、大阪の商業地域はかなり値上がりをしているようでございます。二十三区が鎮静化あるいは値下がりの傾向を見せたからといって、とても安心する、手を抜けるようなわけにはいかない、真剣に事情の変化を見詰めながら積極的に対応を工夫していきたいと思っております。
○小谷委員 長官に御就任になってからまだ間がないわけですから、これは責めるわけじゃないのですけれども、この国土法の運用を、そこらをもう少し詰められなかったのか、スムーズにこの運用がなされなかった何か特別な理由があったのではないのですか、これはいかがです。
○奥野国務大臣 国土庁の事務当局に伺いますと、かなり心配しながら働きかけておったようでございますけれども、政府全体がその意識をどこまで持っておったかということになりますと、今振り返りますと若干問題があるなど言えると私は思います。
○小谷委員 都心部における地価の上昇の兆しに一番大きな拍車をかけたのが国有地、旧国鉄用地の一般競争入札、これの競売である。これは大変なことをしてしまったわけであります。これでまず周辺の住宅地の地価の上昇に大きな影響を及ぼしてきたということでございます。 そこで、東京都の都心部で五十九年から六十一年までの国有地また旧鉄道用地の売却事例はどんなものがあるのか、それぞれの所管から説明していただきたい。
○藤田(弘)政府委員 お答えいたします。 国有地の入札件数は、五十九年から六十一年まで年間二、三件でございます。この間、民間が七千件以上でございますからその数は少ないわけでございますが、代表的な事例につきまして大蔵省が所管しております一般会計で申し上げますと、六十年八月に旧司法研修所の跡地を入札処分しております。それから、新宿西戸山六十一年一月、これは随契処分でございますが、これを行っております。
○田中(宏尚)政府委員 林野庁関係では、昨年の十二月一日に六本木の公務員宿舎跡地、一万一千六百平米でございますけれども、この売却を行っております。
○杉浦参考人 旧国鉄の関係の用地でございますが、主な事例が何件かございますが、五十九年三月に品川の駅の貨物跡地がございます。それから六十一年三月に九段の北宿舎跡地の売却、こうしたものが主な事例でございます。
○小谷委員 今説明のあった国有地並びに旧国鉄用地、これはそれぞれ大きな責任のある処置がなされたというように私は判断をしておりますので、当然所管の皆さん御存じだろうと思いますけれども、この面積、落札価格、平方メートルの単価、この周辺の地価公示価格、これをお聞かせください。
○藤田(弘)政府委員 お答えいたします。 先ほど申し上げました大蔵省関係、旧司法研修所跡地について申し上げますと、面積六千七百八十六平方メートル、売却総額五百七十五億円、平方メートル当たり価格八百四十七万三千円、これは六十年八月の処分でございます。六十年一月の近隣の用途地域が同一な公示価格でございますが、三百十万円でございます。
○田中(宏尚)政府委員 林野庁で売却いたしました旧六本木の公務員宿舎跡地でございますけれども、処分面積が先ほど申し上げましたように一万一千六百九平米でございます。それから落札価格は全体で八百八十二億円、一平米当たりで約七百六十万円となっております。それからなお周辺の公示価格でございますけれども、近い時点の六十二年一月一日現在で申し上げますと、平米当たり六百八万円という価格になっております。
○杉浦参考人 品川の跡地の問題でございますが、面積が四万六千四十四平米、価格が総額一千十一億五千百万円、これを平米当たりにいたしますと二百二十万円、周辺の公示価格は、二、三ございますが、高いので平米二百四十万円、それから安いのでは平米五十二万円、こういうことになっております。 それから九段の宿舎跡地でありますが、面積が五百七十五平米、価格が総額六十二億六千四十万円、これを平米当たりにいたしますと一千八十九万円、周辺の公示価格は九百九十七万円というのがございます。
○小谷委員 このように周辺の地価の公示価格から比べまして、国鉄の品川の駅東口が四・二倍、それから旧司法研修所跡地二・七倍、それから西戸山宿舎が一・二倍、それから九段北の国鉄職員宿舎二・三倍、それから六本木の林野庁が二・四倍、このような価格で落札されておるわけでございますけれども、これに対して国土庁はどんな判断をしておられるのか。この価格で販売されたので地価上昇に拍車がかかった、こういうふうに判断しておられるのか、この点はどうですか。
○奥野国務大臣 入札に付することに対しましては、東京都あるいはまた東京都連等々からは当時強い反対がございました。むしろ都に譲渡しろという意見もございました。私は当時自民党の総務をしておったりしていたわけでございますので、総務会でまで大激論があったものでございました。どういう考え方を優先させるかということで入札になっていったわけでございますけれども、地価高騰に影響がなかったとは言えるものではないと思っております。
○小谷委員 今現在これは東京都の方で今回の監視区域に指定されておるところがほとんどでありますけれども、現在国土庁は、この土地の付近で百平米以上売買が行われて、そうして届け出があった場合、近隣の取引事例というのがここに現にあるわけです、二倍また四倍というような事例があるわけです。あった場合には、これは適正価格と判断するのかしないのか、いかがですか。
○片桐政府委員 国土利用計画法の届け出の場合の価格の審査のやり方でございますけれども、公示価格の標準地と、それから具体的に届け出られました当該土地との間の土地の条件の違いがございますので、その条件のいろいろな修正を、現地調査などをやりましてそういう修正をいたした後に、また公示価格を評価した時点と、それから届け出のあった時点との時点の修正というのもございまして、そういういろいろな、時点の修正それから土地の条件の修正を行った上で、当該届け出のあった土地に相当する公示価格といいますか、公示価格に相当するような価格を算定いたしまして、それにある程度のアローアンスを見て私どもが判断をいたしまして、それで著しく適正を欠く価格かどうかということを判断しているわけでございます。したがいまして、そういう具体的な判断を現地に即してやらなければならないということでございますので、今の段階でそういう確たることを申し上げることはなかなか難しいわけでございます。
○小谷委員 わけがわからぬ返事ですね。要するに、これは販売事例がちゃんとできたわけですから、公示価格も明確なわけです。現在この価格で取引しますということで東京都に持っていったら審査しなければなりませんね。そうしたら適正価格で結構ですということになるのか、指導するのか、それとも勧告するのか、公表までいくのかを聞いているのです。どうですか。
○片桐政府委員 具体的な土地に即しましていろいろ条件を調べてみなければ、なかなか確定的なことは申し上げられないと思います。
○小谷委員 午前中に長官は、おおむね長官の政治的な判断での答弁だと思いますけれども、公示価格の二割前後は、ここらはいろいろ条件が違うのだから、土地には顔があるからというふうなことで判断の基準にしたらどうだろうかという御意見もあった。これは四倍でしょう、二・七倍でしょう。これでいいのかどうか、どうなんです。 もし、この事例、今直ちにこの土地の隣の土地を買いたいんだと東京都に持っていったら、東京都はどのようにしたらよろしいのか。もし国土庁に問い合わせがあったらどんな返事をするのですか。それを聞いているのです。
○片桐政府委員 先ほど各省庁の方から説明のございました具体的な国有地なり国鉄の土地なりにつきまして、当時、入札の行われた当時におきまして、私どももいろいろ勉強したわけでございますけれども、物によりましては、私どもが考えている適正な価格といいますか、そういう水準から見て著しく高いのではないかという物件もあったかと思っております。
○小谷委員 ちょっと私が聞いていることと答えていることが違うわけです。だから、これは好ましいことでなかったらなかったでいいと思うのですよ、やってしまったことですからね。これは東京都にとっても、またその周辺にとっても、地域にとっても、広くは日本国民にとっても大変なことをやってしまったということで、私はあえて言っているわけです。それならそれで反省をすると、今後こういうことはしないように努めますと、これは確かに無謀でしたと言えばいいじゃないですか。これはどうなんです、国土庁長官。
○奥野国務大臣 当時は監視制度をとっていなかったわけでございますので、今の時点でそれがどうかということになりますと、民間は、今は監視制度をとっておりますので、公示価格から著しく離れている場合には、当然勧告という措置になっていくだろうと思います。
○小谷委員 長官、これは要するに、当時この監視区域でなくても二千平米以上なんですよ、この土地は国土法にかかるのですよ、そうでしょう。だから、国有地、旧国鉄用地だからということで国土法から外れているのですよ。これは今後大きく反省していくべき大きな問題であろう、こういうふうに思っております。 次に移りますけれども、いずれにしましても、政府はこの異常事態に対して緊急土地対策要綱を閣議決定されて、土地の取引の適正化、また旧国鉄用地及び国有地の処分、また税制上の処置、また都市再開発、住宅宅地開発の促進、この大きな四つの柱で対応するように閣議決定をされたようでございます。 そこで、現在のように、狂乱的に上がってきた地価が果たして下がるのかどうか、これは非常に至難なことであろう、こう思うわけでありますが、その点はいかがですか。
○奥野国務大臣 しばしば高値安定に持っていったらいけないよという御注意をいただいております。私も同じように考えておりますし、幸い都心二十三区においては幾らか下がりぎみになっておるわけでございますので、なお一層下がってほしいな、こう思っております。
○小谷委員 私は大阪の出身でございますし、大阪は地元でございますが、大阪の地価の急騰の現況は、東京に次いで現在上昇中であります。今強力な抑制策をとる必要がある状況でございます。特に大阪は大きなプロジェクトを今抱えております。御承知のように、関西国際空港、花と緑の万国博覧会、また関西文化学術研究都市等々でありますけれども、これらの地域整備が今行われようとしておるわけです。これから大事な時期に入って、これから用地買収にかかり出してくるわけでありますが、これに伴って社会資本の整備、また公共用地の取得、これがこのままの状況では非常に深刻な影響が懸念される。 さらにまた、当然のこととして、府民の持ち家住宅取得に対する夢は大きく崩れるであろう、こうしておるわけでございます。特に大阪の町は、戦前からも長屋と言われる住宅、また文化住宅、このような民家が密集している地域が非常に多いわけでございます。ここに最近地上げ屋が横行しておりまして、特に刑事事件等が起こっております。 京都におきましても、有名な地場産業の西陣地域、これもこのような問題、地上げ屋が横行して事件を起こしつつあるような様相が今起こっております。 そこで警察庁に、最近の地上げに関する事件の発生状況、これはどうなっているのか。また特に大阪周辺において起こった事件の代表的なものを、その内容を含めて御説明をいただきたい。
○仁平政府委員 全国の警察におきまして検挙いたしました地上げに絡む不法事案は、昭和六十一年は八件、ことしは九月末現在で二十七件となっております。 大阪では昭和六十一年以降、本年九月末までに五件検挙いたしておるわけでございますが、そのうちの主な検挙事例について申し上げますと、例えば入居者が立ち退き要求に応じなかったということから、暴力団幹部らがユンボを使ってビルを全壊したという建造物損壊事件とか、文化住宅の居住者を立ち退かせるために、その文化住宅の空き室に犬を放置したり、居住者方に水を流し込むなどの嫌がらせをし、さらに居住者を脅迫したという暴力行為事件とか、文化住宅の居住者を立ち退かせるために、空き室の窓ガラス等を壊したり、空き室に腐った肉やてんぷらなどを投げ込むなどの嫌がらせをし、立ち退きを強要した事件などがございます。
○小谷委員 この事件の被害者はただ一回二回そういうことに遭ったわけではなくして、長期間にわたって長い間苦しめられ続けてきた、こういう状況で被害届けを出して、警察がそれに対する取り締まりに当たったということでございます。 したがって、警察の方としては、最も早い時期に取り締まりに当たってもらうと同時に、なお今後も陰湿な、しかも嫌がらせとか、また暴力団によるところの脅迫とかいうのが起こるおそれが十分にございます。したがって、警察庁の取り締まりに対する決意のほどをお聞かせください。
○仁平政府委員 地上げに絡む不法行為につきましては、これまでもあらゆる法令を適用するなどして検挙の徹底を図ってきたところでございますが、今後とも不動産業界への暴力団の介入状況等その実態把握に努めますとともに、市民からの相談に対しましても積極的に対応しまして、事案によりましては、警告、制止等により違法行為を未然に防止しますとともに、違法行為を認知いたしました場合には、速やかに検挙措置を講ずるなど、厳正に対処していく決意でございます。
○小谷委員 大阪市は中心部の八行政区、これを十二月一日から監視区域に指定したわけでございますが、土地の値上がりは、前々からありました人口のドーナツ現象、これをさらに大きくして、周辺の住宅地域にも土地の高騰が広がりつつあるという状況であります。 こうした地価の上昇の原因は、都心部の商業地域におけるビル需要の増加、また金融緩和によるところの投機的取引、こういうものがさらに拍車をかけて上昇をさらに早めている、こういうことについては東京と状況がよく似ておるわけでございます。このような状況では、どこも同様なことでございますけれども、市民生活や町づくりに大きな支障を来すおそれが今後も起こってくるわけです。 大阪府におきまして、今まで国土法の届け出状況、これは二千平米以上ですけれども、大阪府、大阪市合わせて六十一年度だけを見てみますと千百四十件、その中で指導または取り下げたものが約一〇%ということで、勧告したものはいまだ例がございません。ということは、非常にスムーズに今まで土地の取引が行われておる、しかも勧告をしなければならぬような高値とか、こういうふうな状況は今のところ六十一年度ではなかったということでございます。 ところが、先ほど申し上げましたように大阪府も、関西国際空港また花と緑の万博、これは地下鉄の新設が含まれておるわけでございます。また、関西文化学術研究都市等々これらの関連地域の整備はこれからが本格的に始まるわけでございまして、これらの地域を監視区域に近々にしなければならないのではないか、早急に指定する必要があるのではないか、このように私は思っておるわけでございますが、国土庁はどのように認識されておりますか。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、大阪府ないし大阪市の中心部等につきましては、最近非常に地価の値上がりが激しくなっているわけでございます。私どもも大阪市及び大阪府と十分相談をいたしまして、監視区域の指定を早急に行うべきであるという方向でいろいろ指導を続けてまいりました。 大阪市につきましては、大阪市の中心の八区につきまして十二月一日から監視区域を実施しております。それからまた先生御指摘の関西空港関連事業地域、それから関西学研都市の関係、また花の万博関連施設、そういうところでも監視区域を指定すべきであるという方向で大阪府及び大阪市が検討を進めているというふうに聞いております。
○小谷委員 大阪市は十二月一日から、監視区域、市内八行政区、三百平米以上ということで、それによってこれからの扱い件数は今までの三倍になるのではなかろうかと見込まれております。したがって、それに要する新たな事務費問題が起こってまいります。今後も東京に倣って監視区域を拡大しなければならないということになれば、さらに事務費は大幅に増額されるわけでございます。今後、この監視区域の指定が全国的に各府県だとか政令都市で行われることになりましたら、これに要する事務費はかなりの額になるのではなかろうかと思います。国土法四十条に、法律施行に要する経費は都道府県、政令都市に対して交付金として交付する、こういう意味のことが述べてありますけれども、この点については国土庁はどう考えていますか。
○片桐政府委員 国土利用計画法の施行に要する事務費につきましては、先生御指摘のように、第四十条の規定によりまして、国から都道府県ないし政令指定都市に交付金を交付することといたしております。当初予算では二十数億の予算を計上しておるわけでございますけれども、最近の地価動向にかんがみまして、監視区域の拡大というようなことで、都道府県なり指定都市の事務が非常に増大しているわけでございます。それで、この当初予算ではなかなか賄い切れないということで、追加的な財政措置につきまして、現在財政当局と検討を進めていもところでございます。
○小谷委員 六十二年度の分につきましては当然補正で補わなければならぬことになろうかと思いますし、六十三年度は当初予算で当然組み込まれることになると思うのでありますが、これは国土庁長官、どうですか。
○奥野国務大臣 そのとおりでございます。
○小谷委員 ちょうど大蔵大臣もいらっしゃるわけですが、大蔵大臣、この点はいかがでしょうか。
○篠沢政府委員 予算の比較的事務的な経費でございますので、私からお答えをさせていただきます。 ただいま土地局長からもお話ございましたように、監視区域の指定で地方団体の事務量が大幅に増加するということでございますので、その状況を見きわめつつ、今いろいろ御相談も来ておるようでございますので、ひとつこの辺につきましては、現在持っております交付金の弾力的な運用というようなこともございましょうし、また予算額全体の問題もございますので、その辺は適切に六十三年度予算の問題として議論をしてまいりたいと思っております。
○小谷委員 ちょっと余りはっきりしませんけれども、宮澤大臣は副総理でもあり大蔵大臣、これは大蔵省としては十分に御配慮されておると思いますけれども、いかがですか。
○宮澤国務大臣 大切なことでございますから、事務に差しさわりのありませんように処理いたします。
○小谷委員 次に適正価格の問題でございますけれども、先ほどの午前中の質疑にも国土庁長官からお話がございました。適正価格であるかどうかということは、公示価格を基準にして二〇%前後はどうだろうかという長官の話でございますけれども、そうですか、間違いありませんか。
○奥野国務大臣 公示価格が判断の基準になるものだと思っております。同時に、地域の状況によりましては若干それを上回っても非難できないというような地域もあるわけでございますので、一割超えても勧告しないとか二割超えたぐらいなら容認するとかいうことはあり得るでしょう、こう申し上げ、またそう考えているわけであります。
○小谷委員 そこで、土地には、御承知のように一つの地点の交差点でありましても、南北東西の角、これは全部顔が違うわけです。また現場におきまして、果たしてこの土地が公示価格に対してどのくらいプラスすべき土地なのか、またそれよりも値打ちが少ないのかというふうな判断は現場で非常にまちまちであろうと思うわけです。実際、現場で担当して、書類を受け付けて審査しておる現場での意見は、この判断の基準が非常に難しい。長官のおっしゃるように、例えば二〇%高でここまで認めるということになれば、その年は二〇%高が認められるわけです。それが明くる年の公示価格になるわけです。毎年二〇%ずつ地価は高騰していくのではなかろうか、こういうことになります。これは要するに、売買事例というのが公示価格には非常に重く用いられて算定をしてあるという点から見ましても、また、土地には公道に面したところがどのぐらいあるのか、細長い土地でほとんど公道に面してないとか、また大きく公道に面しておるとかというふうなことでまさに千差万別で、一つ一つの土地そのものには非常に値打ちというか値段をつけがたい、こういう点ですけれども、先ほどおっしゃったように、要するに公示価格を基準としてその点は判断をせよということで、これは全国ある程度、監視区域を指定したところとか地価が上昇しつつあるようなところはそういう考え方でいいわけですか。
○片桐政府委員 国土利用計画法の届け出が出たときに審査をする基準といいますのは、公示価格を基準にいたしまして、先ほど申しましたように、まず届け出の時点とそれから公示価格の評価の時点との時点に差がありますので、その時点修正を行いまして、さらに公示価格をやりました基準地と当該届け出のあった土地の地域的な要因の差とか、それから個別要因、例えば道路にどのくらい面しているとか、その土地の形がどうであるとか、そういう個別要因の修正をいたしまして、当該届け出のあった土地についての相当な価格というものを、公示価格に見合う価格を算定しているわけでございます。 それで、その相当な価格に対しまして著しく適正を欠くかどうかということを判断しているわけでございますけれども、著しく適正を欠くかどうかというところの判断のところである程度のアローアンスを見ているということでございます。先ほど大臣から二割前後ということも話がありましたけれども、これは都道府県によりましてある程度その判断に差がございまして、一律に二割というふうにはなっておりませんけれども、大体二割前後ということで運用している都道府県が多いかと思っております。
○小谷委員 一昨日、新聞報道によりましたら、神奈川県で監視区域で勧告された物件があったという報道がありました。あとは当事者が何日間の日にちの間に返事をしてくるのを待っておるということでございましたが、これは勧告に従わなかった場合にはどのような方法をとるのですか。公表ということになっておりますが、どういう方法の公表をするのですか。
○片桐政府委員 勧告をしてもそれに従わないで契約をしてしまったということになりました場合には、その勧告に従わなかった旨及びその勧告の内容を公表することになっておるわけでございます。公表の手段は、主として、まず都道府県等の公報に登載するというようなことをやっておりますし、そのほか、それぞれの県庁とかそれから市役所のそういう機関に内容を通知するとか、それから新聞、ラジオ、テレビ等の広報手段を通じて周知を図っておるわけでございます。
○小谷委員 これは、この地点でこの土地がだれからだれに売買される、このことについてかくかくしかじかの理由でこれは勧告をしたけれども聞かなかったということで、その値段は単価が何ぼと、ここまで公表するわけですね。これは、確かに社会的な地位とか名誉とかそういうものを重んじる法人とかいうことならともかくとして、一般的な個人であるならば余りどうということになりませんね。なおかつ、公表することが、このところでこういうふうな高い価格で売買がされた、値段が上がったことを、高い値段で取引されたということを天下に公表する、みんなに知らす、こういう結果に終わってしまうおそれはありませんか。いかがですか。
○片桐政府委員 この公表制度は、公表することによりまして社会的制裁といいますか、そういうことを含んでいる制度でございまして、国土利用計画法の届け出制度が始まりましてから十三年ぐらいになりますけれども、この十三年間の間に公表までいったケースというのは数件しかないわけでございます。大部分は届け出のあった後、行政指導でもって解決をしているということでございまして、勧告までいっているケースも年に数件しかないというような状況でございまして、日本の社会では、この勧告、公表制度というものが非常によく作用しているのではなかろうかというふうに判断しているわけでございます。
○小谷委員 これは今のところ確かに大阪でも勧告をしたのもいまだありませんということで、これは好ましいことではないか、こういう制裁ぐらいでみんな割に社会的な制裁ということを重んじられるのか、立派なものだなという感じを僕も受けるのですけれども、今後ここらの状況がどうなっていくか。要するに、監視区域で対象面積が小さくなればかなりこういう問題が起こってくるのではなかろうか、こういうふうにも思われるわけです。 というのは、土地というのは、需要と供給というのは非常に差があります。この土地でこの場所なら何ぼ高くても欲しいのです。例えば自分の隣地、これは世界にそこしかないわけですから、これが出たときには、ここまでなら売るけれどもこれ以下では売りませんということになれば、結構です、どこを探してもそれはそこしかないのですから。これはあると思うのです。こういう場合が起こったときにどうするかという問題です。現場で非常に小さい、こまい問題ですけれども、これは今後のためにひとつ国土庁の見解を聞いておきたいと思うのですけれども、どうでしょう。
○片桐政府委員 先ほど御指摘の例えば隣地とか、そういう特殊な条件で隣の方が高く買ってもいいというようなケースにつきましては、実は地価評価の専門的な言葉で限定価格というのがございまして、そういう隣地の人がその土地を取得する場合には、特別に一定の高い価格で買ってもいいという鑑定評価の手法があるわけでございます。それからまた、一般的に申しまして、確かにこれから監視区域制度、面積を百平米というようなところまで引き下げてまいりますと、いろいろなトラブルが起こる可能性があるというふうに私どもも心配しているわけでございます。先ほど、大阪の場合も届け出の中で約一〇%ぐらいの行政指導という話がございましたけれども、東京の監視区域ではそれが約三〇%ぐらいに行政指導の割合が高まっているわけでございます。そういうようなこともございまして、私どもも、都道府県なり政令指定都市の指導をこれからよくやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○小谷委員 これも大阪、地元の問題でございますけれども、大阪府下に河内の真ん中に東大阪市があるわけですが、この東大阪市開発公社の土地転がしの問題が今起こっております。この市議会で百条調査委員会を組織しまして、審議が合されておる。このことについて自治省は御存じでしょうか。御存じなら御説明いただきたい。
○小林(実)政府委員 御指摘の件でございますが、自治省といたしましては詳細は承知いたしておりませんけれども、現在、東大阪市の議会の場におきまして調査が進められているというふうに聞いております。 なお、本件は財団法人東大阪市開発公社の業務に関するものでございまして、公拡法に基づく同市の土地開発公社とは別の法人であるというふうに聞いております。
○小谷委員 おっしゃるように東大阪市開発公社、これは財団法人で公拡法によるところの公社ではないわけです。ただし、この理事長は市の現職の助役さん、また現職の市の幹部がそれぞれ理事としてやっている法人でございますが、この公社所有の東大阪市布施駅前開発計画に基づいて所有していた土地二千八百七十一平米、これが昨年の十二月、六十一年の十二月八日に――株式会社協伸という会社があります。この会社はこの土地の取引をする寸前につくられた会社で、実質的には社長と専務しかいないということで俗に言うダミー会社ではないかと言われておるわけであります。ここが二十一億で市の公社所有の土地を買った。この売買契約には、開発計画に沿った用地として使用し、それ以前には第三者には分譲しない、こういうふうな条件がついておりまして、違反した場合には売買代金の二〇%、四億二千万円を支払う、こういう条件つきで売買されたわけでございますが、この株式会社協伸という会社がことしの五月、要するに半年足らずで、第三者の株式会社協和地所、この不動産会社に三十一億で転売した。 ところが、これは別に国会で論議する問題ではございませんが、これは国土法に基づいて届け出の必要があるわけです。したがって、公社が初めの株式会社協伸に売ったときには国土法の届け出がなされておった。ところが、協伸という会社が次の株式会社協和地所、ここに売った売り方、これが問題になっておるわけです。これが要するに裁判の即決和解、こういう方法をとって転売をした。国土法で出すということになれば市の方に出さなければなりませんし、市を経由して府に行くわけです。したがって、こういう即決和解という方法でこれが売買された、こういうことでございます。公社の方は、これが大変だということで、売買契約に違反することであるということで四億二千万円の違約金の支払いの提訴をしている、こういうことでございます。 東大阪市の公社の土地転がしの一例、これを申し上げましたが、公社が売却した土地を協伸というダミー会社がさらに第三者に売ったというそのときの、五〇%、約十億の利益を得て、そうして第三者に転売しておるわけでございますけれども、この即決和解という脱法行為と思われるような土地転がし、これが何と非常にあるのではないかということでございます。このような脱法行為を、国土庁、全国的に今どのくらいあるものかということをお調べになっておられるか、どのくらい掌握してあるのか、この点はいかがですか。
○片桐政府委員 国土利用計画法の届け出とか許可制度につきましては、いわゆる即決和解とか民事調停法による調停とか、そういう司法機関が介入して土地の所有権を移動するという場合には、司法と行政の調整という観点から、届け出なり許可の適用除外にしているわけでございます。ところが、最近の地価高騰の状況を反映いたしまして、この届け出除外を悪用しているのではないかという事例が幾つか私どもの耳にも入ってきたわけでございます。 そこで、昭和六十一年においてこういう疑いのあるものがどの程度あるものだろうかということで、早速都道府県の方に照会をいたしたわけでございます。それによりますと、届け出対象面積以上の土地取引で、即決和解によって解決したというふうに見られるものが三十一件あったわけでございます。そのうち、これは脱法目的ではなかろうかというふうな疑いのあるものが十件程度あったというふうに報告を受けている次第でございます。
○小谷委員 これは、土地の急騰を抑える唯一の法律がこの国土法であるわけでございますけれども、この国土法の法律の運用いかんによっては、これが地価の鎮静化を図ることになるわけですけれども、これに抜け穴があり、ざる的にこぼれるような脱法行為が容易にできる、こういうことであればちょっと問題ではなかろうか、こう思うわけでございます。 今まで本会議におきましても、総理並びに関係大臣も国土庁長官も、現行法の国土法の運用によって地価の適正化、鎮静化を図りたい、こういうふうに言われておるわけでございますけれども、このような不備な点があれが改正するように考えたらどうかと思うのですが、いかがですか。
○片桐政府委員 民事訴訟法に基づきます即決和解とかその他裁判所の和解とか、いわゆる司法機関が介入して土地の所有権の移転を行うという法律的なケースが幾つかあるわけでございますけれども、これにつきましては、やはり司法と行政との調整ということで、立法政策上特別の配慮をするということが従来行われているわけでございます。そういう観点から、国土利用計画法を改正してこういうものを許可制とか届け出制の対象にするということは適切ではないのではないかというふうに考えている次第でございます。 そこで、私どもといたしましては、最高裁判所の方といろいろ話し合いをいたしまして、こういう脱法的な、悪用といいますか、そういうことがなされないような手法を講じていきたいということで、実は、ことしの七月に土地局長通達を出しまして、都道府県の国土利用計画法担当部局がいろいろ情報を整えておきまして、それで、裁判所の方から照会があったときには、その土地が届け出の対象の土地であるかどうか、それからまた著しく適正を欠く土地であるかどうかというようなことを裁判所の方に情報提供する、裁判所の方は、その情報を参考にしながら即決和解等の仕事を進めるというような話し合いをいたしまして、それでこの悪用を防止してまいりたいという措置をとった次第でございます。
○小谷委員 これは、たとえ伝家の宝刀と言われておるその規制区域の指定を受けたところであっても、即決和解という方法をとれば難なくできるわけです。今確かに、ことしの七月二十三日に国土庁から、土地利用調整課長の名前で府県の担当部長あてに通達が出されております。ただしこの通達の内容は、要するに、裁判所から問い合わせがあった場合情報を提供しなさい、これじゃありませんか。裁判所から、情報を提供し内容を知らせい、これは国土法に反するかどうか知らせてくれということは、民法上の判断で裁判所は即決和解を決める、国土法によって決めるんじゃないのです。問い合わせはありませんよ。 これは長官、一遍よく検討してみてください。これは本来議員立法ですから、この問題はもう一回よく検討してよりよいものにして、それで、こういう脱法行為が容易にできるようなものではなくしていかぬと、これは抜け道ができ、そうしてざる法的なものになれば意味がなくなる、このように思うわけであります。長官、いかがですか。
○奥野国務大臣 即決和解の問題は午前中にもお尋ねがございましたし、また今事務当局もお答えをしているわけでございますけれども、最高裁との間で十分に周知徹底を図ったという御連絡もいただいているわけでございますけれども、その経過を見ながら、なお不十分な場合にはよく勉強させていただきます。
○小谷委員 もう時間がないので、簡単に質問をしていきたいと思います。 日本の国は三次にわたって全国総合開発計画を作成されて、今回四全総、これが出されたわけでございますけれども、今までの三次にわたる総合計画と四全総、これはどんなところに大きな差があるのか、特にこのような国土の利用計画問題についてどんな差があるのか、これをちょっと御説明していただきたい。
○長沢政府委員 戦後つくられた三次にわたる総合開発計画と今回の四全総との関係につきましては、私ども、これはむしろ継承しつつ発展させる計画である、こういう御説明を申し上げております。一全総は、工業開発を中心にいたしましたが、これも新しい産業構造に対応して発展さしていかなければならない。それから二全総、新全総は、交通、通信体系の整備を大変重視いたしましたが、これもネットワーク状に発展さしていくことを四全総では考えておりますし、三全総は定住圏整備でございましたが、この定住圏を継承しつつ交流を深めるという方向でこれを発展さしていこうということで、時代背景がいわば違うといえば違う。その時代背景の一番大きいのは、五十年代後半から進み始めた東京一極集中、これを是正して多極分散型国土形成を目指す、その点に違いがございます。
○小谷委員 今までに三次にわたる全国総合計画を見てみましても、長官、いずれも大都市への集中を抑制して、そして国土利用の均衡を図るということは、今まで三次にわたって基本的には全部そういう方向は並べられている。ここが基本になっていろいろ細かく計画が練られておるわけですけれども、今回の四全総におきましても同様であります。ところが、またぞろ、三全総に見られるように、三全総においてもそうなんですから、結果から見てこのような一極集中的な大都市の状況が出てくるのではなかろうか、こういう懸念を今非常に持つわけですけれども、これは長官、いかがですか。
○奥野国務大臣 この間文部省の事務次官とお話ししておりまして、明治の初めに高等学校をつくる場合にも、一高から七高まで、その後八高もできましたけれども、全国を見渡して思い切った配置をしたものだな、また帝国大学も、思い切って東京から北海道から九州まで配置をしたものだなということを言っておったわけでございますけれども、やはり私たち、国土づくりには、そういう意味合いにおいて、東京と同じように国際的な機能を果たすような地方中枢都市をあっちこっちにつくっていったらいいんじゃないだろうかな。そういうことも今度の四全総に描かれておるわけでございますけれども、国際空港もつくるのだ、国際重要港湾もつくるのだ、国際会議場もつくるのだ、それを東北では仙台があり、北海道では札幌がある、さらに西に参りますと私がいろいろ言わなくてもそういう都市があるわけでございまして、そういう地方中枢都市、これを思い切って整備していったらいいじゃないだろうかな。今後いろいろな情報あるいは研究の機関を立地させますときには、そういう気持ちで国土全域を見ながら考えていかなければならない。 でございますので、私が絶えず言っておりますのは、四全総を絵にかいたもちにしてはならないよ、いかにしてこれを実現していくかということだよ、そういう手法をみんなで研究しようじゃないかと一生懸命議論をしておるところでございます。
○小谷委員 今回のこの問題に対して閣議決定された土地問題の中にも、金融機関の指導、これがかなり強烈に入っておるわけでございますけれども、確かに銀行は大蔵省の許可所管で、かなり強烈な指導が入っているように我々も現場で、また地元で感じます。ところが、府県信連は監督官庁が農水省であろうと思います。また、単位農協は府県知事が指導監督の責任ということであろうと思います。ところがこれは、各府県とも同様の状況であろうと思いますけれども、知事は年一回全面監査しなければならぬ、こういうように法律で義務づけられておるわけでございますけれども、これはできておりません。中央会等に委託しているのが現状であります。しかし、これは融資金額がかなり小さく制限されておりますので、土地の融資ということにはちょっと届かない金額かもわかりませんが、県信連、これは大きい。これに対して農水省はどのような指導、どのようなヒアリングをやられておるのかお聞かせください。
○青木説明員 農協系統金融機関の土地関連融資についての指導についてでございますが、この点につきましては、私ども、大蔵省と一緒に、これまでも適正な土地関連融資について指導しているところでございます。特に、先般閣議決定されました緊急土地対策要綱を受けて、投機的な土地取引は厳正に排除するように指導をしたところでございます。 ただいま先生から農協関係、特に信連ということでございますが、農協法に基づく検査等について制約があるのじゃないかというお話がありました。農協法上は年に一回常例として検査するということでございまして、法律上必ず一回やらなければいかぬということではありませんけれども、もちろん県レベル、また農林水産省ベースでそういう検査職員の制約的なこともあるでしょう。しかし、先生から御指摘のありましたような中央会の自主監査、これとの相互的な連携も図って、検査の実行を図るということをいたしているところでございます。
○小谷委員 時間も参りましたようでございますので、今日の都心部の土地の狂乱というのは、日本の国開国以来のことでありますし、また、日本の将来の国づくりに大きな支障となることは申し上げるまでもありません。政府も議会も一丸となってこれに取り組んでいくべきである、このように思っております。 最後に、副総理並びに奥野長官の決意のほどをお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○奥野国務大臣 御指摘のとおり、今の最大の政治課題の一つだと考えるわけでございます。竹下内閣でもそういう考え方のもとに、総理みずからが座長になって土地対策閣僚会議を設けておるわけでございまして、御指摘のような姿勢で対処していく覚悟でございます。
○宮澤国務大臣 冒頭に御指摘がありましたように、我が国としては全く十分準備をいたしませんままこういう国際化を迎えた等々、いろいろな事情からこのような状況になりました。先般竹下内閣が発足をいたしまして、奥野国務大臣をわざわざこの土地担当に特命をされましたことも、内閣が全力を挙げて、また総理大臣がみずから座長となって土地対策の閣僚会議を設けられた、全力を挙げてこれに対処をしていきたいというのが内閣の決心と承知をいたしております。
○小谷委員 終わります。
○小此木委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 閣僚の皆さん方も連日のことで大変お疲れで、しんどいことだと思います。だが、質問席に立っておる私もなかなか大変でありまして、勘定してみますと、昨日九人質問されました。本日私が六人目です。言うならば十五番目でございまして、お茶でも二番せんじというのはもうおいしくありません。十五番せんじですから、本当にしんどい思いをしながらお尋ねをするのでありますが、これも国家国民のためであります。一生懸命真剣に訴えたいと思いますので、誠意を持ってお答えをいただきたいと思います。 まず、冒頭に建設大臣にお尋ねをするのでありますが、私が住んでおりますところは広島県の第三区でありまして、宮澤大蔵大臣と同じところでございます。したがいまして、宮澤先生はよく御承知のことであろうと思いますが、参考までに申し上げたいと思います。 実は因島市という、島全体が一つの市になっておる町がございます。そこには日立造船株式会社という非常に大きな大企業があったのでございますが、昨年の一月一日に三千三百人おられた従業員が、円高不況の直撃を受けまして、構造不況だけだったら何とか乗り切れるという方針が立っておりましたが、円高不況でどうにもならなくなりまして、とうとう一年間、十二カ月の間で百七十人に減ってしまいました。二十分の一でございます。 そこで、派生しておる問題がいろいろありますが、当委員会に関係のある問題として私が訴えたいのは、実は国の住宅政策、会社の持ち家政策のお勧めによりまして、ほとんどの従業員が会社からもお金を借り、住宅金融公庫からもお金を借りてマイホームをつくっておりました。ところが、突然の解雇でございます。 その島で求人倍率がどんな状況かといえば、その会社がなくなったらほとんど産業がないに等しいのですから、〇・〇四倍しかありません。百人で四名しか就職先がないんです。奥さんがアルバイトしようと思いましても、アルバイトに行こうとすれば、これは橋を渡っていかなければなりません。橋を渡って本土の方ヘアルバイトに行きますと、橋の通行料が一本が千二百円、一本が百五十円、合わせて千三百五十円片道かかるのであります。往復すると二千七百円です。アルバイト料は一時間五百円、それで五時間あるいは四時間でありますから、二千円か二千五百円の収入でありますので、渡し賃の方が高い。それなら何もせぬ方がええ、こういうことになりまして、結局アルバイトもできず、主人の就職先もない。 これではどうにもならぬというので、遠く離れたところでどこでもいいからとにかく仕事をしたいというので、一生懸命探していらっしゃいます。それでようやく本土の中で職を見つけたと思いましたら、世の中こういう状況ですから、相当な熟練者でありましても一カ月の給料が十五万円であります。生活保護費ととんとんであります。 そういう状況でありますから、住宅のローンの支払い、これにも大変困っちゃう。会社から借りたお金は大体が四百万円ぐらいのものでございますが、ところがお年の若い三十五、六の人でありますと、退職金のベースも非常に低うございます。在職年数が少ないですから、二百万ぐらいしか退職金がありません。そうすると、会社の借金ですら二百万残っている。それの支払いもある、ローンの支払いもある。子供は抱えておる、食べていかなければいかぬ、こういう状況でありますので物すごく困っておりまして、住宅ローンの支払いが何とかならぬだろうかという、実は血を吐くような訴えがあるのです。 住宅公庫にも私お願いに参りました。参りましたところが、こうおっしゃるのです。これも筋の通った話でありまして、何といったって国民のお金を原資としてお貸ししておるのでありますから、事情を聞きまして個々に猶予はいたしましょう、猶予はいたしますが、それはその月払うものが十あるとすれば七つ払ってください、三つは後に送りましょうというような程度でありまして、送ったものは金利がついて借金が膨らむだけの話で、それで最終の期限は延長はいたしません、これが規則でございます。こういうことなんです。ほかに手はないのでございますかといってお願いをいたしましても、ありません。 そこでいろいろ探したら、たった一つだけありました。大臣、何の手だと思いますか。これが実に悲しむべきことでありまして、その肝心かなめの大黒柱のおやじさんがころっと死んだら、もうそれでおしまいなんです。もう支払いは一切要りません。奥さんのものになるのであります。だから安心して奥さんは住めます。だが、そこへもっていって相続税というのがまたやってまいります。この話は別といたしましても、事ほどさように、逃げる道といったら御主人が死ぬる以外に手がない。保険の方からいいましても、加入してから一年未満に自殺したのじゃ、これは話になりません。どうしても一年は越えなければいけません。これはなかなか死ぬるも楽じゃない、こういう本当に冗談ともつかないような本当の話が充満しているんです。 それで、去年の一月から失業が始まったのですから、雇用保険の一番長い人が一年間です。ことしの一月からずっと、毎月百人ずつぐらい全然無収入の人がふえております。これは大変なことです。今日まで恐らく千人は超しているでしょう、無収入が。それで子供さんが高等学校、とんでもない、高等学校ですら行かされない、こういう状況でありますので、何とかひとつ住宅金融公庫に対して、政府資金の関係でありますが、建設大臣はかかわりがありますので、何かいいお知恵はないかなということをぜひ訴えたいと思いまして、冒頭にお尋ねした次第であります。
○越智国務大臣 因島の実情はお説のようなことであります。私の方の選挙区も隣でありまして、弓削、生名、あの方面の方々が大変お世話になっておったところであります。非常に失業者が多いところであります。 そこで、お話しの公庫の金のローンの問題でありますが、こうした失業あるいは疾病、このことについては弾力的な運用、こういうことであります。十分よく実情をお話しいたしまして、できる限りの弾力的な運用、これをするように話をいたします、指示をいたします。ただ、お貸しした金でありますから、棒引きというのはなかなか難しいと私は思います。健康には留意してもらって、ころっと死なないようにぜひしていただいて、できるだけ繰り延べとかそういう方法で、期間の問題もありましょうけれども、そこらのことを弾力的な運用ができるかできないか、できるだけの便宜を図る、こういうことで指導をしてまいりたい、かように思う次第であります。
○岡田(正)委員 大変御懇切な答弁をいただきましてありがとうございます。今の大臣のお言葉を聞いたら、地元の人は大変感激するだろうと思います。 ただ、もう一つ大臣、含んでおいてください。家を持っておるなんて資産じゃないか、ぜいたく言うな、そんなものは売り飛ばしたらええじゃないかという説もあろうと思います。ところが、売れないのであります。売ろうと思っても、だれも買い手がないんですよ。だから、売るにも売れない、借金は払わないかぬ、就職先はないわ、子供は学校やめさせるわ、もう本当に大変な状況でありますから、ひとつ弾力的な運用のことにつきましても格段の御配慮をいただきますように、この際お願い申し上げておきます。 さて、次は副総理にお尋ねをいたしたいと思います。もしできましたら、国土庁長官もこの土地の問題について総括的な責任のある立場ですから、お答えいただいたらと思います。 宮澤さんにこういうことを言うのは、どうもちょっと偉そうげで気が引けるのでありますが、御承知のとおり、今、日本の北海道から沖縄までの間をそれぞれ山は山、畑は畑、田んぼは田んぼ、宅地は宅地、その地域の時価評価で全部トータルして計算する、言うならば日本一国ハウマッチという計算をしますと、私が計算したわけではありませんが、何と千四百兆だろうと言われておりますね。千四百兆円あれば日本が買える。 それじゃ、海を越えたアメリカさんは一体どのくらいで買えるのか、アメリカ丸込めハウマッチということになりますと、何と驚いたことに、日本円に換算をしてちょうど半分の七百兆で買える、こういうのです。そうすると、日本を買うだけのお金があれば、アメリカが二回買えるわけです。 アメリカの土地の面積は日本の二十五倍とも二十六倍とも言われております。ということになれば、五十倍から五十二倍も平均地価が日本が高いよということになるのでありまして、全くびっくり仰天をしておるのでありますが、このことについて御感想を、副総理並びに国土庁長官から承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 もともといわゆる国富の計算をいたしますときに、土地というのは再生産が可能でないということから、評価を普通いたさないのであろうと思います。そこで、ただいまの問題はそういうことに関係をいたしておるのだろうと思いますので、本来の国富の概念からいえば、それらは計算不能のものであるといいますか、国富としては勘定しないということではないか。ただいま岡田委員の言われましたのは、つまり我が国における土地の価格が非常に異常な需給関係のもとにあるということを御指摘になったに違いないので、それはもう御指摘になられましたことの意味はよく比喩的に理解をいたします。
○奥野国務大臣 現在日本の土地の価格というものは外国に比べまして異常に高いばかりではなしに、昔から日本の土地は外国と比較いたしますと異常に高かったわけでございます。その異常さがこの数年極端にまた加速しているということでございますので、これは何としてももとへ戻していかなければならないな、こう思います。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。 それでは、日本の株についてお尋ねをしたいと思うのでありますが、これは副総理であり大蔵大臣である宮澤さんの方からお答えいただきたいと思います。 なぜ株の問題の話をするかといいますと、この株の評価というものの中には当然不動産、土地が入っておるわけでありますし、このごろ言いはやされておる含み資産というものが莫大なものになっておりますので、そういうものなんかも当然会社の業績あるいは施設の中にも入っておるわけでありますから、この日本の株が一体どのくらいに評価されておるのかということを調べてみますと、東京証券市場一部上場の株だけの評価、これだけでもって大体およそ四百兆円あるだろうと言われております。また、アメリカは日本のそれと同じニューヨークの市場ではどのくらいに評価されておるかと聞きますと、大体三百八十兆、約四百兆と同じぐらいではないか、こう言います。 そうすると、株の背景というのは、土地もありますけれども、乱暴な言い方をするならば、各企業の力、それから生産力、だからGNPをいわゆる大きな対比として比べるのが一番わかりやすいのではないかというふうに思うのであります。それから考えると、日本は世界の約一〇ないし一一%のGNP、アメリカは約二四、五%ということになってまいりますと、日本が四百兆の評価なら、アメリカのそれは一千兆の評価があってもしかるべきではないかと思うのでありますが、そうではないから、逆に言うと日本の株そのものは二・五倍の水膨れがしているのではないのかなという感じがいたします。 いま一つ、EC十二カ国のすべての株を全部評価して集めてみると幾らになるかといえば、わずかに二百兆です。我が日本の半分です。だがGNPで対比すれば、十二カ国のEC諸国のそれは約二〇%でありますから、日本の倍なくてはおかしいのであります。八百兆なければおかしいのでありますが、二百兆の評価です。もとへ戻して言うならば、日本の株はEC諸国に比べたら四倍の水膨れをしておるのではないのかな。 もう一つ極端なことを言いますと、今大売り出しをいたしましたNTT、あのNTTのいわゆる株の総評価をしてみますと、約四十兆、日本の約一割と言われております。そうすると大変な会社であります。どこと比べるかということで調べてみましたら、カナダ一国の全産業の株の評価と同じです。西ドイツ一国全部の産業の株の評価と一緒であります。NTTというのが西ドイツ一国、カナダ一国に匹敵するほど、そんなに物すごくでかい会社でしょうか。これは本当だろうかと、信用できないような気がするのですね。 そういう点、ベテランでいらっしゃいます、しかも洞察力のある、先見性も備えておる宮澤副総理、これはうっかり発言するとあしたの株価に影響があるかもしれませんから、そこらはごまかしてもらってもいいですから、よろしくお答え願います。
○宮澤国務大臣 大変難しいお尋ねで、上手にお答えできませんが、確かに我が国の東京市場における株価四百兆円というふうによく言われます。そういうふうに私もよく聞きます。それから、ニューヨークが三兆ドルぐらいといたしますと、やはりほぼ似たようなことでございます。 それで、今のお尋ねはいろいろなことを含んでおると思うのでございますが、まず日米の株価の比較で申しますと、例えば一株当たりの収益力というのは我が国の方がはるかに、つまり株式がそういう意味では高く大きく評価されているというか、アメリカの方がかたく評価されているということがございますから、それを同じベースで比べるということにまず問題があろうと思います。 それからその次に、これは一番最後にNTTのことを言われましたので気がつきましたが、恐らくその場合には清算価値というものをきっと考えての話に違いない。その清算価値には、さっきの話にまさにそこが戻るわけで、土地が入ってまいります。そういたしますと、土地が非常に高い国においては、株の清算価値というものは大変に高いものになるはずである。多分そういうことを言われたに違いないと私は思いますから、そういう意味では、我が国の土地の価格が異常に高いためにそれが株式の評価に反映されている可能性がかなり大きい、こういうことではないか。 しかし、もう一つつけ加えて言わしていただきますならば、そういう要素は私はあると思いますけれども、株価というものには、いろいろな要素で毎日毎日違うのでございますから、それも上がったり下がったりいたしますので、いろいろな要素が関係しておる中でやはり需給というものは関係しておると思います。そういう意味では、清算価値でもない、収益力でもない、やはり金融等を背景にした需給関係というものが大きく関係をいたしますから、そういう意味では、日米あるいはECというのの比較というのにはおのずから、何と申しますか、それをもって何かを表現するということに結びつけるのにはいろいろ問題があろう。ただ一つだけ、非常に土地の価格が高いために、清算価値がいわば非常に大きく他の国に比べまして評価されておる可能性はあると思います。
○岡田(正)委員 はい、ありがとうございました。もう本当に欠点のない教科書どおりのお答えでございまして、ありがとうございました。 それでは、次に自治大臣の方にお尋ねをさせていただきたいと思います。 今、固定資産税の評価がえの問題をめぐって、先日来随分御議論に相なっておるのでありますが、私が言いたいのは、大体今度の三年目のいわゆる評価がえは全国平均約一六%ぐらいになるだろう、こういうお話でございます。しかも、私は自治大臣はすばらしいな、非常に行動力があるなど思って感心しておりますのは、もう十一月十三日付で方針をお打ち出しになりまして、とにかく緩和措置、今まで五段階ありましたね、これを六段階にしようではないか。六段階目というのは何をするのかといったら、一五%以上評価が上がった場合は、これは五%刻みで三年かかって上げるようにしよう。今のままでほうっておいたら、例えば一五%でありますと一年目に一〇%上げちゃって、二年目に五%上げちゃって、三年目はそのまま一五%上がったままいく、こういう行き方でありましたが、今度は、もし一五%の地域が出たとしたら一年ごとに五%ずつの上積みでありますから、非常に負担が楽になる。なかなかいきな取り計らいをするな。これは大蔵大臣と十分お打ち合わせの上でおやりになったことと思いますが、このことについては私は大変敬意を表します。 だが、もう一歩振り返って考えてみますと、日本のGNPの伸びは一体どのくらいなのかということを考えてみると、今度三年平均で一六%上がるということでありますが、大体一年間よく頑張って、実質五%いけるんでしょうかいけないんでしょうかというところじゃないでしょうか。ということを考えてみると、何とまあ大きな伸びだなというふうに思います。 国民の諸君も固定資産税は余り上げてほしくないなという気持ちが非常に多いと思います。ひどいところになりますと、六年間で固定資産税の税額が倍になるところがあります。そういうことを考えると、国民の諸君も負担に非常に苦しんでおるのが実情でありますので、私といたしましては、生活権的な部分、現在でも特例で認めていらっしゃいますが、居住区あるいは小規模商店、そういうものに対しては、二百平米以下は現在は四分の一に減額評価をしていただいております。大変ありがたい制度だと思っておりますが、これをこの際、評価がえで一六%も上がるのでありますから、一挙に、一挙にと言うたら返事が憩うなりますね、ちょこっと上げて、二百平米を三百平米に、そして四分の一を六分の一に改定をするという大胆な発想を六十三年度に実施できるよう打ち出していただけませんか。 以上です。
○梶山国務大臣 誘導尋問をちょうだいしたわけでありますけれども、建設大臣のようにお褒めをいただく答弁にはならないかと思います。 固定資産税は、資産の保有と市町村の行政サービスの間に存在する受益関係に着目をされて課される市町村の基幹的な税金であることは御案内のとおりであります。岡田委員御指摘のとおり、住宅政策の見地から、既に二百平米以下には四分の一という特例を、負担の緩和をいたしているわけでございまして、この税額は一兆円を超えるものであります。固定資産税のうち土地に係る固定資産税、総額で今二兆円でございますから、三分の一を軽減をいたしております。 御提案のように、これを約三百平米以下あるいは六分の一と、ただになればなおよろしいのかもしれませんけれども、既に昭和三十年の時点では固定資産税の占める比率は約五〇%あったわけでございますが、現在は約三〇%前後ではないかと思われます。そういうことで、税に占める比率も低下をいたしておりますので、これ以上の緩和措置、今言われたように六段階というようなものはこれからも検討してまいりたいけれども、税率そのものに関しては、残念ながら、岡田委員御指摘のとおり誘導にお答えすることができないことを残念に思っております。
○岡田(正)委員 まことに残念であります。でありましょうが、ぜひひとつ再考をお願いをいたしまして、時間がありませんので次に進ませていただきます。 次は大蔵大臣と国土庁長官にお尋ねするのでありますが、相続税の問題であります。 この問題についてはもう昨日以来随分御論議が交わされておりますので、詳細を申し上げません。申し上げませんが、相続税が大幅に上昇して生活を圧迫していることは事実であります。しかも、これは東京商工会議所の調査でありますが、それによりますと六二%の方々が、こんな状況が続いたらもう私のところの家の事業は続けられません、継続できませんという不安を持っておるというのが東京商工会議所の御調査の結果でございます。 こういうことから考えまして、私どもが一部調べたところによりますと、これはもうほんの一部でありますが、例えば新宿区の中の一角に十五坪の、ある商店があります。その商店は、昨年の時点で計算をしますと、これは三人の相続人がある家でありますが、八百万円で去年なら済んでおるのです、これは縁起でもないことですが。それで、ことしになりますと三千四百万円になります。実に四・二倍です。物すごい上がり方であります。そんなに上がったら、三千四百万円も金は払えないよ、だから結局事業をやめてどこか遠いところへ行かなくてはいかぬなと言って、非常に寂しい話をしていらっしゃるのが実情なんです。 ですから、昨日来各委員から熱心に訴えがあったわけでございますが、これはひとつ大蔵大臣には考えを直していただいて、来年の秋の抜本的大改正、その中で改正をして、そして遡及ということも考えたい、こういうこともおっしゃっていましたですね。こういうことをおっしゃっておるのでありますが、私たちから言ったら毎日毎日そういうケースは出ているのですよ。だから、来年の秋の国会でいわゆる大改正が行われて遡及措置がとられるまでというその間、ちょっと死ぬのは待ちなさいというわけにはいかぬのですね。これは死ぬ人はやはりずうっと死んでいくわけですよ。いつ死が訪れるかわからぬのですよ。そういう状況でありますから、やはりその家にとっては大変な災難でありまして、親から継いできた事業をやめてしまわなければならぬ、その土地を売ってどこかへ出ていかにゃならぬというような悲惨な結果が待っておるわけでありますから、これについては控除額なんかをうんと引き上げてもらうという、そういう大胆な措置を速やかに、六十三年度の税制改正、秋ではなくて当初予算のときに出してくる改正でぜひひとつ国会にかけていただきたいというふうに考えておるのでありますが、いかがでございましょうか。 そして今、これをなかなかやらぬものですからどんな現象が起きておるか。これは大蔵大臣御存じだと思うのですが、今とにかく子供の数がふえれば、一人当たり四百万円控除してくれますからね。ですから、基礎控除の二千万プラス一人なら四百万、三人なら千二百万、五人おれは二千万、それが足していけるわけですから、この際子供を余計つくろう、こういうことになるわけです。 それでこれは実際にあった例ですよ。合法的ですから、一つも悪いことじゃないのでこの際言っておきますけれども、おじいさんがいらっしゃいます。まだ健在です。お年は九十一歳です。それで息子さん夫婦がおります。その息子さん夫婦の年齢は、息子さん六十五歳です。奥さんはちょっと若い。それでその孫がおります。その孫がまた夫婦です。その孫夫婦の、いわゆる御長男が四十歳です。奥さんはちょっと若い。こういう五人世帯なんです。 そうすると、どういうようにするといったら、その人はまだ正直なんですよ。長男さんは子供ですからこれは問題ありませんね。その六十五歳の奥さんも子供にするのです。おじいちゃんの子供にする。養子です。そして、おじいちゃんからいったら孫に当たる四十歳の夫婦、これも九十一歳のおじいちゃんの子供にするのです。養子縁組するのです。これは役所は絶対断れません。全部それをやっておる。今相続税の申請をしておるのを実情を確かめてみてください。九五%は恐らく養子縁組やっているはずです、九五%は。 そういたしますとどういうことが起きてくるのですか。もう戸籍はめちゃくちゃになりますよ。あなたはだれの子と言ったら、おじいちゃんの子でしょう。本当の親はそこにおるのですね。本当の親はそこにおるのだけれども、戸籍上の親はおじいちゃんなんですよ。これは迷いますよ。日常生活の中でも、お父さんと言ったら、はいと二人が手を出すようになる。こんなむちゃくちゃな、戸籍ががたがたになるようなことをほっておいてはいけませんね。結局は控除額が少ないからです。諸悪の原因はそこにあり。したがって、相続税の改正は緊急を要する、こういうふうに思うのであります。 時間の関係がありますから国土庁長官に一つお尋ねしておきますが、これは建設大臣とお打ち合わせの上で土地譲渡税の問題、これはもう公共の用に供する場合という特例をつくってとにかく税率をうんと下げようじゃないか、よしやろう、行こうぜといってお二人が手を結んだ。手を結んだが、今大蔵省が待ったと、こういう格好になっておるのでしょう。なっておらぬのですか。何かどうもうわさに聞くと、なっておるような感じ、嫌な感じですね。それでこの問題、せっかく国土庁長官と建設大臣の意思がぴたっと合一したのですから、もうこの際ぜひそれを取り上げていただきたい。しかも、その意思は、秋の税制改革ではなくて六十三年度の当初の税制改革においてそれをやらそうではないかと言っていらっしゃるわけでしょう。これは国民に対しては非常に大きな影響がありますようん、さすがは土地国会をやっただけあるな、うん、立派なものだな。立派なものだなはいいが、そこから先とまっておる。だれがとめたのかということは言いません。 だからそれを今、大蔵大臣とそれから国土庁長官、お二人からひとつそれぞれの所信をお聞かせをいただきたいのであります。
○宮澤国務大臣 何分にも土地の問題というのは今非常に急を要する問題でございますし、またそのためにこのような特別委員会を設けられて御審議をしていらっしゃることはよく存じております。したがいまして、そういう土地の価格あるいは土地の需給問題を解決するために税制ができるだけのことをしなければならないということは私どももよく知っておりますし、またそういたすつもりでございます。 そのことは必ずお約束を申し上げますが、他方に今度税制には税の中のやはりいろいろな均衡とか理屈とかいうものがございまして、先ほど土地のお話がございました。それは確かに地価の上昇によって、東京の四谷あたりの方は相続財産の価額が土地の部分は非常に大きくなる。それは私は事実だと思いますけれども、相続財産は土地ばかりでございませんでほかのものもございますものですから、土地だけを軽く評価するということは、ほかの財産とのバランスがございます。そういう税自身のいろいろ持っております問題もございますので、今奥野大臣と建設大臣と御相談のことも存じておりますし、それから相続価額が、非常に土地の価格が急上昇していることも存じております。そういうことはよく承知の上で、どれだけのことが税としてできるか、一生懸命やらしてみていただきたいと思います。
○奥野国務大臣 眠っている土地を皆さんのお役に立つところへ引っ張り出していきたい、そのために譲渡所得課税の特例を誘導税制として使わせていただきたい、こういう考え方で相談をしているわけでございまして、御激励いただきまして、大変ありがとうございました。
○岡田(正)委員 今大蔵大臣、国土庁長官から御丁寧なお答えをいただきました。大変感謝しておりますが、私はしつこい方でございまして、大蔵大臣にはぜひぜひ、ひとつ御勘考いただきたい。死ぬる人をとめるわけにいかぬのです。とにかく世の中は動いているのです。ですから、何としてもひとつ再考をぜひお願いをしたい。 それで、いま一つお尋ねをしておきたいことは、この間の委員会で、秋に税制改革が通ったとして、そのときに遡及してその適用をしてもいいというような御意思のことをおっしゃいましたが、それは来年の一月一日にまでという意味なんでしょうか、あるいは四月一日からという意味なんでしょうか。秋に成立したとしての仮定の話です。
○宮澤国務大臣 実はこの点は、政府にも税制調査会がございましたり、私どもの党にも税制の調査会がございましたり、各方面の御意見をこれから伺わなければならないことでございまして、遡及云々と申しましたのも私が幾らか先走って申し上げたような批判も受けております。が、そう申しても、やはりこういう現状になりますと、これはいずれ法律でお認めいただかなければならぬことでございますので、一番納税者に権衡を失せずにどうしてさしあげたらいいかということは考えなければならないと、私、実は思っておりますが、そういういろいろな批判もございますので、できるだけ最善を尽くしてみるということでこの場のところはお許しをいただきたいと思います。
○岡田(正)委員 宮澤大蔵大臣に重ねてお願い申し上げておきますが、宮澤さんは非常にすばらしい頭脳の持ち主であります。また、将来を非常に注目をされていらっしゃる立場の方でもございます。とにかく宮澤さんは頭もいいが、心もわかる人だなという、そういう評価をこの国会で得ていただくように重ねてお願いを申し上げて、この質問は終わらせていただきます。 運輸大臣にお越しをいただきまして、座らせっ放しにしてまことに申しわけございません。それでちょっと申し上げますが、国有地の売却の問題であります。 このことにつきまして、現在地価が高騰しておるこのときに、今売るべきじゃないよというお打ち合わせがありますね。それで、これにつきましてですが、それは一体いつごろまでと考えていらっしゃるのでしょうか。それから、このような状態はいつ解除されるのか、どういう要件があれば解除できるのかということですね。いつごろ解除されるのか、解除される要件は何だろうか。大体今鎮静化したじゃないか、もうあしたからでいいよという意味なのか、これは二つとも運輸省と国土庁にお答えをいただくのでありますが、そういうこと。 それから三つ目でありますが、欲張って申しわけありません、旧国鉄用地については非常に今物議を醸しておりまして、とにかく今急騰しておる地域ではもう売るな、一般競争入札もするなというようなお話があります。これまた大蔵との話になってくると、債務処理の問題とあわせ考えていかなければならぬ問題があるのじゃないかなと思うのでありますが、この点については運輸大臣と大蔵大臣の方からお答えいただきます。 以上であります。
○石原国務大臣 売却を見合わせる期限、それからそれをいつ解除するかということは、画一的に全部はさっと決めずに、その物件のある地域の地価の状態の問題、あるいは全体の兆候というものももちろん気にしなくてはいかぬと思いますけれども、やはりその地域地域の条件というものを見合わせて、ケース・バイ・ケースで私は決めていくべきだと思っております。 それから、保有地の売却の問題でありますけれども、総体的に申しまして、JRが発足して、同じ駅員がこんなに愛想よくなったのかと思うくらい印象が変わりまして、国鉄は非常にうまくいったんじゃないかという国民の声がありまして、国民の皆さんが、ともすると実はまだ膨大に抱えておる長期債務という問題を忘れがちでありまして、これを清算するために事業団を構えておるわけでございますので、事業団とすれば、一刻も早くできるだけ高く売れれば売って債務を軽減したい。それにしても、やはり残るものは残って国民の負担になるわけでありますけれども、そういうことで発足して努力をしてきたわけでありますが、一方ではこういう状況になってしまいました。何か同じ部屋の中で、右の方でヒーターをたいて左の方の温度を上げるなど言っても、これはできないことでありますので、今サンドイッチという形で苦吟しておりますが、いずれにしろ、できるだけ早期にこの債務というものは、持っている土地を処理することで軽減していかなくてはならないという原則だけは、これは変わらないと思っております。
○宮澤国務大臣 国有地の方は、先ほど政府委員が申し上げましたように、東京都の真ん中の何区かで年に三件とか四件とかでございますので、これはこういう状況でございますからしばらく控えさせていただく方が本当であろうと思います。また、そうしましても何か特に大変困るということでもございませんから、しばらくの間もう民間に払い下げはやめておこう、こう思っております。 それから、今の清算事業団のお話でございますが、これは国鉄の場合は一般の国有地と違いまして、ああいう二十五兆という債務の中からどうやって財産を処分していかれるかという、そういう問題を持っておられるものですから、私なんかよりはるかに立場はおつらいのでございます。ですが、それもこういう状況なのでということで、しばらくいろいろお控えになられるということに承知しております。 国鉄清算事業団の勘定がどうなるかという問題でございますけれども、さしずめのところは、せんだっての民有化のときの雇用関係がよそよりはるかにうまくいきましたので、その点は幾らか事業団のその部分についての負担は楽になっておられるはずであるとか、いろいろあれこれの事情がございますから、お困りにならないようにはしなければならないとは思いますものの、ただいまさしずめ何かということはないんではないかと思います。
○奥野国務大臣 清算事業団の用地も、公用、公共用に供されるものであって地方団体が希望するものは随意契約でこれからもどんどん譲渡してもらえるということになっているわけでございます。同時に、地価に影響を及ぼさないようなところの土地は入札していっていいじゃないかということも、先般の土地対策閣僚会議で了解されたわけでございます。その他の土地も、国公有地じゃございませんので、やはりしかるべき用途に供されるべきものだ、こう思っておるわけでございまして、地価に影響を及ぼさない方向による処分、運用の方法もあろうかと思いますし、あるいはまた、積極的に公用、公共用に供したいという申し出も出てくるかもしれませんし、そういう意味合いにおいて、事業団も公的な性格を持っておるものですから、公的な見地から私はその運用に配慮をしていただいてしかるべきじゃないかな、こう思っております。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。これをもって終わらせていただきますが、国民の皆さんは、新しい内閣がどれだけ国民のことをよくわかってくれるか、どんな手を打ってくれるだろうかということをかたずをのんで見守っておりますので、そのことを十分踏まえてひとつ頑張っていただきますよう御要請申し上げて、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小此木委員長 工藤晃君。
○工藤(晃)委員 今の土地問題は、主として都市地域での土地問題だと思います。そして問題は、本当に働く国民、庶民のために民主的に利用されるような仕組み、制度がつくられるかどうか、これが眼目だと思います。 そういう立場で、これまでの四全総とか、あるいはまた四全総だけではありません、都市計画法とかいろいろ関連する法律や制度のあり方について検討をしなければならないと思っておりますが、当特別委員会におきましてこれまで国土庁の首都改造計画が出したオフィスビルの需要をめぐっても議論がありましたので、私は、最初経済企画庁の方に、八六年十月、経済審議会経済構造調整特別部会提出資料として、二〇〇〇年における事務所フロアの面積が都区部で六千七十九ヘクタール、一九八六年から二〇〇〇年、ストック増が二千百五十五ヘクタールとなっている。このことにつきまして、実はその前の年に国土庁が、首都改造計画で二〇〇〇年に八千六百十ヘクタールとしたのに比べて二千五百三十一ヘクタールと、大幅に減らしたわけですが、なぜこういう計算を行ったのか。わずか一年を経て国土庁の数字がこんなに大きく変わる。その後政府部内で何か調整をやったのかどうか、その問題について伺いたいと思います。 〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕
○中尾国務大臣 工藤委員にお答えいたします。 御質問の御趣旨は、オフィスビルの事務所の面積が八六年からの十五年間で二千百五十ヘクタールの純増となるということで、その前年に出した国土庁の首都改造計画では八一年から二〇〇〇年までの二十年間、五千百四十ヘクタールとなっておって、どうしてこういうかなりのディファレンスがあるのか、低い試算となっているその理由を問いただしたい、こういう御趣旨かと思いますが、昭和六十年五月に国土庁が公表いたしました首都改造計画、私ども首都改造ビジョンとも申し上げておりますけれども、それと昭和六十一年十月に経済企画庁が経済審議会の経済構造調整特別部会に提出をいたしました東京二十三区の事務所床面積の推計結果につきましては、その基礎となる事務所就業者数の範囲に相違があるというものに差が出たのではないか。例えば国土庁などは、セールスマンの営業所などはそれに入れているが、こちらは入れてない、こういうような問題点がございまして差が生じたものである、こう考えておる次第でございます。 なお、後段の、首都改造計画の公表時点におきましては、当方では特段の推計を、時間の時差もございまして行っておりませんでしたものですから、その点、御承知おき願いたい、こう思います。
○工藤(晃)委員 ともかく国土庁の首都改造計画から一年たったとき経済企画庁でやられた計算によりますと、十五年間に二千百五十五ヘクタール。それで、首都改造計画は二十年をとっておると言いますけれども、目標は西暦二〇〇〇年で、同じなんですね。しかも、一九八五年の床面積というのはわかっていますから、それに置きかえると、十五年間に四千六百八十六ヘクタール増ということに置きかわるわけなんで、それがちょうど一年たって半分になったわけで、それでもう一年たったら今度三分の一になってしまったという、一年ごとにどんどん減るというのは、やはり最初の計算に大きな問題があったということを認めなければまずい。 しかし、この議論、私、余り長くやるつもりはありませんが、きのうの議論について一つだけ触れるならば、ともかくどこを起点にして計画をとるにせよ、西暦二〇〇〇年にはどうなるかというので、首都改造計画の方では八千六百十ヘクタールになるということを出してしまったのですが、これが結論であって、これが大きく狂うということは大きな問題なのであります。 それから二つ目に、オフィスビルの従業員に外業の人を含めたとか含めないとか言うけれども、もし含めたとすると、一人当たりの床面積はうんと低く出るわけなんですよ、余計なものを加えたわけですから。現にそのときとられたのは一人当たりの床面積が十・五平米、これは一九八一年ですが、これは確かに小さな数です。そうしたら、そういう余計なものを含めて計算するならば、将来においても含めておるのだから余り高く見積もってはいけないので、これはまた計算上の問題になるのです。 それから、何よりも、従業員が何人ふえるかで土地投機が起きるのではなくて、ともかく西暦二〇〇〇年にはこのオフィスビルが八千六百ヘクタールになるぞという、これであと霞が関ビルが幾つできるかということで投機が始まるのですから、これはやはり政府が見通しとして余り根拠の薄い数字を軽々しく発表してはならない。これは日本列島改造計画のときもそうですよ。あの計画によりますと、ちょうど昭和六十年度が目標年度で、あの当時と比べて石油化学が四倍になるとが、何が何倍になるとかいって大変な計画を立てて、列島の土地買い占めになって、今は全く結果が違っているわけですから、このことだけは私は責任の問題として注文をして、本論として四全総問題についてもう少し入っていきたいと思うのです。 きょうは総理がおられないので残念でありますが、要するに、東京一点集中で狂乱地価が起きたということは認められる。しかし四全総ではこの一点集中を直すのだということも言われているわけですけれども、じゃ問題は、その狂乱地価を起こしたような東京一点集中というのは、何が集中したから東京からこういう狂乱地価が起きたのでしょうか。そのことについて国土庁長官から伺いたいと思います。 〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕
○奥野国務大臣 いろいろな事情が複合して結果として地価の高騰を加速させた、こう思っております。しかし、始まりは何かと言われれば、東京が世界の金融センターになってきた、世界各国が立地を東京に求めてきた、外国人住宅があさり出されたというようなことから始まったと思っております。
○工藤(晃)委員 後の方で言われたように、確かに本社がうんと集まった、外国系企業が集まってきた、問題はこれから始まったわけなんですね。 それで、いろいろ国土庁の資料を見ましても、長期的に見ても工場などは東京から外へ出でいっている、大学生の数も総体的には減っている、こういう状態で、分散は既にあるわけですね。集中しているのはこういうものである。ところが問題なのは、四全総は、この狂乱地価を起こした一番もとであるそういう本社機能とか金融とか情報とか、それがまだまだ集まる方向を促進しているのではないか。だとすると、東京一点集中というのはやはり変わらないし、地価問題は原因が取り除かれないのではないかということを私は申し上げたいわけであります。 そこで、この四全総の中に冒頭に出てくる国土審議会会長安藤太郎氏の留意事項というのがあるわけですね。こういうことを留意しろということで東京中心部等に立地する事業所の費用負担のあり方等の検討に当たっては、いたずらに東京からの事務所の追い出しをねらいとすることなく、また我が国の国際的役割の発揮を阻害することのないよう十分配慮すること。というのがあるんですが、こういう留意事項がつくこと自体大変異例だと思うわけです。しかし、一体これは、この中で検討すると言いながら、都心の中心に立地する事業所などの費用負担問題というのはこれから検討するのかしないのか、いつまでに結論を出すのか。それからもう一つは、こういう留意事項がついてしまったら、そうすると、もう最初から答えが出て、負担をかけませんということになってしまうのではないでしょうか。その辺、長官、どうでしょうか。
○奥野国務大臣 四全総の過程で、追い出し税的なものを東京については強化したらどうだろうかという議論もあったように伺っております。結果は、それはさたやみになったし、また今言うような指摘にもなっているのじゃないかな、こう思います。追い出し税という言葉は適当であるかどうか知りませんけれども、人口三十万以上ぐらいの都市につきましては特別事業所税があること御承知のとおりでございまして、できる限り外へ行けるものは行ってもらう。その財源を中心にしてその都市の近代化を図っていくということでございますが、東京都だけそれを強めるんだということよりも、やはりいろいろな方法で東京に立地を必要としないものは外に出ていっていただけるような誘導政策を講ずるのが筋じゃないかな、こう思っておるわけであります。
○工藤(晃)委員 ちょっと今の答弁に失望しておりますけれども、一九七二年の経済白書、これはそのときの企画庁長官は宮澤さんかと思ったら、やはり違いまして別の人でありましたけれども、都心でビルができて一千人従業員がふえると、どうしても住宅をつくらなければいかぬ、社会資本をつくらなければいけないというので、当時の金で三十四億円かかりますという計算をしました。なかなか画期的だったと思うわけです。 実は今どのくらいだろうかと思っていろいろ計算をしてみたんですが、なかなかいい計算が見当ならないので、私自身そのときの経済白書が使ったそれからコストがどれだけふえたか伸ばしてみたわけなんです。ここで計算したのは、地下鉄とか地上鉄道、道路、住宅及び周辺の社会資本でありますけれども、これを全部言っておりましたら長くなりますが、例えば都営住宅の建設費を見ますと、七二年度四百六十九万円が八八年度三千三百三十九万円、約七倍にふえております。こういうふうにして伸ばしていきますと、一九七二年の三十四億円は最近の金額で言えばどう見ても二百二十九億円になる。しかし、これはまだまだ不完全な計算だと思っておりませんから、少なくとも二百億円は下らない、こういう確信を持っております。 そうすると、そこで問題が出てくるのは、今度修正した数字によっても、都の区部の中で二〇〇〇年までにオフィスビルが千六百ヘクタールないし千九百ヘクタールふえますというと、私はもう面倒くさいからいつも霞が関ビルの例をとるのですが、あれは十五・三ヘクタールです。そうすると、おおよそ霞が関ビルで百五から百二十四棟できる。そしてまたあそこでは七千二百人働いているから、これも簡単にするためにやりますと、大体七十六万人から八十九万人ふえてしまう。そうすると、千人ふえて、さっきの数字は二百億円と少しがたく踏みます、それでも十五兆円か十八兆円の住宅や社会資本整備をこのオフィスビルの増加に伴ってやらなければならなくなる。 一体だれが負担するのかということと、少なくともビルができるそのときには、その住宅や社会資本の整備が確実になっていなければ本当に地価問題とか環境悪化を起こすばかりではないか。だとすると、当然これまでの立地あるいはこれからの立地に対して適切な費用負担というのはやらせなければこういう問題をますます大きくするし、もしこれをやらないと、それこそ一点集中が強まるばかりではないか。そういう意味で、ぜひこの費用負担問題は検討すべきだと思いますが、長官、いかがでしょうか。
○奥野国務大臣 おっしゃるとおりに、事を運びます場合には、その経費も見積もらなければなりませんし、その経費をどう分担し合うのかということも検討していかなければならないと思います。
○工藤(晃)委員 企業への負担というのは当然出てくると思いますから、そこで念を押しました。 そういうことで、四全総の一つの問題点というのは、集中を直すのだぞというけれども、一番地価狂乱を起こしたこういう機能、本社なんかの集中がこのままではずるずるいってしまうということが一つの問題点なんです。 もう一つの問題点として、特に四全総その他の計画を見ると、東京圏といいますと至るところ国際金融都市とか国際情報都市ということが盛んに書かれていて、言ってみればそこの売り物になっているわけなんですね。ところが問題なのは、どの地区にそういう機能を集積させるのか、その計画がさっぱりわからないわけであります。よく東京では外資系企業なんかが、東京の三角地帯、トライアングル、そこへ国際金融機能が集まってくるのだというのです。私いろいろ新聞を見たのですが、各新聞によって場所が違うのですね。兜町、日本銀行のある日本橋、大蔵省のある霞が関の三角形というのが一番小さいので、もう少し大きくなると、兜町、大手町、赤坂ぐらい広がって、もう少し大きくなると、東京駅付近から日比谷公園、さらに渋谷駅というふうに広がります。 例えばそういうトライアングルというのがあるわけなんですが、最近地上げ問題が激しくなった中で「地上げの論理」という本を加々美富治さんという人が書かれておりますが、地上げのいろいろノーハウもこの中に書いているのです。この「地上げの論理」によりますと、今地上げが一体どうやって行われるかというのが書いてありまして、それは結局、今行われるのは東京駅と都庁の移っていく新宿、それから問題になっている十三号地、この三角地帯が国際金融機能とかあるいは国際情報機能が集まるトライアングルである。この面積、私計算してみますと、ざっと二千八百ヘクタールでありますね。非常に広大なところにそれが設定され、そこの中で盛んに地上げが行われているというのが事実じゃないでしょうか。 そこで、私、問題なのは、イギリスでも私ロンドンのシティーに行ってみましたし、イングランド銀行にも行ってみましたが、非常にまとまったところでよくもあれだけの仕事をやっているなと感心しました。今度はドックランドというところ、ちゃんと区切って新しいものをつくろうとしておりますが、この四全総なんかではこれから国際金融都市になるんだなんだといって、どの地区がそれになるのかというのはさっぱりわからない。わからないで競合し合っている。東京駅付近ではないか、十三号地じゃないか、あるいは汐留じゃないか、そこにいろいろな資本のグループがくっついてこここそ持ち上げようということをやっておりますから、本当に乱立状態ですね。国際金融都市といったらこれは一番地価を上げますよ。何といったって坪一億とか何億という地価にしてしまいます。それが市民が生活しているそのど真ん中にどんどん来て、ここがそうなるぞという思惑が出だしたらたまったものではないのです。 したがって、これが非常に大きな問題点でありますので、私の提案としては、今進んでいる大規模な都市再開発計画はひとまず凍結して、まず計画なくしては開発なしですから、計画のあり方からもっと練り直す必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○北村政府委員 ただいま御質問にもございましたとおり、東京都の世界的な金融機能の向上というのは最近著しいものがございます。外資系の金融機関、証券会社等……(工藤(晃)委員「いいですよ、短いんだから」と呼ぶ)はい。東京の丸の内を中心に集中しておりますが、その集約化、あるいは金融センターをつくるという点については、ただいま私どもあるいは建設省と関係官庁、東京都と打ち合わせておりまして、ただいま御質問にもありましたとおり、やはり東京都内の大規模開発地に設定するような方向でただいま検討中でございます。
○工藤(晃)委員 そういう答弁をするけれども、いろいろな思惑でいろいろな計画が乱立して競合しているじゃないですか。今みたいにいろいろなプロジェクトがもう無政府状態ですよ、東京湾をめぐって。だから、もう非常に広域化しているわけですね、高地価地帯が。 だから、改めて私、先ほど言ったことを主張しますが、もう一点、四全総についての問題点として述べたいのは、先ほど言いましたように、東京圏で四千ヘクタール事務所がふえる、これは霞が関ビルでいうと二百六十一ぐらいになりますが、少なくとも二百万人近い人がふえる。ですから、四全総、こういう計画をつくるとき、オフィスビルがこれだけふえると言いながら、それで従業員がふえることがわかりながら、じゃその人たちが住む住宅はこの計画のどこで保証されているのか、どういう手だてでやろうとしているのか、四全総のどこにもそれは書いていないのですが、これは一体どうするのか。これは総理も言われたようですね。少なくとも家賃は収入の二〇%ぐらい、それから年収の五倍ぐらいで買えるという、そのくらいでなきゃいかぬというのは、これは常識的な線でしょうけれども、それがどこにも書いていない、それはもう全く後回しにされている、これが問題なんじゃないでしょうか。――時間がだんだんなくなってきましたから、長官とやりましょうよ。
○長沢政府委員 住宅供給につきましても四全総は触れているわけでございまして、今御議論の東京圏につきましては、計画期間中に建てかえを含め約五百七十万戸の住宅供給を図る。それとあわせて約四万ヘクタールの宅地需要に対応して宅地供給を促進する、こういうことが書かれております。
○工藤(晃)委員 それは書いてありますよ。だけれども、さっき言ったような、勤労者にとって入り得る家賃、分譲で買い得る計画がどこにあるかというと、ないじゃないですか。 それで、過去一都三県の公的な賃貸住宅の建設戸数も調べてみました。三十万戸少しありますが、今このテンポが、達成率も大体四割ぐらいに落ちております。だとすると、将来伸ばして、十五年間で大体十二万戸ぐらいしか期待できない。さっき言った二百万人とかいう数からすれば全く足りない。それにあわせて、都心が高層化すると追い出されていくという問題も加わりますが、きょうはこの問題はここまでにして、ともかく四全総の幾つか重要な問題点について切りかえをやっていかなければいけないということだと思います。 そこで、次に私は、銀行の土地投機の問題をめぐって、資料は配ってありますか。――それで、大蔵省は銀行に対して投機的土地取引融資を自粛する通達を出し、特別なヒアリングをやった。しかしファイナンスカンパニー、これは貸金業、信販、クレジット、リースなんか入りますが、ファイナンスカンパニーの投機的土地取引融資、これは大銀行の土地投機の隠れみのになっているのではないか。 そこで最初に聞きますが、よく銀行が不動産業に向けて融資をこれだけしたというとき、こういうファイナンスカンパニーに対する融資というのはその分類に入れられているのですか、入れられてないんでしょうか。恐らく入ってないと常識的には考えますが。
○平澤政府委員 今委員がおっしゃいましたように、不動産向け融資の中には入っておりません。
○工藤(晃)委員 だからよく不動産業に対する融資が三十兆で、幾らで幾らでといって、これが少し減ったとかいうけれども、これは関係がないんですね。これだけ確認できたと思います。 そこで、皆さんに配りました資料のオリエントファイナンス問題について伺いたいと思います。 オリエントファイナンスとはどういう会社が。東洋経済の「会社四季報」、「日経会社情報」などでおおよそまとめますと、信販業界で第二位である、大手ですね。それから株式は上場しております。八八年三月期、来年の三月期取扱高は九%増で三兆円にもなるであろう。特に不動産担保の企業向け融資が好調ということが伝えられております。この資料はすべて有価証券報告書からとったものであります。最後の土地取引については土地登記簿謄本からとったものでありまして、その登記簿は、私はここにも必要に応じて持ってきております。 さて、私はまず最初の資料一について見たいわけですが、オリエントファイナンスの「部門別取扱高の推移」があります。この中で問題なのは「事業金融」という一番最後の欄で、これが六十年度から設けられ、六十一年度七千二百十四億円と膨れ上がっております。 資料の二を見ますと、「長期借入金の推移」がここにあります。主だった有力銀行がずっと並びますが、五十九年三月末は、合計で見ますと四千二十八億円、それが六十二年三月末は一兆一千八十二億円、実に二・八倍に膨れ上がっておりますが、三年間で七千五十五億円ふえて、先ほどの事業金融の七千二百十四億円にほぼ匹敵するということがこれで見られます。 さて、その次に「役職員の出身」というのを見たいわけですが、一人一人のお名前を呼ぶわけにはいきませんが、これで見てもわかりますように、第一勧銀、それから太陽神戸銀行、三井銀行を初め有力な都市銀行あるいは日本興業銀行、日本長期信用銀行、日債銀など有力な長信銀行が入りまして、二十七名の役員のうち十六名が都銀並びに長信銀など、それから生保から三名、合わせて十九名ですから、役員の七〇%は金融関係者で占められている、送り込まれていると言っていいでしょう。 そこで、特に注目しなければならない人的な関係というのは、実は事業総本部というのがありまして、そこで机を並べて不動産向けの融資の事業をいろいろ進めているのですが、その事業総本部長には太陽神戸銀行の常務取締役だった吉岡氏が就任し、それから第一本部長にはやはり同じ銀行から、第二本部長には三井銀行から、第四本部長には第一勧銀から、それから第六本部長には日債銀から、それから第三本部長には興銀から、第五本部長には日本長期信用銀行からというぐあいで、いずれも、もとの経歴を見ると有力な都市における支店長とか営業部長だとか、そういう方が全部集まっている。 しかも、事業総本部について、これは専門雑誌であります金融財政事情研究会の「消費者信用」、ことしの七月号がこういうふうに書いてあります。 この事業金融を一手に引き受けているのが、東京本社の事業総本部約七〇名のスタッフである。本部内は一部から六部に分かれ、この各部長には、金融界から〝輸血〟した銀行出身者が就任・指導する。いずれも企業融資のベテランで、全スタッフの半分が金融界出身。約七十名のスタッフの半分は金融界出身とありますが、実際いろいろ伺ってみますと、ともかく有力な銀行で、それで支店長、次長とか、そういうことをやられながら、特に不動産融資に詳しいベテランがここに全部集まって、それで取引を行って、この事業を急膨張させたということになります。 さて、それまでが前段になるわけですが、このオリエントファイナンスが、私たち調べたところによりますと、東京の各所で地上げあるいは転がしへの融資でかなり重要な役割を果たしております。これは上野七丁目の例とか新宿区左門町の例、西新宿六丁目の例などで私たちは調査しております。 ここでは、時間の関係がありますので左門町の例を挙げます。左門町といえば、クリーニング業者が立ち退き拒否をして、そこへ地上げ屋がダンプカーを突っ込んで、あの事件が起きて、最近、九月に実刑が決まったということがありますが、今取り上げているのはその地上げ屋と直接関係はないということだけは、私、断っておきます。 しかし、ここで私は資料の四を見ていただきたいのです。この資料の四に「オリエントファイナンスにかかわる土地取引」の例が幾つか挙げられております。実はこの左門町では、オリエントファイナンスが特に転がし融資などに加わった例としては計十一筆あります。ここに挙げたのはその中の四筆にすぎません。十一筆についていいますと千四百三十四平米になります。 全体を通じてはっきりしてきたことは、所有権が日本建物から共同計画に移るという例、それから大港建設工業から共同計画に移るという例、これがほとんどであります。そして、日本建物に対しては千代田ファイナンスが根抵当権を設定して融資を行っている。それから、大港建設工業に対しては太陽神戸銀行グループが根抵当権を設定して、そして融資を行っている。それで、この日本建物や大港建設工業は地上げの方の役割を果たしているわけであります。千代田ファイナンスについていいますと、これは日債銀グループが加わってつくった会社だということになっております。それで、日債銀グループといいますと、先ほど言いましたように事業総本部の中で事業第六本部長というのがこの銀行の出身者であるということが注目されると思います。それからもう一つ、大港建設工業に対して融資をしている太陽神戸銀行グループというのは、太陽神戸銀行の出身者が事業総本部長であったり第一本部長であったりして、これも深くオリエントファイナンスの中に入っているわけであります。 しかし問題は、最初にこういう日本建物とか大港建設工業が所有権を手に入れても、本当に数カ月の間に共同計画というところに移すわけですね。この共同計画に対して融資しているのがオリエントファイナンスであって、これはここに出てくる例がすべてそうなっております。さっき言った十一筆のうち十筆までがその例に当たるわけであります。 そこで、明らかにオリエントファイナンスというのがあって、これが共同計画とチームをつくっているというのが一つあります。それで、その前段に千代田ファイナンスとかあるいは太陽神戸銀行グループがやはりいろいろな会社とチームをつくって、これが地上げをやる、そして、その全体がまたチームをなしていろいろな土地の地上げや転がしをやっているというんですが、ここでぜひ見なければならないのは、この左門町の二十二番の一、上から二段目の例を見てもわかりますように、六十一年一月十三日に太陽神戸銀行それから太陽神戸ファイナンスサービスが大港建設工業に対して極度額合わせて三十億円をつけているのが、それから七カ月足らずの八月八日に今度はオリエントファイナンスが共同計画に対して六十五億円の極度額をつけている。この間に実に二・二倍にも極度額が上がっている。 それで、これを説明すると長くなりますが、この土地に対してだけの極度額じゃなしに、ある程度まとめてありますが、しかし前もまとまってありますからこれは同じことなんですが、ともかく七カ月足らずで――極度額というのはやはりその金融機関の土地に対する評価をあらわしていますからね、七割と見るか八割と見るかは別として。それが二・二倍にも引き上げられる。二十二番の十七の例になりますともっと早く、五月二十九日に太陽神戸銀行グループが三十億円の極度額、それで根抵当権を設定するわけですが、二カ月余りの八月八日に今度はオリエントファイナンスが六十五億円で、二・二倍ということで極度額を定めているわけであります。 私の調査によりますと、この二十二番の一から二十二番の十七、二十二番の二十は明らかにまとめられておりますが、これは仮に地価として見ますと、共同計画に移ったときに極度額からおよそ判定しまして坪当たり八千万円を超える地価になっていることになるわけであります。そして太陽神戸銀行がこの根抵当権を設定したときにはおよそ三千七百万円ぐらいの地価が、事実上八千万円を超えるという、そこまで引き上げられているということになってくるわけであります。 実は、こういう例が非常に多いわけでありますが、この問題については大蔵大臣、それから国土庁長官、こういう二カ月とかあるいは七カ月ですね、こんなにどんどん地価を上げるようなことをオリエントファイナンスとかこういうファイナンスカンパニーがやっているという事実を御存じでありましたか。こういう問題はどう考えますか。それから、なぜほっておかれたと思いますか。お答えいただきたいと思います。
○平澤政府委員 このような、貸金業者になるわけでございますが、そういう貸金業者が仮に地上げその他を行う業者に金を貸し付けることによって投機的な土地取引に加担するということは、一般論として申し上げますと、やはり許されないことであるわけでございます。したがいまして、大蔵省としましては、金融機関に対する特別ヒアリングの際に、そのようなところに資金を融通するということは差し控えるようにという点につきまして指導をしておるところでございます。 それとともに、先般、十月でございますが、出しました通達におきましても、金融機関に関連する関連子会社、そういうところがある場合にはやはり自粛するように強く申しておりますし、このような業界団体におきましても先般、自粛するための自主ルールの策定を行いまして、こういう点について強く自粛をしているところでございます。
○工藤(晃)委員 大蔵大臣の答弁を私、得たいわけでありますが、このオリエントファイナンスの件というのは、いわば銀行が不動産部門での融資をやる、その隠れみのにしているという面が一つと、それから、ここは行政の谷間になっているということから、これは大蔵省からも監督を受けない、通産省からも余り受けないということから、実際ここにさっき言ったように土地取引の腕ききがみんな集まってきて、総事業本部か何かつくって、そしてこういうむちゃくちゃなことをやっている。この実態はぜひ調査して、こういうことが起きないようにはっきりした対策をとるべきだと思うのです。なるほど自粛要請されて、幾つかの団体が何か自粛しましたというのを出しましたけれども、これはあくまで大変簡単なことがちょこっと書いてあるだけでありまして、全くこれは効いているという段階ではないのです。ですから、宮澤大蔵大臣、この問題の対策について、ぜひとらなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 いわゆるファイナンス会社、貸金業者が銀行等々の関連会社でございますと、これはその銀行を通じまして関連がございますので、大蔵省から十分に注意を促すこともできますし、また自粛も現実に求めております。ただ、その関係がございませんということになりますと、貸金業に対する一般の規制は暴利の取り締まりといったようなことでございますから、おっしゃいますように行政の谷間になっておりまして、役所として監督の権限が厳密に申しますとございません。が、しかし、今おっしゃいましたようなことで、実際には業界で自粛をしてもらうような、自粛の申し合わせをしたりするようなことをやっておりまして、やや隔靴掻痒の感はございますけれども、私どもも関心を持ってできるだけのことをしてまいらなければならぬと思います。
○工藤(晃)委員 終わります。 ―――――――――――――
○小此木委員長 この際、理事会協議に基づき、委員長から申し上げます。 土地問題は、国内経済のみならず国際経済の面からも、早急な解決を迫られている内政上の最重要課題である。 最近の大都市を中心とした地価の異常な高騰は、著しい社会的不公正を生み国民の勤労意欲を損ねるものであり、また、国民の住生活の向上と社会資本の整備等社会、経済の発展に重大な支障を及ぼし、国際経済の均衡確保の面から必要とされる内需主導型の経済運営を図る上でも、はなはだ憂慮すべき状況にある。 当委員会は、かかる状況を踏まえ、先般来熱心な論議を展開してきたところであるが、今国会における審査を閉じるに当たり、理事会における協議に基づき、以下の諸点について、本委員会としての決意を表明し、以って、当面すみやかな地価の安定を希求し、中長期にわたる土地政策の樹立に貸せんとするものである。 一 政府は、本日までの本委員会における審査を通じて、特に指摘された次の諸項目について、次期通常国会に向けて、立法措置を含め実効ある具体策を早急かつ積極的に推進するよう強く要望する。 (一) 当面の地価高騰抑制のため (1) 国土利用計画法の機動的運用 (2) 不動産業界、金融機関に対する強力な指導 (3) 国公有地等の処分に当たっての慎重な態度の維持 (二) 国土の均衡ある発展と土地需給の均衝を確保するため (1) 居住環境の整備に配慮した都市再開発の推進 (2) 良好な都市環境に恵まれた住宅、宅地供給の促進 (3) 政府機関の地方移転等首都機能の積極的な地方分散 (三) 税制上の措置についての適切な見直し 二 本委員会としては、今後とも必要に応じて現地調査等を行い、関係機関、団体等から参考人を招致して、従来の形式に担われない自由な意見の交換を行うなど、設置の目的に基づいて真に実りのある方策を講じ、引続き積極的な審査を行って参りたい。 三 当面の地価高騰の抑制を図る観点から、不動産業界、金融業界を始めとする産業界等に対して、土地を投機的取引等利得の対象とすることのないよう慎重な姿勢と理解が求められているところであり、また、土地の公共性の観点から、土地の保有、処分、利用に関する制限及び負担のあり方について、国民的規模でのコンセンサスの形成に努める必要がある。 国民各位の格段のご協力をお願いするものである。 以上であります。 奥野国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。奥野国務大臣。
○奥野国務大臣 本特別委員会は、前国会に引き続き、今国会においても御熱心に御討議いただき、この間、数々の貴重な御意見を賜り、感謝しております。 また、ただいま委員長からございました土地問題等についての御要望につきましては、その趣旨に沿いまして、関係省庁とも十分連携を図りつつ、土地問題の解決のための施策の実施に最大限の努力をしてまいる所存でございます。
○小此木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十九分散会