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109回国会参議院1987/07/30

農林水産委員会 第2号

発言数
230
登壇者
18
会派数
7
開催日
1987/07/30

会議録

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨二十九日、高杉廸忠君が委員を辞任され、その補欠として田渕勲二君が選任されました。     —————————————

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 次に、農林水産政策に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 まず初めに、委員会の冒頭から十時開会がこのようにおくれたことは大変遺憾であります。きょうは参議院の農林水産委員会でありまして、衆議院ではない。事務当局は一体何を長官に言っておったのか、極めて遺憾だということをこの委員会の冒頭に一つ申し上げておきます。  そこで、七月の二十三日に参議院の予算委員会で実は二百海里の問題について質問をいたしましたが、時間が足りなかったので十分な点についてただすことができなかったので、きょうはまずそのことについてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  韓国に対して二百海里の宣言を行うべきだということを含めて私は質問いたしましたが、その質問に対して倉成外相が、我が国が二百海里を引くと相手国も引くことになり影響が大きい、この日韓漁業協定の枠組みの見直しや漁業の実態に沿って解決するようにしたいというふうに述べました。これは事実上韓国に対しては二百海里宣言をしないことを示唆したものだというふうに言っても差し支えないというふうに思いますが、この点についてその外務大臣の答弁、これについては農林水産大臣と事前に十分話し合った結果の答弁なのかどうか、その辺をまず確認したいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 目下漁業交渉を継続中でございます。九月末までに何とかして日本側の要求をのんでもらおうと頑張っておる最中でございまして、もう菅野委員御存じのとおり、我が国としたら枠組みの見直しそのものを言っております。しかし韓国側はそれに対しては強い抵抗をいたしておるわけでございます。したがいまして、公式的にはアプローチ並びに中身ともに厳しい問題にあるということを言っておるわけでございますが、私たちとしたら外務省と一致協力しまして必死に今頑張っておる最中でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 頑張っておるのはわかるんですけれどもね。外務大臣のこの発言は先ほど申し上げましたように、もう今の韓国との交渉の実情から見れば十月末、今九月末とおっしゃいましたが、一月前に何かお決めになるようなお心組みで今やられているのかなというふうに思いますが、十月末までにちょっと決めることができないのではないかということをもう今から想定して、二百海里についてはこれは難しいというようなことで今までの方針を転換をしたのかどうか、そのことについて事前に農林水産大臣と外務大臣との間に意思の疎通がきちっとなされた上でのあの外務大臣の発言であったのかどうかと、そのことをお尋ねしているわけです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 十分緊密に連絡をとっておるわけでございまして、したがいまして、倉成外務大臣としましては、先般のジュネーブにおけるUNCTADの会議の際にも、韓国の崔外務部長官に対し日本側の考え方をさらに確認しておいたという経過があることを御理解いただきたいと思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 十分にやっているという、何かやっぱり前提をきちっとしないとこれからの交渉は大変だと思うんですよ。何か及び腰で、これは鯨もそうなんですけれども、いつも何か及び腰の中で後退また後退ですよ。一歩後退二歩前進というのはよくあるんですけれども、後退に次ぐ後退な んですよ。ですから、これもう二百海里は難しいということが前提になりますと、これからの交渉というのはますます後退に後退を余儀なくされるというふうに私は思うものですから、この間の外務大臣の発言、それから私に対する答弁、これは今後の交渉の上でも極めて重要な意義を持ってくるというふうに思いますし、とりわけ今まで韓国漁船の問題ではもうずっと昭和五十二年以降大変な状況に遭っている北海道の漁民は、これでは納得できないということで、あの外務大臣の発言について今道内においても、これではもうどうにもならぬぞという声が非常に高まってきているわけです。  さらに、きょう外務省からもおいでですのでお尋ねをいたしますが、新聞報道では二十八日に外務省筋ということで、「「漁業協定の改定を拒む韓国側の姿勢は固いため、当面は本道沖と済州島沖を含む西日本の問題水域の操業実態手直しに力点を置いて交渉せざるを得ない」と述べ、八月からの実務者協議では両水域で操業する日韓漁船の減船問題が交渉の中心になる、との見通しを明らかにした。」というふうに報じられておりますが、これは間違いございませんか。

谷野作太郎外務省アジア局審議官

○説明員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  ただいまの先生の御指摘の新聞報道は、若干不正確なような気がいたします。私どもの今の交渉の姿勢と申しますのは、ただいま加藤大臣からも仰せのとおり、現行の、いわば現実に合わなくなってきております日韓漁業関係のいわば枠組みの見直し、これを強く主張しておりまして、日韓漁業問題の実態に即した安定的な漁業の秩序を早急に構築したいということで、いわば懸命に先方と協議しておりまして、八月上旬にも再び韓国で協議を継続することになっております。  ただ、それはそれといたしまして、他方先生からも御指摘のように、十月末に期限切れとなるもう一つの当面の問題もございますものですから、そちらの問題もあわせて協議をしようではないかということでございまして、前段に申し上げました枠組みの見直しについて、我が方は先方との討議のいわば議題からおろしたということは全くございません。  以上でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 それでは、いろいろこの報道されていることは憶測といいますか、そういうことを含めての報道であって、二百海里を日本側としては主張していく、それを前提にしてこの枠組みの見直しをやっていくということについては変わりはない、これは外務省、農林水産省、それぞれ確認をしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 今外務省からお答えがございましたとおり、枠組みの見直しが必要であるということを強く主張いたしまして、もちろん枠組みの見直しの中には、先生が今御指摘になり、全漁連等でも決議されております二百海里体制への移行も当然入るわけでございますが、既に再三御説明いたしましたように、二百海里体制に移行しますためには日韓漁業協定の解消を図らなければならないわけでございまして、したがいまして、二百海里はいわば両国の合意に基づいて引かなければならないということになるわけでございます。  その意味で協定の枠組みの見直しも、これは協定の改定でございますからやはり合意が必要になるわけでございまして、韓国は今のところ二百海里を引くつもりはないということをはっきり言っておりますものでございますから、私どもとしては内容的に二百海里に準ずるような形での協定改定を考えているわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 韓国側は今の段階では二百海里をやらない方が自国に有利になる、そういうことで二百海里を引く考えはない、こういうふうに言っているんだろうというふうに思いますけれども、まあ昭和四十年当時にこの日韓漁業協定が出されたその時代と、昭和五十二年のこの二百海里体制になったその時点とでは、これはもう漁業、水産に対する物の考え方というのは全く変わってきているわけですね。世界は今や二百海里体制の中での水産ということになっているわけです。それが現状韓国、まあ中国もそうでありますけれども、それが二百海里体制になっていない、そこにいろいろな問題が起きてきているわけです。  そこで、いろいろ事前に二百海里については、まああきらめざるを得ないみたいなことで言われているわけでありますが、仮にこの二百海里宣言を行わなかった場合に、一番今問題になっているのは、韓国船に対しての国内規制にいかに従わせるか、あるいは取り締まりをどうするか、取り締まり権をどうするかということが、これが最大の問題になっているわけですね。そういったようなことを考えた場合に、二百海里宣言を行わなくて、国内規制だとか取り締まり権というのがきちっとやれるのかどうか。そこのところが問題だから、二百海里宣言をせよということを強く漁民を含めて私どもも迫っているわけですね。そこのところ、二百海里宣言を行わないで、国内規制や、あるいは二百海里取り締まり権ですね。これがきちっとなることができるのかどうか。その辺についてはお考えはいかがですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) お互いに国内規制を守るという考え方は、これは現在の日韓漁業協定の枠組みの中にも存在するわけでございます。御案内かと思いますが、合意書の附属書に八条(a)項という規定がございまして、協定締結時の国内規制はお互いに遵守する、これは主として海域についてでございますが、そういう条項がございます。  ただ、北海道の場合について言えば、オッターラインが四十年以降に設定されたものでございますので、そこで、その条約上は遵守義務がないという解釈が出てくるわけでございますが、これはそういう精神は既に現在の日韓の合意の中にあるわけでございまして、特に私ども、今回の交渉を開始するに当たっては、実は現在の自主規制の枠組みの創立には私も交渉担当者として参画したわけでございますが、その当時、つまり七年前と決定的に違うのは、日本の沖合底びき漁船がソ連海域から締め出されているという事実である。日本の国内漁船が締め出されて操業できなくなっているにもかかわらず、韓国船が従来どおり操業するということは、これはだれが考えてもおかしい話であるということをるる向こうに申し入れまして、そのことはこれは常識的に向こうも認めざるを得ないわけでございます。そのような意味で、今後の交渉に当たっては、北海道における国内規制の遵守は、これは最大のハードコア、日本側の主張のハードコアとして何とか実現させたいというふうに考えております。また、その見通しにつきましては、ただいま申し上げたとおりでございます。  次に、取り締まり権の問題でございますが、これは御案内のように、ただいま先生から御指摘もございましたように、枠組みを直さないではこれは現在の仕組みが直せないわけでございます。しかしながら、再三外務省等からも御答弁申し上げましたように、この枠組みの見直しについては、韓国側は基本的に、遠い将来の問題としてはともかく、当面は問題のある海域で個別に解決を図ればいいということでございますので、これでは解決は図れません。  ただ、私どもが交渉に当たって主張しておりますのは、旗国主義が有効に働くのは、お互いに操業船がはっきり、相手国の操業している船がきちんとお互いに認識できて、それを相手国に通報して、それによってそれぞれ相手国の取り締まり権が発動されて、それで解決するということであると。にもかかわらず、韓国船の大多数は船名を隠ぺいしている。船名を隠ぺいしているんでは、これは旗国主義は働きようがないわけでございまして、このような現実を突きつけて何らかの解決を迫っているわけでございます。その点は、もちろん私どもは終始協定の枠組みの改定は主張し続けているわけでございますから、何とかその点を協定の改定も含めて実現したいというふうに考えておりますが、他面、韓国側もまたこの点は非常に強く抵抗いたしておりまして、かつてその旗国主 義ではだめだということを主張したのは韓国側である。(「日本側じゃないの」と呼ぶ者あり)いや、二十年前のお話でございます、韓国側であると。その当時、韓国としては将来韓国の漁業は発展するであろうから、必ずや日本も旗国主義ではだめだということは明らかになるはずであると。と言ったにもかかわらず、日本側は旗国主義に固執して、韓国としてはその初回は押し切られたという経緯がある。かようなことを考えると、実態が変わったというだけで単純にこの枠組みを改定することは絶対にのめないと主張しております。  その点まだかなりの距離があるわけでございますけれども、私どもとしては、過去の経緯は別として、現在その事態が解決されていないということは明らかでございますから、可能な限りその枠組みを改定いたしまして、旗国主義に何らかの、現在の仕組みに何らかの改善を加え、これを最大限獲得したいというふうに考えて交渉を続けているわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 先ほども言いましたけれども、昭和五十二年のこの二百海里体制ですね。これになって日韓漁業の問題は、もう昭和四十年時代でまさに時代の違うときにこれは結ばれたものですね。昭和五十二年以降のこの二百海里時代に入って、日本の漁船というのは御承知のようにソ連それからアメリカの水域からも撤退に撤退を重ねてきている。そうすれば、もう日本のこの二百海里の中で水産をやる、漁業をやるということしか生きる道はないのではないかということは、これはだれが考えても理の当然ですね。ですから、そういう昭和四十年代に結んだものと、二百海里体制になってから昭和五十二年以降の時代とはまさに違いますし、韓国だってそうですね。北洋に行っていたやつが結局北洋でできなくなって、そして日本の近海、特に北海道の近海へ戻ってきているというような状況等を考えていけば、これは当たり前の話だというふうに思うんです。  しかも、この国内規制の問題については、これはもう本当にたび重なる、もうかれこれ七、八年、もっとたつかもしれませんね。韓国漁船が我が国の国内規制に従わない。そして日本の漁業者の設置した網を、これを漁具をひっかけて持っていってしまう。しかも、日本の国の船というのは大きくても大体百二十五トン未満ぐらいの船ですね。ところが、韓国の船は五百トンだとか千トンだとかという、特に北海道沖に来ているのは約千トン近い船ですね。こんな大きい船で、しかも漁業者が自分の前浜の海を守らなければならないということで禁漁区を設けたり、そういういろいろな規制をしている。そこへ悠々と入ってきてとっていく。しかも北洋からは撤退をして、そのために減船をする。そして海で働いた人がおかに上がらなければならない。そういったような状況の中で、目の前でそんな大きな船が、韓国の船がどんどんとっていく。それは今までも何回も国内規制の問題については韓国と交渉してきたはずです。しかし、一向にそのことは守らないのではなかったんですか。そして漁具の被害だって確認ができない。そういうことで実際の被害金額の何分の一というわずかな金額で認めざるを得ない。そういうことがもうここ何年も繰り返されてきているわけですよ。  ですから、二百海里宣言をまず行う。そのことの中でいろんな見直しをやはりきちっとしていく。お互いに漁業秩序を守っていく。そういうことにしなければ、これはいつまでたってもこの問題は解決ができない。何ぼ口で約束したってだめなんですよ。そういうことが今までの実際の実態の中で明らかになっているのではありませんか。そういう今までの経過があるものですから、漁業者の人たちももう我慢ができない、二百海里宣言を早くやってくれ、特に北海道の日本海の武蔵堆というところは、あの韓国の一千トン級の大きな大型トロールで引っ張っていくものですから海底がすっかり荒らされてしまって、もう海の底が平らになってしまう、有望な漁場が漁場でなくなってしまっている。  過日、私も日本海沿岸の漁協をずっと回って話を聞きました。もうしっぽのついている魚が、以前に比べたら何分の一という状況で、とれなくなっているということなんですよ。ですから、私も昭和五十八年に出てきたときからこの問題を実は取り上げているわけですが、その当時でも遅過ぎる。遅過ぎると言ってからもう五年たつのですね。ですから、この国内規制を守らせるということは、これは二百海里を宣言しないで幾ら交渉の中で何かに物を書いたとしても、私は根本的な解決にはならないということを主張したいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 先生のお説に私はあえて反論するつもりで申し上げるわけではございません。政府としてなぜ二百海里ができないかということについて、御理解いただきたいわけでございますが、先ほども申し上げましたが、二百海里体制に移行するためには日韓漁業協定の破棄をしなければならないわけでございます。これは論理的に日韓協定の内容と二百海里法制が食い違っておりますので、両方を共存させることはできないわけでございます。  破棄するにはどうすればいいかというと、一年前に通告いたしまして、一年間たてば破棄されるわけでございます。破棄されるとどういう事態ができるかといいますと、たちどころに李ラインが復活する。李ラインが復活すればどういうことになるかと申しますと、現在安定的に操業しております以西底びき網、大中型巻き網、それからフグはえ縄、イカ釣り、カニかご等の漁業種類、これは拿捕が即日始まるわけでございます。これはまさにソ連に日本の北海道の漁民が受けたと同様なことを西日本の漁民が、日本が引き金を引くことによってそういう事態が出てくるわけでございまして、これは何としてもやはり私どもとしては、まあ外務省としては竹島問題その他もおありになろうかと思うのでございますが、私ども水産行政の立場からしてもできないということでございます。  しかし、また反面それじゃほうっておけるか、北海道の状況はどうかということでございまして、法律的に言いますと、十二海里の外はすべて公海でございますので、これは日韓両国が北海道周辺の海といえども法律的にいえば同等の権利を持っているわけでございます。しかし、それでは余りにも北海道の漁業者に対して酷ではないかということで、私どもその枠の中で交渉を続けまして、私どもは韓国の今の自主規制ラインを日本の水産庁として認めているわけではございません。これはあくまで自主規制でございます。協定という形をとらなかったのは、まさに先生がおっしゃいましたように、百二十四トンの日本の漁船が操業できないところで韓国船の一千トンの漁船が操業できるということを、協定という形で認めるわけにはいかないわけでございまして、そこで自主規制ということをとったわけでございます。  しかし、その後の事態を考えれば、まさに先生おっしゃられるようなことでございますので、現在の段階でもまだ二百海里を直ちにしけないという理由は、全く今申し上げたと同じことがあるわけでございますが、その枠の中ではございますけれども、北海道周辺の海域、それから山陰、九州周辺の海域で国内規制を守らせることについて、私どもとしては全力を挙げて取り組みたいと、かように考えているわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 私は二百海里をしけということで、西日本はどうでもいいなんていうことは考えていないのですよ。北海道の漁民が受けたと同じようなことを西日本の人たちに受けさせるようなことは、これはさせたくはない。しかし世界が今二百海里体制という、そういう体制の中に入っているときに、いつまでもこのままでいいのかといえば、このままにはやっぱりいかない、そのように私は考えているわけです。  ですから、二百海里体制をしいた中で、韓国との間も漁業の問題についてお互いに漁業秩序を守るような、そういう方向での協定というものが結ばれてしかるべきものではないか、そのように私は思うんですよ。そうでないと、いつまでたって も、これは我が国の取り締まり権の問題にかかわってくるわけでしょう。本当に難しい問題であるということは私もわかります。やさしい問題ならもうとうに解決しています。難しいから今まで引っ張ってきたんだと思うんですけれども、それにももう限度があるということじゃないでしょうか。  そして、前にも申し上げましたけれども、沿整事業だということでいろいろ国の予算をつけて、そして沿岸の漁場整備、養殖、そういったようなのを含めてやっていますね。やっているやつが韓国漁船にごそっと持っていかれれば、何ですか、これは一体。何のためにやっているんですか。そういうことまでも含めて、やはり世界が二百海里体制に入っているということを韓国側にもきちっと話をして、お互いに漁業者としての漁業秩序をしっかり守ってもらう。  例えば、先ほど長官言いましたけれども、韓国船が船名を隠ぺいしているのはどのくらいの率ですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 正確な数字を今ここで持ち合わせておりませんけれども、二割や三割というような数字ではございませんで、もっと高い数字である。まあ五割を超える韓国船が、視認できた限りで船名隠ぺいが行われていると、かような報告を受けております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 私、今見たんですが、二割とか三割というんじゃなくて、まさに七五%だとか七八%だという、そういう率で船の名前を隠しているんですよ。ですから、日本の国の取り締まり船が行ってそれを確認しようといったって、これは確認できないんです。そういう状況で操業しているわけですから、これは漁民が怒るのは当たり前じゃないでしょうか。一体政府は何をやっているんだという声が出てくるのも当たり前ではないかというふうに思うんですよ。  しかも、片方では減船をし、そして実際にもう減船をして、船で働いていた人たちの職も定かでない。そういう状況の中で、まだ二百海里もしけない、韓国漁船が悠々とそこでやっている。何か話を聞けば、もう日本海も、先ほど言った武蔵堆なんかはもう壊れてしまってどうもならぬ。魚が少なくなってきている。だから、もう四年ぐらいしたら段階撤退なんて格好のいいことを言っているけれども、あそこで操業するに値しない、漁業資源がなくなっているというような、そんなことさえも話に出ているわけですよ。  ですから、私はもう出てきたときから遅過ぎると。今でも遅過ぎるけれども、とにかくやらないよりは、やっぱりやらなきゃならない問題だからということで言っているのであって、一日も早くこの問題について政府として取り組んでもらわなければならないし、先ほど宣言いましたけれども、当然西日本の問題については十分な配慮をする中で、それは二百海里ということになれば、今までのような形にはならないことは、これははっきりしてくるんじゃないでしょうか。しかし、それについてはやはりこれは外交の中でそういうふうに決められてくるわけですから、当然政府としての手厚い何らかの手当てをしなければならないことは、これは言うまでもないことだというふうに思います。  それで、昨年の一年延長のときに、安易な妥協をしないということで現在の自主規制措置の延長を行ったわけですけれども、やはり先ほど長官のお話しのように、今の二百海里をしくということに対し非常に難しい問題があるという、そのことが前提になってこの自主規制措置だとかあるいは取り締まり権の問題という一番問題になっているところだけを何とかやっていきたいということになれば、これはやっぱり安易な妥協ということに私はなるんじゃないかというふうになって、昨年の一年延長のときに言った安易な妥協はしないということとは違ってくるのではないかというふうに思うんです。これはまさに政府判断の誤りと責任の放棄だというふうに漁業者が思うことは無理がないことではないかというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょう。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 昨年の経過、今さらくどくど繰り返して申し上げるまでもないかと思いますが、要は協議を継続するということに力点があったわけでございまして、協議の継続中に紛争が起きる、つまり昨年十月三十日で自主規制の枠組みが失効してしまいますと十二海里の外まで韓国船が来れることになるわけでございます。これは北海道の漁業者はそういう事態は考えられないということだろうと思いますが、法律的に言えばまさに十二海里の外、噴火湾の奥深く入って来れることになるわけでございます。それではトラブルがこれはもう激発するのは目に見えておりますので、とにかくそれじゃ協議を継続している間は現在の秩序をもうそのままとにかく延長しようということで、その協議もだらだらやるということじゃないという意味で一年というふうに限定をつけたわけでございます。  当時と現在若干韓国側の対応に違いが見られますのは、当時は北海道沖の漁場を韓国が失う、つまりオッターラインの外に出ていくということは韓国としてどう評価するのか。まさに交渉でございますから、話し合いで片づけるというなら韓国はうんと言わなければならないわけで、その見返りに一体何を要求するのか、それを出してほしいということを強く我々としては主張したわけでございます。それであれば、我々としてはそれを持って帰って、国内的にもいろいろ検討しよう。ところが、当時は韓国側としては、北海道沖の漁場を失うということは韓国としては到底考えられない、こういう態度であったわけでございますけれども、若干その辺は変化が見られるわけでございまして、まだまだ幾つもの山はあるわけでございますけれども、韓国側も再三この当委員会でも申し上げているとおり事態は放置できない、放置すれば不祥事が起きる可能性があるということは十分認識しておりますので、安易な妥協だというふうに漁業者、それから先生からも御批判を受けないような内容での何とかぎりぎりの妥結を図りたい、かように考えておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 安易な妥協だというふうにならないように、まだ若干の時間がありますから、ひとつ最大限の努力をしてもらいたいと思います。  この自主規制の内容は、これは韓国のトロール船に限定されているわけですね、トロール船だけに。本土の十二海里外の自由操業のイカ流したとかサンマ棒受け網等の他種漁業は依然として野放しなわけですね。この辺はどのように考えておりますか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) まさに御指摘のとおりでございまして、十二海里の外側では韓国船は法律的には自由に操業ができるわけでございます。そのことによって、我が国の漁業者との間にいろいろ問題が起きる可能性は十分あるわけでございまして、現にもう起きているところもあろうかと思います。確かにイカ流しにつきましては、我が国の漁業者、特に北海道の沿岸小型のサケ・マス漁業者が大変北海道近海での操業を要望しておりますから、それに対して韓国船が自由に操業できることには大変御不満があることは私どもも十分認識しておりますが、私どもとしては目下当面近喫の課題からまた片づけていくということで現在北海道沖韓国トロール船、それから山陰、それから九州周辺のトロールまき網それからアナゴかご漁業を対象に取り上げているわけでございますが、現在問題がないとは思っておりませんけれども、次の段階には当然そういうイカ流しあるいはサンマ棒受け等の問題も取り上げなければならなくなってくると思います。  そのことはまたそういう一々迂遠な方法をしないでも二百海里をしけば直ちにそういう問題は片づくではないかという御指摘はまことにそのとおりでございますが、二百海里体制へ直ちに移行できない理由は先ほど御説明したとおりでございますので、私どもとしては大変迂遠な方法のように御批判はあろうかと思いますけれども、一つ一つやはり取り上げて解決していくという方法をとってまいりたい、かように考えておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 それでは、このイカ流したとかサンマ棒受け網なんかの他種漁業の関係については今までの交渉の中では一切議題にはのせていないということでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) さようなことではございません。問題点の指摘は十分しております。特にイカ流しにつきましては、韓国側に我が国のイカ流し網漁業の規制の方法、それからそれをめぐる漁業者の意向等も十分伝えまして、操業上のトラブルを回避するように強く申し入れているところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 一番問題のあるやつから一つ一つという気持ちはわかるんですけれども、ただ物によっては長い時間かかるものもあるでしょうし、物によってはもっと短い時間に解決できるものもあるのではないか。こういう本当に幾つかの問題があるわけですから、これからの交渉に当たっては、やっぱりその一つ一つにみんな漁業者がそれぞれの関係の人たちがかかわっているわけですね。自分たちのかかわるのはこれは一体どうなるんだろうかということで交渉のたびにやはり心配をしているのではないかというふうに思いますので、その辺も十分踏まえて今後の交渉にぜひ当たってもらいたいというふうに思います。  したがって、国内規制の問題やあるいは取り締まり権の確保、こういったようなことだけで言っていくと、もう二百海里はどうでもいいということに、これは二百海里は難しいからそちらの方を重点的にやるんだということになってしまう。私どもの論議もやっぱりそういうことになってしまうので、それはやはり事の本質を解決することにはならないというふうに思いますので、あくまでも二百海里体制、世界の漁業が二百海里体制の中に入っているわけでありますから、二百海里を対韓国との間でもしっかりしけるような、そういうことで、これからの残された期間本当に短いわけでありますけれども、頑張ってほしいと思います。  次回の協議はいつごろ、どこでということでお決まりでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 私どももできるだけ交渉の回数をふやすことが一歩でも解決に近づくことにつながると思いまして、七月中にもう再度ということを申し入れたのでございますが、韓国側はどうしても調整がつかないようでございまして、八月上旬ということでございまして、場所、日時につきましては外交ルートを通じて現在調整中でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 それでは、二百海里問題はこの程度にいたしまして、次は鯨の問題について少し質問をいたしたいと思います。  まず、IWCの第三十九回の年次総会で、これは五月二十二日に英国のボーンマスで開催されたわけでありますが、日本は南氷洋捕鯨並びに沿岸大型捕鯨については鯨資源の包括的調査の実施、そして沿岸小型捕鯨については生存捕鯨として継続することを提案したようでありますが、マスコミ等を通じての情報によると、調査捕鯨は延期、生存捕鯨についても次期開催まで継続審議とされて、実質的には不可能の公算が強い結果となったようでありますが、これはこのように判断してよろしゅうございますか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 捕獲調査、それから生存捕鯨についての取り扱いは、今御指摘のございましたとおりでございます。それからまた、生存捕鯨をIWCで認知してもらいますためには四分の三の同意が必要になるわけでございます。これは条約の付表の改正が必要でございますので、四分の三の同意が必要となるわけでございまして、現在のIWCの運営状況から見まして、この四分の三の同意をとることにつきましては相当な困難性があることは御指摘のとおりでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 それで、今月の二十三日の予算委員会で、調査捕鯨の問題について、国際捕鯨取締条約の第八条の解釈の問題をお尋ねいたしましたが、これは読んで字のごとくだというふうにお答えがありました。そこで、IWCが可否を裁定して、その旨当該国に勧告することを盛り込んだこの米国提案ですね。調査捕鯨についての米国提案、それは条約上から言えば拘束されないと判断してよいというふうに思うんですが、政府の解釈はどうでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 条約の解釈でございますので外務省からお答えすべきかもしれませんが、外務省と打ち合わせの上、六条の勧告は八条の権利行使にも法的に影響はない、こういうふうに理解しております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 それじゃ、まさに米国提案は条約違反の提案だというふうに言ってもいいというふうに解釈していいですね。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 条約の精神に反するということは確かに言えるかと思います。そのような意味で私どもとしては、米国それからイギリス、ニュージーランドからそれぞれ対象国は違いますけれども、この中止勧告ないし延期勧告につきましては大変不当な勧告であると、かように考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 そこで、いろいろボーンマスにおけるIWCの総会の状況、これは新聞等でもいろいろ言われておりますし、過去の総会のたびにいろいろな団体が、自然保護団体と言われている、それは本当に自然保護団体と言われるだけの名に値するのかどうかはわかりませんけれども、と言われている人たちが入ってきて、それでこのIWC総会を牛耳るというような状況等がいろいろあったようでありますが、条約違反のこの米国提案が堂々と賛成多数で採択される。全く不思議でたまらないですね。これが国際会議なのかなというふうに思うんですが、国際会議というのはもっとやっぱり権威のある会議ではないかというふうに思うんですが、このIWCについて、どのような評価といいますか、政府としての考え方をお聞かせいただきたいと思います。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) IWCの運営が特にモラトリアム以降大変不正常なことであるというふうに私ども認識しておるわけでございまして、我々としては、この不正常な運営をできるだけ是正するように努めているところでございます。例えば、今会議におきましても、しばしばコミッショナーの資格があいまいであるまま本会議で発言するというようなことが行われておりますので、そういう資格要件をきちっと審査して、政府から正式な授権を受けて出席し発言しているものであるかどうかチェックする必要があるということを強く主張いたしまして、それは入れられているわけでございます。  そのように、私どもとしては現在の運営が非常に正常でないというふうに認識し、それを是正するために努力しておりますけれども、また反面、このIWCは大変歴史の長い国際機関でございまして、鯨資源の保護の上に、各国それぞれの立場の違いはあり非常に運営に苦労はあったわけでございますけれども、一定の役割を果たしてきたことは、これは否定できないわけでございまして、今後ともIWCが鯨の資源の保護とその十分な利用という条約本来の目的に沿った運営が行われるよう、私ども日本としても努力してまいりたい、かように考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 そこで、米国提案の勧告決議ですね。これを無視して、条約を尊重して締約国の権限である調査捕鯨、これをやった場合にどのような影響が出るというふうにお考えですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 今回の中止勧告のもとになりましたのは、今IWCの会議に提案されましたキャリオ提案、アメリカのコミッショナーのキャリオ氏からの提案に基づいて勧告されたものでございます。このキャリオ提案がなぜ出されたかということでございますけれども、これは専らアメリカの国内法であるパックウッド・マグナソン修正法の発動を容易にするためというふうに理解することが正しいというふうに私ども判断しております。  パックウッド・マグナソン法は、既に御案内かと思いますが、一言で言えば、IWCの決議の効果を減殺するようなそういう行為をした国に対しては、米国二百海里内の漁獲割り当て量を直ちに 半減する、一年目に直ちに半減する、それから一年たってゼロにする、こういうことでございますので、このパックウッド・マグナソン法の発動をしやすくする。つまり勧告をして、それに違反して、勧告を無視して出漁すれば、これは勧告の効果を減殺するような行為をしたことになるわけでございますので、発動しやすくなるというふうに構成されるわけでございまして、このような意味から、このパックウッド・マグナソン法の発動される可能性は大変高いものであろうと、かように判断しているわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 そのPM法を発動されると日本の水産業は大変な状況になるという、そういう影響があるということですか、端的に言えば。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 米国二百海里内における我が国の漁獲割り当ては、ここ一、二年の間に急速に減少してきておるわけでございます。一昨年が九十万トン、それから昨年が四十七万トン、本年は現在まで、七月末の段階で七万五千トンの漁獲割り当てしか与えられておりません。しかしながら、この七万五千トンのうちには約四万九千トンばかり、北洋はえ縄、刺し網というような漁業種類で、専らこれはアメリカの二百海里内に一〇〇%依存しているわけでございます。また、その漁獲割り当てを確保するために漁業者の方が大変な御努力をなさっておられるわけでございまして、私どもとしても、政府としてもこれを確保するために努力しているわけでございますが、このような漁業種類については非常に大きな影響が出る。ほとんど壊滅的な状態が予想されるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 実はアメリカは、PM法の関係があるから日本は鯨をとるか魚をとるかと言えば魚をとるだろうということで、鯨をとにかくとらせないようにすることを目的に今までIWCを舞台にいろいろなことをやってきたわけですね。それで日本も漁業団体等から、鯨よりは水産の関係の方が、米国二百海里内の水域での漁獲高の方が大きいから、だから鯨を捨てて魚をとると、こういったわけですね。そちらの方に向いていったわけですね。ところが、今長官から言われたように、一九八二年には百三十八万トンあった。それを八四年には百十五万トン、八六年には五十万トン、そして今お話がありました八七年の七月までには七万五千トンと、魚をとったはずの日本が、鯨を捨てて魚をとったはずの日本がなぜこんなに減らされるんですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) これはアメリカの二百海里内の漁獲割り当ての根拠になるマグナソン法という法律がございますが、これは簡単に申し上げますと、まず資源的に見て許容漁獲量を決める、それからアメリカの国内漁業者のとる量をまず引く、残ったものを諸外国に割り当てると、こういう仕組みになっているわけでございます。ここ一、二年急速にアメリカの漁業者の漁獲能力が増大してきているわけでございまして、そのことが外国に対する割り当て量を極度に圧縮しているわけでございます。したがいまして、確かに結果的に言えば御指摘のとおりの事実になっているわけでございますが、いずれにいたしましても、鯨の問題に関係なくアメリカは自国漁業者の割り当て量をふやし、諸外国に対する割り当て量を減らす、こういうことをやっているわけでございまして、これは鯨の問題とは直接には関係のない問題だというふうに理解すべきだろうと思うわけでございます。  確かに日本側といたしましては、IWCのモラトリアムの決定に対する異議申し立てを撤回し、その反面としてパックウッド・マグナソン修正法の発動を抑えたということはあるわけでございまして、その結果として少なくとも一昨年は九十万トンを確保し、昨年は五十万トン弱の漁獲量を確保し、その減った分につきましてはジョイントベンチャーというような形で新しい操業形態を生み出し、それによって実質的に日本の漁船あるいは漁業労働者の就業の場を確保してきたという成果はあるわけでございまして、それなりの効果はあったのではないかというふうに考えているわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 今長官は鯨とアメリカの二百海里水域内の漁獲の問題については関係はないということを言われましたが、これはそういうことじゃないんじゃないんですか。今まですべてそういう形で動いてきたのではないでしょうかね。それ本当に関係ないんですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) これは日本だけが減らされているわけではないわけでございまして、韓国それからその他アメリカ二百海里内に入漁しているすべての国が全部減らされているわけでございます。それは先ほど申し上げましたように、そもそも外国に割り当てる量そのものが減ってきているわけでございますから当然のことでございまして、その中では私どもとしてはシェアは当時と同じだけ、大体七割から八割のものは確保しているわけでございます。したがって、アメリカ海域におけるその漁獲割り当ての中では日本は現在でもなお第一位であるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 そんなことから言っていけば、調査捕鯨を強行して、そしてアメリカの国内規制、これはIWCのこの条約を自分の国内法で規制するなんというのは全くおかしな話なんですけれども、PM法なんて何も恐ろしいことないんじゃないですか、こんなに減らされてきてしまって。それはどうですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 私どもも国際条約で認められた権利を行使することに対して、国内法制を使って条約上認められた権利の行使を妨げようとするやり方については、これは大変不当な措置ではないかということについて常に事あるごとにアメリカに対して強く抗議は申し入れております。しかしながら、現実にこれが有効に機能をしているわけでございまして、私どもとしてはもちろん訴訟で争うというような方法が全くないわけではございませんけれども、対抗する手段を持たないわけでございます。また、二百海里内の漁業資源をどのように使うかはまさに沿岸国の権利であるという国際慣習も確立されているわけでございまして、大変私どもとしてはアメリカのやり方は不当ではあると思いますけれども、有効な対抗手段を持たないわけでございます。一方、先ほど申し上げましたように、七万五千トンではございますけれども、その中にほとんど一〇〇%それに依存している漁業者もいるわけでございまして、それらの漁業者のこともまた考えなければならないということも御理解いただけるのではないかと思います。  それから、さらに申し上げますと、もう一つアメリカとの関係ではジョイントベンチャーという方式での我が国の加工母船がアメリカ二百海里内で操業しているわけでございます。これは御承知のようにアメリカの漁船から魚を洋上で買い付けてそれを加工する、これが六十五万トンぐらいあるわけでございますが、これの根拠になっております日米漁業協定がことしの十二月で失効するわけでございます。漁業協定、これは延長交渉に今入っているわけでございますが、この延長交渉はアメリカの上下院の承認が必要になるわけでございまして、そのことに対してどのように影響するかというようなこともまたこの問題を判断する際の一つの材料であるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 今の長官のお話の中に、七万五千トンの中に一〇〇%そこに依存している業者もいる、それは確かにそうかもしれませんね。ただ、捕鯨だって一〇〇%そこに依存している人たちがいるわけですよ。それが今どうなるかという問題があるわけですから、そちらの方は大事にするけれどもこちらの方は大事にしませんよということには私はならないというふうに思うんですね。  それで、アメリカの二百海里の水域でのやつがだんだん減らされてきている。反面、アメリカから年々売りつけてくる量というのはふやしているわけですね。一九八二年には六万六千トン、八四年には三十四万トン、八五年には四十三万トン、八六年は七十四万五千トン、こういうふうになってきております。ですから日米の漁業関係というのは以前と事情が違ってきている。IWCがモラ トリアムを採択した一九八二年には、日本は米国水域で百三十八万トンもの魚をとらせてもらっていたが、米国からの買い付け量はわずか六万六千トンにすぎなかった。だが四年後の八六年、日本はわずか五十万トン弱しかとらせてもらっていないのに、七十四万五千トンも米国から買っているわけです。完全にこれは逆転してしまったんですね。もうここまでくれば、とらせてもらうよりも買うやつが多いんですから、アメリカのおどしなんて怖くないんじゃないですか。アメリカがとらせないというのであれば、じゃ買わないよと、こう言ったら困るのは明らかにアメリカではありませんか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) これは私どもの御説明がまだ十分足りなかったので、あるいは御理解いただけないのではないかと思うのでございますけれども、アメリカとの買い付け量、これは今先生御指摘になりましたのは洋上買い付けの数字でございますが、このことによって直接従事者が、二千八百人の従事者がいるわけでございます。また、そのスケソウのすり身が入ってくることによって日本のかまぼこ業は成り立っているわけでございまして、確かにこれ買わないよというふうに言った場合に、これはアメリカにも一部大変困る者が出てくることは事実でございます。しかしながら、これにつきましては韓国が今猛烈にジョイントベンチャーをふやしておりますので、韓国への切りかえによってある程度対応することが可能かと思います。一方、これが直接入らないということになりますと、日本の練り製品業界には、これは大混乱が起きるというような事実もあるわけでございまして、その点もちょっと御理解いただきたいと思うのでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 何というのですか、このPM法もアメリカは使うぞ使うぞという武器にしているわけですよ。しかし実際に使っちゃ困る。アメリカも困るんですね。だから今までも一度も使ってはいないわけですよ。ところが日米の漁業協定、これはとらせてもらうという意味も含めてか非常に日本側には不利になっているんですね。米国が漁獲量を割り当てる場合に考慮に入れる要素として、米国の魚類輸入への関税またはその他の障壁、それから米国漁業者からの水産物購入への協力度合い、米国の漁業規制への協力姿勢、米国の漁業調査への貢献度などがあって、そして最後に、米国が「適当とみなすその他の事項」という項目が入っている。これは間違いがありませんか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 今条文を手元に置いておるわけではございませんのですが、マグナソン修正法の中の漁獲割り当ての根拠条文はたしかそのとおりであったというふうに思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 PM法じゃなくて、日米の漁業協定なんですよ。最後「その他の事項」、これは言えばどんなことでも含まれる。アメリカがちょっと日本はどうも気に入らないなと言えば、いつでもそこで鉛筆をなめればどのようにでもできるというようなことなんですね。だから非常にこういったようなものを決める段階の問題も私はあるのではないかというふうに思いますし、日本が対抗手段を持たないというようなことで非常に困るというようなことのお話がありました。  そこで、私どもとしても本邦漁業者の漁業生産活動の確保に関する法案というのをこれは出しておったわけですが、八五年三月に準備をしまして今もこれは提案をしておりますので、これはPM法と同じように、いざというときにはやはりこういうものがあるということが非常に力になるのではないかというふうに思いますので、私どもとしてもできるだけ早く国会でこれをひとつ決めでいかねばならぬのではないかというふうに思うんです。余りにも何か一方的な形で、しかもIWCの総会の状況などを見ると、もう全く話にならないような状況で出されてきております。しかもある一説では、鯨のかわりに牛肉をということで鯨を規制する、それで牛肉を日本の国に輸出をする、何かそれがちょうど符節が合っているなんというような話も出ているわけであります。ですから、そんなことから言えば鯨を食べるなんていうことはもってのほかだといいますか、知能の高い鯨を食べるなとかなんとか、とても我々としては理解のできないようなことがいろいろ言われておりますね。  そこで、カナダの「トロンスター」は、一九八〇年七月二十七日付でセントジョーン市にあるメモリアル大学教授のジョン・ライアンという海洋哺乳動物心理学専攻が次のような見解を掲載をしております。   北米における文化価値を他の社会に押しつけることは間違っている。中国や東南アジアでは、クジラと同じく知能の高い犬の肉がごちそうとされている。北米では犬の肉を食べないから、彼らに犬の肉を食べるのをやめろと言えるだろうか。もし、中国や他のアジアの国々が、われわれに牛の屠殺をやめるように言ったら、われわれはどう反応するだろうか。インドは牛を神聖視していると言って、われわれに宗教的掟を押しつけたことがあっただろうか。ある社会が特別な背景で敬愛している動物を、他の社会に対して殺してはいけないと言うのは避けるべきである こういうことを言われておりますが、何というんですか、アメリカが鯨の問題については全く狂信的とでも言うような状況で、しかもIWCの加盟国に対する働きかけも、聞きますと、加盟費はある財閥の何とかという婦人が出してやるからとにかく加盟だけしてくれということで多数派を形成していくというような話などもあるわけですけれども、そのIWCの構成の問題について政府としてはどのような見解をお持ちでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) IWCの運用の現状が、特に最近モラトリアム前後から加盟国がふえてまいりまして、それらの国々が捕鯨とは全く無関係であるということは確かにあるわけでございまして、私どもとしては、無関係な国が加盟し、しかも一国の長い文化的伝統に基づく漁業を全く禁止するというような、そういうIWC本来の精神に反するような決議に参画することについては、大変憤りを覚えることは先生と全く同じでございます。しかし、この加盟の資格を絞ること自体IWCの条約の改正の問題になるわけでございまして、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、会議に出席しているコミッショナーが政府の正式な授権に基づいているかどうかということをチェックするという、そういう意味での正常化を果たすことも当面考えてまいりたい、かように考えているわけでございます。  特に、先ほど来外国の学者の、カナダの学者の論文を引用されて先生御指摘ございまして、まことに私どもも全く同じ考え方でございますが、そのような非常に不当な見解を主張する国とも我々は漁業の面においてもさまざまな関係をしていかなければならないわけでございまして、粘り強くそれを是正する、させるということで、お互いに対話を断つというような道は選ぶべきではないのではないか、かように考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 私は、IWC対策と言いますか、それがやはり政府としては手抜かったのではないかというふうに思わざるを得ません。反捕鯨勢力が本格的にIWCで多数派工作に着手したのが一九八一年からですね。この年にインドとかあるいはセントルシア、ドミニカ、ジャマイカ、ウルグアイ、セントビンセント、余り聞いたこともない国なんですが、コスタリカ、フィリピン、エジプト、ケニアの十カ国がIWCに加盟をした。続いて八二年にはモナコ、西ドイツ、ベリーズ、セネガル、アンティグア・バブーダの五カ国が加盟をしたことになっておりますが、これはもう着々と、捕鯨に関係も関心もないこれらの国を加盟させたのは、これはモラトリアムの採択に必要な票を固めるためにほかならないというふうにこれは思わざるを得ませんね。  この中で目につくのが西ドイツの存在です。この国がまさかと思ったけれども、やはり反捕鯨団体からの働きかけで加盟をしている。デビット・マックタガートという人がこのようなことを言っ ているんですね。  われわれは、シュミット首相夫人にアプローチした。夫人はランの花の愛好者だったので、われわれはまず、世界のランの専門家と接触し、この人たちからシュミット夫人に、クジラ保護への協力を要請する手紙を書いてもらった。もちろん、手紙と一緒にランも送った。われわれの活動に協力を求める時に、国のトップとともに、その夫人やお嬢さんにも接触するのが、われわれの戦略である。西ドイツの場合は、これがうまくいったひとつの例であった。 ここまでやっているんですね。  ですから、私どもも国際的に見てこれは日本がとるべき態度ではないのではないかということについては、やはりそれはそのようにきちっと申し上げなければならないというふうに思いますが、どう考えてみても、国際捕鯨取締条約の関係からいくと、今回のやり方は我慢ができないというのは私一人ではないというふうに思うんですね。これでは国際条約というものは一体何のためにあるのか、そういうことになるのではないかというふうに思うんですが、これについて国際司法裁判所に異議申し立て、これはやられますか、やられたのか、その辺はどうなっているんでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) そのような御意見もございましたので、外務省とも打ち合わせてみたわけでございますが、外務省の見解といたしましては、多数国間の条約上の紛争はその条約の枠組みの中で解決すべきであるというのが国際的に確立されたルールである。それからもう一点は、今回の勧告はあくまで勧告でございまして、直接権利を侵害するものでない、かようなことから国際司法裁判所の判断にはなじまないのではないか、こういうような外務省の見解でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 何だかおかしいな。何か勧告じゃなくて、今回のIWCの決定ですよ、採択された米国提案。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) まさにその決定が法律的に言えば勧告ということであって、直接その締約国の権限に影響を与えない。である以上、司法裁判にはなじまないと、こういうような法律解釈上の問題がございまして、国際司法裁判所の判断にはなじまないのではないかというのが外務省の見解でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 おかしいですね。どうも、国際条約で守らないものは自国のあれでこうやるという、自国の法律を適用してやるというようなことだとか、それからこの調査捕鯨はまさにこれは国際捕鯨取締条約の中にきちっとある条項ですね。これは私も最初にそれは確認しているんです、自国の考え方でこれはやれると。でも、それをやるなと言うわけでしょう。やるなと言うんだから、じゃ国際捕鯨取締条約に違反することをIWCで決めたということになるわけですね。これはおかしいではないか、そういうことになりませんか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 非常に巧妙に仕組まれているわけでございまして、つまり八条の権利それ自体は権限の行使を制約するものではない。それからもう一点、しかし事実上それが行使できないような条件をつくっていくというように、大変巧妙に仕組まれているわけでございます。なお、若干細かい法律技術的な問題を申し上げれば、日本に対する勧告は延期勧告であって、韓国に対する中止勧告とは違うという問題ももう一つあるわけでございまして、ただこれは余り問題の本質的な部分には影響ございませんで、要は勧告は直接権利侵害はない。つまり法律上の、これはまさにやや法律技術的な問題、話でございますが、権限行使に影響を与えたとしても、それは事実上の問題であって、法的なレベルの話ではないという極めて法律技術的な観点から、国際司法裁判所の判断にはなじまない、こういう結論が法律論として導かれると、かようなことでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 実はこの異議申し立ての制度はアメリカの提案で生まれたんですね。一九四六年にワシントンで開かれた国際捕鯨取締条約の制定会議で、アメリカ代表のレミントン・ケロッグは、IWCの規制措置に対する加盟国政府の異議申し立て権を認めるように提案をした。  その理由として、次の三点を挙げている。   (1)異議申し立ての規約は、捕鯨規制の修正もしくは変更が、必ずしもある政府に捕鯨条約からの脱退を強いることのないような防止策、安全弁となる。   (2)異議申し立ての規約があれば、どの政府も脱退の問題を考慮することなく、規約を遵守することができる。   (3)国家主権の原則と同時に、全般にわたって一貫して適用される規制を効果的に施行できる委員会を維持するうえで、異議申し立ての規約は必要 だということで、詰めて言えばIWCの決定に不満な国が出た場合に、脱退されるよりは異議申し立てをさせて、IWCにとどまらせた方が条約の目的は達成されるという判断がアメリカにあって、この条項が入れられたわけです。したがって、この条約の規定の修正に対していずれかの政府が異議を申し立てたときは、その政府に対しては異議の撤回の日まで効力を生じないということになっているわけですね。  ですから、いろいろ日本の国内で、何というのですか、法の解釈をするよりは、まず異議の申し立てをしておいて、それからいろいろな対策を講じるべきではないかというふうに思うんですが、その辺はいかがですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) これは再三申し上げますように、条約の解釈上の問題でございますので、外務省からお答えした方がよろしいかと思うのでございますが、これは勧告に対する異議の申し立てということは恐らくIWCの条約解釈上認められないのではないかと、こういうふうに理解されます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 外務省見えているかな。

野上武久外務省経済局漁業室長

○説明員(野上武久君) ただいま長官から御答弁申し上げたとおり、今回の決議は勧告でございまして、法的拘束力のないものでございます。したがって、この決議に対して異議を申し立てるという必要はございません。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 じゃ、異議は申し立てなくてもいいということですから、調査捕鯨は我が国の権限でやれると、やるということで理解をしてよろしゅうございますね。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 法律的にまさにやれるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 こんな理不尽なことをやられていつも下がっていると、次から次にそういうことが来るのではないでしょうか。  アメリカの中でも非常に何というのですか、常識的な人といいますか、そういう方がおられまして、一九八三年の九月二十八日に開かれた米国下院商業海洋漁業委員会漁業野生生物環境小委員会の米国の捕鯨政策に関する公聴会で、同小委員会委員長のブローという人がいろいろ言っているんですが、ここで言っておりますし、一九八四年の四月にも下院の外交委員会人権・国際機関小委員会でもこのブローという人が次のようなことを言っております。「モラトリアムヘ異議を申し立てた国の捕鯨操業に対して、米国が制裁することは見合わせるべきだ。現在のクジラ資源の管理には、確実な進歩が見えているし、この進歩は今後も続けられるものと信じる」というふうに言っていて、このPM法の適用、こんなことはもうするべきでないということを言っているんですね。  それで、これは勧告だから、別に異議の申し立てはなじまないといいますか、できないというようなことを言っているわけですから、やはり日本の国が国際条約を守らないで行動したのであれば、これは当然いろいろなことがやっぱり出てくると思いますし、私どももそれはやめた方がいいということを言いますけれども、国際捕鯨取締条約の中できちっとこれが条約の中に盛られており、しかもこれはIWCの科学委員会の中でもきちっと調査捕鯨の問題について、特にミンクの問題についてはきちっと答えを出しているのですね。そんなことなどを考えていけば、これは確かにIWCに加盟している国々からはいろいろなことが出てくるかもしれませんけれども、やはりIWCでいろいろ勧告を出した経過などをもっと政府は積極的に、先ほど西ドイツのシュミット夫人に相手側がやっている以上のことを世界の国々にやっぱり宣伝をして、我が国の正当性というものを世界にきちっと認めさせるようなそういう努力があってしかるべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょう。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) まさに先生御指摘のとおりでございます。私どもは絶対日本の提案、それから主張は正しいと信じておるわけでございますが、この正しさはやはり現在の国際社会の中では多数国によって認められなければ現実に生きてこないという問題があるわけでございます。我々、モラトリアム当時からそのときどきでは一生懸命やってきたつもりでございますけれども、結果的に今回のような事態になっていることは反省すべき点があろうかと思うわけでございます。  ただ、一言申し上げておきますと、我々の努力の結果は若干なりとも今回のIWCの会議にも反映しておりまして、五十七年のモラトリアム決定当時の表決結果と今回の日本に対する調査延期勧告決議と比較いたしますと、直接間接に日本の立場に対して理解を示してくる国がはるかにふえてきておるわけでございまして、今先生の御指摘になられましたようなさまざまな知恵を使いまして、一国でもこの数をふやしていくことが我が国の立場を国際的に認知させる方法だろうというふうに考えておるわけでございます。御指摘のような努力を今後さらに続けてまいりたいと思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 我が国の努力を続けていくその前提になるものは、やはり今回調査捕鯨をきちっとやる、そのことが前提でなければ、世界にそういうことをやっていく、行動を起こすということにはなっていかないのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょう。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) これは大臣からも再三御答弁申し上げているところでございますが、今回の中止勧告、実質的な中止勧告、形式は延期勧告でございますが、決議があったからといって日本といたしましては八条の権限を行使することを断念するわけにはいかないわけでございます。ただ、現在の国際社会の中で日本の立場を国際的に一国でもより多く理解させるためには、その権限の行使に当たってはさらに慎重にその実施の手続なり方法について検討を加えることが必要であろうかと、かように考えているわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 いずれにしても余り時間がないんですね。調査捕鯨、ことしは調査捕鯨に出漁する時期、それはいつがリミットになりますか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) リミットという点はぎりぎり詰めたわけではございませんが、当初予定しておりましたのは十月の中旬に出漁することを予定しておりました。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 じゃ、十月の中旬に向けて、調査捕鯨は我が国の政府としては国際条約に違反するものではないから、これはやはりこのような間違ったような方向に行っている今の鯨の問題を正していくためにも調査捕鯨はきちっとやるということを、大臣どうですか。決意をひとつ述べていただきたいと思いますが。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 衆議院の農水委員会におきましても申し上げたわけでございます。調査捕鯨を行うことについては最大限努力いたしますと。ただ国際国家日本として、また国際的協調、協力という一つの大きな国是があります。そういう中で国際的に非難の声が上がらないための最善の努力をし、それは先ほど長官からお答えいたさせましたが、その手続、方法その他万般のことを総合的に判断して対処していかなくてはならない、こう考えておるところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 アメリカが主体になってこの反捕鯨ということをやっておるわけですから、アメリカの声だけが世界の声ではないということで、やはり間違ったことは間違っているということをまさに国際国家日本として堂々主張していくということがこれからの日本として大事なことではないでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) その決意はかたいわけでございますが、逆に先ほど菅野委員からいろいろ御指摘にあった西ドイツに対する働きかけのような例で、一波が万波を呼んで日本に対する非難、攻撃のよりどころにされることも、これは最大限努力して排除していくことも考えていくのが政府のとるべき道でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 一波が万波という大臣の話がありましたが、IWCに加盟している国というのは今三十九カ国ですね。いいですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 私の承知しているところでは四十一カ国ではないかと思いますが。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 じゃ、その後二カ国ふえたと。今四十一カ国ですね。世界百五十カ国ぐらいあるんですね。国際国家日本、海外援助の問題もいろいろありますし、ひとつもっと幅広くまさに政府の責任で調査捕鯨、これは当然の我が国の権利でやれるわけですから、我が国のまさに主権をしっかり守っていくということで調査捕鯨がやれるように、世界の世論を日本の方に向けるように、我が国の正当さというものを知らしめるように、ひとつこれからの政府の働きかけというものを特段期待をしたいというふうに思うんですね。  全くアメリカもホッキョククジラなどはもう四千頭を切るような状況の中で、まさに絶滅に瀕している。それにもかかわらず、あのエスキモーの人たちには二十二頭という生存捕鯨、これを許しているわけですね。片方ミンクは、日本は七十万頭ぐらいというふうに言っているんですが、IWCの科学委員会では四十万頭ぐらいですか、半分に近いぐらいになっているんですが、それにしたって、四十万頭と七十万頭は若干の違いはありますけれども、相当な数なんですね。ですから、何か中曽根総理が、調査捕鯨のミンクの八百二十五頭は常識的に見て多過ぎるのではないかというようなことを水産庁長官に言ったとかということがちょっと新聞に出ておりましたが、調査捕鯨をやる場合の科学的な調査の場合に、これだけはやはり調査をすべきだという科学委員会の何というんですか、決定というのか、科学委員会のお話があって八百二十五頭というのが決められたというふうに思うんですが、それだけの資源があるからまさに種の絶滅などということにはならない。そういうようなものでありますし、日本の食文化の問題などを含めても鯨をなくすなんというようなことは到底これは考えられないことですし、もしもことし調査捕鯨をやらないということになれば、いわゆる捕鯨の技術、そういうものが全く私はなくなってしまうのではないかというふうに思うんですね。ことしやらないということになれば、もう来年もやれないということになるんじゃないかと思うんですが、そこのところはどのようにお考えですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 私ども現在、計画どおりできるだけ速やかに調査捕獲を実施したいと考えておるわけでございまして、万一できなかった場合にどうなるかというようなお答え、その場合の検討は現在の段階ではいたしておらないわけでございますので、ちょっとお答えはお許しいただきたいと思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 あくまでもやるということが前提だということなので、それは当然そういうことだろうというふうに思いますが、何といったってアメリカもいろいろなことを考えて、とにかく日本に捕鯨をやめさせる、そのために中止勧告だとか延期勧告だとかというような形で来ているわけですから、その手には乗らないように十分注意をしながら、一波万波にならないように、世界の国を日本の味方に引きつけるように、そういうことで何としてもこの調査捕鯨はしっかり守ってもらいたい。加藤大臣、佐竹長官のときにこれがだめになったなんということが後世に残ることのないようにひとつ特段の努力を期待いたしまして、私の質問を終わります。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 私は、調査捕鯨について大臣並びに水産庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に確認したいと思うのは、調査捕鯨は国際捕鯨取締条約第八条第一項に基づく締約国の権利と考えていいかどうか、まずこれを長官にお尋ねします。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) まさに八条一項は、締約国に対して調査のために鯨を捕獲し、殺し、及び処理することを認可する特別許可書の発給する権限を認めるわけでございまして、まさに締約国の権利でございます。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 大臣、今回の国際捕鯨委員会、すなわちIWCの臨時総会で行われた我が国などに対する調査捕鯨の事実上の中止を求める勧告決議、この条文から見て極めて私は不当と思うんだが、大臣はどう考えますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) この勧告は魚類の調査、研究の必要性及び先ほど長官も申しましたが、条約第八条に基づく権利を無視した不当なものであると考えております。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 そうしますと、条約上はこのような勧告決議には全く拘束される必要もないということに解釈してよろしいと思います。  そこで、一九八二年、IWCが一九八五年ないし六年漁期からの商業捕鯨の全面停止を決めたときに、同時に一九九〇年にその見直しをすることも決めておりますね。一九九〇年といえばあとわずか三年なんですね。見直しのためには資源についての詳細なデータが必要になると私は思います。どうでしょう。しかも、このデータはことしの三月まで我が国が捕鯨の傍ら、膨大な費用と努力をかけて条約加盟国のために蓄積してきたものであるので、このデータとの継続性が必要であろうかと思いますが、いかがでしょう。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 当面一番問題になっておりますのは、南氷洋におけるミンククジラの資源状態でございます。これにつきましては、我が国の多年にわたる調査、研究の結果、その資源状態については心配ないという結論が一応出ているわけでございますが、これに対して、反捕鯨国側の科学者からそのデータについて疑問があると。と申しますのは、それらのデータが商業捕鯨を通じて得られたデータであるから、特に大きい鯨をとっているとか、鯨がたくさんいるところだけからとったデータであって、全海域について見ればその結論をそのまま使えるかどうか疑問である、データの基礎は不確かであるという疑問が出されたわけでございます。これに答える意味で私ども今度の調査捕獲を計画したわけでございまして、まさに見直しの際、一つの論争点に対して的確な答えを出すことに役立つのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それからまた、データの継続性については、当然先生御指摘のように継続性が必要でございまして、従来行っておりました目視調査等もこの調査捕獲と並行して実施することを予定しております。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 今の答弁で、条約上、調査捕鯨を実施することは何ら支障はない、しかも資源に関するデータをとることが一九九〇年の見直しのためにも必要である、それも継続的なデータが必要であるということになると、我が国にとって当然ことしの十月、この十月から調査捕鯨を実施するということになろうと思うが、そういうふうに理解してよろしいですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 先ほど大臣からお答えいたしましたように、実質的な中止勧告があったからといって、私どもとしては八条の権利行使を断念することはできないわけでございまして、特に今お答えいたしましたように、モラトリアムの見直しのための有力なデータでございますので、できるだけ早くやることが必要になるわけでございます。一方、我が国の調査捕獲の実施に対する米国側の反応、それから、さらにまた米国を含む国際的な反応ということもこの調査捕獲の実施に当たっては考える必要があるわけでございまして、いやしくも国際的な非難を受けることのないよう調査の手順、それから方法等につきましてさらに検討し、速やかな実現を図りたいと考えております。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 調査計画は先ほども話にありましたとおりにミンクを八百二十五頭、マッコウクジラが五十頭、合計八百七十五頭と聞いておるわけでありますが、この頭数は我が国の優秀な資源研究者の方々が練りに練って出した必要最低限度のものと私は思います。その理由は、去年の十月からことしの三月まで千九百四十一頭捕獲しておるんですね。その半分にも足らないという数字でありますが、これに対する長官の考え方。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) この数字につきましてはまさに御指摘のとおりでございまして、一定の科学的な信憑性のあるデータを得るために最低限必要な頭数であるというふうに私ども承知しているわけでございまして、また我が国の調査計画の内容につきましては会議の席上その他の場所で各国の中立的な科学者からはその内容について十分評価を得ている。それであるがゆえに、そのような内容を持った計画であるがゆえに、反捕鯨国の科学者としても中止ということは言えず、延期というような勧告のスタイルが変わってきた一つの理由にもなっているというふうに承知しております。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 私はこのような十分過ぎるほどの十分な科学根拠を持った計画が延期勧告決議を突きつけられたということが非常に不思議でならない。逆に反捕鯨国の主張がいかに非科学的かということをあらわしているわけで、強い怒りを私は覚えるわけであります。  そこで提案ですが、反捕鯨国の良心的な科学者に対してこの調査計画を送っていただきたい。送って我が国の真意を理解してもらうようにしてはどうだろうか。また反捕鯨国の科学者を味方にすれば、今暴れ回っておる職業的な自然保護団体の非科学性がはっきりと浮き彫りにされる。それでまた反捕鯨国の世論にも必ずいい結果をもたらすのではないかというふうに考えますが、こういうことをやらしてはいかがでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 御提案、我が国の調査計画に対する国際的理解を深める大変有力な一つの方法であろうと思います。そのような方法も含めまして各国の理解を深めるための方法について早急に実施に移したいと思います。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 今回商業捕鯨が禁止されましたので、商業捕鯨を実施したとしても多くの離職者が出ることは避けられない。したがって、関連産楽も打撃を受けることになろうと思います。また、和歌山の太地、宮城の鮎川、その他多数の現在鯨を陸揚げしている市町も港もあるわけですね。したがって、こんなに鯨に対して依存している町の経済も非常に私は深刻になろうかと思う。その他私どもの郷里の長崎県でも何百名という捕鯨の乗組員がおる。それが離職するんでしょう。だとすると、町の経済にも深刻な影響を私は与えると思う。  そこで、農林水産大臣にお願いしたいことは、労働、運輸、自治等の関係大臣とも連絡を密にして救済対策に遺憾のないようにしてもらいたい。この点はくれぐれも大臣の精力でお願いしたいと思いますが、大臣のお気持ちを承りたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 商業捕鯨の中断ということは、当該捕鯨業に依存する漁業者及びその従事者等に少なからぬ影響を与えるものであるという認識は初村委員と全く同じでございます。したがいまして、商業捕鯨の中断による損害、現実的な損失をこうむる漁業者、乗組員等に対する対策につきましては、その実態等も見きわめながら必要に応じ関係省庁と相談の上、検討してまいりたいと考えております。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 この調査捕鯨を実施した場合に、アメリカはパックウッド・マグナソン法を発動して、その二百海里内漁場から我が国の漁船を締め出すおそれがありますが、この点についての政府の見通し。百万トンを上回る漁獲を上げていた数年前に比較すれば、先ほども答弁がありましたとおりに、ことしは七月現在でわずか七万五千トンにすぎません。この中には北洋のはえ縄、刺し網漁業が四万九千トンもとるわけですから大きな痛手を受けると思うんですね。だから、とにかくアメリカに対して外交が弱い、私はそう思う。したがって、最大限の外交努力を払って、この漁業を確保してもらいたい。アメリカのやろうとするのは、二百海里内を締めつけて、自分だけがそれをとって日本に売ろうとしておる、そういう計画なんだ。もっともう少し外交でしっかりやってもらいたい。  そうすると、やっぱり先ほども申し上げましたとおりの減船問題が出てくるんです。これについて手厚い救済措置を農水省は考えておられるかどうかお尋ねをいたしたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 長官からお答えいたしますが、その前にひとつお願いしておきたいと思うのは議員外交も積極的にやっていただきたいと思うんです。今のところ政府対政府は非常にうまくいっております。特に三権分立が徹底しておる国アメリカ、今回の包括貿易法案の動き等も初村委員よく御存じのとおりでございまして、私も議員当時はこの二百海里法が制定される前後アメリカに行きまして、上院下院より多くの友人知己に徹底的に訴え相談し、やってきた経験を持っておる一人でございます。要は、政府対政府は相当いっておりますが、対議員ということが私はこれからの日米外交を考える場合に非常に重要になってきておると思いますので、この席をかりまして、初村委員もよくやっていただいておりますが、さらに頑張っていただくということもこれ非常に必要で、このPM法をつくった経緯を見てもいかに議員外交が大切であるかということを私はこの席をかりましてお願いしておきたいと思うところでございます。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 我が国が捕獲調査を実施いたしました場合には、さまざまな経過から判断いたしましてPM法が発動される公算は極めて大きいわけでございます。そのような事態を招きますことは、日米両国にとって漁業関係はもとより日米関係全般にとって大変不幸なことでございます。したがいまして、私どもといたしましては、当然の条約上の権利の行使でございますけれども、なおその調査の実施の手順あるいは方法について検討を加え、国際的な支持を我が国の捕獲調査の実施について得るようにし、一方アメリカに対しても一定の自制を求めてまいる所存でございまして、鯨か二百海里内の漁獲かと単一に割り切るのではなくて、何とか両方生かす道はないか、これは大変難しい問題でございます。非常に狭い道でございまして、成算あるのかと言われれば率直に申し上げまして成算があるわけではございませんけれども、我が国の条約上の権限行使に当たって、さらに国際的理解を得るような方途を工夫いたしまして両方を生かすようにしてまいりたい、かように考えているわけでございます。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 特に大臣から議員外交もしっかりせにゃというようなお話がありましたが、私ども向き向きでやっぱりできるだけのことはやりたい、やらねばならない、こういうような決意でございますから、あわせて強硬な外交をひとつやっていただきたい。特に外務大臣に——腰弱ですよ、あの人は、性格がね。だから、特に私の地元でありますけれども、もっと性根を据えてやっていただくようにこの際重ねて大臣にお願いいたしたいと思います。  次に、沿岸捕鯨についでお尋ねをいたします。今回のIWC年次総会で我が国は沿岸小型捕鯨についてアラスカのエスキモーなどと同じように生存捕鯨として認めるよう主張いたしましたが、結論は来年の総会まで持ち越される結果となっております。そこで、もしも来年操業が認められなかった場合は政府の責任において万全の救済措置を関係者に対してすべきだと思いますが、どうでしょう。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 我が国の沿岸捕鯨でございますが、これにつきましては、私ども何とか生存捕鯨という形で存続を図りたいというふうに考えているわけでございます。これにつきましては現在IWCの枠組みの中で、アメリカのアラスカ捕鯨、それからデンマークのグリーンランド捕鯨、それからソ連のチュクチ捕鯨と三種類認められておりますので、それと同じような形で操業するような計画を立てまして、これをIWCで認知してもらうように努力してまいるわけでございまして、まあIWCでは四分の三の同意をとらなければなりませんものでございますから大変難しい問題でございますが、何とかそれを実現したいと考えておりますので、これができなかった場合どうなるかというのは現在の段階ではひとつ御答弁を御容赦願いたいと思います。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 まあしっかりやってくださいよ。  次回のIWC総会は来年六月に開催されると思いますが、沿岸小型捕鯨の漁期は四月からなんですね。そうすると、その間休業せざるを得ない。したがって、その間つなぎ融資などのきめ細かな経済処置をきちんととる必要があると思うが、大臣どうでしょう。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど長官から生存捕鯨の件についてはお答えいたしましたが、来年のIWCで再度審議されることになっておりますので、漁業者、乗組員等への対策についてはその結果を待って検討いたしたいと考えておるところでございます。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 沿岸捕鯨にはマッコウクジラ、ニタリクジラ、これをとる沿岸大型捕鯨もあるわけであります。マッコウクジラは来年の三月まで操業ができるようでありますが、その後はどうなるのか。水産庁の考え方を聞かせてもらいたい。私は、日本の沿岸の鯨についても資源を調査する必要があると思う。自国の二百海里内で行う調査は、これこそ我が国の主権に属するものであり、外国からとやかく言われる筋合いはないと思うんです。これに対して政府の考え方をお尋ねしたい。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 我が国の沿岸捕鯨につきましては、小型捕鯨とは別に大型捕鯨がニタリあるいはマッコウを捕獲しているわけでございますことは先生今お話のあったとおりでございます。この捕鯨につきましては、これは先ほど申し上げた現在IWCの枠組みの中で認められております生存捕鯨とはやや異質というふうに考えざるを得ないわけでございまして、したがって、これを生存捕鯨という形で存続を図ることは現在のIWCの枠組みの中では到底難しいと判断せざるを得ないわけでございます。したがいまして、これをどういうふうに存続を図るかということになりますと、確かに御指摘の調査捕獲八条の権限行使の客観的必要性があるかどうかということになります。  はっきりここで申し上げておかなければなりませんことは、これは我々としては大変不本意でございますけれども、その存続を図るために調査をやるということは、絶対にこれはIWCでは通らないわけでございまして、もしそういうふうな印象を与えるとすれば、かえって疑似商業捕鯨であるという非難を招くわけでございますので、科学者の意見もよく聞きましてその客観的必要性があるかどうかということについて精査していきたいと思います。  さらに、今お話のございましたそもそも二百海里内の鯨資源については、IWCの枠組みとは別にそれぞれの沿岸国がその主権を持つべきではないか、こういう御意見でございますが、現にIWCの中でも中南米等につきましてはそういうことを主張する空気が出てきておるわけでございまして、私どもはそのような空気を持つ国々ともよく連絡協調いたしまして、まあこの沿岸大型捕鯨の問題に対する解決の方途として時間的に間に合うかどうかという問題がございますが、将来の問題としては御指摘の二百海里内における鯨類資源については沿岸国が主権を持つという、そういうルールを確立さしたいというふうに考えております。これは大変重要な御指摘であろうかというふうに思うわけでございます。

初村滝一郎自由民主党

○初村滝一郎君 大臣、要するに私が言いたかったことは、調査捕鯨について政府は毅然としてこれを実行してもらいたい、これが一つ。これを申し上げたわけですね。もう一つは、その結果生じる問題については万全の救済対策をお願いしたい。この二つなんですよ。どうかこの二つの点について大臣の所見を賜り、私の質問を終わります。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先生のおっしゃる趣旨を体しまして最大限努力していく覚悟でございます。  まあ、その二つにもう一つ加えておいていただきたいのは、国際国家日本として今日大変多くの問題を抱えておる政府としては、諸外国のもろもろの非難、攻撃がこのことを契機としてさらに日本に襲いかかってこないように万般の準備、努力をするということももう一つ私の念頭にはあるわけでございますので、そこら辺を配慮しながらやるべきときには毅然として堂々とやるようにする、そしてまたそれによって起こるもろもろの影響に対する救済措置に対しては手抜かりのないようにやりたいと考えておるところでございます。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時より再開することとし、休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時開会

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 私は、去年十一月末に出されました農政審の中間報告について、その関連につきまして二、三質問をいたします。  これは既存の「八〇年代の農政の基本方向」、これを軌道修正ないしは部分的には転換して、そして行革審あるいは前川リポートによる経済審議会の答申、それに即応して行財政改革あるいは構造調整、それに即応できる「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」を打ち出しておられるわけでございます。したがいまして、それなりにこの労作を多とするところでございますが、まだこれからの農政の道標、指標として高く評価を私なりにいたしております。しかし、特徴的なのは、このレポートが出るや直ちに、差し迫ったポスト三期対策、それから食管改善、あるいはその後のもろもろの価格政策、これの下敷きになっておる。これもやむを得ないところもあると思いますけれども、それにしてもこの報告はまだ中間段階でございまして、その名のとおり完結したものではない。でございますので、これが今後どういうプロセス、どういうタイムリミットを置いて、どういうタイムスケジュールで進められていくか、農林省は諮問をする立場にございますので、その辺のところの今後の一つの進め方についてお伺いをまずいたしたいと思います。

甕滋農林水産省大臣官房長

○政府委員(甕滋君) ただいま先生からお話しございましたように、昨年十一月に農政審議会から「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」につきましての報告をちょうだいしたわけでございます。これは、先生のお話の中にもありましたように、二十一世紀をにらみまして今後の農政の展開方向につきましていろいろ提言を含んでおるものでございまして、それにのっとって私ども今後の農政を進めてまいりたいと考えておるところでございます。  るる述べておる内容がございますけれども、一口に申しますと、国内の供給力の確保を図りながら国民の納得し得る価格での食糧の安定供給に努めることを基本とする、そのため与えられた国土条件等の制約のもとで最大限の生産性の向上を図る必要がある、それに焦点を合わせて諸施策を運営すべきである、こういうことでございますので、その趣旨に沿いまして、私どもといたしましてはこれまでも水田農業確立対策を早速構造政策をより重視した仕組みで発足をさせておるわけでございます。また、米麦や畜産物等の価格決定あるいは良好な営農条件と居住条件の確保を図るための集落地域整備法の制定、こういった措置も既に講じてきておるところでございます。また、麦の生産者価格の算定方式あるいは大豆、菜種の交付金制度の改善を図るための法律案、これらの御審議もただいま今国会でお願いをしているというようなことで、報告を踏まえましていろいろ具体化すべき事項について着実に実行しておるというふうに考えております。  一方、農政審議会の中にはさらに二つの小委員会を設けまして、現在、価格、流通対策、あるいは構造、農村問題につきまして、その推進方策等の具体化のための検討を目下行っていただいておるところでございますので、今後、さきの農政審報告、あるいはただいまの小委員会の検討等踏まえまして、具体的な施策の展開に全力を挙げてまいりたいというのが私どもの考えでありまして、六十三年度の概算要求に当たりましても、こういった観点から各般の施策を盛り込んでまいりたいということで鋭意検討中でございます。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 私は十五分か二十分しかございませんので、ひとつ私の答弁の中身をよく考えてもらって、前語りはやめて、エキスだけひとつ御答弁願いたいと思います。  実は、五十五年に八〇年代のあの中間報告が出まして、五十七年度完結した報告になっておりますね。それが、今非常に時代が急テンポに進んでおりますし、またこれを、画期的な転換ですから、受ける農民側としては非常に不安てしょうがないわけですよ。ですから、三、四年もかけて中間報告を結審させるというのは余りにのろ過ぎるし、ですから非常に急がなきゃならぬ。悠長過ぎる。これではいけない。ですから、やはり急いでほしいというのが私のこのお尋ねの趣旨でございます。ひとつ急いでいただきたいと思います。  そこで、先に進みますが、実は今度の中間報告を見る限り、あるいは今まで出てきた、それに基づく政策を見る限り、具体的に今後担い手になっていこうとする農家、これに対する具体的な現実的な道標がまだ何もないということ。これは、その一つの例といたしまして、特に従来ございます各耕種別、耕種アイテムごとのいわゆる生産と需給の長期見通しというのが、当然これに裏づけられていかなきゃならぬ。ですから、これをどうするかということが、一番担い手に展望を与えるためにはこれが必要なんです。しかし、それが今のところ、従来のものじゃ形骸化していると私は思います。  これはどうしてかといいますと、消費のパイが作物ごとに非常に狭まっておるということですよ。これはやっぱり軽薄短小への方向、それから需要の多様化、こういうことがいわゆる消費のパイを縮めでおる。それからもう一つ、供給側では、供給の総量の中の国産農産品のパイが非常に輸入の増大で縮小しておるということ。ですから、今現にあるそういう需給と生産の長期見通しというものは現実離れしておる。非常に過大である。だから、現実的にはこれを絞り込んでいかなきゃならぬ。こういうことが農政審の答申のその方向の一つの具体的な手だてとして出てこなきゃならない。早く出てこないと、客体である農民は何を目標に、何を幾ら将来ともに生産品をつくっていっていいんだろうかと、これ非常に展望がないんですよ。だからその点について私は早急に見直してほしい、農政審の答申が二年後に結審するならば、その前にひとつこれは出してもらいたいというように思うんですけれども、その点についていかがかと思います。  それとともにつけ加えますが、そうしたものを出す場合には、従来は国産で足りないものを輸入に仰ぐという供給計画ができておったと思います。供給の推計、見通しがあったと思いますが、やっぱり状況が一変しております。そういう点から品目別に輸入はこれでとめるんだ、ここまでは輸入するんだ、これだけは国産するんだというその仕分けをきちっとしていかないと、これは非常に農民は不安があります。そういうことがございますので、供給のパイの中でのいわゆる輸入に仰ぐ部分と、それから国産で絶対賄うべき分との区分をした長期見通しでないとしり抜けになってしまうと思うんでございますけれども、この点についてお伺いしておきたいと思います。

甕滋農林水産省大臣官房長

○政府委員(甕滋君) ただいま御指摘ございましたように、現在農業基本法に基づいて定めております長期見通し、これは六十五年を目途にしたものがあるわけでございまして、今回の農政審報告を受けましてそれをどうするかということは一つの課題でございます。ただ、この六十五年見通しにつきましては、今回の農政審の検討の中でも一定のフォローアップは行われまして、そのフォローアップの中で一九九〇年代の食生活と農業生産がどう見通されるか、こういった検討も行われたわけでございまして、農政審報告の末尾にそういった検討結果が掲げられておるわけでございます。これは法律に基づく見通しという形ではございませんが、定性的な形でその姿を描いておるわけです。  そういった中で二、三御理解をいただきたいと思いますのは、この農政審の論議の中でもございましたけれども、今後の見通しを具体的に数量的に立ててまいります場合に、これからの農業のあり方に大きくかかわってまいります水田農業確立対策、これが転作面積の拡大という状況下で新しい考え方、仕組みを導入して発足したわけでありますけれども、これが今後どのようになっていくかを見きわめる必要もあるという事情もございます。また、特に生産の見通しにつきましては、生産性の向上がおくれている品目につきまして今後の生産性向上努力にかかっている面も大きいわけでございます。  それからさらには、今回の農政審報告で、これも御指摘ございましたが、価格政策の見直しとか提言されておりますけれども、これも将来の需給への影響と絡んでくるということもございます。またさらには、円高あるいはガット新ラウンド等の我が国農産物貿易をめぐる厳しい状況を当面乗り切っていく必要もあるというような状況がございまして、まあいろいろな要因があるわけでございまして、今回定性的な見通しということになったについてはそういった論議も背景に考えていかなければならない、今後へのまた留意点というふうに考えております。  したがいまして、現時点では基本法に基づく新しい見通しを策定するということには直ちにはなりませんで、これについてはなお時間をもう少しかけて検討いたしたいというふうに考えております。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 検討検討で百年暮らす、二年、三年暮らすでは、農家は今価格の逆進政策がどんどん行われておりますから、それはどうしたらいいのかと非常に展望が持てないところでございます。それかといって、一方では構造政策、こういうことが強く出ております。これは非常に結構なことでございますが、このタイムスケジュールも明らかでないという問題がございます。ここにも不安要因があるわけでございます。  特に基盤整備と流動化、これは構造政策の柱になると思うんでございますが、既に水田農家については五ヘクタールという目標指示があっている。そして一・五ヘクタールはその予備軍であると。これはどうして到達させていくかという抽象論は出ておるわけでございます。そして、それらが米価算定のときの一つの理念にもなっておるというようなこと、これはしかしなかなか容易じゃございません。そういうのに、価格の逆進政策がどんどん進んでいくということは、非常にこれは農家に意欲を失わせることになる。だから、そういったような点についてよほど早い時期にそういう見通しをきっちり立ててやって、そして一つの明かりをともしてやらないと安楽死になってしまうんではないかというような懸念さえあるわけでございます。  そういう意味で、私は、特にまた構造政策構造政策といいましても、そういうことにして規模を集めて農地の集積をする、その相手方になる転落農家をどう救済するかということについては、これは農政上のことだけでは今後及びがつかないと思うんですよ。だから、その社会政策的な視点からの政策がこれで補強されないと大変なことになる。農村は荒廃に帰するということになりますので、ひとつそういう点との価格政策と構造政策は、いわゆる相互支援、相互補完していくということはわかりますけれども、そういうことが一体になって、その青写真に体系づけられてやっぱり農家に示されないと、非常に試行錯誤をこのまま何年も繰り返していくということになる、そういう憂いがありますので今のような御質問をいたしておるわけでございますので、ひとつ心してなるべく早い時期に指標なりとも示してもらいたい、こういうように要望をいたしておきます。  時間がもうございません。そこで、この際せっかくの機会でございますので、大臣に一、二、非常に今の起こっております象徴的なことにつきましてお考えを簡単にお伺いして、質問を終わりたいと思いますが、まず第一に、農産物の国際交渉の問題でございますが、これは過ぐるOECDで大臣が日本の国益に十分立脚していただいて、我が国の主張をコミュニケの中に取り入れてもらいました。大変これはありがたいことで、労を多とするわけでございますが、いよいよそれによってガットのニューラウンドがテーブルに着いて、いざこれからひとつその枠組みをしてやっていこうということになっておりますが、片やそのガットのニューラウンドを主唱しておりますアメリカは、議会で包括貿易法が上下院で通っちゃった。レーガン大統領は拒否権を出すとは言っておりますが、今の力関係ではなかなか容易じゃない。そうなると、片方にテーブルでの交渉を呼びかけておきながら、片方で報復手段を用意してやっていくということについて、これはどういうように私どもは判断していいのか。幾ら日米の間に貿易の大きなインバランスがあるとはいいましても、そういう一つのルールづくりをやろうというときに、いつでもさあ来いという報復手段がここで用意されていくということは、まことにガットのこの精神にももとるし、ガットの話し合いをぶち壊すものじゃないか。そういうことを既に日本だけじゃなくしてECの方からも倉成外務大臣に発言があったような新聞の報道がございますが、これについての心構えが一つ。  それから第二点は、ことしの秋の米の作柄でございます。作況の第一回の発表あっておりませんけれども、いろいろな御配慮の末だと思います。非常に、今聞くところによりますと、平年作を相当上回るということになってくると、まあ五ポイントとも言い、七ポイントとも言い、いろいろなことが世上言われておりますけれども、そうなってまいりますと、この余り米がいわゆる備蓄も含めてまた二百五十万トン程度になっていくのではなかろうかという懸念が一つございます。そこで、米価はこの前決定しましたけれども、来年度の今度はいわゆる減反面積をどうするかということ、それとも、あるいはまた転作のための国の奨励金をどうするかというような問題、食管法の問題、いろいろ今度の秋には問題が出てくるおそれがあるわけでございます。  そういう点について、私どもは非常に心配しておるわけでございますが、その辺のところを農林大臣の端的なお気持ちをひとつ拝聴いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ガット・ニューラウンドには我が国も積極的に参加し、新しいルールづくりに協力していくことを既に表明いたしておるところでございます。また、これは国際的にもまさに最大多数の国が希望しておる線でもございます。もちろん、その中においてはそれぞれの国の事情、あるいは自給率の度合い、あるいは地形等々のいろいろの問題を加味していこうという、先ほどおっしゃいましたOECDあるいはベネチア・サミットにおいても、多国間あるいは首脳間で協議が整って、議論をした上、協議が整っておるところでございます。一方、アメリカにおける包括貿易法案に対する上下両院それぞれの案を決定してきたところでございます。それと、ニューラウンドに向かってのものと包括貿易法案の中の法案の中身との間に矛盾があるのではないか、あるいはげんこつを用意して交渉をするのではないかというような御趣旨じゃないかと思います。  包括貿易法案につきましては、政府としましても、農林水産省としましても多大の関心を持ってこの成り行きに注意をし、またより保護色の強いものにならないようにあらゆる線を使って努力もいたしておるところでございます。これは九月ごろに両院の協議会がどういう線を出すか、また大統領が果たして拒否権を発動するのかしないのか、あるいはするに足る表決に最終案なるのかならないのか、ここら辺の問題もあると思うわけでございます。アメリカは、市場原理にすべての農産物あるいは農産物貿易は任せなさいということをせっからに主張しておるわけでございます。さらに、市場原理に任す方法としては、不公平な貿易慣行であるとか、国境保護措置であるとか、けしからぬ、廃止しなさい、こういうことを言っておるわけでございます。ここら辺、日本は日本、ECはECなりにいろいろ手を尽くして、そうばかりはいかないということを納得してもらうようにさらに頑張っていかなくてはならぬ、こう思っておるところでございます。  それから、ことしの米の作況につきましてはまだはっきりわかりませんが、各地の状況等を承りますと非常にいいようでございます。米の作況がいいということを心の底から喜ぶことのできない今日の我が国の米の事情、食管制度を考えるときに非常に複雑、微妙な率直に申し上げまして気持ちでございます。水田農業確立対策は農民の皆さんに大変な無理なお願いをして、我が国の米の自給と食管制度を守るためにようやく発足したものでございます。すぐことしの作況で来年云々するということは、先ほどおっしゃいましたが、ますます不安を増長していくことになるのではないか。また、食管制度へのもろもろの影響等も当然起こってくると思いますけれども、今申し上げました、せっかくお願いしてやった水田農業確立対策をより正確に誠実に実現していくためにも、また米の自給を堅持し、食管制度の基本を守るという立場からも、作況等を見ないと今から申し上げるのはどうかと思いますが、政府としてはあらゆる知恵と努力をして、農民皆さん方の不安がないような方法を講じていきたい。もちろん生産者団体の自主調整保管を初め、いろいろな多くの御協力をいただいておるわけでございまして、ここら辺の問題等も総合的に判断しながらやっていきたいと考えておるところでございます。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 ありがとうございました。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 私は、まず午前中に引き続き水産庁の方から先に質問させていただきますけれども、午前中ずっと捕鯨の問題を聞いておりまして、我が国の立たされている場が非常に厳しいことを感じました。実は私は用意した捕鯨の質問については午前中同僚の菅野委員、そして初村委員のお話で尽きておるわけでございます。で、一つだけ確認をさせていただいておきたいことがございますので、その点について質問させていただきます。  それは実は先ほど来水産庁長官のお話でございますと、この調査捕鯨を進めていく段階でPM法が必ず発動されるのではないかということが、かなり可能性を含めてお答えがあったわけでございます。実は私は五十九年九月にこの捕鯨の問題を当時の佐野水産庁長官に質問をさせていただいております。そのときに問題になっておりましたのは商業モラトリアムの方でございましたけれども、そのときに佐野水産庁長官は、私がこのマグナソン修正法の問題についてどのように考えるのかという質問に対して、私どもが一番考えておりますのは、アメリカの二百海里水域の中で操業しております我が国の漁船が、パックウッド・マグナソン修正法によって捕鯨問題の人質のような状態に置かれているということ、そのことをどうやって解きほぐしていくかという、この問題が核心であるというふうに思っているわけでございますというふうに当時答弁をしておられるわけでございます。  この問題につきましては、私どもは漁業の分野での日本の関係というのは互恵的な関係にあって、アメリカの二百海里水域内で操業している日本漁船というのは、確かにアメリカの二百海里水域内で魚をとらしてもらってはいるけれども、同時に、それを通じて日本側からアメリカ側に対してマーケットを提供するとか、技術移転が行われるとか、いろいろな形でアメリカ側にも便益が提供されているわけですからというようなことで、ずっとおっしゃっておりまして、しかし本件、つまり商業モラトリアムを解決していくためには、基本的にこの問題を解決しなければならないというふうに思っているというふうに二百海里水域内の問題を大変配慮しての答弁があるわけでございます。  実は、私はこの問題、先ほど午前中来伺っておりまして、軽視をなさっているというふうには思ってないんでございますけれども、かなりこの二百海里水域を守ることについて悲観的な立場に立っておられる。捕鯨と両てんびんにかけておられるというふうには私は思っておりません。ここにも七百人の従業員がおり、二十二隻の五百トン級の船が動いております。したがいまして、この北洋はえ縄、刺し網を見捨てるわけにはいかないわけでございまして、私、この辺に対する配慮、もう一度確認さしていただきたい。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) まさに御指摘のとおりでございまして、現実に一〇〇%アメリカ海域に依存しているわけでございます。この北洋はえ縄、刺し網は、大変な業界自身としても対米民間外交を展開いたしまして、アラスカ等ではかなり高い評価を受け、そのことが漁獲割り当てにも反映されているわけでございまして、したがって私ども、確かに現在七万五千トンまで落ち込んではいるわけでございますが、その中でも、まさに全当該漁業種類の生命が完全にアメリカ二百海里内の漁獲割り当てにかかっている漁業種類ございまして、年間百二十八億、直接従事者で六百人という人たちがこれによっているわけでございますので、先ほど来お答え申し上げておりますが、大変難しい道ではございますが、何とか調査捕鯨の実施について我が国の趣旨、意図するところを貫くと同時に、この北洋はえ縄、刺し網を中心とする漁獲割り当てもぎりぎりの限度は何とか確保する道はないであろうか。そのためにも八条に基づく権利の行使であると言うはもちろんでございますが、国際的な非難を受けることのないように、むしろ積極的に我が国の立場に対する国際的な理解を深め、それを背景に対米交渉を行っていきたい、かように考えているわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 この協会の申し入れは水産庁の方にも届いていると思いますけれども、私はこれを読んで、調査捕鯨が計画されているけれども、とにかく乗組員初め関係業界の路頭に迷うことのないように、このPM法が発動されることのないように慎重に配慮していただきたいということを言っておられます。それからその後段では、もし万が一そのような最悪の事態が出てきたときには当漁業に悪影響が生じてくる、その場合国においてもその被害を回復できるよう代替の漁場の確保等十分な救済対策を講じてほしい、こういうことがたしかそちらにも届いているはずでございますが、この辺についてのお考えはいかがでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 私ども基本的な立場としては、大変難しい道ではございますが、それを両立させることを考えておりますので、万一そのパックウッド・マグナソンが発動されたときを仮定してここでお答えを申し上げることは差し控えさしていただきたいわけでございますが、ただこの問題とは別に、北洋はえ縄、刺し網も一〇〇%アメリカ二百海里内に依存しているということは非常に不安定な状態でございまして、今後その捕鯨の問題を別にいたしましても、アメリカナイゼーションと申しますか、アメリカ内の漁業資源は一〇〇%アメリカで漁民が使うという方向は、これはアメリカの漁業管理の基本方針でございます。したがいまして、非常に不安定な立場に置かれますので、別途ソ連海域での操業が何とか可能にならないかということで、昨年の日ソ・ソ日地先沖合交渉におきましても、別途、有料での北洋はえ縄、刺し網のソ連海域の操業について合意がなされまして、現在、業界がソビエトの関係機関と協議中でございます。水産庁といたしましても、これは一つの例でございますが、その他その交渉の促進方を図ることはもとより、別途代替漁場につきましても十分可能な限りその操業海域を見つけることに努力してまいりたい、かように考えております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 当協会の方々も、アメリカの二百海里水域が発足する以前から自分たちは、先ほど来お話がありましたアラスカ州等に対しても各種の事業協力をたくさんしてきている、そして自分たちのこの水域において働いてきたその仕事、それを誇りにしているわけですね。だからぜひこういう方々の、小さな声であるかもしれないけれども声にこたえていかなければならない。非常に水産庁としても大変な問題だと思います、両方に対応していかなければならないことは。しかし何とか救ってあげていただきたい、このことをお願いする次第でございます。水産庁長官、ありがとうございました。  次に、私も、先ほど来大塚先生から米の問題が出ていましたが、生産者米価決定後のお米の問題を少しやらせていただきます。  まず大臣にお伺いをいたしますが、これまで大臣はいかなる場においても米の交渉については二国間協議には応じないという立場をずっと貫かれてこられたはずでございますけれども、けさの新聞によりますと、アメリカの農務次官が方針を明らかにしたということで、アメリカはガットの場と二国間交渉、これを並行で進めていくというようなことを明らかにしていもようでございますけれども、こういう問題にまずどのようなお立場で対応なさいますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) アメリカの農務省リン農務長官あるいはアムスタッツ次官、お目にかかる際には必ず二国間協議ということを主張されます。向こうが主張するたびにノーとはっきり言うわけであります。そうすると向こうは失望したと、こういうことでこの繰り返してございます。そこら辺、いろいろUSTRと農務省との関係等もあると思うわけでございますけれども、ある面では農務省は機会があることに我が国に対して二国間協議ということを主張してこられるだろう、そのたびにこちらとしてはだめだということを言わざるを得ないというのが今の日米間において米の問題を議論する場合の問題になっておるわけでございます。ただアメリカ側はアメリカの生産者のために言っておるんではないということ、日本の消費者のために言っておるんだということをいつも言うわけでございます。そこで私も、日本の消費者は日本の米がいいのでアメリカの米を希望してないということはたびたび私のところへも言ってきておるわけだから、変な錯覚をしないでほしいということも言っておるわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 日本の消費者のお立場までお話ししてくださってきているようですけれども、続けて伺いますけれども、大臣、この間ギャバートさんの発言のことを私御通告申し上げてあるわけですけれども、これは農協の方々にとっても、それから消費者団体にとっても非常に心外な話なんです。  概要を申し上げますと、これは共同通信等にもそのような発言をしているようでございますが、日本農業新聞がこのRMAの副会長ギャバートさんと会見をしたときに、日本の消費者団体がそろってアメリカの米を輸入するということを反対するというのは考えられない、おかしい、日本の消費者団体は農協から資金援助を受けているのであろう、こういう発言をしたと、こういうことなんでございますね。大変気性の激しい方だそうでございますけれども、それにいたしましてもこうしたことが公的な場面に走っていくような発言なんですね。いくようになりますと、我が国の消費者団体も黙ってはおりません。ただいま団体の関係者が英文で抗議文を書くということで、皆一生懸命知恵を絞って作業を進めておるところでございますけれども、大臣、こうした発言についてどのようにお考えになられますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 一部マスコミ報道でギャバートさんがそういう発言をされたということを聞いて、私は大変な不快感を持ったわけでございます。  日本の純粋な消費者団体等がいろいろ勉強して結論を出されておることに対し、そういうことを言われたということでございまして、消費者団体並びに農協関係両方が事実無根でありギャバートさんに抗議する、今刈田委員がおっしゃったような作業を鋭意進められておると聞いております。そして私も消費者団体の皆さん方にお会いして、あるときには涙がこぼれるほどうれしい思いもしたこともありますが、またある面で言いますと、私はこの消費者団体に対する責任の重大さというものと身の引き締まるような思いがいたしております。  それは米の輸入の自由化反対をおっしゃるとともに、それは消費者団体の皆さん方がおっしゃるのは、日本の米は日本の農業の根幹であり主食だ、そして国の自立の基礎としても自給すべきである、ここら辺はよくわかるのでございますが、さらに団体にも言って、おいしくて安い米を国民に食べさすようには、おまえしっかりしろよ、こういうお言葉も最後には必ずあるわけでございまして、そういう点につきまして、今申し上げましたように責任の重大さということと、さらにこういう消費者団体の皆さん方の御意向に沿うように私も頑張っていかなくてはならぬ、こういう気持ちを強く持っておるわけでございまして、ギャバートさんのああいう発言、そういう意味で大変不快感を持つとともに、ある面では我が国の実情、あるいはそういう消費者団体の御意向、真剣な態度を無視したギャバートさんのああいうことは大変残念に思えるわけでございまして、金に換算できない一つの励ましあるいは激励、あるいは広い視野で消費者団体が考えていただいておるという点等についても、責任を痛感しておるところでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 大臣、これは答弁要りませんけれども、大臣は、四月十六日から二十日あたりまでいらしたリン農務長官が日本に参りましたね。そのときにも農務長官に会われたし、ヤイター通商代表も見えられて、そのときにもしっかりお話をしていらしたわけです。日本の農業について理解を求めるということでお話をなさいましたね。それから先ほど来お話がありましたOECDの閣僚理事会にも出られて、わざわざ出向かれて、そして日本の農業の理解を求めるということで、あちらへ行ってこられたわけですね。  私は、そういう大変御努力をなさっておられる陰で、しかしこういう発言が出てくるということは、やっぱり大臣、まだノーだけじゃだめなので、もっと詳しく日本の農民の立場を丁寧に説明してこないからこんな話が出てくるのではないかなと私思って、これはやっぱりいささかまだ大臣の外交のどこかに足りなさがあったのじゃないかなんていうふうに思うくらい、消費者団体は怒っているんですよ。だから、ノーだけじゃだめなんですよ。もっと、そしてなおかつこうであるということを説明していただかなければならないのじゃないかなと思います。  ここに、ことしの一月二十日に十八の消費者団体でつくっております食糧・農業問題について国民的論議を求める消費者団体の共同声明というものが出ております。これに今大臣が言われた趣旨が全部載っております。集約するならば、これはさっきのギャバート発言に対する一つのコメントなんですが、集約すれば、過去にさかのぼっても消費者団体のいかなる団体も農協からただの一度も資金を受けたことはありません、このことが一つです。  それから二番目には、その共同声明、共同見解に述べているように、消費者は確かに安い食糧は望ましい、けれども日本の農業はただ単に食、米を提供するだけのものではない、日本の農業が果たしているその役割というものを、私たち消費者は十二分に理解をしているつもりです、だからこのような見解を出しておるのですというふうに申しておりましたので、さらにさらにこの消費者及び消費者団体の方々の立場を理解して、仮にも今後ギャバート発言のようなものが起きてこないように、ぜひ外交を強力に、日本の立場、特に日本の国民の立場、その国民の中には生産者とそして消費者が入っているわけでありますから、この国民がその米を論ずる、農業を論ずる主体であるということをしかと述べていただきたいというふうに私希望いたしておきます。御答弁結構でございます。  大臣、もしお仕事おありでありましたらどうぞ。  それから次に今度は食糧庁の方に・・

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ノーと言っておるだけではないんでして、米の重要性とか消費者の立場とかじゅんじゅんと説明はいたしておるわけでございまして、それを総括的にまとめてノーであるわけでございますから、会ったらすぐ頭からノーというのではありません。折衝はそういうものではなくしてやっておるわけでございますが、私のお願いは、きょう午前中も申し上げたわけでありますが、政府だけ一生懸命死に物狂いでやってもなかなか手も時間も足りない場合がございます。こういうときにはひとつ議員外交、国民外交も展開していただきたい。  我々としたら、アメリカにはテレビの三大ネットワークがあるのですが、それ以上の膨大なCAテレビ会社がある。そういうものも借りてこういうPRをしようとか、あるいは姉妹都市縁組をしている市と市との間を使ってやろうとか、あるいは友好団体対友好団体であるとか、あらゆる方法を講じて今やっておるわけでございます。その中には民間、国民の皆さん方の非常な努力もお力もおかりしてやっておるわけであります。政府だけあるいはまたノーと言えば済むというような問題ではなくして、非常な絡み合いもあるということだけはひとつぜひ御理解いただき、また応援をお願いいたしたいと思うところでございます。  それじゃ、失礼させていただきます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 食糧庁の方に伺います。  今年産の生産者米価引き下げが決まりまして、それに連動して政府は消費者米価のことについてもいろいろ考えておられるように聞くわけでございますが、あらゆる情報は生産者米価に連動して消費者米価も引き下げられていく予定であるということを前提に話が進んでおるようでございますけれども、今一番気になりますのが、その中で自主流通米の価格をどうするかという問題がまず消費者米価決定の時期を待たずに起きてくるのではないかというふうに思うわけです。それで、この自主流通米は言ってみれば政府が決定する価格ではございませんで、供給者側と需要者側が話し合いで決めていくわけでございますから、政府には責任がないといえばないわけですけれども、これまでですと、作業としては生産者米価の引き上げ幅プラス流通経費値上がり分なんかを乗せたような形でこの自主流通米の値段が決まってきていたやに聞くわけでございますけれども、この六十二年産の自主流通米の価格はどうなりますか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 六十二年産の自主流通米価格についてのお尋ねでございますけれども、本年産米、毎年超早場のお米というのが今ごろから出てまいります。今週から宮崎の超早場の米が出てまいりました。これにつきましていわゆる早場米の値決めというのが全国集荷団体でございます指定法人と卸との代表の間でこれから行われるということでございます。いわゆるその早場を除きました俗称通年玉というような言葉を使っておりますが、こういったものにつきましての自主流通米価格の値決めの問題は十一月ごろ普通行われるということでございまして、いわゆる本式の自主流通米価格の決定というのはまだ若干そういう意味で時間があるわけでございます。  自主流通米の建て値につきましては、今刈田先生おっしゃいましたとおり、これまで売買当事者間の協議によって設定をされてまいってきておりまして、本年産についても従来と同様の方法で設定をされていくものというふうに考えております。したがいまして、まずは当事者間のやはり協議、交渉ということを通じてやっていただくというのが基本でございます。  ただ、御指摘のとおり、自主流通米制度が発足をいたしまして初めて政府買い入れ価格が引き下げられたということがございまして、本年産の自主流通米価格の設定が両当事者でどういうふうに行われるかということにつきましては、私どもも例年以上に強い関心を持っておるところでございます。それで、今お触れになりましたように、これまではどちらかと申しますと政府買い入れ価格をベースにしていろいろな協議、交渉が行われてきたというのが確かに実態でございます。  それは売買逆ざやというものがございまして、いわば自主流通米がそれを乗り越えて流通をしなくてはいけない、そしてまた生産者側にいたしてみますと政府に売り渡すよりも自主流通に出荷をした方が何がしかのメリットがある、そういった状況のもとでそういう値決めの考え方がとられておったのだと存じます。しかし、本年政府買い入れ価格が引き下げになりまして、いわゆる売買逆ざやというのが今なくなっておる状況でございます。そしてまた、そういう意味では要するに自主流通メリットということをまず基本に考えてというのとは若干今までとは違った状況が生まれておるというふうに認識をいたしております。  自主的にお決めいただく価格でございますので、私どもの方から特に今ごろ早々といろいろ申し上げることがいいのかどうかという気もいたしますけれども、お尋ねでございますのであえて申し上げますれば、生産者米価に機械的、一律的に連動すべきであるというふうに必ずしも考える必要はないのではないか。先ほど申しましたような自主流通メリットとかあるいは売買逆ざやを乗り越えるというようなことが値決めの場合の非常に重要な要素であった状況とは状況がちょっと変わってきているということがございますので、本年産米の作柄なり、あるいは消費者ニーズを反映した市場実勢なり、あるいはまた現に行われております政府売り渡し価格、そういったものをもろもろ踏まえながら自主流通米なり政府米全体の円滑な流通が図られるように、そしてまた需給の実勢なら消費者ニーズにもこたえられるように決めてまいるというのが適当ではないかというふうに考えているところでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 もう政府米の話まで出てきたんで、私もちょっとあえてお伺いするんですけれども、今自主流通米と政府米との比率は自主が四で政府米が六ぐらいの関係にありますね。それで、私が仄聞したところによれば、食糧庁はこの比率をだんだん逆転させていきたいというふうなこともお考えになっておられるやにも私聞いておるわけですね。この辺のところ、そうするとどうですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) この問題は昨年の十一月の農政審議会の報告なりあるいはその前の臨調とか行革審とかいろいろな場での食管制度の今後の運営のあり方ということの中で民間流通の長所を生かした自主流通米の拡大をすべきであるという方向が出されておりまして、私ども、今米の流通研究会というものを、私の私的諮問機関みたいな形でございますけれども、流通関係の方、あるいは消費者代表の方、そしてまた第三者的な学者の方に入っていただきまして、自主流通米の比率と申しましてもそれを支える経済的な条件がいろいろございます。そういうものを検討し、そしてまた自主流通米を伸ばすとすればどういう点を改善していったら伸びるのか。条件整備をやらないで一律に政府米が引っ込むという形でできることではございませんので、そういった点について今検討をいたしておるところでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それじゃ、さらにちょっと話を進めて伺いますけれども、先ほど来、ことしもどのぐらいの作況がわかりませんけれども、できが大変よろしいというようなことも含めて、米が大分だぶつきぎみになってきていることは、これは政府米そして自主流通米もあわせて同じわけですね。それで、六十一年産米の自主流通米がまだ在庫があるわけでしょう。それがあって、そして大きな卸では手持ち分が普通従来だと大体五日から七日分ぐらいの手持ちを持てば通常なのに、一カ月分を持ち込んでいるというような話も私聞いておるわけですね。それで、こういうものの六十一年産米の値崩れというのも起きてくるかもしれないけれども、一番問題なのは政府の生産者価格に対して連動して消費者価格が下がるということが前提になるとすると、自主流通米は一体どうなるんですかという、そこのところだけがみんな消費者が知りたいんです。  いろいろ仕組みのことも今後の方針のこともよくわかるんだけれども、事実上そうすると、さっきのお話ですと、あえて生産者米価等と関係なしに自主流通米はその制度の中で従来どおりの考え方で進めていってもいいのではないかというふうに受けとめていいんですか。ちょっとよくわからないんですけれども。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 自主流通米の価格と申しますのは農林大臣が決めるわけでもございませんし、全国集荷団体でございます指定法人と買い手でございます卸の代表とが協議、交渉してお決めになる、そのルールは同じでございますということを申し上げますと同時に、今までは専ら政府買い入れ価格というものをベースにして考えてこられたということが過去のそういう値決めの場合の経過としてございましたけれども、その背景には先ほど申し上げましたような売買逆ざやだとか、あるいは自主流通メリットというのはなかなか確保しにくいという状況が背景としてあったわけでございまして、そういった状況が変わっておりますので、生産者米価に一律機械的に連動をするということではなくて、当然生産者価格も一つの考慮条件になりますけれども、需給の実勢でございますとか、消費者のニーズでございますとか、自主流通米と申しましても一本の値段ではございません。産地銘柄ごとによって価格が違うわけでございます。そういうことも多様な要素を勘案してお決めいただくような条件にことしはなっているんではないかということを申し上げたわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 六十一年産の自主流通米と六十二年産の自主流通米との価格が逆転するというようなことは仮にも起きないでしょうねという、もっと言えば、そういうことになるんですよ。その問題どうですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 先ほど来申し上げておりますように、両当事者で決めることでございますので、私がどうこうということを、どうあるべきだということを、本格的な価格の値決めという、十一月になります前に申し上げるのはいかがかと思いますけれども、少なくとも政府米について申しますれば前年産よりも当年産の米の売り渡し価格が安く、前年産の方が高いというような売り渡し価格を設定したことはかってございません。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それから、ことしの四月に六十一年産米の在庫についての入札を今までの制度と同じようにやりましたね。そうしたら大分残ったでしょう。そして、しかも建て値より安く落札したというような事実が出てきたでしょう。これはどうですか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 六十一年産の自主流通米の値決めにつきましては、これも売り手と買い手のお話し合いの中で、自主流通米の制度の運営の弾力化を図るということで、基本的な考え方としては年間流通量の相当部分、大体八割ぐらいを基礎的な流通部分として契約することによりまして自主流通米の安定的な流通を図ると同時に、残りのおおむね二割ぐらいの部分につきましてできるだけ市場実勢を反映した取引が実施されるように仕組みを導入しようということになったわけでございます。  こういった考え方で進んだわけでございますが、結果的に申しますと二百九十万トンの自主流通米の集荷量、この中には超過米のAランクのものを八万トンも含めた数字でございますが、このうち二百八十三万トンが基礎的な流通部分ということで、実は大部分が基礎的な流通部分に結果的にはなりまして、前年度と同一の建て値で契約されたわけでございますが、その差の残りの七万トンが残されましたために四月上旬に変動的流通部分の取引ということで入札が行われまして、卸からは五万トンの買い入れ申し込みがございまして、二万トン弱はまだ残っていわゆる自主調整保管の中に含まれているというふうに御理解していただいてよろしいかと存じます。  当初八、二でというようなことであったわけでございますが、六十一年産が初めての取り組みでもございましたし、三年連続の豊作で自主調整保管というような問題も途中から発生をしたというようなことで、結果的には全体の数量の二%強ぐらいが変動部分ということに相なったわけでございますが、やはり自主流通米に対する需要、それから年々品質別のやはり供給というものも地域ごとの作柄で違ってまいります。年々違ってまいりますし、趨勢的にも需要の強くなるもの、比較的弱くなるものというのがございますので、やはり考え方としてはこういった変動的な流通部分というものを設けまして、市場実勢をより一層反映する取引に前進を図るということはいいことではないかというふうに存じております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 年間一本の建て値でいくよりは、やっぱりそういう自主流通米の価格に対して弾力性を持たせていくというようなことは、私は今後の自主流通米に対する対応として大事な一つの事項だと思います。今八対二というふうな形のものになっておりますけれども、いろいろな条件があると思いますけれども、この辺の割合等もさらに考えてもよろしいのではないかというふうに思っておるものの一人でございます。  それから、次に政府米の方の問題でございますけれども、政府の在庫米の方でございますが、六十一年産米は今どのくらい残っていますか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 現在私どもが三月に立てました基本計画というのがございまして、これでは六十一年産米で米穀年度末、十月末に持ち越しますものを百五十万トン、これが回転して主食用として売っていける備蓄の限度であろうということで集荷団体の方に協力をお願いして、それを超えるものを自主調整保管ということでお願いしているわけでございますが、やはり三年続きの豊作というようなことで各段階にかなり在庫もたっぷりあるという状況でございますし、夏も暑い、ことしもやや豊作ではないかというようなお話もあり、多少やはり政府米の売り渡しの業務をやっている立場から申しますと、売れ足が思ったほど伸びない、こういった状況にございまして、いろいろこれから秋に向けまして販売業者の方々が買いやすいような玉を可能な範囲内で売却していくとか、あるいはまた自主流通米の方もぼちぼち新米が出てくるというようなこともございますし、通常政府米の場合は旧米穀年度内には新米を余り売らないということでございますが、お米全体のやっぱり消費を落ち込ませないという配慮も一方では必要でございますので、必要な範囲内である程度は新米も売っていくとか、いろいろそういった面での努力をこれからもしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。  なお、先ほど先生から在庫の日数のお話がございましたけれども、通常常識的に言われておりますのは、小売りで大体一週間ぐらい、卸さんで二週間ぐらいというようなのが通常常識的な数字として考えられておるのではないかなと思っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 六十一年産米が非常に残っているということでその処理方大変御苦労しておられるのではないかということが察せられます。七月から十月までの間に一カ月に三十五万トンずつとにかく供給をしてしまいたいというようなことも新聞で読んだわけでありますけれども、競争入札のようなものもなさいますか。今ちょっと触れられたようですが、五十六年法改正のとき制度化されておりますけれども、まだ一度も実施はされておらないこの政府米の競争入札、これはどうでしょう。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) 私ども、先ほど申し上げましたように、今米穀年度の政府米の売却、昨年の十一月からことしの二月期にかけまして、これは一つは自主調整保管を集荷団体の方で本格的にお取り組みいただくということが決まりましたのが十二月でございました。そんなことで、少し供給の面で自主流通の方が足が速く回ったというようなことで、昨年の十一月から二月にかけてちょっと落ち込みまして、三月から六月期にはかなりこれを回復をいたしたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたことしの十月末に政府米在庫を百五十万トンにおさめるということになります場合には、かなりの販売努力がいろいろ必要だというふうに考えております。  そこで、先ほど申し上げましたように、地域ごとの実態に応じまして引き取りやすい類なり銘柄なり弾力的に供給をいたしますとか、あるいは卸からも要望の強い新米を一部早場米地帯等を中心にできるだけ九月売却分から供給するといったようないろいろな創意工夫を行いまして、政府米の計画販売の促進を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。  お米のいろいろな売り方その他につきましては、いろいろ新聞で書かれましたり、あるいはまた、特に私がこういうところで御答弁を申し上げますと、それが翌日からのお米の売れ行きということにも直ちに響いてくる、こういう性格の問題であるということもひとつ御理解を賜りたいと存ずるわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 大変よくわかりますので、私も大変聞きにくいのであります。  最後に、生産者側の方に御迷惑をかけている自主調整保管の取り組みですね。これも進んでいるわけですけれども、この辺の現状はどうなっておりますか。

後藤康夫食糧庁長官

○政府委員(後藤康夫君) この点につきましては、三度の過剰の発生をぜひ防止する必要があるということで、集荷団体、生産者団体の方々には初めての経験でもあり、また費用負担も伴うということで大変な御苦労をいただきながら取り組んでいただいておるところでございます。  年間の需要量が今米穀年度最後に締めでどうなるかということはまだ確定はできないわけでございますが、昨年の秋段階で政府米、自主調整保管合わせまして百九十万トンぐらいの持ち越しになるだろうというのが、百九十五万トン前後かなという感じに今は相なっております。集荷団体の方々も自主調整保管が適切に行われますように、その在庫形成を意識した月々の販売に努力をしていただいておりますし、また、そろそろもう七月でございますので、地域ごとに自主調整保管されているお米がどのくらいどこの倉庫にあるかというような特定の作業などもいたしておるところでございます。食糧庁といたしましても自主調整保管の実効が確保されますように関係団体と協議なり、また場合によってはお願いもいろいろしているところでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 水産庁長官の説明を聞いておりますと、日本の捕鯨は絶滅するのではなかろうかということを心配している。魚をとるか鯨をとるかという話もありましたし、両方とりたいけれども成算があるわけではないという言葉もあったようですけれども、そうでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 大変難しい問題ではあるけれども、私どもとしては八条の権限行使に際して、国際的非難を受けることのないよう念には念を入れて検討した上に、その両方をとれるように努力してまいりたい、こういうことを申し上げましたわけでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 具体的にどういうやり方で両方がとれると考えておられますか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) ちょっと御質問の意味が理解いたしかねるのですが、情報がとれるというのはどういうふうな御質問なのでしょうか。

諫山博日本共産党

○諫山博君 鯨もとりたいし点もとりたいということを念願しておられるそうですけれども、どうすればそれが可能かとお考えですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 論理的に申し上げますれば、パックウッド・マグナソン法の要件に該当しないような方法で調査捕獲を実施することはできないかどうかというようなことでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 さっきアメリカの二百海里水域内の漁獲割り当て高減少は鯨とは直接関係がないということも言われたし、その根拠として割り当て高の減少は日本だけではない、全世界で日本の占めるシェアは減少はしていないという御説明だったようですけれども、そうでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) そのとおりでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 そうだとすると、漁獲割り当て高の減少は鯨と関係はないと言うんですから、鯨をとるか魚をとるかという二者択一は出てこないように思いますけれども、どうしてそれがつながってくるんでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 実はかつて我が国がモラトリアムに対する異議申し立てをいたしまして、これを撤回し、それを撤回するかわりに、アメリカはモラトリアムを発効後二漁期を限って日本が商業捕鯨を実行することについてパックウッド・マグナソン法を発動しないという取り決めをしたわけでございます。そのことを指して、その結果、それから二漁期だったわけでございますが、今日鯨も失い、かつ底魚も失った、こういう御意見が一部にあるわけでございまして、そのことに対する意味で私は両方というふうに申し上げたわけでございますが、ですから、鯨の問題のあるなしにかかわらず、米国の方針として米国二百海里内の漁業資源はアメリカナイゼーションする、アメリカの漁民になるべくとらせるようにしていくという方針がございますので、その中でこれは鯨の問題は一応別といたしましても、どうやって漁獲割り当てをできるだけ確保していくか、それ自体として大きな問題でございまして、そういう意味では鯨か底魚かという問題の立て方は必ずしも当を得てないという御意見はごもっともだと思います。

諫山博日本共産党

○諫山博君 世間では鯨をとるか魚をとるかというわかりやすい論理が広がっていると思うんです。魚をとるためには鯨が犠牲になっても仕方がないのかなというような考えもありますよ。しかし、さっきからの御説明を聞いていると、割り当て高の減少というのは鯨の問題と関係なくアメリカの政策だということだとすれば、二つを結びつける論理というのは成り立たないわけで、これはやはり国民的にも別物だということを明らかに説明する必要があると思いました。  そこで、次の問題です。初村委員から外務省はアメリカに対して弱腰だと言われました。非常に声高に叱責されました。私も同感です。ただ、これは外務大臣の人柄の問題、人格の問題なのかどうかは私にはわかりませんけれども、もっと重要なのは日本の政治全体が安保条約に基づいてアメリカに従属的な関係にある、ここから発していると思うわけです。そこでこの問題に関してですけれども、衆議院ですべての野党が共同で対抗法案を提出しています。この問題がことしの七月三日の農水委員会で議論されているわけです。それに対して水産庁長官は「直ちに対抗法との関係をどう考えるか、まだそれだけの用意はございません」と答えておりますけれども、今も同じような立場ですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 当時は現在のごとき形で調査捕獲に対するIWCの実質中止勧告というような事態はなかったわけでございます。私は先ほども御答弁申し上げましたように、国際条約で認められている権限を一国の国内法の運用を通じて規制しようとする、実質的に権限が行使できないようにしようとする事態を、そういうやり方ということについては大変不当であるというふうに認識しているわけでございます。そういう観点から申し上げまして、現在の時点でこの対抗法案をどういうふうに考えるかということでございますが、対抗法案の案の中には具体的措置といたしまして、我が国漁業者の伝統的な漁業生産活動に対し不当な規制を行った外国からの水産物の輸入の制限ないし禁止と当該外国からの輸入水産物に対する高率の関税賦課、こういう項目があったように承知しております。  しかしながら、これらの規定はいずれもガットの一条、十一条、十三条に抵触するおそれがあるわけでございます。ただいまのは輸入禁止の方でございますが、それからさらにこれに上回る関税を課することはガットの一条、二条、それから二十八条に抵触するおそれがあるわけでございまして、一方、これを客観的な国際交渉の場でアメリカ側のこのパックウッド・マグナソン法の評価ということになりますと、私どもとしては大変不当であるというふうに思うわけでございますが、およそ二百海里内の漁業資源をどのように使うかはそれぞれ沿岸国に主権が確立されているという考え方がほぼ定着しているわけでございます。その使い方の一つの態様であるというふうな論理の構成もできるわけでございまして、そのような観点から申しますと、さらにこれは水産庁長官としての立場ではございませんけれども、今のような法律上あるいは論理的な問題点のあるものについて直ちにこれを立法化するということについてはもう少し広い観点からさまざまに検討する必要があるだろう、政府部内におきましても外務省等とも相談する必要があるだろうと、かように認識しているわけでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 アメリカのやり方が理不尽だというような批判をされましたけれども、これに対して日本国として何らかの対応措置、対抗措置が必要だとは考えられませんか。これは場合によったら交渉の手段として使うことになるかもしれませんけれども、立法措置も当然あり得ると思います。そういう何らかの対抗措置をとってアメリカと強く対決をするということは考えておられませんか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) これは大変広い政策的観点からの判断が必要な問題でございますが、水産庁の立場からいたしましても、一方で明確にガットに抵触するおそれがあるわけでございまして、一方このパックウッド・マグナソン法の内容につきましてはIWCの条約との関連で極めて不当である。こういうふうに事柄の性格に若干、若干と申しますか、事柄の性格に違いがあるわけでございまして、今直ちに私の立場からいたしましても対抗法を立法化することがどうしても必要であるということを申し上げられない段階でございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 私は衆議院に提出された法案にとらわれる必要はないと思います。お願いしますだけではなくて、何らかの対抗措置は考えないのかと聞いているんです。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) これは交渉である以上お互いにカードをどういうふうに持っているかということが必要なわけでございまして、さもなければ交渉の立場は弱くなるわけでございますので、具体的に直ちに今その方法は思いつきませんけれども、何らかのアメリカに対して主張し得る武器があればそれは私どもの交渉もやりやすくなることは間違いございません。

諫山博日本共産党

○諫山博君 日本の捕鯨技術あるいは日本の鯨に関する科学的な研究は世界じゅうでトップレベルだと思いますけれども、いかがですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 私もそのように認識しております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 そうしますと、例えば日本のすぐれた科学水準を国際的に広めるというような努力、あるいは国際的な交流を図るというような努力があってしかるべきだと思います。日本の立場を科学的にも理解していただくし、国民的にも広く知っていただくということが必要だと思いますが、そういう努力は考えておられますか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 必ずしもはかばかしい成果を上げたわけではございませんけれども、私ども今先生が御指摘のような努力をしてまいったつもりでございますし、現にその結果モラトリアムが提案された当時に比較いたしまして、今回のIWCの会議におきましては我が国に対する理解を深めてくれた国が、直接あるいは間接でございますが、棄権という形で間接でございますが、我が国の立場を理解をしてくれた国がふえたことは事実でございます。今後ともそのような努力をしてまいりたいというふうに考えております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 私の聞くところでは、日本側は精緻な科学的な理論を展開する、ところがこれに対する反論が余り科学的とは言えないような、非科学的といいますか、感情的といいますか、素朴といいますか、そういう議論になりがちだと聞いています。そうだとすればやはり日本の科学的な水準を世界的に理解してもらうために、例えば専門家を外国に派遣して交流を図るとか、我が国で何らかの科学的なシンポジウムを企画するとか、そういうことがあっていいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 外国に科学者を派遣する、あるいは我が国でシンポジウムを開くという御提案でございますが、具体的な形はまだ実は部内で成案を得ておりませんので申し上げられませんが、いずれにいたしましても先生の御趣旨と恐らく私の理解では一致していると思うのでございますが、我が国の考え方を諸外国の科学者に理解させるための方途について現在いろいろ検討している最中でございまして、余り時間もないことでございますので、できるだけ早く実行に移してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 私は率直に捕鯨が世の中からなくなるのではなかろうかということを心配します。そして、それに対して、どんな困難があってもそういう事態を突破しようという気迫が農水省にあるのかなと率直に感じます。その点では、やはり相手がアメリカでなかなか扱いにくい相手であることは私も承知していますけれども、少なくともこの問題では、堂々と日本の立場を主張して理不尽な要求などを撤回させて、そして日本の捕鯨、世界の捕鯨を守るということを念願します。農水大臣いかがですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私たちも一生懸命誠意を尽くし、全力を傾注してやっていく覚悟でございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 終わります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 この捕鯨の問題なんですが、最初に明らかにしていただきたい点は、アメリカの理不尽さです。現在、ホッキョククジラは一応これは商業捕鯨で資源保護という立場から禁止。ところが、米国エスキモーは前年比九頭増の三十五頭とるというような状況になっていると思います。これ間違いないですね。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 数字についてちょっと手元にございませんので確認できませんが、ホッキョククジラの生存捕鯨の捕獲頭数が増加したことは間違いございません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 自国でそういう形でもって捕鯨を続けておきながら、IWCが一九九〇年までに、実際には調査をして包括的な結論を得ようということでみずから決定している、そういうことについても、その調査捕鯨をも禁止という格好で数を頼みに中止勧告を出してきた。このこと自体も、非常にこれはもう皆さん言われておりますけれども、理不尽の一つであるというふうに思いますが、どうでしょうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) アラスカの生存捕鯨の捕獲頭数を増加させることにつきましては、これは今回の会議の席上、いわゆるコンセンサス方式で認められたわけでございます。したがいまして、私ども日本といたしましては、コンセンサス方式でやることについて認めている以上、このことが不当であるとかなんとかいうことを言うべき立場にございませんが、ただ、外部のいろいろな識者の批判といたしましては、ただいま先生の御指摘になられたように、特にこの鯨の鯨種につきましては、条約上、絶対にとってはならないとされている鯨の鯨種でございますので大変疑問であると、そういう指摘がなされていることは事実でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 他の国の発言をかりて言われている、そういう今の長官の姿勢に実は問題があるんじゃないか。これははっきり言って理不尽ですよ。で、大臣が言われておりましたけれども、国際国家日本が今大事なのは国際的な協調だと言われました。協調というのは何でしょうか。みずからの主権を放棄することではないと思うんです。対等平等であり、自国の主権をきちっと守っていくことが大事なんじゃないでしょうか。大臣、そういうお立場でこの調査捕鯨の実施方、ぜひお願いしたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 各国がそれぞれ主権を持っております。そうして各国がそれぞれ自国の国民の生活向上のためにあらゆる努力をいたしております。そういう中で、経済大国といいますか、今日の日本の置かれておる立場というものもあるわけでございます。それぞれの国の立場を尊重し、それぞれの国の意見に謙虚に耳を傾けながらやっていくのが国際協調の精神だと考えておるところでございます。  そういう考えから、すぐ直ちに調査捕鯨そのものの御意見に移ったわけでありますけれども、けさほど来申し上げておるような立場であって、是は是とし非は非としてはっきりしていかなくてはなりません。しかし、それを行うにつけても、最大限の配慮ということを常に念頭へ置いていかなくてはなりません。勇猛果敢な突撃だけが是であるとは考えられない場合もあることを、私たちは冷静に判断しながらやっていかなくてはならぬと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は冷静か突撃かとかを言ったんじゃないんですよ。対等平等というのが今大事ですよと。自国の主権を放棄するような外交交渉では、魚も鯨もだめになるんじゃないか。で、その大きなポイントはIWCの条約の第五条の中できっちりと保障されております一九八二年におけるあの商業捕鯨の全面禁止というこのことについての、その保障されている異議申し立てを撤回したことにあると思うんです。その撤回した理由は何かというと、いろいろお述べになっておりましたけれども、アメリカのペリー修正法あるいはパックウッド・マグナソン修正法、これをつきつけられて、そしてその具体的な制裁措置、脅迫に日本政府が屈したということなんです。今お話にもありましたけれども、パックウッド・マグナソン修正法がどんな内容なのかということで、外務省の見解と言われておりましたけれども、確かに二百海里は二百海里法が適用されてから主権は沿岸国にということが一方ではありますけれども、一方では国際的な秩序や何かを乱していいということにはなっていない。これはもう長官御存じのはずなんです。そういう立場からのきちっとした外交姿勢、これが必要だ。で、場合によってはIWCからの脱退も辞さないで、IWCみずからが必要としているこの調査捕鯨ということをきっちりやるべきだということの必要性を私は強調しておきたいと思います。  そういう立場からの対応方、やれますね。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 今御指摘がございましたように、私どもはモラトリアム見直しの際の重要な論点である自然死亡係数というものをきちっとさせるためには、私どもの捕獲調査がどうしても必要であると考えておりますので、その実現を目指して最大限努力してまいりたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最大限努力したけれどもまた結果はこうでしたということにならない点で大事なことが、国際協調の基本は対等平等であり、そして平和と互恵だ、自国の主権を守ることなんだという点を繰り返し強調しておきます。問題なのは、私はこの鯨の問題も、それから今の問題になっております包括貿易法案ですか、これらも、あるいは核軍縮交渉もすべて日本国民よりも米政府の言い分に屈する、あるいはまた日本国民の生活よりも日米協調、つまり信頼関係、日米安保優先、ここに大きな問題があるんだという点だけははっきり指摘しておきたいと思うんです。  そこで、具体的に去る七月二十一日上院で可決されました包括貿易法案の問題について質問を移します。  局長にお尋ねしたいんですけれども、今回の上院における包括貿易法案の中身、いろいろありますけれども、全体としてアメリカ産業の競争力が非常に低下してきている、大変その点で焦っているということがはっきりしておるわけです。そんな中で第一に今明確にしてほしい点は、この包括貿易法案の中で農業にかかわる点でアメリカの農業保護政策について具体的に主張されているわけですね。それが一体何かという点なんです。例えばECからの鶏卵の輸入の監視、必要に応じては輸入の規制も発動するとか、あるいは輸出振興計画、EEPの予算をふやし、人的にもふやそうなどということが述べられているようですけれども、簡潔にポイントを御報告してください。

眞木秀郎農林水産省経済局長

○政府委員(眞木秀郎君) 今回のアメリカの上院におきます包括貿易法案の審議過程におきましては、米国農業の競争力強化という観点から相当な時間をかけまして議論が行われたと聞いておるわけでございます。その過程におきましてさまざまな提案が出たわけでございますが、最終的に農業委員会あるいは本会議を通じまして取捨選択が行われまして、最終的に残ったもののうち主なものが幾つかございます。  その一つは、ただいま下田委員が御指摘になりました米国の農務省の海外農業局、FASと呼んでおりますけれども、これの予算の増加あるいは活動の強化といったものがございます。それから、一定の条件のもとでございますけれども、現在米と綿花について適用されておりますマーケティングローンを一九九〇年度から小麦とか主要穀物等にも拡大適用するということがございます。それから、特定品の輸出助成事業といたしまして、市場拡大のための諸活動、主に相手の国々の中におきます宣伝費でございますが、これの助成の最低額を引き上げるといった点。それからまた、現在輸出振興計画というものをアメリカが実施しておりますが、とれの枠組みにつきましてその予算の増額を図る、このようなところが主な内容かと存じます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、お聞きのとおり、この上院の包括貿易法案の中で、アメリカ議会はアメリカの農民の要求を受けとめて、とにかくアメリカ国内の農業というのは保護なくしてやっていけないということで、その強化を主張していると思うんです。一方でそれに対して、日本に対して市場開放とか関税の撤廃だとか農業の保護をやめろだとか言っています。これは大変理不尽ですが、私が今大臣にお答えを求めたいのは、いずれにしても農業の保護というのは必要じゃないかということなんです。    〔委員長退席、理事水谷力君着席〕  かねてより私たち共産党は、とにかくつり合いのとれた経済の発展というのが基本なんだ、農業というのは何と言っても国の基幹的産業なんだ。そしてあれこれ言われるけれども、今国際的に見ても、みんな自給率向上のためにいろいろな保護をしている。そしてしかも国の主権にかかわる問題でもあるし、原則としては不足するもの以外は輸入しない。こういう立場から、生産条件や経済構造も違うんですから、やはり必要な保護はきっちりと強化すべきではないか、こういう考え方なんですけれども、大臣はいかがですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農業というものはもう私が改めて申し上げるまでもございません。食糧の安定供給、あるいは健全な地域社会の形成、あるいは国土、自然環境の保全といった重要な役割を持っておるわけでございます。これが単なる市場原理のみに任すというわけにはいかないというのはそういう理由によるわけでございます。したがいまして、各国もそれぞれの国に応じた独特の振興措置を講じておるところでございます。  我が国も限られた国土条件というものがあるわけでございますが、この中における農業の役割というものを発揮させていくためには必要な措置を講じていかなくてはならぬことは当然のことでございます。そうしてまた農政審の報告にもありますように、今後、構造政策等の推進によります農業の生産性の向上を図りながら、合理的な農産物の価格形成に努め、そしてそういう政策が国民の幅広い理解と納得が得られるようにやっていかなくてはならないと考えておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 明確になっていることは、日本においても農業の保護が必要だという点ですね。ところがアメリカの理不尽さというのは、この点でも鯨だけでなく言えるんですね。米国内農業の保護を強調しながら、一方この包括貿易法案の中の本体の中で何と言っているか。農産物貿易障壁を撤廃させることがガット交渉の第一義的な目的であるんだと、こういうことを述べながら、ガット交渉に臨むアメリカの最大の目的は何かというと、例えば米を含むアメリカ農産物輸入自由化、あるいは関税の引き下げをしろとか、牛肉についても来年三月までに自由化をできるように日本に圧力をかけなさいと、こういうふうに言われているわけなんですけれども、この点は議会の意図表明だけでなくて、米政府も一体になって賛成しているという点が私はやっぱり問題だと思うんです。    〔理事水谷力君退席、委員長着席〕 私は大臣にこの点で言いたいのは、米政府並びにこの米議会に対して何らかのコメントをなされたのかどうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 外交ルートあるいはその他のルートを通じて一生懸命努力しておるところでございます。そしてさらに、これが上下両院の両院協議会を通じて一本の法案になる際に保護色をより薄めてもらうための努力をいたしておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 具体的に大臣がどのようなコメントをされているか私は伺いたいんですが、少なくともこの上院の議会の法案の中で明らかに間違っている点があるんですね。例えばそのいい例が、日本の米価はカリフォルニア米輸出価格の二十倍だなんて言っている。これはもう黙っていていいはずがない。そのほかいろいろ言って、不正確な部分たくさんあるんですけれども、これらについては外交ルートを通じて云々だけでなくて、私は言うべきは言うということが大事ではないかと思うんです。  少なくともこの包括貿易法案の中での最大の問題の一つはスーパー三百一条、この問題ですね。不公正貿易慣行をとっている国を一方的に認定して、一方的に制裁措置をとる。このことについても大臣が何も物を言ってないとすれば私はこれは大変問題である。農業問題については議会の意見表明であるということだけれども、この農業分野も含めて、さあこれは不公正貿易慣行に当たるかどうかということになると一方的に認定されて、向こうが制裁措置をやってくるわけですから、私は物を言うべきだと思うんです。このスーパー三百一条なるものが何なのか。具体的に今経済局長からお聞きする気はないんですけれども、端的に言えば、一つは決定の権限を大統領からUSTR、つまり通商代表部に移す。そして国名を特定して貿易障壁を指摘する、直ちにその被害額の調査が始まる、で、制裁を法律で義務づけるというような内容なんですね。大臣、こういうような問題についてまさに物を言ってないというのは大変問題ではないかと思うんですが、明確に態度表明すべきだと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) スーパー三百一条の提案者ドールさんやバードさん、あるいはダンフォースさん、私個人は相当つき合いがあります。そういうことをしてもらっては困るということは言っておるわけです。言っておるけれども、さらにそれなら交渉に行くと言ったら、国会を召集しておるから行くことまかりならぬよという問題は、もう現実に田村通産大臣が行くときにもあったことは先生御存じのとおりでございます。そこら辺はよろしく御理解のほどお願いする次第です。  そして、いわゆるスーパー三百一条は一貫して輸入障壁、市場歪曲慣行を維持している国を認定して、かつ当該国の障壁、歪曲慣行を列挙してその撤廃または補償について当該国と合意を結ぶよう行政府に求めているものでございます。また、今もおっしゃいましたが、合意が成立しなかった場合には所要の制裁措置を発動するという内容になっております。一九七四年通商法三百一条というものは、日本国民がほとんど知るほど痛い目に遭っておるものでございます。さらにこれをスーパーという名がつくほど強化するというわけでございまして、発動の要件が客観性を欠くことや、あるいは直ちに対抗措置に結びついていること等から、我が日本もその問題点は強く今まで指摘しておったわけでありますが、日本ばかりでなしに諸外国からもこの問題点を指摘しておったところでございます。今回このような形で三百一条が実質的にも強化されるということは、問題をさらに大きくするものであると考えております。  したがいまして、この条項を含め、包括貿易法案のうち、先ほども申し上げましたが、保護主義的色彩の強い条項についてはその修正ないしは削除につき在米外交筋その他動員して議会、行政府に対して働きかけていくこととしておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今お話ありましたように、現行三百一条で日本国民が痛いほど今まで打撃を受けているという話ですが、皮革で、たばこでやられているわけです。それで、この三百一条なるものがガットなど国際協定から見てもまさに問題である、一片のアメリカ国内法が国際法にも優先するということについては遺憾である、昨年の十二月に私この三百一条問題で取り上げたときに大臣はそういう御認識をされました。少なくともそういう御認識があるなら、直ちに抗議なり、あるいは外務大臣は談話を発表しておりますけれども、そういう形での農相の対応がアメリカに行かずともあってしかるべきではなかったかと思うんですが、どうですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 政府の立場というのは外務大臣が発表するようになっておるわけでございまして、外務大臣談話は農林水産省の気持ちでもあるという、あるいは考え方でもあるということを御理解いただくように、この席をかりましてはっきり申し上げておきます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうすると、外務省ルートでやられたということなんですけれども、松永駐米大使が米上院議員百名に書簡を送っているんですね。大臣は、そうしますとその内容がどんなものであるかは承知されていると思うんですけれども、これは大臣に聞くのも酷なら、外務省ルートではなくて経済局長に、どのような書簡を送られたのか御答弁ください。外務省でないですよ。ちゃんと承知しているんです。

眞木秀郎農林水産省経済局長

○政府委員(眞木秀郎君) この法案の内容につきまして、一つ一つの問題点というものを農林水産省の関連部分につきまして列挙いたしまして、外務省と打ち合わせをして、それを外務省を通じてアメリカ側の方に説明し理解を求めた、こういうことであろうかと思います。その細かい一々の内容についてちょっと手元にございませんが、そういう調整をしたことを覚えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、こういう内容は農水省も御了解の上だということですね。いろいろ列挙されたやつは外務省から私もいただきました。特にこのスーパー三百一条関連のところなんですけれども、アメリカが一方的に何が不公正かを決めて一方的な措置をとるというのはガットなどの考え方にそぐわない、また不公正との言い方、決め方は恣意的による可能性がある、大統領に義務的に制裁措置をとるよう強制しているのは問題である、こういうふうに触れた書簡を送ったというふうに受けているんですが、間違いないですね。

眞木秀郎農林水産省経済局長

○政府委員(眞木秀郎君) 今下田委員が申されたことは、三百一条の問題につきましては、これは必ずしも農林水産省だけにかかわるわけではございませんけれども、とにかくやはりプレーヤーとアンパイアが一緒になって野球をやるようなものであるというようなことでございますので、今申し上げましたようなことも含めまして我々はもう少しそこらがおっしゃったとおりのきちっとした文章になっているかどうかまでは確認いたしておりませんけれども、基本的にそのような形であると承知いたしております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今正式にそういうふうになっているかどうかも承知していないということなんですけれども、私、そこが問題なんですよ。  実はこの松永駐米大使がお出しになった書簡の代表的なものをくれと言ったら非公式だ、発表できない、渡せない。国会は国権の最高機関なんといったって、国会でそれを明らかにしてくれ、出せないと、外務省言っているんですよ。しかも対日農産物関係交渉のところでは、条項のところでは何と言っているか。アメリカ国内農業政策の方向は対日市場開放要求との整合性の点で問題があるというような指摘をしつつも、こっちに移りますけれども、大臣、外務大臣談話、このことについては、そうすると大臣も了承してやられているわけですね。  談話は、大きく言って二つですけれども、二項目のとにかくこの包括的な貿易法案が通らないようにしてくれと、こう言いつつ、こう言っているわけです。米国内における良識ある動きにも期待しつつ、引き続き極力保護主義的法案が成立しないよう我が国自身の不均衡是正の政策努力を含めあらゆる努力を傾注していきたい、こういうふうに言っているんです。  で、この外相談話が出た二十三日、二紙がこういう報道もしています。柔軟な対応を図られるように国内調整を早急に進めるということで具体的なことまで挙がっているわけですけれども、つまりこのことは、農産物においては市場開放をさらに強めていくということも含められているのではないかと思うんですが、大臣の考えを聞く前に、外務省、そういう意味なんでしょう。

田中均外務省北米局北米第二課長

○説明員(田中均君) 外務大臣談話のその部分の趣旨でございますけれども、外務大臣といたしましては、やっぱり日米間の六百億ドルにも上る不均衡というのはそれなりに日米間の非常に強いいら立ちになっておりまして、これについては日本としてもやはりありとあらゆる政策努力を行って不均衡の是正に努めていかなければいけないという趣旨のことを述べたものでございまして、具体的には従来からやっております例えばアクションプログラムでございますとか、緊急経済対策というようなマクロ面での対策も含めまして日本としてやるべきことはやるということを申し述べたわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、そういう点でやるべきことはやるということで、市場開放、譲歩されるんですか。具体的に十二品目のこの交渉、間もなく始まります。一定の譲歩やむなしという考えですか、どうですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 十二品目は、御存じのように今ガットの場に提訴されて、パネリストの場にゆだねられておるところでございます。このガット・パネルの裁定というものは、私いつも申し上げておるように予断を許さない状況にあると、こういうことを申しておるところでございます。  それから、また一方我が方としては、今まで日米間の困難な問題というのはたびたびあったわけでございますが、両方が徹底した話し合いをやって、両国間によって解決してきたことも数々あるわけでございます。そういう点で両国間の協議という問題もパイプをつないでおるわけでございます。しかし、そういう過程においてもアメリカは十二品目全部をフェーズアウトしろ、あるいは完全自由化しろという要求があります。私たちは、それに対してはアメリカの言うことを全部のむわけにはいかないという気持ちもたびたび述べておるわけでございます。  そういう経緯と経過があるわけでございますし、これからの展開はある面では予断を許さない厳しいものが来るわけでございますけれども、そのこととこの外務大臣の談話の対外不均衡是正ということとを直接結びつける短絡的な考え方はひとつおとりいただかないようにお願いしておくところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 二つの問題を一緒に聞いたからあれですが、外務大臣談話の市場開放というようなことについて、農相が譲っているのではないんだよということですね。  同時に、十二品目については、全面自由化というアメリカの要求についてはとてものめない、しかし、という含みがあったかと思うんです。一部譲歩かという点も、これはやっぱり問題だと思うんですよ。きょうの農業新聞を見ますと、民社党の皆さんが二十八日帰国をして、十二品目では一定譲歩しなきゃならないだろうというようなことを言っておられるんですね。私は、どの党がどうかというんではないけれども、この十二品目でもって譲るべきは譲るなんという態度は、うちはやるべきじゃないということをはっきり言いたいんです。  なぜかと言いますと、アメリカは落花生等についても全部国内保護していますでしょう。それから問題になっているプロセスチーズなんかも今回譲歩しなきゃならないかななんという話が出ているようですけれども、大変問題だと思うんです。特に加工トマトなんかにつきますと、これは転作作物の重点になっていまして、私の福島県なんというのは全国加工トマト農家一万三千戸のうち約二割占めているんです。大変な状況の中で、トマトジュースならいいかなんてことで、これはもう譲られたらたまらぬということをはっきり申し上げておきます。  そして、もう時間がないからまとめて言いたいんですけれども、アメリカ政府自体が、今後十年間の間にいろいろな障壁を取り除いて保護をなくそうというようなことを七月六日に新ラウンドで提案しているわけです。私はこういうアメリカの政府のやり方というのは大変問題だと思うんですね。日米間の信頼関係と言っておりますけれども、一方的に裏切られているのは日本ばかりじゃないですか。アメリカの場合には、貿易赤字、財政赤字のその穴埋めを農業予算でカットしたい、そう思いながらも、逆に八〇年、八六年と見てみますと、価格支持予算だけでもアメリカの場合には七・○八倍になっているんです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) もうちょっと多いです。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そう。そして、日本が三八%減なんです、逆に。  それだけよく知っているのに大臣、どうですか。畜産物価格は下げるわ、それから麦価は下げるわ、それからお米は下げるわ、その結果どういうことになりますか。今、農産物生産が一〇%カットされるとどういうことになるか。東北地方でその影響額、東北農政局自体が調査されております。約二千億円になる。これは雇用にしますと二万人にも相当する、いや七万人にも相当する重大な地域に対する影響を挙げているんです。そういう中で、本当に日本だけが忠実なレーガン大統領の副官中曽根内閣、農業つぶしというふうに言われる。言われても仕方ない。だって現実にそうでしょう。こういうようなことを黙っていていいのかということ。  いろいろ申し上げましたけれども、大臣の決意のほど、あしたいよいよ六十三年度の概算要求のシーリング枠が決められるわけです。防衛予算は六%をめぐり攻防かと、こう言われております。農業の方は決められた枠の中でせいぜいやるという姿勢ですか。それとも最大限本当に日本の農業を守るという立場で具体的に結果が示していただけるような交渉をされるんですか、どちらですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) シーリングの決定というのは昭和五十三、四年ごろから始まりまして、私もそのシーリングの基準を決めたその筋の一人であります。したがいまして、今回内需拡大、緊急経済対策、そういう問題を含めて、一部シーリングの見直し、並びに今衆議院で議論していただいておりますが、NTTの株の売却に伴う使途、いろいろな問題がありまして、六十三年度以降はそういう問題についての議論もあるわけでございまして、このシーリング問題につきまして必死で頑張ってきたところでございます。そして御存じのように、新行革審におきましても、良好な国土、それから生活環境の改善等々をこれからの予算の一つの柱にすべしという答申をもらうのを必死で頑張り、そしてあすの閣議におきましては、そういう問題を踏まえた上でのいわゆるシーリング、概算要求基準が決められるわけでございますが、今まで減る一方であり、膨大な額が毎年切られておった農林水産省の予算の概算要求基準というものを、ふやすところまではいかないかと思いますが、減りぐあいを相当少なくしたと。そしてそういう中で・・

下田京子日本共産党

○下田京子君 また減るんじゃないか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) まだ決めておらぬのですよ。  そういう中で重点的配分、あるいは農政の目的を達成していくための傾斜配分等々を十分に配慮した予算にいたしたいと考えておるところでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 まず、捕鯨の禁止の問題について御質問をしたいと思うんです。  我が党は、特に全日本海員組合から農水省に対してIWCの今回の捕鯨委員会についても事前に要請書も出ておるところでございますが、また、この海員組合自身もIWC事務当局や、それからIWCの議長並びに加盟各国に対して要請書を送っているところでございますが、その中で一部を特に、まあ農水省は御存じでしょうが、発表いたしますと、   本組合は、一九八二年のモラトリアム決議は  到底容認できるものではないが国際捕鯨取締条  約第八条に基づき、IWCで決定された「付表  第十項。」と「科学調査のための特別許可に関  する決議」に沿い、鯨類の科学的資源調査が実  施され、資源の包括的評価を経て(e)の規定の修  正および他の捕獲頭数の設定の検討を求めるも  のであります。   我が国は、一九七八年よりIDCR(国際鯨  類資源調査)を実施し、IWCに多大な貢献を  してきたところであり、特に鯨類の資源状態の  調査のために本組合組合員が果たした役割は、  高く評価されるべきものと確信致しておりま  す。   また我が国の小型捕鯨は、地域住民の鯨食文  化の保存と捕鯨漁民の生活権保障上からも維持  されるべきものであります。こういうふうな具体的に要求を出して、もしもこれが認められない場合には政府に対していろいろの対抗策を要求する、こういうような中身になっております。  したがって、今年の三十九回の年次会議の結果の概要を水産庁からいただいたのを見ますというと、この調査捕鯨についても禁止的な決議が行われているようになっております。したがって、我が国は第八条によってこの調査捕鯨は禁止されていない、条約上保障されているんだからやるんだと言っていても、この決議、三十八回の決議や今回の決議を見ると、どうも我が国固有の権利として調査捕鯨はできるんだけれども、それをやるに当たっては、科学調査のための特別許可に関する決議でもって特別許可というようなものをとらなくちゃいかぬのじゃないかと認められるんですが、実際我々の決議によって調査捕鯨はやるというふうに決めた場合に、IWCの特別許可手続をとらないとやれないと、こういうふうな認識でいいわけですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 長官からその問題についてお答えいたさせますが、先ほどおっしゃいました要望書の要請の件でございますが、私も直接塚本委員長からお聞きしておるということを申し上げておきます。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 特別許可の発給は、八条に基づきまして締約国の権限ということになっておりますので、条約上は特別許可を出すことはできるわけでございます。ただ、私どもはIWCの少なくとも精神には反する決議ではないかと思うわけでございますが、我が国の調査捕獲の延期の勧告がなされているわけでございまして、そのことは毫も条約上の権利の行使を妨げるものではございませんけれども、やはり十六カ国がそれに賛成しているわけでございます。このことの重みをどういうふうに受けとめ、今後調査捕獲を実施する上でその手続あるいは方法に反映させるべきか、それを私ども現在検討中なわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、この特別許可というふうな決議というのは、これは国がやるということで、IWCに日本が特別許可を申請するということでは、それを意味しているわけではないんですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) まさに今御指摘されたとおりでございまして、締約国が特別許可を発給するということでございますので、IWC上の手続は必要ないわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 それでは、ぜひひとついろいろの困難があろうが、調査捕鯨の継続をできるように御努力を願いたいと思うわけなんです。  殊に、これは海員組合にとっては組合員の死活の問題であるとともに、私なんかが聞いたところでは、こういう技術者が、調査捕鯨がなくなると、将来商業捕鯨が復活してみても、その技術者や船員がなくなると、これは実際上復活は不可能になってしまう。船がなくなる以上に、そういう人材がなくなるということは、この捕鯨の事業そのものの復活が不可能になる。こういうことも聞いているわけでございますので、調査捕鯨の実施については、特にひとつ勇気を持ってやっていただきたいと思います。  それからもう一つは、捕鯨に三種類があって、南氷洋の捕鯨はこれは禁止で皆承知しているわけですね。それから沿岸大型捕鯨業も沿岸小型捕鯨業も、いただいた資料によると沿岸大型捕鯨業では六十三年の四月、沿岸小型捕鯨では今年の十月以降は禁止というふうになって、これはもう日米間で禁止というのは了解されたことになっている。したがって沿岸捕鯨はこれをもって終わり、こういうふうに考えておられるわけですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 我が国の沿岸捕鯨につきましては、ただいま先生の御指摘もございましたように、大型捕鯨、小型捕鯨があるわけでございまして、それらにつきましてはそれぞれ日米間の了解に基づきましてモラトリアム発効後二漁期を限り日本が商業捕鯨を行うことについて米国はPM法を発動しない、こういう了解事項がございます。したがいまして、ただいま御指摘のございましたような時期になりますと、商業捕鯨はできないことになるわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうしますと、何というんですか、沿岸大型捕鯨業に従事しておる二百五十一人、それから沿岸小型捕鯨業に従事している八十九人という者のこういう問題、失業問題やら転職問題が生ずるのですが、これに対する水産庁の、またこれは従業員ばかりでなくて業者の方も転業なり何なりがあるわけですが、総合的にどういうふうな対策を考えているか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 沿岸大型捕鯨、沿岸小型捕鯨のうち、その一部につきましては生存捕鯨としてIWCの枠組みの中で正式に認知させるべく、私ども来年の会議を目途に努力している最中でございます。この沿岸小型捕鯨業につきましても、そのすべてを救うことは現在IWCで認められております各国のいわゆる生存捕鯨との均衡から考えまして難しいかと思われるわけでございまして、その意味では、沿岸大型捕鯨はもとより沿岸小型捕鯨の一部につきましても操業できなくなるものが出るわけでございます。  これに対する対策でございますが、沿岸小型捕鯨の一部は今の条約上は禁止されていないゴンドウ、ツチクジラというような鯨種の捕獲をやっております。したがって、それは一種の自主規制を行っているわけでございますけれども、その規模をどうするか、それからまた、ただいま申し上げました生存捕鯨をどういうふうな内容のものとして構成してIWCの会議に臨むか、この辺の要素によってその影響の出方がいろいろ異なってまいるわけでございますので、私どもただいま申し上げました作業と並行いたしまして、それぞれの地域に与える影響を綿密に検討し、何らかの対策を講じてまいりたい、かように考えているわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 捕鯨の問題は国際間また国内的にもいろいろ大きな問題が控えておるわけですが、まあひとつせいぜい努力していただきたいと思います。  それでは次の問題で、ひとつこういうような漁業が重大な危機になっておるわけですが、何といっても沿岸の漁業の開発というものが必要だろうと思うわけなんですが、これは前にも一遍ちょっと質問したことがあるんですが、魚礁や魚田の開発の新しい施設はいろいろ農林省もやっておられるんですけれども、一定の湾内が汚れていくやつについての対策についてまだ聞いてない。  これはたまたま愛知県の中で、新聞と運輸省の係官一緒におったんだけれども、ちょっと聞いてみたら、三河湾の泥土を鎮圧するやつについて、運輸省の方は航路を開発するため、三河湾の中に一定の水路を掘るために砂が出てくる、その砂を泥土の上へまいたらその泥土が鎮圧されるであろう、そうするとその泥土によって海底の魚種が絶滅するのを防ぐことができるんじゃないかということで、運輸省とすれば、三河湾の衣浦港へ入ってくる、伊勢湾から衣浦港へ入ってくる通路をしゅんせつするために砂が出る。砂を両側の沿岸の泥土にやって、それで泥土で汚れたやつを解消しようというやつがあるというんだが、これは御存じですか。それともまたそういうようなことについて、愛知県は漁業泥土の対策として非常に望んでいるというような回答だったんですけれども、本当に農林省の方も、こういうようなものの実験として、果たして湾の中の海底の魚族を再生するために、いいか悪いかというのはやってみなきゃわからぬけれども、そういうことについての積極的な関与なり試験について注文なりを、運輸省が砂を乗せるについては、何かしたやつについて、これは調査、実験やることは必要だと思うんだが、どういうふうな態度でおられるか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 三河湾のような閉鎖性水域において最近水質汚濁、いわゆる富栄養化の進行が大変深刻な問題になっていることは十分承知しておりまして、水産庁の立場からしても無視できない問題でございます。私どもも、昭和五十一年度にスタートいたしました沿岸漁場整備開発事業の一環といたしまして、水質または底質が悪化し、効用の低下している沿岸漁場を対象にいたしまして、ヘドロのしゅんせつや覆砂——海の砂を二十センチほど海底にまいてヘドロを抑えるという、そういう工法でございますが、等によりまして漁場の生産力の回復を目的とした沿岸漁場の保全事業を実施しているところでございまして、全国数カ所で現に事業をやっております。  運輸省のただいまの御提案、私ども内容は了知しております。大変結構なことでございますので、得られました知見等も有効に利用し、両省相協力いたしましてこの海域の水質汚濁の問題に対応してまいりたいと考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 これはそういうことでもう前に実施されているということなんですが、そういう汚泥の鎮圧または汚泥地帯の魚田の開発として効果がどういうふうにあらわれたというふうな、やられたやつの後の実効、いい結果というようなものは具体的に相当出ておるんですか、まだそこまでは至ってないですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) ただいま私どもが実施しております事業は、愛媛県で六十年度から、熊本県で六十一年度、六十二年度からでございまして、現在いずれも実施中あるいは終わりましてまだ間もないものでございますので、その効果を明確な形で申し上げられるだけの材料を手元に持っておりません。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 ぜひ三河湾もその実験場の一つに加えてやってもらう。あすこは非常にカニやシャコのいいのがとれるところなんで、ひとつぜひ頼みます。  それから、これも一遍質問したことがあるんだが、今度の緊急経済対策には間に合わなかったかもしれぬけれども、リゾート法の開発やなんかでもこれ加えてほしい、こう思っておるんですが、レジャーの中で釣り人、釣る人が非常に多くなっている。これは海にも山にも、まあ山というんじゃなくて山に流れる川、川の釣り人も非常に多いわけだ。ところが、私が見ている限りにおいて、釣り舟の対策、それからその釣り舟が港におって釣り人に対しての乗りおりの保護対策、それから釣り人というのは町からずっと電車や車で行くわけだが、殊に車で行った場合の置き場に非常に困るわけだ。そういうものを、リゾート対策の中にぜひ釣り人対策、釣り舟の対策というものをやってもらうと、これは釣り人を泊める宿泊施設にも役立つし、私は非常にリゾート法の施行の中に釣り人対策というものをぜひ入れてもらいたいと思うんだが、そういう計画を実行、拡大していってもらえるかどうか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 最近における遊漁人口の増大はもうまことに目覚ましいものがございまして、これは今後ともとどまるところを知らず増加する一方であろうというふうに認識いたしております。もちろん釣り人行政の所管ということになりますと、先生も各省間の権限争いの難しさはよく御承知かと思うんでございますが、ただ、私ども水産行政の立場からいたしましても、これを我が所管の外であるということにしては、もはや水産行政そのものがやっていけなくなっているわけでございます。  今お話ございましたように、せっかく漁港施設をつくりながら、そこに遊漁のために来た車が全部駐車しちゃって荷さばきのためのトラックが入れないなんという現象が出ているわけで、やっぱり排除するだけではこれはだめなわけでございまして、それを計画的に受け入れる施設をつくっていかなきゃいけない、こういうことでございまして、実は大臣からも、今回のNTTの株式売却益による公共事業の推進等について、全く一つの活用すべき分野ではないかというふうな御指示もいただいておるわけでございまして、第九次漁港整備計画等においてもそういう考え方も入れてまいりたい、かように考えているわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 本当にこれは権限争いがあるかもわからぬけれども、僕が見ている限りにおいては各省何もやっていない。どこもやろうとしない。だから私は、やはり漁港を持っている漁業組合、それからその当該の市町村を説得さしてやるというのは、やはり水産庁が一番いいんじゃないか、イニシアチブをとって、船と港を持っているわけだから。それに関連して、しかもトラックと乗用車、先に乗用車に占領されちゃうようなことからいっても、非常にやはり推進する主体のところがないといかぬと思う。市町村が主体になっても、それをやらす主体が各省の中にないといかぬと思うが、これはぜひひとつそういうことで、僕が見ていると、各省どっちかといえばまだ手をつけない方だから、どっちか先に手をつけた方がいいわけなんだから、権限争いよりか権限を実行しない方になっているから、ひとつぜひ。  それから、これと同じようにもう一つは、レジャー施設としてマリーナの何というか、これは釣り人じゃなくて、ボートの遊びをやるのにそれの港がなくて困っている。僕は今度のレジャー施設の中でそういうボート場の施設というものがぜひ必要だと。海水浴場とともに必ずボート施設がなくちゃいけない。これはハワイヘ行ってもどこへ行っても、ちょっと見りゃすぐ大きなボート施設が、港があるわけです。ボート、あれつくるだけでもそれは大変な産業の振興にもなり、こういうもののひとつ船を泊めるところということになってくると、漁船でないと運輸省だということがあるかもしれぬけれども、やはり船を浮かべて遊ぶのに船が漁業の網を切るとかなんとかいうようなこともよく聞かれて、漁業組合やなんかが反対しているというようなこともある。これもぜひひとつ水産庁はそう言わぬで海をもっと開放せいと、こういうようなことでやってもらいたいと思うんですが、いかがですか。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) この種の案件について水産庁がやや消極的であったことは率直に申し上げてあるわけでございます。と申しますのは、大変その地元での漁業調整の問題が残るわけでございまして、マリーナを設置しているその当該漁協の地域内にはいろいろお金も落ちでメリットがある。ただ、その周辺の漁業者にとりますと、そういう施設ができたために遊漁で自分のところの資源がみんな持っていかれてしまう、したがって反対だということになりまして、結局だれかが入りましてその利害関係の調整をやらなきゃならないという大変労の多い調整問題があるわけでございまして、そのことが非常に消極的にさせた原因であろうかと思うわけでございます。  客観的な世の中の動きを見ておりますと、そういう姿勢だけで終始することには社会的に見ていろいろ問題があるかと思いますので、私ども漸次積極的に行政がそういう調整問題に関与して、その地域全体の経済水準の向上に役立つようにしてまいる必要があるのではないか。法制的にもリゾート法その他いろいろできてきているわけでございますので、そのような法律等を武器といたしまして御指摘のようなことに努力してまいりたいと考えております。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農林水産大臣もリゾート法の共菅大臣でございまして、各県が今後どの地域を指定してどういうプランを持ってくるかということが一つのポイントでございます。そして、それに対して国が許可その他をする場合には、今三治委員がおっしゃいました精神をよく踏まえて、点検、チェックはしていくようにしたいと考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 よろしくお願いいたします。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 あらかじめ申し上げておきたいことは、持ち時間が制限されておりますので舌足らずのことがあることを気にしておりますので、その点あしからずひとつ受けとめていただきたいと思います。  まず、大臣にお尋ねしたいんですが、この捕鯨問題について、これまでの経過に目を通してみまして率直に感じますことは、アメリカ主導型のIWC、経過においてさんざんといいますか、理不尽といいますか、日本は振り回されてきておるなということをこの経過を見ましてしみじみと感じます。特に最近におけも捕鯨会議の経過を「悪夢の中の捕鯨会議 白夜のボーンマスの憂うつ」と、こういう見出しで記録されておりますが、時間がありませんので、これに目を通しただけでも本当に義憤を、憤りをこの喜屋武も感じます。こういう状態の中で今日までIWCが進められてきた、こう思われてなりません。  さらに、その会議中における日本のマスコミの報じた切り抜きを見ましても、一つとして明るい希望に満ちた記録というのは見当たりません。みんな暗いイメージの義憤を感ずるような、不安を感ずるような、こういうマスコミも報じております。このことから、時の政府は、あるいは特にその担当責任の衝にあられる農水大臣はどのように反省をし、決意をしておられるか、このことがきょう知りたいことであります。  そこで、この捕鯨問題に対する基本姿勢を明確にする必要がある。もと立ちて末起こるというこの基本姿勢の明確さがはっきりしない限り、これはまたもとのもくあみ、押し流されていく以外ない。そうなるとすれば、これは国や大臣の重大な責任というのは、その姿勢が国民、いわゆる主権在民に対して幸せにつながるか、不幸につながるか、希望につながるか、失望につながるか、こういうことに直結してくるからであります。私はそういう認識においてこの問題を重視してまいりたいと、こう思うんです。  そこで、大臣にまず問いたいことは、今度こそ我が国の捕鯨に関して長期的展望に立って正当性のある主張を貫き通すべきであると思うのでありますが、いかにお考えでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) きょう当委員会に朝から今まで出席させていただきまして、各委員の熱心な御意見を承りながら、私もいろいろ考えさせられる点があったわけでございます。ある面でいいますと、自然環境の保全ということと反捕鯨ということをどういう線で区別していくか。そしてまた、別の面でいきますと、我が国内の行政においても、科学的正当性をいろいろ言っても、環境団体の科学的論拠でない感情的な問題等もたびたび議論されてきたことを今思い浮かべておるところでございます。  そういう中で今回のIWCの一連のああいう問題について長期的展望に立った正当性を貫けと、こういう御指示、御意見だと思うわけでございますが、政府としては今後とも反捕鯨勢力の圧力に屈することなく、モラトリアムの見直しに向けて最大限の努力をしてまいる決意でございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 今の大臣の御答弁、私が問題にしたいことは事実は何よりの真実であるということなんで、そのことを私は期待いたします。  次に、水産外交の基本姿勢、今まで述べられたこともその一環であると思いますが、その観点から、結論を先に申し上げますと、水産外交の基本姿勢といえども日本外交のいわゆる国の姿勢、基本姿勢なくして水産外交の基本姿勢ということは期待できないということなんであります。そういう観点から一つ、日本は今世界一の水産物輸入国であるというこの厳たる事実を、この有利な立場を持っておるわけですが、この点についてどのようにお考えになっておられるか。そして、このことを水産外交の面あるいは国際外交の面からどのように踏まえてそれを発揮していこうと考えておられるか、お聞きしたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 食生活の習慣、パターンあるいは伝統といろいろあるわけでございます。例えば牛肉の消費量は、アメリカ人は日本の八倍ぐらい。ところが一方、魚ということになりますと、日本人の魚の消費量はアメリカの十倍ぐらいである、こういった問題もあります。そういう中で国民に魚というものを安定的に供給していくという非常に重要な任務があります。これは私は、外国に向かっては今喜屋武委員がおっしゃったと同じように最大の輸入国であるということを申し上げておるんでございますが、また一方考えてみると、これが日本の水産外交をやる場合の長所ともなり、あるいはまたある面では弱点にもなっておるのではないかという感じはいろいろ折衝をいたしておりまして率直に感ずるところでございまして、ただだ単に食生活のそういう面だけでなしに、関連しておる多くの関係者が水産にはおられるというこの背景等もあるわけでございます。  そういう中でいろいろ最近ありますけれども、考えてみますといわゆる二百海里というものが、二百海里内の漁業管理権の確立というのが次々国際的に行われていくという趨勢の中で、過去の我が国のそういうもろもろの水産における業績という問題が考慮されずにやっていくというところに水産外交のより厳しさというものが生まれてきておる、こう思うわけでございます。  こういう大きな立場から考えまして今日のものを考えますと、相互に二百海里内、日本も二百海里を持っておるわけです。相互の二百海里内に入漁する国、例えばソ連対日本、きょうも小名浜港へ二隻入ってまいりましたが、相互割り当てのバランスをとるという方法、こういう方法があります。ところがまた、我が国が一方的に入漁している国、こういう国があるわけであります。それはもうけさ来いろいろ議論の中にも出ましたが、アメリカであり、ニュージーランド等はそういう国になっております。そうした場合には今度は相互ということではなくして、メリットというものにバランスした便宜の供与を与えるという問題が出てくるわけでございまして、こういう点を通じながら極力実績の確保を旨としていかなくちゃならぬ、こういう問題もあるわけでございまして、世界それぞれの国に対して一律に律することができない問題もあります。  また、領海三海里の外において我が国の漁船が自由な操業をしていた時代と比較しますと、いろいろ出た弱腰外交とかいうことがあるわけでございますが、二百海里水域というものの沿岸国の管理権が確立した今日の立場ということも十分御認識していただき、またそれに対する対応もいろいろあるということを御理解いただきたいと思うわけでございまして、そういう意味におきまして我が国の遠洋漁業の全盛時代と比べまして漁業外交の当否を論じられるのではなくして、我が国が相手国二百海里内で受けているメリットと相手国に対して与えている便宜に伴うコストとのバランス、そういう点を配慮してひとつ農林水産省あるいは水産外交というものの当否を御判断していただきたい、こう思う次第でございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 今の答弁に関連して私が述べたい真意は、パートナーシップということがよく言われるのでありますが、パートナーシップということは上下の関係においては成り立つはずはありません。共通の立場に立って、対等の立場に立って、相互信頼、相互輔翼、こういう信頼関係を前提にしてパートナーシップということがあり得るのであって、上下関係や卑屈から、言葉は言えるかもしれいが、真の平和、真のパートナーシップは生まれてこないと私は思います。すべて、特に食生活につながるこの問題であればあるほど利害関係においてもその受けとめ方においても共存共栄、真のパートナーシップを前提にしないと疑惑や誤解やあるいは圧力があらわれてくるだけであります。そこに基本的な根本的な問題があるということを私は率直に申し上げたい。この捕鯨の問題はさかのぼってみますというと、あの終戦直後、連合軍総司令部ですら日本の捕鯨を積極的に奨励したいきさつがあるではありませんか。だのにこのような今日の状態、何事でしょうか。  次に、述べてみたい、そして率直に大臣の意見をお聞きしたいことは、私はこういうことを聞きました。あるいは見ました。二十世紀の人類はこの地球上に、陸上にできる産物を主として食べて今日まで生きてきた。二十一世紀は海洋資源を主にして食べていかなければ、生活していかなければいけない。こういう前提に立って海底資源の調査がもう始められておるということを私はある人から聞きまして、非常に共鳴共感をいたしたわけであります。  そこで、その海底資源の調査のために科学技術ということが、今までは深海技術が何百メーター、八百メーターとかあるいは一千メーターとか、時の推移によって二千メーター、ごく最近では六千メーターの深海まで科学技術は進歩してきておるということを私は聞いております。知っております。こういう考え方に立って地上に活用する科学技術もさることながら、深海技術、海底資源を調査する技術もそのようにすばらしい発展、発達をしてきつつあるということを思いますときに、私はしみじみ思いますことは、二十一世紀に向けて平和で活力ある云々という言葉がよく言われます。また聞きます。また私も言います。  こういう観点から平和と活力ということは、私は科学技術がそのように発展、発達してきたとしても人間の幸せに、人間の幸福に申すまでもなくつながる科学技術でなければいけないでしょう。ならば、その心は私は三つになると思います。思いやりの心、分かち合う心、助け合う心、この三つの心が培われて初めて、育って初めて資源も科学技術も人間の幸せに役立つのであって、つながるのであって、そうでない科学技術やあるいは物量というものはとんでもない方向にまたゆがめられてくることは申すまでもありません。  ということを思いますときに、大臣、この喜屋武の意見に対してどのように受けとめて、そしてどのように、その落ち穂でもあるといたしますならば大臣がこれを拾い上げて種にしていただく、こういうことを私は期待するわけですが、それがあれば幸いであります。なければないでいいでしょう。大臣いかがですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 社会が世界が大きく変化し、あるいはまた激動しておるときにお互い心していかなくてはならないことは、今喜屋武委員がおっしゃいました思いやり、いたわりの心であり、また分かち合いの心であり助け合いの心である。そして、それを今日我が国の外交、内政にどう適応していき、それを政策あるいは予算あるいはまた海外経済協力費等々にどう配分していくかという具体的な問題になってくると思うわけでございます。平和で活力ある社会を望むということは、政治の場にある者として全員共通の心がけであり心構えであり、また目標であると思います。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 あと一、二分ありますので、最後に申し上げてみたいことは、かつて忌まわしい第二次大戦、太平洋戦争時代は、海を制する者は世界を制すという言葉が非常に印象的です。はやりました。私はそのことを今でも思い出すわけでありますが、私は平和と民主主義を願う人類の合い言葉は、海を治める者は人類を自由と平和で包む、こう私なりに叫びたいんです。どうかこの心がまた大臣の心に響くものがあるとするなら、いささかでもひとつ日本の農政あるいは行政に生かしていただけばまことにありがたい、幸いだと思います。  以上申し上げまして、最後に大臣のコメントがあれば幸いであります。終わります。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 世界の海は今ペルシャ湾の安全航行の問題、あるいはまたココムに絡む問題でありますが、原子力潜水艦の騒音の問題等々いろいろな問題もあります。そして、天然資源であります鯨問題につきましても、きょうこのような議論が行われておるわけでございまして、海は静かなときと大変荒れ狂うときといろいろあるわけでございまして、こういう問題に対しまして私たちは冷静にそして熱意を持って平和の海になるように頑張っていかなくてはならぬし、天然の貴重な海というもの、そして海洋資源というものにつきましても、私たちはある面では大切に保存しながら人類に有効活用をしていくように図らなくてはならないと考えておるところでございます。  貴重な御意見、まことにありがとうございました。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 国際捕鯨委員会は、一九八二年に決定をいたしました商業捕鯨の全面禁止、すなわちモラトリアムに続き、我が国が実施をしようとしている調査捕鯨に対しても去る六月の総会で中止を勧告する決議を採択いたしました。この勧告の内容は、調査捕鯨を事実上不可能にするものであり、我が国はまたしても難しい選択を迫られるという最悪の事態を迎えております。日本を代表された斉藤達夫委員は、資源保護と同時に有効利用を本来の目的とするIWCが資源保護派に大きく傾いたことに将来の懸念を覚えると強い不満を訴えておいでになります。国内の論理は、またも国際社会の数の横暴に押されたとなっており、当の農林水産省は、日本の捕鯨業の存続を目指して今年末から計画をしている調査捕鯨について、先月のIWCの総会で決議した中止勧告を受け入れず実施をする方針を決めたとの報道もあります。  しかし、正常な判断の持ち主なれば、なぜ日本がこんなに孤立したのかとの疑問を持たれるはずだと思います。私もこの点には疑問を持つものであり、日本が標的にされておるように思うのでございますけれども、政府はこの点いかがお考えなのかお答えを願いたい。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 我が国の担当者はそのときどきにおいて最大限の努力をこの問題について傾けてきたというふうに私も考えておりますが、遺憾ながら今日の事態はまさに先生御指摘のとおりでございまして、私自身はまさに今御指摘になったようなことを考えなければいけないのではないかというふうに思っているわけでございます。  確かに、この反捕鯨運動の一部には非常にエキセントリックな部分もございます。しかし、十六カ国の政府が我が国の調査捕鯨、科学的にはほとんど間然するところのない綿密に検討された計画に対して実質中止の勧告を行うことに踏み切ったということは、この反捕鯨運動の背景が非常に根深いものがある。単に一部のエキセントリックな人々の活動だけではなくて、もっと非常に根深いものがある、そのことを冷静に我々は分析し、その根を分析し、それぞれに対して適切な手を打っていかなければいけないのではないのか。恐らくこの反捕鯨の決議については開発途上国は必ずしもそのような決議に賛成しない要素があるはずでございますけれども、そういう歯どめが必ずしも有効に機能しなかった点についても我々自身反省すべきところがあるのではないかと思うわけでございます。  そこで、ただ私どもとして若干先ほど暗い話ばかりというふうにお話もございましたけれども、我々自身の先輩の努力がようやく少しずつ実が実ってきた。それからまた、今回もさまざまなお立場の方々が政府の御支援をいただきまして、各国に対して日本の立場の訴えを理解を求められたわけでございますけれども、その結果としてモラトリアム決定の際には、加盟国三十九カ国、モラトリアム決定に対して賛成二十五国、反対七カ国、棄権五カ国、欠席・投票権停止が二カ国、こういうことでございました。ところが今回の六十二年、日本に対する調査延期勧告決議に際しましては、加盟国四十一カ国、それに対して賛成十六カ国、明確に日本の態度に反対した立場を示した国は九カ国減っているわけでございます。それに対して反対が九カ国、これは七カ国から九カ国へ二カ国ふえております。それからまた、棄権も五カ国から六カ国にふえているわけでございまして、例えばカリブ海の小国であるセントビンセント、セントルシアという国、それから南太平洋のソロモンというような国々が我が国の立場に対して理解を示し、明確にその中止勧告決議に対して反対の意思表示をしていただいているわけでございます。私どもとしては、このような事実をしっかり心にとめて、なお関係国の一カ国でも我が国の立場の理解をふやせるように努力してまいりたい、かように考えているわけでございます。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 過去を振り返る余裕がないほど事態は切迫をいたしておるように思います。しかし、なぜそのような孤立にならなければならないのだろうか。二、三私の立場から意見を申し述べたいと思います。  私がさきに参議院に参りましてから仲間と一緒になって日本セイシェル協会なる一つの団体を設立いたしました。それは両国の関係の友好を促進するとともに情報を収集したいからであります。そして、このことを計画いたしました私たちの問題意識は、一つには、中国のような大国を世界秩序の中からオミットする外交は間違っていると同様に、セイシェルのようにたとえ小国であっても無視に近い態度をとる大国志向は間違っている。二つ目には、日本の外交と情報の流れを外務省だけに任せるのではなく、市民サイドでも自分たちの能力でできる範囲で国際情勢のチャンネルを開拓すると同時に非政府間外交のあり方を研究する必要があり、外交のルートは多元的であるほどよろしい、こういう立場。最後の三つ目には、セイシェルは映画「さよならエマニエル夫人」などのロケ地であったことから想像できるように、それはハワイよりも何倍か美しいところであり、地球上残された最後の楽園と言われております上に、カツオ、マグロの宝庫であることから日本漁船の密漁問題やIWCにおけるこの国と日本との決定的対立などがあり、これらの真相を調査してみたい等々のことがあったからであります。  前松浦水産庁長官などは、セイシェルは我が国水産界にとっては不倶戴天の敵だから援助などは考えられないと私たちの協会事務局長、渡辺武達京都産業大学教授に話されたこともあったほどの状態にありました。しかし、その実態について私たちの意見を申し述べさせていただきたいと思いますが、さきにこの国の企画開発大臣、実体は日本でいえば総理大臣相当官でありますけれども、ファラーリ大臣を日本にお招きをいたしました。東京における歓迎集会に先立ちまして鈴木総理大臣を表敬訪問いたしました。そのときの鈴木大臣の言葉について若干申し述べさせていただきます。  官邸へお伺いをいたし、写真を撮った後、隣室の会見場に入りました。鈴木総理から歓迎の意が表明され、セイシェル側からはルネ大統領からのメッセージが渡されました。   総理いわく、  「我が国はクジラを昔から食用その他に供してきており、その資源は有効に使いたいと考えてきた。もしクジラが絶滅の危機にあるのなら、断固その捕獲は止めるべきだ。しかし、日本の科学者たちは、種類によっては適正に利用しないことのほうが生物界のバランスのうえでむしろ有害であると言っており、セイシェル側の科学的な検討をお願いしたい。またマグロについては、ハエナワ漁その他近代的な漁法をも研究されることがよいし、貴国の貴重な資源を調査研究するための調査船その他の提供についても日本は積極的に考えていきたい。ともに両国は島国であり、手をたずさえて進めるはずだ」 こういったことで会見を終わりまして、二階からおりてくる階段のところで、いかがでしたかと大臣にお尋ねをいたしましたら、右手の親指と人さし指で丸をつくって、ベリーグッドと言って彼は喜んでおりました。そして後日、ファラーリ氏が次のように言っております。「今までずいぶん多くの国の首相と出会ったが、鈴木総理ほど漁業にくわしい方にお目にかかったことはなく感銘した。」と。外交辞令ではあってもうれしいではないかと私は思います。  さらにそれから歓迎集会を行いましたが、参議院よりは徳永議長、秋山副議長——当時でございますが、出席をしていただきました。みんなが私たちの零細な資金でやりますのでその歓迎集会参加者には一万円の会費をいただきました。それでも百二十人を超す人が集まっていただいて体裁を整えることができましたが、その歓迎集会の半ばに突然共同通信の記者の方が質問をしたいと言い出されました。  いわく、  「セイシェルは、IWCでことごとく日本と反対の立場をとり、とうてい日本側では認められない巨大海棲哺乳動物の禁漁区の設定や、徹底した生物保護の政策をとっているが、その主張の根拠は何か」   ファラリー氏こたえるに、  「私たちは、日本人がクジラを食べ、それを貴重なたんぱく源にしていることに決して反対していません。また、鯨類の捕獲がIWCなどで規制され、日本の捕鯨産業従事者、とくに零細漁業者が困難な状態におかれていることには大いに同情を禁じえない。   しかし、セイシェル側としてはここで二つのことをはっきりと申し上げておきたい。一つは、私たちは、クジラやイルカなどの巨大海棲哺乳動物だけを保護せよと言っているのではなく、私たちは、自然界のあらゆる動物、鳥などは絶滅に瀕する前に適切に保護される必要があると考えており、私たちの調査では鯨類は確実に減少している。これは生物界全体のバランスがくずれつつあることを意味しており、エコロジーの観点から言っても、ある生物資源が少なくなりつつあれば、いずれそのつけは人類におよぶのであり、今日時点で何らかの手を打っておく必要がある。   もう一つは、たしかにこれまでIWCの会議などで日本側とは過激なほどの対立をすることがあったが、それは日本側がセイシェルの国家としての尊厳を侮辱したり、その活動が人間らしい表情をしていないからである。   一昨(一九八〇)年八月、セイシェルは日本に対して、経済専管水域直径一五〇〇キロもある我が海域の資源測定をするための漁業調査船の援助の要請をおこなった。正式な外交ルートであるナイロビ駐在の日本大使館を通じて交渉した結果、船の細部にいたるまでの話が煮つまったのですが、いざ調印の寸前に、当時のS大使が私たちに、IWCにおいて日本に同調してくれるなら、援助をしよう、というわけです。セイシェルは独立した主権国家であり、政治的独立、将来における経済的な自立が国是である。その上私たちは日本がこれまで我が国領海内で何百、何千回とカツオ・マグロの密漁をしてきたのを黙認してきた。私たちにはそのやり方と行動が許せなかった。その大使とそれを指示した日本の担当幹部はとうてい私たちの友人ではありえない。   クジラの話にもどれば、南氷洋をふくめ、世界中でその資源が涸渇してきたのは、アメリカ、スウェーデン、それに日本などが乱獲した為であるのに、日本にはその反省がまったく見られない。しかし、今朝、鈴木善幸総理が、十五分の予定を四十分間にして私たちと話し合う機会をつくられたので、日本の科学者の準備する資料を我が国の専門家が慎重に検討して、つぎのIWCにはそれを参考にした態度表明をするという約束を総理にしてきました。」  このように言っておいでになるのでございますけれども、その後は水産庁当局もこの国にはいろいろお気遣いをいただいておりまして、今においても交渉は続いておりますように承っております。今年のセイシェルの総会における態度はイギリス案に賛成ということでありましたから、日本の代表団にとっては不信を買ったことかと思いますけれども、やっぱりこの国はイギリスが旧宗主国であります。さらに小国の悩みがいろいろあったことだとは思いますけれども、今日ではお互いに話し合える仲になっていただいておると思います。  その次には、小国べっ視はやっぱり慎しむべきではないか。私たちがこの協会をつくりましたときに、千葉県のあるマグロ会社の漁船がセイシェルに拿捕されました。水産庁にお伺いをいたしました。担当の方の言葉が今も私の脳裏から離れません。先生、二百海里といいましても、水の色が変わっているわけでなし印がしてあるわけではありませんから、それは間違って入ることもあります、こういうことでありました。それは事実かもしれませんけれども、もし相手がアメリカであり北方四島近海のソ連であったらこんなことはおっしゃらなかっただろうと私は思うのであります。百歩譲ってそうであったとしたなら、拿捕されたときに、水の色が変わっておるわけでありませんから間違って入りましたと言って何で助けてやってくれなかったんでしょうと今も思います。  私たちはセイシェルヘ参りました。お話をいたしました。向こうの大臣の話では、三十七年来日本は我が国に対して何にもよいことをやってくれなかった、皆さんがおいでになったのを機会にこれから友好国としてのよしみを通じていきましょう、拿捕した船もどうしたらよいのか皆さんにお任せをいたしますということでした。帰国をいたしましてその船主の方に連絡をいたしました。ただでも結構ですと、こういうことでありました。それは長い間抑留されておりますから、船員の方々を向こうに送って日本へ回送していくのは大変なことだったのかもしれません。しかしまた承りますと、そうするよりも保険金の手当てを受けた方がその方が得だったのかもしれないという声もございました。  しかし、今は韓国とセイシェルとの共同事業としてその船が活躍をしておるということでありますから、こういったことから考えれば日本よりも韓国を信頼されるということになるのは当然かと思いますけれども、このようなことはやっぱり避けていって、そして小国とよしみを通じて、それからアメリカの分断策に乗せられるのではなしに、逆にアメリカとの分断策を日本こそ行っていくことによってIWCの中で多数派を形成していくということは、本問題の解決のためには何よりも必要なことなのではないか。小国の皆さん方の盟主として日本が水産界で活動できる姿を考えただけでも愉快ではないか、このように思いますのですけれども、長官の御見解を承りたい。

佐竹五六水産庁長官

○政府委員(佐竹五六君) 大変具体的に私どもも初めてお伺いする話も多く大変参考になったわけでございますが、ただ一点だけちょっと私どもの先輩の名誉のために申し上げておきたいのでございますが、松浦長官がセイシェルは反対したからそういうところに技術援助をやらないとかいう御発言があったかと思いますが、それはどういう雰囲気でどういう場でやられたかということを私確認しておりませんので、そのことだけはちょっと申し上げさせていただきたいと思います。  ただ、先生のお話はまことにそのとおりだろうと思います。私どもも一九四五年の日本を承知しております。そのころは日本も多くの小国と同じような立場にあったわけでございます。ただ、一般的な庶民の感情といたしましては、私どもの海外技術援助もこれはもとは税金でございました。一般国民の感情といたしましては、我々が税金を払った金で技術協力をやっているのだからその国は日本に協力するのが当たり前じゃないか、こういう素朴な感情があることは事実でございます。しかし、それを国際社会の場に出せば確かにその国と日本との関係、さらにさまざまないろいろな要素が働いて御指摘のような非常に思わざる影響を及ぼすことは事実でございます。  非常に貴重な御指摘でございました。私どもやはりIWCにとどまって一国でも日本の立場に対する理解をする国をふやしていくことがモラトリアムの解除にもつながるわけでございますので、そのような努力をしていきたいと思っております。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 最後に大臣にお尋ねをいたします。  やっぱり私たちは、日本がもっとそれぞれの国に信頼をされるようにやっていかなければいけないと思うのでございますが、先ほど初村先生から外務省へのおしかりがございました。私もこの問題は考えなければならないと思います。セイシェル協会を設立いたしましたときに外務省に対しましてセイシェル共和国の資料をお願いいたしました。そうしたら、いただきましたのはわずかに二ページの単なる冊子でございました。それから二年間、私たちの事務局長であります渡辺武達産大教授は努力をいたしまして、今やセイシェル・ガイド、本文だけでも二百五十ページであります。こういったものをまとめて公にいたしておりますけれども、やっぱりもう少し実態を調べていかないことには相手とのつき合いには過ちを犯すことになりかねないのではないか。  そういうことから考えてみますと、水産庁自体今や大変な国際化の社会の中に船出をして、どちらかといえば難航をしておいでになりますことが多いように思います。そういった点からすれば物的にも人的にももっとそのことを配慮して外務省の手だてをかりなくても独自で開拓をしていけるというくらいの体制を整えていきませんと、大臣が担当なさいます所管事項のうちで今や林野庁も大変な状態であります。水産庁もまたそのとおりでありますし、お米を所管します食糧庁でも論外ではありませんと思います。ぜひひとつ御努力をくださいますようお願いを申し上げさせていただきまして、最後に大臣の御所見を承って質問を終わりたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 実は一昨年、私もマダガスカル、セイシェル、これに行く日程を立てまして、そしてこれは約三週間かかるなとこう思いまして、先ほどお話に出ましたナイロビを中心として移動しなくてはならないというので立てたことがあるわけでございますが、政局の問題が絡みまして行くことができなかったわけでございます。セイシェルについては私は大変実は興味を持っております。私の本当に親しい友人に毎年一回ないし二回は必ずセイシェルヘ行っている人もおります。詳しいその話、中身等も承っておるわけでございます。  今日、日本は経済大国と言われるようになりましたけれども、開発途上国家あるいはまたいろいろな国が世界には百六十何カ国あるわけでございます。それぞれの国に対し、お互い誠意を持ち、平等、互恵の精神でおきつ合いをしていかなくてはならない。ただ、一つよく信念であるのでございますが、政府内においても私たちは議論をするわけでございますが、海外経済協力についてアン タイドでやらなくてはならないという風潮があるからそのように心がけておりますけれども、先ほどお話に出ました宗主国という言葉がヨーロッパにはありまして、具体的なことはこういう席ですから言うのは控えますけれども、そういう問題で日本政府は国民の税金をむだ遣いしておるのか、日本の政策に反対する国、しかもその供与をしても、なおかつ反対する国に対してまで、どうしてやらなくちゃならないんだと。しかも、それがあり余る金であるならともかく、足りない中で工面しながら、国際国家日本として生きていかなくちゃならないというぎりぎりの厳しい財政事情の中でつくった金であるということ等も一部には厳しい御批判もあります。そういう中で、世界平和と、そしてまた国際的に協調し、国際的に資金を持つ日本として今後生きていく。そして、そういう努力、日本の真剣な努力というものが、今後IWCの席上においても発揮され、具体的な態度としてあらわれてくるように、つながる方法を模索しながらやっていかなくてはならないと思う次第でございます。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 本調査に関する質疑は本日はこの程度といたします。     —————————————

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) この際、便宜私から自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案に係る鯨類の捕獲調査の実施等に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     鯨類の捕獲調査の実施等に関する決議(案)   鯨は人類共通の自然の恵みであり、その資源を保護しつつ、人類の役にたてようとするのが国際捕鯨取締条約の趣旨である。この人類共通の利益を享受するには何よりもまず資源調査が必要である。特に鯨資源の豊富な南氷洋において、これまで商業捕鯨及び各種の科学調査を通じて科学的知見を蓄積してきた我が国としては、人類共通の財産の有効利用のため的確な調査を進める責務を有している。   本年の第三十九回国際捕鯨委員会年次総会において、我が国が計画している南氷洋における鯨類の捕獲調査の実質的中止を求める勧告が採択された。   この勧告決議は、国際捕鯨取締条約第八条第一項に基づく締約国の権利を否定しようとする不当なものであるばかりでなく、同条約の企図する人類共通の利益を追求するために必要な資源調査の途を閉ざそうとする自殺行為である。調査なくして資源保護も有効利用もあり得ない。   よって政府は、我が国の伝統的文化と産業を堅持するとともに、人類共通の利益の増進に資するため、科学的に必要な調査を行い、これに基づいて一九九〇年に予定される包括的評価を通じ商業捕鯨の再開を期することとし、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。  一 不退転の決意をもって関係各国の理解を求めつつ、また必要とあらば国際捕鯨取締条約からの脱退をも辞さぬ覚悟で、今漁期からの鯨類の捕獲調査の実現に向けて最大の努力をすること。  二 休廃業を余儀なくされる漁業者及びその従事者に対しては、適切な対策を講ずるとともに、沿岸捕鯨については、その存続のため格段の努力を尽くすこと。   右決議する。  以上であります。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただいまの決議に対し、加藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ただいまの決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処してまいりたいと存じます。

岡部三郎自由民主党

○委員長(岡部三郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十六分散会      —————・—————

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