土地問題等に関する特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 199 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1987/11/20
会議録
○委員長(河本嘉久蔵君) 土地問題等に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、野末陳平君が委員を辞任され、その補欠として秋山肇君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(河本嘉久蔵君) 土地問題及び国土利用に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安恒良一君 ここ一、二年の土地の高騰は、土地の所有者と土地を持たない者との間の資産の格差が拡大し、国民の間に非常に不公平、不平等が増幅しています。ひいてはこれは勤労意欲を失うことになると私は思います。 第二番目には、住宅の価格が国民の住宅取得能力をはるかに超えて、特に大都市圏では国民は住宅の取得をあきらめざるを得ない、また家賃の高騰も甚だしいのであります。加えて、二十一世紀の高齢社会を前にして急がれる社会資本の整備が、地価高騰のためにおくれて、これが非常に困難になっている。いわば我が国にとって政治の最大の課題であり重要な問題だと思います。その解決には私は政治の決断と実行が必要だと思います。 そこで、竹下内閣が発足し、我々野党は共同しまして土地国会の開催を要求いたしました。二十七日から臨時国会が開かれることになったわけでありますが、本日はさらに臨時国会に先駆けて重要だということで質問をすることになりましたので、ぜひとも御出席の大臣も端的にまた具体的にお答えをお願いしたいということをまず冒頭にお願い申し上げておきます。 そこで、御出席の大臣にお伺いしたいのでありますが、今日の土地高騰の原因は何だろうか、この点につきましては副総理であります大蔵大臣、国土庁長官等でお答えを願いまして、そのことについて御意見がございますならばほかの御出席大臣からも、特に関係いたします自治大臣等からもお考えを聞かせていただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最近における土地価格の高騰の原因は何か。いろいろな原因が複合をいたしておると思いますけれども、一般に信じられているところは、我が国が急速に国際化をしてまいりまして、世界の国際的な情報あるいは取引等々が急速に育っていくに伴いまして、オフィスを中心としたスペースの不足あるいは外人用住宅の不足等が広く言われるようになりました。また、そのことが事の成り行きとして仮需要を幾らか生んだ点もあろうかと思いますけれども、そういうことが発端となりました。 なお、それに加えまして、土地の買いかえ等々が行われ、また金融もかなり緩慢でございましたから、それらのことが複合いたしまして最近の顕著な土地価格の高騰になったのではないかと、一般にそのように信じられておるかと存じます。
○国務大臣(奥野誠亮君) 土地高騰の問題は、これまた二極分化の様相が現在ではかなり強くなってきていると思っております。全国的に波及しない最善の注意を払っていかなきゃならない、こう思っております。同時に、このことが社会的不公正を拡大しておりますこと、私たち政治にかかわる者が最大の責任として最善の努力を払っていかなきゃならない、こう考えておりますことも全く同感でございます。 その原因につきましては、今大蔵大臣がおっしゃったようなことでございまして、金余りの現象が一層これに拍車をかけて土地が投機の対象にされる、土地転がしというような現象まで起こってきたということだろうと思っております。
○国務大臣(越智伊平君) 大蔵大臣、また国土庁長官がお答えをいたしましたように、国際化、高度情報化等の進展に伴う都心部の事務所の床需要のアンバランスが、この住宅地等における買いかえ等も含めまして、さらに金融緩和、また投機的な取引、こういうことによってすべてのものが複合して高騰したと、こういうふうに思っております。
○安恒良一君 それでは、あとの大臣はまあ大体同じようなことだと思いますからあれします。 そこで国土庁長官にお聞きしたいんですが、大体土地の値上がりが明らかになったのはいつごろだというふうに認識されていますか。これ具体的数字で言ってみてください。それからいつから土地の投機が行われるような状態に転化されたか、今度は土地の投機と言われる状態に転化された時期はどの時期だというふうにお考えですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 土地の高騰が二けた台に上ったと見られるころは、都心三区におきましては五十八年ごろからではなかろうか、こう思っているわけでございます。特にそのころは商業地が中心であっただろうと、こう思います。住宅地につきましては昨年。また投機的現象が特に強くなったのはやはり昨年じゃないだろうかなと、こう思っているわけでございます。
○安恒良一君 一昨日、十八日に日本不動産研究所が市街地価格指数を発表されています。そこで私は資料としてお願いしておったんですが、六大都市の指数でいいんです、五十八年三月以降、前年同月比の上昇を商業地、住宅地別に言っていただきたいということでお願いしておったんですが、資料がまだ手元に届いていません。ですから、後からそれはもらうことにしまして、私の方から少し申し上げてみたいと思います。 商業地は、大体七、八%の上昇が私が持っている表で見ると続いています。五十九年三月から一挙にこれが二けた台の上昇になっていますね、商業地は。それから住宅地は、商業地よりややおくれまして六十年九月ごろから上がりかけて、そして六十一年の九月ごろに一挙に二〇%、こういうふうになっています。ですから私は、騰貴の時点は以上、商業地の場合に五十九年の三月ごろから、それから住宅地の場合には六十一年、去年の九月ごろから、こういう時点だというふうに判断をしていいと思いますが、長官どう考えられますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 五十九年で二けたとおっしゃいました。それはいつの時点でとらえて統計に出てくるかということでございますので、売買は五十八年じゃないだろうかな、こういう判断で私は五十八年ごろからとお答え申し上げたわけでございまして、大体考え方は大差はございません。
○安恒良一君 ですから、ここはよく各大臣御認識を願っておきたいんですが、今申し上げたように、土地の騰貴が始まっているのは、大体商業地では五十九年の三月ごろから急に上がり出した、それから住宅地に関しては六十年の九月ごろから上がりかけて、それに大きく火をつけたのが六十一年に入ってからだと、ここのところだけは認識を一致してこれから議論したいと思います。 それでは、このような土地騰貴を引き起こした具体的なこと、すなわち政府の施策に基づいて行われた具体的な再開発事業について大臣御承知でしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 政府の施策に基づいた事業が土地高騰に拍車をかけたという事例、具体的に私は今存じ上げておりません。
○安恒良一君 御存じないとなかなか国土庁長官としても対策が講じられないと思いますから、御存じないならしようがありませんから、これから寄り寄り中身について議論をしてみたいと思います。 中曽根内閣は五十八年度以降、民活導入、規制緩和、これを中心に、題発のための事業展開はあたかも民活でないとだめだというような状況にして今日に至っています。そこで、土地問題担当の国土庁長官、民活というのはどういう手法でしょうか、ひとつ説明をしていただきたいんです。
○国務大臣(奥野誠亮君) 民間が社会一般に貢献するような事業をやる場合に、国も手をかしまして税制その他で優遇措置を講ずる、そのことを通じてその事業の推進を図っていきたいということであろうと思っております。
○安恒良一君 それじゃこういうふうに承っていいでしょうか。民間資金を導入し、民間のアイデアを活用して開発をする、そのために民間の事業主体に税制、財政面で配慮したり、これまでの事業規制を緩和して民間の能力が自由に発揮できるようにすることが民活である、こういう御趣旨でしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 大体似たり寄ったりな考え方を持っております。
○安恒良一君 余りラフな答弁は困りますからね、似たり寄ったりじゃ。やはり国民は非常にこの問題に注目しておることですから正確に御答弁を願いたい。 そこで具体的に伺いますが、東京都の西戸山公務員宿舎が民間活力の第一号として民間デベロッパーによって開発され、マンションとして再開発されました。昨年の十一月に入居が応募されましたこのマンションの応募倍率はどのくらいでしたでしょうか。
○説明員(藤田弘志君) お答えいたします。 六十一年の十月に入居募集が行われました西戸山タワーホウムズでございますが、戸数が五百七十六戸、申込者が二万五千人、平均倍率は約四十四倍だったと聞いております。
○安恒良一君 最高倍率は幾らでしたか。
○説明員(藤田弘志君) お答えいたします。 最高倍率は七百九十五倍でございます。
○安恒良一君 そこでお伺いしたいんですが、この西戸山公務員住宅の払い下げ構想が浮上したのはいつごろの時期でしょうか。この払い下げる構想が浮上した時期はいつごろか。
○説明員(藤田弘志君) 五十八年の八月に学識経験者及び民間有識者をメンバーとします公務員宿舎問題研究会が大蔵省の理財局に設けられまして、同年の九月に出されました中間報告におきまして新宿住宅跡地の処分構想が浮上したものでございます。
○安恒良一君 そうですね。もう既に五十八年の夏ごろにまず浮上したということは事実だと思う。 そこで私は、次のことを国土庁長官、建設大臣等にお聞きしたいんですが、国公有地の民間払い下げ構想は、国民の土地、住宅など資産保有の意思に強烈な火をつけた。また、これが大きく報道され、金融緩和のもとで金余りの法人、個人の資産家を含めて土地投機の引き金になったということではないでしょうか。国土庁長官、建設大臣、そのようにお考えになりませんか。お考えを聞かせてください。
○国務大臣(奥野誠亮君) 五十八年は商業地の値上がりが始まった。住宅地はむしろ、先ほどおっしゃいましたのは六十年ごろからとおっしゃったし、私は六十一年が一番強く影響が出ていたと申し上げているわけでございますので、これは住宅地でございますので、いろんな影響はあるでしょうけれども、これが引き金になったというふうにはちょっと考えられないんじゃないかなと思っております。
○国務大臣(越智伊平君) 私もこの住宅が直接土地騰貴の引き金になったとは考えておりません。
○安恒良一君 私は、この構想がいつごろから出たかということで、まあ五十八年の夏から五十九年ということですね。ですから、そういう構想が出たところで今申し上げたような現象へとこれが展開をしていったわけでありますから、あなたたちの考え方と考えを非常に異にします。 例えば入居倍率を私は聞いたのは、これは何のために聞いたかというと、やはり当時これを発表したときに、法人や金持ちが投機の対象としてこれを買おうとしている、非常に困ったことだということが新聞にもでかでかと発表をされているわけです。そして本当に住宅を必要とされる人は全く手が出ない、こういうことに事実上、西戸山公務員住宅の跡の民活が現実の姿としてあらわれているというこの現象から見ますと、私は、やはり狂乱地価のスタート台にこれがなったというそういうやはり事実認識をお持ちにならないと、これからの住宅政策、土地政策は大きく誤りを犯すことになると思います。一つのスタート台になった、こういうふうな認識を我々は持たなきゃいかぬ。競争倍率からいっても、それから取得しようとしている人の動きからいっても、それから事態がこれは大変なことになった、どうもマネーゲームの対象にされている、こういうことをここを開発した人自体が当時新聞談話を出していますね。 そういうことについて建設大臣、国土庁長官どうお考えですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 西戸山の方は国有地でございますから売り渡しはスムーズにいっていると思います。しかし、かなり大きなビルを建てようとしますと広範な土地面積を必要とする。それがたくさんな所有者にまたがっておるわけでございまして、全国に三千万人の土地の所有者がおるわけでございますけれども、その三割は百平方メーター未満の土地の所有者だと聞いているわけでございます。それを買収するためにはなかなか円滑にいかないものだから、ついに価格のつり上げで買い取るという動きが始まってくる。そこへもってきて投機対象になり、土地転がしになってまいりますと、一層それに拍車をかけてくるということじゃないだろうか、こう思っておりますので、そういう意味合いでも、西戸山が土地高騰の引き金になったんだとおっしゃいますと、ちょっとお考え方に食い違いがあるんじゃないかな、こう思っておるわけでございます。
○国務大臣(越智伊平君) 西戸山の払い下げは公示価格の約一・五倍程度で払い下げ、そしてこれの売り出しをいたしましたのは十年間の転売禁止もかけておる。こういうことでありますので、たまたま一般的な地価のあるいは住宅の高騰等がありまして競争率が非常に高くなったという点はございますけれども、直接これが引き金になった、こういうふうには考えておりません。
○安恒良一君 私は、ただこれだけだと言っているわけじゃなくて、これも一つの大きな種になったのじゃないかということを言っているわけですから。あなたたちは中曽根内閣を継承する竹下さんに任命された大臣ですから、なかなか言いにくいことはわかりますよ、それは率直に言って。言いにくいことはわかりますが、物事は事実は客観的に……。 というのは、西戸山公務員住宅問題、私はこうなりはしないかと思って、もう予算委員会で当時中曽根さんを初め建設大臣、関係者とかなり議論をしているんです、こんなことにならないようにと。そうしたら、そんなことになりませんと当時中曽根さん以下皆さんお答えになった。ところが私が言ったとおりにとても一般国民の手は届かない開発になってしまったわけですね。家が欲しいと思う人が手に入れる住宅にはなっていないんです。すなわち、これは民活の第一号だったわけです、中曽根さんが最も力を入れられた。ですから、民活の裏には国公有地の払い下げがある、これが金もうけの種になるということを教えたことは私は事実だと思う。 ではなぜかというと、都心でまとまった土地が手に入るか、そこであれには不動産屋、銀行、法人、資産家、みんなが飛びついたんです。だから競争倍率も今申し上げたようにむちゃくちゃな倍率になったことは事実です。ですから、民活というのが国民の財産を使って企業や金持ちの利益になる、こういうやり方は私は真の意味の民活とは考えられません。 でありますから、私がこの点を言っているのは、将来もしの問題がありますから、この点は、今後国公有地を利用して民活をやる場合に、こういうことにならないように厳重に慎んでもらいたいと思いますが、国土庁長官、建設大臣どうですか、この点は。
○国務大臣(奥野誠亮君) 国公有地はできるだけ国公有で置いておきたいな、いつどういう社会的な変化が生ずるかもわかりませんので、常に国民に最も適切に運用していきたいなと思っております。同時に、民活でそれを活用します場合にも諸般の影響を十分考慮してやらなきゃならないことは御指摘のとおりだと思っております。
○国務大臣(越智伊平君) 国土庁長官のお考えのとおりであります。
○安恒良一君 投機に転化していった時期の認識は一致したわけですから、中曽根内閣はどういう具体的な対策を行われたのでしょうか。これは関係大臣として総現代行の大蔵大臣、国土庁長官それから自治大臣等々で、具体的に今申し上げたような、それでちょっと皆さんのところに資料を配っておりますし、パネルを見せてください。(パネル掲示) ここにいわゆる六大都市の市街地の価格が五十年以降どのように変化をたどっておるか、商業地、住宅地、平均。これは皆さんのお手元に資料を差し上げてあります。それからこちら側は、都心三区の基準地価格が対前年比でどのような時期にどう上がって現在どうなっているか、こういう表を出しております。ですから、これに基づいて、いわゆる投機に転化したと思われる時点で中曽根内閣はこれを抑えるために、地価問題を解決するためにどのような対策をされたのか、関係大臣から御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 中曽根内閣におきましては、地価対策関係閣僚会議が設けられておりまして、この会議を随時開きましてそのときどきの対策をいたしてまいったわけでありますが、系統的に申しますと、一つは土地の利用計画について、いわゆる監視区域を、都道府県知事に要請をいたしまして、監視区域の設定、それから段階的にその監視区域の単位面積を小さくいたしてまいりました。それからまた、土地の価格の騰貴に金融が深い関係を持っておるのではないかということから、金融機関に対して土地関連の融資、これはしばしば自粛は通達をいたしておりましたけれども、通達をもってしては十分でないということから、現実の取引について、現実に関係したと思われる金融機関に対して特別ヒアリングを行いまして、かなり立ち入りまして、問題があると思う金融につきまして指摘をし是正を求めたといったようなことをいたしてまいりました。 またさらに、十月になりまして、その前がございますが、さらに将来の問題を展望いたしますといろいろ問題があるということから、いわゆる新行革審に対して、当面とるべき対策、それからやや中長期的に考えるべき対策について答申を求めまして、当面とるべき対策につきましては答申がございました。それを受けまして、これはむしろ新内閣への継続ということを頭に置いてのことでありますが、十月十六日に緊急土地対策要綱を閣議で決定いたした。 そのような経緯でございます。
○安恒良一君 ちょっと時間がございませんから、副総理が全部大体おっしゃったようですから結構でございます。 それから自治大臣、お忙しいようですから、自治体が何をしたかということだけちょっと答えて退席していただいて……。自治大臣だけ答えてください。自治体として何をやったかということだけひとつ。
○国務大臣(梶山静六君) 自治体と土地対策の件でございますけれども、地価公示価格や特別土地保有税あるいは譲渡所得に対する課税の取り扱い等諸般の対応をしてまいったところでありますが、委員御指摘のとおり、なかなか地価という問題は行政の拘束だけで完全にうまくまいるわけじゃございません。需給関係が本質的にあるわけでございますから、そういうものを見定めながら引き続き行政措置がいわゆる民間の活力というか、その動態を上回るような力でこれからこの地価対策に取り組んでまいりたいと思います。
○安恒良一君 それでは自治大臣お忙しいようですからどうぞ。 そこで、宮澤副総理から答えていただいているんですが、あなたたちがおやりになったのは、国公有地の売却規制強化、金融機関に対する特別ヒアリング、国土利用計画法の改正、それから最近の緊急土地対策要綱の決定、大体こんなところですね。ところがそれをおやりになったのはみんな六十二年に入ってからなんです。これを見てください。こういうふうに地価がばあっと上がっているときに当然おやりくださらなきゃならぬのですが、政府がおやりになったのは、これは全部あなたたちは六十二年に入ってからおやりになったんです。肝心のどんどん上がっているときには有効な手を一つもお打ちにならなかった。 加えて、今さっき私が言ったように、五十九年ごろから地価の急激な上昇が明らかになっていたのに、麹町の司法研修所の跡、旧国鉄用地の中で例えば品川駅東口貨物跡、これを時価の数倍の高値で売却しておりはしませんか。そして、このことについて地方自治体からのいろんな要望があったにもかかわらず、それを聞かれず地上げ屋の横行や住民の被害に目をつぶり、そして売ってしまって、今度は六十二年になって初めて国公有地の売却規制強化策、そして国土利用計画法の改正をお打ち出しになっておるのであります。また六十二年の三月には、この投機の元凶となっています金融機関に対する特別ヒアリングを行って、銀行の土地融資の自粛を求める行動を打ち出されました。そしてやっと政府の緊急土地対策というのがこの十月決まった。もう騰貴は終わってしまっています。土地は上がるだけ上がって、もうける人は全部もうけてしまったんです。昔から泥棒を見て縄をなうということですが、泥棒を見て追い銭のようなことじゃないでしょうか。すなわち、あなたたちがおやりになっている対策というのは、宮澤副総理がお答えになったけれども、後から後からやってきた。肝心なときには何一つおやりにならなかったのであります。 この点について竹下内閣を代表して副総理としてどうお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、過ぎ去った時点において、土地の価格がこのように変化したということを図表でお示しになっておられて、それは今から顧みますとそのとおりでございますけれども、一般に土地価格の上昇がかなり著しいということが統計的に報告されましたのは六十一年の十月であったと思います。それまでに無論現実に町ではそういうことが起こっておったわけでございますけれども、それがかなり顕著になったということが行政的に把握をされて、そして行政の対象になったというのは実はその時点であって、そのことに問題があるだろうとおっしゃれば、そのことに問題があることは私も認めるにやぶさかでございません。そういう意味では、経済の動きに行政の対応がおくれているということはありがちなことであるし、今回もそうであったということは決して否定はいたしません。 しかしながら、その中において例えば国有財産の処分がそれに非常に拍車をかけたというような御指摘でありますと、国有財産そのものの処分は年に大体東京の中心の五区で二、三件でございますから、現実の取引は数千件、七千件ぐらいと言われておりますが、そういうことでございますから、国有財産の処分そのものが非常にたくさんあって、それが地価の水準を上げたというようなことは事実に徴してそうは言えないであろう。ただ、とかく話題にはなりますので、そういう意味で社会的な話題になりそれがいろんな影響を与えたかもしれないということは、これは否定をいたしませんけれども、実は国有財産そのものの処分は件数としては極めて少ない。毎年東京の中心の五区あたりで二件ないし三件ということでございました。
○安恒良一君 あなたたちがいわゆる土地価格調査をやっておらなければ別ですが、この土地価格調査というのはもう毎年おやりになっているわけですね。それをこういう図表にしたわけなんです。そうすると、いかに当時の中曽根内閣の対応がおくれておるか、後追いか、このことについては私は事実をお認めになる必要があると思うんです。そのことを申し上げている。後追い後追いになっている。いろんな有効対策をあなたたちがお打ち出しになったのはことしになってからですから、私が挙げたのは。ところがことしになったら一部、千代田とか中央、港ではもう逆に今下がりつつあるんです。しかし全体ではまだ上がっている。しかし、こういう非常なピークの時期に適切に、中曽根内閣は仕事する内閣だという評判だったんですから、やはりそれをおやりになるべきだったということを申し上げているわけであります。 それから、今大臣は売却地のことを言われましたが、私が挙げました麹町の司法研修所の跡とかそれから品川駅の東口の貨物の跡というのは、都心の非常に重要な一等地なんですね。そういうところがいわゆる時価の数倍の値段で落札をしていっている。こういう状況があって、そのことがやはり、都心のいい土地を買えばもうかるんだということで、時価の数倍で落札をされているということ、とにかく土地は高く売れればいい、国有地は高く売れればいいということだけにされたんではないかということ、そのことについて私は問題を指摘をしているわけですから、やはりそういう点は謙虚にお受けとめを願わないと土地対策という問題は私は解決をしないと思うんです。 そこで、何といってもあなたたちのこのやり方が手ぬるい。その間に国民全体が、今さっき私が冒頭申し上げたような土地住宅政策では大きないわゆる犠牲になっている。政治というのは責任を持たなきゃなりません。ですから、この点について出席大臣の皆さん方としてどのような責任をお感じになっているか。いや、おれは中曽根内閣の閣僚じゃなかったと言う人もたくさんあると思いますが、これは継承発展でございますから、特に宮澤さんは中曽根内閣でも重要なポストを占められておったわけであります。余りにも政府の施策は手ぬるいやり方で、後追い後追いであった。そのしわ寄せが大きく国民にひずみを与えているということは事実です、現実に。その点について出席大臣としてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 現実に起こりましたことと行政の対応のおくれがありましたことは先ほど申し上げたとおりでございますが、行政が一つの決断をいたしましたときに、それが経済現象に及んでいくのにはかなり時間のずれがございます。それからもう一つは、今安恒委員の言われましたこと、そのことは事実でございますが、それならば行政としてどのような効果的な処置ができるかということになりますと、これはこれから御議論があるんであろうと思いますが、大変にいろいろ議論の分かれるところでございます。 私は、行政そのものがもっと果敢に素早く対応すべきではなかったかという、そういう御指摘そのものは謙虚に承りますけれども、それならどの段階でどういうことが現実に可能であったかということになりますと、それはなかなかやはりそれなりにそう簡単なことではなかったということも事実であろう。決して行政の対応がおくれたことを否定しようとは思いませんけれども、現実にはそのようにいろいろな問題があったということだけは申し上げておきたいと思います。
○安恒良一君 何か私どもが対案を持たなかったり、具体的な提案をしないまま追及しているように言われますけれども、ずっと過去の予算委員会の議事録をひとつ見ていただきたいと思うんです。私は毎年のように予算委員会で土地問題のあり方等についてはいろいろ提言をし、いろんな問題を指摘してきた。そのとき各大臣は、そういうものは慎重に検討したい検討したいということで、とうとう慎重に検討しておるうちにこういう現象になって、慌ててことしになって、いろいろ我々野党側が提起した問題等も含めながら一部実行に移されつつあるというのが現状ではないでしょうか。私ども決してただ単にあなたたちのやり方だけを批判しているわけではない。こういうふうにしたらどうですかという提言を何回となく私はしている。後からこの問題は時間の中でやっていきます。 そこで、私は国土庁長官と建設大臣にお聞きをしたいんですが、この狭い国土で一億二千万の国民が住んでいる。我が国は個人で土地を所有したいという意識が非常に強いんです。こういうときに、土地の売却や活用というものを、特に国公有地等を民活だけでやる、民活や規制緩和をする、こうしてやっていくという。土地の取引を他の商品と同じように扱うということは為政者の常識としてやるべきじゃない。土地に関しては他の商品と同じような考え方でやるべきではないというふうに思いますが、国土庁長官、この点どう思われますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、できる限り土地は公有に残しておきたいなという気持ちを強く持っているものでございます。何といいましても都道府県や市町村は住民に豊かで住みよい地域社会をつくっていかなきゃならない、それを本来の仕事にしておるわけでございますだけに、土地がなければそういうことをつくり上げることは不可能でございます。そんなこともございまして、大変地方財政のよかった時代に毎年数千億円を府県や市町村が土地の買い入れに充てる、そのための財源措置をするというような計画を進めたこともございました。そうは言いましても、やはりそれを活用しなきゃならない事態もあるわけでございましょうから、そういう場合に民活方式などを使いながら国民の用に供することも否定するものではございません。 原則としては私は公有が望ましいなと考えているものでございます。
○国務大臣(越智伊平君) やはり土地の高騰は需給のバランスの問題でありますから、建設省といたしましてはできるだけ区画整理あるいは再開発、また新しいところ、こういうところで優良な土地を供給する。これには社会資本、例えば道路なり下水なりそういうこともございますので、そういうものを含めて需給のバランスをとっていく必要がある、こういうふうに感じております。民活を全面的に否定するということにはちょっと賛成しかねるわけであります。
○安恒良一君 これも余り手ぬるいやり方だし、国民を犠牲にして、今大臣になられていますけれども、大臣になられる前も皆さん方それぞれ自民党の国会議員でもあったわけですから、どう責任をおとりになるのかというのをお聞きしたいんですが、宮澤さんからありましたが、はっきりしません。ですから、これで時間をとるわけにいきませんから、また改めて臨時国会の中で少しそういう問題はやりたいと思います。 そこで、次に移っていきたいと思うのでありますが、あなたたちが盛んに答弁されていますのは需給のバランスということで、規制強化よりもいわゆる土地の供給をふやすということに論点を置かれているようですが、私は土地の供給をふやす施策について否定するものではない。しかし、それだけでは今日の土地問題、住宅問題は解決できないのであります。私は、土地をどう使うかということの利用について、やはり規制の強化ということが当然あってしかるべきだと思うんです。ところがその方向に中曽根内閣は一つも踏み出さないんです。金が余っている中で自由にやらせる、そして民間の投機の対象、道具になって国民を泣かしているんです。ですから天野建設大臣は、土地高騰問題は中曽根内閣の失敗だと言い切っていますね。私もそのことをここではっきり言いたいと思うのであります。 そこでお聞きしたいんですが、竹下内閣は中曽根さんの政治の継承だと、それならば土地問題は解決をしないということの内閣になるのでしょうか。それとも土地問題は解決したい、本当に本気をもってやる、こういうお考えなのでしょうか。非常にいろんな矛盾、難しい問題があることを承知の上で、本当に竹下内閣は土地問題については真剣に問題の解決をやる、こういうふうにお考えなのでしょうか。そこのお考えを副総理お聞かせください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど、前内閣におきまして、いわゆる新行革審にこの問題についての短期、中長期の答申を求めたことは申し上げましたが、これは前内閣としては当然に新内閣にこの事態を重大と考えて引き継ぐための用意であったわけでございます。十月十六日の緊急対策の閣議決定もそのとおりでございます。竹下内閣が承継すると申しましたのは、それについて述べられたところでありまして、それを受けまして新内閣は発足とともに奥野国土庁長官を土地問題の特命担当大臣に指名をされました。また、今までの地価対策関係閣僚会議を土地対策関係閣僚会議に改めまして、総理大臣がみずからこれを主宰するという体制をとったところでございます。したがいまして、このような体制のもとに十月十六日決定の緊急対策を推し進めてまいります。 なお、当委員会等々の御審議の経緯等々も承りながら対策を強化してまいりたいというのがこの内閣の考え方でございます。
○安恒良一君 私は、天野さん自体が、建設大臣という重要なポストを占めながらも、中曽根内閣は土地問題については失敗をした、こう言い切られているわけですから、少なくともきょう御出席の各大臣は、そういう問題を十分認識した上で竹下内閣としてはこれから土地政策を進めていかれるものだ、こういうふうに実は考えるわけであります。 そこで、竹下内閣としてはこれから土地問題の解決のために具体的に何をやろうとしているのか、その施策の中身について考え方をお聞かせください。
○国務大臣(奥野誠亮君) 十月十六日の緊急土地対策要綱、中曽根内閣で決められた閣議決定でございますが、これに基づく施策をこれからも強く運営していかなきゃならない、こう思っているわけでございます。その中身は、やはり監視制度、これを必要なところには早目早目に準備して、指定をしていく、そして土地の取引は届け出をしてもらう、不都合なものについては勧告をする、聞かなければ公表する、これがかなり自粛を促しているように思うのでございまして、この姿勢はこれからも強くとっていきたい、こう思っているわけでございます。 それから融資の面においても、大蔵省が関係機関に対しまして土地融資に対しましては厳しい姿勢をとらせていただいているようでございまして、やはり金がなければ土地は買えないわけでございますから、融資が土地に対しまして厳しい姿勢をとられますとかなりよく効果を発揮してきているように思われるわけでございます。同時に、先般の税制改正によりまして超短期の譲渡所得課税の重課制度が十月から始まっておりますので、土地転がしによる利益というものは余りなくなっております。そういうことから自粛が効いているんじゃないかなと、こう思っておるわけでございます。 同時に、何といいましても土地転がし的な姿勢に対する世論の厳しさというものが非常に強くなっているんじゃないかなと。これがパックにありまして業界全体が大変自粛してきていただいているように思っております。しかし根本は、これは需給のバランスが崩れて地価にはね返っておるわけでございまして、人間の体で言えば、熱が出ている、熱を抑えることをやっているだけでは体そのものが壊れてしまいますので、やっぱり需要を減らし供給をふやす施策を強めていかなきゃならない、この問題についても積極的努力を続けていきたいと考えているところであります。
○安恒良一君 今お聞きしますと、二十七日から臨時国会が始まるんですよ。しかもこれは土地国会と言われているんですね。具体的なあれは余りお聞かせを願えない。というのは、今御報告くださいましたのは六十二年十月十六日の閣議で決定されました緊急土地対策要綱をお述べになったと思うんです。そうしますと、いろんなことを言われていますが、例えば今言われました投機的土地取引の規制、監視区域制度の機動的運用についても関係公共団体を指導するとこう書いてある。金融機関の問題も長官言われましたが、これも指導するとか留意する書いてあるんですよね。そんなことで本当に土地の騰貴がとまるだろうか、もしくは高値安定になってしまいやしないか。後から言いますが、国民は高値安定を望んでいるんじゃないんです。土地は下げてもらいたい、騰貴の前に下げてもらいたいと思っているんですから、そんなことがこれでできるんでしょうか。 そこで具体的に伺いますが、少なくとも臨時国会には具体的な法案を何らか御用意されているんでしょうか。土地国会と言われているんですから、副総理、国土庁長官、関係法案をお出しになる気があるんでしょうか。地価安定対策等を含めた提出の用意があるなら、その用意がある中身についてお考えを聞かしてください。
○国務大臣(奥野誠亮君) 需要を減らしたり供給をふやしたり、それにつきましてはそれぞれ立法措置なども要するわけでございまして、そういうことについていろいろ考えをめぐらしているわけでございますけれども、今度の臨時国会に国土庁として法案を出すというところには至らない。しかし通常国会にはいろんな御相談はしていかなきゃならない、こういうことで検討を続けているわけでございます。
○安恒良一君 副総理、今長官がこの二十七日からの臨時国会には何も用意がない、通常国会には何か用意があるようなことを言われていますが、それならば臨時国会、通常国会を含めて関係法案はどの法案とどの法案をどういうふうにしたい、税制についてはどういうふうにしたい、こういうお考えございましたら聞かしてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど国土庁長官が言われましたように、十月十六日に決定いたしました緊急対策はかなり網羅的にいろいろなことについて定めておりまして、実はこれを実行するということが非常に大きな問題でございます。新しい立法よりもこの緊急対策をどれだけ有効に実行できるかが、さしずめ私どもが全力を注がなければならないところだと思います。その上でさらに立法の問題があれば、それは国土庁長官を中心に各省庁がこの閣僚会議で検討いたしてまいりますが、ただいま臨時国会に何かを予定しているということはない、これは国土庁長官の言われたとおりでございます。
○安恒良一君 副総理、通常国会も含めて御答弁願いたいということを申し上げたんですが。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたとおり、さしずめ十月十六日の緊急対策、これを一つ一つ実行することが大事であって、それによって問題はかなり解決をしていくと思いますが、なお立法措置が必要であるということであれば、それは国土庁長官を中心に関係閣僚会議で検討をいたしてまいる所存であります。さしずめ臨時国会に予定をいたしておりますものはございません。
○安恒良一君 私は、国民は土地国会と言われているからこの臨時国会についても期待があると思う。それから、臨時国会が二十七日から十二日までのわずかな期間であれば、続いて十二月から行われる通常国会には必ずそういうものは出す。それはなぜかというと、あなたたちがお決めになったこの閣議決定を実行する上においても、例えば一つの例を挙げるならば、国土利用計画法の十二条の要件緩和についても私は法律改正が必要だと思う。いわゆる土地の高騰、投機、これは「及び」で両方がある場合にできる、こうなっている。これは「及び」というのは必要でない。土地の投機がある場合にも、また著しい高騰がある場合にもこの十二条の適用ということは必要だろう。それがためには、これはやはり法律を改正しなきゃならぬわけですね、要件緩和のために。 そういうようなことについて今お聞きすると、土地国会、臨時国会ということを召集しておきながら、何もないんだ、そういうことはやらないんだ、とにかくおれたちが閣議で決めたことをやればいいと。決めたことをやるためにも改正をしなきゃならぬ問題があると思うんですが、そういう問題が何一つないということは非常に遺憾だと思う。何のためのいわゆる二十七日からの臨時国会かということを言いたい。 そこで私の方から具体的に逆提案をしましょう。そのことについてお約束をしていただけるかどうか。どうも宮澤副総理の御意見を聞くと、臨時国会もないし通常国会も、私重ねて通常国会にありませんかと言ってもはっきりしません。そして、あなたたちは批判だけだ、野党は対案があるのかと、こう言いたいばかりのことを今さっきちょっと言われましたから、私の方から具体的対案を出します。 まず、次の臨時国会については次のような、それから続いて通常国会にやっていただきたい。これは私ども幸い野党四党で一つの案を持っております。それから社会党は社会党独自の案もそれの下敷きとして持っております。 まず第一は、国土利用計画法の改正と運用強化を行わなきゃならぬ。それは第十二条、規制地域の指定の要件の緩和、それからその次は国公有地の売却要件の問題、それから遊休地の指定面積引き下げの問題、それから届け出事項に融資元金融機関を追加する。こういうものは私はやはり国土法を改正していかなきゃできないことだと思う。 それから運用の強化といたしましては、監視区域の面積要件の引き下げの問題、自治体に対する行財政援助の拡充の問題、これは運用です。それから緊急の土地税制の改革でありますか、相続税の軽減の問題、それから固定資産税の小規模住宅用地の税額の措え置きの問題、これは特例として同じく都市計画税、それから事業用、居住地用の買いかえ特例の適正化、こういうものは私は緊急の土地税制改革としてやらなきゃならぬ問題だと思います。さらに、運用の面では金融機関や不動産業界の指導、ペナルティーの強化等々もやらなきゃならぬ。 それから基本的な問題といたしましては、土地問題を解決するためにはどうしても、既に私ども社会党は次の通常国会に提出の用意を整えておりますが、いわゆる土地基本法というものを私はつくる必要があるんじゃないか。それは、現在のこの土地対策は、あなたたちから言わせると、現行法の活用で十分だという意見直言われるかもわかりませんが、私どもは十分ではない。国民は抜本的恒久的な土地対策を求めています。それがためには、現行法を的確に運用することも必要でありますが、今までの古い施策全体の体系の枠組みを根本から変えない限り私はできないと思います。 そういう観点から考えまして、既に土地基本法について我が社会党としては提出の用意を整えております。 そこで、宮澤さんと国土庁長官にお願いをしたいのでありますが、政府側も具体的なそういう法案を用意していただいて、野党の考えている法案と政府側が考えている法案をすり寄せをする、その中で国民のための抜本的な土地対策、住宅対策をする、こういうことが私は極めて重要なことだと思います。時間がございませんから私どもの具体案を細かく説明する時間がありませんが、私どもは野党四党で既に用意しているもの、社会党として独自でやっているもの、それぞれ持っておりますし、既に土地対策に対する野党の意見も各党全部出そろって発表しているわけですから、どうしてあなたたちはそのことを臨時国会、さらに、臨時国会は目の前に控えているなら、少なくとも十二月から開かれる通常国会にはそういうものを用意するということを言っていただけないんでしょうか。国民はそのことを今聞きたがっている。そのことを聞きたがっている。 後追いとか今までの政策の失敗、これは追及してもそれだけで物事は解決しません。問題は、これからどうしていくかということについて、現行法の運用を的確にやるだけでは不十分だ。そういう意味から今日の高藤を招いていますから、ここのところについてこの臨時国会、通常国会でどう対処されようとするのか。副総理並びに国土庁長官のお考えを聞かしてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたように、緊急土地対策要綱を推進いたしますことが当面の重要な課題であると存じますが、なおその線上におきまして新しい立法措置を必要とする、それが好ましいということになりますかどうか、これは総理を座長といたします土地対策関係閣僚会議において十分検討をいたさなければならないと存じます。その際、もとより各方面の御意見をよく伺いまして、必要な立法措置がございますれば国会の御審議を仰ぎたいと存じますが、これにつきましては国土庁長官が主管の大臣でいらっしゃいますので、長官からお答えをお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 野党の御提案もよく検討さしていただいておるわけでございまして、中にはぜひ通常国会で立法措置をとりたいなと思っているものもございます。いずれにいたしましても、立法措置を必要とするものにつきましては通常国会までに結論を得て対応していきたいと、こう考えているところでございます。 なお、土地基本法をつくったらどうかというお話がございました。案をお持ちのようでございますから、それもお見せいただいた上で考えていきたいと思いますけれども、私たちは今の諸立法、それを適正に運用していきたいし、不適正のところがあればそれを改正していきたい。改めて土地基本法ということは考えてはいないわけでございます。
○安恒良一君 私は、じゃ最後にこのことについてお聞きをしておきたいんですが、きのう来の大臣の答弁、それから土光さんの行革審における発言、きょうの皆さんの答弁を聞いておりますと、どうも地価対策、土地対策については現行法の運用とか、しかも土地供給に力を入れる。私は土地問題を解決するために供給に力を入れられるのも一つの方法だと思いますが、それだけではだめなんです。土地を供給しても、その土地が高値で売られて、いわゆる不動産屋がやたらにもうけるということでは問題にならない。いわゆる地価の安定対策。それから国民は、何回も申し上げましたように、高騰する前、すなわち五十八年ぐらいの時点に価格を下げてくれと言っているんですからね。今のまま高値安定でいいということを言っている国民は一人もいない。そこのところをきちっとしてもらいたい。 そうすると、既に各党が出しておりますところの、表現の違いはありますが、切り札としては、いわゆる土地をどう利用していくかということについて私権の制限、このことについてあなたたちが一番嫌がられているんですね。しかし、各党の案を見ますと、表現の違いはあっても、どう利用するかということの私権の制限、すなわち土地というものは国民の公共福祉を優先して利用するんだ、土地を転がして投機の対象にして金もうけすることは間違いなんだ、ここのところに踏み込んでいかない限り土地問題は解決はできない。 このことは既にヨーロッパ諸国においても社会の常識になっているわけでありますから、そういう点でいま一度私がお聞きをしたいのは、私権の制限を含めた抜本的な対策を次の通常国会等においては出そうとされるのかどうか、次のさらにタイムリミットとしてどの時点までにこういう点についてお考えになっているのかということを明確に御答弁願いたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃいましたように、高値安定になってはいけない、全く同じように考えておるわけでございまして、同時に、安恒さん自身が都心三区においては値下がりを見ている、こうおっしゃっていただきました。ぜひ、高値安定には終わらせない、同時に地価が安定するような究極的な状態を早くつくり上げていきたいな、こう思っているところでございます。 同時にまた、土地に対する私権の制限、一切悪いとは私たちいささかも考えておりません。現に都市計画法でありますとか、土地収用法でありますとか、農地法でありますとか、いろんな法律によって私権が制限されておるわけでございます。ただ、売買、取引ということになりますと、私たちは自由社会を非常に大切に考えておるものでございますので、なるたけ権力をもってそれに介入していくというようなことは避けていきたいな、そういう意味の私権の制限というのはできるだけ避けていきたい、あとうことなら誘導政策でもって希望を達成していきたいな、こういうふうに思っておりますことを御理解いただいておきたいと思います。
○志苫裕君 竹下内閣は、これまでの地価対策から土地対策へ閣僚会議も衣がえをして、土地問題を内政の重要な課題に位置づけている、そういう話なんだけれども、今の安恒議員とのやりとりを聞く限りでは大したことはないね、これは。しかし、その点はいずれ新総理の所信表明もあることだろうし、それをじっくり聞いて、本委員会でもしかるべき舞台装置をつくって本格的にやりたい、こう考えておりますし、その際、政府に具体的な対策の用意がなければ、我々に立法の用意があるということだけは申し上げておきたい。 そこで、きょうは余り時間もないので、本格的な審議の前提として一つ二つだけ伺っておきます。 地価高騰の要因については、先ほどやりとりいたしましたが、需給のアンバラを基本にして金余りを背景にした仮需要の増大だと。しかし、どうやら政府の失策というか無策というか、積極的な誘導というか、そういう面に触れたがらないのは我々にとっては非常に遺憾です。ですが、この原因論はいずれまたいろいろの同僚議員もおやりになるでしょうから、私はここでは触れません。 オフィス需給のことを建設大臣お話がありましたけれども、一体建設省なり国土庁がオフィスの需給について仮に例えば正確な情報を提供したことがあるだろうか。仮需要の乱舞に任しており、このような情報を一つも提供しなかったわけでしょう。これを見たって政府の責任ですよ。 また、奥野長官は、大臣になりたてのときに、朝日新聞のインタビューでしたかね、国公有地の払い下げが地下高騰の元凶だとあなたおっしゃっているじゃないの。ここへ来るとにわかに慎重になっちゃうわけですね。やっぱり過去の自分の古傷にさわらなければ新しい処方せんはできませんよ。このことだけははっきり申し上げておきまして、私は、いろんなことをこれからやろうというんですが、一体地価の形成の要因と適正価格というのは、適正の水準というのは何なんだということの考え方をちょっとお伺いしておきたいんです。先ほど安恒議員もちょっと言っていましたけれども、土地はほかの商品と同じように需給関係だけに任せておいてはならないものだというやりとりを若干いたしましたね。西欧諸国では、都市の形成過程などにも違いがありますし、それに応じた政策努力にも違いはありますけれども、少なくとも一般の商品とは区別をされた私的所有と公法上の政策手法においてしっかりした概念を持ってやっていますよ。需給関係に任せておくというようなばかばかしいことはやっていないんじゃないでしょうか。限られた資源ですし、技術革新やオートメーションでほいほいと生産できるものでもありませんし、そして一方ではそれがなければ生存できないという代物なんですから、これはやっぱり所有や利用についてまずははっきりした理念を確立する必要がある。これがない限りどんな手を打ってもだめなんじゃないでしょうか。 そういう意味で、地価を形成すべき要因としては何が盛り込まれ何が盛り込まれるべきでないか、このことについてひとつ、担当大臣に奥野さんがおなりになったんでしょう、まずあなたの認識を伺いたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 土地は、その土地を所有、運用して経済的な場合にはどれだけの利益を得ることができるか、住宅の場合には生活環境を確保することができるか、利用する人の考えによっても違ってきましょうし、立地によっても違ってくるだろうと思うのでございます。そういう関係で売買が行われていく。その中でできる限り適正に価格が形成されていけばいい。しかし時には、投機の対象にされるなどということになってまいりますと、いたずらに土地の高騰をもたらしたりするわけでございますから、国土利用計画法において、その場合には国や地方団体がその内容に関与していきますよという姿勢をとっているわけでございます。また、そういうものなんだということで国土利用計画法の中にも土地の性格についての規定を置いておりますこと、そのとおりでございます。しかし、その価格形成が今や大変な高騰、混乱状態になっておりますので、早く安定した状態に持っていきたいというのが私たちの今行っております努力でございます。
○志苫裕君 理念の問題ですから、あなたにもう少し勉強してもらっていずれまたやりとりをしたいと思います。 そこで、今いろいろな手を打とうというのでみんな一生懸命なんですが、その目標が何なのかということをまずはっきりさせましょうよ。これ以上値上がりしないようにとめるというのか、ここに例があったが、あれは値上がり率のカーブなんであって、あれを見ていると下がったように見えますが、下がったんじゃないんですよ。上がり方が緩んだというだけの話でして、依然として上がっているんです。それはともかくとして、当面の今皆さんが手を打とうという目標は一体何なんですか。値上がりをとめようというのか。不当な手段で、社会のひんしゅくを買うような手段で手に入れた土地というのは下げようというのか、今までもうけた分も社会に還元してもらおうというのか。一体目標が何なのかはっきりしない。竹下総理は適正安定。御自分でも言っているようにこれは言語明瞭、意味不明だ。一体当面の目標は何なのか。その場合に当然、しからば適正な価格とは何だという問題にいや応なしにぶつかります。適正な価格とは何だ、この問題について御見解がありましたらお聞かせいただきたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 当面は早く土地の価格の安定を得たいなと、こう思っておるわけでございます。その土地の環境が変わっていきますと失地の価格が動いていくことはこれは当然のことだろうと思います。そういう変化がなければ、国民総生産が伸びていくぐらいの形で土地の価格が上がっていく。それはやむを得ないことじゃないだろうかなと、こう思っているわけでございます。当面はと言われれば、やはりまず土地の価格の安定を得たいな、こういうことが努力目標だ、こう思っております。
○志苫裕君 それはやっぱりいけないんじゃないんでしょうか。それは手段として、上がるものはとめる、安定して下げる、こういうふうにいかなきゃだめだと思うんですが、今の地価高騰を今の水準で安定させればまず何の問題が起きるかといいますと、いろんなことはあったが、いろんな手段で土地を手に入れたやつは先見の明があってうまいことをしたということになる。これを追認することになると思う。しかもそれは、多分に政府の失政や政策誘導によるものです。社会的不公正です。でありますから、これはその分の解決策には全然なりません。だから、現に依然として、例えば内需拡大の決め手になっている公共事業一つをとってみても、国、地方公共団体を問わず大部分が地価に使われておるという現状でしょう。こういう状況をこのままにしておいて内需拡大を叫んで公共投資をしてみても、大部分は地主さんのところへ行くだけです。 こういう状態も依然として続くのであって、経済の問題の解決にはならない。何よりも、都心の商業地においては平均的サラリーマンの退職金で買える土地は座布団一枚です。それも無理だ。一生涯働いた代償が座布団一枚。こんな社会をそのまま安定させていいんですか。こういうふうなことを考えれば、目標はやっぱり大胆に下げるということでなきゃならぬのじゃないですか。そのことを主張しておいて、下げるのであれば当然、これは大蔵省の所管になるけれども、今までそのような手段で手に入れた土地、これからはしかるべき社会還元をしてもらうという税制が考えられてしかるべし。このことだけは主張しておきます。 さて、土地の価格にもいろいろありまして、何が適正価格なのかというのがさっぱりわからないのですね。何ですか、公示価格あり、基準価格あり、相続、贈与、固定資産、登記、国有財産評価、簿価、さまざまなものがありますが、地価公示だって、地価形成の分析やあるいはまた収益性や復成原価などの検証を行ったものじゃないのであって、単なる取引事例の比較というものにすぎない。このことは結果的には高騰地価の現状追認価格、それの何割引きという値段でしかないわけですが、大臣あれですか、土地の値段もいろいろありますが、土地の適正価格というものの判断基準を何かお持ちですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、正当な取引関係から価格が形成されていく。それを所有しようとする人がその土地の所有によって生産に使われる場合にはどこまで高い利益を生み出すことができるかというようなことによっても変わっていくだろう、こう思っているわけでございます。私が安定と申し上げていますのは高値安定ではいけない。これは先ほど来申し上げているところでございまして、今上がっているのは東京中心でございまして、本当に厳しい二極分化でございます。一年間を見ますと、東京は九割近く上がっているわけでございます。ところが、東京を除きました全地方では一・三%しか上がっていないというような状態でございますので、早くあるべき価格に落ちついてほしいなと、こう思っているところでございまして、そういう方面への努力をしているということでございます。 公示価格の高値追認になっちゃいけないと私も同じような考え方を持っておりまして、今後のあり方につきましてもさらに検討を求めていきたいなという希望を持っている一人でございます。
○志苫裕君 いや、今の答弁で不満なのは、先ほど私が申し上げているのと少し違うんです。地価の価格形成というのを公正な取引一本で考えておられるから、そこのところが本当の意味での土地対策にならないという点を先ほど述べたのですが、依然として公正な取引一本のようです。この点は土地に対する認識の仕方が違うということだけは申し上げておきますが、土地にはいろんな形状がありますし、収益を生むものもあれば生まないものもありますから、なかなか、一概に土地とくくってしまうわけにもいかないですね。だけれども、少なくとも宅地について言えば、そこに生存権を持って人が住むのですから、やっぱり平均的なサラリーマンでも入手できる範囲というものが適正価格の非常に大きい要因にならなければいけない等々、適正価格とは何だという、利用形態なども考えたそういう何かメルクマールのようなものを、これは役所の方もしっかり勉強をしてまとめる必要があるということを申し上げておきます。 大臣、今お話がありましたように、これは東京だけの問題ではないのでして、都心から買いかえ需要を見込んで郊外に移る、それが全国の主要都市にも波及をしているというこの冷厳な事実を忘れてはならない。東京にオフィスビルによる需要があっても田舎にはないんですから、そんなところまでずっと広がっておるということが深刻だと思うんですよね。そういう問題について、この次のやりとりまでにひとつしっかりしておいてほしいと思うんです。 時間がなくなったので大蔵大臣に、次のお話に入りますが――ちょっと済みません。奥野さん、きょう、旧国鉄用地の払い下げ問題をめぐって、あなたの言い分と事業団の理事長の言い分が何か違っているようじゃないですか。それだけちょっと説明してくれますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 全く同じ考え方でございまして、その同じ考え方を言ったことにつきまして外野席がわあわあ言っているんじゃないかなと、こう思っているわけでございます。お尋ねでございますから私が杉浦理事長とお話し合いをしたことを申し上げますと、地方団体は住民にとって豊かで住みよい地域社会をつくっていくことを本来の任務にしているものだから、地方団体が公用やこういう公共用に使いたいということでお願いする場合には譲ってくださいよということを申し上げましたら、それは随意契約で譲りますよというお話がございましたし、また清算事業団としても地価高騰に影響を与えないようなところはもう入札に出していきたいんだというお話がございましたから、それはそうですね、おやりなさいよと、これだけの話をしたわけでございまして、それにいろいろ尾ひれがついていっているようでございます。いろいろ伺ってまいりますと、あの清算事業団の処分方法の規制がございますけれども、これを決めますときに大変激しい議論があったようでございまして、どちらの立場で議論をし、どちらの立場でその話し合いを聞くかによって食い違いが出てくるんじゃないかな、こう思っておるわけでございます。清算事業団の杉浦理事長は、地方団体につきましてもよく理解をしていただいているように私には思えました。私もまた清算事業団の立場というものはよく理解しておるつもりでございますし、これからも隔意のない話し合いをしながら円滑に進んでいくように努力をしていきたいと思っております。
○志苫裕君 これは本番のときには杉浦さんにもおいでをいただこうと思っています。同じことを言っておるのに活字が違ってくるわけがないのでね。この間、私の部屋にも理事長が見えられたからちょっと聞いたら、いや何かあれは奥野さんが希望を述べておるぐらいなごあいさつでしたよ。それはまたいずれ本人も呼んでやりましょう。 大蔵大臣、地価高騰の原因が金融機関の野方図な不動産融資であったことはもはや明確であります。資金のないダミーの中小の不動産業が何十億、何百億という投機的取引を単独でできるわけがないのでありまして、それを可能にしたのは、助長したのは、金余りの中での金融機関の無節操な融資ですよ。大蔵省もそういう問題意識があったから、早くからしかるべく通達等も出していろいろやったんだろうと思うが、それ以上に積極的なことは何もしなかったのでずるずるとここまで来た。この大蔵省の責めはこれは免れませんよ。結果論で言えば共犯だ。そういう理解なんで、それなりにやってきたのにそんなきついことを言うとはひどい話だということになるかもしらぬが、しかし現実はそうですよ。 そこで、金融機関の、実需のない不動産投資というふうなものが皆さんの手でどのぐらい解明されていて、残高がどれくらいになっておるかということを細かく聞きたいんですが、時間がないので全部まとめて残高は幾らですか。
○説明員(平澤貞昭君) 現在、金融機関のうち主要なものである全国銀行でまとめました残高は、約三十三兆円が不動産向け融資になっております。それ以外に生命保険あるいは相互銀行、信用金庫等がございますので、そういうのを集めますと約三十九兆円ということでございます。
○志苫裕君 今の三十九兆というのは、全部足したものですね。別枠じゃないですね、全部足したもの。
○説明員(平澤貞昭君) 合計でございます。
○志苫裕君 そこで、そのことはいずれ資料をいただけることになっておるようですから、それを見た上でまた話をさせてもらいますが、どうでしょう、これから皆さんも一生懸命やって土地が下落すると仮に仮定しましょうか。土地が下落するというのは担保の能力が変わるということなんですが、銀行筋はどういう対応をするんでしょう。そうなっちゃ困るから下がらぬように一生懸命頑張るんでしょうかね。
○説明員(平澤貞昭君) 現在、金融機関の融資の中で土地等を担保にとっております比率は、ちょっと正確な数字は存じておりませんが、全体の中で恐らく一〇%ちょっとだと思います。そして、恐らく半分近くが信用貸しということになろうかと思います。したがいまして、委員御指摘のお話は恐らく、専ら不動産だけ担保にとっているというような先がどうかということでございますが、大部分が中小企業向けの融資でございますので、そういう中小企業向けの融資の際に不動産を担保にとってお金を貸していると、その不動産の価値が大きく下がるということになりますと、そういう方面の融資、特に今後融資する場合にどうなるかという点は、やはり委員御指摘のように問題も出てくる可能性がございます。ただ、大きく下がったという場合だと思います。
○志苫裕君 大蔵大臣、民間の金融機関に限らず、無節操な、無秩序な融資とひんしゅくを買う行為というのは政府系の金融機関にもたくさん事例があるのじゃないんですか。一部の新聞にも報道されております問題からまずいきましょう。 西新宿の土地に関する商工中金の五十七億円の融資は、大蔵省はどのようにこれのいきさつを知っておって、その後わかってからどのような手を打ったんですか。
○説明員(平澤貞昭君) 今委員が御指摘のような記事が十月二十二日付のある新聞に出ているということは我々としても十分承知しております。したがいまして、当局といたしましてもこの内容につきましては現在把握しているわけでございます。ただ、あくまでもこれも個別の金融機関の具体的な取引内容にかかわる問題でございますので、これについて行政上具体的に現在どのような措置をとりつつあるかという点につきましては、従来と同様、答弁するのは御容赦願いたいと存じます。 ただ、いずれにいたしましても、委員御指摘のように仮に政府系金融機関が問題を起こすような融資をしているということは行政当局としても問題と考えるわけでございまして、仮にそういうことがあれば、これに対しては厳正に対処すべきものということでございます。
○志苫裕君 個別の問題を答えないというと、これ以上聞いても答えないんだが、そういうことがあれば厳正に対処する。 私は今ここに登記を持ってきていますが、この問題の土地一つを見たって、まあ相手の企業もそういう意味では名立たるものだ。同時に、この土地が既に六十一年の六月十九日の受け付けで四分の一仮処分されているという、いわゆる係争中の土地であることはもう明らかじゃないですか、融資の時期等から見て。この金融機関はここだけでもないですよね。あなたの方に聞いてもいろいろ言わぬでしょうが、ほかのところでもまさに土地転がしの典型的な土地にそれなりの融資をしておる。 このように政府系の金融機関全部を洗ったんですか。洗っても、どこどこの銀行がとなかなか言わぬかもしらぬ。言わなければこの次の機会に私が具体的に言いますよ。全体に洗ったんですか。
○説明員(平澤貞昭君) 政府系の金融機関につきましても大蔵省といたしまして、各省と共管のところも多々あるわけでございますが、行政当局が一緒になりまして経営の状況については常時把握しているところでございます。
○志苫裕君 局長、先ほど、そういうことがあれば適正に対処をすると。この商工中金は適正に対処をしたんですか。
○説明員(平澤貞昭君) 具体的な金融機関の問題でございますので、その金融機関に対してどういう措置を具体的にどうとったかという点につきましては、答弁は差し控えさせていただきたいと存じますが、先ほども申し上げましたように、問題がある場合には行政当局としては厳正に対処しているところでございます。
○志苫裕君 新宿の土地の場合には、いわば貸付限度額というか内規の二十三倍の五十七億円の額のようですが、もう一つのケースの場合には百三十億円、内規の百倍だね。そういう融資も行われているので、この金融機関に限らず政府系のあれについてしっかりした調査を行っておいてほしい。いずれこの次にまたやります。 ちょうど私の時間が来ましたからこれでおしまいにします。
○田辺哲夫君 私は、自由民主党を代表いたしまして質問いたします。 現在、政府もまた新行革審もあるべき土地税制及び法律の改善を求めまして鋭意検討中である、その御努力に敬意を表したいと思います。ただ、政府におきましては、可及的速やかに国民生活安定のために相続税、固定資産税、譲渡所得税等の時宜に合った対応、また土地供給、土地高騰抑制等を含むもろもろの土地問題について、国民の信頼を得るような抜本的な成案を得るように強く要請する次第であります。 本日は、これらの論議は今検討中のようでございますから後日に譲りまして、既に国土法の施行によりますところの監視区域また規制区域の運用上の問題、また良質な宅地供給の見地から、私の意見によりますところの借地権の解放と題しまして質問いたしたいと思います。質問に入ります前に、一体土地とは何か、基本的な私の考えの一端を申し上げる次第でございます。私は、土地とは国家体制の基軸でありまして、歴史的にも将来また未来も国政の中心課題と考えております。土地は原始時代より人類の生存の基盤でありました。そして我が国におきましても昔からこの土地政策、土地支配、これを原点といたしましていろいろな社会体制の変遷があったことは事実でございます。 簡単に具体的に申しますと、大化の改新によりますところの公地公民制度、それに基づきますところの律令制度、そして律令制度が崩壊いたしまして地方豪族によりますところの土地支配による荘園時代、そしてそれを原点といたしまして鎌倉幕府、武家政治というものが始まってまいったわけでございますが、それを経まして戦国の争乱時代は一面から申しまして土地の争奪戦であった、土地の争奪戦に明け暮れましたのが戦国時代ではなかったか、このように解釈しておるのでございます。そして江戸時代に入りまして藩を基礎といたしますところの土地支配、封建制の確立というものが見られたわけでございます。明治維新によりまして近代日本の幕あけとなりました。そして明治憲法、現憲法は財産権の個人所有、土地の個人所有を原則といたしまして、それに公共の福祉の観点から制限を加えておる、こういうことになるのではないかと思います。また、世界的に見ましても、現在土地の個人所有を認めておりますのが自由主義諸国、これを否定しておりますのが社会主義国、こう申しましても過言ではないように思うのでございます。 このように、我が国はもとより、世界各国におきましても土地政策は政治そのものと申しましてもよかろうと私は思います。そして、国政の最大課題が土地であろうかと私は思料するところでございます。これからいよいよ具体的に、これらの前提に立ちまして質問に入りたいと思います。 まず監視区域、すなわち届け出制の問題でございますが、現在この届け出制を実行しておりますのは東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の一都三県、また都市におきまして札幌市初め二、三の都市が実施しておるのでございます。また、大阪、名古屋、神戸、これは今準備中だと聞き及んでおるところでございます。 そこで、国土庁にお尋ねいたしたいと思いますが、今届け出制を実施しておりまする地域以外は地価高騰はないのか。もしあるといたしますと、それらの自治体に対しまして国土庁ではこの届け出制を実施するように強く指導すべきではないか、私はこのように考える次第でございます。先ほどから転ばぬ先のつえというような質問も多々ございました。土地が上がってからでなく、上がるという芽が見出されましたときに、ひとつ各自治体に強く指導をいたしましてこの届け出制を実施さしていただきたい、このように考え、まずこの御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) いろいろとお教えをいただきましてありがとうございました。地価高騰の予測されるところには先手を打って監視制度をとれ、これも全く同感でございます。したがいまして、そういうおそれのある地域につきましては準備をするように、国土庁の方から地方公共団体に強く要請をしているわけでございまして、またそういう地域におきましては地方公共団体も準備をしてくれておりまして、準備が整えば次々に実施をすると。今お話が出ました大阪市も十二月一日から監視制度を始めてくれるわけでございますが、単にそれにとどまらず、関西国際空港周辺の地域あるいは関西学研都市関連の地域につきましても今から準備して、いざというときにすぐに監視制度を始めるという態勢が必要じゃないか、こう思っておるところでございます。 東京で届け出が千三百件あって、それに対して行政指導に当たったのが四百件だったという話を伺っております。三割ぐらいだった。行政指導しますと、取引をやめたりあるいは価格を下げたり、勧告にはほとんど至っていないようでございまして、勧告してもなお聞かなければ公表するという仕組みをとっておりますので、公表まで至るようなことはまずないんじゃないだろうかなと。やはり土地を投機対象にすることについては世論の強い批判の出ている今日でございますから、それに対して悪徳者だとレッテルを張られるようなことになるわけでございますので、まず公表に至るケースはないのではないかなと。こういう誘導政策で価格の適正化に持っていきたいなということを中心にしているわけでございます。 なお、監視区域の制度をとっております地域など、事務当局からお答えをさせていただきます。
○田辺哲夫君 いや、結構でございます。 次に、地価高騰の中心でございます東京都のこの届け出制度の実態につきまして申し上げますと、大体予想で土地売買が年間約十五万件ぐらいあろうか、そのうち届け出の対象になりまするものが五万件ぐらいではないか、このように予想されておるわけでございます。東京都では従前より、条例をもちまして国土法の規定以上の小さな土地まで届け出制を実施しておりました。これが大きな引き金となりまして、今都心部で地価鈍化の情報もあるところでございます。これで安心するわけにはいきませんが、この運用が実効を生じた、このように考え、慶賀の至りと存じます。 ただ、ここで一番問題なのは無届け売買、こういうことでございまして、東京都の推定によりますと五%ぐらい無届け売買があるのではないか、このように言われております。そして、この無届け売買を防止するにはどうしたらいいのか、ここでございますが、これは法務省の協力なくしては不可能だと思います。なぜならば、土地売買で登記所に行って所有権移転の登記をする。そのときに届け出をした、そして行政の承認といいますか、同意といいますか、そういうものの証明書をつける必要がないというものなんです。ですから登記所におきましては、これが届け出たか無届けか全然わからない。わからなくても適法な申請であれば所有権移転登記をする、こういうのが実態でございまして、東京都では、法務省の協力もございませんので、後日登記簿を一々調べまして無届けか届けかを照らし合わさなければならぬ。これは年間五万件ございますと大変な仕事でございます。登記簿を全部取り寄せまして調べなければならぬ。これの労力と事務量は大変でございます。 そこで、これは法務省と十分御協議いただきまして、何がしかの届け出済みの証明書を登記のときつけるような方策をとるべきではないか。これは許可制でございませんから、なくても合法な登記とはなりますが、しかしながらそのような義務づけによりまして無届けの売買を抑制する効果はある。そしてもう一つは、そういう無届けの登記手続がなされました場合に、登記所は直ちに所管の行政官庁に連絡してもらう。そうしたら行政官庁はすぐそれが把握できるわけでございまして、後で例えば東京で五万件の登記簿を閲覧する必要はない、そして事前にキャッチいたしますと注意もできる、こういうことになりますので、これはもう国全体の問題でございますから、法務省にもひとつ国土庁より十分な連絡と協力をお願い申し上げたいということでございます。 そして、この罰則の問題でございますが、もちろん国土法に罰則の規定がございます。罰金刑と懲役刑の規定がございますが、実際の運用におきまして、よく聞きますと、悪質のものは告発しろ、そうでないものは始末書もしくは注意でやれ、このような国土庁の指導だと、こう聞いております。そういたしますと、正直者がばかを見るということになりまして、無届けで売買をやりましても始末書程度を書くのならばよかろうという人がいっぱいふえてまいります。こういう点はひとつ法の厳正な施行ということを特にお願い申し上げたい。最上恒産、これは東京都で告発いたしまして問題が出てきたわけでございますが、ほとんどは始末書と注意、このような実態だそうでございます。法の不知は許さずというような法の大原則がございますので、正直者がばかを見ないように国土庁はその点の厳正な指導をお願い申し上げたい。 この二点につきまして、奥野大臣より簡単に御答弁願います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 売買が全部投機につながるわけじゃないと思いますけれども、おっしゃっているとおりに無届け取引が五%に上っているということは大変大きな問題だと思います。登記所の協力がどこまで求められますか、なお法務省と相談をしていきたいと思います。 なお、正直者がばかを見ないようにすることはこれは最も大事なことだ、こう思っております。悪質なものについては厳正な処罰をするということで今おっしゃったような指導になったのじゃないかなと、こう思うわけでございますけれども、正直者がばかを見るような結果を来さないように最善の注意を払っていきたいと思います。
○田辺哲夫君 次に、規制区域、すなわち許可制につきまして質問したいと思います。 憲法二十九条は土地の個人所有権を認めたものです。ただ、公共の福祉のためにその制限ができると規定しておるわけでございます。この両者の調和が現在の我が国の政治体制の土地政策の根幹であると思います。公共の福祉の概念は時代の要請によりまして極めて幅の広いものだとは思いますが、この許可制度の運用いかんによりましては私は憲法二十九条に抵触するおそれもあるのではないか、また規制区域の線引きいかんによりましては、それに輪をかけまして憲法十四条の法のもとの平等に反するおそれもあると考えております。 具体的に申しますならば、ここに新宿区がある。西新宿だけは許可制にした。そしてその隣は許可制でない。許可地域は地価を凍結するわけでございます。ほぼ凍結する。周りはどんどんどんどん自由に売れる。今度は周りがなってくる。そうすると、そこに不公平さが生じまして許可地域にありました人々は大変な騒ぎを起こす、全部やれと。全国全部やりますと、これは自由主義体制でなくなってしまう。私は、この線引きというものが非常に難しい、恐らく都道府県知事もこの許可制度、すなわち規制区域を線引きいたすときには大変苦慮すると思います。どうしたら問題が起きないように線引きできるか。実際の運用になりますと極めて難しいような気がするわけでございます。そして、線引きいかんによりましては恐らく裁判ざたになる可能性も多分にあろうかと思います。 そこで、国土庁は規制区域の設定に当たりましては各自治体の長と十分連絡、協調いたしまして、憲法上の疑義が生じないように指導をしなければならない。しかしながらなかなか難しい、難しいけれどもやる場合は指導しなければならない。国土庁がどのような具体的な指導をするか、そのお考えを、簡単で結構でございますからお聞きしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 大事な問題でございますので、国土庁としての憲法との関連の考え方を一応お答えさしていただきます。 憲法二十九条第一項においては、「財産権は、これを侵してはならない。」と定められているわけでありますが、同条第二項において、その「内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」とされており、憲法上全く自由な所有権が認められているわけではないと思います。規制区域の許可制による財産権の制限が公共の福祉に適合するものかどうかについては、規制区域の指定要件である投機的取引の集中、地価の急激な上昇及び適正かつ合理的な土地利用の確保は著しく困難という要素から見て、土地のように有限でしかも生存のための共通の基盤である特殊な資産については国民共通の財産としてその利用規制及び取引規制を行うことは公共の福祉を増進するために必要不可欠であり、規制区域の規制内容は必要かつ合理的なものとして国民的合意が得られるものであり、憲法二十九条に違反する問題は生じないと考えているものでございます。また、規制区域の指定に当たっては、規制区域の指定が厳しい私権の制限を行うものであり、御指摘の憲法に規定されている法のもとの平等原則の問題に対し十分配慮した慎重な判断が求められるものと考えております。 なお、去る十月十六日の緊急土地対策要綱に沿って、監視区域制度の的確な運用を踏まえ、状況に応じ遅滞なく規制区域の指定が行えるよう現在国土庁において関係地方公共団体とともに所要の準備を進めているところでありまして、規制区域の指定が憲法上問題とされることのないよう国土庁、関係地方公共団体間で十分相談をしつつ検討してまいりたいと考えております。
○田辺哲夫君 次に、行政と司法との関係から国土法の問題を論議したいと思います。 届け出制または許可制、ここにおきまして行政で値段を決定するわけでございます。ところが、国土法によりますと、裁判上の和解とか破産、和議、競売、もちろん明文はございませんが、判決、こういうものは適用除外としておるわけでございます。日本の国の三権分立の大原則からいきまして理の当然ではございますが、ここに私は国土法の大きな問題が横たわっておると思います。 これを具体的に申しますと、裁判所で土地の値段が決定される、これが行政機関のやります値段と相違を来すことが多々あると思うんです。また、もう既に実際の運用上値段に相違があるわけでございまして、これをどう調整するかということは大変大きな問題でございます。いわば、場合によりますと国土法の監視区域または規制区域がざる法となる、こういうおそれが多分にあるわけでございます。言うならば国家機関によりますところの一物二価、こういう現象が生じてくるわけでございます。 行政機関が裁判所に対しまして、この土地はこのように決定しろという行政指導は不可能でございます。司法権の独立、裁判官の職務の独立がありまして、行政機関が指導することは不可能である。裁判所は裁判所で、争いになりますと個人の権利の擁護の見地から土地の値段を決定する。そして、なおかつ鑑定人が法廷で証言いたしまして、宣誓書を読みまして鑑定するわけでございます。その値段と行政官庁の値段がそごを来す。これは今からたくさん出てくると思いますが、非常に大きな問題でございます。そして、国民の側からしますと、どこの値段を信用していいか。裁判所の値段を信用していいのか、行政機関の値段を信用していいのか、非常に国民も不安になるわけでございます。また、国土法の信頼というものも、値段が違ってまいりますと失墜するわけでございます。しかしながら、日本の憲法の枠組みからいって統一はできない。これは総理大臣でもできないわけでございまして、ここが私も非常に困った問題だなと思っておるわけでございます。しかしながら、国土法の実効を期すためにはその整合性を図らざるを得ない、また図るべく努めなければならない。 そこで、司法と行政、この間をどう調整するか。非常に難しい問題でございますが、ひとつ奥野大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 大変重要なポイントをついた御意見を承ったわけでございます。 国土利用計画法の届け出につきましては、司法の判断を尊重する観点から、民事訴訟法による即決和解等を届け出義務の適用除外としているところでありますが、これは本来なら国土法によりいかなる規制がなされることになるかをも考慮に入れた上で和解等がなされることを前提としてこのような扱いとされていをものと解しております。 ところが最近、地価が高騰している地域で、国土利用計画法の届け出義務を免れる目的で即決和解の手段をとる例が見受けられるようでございます。このため国土庁としては、即決和解等が悪用されることを防止するため、即決和解等の事案の処理に必要となる情報、すなわち届け出対象となるかどうか、適正な価格であるかどうかなどを各都道府県の国土利用計画法担当部局から裁判所に対して提供するための体制を整え、この体制の活用方について最高裁判所に説明したところでございます。最高裁判所ではこの旨を下級裁判所に対しまして周知されたと聞いております。今後もこのような情報連絡の体制を通じまして、即決和解などの悪用の疑いのあるものにつきましては厳正に対処してまいりたい所存でございます。
○田辺哲夫君 今の長官の御答弁は即決和解だけを対象に御答弁なさいましたが、即決和解というのは両方が行きまして一日で決まるのが即決和解、むしろ裁判上の和解、そして破産とか和議とか、いろいろ裁判上の手続があるわけでございます。これらは個々の裁判官が職務の独立てやるわけでございまして、恐らく私は、行政機関がこういう値段だからこのようにしてもらいたいというお願いをしても、またお願いができないと思いますが、いろいろ問題が生じてくると思います。裁判所の目的は個人の権利を擁護する、行政の目的は地価の抑制、二律背反とも申しませんが、いささか目的が違います。即決和解は最高裁にそのような要望をしたということは聞いておりますが、実際の判決でも土地が幾らだというのはいつも出てくるわけでございまして、それで訴訟係属中の和解、訴訟上の和解、破産、和議、こういうのは国土法で適用除外になっておるわけでございますので、こういうものとの整合性が極めて難しい。 これは長官に質問いたしましても、三権分立の原則から難しいと思います。しかしながら、これは政府におきまして十分協議していただきまして、できるだけ整合性を見つけまして、国民の権利を守るとともに国民の信頼を得るように国土法の運用をしていただきたい、このような要請にとどめたいと思います。 次に、今奥野大臣もお答えのように、政府では宅地供給対策というものを非常に推進したいとしておるわけでございます。そして、具体的には用途地域及び市街化調整区域の緩和とか、また東京では臨海部の開発等いろいろの方途を検討されております。これらの対策も必要だということは私も十分承知しておりますが、私は個人的に、もっと抜本的な宅地供給の道がある、このように考えております。これが今から申し上げます私流に言う借地権の解放、こういう事柄でございます。 今からその説明を申し上げますと、今、東京都で建築基準法または用途地域等を基礎に全宅地の利用度がどのくらいか、現法体制のもとで全宅地の利用度がどのぐらいかといいますと四〇%であります。まだ利用の可能性が六〇%残されております。この残された六〇%の宅地というものの利用度を増進させますと、宅地の供給と需要というものは十分満たされてくるのではないか、そしてそれに伴いまして地価抑制に当然つながってくる、このように私は結論づけたいのでございます。そしてこの六〇%の未利用の宅地の利用度を促進しておりません原因は、いろいろございますが、一番は借地権の制度にある、借地権にある、このように私は解釈しておるのでございます。 そこで、私の言っております借地権の解放の意義についてこれから御説明申し上げますが、政府が戦後の農地解放のように強権的に地主に借地権の解放を促す、こういうことはございません。あくまでも自由主義政治体制の中で地主と借地人の自由な意思によってその底地の売買がなされ、そして借地人がその底地を買いまして完全な土地所有権者となってその土地を完全有効に利用する、これを指すわけでございます。 ちなみに今、東京都で借地がどのぐらいあるかといいますと四千五百ヘクタール、全国では四万四千ヘクタール、このように膨大な宅地の借地があるわけでございます。借地権とは、申すまでもなく建物所有を目的といたしまする地上権及び賃借権でございまして、駐車場とかそういうものは含まれておりません。あくまでも建物所有でございます。東京都の四千五百ヘクタールの方は、全宅地の二〇%に該当するわけでございます。このうち、東京都でも二十三区の方が借地が多い。三多摩の方が少ない。昔からの農家の方とか、新しく来た方も土地を買って住居を建てたという方が多いわけでございまして、二十三区の借地の率というものは三多摩より多いわけでございます。 全国で今地代の高騰とかいろいろの問題を原点といたしまして、地代を値上げしてくれとか、または地主が土地を明け渡せとか紛争が絶えません。例えば昭和六十年度の簡易裁判所、地方裁判所のこれら関係の事件の審件は全国で二万三千八百二十二件、東京で四千六百三十九件、六十年度の審件だけですよ、簡裁と地裁で。これだけの紛争があるわけでございまして、概略、裁判所の民事訴訟の約三〇%が借地借家の係争事件でございます。 これらの事件がなぜ起きるかといいますと、土地問題に絡むそのときそのときのいろいろの社会現象が横たわっておるわけでございますが、この争いの中で、地主は本当は売りたいんです、借地人も買いたいんです。地主は売りたい。地代だけ幾らもらいましても、百年たっても実際は元が取れない。そして、固定資産税が上がりますと、上げてくれ、借地人は嫌だ、いつも争いが絶えない。地主も実際は売りたい、借地人も安かったら買いたい、これが実際の心理でございます。そのような売買が促進されないのは何かといいますと、これは税金にあるわけです。譲渡所得税が高過ぎる、そしてそれが総合課税である、累進課税である。ですから地主は、売ってもほとんど税金で持っていかれてしまう、だから売らない、売ってもしようがない。これが地主と借地人の底地の売買の促進を阻害しております最大の理由でございます。 そこで、このような底地売買を促進させるために、ひとつここで税体系というものを見直してはどうか。これは、借地人と地主だけの土地売買ですよ、一般の売買は別ですよ。この場合は税率をうんと低くしたらどうか。そうしたら地主さんは売る、借地人は買う。税率をうんと低くする、そしてその売買を促進させまして借地人が所有権者になりますと、土地の高度利用というものを当然考えてまいります。自分が所有権者になるわけでございますから担保価値がある。さっきから銀行の金余りが出ておりますが、そういうものに銀行は金を貸せばいい。そうしますと東京の宅地供給というものが非常にふえてくる、私はこのような考えでございます。 そして、その立法措置は時限立法でなければいけないと思います。未来永劫にそうするとだめなんで、三年もしくは五年の間に地主さんが底地を借地人に売るという場合は税率をうんと下げる、分離課税でいく、そうしたらそれが促進されます。しかしこの期間が過ぎたらだめだよ、こうなりますと、東京のみならず全国でこの売買が促進され、そして国民がみんな自分の土地を持ちたいという願望が満たされ、そしてこの土地問題というものの抜本的な解決策になる。このように、実は三十年間弁護士をやっておりまして、個々の事件から地主、借地人の気持ちを聞いておりまして間違いないと私は判断しておるのでございます。そして、この問題の立法措置をいたしますと、ほかにもいろいろな国家的利点というものが生じてまいります。その第一は国の税収の増加が図られるということでございます。 これを調査いたしますと、全国の借地面積がさっき言いました四万四千ヘクタール、その更地の公示価格は、国土庁の公示価格、本年一月一日現在、坪当たり五十五万円と計算いたしまして、借地権割合を七対三、そして地主の所有権を長期と見る。短期でなく長期。そして税率を今の現税制の体制の中で平均二五%と見る。これはもう最低の見方でございますが。それで計算いたしまして、譲渡所得税が約六兆円入るんです。これは一遍に売りがあった場合ですよ。そこで政府が英断によりまして税率を一〇%にする。そして、なお分離課税にする。このようにいたしましても二兆五千億入ってくるわけでございます。 そして、これはだれも恨む人がない、自由な意思ですから。地主さんも喜ぶ、借地人も喜ぶ、政府もお金が入ってくるから喜ぶ。だれも怒る人がない。こういうような政策である。そして土地問題を解決するという今の問題にももちろん適合するということでございまして、自分の案でございますから非常に言いにくうございますが、一番いい案ではないか、このように考えるわけでございます。 また、次の利点といたしまして裁判所の事件数が減る、三割減る。そういたしますと裁判所の事務の縮小または行革ということにもなってくるわけでございます。さらに利点がございまして、内需拡大にもこれがつながる。今度は借地人さんが土地所有者になると、これはもう完全な利用を図りますから内需拡大にもつながる。竹下総理がふるさと創生論ということを言っておりますが、このふるさと創生論の原点は、国民の一人一人が自分の土地と家を持つ、こういうことにあると思います。一人一人が家と土地を持つ、これがもう政治の究極でございますが、ふるさと創生論の根底もそこにあるのではないか、その問題にも適合いたしますし、極めて私は時宜に合った案だと思います。 今の法制度でも、あるんです。非訟事件というので、借地人が家を建てる場合、裁判所に申し出まして、裁判所のいろいろの手続を経て裁判所で値段を決めてくれまして、幾ら払えということでやれるにはやれるんですが、そんな問題じゃないわけでございまして、むしろ抜本的にこの際解決を図る。国民に土地所有権を与える。そして今申しました国家的利益や利点がいろいろ出てくる。総理大臣がおいででございませんが、奥野大臣と建設大臣、ひとつ閣議でもお諮りいただきまして、できるならば立法措置、これに血を与え肉を与えまして立法措置をお願い申し上げたい。両大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 最初に、先ほど即決和解のことを申し上げましたが、即決和解などと申し上げて、その「など」の中には和議や判決の問題も入っているつもりでございまして、そういう全般の問題を通じまして最高裁判所との間で連絡を申し上げているわけでございます。 借地権、借家権、御指摘のように非常に問題が多いものでございますから、法務省では法制審議会でそれを取り上げて今議論を進めていただいておるわけでございます。私は土地供給をふやしていくためにはやはり譲渡所得課税の特例をひとつ強めていかなきゃいけないなと、そういうことを頭の中に私も持っておるわけでございまして、何らか実現させたいなと思っておるわけでございます。今田辺さんのおっしゃったのは、それを越えて借地権と借家権、これを一つにしたらスムーズにいくよという御指摘で、底地権を借地人が買いやすいように税制でも考えろというお尋ねであったと思います。底地権の方の売買も譲渡所得課税の対象にはしているようでございますけれども、それを進めて二つの権利を一つにするということのようでございますから、まさに重大な問題だなと、今、底地だけを買っておって借家人が出ないものだからそこに暴力団が介入するとかいろんな話を聞いておるわけでございまして、まさに重要な問題を御指摘いただいているなと、こう思っているわけでございまして、これからも十分検討を重ねさせていただきたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 宅地の有効利用、このためには地主と借地人、あるいは借家法、これは非常に老朽化した家を建てかえる、こういう観点からいいましてもただいま御高説を拝聴いたしました。十分検討をして善処してまいりたい、かように存じます。
○田辺哲夫君 両大臣から前進的な御回答をいただきましてありがとうございました。 今私が申しましたのはまだ借家権までは論及しておりませんでしたが、借地権の地主と借地人の土地売買でございましたが、土地供給のもう一つの阻害は借家問題でございます。例えばこの千代田区におきましても、新宿区におきましても、また中央区におきましても木造二階建てのアパートがまだたくさんございます。それらは、用途地域からいきまして五階も六階も建てられる地域に二階建ての木造アパートがあるわけでございます。しかしながら、それを建てかえするとなりますと、そこに借家人がおります。十人、二十人という借家人がおりますと、この人たちの権利というものがございまして、これを明け渡すということは非常に難しい。裁判をやりましても場合によれば五年、十年かかる。これは今の土地供給からいきまして間に合わなくなる。 そこで、借家権につきましても何か合理的な、借家人を保護する、また土地供給を促進するというような二面性からうまい案をつくっていただきまして、借家人も満足して立ち退けるというような借家法の改正、こういうことも私は必要だと思います。そうすると相当の未利用の宅地が高度利用化されてくるわけでございまして、東京にはまだ十分宅地供給のもとがある、六〇%また残っておるわけでございますので、そこら辺をひとつ法務省とも御勘案いただきまして借家法、これは私は具体的にはちょっと案を持っておりませんが、借家人も保護しそして今の目的にも合致するというような方途をひとつ考えていただきたい。この点につきましても一言御回答いただきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 今の御意見、法務省の方にも連絡しておきたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) よく検討して前進するように努力をいたしたいと思います。
○田辺哲夫君 終わります。
○委員長(河本嘉久蔵君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(河本嘉久蔵君) 土地問題等に関する特別委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、渡辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(河本嘉久蔵君) 休憩前に引き続き、土地問題及び国土利用に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○片上公人君 この数年におきます地価の暴騰の中で、いわゆる地上げ業者の無法ぶりといいますか、その目に余る行為について国民は大変怒り、あきれておるわけでございます。ところが、その裏にある融資の問題におきましては、金融機関がもう過剰なまでの融資をしておる。私は、この新しい内閣の出発に当たりまして、こういう状態がいつまでも続いてもらっては困る、何としてもこの問題は解決していただかにゃいけない、そういう意味から、この金融機関の融資の問題についてまず質問させていただきたいと思います。 最近、最上恒産なる地上げ業者の西新宿の土地買収をめぐる国土法違反事件がマスコミで大きく取り上げられております。この最上恒産に地上げ資金を融資したのは、農林中金系列の協同住宅ローングループと第一相互銀行でありますが、この一連の融資には不明朗な部分が多々感じられるわけでございます。 この協同住宅ローンは、子会社の協住不動産サービスなどとともに五十九年二月以降、三期に分けて合計百四十億円を西新宿の地上げ資金として最上恒産に貸し、一年足らずで百九十九億円の返済を受けております。私の手元にはこの融資の決算資料等がございますわけでございますが、これらに基づきましてただしたいと思います。 まず第一点でございますが、協住グループはこの融資の際、最上恒産の依頼で融資金のうち六十五億円を第一相互銀行に預け入れております。その後、最上は改めて第一相銀から多額の地上げ資金の融資を受けており、この一連の融資は、金融機関から借りた金をわざわざ別の銀行に預けて、その銀行からまた金を借りるという非常に奇妙な形になっておるわけでございます。一部の報道では導入預金まがいの融資と指摘されておりますが、この点について見解をお伺いしたい。 この預金の際、協住側は第一相銀から、この預金は導入預金ではないという趣旨の念書をわざわざとっております。これは、協住がこの融資を導入預金になるのではないかと懸念したことの証明と言えると思います。協住ローンの社長はもとは大蔵省の関税局長だった方だそうですが、大蔵省はこうした融資は正常と考えておられるのかどうか、見解をお聞きしたいと思います。
○説明員(平澤貞昭君) 今委員からお話のございました具体的な個別の融資の問題につきましては、直接御答弁することは差し控えさしていただきたいと存じますが、しかし、一般論として申し上げますと、まず御質問の導入預金についてでございますが、これにつきましては、預金等に係る不当契約の取締に関する法律というのがございまして、その第二条及び第三条において強く禁止されているところでございます。しかも、この法律に違反いたしますと、その法律の中に刑事罰の規定がございまして、その違反行為をなした金融機関の役員または職員は、三年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金に処するということであります。 したがいまして、この導入預金が具体的に刑事罰に当たるかどうかということは、法律上も極めて限定的に書いてございます。処罰がきついわけでございますから、その構成要件も極めて明確に書いてあるわけでございます。したがいまして、仮に何かそういう事態ではないかという疑いのある行為がございました際は、行政当局といたしましては、この構成要件に合致するかどうかという点はやはり厳密に検討をして、その上で行政的に判断するということになろうかと存ずるわけでございます。
○片上公人君 第二点ですが、この融資は、協住グループが最上から西新宿の土地を百四十億円で買い、最上が百九十九億円で買い戻すという形で行われております。協住の利益は単純計算しますと五十九億円になる。このうち二十六億円につきましては最上にかわって代払いをしたもので、返済金に上乗せして清算したと協住側は説明しておるようでございますが、それを差し引きましても、この融資で協住が得た利益は常識外の額であり、出資法の利息制限に違反していると思われるが、この点について見解を承りたいと思います。 また、協住はマスコミに対して土地売買の形をとった融資と明言しておりますが、仮に単なる土地売買だったというなら、これは悪質きわまる土地転がし、こういうふうになると思いますが、大蔵省の御見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(平澤貞昭君) 今委員が挙げられました協同住宅、協住でございますが、これは直接大蔵省が監督しているわけではございませんで、したがって一般的な監督指導権限を有していないわけでございます。しかし、一般論として申し上げますと、これらの法人は金融機関、この場合、委員御指摘のように農中という金融機関の関連会社等としてその業務運営を行っているわけでございますので、法令を遵守すべきことは当然であるわけでございます。また、社会的な批判を受けるような行為を行うということもないように十分留意すべきことも当然であろうかと考えております。 そういう意味で、これらの法人が適切な業務運営を行うように、その出資者等である農林中金等に対しましては常日ごろからそういう問題を起こさないようにということでいろいろ指導を続けてきているわけでございますし、今後とも指導してまいりたいと考えている次第でございます。
○片上公人君 次に、協住が最上にかわって代払いしたとする二十六億円について質問したいと思います。 この金は、最上が使った不動産業者や地上げの下請業者など十数社に最上の依頼で協住が代払いしたと説明しているようでございますが、一部報道によりますと、最上側は、こうした業者を使ったことはない、経費の肩がわりを協住に頼んだ事実もないと言っております。私の調査でも、このうち少なくとも二社は該当地に存在しておりませんし、登記もされていない、いわば幽霊会社であります。また、地上げの下請をしたとして三億円を支払われた子会社は、協住不動産サービスのAさんという営業部長さんから地上げをしたことにしてくれと頼まれた、そのとき大阪のエーコー産業という会社を下請にして二億数千万円をその会社に振り込んでくれと頼まれた、最上側とは会ってもいないし、うちもエーコー産業も地上げは一切やっていないと直言っております。 こうした事実から浮かぶのは、この代払いはその金をどこかに流すために操作したのではないかという疑惑でございます。この点につきまして、法務検察当局はこの事実を御存じかどうか、またどういう対応をされようとしているか。当然協住側から事情聴取もされたと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○説明員(岡村泰孝君) 一般的に申し上げまして、個々具体的な事件につきまして検察が捜査をいたしているかどうか、あるいはまたどういうような捜査をしているかというようなことにつきましては、お答えをいたしがたいところでございます。 ただ、検察といたしましても、いろいろ新聞等において報道されておりますことや、あるいは国会等で論議されておりますようなことにつきましては承知をいたしておるところであろうと思うのでございます。そういう中に犯罪を構成するような事実があるならば、それは随時適切に対処するものと思っているところでございます。
○片上公人君 この融資の窓口になっておったA部長、この人は協同住宅ローンから協住不動産サービスに出向している方だそうですが、このAさんは個人的な疑惑も報道されております。会社の融資先であるところの最上恒産の早坂会長から個人的に三億円を借りた。そのお金は大阪に本社のあるエーコー産業という会社に又貸ししたことになっておる。最上側は、協住への返済金からA部長に貸した金を差し引きして決済したと言っておるわけでございますが、これが事実ならAさんは自分の借金を会社の金で返したことになる。これは完全な背任行為でございます。 元大蔵省の局長が社長をしている金融会社としてはあってはならない不祥事と考えますが、この点につきましてどう対応されているのか、また法律的にはどういう犯罪に当たるのか、伺いたいと思います。
○説明員(岡村泰孝君) どういう犯罪に当たるかといいますことは、検察といたしまして十分捜査をいたしまして事実関係を詰めた上でございませんとお答えをいたしがたいところでございます。 ただ、一般論として申し上げますと、刑法ではいわゆる背任罪というものが定められているところでございます。この背任罪と申しますのは、他人のために事務を処理する者が自己あるいは第三者の利益を図る、あるいは本人に財産上の損害を加える、こういう目的をもちましてその任務に背いた行為をなして本人に財産上の損害を加えるということでございます。こういった背任の構成要件に当たります事実が認められますれば背任罪を構成するということになると思います。
○片上公人君 農林中金の監督官庁である農林水産省にお伺いしますが、この農林中金の子会社の協同住宅ローンに対してどのような指導をしてきたのか、また西新宿の事案についてどのように報告を受けておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○説明員(青木敏也君) 御指摘の協同住宅ローンでございますが、これは系統農協の住宅資金の貸付業務、これを補完するというそういった目的を踏まえて設立されたものでございます。中金、信連等がその出資をしております共同会社でございます。そういうことから、これまで私ども、農林中金なり信連等を通じまして、いやしくも投機的な土地取引につながるような融資については厳しく抑制するように厳正な指導をしてまいったところでございます。本年十月には改めて緊急土地対策要綱なるものが閣議決定をされまして、それを契機に再度その趣旨の徹底を図ってまいったところでございます。
○片上公人君 大蔵大臣に伺いますが、不動産業への都市銀行、信託銀行、政府系銀行、計二十三行の本年九月末の融資残高は総額三十二兆円を超えており、この額は五十九年三月期の二倍強でございます。さらに、生命保険会社、ファイナンス会社等による融資を含めればより巨額な額となっておることはこれは明らかでございます。 具体的には、三井信託銀行が都内の地上げ業者に対しまして、東京神田の書店街でわずか三百平方メートルの土地に総額四十億の融資を行ったこと。第一相互銀行が最上恒産グループに法定限度額の八倍に当たる計五百五十六億円の過剰融資を行った。そればかりでなく、同銀行の系列会社である東京エステート、このグループにも法定限度の何と九倍近い六百十億円が過剰に融資されていたこと。さらに、政府系金融機関である商工組合中央金庫と、以前に東京国税局の強制調査を受けたことがある中央信託銀行が、暴力団絡みの地上げで問題となった東京西新宿の土地建物を担保に五十七億五千万円ずつ、計百十五億を同時に融資を行っている。しかも、商工中金の場合は、内規で定められた融資限度額の実に二十三倍という過剰融資であった。 このような実態が次々に報道されているのでございます。さきにも述べました銀行の融資残高の急増から考えまして、このような状況は氷山の一角でないかとさえ感じられるわけでございます。 さらに一方では、このような融資に支えられて空前の活況を呈した不動産業界においては、国税庁の六十一年度不動産調査によりますと、首都圏の中小不動産業者の八七%に所得隠しや申告漏れがあり、ごまかし所得は三百九十二億と過去最高であったことを明らかにしております。 このような状況を一般国民から見ますと、大蔵省はどこを向いて行政をしておるのかと行政に対する不信を禁じ得ないのが実感ではないかと思います。 大蔵省は、土地融資自粛の通達のもとでこのような融資が進行しているという状況を踏まえて、以上見たような土地に対する融資の実情についてどのような認識を持っていらっしゃるのか、大臣の所見を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 金融機関が土地の融資をいたします際に、それが不正常な目的あるいは非常に投機的な性格を帯びたものに対しての融資は厳に慎まなければならないということは、何回か過去においても通達をいたしておるところでございますけれども、昨年の暮れ以来の状況にかんがみまして、通達だけではどうも事が済まないというふうに考えまして、ことしの七月からいわゆる特別ヒアリングということを大蔵省で行いました。 それは具体的に、地価の高騰しておりますような地域にあって、それに関与をしているのではないかと思われる金融機関を呼びまして、相当立ち入りまして融資の実態等々についてヒアリングをいたしたわけでございます。その結果、適正でないと思われるものにつきましては、その是正を求める。償還のときの方針でありますとか、そういうようなことについてもいわば指導をいたしてまいりました。 その結果といたしまして、各金融機関が、そのような土地関連の融資は支店限りにせずに本店において決定をする、決済をする、あるいは管理をするというようなことに、金融機関みんなそういうことに従来の方針を変えてまいりまして、また金融機関の各団体もおのおの自粛の措置をとったというようなことでございまして、今回の場合、したがいましてそれを契機にいたしまして実態はかなり鎮静をしつつあるというふうに考えております。 ただ、そこで、これは明らかに金融機関の側に時として行き過ぎがあったということは否定をいたさない事実でございますが、たまたまこの何年か我が国の経済が相当の不況にございました。そして政府の経済政策としてはなるべく内需の振興を図りたい。と申しますことは、企業側において設備投資あるいは在庫投資等々できるだけひとつそういうことに努めてもらいたいというのがいわば内需振興の具体的な実行でございますから、そういう意味では、金融機関には一般論といたしましてはできるだけそのような企業による設備投資等々には積極的に対応をしてほしいということは、これは一般の政策の問題としては金融機関にそういう期待を持つことは誤りではなかったと思います。そういう場合に、金融機関がその融資の担保として土地を取るということもこれは極めて正常なことでございますから、そういう背景がございました。 そういう背景がございましたので、一様に全部の融資を抑えぎみにすればいいという背景でなかったために、どちらかというとそういう背景の中で事が、何と申しますんでしょうか、便乗とでも申しますか、そういうふうにして行われた形跡がございまして、明らかに行き過ぎがあったということはこれはもう私ども認めまして特別ヒアリングもやったのでございましたが、金融機関側の考え方としては、すべてがそういう一種の悪意あるいは投機的な動機を知りながら、あるいは持ちながら融資をしたというようなわけでは必ずしもなかった。その点はある程度の御理解を賜りたいと思います。
○片上公人君 次に、土地税制についてお伺いいたしたいと思います。 居住用財産の買いかえの特例でございますが、この制度は新築住宅の促進と狭い住宅をより広いものにとの住宅政策に適合するものとの観点から制度化されましたわけですが、現在では高く売れた居住用財産をより安い土地に、しかも課税関係が生じないようその金額を投入するという行為を促す結果をもたらしまして、買いかえ資産近辺の地価高騰を惹起させております。一定金額以上の買いかえ資産にはこれを認めない等の有効な措置が必要だと思いますけれども、作業はどこまで進んでいらっしゃるのか、大蔵当局の見解を伺いたいと思います。
○説明員(瀧島義光君) お答えいたします。 居住用資産の買いかえの特例制度は、所有期間が十年を超える居住用の資産、これをお売りになって、その売った対価を用いまして新しい居住用資産を買うという場合に適用になる制度でございます。今委員御指摘になりましたように、長年住みなれた家を売って、ライフサイクルに応じて住みかえを行っていくという事情に配慮した制度でございます。したがいまして、短期的な土地転がし、思惑、こういった要素は基本的にはないと考えてよろしいのかと思います。しかしながら、御指摘にありましたように、一部地域における地価高騰をこの制度が他の地域に伝播させる媒介者としての機能を結果として果たしているという御指摘が最近各方面から強くなされているわけでございます。 このような事情を踏まえまして、過日決定されました緊急土地対策要綱におきましては、地価高騰の波及を抑制する見地から必要な見直しを行うことなどにつき税制調査会に諮るなど所要の措置を講ずるということが決められているわけでございます。また、六十三年度税制改正につきまして、国土庁及び建設省からこの制度の改正についての具体的な御要望も出されているわけでございます。したがいまして、このような事情を考えながら、今後どのような手だてを講ずることが一番有効なのか、税制調査会も去る十二日に第一回の総会が開かれたわけでございますが、幸いにして審議を始めていただきましたので、調査会にお諮りし、また各方面の御意見を伺いながら今後精力的に検討をしていきたいと思っております。
○片上公人君 土地供給を促す税制としまして、保有課税の負担が我が国の場合は低過ぎるのではないかという主張がございますが、一方、同じく土地供給を行う場合に課される譲渡所得税は重く、これが土地の供給を抑制する結果になっているとの主張もございます。つまり、保有課税が軽課で譲渡所得重課の日本の土地税制が土地の高度利用を妨げておるという考え方でございます。この主張に対しまして大蔵大臣はどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○説明員(瀧島義光君) まず、お尋ねの点につきまして私どもの考え方を申し上げる前に、事実問題についてひとつお話をさせていただきたいと思います。 我が国における土地譲渡の際の課税が異常に重いという説を展開される評論家、学者の方がおられるわけであります。我が国の場合、短期と長期と課税が異なっておりますが、通常の長期譲渡所得を見てみますと、譲渡所得四千万円までにつきましては二〇%の税率、それから四千万円を超える部分につきましては、その超える部分の二分の一を他の所得と足しまして総合課税をするということになっているわけであります。で、過日成立させていただきました新しい所得税法では最高税率が六五%になっておりますから、二分の一総合ということにいたしますと、二〇%を超える部分についての税率も実質的には六五の二分の一つまり三二・五ということになります。つまり二〇で途中まで来て、その上は総合ですが、総合の限界も三二・五ということになります。 ちなみにアメリカは、レーガン税制改革で、一五%と二八%という所得税については思い切った改革を行ったわけでございます。で、その一五%の税率が適用になりますのが三万ドル弱、二万九千七百五十ドルでございます。これを昨日の為替レート百三十五円を用いますと約四百一万円でございますから、譲渡所得四百一万円までの部分については一五、それを上回る部分については二八ということになりますので、日本と比べてどちらが重いのか軽いのか、そう言われるほど日本は重いということにはならないと思います。 一つの国だけではいけませんからイギリスを言いますと――失礼しました、今、私久しぶりの答弁で上がりまして、所得税の最高税率六五と申し上げましたが、六〇でございますので、日本の場合、今六五と申し上げたところは六〇に、三二・五と申し上げたところは三〇と改めていただきたいと思います。 イギリスについで申し上げますと、これは六千六百ポンドまでについては税率がゼロ、それを超える部分については三〇%ということにキャピタルゲインの場合なっております。六千六百ポンドを昨日のレートで換算いたしますと大体百五十八万円でございます。したがって、基本的には譲渡所得については三〇%の税率ということになりますので、やはりこれと比べても日本が重過ぎるということはないと思います。ただし、短期につきましてはこれは重い。いろいろな投機的な需要を抑えるために特別措置で税率を重くしてありますので、これは確かに重いわけでございます。 以上が事実認識でございます。 次に、保有課税につきましては、これは所管でございませんのでお許しいただきたいのでございますが、譲渡所得税が土地の需給にマイナスの影響をもたらしているかどうかという点についての判断でございます。 税制は、理念としてその適正公平な負担を求める、これは当然でございます。それから土地政策は、その理念として、私なりに整理をすれば、整合性のとれた土地の有効利用とか地価の安定、こういうものがあるわけでございます。ある場合にこの両者の理念が矛盾する、税制がその税制本来の理念を多少犠牲にしても土地政策のために活用されるべきであるという声が強くなった場合に、その声に応じていろいろな措置を講ずる、これは当然あってしかるべきであると思います。現にそのような措置を何度も、あるいはいろいろな形で講じてきているわけでございますが、原理的に考えますと、土地譲渡所得税が土地の供給促進にどのような形で影響してくるか、次のように言えるのかなと思います。 土地を持つか、あるいは預金をしておくか、その選択をするときにどういうことが考慮要因に入ってくるかといいますと、まず金利と土地の値上がり率の期待ですね、これはどっちが有利だろうか、まずそれを考えると思います。これは基本です。それから次に、土地を持っている保有コスト、これがどれくらいかかるか。コストが高ければ土地より預金ということになります。それから土地を売ったときの税金、これが高ければ税引き後の利回りが低くなりますから、やはりその譲渡所得税というものが高いと土地というものは投資物件としてはうまみがないということになってまいります。したがいまして、土地譲渡所得税を軽くするということは、当面土地を売ろうかどうか迷っている人について早く売ってもらうという効果はあると思いますが、同時に土地に対する需要をふやすという側面もあるわけでございます。 したがいまして、この点につきましてはその両方を考えながら慎重に考えていかなければいけない問題であろうかと思います。つまり、土地政策という観点に視野を絞りましても、税金というものが、譲渡所得税というものが安ければ安いほどいいというものとは必ずしも言えないということでございます。 それから、税制の理念として適正公平な課税ということを申し上げましたけれども、これは昔も今もそうでございますが、特に昨今のように土地が非常に値上がりしているという場合に、土地を持っている人と持っていない人、この両者のグループの考え方、感じ方というものはやはり鋭い対立というんでしょうか、かなり違ってきておりまして、何か政策を考えるときには、土地を持っていない、どうしようかと不安におののいている人の気持ちもそんたくしながら制度を考えていく必要がある、そんな感じを持っております。
○片上公人君 現在の一般的な保有課税である固定資産税では、小規模住宅用地に対する軽減措置はあるといたしましても、収益のあるものとそうでないもの、また有効に利用されているものとそうでないもの、この辺が明確な区分がなされておりません。小規模住宅用地につきましては、今回の土地急騰の影響を遮断しながら、値上がりを待っている未利用地や遊閑地には思い切って重課する必要があると思いますが、どうでしょうか。
○説明員(前川尚美君) お答えを申し上げます。 今お尋ねのポイントは、地方税で申し上げますと固定資産税あるいは特別土地保有税といったような税が関連してくるのではないかと思いますが、固定資産税につきましては、これは資産の持っております価値に着目をいたしまして、その資産価値に応じた税負担をその所有者にお願いをする、こういう性格の税でございますので、資産価値の変動を勘案しました評価額を適正に付していくということが必要であるというふうに考えております。 そういうことによってこの固定資産税というものの評価の均衡と負担の公平が図られてくるということではないかと考えておりまして、今御指摘ございました小規模住宅用地のみにつきまして税負担を据え置く、あるいは未利用地等についてのみ重い税負担を求めるということは、どうも固定資産税というものの性格に照らしまして適当ではないんではないかというふうに考えております。 それでは未利用地等に対する税負担を多く求めるとしてどういう考え方があるかということになりますと、これにつきましては、政策税制といたしまして特別土地保有税が御承知のとおり昭和四十八年度に創設されておりまして、私どもこの税制の実施の状況を見てまいりまして、土地の有効利用の促進等について一定の効果を上げているというふうに見ております。 この税につきましては、一般的な土地の保有に対する説と、それから三大都市圏の市街化区域について適用になっております、市街化区域の特定の市について適用になっておりますミニ保有税がございます。これにつきましては、六十三年の三月末で適用期限が到来するということになっておりますので、この期限の延長問題等も含めましてこれからいろいろ検討をさしていただきたいと考えておりますが、税制調査会等の御意見も承りながら私どもとしては適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○片上公人君 国土庁に次に伺いますが、奥野土地担当大臣は先般の本特別委員会でのあいさつで、東京都心の商業地に端を発した地価高騰は最近に至ってやや鎮静化の兆しが見られる、こう述べておられます。しかしながら、この十月に発表された都道府県基準地価調査を見ましても、大都市圏の地価高騰は依然として続いておりまして、地価鎮静化という状況ではないと考えますが、大臣が地価高騰は鎮静化しつつあるというその根拠、実態をまず明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 東京の二十三区については鎮静化している、しかしそれが地方に波及しつつある、したがって今の高騰抑止の体制を緩めてはならない、こういう考え方を申し上げてきているつもりでございます。不動産研究所が先ごろ発表いたしましたところでは、三月下旬と九月下旬とを比べまして、六カ月間の地価の変化は東京都都心の八区、商業地、住居地、平均しまして二・六%になっているようでございます。その後さらに鎮静化していると思います。 国土庁が精通者に毎月アンケート調査をしているようでございますけれども、九月、十月と大体において横ばいになってきていると、こう言っているようでございます。しかし、それが他の地域に波及しているわけでございますし、東京都の場合でも三多摩地区に波及しているわけでございますから、我々はなお一層努力をしていかなければならない、こういう考え方でおります。
○片上公人君 大都市圏の地価高騰は鎮静化しつつあると見るのは、現状認識が若干甘いのではないかと思いますが、また仮に一部の地域で鎮静化傾向があるといたしましても、それでお話のようによしとするわけにはいかないと思います。地価下落が何より確実なものとなるように一段と対策を強化すべきでございます。 竹下首相も去る十月三十一日の記者会見で、地価の鎮静化というのは言わずもがなで、適正安定のために対策を詰めていきたいと述べておられますが、したがって、奥野大臣としても、地価、土地対策は地価水準を適正な水準に引き下げることを目標にしてさらに取り組むべきであると考えますが、御所見をお願いいたします。
○国務大臣(奥野誠亮君) 同感でございます。
○片上公人君 地価の高騰は、当然のことながら公共事業の効率的な執行に大きな影響を与えているわけでございますが、越智建設大臣は土地対策についてはどのような御所見をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 御指摘のように、東京都心部の地価高騰、さらにお説のように地方への波及、こういうことによって用地の買収価格また買収難、こういうことで大変な影響を受けていることは事実であります。公共事業の効率的な執行に大きく影響をいたしておりますので、建設省といたしましては、十月十六日の閣議決定されました緊急土地対策要綱に基づき、都市の再開発、住宅宅地供給の促進等の土地対策を強力に実施をしていきますとともに、公共事業の推進のために、土地区画整理事業等高地価の現状に対応した事業手法を拡充、活用を図ってまいりたいと、かように考えております。
○片上公人君 大都市圏の地価水準を適正水準に引き下げるためには、これはもうなまはんかな対策では大変難しいと思います。異常事態には強力な対策を徹底して実施する必要があると思います。 その意味で、先般発表しました社・公・民・社民連四党共同の土地対策に関する緊急共同提言では、東京都心部を初め地価高騰の著しい地域を対象にしまして規制区域の指定を行うよう求めているのでございますが、奥野大臣は規制区域の指定につきましては否定的な見解を表明していらっしゃいます。政府の緊急土地対策要綱でも「所要の準備を速やかに進める。」としておきながら、また国土庁土地局長通達でも指定の準備要請をしておきながら、土地担当の奥野大臣がこれを否定するのは全くこれは理解できない。何ゆえ規制区域の指定を否定されるのか。 なお、日経新聞の「新閣僚ここに力点」というインタビューでは奥野大臣は、「土地取引を許可制にする規制区域を発動するつもりはあるか。」との質問に対しまして、「強権発動は好きでないし、規制を強化しても土地の有効活用はできない。」と答えていらっしゃいます。規制区域の指定問題を大臣の好き嫌いで判断するのはおかしいではないかと思いますが、自治省の事務次官を経験され、奥野大臣としては地方自治体の事務処理の困難さ等が頭に浮かぶのではないかとも思いますが、それならば国が規制区域の指定に伴う行財政上の措置を講ずればよいのではないか。 土地担当大臣といたしましては、規制区域の指定について否定的な発言をするのではなく、まず事務処理に要する費用等は国が措置するから積極的に指定するようにと地方自治体を指導するのが筋だし、これは務めではないか。否定的な発言を撤回していただきたい。とともに、規制区域に対する長官の真意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私が申し上げていますのは、まず規制区域の指定をするんじゃなくて、まず監視区域の指定をするんだ、規制区域の指定というのはいわば伝家の宝刀だと。最初から伝家の宝刀を抜いていくべきものではないんだ、監視区域の指定でなお著しい地価の高騰が一部の地域において起こってくるということになりますと、伝家の宝刀を抜けるように規制区域の指定の準備をしておかなきゃならない。しかし、これが先行するものじゃなくて、やっぱり監視区域の指定で、誘導政策で国民の理解、協力を求める。理解、協力が得られない場合のことじゃないかと、こういう意味合いでございます。 御承知のように、監視区域を指定しますと取引をみんな届け出なきゃならないわけでございます。もちろん地域指定の指定で百平方メーター以上はと決めている地域もございますれば、三百平方メーター以上はと決めている地域もいろいろございますけれども、とにかく届け出る。届け出られた価格を市町村当局が見まして、公示価格等と比較して高過ぎると判断される場合には行政指導いたします。すぐ勧告にはいきませんけれども、行政指導いたします。そういたしますと、ほとんど大部分は価格を下げた取引にするか、あるいは取引をやめてしまうようになっているようでございまして、聞かれない場合は勧告しますし、なお聞かれない場合には御承知のように公表するわけでございます。恐らく今後も公表までいく事例はほとんど起こらないんじゃないだろうかな、やっぱり国民の皆さん方もいろいろ批判を受けますとその批判にはこたえてくれるんじゃないかなと、こう思っているわけでございます。 そういう意味合いで私は申し上げていることでございますので、御理解をいただいておきたいと思います。
○片上公人君 奥野大臣の就任以来の発言をずっと追ってみますと、土地取引、つまり需要面の規制強化には消極的で、土地の供給促進について強調されております。確かに土地の供給促進は土地対策のこれは正道でございますし、土地の高度有効利用の促進は長期的に見れば非常に重要な課題でございます。 しかし、大臣が言うように、土地がどんどん供給されるようなことが果たして可能なのか。それができればそれにまさる対策はないけれども、一体どのような手法、手段によって土地供給の促進を図るのか具体案を示していただきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 現在でも土地供給のための施策が随分行われているわけでございまして、しばしば問題になっています大規模のプロジェクトで申し上げますと、東京湾臨海部の開発がございます。あるいは東京駅周辺の整備問題がございます。あるいは国鉄の用地の開発がございますし、横浜ではみなとみらい21の問題もございますし、挙げてまいりますと随分たくさんあるわけでございまして、こういう仕事がどう進んでいって、六十二年には幾らが利用できる、六十四年には幾らが利用できるということを国民の前に具体的に明らかにしてくると私はかなり鎮静化に役立つんじゃないかなと、こう思っているわけでございます。 同時に、東京二十三区について言いますと、容積率の制限があるわけでございますけれども、容積率の制限から考えると、まだ四割以下にしかなっていない。そういう問題を見ますと、人口密集地帯など何とかならぬのだろうかなと。区画整理方式とか再開発方式とかやってくれれば、しかも都市計画法の中には高度地区というものがあって、低さ制限、狭さ制限までできるようになっているわけでございますので、そういうことになりますと環境が改善されて文化的な地区になって、しかも土地供給がふえてくるじゃないか、これはまさに近代的な都市にしていく手法を通じて土地が増強されるんだから大変いいことじゃないかなと、こう思うわけでございます。 そのほかにもさらにいろんな誘導政策を考えていければなお一層それを促進できるのではないかなと思ったりしているわけでございまして、これらの問題をさらに私たち検討を深めていきたいなと思っているところでございます。
○片上公人君 一般のサラリーマンが東京圏におきまして住宅を持つことは大変難しい、不可能という声もございますけれども、この実態をどう見ていらっしゃるのか。一般サラリーマンの住宅取得能力の向上を図るためにどのような施策を講じようとしているのか、建設省にお伺いしたいと思います。
○説明員(片山正夫君) 住宅の取得能力を見まする場合に、一般的には住宅価格と年収の倍率で見ることにしておりまして、この数字がおおむね五倍を超えますとかなり困難になる、こう言われております。この実態につきましては、六十一年の平均で見ました場合には、首都圏の新規分譲マンションの平均価格でやるわけでありますが、四・二倍でありましたが、その後この数字が拡大をし始めまして、六十二年の一月から十月までの平均で見ますると、現在のところ約五倍になっております。 なお、住宅取得能力の向上を図るための措置としましては、取得能力軽減という観点から、六十三年度の予算概算要求、税制改正要望におきまして、住宅金融公庫融資の拡充、それから住宅取得促進税制の大幅な改善を求めているところであります。
○片上公人君 政府の緊急土地対策要綱によりますと、いわゆる遊休地の活用に全く触れられていないというのはまことにこれは不満でございます。そこで、この遊休地の活用を促進するため遊休地の指定面積要件を大幅に引き下げるべきではないかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃるとおり、遊休地と認定されますとそれに対して勧告制度などあるわけでございますけれども、正直言って今までそれほど利用されてはいないようでございます。そういう土地については、特別土地保有税なども課税されていくわけでございますから、そういうものである程度促進されるようには考えられているわけでございますけれども、具体的に今後さらに、利用してもらえる土地でありながらそのままになっているということが客観的に明らかになっている場合には、積極的に活用されるように検討をしてまいりたい、こう思います。
○片上公人君 次に、竹下首相の提唱で、一省庁一機関の地方分散構想が十七日の土地対策閣僚会議の検討テーマとなったようでございますが、竹下内閣の土地対策案のこれは目玉になっているそうですが、奥野大臣としては、東京へ一極集中している都市機能を地方へ分散させるための一省庁一機関地方分散構想についてはどのような御所見を持っていらっしゃるか。 かつて佐藤内閣のときも、行政改革を推進するため一省庁一局削減政策が実施されたことがございますが、その当時も各省庁の抵抗は相当なものだったと聞いております。今回もまた各省庁の足並みをそろえるのは大変だと思いますが、今後どのようなスケジュールでその構想を具体化していくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 首都機能の地方移転は半ば世論みたいになってきているのじゃないだろうかなという感じがいたします。竹下総理の一省庁一機関移転は、それを容易ならしめる手法として言っておられるのだろうと思います。 そういう手法も一つだとは思いますけれども、要するに移転を喜んで受けてくれるような体制をつくっていくことが基本じゃないだろうかなと、こう思っているわけでございまして、そういうことを頭に置きながら、どういう機関が移転してもらえる対象になるんだろうか、喜んでもらえるような方向をとるのなら具体的にどういう施策をやればいいのかなと、こんなことを考えている最中でございます。
○片上公人君 一省庁一機関の地方分散とは別に、より完結した形での地方分散策として遷都問題がございますけれども、奥野大臣は、遷都論はどんな課題があるかを研究するのはいいけれども、国土庁として旗を振る自信はないと述べていらっしゃるようでございますが、担当の国土庁が旗を振らなくてどこが一体振るのか。旗を振る自信がないというのは遷都論を否定することになりはしないか。 竹下内閣は中曽根内閣の路線を継承すると言われておりますが、中曽根前首相は遷都問題を前向きに検討すると発言していました。もちろん遷都を実現するためには多くの難しい問題を解決しなければなりませんが、奥野大臣が国土庁として旗を振る自信がないというのではなくして、むしろ国土庁の役割、使命、機能としてぜひとも旗を振り続けていただきたい。今、目前のいろいろな土地対策がございますけれども、それはうんとやらねばなりません。けれども、いずれは行き詰まるような問題が来ると思うんです。そのときに備えて、奥野長官時代に手をつけてこの遷都論についてうんと研究し、うんと提言していって、何年か後、二十一世紀前後でしょうか、二十一世紀はこの遷都論とともに明けるような世紀をつくるような準備を旗を振り続けて積極的に長官にやっていただきたい、こう思いますが、御所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 日本の国も千三、四百年の昔から何回か遷都の経過をたどってきているわけでございます。そういうように、私は遷都という問題は全国民的な課題じゃないかなと、こう思っているわけでございまして、一国土庁というよりも全国民的課題として、全国民がこれをどうとらえ、どう研究していくかということでございますし、また、現にいろいろなところで検討が行われておりますので、もう少し熟した上で旗を振るなら振るべきだと思うのでございまして、今はまだ皆さん方が一生懸命考えてくださっておるので、その考え方がさらに熟することを待つべきじゃないかなと、こういう意味合いでございます。
○片上公人君 もう時間が来ましたからあれしますが、最後にお聞きしますけれども、土地問題で急を要することが一つございます。 観点が違うかもわかりませんが、日本の最南端の沖ノ鳥島が今水没の危機にある、こう聞いておりますが、万一水没しますと、半径二百海里で、日本の総面積を上回る約四十万平方キロの漁業水域と海底資源を失うことになるわけでございます。沖ノ鳥島の現状、保全の可能性、今後の対応をお伺いしたい。悪質な地上げについてはこれはとめてもらいたいけれども、この鳥島の地上げはぜひともやっていただきたい。このような意味から建設省に現状と対策についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) 沖ノ鳥島の問題でありますが、この問題は非常に重要な問題であります。ここの地上げにつきましては前進してまいりたい、なるべく早く処置をしたい、かように考えております。
○内藤功君 東京を中心とする地価の暴騰は狂乱と言うべき状態になってまいりました。深刻な社会問題であります。勤労者で東京都内に勤め先を持っていて東京都内に住居を求めるというのは本当に夢になってきている。さらに固定資産税、相続税の負担の増加、地代、家賃の高騰というのが国民生活を脅かしておる。深刻な状態であります。ことしは国際居住年でありますけれども、住宅確保というこの目的に逆行する事態が進行しております。 そこで質問でありますが、いわゆる土地臨調の先日の答申におきまして、地価高騰がもたらす問題点を幾つか挙げておりますけれども、ここに全く欠落しているのは、現在住んでいる人が長年住みなれた東京など都会の土地に住めなくなって追い出されている、こういう問題であります。住民が安心して自分の望むところに住むことができる、そういうふうにすることが、非常にわかりやすいことですが、土地政策の一番の基本責務であると私は思うのですが、この点の国土庁長官の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(奥野誠亮君) 人が好ましいと思うところに住めるようにしたいものだなと私も思います。
○内藤功君 世界人権宣言、国際人権規約あるいは日本の憲法というものが示すところはまさにその方向だと私は思うんですね。 そこで、政府は、容積率の緩和などで供給をふやせば地価は鎮静化すると盛んに言っておられますが、私は逆だと思うんです。中曽根前総理が一九八三年に、山手線の内側はすべて五階建て以上にしろと、こういう言明をされたのが今のこの地価高騰を招く最大のきっかけになったと私は思います。 奥野大臣は就任以来、いわゆるスラム発言なども含めて建物の高さ制限でなく低さ制限を強調しておられますが、しかしそれでは、高い建物に建でかえる力のない市民、住民は、これは土地をみずから売ってあるいは権利を売って出ていかざるを得なくなるんです。これでは悪質な底地買いあるいは土地の買い占め、投機というものを助長する結果になりはしないか、この点いかがでございますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 土地にはそれぞれの用途、効用があるわけでございますので、やはり土地は国民全体から見て好ましい用途に向けられるように土地の所有者もできる限り協力していかなきゃならないなと、私はこんな思いをしているものでございます。
○内藤功君 そこが問題なんです。現在でも地価高騰の中で古いアパート、木賃アパートというのがどんどん買い占められて、これがオフィスビルやあるいは高級マンション、高層マンションに建てかえられております。これはもう至るところに見られる。家賃は数倍に上がりますよ。それまで比較的安い家賃で生活しておった、年金で暮らしているお年寄りが今度は住めるところがなくなって追い出されていく。 この間テレビでやっておりましたけれども、不動産屋さんに行ってもお年寄りの家はなかなか見つからない。奥野大臣の言う低さ制限というのは、結局こういう弱い立場の人を東京都において追い出すことに拍車をかけている、こういうことになっていると思うんですが、この点いかがですか、重ねて伺います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、従来から生活している人たちにつきましてはやはり従来どおりの生活が一般的には保障される、それがお金で保障されるのかあるいは場所の提供で保障されるのか、それが慣例じゃないだろうかな、こう思っているわけでございます。 低さ制限といいますのは、人口密集地帯で道路が狭くて車も入らないし広場もないし、またちょっと緑でも欲しいなという、その緑もないし、いろんな開発をしていった方がいいという地域が案外あるのでございまして、急成長しているものですから、私は日本の都市は本当にちぐはぐじゃないかなという気がするのでございます。そういうところは思い切って環境をよくし、その中において土地の供給をふやせる道がないかな。そういう意味で、一つの比喩も加えてはいるんですけれども、低さ制限、狭さ制限をやったら文化的な地区ができ上がるのじゃないかなと、こう言っているわけでございまして、都市計画法にはそういう手法もちゃんと書かれているようでございます。みんなで知恵を出したらいいんじゃないかということでございまして、知恵の比喩の一つといいましょうか、そんな意味合いで申し上げているわけでございます。
○内藤功君 それではお聞きしますが、一体、低層住宅の地域を買い占めてそこに高層化した建物を建てた、その結果地価が下がったとかあるいは家賃が下がったという事例がございますか。あったら私お目にかかりたいんですが、具体的にお示しいただきたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、地域の環境が非常によくなると多少地価が上がる、これはやむを得ないんじゃないかな、こう思うわけでございまして、仮に区画整理をやる、再開発をやるということになりますと、そこでやはり土地所有者の三分の二以上の同意がなければならないとか、いろいろな条件があって行われていくわけでございますので、地域の人たちの意見というものはかなりそういう開発には反映されていくんじゃないだろうかな、また反映されるような開発でなければならぬのじゃないかな、こう思っているわけであります。
○内藤功君 具体的な事例があればお示しいただきたいと聞いておるんですが。
○国務大臣(奥野誠亮君) 各地域で、全国的に見まして、開発ができ上がってあるいは区画整理ができ上がって悪いことをしたなというのは私は本当に聞いておりません。やっぱりでき上がってよかったなと。これは私の所管ではございませんで、建設省に聞いていただけばいいんですけれども、私は、苦労したけれども苦労したかいがあったなと皆さん見ておられるのが一般の区画整理の結果じゃないだろうかなと思っているわけであります。
○内藤功君 結局これは私の質問にはまずお答えはできないだろうと思って聞いたんですが、やっぱりお答えできませんね。結局示せない。マンション化すれば家賃が数倍に上がり、事務所用地、ビルになれば地価はもっと上がる、こういうのはもう私は今の御答弁でも否定はできなかったと思うんです。 それではここで、低層住宅の土地を買い占めて、高層化するための底地買い、地上げがどんなに、あなたのおっしゃる豊かな地域社会でございますか、これを破壊しているかの具体例を示したいと思うんです。恐縮ですが資料をお配りいただきたいんですが。(資料配付) これは東京都の文京区小石川三丁目というところなんです。居住地番で言いますと二十三番、二十四番、土地の番号で言いますと八十二番の一、二、九十六番の二というところでございます。登記簿を調べてきました。ここで約八千平方メートルが個人地主の所有でしたが、この八千平方メートルが今問題のフジタ工業グループの系統の藤和不動産というのが昨年の四月来底地買いをして、百三十七世帯三百五十七人の昔からの住民の方に対して次々と中央都市開発というダミーの会社を使いまして借地権の買い取り、立ち退きの攻勢をかけてきているわけであります。 ここは、共同印刷、共同製本のすぐ近くに位置して古くから地場産業の印刷製本関連の中小企業がございます。その他下職さんが密集しておるところです。東京都の特別工業地域建築条例によりまして、第二種特別工業地域に指定されておるところです。印刷製本関連のさまざまな職種の人が近くにそれぞれ住んで仕事をしてこの商売は成り立つわけなんです。藤和不動産側の攻勢によりましてかなりの人が転居を余儀なくされましたが、印刷製本関係の人はもうここでやるしかないということで、借地人(借家)協力会をつくって生活、営業の本拠を守るために結束をしておる、これ以上進行すると伝統的な印刷製本地場産業に重大な支障を来す事態が今起きておる。 第二種特別工業地域というのは、住民生活の保護と中小工場の育成を図るということを目的とする地区であります。ところが、この藤和不動産という側は、ここ一年余住民側の質問に対して土地の買い取り理由、利用目的を一切説明しないんです。藤和不動産側のこういうやり方ですね、これについての当局の御認識はどうか。特に、これは地方自治体の都市計画を無視して、奥野大臣がしばしば言われる豊かで住みよい地域社会ですか。これはもう破壊されていますよ。地場産業も破壊するというところまできておるわけです。 これは一番極端な例であるかもしれません。しかし、私は約半年間都内のいろんな場所を調べました、そういう地上げ屋が入っているところを。これが多くのところでやられている。もっともっと厳しい指導をしなければこれは地域社会の破壊、地場産業の破壊につながるという深刻な事態に今当面をしておる。これについての御所見、これに対してどういうふうにこれ以上厳正に対応されるかというような点も含めて大臣の御所見を伺いたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) この実態を私は承知しておりません。しておりませんが、時にこういう争いの起こる話も伺っております。でありますから、お困りになる方々に対する対応をどうするかという具体の措置もあわせもってできるだけ円滑に行われるようにしなきゃならないし、同時に、いろいろ異論のある人も全体の考え方にできる限り同調していかなきゃならない場合もしばしばある、こう思っているわけでございます。 こういう抗争が激しくなるものですから、三分の二以上の同意があれば区画整理ができる、これは個人企業の開発でございましょうけれども、区画整理や再開発の場合にも三分の二以上が法定条件なんだけれども、実際は全員同意でなきゃできなくなっちゃっているんだ、こういう話さえも起こっているわけでございまして、やはりある程度多数の考え方に歩み寄ることでないと環境改善なんということは不可能になってしまうんじゃないだろうかなという心配もあわせ持っているわけでございます。具体の事例については私承知いたしておりません。
○内藤功君 ぜひ調査をしていただきたい。 それから今のあなたの発言の中で、多数でいくと言いますけれども、やはり一人一人の居住権というのはこれはもう大きな権利なんですよ。ここを尊重しなきゃいけないですね。 そこで、今お配りしたんですけれども、老人世帯、母子世帯、病人やひとり住まいの人がまずねらわれるんですね。苦にして亡くなった人、ノイローゼになった人も出てくる。私は何回もここへ行きましてお話を聞きました。借地権を買い取って住民を追い出しますとすぐに家を壊してしまう。私の目で見たのは、一年だたない新築家屋が目の前で壊されているところですね。 その明け渡しをした後、これも非常に明白な写真でそこから見えると思いますが、高さ三メートル余りのこういう鉄板塀というのを建てて囲うわけですね、明け渡したところを。これはバンド鋼板と呼んでフジタ工業系で工事に使って、使い古した塀をわざわざ持ってくる。色あせた塀を持ってくる。そして、このお配りした資料の中にぎざぎざのところがあります。波状線です。これに示したように、この町内至るところ、勘定してみると二十カ所ありますよ。二十カ所にこの高い鉄板がそびえ立っているわけですね。これが月を追って刻々ふえて、ここにいたいという人を圧迫するんですね。町の美観、風情、通風、日照、あらゆるものが破壊されていく。中には幅わずか一・三メートルの路地に三メートルのが立っているというこの異常さを大臣ひとつ想像していただきたい。ここに一遍行っていただきたいと私は思いますよ。 そして家の窓から十センチぐらいのところにこの鉄板をくっつけて建てるわけです。これはもう所有権妨害、賃借権妨害ですよ。鉄板が日にやけて夏は熱風が吹き込む、こういう状況です。昼間も電気をつけなきゃならぬ。細かいことを言えば切りがありませんから代表的なことを言うと、こういう実態です。明らかに居住権、人権を無視した嫌がらせによる追い出し作戦というものがここで行われているんですね。こういう実態をあなたは御存じですか。十月二日に私ども国会議員団が見るに見かねて乗り込んだんです。ここを調査して、そして抗議をして、一軒だけは、三万囲まれている家は外しましたよ。あとこれは残っているんです。特にある一軒はがけっ縁ですね、八メートルのがけっ縁に建っている。片方は高さ八メートルのかけ、あと二万をこの鉄板で囲まれている。火事のとき一体どうなるのか、こういう問題がありますね。 長官は初めて聞いたというお話なので、事務当局に命じて、国会でのこの重大な指摘でありますから、我が党の国会議員団の調査はやりましたが、これはやはり役所としてきちんと調べて、これに対する鉄板の撤去、こういう行き過ぎたことはやめさせるようにぜひ指導願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は日本ほど人権が尊重されている社会は少ないんじゃないかな、こう思っておる者でございます。しかし内藤さんがおっしゃることでございますからそれが事実なんだろうと思います。借家の追い出しという言葉を使われましたけれども、追い出しじゃなくて恐らく相当な価格で借家権を買い取りたいという話し合いがこじれているんだろう、こう思うわけでございまして、何の対価もなしに追い出すということはあり得ないことだと、こう思うわけでございます。こじれた結果起こってまて、おっしゃいますように人権無視のような相手方の行動にまで発展したということじゃないんだろうか、こう思うんですけれども、やっぱりお互いに打開の道を求め合うような社会にしたいものだなと。 あるときには一人の反対があってもじんかい焼却場はつくらないとおっしゃって、後々大変困った社会になってきているなという面も私には心配されるわけでございまして、法律には三分の二以上の同意と、こう書いてあるわけですけれども、それも今は法律どおりに使えないような社会になってしまっているわけでございまして、今内藤さんの御指摘になった人権を無視しているじゃないかという点、これはもう大変重大な問題だと思います。お互いにそういう事態にならないように我々も留意していかなきゃならない、こう思います。
○内藤功君 こういう人権侵害をするような業者のやり方については厳しく指導してやめさせていただきたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(牧野徹君) 宅地建物取引業者に関する御質問のようでございますので、私の方からお答えさせていただきます。 先生御指摘のとおり、私どもは平素から宅地建物取引業の厳正な運用に努めておるつもりでございます。また今後もそうするつもりでございますから、もし違法、不当なことをやる取引業者がおりましたならば、法に照らして厳正に処分するつもりでございます。
○内藤功君 それじゃ、これを厳正にひとつやってもらいたい、このことを強く要望しておきます。いかがですか。
○説明員(牧野徹君) ただいまお示しいただきましたこの案件につきましても、申し上げましたように宅地建物取引業の法の精神に照らしまして適切に対処をいたします。
○内藤功君 それから大臣、さっき相当な対価を得て云々というお言葉があった。これはみんな病人、お年寄り、そういう方からやっているんですよ。これは相当な対価とかわからないままやられているんですね。法律に無知な人もいます、知識の十分でない人もいます。そういう人を先にやつているということですね。これをよく御認識いただきたいと思います。それで残っている方がこの三丁目の借地人(借家)協力会というのをつくって結束しているというのは、私はこれは住民の町づくりのあるべき姿だと思うんですね。 ところが奥野長官は、就任直後のお話で、さっきもちょっと出ましたが、低さの制限を言っていいようなスラムの地域があちらこちらにある、こう言われましたですね。私はこれは言い過ぎだと思うんですね、例えといっても。いやしくも主権者国民の住む家をスラムと言うのは、これは大臣お言葉が過ぎるんじゃないんでしょうかね。いかがなんですか。大臣、あちらこちらにあるスラム地域とおっしゃっていますけれども、あなたの頭の中には東京のどの地域ということが頭にあっておっしゃったんでしょうか。もしそうだったら言っていただきたいんです。私はその地域へ行って町会長さんにも会って、こういうふうに言われているかどうかと聞かなきゃならない、私も東京から選ばれている議員ですから。いかがなものでしょうか。そこらあたりはあなたの言い過ぎだと思うんだけれども、あれはよくないと思うんです。国際居住年の副本部長がそういうことを言っちゃいけないと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 用語の点について御注意いただきましてありがとうございました。特定の地域ということじゃなしに、日本全体を見ていまして随分密集地帯があるものですから、私はそういうことを頭に置いて申し上げておったつもりであります。
○内藤功君 そうすると、あの言葉は不適切でお取り消しになるというふうに承っていいんですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) このごろは人口密集地帯などの表現で、内藤さんが考えておられるような意味に受け取られないように注意いたしております。
○内藤功君 あなたはなかなか前言を翻さない大臣だということを私はよく知っていますが、事実上お取り消しになったというふうに私は今伺っておきます。 次に、私は金融の問題について伺っておきたいと思うんです。今回の東京都心部の地価の異常な高騰というものの原因の一つは、これはもう国公有地の公開競争入札による民間への高値売却である。国公有地の民商売却が地価高騰の重要原因の一つであるということは政府としてお認めになるでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国有地について申しますと、東京の中心になります五区の中における毎年の売り払いは大体二件ないし三件でございます。取引の件数は数千件、七千件ぐらいございますから、国有地の払い下げがそういう意味で市場の価格に影響を与えてリードしたということは、恐らくその件数から見ましてもないだろうと思います。
○内藤功君 政府は、緊急土地対策要綱、これで地価高騰地域においては国公有地の処分を当分見合わせるということを打ち出しておりますね。これは結局、国公有地の民商売却が地価高騰の要因の一つだということを前提とされているんじゃないんですか。そうじゃないですか。この点だけ宮澤大臣に伺います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、国有地と公有地とは少し扱いが違っておりまして、国有地の場合には原則として公用または公共用のために売り払う。そしてそれがありませんときには、公共団体に買い取る意思がないかというようなことを実は勧奨をいたしたりしまして、さらにそれがないときに一般競争入札を行うというのが国有地でございます。 それから公有地の場合にはそういう規定がございませんで、つまり規則どおり言いますと旧国鉄なんかの場合には公共、公用のためにまず充てるというそういう規定がございません、原則は。それが原則でございますが、ここで申しますことは、つまり緊急対策要綱では、旧国鉄用地の売却についても云々ということを言っておるわけでございます。 国有地についてはもちろんでございます。
○内藤功君 非常に簡単なことを私は聞いたつもりですが、非常に持って回った答弁ですね。私は、民商売却がやはり地価高騰の重要な原因の一つであることを認めたからこういう土地対策要綱ができた、これはもう多くの弁解、答弁は要らないことだと思っていたわけです。 ここで、先ほどから同僚議員も質問されていますが、民商売却が自治体の都市計画を妨害した具体的な事例というのを私は幾つか調べているわけです。 一つは、何といっても蒲田駅の構内の貨物跡地です。私が前に取り上げた四千八百二十二平方メートル。東京都大田区が区の開発の構想に基づいてぜひ取得したいと建設省、国土庁に前の大臣のときに要請をしておった。ところが、希望にもかかわらず公開競争入札になりまして、本年三月、株式会社桃源社なるものが落札をした。大田区の計画には重大な支障なんです。大蔵大臣、そうなんです。そしてしかも落札額は六百五十六億円、一平方メートル何と千三百六十二万円。JRの売却価格としては最高ですよ。大田区の設立した第三セクターの入札額の三倍ですから歯が立たないんですね、自治体が。入札当時公表されていた公示価格の三・四倍。区の幹部の話によりますと、これによって周辺地価は二倍以上になった、こういうふうに言っております。二倍以上になった。 私は五月十六日、予算委員会で、桃源社への融資は大蔵省通達で自粛を求めておるところの融資じゃないかと質問したんですが、銀行局長はこれに当たるかどうか現段階で答弁しかねると答えている。三井信託銀行、昭和リースが各百五十億円。富士銀行が百億円です。東京海上火災保険が五十億円です。計四百五十億円の根抵当権と、その他、企業名は省略しますが、百四十億円の抵当権が設定されて融資をされているんです。これは著しく適正を欠く価格による取引に対する融資に該当しないかどうか、局長いかがですか。あのときは言えないと言ったのだが、この調査の結果はどうなんです。
○説明員(平澤貞昭君) 今委員がおっしゃいましたように、五月十六日の参議院予算委員会でおっしゃったようなお話がございました。大蔵省としましては、この桃源社のそういう融資の問題につきましては、その後関係の金融機関から事情を聴取しております。 ただ、たびたび御答弁申し上げましたように、具体的な金融機関と個別の企業との具体的な取引にかかわる事項でございますので答弁としては申し上げることを差し控えさせていただきたいと存じますけれども、大蔵省といたしましては、これもたびたび申し上げておりますように、従来から金融機関に対しましては、先生がおっしゃるような投機的な土地取引にかかる融資等は厳に慎むように強く指導をしているところでございます。したがいまして、仮にそのような趣旨に反しているような場合には、これに対して厳正に指導してまいるということでございます。
○内藤功君 仮にじゃないですよ。そういうものに違反しているかどうかという質問なんですからね。 そこで、それについての答えをもらいたいことと、そこまで言うなら、私は事実を少し指摘して、さらに答弁を求めます。 この富士銀行は、本件土地の入札に参加して敗れた大田区という自治体のつくった第三セクターの出資法人です。ここに出資の一覧表があります。そして、区が第三セクターをつくって入札に参加して一生懸命取得しようとしているときに、異常な高値でこの土地を落札した桃源社という相手方不動産会社に対して、その富士銀行が根抵当権を設定して融資していたというわけです。これでは富士銀行は第三セクターと桃源社を両てんびんにかけて、ちょっと品の悪い言葉で失礼ですが、両てんびんにかけて、地価つり上げをはかった、こういうふうにこれは見られても仕方がないんじゃないですか。また、この富士銀行は大田区の区役所の庁舎の中に店を持っているんです。メーンバンクであります。六十万余自治体住民、区民の血税を一手にお預かりしている。何%かといったら一〇〇%お預かりしている。大田区の協調融資団というのがありまして、これはその中で最大のシェア、三四%を分担するいわばリーダーバンクですよ。 その金融機関が、大手大銀行が、営業のためには区の計画を妨害し地価をつり上げる相手方業者に、競売の入札の相手業者に百億の根抵当権を設定する、手をかすなどというのは、銀行法第一条を初めとする銀行法の精神、銀行の公共性、社会的使命から私は許されないと思うんです。犯罪とか罰則とかいうものじゃないですよ、銀行の社会的使命というものから許されるかということは、これはみんなが怒っていると思うんです。この件が報道されましてから住民の抗議、問い合わせ、区に二十四件以上殺到していると言っておりました。前代未聞の自治体に対する背信、裏切り行為であると住民や自治体が怒っているのは私は当然だと思うんですね。 こういう自治体の計画を妨げるような銀行のあり方というのは、これはやっぱり厳正にひとつ指導していただかなくちゃいけない、言葉だけじゃなくて。お聞きすれば、通達を出したとかヒアリングをやったと言われておりますが、一体ヒアリングをいつやったんです。落ちてからやった、全部。遅いですね。どういうような指導をこれについてはされているのか。また、今私の言いました銀行の社会性、メーンバンクでありながら反対側の立場の人に巨額の融資をしてそっちに土地がいってしまうということはどう考えても私は許せないと思うんですよ。 こういうことにつきまして、再度大蔵省の御見解を伺いたいと思うんです。大臣いかがですか。
○説明員(平澤貞昭君) 本具体的な問題については先ほど申し上げましたように答弁は差し控えさせていただきたいのでございますが、金融機関が個別の資金需要者との関係におきまして土地取得のための資金を融資するという場合には、たびたび通達も出しておりますように、それが不当な土地騰貴を助長するような融資であってはならないということで強く指導しているわけでございまして、各金融機関はそういう趣旨で融資をしているわけでございます。 したがいまして、そういう観点から見て問題がある場合、これにつきましては行政としても、一般論としてしか申し上げられませんが、厳正に対処しているところでございます。
○内藤功君 私の聞いた質問は、このメーンバンクが相手側に融資をする、反社会的じゃないかということです。答えてないですね。通達はそういうものを取り締まれないんですか。それならこの通達はしり抜けだね、ということになりますよ。ちっとも厳正じゃないですよ。そういう大蔵省の態度がこういう融資を助長しているということになりますよ。いかがです。 大田区長は、区長の答弁を引用する必要もないと思ったがそこまで言われるなら言いますと、このような状況になりましたことにつきましては信頼関係の上からまことに残念だ、と答えております。区としても責任者を呼び厳重に注意喚起をしたところでございます、こういうふうに区長でさえ言っているんです。区長の方はそういうふうに言っているんですね。それなのに、大蔵省がそれについてこの国会で質問されて何にも答えられないということでいいんですか。 私は十一月の九日に自分で富士銀行本社へ行きまして、頭取は外国へ行っていらっしゃるというんで、副頭取と担当常務に直接お会いしました。このことを、今ここで言ったようなお話をしました。そうしたら何にも抗弁できないんです。何も反論をされない。ただ、通達は守りますとか、きょう先生のお申し入れの趣旨は十分わきまえます。それだけですよ。こういうことで一体みんな納得しますか。銀行局というのは一体何をしているんだ、銀行法というのは何のためにあるんだということになりますね。いかがでございましょうか。再度、答弁がないならないでこれは仕方ないです。――できるはずです。大臣いかがですか。
○説明員(平澤貞昭君) 先般先生からお話がございましたので、我々としてもこの該当銀行から事情は十分に聴取しているわけでございます。 ただ、具体的にこの問題がどういうことになるかという点につきましては御答弁は差し控えさせていただきたいと存じますが、いずれにしましても、仮に銀行に問題がある場合には、これに対して行政当局として厳正に対処しているところでございます。
○内藤功君 こういう答弁でいいんですかね。質問に対する直接の答えが全くなされない。私は、この姿勢がやはり不当融資、過剰融資というものを助長させているということです。これは宮澤副総理、宮澤大蔵大臣、厳重にひとつこういうことについて臨んでいただきたいと思うんですね。 幾ら聞いてもこの実態が明らかでないとなれば私は、やむを得ません、一つの決断をせざるを得ない。 富士銀行は、本年三月末現在、不動産業者への融資残高一兆七千六百三十七億円と伺っておりますよ。都市銀行十三行中の最高であります。芙蓉グループの中核として、本件蒲田で自治体と住民の利益に反する地価高騰に手をかしたのみならず、新宿区左門町で地上げ業者に巨額の融資をしていると言われる。今日の地価高騰の重大な原因をつくっている一つだと私は思うんです、はっきり言って。よって私は、日本国憲法六十二条、国会法百六条に基づき、富士銀行頭取の端田泰三氏を証人として出頭を求め、十分にこの関連、今答弁で明らかにされなかった点を明らかにしていただきたいということを委員長にお願い申し上げたい。 委員長においてお取り計らい願いたいと思います。
○委員長(河本嘉久蔵君) 本件につきましては、その取り扱いを後刻理事会で協議いたします。
○内藤功君 理事会で協議ですね。
○委員長(河本嘉久蔵君) はい、協議いたします。
○内藤功君 終わります。
○三治重信君 けさほど来いろいろ論議をされて、質問通告したのが大分重複しておりますので、その重複の面は省かせていただきます。直接具体的な問題に入らせていただきます。 その前にちょっと、地価上昇の原因がけさから議論になっていたんですが、私が調べた中で一番印象に残っておりますのは、五十八年から地価が上がったのは主に円の為替レートが上がると同じようにずっと地価が上がってきている。したがって、東京集中とか値上げという問題もあるけれども、私はやはり国際貿易収支の急激な黒字とそれによる金余り、それからいわゆる金利の低下、そういう国全体の資金の流れというか全体の経済の構造、経済の中身が非常に大きく変わってきたために、それにつれて土地の方へずっと金が回って上がってきた。こういうふうに根が非常に国際関係の貿易問題から、それから金融の金余りから、率の低下から、そういう国民経済の循環のひずみというのですか、がここへ来ているからこれはなかなか土地の値上げと株の値上げというのは容易じゃないんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。株はえらく暴落したけれども、それでもまだ一年前から見れば現在は高いですね。まだ一段高い。だから相当やはり為替レートの値上げ、この円高に対応する経済政策というものが本当に土地まで響いている。株も響いている。国民経済の運営全体の立場で考えぬと、この土地問題は現象だけを追っていてもうまく解決しないんじゃないか、こういうような感じを持っています。 それとは直接関係ないんですが、一つまだ行革の対象にならぬ住宅・都市整備公団、これがあって、これを見ると第一条に、大都市地域に集団住宅、宅地の大規模供給、それから大都市地域の健全な市街地の造成、または市街地開発事業、こういうことを行うようにということが公団法の第一条に載っているんですよね。それでひとつ、最近五カ年間の東京圏の、こういうように住宅公団法第一条に四つのことが載っているんだが、それの東京圏の実施の状況とそれから今後、地上げになって大変に住宅の供給が迫られているわけなんだが、そういうようなことに対応する最近将来五カ年ぐらいの計画というものができているのかどうか。
○説明員(片山正夫君) 過去五年間におきます東京圏における住宅・都市整備公団の住宅建設の戸数は約五万七千戸でありまして、また宅地の供給量は約五百二十ヘクタールであります。この住宅建設の実績状況を四期五計、これは年度が五十六年から六十年になりますから一年それぞれずれますけれども、四期五計の計画ベースで達成率を見ますると、住宅建設につきましては五〇%という低率でありまして、公営、公庫、公団住宅の全国の達成率一〇一・九%に比べると残念ながら低い状況にあるわけであります。 このおくれました理由につきましては、五十五年当時に住宅・都市整備公団、当時は住宅公団と言っておりましたけれども、相当量の未入居空き家を抱えておりまして、それの処理の方にいろいろと手を尽くしておりましたので、そういう関係上新規供給が停滞をいたしたというところが主たる原因であります。現在はその未入居住宅は完全に解消いたしました。また一方、東京圏におきましては、四人ないし五人の標準世帯向けの良質な賃貸住宅、最低居住水準をクリアいたします良質な賃貸住宅が標準世帯の世帯総数に比べまして約七十五万戸という絶対不足を来しておる、こういうことから住宅宅地の需要につきましてはなお根強い状況にあります。 こういうことを踏まえまして第五期の五カ年計画、六十一年度から六十五年度でありますけれども、これにおきましては四期五計の実績を上回ります計画で、住宅につきましては東京圏約八万一千戸、宅地につきましては約八百十ヘクタールを目標として現在その進捗に努力をしているところであります。しかしながら、最近は特に新規の用地取得というのは大変厳しい状況にございますけれども、工場跡地の有効活用でありますとか、あるいは臨海部の低度利用地の再開発でありますとか、そういう施策を鋭意講じながら、また新規の住宅団地開発にも努力をしながら住宅の建設に努めてまいりたいと考えております。
○三治重信君 そういう御答弁で、全国では一〇〇%やっていながら、一番住宅の不足するというのか、地価が上がれば地代も上がっている住宅不足のところは五〇%しか達成できないということは、それだけ非常に難しいし、やはり予算上難しいところがあったんだろうと思うけれども、これをひとつ本当に考えてもらってこちらの方へ主力を移してやる必要があると思う。 それで一つ聞きたいんだが、そういうぐあいになってくると、工場の勝地とか民間の跡地ばかり探さぬで、国有地なり、それから旧国鉄の、最近いわゆる空間利用ということがよく言われるわけなんだが、環状線の上につくるとか、何か国のもっと、そういう旧国鉄用地もあいているし、それから旧国鉄の線路の上もあいているし、道路の上はちょっといかぬだろうけれども、そういう国のいろいろ持っている機能、それからまた各地に役所ができていますわな。そんなところは二階か三階ぐらいしか建てていないところがあるわけなんです。そういうところは役所を取っ払ってそこへげた履きでつくれば用地はできるし、何かもう少しそういう、土地がなければ役所の建物なり、それから公共用地なり、いわゆる親類の旧国有鉄道の敷地はなかなか旧国鉄の借金を返すために一般の入札でないと売らぬなんということでかちゃかちゃしているけれども、半分売ったら半分ぐらいはおたくの方で出せとか、何かそこにもう少し積極的な対策を立てぬと八万一千戸も八百十ヘクタールもできぬじゃないか。これは建設大臣どうですか。 東京都は、また後で聞くんですけれども、非常な開発計画を持っておられるですよね。だから、東京都が開発計画を持っている、その一部を住宅公団で代替して一緒に共同でやるならやるでもいいし、これは本当にこの計画をしっかりやれば、その計画をきちっと発表すれば僕は随分違うと思うんですが、そうすると住宅公団そのものは、やはりげた履きというのか、下へ事務所をつくってその上へ住宅をつくるとか、そういうようなことは余りできぬのかな。そういうことについてもっと総合的な対策、役所の上へ住宅をつくるとか、もっと東京都の開発計画と具体的に連絡するとかというようなことの計画はないんですか。
○国務大臣(越智伊平君) お説のとおり、住宅供給、これらの大規模の用地の問題でありますが、JR用地につきましてもいろいろ検討がされておりますので、その中で御協議を申し上げたい。そうして今の住宅の具体的な建設方法につきましては担当局長から御説明申し上げます。
○説明員(片山正夫君) 御指摘の中にもありましたように、利便性の高い地域に住宅適地を見つけることは大変困難な状況にはなってきております。しかしながら、いろいろの工夫を重ねまして、例えば工場跡地につきましても、現在やっております大川端地区なども工場跡地の有効活用でございまして、あの地域につきましては公共施設、特に橋がないということでなかなか使い勝手が悪かったんですけれども、その橋を住宅の建設計画と総合的に立てることによりましてあそこを有効利用することができる。橋がかかりますと、あそこは東京駅から真っ正面のところでございますから物すごく利便性が高くなる、そういうこともあります。それから恵比寿の工場跡地の計画もございます。それからまたさらに手法も変えまして、古い公営住宅団地でありますとか公団住宅団地、そういうものと、その周辺に空き地がありますとかあるいは低度利用の土地がありますとかする場合につきましては、それを一緒にしましてより効率が高い住宅計画もつくるようなことも考えております。 そしてまた、御指摘の中にもございましたように、道路との複合利用ということもいろいろ御意見がございます。これはなかなか問題点もございますけれども、諸外国の例にも一、二ございます。諸外国の例で見ますると、当初は住宅を積極的に建てた例もあったようですが、その後環境条件が悪いということで反省をしまして、別の手法、もう少し環境に考慮した方法で何かないかというようなこともあるようでございますので、それにつきましては私どもの局、それから道路局におきましてそれぞれ研究会をつくりまして鋭意研究を重ねております。 それからまた、郊外地におきまして段階的に民間が宅地開発をやるというようなときに、公団などが、公的主体が主体になりまして公共施設の整備をしながらそういう民間の開発を順序よく開発に向かわせるというような、そういう秩序立った計画を進めるような手法も現在予算要求をしておりまして、いろいろの手法を使いながら、なかなか用地取得が難しい状況ではありますけれども、住宅建設のために努力をしてまいりたいと考えております。
○三治重信君 この八百十ヘクタールの開発計画の中に、市街地の造成とか市街地開発事業とかという、こういう事業の中にあるやつがほとんどの計画の中に入っているんですか。
○説明員(牧野徹君) 住都公団の宅地供給の手法でございますが、これはいろいろございますが、大きいのは住都公団が行います区画整理事業で生み出すもの、それと、今は余り新しくはございませんが、昔といいますか、ずっと利用されました新住事業、こういうもので主として用地を造成している、こういうことでございます。
○三治重信君 次に、東京都の都市の再開発、それから東京湾の開発計画、我々も衆議院と前後して現地を見にいくような御案内を得ているわけなんですけれども、今聞いたような五カ年ぐらいの計画というものが具体的に、東京都はまあ計画ばかり大きくて、どこから着手するのか、どれくらいの順序でやっていくのか、相当急がなくちゃならぬと思うんですが、それから東京都のそういう大開発をやる資金関係なんというものやなんか、うまいこと国と連絡調整をとっているのか、それともこういうような問題は新しい閣僚会議の問題なのか。どういうふうにして早く結論を出すか。
○説明員(木内啓介君) 東京都の再開発計画の中で、臨海部をちょっと後回しにしまして、内陸部について、ただいま二十三区についてお話しさしていただきたいと思います。 二十三区の都市再開発につきましては、都市再開発のマスタープランと称されております都市再開発方針というのを昭和六十一年の十一月に東京都が都市計画決定をいたしました。この方針に基づきまして都市再開発の推進を図っていこうというふうにしているところでございます。この都市再開発方針によりますと、二十三区全域が五万六千五百ヘクタールあるわけでございますけれども、この全域が再開発が必要な市街地というふうに一応なっております。そういうふうに位置づけておりますけれども、そのうち特に百五十二地区の四千五百ヘクタール、五万六千でございますから一割弱になりますけれども、四千五百ヘクタールを特に一体的に総合的に再開発すべき地域というふうに位置づけをしてございます。それで、この百五十二地区でございますけれども、それぞれにつきまして、地区の状況に応じまして、例えば市街地再開発事業とか、あるいは区画整理事業とか、あるいは都市防災不燃化促進事業とか、木造賃貸住宅総合整備事業とかいろいろな再開発の手法がございますけれども、そういうふうなもの、あるいは地区計画とか特定街区というふうな地域地区制の誘導手法、事業手法と誘導手法を一緒にしましてそれぞれの地域の再開発を促進するよう具体的に位置づけをしているわけでございます。 こういうふうなことで、先生のおっしゃいましたように、例えば五年以内にどういう事業を行うかというふうなことで数字を概略申しますと、こういった地域で、市街地再開発事業は四十三区、土地区画整理事業は三十カ所、都市防災不燃化促進事業は三十七カ所、木造賃貸住宅地区総合整備事業は十二カ所。誘導手段である地区計画の方は三十八カ所、特定街区が七カ所。これは重ねてかけることもございますから全体の百五十二をオーバーしますけれども、そういうふうに事業と地区をかけましてそれぞれ一つ一つに計画がしてあるわけでございますけれども、それを計画的にこれから大いに推進しようというふうな全体の計画になっているわけでございます。 この実現のための国と公共団体の資金面と申しますけれども、事業につきましては、それぞれ区画整理事業、再開発事業等につきましては国の助成制度が個別にございます。そういうふうな形で、国の方で積極的にこの都の計画をバックアップしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○三治重信君 東京湾の方も同じようなのが計画されていると思うんですが、いずれにしてもひとつ――奥野大臣ちょっと聞いてください、せっかく公団と東京都が、まあ全国の土地問題を奥野長官がやられるんだけれども、とりあえずここ一年ぐらいは、奥野長官は建設大臣、関係大臣と本気になって、東京都も巻き込んで、住宅公団も指揮下に入れて総合的な開発に取り組んで、よく言われるいわゆる供給体制の完備を具体的に発表し、その資金の裏づけも政府としてやるようなのをぜひひとつ、新しく土地対策閣僚会議でやるんだけれども、その閣僚会議挙げてそれを具体的に発表し、そして五カ年をやって、それから事前に、一年ぐらいは前に来年はこういうふうなことをやるんだというふうなことまでやると、相当地価も住宅も落ちつくんじゃないか、こういうふうに感ぜられるわけなんです。 緊急土地対策要綱を見ると、みんな検討する、あれをやるこれをやるといって、ここを見ても、何というんですか、学校の教科書の答案みたいなもので、具体的にそれじゃどうなっている、どこまで期待ができるのかということについて一般の国民では、まして我々のような東京に住んでいる人ではわからぬじゃないか。そういうことで、具体的にこういうことをやるんだということを、それは資金の裏づけとしてもこれだけ用意して、計画をしてやるんだということを、ひとつこの土地対策要綱の次には、この要綱に沿ってこういう具体的なことをやるように決定したんだということをぜひ発表するような段階をやってほしいと思うんですが、どうなんですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 御指摘のように、今の内閣、土地対策を真剣にやろうという態勢が、あるいは気運が盛り上がってきているんじゃないかなというふうに思っております。さしあたって私は、東京一極集中の傾向を是正する、この流れをどうやったら切りかえていけるだろうか、こんな思いをしているわけでございまして、きょう現在でも、いろいろな企業が東京に事務所をつくって、その事務所開きをやりますよと。随分あるのでございまして、もともとは、先ほどおっしゃったように、為替レートのことをおっしゃいましたが、やはり東京は世界の金融センターになったものだから、世界じゅうから東京を目がけて、事務所を求める、外国人住宅を求める。やはり、日本の経済発展からいえば好ましいことでございますけれども、本当に国際的にも国内的にも東京一極集中の傾向をずっと強めてきていると思っておるわけでございます。そのためにはやっぱり、その傾向をどこで食いとめていくか、その上で需給のバランスをとっていく。したがって土地供給につきましても具体的に明らかにしなきゃならない、全くお考えと同じでございまして、いろいろな大規模のプロジェクトにつきましても、具体的に何年に幾らできるといってとを国民の前に明らかにしたい、そういうことでいろいろ各省でも御苦労を願っておるわけでございます。御指摘のとおりに運んでいきたいと思っています。
○三治重信君 ちょっと私の意見と違うのは、四全総で全国的に一極集中でないようにやるという基本精神は私は非常にいいと思うんですよね。しかし、今現に土地が急激に上がって、これを抑えるのと、それからやはり新しい経済大国として世界の経済主導国として東京が世界的に任務を果たさなくちゃならぬという現実には、五カ年で早いとこ具体のというようなそうめちゃくちゃに一千万が二千万にならなくちゃならぬほどのことはないわけなんで、当面、金融のセンターなり世界の経済の中心としてニューヨーク、ロンドンと合わすような機能を持たなくちゃならぬとすれば、それを抑えとって全国だ全国だといって山の中へ一生懸命つくってみても、全国的に配慮をするんだ、一点集中はいかぬいかぬと言っても、これは何かちぐはぐに感ずるわけなんで、まず東京のこの一点集中の問題を片づけて、そしてそれとともにそれを機会あるごとにどうして地方へ出すかと。 地方へ出すやつについての議論はまた僕も意見を持っているからまた後で御披露したいと思うんですけれども、何か私はそこを奥野大臣に、自民党の体質からいくというと全国全国、ふるさとふるさとということの方がとりいいと思うんだけれども、やはり僕は、世界的に与えられた任務からいくというと、日本の東京の都市開発なり都市機能というものはこれはロンドン、ニューヨークから見ると極端におくれているんじゃないか、そういうことで国として最重点にここはやらなくちゃならぬじゃないか、こういう感じを持つことをまたつけ加えさしていただきます。この大臣の全体の配慮のことは十分結構なんですけれども、どれを先にやるかということについてぜひひとつお考え願いたいと思うわけなんです。 それで自治大臣、自治省にお伺いするんですが、いわゆる固定資産税の三年ごとの見直しというものの今までの経過、何か一律で、特別の配慮はなかなか難しい、例えば居住用の小規模住宅には特別軽課するとかなんということはできにくいと。そういうことからいって、土地の値上げに対する固定資産税の上げ率をずっと下げてきているんじゃないか、それだけやらぬようになってきているんじゃないか。だから、土地の方がもうかるからだんだんだんだんやるんで、やはり土地の保有税というものをしっかり上げて、そうして社会的な配慮をしなくちゃならぬ個人住宅の一定面積以下とかお年寄りとか所得のない人とか、それから借家に住んで家賃が上がる人というのは、これは後でまた税金の問題でやるんですが、所得税の方でこの家賃に対する所得控除とか、いろいろの援助、手直し、社会保障的な手直しはやらなくちゃいかぬけれども、固定資産税をやはり地価の値上げとともに上げていかなければ、保有税を上げていかなければこの譲渡所得でたくさん取りたくなっちゃう。 譲渡所得でたくさん取ろうとするとやはり土地の売買でぎくしゃくぎくしゃくするから、できれば土地の流通を加えれば譲渡所得は余り高くしない方がいい。そうすると、これは不労所得でして、一定の年限働いてもうける金じゃなくて、持っているというだけでの、またしかもそれが何で上がるかといったら、やはり周りの環境がよくなるなど、道路ができた、どういう便利になったといういわゆる社会投資によっての不労所得、それで上がるわけだから、これはどうしても課税せざるを得ぬわけです。不労所得を持たしとったら富の差がどんどんついちゃう。だからどうしても保有税で相当補充していかぬと譲渡所得との関連で私は土地問題というものはいつまででもぎくしゃくすると思うんですが、固定資産税に対する基本的な考え、ずっと今までも値上がりどおりきちんと上げているのかどうか、相当割り引きしているんじゃないですか。
○国務大臣(梶山静六君) 固定資産税は御案内のとおり、税のいわば目的というか本質、これは土地、家屋等それぞれの資産を有する価値に着目して、その資産価値に応じて課税をされる物税として構成されているために、土地、家屋それぞれの資産の特性に応じた評価方式により、資産価値の変動を勘案し評価額を見直すことを通じて固定資産税の評価の均衡、負担の公平を図ってきたものでございます。 ですから、先生のおっしゃる土地の固定資産税等、あるいは家屋、そういうものがございますが、全体の固定資産税、土地、家屋、償却資産を含めて約五兆円ございます。そのうち土地が約二兆円でございますけれども、そのうちに小規模の住宅用地等は、どなたか既にお答えになっているかもしれませんが、一兆二千億を特別に減税いたしているわけであります。そういうことによってなるだけ固定資産税の重税感をなくする方式をとっていることは御案内のとおりであります。ただ、固定資産税という税の性質からいいまして、実はやはり時代の経済力に相呼応した地方財源としての安定的な自主財源でもございますので、これを一方的に否定することもできませんし、さりとて急速に上がった場合のこれからの固定資産税のあり方、そういうものについては今後の検討課題であろうかと思っております。
○三治重信君 この問題もまた後、機会があったらもう少し話を展開したいと思っているんですが、いま一つ、きょうは余り時間がないから議論しないで問題だけ出しておきます。 金銭には金銭信託がある、それから債券には投資信託がある、だから土地信託を考えられたらどうか。それで現に信託問題、私も参議院の国民生活の調査で土地対策の中へこの借地や土地信託の推進ということで一つ入れて、参議院の調査会の意見として述べていただいております。それから衆議院の建設委員会でも、土地信託方式を積極的に事業方式として取り組んだらどうかというのが意見としてもあります。それから、自由民主党の緊急土地対策の中に、これは土地信託とは書いてないけれども、こういう用語になっているわけなんです。用地費の増大によって公共事業が非効率化している、そして内需主導型の経済運営に重大な支障を来している、こういう表現があるわけなんですよね。 そうすると、土地信託でやるというと何も公債まで出して買わぬでもいいし、信託に預けてもらえれば、法律、立法が要ると思うんですが、信託会社がこれは政府に貸せばいい、こういうこと。 それからもう一つは、そういうことでやっていくために一番問題は、建設省も土地収用法の運用の問題を検討すると書いてあるんですが、土地収用法の方はもっぱら買うことばかりが収用になっているんですが、その使用権の収用ね、使わしてくれ、ここは道路で使わしてくれ、こういうことで収用をしていく。そうすると、それのために地主は土地信託へ預けなさいと。こういうふうな、建設公債でやるか、土地の信託でやって政府としては利子相当分あるいは一部の住所移転とか何かのための書きかえとかいうような経費を組んでいけばやっていけるんではないか。これは本当に私はもう少し議論したいと思うんだが、きょうは時間がないからいいんだけれども、今新しく土地対策をやるのに、国が大きなプロジェクトをやるのについてこういう新しい信託関係、金銭信託もありますしそれから投資信託もありますしね。そうすると、土地信託というものはスムーズに考えられるんじゃないか。 土地信託を政府みずからやればほかのところもだんだんもっとみんなやるようになるんじゃないかと思うんですが、それに対する御意見をお聞かせください。
○説明員(牧野徹君) 土地信託が土地の有効利用になる、それは一つの重要な有効な手法だということはもう先生御指摘のとおりだと思いますが、それをお話しのように建設省といいますとどうしても公共事業ということになりますが、それに利用権を設定するという方式は、ちょっと長くなりますので結論めいたことだけ申し上げますと、いろいろ問題が多いと実は思っています。 ただ、申し上げておきたいのは、一般的には問題がございますが、先生御指摘のようなそういう、例えば一部地上権で導水路をつくるとか、あるいは住都公団の住宅建設でも借地方式を使うとか、あるいは遊水地事業では地役権設定をするとか、そういういろんな利用権設定方式をとっておることも事実でございますし、先ほどの御質疑の中で例えば道路と他の目的との一体的な利用ができないかというような御質問もございましたが、そういうことを検討しておることも事実でございます。そういうことだけ申し上げておきます。 それから収用法の方でございますが、釈迦に説法で恐縮ですが、これは確かに現行法自体に収用と使用とございまして、使用で足りる場合にはもちろん使用でやっておりますが、土地の地表両を永久的に使う場合にはこれはやはり収用である。だから、送電線ですとかあるいは地下鉄の場合にはもちろん使用でやっておりますし、期間も三年を越せば使用の場合でも収用を請求できるという法律にもなっておりますので、これは一般的になかなか、土地の地表を使う永続する事業に使用でいくというのは難しいんじゃないかなという感じがいたします。
○秋山肇君 今ほかの先生方からも御質問があったし、今度この特別委員会が開かれたというのも、地価高騰という問題があって、高騰の原因については先ほど皆さん方からどれが理由であるかという、中曽根内閣の失政ではないかとか、銀行の貸し過ぎではないかとかいろいろあったわけです。 大蔵大臣に最初にお聞きしますけれども、値上がりして一番もうかった、値上がりしたためにだれがよかったのか。国が税金が入ってよかったのか、地上げ屋が転がして金が入ってよかったのか、銀行さんが金利が入ってよかったのか。この辺のところをどういうふうにお考えになっているか。しわ寄せはいろんなところに出ているわけで、それでこの委員会が開かれているわけですから。この点の大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) だれがもうけたかということでございますが、いわば所得があればそれは税金でちょうだいをしておるはずでございますし、しかも譲渡所得税でございますと相当高うございますから、結局のところ、きちんと徴税が行われておりますと、やっぱりいわば大きな巨利を博したというようなところはないはずだと思っております。もともと余り健全な種類の所得ではございませんので、これはまだかなり高率で徴税ができることにもなっておりますので、私はそう思うのでございますが。
○秋山肇君 私も、本来土地というものは、異常に高くなるということによって、それぞれの皆さん方のところに弊害こそあれ、それほど利益がないというふうに思っているものでございます。 今NHKで特集している「土地はだれのものか」、ごらんになっていると思います。十一月一日に放送されたのがたしか六回目だと思いますが、「住宅ローン破産」、これは大変ショックなことでありました。私のところへも随分いろんな意見が寄せられました。 番組の中で印象的だったのは、特に住宅を購入しようとするサラリーマン二家庭、その中でも年収八百万の三十九歳になる大手企業の会社員が手持ち資金一千万円で四千数百万円の住宅を購入しようとすると、日銀のコンピューター診断で三年目に破産と診断された姿であります。これだけ年収があってというふうに私も思ったわけですが、これは事実だけに、見ていた人にとってもかなりのショックだったんではないでしょうか。住宅ローンが六カ月以上滞納になったためにマイホームを手放さなければならなくなった家庭と、そのような物件を専門に処理する会社の繁盛ぶり、これでは勤労意欲も失われていくばかりであります。 地価高騰は政府の対応のおくれ、土地政策の不在が叫ばれております。国会での議論や世論を踏まえ、国民のためにも少しでも早く効果的な土地政策を実行していくべきだとして本委員会が開かれているわけで、最初に土地担当大臣であります国土庁長官に所信、それからこれをずっとごらんになっておられましたら、この点につきましても触れまして決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) NHKの特集、全部じゃございませんけれども見まして、大変悲痛な感じを覚えたこともございます。勤労者が夢を持って努力をする。その夢が勤労意欲を支える、夢こそが発展を推進していくものだ、こう思っておりますので、やはり勤労者の夢を砕くようなことがあってはならない、どうやってその夢を実現させるように変えていくことができるか、それが私たちの大きな責任だと、こう思っているところでございまして、そういう気持ちで今後も取り組んでいきたいなと考えております。
○秋山肇君 そのようなお気持ちでぜひ取り組んでいただきたいんです。これはある週刊誌に出ているものですが、「NHK特集大反響の〝哀しさ〟ローン破産か通勤地獄か」ということです。遠くの方から通勤地獄、二時間ぐらい新幹線で通ってくるというような写真もたしかあのとき出ていましたし、そういうことでありますから、私は奥野長官のおっしゃっていられる東京の中でもう一度再開発をするということはぜひやはり考えるべきだ。今までどうしても、東京の市街地再開発をしないで遠くの方に住宅地をつくろう。そうすると通勤圏が離れていくわけです。これについては先ほどいろいろな形で議論もあるわけですが、それに関連して、それをやるとすると土地が値上がりをしてしまうという考え方も今の質疑の中にありました。しかしそういう中で、地区計画制度を導入して住民の皆さん方が協力をし合って地域開発をするという手法というのがあるわけですけれども、現実の問題として東京の再開発の中でこれは取り入れやすい制度であるかどうか、この辺をひとつ建設省からお聞きいたしたい。
○説明員(木内啓介君) 既成市街地における土地の高度利用を促進するための対策としましては市街地の再開発事業等の各種の再開発事業を積極的に実施するのがまず第一だと思いますけれども、そのほかにも民間の建築活動を適切に誘導するという意味から、御指摘の用途地域、容積率の適切な見直し、特定街区とか高度利用地区等の積極的な活用ということが大事だと思っております。この場合に、例えば容積率につきまして一律にどこでも緩和するというふうなことになりますと、公共施設と建築物とのバランスが崩れてしまうというふうな問題がございますので、どうしても土地の高度利用を図る際には優良プロジェクトに対していわば個別的に容積率の変更をして積極的に誘導していくというふうなことが必要ではないかと考えている次第でございます。
○秋山肇君 御案内のように、地区計画というのは最後の問題で、本当は高度利用地区だとか特定街区だとか総合設計だとかあるわけです。今のお話の高さだとか容積だとかというのはそういう中に含まれてくるわけです。そうすると、こういう私が今言ったようなことですと、先ほど来話題になっている、地上げ屋の対象になるとか大手の企業が裏にいるとかというのが話題になっているわけですけれども、そうでなくて、さっき何で地区計画制度を言ったかといいますと、道路に対してセットバックをするある程度の基準を決めて、今まで四メーターのものが六メーターに下がったならば容積率をプラスアルファしますよというのがたしか建設省でこの前出ているわけですけれども、そういう制度をある一定の地区の皆さん方にひとつ働きかけをして、だれか一人が一つがというと先ほどの御答弁ですと企業がというような感じにとられるわけですけれども、そうではなくて、地区の中心になる地域の皆さん方がこれを話し合いしていく。先ほど田辺委員からも御質問があった借地権の問題等も踏まえて地主さんと借り主さんとが話をしてもいいでしょうし、そういう手法というのはぜひひとつ、奥野長官がおっしゃている一つの中にそういうことも踏まえて御発言なさっているのかなというふうに私は理解をしているわけだし、そういうことがまたお互いの、今までどちらかというと隣は何をする人ぞというような、東京というのは疎遠な仲であったのが、お互いの利益のためにもっと密接なコミュニケーションも出てくるというふうに思うんですが、この点はどうでしょうか。
○説明員(木内啓介君) 先生のおっしゃる趣旨のとおりだと思います。 この地区計画につきましては、制度ができて以来まだ新しいために余りたくさん数はございませんけれども、最近どんどんふえてまいっておりまして、これは西ドイツのBプラン等を参考にした計画でございますから当然かなり詳細な都市計画でございますけれども、一応その地域の人たちの同意といいますか、意見をよく聞いた上で、皆さんがこういった規制を守ろうじゃないかというふうな意見をかなり取り入れた上で、ある意味では相当厳しい、ある意味ではいい町をつくるための制度でございますので、こういった制度をより一層活用してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○秋山肇君 これは先ほどの内藤先生の絵図面、これは別にあれですけれども、こういうところというのはあちこちにあるわけです。私は世田谷に住んでいますが、世田谷でも三軒茶屋の先の池尻地区なんといいますとこのような密集した地域のわけですけれども、こういう中で新しい町づくりということを考えて、新しい町づくりをするということになって大手が入ってきて買い占め、地上げ屋で入られるということの前に、やはりこれはもう少し手法を一般の住民の方々、地域の人にわかりやすいようなPRをして町づくりにみんなが参加していく、そうして周りの道路が六メーターが八メーターになるとか、いざ災害というときにも安心していられるというようなことからすると、まだちょっと一般の人たちは、地区計画を導入すると行政側が言い出しても、坪幾らという高くなった弊害がやっぱりここにも出てきているわけです。 ですから、道路が二メーター下がれば、これは坪万百万にしたらば幾らになるというような計算だけがすぐに出てきちゃってなかなか実施にいかないということですが、それを下がっていただいた分を容積にプラスするということの趣旨が徹底すればもっともっと皆さん方も参加をするだろうし、下水道等、社会資本がそこに投入されるにしても、されやすくなると思うんですが、どうも役所的な説明だけが先行しているので、もう少しこれはマスコミの皆さん方にもお願いをして、東京の町づくりということからしても、その辺のわかりやすい方法というのが何かないものかなというふうに思うんですが、その点についていかがですか。
○説明員(木内啓介君) 先生の御指摘の地区計画、大分進んでまいっておりますけれども、今の段階では例えば調整区域から市街化区域に変わったようなところで、新しく市街化区域へ取り入れたときに計画的な開発を担保しようというふうなことで地区計画をやるという合意のもとに市街化区域へ取り込んだところとか、あるいは既にかなり住宅環境がいい場合に、この住宅環境を壊したくないという意味で地区計画を取り入れるというようなケースがかなりありまして、一般に今先生のお示しのようなところで、すとんとちょっとこれから悪くなりそうなところをあらかじめ予防的にやるというところまで、これは本来いくべきだと思うんですけれども、まだなかなか進んでいない。 そういう意味で、地区計画そのものをさらに運用していくためにはいろいろ検討すべきことがあろうかと思います。ただ、もし今先生おっしゃられたようなところだったら、地区計画は、これは誘導地域でございますから、もう一つ能動的に再開発事業を仕組んでいくというふうな形で特に公的あるいは民間の組合をつくった場合もありますけれども、そういったさらに現状を直していくというところには再開発事業を組み込んでいって、その再開発事業ができたところは容積率の高度化も図れるしまたは下の方も決められるというような高度利用地区というものをかけていく、そういうふうな形のやり方もあろうかと思いますけれども、この再開発事業自体もまだ十分満足に進んでいない。 これはやはり権利者の権利調整が難しいという問題もありますし、さらに私どもとしては国の助成等ももっとやっていかなきゃいかぬと考えておるのでございますけれども、いずれにしましても関係権利者の調整が要るということになりますと、どちらの方をとりましてもなかなかそう簡単にはいかないということでございます。努力してまいりたいと思います。
○秋山肇君 ぜひひとつ皆さん方の理解が得られるようにお願いをしたいと思います。 けさの新聞をごらんになったと思うんですが、東京都の宅地建物取引業協会が調べた、都内の地価は一、二割下落、私世田谷ですが、世田谷の南烏山の商業地が、千五百万が一千万になって三三%下がった、こういうふうに出ているわけですね。ですから、もうある程度こういう、公的なところの調査より民間の宅建業の皆さん方のところで各支部から集計したものの方が先行しているわけですね。ところが、これはこれで落ちついていくということは結構なことなんですが、それと同時に、相続という問題で、新聞にもこれは出ていますが、肉親の争いになってくる、こじれる、長男との分配交渉とか、いろいろ出てくるわけです。 もう一つ、これは大事なことにもなるんですが、フジヤマのトビウオの古橋さんがやっていたプールが二カ所、地主さんが相続対策のためでしょう、これも地価値上がりの反動で、プールを返してくれということで、このスイミングスクールが二カ所閉鎖になってしまうというようなことがあるわけです。こういうことで、さっき最初に大蔵大臣にお聞きをしたように、値上がりによっての恩恵ということではないわけで、ひとつそれには我々も一緒になってこれから取り組んでいかなきゃいけないんですが、先ほどの話にまた戻りますが、奥野長官もおっしゃっている、私はやはりもう一回、都内の一番近いところに住をどうしたら求められるか、それは皆さんが一年間働いた報酬の五倍までの限度というお話が先ほどもありましたけれども、その辺のところで入るためにはどうあるべきかということを建設大臣もお考えになっていると思います。先ほど奥野長官からはお聞きをいたしましたので、最後にもろもろ含めてひとつ建設大臣からお考えをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(越智伊平君) いろいろ御意見をちょうだいいたしました。建設省といたしましても、何といっても供給面を早急にやらない限り地価は下がらない、こう思います。いろいろ政府委員から説明をいたしましたように、まず老朽の建てかえあるいは工場の地点の再開発、あるいは区画整理、こういうあらゆる手法を早急に実施して供給を十分にしていくように、でき得るだけまず近くでやっていくようにいたしたい、かように思います。 また、税制の問題、これは大蔵省の問題でありますけれども、今の相続税あるいは買いかえ資産の税の免除問題、これらもよく大蔵省と協議をいたしまして善処してまいりたい、かように思っております。 どうぞよろしく御協力のほどをお願いいたしたいと思います。
○委員長(河本嘉久蔵君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時一分散会