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109回国会参議院1987/09/17

法務委員会 第7号

発言数
387
登壇者
20
会派数
6
開催日
1987/09/17

会議録

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨九月十六日、土屋義彦君が姿見を辞任され、その補欠として平井卓志君が選任されました。     —————————————

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) 外国人登録法の一部を改正する法律案(第百八回国会閣法第六二号)を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 外登法の改正案が議題となっているわけでありますが、私どもといたしましては、依然として指紋押捺制度を残している、あるいは登録証の常時携帯義務が厳しくそのままの姿で残っている、さらには罰則が重いというようなことを含めて、基本的にはこの改正案に反対ということでずっといろんな論議をしてまいりましたが、きょうは少しく各論的な問題を中心に質疑をしていきたいと考えています。  その前提として、まず法務大臣に外国の人々に対する認識を伺いたいのでありますが、法務省筋では、日本人と外国人は基本的に違う、もともと外国人というのは日本に住めない人なんだ、それを住まわせてやっているのであるから、ひどい表現でありますが、煮て食おうと焼いて食おうと勝手であるというようなことも含めていろんな評価、さまざまな受けとめ方があるわけでありますが、その点法務大臣はどんなふうに受けとめておられるか、その認識をまず伺っておきたいと思います。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 法務省所管の中に、先生御承知のとおり人権擁護も法務省自体が担当しておるわけでございまして、今人種差別ということに対しては厳しい姿勢で法務省も対応しているというような点で、外国人だからというような差別的な考えは毛ほども持っておりません。むしろ今日の国際日本というような姿から見て、日本に居住される外国人の方々には可能な限り快適な生活を送ってもらおうというような姿勢で善処していきたい。そのような点で、先生から今登録法に対しては反対だというお話がちょっとございましたけれども、私どもとしてはできる限り改善していきたい。そういうふうな姿勢でございますので、さきの国会では、先生も御承知のとおり、五年に一度指紋押捺をする、それが十四歳から十六歳に年齢を切り上げたということで満場一致で御承認をいただいている。それを今度は一度だけだということに改善していこうという姿勢をとっておることで先生御理解願えると思います。  改めて申し上げますけれども、法務当局としては差別ということに対しては毛ほども考えてない、むしろ差別をなくする姿勢をとるのが法務省の責任だと感じております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 国際化の流れが急速に広がっておりますし、その点では日本人も日本に住む外国人も基本的には平等である、差別なしに扱うという立場に立つことが非常に重要だと思うのであります。その点で、内外人平等の原則ということを基本に据えて、とりわけ基本的人権などについては、外国人なるがゆえに持てない、例えば選挙権その他ございますが、できるだけ保障していく、憲法上の保障を広く外国の人々にも広げていくという考え方に立つべきだと思うのですが、その点はいかがでしょうか、大臣。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 先生の御意見どおりだと、こう率直に申し上げたいと思います。そのような点で差別をなくしたいということで今腐心をいたしておるわけでございます。  さらに、差別がなければ登録も要らないではないかという御質問が後で先生から出てくるのではないかと思いますので、その点についてもお答え申し上げておきたいと思いますけれども…

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 いや、それは後で聞きますから。まず原則から質問した上で、各論の問題は随時聞いてまいります。  法務大臣もちょっと触れられましたように、そういう基本のところが押さえ切れていないものですから、登録法その他の諸条項にもいろんな点で少しく無理な制度が温存される、なかなか払拭し切れないということが陰になってあらわれてきているのではないかと思うものですから前段として承ったわけでありますが、そこに入る前にもう一つ、指紋制度に対する国際的な反響といいますか動きなどについて、きょうは外務省からも来ていただいておりますのでお聞きをしてまいりたいと考えております。  この指紋制度については、朝鮮民主主義人民共和国あるいは南の韓国を含めて全体として強い反対があるわけです。日本に住む朝鮮の方々もそういう立場をとっておられるわけでありますが、その朝鮮の問題とあわせてお聞きをしておきたいのは中国です。最近中国人の方々も指紋押捺を拒否している方がおられるし、そのために現に逮捕者も出しておられるわけでありますが、これに対して中国政府はどんな反応を示しておられるか、どんな対応をしておられるか、外務省からまず説明をいただきたいと思います。

谷野作太郎外務省アジア局審議官

○説明員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  先生ただいま御指摘の我が国の外国人の登録制度につきましては、日本におられます華僑の団体等から指紋の押捺制度の完全撤廃という要望が出されておりますほか、中国政府からも政府レベルで私ども外交当局に対しまして、外国人登録制度の改善について一般的な先方政府の関心の表明がございました。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 中国政府のアジア局長、楊という方でありますが、この人の発言を知ったのでありますが、中国政府はこの指紋制度を非常に侮辱的な制度だと言っております。中国人が裁判にかけられていることも承知をしておる。そういう立場から日本政府にも反対の申し入れをしているということでありますが、そういう申し入れが政府にあったでしょうか。

谷野作太郎外務省アジア局審議官

○説明員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  中国政府とは私ども外交当局との間でいろいろな話し合いの場がございますけれども、そのような場におきまして、我が国に対するいろんな要望等がございます中で、この指紋押捺制度についても改善策を考えてほしい、このような先方の考え方の表明がございました。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 最近、中国政府との間には光華寮問題など幾つかの課題があるわけでありますが、指紋問題なども状況によってはさらに問題が拡大する可能性を秘めていると言ってもいいわけでありますが、その点でこの指紋制度、とりわけ中国人を逮捕して、拒否者に対していろんな行政上の不利益な扱いをするというようなことがまた問題をさらに拡大する可能性なしとしないので、十分慎重に対処していただきたいと思うのであります。  もう一つ、この中国問題との関連で台湾の問題がございます。中国と国交を回復し、中国政府を承認したとき以来、日本政府は二つの中国論をとらないという態度を鮮明にしてきているわけでありますが、そういう中にあって、台湾の日本事務所として亜東関係事務所というものがございます。これは外交関係をなくしたわけでありますが、外交官特典も当然ないというふうに考えられるわけであります。この亜東関係の事務所の職員及び家族は大体百五十人ぐらいと言われておりますが、この人々には外交官に準ずる扱いをしておる。登録等で指紋押捺を求めていないということがかつてから言われておったのでありますが、この点は現在どうなっているでしょうか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 登録をしない取り扱いになっております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 亜東関係事務所は、大使館とか領事館とかという外交官とは違いますね。にもかかわらずそういう扱いをするのは、二つの中国の立場をとらない、中国は一つであるという立場から見ると奇異な感じがしますが、いかがですか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 私ども、亜東関係協会が外交機関であるとか領事機関であるという認識ではございません。この事務所の行っております事務の性格等にかんがみまして、なおかつ、こういった人たちの居住関係、身分関係が把握できるということを前提にいたしまして外国人登録を免除するという取り扱いをしているわけでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 本来外交官などに認められている扱いを、台湾政府と関係を絶っているにもかかわらず認めておられる。これは私は、先ほどの中国人の指紋押捺拒否に対する逮捕事件とか制裁とあわせて非常に深刻な問題を日中間につくり出すのではないかと心配をしておるわけでありまして、そういう態度は大変遺憾であるというふうにまず申し上げておきたい。  もう一つ、今理由として述べられた、台湾の人たちは身分、居住関係が明確に把握できているから、言うならば指紋押捺を求めないのであるという立場、理由づけをするのであるならば、この外登法問題というのはもともと朝鮮問題だと言われるくらい、朝鮮の人々はこの外登法ができる以前から日本に住んでいるし、またその二世、三世であるわけですから、もっともっと居住関係や身分関係は明確な人たちがかなりいるわけであります。その理由づけを一貫させるのであれば、むしろそういう人たちにこそ外登法上指紋押捺を求めない、しかるべき扱いをすべきではないかと思うのですが、いかがですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 亜東関係協会職員に関する取り扱いにつきましては、外国人登録法の本来の趣旨、もちろんそれは身分関係、居住関係を明確に把握するということが前提になるわけでございますけれども、この亜東関係協会の職員の身分関係、居住関係が明確であるというのは、個々の職員の置かれている状況ということではございませんで、これらの職員が亜東関係協会という特定の機関に所属して、その機関を通じてその身分関係なり居住関係なりというものが明確に把握し得るという状況にあるということから生じた扱いでございます。  外国人登録法には、外国人登録の対象から除外するというものについての明文の規定はございません。にもかかわらず、外交官であるとか外国公務員であるとかがこの登録の対象から外れているというのは、そうした外国人登録法の本来の趣旨、目的に照らしてとられている措置でございまして、外国人と申しましても、外国公館の職員であるとか外国公務員であるとかの場合には、所属する公館あるいは所属する政府を通じて直接的にこれを把握し得るという状況があるということを前提としてそうした取り扱いが行われているわけでございます。  亜東協会職員につきましても、それと同じ物の考え方から、亜東関係協会という明確な機関を通じてこれを把握し得るという事実を前提として行われていることでございまして、在日韓国人・朝鮮人一般の個々の人々の中に、我が国との地縁、血縁関係が非常に緊密であるということによって身分が把握し得るという状況があるとしても、それを特定する手段というものは、個人に返ってくると申しますか、これを統一的に把握する手段が存在しないということから、それと同一に論ずることは困難であるということがあるということを御理解願いたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 理解するわけにはまいらないのでありますが、亜東協会をそういう扱いにしていくこと自体が日本の中国政策、本来とってきている中国政策から外れている。また、その延長線上でその人たちに特別の外登法上の地位を与えるということも正しくない。その理屈が正しいならば、もっともっと与えるべき人たちが在日朝鮮人や中国人の中には圧倒的多数でおられるということを指摘しておきたいと思うのであります。  そういう中国側の深刻な問題とあわせて、最近、指紋押捺問題は他の国々にも広がっておる。神父の人たち、宣教師の人たちが数多く指紋押捺問題に反発をして拒否されているわけでありますが、それに関連して他の国々からも日本政府に対していろんな申し入れなどが出てきている、あるいはさらにいろんな動きがあるというふうにも聞いておるわけであります。例えば、バチカンなどからもお話が外務省筋にはもたらされてきておりませんか。  つい最近カナダの政府が、マッキントシュというプロテスタントの宣教師が指紋押捺を拒否しまして、在留期間の更新が認められず不法残留ということで訴訟中でありますが、在日カナダ大使館に状況を至急調査して報告するようにということで、カナダ政府などもこの問題に非常に大きな関心を示しているというふうに言われているわけであります。  これら諸外国の動きなどについて、外務省はどんなふうにつかんでおられるでしょうか。

谷野作太郎外務省アジア局審議官

○説明員(谷野作太郎君) 先生からただいまお話がございましたとおり、バチカン側からこの指紋押捺の問題につきましては関心の表明がございます。  第二点のカナダの問題につきましては、カナダの市民の方々等からこの指紋押捺の制度に対しての心配といいますか、先方のいわゆる懸念といいますか、そういうものが私どもの大使館等に投書等の形で寄せられておりますけれども、政府ベースで先方からこの点について申し入れ等は今日まではございません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 などなど、中国や朝鮮だけではなしに、世界各国から日本の指紋制度のありようについていろんな問題点が出されておる。指紋押捺拒否問題などを契機にして問題が広範に広がっている。ここをよく見ておかないと、日本の外交政策にとっても、あるいはまた新しい外登法の問題にとっても状況を見間違う可能性があるということを国際的に見て私は感じるわけでありますが、そのポイントになるべき一つとして韓国問題がございます。  これは私から説明するまでもなく、今度の外登法の改正案は、昨年の九月でしたか、中曽根総理が第二回目の訪韓をするに当たって、在日韓国人の方々が外登法に非常に反発をしておる、何とかこれをおさめるために一定の方向を出さなきゃならぬということで、急遽官邸主導型でこの法案をまとめた。したがって、いろんな点で未整理の部分や問題点を残したまままとめた形跡も感じられるわけであります。その結果、中曽根総理と全斗煥大統領との会談で、指紋押捺は一回限りにする、あるいはカード化することを説明して一応の決着を見たというふうに言われているわけでありますが、南朝鮮の人たち、特に日本におられる朝鮮、韓国の人たちはこれで結構だというようなことには必ずしもなっていないのであります。指紋押捺問題も含め、それから常時携帯の問題には特に強い反発があるわけでありまして、特に南の関係もこれで決着だというのには少しく早計に過ぎるという印象を強めているのであります。  最近、民主化推進協議会、民推協というものが韓国にできまして、民主化運動を進める母体の一つになっているわけでありますが、この団体等の動きについて、とりわけ指紋押捺問題、外登法問題についての対応などについて外務省はどんなふうにつかんでおられるでしょうか。

谷野作太郎外務省アジア局審議官

○説明員(谷野作太郎君) ただいま先生御指摘のとおり、民推協の側におきましては、この指紋押捺の問題はこの方々の大変大きな関心事でございまして、この方々の究極的に日本に対して求めておりますことは、指紋押捺制度の撤廃ということでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 韓国では大統領選が予定されているわけでありますが、この大統領選が終われば、またその結果いかんによっては対日政策を全面的に見直していきたい、その重要な一つにこの指紋押捺問題があるというふうに位置づけられているように思われるわけでありますが、ついせんだって、在野の国会議員である権五台という方が日本に見えられました。これは、金大中氏らの指示で在日韓国人の法的地位の実態調査のための特別委員会をつくって、その調査などなどのために日本に出向いてきたわけでありますが、指紋問題には反対だという態度を鮮明に出しております。  こういう状況から見ますと、今度の法案が中曽根・全斗煥会談を軸にして動いた、そういう背景の中に急速成立をしたということがありますが、それで問題が終わったということにはならない。大変流動的な情勢を我々は見るわけであります。特に、韓国との関係では九一年問題というのがございまして、三世の方々の法的地位を一九九一年までに別途協議するというようなこともあわせ考えますならば、やはりもう少し国際的な視野で問題を見ていかないと、一回限りだから従来よりは前進だ、私は前進かどうかについてはまた後で各論で議論をいたしますが、という説明で問題を乗り切ることは国際的にも非常に難しいという印象を受けるのですが、法務大臣として、全体の国際的なにらみの中ではどんなふうなお考えでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) この法の改正というのは、官邸筋が云々という先生のお話でございますけれども、先生の方がむしろよく御承知の上でそういうふうなお話をされておると思いますが、これはやはり外国人登録制度自体をもっと改善してほしいという声が皆さんの耳にも伝わっておるわけでございまして、私が法務大臣就任早々この問題を取り上げたことは新聞紙上にも公表されておる問題でございます。何とかして一歩前進せしめたいというようなことからこれに取りかかったというのが真相でございます。今国際間においてどうかというお話がございますけれども、それぞれの国はそれぞれの国情を担うて指紋押捺制度を行っている国もまだ数十カ国あると承知をいたしております。  そういうような状態で、私どもとしては、何も外国人に対して差別するとか何かという考えではなく、むしろ外国人永住者に対して身分証明書的な正確な登録証を持ってもらいたいというのが私どもの考えでございまして、自分は何々の国の永住者であるということをすっきりさせるということでございます。先生も御承知のとおり、今日本に不法入国また観光を目的として入国したというようなことで、現実はそうでない方法を講じている方々もたくさんある。そういうふうな点から考えますると、永住者の方々も大変迷惑も多い。そういうふうなことを承知いたしておりますので、正確さを期して、永住者の方々が快適な生活が送られるような方向に努力すべきだ、こういうふうな考えでございまして、私どもとしては、さきにも申し上げたとおり、国際日本と言われるような状態の中において各国との交流、そしてすべての面においてのつき合いというものもやはり平等にしていきたいというような考えであるということを申し上げておきたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 法務大臣からたまたま出ましたので、指紋問題の国際的な比較といいますか、立法例みたいなものに入っていきたいと思うのであります。  法務省の調べで、二十カ国ちょっとが指紋制度を採用しているというようなデータも出ているわけでありますが、ヨーロッパ諸国、先進国は原則として採用していない。採用している圧倒的な多数は、言ってはなんでありますが開発途上国ですね、アジアとか南アメリカ、ラテンアメリカというような。そして外国人だけに押させる国、これは日本とアメリカだけだと言われている。そして、そのアメリカも出生地主義をとっておりますから、最初にアメリカに渡った人は押させられますが、二世、三世には指紋をとられない。加えて相互主義でありますから、相手国がとる場合にはとるけれども、そうでない場合はとらない。しかも、その相互主義もさらに崩れてと言ってはなんでありますが、最近日本からアメリカに行った人たちからは事実上とっていないというような状況なんですね。  日本だけがどうして指紋でなきゃならぬのか、国際的な比較、立法例から見てもどうもやっぱり合点がいかない、納得しにくいのでありますが、この点はどういうふうに説明されますか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 外国人登録制度あるいは指紋制度に関する国際的な標準といったようなものはございません。普遍的な基準があるわけではございません。それぞれの国の置かれた国内外の状況に照らして妥当と考える措置を、あるいは制度を維持しているものと考えます。  米国と日本との比較でございますが、ただいま申し上げたような前提でこれを考えますと、米国には米国の事情があって行われている面が種々ございます。移民という、要するに永住者の資格で入国を認められ、あるいはその資格を国内において認められた人々については相互主義の適用はございません。一律に十指の指紋の押捺を求められているわけでございます。これは外国人のみに適用がある制度でございます。米国のこの点についての指摘がございますと、米国は出生地主義だから二世、三世については適用がないではないかというただいまのような御指摘があるわけでございます。  しかしながら、この点で一つ御注意いただかなくてはならないのは、米国において二世、三世に外国人登録制度あるいは指紋制度の適用がないというのは、これらの人々が米国で生まれたからではないわけであります。米国籍を取得するからであります。米国の市民権を取得するから外国人ではなくなる、外国人ではなくなるということの反射的な効果として登録制度の対象とならない、あるいは指紋制度の対象とならないにすぎないわけでございます。したがいまして、最も明確なことは、もしこの二世、三世が父母のあるいは父母のいずれかの本国の国籍を引き続き維持するという措置をとるならば、その手続をとるならば、引き続き外国人登録制度の対象になるわけでありまして、さらに指紋制度の対象にもなるわけでございます。したがって、問題は、外国人がそこで生まれたから制度の対象とならないということではないんだという点に御注意いただかなくてはならないと存ずるわけであります。  我が国においても二世、三世が日本国籍を取得すれば、その日から外国人登録制度の対象にはなりません、あるいは指紋制度の対象にもならないのでありまして、その法的な仕組みにおいては米国の現在の制度と何ら変わるところがない。言いかえれば、出生地主義をとっている国は指紋制度を維持してもいいけれども、血統主義をとっている国においては指紋制度を維持すべきではないという議論が成立する余地は論理的にはあり得ないということであります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 あなた、そう力んで説明するほどの中身じゃないんですよね。アメリカはいろんな外国人を受け入れる包容力を持っているんです。日本の国籍法のように、道交法違反があってもなかなか受け入れない、どちらかというとかなり排他的な制度を維持している国と、メキシコから渡ってくる人々は非常に数が多いと言われておりますが、事実上これを受け入れていく、定着させていくというような大きい包容力を持った国と単純にそこの部分だけ比較して、したがって国籍などの取得も容易なわけであります。そう力んでアメリカと日本が云々と言われると私もいささか、あなたは専門家で外交官ではあるけれども、まだ反論のできないわけじゃないのでありますが。  いずれにしましても、要するに外国人ですからできるだけ同一人性ということを考えなきゃならぬでしょう。しかし、どうしても指紋でなきゃならぬということには即実はならないのであります。きのうも参考人から話が出ておりましたように、あるいは写真で、あるいはサインで、あるいは両方の併用で、その他の方法もあるかもしれませんが、というようなことで十分代替可能と見るのが常識的な見方ではないでしょうか。特に、今度推進をしている、この制度で予定をされているラミネートカードというようなことになればますますその色合いは強くなってくるというふうに実は考えるわけです。  事実、法務省に竹内昭太郎という参事官の方がおられました。この方が八三年十月二十一日付の朝日新聞の「論壇」で次のように言っているわけです。「運転免許証のように、張り替えのきかない刷り込み写真を利用できれば、指紋はまず不要といえる。」、今度はまさに写真の張りかえのきかない刷り込み方式ということになるのではありませんか。というようなことで、簡単に今までは写真だと、まあそれは他人でも似ている人があるとかなんとかいろいろ少し外れた理屈を幾つかつけて、それを全体の論理にしようというそのやり方にも問題がありますがね。  もう一つは、写真だと比較的張りかえが自由だから入れかわることが可能だとかいうことが言われてきたわけでありますが、今度は写真でラミネート化すれば簡単に張りかえもできない。そうなりますと、法務省自身が、これは参事官というとかなりの専門家だと思うのでありますが、もう指紋は不要だと朝日の「論壇」できちっと指摘をしている。内部ですらこういう声が出ているんですよ。だから、指紋でなきゃならぬというのは少しく強弁になっているのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) ラミネートカードの採用によって偽造が従前よりより難しくなる、あるいは写真の張りかえが困難になるということは私どもも期待をいたしていることでございます。したがいまして、その点についての登録証明書というものの依存可能性と申しますか、信用性と申しますかが高まるということは期待しているところでございますけれども、写真というものが科学的な最終的な決め手となり得る状況には残念ながらいまだございません。その点につきましてはやはり指紋とはかなりの程度の差がございます。  指紋による同一人性の照合というもので確認された結果はほとんど絶対的にこれに依存することができるわけでございます。しかしながら、写真によって、その疑わしい状況がある場合にこれが決め手となるということはなかなか困難でございますので、そこには依然としてやはり指紋と写真の間には質的な相違が存在する、照合の手段としての相違が存在するという状況は全く払拭されているわけではございません。また、近い将来に指紋と写真という二つの手段のみによってこの問題が解決されるという見込みがあるというふうにも申し上げかねるわけでございます。  ただ、程度の問題として、ラミネートカード化した結果、写真の張りかえといったようなことそのものは積極的な偽造等の手段を防止するよすがにはなるであろうということは期待いたしております。しかしながら、それが張りかえていない、あるいは変造されていないとしても、写真そのものがその同一人性の決め手となるというような状況には残念ながら今のところまだないと言わざるを得ないと存じます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 同一人性をとことんまで追求する、私は同一人性の問題を全部否定したり、茶化したりするつもりはありませんが、とことんまで追求して最後の一人まで確認できなければ行政はどうにもならぬということでも実はないような気がするんですね。事実またそんなことが仮に指紋制度を採用したからといってできようはずもないのであります。  現に、きのうもちょっと議論になりましたが、ヨーロッパ諸国ではサインでやっているわけでしょう。例外的にサインのできない人に指紋を求めるとか、正規の旅券を持っていない人から指紋を求めることはありますが、原則としてはサインなどあるいは写真も含めてやっているわけです。それで何か深刻な問題が出ていますか。日本は海に囲まれているから比較的出入りが難しい、出入国の管理がきちっとしやすいわけです。向こうは地続きですよ。多くの人たちが出入りもし在留もしているわけです。サインなどでやっている。そんなに深刻な社会問題が、指紋でない方法をやっている結果問題が出ていますか。余り私は聞かないんですが、この点はどう考えますか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) ヨーロッパ諸国において先生御指摘のような具体的な大きな問題が起こっているかということになりますと、それは私ども承知いたしておりません。しかしながら、今先生が御指摘の署名のできない人、例えば外国人登録を警察で行う際に署名のできない場合には指紋を押すという制度をとっておりますイギリスにおきましても、滞在外国人の実態がよくつかめないということで向こうの入管当局においては大変大きな問題になっているというふうに聞いておりますし、ちょっと話は別でございますが、登録証明書の問題につきましても、最近フランスではラミネートカードの登録証明書をつくり始めておりますし、カナダなども今までなかった制度を新たに採用しようという動きがあるやに聞いております。  こういったことを見ますと、やはり諸外国における外国人の滞在者の把握問題というのは最近国際的に問題になりつつあるのではないかというふうに私どもは考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 外国人を把握しちゃいかぬとまで私は言っているんじゃない。ただ、把握の手段、方法が人権にもかかわっており、憲法上の基本的な問題にも抵触する疑いの濃い指紋方式ではなしに、もうちょっと先進諸国もとっている一般的な方式で賄い切れるという立場から申し上げているのであります。現に、法務省の内部からもそういう声が参事官などから出ているということに徴して考えれば、あなた方の指紋に固執する態度は少しくかたくなに過ぎないのか。入管局長も外交官出身であればもう少し国際的に物を見て、確かに開発途上国などはそういう制度が残っているようではありますけれども、先進諸国の動きもにらんで前向きに問題を解決していくのがとるべき道ではないかというふうに思っているのであります。そういう指紋制度に反対をする運動といいますか、が全国各地でこの何年か起こっているわけですね。  そこで、押捺拒否の実態について少し伺っておきたいのでありますが、指紋押捺を拒否している人は今何人ぐらいいるでしょうか。それから、五・一四通達で指紋押捺を拒否したからといってすぐあれするんじゃなくて、しばらくの期間留保をして説得を続けなさいということで、留保者という扱いの人たちがいるそうでありますが、その人たちはどのぐらいおられるか、まず示していただきたいと思います。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 最近の統計でございますと、指紋押捺を現に拒否している人が九百五十一名、それから指紋不押捺の意向表明をし現在説得中の者が百十一名でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 それらのうち非永住者の数はどのぐらいでしょうか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 指紋押捺拒否者につきましては、いわゆる入管法上の永住、協定永住などでございますが、永住者が九百十七名、したがいまして永住以外の資格を持っている人が三十四名、それから先ほどの指紋不押捺の意向表明者の中で永住者が九十九名、非永住者が十二名、こういう数字でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 さらにそれに関連をして、再入国による申請に対して不許可の処分をした人、あるいは在留更新等を断った方々の実態、数字等についてわかれば示していただきたいと思います、

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 再入国不許可につきましては五十五名不許可になっております。それから在留期間更新の関係でございますが、不許可が七名でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 今統計上の数字でも明らかにされたわけでありますが、千名以上の人たちが依然として指紋押捺を拒否されている。その人たちに対する制裁措置として、従前は罰則の適用があり、現に捜査中の人たちも相当数おられると思うのでありますが、あわせて行政上の不利益措置、これはやらなきゃならぬという性質のものではなくて、法務大臣の裁量にかかる部分ではないかと思われるのであります。一たん外に出たらもう入れない、再入国の不許可ですね、さらには本来あるべき在留期間の更新を認めない、認めても短期間しか許さない、その結果国外に出てほしいというような人たちも相当数に上っているわけでありますが、それらの人たちのいろんな深刻な状況が、恐らく法務省にもいろんな形で何とか認めてほしいと参ってきていると思うのであります。  例えば、新聞などにも出ておりますが、プロテスタントの宣教師でロナルド・フジヨシさん、この人の奥さんの父親がハワイにいて病気なんです。お医者さんからも一度ぜひと、こういうことで文書なども寄せられているわけでありますが、再入国の許可が出ないためにハワイに戻れない。何とか戻してほしい。家庭内でもいろんな深刻な問題が出ているわけであります。ついせんだっては、NHKの青年の主張全国コンクールで二位となってカナダ旅行をプレゼントされた青年がこれまた指紋押捺を拒否しているために再入国の許可が出ない、したがってカナダに行けないというような状況も指摘をされておる。ボネットさんの在留期間問題などが不法残留、既に違反調査が始まろうとしているというようなことで、神父さんたちの活動が非常に阻害をされている。一々中身を説明すれば長くなりますから、既に御承知だと思いますからこの程度にいたしますけれども、こういう問題をこれからどう解決していくのかということについて、これは法務大臣に伺った方がよろしいかと思うのであります。  一つは、今度の改正法案では、一回だけ指紋押捺をしていれば二回目は、今までは五年ごとに、更新ごとに押捺を求めたのを求めない。今私が指摘をした人たちは一度はしているんですね。したがって、新しい改正法ができますとこれから先は指紋押捺を求められない人たちでもあるかと思うのですが、そうなってきますと、従前、指紋押捺拒否で罰則の適用を考えられていた人たちがもうこれから先は処罰されなくていいという状況になるわけです、新法では、本来。免訴の判決というようなことが刑事訴訟法上は考えられるわけであります。ところが、この改正法では附則五項という経過規定を置きまして、これから先の人には指紋押捺を求めないから、したがって罰則の適用などはなくなるわけでありますが、従前の人には依然として処罰していくんだというような規定を特設しているわけであります。  こういう人たちには、法務大臣、新しい法律ができて、これ以上はもう二回目以降の指紋押捺は求めないという制度にもなるということであるならば、もう罰則の適用などは考えずに、私どもはこの法文の削除を求めたいという気持ちが基本でありますけれども、仮にそれができないとしても検察庁が起訴猶予にするなど、従前の問題はきちっと早い時期に処理をしてしかるべきではないかというのが第一点であります。  二番目の問題としては、先ほどから指摘をしておりますように、在留期間の問題とか再入国問題で行政上の不利益措置、これは法務大臣の裁量でやってきているわけですね。指紋押捺の拒否があったのでそれを理由にしてだろうと思うのでありますが、大変不利益な措置をとる。親の病気見舞いにも行けない。日本の活動が在留期間の短縮や打ち切りで阻害される、国外退去を求められようとしているというようなことなどについても、一刻も早く処理をして不利益扱いを解除するというような方策をとってしかるべきだと思うのでありますが、法務大臣の考え方をお伺いいたします。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 先生のお尋ねは、既に一回押印している者は処罰しなくてもいいじゃないかということであり、いま一つは、行政上の不利益を受けている者について、法成立と同時にもう解除していくべきではないかという御趣旨と承知をいたしております。  率直に申し上げると、この法改正の提出というのは、現行法が誤りだから改正案を提出しているのではなく、現在の事態の推移に即応した制度の一部適正合理化を図る、改善を図っていく、こういうふうな目的で提出したことでございまして、故意に現行法に違反しその状態を継続している者についての改正後のその違反者といいましょうか、そういうようなのに対して不問に付するということは、法の軽視の風潮を助長するというような考えを持っており、また既に処罰を受けた違反者との均衡を欠く結果ともなり得るというのが法務省内部の考えだと承知をいたしております。  しかし、この問題は、私がいつも申し上げているのは、二番目のいろいろ行政上の不利益や何かを受けるのも、これを先に提出していただいておったならばこのような問題が最小限度にとどまったんではなかったかと、こう思うほど、私は何とかしてこれから違反者を出したくない、そして永住者の外国人の方々にはやはり日本の法律を尊重していただいて、民主主義国家の一員として快適な生活を送っていただきたい、そういうふうな考えを持っておるわけであります。憲法は、日本国民のみではなく日本に永住される外国人の方々にも御協力をちょうだいしなければならぬ、こういうふうな考えを持っておるわけでございます。  私は、率直に今申し上げると、役所内部からいかような議論が出るかは別として、この改正法案が成立後に改めてこの問題は検討していきたい、そういうふうな考えを持っておるわけでありまして、原則として指紋は一回限りだ、こういうふうな趣旨にもそう、多少のずれはあるんだろうけれども、というような点もございますので、先生の御趣旨もわきまえながら私は検討してまいりたいというような考えを率直に申し上げておきたいと思います。  そういうふうな点で、今の先生の一回押印している者は処罰云々という話がございますけれども、私は、まあ法的には処罰等云々ということが出ておりますけれども、その面をこれからの運用の面においてどういうふうにしていくかということで検討していきたい、こういうふうなことであり、行政上の不利益問題についてもこれもやはり前向きで検討してまいりたい、こういうふうな考えを持っていることを率直に申し上げたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 これ以上申しませんが、できるだけ早期に法務大臣の勇断といいますか、決断をお願いしておきたいというふうに考えております。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) そのような気持ちでできるだけ早期に結論をつけたい、こう思っておりますので、ぜひきょう成立をお願い申し上げたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 きょうの成立問題は、委員長初め各理事の方にお任せすることにいたしまして。  国際的な最近の指紋問題に対する関心の状況、それからそれぞれの個人が良心の名で拒否をしたことが大変生活や仕事の上でも、そしてまた人道的に見ても深刻な問題をもたらしている。その比較考量から見ても一刻も早く法が成立するということであるならばその趣旨に照らして決断してしかるべきだと思いますので、重ねて要望しておきたいというふうに思います。  それから、ちょっと前後しますが、指紋は一回限りだ、だから前進なんだというお話を法務大臣も先ほどからされているわけでありますが、この点一言だけつけ加えておきますと、もともと指紋の回数が多いから多くの人たちは少なくしてくれということで指紋問題に反対してきたんじゃないんですね。指紋押捺というやり方そのもの、あるいはそれを刑罰で強制するという制度それ自体に反対をしてきたのであります。量の問題ではなくて質の問題だということを十分に認識していただきたいのが一つ。  それからもう一つ、これはまた法務省のある人の文章を引用するのでありますが、「外人登録」という雑誌があります。外国人登録事務協議会全国連合会編。ここで法務省の入管局の登録課指導係長小島さんという方が書いておるわけでありますが、それによりますと、「登録外国人の同一性の継続を担保するためには、ある期間を置いて二度、三度と押させなければ意味がなく、登録証明書が正しくその名義人によって携帯されることを担保するためには、登録証明書を交付する都度指紋を押させる必要があることは言うまでもないことである。」というふうに書いた上で、「もし、一度だけ押させることとすれば、登録における指紋制度は、その意義を全く失い、外国人に対するいやがらせ以外の何ものでもなくなってしまう」。一回論が大変いい制度である、改正で前進であるというふうに現在の法務省は説明をされるわけでありますが、法務省の専門家のもう一人の方はかつて、一回しゃもう意義を全く失ってしまう、外国人に対する嫌がらせだとまで言っているわけであります。  それらのことを考え合わせれば、指紋問題というのはもうそろそろ本格的に清算をする時期に来ているというふうに思うわけでありまして、その点後でも申し上げますが、今後の課題としては、指紋全廃に向けてそれにかわる方法等の検討も含めて進めていただきたいというふうに考えるのですが、大臣としてはいかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 指紋の問題は入管局長からお答えした方が正確なお答えになると思うわけでございますけれども、一つは登録に対して正確さを期したい。それからいま一つは、登録をされていない方々が、さも自分が永住登録者だというような偽装されるような行為をもたらせたくない、登録者を守りたい、そういうふうな気持ちでこの指紋の押捺というのが創設された、こう承知をいたしております。  しかし、今先生の御指摘のように、終生指紋制度というものが残るのかどうかということになると、この問題はやはり今後の社会風潮その他の動きによって改善されてくるのではないかなと、こう思うわけでありまして、法務大臣としてのお答えにいろいろ個人的な心境を漏らしてもどうかと思いますけれども、正直のところこの法案を出すのがぎりぎりいっぱいだったんです。一回だけだということにすらなかなか厳しい状態があった。そういうような点をひとつ御理解願いますが、私は将来先生の御指摘のようなことでいくのがふさわしいなとも感じております。そういうふうな点でこれからの課題だと、こう承知をいたしておるわけであります。できるならば指紋のない、本当に法治国家として環境のよい日本国であってほしいなというような考えを念頭に置いているということを申し上げておきたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 法務大臣のその気持ちをぜひ法務省部内にも残し、かつ広げておいていただきたいと考えるわけであります。  特に私が申し上げておきたいのは、同一人性の確認はいろいろな方法でヨーロッパ諸国でもやっているし、できる。どうしても不正登録とか何かがあれば、それはそれ自体として処罰をすればいいのであって、指紋制度を残さなければそれが防げないんだということには即ならないし、現に黒木課長もさっき、余りヨーロッパに深刻な問題が出ているとは聞いておらないということであります。そういうことで、国際的な社会が今つくられつつあるわけでありますから、時代の流れから見て指紋制度に対する大きな反発からいっても、さらには基本的に言えば人権、プライバシー、憲法上の基本的権利というものにかかわる問題点からいっても、これは早期に廃止をする、他の方法で問題を処理していくということを検討してしかるべきだというふうに考えておりますので、その点を申し上げておきたいと思います。  それから、指紋制度と並んでもう一つ悪名高いのは常時携帯なんですね。なぜ常時携帯をする必要があるのかということが私は今もってよくわからないんです。外国の方々も日本の自治体や政府からいろんな行政サービスを受けますが、そのサービスを求めるときとか権利を行使するときには言うならば登録証を示しなさいとか、必要に応じて提示するというようなことは私は理解できないわけではありません。一般的に言って、近所に買い物に行くのに、庭先に出るのにも言ってみれば持っていなけりゃ法の建前は処罰をされる仕掛けになっている。外国でも身分証を持っていなさいということはあるそうですが、こんなに厳格にすぐ警察取り締まりの対象になる、処罰の俎上にのせられるというのはいかがかという気持ちが強いのであります。  そこで、そういう立場から、外登法違反の実態について数字的な説明を、これはまず警察庁の方からいただきましょうか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 昭和六十年におきまして外登法違反の送致件数の総数は三千五百七十二件でございます。そのうち主だった罰条について申し上げますと、不携帯が二千八十八件、新規登録の不申請が四百八十六件等々でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 警察庁からいただいた数字によりますと、三千数百件から四千数百件ぐらいここ二、三年外登法違反で取り締まりの対象になった件数ということがあるわけですね。そのうち不携帯というのが二千件から二千数百件あります。言うならば圧倒的多数が不携帯なんですね。逆に言えば、いかにこの制度が問題ありというふうにも考えられるわけであります。  ついでながら法務省の方に伺っておきたいと思うのですが、警察で取り締まった外登法違反事件が法務省にというか検察庁に回ってくるわけでありますが、その件数や処理状況について御説明をいただきます。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 検察の統計といたしましては、外国人登録法違反事件全体についての統計ということになっておるわけでございます。内訳まではとっておらないところでございますが、本年の一月から六月までの間につきまして、最近不携帯だけにつきまして調査いたしましたので、その両方の結果について申し上げます。  まず、昭和六十一年の検察庁におきます外国人登録法違反事件の受理人員は三千百十九人であります。このうち起訴いたしましたのが千八百六十八人、不起訴にいたしましたのが一千八十九人であります。これは先ほど申し上げましたように外国人登録法違反事件全体の数字でございます。  次に、登録証明書の不携帯だけにつきまして本年一月から六月までの間に検察庁で受理いたしました事件が四百七十五人であります。このうち起訴いたしましたのが二百三十一人、不起訴にいたしましたのが二百五十四人であります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 警察庁の出された数字が昭和六十年の数字でしたね。今法務省は六十一年の数字を出されたのですが、両方にお聞きしたいのは、警察庁の方では六十一年の数字はないんでしょうか。それからあわせて、検察庁の方では警察と並ばせる意味でも六十年の数字を出していただきたいと思います。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 六十一年につきましてはただいま集計中と理解いたしております。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 外国人登録法違反事件全体の数字は六十年もわかっております。それによりますと、受理いたしましたのが三千三百二十人であります。そのうち起訴いたしましたのが千七百四十九人、不起訴にいたしましたのが千四百七十人であります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 そうしますと、警察の数字では六十年は三千五百七十二件、うち検察庁が受理したのが三千三百二十件ということになるわけでありますが、この間の誤差は警察レベルで処理をして必ずしも送致、送検をしなかったという数字があるということでしょうか。とすれば、理由その他についてお聞かせをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 統計のとり方が検察の場合は人員でとっているところでございます。警察はあるいは件数でとっておられるといたしますればその間のそごが生じるだろうと思います。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 警察庁の統計は送致の件数でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 ちょっとにわかにわかりにくいのですが、警察は件数ですか。それから検察庁は人員ということでしょうか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 警察は送致件数でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 人員よりも送致の件数の方が多いんですね。だからちょっとわかりにくい。一人で何件もやっているということにもなるわけですか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 例えば一人で違反が二件ありますような場合、二件として送致されましても私どもの方は人員で計上いたしておりますので、それが一になるということが一つの食い違いの理由ではなかろうかと思います。あるいはまた、年末などに送られましたものが年内の受理じゃなしに年明けの受理になるという場合もあるだろうと思います。そういう意味で若干の食い違いがあろうかと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 食い違いそのものは今当面の関心ではありませんから、そこはまた後で説明をいただくことにいたしまして、検察庁に送られてきた件数のうち不起訴の件数がかなりある。先ほどのデータ、お聞きした六十年では三千三百二十受理をして、起訴したのが千七百四十九、不起訴は千四百七十。それから最近の状況を見ましても、四百七十五のうち起訴二百三十一、不起訴二百五十四でしょうか。この不起訴の理由というのはどんなところにあるのでしょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 不起訴の理由はいろいろあろうかと思いますが、例えば前科とか前歴がないというような事情もございますでしょうし、あるいは本人が違反について反省いたしておって今後の再犯のおそれがないというような点もあろうかと思います。また、事案の軽重といったようなものもあろうかと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 検察庁の実際の統計は私はわかりませんが、起訴、不起訴の割合から見ると不起訴の数がかなりの比重を占めているんじゃないか、他の犯罪その他に比較して。半分以上が不起訴。ここから類推をしますると、もともと常時携帯などにも問題がある上に罰則そのものが非常に制度上重過ぎる。例えば道路交通法違反とかその他いわば住民登録に類するのが外国人登録でありますが、その他の法令に比べて、一年の懲役とか二十万円の罰金とか、ちょっと持っていないだけで数万円取られてしまう。そういうものも今の刑罰法規の体系からいえば警察は取り締まる。しかし実際を見れば不携帯、これまで一々起訴したり罰金を多額に取ったりというのは少し酷に過ぎるという恐らく現場的な判断もあって不起訴率が高いのではないかというふうにも考えられるのですが、刑事局長いかがでしょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) やはりそれぞれの法律の趣旨、精神というものを踏まえまして、行政罰則はいろいろありますけれども、それぞれの行政罰則の精神とか趣旨、こういったものを踏まえまして検察といたしまして適正に起訴、不起訴の選別を行っている結果であろうというふうに思われます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 模範回答ではあるんですが、少し不起訴の率が高いという印象は受けませんか。私データを持っていないからわかりませんが、半分以上不起訴というのは珍しいんじゃないでしょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 今、手元に資料がございませんので、全体の起訴率がどの程度になっておるのかちょっと申し上げがたいところでございます。しかし、こういう起訴率から見ましても、検察が機械的に起訴しているというわけではないのでございまして、個別の事情につきまして慎重にいろいろ検討いたしまして、適切な処理を行うように努めた結果がこういうことになっているんだろうというふうに思うわけでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 そこで、次の問題に移りたいと思いますが、どうも常時携帯という制度そのもの、これは外登法違反では圧倒的多数ですね、七割前後に及んでいる。それから罰則がやたらに重いということも含めて大変に問題がある。だから、本当はそこのところを今度の改正ではもっと本格的に真剣に考えるべきだったと思うんですね。  そういうこともあってか、あれはいつでしたか、御承知のように、鳴崎法務大臣の時代に閣議で外登法違反の警察取り締まりに当たってはできるだけ常識的に柔軟にやってほしいという向きの話が国家公安委員長になされて、それをもとにして警察が下におろしたという話が伝えられているのでありますが、その経過をちょっと御説明いただきたいと思いますが、どなたがいいでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 一昨年五月十四日の閣議と申しますのは、いわゆる三十六万人の大量切りかえを控えまして、法務省が中心となって登録制度のあり方について全般的な見直し、検討を行ったその最終段階でございます。そしてその検討を行う見直しの対象といたしましては、在日外国人団体等から表明されておりましたさまざまの要望なり希望なりというものもこの対象としたわけでございます、その中に常時携帯に関する要望もございました。  そこで、その常時携帯のあり方についても種々議論を政府部内で行ったのでありますけれども、結論といたしましては、この常時携帯という制度を法律の規定の面から緩和するとか修正するとかいうことは技術的に非常に困難であるということでございました。現に各国の法制度などをいろいろと調査検討もいたしたのでありますけれども、身分を証する文書を携帯するあるいは提示する義務を定めている国はほとんど世界各国にわたっているわけでございます。そしてその中に、その規定の仕方でその制度のあり方をもっと緩めているというような事例はございません。  そこで、法制上でこうした要望にこたえることができないとすれば、残るのは運用の問題ということになるわけでございまして、この運用が余りにも厳し過ぎるというようなことになりますと制度そのものが非常に問題となってくるという結果にもなりますので、そうした運用の面において行き過ぎがないようにということで、種々事務当局レベルでも関係省庁と話をしたわけでございます。その結果を取りまとめて、所管大臣同士の閣議における発言ということでこれを最終的に確認していただいたというのが経緯でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 閣議でどういう発言がなされ、それが警察庁としてどういうふうに受けとめられたか、その事実関係を正確に。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 鳴崎大臣の御発言は次のとおりであります。  「指紋制度の問題に関連して、外国人登録証明書の常時携帯義務の問題があります。その違反事案の取り扱いは、主として警察の所管事項であり、警察庁においても、登録証明書の提示要求や不携帯事案の取り締まりについては、事案の性格にかんがみ、適正妥当に行われるよう指導されていると承知しておりますが、その運用について今後とも常識的かつ柔軟な姿勢で臨むよう指導願いたく、この際申し添えます。」。  以上でございます。

岡村健警察庁長官官房審議官

○説明員(岡村健君) 警察庁といたしましては、ただいま申されましたような観点から、かねてから都道府県警察を指導してきたところでございますが、昭和六十年五月十四日の国家公安委員会委員長談話を受けまして、全国会議の場においてこの趣旨が第一線に徹底するよう指導してきております。さらに今後も機会をとらえてこの点を指導してまいりたいというふうに考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 そこで、警察庁に伺いたいと思うのであります。  言葉として常識的かつ柔軟に対処してほしいということで、それを受けてそういう指示を出したということですね。一般の現場の警察官が、常識的にやりなさい、今までだって常識的にやってきましたと。それから柔軟にやりなさい、こう言われてみても、はて柔軟とか常識的とかいうのはどういうことなんだろうかということで少しく戸惑いを感じませんか。もうちょっと行政の指導のあり方としては、基準を示すとか例示列挙型で下におろすとかということにならないと、現場で逆に混乱をしたりあるいは統一性に欠けるうらみが出てきはしまいかという気がし、衆議院でもその辺はもうちょっと具体的にという話もあったのでありますが、その具体的な方策、方向、考え方みたいなものをもう少し示してくれませんか。

岡村健警察庁長官官房審議官

○説明員(岡村健君) 外国人の登録証明書の提示要求あるいは不携帯事案の取り締まりについてでありますが、これは場所的な条件あるいは時間的な条件、被疑者の年齢あるいは境遇、さらには違反の態様などさまざまな要素を総合的に判断いたしまして、ただいま申されましたような常識的かつ柔軟な姿勢で処理しなければならぬと考えております。したがいまして、ただいま御指摘のように、一つの統一した基準を示すということは大変難しいし、いかがなことかと思う次第でございます。  登録証明書の常時携帯制度の運用につきまして若干申し上げたいと思いますが、警察官が登録証明書の提示を求めるのは、職務の執行に当たりということ、それから外国人の身分関係、居住関係を確認する必要がある、この二つが前提条件となるわけでございます。具体的には、職務質問、犯罪の捜査、交通の取り締まり、泥酔者の保護など、こういった職務の執行に当たって外国人の身分関係、居住関係を確認する必要がある場合でございます。  したがいまして、例えば交通検問の折に、外国人であるという理由だけでむやみやたらと自動的に登録証明書の提示を求めるということはないわけでございます。登録証明書が不携帯であっても必ずしも事件処理を行うとは限らないわけでございまして、例えば近所の店へ買い物に行くときとか、あるいは自宅付近で散歩しているとき、あるいはおふろ屋さんに行くとき等々、この種のケースでたまたま登録証明書を忘れた場合、あるいは少年がたまたま登録証明書を忘れたケースでありまして、両親などと連絡をとることによりまして本人の身分関係などがその場で確認できるときで、しかもそれが少年の健全育成のためになると判断される場合などが挙げられるわけでございます。  さらに、登録証明書の不携帯といたしまして事件処理を行う場合でありましても、努めて任意取り調べによって処理するよう指導いたしておるところでございます。  このようにいたしまして、登録証明書の常時携帯は統一した運用基準にはなじみませんが、しかし法の許す限り常識的かつ柔軟に対処するよう第一線を指導しているところでございますし、また今後もこれをさらに徹底してまいりたいというふうに考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 中央でなかなか統一的に示せないということになると、現場は逆にまたなかなか容易でないということにもなるわけであります。  これは大臣に伺った方がいいのかもしれないのですが、日常生活を行っていく上で、近所の店に買い物に出かけるとか、散歩したりジョギングをするとか、ふろ屋に行くというのはしばしば衆議院でも出てくるわけでありますが、そういう日常生活上、建前からいえば、しゃくし定規に解釈をすればこれでもやはり持って歩かなければならないわけですね。しかし、そういうものについては考え方として一々不携帯を問わないということが示されたように私は受けとめたのでありますが、そういう意味で言うならば、率直に申し上げて生活圏というのは範囲は少し不明確かもしれませんですね。生活圏とか居住地域、住んでいる市町村ぐらいでは、不携帯だ、けしからぬというようなことで一々取り締まりをするということはしないというような対応をしてはどうかというふうに私は思っているんですが、法の直接の執行の責任者として法務大臣いかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 登録証の携帯というのは、これは率直に言うと永住者の身分証明書だと、こう申し上げても誤りではないと思うわけでございまして、こういうような問題は不法入国なり密入国がなくなればこの必要もなくなってくるのではないかな、こう考えられますけれども、現状ではまだそこまではいっておらぬというような点で常時携帯ということに義務づけておるわけでございます。  この点で今先生いろいろ御指摘がございましたけれども、生活居住地域といっても範囲がどこまでかということになると大変面倒な問題で、小さな村なり町ならば大体地元の警察や何かでも永住外国人や顔というのはほとんど認識している。そういうような人に登録証明書を提示しろと言っているということはほとんど聞いたことがないわけでございまして、やはり東京とか都市、今も警察庁からお話しのとおり、時には青少年が深夜に町を徘回しているという場合などに提示を求められるというような経過が多い、こう承知をいたしております。しかし、そういうような点がございますけれども、法をつくって、罰則はしないということを法務大臣がここで言っておったのでは一体何のために法を出したのか、先生は専門家でございますのでよくおわかり願える、こう思います。  さきに、鳴崎元法務大臣と国家公安委員長とが閣議で、運用の面で先ほど来お話しのとおりであろうと思います。私も、先生の御発言等がいろいろありますので、さらに一層常識的かつ柔軟な姿勢で処理していくという方向で努力したい。そういうような点で、ここで先生に気持ちよく御理解願えるには、処罰しませんと、こう言えば一番いいんだろうけれども、そうなると、警察なり検察の方が一体何のためにこれを出しておくんですかというようなことにもなると思いますが、私の気持ちとしては、処罰をしない方向で弾力的な姿勢をとってもらうことに努力したい、こういうふうなお答えを申し上げて御了解願いたい、こう思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 いまひとつ歯切れがよくないんですが、警察の方も、隣近所に買い物に行くとか、それから散歩とかということはもう言っておられるわけですね。特に法務省の方が柔軟にやってほしいと公安委員長を通して警察の方にも注文をされた、衆議院の附帯決議でも今度はまた弾力的にやれ、それもわかりました、こう法務省としては受けとめたわけですから、もうちょっと柔軟とか弾力的という基準を、法務大臣としても警察の方の顔だけを見ないで示していいのではないか、考え方はこういうことだということとして。  どういう基準でやるかというのは私もいろいろ考えたが、いろんな問題があることは承知をしておりますが、例えばさっきも申し上げましたように、本当は県単位ぐらいで考えてもいいと思うのであります。少なくとも自分の住んでいる市町村ぐらいは、特段の事情がない限り不携帯を即違反として摘発をするとか取り締まるということはしなくていいのではないか。東京とか大都市では、例えば区とか署の管内とかといろんな区切り方があろうかと思いますが、もうちょっとそんな感じての基準を示していただかないといまひとつわかりにくいと思うんですが、法務大臣どうですか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) その物差しがなかなか面倒なんで、先生の御発言の中身はわかるんですが、なかなか言葉にその点がすっきり御理解願えない、こう思うわけです。  私は、可なり何かで顔見知りの外国人というのはほとんど警察自体も御理解願っている、そういうような地域ではそういうふうな問題が起きないのではないかということが一つ。それから、たまたま不携帯であったというような場合に、後にその登録証を提示したというような場合には、これは罰しないと言うとちょっと言葉が変になってくるわけですが、そういうような場合には私は運用の面に入るような方向で努力したい。そのときは持っていないけれども、後で登録証を提示したというような場合には運用の面で処理できるような方向で努力したい、こういうふうな考えを持っておるわけであります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 後段の話をもっと質問したかったのでありますが、前段は現場における警察取り締まりについての考え方ですね。それから後段は、取り締まった結果持っていなかった、しかしその後持っていることが提示その他で身元確認ができればそれを一々起訴したり罰金刑を科したりはしないといういわば処分の問題、その点については、先ほどの不起訴処分が非常に多いというのはそういうことも反映しているんじゃないかと思いますが、そういう方向で処理する、これはいいですね、大臣として。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 今先生のお話しの方向で私は努力したい。  ただ、率直に申し上げると、法務大臣が指揮権を発動したような感じでなく、運用の面といいましょうか、そういうような面で委員の御発言の趣旨を検察当局にも伝えておきたい、こういうふうなことで御理解願いたいと思います。

岡村健警察庁長官官房審議官

○説明員(岡村健君) 常時携帯義務につきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろな要素を勘案して総合的に判断することが必要であろうかと思うわけであります。したがいまして、御指摘のように、一定の区域内で携帯義務を事実上免除するといったような統一的な基準を示すことは大変難しいことであろうかと思います。  現に、居住地のごく近くで、登録証明書の不携帯を端緒といたしまして密入国者を発見して逮捕したような事例もあるわけでございます。居住地の近くであるからといって、必ずしもそれがすべてこういった密入国その他の犯罪に結びつかないということもないということを御理解いただきたいと思います。

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) 関連質問を許します。安永君。

安永英雄日本社会党・護憲共同

○安永英雄君 今、警察の方からそんなふうな話ですけれども、先ほどの大臣の答弁といいますか、お考えというのは、居住地あるいは生活圏、こういったものについては処罰しないという方向で今後検討していく、こう言われておるんだから、それでいいと私は思うんです。それから、一定期間内に提示をして本人が確認できるといった場合には、これはもう処罰する必要はないんじゃないですか。これをあいまいにする必要はないんじゃないですか。こういうことは私は当然だと思うんですが、大臣どうですか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) ただいま御指摘のございました居住区と申しますか、生活圏と申しますか、これ自体が具体的にそれではどこまでのことを言うのかということにつきまして必ずしも明確な定義は下し得ない点もあろうかと思います。また、不携帯であってもその後証明書を提示できた場合といいましても、これは非常に早い期間に速やかに提示できる場合もありますでしょうし、かなり遠方に旅行等いたしておりまして速やかには提示できない場合もあろうかと思います。そういったいろいろの事情もあるわけでございまして、大臣が答弁されましたような趣旨、方向、こういったものは私どもも十分考えて処分する際の一つの事情として考えなければならないと思うわけでございますが、具体的に基準をつくって、この場合は一律不起訴だとか、この場合は一律起訴だというようなことはなかなか難しい問題があろうかと思うのでございまして、要は個々の事案に応じまして適切に処理をするということでございます。  また、先ほど来申し上げましたように、本年一月から六月までの間の不携帯の起訴率を見ましても約四七%という数字になるわけでございます。こういった点を考え合わせますと、やはり検察といたしましては個別の事情に応じまして適切な処理に努めてきたところでございますが、今後ともさらに一層処理の適正を期したいということはここで申し上げられると思うのでございます。

安永英雄日本社会党・護憲共同

○安永英雄君 生活圏、居住地の問題、それはおっしゃるとおりですよ。だから、今後一つの統一した考えの方の検討をすると言うんだから、私は納得しているんです、それは何回言われたって納得しているんです。問題は、一定期間内に提示して本人を確認できる、こうなれば処分する必要はないじゃないか、このことをなぜはっきり言えないのか、こう私は言っているんです。どうですか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 先ほど来の矢田部先生また安永先生の御発言の趣旨は十分承知いたしておりますので、その方向で検察当局と協議して善処したい、検討したい、このように御理解を願いたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 今の大臣の発言でぜひ…。  それは、個別的な条件とか何かを勘案することは私は全くわからないわけじゃないし、ほかの犯罪があるときにやっちゃいかぬなどとまで言っているわけじゃないんです。一般的に不携帯論について言えば、少しく統一的な基準なり目安なりをつくらなければ警察の現場が逆に混乱しはしまいか。その点で、少なくとも考え方の重要な基本に同一市町村とか居住区とか生活圏ということをひとつ念頭に置いてこれからの取り締まりを進めてみてはどうか。  それから、居住関係とか身元の確認がポイントなんです。たまたま持っていなかったとしても、そういうことが電話その他で確認できる、あるいは近々提示をしてもらって確認できたということになりますればそれは不起訴の重要な要件、考え方にしていいのではないか。そういうことを十分に大臣としても検討し、警察当局とも相談をしてほしいということで、大臣答弁のさらに具体的な展開を期待したいと思うのであります。  ここまで問題を言うのは、やはりこれは罰則が物すごく重い、それから常時携帯というのを罰則で大変厳しく締めている。日弁連からも人権侵害の事例が警察の説明にもかかわらず幾つか指摘をされておる、きょうは一々出しませんけれども。そういう点で、常時携帯問題を含めて、外登法問題というのは取り締まり中心ではなくて、もうちょっと指導とか、道交法がそうですね、指導を中心にやりなさいというようなことで、私はこれからの運用面では指導をひとつ念頭に置いていただきたいということが一つ。  それからもう一つは、この程度の事案でと言うとあれなんでありますが、さっき申しましたように、警察も言っておられるわけでありますが、仮にどうしても取り調べる場合についても任意捜査ということを原則にするというふうに警察が言っておられました。今までもしばしば強制捜査というようなことがあって、それが人権侵害の疑いで各弁護士会なりからも指摘をされておるわけでありまして、この指導と任意捜査、さっき言ったことなどを十分織りまぜてこれから運用面で適正を期していただきたいし、柔軟かつ弾力的にやっていただきたいということを特に法務大臣に申し上げておきたいと思います。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 不携帯の法定刑が罰金二十万円以下ということでございますが、これはほかの行政罰則に比べまして著しく重いというふうには私ども考えておらないわけでございまして、ほかにも行政罰則によりますと二十万円以下というものがあるわけでございます。ただ、日本の法定刑は御承知のように非常に幅が広いわけでございます。二十万円以下の具体的にどこを選択するかという問題があるわけでございます。この点につきましては検察といたしまして適正に罰金額を定めるように努めているところでございますので、その点ひとつ御理解をいただきたいと思います。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 今のお尋ねで、何も外国人登録者を罰したくてこの法をつくっておるのではなく、何度か申し上げているとおり、快適な生活を日本においてやっていただくためのことで、常時携帯をぜひお願いしたいためにそういうふうな罰則が設けられておるということでございまして、罰則が中心でないという考えでこれから指導していきたいと思いますので、御了承願います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 次の質問に移りますが、附則の九項です。  これからラミネートカードの作成事務等の根拠になる規定がこれだと思うのでありますが、地方入管局の長は、「当分の間」「市町村の長が作成して交付する登録証明書の調製に関する事務のうち法務省令で定めるものを、当該市町村の長からの求めに応じて処理するものとする。」という規定がございます。この「当分の間」というのはどのぐらいの期間を想定しているんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) ラミネートカード式の登録証明書の作成に地方入管局が関与することが必要となりましたのは、調製を行う機械、装置が非常に高価なものでございまして、三千三百幾つかにわたる各市区町村の窓口にこれを配備することが到底財政、経済上不可能であるということから生じたことでございます。したがいまして、偶発的な状況のためにそういう措置をとらざるを得なかったということを法文上明示するために「当分の間」という表現が用いられたのでございまして、財政、経済上の問題が解決される等、客観情勢に変化が生ずるまでという意味でございます。それは財政上の余裕ができるというようなこともありましょうし、あるいは機器の開発がさらに進んで非常に安価になっていくというようなこともございましょう。いろいろこの問題に影響を及ぼした客観情勢に変化が生ずるまでという意味でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 それから、当該市町村長の事務になるわけですね、機関委任事務として。その事務の主体は当該市町村長だということは御確認いただけますね。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) ただいま申し上げましたように、地方入管局が担当いたします調製という事務あるいは作業は、登録証明書の作成という事務あるいは作業の一部でございます。そして、それが市区町村長からのいわば原稿の送付によって調製が行われるということでございまして、主体はあくまで国から機関委任を受けました市区町村であることに変わりはございません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 そこで、この条項は成立の経過で非常に問題があったんですね。つまり、最初は、地方入管局長は市町村長が交付する登録証明書の作成に関し必要な事務を処理するものとするという規定であったのを、自治省その他からいろんな反発があって今のような規定になったというふうにも伝えられているわけであります。  そこで問題は、「当該市町村の長からの求めに応じて」ということになっているわけですね。機関委任事務ではありますが、市町村長自身の事務だと、主体的に言えば。しかもその求めに応じてやるということでありますから、いや入管局には求めずに自前でやりますと言ったらそれでもいいということになるんじゃありませんか。それはそうですね。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 今回の法改正によりまして、省令等も含めて、一連の手続を経て今後作成し交付される登録証明書の形式その他は法定されることになるわけでございます。そうした法定される登録証明書の作成に必要な機器の配備その他も国がこれを責任を持って実施するわけでございまして、市区町村が独自に町様の装置を配備するということは予定しておりません。また、その装備もこの制度の趣旨あるいは目的に沿った特注品でございまして、一般に市販されている装備ではございません。  そういうこともございまして、また各市区町村における取り扱いの不整合と申しますか、取り扱いがばらばらになるということはいろいろな意味で好ましくございませんので、そういう方向で各市区町村がみずから独自の措置をとるということに動く、あるいはそれを希望するということも出てこないのではないかと考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 専ら財政事情だというんでしょう。それから事務の取り扱いだというんですから。全国の各市などから私に問い合わせがある、よくそこを確かめておいてくれと。そして当該外国人から見ますと、後で問題にしますが、二度手間になるんですよ。今までは市町村の窓口に行ってその場で登録とか変更申請等ができたのに、一たん持っていって、それから市町村の機関で処理をしてそれから法務省の入管局に送る、戻ってきた、また取りに行かなきゃならぬ。市町村の事務としても非常に事務量がふえる。それから当該外国人にとっても負担が過重になる。そんなことから、市町村によっては、いや自分のところの財政でやります、専ら財政事情だということであるならば。それから、もともと我々の事務だ、お願いする気持ちはありませんと言われれば、法文のとおりそうせざるを得ないんじゃありませんか。  あなたの説明は、法文から見ておかしくありませんか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) これは今回の法改正の一連の作業の中で種々検討された一つの点でもございました。私どもは、市区町村あるいはこれを指導監督する都道府県とこの登録事務につきまして常時極めて緊密な連絡協議をいたしております。その過程におきまして、実は法務省当局といたしましては、各市区町村の中で外国人人口の極めて大きい市区町村にはその機器を備えつけてもいいのではないかということを議論した段階があったのでございます。  すなわち、すべての市区町村において地方入管局に送るんじゃなくて、外国人人口の非常に多いところでは市区町村自体に機械を備えて、そしてそこで即日交付の可能なような手配ができるんじゃないかということも議論したのでございます。ところが、都道府県、市区町村の側から、そういうばらつきが出るのは困る、だめなら全部やめにしてもらいたい、そして一括して地方入管局で処理して送り返してもらいたいという希望がありまして、そしてこういうふうになったという経緯がございますので、先生のおっしゃるようなばらつきが生ずるような手配というものを市区町村側から希望してくるということはもはや今後ないのではないかというふうに考えております。要するに、隣の町では即日交付される、うちでは二週間かかるというんじゃ困るというのが地方自治体の方の希望でございました。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 そういうのはないのではないかという議論はあなたの独断ですよ。あるかないかはこれからの問題です。私が聞いているのは、法文の解釈上そうなりはしませんかと。そのとおりですと答えざるを得ないでしょう。「求めに応じて」と書いてある。求めないで自分のところでやりますと言えば、そうですかと言わざるを得ないのではありませんかというのが一つ、  その基本になりますのは、本文の方の五条ですね。登録証明書の交付等々については即時交付、その場で交付というのが原則になっているわけです、二項に例外規定がありますが。その原則に忠実でありサービスに徹すということであるならば、それは中央に出して二度手間をかけたり時間をかけたり空白をつくったりしないのが事務処理のあり方なのであります。あなたの説明は、実態上そういうものはないのではないかという見込みは、そうかどうかは知りません。制度上はそれは可能だというふうに言わざるを得ないと思うのでありまして、あなたの解釈は間違っているし、法文に沿っていない。  事実、どうも法務省が一たん機関委任事務として地方自治体にお任せしたのをもう一回引き揚げて管理の体制を強化するのではないか、いろんな登録事項の変更その他についてチェックの機能を果たそうとしているのではないかというような疑いも指摘をされているわけであります。自治体の人たちは、外国人の人たちを外国人としてとらえないで、住民の一人としてとらえていろんな登録事務についても合意を形成してきた経過があるわけです。ですから、例えば、登録申請、変更申請ということも即やらなきゃならぬわけでありますが、一定の猶予期間を置いている。その猶予期間ももっと上積みをして、運用上はその点でも即違反というようなことのないようにしていただきたいと思うわけであります。  その点も含めて、今まで自治体が形成してきた慣行といいますか、外国人を住民として取り扱ってきた経過といいますか、これを重視してこれからも処理をしていっていただきたいというふうに思いますが、大臣いかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 市町村に対して、各自治体がこの仕事に携わっていただいており、確かに矢田部先生御指摘のとおり、外国人としてよりも自分たちの地域の住民としての扱いをしているという点もそのとおりだと私も思います。そのような点で、従来の慣行を尊重しながら遂行してまいりたいと思っております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 あと二、三問で終わりますが、一つは、従来自治体の窓口で登録事項の変更とか切りかえ登録等をやってきたわけでありますが、それについて登録事項も非常に多いわけですね、勤務先だの職業だの。そんなものは要らぬじゃないか。物すごく二十項目にもわたるわけでありまして、これも多過ぎるという議論があるわけでありますが、そういう切りかえ等が不注意でおくれたとき即これまた外登法違反ということで処罰をせずに、相当の猶予期間を置いてしかるべきだ。従来もある程度は置いてきたのでありますが、今度入管局の出先がこの問題を管理するということになりますと、求めに応じてではありますが、これがきつくなりはしまいかというような議論もありますので、従来の猶予期間にプラスして相当の幅を置いた運用をひとつ考えていただきたいと思うんですが、大臣いかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 自治体から入管局に来てきつくなるということは法務当局としては全然考えておりませんが、十分先生の御意思を尊重してまいりたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 猶予期間等も相当程度考えるということでよろしゅうございますね。——うなずいておられますから。  最後の質問に入りますが、もう一つ、外国人登録法上の問題で、指紋押捺者の年齢が十六歳から、本当はこの根拠とか問題点も少し聞きたかったのでありますが、特に在日朝鮮人の人たちの二世、三世がこれから登録を迎えるわけでありますが、まさにその人たちの問題だということをきのう同僚の先生からも指摘されましたね。これは十六歳、高校一年生ぐらいから指紋という大変重大な問題の選択を迫られる、これを何とか年齢を引き上げてしかるべきだというふうに私どもは考えております。二十歳ぐらいからということでいいのではないか。  それから、先ほど申し上げましたように、指紋制度そのものに、一回ならいいという性質のものではなくて、本質的な問題が含まれているので、これをやはり全廃する。さらには、常時携帯問題についてもいろんな問題点が出てきているわけでありますから、本格的な改善策を講じるということなどを含めて、外国人登録制度全般についての見直しをしてほしい。さしあたりの改正を今度やられるわけでありますが、これからは次に向かって、次の見直し作業に入ってほしい。いろんな批判や問題があるわけであります。  そして、それについては、本来私はこの法文に見直し条項ぐらいを入れていただくのが至当かと思って、これからもいろいろ委員長初め理事会でも御検討いただきたいと思うわけでありますが、少なくとも大臣としても、三年ないし五年をめどに、今出たいろんな問題については全般的に見直していきたいというような答弁をいただければ、それをいただいて私としては質問を終わりたいと思います。  いかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 指紋押捺制度が是か非かという問題、それに登録証の常時携帯、今日まで議論の中心になっておる問題であり、かつまた、年齢の問題において今先生から十六歳を二十歳ぐらいというようなお話もございました。この十六歳の問題も基準として十六歳というのが最も適切じゃないかなというような判断で御提案を申し上げた理由の一つには、御承知のとおり、かつて、五十七年ですか、法改正をした際に、十四歳から十六歳ということで、指紋は五年に一度、そして年齢は十六歳ということで、満場一致で御承認をちょうだいいたした。そういうふうな点から、十四歳から十六歳にもいろいろ論議がございましたが、そこで落ちついたという点から、私は、大変失礼な話だが、この問題に対して、皆さんから快く受け入れていただけるんじゃないか、登録制度というのを。  今まで五年に一回が一度きりだ、そして年齢も十六歳だという点で提出をいたしたわけでございますけれども、いろいろの議論、私もよく理解をいたしたわけでございますが、今ここで法務大臣が法案を提出の中において余り余計なことを申し上げることになると、矢田部先生から、それじゃその法案撤回して修正云々なぞという話が出てはとんでもないことになりますので、現在の時点としてはこれが最良の私は法案だ、こういうようなことを申し上げておきたいと思います。おきたいというよりも、そのような気持ちでおります。  しかし、将来やはり、いろいろの先生方からの御質問なり全般的な環境を見ますると、指紋という問題に、まあ私は余りこだわっておらなかったんですが、大変厳しい批判もある、そういうような点を考えると、一体写真だけでどうかなという点もこれから検討の一つだ、こう思っております。さらにまた、年齢の問題についても、十六歳から二十歳という飛躍してもどうかなと思いますが、十二、十四と来たので、十六になったという点からいうと、まああとは申し上げませんけれども、そういうふうな点で逐次やはり検討していくべきときが来る。そういうような点で、今先生からお話のとおり、私自身も、私は法務大臣はそのときまでやっておらないと思いますけれども、引き継ぎ事項としてその点をやはり残しておいて検討していく。それも社会情勢その他もございましょうけれども、今先生の御指摘のとおり、三年ないし五年の間に前向きで検討して皆さん方と御相談申し上げるような状態を醸し出したい、かような決意を持っておることを申し上げておきたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 他に幾つか質問を残してしまいましたし、また答弁で必ずしも納得できない部分もありましたので、質問を留保して、とりあえず時間が参りましたので今のところは終わりたいと思います。     —————————————

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、長谷川信君が委員を辞任され、その補欠として林健太郎君が選任されました。     —————————————

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。    午後零時九分休憩      —————・—————    午後一時三分開会

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、梶木又三石及び徳永正利君が委員を辞任され、その補欠として杉山令肇君及び吉川芳男君がそれぞれ選任されました。     —————————————

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) 休憩前に引き続き、外国人登録法の一部を改正する法律案(第百八回国会閣法第六二号)を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 法案についてお伺いする前提として、二、三点お伺いしたいと思います。  まず、外登法上の指紋云々ということを抜きにして、指紋制度というものが法律上どんなぐあいに取り扱われているものだろうかというふうな点についてお伺いしたいと思います。  まず、民事局長にお伺いしたいんですが、民事の実体法、手続法上において指紋押捺が法的に義務づけられているような場面はあるでしょうか。

千種秀夫法務省民事局長

○政府委員(千種秀夫君) 私どもの所管しておる民事関係の仕事の上で、法律的に指紋押捺が義務づけられている例は、私は承知しておりません。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 そうすると、いわゆる民事の実体法、手続法の上において、人の同一性というふうなことはどんなことによって確認しているか。特に、例えば登記の問題だとか、あるいは前回のときに私も質問しました公証人による公正証書の作成だとか、こんなような場合に人の同一性の確認がどのような方法によって行われておりましょうか。

千種秀夫法務省民事局長

○政府委員(千種秀夫君) 大体の制度の運用といたしましては、身分関係は戸籍がございますので戸籍の謄抄本、また本人につきましては、印鑑証明などがございますので、法律行為につきましては印鑑証明書、こういうものが使われているわけでございます。そのほか、本人を確認するのは、例えば公正証書のような場合、あるいは遺言なんかの場合でもそうでございますが、現認してそれが本人であることを承知できる証人を立ち会わせる、こういうことが制度的に行われております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 そうすると、しつこいようですけれども、民事法上、指紋押捺という方法以外の方法で人の同一性が確認されている、そのようなやり方というのはいつごろからやっていて、それによって支障が生じたとかいうふうなことはありましたか。

千種秀夫法務省民事局長

○政府委員(千種秀夫君) 私も実は、詳細に研究したわけではございませんが、今の民法制度、こういうものができました明治以後は大体そういう制度で行われてきていると思います。それで障害があったかと言われますと、いろいろ事故があって新聞に載ったりすることもございますので、全くなかったとは申せません。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 続いて、刑事局長にお伺いします。  刑事法上で指紋の押捺が強制されているような場合は、この外登法の問題を除いてございましょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 刑事関係の法令におきましては、外国人登録法による指紋押捺義務があるだけであるというふうに承知いたしております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 例えば、監獄法施行規則二十条で指紋をとる場合があるとか、あるいは刑訴法上検証の一種として指紋押捺が義務づけられている、こういうふうな場合はあるようですが、それ以外に、刑事法においても指紋を押捺することによって人の同一性を確認しなければならないというふうなことがあるわけでしょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど申し上げましたように、捜査の過程におきまして同一性確認のために指紋採取の必要が生じる場合がございますが、それ以外は、先ほどから問題になっております外国人登録法の指紋押捺ということだけであるというふうに思っております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 刑事法の問題でなくして刑事局長にお伺いして気の毒かもしれませんが、いわゆる一般警察等の取り締まり法規上においてこの指紋押捺が義務づけられているというふうな規定は、知る限りで結構ですが、ありましょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 先ほどから申しておりますように、刑事訴訟法上は身体検査令状によって指紋の採取ができる、あるいはまた身体の拘束を受けている被疑者については令状によらないで指紋の採取ができる、こういう規定が一般規定としてあるわけでございます。そのほかには、先ほど委員御指摘になりましたように監獄法にそういう規定があるようでございますが、その程度であろうかと思います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 そうすると、先ほどの民事局長のお答えのように、民事法上においても、それから刑事法上においても、いわゆる犯罪者の場合は別として、それ以外の場合は指紋押捺というのは現行法上考えられていない。そうすると、この外登法上の指紋押捺というのは非常に特異な法規制というか、刑事法上における被疑者あるいは受刑者に対する指紋押捺義務というものと非常に関連づけて考えられる、世の中において一般的にそのように考えられると言わざるを得ないと思うんです。まして、この指紋の問題のときに非常に重要なことは、自分が押す立場に立ってではなくして、押させる立場の論理で物を考えることは非常に間違いである、私はこのように考えるんです。  いずれにせよ、我が国の法制上犯罪に関する以外に指紋押捺がない、それにもかかわらず外登法上指紋制度というものがあるということについて、入管局長、一般論としてこの指紋制度についてのあなたの考えをお伺いしたいと思う。いかがでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 指紋押捺が義務づけられている例として他に、例えば入国審査官、入国警備官等いわゆる制服職員が身分証明書を携行することを義務づけられている場合に、その身分証明書に指紋の押捺を義務づけられているという例がございます。すなわち、入国警備官、入国審査官の場合には省令でその義務が法定されているわけであります。そういうことは御参考までに申し上げることでございますけれども、指紋の押捺というものが外国人の居住関係あるいは身分関係の識別・把握のために用いられているということは、日本人の場合にそういう例が少ないという事実からして特異な面があるということは事実でございましょう。ただ、この場合には、それを必要とする目的なり理由なりというものが合理的に説明可能であるかどうかということによって事の当否が問われるべきものであろうかと存じます。  先般来、今次国会におきまして、両院法務委員会で御説明申し上げておりますとおり、この指紋制度を含む登録制度を通ずる外国人の身分関係、居住関係の把握に特別の手当てが行われておりますのは、これらの人々の我が国における入国あるいは在留といったことが政府の許可にかかわらしめられているという法律的な現実に基づくものでございまして、その範囲内において在留あるいは入国が行われているということを確保する必要があるということから生ずるわけでございます。したがって、言いかえれば、不正規在留であるとか不正規入国であるとかいうことを立法政策的にどう評価するか、そのことの重大性をどう考えるかということがそれを担保する制度に反映されてくるということであろうかと思います。  したがって、指紋の押捺というものが、こうした不正規の事態に関する評価の重大性というものを反映して現在こうした制度として存在しているんだというふうな御説明が最も一般的に可能かと思います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 今、局長のお話の中で、外登法の指紋押捺という問題を入管法の問題とどうも私はすりかえているように思うんです。密入国者がどうだとか不法残留者がどうだとか、だから外登法における指紋の問題というところに話を持ってこられる。これが私は非常に納得しがたいんです。  おもちゃみたいな話ですけれども、入管法というのは六法全書の中でどこに入っているかということなんです。六法全書の中で入管法というのは、一口に言って、六法全書の法令区分けの中で「警察・防衛法編」の中に入っておるわけですね。要するに、警察法だとか破壊活動防止法だとか道路交通法とか銃砲刀剣取締法だとか、こういうものと一緒に出入国管理及び難民認定法というのは法の分野として入れられているわけなんです。ですから、入管法においてそういう警察取り締まり的なことをお考えになるのはそれはまたそれなりの理由もおありでしょう。しかし、外登法はこっちの第二分冊の方の民事法の分野の「民法編」の中に入っているんです。しかも外登法が入っているところは民法はもちろんのこと、住民基本台帳法の次に編集されているわけです。住民基本台帳法、外国人登録法、年齢計算二関スル法律、要するに、外登法というのは住民の戸籍関係を含めて身分関係、居住関係をあらわす民事法にすぎないんですというふうにこの六法全書を編集した人は考えているわけなんです。  入管局長の説明は、何か入管法と外登法が一緒になって、取り締まれ、取り締まれと取締法規みたいな説明だと私は思うんです。この辺の発想を、基本をよくお考えいただいて外登法についての解釈なり運用なりしていただかなきゃならぬと思いますが、いかがでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 外国人登録法の目的は、「公正な管理に資する」という非常に広義な意味を持っている表現で規定されているわけでございますが、その広義であるという点でおわかりいただけますとおり、目的とするところは具体的には極めて広範にわたるわけでございます。諸般の行政の正確なあるいは適切な執行に資するということでございまして、その諸般の行政の中には入国管理行政が厳然として含まれているわけでございます。そのほかに、福祉行政であるとか教育行政であるとか、あるいは税務行政であるとか、実際に日本人の住民の場合の住民基本台帳であるとか、あるいは戸籍だとかが果たしている役割と同じ役割を、同じ機能を外国人登録の場合にも果たしているという面は大いにあるわけでございます。  そういう面から先生の今御指摘になったような分類も行われているんだろうと思いますけれども、ということは、入国管理行政あるいは在留管理行政がそれと無縁であるということを意味することにはならないのでございまして、これらの面での行政の適切な執行に資するという面はあくまで存在するわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 押し問答をしていても仕方がないので——人権擁護局長にお伺いします。  先ほどお伺いしましたように、指紋押捺というのは、日本においては刑事被告人や受刑者にかかわる問題であるというのが事実でもあるし、世間一般の評価でもあるわけなんです。その国内法的な状況と、さらに諸外国における外国人に対する指紋押捺の状況というものについて、午前中にも矢田部委員からの質問もありまして明確になっているわけですが、このような国際状況をも考えて、現在の外登法における指紋押捺制度というものがいわゆる国際人権規約B規約に言う人の品位を傷つける行為に当たるかどうかについての御意見はいかがでしょうか。

高橋欣一法務省人権擁護局長

○政府委員(高橋欣一君) 人権擁護局といたしましては、一般に、ある法律がある条約に抵触するかどうかという法律解釈論を述べる立場にはございませんけれども、具体的な人権侵犯事案として提起されてまいりました場合には、その事案の処理に当たってそうした法律判断もしなければなりませんので、そういう立場からお尋ねの点について人権擁護局の見解を述べさせていただきますと、外国人登録法における指紋押捺制度の必要性及び合理性にかんがみますれば、この制度がそれ自体で直ちに国際人権規約B規約七条に言う「品位を傷つける取扱い」には当たらないと考えております。  ちなみに、先生も御存じと思いますが、東京高裁の昭和六十一年八月二十五日の判決がございます。この判決は詳細に論じまして、指紋押捺制度がB規約七条の「品位を傷つける取扱い」には当たらないということを判示しておりますが、私ども人権擁護局といたしましてもこの判決の論理に依拠して考えていきたい、このように考えております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 東京高裁の判決も、この前も申し上げましたが、法務省の方でどうしても二度押させなきゃならないんだ、二度押して同一性を確認しなければならないんだ、確認するためにはこういう指紋押捺という制度以外にないんだという論理を前提にして判示しているわけです。  それで、私が今、人権擁護局長にお伺いしたのはそういうふうなことでなくして、現在の改正法のもとにおいて、いろいろ人の同一性に関する問題について指紋以外の方策とか、いろんなものを考えた上でも、なおかつ無理に指紋を押させるということが人の品位を傷つける行為に当たらないかどうかということをお伺いしているわけなんです。指紋以外に人の同一性を判別する手段はないんだという前提に立ては、判決のような結論、今の局長のような結論が出てくるわけなんです。人権擁護局長としてもこの法案についていろいろ御検討もされておるだろうと思いますので、そういう点を踏まえても、なおかつ人の品位を傷つける行為に当たらない、こういうふうにお考えですか。

高橋欣一法務省人権擁護局長

○政府委員(高橋欣一君) 私の理解によりますれば、東京高裁の判決というのも、いろいろと人の同一性の識別の方法についてあれこれ論じて、その上で判断しておったと覚えておりますが、あの論理は、結局一般論として言えば、制度の合理性あるいは必要性ということに帰着するわけでございますので、そういった判断といたしましては私どももそれに依拠できるものというふうに理解しております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 それでは、直接改正法についていろいろお伺いしたいと思います。少し細かい点になるかもしれませんけれども、改正法による新規登録について現行法との差異を中心にお伺いします。  改正案は、登録原票及び指紋原紙にだけ指紋を押すというふうにして、登録証明書に従前指紋押捺さしていたけれども、これは指紋押捺しなくてよろしいというふうに改正する、そのかわり、直接押捺はしないけれども、指紋原紙もしくは登録原票を出したときに、押した指紋を転写するというふうに改正法ではなっておりますが、これを転写することにした理由はどういうところにあるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 現在、予定されておりますラミネートカード式の証明書というものは、運転免許証をお考えいただければ御理解いただけると思うのでありますけれども、そのものに直接指紋を押捺するということは物理的に困難でございます。そこで、そうした形式の登録証明書に指紋を表示するためには転写しかないわけでございまして、そのために転写となったわけでございます。  他方、従来五年に一度ずつ切りかえのたびに指紋の押捺をしていただいておりましたから、その都度新たに交付される登録証明書にも指紋を押捺していただけたわけでありますが、五年に一度というのを廃止いたしまして、原則として新規登録の際に一度押していただくだけにいたしますと、必然的に新規登録の際に、たとえ登録証明書作成のために特別に指紋を押捺していただいたとしても、二回目以降におきましては押捺がないわけでございますから、登録証明書のための指紋の押捺ということができなくなるわけでございます。したがいまして、最初のときだけ特別に三つ目の指紋を証明書のために押していただくとしても、二回目以降意味がなくなるということで、そういうことならば初めからもう押捺は登録原票と指紋原紙だけにしていただいてそれを転写することにしようということになったわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 少しでも数が少なくなる方がいいのかもしれませんけれども。いずれにせよ、私は、指紋を外国人の方が市区町村の役場の窓口で押す場所に関して少し申し上げたいんです。  これは、前々回ぐらいに西川委員の方からも御指摘があったんですが、どういう場所で現実に指紋を押させているかということについて、法務省としては現場の状況というものは把握しておられるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 入管局におきましては、登録課を中心といたしまして都道府県あるいは市区町村の登録事務に直接携わっておられる方々と極めて緊密な連絡を維持しております。それは、例えば打合会合であり、あるいは研修会であり、その他のもろもろの機会がございます。そうした機会を通じて地方の事情についても種々話をお伺いする機会が多いわけでございます。そうしたお話を通じて感じますことは、この問題はその地方によってかなり事情を異にするという面がございます。しかしながら、基本的には私どもとしては地方の直接の担当の方々に対してその指紋押捺を含む登録事務につきましては、登録を受ける人々の心情を十分に考慮して適切に対応していただきたいという指導をしているわけでございます。  こうした一般的な指導に基づいて地方でどういう対応をしておるかと申しますと、必ずしも統一はされておりません。地方によっては別室を用意して指紋の押捺をしていただいているところもございますし、あるいはカウンターについ立てを用意して、そして一般の日本人の受け付け事務とは区別をしてやっておられるところもございますし、全くその区別をしていないところもございます。  と申しますのは、私どもが話に伺うところによりますと、かえって特別の取り扱いをすることによって登録をされに来た方がむしろ不快な感じを受ける、何もこそこそとやらなきゃならないことではないじゃないかといったような反発をされるということもあるそうでございまして、それぞれの方々の一般的なその地方における受けとめ方によって最も心情的な負担の少ない方法で、少なくとも相手方の立場を考慮して、考え方を考慮して扱うようにということをお願いをしているわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 私も都内の某区役所に行ってみたんですけれども、要するに、広いカウンターがあっていろんなお客さんがいる。そのお客さんがいるところからカウンターの割れ目から中へ入って皆さんが見ているところで立ったまま押させるという状況で押させていました。  局長のお話したと、こそこそしているよりそういうところで、みんなが見ているところで押すのがいいという人もあるいはいるのかもしれぬけれども、何かもう少し人の目を遮る方がよろしいんじゃなかろうか、あるいは例えば立って押すよりも座って押す方がよろしいんじゃなかろうかとか、いろいろその辺についてもう少し工夫してもらったらどうなんだろうか。それについては押す立場の人とよく協議していいような方向を見つけていくということを法務省の方としても役場の方にいろいろお話してもらいたいと思います。  次に、この改正法には写真について規格は何も書いてないんだけれども、これはどういうことになるわけでしょうか。写真の規格や提出すべき枚数についてお伺いします。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 写真の枚数は二枚でございます。規格につきましては今後確定されます法務省令で定めることにいたしております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 写真二枚はどのように利用するんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 一枚は市区町村が保管いたします登録原票に貼付いたします。他の一枚は登録証明書を調製するための、私どもは今原紙と呼んでおりますけれども、いわば原稿のようなものでございます。その原稿に貼付いたしまして、そして地方入管局に送付いたします。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 そうすると、二枚目の写真はラミネートカードで登録証ができた後は不要なものになるわけですか。不要なものになるとしたらその処理はどう考えておられるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) これは先ほど申しましたように、登録証明書を作成するための原稿のようなものでございます。登録証明書は運転免許証と同じように撮影によって作成をいたすわけでございますから、その調製が終わった後には不要になるわけでございます。しかしながら、例えば何かの事故があって、その地方入管局で作成した証明書が途中で紛失したとか、そういうことがあってはならないわけでございますけれども、あるいはその登録者に手渡される前に何か事故があって手交されなかったというような場合には改めて作成を求められることも全くないとは言えないわけでございますので、一定期間は少なくともこれを地方入管局で保管いたしまして、そして再調製と申しますか、そうした求めに応じられるようにする必要はあるだろうと考えております。しかし、終局的にはこれは廃棄するということになるのではないかと考えております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 それで、要らなくなったら提出した本人に返すというふうなことも可能なんですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) これは、登録証明書の作成用原紙に張りつけてございますので、それをまたはがしてお返しするということが物理的にうまくいくかどうか非常に問題があろうと思いますので、廃棄ということになるのではないかと思います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 その写真を持っていって、新規登録の申請をして登録証明書をもらうということになるんですが、この登録証明書は、先ほどもお話がありましたように、現在だと一時間だか少し待っていればその日にもらえる。今後はラミネート式になって、非常に便利になるのかもしれぬけれども、もう一度もらい直しに行かなければならない、この期間はおよそどのくらいと考えておるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 現在私どもが考えております手順では、各市区町村が申請を受け付けてから三日以内に地方入管局に対して送付を行う、地方入管局ではその送付を受けた、それが接到した後三日以内に調製を下して送り返すということを考えておりますので、郵送に必要な期間を考慮に入れますと全体として二週間程度かというふうに考えております。  なお、二度手間になるということはそのとおりでございますけれども、そのために受領のための代理人の出頭ということも考えておるわけでございますが、一言申し上げておきたいことは、現在までのところ原則は即日交付ということでございます。ほとんどの場合が即日交付でございますが、実際には、登録証明書が作成されるまでそこでかなりの時間お待ちいただくわけでございます。すなわち、作成の記入その他の手続がございますので、その間待っていただくわけでございますが、今後は申請書を提出して、それが受理されれば作成する間待っていただく必要はございませんので、比較的短時間に申請のための手続は終わりましてお帰りいただけるという点は若干あるかと存じます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 新規登録に関連して、在留資格について、改正法で今度「在留の資格」というふうに変えまして、今までの「在留資格」と別にいわゆる昭和二十七年法百二十六号及び昭和四十年法百四十六号に該当する事由を在留の資格として登録証明書に、また登録原票にも記載する、こういうことになっております。そうすると、この改正法によると記載事項の変更ということになるわけです。記載事項の変更ということになると、十四日以内に変更登録の申請をしなければならないという規定が一方あるわけですので、もしこの法が施行になった場合に、自分が持っている外国人登録証明書の記載内容が変更になるので、全員が変更登録の申請をする必要があるわけでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 御指摘のような変更が行われるのは事実でございますが、この変更はその個々の外国人の居住関係あるいは身分関係に変動が生じたということではございませんで、法定の登録事項が変わったということでございます。ということでございますから、個々の外国人に変更登録の申請義務を課するということは適当とは思われない次第でございます。また、こうした事項は特に申請を受けなくても、市区町村あるいは法務省当局で把握のできることでございますので、法改正後におきまして市区町村の長が登録原票の記載を職権で書きかえるということにする予定にいたしております。  また、個々の外国人が携行しておられる登録証明書の記載の問題につきましては、その後その当該外国人がさまざまの申請のために市区町村の窓口に出頭された際に書きかえをする手続をしたいというふうに考えておる次第でございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 そうすると、登録原票の方の訂正は第十条の二によって行うということなんでしょうか。  それから、登録証明書の方の変更登録の申請が必要でないというのは、もう少し、どういう根拠から必要がないということになるのですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 市区町村が職権で行う事実上の書きかえは、いわば事実上の行為、要するにその登録者の権利、義務関係を全く含まない行政上の事実行為ということでございまして、そのために経過措置を規定するというようなこともしなかったわけでございます。この点は政府部内で議論をした結果そういう結論になった点でございまして、確かに問題点としては一応検討の対象となった経緯はございました。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 では、国の方で勝手に「在留資格」というところの真ん中に「の」の字を入れて「在留の資格」とやって適当に在留資格をつくっておいて、自分の方でやったことだから、おまえたち変更登録は要らぬよと、そういうことじゃ少し都合がよ過ぎるんじゃありませんかということで私は申し上げたかったわけなんです。それはそれでいいです。  ところで、登録証明書を作成する人は五条一項によれば、市町村の長が作成する、こういうことになっております。先ほど矢田部委員からも質問があったんですけれども、この附則の九項は非常に私も不明確な条項だと思っているんです。この附則の九項についてお伺いしますと、「登録証明書の作成」ということと、「登録証明書の調製」ということに関連して、「作成」と「調製」はどう違うんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 「作成」と申しますのはより広い概念でございまして、申請を受けてからその証明書を本人に手渡すまでの過程を指すものというふうに申し上げることができるかと存じます。  「調製」というのは、作成よりも狭い概念、すなわち作成のうちの一部を指すというふうに御理解いただければよろしいかと思います。すなわち、実際に機械を使用して物理的に証明書というものをつくり出す、その作業を指すものであると申し上げることができるかと存じます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 どっちが広いのか狭いのか知らぬけれども、要するに今のお話だと、調製というのは具体的に登録証明書をつくり出すということだという御趣旨でしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) そのとおりでございます。  つくり出すと申しますと原稿を作成するのも調製の一部になるということも言い得ないではございませんけれども、実際にそのカードをつくり出す作業であるというふうにお考えいただいてよろしいかと存じます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 「登録証明書の調製に関する事務のうち法務省令で定めるもの」と、こういうふうに規定してありますが、この調製に関する事務のうち法務省令で定める事務というものはどんなことを考えておられるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 原稿が市区町村から送付されてまいりますとその原稿をもとにいたしまして、運転免許証を作成する機械とほとんど同じ機械を使用してこれをカードの形にいたします。カードの形になったものをラミネーターという機械にかけまして、そしてラミネート化する、その過程が調製の作業でございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 先ほども矢田部委員から質問がありましたが、私も本当にそのとおりだと思うんで重ねて聞いておきます。  「当該市町村の長からの求めに応じて処理するものとする。」、こういう規定になっていると、求めてこなかった場合はどういうことになるんですか。要するに、当該市町村の長が求めてこなかった場合です。市町村の長が自分で作成する場合もあるだろうけれども、自分で作成しもせぬ、それから調製を求めてもこなかったということになったらどういうことになりますか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 地方入管局といたしましては、管内の外国人がいつ切りかえなり何なりの手続をとるべきかということを把握しておるわけではございませんので、あくまで市区町村の方から原稿を付して作成願いたい、調製願いたいという依頼が参りませんといかなる作業も行い得ないわけでございますので、先生御指摘のような場合には、地方入管局としては何らの措置もとられずに終わるということでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 それから、当分の間こういう処理をするんだということで、この「当分の間」については先ほど財政的な理由だと、こういうふうなことをおっしゃられましたのですが、そうすると、財政状況の変更によってこの附則による取り扱いというものが早晩変更され得る可能性が十分にあるのかどうなのか、その辺いかがですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) これは、国の機関委任事務であるという関係上、事務の移管を受ける地方自治体の方の考え方なり希望なりというものと密接に関連をいたしているわけでございます。  午前中の委員会でも御説明申し上げましたように、検討のある段階におきましてはそのすべての登録証明書の調製作業を地方入管局が行うのではなくて、その外国人人口が一定数以上を擁する大きな地方自治体におきましては、その機械を備えつけてその窓口で作成するということも考えていいんじゃないかということで御相談をしたのでありますが、種々紆余曲折があった末、ばらつきが起こるのは困るという一般的な御意見でございましたので、要するにオール・オア・ナッシングだと。全部の市区町村の窓口に備えつけるか、あるいは全部の窓口に備えつけないで、すべて地方入管局でやってもらうかどっちかにしてくれというのが総意であるように承知いたしましたので、前者は不可能でございますから後者になったわけでございます。  三千三百余りの市区町村の窓口に数百万から一千万近くもする機械を備えつけるということは、恐らく予見し得る限りの将来不可能であろうと思います。したがって、もしこの「当分の間」ということに実体的な意味があって、現在のつくり方を変えるとするならば、一つの事例としては、その地方自治体の方で、当初法務省側が示唆いたしましたように、外国人人口が一定以上の大きな市区町村においては自分でその調製をするという方向にいきますというようなことになった場合には、一定の修正を加えてそれらの市区町村のみには機械を備えつけてその場でつくっていただくということもあり得ないことではないかと思います。そういう意味で、現在のやり方が未来永劫確定したものではないということを示唆する意味もあるわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 当事者の立場からするとこういう点を非常に心配しておられるわけなんですね。現行のように市区町村の長の申請を受けつけて証明書も発行するということになると、実際の話が、期限を経過してきてもまあまあということの取り扱いはあると。まあまあということになっているわけです。ところが、登録証明書の作成事務を地方入管事務所に持っていくと、まあまあじゃなくて、あ、こいつはおくれているとか、これは届け出ができていなかったとかいうふうなことで、いわゆる届け出あるいは変更登録、こういうことについての違反というものが入管にはっきりわかることになるわけで、市区町村の場合はまあまあと、入管の方はだめだめということになったんじゃ、ちょっと忘れた場合だって何だって今までとは非常に取り扱いが厳しくなって、じゃんじゃん告発でもされた日にはたまったものではないという心配もあるわけなんですが、その辺はどうお考えですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) ただいま御説明申し上げました経緯からも御理解いただけますとおり、入管局といたしましては、すべての登録証明書の調製を地方入管局で行わせるということを初めから予定して主張してきたわけではございません。そのことからもおわかりいただけると思うのでありますが、地方入管局が調製という物理的な作業に参画するということを通じて、実際の登録業務の執行に関して地方入管局が指導監督といったような機能を果たすことを私どもは決して期待はいたしておらないわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 期待していないというんじゃなくて、そのことを理由にしての告発だとかどうとか、そういうふうな新しい事態は発生させませんというふうにお答えはいただけませんか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) その作業の実施に当たりまして、例えばその写真が欠落していたとか、明らかに過誤による瑕疵があるとかというようなことに気がついた場合には、その関係の市区町村に連絡をして、これはこうなっているけれども、こうじゃないのかというようなことを注意を促すというようなことはあり得るかと思いますが、これはあくまで物理的な作業の一環でございまして、それ以上のものについて地方入管局が何らかの機能を果たすということはないというふうに御理解いただいてよろしいと思います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 ぜひそういうことで、つくる仕事だけで、それ以上の余計なものを見たり告発したり、余計なことはせぬようなことで運用していってもらうというふうにお願いしたいと思います。  ところで、ラミネートカードでつくるということになると、現在の自動車運転免許証とほぼ同じようなものができるのかとも思いますが、もし同じようなものだとした場合にこれの偽造、変造の可能性というふうなことについてはどのようにお考えでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 私どもが承知するところによると、警察庁におかれても運転免許証の偽造の防止ということにはいろいろと工夫を凝らしておられるようでありますので、私どももそうした知恵をおかりして、今後この登録法改正が施行に移るまでの期間内にさらにその偽造を困難にするような工夫で実施可能なものがあれば取り入れていきたいと思いますので、ラミネートカード化という機会をとらえて従来に比して偽変造ということが困難になるということは十分期待し得るのではないかと考えております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 私は、この登録証の中に指紋を刷り込むというか転写するということについて少しお伺いしたいんですが、まず登録証明書には写真が刷り込んである。それから登録事項である二十項目が記載されている。そうすると、写真とその二十項目に対する質問というか疑問をいろいろ問い合わせるというか、こういうふうなことをすれば登録証明書の写真と記載事項だけでその人間の同一性などというものは一〇〇%判明する、このように考えますが、いかがですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) ラミネートカード方式の登録証明書を採用することによって証明書による同一人性確認の機能というものが増進されるだろうということは期待されるわけでございますが、先ほどからもお話し申し上げておりますとおり、写真による同一人性の確認というものは最終的な決め手とはなり得ないものでございますので、あくまで写真と指紋との機能における差異は今後とも存続すると言わざるを得ないと存じます。  なお、その登録証明書と運転免許証の写真の違いでございますが、登録証明書の場合には本人が提出する写真をそのまま使うことにいたしております。一方、運転免許証の写真は原則として所管の警察署におけるあるいはその他の指定の場所における官側の撮影によって得られた写真を使用することにいたしております。したがって、同一人性確認という面における写真の機能は運転免許証の方が大きいということも言い得るわけでございます。そうした方式を採用することについても法務省においては検討はいたしましたけれども、市区町村あるいは都道府県との協議の結果、現在までのやり方をその点で変えるということはあらずもがなの摩擦を生ずるおそれもあるという御意見が強かったので、この点は断念をしたという経緯もございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 確かに、今入管局長がおっしゃるように、運転免許証の場合には試験場に本人が行って、向こう側の機械に顔を出して、出してというか向こうの係員がもう少しあごを引けとかもう少しこういうふうにしろとか言って確かに撮った写真であって、皆さんよく撮られている。ところが、御自分で持ってくるものだから変なものを持ってくる人もあるいはいるかもしれぬというその差異があることはわかりますけれども、しかしどっちにしたって五年間ですからね、五年でそんなに年とるわけじゃない。五年には五つしか年とらないんですからそんなに変わるわけじゃないんで、写真と登録事項で十分にはっきりするんじゃなかろうか、私はこう思うんです。  今おっしゃるように、いやそういうわけにはいかぬ、どうしても指紋が必要だ、こうおっしゃるんだとすると、登録証明書に指紋があることによって本人の同一性を確認するための資料になるかならないかということについて、私はこれが資料になり得る場合はほとんどないと考えているんです。どうしてかというと、まず今申し上げているのは、何度もしつこいようですけれども、登録証明書における指紋の転写の問題ですからね。そうすると、市区町村の長なり担当者がどうしてもこれじゃわからぬと言うときに、指紋でなきゃならぬと言っても、そのときには指紋登録台帳なりあるわけですからそっちの指紋が見られるわけで、証明書に押してある指紋を照合する必要は何もないわけですね。ですから、市区町村の長の場合には登録証明書にあることは必要ない。そうすると、それ以外に登録証明書に押してある指紋によって人の同一性を判断するというふうな場合はどんな場合をお考えなんですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 登録証明書に指紋が表示されているということの意味につきましては、照合というケースがもちろんございますけれども、その前にその登録証明書の不正使用を抑止するという心理的な効果が極めて大きいという問題があるわけでございまして、むしろ日常的にはその機能の方が大きいと言ってもよろしいかと存じます。  照合につきましては、照合を求められる事態、例えば挙動不審の外国人が司法警察官によって、警察職員によって認められた場合にその提示を求められて、その提示された登録証明書の本人であるのか、名義人と本人が一致しているのかどうかということを確認する必要が生じたといったような場合、あるいは入国警備官が通報によって不法就労者あるいは不法入国者が稼働しているというような情報を得て現場に踏み込んで、そこで容疑者を発見してその容疑者の身分事項を確認するために登録証明書の提出を求めるといったような状況が考えられるわけでございます。そうした場合に、提出された——提出されなければされなければでまた対応いたしますけれども、提出された場合に、提出されたその登録証明書の名義人が提出した本人であるかどうかという確認をする必要があるという場合も生じるわけでございます。こうした場合に、そこに押捺されている指紋と所持している本人の指紋との照合という問題が起こるわけでございます。ここで、先生が恐らく御指摘になりたい点は、しかし強制的に採取するわけにいかないじゃないかということであろうかと思いますけれども、まず第一に、その所持している本人が自分のものであるということを積極的に立証しようと思えば任意に指紋を押捺すればそれで済むことでございまして、それで押捺された指紋との照合の結果立証されるということも大いにあり得るかと存じます。  それからまた、そうでなくてもいろいろな職務質問を通じて本人のものではないという疑いが極めて濃くなった場合には登録証明書の不正行使という容疑が生ずるわけでございます。他人の登録証明書を譲り受ける、あるいは他人の登録証明書を行使するということは外国人登録法に定める犯罪でございます。したがって、刑事訴訟法に定める手続によって強制的に本人の指紋を採取するという段階に移行するということも大いにあり得るわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 問題をそうごとごとごとごと言われても私の方も困るんです。というのは、私はこの証明書の所持人に間違いありませんと言って本人が押す場合があればそれで照合できるなんて言うけれども、そんなことをここで今論じられても困るんです。きのうも申し上げたように、本人の任意で押す場合とそうでない場合とをごっちゃにして話されても困るんです。  その次の問題として犯罪の容疑がある場合に、逮捕するというふうな場合には、証明書に指紋があろうとなかろうと、取っ捕まえて指紋を押させりゃいいじゃないか。それは犯罪の問題なんだ。私が申し上げているのはそんな自発的に押す場合でもないし、犯罪を現に行うとか、あるいは犯罪を行った疑いが明らかであるとか、こういうふうな場合、これもまた押すのはそれは別の問題です。  そうじゃなくて、登録証明書に指紋が押してあったとしても、この指紋によって登録証明書の所持人の同一性を類別する、判定する場面というのは、私が考える限り考えられないんです、任意捜査でなんか押させられないんだから。任意捜査で指紋を押させることはできない。あなたが言うように自発的に押せばなんて言うけれども、そんなことを考えている段階じゃない。強制捜査なら押させることはできますよ。そのときにはこんなところを見なくたって、捕まえていって押させて、原票と合わせりゃいいんであって、何でもない人に対して指紋を押させて照合するという場面はあり得ない。  だとしたら、ここへ何で運転免許証みたいな登録証に顔のほかにぺたんと押させておくのか。それこそ嫌がらせ以外にないだろうと、こう思うんです。いかがですか。実際にあるんですか。ここに押してあることの効用が、意義を発揮する場合があるんですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 先ほども申し上げましたように、指紋を登録証明書に表示するということの最大の意味は、この不正使用を防止するということでございます。そのために、私どもの承知する限り、指紋制度が導入されて以来、成人のすなわち指紋の表示されている外国人登録証を他人が使用していた、不正に所持していたという事例が発見されていない、発見されているのは子供のケースだけであるということも御説明申し上げたことがあるかと存じます。したがって、この抑止効果、抑止機能というものが最も日常的に重要な意味を持っているんだということでございます。  それから、照合という件に関しても今申し上げたようなことがあるんです。犯罪ということであるならば、刑事訴訟法手続の面に移り得るという場合に、強制的に押させたとしても、この押させたものを照合する相手となる指紋がなければ照合ということはできないわけでございますから、その場合にもし本人が登録証明書というものを持っていた場合にはそれとの照合というものは可能になる。初めてそこで可能になるということもあり得るということでございます。また、その登録証明書の不正行使ということ自体が外国人登録法に定める犯罪であるということが、そうした状況に移り得ることをまた容易ならしめるのではないかと考えております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 抑止力については私は申し上げたいことは山ほどあるんだけれども、ほかのことももう少し聞かにゃならぬことがありますのでその点はやめておきます。  それで今度は、再度の指紋押捺に関して若干お伺いしておきたい。改正法のもとにおいても再度の指紋押捺をする場合がある。条項的には三類型にしてあるわけですが、「既に押した指紋の指を欠損している場合」、この場合は理論的には、その指がなくなってしまったんだから、今度押すということは一度押すということと論理的には同じことになるだろうと思うんです。その次に、登録原票及び指紋原紙のいずれもが紛失、滅失したとき、もしくはその指紋が不鮮明であるとき、これもまあまあやむを得ない場合ではあるだろうとは思うんです。  ただ、私がここで心配するのは、鮮明、不鮮明というふうな判断を市町村の長がした場合に、市町村の長は意地悪くすればちょっと薄くなったら不鮮明だと、こう言う。こっちから見ればまだよく見えると。この鮮明、不鮮明というふうなことについての判断の相当性というふうなことに対してはどういうことが担保になるんでしょうか。

佐藤勲平法務省大臣官房審議官

○説明員(佐藤勲平君) まず、今委員仰せられたとおりに、不鮮明かどうかという点の判断は市町村長が行うこととなっておりますので、命令を受けた本人はその押捺を命ぜられたということによってその判断の結果を知り得るという立場に立つことは申すまでもないところであります。ただ、事実上その指紋押捺するという場合は市町村に備えつけてあります登録原票に押すということになるわけでありまして、その登録原票の様式といいますのは、前の指紋と次に押す指紋との指紋欄が並べられるような様式になっております。そのために、押捺を求められてその原票を出されればその前に押した指紋がすぐ自分の前にあるわけでございますので、その状況は見ることができるということが言えようかと思います。  それから、不鮮明かどうかというような点の判断の問題ですけれども、市町村がこの十四条五項なりの規定に基づいて、いわば法律に基づいて行う判断行為でありますし、押捺を命ずる行為自体に違法が生じるとか、また不当なことになるということはないというふうに考えております。  ただ、それに対してどういう担保があるかという御質問でございますので、一応行政処分につきましては委員御承知のように行政不服審査法という法律がございまして、この法律の第四条には行政不服審査法の適用を排除する規定がございます。これの一項の十号というところの「外国人の出入国又は帰化に関する処分」というのは行政不服審査法の対象から除外されておるということでございますが、この問題については除外されていないというふうに考えております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 写真の鮮明、不鮮明よりも一番大切なのは、一番目の要件である登録されている者と登録申請者の同一性が指紋によらなければ確認できないとき、このときを拡大解釈すると今と全く同じになるし、もしこれを非常に厳格に解釈して、いやできるできるということになればもう一回限りということは本当に確定するわけなんです。同一性が指紋によらなければ確認できないときということに関連して、一般的には、先ほどから申し上げているように、写真と登録事項に対する質問ということによって同一性が確認できるわけですが、それでもできないときに第三者による証言によって確認するというふうなことについてはどうお考えなのか。  特に、昭和六十年五月十四日の通達は現在でも生きているのか、この通達の趣旨に従って第三者の証言によって確認するというふうなことも考えておるのかどうか、この辺をお伺いしたい。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) まず第一に、この点は委員御指摘のとおり、地方で余りにばらつきが目につくようでは困るのであります。したがって、そういうばらつきが生じないように当局におきましても新しい通達あるいは研修のような機会を通じて全国的に画一的な処理が行われるように努力をするつもりでおります。  そこで、そのいわゆる五・一四通達でございますが、この通達は現在なお生きております。実際には、この改正法を御承認いただきまして、それが施行されるまでは現在と同じような格好で残るわけでございますが、この改正法が施行された後における取り扱いにつきましては包括的に見直す必要がある部分が生じ得るかと思いますので、その際その五・一四通達の訂正という格好でこれを修正するか、あるいは五・一四通達は一応廃棄してこれにかわる新しい包括的な通達を出すことにするか、この点につきましてはまだ検討いたしておりまして結論を出しておりません。  しかしながら、特に御指摘の第三者による証言という方式は、今後も利用する余地があるのではないかというふうに考えております。すなわち、外国人登録法に定める市区町村の長の調査の一環として利用される余地が残るのではないかというふうに考えております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 この通達の趣旨を入れた上でのまた通達とかあるいは協議会の開催とか、こういうことは非常に結構だと思います。そのときに、本人にも納得してもらうということについても十分に本人の意見も聞くというふうなことも入れてもらいたいと思うんです。こんなことで国じゅうでけんかしていてもしようがないんです。ですから、どうしてもあなたわからぬと、だったらしようがないから、もう一回押させられてもやむを得ぬなと本人に納得できるようなことで、本人との協議というふうなことについてもこの通達なり何なりやる場合にはまた考えてやってもらいたいと思います。  それから、これに関連してちょっとお伺いしますと、一回指紋をもう押捺したから二度目は要らないということに関連して、在日の外国人が再入国ということも考えずに、あるいは再入国ということを考えたけれども、再入国の許可も得ずに出国して再入国したときに、既に指紋を押したことのある者に当たるのか当たらないのか、その辺はどうでしょうか。

佐藤勲平法務省大臣官房審議官

○説明員(佐藤勲平君) お答えいたします。  外国人登録法の第三条は新規登録の要件を定めておるわけでありますけれども、この定めるところによりますと、ちょっと読ませていただきますと、「本邦に在留する外国人は、本邦に入ったとき」、括弧がありますのでちょっと除きますが、「入ったときはその上陸の日から九十日以内に、」「登録の申請をしなければならない。」というふうになっております。そして、今外しました括弧の部分は、「入管法第二十六条の規定による再入国の許可を受けて出国した者が再入国したとき」、それから同じ「入管法第六十一条の二の六の規定による難民旅行証明書の交付を受けて出国した者が当該難民旅行証明書により入国したときを除く。」というふうになっておりまして、したがって、今の再入国とそれから難民旅行証明書による入国の場合は新規登録の必要はありませんけれども、今委員おっしゃった、前に在留したことがあるということだけでは新規登録の申請義務が免除されておりません。この段階では新規登録ということをするということになっております。  外国人登録法はそのような意味で今の再入国と難民旅行証明書による出国、入国というのは一応法律上継続した在留というふうに見るわけでございますが、そのような前提でこの登録法が理解されておるというふうに考えられるわけであります。  さらにつけ加えて申し上げれば、二重申請の禁止の規定とか、それから外国人が出国の際には登録証明書を返納するとかいう規定もそのような仕組みを前提として初めて理解されるところでありまして、そのような前提から考えれば、この十四条にあります「これらの規定により指紋を押したことのある者」というのには、委員の言われた、前に在留したことがある者というものはここには入ってこないというふうに理解せざるを得ないと思っております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 最後に、指紋及びその登録証明書の問題に関して大臣の御意見をお伺いしたいと思います。  大臣、非常に人情家で、また困っている人のためにできるだけという、このお気持ちはわかるんです。さらにもう一歩私が申し上げたいのは、きのうの参考人のときにも申し上げましたけれども、入管局長は盛んに抑止力、抑止力と言うけれども、今から三十年も前のこと、昭和三十年以前のこと、このときに仮に、現在いる在日韓国人・朝鮮人の関係者の方が仮に登録証明書にしろ悪いことをしたとしても、それはもう三十年も昔のことなんだ。それ以後はほとんど悪用はされていないということを局長自身も認めているわけだ。そして、悪用されていないのは指紋があるからだというのが局長の見解になるわけだけれども、この間も申し上げたように、今から押す人はことし十六になった子、あるいは来年なる子なんです。この子が押させられるわけなんです。三十年前のお父さんだかおじいさんだかおじさんだか知らぬけれども、その人が仮に悪用しようがしまいが、これを三十何年もたってから、まだ生まれてもいなかったときの悪いことの問題としておまえ押せと、こんなの抑止力なんという全然わけのわからぬ概念でやられたんじゃたまらないんです。  だから、この指紋を押すという問題について、今私が申し上げたような事情を含めて大臣としての御見解を承りたい。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 先ほど、矢田部、安永両委員にもお答え申し上げておる次第でございますが、この法案の提出は、御承知のとおり、一歩でも改善して外国永住者の方々の不満の一部を解消せしめたいという気持ちで提案をいたしたわけでございまして、まだまだこれで満ち足りたという考えは私も持っておりません。しかし、御承知のとおり指紋押捺拒否者が出る、さらにまたそれによって罪に問われるというようなことが重なり合っておっては、永住者の気持ちと日本国の立場として一体どうかというような点を考えると、もっとやはり永住者に対して快適な生活を送ってもらうような方法に努力すべきだというような私は信念でございました。  それで立法に当たって、大臣就任当初からいろいろこれに手を入れたわけでございますけれども、なかなか自分の思うようには進んでいかぬ。しかし、刻々とそのために罪に問われる人がふえてくる、そういうような点に焦りも感じました。しかし、最小限度の、今会期において皆さん方に御審議を煩わすにはこれが精いっぱいだという法案がこのとおりになったと、そういうふうな心情もひとつ御了察をいただいて、重ねて申し上げますが、先ほど矢田部委員なり安永委員にもお答え申し上げたとおり、先ほど来先生からも御指摘にあったとおり、正確さにおいては写真と指紋を押しておけばこれは鬼に金棒ということになると思いますけれども、それまでやらなければいけないかどうかという点について、この法案が成立後に改めて私はじっくりと検討していきたい。  そうして、先般も申し上げたとおり、永住者の中においては二世、三世の日本の国きり知らない方々がたくさんおる。そういうふうな方々にこの制度でいいかどうかということも将来において私は改めてじっくり腰を据えて検討していきたい、そういうふうな気持ちであるということを御理解願いたいと思います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 では次に、常時携帯、それから提示義務について伺いますが、まず登録証明書を常時携帯させるということの理由はどこにあるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 一口で申し上げれば、在留する外国人の居住関係、身分関係をその場で確認する手段を確保するということでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 ということは、提示を求められた場合に直ちに示すことができるようなためにということが理由だということでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) そのとおりでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 それ以外には別に理由はないんでしょうか。例えば、登録証明書を持っていることによって、私は日本人じゃないんだということをおまえ常に頭の中に置いとけというふうな気持ちで持っていろということはありませんか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 法の趣旨としてはそのようなことは全くございません。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 そうすると、提示を求められたときに、はいと言って出せるために持っているんだと、こういうことになってくると、じゃ、おまえ見せろ、提示しろと提示を求められる場合はどういう場合があるかということを検討することが必要になるわけです。どういう場合に提示しろと提示を求められるとお考えでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) そうした事例は極めて多岐にわたりますので、カテゴリーとしても御説明することはなかなか難しいかと、あるいは時間をとり過ぎるかと存じますが、入国管理局について申し上げれば、例えば、入国審査官による在留関係の諸申請の際の同一人性の確認、あるいは入国警備官による入管法違反事件における容疑者の身分関係の確認といったような状況がございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 入管事務所だとか市町村の役場だとかそういうことでなくして、私が伺っているのは、町を歩いているときに登録証明書を見せると提示を求められる場合はどういうことがあるんだろうかということなんです。この提示に関しては、今おっしゃられたような入国管理に関するお役人、入国警備官だとか警察官だとか各種の方が「その職務の執行に当たり」提示を求めることができると、こう書いてあるわけなんです。「その職務の執行に当たり」というのはもう少し細かく言うとどういう場合になるんでしょうか。  結局、私が伺いたいのは、職務の執行に当たり提示を求めることができる、だから「その職務の執行に当たり」ということの要件が非常に厳格になってくれば提示を求められることはほとんどない。それは先ほどから申し上げているように犯罪人になった場合は別ですよ。犯人として逮捕されるとかどうとかそういう問題は別にして、普通の外国人が普通に町を歩いていて提示を求められる場合があるのかないのかということなんです。いかがですか。

佐藤勲平法務省大臣官房審議官

○説明員(佐藤勲平君) 委員の仰せられる町を歩いているという、ただそれだけでそのような場合が起きるかどうかについて、私余り想像力がないのかもしれませんけれども、ちょっと考えられませんが、ただ今入管局長が申し上げたように、入国警備官の職務と申しますのは、地方入国管理局なりの事務所だけで行う事務ではございません。いわゆる摘発というような場合で事務所の外に出て職務を遂行するということも当然あるわけでございまして、そのような場合に質問をする相手の人が外国人である場合に、その人がどのような人かということを尋ねる際に外国人登録証明書の提示を求めるということはあり得ようかと思います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 それは非常に重要な問題なんです。例えば、町を歩いていて、いわゆる外国人の中でも、白人だからこれは外国人なんだろうから、ちょっとあんた登録証を見せるとか、あるいはしゃべっているのを聞いて、どうもこの人は朝鮮なまりがあるから朝鮮人じゃなかろうか、登録証を見せろというふうなことが職務の執行に当たって提示を求めることができるなんということには到底ならぬと私は思う。もう一度お伺いします。

佐藤勲平法務省大臣官房審議官

○説明員(佐藤勲平君) 委員のおっしゃられたその状態であれば、私としては余り提示を求めるような状況はなかろうかとも思います。ただ、その周囲の状況によってはそれが全くないとは言えないのではないかというふうに思います。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 何を言ってるんだかよくわかりませんが、私が言いたいのは、悪いことをしない限り提示を求められる筋合いは何もないということなんです。悪いことをしているなら提示を求められるどころか手錠をかけて連れていかれるんだ。これはやむを得ぬ、悪いことをしたんだから。そうじゃなくて、何もせぬ人が提示を求められることはないだろうと、提示を求められることがなかったら携帯させる必要もないじゃないかというのが私の考え方なんです。  なお、これについてはまたこの法案が成立した後であれ何であれ、この提示義務の履行の問題、日弁連の方でも、この提示義務を求めることについての違法な権力行使というふうな問題もあるから、これはまた後日お伺いします。  最後に、ともかく経過規定についてもう少し伺おうと思ったんですけれども時間がありません。経過規定によって、今まで一度も押していない人はともかく、一度押してある人の二度目以降の押捺拒否に対する処罰をして日本じゅうに裁判を起こしてもしようがないんです。先ほど矢田部委員からの質問に、大臣もいろいろ難しい、しかし高度に政治的な御答弁をいただいたんですが、私もこの辺をともかく何とかうまくやってもらいたい、こう思うんです。そうでなければ、私も弁護人としてこんなものは憲法違反だなんて裁判であっちこっち飛び回らにゃならぬということにもなるわけなんです。よろしくお願いします。  以上で終わります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 重要な法案の質問は、前回に続いて今回もさらに行いますが、その前に、一般調査案件にかかわる質問として緊急の問題として質問をしたいことがございますので、その問題から質問をしたいと思います。  実は、昨日の新聞を見て驚いたのでありますが、今、大阪で花の万博が進んでおります。その花の万博の工事をめぐりまして、業者が入札をするわけですが、その入札が談合によって行われたという重大な疑いがある、こういうことが大きく報道されているわけであります。花の万博どころか、花を汚す汚職、腐敗が起ころうとしている。こういうことは断じて許すことができないわけでありまして、まずこの問題を明らかにしていきたいと思います。  建設省、お越したと思いますが、今、花の万博はどういう趣旨で、どういうように国としても支援をして進めている問題ですか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) 花の博覧会は、二十一世紀を目前に控えまして、人間と花と緑という関係をとらまえまして、豊かな社会の創造に寄与するために開く国際博覧会でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 その国際博覧会の中核的な施設として花の休憩所というものがつくられる。この花の休憩所というのはジャングルの熱帯植物からアルプスの高山植物までを集めた我が国最大級の植物園にする、こういう規模壮大なもので、面積約七千平米、そして総事業費は四十一億を超えるということで、まさにこの事業の第一号事業として着工されている、そういう重要な事業であることは間違いありませんか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) そのとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 こういう大きな、そしてまた、国として積極的に進めている事業に関して業者が談合等暗い影あるいは犯罪の影、こういうものをこういう事業に植えつけるようなそういう不法行為をやるということは国としても許すことができぬ、そういうものだと思っておりますが、どうお考えですか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) 非常に好ましからざる問題であると思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 当然のことですね。  ところで、朝日新聞が大きく報道したところによりますと、この問題の空調設備工事は、空調機器などの空調本体、それともう一つは換気、ダクトなどの配管系統、この二つに分かれて入札をされているようですが、大手の指名十二業者がこれに参加をして、十六日入札がそれぞれ行われたという事実は、これは間違いありませんね。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) はい、そのとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 きのう質問通告をしておきましたから既にお調べと思いますけれども、この二つの工事について空調本体を入札した会社、配管系統を入札した会社はどういう会社ですか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) 一つは朝日工業社でございます。もう一社はダイダン株式会社でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 朝日工業社というのは空調本体を入札した会社ですか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) 空調設備その一、その二と分かれておりまして、今おっしゃったように本体ということで私把握しておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 もう一つ名前をおっしゃった会社は配管系統ですか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) 私の手元の資料では設備その一、その二になっておりまして、配管がどうかというのはちょっと持ち合わしておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それじゃ、要するにその二社がそれぞれ入札したということはわかりました。  今、大阪市はその契約にストップをかけている、こういうことですが、そう報告を受けていますか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) はい、そのとおり受けております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 契約にストップをかけたその理由はどういう理由だと報告を受けていますか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) 談合の疑いありというふうに聞いております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 この事件について新聞が報道するところによりますと、十六日に入札が行われるけれども、これに先立って八日と九日に実は談合がなされた。それで、それぞれその一、その二を今おっしゃった会社が入札するということに談合の結果決まった。そして入札が行われる十六日の日には、これは大阪市役所近くの喫茶店で談合の仕上げをする、そのためのいわゆる札渡しと言われることが行われるという内部告発の情報が朝日に寄せられた。朝日新聞はそのことを大阪市に通告をして、結果ふたをあけてみるとそのとおりの会社が落札をしているということが一つは明らかになっている。だから、まさに談合の結果だという疑いが濃厚であります。  それだけではなくて、十六日朝の札渡しと称せられるそれが市役所の近くの喫茶店で行われた、この事実が現に確認をされているわけであります。札渡しというのはどういうことかというようにお考えになるかもしれませんが、要するに談合の結果落札する価格が決まっているので、入札をしないほかの業者に、これこれ以上の金額で、あるいはあなたは幾らで札を入れなさいということを紙を渡してそれぞれに指示する、そういうことでありますから、まさに談合の仕上げであります。  そういうことが実際にその通報どおり当日の朝喫茶店で行われたということで、その模様が新聞で堂々と報道されている、こういうわけでありますから、まさに現場が確認をされた、こういう事案であります。そういう状況で、大阪市としてもこの問題については契約をそのままするわけにいかないということで、急速契約中止の処置をとったということだと思うのですが、そういうように報告を受けていますか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) 調査をしているという報告は受けておりますが、その現場をおっしゃったように押さえたという話は聞いておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そうですよ。私は現場を市役所が押さえたとは言ってないんです。現場が押さえられた写真まで報道されている、そういう重大な事案の明るみに出た状況であるということは報告を聞いていますか。

中山晋建設省都市局国際花と緑の博覧会推進室長

○説明員(中山晋君) はい、聞いております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 刑事局長、談合罪というのは、構成要件的に言いますと刑法九十六条ノ三だと思いますが、わかりやすく言えばどういう行為を処罰するということなんでしょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 公正な価格を害しあるいは不正の利益を得る目的を持って談合したということが構成要件になっておるわけでございます。  これはもう少し解説いたしますと、入札者あるいは競売人がお互いに通謀いたしましてある特定の者をして契約者にする、そのためにほかの者は一定の価格を決めて入札するとかあるいは入札をしないとか、そういったことを協定することをいうというふうに言えると思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 罰則はどうなっておりますか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 二年以下の懲役または百万円以下の罰金であります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 これは公の公売入札に関してその不正を許さないために設けられた規定ですね。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) そういうことでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 したがって、もうけのために、公正であるべき公の入札及び事業の遂行という公益的な事業に、私利私欲をもって不正を働いてこういった行為をやるということは、厳しく処断するのは当たり前であります。  そこで、刑事局長、今御説明いただいた構成要件、よくわかりましたが、その点からいえば、今私が指摘をした大阪の花博工事に関連をしたこの問題で、業者が特定の者を入札したとすることに談合して合意し、それを行うためにほかの指名入札業者には特定の価格以上の価格で入札するようにそれぞれ札渡しをして、そして相意思を通じて入札をするという行為をやったというこの事実が新聞で報道されているとおりの事実だとすれば、私はこれは刑法で言う談合罪に該当する違法行為だときっぱり言わざるを得ないと思いますが、いかがですか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 御指摘のような事実関係が証拠によって十分に証明されるならば、刑法九十六条ノ三の談合罪に当たり得るであろうというふうに思われます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 建設省、お聞きのとおりであります。  したがって、建設省としても、大阪市は工事を中止して調査すると言っているようでありますが、この工事は国の責任においても進めている大事な工事でありますから、まさに談合罪に該当する疑いが十分ある事案として徹底的に調査を国としても大阪市に指示をするのが当然だと思いますが、その指示はしていただけますか。

渡辺弘之建設省建設経済局建設業構造改善対策官

○説明員(渡辺弘之君) 先ほど中山室長から申し上げましたように、本件につきましては、大阪市が現在鋭意調査中ということでございますので、その結果を見守るというふうに考えておるところでございます。  関係方面の御調査の結果、仮に法令に違反するような事実が明らかになったという場合におきましては、建設省といたしましても厳正な措置をとる所存でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 厳正な措置をとられるのは結構ですが、大阪市の調査を単に見守るだけでなく、国として厳正な調査をするよう大阪市にも指導を強められたい、こういうことですが、これはできるでしょうか。

渡辺弘之建設省建設経済局建設業構造改善対策官

○説明員(渡辺弘之君) 本件の工事につきましては、発注者は大阪市ということでございます。大阪市がみずからの責任において適正な業者を適正な手続により落札し工事を発注するというふうに本来なっているわけでございますが、そうした考え方にのっとって大阪市がやられているというふうに考えているところでございますけれども、仮にそうしたことに疑念があるならば大阪市としても十分に調査して厳正な対処が行われるものと信じておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 もう一つ国の方は腰が弱いですね。  談合罪の刑事事犯が成立する具体的なおそれと重大な疑惑があることを私は指摘して、それは避けられない、刑事局長も答弁されたとおり。だから事実とすれば国としても厳正に措置するとおっしゃっているわけですから、大阪市の調査は調査として当然やるべきですが、国としてももっと大阪市に対して厳しく指導すべきだと、こう思います。しかし、調査の結果違法行為があれば厳重に対処するというのですから、ぜひ対処してもらいたい。  そこで刑事局長、この事件について、大阪市は前からこういう談合罪があった経緯もありまして、実は、談合罪が、言うまでもなく内輪での談合ですからなかなか証拠がつかみにくいということもあって、立件するまでに至らない経過もいろいろあるわけです。しかし、今度の場合は国が関与する国際的に花博として大きく打ち出す重大な事業でこういう汚職、腐敗、違法行為が行われるということは国としても放置できないわけであります。今私が指摘したこの件について検察庁としても十分捜査あるいは調査をするという姿勢で臨んでいただきたいと思うのですが、いかがですか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 大阪地検といたしましても昨日の朝日新聞の報道は承知しているところであると思うのでございます。こういうような報道がなされたことも踏まえまして、大阪地検といたしましては適切に対処するものと思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 具体的な告訴あるいは告発ということがなくても、新聞その他で犯罪の端緒を認知し得れば当然捜査権の発動ということはあり得るわけで、大阪地検においてもこうした報道については重大な関心を持って捜査責任者として対処しておられる、こう伺ってよろしいですか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 本件に関しましては、何分昨日の報道で初めて大阪地検も知ったことであろうかと思います。それを知りました以上は、やはり関心を持って対処するものと思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 こういった重大な違法行為については徹底的に解明するという検察の姿勢を貫いて捜査を遂げていただきたい。どういう発展をするかわかりませんが、そのことを厳しく要求してこの質問は終わりたいと思います。  これで一般質問は終わりましたので、建設省、ありがとうございました。  それでは、続きまして外国人登録法の法案に関して質問をいたします。  法務大臣は、前回の質問でもきようの委員会でも、この指紋押捺制度ということについて将来は検討するという方向でいろいろとお考えいただいておる向きの御答弁をいただきました。今度は改善だというお話があるのですが、指紋をとるというそのこと自体は一回であれ何回であれ変わらないわけですね。  そこで問題は、その指紋をとるという国家権力が法の強制で指紋をとる、そのことに人権の問題として、あるいはプライバシー侵害の問題として大きな問題があるということを、今日国際社会の中で日本はどうかという議論をしているわけですから、一定の改善論ということにとどまらないで、やはり基本的に指紋をとるという制度そのものがどうかということに、大臣がおっしゃるように、将来も深く突っ込んで検討していただきたいということであります。  その際、具体的にこの指紋制度にかわる代替措置としてどういうものが考えられるか、私どもは写真でどうかとか、いろいろ申し上げてまいりました。どういうことが考えられるかということについて、将来積極的に検討をするために政府部内に適切な機関を設置していただいて、その検討を進めるというようにしていただく必要があるのではないかと思います。大臣はわざわざ、いつまでも私が大臣していないので、必ず申し送りしておきますということを国会において明らかにされておりますが、その申し送りの前に、大臣の御指導でそういった研究機関、そういうものを設置するということでやっていただくというお考えはいかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 今、この改正案を御審議を願っておる、間もなく時間の問題で採決していただけるものと、こう承知をいたしておりますけれども、それに当たって今、これからの問題を申し上げるというのもちょっとどうかなと、こう思いますけれども、私自身としてはこの改正法が定着して、その結果を見守っていかなければならぬということも一つございます。そういうふうな点を考えて、何としても永住者の方々に快適な生活をやってもらおうということが大切なことだな、こう思っております。  そういうような点で、改善すべき点は、自分たちがこの法案をつくったんだから法律は守っていかなければいけないんだということだけでなく、そして処罰を目的としておるのではございませんから、そういうような方向でこれから進めていきたいと思いますけれども、まだ改正案が、時間の問題ではあろうと思いますけれども、その矢先に今ここでこういうふうな審議機関をつくって次に対応したいというようなことは、私もまだ大臣はいましばらくやっておれると思いますので、その間に、この成立後に改めてまたお話し申し上げる機会もあるのではないかなと、こう思っております。御理解願いたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私がそういうことを大臣にまず申し上げたのは、大臣のお立場もよくわかってはおりますが、衆議院の委員会の附帯決議で、指紋押捺制度にかわる制度について検討することということが全会一致で決められているわけですね。だから、この附帯決議の尊重と実行という意味において申し上げた次第でございます。  あの附帯決議についてどうお考えでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 附帯決議も法案が通ってからのことでございまして、法案が通れば何といおうと附帯決議を尊重して、推進していきたいという考えでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それでは、これはまあその程度に伺っておきます。  局長に伺いたいんでありますが、今度は一回だけになったというのは、法案の立て方として、例外的にそれが規定されるにとどまっているという形であるのではありませんか、この改正法案について。私の言う意味がおわかりいただけるかどうか。つまり、指紋は一回だけにしたよということが、表の、真っ正面の仕組みではなくて、指紋をとるんですよ、これが法の基本的な建前であって、例外として一回押した人は五年ごとに押すようなことは今度しなくていいようにしますよという、前進だとおっしゃる面は建前から言えば例外的な措置としか見られていないのではありませんかという質問です。質問の趣旨は明快でしょう。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 五年に一回、要するに一生に一回とられるということは例外であって、実際にはいろんな理由で結局五年に一回とか何回もとられるんじゃないかと、そういう…

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そうじゃありません。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) それじゃちょっとまだ御趣旨をはっきり把握し得なかったように思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そうですか、じゃ委員長もう一度。  今度は改善だ改善だと、こうおっしゃるんですが一この改正法案の仕組みを見ますと、十四条で、原則として一回とか何回とか言わずに、「十六歳以上の外国人は、」云々と、こうあって、「登録原票及び指紋原紙に指紋を押さなければならない。」こう書いてありますね、十四条。十四条はこれだけなんだ。だから、これが法の建前として原則なんです。十六歳以上の人は皆さん指紋を押しなさい、こうなっている。ただ、何回かということはここに書いてない。その何回かということについて改善だとおっしゃるのは、その十四条の第五項で、「第一項及び第三項の規定は、これらの規定により指紋を押したことのある者には適用しない。」、こうなりますから、だから除外規定として一回指紋を押した者はもう押さぬでもいいんですという意味の除外規定として法の仕組みとしてはできているということになっているじゃありませんか、建前としては。それはそうでしょう。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) そのとおりであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこで、要するに指紋を押せということなんです。一回だけだとこう言うけれども、押した者は一回だけだというだけの話であって、押すのが嫌だ、押すのを拒否した人についてはどうなるんですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 押捺を確保するように行政的にも努力をいたしますし、また法に定める刑事手続の対象にもなるわけであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 つまり、今局長がおっしゃったのは、十八条の規定によって罰則がありますと、押さなければ、こういうことですね。じゃ、その十八条の規定によって罰則がある前にこの一回の押捺を嫌だと言って拒否した人は今度はいきなり十八条の刑罰によってそれの行為が強制されるというより前に、さらに何回も押しなさいということを法制度的に強制される仕組みがあるわけでしょう、違いますか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 外国人登録法は指紋押捺について物理的な強制は規定いたしておりませんので、あくまで行政的な指導と刑罰による担保ということに依存しているわけであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 その行政的指導はおきましょう。刑罰による威嚇、それも後で触れます。  そして私が聞きたいのは、もしそれを押さなかったということになれば、いいですか、押さなかったということになれば、今度は登録証明書の切りかえ交付、これが五年ごとということが短縮されるというような不利益を受ける、そういう意味の行政的不利益が強制されるのではありませんか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) その規定は行政的な不利益を目的とするものではございませんで、要するに押捺された指紋という同一人性確認の最終的な決め手が提供されていない者についてはより期間を短縮した切りかえ登録によって身分の確認を行う必要があるという理論的な考察から生まれた結論であります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 今のは何条ですか。

佐藤勲平法務省大臣官房審議官

○説明員(佐藤勲平君) 今度の改正案で御提案申し上げてある第十一条の第三項の新設規定がそれに当たるわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 つまり局長、一般的に短縮するんじゃなくて一遍押しなさいという、その一遍の指紋押捺を嫌だと言って拒否した人に対する特別の今度は行政的な処置として、いいですか、わざわざこの三項が今おっしゃるように新設をされた、こういうことですよ。そしてこの三項によりますと、「法務省令で定めるところにより、当該登録の時に当該登録を受けた日から一年以上五年未満の範囲内において指定する日から三十日以内」、この間にもう一遍押し直しなさいということが言われてくることになるんですよ。  そこで聞きますが、「法務省令で定めるところにより、」という、この法務省令というのはどういうものですか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 委員、先ほどこの十一条三項が押捺拒否者のためという趣旨の御発言がございましたけれども、必ずしもそれだけではございませんで、ここの三項に書いてあります該当する者というのはいろいろな場合があるわけでございます。  一つは、在留の資格のあることが確認されていない者、すなわち不法入国者とか不法残留者であります。それから、外国人登録法第十四条第二項本文に該当することにより指紋の押捺をしない者、すなわち在留期間が一年に満たない者も入ります。それから、同じく外国人登録法第十四条第一項または第三項に規定する申請が、代理人によってなされたために指紋を押されていない者。具体的に申しますと、疾病その他身体の故障によりみずから市町村の窓口に申請のためないしは受領のために出頭できないために指紋を押していない者、これも入ります。それから、そのほかに指紋押捺拒否者という場合もございましょうし、在留の資格のない者というカテゴリーには一時庇護のための上陸の許可を受けて上陸した者といったようなものが入ってまいります。  これらの者につきまして、確認の申請の期間につきましてはその該当者、それから登録の確認を指紋によらないで登録の確認をするという合理的な期間というものを定めて、それを省令に定めようということでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこかよくわからない。  もう一度端的に聞きますが、十六歳以上になって指紋を押しなさい、私は私の信念と気持ちから指紋を押すのは拒否します、こういったことがある場合に、その人についてはこの十一条の三項のどこでどうするんですか。具体的に条文を示してここでこうすると言ってください。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 十一条三項第二号でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこで私が聞くのは、それで法務省令で定めるところによって云々とこうあるこの「法務省令」、これはどういうものですかと、こういうんです。もうあるのか、これから定めるのか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) ここにございます「法務省令」と申しますのは、外国人登録法施行規則でございます。現在この種の規定はございませんので、この法律が成立いたしましたならば外国人登録法施行規則の一部改正を行う、こういう段取りになります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私が明らかにしたかったのはそのことなんです。そこで、それがないからここに「一年以上五年未満の範囲において」云々と、こうなっているわけ、そうですね。    〔委員長退席、理事猪熊重二君着席〕 だから、指紋を押すのを拒否した場合には、その次にいつ押せというような命令を市町村長からもらうことになるのは一年で、あるいは三年でそうなるのか、五年でなるのか、これははっきりしていますか、今現在。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) ただいまのお尋ねの趣旨はちょっとわかりかねたんですが、一たん指紋の押捺を拒否いたしましても、登録というものが行われればその者は引き続き指紋押捺の義務はずっと残っております。  ただ、今度の規定では、従前は五年ごとに、仮に指紋押捺を拒否した人であっても次の確認の期間は五年先であるという規定でありましたものを、今度は一年以上五年未満の範囲内において次の確認の期間を短縮することができる、こういう趣旨でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だから、短縮される方は短縮される不利益を受けますよと、こう言うんですよ、そうでしょう。ほかに何の理由もないのに短縮されるんだ、指紋の押捺をやらなかったというだけで短縮される。だから、指紋押捺をやったら五年でいいやつが、やらなかったからということで、ここに書いてあるように「一年以上五年未満」のどこに来るかわからぬけれども短縮される、こうなるんです。いいですね、そうでしょう。  そこで、一年以上五年未満だから、どの辺で二年にするか、二年半にするか、三年にするか、これはどういう要件で、だれが決めるんですか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) これは先ほど申し上げましたこの一号、二号に該当する場合、いろんな場合がございます。それぞれの場合に応じて、その内容に応じてこの種のケースは、例えばでございますが一年とか、このケースは例えば二年とか、三年ないしは四年というふうに具体的に個々のケースについて法務省令で指定する。したがいまして、例えば今指紋押捺拒否ということだけを考えてみますと、それにつきましては例えば二年とか三年とかという期間を特定いたしまして省令に規定する。したがいまして、市町村長はその省令に従いまして、仮に二年と決まれば二年の期間を指定すると、こういう形になります。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) ただいまの御質問に対して、省令は最終的に法務大臣が決定いたします。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それで、今おっしゃったように二号に関するいわゆる指紋押捺拒否に対して、一年以上五年未満の範囲内で省令で何年で決めるか、これは何年ぐらいの見当なんですか。これは大臣でなくても、実務ですから。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 法案成立後にいろいろの議論、社会環境等を考慮して決定したいと思いますが、今まだ何年ということは考えておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 しかし、何年ということが全然わからないというのは、法案の審議については重大な私は一つの欠陥だと思うんです。というのは、指紋の押捺を拒否したら、今度は五年じゃなくてもっと短く言ってこられるよということだけがわかって、そして省令で決めるんだよと、それじゃそれはどのぐらいなのかということについて今全然わからないよと。これはこの法を適用される人にとって、言ってみれば白地で政府に問題を預けているようなことになるわけです。しかも、この期間で押捺を拒否するということになれば、再度押捺拒否という十八条違反の罪が成り立つということに刑事局長なるんですね、どうですか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 白紙でというわけではございませんが、とにかく一年以上五年未満ということでございまして、さらにまた、これは我々も永住者に対していろいろPRその他もしていかなければならぬ、理解と協力を求めなければならぬ、日本国民も外国人も日本に居住する限りは、日本の法律というものは守っていただいてこそ初めて立派な社会、民主主義社会が構成されていく、こう思いますので、そういうような点の理解もちょうだいしなければならぬことだし、そういうような点を考えると五年未満ということで、その中で、一応は指紋の押捺を拒否したけれども、それほどあれならば指紋を押そうという心境の変化といいましょうか、日本の法律に対して理解をしていただく方も出てくると思うんです。  それが、ぽんと五年間投げておいていいのかどうか、なかなか向こうの方から出づらいという点もあるのではないかなという感じもするので、どうでしょうかとその気持ちのころにこちらの方も理解をもらうという点等も考えてみなければならないのではないかなと、こういうような点を今検討しておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 お言葉を返すようですが、この点について私は大臣のお考えには賛成しにくいんですね。  刑事局長に伺っておるわけですが、登録拒否をしますと十八条の違反の罪を成立させるということが考えられるでしょう。それの時効は三年ですね。今ですと五年ごとですから、次の五年先にもう一遍指紋を押せと言われてそれを拒否するというまでにこの三年の時効は進みますから、時効は三年ですから今拒否した者はその責任は時効で消滅する可能性がある。ところが、今度こうなりますと五年以内に抑えられますから、例えば三年以内に抑えられ、今大臣は検討中だとおっしゃってわからぬのですが、三年以内に短くされますと五年を待たずに二年先にもう一遍呼び出されて指紋を押せと、こう言われますと、前の押捺拒否罪それから、今なら五年で時効で消えて罪が重なりませんが、今度は三年以内にもう一遍拒否をしますと累犯ということになる可能性があるんじゃありませんか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 累犯は「懲役二処セラレタル者其執行ヲ終リ又ハ執行ノ免除アリタル日ヨリ五年内二更二罪ヲ犯シ有期懲役二処ス可キトキハ之ヲ再犯トス」という規定になっておるわけでございます。したがいまして、仮に罰金刑に処せられた場合にはそれは累犯にはなりません。この刑法五十六条に記載されておりますように、懲役刑に処せられますと累犯になる可能性というのは出てくるわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私が言うのは、一つは時効の利益が失われるという可能性があり、そして実際刑に処せられれば今度は累犯ということになって追っかけていかれるということになって、改善とおっしゃいますけれども、一回というもののその一回の指紋の押捺を拒否すれば今度は期間を短くしながら行政上の命令とそれから刑罰の制裁の威嚇で追っかけられるということで、結局指紋をとるまで追っかけられるのではないだろうか。もしも数次拒否するということになってどうなるかと言えば、局長がおっしゃったように刑事上の刑罰の制裁があるということですから、刑罰の制裁を加えられますと今度は今まで何遍も拒否しているからということで、あるいは累犯加重ということで法律上も刑が重くなって罰金で済まされずに禁錮以上あるいは懲役という刑に処せられる。こうなりますと、今度は在留資格そのものを失って退去強制命令の対象に法律上はなるのではありませんか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 押捺拒否というようなことで懲役一年というようなことになるかどうか私も全く見当がつきませんけれども、仮にそういうことがあるとすればこれは入管法上退去強制事由には該当いたします。  しかしながら、我が国に在住する永住外国人の大半を占める韓国人、朝鮮人の場合には御承知のように協定永住という制度がございまして、日韓法的地位協定によって七年以上の禁錮または懲役に処せられなければ退去強制事由の対象とはなりませんし、また事実上の在留管理上の配慮として均衡の観点から協定永住を持たない朝鮮半島出身者、一二六と言われている方々、あるいは同じような立場にあって特例永住を得た方々につきましてはこの日韓法的地位協定の規定を事実上準用しておりますから、七年以上の懲役に処せられるということがなければ退去強制事由の対象とはならないということはございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それは運用の問題として局長はおっしゃるんですが、理屈の上では退去強制の要件に該当することは一切ないと、こう伺っていいという意味の答弁ですか、これははっきり聞きたいんですよ、局長。  もう一遍確認しますが、今のあなたの答弁は、いいですか、運用上も含めて一回の押捺を拒否したすべての外国人に関して私聞いているんですよ。在留朝鮮人だけじゃありません、韓国人だけじゃありません、これはもう外国人すべてに適用されるのですから、そうでしょう。だから十六歳以上になって指紋を押捺しないというこの拒否をずっと続けるということになって、結局刑罰の制裁を受けるということになる可能性がある。これは局長もお認めになっている。その刑罰の制裁の結果は、情状が重いとか累犯加重だとか法を守る認識がないとかいうようなことで重く処罰をされて禁錮以上の刑、十八条は禁錮以上ありますね。「一年以下の懲役若しくは禁錮」。こうありますから、こういう禁錮もしくは懲役に処せられた場合は強制退去というその要件に該当することに法律上なるじゃありませんかと、なる可能性があるじゃありませんかと私聞いているんですよ。一切そうならないと言えるというふうに答弁なさったのですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 協定永住者とその他の外国人との場合には地位の相違がございます。したがって、退去強制事由の該当性という点においても相違がございます。  先ほど私は七年以上の禁錮または懲役と申し上げたのは間違いでございまして、外国人登録法に関しては禁錮以上の刑に処せられた者につきましては退去強制事由の対象となりますが、刑の執行猶予の言い渡しを受けた者はこれから除かれます。  したがいまして、委員の御質問が我が国の在留者、永住在留者の大半を占める朝鮮半島出身者ということであるならば退去強制手続の対象にこの外国人登録法違反ということを事由として付されるということはないというふうにお答え申し上げることはできるかと思います。ただ、しかしその他の外国人の場合にはそれはその限りではないということであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ですから、まさにその他の外国人については退去強制ということにつながっていくということになるんですよ。  それでもう一つ聞きますが、在留朝鮮人の皆さんについては韓国籍であれ、また北朝鮮民主主義人民共和国を私の国籍だというように選択したい、こういう人であれ差別はありませんか、ありますか。ここは大事なことですから間違いないように答えてください。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 先ほどのお答えは出入国管理及び難民認定法二十四条の規定に関する局長からのお答えでございます。  今度のお尋ねは、その出入国管理及び難民認定法の適用を受けない我が国において協定永住の許可を受けている在日韓国人ということについてお尋ねのようでございますが、これにつきましては七年を超える刑に処せられた場合に限り、もう一つ麻薬その他の場合がございますけれども、一般の場合ですと七年を超える刑に処せられた場合に限って退去強制するということになっておりますので、仮に外国人登録法に違反して六カ月とか一年とかという実刑に処せられたことがあったとしても、そのことは直ちに退去強制事由にはなりません。ただ、委員お尋ねの協定永住の許可を受けていない朝鮮半島出身の人、この人たちは今の協定永住を定める特別法の適用を受けませんので、一般法でございます入管法の適用を受けるということになります。  ただ、もう一つ余計なことを申しますと、退去強制事由に法律上は該当するけれどもその処遇については先ほど局長が申し上げましたように、韓国籍で協定永住を持っている人と同じような処遇をするという方針で臨んでいるということでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だから、処遇方針は同じように差別しないというのは非常に結構です。また、そうあらなきゃなりません。しかし、我が国の法制度としては違うんですよ。ここに大きな問題があるんですよ。だから、おっしゃったように、すべての朝鮮半島出身者の在日在留外国人の皆さん、いわゆる北朝鮮籍を希望する皆さんについても法律的にすべて平等にいってない。これはまさに今日の日本と朝鮮との関係を一つは象徴する不幸な事態からもきているんですが、法制度はそういうことも含めて、この指紋押捺制度について法のもとの平等がどうかというそういう大事な問題もはらんでいるということを私は指摘をしたかったわけであります。だから、指紋制度がなければこういう問題は起こらない。  それからまた、同時に一回限りで改善だと言うけれども、その改善が実際に改善にならないで、今お話したように一般の外国人についても結局は最後は強制退去するぞというおどしになるかならないかというところまで法律的には追いかけられていくわけですから、そういう意味ではその不利益は押すまで一生続いていく、あるいは退去するまで続いていくということがぬぐえない性質のものですから、私は改善ということを超えて指紋制度そのものを見直さなくては根本的な解決はできないということを痛感しているわけであります。  そこで、もう一つ伺いたいのですが、けさも矢田部議員から質問のあった問題、私も重大な関心を持って見ておりました。亜東関係協会であります。この亜東関係協会というのは一体どういうもので、この亜東協会の関係者については指紋免除をしたのはいつからで、それ以前はどうなっていたのか、御説明いただけますか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 亜東関係協会の性格と申しますと、これは日本と台湾との間の各種民間交流が円滑に進められるというために双方が在外事務所を設置する取り決めによってできているということであると承知しております。  それから第二点の、そういう措置をいつからとっているかというお尋ねでございますが、これは昭和五十一年以降ということでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 台湾と我が国との関係について言うなら、御承知のように昭和四十七年に中国との国交回復ということで台湾との外交関係が断絶したわけでございますから、したがってそれまで台湾関係ということで外交官あるいはその関係ということでの特別の権利や利益というものは本来消減をすることになりますから、したがって登録ということについても外国人登録法の適用を受けて、登録、指紋もとるということにならざるを得なかったはずですね。だから、私が聞きたいのは五十一年以前は指紋をとっていたんではありませんかと、こういう質問なんですよ。どうですか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 突然のお尋ねでございまして、ちょっと手元に資料がございませんので明確にはお答えいたしかねます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ああそうですか。それじゃまた調べておいていただけますか。あしたの朝までに調べておいていただけますか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 調べておきたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 台湾関係の民間利益代表部にすぎない亜東協会の職員について五十一年からその登録が免除されたということですが、これは局長もお答えになっておりましたが、これは法律的に免除規定があるわけじゃありませんね、黒木さんでも結構ですが。五十一年から登録が免除されているわけでしょう。だけど、法律的に免除できる条項があって、その規定で免除しているわけじゃありませんねと、こういう質問です。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 外国人登録法上、特定のこういう種類の人たちと申しますか、については外国人登録を免除するという明確な規定はございません。例えば、外交官といったような人たちについて登録を免除するとかというような規定はございませんで、こういったものは普通条約に基づく免除という措置がとられております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だから、台湾の亜東協会の職員については、条約上というようなことはないんですから、したがって法的具体的な実定法上の免除の根拠規定はないと、これははっきりしていますね。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) そのとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そうすると、法律に根拠がないのに免除されるというのは、免除してよろしいという法律の適用じゃないんですから、そういう法律はないんですから、この免除というのは法律的には一体どういう意味を持っておるんでしょうか。だれがこの免除をできるんでしょうか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 二つあると思います。一つは、条約その他の法律によって免除される場合が一つございます。それからもう一つは、その人の置かれている、何と申しますか、例えば公用入国者であるとか、外国の公務員であるとか、こういった人たち、それから先ほど申し上げましたその人の身分関係、居住関係が明らかになっている人たち、こういった人たちにつきましては必要に応じて登録を免除するという措置がとられております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ちょっと待ってくださいよ。黒木さん、今大変なことをおっしゃいましたよ。  条約や外交官、それはいいですわ、条約、協定。それ以外に住所とか生活関係が明瞭である外国人の人には登録免除できるという規定はどこにあるんですか。どこにもないでしょう。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 登録法上にはございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ないでしょう。登録法上にないけれども、住所とか職業その他地位関係が明確であったら免除してもらえるというんなら、不幸にして我が国に長く祖国を離れて我が国に在住しておられる韓国人の皆さん、朝鮮人の皆さん、二世、三世の皆さん、ちゃんと学校にも行き、家もあり、職業もある。皆明らかですから、みんな免除したらどうですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) この点は、午前中の答弁においても御説明申し上げた点でございますけれども、外交官であるとか、外国公務員であるとがの人々について、明文上の規定がないにもかかわらず、国際条約あるいは国際慣習その他を準用して実際に免除の取り扱いをしていると申しますのは、外国人登録法の本来の目的であるところの外国人の居住関係、身分関係の明確な把握ということが、これらの人々の所属する外国公館あるいは外国政府を通じて明確に可能であるという点にその理由があるわけであります。したがって、そうした物の考え方を準用いたしまして、亜東関係協会というのも民間機関ではございますけれども、その機関を通じてそれに所属する一定の人々の我が国における在留につきましては枠がありまして、その枠の範囲内で実際に明確に取り扱いを行っているわけでありますから、そういう統一的な身分関係、居住関係の把握ということが間違いなく可能であるということ、要するに個々の人々について調査の上確認するというのではなくて、統一的な所属機関を通じて、その機関の信用性と申しますか、そういう関係から判断いたしまして、外交官に免除した場合、あるいは国際公務員に対して免除した場合、あるいは外国公務員に対して免除した場合に準じて、その同じ考え方を適用したということであるというふうに申し上げることができると思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 局長の答弁は二つの点で重大な矛盾があるんじゃないんですか、外交機関がその国の政府を通じて居住関係、身分関係が明確に把握ができるという場合は例外的に枠の中で認めると、こう言うんですが、その枠があること自体私はよくわからぬのですが、特権的な枠になっちゃいかぬと思いますが。    〔理事猪熊重二君退席、委員長着席〕 台湾に対して外交的にそんなことが今できやしません。台湾と外交関係ありゃしない、中国は一つだ、そうでしょう。だから亜東協会の人について外交関係あるいは政府を通じて身分関係、居住関係が明確にできるということをおっしゃるのは間違いですよ。それじゃ今度は中国の人はあるいは韓国の人は今あなたのおっしゃった説明では納得できません。私には韓国の政府があるじゃないですか、私には中国政府があるじゃないですか、中国政府を通じてということで身分関係、地位関係を明確にしようと思えばできますよと言えば登録法を免除しますか、そうならぬでしょう。だから、どう説明されようともこの問題は矛盾の一つなんですよ。今日までの日本の外交関係から出てくるし、それから外国人登録制度と指紋押捺制度ということが持っている矛盾の一つとしてこれはあるんですよ。  外務省お越しいただいておりますが、ちょっと伺いますが、今在日米軍の軍人、軍属、家族、日本にどれぐらい駐留されておりますか。

岡本行夫外務省北米局安全保障課長

○説明員(岡本行夫君) 合衆国軍隊の構成員、いわゆる軍人さんでございますけれども、これは大体五万人強でございます。それから軍属の方々が約三千名おられます。それからその軍人と軍属の家族の方々が約四万五千名、合わせて十万人程度と御承知おきいただきたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 在留外国人で中国からの人あるいは中国以外の国からで十万人程度もおられる国というのはどこがありますか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 十万人以上というのは朝鮮半島出身者だけであろうと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 中国の関係者はどれくらいですか、約で結構です。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 外国人登録数約七万五千でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だから、我が国に在留する外国人の数で言えば二番目に大きな数字である米軍関係、これについて外国人登録法は適用除外されているということですが、その根拠法令はどこですか。

岡本行夫外務省北米局安全保障課長

○説明員(岡本行夫君) 安保条約に基づきます地位協定第九条二項にこのような規定がございます。「合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外される。」、これが根拠でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ですから、米軍関係者は安保条約に基づく地位協定によってこれはもう全部登録が免除されるということになっていますから、だから指紋の問題も起こっていない、しかし、在日米軍の軍人の日本国内における犯罪は沖縄だけでなくて数々あることは御承知のとおりです。裁判権は、公務中は第一次的に地位協定によって米軍が持ちますが、公務外の米軍関係者の犯罪は、裁判権はもちろん日本が持つ。捜査権は裁判権が第一次的にアメリカにある場合であっても捜査権そのものは失われてはおりません。  だから、そういう意味で十万にも及ぶアメリカ人に対する我が国の主権の行使として言えば、非常に大きな部分が適用除外にされてしまっておるということで、ほかの外国の皆さんとの平等な扱いという意味から言えば安保条約がいかに大きな有利な地位を米軍関係者に与えているかがわかるわけですね。こういうアメリカの十万を超える在日関係者については我が国の在留外国人に対する行政として全然ノータッチで何の矛盾も混乱、困難も一切法務省としてはないというお考えですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 在日米軍の関係につきましては、在日米軍という組織を通じて管理が行われております。したがって、この構成員についての在留上の問題が生じた場合には当局としては直ちに問題を提起する相手方があるわけであります。それらの相手方、すなわち先方当局はこれらの構成員に対して身分上の管理権を持っているわけでありますから、その意向によって、交渉の結果によって、あるいは先方の意向によってその処理が可能であります。そういう意味において、これらの構成員については統一的な管理が行われているということでありまして、むしろ一般の在留米国人に比べて在留米軍の場合にはそうした管理がより徹底しているということも、あるいはより容易になっているということも言えるかと存じます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 実態は全然逆ですね。例えば、米軍機墜落で日本人の子供が死んだ。火災に遭ったあの神奈川の椎葉さんの事件でもパイロットについては全然日本は何の追及もできないまま、捜査もできないままでしょう。私がこの間行った米軍機の十津川谷における、奈良の山奥でワイヤロープを切断した事件でもパイロットの名前を言いなさい、こう言っても、外務省を通じて言っても言ってきませんよ。警察が照会したって回答してきませんよ。そういうことですから、日本の主権は大きく侵害され制約されておるんですよ。局長がおっしゃるようなきれいごとで管理ができているんじゃ決してありません。今日まで米軍の犯罪について、それじゃ第一次裁判権を持っているアメリカが日本において犯罪を犯して、その結果どういう裁判をしたか一切報告はないですよ。これは予算委員会でも明らかにしましたよ。  そういうことですから、在日、在留外国人に対する日本の主権に基づく平等な管理ということから言えば、安保条約は大変な特権を米軍関係者に認めて、それ以外の外国人については指紋を強制する。それからまた、常時登録証を携帯せよ、しなかったら罰則、こういうことですから大臣も大変苦慮されて、余りにひどいことにならぬように処罰の問題も考えるということをおっしゃらざるを得ない状況になっている。そういう意味で、私は今日の日本における在留外国人の皆さんに対する憲法の法のもとの平等における本当の行政というものは根本的に考え直さなければならぬということを痛感をしておるわけであります。  そこで、次の問題に、もう時間がありませんから質問を移しますけれども、今度…

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) ちょっと答弁があるらしい。いいですか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 先ほど答弁を保留いたしました昭和五十一年以前の処遇でございますが、外国人登録はしておりましたけれども、指紋押捺義務は一年以上の滞在期間を付与されると発生するということで、その一年以内に必ず一遍国に戻る、それで改めて出直してくる、こういう取り扱いで当時指紋押捺を避けていたと、こういうことでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 指紋押捺を拒否して一たん自分の国に帰るでしょう、中国でも朝鮮でも韓国でも。今度は再入国はなかなか日本は今認めてくれていませんね、実際。局長、どうですか、指紋押捺拒否者に対してすんなり認めますか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 指紋押捺の義務が発生したにかかわらず、その義務の履行を拒否した者については再入国は認めておりません。  しかしながら、それは今の話とは全く関係のないことでありまして、亜東関係協会の職員につきましては当初から一年以上の在留を認められるという資格を得ることなしに単純出国しているわけでありますから、そもそも指紋押捺の義務が発生していないケースであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 先走って答弁してもらわぬでもいいですよ。日本の政府の方から一年になるからはよ帰って、またいらっしゃい、こういう扱いをしているということですよ、今の亜東協会は。ところが、指紋押捺拒否した人には厳しい対処をしているということですよ。こういう差別があったらいかぬのですよ。  次に、質問に移りますが、第四条で登録原票に記載する問題であります。そこで十四で「在留の資格」ということを入れることになりました。そして第六で「国籍」というものも入れることになりました。そうすると、登録カードには国籍が、そして第十四号によりまして「在留の資格」として、例えば日韓地位協定、これに基づいて在留するんだということ、これは全部明白になるようになっていると思うんですが、そのとおりですか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 現在、在留資格と申しますのは入管法に定める在留資格という限定がありますために、ここにございます日韓地位協定に基づく協定永住許可という永住許可、それから在留資格ではございませんが、我が国に在留することができる昭和二十七年の法律百二十六号二条の六項該当者につきましては、在留資格として表示されていないわけでございます。今度この改正を行うことによりまして、そういう安定した地位を持っている人であるということが登録上に明らかにされる、こういうことでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこが問題なんです。安定された地位を持っている人というのは、朝鮮半島の出身者の皆さんについて言うならば、日韓地位協定に基づく韓国との関係において安定した地位を持つということを一層明白にするということであって、先ほども議論しましたけれども、北朝鮮を自分の国籍としたいと、そういう意味で日韓地位協定は差別を助長することになるから反対だということを意思表示した人たちについては、この表示によって今度は日韓地位協定反対の人だなというようなこともはっきりわかることになってしまうことになりゃしませんか。今ならそうはならないんです。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 私どもそういうことは全く考えていないわけでございます。しかも、在留資格として表示されることによりまして、特段不利益を受ける人もないというふうに理解しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 在留資格はいろいろありますわね、そうでしょう。その在留資格はいろいろあるけれども、今度第四条の十四で在留資格としてわざわざこれを決めだというのは、それじゃ現状には一体どういう不便、不利益が、あるいは管理上の問題があるというんですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 現在のところ、朝鮮半島出身者のうち協定永住者については登録証明書の備考欄にその事実が記されているということでありますが、いわゆる法一二六の二の六の該当者につきましては、これを登録証明書に記載する法的な根拠がありませんので全く記載がないわけであります。したがって、全く記載がないという状況、すなわちあたかも在留の資格が全くないというがごとき印象を与える状況は適当でないということで、これを備考とかあるいは記載をしないとかいう扱いではなくて、在留の資格という欄を設けて、そこに統一的に記載をする、その身分関係を明らかにするということでありまして、単に一定の人々が協定永住者か否かということを判別するというだけのことであれば、現在でもその備考欄にそういう記載があるかないかによって判別が可能なわけでありますから、その点について新しい取り扱いが何らかの変更を来すことということはあり得ないわけであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それはそういうふうに伺っておきます。  そこで、次の問題に移りますけれども、今度はいわゆるラミネート方式の問題でありますが、先ほどからも議論になっておりますけれども、確かに市町村の窓口に全部機械を据えつけるというのは大変でしょう。しかしこれは、だからといって入管の方にということで「当分の間」という法律の用語で決めることが正しいだろうか、やはり疑問が残るんですね。ここで言う「当分の間」というのは、当分の間だけれどもいつまでか、これは国の財政事情やらいろんな体制でいつのことになるかわかりませんよという意味にすぎないという感じがする、率直にするでしょう、また実態的にもそうじゃありませんかね。ここらあたりについて将来どういうように、どういうことで当分の間をなくして改善する方針なのか。この方針は明確にしておいていただきたいと思うんですが、どうですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 前の答弁と重複することになる点は若干恐縮でございますけれども、現在の方式を改めて市区町村の窓口でもカードの調製が行われるという事態があり得るとすれば、それは幾つかのケースがあると思います。一つは、この調製の機器が将来非常に安価に製造されるようになった場合でございます。もう一つは、依然として高価ではあるけれども、地方自治体の側の現在の反応、考え方が変わって、例えば外国人人口の非常に多い市区町村については窓口で調製することにしましょうといったようなことになった場合には、例えば外国人人口が五万人以上とか十万人以上といったような地域のみについてその機器を設置する、配備するということは、法務省としては少なくとも原則的に何ら反対する理由はないわけであります。  また、財政的にもそれは可能になるということはあり得るわけであります。しかしながら、現在のように地方自治体の側においてそのばらつきが出るのは困る。隣の市では即日やってくれるけれども、自分のところでは二週間かかるというのでは困るというような、そういう苦情が出てとても手に負えないというような考え方が一般的である間は、すなわちオール・オア・ナッシングという地方自治体側の態度が継続する限りにおきましては、先ほど申しましたように機器が非常に安くなったというような状況を除いては考えられないということは事実だろうと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 答弁する方も非常に困難な問題ですわね、これは一体将来どうなるかですね。オール・オア・ナッシングですから、いつまでもナッシングということもあるわけでしょう、実際問題として、ある自治体は財政基盤ができたから機械を据えますよとや札ないわけですよ、オール・オア・ナッシングだからね。違いますか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) オール・オア・ナッシングと申し上げておるのは、入管当局ではございませんで、地方自治体の方でございますので、地方自治体の方の考え方が変わればこれに対応する用意はあるということはあります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 地方自治体を呼んで来にゃならぬというのは厄介な話で、ここの委員会ではね。これは問題なんですよ。  さて、時間がだんだんなくなってきまして、まだ幾つか課題があるんですが、時間切れになったらやめますが、一応質問に入っておきます。  質問は、十四条の再押捺の命令に関することなんです。どういう場合に一遍指紋を押捺したのにもう一遍押せと言われるか、これは大問題でありますね。一回限りだというのにもう一遍押せという命令が来ることがありますよというんですからね。それじゃ、どういう場合に来るか。それは一つには、「登録されている者と第一項又は第三項に規定する申請に係る者との同一性が指紋によらなければ確認できない場合」、これは猪熊先生も先ほど議論されたんですが、「確認できない場合」というのは一体どんな場合を想定してこの法律はできているんだろうか、これが一つあるんです。  それから、「既に押した指紋の指を欠損している場合」、これは指がなくなったという場合。それからその次に、その「登録原票及び指紋原紙のいずれもが次のいずれかに該当する」ということで、「紛失し、又は滅失したとき。」と。登録原簿ですから本人がなくすわけじゃなくて、登録原簿を保管している市町村がなくすんでしょう。だから指紋を押さされた本人に責任はないことであります。責任はないけれども、市役所の方で何かの職員が何かのことで紛失したからもう一遍来て指紋押せという命令を出す。これもひどい話だと思うんですね。本人に責任のないことですからね。そうしてそれだけじゃなくて、今度は汚れたり退色したりして不鮮明になった、不鮮明というけれども、どの程度退色して不鮮明になるということで命令を出すのか。命令を出した以上はそれに従わなかったら今度は十八条で罰則ですからね、刑罰ですからね、出される方になったら大変でしょう。  だから、そういう意味で、再押捺命令を出せる場合をこのように書いていますが、これらの構成要件は客観的にきちっと見定めができるような具体性を持っていなければ、刑罰の制裁ということになれば憲法三十一条にもかかわる重大な問題になる。そこで一号から三号まで具体的にこういうような場合だということをきちっと、市町村長がそれぞればらばらに再提出命令を出すようなことがないように、命令を出される外国人の皆さんの利益をきちっと守って、無用な混乱と刑罰の乱用を起こさないようにここは規則か何かで具体的にびしゃっと決めるというようなことは考えていますか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 御指摘のように、この取り扱いについて地方ごとにばらつきが生ずるということは極めて好ましくございませんし、これをあらかじめ排除する必要があるわけでございます。そのために入管当局といたしましては、市区町村に対して通達等でできる限り詳細にこの具体的な基準を明らかにしていきたいと思っておりますし、また単に文書を配付するだけではなくて、都道府県に対する研修その他の機会を通じて、そうしたばらつきの生じないようにできる限りの配慮をしていきたいと思っております。  また、減失、紛失についてのお尋ねでございますけれども、そういう場合に改めて指紋を押捺するというのは、単に登録原票が滅失したり紛失したりするだけではなくて、法務省が保管しております指紋原紙も同時に滅失、紛失したというような場合でございまして、こういった一人の人間についての二つの書類が同時に減失、紛失する、あるいは汚損、棄損するということはまず希有のことであろうと思っておりますので、あり得ないに近いというふうに私どもは期待しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 この問題については、その具体的な基準と中身、これは刑罰との関係がありますのでもう少し質問したいと思いますが、きょうは時間が来ましたので、終わっておきます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 前回のこの委員会で指紋押捺の問題性につきましては質問いたしました。そして、法務大臣から将来の問題として制度の再検討について大臣としてぎりぎりの答弁をなされましたから、きょうは指紋押捺の問題を離れまして、今度の改正案の運用上の問題について若干質問したいというふうに考えております。  しかし、その前に、去る十一日の質問のときにも、私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、ちょっと誤解を与えかねない答弁がございましたので、それを再確認しておきたいと思いますが、市町村からの指紋のその原紙との照会があったときに原紙と照合をするその問題に関連しまして、たしか審議官からではなかったかと思いますが、原紙が送られたときに古い原紙と照合している、そのときに合わないものが毎年数百件あるというふうな御答弁がありました。これはちょっと聞きようによりますと数百件不正があったというふうに聞いた人もあるんですけれども、真意は一体どうであったのか、それを確認しておきたいと思います。

佐藤勲平法務省大臣官房審議官

○説明員(佐藤勲平君) 前回の御説明のときにやや私の方の説明不足の点があったようにも思いますのでその点はおわび申し上げますが、私の申し上げた趣旨は、今も委員おっしゃられたように、市町村から法務省に対して指紋の照合に関しての照会があったかどうかというのがまず最初の御質問であったと思いますが、それについてはそれはないというふうに申し上げたわけです。  それで、誤解を招くのではないかと仰せられるのはその次の問題であるわけでありまして、市町村から送られてきた指紋原紙の照合の結果数百件という数字の話になったわけでありますが、その数百件というのは、再調査を要する指紋がある、そういう趣旨であります。  その数百件といいますのは、今申したような指紋原紙による照合によって、前に送られてきたものと今回送られてきたものとの同一性がその場ですぐ確認ができなかったような場合であるわけでありまして、その結果、再調査をした結果、いろいろな場合がありますけれども、大体ほとんどは同一性の確認が結局はできたということであります。その点の御説明がちょっと不足であったかと思います。  そういう意味で、指紋照合を直接の契機といたしまして、それから直接不正登録が発見されたということはありません。  以上でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 その点がはっきり確認できればそれで結構です。  次の問題は、この法律は昭和五十六年に改正されておりますですね。最近の例だけをとりますと、昭和五十六年、これは写真を三葉であったのが二葉にするとか、都道府県知事が行っていた写真の分類整理を廃止するとか。それから五十七年に改正されて、新規登録の年齢を十四歳から十六歳に引き上げるとか。それから昭和六十年に再び改正されまして、指紋を回転指紋から平面指紋に改める。そういうふうに改善されてきたわけですけれども、その結果、外国人管理士何か重大な不都合が生じましたか、その改正されたことによりまして。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 特段不都合は生じておりません。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それでありますならば、これは指紋の問題にまたちょっと返るわけですけれども、指紋制度の根本的な改正はこの一、二年というわけにはあるいはいかないだろうと思いますけれども、年齢の問題で、十六歳までは指紋押捺を免除されているわけですけれども、それをさらに引き上げて、前回西川委員からも具体的な例を挙げて質問されましたけれども、さらにこれを引き上げて、例えば二十歳にこれを引き上げる。まあ二十歳というのは成人になる年ですけれども、自分の将来なんかについてどうするかという判断なんかもできる年齢だと思いますが、その年齢を引き上げる問題につきましては、さらに遠い将来の問題としてではなしに近い将来の問題としても改善してもそれほど不都合が起こらないんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 指紋押捺義務発生年齢の問題につきましては、今般の法改正検討の過程におきましても政府部内で種々検討を加えた点でございます。  率直に申し上げまして、この押捺義務発生年齢につきましては決定的な議論というものはございません。世界的な各国における慣行を一べついたしましても、一歳から二十一歳まで極めて多岐にわたっているわけでございまして、それぞれにその国の実情があって、説明があって行われているものと推測いたします。  十六歳ということに十四歳から引き上げましたのは、十六歳というのは義務教育を終えて社会的に独立した行動をとる側面が多くなる年齢であるということで、そういう御了承をいただいた結果改定が加えられたものでございます。  二十歳となれば、自分の身分上の問題について独立した判断を加える能力は十分に備わるとか、あるいは法律的にもそういう判断を求められる側面が多くなるとかいうのは、二十歳という年齢を主張する際の根拠になるものと存じます。したがって、十八歳であればどうであるとか十四歳であればどうであるとかというような議論はそれぞれに可能でございますので、今後とも検討の対象として議論はされていくものと存じます。今日まで、昭和二十七年の登録法制定以来かなり多数の回数にわたってこの登録法の改正というものは行われてまいりました。その改正の内容はいずれも要件の緩和であったわけであります。その要件の緩和は登録法をめぐる客観情勢の改善、好転ということを背景として行われてきたわけでございますから、今後もこれをめぐる状況が改善、緩和していくということであれば、さらに要件を緩和する余地も当然出てくるものと言い得るかと存じます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 これは制度の根本的な改正ではないわけですから、早急にこの問題は再検討していただきたい、年齢の問題。そのことを希望しておきます。  それから、法令の解釈及び運用の問題、これも既に多くの委員から質問があったことと重複いたしますので、確認の意味で質問するわけですけれども、第四条の十四号、今まで「在留資格」だったのを「在留の資格」と「の」を入れた理由は、今まではブランクであったところに、そこにどういう理由によって在留の資格を得たかということを書くんだ、協定移住者は今まで備考欄に書いていたのを在留の資格欄に書くんだと、そういう御説明だったんですけれども、これによって何か不利益な取り扱いを受けるというふうなことはございませんですね、改正したことによって。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) これらの人々は出入国管理法に言うところの在留資格を付与されている人々ではないけれども、適法に在留を認められている人々であるということが明確となるだけのことでありまして、これによって何らかの不利益をこうむるということは全くあり得ないと思います。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それから、登録証の受領の問題ですが、申請及び受領の問題、第十五条の第二項、これは、本人が受領に出頭できないときは「配偶者」「子」「父又は母」「親族」「同居者」の順位により行わねばならないとありますけれども、この順位というのは、やはり今書いてあるとおりの順位を必ず守らなくちゃいけないものですか。そのうちのだれか一人でもいいんではないかと思うんですけれども。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) ただいまのお尋ねは現行法十五条第二項についてのお尋ねと思いますけれども、ここに書いてございますように、「配偶者」が第一号、第二号が「子」、三番目が「父又は母」四、五と続くわけでございますが、これは「順位」と書いてございまして、結局配偶者が出られない場合はその次の第二順位の子、その次、子が出られない場合は父または母というふうに、順位は法定されております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 そうすると、その順位、例えば配偶者が病気であって行けないというのは、証明書を持っていく、その子供はちょうど学校に行っている、それも証明書か何か持っていく、そういうふうに厳密に順番にやっていくわけですか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 原則はそういうことでございます。ただ、実際の運用につきましてはある程度弾力的な運用を行っております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 実際の運用についてはこの順位にこだわらないという趣旨だと承ります。  それから、市町村長の指定する期間内に受領に出頭しなければならないということになっておりますが、これ、聞くところによりますと、現在大体一週間ということになっているそうですが、これも弾力的に運用することによって二週間ぐらいに延長するということは可能じゃないかと思いますが、どういうふうに指導しておられますか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 受領すべき期間といいまますのは、現在省令で特定の日にちを三日間指定するという取り扱いになっております。ただ、今度の改正法第十五条の第三項でございますが、「受領」につきましては別途また考えたいというふうに思っております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それもひとつ弾力的にやっていただきたいというふうに考えます。  それから、この登録証の受領ですね、この受領が本人に確実に渡るのが目的であるならば、本人、配偶者、子供云々、そういうふうに直接出頭さして渡すよりも、むしろ書留郵便の方が本人の現住所の確認もできるわけですから、書留郵便でもいいんではないかと思うんですけれども、やはり本人を出頭させることが必要でございますか。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 登録証明書は本人携帯義務を課しておりますので、これが確実に先方に届いて、本人が必ずそれを受領したということを確実にする必要がございます。郵便の場合は事故等も起こり得ますので、確実に本人に渡るという方法であればこれはやはり同居している人が取りに来てもらって本人に確実に渡すというのが最も確実な方法であると思っております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 これは根拠法律が違うんですけれども、別の人が受け取って悪用する心配があるというのでありますならば、運転免許証なんかもほかの人が受け取って悪用する心配があるわけですけれども、運転免許証は書留郵便でやっておりますですね。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 運転免許証と外国人登録証明書はちょっと性格が違うと思います。免許証の場合ですと車を運転する際に携帯するということでございまして、仮にこれが到着しなかったという事態であれば、その日といいますか、到着していない間はハンドルを握らないということで済むわけでございますが、外国人登録証明書は携帯の義務がございますので、仮に郵便がおくれて着いたとか届かなかったという場合は本人が動けないという状態にもなりますので、やや免許証と同列に処理するというわけにはまいらないというふうに考えております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 私が言いますのは、本人が出頭して取れば一番いいんですけれども、その配偶者、子云々に用事があって出られないような場合、その場合には書留郵便でもいいんではないか。書留郵便であれば、もし本人が受け取らなけりゃ必ず返ってくるわけで受け取れない。本人も自分のところに来ていないということがわかりますから、照会できるわけです。そういう意味で聞いたわけです。

黒木忠正法務省入国管理局登録課長

○説明員(黒木忠正君) 外国人登録法は受領という一つの行為をとらえておりまして、郵送の場合に、発送してそれが相手方に到達したと申しますか、その場合、それが果たしてどの時点で受領になるのかといったような問題もございまして、私どもも確かに郵送というようなことも議論としてはいたしましたけれども、どうも外国人登録の制度上なじまないということでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 これも将来の検討問題として考えていただきたい。今すぐということはあるいはできないかもしれませんけれども、考えていただきたいと思います。  それから、これも今まで多くの委員が質問されたことですけれども、附則の9の「市町村の長が作成して交付する登録証明書の調製に関する事務のうち法務省令で定めるものを、当該市町村の長からの求めに応じて」、地方入国管理局は「処理するものとする。」、これに関しましてことしの九月でございましたか、ある新聞を読んでおりましたら、識者の意見という意見の中に、指紋入りのカードを国の機関がつくることは国が外国人を直接管理するための第一歩ではないかというふうな意見が出ておりましたけれども、この人の意見は正しいですか、どうですか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 外国人登録制度というものは、本来国の機能でございますから国の機関が行うということ自体に問題とさるべき点があろうとは思われないんでありますが、これは行政の便宜の上から機関委任事務として市区町村、要するに自治体にその実際の業務を委託してあるわけでございます。したがって、現在行政の主体は地方自治体、直接には市区町村でございます。この仕組みを私どもはこの法改正を通じて変更するという気持ちは全くございません。地方入管局においてカード作成の作業を担当するということは、単にその作業の便宜の上から手配をしようとしていることでございまして、それ以上の積極的な意味は何ら考えていないのが実態でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 次は、これもたびたび今まで多くの委員から質問があった問題ですけれども、常時携帯義務について。これも確認の意味で質問しておきたいと思います。  警察の方、見えていますか。——実際、現場でどういう取り締まりが行われているか。今までの御答弁で、例えばふろ屋に行くとか、買い物に行くとか、そういうふうなときは含まれないんだ、そういうときは実際には問題にしていないんだというふうに承ったんですけれども、取り締まりの実態はそういうことでございますね。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 警察庁としてたびたび御答弁いたしておりますごとく、近所のふろ屋あるいは近所の商店に買い物に行く、その際にたまさか証明書を忘れたという場合にまで必ずしも立件すべきものだとは考えておりません。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それを質問しましたのは、私の友人のあるアメリカ人が、これは昭和六十年以前ですからちょっと時代的には古いんですけれども、朝ジョギングをしておりましたら外人登録証を見せると言われた。持たなかったら派出所から本署まで連れていかれたという例を聞きました。それから、これも同じ人ですけれども、中野駅前の中野サンプラザ、あそこのプールに泳ぎに行っていたら、やはり同じように外人登録証を見せると、これなんか全く嫌がらせじゃないかと思うんですけれども、現在もそういうふうな取り締まりをやっておられますか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 今、先生御指摘の事案につきまして、具体的な中身は承知いたしておりません。ただ、これまた一般論でありますけれども、近所でジョギングをなさっているときに登録証明書の提示を要求するというのは通常なかろうかと思います。  ただ、これまた一般論を申し上げるわけでありますけれども、不携帯事案の取り締まりあるいは外登証の提示要求というのは個々の事案ごとに応じて判断すべきものでございます。したがいまして、たとえ近所でありましても提示を求める場合というのは当然あり得るわけでございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 特殊な場合には提示を求めることもあるでしょう。しかし、例えばジョギングとか、うちにとりに行けばすぐわかるというふうなことがあるんで、ジョギングのときには入れるところもないわけで、うっかり持って走っていたら落としてしまう。したがって、自宅にそれが保管してあれば、その自宅まで行くのに一日がかりで行くとか、遠いところに行っている場合はこれは別ですけれども、自宅にとりに行くのに一時間ぐらいの範囲内でとりに行ってそれを見せることができれば、そういう場合にはいわゆる常識的な取り扱いとしてやかましく言わなくてもいいんではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 例えば一時間ということでございますけれども、基準を設けるということにつきましては、再三申し上げておりますごとく、個別の事案ごとにその場所あるいは時間、例えば夜中であるとかいうそういう時間的な関係も考慮いたしまして処理いたしておるわけであります。その意味におきまして、一時間以内あるいは数時間以内で確認できる場合は処理しなくてもいいではないかという御質問でありますけれども、かかる統一的な基準を設けるのは甚だ困難でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それじゃ、例えば通学ですね、毎日毎日学校に行っている、これも夜中あたりだったらば、これはちょっとおかしいですから見せるということは言えると思いますけれども、普通の時間に登校して普通の時間に帰ってきている。そういう通学なんかの場合、これもやはり一々見せろということを言われるわけですか。持たなければ問題にされるわけですか、

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 不携帯事案の取り締まりという面からの御質問がと思います。  例えば、少年で通学途次たまさか携帯していなかったというような場合につきまして、少年の健全育成という観点から事件として処理しない方がいいという場合も当然あり得るわけでございます。そのような場合につきましては事件として処理せずに、始末書なりあるいは注意処分でやっている場合も現にあろうかと思います。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 先ほどの中野サンプラザのプールに行っていた外人の話ですけれども、調書をとられたそうですけれども、これなんかでも注意を喚起するという程度で差し支えないんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか、そういう場合。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 具体的な事案について承知いたしておりませんので、いかんとも申し上げづらいんでありますけれども、プールサイドで提示を求めるというのは、これ一般論でありますけれども、通常は考えられなかろうというふうに考えます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それから、これも実際に私聞いた話なんですけれども、常時携帯義務違反を問われるのは交通警察で免許証を持っているかどうかと、そのときに外国人であると外人登録証を持っているかどうかということを尋問される。その場合に、例えば調書をとられる場合でも、なぜ持っていないか、忘れてきたと答えると、忘れてきたというのは理由にならないんで何か理由があるだろうというふうに質問されて、何とかかんとか書かされるらしいんですけれども、忘れてきたというのはこれもう立派な理由になるんであって、忘れてきた理由を一々聞きただすということは不可能じゃないかと思うんですけれども、忘れてきたというのじゃ通用しないんでしょうか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 御質問の趣旨がいま一つ明らかでないわけでありますが、登録証明書の不携帯という事案につきましては当該事実のほかどこに置いてあるか、あるいは一般的に何らかの動機があるのか、そういう点について取り調べを行うのはこれまた一般的な取り調べ内容でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 法務大臣に、常時携帯義務についてお願いしておきたいんですけれども、この法案が成立した後において、運用上の問題について必ずしも先ほど法務大臣が答弁された趣旨のことが徹底していないケースなんかがあるように思うんですけれども、常識的に取り扱う、その常識の範囲、どこからどこまでが常識かということはなかなか難しいんですが、取り締まる側ではなしに、できるだけ普通の人の常識に合致するようにこれを運用していくということを警察庁長官あたりにも十分徹底さしていただきたいと思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 先生のお話でございますが、今までも、かつて昭和六十年ですか、法務大臣と国家公安委員長との話によって非常に常識的、弾力的な運用を要請した、その結果が、先生の先ほどのお話はその前だという話でございますが、その後逐次運用の面において大変改善されたと、こう承知をいたしております。しかし、この改正に当たってさらに皆さん方がもろもろ御懸念を持たれておりますので、機会をとらえて国家公安委員長に対して改めて法務大臣として要請しておきたい、このような考えでございますけれども、御承知のとおりこの法令は常時携帯が原則でございまして、自分の方で常時携帯の罰則の規定をつくっていて、それを運用において十分常識的な運用をしてほしいと言うのも法務大臣としてちょっとどうかなとも思いますけれども、あくまでも永住者なり登録者に対して処罰するという姿勢でなく、やはり常時携帯を指導していくという建前をとっていきたい。そういうような点で国家公安委員長にも、先生のお話もございますが、よく要請をしておきたい、このように申し上げておきます。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 警察庁におきましても、登録証明書の提示要求あるいは不携帯事案の取り締まりにつきましては、社会常識に沿うように、かつ柔軟にこれを処理することにつきましてはかねてより指導を行っておるところでございますし、今後ともその方針で都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 本省におられる人はよくわかっておられると思うんですけれども、それが現場には必ずしも徹底していないことがしばしばあるように思いますので、その点を、現場の取り締まりに当たる人たちに対して十分徹底するようにさらに御努力をお願いしたいと思います。  それから、押捺拒否者に対する今後の取り扱いの問題ですけれども、これも既に各委員から再三質問されたことでございますから、私からも希望を申しておきたい、希望を述べるにとどめたいと思いますが、この改正案が施行された後に、今まで確認のための指紋押捺を拒否してきた人に対する行政罰、再入国の拒否、そういったふうな問題について行政裁量で余りやかましく言わないというふうな問題、これは今なかなか答えられないでしょうけれども、ひとつ大臣としてもその問題について十分御配慮を願いたいということを希望いたします。いかがでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 外国人で指紋押捺を拒否されておる方だと、こう思いますけれども、先ほど来申し上げているとおり、日本国は法治国家であるということを御理解を願って、より民主的な、自由な、立派な国をつくり上げていく、登録者の方々にも快適な生活を送っていただくというような方向で、できるだけひとつ拒否者の方々にも御理解をちょうだいいたして、日本国に居住する限りは日本国の法を守って理解され、そして遵守してほしいというようなことを強くこの場をかりて要請をしておきたいと思います。  先ほど来申し上げているとおり、私どもとしては取り締まり、罰則ということを原点に置いて進めておるものではないということを御理解願っておきたいと思います。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 二、三分時間がありますので、これは入国管理法上の問題ですが、質問しておきたいと思います。  それは、中央公論の今出ております十月号に竹内弘高という人が「人的鎖国体制から脱皮せよ」ということで、外国人労働者の問題でありますとか、あるいは帰化の問題でありますとか、いろんな問題についてもっと国際化を進めていくべきじゃないかという趣旨から論文を書かれておられますが、その中に国際結婚の問題を述べられているわけであります。それで、昭和五十九年の国籍法の改正で外国人を父とし、日本人を母とする子供の日本国籍の取得が可能になった、この点は私は非常にいいと思いますが、国際結婚をしている外国人がその在留資格を更新する場合に、こういうふうなことが書いてあります。「たとえば、日本の入管法上、国際結婚を行なった外国人は最高三年の在留資格しか有することができない。以後これを更新することは、きわめて煩雑なうえ、更新を拒否される可能性も常にあるから、居住の不安定さを避けることができないのである。」云々ということが書いてあります。  私は、実際に外国人——アメリカ人やイギリス人の中で国際結婚している人たちですけれども、二、三聞いてみました。そうしたら、人によってはその更新は別に煩雑でもないし、更新を拒否されることはないんだという人もありましたけれども、別な人は、あなたはまだ子供がいないから三年の更新は無理であって、一年間しか認めないんだというふうなことを言われた人もありますし、それから、結婚をしていることの証明に写真を提出しろというふうなことを言われたこともあるそうです。  もし、そういうことが頻々と行われているのでありますならば、ここに書かれているようなことですね、私はこれはもうごく例外的なことだけを誇張して言っているんではないかと思っていましたけれども、そういうふうなことが頻繁にあるようでありますならば、これはやはり極めて煩雑な事例ということが言えるんではないかと思うんですけれども、現在どういうふうな方針でやっておられるのか、国際結婚した場合の在留資格の更新の問題です。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 国際結婚につきまして入管当局が問題にしますほとんど唯一の点は、その結婚が本当の結婚なのかどうか、要するに偽装ではないのかどうかという点だけでございます。  その結婚の真正さが立証できる、確信ができるという事例につきましてはその手続が煩雑であるとか、あるいはその期間が一年に限られるとか二年に限られるとかいうようなことはないはずです。日本人の配偶者の場合には在留資格四−一−一六の一という特別の資格がございまして、その在留期間は最高三年でございますけれども、さらにそれ以上の処遇が行われないというのは先生の御指摘の論文の誤りでありまして、これらの人々につきましてその婚姻についての疑いかなければ永住という許可が一般よりも簡易に認められるという扱いが行われております。すなわち、一般には永住許可というのは素行が善良であるとか、あるいは独立した生計を維持する能力があるとかというような要件を条件としているわけでありますけれども、日本人の配偶者の場合にはこういう要件を問わないということになっておりまして、簡易に永住も許可されるということになっております。  したがって、もしその審査の過程においていろいろうるさく言われたというようなことがあるとすれば、それはその婚姻が本当に真正なものであるかどうかということについての疑いがあったのではないかというふうに思われます。そういうことがありさえしなければ、手続が煩雑であるとか取り扱いが厳しいとかということはほとんどあり得ないことであります。  現に、昭和六十一年度一年間について、昭和六十一年度暦年でございますが、一年について見ますと婚姻を理由とする在留期間の更新許可申請のうち、許可になったものが二万三千六百四十二件ありまして全体の申請数の九九%を占めております。したがって、直ちに許可にならなかった案件、不許可になった案件八十七件、短縮あるいは出国準備として短期間の許可が認められた案件が百三十九件、両方合わせても一%ということでございます。この統計からも明らかでありますように、日本人との婚姻を理由とする滞在の延長あるいは許可につきましては、私どもとしては今申し上げたようなことで、その真正さに疑いかなければ全くほとんど自動的にこれは処理し得るという方針をとっております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 今の人の例は、一九八二年に学生結婚した人なんですけれども、八六年までは一年の更新期間しか認められなかった。子供がない。八七年、ことしやっと三年になったそうです、子供ができたので。しかし、子供があるなしによってそういう不利益な取り扱いを受けるということはあり得べからざることでございますね。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 単に子供がいるとかいないとかいうことだけでそういう取り扱いの差があるということはあり得ないのであります。入管当局としては、その婚姻の真正さに問題があると考える場合には、単にそういう表面的な状況のチェックだけではなくて、実際に同居して婚姻生活を営んでいるかどうかというようなことについて現地での調査も行いますし、その関係者からの事情も聴取いたします。したがって、一つの事例、事象をとらえて自動的に何か不利益な処遇を行うということはあり得ないことであります。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 私もいろいろ聞いて、非常に簡単にやってくれるところと、それから今言ったように、私らは非常識だと思うけれども、子供がないから云々という随分ばらつきがあるように思うのですけれども、やはり十分末端の方にも今言われた趣旨が徹底するように指導していただきたいと思います。よろしいですわ。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 少なくとも、子供がいない場合には云々というようなことはあり得ないことでありまして、もしそういう事例があったとすれば、それは非常な行政処理上の不手際と申しますか、あり得べからざることであると考えます。何かほかに理由があったのではないかと私は行政執務上の常識からして推測せざるを得ないわけでありますが、事ほどさようにそういう機械的な扱いは、こういう難しい問題につきましては、あるいは微妙な問題につきましては特に注意しておりますのであり得ないことと考えております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 時間がございませんので答弁は必要ございませんけれども、大臣にもお願いしておきたいのです。  日本の国際化という点から単なる商品とか資本の問題だけではなしに、やはり人間的な交流、外国から非常に来やすくする、外国から来た人が快適な生活を行えるようにする。もちろん単純労働の外国人を今入れるというふうな問題はこれまた別個な問題で、慎重に検討することを要すると思いますけれども、国際結婚であるとか帰化であるとか、そういうふうなことはむしろエンカレッジしてもいいんではないかというふうに私は思うんですけれども、そういうふうなことについて在任中にぜひそういう面について十分前向きに検討するように御配慮願いたいということを希望して、私の質問を終わります。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 いよいよ最後になりました。よろしくお願いいたします。  先日来の委員会そして本日の委員会、諸先生方の御質問そして皆さん方の御答弁を聞かせていただきまして、もう一度僕なりに素朴に疑問に思ったことを質問させていただきたいと思います。長時間本当に御苦労さまでございますが、重複するところがたくさん出てくると思いますが、どうぞひとつよろしくお願いいたします。  まずお伺いしたいのですが、外国人登録法の目的をもう一度お願いいたします。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 外国人登録法は、我が国に在住する外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめることによって諸般の行政に資すると、法律用語の上では「公正な管理に資する」というふうに規定されておりますが、そういうことでございます。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 それは、どういうときにどういう意味でもってお使いになるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 外国人登録制度を通じて正確に記録されている身分事項、居住事項、身分関係、居住関係の諸事実は外国人にかかわる諸般の行政にその基礎として提供されるわけであります。外国人にかかわる諸般の行政と申しますと、まず第一に出入国管理、在留管理の問題がございます。そのほかにも福祉関係の諸行政あるいは教育関係の諸行政、さらに税務関係の諸行政等が挙げられるわけであります。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 僕が不思議に思うのは、一律に全員から指紋をとるのですけれども、これはどういうことでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) ただいま御説明申し上げたような在留外国人の在留管理あるいはその他の諸般の行政に正確な資料を提供するためには、極めて短期の在留者を除く一定期間以上我が国に在留する外国人について、そのすべての人々にわたって資料を整備し提供する必要があるわけでありまして、その一部についてのみ資料を整備するということでは行政の目的、したがって外国人登録制度の目的を達成することは難しいということになるからであります。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 指紋をとって、例えば我が国にとってはメリットといいますか、どういうふうに我々日本国民にとって、指紋押捺をしまして、我々のどういう部分を守っていただいているんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 一口で申し上げれば、行政の適正な運用あるいは執行ということでありますが、さらに具体的に申し上げれば、出入国管理、在留管理についての事例として挙げられるのは再々申し上げておりますとおり不正規入国、不正規在留者の排除ということであります。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 自分が相手の立場になって物を考えますと、特に日本人というのは指紋を押捺するときというのは悪いことをした後警察に捕まえられて、そうして指紋をとられる、何か指紋押捺というのは暗いイメージがあるんですけれども、韓国の人たち、朝鮮人と言われる方々はどうして拒否をなさっているかというところをお伺いしたいんですけれども、どうして皆さん方はあんなに拒否なさるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) これは、当局といたしましてはいろいろな事実あるいはいろいろな関係者の方々の陳述あるいはいろいろな方々の意見等を総合して分析する以外にないわけでございます。また、事実拒否をしておられる千人足らずの在日外国人の方々についても、その中ですべてが同じ理由で、同じ動機で拒否をしているわけではなくて、人さまざまに違った考え方があるということもあり得るかと思うのであります。しかしながら、そういう点を捨象いたしまして、一般論として私どもが理解している点は次のようなことであります。  すなわち、この指紋押捺拒否といったような事象が表面化してまいりましたのは昭和五十五年以後のことであります。外国人登録制度は二十七年に発足し、指紋制度は実際には三十年から実施されております。その後三十数年を経ておりますけれども、その間において当初の散発的な、あるいは限られた押捺に対する抵抗ということを除けば、これが一般的に問題となりましたのは今から七年前のことであります。この今から七年前の時点をどう理解するかということでありますが、これは既に今次国会におきまして法務委員会、衆議院であったと思いますが、私も答弁申し上げたとおり、一つには五十四年に国際人権規約が我が国によって批准されたということがございます。このことが一つの契機となって人権意識をかき立てたということになったのではないかと言い得るわけでございます。  もう一つの問題点は、在日韓国人・朝鮮人社会において三世、四世あるいは二世と言われる方々の考え方が表面に出てくるようになった、あるいはそういう方々が独自に社会的な行動をとるようになったということが大きく関連しているのではないかと思います。これらの方々の物の考え方が、いわゆる一世なり二世なりというゼネレーションの人々との間に意識の上でのかなりの相違があって、そうした相違が表面化してきたというふうに推測される点があるわけであります。すなわち、この三世とか四世とかと言われる方々は、日本で生まれ、日本人を友人として育ち、ほとんど日本語以外の言葉をしゃべることができず、かつ本国である朝鮮半島に帰ったこともないというような人々が極めて多数を占めるわけでございまして、こうした人々にとっては実際の生活感覚においては日本人とほとんど変わらない面が極めて大きかったというような事実が一世、二世とは違った特質として固定していったのではないか。  そうした状況の中で、ある日突然、十六歳ということでございますけれども、指紋の押捺ということで日本人には課されていない義務を要求されるということに対する違和感が、一世、二世のように自分たちは外国人であるという意識、自分たちは韓国人である、あるいは朝鮮人であるという意識が極めて濃厚に日常生活の感覚の中で持たれていた人々に比して違和感が非常に大きかった、大きいという結果になったということが、最近数年間におけるこうした若い人々を中心とする押捺拒否といった動きにつながっていったのではないか。  以上は当局における単なる推測でございますが、いろいろな事象を分析した結果、私どもはそのように考えております。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 そこで、僕も年齢のことでお伺いしたいんですけれども、現行で十六歳の子供たちが押捺を拒否した場合と、改正案になってから拒否した場合には何か大きな違いが生じてくるんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 改正法が施行された以降における拒否というのは、最初の一回の拒否ということに限られるわけでございますから、二回目、三回目の押捺の拒否ということはなくなるわけでございます。したがって、その点においての違いはございますが、拒否をするという事象を前提として申し上げれば、その限りにおいては何ら別段の相違はございません。  ただ、その後の取り扱いにおきまして、今回の改正法が施行されますと、拒否をした外国人につきましては、ということは一回目の拒否でありますけれども一につきましては確認の期間が短縮されるという措置が講ぜられますので、その点では現行法とは違った扱いが出てまいります。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 それは一度、そしてまた呼び出されて二度、三度、四度と、例えば三回、四回ということで重なりますと、四回拒否すると前科が四犯になったりというようなことではないんでしょうか。

岡村泰孝法務省刑事局長

○政府委員(岡村泰孝君) 少年の場合は、委員御承知のように、少年法で少年につきましての刑事事件の特則を定めているところでございます。これによりますと、外国人登録法違反事件を含めましてすべての刑事事件を家庭裁判所に送致することになるわけでございます。そこで、ごく一部の犯情特に悪質なような場合、すなわち成人の刑事手続と同じような手続にのせるのが相当である場合は家庭裁判所から検察官に送致してまいりますので、検察官が起訴という処分をいたすわけでございます。それ以外の大部分につきましては、家庭裁判所がいろいろ調査いたしまして、審判を開始しない、あるいは保護処分に付するという処分をいたすわけでございます。したがいまして、少年事件につきましては、指紋押捺を拒否いたしまして、家庭裁判所がその事件を検察官に刑事処分相当ということで送致をいたしてきました場合は、検察官といたしまして起訴という処分を行うことになるわけでございます。  これまでのところ、少年の指紋押捺拒否事件につきまして、家庭裁判所がそういった刑事処分相当ということで検察官に送致してきた事例はございませんので、今までの経過からいきますと、前科といいますか、検察官が起訴処分に付して前科になる、そういう事例は今のところはないということであります。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 早くから自分も社会へ出ておりまして、十六歳にどうしてもこだわってしまうんですが、外国人は指紋を押さなければならない、十六歳となっておりますが、例えば民法の第三条では、成年の条件としては、「満二十年ヲ以テ成年トス」、また公職選挙法も第九条で、「二十年以上の者は、」「選挙権を有する。」とあります。その地酒やたばこの規制も二十になってからです。国籍法の第五条もそうですが、帰化の条件にも二十以上で、諸事情はありますが、「二十歳以上で本国法によって能力を有すること。」、こうあります。十六歳といいますと、ちょっと悪いことすると、いつまでもおまえ子供みたいなことをしてと、こう我々よくしかられます。そして、大人っぽいことすると、子供のくせに何を生意気な大人じみたことをしているんだというような、よくしかられたのが十六歳、十七歳のころだなというふうに記憶しております。十六歳もう大人、二十未満はまだ子供というのと同じ不合理さがここにはあると思うんです。  二十を成人と認めるんでしたら、指紋押捺も成人になるまで、何回も諸先生方の御質問に出ていましたが、二十になるまで、大臣は一歩進んで大きな改正案だと、じゃあもう一歩進めてというようなお考えをしていただけないものでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 今一歩進んだ法案を提出中でございますので、これが議了をした後に、また、すべてがこれが最善だということを私は考えておりません。やはりこれからより以上最善の方法をとっていくということが大切だと、こう思っておりますが、とにかく第一歩の踏み出しに対してはよろしくひとつお願いしたいと思います。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 せめて日本で生まれて永住権をとって、本当に税金も納めて行く行くは日本の土に骨を埋めるという人たちです。ですから、御先祖さん、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの時代というのは皆さん方いろいろ拒否をしたい中ででも押してこられた。二世、もう三世四世という方の話を僕も聞いております。来年十六歳になる方、再来年また十六歳になる方という話も聞いておりますが、誕生日が来ないでもらいたい。誕生日が来ることが寂しい、悲しい、なぜ押しに行かなければいけないんだろう、この国で生まれたのに。勉強も手につかないということ、それこそ本当に。  僕も最後の質問で、大臣も委員会では法務大臣としては最後の答弁だと思うんですが、どうぞいいお土産を置いていってもらいたい、こういうふうに思うんです。二世、三世、四世、こういう人たち、午前中の答弁もお伺いしますと、大臣も個人的な意見ではあるが将来はなくなりそうだと、こうおっしゃっておられました。またなくなった方がよいというふうにもおっしゃっておられました。このあたりを最後にもう一度、皆さん方にいい置き土産として、橋本先生の方からもございましたが、委員会をおつくりいただいてというようなことのお願いができないものでしょうか。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) この問題は、先ほど矢田部委員なりまた安永委員、またそれぞれの先生方からも御質問のあった問題でございまして、先ほど入管局長がお答え申し上げているように、二世、三世、四世という日本の国以外知らない、言葉も知らぬというような人たちがありまして、そういうような方々は本当に日本の国を愛し、日本の国の中において快適な生活を送っていこうという気持ちでおられることだろうと、こう思います。日本がこのような姿になっているということは、また先生も御承知のとおり法治国家が守られているから、日本がこういうふうな治安も完璧を期しているという点を御理解を願わなければならぬと思います。  その中において、この指紋押捺という問題については、先ほど来お答え申し上げているように、私自身として今ここに法案を提出していて、とにかく一回だけは指紋を押してくれという法案の提出をしたわけでありまして、これを一回限りにすることにすら実は相当、去年の七月からかかってようやく一回限りになったということも御理解願いたいと思います。しかし、これ以上延引しておったのではいたらずに罪人をつくるというような点もございますので、最小限度登録者に対しては御不満が多数あろうと思いますけれども、最小限度きりぎりの法案だということで御理解をちょうだいいたして、これがスタートであって、将来、先ほど矢田部先生なり皆さん方にもお約束申し上げたとおり、この法案が成立後において改めて前向きに私は検討してみたい。  一つは、御指摘のとおり、指紋制度が果たしていいのかどうか。写真が焼きつけによって運転免許証のようなことになって、それで一体確認ができないのかどうか、信憑性がそれで疑われるかというような問題。さらにまた、常時携帯の問題についてもしかりです。それに年齢の問題、ただいま先生御指摘のとおり、十六歳の方々からそういうふうなことでいくということになり、指紋押捺拒否者だというようなことでもしも家庭裁判所や何かに送られたということ自体だけでも少年に傷がつくという点を私自身もひしひしと感じております、そういうふうな点もございますけれども、今、今日においてぎりぎりの法案だということを御理解願って、今後私としては最善の検討に努力をしたい、こういうふうなことを申し上げてお答えにしたいと、こう思います、

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 ありがとうございます。  僕の聞いた話ですが、その日まで日本人の子供たちとともに遊んで学校へも行き、机を並べて一生懸命勉強をしておったんですが、役所の外国人登録のあの窓口に並んでやはり子供なりに恥ずかしかったということです。なるべく知り合いに会わないように祈る気持ちで手続をしておったんですが、知り合いのお友達のお母さんに見られて、結果、その友達を失ってしまったというような話も聞いております。児童福祉法というのを僕はちょっとコピーして持ってまいりましたんですが、「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。」、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」という意味においては、この子供たちは大変なつらい、悲しい差別をされているんではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 私、去年の九月でしたか東京の外人記者クラブでこの問題について講演をしたわけであります。その講演の中でも申し述べたのでありますけれども、指紋問題というのは本当は指紋の問題ではないんだということを申し述べたわけでございます。衆議院におきましても、指紋にかわる識別の手段を開発研究するようにという御要望がございましたので、政府としてはその方向で努力はするつもりでございますが、しかし本当はこれにかわる手段が開発されることによって指紋制度、指紋問題というものは解決するんだろうかということについて、率直に申し上げて私は疑問を持っております。  例えば、これは経費の問題がございますけれども、個人の網膜の写真を撮ることによってその識別をすることは技術的に可能なんだそうであります。もちろん、今申し上げたように経費の問題がありますから、市区町村の窓口に網膜を撮影する装置を設けるということはなかなか難しいと思いますが、例えばそれが資金的に可能になったとして、それでこの問題は解決するんだろうかということなのであります。  先ほど申し上げましたように、この問題の背後には在日韓国人・朝鮮人の三世、四世と言われる方々が日本人と違った取り扱いをされることに対して非常な異和感を持っておるということがあるわけであります。としますと、たとえそれが網膜の写真であろうとそこで違った扱いを受けるという事実は残るわけでありますから、それでこの問題が解決したと言えるんだろうかということは残るわけであります。言いかえれば、この問題の基本的な解決は、我が国における日本人と在日韓国人・朝鮮人と言われる朝鮮半島出身者との関係の改善を求める以外にないんではないかというふうに考えるわけでありまして、そういう方向での解決こそが最も基本的なこの問題の解決だろうと、私は少なくとも個人的には思っております。しかしながら、そう言いましても、これは時間のかかることでございますから、それが実現するまで放置するというわけにはまいりません。  一方、その在日韓国人・朝鮮人の側において指紋押捺に対して心情的に異和感を持ち反発をするという、あるいは不快感を持つということがあるわけです。これは事実として存在するわけですから、とりあえず政府としてはその制度を維持するぎりぎりの枠内においてこれらの人々の要望に応ずる措置を講じていこうというのがこの法案の趣旨でございます。  したがって、長い目で見れば今申し上げたような社会的な情勢の変化ということが基本的な解決の道であろうと思いますし、またさらに長い目で見れば、戦後四十年の推移を振り返って、こうした点において状況は徐々にではあるけれども好転しているんじゃないかというのがまた私の観察でもあるわけでございまして、将来に対して決して悲観的になる必要はないというふうにも考えております。  例えば、最近の統計で見ますと、在日朝鮮人・韓国人の若い人の結婚の統計がございますが、この結婚の対象として日本人を選んでいるケースは全体の結婚の案件の六〇%を超えているわけでございます。この数字は近年において非常に着実に増加しております。ということは、それだけ日本人と在日韓国人・朝鮮人との間の関係が改善されてきているということをも意味するのではないかというふうに考えるわけでありまして、長期的に見て私はこの問題についての将来は決してそれほど悲観することではない、将来を期待し得る面がある、しかし基本的な解決はそこに求めなければならないというふうに考えているわけであります。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 どうも本当にいいお答えをいただきまして感謝します。でも、やはり自分の気持ちに残るのはこの子供たちのことです。自分の子供がもし行って押してこなければいけないということに置きかえますと、本当に心が痛みます。できることなら三世、四世という方々、何とかしてあげたい、何とかしていただけないものかというような心で本当にいっぱいでございます。本当に前向きな姿勢でお願いいたします。  例えば、今局長さんのお話にも出たんですけれども、結婚も随分ふえてきた。そういう日本も本当に国際的にはすばらしい国になったんですから、今後日本はどんどん外国の人を受け入れていろんなことをやらなければいけないんですけれども、そういうことで障害になるようなことは、この指紋押捺が対諸外国とのそういう交流に弊害になるようなことはございませんでしょうか、大臣。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 外国人登録制度、指紋制度を含むこの制度の本質的な制度そのもののあり方というものは、これは基本的に内政問題であります。これは各国にもそういう制度がありまして各国それぞれの事情によってあり方が定められておるわけであります。したがって、この問題については韓国政府からの要望もあり両国首脳間の話し合いもございましたけれども、これはあくまで韓国政府から在日韓国人を代表する立場として日本政府に対して要望の表明があって、その要望に対して日本政府として配慮を払い努力をしたということなのでありまして、決して両国間で国際交渉を行った、外交交渉を行ったという問題ではございません。そのことが示しますように、韓国に限らずその他の国々の国内の制度のあり方について、それが内政問題である限りにおいてそれぞれ国際的に制約を加えるとかあるいは交渉を行うとかということは本来ないのが原則であります。もちろん最近の国際社会のようにすべての関係、特に経済関係において関係が密接化してまいりますとそうとばかり言っていられないケースも徐々に出てきてはおりますけれども、しかし基本的にはその国の社会制度、政治体制の基本にかかわる問題というのはその国の内政問題でございまして、その点が国際的に何らかの摩擦を生ずるというのは極めて例外的な事例であろうと思います。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 ありがとうございました。  次に、常時携帯義務ということをもう一度再確認したいんですけれども、同一県内の場合は持たなくてもよいというようなそういうふうなことを考えていただけないものでしょうか。例えば、他県に出る、遠いところに出る場合にはもちろん携帯しなければいけないんですけれども、先ほど来聞いておりますと、おふろに行ったり買い物に行ったり公園に遊びに行ったりということのときはそういうことはない。でも関先生の場合は、プールヘ行った、ジョギングのときというお話も出ておりましたが、もっと広範囲にわたってということを考えていただくようなわけにはまいりませんでしょうか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 類似の御質問はこれまでたびたび拝聴いたしておりまして、御質問の趣旨は十分理解いたしておるつもりでございます。ただ、これまた警察庁といたしまして再三答弁いたしておりますごとく、登録証明書の不携帯事案の取り締まりに当たりましては、場所あるいは時間といった条件あるいは被疑者の年齢、境遇あるいは違反の態様などを総合的に判断いたしまして、個々の事案ごとに常識的かつ柔軟な姿勢で処理しているところでございます。したがいまして、今先生御指摘の県内といった運用基準ないしかかる統一した基準を示すことは甚だ困難なわけであります。ただ、統一した基準は非常に困難でありますけれども、法の許す限り常識的かつ柔軟な姿勢で処理するよう第一線を指導してまいりたいと考えております。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 大変唐突で本当に素人考えでございますが、例えばJRのようにもう少し範囲を広げて六つに分けるとか、北海道、本州、四国、九州というようなもう少し大上段から考えていただく、そんなお話なんかは全く出ないんでしょうか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 登録証明書の常時携帯義務の制度そのものにかかわる御質問かと思いますので、本来法務省の方からの御答弁が適するのかなと思いますが、私ども取り締まりという観点からこれにかかわる際に、先ほど申し上げましたように個々の事案ごとに判断して処理いたしておるわけであります。現に注意処分で済ませるというのも相当数ございますし、事件を処理するに当たりましても逮捕をいたしております件数は極めて少ないと承知いたしております。  ただ、大きなブロックで分けるということにつきましては先ほども答弁いたしましたごとく、かかる基準を設けることは甚だ困難であると申さざるを得ないかと思います。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 例えば、検問の場合ですと運転免許証不携帯の場合でしたら、僕も一度経験があるんですけれども、パトカーの後ろに乗せられまして、家の電話番号と、そして連絡をしていただきまして免許証の番号を言ってもらって照会します。そうすると、それやったら西川さん間違いないからそれではどうぞ帰ってくださいということでございますが、登録の方も不携帯というようなときには何かそういうふうに照会をしていただくというようなことの一考をお願いできないようなものでしょうか。外へ出るときに、例えば我々は頭が痛いとか気が重いとかという日がありますが、皆さん方にとっては本当に一生涯心が重い気持ちで外出なさるわけですから、少しでもと思うんですけれども、いかがでございましょうか。

国枝英郎警察庁警備局外事課長

○説明員(国枝英郎君) 登録証明書の提示を求めますのは外国人だからという理由だけでめったやたらにと申しますか、無差別に提示を求めておるわけではございませんでして、あくまで本人の身分事項等を確認する必要があるというような場合に行っておるわけでございます。したがいまして、登録証明書が不携帯であった場合に、今先生御指摘のとおり、例えば市町村当局でありますとか家族等に電話で連絡をとるなどいたしまして、本人の身分事項の確認に努めておるのは申すまでもないことでございます。ただ、かかる方法によりまして身分事項の一応の確認ができたということと、当該事案を不携帯として処理するかあるいは処理しないかということはまた別の判断になろうかと存じます。  なお、免許証の場合におきましても、免許取得の有無すなわち無免許でないかどうかということを確認しておるわけでございまして、免許証取得の事実が明らかになりましたときは免許証不携帯として通常処理いたしております。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 ありがとうございました。  次に、一度押捺を拒否した方は外国に出ますと再入国ができないということでお伺いしたいんですけれども、先ほど来出ておりますが、改めまして、NHKの青年の主張コンクールで入賞した在日韓国人の高校生ですが、副賞のカナダ旅行が決まっていたのですが、法務省は指紋押捺拒否のままでは再入国は認めないということでカナダ旅行をこの少年は断念したそうです。また、祖国にいる親兄弟が不幸に遭っても国へ帰れば再入国を認められないということです。法律はよくわかるんですけれども、例えばこの少年の場合、そしてまた肉親がというときには、こういう人道的な問題である場合は外務省を通じて連絡をして、それが真実であるかどうかを確かめていただくぐらいの、確かめていただいてそれが確かであればこの場合特例でというようなことを、局長、お考えいただくようなわけにはまいりませんでしょうか。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) 再入国許可の問題であるとか、在留期間の更新の問題であるとかの問題は、一口で申し上げれば我が国の現行法に意図的に違反する、そこに定められている法定の義務を履行しない、しかもそれが外国人登録制度といったような現行制度に対する反対の意思表示である、あるいはそれの修正なり変更なり撤廃なりを求める手段であるということで行われているという事実をどう評価するかということに帰着するのであろうと思います。こうした行為は、極端な言葉を使って申し上げれば、民主主義的な立法制度に対する挑戦であるということも言い得るわけなのでありまして、特に我が国のように言論の自由なり政治活動の自由なりが保障されている社会においては、そうした意向、意図を表明する手段として違法行為を犯すということを正当化する余地は極めて乏しいというふうに私どもは考えております。したがって、こうした行為に対する評価というものは在留状況の評価という観点から検討の対象とせざるを得ないわけでございます。  ただいま御指摘の、NHKのコンクールに入賞した高校生につきましては、社会党の議員の御紹介もありましたので、私が直接局長室で二時間半にわたって引見いたしましてお話をいたしました。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 青年に。

小林俊二法務省入国管理局長

○政府委員(小林俊二君) はい。そして、そういう私どもの考えをるる説明をし、かつその青年の考え方について理解をしようと努めたわけであります。その結果、その青年の言っておりましたことが必ずしも私に十分理解できたとは申しかねますし、また残念ながら私の申しておりました諸点がこの青年に十分に理解されたとも言いがたい状況でありましたけれども、少なくともその青年の考え方を理解しようとした私の気持ちはその青年にはわかってもらえたと思います。  翌日、その青年から電話がかかってまいりまして、押捺に応ずることはできません。しかし私の考えをまだ十分理解していただけていない点があると思いますので、いずれ手紙でその点について御連絡をしたいと思うので、それに対して御返事がいただけるだろうかというようなことでございましたから、そういう手紙を出されるのであれば、私としても、個人的な立場かもしれないけれども、できる限りわかりやすく返事を書くようにしましょうということをお話ししたような経緯もございます。  そういうことで、結論におきましてはその青年は今回はカナダ旅行は取りやめますというようなことでありましたけれども、しかし少なくとも私が述べておりました論点を、同意はしてくれなかったにしても、少なくとも何を考えて当局はこういう措置をとっているかということを概念的に理解はしてくれたのではないかというふうに期待をしておるわけでございます。  今後、法改正の施行後どういう立場をとるかということにつきましては、施行後の諸状況をにらみながら改めて見直す機会もあろうかと思いますが、現在の段階におきましてはこれまでの方針を変更する契機はないと、まだそういう状況にはないと言わざるを得ないのが現況でございます。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 そういうことが僕は悪い前例には決してならないと思います。できることならひとつこういう場合よろしくお願いいたしますと僕はお願いして、局長さんに対する質問は終わりたいと思います。  最後の質問になりました。いろいろ自分も勉強さしていただきまして一年二カ月になるんですが、国会に参加させていただいてこんなにたくさんの陳情があった法案も初めて体験させていただきました。  最後に法務大臣に、どうぞ我々がこの問題に関して大臣の言葉を聞いて、将来明るい見通しだな、あ、うん、ほっとした、これなら何とか努力してみよう、勉強してみよう、頑張ってみようというような御答弁を最後にいただきたいと思います。

遠藤要自由民主党法務大臣

○国務大臣(遠藤要君) 今のNHKコンクールの青年の問題は、ここにおいでになる安永委員からも何回か個人的にも要請を受け、先ほどもお答えの中において、この法の成立後において改めてそういうふうな問題について検討してみたいというようなお答えを申し上げておるわけでございます。もろもろの問題について先生からも御指摘をちょうだいいたしましたけれども、先ほど来申し上げているとおり、外国人登録者に対して取り締まりということで進んでおるのではなくして、あくまでも登録ということはやはりその確認といいましょうか、本人の身分証明だというような意図のもとに進めておるということを御理解願っておきたいと思います。さような点で、今後指紋の問題といい、携帯の問題といい、十六歳という年齢の問題等について、この法が成立して、定着後においてやはり新たに検討してみたいということを申し上げておきたいと思います。  さらにまた、先ほど警察庁にもろもろ御質問されましたけれども、法務大臣として非常にその点が心痛む点でございまして、法務省では常時携帯、罰則その他を決めておって、それを警察庁の方に皆さんから何とかならぬかと言われると、どうもこっちの方も何となく申しわけないような感じ、こっちがつくって、その緩和策を警察庁の方に求めるということもどうかなと思いますけれども、幸い好意的な答弁をしていただいており、先ほど来お話がございましたので、国家公安委員長に対しても機会をとらえてこの皆さん方のムード、御発言等を参考として柔軟な対応をしていただこうというようなことで改めてお願いしたいと、こういうふうな気持ちでございますので、もろもろの問題がございますけれども、私自身としては一歩か二歩前進した法案だと、こう思っておりますので、とにかくこの踏ん切りを切らせてもらって、さらに前進しようというひとつ勇気を与えていただきたいと、こう思います。

西川潔各派に属しない議員

○西川潔君 どうもありがとうございました。

三木忠雄公明党・国民会議

○委員長(三木忠雄君) 本案に対する質疑は本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会      —————・—————

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