土地問題等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/11/19
会議録
○小此木委員長 これより会議を開きます。 土地問題及び国土の利用に関する件について調査を進めます。 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君及び理事山口良雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ―――――――――――――
○小此木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大塚雄司君。
○大塚委員 質問に先立ちましてお願いがございます。資料を配付していただきたいのでありますが、お取り計らいをお願いいたします。 本委員会は、国民注視の中で、また国民の大きな期待の中で開かれたわけでありますが、その冒頭の質問をすることになりました。しかし、与えられた時間は一時間ということでございまして極めて短いわけでございますので、あらかじめ大臣、政府委員の皆様にはひとつなるべく手短に御答弁をいただいて、時間を有効に使わせていただきたいと思います。特に、大変専門的な問題もございますので、多少私が意見を申し上げることが多かろうと思いますが、それもあらかじめ御了承をいただきたいと思います。 ただいま机上に配付をいたしました資料の一番最後のところをごらんいただきたいと思います。実は、この土地問題については、震源地はどこかというと、東京の都心であるということはもう大方の皆さんが御承知のとおりです。その都心の区域にあります小学校の児童数の実態をちょっと表にいたしてみました。千代田区、中央区、港区の三区でありますが、ごらんのように三十五年にはそれぞれ四百、五百という児童数を抱えた学校が、既に今日では、百三十五という淡路小学校を初めとしまして、特に中央区、港区におきましては五十人を割るような学校も出てきたのであります。言うなれば、学校の態様をなさない寺子屋みたいなことになってまいりまして、そこに住んでおる居住者にとっては大変悲しい現実としてとらえられておるわけであります。 さて、そういう現象はもちろん急激に起きたことではありません。過去、この政府の施策の中で、地方における過疎の対策も含めて、いわゆる田中内閣時代の日本列島改造論あるいはまた三全総、そしてことし策定をした四全総とこうつながって、いわゆる多極分散型の国土の均衡ある土地利用というものを目指して施策が展開されてきたわけでございます。しかし、その間にはいろいろな努力を政府もされたわけです。例えば工場再配置といって工場を地方に分散をしたり、あるいはまた新産都市ということで地方の各都市を振興させる政策をとりましたり、あるいはまた特に大平内閣の時代には、いわゆる田園都市構想という名のもとで定住圏構想を発表されまして、各府県のそれぞれの地域に一カ所定住圏の指定をするなど、ともかく多極分散型の努力は大変積み重ねてきたわけであります。 私は、鈴木内閣のときの国土庁の政務次官をさせていただいたわけでありますが、実はそのころに定住圏の指定をする仕事をさせていただきました。東京は一体どこに定住圏を指定しようか、いろいろ論議がありましたが、今申し上げたように、地方の過疎が進むのと同じように都心で過疎が進んでいくということは大変な事態でありますから、ともかく都心六区に定住圏の指定をしょう、そして定住人口をふやすための再開発をやろうということで努力を積み重ねてきたはずであります。特にそういう中で、皆様御承知のように、中央区における大川端作戦あるいはまた民間のアークヒルズの再開発、あるいは最近では芝浦、港南地区のいわゆる市街地住宅総合整備事業等々、国と都と区の自治体が一体となって夜間人口を張りつけようという努力をしております。 実はこの話が出たときに、東京集中はいかぬというお話がある中で、中には、事務所需要が多いのでいわゆる臨海部はマンハッタンと同じようにする方がいいのだという御意見もよく耳にいたしましたけれども、これは仮の数字で私は調べてみたのですが、大体ニューヨーク市全体が七百八十平方キロでございます。その中の五十平方キロがマンハッタンです。ですから、一割にちょっと満たない地域でありますが、あそこにはエンパイア・ステート・ビルを初め超高層ビルが林立をしております。一見夜間人口はいないかというふうにお思いかもしれませんが、あの地域には百四十二万の定住人口がおります。そして、外から通勤する人口は約二百万であります。 さて、東京の都心はどうかというと、今小学校の例を挙げた千代田、中央、港の三区の人口というのは残念ながら五十万を切るわけであります。四十数万であります。面積は約五十平方キロであります。そういうふうに置きかえてみますと、昼間人口はどのくらい集まるかというと、二百六十万以上の昼間人口が集まる。その辺の都市構造のあり方というものがいわゆる中心に住んでいる人たちにとっては大変心配なことでありまして、まさに東京集中の発想は間違いである。私は与党ですから、もちろんそんなオーバーランをした質問はしないつもりですけれども、しかし天野建設大臣が、中曽根内閣の重要閣僚でありながら、中曽根内閣の土地政策はゼロだったということをおっしゃって、何か今週出ておる週刊誌には、大塚はチンピラで生意気だなんていうことを言っておるようですが、私は何と言われようと持論は曲げないつもりですから、この問題を中心に取り上げてまいりたいと思うのであります。 まず、土地価格の形成というのは一体何によって成り立ってくるかといえば、御承知のように都市計画法や建築基準法等の規制の中でいわゆる用途地域、地域地区というものによってその土地はまさに私権が制限されております。つまり、商業用地あるいは住居用地、準工業というようなところは割合高い容積率の指定をしておる。一種住専とか二種住専というものは住宅専用の土地ですから、高さの制限もするし、建ぺい率や容積率も低くなっておる、つまり、その土地の利用の度合いによって地価というものは決まってくる。大体不動産業界の土地売買の尺度というのは何かというと、その容積率一〇〇%を一種と言い二〇〇%を二種生言いますが、大体一種百万なんというような言い方で土地の売買が行われてきたわけであります。そういう土地価格の形成ですから、まさに土地利用について地方自治体の知事に権限を渡しておるのですから、それなりに将来の人口増あるいは将来の都市の姿というものを考えながら今日までやってきた。国の方は多極分散型であるとすれば東京は多極多心型の都市構造をつくろうというので、あるいは新宿の例えば新都心も業務施設を東京都が一部つくって、つまり丸の内に集中するのではなくてやはり適宜分散をしながら、上水道や下水道や道路やそういう施設を十分整備ができない中で有効に活用していこう、こういう都市の形成がずっと続いてきたわけであります。 そういう中で今度の土地問題が起きたのですが、一応皆様のお手元の資料の一ページをごらんいただきたいと思います。土地神話といって、土地は一回上がったら下がらないんだ、こう大方の方が言われるわけでございますけれども、先ほど来私が述べてまいりましたように、いわゆる東京都の公示価格の推移をさかのぼってグラフにいたしてみました。日本列島改造論は、私はその内容においては正しいと思いますが、手法を誤ったために残念ながら一億総不動産屋と言われて、議員立法で国土利用計画法をつくって対処したことは、約十二、三年前のことですから御記憶にあるところであります。 その昭和四十六年からのグラフをごらんいただきますと、列島改造論のときにぐんと土地の値段がはね上がりまして、今日よりも、全国の点線を見ていただけばおわかりのように日本列島全体が地価が上がったわけであります。そして、田中内閣が退陣をされて列島改造論もトーンダウンをしてまいりますと、この昭和五十年の例にありますようにぐっと下がりましてマイナス一〇%まで下がっていったという例があるわけですから、一回上がった土地の値段は下がらないというのは間違いであって、それぞれ対応をしっかりやれば絶対に下がることはあり得るんだ、これはまさに政治であると私は思うわけでございまして、御参考までに皆様にお配りをしたわけです。しかし、特に今回は点線と実線がこんなに離れておりますように、全国的には土地はそんなにはね上がっておらないのでありますけれども、東京だけがこのようにはね上がっておるというところで、ここが一番問題点であります。 さて、今度の地価高騰の原因は何であったのだろうか、ここが私は一番この委員会でやるべきポイントだと思っておりますが、実は昨年の今ごろ、しばしば建設省や国土庁の皆さんに私は土地問題について提言をしてまいりましたが、残念ながらなかなかそれが組み込まれなかった。万やむを得ず「「中曽根民活」の虚構を働く」と題して、中央公論で私は論文を三カ月にわたって連載をさせていただきました。これは私なりの見解があるわけでございまして、なぜそのようなことをしたかということもこの際明らかにしなければなりません。少なくとも地価の上がる原因には二つの理由がある。一つは、砂糖やトイレットペーパーと同じように需給による土地の値上がりであります。もう一つは、いわゆる効用によるものである。効用は動力の効に用いるという字を書きまして、ユーティリティーでございます。つまり、例えばある土地があってそこに地下鉄が通るぞという話が出ただけでその土地の値段はぐんとはね上がるというのと同じでありまして、言うなれば日本列島改造論のあの全国を開発しようという構想は、まさに効用の役割をして土地の値段を一斉にはね上げたのでございます。 実は、冒頭に申し上げた三全総、四全総に連なるいわゆる分散型の東京の都市計画が、中曽根総理が内閣を組織されてから後にあの総理の容積発言というのがございます。環状七号線の中に五階建てが全部建つように容積を上げようという話であります。そこはやや専門的になるのですが、確かに容積率は東京都内全部指定をしてございます。しかし現実の問題としては、東京の都民は太陽を志向する人々も多いものですから、実際に建築基準法で前面の道路が狭ければ高さを斜線で切った高さに制限をしておる。それから、裏側には北側斜線というのがあります。それから、さらには日影規制というのが昭和四十年代に国会で法律で決められまして、つまり冬至の日照で一日に何時間というような基準を定めましてその高さの制限をするという制度があります。ですから、容積を指定しておっても、道路の幅員が狭かったり敷地の面積が小さかったらそんなに大きな建物は建てられないわけであります。ですから、そういう問題に対して容積を上げるぞというような発言を実力者がされますと、ただでさえ難しい問題でありますから、不動産業界やそういう方々にしてみれば、将来容積が上がるなら今のうちに土地を買っておこう、あるいは将来ここが上がるということになるならもう少し待ってから建てようというようなことが起こるわけでありまして、この容積率の総理の御発言がいわゆる土地高騰につながった。私はそのことも去年の中央公論で申し上げておるわけです。これが効用です。 それに加えて、もう一つは事務所需要であります。これはお手元に配付してございます三枚目の紙をごらんをいただきたいのであります。この辺はかなり私は政府のばらついた数字の発表に不満があるわけでありますが、例えばこの表の上の一都三県の数字がございますけれども、一都三県にいたしますと話が統一しにくいので二十三区の数字で申し上げましても、首都改造計画の国土庁の発表しました事務所の床需要の見通してありますが五千百四十ヘクタール、あるいは経済企画庁がお出しになったのが二千百五十五ヘクタール、民間の銀行が千七百八十七ヘクタール、こういうふうに役所によって数字が全く違う。これ自体も大変に問題でありますけれども、ごらんをいただくとお気づきになると思いますが、際立って国土庁の首都改造計画、六十年五月の五千百四十ヘクタールというのは余りにも需要が過大に過ぎないだろうか。私は、このことが今度の土地高騰の引き金になったということを申しておるのであります。 実は、その次のページをめくっていただきますと、東京都二十二区の今日までの事務所の床面積の推移を一覧表にいたしました。昭和五十二年から六十二年までの十年間でありますが、二十三区の一番下の数字をごらんいただきますと、三千という数字は累積の数字でありまして、一年間の増加床の面積は括弧書きにいたしております。つまり五十三年百三十六ヘクタール、五十四年七十三ヘクタールというぐあいにまいりまして、六十二年の数字はぐんとはね上がって二百六十三ヘクタールであります。ともかく、こういう推移でありまして、下の左側の文字にしておきましたが、過去十年間のストックベースでの事務所床供給が今後ともこのまま、例えば臨海部の開発とかそういうものをやらなくても、今日までの経済ベースで進むのであれば、都心における、二十三区における床供給というものは十分やっていけるということを示したものであります。この数字をもとにしまして自由民主党の緊急土地問題協議会におきまして、前のページに戻りますけれども、一番下にあります千六百から千九百、つまり国土庁が発表した数字から見ますとはるかに下方の修正をいたしておるわけであります。 元来、その土地の価額というのは、効用で申し上げたように、需給で例えばトイレットペーパー、物の場合もなくなるぞと言えば殺到するように、ビルの需要が大変に旺盛だと言えば、私はそのことがひとり歩きをして地価にはね返ってくるのだということをしばしば申しておるわけでありまして、党の協議会では既に下方修正をいたしまして天下に発表いたしましたから、このことが私は必ず特効薬になっていくというふうに見ておるわけであります。 そこで、今いろいろ申し上げましたけれども、国土庁長官、建設大臣、そして副総理・大蔵大臣にそれぞれ、今度の地価高騰の原因は、前段にいろいろ申し上げましたけれども、ずばり言って何が原因であったか、お答えをいただきたいのであります。
○奥野国務大臣 大塚さんは都市政策の権威だと思っているわけでございますけれども、大変傾聴すべき御意見を聞かせていただいたこと、まず厚くお礼を申し上げておきたいと思います。 地価高騰の要因、いろいろな見方がございましょうけれども、私は何といっても日本の経済力の急伸長、東京が世界の金融センターの中心になった、世界じゅうからオフィス床を求めて殺到する、外国人住宅がとても足りない、そんなところで都心にオフィス用地を求める。住宅地まで手をつけていかなきゃならない。住宅地を高値で売った方は、郊外に買いかえで広い土地を値段構わず買いあさっていく。そこへもってきて金余り現象、さらには内需拡大、公共事業がどんどんふえていく。今のうちに土地を買っておけば利益が上がってくる、土地が投機対象になってくる、自然ぽんぽん野方図に上がってしまったということじゃないだろうかな、こう思っております。 今、国土庁の関係では将来のオフィス床の需要見通し過大で、これが土地騰貴をあおったのではないかという御指摘がございました。国土庁は、必要な土地供給を確保していかなきゃならないものでございますから、多少それを刺激する意味で計算をしてきていると思うのでございます。そういう意味で私は、今ではかなり従来から見ますと大規模な事業が東京周辺に幅広く行われている。臨海部の開発も相当な規模で進んでおりますし、また東京駅周辺の整備もそうでございますし、そのほか御承知のようなたくさんなことがございますので、それが毎年どれぐらいずつオフィス床を供給していくのか、また住宅用地を供給していくのか、国民の前にあわせて明らかにしなさいよ、こういうことを言っておるわけでございまして、各省それぞれが具体的にそういう数字を検討していただいているわけでございます。需要を示す場合にはあわせて供給を示すことによって見通しを的確なものにしていかなければならない、こう思っておるわけでございまして、今後もそういう方向で努力を続けていきたい、こう思っております。
○越智国務大臣 ただいま国土庁長官がお答えしたとおりでありますが、東京都が非常に急激に国際化いたしますし、また高度情報化、こういうことによって特に事務所の床面積、お示しになった資料でも非常にふえておりますし、また一方、土地の騰貴、これは金融緩和の面もありましたし、あるいはまた買いかえ等によって結局は需給のバランスが崩れた、供給の方が間に合わない、こういうこともありまして急に高騰したものと認識をしております。
○宮澤国務大臣 大塚委員のこの問題につきましてのかねての御発言あるいは御提言につきましては、私ども注意して拝見をいたしておりまして、御造詣に敬意を表するものであります。 それで、ただいま仰せのように、東京都の場合で申しますと、基本的には住宅あるいはオフィスの面積、中長期的にやや需給がタイトであろうということは一般に考えられておるところだと思いますけれども、今度の場合、その上に仮需要が発生したということが非常に大きな原因になったのではないか。その仮需要はなぜ発生したかということでございますが、一つは、先ほど奥野長官が言われましたように、我が国の国際化に伴ってオフィスあるいは外人用の住宅が急に窮屈になるのではないかという一般的な予測もあったかもしれません。あるいはまた、容積率を急に拡大するということがあって、そこから仮需要が生まれたということもあろうと思います。 いずれにいたしましても、そのような仮需要がいわばかなり過大に受け取られて、そしてそれが現実の需要になっていった、こういうことがあったように思われます。今、建設大臣の言われました金融も仮需要をいわば支えるという役割を果たしたことはある程度否定できなかったと思いますが、大体そういうことではなかったかと思っております。
○大塚委員 大蔵大臣の御答弁の中で仮需要というお言葉がありました。私は、まさにこの需要が仮需要であった、そのために土地の値段が上がったという御指摘を申し上げたわけであります。 国土庁長官並びに建設大臣のお言葉を聞いて、私はどうしてもまたもう少し申し上げなければならぬことがあります。実は、行革審の皆さんのお話や、あるいは各界各層の土地問題に対する御発言を聞いておりますと、東京は国際化が進んで東京に大きな金融市場が生まれて大変旺盛な需要があるんだということがしばしば語られるわけであります。実際に、それでは金融市場というのはどういう実態なのか、本当にそんなものがあるんですかと私はどこへ行っても申し上げるのでありますが、大変に残念なことに、実態を調べればそんな旺盛な外国企業の進出の需要はないんだということなんであります。ここが一番問題なんであります。 大変に恐縮ですけれども、きょうは国鉄清算事業団の理事長もおいでになっているのですが、国有地の処分についていろいろな問題がありました。時間がありませんから、私は簡単に言いますと、そういう旺盛な需要があるから国有地も民間に払い下げるんだという発想は非常に残念なことであります。元来、国有地というのは国民の土地でありますから、公共事業等に使うというんなら別として、民間の利益を生むような事業のために土地を払い下げるというのは、原則論として私は大きな誤りである。その辺のことがひとり歩きして、過大なビル需要があるんだという幻想に包まれて地上げ屋が横行してこういうふうになってきた。あちこちで金余りだということをおっしゃるけれども、金余りで土地が上がったというなら東京だけではおかしいわけであります。東京だけ金が余るわけがない。大阪も北九州も上がってなければおかしいわけであります。やはり土地の上がった根本的な理由は、その仮需なんです。 御参考までに、これは自民党の民活の会もできて、民活、民活といって、何か民活が最大の課題のようになってきたこの五年間でありますが、実はその民活の委員会で赤坂のアークヒルズをごらんになったことがある。率直に申しまして私も委員でありますが、そこに同行された方々のお話も承りました。あのアークヒルズのビルはホテルと事務所棟が大きく建っておりますから、一見そちらだけに目が向いているのでありますが、これは建設省が長年、私も地元の議員として東京都の都議会の議員もやりましたから、これからの都市の再開発はこうあるべきだというのであの周辺の住民に呼びかけまして約二万坪、みんなで共同で参加をした再開発をやろうということでスタートをしたプロジェクトです。そのときに、私は関連の組合の皆さんやあの主として森ビルの皆さんにも、ビルを建てて貸す仕事はこれは利益につながることだ、住んでいた人を追い出してそんなことをやるのは間違いだ、住んでいる人が従前よりふえるようなことにその企業が協力をするという再開発ならば私も応援をしようということで始まったわけです。あそこには、約二万坪で木造ですから前に千人程度住んでおった。あの大きなホテルとビルの裏側に約五百五十戸の住宅を義務づけまして、これは再開発法のもとでやったわけです。その中に大蔵貧の宿舎がありました。元来、私は公務員の皆さんがいわゆる官庁の移転をするというようなことは、これは長期的なマターですから、やはり今公務員の皆さんが一生懸命働いていただくためには、二時間も三時間もかかって通ってくるようなことでは能率が落ちるわけですから、公務員宿舎もどけてしまうのは余り賛成ではなかったけれども、それでも夜間人口がふえるならばというので、大蔵省にお願いをして再開発組合にいわゆる公共的な施設をつくるという前提で払い下げていただいて、そして約五百五十戸の住宅をつくったというのがあのアークヒルズです。そこへ民活の委員会の皆さんが見に行ったときに、組合側の説明で大変にビル需要が旺盛だという話をしたやに伺った。そのときに、外国の企業が大部分入るのだなどという話が今度はどんどんひとり歩きしました。ですから、これからは国際化が進んでビル需要が旺盛にあるのだという話に広がっていってしまった。 長官も大臣も国際化というお話をされるから、私は実は次のページに外資系の企業の立地件数の推移というものを用意をしてあるのです。つまりこれを見ていただければ、極めて旺盛であったのは昭和五十年であります。このころ、世界の金融機関がかなり東京に進出をしてきておりまして、金融市場らしきものができ上がりつつあったわけでありまして、その後はそんなに旺盛なものではありません。横ばいであります。しかも一番下の表に、この真ん中の表は時間がありませんから省略いたしますが、一番下の表にアークヒルズの事務所の床の分布を書いておいたのですが、外資系の企業は大半というのは間違いで五〇・七%であります。そして、それがあたかも外国から入ってきたような印象を与えますが、実態はどうかというと、丸の内や虎ノ門やその辺のところから移ってきた人が大部分でありまして、外から来たのはわずか四%であります。そういう国際化という言葉がまた仮需を生んで、ビルが足りないのだ、足りないのだという話につながってきている。そこが私は土地問題の一番恐ろしいところだと思うのです。 ですから、総理の御発言やまさに国土庁の数字は、さっき大臣のお答えではともかく多少の多い量であったとおっしゃるけれども、多少というのは二割か三割でありまして、倍というのは、これは数字としては全く奇想天外な数字であるわけです。民間企業というのは大変敏感です。土地は資本ですから、土地を買って寝かせたらそれは事業の量も制約されてきますし、それから第一に民間企業というのは利益を上げるわけですから、損をするようなところになかなか投資はしない。つまり、そういう仮需と総理の御発言等が相乗作用になりまして土地に買いが入ったわけでありまして、昨年私はそんな論文を書いて需要はないということを言い続けてきました。業界の皆さんは敏感ですから、なるほどそう言われてみればないのだなということでありまして、今この委員会で土地問題をやっておりますが、これは国土庁も数字を持っていると思いますけれども、この一月から七月までの数字をもとにしたこの十月に発表した基準地価は、何と都心は実際にもう横ばいから下がりかけておるではないですか。それ以上に旺盛な需要があるなら下がるはずはないわけです。なぜ下がってきたかというと仮需であおられたからでありまして、もう既にそれは終わった。 そして買いかえの制度がありますから、東京都知事がこれを心配して国土利用計画法の監視区域を広げたり努力をしましたから、まあ私はその国土利用計画法の中身というのは時間がないのでまだ話ができませんが、これは言うなれば精神規定でありまして、スピード違反をしそうな自動車の走っていく道路によくお巡りさんが人形で立っております。そんなものでありまして、取引を指導するということによって多少の影響はあったと思いますが、結局は手続が面倒くさいから、六週間かかりますから、ですからみんな最も将来値上がりしそうな地方の都市に今度は行ったわけです。鎌倉だ、静岡だ、別府だとかいうところへ行って、今のうちに安いところをぱっと買って、将来駅前ならば必ず上がるというようなところに買いかえて、税金を払うよりは買いかえた方がいいということです。ですから、これは一巡すれば土地問題というのはだんだん私は下がっていくと思うのでありますが、ともかくそういう一つの現象を申し上げれば大体はおわかりいただけるだろう。国際化なんというそんなものは全く虚構であって、むしろ最近では大使館ですら、もう土地が上がって賃料が借りているところが上がってやっていけないからというので共同で討とうなんというふうになってきた。これはまことに残念なことです。したがって、これからはどうやったらそういう問題に対処できるかというのを残りの時間で申し上げてみたいと思うのです。どうも質問していて意見ばか立言って申しわけないのですが、ぜひお許しをいただきたい。 東京という都市はどんなふうな状況かというのをちょっと皆さんに知っていただきたい。皆さんが最近自動車に乗って町をお歩きになると、もう五十日(ごとおび)というのは身動きができないような渋滞ですね。道路の状況はどうかというのをちょっとお手元に私は用意したのです。それが次のページにあります都市計画道路の整備状況、これは地方の都市も含めまして道路の整備につきましてはあらかじめ計画がありまして、都市計画道路の指定をしております。その完成率は大変に首都東京としては恥ずかしい完成率でありますが、国際化が進んだなんて言っている反面、完成率は色を塗ったところの四四・九%というのが道路の整備率であります。まだ半分しか着手しておりません。これは五十四年当時の数字ですから大変恐縮なんでありますが、今はもう土地が上がっておりますからもっと上なんですが、その当時でこの事業を概算でやると幾らかというのが五兆四千億です。私はさっと数字をはじきましたが、大体今十五兆円ぐらいは軽くかかるだろうと思います。 そういう数字でありますが、東京都の道路予算というのはどういうことか、次のページをごらんいただきたいと思います。これは知事には随分道路予算を組めと言っているのですが、御承知のように国庫補助のある道路もありますから、いわゆる公共事業の道路は上の欄、都が単独で予算を組んでいるものが下の欄になっておりまして、四十八年からずっと年間の道路整備費が書いてあります。仮に六十二年度は内需拡大でさらにこの上に補正予算を二百八十億つけておりますから、トータルしますと約二千百八十億であります。しかし、さっきの十五兆円のこの道路の事業を一年に二千億程度でやっていったら、全部整備するのに七十五年かかるわけです。七十五年たつと、大臣も私もこの世におりません。そんな道路の整備状況ですが、先ほど来申し上げておるように、いわゆる事務所とか箱をつくる話だけはどんどん前へ進んでいくわけです。そこが大変に問題でありまして、このことは首都東京にとって大変残念なことであります。 そして、いわゆる住民パワーというものがこの道路をつくるのに大変な邪魔をしておりますし、特に、こんなに予算を組んでいながら実は少ないというのはもう一つの理由があります。美濃部さんが十二年間東京都の知事をおやりになった。そのときに美濃部さんは、道路をつくると公害がふえるから道路はつくらない方がいいという、「橋の哲学」と一緒にそんなことをおっしゃって、随分私は都議会でやり合いましたが、国からせっかくもらった道路の予算を返してしまった。そのことがまた道路の整備に大変おくれをとっておるわけです。ですから鈴木知事は、本音を言いますと、もしも国がそういうビルを建てろというようなお話をなさるなら、道路予算をしっかりつけてくれないととてもそんなものに対応できないということを申しておるのでありまして、この十二年間の美濃部さんの道路予算がいかに減ったかということは、東時代には国の道路予算の一五・四%を東京都の道路は補助金をもらっておりました。それが今はわずか三・八%ということでありまして、一度戻ってしまった道路予算は戻ってこない。しかし、東京のビルや建築だけはどんどんやろうと、国から臨海部の開発とかそういうことだけはやれやれとおっしゃる。実に困っておることでございます。 そういう前提を踏まえていただきまして、これから私は、いわゆる土地の高騰問題の対策について、いわゆる緊急にやるべきものと長期的にやるものと分けてちょっと申し上げてみたい。 一つは、緊急対策というのは、やはりさっきから申し上げておるように、将来の需要と供給について正確な数字を政府は国民に示す責任がある。さっきから申し上げておるように、仮需によってあおられるということは非常に危険でありますから、それを正確に伝えることが必要だ。先ほど来申し上げましたように、つまり東京都が従来の規制市街地を再開発をしながら住宅と事務所施設も多極多心で供給をしていけば二十三区内は十分対応ができますということを言っておるのですから、それ以上に、例えば臨海部にどんどんビルを建てるとかそんなことはする必要がない。それ以上に、委員長の地元ではMM21といって、横浜にもそういう業務施設地とともに横浜の地域の振興のためにプロジェクトをお持ちになっている。それから、千葉県には幕張というところにプロジェクトがある。埼玉県には大宮にユーアンドアイという計画がある。それぞれ機能を分散して足りない公共施設を補っていこうという発想で多極多心型の都市構造にしようと言っているわけですから、それをわざわざ臨海部にみんな集めてしまってやるというのは私は間違いだと思う。今申し上げたように、マンハッタンは百四十万の人口がいる。都心三区は何と四十数万しかいない。もう今や学校が成り立たないというので、地元の港区とか千代田区、中央区の学校は廃校をしよう。そうすると、その残った土地をまた何かにしようという話がもう起きておるわけです。まことにゆゆしいことでありまして、東京集中から分散という方向をはっきり明示して、需給は大丈夫だということと同時に分散をするということじゃないだろうか。 私は、大体、地方自治体に任せた都市計画の仕事に、余り上から地域のことにまで触れてこうしろああしろと言うのは間違いだと思う。上意下達ではなくて、こういう問題は下意上達でいかなければいかぬ。それは、率直に申しますけれども、今二十三区の区議会には、これは法定ではありませんが、都計審というのがあります。東京都には東京都都市計画地方審議会というのがありまして、容積率を定めるのも道路の事業をやるのも、そういうものすべてはそういう審議会を通さなければいかぬ。東京都議会は今自民党が過半数を持っておりますから責任があるわけですが、野党の皆さんもおられるけれども、二十三区の地方議会は、自民党が過半数を持っているのは残念ながら五つか六つしかありません。この問題はそういう与野党のイデオロギーの対立てはないのですから、やはり地方議会の皆さんの理解を求めるというところから始めなければどんな計画をしてもできない。例えば汐留の国鉄清算事業団の土地の分譲に当たっても、ともかく地方議会の同意がなければ、そこに道路をつくったり、容積率を変えて有効な土地利用をしようといったってできないのです、実際に。 ですから、こういう問題はやはり下意上達でやるように、そういう方々の理解を求めるようなところで地道にやるということだと思うのです。大言壮語をして大向こうをうならすような発言は、私は必要ないと思う。都市計画に関してはよりそうである。竹下総理はかつて建設大臣も経験をされておりますし、この十数日でありますけれども、御就任以来、土地問題に対する御発言については国土庁長官の御発言が主力になっておりまして、総理は余り御発言になっていない。そういう慎重な態度こそは、やはりさすがは建設大臣をやった総理だなと私は思っておりますが、ともかくそういう姿勢でこれから多くの方々の意見を聞いていく必要がある。 ですから、土地問題というのはやはり需給と効用だということを重ねて申し上げますが、国土利用計画法というのは言うなれば主力ではないのです。何か規制地域をやろうなんということもいろいろお話が出ているようでありますが、しかしこれも憲法論からしたら、売買を許可制にして不許可を与えた場合の法廷闘争にはなかなかたえられない、自由主義経済の枠組みで日本は動いているのですから。しかも、規制地域を指定するといっても線引きはどうするのですか。千代田区の土地は許可制で文京区の土地は許可をしなくても売れるといったら、これはやはり不公平になってくる。そういう問題も考えると、大体、その国土利用計画法を立法した当時のことは私は知りませんが、それ自体が法制局はどういう考えてやったかが問題であります。 それは、監視区域は指導でありますから、これはそれなりに効果を上げておる。つまり警察官の人形と同じである。やはり実際は需給なんです。きょうもいろいろ新聞に土地の問題が出ていましたけれども、金融のあり方についていろいろありました。しかしそういうものは、法律があるからといってなくなるものだけではない。それは厳罰をするのは大事だけれども、それだけではできない。やはり需要と供給というその大原則をきちっとしなければできないのだということであります。したがって私は、今緊急にやるべきことは、そのような正しい需要等をもう一度策定をして、これはぜひやっていただきたい。後ほどお答えをいただきたいと思います。 それから、国公有地の処分は、先ほど冒頭申し上げたように、これは国民のものであり公共事業優先ということでありますから、その辺は国土庁長官と清算事業団の理事長等もいろいろお話があるようでありますけれども、国鉄の赤字を何とかしなきゃならぬということも大事でありますけれども、これもやはり地方自治体の意見を十分入れた処分の仕方をしなければいけませんし、ただ入札で高く売れればいいと、国鉄が鉄道でもって赤字をつくったのを、国土利用計画法では民間は百平米から取引をするのを届けをしなさいといって規制をしているのに、国の土地だけは青天井で売りますというのは、これはもう絶対国民は納得しませんから、これ自体も、国土利用計画法に国公有地も含めるような精神は絶対に必要だと私は思うのです。それでもやはり十分やっていけるのです。その点はぜひ要望をいたしておきます。 それから、中長期的な対策です。つまり、先ほど来申し上げた中でアークヒルズのお話をしました。日本列島三十七万平方キロしかありません。そこに、終戦後は六千数百万、今一億三千万です。土地は輸入もできなければふやすこともできないのでありますから、土地の有効利用こそしなきゃいかぬ。しかし残念ながら、日本人の国民性の中には、木造中心主義の時代が長かったですから、なかなかこれを活用する道がない、協力することが非常に難しい。それは大臣、明治生まれの方に、例えば六本木の一番いいところに超高層のマンションをつくるから二十九階にお住みなさい、こう言ったら、いや君、やはり私は土に近いところの方がいい、こうおっしゃるに違いない。ところが、一時間半も電車に乗ってもまれて、本当にうちに帰って数時間寝でまた出てくるようなサラリーマンに、どうですか、六本木の二十九階にお住みになりませんかと言ったら、これは適正な価格でですが、そうしたら小躍りして喜びますよ。私は、都市の哲学を変えなければいかぬ、意識を変えなければいかぬ。 それは、実を言いますと、ちょっとこの資料でもう一枚つくっておきましたが、都市計画公園というのはどのぐらいか、これも知っていただきたいのです。東京の都市計画公園、いわゆる計画公園と供用公園とあります。簡単に言うと、計画公園というのはまだ未整備、供用公園というのは日比谷公園のようなのを言うのです。これは環状七号線の中で一人当たりの面積はどのくらいかというと、わずか一・七五平米であります。一・七五平米というのは畳一畳です。計画公園で六平米です。こんな緑や公園が少なくて、よくこれだけ過密な人口が集中しているものだというふうに私は驚くのですが、しかしそれじゃ外国はどうかというと、この右に小さい資料がありますが、例えばロンドンは三十・四平米とかパリも十二平米とかニューヨークは十九平米、それは緑が豊富です。ニューヨークへ行けばセントラルパークがある。ロンドンへ行けばハイドパークがある。東京の日比谷公園は、大きそうに見えますが全く小さい。全体でいったら本当にこの程度しかないです。 しかし、なぜ今日まで東京はそれでも窒息しなかったかといいますと、さっき申し上げたように、一軒の家に一間の庭というのが長いのです。その集団が東京だったのです。それをだんだん鉄筋化して、中高層化してアパートメントにしてきたのですから、将来の展望としては、これは公園を整備するといっても物すごい金がかかりますからできませんから、今までは個人個人の庭が公園の役割をしておったけれども、これからはそれをどうするかという問題が一方にあるわけです。 そこで、宅地並み課税がいろいろ論議されたけれども、私どもがそういうものをすぐやってはいけないと言うのは理由がある。宅地並み課税をしている地域、二十三区にあって桑の木三本で農家だけ税金免れているのはけしからぬとおっしゃるけれども、しかしマクロで東京全体で考えれば、桑の木三本であってもそれが足りない緑の補完をしているのだということに発想を変えれば、それは八十億という固定資産税は大きいかもしれぬけれども、公園を全部つくろうといったら大変なコストがかかるわけですから、私は宅地並み課税というのはそんなに簡単にやらない方がいい、こういうことを実は申し上げているわけです。 そういう発想とともに、哲学を変えようということは、既成市街地の再開発、これをやりよくするということが今やはり中長期的にやる最大の課題です。不動産会社あるいはデベロッパーは、ところがそういうことをやりなさいと言うと、時間がかかったり難しかったり利益率が悪かったりしますから、喜んでやりたがらないんです、はっきり言いますと。そんなことをするよりも、あいている土地を手に入れた方がすぐもうかってやりいいですからね。宅地並み課税だってそういうことですよ。ああいう土地が手に入ればすぐ建てられる、そういう発想ですから宅地並み課税をしろとか国有地を払い下げろとかいう話になるのでありまして、仮にそれじゃない下げてその事業が進んだとしても、長い将来でいったらいつまでも国有地が無尽蔵にあるわけじゃありませんし、宅地並み課税をする農地だってそんなにあるわけじゃない。 ですから、今我々は後世の人類のために何をやるか、後世の日本人のために何をやるかといえば、既成市街地の再開発をやって、まさに職住接近をやって、若い勤労者がもう土地が高くなって家も持てないというものを転換していくためには何をやるかといったら、東京の既成市街地で使ってない容積率は六〇%もあるわけですから、これを集約化して高層化して、安い住宅の供給ができるような方向に変えていくべきだ。その担い手はだれかといえば、民間の住宅産業もありましょう、住宅・都市整備公団もありましょう。住宅・都市整備公団は、住宅公団という団体が合体して都市整備という言葉を入れました。なぜ都市整備を入れたかといえば、心の中にはそういう再開発の担い手になれということを考えて、渡辺建設大臣の当時に改組をしたわけであります。もしも先ほど来お話をしているような旺盛なビル需要が都市の将来に大事だというなら、これが本当に正当ならば国の機関がそういう供給をやればいいわけでありますし、その辺の方向が随分誤ってきたように私は思うのです。 その上、公営住宅の実態を皆さん御存じかどうか知りませんが、大変にいいところに公営住宅が建っています。その資料も実はお手元につけてあるのでございますが、ともかく「都営住宅の規模状況」をこの一番上に掲げておきました。家賃が最高で五万三千七百円、最低で六千八百円。実際に笑えない話でありますが、都心の公営住宅は高くても五万三千円ですが、その近所の駐車場の費用は一月で約七万ぐらいします。これで一番高いのは五万三千円です。そして空間があって、低層で土地をむだに使っています。建設省も、これは建でかえようといってやっておられるようですが、いつまでも公営住宅の供給が住宅政策の柱だなんて言っているのはもう時代おくれでありまして、そういうことをするならば、もっと民間に住宅を供給してもらえるような都市整備やそういう政策の誘導をやるべきではないだろうか、こういうふうに思うわけでございます。 時間があと五分ということになりました。つい私だけがしゃべってまことに恐縮なんですが、言いたいことだけは全部言っておかないと大変心配でございまして、固定資産税、相続税、これは坪一億だの何千万という地域の方々にとってはとても負担ができるものではありません。そのためにまた土地を売って出ていかなければならないということになれば、さっきの夜間人口はもうゼロになってしまう。少なくとも、その土地を使って貸して利益を上げる固定資産税と、営々としてそこに生活をして住んでいるだけの固定資産税の負担とでは全く意味が違うわけであります。しかも、代々続いていく相続の土地も、三代だったらもうなくなると言っておりますが、もう既に二代でなくなるだろうというぐらいに土地は上がっているわけでありまして、これらの問題もぜひ見直していただかなければなりません。 最後に、土地信託制度というのをお考えになって、国有地でも土地信託制度ができるような改正を解散前の国会でお決めになりました。これはまた機会を得ましたらお話をさせていただきたいと思いますが、土地信託制度というのは、土地を預かってそれを有効利用して、将来返しますということで銀行が預かる制度です。しかし、借地権は発生しないけれども借家権が発生しますから、返すときには大変に負担を残したまま返すわけですから、返ってくるぞということでは一見格好がよく見えますけれども、決して将来トラブルなしとはしません。しかも国がそういうことをやりますと、将来二十年後に国に土地が返ってくるときには、ビルに人が入ったまま返ってくるのですから、結局は国が不動産業をやることになりますから、これはやるべきではないということを私はしばしば申し上げております。 ともかく時間がなくなってしまったので御答弁をいただく時間がありませんが、最後に、一連の私のお話を聞いていただいた上で、長官を初め両大臣に、どんな決意でお臨みをいただけるのだろうか、本当に深刻な問題でございますので、私の発言を踏まえてお答えをいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 いろいろ参考にすべき御意見を聞かせていただいたと思っております。 私が土地騰貴の理由、事情を投機の対象になった、こう申し上げたわけでございまして、それがさらに土地転がしにまで発展していった。さらに東京にとどまらずに地方に波及していっているわけでございますから、これは今からしっかり対応していかなきゃならない、こう思っております。 同時に、大変な急成長だと思うのでして、都市もちぐはぐになっていると思うのです。都市が壊滅したのが四十二年前、今は全く経済力が違った姿、ですから公園が少ない、道路が狭いとおっしゃいましたけれども、急成長のなせるところも非常に多いんじゃないかなと。だからこそおっしゃるように再開発に重点を置いていかなきゃならない、全く同感でございます。再開発あるいは区画整理は三分の二の同意があればできるわけでございますけれども、全員同意が得られなければなかなかやれないという状態になってしまっておるようでございます。それを建設省がハッパをかけて、そうでなくても力を尽くしてくれと言っておられるようでございますけれども、やっぱり一人の反対でもあればやらないなんていう気持ちが東京の中に悪い影響を与えたんじゃないかなと心配をしていることは大塚さんと同じでございまして、ぜひこういう点も改めていかなければなるないなと。 国土庁長官だけじゃなしに、土地問題は内閣として全力を挙げて取り組んでいきたい、そういう考え方から土地対策関係閣僚会議がつくられて総理大臣が座長になってくれているわけでございますし、自民党の三役以下幹部もこれに加わってくれているわけでございますので、ここでよい案をつくって実施に移していけば、必ず党も政府も一体になって、また国民にもよく理解してもらえる体制で進められるのじゃないかな、また進めていくべきじゃないかなと思っているところでございます。
○大塚委員 需給の数字は発表されるのでしょうか。
○奥野国務大臣 なお、供給の面について、先ほど申し上げましたように各省で鋭意具体化に努力していただいておりますので、いずれ示していきたいと思っております。
○小此木委員長 あといいですか。時間がないからよろしいですか。
○大塚委員 それじゃ、いつというのをちょっとそれだけ言っていただけますか、臨時国会前ですか。
○奥野国務大臣 臨時国会前にはとても間に合わないのじゃないかと思いますけれども、できるだけ早く数字を示すように努力してみます。
○小此木委員長 建設大臣、簡単に願います。
○越智国務大臣 貴重な御意見をちょうだいをいたしました。特に、交通渋滞につきましては御承知のとおり大変おくれておりますので、ぜひ第十次の五カ年計画、五十三兆でありますが、御協力をいただきまして今後大いに進めてまいりたい。再開発問題も進めていくように努力いたしたいと思います。
○小此木委員長 次に、中村茂君。
○中村(茂)委員 資料を用意してありますので、配付をよろしくお願いします。 土地対策を検討する場合に、今回のような相当な土地の高騰が起きる、そういうなぜ起きてきたかということをきちっと原因を究明して、それに対してきちっとした対応をしていく、このことが私は極めて必要だと思うわけであります。そういう意味を含めて資料を配付させていただきました。 その資料は、日本不動産研究所で発行している中の一部の資料でございます。この日本不動産研究所は、市街地のそれぞれの指数を戦前から集計し、特に戦後の三十年から現在に至るまで指数として土地の動向について示しているわけであります。今配付願いましたのは、グラフにしてあるものと、それから三十年からあるわけですけれども、二ページの方のいわゆる六大都市についての現在までのもの、この二つの資料を配付させていただきました。 そこで、この資料に基づいて若干申し上げたいと思うわけでありますが、この資料をずっと検討した場合に、土地の動向は、そのときの政府の政治姿勢と政策によって地価の動きが非常に変わってきている、全く一致してきている、こういうことを私は指摘したいわけであります。 この図二の右側のグラフでありますけれども、三十一年からグラフを示しております。そして三十五年、六年をピークにして、特に工業地については八八・七%、商業地また住宅地については六一・九%前後、こういうふうに値上がりの指数を示しているわけであります。 これは、戦後の復興が急速に進んできた、そして工業生産などがどんどん高まってきた、そういう動きが出てまいりますと、やはり工業地がまず一番先に上がる、そして商業地が上がる、続いて住宅、こういうふうに値上がりが追っているわけであります。 そして値上がり率が前後しながら高度成長が進んでくるわけでありますけれども、そうすると住宅の宅地が一番先に上がり出してきて前後左右してくる。そして四十八年から四十九年にかけて一番上がったのがやはり住宅、これは全国的に上がっております。左の表は全国の表であります。全国的に上がった。それに続いて工業、商業というふうに、四二・五%住宅地が上がってきた。これはもう既に御存じのように田中内閣のもとで、日本列島、これは地価ばかりではありません、物価全体が上昇した、いわゆる物価狂乱と言われた時代であります。そして国土法ができ、こんなに土地が上がったら大変じゃないかというさまざまな手法がそこで生まれました。 それと同時に、土地税制についても、土地保有税というような制度をつくる、土地の長短期の譲渡税をつくる、そういう手法をきちっとやった結果、五十年には土地がマイナスになった。 そしてこの二番目の表を見ていただきたいわけでありますけれども、三十年からの一枚の表は抜けています。ずっとあって、二枚目の表は四十六年からずっと来ているわけでありますけれども、五十年だけは三角で数字もマイナスになっております。だから、土地がこういうふうに狂乱状態になってきた、私どもが懸命に努力してそれに対応すればこういうふうに地価を鎮静化した経験があるということを私はここで指摘しておきたいわけであります。 ただ残念なことは、土地が上がった、上がったのを鎮静する、この繰り返しをやってきたわけであります。ですからこれからは、土地の上がる動向が出たときに、そういう兆候が出たときに、いち早くこういう対応をしていかなければいけないという教訓をこの中から酌み取りたい、私はこういうふうに思うわけであります。 そういう状況の中で、五十五年から六年にかけてまた住宅地がどっと上がりました。二〇・七%です。これは御存じのように石油事情が大変な状況になって、そこで政府はその景気対策のために、景気を誘導するために住宅政策を進めてきた。そういう政策を進めますと、それに関連して宅地がこういうふうに上がってくる。そして今回の地価の暴騰であります。 この特徴は左と右を比べて見ていただけばわかりますけれども、全国の指数の値上がりはほとんど微々たるものだ。そして右の方が、商業地が今度一番上がった、いわゆる六大都市です。三三・八%。続いて住宅が二七・〇。そして工業地が一七・一。こういう状況をずっとこれで見た場合に、私はやはり政府の政治姿勢と政策を実行する場合というのが非常に土地に影響してきている、このことをまず痛感するわけであります。 そして今回の土地の高騰でありますけれども、先ほど御意見を聞いておりますと、やはり今までなぜこう上がったか、その原因とそれに対する対応。反省しているんですけれども、もう少し反省が足りないんじゃないかという印象を私は強く受けるわけであります。 なぜそうかといえば、確かに東京は一極集中の状況になってまいりました。経済の中心にもなってまいりました。政治の中心であることは言うまでもありません。そうなってまいりますと、国内的ないろいろな面から見てもオフィスビルの不足なんという問題が起きてくるでしょう。そこへ国際化、情報化でやはりオフィスビルの不足というような現象が起きてくる。それに対しての対応のおくれ。そうなってまいりますと、先ほど大蔵大臣から仮需要というような問題も出ました。金融機関を含め、不動産業界を含めての投機買いというような状況が起きてくる、それに対しての対応。ところが、今回のやり方を見ていますと対応どころではありません。それに火につけるようなさまざまな問題が出てきたのではないか。 まず第一番に私は指摘したいというふうに思いますのは、国公有地の払い下げです。中曽根前総理は、オフィスビルの不足なり都市開発をする場合なり大型プロジェクトをするなり、そういう場合には民間の活力を大いに利用しようじゃないか。利用するなら利用するで私はそれは結構だと思うのです。それを民活ということで進めていく。それには先ほど大塚委員も言っておりました、もう少し建ぺい率をふやすとか規制緩和をする必要がある、そういうことでさまざまな規制緩和が行われました。そして、その民活を進めるためにまず手を打ったのが、国公有地の払い下げということで出発してまいりました。 御存じのように、まず五十八年の十月に新宿の西戸山の公務員宿舎のそれを民間に払い下げて高層住宅にする、こういう問題が起きてまいりました。続いて、五十九年の三月には品川駅貨物跡地について、平米二百二十万で、周辺の地価公示に比べて四・二三倍で民間に払い下げた。倍ですよ。これはだれが考えてみても、平米二百二十万でも高い。そして公示価格の四倍以上というのです。それを、国公有地を平然として民間に払い下げている。そこを出発点にして七回、国公有地がずっと、六十年、六十一年、六十二年と払い下げられてきた。そして国公有地に比較して、一番高く払い下げたのは、六十二年三月の田端の鉄道病院跡地、これは六・五倍、倍です。倍で計算して六五倍です。国がそういうものを平然として行っていく。これはもう土地の狂乱の元凶だというふうに私はまず一点指摘しておきたいと思うのです。 そして、二番目にどうしても指摘しておかなければならないのは、金融機関の対応です。これは言えば金余りとか低金利になったとか、さまざまなことを言われておりますが、統計を見ればその状況が極めて明らかになってまいります。 五十年、五十一年、これは不動産に向けられた融資というのが七兆三千億。そして十年間ずっと経過して、六十年の三月に十七兆四千億になった。十年間で十兆積み重なってきたわけです。そして六十年の三月から六十二年の三月まで二年間、この間に三十兆以上になった。言えば十年間かかって十兆積み重なった。ところが二年間で十三兆積み重なった。伸び率はその間に、前年比で比較して、どの期を見ても三五%ぐらい融資がどんどん膨らんできた。これは仮需要と関係し、土地の地上げと関係するわけですけれども、こういうふうに金融が流れていく。 そして、三点目に指摘したいと思いますのは不動産業界の行動です。地上げを行う、底地買いを行う、そして暴力団が介入して強引な、人権を無視するような行動がそこに起きてくる。 ですから、まず一点国公有地で火をつけて、金余り現象で金が流れて投機買いが行われて、その行動が不動産業界のさまざまな行動になってきた。しかも金融業界と不動産業界が裏の方でがっちりと結びついている。こういう状況ですから、これを解決していくということになると、さまざまな大変な状況が今生まれているのではないか、こういうふうに思います。 私も長い間土地問題で、天野前建設大臣とは国土法をつくったときにいろいろ教えていただきましたし、やってまいりましたが、天野建設大臣が大臣を退任になったときの雑誌社のインタビューで、おれも内閣の一員だった、中曽根内閣は土地問題に関しては本当にだめだった、こういうふうにみずから自戒された記事を私は読みました。そして、読売新聞ですけれども十一月二日に、中曽根内閣の過去五年間の政治姿勢や実績について評価できるか評価できないか、こういう世論調査をいたしまして、五年間の総合的なもの七項目、それぞれ世論調査の結果が出ております。 土地問題、これは今まで世論調査で一回も土地問題ということでさまざまの問題に含めてやったことはないそうです。今度初めてやってみたところが、中曽根内閣の五年間の評価の中で「大いに評価できる」が一・二、「多少は評価できる」が九・七、「あまり評価できない」が四二・七、「全く評価できない」が三六・七、「答えない」が九・八。ですから、先ほどから私言っておりますように、内閣の政治姿勢、政策の施行、これと土地というものは常に密接な連携を保って動いてくるわけですから、それが今度の場合には、何回か繰り返しますけれども、ビル不足、需要に対して手を打たない、さまざまな問題に手を打たない。しかしそれだけを供給すればいいじゃないか、民活でやればいいじゃないかといってこのさまざまな問題が起きてきた。ですから私は、これからは政策手段を施行する場合に、都市開発でもそうです、プロジェクトでいろいろやる場合に、供給だけを先行させるのではなしに、土地対策をあわせて必ずやっていくという政治手法をとることがまず必要だろうということを強調しておきたいというふうに思います。 私の見解を時間をかけて申し上げましたから、皆さんに今度いろいろ御質問したいというふうに思います。 そういう中で竹下内閣が誕生いたしました。竹下新首相は、緊急の対策として国際問題がある、土地問題がある、それと税制の問題がある、この三つの問題を大きく掲げられております。そういう重要な土地問題の中で今度は、国会においてはきょう第一回の会合を開いているように土地問題の対策委員会ができました。ですから実は首相に出席願いたいというふうに思ったわけですけれども、二十七日の施政演説をやるまではちょっと勘弁願いたい、こういうことで、しかし副総理ということで大蔵大臣お見えですから、まず竹下新内閣の土地問題に対しての決意と見解を副総理の立場からお聞きいたしたいというふうに思います。
○宮澤国務大臣 先ほどから御指摘がございましたように、土地の過去における高騰の実績を見ますと、それに関連して何か大きな施策が行われるというような事実があったという御指摘がございました。確かに列島改造のときにも、列島改造という大きな政策目的に関連をいたしました。今回の場合は、日本の国際化ということは半ばは客観的な事実から参りましたけれども、国際化という政策努力もあったことも確かでございますから、御指摘のように大きな政策目的を遂行いたしますときに、たださえ需給が比較的きつい我が国の場合には土地対策というものを関連して先行させておかなければならないということは御指摘のとおりであろうと思います。これは今後政策を立案、実行いたしてまいります上に欠くべからざることであろうと存じます。 それから次に国有財産の処理についてでございますが、これは原則的には公用、公共用を優先すべきことはもちろんでございます。そのようにやってまいったつもりでございますし、民間に転用いたしましたときには、転売の規制についてかなりきつい条件をつけておりますが、にもかかわりませず過去一、二年の間にそれが土地高騰のいわば口火を切ったような話題を提供したことは事実でございますから、それにかんがみまして先般、十月十六日の閣議決定によりまして今後しばらくの間国有財産につきましては公用、公共用以外のものの売却は見合わせるという決定をいたしたところでございます。竹下内閣といたしましては、当然そのような閣議決定の方針を今後とも継続をしてまいるわけでございます。 なお、新内閣におきまして新たに総理大臣を座長とする土地問題の関係の閣僚会議を、従来ございましたものを改めて強化をいたしましたし、また奥野国土庁長官が土地問題担当の特命を受けられたことも御指摘のとおりでございます。ただいまございますような現状の中で今内閣といたしまして一刻も早くこの問題についての対処をいたしたい。 また金融につきましては、最近のかなり立ち入りましたヒアリングによりまして事態は改善しつつございますが、場合によってはまた税制の問題もございますかもしれません。それらを含めまして、当委員会の御審議等々を十分に承りながらこの緊急な問題に対処をいたしたいというのがこの内閣の方針であると承知をいたしております。
○中村(茂)委員 宮澤大蔵大臣ですけれども、もう一点副総理という立場で頭の中に入れておいて検討していただきたい問題があります。 それは、今新行革審がまた発足いたしました。そして中曽根内閣当時に土地問題について新しい行革審に諮問をいたしました。そして先般緊急の土地対策について答申が行われて、それに基づいて政府の緊急の土地対策を決めたという経過は今もお話がございました。しかし、私が新行革審の目的なり設置なりそういう中身をどんなに検討してみても、行革審というところで土地政策全般について諮問し答申を得るという性格ではない。あえて見つけるとすれば、土地問題に関連した行政改革の面について検討するべき性格のものだ。ですから、竹下首相が言っております多極分散型にするために一省庁が一機関について分散をひとつ検討したらどうだ、そういう部分についてここでやるべき問題であって、土地政策、土地問題全体についてやるという機関ではこれはないというふうに私は思う。ですから、もう内閣もかわったわけですし、そういう残像は切り捨てて、英断をもって、ここのところに諮問し答申するということは、土地問題についてはひとつ取り下げをしていただきたい。 それのみではありません。今度は、土地問題については先ほども申し上げましたように国会の中にこのような委員会ができました。衆参ともできました。そして内閣も、先ほど御報告がありましたように地価対策から土地問題というふうに幅を広げて、しかも座長が総理ということで自民党の四役を含めて本格的に取り組もう、こういう状況ができたわけでありますから、今までのように土地問題を中長期にわたってまた諮問してこれから検討に入るというようなことをきのういろいろ論議されたようですけれども、私どもからしたら、皆さんのところへ中長期について質問する、いや諮問でそちらの方へ行っていますから、その答申が出るまで皆さんちょっと待ってくださいよ、国会軽視に私はつながると思うのです。まあ、総理がそれを諮問しているわけでありますし、その下の機関ですから、ここのところですぐイエスかノーかの答弁を求めることはできないと思いますから、総理とよく相談してこの問題についてひとつ検討していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 前内閣におきまして新行革審に土地問題に関しましての御意見を求めましたのは、いろいろ理由はあったようでございますけれども、一つは、この問題は御承知のように政府の各省庁ほとんど全部が関連をいたしておりますことと、現在の行政の枠内では、なかなかそういうことから各省庁の権限が錯雑しておりまして思い切った対策が、いわば大変に率直な表現をいたしますと行政の中からは出にくい、各省庁がみんな自分の、何と申しますか今までの考え方あるいは今までの守備範囲を持っておりますものですから、なかなか行政の中から出にくいということで、あえてあのような行政の外にあります機関の意見を求めた、こういうことであったと承知をいたしております。そして、急ぎます問題については既に中間の答申がございまして、それは十月十六日の閣議決定になったわけでございます。それから長期の問題については、なお来年にかけてこの新行革審が基本問題の検討をされる、そして答申をせられるというふうに承知をいたしております。 諮問をいたしました経緯は以上のようなことでございますが、なおただいま御指摘のこともございますので、これにつきましては国土庁長官、特命大臣の御意見もあろうかと思います。いろいろ政府内部でも意見交換をいたしまして、御指摘の点は総理大臣にも私から御報告をいたすことにいたします。
○中村(茂)委員 今も副総理からお話がありましたけれども、緊急のものについては終わったわけですから、ここが一つの区切れですよ。一つの区切れ。それで、結局行革審というのは総務庁の所管ですね。土地問題については、今度は国土庁長官が特命を受けた。だから政府は、政策は総務庁でつくって国土庁は実行官庁だ、こういうふうに最近は言われていますね。それは全くの矛盾だというふうに思うのです。ですから、私は率直に申し上げて、今ちょうどこういうこの間に来たわけですから、先ほど言いましたようにもう国会の中でもみんなで真剣に取り組んでいこう、こういう体制ができたわけですから、英断をもってここのところで打ち切りを宣言していただきたい、こういうふうに強く要望しておきます。 次に、国土庁長官にお聞きいたしますが、いろいろ私の見解を今まで申し上げました。新任されて、まあ新聞報道なりいろいろ見ていますと、私の受ける印象は、どうも長官は土地問題について少し甘く見ているんじゃないか、率直に言って。地価の鎮静というふうに言いますね。鎮静というのは上がる率が少し下がったということですよ。しかし、長官がそういうふうに言うと、ああ土地はそれ以上もうこれでいろいろ手を打たなくなるかな、不動産業界なり金融業界はすきを見て金もうけをしようということできゅうきゅうとしているわけです。悪いことを平然とやる末端企業があるわけです。だから、こういう際には安易な姿勢を見せるということはとても危険だ、こういう問題は慎重な発言と毅然たる態度で臨んでいただきたい、こういうことをあわせ申し上げて決意と見解をお聞きいたしたいと思います。
○奥野国務大臣 先ほど来お話を承っておりまして、地価高騰の兆しを見たときに打つべき手を打っていないじゃないかという御批判もございました。政治は特に後手に回らないように先手先手をとっていかなきゃならないことでございますので、ごもっともなことだと拝聴しておりました。これからもそういう気構えで努力をしていきたいと思っております。 また、御指摘のような意味合いで、地価高騰を予想される地域につきまして地方団体を督励して監視制度をとっていっていただいておりますし、また、とる準備をしていただいておるわけでございまして、今後も後手に回らないように努力を続けていきたいと思います。
○中村(茂)委員 重ねて、今度は態度をお聞きしておきたいと思いますが、国公有地の取り扱いです。 私は、若干経過を申し上げますと、先ほど申し上げましたようなこういう状況で国公有地を二倍から六倍というような高値でどんどん払い下げる、これは大変な状況だ。こういう中で国土法を見ますと、国公有地はあの国土法から外れているわけですね。ですからやはり国公有地であろうとも国土法の網を何らかの方法でかぶせる、このことが必要ではないかということを強く主張してまいりました。そして、国土庁中心に検討したそうでございます。しかし、最終的に、国土庁は私どもの要求どおりいろいろ折衝したようでありますけれども、大蔵省と運輸省が反対されて、先般の国土法の改正のときには、国公有地については地価形成に悪影響を与えないよう配慮するんだ、配慮規定になってしまったわけであります。ですから、実もない、ただヤマブキのような花に、配慮規定になってしまった。 そこで、私どもはそういうやり方について反対したわけですけれども、ただ反対していてもどうにもなりませんから、今度は附帯決議でそこら辺のところをきちっとさせようではないかということで努力をいたしました。建設委員会の附帯決議をつくるときに私ども野党と与党の理事でいろいろ話し合いました。私どもがまず附帯決議として出せるそういう国公有地についてはどうだろうか。そこで、国公有地等については地方公共団体の意向を十分尊重するんだ、こういうことで自民党の理事といろいろ話し合いました。そして、一生懸命やるから、尊重するから、十分というやつだけはひとつ取ってくれ、そして地方公共団体の意向を尊重するということでまとまりました。 そうしたところが、その夜になったら運輸省と大蔵省のいわゆる事務の方の課長クラスの人たちが飛んでまいりまして、いや、尊重では困る、配慮に直してくれないか。いろいろ事務の方から国会が言われる必要ない、与野党まで一致したんだ、与野党まで一致したのを何であなたたちがそんなことをいろいろ飛んでくるんだ。そうしたら、最後に大蔵省の役人が私に何と言ったかというと、尊重の中には地価問題が含まれているんですかと、こういうふうに質問がありました。それはどういうことを意味しているのでしょうか。地方公共団体の意向を尊重して、じゃ、ここのところは土地を譲ってもいいというふうになった場合に、地価はそう安くは譲れませんよということを意味しているんじゃないでしょうか。尊重するという中に地価の問題が含まれているのですか、それは当然含まれているよ、そこのところが一番重要なんだ、まあこういうふうに言いましたけれども。 そして、その後の経過を見ておりますと、確かに奥野長官も、なられてから地方公共団体の意向を十分尊重しなければいけないという発言も聞きました。しかし、東京都に行っていろいろ話をお聞きしますと、特に国公有地の問題について、事業団は確かに、東京都について、区についてどういう計画があるか、計画があるとすればどうだということでいろいろ意見を言っているそうです。ところが、東京都でいろいろ調べてみると、いろいろ制限があったり面積があったり、いろいろな注文で、とてもじゃないけれども、その注文でそこのところ、地方公共団体が利用計画といったって無理な問題ばかり出てきている、こういうふうに嘆いておりました。 ですから、この問題は先ほど地価の高騰になってきた元凶だということを私申し上げましたし、大体地方公共団体の意向を尊重して利用計画の方へおさめていこうという空気、そういう姿勢は固まりつつあると私は思うのです。そうなりますと、最後は、それが本当に実現できるかどうか、ここに残されているというふうに私は判断しているわけであります。長官の御意見を承りたいと思います。
○奥野国務大臣 国土利用計画法改正の経緯をるるお教えいただきましてありがとうございました。 国公有地の処分の問題でございますけれども、地方団体は住民に快適な地域社会をつくっていく、それはやはり土地が基本になっての地域社会でございますから、地方団体の考え方は最大限度に尊重されなければならないと思っております。また関係者も、公用、公共用に供される限り随意契約で地方団体に譲るべきだというふうに考えていただいているようでございます。 これからも、土地というものはかけがえのない土地でございまして、また広く国民の生産及び生活の共通の場でございますから、やはりいろいろな面から国民の福祉に適合した格好で利用されていかなければならない、それが達成されるように最善の留意を払っていきたいと思っております。
○中村(茂)委員 先ほど言いましたように、竹下首相が土地問題がこれからの緊急課題だ、こういうふうに言われた中に、土地問題の本当の指向するポイントは地価の適正安定をどういうふうにするかだ、地価の適正安定をどういうふうにするかということがポイントだ、こういうふうに言われた記事を私は見ました。なるほど、これこそ言えば竹下首相独特の言語明瞭意味不明な点がよくうかがわれるのです。しかし、それを求めていくということが今一番必要ではないか、こういうふうに私は思うわけであります。 先ほども申し上げました。ずうっと戦後の地価の動向の中で、四十八年、四十九年の地価の狂乱が起きた、それに対応するということで国土法ができた、そして土地税制については先ほど言った二項目によって五十年に戦後初めて土地が下がった、こういうことを指摘いたしましたけれども、地価を鎮静してきた、確かに上がる率は下がってきた、抑制だというふうに言う。抑制はどこまでするんだ、銀座で一坪一億になったようなところで地価の適正安定というところはどこのところだろうか、やはりそこのところを政府はきちっと定めて、それに向かって地価対策を立て、土地税制を組み立てていく、こういう手法をとらなければいけないのではないか、こういうふうに私は思うわけであります。 そこで、私の意見を申し上げておきたいというふうに思いますが、ここに一つの文書があります。これは、国土法をつくったときに念書として、そこに携わった建設委員会のそれぞれの理事さん、そして建設委員会の委員長が、国土法に基づいて今の国土庁ができたわけですから、その当時は土地担当は経済企画庁長官だった、そこで企画庁長官にこのようなものを出しているわけであります。 これはまだ案のときですから 本法案中第十六条、第十九条、第二十四条及び第三十二条の「土地に関する権利の相当な価額」の政令で、現況地目宅地である土地の売買契約を締結しようとする場合の規制価額に係るものについては、市場相場の七~八割程度を政策的な目標として適切な算定方式を定めること。これは、地価が高騰してどうにもならない、いろいろやっていくんだけれども、国土法もつくるんだけれども、土地税制もつくるんだけれども、その適正安定の価額を七割から八割にひとつ抑えようではないか、そういう趣旨が盛られて、いろいろ決定していく場合にそういうふうにしなさいよということでこの念書が交わされた、こういう内容のものなんです。 ですから、どの程度までということは、価額について検討したりいろいろ難しいと思いますけれども、このような七割でも八割でも、私どもに別に公表する必要もありませんけれども、やはり土地を担当する当局はまずそこの辺のところはきちっと定めて政策をつくっていく。ですから、私は今のところはその適正安定というところは七割から八割というようなところにおさめていったらどうだろうかということを要望しておきたいというふうに思います。その点についてはいかがでしょうか。
○奥野国務大臣 全国的に見ました場合に、地価の現状は非常にちぐはぐになっているな、こう思っております。例えば昨年の七月一日からことしの七月一日まで、東京だけ見ますと平均して八七%内外上がっているのでございます。その他の地域全部平均しますと一・三%の上昇にとどまっているわけでございます。東京の場合でも都心三区はもう昨年ぐらいから上昇は鈍化しております。しかしそれ以外の地域は高騰を続けてきたわけでございます。そういうことでございますから、現在の地価を目途にして二割とか三割とか下がっていいということは適当でないのじゃないかな。高過ぎるところはもっと下げてもらわないと困るのじゃないか、私はこんな気持ちさえするわけでございまして、まさに今の地価は社会的不公正を拡大したな、社会的不公正を改めることこそ政治の最大の責務じゃないかな、こんな気持ちを持っておるものでございますから、これからも今おっしゃった点、よく勉強していきたいと思います。
○中村(茂)委員 そこで、次は国土法に基づく規制区域の問題について若干触れておきたいというふうに思いますが、長官が先ほど、発言を聞いておりますと、まあ地価がある程度きたので規制区域は発動する必要がないのじゃないか、こういう意味の発言をよく耳にするのですけれども、この発動について今どういう心境なんでしょうか。
○奥野国務大臣 現在は、監視区域の指定をしてもらう、また指定をする準備を進めてもらう、さらに最悪の事態に備えて規制区域の準備をしてもらうということで進めておるわけでございます。 ただ、私たちは自由な社会を守っていきたいものでございますから、なるべく権力を使わないで誘導的な政策で進めていきたい。監視区域というのは届け出でございまして、届け出が、その価格が適正でございませんと勧告をする、勧告を聞かなかったら公表するという仕組みをとっていることは御承知のとおりでございます。 東京で、いつの現在ですか、届け出のあった件数が千三百件で、そのうち勧告前の行政指導をしたのが四百件、三割くらいだったそうでございます。しかし、行政指導をしますと取りやめたり価格を下げたりして、ほとんど勧告に至らなかったのじゃないかな、こういうふうに聞いておるわけであります。あるいは一、二あったかもしれません。もちろん、公表に至ったものはございません。やはり国民の皆様方も社会に刃向かうような気持ちはお持ちいただかない。だから、あとう限りは誘導政策でいきたい。権限を振り回すことはなるたけ避けたい。ですから、規制区域というのは私は伝家の宝刀だ、伝家の宝刀は用意しておかなければならぬけれども、伝家の宝刀を抜くということは慎重でなければならない、こういう気持ちを持っているわけでございます。
○中村(茂)委員 伝家の宝刀というふうに言ったり、私権にかかわる問題だというふうに言っています。これをつくるときにも学者の間にも、憲法から照らして私権制限ということが起きてくるのでどうだろうかということがいろいろ論議されました。それで、憲法に抵触するという意見もあれば、いや、土地は普通の物品と違って公共財なのだから、福祉のため、公共のためにはそれぐらいな制度は当然だという意見もさまざまありました。そういう上に立って法律としてできたわけであります。ですから、これを本当に施行するかどうかという場合に、やはり土地というものは普通の品物と違うのだ、公共財なのだ、そこのところを重点にしてこの問題を考えていかなければ、やれ伝家の宝刀だとか、やれ抜くのはなかなか難しいとか、こういう論議にすぐ発展してしまうというふうに思うのです。 諸外国を見た場合でも、土地の取引については、どんな小さなものでも、どんなものでも全部届け出るという仕組みをつくっているところがあります。これはもう土地が上がろうと上がるまいと、公共財だから取引については全部政府に届け出る、これは自由主義国ですよ。 それで、この取引の場合についても、公示価格に対して、違う物価の変動率を勘案してその取引の地価を決めていくという仕組みになっているわけだ。そんなどんどん上がるということについては、監視区域の場合については、まあ本当にそのときに取引されているその状況ならいいだろうという、少し緩やかですけれども、そう幅があるわけじゃないのですよ。 そして、今までの経過の中をずっと見ますと、私ども建設委員会に所属して土地問題をやってまいりましたけれども、衆議院の建設委員会でもこの問題については十分検討して、人員が必要で金がかかるなら国も財政措置をきちっとさせて、やはり実施の方向で検討する必要があるのではないか。私がいちゃもんをつけました新行革審の緊急対策の中でも、実施する方向で検討しなさい、それで地方公共団体ができないとすれば、総理の権限でやる項目があるのだから、そこまで考えなさい。やはりこの問題は、私は地方公共団体の長と十分打ち合わせて、そこのところが進んでやる、そういう決断の中でやっていくべきであって、それを通り越して総理の権限でやるということは地方自治を侵すことの道にも通じますから、そのルールは尊重してもらいたいというふうに思いますけれども、大臣になったらもう初めからなかなか抜くのは難しいんだ、やらないんだという姿勢ではなしに、この問題は土地対策のこれからの問題としてもっともっと慎重に、しかも真剣に考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それから監視区域ですが、監視区域にしても規制区域にしてもなかなか国民の皆さんにわかりにくいのですけれども、監視区域の場合には地価監視区域、それから規制区域の場合には土地取引規制区域、こういうふうにみんなで言っていけば、国民の皆さんが見てもこの制度について非常にわかりいいのじゃないか、私はこういうふうに思っています。 そこで監視区域の問題ですけれども、確かに五百平米から出発して三百平米、そして百平米というところについて、特に土地の値上がりの激しいところについては施行が進んでまいりました。私は平米で物を移していくのじゃなしに、まず監視区域をした場合に、少なくも七〇%から八〇%の網がかぶさる、そこのところは何平米にしたらいいか、こういうふうにして平米を定めていっていただきたい、こういうふうに思うのです。 五百平米で出発したときには、そこの監視区域の網にかぶさるものは東京の真ん中の二十三区ではせいぜい一〇%台ですね。そして三百平米にしてやっと二〇%台です。これは、東京の真ん中を見れば、小さい、百平米以下の地籍が二十三区では四四%を占めているのです。二十三区は百平米以下のところが地籍として四四%。今度百平米にしたって四四%はもう抜けてしまうのですよ。それとマンションです。マンションは網はかぶせません。そうすると網のかぶさる率はどんなにいっても五〇%。それでマンションが抜けている。ですから、事務量がふえるとかいろいろあるでしょう。しかし、せっかくやるなら、特に東京の真ん中のような、百平米以下のところがどんどん取引されている、地上げが行われている、これはそういうところまで網をかぶせるという姿勢がなければ、いや監視区域をやっているから、こういうことでは済まされないのじゃないか。 もう一点、マンションについてこの監視区域で網をかぶせることができなければ、それに準じた対応で何とか網をかぶせる施策を実施してもらいたい、これを要望しておきたいというふうに思います。
○奥野国務大臣 お話のように、地価の上昇の状況に応じて届け出対象面積を考えていかなければならないと思います。東京都も五百平米から出発して三百平米、百平米と、今、東京都内の市街化区域、全部百平方メートルから届け出してもらうようになっているわけでございます。それでも、御指摘のように百平米未満の土地の所有者が三割から四割くらいになっているようでございますから、自然、対象から外れる。しかし、それだけで万事解決するのじゃなくて、やはり宅地建物取引業者にも協力をしていただかなければなりませんし、また不動産業者その他にも協力していただかなければならないわけでございまして、今御指摘になりましたマンションの転売なんかにつきましても、投機目的、マンションの転がしによって値段をどんどんつり上げている傾向もございました。そういうことにつきましても関係団体に対しまして厳しい自粛を求める。幸いにして関係業界もみんな現在では大変協力的のようでございます。 なお、今御提案いただきました課題も検討していきたいと思います。
○中村(茂)委員 不動産業界が協力的のようだ、それは大手とかそういうところは表向き協力ですよ、立派な企業がありますよ。しかし、手に負えないところがあるということを頭の中に一つ入れておかなければいけないですよね。それで、さまざまな提案をしていきたいと思ったのですが、時間がございません。 最後に、どうしても申し上げておかなければならないと思いますのは、先ほど申し上げました金融機関、不動産業界とつながって投機のもとをつくるような融資がどんどん行われていく。それから、不動産業界も、立派なところもあるけれども、暴力団を先に立てて人権侵害まで起きるような行為が起きてくる。 何回か例に出すわけですけれども、田中内閣当時の物価狂乱のときに、これは地価ばかりではなしに物価狂乱ですから、特に総合商社などの行為について、企業も社会的責任があるのではないか、そういう金もうけの行為ばかりきゅうきゅうとするということは、企業の倫理に反するのではないか。そして総合商社なり大手みずから企業倫理というものをつくり、そういう行動をするように政府の指導があったはずであります。 このような狂乱状態を経験した私どもは、前のようなそういう経験を生かして、企業、金融機関そして不動産業界、やはり社会的責任はあるということを自覚して、企業倫理というものをそれぞれの企業が確立する、こういうことが極めて必要なときに来ているのではないか、私はそういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○奥野国務大臣 ごもっともな御意見だと思いますので、関係の業界とよく連絡を保ちながら留意を求めていきたいと思います。
○中村(茂)委員 それから土地税制ですけれども、項目だけ申し上げて、私どもの考え方をつけて申し上げておきたいというふうに思います。 居住用資産の買いかえ特例制度。これは前にはなかったんですね。三十年代になって、都市再開発というような問題を含めてこの問題が確立した。ところが反面、都市開発などを進めていく場合にはいい制度ですけれども、今度の地価上昇の不動産業界のやり手を見ていますと、そういう制度を悪用して、そういう人たちに対して、家を持っていた、それが借家だった、その人たちが長い間入っている、その人たちを追い出すことによってこの買いかえ制度で売って、違うところへ今度は出ていこう。そうして、それを追い出すために暴力団を使ってさまざまなことを言ってくる。そして地価高騰が郊外にいく。だから、この制度はきちっとした制度でひとつ見直してもらいたい、こういうふうに思います。 それから、居住用財産についての固定資産税。私ども社会党の場合には、二百平米まで据え置きにしたらどうだ、それを全部のところに該当させて、その上について緩和を図っていく、こういうことで要求しているわけですけれども、実現を強く要求しておきたいというふうに思います。 それから、相続税について。これは軽減を要求しておりますけれども、御検討をいただきたいというふうに思います。 それから、土地の譲渡所得課税。この特例控除ですけれども、今公共資産というふうにする場合については三千万まで無税ということですけれども、この大幅な引き上げをひとつしてみたらどうだろうか。 この際、それぞれ要求を提起しておきたいというふうに思います。
○小此木委員長 答弁は要りませんか。
○中村(茂)委員 要らないです。
○小此木委員長 次に、小川国彦君。
○小川(国)委員 私どもは、今日、日本全国の中で東京を中心とする首都圏、愛知、名古屋を中心とする中京圏、阪神圏、あるいはその他の大都市圏で起こりつつある異常の現象ともいうべき地価高騰の事態、これは日本経済の中でも、日本の国政の中でも非常に大きな問題であるというふうに考えます。そういうことで当委員会が設置されたわけでありますが、先般、ある報道機関から、地価高騰の責任についてどう考えるかというアンケートが全国会議員のところに参りまして、恐らく大臣就任以前にそういうものがおありになったんじゃないかと思います。 そのときのお答えでもあるいは現在のお答えでも結構なんでございますが、そのときのアンケートですと、土地問題に真剣に取り組んでこなかった政府、自治体に責任がある、それから財テクで土地を買いまくった企業に責任がある、それから野放しに不動産業に融資した銀行など金融機関の責任である、こういう三つの原因が挙げられているわけであります。三大臣は、これについてどういうような御回答あるいは御見解を持つていらっしゃるか、最初にまずお伺いしたい。
○奥野国務大臣 やはり三者とも反省すべきだ、こう思っております。
○越智国務大臣 全項目に反省すべき点がある、かように思います。
○宮澤国務大臣 やはりそれらのおのおのについて問題があろうと思います。
○小川(国)委員 優劣をつけますと、最大の原因を一つに絞っていただきますとどういうことになりましょうか。
○奥野国務大臣 私は、やはり金余り現象が、いろんなものが投機対象になっていったんじゃないかな。大変不愉快な思いを始めたのはゴルフの会員権でございました。それから続いて土地問題でございました。今またいろいろなところへ行っているわけでございますけれども。そういう意味で、大蔵省が融資の点について大変厳しい姿勢をとっていただいて、それが急速に地域的には土地問題鎮静化に向かい始めたんじゃないかな、私はこんな気持ちを持っております。
○越智国務大臣 先ほど副総理の答弁で仮需要という言葉が出たわけでありますけれども、やはり需要と供給の問題で、私は、需要の方も確かにふえておる、供給が不足するような印象が強かった、こういうことで土地騰貴、またどれを挙げいといいましても、みんなが複合するようなふうに存じます。
○宮澤国務大臣 私もそう思います。三つが関連をしているものですから、どれだと言えとおっしゃってもちょっと難しいのじゃないか。
○小川(国)委員 やはり大臣、皆模範答弁をなすっておりまして、答えはそういうことになろうと思いますが、私は、問題をもう一つ掘り下げて実態を見ていく必要があるんじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。お三方とも大臣になられて、これはもう非常に御多忙な日程で、我々もそうでございますが、なかなか国会、官庁とかそういう周辺の中から外に出ることができない。なかなか国民の生活の実態に触れることができない。 実はこの間、十月十五日に私どもの社会党の土井委員長が、何としても都内で土地急騰の現場を見ようじゃないか、強い委員長の希望もあって、委員長、書記長を中心に私ども社会党の調査団で参りました。 先ほどちょっと委員長の許可を得ましたから写真をお見せしたいと思うのでありますが、これは新宿の西新宿五丁目、六丁目の町内会でございます。これはマスコミの皆さんにもわかるように、こういう写真であります。野菜とか果実と書いてありまして、こういう西新宿五、六丁目は、大体個人住宅、アパートの多い住宅街、庶民の住宅街だったわけですけれども、結局坪百万円ぐらいの土地が二、三千万から五、六千万という値段で買われる。住宅に居住している人が出ていってしまう。そうすると、今度こういうふうに八百屋さんや魚屋さんも、住民がいなくなるから結局売って出ていく。そうすると、残った住民が商店が半減してまた困る、こういう状況があるわけです。 これも同じようなものでございますが、こちらの皆さんにもごらんいただくと、こういう廃墟の町のような形が起こっているわけですね。そしてその買い占めにいろいろな中小の不動産業者が一番最前線で動いてくる。 きょうも、私がこの質問に立ちます前に電話が参りました。実は社会党で土地一一〇番というのを十月二十二、二十三日にやりまして、全国から土地問題に対する意見を聞いたわけです。そういう中にたくさんの電話、投書、それから面接の方が来たわけなんですが、ともかくきょうも、ぜひ国会で言ってくれ、一体地上げ屋という職業をどう解釈するのか、売ってくれと言われて売らないという地権者、市民に数十回、いや数百回にわたって売れと要求する、こういうことが一体許されていいのか、警察へ行くと、これは土地の買収に来ているんだから民事だと言われるけれども、しかし、これでは私どもは到底耐え切れないではないか。 そういうことの一つに、やはりこの西新宿を見ましたときに、住宅街の中に墓地の販売業を始めた方がいるわけです。これもやはり不動産業者なのです。町の真ん中に、買収したところに墓石を並べまして、住民が夜になると怖くて困る、こういうような墓石業がございまして、私ども一行驚いたわけなのでありますが、結局地元の有志の方が、せめてそこに夜、明かりをつけてくれ、真っ暗の中に墓石では、町の真ん中に霊園では困るから、こういうようなことで解決をしているという実態があるのですが、こういう実態について、やはり大臣方も現地を見る、あるいは実態をもう少し調査する、まず現実を見るというお考えはないかどうか。
○奥野国務大臣 時間の余裕が得られますならば、現地をよく見ることも大切だと思います。
○越智国務大臣 まだ見ておりませんが、実態をよく調査いたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 よく実態を知るように努めます。
○小川(国)委員 その中で、現地の第一線の中小不動産業者がそういう土地の買い占めに歩く。そうすると、その後ろにまた大手の開発業者、デベロッパーがいる。それからまたその間を取り持つ形で銀行があるという形ですね。ですから、さっき大臣方が三者一体の責任があるというふうにおっしゃった中の政府、自治体の責任を除けば、財テク企業あるいは不動産業界、それからもう一つは金融業界、この責任がやはり出てくると思うのです。 そこで、大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、大蔵省銀行局は過去四回通達を出されているわけです。昭和六十年の七月三十一日に「土地関連融資の取扱いについて」、投機的な土地取引などへの融資を自粛せよ。それから昭和六十一年四月十六日にも、土地関連融資の報告についての銀行局長通達ですね。この中で、不動産業者及び建設業者向け土地関連融資実行状況を今後一年間、半年ごとに報告するを義務づける。昭和六十一年十二月十九日には「土地関連融資の取扱いについて」、報告期間を昭和六十三年三月まで一年間延長する。昭和六十二年十月十九日には、土地関連融資の厳正化に関する銀行局長通達、投機的な取引等に係る融資の排除に万全を期すること、また本部の土地関連融資に係る審査・管理体制及び融資実行後のフォローアップ体制について充実強化をせよ、もう何回もこういう通達を出してこられているのですが、一体この拘束力とか強制力はあったのかどうか。 この中では、例えば第一相互銀行からの今の西新宿五、六丁目で用地買収をやった最上恒産に対する融資の問題とか、あるいは三井信託、中央信託も同様な土地転がしに貸し付けをしているという事例がいろいろ取り上げられているわけでありますけれども、こういうような実態に対して大蔵省の通達は一体どういう強制力なり拘束力なり指導力を持ったのか、この点はどういうふうに大蔵大臣としてお考えになっていらっしゃいますか。
○宮澤国務大臣 そのお尋ねはごもっともと存じます、 確かに、そのような通達をいたしまして、通達そのものは尊重されておったのでございますけれども、何分にもああいうふうな大きな土地の動き、金の動きになりましたので、通達だけで事を済ますわけにはどうもまいらぬと考えまして、ことしの夏前、七月でございましたかから特別のヒアリングを実は始めたわけでございます。これは土地の値上がりの激しい地域を選び、またその地域にございます金融機関を選びまして、具体的にかなり踏み込みまして実情を聞きました。それから、登記所等の協力も得まして、抵当権が設定されているようなケースについても具体的に調査をいたしまして、そしてその結果といたしまして、世論の高まりもございましたけれども、金融機関の方も、そのような融資については支店任せにせずに本店で管理をするといったような体制にもなりましたし、また大蔵省といたしまして、一遍聞きました融資がその後どういうふうになったか、回収されたのであるか、利子が元本に組み込まれているようなことはないかと、かなり立ち入って調査をいたしましたので、それ自身はかなり効果があったと存じます。 それは、一つはやはり金融機関でございますので、いろいろな意味でうわさが立つ、あるいは報道されるということについては当然かなり神経質でもございました点もございますが、これは結果としては今回はかなり効果をおさめたと思っております。不動産向けの毎月ごとの融資残高の伸び率が顕著に月ごとに減ってまいりまして、絶対額でもちょっと減ったのではないかというふうな動きも見せておりまして、東京に関します限り、今回のヒアリングはかなりの効果をおさめた、また将来に向かいましても、いろいろな教訓を私どももそこから得ることができたというふうに考えております。
○小川(国)委員 今の大蔵大臣の御答弁は、最近に至って、もう最高潮の地価になってしまって、ようやくその辺で抑え込むことがややできてきたということであって、これは私どももいろいろ首都圏中心にこの問題で回ったときに、皆さんが、来るの一年遅い、二年遅い、なぜ国会が政府も野党も挙げてこういう問題にもっと早く取り組んでくれなかったか、これが切実な国民の声であります。 そういう意味でいえば、この金融問題に絞っていけば、やはり大蔵省の通達がこんなに四回も出されるということですね。ということは、そう言ってはなんですが、なかなか通達がぬかにくぎのように生きてなかったんじゃないか。その一つの事例として、私どもの新宿の調査の中であらわれてきたのでありますが、ここでやはりいろいろな大手、中小交えて不動産業者が地上げをしてきているわけでありますが、その中に、最上恒産に第一相互銀行が貸し付けを行っている事例で、最上恒産と最上グループに対する融資があるわけであります。これは六十一年三月ですね。法定限度額というのは自己資本の三〇%、これは大蔵省の通達でそういうふうになっている。ところが現実には、最上恒産一社ではなくて、そのグループの会社に対して限度額の八倍もの融資を行ってきた、こういう事実があるわけでありまして、これについては大蔵省の方も検査の中で指摘し、指導されてきた、こういうふうに伺っているわけでありますが、まずこの点はいかがでございますか。
○平澤説明員 大蔵省といたしましては、金融機関に対しまして定例的に検査をしております。したがいまして、その検査の際には融資内容につきましても立ち至って話を聞いております。したがって、その意味では大体の事象につきましては把握しているということでございます。
○小川(国)委員 さらに、これは第一相互の最上グループに対する過剰融資だけではない。それだけでは資金の投入が足りない。これは最上グループが五十八年、五十九年に西新宿を買収して歩いた。そして五十九年、資金不足に陥った。そういうような状況が想像されるわけであります。結局一社に貸すのではなくてグループに貸すという形で、枠を超えた貸し出しをした。ところがそれでも足りなくなった。そういうことから、今度は第一相互銀行が自分の関連会社、東京エステートとか相和不動産あるいは磐越産業等々、名前が挙げられているわけでありますが、貸し付け相手じゃない、こういう関連会社に対しても法定の九倍の貸し付けをした。しかもその資金が一部また最上恒産に流されている、こういう事実が挙げられているわけでありますけれども、この点については銀行局の方はどのように掌握をされておりますか。
○平澤説明員 一般に、銀行等の検査の内容につきましては、従来から具体的に御答弁申し上げるのは差し控えているわけでございますので、本件につきましても御容赦いただきたいと思います。
○小川(国)委員 この点は既に六十一年八月の指摘があるわけですが、銀行局が四回も通達をする中において大蔵省は二年ごとに銀行の検査をしております。六十一年にこういう事実があらわれてくる二年前にも同様の問題についての指摘をされてきた。そうすると、五十九年の検査の中で既に法定限度額を超えた融資がなされている。これは明らかな大蔵省通達の違反である。そういうことが五十九年の事態であらわれておりましたのに、また二年間経過してしまった。この点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。
○平澤説明員 個別の問題としては、先ほど申し上げましたように御答弁を差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、通達あるいは法令違反等の事態が明らかになりました場合には、その後それを是正させるために厳しく指導しているということでございます。
○小川(国)委員 さらに、新たに明らかになってきた事実は、こういうような迂回融資をしたりあるいは過剰融資、超過融資をさまざまな形で行ってきた。それで相手企業にもしものことがあると銀行がかぶるわけですから、やはり無理をしても追加融資をしてしまう。そういう形で、六十一年五月期のときには、今度は最上恒産に対しまして、融通手形を振り出してきたものに対して割り引くという形での実質的な融資を行っている、こういう事実があるのでございますが、この点については大蔵大臣も銀行局長から報告を聞いていると思うのです、これだけいろいろと問題になっている事実ですからね。そういうことについてはどういうふうに認識されておりますか。
○平澤説明員 今、委員のお話にございました手形割引という場合に、大口融資規制の際にどう考えるかという問題は、一般論として申し上げれば当然にあろうかと考えます。
○小川(国)委員 このことにつきましては、相互銀行法の施行規則の中で、貸出金額のうち手形の割引は控除できる、一般的にはそうなっている。しかし、この場合にはそうではなかった。一般的な商業手形の割引ではなくて、手形というのは例えば物を売ったその代金として手形をもらってくるので、裏づけというものがある。これはそういう裏づけがなしに発行された融通手形を割り引いたということでありますから、この除外例ではないのではないか、こういうふうに判断できるのですが、この点はいかがですか。
○平澤説明員 大口融資規制の場合の割引手形の取り扱いについて御説明申し上げますと、今、委員がおっしゃいましたように、割引手形は通例商業手形あるいは銀行引受手形等になるわけでございます。そういたしますと、その手形の裏には通例実際の商取引があるということ、あるいは銀行の信用力があるということでございます。したがって、そういうものにつきましては大口融資規制の、計算上は大蔵省令によりまして控除していいというふうになっているわけでございます。
○小川(国)委員 一般例はわかるのでありますが、今回の事例はその適用の範囲というふうに判断されるのかいかがかということです。 これは私は、今後の大蔵省の全金融機関に対する指導の問題になっていくと思うのです。こういう融通手形の割引を大口融資規制の枠外として認めるということになりますと、これはゆゆしい問題になるのではないか。商業手形ではない融通手形に対して、これを枠外と認めるのかどうか、この点の見解を明らかにしていただきたい。
○平澤説明員 したがいまして、これは欧米も同様に割引手形は控除するという仕組みになっておりますので、我が国もその仕組みに倣ってそういう制度をつくっているわけでございます。したがいまして、あくまでこの制度の考え方の裏には、その手形は十分な信用力、担保力があるという前提で考えているわけでございまして、そういう観点からいいますと、確かに商業手形は取引の裏づけがございますし、銀行引受手形は銀行の信用力があるということでございます。したがって、その他の単名の手形が主になるかと思いますが、そういうものにつきましても具体的にその裏にそういう信用力があるかどうかということも十分判断いたしまして、その上で控除が適当かどうかということを考える必要があろうかと考えております。
○小川(国)委員 今度の場合は、そのいわゆる信用力とか担保力が残念ながらない会社に出している。その会社の登記簿謄本を見ますと不動産業、建設業をやっているということでありますが、これは現実に調査をしてみると、いずれも不動産業者としての登録も建設業者としての登録もない。そういうことになると、全く実績と裏づけのない会社に対して手形割引を認めた、こういうことになると思うのですが、こういう場合はどうなんでございますか。
○平澤説明員 具体的な事例とつなげて御答弁するのは差し控えさせていただきたいと存じますが、検査等の結果、その割引手形に信用力が不十分であるという場合には、そういうものを控除するのは適当でないというふうに考えられるわけでございます。
○小川(国)委員 ならば、私が指摘している案件については、当然大蔵省は全国の全銀行、全金融機関に対して監督、立入調査の権限を持っているし、それからこの四回の通達に基づく半年ごとの報告も出させているわけでありますし、事象は既に古くから起こっている問題でありますから、これについての調査なすった結論というものについては、これだけ疑惑を持たれているのなら、それはいずれのものであったのかということをやはり明快にお答えできなきゃならないと思うのですが。
○平澤説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、問題が明らかな場合には大蔵省としては厳正に対処してまいりましたし、これからも対処してまいりたいと考えております。
○小川(国)委員 今回のケースについてはいかがなのですかということを聞いているわけです。
○平澤説明員 今回のケースというお話でございますので、極めて具体的な取引にかかわる問題でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○小川(国)委員 こういうことでは実質的な審議ができないと思うのですよ。こういう異常な事態を引き起こしている場所でそういうところに対する貸し付けが問題になっている。しかもいろいろな脱法行為といいますか、法の潜り行為という形で行われてきている。そういう疑わしい事例があるというときには、それは疑わしくなかったと皆さんが検査の結果それをはっきりするならいいわけなんで、それを具体的なケースについて回答できない。やはり大蔵省もいいものはいい、悪いものは悪い、これは大臣、はっきり物を言わなければ国民の信頼は得られないと思うのですが、いかがですか、大臣として。
○宮澤国務大臣 小川委員の御質問の御趣旨は極めて明快でございますし、銀行局長がただいまお答え申し上げておりますことも大変はっきりいたしておると思います。ただ、具体的に検査の結果がどうであったか、具体的にどのような取引が行われたかというようなことにつきましては、これは当委員会にあるいは国会におきまして、一般的なこととしてならともかく、具体的な事例についてお答え申し上げることはお許しをいただきたい、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○小川(国)委員 私は、この問題が単なる通達違反であれば、またそれに対して改善していくということで是正できると思うのですが、この通達の背景には、もう一つ法がパックにある。そして銀行法の中でもあるいは相互銀行法の中でも、大蔵省が四回にわたって行った通達の裏づけは、銀行法で言えば第十二条に「当該銀行の資本及び準備金の合計額に政令で定める率を乗じて得た額を超えてしてはならない。」これは融資保証も含めて例えば三〇%、銀行の資本総額の三〇%を超えて特定のところへ貸してはいけない。というのは、ある銀行が一社にだけたくさん貸し込んだ場合には、その相手にもしものことがあったら銀行もおかしくなる。銀行の貸し付けは幅広くしなければいけない。だからここに、銀行の資本及び準備金の三〇%を超える額を貸すということはいかぬ、こういうふうに言っているわけですね。このことは相互銀行法の第十四条でも、これは銀行法の第十二条から第十六条を準用するということになっているので、第一相互銀行の場合もこの規定の適用を受けるわけですね。 そうすると、大蔵省が四回にわたって法定限度額を超えて不動産にお金を貸してはいけませんよということを指導してきた。その指導した根拠は、銀行法とか相互銀行法に基づいて指導してきた。したがって、これは単なる通達違反ではなくて、銀行法違反にまで及ぶ行為ではないか、こういうふうに判断されるのです。そうすると、そういう行為に対して、大蔵省が極めて具体的な取引のことだから答えられないということでは――法違反になるかならないかという判断について明快な見解を示すということでなければ、大蔵省がいかに銀行を指導する、不動産に対する貸し付けを指導するといっても、その指導の実を上げることはできないのじゃないかというふうに思うのですが、この点は大臣、いかがお考えですか。
○平澤説明員 大口融資規制の問題につきましては、今、委員がおっしゃったとおりの規制があるわけでございます。ただ、これも恐縮でございますが、一般論として申し上げますと、金融機関からある先に融資をいたします場合、グループに融資することもあるわけでございます。そのような場合に、これが大口融資規制に関する法令あるいは通達違反になるかどうかということはいろいろな角度から検討を要するわけでございまして、グループ内の各企業の実態、それから資金の使途等いろいろな角度から判断してこれを決定していくということでございます。したがいまして、個々の事案によりましては、今申し上げましたような観点から検査あるいは行政において厳密に検討をし、法令違反あるいは通達違反があるかどうかということを見定めているわけでございます。
○小川(国)委員 そうした取り扱いについてはわかったわけでありますが、二年間に四回も通達をし、また二年ごとに大蔵省が検査を行ってきて指摘してきている。この事実については、この辺の監査、検査の結果の法令違反の事実はどうであったのか。これはないならないとはっきりおっしゃれば問題は解決するのではないか、私はこういうふうに思うのです。
○平澤説明員 一般に、検査いたしました場合に、法令違反の事実があれば明確に金融機関にはその旨申し渡して、是正するよう指導しておるわけでございます。ただ、具体的に今、委員御指摘の金融機関の場合にどうであったかという点につきましては、恐縮でございますけれども、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○小川(国)委員 時間もございませんが、委員長、ある事案が法令違反になっているかどうか、その実態をここで大蔵大臣以下がきちっと答弁できないということは、これはやはり問題でございますので、これについては理事会で御検討をいただいて、しかるべき措置をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょう。
○小此木委員長 わかりました。後刻理事会で協議いたします。
○小川(国)委員 それから、私は今、私ども社会党が現地調査をしたりいろいろな国民の意見を一一〇番で聞く、そういう中から出た象徴的な問題を取り上げてきたわけでありますが、これはあえて第一相互だけの問題ではない。全国の都市銀行も、あるいは地方銀行も、あるいは信用金庫も信用組合も同様な問題を抱えているというふうに私は思うわけなんです。そういう意味では、大蔵省がさらに一層頑張っていかなければならぬというふうに思うわけでありますが、大蔵省は、こうした不動産に対する民間金融機関の貸付総額の限度額は今幾らになっているか、この点とういうふうに把握されておりますか。大蔵大臣が答えてくれませんか、そういう大きな数字の話ですから。
○平澤説明員 現在、個々の金融機関につきまして不動産融資の限度額を行政上特に設けてないわけでございます。ただ、生命保険会社等につきましては、運用の中身によりまして、しかじかこういう財産の何十%以内という運用の基準は設けております。
○小川(国)委員 これも大臣に申し上げたい。大変残念なことで、やはり大蔵省はあらゆる金融機関を認可する権限を持っているわけだし、それから立入検査もできるし、監督もできるし、処分もできる。それだけの権限を持っているところが、民間金融機関が不動産に貸し付けておる額の実態というものを把握してないということは大変残念だと思うんです。 私は、いろいろな角度から銀行、生保、損保等の貸付総額を調べてまいりまして、新聞で二十五兆とか三十兆とか出されるからその程度かと思って積み重ねてまいりますと、私どもの積み重ねだけでも約四十五兆。しかもそれに加えて各銀行が、第一相互に限らずみんな自分の系列の土地会社、不動産会社を持っている。それから一般の企業が財テクをやっている、そこへ貸し出してまた土地の買い占めをやっている。そういう不動産業全体に対する貸付額を見たら百兆円に達するんじゃないか。それだけの金が銀行から出されていたら、これはどんどん、土地が何千万、何億になって、庶民が二十三区から追い出されるということになってしまうんじゃないか。こういう実態をやはり大臣、しっかり把握する必要があると私は思いますが、いかがですか。
○平澤説明員 現在、全国銀行でございますが、不動産業向けの融資は六十二年九月末で三十二兆三千億円というふうになっております。これ以外の金融機関として主なものといたしましては相銀、信金等がございますし、それから先ほど申し上げました生保、損保がございます。したがいまして、この数字から判断いたしますと、今おっしゃる額まではちょっと届かないのではないかというふうに考えますが、今手元に資料がございませんので、後ほどまとめて報告したいと思います。
○小川(国)委員 三十二兆三千億と言いまして、今そのほかに相銀、信金は抜けている、生保会社、損保会社も抜けている、こういう話で、私の累計でも四十五兆に達するわけでありますから、大蔵省がきちんと調査をし、さらにその系列企業に対する融資も調査したら、私はどれだけの金が出回ったのかということは明らかになると思うのですね。これは委員長、今局長も調査すると言いましたので、ひとつ資料として答弁を願いたいというふうに思います。 それから、こういう土地高騰の被害を受ける国民は結局いろいろな被害を受けるわけで、これは同僚議員がこれから委員会の中でいろいろな角度で質問されると思いますが、固定資産税と相続税にこれが真っすぐはね返ってくる。自治省の方、お見えになっていると思いますが、こういうふうな何千万、何億になった土地の評価を受けて、その中に残っている人が同じ評価を受けて固定資産税を払うようになったら大変だ。ですから、この地価高騰は先ほど大臣方も認めたように政府、自治体の責任もあるわけですから、この際、昭和六十二年度の固定資産税を来年度も同じように据え置いていく。固定資産税は三年置きに平均を計算して、過去五十九、六十、六十一の三カ年のアップを平均するわけでありますが、来年の一月一日が固定資産税の評価がえですけれども、こういう地価高騰を受けた評価がえで高くなってはたまらぬわけでありますから、三年前の固定資産税と同額、いわば昭和六十二年の税額に据え置くべきだ、こういう主張を私どもは持っているわけです。特に二百平米以下の小規模住宅用地についてはそういう措置をとるべきじゃないか、こういうふうに考えているわけですが、いかがでございますか。
○前川説明員 お答えを申し上げます。 ただいま御指摘ございましたように、六十三年度は固定資産の評価がえの年度に当たっておりますので、いろいろ御心配をいただいているわけでございますが、御案内のとおり、固定資産税は資産が持っております価値に着目して税負担をお願いする、こういう性格の税でもございますので、資産価値の変動に対応して、これを勘案した評価額というものを基準に固定資産税というものを考えるということが必要ではないかと思うわけでございます。こういうことで、状況の変化を勘案して評価を見直すことによって税負担の均衡、公平というものも一面では確保されてくる、こういうことでないかと思うわけでございます。 固定資産の評価に当たりましては、御案内のとおり売買実例価額を基準にいたすわけでございますけれども、しかしながら、売買実例価額そのものではございませんでして、例えば仮需要による異常な地価の上昇分がありますとか、あるいは将来の期待価格がありますとかいったような不正常な要因があります場合には、それを除去して適正な時価を求めるということになっております。そういったことを考えますと、固定資産の評価額を六十二年度は据え置くということについてはいろいろ問題があると考えております。 また、御指摘の小規模住宅用地の問題でございますが、これにつきましては、例えば二百平米以下の小規模の住宅でございますと価格を四分の一に軽減する、こういう軽減措置を既に講じさせていただいているところでもございますので、ひとつこういうことによりまして、明年度はやはり固定資産の負担の均衡ということもございまして、適正な評価がえということをやっていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○小川(国)委員 この点については、また同僚議員ともども今後この委員会の中で論議を深めさせていただきたい。 最後に一点、大蔵大臣に。こういう状況の中で今一番困るのは相続税、これに対してはいろいろ大蔵省も政府も自民党の税調も我々野党もそれぞれの対案を持っておりますが、いずれにしても、政府の考え方を見ますと六十二年度税制改革の中でやるということですが、今こんなに上がってしまったときに、今お父さんに死なれたら大変だ、おじいさんに死なれたら大変だというのが国民の声なんですね。こういう高い中で死なれて相続税で地所を半分も持っていかれたら大変だ。やるならこの委員会の中に少なくとも大蔵省としてこれに対する案を出してくるというぐらいの即断の政治があってもいいのじゃないか、こう思うのですが、大臣として相続税の軽減措置を早急に実施する、こういうお考えはないかどうか、お尋ねします。
○宮澤国務大臣 先ほどからの御議論の中に、買いかえの特例の問題についても、また一定の面積以下の居住用である土地の相続税の評価についての割引についても御議論がございました。それから一般的に、今日の相続税が大体昭和五十年にいろいろな基準を決めておりますので、十年余りたちまして、殊に最近の地価高騰によりましてかなり無理が生まれておりますこともよく認識をいたしております。ただこの問題は、この際処理をいたしますのにかなりの財源を必要といたします。またそうでありませんと改めました意義がないというふうに考えておりますので、その辺のことも勘案しながら、当委員会等の御審議の御様子も拝見をいたしまして、近いうちに態度を決めさせていただきたいと思っております。
○小川(国)委員 終わります。
○小此木委員長 午後一時五十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時五十一分開議
○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。坂井弘一君。
○坂井委員 たくさんお尋ねしたいと思いますので、ひとつお答えは簡潔にお願いしたいと思います。 最初に、土地についての私の考え方といいますか、若干申し上げておきたいと思います。 土地対策といいますと、総合的でなければなりませんよと、これはだれしもそうおっしゃる。私もそうだろうと思うのですが、ただ、総合対策というのは個々の施策を寄せ集めただけでは成り立たない。やはりそこには根本理念というものがなければならぬと思います。その根本理念というのは、憲法二十九条の財産権の規定の三つの条項、そしてそれを受けましたところの民法一条一項の「私権ハ公共ノ福祉ニ遵フ」、まさにこれが私は基本だろうと実は思うのです。そういう考え方を基本に置きますと、やはり土地の所有というのは利用のためのものである、土地というのは公のものである、こういう土地観というものが国民の間に広く根づいていくというか、またそういう土地観、公共財だというような考え方が芽生えていくような政治、行政の構え、これが私は何よりも大事だろうと思うわけでございます。 言うなれば、古典的なと申しましょうか、土地所有の自由、こういうものはもう歴史的に終わったのではないかな、こんなふうに実は今の地価狂乱の状態を見まして私は思うわけであります。恐らくや、国民共有の資産である、土地というのはみんなの公共的な財産である、公共財である、こういう考え方が広く国民の間に根づくならば、もう土地問題というのは大部分解決するのじゃないかな、私は実はこんな気がしてなりません。何しろ我が国は三千万の人々が土地持ちである、こう言われます。つまり地主国家である。先祖伝来から受け継いだこの土地はいかなることがあろうとも手放さないぞ、これは御先祖様に申しわけない、そういうまことに日本人的な、日本的なといいますかね、あるいは土着的なというのでしょうか、日本の古来からの伝統的な土地観というものが非常にこれまた根強くあることも事実ですね。ただ、そういう考え方が今日通用しなくなってきたのではないかなというような状況が随所に見受けられる。ひとり占めして放さない、これは非常に隣人に対してあるいは社会に対して大きな迷惑をかけておるというような事実があちこちに見られるわけであります。 そんなことを私の考えの基礎に置きながら、以下幾つかの問題についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 最初に、奥野国土庁長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、建設委員会の土地問題の小委員会ができまして、何回か議論を重ねました。そして九月の十日に建設委員会におきまして、地価対策に関する決議、これが八項目にわたりまして実は全会一致でできたわけでございます。その後、十月の十二日に臨調の答申がございまして、十六日には政府の緊急土地対策要綱、これが閣議決定される、こういう運びになるわけですね。その後さらに、野党四党、社会党、公明党、民社党、社民連四党が共同でもって政府に申し入れをいたしております。 そういう経過を踏まえながらちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですが、今回のこの政府の緊急土地対策要綱なるものは、まさに土地臨調の答申を受けて、それを受ける形でできたのが政府の緊急土地対策要綱である。そういたしますと、国会で全会一致で決議されました八項目のこの決議につきましては当然政府は尊重いたします、こういうことであるわけでございますが、これは十二分に尊重される形で地価対策あるいは土地政策に取り組まれておりますか、どうですか。当然そうだろうと思うのですけれども、その辺の国会決議と政府の取り組みについてまずお尋ねをしておきたいと思います。
○奥野国務大臣 十月十六日の政府の緊急土地対策要綱は、いろいろな意見を踏まえて決定されたものだ、その中には当然国会決議も含まれている、かように理解しております。
○坂井委員 決議の一から四までが土地の取引に関します規制、五と六が土地の供給の問題、七は地方分散、八は基本法的な取り組みといいますかね、大体そんなことでこの決議は成り立ってございますが、もう御案内のとおりでありますし、当然尊重されてこれからこれを反映されていくと思いますけれども、ひとつなおしっかりお目通しをいただければ幸いでございます。 その辺も踏まえながらなお後ほどお尋ねをしたいと思うのですが、もう一つその前に、これはきょうせっかく大蔵大臣御出席もちょうだいいたしておりますので、ぜひお伺いいたしたいと思いますことは、竹下総理が総理に御就任になられまして直後、次のように申されました。土地の値段、地価は適正水準になるように努力をしたい。適正水準になるように、こういうことでございました。一体その適正水準というのは、どういう基準を持って、どの程度が適正水準ということで総理は言われたんだろうか。ただ、恐らくは総理の御認識の中には、今日のこの地価狂乱状態をごらんになりながら、これではよろしくないぞと、やはり地価は鎮静、引き下げて安定をさせなければいかぬ、狂乱、暴騰し過ぎたぞ、こういう認識が頭におありになって適正水準と、こう言われたんだろうかな、私は実はそう思うのです。 このことは実は、これは後々の質問でおいおい触れていきたいと思いますが、どうも我が国の経済社会の仕組み、それは土地というものが一番基本にあって、土地そのものが経済の中に仕組まれておるといいますか、土地本位制の経済構造、そういうものがつくり上げられてしまっているように思う。単なる地価の問題ではない、土地といえば土地政策、国土政策という大きな観点もある。しかしこの地価、土地の値段というものが、我が国の経済社会すべてにわたるその基本というか基礎になっておる。土地本位制のというのでしょうかね。企業だって、例えばこれだけの円高不況で大変な折だけれども、なかなか倒産が出ない。なぜかな。やはり土地を持っておる。非常に強い。土地は金になる。土地のある企業には銀行は融資します。大変な不況だけれども、土地があるために地価がどんどん上がる。地価が上がるということはその企業を助けるということで、銀行の融資が企業の経営まで助けておる、そういう実態が、これは実態的にありますね。 そんなことを考えながら、適正水準ということはこれから、これもまた後で触れたいと思いますが、日本が公共資本、特に生活関連の社会資本というものが随分おくれておる。これらをこれからしっかり充実をしていかなければならぬ、国際的にも。このことはまた内需拡大にもつながる。したがって公共事業は、きょうは越智建設大臣も御出席いただいておりますが、これからやはり大いに進めなければいかぬ。その場合にやはり地価、土地の値段、これが非常に大きな要素になるわけでありまして、予算編成に際してもこの土地の水準がいかなる水準が適切であるかどうか、適正であるかどうかということは、公共事業にしましてもあるいは予算の編成にしましても、いろいろな方面に大きな影響力を持つということだろうと思います。 したがって、端的に伺いたいのですけれども、総理は適正水準、こうおっしゃった。確かに適正水準というものは、観念的には、言葉の上では適正でなければいかぬということはよくわかるのです。大蔵大臣どうでしょうか、今の地価の状況をごらんになりまして、全体的に、これはどうも上がり過ぎたからやはり少し低くさせなければいかぬ、地価を抑えなければいかぬ、あるいはもう少し上がってもやむを得ぬぞ、そうは思っていらっしゃらぬだろうと思いますけれども、どんな御認識でいらっしゃいますか。
○宮澤国務大臣 実は私も総理のその発言は伺っておるのですが、直接にどういうことを言われたかをお尋ねするいとまがまだございませんで、考えますと恐らく適正な地価というのは、需要と供給がごく正常な状態においてつくり出す価格ということではないかと思います。 つまり、例えば需要の側に仮需要がございますとか金融の事情とかで需要そのものが非常に不正常になることはございましょうし、供給の側にも何かの事情で供給が極めて困難になるというような場合がございます。そういう異常な場合を除きまして、正常な需要と供給からつくり出される価格を適正な価格というのではないかと思いますが、それは結局、別の言葉で言えばその土地の持っております効用、その効用の価値が正常な場合に評価される、そういうことをいうのではないかと思うのでございます。
○坂井委員 これは定義論みたいな話になるのかもわかりません。またいずれ総理も御出席いただけると思いますので、そのときにこの問題は譲りたいと思います。 それでは奥野長官にお尋ねしたいと思います。 国土利用計画法の規制の問題なんですが、規制区域の指定につきましては大変慎重なお考えのようでございますね。確かに規制区域指定ということを考えますときに、指定要件が非常に抽象的にしかこの国土利用計画法には出ておりませんし、どういう範囲を指定したらいいのかという問題も一つあるとか、あるいはまた第一線の実務に対する負担が大変大きい、さらには周辺地価にかえって悪影響を及ぼすのではないかとか、さらにはこれだけ暴騰したのだからここで規制区域の指定をやったならば高値安定にならぬかとか、私権の制約、憲法上の問題が出ないかとか、あるいは経済の大混乱、これはまさに私申しました土地本位制の経済のそういう仕組みがもうできておりますので、地価が完全に凍結になった場合の経済混乱といいますか、こういうものがなかなか見通しが定めがたい、したがって慎重にならざるを得ないということは十二分にわかります。わかりますが、ただ今回の土地臨調の答申を見ましても、あるいはそれを受けました政府の緊急要綱を見ましても、同じ方向で実は方針をお立てのようなんですね。 つまり、いつでも規制区域の指定ができるように速やかに所要の準備をいたしなさい、こう土地臨調は言われたのですね。で、速やかに準備をします、政府は緊急要綱でそうお決めになった。もし必要な場合においては内閣総理大臣の指示の措置も考えなさい、こうまで土地臨調は言ったわけです。そこで、大事なことは、この伝家の宝刀はそう簡単には抜けないんだ、しかしまさに、必要な措置を速やかに講じて、しかも内閣総理大臣の指示まで考えて、いつでも抜けるようにしなさいよというのが、これは土地臨調、臨調さんの答申でもあるわけです。それを受けて政府も、全くそのとおりだ、こう閣議で御決定をされた。 さてお尋ねいたしますことは、この伝家の宝刀は、あすにでも抜ける、いつでも抜けるような状況にぴかぴかに磨いていらっしゃいますか。
○奥野国務大臣 今お話しになりましたような、規制区域を早く決めろ、厳しい国会の姿勢、政府の姿勢、世論のこれを受けての土地転がしに対する反発、そういうものはかなり大きく関係者の反省の材料になったのじゃないかなと私は思うのです。ですから今、規制区域の問題につきましては若干トーンダウンしてもいいのじゃないかな。準備はしておきなさいよ、これは言い続けておるわけでございますけれども、若干今、数カ月前の状況とちょっと違ってきたのじゃないかなと大変喜んでおるわけでございまして、やはり背景には世論というものが厳しく影響するな、それを皆さん方によってつくり上げていただいたなと感謝しておるわけでございます。
○坂井委員 長官、私はこうお尋ねしておるわけです。ぴかぴかに磨けていますかということで、速やかに所要の準備は整ってございます、こういうお答えになるのか、いやその作業はこれからだ、こういうことでしょうか。
○奥野国務大臣 地方団体に対しまして準備を要請しておるわけでございますから、ぴかぴかになっているところもございましょうし、まだそこまでいっていないところもあろうかと思います。
○坂井委員 そのまた磨けていないところをどうか早く磨いていただきたい。さびた刀は抜こうったって抜けない。なぜ私はこういうことを申し上げるかというと、賢いのですよ、相手は。悪賢いのです、むしろ言えば。ですから、伝家の宝刀だったら毎日毎日抜くものじゃないのです。これはもう一たん緩急、このときにこそ、抜かなきゃならぬときに抜くということですね。そのことのためには磨いていなければ抜けない。さびついた刀であってはならぬということを申し上げておきたい。まさにそのことを臨調は、速やかに所要の措置を講じなさいよ、内閣総理大臣の指示もお考えなさいよ、ここまで臨調が答申をしたゆえんのものだろうと私は思う。 地方自治体の長、都道府県知事ですね、第一義的には知事の権限、責任だ、そうですよ。しかし、知事が伝家の宝刀を抜こうと思っても、政府がその構えをバックアップして共同の責任を負います、安心してやりなさいよということでありませんと、都道府県知事は絶対に抜けませんわ。問題はそこだと思いますよ。それと、抜くぞ抜くぞと言ってさびついて抜けない、向こうはよく知っている。これは政治の不信を招く。 それからもう一つ言いたいことは、我が国の法体系の中で、私は、動く部分と動かない部分がある。肝心なところが動かない、肝心なところを動かす気がない、ここがまさに問題だろう。これだけの狂乱状態で自殺者まで出る。もう社会悪の最たるものです、今の地価の狂乱状態というものは。これに対して政治が伝家の宝刀を抜いて切りつける、まずここのところの法律を動かすという決断ですね、ここが大事だろうと思うのですね。それは決断できる状態にするということですよ、その前提は。それは磨くということでしょう。 余りくどくど申し上げますと、こんなことで時間をとってしまいますので、国土庁は大変御苦労をいただきながら、御苦心をいただきながら、難しい問題がたくさんあることはわかっています、そういう一つ一つの問題を克服しながら、どうかひとつ刀はしっかり磨いていただきたい。これは要請をしておきたいと思います。 なぜか。今長官が、東京都心部等の地価については確かに若干頭打ちで鎮静化というか、そういう方向にあることも事実です。しかし今どうかというと、周辺に飛んでいるでしょう。特に今リゾート地なんかむちゃくちゃですよ。これは我が党は若干の調査をいたしました。本格的な調査を実はやろうと思っております。あんなところがと思われるようなところに飛び火をいたしまして、五倍十倍です。田舎の静かな、きれいなところ、海辺、山辺が。特にリゾート法ができまして、各都道府県最低一つ、我が県のリゾート構想が者あります。全国で約七十あります、今名のりを上げているのは。そういうところへ群がっていった。そんなところが今もう早いところは三倍五倍値上がり。おそれのあるところもたくさんある。したがって私は、規制区域指定というのはまさにそういうところにこの刀は抜くよ、こういう構えをぜひしていただきたい。東京の地価が鎮静してきていますから監視区域制度で何とかいくのではないか、こうおっしゃらずにいただきたい。そうでありませんと、地方の状態が大変になってくる。実態的にはそういうことであるということをひとつ申し上げておきたいと思います。 このリゾートというのは大変魅力がありますね。次の過剰流動性が出たときには恐らくみんなこのリゾートに飛びついてくる構えですね。だからこそぜひ着目をしていただきたい。本当に住民のための、市民のための、地域の人々のためのリゾートになるように、一部の利権屋とか土地転がし、悪い地上げ屋、そういうものの食い物にさせない。土地は公共財ですから。ぜひそういう強い御決意を持って臨んでいただきたい。したがって私は、そのことのためにも将来のリゾート地が食い物にならないような立法上の措置も考えなければいけないのではないか。つまりリゾート法、リゾート整備法、そういうものだけじゃなくて、そういう土地が食い物にならないような何かの法律上の措置というものも必要がな、こんなことを思うわけでありまして、この辺についてはまだよく議論を重ねながら検討してまいりたいと思っておるところでございます。 なお御参考までに、お隣の韓国におきましては土地投機のおそれのある地域につきましては投機防止特定地域指定、投機防止特定地域、この指定をする。今指定したのが十二市十郡。そして投機を抑えている。なぜ韓国がそういう制度を採用したかといいますと、日本を反面教師としてこの制度をつくった、こう言っています。情けないことをお手本にされたものだな。しかし、韓国はこの状況を見て、日本のような地価狂乱、土地が投機財になって大変な状態になってしまうということをどうしても防がなければならぬということで、韓国においては投機防止特定地域、そういう制度をつくったということでありますから、私が今申しましたようなリゾート地域等に対します投機買いを防止するような立法上の措置、そういうこともやはり我が方においてはあわせて考えていかなければならぬのじゃないかと思うわけでございます。 次の問題は、JR用地の処分の問題でありまして、これは奥野長官が、地価高騰の元凶になったのが国公有地の入札である、これは改めるべきである、税収がふえて国の財政事情が好転しているのだから、入札を見合わすのではなく自治体に随意契約で売ればよい、さしあたり国鉄清算事業団所有の汐留貨物駅跡地は東京都に売却して再開発する必要がある。私、全く同感なんですが、こういうお考えには長官変わりはないわけでしょうか。
○奥野国務大臣 汐留の貨物跡地は、昔は東京都が自分で欲しい、こう言っておったわけでございますけれども、今は清算事業団が計画を立てて処分していきたいという考え方になっておりまして、そのことについては東京都も異論はないようでございます。 私は、原則的には土地はできる限り府県有、市町村有が望ましいと考えている人間でございまして、府県や市町村というものは快適な地域社会をつくっていく、これが本来の任務でございますから、できる限り土地は府県や市町村が持っておった方が、変化に応じて快適な地域社会をつくるように利用していくことができる、そういう思いを持っておりますので、基本的には公有が適切だと考えているわけでございます。
○坂井委員 よくわかるのですが、ただ、この土地臨調の答申と、それからそれを受けた政府の決定、閣議決定は、どうも旧国鉄用地、JR用地についてはことしは、今年度ですね、凍結はする。これは一時的な措置である、この地価の狂乱状態に従い。基本的には一般公開競争入札、こういうことで売却しようという方針には変わりはないのだろうと思うのですが、その方針と、今奥野長官がおっしゃる、自治体が計画があればできる限り自治体、地方公共団体に売却するのが望ましいのじゃないかとおっしゃることと、ちょっと矛盾というか方向が違うのですね。私は長官のお考えを歓迎しますよ。ただ、国鉄清算事業団は、例のとおり、国鉄民営化に伴いましてあの赤字、借金をどうするかということで随分議論がありまして、それで国鉄が持っている土地はできるだけ高く売ってそして再建に充てよう、こういうことですね、平たく言えば。それが自治体にと言われると大変困るという考えが清算事業団にはおありなようですね。そこら辺との調整といいますか、これはどうするかという問題も一つあるだろうと思います。 どうなんでしょうか、ですから、実際に地方公共団体に計画があれば優先的に随意契約で売却いたしますよということであれば、地方公共団体は大歓迎だと思いますね。しかし、随契だから値段が安いかというと決してそうではないんですな、これは。時価ですよ、随契で。だから、なかなか手が出ないというのがこれまた実情ですね。したがって、自治体が欲しい場合には随契、時価に近い地価ないし時価に近い随契で売却をするが、その自治体の超過的な持ち出し分については国が何らかの形で補てんをしてあげる、こういう形が一番好ましいのかな、こんな気も実はするのです。 重ねてお伺いいたしますが、奥野長官の、やはりまず自治体を優先的にといいますか、できれば自治体に払い下げ、売却が望ましいのじゃないかというお考えには変わりはないでしょうか。
○奥野国務大臣 日本国有鉄道清算事業団法の際に激論があったように私は聞いておるわけでございます。その中で生まれてきた考え方でございますので、今端的にこうだというような言い方をしますと、またいろいろな反発もあるようでございます。ですから、一件一件の模様を見ながら私なりに適当な方向に持っていってもらわなければならないな、こう思っております。理事長の杉浦さんはよく地方団体の任務、性格というものを御理解になっておりました。二人で話していますと何の異論もないのです。ところが、それを新聞に言いますと、わあっといろいろな異議が出てきまして、なるほど難しいことなんだなと思っておるわけでございます。 やはりこういう公共用に供される限りは、清算事業団は地方団体に随意契約で譲るべきものだ、こう思っていますし、私はその基本方針には変わりはないと思うのでございます。やはり清算事業団も公的な性格を持っているものであって、一般の私的な企業とは違うと私は思うのでございます。同時に、国鉄跡地でありましても、やはり市町村が道路をつくった、下水道をつくったから価値を持ってくるようになったわけであって、そのことも配慮しながら地域の事情に応じて適切に利用されるならば、それを随意契約で利用してもらえるように持っていくことが私は本来のあり方じゃないかな、こう思っておるわけでございまして、時々冷やかし的に高く売れば高くなるほどいいと思っているんじゃないでしょうねと言うたりするんですけれども、そんなこともないと思うのでございますが、やはり激論の後でございますから、いろいろな考え方があると思います。だんだんと一件一件処理を見ながら私なりによい方向に持っていっていただきたいな。理事長の杉浦さんも本当によく理解しておられると私は思っておるわけでございます。
○坂井委員 国鉄再建を議論したあのころは、高いことはいいことだという感じだったことは否めませんね。しかし、今状況は変わったですね、この地価狂乱で。ですから、そういう状況をよく見きわめながら、適切な対応というのは大事だ。特に投機を国はよくないぞといって規制しているわけですね。そういう規制をしながら、国みずからが投機熱をあおるようなやり方は、これはよくないことは子供だってわかる話でして、国鉄清算事業団さん、高く売ればいいですよ、高く売りなさい、まさかそんなお考えはないわけで、だからそれは長官おっしゃっているわけで、そこのところは相できれば投機買いをして、それでもって一もうけというようなことではなくて、せっかく持っておった旧国鉄用地、いわゆる国公用地ですよ、これはやはり自治体、地方公共団体にゆだねて地域住民の福祉のために活用するというのが筋だろうな、こんな実は気がいたします。ただ、国会等におきましてもあのときの議論の経過がありますので、その辺のことにつきましては、これはやはり十分検討を要することであろうとは思います。それだけ一応申し上げておきます。 それから次の問題は、この土地の有効利用と供給促進策といいますか、これについて若干お尋ねしていきたいと思いますが、これも奥野長官が既成の市街地の高度利用をまず進めたらどうか、容積率も限度いっぱいまで使えば住宅はもっとふえるよ、もし必要であれば、場所によっては容積率の引き上げ、これもいいんじゃないか、こう言われたということであります。なるほどそれもごもっともかなと思うんですが、ただ、今容積率がいっぱい使われていない。これはなぜ容積率が消化されないのか、長官はどうお考えですか。
○奥野国務大臣 人口密集地帯などについては、私は思い切った再開発をやってほしいな、そしてむしろ高度地区であれば低さ制限、狭さ制限も行えるわけでございますので、ひとつ見違えるような文化的な地域にしてもらえぬだろうかな、こんな希望を持っておるわけでございまして、それも私は今お尋ねいただきましたことに対する一つの方法ではなかろうかな、こう思います。
○坂井委員 今容積率が三八%しか消化されていないといいますね。私は容積率が消化されない最大のものは何かというと、道路だと思うんです。道です。狭い。狭いものだから容積率、高さ制限とかで規制されますね。もっと広ければ立派に容積率は消化できるというか、有効利用できるのじゃないか。何よりもインフラの整備、道路それから下水道等々、特に道路をどのように整備するか、これが伴いませんと、土地の高度利用、有効利用、容積率の緩和、これはどだいもう絵にかいたもちですね。逆に言いますと、道路の整備をしなくて、環境の整備をしなくて、社会資本を充実しなくて、インフラを整えなくて、容積率だけ緩和して高度利用だといって上へばっと建てますと、東京はもうパンクしますよ。まさに逆に言えば、今三八%しか容積率が使われていないからこそ、ようやくにして東京がひいひいしながら息づいている。消化していないからいいんだ、容積率は。三八%でとどまっているからやっと都市機能としてどうやらこうやら維持できている、これが現状だと思いますね。 例えば環状二号線の問題がよく出ます。なるほど虎ノ門から新橋まで千三百五十メーター、これができない。何でできないのかといったら、やはり土地が高い。わずか千三百五十メーター、これで東京都が試算いたしまして事業費が四千三百億。四千三百億のうちの用地代がどれだけかというと、四千二百八十七億、九九・七%まで用地費だ。建設費は残りのわずか十三億。こういうことだからこの道路はできませんというのが現状ですね、今。これはどうしてつくるのか。せっかくあそこまでできたんです、宮城を中心として。ところがあとの肝心なところができない、だから活用されない、渋滞を起こす、都市機能は麻痺する、目の前にこういう実例もあるわけですね。事例もあるわけですね。 まして容積率といっても、住宅街等へ入っていきますと、随分道路が狭い。私は、日本の道路状況を見て致命的なのは何かというと、数はできたけれども、道路が狭い。非常に狭い。もう質の悪い、そういう道が多い。だから、環境整然とした、人間が本当に住めるような都市環境が整わないのですね。ここだろうと思うのですね。したがって、これからそうした生活関連の公共資本、インフラの整備、とりわけ道路をどのようにしてつくっていくかということは最大の課題だろうと私は思うのですが、これは長官それから建設大臣、お二人のひとつ御認識をまず伺って、どんなお取り組みをされますか、具体策があればひとつぜひお聞かせをいただきたい。
○奥野国務大臣 東京が瓦れきに化しましてからまだ四十二年でございます。当時、これだけの日本になるとはだれも考えていなかったんじゃないかなと私は思うのです。その中で名古屋のようなところは思い切った市街地整備をやりました。都市計画をやりました。反対に、東京はというと、人を非難するようになって悪いんですけれども、学者がその衝に当たっておられて決断力がなかった、こう言われているんですけれども、しかし、そんなことを言うよりも、やはり予想外の繁栄を続けたんだということじゃないだろうかなと私は思います。 元来、町をつくるときには、まず交通アクセス、交通整備をして道路網をつくって、それからどこへ住宅地帯をつくる、どこへ商業地帯をつくるということなんだろうと思うのですけれども、後手後手にきちゃっているんじゃないかなと思うのです。そこで、私は、道路を広げるならやはり区画整理方式、再開発方式をうまくやれれば一番道路を広げやすいんじゃないかな、こんな気持ちを込めて申し上げておるわけでございます。
○越智国務大臣 容積率の問題はお説のとおりであります。ただ、容積率のみ言いましても、お説のように道路の問題、これは斜線あるいは日照、こういう問題がございますので、容積率は三八%でございますが、要は、この際できるだけ再開発をし、また区画整理をする、道路の方は十次五カ年計画を明年度から実施しよう、こう思っておりますから、社会資本の充実をしてよりよい環境をつくっていく、こういうことに努めたいと思います。
○坂井委員 この容積率の緩和、高度利用ということと、それからインフラを整備するということを結びつける、そういう方策というものを考えなければならぬと思いますね。むしろ私は、インフラまずありきくらいでありませんと、都市も何といいますか行き詰まったところを何とか打開しようと思って糊塗的にちょっとそこへ少し何かの手当てをする。そうすると、また何かがどうもうまくいかないので、それをまた少し補うような何かをつけるといいますか、そんなような形でずっと積み重なってきたのが、もうどうしようもない、にっちもさっちもいかない状況にある。こんなことを申し上げていかがかと思いますけれども、実はきのう私は赤坂の宿舎を出まして、国会へ向かおうと思いまして、車に乗りましたらば、あそこで表へ出た途端に動かないのですね。随分運転手さんにも悪いなあと思ったのですね。七分ぐらい動かなかった。前から入ってくる車、こちらから行く車、向かい合ってにらめっこですよ。両側には車が駐車違反ですね。ずらっと並んでいる。大きなマンションがある。こんな狭い道路を行き交いすること自体がどだい無理ですわ。車をここへ置くなと言ったって置きますよ、そりゃ、マンションだもの、人は集まってきますよ。だったらそこへちゃんとした駐車場を用意すべきですね。車が行き交いをするような道路であれば、それだけの幅を確保すべきですね。理の当然ですよ。それをやらなくてそういう状況になっていることも、これまた事実なんですね。そんな状況の中で容積率緩和だなんだかんだといったって、どだい東京めちゃめちゃだなと思いました。 ですから、そんなことも考えていきますと、一つの方策として、例えば今容積率につきましては単体規制、個々の建物について一つ一つの規制がかかっているわけですね、高さ制限と容積率。これは地区単位規制、エリアを大きく広げてみる。建物が幾つか集合して、そしてどんどんつくる場合にはそれだけ容積率を増しますとかいうような形で、容積率の規制を単体規制から地区単位の規制に広げる。そして、そのことによって生まれた用地といいますか、空き地といいますか、それを有効利用する。それは、そこへまた家を建てるというのではなくて、それを道路に使うとか、そういう手法というものはそろそろ考え、採用していかなければ、今の単体規制ではもはや行き詰まったのではないかな、こんな気がするのですが、これは建設大臣にお尋ねすることでしょうか。
○越智国務大臣 先生のお説、ごもっともであります。例えば赤坂宿舎にいたしましても、あれを再開発いたしまして道路を広げればもっと容積率は多くなる、こういうことであります。でございますから、赤坂宿舎のみでなく、あの一画を再開発する、こういう手法でないと今のままでは今以上容積率はない、こういうことであります。
○坂井委員 まことにごもっともだと思いますね。そういうことで考えてみれば、今のような手法で、これだけ行き詰まったといいますか、息苦しいというよりも、もう気息えんえんの状態、これを打開することが、実はあちこちにできるのではないかなというような気がいたします。なお、そのことについては後ほど触れたいと思います。 そこで、これまた極めてユニークなというのか、大胆なというのか、こういうことが可能であるかどうか、運輸省、きょう来ていただいておりますので、ちょっとお尋ねをいたしたいと思いますが、山手線だけで約三十万坪ぐらいあるのでしょうか、あの線路敷が。これを地下鉄にしたらどうかという提案でございます。あれは全線どれぐらいあるのでしょうか。恐らく三十数キロになりますか、三十六キロとか言われますね。青函トンネルが五十四キロ。あれを掘った日本のシールド工法技術というものは世界に冠たるものである。ソ連に参りますと、モスコーの地下鉄が地下五十メーター、大変深いところに地下鉄がありますね。地震がありましても、地下五十メーターということになりますと震動の影響は約半分くらいだそうですね。山手線を全部地下におろしてしまおう。上があきますね。これを有効利用。何に使うか。さらに、中央線も八王子あたりまで地下におろしたらどうだろうか、こういう提案があるようでございます。 まあ、JRさんのことでありますので、JRの方でもいろいろ検討されているかとも思いますが、今のような提案について技術的に可能かどうか、あるいはまた検討されておりますか、どうでしょう。
○丹羽説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の山手線の地下化の問題につきましては、そういう構想を現在、民間ベースで御勉強をなさっていられるということは伺っております。それで、私どもの方でまだ具体的に政府ベースとかそういった形で検討しているわけではございませんが、一般論として申し上げますと、山手線は御存じのとおり割と駅間距離が短いとか、それから自分のところのJR緑ももちろんでございますが、他の私鉄との結節点がいろいろございまして、そういう線区を対象に考えました場合、そこにつきましていろいろな問題点が出てくるわけでございます。 例えば、一つはそこで必要となります空調設備だとか防災施設だとか、あるいは車両基地みたいな問題も大きく出てくるのではないかと思いますが、そのようなことにつきましていろいろ技術面で問題が出てくるのではないかと思いますし、それに、そういうことをすること自身が相当な膨大な投資になるということ、それから、鉄道会社でございますから、地下に一たんそういう線路設備をつくりますと、将来輸送需要が増大したりなにかそういったような場合につきましての線増とか駅のホームの延伸とか、そういった問題につきましては、当然物理的に相当制約を受ける、難しい問題になってくるというようなことがございます。それから、サービス面の問題といたしまして、お客様の乗りかえとか乗降そのものにつきましても、山手線の地下化の構想は約五十メーターと伺っておりますが、五十メーターの深さの話になりますと、そういったサービス面でも相当制約が出てくるのではないか。こんなようなあたりが一般的な問題点として言われている点でございます。 それで、そういう意味でいろいろ問題がございまして、JR東日本の方も相当慎重に考えているという段階でございます。
○坂井委員 慎重でかつ前向きにできるものならばそういうこともひとつ大いに研究、検討してよろしい問題だろうと思いますね。ただ、いろいろ難しいのでしょう。ですから、東京再開発という場合には、上下に延ばす方法と、それから横に広げる、手法は二つでしょう。今のは上下の上、上といったら容積率を緩和して、下といったら地下の方、これだってなかなかそう簡単なものじゃないということですね。 では、横に広げるといえば、例えば臨海部でしょうね。今東京都、四百四十ヘクタール持っておるけれども、ここへ住宅一万二千五百建てましょう、一万二千五百戸、四万四千人くらいという構想をお持ちなようですね。ただいかんせん、なかなかこれも日の目を見るには至っていない。非常に大きな困難がある。何か。やはりインフラです、道路。なかなか行き着くところは、東京のこの高度利用、有効利用、過密というよりも過大というか、この状況の打開というのは大変難しい気がいたしますね。 それで、主業専用地域、これをたくさんというか、かつて千百七十ヘクタールくらい指定いたしましたね。あるいは専用じゃなくて、工業地域、これも相当ある。こういう中の工場が外へ出まして、そして遊休化というか、空閑地として残っているところが相当ありますね。あれはどうですか。実態をお調べになっていますか。
○木内説明員 お答え申し上げます。 先生の御指摘のように、工場跡地をこれから再開発等に利用していくということが大変重要になってくるというふうな認識を持っておりまして、再開発のマスタープラン、大都市でつくっておりますけれども、順次その中に方針を取り入れていこうという作業をしております。 しかしながら、今先生の御質問の工場跡地の、例えば首都圏の三県における賦存量というふうなものを正確には現在まだ把握しておりません。現在調査しているところでございまして、これから調査を急いで再開発の基本方針に組み込んでまいりたいと考えている次第でございます。
○坂井委員 実態的な面を正確に掌握をするということは、今非常に大事なことだと思いますね。かなり動きが激しい状況もあるわけですから。それらを住宅地にするとか商業地にするとかということは別といたしまして、まず何よりも実態的な面をぜひひとつ早く掌握するようなことに心がけていただきたい。 そこで、若干外国における状況を申し上げまして、御見解を承りたいと思うのです。 西ドイツなんか大変うまくいっている面がありますね。あそこは一九六〇年に連邦建設法、これができました。これが都市計画の柱になっている。FプランとBプランという二つの仕組みから成っているようでありまして、Fプランというのは都市全体の基本計画をまずつくる。それに従いまして、Bプランでは地区詳細計画、これができ上がるわけですが、これは地区詳細計画ができるまでに大体一年半から二年ぐらいかかっております。公聴会も開く、住民が参加する、議会の承認を最終的に得なければだめなんです。その間は、開発行為は一切禁止ですね。ですから、不動産業者も手が出ないですね。そういう網を最初にばちっとかける。つまり、計画なくして開発なし、これが連邦建設法の一番柱ですね。こういう手法でありますと確かにうまくいく。 ところが、日本はいいか悪いかは別といたしまして、いわゆる線引き制度でやってきましたね。ですから、今のようないろいろな虫食い現象が出てみたり、一方において過大にそこに集中し過ぎてみたり、なかなか都市計画全体が整然とうまくいかないという面がありますね。ミュンヘンに行かれますと、ごらんのとおりで非常に整然とした町です。東京がいいか悪いか私はここでは即座に言えませんが、ただ、向こうが整然であれば東京は雑然と言ったら適切がなと思うくらいですね。成田の空港の上まで帰ってきて下を見ますと、確かにぞっとしますね。ここらのところが一体本当に都市計画というものがなくて、そして、次から次からという形で乱開発と言っちゃいかぬかしりませんが、都市計画というのは我が方もあるわけで、都市計画審議会もあるわけで、地方にもあるわけで、それはそれなりにやっているんだとおっしゃればそうでしょうけれども、しかし都市におきます地方の審議会は私に言わせれば全く機能しておりませんね。ぜひ実態をお調べいただきたい。都市計画審議会なんて今や有名無実ですよ。本当に機能していません。形だけやっているだけです。本当に聞いてください、この状況を。 ですから、それほど今無力感があるんです。何かというと、余り私権とかどうとか私は声高に言いたくない。ただ、本当に公共的な意識が欠けるうらみがある、土地にしがみついている、放さない。ですから、個々の観念、土地観というものがやはり打開されませんと、なかなか西ドイツのようなこういう地区詳細計画に住民が入ってまででき上がるというような、そういう仕組みにはならないですね。しかし、ならないと言ってここであきらめていてはならないと思いますね。 例えば、私権制限なんて言いますけれども、私権制限というのは、お上から私権制限だというと抵抗を感ずるわけですよ。私の土地を召し上げられるという意識になるわけでしてね。そうではありませんで、住民が、国民が、みんながみんなで考えよう、こういう体制といいますか仕組みといいますか、そういうものをやはり考えなければ西ドイツにも韓国にもイギリスにも笑われると思います。笑われるだけの話ではなくて、こういう状況が私は今後の国際的な摩擦になる心配がある。土地本位制の経済で土地がどんどん上がって、地価狂乱を引き起こしながら日本経済は回転している、こういう批判、そしりを受けかねない状況に今あると思いますよ。 ですから、そういうことも頭に置きながら実は申し上げているわけでございまして、どうでしょうか、もう少し広い意味で日本においてもそういう地区詳細計画というか、ドイツに倣う、そっくりというわけじゃありませんが、今の都市計画というような考え方からもう少し視野を広げて、これに対する考え方を少し大きく持って、例えば観念的にいいますと、頭の中で一つの町、一つの都市を描いて、その都市は全部白紙にしてしまう、建物は一切なし、こういうようにして都市の一つのあるべき姿、ここは住宅地、公園、道路はこういうふうに置きましょう、文化施設はこのように置きましょう、そういうような、これは大胆な一つの発想、物の考え方として申し上げている、それくらいの発想の転換に立った地区詳細計画、私の言葉で言いますと地域創生計画、こう言っているのですが、そういう考え方をこれから導入するような検討にぼつぼつ入ってもいいのじゃないか、この行き詰まり状態を見ながらこういう気がするのですが、どうお考えですか、御意見があればひとつ承りたいと思います。
○木内説明員 先生おっしゃいました西ドイツの地区詳細計画制度は、おっしゃるとおり大変きめの細かい計画が作成されて、それに合っていないと開発を認めないという制度でございまして、西ドイツと我が国と比べますと、御承知のように土地に対する物の考え方、あるいは都市構造が西ドイツの方がコンパクトであるというような情勢の違いがございますけれども、やはり一つはいい制度だという認識は持っておりまして、先生のおっしゃる意味の地区詳細計画とはちょっと違うかもしれませんけれども、昭和五十五年に我が国におきましても都市計画法と建築基準法を改正しまして、西ドイツの制度を参考にしつつ、地域ごとに市町村が詳細な計画を定めまして、建築行為等を規制、誘導する地区計画制度というのを導入、創設したわけでございます。 この地区計画制度は、新市街地整備型を中心としまして最近どんどん数がふえてまいっております。まだ十分ではございませんけれども、大変件数が伸びておりますので、今後とも地域の特性に応じた良好の町づくりのためにこの手法を積極的に活用してまいりたいと考えておるわけでございますけれども、ただいまの先生のお話を聞いてみますと、もっともっと壮大なという感じでございます。この点につきましては、現在こういった時期でもございますので、中央の都市計画審議会の中に都市計画のあり方の研究会というのも設けて、基本的な問題につきまして抜本的な対策を目指しまして結論を急ごうというふうな段階にまいっております。そういうときの参考にさせていただきたいと思います。
○坂井委員 筑波研究学園都市だってああいう構想で始まりましたですね。ですから私は、それをもう少し進めた考え方を持ちながら、どこかモデル的にできないものかな、こんなことを実は描きながらお尋ねしたわけです。 それから、やはりどうしても公有地をたくさん持ちたいなという気がするのですね。アデナウアーさんがかつてケルンの市長をやったときに、大変財政難で苦しんでおったとき、むしろ公有地をどんどん拡大した、買った。それが西ドイツが今日公有地を非常にたくさん持つ一つのきっかけになった、こう言われておりますね。公有地を持つということは一つのクッションですな。調整のためにはどうしても必要ですね。公有地を拡大してうんと持ちませんと、今私が申し上げたような都市計画もインフラ整備もこれはできませんわ。ですからクッションとしてうんと持つんだ。やはり、基本的にはそういう方向が私は望ましいと思うのですが、これは長官、どうですか。
○奥野国務大臣 全く同感であります。
○坂井委員 何とかそういう方向で国民、住民も協力をするというようなことを誘導的に促す、こんなこともこれから都市政策を考える上での研究課題であろうかなと思います。 それから、もう御念に及びませんが、先ほど申しました社会資本、インフラが特に不足をしておる。御案内のとおりでございますが、ざっと申しまして、昭和六十二年の建設白書によりますと、下水道の整備率は、昭和六十一年、日本が全国で三六%ですね。イギリスは九七%、西ドイツが九一%、アメリカは七二%。都市公園の整備率、これはもっとひどい。一人当たりの面積、東京都区部二・二平方メートル、ロンドンはそれに比べて十五倍、西ドイツのボンが十八倍、パリが六倍、ワシントンが実に二十倍。それから道路の整備率、これを道路面積率で比べますと、東京都区部は一三・六%、ロンドンが一六・六%、パリが二〇・〇%、ニューヨークは二三・二%。いずれも公共的社会資本、インフラ、これはもう非常に劣っておるわけですから、したがって、諸外国近代都市のような形には東京はなっていない。行き詰まるような状況になった。うなずけることだと思うのですね。したがって、このおくれをどう戻すか、ここにひとつ最大の力点を置いて取り組んでいかなければならぬと思います。 農地の問題は、時間が迫っておりますのでちょっと割愛をさせていただきまして、次の機会に譲りたいと思います。 地方分散といいますか、多極分散型国土というのは本当にできるのだろうか。おとといですか、また総理が多極分散をおっしゃられた。竹下総理の「ふるさと創生論」なるものも読ませていただきました。まことに賢明な、時代を見据えた提言だと私は思っておりますが、ただ、本当に多極分散型国土をつくるのに中央省庁の一機関が地方に分散しただけでできるのだろうかという素朴な疑問も実は持ちました。 これは、国土庁にこんなことを言っては大変失敬ですが、全国総合開発計画が実に回を数えて四全総、四回目。今日までの各全総計画を見ますと、常に、東京集中はもはやこれ以上放置することはできない、地方分散、多極分散型国土をつくるんだ、こう言ってきた。しかし現実はそうなっていない。ますます東京集中が加速化されてきたのが今日の現状であると思いますね。 なぜそうなのかということですね。今、遷都論とか分都論とかまたなかなかにぎやかになってきましたよ。だけれども、その地価対策から、土地政策が無力だから遷都論でごまかそうかというような聞こえに聞こえてならないですね。本気じゃないですね。それは、遷都論などというのは大変な問題ですから、そう一朝一夕にできるものじゃありませんね。まさに国民的な議論を経て考えるんだと四全総には書いた。そうでしょう。何をやるのかというと、やはり四全総も多極分散型国土形成のためには中央省庁の一部部局、地方支分部局を地方に移転をするんだ、こう書いた。これは竹下総理の言われる一省庁一機関の分散というのと大体同じようなことだろうと思うのです。 首都機能の分散の場合には、常に行政機能の分散ということがまず言われますね、行政機能の分散。しかし、我が国は政治行政のこの仕組みというものが、各省庁は縦割り行政の中だけれども、やはり横に、横断的には相互に依存的な関係がある。しかもそれは、一番もとをただせば、国会はまさに国権の最高機関でございまして、国会の所在地に政治、行政すべての機能が全部求心的に集まる、こういう特殊な状況にありますね。そうなりますと、産業、経済、文化、教育すべてのものがそれに伴ってやはり国会の所在地に集まる。物すごい求心力、吸引力になっている。 私は、本当に多極分散をやろうと思ったら、これまた極端な言い方をするかわかりませんけれども、二つだ。一つは何か。国会が東京からどこかへ行くことですよ。今言ったように、国会の求心力、吸引力、これは大変なものです。国会が出ていく、これが一つ。なかなか出ていかないのだったら、第二国会という手法もないではない。国会が出ていく、これが一つ。 それからいま一つは、地方分権ですよ、これは。本当に国の行財政権限を中央に集中した。地方に行財政権をゆだねるか、渡すかどうか、この決断の問題だと思います。例えば公有水面埋立法だって、私はそうだと思いますよ。あの河川の、これは全部河川なら建設省ですか、海の方なら運輸省ですか、規模によっては地方公共団体にそっくり渡していいものがあると思います。工場の建物の規制の問題というと、国土庁、ああ通産省だ、こういうことですね。事ほどさようで、すべてが行財政権限というのは中央からもうかなり大胆に地方公共団体にゆだねる、それができるかどうかの問題だと思うのです。 ちょっとこれは大蔵大臣にもひとつ御見解をちょうだいできればと思いますが、私が申しました特に今の二点。とりわけ行財政権限の地方への大幅な移譲、これは私はやるべしと。それが多極分散型国土をつくり上げていく非常に大きな力になり得る。我々が与野党一致してさきの地価対策の決議で決議しました中にも、この行財政権限の地方への移譲、これをやるべしというように合意を実はいたしたということがございます。このことに対します御決意、お考えをひとつ承っておきたいと思います。――ぜひお三方、三人の大臣にそれぞれお願いをいたしたいと思います。
○奥野国務大臣 お話はまことに的を射た御意見だと思っています。 国会がまず率先して移転していけば、あとはついてくると思います。同時にまた、戦後、民主化だ地方分権だと言っていましたけれども、最近の模様を見ていますと、中央集権にだんだん来ていると思います。私もやはり、多極分散型の国土総合開発を言う以上は、権限の運用の面においても地方分権の方向に切りかえていかなければならないな、こんな考え方も持っているわけでございます。 多極分散型の国土総合開発は非常に難しいことだとおっしゃいました。そのとおりでございます。しかし、ぜひやらなければならないことだとも考えておるわけでございますので、全力を挙げて努力をしていきたいと思います。
○宮澤国務大臣 ただいま奥野大臣の言われたとおりと思います。 長いこと言われておる問題でございまして、結局それは土地問題もやはりそういうことの結果であるというのは御指摘のとおりでありますから、引き続いて努力をいたしていかなければならないと思います。
○越智国務大臣 副総理、国土庁長官のお話のとおりであります。努力をいたしたいと思います。
○坂井委員 終わります。
○小此木委員長 次に、西村章三君。
○西村委員 土地問題は今日、社会問題の中心であり、かつまた政治の最大課題でもございます。土地問題あるいは地価の問題は非常に間口も広うございますし、奥行きも広うございます。加えて、短期の緊急の対策と中長期の対策は場合によっては相矛盾をする、対立をする、こういう非常に難しい問題もたくさんございます。経験豊かな大臣が就任をされましたので、私どもも大いに期待をいたすところでありますし、また土地問題というのは、我が国におきましてはイデオロギーを差し挟む余地が非常に少ない課題でありますだけに、政府、与党、野党お互いに英知を絞って国民のためにその期待にこたえなければならないと思っております。 そういう意味で、きょうは胸襟を開いて長官に御相談を申し上げるような形で若干御質問をさせていただきたいのでありますが、まず最初に、やはり当面の課題は、何といいましても今最高値にあります首都圏を中心とする大都市圏の地価をどう抑制をするか、さらにこの地価の高騰を周辺都市に波及をさせないためにどうするか、こういうことであります。まず、長官の基本的なお考え方と決意についてお聞かせをいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 おっしゃいましたように、地価高騰を抑制していく、これは今の緊急の課題でございます。同時に、これだけにこだわっておりますと肝心の需給のバランスがいつまでたってもとれない、結果的には開発がおくれていくということになってしまうと思っております。 地価の抑制につきましては、今世論が、土地を投機対象にする、これに対して強い批判を浴びせていただいておりまして、それが背景になって監視区域の指定、土地の売買を届け出なければならない、高値の取引については行政指導を行う、したがって、今日では自粛が一段と進んできている。同時に、融資の面においても厳しい規制を行っていただいている。時には一件一件の売買にまで踏み込んでヒアリングをやってくださっているようでございます。加えて、先ごろ成立いたしました税法改正で超短期の譲渡所得課税の重課、これもかなり効果を上げていると思います。 そういうことから、東京都の二十三区は鎮静に向かった、しかし、なお地方にはおっしゃるとおり波及しているわけでございまして、高級別荘地帯でございますとか、お互いの関係の地域でいいますとやはり京阪奈丘陵地帯、関西学研都市は注意していかなければならない都市だな、こう思っておるわけでございまして、したがいまして、今の地価安定への努力、これはなお続けていかなければならない、こういう決意で臨んでいるところでございます。
○西村委員 政府として地価の抑制や地価の高騰を全国に波及させない、これは当然のことでありまして、言わずもがなのことだと思うのです。しかし、昨日の新聞にも報道されておりましたように、東京都の周辺十二市におきましてはおよそ半年間で六〇%も今なおかつ上昇を続けておるということでございますし、しかも、この首都圏の方は鎮静化の方向に向かいつつあるということでございまして、再び騰貴が起こらないという保証はどこにもないわけでございます。したがって、従来の土地対策というものはややもすれば高値を是認してしまうという方向が非常に強かったわけでございますが、高値を据え置くというのではなしに、問題は地価をいかに下げていくかということが土地対策本来の目的でなければならぬと思うわけでございます。 そういう意味で、本当にもう今サラリーマンがあるいは庶民も希望を失ってしまっておる、これをいかに取り戻すかということでございますし、また、病気に例えますと、今は発熱の重病救急患者、とりあえず熱は少しとめたにすぎない、いかにこれからもとの健康状態に戻すか、あるいはさらに欲を言えば、もっと頑健な体力をつくるかという体質改善にまで取り組んでいくことが必要だと私は思うのですが、長官、いかがでございましょう。
○奥野国務大臣 全く同じような考え方を持っているわけでございます。需給が投機その他でバランスを失して熱を出してしまっている、熱だけを抑えてはかりおりますと、体が壊れてしまうのではないかな、こう思っております。
○西村委員 そこで私がお尋ねをしたいのは、限られた時間でございますので、地価抑制の切り札といいますか、最も効果的な措置として、国土利用計画法という法律があるわけであります。その運用の問題についてお尋ねをするのでありますが、ちょうど昨年の三月に国土庁は今回の急騰地価に着目をいたしまして規制区域の指定を東京都に要請をされた、持ちかけられたと伝えられておるのです。しかし、結果的にはこれは東京都の方が拒否をされ、お断りになったということでございますが、これは過去のことでありますけれども今後にいろいろな問題を含んでおるように思いますので、この際、その交渉の内容だとか、あるいは経緯でありますとか結果について、いささか具体的に御説明をいただきたい。
○片桐説明員 東京都心の地価高騰が五十九年から六十年ごろにわたりまして始まったわけでございます。それで、私ども東京都と国土庁の間で六十年の十二月に地価高騰対策連絡会議というものを発足させました。その中で、特に当時地上げが非常に激しかった千代田区の西神田地域等につきまして具体的にいろいろ内容を検討いたしまして、ここにおいてこの国土利用計画法の規制区域を発動したらどうだろうかということを東京都の担当者と国土庁の担当者の間でいろいろ議論をしたわけでございます。 その議論の過程で、東京のような既成市街地が非常に広範に連続しておるようなところで規制区域を発動するということにつきましては、特にその線引きのやり方が非常に難しいということがいろいろ検討した結果わかりまして、規制区域を東京で発動するのはなかなか難しい、とりあえずの対策といたしましては、国土利用計画法で全国一律に実施しております届け出勧告制、これが市街化区域二千平米ということでかなり網の目が粗いわけでございますけれども、東京のようなところではこれをもう少し細かくしていろいろ監視を強化してはどうだろうかという結論に達しまして、東京都の方でとりあえず条例をつくりまして、それで監視区域に似たような制度を昨年の十二月から施行したということでございます。それを受けまして、今度は国の方で国土利用計画法の改正ということを計画いたしまして、前の通常国会で監視区域を成立させていただきまして、これをことしの八月一日から実施しているわけでございます。 この監視区域の制度を、区域の指定の拡大それから届け出面積基準の引き下げ、こういうことで監視区域の運用を強化して地価の抑制に努力をしている状況でございます。
○西村委員 線引きは難しいということなんですが、要因はそれだけではございません。いわゆる事務量が非常に増加をするということでありますとかあるいは買い取り請求に対する財源措置の裏づけがない、こういうことも自治体が規制区域の発動に踏み切れない大きな原因になっておるわけでございますが、規制区域の指定にはそういう消極的な面を取り除くための努力をしなければならぬと思うのでありますが、国土庁としては具体的な対策を考えておられますか。
○片桐説明員 国土利用計画法の施行に関するいろいろの費用につきましては、従来から交付金を交付しているところでございます。そこで、もし規制区域の指定を行う場合には地方公共団体の事務の増加が非常にあるわけでございますけれども、それに必要な事務費、それからまた、これは買い取りの場合の起債を認めるということになっておるわけでございますけれども、その起債の利子の支払いに要する経費等につきましても的確に対処するため必要な措置を講ずる予定でございます。
○西村委員 その交付金、補助金の額だけではなしに、実際に買い取り請求に対する財源ということになりますと非常に膨大なものも予想されるわけでございまするから、これは今すぐというわけにはまいりませんけれども、この問題を解決しない限り自治体が主導でこの適用ができないということを銘記をいただいて、ぜひ御検討をしていただきたいと思うのです。 しかし、そういったことと別に、これは十二条の関係でありましょうが、国土法十三条では、国が都道府県知事に規制区域を指定させ、それに従わない場合は国みずからこの指定ができるという規定がございます。この時点でどうして東京都に対して適用がされなかったのか。いわゆる十三条の総理大臣の発動に関する件でございますが、これはどうなっておりますか。
○片桐説明員 まず国土法第十三条の規定に基づく内閣総理大臣の指示代行権でございますけれども、これは国土利用計画法の成立当初の国会審議等も踏まえまして、私どもといたしましては、地方自治の本旨にのっとりまして都道府県知事の権限を最大限に尊重するという考え方でございまして、この行使は非常例外の場合に限定されるものというふうに考えている次第でございます。 昨年の春に東京都といろいろ相談した場合も、東京都のいろいろな困難な事情ということも考えまして、東京都の意見を尊重いたしまして監視区域の制度の創設という方向で実施したわけでございます。私どもといたしましては規制区域の指定はすべての土地取引が許可制になるわけでございまして、審査件数が膨大となるというようなことでございます。知事が納得しないまま内閣総理大臣の指示権を行使するということは事実上困難なのではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○西村委員 説としてわからぬこともないのでありますけれども、規制区域のいわゆる指定要件であります著しく地価の高騰している地域、あるいはそのおそれのある地域、それから投機的な取引が集中的に行われている場合、この適用条件がその時点では今指摘のありました地域についてはあったと思うのです。それがどうしてその合意に達しなかったからというだけで発動ができなかったのか。これはどうですか。
○片桐説明員 規制区域の発動の法律上の文言につきましては、委員御指摘のような条文でございまして、極めて抽象的に書いてあるわけでございます。それで、この条文の解釈につきましては非常に幅があるということで、指定権限者の裁量の幅といいますか、そういうものが非常に大きいのではなかろうかというふうに判断している次第でございます。したがいまして、その条文の解釈のほかに、いろいろな事情を考慮しながらその規定の発動ということを検討していきたいというふうに考えております。
○西村委員 先般NHKテレビで、緊急特集「土地はだれのものか」というのが数週間にわたって続きました。その中でたまたま討論会がございまして、鈴木都知事と綿貫国土庁長官、これはテレビ参加でございましたが、私拝見をさせていただいた。 そのときに、規制区域の発動についてそれぞれ発言がされております。この際、御参考までにちょっと御披露申し上げさせていただきますと、鈴木都知事はこう言っておられるわけです。「国土利用計画法は、知事が指定するというやり方のほかに、総理大臣が都道府県知事に指示するというやり方も規定しています。この制度の実施には、財政措置などについて国の協力が不可欠です。ですから、国土庁長官に「やるか、やらないか」という決心をしてもらわなければいけないんです。」 そして、この発言に対して綿貫国土庁長官は、今土地局長からもお話がありましたが、「自治体の判断というものを重視していかなければならない。」「それから、東京都の場合も、去年の春に値上がり現象が激しい地区が出たものですから、これはひとつ、規制区域をやろうじゃないかと、国土庁のほうから持ちかけたんです。そのときに、今までは規制区域というのは開発中の新市街地に対して適用するという方向だったんですが、既成の市街地においてもこれを適用できるようにしようではないかということで、通達をそのときに改正したんです。要するに、「伝家の宝刀はなるべく抜きたくはないけれども、いつでも抜けるぞ」とピカピカに磨いたんですね。しかし、東京都のほうでは「抜かないでくれ」ということでした。それではということで、小規模の取り引きをチェックする〝監視区域制度〟というような形のものを法律でつくるから、その前提として東京でも条例制定をしてくれないかと、国土庁から持ちかけたんです。それにこたえて東京都には一二月から規制――ある程度小規模な取り引きのチェックをする条例が制定されたわけです。」と長官はおっしゃっているわけで、全くこれは、どちらも相手方の責任だと言わぬばかりの討論でございました。 この討論を聞いて、驚き、かつ私は問題だと思いましたのは、一つは、従来の国土法十二条では東京のような既成市街地は対象として入ってなかった、したがって四月十五日付の土地局長通達で初めてこれが発動できるようにしたという問題点が一つ。これはいわば伝家の宝刀というものはさびついておった、こう申し上げても過言でないと思うのです。二つ目は、監視制度もこの過程で検討されて、ことし六月に国土法がやっと国会で改正をされました。やっとその施行が八月からということでございます。 二つのこの事実関係というものは、いわゆる地価上昇に対する国土庁の立ち上がりあるいはその対応が遅過ぎた、遅きに失した、あるいはその国土法の弾力的なあるいは機動的な運用というものに対して研究やら整備を若干怠っておったのではないか、こういう気がしたわけであります。特に今、小規模面積のいわゆる監視区域の制度というものが、東京を中心に届け出面積を非常に小さくして網がかけられておって、これが非常に有効に活用されておるということを考えますと、なぜもっと早く法の整備をしていなかったか、私は非常に残念だと思うのです。 もちろん、これは国土庁だけの責任ではございません。我々立法府の方も当然襟を正してこの責任については痛感をしなければならぬわけでございますが、ともあれ、国と東京都双方の責任転嫁が互いにタイミングを外してきた、地価対策におくれをとったということについては間違いのない事実だと思うのですが、長官の率直な御感想をこの際聞かせていただきたいと思うのです。
○奥野国務大臣 おっしゃるとおり、もう少し早く監視制度に踏み切っておれれば、またそういう態勢をとっておれればよかったなと思っています。
○西村委員 土地問題、地価問題というのは、今回の対策だけがすべてではございません。いわゆる二十一世紀にまたがる国土の均衡ある発展、あるいは豊かな生活というものの最大の基盤になるものでございまするから、ぜひ、今後は対応におくれのないようにしていただきたいということを切に要望申し上げておきます。 そこで、長官にお伺いをしたいわけでございますが、御就任早々各社からいろいろインタビューをなされまして、いわゆる国土法の運用の中の規制区域について発言が報道されております。私も幾つか拝見をさせていただきました。規制区域の発動で地価の抑制はすべきではない、こういう発言が趣旨だったと思うのでありますが、その真意は一体どこに置いておられるのか、まずお聞かせをいただきたい。
○奥野国務大臣 規制区域の指定を行う前に監視区域の指定を行っている、取引を届けてもらう、その届け出が適正でなければ勧告をする、こういう誘導方式で是正を図っていくべきじゃないか、権力を使うのはもうどうにもならない場合に限られるべきじゃないか。幸いにして、監視区域の指定が国民の間に理解されて、行政指導を受けると取引をやめる、あるいは値段を下げる、勧告に至るものはほとんどないということでございますので、やはり伝家の宝刀は伝家の宝刀として容易に抜くべきでないな、また抜かざるを得ないような事態を招かないようにしなければならないな、こう思っている次第でございます。
○西村委員 現在の監視区域だけで何とかこれを食いとめたい、最悪の事態には備える必要がある、しかも、自由な社会を維持していきたいし、あるいは権力行使はしたくない、こういうことでございます。私どもも規制区域の発動につきましては慎重でなければならぬと思いまするけれども、土地は、先ほど同僚議員からもお話のありましたとおり、これは国民共有の公共財産でございます。一般の商品と違いましてこれは生産ができない。したがって、これの所有あるいは利用または処分ということに対しましては、当然一定の私権の制限を受けるべきものだというふうに考えるわけであります。 そういうことから考えますと、当然のことながら、これはもちろん私どもも自由な社会を期待をいたしておりますし、権力行使もやりたくないけれども、しかし、そのことのために、公共の福祉を守るためにやらざるを得ない、こういう場面も出てくることが当然予測をされるわけであります。政府の緊急土地対策要綱、この中にも速やかに適用するための準備をするということがうたわれておりますし、私どもは、先般決議をいたしました建設委員会のいわゆる超党派の要望の決議の中でもこれが出ておるわけでありますし、政府は当然そのことをそんたくをしていただいていると思いますが、そういう意味で私どもは、この規制区域の発動というものには万全の準備体制をとってもらいたい、こう思うわけでございます。 それから、先ほど長官は、規制区域の指定よりもむしろいわゆる土地の高度利用だと、こうおっしゃっておるわけでございまするけれども、しかし、この高度利用というものもすぐさまそれが可能かというと、そうでもございません。土地の大量供給もそうでございまして、例えば今、いわゆる農地の宅地並み課税ということで農用地の宅地への転換、これが強く求められておりますけれども、これもほとんど今困難な状態に陥っております。長官御承知のとおりであります。それから都市のいわゆる住宅供給のための住宅・都市整備公団、これも非常に未利用地を抱えたりあるいは空き家の団地をたくさん抱えて四苦八苦だ、こういうことからいたしますと、すぐに高度利用や供給というもののめどもなかなかつきにくいということがここに一つ挙げられてまいります。また容積率問題も先ほどお話のあったとおりでございまして、交通の渋滞問題あるいは水資源の問題、下水道の施設の問題等考えますと、いたずらに直ちに容積率を高めましてもこれは十年先の話でありまして、なかなか容易なことではない。そういたしますと、むしろ今当面緊急に要請をされております地価の抑制のためには、あるいは将来にまたがる土地の長期の供給ということを考えますと、むしろこの時点で地価を抑えるための規制区域の発動というものは必要ではないのか、こう私どもは解釈をいたしておるわけでございますが、長官のお考え方はいかがでございましょうか。
○奥野国務大臣 地価が急激に高騰した、お金がなければこれを投機対象にしにくいと思うのですけれども、融資の規制というのは私は非常に効いたのじゃないかな、こう思っています。それと同時に、土地を投機対象にする、土地転がしをする、そういうものじゃないよ、しきりに今西村さんも土地の特性をおっしゃっていただきました。こういう世論も、私は業界の皆さんたちの反省の材料になったのじゃないかな、こう思うわけでございます。 やはり、基本的には需要と供給の関係で価格というのは決まってくるのじゃないだろうかな、供給が多くなってくれば自然土地は値下がりする。現に二十三区内ではかなり値下がりしているところもあるそうでございまして、業界の方々からそういう具体のお話を伺ったこともございます。とにかく高値安定ではいけない、私も同様に考えているわけでございますので、そういう方向を目指してこれからもいろいろ知恵を絞っていきたいと思っております。
○西村委員 私も今長官がおっしゃったようなこと、理解できぬでもございません。しかし、宅地の大量供給ということも非常に難しゅうございます。またオフィス需要に対して、これも供給をもって対処していくという基本的な方向はわかるのでありますけれども、東京臨海部の開発にいたしましてもまだ十年やそこらは容易にかかるであろう、その間にまたまた土地が急騰するというようなことも考えられるわけですから、そういう意味で規制区域の発動につきましてはぜひ万全の準備をおとりを願いたい、私はこう思うのです。 まして私が遺憾に思いますのは、長官御自身がいわゆる規制区域の指定に否定的な姿勢を示されたということ、これは地価の抑制に対する熱意に欠けるのじゃないかというような印象を与えかねない、こういう意味で非常に憂慮をいたすわけでございます。現在、御承知のとおり、規制区域の発動につきましては、去る十月の二十七日からですか、一都三県の都市政策担当者、国土庁が入りまして今規制区域の検討会議を発足させたばかりでございまして、ことし中に中間報告を行いたい、でき得れば来年三月ごろに最終報告を出すようにということで鋭意御努力をいただいておるさなかに、長官が御就任早々みずからが規制区域は一切発動しないのだというようなことが果たして皆さんの御理解を得ることができるのか、最大の責任者のあなたでありますだけに、私はあえてそのことを申し上げたいわけでございます。 伝家の宝刀は抜かないのが宝刀である、こういう発言もなされているようでありますが、これはもう否定する意思はないと言い切ったのと同じでございまして、私どもが一番恐れますのは、今回の地価の狂乱の一つに、規制区域の発動は絶対あり得ないのだという認識が一部の不動産業者あるいは一部の開発会社にあったことも事実でございまして、まさかこれは政府もようやらないだろう、こういう甘い受けとめ方といいますかこの考え方をさらに助長せしむるものでございまして、私どもは非常に心配をいたしておるのです。私は若干、長官は御就任早々ちょっと言い過ぎた発言ではないかと思うのでありますが、言い過ぎた部分はお取り消しなされる御同意はございませんか。
○奥野国務大臣 いろいろ御注意いただきましてありがとうございました。やはり政治は後手に回ってはいけないわけでございますから、伝家の宝刀を抜かなければならぬという場合には先手をとって抜くべきものだ、こう思います。私の申し上げておりますのは、そういう事態の起きないように最善のいろいろな手当てを尽くしていきたい、こういう考えでございますので、御理解をいただいておきたいと思います。
○西村委員 時間が残り少なくなってまいりましたので、若干問題を飛ばしまして、先ほど来申し上げておりますように、規制区域の発動につきましてはいわゆる十二条に基づく知事の権限と、内閣総理大臣の、これは実質的には国土庁の長官でございますが、判断で規制区域の指定ができる、こういうことになっております。しかし、先般の東京都との経緯がございましたように、片方の方は自治体の意向を尊重する、片っ方は財源がないから政府がやるべきだ、こういう中で、国土庁には若干失礼でございますが、強いリーダーシップに欠けるんじゃないかと思うわけでございます。それは無理からぬことでございまして、国土庁の構成が、ほとんどの職員が各省庁、十九省庁からの出向者であります。ましてや、その出向の方々は大体平均二年だ、非常に短期の出向者が多いようでございまして、どうしてもこれは、事なかれ主義と言うと語弊があるかもわかりませんが、そういうことに陥りやすい、仕事に対する熱意がややもすれば盛り上がりに欠けるのではないか、こんな懸念もいたさぬでもございません。 加えて、縦割り行政というのも国土庁の立場を非常に弱くしておる一つの問題でございます。土地の問題、非常に各省庁にまたがる問題多うございます。国公有地の問題は、国鉄用地を中心にして運輸省、あるいは農地の問題は農林省、森林の問題は林野庁と非常に広さにわたるわけでございますだけに、この利害の対立にややもすれば阻まれる。今までも幾つかそういう苦い経験がございました。 しかし、これからの二十一世紀を目指す日本の国土の発展ということを考えますと、土地問題、地価の問題はまさにこれはもう中心的な課題でありますだけに、強力なリーダーシップを発揮していただかなければならないわけであります。その中心が国土庁でありまして、その国土庁の今後の機構の問題、あるいは抜本的な機構の改革といいますか改善といいますか、これをやらなければこのことがなし得ないような気がいたしておるわけでございますが、検討の余地があるんでしょうか。
○奥野国務大臣 国土庁設置法を見てまいりますと、関係各省に対しまして国土庁長官が旗振り役を務めることができる根拠規定を置いているわけでございます。同時に国土行政は各省にまたがっておるわけでございますので、おっしゃるとおり、各省の出向者で構成されております。そのことは、ある意味においては運用上都合がよいんじゃないかな。幸いなことに各省は優秀な人材を国土庁に送ってくれているようでございます。でございますので、この体制でやらせていただきたい。 しかし、なおやりやすいようにするために、先般土地対策関係閣僚会議が設けられ、しかもその中には与党の首脳部が皆入っていただき、しかも総理大臣が座長として主宰してくれるわけでございますので、ここで決めたことは私は必ずや成果を上げられるものだ、こう思っているわけでございますので、私もそういう機関を活用しながら国土庁の施策を各省にそのとおり実施していただけるように努力していきたいと思います。
○西村委員 最後にお尋ねをいたしますが、これは監視区域の適用の拡大の問題でございます。 今日、着々とその指定がなされまして、それなりに大きな地価抑制の効果を上げております。いわゆる後手後手に回らない予防の措置として、多少早目にこれを措置していくということが大変重要なことだと思うのです。 先般長官は関西へ御視察に赴かれて、関西文化学術研究都市あるいは関西新空港の現場をごらんになったわけでございますが、既に関西圏、近畿圏におきましてもそういったところを中心に地価が今著しく上昇いたしております。今後さらにこの建設が急ピッチで進んでまいりますと、なお一層その傾向が顕著になるものだと心配をいたしておるのでありますが、これら関西新空港の地元地域あるいは学研都市、花と緑の博覧会のイベントの開催地、こういったところにかけていく今から御用意がございますか。
○奥野国務大臣 私も西村さんと同じような気持ちを持っておるわけでございますし、国土庁もそういう気持ちで地方団体の指導に当たっているわけでございます。大阪市も十二月一日から監視区域の指定を行ってくれることになっておりますし、その他の地域でありましても、仮に五%、六%だから大したことじゃないじゃないかという気持ちは間違いですよ、こう申し上げておるわけでございまして、早く準備を整えていつでも指定できるようにしてくださいよと言い続けておるわけでございます。これからも十分注意してまいります。
○西村委員 これからのいろんな建設計画すべてに支障を来す問題でございますので、できるだけタイミングを外さないように指定をしていただきますことをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小此木委員長 次に、中島武敏君。
○中島(武)委員 今度の地価高騰の特徴は、七三年、七四年の日本列島改造論による全国的な地価高騰とは違って、東京都心部から始まって周辺区に及び、さらに全国の大都市へと広がっていったということであります。事態の深刻さは一刻の猶予も許さない状態であります。東京都民を初め大都市の住民は地価高騰の犠牲にされております用地上げによって、また固定資産税、相続税の値上がり、地代家賃の値上がりによって今や大都市から出ていかなければならないほどの直撃を受けております。 ことしは国際居住年でありますが、その目的とするところは、ホームレスの人に家を保障する、こういうことでありますけれども、逆に家からほうり出されてしまっている。特に年金生活のお年寄りは打撃が大変大きいわけであります。東京にマイホームを求める夢は完全に打ち砕かれてしまいました。欠学年学校さえ出現して、ビルより友達が欲しいというのは都心の子供の切実な声になっております用地価を引き下げて人間の住める東京をというのが東京都民の切実な要求であります。 地価をこのように引き上げたものに対する国民の怒りは非常に大きい。私ども日本共産党としては、地価高騰の原因は大きく言って二つある。一つは、東京を内外大資本の国際金融情報都市、二十四時間都市にするという思惑に基づいて、不動産業界を中心に大企業が金融機関の無制限の融資を背景にしてオフィスビル用地買いに走り出し、土地を投機の対象にしたことであります。もう一つは、東京一点集中政策といわゆる中曽根民活であります。東京における内外大資本グループのオフィスビル要求に応じた容積率、用途地域変更などいわゆる規制緩和、国有地の払い下げがそれであります。共産党はこうした原因と責任、これを徹底的に究明して、人間の住める東京をつくらなければならないと改めて決心をかたくしておるわけであります。 以下具体的にお尋ねしてまいりたいと思うのですけれども、委員長、ちょっと資料の配付をお許しいただきたい。
○小此木委員長 どうぞ。
○中島(武)委員 この資料に七つの地域が載せられております。西新宿六丁目、西新宿八丁目、新宿区左門町、千代田区西神田三丁目、港区浜松町一丁目、中央区箱崎町、台東区上野七丁目、ここの地価高騰のここ三年間の傾向、例えば西新宿とかあるいは浜松町ではどうなっておりますか。
○片桐説明員 突然の御質問で、私ども今手元にその関係の地価公示の資料を持っておりませんので、後ほど調べて資料をお届けしたいと思います。
○中島(武)委員 あらかじめ申してはいたんですけれども……。 例えば地価公示でいいますと、西新宿ですが、これは六丁目、八丁目というのはちょっとないものですからすぐ近くの七丁目をとりましたけれども、五十九年と六十二年、この三年間の比較をしますと、何と六・二一倍に上がっているのです。それで、新宿の商業地の平均は三・一四倍です。ですから、この三・一四倍というのは三年間にこれは大変な値上がりなんですけれども、それをはるかに超えて六・二一倍、こうなっているわけです。それから浜松町一丁目もなかなかとりにくいものですからすぐそばの新橋二丁目をとってみますと、これまた三・九六倍です。それで商業地の平均は三・〇四倍、こういう実態にあるのですね。 なぜこれらの地域がこんな極端な大変な値上がりをしていると長官はお考えでしょうか。
○奥野国務大臣 背景にはやはり需要があって、その需要を受けてオフィス床をふやしていきたい、しかしその土地がないものでございますから、住宅地帯まで買っていかざるを得ない。そこへ金余りでございますので、土地投機現象が起こる、土地転がしに発展していく。これがほんの数年の間に数倍に値上がりするというような悪現象を招いたんじゃないかな、こう思っております。
○中島(武)委員 実際、けさほどからも議論はされてきているのですけれども、やはり東京を国際金融情報都市にする、それで、四全総では若干トーンダウンしましたけれども東京圏で四千ヘクタールの床需要がある、その前の東京首都改造計画、この場合には二十三区で五千ヘクタールを超えて床需要がある、こう言ってあおるわけですね。そして、今挙げたところは、これはちょうど再開発が予定されている地域なんです。そうすると、もうその再開発を当て込んでどんどん土地買いに走る、こういう実態なんですね。これが偽らざる実態で、こうした平均商業地よりもさらに驚くべき倍率で値上がりがしているという、その中身なんですね。 それで政府にお尋ねしたいのですけれども、三井不動産や三菱地所、あるいは住友不動産、非常に大きな不動産会社なんですけれども、こうした会社も土地買いに走っている、土地を買いあさっているというふうに巷間伝えられております用地上げもどんどんこういうところはやられているということが言われているのですけれども、政府の方としてもお調べになっておられますか。
○奥野国務大臣 大手の企業がどういう動きをしているかは知りませんけれども、大手の企業が必要なオフィス床を供給していくという責任感を持って行動しておられることには間違いはないと思います。ただ、土地の所有者は非常に大勢になっているようでございまして、百平方メーター未満の土地所有者が全体の三割から四割だといいますから、いろんな不動産業者が、ある程度の広い土地を確保しませんとビルを建てられないわけでございますので、その中でいろんな動きがあっただろうなというふうに私も推測しているわけでございます。
○中島(武)委員 地価対策を本格的にやるためには、だれが、どこで、どんなふうにして地価を引き上げるということをやっているのか、そういった具体的な点を明らかにすることが何より大事だというふうに私どもは思うのです。 それで、実は共産党東京都委員会がやったのですけれども、この問題についての調査を行いました。大変な労力とそれから時間を要したのですけれども、ことしの七月から十月にかけてですが、とうとうこれをやってのけたのです。東京都心を中心にして十五区六市四十二地域、約二万筆に及ぶ土地登記簿とそれから聞き取りによる調査をやったのです。調査は一筆一筆丹念に拾うというやり方ですからなかなか大変なんですけれども、しかし、そういうやり方をついにやって、非常に重大な結果がわかってきました。それをこれからちょっと簡単に申し上げたいと思うのです。 千代田、中央、港、新宿、台東の五つの区における七つの地域なんですけれども、ここの買い占め総面積というのは約七万平方メートル、七万二千七百平方メートル。買い占めのトップはだれか。住友グループなんですね。七千五百平方メートル。それから第二位がフジタ工業グループで、約六千平方メートル。それから第三位が三井グループで、三千平方メートル。第四位が森ビルグループで、千四百平方メートルということがずっとわかってきました。 今お配りした資料をごらんいただきたいのですけれども、これを見るとわかりますように、上の方から、例えば西新宿六丁目、六十五筆一万一千五百平方メートル、主な法人数三十五社。三十五社がここにひしめき合って土地の買い占めをやるわけであります。ここに挙げた七つの地域の場合には全部で六万七百平方メートルという買い占めを行っておるわけであります。 調査をきちんとやっていらっしゃらないようですけれども、大体こういうことだということは認められますか。
○片桐説明員 現在、地価が急激に上昇している地域につきまして具体的に申しますと、東京都では六十一年の一月から東京都の十一区につきまして、それから六十二年の一月からは東京の二十三区及び三多摩の二市につきまして、土地の取引につきまして網羅的に、不動産登記簿に記載された事項をもとに調査をいたしておるわけでございます。それで、その調査結果を踏まえまして、関係省庁とも十分連絡をとりながら、金融機関、不動産業界の指導を行っているところであります。また、国土利用計画法の違反等の事実もないかどうかということも調査をいたしておる次第でございます。
○中島(武)委員 その調査結果で、私が今述べたように、大変よく知られている大企業の不動産会社、ここがどんどん買い占めている、そして、これが地価高騰の原因だというふうには土地局長は思わないのですか。
○片桐説明員 先ほど紹介いたしました調査の中で、六十一年の一月から十二月までの調査結果につきましては、一応の集計をいたしまして公表した次第でございますけれども、その中でかなり、法人による転売件数というのが相当の割合になっておったということは事実でございます。
○中島(武)委員 私は、こういうのは具体的に調べて、長官、やはり率直に言って国民の批判にさらすといいますか、国民の前に明らかにするということが地価をこんなどんどんつり上げるのを防ぐ上で一つの非常に効果的な方法だと思うんですね。私はぜひ長官に、そういう実態を具体的に明らかにして、そしてそれを国民の前に明らかにする、本委員会にもやはりどんどん資料を提供することが必要だというふうに考えるのですが、どうですか。
○奥野国務大臣 大手の建設業者は必要な需要を満たす社会的な責任を持って行動しておられる。そのためには相当な土地が必要だ。土地が非常に零細に所有者が分かれておるということになりますと、ある程度まとめて買ってもらったものからさらに買い取ってくるというようなことになって、たくさんの不動産業者がひしめき合って土地投機に拍車をかけたのじゃないかな、私はこんな推測をしておるわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、それが不穏当だということで不動産業協会にも申し入れをしたり、宅地建物取引をやっておられる方々の協会にも申し入れをしたり、厳しい世論もあったりして今は自粛していただいているという格好になったのじゃないかな、こう思っているわけでございます。
○中島(武)委員 今お示ししたようなこういうすさまじい値上がり、こういうことになってきますとどんどん地上げはされるし、出ていかなければならない。本当に住むことができなくなってしまう、そういうふうになるんですね。しかも二、三年の間に何倍というような値上がりということになったら、それがいろいろなことに影響して本当に住めない東京になってしまうということは私が冒頭申し上げたとおりなのです。 そういう点からいって、こういうことを振り返ってみてこれから先のために私は言うんですけれども、あの世論で非常に要求の強い規制区域制の発動ということは必要なかったというふうに思いますか。今まで監視区域制を、最近ちょっとやっているということなんですけれども、現実にはどんどん上がってしまっているんですよ。私は規制区域制を発動するべきであったというふうに思っているのですけれども、長官はどうですか。これでも発動する必要はなかったというふうに思いますか。
○奥野国務大臣 一つの手段だけで成果を上げられるとも思わないわけでございまして、やはりいろいろな成果が総合して成果を上げることができる。一番大きなのは、やはり世論が背景になったのじゃないかな、私なりにそう思っているわけでございますけれども、監視区域の制度にしても融資の規制にしても、もうちょっと早くやっておったらよかったなという思いはぬぐえません。
○中島(武)委員 しかし、実際問題としてこの三年間はすさまじいです。今資料で申し上げたとおりなんですけれども、結局私は、監視区域制とかそのほかの、世論の力というのは非常に大きい、しかし世論の力がいろいろあってもこれだけ上がったのですから、これに対して行政の側は手を打つ、手抜かりなく打つということが必要だったと思うのですね。監視区域制も発動しているのですけれども、実際言って、国土庁からいただいております今局長が言った資料を見ましても、三百平方メートル以下というのは何と九〇%ですよ。三百を超えるというのは一〇%なんですよ。それで、百平方メートルに落としても、この国土庁の資料によりましても大変な、五割から六割という程度が百未満なんです。やはり漏れてくるのです。そうすると、本当にこれをやろうと思ったらその規制区域制を発動する、これは必要だと思うのですね。長官は、この伝家の宝刀は余り抜くべきではないんだということを言っているのですけれども、そういうことを言っているとどんどん上がっていってしまうのを防ぐことはできないのじゃないでしょうか。
○奥野国務大臣 先ほど来繰り返し申し上げておりますように、後手をとらないように先手先手、十分注意しながら、見守りながら打つべき手は打っていくようにいたしたいと思っております。
○中島(武)委員 もう本当に、世論の声でも手おくれじゃないかという声があるぐらいなんでありまして、今まだこう慎重にしておられるというのは、結局まだまだ値上がりを放置しますよ、さあ、もう住めない人は出ていってくださいと言うに等しいと私は思うわけですね。 では、次の問題について伺いたいと思うのです。 これの資料の二枚目を見ていただきたいのですが、これに、泉土地建物株式会社、泉芝ビルディング、泉新ビルディング、泉門ビルディング、泉虎門ビルディング、それから泉エンタープライズ、泉橋ビルディング、泉園ビルディング、新東泉建物株式会社、これは宅建業法上の免許を持っておりますか。
○牧野説明員 現在お示しいただきましたこれは合計たしか九社でございますが、これにつきましては、この資料にも実は書いてあるようでございますが、私どもの調査でも宅地建物取引業法に基づく免許は持っておりません。
○中島(武)委員 これはどういう土地取引をやっていたと認識しておられますか。
○牧野説明員 宅地建物取引業法の免許も持っておりませんし、個々の企業についてのどういう取引をやっていたかということについては私は承知しておりません。
○中島(武)委員 それはいささか怠慢なんですね、私に言わせると。実はここに書いてあります中の幾つかについて、私は昨年の五月の十六日ですけれども、衆議院の建設委員会でこの問題について質問をしたことがあります。そして、そのときにも泉門ビルディングについては、そしてその他について免許を持っていないというお話だった。ですから、それがどういう活動しているかということについて当然私は調べるべきだったんじゃないかというふうに思うのですけれども、どうですか。
○牧野説明員 先生から昨年五月十六日にそのときの政府委員との間で質疑応答があったことは承知しております。ただ、そのときでも免許を取っていないということと、それから自社ビル用地等のものであれば該当しないという御答弁を申し上げているだけでございまして、私どもが必ず調査しなければならないものというふうには私は理解をしておりません。
○中島(武)委員 この資料を見ていただきたいのですが、これを見ますと、六十一年の七月二十一日に、泉土地建物株式会社、それから泉芝ビルディング、泉新ビルディング、これは住友不動産ファイナンスに吸収合併をされているんです。それから、その下に書いてあります泉門ビルディング、泉虎門ビルディング、これにつきましては、六十一年七月九日に同じく住友不動産ファイナンスに吸収合併をされております。それから、その下の泉エンタープライズと泉橋ビルディング、これについても六十一年七月九日に新都心リアルエステートに吸収合併をされているわけです。それから、泉園ビルディングと新東泉建物株式会社、これは同じく新都心リアルエステート、ここに合併をされておるわけであります。そして合併するときには全部膨大な土地、前の資料のところを見ていただけばわかりますけれども、そういう土地を持ったまま吸収合併という格好で移っているわけですね。つまりこれは土地を持ったまま住友にいくという、こういう一つの方法なんですよ。ですからこれは宅建業法で言う業として土地の売買をやっているのと同じことじゃないかというふうに私は思っているのですけれども、こういう事実については御存じですか。
○牧野説明員 私どもも、個別の企業のことではございますが、先ほど申し上げましたような昨年の先生との質疑等もございますのでその後のことを調べましたところ、ほほ同じように、ただいまお示しの資料の二枚目にございますように、四社あるいは五社がそれぞれ住友不動産ファイナンスなり新都心リアルエステートに吸収合併をされておるようでございます。
○中島(武)委員 この資料の表の方をごらんいただきたいのです。一番最後のところに書いてあるのですが、住友は、住友不動産、ダミー、住友生命、こういうふうになっておりまして、四十五筆二千九百五十四平米、約三割をダミー会社が買い集めている。こういうことをやっているわけです。 それから、例えば千代田区西神田三丁目ですけれども、ここは住友系の土地買い集めのうちの四割近いものを無免許業者が買い集めを行っている。泉門ビルディングです。それから中央区箱崎町をごらんいただきたい。ここはここでやはり無免許業者が三割を超えて住友の土地を買い集めている。こういう実態になっているのです。 それで、私が質問をしたことがあったからでしょう。こういうことを言っているのです。これはNHKの「土地はだれのものか」の中で住友不動産の高城申一郎社長が言っているのですけれども、「土地の手当てなど、相当の努力をしたのは事実です。それがそのまま地価高騰に結び付けられて、ある意味では、不本意だと思うのと同時に、やり方に多少不手際があったか、と思っています。」多少不手際では済まないと思うのですが、多少不手際として社長はこれを認めているわけですね。つまり、ダミーを使い無免許業者を使って土地を買い集めるというやり方です。これについて私は不手際どころじゃないと思うのですけれども、まあ不手際と、こう言って認めている。 さらに新聞に載ったところによりますと、住友不動産の広報室長は、「わが社は断じて獲得した土地を転がすことはしない。「住友」が直接、現地で買収すると、かえって思惑がからんで地価が高騰するので、一部、子会社を使ったが、今はやめている。うちはこんな(狂乱地価)になる前から土地買いを進めており、地価を上げたといわれると心外だ。東京ではまとまった土地はないから、小さな土地をコツコツ買うしかない」こう言っているのです。開き直りですよ、これは。これは開き直り以外の何物でもないと私は思うのです。こういうことを堂々と言っているということについて、建設省としてはどう思いますか。
○牧野説明員 住友不動産の社長がどうおっしゃったかは私はつまびらかにしませんが、一般論で申し上げて、私どもは宅地建物取引業法を預かる身として、もし違法な事実があれば法律の精神に照らして厳正に処分を今までもしてまいりましたし、今後もする所存でございます。
○中島(武)委員 現在住友不動産関係はどうやっているかという問題をあわせて申し上げたいと思うのですけれども、やはり現在も金に任せて買いまくる、こういうやり方をやっております。本質的には何も変わってない。それは商売ですからできるだけ安く買いたたく、しかし競争が激しいから当初言った価格よりも相当つり上がる、こういうこともあります。場合によっては言い値で、例えば借地で坪五千万円、二十坪持っておれば十億の金はぼんと出す、こういうやり方なのですね。こういう金で面を張る式の土地の買い集めという。ことをやれば地価が上がるのは言うまでもないことではありませんか。こういうやり方というのは決して認めてはよくないというふうに私は思うのですね。これこそが地価をつり上げる先兵なのじゃないか。どうですか、建設大臣。
○牧野説明員 宅地建物取引業者の営業の行動態様につきましては、先ほどから国土庁長官の方からも御答弁がございましたが、私どもも、取引に当たっていやしくも違法、不当なことがあればそれは直ちに私どもの所管する法律で厳正に対処いたしますけれども、それに該当しなければ、それはそれで自由な取引の範囲内のものであればいたし方がないというふうに考えております。
○中島(武)委員 それじゃ、ただいまのは調べますね。調べますか。
○牧野説明員 個々の取引につきましてはすべてこれを調べるというわけにまいりませんが、私どももいろいろ、地方公共団体の事務当局もございますし、それから関係行政当局もございます、そういうところを使っておかしいことのないような調査を今までもやってまいりましたが、今後もやってまいりたいと思います。
○中島(武)委員 住友不動産の会長である安藤太郎氏は日本高層住宅協会の会長であり、また同時に、国土計画を策定する国土庁の審議会である国土審議会の会長でもありますね。
○高橋説明員 日本高層住宅協会の理事長でございます。それから、私からお答えするのが適当かどうか知りませんが、国土審議会の会長であるように承知しております。
○中島(武)委員 今私が高層住宅協会の会長と申し上げたのは、理事長でございますね。私は率直に申しますけれども、業界の模範となるべき人物だと思うのです。やはり高層住宅協会の理事長というような位置にあるわけですから、これは全く模範とならなければならない。それからまた政府の審議会の会長という大変な要職についている人なのですね。それが、私はこれも率直に言いますけれども、地上げの先頭に立つ。法律違反だというところまでは認めてないにしても、私どもの調べではもう全く疑いもなく法律違反を犯している、大変私は遺憾だと思うのですね。本当に遺憾なことだと思うのです。 そして、国会は国民の期待にこたえなければいかぬと思うのです。土地はどうしてこんなに高騰しているのか。どうしてこんなにむちゃくちゃに上がってくるのか。その一つとして、やはり大手不動産業者を初めとして大変な土地の買いあさりあるいは転がし、こういったことがどんどん進行している、そしてこれが大きな地価値上がりの原因だ、もう世論の声であります。私は、この特別委員会においてもこういった問題は国民の期待にこたえて地上げの実態を含めてやはりちゃんと調べなければうそだと思うのです。国民は今開かれているこの特別委員会を注視していると思います。この問題で何をやるのだろうかと見ていると思います。この期待にこたえて、やはりこうしたことにかかわっている大企業の代表をこの国会に喚問するべきではないか、そして、安藤太郎氏もその中の一人として国会に喚問をして、当委員会は調査を進めるべきである、こういうふうに考えるのですが、これは委員長の見解を承りたい。
○小此木委員長 喚問という言葉は適当ではございませんが、考え方は後刻理事会で協議をいたします。
○中島(武)委員 ぜひひとつ、適当でないというのは委員長の見解なんだけれども、私は、国民は今そのことを求めている、証人喚問すべきことを求めているということを重ねて要求しまして、私の質問を終わります。
○小此木委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時十一分散会