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109回国会参議院1987/09/03

農林水産委員会 第6号

発言数
238
登壇者
19
会派数
7
開催日
1987/09/03

会議録

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨日、大塚清次郎君が委員を辞任され、その補欠として永田良雄君が選任されました。     ―――――――――――――

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 今回提案されております食糧管理法の一部を改正する法律案要綱では、第一に「麦の政府買入価格の算定に関する規定の整備」ということで、「麦の政府の買入れの価格は、麦の生産費その他の生産条件、麦の需要及び供給の動向並びに物価その他の経済事情を参酌し麦の再生産を確保することを旨として定めるものとするとともに、この場合においては麦作の生産性の向上及び麦の品質の改善に資するように配慮するものとすること。」とあります。いわゆる三つの参酌、二つの配慮によって規定の整備をしようとするものであります。私は、このうち二つの配慮を中心に質問いたしたいというふうに思いますが、その前に私の住む北海道の農業をめぐる情勢について申し上げ、大臣にもお考えを聞いてから中身に入りたいというふうに思います。  北海道はポスト三期によって減反率が四八%、こういうことになりまして、農家はその消化に大変苦労しております。それはつくる作物がないということなんであります。豆類あるいはビート、バレイショなどは北農中央会の作付指標に基づいて強く作付制限がなされております。野菜の価格低迷、こういうこともありまして、減反拡大の面積は勢い麦作面積の拡大につながっているということになっております。畑作を含めて全道的にことしの麦の作付は十二万一千ヘクタールになっております。これは前年比では一一二%の伸びとなっております。転作麦の作付だけを見ますと約四万ヘクタール近い作付がなされておりまして、前年比一一七%という急激な作付増であります。これは転作面積の約三五%を占めております。  このように麦作は畑作農家のみならず水田農家においても米と並ぶ重要な基幹作物でありまして、その価格の推移は、これは農家経済に大きな影響を与えることは言うまでもありません。したがって、価格決定にかかわる法律改正は慎重でなければならない、こういうことになるわけであります。今の北海道の農民は、農業過保護論など農業攻撃、自由化問題、加えて農畜産物価格の連続引き下げと生産抑制の強化など、農業を取り巻く環境の厳しさに困惑し、先行きに大きな不安を抱きながら営農を続けているというのが実態であります。ことしは春から減反強化、乳価の引き下げ、麦価の引き下げ、加えて米価の大幅な引き下げによって北海道農家の減収額は米関連で四百五十三億円、酪農、麦作を加えると七百十七億円程度になると推計されております。全道の農畜産物販売額の約七%減収、こういうことになりまして、さらにこの秋に決定される畑作三品の価格いかんでは大冷害を超える減収となる。このことは地域経済に与える影響も非常に大きなものになるのであります。  ある平均的な稲作専業農家の人の試算では、生産資材の値下がり分を織り込んでも一五%台の所得減という大変な事態に立ち至るというような計算をしております。これでは、農家負債の返還、あるいは大きな問題になっております基盤整備事業の受益者負担金の償還ができない農家が続出するのではないかと憂慮されるわけであります。  このような農業を取り巻く暗い情勢の中での本法律案の審議であります。この法律案は肯定できる部分もないわけではありませんが、詰めて言えば、麦価の大幅引き下げが改正の目的だと言えるのではないかというふうに思います。法案の中身に入る前に、先ほど申し上げたように、農民は先行き暗い気持ちの中で営農しております。  大臣が七月末に札幌に行かれたときに、「財界さっぽろ」という本がございますが、先ほど大臣にもちょっとごらんになっていただきましたが、この雑誌の薩社長と対談された記事がこの九月号に載っております。その中で「天下を取ったら北海道に全力傾斜」、「北海道農業は希望の星だ」、こういうような見出しでありますが、その中で大臣が言われていることは、   北海道は本州に比べると、農業の先進地です。米作では転作率四八パーセントで日本一でしたが、今年は二番目で幾らかでも地元の負担を軽くしたいと、配慮しました。   北海道の場合は何と言っても酪農なんです。これをさらに評価して、酪農以外の畑作物、特にガットが提唱するチーズなど十二品目については北海道独特の産業だけに、北海道の皆さんの関心が強いわけです。こうした北海道独特の産業が生き残って、日本の希望の星である北海道の農業が、国際的な競争力のある農業として自立する方向に持っていきたいと思いますね。そのためには、積極的に生産性を向上させ、コストを安くする。ということを言われまして、米が高い、高いと言われますけど、世論調査をやっても、米が高いというデータは出ないんです。生産コストは確かにアメリカの六倍ですけど、消費者米価で比べると、ワシントンの一・三倍、ニューヨークの二・三倍の差しかないんです。以前は北海道米は、やっかいどう米だと言われていたものですが、品質改良もすすみ、おいしくて良い米を作ってもらえるようになってきました。この辺をがんばってもらえれば、国際競争力もついていくと思います。なにしろ、北海道が駄目なら、日本の農業は全部駄目ですからね。   それから、畑や水田をはじめ、特に酪農などでも、北海道の場合は負債問題が大きくなってきています。こう言いましたら、薩社長が、金利はどのくらいですか。ということに大臣が答えて過去の分について六パーセントちょっとになりますので、これを一パーセントないし二パーセント下げていきたい、と思っています。これからの借り入れについては安い金利で処理できますが、過去の借り入れの分をもう少し下げてあければ、すっきりすると思います。例えば、三千二百万円の借金があるとすると、一年の利益が三百五十万円あれば、十年間で返還できるわけです。ですから、北海道農業の発展のためにも、過去の金利をどうしたらいいか、今、一生懸命、省内を中心に検討しているところです。このように言われております。  そこで、今私が読んだことは、多分本当のことを載せてあるんだろうというふうに思いますが、これは来年度の予算の中でこういったようなことについて要求なさっているのか。せめて負債対策について、この暗い話に入る前に、明るい話を聞いてから法案の中身に入りたいというふうに思っておりますので、ひとつ明るい話をぜひ聞かせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今お読みになられました点、私が申し上げた趣旨とほとんど一致しておると思います。北海道は日本全体に比べまして専業農家の比率が非常に多いということ、あるいはまた一戸当たりの経営面積も非常に多いということ、またある面では、北海道の酪農、稲作、畑作すべてについて負債がある面では多いということ、そういう点等を踏まえて申し上げたと思います。そしてまた、私自身にとりましては、北海道開発庁長官も過去やらしていただき、また私の兄もやらしていただいて、兄弟で北海道開発庁長官をやったのは初めてじゃないか。そういう意味で北海道に非常な愛情、愛着を持っておると自分でも思っております。  それからまた、北海道の総合開発計画、これを手がけ、勉強してきた私にとりましては、何としても北海道が我が国食糧の供給基地として、あるいはまたいろいろな面において前進的、主導的役割をしてもらわなくてはならない。そういう中で、北海道の農業、林業、漁業、そして石炭産業あるいは造船というものが大変な不景気で地盤沈下いたしておりまして、雇用問題初めいろいろな問題が起きております。そういう中で、何とかして農林水産大臣として北海道の農業を振興させ、意欲を持ってもらい、多くの農林水産業関係者を励まし、激励し、応援していかなくてはならないという考え方を持っておりまして、あらゆる場合にもそういう点は私の脳中から離れたことはございません。  そうして、負債問題についても、北海道の今申し上げましたような農家の種類による負債問題も随分勉強さしていただきまして、今一部お読みになりましたようなところが負債負担の限界かなと。それを超えたものに対しては、逆に働けど働けど希望がない。そこら辺を何とかしなくちゃならない。もちろん、これからの国営事業あるいは都道府県事業等、あるいは団体営、いろいろなものの負債負担問題はいろいろな方法を講ずることができますけれども、過去のものについて、これは今まで当委員会においても御質疑があったこともありますけれども、一つは各省庁との横並びの問題、一つは原資でありますものの関係、例えば今いろいろ問題になっておりますけれども、住宅金融公庫の過去のもの、我が方で見ますと農林漁業金融公庫、農林中金の過去の分、それから財投による分、特にその財投による分が郵便貯金が原資であったり、あるいは年金が原資であったり、そうしますと、それぞれの運用計画その他をもって郵便貯金に対し、あるいは年金の給付に対してのいろいろな長期計画を立て、それに従ってこうやってきておるものでございますから、大変横並び等もございまして政府関係金融機関ともに苦悩をいたしておるわけでございます。特に、こういう低金利時代でございますので、政府関係金融機関のありがたみといいますか、過去を伴ってきておる金利という問題は何ともならない。  そこで、農水省独自でできないものか、農水省としては自作農維持資金あるいはそういういろいろなものもあるわけでございますが、それ以外も含めて何とかならないものかということで、本年度の予算に際しましても県、団体等と協力して、ある特定の地区に対しましては債務償還を延長したり、あるいは新しいものをしたり、やったことはあるわけでございますが、これをより普遍的に、よりいいものとして何かできる方法はないか、今鋭意検討し、六十三年度の概算要求におきましても利子補給金的な性格のものを何とかできないものかというので、きょうは構造改善局長来ておりませんが、に命じまして概算要求の中にやらしておったり何かいたしておるわけでございます。ただ、私としましては、全体的な振興策と北海道の農家の債務の問題、今申し上げた自作農維持資金もありますが、もう一つは、もう少し系統がよく営農指導その他をやってもらって、やらなくちゃならぬという、そちらの面と、今申し上げました政府関係に伴う資金の面と両方の問題点もあると思います。  そういう点、一生懸命知恵を出し汗を流しまして、日本全体の農業の振興、そういう中で最も専業率が多い、そして一戸当たりの耕作面積が多いということになりますと、先ほどおっしゃったいろいろな農産物価格というのがある面ではもろに響くのは専業農家のウエートが一番大きいわけでございます。そういう点に配慮しながら、今後生産性の向上ということと品質の改善ということを通じてやっていきたい。そのためには何としても 北海道が頑張ってもらうということが一番大切だ、こう思っておるところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 大臣もいろいろ気を配っていただいていることは、北海道としてみれば大変ありがたいことだと思うんですが、牛肉、オレンジの自由化が出たときに、当時山村農林水産大臣でありましたが、それを受け入れるときに、中曽根総理あるいは当時の竹下大蔵大臣のいるところで、とにかく足腰の強い農業をやるためには金融対策を含めていろいろな対策をやらなければならぬ、そのことについては十分な配慮をしてもらえるという約束で牛肉、オレンジの一定枠を受け入れたという、そういう経過があるわけですよ。これはあれでしたら、大臣御承知だと思いますが、会議録にもそれはきちっと載っているわけでありますが、残念ながら今までそういう具体的な問題というのはさっぱりなされてこないんですね。  何か委員会のときにはそういう非常にいいことを言うんですが、次の予算とかそういうときにはさっぱりそれが生かされてこない。だから、その意味でも農民の人たちはやはり農政不信ということに陥っているのではないかというふうに思わざるを得ない。農業過保護だとかなんとかといろいろなことを言われておりますが、やはりただでもらう金というのはだめだ、人間を怠け者にするということを農家の人たちも直接言っていますよ。ですから、今大事なのはやっぱり金融対策ですね。借りたものは返さなければならぬ、そのために一生懸命汗流して頑張る、そういう方向で今農民の組織の人たちも話し合っているんですが、その金融対策をやはりしっかりやってもらわないとうまくない、できない。ですから、幾らコストを下げろといっても、負債だとかあるいは金利にかかわるそういう面の負担が大きいものですから、なかなかコスト低減というところまでいかないということがありますので、これは林業なんかも相当長期な資金ができましたから、農業もひとつ長い目で、加藤大臣のときにやはりそういう制度をきちっとしたというような足跡をしっかり残していただきたいということをまず要望を申し上げておきたいと思います。  二つの配慮の中で、生産性の向上、これが大変配慮しなければならないことということになっておりますが、生産性と収益性の向上のためにどのような施策を講じようとされておるのか、その点をまずお伺いいたしたいと思います。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘の麦作の生産性向上の問題でございます。この対策といたしましては、近年ドリルまき等省力多収栽培の普及、さらには暗渠の設置等によります排水対策の徹底等基本技術の励行、さらに機械でございますが、コンバイン等高性能機械の整備、あるいは土地問題でございますが、区画の拡大等圃場整備の進展、あるいは組織の問題でございますが、期間借地等による麦作規模の拡大、生産の組織化等によりまして、最近十年間、五十一年から六十一年までで平均単収、全国的な平均でございますが、二百八十三キロから三百二十八キロ、約一六%増になっております。  また、労働時間につきましても、反当十アール当たりで、この期間二十三・四時間から十二・〇時間と五割程度の減少になっておりまして、生産性は着実に向上してきているというふうに我々考えております。しかしながら、近年の麦作の生産が増加する中で、実需者サイドからの品質改善に対する要望も高まっておりますので、生産性の向上とあわせまして需要のニーズに即した品質の改善を図ることが重要な課題となっておるという認識を持っておるわけでございます。  今後の生産性の向上につきましては、したがいまして地域の条件に即しました合理的な土地利用方法の確立、さらには施肥技術等麦作技術の改善による生産の変動に対応するような高位の安定化。第二番目といたしまして、作業単位の拡大に応じました高性能機械のさらに一層の整備。三番目といたしまして、排水条件の整備等土地基盤の一層の推進ということが考えられるのではないかと思っております。四番目といたしまして、これに合わせまして期間借地あるいは作業受委託の推進によりまして、中核農家を中心にいたします規模拡大あるいは生産組織の育成によりまして作業単位を大型化していくという各般の施策を総合的に推進していかなければならないというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 今、局長が答弁なさったことは、これは当然といえば当然のことですね。ここ何年か大変な努力をされてきたんだろうというふうに思いますが、コンバインを使うということは作業能率、それから麦の場合には刈り取りの適期を逃したら、これはもう品質ももちろんでございますが、その適期を逃した後、雨でも降られるともうすぐ芽が出るというようなことで、非常に刈り取りの時期というのが大事な問題なわけでありますが、全国的な状況の中でコンバインの普及というんですか、それは全面積の中でどの程度コンバインを使った収穫をしているか、その辺はわかりますか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 私ども現在持っております数字、ちょっと端数の数字で申しわけありませんが、昭和五十二年でコンバインの普及率でございますが、全国で五六%でございます。これが六十一年に大体九一%にほぼ普及が高まったというふうな数字を持っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 それから、転作麦でありますけれども、これは個々の農家で減反したところに麦をということは、なかなか作業能率の問題、機械化の問題なんかを含めて大変だと思いますが、その辺は全国的な状況というのはどのようになっておりますか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 麦の場合には、先生御指摘の転作も含めまして、あるいは畑作あるいは転作以外の水田の裏作というのがあるわけでございますが、今先生御指摘の点を六十一年産について見ますと、作付面積で畑作が全国的に三一%、それから水田の裏作が四一%――二毛作の場合でございます。それで、転作は全国的には二八%のシェアというふうになっております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 集団化という、ほとんどのところは集団化した形で栽培されているのかどうか。特に水田の転作麦の場合ですね。その辺の状況はわかりますか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 最近の、先生御指摘のように麦の場合には、特に都府県の場合には集団化の動きが大きゅうございます。北海道の場合はそれぞれの規模が大きいものですから、集団化にいく前で個別の経営の場合もございますが、全国的に見ますと、麦の生産組織について五十一年に、これは私どもの数字でございますが、四百十五集団ございまして、六十一年の数字ではこれが五千十一集団ということで十倍強になっております。それから、この基幹作業であります収穫作業におきます生産組織がそれぞれの段階でいろいろございますけれども、収穫段階のカバー率は水稲の場合は全国的にわずかに七%ということでございますけれども、麦の場合は三二%の水準に達しております。  そこで、先生御指摘の、もう一つのところの数字でございますが、生産の団地化でございますが、団地化の転作のシェアを見ますと、転作全体では二九%になっておりまして、そのうち麦だけで見ますと五九%ということでございますので、大体倍ぐらい麦の場合には生産の団地化といいましょうか、集団化が進んでいると見てよいのではないかと思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 特に麦の場合には、先ほど申し上げましたように刈り取りの適期を逃がすと大変なことになるという意味では、やはり機械を導入する場合には、どうしても団地化ということを図らなければ麦の品質そのものにもまた影響するということが結果的にこのような数字になっているんだろうと思いますが、それにしましても五九%というのはちょっとまだまだ大変だなという私は印象を受けております。  内麦の生産というものが特に減反の問題を含めて着実に回復してきておりますが、これは一毛作地帯においても大変重要な輪作作物であります し、これは輪作体系の確立の上で欠かすことのできない作目ということになっております。また、二毛作地帯においても、裏作作物としては農業経営の安定化と所得の増大を図る上で大変重要な作物となっておるわけでありまして、この点から言えば、つくる作物が先ほどもないという私ちょっとお話をいたしましたが、麦の連作ですね。これは連作による障害というのが私は出てくるというふうに思うんですが、その辺の連作障害の点についてはどのようにお考えでしょうか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のように、麦と申しますか、一般的に畑作物の場合には、水田の場合と比べましてやはり連作障害が極めて大きいというふうに考えております。この連作障害につきましては、いろいろ微量要素の欠乏であるという考え方もございますけれども、連作をすることによりましていろいろな微生物等の病原が発生するといったようなことも総合的に出てまいるわけでございまして、先生御指摘のようにやはり畑作物を中心に考えました場合には稲科の植物とあるいは豆科、豆類の植物、あるいは根菜類の植物等々を組み合わせました合理的な輪作体系というものを組みまして対抗するのが一番正しい方向ではないかというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 前に私も栃木県にちょっとビール麦の関係でありましたか、連作障害で、しま葉枯れ病が大変出たことで調査に行ったことがありますが、品種改良品種改良ということで病気に強い品種を次々に開発していっても、やはり次にまた連作障害がくるというような状況になっておりますから、先ほど申し上げましたように畑作地帯あるいは二毛作地帯の裏作作物としても、これはもう輪作体系の中で欠かせない作目ということではあるけれども、後つくる作物との関係、組み合わせ、先ほど局長からお話がありましたけれども、果たして局長が言っているような形でうまく輪作の組み合わせが農家経済ということもいろいろ考えていって、できるのかどうかという問題が私はあるのではないかというふうに思うんですよ。  理想は確かにそうなんですね。収益だとかそういうことを考えないでいけば、もう見事にうまく輪作がいけば、これは非常に理想的な形になるわけでありますが、やはり農民の人たちも経済ということを考えていく場合に必ずしもそういう状況になっていかないということもあるので、土地利用型農業の確立という面からいって、この麦の役割あるいは今後の作付拡大、転作麦の定着化、こういったようなこと等を考えた場合にどのような対策を立てなければならないというふうにお考えか、あるいは既に立てられておると思うんですけれども、その辺をお聞かせいただければと思います。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 御指摘のように、具体的な地域に応じましてどういう輪作体系の基幹的な作物を選ぶかというのは極めて重要な難しい問題を含んでおります。ただ、水田農業と言われておりまして、今回の農政審の御報告の中に、いわば理想的な形で七十年を見通しまして、現下の機械というもので、一つの麦とかあるいは大豆とかそういったものの輪作体系を含む形を提起されているわけでございますが、そういったものにおきまして、今先生御指摘の地域の実情さらに経済状況等を勘案いたしまして、足腰の強い経営の方々がそれに対応していくというような方途を選び取っていただきたいというふうに我々考えるわけでございまして、私ども行政部局といたしましては、そういった中で北海道の場合には、抽象的でございますが、稲科の作物と豆類あるいは根菜類と組み合わせた合理的な四年輪作体系といったようなものも一つは想定をしております。  そういう中で私どもの一つの施策としては、今後の麦の生産に重点を置きますと、次のような四点が挙げられるのではないかというふうに考えます。  一つは、やはり加工適性の高いわせ、多収品種の育成、さらにそのいい品種をできるだけ早く普及していこうということが第一点でございます。それから第二点目は、先ほども触れましたけれども、麦作技術の地域的な格差がございます。さらにまた、気候等によりましてかなり変動がございますので、麦作技術の改善によりまして地域の条件に即した技術をつくりまして、高位安定化を図っていかなければいけない。第三番目は、やはり収穫のところでございますが、共同乾燥施設といったようなものを普及いたしまして、あるいはばら流通の推進等によりまして品質の均一化を図るようにしていかなきゃいけないんじゃないか。最後に、第四番目でございますが、これは先ほど先生お触れになりましたけれども、現代の集団化とかそういった組織がございますけれども、できる限り期間借地とか作業受委託によりまして中核農家を中心とする集団に土地を集中していただきまして、その中で作業規模を拡大していただくというような、以上四点が今後のキーポイントではないかというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 品質の問題についてはまだこの後やらせていただきますが、そこへ入る前に、現在はこの食糧の需給というものが非常に緩和基調にあるわけでありますけれども、中長期的に見ればやはり私は不安定だというふうに思うんです。総合的な食糧自給力の維持強化を図る必要があるということはもう前々からも言われておりますし、国会でも決議をしておりますが、この中で麦の需給見通しと自給力向上に対する政府の見解をここでお尋ねしておきたいというふうに思います。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) ただいまの時点におきましては、政府といたしましては昭和五十五年に公表されました「農産物の需要と生産の長期見通し」というのがございます。この中で麦につきましては、昭和六十五年をターゲットといたしまして小麦一九%、大裸麦一七%という見通しを立てております。現在この前提といたしましてそれぞれ作付面積及び生産量を掲げているわけでございますが、このそれぞれの数字は作付面積で五十一万ヘクタール、生産量といたしまして百八十万トンでございます。最近におきまして六十二年の数字が一応速報をされております。その数字によりますと、それぞれ三十八万ヘクタール、百三十二万トンという数字になっておりますので、私どもの考え方、その達成率と申しますか、以上のような見通しに対する実施率といったようなものはそれぞれ七五%、七三%の水準になってきている。ほぼ一つのこの六十五年見通しといったようなものに大体沿う形で生産がここのところ伸びてきているというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、私どもといたしましては、これらの今申し上げました五十五年に公表された見通し、さらには昨年十一月に公表されました「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」と題されます農政審議会の報告の趣旨に沿いまして、日本めん類を中心とした総需要の一定程度の国内生産を確保することを旨として生産の振興に努めていかなければならないというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 次に、品質改善の問題についてお尋ねをいたしますが、品質向上ということは喫緊の課題であるということはだれしもが認めることだというふうに思いますが、そのために栽培管理技術の開発だとか、あるいは品種改良等の試験研究体制、あるいは技術の普及などの改善対策ということが求められるわけでありますが、この点についてどのような状況になっておるのか、まずお尋ねいたしたいと思います。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) 試験研究の問題としましては、麦につきましては品種をつくる、あるいは栽培の生産性を上げるという、そういう技術開発はほとんど国公立の試験研究機関でやっておるわけでございまして、品質問題を最近では重視をしながら、ただ非常に麦が日本ではつくりにくい面が、先ほどお話がありましたように一雨来ればというようなこともございますので、赤カビ病の防除だとかあるいは穂発芽性、そういう栽培適性というものもかなり注意をして品種を育成しませんとなかなかいい品種はできませんので、そういった点にも配慮をして品質のいい麦の育成をやっておるわけでございますが、現在までは北海道でいえばチホクコムギとか、そういった割合ランク の高い品質のものができておりますし、先ほど先生がお触れになりましたしま萎縮病に強い品種としては、最近六十年、六十一年でミサトゴールデンとかニシノゴールドとか、大変強い、それに耐え得る品質が出ておるわけでございます。これからも六十二年に私ども大型のプロジェクトを組みまして、これ以降も今までの品質の点を一ランク上げたような形で品質重視の品種の育成というようなものに努めていくことにしておるわけでございます。  それからまた栽培面におきましても、品質というのは品種だけではなくてやはりつくり方なり、あるいは今お話がございましたようなやっぱり機械で適期にきちっと刈り取るというようなことも大変大事でございますので、そういった機械化適性を備えた品種をつくるとともに、そういった機械類の開発とか、あるいは麦だけではなくて汎用的に使えるコンバインの開発とか、そういったようなものを今試験研究機関で今後とも積極的に進めていくことにしておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 米の場合にはかなりそういったような新しい品種を開発するための育種の研究なんか各地の試験場で一生懸命やられておりましたが、米と大体同じぐらいの、何というか、力点を置いた形で麦の品種改良というものについて取り組んでおられたのかどうか。その辺をちょっとお伺いいたしたいと思います。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) 国の試験研究の研究室の数とかあるいは人数とかそういった意味で見ますと、大体麦と米というのは同じぐらいの規模で取り組んでおるわけですけれども、麦の場合には小麦だとかあるいは大麦とか裸麦とか、それぞれの種類がございます。それからまた、国公立、公立の試験場の場合ですと、麦は私どもが委託をして試験をやっていただいているいわゆる指定試験の県だけでございますけれども、米はそれ以外に県独自で研究を進められるというようなこともありまして、国公立合わせた全体のボリュームとしては稲の方が多いだろうと思いますが、国の分野としては大体同じぐらいの研究者の数で研究をやっておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 これは米の場合も食味のいいものということで、先ほど北海道のことで厄介道米なんて大臣がかつては言われた話をされておりましたが、そうであってはいけないということで、食味のいい米をということで最近はほとんど本州の米と変わらないような米の開発をやってきているわけですね。ところが、麦の場合それと同じような、何というんですか、力点を置いてやられたのかどうか。ちょっとこの間からの参考人の意見聴取をした中でも、どうも、いわゆる育種でいい品質のものをということで品種を開発されても、それが、何というんですか、農家に伝わっていかないというのかな。栽培にそれがすぐ生かされていかないという面があったのではないかというふうに思わざるを得ないんですよ。いわゆる耕作者と実需者との間に何かうまくないものが、きちっとなっていかないものがあったのではないかというふうに思わざるを得ないんです。  製粉協会の「国内産小麦に関する問題点と要望」というのをこの前の参考人の意見聴取のときにいただきましたが、その中で八ページに書いてありますが、   顧みるに、農林六十一号の出現が、それまでに実需者から好ましい品種として見られていた江島神力、或いは、農林二十号、農林二十六号などを駆逐し、その後の早生多収品種の開発・普及の結果、現在では、その農林六十一号を比較的好ましい品種として挙げざるを得なくなっ  ていることもご賢察いただきたい。というふうに書いてあるんですが、この辺ですね。品種改良と実需者との間の問題というのは一体どのように考えたらいいのかなというふうに思うんですが、どうなんでしょうか。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) 品種の開発をする場合に、こういう加工用の品種でございますので、最近では試験場だけがその結論を出すということではなくて、ある程度の規模になってまいりますと、それを粉にひいて、製粉協会の試験関係の方とかあるいは実需者の方、そういう方に集まっていただいて、そういう方の評価も取り入れながら今は育種をやっておるわけでございますが、稲の場合と違いまして、なかなか麦は我が国でつくりにくい条件というのがいろいろございまして、先ほど名前を挙げられましたような品種というのは、品質的には確かにいいわけですけれども、非常に不安定なわけですね。昔の品種というのは西の方の品種ですと、大体丈が高くて、そして熟期が今よりは少し遅い。ここにも書いてありますけれども、やっぱりわせで多収でかつ赤カビ病にかからない、あるいは穂発芽をしない、そういう栽培上非常に適性を持った品種というものをつくっていきませんと、農家の経営が非常に不安定になってまいりますので、そういうところへ重点を置いて随分やってきたわけでございます。  例えば西の方で言いますと、一日熟期を縮めますと俗に三%ぐらい収量が落ちてしまうというようなことがございまして、収量を落とさないで作期を縮めるというのは大変な育種上では努力が要るわけでございます。ただ、栽培適性だけではいけませんので、それと品質の問題、両方の兼ね合いを、両方満足すれば一番いいんですけれども、何か強い一つ栽培上の有利な特性を品種上に入れようとすれば、やっぱり品質上のどこかを犠牲にしなきゃいけないという、そういう状態に育種はあるわけでございますので、その両方を兼ね合いを見定めながら今の育種というのはやられているわけでございます。そういう意味で品質だけを追求するというと今度はつくりにくくなってしまいますのでなかなかいきませんけれども、だんだん麦の品質改良の技術なども進んでまいりまして、昔のような交配育種だけではなくて、いろいろなこれから手法が使えるようになると思いますので、できるだけ両方、いい品種といいますか、双方に満足のいくようなものをつくってまいりたいというふうに思ってやっておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 これは稲なんかの場合でも同じですけれども、同じ品種のものでも土地が違うと、気候風土が違うとまた違うといいますか、振れが大きくなるというんですか、そういうことがあるわけですね。ですから日本全国それぞれの地域にある試験場、試験研究機関の中で育種ということをやっていかないと、今の減反政策とのかかわりでうまくないんじゃないかというふうに思うんですが、その辺の減反とのかかわりの中での品種の開発ということはきちっと、何というんですか、整合的になされているのかどうかということをお尋ねいたしたいと思うんです。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) 減反政策の問題と品種開発というのは、直接的には減反をやって麦がやはりたくさんつくられるようになってくる。そういう問題、あるいは水田のところにつくりますので、どうしても耐湿性といいますか、今度は穂の方ではなくて根の方の問題でございますが、耐湿性、そういったものが非常に重要な因子となってくると思いますけれども、あとは地域的に北海道から九州まで麦の場合にはつくられておりますので、それをそれぞれの試験場で分担をいたしましてその地域に適する品種をつくっていくという意味で、例えば北海道は北海道の試験場と道立の北見の試験場、それから中央は農業研究センターという筑波にあるものがやっております。それから北の方で東北地方は東北の農業試験場もございますし、また関東は長野県の試験場に委託をしてつくるとか、あるいは大麦とか裸麦については四国の農業試験場が中心になってやる。それから九州の方で非常に病気の多い地帯は九州農試が担当をする、あるいは福岡県の試験場がやるというような、そういう、作物でございますので、それぞれの地域地域によって特徴がありますので、そういう特徴を生かして試験場がそれぞれに分担をしながらやっていくというような体制をとっておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 減反と新しい品種の開発ということは必ずしも結びつかないとは言いながら、やは りそこのところまできちっと、何というんですか、配慮されるというか、組み立てられた形でこういう政策というものがなされていかなければならないのではないかということで私はちょっとお聞きをしたわけなんです。ですから、減反だ、さて何をつくるかということで農家の人たちが迷うことのないような、そういう形で、先を見越した形で政策というものがなされないと、現場の人たちが迷うといいますか、大変な苦労をするということになるんじゃないかというふうに思うんです。  先ほど製粉業界の、これなんかも出ておりますが、相当前からかなり品質の問題については要望されているわけですね。しかし、実際農家の人たちは実需者の要望に必ずしもこたえるような形での生産ではないというところに今いろいろな問題が出ているわけなんですよ。流通の問題なんかでもばらの問題なんかがありますが、ばらなんていうことになれば品種が違ったら全くばらにはならないわけですね。ただ団地化がこうしていくということになれば、ある程度品種の問題もそういう中で解決はしていくのかなというふうには思うのですけれども、やはりその地域地域に合った品種、それを開発して、その地域でやはり一定量の生産を上げていく、それが流通のばら化をより推進していくことになるのではないかというふうに思うのですが、その辺の見通しといいますか、お考えをお聞きしたいと思います。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 今先生御指摘のとおりでございまして、一つは優良な品種、良質の品種を開発するといった水準に合わせまして、流通のばら化、そういったものが実現されていくためには、その橋渡しといいますか地域に重要なものといたしまして、地域におきます優良品種をできるだけ早く普及していくということが重要だというふうに考えております。そのために私どもといたしましては、当然のことでございますが、現行の組織的なことから申し上げますと、普及組織というものが一番中心になろうかと思います。  それから、第二点といたしましては、それを補完する意味で、これは行政的な意味での対応でございますが、一つの典型的なといいますか、モデル地域の育成といったようなものが必要でございましょうし、あるいは麦作技術の基準圃の設置といったようなものも、これにあわして行わなければいけないと考えております、さらに、具体的な意欲を高めるというようなことで、実物を農家の方々に知っていただくという意味で、やや伝統的な手法でございますが、麦作共励会というようなものを催しておりまして、その会におきます優良事例といったようなものを紹介をさしていただこうということでございます。  ちなみに、六十一年の北海道の小麦の例といたしまして、女満別の方が、これは小麦採種組合というものでございますが、約九ヘクタールの単位で実現をしていただいているのが共励会のモデルとして掲げられております。この場合におきますと、十アール当たりやはり六百十一キロという収量を上げておられますし、労働時間に至っては二・九時間、約三時間を切っているという優良な結果が示されておりますので、そういった方法等を利用していただきまして、優良品種を地域に広く普及さしていかなきゃいけないというふうに、我々考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 品種の開発なんですけれども、大体どのくらいの年数がかかるのか。このごろはバイオ技術だとかいろいろなことがあるのでしょうが、その辺はどんなことになりますか。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) 大体十年か、十年以上は普通はかかっておるわけでございますが、最近はできるだけ初期段階の世代を温室を使って一年に何件がつくっていくとか、そういうところをできるだけ縮めてやっております。そういういろいろな手法を使って、割合短いのでは七、八年で品種として出てきているのもございますけれども、やはりある程度物になりそうな品種につきまして、今度は各県にお願いをして各県の適応条件のいろいろな試験をしていただいておりますが、それもやはり二年ないし三年はかかってしまいますので、どうしても交配してから世に出るまでというのは、今の状態では十年以上かかるというような状況でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 非常に時間のかかるものなんですね。ですから、実需者と生産者との間で相当、何というのですか、その辺の意見調整というのは、やっぱり難しい問題だなということが今のお答えでよくわかるわけです。  そこで、そういうような実需者の要求に見合うような新しい品種の開発というものが今の段階では、全くなされていないとは言いませんけれども、まだ相当その辺については乖離があるんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) なかなか、いわゆるうどんというのは日本の食品でございますので、昔は日本の各地域でつくった小麦で各地域で特徴のあるうどんというのができていたわけでございますが、もともと外国の小麦でできたのをうどんと言っていたわけではないんでございますが、ただ、最近の消費者の好みといいますか、昔はもうちょっとくすんだ色のものだったんですけれども、色が非常に白くなきゃいけないとか、それから歯ざわりとか、そういったものも以前よりは変わってきておりますので、そういう消費者の好みに私どもの方も合わせていかなければいけない。それが、今実需の団体の方から言われておりますASWというオーストラリアの基準の品種でございますけれども、そういうものが非常に現代のそういった嗜好に合っているということで、そういうものをつくってほしいという要望が大変強いわけでございます。  それを、直接例えばオーストラリアの品種を私どものところに入れましても、日本ではできませんので、そういうものを親にしたり、あるいはそういったASWの持っている性質を日本でできる麦の中に探し出して交配をしていくという、大変手間のかかる状況になっているものですから、なかなか右から左にできるというわけにはいきませんけれども、先ほど申し上げた六十二年度から十年がかりのプロジェクトの中ではそれぞれ段階を置きまして、一段階一段階品質のいいものをつくっていこうというようなことでやっておるわけでございます。急にできませんけれども、ただ、これからはいろいろな育種方法というのが従来以上に進歩してくると思いますので、以前のように交配をしてから必ず十年なり十五年たたなければいい品種が出てこないという、そういう状態ではなくて、もう少し早いものもこの何年かのうちには出てくるのではないかというふうに思っておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 減反を強化するということによっては、先ほど言ったように、そこに植えるものといえば、やはり麦が大変多くなってくるということですから、麦を植えれば当然それに伴う機械の問題、あるいは乾燥施設の問題、こういったようなものが出てくるわけですね。これらの機械の購入あるいは乾燥施設をつくるといったような場合についての融資といいますか、何かその辺についての施策というものはどのようなものがあるでしょうか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘の高性能の機械の導入等につきましては、もう一つおっしゃったカントリーエレベーター等々の施設等につきましては具体的に予算等におきまして、米と麦の共通のものでございますが、補助金の制度、基本的に大体二分の一の補助制度があるわけでございます。  そのほかに例えば機械等の問題、特に今までそれぞれ専用の機械でございましたけれども、機械化研究所の開発によりまして昨年から実用化されております汎用コンバイン、こういうことにつきましては、御指摘のような金融措置で行うということでございます。この場合もちろん地域地域の農協からの借入金ということもございますが、これについては国の利子補給の助成の近代化資金であるとか、そういった補助金ではなくて金融措置 で行うということでございます。  また、規模等に制限ございますが、全体の中での計画を出していただきますと、無利子の改良資金が利用できる場合もございますので、個々具体的なことについて私どもまだ用意しておりませんけれども、各地域地域において農協の方と御相談の上、農協系統の原資を利用する近代化資金であるとか、あるいは国の資金と県の資金の基金に基づきます改良資金等を使っていただければこの近代的な高能率の機械も導入できるのではないかというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 時間が参りましたので終わりますけれども、品種の改良一つとってみても時間がかかる。それから減反に伴う作付の問題なんか、そういうことを考えていきますと、急激な変化といいますか、そういうことが農家の経済に非常に大きな影響を与えるものでありますから、前もってといいますか、ある程度こういう方向でいくよというような、そういう前段の働きかけといいますか、話し合いといいますか、そういうものがなされて、その上から法律というものを変えていくというようなことが私は必要ではないかというふうに思うんですよ。そういう意味では、もう本当に先ほども申し上げましたけれども、米の値段も下げられ、そしてこれにははっきりは書いてありませんが、大幅引き下げになることはほぼ間違いがないということで、これはもう農家の経済にとっても大変なことですし、実際に農民の身になってみれば、こんなことをやられちゃ大変だというふうな思いになるのは私は当然ではないかというふうに思うのです。  ですから、何というんでしょう、もちろん実需者と生産者との問題もありますけれども、やはり農政を実際に担当している農林水産省と農民との間の意思疎通といいますか、そういうものがある程度なされて、もうこういう方向でいくんだなという覚悟というんですか、そういうものが年々の農業経営の中に少しずつ変化をさせて、こういうことに対応していくというような施策というものが私は必要ではないかというふうに思うのです。そんな点で、今回のこの法案については先ほど最初に申し上げましたけれども、肯定できる部分もあるけれども、今回このことを決めるということについては問題があるということを申し上げて私の質問を終わります。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は、きょうはかなり細かくいろいろとお伺いをしたいというふうにして準備をしておりましたが、しかし、きょうの私の持ち時間の関係等もございますので、若干通告をしておりました項目のうち、お答えが簡単であれば簡単に済むであろう、こういうものから入らせていただきながら、また今菅野委員からいろいろと御質疑がありました。その中でかなり解明をされたものについてはもう省略をさせていただいたりというようなことで順序をかえたり、せっかく通告をしておりましたけれども、例えば、畑中技術会議事務局長おいでになりますけれども、まさに今、この間もテレビで報道されていたみたいに農水省の研究機関では細胞融合に画期的な方法を見出した。きのう科技特でもって一体幾らかけてやったか、こう聞いたら二千万しか使っていませんと。随分安上がりな話ですけれども、大体その研究費に、それじゃ今品種改良急いでいるというんですから、どれだけの力を入れているのか、経済的な面もあるし、技術的な見通しもあるし、そういうこともいろいろと伺いたいと思ったのですけれども、時間の関係もありますので、その辺は割愛をさせていただきたい、こんなふうに思います。そこで、あとパリティ価格を今度は廃止するということについては、なおこれはいろいろと御答弁によって時間かかるんじゃないかと思いますから後の方に回すとか、こういうことをさせていただきたいと思います。  そこで、この間、参考人の御意見をいろいろと伺っておりました中で、特に東京大学の今村参考人から出ておりました中に、価格形成の面で必要量というものをきちっと目標を決めると、それによっての限界生産値の標準の、今村先生はたしか標準農家の生産費というようなことを言われたというふうに思いますけれども、そういう標準農家ということには私はちょっとひっかかるところもありますが、それは別にいたしましても、そうした限界生産値の経営と、そして現在の調査をされている生産費の価格算定の基礎になっている生産費との格差というものは一体どのくらいあるんだろうか、その辺のところをまず確かめたいと思います。これは生産費調査は、あのときたしか今村先生は、もう一つの指摘事項の一つとして、サンプリングが非常に少ないというふうなことも言っておられましたが、その辺のところもあわせてお伺いをしたいと思います。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) サンプリングの問題は後ほど統計情報部長からお答えあると思いますけれども、今村参考人のお話の中にございました農産物価格についてのお考えでございますけれども、かなり原理的なお考え方を述べられたというふうに私理解をしております。社会的な需要に見合った限界的な標準経営の生産費というのが、といいましょうか、コストが農産物価格の基準になるだろう、こういうお話であったわけでございます。同時に、今村教授御自身も、標準経営というものがどういうものであるか、あるいは社会的な需要というものがどういうものであるかということ、そのものが大変難しい問題だということもあわせて言っておられたと存じます。  私どもも、社会的な需要ということにつきましては、先ほど農蚕園芸局長からお話しございましたように、現在昭和六十五年の見通しということでできるだけ国内のめん用の需要の原料として内麦を充てていきたいという気持ちを持っておるわけでございますが、限界値の標準経営のコストというものをそれに見合って具体的にどういうふうに価格算定の上で考えてまいるかということになりますと、ここは非常にいろいろ難しい問題がございます。こういった問題点も含めまして、米価審議会の小委員会での算定方式の御検討の際に、いろいろ学者の方々の御意見などを承りながら検討していただくということになろうかと思っております。

松山光治農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(松山光治君) 小麦の生産費調査のサンプル数についてのお尋ねでございますが、私ども御案内のように生産費以外にいろいろな調査を行っております。したがいまして、限られた予算なり人員なりを有効に活用しながら各種の調査を的確に実施していく、こういう観点から、それぞれの必要度をにらみながら必要な標本数を確保していく、こういう考え方で決めておるわけでございますが、小麦につきましては、これまでのところ六十二年産の麦までは標本数を二百二十五戸ということで進めてまいりました。ただ、昨今の、今回の法改正もその一つでございますが、麦をめぐる事情を頭に置きまして、六十三年産からはこれを二百六十戸にふやしまして、統計表章も階層区分なんかもよりきめ細かな区分にするといったような改善措置を予定しながら現在調査を続けておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 長官の御答弁については後でもうちょっと伺いたいと思いますが、そこで、二百六十戸ということ、そうすると全部で今麦作の農家というのは何軒くらいあるんですかとか、こういうこともございます。それから、そういう中で現在の生産量を確保している現在の生産の中で一番条件の悪いところというのは経費がどのくらいかかっていて、その経費、どのくらいと言って具体的にはあれですけれども、要するに標準生産、価格算定の基礎になっているその生産費との価格差がどのくらいあるか、これをお聞かせいただきたいと思います。

松山光治農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(松山光治君) 販売農家を対象にした生産費ということで考えておりますので、大体そういう意味での母集団になりまするのが小麦で約三十二万戸でございます。したがいまして、抽出率といたしましては一万分の八程度というのが畑作物に大体共通したぐらいの抽出率に相なっておるわけでございます。  なお、限界生産費というお話がございましたけ れども、個々の生産費をとらえますと、当然のことながら相当大きな格差があるわけでございますので、私、今村先生の公述をお聞きすることができなかったわけでございますけれども、長官からお話のございましたように、原理論といたしましても、いわば限界地における標準的な生産費というのがあの議論のベースにあるわけでございますから、従来から同じような考え方をとる場合におきましても、いかなるものを適正な限界生産費と見るかということについては種々さまざまな考え方もあるわけでございますので、そういうことで御答弁はひとつ差し控えさせていただきたいと、このように考えます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 松山部長うまく逃げられましたけれども、ところで長官、おっしゃるように非常に難しい問題であるから、確かに原理論的だということになるんですけれども、しかし原理論的なものが一つ一つは基礎にあって、それでそれをどう現状に合わせて判断をしていくか、こういうことにもなるわけなんでありまして、その辺のところが私はやはり十分に踏まえられておるかどうかということが大変気になるんです。これが一つ。  それからもう一つは、社会的必要量というふうに言ったけれども、現在生産をされてあれしているもの、あるいはことしこれだけのものを生産するという一定の目標数量が、本来は目標数量が立てられなきゃいかぬでしょう。その目標数量が立てられた中での、やはりそうした限界生産地を配慮した価格検討ということがされてしかるべきだと、こういうふうに思っているんですけれども、その辺はいかがですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 先ほど申し上げましたように、農産物価格につきましての農業経済学上の原理的な考え方として、一つの考え方として今村先生がおっしゃったような考え方があるわけでございますが、その考え方の基本と申しますのはやっぱり農産物に対して一定の需要量がある、需要量が小さくなれば、それに従って耕境と申しますか、比較的肥沃度の高い、あるいはまた地代みたいなものも高いところで生産が行われているけれども、だんだん必要生産量が大きくなってくれば肥沃度の低いところまで耕境が広がっていく。一定の土地耕作、必要とされる土地の面積がふえていく。そういった耕作される土地の中での最劣等地における、また標準的な経営の生産費用ということでございますから、これを具体的な概念として、数字として取り上げるということは非常に難しい問題でございます。  例えば米価につきましてもかつて、米の供給が非常に不足でありました時代に、いろいろなやはりこういった考え方に基づいての議論がございましたけれども、限界地での標準的な生産費というものをなかなかつかまえられないというようなことで、一種の便宜的な手法としてかつて一時期、十アール当たりの生産費を割りますところの単収に、平均単収ではございませんで、その標準偏差相当量を引いて、これがそういう限界生産費的な考え方を盛り込んだ算式というふうに理解をされていたというような時期もあるわけでございます。そういう意味で、原理論としては一つの理論としてございますけれども、これまで価格算定の上で、私、そういった考え方をストレートに数字にきちんとはめたものというのは、我が国におきましても、また世界じゅう探しても恐らくないのではないかというふうに実は思っております。  それから社会的な需要量、これも私ども、先ほど申し上げましたように、できるだけめん用の需要の高い比率を内麦で賄っていきたいというふうに考えておるわけでございますが、そしてそのための各般の生産政策を含めての努力もしてまいらなければいかぬと思っておりますが、先ほど来御指摘ございますような品質の問題ということが非常に重要な問題になってきております。こういった品質問題にどれだけ対応できるかということと、内麦に対する需要量というものとが、これは実際上は切り離せない問題になってまいりました。したがいまして、そういった品質の改善を進めながら量についてのめどもつけてまいりたいというところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 どうもこれやるとまた時間取りそうで困っちゃったなと思いますが、そのことはまた後で時間があったらやりましょう。  それで次に、やはり参考人のお一人の意見の中で、生産費もさることながら同時に基盤整備とかそういった経費がこれから償還期に入ってくる、その負担というものもかなり経営にとっては重大な影響を持っていると、こういうようなことが述べられました。そこで、農地造成とか基盤整備等、これらの負担というものがこれが大きな問題なんです。ところが、これには必ず地元負担、それこそ受益者負担というのがついて回るわけでありまして、その負担分は借り入れをして金利がついてと、こういうことになるわけであります。その金利はまた、前に借りたものは前の高い金利のまま、新しいものは少しはいろいろと配慮をされ、先ほどちょっと出ておりましたけれども、菅野委員のあれで、新しいものは利子を安くされたとしても古いものは古い体制のままだと、こういうことにもなるわけであります。  そういたしますと、せっかく農地造成だとか基盤整備だとかというものを進めていっても、大変負担になるのでは、これは何もならないんじゃないだろうか、こんなふうにも思うわけです。特に田畑転換、あるいは田畑輪換、地域輪作農法なるもの、なるという言葉を使って大変申しわけないけれども、どうしても私、これ農法という言葉にとらわれる面もあるんですけれども、いずれにいたしましても、そうしたやり方をやっていくとすれば、かなりまだこれから基盤整備なり、そういうものをやらなきゃならないものがあるんじゃないかと思うんです。その辺のところ、基盤整備とのかかわりがどうなるかというようなことも伺いたいんです。  ただしかし、また農蚕園芸局長から長々と答えられますと私の時間がまたなくなってしまいますので、そこで、まず今のそうした土地改良事業というものの進捗状況がどうなっているか、そしてその中で、特に麦作とか転作にかかわって必要とされて今取り組んでおられるのはどのくらいのものがあるか、それをお聞かせいただきたい。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 麦の作付面積の中で、畑は大体三二%、それから水田が大体六八%となっております。したがいまして、麦作の振興を図るためには、畑の土地基盤整備とともに水田の汎用化を進めていくことが大事だと考えています。  まず畑の方の土地基盤整備の状況ですが、これは御承知のとおり、農道を整備する、あるいは排水改良を主とするというようなことで実施いたしておりますが、畑の方の整備率は、六十一年の三月現在で全国で四二%というふうになっています。それから、今私どものお預かりいたしています土地基盤整備費の中では水田と州とどっちが多いかというと、畑の方が多くなっておりまして、例えば六十二年度予算、これは当初予算と補正と合わせておりますが、大体九千六百三十六億ございますが、そのうち畑に対するものは五五%、それから水田に対するものが三八%、残りはその他となっておりますが、昔、昭和四十年代のころは水田に非常にウエートがかかっておりましたが、今はむしろ畑の方にウエートをかけた基盤整備をやっております。  その中で、今度は水田の汎用化のためにどんなことをやっているのかといいますと、これは水田は排水改良が大切でございますので、まず汎用化を、つまり何でもできるように汎用化をしなけりゃいけない。その汎用化された水田というのは、これは冬の間に地下の水位が七十センチよりも低くなればいいわけですが、冬の間の地下水位が七十センチより低い水田の面積が約百九十万ヘクタール。百九十万ヘクタールと申しますと、これは全体の水田のちょうど六六%、三分の二に当たるわけです。そのうち大型機械あるいは中型機械の導入が可能な区画整備済みの面積は六十一年の三月末で約百九万ヘクタール、これは全水田の三七%と見ております。今回成立いたしました補正予算でもこの水田の汎用化に関連いたしまして予算 は八百二十億円、うちNTTの資金関連が二百六十五億ございますが、六十二年度予算合わせまして四千三百四十億の予算を計上いたしておりまして、前の年の六十一年度の補正後の金額と対比して一八%アップ、約二割アップと格段の拡充を図っております。こんな形で畑と水田の基盤整備をやりながら麦作の振興も図ってまいりたいと考えておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 構造改善局長の御答弁もなかなか御丁寧なんであれですが、問題は、まあ私の方の問題意識を申しますと、これからのと今までのとがありますが、転作をするために今の汎用できるものに変えていく。そうすると、そのための経費がかかってまいります。それが一体どの程度そういうものが全体の中にあるのか。今までのことは別にして、これからそういう転換をしなきゃならないというものはどのくらいあるのか。それは先ほども申し上げたように転換をすれば必ず経費がかかるんです。この経費負担というのが生産費の中に入らないというところにもう一つ問題があるんですけれども、その辺のところがどのくらいあるのかということを聞きたいと思うんです。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 今申し上げましたように、私ども土地改良長期計画で一応五十八年から十年間の目標を持っておりますが、全体の水田面積のたしか七割ですか、整備しようと思っておりますが、とりあえず今言いました地下水位が七十センチ以下のものが百九十万ヘクタールございますので、全体の水田の約三分の二ございますが、それの半分程度しかまだ機械が入らない。やはり生産性の高い麦作をやるためにも私は少なくともこういう百九十万ヘクタール、地下水位は低いけれどもまだまだ区画が小さいというところを、とにかく区画を大きくして、大型、中型の機械を入れなければいけないのだというように考えておりまして、私たちもそういう意味で全力を投入いたしておるわけでございます。  それから、確かにお話のように負担が高いものでございますから、これからやる水田については整備水準を地元が選択できるようにしようと思っています。つまり幹線水路あるいは支線水路を舗装するかしないか、それから幹線の道路あるいは支線の道路を舗装するかしないかでかなり事業費が違います。用水路も排水路も道路も全部舗装した場合と、用水路も排水路も道路も末端まで含めて、例えば砂利とか素掘りに近いような状態でした場合とでは、反当たりの事業費あるいは最終的な農家負担も半分程度になってしまう。一対二分の一ぐらいに大分違ってまいりますので、ことしの七月に構造改善局長名で通達をして、六十三年度から新規に採択をいたします圃場整備の地区では、今言ったように整備水準をさまざまなバリエーション、変化を示しまして、そうすると事業費が高い整備水準なら幾ら、安い整備水準なら幾ら、したがって農家負担も幾らというのをやって、例えば老人が多くてなかなか溝さらいも、それから道普請にも来られないから高い整備水準が欲しいところはこのくらい、    〔委員長退席、理事高木正明君着席〕 中核農家がいて多少整備水準が低くてもちゃんと維持管理ができるというところなら低い整備水準の選択が幾らになるかというような形で整備水準の選択制を入れようと思っていまして、そういう形で六十三年度新規からやっていきたいと考えているのが一つ。  それからもう一つは、六十三年度予算で今までにやっていた地区で負担がかなり重いというところについては、償還期に入ってなかなか金が払えないという土地改良区については、土地改良区が農家から全額徴収しないで一部は自分で立てかえて償還をしておいて、立てかえたところは農家が後でゆっくり延べ払いをしていく。この延べ払いに対しては、国と県で利子補給をしていくという案で大蔵省に要求をいたしておりますが、これもなかなか難しいのですが、一生懸命努力をして予算折衝で何とか実現をしたいと考えているところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 いろいろと御努力をいただいていることはよくわかりました。しかし私、この間参考人の意見を聞いていまして、あれは大麦でありますけれども、大体十アールにして八万円くらいの収入になって、そしてそのうち二万円が償還になる、こういう具体的な経営の内容が話されました。八万円の中の二万円、これを持たなきゃならないのとなくて済むのとではこれは随分大きな違いなんでありまして、まさにこうした田畑転換でもって麦の生産をということでやっていくならば、私はそこでこうした負担というのはなしにするという、そのくらいの決意があってしかるべきではないか、こんなふうに思うんです。  その辺のところは、この際麦の生産のために一定の水準が上がるまで、先ほどのあれじゃないですけれども相当品種改良も時間がかかるんです。というようなこともあって、それまで当面の間、それじゃ転換をする者は積極的に全額国庫でやってやろうか、このくらいの意気込みがあっていいと思うんでありますけれども、その辺はいかがでありますか。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 現在の土地基盤整備の補助率というのは、やはり事業の性格もございますし、それぞれのその地域地域の農家の収益性も総合的に織り込みながら補助率というものを決めていると考えております。したがいまして、例えばこれは先生の地元ではなくてあるいは北海道のことかもしれませんが、北海道の畑作の場合ですと畑地帯総合土地改良という形で麦作地帯の土地改良をやっておりますが、水田の場合ですと大体反当平均百万ぐらいかかるのが圃場整備の現在の事業費でございますが、    〔理事高木正明君退席、委員長着席〕 北海道の場合、大体畑地帯の土地改良で事業費が十アール当たり二十万ぐらい、水田ですと今言いましたように百万ぐらいかかるところが十アール当たり大体二十万前後・・

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 随分安上がりになっているんですね。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) ええ。それはやはり道路と排水改良が主な中心になっています。したがいまして、十アール当たりの地元負担額については、北海道のそういう畑作の収益性も考えて国が六〇%を負担し、道が二〇%負担して残り二〇%を地元が負担するという形になっておりますので、十アール当たりの地元の負担金額は大体四万円から五万円程度というようになっております。したがいまして、十アール当たりの年償還額も六・五%で二十五年としますと大体五千円ないし六千円という形で、それを麦あるいはビート、あるいはバレイショといったような輪作の中の収益で支払える、可能なような形にいたしておりますので、ほぼ私どもとしては今の国費率あるいは補助率でおおむね妥当だというように考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 経費のうんと安く上がるところ、安上がりのところだけを特に説明されたのではこれは困るんでありますけれども、逆にそうだったら、けちけち言わないでそのぐらいのものだったら全部国で持ったらいいじゃないか、こういう言い方だってできるわけでありまして、それは今の政府の方針の中でなかなか無理だということなんでありましょう。がしかし、私はこうして営々として麦作を続けさせるということであれば、やはりそういういろいろな細かい配慮が必要だというふうに考えておりますので、その辺はひとつ今後のことに、またいろいろと工夫をしていただきたい、こんなことも要望申し上げておきたいと思います。  時間の関係もありますので次に入らせていただきますが、これも順番ちょっと変えますので大変失礼でありますけれども、まずきのうの通告いたしました段階で担当者並びに大臣、それから厚生省の方にも一応あらかじめ読んで御感想をいただきたいというふうに申し上げていた部分があります。それは、八月二十七日の朝日新聞の夕刊に載っておりました「子ザルは何を訴える」という記事であります。もう賢明な皆さんでありますから、私がこれから先何を聞きたいかということは 多分お察しになっていると思いますので、ひとつまずこの記事を読んでどういうふうにお感じになったか、それを伺いたいと思います。大臣のお考えは最後に伺うといたしまして、まず直接その防疫等に当たっておられます植防課長の感想から伺いたいと思います。

岩本毅農林水産省農蚕園芸局植物防疫課長

○説明員(岩本毅君) 先般の新聞の記事でございますけれども、農薬と猿の奇形の問題でございます。私どもこれまでいろいろ調査をしたことがございますけれども、農薬が猿の奇形に直接関係があるという知見は得られておりません。しかしながら、農薬の問題は何と申しましても安全性を確保するということが大変重要だということは認識しておりまして、これからも催奇形性の問題を含め農薬の安全性の確保に十分力を入れていく必要があるというふうに感じております。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 農蚕園芸局長でございますが、今担当課長が申し上げましたけれども、私まずこの新聞を見まして、率直に申しまして猿が極めてかわいそうであるというふうに思いました。ただ役所柄、じゃ、しからば農薬との関係はどうだというお話でございますが、そういう意味で私きのう一日かかっていろいろと文献をあさってみました。これにつきましてはやはり数年前にこの議論があったようでございまして、農林水産省として一定の補助金を出しまして財団法人残留農薬研究所にいろいろとデータを集めていただき、それからいろいろの知見をお持ちの方々に集まっていただいて御議論をなさった。これは今植防課長から申し上げましたことと大体同じでございますけれども、まず日本農薬学会で昨年これは公表されております、発表されております。さらに分厚いものではございませんが、サマリーも、稲村先生御案内のとおりだと思いますが、いろいろなデータ、有機燐剤等々を用いまして一つの知見を出しております。それは私どもといたしましては、農薬との関係ということでございますけれども、今申し上げましたような形でこの調査の結果、小麦やサツマイモからは残留農薬は検出されなかった。また、大豆等の一部からは有機塩素系殺虫剤等が微量検出されたが、これらの残留農薬の検出状況と奇形発生状況とは関係が認められず、猿の奇形発生と残留農薬との間には相関があると予想させるような知見は得られなかったというのがこの一つの結論でございます。  この対象となりますのは、いわゆるえずけをしております場所でございますが、大分県の高崎山、兵庫県の淡路島、長野県の地獄谷、静岡県の波勝崎、それから奇形の発生していない群のようでございますが、宮崎県の幸島、それから岡山県の勝山神庭滝でございます。そのときに、くだんの淡路島につきましては、現地関係者の協力が得られなかったため調査できなかったということでございます。ただ、昭和五十七年から奇形の発生している群として広島県の宮島を加えて行ったようでございます。  最後にもう一つ、繰り返すようでございますが、やはりこの前提の一つの感じというようなことから、私どもいろいろな新聞記事でこういうふうに出されておりますけれども、今後とも残留農薬が猿の奇形発生の原因であると疑われることのないように、担当の農薬取締法の厳正な運用と農薬安全の徹底に努めることが重要だという感想を深くしたものでございます。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 私どももこの問題につきまして承知をいたしておりまして、大変痛ましいことでございますので、その原因が一日も早く究明されることを望んでおるところでございます。  国会でもこの問題提起をされたことがかつてございまして、私ども食糧庁、輸入小麦を扱っておりますので、私どもにお尋ねがあったこともあるわけでございますが、私ども用途を定めまして輸入小麦につきましては直接指定の加工業者に売却をいたしておりまして、この淡路島モンキーセンターに売却した実績はございません。したがって、同センターが輸入小麦を玄麦のままで入手するということは難しいのではないかなと思っておりますけれども、いろいろな人の手を通ってという可能性も全くないではございません。そういうことで、実は同センターに対しましてえさに小麦も使用しているというふうに聞くけれども、その入手先なり現物の提示をしてもらいたいということで、数回にわたりまして要請をいたしましたが、協力が得られませんで、残念ながら使用されておると言われます小麦がいかなるものかということの確認ができていないという状況でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 厚生省お願いいたします。

内山壽紀厚生省生活衛生局食品化学課長

○説明員(内山壽紀君) 新聞に述べられております動物の催奇形性につきましては、その原因が何であれ重要な問題であると承知しております。そうした催奇形性の問題を含めましてその安全性の確保には今後ともさらに一層努力していきたいと考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 今お聞きのような感想がいろいろと述べられました。私が聞こうとしている意味のことは、いずれにしても輸入の農産物というのが非常に農薬に汚染をされているのではないかという心配をするから聞いているわけであります。こういう状況があるからまた事前にお渡しをして読んでいただきました。今の答弁等をお聞きになったことを含めて大臣はどういうふうにお感じになりましたか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) えずけ猿の問題、特に淡路島のモンキーセンターにおける奇形猿の問題、同国が発表しておるパンフレットあるいはまたそれに関連した多くの識者のまとめた本等も今まで読ましていただいております。大変痛ましい気持ちがいたすわけでございます。そして、この奇形の原因が何であるか、単一なものかあるいは複雑な要因であるのか、こういう原因を一日も早く解明しなければならないと、こういう気持ちと、また農林水産大臣として農薬取り締まりの厳正な運営ということもさらにやらなくてはならないのじゃないだろうかと、こういう気持ち等が入りまじっておるところでございます。要は関係省庁相協力してそこら辺の究明をはっきりしたい、そしてまた関係者の方も政府側の要請に対して協力をしてもらいたい、こう考えるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 それぞれありがとうございました。お答えを聞いた中で、私は一つは、猿がかわいそうだとか気の毒だとかという問題意識では、これは困る。というのは、これは霊長類なんです。霊長類なんですよ。人間は何類ですか。猿に影響が出るということはどういうことか。これを深刻にやっぱり考えてもらわなきゃならない問題なんだと思うんですよ。農蚕園芸局長がいろいろと言われたようなことは私も承知をしております。ただ問題は、これがまだ原因がわからないというのが事実なんですよ。やっぱり実際のところはわからないということであれば、これは早急に解明をされなければならない問題、霊長類であるだけにですね。そして、この使用されてはならない、使用してはいないはずの有機塩素系のものが、これが猿の解剖した結果、その死体からかなりの量が出てきているわけですからね。これは、ここにも随分問題があるわけですね。どうしてこれが出てきたのかということがですね。ということにもなるわけであります。  そこで、農産物を扱っていく、特に日本人のこのごろ最近の小麦の消費量というのは非常に大きいわけでありますから、その輸入農産物を扱っていく上で、私は農薬のチェック体制というのがどうなっているかということ、これは非常に大きな問題だと思うんです。そこで、少し具体的にお伺いをしていきたいと思います。  農林水産省にまず伺いますが、海外、特に小麦の輸入の相手国における農薬の使用状況というものはどういうふうに把握をしておられますか。特に小麦について栽培段階でどういう農薬が使われている、どういう時期にどういう農薬が使われて、そして保管段階でどうであるかというようなことについて掌握をしていたら教えてください。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 私どもアメリカ、カナ ダ、豪州から小麦を輸入いたしておりますが、食糧庁としてこの麦の輸出国におきます農薬の使用状況について常時つぶさに把握しているわけではございません。しかし最近この安全性の問題というのは私どもも非常に重要な問題だというふうに認識をいたしておりますので、輸入される麦につきましては厚生省が食品衛生法に定められた基準に基づきましてチェックを行っているというふうに聞いておりますけれども、食糧庁といたしましても、私どもの立場から食品の安全性の重要性にかんがみまして、輸入時にサンプルを抽出いたしまして残留農薬の検査をいたしておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 厚生省の方でチェックをしておられるということも今言われましたけれども、厚生省はこの海外での農薬の使用状況というのは御存じですか。

内山壽紀厚生省生活衛生局食品化学課長

○説明員(内山壽紀君) 私どもの方は、農薬の規制状況、各国でどのような規制をしているかということについては把握してございます。しかしながら、具体的にどのような使い方をしているかについては存じておりません。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 次に、輸送してくるわけですね。ワープ航法でもっていきなりアメリカから日本にぼんと小麦を買ったら来る。カナダから来るというわけじゃありません。輸送してくるわけであります。この輸送時間というのはどのくらいかかるんでしょう。そして、その輸送の期間で農薬を使われるという可能性というのはありませんか。また、そのことについて何か事実農薬がどういうふうに使われてきているかということを掌握しておられますか。これをまず農水省に伺いたい。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) アメリカ、カナダ、それからオーストラリアから輸出される小麦につきましては、それぞれの国の法律とかあるいは規格というものがございまして、輸出をいたします際に害虫が入ってはならないということになっておりまして、一般的に船積み前の検査で害虫が発見された小麦は船積みをされないということになっております。各国の制度を詳しく調べてみますと、例外的に本船積み込み後において薫蒸する場合ということもあり得ないことはないという、これはみんな出港前でございますけれども、という場合が例外的にあるわけでございますが、私どもは、本船積み込みの後で薫蒸した場合には、その旨を通報させるということにいたしておりまして、近年こういった本船積み込み後に薫蒸されたという例は、私ども輸入しておるものについてはございません。いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、輸入小麦につきまして、農薬の残留について食糧庁といたしまして本邦到着時に検査を行っておるところでございまして、食品衛生法に基づきます基準値等に適合しないものが輸入されたことはないということでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そのことをもう少し後で少し詳しく伺いましょう。  先ほどのあれで、海外でのことも、特に使用状況等については厚生省の方は掌握をしておられない、こういうことでありました。これはそうすると、今のような輸送途上でどういう農薬が使用されるか、されたかなどということについでも、これは調査をされたことはないのでしょうか。

大澤進厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(大澤進君) 輸送途上における農薬の使用状況についてでございますが、ただいま農水省の方からも御説明がありましたが、厚生省においては輸入段階でチェックしているわけでございますが、その状況では、輸送途上で具体的に使用している、そういう状況にはないと、こういう報告を今のところ受けておりますが、今後とも安全性の確保の観点から、使用状況について必要な情報の収集に努めてまいりたいと思います。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そこで、そうすると農林水産省、食糧庁は、これは小麦を輸入される、そうすると、これは農林水産省の担当としてはまず植防がこれをチェックする、こういうことになるわけでしょうね。そうすると、植防はこれは害虫が発生していないかどうか、こういうことを確認をいたしまして、そしてそれによって対処をする、こういう形になっていると思うんですね。まず、そうするとそこから聞きましょう。これの検査状況というのはどういうふうになっていますか。どの程度検査をしていますか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 今先生御指摘のとおりでございまして、植物防疫法によりまして、海外から輸入されます穀類あるいは種苗、果実につきまして植物検疫を実施しております。病害虫が発見された場合、消毒等の的確な措置を通じまして、病害虫の侵入、あるいは蔓延の防止に努めておるところでございます。  この小麦でございますが、害虫が発見された事例がございますので、その際には薫蒸剤による処理を実施しております。処理後に植物防疫官みずからが効果の確認を行いまして厳重な検疫措置を行っております。具体的な数字でございますが、昭和六十年の数字でございますけれども、輸入数量五百五十四万八千トンのうちでございますが、一匹でも害虫が発見をされますとその部分について薫蒸をしているわけでございまして、その数字が百十六万六千トンというふうな数字になっております。この場合には、先生御案内のとおりでございますが、主としまして臭化メチルによる薫蒸ということでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そうすると、これは目で見ての害虫のことだけですね。輸入小麦がどういう農薬にさらされてきていたか、こういうことについては、これは具体的にチェックしているんですか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 植物防疫法上の観点から・・

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 だから、あなたにお聞きしておるんじゃない。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 先ほど申し上げましたように、私ども食糧庁といたしましても、安全性の重要性にかんがみまして、輸入時にサンプルを抽出して残留状況の調査をいたしておりますが、これにつきましては、農薬といたしましては臭素、EDB、それから有機塩素剤のBHC、DDT、ディルドリン、エンドリン、それから有機燐剤のパラチオン、こういったものにつきまして国内基準がそれぞれ定められておりますので、それを基準にいたしまして検査をいたしておりますし、そのほかスミチオン、マラチオンといった有機燐剤につきましても国際基準に従いまして農薬残留の検査を行いまして、その基準をオーバーしていないかどうかということを十分チェックをいたしまして輸入をいたしておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 抜かりなくやっているように聞こえますけれども、食糧庁でやられたチェックのリストも一応いただきました。しかし、これ全体でどの程度検査をされているんですか。サンプリングをされるとしたら全体の量の中でどの程度のサンプリングをして、こういう例えば今いろいろと言われた農薬の残留値を調査しておられるのか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 特定の輸入港でチェックをいたしております。最近船も大きくなりましたし、また需要地が全国に散在をいたしておりますので、一船で二港に揚げたり、大型船の場合は三港で揚げたりというふうなことがございます。入ってくる船で申しますと、大体七割程度のものにつきましてこの検査でカバーをされております。先ほど来申し上げておりますように、我が国が輸入をしております小麦というのは、アメリカと豪州とカナダと三カ国に限られておりますので、こういった検査の安全性についてはチェックができておるというふうに考えておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 聞いたことに答えてもらわなきゃ困りますよ。私、今全体の中でサンプリングはどのくらいやっているんですかと、こう聞いているんです。検査をするためのサンプリングというのは、じゃ、全体の何%くらいをサンプリングとして、何%といったらいいですか、具体的に何かでこういうサンプリングをやっているから、全体を大体七〇%カバーして、三〇%問題あるんですけれども、その七〇%カバーができている、こういうことになるんですか。その根拠を聞きたい。 ――ちょっと打ち合わせをしているんだったら、その前に厚生省の方に今度伺っておきたいと思います。その間に準備していただきたい。  厚生省、この八〇年四月八日の大阪の朝日新聞に、輸入小麦が有機燐汚染をしているということ、これが国立衛生試験所でテストしたところがわかったと、こういう記事が載っております。そこで、この輸入小麦の農薬汚染については、その後どういうふうに対応してこられたか、これをお聞きをしたいと思います。

大澤進厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(大澤進君) 私ども一九八〇年に国立衛生試験所で輸入小麦等について農薬の残留状況をチェックして発表しているのを承知しておりますが、そういう状況もありますので、従来は先ほど農水省さんの方からも御説明がありましたが、我が国における小麦についての農薬の基準が定められておりますが、それ以外のマラチオンあるいはスミチオン、こういうものにつきましてもチェックの必要があるということで検査の指示をしているところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ぼそぼそと言われるとよくわからないので困りますが、そうすると、検査をずっと継続してその以後やっておられるわけですね。そうすれば、検査の結果というのがずっと体系的に検討をされる、こういう形になっているんでしょうか。もしその検査をしているものがあれば資料としてもいただきたいと思いますけれども、その辺はいかがですか。

大澤進厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(大澤進君) 従来から検査しておるわけでございますが、その間、先ほどの御指摘のように外国において使われているものにつきましても指示をしているところでございまして、過去五年間、いろいろ検査をした結果過去五年間につきましては基準を超えたものがない、こういう状況でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 え、何。

大澤進厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(大澤進君) 過去五年間のデータでは、これらの各項目についてチェックした結果基準を超えたものはない、こういう状況でございますので、今後ともこの農薬の安全というのは大切でございますので、検査あるいは監視の万全の体制をとってまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ちょっと待ってくださいよ。そうすると、基準に抵触したものはないというお話でありましたけれども、小麦については臭素、EDB、BHC、DDT、ディルドリンとかエンドリンとか、パラチオンとか、こういったものについては国内の基準としてありますね。しかし有機燐剤のマラチオンだとかフェニトロチオンは、これは国内基準は小麦については今ないんじゃないですか。米にはあるんでしょう。はっきりしてください。

大澤進厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(大澤進君) 説明不足で申しわけございませんでした。国内については確かに基準を設定してチェックしているわけでございますが、マラチオンあるいはスミチオンにつきましては、現在日本には基準は設定しておりません。そこで、ただ使用の可能性があるということから輸出国で使用されている可能性のある農薬については、FAO、WHOが基準を示しておりますが、それを参考にしてチェックの指示をしている、こういう状況でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 それでもちょっとまだわからぬのですよ。そうすると、例えば食品衛生法上は具体的にいろいろと規定をしていますね。そしてこれらのものについては、これだけの基準にならなきゃならない、基準を超してはならないというようなことで、それぞれ食品添加物等の規格基準というのがあって、それの中に農薬もこんなものはこれ以上あってはいけないということがいろいろあります。エンドリンとかディルドリンとか検出されてはならないとかいうふうになっているでしょう。ところが、そうするとここには基準が書かれていない、そういうものは一体どういうことになるんですか。今の国内の基準には明確に残留の許容基準値が書かれているわけでしょう。それが書かれてないものはどうなるんですか。

大澤進厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(大澤進君) 先ほども御説明いたしましたが、国内についてはもちろん基準が設定されている。基準を設定してない農薬はもちろん幾つかあるわけでございますが、それらにつきましても輸出国の使用の可能性がある、そういう情報、状況があるとすれば、一応国内の基準はもちろんございませんが、行政指導上、この場合はFAO、WHOの基準があるわけでございますが、それに準じてチェックするよう指導しているところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 先ほど外国での使用状況について掌握をしているのかということを伺ったのには意味があるんですよ。というのは、栽培中に使われていた農薬というものだけではなくて、保存中に、一番極端なのは混合して、そして害虫防除に使って、防ばい剤などに効用があるということで使っている、こういう情報も我々は聞くわけですね。ということに相なってまいりますと、これは私は非常に大きな問題だというふうに思うんです。しかも、今の食品衛生法上からいえば、ここに基準に定められたもの以外ということになれば、本来、この法律をそのまま読んでいけば検出されてはいけないものになってくるんじゃないですかというふうに私は思うんですよ。まず、そういうポストハーベストで農薬が使われる場合に、これは農薬になるんですか、添加物になるんですか。

内山壽紀厚生省生活衛生局食品化学課長

○説明員(内山壽紀君) 農薬につきましては、そのほとんどのケース、外国におきましてはこのようなものについては農薬として取り扱われているように理解しております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 じゃ、我が国ではマラソンだとかフェニトロチオンをまぜてもいいんですか。そういうことができるのですか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 国内におきまして、マラチオンやフェニトロチオンはポストハーベストでは使用されておりません。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そうすると、これは外国で使われたら農薬で、国内ではそれ農薬としては使わないということになると、どういう扱いになるんですか。私はこれは添加物と同じだと思うんですよ。防ばい剤を使っているのと同じことじゃないんですか。ビスケットなんかにもかなりの量が検出されているんですからね。この辺は厚生省。見解どうですか。

内山壽紀厚生省生活衛生局食品化学課長

○説明員(内山壽紀君) 基本的には、それから国際的にはこのようなポストハーベストというものについては農薬の取り扱いというような扱いになるものと考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そうすると、どんなに検出をされても農薬という基準であるから、国際基準の範囲ぐらいの中だったらこれはしようがないと。でも、小麦の中へ直接マラチオンを少し食品会社がまぜた、こういうことをもしやったら、その場合はどうなりますか。

内山壽紀厚生省生活衛生局食品化学課長

○説明員(内山壽紀君) そのような使い方は農薬取締法上でも認めていないと思いますし、添加物としての指定もございませんから、それは違法になると考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 本来検出されてはならないと私は思うんです。それぞれその法的な試験機関等であれした論文の中でも、小麦については、輸入小麦はほとんど全部の検体から、量的にはいろいろとありますけれども、こうした有機燐系農薬が検出をされているんですね。特にビスケットについてはかなり高濃度でも検出されているという調査結果もあります。こういうことになってくると、これは食品問題として食品衛生上の観点から、かなり重視をしていかなければならない問題ではないかというふうに思いますけれども、これは厚生省、どういうふうにお考えですか。

内山壽紀厚生省生活衛生局食品化学課長

○説明員(内山壽紀君) 今のそのポストハーベストとしての使用がなされた場合におきましても、やはりそのような小麦が日本に輸入されるときにつきましても、安全性の確保ということは重要なことと考えております。したがいまして、私どもの方としましても、昭和六十年度から年次計画的に、今先生の御指摘のマラチオン、フェニトロチオンを含めまして、食品における残留農薬基準の 整備を図っている段階でございまして、今その途上というように御理解いただきたいと思います。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そこで、具体的に農薬については食品衛生法の四条の一あるいは七条でいろいろと書かれていて、それをさらに受けて食品添加物等の規格基準というのができている、こういう形になっていますが、これでは、ここでもって私たちが見ていると、小麦の規格基準でいけば、小麦の成分規格の中で、これこれこれのものはこういうふうな検出をされてはいけない、これこれが限界ですよと、こうされているもの以外、記載されているもの以外は、この法文をそのまま読めば、これは検出されてはならないものになるんじゃないか。だから検出されたら非常に問題だということになるんではないでしょうか。ところが、フェニトロチオン、マラチオン等は国際基準はあったって、我が国のこの法律の中には書かれていないんですからね。基準のないものを検出したということになったら、食品衛生法上はそれは違反だということになりませんか。

内山壽紀厚生省生活衛生局食品化学課長

○説明員(内山壽紀君) 先ほども御説明申し上げましたように、残留農薬の基準というものにつきましては、私どもの方も今の基準自体で十分であるというようには考えているわけではございません。したがいまして、この残留農薬基準のいわゆる拡充と整備ということを現在やっているわけでございまして、そのときには、先生御指摘のマラチオン、フェニトロチオンにつきましても、国内的にいわゆる食品衛生法に基づく基準を作成したいというふうに考えておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 まだできていないということでありますから、これは非常に問題なんですね。先ほどそれで猿のことも見てもらったんですということなんですけれどもね。  そこで、もう私の持ち時間がほとんどなくなってしまいましたので、本当にこの問題もっともっと詰めなきゃならぬというふうに思っていたんですけれども、まことに時間的な制約でもって残念であります。しかし、私がこんなことをずっと申し上げて確かめてまいりましたのは、輸入小麦については、少なくとも農薬についてきちんとした履歴書が必要じゃないか。アメリカなりカナダなり豪州なりでどういう農薬が栽培中に使われて、そしてどの程度使われて、そして保存中にはどういう農薬がどうやって使われた、輸送途中にはこういうふうにしてこういう農薬が使われたというようなことが、一連がずっと明らかになってきて初めて、サンプリングのことをさっき聞いたらなかなかよくわからなかったから、お答えがないままに経緯をしてしまいましたけれども、結局サンプリングでやっている調査程度では、とてもじゃないけれども、大変な大きな中でのわずかのサンプリングぐらいでは対応できるものじゃない。全体にやっぱりこれは疑ってみなきゃならない。現実にこういうことをやってみれば輸入小麦粉の場合は全部出てくるんですからね。それが基準値であるかどうかということの議論は別にしましてね。ということになるわけでありますから、そういう履歴書づくり等を十分にやってもらわなきゃならぬ。しかし、この履歴書づくりということを考えることもさることながら、やはり国内産小麦というものの生産であれば、それこそ国内基準に合わせて、先ほどのあれじゃないけれども、マラチオンをまぜて使っちゃいけないんでしょう。そういうことがきちんとできるわけですよ、履歴書がちゃんとついたものができてくるわけですから。そういう観点からも国内産小麦を十分に生産をするための努力をしてもらわなきゃならぬ。こういう観点があるからかなり厳しい言い方をいたしましたけれども申し上げてまいりました。  そこで、最後に、私これで厚生省関係結構でありますが、もう時間が来てしまいましたから、私の意見をずっと申し上げて大臣の御答弁をいただくということにしたいと思います。  私はずっと今回の審議の過程の中でまだまだわからない点がいっぱい残っています。特に、なぜパリティ価格を下限とする――下限とするんですからね、下限とするという表現がいけないのかということもこれもどうもまだ納得しておりません。しかし、それをまあ一歩引き下がって見ていくとしても、パリティ価格というのは、この間も言いましたけれども、だれが計算しても同じ答えが出てくる。言ってみれば、大臣この間、金の物差しという表現だったでしょうかね、を使いましたが、そういうものになりますね。それにあとしんしゃくの、参酌のゴムの分がくっつくんですということになりますけれども、今度は生産性向上をはかる物差したとか、それから品質の改善をはかる物差しとか、この間からいろいろと議論聞いたって、これなかなか物差しつくるのは大変なことだと思うんですよ。これを金の物差したと皆さんに理解してもらうには容易なものじゃない。よほどしっかりした理論的なきちんとしたものを出していただかなければ、皆さんが金の物差したというふうに理解はしてもらえないと思うんです。  ということになりますけれども、これから先、そういうものを十分考えていただきながら、そして今度のこの審議の中でもいろいろといっぱい議論が出てきています。皆さんから質問が出ていることが、まだみんな詰め切れてないものがいっぱいあるんだというふうにも思いますけれども、しかし、少なくともここでもっていろいろと議論されたことが、これからの米価審議会で今度具体的に算定方式決めるんでしょう。それの中には積極的にこれは生かして、国会での審議を生かしてもらわなきゃなりません。そういうことも意見も十分に踏まえてやっていただかなければならないと思うんですけれども、その辺のところも考えながら、特に今回の法改正というのをあえてなぜやらなければならなかったか。その辺のところを再疑問を提出いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今回の改正案、まあ前回一日御審議をいただきましていろいろな問題点等を御指摘をいただいたところでございます。要は今までの量的拡大というものを生産性の向上と品質の改善ということを目指した改正でございます。米価審議会における小委員会におきまして、当委員会でいろいろな先生方が御指摘になった点等を十分お伝えし、検討していただきたいと思っております。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二十四分休憩      ―――――・―――――    午後一時三分開会

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、高杉廸忠君及び八百板正君が委員を辞任され、その補欠として山本正和君及び鈴木和美君が選任されました。     ―――――――――――――

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 休憩前に引き続き、食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 前回の質疑の続きからお願いしたいと思いますが、まず今回の改正案で、新算定方式を昭和六十三年産の大麦、裸麦及び小麦から適用とした理由についてお伺いしたいと思います。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 実は今回の改正法事は、御案内のとおり前通常国会に提出をいたしまして、継続審査という形になったものでございます。したがいまして、提出の時点でこの改正法案を成立さしていただきましてから算定方式の検討に入るということになりますと、六十二年産麦については時間的に余裕が極めて少ない。そしてまた算定方式と申しますのは、もう収穫が始まったときに大体固まってくるというふうなことではやはり生産者の方々にもいろいろ不安な状態をもたらすということにもなりますので、改正後できるだけ早く米価審議会の小委員会で算定方式を検討していただくことにいたしておりますけれども、その結論を得てこの改正法の適用をやるというこ とになりますと、やはり六十三年産麦からということにならざるを得ないのではないかということで、六十三年産麦から適用するというふうに御提案を申し上げているわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 現在の審議経過から見まして、賛否につきましては別といたしまして、この新算定方式が具体的に麦作農家に示されるのは何月ごろですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) その点、米価審議会での小委員会でどの程度御検討に時間を要するかということにかかってまいろうかと思っております。そういう意味におきまして、どのくらいの時間ということを私今ここで直ちに確定的な期間をちょっと申し上げにくいのでございますけれども、やはり例年六月に麦価を決定をいたしておりますので、そういう点からいたしますと、それにある程度時間的な余裕を置いてやはり結論を出す。来年の春ぐらいまでにできたら六十三年産麦からの算定方式はこういう考え方でやりますということがお示しできればいいなというふうに、私どもとしてはそういう期待をいたしておるわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 この間北海道へ参りまして、飛行機の上から、もう既に来年の秋まきの畑の準備が始まっているわけですね。農家にとりますと、作付面積の計画はもう今から見通しを立てなければならない。そういう時点でこの価格の算定方式がまだ明示されていない。言うなれば、そうした不安を抱えながら麦作計画を立てなければならない。こういう農家の営農計画に大きな不安要素になっている問題につきまして、確かに前国会提出、継続審議という状況がございますけれども、率直な気持ちとしまして今回のこの審議に当たってやはり法の適用の時期について、できれば、むしろ私の率直な気持ちとしては一年ぐらい延ばして実施するぐらいの、このくらいの許容があってもよろしいんではないか、こういう感じを率直にするわけですね。この点に対する御見解はいかがでしょうか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 私ども本来できましたら、通常国会に提出をいたしましたので、前国会でこの法案が成立をいたしまして年内ぐらいにそういった検討が行われれば、それが一番望ましい姿だというふうに思っておったわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように衆議院で継続審議ということで今日御審議をいただいているような状況でございますが、前回の質疑のときにも申し上げましたように、新しい算定方成を検討するといたしましても、これは米価審議会の小委員会の中にいろいろな生産サイド、実需サイド、また中立の方も入っておられますし、そういった御検討の中でやはり行政価格の連続性と申しますか、そういうふうなことについては当然配慮がなされるだろうというふうに思っておりますし、私どもも当委員会でもそういうふうな御意見を賜っておりますので、そういうことも小委員会に伝えながら算定方式の御検討をしていただくことになろうかというふうに思っておるところでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 麦価の激減のないようにぜひこれは十分な配慮をお願いしたい、このように思うわけでございます。  次に、自給率と麦作政策につきまして若干私伺いたいと思うんですけれども、一九七三年から一九八二年までのデータをちょっと取り寄せまして穀物自給率の動向を見てまいりますと、我が国の穀物自給率は極めて低いわけでございまして、一九八二年で三三%、ちなみにアメリカ、カナダは二〇〇%前後、フランス、英国等についてはこれまたフランスは一七九%、英国は一一一%、西ドイツも若干減ったとしても九五%、イタリアが八九%、こういうぐあいになっておるわけでございますけれども、我が国がどうして穀物自給率がこれほど低いのか、その原因をどう分析して、将来的に穀物自給率をどの程度を水準として望ましいとして政府としては対応しているのか、この点の考え方につきましてお伺いいたしたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 我が国の穀物自給率が他の先進国に比べまして低い水準となっておるということはいろいろ反省もせられ、考えさせられるところでございます。またある面ではたびたび当委員会でも申し上げておりますが、穀物を輸出することを国是としておる国々の自給率という問題と我が国とはある面ではそういう点が違うのではないだろうか。それから我が国の国土、自然の状況というものは非常にいろいろな面に制約があるわけでございます。そういう面から畜産に必要とする飼料穀物の大部分というものを輸入に依存せざるを得なかったということがそういう一つの大きな数字になってきたのではないだろうかとも考えられるわけでございます。しかし、いつも申し上げておりますように、食糧は国民生活にとって最も基礎的な重要な物資であり、一億二千万人に及ぶ国民に食糧の安定供給を図っていくということが農政の基本的役割でございます。そういう点を考え、また国民の納得し得る価格での食糧の安定供給に努めるということもこれも基本でございます。限られた国土条件の制約のもとで可能な限り生産性の向上を図ることを中心に各般の施策を展開しまして国内での基本的な食糧供給力の確保に努めなくてはならない、かたく強く考えておるところでございます。  今申し上げましたように、作目別には飼料穀物等について先ほども申し上げましたが、国土条件の制約等により輸入に依存することはやむを得ませんが、米等現に国内で自給する体制を確立しているもの、あるいは今御審議いただいておる麦その他、こういうものにつきましても一層の生産性の向上を図ることにより、その供給体制を維持することが必要であると考えております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 ただいま大臣お述べになりました麦ですけれども、先ほど私がデータを示しました一九八二年に例をとりますと、小麦の例でわずかに一二%、ここ数年増産傾向にはございますけれども、それでも一四%にすぎないわけでございます。で、麦作の安定という点から見ましてこの麦の自給率につきまして非常に数字的に示すということは難しい側面もございますけれども、適正な自給率の水準をどの程度というぐあいに将来展望としてお考えになっているのか、この点をまず伺っておきたいと思います。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) ただいま大臣から穀類等全般のことについてお答え申し上げましたけれども、麦につきましては私の方から答えさせていただきたいと思います。  麦の自給率でございますが、先生御案内のように、二十年代につきましては小麦で四一%から四九%、大裸麦につきましては七〇から九〇%で推移してきたわけでございます。その後需要が増加する一方で国内の生産が減少をいたしまして、四十八年には小麦で四%、大裸麦で一〇%まで低下をしたわけでございます。四十八年以降は麦生産対策の強化であるとか、あるいは転作対策の実施によりまして、先生御指摘のとおり国内生産が増加に転じまして、六十年には小麦が一四%、大裸麦で一五%まで回復したわけでございます。現在のところ、私ども麦の自給率については昭和五十五年に公表されました「農産物の需要と生産の長期見通し」の中で、目標年次でございます昭和六十五年におきまして小麦一九%、大裸麦一七%という見通しを立てているところでございます。この点に関連をいたしまして、現在のところの達成率と申しますか、これにつきまして具体的な数字をまだ私ども六十年の数字しか持っておりませんけれども、目標面積あるいは目標生産量といったような点から類推をいたしますと、この生産の長期見通しにおきまして、六十二年の現時点におきまして七五%程度まで達成をしているというような数字になっております。なお、小麦につきましては七九%という状況でございますので、私どもは現段階におきますこの「農産物の需要と生産の長期見通し」というものを一つの目標として掲げまして今後も努力をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、昨年の十一月に公表されました「二十一 世紀へ向けての農政の基本方向」と題します農政審の御報告によりますれば、この中で単収の高位安定化とあわせまして各種の施策を図る、それによりまして生産コストの低減を図るとともに実需者のニーズに即した品質の改善を推進をしろと、それによりまして日本めん用を中心といたしましての総需要量の一定程度を国内生産を確保することを旨としろと、こういう内容の御報告をいただいておるわけでございまして、こういった線に沿いまして生産の振興に努めてまいりたいというふうに考えております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 資源配分から見た自給率という点では、やはり今の御説明を伺っておりましても、率直に言いまして穀物政策に問題はないかなという感じを強くするわけでございますが、大臣は日本の国情という点から先ほど御答弁をしていただきましたけれども、確かに視点を変えまして国土の広さという条件ではアメリカやカナダなんかの国土面積、これはもう非常に広いわけでございますけれども、英国やフランスなどはさほど面積は広いわけではないわけですね。それでも一〇〇%前後の自給率を保っている。食生活の違いによるということも考えられますけれども、やはり政策的に食糧生産分野の対応に問題があるんではないか。つまり我が国は狭い国土の中で農産物のある部分においては輸入によって賄う、無資源貿易立国として工業生産を出していく、こういう状況があるわけですけれども、その中において人材も含めて資源配分で、産業全体に占める食糧生産分野を軽視しているという嫌いがどうしてもぬぐい去れないわけです。  例えばそういう視点から麦作政策を見てみますと、一方では輸入拡大の圧力が内外ともに今強いわけです。そのしわ寄せが農産物に集中してくる。貿易収支の黒字減らしに対して農産物の輸入がどれだけ貢献するかということは別といたしましても、やはり今後農産物の輸入拡大の圧力は続くと覚悟しなければならない。その中でやっぱり日本農業は生き残っていかなきゃならない。穀物のこの政策もそういう視点からやっぱり基本的に確立をする必要が迫られているのではないか、このように非常に思うわけでございますけれども、再度大臣にその辺の御見解を伺いたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私も、実は率直に申し上げましてイギリスの自給率の向上ということ、また、ある面では四方海に囲まれた国というので、我が日本と非常によく似ておるということで比較検討あるいは勉強してみました。そして一つだけ思い当たったことは、イギリスに行ってロンドンから鉄道に乗って北の方に一時間ないし二時間走ってみますと、一番英国内で変化があったというのは、原野やあるいは放牧してあったところが畑になって麦を植えておるという、その二十年前、十年前とごく最近との間の変化に実はびっくりしました。イギリスも我が日本と同じように第一次、第二次世界大戦で大変食糧危機を味わった国として、やっぱり国民的コンセンサスあるいはその間の政府のいろいろな指導等によってこういうように変化してきたのかなという意味に、一つはイギリスの自給率の向上というのを見たり分析したりしたこともありました。またその反面、冷静に見ますと、イギリスの場合の地形というのは、我々住宅政策、土地問題を考えるときにも、可住面積が非常に広い。山地が少ない。面積は日本より狭いわけでありますが、可住面積、農耕地適地面積から言うたら日本の何倍かに相当する。そして人口も逆である。こういった問題等を考えざるを得ないわけであります。  そしてまた反面、我が国の戦後農業における米、先ほど農蚕園芸局長がお答えいたしましたように、小麦あるいは大麦の自給率といいますか、非常によかったのが急激に悪くなった。それはある面では大部分が飼料用、酪農用ということになる。特に鶏とかあるいは一般の飼料用作物に非常に使われておる。そしてそれはある面では、鶏や卵は物価の優等生と言われ、今は暴落して大変困っておりますが、そういうことになる。そこら辺で我が国の国民のとる栄養、カロリーの分における配分その他等考えて、先ほどお答えした飼料用穀物まで日本で自給するのは、ちょっと率直に申し上げましてこれは無理かなと。今御議論いただいておる麦の関係で見ましては、もう日本産の小麦の大部分はある面ではうどん用といいますか、めん用でございますね。せめてそれの分をしっかり上げていかなくちゃならぬ。  先般もちょっとここでお答えしたんですが、私はうどんが好きで、讃岐うどんが大好きなんでありますが、あれは一〇〇%日本の麦かと思っておったら、ASWが七割も使われておる。それで稲村委員はあれで味が悪くなったと言われたんですが、私は味はそう悪くなっていないとは思うんですけれども、そこら辺の問題等は大いに考慮していかなくちゃならぬ。  それからもちろん一部日本の麦でパンをつくっておるのも試食したりなんかもしてみまして、これはアメリカ産の小麦を使ったパンに比べてちょっと歯切れが悪いなとかなんとかいう感じもしましたが、ある面では用途の拡大も図りながら少なくとも当面はめん用だけの自給率は上げるようにしなくちゃならぬ。穀物全体についても、主要穀物は先ほどお答えしたように、米等を中心とするものはこれはしっかりやっていかなくちゃならぬと考えておるところでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 麦の需要動向につきまして、午前中にも若干出ておりましたけれども、私ももう少しこの問題伺っておきたいと思うわけでございますが、やはり需要と生産というのはこれはもう密接不可分でございまして、今回の法改正は需要動向に結論的にはどのような影響を与えるのかなという、こういう感じをぬぐい去れないわけです。やはり今大臣飼料用のお話をなさいましたけれども、政府として今回の法改正が需要動向にどういうぐあいに与えると分析されておられますか。その点お伺いしたい。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) これまでの麦価の規定でございますと、価格算定の考え方の基本と申しますのはパリティ指数という一種の物価指数、これが中心に据えられてその他の経済事情を参酌するということでございましたが、今回の改正法におきましては一つは需要及び供給の動向というのが参酌事項に入っております。また、配慮事項といたしまして品質の改善ということが入っておりまして、麦価の算定においてそういった品質別の需給あるいはまた内麦の品質を全体としてよくしていくということを価格政策の面でも配慮するということを法律上はっきり示したということでございまして、こういった規定のもとにおきましては、これまでのように品質ということを余り考えないで、一本価格でやってまいりました価格政策の運営というものを、やはり良質麦の生産誘導が図られますような配慮を加えてやっていかなければいけないということでございますから、そういう価格政策が運用されました場合には、良質麦の生産の増大を通じまして内麦の需要の拡大にも結びついていく、そしてまた結びつけていきたい、そのために価格面でも品質の問題を配慮するという考え方に立っておるわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今の内麦の需要量ですけれども、総需要量に占める内麦率をどの程度ぐらいの水準が妥当とお考えになっておられるか、これが一点ですね。  それから需要の状況を見てまいりましたら、小麦の需要状況を例にとりますと、ほぼ横ばいという。例えば小麦粉ベースで見た場合、一人一年当たりの純食料というこのデータでは、三一・八キログラム、これは変わっておりません。六十年実績ではわずかに減りまして三一・七キログラムの状況である。こういう状況の中で、一方ではマカロニとかスパゲッティー、ビスケットなど二次加工品の輸入が大幅に増加している傾向があるわけでございますね。こうした推移を踏まえまして、食生活のニーズに応じた工夫をすれば需要拡大の余地がまだあるのではないか、前段の第一問の質問とあわせましてこの需要拡大に政府はどういう取り組みをなさろうとしているのか。この二点を お伺いしたいと思います。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) まず麦の需要動向全体につきましては、昨年十一月の農政審報告でも九〇年代へ向けて、つまり昭和六十五年以降の食生活なり農業生産についての検討が行われまして、今お話がございましたように、小麦、大裸麦それぞれ近年の動向から見て一人当たりの消費は大体横ばいだろうというふうに見込んでおるところでございます。そういった中で、国内産小麦の需要拡大の問題でございますが、これまでも日本めん用としての利用面につきましては、品質特性の異なります国内産小麦と外国産小麦とを混合しまして、一定のめんの品質を維持するためのいろいろな工夫でありますとか、あるいは国内産小麦の品質、産地によりまして品質がかなりばらつくというような問題がございまして、これが需要者側が使いにくいというような声もございますので、それを均一化するためのいろいろな品質調整のための努力というふうなことをやってまいりました。  それから、主としてめん用でございますけれども、めん用以外につきましてもパンなり、あるいは即席めんへの利用といった新規用途の開発にも努めているところでございます。幾つかのパンのメーカーあるいはまた生活協同組合というようなところで、午前中お話がございましたような安全性というふうな問題も含めて、国内産の粉、あるいは地元の粉といいますか、地粉といいますか、そういうものと外国産の小麦とをある割合で混ぜまして、おいしいパンがつくれないか、あるいはまた農林六十一号一〇〇%で、ただこれでございますとグルテンがちょっと足りないので、パンとしての膨らみとか、すの入り方が悪くなりますので、グルテンを添加しながら国内産小麦で食パンをつくるとか、そういったいろいろな開発努力も行われているところでございます。  今後ともそういった各般にわたります需要拡大のための努力と、それから原料の麦につきましての品質の改善、それからまた物流の合理化というふうなことをあわせて、全体として一人当たりでは横ばいの段階に入っております麦類の消費の中で、内麦の消費の割合というものが落ちないように、そしてまたできるだけそれが上がっていくようにという努力をやってまいりたいというふうに思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 二次加工品の問題につきましては、これは生産ともかかわりが深いものですから、若干小麦の二次加工品の動きにつきまして何点か確認をさせていただきたいんですが、二次加工メーカーの小麦の需要が相対的にふえているのか減っているのか。またメーカーの生産工場を海外へ、麦主産国へ移すような動き、この状況についてはどういうぐあいに掌握をしているのか。逆に国内の小麦の二次加工品の輸出に対してどういう動きがあるのか。この点について調査しておりましたデーターあるいはまた実態等がございましたらお教えいただきたいと思います。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 現在輸入されております麦製品の主なものはといいますと、マカロニ、スパゲッティ、それからビスケット、それに乾めん、大きく見ましてこの三つの分野が麦製品の輸入の主なものでございます。マカロニ、スパゲッティとかビスケットにつきましては、本場志向とか高級品志向といったような風潮もございまして、輸入が従来から増加をしておりましたけれども、最近円高傾向によりまして、参考人のお話もございましたけれども、それがさらに進んでいる。それから乾めん類につきましては、従来から安価なものが若干輸入されておったのでございますが、これも円高による割安感からさらに増加をしているという状況でございます。  今後の輸入につきましては、為替相場なり海外の小麦相場の動向に左右されるところが大きいこともございまして、なかなか明確にお答えすることが難しいわけでございますけれども、現状を前提にしてあえて申し上げれば、小麦の内外価格差の現状等から見ますと、増加する方向に推移するのではないかということが懸念をされるという状況でございます。確かに対前年同期のこういった二次加工品の輸入の伸びということから見るとかなり高い伸び率になっておりますが、例えばビスケットについて申しますと、国内需要量に占める比率が昨年度で四・一%、乾めん類につきましては〇・二%ということでございまして、国内の需要量あるいはまたそれに見合いました供給量の中に占めるシェアとしてはまだ輸入品というのは小さいレベルでございます。  麦製品関係、小麦関係の企業の海外進出でございますが、現在まで私どもが把握いたしますところでは二十四社、五十三現地法人、品目としましてはインスタントラーメンとかパン、しょうゆといったようなところが中心でございます。これらの海外進出企業の生産は、現地のマーケット、あるいはまたその進出されました国からその近くの第三国に輸出をされるというような生産の仕方でございまして、日本の企業が海外へ出てまいりまして、そこで生産されたものが今度日本に入ってくるという状態までにはまだ至ってないというふうに私ども認識をいたしております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 先ほどの総需要量に対する小麦の国内需要の水準に関連するわけですけれども、これもやはり数字ではちょっと難しいかなという感じがいたしますけれども、内麦、外麦の供給比率ですけれども、これは財政負担等の絡みもございますが、どの程度の水準を保っていこうという中長期的に見て展望を持って取り組んでおられるのか。  それからもう一つは、財政負担がだんだん内麦については大きくなってきている。それを外麦とのコストプール方式でやっているということに対する批判もあるわけですね。今基本的に、今回の法改正の意図とも関連するわけですけれども、それを少なくとも財政赤字を出さない水準でいこうとしているのか、むしろそういうものを解消の方向に向けようという気持ちでいるのか、この点についての見解を伺っておきたいと思います。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 総需要と国内生産量なり国内供給量との関係でございますが、既にお答え申し上げましたように、わが国の国内で生産をされます小麦の品質という面から申しますと、主としてやはりめん用の原料としての小麦粉に充てるということでございまして、用途の面で制約もございますけれども、それは数字でということになりますと、仮に昭和六十五年見通しで申しますと、小麦の総需要量が六百四十一万トンで、そのうち六十五年見通しての生産量が百二十二万トンというような割合で見込んでおるところでございます。  それから、麦の国内麦の財政負担の問題でございますが、これは近年内麦の管理と外麦の管理を通じて麦管理で赤字を出さないようにということで、内外麦コストプール方式ということでやってまいったわけでございます。そしてまた、これが臨時行政調査会の答申の中でも、こういった方式が認められているということで、今日までその考え方に従ってやってまいってきておりますけれども、内外価格差が非常に大きくなりますと、外麦の利益が非常に一方で大きくなって、それで内麦の損失が生産量がふえるに従いまして、売買逆ざやが非常に大きいものでございますから、大きくなるということで、内麦と外麦とプールされる金額がお互いにかなり大きくなってくるということになりますと、麦輸出国の方からいろいろその辺のことについての関心が持たれてくるということがございますし、それからコストプールという考え方でやりますと、国際価格の動向と申しますのが一度内麦の赤字というものと合わされた上で売り渡し価格にも反映されてくるという形になりますので、内外価格差が国内のマーケットの価格あるいは国内の各企業が購入をします価格と国際価格との差といいますか、正田参考人が言われておりましたような価格差の問題も出てまいります。  そういうことを考えますと、やはり長期的には、この改正案でも織り込んでおりますように、生産性の向上を促進いたしまして、それを買い入れ価格にも反映させ、そしてまた消費者価格にも反映をさしていくという方向にやはり考えてまい りませんと、まあ安易に外麦の利益というものにこれまでのように依存度を深めるということはなかなかいろいろな面から難しくなってきているというふうに認識をいたしております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今回の法改正で、現行法も改正案の方にもこれは再生産の確保ということが明示されているわけですね。やはり、財政問題というのは国としては非常に重要な問題であるわけでして、赤字負担を何とか縮小したいという気持ちが働くわけですが、農家の現場の人たちの気持ちとすれば麦作が採算に合うかどうかということが一番関心のあるところでございまして、そういう観点からこの再生産の確保というのは農家の人たちの気持ちとして採算のとれる麦作というぐあいに理解していいものだろうか、こういう率直な問いかけがあるわけですね。  この点に対する御見解を伺っておきたいことと、もう一つは改正案の参酌要素の一つである麦の生産費その他の生産条件ということですけれども、具体的にこれはどういう地域、どういう階層、いつの年の生産費や生産条件を採用するかということでこの価格水準に大きな変動が出てくるわけでございますね。やはりそういう意味ではこれがいまひとつ明確でない、こういう感じをぬぐい去れないわけでございますけれども、生産費方式に改めたいという意向について、この点に対する政府の基本的な考え方、これを伺っておきたい。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 再生産の確保ということでございますが、再生産を確保することを旨としてという用例は農産物の価格政策に関します諸法令に非常にたくさんあるものでございます。生産費方式をとっているもの、それから麦、大豆のように、これまでパリティ方式でまいりましたもの、あるいは食肉のように、いわば需給実勢価格というようなものを考え方のもとにしている価格制度、それぞれに再生産の確保というようなことが規定をされております。その解釈というのは、やはり対象の作物なり制度の趣旨、目的あるいはその対象農産物の政策的な政策誘導方法といったようなことによって異なってくるものというふうに考えております。  今回の法改正で御提案申し上げておりますように、生産性の向上と品質の改善という現下の緊急な課題にこたえようという考え方を盛り込んだものでございます。したがいまして、我が国の麦作が限られた国土条件の制約のもとではありますけれども、そういう制約条件のもとで国民に納得されるような生産性を持った担い手なり地域によって麦作が行われ、そして需要の動向に即した安定的な土地利用型農業として発展を麦作がしていくような、そういう価格政策を考えるということが再生産の確保ということの意味であろうというふうに理解をいたしております。  どういう生産費の、いつの時点の、どういう地域のということでございますけれども、この辺はまさに算定方式をどういうふうに組んでいくかということの内容の問題になろうかと思いますが、したがいまして米価審議会での御検討を待つわけでございますが、一つ申せますことは、まさに御質問のそういう生産費のとり方ということが麦作の場合は稲作に比べまして同質的でない畑麦、田麦、北海道、都府県というようなことで、かなり麦作のあり方も違っておるというようなことで、生産費のとり方については米よりも難しいいろいろ検討すべき問題があるということは自覚をいたしております。それから、団地的な生産、そして物流の合理化というようなことも考えますと、やはり主産地形成というようなことが今非常に進んでおりますので、そういった主産地での生産費というようなものが一つの手がかりになるのではないだろうかというふうに考えております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 生産性の向上の関連で園芸局長に伺いたいんですけれども、私は先日、網走支庁管内で麦作農家の方々と懇談をいたしました。確かに生産性向上の対策として、例えば輪作及び水田の有効利用とか麦作技術の改善とか経営規模の拡大とか機械化、一貫体制とか、こういうことが述べられているけれども、現実に農家の実態というのは農家資産と借金との均衡バランスの上で、すれすれのところで勝負している。これが病気等で何か急激にばっとお金が出るような状況があった場合に、まず農協から借りる。それが均衡を崩した場合にはもう離農する以外にない。こういう非常に深刻な話が相次いだわけです。これは、当然全体に対する問題ではないとしましても、私はやはり麦作農家の一面の真実の姿を浮き彫りにしているのではないか、こういう感じがしたわけでございますが、今全国レベルでこの生産性の向上という面で進めている政策的視点から、この現場の実情との乖離といいますかギャップといいますか、こういう点をどのようにお感じになっておられるか、その点を伺っておきたいと思います。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生のお話しの点は、具体的な経営の問題といたしまして実際に働いている方々の健康の問題とか、あるいは具体的な借入金の問題等々に絡まる問題であろうと思います。  私ども一つは、極めて理想的なと言ったら語弊があるかもしれませんが、例えば農政審の答申等で、昭和七十年に向けまして、地域地域に応じました大型の機械を導入して生産性のコストダウンを図る、この場合具体的な数字で言いますと、大体半分ぐらいになる試算があるわけでございます。そういう現行の先進的な機械を駆使いたしました場合に、かなりの程度のところの生産性を向上できるということで理想として掲げておりますけれども、そういうものを現実におろしていく場合におきまして、まずは一つ一つ地域の土壌条件あるいは気候条件等に応じた一つのモデルをつくっていかなければいけないだろう。それからもう一つは、先生御指摘のように、経営を組み立てる場合にそれぞれの具体的な労働力、具体的な意欲あるいは金融といったようなものを前提にして組み立てていかなければいけないだろうというふうに考えておりまして、その間をつなぐ一つの有力な方向といたしまして、フェース・ツー・フェースといいましょうか、そういったようなことで農家の方々の悩みといったようなものを受けとめていく普及組織といったようなものも活用していかなきゃいけないだろうと思います。  今お話しの点につきまして、特に北海道におきましては農協の中での経営分析といったようなものがほかの地域に比べましても進んでいるようでございますので、そういった中で具体的な営農の指導といったようなものを今後ますますきめ細かく実施していかなければいけないだろうと思います。  農林水産省として考えてみた場合には、それぞれの分野分野で各局が受け持っておりますけれども、一つは基盤の問題、あるいは経営の問題の技術上の問題、そういったような問題をできる限り経営の問題として生かすように組み立てる実証的な問題というものをもう少しきめ細かくやっていかなければならないということでございまして、ことしから始まっております水田農業確立対策におきましては、それこそ大臣御出席を賜りまして、各都道府県のといいますか、第一線で働いております普及員の方々の約半数にお集まりいただきまして、そういう実態に即した指導を今後とも続けるように、農民の、農家の方々の悩みを悩みとして吸い上げていくように、それに対して具体的な対応をきめ細かになすようにという激励も行ったようなところでございまして、今後ともそういう一つの理想像と現実の具体的な像が結びつくような努力を重ねていきたいというふうに考えております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 品質の改善につきまして伺いたいと思うんですが、需要ニーズに沿った品質の改善というのは国内麦においてこれはもう最重要課題である、これは繰り返し言われているわけですが、例えば品位Aランクの農林六十一号については、六十年産で二九%、六十一年産で二四・八%、六十二年産見込みでは二一・四%、落ち込んできているわけですね。Aランクの合計で見ましても、六十年産の三三・五%から六十二年産見込みでは二七・九%とシェアが大幅に落ちているわけ です。例えてみまして、品質改善奨励額の基準額で優良品種に対して多くつけるというぐあいに金額のランクで差額をつけているのに、そうしたことが反映されずに、それでもなおかつ作付面積が低下している原因をどうとらえておられるかという点。  それからもう一つは、今回の改正においては、需要の動向に即応した良品質麦への生産誘導を図る措置、こういうぐあいにその目的を盛り込んでおるわけでございますが、価格の算定にいかなる客観的基準を用いたのか、あるいはまた、本法改正後、中長期的に見てどの程度差額導入をしようとしているのか。既に生産者と実需者との間で実施されております麦管理改善対策において、契約奨励金の額に品質評価等に応じた銘柄のランクがつけられておるわけですね。このように民間におけるランクづけと政府の品質格差にどう整合性を持たせていこうとしているのか。この点をまず承りたいと思うわけでございます。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) まず、これまでどうして品質評価が比較的高いものの作付シェアが低下をしてきたかという問題でございますが、これはやはり麦管理改善の中の品質区分、Aランク、Bランク、Cランクというものを私ども都道府県の農業試験場の栽培試験の結果を使いまして、産地、品種ごとにもちろんばらつきがございますけれども、グループ全体として平均をしてみますと、やはり品質評価の高いAランクのものは単位収量が全体として低うございます。Aランク、Bランク、Cランクの間にはそう単収差が認められました。麦管理改善で、契約生産奨励金で数百円程度の奨励金を今までつけてきたわけでございますが、例えばAランクとBランクでございますと二十キロぐらいの単位収量の格差がございます。二百五十円とか三百円というようなオーダーの品質奨励金ではなかなかインセンティブにならないというふうな声が生産者サイドからも需要者サイドからもあったわけでございます。  そういったことを考えまして、本年の麦価決定に当たりまして、いわばAランクの品質評価の高い麦をつくると十アール当たりの手取りが少なくなるというような状態はやはり少なくとも解消したい。そういうことでそのAランク、Bランク、Cランクの単収差に着目をいたしまして銘柄区分ごとの価格をつくったということでございまして、政府の決定いたしました価格の銘柄区分のⅠというのがAランクに、ⅡがBランクに、それからⅢがC、Dランクに該当するように産地、品種の銘柄別にグループ分けをいたしまして、中庸の二種類のものの銘柄区分のⅡの一等でございますと四・九%の引き下げでございましたけれども、銘柄区分のⅠにつきましては一・三%、それから銘柄区分のⅢにつきましてはたしか六・三%というふうに、いい麦はほとんど下がらない。品質評価の非常に低い、供給の割に買い受け希望の非常に少ないグループにつきましては価格の下げ幅を少し大きくするという形で、生産誘導を図り得る価格設定の第一歩ということでやったわけでございます。  今後これをどういうふうに運用していくかということでございますが、一方では麦の製粉適性、二次加工適性についてのいろいろな基準づくりが、今作業が行われておりまして、そういうものを一方で見ながら、他方では今回の銘柄格差の導入が生産面にどういうふうに響いてくるかということを見ながら、格差の幅なり、あるいはまた銘柄の区分の仕方ということにつきまして勉強をしてまいりたいというふうに思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 品質の問題では、一昨日の正田参考人も言っておりましたけれども、品質を需要者ニーズに合ったものに改善をしていただきたいという、そういう要望が反映されていないとまで言われておりまして、先ほど午前の質疑の中でも、バイオなどをやりまして品種改良するのにどのぐらいかということについて十年ぐらいはかかると、こういうお話もございました。しかし少なくとも麦作の歴史というのは私たちがまだ子供のころから日本においては行われていたわけでございまして、非常にそういう点から考えますと、これまでの品質の改善に対する取り組みというものの弱腰ということがどうしても指摘せざるを得ない、こういう感じをするわけです。とりわけ、最近におきましては食生活の多様化が進んでおるわけでございまして、これに沿った品質の改善というのはこれはもう不可欠な問題でございまして、ぜひ政府としても全力を挙げてこの点に取り組んでいただきたいし、またあわせまして、強力小麦に属するような品種ですね、これが日本の気候や土質的にできないのかどうなのか、この点も含めて積極的な品種改良の取り組みを強く要望をしておきたいと思うわけでございます。  私、まだいろいろ申し上げたかったんですが、何か御予定があるようでございますので、最後に麦の政府管理と流通の面に対しまして若干伺っておきたいわけでございますが、山梨県内のある製粉業者の方と先日懇談をしたわけでございますが、規模で言いますと内麦二千トン、外麦三千二百トンぐらいは扱っている業者でございます。率直な意見をそのまま伝えさせていただきますと、一番困っているのは何かというと、やっぱり内麦でつくりました粉の処理ですね。これが非常に困っておりまして、もう四、五カ月抱え込んでいる、ストックがある。外麦の粉とブレンドしないと売りに出せない。こういう状況があるんだけれども、外麦が入ってこないというんですね。これはひがみ根性かもしれませんがという前置きがあって言われたんですけれども、やはり外麦は大手会社には潤沢で中小業者ほど内麦を押しつけられてきているんじゃないかという、こういう気持ちにもなると、こういうことを率直に言っておりました。  そのほか円高の影響とか製粉でできる二二%のふすまの処理、この売りさばきがなかなか進まない、こういう声が出ておりました。政府の売り渡し状況に不都合はないと私は思いましたし、それに対して確かにそういう売り渡しに格差をつけているんじゃないかなんというようなことを、同意をしたわけではなかったわけでございますが、念のために政府の内麦、外麦の管理状況と、実需者要望への対応状況について、率直にその現況をお答えいただきたいことと、あわせまして、大臣にこれはお伺いしたいわけでございますが、今回の審議状況をめぐりまして、参考人の意見、それから本委員会の委員の指摘等を見ておりまして、今回の法改正の理由ですね。それから内容、先ほど私冒頭にお話ししました適用時期、すべての面にわたってやはり多くの問題点がある、このように思うわけでございまして、この点につきましてはそうした意見というものを十分尊重いたしまして、本法案の取り扱いにつきましては慎重に対応をお願いしたい、この点についての大臣の所見を最後に求めまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) まず内外麦の売却の仕方でございますけれども、大手と中小で何か差別をしているというようなことは決してございません。製粉用小麦について申し上げますと、まず四半期ごとに小麦粉の需要動向等を踏まえまして、全国の売却数量、売却枠というものを決めまして、製粉企業別に、製粉企業別には過去の一定期間、これはずっと移動して動いて買い受け実績がまた反映されるようになってくるわけでございますが、その売却数量に応じまして売却枠を企業別に決めまして、その枠内で製粉企業が買い受けをするということになっておりまして、内麦につきましては麦管理改善対策の中で製粉企業と生産者団体の間で締結されました流通契約を尊重して内麦の引き取りが年間平均的になるようにやっておりますし、外麦につきましては各企業の銘柄別等の希望を踏まえてやっているわけでございます。むしろ問題は、やはり内麦の生産が近年急激に増大をしてまいりました関係で、品質問題が顕在化をしてきているというところにあるわけでございまして、率直に言いまして、ある程度量がふえてまいりますと、内麦の円滑な引き取りなり売却ということが現状のままで、量的な拡大だけが進む ということでございますと、だんだん私どもの立場としましては難しさがふえてくるということでございます。  今製粉業者の方の率直な御意見というのがございましたけれども、そういう実態がありますだけに、この委員会でも法改正に品質の改善という文言が入る前に銘柄格差を入れたのはおかしいではないかという御意見もあるわけでございますけれども、それほどに緊要な状態に、良質麦の生産誘導ということは緊要の課題になっているというふうに御理解をいただけたら大変ありがたいと思うわけでございます。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 本法の改正のねらいは生産性の向上と品質の改善を期したものでございます。  算定方式の問題につきましては、たびたび申し上げておりますが、米審における小委員会等で御議論、御審議いただくわけでございますが、当委員会における諸先生方の御意見等も十二分にお伝えするようにいたしたいと考えております。  慎重な実施ということにつきましては、先ほど食糧庁長官からお答えさしたわけでございますけれども、六十三年産麦から適用さしていただきたいと考えております。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) この際、加藤農林水産大臣は衆議院本会議に出席するため、二時四十分まで休憩いたします。    午後二時十分休憩      ―――――・―――――    午後二時四十分開会

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 食管法の一部改正というこの法律は麦作振興を目的としてということで、言ってみれば今までパリティで価格を決めていた。しかも、そのパリティ価格を下回らずというようなものを改めて、生産条件であるとか需給動向であるとかあるいは経済事情、三つの参酌事項の上に二つの配慮事項というようなものを入れて価格を決定するんだという法改正の内容なんですが、そもそもパリティというのは何なのかということを確認したいんです。  これは昭和二十二年に麦、バレイショ、そしてお米、これらがGHQの指示でもってパリティ方式という形で採用されたと思うんです。その理由は何かというと、戦後の激しいインフレーションのもとで生産資材あるいは労賃、こういったものが急激に上昇していった。米なども、やみなんかが横行しているという中で物価スライド方式という形でそもそも採用されたんだ、そういうことですね。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) そのように承知をいたしております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私どもは、このパリティ方式については問題点があるわけだということを今までずっと指摘してきました。その問題点の一つは何かといいますと、生産費・所得補償方式と言われるような形でのそういう再生産と生産者の所得を補償していくという点で、生産費をカバーしているかどうかというと大変問題がある。そこで、実際に昭和二十七年から四十八年の間、この麦価の生産費のカバー率がどうであったのかを見ますと、三十六年を除いて、あとは第二次生産費をカバーしていない。これも事実でございますね。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) さようでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 こういう問題点があるパリティ方式ですけれども、しかし、そういう中で増産に取り組んできて生産性が向上する、するとそれが価格に反映する。そういうメリットもまたあるわけです。しかも、下支えをきちっと置いているという点での大変いい意味もあるわけでございますけれども、いずれにしてもパリティ方式というのはいわゆる生産費・所得補償方式にはまさらない、これも事実だと思います。そうですね。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) パリティ方式と生産費・所得補償方式につきまして、どちらがすぐれているかという点につきましてはいろいろな見方があると思いますので、それからまた、対象作物によってその適否ということもあろうかと思いますので、いずれがすぐれているということは断定的に一般論として申し上げるわけにはまいらないと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 一般的には申し上げられないと言いつつも、今おっしゃったようにこのパリティ方式でいけば第二次生産費がカバーされていないということはお認めになったわけです。しかし、そもそもパリティ方式の中で私が一面ではまたいい点があるよと申し上げました生産性向上分を農民に還元する、こういう点のメリットというのはあったと思うんです。その結果が実は四十九年以降出てきた数字ではないか、こう理解していますが、よろしいでしょうか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 生産性の向上が全く反映されないということを利点と見るか欠点と見るかということも見解の分かれるところではないかと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 メリットかデメリットかは別にして、生産性を向上させるんだということが今度の法案の一つの柱にもなっているんです。その生産性向上分がこのパリティのときには反映されている、これは事実でしょう。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) パリティ方式と申しますのは一種の物価スライド方式でございますので、価格算定方式に生産性の動向を考慮しないという方式であるというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 昭和五十二年の六月八日に実は当時の大河原太一郎食糧庁長官がこの問題についてちゃんと述べているんですよ。「生産性向上のメリットが全部農家に帰するような仕組みになっております物価均衡としてのパリティ方式の方が」非常に有利だ。この論議はなぜ出てきたかというと、生所方式をという要望が強いときに、パリティというのは生産性向上のメリットがこうやって反映するのだと、ちゃんとお述べになっているんですから否定はできないでしょう。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 大変長いこの問題についての御論議の経過を踏まえたお尋ねであろうと思いますけれども、生産費・所得補償方式の場合には、かかったものは見るということでございますから、生産費が上がれば上がるということでございますが、生産性向上が進みますれば、その生産性向上の部分も価格に反映されるという方式であることはおっしゃるとおりでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ですから、なぜ私がそこをくどく確認したかというと、生産性向上のためだと言いながらかつては同じ理由でパリティ方式をとってきたんです。今回は生産性向上だと言いながらそのパリティをやめるんです。これはどういうことなんですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) パリティ方式のもとにおきまして、物価スライド方式でございますから、生産性が向上いたしますとそれが生産者の手元に残るという意味で、パリティと生産性との関係が今お話があったわけでございますが、今回改正に当たりまして私どもが申し上げておりますのは、価格にやはり生産性の動向を反映させる必要があるという意味で申し上げておるわけでございまして、その間の関係は決して矛盾はしておらないというふうに思っておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 矛盾してなくないとあなたがおっしゃっても、現実には生産性向上に資するようにということでもってパリティ方式を採用してきた。しかも下限をちゃんと置いて下回らないように、こういうことでもって農家の皆さん方は生産性向上をずっとやってきた。その結果、今何かといったら今度はコストを引き下げるんだという形で新たな生産性向上、そのために今まで採用してきたのをやめる。こういうことは非常に恣意的に価格決定がなされるということではなかろうかと思いますけれども、大臣、財政事情先にありきでもって、今まで言われてきたような、そういう論議を尽くした上での価格決定ということできっちり確約できるんですか、この三つの参酌事項と二 つの配慮事項という格好の法律の中で。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 情にさお差せば流される、知に立ては角が立つという言葉がありますが、農産物価格を決める場合にはいろいろな要素、エレメントが働くわけでございます。そういう中で財政優先とは考えておりません。提案理由の説明にも申し上げましたし、またいろいろの機会にお答えいたしておりますような趣旨でやっておるわけでございます。  要は農産物の内外価格差の問題が大変大きな関心を呼んでおる。そしてまた、そういう中におきまして現に進展しつつある生産性向上を価格に反映させていくという必要性があります。そして、たびたびお答えしておるのでありますが、量的に非常に拡大しておる。要は品質とか生産向上ということよりか量をたくさんつくればいいということがあるわけでございますが、参考人その他からいろいろお述べになったような加工適性であるとかいろいろなユーザーの需要等があるわけでございますが、品質面で外国産の麦に劣るものが多いわけでございます。ある面では品質問題が顕在化してきたと考えられるわけでございます。  そしてまた、現行算定方式についてはいろいろな問題があるわけでございまして、二十五、六年当時と今日との麦作の生産構造が全く異なっておる。あるいは当時の実質購買力を今もなお保持しなければならないという根拠に乏しくなっておること。それから先ほど申し上げました生産性の向上が価格に反映するのが限界に来ておる。そして品質差を価格に反映させることもまた限界に来ておる。こういった基本的な問題があるわけでございます。ここら辺を踏まえまして、今回の法改正というものはいわば量的拡大を指向した麦作振興から、生産性の向上と品質の改善を基本とした麦作振興に速やかに移行するという緊要の課題に対処するために行おうとするものでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今の答弁の中でいみじくも姿勢が大きく変わったことが明確になりました。生産性向上と言いつつパリティ方式をとってきた、一定生産性が向上してきた。今新たに品質の問題と生産性向上、これをやるがために価格決定の仕方を変えるんだということで態度が変わってきたわけです。いずれにしましてもその二つの配慮事項の一つの問題である生産性向上の問題、このことについての基本的なことを幾つか質問します。  まず第一に、今もお話がございましたけれども、生産性向上、つまりコストをいかに引き下げるかという点でこれは大事なことだ、これだけは私は申し上げておきます。ただ問題は、繰り返し政府の言い分を見ますと投下労働時間を減らすための規模拡大ということが非常に強く言われています。しかし、生産性向上ということになれば、そのほか単収の向上あるいは資材費の引き下げ、そして節減、こういうことが大事であろう、この点は間違いないと思いますけれども、改めて確認させてください。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 生産性の向上のための必要な事項として今おっしゃいましたようなこと、いずれも大事なことだというふうに考えます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そのうちで、繰り返し私は申し上げてまいりましたが、生産性向上の中の特に農機具などの資材費価格引き下げの問題であります。この節約が重要だという点、確かに汎用コンバイン等が導入されて麦、大豆あるいは米という格好でもって使われております。一千万円程度のものが、二分の一補助ということで、福島県でもこれが導入はされてきております。しかし、その生産メリットがどうなのかということはおいておきまして、純粋に麦の生産費調査によるとどうなのか。十アール当たりの労働時間五十年と六十年比較してみますと二十六・五時間から十二・二時間、半分以下になっておりますね。大変生産性向上をやってきているわけです。  その中で物財費の方はどうかというと、異常な伸びなんです。第二次生産費の資料をごらんになってみてください。費用合計五十年で十アール当たり二万八千百八十六円でしょう。六十年が五万一千三百七十一円、一・八二倍になっております。その中で最も倍率が大きくなっているのは農薬費で五百二円から二千三百八十三円と四・七四倍になっております。ただし費用合計の中の占める割合で最も高いのが農機具費です。五十年当時は一九%が農機具費の占める割合でした。今は二七・一%と、労働費と同じぐらい、約三割近くが農機具費だというようなことも明確になっておりまして、この農機具費が二・六〇倍という形で伸びております。こうしたことから見ても、生産性向上の上でこれら物財費、この引き下げ、節約というのが大変重要な意味を持つということ、これは当然だと思いますが、どうですか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生挙げられた数字は、おっしゃるとおり生産費の上でその数字のとおりでございます。まず、結論的に申し上げまして、農林水産省といいますか私どもの考え方の生産対策といたしまして、やはりコストダウンを図っていくためには、生産資材の低減を図っていくことが何よりも肝心だということは仰せのとおりだというように思います。  ただ、経緯的にもう一つ申し上げてみますと、五十年と六十年というような経過をたどって比較をする数字の際、そこにおきます資材等が生産性の向上のために投入されたという事実も否めないことでございまして、具体的に大型の機械が導入される、そういう意味で費用の中での農機具費のウエートが高まってきたという点があろうかと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 機械化によるコスト軽減、これは私は否定してないんです。それを聞いたんではないんで、ただ私の質問について否定はされていない。ただ、問題は何かというと、これだけお認めになっているにもかかわらず、相も変わらずこうした物財費等の軽減のための努力がない、これは申し上げておきたいんです。  次に申し上げたいのは、生産性向上の中で大事なのが単収の問題。確認してください。EC諸国が穀物自給率を大変高めてまいりました。七〇年代までは純輸入国だったのが八〇年代になって輸出国に転換いたしました。農蚕園芸局長御承知だと思いますけれども、EC、特にフランス、イギリスの小麦の単収の動向がどこまで上がってきているか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) FAOの統計によりまして現実の十年間の単純平均というものを一応出してみますと、まずイギリスにおきましては反当五百十九キロ、フランスにおきましては五百六キロという数字になっております。ちなみに日本の場合、六十年の数字で三百七十四キロというのがございますけれども、この間の五十一年から六十年の平均ということでとらしていただきますと三百十一キロ、こういうことで両者の間は格差が開いております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今のお話のとおり、なぜEC、特にイギリス、フランスが小麦等の輸入国から輸出国にまで転じるようになったかというと、単収の引き上げなんです。私は動向を言ってくれと申し上げたんですが、今の単収しかお述べになっていないから申し上げますが、昭和三十一年、四十年当時ではこれはアメリカ並みだったんですね。二百キロ台、三百キロ台だった。それが今五百キロ台になってきているんです。どうかというと、アメリカの場合にはむしろ今もなお二百キロ台なんですね。日本は単収でいけばアメリカよりも多いんですね。しかし、EC、フランス、イギリスに比べれば非常にまだまだ劣っている。  そこで、その規模拡大をいろいろおっしゃっておりますけれども、それじゃ規模はどうかといいますと、EC全体の作付規模、一戸の農家当たりで五・四五ヘクタール。それから日本の場合には〇・六七ヘクタール。アメリカはどうか、六十四ヘクタール。この数字は何を示しているんでしょう。つまりECはアメリカに比べて規模は格段に小さいです。しかし単収を大幅に引き上げていく中で、今アメリカとECの穀物戦争が起きているわけです。その理由は何か。規模拡大によるものではなくて、まさに単収引き上げによってECが 輸入国から輸出国に転じたということを物語っているんではないでしょうか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) アメリカとECの間のまあいわば穀物戦争の中におきます穀物の輸出入の数字というものをたどり、その内容の分析をいたしてみますと、EC自体が一方では経営規模の拡大といったようなものの構造変化を遂げるのにあわせまして、各種の技術革新というようなことで、今先生がお引きになられましたような反当収量というものの増加というようなことも含めまして、いわゆるイノベーションを行った結果、この両国、両国の穀物戦争の一つの方向が出てきたように私どもも見ております。  なお、一言つけ加えさしていただきますと、やはり日本との関係で、このECの収量をどういうふうに考えるかということにおきましては、やはり端的に申し上げまして、日本の場合とECとの比較という場合に、単に麦だけではなくて、土地に生産されております麦及び米といったようなものもあわせて考えていくべきではないかというふうに思います。というのは、一年一作というような意味におきましてのECの生産量というのがひとつ高うございます。そういう意味で、生育期間が長い、日本と比較いたしまして、さらに登熟期間も長いというふうに思います。  なお、この点につきまして一言つけ加えさしていただきますと、象徴的に申し上げましてやはり日本の農林十号といったような品種が、これ短稈のものでございますが、それがめぐりめぐりまして、今先生引かれましたイギリスの品種改良、反当収量を上げるのにかなり役立っているのではないかというふうに我々は思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いずれにしましても、反当収量が特にECとアメリカの穀物戦争と言われているその大きな理由の中に、ECがアメリカに比べまして二倍、三倍にも反当収量を上げてきたんだということはお認めになった。それは、ここに「のびゆく農業」といって「穀物のジレンマ」、こういうのに書いてあるんですが、これをお書きになった方はアメリカの農業経済学会の元会長さんで、スタントン・コーネル大学教授なんですね。そして、これはアメリカ農務省が委託して、まとめて出された報告なんですよ。その中で、今私が指摘したように「ECの小麦の主要生産地帯は降雨量が多く、その単位収量は、雨が少なく粗放的経営が行われるアメリカの地域に比べて二、三倍に達している。」と、こういうふうに指摘しながら、一つのポイントになると思うんです。過去十年余りの間にECの高価格支持による増産とそれから今言ったこの単収増、技術革新、このことがECの自給の達成の何よりの教訓だと、こう言っている。これは否定できないでしょう。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 先生ただいまお話しの、農政調査委員会から出されました点については、私どもも十分そういうのを読ましていただいております。今のように、アメリカとイギリスといいましょうか、ECとの間のいろいろな意味での穀物戦争というべきものの技術的要因といったようなものに単収がかなり影響しているのではないか。それからまた、私どもの対象としております我が国の麦作におきまして、イギリスと比べた場合には、終戦の直後二十年代から三十年代割るかに、かなりの程度差がありましたけれども、フランスと我が国との間は、麦作に関する限りほとんど同じような単収であった。そういうものが、先ほども申し上げましたような米と麦というようなことを考えていかなきゃいけませんが、麦作自体の単収といったようなものにつきましては、我が国の気象条件等々もあり、格差は開いているということも否めない事実でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いずれにしても、大臣、今お話をお聞きになって御承知だと思うんですが、フランスもイギリスも単収増というようなこと、それから高価格支持制度、両々相まってこれだけ自給率を高めてきたんです。日本の自給率、今改めて申し上げるまでもありません。そういう状況の中で、アメリカとECの今穀物戦争と言われている一つの大きなポイントになっているコスト差、つまり単収、こういう点について日本も大いにやっぱり力を入れていくべきじゃないかというのが一つの教訓かと思うんです。どうでしょう。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 我が省内におきましても、担当各局の皆さん方に単収増の問題について大いに勉強し、大いに頑張って学ぶようにかねがね指示しておるところでございまして、またある面では、我が国の麦作もEC並みのところも相当出てきつつあるという説明を聞いて喜んでおるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 喜んでばかりおれないでしょう。だから、品質向上と生産性向上と出していらしたのじゃありませんか。しかも、本当に喜ぶと言えるような施策をおとりになっているのかどうか。  もう一つの柱である品質問題です。この前、参考人がこのようなことを言われました。製粉協会の代表の方が、このままではうどんなどのめん類が消費者から拒否されるのじゃないかという危機感がある、結果的には実需者の要望が生産面に反映されていない、ここまで言い切っているんです。全くこの生産面に反映されていないという参考人の御指摘、農水大臣はどのように受けとめられていますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 実需者のニーズに今の我が国の麦の合ってないものが出てきたということは、米審における麦価のとき、その他のときにもいろいろ承りました。今回の法改正のねらいも実はそこら辺も考えておるところでございます。いつも私が申し上げておりますように、消費者あるいは実需者に見放された生産というものはあり得ないという立場にも立っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 一方で喜ばしいと言いながら、実需者には怒られているということを認めている。非常に矛盾しているんですよ。それで、その品質の面で確かに日本でもいういろと努力はされていると思うんです。  そこで確認したいんですけれども、オーストラリア・スタンダード・ホワイトというのが大変めん類に喜ばれている、こういうお話なんですけれども、日本でも、やや落ちると言われつつも、農林六十一号とかチホクコムギ、こういうものがいいと言われておりますけれども、そうですね。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 我が国の麦の中にも、小麦の中にも、品質評価の高いもの、低いものがございまして、今下田先生おっしゃいましたようなことで、産地、品種によって、いわゆる麦管理改善対策の中でも昨年まで三つ、ことしからは四つのグループ分けというようなものもできておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、実需者の要望が生産面にほとんど反映されてない、この指摘も間違いです。なぜ私がこれを言ったかというと、チホクコムギの場合には、これは北見農試だったと思いますが、の試験によりましてオーストラリア・スタンダード・ホワイト、これと匹敵するというのが出ております。そういうことですね。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) ASWに匹敵するというところまではまいりませんけれども、Aランク、Bランクというようなランク分けで申しますと、現在のところチホクはBランクの上の方というような感じの位置づけになっておろうかと思います。チホクコムギにつきましては北海道で試験研究、それから行政、さらにまた生産者団体も大変に苦労されまして、チホクコムギの作付、生産が急速に伸びております。そういう意味におきまして、下田先生今おっしゃいましたように、我が国の生産者、生産段階におきまして品質への対応が全く行われてないというのは、私はちょっと言い過ぎではないかというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私もそう思ったからあえて言ったんです。全く実需者の声が生産に反映されてないというのは言い過ぎだと思います。それどころか官能評価の計、これを見ますとチホクコムギと今言ったオーストラリア・スタンダード・ホワイトはほとんど同じなんです。ただ問題は北海道でこのチホクコムギがどんどん切りかえられている。しかし一面で何が問題かというと、これは雪腐れする品種だと言われています。とすればこの雪腐 れの防止剤だとか倒伏防止剤だとかまかなきゃならない。それがまた農薬にかさんでいくだとかいういろいろな問題がある。そういったところにもっともっと研究を注いでいかなきゃならないんじゃないかということを私は指摘したいんです。そこらにまず――いいえ、違うんです、大臣。言いたいのは、大臣、そういう研究をまずやった上で、さあ生産性向上をした、で、価格もというふうに見ていくのが行政ではないでしょうか。おしりをたたいて価格引き下げて、さあ規模拡大だ、品種はといったらこれからですと、これは間違いじゃないですかということを私は指摘したいんです。  これは指摘にとどめて、具体的にお聞きしたい点は、実は福島県で坂下町というところに農試がありまして、ワカマツコムギというのが今大変喜ばれておるんですが、これはCランクなんです。東北はAランクゼロなんです。私は今あれこれなぜAランクにならぬか云々は言いません。しかし、単収だとか、それから地元のいろいろなそういう加工関係の方々からも喜ばれているのが明確ですから、そういう点を配慮してランク付もし、そしてまた品種改良のためのそういう研究、予算面でもプロジェクトだけではだめです。経常経費もきっちり確保して、人的にも、そして具体的に、さあ国際的に比べても大丈夫だという見劣りをしない、そういう政策が必要だろうと、そういう点で、すぐにこうこうこうだという展望示せますか。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) 大変激励をいただいておりますけれども、すぐにというふうにおっしゃられるとなかなか難しい面がございまして、先ほど来農蚕園芸局長が述べておりますように、なかなか麦の日本でつくる場合のいろいろな制約がございまして、先生もおっしゃいましたように、オーストラリアのいろいろな品種を持ってきて交配をしてやっていれば品質面ではよくなっていくわけでございますけれども、一方、例えば雪腐れ、これは雪の降るところで、ああいうふうにたくさん降るところで麦をつくっているのは日本だけでございますので、そういう抵抗性を持った品質というものは、なかなかいろいろなところにないものを探してこなければいけないという面もございまして、そういったものもありますので、なかなかすぐというわけにはまいりませんけれども、ただ私どもも今までずっと品質について無視していたわけではございませんで、相当前から品質問題というのが、量の次にはそういう問題になるということを考えて、かなりいろいろな材料を集めて交配をしてきておりますので、有望な品種もできてくるというふうに考えております。六十二年からも新しくプロジェクトの研究をつくりまして、十年がかりでございますが、単収も上げ品質のいいものもつくっていく、そういうものができなければという、今すぐできるというより日進月歩でだんだんいろいろな品種が出てまいりますので、そういった意味で昔の品種にかわるものを少しずつプラスの点を加味しながらつくっていくというのが現在のスタンスでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 有望系統の小麦は出ているんですか。十年かかってこれからやるという話ですね。

畑中孝晴農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(畑中孝晴君) 私が十年と申し上げましたのは、六十二年度から新しいプロジェクトが始まるわけでございますが、今大体小麦というのは十年ないし十二、三年かかって品種になるわけでございまして、以前に交配したものという意味では、今いろいろな有望の品種が出ておりまして、例えば関東百号というような系統では比較的色が白いといいますか、従来のものに比べてうどんにした場合に色上がりがいいというようなものもできてきて、徐々にそういうものが新しい品種として生まれてくる。その後で、またことしからスタートしたプロジェクトで交配したものがその後に出てくるという、そういうことになりますので、ある時点で突如切りかわるということにはなりませんけれども、順次いろいろな特性を持ったものを出していけるんではないかというふうに思っているわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ですから、今回の法案は提出するの十年早いんです。品質向上から単収についてもちゃんと条件が整ってないのに、そういう状況の中で価格を恣意的に幾らでもいじれるということを今回やろうとしている。問題がまた明らかになりました。  そこで、じゃ、輸入小麦、この輸入小麦の品質はどうなのか。大変アメリカが多うございますね。カナダからも入っています。しかしアメリカとカナダの輸入小麦の品質を見てみますとどうなのか。資料いただいておりますから「輸入小麦の品質検査項目別分布」というのをごらんください。その中で特に話をわかりやすくするために、最も日本で多く輸入されているアメリカのダーク・ノーザン・スプリングというのがございますね。このアメリカ小麦の來雑物がどうなのか。最高が二・〇、そして平均で〇・七%になっています。これは六十一年度で見てください。一方、カナダの、これも日本で一番輸入されている種類でウェスタン・レッド・スプリングというのですけれども、これは同じく來雑物最高〇・五%、平均〇・一%です。間違いございませんね。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) そのような数値になっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 明らかにアメリカの品質が悪いんです。私は念のために申し上げますが、そのほか被害粒、これもアメリカは最高二、カナダの倍。さらに異物混粒、これもアメリカが多い。こういう状況の中でなぜアメリカの品質の悪い小麦を輸入しなきゃならないのかという疑問なんです。品質のいいカナダ小麦に同じ輸入小麦でもかえられないのかという御意見も聞きます。しかし、いずれにしてもアメリカの小麦はオーストラリア政府の場合と比べても大変悪いんです。なぜそうなっているか。これはカナダの場合は農家からプライマリーエレベーター、それからターミナルエレベーターに行って、それから船積みをする。それぞれの段階、三段階ごとにこれは強制検査があるわけです。ところが、アメリカの場合はどうかといいますと、これは船積みの段階だけなんです。あとは穀物商社の任意の希望検査である。こういう状況から出ているんではないかと思いますが、どうですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 輸入小麦の品質の問題につきましては、確かに來雑物とか異物、被害粒の混入率というようなものが一つの重要な要素であることは間違いございませんが、米国産小麦のお話ございましたけれども、カナダ産の輸入小麦は高たんぱく質のハード系のもののみでございますけれども、アメリカの場合は高たんぱく質のハード系から似たんぱく質のソフト系まで大変多くの銘柄がございまして、また、品質面につきましても、水分についてはカナダの方が一般に気象条件等により若干高いとか、たんぱく含有量は銘柄ごとに当然違うわけでございますが、御指摘のように來雑物等の混入率が一般的に申しますとアメリカが多いのは事実でございます。こういったことにつきましては、私どもアメリカ側にも率の高いものが出ました都度、いろいろこちらの方から注意もいたしておりまして、最近、輸入国からの要望にも配慮して、來雑物の混入率につきまして表示方法をもっと精密にするというような改正もアメリカで行っておるところでございます。  なぜ、そういった來雑物が多いのに全部カナダに切りかえないのかというお尋ねでございますけれども、來雑物が多いという場合には、その価格はそういった品質を前提として形成されているという面もございますので、価格と切り離して品質の評価をするということは問題があろうかと思っております。我が国は小麦の輸入需要が年間で五百万トン以上ある大輸入国でございますので、確実に手当てをいたしますためには、やはりカナダあるいは豪州とあわせて安定的な取引先を確保しておく必要があるということとか、ハード系からソフト系までアメリカの場合には非常に多様な銘柄について安定的に輸出需要に応ずる能力を持っているというようなこと、あるいはまた、太平洋岸に輸出設備を持っておりまして距離的にも近い供給国だというようなこともあるわけでございま す。  いずれにしましても、私ども買い付けをいたしますときには需要者側の意向もいろいろ聞きながら、そしてまた、こういった來雑物などについては、必要に応じて機会をとらえてアメリカにもいろいろ話をしながら対応をいたしておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いろいろなことを申されましたね。ただ一つはっきりさせておきましょう。アメリカから輸入されている代表的なダーク・ノーザン・スプリングというのとカナダからの輸入のウエスタン・レッド・スプリングというののたんぱくです。これはどちらも約一四%です。違ってないということです。  いずれにしても、私は検査体制に問題があると思うんです。それで、アメリカ政府の穀物検査官がどうなのか。資料も持っております。これが年々減っているんです。免許検査官が九百十人から八百八人に減るとか、そのほかの検査官も減っている、こういう状況の結果であると思うんです。  そこで、大臣、私はこの問題で指摘したいことは何かというと、アメリカの検査結果が日本の検査規格で言うとどうなるか。二等か等外に相当するというようなものもある。そして、日本では食管法改正で、今言うように、銘柄とともに等級格差というようなことをさらに拡大していこうという方向をとっているにもかかわらず、一方アメリカ産の品質については現実的にこういう問題が野放しというか起きている。もう一つの問題は、アメリカ産の品質低下が言われている状況の中で輸入が減るどころかシェアがふえてきているんです。これは何といってもアメリカからの強い要請ということではないか。  そこで、きょうの新聞にも出ていましたが、「穀物一千万トン購入要請」、アメリカから日本に発展途上国への援助用に回してくれというお話が出ております。この件について大臣はどのようにお考えですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) まず前段のアメリカ産小麦の來雑物の件でございますが、私も機会あるごとにアメリカ側にそこら辺は正すように強く言っております。  それから、本日の新聞に出ましたこの問題でございますが、この点につきましては、これまでにも似通った話は幾度か耳にしたことがありますが、当省として、農林水産省として米国からこのような穀物援助構想について正式に提案を受けたことはありません。なお、こうした対外穀物援助という案件は、直接には外務省の所管事項でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 正式には、こういうお話は当政府農水省には出ていない。でも、これは内々の話だと出ているんです。自民党、関係省庁というようなところで議論になっている。だから自民党として、大臣は正式に大臣としては話は聞いていないけれども、そういうお話は承ったことはあるんですね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 数年前から、ある面で申し上げますと、戦後世界経済の復興に尽くしたアメリカのマーシャルプランというのがあります。このマーシャルプランの日本版をいろいろ国内でも検討し勉強しておられた方々がおられます。そういう方々の中から、マーシャルプランの日本版ということでいろいろあったわけでございますが、党の正式機関でこれを検討したということはございません。それからまた、当然政府も正式機関でこういうことをやったことはございません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 正式機関では党も政府もない、改めて正式ということを大臣が強調されていますから、内々に個別には出ているというふうにも受けとめますが、具体的に、これは外務省ですけれども、実際には今アメリカが現に四千九百万トンからの小麦の在庫を抱えていますね、在庫率八二%ですから。しかもECとの穀物戦争、そういう中で日本に対して何とかして、米ももちろんですが、小麦もさらにこういう形での途上国援助構想というのが出てくるでしょう。具体的にお話があったらどうされますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 外務省がいろいろ判断するだろうと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 外務省と、当然農水省は相談にあずかるんです。その際に大臣は、この穀物一千万トン購入要請を受けるのかどうかということを聞いているんです。この内容、報道によれば、今の日米貿易不均衡の是正に役立つだけでなくて、その他もろもろ、牛肉、オレンジ、米なんかの日米農産物貿易摩擦の激化が広がっている中で、一定役に立つのではなかろうかというようなことで四年間で十三億ドル、実に二千億円です。一年間で五百億円でしょう。それを国内には輸入しないけれども、それを第三国へ援助という格好でやるという話の記事なんですね。いろいろ話は出ているようですが、正式に外務省から話が出たときに大臣としてはどういう態度をとられるんですか、きっぱりとお断りになられますね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 仮定の仮定になるわけでございますけれども、外務省からそういう話が農水省に来るとは考えておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 考えられないということですから、まあその立場からいけば、出たときにはそれには応じないだろうという意味があるのかなと思いますが、はっきりお答えにならなかったところがまた問題ではないか。  そこで私は、一貫してアメリカから日本に対する圧力がなされてきているわけです。そもそも農業つぶし、その根源はどこにあるかということなんですけれども、この法案ができました昭和二十七年当時、麦の間接統制と麦価パリティ、こういうことでもって現行食管法が出たわけですね。そのとき国内麦と外麦価格がどうだったでしょうか。国内麦の方が安くて、輸入麦に対しては価格差補給金を出していたと思いますけれども、どうですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 当時におきましては、穀物の国際価格の方が国内価格より高い状況にあったというふうに承知をいたしております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そのときの価格差補給金、二十四年から二十七年のたった四年間の間で、何と千二百七十億円です、米麦合わせてですけれども。つまりこれだけ国内麦の方が安かったんです。そして、食管法が成立した翌年、昭和二十八年にアメリカの麦、穀物が過剰になって、それを押しつけるためにMSA協定が二十九年に成立されていると思います。このMSA協定というものが何なのか、詳しくは申し上げませんけれども、MSA法というアメリカの相互安全保障法に基づくものですよね。  これは一つには問題なのが、余剰農産物の購入協定なんです。大臣うなずいておられますね。そのときこの協定に基づいて日本は約五千万ドル相当の麦を購入したわけです。日本円にすると約百八十億円です。アメリカはそのうち約二割、その一部を愛知農業用水等に使いましたり、はあるんですが、あとは日本の兵器産業、そして日本にいる在日米軍のための武器購入等々にも回されている、こういう背景があるんです。あわせて同二十九年にできたのが学校給食法なんです。この学校給食法というものが何なのか。まさにアメリカの余剰小麦の買い付け法と言ってもいいんではないか、そういう性格であった、これまた否定できないと思いますが、どうですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 世上一部にそういうことをおっしゃっておられる経済学者もおられることを承知しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そういうことをおっしゃると、当時の学校給食法というものがどうだったのかということを聞きたいんですね。学校給食法に何て書いてありますか。

石川晋文部省体育局学校給食課長

○説明員(石川晋君) 当時の昭和二十九年に学校給食法ができたわけですが、学校給食法は「この法律の目的」として、国民の食生活の改善、それから児童の健康の育成、こういうことを目的にした法律というふうになっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 この学校給食法の提案理由の説明 要旨を読みます。今にかかわるところだけ申し上げますと、学校給食法の目的に基づき実際にどうしてその余剰小麦を受け入れていったか。「我が国の現下の食糧事情から申しまして、今後国民の食生活は、粉食混合の形態に移行することが必要であると思うのでありますが、米食偏重の傾向を是正し、また粉食実施に伴う栄養摂取方法を適正にすることは、なかなか困難なことでありますので、学校給食によって幼少の時代において教育的に配慮された合理的な食事に慣れさせることが国民の食生活の改善上、最も肝要であると存じます。」、つまり学校給食をもって子供たちに粉食ということを食習慣としても位置づけておったと思うんです。そうですね。

石川晋文部省体育局学校給食課長

○説明員(石川晋君) 当時の学校給食は、学校給食と申しますのは昭和二十一年、戦後の我が国の大変食糧事情の厳しい時期に始まったというものでございますが、そういう背景を受けまして、昭和二十九年に法律を制定するに当たり、国民の食生活の改善等を目的とする、特に学校給食はその当時脱脂粉乳、それからパンというもので実施していたという経緯、背景をもってこのような提案理由ということになったと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、どうですか。一部学者じゃありませんよ。法律の提案理由説明にそういうことが明確に出ているんです。しかもそのときの議論、これはいろいろやりとりがありますけれども、今言ったくだりの、幼いころからその小麦を主原料とする粉食、パン食になれさせていこう、つまりアメリカの小麦戦略に基づいてその一環として学校給食が制定された、これでも否定されますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私が言った一部学者というのは今日という意味でありまして、今日いろいろのことが言われておる中に、その当時のアメリカの大統領アイゼンハワーが日本人に小麦の押しつけ法としてやったというようなことを今日いろいろ言われておる人がおります。そのことを指して申し上げたわけでございます。  なお、当時の我が国の食糧事情という問題、あるいはまた一時言われた米を食べれば糖尿病になる、粉食を食べれば糖尿病にならぬという、世間でいろいろ言われたこと等を今の御質疑を通じて思い出してきておるわけでございますが、またある面では我が国は米食と並びましてだんごというおいしい民族的芸術食品を生み出していることもこの際申し上げておきます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いずれにいたしましても学校給食がアメリカのそういう余剰農産物、小麦の受け入れのためにつくられたということが明らかになって、大臣もそれは否定はしない、事実そうなんです。そういう点から、これは学校給食だけじゃないんですよ。農水省だって今おっしゃいました健康に悪い云々、でもお先棒担いで何をやりましたか。キッチンカーを走らせて、農山村を厚生省と一緒になって、食生活改善だ、パン食普及だ、粉食奨励だといっておやりになったじゃありませんか。  それで私は、しかしこうしてつくられた学校給食の中で、昭和五十年に一部今の給食のあり方等についての食生活の再確認ということが議論になって、米飯が取り入れられたというのは意味があることだと思うんです。ただし、学校給食法そのものは依然として「小麦又は小麦粉を」ということになっております、政令あるいは省令等で米飯の導入ということになっているだけなんです。ですから、この導入に当たっても今多くを読み上げるつもりはありませんけれども、実施に当たっては、地域や学校の実施及び条件整備の進捗状況を勘案して、画一的、強制的にならぬようにといっただし書きまでついているわけです。そうですね。そういう中で、しかし伝統的な食生活である米飯を学校給食に取り入れていったという点を評価して値引きもなされたと思うんです。文部省、この点でここ二回ほど、この学校給食の米飯用のお米の値引き率が下げられてきている。来年概算要求、大体骨子まとまってきました。これからは農水省との協議になるでしょうけれども、直接現場を預かる文部省としては、これらこの値引きの率をまた下げるなどというようなことがないように御要望されていると思うんですけれども、その辺どういうお考えなのか、一点。  それからもう一つ、独自におやりになっていくという点で、私は何も特定のお米をどうこうと言うことはありませんが、ただ学校給食用に回っているお米というのは一、二類が四割で、三類が約六割、資料いただきましてわかりました。しかし、いずれにしてもそれぞれの産地のお米が、あるいは米だけじゃありません、野菜だとか果物だとか、肉類も含めて学校給食の中にもっと取り入れられていってしかるべきではないか。そういう観点からして、お米の学校給食への問題というのはもうちょっと考えてもいいんではないか。この二点について文部省の考え方。

石川晋文部省体育局学校給食課長

○説明員(石川晋君) 学校給食の御飯の給食というのは、先生お話しのとおり、五十一年から計画的にその普及を図ってきたわけでありますが、その目的とするところは、我が国の食生活、食糧事情というものを勘案しながら、学校給食を通じて食文化といいますかこういうものの多様化を図る、こういった意味で教育的に有意義ではないかということで始めたものであります。こういう観点から考えますと、第二点に当たりますが、おいしいお米を、特に地元のお米ということは大変意味があることだと思っております。現在食糧庁の方から供給されているお水も、そういうことで原則として地元産の新米が各学校に供給されているわけでございますが、特にそれらのうち自主流通米として出回ってしまうようなものについても、地元の生産者あるいは市町村が協力して学校に供給していただくというようなことも一部の県、市町村で行われておりますが、これらのことは、学校給食というものを通じて家庭や地域と学校の連携がより深まる、あるいは学校給食が一層充実するという点では大変結構なことではないかと思っております。  また、第一点目の御質問でございますが、米飯給食導入のときに、パン食との間での価格差を埋める、あるいは米飯給食の普及を図るということで値引き措置が講じられているものでございますが、そういう観点から今後の値引きの価格等につきましても関係省庁と協議しながら進めてまいりたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今の文部省の御要請、受けて立ってくれますね、食糧庁長官。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 私ども学校給食用のお米につきましては、文部省令おっしゃったとおりでございまして、いろいろ地域レベルでの取り組みも行われておるところでございます。私どもも、生産県では自県産をできるだけ優先をする、そしてなるべく食味のいいものを学校給食に供給するということでやってまいっているところでございます。  それから、学校給食用のお米の値引きの問題でございますが、これは私どもの食糧管理勘定の予算の問題になるわけでございますので、予算編成の過程で毎年決めていく問題でございますけれども、文部省ともよく御相談をしながら、六十二年度に見直しをやったということも踏まえまして、十分慎重に検討してまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 前向きの答弁ようやく一つ出ました。  そこで、確認したいことなんですけれども、大臣、何と言おうと、実は農水省のOBになりますか、吉岡さんが書いてあるんですけれども、そもそも日本がこのような形で、学校給食のことに見られますように、アメリカの余剰農産物を引き受けたりなんか、今はまた新たな買い付けなんかを要請されてきているその根源は何かと、こう書いているんです。  日米関係が他の欧州諸国と決定的に違う点は安保条約にある。だから日本の防衛問題と経済摩擦問題は絶えず裏腹の問題として日米間では出てくる。基本的には日米安全保障体制のもとで、経済もリンクで考えねばならなくなってい  るところに問題がある。と、こう言っているんです。私は、もう時間がないから、この指摘非常に重要だと思うんです。全く安保があって今の農産物のいろいろな市場開放要求なども出てきていると思います。しかも、それが具体的にどうあらわれているかという点で、まず最初に事実だけ確認してください。  一九八〇年九月、これは第二次ジョーンズリポートという格好でアメリカで出されているんですけれども、どういうふうに言っているか。「農産物貿易問題の解決のカギは、日本農業の長期的構造改革と米国の供給保証にある。」、こういうふうに言っております。そして「日本は大豆、小麦、飼料用穀類について、米作からの転換の必要もあり、自給率向上を望んでいるが、これは米国の主要な輸出品である。……日本がかかる穀物の自給率向上を強調することは新たな保護主義の危険を生む懸念がある」、こういうことを言っていまして、次、八一年の十月に第三次ジョーンズリポートが出まして、「日本では小麦の価格も、消費者がコメの代わりに小麦に向かっために、人為的に高く維持されている。こうした人為的な高価格によって小麦の消費が抑えられているため、日本での米国産小麦の販売が不調であると考えられる」、こういう事実、これは何も認める認めないではなくて、あることは承知していると思うんです。  続いて問題は、一九八四年九月、日米諮問委員会報告の中で何と言っているか。米、小麦など広大な農地規模を必要とする作物はやめなさい、果樹、野菜、そして草花など小規模農地で効率的に生産できる農業生産に構造転換すべきだと、こう言っているわけです。このときに初めて日本政府を代表して中曽根さんがロン・ヤス関係だということで受けて立つ、その中で出てきたのが前川リポートであり、あるいは行革審答申であり、農政審の方向、こういう状況で今の日本農業が本当に向上できるのか、つぶされるのかという問題の根源になっているんだということが明らかだと思うんです。私はこういう路線でもって農業つぶしを断じてさせてはならないと思うんです。生産性向上の名において、品質向上の名において、今すぐ価格決定ということでありますけれども、日本農業のこれ以上の縮小をさせない、縮小か振興かという点での大臣の決意を聞かしていただき質問を終わります。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ジョーンズ報告の件は承知しております。また私も農林大臣になる前、さらにそのずっと前にもたびたびアメリカに行っておりますが、あるアメリカの有力議員が日本へ初めて行った、成田へおりて東京まで行ったけれども、あの間に田んぼや畑が見えた。あれは全部日本はゴルフ場にすべきではないかというようなことをまじめに提案してきた議員も実際におります。  まあいろいろなことがあるわけですが、一つだけ申し上げておきたいのは、我が国の農産物開放を迫っておるのはアメリカだけではありません。ケアンズグループを初めとして多くの諸外国が我が国にいろいろ言ってきておるわけでございまして、日米安保とアメリカの関係でアメリカが我が国の農業開放を迫ってきておるだけではないということをひとつ御認識いただきたいと思います。私は、最近の世界農産物貿易、きょうも御意見の中にありましたけれども、農産物の過剰供給ということ、そしてそれによるところのそれぞれの国の農業不況ということ、そしてまた農産物輸出国のそれに伴う膨大な補助金というもの、こういう国際情勢というものも冷静に見ていかなくてはならない。そういう中で我が国の貿易黒字が九百億ドル、あるいは対米貿易黒字が五百億ドルを超すという、この一事をいつも諸外国が、あるいはアメリカの有識者が迫ってくるわけでございます。我が国全体としてそういう問題、考えなくてはならない問題も率直に言ってあるわけでございます。  こういう中で、いつも申し上げておりますように、今我が国農業が生き残れるか全滅するかの瀬戸際がここ一、二年であるということは口を酸っぱくして言っております。もちろん農林水産大臣として、また農林水産省としては省を挙げて我が国の農業が生き残れるためのあらゆる手段一方法を講じていくということでございますので、誤解のないようによろしく御認識いただきたいと思います。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 麦のパリティ価格から生産費方式に変えていくのは、一つの伏線として、だれでも予想しているように、農政審の答申の線に沿ってできる限り国際価格に近づけていくという基本方針から出ているわけなんですが、そうすると、結局値段を下げていけば農家の所得は減る。それを減らさないためにはやはり一戸当たりの農家の生産規模を拡大しなくちゃならぬ。こういう結論になるわけなんですが、そうすると小麦をつくる農家の生産規模を拡大する方式をどういうふうにして性急にやれるかということなんですが、その方策についてどういうお考えを持っておられるか。  私は、今価格の中にぶち込んでしまっておられる生産奨励金をこれまた分けて、生産費方式で価格を決定するわけだから、生産費の上積みの生産奨励費を分けて、そして規模拡大する農家にそれは行く。副業農家やいわゆる第二種兼業農家や小規模農家というものには、まあこちらの水田転作で集団的にやるやつはそれでいいとして、小さな生産規模でやるものにはそういう生産奨励金はつけないでいく。何か差別化していかぬと土地が出てこないのじゃないかと思うんですが、どういうふうにして、まあ私は一つのそういうやり方、せっかく今持っている生産奨励費を麦の価格から分けて、そして一定の規模を拡大する農家にそれを分ける、こういう提案なんですが。しかし、それ以外にでも、どういうふうにして、麦でも米でも大豆でも、みんなそういうことだろうと思うが、価格を下げて農家がやっていけるためには生産規模を拡大せにゃならぬ。殊に耕種農業だというと、これは土地面積を広げにゃならぬ。どういうぐあいにして広げるか、こういうことになってくるというと、結局生産農家の数を合理的に減らす方策、こういうことになると思う。その第一には、やはり私は第二種兼業農家の方から土地を供出されるような指導体制というのか、価格体制というよりほかにないじゃないのか、こういうふうに思うが、どういう方策で生産規模を拡大していくのか。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 御指摘のとおり、生産性を上げていくためには、そして生産コストを下げていくためには、土地利用型農業においてはやはり規模を拡大していくということはどうしても必要だというように考えております。  昨年の十一月に御報告を賜りました農政審議会におきましても、このアプローチの仕方ということで、大きく分けまして二つの道を提示しているわけでございまして、一つはやはり個別経営農家の規模拡大という道でございますし、もう一つは集団を活用いたしました規模拡大ということでございます。そういうことに応じまして、水田の場ということで、高水準の水田農業における生産性の試算というものがなされておりまして、その中におきましては、麦あるいは大豆と水稲を組み合わせた形の中で、単収あるいは労働時間、そういったものの改善を図りながら、コストというものについてほぼ七十年を前提にいたしまして大体五割程度のものにしていこうということが出されているわけでございます。  なお、この数字の点につきましては、一応理想的な形でございまして、それぞれの今申し上げました二つの道というのは、やはり地域におきます土地条件あるいは経済的な意味を含めますいろいろな土地の借地がしやすいかとか、あるいは土地の流動化が進みやすいかというようなことでございまして、前者につきましては四通り、例えば農作業の受委託については、やはり北陸、東海、近畿地方においては、自作地をベースとした農作業の受委託により作業規模の拡大を図るタイプというのが主流になるのではないかというような具体的な提案がなされているわけでございます。  後者におきましても、三通りの道がございまし て、例えば都市近郊等兼業化地帯におきましては、生産組織の機能分担という形で、兼業農家も包摂をいたしまして、中核となる農家を中心に生産組織が行われるべきであるという提案がなされているわけでございます。  こういった提案を受けまして、私どもといたしましては、これが各県におきましてどういう程度の実情、実態を踏まえた上で具体的な姿ができるかという問題につきまして、来年度予算におきまして各県に一地区ずつのモデル地区をつくっていただくべく予算等を要求しておるところでございます。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 生産振興調整額にお触れになったわけでございますが、生産振興調整額の取り扱いにつきましては、これがパリティ方式のもとで取り入れられた価格算定上の考えということでもございまして、算出された価格の中でパリティ部分と生産振興調整額というのは別に区別されておるわけではございません。混然一体になってある一つの価格ができておるということでございますが、改正法が成立をいたしました後、米価審議会で算定方式について御検討いただきました際に、この生産振興調整額の取り扱いについても、あわせて当然のことながら価格算定方式の中で検討していただくということになりましたので、その検討にまたざるを得ないわけでございます。  先生おっしゃいますように、もしも価格という形で農家について一定の性格に応じて違った価格を立てるということはなかなか価格政策上は、やはり一部追加というようなことがございますので、難しいかなというふうに思っております。ただ、最近の内外価格差の拡大とか製品輸入の増加傾向といったような状況の中で、生産性の向上が急務になっておるということからいたしますと、農政全体の中で価格政策にも財政負担がございますし、そのほかのいろいろな生産対策、構造対策でも財政負担がございます。そういうもののバランスを、やはり生産対策、構造対策というようなものに傾斜をしていくとか、あるいは価格政策の面でも価格水準そのものについて、構造政策との連携を強めていくというような方向というのは、やはり今後考えていかなければいけない問題だというふうに思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 お二人の方向で大体想像がつくわけなんですが、そうだとすると、価格の生産費方式の中では、今度の米審で麦作生産奨励金というような漠としたものは加えないで価格が決まるといっても、元来積んじゃっているわけだから、そう簡単には減らないだろうと思うんです。それを減らして、そうして麦価を若干生産費から減らしたならば、そういうような生産拡大の委託生産なり、それから生産の組織が集団的にやるようなところに奨励金を出すとか、もう何かそれ相当やらぬとこれ僕は生産費が下がらぬと思うし、また、実際品種でいくと麦はえらい、大豆よりかもう一つ問題があるね、品種が非常に低劣だという。需要に合わぬというわけだ。それと合わすということになってくると、これは個別の計画はできるだけ生産規模の拡大の指導的な農作業をやる人の方がよりいいというようなことで、麦は大豆よりかもう一つ品質の問題で非常な問題点があるわけなんだから、そこらひとつ今度の改正でぜひやってもらいたいと思うんです。  それと、麦は転作が、主として米の生産制限からその裏作として麦を奨励したために麦づくりがえらいふえてきた。ふえてきたんだけれども、どうも麦は消費がそれほど、需要の方がいやだいやだとこう言っているのに、さらにこれつくれと、こういうことになってくると、これはどうもひとつちょっと余り急に麦の生産をふやすというのは、これは需要とマッチしない。第二の米の過剰生産と同じようなことになりゃせぬか。これはひとつ慎重に生産計画をつくってもらわぬと、つくったはいいが今度は製粉業者が粉ひいても売れぬということになってくると、過剰対策というものをこれだけほうっておくわけにはいかぬということになるわけだから、そこはひとつ非常に慎重に生産計画を、そう急に減反をふやしたから急に麦作をふやす、十何%ふやすというんだから、これはことし大変なこっちゃなと思うんだけれども、そこをよく見てやってもらいたいと思うわけなんだが。  そこで、僕は水田の過剰対策というものが今の七十七万ヘクタールではとてもじゃないがことしの豊作からいくというといかない。いかないということになってくると、ことしから始まるこの水田農業確立対策というものが何となく初年度から非常に基本数字が危ういものになってきやせぬか、こういうふうに思うわけだ。しかし、今後六年間、前期と後期として一応決めたところだから、それを変えるということを何も要請するわけではないんだが、そのせっかく決めたやつをさらにこれがこう六年間このままで僕はもたぬような気がする。  そうすると、この次は三、四年たってどういうふうに変えるか、こういうことをひとつ話題にしてみたいと思うわけなんだ。その場合に、やはり私は前回の農林水産委員会のときでも、この水田の生産制限のときにいわゆるこういう原料米や、ことしまたちょっと試作をするという飼料米というような線が出てきているんだけれども、これは前回の農林委員をやったときに、この過剰対策のときに僕なんかはこれを盛んに言ったわけ。ところが、食糧庁は断固として生でつくる米以外は水田につくらせまい、こういうふうにしたんだが、今度この水産委員になって帰ってきてみるというと、他用途米とかいう非常にハイカラな名前をつくって水田につくらしているね。それからまた、ことしから飼料米のやつも試作としてつくらせる。こういうふうなことなんだけれども、これは本当になって考えてもらいたいと思うんです。やはり水田として維持していくという政策というものを僕は否定するわけじゃないけれども、水田として維持していくためには水田の生産力というものを十分に生かすということが考えられなくちゃならぬと思うんですね。  そうすると、何というのか、米をつくったら一番生産力があり、そして穀物が余計一番収穫できるのが絶対的なこのやつは小麦より大豆より何より穀類としてたくさん収量がとれる。同じ管理でとれる。そういうことからすると、そういう米においても、この品種改良の問題はやっていると時間がかかるから言わぬけれども、これもやはり食糧用とそれから加工用と、それから飼料に、えさに回すための米というのは、これはもうとにかく余計とれさえすればいいし、管理が楽で簡単な強い稲を、品種をつくる。品種改良が三つに非常に必要だろうと思う。そういうふうなことをやって、僕はやはり稲作というものを水田にはつくって、そしてできたものを食糧用とそれから加工用と、それからえさなんというのはこれは無限大に輸入しているわけなんだから、その中にちょっとまぜるぐらい、幾ら生産したって大したことない、まぜるぐらい、もう小麦と外麦をまぜて値段上げるよりか飼料用としてつくったやつを輸入飼料に、これも用途によって混入できるところとできぬところとあるんだろううけれども、こんなものも研究して、それからどういうふうにするとそういうトウモロコシやトウキビなんかと合うような飼料用の米としてできるかどうかというのも僕は早急に研究してやっていく方がいいんじゃないかと思うんですね。そういう意見が一つ。  それからもう一つは、やはりどう考えてみてもこれはこうやってもうきちんと政策決めちゃっているからこれは当分続くんでしょうけれども、それは続けていいんだけれども、水田農業確立助成金というのは、これはどう考えてみても生産規模の拡大や生産性向上に役立つ補助金では絶対ないと思うんですね。これはもう従来の所得を補償するだけ、そういうふうに思うんですが、その点についての御意見を。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 他用途利用米と飼料用米のお話がございましたが、他用途利用米につきましては、米の需要の拡大、それから水田の有効利用を図るという観点に立ちまして、転作として 米を生産しながら主食用より低い価格、生産費の手取り価格が主食用の約半分でございます。それで、加工用に供給する仕組みにいたしまして、五十九年度に導入をされました。それで当初なかなか実行上の難しさもございましたが、現在ではすっかり定着をしてまいりました。ことしから発足をしました水田農業確立対策におきましても、用途の拡大を図りながら数量を増加さしているところでございます。  小麦の製品に関連をしまして二次加工品の輸入というような問題が当委員会でも御議論ございましたけれども、お米につきましても、やっぱり二次加工品で自由化物資のものがございます。こういった点から考えましても、加工用需要というようなものを合理的な価格で供給して国内産米の需用先として確保し、また水田の生産力を活用していくという点からいきましても、私どもこの他用途利用米をこれからも育てていきたいというふうに思っているわけでございます。  それから、飼料用米でございますが、これも水田農業確立対策の中でとにかく一つの考え方としまして生産者の自主的な取り組みということを基本にしながらメニューの中に入れたわけでございますが、これにつきましては何といいましても相当多収のものが開発をされませんと、飼料用の価格と現在の米の価格との差が余りにも大きいという問題がございまして、主食用でございますと、ことし五・九五%の引き下げをいたしましたけれども、トン二十九万円ぐらいでございますが、飼料穀物の国際価格の低下と円高によりまして、飼料としては恐らくトン一万五、六千円の値段にしか輸入飼料との価格競争関係からすると売れないということがございまして、この辺のところを、一つは飼料用の品種開発というようなことがどこまでできるか、    〔委員長退席、理事高木正明君着席〕 それからまた、ある程度やはりこれ生産者の共補償というようなことを伴いませんと三十万円近いものがほとんど一万五、六千円ということでございますので、その辺をどういうふうにカバーしていくかというようなことが非常に大きな問題としてあるわけでございます。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) ただいま第二の点で先生御提起になりました水田農業確立助成補助金の問題でございます。この点は、私どもこれまで実施してまいりました稲作転換方式といったものにつきまして、各地域におきます農家の方々の工夫あるいは経験といったようなものに依拠しまして、今回六十二年から新しい施策として発足するに当たりまして徹底的な議論を内部でやりました。それで、今申されましたいろいろこの対策については新しい試みと新しい柱というものを立てたわけでございますけれども、特に奨励金のものにつきましては、従来からの米から他作物への転換を重視しました奨励措置といったようなものを変えまして、構造政策的な視点にいこうというようなことから、奨励金の名前も助成金というような形で名前を変えました。  この内容は、一つは加算制度にその点があらわれておりますけれども、稲作転作を通ずる生産性の向上を目途といたしまして、農地流動化による規模拡大、あるいは担い手を中心とした生産性の育成というものに配慮して交付していこう、そういうものでひとつの交付金の加算というものを定めたわけでございます。さらに、これにつきましては各地域におきまして農業者が共補償といったようなことを自主的に、自発的にされたわけでございますが、そういったような全国各地におきます特に米作の地帯において出てまいりましたこういったことを十分配慮いたしまして、地域の水田利用の合理化推進のための基金を造成し、計画的な水田農業の確立を推進する場合において新たに加算という制度を従来の制度と違った形でつくったわけでございます。この考え方は、繰り返すようでございますが、従来の奨励的なものから構造政策的なものに変換をしたということでございます。  ちなみに、こういったものにつきまして全国各地津々浦々において各種の経験がありますが、私ども一つのモデルといたしまして申し上げておりますのは、朝日農業賞等を受賞いたしました長野県の宮田村の経験というものに依拠したわけでございまして、今回この村におきましては奨励補助金の村ぐるみの一括的な交付、個別の交付じゃございませんで、全村の合意をとりまして一括交付という形でそれぞれ構造政策的に使っていこうという試みがなされたところでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 大分御説明で苦心の存するところもわからぬわけではないんで、方向は僕が素人なりに考えた方向と当たらずといえども遠からずの方向で努力されていることだろうと思っておるわけなんですが、    〔理事高木正明君退席、委員長着席〕 何としてもそういう生産規模の拡大と生産費の引き下げという方向に相当馬力をかけたやり方というものに全力を注いでもらいたい、そういう方向でいっていることを頼もしく思うわけですが、何としても生産力のある水田をやはり米以外のものに一生懸命になってつくらして金たくさん出すよりか、ここまで踏み込むならむしろ米の品種改良なりその用途別の品種にしてもっと徹底的、大たんに変えていく方が遠回りのようでも結果としては近道のようになることもひとつ考えてやってもらいたいと思うんです。  それからもう一つは、大臣がOECDの閣僚会議なんかに出られて、世界の農業政策、農産物の農業政策について世界的な大きな合意というものが出そうである、こういうようなことであるわけなんです。その一つは、いわゆる過度な農業保護をやめよう、その真っ先にいわゆる過度な農業政策によって過剰生産になる、その過剰生産を結局輸出奨励金で今度は輸出競争になって、そこにまで補助金をつけてきた、これはお互いにやめようというのが基本ではないかと思うんですが、日本はそういうので過度の結局補助金をつけても、まあ米が過剰ぐらいでほかのはそう大して過剰でない。だから、米の過剰に対してほかの作物に転換をしてバランスをとらにゃいかぬということで大転換も必要なんです。  もう一つは、僕はやはりあれだと思うんですが、外国から日本に輸入せい輸入せい、こう言うのも、やはり基本的に日本の農業生産の基盤的な維持というものの限界というものを決めて、それは先進国の中で日本が国民に対する農業生産物の供給割合はこの辺までを限度と考え、それ以上にするということはやはり農民の割合を急激に失業に追い込むことになって、それは耐えられぬことだから、当面の方策としてそういう農村から、農業、農家に大失業をもたらす政策はとれない。だから生産をこういうふうにせざるを得ない。ついては世界の輸出奨励金をつけているような品物については買えないというふうな一つの国際農産物市場に対して我が国の基本的な態度というものを積極的に出した方が、輸入に対してこれもだめだ、あれもだめだということばかりよりか、やはり日本の農業というのはたくさんの農民がおるんだ、それを急激に失業にさすということはとてもできないんだ、だけれども改善をしなくちゃならぬことはわかっている。しかし、そのためには年月が要るんだ、したがって、その段階として我々の輸入態度はこうであるというふうな、そのためにまず第一には輸出奨励金なんかつけている農産物は絶対に入れないとかいうふうな一つの方策というものを出してもらいたいと思うんですが、そのためにはアメリカやEC、そういうものの結局輸出奨励政策、自分の国だけ一生懸命保護して、輸出奨励政策というものが現在どういうふうになっているのか。それをやめた場合にはどういうふうな世界の食糧の需給体制、需要供給というものが、過剰農産物の処理というものが何年ぐらいたったら直る可能性があるのかというようなことについておわかりだったら御説明願いたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 世界農産物の過剰状態がいつ解消するかと言われますと、これはなかなか難しい想定でございます。今日世界における天 候あるいはいろいろな問題もありまして、一つはソ連の作況、一つは中国の作況、一つはインドの作況等もいろいろ今後世界の農産物貿易に影響が、ストックの解消にどう響いてくるかということがあるわけでございます。片一方また、世界がこれほど穀物過剰になっておきながら相当多くの国で食糧不足で飢餓状態になっておるという、こういう現実もあります。後段の分は御質問の趣旨でなかったわけでございます。私は、こういう今日の世界におけるまず農産物輸出の奨励金問題等につきましても、あるいはこれに伴ういろいろな市場開放問題についても、一つの、へ理屈や言いわけではなしに、日本自身が哲学といいますか、日本がはっきりした考え方を持っていかなくてはならないと考えております。  そういった中におきまして、一つは日本は世界最大の農産物の輸入国であるということ。それからいま一つは、したがって世界農産物貿易に最大に貢献しておるのは我が日本であるということ。そこら辺からいつも言うわけでございますけれども、またじっと考えますと、今日のような競争、農産物のダンピングということは、ある面で言うと、これは誤解を招いてはいけませんけれども、日本のように世界最大の農産物輸入国にはメリットに働くことも率直に言ってあるわけです。しかし、これはある面では不安定な状態であります。私たちは、そういう面、国民に対して安定供給という立場があるわけでございます。したがって、OECDあるいはベネチア・サミット、そうしてまたウルグアイ・ラウンドにおけるこれからの農産物のいろいろなルールづくりにおきましても、一番にやめてほしいのは輸出奨励金という問題でございまして、ここら辺をどうやるか。  ある面で言いますと、ウルグアイ・ラウンドの合意ができたときに、アメリカは最初、これを一番にやめるというのでファーストトラックという表現をしていろいろ国際的に働きかけてきましたが、昨年の暮れぐらいからファーストトラックということを言わずにアーリーハーベスト、早い結果、収穫を期待しようではないかということでございまして、そこら辺、ウルグアイ・ニューラウンドにおきましても、新しい交渉、ルールづくりについてアメリカは既に一つの提案を行っておるところでございまして、これから諸外国がいろいろこういう提案を出すと思いますが、とにかく農産物のストックの解消ということと輸出奨励金、補助金、これをやめるということは非常に大切でございますけれども、また一方、農業というものはもうそれぞれの国がそれぞれの国情に合ったような国境保護措置といいますか、助成措置を含めていろいろな問題を持っておるわけでございまして、一般工業製品のようなわけにはいかないところに私は今日国際的ななかなか解決しない問題があると思うわけでございます。  そういう中にあって、ある面で言いますと、世界最大の農産物輸入国ということは、農業生産においても日本はある面で国際分業しておるんだと、先ほどお答えしました飼料作物に関するようなことは、ある面では国際分業をちゃんとやっておるんだという問題があります。そういう中で、今後我が国の自然環境というものを保全しながら、どうやって一定の自給率を維持していくか。それから農業においてもこれからは失業問題、雇用問題が非常に大切になってきております。私は、そういう面については政府・与党の会議、関係閣僚会議においても、農村における失業問題、雇用問題を考えてほしいということも強く訴え、またベネチア・サミットにおいても農業における雇用という関係の言葉が入ったのはそういうところにあるわけでございますが、結果的に、今日我が国の置かれておる立場というものを冷静に見ながら、国内においても国際競争力のある農業というものを育てていく。この表現は足腰の強い農業という、あるいは産業として自立する農業という表現、いろいろありますが、ある面では国際競争力のある農業というものを、しかもそう時間がない、大至急育てるべきものは国際競争力あるものに育てていくというところに今日の我が国の農業の置かれておる立場がある。  どうもお答えになったかどうか、脱線しましたが、私はそのように考えておるところでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 私このたびの改正に当たりましては多くの疑問を持つものでありますが、時間の関係もありますので、まず二問、大臣にあらかじめお尋ねします。  立法考査局の資料によりますと、加藤農水大臣はかねて食管制度改革の必要性を強調され、しかも食管の根幹を堅持して改革を進めると言っておられます。ならば、食管の根幹を堅持した改革とは一体どのような改革を考えておられるんですか、お聞きしたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 食管制度の根幹というのは、私は米を政府が責任を持って管理することにより、生産者に対してはその再生産を確保し、また消費者に対しては安定的にその供給責任を果たすという制度、これを私が表現した食管制度の根幹、あるいは食管制度の基本という表現もしておりますが、ここら辺を維持するということでございます。  しからば改革ということでございますが、これは昨年の農政審の報告もいただきましたが、農政審のその報告の方向に沿って、事情の変化に即応して国民の各階各層の皆さん方の理解と協力が得られるような適切な運営、改善、改革を行っていきたい、こういうお答えを今までにしてきておるわけでございます。具体的には、まず第一は生産者米価の適切な決定、二番目は自主流通米の拡大等による米流通の活性化。次は、集荷、販売の両面にわたる流通体系への競争条件の導入、それから四番目は、米の需給調整と政府の過剰在庫発生防止のための生産者、集荷団体等の主体的取り組み、こういう面における運営改善、こういうものを図っていきたい、こう考えておるわけで、それを総合して今の御質問のような表現になっておると思います。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 もう一点お聞きします。改革の方向としましては、およそ三つの方向が考えられると思います。  第一の方向は、食管の本来の機能を取り戻す方向に進める。もう一つ考えられますことは、現状の枠内で改善をしていく方向。それから三番目に考えられることは、現状の枠を取り外す方向で改革を進めていく。この三つの方向が考えられると思います。大臣はどの方向で改革を考えておられるのかお尋ねしたい。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 大臣のお答えの前に、現在私どもでやっております検討中の事項について申し上げたいと思いますが、先ほど大臣からお話ございましたような、昨年の農政審報告の内容に盛られております自主流通米の拡大の問題、あるいはまた米の流通への競争条件の導入の問題、こういったものは現在の食管法の基本的な枠組みの中で運営改善を早急に図るべき事項だという御指摘がございますので、これについて今、米の流通研究会というふうなものを開催しながら、ことしの十月を目途にいろいろ検討をし、できるものから措置をしていきたいと思っているわけでございます。  そのほかに、農政審の報告におきましては、こういった運営改善の成果も踏まえながら米管理の中長期的なあり方について農政審議会においてさらに検討を深めるというふうなことになっておりまして、これについても今農政審議会で小委員会を設けまして種々御検討をいただいているという状況でございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 それじゃ次に、食管法と沖縄との関係は非常に複雑また多岐であります。例えば、ことし復帰十五年目になるわけですが、十五年目にして初めてこの食管法の網をかぶさる、そういう時点で今度は改まる、こういうことを考えますときに、沖縄の十五年の間に歩んできたその経過とこの食管法との一体結びつきからいろいろと問題が発生しておるんです。それで、その具体的な問題について四、五点お尋ねする前に、次のことをこの機会にひとつ再確認していただきたい というふうに思います。  これは沖縄における稲作農家の実態、いわゆる収穫農家の数がたった九百戸、そして作付面積、沖縄に陸稲はございません、水稲のみ七百四十九ヘクタール、収穫量が二千四百十玄米トンですね。そうすると、沖縄県民の年間米の消費量は、約百二十万人でありますが、足りません。約百二十万と押さえて消費量が年間八万トン。そうしますと、県内の沖縄県民の稲作の自給率はたった三%なんですね。そうすると九七%は輸入米、こういう状況なんです。  ところが、なぜそうなったかということを、この機会にまたはしょって申し上げますと、今から四十二年前の米軍の上陸とともに山を崩し、畑をならして水田を埋める、ブルドーザーで平たんにして戦争への道を、南部戦線への道を築いてきた。そして今日、コンクリートで固められておる。こういうこととさらにもう一つは、水田を埋めてサトウキビの転作に変わったという、この二つの面が、今日といえども稲作の自給率がたった三%の実情であるということを理解してもらいたい。  だから、沖縄では減反政策とかということは無関係である。増反政策をいかにするかということが課題である。そうして生産性の向上、それから品種改良、このことが今当面の問題として力を入れなければいけない、また入れられておる、こういうことなんですね。幸いに、細々ながら昨今の水稲の成績を見ますと、沖縄が上位で全国で良と評価されておるわけです。これは一縷の喜びでございますが、こういう実情を踏まえてこれからの沖縄の米作をどのようにその目標に向かって進めていこうとしておられるかお聞きしたい。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 担当局長が突然のお尋ねで不在でございますので、私からお答えを申し上げるのが適切かどうかわかりませんけれども、ただいま喜屋武先生から、いわば戦後の沖縄が歩まれました苦難の道というものを踏まえて今後の沖縄の稲作なり、あるいはまた米の問題について考えていくようにということにつきましては、私どもそのお気持ちを受けとめてこれからいろいろ考えてまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 ひとつ今の稲作の増産、品質の改良と向上、量産の面ですね。この点は大いに力を入れて検討してもらわなければいけないということを要望しておきます。  次にお尋ねしたい一つは、沖縄の本土復帰後十五年間にわたって実施されてきた食糧管理法の一部適用除外の、いわゆる特例措置という形で今日に至っておる。その見直し論が今問題にされておるわけですが、まだ食管法の適用も受けたばかりの沖縄が見直しによってまたさらにどういうことになるだろうかということを心配しております理由は、最初、復帰直後の沖縄におけるいわゆる特例の措置は、米価は四分の一から始まって漸増して、そしてだんだん値上げをしまして、そして十五年目にして本土並みになったわけです。本土並みになったということは高い値段に吸い込まれてきたということなんですね。そうすると、沖縄からしますというと、全くこれはもういただきかねるということになるんです。  ところで、その間恩恵を受けたという意味にも解せるんですが、ところが質の面からはこれは大変なことであったんです。本土においてもてあました古米どころか古々米どころか古々々々米、こういった古い米が沖縄にどんどん来ている。それで、恩恵に、安い値段でということになるかもしれませんが、ところで私にはこういう思い出がございます。まず聞いてください、大臣。実は、沖縄から陳情隊がいろいろな要件で参りますと国会食堂で食事を一緒に上げたことがあるんです。そうして上げた、何と私におっしゃったかというと、国会議員の先生方はみんなこういうおいしいお米を召し上がっておるんですかと、こう言われて実はショッキングな感じを受けたことがございますが、ということは、本土の皆さんの召し上がるお米と、沖縄にこうして古米、古々米で行った米との質の上からの差がこんなにも違っておったということを、それは私自身それを実感しておるわけでありますが、それで沖縄県民がそういう気持ちで、本土並みになった代償として一体この食管制の問題がどういうメリットがあるのかどうか、こういう疑問を持っているんです。その点いかがですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) お話のとおり、四十七年沖縄の復帰に際しまして、沖縄県におきます米麦価の水準が本土と非常に大きくかけ離れていたということ、それからまた、流通体制がかなり違っておりまして、整っていなかったというようなことから食管法につきまして特別措置が講じられてきたところでございます。復帰以来十五年にわたりまして、米麦価については徐々に本土水準に近づけるという努力が行われまして、その結果、米麦価に関する特例措置が六十二年五月で終了いたしまして本土と同一になったということ、それからまた、十五年間の間に流通体制の整備も進んできたというようなことがございまして、食糧管理法への移向がスムーズにできるというようになったという背景が一つございまして、国民の主食でありますお米の安定供給を図りますために、食管法のもとで国が責任を持って価格も含めて安定供給を図るということの必要は沖縄県においても変わるものではないというふうに私どもも考えておるわけでございますし、沖縄県といたしましても、県御当局の方も県民生活の安定を図るために食糧管理法の適用を要請いたしておりますことから、今回沖縄県におきましても本土と同様に食糧管理法を適用するということにいたしたものでございます。  なお、ただいまのお話の中で、古米、古々米というお話がございましたけれども、私今その点については、突然のお尋ねで数字的な資料は持ち合わせておりませんけれども、自主流通米も行っておりますし、それからまた政府米も、いわゆる銘柄米産地のお米も含めて沖縄には搬入されておりますことは、私日ごろ決裁をいたしておりまして、間違いないことでございまして、昭和五十九年というようなああいう四年連続不作で政府の在庫が非常に少なくなった、底をついたというようなときに、本土も沖縄も同じようにいわゆる持ち越し米を食べていただいたということはあろうかと思いますけれども、私ども決して沖縄の方にだけ古米、古々米を持っていくというようなことはやってはおらないと思いますし、今後もまた戦中戦後にかけて大変御苦労なさった沖縄県民の方々に我々がそういうようなことをしてはならないというふうに思っておりますので、そこはひとつおわかりをいただきたいと思うわけでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 私のさきのを否定しておられるようだが、本土と同じように良質米が全面的に行ったということは、ごく最近はどうか知りませんが、少なくとも古米のまざった米が来たという事実は私は否定はしません。確かにそれが過去においてありました。  次に沖縄における米の流通の問題でお尋ねしますが、現在の米穀の流通は指定業者、それから卸販売業者、小売業者のこの三段階制になっております。ところが、本土の場合には卸と小売、二段階ですね。このように大きく違っておる。そこで気になりますことは、今回のこの食管制度の適用による制度の移行は、沖縄の場合どのようなスケジュールで運ばれるのでしょうか、このことも非常に不安の種でありますが、お聞かせください。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 改正法のもとにおきます沖縄県の米の流通につきましては、沖縄県での長年にわたって築かれてまいりました一つの流通実態というものがございますので、これに配慮しまして、県民生活に混乱の生じないようにしたいというふうに考えております。現在、沖縄におきましては、お話のように三段階でございますが、私ども指定業者を卸売業者に、それから今卸売業者と呼ばれております方々を小売業者に、そして沖縄におきましては日本のお米屋さんという伝統的な概念に当たるようなお店ではなくて、いろいろなものを売っておられる、その中にお米を売っておられるというお店が一番最後の消費者と接触をしておられるところでございますので、これは 今度の法におきまして小売販売業者の販売所を、ブランチというふうに俗称しておりますが、こういう制度を今度の法でつくっておりますので、ちょうどそれに位置づければすんなりとはまるのではないかというふうに考えております。  時期の問題につきましては、流通業者の指定なり許可制、特に販売業者の許可制への円滑な移行を図りますためには十分な周知期間を設ける必要があるというふうに思っておりまして、沖時法の一部改正法では「一年を超えない範囲内において政令で定める日」と規定をされておりまして、具体的には昭和六十三年、来年の二、三月を目途に施行をいたしたいというふうに考えております。  また、この法施行の際に、現に米穀の卸なり小売りの業務を行っている方々は、法施行の日から六カ月間は食管法の八条の三第一項の許可を受けないでその業務を行うことができるというふうに規定されておりますが、法施行後六カ月以内に食管法に基づきます卸なり小売りの業務の許可の手続を進めるということによりまして、円滑な移行を十分な余裕期間を見て図っていくようにいたしたい、こういうふうに考えておるところでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 基本的なものは承りましたが、もう一、二お尋ねします。  この場合、特に米についての小売販売業者の営業が、沖縄の場合には法的には今規制がないわけなんですね。いわゆる自由である。自由に販売が可能である。そこで消費者は最寄りの商店やあるいはスーパーとか雑貨店、非常に便利に気軽に消費者は米を買っておるんですね。ところが制度の改正によって、自由に購入できる従来の便利がどうなるだろうか、損なわれないだろうか、こういうことを生活に結びつけて、家庭に結びつけて、それなりにみんな心配しておるわけなんです。このこともひとつ十分配慮してもらって、いわゆる言葉を変えて言いますならば、既得権の侵害がないように尊重してもらいたいということを重ねて要望しますが、いかがですか、その点。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) ただいま申し上げましたように、沖縄県におきます販売業者の許可制を導入いたしますに当たりましては十分な周知期間を設ける、それからまた法施行後、一定の期間は販売業務の継続を認めるということにしまして、そういう経過措置をとる期間の間に諸準備を整えて円滑に移行ができるようにいたしておりますし、先ほども申し上げましたように、沖縄の現行の流通実態に即しまして、現在三十五ございます卸販売業者を小売業者に、それから約八千あります小売販売業者を販売所に位置づけるように考えておりますので、小売店なりスーパーなどで現在お米を購入している消費者に不便を来すというようなことがないように、これは十分配慮をしてまいりたいと思います。  御案内のとおり、近年におきましては、本土におきましても米の小売販売業者につきましてはかなり新規参入も行われまして、先生御案内のとおり本土でもコンビニエンスストアでございますとかスーパーなんかでも米が売れるような状態になっておりますので、本土でもそういう状態でございますし、沖縄における現在の流通実態というものを十分踏まえて対応してまいるつもりでございますので、御心配のないようにいたしたいと思います。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 くどいようでありますが、もう一つお尋ねします。  それは、制度の改正によって米の販売については沖縄側からしますと許可制になるわけですね。そうなりますと、現在の取り扱い各業者の生活の立場から、許可制の導入に当たってはすべての業者の営業を、今まで取り扱っておる業者の営業を許可する、沖縄側から、私から申し上げますと、必要があると思いますが、またそうしてほしいと思いますが、その円滑な移行を図るために十分な配慮が払われると信じますが、念には念を押したいですので、許可の面からの、どうなりますか、どう考えておられますか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) ただいまの先生のお考えになっておられるとおりというふうに御理解いただいて結構でございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 細々と、しかし沖縄県民にとりましては、またその衝に、立場にある方々からすると、これはもう必死に考えておる生活権の問題である。既得権の擁護であり、そして沖縄が、結局結論的に言いますと、国の犠牲、戦争の犠牲、戦争はだれが起こしたか、国だ。ならば沖縄の格差の、あるいは戦争による被害の一切の責任は国が負うべきではないか。こういった基本的な立場に立って、沖縄開発庁ができたのは一体何のためか。そして特別措置法が一体生まれたのは何のためなのか。そういったことを十分に原点に返って常に理解してもらわぬと、時がたつというと、もういいんじゃないか、これ以上要求するな、甘えじゃないか、我々は決して甘えはいたしません。結論は本土並み、格差を是正していくというこの終着の目的がある。だから、本土並みに到達すればいつでもお世話になりました、もう来年からよろしゅうございますと、こう言いたい。そう言わしていただきたい。そのことが戦争の犠牲を国の責任において償うということなんです。こういう意識を沖縄県民は叫ぶと叫ばないとにかかわらずみんな潜在意識として持っておるということを十分認識していただいて御配慮賜りたい。大臣の所見を求めて終わります。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 沖時法をつくり、沖縄開発庁を設置いたしましたのも、喜屋武先生がおっしゃったとおりの精神でございます。何としても沖縄県民の皆様方に本土並みの生活水準をしていただくようにあらゆる努力をしていかなくてはならないと考えております。今回の食管法の適用に際しましても、沖縄の米の流通における七千軒あるいは八千軒という米の小売店、これらの皆さん方の生活不安のないように、また逆に沖縄の米の消費者の面においても不便がないように万全の措置を講じてまいりたい、こう考えておるところでございます。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 私は、去る一日の農水委員会における食糧管理法一部改正法案に対する質問のまとめといたしまして、加藤農林水産大臣に一般農政にかかわる面も含めてお尋ねをいたし、所信を承りたいと存じます。  本年度に入りましてから米価の引き下げ、減反に伴う転作奨励金等施策の低下、先日の大豆なたね交付金暫定措置法の一部改正及びただいま審議中の食糧管理法の一部改正法案等、施行の暁には農家所得の減収が見込まれます一連の価格政策が実現を見ようといたしております。農家の努力のいかんにかかわらず、所得の減収が予測され、生産農家の不安をかき立てております。  五十年代より抑制に転じましたが、農産物価格政策は本年三月の畜産関係の牛乳の保証価格や牛肉、豚肉等の安定基準価格の一斉引き下げ以来、抑制から引き下げへと大きな転換を迎えております。このような政策をとられますゆえんについては、我が国農業の生産性が低く、内外の農産物価格に余りにも大きな格差があり、国際化の進展する中で農業にも国際化の影響が大きく出てくるのも当然であり、内外価格差をできるだけ小さくすることも重要であって、保護政策だけの対応では国家財政の負担も大きく、国民世論の共感も得にくい上に、品質においても実需者のニーズにこたえておらないところにあるように思います。しかも、このことは当然また見直しの努力を続けなければなりませんし、ただそのための条件づくりが難しいと私は思っております。  しかし反面、生産者の側にすれば、生産性の向上や品質の向上に本格的に取り組むいとまがないままに、現実に農家所得の大幅減収は免れられません政策であります。たとえ政府が決められた法に従い、諸要素を勘案して算出された算定値が低価格になることがたとえ当然なものであったとしても、これを受け取る農家自身の生活実感からは、なぜ農産物だけがこんなに低く抑えられ、農民だけがたたかれなければならないのかとの感じを持つのもまた当然だろうと思います。  最近、農協たたきや農業たたきが厳しさを加え ております。私たちが対話をする多くの生産農家の方々の意見は、確かにこれらの意見の中には私たちも啓発されるものがあります。しかし実態とかけ離れた批判、事実誤認ではないかと思う批判もあります。それらに対して生産者側から的確な反論が行われない結果、その批判が事実としてひとり歩きをし、消費者に不信を買っておるのもまた事実であります。  素朴な意見ではありますがと言って次のような話を私にしてくださいました。お米が余っているときになぜ米価値上げた、今こそ競争体質をつけるべきではないか、それが証拠に農家の庭先を見てみますと、どんな小さな耕作規模の農家であっても一通りの農機具がちゃんとそろえられてある。多額の投資を必要とするだろうになぜあれを共同所有することができないのか。その御意見はよくわかります。しかし今度の田植えは五月の連休にしようと私が思えば、また相手もそのように思いますのが当然であります。したがって、いたし方がなしに、会社を休むことができませんから、単独所有をいたしております。言われれば不経済所有であります。不効率な使用になるのも当然であります。けれども、批判ばかり受けるものではないと思います。私たちがそのような不効率所有を、不経済所有をいたしておるなればこそ、農機具メーカーは倒産をしないで今日まで来られたのではないでしょうか。しかも、その機械を買うお金は、お米を売ったお金で買っておりません。月給で買っておりますのです。経済界にこれほど大きな貢献をいたしております私たちがなぜたたかれなければならないのか、このように申されます。  ついでにもう一つの問題を申し上げます。農民は補助金で過保護されておるという批判が大きくございます。そんなにぬくぬくと保護されて生きておるのであったら後継者に苦労するはずがございませんのに、現実はそうではございません。確かに農業には国の手厚い施策があり、補助金もたくさんあります。例えば土地改良、基盤整備を見てみましても、多額の補助金が出ております。政府の補助金、地方自治体が上積みしてくれる補助金、そして不足分を約二〇%自己負担という名前において銀行から借り入れをし、二十カ年をかけて、二十五カ年をかけて、そして年賦償還をいたします。そのようにして集めた金は一文も農民の懐には入らないのです。全部が建設業者さんに回ります。公共事業がこれほどやかましく言われるときに、私たちはそのために名前貸し業をやっておるだけではないのでしょうかとさえ思うこともございます。けれども、この施策はありがたい施策でありますので、そうばかりは言っておられませんが、世の中をもっと広く考えていただいて、持ちつ持たれつであるとすれば、農民だけがたたかれるのは余りにも酷なのではありませんかと、こういうことでございました。  ついこの間も、私の選挙区のある町を調べまして、そこでもっと痛ましい話を聞きました。私の町には三十歳を過ぎた専業農家の跡取り息子で結婚もできておらないのが百八十人おりますということでした。そんなにたくさん専業農家があるはずがありませんので、もう少し掘り下げて聞いてみますと、やっぱり大規模経営の跡取りさんにも同じような波が押し寄せておるというようなことでございましたが、国民同士もっと相互理解を深めていかなければならない。そういったためには農民側の主張をだれがしてくれるのか、やっぱり農林水産省にお願いもしたいし、生産者団体であります農協、わけても全中の皆さん方のこの面における発言は大変重要だ、このように私は思っております。  こういったことですから、農民とても経済社会に生きていかなければなりません。採算に合わない生産を続けることもできません。生産者価格が相当下がっても耐えられる優良例として引き合いに出されますのはすべて大規模経営農家でありますが、大規模経営農家とてもやっぱりその農家の主宰者は卓抜した経営能力に支えられて大変な努力の積み重ねをして今日を築いておいでになります。だから、そういう優良事例があるからといって、それだけで農業の将来を描かれるということは極めて危険なことだと私は思っております。  今農村には専業農家と兼業農家の別があります。それらを経済力から見た場合、一般的に兼業農家の方が安定的であるように私は思います。それは安定した兼業収入があるからであります。我が国の農産物価格政策が先ほども申し上げましたように下がる方向に動き出しましたのですが、そういった中で下げ幅と下げる速度が今後極めて重要になると思いますが、それを誤ると、兼業農家よりもむしろ日本農業の担い手であります専業農家が先に行き詰まることになることを心配いたしております。兼業農家は、家計収入に農業収入の占める割合が少なく、農家として受ける打撃がそれだけ少ないからであります。  中核専業農家の行き詰まりは、日本農業の行き詰まり、崩壊につながりかねません。そうしたら、この中核農家をつぶさないで、しかも兼業農家も農業継続しやすい日本式農業へ改革の方途を模索すべきなのではないか。私自身もその処方せんは持ちません。優秀な農林行政担当の皆様方が衆知を集めて、そういった方向に進めていただきますのもまた一つかと思いますが、この点について大臣の所信をお尋ねいたします。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 大変難しい問題だと承りました。  まず第一は、農機具関係、特に兼業農家が使う農機具関係、当委員会においても米、麦における生産費に占める農機具のウエート問題があります。そういう中で、一番私は問題になるのは、兼業農家の農機具使用、そのうちの一種兼業と二種兼業の違い、同じ兼業農家といいましても、一種兼業と二種兼業の違いはあると思います。そしてまた、けさほどもお答えしましたが、地域によって専業農家の非常に多い地方、あるいは一種兼業農家が一番ウエートを置いている地方、あるいは二種兼業農家のウエートが多い地方、これはもう随分あるわけでございます。ある面では本州の大部分はそういう中で混住社会が非常に進展しております。  そこで、まず、さきの第百八通常国会において、本院における最後の通過成立法案として集落地域整備法を御審議していただき、通過させていただいたわけでありますが、私はある面で申し上げますと、あの法が予算をつけて着実にしていくことによって、兼業問題等の一つの大きな解決になっていくのではないかと考えておりますが、農機具そのもの、私も農機具メーカーにいろいろ注文もつけ希望もしてきたわけでございます。したがいまして、不経済使用という表現をされましたが、不経済使用というか不経済所有という言葉も出たわけでありますが、我が省としましても何とかこれを効率的な使用にしなくてはならないということで、いろいろ系統団体に要請もし、今後リース方式というもの等も来年度から何とか導入していきまして、ここら辺の問題を解決しなくてはならない。  そしてまた、私は兼業問題いつも言うのでありますが、一般産業における労働時間の短縮が行われ、週休二日制が着実に伸びてくることによって、二種兼業農家がますますふえるという一つの矛盾を我々は抱えておる。そういう中で、経営規模の拡大あるいは生産性向上をやるというところにいろいろな苦しみがあるわけでございます。農機具の使用についてはさらに検討しまして、一台の農機具の年間を通じての相当時間の使用ということ、あるいは他地域へもこれを使わすというもろもろのアイデアが今浮んできておるわけでございまして、これらを進めていかなければならぬと思っております。  それから農民は補助金の過保護の中でと言われておりますが、私はそうは思っておりません。戦後四十何年たちました。職業選択の自由は保障されており、そして移動の自由も保障されておる我が国においてなぜ農業後継者が少ないか、あるいはなぜ何百何十万戸という農家が減ったかということは、これは農業が過保護ではなしにサラリー マンにどんどんかわってきておるわけでございまして、その場合は兼業農家としてサラリーマンになっておる場合もありますが、完全に農業を廃止して大都市に出てきてサラリーマン化した人もあります。農業がいいのならそういう職業の移動というものは起こらないはずであります。やはり農業は厳しい、苦しい、いろいろな問題があるからこそ、そういう戦後における人口の大移動、そして過密過疎問題という問題も発生してきたと、こう考えておるわけでございます。  この問題につきましてもいろいろな批判等あるいは提言があります。山田先生もおっしゃいましたように、事実誤認に基づくもの、あるいはもともと農業たたきをやろうとして言われる批判というのと、逆に農業を救い、農業の未来に何とか明るい希望を持たそうとして批判、提言をしていただく方、私は真摯なまじめな提言には謙虚に耳を傾け、取り入れるべきものは取り入れなくちゃならぬ。しかしまた事実誤認に基づき、あるいはまた感情的に農業たたきをされる方に対しては敢然として反論もし、また堂々とその過ちを申し上げなくてはならぬ、こう思い、また私自身も率先してそのように続けてきておるつもりでございます。  それから、これはまたよく申し上げておるのですが、世界じゅうどこでも農業問題についてはそういう苦しみを世界の国々は持っておるということ、それで冒頭御指摘になりましたが、我が国は過去数年の間に農業に対する補助金は四〇%近く削減をしました。アメリカは九五六%ふやしております。ECは百九十何%ふやしております。この事実を日本の有識者の皆さん、国民の皆さんにぜひ認識してもらいたいということをまたある面では私機会あるごとに言っておるのでございます。しかしそうであるにしても内外価格差があるということはこれは厳粛なる事実でございます。この内外価格差、これは生産者価格において比較検討するのか、消費者価格において比較検討するのか、いろいろの論理はありますけれども、要は、我々は国民に対してよりおいしいものをより安く供給していくという一つの大前提があるわけでございまして、ここら辺の問題は生産者である農民の皆さん方にもぜひ御理解をしていただき、かねがね私もちょっと言葉が過ぎたといっておしかりを受けたことがあるんですが、農民の皆さんも汗を流してください、血を流してくださいというお願いをして、ばかなことを言うなというおしかりをいただいたこともありますけれども、それは水田農業確立対策における転作であり、あるいはまたいろいろな問題があるわけでございますが、決して過保護ではないと、私も考えております。  それから嫁取りの話まで触れられました。先般、私は一日農林水産省で同じ意見が出たので、こうお答えをしておきます。実は私の選挙区のある町にも嫁取りがなくて、外国の人をお嫁さんにしておる世帯が五世帯あります。そこで、それをいろいろ調べましたら、その家庭にはお嬢さんもおったのでありますけれども、お父さん、お母さんは農業者には嫁はやらぬというので、農業以外へ自分の娘は嫁にやっておいて、自分の男の子供には嫁がないという、これは若干矛盾しておりませんかと。やっぱり農業をやっておるお父さん、お母さんがそこら辺を考えてもらわなければ困るということを申し上げたんです。ところが、ある東京都内の中小企業の社長と会ったときには、農家は潤って大変いい、我々の会社の従業員は嫁をとる金もない、もう少し加藤、農業に厳しくと言って、大都市の中にも、嫁をとる苦しみというのが若いサラリーマンの中にもある面では現実に起こってきておる。こういう現象というのはある面では農村にも大都市の中にもあるのかなという感じを持っておるわけでございます。  最後が、兼業と専業農家の両方が成り立つという問題でございます。兼業といいましても、先ほど申し上げました一種兼業と二種兼業があります。ここら辺どうかという、しかし何としても足腰の強い国際競争力のある日本の農業を育て、守っていくためには、私たちはやはり中核農家、意欲ある農家あるいは生産性の強い生産組織、ここら辺を中心に育て上げていくということが当面焦眉の急ではないか。そしてまた、兼業農家の間においてもそれぞれの方法を講じていかなくてはなりませんが、これを専業農家と兼業農家がともにと言われますと、率直に言って限られた予算、限定された政策の中でどういう方式を講ずるかということは、真剣に検討いたしますけれども、中核農家、意欲ある農家、そこら辺を中心に私は行くべきである。そして、ある面では二種兼業農家的な皆さん方も、レジャーとして、楽しみとして農業をおやりになっておられる方々、これどうしたらいいのか。我が国は職業選択の自由の国でございますので、ここら辺はそれぞれの本人の自覚にまつ以外ないのか。それから、全体的に見て農業就業者が非常に高齢化してきております。さりとてそういう中で農地を手離さないといういろいろな理由を当委員会でも申し上げたことがあるんですが、ここら辺が次々、まあ手離していただけるようになるのか。そのためには、政策的にも進めていきますけれども時の経過というのが大変長くなるのじゃないか、こう思っております。  以上、お答えになったかならなかったかわかりません。大変長くなりましたが、私のお答えとさしていただきます。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 私は、最後に食糧庁長官にお礼を申し上げて、この質問を終わりたいと思います。  かつて私はこの席で、岩手県の農業を調査したときに、岩手食糧事務所の皆さん方が消費拡大運動に取り組んでいろいろの施策を行っておられますことを見て感激でしたということを申し上げました。その後、食糧庁ではこれらを激励してやってくださいましたそうです。かつて八月の夏祭り、最近どこの都市でも、特に県庁所在都市はやります。その中にまたこの人たちは一団となって参加をし、消費拡大の大きな幕を引き下げて楽しく一夜を過ごしたようでございます。この運動がどんな効果を生みますか、それはわかりません。けれども、積極的に取り組むことは意欲的ということは大変いいことだと思いますし、それが激励を受けて労使関係もうまくいっておるということであればなおのことだと思います。私らもそうですけれども、つい褒められるとうれしくなるものです。やっぱりこれは一つの手法ではないかと思ったりいたしておりますが、そのようなことを報告をさしていただいて、お礼にかえさしていただきます。  終わります。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、食糧管理法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行うものであります。  近年、我が国農業をめぐる内外の情勢は厳しいの一語に尽きると思います。内にあっては、米を初めとする主要農産物が生産調整を余儀なくされ、厳しい減反政策の中で農業者は何を生産すべきかわからなくなっている一方、農産物価格は低迷を続けております。さらに、これに加えて急速な円高によって、国内経済は圧迫され、雇用条件は悪化し、農家経済は、かつてない不安定な状態に置かれております。また、外にあっては、我が国に対する諸外国からの強い農産物市場開放の要求は、聖域とされてきた米にまで及んで農業者は農業の将来に対して大きな不安を抱いているのが実情であります。  このようなときに、政府は、農政審の答申に基づいて新しい農政を打ち出すことを表明しておりますが、その内容を見ると、農産物価格の内外格差の縮小を図るための農業保護政策の大幅な見直しであり、これは、構造政策に名をかりた価格政 策からの撤退にほかならないのであります。  近年、各種農産物価格は、抑制的に決定されてきましたが、本年に入り、米価を初めとして麦価、乳価等の大幅な引き下げが行われ、これが農家及び農村の経済に大きな打撃を与えたことは、周知のところであります。農家及び農村をこのような状態に放置することは、意欲ある将来の農業の担い手までもその基盤を破壊することになり、結局は、構造政策も前進できないこととなるのであります。さらにまた、農業、農村の疲弊は、現在、我が国の喫緊の要務である内需の拡大にとっても、地場産業の振興にとっても極めて大きなマイナス要因であります。  今回の食管法改正は、端的に言えば、価格引き下げのため以外の何物でもないのでありまして、我々として断じて賛成しがたいものであります。  以下、反対の具体的理由を簡単に申し述べます。  第一点は、パリティ価格を下限とするという価格算定方式を廃止することにより麦価算定の基礎が明確でなくなったことであります。このため、価格が国の財政事情等により恣意的に決定されることが懸念されるのであります。  第二点は、生産性の向上を価格に反映させることを本改正案はねらっていることであります。生産性向上メリットの大部分を価格の引き下げ要素として反映させることは、農業者の生産意欲を著しく阻害し、麦作の健全な発展にとって決して好ましい方法ではないのであります。  第三点は、麦価算定方式の変更に伴う麦作振興の関連対策が確立されていないことであります。  今回の改正に関連して基盤整備の円滑な推進に必要な農家負担の軽減、あるいは、麦の品種改良対策、生産費の軽減措置等について具体的な施策が、審議を通じても政府から明示されていないのであります。  第四点は、安全性に問題のある外麦に対する安全性チェック体制の問題であります。このチェック体制が極めて不十分であるにもかかわらず大量の麦が輸入されているのでありまして、国民の健康上にも重大な影響を及ぼしかねないということであります。しかも、このような状況のもとで、生産者麦価引き下げ等国産麦生産を減らす要因を重ねることは、決して容認できないのであります。  以上が、本改正案に反対する理由であります。これをもちまして反対討論を終わります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております食糧管理法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。  本改正案は、いわゆるパリティ価格を下限として生産者麦価を決めるという現行の規定を全面的に改め、麦の生産費その他の生産条件、需給動向、経済事情の三つの要素を参酌し、さらに麦の生産性向上と品質向上に配慮して生産者麦価を決めるというものです。これは質問の中で明らかにしたとおり、日本農業の縮小、解体を求める内外の圧力に屈した農産物価格政策の全面的改悪の一環です。  問題点の第一は、この法案がパリティ価格を下限とするという規定を外し、政府が生産者麦価を恣意的に歯どめなく引き下げることをねらいとしていることです。  そもそも、パリティ価格によって小麦生産者は一貫して生産費を大幅に下回る低麦価を押しつけられ、昭和二十七年に九七%であった第二次生産費カバー率は年々落ち込み、四十五年には七〇%にまで引き下げられました。この結果、小麦の自給率は現行食管法成立直前の昭和二十五年の四三%から五十年には四%にまで落ち込むなど、壊滅寸前に追い込まれました。この背景にはMSA協定以来のアメリカの余剰穀物受け入れと国内麦の安楽死政策であり、パリティ方式はこの政策推進のてことなってきたのです。  同時に、昭和四十八年の食糧危機に伴って政府は麦に生産振興奨励金をつけるなど、極めて不十分とはいえ、一定の生産回復の措置をとり、自給率も六十年には一四%まで回復しました。しかし、日本農業を犠牲にして経済摩擦を解消することをねらうアメリカと日本の独占資本にとって、麦の生産回復は邪魔者以外の何物でもありませんでした。だからこそ米議会、日米諮問委員会などの露骨な内政干渉と、これを受けた臨調や前川リポート、さらには昨年の農政審議会報告などで麦の生産縮小と財政負担の軽減をねらって、さまざまな提案を行ってきたのです。  今回の法改正の背景にあるのはこうした圧力であり、これに屈して今や足かせになったパリティ価格を下限とするという条項を投げ捨て、麦の第二の安楽死政策に踏み出すことをねらったものです。  第二に、本改正案は生産費を一つの参酌事項としているものの、これは生産費・所得補償方式とは全く異なるものです。改正案は、小麦の国際的過剰や財政負担などの需給事情、経済事情を重要な参酌事項としているほか、生産性向上、品質向上を価格決定の際の配慮事項としています。これはいずれも価格引き下げをねらっている以外の何物でもありません。質問の中でも指摘いたしましたが、生産性向上、品質向上のために必要なのは単収と品質向上のための技術開発であり、生産資材価格の引き下げです。このような政府が当然行うべき努力は不十分なまま、価格引き下げによって生産性や品質を向上させようというのは全く逆立ちした政策です。  我が党は一貫して麦など自給率の低い作物に米並みの価格補償大都市労働者並みの労賃を償う価格補償を要求してまいりましたが、これこそが日本農業を守り発展させる土台です。こういう日本農業の発展に逆行する本改正案に強く反対することを表明して、討論を終わります。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。食糧管理法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  宮島君から発言を求められておりますので、これを許します。宮島君。

宮島滉自由民主党

○宮島滉君 私は、ただいま可決されました食糧管理法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派及び各派に属しない議員山田耕三郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     食糧管理法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   麦は、国民の食生活に不可欠な農産物であるばかりでなく、畑作における合理的な輪作の基幹作物として、また、水田における重要な転作及び裏作作物として農地の高度利用と農家の所得確保を図る上で大きな役割を果たしている。   よって政府は、中長期的展望に立って、国内産麦の自給力の向上をめざした生産振興を図るとともに、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に努め、生産農家の経営安定に万全を期すべきである。  一 麦の政府買入価格については、生産者の理解が得られる算定方式を確立するとともに、その算定に当たっては、従来の価格算定の経緯、麦作の生産実態等をも十分勘案し、再生産の確保が図られる価格を実現すること。    なお、生産性向上の反映については、農家への還元にも十分配慮して行うこと。  二 品質格差については、需要の動向と併せ、良品質麦の開発普及の実情等にも十分配慮した運用を行うこと。  三 麦作の生産性向上を図るため、土地基盤の整備、農地流動化の促進、麦作集団の育成、   機械化一貫作業体系の確立、栽培技術の改善等に必要な施策の拡充に努めること。  四 国内産麦の品質改善とこれによる需要の層の拡大を図るため、加工適性に優れた早生・多収品種の開発普及に努めるとともに、地域の条件に即した良品質麦の作付け及び適切な栽培管理等に対する指導を強化すること。  五 麦の品質向上と流通の合理化を図るため、共同乾燥調製・ばら流通施設の整備等広域的な案出荷体制の確立を積極的に推進すること。  六 水田における転作及び裏作作物としての麦作については、水田の持つ高い生産力を最大限に発揮させるため、麦作の団地化、排水対策を一層推進するとともに、作期競合回避技術、栽培管理技術の開発・改良等の試験研究の充実強化を図り、その成果が生産農家に円滑に普及するよう努めること。   右決議する。  以上でございます。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) ただいま宮島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、宮島君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの附帯決議に対し、加藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処してまいりたいと存じます。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十八分散会      ―――――・―――――

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