予算委員会 第4号
- 発言数
- 346 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1987/07/22
会議録
○委員長(原文兵衛君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十二年度一般会計補正予算、昭和六十二年度特別会計補正予算、昭和六十二年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(原文兵衛君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和六十二年度補正予算三案審査のため、本日、日本銀行総裁澄田智君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(原文兵衛君) それでは、これより質疑を行います。橋本孝一郎君。
○橋本孝一郎君 私は、民社党・国民連合を代表して、総理大臣並びに関係大臣に質問申し上げたいと思います。 まず、総理にサミットとその後の日米関係についてお尋ねをいたしたいと思います。 今や世界は確実に一国の覇権時代から共同管理の時代へと変わってきておると思います。それに伴って、国家間の関係は軍事、経済、文化あるいは金融等すべての側面で影響を受けるようになってきております。そこで、サミットはまさに自由主義国家群のトップレベルによるそれらの問題の討議の場であり、調整の場であって、その役割を果たしてきたと思っております。今回の六月のサミットもいろいろと各国の役割と責任が確認されました。特に通貨、経済政策の協調の面では、合意した経済政策の相互監視を適用する。経常収支、貿易収支の黒字国でありますところの日本あるいは西ドイツは財政、金融両面で内需を拡大し、輸入をふやす。一方、経常財政の赤字、いわゆる双子の赤字を持つアメリカは財政赤字削減を最優先とする。米国はそこで内需の伸びが鈍っても、日独などの輸出がふえることによって内外需を含めた経済成長率は維持されるし、対外不均衡の改善でドルあるいは円、マルクなど主要国の通貨は安定するし、先進国全体の維持、成長のめどが立ち、世界経済の拡大基調は続いていくというのが、これが大筋のシナリオだったと思います。そこで、日本は今回の補正予算で内需拡大政策を行い、サミットでの合意事項を着実に実行していこうとしておるわけであります。 ところで、米国においては赤字国債、いわゆる赤字回復のための再建策をどのように講じようとしておるのか。また、米国議会においてドルの信用回復策が本当に真剣に議論されておるのかどうか。自助努力が本当になされておるのかどうか。我々日本人の、新聞とかあるいはテレビ、つまり目と耳で入ってくる情報では、どうもそういうものについて非常に情報も少ないし、どういうふうになされておるのかわからないのであります。 そこで総理に、それらについてどのような状況を把握されておられますか、まずお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) ベネチア・サミットにおきましては、従来これらの関係諸国との協議の延長線でいろいろ議論が行われ、政策が採用されました。それは、一つは政策協調、それから各国はおのおのの構造改革をやる、これが二つの大きな眼目で、そのほかに発展途上国の問題や債務国の問題、そのほかの問題が議せられたのでございます。 その政策協調、構造改革の中の大きな眼目は、要するに不均衡の是正ということでございまして、日本の膨大な黒字、この不均衡、おっしゃったアメリカの財政赤字それから貿易赤字、この双子の赤字と言われておるものの是正、これがやはり大きく注目されたところでございます。で、おのおのそれを是正するという努力の表明を行いまして、各国それぞれ自分たちの課せられた課題を実行しよう、ヨーロッパも実行しよう、そういうことで一致したわけでございますが、アメリカも相当財政赤字問題については各国からも質問その他も受けまして、アメリカもこれははっきり削減していくということを言明したものでございます。 アメリカにおきましては、既に議会でグラム・ラドマン法が成立しております。これについては憲法違反の疑いありということになっておりますが、実質的にグラム・ラドマン法を実行するということで財政削減が進められております。しかし、議会筋にはいろんな議論がありまして、財政削減もさることながら増税をやれという議論もあるわけです。それから削減する内容について、軍事費も削減せよ、あるいは社会福祉費、教育費、地方に対する費用、それらも削減せよ、そういうことで、各党、各個人によって意見がいろいろ違っておるのがアメリカ議会の特色ですが、しかし削減しなければならぬという方向においては一致しておると思います。 そこで、今までの実績を見ますと、アメリカのベーカー長官やシュルツ長官も、ここ数年来における削減の努力の実績を数字を挙げて説明しておりました。なるほどそういう方向に努力は積み重ねられております。本年度においても、我々がいろいろ質問もいたしましたら、四百億ドルは削減いたしたい、そういうものをはっきり決めて我々は努力している、そういう説明でございましたが、私はある程度実効性を持つことができるのではないかと期待しております。ともかく、アメリカは財政削減にそう熱心じゃないんじゃないかという議論が一部にございますが、そういうことはないのでございまして、やはり真剣に努力しているということを申し上げる次第でございます。
○橋本孝一郎君 そこで、きょうのテレビのニュースで、上院での包括貿易法案が三分の二以上の賛成によって可決されたそうでありますが、それに対して政府の方の事実関係の確認についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(倉成正君) 米上院では七月二十一日、日本時間七月二十二日でございますが、賛成多数、七十一対二十七で包括貿易法案が可決されました。
○橋本孝一郎君 それに関連しまして、その七十一対二十七というのは今後どういうふうに展開されていく数字になるのかという問題、それと、下院通過、これは下院では四月三十日にたしか通過しておるはずだと思います。その間日本政府としてはどのように対応してきたのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(渡辺幸治君) 外務大臣から御答弁申し上げましたとおり、日本時間で本朝、米上院でいわゆる包括貿易法案が通過いたしました。数字は七十一対二十七でございます。下院では、先生御指摘のとおり、既に下院の包括貿易法案が通過しておりまして、アメリカの制度上、下院と上院の違う貿易法案が通っておりますので、両院協議会で審議をする。で、両院協議会でまとめて、上下両院の合同法案ができるということでございます。その両院協議会の開始の時期でございますけれども、正確なことはわかりませんけれども、八月の初めごろではないかというように言われておりまして、アメリカ議会の休暇が八月の八日ぐらいからということで、一週間ぐらいかけて協議をする。その一週間ぐらいの間に単一法案ができるかどうかということについては、確たる見通しはないということでございます。 下院の貿易法案、上院の貿易法案、多々問題があるわけでございまして、在米大使館あるいは在京のアメリカ大使館を通じまして、我が方の関心と懸念は累次申し入れているところでございます。
○橋本孝一郎君 そこで総理にお尋ねしたいんですが、サミットでいろいろ討議された討議内容とこの包括貿易法案との関係というものはどういうふうに理解していけばいいんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) ベネチア・サミットにおきましては、保護貿易主義に反対するそういう強い共同の意思表示がなされました。これは、アメリカ初め各国参加首脳は、この包括貿易法案等をにらみながら、この決議、共同意思表示を行ったわけでございます。我が国も、もとよりアメリカあるいはアメリカ議会関係筋に対して、保護主義には反対である、現在の伝えられている包括貿易法案の内容については、これは保護主義的傾向が著しく濃厚であって我々も反対である、重大な関心を持って我々は見守っておる、そういう趣旨のことを関係筋には我が国の考えとして伝え、そういう保護主義法案が成立しないように働きかけもし、要請もしてきたところでございます。 先に四月三十日に下院を通過し、また今回上院で通過いたしましたが、上院の数を見ますというと、例えば大統領が拒否権を使うという場合に、三分の一は大統領が確保しておかなけりゃならぬ。ところが二十七と七十一でございますから、三分の二は六十七になるわけで、七十一となっていますから、六十七を四票オーバーしておる。このままの姿では三分の一ありませんから拒否権は使えない、使っても有効に機能しない、そういう危険性があるわけです。 そこで、上下両院の合同会議がどういうふうになっていくか、どういう内容になり、それに対してアメリカの大統領府筋がどういうような努力をされるか、我々が保護貿易主義に反対するためにどういうふうにアメリカ政府と協力していくか、こういうことが次の大きな課題になってまいりまして、我が国としても早速そういう考え方に立った作業についていろいろ研究もし、行動もし始めていきたい、そう考えておるところであります。
○橋本孝一郎君 次に、日米貿易摩擦関係で二、三お尋ねしたいと思います。 特に日米貿易摩擦ということになってまいりますと、フェアかアンフェアかということがいろいろいつも問題になるわけなのであります。一体何をもって、何を基準にしてアンフェアと理解すればよいのか、ひとつどなたかお答え願いたいと思います。
○政府委員(渡辺幸治君) 先生御指摘のとおり、アメリカの議会を中心といたしまして、日本がアンフェアであるというような声があることは事実でございます。それが何に由来するかということを、正確にこれだということを申し上げることはなかなか難しいと思いますけれども、一つはっきりしていますところは、日米間の貿易収支の非常に大きなアメリカから見ての赤字、昨年で五百八十六億ドル、アメリカの数字でございますけれども、それが縮まらないということで、日本の市場アクセスに問題があるのではないかという考え方、あるいはパーセプションといいますか、そういうとらえ方が支配的でございます。 その点につきましては、私どもといたしましても、それは正しくない、アメリカ側の企業の努力に問題があるのではないか等々伝えているわけでございますけれども、なかなかそういう固定観念みたいなものがございまして、そういう考え方がいまだ相当根強くあるという状況でございます。
○橋本孝一郎君 今のお答えを聞いておりますと、結局、結果に対するアンフェアを言っておるので、私のアンフェアというのは、何を基準にして言うのか。つまりこれは機会均等の原則だろうと思うんです。したがって、日米のいわゆる貿易障害、関税だとかいろいろな障害をいわば極端に言えばゼロにする、スタートを同じにする、そういうものについて何かアンフェアな問題があるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(渡辺幸治君) 累次政府として立場を明らかにしておりますように、外国からの輸入に関する日本の制度あるいは法令面につきましては、米国あるいはヨーロッパ諸国と比べてその開放度というものについては遜色がないものであるというように自負しております。ただ、率直に申しまして、日本の経済の慣行その他について、少なくとも外国から見ると閉鎖的であるという印象を与えるような状況があって、そのために、外国から見ますと日本の市場に進出することが何か非常に難しいというような感じを与えているということではないかと思います。
○国務大臣(田村元君) 今のをちょっと具体的に申し上げますと、制度上は、工業関係におきましては日本の制度はもう全然遜色がないんです。例えば関税の平均率を見ましても日本は二・一%でございます。アメリカやヨーロッパ、EC等は皆四%台でございます。また、基準・認証等もうんとよくなっておりますし、アクションプログラムのさばき方もよくなっております。でございますから、その点で世とかく後ろ指を指されることはないんですけれども、何分にも営業のあり方というものが全然違うというところもあって、アメリカ側が日本のマーケットに参入しにくいというところがある。それが大きな貿易インバランスといういら立ちによってより強く訴えられておるというふうに私どもは解釈しております。
○橋本孝一郎君 結局、いわば障害というものはほとんどない。むしろ慣行なり習慣の相違、これがもういずれもあるわけでありまして、それも過去から言われておる問題であります。だから、機会均等ということにおいては日本はもっと強く主張すべきでありますし、その他のそういう慣行とか文化、伝統から来るいろいろな相違、そういったものについても理解する、あるいは理解させるといいましょうか、そのためのやはり努力は私はもっと必要ではないかというように思うんです。 したがって、結局、今までのお話を聞いておりましても、最近の米国の主張の中には、機会均等の原則要求以外の主張、つまり結果の機会といいましょうか、結果の数字を見てアンフェアだということに尽きると私は思うのでありまして、こういう点については私は明確にしていくべきだと思います。過去においても、例えば自動車の自主規制、これだって日本から見ればアンフェアだと思うんです。しかし、これは一つの日米関係の良好な通商を保つための政治的才覚でやったことであって、決してフェアではないと私は思います。大きな森を育てていくために木を一つぐらいとらなきゃならないかもしれませんけれども、こういう点はやはりきちっとしていくべきだと私は思います。ゴルフで言えばハンディをやっておるわけでありますから。これからも長くつき合ってもらうためにやはりそういう主張も認めていくことは必要でしょうと思いますけれども、そのことは私はきちっとしていくべきだと思います。 その点について総理の御感想をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 田村通産大臣がお答えしましたように、私は日本の市場というものはそれほど閉鎖されているとは思いません。サミット構成国の中を見ましても、最も開放されているのはアメリカ、イギリスであり、次いでドイツでしょうが、ドイツと日本はほぼ肩を並べるぐらい開放されていると思うのです。ほかの国から比べれば私は開放度は強い、そう思っておるんです。ただしかし、日本がこれだけ強大な経済力を持っているところを見ますと、やはりアメリカ、イギリスに負けないくらいの開放性を持てと、そういうことが要求されるので、これは当然な声だろうと思うのです。そういう意味においてアメリカ、イギリスに匹敵するぐらいの開放性を我々としては制度的にも前進させなければならない。しかし、そのことは我々も今まで努力してきまして、非常にそれは近づいてきておる。 しかし、例えば金融関係におきまして我が国は我が国独特の制度がありまして、例えば金利の自由化一つの問題を考えましても、郵便貯金というものがありまして財投というものもございます。ほかの国にはそういうものは余りございません。そういう点でやはり体質の差というものがある。それは先方から見るというと非常な違和感を持つわけです。あるいはそのほかの輸入問題につきましても、若干そういうものがなきにしもあらずでしょう。しかし、そういうものは一々今撤廃ないし改善をしておりまして、ほとんど問題点はないぐらいになっておると思うんです。 もう一つ、基準・認証制の問題がございました。これはアクションプログラムを我々が推進することによって非常に改善されてきておる。しかし、まだ残っているものはないかということで総務庁長官にお願いしまして、ここにおる大使館あるいは本国の商社等にも、日本にもし基準・認証制で不満があったら申し出てくださいと、そういうことで申し出てもらいまして一々チェックしております。また、経団連でも会社自体が調べたそういうクレームをまとめてつくってありますから、それも参考にしたりして、それで今総務庁を中心にしまして監察をやらしておりまして、近くその結果が出るだろうと思うんです。そういうことで一つ一つやっぱり努力はしておるのでございます。 一方、アメリカに対する日本の輸出品というものを見ますというと、大体輸出品の三分の一は自主規制をやっておるわけです。これはもう鉄鋼から繊維からビデオ、カラーテレビあるいは自動車、そういうようなわけで三分の一は自主規制している状態でございますね。そういうような情勢で、我々自体もこの貿易のバランスあるいはアメリカ側の要請というものを受け入れて、そしてやっておるわけであります。こういうような努力を積み重ねて、そして我々も英米並みの開放度を制度的にも持つようにしていきたい、そう考えております。 ただし、やはり我が国特有の事情を持っておる問題も幾つもございます。例えば農業という問題一つ考えてみましても、我が国は輸出国ではない。輸入国であって、農水産物を百八十二億ドルも輸入している。アメリカからだけでも六十二億ドルの食糧を輸入しておる。そういう輸入国で、輸出して外国に迷惑をかけておるところではないわけです。そういう特殊性もよく理解してもらう必要もある。そういうことで、我々は今後積極的に努力してまいりたいと思う次第でございます。
○橋本孝一郎君 では次に、東芝機械のココム違反問題についてお尋ねしたいと思います。 まず、総理にお尋ねいたします。今までの国会の議論なり最近の新聞報道によりますと、今国会に提出する再発防止策を外為法の改正とすることにした理由は一体何か。途中の経過ですけれども、安倍総務会長らは場合によっては特別措置法でとしていたが、実際がこの特別措置法としなかったのは一体なぜか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 事は緊急を要する問題でございますから、独立法をこれから計画して検討してつくってということになりますと随分時間がかかります。それと、外為法という現在法律がございまして、これを若干改正すれば事足りるわけでございますから、その点で私どもは外為法の改正をお願い申し上げました。その内容としては、刑事罰について現行の三年を五年にしていただきたい、あるいは行政制裁の最長期間を現行の一年から三倍程度にしてもらいたい、また罰則の強化ということに伴って当然時効期間も延びるわけで ございますから、これも現行の三年から五年というような内容でお願いをいたした次第でございます。 いろいろと独立法とかいろんな御意見もあるようでございますけれども、それは意見は意見としてありましょう。ただ、問題は緊急を要する問題でございます。今お話がありましたように、上下両院で両院協議会が開かれる。その両院協議会が終わってからやっても、それがもちろんやらなきやならぬにしてもどれだけの効果を発するか。やっぱり両院協議会に間に合わせなきゃならないということになりますと、外為法の改正というのが一番手っ取り早い。いろいろと権限争いがあるようにおもしろおかしく書かれておりますが、これはないと私は思います。聞いておりません。通産省の所管事項でございますから、他省からとかくくちばしが入るということは、それは法律の例えば法制局とか法務省とかという場合、これは少し違いますけれども、これはもう当然立法の技術の問題、思想の問題がある。けれども、扱いについては他省庁からとかくくちばしを入れるということは聞いておりませんし、またさようなことを今しておるときではありません。もうとにかく一刻も早く内閣総理大臣の命令のもとにまとめるということでございますから、私はもう先般の総理大臣の命令もありましたしこれ一本で進んでいきたい、この兵うに考えておるし、私は日本の官僚を信じておりますから、くだらぬ権限争いは絶対に吹っかけてこないだろうというふうに思っております。
○橋本孝一郎君 今、日本で一番この問題について的確に対処できる情報を持っておるのは大臣でありますから。 そこで外務大臣にお尋ねしたいんですけれども、大臣は先日の本委員会の答弁で、外為法の改正に際しては安保条項が必要と、このような趣旨の発言をされたと思いますが、大臣の考える安保条項とは一体どんなものなんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(倉成正君) 今回のココム事件につきまして我々が痛感いたしますのは、戦略物資の輸出規制の実施が我が国及び自由主義諸国の安全保障の上で重要であるという認識がございます。この点がいろんな面で欠けている点があるということでございます。東芝機械の対ソ不正輸出事件のごとき事件の再発を防止する、そのためには政府が一体となって輸出管理体制の強化を図っていくということが大事だと思うわけでございまして、この点については通産大臣と我々意見を一にするところでございます。 いずれにしましても、外務省といたしましては、安全保障の観点から、より客観的かつ合理的な規制を行い得る体制を整備することが肝要とするわけでございまして、先般申し上げましたことの一つは、外為法の二十五条はいわゆる役務について安全保障条項がございますけれども、四十八条の物の貿易についてはその条項がございません。したがって、そういう点も一つ問題があるんじゃないかという一例として指摘したわけでございまして、このような法制の面について、私は、これはもう各省の縄張りとかそういうことではなくて、責任を有する外務大臣として、関係大臣として大事な部分について御協議をいただければ幸せだ、そういう考えでございます。
○橋本孝一郎君 先回のお話等を聞いていくと、もう意見の相違はないというようなことなんですが、なければ結構なんです。 通産大臣に改めてお聞きしたいんですけれども、外為法の改正ではいわゆる安保条項を設ける方向で検討しているのか、あるいは日本の安全保障に対する姿勢を示す意味での明確な形で安保条項を設けるべしという意見が強いんですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(畠山襄君) 事は緊急を要するわけでございますけれども、やはり内容が、先ほど大臣が申し上げましたように、罰則の強化でございますとかあるいは行政制裁の強化でございますとか、何と申しましょうか、基本的人権と申しましょうか、そういうことにもかかわることでございますので、検討は事務的な事項が大変多うございます。したがいまして、まだ各省間で正式の協議を開始できるような段階になっておりません。 ただ、今お尋ねの安保条項という、その安保条項という呼び方がいいかどうかという問題はあると思いますけれども、外務大臣が言われましたように、現在の二十五条、技術輸出の方につきましては、国際的な平和及び安全の維持の妨げにならないこととかなんとかいう、そういうような表現が入っているわけでございます。そして、それに基づいてココムの技術の輸出を規制しているわけでございますから、それを今度仮に罰則を強化するといたしますると、そのものについてだけ罰則を強化するといたしますると、技術の方はそういう表現があるからよろしいのでございますけれども、物の方につきましてはココムだけを取り出した表現はございません。ココムの規制も当然私どもは、再々申し上げておりますように、国際貿易の健全な発展という外為法の目的の中でやっておりますし、またやれるということでやっておりますが、しかしながら、ココムの物だけを取り出すとなりますると、何かそれらしい表現が要るわけでございます。 したがいまして、仮にココムについての罰則強化を貨物についてもするということになりますると、国際的な平和及び安全の維持というような表現がどこかに入らざるを得ないだろうというふうに事務的には考えておりまして、その意味で、外務省がおっしゃっていることもそういうことだとすれば、私ども異存はないわけでございます。
○橋本孝一郎君 通産大臣にお尋ねしたいと思いますが、大臣、アメリカへ行かれましてワインバーガー長官との会談で、日本と米国がリーダーシップをとってココム規制の強化を行うことを提案されましたが、これは具体的にはどういうお考えなんでしょうか。例えば長期的にはココムを正式の国際協定にするなどというようなことも検討されたんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) ワインバーガー長官との会談のときに申しましたのは、もちろん我が国がアメリカとともにリーダーシップをとる用意があるということを申しましたけれども、それは例えば、ココムに対応する政治的、財政的な、特に財政的な問題もございますね。それからまだ加入していない国に対する対応もございます。そういう面で我々も積極的に一生懸命にやるよという、言うなれば意欲を示した、意思を示したということでございますが、これを条約にするかどうかということは、日米だけで相談したってそう簡単にいくものじゃない。私は別に条約に反対意見ではありませんけれども、ヨーロッパというものがありますから、そこいらは軽々に物を言うべきではないと思いますけれども、私個人は別に反対する理由はないだろうという感じがいたします。 それからさっきの協議の問題でございますけれども、外務大臣が申しましたとおりでございまして、ココム品目やそれから地域を定める政令の中身の相談など、従来も外務省と通産省が緊密に連絡をとり合っておりますから、特に今改めて協議がどうの何のといって四股を踏んで塩をまくという必要もありますまいか、従来どおりでいいんじゃなかろうか、要するに臨時緊急の措置として一日も早くよりいいものを提案したい、このように考えておるわけでございます。
○橋本孝一郎君 これも新聞情報なんですけれども、二、三日前ですが、通産省は輸出関連企業に対して再発防止のために社内規定をつくるよう指導するということが報道されておりましたけれども、これは一体主としてどのような内容を盛り込むつもりなんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(畠山襄君) 今回のような事件の再発を防止することの最大の基本は、やはり企業意識の中に安全保障という問題の重要性の認識を深めてもらうことでございます。そうした観点から、今回事件にかかわりました企業だけではなくて、ほかのやはりココム物資の輸出に携わっておりますような企業あるいはその製造に携わっておられますような企業の中で、やはり安全保障についての認識を深めていただくように大臣からも強くお願いをしているわけでございます。具体的な中身といたしましては、会社の中に例えば法務部を設置して、そして輸出関連法規の周知徹底を図るとか、あるいはしかるべき高いところまで上げて決裁をしてもらうとか、そうした社内での輸出管理体制を強化してもらうことを考えております。
○橋本孝一郎君 じゃ、この問題の最後ですが、総理にお尋ねしたいと思います。 外為法の改正とも関係するわけでありますが、今後の戦略物資の輸出に当たっては通産省の審査を基本とすることはもう当然でありますけれども、必要に応じて外務あるいは防衛とも協議する仕組みを制度化していく必要があるのではないかと思います。こうした措置は我が国の安全保障問題に取り組む体制の強化にも役立つのではないかと思うんですが、御意見をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政策を推進して、また要件を担保するために各省で協議することは必要であり、そういうことはぜひ行うべきであると思います。ただ、それを行政上の協議にするか法定協議にするか、これはいろいろ議論の分かれるところで、その辺は各省庁においてよく詰めてもらいたい、そう思っております。
○橋本孝一郎君 次に、内需拡大対策について数点お尋ねしたいと思います。 今回の内需拡大策は、単なる一時的な国内の景気対策にとどまらずに、産業構造転換あるいはそれらを含めて日本経済の持続的な成長を確保するとともに、世界経済を牽引するという重要な役割を担っておるものであります。 そこで大蔵大臣にお尋ねしたいんです。 今回の補正で大幅な内需拡大策が措置されましたが、過去の実績、例えば昭和五十三年度の予算の場合、公共事業費や住宅融資は大幅に増額されたけれども、中期展望を持たないために、臨時の異例の措置で土地政策も十分行われなかったため内需拡大が十分な効果を奏さなかったという指摘及び事例があるわけであります。中期展望を持って今後も内需拡大策を続けていくということが必要であると思うんですけれども、今回の措置は臨時ではなく、六十三年度予算を含めて中期的に継続していくのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この席でたびたび申し上げておることでございますけれども、今我が国が内外に対して持っております問題は、一度補正予算を組めばそれで解決するというふうなことではございません。これはいわゆる前川報告がそこを非常に正確に指摘しているわけでございますから、財政再建の途次ではございますけれども、やはり財政もこの問題解決のために息の長い努力をいたしていかなければならない、こう考えております。
○橋本孝一郎君 そこで、伸ばしていく率の問題ですけれども、先の問題でありますが、従来政府がとり続けた一律マイナスシーリングというやり方では、経済の立て直しあるいは内需拡大、対外貿易摩擦の解消、これらの重要課題に応じられないということはもう過去明白であります。少なくとも公共投資という実際の経済成長と直接かかわる部分についてはマイナスシーリングという硬直的な考え方を撤廃して、中長期的にかつ持続的に公共投資を進めていくべきだと私は考えるのであります。 確かに公共投資といえどもいたずらに拡大すればよいというものではありませんけれども、現実に生きた経済の中でとらえていきますと、効率的な投資を行い、経済成長に反映させることができればこれまた税の自然増という形にもなって返ってくるわけでありまして、したがって、そういう面からいきますと、経済成長率の上昇の一助となるためにも、効率的なものであるならば公共投資は少なくとも経済成長率程度に伸ばしていくことが妥当と考えるんですけれども、大蔵大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまおっしゃいましたことの中で、公共投資が持つ意味は私も十分そう思いますが、我が国の場合、殊に地域的に非常に経済の格差がございますので、公共投資が経済が沈滞しております地域へ傾斜されるということは一つ大事なことだと考えております。 そこで、これから長い間の努力を必要とすると考えますのは、先般の新行革審の答申にもございましたが、いっときだけのことではなくて、幸いにしてNTTの株式の売却代金といったものもございますので、その助けもかりまして、今度の補正予算で昭和六十二年度の公共投資は両方合わせますとかなり高い水準になっておりますが、来年度の予算編成方針はこれから決定いたすべきものでありますが、この水準を下ることがあってはなるまいということは私も内々気持ちでは考えております。ただ、そこが財政再建路線とのかかわり合いになるわけでございますので、そこはやはりNTTの今度の法律を御提案しております社会資本整備勘定を活用していくことによってそれが可能ではないか。その結果、橋本委員の言われますように、我が国経済がいわゆる経済成長の軌道にもう一遍乗りまして、そう高いものでございませんでも、やはり潜在力を十分に出していくということになりますと財政もその利益を受けることになる、こういう経済運営が一番望ましい形であろうと思っております。
○橋本孝一郎君 重点配置の問題とも関連するんですけれども、円高不況によって大きな衝撃を受けてまいりました我が国経済も、企業の必死の努力によって多少明るい兆しが見えてきております。せっかくこの芽が出てきた内需拡大をうまく軌道に乗せるために、そういう意味でのめり張りのきいた公共投資を最大限進めることが私は大事だと考えます。 緊急経済対策において公共投資に重点を置くということにおいては評価できます。しかし、内需拡大が最優先課題であることは言うまでもありませんが、これをいいことに公共投資のめり張りのないやり方はなるべく避けていかなきゃならぬことはもう当然であります。公共投資の目玉となります社会資本の整備拡充は、一定の優先順位のもとに着実に進める、そういう意味では必要があるんじゃないか。例えば、欧米等に比べて優先順位の著しくおくれが目立っておるものとしては、生活に密着したもの、これは生活関連の公共投資を重点施行すれば、それによって非常に輪が広がった一つの内需拡大が期待されますし、その他、言われております用地費の少ない、日本は非常に山が多いわけでありますから、詳しくわかりませんけれどもトンネルをつくった技術、青函トンネル、あれだけの立派な技術を持っておるわけですから、もっとトンネルというものを利用した道路、そういうふうに細かく厳格な位置づけをすべきだと考えます。 私ども民社党は、そういう意味で、経済大国から生活先進国を目指そう、効率性を十分考慮して実施していくべきである、このようにしておりますが、今回の補正予算の特徴といいますか、そういった面から見て、特徴として特に主張できるものがありましたらお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの点は、公共事業執行官庁において十分いろいろ御配慮願っておるところでございますけれども、ただいま御指摘になられました問題について申しますと、今回NTTによる社会資本整備勘定を予算化さしていただこうと思っております。 その結果といたしましては、ただいま御指摘のいわゆる生活関連の公共投資、下水道、環境衛生等々でございますが、六十二年度の当初予算におきましては一般公共事業の中のシェアが一五%でございますが、このたび補正をすることによって二〇%になります。これはかなり大きなシェアの変動でございますが、今後とも執行官庁において、ただいま御指摘のような立場からのいわば適正な配分を今後ともお考えいただけることと、私どももまたそのように心がけたいと思っておりま す。
○橋本孝一郎君 経企庁長官にお尋ねしたいんですけれども、今までのといいましょうか、これまでのというんでしょうか、あるいは最近のというんでしょうか、公共事業に対する予算配分は、マイナスシーリングという影響も受けまして配分比が非常に固定化してきております。このように硬直化したいわゆる固定的シェアは経済にとってマイナス以外の何物でもないと思うんですが、経企庁長官のお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 今回の緊急経済対策は、当面円高不況に対する対策でもございますから、大蔵大臣からお話がございましたが、円高不況に悩む地域にある程度重点的な配意をする、こういうことでございますが、同時に、内需主導型経済に政策を変えていくということで、輸出から内需へというふうに、日本の物財サービスの流れを切りかえていく必要がある。 そういたしますと、そうした国内生産のいわば受け口を海外でなく国内につくっていくということであると、全体としての道路交通網の整備など社会インフラの総合整備に加えまして、当面、先生の御指摘もございましたけれども都市環境ですね、下水道その他の都市環境の整備に、そして個個の経済主体の最終的な受け口は家計でございますから、そのためには住宅をさらに大きく改善するような措置が必要である、こういうことだと思うわけであります。そういう方向で、今回の補正予算におきましても、大蔵大臣から御指摘がございましたように、社会都市環境に従来よりも重点を置いた配分を考えておるわけでございますが、こうした方向はさらに今後進めてまいらなきゃならない。 先生から御指摘がございましたように、公共事業の配分の比率というのは、これはそれぞれ関係者がございましてなかなか変えにくい面がございますけれども、そうは言っても、過去の事例を見ましても、例えば下水道だとか道路、港湾また空港といったものに対しての率の改善が近年多少見られておりますけれども、今申しましたような内需の受け口を大きくするという観点から、思い切った重点的な配意を私ども関係各省協力をして進めていかなきゃならない、かように思うわけであります。 もう一つ。ただ、そうは言っても、今後ずっと財政が全部背負って内需拡大をするということは現在の財政状況でなかなか難しいわけでございますので、そうした国民生活の基礎づくりの中に民間資金を積極的に導入するような状況づくり、民間活力を公共事業へ誘発できるような条件づくりにひとついろいろ、今大蔵大臣のお話がございましたNTTの株の代金をどういうふうに使うかということを含めまして、いろいろこれから関係各省が知恵を出して、何とか公共事業に民間活力を導入するような方向も考えて実現をしてもらいたい、かように考えている次第でございます。
○橋本孝一郎君 とにかく一つの官僚機構なりがあるわけですから、継続事業を含めて、非常に固定化するという嫌いを持っておるのもこれはもう事実であります。しかし、それで進んでいったのでは、これはまさに言っておるところの目的が達成できないわけでありますから、思い切ってそういう縄張りを外し、重点というものの方向をはっきりして、そのことで民間の協力なりその他いろいろとそのためのプロジェクトも生まれてくるわけでありまして、そういう点での勇断を今後の実行にお願いをしておきたいと思います。 住宅に関連する減税についてお尋ねしていきたいと思います。 内需拡大を持続的に図っていくためには、景気への波及効果が大きく、関連業種も多岐にわたっていると言われております住宅への投資を大幅に拡充する必要があると思います。そのためには、大規模な住宅減税を実施する必要があり、現行の住宅取得促進税制の大幅拡充、住宅取得費用の一定割合を税額控除する制度、住宅建設のための借入金の金利をすべて所得控除にする、例えばアメリカのような制度の導入、さらには貸家建設促進のための税制優遇措置、あるいは家賃の控除制度もいろいろと検討する必要があると思いますが、この点について大蔵大臣並びに関係大臣の御意見をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘の趣旨には私どもも賛成でございまして、今般改正をいたしました結果といたしまして、大体五年間で二千四百億の減税効果でございます。最大の場合年間二十万円、五年間で百万円ぐらいの負担の軽減になる、そういう税制をこのたび改正いたしましたわけでございます。 これにつきましては、御承知のように、もっともっと多い方がいいという御指摘はたくさんございます。問題は、もっと大きな規模の減税をいたします方がよろしいのか、あるいはそういう財源は一般の所得税の減税に充てた方がよろしいのかという判断の問題でございますけれども、私どもとしてはかなり今回思い切った措置をいたしたつもりでございます。
○橋本孝一郎君 これは建設と自治になるのではないかと思いますが、既に出ておりますけれども、内需拡大のための宅地供給に向けて、土地の有効利用という面から市街化区域の区域内農地の宅地並み課税、これについてどう考えておられますか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(葉梨信行君) 特定市街化区域内の農地の宅地並み課税につきましては、十数年来いろいろな議論が行われてきたところでございます。そうして、昭和五十七年に、宅地供給促進という課題と、それから農業経営継続という二つの課題を調整する措置といたしまして、十年間営農を継続することが適当と認められる長期営農継続農地に対しましては、農地課税を上回る税額を徴収猶予いたしまして、五年間たちましたときに、農業経営を継続していることを確認した上で猶予税額を免除する、こういうような新しい制度ができたわけでございます。 先般の経済対策閣僚会議で決定されました緊急経済対策の中で、こううたわれております。「特定市街化区域農地に対する課税については、現行制度発足以来五年間の長期営農継続農地に対する徴収猶予の運用実績を調査検討し、その結果を踏まえ、本制度の運用について地方団体を指導する等必要な措置を講ずる。」というふうにされております。現在この趣旨に沿いまして実情の調査検討を行っているところでございます。 市街化区域内農地の宅地並み課税のあり方につきましては、農業を継続していきたいという農家の方々に対する配慮であるとか、宅地供給の観点からの考慮、それから土地利用、例えば線引きとか地域地区指定等、土地利用のあり方とか、あるいは都市におきます緑地等をどう確保するかという観点、あるいはまた都市施設の整備状況との関連など、幅広い観点からの検討を行いまして将来のあり方を決定していくべきではないか、こう考えているところでございます。
○橋本孝一郎君 この住宅宅地の買いかえ特例制度の問題で、これは都市周辺の住宅地の地価高騰の一因にもなっておるということはもう指摘されておるわけであります。そろそろもうこの制度を見直すべき時期に来ておると思うんです。具体的には、現在の居住用資産が売れた場合、売却額以上の居住用資産を買いかえようとして購入すれば非課税となるというこの現行ですね、この売却額、すなわち譲渡益に対する課税、非課税の検討をもう少し細かくすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 居住用買いかえ制度につきましては、昭和四十四年度改正以前はかなり広く一般的に認められていたところでございますが、これがかえって仮需要を増大させるといったもろもろの批判がございまして、昭和四十四年度の改正で一たん廃止されたわけでございます。しかし、その後、住みかえを促進し、居住環境をさらに向上させるということでございますとか、供給の促進であるとか、そういった観点から昭和五十七年度の改正で再び復活して現在に至っているということでございまして、余りしばしばこうしたものを変更するというのはいかがかという感じはいたすわけでございますが、もろもろの点が指摘されておる研究課題であるということは私どもも承知いたしておるところでございます。
○橋本孝一郎君 土地問題の解決について今回新行革審に諮問されておるわけでありますが、抜本的な解決策の議論とは別に緊急に行うべきこと、つまり土地転がしや地上げ屋に対する融資の自粛あるいは超短期重課税など早急に手を打つべきではないかと思いますが、この土地問題解決へ向けての総理の御所見をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大都会を主とする土地、地価の暴騰という問題は緊急を要する問題でございます。この問題は一省庁だけではとてもさばき切れない大きな課題でございますので、新行革審の中にこの土地問題を担当する専門委員会があるいは委員会をつくっていただきまして、そこで鋭意至急検討していただいて短期並びに中長期の案をお出し願いたい、そういうことで先般お願いした次第でございます。 この問題は、一面においては税制の問題あるいは土地制度の問題、都市計画との関係もございます。それと同時に金融の問題、そういういろんな問題がございます。とりあえずやれるのは金融の問題でございますから、先般、大蔵省において銀行あるいは地方銀行あるいは生命保険あるいは損害保険そのほかの金融機関に対しまして自粛方を要請し、各金融機関も応諾いたしまして、そして協会といたしましても、また個々の金融関係の会社にいたしましても、投機をあふるような融資は厳にこれを慎む、そういうような社内方針も決めてもらいまして、そして厳重に審査して過乗融資にならないように今第一弾をやったところでございます。総合的にこれは次々にやっていかなきゃならぬ問題ですが、私が前に申し上げましたように、とりあえず地価をこれ以上上げないように抑えるということ、それから供給をふやして今度は下げさせるということ、そういう方向で総合的に努力してまいりたいと考えております。
○橋本孝一郎君 私はできるだけ今までの質問と重複しないような意味で申し上げましたけれども、重複したところもあったと思いますが、できるだけ内需拡大、せっかくの国際的公約、しかも経済大国として非常に大きな期待を持たれておるわけですから、それの有効な発展を期していくためのつまり予算配分なり、またそれを有効にしていく土地政策あるいは財政金融、こういう問題についてお尋ねしたわけです。 この問題の最後の締めくくりとして率直に、できれば企画庁長官と大蔵大臣にお願いしたいんですけれども、今彼に一兆円という金をそのまま減税に全部持っていった場合、それから一兆円という金で今の土地制度あるいは農地制度あるいは中央集権というんでしょうか、そこにはいろいろな規制があるわけですから、現在のものをそのままにしておいたと仮定してどっちが内需拡大には有効でしょうか。これはもうお二人とも随分長い間やってこられたわけでありますから、大体の勘でも結構です。お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) お答えいたします。 同じ一兆円でございますと、例えば減税で一兆円といたしますと、御案内のように、減税は個人の所得増になりますけれども、それが現実に支出される、消費されるにはいわゆる貯蓄率の問題がございますから、貯蓄を除いた分が出る。ただ、支出される項目は身近なものでございますから、非常に多岐多面にわたりまして、そういう面で内需の拡大のパワーはあると思いますけれども、その貯蓄で歩どまり分を引きますから、したがって乗数効果としてはそれだけ減殺される。 公共事業につきましては、これはもう丸々一回支出に出るわけでございまして、それがさらに所得になっていわゆる乗数効果を生んでまいりますので、私もいろいろ計算しておりますが、消費でいくよりも公共事業、まさに公共事業には土地代の問題がございますから、それをどう見るかでございますけれども、一般的な考えとして大ざっぱな計算をいたしますと、消費よりも、減税で浮かすよりも公共事業の方が二倍か三倍ぐらい、支出の項目によって違いますけれども、乗数効果としてはあるのではないか、かような計算をしている次第でございます。
○橋本孝一郎君 大蔵大臣、御所見いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今企画庁長官が言われましたように、公共投資が最も効率的に行われる、そういう前提に立ちますと、企画庁長官の言われましたように私も考えます。
○橋本孝一郎君 私も意見を言っていかなきゃいけないと思うんですけれども、確かに貯金に回る部分もある、片っ方はもう全部出ていくと言いますけれども、御案内のように、政府並びに皆さんがおっしゃっているように非常に貯金率が高いわけであります。もろに私は出ていくと思います。これは仮定ですからわかりません。 それから、片っ方の公共投資は確かにそういう計数的な主張もあると思いますけれども、私の言いたいのは、むしろ今のような土地高価格の時代、そして中央集権、規制、これがそのままでは私はおっしゃられるような有効なものとは期待しにくい。例えがいいかどうか。知りませんけれども、古びたゴムホースで、ひびが入って穴があいておるゴムホースで到達地点をねらってもなかなかいかぬのと同じだと私は思うんです。そういう意味での改革をむしろもっとやるべきで、計数的に詰めてきちっとしてもらいたいという意味であえてこのようなことを私は提案したわけであります。 次は、関連質問の方に移ります。
○委員長(原文兵衛君) 関連質疑を許します。勝木健司君。
○勝木健司君 三点ほど質問をさせていただきたいと思います。 宮澤大蔵大臣に対しまして質問させていただきます。さきの衆議院予算委員会で、六十年九月のプラザ合意時には一ドル二百二十円前後を想定していたとの発言をなされております。それならばベネチア・サミットの経済宣言の中に「為替レートの安定を促進するために引き続き緊密に協力する」と表現いたしております部分は、ある一定のレートを想定したものと考えてよろしいのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 衆議院の予算委員会でございましたか、プラザ合意以降のいわば経緯を説明せよという大変難しいお尋ねがございました。 ただいまおっしゃいましたのは十分御理解願っていなかったかと思いますが、私の申しましたのは、プラザ合意が九月の二十二日でございましたが、十月の十日前後にソウルでIMFの総会がある、それまでの間に一割でももしドルが下げられればそれは成功だろうなということを当事者たちがプラザで会合のときに話し合っていたようでございますと、あえて目標とは申しませんが、ということを申し上げました。当時二百四十二円でございましたから、まずまずソウルの段階で現実に二百二十円ぐらいになりましたので、最初はうまく滑り出したなというような印象であったと、その部分を実は申し上げたのでございます。 それで、さて翻りまして、ベネチアでいわゆる経済の基礎的条件を反映したもの云々ということでございますけれども、ベネチアで各国首脳が合意いたしましたことは、一九八五年のプラザ合意以来のドルを引き下げるという各国の協調的な努力はその目的を達したということ、そしてこれ以上大きく為替が変動することはむしろ逆効果になる、こういうことを合意いたしたということだと了解いたします。
○勝木健司君 経済宣言の中にあります「緊密に協力する」ということの具体的内容につきましてお伺いしたいと思います。 協調介入を意味するものであるのか、その場合の一種のターゲットゾーンの設定ととらえていいのかどうかということであります。同時に、緊密な協力を円滑にするためには各国間の資金調達を拡充する必要はないのか。また、スワップ協定の内容を充実していくということは、関係各国の為替安定への取り組み姿勢を示すとともに、各国の協調介入が一層運用しやすくなるなど極めて意義があると思いますが、政府は積極的に各国に働きかけるべきだと考えますけれども、あわせてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ベネチア・サミットにおきます。その点につきましての各国首脳の合意は、その下敷きがございまして、すなわち二月におけるパリの七カ国蔵相会議のルーブル合意でございます。したがいまして、ベネチアで申しております協調行動というのは、第一には各国間の政策の協調でございます。先ほども総理が言っておられましたように、アメリカでありますと財政赤字、貿易赤字の縮小、我が国でございますと内需振興、貿易黒字の縮小といったような各国の政策努力、それをしかも東京サミットで宿題になっておりましたいわゆる各国間のサーベイランスで、相互監視と申しますか、監視という言葉はちょっとなじみませんけれども、そのようなお互いの協力によるサーベイランスで担保をするということが一つでございます。 それからもう一つは、ルーブル合意でも言っておりますけれども、補助的な手段としては各国が協調して介入することあるべし、そういうことがベネチア合意の下敷きになっておる、こう申し上げてよろしいかと思います。 協調介入の際に、確かにスワップ等々が大きいことは大変に役立つわけでございますが、これは既にいわゆるG7等々の場において各国が十分協調資金を持つということについては合意がございまして、また現実に協調介入がその後何度か行われておりますが、介入資金に欠くことはございませんでした。今日も、万一そういう必要があれば十分の介入資金を各国とも持っておる、こういうふうに御理解願いまして間違いないと思います。
○勝木健司君 さらに、同宣言の中に、「為替レートを経済の基礎的諸条件におおむね合致した範囲内のものとした。」と表現されております。この内容から見まして、政府は現行レートを適正と認識されておるのかどうか、お伺いしたいというふうに思います。適正なレートと認識しておられるのであれば、その根拠を具体的に示していただきたいというふうに思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 何が適正のレートかということは、本来問題自身が難しい問題でございますが、ベネチア・サミットにおきましても、またそれ以前における関係蔵相の何度かの会議におきましても、この基本的条件に合致した水準というものは表現としてもかなり緩い、幅の広い表現を用いておりまして、日本語で申しますと、大体ここらあたりのところというのが一番合っておる言葉かと思いますが、それに近いことを申しております。したがいまして、特定の水準を想定いたしたものではございません。ベネチアにおきましても、ルーブルにおきましても、まあまあこの辺がなと、その感じは沿革的に一九八五年の二百四十二円であったドルがここまで来たという経過の中でここらあたりというふうに関係者が考えておる、したがって的確にどこだということを申し上げることは難しゅうございますし、またそういう合意でもない。我が国の場合で申しますと、現在のレートというのは我が国の経済にとりましてはなかなか厳しいものであるということは私もよく承知をいたしております。
○勝木健司君 我が国の産業の現状でありますけれども、六十年九月以降の円高によりまして日本の産業は明確に二極化しておるように思います。素材型、重厚長大型産業は今日のレートというものでは円滑な構造転換が困難であるように思います。 七月二日に電機労連がまとめました試算によりますと、電機産業ですら六十一年に十一万三千七百人もの雇用への影響が生じたと言われております。さらに、五月の完全失業率は三・二%となるなど依然として厳しい状況にあります。速やかに百六十円台のレート誘導をさせるべきではありませんか、お伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 円の上昇が大変に急激でありかつ大幅でございましたので、さすがの日本経済もこの期間に十分に対応できなかったということは御指摘のとおりでございます。日本経済が大変な苦労をしつつこの事態に対処しているということは御指摘のとおりでございますし、その結果として海外への工場立地等々の動きも大変急激に出てくるようなことで、あれこれ十分に対策を講じなければならない事態だと考えております。 私は、今のレートというのは我が国の経済にとって、殊に非常に急激にここまで参りましたから、厳しいものであると考えておりますことは先ほど申し上げたとおりでございますが、どこへ誘導する、どの辺がいいということは関係者として申し上げるべきものでもございませんし、また現実に市場でございますから、諸般の状況の変化によってそれが変わっていく。 私が自分で思いますことは、とにかくプラザ以来二十何カ月これだけドルがいわば競争上有利な条件になって、それがアメリカの国際収支に何らの影響を及ぼさないということはあり得ないことである、Jカーブと申しましてもおのずから一定の時間がたてば何かの効果を持つはずであるというふうに私は長く考えてまいりました。最近、アメリカの貿易収支に、ジグザグではありますけれども赤字が底を打って好転の兆しがあるように見えますのは、そういうことではなかろうか。そうだといたしますと、それはまた円ドル関係にもおのずから一つの影響を持ってくるのではないかというふうに思っております。
○勝木健司君 次に、第二点でありますけれども、貿易収支の問題が出ましたので、貿易摩擦と内需拡大についてお伺いします。 経企庁の調査によりますと、六十二年三月時点において円高差益の還元率は累計で五九・四%まで至っており、今後残された差益還元は農産物と航空運賃等であるとの指摘がされております。農産物や運賃など政府規制がかかっている品目の円高差益の還元がおくれているという現状を改めていくことが政府の責任であるというふうに思います。今後どのように改善されていくのか、具体的に提示していただきたいというふうに思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生が御指摘なさいましたように、私ども経済企画庁で六十年の十月以来四半期ごとに、その時期時期に発生した円高差益の額が消費者物価、卸売物価の安定という形でどれだけ還元されたかということを計算いたしますと、累積で六割でございますし、殊に最近、例えばことしの一−三月期などは七八・七%、八割近い差益の還元が実現したわけでございますので、漸次私どもはこうした差益の還元はさらに進むと考えております。 御指摘の農産物と運賃でございますが、先生御案内のように、農業政策の観点もございましていろいろな配慮をしてまいってはおりますが、そうはいいましても、例えば輸入牛肉の展示販売における小売目安価格を引き下げるなど、また畜産物安定帯価格の引き下げなどを行ってできるだけ還元に努めておりますし、また運賃につきましても、国内航空運賃の割引制度の拡充や国際航空運賃の方向別格差の是正等を行ってまいったところでございますが、こうした農業政策やまた運輸政策のいろいろな配慮も加えながら、しかしできるだけの円高差益の還元を進めるように農水大臣、運輸大臣等といろいろ御協議をしながら政府としても配慮をして実行してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○勝木健司君 さらに、この七月三日、経団連が発表いたしました調査によりますと、輸入量がふえない理由の一つに窓口機能の不備があるというふうに言われております。円高差益を十分還元するとともに、貿易摩擦を解消するための一つの方向としてこうした非関税障壁を除去すべきであります。 もう一つは、今や国際的公約となった内需依存型経済への転換、つまり個人消費の拡大がポイントとなると考えます。輸入促進の障害となっております総代理店制、並行輸入の問題も無視できない問題であります。また、例えば消費者米価の引き下げ、公共料金等の引き下げ、消費者信用制度の改善、大型店舗の閉店時間等の規制の緩和、出張販売、フェアの開催規制の緩和等、個人消費の拡大を阻害している要因を除去することにより、流通機構の効率化等による個人消費の拡大、円高差益のより一層の浸透というものを図っていく必要があると考えますが、政府の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 政府といたしましては、先生御指摘の「市場アクセス改善のためのアクションプログラム」というものを柱にいたしまして、我が国市場の一層のアクセスの改善に努力してまいったところでございますが、経団連のレポート、要望書、これも相当各項目にわたっていろいろ御指摘がございますので、現在これをそれぞれ関係各省で検討させていただいているところでございます。 やはり円高差益の還元ということで国民の実質収入の増大を図り、それが消費の促進にもなりますし、また同時に、そういうことで海外からのいろんな輸入の促進が図られるわけでございますので、政府としては努力を続けてまいっているところでございますが、今後ともより一層の努力をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
○勝木健司君 通産大臣いかがですか。
○国務大臣(田村元君) もちろん当然のことでございますから、今後もたゆまぬ努力を続けていく所存でございます。
○勝木健司君 最後に時短の問題、もう時間も大分超過いたしておりますけれども、時間外労働、現在日本の実労働時間というものは二千百六十八時間ということで、西欧先進国に比べますと二百時間ないしは五百時間以上も長くなっております。その中でも特に時間外労働、いわゆる残業時間の長さというものが目立っておるように思います。こうした時間外労働は、勤労者の心身の健康に悪い影響を与えるばかりでなく、家庭での触れ合いの時間も少なく、また父親不在と言われるような、子供の教育にも望ましくないように思われます。週休二日制、有給休暇、夏季連続休暇同様、ゆとりある余暇活動の推進を行う上でも、また健康な家庭生活を守る上でも非常に大事な点であります。しかしながら、他方で時間外労働が住宅ローンや高額な教育費用に苦しむ勤労者の生活を支える貴重な原資になっていることも事実であります。 こうした時間外労働の現状につきまして、特に中小企業に働く勤労者の観点からどのように考えておられるのか。時間外短縮のために住宅政策あるいは教育費の軽減など他の政策と並行して進めなければならないというふうに考えるのでありますが、政府の御見解をお聞かせしていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(平井卓志君) 御指摘のように、基本的には総合政策をもって当たらなければならぬわけでございますが、今の所定外労働時間の問題につきましては、我が国の国民の意識といたしまして、やはり現在もなお労働時間の短縮よりも収入の増加が望ましいと考える方の割合が高いことはこれは事実でございます。しかし、我が国の賃金の水準は最近の円高等によりまして現在先進国の中でもトップクラスでございますが、一方御指摘のように、労働時間につきましては、これまた先進国の中で長いということも事実でございます。世界で一、二を争う経済先進国としての日本の今後のあるべき姿を考えました場合に、やはり経済成長の成果をこの労働時間の短縮の方により多く振り向けることが私は重要でないかと認識をいたしております。 このために、従来の経過を見ますると、恒常的な所定外労働時間、これをいかに短縮するかということは、法定内労働時間の短縮はもとよりのこと、やはり第一義的に労使の方の自主的な十分な御努力が必要でないか、それに合わせて政府もまたその方向で努力をいたしたい、かように考えております。
○橋本孝一郎君 労働時間問題、これはある意味において私は、日本がこれだけの経済大国になったわけでありますから、その点に比べては非常にこれに努力してきた労働者なり国民のベイが少ないと思う。しかも、例えば十年間に労働時間の短縮というのが、プランは立てられますけれどもほとんど改善されておらない、一体その理由は何か。このような我が国の労働時間の実態は国際的に見てどのように位置づけられるのかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(平賀俊行君) 御指摘のように、昭和五十年ごろを境にして労働時間の短縮が数字的に進んでいないという結果が出ております。 その理由といたしまして、一つはやはりそのころを境にして経済の流れが変わってきまして、成長はだんだん鈍化し、企業の収益は落ち、したがって労働生産性の成果配分として労働時間の短縮に振り向けるということが非常に厳しくなっていることが第一に挙げられるかと思います。特に中小企業においてその状況が厳しい。したがって、中小企業において所定内労働時間の短縮、週休二日制などが進まなかったということでございますし、また大企業におきましては雇用政策といいますか、雇用調整を所定外の労働時間で調整するという形、それは逆に言えば雇用を維持するという観点からでございますけれども、そういう結果として所定外時間の短縮も行われない、諸外国に比べて長くなったということになると思います。 外国との比較につきましては、先ほど勝木先生の御質問の中にありましたように、欧米諸国、主要国と比べて、我が国が二千百時間台に対して英米で千九百時間台、独仏で千六百時間台ということで開きがございます。これは完全週休二日制がおくれているといいますか、日本の場合まだ、一部は進んでおりますけれども一部おくれている。それから連続して休暇をとる習慣がなかなか進んでいない。もちろん公の休日あるいは盆暮れなどの慣行的な休日については外国より長いんですが、年次有給休暇の取得がやはり少ないということ。それから先ほど申しましたように、所定外の時間が多少長めであるということ。統計上把握されているものについて言えばなお欠勤率が外国よりも低い、外国の方が欠勤率が高いという、大体四点外国との比較においては問題があると思っております。
○橋本孝一郎君 これは国際的な公正の見地からも一定の国際基準を私は守るべきだ、それには一つの大きな決断も要るわけでありますけれども。 ILO条約では労働時間についてどのような基準が設定されておるのか。また、労働時間関係以外のものを含めて我が国のILO条約批准、中身はいろいろ問題のあるのもありますけれども、批准状況は非常に悪い。これはもうフィリピンと同じぐらいじゃないですかな、その辺と。その点について、ひとつ実情と対策をお願いしたいと思います。
○政府委員(平賀俊行君) ILO条約についてまずお尋ねでございますが、ILOの労働時間に関する条約、狭い意味の労働時間に関する条約、十ぐらいございます。 主なものといたしましては、工業的業種についての労働時間の原則、一日八時間、一週四十八時間を原則として労働時間に関するいろいろな手続等をかなり詳細に定めた第一号条約というのがございます。それから商業的業種について定めました三十号条約というのがございます。それから四十七号条約は一週の労働時間を四十時間にする、生活条件を低下させないで四十時間にするということを規定した条約。これらが大体全般的な業種を対象とした条約で、限られた業種を対象とした労働時間に関する条約が七つほかにございます。 それから広い意味での労働時間に関係するものとして週休に関する条約、これがやはり工業的業種について規定した十四号の条約と、それから商業、事務所について規定した百六号の条約、要するに一週間について一日休暇を与える、それについての手続などを定めた条約がございます。 それから年次休暇等の休暇に関する条約、主なものとしては一年間に三週間、そのうち二週間は連続して与えるというようなことを規定しました百三十二号条約というようなものもございます。 批准状況でございますが、それぞれの条約、かなり細部にわたって規定したものもございますので、我が国の慣行ないしは法律の規定と合致しないものがございます。したがって、現在これらの条約については批准をしておりません。 それから全体としての批准数でございますが、ILO条約、百六十二の条約が採択されておりますが、そのうち現在批准しておりますのは三十九でございます。
○橋本孝一郎君 労働時間関係のILO条約については、全く未批准のようなことでございます。これは、ぜひとも批准に向けて最大限の努力をひとつ強く要望しておきたいと思います。 さらに労働時間問題で、次に新前川レポートとの関係でお尋ねしたいと思います。 新前川レポートでも、労働時間の短縮を経済構造調整のための重要課題だとして位置づけております。二〇〇〇年に向けてできるだけ早期に年間千八百時間程度への短縮を明らかにしております。これは諸外国からは我が国の国際公約ともある意味においては受けとられておるわけであります。政府は千八百時間実現の目標年度をどのように考えているのか、政府として明確なお答えをひとつ願いたいと思います。
○国務大臣(平井卓志君) 御案内のように、新前川レポートにおきましては二〇〇〇年に向けてきるだけ早期に千八百時間を目標と定めるべしと、こういうふうなレポートでございまして、このたび私どもがお願いをいたしております基準法の改正等も、それらを実現するためのやはり一つの有効な手段であるというふうにも考えております。 ただ、段階的に行いますので、その時間区切りの年度年度を明確にせよと昨日も御指摘ございましたけれども、現実に中小企業の実態がやはり全事業所の半分を超す五二・七%程度のものが四十八時間ないしはそれ以上という実態を考えました場合に、中央労働基準審議会におきましても三年程度の猶予期間は必要であるというふうな御指摘もございまして、この建議を尊重いたしまして今日お願いしておる法案の運びと相なったわけでございますが、いずれにいたしましても法制時間を四十時間と明記いたすわけでございますから、中小企業等に三年の猶予期間を置いて、またその時点において実態を十分に見た上で、やはり現在の労働時間の実態から大きく離れた強制的な法律効果をもってこの時短は達成できるものではない、私がように考えておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと考えております。
○橋本孝一郎君 この労働時間対策、大企業もそうですけれども、特に中小企業対策の難しい実情、よくわかるわけであります。しかし私は、冒頭申し上げましたように、この問題は日米問題あるいはヨーロッパとの比較において一番、かつては低賃金を批判されましたけれども、労働時間問題も恐らく将来問題になってくるような気がします。したがってそういう意味では、経済的問題でもあるようでありますけれども、やはり政治的なリードというものが非常に大事であります。せっかく前川レポートでこのような目標が決められておるわけでありますから、九〇年代前半に向けてできるだけ早い時期に週四十時間制に移行するものでなければ私は実現できないと思いますので、ひとつ努力をお願いしておきたいと思います。 それとの関連で、人事院勧告についてお尋ねしたいと思います。 これも最近の新聞報道ですけれども、人事院においては八月に、六十二年度国家公務員給与改定勧告にあわせて四週六休、隔週週休二日制ですね、もう本格実施を勧告する方針と報道されておりますが、具体的には昨年十一月から試験的に四週六休制を導入していますけれども、業務上支障なく、かつ行政サービス低下を招かず試行はスムーズに行われているのか、まずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(内海倫君) 十一月から実施いたしております試行の状況は、極めてスムーズに進んでおります。各省においてもいろいろ仕事のやりくりをやりまして、まず行政サービスにおいては支障を起こしておらない、こういうふうに私どもは考えております。 今年の勧告におきましていかようにするかという最終的な結論はまだ現在検討中でございますが、私としましては諸般の状況を考え、積極的な考え方で対処いたしたいと、こういうように考えております。
○橋本孝一郎君 そのような状況でありますが、これは総務庁にお尋ねしたいんですが、本格実施となれば土曜は完全に閉庁になるのかどうか。
○国務大臣(山下徳夫君) お尋ねのいわゆる完全な閉庁の問題でございますが、結局そこまで想定しながら四週六休等はそれは当然試行しまた実施していかなければならぬと思いますが、何分役所の出勤日、お休みというのは長年にわたって国民生活の間に定着いたしておりますので、これはやっぱり、まず国民の理解が第一であるということ、それから、職場によってはなかなか完全閉庁、ドアをおろすということはできない部門もございます。例えば、外来国立病院であるとかその他いろいろございますので、そういうところの仕分けをどうするのかということもひとつきめ細かに、なるだけ早く結論を出してまいりたい。 あるいはまた、振りかえ等もございます。例えば予約制でもって、土曜日にやっていた車体検査であるとかいろんな、例えば地方運輸局のタクシーの認可であるとかいろいろございますね。そういうものはひとつ時間を初めから指定して予約制にするとか、いろいろこれから方法はあると思うんです、詰めていけば。そんなことを細かにひとつ検討しながら、その方向を想定しながらやっぱりやっていかなきゃならぬと、かように思っております。
○橋本孝一郎君 対象者は当然公務員全員を対象とするということになると思いますけれども、これは厚生省に関係すると思いますが、純粋机上職じゃなくて、いろいろな現業業務の中でも特に国立病院・療養所等の職員というのは非常にこれは難しいと思うんですが、厚生省、どのように今までにやられておるのかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 厚生省所管の中で、国立病院・療養所につきましては四週六休の試行がまだ実行されてないのが現状でございます。しかしながら、昨年末来関係の皆様方と最大限の努力を払いながら話し合いを続けてまいっておりまして、職員組合、また患者の皆さんの団体であります全患協の皆様方と鋭意話し合いを続けておるところでございまして、できるだけ早い時期に試行の実施に踏み切れるように目途をつけてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○橋本孝一郎君 じゃ、この問題、最後に人事院にお尋ねしますが、実質四十四時間労働を規定している現在の人事院規則は、今後どのように見直すつもりなのか、同時に、労基法との動向をどのように勘案しておるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(内海倫君) 先ほど労働大臣からもお話がありましたように、国家公務員の場合もやはり一般労働条件というものを考え合わせながら考えていかなきゃいけない、そういう意味では私どもも同様の考え方に立ちながら対応していきたい。当面週休二日制というものを推進することによって対応していくことが適当かと考えております。
○橋本孝一郎君 特に今度は税制問題で、税制というと長くなりますので、問題を絞りましてサラリーマン減税について特に申し上げます。 これはもう既にいろいろと議論されておるところでありますけれども、特に政府・自民党が考えているサラリーマンに対する減税措置はどのようなものなのか。また、所得税率の考え方は、当初予算で示された昭和六十二年度分の税率を考えているのか、あるいは六十三年分以降の税率を適用するのか。これはサラリーマン減税については六十三年の方が一番効果があるわけですけれども、これは財源との問題で問題はありますが、いわゆる中堅層を救済していくという面においては非常に関心が持たれておりますので、ぜひひとつお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府の所得税減税案は、前国会に御提案をいたしましたが廃案となっておりまして、税制協議会の御検討をただいま見守っているわけでございます。 私どもがもともと考えておりましたことは、会社へ入りまして少し昇給いたしますとすぐ税率の刻みが細かいので上の税率にいく、累進がきいてくる。そこのところの重税感がやはり非常に重いということがございますので、できるだけ税率の刻みを大きくしましても数を少なくしておきたい。すなわち、人生に、学校を出まして社会に出ましてから仮に定年になるまでの間一つか二つの税率ぐらいでいけますとこの重税感というのは少なくなるだろう。そういうところを滑らかに八百八十八万ということを考えたわけでございましたが、それぐらいまでは一〇、一五という税率で済めばそういう重税感は減っていくのではないかというようなことでありますとか、あるいは配偶者特別控除でありますとか、これは事業所得等々との均衡を考えたわけでございます。そういったようなことから中堅のサラリーマンあるいは中堅以下、そこを中心に減税を恒久的にいたしたい、こういうことを実は前国会に御提案をいたしたわけでございます。
○橋本孝一郎君 言うまでもなく、資料によりましても、昭和五十二年から六十二年度の十年間で所得申告者の一人当たりの所得の伸び率は三〇・一%、納税額の伸びは三六・一%、これは主計局の資料であります。ほぼ等しいのでありますが、サラリーマンの場合には、給与が三七・九%の伸びに対して納税額が九八・五%。この数字が示すようにサラリーマンに対する税金負担が非常に増大しておるわけでありますから、ぜひそういった面についての今後の御配慮をお願いしておきたいと思います。 次に、固定資産税について。 最近の地価の異常な急騰によりましてさまざまな国民生活への影響が出てきております。六十三年度、来年ですね、六十三年度は固定資産税の評価がえの年に当たるわけであります。これは前回の評価がえの際にも地価急騰が生じてきており、その際評価がえにより固定資産税の大幅な上昇が心配されていました。今回は当時に比較するともう比較にならないほどの地価急騰、狂乱であります。評価がえに当たる東京都あるいは神奈川県、大阪府等々、大都市部ではそれこそ勤労者、サラリーマンや借家世帯あるいは年金生活をしている年寄りの生活にも大きな影響をひいては与えているわけであります。 そこで、自治大臣にお伺いしたいわけでありますが、評価がえに当たって急激な緩和措置を講ずる方針と聞いておりますが、ひとつお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(葉梨信行君) 昭和六十三年度の評価がえにつきましては、全国の課税団体におきましてただいま作業が進められておるところでございます。また、自治省におきましては、全国的な観点から、標準となる地点につきまして適正な評価が行われるようにただいまいろいろ調整をしているところでございます。その場合に、御指摘にございましたように、いろいろ急激な地価の上昇がございました。先高を見越して買い急ぎをして非常に割高になっている地価であるとか、あるいは将来の期待価格を織り込んだ地価であるとか、そういう点につきましては適切な調整を行う、そういうことをいたしまして配慮しながら課税団体と調整を図ってまいりたいと考えております。 固定資産税の負担と評価の問題につきましては、昨年十月に出されました税制調査会の答申の中でこううたっております。「その評価に当たって引き続き均衡化、適正化に努め、中長期的に固定資産税の充実を図る方向を基本とすべきである。この場合、多くの納税者に対し毎年課税されるという固定資産税の性格を踏まえて、負担の急増を緩和するためなだらかな増加となるような配慮が必要である。」、自治省といたしましてはこの点を十分に踏まえまして検討を行ってまいりたいと考えております。
○橋本孝一郎君 消費者米価問題について農水大臣並びに大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。 もう既にあったとは思いますが、御案内のように、この七月、審議会で五・九五%の引き下げがなされました。ぜひこれを消費者米価にも連動さしていくべきであると思います。それは言うまでもなく、最近の米需要の減少、これをやはり拡大していくのにも役立ちまするし、やはりこういった円高差益問題等も含めて、そういう一つの姿勢が国民消費への一つの心理的効果を大きく与えていくという意味を含めても、これはストレートに消費者米価を下げていくべきだと思うんですが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(加藤六月君) 一昨日総理からもお答えがございましたわけでございますが、ことしの稲の作況あるいは年末に行う予算編成等の関係がある。普通は十二月に消費米価は決定するようになっておるわけでございます。現在のところははっきりいたしておりません。しかし、基本的な考え方を申さしていただきますと、生産性向上メリットというものを生産者価格に、そしてまた消費者価格に明確に反映していかなくてはならないという基本的考え方は持っておるわけでございます。 委員のおっしゃいましたように、国民に理解し納得していただくためにも、そういう点は政府として大いに考慮していかなくてはならないと考えておるところでございます。
○橋本孝一郎君 石油の国家備蓄についてお尋ねしたいと思います。 通産関係ですが、最近の石油の在庫日数は幾日分なのか、さらに、IEAの平均備蓄日数は百五十九日ですか、二十一カ国平均ということになっておりますが、それとの関係でどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 国家備蓄につきましては、御承知のように三千万キロリッターを目標に従来から増強を図ってきております。六十二年五月末現在の我が国の国家備蓄は原油で二千四百万キロリッター、備蓄日数は約四十三日分となっております。昭和六十二年度は三百万キロリッターの積み増しを予定いたしておりますから、今年度末には二千七百万キロリッターと約四十八日分ということになるかと思います。 そこでIEAとの関連でございますけれども、IEAの加盟国の平均は今御指摘のとおり百五十九日。日本が百十五日。御参考までに申し上げますと、アメリカが二百五十八日、西ドイツが百十九日。大体西ドイツと日本がよく似ておる。それから国家備蓄が二千二百八十三万キロリッター、製品換算でございますが、四十三日分というのに対し、民間備蓄が九十五日分、五千六十八万キロリッター、もちろん製品換算でございます。御参考までにちょっと申し上げますと、合計して百三十七日分、七千三百五十一万キロリッター、製品換算ということでございます。
○橋本孝一郎君 国家備蓄の対策の問題なんですけれども、総務庁は民間の余剰久シク利用というようなことを考えておられるようなことが報道されておりますし、あるいは国家備蓄との関係もあるわけですけれども、備蓄対策についてひとつ簡単にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) ただいま大臣から御説明申し上げました原油ベースにいたしまして約二千四百万キロリッターの国家備蓄でございますけれども、このうちいわゆる国家備蓄基地に入っておりますものは九百三十七万キロリッターでございます。残りの一千四百六十六万キロリッターは実は民間のタンクを借りて入れているわけでございます。民間のタンクにつきましては、一般の一日当たり内需量が下がっておりますものですから、九十日備蓄義務を達成するに必要なタンクの量が絶対的に減りまして余裕タンクが生まれてお りますものですから、これを活用いたしているわけでございます。今後とも民間タンクの利用量は徐々に上がっていく見込みでございます。 ただ、現在建設中でございます国家備蓄基地の建設が進みますとそこにあきが出てくるのではないか、この辺の活用をどうするかというところが今回総務庁から御指摘いただいている問題でございます。一つは、備蓄基地の建設のテンポをどうするかという問題がございますし、さらには、今後国家備蓄の目標水準をどうするかという問題がございます。むしろ、これを活用するという積極的な立場に立ちますと、備蓄水準そのものを考え直すというような観点もあろうかと思うわけでございまして、総合的に検討してまいりたいと思っております。
○委員長(原文兵衛君) 橋本孝一郎君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(原文兵衛君) 予算委員会を再開いたします。 昭和六十二年度補正予算三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、橋本孝一郎君の質疑を行います。橋本君。
○橋本孝一郎君 雇用問題について数点お尋ねいたしたいと思います。 四月の完全失業率は三%、それから五月の完全失業率が三・二%に達しまして、これはもう昭和二十八年以来史上最悪の水準と言われております。現在、製造業の景気にも若干明るさが見えている中で、雇用調整も秋にかけて歯どめがかかろうとしているとの観測もあります。その中で史上最悪の失業率が記録されたのは一体なぜか、この点について労働省にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 先生御指摘のとおりに、最近、内需関連業種を中心とした求人の増加や、企業におきましても雇用過剰感がわずかながら低下するなど、雇用動向の一部に改善の兆しが見られますが、その中で、五月は完全失業率が三・二%と過去最高の水準を示しております。 雇用失業情勢と経済との関係では、従来から、雇用失業情勢の回復につきましては、経済が回復期に入りましても一定のタイムラグがございまして、九カ月ないし一年のタイムラグがあるわけでございます。原因その他につきましては、一つには、このところ、先ほどおっしゃいましたように経済には底がたさが増しつつございますけれども、景気にはやはりまだ二面性がございまして、製造業を中心に企業の業況判断に停滞感がまだ続いている。それから二番目には、産業構造の調整が進む中で地域間、職種間の労働力需給のアンバランスが見られ、求人の増加が失業の減少にすぐには結びつかないなど、いろいろな要因があると思います。それからさらに、今後も石炭鉱業等不況業種から離職者の発生が見られる。それからさらに、求人が増加する過程におきましては転職希望の失業者の増加等も考えられるというようなことで、雇用失業情勢は必ずしも楽観を許さないというふうに判断いたしております。 いずれにいたしましても、雇用関係の指標につきましては、今後の動向を注意深く見守りつつ総合的に判断してまいりたい、そのように考えております。
○橋本孝一郎君 現在は、有効求人倍率はこの四月以来連続上昇しておるわけです。製造業ではことしの一月から三月期、前年比二十三万人の雇用が減少しておりますけれども、サービス業などの非製造業での雇用は三十六万人増加しております。そのほとんどの職種も人手不足との調査結果が出ております。その中身は、常用雇用はふえていないけれども、臨時雇用が逆にふえている。しかも、新規求人倍率は昨年度後半から回復しつつある。このように雇用情勢改善の兆しがある一方、失業が改善しないのは、今言った数字からしまして判断すると、製造業から特に中高年齢層を中心とした離職者が三次産業等へ円滑に移動できていないのではなかろうかと思われます。 現在もなお製造業の人材過剰感というのは非常に強いわけでありまして、多い統計では九十万人以上というのも出ているようでございますが、これは今後ともに滞留する可能性が大きいと思います。したがって、政府、労働省は秋口に再び完全失業率が三%を突破するおそれありと予測していたわけですが、五月既にもう三%を突破したということは、このような労働力のミスマッチに対する見通しと対策が不十分ではなかったのかと思われますが、その点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 三%の問題につきましては、労働省としましては、秋に突破すると限定したわけじゃなくて、ことしいっぱいないし来年前半に向けまして非常に厳しい情勢があって、いつでも三%を突破することがあり得るというような判断を持っていたわけでございます。 今先生御指摘の問題につきましては、先ほど私もちょっとお答え申し上げましたように、なかなか需給が結びつきにくい面があるということと、求人がふえましても地域、業種その他の関連から、タイムラグをもってその需給は結ばれていくのが従来の経緯であるということでございます。 政府におきましては、先ほどからいろいろ問題になっておりますように、職業転換のための訓練、出向等に対する助成等、企業間での移動、さらには雇用調整助成給付金制度によります失業の予防、雇用の維持、それから求人求職を中心としました全国的な雇用情報の広域的な提供を図っていくというようなシステムを開発しますとともに、地域雇用開発等促進法に基づきまして地域対策等にも力を入れてまいっているわけでございます。今後ともこれらの施策を総合的に、有効的に活用してまいりまして、対策に万遺漏のないように期してまいりたいと思っておりますが、四月から実施された施策もかなりあるわけでございまして、効果があらわれてくるのはただいま夏過ぎからあらわれてくるのではないかというふうに考えております。
○橋本孝一郎君 次に、さきの三十万人雇用開発プログラムでは、職業転換訓練助成制度の創設、それから雇用調整助成金の助成率の引き上げ、これらが行われたわけであります。しかし、これら助成金を取得して再就職あるいは職種転換を行う際、十分な教育訓練、職業能力開発が進められているのかどうか、そういうような施策を含めてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(平井卓志君) おっしゃいますように、産業構造が転換する中で雇用の安定を図っていくわけでございますから、労働者の職種転換訓練をこれはもう特に積極的にやっていかなければならぬ。そして、不況産業から第三次産業を中心とするいわゆる雇用を期待される産業への労働力移動と申しますか、これをどこまで円滑に進め得るかということが私は今後の雇用対策の非常に大きなポイントであろうかと思うわけであります。 したがいまして、ただいま御指摘のあったプログラムの一環といたしまして、特定不況業種の在職者に対しまして、専修・各種学校や雇用吸収力のある業種の事業主団体、また企業への委託訓練を活用しながら、職種転換のための職業訓練を積極的に実施いたしておるわけでございまして、雇用情勢が特に厳しい地域でございます特定雇用開発促進地域の職業訓練機関におきましては、いわゆる職業相談、職業訓練、また職業紹介を一貫して行う地域雇用能力開発事業を実施いたしておるわけでございます。昭和六十一年末以来、不況業種だけで約三千五百人に対して職種転換のための訓練を実施したわけでございまして、これは全般には年間九万六千人という人数を見ております。 いずれにいたしましても、高齢者対策、そしてまた今御指摘ありました、あらゆる観点から見た労働力を円滑にするための施策というのは今後のポイントであろうかと、その方向で努力をいたしたい、かように考えております。
○橋本孝一郎君 経企庁の見通しによりましても、西暦二〇〇〇年、もうあと十数年しかないわけでありますけれども、これからの将来の職業構造を見ると、第三次産業、特にサービス業のウエートは上昇して第二次産業のウエートは低下していく。しかも、技能生産職で三百万人の供給過剰が出るし、一方、専門技術職では二百八十三万人の供給不足ということが予測されております。また、高齢労働力のウエートが高まるなど、現在の雇用調整下で離職等を余儀なくされている人々には、雇用関係はますます悪化していくわけであります。そういう意味で、いろいろときめ細かい教育訓練プログラムとか、いわゆる新しい技術習得へのカリキュラム等もつくられて、きめ細かくやっておられるようでありますけれども、これはやはり職業能力開発体制を政府全体で考えていくべきではないか。労働、文部、通産、経企を含めて協力して進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。 次に、大学入試についてちょっと申し上げたいと思います。 来年度の国立大学入試日程、これはA、Bグループ分けをめぐりまして紛糾しておりましたが、これは受験生の間に大変な混乱をもたらしました。各大学ができるだけ優秀な学生を採りたいということの心理は理解できないわけでもございませんけれども、しかし受験生を大事にせず、大学のエゴイズムだけで入試の日程を決めるのは、これはもう大学の社会的責任を放棄したことになりはしないか。特に、臨教審の第二次答申を受けて六十五年度から新しい共通テストの導入も考えているようですが、大学入試の改革に当たっては、あくまで受験生の立場に立った対応が必要であると思います。 文部省として今回の混乱についてどのように考えておるのか、また国公立大学のあり方、今後の入試改革の進め方についてどのような方針で臨むのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(塩川正十郎君) 確かに御指摘のように、非常に大学がエゴを丸出しのところがあったと思っております。ただし理工科系は割とA、B分割をうまくやったんです。ただ、社会科学、法律と経済ですね、ここに非常なエゴが出てまいりました。私たちは、これを大学の良心によって何とか話し合いをしてくれということを再三にわたって言ったのでございますが、それは六十四年度からは確実に改正するようにするから、六十三年度分については去年の分の、つまりことしやりました分の手直しの程度ということに終わったのは非常に残念なんです。 私たちが言っておりますのは、社会科学の方でどこの大学もA、B二回に分けてやったらいいじゃないかと。例えばAグループの方は、テスト、点数よりも人格を、あるいは特技を中心にと、こういうことをやってくれと言っておるんですが、なかなか言うことを聞いてくれないんですが、六十四年度からは相当な改正が行われると期待しておるところであります。
○橋本孝一郎君 最後に、大学の別科教員の日本育英会返還免除対象の適用についてお願いしたいと思います。 最近、ASEAN各国からの日本への留学生はふえる一方で、その多くは我が国の国費の支弁留学生であります。そして、この学生たちはまず日本語の習得から始めるわけでありますが、その教育には東京外大、大阪外大、天理大学などの別科などで対応しております。この大学別科の講師や助手などは、その資格や経歴などは本科の講師や助手と全く変わっておりません。それぞれの大学教授会の審査を経て資格を取得しているものでありますが、日本育英会の返還免除の対象から除外されております。 日本育英会において貸付金の返還免除対象の職として大学の教育職が規定されているが、日本育英会施行令には「「大学」には、別科を含まない」と明記されております。したがって、その適用から別科の教員は除外されているのでありますが、これは著しく不公平であります。もちろん大学の別科は日本語教育だけではなく、農業等も教育している大学もあるわけでございまして、いずれにしても、同じ学歴を持ちかつ研究職についている教員が、配属が本科であるのと別科であるのとの違いによってこの差を生じさせることは理解できないことでありまするし、また教員間、同僚間でも不公平感を助長させている点で好ましくございません。 まして、現在、アジア各国の青年学生との交流の拡大をする、交流を広げる国の重要政策の見地からしても、別科教員の教育ということは非常に重要であります。育英会や文部省は、本科、別科の兼職などで、兼ねて対処してくれればとの見解を持っているようでありますが、全員をいわゆる兼職させることは大学の組織構成上必ずしも容易ではありません。むしろ本科、別科の無意味な線引きを廃止して、正しいと思われるので、文部大臣の的確なる助言、指導をひとつ育英会に伝えられたいと思いますが、御所見がありましたらお願いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 別科と大学とは違うということは、御指摘のようにまさに違うわけでございまして、そこへ、臨教審の答申の中にも奨学金の減免について、もっとはっきり言いましたら、もう少しきつくやれという答申が出てきておるときでもございますので、十分考慮はいたしますが、先ほど言いました事情から、当分の間はこれはなかなか難しい問題であるということで私たち認識しております。
○橋本孝一郎君 それじゃこれで終わらさせていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(原文兵衛君) 以上で橋本孝一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(原文兵衛君) 次に、福間知之君の質疑を行います。福間君。
○福間知之君 予定の質問に入る前に、一、二先行してお聞きしたいと思います。 まず一つは、先ほど昼休みのテレビニュースで、日本時間昨夜、アメリカとのSDIの交換公文が締結された、こういう報道でございました。既に御案内のとおり、これをめぐりましては、当予算委員会はもちろん、国会で衆参それぞれ大きな議論があったわけでありまして、その経過の上に立って今日の締結ということで、重大な関心を持たざるを得ません。 まず、ここでは概要について外務大臣の報告を受けたいと思います。
○国務大臣(倉成正君) 戦略防衛構想における研究に対する日本国の参加に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の署名は、先生御指摘のとおり、二十一日、日本時間の二十二日の未明、ワシントンにおいて我が方の松永在米大使と先方ワインバーガー国防長官との間で行われました。 この協定は、我が国の企業等が参加を希望する場合に、かかる参加を円滑なものとするため、昨年九月の官房長年談話に基づきまして、米国政府との間で協議して、このたび合意に達したものでございます。 そもそもこのSDI参加は、個々のSDI研究プロジェクトについて参加を希望する我が国の企業等が、それぞれの自主的判断に基づいて米国防省または参加米企業等との間で契約を締結して研究を行うことができるのでありますが、今般の協定は、かかる我が国の企業等の参加を円滑なものとするため、国会等の論議も踏まえ、その枠組みを両国政府の間で合意したものでございます。 その細部については、もし必要があれば政府委員から御報告させます。
○福間知之君 報じられるところによりますと、この構想は一九八三年ごろから研究に着手して、今日までレーガン大統領個人の主導下でかなりアメリカの国内では政治的にも優遇されて事柄が進められた、こういうふうな背景があるようであります。したがって、最近アメリカの新聞等で報じられるところによると、国防総省内部にも制服組の中で批判が出ておったり、あるいはSDI報告の作成に当たって、一部それが、ワインバーガー長官の考え方を述べた部分が削除されたり、いろんなアクシデントもあるようでありまして、今後のこの推移は極めて注目せざるを得ない。十年間にわたって毎年百億ドルからの費用を負担しなきゃならぬという大きな財政上の面から見ましても、先細りの懸念もあるとか、そういうことを既にアメリカの企業、ヨーロッパの企業、日本の企業が読んで、これに対応していくこれからの企業の姿勢が検討されるという段階にあるようであります。極めてこれは重要な問題だと思います。 今御案内のココム問題でも、アメリカ主導で共産圏に対する国際的な戦略というものを強めていこうという姿勢が感じられる中で、果たしてこれに参加してどれだけの利点があり、どれだけ世界の平和に貢献していけるのか大変疑問があるわけで、私どもの党はかねがね、核戦略というものの宇宙拡散である、一層それは人類に危険を及ぼすのじゃないのかという立場で批判をしてきております。そういう点で、今後我々も重大な関心を持って当国会でも議論をしなきゃならぬと思いますので、真剣にひとつ対応するということをお約束願いたい。 それから後藤田長官の記者会見が先ほどあったようでありますけれども、このことによって新しい秘密保持の法律はつくらない、このようでございますが、どのような見解を発表されたんですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御承知のように、SDIの問題は、日米の間で濃密な協議をしまして、その結果、昨年の九月でございましたか、官房長官談話を発出をして、双方の間で調停を進めていくということに決定をしたわけでございますが、けさ、日本時間の早朝にワシントンで調印をした。こういうことで先ほど新聞記者会見で質問がございましたので、そういったことを踏まえながら、何よりもこのSDIの研究というものが非核の防御の兵器体系である、そして従来の大陸間弾道弾、核を運ぶ、こういったものを廃絶する、無効にしてしまう、こういう技術の研究であるということが基本にある。そこで、同時にまたこれは高度の技術開発という意味から見ても非常に重要性を持っておりますから、日本としてはこれに参画をすることにした。ただその際に、個々の日本の企業が契約によって先方と話が進むわけでございますから、企業としてはその成果の利用について本当に十分利用さしてくれるのかという心配があったことは事実だ。その点はまず心配はないと自分は承知をしておる。 それからいま一点は、この研究の過程で、いわゆる秘密を保護するために秘密保護法といったようなものを新しく日本は立法するのではないのかという心配が一部にある。そういう心配はありません。それは民事の契約の中できちんと処理をするということで、新しい秘密保護の立法は必要としない、こういうことでございますから国民の皆様方に御安心を願いたい、こういう私は発言を先ほどしたわけでございます。
○福間知之君 後藤田長官のお話は聞きおいておくといたしまして、考え方はよくわかりました。 これは最後にアメリカの次の大統領選挙でも共和、民主両党の間で大きな争点の一つになりそうだという感じも私はしないわけじゃないんです。というのは、民主党の六人か七人の大統領候補は、SDIについては積極的ではない、そういう合意をしているようでありまするから、政権がかわった後もなおこの構想がどういう姿で持続するのか中断するのか、非常に不安定な、不確定な要素をはらみながら今日日米間協定が行われたというふうに私は感じております。これは後ほどまた同僚議員がもう少しく議論の対象にすると思いますので、この程度でやめたいと思います。 次は、粟原防衛庁長官にお伺いしたいんです。 昨日、何か三宅島の問題でいろいろな御発言があったようでございますが、どういう発言をなさったんですか。
○国務大臣(栗原祐幸君) きのう記者会見のときに外国の通信社の記者から、三宅島がいろいろ言われておるけれども、どうしてそういうふうになっているのか、事情をお聞かせいただきたいということでございますから、端的に言って、これは政府・自民党が一番最初、三宅の人たちに対する対応、それに対してやはり足らざるところがあった、これはもう謙虚に反省をしなきゃならない。ただ、三宅の方々は非常に純情な方々である。その三宅の純情な方々に対して特定のイデオロギーを持った勢力がいろいろと働きかけておる。そういうようなことから、この三宅の人たちというのはそういう点について我が方の理解を求めるという態度になっていない、そういうことが非常に大きな問題ではないかということを申し上げたんです。 それに関連して御質問があればお答えいたします。
○福間知之君 島民は純情だとか特定のイデオロギーを持った云々というようなことが報道されておりましたけれども、島民は純情と、ではほかの日本人は純情でないのかということになるんですが、だれしも狭い自分たちの島に、今の厚木で住民が非常に苦難を感じているようなそういう事態を招きたくないというのは当然のことでございまして、一方、政府・与党の方は、米軍との、アメリカとの関係もこれあり、基地の新設がどうしても必要だという立場で対立しているわけです。これはやっぱりどうしたって、長官がおっしゃるように、早くからコンセンサスをつくる、合意を得るような努力を時間をかけてもやるべきことだったんでしょう、長官の立場からいえば。だから、その発言はともかくとして、特定のイデオロギー云々というのは、したがってちょっと私は当たらないと思うんです。
○国務大臣(栗原祐幸君) 私も何も不用意に言ったんじゃないんです。これは私も資料を持っていますけれども、三宅島の反対闘争が始まりましてから特定のイデオロギーを持った政党が継続的にいろいろの宣伝活動をやっているんですよ。そしてしかも、三宅のリーダーの人たちは、こちらの方で説明をするから聞いてくれということでも、説明は聞かない、説明を聞くなど、そういうことなんですよ。それじゃ話し合いをしろといったって話し合いはできないでしょう。話を聞くというのなら別だけれども、最初からシャットアウトというのは非常におかしい。 それからこれは参考までに申し上げますけれども、一体三宅では何のために反対理由を挙げているか、こう見ますと、訓練場は核基地となる、訓練場は核攻撃の的となる、訓練場はシーレーン防衛の中心基地となる、訓練場ができれば米軍が常駐し婦女子は暴行される、訓練場は島の観光産業を壊滅させる、訓練場は島の産業、農業を壊滅させる、訓練場ができると封じゅうが騒音のるつぼと化す、訓練場ができると村中が墜落の危険にさらされる。しかも、議長が村長と一緒に防衛施設庁の長官のところに来たときの言葉は、訓練場ができれば徴兵制がしかれると、今どき考えられないことを言っているんです。これは、こちらの者が話を聞いてくれ、話を聞いてくれと言うのに一切話を聞かない。そういう態勢を整えて、そして反対だ反対だと言うんです。私はそこに一番大きな問題があると思うんですよ。 しかも、最近は、いわゆる中央紙の中で三社ぐらいだと思いますけれども、とにかく話し合いをすべきであると言っているんですよ。こちらは話し合いをしたいと言っているんです。そういう意味合いで、私どもは強行をするというよりも話し合いをしたいと言っている。この点をどうぞ御理解いただきたい。
○福間知之君 今いろいろと挙げられましたけれども、そのとおりだと思うのもあれば、ちょっとそれはオーバーだという感じを受けるものもあります。だから長官のおっしゃるものをすべて認めるわけにはいきませんけれども、いずれにしても話し合いをしなきゃならぬというのは明らかなのでございます。 例えば横須賀で米軍の住宅云々の問題がありましたね。長い経過をたどりながら、しかし話し合いで今いいところまで詰まっているわけですね。あれをひとつもって他山の石として、三宅島は東京の部かにあるわけですから、これはひとつ広い視野でいろんな関係者の協力を得ながら、長官が逆立ちしたって、長官が逆立ちしたら逆に後戻りするかもわからぬので、そこらの知恵を使ってそれはやってもらわなきゃ、もうあすにももう一本残った鉄柱を強行するというふうな情報が現地に飛んで、現地はきょう代表がおいでになって、施設庁長官にお会いになったんでしょうか、この昼休みでも。そんな情報があるんですが、あした強行なんか絶対にしないように、私はこの場では要請をしておきたいと思います。
○国務大臣(栗原祐幸君) 今観測用の鉄柱を立てているというのは、いわゆる気象上のデータを収集するということでありまして、これが直ちに飛行場の建設ということには結びつかない、このことはもう前から言っている。また、飛行場をつくる場合にはよく御理解をいただいてやる、こういうふうに言っているんです。 したがいまして、三宅島の人たちはこの鉄柱そのものにもけしからぬと言う方々があるわけです。それは、どうかそういうことを言わぬように、話し合いをしてください、絶対反対だ、絶対反対だじゃ進まないじゃないですかということを言っているんです。ですから、防衛庁長官、おまえの態度についてももっともっと考えるところは考えると言うんなら、私はその点については十分考えますが、野党の皆さん方もこの問題について、どうか君たちもそういこじに言ってないで聞くだけは聞けと、こう言ってください、これはお願いです。
○福間知之君 私何も求めた覚えもないんですけれども、党としてはこれ賛成しかねております。だから、一定の行動はとっていますけれども、そんな筋の通らない問答無用というふうな態度ではないと私は思っております。だから、とにかく話し合いを早急に詰めていくということを第一義にして、もう一本残った鉄柱の建設などを強行することはかえってそれは住民感情を害しますし、よくないことだと思いますので、強くこれは要請しておきたいと思います。
○国務大臣(栗原祐幸君) これなかなか重要ですから、私の方も話し合いをもう一回するということで現地でさせますから、どうか社会党さんの方も話し合いに応ずるようにと、そういうようにしていただきたいと思います。重ねてお願いします。
○福間知之君 長官の要請は素直に受け入れておきたいと思います。 次に、韓国問題から質問に入りたいと思います。 総理は、朝鮮半島問題につきまして日ごろ、緊張の緩和、南北朝鮮の自主的平和統一を歓迎する、積極的にそのために環境づくりを行う、さきのベネチア・サミットにおいても、ソウル五輪の成功のために努力をするなどと約束をし、発言をされてきました。 そこでまず、先月から急進展してまいりました一連の韓国の民主化の動きについてどういうふうに評価されておられるか。そしてまた、総理は三回にわたりまして全斗煥大統領と直接お会いになり、イエローシャツなどという歌を歌った仲だと聞き及んでおりますけれども、この際、韓国に対して民主化の一層の進展のためにどのように役割を果たされるお心組みか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、朝鮮半島の問題につきましては、南北の当事者の話し合いによりまして平和的な話し合い、平和的な統一というものが第一義であると思っております。我々日本はほかの近隣諸国とともに、そういう平和的な安定性がもたらされるように側面的にも協力したいと考えております。 それから、韓国の内部の問題は韓国民みずからがお決めになることで、我々がとかく側面から申すべきことではないと思っております。ただ、先般来のあの一連の民主化の措置につきましては、韓国全国民が関心を持っておった大きな問題でございまして、ああいう形で大英断が下されまして、与野党が話し合いを行い、共通の目的に向かって第一歩が印せられたということは韓国のためにもまことに慶賀すべきことであり、また我々近隣諸国といたしましても、これによって韓国が安定し、オリンピックが成功に向かうということであるならば大いに祝福さるべきことであると歓迎もいたしておるわけであり、私はこの大英断に対しては心から敬意を表しておる次第なのでございます。
○福間知之君 緊張緩和のためにも大変これは喜ばしいと私も思いますし、また、我が国としては竿頭一歩を進めて、この時期に南北和合の実現のための何らかのアクションとまではいかぬにしても、政治的な意思表示というふうなものがあっても私はいいと思いまするし、特にこれは大きな問題だと思うんです。 民主化が本当にまだ十分進んでないという一つの証拠として、独裁体制下でつくり出された政治犯の釈放というのは決して十分じゃないわけで、金大中さんその他象徴的にかなりの人数が釈放されたと聞きますけれども、特に私たち日本として問題になるのは、在日韓国人の政治犯が四十数名残されておるわけでありまして、これは倉成外務大臣、先日国会議員十数名から要請もあったとお聞きをしているんですけれども、どのように対処されるのか。すぐにひとつ釈放してもらいたいという我々の要請はやるべきじゃないか。また、それとあわせて韓国の内部における一層の民主化の定着ということに寄与をすることに通ずるんじゃないかと思うのです。いかがですか。
○国務大臣(倉成正君) 先日、社会党を中心とする議員の皆様方がお見えになりまして、韓国における在日韓国人の政治犯の問題を御陳情いただきました。これがどういう種類の罪名によって先方で拘禁されておるかということについては我が方も詳細を承知しておりませんが、先般伺いました点を踏まえて、今後先方政府の実情をよく調査いたしたい、調査させているところでございます。
○福間知之君 まだ調査をする段階なんですか。要求をすべきじゃないですか。
○政府委員(藤田公郎君) 先般、先生方の御要望もございましたし、それから政治犯の釈放及び復権の措置がとられるという発表が行われました段階で、外務省より韓国側に対しまして、本件は当然のことながら韓国の国内の問題ではある、しかしながら、在日韓国人の方々は我が国に長く居住をされ、かつ多くの親族の方がおられるということにかんがみて、日本としては非常に強い関心を持っているので、この在日韓国人の政治犯の方々もこの釈放、復権の対象に含められることを願っておりますという形での申し入れをいたしております。
○福間知之君 ぜひひとつ外務省、引き続いて、余り間を置かないで、こういうのは何遍もしつこいぐらいにやることが大事だと思いますので、外交儀礼を失しない範囲で積極的にやっていただきたい。ところで総理、新しい憲法下で韓国が大統領選挙を行う、こういうことになりました場合、今の選挙状況がいろいろ報道されていますが、それはともかくとして、与党が勝つのか野党が勝つのかわかりませんけれども、仮に野党が勝って政権を持つという場合に、当然それは自由投票によって選ばれた憲政下における大統領であり政府である、こういうことになると思いますが、その場合、我が国政府は野党出身の大統領であっても従来と同じような関係を維持していくということが言い切れますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 韓国の国内法によりまして合法的に成立した政権というものについては、我々も敬意を表すべきものであると考えております。ただ、その政権がどういう対外政策、既存の条約とか今までのそういう諸問題等に対するお考え等において我々が困るようなものをお持ちであるならば、そのときまたいろいろ相談する、協議するということになるでしょうけれども、原則的には合法的に成立した政権というものについては、これは我々として当然今までと同じようにいろいろな交渉を行い、また協議もすべきものであると考えております。
○福間知之君 今の段階では当然そういう御答弁かと思いますが、アメリカよりもさらに近い隣の国であり、歴史的にも深いかかわり合いがあり、日本としては一層この韓国との関係を友好なものにしていかなきゃならない、そういう立場で大統領選挙後の対韓外交というものは非常に重要だと思いますので、今総理がおっしゃった趣旨で積極的にひとつ対応していくことを期待したいと思います。 ところで、今韓国の民主化の進展とあわせまして、朝鮮民主主義人民共和国との関係におきましても、この時期に今日までの我が国の外交姿勢を変換していくという、そういう我々は意識を持っていい時期じゃないか、こういうふうに思っております。 御案内のとおり、我が党は、朝鮮民主主義人民共和国と共同事業で友好親善の船を、二十日の日に田辺前書記長を団長に三百数十名が朝鮮に向かいまして、昨二十一日元山に着きまして、きょうは日朝問題全般の話し合いが行われているんじゃないかと予想しておりますけれども、朝鮮半島政策の見直しによい時期だというふうに私は考えます。だとすれば、総理は、総裁とされまして、自民党の大型代表団の派遣などを考えられてはいかがか。あるいはまた、あちら側から朝鮮労働党のホ・ダム政治局員クラスの訪日ぐらいは認める、こういうふうなお考えはお持ちじゃないでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 我が国は韓国を朝鮮半島における政権として承認もしている、そして条約を結んで友好関係をずっと維持している関係でございます。北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国につきましては、これは民間レベルの交流を認めておる、あるいは人道的な問題等についてはいろいろ折衝もし助け合う、そういうことで今まで来たので、それを変えるべき事由は目下のところないと思っております。 これらにつきましては、南北関係がどういうふうに推移してくるか、また北の政権がどういうような政策、そういうものをお持ちになってきているか、そういう諸般の情勢をよく見きわめた上で考慮すべきものであって、現在の情勢で変えるべき段階に来たとは考えておりません。
○福間知之君 そういう総理の今時点のお考えは、場合によっては一カ月か二カ月先で変わるかもしらぬというふうな気もしないでもないです。 私は、今回の南の方の民主化政策、転換、大きな妥協につきましては、その陰でアメリカの影響力がかなり大きかったんじゃないか、こういうふうな節を感じますし、またその延長線上で、アメリカはかって日本の頭越しに米中関係の改善に乗り出したということもありましたね。北との関係も、我々の目にはつかないけれども何かの動きがあったかもしらぬ、そんなことも一応感ずるわけであります。どうぞ隣の日本でございますので、総理のことですから間違いはないんじゃないかと信頼したいと思っていますけれども、一歩ひとつ早目早目に手を打っていくことが必要だろう、そういうことを申し上げて、時間がありませんからこれ以上やっていられませんので、次に移りたいと思います。 次は、ココムの問題でございます。 通産大臣、今回の訪米でアメリカの政府、議会の要人と会見をされて大変御苦労されてきたことはよくわかっていますが、特に何をアメリカ側に訴えられたか、またその点に米側はどういう反応を示したか、特徴的なことをお伺いしたい。
○国務大臣(田村元君) アメリカへ参りましたのは、東芝機械がココム違反をやった、現実に私どもが受けとめましたのは国内法違反という犯罪でございますけれども、それが東芝グループ全体に及ぶような制裁措置。私どもは、東芝グループをどうこう言うことよりも、ココム違反ということで国内法で処罰をする、外国からその上制裁を食らう、こういうようなあしき慣例ができていいんだろうか、こういうことで、包括法案等の取り扱いにつきましても、特にあの当時はこれが通過するであろうことは日に見えておりましたが、両院協議会等の場もございますし、政府の扱い等もございますから、そういう点で私どもは向こうへ参ったわけでございます。 特に向こうへ申したのは、今までとった制裁措置とそれから再発防止策、それから今後とろうとしておる制裁措置、そして再発防止策というようなことをお話を申し上げ、行政府からは非常に評価をされたが、なかなか議会の方は賛否両論で大変であった、こういうわけでございます。
○福間知之君 アメリカ側の日本に対する要請の中で最も強いのは、罰則の強化を内容とする国内法の体制づくりというふうに感じているわけですが、先ほどの質疑の中でも外為法の改正に関して大臣が触れておられましたけれども、そのように承知をしてよろしいのですか。
○国務大臣(田村元君) 罰則強化を初めとした法改正その他の問題について、米側から我々に対する要求は何もありませんでした。私どもが自主的にこういうふうにするつもりだが、何とか極端な保護政策に走らないで自由貿易というものを守ってもらえまいか、また向こうの行政府に対しては、どうかひとつ議会の出す法律に対して反対をしてもらえまいか、こういうことをお願いしたのであって、米側からどうしろこうしろというような注文はございませんでした。
○福間知之君 しかし、話し合いの中では、大臣の方からかなり積極的に再発防止を中心に今後の我が国側の考え方、対処方針、そういうものを述べられた、こういうふうに察しをいたします。 問題は、今、日を追ってこの外為法改正等をめぐるこれからの対処策について、我々野党の側でもそれぞれ研究をしてかからなきゃいかぬぞと、こういう空気が高まっております。先ほどのお昼のNHKニュースでは、けさほど自民党幹部、これは幹事長、総務会長らでしょう、斎藤経団連会長等が会われて、そして経団連会長の方からは、何としても自由貿易の根幹を揺るがすような、そういうふうなことを考えられては困る、こういう強い要請があったと報じられております。これは、私は斎藤経団連会長と立場が同じで言うわけじゃないんですけれども、先般来の議論の中でも、外為法の趣旨に沿ってまさにそのとおりである、そうであらねばならぬ、こういうふうに思っているわけであります。 したがって、安全保障上の取り扱いを考慮した改正ということになると、そうでなくても外為法の精神にいささかそぐわないわけですから一層問題だと思うんですけれども、この点はいかがですか。これは、通産大臣と外務大臣、特に外務大臣は、きょうの報道によりますと、アメリカとのハイレベルの協議機関の設置で合意をされたというふうな報道もあるんですけれども、その点についても触れていただきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 自由貿易を守るということはこれはもう当然のことでありまして、私が訪米いたしましたのも、保護主義の高まりに対して自由貿易を守りたい、また守ってほしいということで参ったわけでございます。でございますから、そういう考え方を基本的な理念としながら、ココムという西側陣営の紳士協定というものに対応する外為法の改正ということを考えておるわけでございまして、外為法の改正によって自由貿易が著しく侵害されるということは、我々はむしろ反対でございます。貿易担当省としての通商産業省としてはあくまでも自由貿易を基本としたい。ただ、外国とのそういう取り決めがございますから、協定がございますから、それに整合性を持たせるという点の改正はぎりぎりやむを得ないというふうに考えておるわけであります。
○国務大臣(倉成正君) 貿易は元来自由なものであるべきでございますし、また我が国は自由貿易主義の最大の恩恵を受けておるわけでございます。一方、ココムの規定というのは、いわば非公式の協議機関の申し合わせでございますので、法的な強制力はございません。しかし、自由陣営の中でこういう申し合わせをしました以上、何らかの対応をそれぞれの国内の事情に応じていたすということで、我が国においては外為法、貿易慣例を中心としてこの措置をしておることは御承知のとおりでございます。 したがって、私が申し上げましたのは、結局二十五条の役務の方についてはあって、四十八条の物の面についではない、やっぱり物とサービスというのは一体でなきゃならないと、整合性の点から申し上げておるわけでございまして、通産大臣が訪米中に商務長官といろいろ御協議をいただいて、先方の理解を深めるように努力をしていただいた労を歩といたすわけでございますが、同時に、このような協議を含めて、我が国政府全体として米側と協議を行う体制をつくり上げていくということが大事じゃないかと考えておる次第でございます。
○福間知之君 私、昨日東芝の関係者と若干話をする機会がありました。その罰則の強化、もちろん言わんとされることはわかるにしても、そのことよりも具体的な規制の対象となる貨物が明確にならなきゃならぬ。それはやはり今日までの運用の中では大変あいまいさが残っておる。 特に、私ここでも申し上げたように、半導体なんか汎用性が非常に大きいですから、どういうふうに利用されるかというのは皆目わからないわけでありまして、もうワープロ、パソコンなんか十六ビット以上のものはココムにひっかかっちゃうんです。ちょっと手土産で何かやろうかと思うとひっかかっちゃうんですけれども、それはちょっといかがなものかと思うんです。そういうことで、貨物の具体的な規制対象というものを明らかにすることが必要じゃないかなという意見を聞いてきましたが、それもそうだという感じを持っております。 いずれにしましても、今後なおこの国会でこの善後策については大いに議論をして、国民的なコンセンサスを盛り上げながら一定の方針を決めることが望ましいということを申し上げて、せっかくの努力をひとつ期待したいと思っております。 緊急経済対策として五兆円程度の公共事業の実施ということが補正予算の中で明示されました。これはかねがね、これまた通産大臣の言葉でしょうが、真水と言われる部分は一兆九千七百六十億円。このことによってどの程度の内需の拡大が期待できるのか、あるいは経済成長率にどの程度の寄与が考えられるのか。民間の機関では成長率は一・一から一・五%、今年度の経済成長率はトータル二・三から三・二ぐらいという見通しなんですが、これは経企庁にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生から御指摘ありました一兆九千七百六十億円というのは、今回の緊急経済対策関連、例えば中小企業だとか地域活性化、そういったものを全部含めての数字でございますので、いわゆる事業ベース五兆円に相当するものは一兆七千五百億程度でございます。これを今度の補正予算でお認めいただきますと、御案内のように公共事業で二兆四千五百億、そして災害で四千五百、施設等で三千五百、プラス日本道路公団等二千五百、これに地方の負担を含めまして、同時に地方単独事業、そして住宅、合わせて五兆円、こういうことになるわけでございます。 昨年の対策と比較いたしますと、国費ベースで申しますと、一兆五千四百三十五億に二千百五十億の施設が加わりまして一兆七千五百八十五億になりますが、昨年のこれの見合いの数字は五千四百九十億でございまして、そのうち年度内に支出されるものは三割ぐらいでございます。今年度は、これほとんどもう今年度内の支出ということで、翌年回し分が数%、こういうことでございますので、これが補正予算の成立の後で早遠実行に移される。既に本予算の八割相当額を九月末までに契約を完了しよう、こういうことで関係各省努力をしていただいているわけでございますので、これは昨年度の対策と比較にならないぐらい大きな経済的なインパクトを持つ、かように判断するわけでございます。 たびたび申しておりますように、五兆プラス一兆の六兆はGNP対比一・八%でございまして、これが消化されるとなると約一年間で二%GNPを押し上げる。今年度ではどうかということでございますが、先ほど言いましたように、九十数%は年度内に支出される予算でございますので、私は一%と言っておりますが、一%プラスアルファの効果を持ってあろう。 六十二年度のGNPの成長率が、いろいろ御意見ございましたが、結果的には二・六%になっておりますから、この六十二年度のGNP成長率が、緊急対策なかりせば自然体でどれくらいの率になるかということでございますけれども、私どもはやはり二・五%前後の経済成長率は自然体でもいくものであろうと。これにこの緊急対策が加わりますと、問題の為替レートにつきましても、昨今のように円高から戻っておりますから、これが民間設備投資に対して積極的なプラスの効果を与える。こういうことを考えてまいりますと、自然体で二・六%に、まあ一%プラスアルファのGNPのプラス効果が、緊急経済対策が加わりますと三・五%、当初申し上げておりましたGNPの成長率は非常に高い確率で実現できるものと私どもは考えておる次第でございます。
○福間知之君 経企庁長官、今回の五兆円プラス一兆円で六兆円規模をGNP比率で推定すると約一・八%ぐらいになるんですね。昨年の三兆六千三百六十億円、これはかってない大きなものだった。GNP比でこれは一・一だった。昨年のこれがどの程度成長率に寄与したか、これはつかんでおられますか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 私ども昨年四%のGNP成長率を当初考えましたときには、内需だけで四・一%ぐらいの成長率を実現して、そしてそれに対して外需要素で〇・一、二%ぐらいマイナスであろう。端数を整理いたしまして四%と、こう申し上げておったわけでありますけれども、六十一年度のGNPは、もう数字が全部出ておりますから、検討いたしますと、内需だけは私ども考えました四・一%は達成できた。項目別の違いは、民間設備投資が相当落ち込んでおったのをまさに緊急経済対策によってその分をカバーして内需で四・一%を達成したわけでございますけれども、昨年の円高は極めて激しいものがございまして、このことによって輸出が低迷いたしまして、むしろマイナスでございましたし、それに加えて輸入が相当な大幅の増でございますから、輸出の停滞と輸入の増はGNPにとってマイナスの大きなファクターでございます。これが一・五%マイナス、こういうことで、差し引き二・六%の経済成長の達成になった、こういうことでございます。 私は、四%、四%と言っておって実現しなかったじゃないかということをこういう場でも皆さんからおしかりを受けるわけでございますが、日本の経済政策の目的は二つございまして、一つは内需の増大ということと、それからもう一つは対外経済摩擦の解消、それは輸出を抑え輸入をふやす、こういうことでございますので、私ども二つの目的は達成したと思っておるんです。財政によって当初の内需を確保しましたが、しかし問題は第二の目標、すなわち外需の調整はむしろある意味では成功し過ぎたということが差し引き四・〇じゃなしに二・六という経済成長に結果としてなった、こういうことでございます。
○福間知之君 長官の答弁は割合長いものだからわからなくなってきた。 ことしはどうなるかということをしたがって私は聞きたいわけですけれども、外需は落ち込むというか、外需を少し控えるということは今国策でもありますし、したがってなおさら内需の伸長がなければならない。昨日でしたか、月例経済報告で一応明るさが出てきたという報告をされたようですが、しかしまだ民間設備投資なんかの強さはあらわれておりません。デパートの売り上げとか住宅建設の面では少し改善されたようだけれども、問題は今後でございます。 ところで大蔵大臣、第二次補正などということも口にされていますけれども、そういう要件は一体どのような場合だと考えられますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 第二次補正というのは、今考えられます主たる原因といたしましては、今回のようないわゆる緊急経済対策という意味合いではありませんで、御承知のように、ただいまの補正予算に税制改革関連の歳出歳入は一切触れておりませんために、その理由は御承知のような税制改革協議会の問題でございますが、この点につきましては、今年度の税法が決まりましたときに、その段階で一度補正を行わないと整合性を欠くということになるわけでございます。 いわばただいまの場合には、今年度の税制というのは、先般政府提案が廃案になりました結果、形式的には当初の税制に返っているわけでございますけれども、それはただ形式の議論でございますから、実際にどういう税制が決定するかによりまして改めてその分を補正いたしませんと、歳出歳入の整合性がとれないということになりまして、そのような意味での補正が予想される、こういうのが主たる要因と存じます。
○福間知之君 話はわかります。国会の審議にまだゆだねられなきゃならぬわけです。我々、この臨時国会もこんな時期に開かれて、また国会が開かれるということかなと今思うんですけれども、その時期は考えられるのはいつごろだと思っておりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは実は、ちょっとただいまから申し上げるのは少し差し出がましいかもしれないと思いますが、そのような意味での補正でございますので、年度終了までの間にきちんと整えておけばよろしいのではないかと考えております。
○福間知之君 次に、建設大臣、ひとつうんちくを傾けてもらいたいんですけれども、工事上の事務量の急増とか建設資材の売り惜しみとか、いろんな障害が生じているやに聞くんですが、これに対してはどのように対処されていきますか。
○国務大臣(天野光晴君) この間もここで答弁したんですが、建設資材が不足するんじゃないかとか、あるいは技能労働者が不足するんじゃないかというような話が、去年の予算執行中にそういう言葉があったことは事実です。 そうですから、今度の場合も最初から、一体どれぐらいできるものかということで調査したのでございますが、建設省当局としては、最高五兆円、要するに全額で七兆円までの公共事業は消化できるという結論を出しまして折衝した結果、五兆円ですから、私の方では三兆五千億ぐらいなのでございますが、その関係で、資材の方は通産大臣にもお願いしまして、主力的なものは鉄鋼あるいはセメント、木材ですから、これの供給は支障がないようでございます。技能労働者の方も去年言われたようなことは大丈夫でございますから、私の方では、今度予算を通していただいた暁においては、一週間以内ぐらいで建設省は執行いたして、完全執行する予定でございます。
○福間知之君 降雪地帯などは早目に仕事を進めなきゃならぬことはもう大臣もよく言っておられるとおりだと思うし、八〇%からの前倒しを現在野にやってきているわけですから、これは言うはやすく、なかなか容易じゃないと思うんです、全国レベルで見た場合に。だからその効果のほどが心配なんです。また労働力の面でも、鉄や炭鉱や造船の方々が職種転換するといってもなかなかはかばかしくいっていないようでございます。そういう点でかなり懸念を感じないわけにはまいりませんので、せっかく各省庁協力し合って効果を上げていただきたい、こういうふうに要望します。 労働省、この今回の対策で、雇用の面ではどの程度の改善効果が期待されるか。あるいはまた通産省の方で、輸入がこれでどの程度拡大を見込まれるか。さらにまた、なかなかこれも難しいんでしょうが、不況業種の構造転換がどの程度進捗することが期待できるか。その三点それぞれお答え願いたいと思う。
○国務大臣(平井卓志君) 御案内のように、このたびの緊急経済対策でございますが、非常に雇用状況が厳しいわけでございますので、内需を中心とした景気の積極的な拡大を図ることを目的にいたしておるわけでございまして、特に公共事業等の施行促進、さらにその拡大、また住宅投資の促進等を通して、雇用機会の拡大には効果を発揮するものと期待いたしております。 特に公共事業につきましては、雇用情勢の格別に厳しい地域、ただいま御指摘のございました北海道、九州等を中心に全国で安定所単位で約四十三地域ぐらいになりましょうか、つい先般、建設大臣にお願いをいたしまして、特別の重点配分をお願いしたところでございます。ただいま労働省の三十万人雇用開発等も盛り込まれておりますので、現行制度もフルに活用いたしまして、これらをあわせて雇用対策に万全を期していきたい、かように考えております。
○国務大臣(田村元君) 内需拡大による輸入誘発、約十億ドルの政府調達等を通じまして、経常収支を今後一年間でおおむね五、六十億ドル削減する効果を持つものと試算いたしております。また、主要企業に対する製品輸入拡大努力の要請によりまして、約六十億ドル程度追加的輸入があるものというふうに期待をいたしております。
○福間知之君 不況業種の問題はなかなか一言では言えないと思いますので、結構でございます。 日銀総裁にもちょっとおいでいただいていますので、一部はしょりまして、為替見通しについてお聞きしたいと思います。 アメリカの貿易赤字が五月に八・一%ふえた、そして赤字額百四十三億ドル。その中でも対日赤字が五十億ドルを超している。その当時円は百四十八円でございました。今は百五十円弱。弱まっておりますけれども、今ドル安修正の局面にあるというふうに一般に言われているんですけれども、そういう見方を日銀としてはされておりますか。
○参考人(澄田智君) 確かに五月の末ごろからドル安修正、あるいは円安方向と申しますか、そういうような動きで、百五十円台の前半で動いているというような状況でございます。御指摘のように、十五日でございましたか、米国の五月の貿易収支の赤字幅が前月に比べてふえた、こういう発表がありましたときに、百四十八円に、また四十円台に戻りましたが、これは一日ばかりでまた五十円台、こういうことになっております。 このように最近の市場の地合いは多少変わってきておりまして、そしてひところのようにささいな材料に過敏に反応する、しかもそれは円高方向に反応する、こういうような地合いは少し変わってきている、こういうふうに思うわけでございます。しかし、やはりアメリカの赤字、日本の黒字、膨大な対外不均衡の問題は、若干改善の兆しはあるとは申せるところでございますが、しかしやはり基本的に残っているわけでございまして、したがって為替相場の動向については目が放せない、十分注意をしていかなければならない、こういうふうに我々は考えている次第でございます。
○福間知之君 大蔵大臣も大体同じですね。 マニュファクチャラーズ・ハノーバーの主任エコノミストをやっていられるケルナー氏という方が語った報道がありまして、来年のアメリカ経済はインフレや金利上昇、株価の下落などによって景気が後退期に入る、こういう表明をされているんですが、日銀総裁、そういう印象は持たれますか。
○参考人(澄田智君) 当面のアメリカ経済の動向は、外需中心と申しますか、輸出の伸びを中心に生産が徐々にふえてきている。そして設備投資等においても増勢の趣が見られておる、こういうようなところでございまして堅実な状態である、ほぼそういうふうに言えるのではないかというふうに見ております。 来年のことになりますと、これは非常にいろんな要素がございまして、ただいまのところ、一部にはことしの地合いがなお来年も続くというような説もございますし、また必ずしもそうでないというような見方もあるようでございますが、私どもとして見通しをまだ持っているわけではございません。
○福間知之君 大統領選挙も来年になれば一層近まるわけでありまして、それがアメリカ経済に心理的にどういう影響を及ぼすか、過去のデータからもこれは分析をしておく必要が私はあると思います。レーガノミックスがかなり無理をしてここまでやってきておりますので、それが大統領引退というふうなことを控えて我が国側にとってデメリットが拡大しないようなことを期待したいけれども、これはかなりケルナーさんのおっしゃることは注意を必要とするなと思っております。 そこで、時間がなくなりましたが、この十三日にサンフランシスコで開かれました日米の財界人会議で、アメリカのモーガン米日経済協会会長が、日米の経済状態からするとドルは一段と安くならざるを得ないという趣旨の発言をしておるそうであります。米国経済人は、フェルドスタイン前大統領経済諮問委員長の発言に見られるように、円ドルレートは一ドル百二十円に向かうという見解に同意している、アメリカの経済人は概してそう言われているんですが、さらに一ドル百二十円から、それどころか百円という状況に向かうということが全く危惧なしとしない。やや長期的に見てそういうふうな腹を我々は持たなきゃならぬと思うんです。 政府は、今の時点で一応百五十円レベルで安定しているかのごとく受けとめておられるようですけれども、心底どうなのかということを経済界は大変この点に心配をしておるわけでありまして、これは大蔵大臣の所見をひとつお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど日銀総裁が言われましたことは、基本的に政府としても同じ考えております。プラザ合意以来二十何カ月でございますから、これでアメリカの国際収支はやはり好転をし始めるはずである。あれこれ考えますと、今のようなお話の、これはいろんな予測がこういうことにはございますわけですから、一々反論をする必要もないと存じますけれども、私どもはやはりアメリカの国際収支というのは少しずつはよくなっていく、それによってドルの信認というのは多少ずつ高まっていく、そういうふうに見るべきであろう。長い間の課題としては、アメリカの国内の財政赤字というものを一刻も早くひとつ安定的な縮小の基調の上に置いてほしい、常にございますけれども、全体といたしましては私は先ほど日銀総裁の言われましたような考えでよろしいと思います。
○委員長(原文兵衛君) 以上で福間知之君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(原文兵衛君) 次に、広中和歌子君の質疑を行います。広中君。
○広中和歌子君 けさのニュースを拝見いたしまして、急遽次の質問をさせていただきます。 半導体協定、ココムなど最近国際協定に、特に日米間で結ばれる協定に関しまして問題が非常に起こっております。そうした中で日本は、協定を遵守するための国内体制の整備などさまざまな視点から、協定締結後に付随して起こり得る問題を検討しなければならないことを痛感しているところでございます。 けさ方ワシントンでSDI協定に日米間でサインが交わされたというニュースがございましたが、SDIに関しては研究成果の民間利用と機密保持の二つの大切な内容を含んでいると思いますが、これらに絡んで国内法に十分に対策が考慮されているのか、それをお伺いしたいと思います。 けさ方、アメリカの上院で七十一対二十七で東芝のココム違反事件を含む包括貿易法案が可決されました。SDIはアメリカ国内でもさまざまな批判を浴びているものでございますけれども、SDIに絡みまして、その協定を盾に日米間で新たな摩擦が起こらないと断言できるんでしょうか。総理、外務大臣並びに通産の各大臣に御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(倉成正君) SDIの研究計画に参加するという問題は、我が国の企業等がこの研究に参加することを容易ならしめるという趣旨の協定でございます。したがって、参加するかしないかは企業等の自由でございますから、この点はひとつ御理解をいただきたいと思います。 その際に、日本の企業等が参加する場合に、既にみずから持っている技術は何ら影響を受けないこと、また、参加の結果生み出す成果について最大限取得し得る権利を明確にすること、仮に今般の取り決めがなければ我が国の企業等はいかなる権利が保障されるか明確にされないままこれらの点についての契約交渉を行わなければならない、そういう点を今度の協定では明らかにしておる点でございます。 そして今、後段で仰せになりました日本政府が現行の国内法、日米間の取り決めの枠内で秘密の保護のために必要かつ適当な措置をとることということで現行の法の枠内でやるわけでございますが、これがなければどういうことになるかと申しますと、参加に必要な情報のうち秘密なものは我が国の企業等に提供されません。また、その限りにおいて参加の範囲が限定されることになるわけでございます。また、日本の企業は競争入札に応札するために必要な情報の入手、説明会等の出席等について米国企業と平等に扱われる、また日本政府は必要に応じて日本の企業に対する側面的支援のために米国政府と協議し得る、こういう大まかな、まだ細かい規定はございますが、内容になっておるわけでございまして、おおむね我が方が主張しておりました、また産業界等の要望はこれに入れられているものと確信をいたす次第でございます。 なお、SDIへの研究参加とココムとの関係はこれは別個の問題であろうかと思います。
○国務大臣(田村元君) SDIに関しましては、もう今外務大臣が詳しく申しましたあのとおりでございます。 今広中さんが、今朝、日本時間で言う今朝の包括通商法案に触れられました、あるいは御質問でなかったかもしれませんけれども、御質問があったというふうに受けとめてちょっと私の方からコメントをさせていただきます。 この今朝可決されました包括貿易法案の中に、ココムに違反した外国企業、別に東芝とは書いてございませんが、外国企業の製品の輸入を一定期間禁止する条項が入っておることは承知しております。しかしながら、このココム違反に対する制裁というものは加盟国それぞれの国がみずからの責任で行うべきものでございます。他国の違反に対して一方的な制裁を科すことは問題があると私は考えております。 東芝機械問題につきましては事件そのものは極めて遺憾でございます。このような事件が再び生じないように、今回の訪米につきましても私は日本側の再発防止対策というものを十分に向こうに説明をいたしてまいりました。行政府は少なくとも深い理解を示してくれました。これに対して、行政府は対応を評価してくれましたが、議会の方はなかなか難しい面がございます。それが通りましたから両院協議会というものになるんでしょうが、この検討を経て本件の米国における対応ぶりが決まってくるということになりましょうけれども、私どもは米側にあくまでも鎮静であってほしい、冷静な対応をしてほしいということを今後なおも働きかけ続ける所存でございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今外務大臣、通産大臣が申されたとおりでございます。 SDIの問題については、SDI自体が非核防御兵器という新しい兵器体系にいって、核兵器を根絶しようという大きな理想のもとに行われているものであり、我が国としてこれに参加することは我が国の平和主義に違背するものではないのであります。また、我が国の民間会社がSDIの研究計画に参加するのを容易ならしむる、また我が国参加会社の権利を確保する、そういう意味において政府としてある程度これを援護するような協定をしておるわけであります。 それから東芝の問題については、通産大臣から御説明申し上げたとおりであります。
○広中和歌子君 私が申し上げたかったことは、ともかく研究成果の民間利用、そして機密保護、それに絡めまして今後いろいろな問題が起こらないか、そういう点に関してでございまして、今後国際関係が非常にデリケートな中で政治、外交の役割が大変大切なわけでございますので、慎重な御配慮を賜りますようにと、そういうお願いをいたします。 続いて、次の質問に移らせていただきます。きのうに引き続き、税金の問題をお願いいたします。 クロヨンとかトーゴーサンとかという言葉がちまたに広がっておりますけれども、税の捕捉に関しまして、給与所得者と、それから自営、農業営業者の間に格差があり、それが給与所得者の間に税の不公平感が広がる一つの原因だと言われているわけでございます。また株式、債券の譲渡によるキャピタルゲインやキャピタルロスの捕捉がされていないことも、またマル優の不正利用もささやかれているわけでございます。こうしたことに関しまして大蔵省はどういう認識を持たれていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(日向隆君) 大蔵省の認識を申し上げる前に執行面での問題を申し上げてみたいと思います。 申告納税制度のもとにおきましては、源泉でその収入が把握される給与所得者等を別にいたしまして、納税者が自主的にその収入及び経費を申告して所得を算出し納税することになっております。したがって、漏れなく正しい申告を確保するためには納税意識の高揚、記帳の充実等納税環境の整備を図るとともに、課税上有効な資料、情報の収集を行い、充実した税務調査を実施すること、この二つが不可欠であります。この線に沿って私どもも広報、相談、指導、調査等を通じてできる限りの努力をしているところでありますが、申告の出方や税務調査の結果から見ますと、個人の営庶業の所得につきましては、連年の申告漏れ割合は二〇%前後、また法人の申告漏れ割合は五%前後で推移しておりまして、これらの納税者につきましては、収入ないし所得が公正に申告されているとは言いがたいところであります。したがって、私どもとしては先ほど申し上げました線に沿いましてなお一層の努力をしてまいりたい、かように考えております。
○広中和歌子君 申告所得税でございますけれども、それに関しまして、例えば自営業など帳簿の記載というんですか、それは義務づけられているのでございましょうか。そしてまた、罰則規定みたいなものがあるのでございましょうか。
○政府委員(水野勝君) 申告所得税の納税者につきましては、青色申告を選択される場合には一定の帳簿が完備しているということが条件でございますので、こうした方につきましては帳簿記帳が整っておるわけでございますが、こうした青色申告を選択されている方は六割前後の方々でございます。そのほかのいわゆる白色申告者につきましては、昭和五十九年度の改正におきまして、記帳義務制度、それから記録保存制度等の制度が導入されておるわけでございますが、中小企業の方々にいろいろなそうした記帳等をお願いするという際に、これ罰則をもって強制するということはなじまない面もあるということで、義務としてはお願いはいたしておりますが、罰則等によって担保されているというものではございませんで、専ら指導によってそうしたものが励行されるように期待をしておるところでございます。
○広中和歌子君 調査状況についてお伺いしたいのでございますけれども、どのくらいのいわゆる申告漏れがあったのか、その額と割合をお知らせください。
○政府委員(日向隆君) 先ほどの答弁でも申し上げましたが、個人の営庶業所得者につきましては、このところ連年二〇%前後の申告漏れ割合でございます。それから法人につきましては、大法人、それから中小法人とございますけれども、ひっくるめまして五%前後の申告漏れ割合でございます。
○広中和歌子君 ちょっといただいているのと違うのでございますけれども、これは特別に調査したものなのでございましょうか。何か五十八年度ですと、申告漏れ件数割合九四・六%、所得税でございます。法人税の場合八二%、相続税九七%、譲渡所得七〇・一%となっております。
○政府委員(日向隆君) その資料につきまして私今承知しておりませんけれども、私の推測で大変失礼でございますが、それは、調査したものについて非違が発見された割合、つまり非違割合だと思います。
○広中和歌子君 マル優はどの程度の、何というんでしょうか、どのくらい不正に使われていると予測していらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(日向隆君) マル優のいわゆる不正利用につきましては、査察調査を初めいろんな調査で随所に発見はされておりますものの、それを統計的にとったデータは今持ち合わせておりませんので、今委員の御質問に直ちに答えかねるという状況でございます。
○広中和歌子君 確かな証拠があって申し上げるわけじゃないんですけれども、非常に多いのではないかといったような予想がされているわけでございますけれども、どのような対策がとられるのか、いわゆる公平な徴税に関してどのような対策がとられようとしているのかということについてお伺いいたします。
○政府委員(日向隆君) 申告納税制度のもとにおきまして、私は二つの要件が公正妥当な執行のために大事である、こう思っております。その第一は、納税者の申告納税意識の高揚と記帳等を中心といたします納税環境の整備であります。もう一点は、やはり正直に申告した人がばかを見ないように課税上有効な資料、情報の収集を十分いたしまして、これに対して適切な調査をする、こういうことであろうと思います。この二つが私ども対策として大事ではなかろうか、こう思っております。
○広中和歌子君 くどいようでございますけれども、納税環境の整備というのは具体的にどういうふうにお考えなんでしょうか。
○政府委員(日向隆君) 正確に申告したいという意欲がありましても、税法の知識、簿記、会計の知識等が十分ございませんとそれが実現を見るには至りません。まず第一にその点の整備が必要と思います。それから第二には、やはり記帳でございますが、青色申告については先ほど主税局長がお触れになりましたが、白色申告につきましてもなるべく正確な記帳をお願いする。この二つの条件が相まって納税環境が整備されていく、こう私は考えております。
○広中和歌子君 納税者に番号を使う制度についてどのようなお考えをお持ちでございますか、納税者番号でございます。大蔵大臣いかがでございますか。
○政府委員(水野勝君) 納税者に税務行政上一定の番号をつけ号していただいて、申告あるいは情報、資料等につきましてそれによりまして整理をいたすという納税者番号制度というものも考えられるわけでございまして、また、そういうことになればかなり徴税上も効果が上がるということも言われることもあるわけでございます。私ども、これに似た制度といたしまして、昭和五十五年度改正で少額貯蓄等利用者カードといったものを導入いたしまして、非課税貯蓄の管理とともに、課税貯蓄につきましてもこれでもって整理、管理をするということにいたしたわけでございますが、いろいろな問題、御批判等がありまして、昭和六十年度改正でこれを撤回させていただいたわけでございます。 諸外国の例を見ますと、アメリカ、カナダ等にはこうした番号制度があるわけでございます。例えばアメリカの制度でございますと、これは数十年前から実施されておりました統一的な社会保障番号を税務上納税者番号として使うということで始まっておるわけでございます。やはりほかの制度の中でそうした番号制度があり、それを税務上使わしていただくということであれば比較的問題点も少なかろうと思いますけれども、税務上の要請から統一的な番号を付きしていただいて、それでもって管理するということにつきましては、昭和五十五年、六十年の経験に照らしましても、なお我が国においてはそこまで社会的な環境は整備されてはいないのではないかといった感じを持っておるわけでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 狭い意味での徴税ということから申しますと、番号がついておりますと非常に賦課も徴税もしやすいということは恐らく間違いないところでございますけれども、そういう番号が税務だけにとどまるという保証がございません。恐らくあらゆる金融取引、金の出入り等に番号が伴うといたしますと、ほとんど国民の全部を網羅するということになると思います。 そこで、そういうことについて国民がどういうふうにそれを受け取るかということになるのだと思いますが、アメリカの場合にはソーシャルセキュリティーの番号を納税に使うまでの間に三十年ぐらいたっておるそうでございます。アメリカとかカナダでございますと、殊にアメリカの場合には、何と申しますか、ヨーロッパの国々あるいは我が国と比べまして国が若いといいますか、もともとがお互い他人であったという何かそういう社会のでき方をしておりますので、比較的そういうことについて、からっとしていると申しますか、ドライであると申しますか、そういうところがあるのだろうと思います。 やはり古い国には古い国なりにいろいろお互いの間の習慣とか約束とかいうものがございまして、番号でもって勘定されるということには何か本能的にひとつやっぱり抵抗があるということのほかに、それがかつては、これはかつてでございますけれども、この国会でも、番号というのは徴兵制につながるといって野党が現実に反対をされたような段階があったわけでございまして、何かやはり国民の中にそういう反発するものがあるということが前回のグリーンカードというのが結局とうとう実行し得なかったということではないか、そういう基本の問題がございます。 そのほかに、これは私ども考えることですが、仮にすべての取引がそういう番号を用いなければならないということを始めましたときに、そういう番号のない取引があったときにはそれはどうなるのか。公法上、私法上そういう取引は無効になるのかどうかということになりますと、これはまた大変なやはり社会秩序に大きな影響を及ぼすと思いますし、それから仮にそういうことをやったといたしまして、しかしそのようなことを管理するための複雑さ、国民感情は別にいたしますが、等々を考えますと、果たしてそれは相対的に賢明な選択であろうかどうか。やはり制度というのはひとり歩きするところもございますから、あれこれ考えますと、税務だけの狭い分野からだけ答えを出すのには私はやはりいろいろ危惧すべき点があるように考えます。
○広中和歌子君 私は、五十五年の少額貯蓄利用者カード、これが否決された事情については、まだ政治の世界に入っておりませんのでよくわかりませんけれども、番号に対する非常なアレルギーというのに関しては私は余りよくわからないのでございますけれども、例えば銀行預金にいたしましても、また例えば健康保険にいたしましても番号なしては管理できない。そういう現状があるものでございまして、それがたまたまアメリカの場合には、最初は一九三六年ですか、社会保障番号として始まりまして、そしてその番号のユニークさゆえに徴税、IRSに使われないかといったような論議がされ、最初の段階ではもちろん反対もあったわけでございますけれども、結局反対する人というのは納税に関してやましいところのある人ではないかといったようなPRが行き渡りまして、その結果として導入された。結局一九六二年に導入されたわけでございます。 確かに長い年月を経てのことでございますけれども、おっしゃいますように、この番号をつけたからといってすべての納税が正確に行われるというものではなく、多少いろいろなものがございまして、その後もアメリカというのは幾つかの税制改革をしているわけでございますけれども、やはり私現在の日本の税制を考えますときに、いわゆる納税環境というのでしょうか、余りにもルーズにできている。それは国情の違いというようなこともおっしゃいますでしょうけれども、私を含めましてだれでも税金は安い方がいいし、できることだったら適当にといったような気分になりがち。そういう点では税金に関しては性悪説をとってもいいんじゃないかと思いますけれども、制度をしっかりさせますとそれなりの対応というのは我々できるわけで、やはりきちんとした制度を持つ方がよろしいのではないか。 本当に広く行き渡っております不公平感ですか、それに対してやはり政府としてはきちんとした姿勢をお示しいただくことの方が日本として非常に気持ちがいいんじゃないか、そんなふうに思うのでございますけれども、御意見をお聞かせください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど大体申し上げたつもりでございまして、銀行の口座でございますと、これは広中先生と銀行、私と銀行との関係だけでございますから全く個人の問題になりますが、やはり納税番号というのは国民全部にほとんど使われるようになりますと、それは国民総体がやはり一つの番号で処理をされるという、言葉は不適当かもしれませんが、ということになる。それが納税だけであれば、まあまあ税だけの問題かもしれませんけれども、ほかのことに使われやすい。 これはちょっと私全く個人の感じで申し上げるんですが、いわゆるオーウェルの「一九八四年」でございましたか、つまりああいうかつて民主主義以外の経験を受けた国というのでは、やはり国民が政治権力から番号でもって規制されるという、そういう受け取り方がどうしてもやはりある。それがオーウェリアン・ソサエティーというものではないかと思うのでございますが、古い国にはやっぱりそういう何か一つの心配がある、それが国民が持っておられる危惧ではないかという、これは私だけの感じでございますけれども。アメリカという国はそういう経験を持っておらない、これはそういう点では根っからああいう国に生まれたというすぐれたところがあるんだと思いますけれども、あるいはそういうことについての社会的な抵抗といいますか、そういったようなことにも多少関係があるかもしれないと思います。
○広中和歌子君 そのほかのことに使われるということでございますけれども、アメリカはドライバーズライセンスからパスポートにまで全部使われておりまして、むしろ一つの番号を覚えれば例えば非常にいろいろな取引など便利にできておりまして、つまり自分をアイデンティファイされるという点で非常に便利になっているのでございますが、特に大型コンピューターの時代になりますとさまざまないわゆる事務処理が簡単になってくるのではないか、そのように思うのでございます。 プライバシーに関して非常に敏感に反応がされているというふうに伺いますけれども、これに関しましては、国家公務員法百条の公務員の守秘義務規定、それでカバーできるのではございませんか、お伺いいたします。
○政府委員(水野勝君) 確かに国家公務員法には、秘密を漏らした場合には一年以下の懲役、三万円以下の罰金というのがあります上に、税法にはさらに税務職員だけの守秘義務、これは一年以下の懲役よりも高い二年以下の懲役、三万円以下の罰金という守秘義務もあるわけでございます。税務職員につきましてはそうした担保もあるわけではございますが、番号管理と申しますのは、漏らす漏らされないということの以前の問題として、番号によってすべての情報が税務組織内に把握されるという、そのあたりからの問題がむしろ大きいのではないかと感じるわけでございます。 〔委員長退席、理事林道君着席〕
○広中和歌子君 このことに関しましては、いわゆる国民の間での長いPRというんでしょうか、そういうのが必要だと思いますのでこの辺で引き下がりますけれども、プライバシーの保護に関連いたしましてエイズ予防法についてお伺いいたします。 プライバシーの保護が一番問題になっているようでございますけれども、保護に確信がおありなんでございましょうか。
○国務大臣(斎藤十朗君) エイズの予防対策につきましては、本年二月からエイズ関係閣僚会議というのを政府で組織をいたしまして、エイズ問題対策大綱というものをつくり、正しい知識の普及を初めといたしまして五項目の大きな柱をつくって今その対策を推進いたしておるところでございます。 これらの対策を進めるにつきましては、何といいましてもプライバシーの保護ということをその基本に置いてすべての対策、行動の中でこれを最大限尊重し、気をつけていかなければならないということといたしておるところでございます。そういった対策の一つといたしまして、今御指摘がございましたエイズに関する予防法というものを現在国会に提出をさしていただいておるところでございます。この予防法につきましても、条文をごらんをいただきますと、その中にプライバシーの保護という観点を多く見出していただけることと思うわけでございます。 四つの点ぐらいについて申し上げさしていただきたいと思います。 患者等を発見いたしました際には医師においてこれを届け出をしていただくということになっておりますが、その場合につきましても、氏名を届けていただくことが必要ないということといたしまして、個人を特定をすることのないような、そういう届け方に工夫をさしていただき、また、例えば小さな市町村等におきましては、氏名を伏せましても大体だれかということがわかる場合がございますので、市町村を経由しないで都道府県に直接届け出ていただくというようなことも考えておるわけでございます。 また第二点といたしましては、感染者等の発症予防に対する指導、また感染行為等に対する指導につきましては、何といいましても医師と患者との信頼関係の上に立ってこれを推進していくということを大原則とさしていただきまして、公的な権力が最小限に及ぶというような工夫もさしていただいておるところでございます。また感染予防、感染行為の禁止等につきましても、これまでの伝染病予防法や性病予防法よりも非常に軽い、また罰則のない形でお願いをいたしておるところでございます。 第三点につきましては、このエイズ対策に携わられました医師及び関係する方々、また公務員等の守秘義務につきましても非常に厳しい罰則を付しております。 また第四点といたしまして、国及び公共団体がこの対策を推進するについて、プライバシーの保護を十分心得てやるようにということと同時に、また、国民広く感染者等について偏見や差別を行うことのないようにプライバシーに気をつけておる、こういうことでございまして、プライバシーの問題からこの予防法についていろいろ世間に御意見があることを承知をいたしておりますが、今申し上げましたような点を十分御説明を申し上げ、御理解をいただければ御納得のいただけるものではないかというふうに考えておるところでございます。
○理事(林ゆう君) 関連質疑を許します。高桑栄松君。
○高桑栄松君 ただいまのプライバシーに関連してでございますけれども、エイズの陽性者が確認をされますとこれは接触感染調査が行われるわけでありますが、これを具体的に例を挙げてどのように行うのかを御説明願いたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 現在のエイズのサーベイランスにおきましては、協力医療機関のお医者さんがエイズ患者、感染者を診断したときに、その感染者本人を通じましてその接触者に対してはできるだけ医療機関への受診を勧めるという形でやっておるわけでございます。現在提出しておりますエイズ法案におきましても、このような考え方を踏襲いたしまして、エイズの二次感染防止自体は医師と感染者との信頼関係に基づいて保健指導を行っていただくということを基本としておるわけでございまして、通常のケースの場合に、お医者さんが先ほど申し上げましたように感染者本人を通じてその接触者に受診を勧奨するということで予定をしておるところでございます。
○高桑栄松君 血友病患者のことでございますが、まず第一点は、抗体検査の結果の告知については今までどうしておったか、それから法律が成立したらその後どういうことになるのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 申すまでもなく、このエイズというのは伝染病でございますので、二次感染の防止というのは非常に重要な側面だろうと考えております。したがいまして、がんのような場合と違いまして、私どもはエイズの抗体が陽性の方にはその旨を教える、告知をするということを原則としておるわけでございます。したがいまして、従前から血友病の患者さんの場合にも抗体が陽性の場合にはできるだけ告知を原則とすることでお願いしておるわけでございますけれども、ただ、やみくもに患者さんの心理状態をおもんぱからないで告知をするということは非常に問題だと思いますので、その点については十分御配慮をいただきながら、できるだけ告知をして二次感染の防止に努めていただくような指導をしていただくということで考えております。法律の成立を見ましたときでもそのようなことで考えてまいりたいと思っております。
○高桑栄松君 これはごく最近テレビで見たのでありますけれども、ある医師が血友病患者、自分の患者をエイズに感染させた加害者は直接手を下した私だ、こういうざんげとも言えるような発言をしておりました。これに対して厚生大臣のコメントを承りたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 私は不幸にしてそのテレビそのものを拝見いたしておりませんが、先生のお話で調べましたところ、お尋ねの医師の発言は、NHKのニュースセンター九時で放映されました安部帝京大学教授の発言であったと思われます。この発言は、エイズの原因がわかっていない当時において、輸入血液製剤に頼らざるを得ない状況の中で、結果としてエイズの感染者を出したことに対し、患者を預かる医師としての真情を吐露されたものと受けとめております。
○高桑栄松君 引き続き厚生大臣に承りたいんですが、私が大学で講義をしております中で、公害なんですが、高桑の公害責任論というのがあるんです。これはエイズにも適用されると思いますので、ちょっと御説明をして意見を承りたいと思います。 原因につきまして未知の場合と無知の場合と既知の場合、この一つがあるわけです。未知の場合は何人もこれは仕方がない。ただ、道徳的な責任があるかということが残ると思います。無知の場合、これはまた何をか言わんやだと思います。既知の場合、これは承知の上で無視したとすれば犯罪であると私は思います。 血友病エイズというのは医原病とも言うべきものだと思うんですが、厚生省の立場はこの三つのステージのうちのどれに一該当すると思われるか、厚生大臣のコメントを承りたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 先生のお尋ねは血液製剤を使用したことによって感染者を出したということについてかと思いますが、なかなか学問的なことで合っているかどうかわかりませんが、私はその段階におきましては未知の状態でなかったかと考えます。といいますのは、血液製剤におきましてエイズウイルスがあり得るということはわかりつつもこれを除去する方法が当時なかったわけでございまして、そういう意味で、除去する方法をまだ発見し得なかったという意味における未知の状態であったというふうに考えるわけであります。そうであっても、しかしながらその血液製剤を使って治療をする以外に方法がないという状況の中で血液製剤が使われざるを得なかったという時期があったと思うわけでございます。
○高桑栄松君 医師が患者が抗体陽性であるということがわかっても届け出を拒否したときには、この法律での処置が何か行われますか。
○政府委員(仲村英一君) 現在お願いしておりますエイズ予防法案におきましては、医師がその届け出を怠った場合の罰則はございません。
○高桑栄松君 それでは、血友病患者は御承知のように常時医師の管理下にあるわけです。したがいまして、この法律のもとに一括取り扱いを受けなくても管理が十分行えるという意味で私は別扱いにできないのかなと思うんですが、厚生省、どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) 血友病患者さんは、おっしゃるように常時お医者さんの管理下に置かれておるということは事実だと考えます。したがいまして私どもといたしましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、医師と患者の信頼関係に基づく保健指導ということですべてを組み立てていくべきではないかということの一環といたしまして、特に血友病の場合にはそういうことがありますので、私どもといたしましては、例えば現在まだ法律が制定されておりませんけれども、現在主治医のもとで管理が行われておって現行のサーベイランスの報告で既に御報告をしていただいている分につきましては法案に基づく知事への報告は要しないということで整理をいたしたいと考えておりますが、繰り返しますけれども、あくまでもこれは伝染病でございますので、二次感染防止という観点から申し上げますれば、感染の経路はいかようでありましても、二次感染を防止するためのいろいろの対策というのは感染者から非感染者への感染を断ち切るという意味で一括して考えるべきことだと考えております。
○高桑栄松君 エイズの予防は正しい知識による啓蒙、つまり教育しかないと再三言われているのでありますけれども、一、二伺いたいと思いますが、血液とセックス以外はエイズはうつらないと、マスコミではほとんどこういうふうに断言をされておりますが、これは厚生省の指導によるものでしょうか、その根拠は何であるか承りたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 私ども、正しい知識をお持ちいただいてうつる危険な行為を避けていただきたいということで、最も重要な対策といたしまして正しい知識の普及ということでやってまいっておりますが、現在までのところ、一番新しい通知で申し上げますと、本年二月の通知でございますけれども、私どもといたしましては、エイズウイルス保有者の血液や体液を介して感染するわけでございますけれども、血液による汚染または性的接触によって起こるということで指導しておるところでございます。
○高桑栄松君 次は、このところとみに蚊による感染論議が盛んになっておりまして、これは私の質問によって刺激されたのかなと思って啓蒙の意味で大変よかったんではないか、こう思っておりますが、ところがテレビ、新聞にあらわれているのに、蚊による感染の必要条件が二つあると言っているんですね。一つは蚊にウイルスがあること、もう一つは蚊の中でウイルスが増殖することと書いてあります。専門家としての厚生省の御意見を承りたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 現在までのところ、おっしゃるような条件が二つ必要だということで私ども承知しておりますが、すべての研究論文によりますれば現在蚊からエイズが感染するということはないということになっておるようでございます。
○高桑栄松君 青木雅純というドクターがおられるんですね。この人はNJHの免疫部長をしているんです。それから予研の北村部長と非常にごじっこんのようであります。非常に新しい雑誌に投稿しておられる文章の中にこう書いてあります。最近アフリカでパスツール研究陣は蚊によってエイズが伝播、うつされる。もう一つ、これは重要なポイントなんですけれども、ウイルス保有者の排せつ物になかったハエがウイルスを運搬して伝染させるということをほのめかしたと書いてあります。非常に重要なポイントだと私は思っておりますが、この文章は御承知ですか、コメントをいただきたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 全部ではございませんが、一部承知しておるつもりでございます。ただし現在までのところ、WHOのことしの五月の会議でございますとか、ワシントンの国際会議、六月でございますけれども。そのほかWHOのパンフレットにも、昆虫によって媒介されることはないということで私ども現在承知しておるところでございます。
○高桑栄松君 法が成立したといたしまして、プライバシー保護への不信感とか不安ということから該当者が検査を受けに来ない、つまり水面下に潜ってしまう。そうすると予防法の意義はない、というよりは逆効果があるということを日本衛生学会等が反論しているわけでありますが、厚生省の御意見いかがでしょう。
○政府委員(仲村英一君) 先ほど大臣からお答えいたしましたように、私どもプライバシーの保護を十分気をつけながらも、これが伝染病であるということ、それからうつって発病してしまえば治療法がないということで対策は非常に難しいわけでございますけれども、幾多の対策のうち、五本の柱のうち一本としてこのエイズ予防法の制定をお願いしておるところでございます。この趣旨を十分御理解いただきまして、まだ文明国でも非常に少ないと言われております日本のエイズをこれ以上広げないように、できるだけの努力を重ねてまいりたいと考えておるところでございます。
○高桑栄松君 総理大臣にお伺いをいたしますが、注目すべきことは、性病予防法において行政の介入は蔓延状況の把握、すなわち蔓延防止にはほとんど機能していないというのが通説になっているんですね。ここで、エイズ予防の第一は感染者が水面下に潜らないということである。そのためには行政指導を強化して医師、患者の信頼関係に期待をした方がよい結果を得るのではないかと私は思うんです。そのためには、法施行の猶予期間を置いて、その間に試行錯誤を行って最善の方法を見出すことが一番よいのではないかと思うんですが、総理大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(斎藤十朗君) エイズ予防法につきまして、プライバシーの観点からかえって予防の効果が上げられないのではないかというお話が数々あることは承知をいたしておりますが、先ほども申し上げましたように、今回のエイズ予防法につきましてはプライバシーの保護という点について最大限に注意をいたした法律とさせていただいております。もう繰り返して申し上げませんけれども、先ほど申し上げました四項目のことがその柱であるというふうに考えております。 この法律をまとめます際に、いろいろな御意見がございまして、慎重に検討いたしたわけであります。そういう中では、例えば伝染病予防法とかまた性病予防法にエイズを追加すればいいではないか、新しい立法は必要ではないではないかというようなお話もございました。現に今もあるわけでございまするけれども、今申し上げるような伝染病予防法や性病予防法におきましては現在御提出をいたしておりますエイズ予防法よりも非常に強い行政の介入や権力の介入という点、また罰則等がありまして、そういうことを考え合わせると、エイズという特殊性、またプライバシーを保護しなければいけないという観点からより緩やかなそして実効を上げ得る予防法として今回の法律を提案させていただいたわけであります。 今先生の猶予期間を置いてはどうかという御意見でございまするけれども、先生のおっしゃる猶予期間という意味を考えますると、現在も昭和五十九年からこのサーベイランスを実行いたしてまいっておりまして、本年になりまして、一般の方々 への感染ということも見受けられ、非常に社会的な問題にもなる。そういう経過の中でこのサーベイランスを行ってきているこの今の期間がまさに先生がおっしゃる猶予期間ではないのかというふうに考えるわけでありまして、そういう現在の進行状況を踏まえてこの予防法を決めさせていただき、そして一日も早くこのエイズ予防対策を一つのルールにのせていくということにさせていただきたいと思う次第でございます。
○高桑栄松君 きょうは、時間の都合がありまして、政府側の御答弁だけを承りました。私の意見は社会労働委員会に引き継がしていただきたいと思います。ありがとうございました。
○広中和歌子君 次に、土地問題につきまして質問させていただきます。 戦後の土地の値上がり率、土地を除く諸物価の値上がりとの比較についてお教えいただきたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 私の方から土地の値上がり率につきましてお答えさせていただきたいと思います。 国土庁が毎年一月一日現在で地価公示という調査を実施いたしておりますけれども、それによりますと、六十二年の一月一日現在の地価公示でございますと、全国平均で七・七%の上昇率でございます。ただ、これを地域別に見ますと非常に格差がございまして、東京圏が二三・八%、それから地方圏の平均で言いますと一・五%というような形で、非常に大きな格差がある実情でございます。
○広中和歌子君 私は、戦後、昭和二十年からの値上がりを伺っているわけでございます。ございませんか、その数字は。
○政府委員(片桐久雄君) 私の手元にあります資料で申し上げますと、昭和三十年からの地価の上昇の動向を申し上げますと、昭和三十年代は非常に全国的な地価の値上がりが大きくございまして、一般的に申しまして大体三〇%から四〇%程度の上昇率を示しているわけでございます。
○広中和歌子君 何でございますか。
○政府委員(片桐久雄君) 地価の上昇率でございます。
○広中和歌子君 一年に。
○政府委員(片桐久雄君) 一年でそういう上昇率でございます。 これは経済の高度成長に伴いまして、工場用地の値上がりとかそれから人口移動の状況によりまして住宅地の値上がりというのが非常に大きかったわけでございます。その後、四十年代に入りまして多少上昇率がダウンいたしまして一〇%から二〇%という程度の上昇率になっておりますけれども、昭和四十年の後半になりまして大変な地価の値上がりがございまして三〇%前後の値上がり状況ということでございます。これが五十年代に入りますと、経済の安定成長という状況から地価の上昇率が非常に低くなりまして、五%から一〇%程度というのが長期的な地価の動向でございます。
○広中和歌子君 複利にしますとどのくらいになりますでしょうか。複利なんて言い方——いわゆる戦後から何倍ぐらいになっているのでございますか、三十年からで結構でございますけれども。
○政府委員(片桐久雄君) ちょっと手元に倍数を示す資料がございませんけれども、地価の値上がりの趨勢はGNPの伸び率と大体並行しているというふうに承知いたしております。
○広中和歌子君 だれかほかに御意見ございませんか。毎年三〇%ふえておりましてGNPと一緒というのもちょっと信じられないのでございますけれども、そんなものなんでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) その辺の資料につきましては、後ほどいろいろ調べまして資料を提出いたしたいと思います。
○広中和歌子君 総理にお伺いいたしますけれども、総理は総理大臣になられてからさまざまな問題を手がけていらしたわけですけれども、土地がナンバーワンプロブレムだという問題意識はお持ちになりましたのでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 持っております。そういうことも最近は言明しております。
○広中和歌子君 外圧の力をかりずに日本が自分の力でいろいろ国内改革をした、それは国鉄が最初だということでございますけれども、それに次に必要なのは土地、農業、政治といったようなことを言う人もあるわけでございますけれども、政府は土地改革にどのような形で取り組んでいかれるおつもりなのか、所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先般来諸般のことを申し上げておりますが、当面の問題それから中長期の問題と分けられると思います。 当面の問題は、政府でやれることをまずどんどんやっていく。そういう意味で先般来税法の改正をお願いいたしましたが、国土計画法の改正、これが成立しなかったのは甚だ残念でございます。しかし、今後もその志をやめないで、税法の改正等を通ずる土地対策、それから最近は金融関係に手を打ちまして、金融機関全般について投機的融資というものを自制してもらうように強い態度で臨みまして、全金融機関がこれに協力してくださるという約束もして、これからそれの実行を見守るという段階になりつつあります。 それから、やはりいろんなアイデアがありますけれども、アイデア倒れで実際実行しにくいというアイデアがかなりあります。そういう面からしましても、しかし一面においては規制を緩めて土地の供給を増加させるという面と、規制を強化して投機を防止する、そういう両方の面があると思うんです。そういう意味では、都市計画等における規制解除という面をさらに思い切って前進させる必要があります。また、一面におきましては転売禁止とか、要するに土地というものを投機の対象にしてごろごろ回すことを抑えるというやり方、これを税制そのほかを通じてもやっていかなきゃなりません。そういうふうにして、ともかく投機を抑えて、これの頭を押さえつけてしまうということ、それと同時に供給をふやしていく、それで値を下げていく、そういうような面で中長期の政策にも目をつけつつ実行していく。そういう当面のものと中長期のものにつきまして、行革審に対しまして諮問をいたしまして、その考えを今伺っておるところです。大馬力で、その関係の委員会も成立しましたので、検討していただいて、答申もいただいて実行をしたい、そう考えております。
○広中和歌子君 大蔵大臣並びに経済企画庁長官、つけ加えていただくことはございませんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般、税制の面では、政府提案といたしまして短期譲渡について重課をお願いいたしたいということを御提案いたしましたが、これは一応一遍廃案になっておるところでございますが、ぜひお願いを申し上げたいと思っております。 それから金融機関の関連でございますが、従来年二回報告を求め、ヒアリングをやっておりました。一般的な形でやっておりましたが、ここへ来ましてどうもそういうことではなまぬるいという思いがいたしまして、このたび特別のヒアリングをやることにいたしました。せんだってこの席から大河原委員にお答えしたところでございますが、結局特定の地域、首都圏なら首都圏でございますが、値上がりの激しい地域、それから不動産に対する融資実績の残高の大きい金融機関等々をやや選択的に選びまして、そうして現実にどういうことになっておるのかということを個別に、特別のヒアリングを早速にもいたしたいと思いまして準備をただいまいたしつつございます。 そういうことで、行政としてはできるだけのことをして注意を喚起いたしたいと思いますが、他方で、先ほど総理が言われましたように、金融機関の方でもいろいろ世評にかんがみまして団体の中で自粛自制の動きがございます。すなわち、信託協会、全銀協等々はもう既にそういう決定をいたしたわけでありますが、あと、生保、損保、相互銀行、信用金庫ということになるのではないかと思いますが、これはおのおの金融機関の中で貸し出しの場合に支店で当然審査をいたしますが、さらにそれを支店限りでなく本店で審査をいたすということ、それから現実に貸し出した貸し出しの結果がどのようになったかということを検証して、間違いなく当初の目的のとおりであったかどうかといったようなことも各行内において自主的にチェックをする制度をやっていく、少しずつ協会によって違うようでございますが、大まかにはそういうことを業界としても早速に始めるということでございまして、これはかなり効果があるのではないかと思っております。私どもはまたそういうことの結果をいわばヒアリングで確かめていくということにいたしたいと思っております。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 総理、大蔵大臣からお話しございましたのであえてつけ加えませんが、結局土地の値段も需要供給、投機を含めての需要供給によって決まるわけでございますので、どうして供給をふやし、また利用効率を上げるかということがポイントだと思うわけでございます。 今、経済企画庁の中の物価局に土地問題を分析するプロジェクトチームをつくりまして、経済企画庁の立場から、いわばエコノミストの立場から、どういうふうに土地の価格の安定をするかということについて抜本的な対策を考えてみよう、こういうことで叱咤激励をしている最中でございますので、近くレポートを提出いたしたいと思います。
○広中和歌子君 お取り組みについては理解いたしましたけれども、これで効果があるのかどうか、また今のような高値でもって安定してもらいましてもちっとも庶民は喜ばないわけでございまして、いずれにしても買えないわけなんでございます。 それについてしみじみ思うわけでございますけれども、日本人にとって土地というのは一体何なのかと考えてみる時期に来ているんじゃないかと思うのでございます。日本は自由主義経済圏の中におりますから、土地の私有財産制を基本とする資本主義経済のもとでは、個人は個人に属する土地を所有し、住居その他に専門に利用し、そして他人にも譲渡することができるわけで、また死後も財産税を払った後に親族に贈与することもできますが、しかし私有の土地はあくまでも日本国土の中にあり、そして公共性を有するものであり、私物としての利用はおのずから制限されるべきもの、ましてや投機の対象となるべきものではないという考え方、これについて総理はいかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 憲法の二十九条に財産権の保障をいたしておりますし、公共の福祉にいかにこれを使うかという線引きは大変難しい問題でございます。
○広中和歌子君 総理はどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 所有権には責任を伴うということが反面あると思うんです。我々もそういうことを大学で教わりました。ということは、やっぱり公共性ということが出てまいりまして、憲法にも公共性ということを重視している面もございます。したがって、所有権というものが絶対であるとは考えられない。しかし、どの程度をもって公共性とするかということは、そのときの社会情勢なりその事案の持っておるかかわりぐあいによって決まると思うんです。そういう公共性という面から見ますと、例えば東京のような場合の公共性とあるいは田舎のもっとひなびた場所の公共性と、土地問題については変化があるかもしれません。そういう面から見ますというと、所有権に責任が伴うという言葉は、最近の日本の土地問題の状況を考えてみますと、かなりこれは公共性というものが今までよりも重要視されていい段階になってきた、そう思うんです。そういう点からいたしまして、地価の抑制あるいは土地の供給等につきまして、今まで以上にそういう社会的責任と申しますか、そういうものの判断をした政策を推進してもいい段階になりつつあるのではないか。 しかしそれは、私権に関することですからあくまで慎重に、法制当局の意見を聞きつつやる必要はあると思いますが、そういう状況になってきているということは私も感じております。
○広中和歌子君 ぜひそれは所信表明の中で言っていただきたかったわけでございますけれども。検討検討と言っているうちに四十年たってこんなに高くなって、本当に日本では土地が庶民のものでなくなりつつあるといったような現状、非常にモラールの点でも悪いんではないかと思います。イギリスなど、これは伺ったわけでございますけれども、あちらも日本と同様自由主義圏に属するわけでございますけれども、いわゆるパブリック、公共性というものにもっと庶民が理解を示す、そして行政もその力を発揮するということを聞いております。 都市計画法に基づく土地収用といったことにも土地所有者の自発的な合意が得られてしかるべきものというふうに私は考えるのでございますけれども、総理はいかがでございますか、
○国務大臣(綿貫民輔君) 私権が制限されまして道路をつくるのでもすぐ用地が買収できるようになれば非常にいいんだと思いますけれども、なかなかそこは難しいところだと思います。
○広中和歌子君 だけど、難しいといって手をこまぬいていらっしゃるおかげで私どもは大変に不便をしているということで、少し何か方策をとっていただくことはできないのでございましょうか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 中曽根内閣は土地対策を何もやっていないなんて言われますけれども、先国会におきましては国土利用計画法の改正をいたしまして、これは東京都ともいろいろ相談をしてきたんです。それで、国土利用計画法の第十二条、十三条、これは土地を凍結するんです。規制区域をつくって全部許可制にするんです。そういうことができるんですよ。しかし、そういうことをすると大変経済に混乱を起こすからそこまでやれないだろう、したがって、監視区域というのをつくって今まで以上に小規模の取引をチェックしようということで、国土利用計画法に監視区域を設けさせていただきました。 ちなみに、昨年東京都ではさきに条例改正で十二月からこれを行った、五百平方メートル以上の届け出をやってもらったんですが、十二月から六月までの実績を調べてみますと、八百三件の届け出があった。そのうちで審査をいたしましたのが六百三十五件ですが、これは高いからおやめなさい、あるいはこれは値を下げなさいという指導をいたしましたのが百八十七件ございまして、指導率は二九%。この五百平方メートルではまだ足りないだろうということで今度三百平方メートルに下げるわけですから指導率はますます高まるわけでございまして、これは土地鎮静化に非常に大きな効果があると私どもは期待いたしております。 またもう一つ、短期の転がしというやつですね、これがやはり地上げということで金余り現象を背景に大変地価高騰に大きな影響を及ぼしております。これをやはり何とかしなきゃならぬということで、さきにこの土地税制といたしまして二年以内の転がしには九六%の重課税をする法律を出したんです。 これも世田谷区でいろいろとサンプル調査をしてみますと、転売の実績で半年以内に転売をする人が七二%です。ほとんどが半年以内に転売をいたしておりますから、この税制が成立いたしますとこれも相当に効果がある。しかもこのアナウンス効果が相当効いておったのですが、先国会でこれは売上税関連といって廃案になったんです。したがって、今度はまたこれを再提出させていただくつもりでございますので、今度廃案になりますと国会は土地対策はやらないということでますます土地が上がりますから、よろしくお願い申し上げます。
○広中和歌子君 私は野党の立場でございますけれども、大いにその点には協力させていただきたいわけでございます。もっと私などはドラスチックなことをやりたい方でございます。 つまり、買った土地でございますね、それにインフレ並みまたは金利並みに年数を掛けたもの、それを適正な値上がり率といたしまして、それ以上は一〇〇%に近い税率を掛けると。これをアナウンスいたしまして二年以内に施行する。そうするとぱあっと土地が出るんじゃないかと思います。土地が出てそして下がる。私は非常に素人でございまして、素人の非常に素朴な感覚からそのように申しているわけでございますけれども、専門家の御批判を承りたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 一つのお考えかとも思いますが、一〇〇%超過所得につきまして課税するということになりますと、これはかえって流動化を妨げるのではないか。したがいまして、今回、先ほど国土庁長官からお話のございましたように、二年以内のものにつきましては超重課をする、全体としては九六%課税をさしていただくという、ややこれに近いものは先般御提案をさしていただいたということでございます。
○広中和歌子君 それから評価額の見直しと、それから土地保有税の見直しにつきまして……。
○政府委員(津田正君) お答え申し上げます。 固定資産税の評価が時価とどういうような対応があるか。それが安過ぎるので結局保有コストが安い、そのために土地の放出等ができないのではないか、こういうような御議論がございます。現実問題としまして、実勢価格というものとの比較というのはなかなかそれぞれの土地の個性がございますので難しいわけでございますが、公示価格と比べますと、固定資産税におきます宅地の評価というものは大体四分の一の水準、このように言えるかと思います。 それで、固定資産税負担を上げてそういうような土地供給に結びつける、こういうことでございますが、実は固定資産税の納税義務者が三千二百万人集ります。ほとんど世帯数の八割ないし九割の方々がそれぞれ固定資産税の納税義務者になっておる、こういう実態でございます。したがいまして、固定資産税負担の水準を上げますと、恐らくまずは年金生活の方であるとか老人世帯であるとか、そういう方が固定資産税の負担に耐えられなくなる。あるいはお店屋さんの問題だとか、だんだん上げていきますといわゆる重厚長大型の企業も非常に苦しくなる。最後まで頑張るのは何かと申しますと、私考えますには、恐らく三千二百万人の納税義務者のうち三千万人が持ち切れないような固定資産税の負担をしましても、結局、現在やっております土地転がしであるとか土地保有をしている人たちというのはかなりの経済力を持っておるもので、持ちこたえてしまうであろう。結局、一般大衆に対する負担で肝心ないわゆる土地対策としての政策効果はどの程度出るのか。 〔理事林道君退席、委員長着席〕 もちろんそういうような非常に高負担にすれば土地供給というのは出るかと思いますが、しかし、やはり税制としまして必要な措置をするところには軽減措置をしなければならないということになりますと、それは土地の供給というものが必ずしも出ない、こういうふうに考えられるのではないかと思います。したがいまして、私どもとしましては、やはりそういうような土地転がしあるいは土地の投機あるいは土地を未利用のまま抱えておられる人たちにどういうふうにか集中的に効果ある税制、そのほかの土地対策と絡み合わせまして税制を考えた方が適切ではないか。現在、例えば特別土地保有税の問題であるとか、先ほど来お話が出ております超短期譲渡所得に対する税制の問題、そういうようなもので対策を講ずるべきではないかと、かように考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 容積率の見直しについてはどうでございましょうか。そして、少なくとも容積率に応じた固定資産税、そして宅地に関しましては私は、おっしゃいますように三千二百万人ということであれば非常にこれは配慮しなければならないと思いますけれども、少なくとも例えば東京都心を見回しましても、産業構造の変化の中でかつて工場用地であったところが空き地になっていたり、またいわゆる臨海部、ウオーターフロントというところ、かつてはいろいろな工場施設があったわけでございますけれども、そういうのも新たに線引きをいたしまして、例えば住宅用地、すばらしいものが生まれるんじゃないかと思います。埋立地じゃなくて、もう既に陸地の方でございます。そういうウオーターフロントの再開発なんかももっと税制とかその他でできるんではないかと思いますけれども、既にやっていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(北村廣太郎君) ただいま容積率の見直しは全国的に展開中でございまして、十一大都市のうち既に七都市を終了しております。例えば横浜あたりにおきましても、一種住専の中でさらに広く高度利用ができますように容積率を高めているところでございます。そのほか商業地域、業務地域につきましても、容積率を高めるというような方向で検討しております。東京都につきましては今全面的に見直し中でございまして、例えば今まで大きな街路から二十メーターの範囲内を高度利用を図るという形でやっておりましたのを、さらに奥の三十メーターまで一斉に広げようというような展開もしておりますし、それから一種住専でございますが、環七の範囲内で一種住専がございます。これは利用としては二階建てくらいしか利用できませんが、それを二種住専にするという方針をついこの間固めまして、ただいま地元と折衝中でございます。二種住専にいたしますと、つまりアパートで申しますとエレベーターのないアパートくらいは建つ。住宅公団のあのアパートでございますね、あのくらいまでは使えるということでございますので、大分利用が高まってまいると思います。 それからウオーターフロントの内陸部でございますが、現に大川端の造船所跡地を開発いたしまして住宅を大量に供給いたしましたり、それから今港区、それから所々方々で倉庫等の不要になった土地を転換するという構想が進んでおります。これも東京都及びその区の方と御相談しまして、できるだけその範囲内で住宅を多く確保するようにということで企業の方々と御相談中でございます。
○広中和歌子君 倉庫のあったような用地でございますけれども、実勢と評価額との差に非常な乖離がある。例えば三千万円の土地が百五十万円であるといったような例も聞いたわけでございますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(津田正君) 先ほど申し上げましたように、公示価格と固定資産の土地の評価額は大体公示価格の四分の一の水準でございます。ただし、個別的な事情によって違うかと思いますが、小規模住宅地でございますと、それのさらに四分の一に軽減しておるような状況でございますので、おっしゃられましたような状況のものもあるかとも思います。
○広中和歌子君 たまたまというふうにおっしゃられるとあれなんでございますけれども、もっと厳正に、高度利用できるような土地に関しましては、きちんとした評価額を出し、そしてそれに見合った高い保有税をかけていただくことが必要ではなかろうかと思います。 そして、ついでに伺いますけれども、市街化地域の農地、それに関しましても宅地並み課税、いろいろ言われておりますけれども、どの程度実行される予定なんでございましょうか。
○国務大臣(葉梨信行君) 昭和五十七年度に、宅地供給促進と農業経営の継続という二つの課題を調整する政策といたしまして、今の長期営農継続農地という制度が創設されておるわけでございますが、先般の経済対策閣僚会議で決定されました緊急経済対策の中でこのように述べております。「現行制度発足以来五年間の長期営農継続農地に対する徴収猶予の運用実績を調査検討し、その結果を踏まえ、本制度の運用について地方団体を指導する等必要な措置を講ずる。」。これは結局、見せかけの農業をやっている方が農地としての課税だけを負担しているということは公平ではないではないか、そういうことに対しまして、こういうような実態調査をしてきちっとした対策をとりなさい、こういうことであろうと思いますが、現在実情の調査、検討を行っているわけでございます。 それで、市街化区域農地に対しまして宅地並み課税を強化すべきであるという御意見であろうと思いますが、この点につきましては、しかし、例えば東京二十三区の中でも千八百ヘクタールの農地がございます。農業をまじめにやっている方々に対しまして配慮をしなければならないという件、あるいはまた御指摘のように、都市の中におきます緑地を確保すべきである、こういうような問題のほかに、宅地供給の観点であるとか、それから線引き等土地利用のあり方であるとか、それから都市施設の整備状況等の関連などの議論を十分に行いまして、市街化区域内農地の宅地並み課税の将来のあり方を考えていかなければならないと思う次第でございます。
○広中和歌子君 私も、農地の宅地並み課税に関しましては、やたらに宅地にしろというふうに言っているわけではございませんで、総合的な観点から、やはり個人がより広い居住空間を持てるように、それは個人のうちでもあり、同時に公園、緑地、道路、さまざまなものを含めた総合的な観点の中から考えていただきたいというふうに思っているわけでございまして、例えば緑地として、また公園として提供されるのであれば、むしろ行政側が賃貸料を払ってもいいと、そんなふうにさえまた思っているわけでございます。 土地問題に関しましてはこれくらいにいたしまして、次に、国際文化活動とその予算について質問させていただきます。 国際化が進む中で、物、人の交流が非常に盛んになり、それにつれ摩擦も起こりがちでございます。特に急速に日本が経済大国になった今、日本に対する国際社会の目が非常に厳しくなっております。日本をよりよく理解してもらうための長期的視野に立った辛抱強い文化、広報活動が必要でございますが、これを、こうした文化活動を最も意味ある総合安全保障であるといったような点でとられる方もあるほどでございます。 まず、文化活動と広報活動と分けてお考えになっていらっしゃるんでしょうか、お伺いいたします。そして、その領域について。
○政府委員(松田慶文君) お答え申し上げます。 我が国の場合、海外広報と文化交流活動とは一体不可分のものとして整合性を持ち、かつ協調的に進むように取り進めております。
○広中和歌子君 どういう領域にわたって活動していらっしゃるか教えてください。
○政府委員(松田慶文君) まず、海外広報に関しましては、我が国の外交政策、我が国の立場、日本文化等々につきましてあまねく諸外国の正当な理解と認識を得るために広範な活動を行っております。 外務省の場合について申し上げますならば、本省におきまして種々の出版物、視聴覚活動を行いますと同時に、世界に二十八置いております広報文化センターを通しまして諸外国との交流を進めております。 また、文化交流につきましては、御案内の国際交流基金を中核といたします広範な日本文化紹介、日本語普及活動等を行っております。
○広中和歌子君 外務省以外でも広報活動、文化活動を行っていらっしゃる機関があると思うのでございますけれども。
○国務大臣(塩川正十郎君) 文部省でも行っておりますが、現在、国際映画祭だとか英文出版物の作成、こういうものの配布あるいは古典芸術の紹介ということをやっております。 が、しかし、広中さん、何としたってこういう広報活動、文化活動の費用というものは相当かかるものですから、そうあなたが期待しておるような効果がなかなか出てこない。それと同時に、やっぱり言葉が違うものですから、我々が一生懸命努めましてもなかなかおっしゃるほどの、期待しておられるようなことが出てこないんです。 しかし、こういうようなものを末長く続けていくということが大事だと思っておりますので、引き続き一層の努力をしてまいります。
○広中和歌子君 今文部大臣がおっしゃいましたが、予算面ではいかがなんでございましょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) なかなか十分な予算がございません。
○広中和歌子君 日本の文化広報活動に与えられております費用につきまして、特に国際比較の中でお答えいただきたいのでございますけれども。
○政府委員(松田慶文君) 国際比較についての御質問でございますが、各国それぞれ広報文化活動の経費の立て方に差がございまして、包括的かつ客観的な比較は極めて困難でございますが、あえて米国、特にUSIAの活動を見ながら比較いたしますと、我が国の広報文化予算を一といたしますと、米国が十・三倍、英国が六・六倍、フランスが五・六倍、西ドイツが三・〇倍となっておりまして、いずれの場合も我が国を大きく上回っております。
○広中和歌子君 総理、これについてどう思われますか。つまり、我が国の文化広報予算が諸外国に比べまして非常に少ないということ。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私も少ないと思っております。これから大いにふやして、日本はそういう日本文化に関する発信基地としても大いに働いてもらうようにしたいと思っております。
○広中和歌子君 どのような規模でおふやしになりたいと思っていらっしゃいますでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) どうも困ったなと思っておりますが、よく外務大臣とも御相談いたしまして、できるだけやらせていただきます。
○広中和歌子君 ともかくアメリカの十分の一なんでございますけれども、アメリカの場合なんかは特に民間が非常にたくさん拠出しているわけでございまして、そういうことを考えますと非常に日本の文化予算が少ない。先ほど三十カ所でセンターをお持ちだと、外国に基地をお持ちだということでございますけれども、世界に国が百五十ありますね。それで外務省、領事館、そういうところで広報活動が十分ではないんじゃないか、そしてこのように国際化が進む中で、外務省または外務省関係の方、また政府のほかの方々も外地勤務をなさるわけでございますけれども、非常に少ないのではないかという印象を持ちます。私は最近ブラジルとかそれからエジプト、いろいろ回ってくるわけでございますけれども、その点について、先ほど申しましたように、いわゆる総合安全保障といった観点からも本当に真剣にお考えいただけないかということでございます。
○政府委員(西垣昭君) 海外広報活動の重要性につきましては私どもも十分認識しておりまして、極めて厳しい財政事情でございますけれども、できるだけのことはやっているつもりでおります。昭和六十二年度予算におきましても、外務省の広報活動経費につきましては、施策の効果、優先度を精査いたしまして、為替レートの変動を勘案いたしまして実質ベースで評価いたしますと九・五%を超える予算を確保いたしております。それから定員面におきましても、在外公館の広報担当官の八人の増加というものを認めているわけでございます。これは六十一年度では百六人でありましたものを百十四人にふやす、こんなことをやっているわけでございます。 それから九・五%の増加ということでかなりの新規費用も認めておりまして、例えば六十二年度において充実を図りました海外広報経費の主なものを申し上げますと、米議会のスタッフ特別広報、米議会スタッフの果たす役割を重視いたしましてこれに的を絞った広報活動を行う経費を新規として認めておりますし、それから全米広報ネットワーク拡充計画、これも新規でございますが、米国の大手広報代理会社を活用いたしまして我が国の重要広報事項を全米各地のマスメディアに迅速に送付をするというような経費を認めておりますし、これもまた新規でございますが、科学技術開発教育写真ライブラリー、これは我が国の科学技術の現状を示す写真を世界各国の教科書作成機関等に提供する経費でございますが、こういったものも新規に認めておりまして、まことに苦しい財政事情ではございますけれども、できるだけの努力をしているということを御理解いただきたいと思います。
○広中和歌子君 どうもありがとうございます。 しかしながら、お金だけじゃございませんで、いわゆる組織とかやり方の問題なんかもあると思うのでございます。広報活動というのはさまざまな分野の方が参加なさって行われていると思いますけれども、それを総括するようなセンターというのでしょうか、中心となるような機関というのはどこかあるのでございましょうか。
○政府委員(松田慶文君) 海外広報活動という分野に限って申し上げますと、この分野の活動はすぐれて外交的な活動であるという性格を持っております。すなわち、我が国の外交政策の一環として相手方との関係等々を十分に総合的に勘案して進める必要がございます。したがいまして、海外広報に関します限り、外務省がその設置法上の外交政策の企画立案の一環といたしまして一元的に仕事をさせていただいているところでございます。
○広中和歌子君 これはある方のサゼスチョンなんでございますけれども、必ずしも大きなセンターではなくてもいいのですけれども、日本の中に情報センターがあって、各出先の領事館とか外務省、そういうところに行きますとどこに行けばどういう情報がとれる、そしてまたテレックスとかファックスとかそういうものを使いまして日本から情報が送れるような、そういった新たな組織も考えられるんじゃないかどいうようなこと、そしてまた日本国内にいる外国人のための情報センターみたいなのもこれからは必要ではないか。特に留学生が非常にこれからふえてくる中でそのようなことを指摘されたことをこの問題の最後に申し上げて、次に留学生の方に移らせていただきます。 中曽根総理は二十一世紀に向けて留学生の数を十万人ということをおっしゃられたわけで、そのこと自体は大変すばらしいことでございますけれども、現在の留学生総数一万八千六百三十一人おりまして、その数だけでも今十分な対策がとられているかどうかということで問題になっているようでございます。そういう中で特に問題なのは、円高による経済問題とかなんでございますが、まずその点につきましてどのような対策を講じていらっしゃるかお伺いいたします。
○国務大臣(塩川正十郎君) いろいろやっておりますけれども、まず一つは授業料の減免をやりたいと思っております。今までこの枠が厳しゅうございましたけれども、六十二年度では国費留学生等も含めまして大体二倍程度ふやすということにいたしました。しかし、それにいたしましても人数では少のうございますので、現在考えておりますのは、私費留学生で私立大学に入学しておる学生、これが対象となりますのは約七千名ちょっとおるわけでございますが、この学生に対しまして九月以降、つまり後期分の授業料でありますが、これの三五%を減額しよう、したがってその三五%相当額を私学振興財団を通じまして各大学にそれだけのものを援助する、こういうことをいたしたい、総額は約六億ちょっとでございます。
○広中和歌子君 次に日本語学習のことなんでございますけれども、これは参りました留学生がどういうところで日本語を学習できるか。過去一年間に百ぐらいいわゆる何というんでしょうか、株式会社という形式で小さな塾のような日本語学校ができ、それの質がわからなくて留学生は非常に混乱していると。しかしこれはいわゆる専修学校にも属しておりませんから文部省の管轄外であるということで、だれも何というんでしょうか、実情が把握できないということを聞いたんでございますが。
○国務大臣(倉成正君) 日本に参りましてからの留学生の扱いは文部省で、日本に参ります前の留学生への情報提供、あるいは日本語学習それから日本から留学生が去りました後のアフターケア、これは外務省が所管することになっております。しかしながら、今先生おっしゃるように、なかなかこちらに参りましても下宿代が高い、物価が高い、世話が十分でございませんし、アフターケアも十分でございません。そして基本的に私は非常にショッキングに思っておりますのは、今アジアの関係、インドネシア一つをとりますと、インドネシアが米国に対して留学生を四千七十名、これはユネスコのちょっと古い八三年の数字でございますが、それに対しまして日本がわずかに百三十八名でございます。マレーシアが米国に九千四百二十名、日本は百四十三名、その他大体アメリカ、ヨーロッパ、それからオーストラリア、こういうところが多いので、日本はアジアからも留学生が非常に少ないということを考えると、基本的に留学生の問題については待遇あるいはその他の問題を含めて考え直すべきであると思います。 この点については文部大臣と十分連絡をとりながら抜本的な対策を講すべきだと考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 アジアからの留学生に関して、これはアメリカで聞いた話でございますけれども、アメリカではアジア各国、将来リーダーになるような方々と考えてのことかもしれませんけれども、ともかく積極的に留学生をリクルートしている、そのようなことを伺ったわけでございます。これこそまさに文化戦略だろうと思うのでございますけれども、日本におきましては、これは幾つか聞く話でございますけれども、特に東南アジアの学生に対する日本人の抱く優越感とかそれから差別意識、そういうものが問題になって、結局お呼びしても逆効果になって、つまり日本嫌いになって帰ってしまうというケースが意外とあるようなんで、大変に問題だろうと思うのでございますけれども、何か対策をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) この対策といたしまして、できるだけ日本人学生とそれから留学生とが混在して懇親を深めるということ、これを各大学で積極的な行事として取り上げてもらおうとしております。 それと、やはり居住問題が一番のネックになっております。それで今、里親制度ですね、これをお願いして広めていきたいと思っておるんですが、最近私は考えましたのに、日本人で海外へ業務のためとか何かで駐在しておられて日本へ帰ってこられた方がございますが、そういう方々の御家庭で何人かの学生を預かっていただければこれはコミュニケーションが非常によくなるんではないかと思いまして、近くそういう海外居住で帰国された方々の情報を集め、それで学生に紹介する、そういうことをすればそれぞれの話の合うベースができると思っておりまして、そういうことによってコミュニケーションを深めていきたいと思っております。
○広中和歌子君 ついでに小学校、中学校、高等学校、教育の面でも、まあ私はどこの国でも、どんな国民でも多少の差別意識というものはあるものだというふうに理解しておりまして、日本もそういう点では完璧ではない、そういうふうに理解しておりますけれども、多少とも教育の力で何とかなるのではないか。またマスコミの方にもぜひそういうことでお願いしたいわけでございます。 先ほど伺いました留学生のうち七千人が私立大学、それから三千人ぐらいが国費、こういう方たちはまだまだましなんでございます。それ以外の留学生というのが結構おりまして、簡単な保証人のサインで入国でき、特に最近は中国からの留学生が多いということでございます。ともかく名前だけでいいからというような形で保証人のサインをもらってお入りになるわけですけれども、多くが入ってから生活難に陥って困っているということなんです。入った以上は親切にするのがヒューマニズムだろうと思いますけれども、救済対策としては余りないということなんですね。小さなボランティア組織がそれを助けているというようなことなんでございますけれども、やはりこうなった上はすべて行政で助けるというわけにはいかないものだろうと私も理解いたしますものですから、こうした善意の人々を通じて何か手が差し伸べられるようなそういう方策も考えられるんじゃないかと思うのでございますが、いかがでしょう。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはかねてから広中さんが提案しておられることでもございますし、私たちもそういうボランティアの力を十分にかりて今後一生懸命勉強してまいりたい。いろいろお知恵がございましたらぜひ授けていただきたいと思います。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
○委員長(原文兵衛君) 以上で広中和歌子君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(原文兵衛君) 次に、粕谷照美君の質疑を行います。粕谷君。
○粕谷照美君 中曽根内閣は土地問題について一生懸命にやらない、そんなことはない、先ほど国土庁長官が非常に明快に宣言をされましたし、きのうも総理は土地は抑える、地価を。そしてそれだけではなくて今度は下げるんだということをお伺いいたしまして、非常に心強く思ったわけですが、もうここまで上がった今これからでは大変遅いのではないかという感じがしてならないわけであります。 そういう中できょうの各社の新聞に、全銀協、生保協、これが土地融資を自粛するということを決めだということが載っておりました。ですから、これは二十一日の日に決めたわけであります。その前日には信託協がこういうことを決めておりますが、この申し合わせが本当に効くんだろうかという心配があります。どれだけの効果を上げるんだろうか、こういう心配もありますので、この金融業界の申し合わせについての総理の御感想と大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これだけこの問題が世間の注目を浴びるようになってまいりまして、金融機関には前から通達等で注意をいたしておりましたし、また、年二回のヒアリングはしておりましたけれども、しかし最近、いろいろ具体的な事案が報道されるようになりまして、ともするとそれは金融機関自身の信用にかかわるというような危機感を金融機関の諸君がお持ちになって、そしてああいうことを自分でやろうとしておられるのは、私どももせんだって申しましたように特別ヒアリングをやろうとしておったやさきでございますので、これは私はかなり効果がある、相当効果があることだろうと。もっと早ければもっとよかったという仰せかと思いますけれども、多少遅きに失したとは申せ必ず効果のあることと存じます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の各金融機関の協力ぶりは、本店、支店を通ずる審査のやり方までもみずから規定してやっておるわけでございますから、大蔵省が監視を厳重にやれば、私は必ず実効性を上げるだろうと思います。しかし、土地の暴騰を防ぐという面から見ると、今までの経験では、この前狂乱物価で土地が上がりましたときに一番有効だったのはやっぱり土地保有税による税金対策であったと思います。あれがまた行き過ぎたりしまして、しばらくの間またあの問題をもう一回考え直さなきゃというあれは起こりましたけれども、しかし地価を鎮静化せしむる力は非常にあった。今回も東京都内そのほかの土地問題に関しまして非常に即効的に効くのは税金対策で、それで短期転売に対する重課、これがやっぱり一番効くというので国会に税制の改正を御提案申し上げたんですが、残念ながら成立しなかったわけです。 先ほど御答弁がありましたように、一時はこれが通るというのでひるんだ向きがあったんですが、通らなかったのでまたそれが緩んだ、そういうこともありますので、この短期転売、土地重課についてはできるだけ早期に成立させたいと思います。いずれ税制協議会の状況等を見て御提案申し上げたいと思っております。それと同時に、監視区域等を設けてチェックしていく、これも規模を細分化してまいりましたから、こういういろんな努力をいよいよ発動きしておりますから効いてくるだろうと思っております。
○粕谷照美君 土地の問題で、とにかく国有地の処分ということが非常に大きな話題になっていると思います。この地価暴騰の元凶というのはいろいろ一〇八国会でも一〇九、今回の予算委員会でも随分議論がされまして、もう論議が尽くされたわけでありますけれども、その中で私はやっぱり、国有地の問題が、あれは競売に付してよろしいんだというここのところがきちんとしないと全体的な問題の詰めが決まらないのではないか、こんなふうに思いますけれども、いかがお考えでございましょうか、建設大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは御承知のように、国有地はまず優先的には公用、それから公共用ということで、それがもう優先することは明白なのでございますけれども、そうでない場合にいわゆる競争入札になる。どうもここのところは粕谷委員の言われますように非常に私どもも難しい問題だと思っておるのでございますが、国民の財産でございますから、できるだけいわば国民にとって何と申しますか有利に売るという、しかも競争入札ということはそれがフェアでなければいけないという会計法上の要請もございまして、そういうことをしておるわけです。 その場合、したがって転売をしてはいけないと、ある期間。東京なんかでございますと十年といったようないろいろ制限をつけまして転売をすることがないようにというようにいたしておる、それだけの注意はしておりますが、これは見ようによってはしかし、国有地の払い下げがあったからかえって地価の上昇に火に油をそそいだのではないかという御批判があることも私どもは気がついておるわけでございます。 例えば、しかしまた先般お認めをいただきました国鉄の再建でございますけれども、こういうときに国鉄用地をできるだけいわば有利に処分して国民の長期債務というものをできるだけ小さくしていこうというのは、これはどうも必須の努力だというふうにも思われまして、その辺のところをよく閣僚協議会でも議論をしておるのでございますけれども、ただいまのところはおのおのの法規、目的に従ってやっていこう、ただできるだけそういう転売等々本来の目的に沿わないことについては厳しくしていこうと、こういうことをやっておるわけでございます。
○粕谷照美君 これは昨年の十二月の半ばごろの新聞をずっと集めたわけでありますけれども、当時はまだ国有地でありました国鉄の宿舎用地が次次と土地転がしに遭っているわけですよね。だから、そういう規制があるにもかかわらず実質的には行われていった。このことだけはやっぱりみんな国民は非常に注意をしていると思っております。 さて、文芸春秋の昨年の十二月号でありますが、鈴木都知事がいろんなことを、都知事として国に対して異議がある、国鉄用地の競争入札に異議があるということを申し入れて書いているわけでありますが、国有地の払い下げによる地価高騰の起爆剤になっている実態について私も調べてみました。例えば五十九年の三月、品川駅国鉄用地、これが一平方メートル二百十七万円で、公示価格の大体三、四倍、六十一年の八月、紀尾井町で一平方メートル大体八百四十七万円で、これも公示価格の三倍で、さらに十二月には港区の六本木の有名な林野庁の宿舎跡地、これが七百六十一万円で二倍、こういうふうになっているわけであります。 中曽根内閣が進めましたこの民活を口実にした国有地の払い下げが地価高騰の起爆剤になっているという事実はお認めになりますか、なりませんか、いかがでしょうか、総理。
○政府委員(藤田弘志君) 国有地の払い下げと地価の高騰について私どもでもいろいろ分析しているところでございますが、現在の地価の急騰は事務所床の不足とか、その供給面の問題とか、あるいは金融緩和に伴います投機取引の増大等によって起こっておりまして、例えば国有地の払い下げ件数で申し上げますと、五十九、六十、六十一、二件から三件程度でございます。六十年度の民間の取引、これは都心でございますが、民間の取引件数は七千三百件でございます。この数の違いから見ましても、国有地の払い下げが地価の急騰を起こしているとは私どもは考えておりません。
○粕谷照美君 大臣はどうかですね。事務局はそうと思っても政府はどうか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 国公有地が土地の値上げの引き金になっておるというような御指摘でございますが、いわゆる競売でこれを売っておるわけでありまして、時価に準じてやっておるということであります。したがいまして、今回国土利用計画法を改正させていただきまして、国等が土地を処分する場合には適正な地価に対する配慮をした配慮規定を入れさせていただきました。これを受けまして、この三月には地価対策閣僚会議におきまして、今後これらの処分につきましては各関係省庁が十分連絡をしてやるということになっております。
○粕谷照美君 国土庁長官、そうするとそれは、法律を変えたというのですから、そのことを認めた上で法律を変えた、こういう理解をしてよろしゅうございますね。
○国務大臣(綿貫民輔君) 配慮規定でございます。
○粕谷照美君 私は頭が悪くて、もっと明確におっしゃっていただかないと困るんですが、国公有地の払い下げによって地価が高騰をしたんだ、したがって何とかしなければならないんだということでそういうふうに変えた、こう理解してよろしいんですか。そうじゃないんですか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 国公有地の処分に当たりましては、これが地価暴騰の引き金にならないようにしようという目的のためにそういう配慮規定を入れさせていただいたわけであります。
○粕谷照美君 お認めになったんだけれども、大臣としてはなかなかそうだと言いづらい、こういうふうに私は勝手に理解をいたしますが、三井不動産相談役の江戸英雄さんに、これは何新聞でしょうか、いろんな新聞が聞いているんですね。その中で江戸さんは、国有地野放し払い下げが拍車をかけている、こういうことを言っていらっしゃるんですね。私もこの中を読みながら、本当にそうだ、こういうことをしみじみ感じているわけであります。 知っているなら質問するなという不規則発言もありますけれども、やっぱりこれは、聞いて本人が思っているのと政府がどう思っているかというのは違うことでありますので、どうしても聞いておかなきゃなりません。それで一〇八国会で国土庁長官は私の質問に対して、地価対策閣僚会議においていろいろ協議をしている、こういうふうにおっしゃっています。私はこれはまた後で質問をいたします。 それで、国土利用計画法の中に規定していると、もう一つまた答弁をされておりますが、鈴木都知事は、民間の土地は国土利用法で抑えて国鉄跡地を初め国有地が規制の対象外というのは問題だと、こう指摘してきていらっしゃるわけです。ようやくこの法律改正のようでありますけれども、この辺のところはどうお考えになりますか。売却価格規制は当然というふうに考えていらっしゃるかどうか、この辺を伺いたいと思います。 そしてまた、大蔵大臣にお伺いをしたいのは、財政再建、経営再建に必死なのはよくわかるわけでありますけれども、旧国鉄の跡地が競争入札が行われるということについてはいかがお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(綿貫民輔君) JRの土地の問題を含めてのお尋ねでございますが、東京都と既に清算事業団等はこれを御協議するような態勢に入りまして協議をしておられると聞いておりますし、この国公有地の問題につきましては既に大蔵省の方でも十年転売禁止とか、あるいは用途制限とかいろいろやっておられますので、これらを総合してやることによって地価の高騰がないものだと確信をいたしております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども政府委員から申し上げたところでございますけれども、国有地の払い下げというのはやはり非常に話題になり目立つわけでございますので、粕谷委員の持っておられるような印象を持っておられる方は私は少なからずおられると思います。 実際について見ますと、東京都の中で一番土地の高い都心の五区で六十年度に国有地が処分された件数が三件でございます。それから六十一年度、昨年度はこれも三件でございます。実際は取引が三千とか八千とか、数千件の中でございますから、純粋な経済効果としてどうかということは、まあまあそんなに直接の因果関係があるとは申せないだろう。ただ、いかにも一般にそういう話題になりますから、そして国がそれを認めておるといいますか、そういう印象を持たれることからそういうことが起こっているんだと思いますが、ただその場合の国と申しますのは、いわば国民の財産をお預かりしている意味での国ということで、国も一種の商行為の対象としての国、その場合会計法の規制があるので、やはりどうしても公用、公共用以外は一般入札によらざるを得ないという大変にジレンマがございます。(「公用、公共用も競売しているじゃないか」と呼ぶ者あり)公用、公共用は、これは優先いたしますからよろしいわけでありますが。 そこで、国鉄の場合は、やはりこれは法律によりまして清算事業団の持っておられる土地をできるだけ有利に売って、そして長期債務、十何兆という長期債務を減らしていくということは、これはどうもやはりそういうふうにしていただかざるを得ないと私も思いますし、国会でもそれはそういうものとして法律を通していただいたわけでございますから、どうもこれもちょっと変えがたい。そうなりますとやはり転売というところで厳しく制限をつけていくという、そういうことが大事だということになるのではないか。どうもこの問題は実際私どもも頭痛の種で、問題なしとは決して思っておりませんのですけれども、やはり転売を制限するという形でやっていくということではなかろうかというふうに思うわけでございます。
○粕谷照美君 この問題に関して一〇八国会で私の質問に対して天野建設大臣は、私見だけれどもという形でありますけれども、「いろいろ事情のある役所もありますが、その段階まではやっぱり我慢して処分をしない方がいいじゃないか」、こういうふうにおっしゃっていらっしゃるわけでありますね。 東京都知事はどのように言っているかといいますと、「橋本運輸大臣は、国鉄の売却予定地は競争入札だと盛んにいっておられる。」、「しかし派手にそうされたのでは、われわれはたまりません。」、こういうことですね。国鉄に対しては地方自治体も随分協力している。職員の雇用を確保するために地方自治体は一万千五百人が割り当てられ、東京都でも既に千四百五十人の採用もしている。こういう関係があるのに地価抑制努力に水を差すようなまねはしていただきたくない。こういうふうに「迷惑至極です」ということを言っていらっしゃるわけです。 清算事業団と都の間に話し合いが行われる、こういうことを国土庁長官はおっしゃいましたけれども、運輸大臣は今の段階でいかがお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 粕谷委員から五月の十九日も同趣旨の御質問をいただきまして、基本的には私は同じ回答を申し上げなければなりません。そして、私は東京都を初め国鉄職員を雇用していただいた自治体には大変感謝をいたします。なおあと約五千名余りの雇用についても御協力がいただければ本当にありがたいと思います。 ただ、それと同時に、この国会の場において国鉄関連の諸法の御審議をいただきました際に、私が繰り返して申し上げてまいりましたことは、国鉄の長期債務というものを消していくためには、国鉄の用地を処分して、できるだけそれを有利に処分することによって埋めていく以外にないんだということを繰り返し申し上げてまいりました。そしてその限りにおいて私は、一般の国公有地と清算事業団用地を同列で御論議いただきますことには大変つらい思いをいたします。 また同時に、地方自治体の立場から都知事がおっしゃることは、私もそれなりに理解のできる点はございますし、地方自治体が本当に将来ともに公共の用地として使われるものに用地を取得したいと言われます場合に、それは随意契約でお売りをする道も開けておりますけれども、それにしても、やはり適正な時価というものをちょうだいすることは私は所有地の性格からして当然のことであろうと思います。 また、都知事の御発言を私は決して批判するつもりはございませんけれども、国会の御審議の際に実例を挙げて申し上げましたように、自治体がかつて国鉄から払い下げを受けられた土地の中に、自治体自体が本当にその地籍が変更した瞬間に転売をされたというようなケースもございました。自治体だからといって、私はルールを変えるわけにはいかないと思います。同時に、これは国鉄国会で大変何遍も各党から御論議をいただいたことでありますが、この用地の処分が公平に行われるか、だれかがそれで悪いことをするんじゃないかという御指摘も随分受けました。そういう御論議を受けないためにも、国民に公明正大に処分されたことをわかっていただくためにも、公開の競争入札というルールは一番国民にそうした点をおわかりいただける方法であります。 そして私どもは、清算事業団の中につくりました資産処分審議会を活用して、地方公共団体等のいろいろな御意見がありますならば、それもまた伺う道も開いております。また同時に、地価高騰地域における処分については、国有地におけると同等の転売禁止等の条件をつけておるわけでありまして、そうした状況も十分御理解をいただきたいものだと思います。
○粕谷照美君 今伺ってみますと、全然だめなんですね。要は、だめなんですよと、土地狂乱に拍車をかけるようなことをやっぱりやらざるを得ないということを運輸大臣は言っていらっしゃるように思います。そういう意味では、きちんと対策をとるように心から頑張っていただきたいということを申し上げたいと思います。 それで、大変いろんなことに手早いことをやられる中曽根内閣が、ちょっとこの土地対策では何でおくれをとったのかなということを調べてみたわけなんですけれども、不動産業者と癒着があるのではないか。ちょっと自治省へ行きまして調べてきたんですよね。国民政治協会への大変な献金があるわけです。政治団体しかり、個人のところしかりですね。そういうことをやるようであっては思い切った地価対策はできないんじゃないかということを私は申し上げておきたいと思います。 さて次に、総理が土地信託について、大変注目すべき議論だ、制度利用は有効ではないかと二十日の日に予算委員会で述べられておりますが、確かに六十一年五月の通常国会で国有財産法、自治法が改正をされまして、国公有地にもこの信託制度が適用されることになりました。 これは「信託銀行七行と大和銀行が一手に引き受けることになる。それぞれ系列のデベロッパーが控えており、」、西戸山同様、「「随意契約の変形」にすぎない」などと厳しいことを書かれた自由民主党の衆議院議員大塚雄司さんの「土地政策への提言」が出されて、私のところにも送られてまいりました。そして、その中には、ビルを借りた人は借家法適用、二十年だったから返してくれとは言えない、臨教審までもがこの導入を言っているのは「思い違いもはなはだしい」、こういうふうに結んでいるわけですけれども、この法律審議の際にそのようなことは問題にならなかったのでありましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、政治資金について自民党も個人も疑義や疑惑は一切ありません。今、何か思わせっぷりのことをおっしゃいましたが、それははっきり申し上げて、合法的な範囲内で、ちゃんとそれは自治省にも届け出るべきものは届け出てやっておるわけであります。 それから国有地の処理、公有地の処理につきましては、先ほど来、これが引き金になっているんではないかという御質問でございましたが、私はなっていないと思うんです。実績的に見てそうだと思います。広大な土地が全部合わせると何百億というような値段で売れたりするものですから、非常にジャーナリスチックには目を引きますけれども、しかしそれが導火線になったかというと、そうじゃなくて、むしろ神田とか中央区とか、そういうオフィス街の事務所が足りない。日本が国際金融センターになったというところでビルの、ビジネスの事務所の需要がばあっと起きてきて、それがないために時価を上げた。それで、その時価を上げたのが、場合によってはいろいろ投機にも利用されたりして、それが郊外に次の段階で波及していった。それが東京の時価の上がった実態でありまして、国有地が高く売られたからということで直接導火線になっているんではない。これは実態をよくお調べ願えればわかると思うんです。 しかし、国有地がじゃどういう値段で売られたかというと、私は実勢価格に近い値段で売られていると思うんです。これは経済行為でありまして、規模が膨大ですから全額の総計は非常に大きくなっておりますけれども、やはり実勢価格というものを無視しては会計法上も売れない、そういうことではないかと思うんです。 しかし私は、国鉄の審議のときにも申し上げたんですが、売り方にはいろいろある、一般競争入札というのは一番公正でわかりやすいやり方ではあるけれども、しかし場所場所によっては信託ということも活用していい場所もある、だから信託の可能性も否定してはならない、そういう考えを持っておる。これは国鉄のみならず、大学においても、あるいは府県、市町村においても、持っておる土地についてそういうやり方で所有権を渡さない、しかし利用権を渡して、そしてそれによって地価の問題を回避していく、そういうやり方は一つの英知の所産だろうと。しかし、それらは、みんなその場所場所によってそれが的確であるかどうかは判定すべきである、そう私は思っておるんです。東京のような場合、例えば農地を持っている方々等につきましても、自分では仕事がやれないという場合には信託に出してそれによってやるということも一つのやり方なんだと思うんです。 そういうやり方によって地価の暴騰を防ぐという考え方も十分成り立つと、そう考えておるのであります。
○粕谷照美君 しかし、借り手の権利というようなものはどのくらいの力を持つものかなとということも含めて、これから十分討議をしていかなければならないというふうに考えるわけですけれども。 今度出ました新行革審の土地対策小委員会のメンバー、けさほどいただきましたけれども、総理、ちょっとお忘れになったのが一つあるんじゃないですか。女性はどうして入らないんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いずれ専門委員あるいは参与、そういう専門家としての場合に御意見をお聞きするとか、あるいは小委員会、専門部会にお入り願うとか、そういうことで十分考えておられると思います。
○粕谷照美君 審議会には必ず女性を入れましょうということをずっとやってきている経過がある中で、つけ足しみたいに専門委員なら女性を入れてもいいなんというお考えは私はやっぱり問題があるというふうに思います。 次に、私の友人、港区にいたわけですけれども、二十坪の小さな家におりまして、小学校の養護教員をしていました。計算してみたら今、八千万円だというんです、一坪。この数年間一日に坪二万円ずつ値上がりした。十六億円だというんですね、自分の家が。びっくりしましてね。それで、ある日気がついたらもう近所はだれもいなくなっちゃって、私たち老夫婦だけだからもうここを出ていかなければ生きていかれない、こういうことを言っているわけです。 それで、その人が特に気になるのは、固定資産税が上がる一方だ。黙っているたんびに固定資産税が三年ごとに評価がえされて、上がっていく一方だ。もう弱り切っているわけですね。息子さんは息子さんでまた、区会議員をやられている、あのまま死なれたら僕は相続税をどうやって払うんだろう、そういうことで頭が痛い、こういうふうに言っているわけでありますけれども、こういう問題について、租税特別措置法を改正して住宅買いかえ免税廃止の方向を国土庁は決めたと、こう新聞に載っておりますが、これをやられるんですか。
○政府委員(片桐久雄君) 居住用資産の買いかえ制度の特例につきましては、住みかえを促進するとか再開発を促進するとか、そういう極めて有用な制度であると同時に、また不要不急の宅地需要といいますか、そういうものを喚起するという点もあるわけでございます。そういう観点から、私どもも地価対策の観点でこの制度を見直すべきではないかということを考えておりまして、現在いろいろ検討しているところでございます。
○粕谷照美君 弱い者いじめにならないような法律をちゃんとつくっていただかなければ困ります。 それで、自治大臣、大蔵大臣、都知事もちょっと言っていらっしゃるわけですけれども、固定資産税ですね、シャウプ勧告に従ったもので、ずっとだめなんだと、何とかしてもらわなければならないんだが自治省、大蔵省マターなんだ、こういうふうに言っていらっしゃるんですが、何かお考えを持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(葉梨信行君) 固定資産税はちょうど六十三年が見直しの時期でございますが、各地方団体におきましてはただいまその作業を行っております。また、自治省におきましては、全国的な観点から、標準となる地点につきまして公正な評価がなされますように調整作業を行っているわけでございます。 先ほど先生が言われましたような異常な値上がりをいたしました地点につきましては、適正な対策をとり、その地価の見直しを行いながら評価を行うように調整をしているところでございます。
○粕谷照美君 大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、ただいま自治大臣がお答えになられましたとおりのことでございます。
○粕谷照美君 新行革審の土地小委員会の答申をまつまでもなく、土地政策としてやるべきことははっきりしているというふうに思います。 国土庁長官、まず土地の公的コントロールを強めていくということです。土地は市場原理によって自由に流通する商品と違いまして、自由に生産し供給することができないのですから、それだけに、特に国公有地を市場原理によって払い下げることは厳に慎んでもらいたい、公的所有を優先させてほしい、この点についてはいかがか。そして、人口の都市集中を促進するような政策を改めて、都市機能の分散を図るということが必要ではないか。その他、土地に対する投機をあおる金融政策を改める。これは、先ほどお話がありましたからいいですけれども。また、諸外国の土地政策なども参考にしながら、実行できるものからやっていくということが大事ではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 土地は自由商品ではないという御指摘でございますが、憲法二十九条で財産権の保障をいたしておりまして、それにいかに制限を加えるかということで、いろいろ国土利用計画法その他を通じましてある程度の私権の制限をしておるところでございます。国公有地についてもこれに準じたような形でございまして、今すべてを凍結するとかあるいは地価の想定をするとかということはなかなかできない、極めて難しい問題でございますので、いろいろ先ほどからお話し申し上げましたように、国土利用計画法の中でも国有地等の問題についても配慮するということを規定させていただいたわけであります。 なお、東京その他の一極集中を分散させろというお話でございますが、これは、既に先般閣議決定をいたしました四全総の中におきましても、その方向づけをさせていただいておるところでございます。
○粕谷照美君 次に、教育問題に入ります。 先回の予算委員会でも私触れましたけれども、いよいよ臨教審が最終答申の段階に入っているようであります。特に、文部省直属の中教審ではだめで内閣の直属の臨教審ということを主張しこれを押し通された総理大臣が最終的な答申を受けられるわけでありますけれども、御自分がこの臨教審をつくられたことについて期待するような答申になるというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まだ最終答申を拝見しておりませんが、今まで三次にわたりまして答申をいただきました。その内容は、なかなか努力をされた、また見識のある内容であると考えております。最終答申におきまして、全部をどういうふうに総括し、また今後の方針をお示しになるか、それをよく拝読いたしまして内閣としての態度を決めてまいりたいと考えております。
○粕谷照美君 文部大臣、最終答申原案をごらんになりましたか。
○国務大臣(塩川正十郎君) あらかたの論議されておる内容は聞いておりますけれども、答申につきましては全くまた存じておりません。
○粕谷照美君 この答申案というのは、いつごろ私どもの手に入るのでありましょうか。今、私がこの原案を見せると言ったら、文部省は私の手元にすぐ届けることができますでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 事務局次長がおりますので。
○政府委員(齋藤諦淳君) 臨教審といたしましては、経過概要等でお示しをして、なお部内の資料につきましては、それが公表されていいと、会の方でそのように決定されたときに先生方にお示しをするという、そういう構えをとっているところでございます。
○粕谷照美君 そうすると、まだ許可が出ていないわけですね。
○政府委員(齋藤諦淳君) さようでございます。
○粕谷照美君 七月十三日読売新聞、「臨教審最終答申案の要旨」、それから七月二十一日付の「内外教育」版、「最終答申素案まとまる」と、こう出ているわけであります。 私が気になりますのは、スクープをされるというのはこれはやむを得ないわけでありますけれども、文部大臣、なんですか、臨教審に対して、ちょっと日教組のことを文句を一言入れなさいとか、何か御注文をその間につけられたやに伺いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は文句を言いに行ったなんか、そんなことは全然しておりません。ただ、運営委員会というのがございまして、そこで懇談をしようというお誘いを受けまして、行きまして、そこでいろいろと懇談の中で話が出ました。その中で申し上げたことは、私は学校における教育課程並びに学習指導要領というものは文部省が責任を持って決定し、そして各教育委員会がこれを責任を持って実施するものであるということをひとつ明確にしていただきたいと、こういうことは私は話の中で言いましたけれども、要請したり、そんなことは、そういう不遜なことはいたしておりません。
○粕谷照美君 ところがやっぱり、要請をしなくても、文部大臣のお話というのは大変強い力を持っているわけですね。ちゃんと入っているんですよね、言われたということが。私は、臨教審がどのようなことをお書きになるかどうかはまあ別として、特にここの部分は問題が大変大きいというふうに考えているわけですので、時間がありませんからいずれ文教委員会でやるといたしまして、このスクープの内容は本当かどうかということを、記事の内容は本物かどうかということをまず事務局に聞いておきます。
○政府委員(齋藤諦淳君) 答申原案を審議する過程でいろんな書類が部内資料としてつくられますが、その個々の資料がどうということではなしに、種々取材をしながら報道されるということはあるのではないかと、このように考えております。
○粕谷照美君 いえ、私が聞いているのは、これはあなた方の方で素案として出したものと同じものであるか、内容が変わっていないかということを聞いているわけです。
○政府委員(齋藤諦淳君) どの部分がどの部分に相当するか、恐縮でございますが、ちょっと私見ておりませんが、いろんな過程で、そこに報道されておるような、そのような内容については審議されているところでございます。
○粕谷照美君 これは臨教審答申がまとまり次第——八月二十日までの間臨教審の委員の期間があるわけでありますから、十分に討議をしたいと思います。 では、同じ観点からちょっと初任者研修についてお伺いいたします。 ゆうべ何か船で出られたようでありますが、この文部省方式では、新しく初めてなった先生にマン・ツー・マンで指導教員をやりましょうと、こういうのが原則になるんでしょうか。東京都はこの文部省原則じゃなくて、校長を中心にした集団指導方式をやりたいと、こういうことで具体的にもうやっているようでありますけれども、各県の独自性というのは認めるものなんでしょうか。
○政府委員(加戸守行君) 本年度から初任者研修の試行という形で、約二千名強の新任教員に対しまして初任者研修に関します各種の行財政措置を講じております。その観点で、予算措置といたしまして、例えば教職員の代替定数措置あるいは代替非常勤講師の手当てその他各般の予算措置を講じておりますが、考え方といたしまして、この初任者研修の試行の大きな柱になりますのが新任教員に対します先輩教員による指導でございまして、こういった個別指導のために代替定数等の措置を講じておるわけでございます。したがいまして、文部省としてガイドラインとしてお示しいたしましたのは、こういった新任教員に対します個別的な指導に必要な教職員の定数措置でございますので、そういうような形態であるものを前提として初任者研修の試行に入っていただいたわけでございます。 そこで東京都の場合、まだ十分に事情を把握いたしておりませんが、一応東京都の形態といたしまして、学校の教員全員による指導と、それからいわゆる指導責任者というのを設けまして指導に当たるとともにその指導の中心になられる、こういった形態をとられるようでございまして、その辺が国の行財政措置と合致するものかどうかというのはもう少し実情を把握してみないとわからないという状況でございます。
○粕谷照美君 ところで、これはまだ試行ですね。来年度も今回やらなかったところがまた試行になるように私は思っておりますけれども、六十四年から本格施行だと、こういうことであります。私たちは、初任者研修は大事だと思いますけれども、文部省の考えているあの制度そのものには大変な問題があるということで反対をしているわけですが、六十四年度には大体三万人ぐらいの新採用があるというふうに思いますけれども、指導教員は何人ぐらい手当てをしなきゃいけないか、そしてそれに対してどのくらいのお金がかかるものか、計算しておりませんか。
○政府委員(加戸守行君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在行っておりますのは初任者研修の試行でございます。そして、いわゆる本格実施に向けましては、教育職員養成審議会におきまして、どのような形で初任者研修の制度を創設したらいいのかただいま御審議をいただいております。その結果、並びに試行というのは一種の方法論を探っているわけでございますので、どのような形にしたらよろしいかという具体的な試行の結果も踏まえ、両々相まって、いわゆる六十二年、六十三年の試行が終わりました段階でどういう対応をするのかということになるわけでございますので、今のところ具体的な所要経費等につきましては確たることを申し上げる段階にはないわけでございます。
○粕谷照美君 確たることを教えていただかないで結構ですから、それではある程度の見通しというものを言っていただきたい。 六月二十八日全日教連大会で、加戸さんあなたはいらっしゃってお話ししているんでしょう。その程度のことはお話しができると思います。
○政府委員(加戸守行君) 六月二十八日の全日教連大会におきまして申し上げましたことは、いわゆる臨教審答申で提言されております初任者研修制度創設につきましては、文部省として大変重要な施策と考えております。しかしながら、現在試行されております形態あるいは内容そのままで本格実施に入るといたしましても、その場合には、教職員数、例えば小中高、特殊学校全教員を対象にいたします定数措置は、試行のままで行うといたしますれば約一万人程度の人間が必要になってくる。そういう意味におきまして、国民の理解を得、そして円滑な実施を行うためには教育関係者の努力と御理解、協力が必要である、こういうことを申し上げたわけでございます。 そういう意味におきましては、単純に、現在試行を行っております形態、例えば一人配置校の場合には非常勤講師、二人配置校並びに三人配置校につきましては教職員定数を一名措置するということを単純に置きかえて機械的に申し上げれば、人数として定数措置は約九千数百名になるであろうということを踏まえて申し上げたわけでございます。あくまでも試行と同様な形態で、同様な人数で、同内容で行うということを前提とした仮定の話でございます。
○粕谷照美君 人件費がどのくらいかかるというふうなことは言われませんでしたか。
○政府委員(加戸守行君) その会合では、いわゆる人数については触れましたが、金額面については触れておりません。
○粕谷照美君 しかし、ある教育雑誌のインタビューでも次のように答えていると、この記事には載っているんですね。一年間に大体一万人ぐらいの指導教員が必要だろうということであります。ところが、それが本格実施を予定している六十四年というのは、四十人学級で大体八千二百人教員を法律上ふやさなきゃならない、こういうふうになっていますね。それからまた配置改善増進捗率が大変悪いわけですけれども、六十二年で三千百人件はしているわけですが、これが法律的には完成年の六十六年までの間に二万七千人ふやさなきゃならない、これ、人件費というのは大変なんですね。そうしますと、その人件費は一体どこから出さなければならないか。この問題がかかってくると思います。 文部大臣、大体こういう計算をしますと、どこをどういうふうにして削って教育予算というものを計算したらよろしいと思いますか。
○政府委員(加戸守行君) 具体的に、いつの年度からどのような形で、規模、内容、方法等はまだ確定いたしておりません。そういった、先ほど申し上げましたように教育職員養成審議会の答申並びに試行の結果を踏まえ、それから六十四年度以降におきます財政状況、あるいは教職員の自然減の状況等も踏まえましてこれから検討することだろうと考えております。
○粕谷照美君 文部大臣、答弁はないんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 局長の言ったそのとおりでございます。
○粕谷照美君 では、六十四年から本格実施をやるということではないということを確認いたしまして、次の学校五日制に、入ります。 この学校五日制は、大体もうアメリカは当たり前ですけれども、イギリスは百年前から、フランスはまだ一八八二年から月曜日と水曜日、西ドイツあたりでもやっているわけでありますが、この学校五日制について、昨年の一月三十一日、我が党の本岡議員が一〇四国会で総理に質問をしております。総理は、臨教審の答申を待つと言わないで、教育課程審議会の答申を待って処理をしたいと、こういうふうにお考えを述べております。そして、文部省は八五年の九月に教育課程審議会に諮問をしていますね、これは松永文部大臣のころなわけですけれども。だから、教育課程審議会に検討を依頼したということは、文部省もやらなきゃいけないという観点で一つの原案をつくって出されたんだというふうに思います。そして、九月の三日に教育課程審議会は、世論の動向を見てと、こういう前提がつきながらも、やっぱり昭和六十七年度から隔週土曜休みを打ち出しているわけであります。ところが、教育課程審議会がそれを打ち出した直後、九月の二十三日、文部大臣は突如として反対を表明されました。この理由は一体何ですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) さあどういう発言をしたのか詳しくは覚えておりませんが、私は恐らく慎重に対処しなければならないという意味で言ったのではないかと思っております。それはまさに、先ほどもおっしゃいますように、ここ数年の間に教育課程の改正をしなけりゃならぬ、こういうことがございますし、また日曜日以外に休むといたしましたときに、その児童生徒をどのようにして受け入れるかということも考えなきゃなりませんし、そういう問題等が山積しておりますので、今直ちには難しいと、そういう趣旨のことは言ったと思うのでございますけれども、しかし週休二日制というのは時の流れであり、その実現に向かって我々も努力しなけりゃならぬということは冒頭に言っておると思いますので、冒頭のところを読んでいただいたらと思っております。
○粕谷照美君 では、人事院も今度は随分大胆な人事院勧告を出すやに今私どもは肌で感じているわけでありますので、その冒頭の部分を文部大臣としては大事にしていただきたいと思います。 都道府県教育長協議会が各県に学校五日制についてどうだということのアンケートを出しているわけであります。その中で三十五県が、もう国際的動向や社会状況から見て実施すべきであると、こう答えております。そしてまた、検討課題とするというのが九県であります。これは随分大きなパーセンテージだというふうに思います。時期が早いよと、こう言いましたのが三県でありますのでね。文部省ももうそろそろこれ、試行期間に入ってよろしいんじゃないですか。よく文部省が、いろんなことを言いますと試行期間というのを置きますね。どうか試行の学校なども、パイロット的にやるなんというようなことがあってよろしいんじゃないですか。どうでしょう。
○政府委員(西崎清久君) 学校五日制の問題につきましては、先生お話の中にございました教育課程審議会が昨年の十月二十日に、社会情勢の変化の中には週休二日制のいろいろ国民生活への影響、学校教育への影響がある。この点を考慮して学校五日制の可能性について検討をする。メリット、デメリットいろいろございますのでなお引き続き検討をしようということで、教育課程審議会としましてはこの秋に、さらにこの五日制の問題について検討をし、そして最終答申にどのように盛り込むかということになるわけでございます。 したがいまして、教育課程審議会自体としましても五日制について結論はまだ留保している、こういう段階でございますので、私どもといたしましては課程審の検討結果等も踏まえてからこの問題に対処をいたしたい、こんな段階でございます。
○粕谷照美君 留学生の問題について伺おうと思いましたけれども、先ほど広中委員が十分この質問をされましたので、そしてまた文部大臣の答弁などもお伺いいたしましたのでわかったわけですけれども、でもやっぱり二〇〇〇年に向けて十万人というのは、これはいかにもゆっくりし過ぎるんではないか、こんなことを考えておりますので、十万人受け入れについてはもう少しテンポを速めるように。 それから、今アジアの留学生たちが——アジアばかりでもありませんけれども、円高のおかげで大変苦しい生活を強いられている。それに対して対処をされた部分、十分評価はできるわけでありますけれども、特にアジア系の人たちが宿舎を借りるときに差別があるというような問題もありますので、これは国民教育の部分として十分に文部省としても対処をしていただきたいということをお願いいたします。 次に、文部省がこの間アスベストについての調査を各県に出されたようでありますけれども、何のためにこの調査を出し、この調査の結果をどのように生かしていこうとされるのかお伺いいたします。
○政府委員(加戸守行君) 学校施設等の天井にアスベストが、かって十数年前でございますけれども、吹きつけ用に使用された事例が多々あるわけでございますが、本年の初めマスコミ等でその環境汚染の問題が取り上げられましたものですから、公立学校の実態を承知したいということで、事務的ではございますけれども、本年の五月に各都道府県に実態調査をお願いして、秋に調査を取りまとめたいと考えているわけでございます。 現在のところ、文部省におきましては、学校建築物のほぼ十五年程度を経過しましたものにつきまして、大規模改修に対する補助事業を実施しております。したがいまして、この枠の中でおおむねアスベスト問題といいますのは、昭和五十年に労働省の規則改正によりまして実質的な禁止措置がとられましたものですから、学校の場合、アスベスト使用のケースは大規模改修に該当する事例が多いと考えております。したがいまして、アスベスト問題に関します大規模改修の申請が出てまいりますれば、文部省としては優先的に採択をしたい、そういう考え方で、特にまた現在の状況を知りたいと、そういう両様の意味におきまして調査を依頼した次第でございます。
○粕谷照美君 大変不安が大きくなっておりまして、埼玉県などでは教員住宅を出てしまった人たちもいる、こういうこともありますので、健康を守るために、それも教師だけじゃなくて子供たちの健康を守るために積極的に、そして問題が見つかったらもう即刻これは取り去るように対処をしていただきたいということを要望いたします。 最後になるかと思います、二分しかありませんので。ちょっと労働大臣にお伺いいたしますけれども、きのう安恒委員から労基法の改正についての質疑が行われました。私はその中で、三カ月変形労働時間制というのは女性が働いていく上でも大変問題がたくさん出てくるんじゃないかと思いますが、どういうふうに理解をしていらっしゃいますか。
○国務大臣(平井卓志君) 一連の基準法改正の中で三カ月単位の変形労働時間制というのを取り入れておるわけでございますけれども、昨日来御指摘のように、いろいろな角度から御議論をいただきました。しかしながら、私どもの理解では、やはり社会全般の就業ニーズ等も第三次産業等非常に多様化して変わってまいっておりますので、そういう中で、ある程度の弾力性を持つということで時間短縮を図る方が図りやすい。 そして、大変御懸念等の御指摘もございましたけれども、これは無原則にやれるわけでございませんで、やはり三カ月平均して大企業においては週四十時間という枠も入っておりますし、中小企業では四十四時間、これを超えてはなりませんし、さらにまた労働協約を結ばなければならぬということも入っておりますし、そういうふうな規定の中で行うわけでございますから、私は、乱用はない、ただしこの法案成立の後には一切乱用が起こらないようなさらに強力な指導も考えておるわけでございます。
○粕谷照美君 労働省は、結婚しながら働いている人、しかも子供を持ちながら働いている人たちの人数などを把握しておりましょうか。
○政府委員(佐藤ギン子君) 先生今お尋ねのストレートの数字はただいま持っておらないわけでございますけれども、現在雇用されております女子の約七割は結婚している方たちということでございます。それから、子供を持ちながら働いておられる方の率も年々ふえているということでございます。
○粕谷照美君 そういう実態の中で、きのうの総理の言葉は私大変気になったんです。家庭の専業主婦は愛情でもって頑張っているなんて。働いている人だって愛情でもって働きもしているし家庭も守っているんですよ。そこのところを忘れていただいちゃ困りますね。そしてまた、ときどき文部大臣もそういうことについて、何か家にお母さんがいてもらいたいと子供たちが思っているそのことを非常に強く発言されて、あちらこちらから随分文句が来ておりますよね。そういう点も注意をしていただきたいというふうに思います。今、女性が働かなければ日本の経済は成り立たぬようになっているんですよ。そして今労働大臣のおっしゃることは、私もう現場を知らない労働大臣だと思ってがっかりしました。 八時までの保育所を残していってくださるんですか、どうなりましょうか。
○政府委員(佐藤ギン子君) 確かに保育所の方も働いておられる保母さんがお母さんであるということが多うございますので、なかなか八時までというのは難しいのでございますが、いろいろと補助もいたしまして、できる限り時間を長くするように自治体にはお願いをしているところでございますし、また二重保育等の工夫をされておられる方もふえているということでございます。
○粕谷照美君 もう時間がありませんから私はやめますけれども、佐藤さんがそういうことをおっしゃるのは私はがっかりですね。二重保育をやって頑張んなさいなんと言ったってなかなか計算的には、じゃどういうふうにやっていったらいいんですかという問題もあります。 とにかく婦人労働者がきちんと家庭もそして仕事もやれるようにということで、いろいろな法律が国際的にも条約として決まって、その条約を受けて法律は決まっているわけでありますから、十分労働省としては注意をしていただきたい。いずれ細かいことについては委員会で御質問したいと思います。 終わります。
○委員長(原文兵衛君) 以上で粕谷照美君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十五分散会