土地問題等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 366 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/12/04
会議録
○小此木委員長 これより会議を開きます。 土地問題及び国土の利用に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤六月君。
○加藤(六)委員 私に与えられた時間は一時間でございます。 東京都心部に端を発しました昨今の急激な地価高騰は、経済の円滑な運営と社会の安定にとっても重大な問題でございます。戦後四十二年間、政府・自民党あるいは国会、地方公共団体、国民の協力を得ながら、所得格差の是正あるいは均衡ある国民経済、国土発展、こういう問題に尽くしてきて、いわゆる国民総中間層施策というものが着実に進展してきておったわけでございますが、この東京都に端を発した地価高騰問題は、新たな不公平、新たな不安というものを発生しつつあるということでございます。この新たな不公平、新たな不安というものを未然に防止し、国民が汗を流し努力することが報いられるようなシステムというものを一日も早く完成していかなくてはならない、それが土地対策の重要なポイントではないか、こうも思うわけでございます。 竹下内閣が発足されまして、非常に熱心に土地対策に取っ組んでいただいております。特に、大変忙しい中に総理自身が座長になられまして、土地対策関係閣僚会議をこの二十日間の間に二回も開催されたということに対しては、心からなる敬意を表する次第でございます。そこで、まず一番に、総理自身が座長になられてこの会議を取り計らい、しかも大変お忙しい中二回もおやりになったということにつきまして、まず総理の土地対策に対する基本的な考え方といいますか、姿勢といいますか、そこら辺を承っておきたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 本特別委員会、私にとっては初めての出席でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 先ほど来の御意見を交えた加藤さんのお尋ねでございますが、そもそも土地というものが、憲法二十九条によりますいわば財産権の問題と基本的に関連があることは申すまでもございません。しかし、御指摘のように昨今の異常な状態についで政治という立場からこれを放置するわけにはもとよりまいらない。そこで、まだ私が自由民主党の幹事長をしておる当時でございましたが、伊東政調会長を中心にされての土地対策の御議論が行われ、一方、当時の内閣が行革審に対してこれを口頭で諮問をなすって、それに基づいて行革審の答申とそれから自由民主党の結論とが出た。したがって、これを十月の十六日でございましたか、私はまだ党におりましたが、いわばそれらをコンバインした形でもって一つの土地対策要綱というものが打ち出され、そうして新たな内閣になりましたので、特に設置法上は、加藤さんも国土庁長官の経験者でございますが、あるいは読めないわけでもなかろうとも思いましたけれども政治の焦点を明らかにするために、あえて土地担当ということで国土庁長官である奥野大臣にこれを特命する。こういうことで、その後、奥野大臣の御進言もありまして、私自身が座長となって閣僚会議を二回開くに至った。 現実問題として、それに呼応するかのごとく先般の国会で特別委員会が設置された。したがって、この特別委員会等の議論というものが成熟して、土地対策を果敢に実行するための環境ができるということになれば最も好ましい姿であろうという考え方に立って、これからも具体的に物を進めていく、こういう考え方であることを申し上げておきます。
○加藤(六)委員 ただいま総理のお答えの中からも出てきたわけでございますが、本年の十月十六日、政府・自民党一体となりまして緊急土地対策要綱が決定し、閣議決定も行われたわけでございます。この件につきまして、この実施状況あるいは今後の予定についてちょっと承っておきたいと思います。 この十月十六日は私自身も閣僚でございまして、この決定に参加した一員でございまして、その意味では、実施状況あるいは今後の予定というのは責任もあるし、また重大な関心もあるわけでございます。この閣議決定、これは当面のものでございまして、あと、先ほど総理からもお触れになりましたが、行革審が本格的な中長期の問題、抜本対策を含めた問題の答申をいただくようになっておるようでございますが、その中で、この閣議決定の実施状況、前内閣の間の実施状況はよく心得ておるつもりでございますが、新内閣、竹下内閣になりましてからの実施状況あるいは今後の予定ということについて、二、三承っておきたいと思います。 「土地取引の適正化」の関係の中で「規制区域の指定」という問題、これは随分これを決定するときにも議論があったわけでございまして、「国土利用計画法の監視区域制度の的確な運用を踏まえ、状況に応じ遅滞なく関係地方公共団体により同法による規制区域の指定を行い得るよう、関係省庁は所要の準備を速やかに進める。」というところがあるわけでございます。そして同じくこの閣議決定の、いろいろ重要な問題があり、政府は一つずつ誠意を持って着実にやっていただいておるわけでございますが、その次に「都市・産業機能の分散促進」という問題がありまして、「政府機関の移転再配置を推進するため、関係省庁による検討協議の場の設定を含めて具体的推進方策の検討を行う。」ここら辺も土地の暴騰あるいはなにを抑えるために非常に重要ではないかと思いますし、また「借地法及び借家法の見直し」あるいは「土地収用制度・運用の見直し」、ここら辺の問題がいろいろ私自身も気にかかっておったところでございます。そしてこれらの問題を含めまして、内閣におきましては、一省庁一機関の移転という問題を積極的に、前向きにお取り計らいになっておられるということを聞きまして、大変喜んでおるわけでございます。 逐次、ちょっとこういう問題についてお尋ねいたしますが、まず一省庁一機関の移転、今後どうお進めになろうとされておるのか。並びに、この問題に絡んで遷都論、展都論というものがあるわけでございますが、この遷都、展都を含めて、この一省庁一機関の移転問題につきまして、総理にひとつお伺いしておきたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 あるいは、具体的には土地担当大臣からお答えすることがより正確であると思いますが、一省庁一機関というものの地方分散ということは、私の著書にもかつて書いたことがございますが、政治家としての物の考え方の底に存在しておったことは事実でございます。ただ、言葉で申します一省庁一機関、こういうことは、かつて佐藤内閣のときでございましたか、一省庁一局削減というあの非常にごろのいい言葉を使ったことがございますので、私にはその言葉の感が残っておったからそういう表現をあえてわかりやすく使わしていただいた、こういう感じは持っております。省庁によっては全く分散するような形の役所でない役所もございますので、必ずしも表現は的確ではないが、ムードとしてわかりやすいという感じで使ったことは事実でございます。したがって、これにつきましては、可能な限り早い機会にその具体的な方向等を定めなければならないというふうに思っております。 それから、基本的にさかのほって首都機能の分散ということにつきますと、大方の理解をいただける問題でございますが、いわゆる遷都論、こういうことになりますと、その問題がただ地価対策とか土地問題だけから議論する問題では必ずしもなかろう。したがって、もともと行われておりますたしか金丸前副総理を中心とする研究会等がございますが、その考え方は私どもも非常に関心を持っておりますけれども、直ちの問題としてこれを具体化するだけの準備は、私にはまだございません。大きな流れとして我々が念頭に置くべき課題である、このように思っております。 なお、詳細につきまして、奥野大臣からお答えすることをお許しいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 一省庁一機関移転のことについて、総理にお尋ねがございました。 第二回の土地対策関係閣僚会議におきまして、与党の安倍幹事長から、それをここで決めようじゃないかと積極的な御発言もいただいたわけでございました。私からは、総理の一省庁一機関の移転は、移転を円滑に進めていく一つの指標として例示されているのじゃないかと思うのだ、もう少し具体的な内容をそろえていずれ御相談したいと思っているので、次回の協議会の際にそれを課題にさせていただきたい、こう申し上げたわけでございます。ぜひこの問題の解決に向かって努力を払っていきたい、こう思っておるわけであります。
○加藤(六)委員 私は、中央の官庁機構、あるいは遷都、展都問題、今後ぜひ大いに議論していただかなくてはならぬと思いますが、これと並ぶかあるいはこれ以上に大切な問題として、今までいろいろ勉強しますと、これは通産大臣、公式の御用事があるようなんで、この一省庁一機関問題あるいは展都、遷都問題と絡んで重要な問題と思っておりますので先にひとつ御質問し、また御意見を承っておきたいと思うのは、人口の我が国土内における比率を見ますと、地方圏が五五%で三大都市圏が四五%、そのうち東京圏は二五%である。工場数は五〇%、五〇%に分かれておる。そして同じく工場の位置する立地数、この五十九年から六十一年の数字を見ますと、地方圏に八〇%で三大都市圏に二〇%というので、我が国土の均衡ある発展、いわゆる東京一点集中はない感じになるわけでございますが、問題は民間研究所の数、いろいろあるわけでございますが、この民間研究機関の地方分散といいますか、適正配置が緊急の問題ではないだろうか、こうも考えておるわけでございまして、民間研究所は、地方圏にある割合は三一%で三大都市圏六九%、特に東京圏四六%になっておる。そして、新しい産業と言われております情報サービス関係、これに伴う従業員数を含めた研究所を見ますと、地方圏二二%で三大都市圏七八%、そのうち東京圏が五八%になっておる。ここに働いておる従事者の数、これは会社、研究機関、大学等あるわけでございますが、これらの数字等を見ますと、どうしても今こそこういうものを地方に持っていくといいますか、適正配置が必要である、こう思うわけでございまして、通産省の対応策並びに通産大臣のこれからのお考え方を承りたいと思います。
○田村国務大臣 今、加藤委員の御質問並びに御意見でありますが、実は本年、通商産業省の内政面の一番大きな目玉の政策として取り組みたいと考えております。近年、経済の高度化あるいはソフト化が非常に進展してまいりましたが、研究者、ソフトウェア産業などいわゆる産業の頭脳部分、これが我が国経済における重要性が非常に増大いたしております。ところが、今御指摘のように、これがほとんど東京圏に集中しておるということから、何とか地方へ分散して、そして地域の活性化にも役立つようにしたい、そして地方の大学等の頭脳もこれに合流せしめたい、このように考えております。 このたび通産省としましては、これまでの工場地方分散施策に加えて、現在、頭脳立地構想、これは四全総の中の産業立地政策の面で強力に推進するものでございますけれども、こういうことで地方分散をして、地方の活性化と同時に東京の、その意味でよき意味での空洞化を図りたいというふうに考えておりまして、特に奥野国土庁長官からもぜひこれを推進してもらいたいということで、両省庁今後いろいろと相談をして強力に進めたい、このように考えております。
○加藤(六)委員 通産大臣、ありがとうございました。 私たちが今心配しておるのは、いわゆる空洞化という言葉が出まして、通産大臣はよき意味での東京都の空洞化というお話がございましたが、日本全体の空洞化、すなわち工場は海外へ出ていく、頭脳は東京へ集中する、この傾向が進んでいった場合に、我々がいかに東京中心の地価対策を考えてもいかないと思うわけでございますので、ひとつ、工場は海外へ、頭脳は東京へという言葉は自然に国民の間から改まるような何らかの施策を強力に進めていく必要があると考えますので、よろしくお願い申し上げます。 その次に、これは議論し出しますとこれだけでも一時間、二時間あっても足らないのが、国土利用計画法の先ほど申し上げました規制区域の指定を行う問題と土地収用制度の制度運用の見直しの二点でございます。これは、時間がございましたら、私は憲法第二十九条からこの問題を持っていくのが一番いいのではないかとも考えておるわけでございます。そこで、これはまず法制局長官にお伺いして、それから国土利用計画法の規制区域問題あるいは土地収用制度の制度運用見直し問題に触れてみたいと思うわけでございます。 憲法第二十九条は「財産権は、これを侵してはならない。 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」こうなっておるわけでございますが、「財産権は、これを侵してはならない。」という一項と、二項目の「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」ここら辺の問題が、ある面では今日我が国で行われておる土地神話にも及んできますし、あるいは、土地は自分のものだという考え方か、土地は公共のものであるという考え方、あるいはさらに、国土利用計画法の規制区域論争あるいは土地収用論争もこの第二十九条の解釈あるいは法律化という問題から来るのではないか、こう考えておるわけでございますが、長官、「財産権は、これを侵してはならない。財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」こうありますね。この財産権の不可侵と、その財産権は公共の福祉に適合するように法律で定めなくてはならない。そうすると、この憲法を個々の法律に改め直しておろしていく場合に、法制の場ではどういう考え方に立ってこれをやるわけですか。
○味村政府委員 憲法二十九条一項は、私有財産制を制度的に保障いたしますとともに、国民の財産的権利を保障したものというふうに解されておりまして、土地所有権も、もちろん同項の財産権の一種としてその適用を受けるわけでございます。 これに対しまして、同条第二項は、この私有財産権の保障という原則を踏まえつつ、この私有財産権の保障は絶対不可侵のものではなくて、法律によるならば、財産権の内容あるいはその行使につきまして公共の福祉を理由とする制約を課することができる旨を定めた、こういうふうに解されております。したがいまして、土地所有権につきましても公共の福祉のためにそのような制約を課するということは可能でございまして、現に国土利用計画法なりあるいは都市計画法といったようなもの、その他非常に多くの法律があるわけでございますが、その他の法律によりましてさまざまの制約が課されております。 これらの法律によって制約が課されております理由というのは、これはさまざまでございまして、それらはいずれも公共の福祉のためということであろうかと思いますが、公共の福祉の内容それ自体は非常に多種多様と申し上げて、なかなか一概には申し上げかねるものでございます。 そこで、一般論といたしまして、憲法二十九条二項の規定のもとにおきまして、どの程度まで土地所有権に対して制約を課することができるかということにつきましては、まず第一に、その制約の目的が、公共の福祉のため制約を課する合理的な必要性が存するということがまず第一でございます。 それから第二には、その制約の内容が、ただいま申し上げましたような必要性に応じまして、合理的な範囲内であるという、この二つが要求されるかと存じます。 私ども土地所有権に関します立法をいたします際にも、そのような制約を加えるときには、このようなただいま申し上げましたような二点につきましてその要件を備えているかどうかということを判断しているところでございます。
○加藤(六)委員 与えられた時間がもう半分もたったわけでございます。そこで私は、国土庁長官あるいは担当大臣にこの点についてさらに質疑応答をしたかったわけでございますが、一応私のこれらに対する考え方を申させていただきまして、次に移りたいと思うわけでございます。 この規制区域の指定を行う問題も、長官が言われましたいろいろな問題があります。私はこの関係で外国で具体的な例を見ておりますのは、フランス政府がシャルル・ド・ゴール空港をつくるときに、その敷地並びにその周辺に対して、今我々が議論いたしておりますような規制区域的な適用を行いまして、その周辺、向こう数年間政府の買収価格に金利をつけたもの以外に売買させないという例がありまして、あの空港が早くそして立派に完成したことを考えておるわけでございますが、ある面では、特定の地域の値上がり、地上げ屋その他いろいろな理由による値上がりを抑えるということにこれを適用するのか、あるいはまた大型プロジェクトを推進していくときにこれをやっていきますと、工費も期間も半分ぐらいで済むような問題ができるのではないかとも考えます。そういう点を考えて、もちろん一坪運動をやってくる連中もおるわけですから、こういう中でこれをやりますと非常に効果があるのではないか。そこら辺を中心に今後検討、いろいろ検討していただいておるようでございますが、おやりいただきたいと思います。 それから、この土地収用制度運用でも同じでございます。私は、日本列島改造論が昭和四十七年に出たときにもいろいろ勉強したのでありますが、あれは非常にすばらしい案であった。そのときに、一番大切なのは土地収用制度の運用改善、これにメスを入れぬ限り私はあの日本列島改造論は推進できないのではないかと考えた時点もあるわけでございますが、後から時間があれば申し上げます。 竹下総理の「ふるさと創生論」、四全総の積極的、誠意ある推進という場合にはここら辺の問題も考えなくてはならぬし、特に地価が暴騰しております東京圏の土地空間の環境整備、居住環境を整えていくという問題等についてもここら辺の問題が必要であると考えておりますし、さらには、再開発法の中にこれが適用できるかできないか。当委員会、小此木委員長等が先般視察をされて、貿易センタービルからいろいろ御視察になったとき、小此木委員長が、地上げ屋の再開発は別としても、善意の再開発は進めなくてはいかぬのじゃないだろうか、ひとり言のように言われたという話を承りました。また、国土庁長官が逆の発想で低さ制限問題をいろいろお考えになっておられるということも承っております。これらを推進する場合に今の制度だけでいいのか、あるいは規制区域法でいけばいいのか、あるいは再開発法の強化その他でいけばいいのか、いろいろあると思いますが、そういう中で土地収用法の制度運営というものがこれらを推進する場合に非常に大切になってくると思いますので、そこら辺御検討いただきたいと思います。 次に移らしていただきます。 地価対策の目標あるいは関係でございますが、ようやく都心部を中心の地価は鎮静化したと言われて、私たちも胸をなでおろしているわけでございます。これが地方に波及しないようにする問題がありますが、一番の問題は、議論されておるのは、高値安定になるのか、それとも暴騰したところの地価が引き下がるのか、ここら辺の議論がいろいろあるわけでございます。 実は、先ほど総理からもお述べになったのですが、私も昭和五十七年、五十八年、国土庁長官を仰せつかって地価対策に取り組んだことがあるわけでございます。そのときに、我々の数字はもちろん一番正確で一番いいんでありますが、ある民間が毎年、一年に二回——委員長、ちょっとこれを見せていいですか。
○小此木委員長 はい、どうぞ。
○加藤(六)委員 地価上昇率と地価分布という図面を三大都市圏並びに北九州・福岡圏でつくってもらったわけです。このときに五十七年十二月の首都圏地価上昇率を地図にあらわしてくれたのがあるわけです。国土庁長官、これを見ていただきますと、五%、〇%、そして特定の地域が、一〇%から一五%というのが首都圏の上昇率であったわけです。このときにも大変議論しました。私はその時分、定期預金の金利以内に地価上昇をおさめるべきである、内閣並びに国土庁、関係省庁一体になっていろいろな施策を、狂乱物価の後の問題を抑えてようやくこれになったから喜んだんです。ところが、一般の人やマスコミは、だめだ、おまえの言うのは高値安定だ、そうでなくして、下げる方策をとれ。ところが、下げる方策をいろいろ考えても、これは難しい面もありますし、難があるんですが、これを一体高値安定か引き下げかという問題。 ところが、これは同じく昨年の十二月にやった首都圏の地価上昇率でございますが、この一番上、一〇〇%以上というのがこんなになり、それから、五〇%から一〇〇%がこんな赤になる。後から国土庁のことし十月一日に出された地価の関係にも触れたいと思うのですが、これを見た場合に、一番に私が考えたのは、一体今後政府は高値安定でいくのか、引き下げでいくのか、それから二番目は一体三・三平方メートル、いわゆる一坪が一億円も二億円もするところで何を建て、何の商売が成り立つんだろうか。もちろん人間はそんなところには住めないんじゃないだろうかという感じを強く持ったわけでございますが、まず高値安定か引き下げかという点につきましてお尋ねしておきたいと思います。
○奥野国務大臣 高値安定にしてはならないということでは強い決意を持っているものでございます。御承知のように、幸いにして世論も厳しく土地を投機対象にすることに対しまして批判をするようになりましたし、国会も挙げてそういう気持ちで御議論いただいているわけでございます。二十三区では二割方下がった、こう伺っているわけでございます。坪一億円などというような価格があってはならないという御指摘がございました、私は同様に感じているわけでございまして、もっと下がってしかるべきだ、こう思っておるわけでございまして、やはり投機の対象になったことが最後には暴騰をもたらしたんじゃないかな、こう思っているわけでございます。根本的には、土地といえども需給関係で価格は決まってくることになるんじゃないだろうかな、こう考えるわけでございます。 現在のところは、今でも東京一極集中が続いているわけでございますし、また都道府県によりましては都道府県庁所在地一極集中の傾向が強まってきているわけでございます。そうなりますと、やはり四全総を着実に実現していくことだ、国土をくまなく国民に適切に利用されるような体制に持っていかなければならない、こう考えておるわけでございまして、ぜひ需給の円滑化を図ることを通じまして、適正な地価が得られるように努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○加藤(六)委員 国土庁長官奥野国務大臣から今ちょっと触れられましたが、東京都心部を中心にする地価暴騰の理由というものと、そして都心部の地価が、今二〇%という上限、具体的数字も出てまいりましたが、この理由、これを考えておくことが、ある面ではこれからの地価対策に大切だと思うわけでございます。 もう一度、地価暴騰の理由と、都心部を中心に地価の鎮静化の理由、そして今度はこの都心部の暴騰したのが地方に拡散、分散しない方策等があれば承っておきたいと思います。
○奥野国務大臣 地価高騰の要因はたくさんあると思うのでございまして、これらが複合をして今日の事態を招いた、こう思っているわけでございます。やはり基本的には需要が集中してきたことだ、こう思うわけでございまして、需要が集中したのは、日本の大きな急速な経済成長、東京が世界の金融センターになってくる、同時にまた経済構造が急速に大きく変わっていっているわけでございまして、重厚長大型の産業から軽薄短小型の産業になってきた、こういう話がございますように、重厚長大型の工場は空き地になっているところがたくさんございます。反面に、ハードよりもソフトの産業がどんどん成長してきているわけでございまして、そういうものはやはり事務所が必要でございまして、そういうことからも東京における事務所の需要拡大につながってきていると思うわけでございます。それが私は根本だと思うのでございますけれども、挙げれば際限がございません。 そこでの対応で一体何が一番うまくいったのかな、こういうことになってまいりますと、先ほど来、監視区域、規制区域のお話がございました。こういうことで注意を促す、世論もまたこれをバックアップする、これはやはり自覚を求める、幾ら法律をつくりましても国民がこれについてきてくれませんければ何もならないわけでございまして、やはり自制が高まってきたのではないかなと思います。 もう一つはやはりお金だと思うのです。金余りでございますから、土地を担保に金を貸す場合にも、従来でございますと地価の六割ぐらい七割ぐらいを目途に貸しておったわけでございますけれども、積極的に一〇〇%、場合によっては一一〇%、一二〇%金を使ってください、これはまさに土地転がしに拍車をかける、そういう金融機関も現にあったわけでございまして、大蔵省が厳しくこの問題について規制に乗り出していただきました。特別ヒアリング、一件一件に入って、一体どういう土地を対象に融資しているのか、かなり厳しい、行き過ぎと思われるくらいの厳しい姿勢に乗り出していただいたわけでございます。それがために、支店限りの融資枠でございましても土地担保のものは本店に伺いを立てるんだというような、いろんな金融機関自身の反省もあったようでございました。 同時に、十月からは超短期の譲渡所得に重課する制度、九〇%まで税金に持っていくという制度をつくっていただきましたので、土地転がしには妙味がなくなってきたわけでございます。ある意味においてはこのことが零細な不動産業者を倒産に追い込むということもあり得ないわけじゃないわけでございますけれども、あえてこういう制度をとっていただきましたことが、土地転がしによる地価の騰貴などの抑制にかなり働いたと思います。そういうことがまた総合的に働いて、地価の鎮静に役立ってきているんじゃないかなと思います。 都心においてはそうでございますけれども、これは地方に延びていっておるわけでございますので、地方においても次々に監視区域を設定していただく、その指定もしていただいておりますし、また準備も進めていただいておるわけでございまして、より根本的には需給のバランスを崩さないようにすることだ、これを常に基本に置きながら対応に努力しているところでございます。
○加藤(六)委員 そこで、国土庁が昭和六十二年度都道府県地価調査を十月一日に発表されました。この表を見て、改めて東京圏の商業地、住宅地あるいは工業地の値上がりに愕然としたわけでありますが、注目すべき問題が私はこの発表された表の中にあると思う。それは、都道府県別・用途別対前年変動率、これは竹下総理も、土地というものは二極化しつつあるなとおっしゃったことがあるわけでございますけれども、住宅地、住宅見込地、商業地、準工業地、工業地、市街化調整区域内宅地、こういうもの全部を通じて全用途平均では、都道府県別で地価が下がっておるところがたくさんある。まず北海道、青森県、そして高知県、宮崎県、鹿児島県、ここら辺は、全用途平均でも対前年度、下がっておる。片一方、東京の暴騰率を見ると、もう国民生活、国民経済の安定も崩れてしまうのかという危機感を持ってくる。 ここら辺、私も随分考えたわけでございまして、これから次の問題であります「ふるさと創生論」、四全総あるいは過密過疎問題、時間がある限りやりたい、こう思うわけでございますが、長官、この北海道、青森、高知、宮崎、鹿児島の全用途平均で下がっておる、これはどこに原因があるとお考えでしょうか。
○奥野国務大臣 御指摘いただきましたように、地価も二極化傾向を強めておるわけでございまして、昨年の七月とことしの七月と比較いたしました都道府県の地価調査によりますと、三大都市圏では平均しまして三四・四%の値上がりでございますけれども、その他の地方は一・三%の上昇にとどまっておるわけでございます。一極集中的な傾向が出てきているわけでございますだけに、やはり多極分散型の国土総合開発計画を着実に実現に移していかなければならない。それには、やはり全国土くまなく交通システムによって結ばれることも大事だと思いますし、そういう意味合いで、高規格道路の建設の問題でありますとか、あるいは核と核とを結ぶ地区間の交通整備でありますとか、あるいは新幹線の整備でありますとか、リニアモーターカーの促進でありますとか、いろいろなことを皆さん方が真剣におっしゃっていただいているんじゃないかな、こう思うわけでございまして、そういう方向に向かって努力をして、今のような傾向をぜひ食いとめていきたいな、かように考えているわけであります。
○加藤(六)委員 そこで、今、国土庁長官が大規模プロジェクトその他の問題にお触れになりました。考えてみると、北海道、青森、高知、宮崎、鹿児島、何が欠如しておるかということになると、今、大臣が指摘されたような高規格道路であり、空港でありあるいは鉄道であり、重要港湾である。こういうものと、もう一つは情報通信、こういうものにもいろいろある。あるいはまた農業の不振という問題、こういう問題もある、こう思うわけでございますが、次に移らせていただきます。 竹下総理が「ふるさと創生論」というのを出されました。みんな一生懸命今それを勉強し、読んでおるところでございますが、先般の代表質問におきましても、この問題、いろいろ御質問があったわけでございます。これは総理にお伺いしておきますが、「ふるさと創生論」と四全総、私は、ある面では基本的に考え方は一致しておると思うのです。総理に改めてこの「ふるさと創生論」と四全総との関係についてお考えを承っておきたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 ふるさとという言葉、これはこの委員会でお答えすべき課題がどうかと一瞬戸惑ってみましたが、例えば日本人の好きな歌謡曲、その八割以上がふるさとを歌っております。したがって、日本人の耳にも非常になじんだ言葉であるということが、政治家としてかねてから私の考え方の底にあったというだけのものでございまして、そう学問的、論理的解説を行うようなものでは必ずしもないというふうには思っております。だれしもふるさとという言葉そのものからくる印象を大変否定的にお考えになる人はなかろうというふうに考えております。 が、その考え方を進めて、いろいろなその地域地域の知恵と情熱というものを導き出してそれぞれの地域づくりというものを考えてみますと、それがたまたま、三全総そして四全総と続いていった、ことしの六月に、前内閣のときに発表されました四全総の持つ一極集中から多極分散へという根本的な思想が非常によく似ておるというふうに、私自身もありがたいことだなと思いながら、本当に書きおろしの論文でございましたけれども、書いて今日に至っておるということでありますので、まさに四全総そのものの思想を進めていくことが、私が観念的に申しております「ふるさと創生論」というものにつながるものではなかろうかというひそかな誇りと期待を感じております。
○加藤(六)委員 非常に謙虚におっしゃったのでございますが、「ふるさと創生論」というのを、総理、総理の考え方を外国へ紹介する場合に、どう英語に直したらいいかといろいろ議論されたようでございますが、結局英語では、「ふるさと創生論」というのはどういうように確定されたのですか。
○竹下内閣総理大臣 確かに、私どもが子供のころ習いました英語で言えば、あるいはネイティブプレースというようなことなのかな。ところが、ネイティブプレースということになりますと、時に人種的ルーツという感じを与えることもあり得るわけでございますので、言ってみればやはりホームタウンというような感じが一番いいのかな。どちらかといえば、アジアの地域の言葉の中には、私どもが観念的に抱いておるふるさとという言葉がございますけれども、西欧社会とでも申しますか、必ずしも適切な言葉がない。私自身はドイツ語のハイマートがいいんじゃないかと最初は思っておりましたけれども、語学力の乏しい私で、断定するわけにもまいりませんが、諸般のことから、可能なことならば、ふるさとという言葉自体が、かつての全学連とかあるいは行政指導とかというふうなものと同じように扱われるようになればまた一つの喜びかな、こんな感じでございます。
○加藤(六)委員 あえでお伺いしたのは、これから御質問申し上げたい四全総の推進、それはいろいろなねらいがあるわけでございますけれども、実はふるさとという言葉だけをとりますと、すぐ地方が浮かんでくるわけです。しかし、実は戦後、過密過疎現象があって、東京あるいは三大都市圏に人口が急増し、集中してきました。そこで生まれ育った皆さんというのも、首都圏でいうと三千万近くおる、そのうちの千何百万はふるさとは首都圏になるわけです。ある者はふるさとが近畿圏になり中部圏になる。それ以外の地方圏もふるさとになってくるわけでございます。 ただ、我々政治家がいつもこのふるさとという言葉を議論して考えるときに浮かんでくる言葉があるのです。それは東京は住みにくい、しかし生きやすい、ところが地方は、いわゆるふるさとは住みやすいけれども生きにくい、こういう言葉が我々党内各方面で議論するときにいつも出てまいります。我々の念頭にあるいわゆるそれぞれの地方、地域というもの、これも非常に変わってきました。しかし、地方、地域、それは今までは一年に一回収入のある農作物で生計を立てる、何十年に一本の木を切って生計を立てていく、それが最近の生活様式の変化によって、毎日毎日の金が要る、週の金が要る、毎月の金が要るということになってきました。そうすると、雇用、就職の機会の多い首都圏あるいは東京圏というものと、雇用の機会のない、逆に雇用問題でピンチに陥り、地方財政そのものの維持が困難になってきておる過疎町村、こういう問題があるわけでございます。 東京の場合なら、そういう意味で大変過度になり過ぎて、我々が同じように使う言葉は、銀座のこじきが糖尿病になる、それほど東京は潤っておるとか、あるいはまた東京は最近ペットを飼うのが流行しているが、田舎で昔猫を飼っておったのは、米を食わさないために、ネズミを退治するために猫を飼っておった。ところが、最近東京で飼っておるペットの猫は、ネズミを見たら逃げるというのです。ある面でいうとこういう大変化が起こってきて、我々日本人がふるさとというものをどこに持つか、結局それは、ある面では四全総というものを積極的に、徹底的に前向きに推進して、それぞれの地方で創意と工夫を凝らしてやっていかなくてはならぬし、そこに、自分の住んでおるところに生きがいを見出し、意欲を持ってこさすようにしなくてはならぬ、こう思うわけでございまして、私が総理の「ふるさと創生論」と四全総との関係を冒頭承ったのはそういう点でございます。 そこで一つ、私は、四全総の積極的な推進こそ土地問題の抜本的な解決を図る、これは東京一点集中を排して積極的な地域の振興策を講じ、多極分散型国土をつくる、このことが長期的な土地問題の解決につながるのだという考えを持っておるわけでございます。そこで、先ほど総理もお触れになりましたが、四全総が前内閣において成立いたしました。関係省庁あるいは国民の英知を結集してできたのがこの四全総と思うわけでございますが、この土地対策特別委員会の問題を含めて国土の均衡ある発展、地方の振興を図ることが土地問題の抜本策だと申し上げましたが、そういう線に沿っていろいろ政府は検討されておるようでございます。 その中でまず、けさも我々は百数十人集まって党で朝早くから勉強しまして、各省庁を呼びまして四全総に取り組む姿勢というものをお聞きしたわけでございます。そして、来年度の概算要求あるいは提出予定法案あるいは戦略プロジェクトを各省庁どこに置いていくかといったような問題まで幅広い議論をいたしたわけでございます。戦略プロジェクトをどこに置くかあるいはどうするか、いろいろな問題がございますが、これは大蔵大臣もおいででございます。もちろん、前内閣において八月末の概算要求を出すときにこの問題について大いに勉強し、ちょうど土地の問題も燃え上がっておる最中でありましたから、東京一点集中を避けて地域の振興を図る意味でいろいろやったわけでございますが、けさ我々が勉強し調べたところによりますと、四全総推進関連の予算の要求状況は九兆五千六百四十七億円になっております。六十二年度の当初予算が八兆三千七百六十九億でございますから、十数%、一四・何%のアップにしてもらっております。ここら辺の問題、各省庁それぞれありますが、年末の予算決定のときには、もちろん土地の暴騰を避けるという意味から、また東京一点集中というのは我が日本を滅ぼすのだという立場に立ってひとつ大いにお考えいただきたい。 それから、各省庁の大臣もおいででございますが、けさこれも同じく調べたところ、地価対策を含む当面の四全総推進関係の法制といいますか法案が随分準備されております。もちろんこれは仮称であり検討項目でございまして、これから政府内部でいろいろやっていただかなくてはならない問題ばかりでございますから、最終的にどうなるかわかりませんが、我々が勉強したところ、土地対策を含む新しい法律八本、これは新規立法であります。そしてまた、いろいろな改正をやらなくてはならないというのも七、八本ありまして、十数本改正並びに新規立法で検討が進められておるようでございます。 その中には、先ほど申し上げました多極分散型国土形成のための地域拠点整備法であるとか、あるいはこれは首都圏を中心に国土庁がもう大分前から勉強してもらっておるのですが、業務核都市等整備法というようなものがあるかと思いますと、先ほど私は通産大臣にも御質問申し上げたのですが、地域産業高次機能集積促進法あるいは情報化基盤整備法というようなものも考えておられますし、沖合人工島整備促進法あるいはウォーターフロント中心の東京湾をいろいろ勉強していただいておりますが、臨海部活性化対策緊急措置法といったものあるいはデジタル通信網の整備に関する法律あるいは通信・放送衛星機構法、これは改正です。あるいは農村工業導入促進法の改正であるとか、あるいは民間事業者の能力の活用による特定施設の整備に関する臨時措置法等々、膨大なものをいま検討していただいておるわけです。 これは、まず第一に法制局長官にもお願いしておきたいと思うのは、各部を督励してここら辺のものを太いに検討を進めていただきたい。あるいは一本化するものがあるかもわからない。あるいは大蔵大臣にお願いしておきたいのは、こういう中に税制の伴うものがあるかもわからぬ、金融の伴うものがあるかもわからぬ、あるいは補助金の伴うものがあるかもわからない、いろいろあると思います。厳しい我が国の置かれておる立場でございますが、こういった予算並びに法案の新規制定あるいは改正、こういう問題に真剣に取り組んでいただきまして、国民の心から期待しております地価の安定ということと、それによる活力をもって励んでいくという点を、冒頭申し上げました国民総中間層施策というものを崩さないようにやっていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 —————————————
○小此木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 —————————————
○小此木委員長 小野信一君。
○小野委員 最初に総理の所見をお伺いいたします。 現在の土地問題の焦点は何だとお考えになりますか。中長期的には何が問題であり、竹下内閣は何に取り組もうとするのか。三つ目は、今回の地価高騰が日本経済に、国民経済にどういう影響を及ぼしておるとお考えになりますか。総理の土地問題に対する認識をまずお伺いいたします。
○竹下内閣総理大臣 まず私の問題意識でございますが、先ほど加藤委員からも御提議がございました。私の素直な気持ちから申しまして、急激な首都圏を中心とする土地の値上がりというものと、それから委員の地元とか私の地元とか比較的安定しておると申しますか、下がりぎみと申しますか、何だか体制の違う国が日本列島の中に二つ存在しているんじゃないか、こんな問題意識をまず最初に持ったわけであります。 したがって、これは政治の課題として取り上げなければならぬということになると、やはり今やれるもの、それから中期的なもの、それから長期的なものと三つに分けてこれに対応すべきであろうという考え方を持っておりました。そしてそれが前内閣、十月の十六日でございましたか、一つの方向が決まりました。それをフォローしていこうというさなか、野党四党からの提言をちょうだいしまして詳しく読ませていただきました。それと同時に本委員会がこのように特別委員会として設定された。そうすると、まさに政治の場の中では総ぐるみの環境ができたということでございますので、私はこれは非常に好ましい環境に、政策を実行していくためには環境が整備されておる、こういうふうな理解をいたしておるところでございます。したがって基本的には、やはりいささか中長期的にわたりますけれども、第四次全国総合開発計画の線を進めて国土の均衡ある発展を願うというのが理想であろうというふうに思います。 それから、いま一つの経済に及ぼしておる影響というものにつきましては、例えばこの地価の急激な上昇が、いわゆる公共事業の推進でありますとか、あるいは企業立地の関係でありますとか、そういうことにも大きな影響を与え、ただ私どものマイホームが持てないといった素朴な個人感情とは別の角度においても広がりつつあるというところに問題点を指向して、これから対策を御協力いただきながら進めていかなければならぬ課題だという問題意識でございます。
○小野委員 私は、地価高騰が国民経済、日本経済に及ぼす影響について、経企庁がつくっております国民経済計算年報昭和六十二年版、その土地及び森林資産額の項を基礎にいたしまして、総理のふるさとである島根県、私のふるさとである岩手県と、今問題になっております東京の地価を比較しながら、問題点を指摘していきたいと思います。 昭和五十五年に島根県の宅地の総評価額は一兆二千億円、岩手県は三兆円、東京は百十六兆円になります。五年たった昭和六十年に、島根県は一兆九千億になりました。プラス七千億であります。五年間で七千億評価額がふえております。岩手県は四兆四千億になりましたので一兆四千億の増加。東京都は実に百八十八兆円ですから、六十八兆円増加をいたしました。 この五年間で増加した宅地の評価額を人口一人当たりで割ってみますと、島根県は七十七万でありますから、五年間で八十万円の資産が増加した計算になります。岩手県は百万円、東京都民は実に六百十万円の増加でございます。 ちなみに一人当たりの宅地の資産額を計算してみますと、島根県は二百三十万円、岩手県は三百二十万円、東京都民は一千七百万円の一人当たりの宅地資産を持っておるという計算になります。実に島根県と東京都は一対七の割合、岩手県は一対五の割合になります。 他の経済条件がすべて同じだといたしましても、この資産力の差は、当然経済力の差、所得、生産力の差、社会力の差になってあらわれることは当然でございます。総理の言う「ふるさと創生論」は、この格差を是正することなしに均衡ある国土発展をすることは無理だと私は考えております。したがって、この問題に総理はどのように取り組んで、国土の均衡ある発展を図ろうとするのか、今基本的方針として、基本的な考え方としてそのことをお尋ねいたします。もし、この格差は現在の経済力、全国に広がる生産力の格差からして不可能だと考えるならば、どんな手段、政策をもってこの格差を、県民格差を解消しようとするのか、基本方針をお尋ねいたします。
○竹下内閣総理大臣 今御丁寧な資料に基づいての比較でございますが、これは私も、岩手とか島根とかの山林と比較いたしてみますと、大体銀座の土地の一坪と六十万坪とが一緒でございますから、考えようによれば、六十万分の一というようなものも存在するのだなと思いました。しかし、地価というものは言うなれば需給関係というものを基本に置き、その上に経済成長率とか、あるいは、先ほど加藤さんの御意見にもありました金利の上昇率とか、いろいろな多様な要素を持っておりますので、一概に、いわば地価そのものが基準になって国土の均衡ということを論ずるわけには必ずしもまいらないということは私も考えておるわけでありますが、要は、やはりその地域に生活する方々が誇りというような、心の問題はなかなか数字の尺度であらわせないものでございますが、誇りを持ちながら、生き生きとして活動し、暮らしていける地域というものをつくっていくためには、やはり第四次全国総合開発計画というものを着実に進めていくということが、短期的にも一つの政治の目標もできてまいりますし、中長期的な課題としてはそれが最も好ましいことではなかろうかというふうに思います。 ただ、いつもその問題を議論しておりますときにひっかかりますのは、されば例えば大都市圏を住みにくくしていびり出しをしたらどうだという議論も間々あるところでございますけれども、それはやはり避けるべきことであり、それはそれなりの住環境の整備とかというようなものでもって対応して、やはり均衡のとれた国土をつくっていくというのを基本に置いて進めるべきものである、このように甚だ抽象的でございますが、考え方を申し述べた次第でございます。
○小野委員 現在の県民格差あるいは所得格差の要因の中に、この資産格差がはっきりあることも事実でありますので、それらの問題をすべて解決することなしには国土の均衡ある発展は不可能なわけですから、その点をこの委員会が、今度の国会は土地問題ですから、そのことも頭の中にしっかり入れておいていただきたいと思います。 二つ目は、地価は高値安定ではなくて、やはりこれを下げなければならない、それが竹下内閣の大きな使命であることを私は最初にお訴えを申し上げます。 この目指すべき地価の水準について、これまた経企庁が、物価局が、首都圏では平均的な勤労者が合理的な通勤可能な一戸建て住宅または集合住宅を入手可能となるようなものを目指すべきであると指摘をいたしております。この水準として、首都圏の四十歳前半の勤労者の年収が約六百万円でありますから、その五倍、約三千万円程度が購入可能な限度額であると計算をいたしております。 そのことを前提にして具体的に試算をいたしますと、地価は一平方メートル当たり十四万ないし十五万円程度になります。合理的な通勤可能範囲を都心から三十ないし三十五キロ圏とすれば、今度の高騰前、昭和五十八年から五十九年の水準が適当だと、目指すべき水準だとも指摘をいたしております。 ところが、現在東京二十三区の商業地域をも加えた平均地価は一平米六百六十万円、坪、実に二千万円以上になります。住宅地の平均地価は一平米百万円、坪三百三十万円になります。実に、現在の住宅の地価は経企庁が示す目指すべき水準の六ないし七倍、東京都の平均地価は実に四十四倍になります。この目標とする地価と現在の地価との乖離が余りにも大きいことをもって、政府が目指すべき地価に努力を怠るとするならば、私は政治の責任の放棄だと指摘せざるを得ません。どうしてもこの目指すべき水準に向かって竹下内閣は懸命な努力をし、政策を国民に提示しなければならないと考えます。一戸建て住宅か集合住宅が入手可能な条件、環境をつくらなければなりませんし、それを急がなければなりません。竹下内閣にはその責任があると私は考えます。総理、具体的に目指すべき水準を設定して、それに向かって地価を下げるというような努力を国民の前に、東京都民の前に明らかにする御用意はございませんか。
○竹下内閣総理大臣 最初ちょうだいしました社会党、公明党の提言を詳しく読ませていただきました。その後、今度四党提言を読ませていただいてみますと、大体共通しておりますのは、これは私どもの考え方ともほぼ共通しておりますが、土地問題に対しての持ち家ということを考えた場合、今御指摘のとおり年収の五倍という基準があって、いま一つは月々、年々のいわゆる住居費は大体所得の二〇%、こういうのがおおむねのコンセンサスだなというふうに私も拝見させていただいております。したがって、そのことはやはり私どもの念頭にあらなければならぬというふうに思っております。 ただ、この地価そのものは、いわゆる需給関係というものがやはり大きな——土地というものを商品として認定した場合の自由主義経済下における需給関係というものをネグレクトした目標を定めるということは、なかなか現実問題としては難しいだろう。 しかし、御指摘になりました経済企画庁の試算は、あれは一つの勉強された資料だと私も承ってみたわけでありますが、やはり当面施策と中長期施策の中で安定させていくということに向かって前進すべきもので、東京都のおおむねの住宅宅地供給が、今御指摘された価格は念頭にある価格であるが、これを絶対やり遂げなければならない価格であるというだけに規定するだけの自信を私はまだ持っておりません。
○小野委員 それでは、我が国の国土の総面積は御存じのように三十七万七千平方キロでございます。この面積から森林、原野、水面、水路まで差し引いた可住地面積は八万五百平方キロになります。この面積はイギリスや西ドイツの二分の一、フランスの四分の一、アメリカの実に六十分の一と大変狭いものです。この可住地面積の総面積に占める割合は二一%、上記の諸国はすべて五〇ないし六〇%の割合ですから、これまた可住地面積の割合は日本は大変狭いということが言えます。 そこで、住宅地を集計いたしますと、今度は平方メートルですけれども、百八億平方メートルになります。これを人口一億二千万人で割りますと、一人当たり約九十平方メートルになります。四人家族標準世帯で三百六十平方メートル、約百坪になります。したがって、全国の土地を上手に分散利用することができれば山林や農地をこれ以上破壊しなくても十分なだけの量があるということになります。しかし、私どもは残念ながらこのような狭い土地を合理的に使う思慮深い土地利用計画を持ちませんでした。まことに残念なことでございます。したがって、下手な利用の仕方で莫大な外部不経済をもたらしております。私は、戦後の土地政策の失敗を掘り起こしてこれからの土地政策の課題の糧とすること、これはむだではないし、大変必要なことではないかと考えます。 地価の上昇は、御存じのように二十年代はほとんど経済成長率と同じ、所得のアップと同じでしたけれども、十年おくれて昭和三十年ころから地価の高騰が始まりました。この地価の高騰に対して、理論的にこれの分析を始めたのが昭和四十年の前半からでございました。この論文を見ますとまことに重要な内容がよく書かれておりますし、学者の論文の中には、多く政府が認知する資料としても取り上げられております。 例えば、昭和四十二年の科学技術庁の資源調査会報告書第四十六号、経済審議会土地政策研究委員会報告、また税制調査会土地税制特別部会の土地税制のあり方についての答申、これらの報告書に共通しておることは、大都市圏の地価の上昇は人口の大都市への集中に根本的な原因があるとはいえ、地価上昇そのものが土地所有者の心理に作用してその保有性向を著しく強めており、その対策としては税制が最も有効であると指摘しております。政府の内部資料ではっきりと認められておる共通点でございます。ところが、土地の政策立案者、当事者はこの見解を採用いたしませんでした。 私は、その採用しなかった理由を考えてみるならば、報告書の見解に立ては、恐らく土地所有者の反発を買って政府と土地所有者との対立が激化するという心配をしたのではないかと思います。政府はその対立を避けたのだと私は思います。そして考え出されたのがかたき役としての投機家です。つまり、少数の悪質な投機者が土地を買い占めることが地価上昇の原因であって、投機活動を防止することをもって地価対策にしたように思われてなりません。最初四十二年のころ、政府の内部が調べた、研究した報告書は総合的でありましたけれども、このころから地価対策は悪質な投機家の仮想敵国の登場によって矮小化してしまいました。私は、六十年の前半から始まった今回の土地の異常な騰貴、狂乱地価は、今回までの、それまでの政府の土地政策の失敗の経験を全然反省することなしに、生かされておらないような気がしてなりません。 総理並びに長官、戦後の土地政策についての評価と、これからは土地政策は何を基本として行うべきか、その二つの点についでお二人の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○奥野国務大臣 戦後、廃墟の中から立ち上がった日本が努力してまいりましたのが新産業都市建設促進でありますとか、いろいろな手を次々に打ってきたと思います。その中で最近の経済成長、私は極度に大きな勢いで伸びできたんじゃないだろうかな、こんな感じがするわけでございまして、私たち知らぬうちに在外純資産が世界一になった、貿易収支が世界に例のないような大きなものになった、東京が世界の経済金融センターの中心になった、本当に予想もしないような速さで来たと思うのでございます。政策の失敗だ、こうおっしゃっているわけでございますけれども、この物すごい速さにやはり十分な対応、総合的な対応ができていなかった、こう言う方が私は正確じゃないだろうかな、こんな思いがしています。しかし、御指摘いただいておりますいろいろな問題、私たち十分考えていかなければならない課題でございますので、これからも過去を振り返りながら前進に向かって努力をしていきたいな、こう思っているわけでございます。 ぜひ国土が総合的に国民に適切に利用されていくような体制を早くつくっていかなければならない、そのことを通じてできる限り均衡ある発展、一極集中だと言われるようなことじゃなくて国土の均衡ある発展、これも目指していかなければならないな、こう思っておりますし、今のようなことが御指摘にありますように不均衡を拡大した、これが私たち政治家として一番気にしていかなければならない課題じゃないだろうかな、不公正を感じさせるような社会にしてはならない、こう思っておるわけでございますので、過去は過去として、今後積極的に努力を続けていきたいと思っているところでございます。
○竹下内閣総理大臣 可住地面積等国際的な統計を例示されながらの御意見を交えた御質問でありました。 私どももよく議論いたしますのは、例えばアメリカの六十分の一の所有面積しかないならば、まあ人口が半分でございますから三十分の一ということになれば、アメリカの地価平均の三十倍は我慢しなければいかぬか、こんな議論も率直にいたしたことがございます。それから今、今日までの反省を込めて申し上げますならば、奥野大臣からお答えがありましたように、いわばあの廃墟の中から今日の繁栄を築くために、確かに大変な過剰というものを私どもは結果としてもたらした。それが東京集中への人口の過剰とかあるいは文化の若者志向への過剰とかあるいは産業の工業化への過剰とか、いろいろなことが言われるわけでございますけれども、そういうひたむきな経済成長の中にもろもろの過剰をもたらして、その過剰というものが異常というものにつながってきておるんじゃないか。したがって、これからは、ここまで成長してきたわけでございますから、その反省の上に立って均等化の方向へ向けての努力をすべきものではなかろうかというふうに基本的に考えておるところであります。
○小野委員 先ほどの長官の御答弁に私一言反論といいますか、私の考え方を述べておきますけれども、日本の高地価は経済大国の投影である、影である、こうして部分的にもこれを認める御意見があることを私は承知しております。しかし、地価とはいえ需要と供給の反映でございますから、この需要と供給との関係を全く無視して、国民経済と平均的な国民所得と乖離してしまって地価が高騰するということを、地価は経済大国の投影である、反映であるという見方は私は許すことはできない、その見方はとるべきじゃないんじゃないだろうかという考え方を一つ申し添えておきます。 土地は他の財と比較して多くの特徴点を持っておりますけれども、やはりその価格は、一般的には今申し上げましたように需要と供給の関係に律せられるという意味では一般財と私は同じだろうと思います。したがって、地価というものも景気、経済情勢に大きく左右されてまいります。特に民間住宅建設あるいは民間企業の設備投資あるいは公的資産形成の動向に大きく左右されておることは統計が明らかに示しております。 二つ目は、やはり総固定資本形成、資産形成の高いときには地価が高騰をいたします。その伸び率が低いときには地価は鈍化しておることも事実でございます。しかも、当たり前のことですけれども、取引件数が多いときはやはり地価が高騰いたしております。 日本の特徴として最後につけ加えておかなきゃならないのは、取引面積が年々減少しておる、逆に取引面積が減少しておるにもかかわらず地価が高騰しておる、こういう現象があります。この現象をよく年代順に追ってみますと、やはり法人企業の、特に資本金一億円以上の企業の土地取引と密接に結びついて地価が変動をいたしておることは、統計上これもまた明らかに示しております。 国土庁の企業土地調査によりますと、昭和四十九年以降、企業は長期化する不況のために、人減らしあるいは金減らしの減量経営で、土地の売却面積が取得面積よりも大きくなっております。しかし、こう考えてみますと、企業の剰余資金は内部留保としてたくさんあるのだなということが理解できます。むしろ有価証券や金融資産の運用の方に、あるいは長期借入金の返済に向けられたと言うことができると思います。しかし、民間部門にかなりの剰余金がありましたから、景気が回復するとか税制が緩和するとか、あるいは他の刺激がありますと一挙に地価が高騰するだろうということは、当然五十年代に予想することができておったはずでございます。その過去の経験からいって、その最も注目しなければならないのは大手不動産会社の住宅投資であったこともまた当然予想されておったはずであります。あに図らんや、六十年前半から地価が高騰を始めました。国際都市東京への成長過程で生まれたオフィスビルへの需要だと説明しておりますけれども、初日の大塚委員の具体的な説明がありますように、私はそれがすべての要因、大きな要因だったとは考えることはできません。 私は、この民間の地価高騰に与えた影響については別の機会に十分検討させていただくとして、私の今回の質問の問題点は、公的側面、制度や法律の中で今度の地価高騰、地価の狂乱に組み入れられて、あるいは地価を上げるために力をかした側面がないだろうか。民間の活動につきましては、それを是正する前に、政府のやっておる仕事の中に地価高騰を増長させるような役割を果たしたものがないのだろうか、このことをまずしっかり分析してみなければならないだろう、こう私は考えました。 その第一は公示価格でございます。長官、公示価格の持っておる性格はどのようなものであって、現在の有効性についてどういう判断をお持ちですか。
○奥野国務大臣 正常な土地の取引に対しまして一つの指標を与えたい、同時にまた、土地を買収する、補償する、そういう場合の参考にしていきたいということが、御承知のように法律に書かれているわけでございます。したがいまして、いろいろな取引の中で投機的な関係のものは排除して、まず正常と思われるようなものを拾い上げて決定しているようでございますけれども、この一両年を見ていますと、本当に投機対象にして引き上げていなかったものがどれだけあるんだろうかと言わなきゃならないような地域もかなりあるわけでございますので、そういう地域においていろいろな特異なものは排除していくと言うたところで、全体がそういうことになってきているじゃないかという懸念もあるわけでございまして、そういう意味におきまして、今日後追いになっている面もないじゃないと御指摘になれば、これはやはり私たち反省をしなければならないな、こう思うわけでございまして、今後の公示価格の問題につきましては、それに当たる方々とも十分相談し合いながら研究していかなければならない課題を持ってしまったな、こう思っているところでございます。
○小野委員 国では、国土庁が不動産鑑定士に依頼して土地の評価をして公示価格を決めます。国は、この価格を何によって決めなさいと、どんな指示内容を持っておったか私はお聞きしたいのであります。 というのは、今度の高騰の度合いは、物価や資材が高騰したために値上がりしたのだというような割合ではございません。だれもが異常だと感じておるような高騰でございます。収益性も上がっていないし、価値や効用の増加もございません。周辺の単なる取引事例を参考にして、単なる追認という形で公示価格が決定されたのだ、そう思う以外に理解をすることのできない公示価格でございます。 しかし、残念ながらこの土地取引価格を制約する法律はございません。逆に、法律によって公示価格を決めるために、取引事例を後追いするという形になっております。このような取引価格を追認する公示価格であっては、地価はどんどん上がるのは当たり前でございます。こういう公示価格と地価の高騰のメカニズムを知っておる利口な人々は、その取引の事例をつくることによって地価の高騰を促進させることができるのです。そのことを承知しておるのです。土地を同じ系列の土地会社で転がしていけば公示価格が決定するという仕組みを承知しております。これを不動産鑑定士に提示してこれが実勢値ですよと認めさせれば、これで既成事実はでき上がります。こうしてつくられた実勢価格をあちこちでつくりますと、地価は狂乱に向かうことは当然ではありませんか。しかも、それがあたかも正当な価格であるかのような公示価格になりますから、買収がますます容易になります。そしてますます地上げ屋がはびこるということになります。 このように公示価格の現在の決定の仕方、地価の狂乱の仕組みを見てまいりますと、地価高騰のメカニズムの中に公示価格がしっかりと組み込まれておるということが理解していただけると思います。利用されておることは明らかであります。 長官、総理、この公示価格の有効性についてどんな価値をお認めになって、これを今後も続けようとするのですか。見解をお尋ねします。
○奥野国務大臣 昨年の七月からことしの七月まで東京都の地価上昇率は八六%であります。平均して八六%でございますから、地域によってはもっと大きいわけでございます。これをそのまま追認して公示価格にするということについては私はいささか疑問に感じておるわけでございまして、同じような気持ちをお持ちになってのお尋ねだと思うわけでございます。 これまでも公示価格の決め方につきましてはいろいろな批判があったようでございまして、いろいろな批判があった結果は、取引のうちで投機的と認められるようなものは排除しながら、しかし現実に価格形成が行われたものをそのとおり公示価格に採用するという手順であったようでございます。しかし、このような急速な高騰ではどれもとれないんじゃないかな、私はこんな気持ちを持っておるわけでございまして、そういう意味合いで私たちは宿題を持ってしまったな、こう思っているということを率直にお答えをしたわけでございます。表面的に法律を読んでいきますとそういう運用になっていくわけでございますけれども、法律をさらに奥深く読むことによって何か打開の道があるのじゃないかな、こんな気持ちを抱いているところでございます。
○小野委員 昭和六十年の前半に、港区を通る第一京浜国道沿いから大手不動産の地上げが始まって、今回の地価高騰はそこがスタート台だった、こう言われております。ある地域で数社の企業が結託をいたしまして路線沿いに土地を買います。そして、同じ系列の会社にその土地を価格を上乗せして売ります。その価格が口伝えに地域の人々に知れ渡ります。その地域の地価はその価格に上がります。これが地価狂乱の地価のひとり歩きでございます。 つまり、こう考えてみますと、取引実例というものは数人の、複数の企業が存在すればつくることができるということを示しております。つまり、価格をつくることができるのです。大手不動産業者であるならばいとも簡単なことだと長官、お思いになりませんか。この力のある不動産業者に力をかしたのが金融機関でございます。 このように、どう考えてみましても、分析をいたしましても、現在の公示価格は収益を有効、効用を背景にした価値、価格だとはだれも考えることはできません。御存じのように公示価格は取引実勢の中庸、中値をとるという方法でありますから、世間が目標とするような価格になっていないことは明らかであります。要するに、公示価格の一方の精神が完全に無視されておるということでございます。 私は、こう考えてみますと、少なくとも地価の高騰を抑えるためにこの公示価格制度を直ちに改める、研究して結論を出すという作業に直ちに入るべきだと考えざるを得ないのですけれども、どうですか、長官、その作業に入るおつもりはございませんか。
○奥野国務大臣 地価が上がっていく事情にはいろいろあろうと思います。道路が広くなったから土地の利用価値がふえた、そのために地価が上昇した。そういうのは私は当然、公示価格も引き上げられていって何ら異論はないのであります。状況の変化は何にもないのに年間で二〇%だ、三〇%だ、五〇%だと上がったからといって、それを公示価格そのまま上げていっていいものだろうかということを私は率直に申し上げまして疑問を抱き始めたわけでございました。どう運用していくかということは、これは鑑定士の団体もございますので、こういう方と相談をし合いながらひとつ工夫をしてみたいな、そういう意味で私は宿題を持っちゃったな、こういう感じでおるのですということを率直に申し上げたわけでございます。
○小野委員 総理、この問題にやはり真剣に取り組んでいただいて、総理の指令でこの公示価格に対する有効性を検討して早急に結論を出していただきたいことをお願いをいたしておきます。 そこで、公示価格を調べてみますと、その都市の取引価格の水準が他の地域と比較した結果バランスがとれないということになりますと、価値や効用が全然変化がないのに公示価格が五割や二倍になる例がたくさんございます。それでも、実例と公示価格がアンバランスでありますと、今度は指定地域、評価地点を変えまして対外的に、表面的に余り上がっていないよというような繕いをいたします。したがって、現在の公示価格は、一つの地点の、一点の地域の長期的な変動を示してはおりません。一つの地点の地価の変化を示さないでどうして公示価格の意味が、有効性が発揮できますか。私はここにもう一つの問題があるといたします。 ですから、地価狂乱を抑えるために、一つの方法として公示価格を取引事例をもって正常価格とすることをやめるべきです。そのことを私は検討課題の第一にすべきであります。あるがままの価格ではなくてあるべき価格、東京都民が、日本国民が取得できるような価格、こういうことをしっかりと公示価格の内容に組み入れるべきだと私は思います。効用や有効性や価格をしっかりと見きわめることが非常に大切だということを御理解していただけると思います。そして、その公示価格に土地の売買、取引は従うような法律をつくればいいのです。というのは、かつて銀行があるいは金融機関が駅前の一等地であるとか繁華街の中心地を店舗建築のために買った時代、国民からひんしゅくを買った時代がございます。しかし、このときの金融機関が買収した価格は公示価格から除外されました。これは例外であると除外されました。こういう賢明な措置をとった時代があるのです。今度の地価高騰の場合に、公示価格の場合にこのような賢明な措置がなぜとれなかったのか、私は残念でなりません。安易な取引事例をもって公示価格とするような態度は明らかにやめるべきです。直るにやめるべきです。そうさえすれば、私は地価は下がるということを考えます。長官、もう一度お願いいたします。
○奥野国務大臣 私が事務当局から伺っている限りにおきましては、取引が行われたからそれをそのまま公示価格に採用するというようなことはしないで、いろいろな取引から不正常なものは思い切って外すという作業の中で正常価格として公示価格を決めてきた、こう伺っているわけでございます。そうでありますけれども、私は、正常な価格を公示するという法律の文言からももっと踏み込んで公示価格の決定の仕方があったのじゃないかな、こういう疑問を抱いておるものでございますので、鑑定士の方々ともよく相談し合いながらひとつ打開の道を探っていきたいな、こういう気持ちを申し上げておるわけでございまして、いろいろ御指摘いただきましたことを参考にしながら最善を尽くしていきたいと思っております。
○小野委員 総理に一つお尋ねいたします。 というのは、住宅地の不足は特に三大都市圏、特に東京圏で大きいことはそのとおりでございます。この住宅不足解決のために、供給増加策として、一つは調整区域の新開発を認めること、市街化区域内農地の宅地化を促進すること、既成市街地の高層化を図ること、これが東京圏の宅地を解決する方法だという意見が私は強いように感じられます。しかし一方で、現在の東京は空気、水、土地、交通網その他の条件から勘案して人口は過剰である、過密であるという判断もございます。私はこの判断に大きな説得力を感ずるわけです。したがって、東京都、経済大国日本の首都東京をどのような首都につくるのか、この指標、基準をつくることが今必要ではないのだろうか。高層化さえすれば東京の土地問題は、東京の環境は改善されるのだという安易な考え方は私はとるべきじゃないと思う。できれば東京都民の最低条件を指数化する、あるいは東京の面積からいって人口は一千二百万程度に抑える、こういう具体的な数字を、指標を作成して政策の目標にすべきだという感じを私は持つのですけれども、総理、そのような作業にこれまた取り組むつもりはございませんか。
○奥野国務大臣 おっしゃいましたように、環境を改善していく、住みよい地域社会をつくっていく、それを基本に考えていかなきゃならないということ、全く同感でございます。ただ、高層化するというのは、そのことを通じて道路を広げるんだ、緑地を生み出すんだということも伴って主張されておるわけでございますので、今お挙げになりましたいろいろな手法、それぞれ私は大事なことじゃないかな、こう思っております。 ただ、狭い地域に人口が密集して生活していって果たして健康が心配でないのだろうかとかいうようなことについては、当然総合的に判断していかなきゃならないことだと思っております。私も、集中し過ぎている、人口集中地区という統計調査がございますけれども、それで見てまいりますと、国土の一%弱の中に総人口の二〇%住んでいるわけでございます。これはやはりどう考えても適正でないな、余り外へ広がり過ぎたな、むしろ都心を改造してそこへ集約した方がかえって快適な生活環境が生まれるんじゃないかな、こう思ったりしているわけでございまして、今御指摘のありました点、非常に大事なことだと思っておりますので、そういう考え方を外しながら努力をしていきたいと思っております。
○竹下内閣総理大臣 大筋奥野大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、私自身も、今お挙げになった三つの具体策だけで本当は住環境の整備というものはできるものではないというふうな問題意識はひとしくしておるつもりでございます。 したがって、この四全総作成に当たりましても、あと五百万は、若い人が東京周辺に多うございますから、将来五百万まではふえるのだが、それを三百万で抑えるところに基準を置いた物の考え方で議論してみたら、こんな議論もございましたので、将来のそうした地方自治体の協力の問題ももとよりございますが、諸計画についていわゆる人口分布の問題は十分念頭に置きながら構築すべき問題であるというふうに思っております。
○小野委員 地価高騰の一つの要因となる事例と私は考えるのですが、申し上げます。 十一月二十一日に我が国の三大新聞の一つ、一面を買い切って広告が出ました。いわく「変化に強い安定指向の新資産運用システム、新登場。」いわく「購入価格に対し一定の年収を十年間お支払いします。」いわく「福岡地区 購入価格の五%を毎年お支払いします。」「大阪地区 購入価格の四%を毎年お支払いします。」「新登場 土地付分譲アパートパッケージ運用システム レオパック」というのは、「当社が一括して借り上げ、十年間収入をお支払いします。」こういう広告であります。これがワンルームマンションの六つの大手の中の一つの広告でございます。私はこの広告を見まして驚きました。こんなことが果たしてできるんだろうか。ワンルームマンション業者が土地を買ってワンルームマンションを建てます。それを一棟単位で欲しい人に売ります。その買った人がワンルームマンションを欲しい人に二月ずつ売ります。極端な場合には一人も入らない場合もあるだろうと思う。その場合には、この大手ワンルームマンション業者が十年間収入を保障するというのです。私は、こんな商売が成り立つわけないと思う。少なくとも長期的に採算が合うはずはないと思う。万一、この業者が倒産した場合にどうなるのだろうか、まことに不安を感ぜざるを得ません。 なぜこのような方法が成り立つのだろうかと思って調べてみました。そうしたら、ビルでありますと何百坪、何千坪の敷地が必要でありますけれども、ワンルームマンションは小さければ三十坪ぐらいからこれを建てることができます。したがって、周囲の地価とは関係なく土地を倍も三倍も買います。ワンルームマンションを建てます。売却する場合には、その価格をまた二倍も三倍にもしてワンルームマンションの経営者に売るのです。これが地価高騰の大きな要因になっており、この取引がまた公示価格に反映しております。東京に一万二千戸とかワンルームマンションがあるそうでありますけれども、これがすべてそうだとは言いませんけれども、かなりのところが地価高騰の一つの原因になっておることは事実であります。先日、NHKで千葉県八千代市八千代台のワンルームマンション、なぜ八千代台の、八千代市の地価が高いのかということを調べていったらそこに行き当たったという特集をやっておりました。私は、地価高騰の原因になるということ、この商法が果たして正常な商法なんだろうかという不安、どうしてもこの問題は国が取り組んでいかなければならない問題ではないだろうか、こういう感じがしてなりません。大臣、いかがですか。この問題についてどういう認識をお持ちになり、地価にどういう影響があったと考え、今後この問題とどうお取り組みになるのか、長官の御意見を聞かせていただきます。
○奥野国務大臣 ワンルームマンションをどういう角度で見るかによっていろいろな批判があろうかと思います。ワンルームマンション建設に当たっておられる方々は、それを建てれば利用者が殺到する、だから商売になっていくというようなことからどんどん建設に当たっていかれたのじゃないだろうかな、その過程において土地を買いあさるから値段を上げるということじゃないだろうかな、こう思うわけでございます。いずれにいたしましても、土地を買いあさる、値段に構わずつり上げていくということにつきましては、監視区域の設定などを通じまして届け出なきゃならないことになっておるわけでございますので、そういう場合には勧告をする、公表するという手順を備えておるわけでございますので、買いあさって値段を上げるということは今後は抑えていくことができるのじゃないだろうかな、こう思っておるところでございます。
○小野委員 一層の研究と、それに対する早急な決断を心からお願いを申し上げます。 委員長、私の質問に関連して、沢田委員の方が続きますので、お取り計らいをお願いいたします。
○小此木委員長 沢田広君から関連質疑の申し出があります。小野信一君の持ち時間の範囲内でこれを許します。沢田広君。
○沢田委員 それぞれの関係閣僚、総理を初めとして新たに就任されて初見参をするわけでありますが、お願いすることは、発言に責任を持ってもらいたいということをまずお願いをしておきたいと思います。 それから、国土庁長官の奥野さんは奈良ですが、今お住まいになっているのは神宮前ですね。大体時価どのぐらいのところだと思っておられますか。
○奥野国務大臣 私が昭和二十五年に購入いたしましたときには坪三千円でございました。今、千万、二千万ということになっているんじゃないかな、こう思っております。
○沢田委員 総理も地元と東京ということになりますが、今お借りしているところということになりますが、その点は大体どの程度の価格だと思っておられますか。
○竹下内閣総理大臣 大体一千万円程度じゃないかなというふうに承っております。
○沢田委員 各閣僚の方々を拝見しますと、大体地価の安いところの方々が皆、今大臣になられて、運輸大臣だけが東京ということのようであります。ですから、案外土地に対する感覚が鈍いんじゃないのかという気がしないでもないのでありますが、若干地価の問題について質問いたします。 先にこれは国土庁長官にお伺いしますが、土地の騰貴と投機というものをどういうふうに解釈をされていますか。
○奥野国務大臣 単に値上がりを予想してそれに資金を投ずる、そして値上がりを待って売り払っていってさや稼ぎをするということだろうと思っております。
○沢田委員 投機というのはやはりよくないことだと思いますか。
○奥野国務大臣 投機そのものは別に悪いことじゃないと思いますが、土地のようなものを投機対象にすることは許すべきではない、こう思っております。
○沢田委員 投機というのは、やはり上がることを目的として金を出すのですし、また国民なりだれかがその投機で利益を得ようという目的で行為をするわけですね。だから、この土地というものがいわゆる動産でない限り投機の対象とすることに合わない、日本の国土としては特にそういう条件にあるのではないか。だから、投機の対象とすべきものではないと考えるのが至当ではないかと思うのですが、いかがですか。
○奥野国務大臣 おっしゃいますとおり、土地は国民の活動及び生活の共通な基盤でございますから、これを投機対象にして揺るがすようなことは、国民全体に大変な迷惑をかけることでございますので慎んでもらいたいものだな、こう思っております。
○沢田委員 総理、そういう意味において、この土地の投機ということは国民の合意として行うべきものではない、そういう方向で、とりあえず方向でという言葉を使っておきますが、そういうことで臨むべきではないかと思うのですが、その点いかがですか。
○竹下内閣総理大臣 奥野大臣からもお答えがあっておりましたが、土地を投機の対象にするというのは好ましいことではないと私も考えます。
○沢田委員 好ましくないということは、ある程度いいということにも逆になるのでありますが、やはりよくないということでないと筋道が通らないんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○奥野国務大臣 投機というのは、将来を見通しまして行われる行為でございまして、将来を見通しましてこういうところにいろんな産業が立地していくことが適当だ、そのためにはある程度土地を確保しておかなきゃならない、同時に整備もしていく、こういうのもやはり一種の投機だと思うのです。それを否定するんじゃなくて、ただ土地転がし的に利益を追求する、そういう関係で土地を土地転がし、投機対象にする、これは許すべきじゃない、私はこんな感じを持っておるわけでございます。
○沢田委員 長期ならばある意味において投機も認められるが、短期は認められないという説と解釈してよろしいですか。
○奥野国務大臣 経済活動全体、投機を否定しますと発展がございませんので、そういう意味合いで、誤解を受けちゃいけないので余計なことを申し上げたわけでございます。とにかく土地転がし的な投機活動は否定しなければならないということでございます。
○沢田委員 私はあえて政府の方に、今日この土地が値上がりして大変困っておる、こういう国民が飢餓意識を大変持っておる、このことの認識は一致しますか、どうですか。
○奥野国務大臣 私も心配し続けている一人でございます。
○沢田委員 それでは、やはり投機取締法あるいは投機抑制禁止法、そういう名称は別でありますが、土地に対しては投機の抑制をしていくという制度を我々がつくる、こういうことの必要性はお考えになれませんか。もちろんこれは細かい細部の問題は別ですよ。いわゆる基本的な理念として土地の投機は禁止していくという方向で法整備を図っていく、こういう考え方については同意を得られますか。
○奥野国務大臣 国土利用計画法は、そういうことに配慮して制定されていると思うわけでございます。そういう意味で、監視区域でありますとか規制区域でありますとかいうような制度を設けているのだと考えております。
○沢田委員 では、政府の考えとしては投機はあくまでも抑制をする、今後こういう姿勢で、国土利用計画法及び政府の決めましたこの方針では投機的土地取引、こういう言葉をあえて使っておりますので、それを認めているがごとき表現でありましたので、あえてここで、投機を否認されるのかどうか、その点お伺いをしたということです。これは、総理も今お答えを聞いておりますから、速やかにその対応を図っていただきたい、こういうふうに思います。 続いて、これは若干ほかの問題にも関係してまいりますが、これは全部読むと大変ですが、いわゆる今年度、六十二年の公示価格から高いところと低いところを拾ってみました。一番高いのが中央区銀座の二千九百三十万です。それから十番目ぐらいまでが二千三百五十万です。それで今度は、同じく東京で低い方はあるかということで、東京の低い方も拾ってみました。これは住宅でいきますと、足立区で二十万から十九万。片方は二千九百万。いいですか。それから日の出町、だれかがいるような日の出町では五千五百円でありますね。それから今度は先生の奈良のところへいきますと、これは宇陀郡というのですか、奈良県のところでは二百三十円。奈良県の天理市の中で山田町へいって五百六十円。あと、一番低いなと思いますのが京都の船井郡のところで——もっと低いのがありますね、京都の亀岡で百八十七円。 これで大蔵大臣、ちょっと聞くのですが、これが同じように相続をした場合に、この価格の大体四割なら四割が相続価額ですね、これは公示価格ですから。首を縦に振っているからそういうことですね。そうすると、この価格の四割で相続していって不平等になると思いませんか。片方は一坪でも二千万超えてしまうのです。片方はこれで、倍数にしていったら二千倍以上の面積で同じ二千万の金額になるわけです。どうですか、これで不公平でありませんか。
○宮澤国務大臣 それ自身が不公平だとは私は思っておりません。つまり、それだけの価値があるということが仮に客観的であるといたしましたら、それを財産として受けるわけでございますので、それについての課税が大きいものは大きいということは、これはやむを得ないのではないか。土地の価格に一つの国の中でこれほど大きな差があるということには問題があろうかと存じますけれども、やはり評価の高いものについて高い相続税を払ってもらうということ自身は間違っておらないのじゃないかと思います。
○沢田委員 大蔵大臣に初め私が相続とは何だと聞いたときに、覚えておられるかどうかわかりませんが「さあ」、こういうことでありました。その後、それぞれ関係者から大変御発言があって、ようやく相続税について目を向けようとする。向けようとしたけれども、今までの二千万円の限度額でも、今十坪で完全に課税されるわけです。自分の住んでいる住まいそのものにも課税がかかってくるわけです。これはまた大蔵委員会でやるつもりでおりますが、土地として評価をした場合に、最低限度、まあ三分の一、二百平米ありますけれども、それにしてもこれはどうにもならない金額ですね。ですから、そうなると余りにも差があり過ぎやしないか。だから、その差があり過ぎるということについて認められるかどうか。まあ不公平だと私は断定しておりますが、例えば大臣の言うようなことであったと仮定しても、余りにも格差があり過ぎるということは言えるんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○宮澤国務大臣 ただいまの御指摘の問題でございますと、私は問題はやはりあるというふうに考えております。すなわち、ただいまの相続税の構造は大体昭和五十年に決まったままでございますので、その後土地の上昇が、殊に最近において大都会地におきまして著しゅうございます。そうなりますと、このままの相続税の構造を続けてまいりますと、恐らく今不公平云々と言われましたのは、地方においては親の残してくれた土地を相続することについて何の問題もないが、東京の真ん中でございますと実質上その土地に続けて住んでいけないのじゃないかという問題をきっと言っておられるのだと思いますので、それは御指摘のように小規模の割引はございますが、それでもきつくなっておりますから、そういう点に問題のあることは私も認めなければならないと思っております。 〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕
○沢田委員 認められたことは結構です。また、次に法改正をされて遡及する措置も講じるという答弁もなされました。しかし、今でも亡くなっておられる方はいるんですようちの中村さんのお母さんもきのうお亡くなりになったということを聞きまして、お悔やみを申し上げますが、早速中村さんは相続の問題に悩まなければならぬということになるわけです。同じように、国民の一人一人が今毎日その苦しみを味わっているわけです。 ですから、そんな気の長い話じゃなくて、緊急対策としての措置は、これは大蔵大臣のような気の長い人は別としても、竹下さんの方が長いのかわかりませんが、総理の方で何とかやはり当面の措置だけは緊急に講じておく必要があるんじゃないか。いつかはやりますという期待を持たしておいて、なかなかこれがない。六十三年、六十四年の税制改正でなければできないんだなんということでは、これは許されませんよ。そういう気持ちがあるならば、当面の対策はこうですという対策だけは講じてください。それが政治家ですよ。総理、ひとつお答えください。
○宮澤国務大臣 まず私から申し上げますが、ただいま申しましたように、今の相続税の構造が昭和五十年ということでございますから、これは実はかなり抜本的に改めなければ実情に合わなくなっております。と申しますことは、相当な財源を必要とすることでございますし、また政府がただいま税法の抜本改正を考えております資産、消費、所得という中で、これは一つの大きな資産部門でございますので、全体との関連もぜひ考えさせていただきたい。焦眉の問題であることは存じておりますが、他方でそういう問題がありますことを御理解いただきたいと思います。 そこで、現実には小規模の居住用あるいは営業用の土地につきまして二割、三割、四割というような割引をしておりますことは御承知のとおりでございますから、これを当面のところ適用していくということでございますが、少なくとも抜本改正のときには基本的に控除、税率等も改めなければならないと存じておりますが、その際に今お話しのようなこともございますので、ある程度の遡及ということは、ひとつ国会にお願いをして法制の中へ組み込んでいただかなければならないということは考えております。
○沢田委員 政治とはそういう長いものじゃないと思うのですね、きょうあしたと言う人もいるわけですから。今はNTTの株の利益も四兆九千億もあります、今年度の増収も二兆幾らあります、こう一方で言っておってその程度の暫定的な措置ができないなんて、そんなはずはないと思うのですね。それは、いかにも多数の上にあぐらをかいている答弁にしか我々には映らないのですよ。 それだけ国民が苦しんでいるなら、当面この程度だけは軽減しようじゃないか、これは暫定措置ですが御勘弁くださいというのが私は政治家としての姿勢じゃないかと思うのです。だから、大蔵大臣なり総理はその意味においてもひとつ誠意を示してもらうということが必要である、私はこういうふうに思います。そんな気の長い問題ではないと思う。それは暫定措置ですから、将来また変わるかもしれません。それでもいいと思うのですよ。しかし、このままを続けていくということは過酷過ぎると思いますが、いかがですか。
○宮澤国務大臣 相続税の問題をどうすべきかということは、実は昨年の税調の答申にもございまして、いろいろ財源等を考えました結果、今年国会に御提案をいたさなかったわけでございますが、一年おくれではどうしてもしなければならないと思っておりました。したがいまして、抜本改正のときにはひとつ御提案を申し上げたいと思っておりまして、ただいま十二月でございますが、その際何とかできるだけ今言われましたような問題に近づけるような遡及の方法はないかということを、実はあれこれ検討をいたしたり各方面の御意見を伺ったりいたしております。
○沢田委員 それがいわゆる閣僚答弁というか官僚答弁ということなんだと思うのです。政治家の答弁はもっと生々しくていいんじゃないですか。きょうも次々に亡くなっている人がいるのですから、そのときに緊急な対応を——やはり災害があれば災害で吹っ飛ぶでしょう。今の国民にとってみれば同じじゃないですか、そのことによって悩み苦しまなければならぬのですから。それに対応する措置を何とかとりますぐらいの答弁ができないようだったらやめてくださいよ。少なくとも暫定的な措置は何とか考えますというぐらいなことは国民に訴えていくのが、土地国会を持っている政治家としての使命じゃないかと私は思うのですよ。それは総理なり大蔵大臣、今までの慣用語でここを免れようとするなんてことはもってのほかだと私は思います。 〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕
○宮澤国務大臣 御指摘のことは政府としてもわかっておるわけでございますが、事柄はやはり程度問題であろうと思います。客観的に申しますならば、東京の中心に仮に百坪あるいは百平方メートルでもよろしゅうございますが、土地を持っておるということは、これは相当な財産を持っておるということでございます。それを全部相続税で取るというようなことを言っておるわけではございません。何割かの割引をして課税をしておる。それが、最近の高騰によって相当評価が高くなっておるということは事実でございます。事実でございますから、それは一定の時間を見て調整をいたしますが、そういう非常に大きな財産に対して相続税そのものを課税するということが社会正義に反しておるというようなふうには、私ども考えておりません。
○沢田委員 だから、やはり安いところにいる人の感覚、あるいはそういう場合に対応したときの感覚がその鋭さだと思うのです。財産という言葉を隣でも言っておりましたが、そういうものではないのですね。税務署が勝手に、あなたのところの価値はてれだけですよと、自分の意思じゃないのです。国の権力によって価格を決めて、そしてその生活程度とかそういうものは全然無視して、その中のあなたの相続はこれだけですよと割りつけて調達をしていく。まさに徳川幕府のやり方と変わりはない。 だから、そういうことに対してのやり方だから、今の緊急避難的な措置というものはやはり何とか講じてほしい、それが政治じゃないですか、災害と同じじゃないですかということを言っているわけですから、その点、六十三年になって何かと言って気の遠い話をしているものではないんですよ。何とかその辺は、あなたは副総理なんですから総理の答弁と同じなんだと思うんだが、もう少し政治家としての発言を、土地国会としてはあしたかあさって閣僚会議でも開いて、そして何とか暫定措置は講じます、それでできなかったらできなかったでまた答弁してください。それは国民が今度は心配しますから、一応そういう対応で諮ってみていただけませんか。
○宮澤国務大臣 まず申し上げなければなりませんのは、評価というのは政府が何か大変に勝手に恣意的にやっておることではないことはもちろんでございます。 それから次に、居住用の土地につきましては、小面積のものについては特に減額をしておるということも御承知のとおりでございます。 第三に、租税法定主義でございますので、これを行政の判断で変えることは御承知のようにできません。立法を必要といたすわけでございます。ございますが、そういたしますとやはり根本的な改正というものがございますものでございますので、総合的な判断からできるだけ早くはいたしますが、考えさせていただきたい。そこまで申し上げることもあるいは出過ぎかもしれませんけれども、それだけ高い土地を持っておられるという立場から申しますならば、これはある程度金融的にも対応のしていける価格の財産でありますことも事実でございますので、これは余計なことかもしれませんけれども、そういうことも考えながらできるだけ早く調整はさせていただきたいと思います。
○沢田委員 これは総理、これ以上今の段階では無理なのかもわかりませんが、しかしこれは国民の期待しているところでありますから、特に善処されることを期待して次に入ります。 今国土庁で、東京都も百平米までを監視区域にしていますね。その後はゼロなんですね。これもまた問題があるんじゃないかと思うんですが、どういうふうにお考えになっておられますか。
○奥野国務大臣 御承知のように、百平米以上の土地の取引については届け出をしていただいているわけでございます。百平米未満の土地の所有者は、全体の所有者の三割から四割ぐらい占めているわけでございます。しかし、百平米以上の土地の取引につきまして監視の目を光らせていけば、大体土地取引の傾向を誘導していくことができるんじゃないかな、こう思っているわけでございます。
○沢田委員 質問は違うんです。これはさっき出された書類で申し上げますと、百平米の区域がずっとあります。これは先ほどのをお借りしたわけですが、次はゼロなんですよ。下平米でも二千平米でも構わないのです。そうではなくて、これだけ高騰が傾斜しているわけですから、百の次は二百あるいは三百なり五百なり、あるいは千なりと、傾斜的な規制とは言えませんが監視区域を広げながらその均衡をとっていく、そういうことでないと、片一方の買いかえはその線のすぐ隣へ買いかえが行われることは、これは御承知のとおりでしょう。ですから、そういうことを防いでいきますためには、どうしてもその次をやはり二百にする、その先は今度はじゃ五百にしましょう、そういう感覚が必要なのではないか、こう思いますが、いかがですか。
○奥野国務大臣 東京都の市街化区域全域、百平米以上は届け出を要するようにいたしております。さらに神奈川県、千葉県においても監視区域を設定しておりまして、高騰のおそれのある地域につきましてはさらにその監視区域を広げるという準備をしたりしているわけでございまして、御指摘のような運用に心がけでおるところでございます。
○沢田委員 心がけるのではなくて、これは実行してもらいたいと思うのです。そうでなかったら、いわゆる底抜けになってしまう、こういうことです。 それから地上げ屋の問題で、これは国税庁関係になりますが、浜松町のあるところで、とりあえず地主さんをAならAとしておきますと、七日後にBにいっている。また、三日目にはCという業者にいっている。それで今度は、三十日後にはDにいっている。土地は千五百万ぐらいなものが、結果的には坪三千万から四千万になっている。これを要すれば地上げ屋、こう言っているわけですね。国税庁と国土庁の方では、こういう事実についてどういう感覚でおられますか。
○伊藤政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生がおっしゃいました具体的な地区につきましての詳細は承知しておりませんけれども、一般的に譲渡課税につきましては、私どもも従来から重点的な調査対象等にしております。したがいまして、関係する資料につきましては可能な限り収集いたしまして、その中で課税漏れの疑いのあるようなもの等については重点的な課税を行っていくというふうな取り組みをしております。 特に、先生おっしゃいました短期の取引というものについて十分なる監視をしろという御趣旨かと思いますけれども、私どもといたしましても、そういった短期的な取引についても十分な監視といいましょうか、資料収集に努めてきておるというところでございます。
○沢田委員 予定の時間が過ぎてきて、また午後に関連の関係についてはありますが、国土庁長官、いわゆる短期の譲渡というものがいかにこの世の中に害毒を流すかということで、私の結論を言えば、当面、当分短期は禁止をしていったらどうか。短期というものは脱税の温床にもなる。しかもこれはみんな仮領収書を発行して、それで一〇%ずつ全部経費を出して、立ち退き料も経費で落として、そしてそれを全部所得として課税をしているわけですね。ですから、またその次の人にいったときにはダミーがまた同じように仮領収書を発行して、結果的にはそのBならBという第一番目のところへ戻っていくような仕組みで、これが五段階なり四段階回っていって経費を落として税金を少なくしている。こういうやり口は、どんなに国土利用法をやっていってみてもなかなか難しい。だから余りにも短期な、土地というものは御飯と違うのですから、ライスカレーを食うのとは違うのですから、結果的にそう短期に、三日後とか七日後に動いていくなんということはやめさせるような措置が必要であると思います。このことの御返事を聞いて、あと午後に回したいと思います。
○奥野国務大臣 御承知のように、大事なところでは既に監視区域の指定をしておりますので、土地の取引については届け出をしてもらわなければならない。公示価格を基準にいたしまして、異常に高い取引につきましては行政指導を行っておるわけでございますし、話がまとまらぬ場合には勧告措置もしているわけでございます。勧告を聞かない場合には公表という措置でございますけれども、公表にまで至った例はございませんので、行政指導で十分抑えていくことができるのじゃないかな、こう思っております。同時に、十月からは超短期の譲渡所得に対しましては大体九〇%ぐらい税金をもらってしまうことになっておるわけでございますので、短期で転がしても妙味がなくなってきているということが実態だと思います。そんなことから、不動産業者の中には倒産に追い込まれているというところも出たりしてきているようでございます。いずれにいたしましても、土地転がし的な行為に対しましては厳しい姿勢で臨まなければならない、こう考えておるところでございます。
○沢田委員 半分で残念ですが、午後にまたやります。 終わります。
○小此木委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。沢田広君。
○沢田委員 先ほど相続税の問題で御配慮いただくようにお願いをいたしました。それはひとつぜひよろしくお願いいたしたいと思います。 ちなみに、これは細かい点でありますが、百万円の土地のところを例えば百坪持っておる場合、総体でいきますと、例えば相続価額が公示価格の四割になった。で、総額が一億になった。その場合五〇%ですから、いろいろな経費は引かれますけれども、アバウトに言って五千万である。死ぬ前におやじさんはギャンブルかなんかに凝っちゃって五千万借金しちゃったというと、これは五千万は当然差し引かれるということになると思うのですが、そのとおり解釈してよろしゅうございますか。
○瀧島政府委員 五千万円の借金が残っておりますと、それは相続財産の価額を計算いたします場合に控除することになります。ただし、五千万円全部賭博に使わないで一部現金で残っておりますれば、当然その部分は相続財産に入るということになっております。
○沢田委員 賭博という言葉で申し上げたのは、その支出証明は必要ないというふうに考えたから賭博を例にとったわけでありますが、もちろん他に預金しておくとか国債を買えばそれは残るわけですから当然対象となる。しかし、競馬とか競輪とかそういうものについてはなかなか証明しにくいからそれはそれで消費として認められる、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○瀧島政府委員 借金が襲っているということについては、きちんとした証明がなければこれは債務控除の対象にはなりません。あと、賭博について損をしたと主張される、しかし現実にはもうけたという場合には、それは課税価格の中に当然入ってくるわけでありますが、そこはそういう悪い心を起こされた納税者の方と税務当局とのいわば知恵の出し合いといいましょうか、調査力がまさるかあるいは隠す知恵の方が上回るかということに事実上なるわけでございます。ぜひそういうことのないように御指導をお願いしたいと思います。
○沢田委員 これ以上は、また別な機会に詰めることにいたしたいと思います。 これは大分前、五十六年の会計検査院の指摘でありましたけれども、今国鉄再建で運輸省も大変努力されているわけでありますが、「上越新幹線建設に伴い取得した併設道路用地の費用の回収について」というのがありまして、その中に「取りあえず公団は、これらに要した費用は将来関係市町村が負担することを前提とするなどの覚書等を取り交わし、詳細については引き続き協議することとして買収したものである。」こういうふうに会計検査院の方で指摘したと思うのですが、まずその事実についてお答えをいただきたいと思います。
○丹羽政府委員 お答え申し上げます。 五十六年度の決算検査報告ということで、ほぼ同趣旨の内容を公団が受けているということにつきまして聞いております。
○沢田委員 今日までこの会計検査院の指摘が何ら前進しない、あるいは何らこれが解決していないという責任は、閣僚の中でどこが負うのですか。
○丹羽政府委員 先生御指摘の問題につきましては、上越新幹線の併設道路の問題であると認識しておりますが、これにつきましては、関係市町村がこの当時二十八市町村ございましたが、現在まで公団が協議しました結果、高崎市を除きましてすべて地元との間で協定が調いまして、既に譲渡を行い、あるいは協定が締結して譲渡中という、そういう段階になっております。
○沢田委員 段階になっているとか、ほぼとか、こういうふうに言われたのですが、これはもう当局は今度は運輸省の管轄になると思うのでありますが、要すれば会計検査院の権威というものが一つあると思うのですね。だから、こういうふうに指摘をされた後の取り扱いが不完全に処理されるということであれば存在そのものが問われる、こういうことになるわけでありますので、その点はどういうふうに具体的に解決の方法をとったのか、その覚書の実施状況はどうであったのか、その点お答えをいただきたいと思うのです。
○丹羽政府委員 ただいまお答えしましたとおり、二十八市町村のうち二十七までのところはすべて譲渡協定ができているわけでございます。それで残りましたのが高崎市ということでございますので、そこの高崎市につきましては、今年の四月一日以降は新幹線保有機構というところがこの施設を引き継ぎまして、高崎市と鋭意ただいま協議を行っている、こういう段階でございます。
○沢田委員 だから、会計検査院の方は五十六年から今日に至るまでまだ最終的な結論を見ないでいるということが一つ。 で、清算事業団おいでをいただいておりますが、清算事業団としては国鉄の債務をいわゆる償還、返還をする義務を負っているわけであります。言うならば、どこかの隅でも一坪の土地でもできる限りこれを確保して借金に充てたい、こういうところで努力されているだろうと思うのでありますが、この問題についてはどのように理解をされておりますか。
○杉浦参考人 今先生おっしゃいましたように、旧国鉄から清算事業団に引き継ぎました土地につきましては、現在一生懸命その処分のあり方につきまして、また処分自体について検討しておるところであります。 ただいま先生の御指摘の上越新幹線にかかわる土地の問題につきましては、これは今運輸省から御答弁申し上げましたように、新幹線保有機構の方に財産が譲られておりまして、そこで手当てをしているというのが現状でございます。
○沢田委員 そうすると、さっきの覚書の中でどういうふうに、金銭の授受が行われたのですか、それとも行われなかったのですか。
○丹羽政府委員 お答え申し上げます。 関係の市町村と当時鉄道建設公団でございますが、この併設道路の問題につきましては協定をそれぞれ結びまして、高崎市は別でございますが、既に全額対価を受け取ってその所有権を譲渡している、そういう市町村と、それから分割払いになっておりまして、現在まだ分割中という市町村とございます。高崎市以外につきましてはすべてそういうことでございます。
○沢田委員 これはこの問題が主体ではありませんけれども、やはり一番我々が注意しなければならないことは、自分の土地と人の土地、言うなら公の土地もそうなんでありますが、当事者になってみると、人の土地のときには案外痛みを感じないのであります。割合適当におっつけるということが多いのであります。自分の土地だったら、これはもう一本の境界ぐいの境でも頑張るというのが大体人情で、世の中の通常であります。官庁の場合には、こういう今の答弁のように五十六年以来極めて遅々たるものであって、これは建設の方も関係するのでしょうが、極めて不誠意な実態になっておるということで私はあえてこれを取り上げたわけでありますが、これはこの程度で、特に指摘だけしておきますね。こういうことは余りよくないですよということで指摘しておきます。 続いて、今国鉄の持っている債務と、それから土地の売り払いです。これは国土庁も関係します。もし現在の入札価格でいきますと大変な金額になる。各市町村は、もっと低額でいわゆる優先譲与をしてほしい、こういう希望があります。そういうことを含めて、主として首都圏にあるものが現在ペンディングされている、こういう状況にあると思いますが、概括的に言ってそういう状況にあるんだということで、まず、その解釈については意見一致しますか、どうですか。これはどこですか、運輸省、清算事業団。
○杉浦参考人 国鉄事業団の土地の売却につきましては、今おっしゃいましたように地方公共団体に対する随意契約といわゆる一般公開入札、この二通りございまして、法律的には公開入札を原則とし、随意契約は例外的に条件をつけましてこれを認めている、こういう状況でございます。この前の閣議決定の線に沿いまして、私どもはこれから売却を進めてまいりたい、こう思っております。
○沢田委員 結論的に、これは総理に申し上げることになるのですが、今のこういう土地の状況にかんがみますと、入札でいくよりやはり三分の一ぐらいは下げなければいかぬのではないか、三分の一ぐらいにしなければならぬのではないかというのが多数の意見のように聞き及んでおります。 そこで私は、清算事業団は借金を負っておるわけですから、借金の方はでは棒引きというわけにはいかない。といって、売る値段は安くしなければならないということになりますと、ここは自治大臣の協力も大蔵大臣の協力も仰ぐわけですが、三万一両損で、国鉄の方も三分の一返済、三分の一は国債で考える、三分の一は地方債で考える、こういうことで地価の安定を図っていくという方向は、これは一つの私の私案でありますが、考え方としていけないかどうか。 なお、念のためですが、今国債の売買は一千兆を超えるという、これは売り買いの両方合わせてでありますが、状況でもあります。ですから、そういう現状をあわせ考えれば、その程度のものは、NTTもありますし増収もあるわけですから、それらを勘案すると、土地の価格を下げ、同時に債務も三分の一下げ、そして地方の負担も三分の一下げる、こういうことは一つの方向として考えられないかどうか。この点、国鉄の用地払い下げで早く借金の返済をしながら国鉄再建に向けて努力しなければならぬ、こういう状況にあることも含めて、これは建設大臣になりますか大蔵大臣になりますか、関係するところ多いわけですが、では清算事業団から聞いていきますか、そういう案はどうですかということを言っておるのですから。清算事業団がだめだと言えばだめでいいですから。
○杉浦参考人 私どもの仕事は、法律に従いまして、長期債務たくさん抱えておりますが、これを返済し、その原資といたしまして土地を売却する、こういう仕組みになっております。決められましたその仕組みを確実に実行するというのが私どもの仕事でございますので、それ以上の政策論の問題は政府に御答弁願いたいと思います。
○沢田委員 自治大臣どうですか。自治大臣の方はこれを、今私が申し上げたように、のどから手が出るほど欲しい、しかし高過ぎる。だから、少しは安くしてほしい。だから、三分の一は地方債でひとつ見てやろうか、三分の一はまた国債で見て、三分の一で引き取ることぐらいが一応適当ではないか、こんなふうに——もちろん地域によっても違いますから若干のでこぼこはありましょうが、そういうことも一つの方向ではないかと思うのですが、この点いかがでしょうか。
○石原国務大臣 自治省、大蔵省にもまたがる案件だと思いますし、また大変思い切った御提案でもございますが、今杉浦理事長が御説明しましたように、事業団としましては一刻も早く、一銭でも高く売って国民にかかってくる負担というものを軽減しようということで努力をしているわけですが、一方、土地の高騰という状況が到来しまして、二律背反で呻吟しているわけでございます。いずれにしろ、土地を今売るなという方も、一円でも高く売れという方も、ともに国民の負担を考えての御発言であるわけで大変苦労しているわけですが、結局今の御提案ですと、また新規にその負担を公共団体を通じて国民にかけるということになりかねないので、私は、大変失礼ですけれども、余り起死回生のホームランにはならないのじゃないかという気はいたしますが、また各省それぞれ意見があると思います。
○沢田委員 じゃ何があるのかというのがその次になるのですが、これは時間の関係で、私はその辺が結果的には泣きどころじゃないかというので申し上げたわけです。じゃなければどっちかが泣かなければならぬということになるだろうと思うのです。 そこで、国土庁長官にこれはお伺いするのですが、大阪は大体これはOPと言いますが、大阪湾の水位から十八・五六だと思いました。それから、東京は荒川の堤防で十五円五十六銭、こう言うのですが、十五メーター五十六センチがいわゆるTPになるわけであります。ですから、それ以下のところは全部内水面現象が起きることは当然の帰結になるわけですが、御承知でしょうか。
○奥野国務大臣 詳しくは承知しておりませんけれども、都心から避けてもう少し高地なところへ発展を図っていくという意味合いで御議論いただいているものだと理解しております。
○沢田委員 だから、それが理解をされていると、今までのような発言にはなってこないのじゃないかというふうに思うのです。 これは経済企画庁が出された「社会資本整備の新たな展開 二十一世紀へのシナリオ」、これを参考にちょっと見てください。 そこにありますように、大阪も淀川と大和川の水位の下に全部都市があるのです。それから東京も、これは江戸城のつくり方がそうなったわけでありますが、荒川にわざわざ横堤を二十六もつくって、はんらんは全部埼玉なりその他へ起こして東京を守ろうということでつくられておる。だから、十五円五十六銭のこの堤防高以下のところは常に東京湾に——東京湾の水を全部なくせば別ですが、太平洋の水をなくさない限りは湛水するというのが将来起きる現象なんです。だから結論的に言うと、十五メーター五十六センチ以下のところへ都市の再開発をすることは、ざるに水をくむようなことになるわけであります。今までそれを延々と皆さん方は主張されてきたわけでありますけれども、もし二十一世紀を考えていって都市づくりをするとするならば、そこは田畑にして十五メーター五十六センチ以上に新都市をつくっていかなければ、それは本当の将来の展望にならない、こういうふうに思いますが、その点、国土庁長官あるいは総理、ひとつ御意見を伺わせてください。
○奥野国務大臣 御指摘ございましたように、低いところに市街地が展開してまいりますことは防災上いろいろ問題があるじゃないかというふうには思います。同時に、科学の進歩も日進月歩でございますので、それに対応しながら、防災的な措置を十分に配慮しながら市街地を守っていくことも可能になってきているんじゃないかな、こう思っております。 都心に集中を避けて、御指摘のような方向に展開することも一つでございますが、今は多極分散といいましょうか、東京都の場合には七つの副都心をつくりたいということで努力しているようでございます。したがいまして、そういう方向で発展を図っていく、都心一点集中を避けていくというような方向でございますと、大体御理解いただけるのじゃないかなというふうに思っております。
○沢田委員 科学が幾ら進歩したって、太平洋の水をくむわけにはいかないんだし、東京湾の水をくみ出すわけにはいかないんですからね。この厳然たる事実は否定することはできないんですよ。それは言葉で濁したってだめなことなんです。もっと率直にその事実の上に立って新たな都市構造というものを考えなければ、国土利用を考えなければならぬ時期に来ていることだけは間違いないんですよ。 そういうことで、てにをはでごまかそうとはしないで、その点はきちんと、今の大阪の方はわざわざ経済企画庁もそういうものをつくっている、東京も同じような状況になっている、そういう事実を踏まえて、今すぐ変えると言っているんじゃないんですよ。しかし、そういう展望をきちんと持って都市構造なり都市建設というものをしていかないと、いつになってもそれは開発にならないということを指摘したかったわけでありますから、その点はひとつ明快に——今ここですぐ急に百八十度変えてやりなさいと言っているんじゃないんです。しかし、そういう認識を前提としなかったら、大東水害であろうと多摩川水害であろうと、それは判決で勝ったからいいやで済まされる問題ではないということを申し上げたかったわけなんで、この点はきちんと答弁してください。
○奥野国務大臣 御質問を伺いながら、東京湾の開発もやっているものでございますから、余り正面からそのとおりでございますと言うと東京湾の開発をやめなきゃならぬことになりますので、そういうことも踏まえながらお答えしたわけでございます。御注意ごもっともと理解してまいります。
○沢田委員 だから、もし必要ならば東京湾の開発も留保して、群馬なり栃木なりに持っていくことも考えられるでしょうし、あるいは時には東京都の都庁の移転も思い切って三多摩の方に持っていって、やめるということもあるでしょう。そういう一つの先見の明を持たないで、その場その場を繕ってやろうという政府の姿勢が将来に禍根を残していっているのが今日までの実績なんですから、やはり政治に携わる者は若干の、それは当面の利益がどうであろうと、将来をきちんと展望した対策が必要であるということを申し上げたかったわけであります。 極めて時間が少なくなりましたけれども、後でまとめて総理にその点は見解をお聞きをして、先に行きます。 先般、同僚の小川議員も質問されましたけれども、最上恒産などの問題についても、いわゆる地上げ屋として幾つも幾つもダミー会社をつくって、今捜査の手が伸びているわけでありますけれども、出してきた金融機関への取り締まりといいますか、監督というものがやはり基本になるだろうと思うのですね。これは生命保険も同じであります。この金融、この前の報告では四十兆、これは十万三千社の不動産会社だけに貸した金なんであります。それ以外のところの名目で出されたものは含んでない金額であります。ですから、それを加えましたら、恐らく百兆を超えるんじゃないかと思うくらいであります。ですから、そういう金が出たことによって土地のインフレというか、これだけの地上げが起こったわけでありますから、その点はひとつ厳重な点検、指摘それから対策、これをきちんととってもらいたい、こういうふうに思いますけれども、これは大蔵大臣の方から対応をお聞かせいただきます。
○宮澤国務大臣 既に昨年、各金融機関に対しまして二度にわたって通達をいたしたところでございましたが、今年になりまして御指摘のようなことが非常に目につくようになりましたので、七月からいわゆる特別ヒアリングというものをいたしました。これは地域を限り、土地の高騰の著しい地域、しかもそれに関与したと思われる金融機関を招致いたしまして、かなりいわば立ち入りましてヒアリングをいたしました。 その結果といたしまして、金融機関においても今後このようなことをさらに自粛するという意味で、この種の融資についての管理なりあるいは審査なりを本店、中央機構において行うことにもなりましたし、またそのヒアリング等々の結果、急速に金融機関のいわば問題であると思われましたような融資態度はかなり変わったように存じます。夏を過ぎまして融資残高の伸びが少しずつ鈍っておりましたが、九月になりまして全国銀行の土地関係の融資残高は、八月よりも実額で三千億円ほど減りました。かなり顕著に事態は改善しつつある。今後とも手を緩めませんで、ヒアリングなりあるいは銀行検査なり対策を強化してまいるつもりでございます。
○沢田委員 もちろん今こういうふうな状況にありますから、のど元過ぎれば熱さを忘れるで、この土地国会が終わってまた閉会になりまして、来年度の予算編成なんかに入ってきますと、また思い返したようにこういう波というものは来るものであります。ですから、そういうことを考え合わせながら、今三千億少なくなったからなんというのは、これはだんだん戻ってくる時期に来ているからそうなっただけの話であって、一応出すのを手控えている状況は認めますよ。しかし、だからといって油断できる状況にあるとは思いません。ですから、その点は今後の姿勢としてきちんと対応してください。 次に、国土庁長官、さっき百平米、二百、三百と、こう言いましたが、これは次の段階へ広げていただくことは間違いありませんか、どうでしょう。
○奥野国務大臣 東京都の場合も、五百平米から始まって三百平米、百平米と下げてきたわけでございます。地価高騰のおそれがそれほどでないところは比較的面積の大きいところから始まるだろうと思うのですけれども、高騰のおそれが強まりますとだんだん下げていくということでございますし、監視区域を設定しますと、その監視区域の外の方に向けて土地取引が進んでいくようでございます。そこでもまた高騰のおそれがあります場合にはさらに監視区域も広げて指定する、そういう対応をしていくということで準備を各地方団体もやってくれているようでございますから、お考えに沿った運用になっているのじゃないかな、こう思います。
○沢田委員 そうじゃないですね。百平米以下ゼロなんですから。百平米以下ゼロなんですよ。それでは、さっき私がわざわざ地形まで述べて、将来のあるべき都市建設の方向というものが全然配慮されていなければ、また内水面現象を起こし、河川のはんらんを起こし、常にそこに問題を起こすことをみずからが行っていることになってしまうのですよ。ですから、もう少し水害のない、あるいは環境のいいとわざわざ国土利用計画法も言っているわけですから、そういう展望を持った監視区域をつくっていかなければ何にもならないのですね。結果的にはざるに水をくむようなことになってしまう、こう申し上げているわけなんです。 そこで、運輸大臣にも時間の関係で言いますが、私は、そういう百万都市なり二百万都市を何カ所かつくっていく中で、そこから通勤新線で東京へ通える状況をつくるということがこれからのあるべき都市構造ではないのか、国土利用ではないのかというふうに提言を常日ごろしているわけです。運輸大臣もユニークな人ですから、ひとつ思い切って、総理大臣になったつもりでここで展望をお聞かせいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 先ほど御答弁申し上げたと思うのですけれども、東京都内の市街化区域は、全域にわたって百平方メートル以上の土地の取引を行いました場合には必ず届け出をしなければならないことになっております。状況の変化に応じまして、さらに監視の程度を進めていくということは検討してまいります。
○沢田委員 それはごまかしてもだめなんでね。そこはちょっとしっかり答弁してもらいたい。さっき地形をわざわざ言ったでしょう、そこは水につかってしまう場所ですよと。そういうところに住宅をつくらしていってみても、結果的にはざるに水をくむようなことになってしまいます。もっときちんとした将来の展望を持った国土利用というものを考えるべきではないですかと言っているわけですから、水につかるようなところはなるべく監視区域にしながら注意をして、都市計画あるいは建築基準法でも十分に配慮しながら対応していくということが必要ではないのか。どうも言葉で濁して、時間がたてばいいやといった姿勢もありありと見えるような気もしますので、運輸大臣ももう答えたくてしょうがないでいるようですから、運輸大臣、答えてください。
○石原国務大臣 おっしゃいますとおり東京圏の北部、北東部というのは交通網が少しまばらでございまして、そういう点で、これからそれが整備されますと、新しい通勤圏、住宅地として非常に潜在能力のある地域でございます。既にこの間も、土地問題の関係閣僚会議でも奥野大臣から、やや宙ぶらりんになっております筑波学園都市を補充するためにも常磐新線をできるだけ早期に完成してほしいという御要望もありましたし、それだけではなしに、在来線の複線化とか、地下鉄の七号線ですか、あれの延伸、そういったものも含めてできるだけ早急に新しい都市の交通体系というものを整えていくつもりでございます。
○沢田委員 あとは総理からひとつまとめてお答えいただいて、時間で切れるのは残念ですが、あとはまた別の機会に譲ります。総理から、ひとつまとめてお答えください。
○竹下内閣総理大臣 沢田さんの御主張というのをずっと整理してみますと、都心部への一極集中を是正して、よく言われます多極多圏域の地域構造の形成を図っていく。そこに、内陸部におきまして業務核都市というようなものを育成するという、確かにそういう計画もあるわけでございます。かといって、しかし臨海部におきましての都心部に近いところで、しかもいわゆる開発余地、余った土地のあるところがある。これを否定するものではないが、基本的に業務核都市育成というような思想は私どもも賛成でございます。 なお、それに対する鉄道等の交通アクセスの問題は、石原運輸大臣からお答えしたことに私も賛成であります。
○沢田委員 終わります。
○小此木委員長 中村茂君。
○中村(茂)委員 最初に、委員長に要請というかお願い申し上げたいというふうに思うのですが、私ども、日本社会党、公明党、民社党、社会民主連合四党で土地問題について真剣な討議をした結果、国土利用計画法の一部を改正する法律案をこの臨時国会が始まった二十七日の日に提出をしたわけであります。 内容を簡単に申し上げますと、一つは、規制区域を指定する第十二条、今の法律内容では、地価の急激な高騰及び投機的な取引、二つ重なっているわけですけれども、それを「又」にして、どちらがそういう状況が出ても、いわば急激な土地の高騰または投機的な取引、こういうどちらが出てもこの指定ができるようにひとつしようではないか、そして地価の高騰、土地の投機的な取引を防止していこう。 二つ目には、今回の地価の高騰は、金融の過剰投資が投機を起こしてきたということが言われるわけですけれども、この国土法と金融機関の土地投資に対してのつながりをきちっとつけようではないか。 それから三つ目には、国土利用計画法は先般の改正で、地価の形成について配慮する、配慮規定になっているわけですけれども、きょうもずっと論議されていますように、国鉄用地を含めて公共用地については都市の計画利用、こういうものに有効的に活用すべきだという意見が強いわけでありますけれども、地方公共団体をそういう都市計画なり利用計画の中に組み入れていく、その協議の場をつくるということを前提にして改正をしたい。 それから四点目には、今の国土法は遊休土地の問題を規定しているわけでありますけれども、その遊休土地が依然として遊休土地で、利用に活用されている面が非常に少ない。それはあの当時の法律からいくと、開発される部分についての遊休土地という概念がありましたから、その指定区域が非常に広い地域になっている。それをもう少し細分化して、遊休で遊んでいる土地は有効に利用できるようにしょうではないか、こういう改正点を出しているわけであります。 ところが、議院運営委員会に出したままでいわば凍結、国会の言葉で言えばつるしになっているわけであります。この重要な国会、土地国会というふうに言われる中で、私ども四党が本当に協議を積み重ねて、土地対策についてこれぐらいな法改正をして土地の供給安定を図っていきたい、これがそのままだということは非常に残念でたまりません。理事会などでその取り扱いについて十分審議して、私どもの意に沿うような方向を出していただきますようお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
○小此木委員長 おっしゃるとおり、その法案は現在議運において審議中でございます。したがいまして、そのいろいろな手続を経て当委員会に付託されましたら、各党の理事といろいろと諮りまして、理事会で取り扱いについて協議することにいたします。
○中村(茂)委員 よろしくお願いいたします。 十一月二十五日の日に本委員会が現地視察を行いました。私もそこに参加させていただいて、浜松町の世界貿易センターの四十階の展望台から地上げの状況、それから汐留旧国鉄駅の跡地の状況など見せていただきました。私自身はその前に、十一月の初旬に新宿地域の地上げの状況なども見せていただきました。 そういう状況の中から、あの展望台からずっと見て、私は二点ほど感じたわけであります。もう歯の抜けたようになっている。しかし、歯の抜けたようになっているのが、一つのビルなりそういうものの建つところにはまだなっていない。本当にコの字型みたいなところが非常に多くなってきている。こんなに東京も荒れてしまったかな。どうしてこういうふうになってきたかといえば、やはり地上げ行為とかいろいろな問題がありますけれども、都市計画というものが非常に不備だ、もっと極端に言えば、なっていない。ヨーロッパのそれぞれの例などを見ても、もっともっと都市計画というものをきちっと立てて、そういう中で土地の利用というものがそれに合って行われていくというシステムにしなければ、あの荒れた土地が今度はどういうふうになっていくかという非常に強い心配がそこに生まれました。 二つ目には、これだけ荒れ果てたところで、特に東京二十三区の中で、我々人間が本当に住環境が整備されて住めるような住宅宅地が供給されるだろうか、こういう心配をしたわけであります。 そういう心配をしながら、竹下総理が自民党の総裁に立候補されるというかそのときの竹下登著「素晴らしい国・日本世界に開く「ふるさと創生論」」全文、ここにあるわけですけれども、これをずっと見せていただきました。その中にこういう項がございます。「東京も「ふるさと」——土地対策」、そしてその百二十八ページの冒頭のところに「都市に住む人たちにとって、最大の問題は、どのようにして自分の家を持つかということではないだろうか。都市住民にとって、今のような土地の暴騰は一生働いても家を持てないということを意味する。そうであってはいけない。「わが家」を持てるような政策を実行することが重要である。」 今、現地視察したりそういうところの印象を私申し上げたのですけれども、こういうふるさと論の中から、東京都も一つのふるさとだ、その土地対策ということで、この中に出ていることは私も全く同感です。もう自分の住める土地——ところが、ここのところ土地がこのように暴騰して、一生働いても本当に土地が、こういう住宅が持てるだろうか。そういう状況とあわせて、総理のお考え、いかがでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 まず最初に、お答えに入る前に、中村先生の御母堂が御逝去されましたことに心からお悔やみを申し上げます。 今の基本的な考え方でございますが、私もその考えを等しくしておるものでございます。どちらかといいますと、ふるさとといいますと、例示を一つだけ申し上げますと、私が大蔵省に入りました二十五名の新入の諸君に、ふるさととは何ぞやというアンケートを出しましたら、地方出身の人は、例外なくウサギ追いし山、小ブナ釣りし川、こんな自然環境であります。それから、東京の方は、大体あの広場でけんかした思い出、あの先生おっかなかった、隣のばあちゃん優しかったというような人間関係であります。 そこへもってきて、東京都知事の鈴木先生の言われるマイタウン東京というのが出てまいりまして、そこで、東京ふるさとというのをそれなりに掘り下げでみたときに、私は、やはり住環境と申しましょうか、そういうものに気がついて、あれは書きおろしの本でございますので、その後また複合住宅なんというようなものも考えてみたりしておりますものの、基本的な考え方が書きおろしの中でも幾ばくかにじみ出ておる、こういう御理解をいただければ幸いであります。
○中村(茂)委員 この現地視察のときに、続いて大川端再開発地域を見せていただきました。相当進んできているようであります。これは、私が申し上げるまでもなく大都市の再開発ということで始めている事業でありますけれども、そこのところで半分ぐらいでき上がっていますから、都営住宅はでき上がったら賃貸家賃はどの程度になるのですか、五万五千円です。その隣のところに住宅整備公団が建てている建物、これができ上がったら家賃はどのくらいになるのですか、平均して十八万円です。その隣の方に三井建設が民活ということで建物を建てています。これはでき上がったら家賃はどのくらいになるんですか、まだ細かい積算は聞いていないけれども、恐らく二十八万から三十万円程度になるのじゃないでしょうか、こういう話を聞いたわけであります。 再開発もしていかなければならないでしょう。そういうところで住環境を整備し、住宅を提供していかなければならないでしょう。しかし公共住宅、公共住宅といっても、まあ都営住宅は一応家賃などについても制限があります、低所得層の人たちという。ですから、東京都は相当苦労し、さまざまな手だてをして五万五千に抑えているというふうに思うのです。住宅整備公団十八万円、これは勤労国民の住宅として提供するというのが設立の趣旨になっているというふうに思うのです。果たして十八万円の家賃を払って、勤労国民の皆さんが入る住宅の家賃でしょうか。ましてや民間の二十八万から三十万、こういう家賃では、とてもじゃないけれども都民の皆さん、勤労都民の皆さんが入る住宅建設、都市の再開発というふうにはならないというふうに思うのです。 そこで、建設省にお尋ねしたいと思いますが、今私が申し上げたその事業と——何か工場の跡地だそうですけれども、その当時の公示価格、それから土地を取得した値段、そして今私が申し上げたそれぞれの家賃、そういう状況になるのかどうか、お答えいただきたいというふうに思います。
○片山(正)政府委員 まず、家賃の関係でございますけれども、先生の御指摘の中にございましたように、これは東京都、公社公団と民間事業者の共同開発の再開発でございまして、そのうちの公営住宅、公社公団住宅等につきましては、各施策において異なる目的を持っておりまして、例えば公営は御案内のように低額所得者、公団につきましては中堅勤労者を主たる対象としてやっておりまして、そういう対象者の負担能力あるいはそれぞれの事業の建設原価等を勘案いたしまして、国の補助でありますとかあるいは利子補給等を行いまして、特に公営住宅につきましては、地方公共団体の協力を得ながら家賃の設定を行っているところでありまして、その結果といたしまして、予定のところでございますけれども、公営は五万五千円ということ、公団はおおむね十八万ぐらいのところ、民間はまだ決定しておりませんけれども、そういう状況でございます。 なお、その場合の土地の取得の価格でありますけれども、これは取引相手のあることでございまして、契約の内容にかかわりますので、直接価格はお答えしかねるところでありますけれども、その取得価格の設定に当たりましては公示価格、これは当時の時点で二十六万二千円パー平方メートルでありまして、この公示価格を十二分に考慮して価格設定をしたところであります。
○中村(茂)委員 ですから、公示価格のところへ実勢価格を加味した程度だというふうに私は判断するわけです。この土地を取得した後、土地の高騰が起きているわけです。そして今度再開発でそういう土地を取得しよう、その場合には公示価格でしても相当な地価で取得しなければならない。 ですから、私はこれから申し上げたいというふうに思うのは、この事業はこの事業でこれは進めることは進めるでしょう。しかし、先ほどもいろいろ論議しておりました、家を取得する場合に年収の五年間分ぐらい、それから賃貸の場合には月収の二〇%程度、こういう住宅をどういうふうに——この東京の再開発を含め、荒れ果てた東京をどう再生していくか。そういう中で住環境を整備し、今申し上げた目標に向かってどういうふうに宅地を供給していくかということがこれからの論議であり、皆さんの政策提起、法案の提起でなければならないというふうに思うわけであります。 そこで、資料がありますけれども、ひとつ……。 この資料、今配付しておりますけれども、東京の二十三区の土地、住宅関係から見たところの都民の階層分布について一応資料をつくりました。二十三区の場合に、世帯総数が三百二十万戸、そして土地を所有している者が九十万人、そして土地を取得している面積は、二百平方メートル以上が二十四万、二百平米未満が六十六万、土地なしの人が二百三十万。じゃ住宅はどういう分布になっているかというと、パーセンテージでやっているわけですけれども、借地で家だけ、そして自分の土地で家もという持ち家が四〇%。以下、六%、八%、民営借家が四一%、そして間借り等が六%、こういう状態なんですね。 したがって、都市計画なりまたは住環境の整備なり、その地域で住宅宅地の供給等を考えてみた場合に、やはりその分布なりそういうものを基準にしてどういうふうに土地の利用計画なりを立てていくかということではないかというふうに思うのです。そして全体的な中で、先ほど申し上げた目標に向かってどういう宅地供給、どういう賃貸、それが非常に重要だというふうに思いますが、建設省にお伺いいたします。そういう方向でひとつ検討していただきたいと思いますが、熱意がおありでしょうか。
○越智国務大臣 先ほど総理からお悔やみ申し上げましたが、御母堂の御逝去を謹んでお悔やみ申し上げます。またその中できょうの御質問、感謝をいたします。 さて、宅地の問題でありますが、総理や国土庁長官がたびたびお答えいたしておりますように、需要と供給の面であります。そして住宅が非常に高家賃あるいは高価格になっております。低所得者向けにつきましては、やはり公営あるいは公団等で供給していく必要がある、かように思います。こうした場合の宅地でありますけれども、ただいまの東京都内では、どうしても郊外、近郊に宅地の開発をし、交通を便利にして、通勤範囲内で安い宅地の供給をしていかなければならない、こういうふうに存じます。都内二十三区内ももちろんでありますけれども、近郊をできるだけ線引き等も考慮して開発をしていき、安い土地、そして安い家賃の公営住宅あるいは公団住宅、これの供給に大いに力を入れていかなければならない、かように存じておる次第であります。
○中村(茂)委員 国土庁長官にも、ちょっと宅地の供給について。
○奥野国務大臣 やはり宅地を持っている人たちに、使っていなければこれを差し出していただけるような誘導政策、税制その他で考えるべきじゃないだろうかな、こう思います。同時に、新しい宅地を公的機関等々で積極的に造成していく、そのためにニュータウン計画等々着手しておられるわけだと思います。同時に、都心におきましても、都心の改造を通じて環境をよくしながら、土地の供給をふやしていくというような工夫も大切なことじゃないだろうかなと思います。いろいろな手法を使いながら、積極的に土地の提供をふやす努力をさらに大きくやっていくべきじゃないだろうかな、かように思っております。
○中村(茂)委員 次に、地上げとか底地買いということを言われるのですけれども、不動産業界と暴力団とのかかわり合いが最近非常に多くなってきているわけですね。これは、そういう土地の売買のことを考えてみれば、土地は売りたい、その値段で買う方も買いたい、スムーズに売買されるならそれは正常な取引でしょう。しかし、地上げなどについては、暴力団の介入というものがそこに出てくる。これはもう絶対に許すことのできない行為だというふうに思うのです。そういうものを通じて、脅迫とか、もう寝てもいられないとか、追い出しにかかってくる。火はつけて火事になる、人権問題まで起きてくる、追い詰められて自殺する人が出てくる、これは大変な実情だというふうに思うのです。ですから、挙げてこういう行為はなくしていかなければならないというふうに思うのです。 そこで、警察庁が来ていると思いますけれども、この一年間の暴力団の絡む悪質な不当な行為、それからその犯罪等の内容についてひとつお聞きしたいと思います。
○仁平政府委員 お答えいたします。 先般、実はこの関係の調査を実施いたしたわけでございますが、全国都道府県警察におきまして、ことし九月末までに検挙いたしました地上げ等に絡む不法事案でございますが、二十七件でございます。これは既に昨年一年間の検挙件数の三倍を超えております。このうち、暴力団の関与いたしたものは約八〇%に上っております。件数にいたしますと、二十七件中二十一件でございます。 また、これらの事案の中で悪質なものを申し上げますと、ただいま先生もおっしゃいましたように、ビルの屋上に穴をあけたり、放火したり、あるいはハンマーなどたたきまして著しい騒音、振動を起こしたり、さらに、シャッターのかぎ穴に接着剤などを流し込みまして使用できなくしたり、あるいは腐った肉だとか汚物などを投げ込んだりというような大変悪質なものもあるわけでございます。
○中村(茂)委員 こういう犯罪で、しかも暴力団が絡んだのが八〇%。このことは、もう非常に罪悪として許すことのできない行為がこれだけ多くなってきている。ですから、もうそれぞれ答弁いただく時間はないわけですけれども、建設業界に対して、暴力団と結びつくという前段の対応は建設省できちっと指導してもらわなければなりませんし、それから、こういう結びつきという根本的な問題についても厳正なる取り締まりをきちっとしなければならないというふうに思うのです。 そこで、最後の締めくくりで総理に、こういう問題についての決意と、それから先ほど申し上げた一般の勤労国民が住めるような宅地住宅供給をどういうふうにしていくかというこの二点について考え方、見解をお聞きして、私は終わりたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 いずれにせよ、御指摘のとおり、宅地建物取引業者が地上げ等に当たってみずからまたは暴力団等を利用して、こうした違法行為については宅地建物取引業法に基づいた厳正の処分、これは当然のことでございます。さらに、そういう取引業の免許を持たない者が行っておるようなこと、これにつきましても無免許事業としての告発を行っていく、これもやらなきゃならぬこと。いずれにせよ、今御指摘がありましたとおり、不動産取引に介入して暴力団が行いますところの違法行為、これについては厳正な処分をすべきである、私も考え方を同じくしております。 それから、四党の資料を私どもちょうだいいたしたときにも、年収の五年分と月給の二割というのが大体のコンセンサスだな、こういうふうに私も見ておりました。しかし現実、例えば、御指摘なすった二十三区内でそれを一戸建てとして考えた場合、それは極めて可能性の薄いものではないかということになれば、言ってみれば高層住宅というような形になり、そうして通勤可能距離の中に、別途また最近よく言われる複合住宅でございますか、いわばレジャーを楽しむ別荘というような意味ではなく、そういうような配慮もやっていかなければ、現実問題としては満足を少しでも充足することはできないな、こういう印象を持っておることを申し上げておきます。
○小此木委員長 次に、小川国彦君。
○小川(国)委員 最初に、私は大蔵大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、今日の異常な土地騰貴のあおりを一番受けているのが、現実、早急の問題としては相続税の減税の問題がある。これについては先ほど来大臣の御答弁の中で、昭和五十年以来変えてない、昨年も改正すると思ったら改正をしなかった。これに対して大臣は、相続税の減免措置を行うのには相当な財源が必要がある。それからもう一つは、仮に来年度相続税法の改正が通って減免措置が行われた場合に遡及措置について検討している、この二点を答えられましたが、この点について具体的に御答弁をまずいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 先般、十月十六日でございましたか、土地対策についての緊急対策を決定をいたしましたときにも、やはり土地関連課税のことが問題になっておるわけでございますが、その中の一つは相続税でございます。 それで、実はこれから政府の税制調査会、また私どもの党内にも税制調査会がございますので、そこでいろいろやがて検討していただこうと思っておることでございますが、ただいまの段階でどのくらいの財源が入り用かということは、どのような減税規模になるかということが全くただいま白紙でございますものですから、減税財源としてどのぐらいということを申し上げる準備がございません。ただ、十年ぶりの改正ということでございますし、先ほど来御指摘の点がいろいろございますので、ほんの小刻みの小さな改正では当面の問題の答えにならないであろうということは十分に想像できますので、そういう意味ではかなりの財源が必要だということは間違いのないところと思います。 第二の問題でございますが、これは実は大変にお答えしにくいことになると思いますのは、改正案をいつ国会に御提出できるかという時期がまだ定かでございません。そしてその時期いかんによりましては、相続税の税収を昭和六十三年度予算との関連でどのようにするかという当然の問題が実は出てまいりますものですから、そのようなこととの関連でどういう遡及を考えるかということも、まことに申しわけございませんが、今正確に申し上げることができません。ただ、私が申し上げようといたして……(小川(国)委員「わかりました」と呼ぶ)よろしゅうございますか。
○小川(国)委員 長々と、くどくどとおっしゃっていただいているのですが、相当な財源が必要と再三大蔵大臣は答弁しているのですね、相当な財源が必要だと。今病床にある方もあり、こんな土地騰貴の中でもしものことがあったら相続税が大変だという首都圏の住民の声がある。だから、先ほどからこれは緊急避難措置でやるべきだという意見が出ているのですね。それに対して相当な財源が必要だと大臣は言っておられながら、じゃこのぐらいの財源が必要なためにできないんだということをはっきり明示すればいいじゃないですか。金額で明示できないのですか。できるかできないかだけちょっと聞かしてください。
○宮澤国務大臣 ただいま金額で申し上げることはできません。
○小川(国)委員 そうすると、大臣の答弁には信憑性が乏しいのですよ。六十一年度でいえば一兆三千九百億が相続税として政府の税収にあったわけですから、ことしも同額見込むのならば、地価高騰を別にしても毎年三割ずつ相続税収は上がってきているのですよ。これはもう大臣おわかりのとおりなんです。そう考えればこの一兆三千九百億というのは、去年、おととしから三〇%、三〇%相続税収は伸びて六十一年度で一兆三千億なんですから、今の地価高騰だったらこれ以上になることははっきりしているのですね。税収にマイナス要因になることは一つもない。そう考えれば、やろうとするならば今でもやれる。 それから、もう一つ大臣に伺いますが、農家が農地を相続した場合は、二十年間農業を継続していくならば納税猶予という制度があります。農地を第三者に宅地で売った場合には税金がかかってまいりますが、納税猶予の制度がありますね。今仮に政府が来年の十月ごろに法律を通したとすると、今からこの十月までの間にもし不幸にしてお亡くなりになった方は救済されないわけですよ。これは行政と政治の怠慢のために救済されないわけですね。ならば、納税猶予という農地について行っている制度を実施して、ただいまからもし不幸にして亡くなった方は法律制定までの間は納税を猶予される、法律が通った時点でその減免措置を受けられる、地価高騰の重大な責任がある政府として、国民生活を守るためにこのくらいの措置をとってもいいのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 先ほども沢田委員に申し上げたところでございますが、確かに、土地の高騰によりまして土地についての相続税は非常に大きな負担になるということは、それは事実でございますが、ただ、財産ということからいいますと、これはかなりの財産価値であることも間違いございませんので、そういう意味では、ただ安くしていけばいいという種類のことでもない。これは申すまでもないことでありますが、その点は御理解をいただいておきたい。 そこで、ただいまの問題は、実は遡及の問題と、それから御承知のように相続税は相続が開始いたしましてから六カ月以内に申告をする、納税をするということでございますから、その期限の問題がもう一つございます。それをおっしゃっていらしたのだと思います。これもある意味で行政は親切にいたさないといけない問題であろうと考えておりまして、それをただ法律に書く必要があるのか、あるいは事実上の行政で納税者にそれをお知らせするような形でやればいいのか、その点はこの遡及そのものの仕方、それから法律の成立がいつごろになるかということの見通し等々を考えまして、法律の提案を申し上げるまでに考えておきたいと思っております。
○小川(国)委員 どうも現実の処理にはそういうことでは間に合わないのではないかというふうに私は思います。ただ、この点については私どもは、やみくもにたくさんな、巨額な資産を相続した人まで全部猶予せよと言っているわけではないので、固定資産税の据え置きの問題のように、せめて二百平米くらいの自分の生活の場所、例えば年金で暮らしている人が、自分の周りが坪一億になったためにその自分の住んでいるわずかな土地を売らなければならぬ、こういうことになってはいけないので、そういう生活者に対するところの救済措置をとるべきだ、こういうことを言っているわけでありますから、その点誤解のないように、ひとつ政府においてこの点の速急な対策を私は重ねて要望しておきたいと思います。 それから次に、総理大臣と大蔵大臣にお伺いをしたいわけでありますが、総理も、総理に就任される前、昭和五十七年十一月から中曽根内閣で二度にわたって大蔵大臣を務められて、六十一年七月まで竹下さんも大蔵大臣、その以後が宮澤さんということなんですが、私ども、今日の地価が大変高騰したこの状況を見ますと、いろいろな原因が考えられるわけですが、やはり金融機関の野放しな貸し付けというもの、これが非常に大きな問題点を誘発した原因の一つじゃないか。 私ども再三大蔵省に申し上げた中で、大蔵省の調査の中でも三十九兆二千億円というお金が貸し出された。これは民間金融機関だけでございますから、公的な機関のものも含めますと約四十五兆円ぐらいのお金が土地の投資に向けられた。国の一カ年の予算に匹敵するような額が融資として回っているわけでありますから、これは、いやが応でもそれが集中した箇所で行われるわけですから、大変な土地騰貴になった。こういうような状況については、やはり金融機関を監督指導する大蔵大臣の責任というものが非常に大きかったというふうに思うのです。そういう中で、総理は、大口融資の規制ということにつきまして大蔵大臣当時から何回も通達をお出しになっていらっしゃるので、これはもう総理も御存じのことと思いますが、この点についてどういうふうな認識を持っておられたか、ちょっと総理の認識をお伺いしたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 私の当時の認識の問題でございますが、およそ経済活動というのはそれぞれ自由闊達に行われていくのが最もよろしいのではないかという自由主義経済の基本理念の問題は別といたしまして、事金融機関の融資ということになりますと、昔は大体個人保証というものを一番建前としておる。私どもが子供のころ、今は第一勧銀になっておりますが、勧業銀行がいわば土地担保で金を貸したなというような記憶を私も持っております。ところが、近時の傾向としては、土地というものが担保価値として最も確実であって、それが優遇されるような傾向にあるなどいう感じは私自身も持っておりました。したがいまして、大口規制融資等につきましては、その都度銀行行政を指導するという立場に立っておったわけでございますが、今日それが非常に進んできて、今とられておるいろいろな行政指導、銀行検査も含め、ヒアリングも含め、それが逐次効果をもたらしつつあるなという問題意識もいたしております。
○小川(国)委員 大蔵大臣に伺いますが、今日まで、異常な地価高騰に対して四回ほど大蔵省が通達を出し、本年になってからヒアリングを行ったということですが、これは全部で何行に対してヒアリング調査を行ったわけですか。
○平澤政府委員 今具体的な行数の数字は持っておりませんが、どういう基準で選んでヒアリングを行ったかという点を申し上げますと……
○小川(国)委員 私が質問したのは何行に行ったかというので、どういう基準かということじゃないのですから、何行に行ったかということだけ答弁願います。
○平澤政府委員 それでは、今資料を調べまして、すぐ御答弁申し上げます。
○小川(国)委員 その行数の答弁がありますまでの間、次の質問をしたいと思います。 先般も取り上げました第一相互銀行が一つのグループに対しまして、六十九億円という法定限度額に対して八倍の五百五十六億円の融資を行った、こういう事実を先般私は当委員会で指摘したのでありますが、こういう過剰融資の実態について、大蔵省はどういうふうにこれを掌握されて今改善をされているか、この点についてお伺いしたいと思います。
○平澤政府委員 まず、先ほどの行数でございますが、全部で百八行ございます、信用金庫も含まれておりますので。数といたしましては百八銀行とそれから金庫ということになります。 それから、先ほどの第一相銀の問題でございますが、本第一相銀につきましては検査をいたしておりますので、その検査の際に融資の内容につきましても大蔵省としては調査をし、中身について掌握しているわけでございます。 それから、先ほど来御議論ございました特別ヒアリング、これもやっておりますので、そういう状況の中で不動産融資等について同様に調査を行っております。
○小川(国)委員 第一相互の最上恒産グループに対する検査でございますが、これは六十一年の八月と五十九年の八月に行われているわけでありますが、五十九年の八月時に大蔵省の検査当局はここの過剰融資についての指摘は行っておりますかどうか。
○平澤政府委員 具体的な問題については、答弁は前回同様差し控えさせていただきたいと存じますが、仮に検査に当たりましてそういう事実が明らかになった場合には、相手銀行に対して問題があるということと、その是正をどうするかという点について強く求めております。
○小川(国)委員 五十九年の八月には、第一相互の最上恒産グループに対する貸し付けについては、検査の中でこの指摘は行っているのでありましょうか。
○平澤政府委員 先ほども申し上げましたように、具体的に第一相互についてどういう状況かということは答弁を差し控えさせていただきたいと存じますが、一般的に、検査いたしましてそういう事実がありというふうに検査官が認定いたしました際には、先ほども申し上げましたように、相手銀行に対してその是正を求めるとともに、その是正措置の結果について報告するよう求めているのでございます。
○小川(国)委員 私は、一般的な事例を伺っているのじゃなくて、今いろいろ各方面から取り上げられている大蔵省の一先ほども申し上げたように四十数兆円も銀行の貸し出しが行われている。その銀行の貸し出しはもうさまざまな形で地価つり上げの原動力になってしまった。そういうことから融資のあり方を徹底的に反省していかなきゃならぬ。 そういう面から見ると、私どもが調査した中でも、既に五十九年の八月段階で第一相互銀行が最上恒産に対して約三十九億、それからその系列会社のダイヤエンタープライズというのに二十七億、最上ナチュラルパークというのに四十億、最上観光というのに三十億、既に五十九年八月段階にこういうような巨額の融資が行われている。その時点で、既に大蔵省は財務局の立ち会いのもとで行った講評の中で、このグループに対する貸し付けは異常に巨額なものである、この融資のあり方については検討すべきではないか、これはちょうど竹下さんが大蔵大臣の時代なんですが、既に五十九年の八月の段階で指摘をしている。そういうふうな一連のグループに対する貸し付けの指摘をしているのです。 しかもその会社の実態を私どもが今丹念に調べてまいりますと、幽霊会社であったり存在の実体が不明であったり、非常に問題の多いグループ会社、例えば先般も当委員会で指摘しましたように、陽栄恒産という会社は江戸川区の小岩に本社があるということで、不動産と建設業を営んでいる。この会社に対して数百億の融資がなされているのですが、この会社は不動産業も建設業の許可も取っていない。それからさらに、最上ツーリストという今申し上げた会社についても、千代田区永田町二の十の二の八〇八、この議事堂のすぐ真後ろにTBRというビルがありまして、そこに六十二年九月五日に、渋谷区渋谷二の三の六の最上ビルから千代田区永田町のTBRビルに移転したという登記になっているのです。ところが、この八〇八号室には雑誌社が入っておりまして、最上ツーリストなる会社は知らないと言うのです。こういう会社に対して融資が行われている。 それからもう一つ、最上ナチュラルパークという会社があるのですが、品川区平塚一の八の二十というところに会社を置いているのですが、この会社も電話は全く都内に存在しないというようなことで、この一連の会社の実体というものが極めてあいまいもこたる状況の会社に融資をしている。そういう実態は、既に二年前に大蔵省が検査のときに、この融資が適切ではないということを指摘している。そうしてまた六十一年八月にさらにそのことを指摘しているわけです。 こういうふうに、大蔵省が二回にもわたって検査で指摘をしているにもかかわらず全くその状態が改善されてない。銀行というものは大蔵省が認可権を持ってやっているわけでありますから、やはり大蔵省がきちんと、こういうところを二年も放置しておくということではなくて、もっと早くここに適切な指導が行われれば、こうした巨額な迂回融資といいますか、過剰融資が行われるようなことはなかったんじゃないか。 私はこれは氷山の一角だと言いたいのです。こういう問題を放置している姿が、四十数兆円ものお金がいろいろな銀行からさまざまな形で不動産業界に流れ、あるいは地上げ屋に流れ、土地高騰をもたらしてきた。そういう一番の大もとの金融業界を指導監督する大蔵省がそういうところの適切な指導を行わなかった。この責任は非常に大きいと思うのですが、大蔵大臣、前回もこの委員会で指摘しましたので、少なくも大臣としては関心を持って実態をお聞きになっていると思いますが、その点どのように御説明なさいますか。
○宮澤国務大臣 先ほどから政府委員が申し上げておりますように、金融機関の具体的な融資の例につきまして申し上げることは差し控えさせていただきますが、そもそも銀行の検査あるいはそれに伴う結果としての指導は常に厳正、的確になされなければならないことは申すまでもないことでございます。それは、ただいま御指摘のケースにつきましても決して例外ではないということだけ申し上げさせていただきます。
○小川(国)委員 もう一つ、第一相互の系列会社に東京エステート、相和不動産というのがあるのですが、ここに八十九億、七十三億とやはり法定限度額をオーバーした融資がなされている。これらの会社がいずれも国土法違反を犯している。そういうところへの融資もある。これも大蔵省の指摘の中にあるわけですね。講評の中にも挙がっている。そうすると、厳正な指導をして改善のめどをどういうふうに考えているのか。例えば、問題は全く違いますが、ココム事件などでは社会的な問題になっただけで、そこの会長や社長が社会的な責任をとる、そういうことがなされているわけでありますが、こういった問題を惹起している銀行の首脳部に対してどういうような指導を大蔵省はなさっているのでしょうか。
○平澤政府委員 具体的な第一相互の問題ということではなくて、委員が御指摘のような法令違反あるいは通達違反等がある場合には、大蔵省といたしましては、経営者に対しましてもその程度に応じまして責任について各般の措置をとるように求めておるところでございます。
○小川(国)委員 今回のケースについてはどのような措置を求めておりますか。
○平澤政府委員 先ほどと同じような答弁になって恐縮でございますが、今回の具体的な金融機関の場合につきまして御答弁いたしますことは差し控えさせていただきたいと存じます。
○小川(国)委員 私は、そういう大蔵省の姿勢がさまざまな金融機関の問題を——ここ一つに限らないわけであります。三井信託でも中央信託でも同様に、信託銀行が土地転がしに加担している実態というのはこれからまた明らかにしてまいりますが、そういうことをなぜ大蔵省が徹底してできないか。 私が調べた資料によりますと、大蔵省の銀行局検査部門から、昭和五十一年からこの十年間で各地の信用金庫とか相互銀行に取締役とか理事とか常務とかで天下りしている人が二十二人もおられるわけなんです。具体的な氏名ははばかりますが、大蔵省銀行局検査部の金融検査官、上席金融検査官あるいは関東財務局の金融検査官とか、こういう方々が福井相互、富山相互、青梅信用金庫、肥後相互銀行、京都相互銀行、足柄信用金庫、正金相互銀行、大正相互銀行、富山銀行、平和相互、東京相互、大生相互からずっと、この十年間で二十二人もこういうところへ天下りしているのですね。 それからもう一つ、人事院の営利企業への就職の承認に関する年次報告書を見ますと、昭和六十一年に大蔵省で五十四名、国税庁で十二名、六十六名が民間への天下りの承認を求めているのですが、そのうちの天下り先が信用金庫二十三名、地方銀行二名、信託銀行二名、生命保険一名、相互銀行一名、証券一名、こういうことで、六十六名のうち三十名の方が金融機関に天下りしているのです。 それで、この六十一年の統計で見ると、人事院に承認を求めたのでは、大蔵省が五十四名でトップで、農林水産省、通産省がその次なんですが、これが二十五名、二十五名、その他は総理府、警察庁、宮内庁なんというのは一名ずつ、北海道開発庁五名、科学技術庁四名とか、みんな数名の範囲なんですよ。一番多いのが失礼ながら大蔵省でございまして、その半分が金融機関。また、こういう金融機関の検査部門が十年間に二十二人もこういうところに天下っていては、本当の検査、指摘はできないのではないか。 国会でこういう不当な融資ではないかということで問題にされる。会計検査院であれ行政管理庁であれ監察局であれ、いいはいい、悪いは悪いと国会にちゃんと報告書を出しておりますでしょう。これだけ大きな問題の責任が金融機関にもあるということは先ほど大蔵大臣もおっしゃっていたわけですから、こういうところの是正については前の大蔵大臣だった竹下さん、総理大臣も考えていただかなきゃならない問題だと私は思うのですね。この点について大蔵大臣、総理大臣から私はそれぞれ所見を承りたいと思う。
○宮澤国務大臣 官吏を退職いたしました後就職をいたしますときには、監督関係にあります場合には人事院の承認を求める必要がある。一定の期間を置きまして、承認を得て就職をするということはしばしばございます。大蔵省の場合に、監督関係がそのように多うございますので、ただいまのような数字になっておるかと存じますけれども、やはり今までの自分の知識経験等々を生かした職場に就職をするということ自身は、そのような承認を得てであれば、私は責められるべきではないというふうに考えております。その結果として検査なりなんなりが曲げられるあるいはゆがめられるということであれば、これは大問題でございます。そういうことがあることは認めるわけにまいりません。 ただいまの場合は、これは小川委員が御指摘のように、実は検査も行われている、それについての指導も実は正常に行われておるという、ただ個々のケースについて申し上げることを御容赦を願いたい、こういうことを申し上げておりますので、決して検査あるいはそれの結果としての指導がゆるがせになされておる、あるいはないがしろになされておるというような意味ではないと承知をいたします。
○竹下内閣総理大臣 前段のいわゆる天下り問題につきましては、確かに、人事院で御審査をいただかなければならない立場にある業種が大蔵省には多い、こういうことがあろうと思いますが、今宮澤大蔵大臣からもお答えがありましたとおり、第二の人生におきまして、第一の人生の中で知識見聞を持ったことが生かされるという人間社会の構図の中では、私は許されるものだ。しかし、それがゆるがせにできないのは、その地位にあったからとてまたそれが悪い方に影響をされることは避けなければならないと思っております。 と同時にいま一つ、いわゆる銀行検査というものの、会計検査とか行政監察とかという国の支出にかかわる部分とは別に、民間企業に対する検査につきましては、おのずからそこに秘匿の、守秘義務とでも申しましょうか、そういう限界はあるということも御承知おきいただきたいものである、このように考えます。
○小川(国)委員 売上税のときに、いろいろな民間の方が言われたのですが、大蔵省は銀行とか証券会社とかあるいは損保会社、そういうところに対する指導が非常に甘いんだ。間接税一つ見ても、一般の庶民のところからは税金を取ろうとするけれども、ことしも業界で一番大きな利益を上げているのは銀行、証券、不動産会社、いずれも好成績だというのですが、そういうところに対する行政指導というものをきっちりやらない、税金も取らなければ指導もしないということでは、私は、幾らこの委員会で土地の暴騰の問題をただしていっても、その一番問題である銀行のこういうあり方についてたださないと……。 大蔵省は銀行法上これを監督指導したり、銀行の設置から支店の配置から取締役の辞任勧告までできる権限を持っているんですよ。そういうところが、やはりこういう公の場所で問題になったところには、少なくも国会ではそういうところに対していいはいい、悪いは悪いとはっきり答えられるような姿勢がなかったら、こういう委員会でどんなに問題をただしていこうとしても、理非曲直を国民の前に示すことがなかったら政治はよくならないと思うんですよ。 そういう意味では、私は、やはり総理大臣や大蔵大臣がもう一遍この問題に対して関心を持っていただいて、少なくも二年前の検査の結果が放置されて、また昨年度の検査の中でそういう事態があって、それ以後も問題が持続しているのですから、改善の決意があるかどうか、それだけ最後に伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 大蔵省の銀行検査あるいはそれに伴います改善勧告等々は、今後とも厳正にやってまいります。
○小川(国)委員 いや、当該事件に関する意見を最後に……。
○宮澤国務大臣 具体的な事件につきまして、それをこの委員会で御報告を申し上げるということはお許しをいただきたいと思います。
○小川(国)委員 時間が参りましたので、この点については、前回も委員長に申し出てありますように、私ども、こうした問題に対する当局の処理を今後理事会の中でぜひ御検討願いたい。
○小此木委員長 次に、草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 まず最初に、私、問題点を少し申し上げまして、後に私なりの若干の提言をさせていただきたい、こういうように思うわけであります。 午前中もいろいろと地価高騰の理由の御説明がございましたが、よくお話を聞いていまして一つだけ何か足らないような気がするのです。何が一つ足らないのかということは、今四全総というのがいろいろと議題になっていますけれども、昨年の八月に、中曽根首相の指示で、東京の都市問題を中心に見直しを行ったらどうだろうかという提言が実はあったわけであります。私は、それが今日の地価高騰の非常に大きな要因になっておるのではないだろうかという意見を昨年から持っておるわけです。 でございますから、たまたま六十一年、去年の八月から十月ぐらいの新聞のスクラップでございますけれども、例えば八月にある新聞は、当時の綿貫国土庁長官が総理に、四全総についての中間報告でございますけれども、報告をした、首相は、国際化や情報化の変化に対応して東京や大阪の問題を方向づけしないと国土づくりの全体の方向づけも出てこない、いわゆるめり張りをつける、こういう発言があるわけです。それを受けて、いうところの東京重視策というのが出てくるわけです。これに対して熊本県知事あたり、あるいは大阪でもそうですが、全国の都道府県の知事の方から東京重視はおかしいじゃないかという猛反撃が始まる。そして今日の四全総の多極分散という形になってきたと私は承知しておるわけです。流れは多分そうだと思うのですよ。 だとすると、中曽根総理が東京重視策、東京というのは国際的にも情報都市として非常に重要だよと言った途端に、後ほど説明申し上げますけれども、いろいろと地上げが精力的に行われているということになったのではないかと思うのですが、そこがきょうの午前中の地価高騰の要因の中に入ってない。私は入るべきだと思うのですが、どのようなお考えがお伺いをしたい、こう思います。
○奥野国務大臣 地価高騰の要因、いろいろな考え方があると思いますし、今、草川さんのおっしゃいました問題は、ある意味においてはまだ先回我が党の大塚さんが仮需の指摘を随分しておられました。いろいろな見方があると思うのですけれども、私は、五十八年ごろから海外のいろいろな企業が東京を目指してどんどんとオフィスを持ち出しましたし、外国人住宅がどんどんとあさり始められておったものでございますから、そういう傾向を指摘して申し上げておるわけでございます。また、そういうような世界の金融センターになったものでございますから、東京をそれにふさわしいような姿に持っていくこともこれは大事なことだと思うのでございまして、そういうことが表面に出てまいりますと一極集中になる。むしろ今は多極分散型の国土づくりをしなきゃならないことだという意味で、自民党内からも猛然と強い反発が四全総を目がけてあったわけでございます。 そういう点をつかまえて草川さんがおっしゃっていると思うのでございますけれども、私はあえて否定はしませんけれども、これはもう五十八、九年ごろから東京を目指して世界の企業がやってきておったことも事実でございますし、それにふさわしいような東京にしていかなきゃならないことも私は大事なことだと思うのでございます。同時に多極分散型の国土づくりもしていかなきゃならない。どれを重点というわけじゃございませんで、いろいろな問題が議論されて今日の四全総になったということだけは御理解いただいておきたいな、こう思います。
○草川委員 もちろん流れはそういうことでありますけれども、そのときに例えば、では政治と経済は分けて見るか、こういうことも一つあるわけですね。それから、例えば政治といえば議会も富士に行くとかあるいは遷都問題というのも過去ずっとあるわけですから、それが並行して出てこないところに問題があったと思うのです。 ですから、ここで総理にお伺いをしたいわけでありますが、総理は中曽根路線の継承とおっしゃっていますけれども、前総理は、中曽根さんは東京重視ということは随分そのときに強く思ってみえたと思うのです。ですから、きょうの、これまた先ほどの議論にもありますけれども、竹下新総理は「ふるさと創生論」ということを言っておみえになりますが、その整合性が私は先ほどから聞いておってもどうしてもわからぬわけです。 ですから、例えば、もし本当に今、長官がおっしゃいましたように、多極分散をやらなければいけないとおっしゃるならば、とりあえずは次期国会に一省庁一機関を地方に分散するという法案を出そうじゃないかということをおっしゃってもいいと思うのです。次期国会にその法案は出るのですか。あるいは、総務庁長官は少し無理だというような記者会見があるようにお伺いをしておりますが、長官はどのような御意見がお伺いしたいと思うのです。
○奥野国務大臣 東京のいろいろな施設を地方に持っていってそれぞれに極をつくっていく。大事なことだと思っております。そういう意味において、何も東京に立地をすることを必要としない政府関係機関があるならば、これはやはり立地を変えてもらった方がいいんじゃないかな、こう思っておるわけでございまして、積極的に政府として取り組んでいこうとしているわけでございます。 午前中の会合におきましても、第二回目の土地対策関係閣僚会議において我が党の安倍幹事長が、ここでこれを決めようじゃないかとまで言ったんだということを申し上げたことを通じまして、党も政府も一体になってそのような努力をしていこうという空気は御理解いただけるんじゃないかな、こう思っているわけであります。
○草川委員 私は空気を聞いておるのではなくて、現実にその法案を出すかどうか。ここはやはり総理の決意だと思うのです、大変難しい話は我々も承知をしておるわけですから。その決意が私は「ふるさと創生論」の中に生かされてくるのかどうかという問題だと思うのです。 先ほどのお話を聞いていますと「ふるさと創生論」というのは何となくムード的ですね。それから情緒的ですね。心の問題が出てきますね。何となくわかったようなわからぬようなものだと思うのです。だから私は、四全総にもし「ふるさと創生論」というのが結びつくとするならば、今の一省庁一機関はやはり行くべきだ、これくらいの強い決意表明が今ここでなされてもおかしくないと思うのです。その点はどうですか。
○竹下内閣総理大臣 草川さんの質疑の流れを私も否定するつもりはございません。それで私自身も感じたのは、五十七年から六十一年まで大蔵大臣をやっておって何をやっただろうか。今話を聞きながら、金融の自由化、国際化を徹底的にやった、それがあるいは東京都心のこの地価、オフィス需要からするそれの一因にも、どの程度なったかは別として、一因にはなっておるかというある種の反省を持ちながらおったことも事実でございます。したがって、まさか島根県が国際金融都市になるわけにはまいりませんので、それはそれとしても、あの当時中曽根前総理が指摘されましたのは、別に東京を重視しろということではなく、国際金融都市等においてむしろそういう地価の上昇とか弊害の出るものがないようにしろ、こういう趣旨であったように私は記憶をいたしておるところでございます。 それから、私の「ふるさと創生論」と四全総の関係からする一省庁一機関の分散でございますが、確かに佐藤内閣のときに一省庁一局削減という言葉を使いまして、それが非常に受けたという経験から、ついそのような言葉を使いましたが、必ずしも一省庁一機関というように縛られるものではあるいはない役所もございますでありましょう。 しかし、当面奥野大臣と相談しておりますのは、まずそこで基準を定めようじゃないかというところから、それを法律を要するもの、要さないもの、いろいろあろうかと思いますが、それについての具体策は先ほど奥野大臣からもお答えがありましたとおり、三回目の閣僚会議からしてまず議論を始めて、可能な限り早い機会に方向は出すべきだというふうに私も考えております。
○草川委員 総理から、近いうちに考え方を出したいと今おっしゃいましたが、それは次期通常国会には法案を出すという強い決意と受けとめていいのですか。もう一度念を押します。
○竹下内閣総理大臣 法案でやるべきものと、そうでなくてやれるものもあろうかなと思っておりますので、それにつきましてはきょう私が草川さんに、次の国会には出しますということを断言するまでの準備には至っておりません。
○草川委員 少なくともきょうあす、我々この国会で土地問題について真剣に議論をしよう。我々は、竹下さんが信頼と実行とおっしゃっているわけですから、信頼をしてみようと思っているわけですよ。ただその答えが、信頼をしょうにも今出てこないわけですね。 私が今申し上げたように、過去にいろいろな問題があったわけです。だから、少なくとも政治家としては、地球が小さくなる、経済が、裏側からどんどん交流をしてくる、だとするならば、いずれ東京なり大阪なり大都市というものがパンクをするような状況が来るということはお互いにわかっておるわけですから、では政治機能は分散をするとか、そこで私は「ふるさと創生論」というのは非常に強い哲学が出てこなければいかぬと思うのです。 だから、例えば地方に分散をするならば、補助金行政というのは一体どうするのか。ところが補助金行政は今どんどん削るという方向ですね。では地方の分権というものはどう考えるのか。いわゆる地方自治の民主化というものはどう考えるか。そういうものをあわせながら「ふるさと創生論」というものが補強されていくところに国民の信頼があると思うのですが、ただいまのところでは残念ながらこれはムードなんです。ムードで我々は二十一世紀を過ごすわけにはまいりません。しかし、総理というのは非常に重要な地位ですから、私は今この重要な地位に、もう少し大胆な展望というものを出された方が国民は信頼すると思うのですが、その点はどうでしょう。
○竹下内閣総理大臣 確かに御指摘のとおり、ムード的なものであれ、ある意味において情緒的な印象を受ける。これは十年来私言い続けておりますが、いつでもそういう批判を、いい意味における批判をちょうだいしておることは事実でございます。しかし、私もそういうことを十年来言い続けて今日に至っておるわけでございますが、その骨子は、私は六月の四全総の中に非常に上手に盛られておるという感じを持っております。それをさらに今度は、地方自治の、みんなの知恵と情熱を出し合って、その地域地域に歴史とか伝統とか文化とかございますので、それをみんなで参加して積み上げた青写真を、あるいは四全総の計画の中に埋め込んだ青写真を、それを基本にして、中央が言うなればこれをサポートしていくという地方自治の原点から立ったものであるべきものでなかろうかというふうに思っております。 ただ、大上段に振りかざして物を申し上げるスタイルではございませんので、いささか聞き上手に過ぎると言われますが、きょうのような御鞭撻をいただくことがむしろ私どもの政策を進めていく上の大きな種ともなろうというふうに考えております。
○草川委員 総理は大変うまい言い方をされるので、何となく、ここでなっとらんと言いたいところですが、大いに将来を期待して、我々の注文を聞いていただいて新しい国づくりをしなければいかぬ、私どもも率直に申し上げておきたいと思うわけであります。 そこで、今度は大蔵大臣にちょっとお伺いをしますが、先ほどから銀行の金融の問題が出ておりますが、全国の銀行の不動産業に対する貸付残高というのは、これは七月末ですが、三十二兆五千九百億になっておる。それで、大体最近の動向を見ておりますと、三千億ぐらいぐっと抑えることができた、こうおっしゃっていました。それは、七月からヒアリングをやられてぐっと縮まってきたことは事実です。これは大変私は一つの成果だと思うのです。我々が後援会へ行っても、実は自分の隣に土地があるんだけれども、それを買いたいと思うが銀行はだめだとか、ははあ効いてきたなという感じはするわけですよ。それが三千億だと思うのです。 それはそれでいいのですが、先ほどから出ておりますように、第一回に銀行局長が通達を出されたのが六十一年の四月十六日ですよね。それから昨年の十二月十九日に第二回を出されたわけです。だから、そのあたりでヒアリングをやれば、私は三十二兆円まで膨らむことはなかったと思うのですが、一言、なぜこの七月に行ったヒアリングを昨年の夏ぐらいにやれなかったのか。それは、私が先ほど申し上げたように、総理が東京重視策を打ち出されたので、それで遠慮したのではないか、こう言いたいわけですが、その点は率直な大蔵大臣の御意見をお伺いしたい、こう思います。
○宮澤国務大臣 遠慮というのではなかったのだと思いますけれども、御承知のように、今我が国が国の内外から求められておることが内需の振興であり、社会資本の整備である。そういう場合に、都市の再開発であるとかあるいは住宅建設というのはやはりそういう政策の目玉になるものでございますので、間違い、行き過ぎがなければ、金融機関もそういう民間の活動に十分にひとつ協力をしてほしいというのは政策の基本でもあると思います。 そういう背景がございましたものですから、今こういうことになりますと、土地の融資というのは非常にまあ悪かったという、今そういう御観点から皆様御議論をいただいておるわけですけれども、正常に土地を担保にとる、あるいは都市再開発あるいは住宅建築に金融機関が融資をするということは、それ自身は、我が国の内外から求められている政策努力からいえばむしろ推進をしてしかるべきものであった、こういうことが背景であったのであろうと思います。 結果として行き過ぎました。行き過ぎましたから、どうしてそれをもう一年前にとれなかったかとおっしゃれば、それはまことにそうであろうと存じますけれども、そのような背景であったことも御理解をいただきたいと思います。
○草川委員 だから、今のお話を聞いていても、例えば三全総から四全総に移る基本的な国づくりの理念というものが、例えば政府の中でも、総理の考え方あるいは大蔵省の考え方あるいは大蔵省の管轄のもとにおける金融機関の一つの流れになっていないところに私はこういう問題が起きてしまったと思うのですよ。だから、非常に小さい範囲内だったら、銀行は金余り現象ですから土地に融資をしょう、こうなっちゃうわけですよ。しかし、それは少しブレーキをかけようではないか。本当の国づくりということを考えるならば、かつて大平さんが言われたように田園都市構想、あるいは田中元総理が言われたように日本列島改造論、これを受けて新全総ができる、二全総、三全総とこう来るわけです。今度は四全総になったわけですから、先ほどから私が申し上げておるように、少なくとも四全総のあり方、国をどうつくるかという哲学を持とうじゃないか、それが国民に理解をされるならば、銀行は銀行だけでお金もうけをするという融資をしないということになってくるわけでしょう。 だから、銀行局長の通達が昨年の四月にあるならば、それが素直に各末端に流れてくるはずですよ。それが流れてこないところに問題がある、私はこういうことを言いたいわけですよ。それが今一番必要ではないだろうか。竹下総理にとってもそういうことが必要だ、こう私は言いたいわけです。そういう「ふるさと創生論」を展開をしていただかないと、我々は国民の理解、協力がなかなか出づらいということを申し上げたいわけであります。 そこで、今度は具体的に、余り時間がありませんので、問題は、銀行の話が今出ましたけれども、もちろん大蔵省関係の金融機関ばかりではありませんね。農林省は農林省、あるいはその他はその他各省の金融機関というのが随分あるわけでありますけれども、たまたま銀行局の通達を受けた個別の事例でございますが、ここに農林中央金庫というのがあります。これも今度の国会でも随分問題になっております。農林中金の子会社に協同住宅ローン株式会社というのがあります。これは農林中金が四九%、全国四十七の信用農協連合会などが五%出資をした住宅ローンを目的とする会社でありますが、これは事実かどうか、念のために確認をします。
○青木説明員 協同住宅ローン株式会社の出資構成また設立目的等、ただいま先生が御指摘のとおり相違ございません。
○草川委員 ところが最近、農業振興のために融資をされるべき農林中金の金が、これは全国の農家から集められたとうといお金でありますけれども、これが地上げ資金として農林中金の子会社を通じて流れている問題があるわけであります。その中には、十分な担保をとっていなかったり、それから多額の金額を悪質な地上げ屋に詐取をされている、だまされたわけですね。そういう事例もあるわけでありますし、これは現在係争中です。例えば、協同住宅ローンは、昨年の十月に東京地検に詐欺の疑いで社長が逮捕されております株式会社都市企画設計に、これは四十九億円をだまし取られている、こういう事例があるわけでございますが、この点についてはどのように思われますか、お伺いします。
○青木説明員 ただいま御指摘にございました協同住宅ローン、これは最近におきます住宅宅地の需要の増大にこたえまして、系統農協の住宅資金貸付業務、これを個々の農協では十分対応できない、そういう資金需要等に的確に対応するためにこの住宅ローン株式会社が設立されたわけでございます。 こういった協同住宅ローンの設立の趣旨等からいたしますと、ただいま先生御指摘がございました地上げ資金がこの会社を通じて流れている、そういったことが先生の御指摘のとおりであるとすれば、そのようなことはあってはならないことである、こういうふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 私ちょっとここで具体的に申し上げてみたいと思うのですが、いわゆる地上げ屋として、これは非常に有名な最上恒産、先ほども名前が出ておりましたが、八大産業に対して、これもいろいろと報道関係に大きく報道されている企業でありますが、農林中金の子会社である協同住宅ローングループから多額の融資が行われているわけであります。また、コストを割るような低利で融資をされているというようなことを私どもつかんでおるわけでございますが、事実を承知をしておみえになるかどうか、いま一度お伺いします。
○青木説明員 ただいま御指摘のありました会社に対します協同住宅ローン等の融資につきましては、個別企業についての具体的な取引にかかわる事柄でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○草川委員 明確な答弁がないので、これは私の方から少し申し上げてみますと、最上恒産に対しては百四十億円という非常に大きな金が出ておるわけですね。もちろん協同住宅ローンというのは、先ほど来から申し上げておりますように農林中央金庫が大きな出資をしている企業でありますね。それから、八大産業に対しては五回に分けて約二百六十億円という、しれはまた大変な金額でありますけれども、融資をされているわけです。これは、私どももずっとフォローアップをしてまいりますと、具体的にはまたさらに申し上げますが、まさしく地上げ資金になっているわけです。 このような事実は、私、今具体的なことを申し上げたのでございますが、事前に申し上げておりますけれども、承知をしておるのかどうか、これもいま一度お伺いをしたい、こう思います。
○青木説明員 重ねての答弁で恐縮でございますが、具体的な事案でございますので、答弁は控えさせていただきます。
○草川委員 なかなか具体的なことにはお答えにならないわけですが、では、さらに私の方から再度申し上げてみたいと思うのです。 この八大産業については、協同住宅ローン株式会社の一〇〇%出資の子会社であります協住不動産サービスというのがさらにその下にあるわけであります。資本金五千万でありますが、従業員わずか八名であります。それでも、売り上げの推移等については六十一年では大変な金額が出ておるところでございます。 昭和六十年一月十七日に八大産業は、東京都中央区八重洲一丁目、東京駅のすぐ近くの一等地でありますけれども、鉄筋六階、地下一階建ての店舗兼の事務所ビルを購入しております。これを八大産業は一カ月後の二月十五日に農林中金の孫会社に当たるところの協住不動産サービス株式会社に転売をしておるわけであります。さらにこのビルは、三カ月後の五月二十一日に協住不動産サービスから別の地上げ屋に転売をされております。 このビルは、わずか五カ月の間に三つの業者の手に渡ったことになります。これは明らかに転がし行為であることは間違いがありません。農林中金傘下の企業が地上げ屋と一緒になってこのようなことをやっておる。こういう具体的な事例を私ども謄本で持っておるわけでありますけれども、これだけ申し上げたので、今度は監督官庁として農水省の方はどうお考えになるのか、改めて御質問します。
○青木説明員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、個別企業についての具体的事案につきましては、大変恐縮でございますが御答弁を控えさせていただきたいと思います。 しかしながら、投機的な土地取引にかかわる融資を系統農協関連の協住ローンが行うべきでないということは先生御指摘のとおりでございます。私ども、先生の御指摘の趣旨を踏まえて、個別融資事案を含めた土地関連融資の実態につきましては十分把握に努めますとともに、具体的な問題点等がございますれば、その善処等につきまして厳に指導してまいる考えでございます。
○草川委員 具体的な事例があるならば厳に指導する、そういう答弁でございますが、それはぜひやっていただかなければいかぬのですけれども、もう一度、私、念のためにお伺いしますが、この協同住宅ローンの社長は元大蔵省の関税局長さんです。副社長以下全役員は農林中金の元幹部であります。大蔵省、農林省は連名で地上げ融資の自粛について、先ほど来から盛んに大臣も御答弁なすっておるわけでありますけれども、農林中金にそういう通達は行っておるのかどうか、これを改めてお伺いをしておきたいと思うのです。 大蔵省や農林中金のOBが子会社で地上げに加担をしておるということを見ると、本気で指導しているとは私には思われません。本当に先ほど来から大蔵省が言っている、大変だよ、注意をしなければいかぬよ、こう言っておることが現場では全然関係がないというのは、さっきも申し上げたように国としての土地政策なり国づくりという考え方がないから、政府は政府、農林省は農林省、OBになってしまったら、とりあえずは金余り現象ですから、おい金を貸せよ、住宅へいこう、土地転がし、いいじゃないかというように、私が今申し上げたような例になるわけであります。だから、そこをいま一度全体で考えないと、土地政策は、例えば土地国会の委員会が終わったらもう今度は全然本当にフリーになってしまうということであっては相ならぬわけでございます。 特に私は、地上げ資金を融資したり、こういうような系列会社が地上げ屋と一緒になってビルの転がしをするということは、本来の農協のあるべき姿ではないと思うのです。農協というのは、あくまでも農民の、お百姓さんたちの大変苦しい立場の中から、いかに生産性を高めながら、あるいは国際競争に対抗するか、歯を食いしばって今農民の方々、特に若い人は努力してみえるわけですよ。そういう方々に、住宅を建てるなら協住を使ってくださいよ、あるいは、まとまっていろいろなマンションをつくって経営をするならそこにお金を貸しましょう、これが本来の協住なり農林中金の私は姿勢だと思うのです。 しかし、本来のお百姓さん、農民の立場に立つ融資ではなくて、完全な事業活動をしておるわけですよ。そうして、東京の銀座のど真ん中の八重洲のビルの転がしにお金を貸す。そうして、自分たちのノーハウが余りないようです、これは後発メーカーですからね。それでだれかにだまされてしまう。それは、自分のお金だったら考えられぬようなことをやっているのではないかと思うのですが、この点は、農林省の審議官の意見ではなくて、少し私の話を聞いてて総理どうお考えになられるか、御意見を賜りたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 感想程度にあるいはなるかもしれませんが、元来、農業団体の系統金融としてあるべき姿ではないのではなかろうかという考え方は等しくいたしております。
○草川委員 今総理から本当に明快な御感想を得ましたが、農林中金ばかりではないと思うのです。各省庁の中にも独自の金融を所管をする省庁はおみえになると思うのですが、調べていかれたら必ず同じような問題は山ほどあると思うので、ひとつぜひ見直し、あるいは本当の末端における融資態度が、本来の目的に応じたお金の使い方がされているのかどうかを厳重に対応していただきたいと思うわけであります。 その次に、実はこれも悪い例でございますけれども、悪質な地上げ屋であると言われておるわけでありますけれども、最上恒産が西新宿に所有をしておりますところの約五千平米の土地があるわけでございます。これをフジタ工業が六十一年、昨年でありますが、三月に四百七十四億で購入をしております。当然国土法に基づいて都に届け出をすべきことになるわけでありますけれども、それがなされていない。なぜか。 これはいわゆる民事訴訟法の悪用でありますけれども、即決和解をする。この即決和解をして裁判所から判をいただいてくれば、いわゆる国土法の申請を除外するということをうまく利用したわけであります。しかも、即決和解をするには簡裁へ行かれるわけでありますけれども、東京の簡易裁判所というのは非常にたくさん仕事を抱えておみえになりますから、なかなか回転をしません。時間がかかる。ということで、全国ですいた簡易裁判所を探すわけですね。 この場合は、わざわざ伊豆半島の下田まで行きました。伊豆の下田というのは観光の宣伝になると大変でございますけれども、わざわざそこの簡裁まで出かけていって、そこで即決和解をする。というのは、私は全く法を悪用をする抜け道だと思って、許されることではないと思うのです。 このことについて国土庁はどのように承知をされておみえになるか。あるいはこういう事例というのは全国的にあるのではないかと思うので、全国的にどう対応されておみえになるのか、ひとつ意見を聞かせていただきたいと思います。
○奥野国務大臣 お話しのように国土利用法をくぐるために即決和解の方法をとるということは考えられるわけでございます。そういうことも心配いたしまして、事務当局は最高裁判所と連絡をとっているようでございます。その結果、最高裁判所の方でも簡易裁判所の方に周知徹底を図ったという御返事をいただいているようでございます。 その結果、そういう問題になりますときには簡易裁判所と都道府県の関係部局とが連絡をとり合って、本来届け出を要する事例であるのかどうかというようなこともきわめながら抜かりのないような対応をしていけるようにしたい。また、最高裁判所の方でも、今申し上げましたように周知方を図ったという御返事をいただいておりますので、今後はそういう事例は防げるのじゃないだろうかな、こう思っております。
○草川委員 これは、一つは議会と裁判所との関係もありますから立ち入ったことは申し上げられませんけれども、ぜひ情報を全国的に流していただいて、今お話がございましたように、各末端の裁判所においても事情を十分理解をなすっていただいて対応をしていただきたい。これは私どもも非常に重要な問題だと思いますので強く要望しておきたい、こう思う次第でございます。 その次に、もう一つ、これも問題でございますけれども、国有農地、特に都内における国有農地というのが随分あるわけであります。 そこで、私どもも、これは国土庁長官もあるいは土地局長も言っておりますが、供給を増加させることが必要だと言っておられますのであえて私は申し上げるわけでありますが、日本は本来土地が乏しいと言っておりますけれども、それは考えを変える必要がある。何となく私どもも狭い国だから土地はない、こう思っていますけれども、例えば日本の国土全体の四六%を占める、しかもそのうちの七〇%が利用されていない農業振興地域というのがあるわけです。これも随分見直してみる必要があると思うのですね、一方じゃ減反をやっておるわけですし、大変難しい問題もあるわけであります。それから、東京の二十三区の宅地面積に匹敵をする三大都市圏の市街化農地という問題もずっと問題になっておるわけですね。さらに、膨大な市街化調整区域あるいは地方に移転をして遊休化した工業専用地域、こういうところにも全体的に、それこそ各省庁の枠を通り越して宅地供給というプロジェクトを真剣に組んでいただきたい、こう思うのですね。 しかも、東京都内における国有農地というのは二十三区で約九万平米、九ヘクタール、百五十九件あるのですね。これは優秀なところがあるんですね。足立区で七十二件、二万七千平米、杉並で九千八百平米、板橋で一万二千、中野で千六百、江戸川で一万五千、練馬で一万一千、葛飾で六千六百、目黒のようなところでも百六十五平米、全部で九ヘクタールあるわけです。 そこで、これはちょっと写真を撮ってきたのですが、東京都内ですけれども、駅前の五分ぐらいのところに、まあそれは、本当にこれが農地かというように放置をされておりますので、駐車場になったり、あるいはもう隣地から、国有地なものですからどんどん侵略されておるわけですね。塀がどんどん延びてくる、だれも文句を言いに行きませんから。あるいは雑種地と間違うぐらいの乱雑な土地が国有農地として放置をされておるわけです。 これはいろいろないわく因縁があるわけでありますけれども、農地改革の経過があって、国の所有だけれども、四十六年には旧所有者に返そうではないかという法律ができておるわけですから、本来ならば国は旧所有者に返さなければいけない。ところが、旧所有者というのはもう代がかわっておりますから、いわゆる権利者というのはもう二代、三代にわたっておるし、中には海外へ行っておりますから判がもらえないわけですね。本来、まとまれば時価の七割で渡すことができるわけですね。本人が売るならば三〇%ポケットへ入るわけでございますけれども、それすらできませんから実質的には小作人に任せておる。ところが小作人も、東京都内ですからもうお年寄りが多いわけですから、今言ったように放置をされておる。だから駐車場になったり材料置き場になってしまう。 この問題は、時間をかければかけるほど難しくなるわけです。旧地権者に売り渡すことが困難になってくる。だから、速やかに法律を改正するなり、何らかの形で東京都内における国有地は宅地に提供ができるようなことができないのか、そういう知恵はないものかどうか、お伺いをしたい。 そして同時に、これは東京都内のことを申し上げましたけれども、一体全国にこのような国有農地、ほったらかしになる、あるいは小作人に任せた農地というのは何件あるのか、何ヘクタールあるのか、お伺いをしたいと思います。
○鴻巣政府委員 農地改革のときに買収をいたしましたが、相手方がかなり零細であるとか市街化する土地の中にあるというので、買収しても売り渡しをしないで貸し付けたままにしておいたというもので、今お尋ねのものですが、全国では千三百二十二ヘクタールございます。これは農地法に基づきまして都道府県に管理を委託をいたしておりますが、管理状況、委託を受けた都道府県の報告を分析をいたしますと、管理上問題のないといいますものはそのうちの九八%、面積でです。それから管理上問題のあるものというのが二・四%です。 それから東京都、これは三多摩まで含めますと、その国有農地は今の千三百二十二ヘクタールの中の五十四ヘクタール、そのうち管理上問題のないのが九四%。それから管理上、つまり無断転用とか無断耕作とかいうものが六・五%、約七%です。また、そのうちの二十三区を見ますと、今のお話のように九ヘクタールあるわけです。九ヘクタールの中で、管理上問題のないものが八一%、管理上問題があると東京都から報告がありますのが一九%。 ただ、今お話のありましたように、四十六年に国有農地の売り払いを促進するための特別の法律ができまして以来、かなり売り渡しに努力をいたしました結果、四十六年当時は全国で三千四十六ヘクタールございましたが、現在はそのうちの約四割の千三百二十二ヘクタールになっております。東京につきましても、四十六年当時は百五十七ヘクタールございましたが、これは三多摩も入れてですが、現在はその三分の一近い五十四ヘクタールになっております。 ただ、今お話しのように所有者も代がわりをしている。境界がなかなかはっきりしないで、その境界をはっきりする立ち会いがなかなか難しい。それから旧所有者にまず売り払うというのが第一義的な考え方でございますが、今のように地価が上がりますと、これは猫の額のようにと言ってはあれかもしれませんが、何十坪とか百何十坪とかいうところでございますが、旧所有者が時価の七割で買うとしても何千万円とかあるいは何億円とかいう金を用意するような場合でございますのでなかなか大変だということで、なかなか処分が難しくなってきているのでございます。しかし、それでも私どもとしてはできるだけ売り払いをしていかなければいけないし、また土地の有効利用という観点から見たら、もし旧所有者が買わなければ、やはり地方公共団体ともよくお話をして、できるだけその土地の都市の中での利用に役立つようにこれからも努力をしていかなければいけないと考えておる次第でございます。
○草川委員 今御答弁がありましたように、東京都内でも国有農地の二割が管理上非常に問題があるという答弁があったわけです。非常に高いところですからね。それはおかしいわけですよ、そんなのを放置をしてあるというのは。何らかの対応を立てる必要があると思うのです。 今お話がありましたように、しかし時価の七〇%で売る、こういうわけですかう大変高い。お金がない。だから余計に難しい。だから私が先ほど言ったように、時間がたてばたつほどこれは旧地主に売るわけにはいきませんぞ、こういうことなんですよね。だからそこで知恵を出さなきゃしょうがないわけです。 私は、実はそこで、地価インデックス債構想というものをぜひ御検討願ったらどうだろうかという一つの提案なんですがね。これは一橋大学の野口先生がかねて言っておみえになりますし、それから通産省も、このインデックス債ではないのですけれども、「債券交付方式による土地供給」というので、産業構造審議会の住宅・都市産業部会の中間答申の中で、これは五十七年に通産省も非常に検討しておる問題点なんです。 要するに、土地というのは値上がりをするという神話があるわけです。これは私自身にもある。だから、お金に余裕があったら土地を買おうじゃないか、子供のために買おうじゃないか。必ずしもその買った土地というのは利用してないわけです。これを壊そうじゃないかという意見なんですね。だから、土地を売ったらお金がもらえるという、その発想も壊そうじゃないか、分けようじゃないか。土地を売ったら何をもらうかといったら、一つの債券というもの、しかもその債券というのは土地の価格にスライドする債券というのを交付したらどうだろう。 しかも、この場合は、限定的に、いわゆる公共的な用地が欲しい、例えば名前を変えるならば、住宅公団が、おい土地が欲しいよと言う、幾ら探してもない。ところが私が土地を持っておったとするならば、じゃ住宅公団さんにひとつ買ってもらおうじゃないか。ところが、売れば税金がかかる、これは今ですね。だから売るのをやめようじゃないかといって遊休になってしまう、寝てしまう土地というのが全国にあるので、その土地を放出させよう。だからその債券を買えば税金がかかりませんから債券を持つ。しかもその債券は土地が値上がりをしたら値上がりをするわけですから、土地を持っておると同じようなものになる。その債券はだれが発行するかといったら、第三機構あるいは新しい特別会計をつくってもいいのですが、そういうものの中から債券を発行すれば、税金がかからぬわけですから、土地を持っておると同じようなインデックス債というのをポケットに入れていく、メリットがあるじゃないかという、これは一つの発想ですね。 しかし、通産省の産構審の勉強会では、それは物価スライド制になるけれども、利子はつかない債券、ところが通産省の方は、ちょっとスライド制は難しいから単純な債券を渡したらどうだろう、そのかわり利子をつけようではないか、税金上の優遇策を考えたらどうかという、ごく簡単に言えばそういう発想なんですね。そこで回転をするわけですね。土地が非常にたくさん出てくることになる、さすればそれは鎮静化になるのではないか。 私、今大変早口で申し上げましたけれども、要するに土地の神話を打ち壊そう、土地が値上がりをするならするで、物で持たなくて、いうところの土地を有効に利用するというところに視点を置いたらどうかという提案なんですが、これは細かいことを言いますと、役所の方々はちょっと無理だろうということになってしまうのですよ。だから私は、一番最初に申し上げましたように、総理のような高い次元、あるいは奥野さんのように非常に反骨精神の旺盛な長官は一つ高い次元に立って物事の御判断ができるのじゃないかと思うので、御両名からちょっと感想を聞かしていただきたい、こう思うのですが、どうでしょう。
○奥野国務大臣 御提案でございますし、野口さんがそういう構想を言っているということも聞いております。したがいまして、よく研究させていただいた方がいいんじゃないかな、私が今ここですぐ、こういう欠陥みたいなものを感ずるのですがななんというようなことは言わないで、じっくり研究させていただいた方がいいんじゃないかな、こう思います。
○竹下内閣総理大臣 野口さんの構想でございますが、私が大蔵大臣時代に考えたことは、余りすばらしい金融商品ができたら他の金融商品を圧するようなことになりはしないかな、こんな感じを持ったことがございます。
○草川委員 やはり土地政策の問題は、各省庁の協調なりあるいは各金融機関の知恵の出し合いでそれをサポートするとか、あるいは新しい特別会計を信託会社が持ち合うとか、いろいろなアイデアがあってもいいと私は思うのです。ところがそれを行う舞台というのがないわけですね。だからお役所の若い方々でも、そういう舞台があるならば垣根を跳び越して議論をしてみようじゃないか、それは非常におもしろいアイデアではないかと個人的に言っていただく方は随分いるわけです。しかし、どこかに無理があるということは私も承知をしておりますが、そういう無理を一つ一つつぶしていかないと、この日本の中で遊休土地はなかなか出てこない、私はこういう感じがするわけであります。 それからもう一つ、これも一つの提案になるわけでありますけれども、いわゆる土地利用の問題でありますが、公有地、特に国が土地を売却をする場合には、この前の法務省の研修所の跡地ではありませんけれども、入札制度にしますとわあっと上がってしまいますね。だから、これも売るというときにすぐお金という発想ではなくて、どういうように使うのですかという、いわゆる利用方法のコンペティションというのですか、コンペですね、よく設計コンペというのはやりますけれども、競い合うわけですね。私はこういうようにこの土地を使います、地方自治体ともこういうお話をします、だからそれは普通のビル、マンションと違いますよとか、あるいはBは、いや、同じ土地だけれども、私はもっと違う発想でこの土地を使わしていただきたい、まずそういう知恵比べで利用を決めていくならば、当然のことながら地元の自治体も協力をすることになり、国の土地の放出ということができるのではないか。だから国鉄の土地の処分についても、幾らで売るかという発想ではなくて、私ならこういう内容でやらさせていただきたい、これがまずあってしかるべきだと思うのですが、そういう発想についてどのようにお考えになるのかお答えを願いたい、こう思います。
○奥野国務大臣 今、国有地を例にとってお話しになりましたけれども、国有地についてはたしか国有財産審議会ですか、学識経験者でありますとか地方団体の代表者でありますとか、いろいろな人を網羅して、十分にその利用計画も調べた上で処分の仕方を決めておられるようでございます。地域の意見ももちろん民間に払い下げる場合には聞いておられるようでございます。したがいまして、草川さんのおっしゃったことは十分配慮しながら処分方法を決めておられるのではないだろうかな、こう私なりには思っておるわけでございまして、草川さんらしい発想をしておられるな、こう受けとめたわけでございますけれども、もう一歩踏み込んで考えてみたら、やはりそれは頭に置いて処分の方法を決めておるんじゃないかな、こう言わざるを得ないのじゃないかな、こう思っておるところでございます。
○草川委員 そこで、そうではないというので一つ、私はこれはこの前決算委員会がありまして、七月二十七日でありますけれども、郵政省の土地の等価交換の問題を取り上げたことがあるのです。これは新橋の汐留の例の浜離宮のそばです。これも随分大きな土地でございまして、これは郵便局の局舎だものですから大きい土地に交換をしたいということでございましたのですが、これは結局東京都の豊洲の方の大きな土地と交換をしたわけです。その交換のあり方は問題があるというので決算委員会で私は言ったわけですが、その交換の場合も、情報というのは非常に狭いわけですよ。 だから、郵政省としてはこの土地を交換したいよと言う。それで探す。たまたまある民間の大きなゼネコンと交換をする。その大手のゼネコンというのは、将来は新橋のあの国鉄の遊休土地をにらんだ大きなデベロッパーと組んでおるという話がもう業界では専らなんですね。それで郵政省の土地の交換については、若干余った土地は、大阪の土地と、その子会社と交換をするということになります。だから、結局私が言いたいのは、設計コンペのようなことをやればみんなが知るわけですから、そんなことがあるなら私の方でもっとこういういい土地があるからこれと交換したらどうだということですが、今の等価交換のあり方というのは一種の随意契約になってしまうわけです。公の入札じゃないわけです。そうするとその人だけが得をするわけです。だから私どもが今申し上げておるのは、あの新橋の土地がもう大きなゼネコンに押さえられたじゃないか、これは当然次の新橋の国鉄の跡地をにらんだ受注ではないか、そんなことだったらもっと最初から設計コンペのような形、利用計画を出して、我々が納得のいくような等価交換をしたらどうか、こういうことを言いたいわけです。 これは、全国でこういう等価交換の実情が何件ぐらいあるのか、ぜひ大蔵省理財局からの答弁を求めたいと思います。
○藤田(弘)政府委員 お答えいたします。 全国における等価交換の件数でございますが、これは各省庁から協議のあった交換と大蔵省が行いました交換でございますが、五十九年度四百七十一件、六十年度四百八十二件、六十一年度四百九十五件でございます。 それで、この大宗は建設省と大蔵省が多いわけでございますが、その内容は、道路法とか河川法の適用のない道路とか水路のつけかえに伴います新旧道水路を交換したものとか、あるいは宅地等造成地内の旧里道、畦畔等を造成地内に新設します道水路と交換したもの、これが非常に多くなっております。
○草川委員 今答弁にもありますように、かなりの大きい件数で等価交換という問題もありますが、本来はこういう等価交換のあり方についても同様な物の考え方で、ぜひこれは国土庁の方も一枚かんでいただいて、事業計画について物が言えるようにしていただきたいということでございます。 時間が余りございませんので、次は不動産業者に対するあり方でございますけれども、もう少し情報を公開しなさい、閉鎖的な情報だと問題がありますので、取引条件についての公開もあったらどうだろうか、こういう提言をしたいと思うのです。 今建設省の方では宅建業法の改正審議が行われておると思うのでございますけれども、ひとつ資格要件の厳格化、こういうことについての対応をぜひ考えていただきたいということ。 それから、俗に言うところの不動産流通標準情報システム、REINS方式と言っておりますけれども、どこの末端の不動産屋へ行っても情報がアウトプットされて、情報がどんどん出てくる。これはいいのですが、そういう方法がどんどんとられることはいいのですけれども、情報の小さい、情報の小さいということはおかしいのですけれども、地方の小さな業者が逆に疎外をされていくのではないか、大手にお客が集中するのではないかという心配もあるわけでありますから、全国の中小企業の不動産屋の方々にしわが寄らないような近代化的な方向というのをとるべきではないか、こういうことを申し上げたいわけでございます。 以上の問題等について見直しが検討されておると思うのでございますが、どういうようなことになるのか、建設省にお伺いをしたい、こう思います。
○牧野政府委員 先生御指摘のとおり、現在宅地建物取引業法の改正を含めて住宅宅地審議会で御審議をいただいております。間もなくといいますか、成案が出次第、通常国会に法律の改正案を提案したいと考えております。その中で、先生からただいまお話のありましたような資質の向上面から見た資格、免許の基準の改正等も織り込みたいと考えております。 それから、第二点の業者の保有する情報の流通の話でございますが、これは御指摘のとおりその円滑化を図ることが宅地建物取引の円滑化を図る上で大変大きな意義を持っております。そこで、ただいまもお話しいただきましたようないわゆるREINSの開発普及等もやっておりますが、今後これらの施策の一層の推進を図るとともに、これはやや新しいことになりますが、新しい媒介契約制度の導入にあわせて業者の保有する情報を義務的に登録するような制度の検討もしてまいりたいと考えております。
○草川委員 近い将来、次の国会でまたその機会があれば我々も議論させていただきたいと思います。 ちょうど時間になりましたので、あと一問だけ法務省にお伺いをしておきたいと思うのです。 これは一般例として後日のためにお伺いをしておきたいと思うのですが、例えばある会社の代表者が、自己の私的生活の便宜のために、あるいは経済的な利益を得るか、その目的で幾つかの不動産を購入しておったとします、仮定として。しかしこれらの不動産の客観的な価値が下落をしているにもかかわらず、次々に自己の経営する会社にその物を購入させる、それで不当な利益を得たとしますね。しかもその会社には経営上その土地を取得する必要性は全くない、こういう客観的な条件がある。つまり、この経営者は自己の経済的な不利益を自己の経営する会社の損失で補てんをさせようとする自己取引をねらったものであることは当然推量されるわけでありますけれども、このような、いやしくも経営者として社会的、公共的な責任を負っている者が私利私欲のために会社を犠牲にした場合、商法上どのような問題があるのか、これを念のためにお伺いをしておいて、私の質問を終わりたい、こういうように思います。
○藤井(正)政府委員 実務的な問題でございますので、私からお答えさせていただきます。 取締役がその会社と取引をするというのはお互いに利益が相反する行為でございますので、そのような取引をするについては取締役会の承認を要するというふうに商法で定められております。そういう承認なしに行われた行為というのは原則として無効であるというふうに解釈されておるところでございます。 それで、承認があるとないとにかかわらず、そういう取引によって会社に損害が生じたときは、その取締役は会社に対して損害賠償責任を負うことに相なります。
○草川委員 以上で、残りの時間を中村巖先生に譲っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小此木委員長 中村巖君から関連質疑の申し出があります。草川昭三君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中村巖君。
○中村(巖)委員 今まで土地の高騰問題について本委員会においていろいろ論議がされてまいりましたけれども、この土地の高騰問題、これはとりもなおさず東京二十三区を中心とする土地の高騰の問題、これが中心でございます。それと同時に、この高騰というものは大変異常な高騰、常軌を逸するような高騰であるというふうに私どもは思っておるところであります。例えば、銀座における土地が一坪一億数千万円、あるいは麹町あたりでも八千万から一億する、私の選挙区でありますところの板橋でも、二年前には坪百五十万円であったものが今や五百万円もしている、世田谷においてもマンションが一億六千万円、二億、こういうような状況、まさに常軌を逸しているというふうに私は思っているわけです。 〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕 私も東京生まれで、ずっと東京に住んでまいりました。東京を選挙区とするものであります。まさしくこういう状況、東京の庶民からするならば、痛ましいというか、あきれて物が言えないというか、こんな状況、こういうことだろうというふうに思っているのでございます。その結果としてどういうことが起こってくるかと申し上げれば、度民はマイホームは手に入らないということになります。土地を持つ者と持たない者との資産の格差というものが非常に開いてくる、こういうことになるわけでありますし、さらに、東京から追い出されて通勤地獄に追いやられる、そのために勤労意欲も減退をする、こういう状況になる。 それで、こういうような状況というものが東京において生み出された本当の原因は何だろうかということを考えてみますると、先般来、東京の都心におけるオフィス床の需給がタイトになってきた、こういうことに端を発するんだ、こういうお話がありますけれども、実はタイトになった部分もあるかもしれませんけれども、タイトになってきたんだというアナウンスというか情報、こういうものが中心になって、それを目がけて、タイトになったのならばそれを買えばもうかるだろう、こういうようなことで、不動産屋や一部の企業やあるいはまた金を持っている一般の方々というものがそこへ殺到してきた、金融緩和の状況でありますから、銀行あるいは生保あるいは損保というようなものもここへ金を貸す、その結果どんどんどんどん値上がりしてきたというのが本当の実態であるというふうに思っております。 そういう意味で、このような異常な高騰が生じたのはまさに投機、あるいは投機と言って悪かったら投資、そういうものによるブームである。実際の需給というものと全く関係がない。仮需というよりもまさに投資、投機の結果であるというふうに私どもは思っているわけです。そうであるといたしますると、私は、先ほど来の論議にもありましたように、土地を投資の対象にしたり投機の対象にするということはあり得べからざることだ、許されざることだというふうに思います。 ですから私は、そういうような土地が、例えば株であるとか債券であるとか金であるとか、これと同じように、そういうもので余りもうからないから今度は土地へ投資をすればもうかる、こういうふうにして殺到をしてくるような状況というものを除去しなければ、この異常な土地の高騰というものをなくすることはできないというふうに思っているわけです。その点で、そういう体制をどういうふうにして確保するか、つまり土地はもうからないんだよということを一般に知らしめる方法というものを考えなければこれはしょうがない。土地というものは、これは投資の対象ではない、いろいろな形でその利用その他が制限をされている、こういう体制をつくっていかなければこの高騰はとめられないと私は思っております。 そこで、今私が申し上げたような見解について、まず竹下総理、さらに国土庁長官のお考えを承りたいと思います。
○奥野国務大臣 おっしゃっておりますことも一つの見方だ、こう思っておるわけでございます。したがいまして、今おっしゃいましたことも頭に置きながらこれからの対応を考えていかなければならない。特にその中でも融資の姿勢だと思うわけでございまして、大蔵省も強い決意を持ってこれに臨んでいただいているわけでございます。これからは、都心の問題は片づいたけれども地方にこの問題が波及していっているわけでございますので、地方についても厳しい姿勢で臨んでいただかなければならない、こう思っておるわけでございます。同時にまた、都心が下がってきているわけでございますから、安易に今までのような気持ちで進んでいったら自分が大変な失敗をすることになるなという自覚も生まれていくんじゃないかな、そういう自覚を促すことも大切じゃないかなと思っておるところでございます。
○竹下内閣総理大臣 いわゆる経済の実態とかノルマルな感じでは考えられない、まさに狂乱、驚異の現象を呈しておるということは、私は板橋区じゃないわけでございますけれども、地方出身でございますが、まるっきり体制の違う二つの国が日本列島の中にあるような感じすら抱いたことがあるという表現で私も申したことがございます。しかし、一々子細に分析してみますと、今御指摘のような金余りの問題でございますとか、そういうことに対し近時、大蔵省のヒアリングとか銀行検査とか行政指導とか、そういうようなものが逐次効果も出つつある。 それからもう一つおっしゃいましたアナウンスメント効果というものが経済の実態、なかんずく土地の問題にはあったではないか、この御議論も、私もなるほどなと考えさせられた点はございました。
○中村(巖)委員 土地がいろいろな規制をこうむっておるということであって、そう自由自在に流通をしていかないという体制をつくり上げますならば、やはり今日のような狂乱、土地高騰というものはできないのだというふうに私は思います。今、土地は鎮静化をいたしたとおっしゃいますけれども、やはり極端に高く売ろうというものについては、それでは売れないということで値段が下がった部分もある。しかし、一般的にいえばこれは高値で張りついているというか、高値安定の状況にあることは間違いないというふうに思っております。 そこで、とにかく土地について、土地はこういうものなんだ、憲法二十九条の問題もありますけれども、土地というものは公共の福祉のために存在をしているんだということで、これは投資対象になり得ないという状況をつくる。そういう物の考え方を世間に浸透させるために、私は、この際土地基本法というものを制定する必要があるだろう。土地は公共の福祉に従った考え方でしか利用も処分もできないんだよ、こういう精神をうたう基本法を制定しなければならないというふうに思っておりますが、この点については総理、御意見はいかがでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 御指摘にもございましたように、土地という問題はいろいろな規制がそれぞれの法律でつくられておる。しかし一方、何としても厳然とあるのは、先ほども御指摘のとおり、憲法二十九条というものの第一項というのはまさに私有財産制度というものを是認しておるということになりますと、さて基本法で何を基本として定めるか、こういう議論が私は展開されてくるであろうとかねて思っております。したがって、やはりこうした国会等のいろいろな議論の中で十分お互いがコンセンサスを得る問題で、初めにまず基本法ありきという考え方で取り組むにはいささか、私自身それだけの心の準備はできていないと言わざるを得ません。
○中村(巖)委員 土地というものは自由な投資の対象になる財ではないよ、こういうことを何とか一般に印象づける方法というものを講じていかなければ、今後とも、またほとぼりが冷めれば地価の高騰が起こってくるということは当然あり得ることであります。そういう意味で、私どもは土地の基本法というものを制定しなければならないということを考えておるわけでありますけれども、現に、今御指摘を申し上げましたとおりに、地価というものは高値安定だ、こういうふうに今言われている。確かに、今までのようにウナギ登りに上がってくるということはないけれども、やはり高くなった地価というものは下落をしていかないという実情にあるわけです。これはやはりこれからの政府なり我々の努力でもって下げていかなければならぬ。そうでなければ、狂乱の中で決まった地価があたかもごく当たり前の地価のように今後通用していくのでは、これは困ってしまうわけでありますから、その点において、これから地価を下げるという、こういう考え方に政府が立っていただかなければならないわけです。 恐らく、閣議決定をされました緊急土地対策要綱におきましても、今のような土地の高騰はとめるんだということで、緊急だということでお出しになられたと思うけれども、今後いろいろな施策を講じる中でこれを下げていく、こういうことをお考えをいただかなければなりませんけれども、総理あるいは国土庁長官の方でどういう目標で今後地価を下げていくお考えなのか、それを承りたいと思います。
○奥野国務大臣 今の一番の課題は、まず高騰している地価を安定させることだ、そう思っているわけであります。その次に、土地に対する需要を多方面に向けていって都心に対する需要は減らしていく、同時に都心に対する土地の供給はふやしていく、これが根本じゃないか。土地が余ってくれば値段は自然に下がってくるんじゃないか。私も高値安定は不穏当だと思っておりますし、ぜひもっと都市の地価は下がっていかなければならない、こういう気持ちでおるわけでございますし、また、土地の供給がふえてくる見通しが明らかになってくればおのずから需給関係で地価はある程度今よりは下がってくるんじゃないかな、こう思っているわけであります。
○中村(巖)委員 当面、緊急土地対策要綱というものを御決定になったわけでありますけれども、これは緊急のことでありまして、今後地価を下げるために、総理も適正な地価までは下げなければならない、こういうふうにおっしゃっておるわけでありますから、さらに緊急土地対策要綱以外の対策、どういうような形で進めていかれるのか、その点をお伺いいたします。
○奥野国務大臣 緊急土地対策要綱の中にも将来検討すべき課題を明示しているわけでございます。それらを着実に実行していきたい、こう考えておるわけでございます。 午前中からここで論議をなされたことだけからもいろいろな問題が出てまいったこと、御承知いただいていると思います。私自身も、国の関係の試験研究機関はみんな筑波へ行ったのかと思っておったら、たくさんまだ都心にございます。もっといい環境の土地を見つけてあげれば喜んでそっちへ移られるのじゃないかな、こう私は思うわけでございまして、通産大臣も、民間の試験研究機関も地方の方に行ってもらう、むしろ頭脳集団を地方につくっていって、そこを核として地域の発展にも寄与していくことができると思っているんだという意味合いのお話もあったわけでございまして、また運輸大臣からも、常磐新線の建設なども進めていきたいんだというお話がございまして、あの常磐新線の建設を進めていくだけでも膨大な宅地が供給されていくんじゃないだろうかな、こう私は思っておるわけでございます。 午前中出ました言葉の中からでもそういう問題があったことを御承知いただいていると思うのでございまして、いずれにいたしましても、需要を減らして供給をふやせばおのずから地価はある程度下がっていくんじゃないかな、そういう方向に向かって努力を続けていくつもりでございます。
○中村(巖)委員 緊急土地対策要綱の中にもいろいろなことがうたわれておるわけでありますけれども、実際これが全部そのとおり現段階において実行されているのかということに対しましても、私どもも多大の疑念なしとしません。また金融の問題について言えば、いわゆるヒアリングというようなことが行われて、それは一定の効果を上げているということは事実でありましょうけれども、そのほかの部分でまだまだ実際に実行されていない問題がある。 例えば、国土利用計画法の規制区域の問題であります。規制区域について考えていかなければならない、準備をしていかなければならない、こういうことでありますけれども、私どもが見る限りにおいて、何か政府の方はこの規制区域の発動に対して大変消極的であるというようにうかがわれるわけでありまして、とにかく規制区域というものを発動する、こういう構えというものがなければ、構えと同時に準備というものがなければ、それは土地対策として何の効果もないということになるわけでございます。 現実には、まだ東京の外側の周辺部において土地の高騰というものは続いておりますし、あるいはまた東京湾の臨海部開発というようなことが言われておりますけれども、臨海部開発が、これがインフラの整備が進んできていよいよ開発だということになれば、またあの辺で土地の高騰、目覚ましい高騰というものが起こるんじゃないかということも懸念をされるわけであります。そういう中で、やはりこの国土利用計画法の規制区域の発動というものをやる意思があるんだということを、また準備を進めているんだということを、総理、これは国土利用計画法において総理大臣がそのことを推進をできることになっておるわけでございますから、総理の方からその辺を明確にお答えをいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 事務的な問題もございますので、私が先に御答弁させていただきます。 現在、監視区域の設定、これがかなり効果を上げてきているわけでございます。なお監視区域を広げていかなければならない、あるいは届け出の面積を下げていかなければならない、そういう問題もあろうかと思うのでございますけれども、一応効果を上げてきているように思うわけでございます。効果を上げ得ないで、しかも投機的な行動が繰り返される、そういうことになった場合には、まさに地価の凍結、規制区域にして許可制にするということになると思います。まさに伝家の宝刀でございまして、いつでも伝家の宝刀を抜けるようには準備していかなければならない。事務当局間では、国土庁の関係者と地方団体の関係者とは協議をしておるわけでございます。幸いにして今のところは監視区域の方が成果を上げておりますので、規制区域云々しておりませんけれども、御指摘ございましたように十分な準備は続けてまいるつもりでございます。 〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕
○竹下内閣総理大臣 土地対策要綱というものは、御指摘もありましたように、当面、そして今の法制上でやれること、それから中期の問題、長期の問題、こう分けて一応十月の十六日に整備され、その後また新内閣ができましてから閣僚会議等を設け、進めておるというのが現状でございます。その中で議論されまして、今規制区域の問題につきましては、奥野大臣からお答えがございましたとおり、まさに地方団体と国土庁の方でそれが準備ということについての十分な打ち合わせが行われておるというのが実態であろうというふうに私も理解をいたしております。
○中村(巖)委員 この問題について言えば、地方自治体がやるということはもちろん国土利用計画法に書いてあるわけでありますけれども、その十三条では内閣総理大臣の指示というものが書いてございまして、やはり内閣総理大臣が本当にやる気があるんだということがなければ、地方公共団体の長もこれはなかなかやろうということにはなってこないわけでございます。その意味で、総理大臣の決意がどのくらいあるかということは非常に大きな影響を持っていることでございまして、当面の地価を下げるんだということでも、やはり国はこれをやるかもしれない、こういうようなことが一般に与える影響、効果というものは、これは大きいものだろうというふうに思っております。 それにいたしましても、この国土利用計画法の規制区域の発動につきましては、やはりそれを発動する要件が少し厳し過ぎるのではないか。少し厳し過ぎるがゆえに、自由自在にこの手法というものを駆使することができないということになっているのではないか。そこで、私ども公明党を含みます野党四党でもって国土法の改正ということを提案いたしておりますけれども、国土法の規制区域の発動の要件、これが厳し過ぎるじゃないかということに対しましては国土庁としてはいかにお考えでしょうか。
○奥野国務大臣 御提案の法案も拝見いたしました。ただ、監視区域と結果的には余り要件が変わらなくなってしまうな、こう思ったわけでございます。けさもどなたかがおっしゃいましたが、大きなプロジェクトでも実施するときにはまず規制区域の指定をすべきじゃないかな、こうおっしゃっていました。私も実はそういう課題を持ったときには同じような考え方を抱いておるわけでございます。抱いておるわけでございますが、今の法律ではそういうところへ規制区域の指定はできないな、そうなるとあの要件は改正しなければならないな、だから、違った意味で改正は一つの問題点だなと思っているところでございます。
○中村(巖)委員 投機があったということを要件とするというのであれば、土地投機があったのかどうか、値上がりしたということは客観的事実でありますけれども、だれかが投機行為をしているのかどうか、そういうことを要件にいたしますと、投機行為があったということを立証しなければならない、こういうことになるわけですから、大変に発動が困難になってくる。それは法律的に事実じゃないか。そういう意味で、やはり私どもはその要件を何とか外すことができないかというふうに思っておるわけでございます。 それはそれといたしまして、今日までこの委員会におきましてもあるいはまた世間におきましても、多くの土地対策、その手法というものが明らかにされておりまして、いわばこうやったら土地対策として有効だよというお話はもう出尽くした感があるということだろうと思う。公刊物の中においてもいろいろ書かれておりますし、多くの学者の先生方も発言をされているわけです。ほとんどもう出尽くしたということで、その一つ一つをあげつらうことはいろいろできるわけでありますけれども、しかし、それにしてもこう出尽くした現状においては、あとは政府が本当に決断を持って実行をするのかどうかというその一点だけが私は残されているのだろうと思う。 その点について、何となく、今度問題が、政治の状況の中におきまして大型間接税の問題へ行ったりして、本当にこの土地の問題はかすんでしまうのではないか。一応対策と称するものがただ店先に並んだだけで、それで終わってしまうのじゃないかという懸念がされるわけで、その辺について総理にもう一度決断のほどをお伺い申し上げたいと思うのでございます。
○竹下内閣総理大臣 御指摘のとおりであってはならないと思いますだけに、私ども新内閣ができまして、特に、私なりの考えでは、設置法で読めないことはないなと思いつつも、やはりきちんと政策課題を明らかにするために、土地対策担当を奥野国務大臣にお願いをしたというのが一つの姿勢のあらわれであります。 そしてまた、私ども、今出尽くしたとおっしゃいましたが、確かに、いろいろな議論がなされておることは事実であります。取捨選択の問題が行政の上にこれから大事なことになろうかと思いますが、私が大変に評価しておりますと申しますのは、いずれともなくとでも申しましょうか、本当に前国会でコンセンサスができて本委員会ができたというようなことは、いろいろな御提言に対する取捨選択は別として、少なくとも行政行為としてやり得る環境が整うことは非常に大切なことだ、このように思っておりますので、今どういう法律の物があるとかないとかというよりも、そのような建設的意見の中に本委員会が運営されていくことに対して、私どもは心から期待を寄せておるということであります。
○中村(巖)委員 いろいろな土地高騰対策というものがあり得るわけでありますけれども、その中で、奥野大臣もおっしゃられているように、供給が余計なされなければならない。土地があり余っているのだよという世の中の状況ができまするならば、それは土地が上がっていかないことは当たり前のことでございます。 供給策についてもいろいろな提言がなされているわけで、そういう中で、供給策と申しますか、そういうものも含めて私は個々の手法についてこれからお尋ねを申し上げたいと思いますけれども、一つは、この土地高騰状況をつくり出しているのは、都心三区は別といたしまして、都内の二十三区の他の区におきましても、やはり居住用資産の買いかえというこの問題が都心三区以外の地域の土地の値段を上げている、これはもう紛れもない事実であるというふうに思っているわけでございまして、これは御承知のように租税特別措置法の中にこういう規定があるわけでありますけれども、この規定を大蔵省としては変えるお考えがあるのかどうか、お聞きをいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 この制度は過去において非常に有意義な役割を果たしてまいったと思いますし、また人がおのおのの、何と申しますか、ライフステージとでも申しますのでしょうかに従って住居を変わっていくということも考えての制度でございましたが、ここへ来まして、ただいまおっしゃいましたように、つまり都心なら都心の土地の上昇を周辺に伝播させるという事実上の役割を果たしているという批判は必ずしも正鵠を射ないとは申せない、そういうことは私も感じております。したがいまして、これにつきましては関係省庁の間で改正をしたいという御意見がございますので、それをよく承りまして、必要でございましたら改正をお願いいたしたいと思っております。
○中村(巖)委員 次に、土地を取得をいたしましてそれを直ちに転売をするということになれば、その譲渡所得に対しては課税をされるということになるわけでありますけれども、投資用に土地を買って長年保有をするということになると、やはり今土地神話でありますからいつの間にか上がるだろうということで、事実上がっていくわけです。そういうある程度長期に保有をしております土地に対して、やはりそこには、上がっていきますればキャピタルゲインというものがあるわけであります。売らないまでもキャピタルゲインはある。未実現のキャピタルゲインと申しますか、そういうものはあるわけでありまして、これに対して課税をすべきであるというような意見がございます。私どももそういう方向というものは正しいのじゃないかなということで申し上げているわけでありますけれども、未実現のキャピタルゲインに対して課税をするということについては、大蔵省は何かお考えでしょうか。
○宮澤国務大臣 言われますように、キャピタルゲインというのは本来実現をしたときに担税力を生ずるという考え方でございますから、それが実現しない場合にも事実上市価が上がっているではないかということで課税をするといたしますと、それは所得税よりはやはり保有税ということになってまいろうかと思います。そういたしますと、現に固定資産税等々がございます。そこで大きな税率がかけられるとは思いませんので、そういたしますと、今の固定資産税等々、特別保有税とかいうものを考えていった方が現実的なのではないかというふうに思っておりますので、私どもの方の系統で未実現のキャピタルゲインに課税するということはただいま考えておりません。
○中村(巖)委員 私は、それに対する課税というものは大変技術的には難しいかと思いますけれども、それを考えるということは、やはり土地を投資として買って持っていても得はないんだよという状況をつくり出すためには非常に有効であろうというふうに思っております。したがいまして、それは土地保有税で足りるのだ、——土地保有税ということではなくて、大蔵大臣も言われたように、土地保有税ならわずかでありますけれども、まあ所得税というか、そういういわゆる固定資産税なんかと別の税目だというふうに考えれば、これは相当大きな税収を上げられる項目だろうというふうに思うので、今後とも御検討をいただきたいというふうに思っております。 次に、土地保有税ということが出てまいりましたので土地保有税、その中身は固定資産税とか特別土地保有税というようなものでありますけれども、これは地方税でございます。これらについていろいろな意見がございます。これを上げることが土地を放出をさせて供給を多くするんだという意見があるわけであります。私も、それはそれ自体としては間違いがなかろうというふうに思っております。したがって、土地保有の税金を一面ではある程度取るということが必要なんだというふうに思っております。しかしながら、一方では土地というものはいわば庶民の生活の基盤であるという部分もあるわけでありますから、小規模な土地の所有者に対して過大な保有税、固定資産税を取るということでは、これは庶民生活が成り立たないという側面を持っておるわけでございます。そこで、今後、一方では小規模土地所有者に対する固定資産税の減免を考えながら、一方ではやはりある程度以上の土地を持っている人に対しては保有税の強化を考えていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思っておりますが、自治大臣の御意見はいかがでございましょうか。
○梶山国務大臣 特別土地保有税については、一定規模以上の土地の取得及び保有であって、建物、施設等の用に供されていないものに対して取得価額に基づき課税されているところであります。また、三大都市圏の特定の都市の市街化区域内に所在する土地については特別土地保有税の特例措置、いわゆるミニ保有税があり、特別土地保有税の課されていない比較的小規模の土地についても、その取得後二年経過以後の保有について、住宅等として有効に利用されているものを除き、特別土地保有税が課されているところであります。特別土地保有税につきましては、いわゆるミニ保有税が来年三月適用期限が到来することに伴う期限の延長等の問題を含めて、税制調査会等において適切に対処をしていくものと考えております。 なお、固定資産税の問題でございますけれども、資産の有する価値に着目して、資産を有することに担税力を見出して税負担を求めるものであるために、資産価値の変動を勘案した評価額を見直すことが必要であり、これによって固定資産税の評価の均衡と負担の公平が図られるところであります。 固定資産税においては、住宅政策の見地からその税負担の緩和を図ることが必要であるとの配慮のもとに、一定規模以下の住宅用地については課税標準額をその価格の二分の一、二百平米以下の小規模住宅用地に対しては四分の一の額とする特例措置を講じているところでありまして、この措置は、一定割合以上の居住部分を有する併用住宅についても、その居住部分の割合に応じて適用されているところであります。御案内のとおり、固定資産税約五兆円のうち、土地に対する固定資産税は約二兆円でありますが、小規模の、いわば特例によって一兆二千億強が減税をされているわけでございますので、これ以上の特例措置は、市町村財政に与える影響も大きいのでいかがかというふうに考えております。
○中村(巖)委員 減免措置の問題については、また時間があったらお伺いをしたいと思っております。 そういう税制面のやり方以外に宅地を供給をするということになりますと、これは開発という以外に大体ないわけでありますけれども、しかし、この開発なるものが東京の場合においては私は大変に問題であるというふうに思っております。まさにこの東京にいろいろな形で、オフィス床の需要であるとか住宅の需要であるとかこういうものがある。したがって、それに伴ってどんどんどんどん東京を開発すればいいじゃないか、こういうふうになってくる。こういう物の考え方というものは、私ども東京に住んでいる者からすれば大変困る考え方であるわけです。 端的に申し上げれば、そんなことをやって何が何でも高層化なんだということをやっていたら東京はどういうことになってしまうのか。まさにこれはコンクリートジャングルになってしまうじゃないか。人間が快適な住まいができるようなそういう町ではなくなってしまうじゃないか。総理は「ふるさと創生論」を言っておりますけれども、私どもは東京をふるさとにしているわけであります。東京もこれはふるさととしてふさわしい町でなければならぬし、町並みでなければならぬというふうに思う。私は別に高層化を否定しているわけではありませんけれども、高層化をすべきところは高層化をするんだ、しかし、高層化をしなくても足りる部分、あるいは高層化をしないままにおいておいて快適な住環境をつくらなければならない部分、これはそれ相応の措置を講じなければならないのだろうというふうに思っているのでございまして、ただやたらに高層化だ、開発だというふうにやられることに対しましては私どもは反対であります。 東京におきましても、例えば下町、下町というものは大変いいものだというふうに言われておるわけでありまして、例えば谷中であるとか根岸であるとか、あるいはまたそのほかの地域におきましても古い東京も残されておるし、やはりそこへ行けば心が温まるというような町並みがあるわけです。こういうものを全部否定をされるような、しかもなおかつコンクリートジャングルということになりますと、前にも他の議員から御指摘がありましたように、都心部におきましては全然小学生がおらない、人が住んでおらない、これではまさに、何と申しますか、昼間はいいでしょうけれども、夜になったらゴーストタウンじゃないか、こういうことになってくるわけです。そういう意味で、東京内部においてやはり均衡ある発展というものを考えていただかなければならないというふうに思います。やはり人の命というか、人の心が通う町に東京をしなければならないというふうに思っているわけでございます。 奥野大臣は、何かやはり低層の住宅は困るんだ、だから高層化をしなくちゃならないというようなことをしきりと言われたようでありますけれども、今私が申し上げたような点で配慮をしてやらなければならないというお考えがあるのかどうか、承りたいと思うのです。建設大臣にもやはりその点についてお伺いをしたいと思います。
○越智国務大臣 私どもの申し上げておりますのは、東京都をコンクリートジャングルにしよう、こういうことではございません。まず、地域分散ができるものはできるだけ地域分散を各地にいたしますし、またプロジェクト、例えば臨海部とかあるいは汐留とか、いろいろ問題がございますが、こういうものもできるところはやっていこう、さらに再開発の必要なところは再開発をして、奥野大臣の言われておりますように高層化していこう、また区画整理、あらゆる手法を用いてやっていこう、こういうことでございますから、一律に全部再開発をし、また高層化しよう、こういう考えではございません。できるところをあらゆる手法をもってやっていこう、こういう考えでおります。
○中村(巖)委員 宅地の供給策の一つとして非常にやかましい論議になっております問題は、市街化区域内農地を宅地化をするための手法というか、この問題でございます。 市街化区域内に、東京都におきましても相当の農地があるということははっきりしているわけであります。これにつきましては、今、地方税法でもって徴収猶予なり納税免除ということで税金がかからない、固定資産税がかからない状況になっておる、これを通常の宅地と同じように税金がかかるような体制に変更をすれば相当量の宅地供給ができるのじゃないか、こういうことがあるわけです。でれば今、長期営農継続ということの届け出だけを出せば地方税法上の特典を受けられる、こういう状況はやはりおかしいじゃないかという指摘があるわけであります。 私どもは、この問題について、やはり何が何でも市街化区域内の農地は宅地にしなければならないんだなんという考え方は持っておりませんで、やはり市街化区域内においても営農が必要な部分というものはあるだろうというふうに思います。したがって、そういう部分については、都市計画法上生産緑地というようなものが指定をできることになっているわけでありますから、生産緑地法というものもできているわけでありますから、生産緑地の指定をして、それ以外のものについては、やはりこれは農地として存続をするのがどうかなと思われる土地でありますから、これについてはやはり租税特別措置法の附則によるところの減免措置を外していただいたらどうかな、こういうふうに思いますけれども、自治大臣のお考えをお伺いいたします。
○梶山国務大臣 市街化区域農地に対する固定資産税の課税については、長期営農継続の意思がありこれが適正に実行されて営農実績がある場合に限り宅地並み課税の対象外とするとの考え方を基本としているものでありまして、長期営農とは十年以上の営農期間としていることから見れば、昭和五十七年の現行制度発足以来まだ日が浅いのでございまして、長期営農継続農地制度の基本を見直さなければならない状況であるというふうには考えておりません。長期営農継続制度については、厳正な運用について、十月十六日に閣議決定された緊急土地対策要綱をも踏まえて、地方団体を指導したところであります。 今後の市街化区域農地に対する宅地並み課税のあり方については、農業をまじめにやっている方々に対する配慮、それから宅地供給の観点、あるいは土地利用のあり方、都市における緑地等の確保等、都市施設の整備状況との関連等の議論を踏まえながら、税制調査会等の意見も伺いながら検討していくべきものというふうに考えております。
○中村(巖)委員 次に、宅地あるいは土地を供給する一つの今目玉というふうになっているのが東京湾の臨海部の開発、こういうことでございますけれども、先般、当委員会におきましても臨海部を視察してまいったところでございまして、この臨海部開発というものは確かに急がれなければならないだろうというふうに思っております。しかし、私ども見てまいりましても、今の段階では、いわゆる土地の基盤整備と申しますかインフラの整備が大変不十分じゃないかというふうに思っているわけでございまして、まず、例えば交通手段にいたしましても、これは十分なものは全くない、こういう状況でございます。したがいまして、この臨海部の開発を急ぐ、それを促進するということも政府は言っているわけでありますから、促進をするとするならば、まずこのインフラ整備をやらなければならない。 それがためには、まず鉄道をどうするのかということがあるわけでございます。東京都は多心型の首都ということでいろいろ構想をして、やはりあそこの開発、一つの副都心として位置づけておるわけでありますけれども、例えば交通の問題、東京都におきましては、新交通システムをあそこへ引いていきたい、あるいはまた既存の京葉線の延伸をしたいというような構想を持っているようであります。またさらに道路の問題にいたしましても、湾岸道路というものをつくっていかなければこれはしょうがないということで考えているようでありますけれども、実際にはこれは進んでおりません。また東京湾連絡橋というようなものをやろうといたしておりますけれども、まだその進捗状況というものは極めて遅いわけであります。 このようなインフラ整備について、まず運輸大臣に鉄道の関係を、そしてそのほかについては建設大臣にお伺いを申し上げたいと思います。
○石原国務大臣 東京臨海部の開発につきまして、地域整備の進捗状況に応じたこれに関連する交通施設の整備が御指摘のとおり大変大事だと思います。 これにかんがみまして、鉄道の整備に関しましては、昭和六十三年夏に開業を目指して営団地下鉄有楽町線の延伸工事が進められておりますし、六十四年度開業を目指して京葉線の都心乗り入れのための工事が進められているところでございます。 臨海部と都心とを連絡して新交通システムが併設されます東京港連絡橋につきましては、昭和六十七年度供用開始を目指してその整備が進められているところでございます。
○越智国務大臣 御指摘のように、道路はまだ十分進んでおりませんが、開発とあわせまして、よく連絡をして間に合うように、道路につきましては建設省で対処してまいりたいと思います。
○中村(巖)委員 この問題につきましては、インフラの整備もできていない。したがって、言ってみれば遠い将来でなければこれは供用は開始ができないという状況にもかかわらず、余り声ばかり高くて、すぐにこれが土地対策の即効薬になるような話をされている。私はそれはおかしいなというふうに思っているのでございます。 時間がだんだんなくなりますので次に進みますけれども、もう一つの宅地の供給、土地の供給の手法としては、都市再開発法による再開発、こういうことが言われておるわけであります。再開発をやらなければならない。しかし、その再開発なるものも、今日までやられてこなかったわけじゃない。今日までもいろいろな形で一生懸命建設省もおやりになり、地方公共団体も一生懸命で再開発ということを進めてきたわけでありますけれども、それがこの土地対策に何の役にも立たなかったということは、やはり再開発そのものが実際に進んでこない、かけ声はかけるけれども進んでこない、こういう現実があるわけです。それはやはり何といっても——いろいろな言い方はあります。確かに、地権者の人々が悪いんだ、こういう言い方もあるかもしれませんけれども、やはり再開発法そのものにも何か欠陥があったのではないか、欠陥があるのではないか。あるいはまた新しい考え方をその再開発の中に導入をしなければならない。 例えば、言ってみれば権利の変換のやり方、あるいはまたその基準というようなもの、それを画一化をするというようなことを考えなければならないだろうし、あるいはまたそれをスムーズに進めるためには、公的に養成をされたコーディネーターというようなものをつくってそういう制度をやっていくとか、何か考えなければ、従来のままでは、再開発をいたしまして土地の供給をふやします、こう言ってみたって、これは私は絵にかいたもちだろうというふうに思うのでございますけれども、建設省のお考えをお伺いいたします。
○越智国務大臣 再開発の問題につきましては、今いろいろ新しい手法等も考えて、相談をしております。第一番に土地を供出してもらう、例えば工場等の跡地等の供出をしてもらう。その場合に、税制の問題等も含めてただいま検討をさせていただいております。強力に進めてまいりたいと思います。
○中村(巖)委員 今の点について国土庁長官にもお伺いをいたしますけれども、長官は再開発ということをしきりに言われておりますけれども、やはり現状のままでは再開発というものもまたこの土地対策の特効薬にはならぬのじゃないかという気がいたしますけれども、いかがですか。
○奥野国務大臣 一つの重要な対策じゃないだろうかなと思っておるわけでございます。単に土地を提供するだけじゃなしに、環境を改善する、文化的な地域社会をつくり上げる、その中で土地の提供がふえていくということが一番望ましい姿じゃないだろうかな、こう思うわけでございます。再開発を通じまして道路を広げていく、緑地をつくっていく、そしてさらに利用度を高めていく、一番理想じゃないかな、こう思っております。 現在は三分の二の同意があれば着工できるわけでございますけれども、実際問題としては、全員の同意がなければ着工できないというような姿になってしまっているようでございます。建設省の方では三分の二の同意があれば早く着工するように指導されているようでございますけれども、かつては一人の反対があっても道路はつくらないんだ、じんかい焼却場はつくらないんだと力まれた方もおられるものでございますから、自分の権利だけを主張して、義務の履行といいましょうかあるいは協力といいましょうか、責任の分担といいましょうか、そっちの方が少しおろそかになっているんじゃないかな、こう思うわけでございます。法律の問題とあわせて、国民の気構えというものは私は非常に大切じゃないかな、こう思っておるわけでございます。この土地国会、私はそういう意味において国民の気構えをかなり変えていく方向に効果があるんじゃないだろうかな、こう思っておるわけでございます。あわせて、土地の提供をしてもらいやすいように、今建設大臣からは、税制の問題もひとつ工夫したいんだ、こうおっしゃったわけでございまして、いろいろな手を使っていきたいなと思います。
○中村(巖)委員 建設省にもう一点お尋ねをいたしますが、最近、都市の再開発ということに関連をいたしまして空中権というようなものがいろいろ言われているわけであります。エアライトでございます。単に空中権の問題だけではなくて、エアライトが何らかの有効な働きをするとすれば、アメリカで言われておりますTDRというか、いわば都市計画と関連をしたところの余剰容積率を譲渡する方法、これがやはり土地供給のために一つの大きな役割を果たすのではないかというふうに言われておりますけれども、この空中権の問題というものはまだ十分に議論が熟していないところもあるわけでございまして、今この空中権問題について建設省としてはどういうふうにお考えになっておられるのか、どういう研究を進めておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○木内政府委員 いわゆる空中権というのには先生御承知のように二通りございまして、一つは空中を分割して利用する権利、もう一つは先ほど御指摘のように開発許容限度のうちの未利用の部分を他に移転する権利、TDRと申す権利、この二種類があると思います。 その最初の方につきましては、基本的には、これは我が国におきましても民法の規定に基づくいわゆる区分地上権の活用というふうなことで対応しておるわけでございまして、具体的には、例えば都営地下鉄の上、西台駅でございますか、そこに都営住宅があります。こういうふうなのがそれでございます。 それから、後の方の未利用の容積率移転につきましては、都市計画法上特定街区という制度がございまして、これを活用することによって対応しているところでございます。具体的には、この活用例としましては青山のツインタワービル、これは街路を挟んでおりますけれども一方の街区の容積率を片っ方へ移した。そういうふうに例があるわけでございまして、こういったものを、ただいまの特定街区の運用のあり方を徐々に運用しやすいように改正してまいっております。今後ともこういった適用がなるべくしやすいような措置を講じながら、一層の活用を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○中村(巖)委員 時間がなくなりましたのでもう終わりますけれども、最後に申し上げたいことは、冒頭に私が申し上げましたように、東京二十三区を中心にまさに狂乱的な土地の高騰がありまして、その高騰の結果というものが高値安定ということで今張りつきをしております。これによってやはり一番被害を受けるのは東京都民、古くから住んでおります東京都民でありまして、端的に被害を受ける部分というのは相続税であるとか固定資産税の問題であるというふうに思っているわけでございまして、固定資産税の問題については先ほどちょっとお尋ねを申し上げましたし、相続税の問題については先般来も議論がありましたところでございますので、これについて政府におきましても、東京都民に大きな被害が生じないようにぜひ御配慮をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○小此木委員長 西村章三君。
○西村委員 私は、国土庁長官とはつい先日の委員会で質疑を交わしておりますので、きょうはできるだけ総理大臣の方から御答弁をいただきたいと思うのであります。 土地問題の重要性、なかんずく地価の安定の重要性につきましては今さら申し上げるまでもございません。東京都の都心に端を発した地価の高騰は、今や地方都市にまで大きく広がっておりまして、国民生活やらあるいは経済活動を阻害する元凶にもなってきております。したがって、早急に土地問題の解決、なかんずく地価の安定を図ることは政治の大きな責任であります。 ただ問題は、この問題に取り組むに際し、あるいは論議を進めるに当たって大事なことは、認識であり、そして見通しであり、対策であると私は思っております。特に、何によってこの高騰がもたらされたのかという原因、現状の認識についてはシビアに受けとめていかなければなりませんし、その上に立って初めて的確な見通しも出てまいります。的確な見通しが立てば適切な対策も確立をされるということでございまして、そういう意味で、私はまず総理の基本的な認識からお尋ねをしてまいりたいと思うのでありますが、まず今日の高騰をもたらした原因は、総理、何とお考えでございましょうか。
○竹下内閣総理大臣 私自身が非常にそのときどきに胸を痛めましたのは、大蔵大臣を長い間やっております間に金融の自由化、国際化というのを一生懸命進めました。それが私はいわゆる国際化、情報化による事務所需要の増大ということにつながった一つの要因だという気持ちがあったから、絶えず考えておりました。と同時に、それによります買いかえ需要の増大と投機的取引等が金融緩和の状況にも支えられるなどしたということがまた別の意味において大きな要因である。したがって、そのような複合的要因、複合的に影響が出てきたものであるという問題意識を持っております。
○西村委員 既に国土庁長官は、先般の委員会の中でもそうでございましたし、きょうの委員会の中でもそういう発言をされておりますが、都心部の地価の上昇は鎮静化の方向にあると認識を示しておられます。総理は、現在の時点で、この国土庁長官の認識、すなわち既に地価上昇は鎮静化の方向にある、こう思っておられますか。
○竹下内閣総理大臣 私も鎮静化の方向にある、すなわち十月十六日に決定をいたしました一つの方針、それで何が効き目が一番あったかなと思うと、やはり私は金融機関に対するヒアリング、指導、これが大きな理由の一つではないかなという印象を持っておりますが、しかし、関連した地方都市等について鎮静化したとは思っておりません。
○西村委員 鎮静化という言葉が適当であるかどうか、これは穏やかに静まる状態ということでございまして、今日の時点で果たしてこの言葉が適切であるかどうか、私自身は大変に疑問に思っておるのであります。ただ、四十度の熱が出ていましてたまたま三十九度ぐらいには引き下がったかな、最大のピークは越したのではないか、こう思っておるのですが、もちろん今総理が答弁をされた金融の引き締め、規制の強化、これもあると思いますが、そのほかにも考えられる原因というのは、総理、何だったのでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 やはり一つには監視区域というものと、それから短期の重課税、これもやはり大きな影響を持った要因であろうと思います。
○西村委員 確かに金融の規制、これは特別ヒアリングを実施されたということ、それからこの八月から監視区域の制度が創立をされまして、これが実施に移ったということ、さらに超短期の重課税、これは土地転がしのうまみがもうなくなったということでございまして、業者が、言うならば一斉に手を引いたということであります。業者自身は、もうこの余りの超高値に警戒感を持ってきたということも要因でありますが、ただ私どもは、今回行った措置の中で一番大きな効果をもたらしたのは、不動産への過大な融資の自粛を求める指導にあったと総理もおっしゃったとおりだと思っております。 そこで大蔵大臣、金融機関に対して自粛を求める通達は、いつの時点で何回出されたのですか。
○宮澤国務大臣 昨年の春と末でございましたが、二度出しております。それからことしは、先般十月の十六日に土地関係の緊急対策をとりました後、もう一度出しております。なお、その間に七月から特別ヒアリングをいたしております。
○西村委員 おっしゃるとおり、六十年の七月三十一日、そして六十一年の四月十六日と、二回にわたって「土地関連融資の取扱いについて」という金融業界団体あての通達を銀行局長名で出しておられます。このことは、特に六十年七月、この夏の時点で既に地価上昇に対しての危険がある、あるいは金余りの現象、いわゆる余剰資金が土地に流れ込むおそれが強いことを認識をされたからこそ、この通達を出されたと思うのであります。今思い返しますと、この時点で、いわばことしの七片に実施をされたような特別のヒアリング、指導が徹底をしておれば、過剰な融資あるいは土地転がしというものは避けられたのではないかと私どもは考えております。このときの大蔵大臣はどなただったのでございましょうか。
○竹下内閣総理大臣 六十一年の七月までは、五十七年の終わりからは竹下登でございました。
○西村委員 総理にお尋ねをいたしますが、なぜ大蔵大臣のときに御自分できちんとした指導をなされなかったのか。後で後藤田官房長官も、この過剰なあるいは無責任な金融機関の融資に対しては非常に強い非難をされたということでございますが、実は私の友人に不動産をやっておるのがおりまして、その人も言っておりました。ことしの春までは融資を申し込めば一〇〇%貸してくれた、場合によっては仲介手数料まで貸すぞ、こういうことであった。ところが、この夏ごろから一斉に規制が強くなって、すべて本店に伺いを立ててその審査を経なければだめだ、こういうことになったと言っておるのですが、今振り返ってみて、その時点でいわゆる特別ヒアリングを、あるいはもう少し通達を厳重に指導をしてもらえておれば、こういう事態にならなかったんではないかと私ども考えるのですが、その当時を振り返って総理の率直な、いわば反省も含めた御感想をいただきたいと思うのです。
○竹下内閣総理大臣 私の大蔵大臣在任中、たびたび申し上げるようですが、金融の国際化、自由化を仕事の柱として進めてきた。そのことが、いわゆるオフィス需要というものに対して大きな影響をもたらすであろうということに対する懸念から、やはりこの際、そういう通達を出した方がよかろうという判断には立っておりましたものの、特別ヒアリングとか、あるいは今おやりいただいておりますような強い行政指導とかということに至らなかったというのは、私の見通しの甘さと言われても、これは素直に受けるべき問題だというふうに思っております。
○西村委員 率直に総理自身もお認めになりましたので、私はこれ以上深く追及をしようとは思いませんけれども、世上、今回の土地騰貴は、東京を中心に昭和五十九年の末ごろから始まりまして、本年の春ごろがピークであった、その間およそ二年ぐらいであったと言われているのですが、その間の政府のとった施策あるいは対策、これが逡巡や、やや対応がおくれたということが非常に目立つわけでございます。 先般、修正をされましたけれども、国土庁の今回のビル需要の過大見積もりがございました。あるいは国土法という立派な法律がありながら監視区域の創設はしておらなかった、規制区域の発動の要件も整備をされておらなかった、加えて東京都内の国有地がその時点で高値放出をされた、これが拍車をかけました。超短期重課税も、やっとことしの十月からということでございまして、これは竹下内閣とは直接の関係はないと言いますものの、いわば当時の内閣の失政だった、こう言われておるのであります。 こう申し上げるのは、実はあれほど地価が高騰して異常なまでになったものですから、世論が非常に強い批判を巻き起こした、それが背景になって遅まきながらそれらの対応がとられたという感じもなきにしもありません。要は、この見通しあるいは対応さらにはタイミング、内容、すべての面で立ち上がりが遅かったということ、さらに、ある意味では対策がすべて後手に回ってしまった、私は責任は極めて重大だと思っておるのであります。 竹下総理も、その当時は内閣に名を連ねておられたわけでございますので、政府の責任をどのように受けとめておられるのか、総理の明確な御答弁をいただきたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 経済の実勢に応じていろいろな価格変動のあるものを政治の責任だけに押しつけるということに対しては、私は私なりに反問をいたしてみました。しかしながら、先ほど御指摘の一つの例示を取り上げても、通達を出すにとどまらずして、特別ヒアリング等を実施しておればあるいはという気持ちがあることも事実でございますので、その限りにおいて、そのつかさつかさでやはり責任は感ずるべき問題だというふうに思っております。 したがって、いま一つ、重ねて申し上げるようですが、どの党が提案したということなくこうした特別委員会ができてきたということも、また、あるいは遅きに失したかもしらぬけれども、環境を整備していくためには大変貴重なことではないかという評価もしております。
○西村委員 私も、経済活動の自主性につきましては異議を唱えるものではございません。ただ、今回の政府の対応を見ておりますと、すべての面で後手に回ってしまった。いわばことしの四月がピークであった、にもかかわらず、すべてのそういうものの要件が整備をされてきたのは八月から九月ということでは、これはもう認めざるを得ないのではないか、こういう意味でございまして、このことは当然政府だけの責任ではございません。我々政治家すべてが襟を正してこれは謙虚に反省をすべき要素だ、こう思っておるわけでございます。ただ、今回の地価の上昇は、経済活動や国民生活あらゆる面にいろんなひずみを起こしてまいりました。弊害を伴っております。特に、地代や家賃へのはね返りは、すぐさま反応があらわれておるわけでございます。 実は先般、この二十五日にこの特別委員会で現地視察を行わさせていただきました。けさからも同僚議員からお尋ねがございましたが、その中の一カ所に大川端の再開発地域、工場跡地、これがあったわけでございますが、現地でいろいろ関係者から説明を受けたのであります。その中で、目下建築中の住都公団の賃貸住宅、この予定賃貸料は十八万円だと伺いました。面積はおよそ七十平米でございますから二十数坪でございます。一LDK、三DK相当だそうでございますが、しかもこれは傾斜家賃制度で年々四、五%ずつ上がっていくというものであります。公団の入居資格というのは、御承知のように家賃の四倍以上でありまするから、この住都公団の部屋に入ろうと思いますと、最低七十二万円から九十万円が必要でございます。また、別なところでございますが、青山の公団は何と二十五万円する、こう言われているのです。月収百万円以上でなければ入居資格はございません。年収で最低一千二百万円の収入でございます。 ちなみに、我が国の平均的なサラリーマン、勤労者の平均収入は五百八十八万円でございまして、家賃の限界は月収の二〇%だと先ほどもおっしゃられたとおりでございます。また、これは単に賃貸住宅だけではございませんで、二月建ての家は東京都内で現在平均六千三百六十一万円。平均的な勤労者の年収からいきますと何倍ですか、十一・八倍にももう既になっております。これでは勤労意欲を喪失して、一生懸命働いてもこれは一生家を持てないということになるわけでございまして、土地や社会に対する絶望感というものが広がっているのは当然でございます。 住都公団の目的は、あくまでも健康的で文化的な生活を営むに足りる良好な住宅、これの大規模な供給を行うということに明記をされておるわけでございますが、私は、果たしてこれがその目的に当てはまる住宅であろうか、非常に疑問を持つわけであります。 また、最近の特徴といたしまして、不動産購入の買える限度というのは、年間所得のおよそ四倍から五倍だということでございますが、非常に無理が出ておりまして、現在住宅ローンを利用しても所得の四倍以上の住宅を購入をいたしますと、非常に返済が困難になっておる。いわゆるローンパンクという現象が非常におびただしくなってきたわけでございます。これは住宅金融公庫の数字が端的にあらわしております。 申し上げますと、いわゆる長期延滞件数、これは六カ月以上の人だそうでございますが、十年前の五十二年にはおよそ五百六十三件しかなかった、全体の貸出率の〇・〇二%でございます。ところが、昨年の六十一年では何と一万七千五百八十三件、率にいたしまして〇・三一%、年々激増してきておるわけです。非常に異常な事態だと私どもは考えておるのですが、この実態、今申し上げた実態をお聞きになって、総理並びに建設大臣、どうお感じになられますでしょうか。
○越智国務大臣 お説ごもっともであります。非常に土地並びに住宅が高騰いたしまして、サラリーマンの方々そのほか低所得の方々に大変御迷惑をかけております。でありますから、私どもは宅地並びに住宅、できるだけ先ほど来言っておりますように値下げ、これに努めてやっていかないといけない。そのためには供給の問題でありますが、特に近郊を何とか開発して安い住宅、賃貸にいたしましても特に公営住宅に力を入れて低所得者の方々に供給していく、こういうことに力を入れてまいりたいと思います。お説は全くそのとおりでございます。
○竹下内閣総理大臣 私もたびたび申しますように、月収入の二〇%あるいは年所得の五倍というようなものが、あの御提言を読んでみますとおおむねのコンセンサスになっておるな、こういう印象を受けておることは事実でございます。私自身、その理論的根拠を正確に申し上げるほどの準備ができておるわけではございませんが、提言等を読ましていただいて、一つのコンセンサスがその辺がなという印象は強く受けた一人であります。 が、私どもの地方なら別といたしましても、少なくとも今の東京都心を中心とする中でそういうことは、全く夢物語のような感じを持っておることも事実であります。したがって、先ほど建設大臣からもお答え申し上げましたように、可能な限りの交通アクセス等によりまして、その通勤可能範囲というものがある程度広がっていくことによってそうした安定供給もあり得るのかな、このように思っております。 それから、いま一つの問題といたしましては、都心に一戸建てを自分一人で取得するということの物の考え方というのをあるいは変更すべきじゃなかろうか。むしろ、決してレジャーを楽しむ別荘ではないにいたしましても、だんだん週休二日制等も徹底してまいりますならば、いわばまさに家族の住むところとワークそのものを行うところとの複合的な住宅政策というようなものも、今まで住宅金融公庫等で若干その道を開きましたものの、本気に考えなければいかぬ時代に来ておるなという問題意識は持っております。
○西村委員 建設大臣、今申し上げたその大川端の公団の土地の購入は、実は値上がりする前の五十七年に購入した土地でございます。 さらにその後、今日のような急騰した状態になったわけでございますが、この土地が二倍、三倍になってまいりますと、今後東京における公的住宅の供給、これはさらに家賃あるいは分譲とも法外な価格になるということでございまして、収入との乖離はだんだん広がる一方だということが言えるわけでございます。 けさほどの質問の中でもございましたけれども、今東京都内で、民間の借家あるいは間借りをしている人が百五十万世帯だという数字も示されておりますが、公的住宅本来の目的が達せられないようになっている。この状態を一体どうすれば解決すると思われておるのか。 東京都も、住宅政策の根本的な見直しあるいは東京における公共住宅の確保の方策というものを既に検討する予定にされておるようでございますが、建設省として、今後これに対応するどういう政策を持っておられますか、お示しをいただきたい。
○越智国務大臣 先ほどお答えをいたしましたように、今、公団住宅にいたしましても、今の低所得者で入っていただくという価格には、お示しになりましたように十八万とか二十数万とかいうことになりますと私はなかなか難しい、こう思いますので、やはり特に低所得者向けには公営住宅ですね、こういうところに力を入れないと、現実の問題として難しい、こういうふうに思います。でございますから、やはりその点に特に力を入れてまいりたい。もちろん公団その他の住宅にいたしましても、地価なり、また供給の方が、家なり供給がふえてくれば少しは下がってくるのでないか、できるだけ下げたい、こういうふうに思いますけれども、ただいま、今すぐにはやはり公営住宅、こういうふうに思う次第であります。
○西村委員 宅地の供給がふえれば、それは当然下がってくるのは当たり前の話でございますが、この高くなった土地の中で果たして宅地供給がスムーズにいくのかどうかということを私はお尋ねしておるわけでございます。時間の関係で、またこの問題は後ほど改めまして御質問を委員会でやらせていただきたいと思うのでありますが、一時地価は鎮静をしたふうに見えております。ピークがストップをしたということでございます。この二、三年間で二倍から三倍土地は上がったのでありますが、今一〇%、二〇%仮に下がったといたしましても、これは単に高値でとまったということでございます。 そこで問題は、これはほかの同僚議員からもお尋ねがございましたけれども、東京の地価水準を今後どのようにするのか、その方向を、総理としては、高騰する前の水準に戻したいのか、あるいはもう高くなった水準で、これ以上上昇しなければよいと考えるのか、総理のお考えになっておられる、あるいは今までしばしばお使いになっておられます適正な水準というのは一体どういう意味を持つのでありましょうか、明確にお答えをいただきたい。
○竹下内閣総理大臣 基本的には需給関係、それと、私も土地というものが、いわゆる経済成長率、それも名目成長率と実質成長率とあるものでございますが、それからもう一つは別の意味において、いわゆる預金金利、ところが金利というのは、考えてみると締めるときにはむしろ高くしますし、緩めるときには安くする、こういうことがありますだけに、地価との相関性があるかないかという議論ももう一つ存在するところでございます。 したがって、そんな議論を進めていくうちに、私自身も、少なくとも定量的な計算方法はなかなか難しいな、こういう問題意識を持っております。ただ、いずれにせよ、今のような鎮静化の方向で、これでいいのだという考え方には私は立ちません。したがって、適正価格とは何かということをみずからに問いかけておるというのが今日の私の素直な心境でございます。
○西村委員 今総理のおっしゃったいわゆるGNPの伸びでございますが、これは国土庁長官もおっしゃっておられます。確かにこの四、五年はGNPの伸びは四%から五%ということで、比較的緩やかな伸びを示しておりまするから、それなりに一つの基準ではなかろうかと私も思います。しかし、同時にやはり平均的な金利水準ですね、この金利水準以上に土地の高騰率が上がりますと、いわゆる金融商品化してしまうおそれが強い。こういう意味では、いわゆる金利水準というものも一つの大きな目安になるものだというふうに理解をいたします。最近、物価は非常に鎮静をいたしておりまするようですが、物価上昇率も同様な意味で私は検討課題だと思うのです。 この問題はいろいろございまするから、改めて議論をしたいと思うのでありますが、ただ、先般のこの委員会の中でも、国土庁長官は、土地の価格の安定については、安定を得たい、それは高値安定ではいけない、同時に公示価格の高値を追認するものであってもならない、こう答弁をされておりますね。 それからもう一つ、ここに私は一つの資料を持っておるのでありますが、経済企画庁がことしの九月二十五日にお出しになった「首都圏における地価対策」、その中にはこう書いております。「目指すべき地価水準」「首都圏において、平均的な勤労者が、合理的な通勤可能範囲内で一戸建住宅又は集合住宅を入手可能となるような地価水準の実現を目指すべきである。」こう明記をされておるわけであります。そして、その前提条件といたしまして、四十歳代のサラリーマン、これは先ほども議論になりました年収の五倍程度ですから、およそ五百八十八万といたしまして三千万円程度が購入可能だ。しかも、このような人が一定程度の一戸建て住宅を取得しようと思えば、試算によると、地価は一平方メートル当たり十四万ないし十五万程度でなくてはならないし、合理的な通勤可能範囲は都心から三十キロから三十五キロ圏。とすれば、この圏内の地価が、大体、この近年の高騰前ですから五十八年から五十九年当時、ほぼこの水準が見合う、こう書いてあるわけでございます。ということは、目指すべき地価水準というのは、いわゆる五十八年ないし五十九年当時までさかのぼらなければ、この地価水準が得られないという一つの目安を示しておるのがこの企画庁の地価対策の一つの水準であります。 加えて、竹下総理の「ふるさと創生論」、私も拝見をさしていただきました。「素晴らしい国・日本」という命題でございましたけれども、この百五十二ページの中に「私は、日本の将来にとって、とくに東京の地価を引き下げることが、かっての工業用地の造成と同じほど、あるいはそれ以上に重要ではないか」、こう申されておるわけでございます。ということから推測をいたしますと、少なくとも一つは公示価格以下の価格に引き下げるということ、二つ目には、過去の長期の安定期、いわゆる五十八年、五十九年ぐらいまでの地価水準に一つの目安を置くということ、このことがいわゆる平均的サラリーマンの年収の五倍の家を持てるということにつながるわけでございまして、これが果たして適正水準かどうかは別にして、私は当面の大きな目標にすべきではないか、こう思うのでありますが、総理大臣あるいは経済企画庁長官、建設大臣、いかがでございましょう。
○中尾国務大臣 西村委員にお答えを申し上げたいと思います。 お答えすべき趣旨は、望ましい地価水準についてどのような見解を持っておるか、こういう問題点であろうと思います。先ほど経企庁の出しましたメルクマール、これを単刀直入にお答えをいただきましたが、私どももそのような方向に、望ましい方向に持っていきたい、このように考えておるわけでございます。 地価対策の目標につきましては、平均的勤労者が年収との関係で住宅を取得し得るような地価水準というものを念頭に置いて土地対策を進めるべきであると考えておるわけでございまして、現実の地価水準との乖離が余りにも大きいものでございますから、それだけに思い切った対策を講ずる必要があろうというのが私どもの見解でございます。 私としては、土地対策関係閣僚会議の一員といたしまして、これまた今まで十分討議されましたものを十分に踏まえまして、なおかつ、また関係大臣と十分に連絡をとりつつ、今後とも積極的に地価対策に取り組んでいきたいというのが考え方でございます。 以上でございます。
○越智国務大臣 私といたしましては、お説のように、通勤距離の問題はちょっと三十キロではどうかと思いますけれども、要は、月給の二〇%、また年間所得の五倍程度で持ち家、こういうことを理想で進んで……(西村委員「理想じゃない」と呼ぶ)その目標で進めてまいりたい、かように思います。
○竹下内閣総理大臣 経済企画庁で勉強された資料は、私も大変、何と申しますか、意義があるものである。物価の問題をよく私ども議論しますときに、五十五年を一〇〇として議論するという一つの方法もございます。それも実は私なりの勉強の視点にあったわけでございますが、先ほど来自問自答しておると申しましたのは、適正とはかくかくしかじかであるという方程式による定量的なものを出すことは難しい。しかし、今御指摘になりました資料あるいは我々がよく使います五十五年消費者物価指数というようなものも参考になることであろうというふうには思っております。
○西村委員 総理のお答えも含めまして、企画庁長官、建設大臣も、一つの目標にして、これに向けて努力をしたい、こうおっしゃったんですが、国土庁長官、土地問題の担当相としてどうでございましょう。
○奥野国務大臣 同様に考えております。
○西村委員 先ほど私は、政府のいわゆる土地対策の対応のおくれあるいは対策の後手ということを申し上げました。しかし、責任の追及だけでは意味がございません。今回の地価の暴騰は我々にいろんな教訓を与えたものだ、かように理解をいたしておるわけでございます。 そこで、この過ちを再び繰り返さないことが非常に大事でございまして、これからの地価動向あるいは土地取引の監視についての分析や判断、見通しの確定、対応策の決定。まだ周辺土地は、最近の新聞でも報じられましたように、半年で約六〇%、今上がりつつあるわけでございますから、この時点にかんがみまして、今後政府部内の一体どの機関のだれがどのように判断をされ、どの機関のだれが責任を持って実施に当たられるのか、今後の責任体制について、あるいは対処方針について、明確な御答弁をいただきたいと思うのです。
○奥野国務大臣 おっしゃったような傾向がございます。具体的に申し上げますと、千葉県につきましても、今の監視区域の範囲の外に土地取引が地価の高騰を招いてきているようでございますので、監視区域の範囲を広げる、こういうことも打ち合わせをしてまいってきているわけでございます。 当分、十月十六日の閣議決定、緊急土地対策要綱、これを着実に実行していくことだ、こういうことで政府挙げて努力しているわけでございますので、土地対策閣僚会議もあることでございますので、総理の指導のもとに全力を傾注する、その事務担当が国土庁だ、こう思っております。
○西村委員 鋭意精力的に取り組んでいただきたいと思いますし、お願いをいたしておきます。 次いで、当面の対策で国土法についてお尋ねをしたいわけでございます。 国土法十二条、いわゆる規制区域の指定について国土庁長官は既に、発動する必要は余り感じない、こうおっしゃっておられたわけでございますが、総理として、この国土庁長官の見解に対してどういうお考えをお持ちでございますか。
○竹下内閣総理大臣 先ほど当面の対策を行うということ、それが前々国会で改正していただいた監視区域、それが私は効果を今やまさに発揮しつつあるという問題意識を持っております。したがって、規制区域の問題についてもろもろの準備を進めるという立場をとりつつも、それをさらに変えて、法律改正そのものをやっていくということについては、今日の時点では私自身明快にお答えするだけの準備はしておりませんが、非常に慎重に構えておることは事実でございます。
○西村委員 ことしの十月から実施をされました超短期の重課税制度の施行、あるいは監視区域がことしの八月から施行されました。また七月には特別ヒアリングが実施をされた。言うならば、かけ声だけで効果が非常に大きいわけでございます。したがって、なぜ初めから国土庁長官はこの規制区域の発動についてはやらないというような意味のことをおっしゃったのか、私どもは非常に疑問をいまだに持っておるわけでございます。 もちろん、この規制区域の発動というのはいろんなまたデメリットもあるわけでございまするから、慎重に扱わなければならぬということは私どもも十分承知をいたしております。しかし、もうのっけから、しかも今この規制区域の発動要件を国土庁と地方都市の皆さんが一緒になって検討なさっておる最中でありますだけに、私は先般も申し上げましたが、ちょっと国土庁長官の御発言は軽率ではなかったか、こう思うわけでございます。もう一度総理の御見解を承りたいのであります。
○竹下内閣総理大臣 正確に申し上げますと、遅滞なく規制区域の指定を行い得るよう関係地方公共団体とともに所要の準備を進めておるというのが、正確に言えば現状であろうかというふうに思っております。経済社会に与えるすべての影響等について慎重に検討すべきもの。 それからいま一つは、法律の扱いは、本委員会の冒頭にもお話がございましたが、これはまさにこの国会の場で今扱いが検討されておるということに、自由民主党総裁ではございますけれども、今、行政府の長として私からのコメントは差し控えたい。 それから、総じて、おっしゃいますいわば行政府にある者のアナウンスメント効果というものは、為替相場だけでなくいろいろあるということは私どもも認識しております。
○西村委員 伝家の宝刀でございまするから、それなりに意味があるのでございましょうが、さびついた刀は刀ではないわけでございまして、どうぞ発動には慎重でございましても、準備だけは万全にやっていただきたい。私ども野党四党も先般国土法の改正案を一応提示をしてございます。政府としても十分御研究をいただきたいことをこの機会にお願いをいたしておきたいわけであります。 そこで、今度は監視区域の問題でございますが、この発動につきましては今非常に機動的にやっていただいておりまして、非常な効果を上げております。ただ、東京あるいは首都圏の一部とそれから地方圏の一部にまだ限られておるわけでございまして、私は、この規制の問題は、近々地価が上昇が予測をされる地方都市の商業地あるいはリゾート地域、開発地域、大規模のプロジェクト、これらにつきましても予防の意味で監視区域の対象を検討なすってはいかがか、こう思うのであります。 御承知のとおり、私は大阪の出身でございます。大阪市もこの一年間で地価は平均四〇・三%大阪市内で値上がりをいたしておりまして、このあおりで府下の地域は平均一〇・二%上昇を示しております。この数字は四十九年の地価調査始まって以来最高の上昇率でございますだけに、私どもも心配をしておるのです。しかも、大阪を中心とした近畿圏には、今多くのプロジェクトがございます。国土庁長官の地元の、あるいは京都、大阪にまたがる関西文化学術研究都市、また大阪の南部、和歌山も非常に関係が深いわけでございますが、関西新空港の建設、これらはそれぞれもう今始まっておるわけでございます。また六十五年には花と緑の博覧会、さらにはコスモポリス構想、いろんなビッグプロジェクトやイベントが予想されておるのでありますが、この地価の上昇は今後のこれらの建設あるいは開催というものについて非常に重要な障害になるおそれが強いわけでありまして、指定の検討も含めて今後どういう対策をおとりになるのか、目下検討中だと私は思いますが、国土庁長官から明確にお答えをいただきたい。
○奥野国務大臣 今御指摘いただきました地域につきましては、地方団体の方におきましても監視区域を設定する準備を進めているようでございます。先ほどもお話し申し上げましたように、大規模なプロジェクトをやるときに、監視区域の設定よりも、私は規制区域を先に設定するという方がベターな場合もあるだろうと思うのでございます。監視区域の次に規制区域ということじゃなくて、これは考え方が違うわけでございまして、規制区域は地価を凍結してしまうわけであります。それだけに、私はいろいろな影響、深刻なものがあると思います。しかし、時と場合によっては監視区域じゃなくてすぐに規制区域を指定する、またそれができるような法改正も研究したらいいのじゃないだろうかな、こう思っておるわけでございまして、御指摘いただきました地域の問題、非常に重要でございますので、真剣に私も取り組んでまいりたいと思います。
○西村委員 次に、土地税制について伺います。 自治大臣にお尋ねをいたしますが、固定資産税の急激な負担増に伴いまして、いわゆる負担緩和の措置、この軽減が強く望まれておるわけでございますが、自治省では既に検討をなすっておるようでございます。私は据え置きだとは申し上げておりません。負担緩和の措置を一体どのように軽減をされるのかということ。 もう一つは、四十八年以来据え置かれております固定資産程の免税点、これは現在土地で十五万円、家屋で八万円ということになっておりますが、この免税点は余りにも時代おくれでありまして、この際見直すべきであると思うのでありますが、この二点について自治大臣からお答えをいただきたいと思います。
○梶山国務大臣 固定資産税の評価の検討でございますけれども、これは御承知のとおり、資産の有する価値に着目して資産価値に応じた税負担を求めるものであるために、資産価値の変動を勘案して評価額を見直しをすることが必要でございまして、これによって固定資産税の評価の均衡と負担の公平が図られているものでございますので、これを御指摘のような生存権的資産、すなわち住宅や小規模事業用地等によって差を設けることは、税の性格にかんがみ適当ではないと考えております。そして、税負担の緩和を図ることが必要であるという配慮から相当の特例措置を講じてまいっておることは御案内のとおりでございまして、特例措置による減収額は既に一兆二千億を超えて、市町村財政に与える影響も小さくございません。そういうことでございますので、これ以上の措置は残念ながら……。 その次に、負担調整については、過般閣議決定をされた緊急土地対策要綱、これにおいて「税制調査会に諮るなど所要の措置を講ずる」こととしておりますので、今後税制調査会の検討を踏まえて対処をしてまいりたいと考えております。 それから固定資産税の免税点については、御指摘のとおり課税標準額の土地にあっては十五万円、家屋にあっては八万円とされております。時代に即応しないという御意見もございますが、現在における市町村の厳しい財政事情を考えてみますと、免税点を引き上げる余地は残念ながら考えることができないという感じがいたします。
○西村委員 固定資産税、まさに自分の住んでおる居住用の資産につきましては、これは本当に生存権的な財産ともいうべきものでありますだけにぜひ配慮をしてほしい、負担調整につきましても軽減の措置を講じてほしい、強く要望をいたしておきます。 それから相続税の問題でございますが、これも既に言い尽くされております。私もこの実例が一つあるわけでございまするが、これは新宿区の十五坪、四十九・五平方メートルの小規模な零細な商店でございますが、昨年でありましたら八百万円の相続税が、評価がえによってことしになってから三千四百万円にもなっております。実に四・二倍という急騰でございまして、この小さな商売屋さんはもう事業ができないというところに来ておるわけでございまして、このような傾向は全国的にふえておるのであります。 相続税の見直しは緊急対策だと思うのであります。先ほども、来年秋の税制改正の中で、場合によれば、決まればそれも遡及を図りたいというような大蔵大臣の御答弁でありましたけれども、ぜひ緊急対策の一環としてこれを位置づけていただいて、相続をすることによって自分の今住んでおる土地を売らなければならぬというようなことにならないようにぜひ御配慮をいただきたいと思うのです。大蔵大臣から言いただきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 先ほどからお答えいたしておりますとおり、かなり負担の急増が見込まれることはそのとおりでございますので抜本的に改正をいたしたいと思っておりますが、なおつけ加えて申しますならば、ある意味で正常な意味での金融が受けられる財産価格でもございますし、また、そこまで申してはいかがかと思いますけれども、一部分処分されるということも不可能でない場合もある、いろいろあろうと思います。余り立ち入って申してはいけませんが、全体といたしましてひとつ抜本的に改正をいたしたいと思っております。
○西村委員 税制の最後でございますが、いわゆる三大都市圏の市街化区域農地の宅地並み課税の適正化につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 自治大臣は自分が所掌をなすっておるいわゆる農地の宅地並み課税の適正化につきまして今後どのように取り組んでいかれるのか、その基本的な方向というものを明示をしていただきたい。
○梶山国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、この長期営農継続農地制度は五十七年に発足をしたばかりでございますので、この厳正な運用をこれから図ってまいりたいという気持ちでいっぱいであります。
○西村委員 厳正な運用というのは、いわゆる課税強化の方向に向かう、こういうことですか。
○梶山国務大臣 これはまさに営農を続けていくという意思が今後十年以上にわたって間違いなくあるということと営農管理が完全に行われている、そういうもろもろの条件を判断をして認定をするわけでございますから、いやしくも偽装農地的なものがあってはいけない、これが大事でございます。しかし営農意思のある方には配慮をしなければならない、そういう両面にわたっての配意をしてまいりたいと思います。
○西村委員 長期営農継続農地制度の認定を受けながらも、今おっしゃったようないわゆる偽装農地的なところもあり、あるいは出荷も生産も全くない、こういうところもあるわけでございまして、これは国民的な立場から見るとそれなりにひんしゅくを買うことでございます。ただ、問題は、これを地方自治体の指導だけに任せておいでいいのかといいますと、私はそうではないと思う。やはりそこまで適正化をおやりになろうというのであれば、国の方で長期営農継続農地の認定についての統一的な基準をおつくりになったらどうかと思うのですが、これはどうですか。
○梶山国務大臣 確かに国の認定の統一基準をつくるべきではないかという御意見のあることも承知をいたしておりますが、対象農地の営農の形態は作物の種類や地域の特性によっても大分異なるものでございますので、その個々の具体的な認定については、やはり現行の基準をそれぞれの自治体に把握をしていただいていくことがより現実的ではないかと思いますので、具体的な基準を統一的に設定することは率直に言って困難であるという認定をいたしております。
○西村委員 これは大いに検討課題だと思いますが、ひとつぜひ御研究をいただきたい。 そこで、この宅地並み課税についてでございますが、逆線引きによって調整区域に戻す、こういうことは建設省、考えておられるのですか。
○木内政府委員 先生御承知のように、五十八年度より第二回の線引きの見直しをやっております。二百八十二地区でほぼ九割程度を完了しているわけでございますけれども、この見直しにおきまして、市街化区域にある土地であっても、農家の営農意欲が強いことなどによりまして当分の間計画的な市街化が図られる見込みのない一団の農地というようなものにつきましては、逆線引きの対象にして積極的に逆に市街化調整区域に編入を図っております。面積的には全国で五千六百ヘクタール、三大都市圏では二千八百十六ヘクタールが今回の第二回の線引きの見直しで今までのところ逆線引きされております。 なお、線引きの見直しは五年に一遍でございますから、また第三回目の準備にかかるところもございますけれども、そういった方針を踏襲してまいろうと考えております。
○西村委員 時間が非常に逼迫をいたしてまいりましたが、大事なことでございますのでお尋ねをいたしておきます。 容積率や建ぺい率などの規制緩和、これらは今度の緊急土地対策要綱の中でもうたわれておるわけでございますが、私どもも土地の有効利用あるいは高度利用、これにつきましては大いに活用をすべきだ、こういうことでありますが、問題は、それを予告するだけで先走りして緩和そのものが地価の上昇につながる、こういうことが非常にあったわけでございます。実際に容積率が上がりますと地価もそれにつれて上がる、これは一つのルールみたいなことになっております。したがって、規制緩和だけではなく、同時に総合的な施策というものも実施していく必要があるのですが、この点について、総合的な対策をあわせてやるということをはっきりしていただきたいと思うのです。
○奥野国務大臣 御指摘いただいたとおりだと私も思っているわけでございます。したがいまして、先ほど来、今は地価の安定を図る、これが我々の最大の課題、続いて需給の円滑化を期していく、そのためには需要を減らし供給をふやすのですということでございまして、これらにつきまして最善の努力を払っていきたいと思いますし、先ほど来申し上げているとおりでございます。
○西村委員 地方分散につきまして、最後に竹下総理にお尋ねをいたしたいわけでございますが、一省庁一部局一機関の地方移転を図るということであります。これは省庁の一部だけではなく、省庁全体を移転するというケースもあり得ると思うのですが、ただ、留意をしなければならぬことは、地方の出先機関を新たにふやす、いわゆる行革の方向に反する、こういうことにならないように留意をすることが非常に大事だと私どもは考えております。 けさほど来、総理のお言葉を承っておりまして、総理は佐藤内閣の一省一局削減、これにヒントを得た、こうおっしゃるわけでございますが、実は私の調べました資料では、佐藤内閣の昭和四十二年の一省庁一局削減、確かにその時点で局の数は百二十から百二に減じたということは事実でございます。しかし、その後福田内閣におきましてもあるいは大平内閣におきましても声高に叫ばれながら、去年、六十一年の時点でその局の数は幾つになったか。今百二十八になっておるのです。人員もふえておるわけでございます。したがって、単にヒントに甘んずるということだけではなしに、やはり行政改革に逆行しない、しかも地方の分散を進めていくということが非常に大事でございます。総理の「ふるさと創生論」の中にも、フランスの例をとられまして、東京にある必要の証明がない限りのものは全部移した方がいい、こうもおっしゃっておられるのでございますが、総理のお考えを聞かせていただきたい。
○竹下内閣総理大臣 御指摘がありましたように、東京にあらなければならない必然性の乏しいもの、この基準というのを今私は私なりに頭の中でいろいろ考えておりますが、当然のこと、国土庁を中心としてお考えをいただいておる問題でございます。それと、まず最初おっしゃいました行政改革と矛盾してはならぬ、これはもう一番最初に言葉の上であの四十二年当時のことを思い出して一省庁一機関、こう申したわけでございますが、それを言い出した途端から、私もそれによってかつての行革の精神に逆行するようなことがあってはならぬということも十分念頭に置いて対応すべき課題であるというふうに考えております。
○西村委員 時間がなくなりまして、最後に総理に要望を申し上げたいと思うのでありますが、今日に至るまでの政府の施策というのは、戦後ずっと一貫してでございますが、余りにも土地問題に対しては長期的展望がなく、現状糊塗のびほう策に終始をしてきた、こういうことも一面では言い得るわけでございまして、そのために悪循環の集積があり、今日の土地住宅問題がこういう結果になってきておる。そういう中で今最も大事なことは、政府は地価の抑制を明確な政治目標にするということが大事でありますし、また、国民の理解を得ると同時に、行政改革と同様、縦割り行政の弊害をなくして政府の総意をもってその実行に当たっていくことが何よりも大事だと思います。でき得れば竹下総理の御決意を一言聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 そのような提言をも踏まえ、私は政治目標の第一に挙げたという責任は果たしたいと考えております。
○西村委員 ありがとうございました。
○小此木委員長 中島武敏君。
○中島(武)委員 空前の地価暴騰を引き起こした中曽根前内閣に対して国民の怒りが沸騰いたしております。竹下内閣も手をこまねいているわけにいかないことは私が申し上げるまでもありません。今直ちに抜本的な地価対策、土地対策を行うことが必要でありますが、問題は、その対策の基本、土地問題を考える出発点をどこに置くか、こういう問題であります。 狂乱地価によって、東京など大都市の勤労者、サラリーマンにとってマイホームの夢は完全に打ち砕かれてしまいました。また、東京初め全国の大都市で悪質な地上げ、それからまた固定資産税や相続税の値上がりによって、住民が住みなれた町から追い出されていく、こんな不当なことは絶対に許してはならないと思うのであります。国民の住宅権、居住権、生存権を何としても守り抜く、こういう観点こそ土地対策の根本に据えなければならない問題ではないかと考えますけれども、まず総理の所見を伺います。
○竹下内閣総理大臣 まず、竹下内閣発足に当たりまして、当面の政治課題として土地対策を第一に挙げたわけであります。その考え方に基づきまして、組閣に当たって、設置法上読めないわけではないと思いましたけれども、やはり土地対策担当ということを明記いたしまして、奥野国土庁長官にこれをお願いすることにしたというのも一つの政治姿勢であろうと思います。 なお、閣僚協議会等、奥野大臣の助言も受けまして、私自身が座長となってこれの対応をしていくというのも政治の姿勢の一つであろうと思っております。 問題意識といたしましては、土地は国民の生活、生産等諸活動の共通の基盤である、したがって、この合理的な土地利用の確保がまず第一に必要だという問題意識の上に立って対応していこうという考え方であります。
○中島(武)委員 総理は所信表明でこう言われました。日本国民すべてがより幸せで、楽しい、充実した人生を歩めるような日本列島をつくらなければならない、こういうふうに約束をされたわけであります。 さて、本当に日本国民がより幸せで、楽しい、充実した人生を歩むためには、心安らぐ住宅、そしてまた豊かな住環境がどうしても私は必要だと思うのです。住む家なくして家族の幸せはないと思いますけれども、総理の御見解はいかがでございますか。
○竹下内閣総理大臣 幸せあるいは楽しいという表現には、個人によって見解の差は幾ばくかあるかもしれませんけれども、抽象して幸せ、楽しいという平易な言葉を使わしていただいたわけでございます。そしてそれの基本が生存、活動等の共通の基盤である土地であり、その上の住まいであるという問題意識は等しくしておるではないかというふうに思います。
○中島(武)委員 今総理から御答弁がありましたけれども、しかし、実際にはなかなか現実はそのようにはいかぬわけであります。 実は、これは共産党の東京都議団が東京都に要請して、中所得者の住宅取得能力の動向というものを試算してもらったものです。これは土地の広さでいいますと百六十五平方メートル、ですからちょうど五十坪ですね。それから建物は六十六平方メートルですから二十坪。この土地と家を年収の五・五倍、この金額で取得可能なところはどこかということを探ったわけです。 これは中央線で申しますと、今からちょうど約三十年前、昭和三十一年には荻窪、三鷹あたりでこういう家を中所得者の人が持つことができたんです。ところが昭和四十一年、ちょうど今から約二十年前ですね、これでは武蔵小金井あたりになってしまった。それから五十一年、約十年前ですが、これではとうとう立川、八王子あたりを飛び越してしまって高尾に行ってしまったわけです。そして六十一年、昨年ですけれども、とうとう東京ではもうこういう家を取得することはできないということで、山梨県へ行っちゃった。山梨県の上野原ということになってしまったわけであります。 非常に、だんだんおうちは遠くなってしまうというのがこの実態でありまして、私はやはり何としても、山梨県に住まなければならないというのじゃなくて、もっと引き戻す、そしてさらに通勤が楽にできるところ、それからさらには都内でも住み続けることができる、都心でも住むことができる、こういうふうにするのが政治じゃないかというふうに思うのです。そういう点で竹下総理の決意のほどを伺いたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 やはりそこで、いわゆる通勤可能圏をふやすためのリニアモーターカー構想、こういうのも出てくるのだなということを私も感じております。 だから、現状のままで、現状の地価の中で東京都内で先ほどおっしゃった五・五ということを位置づければ、おっしゃる統計と申しますかは私は正しいだろうというふうに思っております。
○中島(武)委員 そうじゃなくて、総理、これが現実なんです。ですから、これをやはり引き戻さなければならない。これが政治じゃありませんか。その点を私、伺っているのです。
○竹下内閣総理大臣 しかし、経済の実態というものは、私どもはあくまでも自由主義経済事情の上に立っておるときに、今おっしゃった論理を固定して考えるわけにはいかぬと言わざるを得ません。
○中島(武)委員 大変今の総理の答弁は正直なのかもしれないけれども、国民はがっかりするのじゃないかなという気がするのですね。 実は私はここへ持ってきましたのは、これはほかでもないのですけれども、経済企画庁総合計画局がことしの六月に発表しました「二十一世紀への基本戦略」こういう本であります。私、これは実は読んでみて、住宅問題、居住問題、この部分を読んで非常に驚きました。 ここにはこう書いてあるのです。「居住の展望」ですね、「大都市圏においては、」「土地問題等の諸制約もあって、これらの居住形態」、これらの居住形態といいますのは従来型の都市共同住宅居住それから郊外一戸建て住宅居住、このことを指しているわけですけれども、「これらの居住形態のみによっては良好な居住環境、職住近接性を備えた豊かな居住の実現を目指すことは難しい状況にあると考えられる。」こういうふうに述べまして、そしてその対策としてはどうするか。「基本的には土地対策、交通、生活環境施設等の整備の推進、住宅取得能力の向上等に寄与する諸施策の充実を図る必要があるがこういうふうに述べているのですけれども、結局のところはウィークシェアリング居住、このウィークシェアリング居住と申しますのは、総理はよく御存じと思いますけれども、平日と休日とで都会と郊外を住み分けるという居住形態ですね。この「ウィークシェアリング居住等、複数の住宅に居住するマルチハビテーションを活用すること等により、一層豊かな居住を実現することが必要であると考えられる。」実はこう書いてあるのです。 それで私は、これは難しい言葉を使っているけれども、一体これは何なのかということなんです。これは要するに、サラリーマンが東京で家を求めるということは土地問題もあってもう到底無理だ、したがってマイホームは遠く離れたところに設けなさい。それで御自分は、都内に勤めている場合にはひとり住まいでセカンドハウスを持ってそこに住む。それで勤める。それで、週末には家族のところへ帰っていきなさい。こういう中身なんですね。実は私は、これは非常に非人間的なことではないのか、こういう見解が述べられているということについて、率直に言って私、これはびっくりした。 それで、総理は所信表明のときにも言われ、そしてまたきょうもいろいろ言っておられるのですけれども、ふるさとであるとか、あるいはより幸せで、楽しい、充実した人生とかいうことを強調していらっしゃるのですけれども、私はこういう居住形態、そして家族がばらばらになっている、こういうことが総理の言うような楽しい人生に当たるんだろうか、この点を私非常に思うのですね。率直に言って、こういう考え方は撤回をするべきじゃないのか、こう思うのですけれども、総理、どうですか。
○竹下内閣総理大臣 ウィークシェアリングといいますのは、ある意味において金帰火来、私どもの種族が、最もそれを好んでか、好むと好まざるとにかかわらずと申しましょう、ウイークシェアリング構想は、我々は今日まで体験しておるところであります。 したがいまして、あの経済企画庁の書物は私も読ましていただいて、私は中島さんとは違って一つの興味を持ちました。御案内のように、週休二日制というのはいずれ定着していくであろう。その場合、なかんずく頭脳労働のものであった場合、今単身赴任という表現をお使いになりましたが、そっちがセカンドハウスであって、そうして金曜日の午後から帰って、金土日月と、それで火曜日に出ていくという状態というのは、ある意味において子供や孫たちが自然環境の中に触れ合いながら、一方また、今先生方が好むと好まざるとにかかわらずおやりになっておる金帰火来方式というものの中に生きがいを見出すということも、私は一つの考え方だなというふうに興味を持って本当は読ましていただいたわけであります。 それが住宅金融公庫等のことでも議論されて、いわゆる建設省でおっしゃっている複合住宅というようなものはそういうところから考えられたものじゃないかな、そういうふうに思っておりますので、主観の相違はあろうかと思いますが、私はそのようにも考えてみたということを率直に申し上げてみたかったわけでございます。
○中島(武)委員 国会議員の金帰火来の話と、それから一般の勤労者がどういう勤め方、どういう住まい方をするかということとは、これは私は全然条件が違うと思うのです。別だと思うのです。全然別です。総理の言うところは、聞いておると、家族はばらばらで生活しておってもよろしいのだ、こういうふうに聞こえてくるのですね。 それから、さっきの上野原の話もあわせ考えると、もはや東京にはふるさとは持てなくていいんだ、こういうふうに聞こえてくるのです。どうなんですか。
○竹下内閣総理大臣 ふるさとというものの概念は、まず目に見えるところ、それから小学校、中学校、ずっと無限に広がっていくわけでございますが、ネーティブプレースを意味するものではなく、どこにおってもそこが生きがいを持って活動し、生き続けていく根拠であればいいというふうに思っておりますので、私は上野原がふるさとで東京がふるさとではないという考え方の上には立ちません。 したがって、家族ぱらぱらとおっしゃいましたが、私は一つの意見としてそれを読んだ、非常に関心を誇って読んだことを申し上げたのでございまして、極度な頭脳労働等をやられる場合、ある意味においてそれを行うところがセカンドハウスであって、根拠地が本拠であるという形態も、将来高度経済成長社会の中においては考え得る一つじゃなかろうかな、こういう意味において、初めからこういう考えはおれの思想、哲学に合わないから反対だと決めつけるべきものではないというふうに、私は物の本を読ましていただきながら感じたことを素直に申し上げておるというだけのことでございます。
○中島(武)委員 私は率直に言いますけれども、どちらがセカンドであるかということは別として、これは総理の話というのは大変な発言だというふうに私は思います。なぜならば、結局どっちがセカンドであろうとセカンドでなかろうと、家族がばらばらに大多数は生活をしているという実態を、やはり一つの方法じゃないかと言って認められるというのは、私は非常に、これはとんでもないことじゃないか。もっとはっきり言ってしまえば、庶民が今一番東京なら東京で住宅を求めておられる、東京なら東京に住み続けたい、こういう気持ちに対して私は全くやる気がないということを総理は表明したものと言わなければなりません。 そこで、私はこの間うちからの政府の答弁、いろいろ伺っておりますと、政府が言う土地対策というのは、これも私率直に言いますけれども、大企業のオフィスビルが大変必要になってきた、これに対して供給をもっとふやさなければならない、そのためには再開発もやらなければいかぬ、あるいはまた容積率も緩和しなければならぬし、低さ制限、狭さ制限もやらなければいかぬ、こういうふうにしてどんどん土地を提供していくんだ、こういうことを随分言われるんです。私は、これは本当のところを申して、やはりこれでは肝心の勤労者はますます都市から追い出されていってしまうんじゃないか、こう思うんです。この間の総理の所信表明を聞いておりましたら、非常に私思ったんですけれども、地価狂乱の重大原因の一つが大企業のオフィスビルを中心とした東京の一極集中、ここにあるということは総理自身も認めていらっしゃるのじゃないでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 私が問題意識をしておりましたのは、金融の国際化、自由化をして、そうするとやはり金融センターとしての東京を考えた場合、都心に世界じゅうの金融機関等が集中してきた、それも原因の一つだなという、自分の体験からくる、自己反省をも含めた一つの理由として絶えず意識しておったということを素直に申し上げたわけでございます。
○中島(武)委員 しかも総理が言うには多極分散だ、こういうふうにこの間も言われたのです。だけれども、結局のところ東京及び東京圏の位置づけ、今総理が言われた金融情報都市東京、この位置づけは変わらないわけなんですから、結局どんどん寄ってきてしまう、集中はさらに実質上進んでしまうというふうに私は思うのですね。 それで奥野さん、長官に一つ伺いたいのです。この間来の論議なんですけれども、長官も特にオフィスビルが需要が大きくてそれを見込んだ仮需要が生まれてくる、それで先物買い投機がやられてくる、それで地価がつり上がるということもその原因の一つだということを認められたと思うのですけれども、どうでございますか。
○奥野国務大臣 それも地価高騰の一つにはなったと思います。
○中島(武)委員 私は問題は、今政府の側も認めていらっしゃるのですけれども、この地価つり上げの一つの原因として認めていらっしゃるオフィスビル需要なるものをだれがつくり出したか、ここが非常に大事な問題だというふうに思っているのです。 それで伺いますけれども、二年前に国土庁が首都改造計画を発表されました。このときに、東京二十三区でオフィス床需要、これは一体幾ら必要だというふうに発表しておられましたか。
○北村政府委員 昭和七十五年において五千ヘクタールでございます。
○中島(武)委員 五千ヘクタールと申しますと、霞が関ビルに直しまして三百棟を超えるという非常に大きなものなんですね。ところが、つい先日、国土庁はこれは過大だということで数字を減らされたと思うのです。幾らに減らされましたか。
○北村政府委員 先ほどの土地対策関係閣僚会議に関係省庁統一見解として御報告申し上げた数字は、昭和七十五年度におきまして一千六百ないし一千九百ヘクタールでございます。
○中島(武)委員 実に五千と比べますと約三分の一です。三分の一にこの床需要の面積を減らしたわけです。逆の言い方をしますと、三倍の過大な数字を政府はこれまで発表してきておったということなんです。これでは、これだけのオフィス床需要がある、それっ、それだったら土地だ、買い占めだと、もう大企業が土地買い占めに走るのは、私は当然じゃないかと思うのです。政府がこんな大きな数字をぽんと発表するわけですから、それっということになったというのが私は実態だったと思うのです。 それで、前回この委員会で奥野長官が、「国土庁は、必要な土地供給を確保していかなきゃならないものでございますから、多少それを刺激する意味で計算をしてきていると思うのでございます。」こういうふうに五千ヘクタールの問題について答弁をされました。これは多少どころではないんだ。今申し上げたように三倍ですから、多少じゃない。三倍、三分の一というものを多少といったら、一体多いとは何なのかということになるのでありまして、これは多少どころではないわけであります。 結局、わざわざうその数字を発表して、買い占め競争、土地投機をあおったんじゃないか。その結果が地価狂乱になってしまった。苦しみは庶民がなめている、東京の都民を初めとして大都市の住民が苦しみをなめる、こういうことに現実はなってしまったのです。 私は、やはりこの点で政府の持っているこの問題についての責任というものを明らかにするべきではないか。そして、国民の皆さんの前にはっきりそれを認め、同時に政府は非常に間違ったということを謝罪するべきじゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。
○北村政府委員 六十年に私ども国土庁大都市圏整備局で公表いたしました首都改造計画の五千ヘクタールと今回の関係省庁統一見解の一千六百ないし一千九百ヘクタールの差について、その推計の内容を御説明させていただきたいと存じます。 まず、首都改造計画の五千ヘクタールでございますが、とりました期間が昭和五十七年から七十五年までの十九年間でございます。それに比べ今回の関係省庁統一推計は、六十一年から七十五年までの十五年間でございます。まずこの点で四年間の差がございます。 それからもう一つ、首都改造計画におきまして使いました事務所就業者数の数字は、七十五年におきまして五百十万人。この中には、実はセールスマンあるいは保険外交員のような事務所そのものを直接必要としないと予想される人間も、統計上事業所統計を使いましたので入っているわけでございます。その辺の数値の修正をこの作業段階ではいたしておりません。ところが、今回の政府統一見解の推計数値に使いました事務所従業者の推計値は三百三十万から三百五十万。五百十万に比べまして、大きい数字につきましても約百六十万の差があるわけでございます。これは例えば純粋のホワイトカラーでございまして、ただいま申しました保険外交員、セールスマンのような営業所人員というものを含んでおりません。その数値を訂正したものでございます。 なお、もう一点ございます。一人当たり床需要面積でございますが、首都改造計画におきましては、七十五年におきまして一人当たり十七平方メートル、それが今回の数値は十六・六平方メートル、〇・四平方メートル小さくしているわけでございます。したがいまして、この点が五千ヘクタールと千六百ないし千九百ヘクタールの差として出てきたものでございます。 五千ヘクタールの数字、おっしゃるようないろいろな誤解と申しますか、それから使われ方をしたのかというような御質問でございましょうが、私どもといたしましては、奥野長官が申しましたとおり、首都改造計画をよくお読みいただけばおわかりのとおり、五千ヘクタールは東京都心の需要の活発なことを想定いたしまして、その周辺の例えば八王子、立川、それから千葉、埼玉浦和等の業務核都市への事務所分散の必要を訴えるために使いました数字でございまして、首都改造計画の記述を精読いたされれば、その辺の内容についてはおわかりいただけるかと存じます。 以上でございます。
○中島(武)委員 今実務的な話がありましたけれども、これは実務的な話だけでは済まないと思うのですね。長官、どうですか。
○奥野国務大臣 それぞれの数字にはそれぞれの数字の根拠を明確にして理解してもらうようにすべきだと思っているわけでございます。そういう意味で、事務当局としてはそれなりの自信を持って発表してきたのだと思います。私は、需要を発表するなら同時に供給も示さなければ混乱を招くおそれがあるよ、したがって需給はどうなるということを明らかにしなさいよ、こう言ってまいりまして、今回需要の見通しはこうだ、供給の見通しはこうだということを国民の前に明らかにしたわけでございます。今御指摘になりましたように、需要の示し方、大変不穏当だったというおしかりを受けているわけでございますけれども、今後、今申し上げましたような姿勢で数字の問題は取り扱っていかなければならない、十分留意してまいりたいと思います。
○中島(武)委員 これは非常に重大な問題です。といいますのは、まだ長官の認め方、足りないと思うのです。実は、これはある大銀行の内部の資料なんですけれども、こんなことを書いているのですよ。国際化に対応して外人向け住宅、ホテル、オフィスビル、OA化に対応してオフィスビル、情報化に対応して都心オフィスビル。もうオフィスビルですよ。そしてその次に何と書いてあるか。売却、買収、地上げ、これが銀行のビジネスチャンスだ、こう書いているのですよ。それっということなんです。あの大きな数字、五千ヘクタール、それはこの委員会でもかつてから、またきょうも非常に大きな問題になっておりますけれども、銀行の過剰融資、これにどんどん使われてしまっているのですよ。それで土地の投機があおられ、実際に土地の買い占めがやられ、投機がやられる。こういうふうになってきておるのだ。私は、こういう点についての政府の責任というのは極めて大きいと思うのですね。これは総理、もっときっぱりと認めなければならないのではないでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 オフィスビルの床面積の需給見通しにつきましては、私は党におりますときに、我が党の大塚さんから詳しいレクチャーを私だけでなく多数集まって受けまして、なるほどなという感じを持ったことがございます。しかし、今の五千ヘクタール問題というのは、これは俗に言うアナウンスメント効果というものが仮需要を呼ぶという原則論からすればあり得ることでありましょうが、先ほど来国土庁から正確に申し述べましたように、その数値を出す環境、そして根拠というものについて正確に申されたことでございまして、それが政治責任そのものであるということに、私はくみする考えはございません。
○中島(武)委員 非常に政府の責任の重大さが明らかになったと私は思うのです、この土地問題、地価の高騰問題で。それで政府は、大企業のオフィスビルがこんなに必要だからといって、現実問題として長官も認めているようにあおってしまうのですよ。これは多少どころじゃない。それで、しかし、その責任は認めた方がよいと私は言うのですけれども、そして本当にその責任を認めてこそ初めて本当の対策ができるというふうに思うのですが、なかなか責任ということになると認めようとなさらないのですけれども、私は、総理、これではまともな対策はなかなか出てこないのではないかと思います。 今長官がこう言いました。需要だけじゃなくて供給の方もと言いました。私もこの間うちからこの委員会、またきょうの委員会でもいろいろと答弁を聞いておりますけれども、土地対策の基本は何かといえば、長官が言っておられるのは、やはり供給を確保するということじゃないか、こう言われるわけですね。 だから、オフィスビルを提供しなければならない。そのための土地を見つけ出さなければならない。どこに見つけるか。都内二十三区に見つけるということになれば、やはり低さ制限もしなければならないだろうし、狭さ制限もせんければならぬでしょうし、容積率も緩和しなければならないだろう、こういうふうに私は聞いております。そして、そうすることによって、供給することによって地価は下がっていくんだ、こういうふうにも言うわけです。容積率を緩和することによって下がっていくんだ、こういうふうにも言われるわけですよ。本当に下がりますか。
○奥野国務大臣 土地の供給が需要を上回れば、やはり私は地価といえども下がっていく、こう思います。だんだんとそういう見通しが明らかになってきたことが、諸対策とあわせまして二十三区の土地が幾らか下がりぎみになってきたということじゃないかと思います。しかし、それで安心するわけじゃなしに、積極的に土地の供給を促進していく施策をいろいろな面から現在推し進めているところでございます。
○中島(武)委員 土地の供給をやろうとすれば容積率、もう議論は繰り返しませんけれども、容積率を上げる以外にはないのですね。 実は私、いろいろ調べてみたのです。そうしましたら、建設省のこの問題についての担当官が非常にはっきりしたことを言っているのですよ。建設省都市政策課長横内正明さん、今の方かどうか、私確認しておりませんが、これは昨年の十二月のものですけれども、ここで非常にはっきり言っておりますのは「さらに、容積率を一律アップしますと、不動産鑑定の段階で地価をつりあげる面があります。それだけで地価が上がるということもある、容積率を一律アップすることは好ましいことではない。」こういうふうに非常にはっきり言っているのです。 それから、さっきの供給の話、同時に容積率の話なんですけれども、もう一つここにパネルを持ってきたのです。これは実は東京都の企画審議室で「土地関係資料集」というのを出しております。そこで出しているものなんですけれども、これはちょっと下の方はごちゃごちゃして、二十三区全部の分があるのですけれどもカットしました、余りごちゃごちゃしますので。 容積率、つまり土地の上にどれだけの大きさの建物をつくることができるか、つまりどれだけのものを供給することができるかという問題とイコールと考えてもよろしいかと思うのですけれども、容積率が一〇〇%ちょっとの豊島は、地価は平方メートル当たり何と二百万円。ところが、一五〇%程度の渋谷とか新宿とかは四百五十万円ぐらいに上がる。それから、港になりますと二〇〇%。これは区の平均ですよ、区の平均の容積率が二〇〇%。そうしますと、もう六百万円を超すわけであります。それで、中央区へ参りますと、これはもう平均容積率三〇〇%を超します。そうなりますと、もう九百万円を超して一千万円近い。坪で言いますと三千万円、これは公示価格ですけれどもね。そういうことが示されておるわけでありまして、多くの専門家、学者諸君も、土地を供給すれば結局、地価は下がるんじゃなくて逆に上がるんだということを指摘をしているわけであります。 長官、どうですか。
○奥野国務大臣 同じ土地につきまして単純に容積率を上げますと、土地の利用価値がふえるわけでございますから、当然その地価は上がっていくと思うのでございます。そういうこともございますから、私は、土地の供給増加の場合に容積率のことを余り口走らないことにしているわけでございます。今は地価の安定が大事だ、そういう意味でニュータウンの建設を促進していくんだ、あるいはまた東京のいろんな施設を外へ出していって新しい土地を浮かしていくんだというようなことを言っているわけでございます。 私は、特に人口密集地帯などにつきまして思い切った都市改造をやってくれたらいいじゃないか、そうすると道路面積も出てくるじゃないか、緑地も出てくるじゃないか、環境がよくなるじゃないか。したがって、そこに事務所をつくります土地は少なくなっていきます。少なくなっていきますけれども、その土地の価値はふえていくわけでございますから、その土地の価格は上がっていくだろうと思うのでございます。土地の環境がよくなる、利用度がよくなれば地価が上がっていく、これは私は認めていくべきじゃないだろうかな、こう思っているわけでございます。 しかし、今の場合は地価の安定が一番大事でございますので、私は、都市計画上の住宅地区を商業地区にしていくなどの変更でありますとか、あるいは道路沿いについて容積率を上げていくんだとか、余りそういうことは議論の対象にしていかないことが必要じゃないかな、こう思っているところでございまして、今はとにかく地価の安定だ、その次に需給のバランスをとることだ、こういう手順で進めさせていただきたいな、こう思っておりますので、中島さんもひとつ御協力いただきますようにお願い申し上げます。
○中島(武)委員 容積率を上げれば価値が上がるからというだけじゃない、それ以上に上がるということをこのことは証明しているのです、今まで申し上げたことは。また、専門家の諸君もそういうことを指摘しているわけです。結局、今の話を聞いておれば、やはり大都市というのは人間の住めないところになってしまうということ以外の何物でもない。考えていらっしゃるのは事務所ビル床需要、これに応じて、こういうことでありますから、私は非常にお話にならないというふうに思うのです。 しかし、次の問題へちょっと移りたいと思うのですが、私は、去る十一月十九日、当委員会で住友不動産会長安藤太郎氏の証人喚問を要求しました。共産党東京都委員会の調査では、都心部買い占めの第一位が住友不動産で、しかも当時住友不動産の代表取締役社長安藤太郎氏自身が設立し、その代表取締役社長に就任していた八つの不動産会社がいずれも無免許でした。引き続きこの問題について伺いたいと思います。 ここに泉門ビルディングなど八つの会社の会社謄本がありますけれども、これはそれぞれ設立時において代表取締役は安藤太郎氏でありました。この八社は住友不動産の一〇〇%の子会社として設立したものでありまして、この八社の所在地はどこかといいますと、新宿区西新宿二の四の一NSビルと、すべて同じになっております。どこかと思いますと、それは住友不動産と同じなんですね。住友不動産に言語をして泉門ビルディングの方をお願いします、こういうふうに言いますと、住友不動産と同じと考えてもらって結構ですという驚くべき返事が返ってくるわけであります。しかも調べてみますと、今言いましたようにこの八社はことごとく宅地建物取引業法第三条の免許を取っていないのです。免許なしに営業すれば「三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」という重罰がついていることは御承知のとおりだと思うのです。 そこで、昨年私、建設委員会でこの問題について、免許なしで営業というのはおかしいんじゃないかということを追及しましたら、案の定それから二カ月の間に、免許を持っている別の子会社の二社に吸収合併させてしまったのです。無免許営業の違反があっても、合併させてしまえばその責任は問えないということはないはずであります。八社が無免許営業違反であるかどうかについてでありますけれども、この八社は、宅地建物の売買などを目的とする会社とは認識しておられますか。
○福本政府委員 お答えいたします。 今おっしゃいました関連の八社でございますが、確かに吸収合併しておりますが、八社の合併前の事業目的を申し上げますと、泉土地建物というのがあるわけですが、それを除く七社につきましては、不動産の売買、賃貸、仲介、管理が一つでございます。そのほか、たばこ、食科品等の販売、こういうことになっております。あるいはまた、泉土地建物につきましては、不動産の取得、処分、賃貸あるいは不動産の利用、管理、それから不動産の仲介、鑑定というようなものが主な内容になっておるわけでございます。
○中島(武)委員 全部、今答弁でおわかりのとおり、不動産を目的としている会社だ。しかし、単に会社の目的がそうだというだけじゃないのです。実際にこれらの無免許のダミー会社を土地買いに走らせているのです。例えば神田地域、西神田三丁目、ここは野球で有名な後楽園の南側、それから古本屋街で有名な神田神保町のすぐ近くというところなんですけれども、ここで大変な土地買いがやられている。登記簿謄本でいろいろ調べて、そしてこれを図面の上に落としてみました。そうするとこんなに買われてしまっているのです。黄色は泉門ビルディング、つまり無免許営業をやっているところです。それからダイダイ色は住友不動産ですけれども、こんなに買い占めがやられているのです。東京の一等地中の一等地です。ところが、実際行ってみると本当にゴーストタウンなんです。駐車場になっている。夜になっても明かりはつかない。家は建っているけれども、中で営業をやっていないおうちもたくさんある。ここは中小企業地帯です。製本あるいは印刷、こういう中小企業、零細企業が住居と工場を一緒にしているという地域なんですけれども、それはもう大変な実態になっているのです。会社目的では土地、不動産の売買ということをうたっておって、そして買うことによってこの業務を開始したということになるんじゃありませんか。
○福本政府委員 お答えいたします。 確かに今申し上げましたように、事業目的はそういう不動産の賃貸その他も入っておるわけでございますが、私どもで調べたところそういう売買を行っておりませんで、自社ビルの建築等を行っているようでございます。自社ビルの建築を行う行為は別に宅地建物取引業法に該当いたしませんので、そういう宅建業法違反という問題はないというふうに思っております。
○中島(武)委員 とんでもない返事を返してくださいますね。私は現実に現地を見たのですよ。自社ビルなんかどこにも建っていませんよ。自社ピルがどこに建っているのですか。自社ビルなんというものは建っていません。私は実際に調査してきたのです。さっき申し上げた実態なんです。大体これらの会社は、前回も申しましたように二つの免許を持っている会社に吸収合併されているじゃありませんか。吸収合併されるものがどこに自社ビルを建てるのですか。いいかげんな答弁をしないでもらいたい。
○福本政府委員 お答えいたします。 その会社ではございませんで、吸収合併した会社、住友不動産ファイナンスあるいは新都心リアルエステートという会社でございます。その土地に自分でつくるか、あるいはまたそれを貸してその上にほかの会社がビルをつくっておる、こういうことでございます。
○中島(武)委員 とんでもない話だ。問題は、新都心リアルエステートがどうしたかという話をしているのじゃないのです。無免許のダミーのこの会社が何をやっているかということを私はさっきから言っているのです。もう少しまじめにちゃんと答弁してもらいたい。自社ビルなんか全然どこにも建てるなんということはありません。私はこういうのこそ無免許営業というんじゃないかと思うのです。ちゃんと調べるべきじゃありませんか。
○越智国務大臣 検討してみます。
○中島(武)委員 検討だけじゃだめですよ、調べなければ、これだけ疑惑がはっきりしているのですから。もう一回。
○越智国務大臣 検討ということは調べて検討をする、お説に該当するかしないかを検討をしてみます。
○中島(武)委員 検討してくださるそうですから、ちゃんと検討してもらいたい。検討すれば様子は全部わかります。調査をすれば全部わかります。そしてしかるべく措置をしていただきたいと思う次第であります。 ところが、この安藤太郎氏、彼は業界では高層住宅協会の理事長であるだけではなくて国土審議会の会長でもあるのです。政府の審議会の要職にある人物だから免罪にしてよいということはないと私は思う。率直に申しますけれども、やはり公職からはやめていただくという措置をとるのが適当じゃないかと思うのですけれども、どうですか。
○奥野国務大臣 安藤さん、国土審議会の会長をしていただいております。国土審議会は国土庁の機関でございます。大変見識のある方だなと思っておるわけでございます。今の問題は建設大臣が調査すると言っておられますので、その結果をまた聞かせていただきたい、こう思っております。
○中島(武)委員 私はこれだけ事実が、まあ検討するそうですけれども、明らかになりながらなおかつ何でかばわなければならないのか、大変疑問に思うのです。もっとすばっとやはり言ってもらいたい。
○越智国務大臣 別にかばってもおりません。検討をしてみよう、今から検討してみよう、こういうことであります。
○中島(武)委員 検討していただくと同時に、私は前回もここで証人喚問を要求したのですけれども、私はやはりここに出てきてもらって、そしてこうした地価高騰の原因をつくっているという問題、それから今申し上げたような問題についてやはりこの委員会は調査を進めるべきであるというふうに考えますので、重ねて証人喚問を要求いたしたいと思います。
○小此木委員長 今後、必要があれば理事会で協議することにいたします。
○中島(武)委員 必要があれば、こういうふうに言うのですけれども、こういう人たちをやはり呼んで、そして今日の地価高騰の原因、これを究明をし、そして対策を立てていくということが必要なんではありませんか。 最後にちょっと申し上げたいのは、住友不動産グループによる都心買い占めは今見たように大変なものであります。何しろ住友不動産は、私どもの調査によりますと買い占め第一位であります。オフィスビルをつくるための土地買い占めがどんどんやられる、そしてそれによってそこに住んでいた都民は全部追い出されてしまうという大変悲しい結果を見ておるわけであります。住宅地や良好な住宅環境の地域にまで進出をしてきて、そしてオフィスビル用地のための地上げがやられる、あるいは底地買いがやられる、こういう実態であります。これは大変な問題ですね。 西ドイツを初め西欧では、少なくともこうした住宅地域を荒らすようなことはあり得ないし起こり得ないように都市計画の仕組みができているではありませんか。私がここで言いたいのは、オフィス床の追求をどんどんあおっている責任を追及すると同時に、もう一つは、少なくとも住宅地域をオフィス用地のために荒らされないようにする歯どめをつくっていくべきだ、こういうふうに考えるわけであります。(発言する者あり)まだ時間じゃないよ。不規則発言は静かにしてください、委員長。 奥野長官は十一月十九日の当委員会で、「オフィス床をふやしていきたい、しかしその土地がないものでございますから、住宅地帯まで買っていかざるを得ない。」こういうふうに答弁を私に対してもされましたけれども、これはどういう意味だったんでしょうか。住宅地帯はどんどんオフィスに明け渡せということを長官は言ったわけじゃないんだと思うんですけれども、しかし、もしそうだとするならば、これは非常に重大な答弁だと思うのですが。
○奥野国務大臣 都心にも良好な事務所用地、住宅用地をふやしていきたいな、こう思っておるわけでございます。地価高騰の原因が議論になって私が答弁したことを、今お取り上げになっているんじゃないかと思います。事務所用地を目がけて殺到してきた、ないものだから住宅地まで事務所用地にしようと広げていったというような経過をたどって、玉突きみたいに次々に地価が上がっていったんだ、こういう御説明をしたと思います。それには違いございません。
○中島(武)委員 今の答弁を聞いておりますと、そういうふうになってきたということであって、そうするのがよいと言ったんではないんだ、こういうお話でございます。 今非常に大きな問題は、今も申しましたけれども、住宅地であろうと商業地であろうと、大企業が土地を手に入れますと事務所をつくる、しかも高層ビルディングをつくる、こういうふうになって、そこに住んでいる人たちは追い出されていってしまう、しかも地価がつり上がってしまうという非常に重大な問題が発生してくるわけであります。 そこで、私どもとしてはオフィスビルと住宅地域はきちんと分離をして、そして少なくともオフィスのために住宅地域が侵略されないように保護措置をとるということが大変必要じゃないかと考えておるわけであります。既にヨーロッパの各国はこういうことをきちんとやっているんですね。西ドイツの計画は殊のほか詳細をきわめております。NHKの特集でも放映されましたけれども、都市計画のゾーニングはきちんとしている。ケルン市ではゾーニングをきちんとしてから国鉄用地の払い下げを受けるから、オフィス用地なら坪四万円、住宅用地なら二万円、公園ならわずか四百円、こういう価格になって、これでほとんど動かないのですね。それからニューヨークではどうかというと、住宅地の用地を買ってオフィスを建てることはできないのです。といいますのは、住宅地とオフィスビルはゾーニングが異なっているからです。ですから、オフィスビルの地価と住宅地の地価は連動しない、遮断されている、全然別なものになっているわけです。連動するというふうになっていないのです。税金も違うのです。 だから、西ドイツのケルン市とかあるいはアメリカのニューヨークとか、こういうところでは、たとえオフィス床の需要があっても、住宅地の地上げなんということは起こり得ないわけなんです。私は、これは非常に大事な仕組みがつくられていると思うんです。やはり人間優先、そして人間の住める都市をつくるためにこのようなことを大いに取り入れる必要があるんじゃないかというふうに考えるのです。この点、建設大臣、それから国土庁長官、総理の見解をお聞きしたいと思います。
○越智国務大臣 御承知のとおり、我が国におきましても都市計画法によりましてきちっと用途別に決めておりますし、そのとおりいたしております。ただ、古いものがありまして、その都市計画法以前の問題が残っておりますけれども、それは徐々に建てかえるたびに用途別になってきておるような次第であります。
○奥野国務大臣 都市計画法を厳格に運用していくことによって整然たる町づくりをしていかなければならない、こう思うわけでございます。 したがいまして、住居地域に事務所ビルが迷惑をかけるような存在になってはなりませんでしょうし、また事務所ビルが中心の商業地区において住居を構えておられる方も、場合によっては住居地域の方によい環境を求めて移っていくということもあってしかるべきじゃないかな、お互いにそれぞれの立場を守っていかなければなりませんけれども、また同時に、相手のことにつきましても考えをめぐらしていくという共存の姿勢が大切じゃないかなと思っております。
○竹下内閣総理大臣 法の適切な運用ということによって、今おっしゃった人間を疎外するような環境が生じないことを私も願っております。
○中島(武)委員 現行法ではなかなか無理があります。なぜならば、用途地域は自由に動かすことができるからです。そして、あの中曽根総理が用途地域や容積率の緩和を主張してからそういうふうになってきたということは、もうおわかりのことだと思います。私は、そういう点ではこれまでの政策に対してやはりはっきりとした反省を行う、そして国民のための住宅が大都市においても確保できるように政策の大きな転換を必要としているのではないかということを申し上げて、私の質問を終わります。
○小此木委員長 次回は、明五日土曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十六分散会