内閣委員会 第2号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/08/27
会議録
○委員長(名尾良孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題といたします。 まず、一般職の職員の給与についての報告と勧告及び一般職の職員の週休二日制についての報告と勧告に関し、人事院から説明を聴取いたします。佐野人事官。
○政府委員(佐野弘吉君) 御説明申し上げます。 人事院は、去る六日、公務員の給与と週休二日制に関する報告及び勧告を国会と内閣に提出いたしました。本日、早速効昔内容について御説明申し上げる機会が与えられましたことに衷心から感謝いたします。以下、その概要を御説明いたします。 まず初めに、給与勧告の内容について御説明いたします。 公務員の給与については、従来から民間の給与と均衡させることを基本としてきております。本年は、民間賃金の精密な調査はもとより、賃金を取り巻く諸情勢についても詳細に調査し、また、従来にも増して国民各層との意見交換の機会を設けるなど、公務員給与の取り扱いについてさまざまな角度から検討いたしました。 民間企業の状況について見ると、厳しい経営環境のもとで多様な経営上の努力が行われていることが認められましたが、大部分の企業において、低率とはいえ例年どおり賃金改定が行われていることが確認されました。また、国民各層から表明された意見を見ると、行政に対する厳しい注文がある一方、職員の処遇を適切に維持することの重要性を指摘するものが多くありました。 さらに、昨年、関係各位の御努力により勧告どおりの給与改定が行われ、このことが職員の勤務意欲や労使関係に好ましい影響をもたらしたことは、各職場の管理者が指摘するところであります。 以上申し述べました諸事情、四現業職員との均衡、公務員の生活等を総合的に勘案し、勧告制度の趣旨、役割をも踏まえ、例年に比べ低率ではありますが、官民較差に見合った給与の改定を行うことが必要であると認め、勧告いたしました。 改善に当たりましては、本年の官民の給与の実態等を詳細に検討し、三千九百八十五円の較差の配分として、俸給に、三千四百十四円、一・二六%、手当に三百七十四円、〇・一四%、この改善の定率手当へのはね返り百九十七円、〇・〇七%といたしました。 まず、俸給表については、民間初任給の上昇傾向等を考慮して、初任給に重点を置きつつ、全俸給表にわたって金額の改定を行っております。 また、指定職俸給表につきましては、諸般の事情を勘案し、行政職と同程度の改善としております。 次に、手当につきましては、民間における支給状況等を考慮し、通勤手当及び住居手当について改善を行い、その他医師の初任給調整手当についても必要な改善を行っております。 特別給については、公務員の期末・勤勉手当の年間の平均支給月分と民間のボーナスの年間の支給月分とがほぼ均衡しているので据え置いております。 実施時期については、本年四月一日からとしております。 次に、週休二日制の報告及び勧告の要点について御説明いたします。 公務員の週休二日制につきましては、現下における民間の週休二日制の普及状況、公務において実施している四週六休制の試行の状況その他の諸状況を勘案しますと、この際、公務員の週休二日制を四週六休制に進めることが必要であると認め、勧告することといたしました。 今回勧告いたしました四週六休制は、基本的には四週五休制の方式を踏襲することとし、また、当面、職員が交代で休む方式を予定したものとしておりますが、政府において土曜閉庁の実施の方針が決定された場合には、その方針に沿った閉庁方式への対応も可能なものであります。 実施時期については、現在実施している試行に引き続く形で速やかに実施されることを要請しております。 なお、今勧告による四週六休制は、職員の勤務時間を短縮するものであるため、勤務一時間当たりの給与額の算出に当たっては、短縮後の勤務時間を基礎とすることにいたしました。 また、今回の報告の中で、土曜閉庁問題、公務員の勤務時間短縮、週休二日制のこれからの方向について言及しております。 土曜閉庁の問題につきましては、基本的には行政サービスのあり方に係る問題として、政府において御判断いただくべきものと考えておりますが、人事院としては、土曜閉庁の実現が望ましいと考えており、政府に対し、この問題についての検討を要請いたしております。 公務員の勤務時間短縮、遺体二日制のこれからの方向については、完全週休二日制を目標に掲げ、近い将来においてその実現を可能とするため、計画的に条件整備を進める必要があることを、また、実勤務時間短縮のためには超過勤務の短縮が必要なことを申し述べております。 以上、給与及び週休二日制の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。 人事院勧告は、労働基本権制約の代償措置として、国家公務員法の定める情勢適応の原則に基づき、職員の勤務条件を民間と均衡させるため行うものであります。 本院としては、職員をより一層職務に精励させるとともに、公務に必要な人材を確保し、将来にわたる国の行政運営の安定を図ることが重要であり、そのためにも職員に対し給与を初めとする勤務条件を適正に確保することが必要であると考えております。 内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割に深い御理解を賜り、何とぞこの勧告のとおり早急に実施していただくようお願い申し上げます。 以上でございます。
○委員長(名尾良孝君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 ただいま説明のありました人事院の勧告につきまして、若干の質問を行いたいと思います。 まず、今度の勧告の一つの特徴は、週休二日制について、従来より一歩進めて四週六休制、この実施を勧告されていること、このことの積極的な面については評価するものでありますけれども、せっかく四週六休制の本格実施を勧告されているわけでありますけれども、若干やはり歯切れの悪いところがある。その点をこれからどう扱われるかというところが気になるわけであります。その一つは、四週六休制の実施について実施時期を明示されていないということ。それからもう一つは、将来へ向けての完全週休二日制の実施について展望を示されていない、こういう点に若干の歯切れの悪さというのを感じているわけであります。 具体的な内容で伺いたいと思いますが、勧告の附属資料等で触れられておりますが、もう一回人事院の方で諸外国の週休二日制の実施について、特にサミットに参加している先進主要国を初めとした先進工業国の公務員の週休二日制の実施状況がどのような状況になっているか、その点からまず伺いたいと思います。
○政府委員(川崎正道君) 人事院は、本年四月、四十カ国の調査を行ったわけでございますが、その四十カ国の調査結果によりますと、そのうちの三十三カ国が勤務時間にいたしまして四十時間以下ということになっております。それから、週休二日制の形態でございますが、四十カ国のうち三十一カ国が完全週休二日制を実施しておる、こういう実情でございます。今お尋ねのサミット、いわゆる先進国におきましては、完全週休二日制を実施しております。
○野田哲君 日本の国内の民間の状況もあわせてこの際御説明を願っておきたいと思います。特にその中で公務員とある程度共通性を持っているといいますか、公共的な性格を持っている金融機関の状態、それから郵便局の状態、これらについてもあわせて御調則を願っておきたいと思います。
○政府委員(川崎正道君) ことしの民間実態調査の結果によりますと、民間におきまして何らかの形で週休二日制を実施している企業の数は全体の企業の七七・一%という数字になっております。それからまた、隔週または月二回以上という形での週休二日制の実施状況を見てみますと、これは六二・八%という高い率になっております。 なお、お尋ねの金融機関でございますが、これは昨年の夏から月に二回閉店方式、第二、第三土曜日を閉店するという形で週休二日制を実施しております。言うならば隔週の週休二日制という形になっております、それから、郵便局も同じく昨年の夏から第二、第三の土曜日につきまして、いわゆる郵便貯金、簡易保険という民間と競合する部門におきましては金融機関と同じ取り扱いで閉店と申しますか、閉庁方式という形で実施をしております。
○野田哲君 主要先進国はすべて、特にサミットに参加をしている国々では完全週休二日制が実施をされている、こういう状態。そして民間についても、今説明があったような形で六〇%以上が月二回以上、こういう状態で定着をしている。そして、特に金融機関、月二回閉店方式で実施をされている。このことは、もう社会的にこの状態が定着をしていると見ていいんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。 そこで、公務員の週休二日制につきまして、政府の公的なあるいは私的な諮問機関でも最近経済政策の一環として幾つかの積極的な提言があったと思うわけであります。特に公務、金融を主導的な立場で実施をするような提言があったと思うんですが、これらの状況について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(手塚康夫君) 最近、審議会的なもので取り上げたものとしては、昨年の四月に出されました国際協調のための経済構造調整研究会報告、いわゆる前川レポートでございますが、この中の提言におきまして、内需拡大を図るための消費生活の充実という項の中で公務関係に触れております。それは、「労働時間については、公務・金融等の部門における速やかな実施を図りつつ、欧米先進国なみの年間総労働時間の実現と週休二日制の早期完全実施を図る。」というふうに言われているところでございます。 それでまた、本年五月に取りまとめられました「経済審議会建議」、いわゆる新前川レポートにおきましては、これは「労働時間短縮」の項の中にあるわけですが、「波乃効果の大きい公務員、金融機関等の週休二日制をこれまで以上に積極的に進めていく必要がある。」とした上で、「公務員の週休二日制の推進については、国民のコンセンサスの形成が重要であることは言うまでもないが、可能な部門では閉庁して、定員増等を伴わないかなちで週休二日制を積極的に推進することが、各分野における週休二日制の普及促進に寄与する観点から重要である。」、このように提言されているところでございます。
○野田哲君 このような、今説明があったような提言があったわけでありますが、これを受けて政府の方でも何回か公務員の週休二日制の問題につきましては、経済対策閣僚会議とかあるいはいろんな部門で、週休二日制実施に向けての閣議決定、あるいは関係閣僚会議での決定がなされているというふうに承知をしているんですが、どのような決定が今までされていたのか、この点の説明を願いたいと思います。
○政府委員(手塚康夫君) 古くは四十八年に経済社会基本計画で公務員の週休二日制に触れておりますが、先生がおっしゃいましたように、最近とみにこちらの関係の動きが激しくなっているわけです。その最近のもので申しますと、昨年の五月経済対策閣僚会議で決定されました「経済構造調整推進要綱」、これにおきまして「中長期的な対応」ということで求められているものでございますが、内需拡大の消費生活の充実のためということで、「なお、公務員及び金融機関の週休二日制については、その一層の推進に努める。」というふうにされているところでございます、 それからさらに、昨年の十月には、この「経済構造調整推進要綱」も踏まえまして、またかつ八月には人事院の方から、報告でございましたが、四週六休制の試行を行ってほしいという提言もございましたので、それを踏まえて十月に四週六休制の試行についての閣議決定を行っているところでございます。 それで、さらに本年五月に至りまして、経済審議会の建議を受けまして経済対策閣僚会議で決定されました「緊急経済対策」、この中におきまして「公務員の週休二日制については、当面、四週六休制への円滑な移行に努めるとともに、閉庁方式の導入を検討するなど、引き続き積極的に推進する。」、こういうふうにされているところでございます。
○野田哲君 勧告を待つまでもなく、公務員の週休二日制、当面の四週六休制については、もう既に条件整備ができていると見ていいんじゃないかと思うわけでありますが、そこで、法的にはどういうことになるわけですか。公務員の勤務時間ということでこれを扱っていく場合には、給与法ということになろうかと思うんですが、もう一つは、国の行政機関の制度として行政機関をあけている時間、休む時間、こういう制度面からの法的な措置というものもあるわけでありますが、この今勧告に出されている四週六休制については、どういう法手続によって実施をすることを考えておられるわけですか。
○政府委員(手塚康夫君) この点は、正直に申しまして、まだ政府として方針決定をいたしているわけではございませんので、関係の法制局とも十分な協議に入っているわけではございません。したがって、ここで的確なお答えはできかねるわけですが、ただ、先日発表いたしましたサミット先進六カ国、この辺を調べましても、実はそういった先進国におきましては、やはり官庁の開庁閉庁時間ですね、そういったものを定めるような法制は実は持っている国は一つもないわけでございます。すべて職員の勤務条件を規定しておりまして、それで実は十分ということで動いているわけでございます。日本の場合にはもう少し法制面が多少複雑になっております。古い官吏法制とそれから現在の国家公務員法を体系とする新しい体系と多少その辺複雑な部分がございまして、これは専門の法制局と十分検討してまいらなきゃいけないわけですが、私どもの気持ちとしては、先進国的な行き方もあるのではないかというふうに考えているところでございます。
○野田哲君 しかし、担当の人事局長が法制面についてはまだ今のようなことでこれからの検討だと言われるのでは、ちょっと私は手おくれの感を受けるわけですけれども、給与法で定めるということになると、給与の引き上げの勧告と、それからもう一つはこの四週六休制の実施と二つの点を給与法の改正と、こういうことで扱うことになると思うんですが、これはどうなんでしょうか。合わせて一本の法改正ということで考えておられるのか、それともそれぞれ別個に考えておられるのか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(手塚康夫君) これは絶対的に一つのものだというものではございません。ただ、同じ時期に、やはり同じ人事院勧告として受けたものでございます。事務的には、同じ給与法ということであれば、一緒の処理ができるなら望ましいと思い、事務的な努力はそれで進めているところでございます。 ただ、念のために申しますと、五十四年の週休二日制、四週五休の勧告のときも、実際には給与の引き上げたけが先行したという前例はございます。
○野田哲君 問題は、政府がどういう形で最終決定をされるかということなんですけれども、山下長官、この勧告二つあるわけですが、給与の改定とそれから勤務時間の問題、これについては当然完全実施の立場で対処されると思うんですが、長官としてのお考えはいかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、八月六日に同時に二つの問題を勧告として私どもは受けとったわけでございます。早速関係閣僚会議等をまず開きまして、この問題を討議いたしたわけでございますが、まず、給与の問題につきましては、私は給与の担当の大臣といたしまして、これはとにかく労働基本権制約の代償措置であると、その一つであるという基本的なこの制度からいたしまして、当然これは完全実施に向かって努力をすべきである、私自身そのように決意をいたしておる次第でございまして、今後ともそういうつもりで私どもにできる作業はなるたけ早く進めてまいりたいと存じております。 また、四週六休の問題につきましては、これは勤務条件の改善であり、あるいはまた、先ほどからいろいろここで御意見等もございましたように、国際的に見ましてもやっぱり国際協調という立場から、労働時間の短縮ということはこれは当然やらなきゃならぬ問題でありますから、このことにつきましても、そういう観点に立って速やかにこれを実施に移すという考え方で今後処してまいりたいと思っております。
○野田哲君 後藤田官房長官にお伺いをいたしますが、中曽根内閣は十月三十日で終わると、こういうふうになっているわけでありますけれども、この中曽根内閣の残された仕事としてこの問題があると思うんです。八月六日に勧告を受けているわけであります。そして、今のこの国会も恐らく中曽根内閣時代の最後の国会だと思うわけです。 そういたしますと、当然この国会が開かれている間に政府としての意思決定をされるべきではないか。できることならば、会期延長説などがちらちら出ておりますが、将来のことを考えてみますと、例年のようにこの十月、十一月ごろに臨時国会を開いて補正予算と一緒に勧告に基づく公務員給与の改定の給与法の改正などを行うような機会はないんじゃないか、こういうふうに思われます。そうすると、できることならばこの国会で全部仕上げをしてしまうと、法改正もやってしまう、こういうことが私はベストな措置だというふうに思うわけでありますけれども、官房長官としては、この取り扱い、段取りについてどのようにお考えになっているのか、その点を聞かせておいていただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) この国会は九月の八日まででございます。人事院の勧告並びに報告は八月六日にちょうだいをして、七日に第一回の給与関係閣僚会議を開いております。しかし、お話の中にありますように、単なる給与の勧告だけでなしに、四週六休、場合によれば土曜閉庁といったような行政サービスに影響するような問題も報告として出されておると。これらの問題の検討でございますから、あと数回やはり関係閣僚会議を開きませんと結論が出ないのではないかなと、こう思います。だといたしますと、野田さんがおっしやるようなのは一つの私はお立場であろうと思います。率直にこれは受けとめなきゃならぬ問題だとは思いますけれども、しかし、さればといって、問題が問題だし、行政というのは継続性ということはこれはもう当然の話でございますから、余り御心配にならなくてもいいのではないかなと。 私どもとしての基本は、今山下総務庁長官がお答えしたような人事院勧告というものを基本的に尊重していく、そして、職員の諸君に不安感をできる限り与えないといったような基本的な考え方で処理をさせていただこう、こういう考え方でございますので、この国会に法案が出なくともそうそう御心配になることはないのではないか、かように私どもは考えておりまするので、さよう御理解をしていただきたい、こう思います。
○野田哲君 心配するなということなんですけれども、やはり閣議決定がずっと先延ばしされるとか、あるいは法改正がずれ込んで年末ぎりぎり、こういうようなことになると地方自治体の関係の地方公務員の措置などもあるわけでありますから、やっぱりそこのところが気になるわけです。 そこで、官房長官は数回は関係閣僚会議が必要だ、こう言われたわけでありますけれども、数回というのは非常にあいまいなんです。せめて閣議決定はこの国会が開かれている間にされておけば、これは国会の方にも勧告をされているわけですから、国会としてもこの勧告を受けた立場で、やはり政府がどういう対応をするのかということとあわせて国会自身としても検討しなければならないわけですから、そのためにもやはり国会が開かれている期間中にせめて閣議決定だけでもされれば、これによって一応政府の意思というものが定着をするわけでありますからその後の扱いについてもめどが立つわけですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私どももこういった懸案事項はできるだけ早くこの内閣で処理をしたい、こうは考えておるんです。しかし、何しろ先ほど言ったような事情がございまして、九月の八日までに閣議決定しろとこう言われても、それは私はちょっと無理ではないかなと。せめて十月三十一日まであれば何とかいけるのかな、こういう気もいたしますし、それでもちょっと無理かもしらぬな、こういう気も率直にしているんです。 というのは、閉庁方式という報告が出ておりますからね。これは、先ほど手塚局長もちょっと答えておったようですが、この四週六休というのは結論が出ておりませんから、ここで確定的なお答えと理解をしないようにしていただきたいと思いますが、これは給与法の改正という法形式が常識的ではないのかな、こう思います。ところが、閉庁ということになると、従来の閣令の関係、これは古いあれですが、そういったいろんな関係があって、果たして給与法でいいのか、特別法でいいのかという問題、さらには何といっても閉庁だけは行政サービスとの関連がございますから、そういうことをあれこれ考えますと、御要望はよくわかりますが、ともかく、先ほど言ったように、職員に不安を与えないように、ということは給与は少なくとも年内に必ず支給できるといったようにだけはしないと私はいかぬな、こういう考え方で処理をさせていただくつもりでおりますから、本当にひとつ政府を信頼していただきまして、皆さん方に御理解を賜りたい、かように考えておるわけでございます。
○野田哲君 二つの勧告の完全実施ということで、できるだけ早く政府としてもこの措置をとってもらいたいということを要望しておきたいと思うんです。この件では、官房長官、結構でございますから。 あと、事務的に人事院の方に給与問題で伺っておきたいと思うんですが、四週六休制を実施する、そして公務員の一週当たりの勤務時間が短縮をされる、こういうことになるといわゆる一時間当たりの給与単価、これは変わってくると思うんです。時間外勤務の手当の計算とか、そういうふうな一時間当たりの計算の単価というものが改正されるべきではないか、こういうふうに思うんですが、その点、人事院としてはどのように考えておられますか。
○政府委員(中島忠能君) 給与単価の問題でございますが、今回の週休二日制の勧告の中にも記してございますけれども、今先生が御指摘になりましたような考え方に基づきまして、一時間当たりの単価を改正すべきである、さように考えております。
○野田哲君 総務庁としてはこの点はどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(手塚康夫君) これは四週六休制との絡みで提起された問題でございまして、人事院の方から超勤手当の算定基礎にもはね返らせたいということが言われていたわけでございますから、これは尊重してまいりたいと思っております。
○野田哲君 行革の問題で伺いたいと思うんです。 土地問題がこれから何かかなり精力的に行革審の方で審議をされるということが報道されておりますが、土地問題については、政府として行革審に対してどのような諮問をされているのか。行革審の設置法によると、行革審の任務というのは、臨調の答申の実施状況を点検するといいますか、これが主たる任務になっているわけでありまして、臨調答申以外のことを審議してもらうということになると、これは政府の諮問によらなければできないことになっていると思うんですが、そういう点でどのような諮問が行われているのか、この点をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 最近の地価の急激な高騰、これは私からここでぜい言を要しないところでありますが、既にこの問題はもう非常な社会問題になっている、重大な社会問題である、私はそのようにも受け取っておる次第でございまして、こういう状況下にあって、この問題の重要性あるいは緊急性あるいは関連行政分野の広がり、こういう点からいたしまして、総合的あるいは抜本的にこれはやっぱり政府としても考える必要がある、検討する必要があるというのがそもそもの私の出発でございます。このことにつきましては、今臨調の問題についてお触れになりましたけれども、私の知るところでは、あるいは誤りかもしれませんが、たしか臨調からもこの問題は答申が出ていると思います。したがいまして、それに基づきまして、総理といたしましても、とれはひとつ新行革審でも御検討願ったらいいのではないかということで、七月六日に総理の御指示を受けまして私が新行革審に出向いて、この問題についての御審議を「基本的かつ総合的」な立場から御検討願いたい、こういうふうにお願いをいたした次第でございます。
○野田哲君 七月六日に総務庁長官が行革審で発言をされているペーパーを拝見いたしました。これによりますと、「総理の御指示により、重ねて、地価等土地対策について、早急に御検討いただきたく、本日お願いに参上した次第であります。」、こういうふうに述べておられるわけであります。そして、「この際、新行革審において、行政改革推進の観点から、改めて、基本的かつ総合的な改革方策について本格的な調査検討をお願いいたしたいと考えます。」、こういうふうになっています。 まず、後でも触れますけれども、私は中曽根内閣のやり方というのは、政策課題を何でも行政改革、行革審、そこに持ち込むというやり方、これはいかがなものかという疑問を持っているんです、機関の運営として。今の土地問題、行政改革じゃないですよ、これは。まさに政策的な問題であって、行政改革という趣旨で取り扱われるべきものではない、こう思うわけです。それはさておきまして、総務庁長官が七万六日に述べられた趣旨の中には私権の制限というのも含まれているわけですか、その意味も。「基本的かつ総合的な改革方策について本格的な調査検討をお願いいたしたい」ということの中には、私権の制限もやってくれという意味も含まれているわけですか。この点いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほども御答弁申し上げましたし、ただいまの御発言にもございましたように、「基本的かつ総合的」、「総合的」と特に述べておるわけでございますが、政府にもなるほどいろいろ機関がございます。地価対策関係閣僚会議とかいろいろございますけれども、この際やっぱり緊急対策としては、早くいろんな方の御意見を聞いて決定しなきゃならぬ。そこで、国民各階各層の御意見を承るには、そういった層から委員をという構成ができておりますこういう機関にお諮りするのが一番いい、こういう観点から諮問をいたした次第でございまして、そういう意味から新行革審にお願いし、具体的な問題につきましては、新行革審でお取り上げになる段階においてそれぞれ項目をお決めになると思うのでございます。ただ、私どもが今考えておりますのは、土地の取引、金融、税制あるいは土地の保育、利用にかかる公的な制度の問題、あるいは都市機能の分散、こういった広範かつ基本的ないろんな問題があるわけでございます。今お尋ねの私権の制限の問題につきましては、これは土地問題を考えていく上においては極めて重要な問題であることは私も十分承知をいたしておりますが、またこのことについてはいろいろ考え方もございましょう。現行制度においてもいろいろのことがあると思いますが、これらを踏まえまして、これはやはり具体的には新行革審において御審議をいただくものだ、かように私は存じておる次第でございます。
○野田哲君 長官の七月六日の行革審における発言も極めて抽象的なんですね。基本的かつ総合的にやってくれ、御検討願いたいと、こう言っておられるわけです。私が私権の制限もこの趣旨には含まれているんですかと伺ったことに対しては、今長官のお答えも、どうもその点があいまいなように思うわけです。ところが、総理は、あれは八月三日でありますか、物価安定政策会議という会議に出られて、そこで出席者の質問に答えられる中で、「所有権に対する心情はデリケートで基本的問題であるが、公共性を持った所では、やるべきことは断固として行う。これは許されているし、また、許される範囲を求めていく。」、こういうふうに述べておられるわけであります。総務庁長官が行革審の方へ発言をされたことの中では、極めて抽象的に「基本的かつ総合的」、こういうことでやっておられるんですが、その後での総理の別の場所での発言の中では私権の制限にずばり踏み込んでおられる。 そういたしますと、これは一体どういうことになるんでしょうか。少し総理のこの物価安定政策会議での発言というのは走り過ぎているんじゃないんでしょうか。総理の真意を聞く機会があれば聞きたいと思うんですけれども、ここへ出席を求めるという場でもありませんので、総務庁長官にこの点伺いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまのお話のとおり、私の諮問の中では具体的に私権の制限とは申し上げておりません。そのことだけではなく、それぞれの項目について私は全く触れておりませんが、広範な範囲からひとつ御検討をいただきたいという趣旨であり、広範とは一体何かといえば、今私から御説明申し上げましたように、土地の保有とか土地の取引とかいろんな問題が入っている。これらの問題を突き詰めて審議していけば、当然私は私権の制限の問題も出てくるかもしれない、これは想像にかたくありません。ただ、それをそこまでやるべきであるとかどうとかいうことは、広い範囲からこの問題を進めていく過程において、新行革審において具体的にこれは項目としてお取り上げになるべき問題であって、この時点において私が私権の享有もですよということは、これは申し上げる問題でない。ただ、今考えられることは、先ほど幾つかの問題を私が御説明申し上げました。土地の保有その他の問題、これらの問題を突き詰めていけばそうなるであろうということは想像にかたくありませんということを申し上げておきます、
○野田哲君 行革審の方へ総務庁長官が出席されて、総理の指示で土地問題について御検討願いたいと、こういうことを要請をした。総理は別のところで、諮問の中身を踏み越えた形で、私権の制限も当然のことのように別の会議で触れられていく。これは私はいかがなものか、こういうふうな気持ちを持っているわけであります。 そこで、角度を変えて伺いたいわけですが、私権の制限というのは、具体的には土地の利用を規制する、利用形態あるいは目的を公権力によって一定の制限を加える、あるいは土地の売買に制限を加える。それからもう一つは、公共のために土地収用法による強制収用、こういうふうな形態があると思うわけです。この三つの形態に大別をされると思うんですが、つまり土地の利用を規制する、利用形態を公権力によって制限を加える、こういう形。二つ目には、売買に制限を加える。三つ目には、所有者の意思の有無にかかわらず、公権力によって公共的に収用する。こういう方法があるわけですが、総理が物価安定政策会議で述べられている私権の制限、これは一体どういう具体的な内容を意図して発言をされたものか。総務長官、これ何か総理からコメントがあったわけですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 私は、そのことにつきましては総理から何も伺っておりません。
○野田哲君 現にある私権の制限、幾つか現にあると思うんです。私の承知している限りでは、一つは都市計画法。これによって建物の高さの制限とかあるいは容積率、これの規制が行われている。それからもう一つは、先ほど言いました土地収用法。道路とかその他公共用地のために、収用法によって収用する。それからもう一つは、国土利用計画法によって土地の利用に関する権利の移転等についての許可制度、あるいは届け出制度、それから遊休土地に対する措置、こういう点が国土利用計画法で私権の制限の性格を持った形で法律で定めてあるわけでありますけれども、国土庁の方に伺いたいと思うんですが、この国土利用計画法の第四章で定めているところの「土地に関する権利の移転等の許可」制度、あるいは第五章の「土地に関する権利の移転等の届出」の制度、六章の「遊休土地に関する措置」、こういう条項を適用して、土地の有効利用が具体的に行われたケースというのは相当あるんですか。その点いかがですか。
○説明員(藤原良一君) 御指摘のとおり、国土利用計画法におきましては土地取引に関する規制制度が設けられております。制度の内容は大きく分けまして三つございまして、一つは、取引に当たっての届け出制でございます。それで、届け出制は一定規模以上、例えば市街化区域の中であれば二千平方メートル以上の取引をする場合には知事に届け出るということになっておりますが、さきの国会で法律を改正していただきまして、二千平方メートル以下の小規模な取引であっても知事が規則で定めた面積以上のものであれば、届け出制度を適用することができるという監視区域制度を設けていただいております。さらに、届け出に係る土地について、これは一定規模以上の届け出に係る土地について遊休土地があり、これを有効に活用する必要があるという場合には、勧告等の行政指導を行うことができる措置がございます。さらに最も厳しい規制といたしまして、規制区域を指定いたしますと、この区域内では一切の土地売買等は許可制になる。そういうふうな三つの制度でございますが、届け出制度につきましては相当実績がございます。大体土地取引件数の一割程度がこれまでの届け出制度の対象になっておりますが、法律改正していただきまして、監視区域制度を設けましてから、これは八月一日に施行いたしましたが、既に現在東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、こういったところで一部の地域について監視区域を指定しております。また、九月一日から千葉県でも一部地域で指定しようという動きがございます。 なお、東京都では法律が施行されます前に、法律改正に先立ちまして条例を定めまして、六十一年の十二月から条例でほぼ法律と同じ内容の監視区域制度を運用してきておりまして、そのときはおいおい区域を広げまして、最終的に二十三区と周辺十三市に区域をかけたわけですが、これまで、七月末までに千三百件ぐらいの届け出がありまして、大体そのうち三割ぐらいにつきましていろいろなサイドから指導しまして、三割ぐらいは指導に基づいて取引をやめたり、あるいは取引価格を手直しする、そういうふうな措置を講じております。 以上でございます。
○野田哲君 この第五章の届け出制度については、相当な実績があるということで今るる説明があったわけですが、四章の権利の移転等の許可制度、それから六章の「遊休土地に関する措置」、これについての国土利用計画法によって措置されたケースというのはどれぐらいあるんですか。
○説明員(藤原良一君) 遊休土地につきましては数件勧告にまで至ったものがございます。それと、規制区域の指定につきましてはいまだ実績がございません。
○野田哲君 総務庁長官、今ある私権の制限の法的制度についても、届け出については届け出なんだからかなりあると、こういう報告があったわけですよ。ところが、問題は、国土利用計画法の第四章、今ある権利移転等の許可制、今法律であるんです、それについても、これを発動したケースというのはないということなんです。遊休土地の問題についての第六章についても勧告を数件行った、こういう程度なんです。だから、今ある法律においてさえ私権の制限についてはこういうことでなかなか発動できないと。それを今何でまた事新しく私権の制限に踏み込んでいこうとされるのか、今ある権利の移転の許可制度についてさえできないんです。本当に政府にやる気があるのなら、今ある制度を最大限に活用してやってみればいいんです。それすらやれないというのが実情なんです。 そこで、さらに関連して伺いたいと思うんです。国土庁の方に伺いますが、国土庁設置法で国土審議会というのが設置されている。それから、国土利用計画法で国土利用計画審議会というのが設置されているわけです。この法律を読んでみると、こういうふうになっておりますね。国土利用計画法の第一条では、「目的」として、「土地利用基本計画の作成、土地取引の規制に関する措置その他土地利用を調整するための措置を講ずることにより、総合的かつ計画的な国土の利用を図ることを目的とする。」、こういうことで総務庁長官が行革審の方へ土地政策でお願いしたいということが、同じことが国土利用計画法のまず「目的」に書いてあるんです。そして、この第三十六条で国土利用計画法の趣旨に沿って国土利用計画審議会を設置すると。その三十六条によると、「内閣総理大臣の諮問に応じ、国土の利用に関する基本的な事項を調査審議する。」、こうなっているんです。ちゃんと土地政策について調査審議する機関は法律で設けてあるわけなんです。さらに、国土庁設置法の六条で国土審議会というのが設置されている。「国土審議会は、第四条第十九号ロ、ホ、リ、ルからラまで、ウ及びクに掲げる法律その他の法律の規定によりその権限に属させられた事項を行うほか、内閣総理大臣の諮問に応じ、国土の開発、整備及び保全に関する総合的かつ基本的な政策について調査審議する。」、こういうふうに定めてあるんです。土地政策について、こういうふうな総理の諮問に応じて調査審議をする機関が国土庁設置法、国土利用計画法によってそれぞれ設置をされているわけです。ここのこの二つの審議会が最近どのような活動をやっておられるのか、開催状況それからどういう審議をされてきたのか、この点について御説明を願いたいと思います。
○説明員(藤原良一君) まず国土審議会でございますが、さきに策定いたしました第四次全国総合開発計画に関しまして調査審議を最近ではお願いしたわけです。五十九年以降、四全総に関する長期展望作業あるいは計画の策定に関する審議、そういったことを部会の開催も含めまして十数回審議をお願いしております。 また、国土利用計画審議会でございますが、国土利用計画について調査審議していただいております。また、国土利用計画法の改正等地価対策についても懇談会等開いていただきまして、種々御説明し助言をいただいております。開催回数は、やはり五十九年から見ますと十回を開いております。
○野田哲君 国土審議会の開催状況というのは大体年に一回ないし二回ですね。それから国土利用計画審議会、五十九年が四回、六十年が三回、六十一年は国土庁からもらった資料では開催されてないんですが、それから六十二年には七月十五日、この程度の開催状況であるわけです。国土庁設置法には「所掌事務及び権限」の中で「地価対策その他土地に関する総合的かつ基本的な政策を企画し、立案し、及び推進すること。」、こうなっているんですが、この所掌事項の「地価対策その他土地に関する総合的」な云々、こういう地価対策等について議論をされたという記録は、国土利用計画審議会でことしになって七月十五日に地価高騰対策について報告をされた。これは国土庁の方から報告されているわけです。余り効果的に国土庁としては、こういう審議会を法律で設置をして、総理大臣が相当な見識のある人たちを委嘱しておきながら、今のまさに狂乱的な地価対策について協議をされた、相談をされた経過は余りないわけです。物価動向及び土地高騰対策についてということが六十二年七月十五日の協議事項の中にあるんですが、これは一体国土庁としてはどういう報告をされ、どういう協議をされたわけですか。
○説明員(藤原良一君) 最近の東京を中心とします地価の高騰状況、それに国土利用計画法改正内容及びその運用方針について御説明した次第でございます。
○野田哲君 総務庁長官、どうお考えになるわけですか。国土庁設置法、国土利用計画法に基づいて土地対策を所管している国土庁、そこの審議機関として総理大臣が任命をしたそれぞれ国土利用計画審議会あるいは国土審議会というのがあるわけです。この二つの審議会がありながら、土地対策については全く有名無実、審議らしい審議もほとんどされていない、国土庁の方からも審議会へ積極的な諮問もされていない。協議もされていない。こういう状況があって、この二つの既にある審議会で手つかずの状態の地価対策、土地対策、これが行革審の方に相談をすれば即効き目があるんですか。私がむしろ言いたいのは、現にある国土審議会とかあるいは国土利用計画審議会、ここを活性化させ、最大限に活用すべきではないのか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 私権の享有につきましては、憲法を初め関係法律にこれはもうきちんと定められていることでございますから、これは容易に変えるべきものでもなく、慎重を期さなきゃならないことは当然でございます。しかし、先ほどから御論議の中にもございますように、これはまさにほうっておくと燎原の火のごとく広がる極めて重大な社会問題であるということでございますから、そういう観点からするならば、みんなでひとつ考えていくという立場に立って、特に臨調以来そのことについてお触れになっておるという立場からしても、新行革審にお願いする。あるいは、先ほども申し上げたように、政府関係にはいろいろ機関がございますけれども、あまねくひとつ国民各層から衆知を集めて速やかに対処していくという立場からすれば、私は新行革審でお取り上げになるのは当然であり、また新行革審も土地小委員会はこれは非常な御決意を持っておやりになっておるということは、何よりも会長自身が小委員長をお引き受けになったということでも私どもはそれを察することができるわけでございます。 そこで、さらばとて、今お話がございましたように、これは容易に制限を設けるべきでないことは私もわかります。ただ問題は、そういうことで極めて重大な社会問題である立場からするならば、私は権威ある方々の御意見も十分拝聴し、また国民の理解、国民の支持ということも得られるとするならば、そこまで踏み込んでこの問題の解決に対して議論をし、あるいはまた解決の中でそういう問題が取り上げられるということは、これは私は決して悪いごとではないと思っております。そういう広い意味から総理がそういう御発言をされたということは、これまた私は実に自然のことであって、総理としては率直に自分のお気持ちをおっしゃったのではないか、こういうふうに受け取っております。
○野田哲君 ちょっと総務庁長官角度が違うんですよ。私が国土庁の政府委員の方といろいろやりとりをした中でおわかりのように、現に今国土利用計画法で私権の制限についても規定があるわけですよ。ところが、本当に実効を上げようとする土地に関する権利の移転等の許可制度、これは法律にあっても全く空文の状態で効果を上げていないんですよ。発動されていないんです。そして、遊休土地に関する措置についても現に国土利用計画法で定めがあるわけです、これについても勧告をしたのが数件程度だ、こういうことなんです。今ある法律が全く生かされていない。そして、土地政策について各界各層の意見を聞くために設けられている審議会、国土利用計画審議会あるいは国土審議会、これがほとんど土地政策について有効な機能がされていない。そういう状態があるのに、そこをさておいて、それをそのままにしておいて行革審に相談をすれば効き目があるようなことがどうして生まれるんですか。私は考えられないんです、これは。各界の有識者の意見を聞く必要があるとするならば、なぜ今ある制度に基づいて設けられている国土審議会や国土利用計画審議会の中で効果的な審議をお願いできないのか。それをやらないで別のところへ持っていく、これは私は実情と少しかけ離れ過ぎているんじゃないか。行革審でそんないい知恵が出るのなら、国土利用計画審議会でも知恵は出るはずなんだし、国土審議会でも知恵は出るはずなんだ。 それからもう一つ私が言いたいのは、ここ数年間の総理の在任期間中の行政運営の特徴というのは何でもかんでも行革審へ持っていく。そして、水戸黄門のこの紋どころが目に入らぬかということじゃないが、何か格さんが出す印籠の葵の紋のような形で行革審を掲げる。なぜそれぞれの省の設置法の中で設置されているそれぞれの所管別の審議会、そこを有効に活用しないのか。そこを全く無視して何でもかんでも行革審、これは制度の運用をゆがめているんじゃないか。この点どうお考えになっているのか、こういう点なんです。
○国務大臣(山下徳夫君) 私もこの国土審議会、国土利用計画審議会等が今後どのように御審議をお進めになるかよくは存じておりませんが、恐らく機が熟しているこの今の土地問題のこの時点に立って、これからは非常な決意を持ってこの問題に取り組んでいただけるものと期待をいたしております。それにもかかわらず、ただいま新行革審だけというお話がございましたが、振り返ってみますと、第一次臨調はたしか私の記憶では池田内閣のときだと思う、あのときも大変なぶれ込みであったと私は記憶をいたしておりますが、結局なすことを得ず、登記所を幾つか整理したにとどまったように記憶いたしております。 したがいまして、水戸黄門というお言葉がございましたけれども、それぐらいの決意でやらなければいけない。御案内のとおり、臨調以来三公社を初め非常に多くの見るべきものがあって、第一次臨調と全くこれは実態が違うのでございまして、そういう面からすれば、やっぱりこういう臨調でおやりになった功績というものは国民が認めてくれていると私は思うのでございます。だからといって、葵の紋どころで今度もやるということではなくて、先ほどからるる申し上げましたように、国民各界各層から寄ってたかってこの問題はひとつみんなで火を消そうじゃないかという一つのあらわれとして、そういう各界からお出になっている委員にこれをお願いするということは、私は妥当だということを申し上げたいと思います。 今の国土審議会あるいは国土利用計画審議会がそのままになっているとおっしゃるけれども、私はこの機が熟した時期にこれらの審議会においても、従来のそのままになっている法律、政令等についてもあるいはまたお考えいただくのではなかろうかと期待をいたしております。
○野田哲君 結局、これは私は総理の国民受けをねらったポーズにすぎないと思うんですよ。こんな何でもかんでも行革審へ行革審へというんだったら、今百幾つもあるいろんな審議会みんなやめちゃえばいいんですよ。今ある法律や今ある審議会を活用しないで、そこを全くほったらかしにして何でもかんでも行革審、これは私は本当に組織運営を間違っているんじゃないか、こういうことを強く感じているわけです。 次の問題に入りたいと思います。 まず、沖縄における駐留軍の労務者の解雇問題について、その後の経過についてお伺いしたいと思うんですが、私、先般の予算委員会で総理と外務大臣と防衛庁長官にこの問題をただしたわけですが、今米軍がやろうとしている三百人の沖縄における駐留軍労務者の首切り、これはもう明らかに地位協定の特例までつくって、百六十五億ですか日本が負担をした、そのときのこの法律の特例の趣旨、そしてこの倉成外務大臣が国会に説明をした趣旨、これは雇用の安定のためにやるんだと、こういうことをるる説明をされ、特例の中でもその趣旨を述べているわけですが、それが発効して間もなく、こういう三百人もの解雇を打ち出すというのは、これは全くこの趣旨に反している。何のためのこれは特例をつくったんですか。国会に対してもこれはだましたようなことになっているじゃないですか。一体この問題についてその後の対米交渉はどうなっているのか、総理大臣も外務大臣も防衛庁長官も対米交渉をやって撤回を求める、こういう趣旨を国会で予算委員会で答弁されているんですが、その経過を説明していただきたい。
○政府委員(渡辺允君) お答え申し上げます。 七月の初めにこの問題について米側から通報を受けまして以降、私ども外務省、それから防衛庁、施設庁、それぞれの立場から、東京それからワシントン、沖縄現地等におきまして、米側と鋭意折衝を続けておるところでございます。私どもといたしましてもこの問題は非常に深刻に受けとめておりますし、できるだけの努力をしておるところでございます。 これに対しまして、アメリカ側といたしましても、我々の累次の申し入れによりまして問題の深刻さは十分認識しておると思いますし、遠からず先方から検討の結果について回答をするというふうに今承知をいたしております。
○野田哲君 私の得た情報によると、沖縄の現地の司令官がワシントンにこの問題で出向いていって、最近沖縄の方へ帰任をしたと、こういうふうに聞いているんですが、その経過については何か具体的な報告あるいは回答があったわけですか。
○政府委員(渡辺允君) 問題は米側内部の問題ではございますけれども、この問題はワシントンの米海兵隊本部、それから沖縄の米海兵隊、それから在日米軍そりものというふうに、非常に関係者が多いようでございます。先生御指摘のように、先般沖縄の海兵隊司令官がワシントンに帰って協議をいたしまして、現地に現在は帰任しておると思いますが、その際の協議の内容等も含めまして米側内部で現在さらに検討中と。それで、先ほど申し上げましたように、遠からず米側から回答があるというふうに承知をいたしております。
○野田哲君 沖縄の海兵隊の司令官がワシントンへ行って協議をされた内容につきましては、施設庁の方でもまだ何も承知をされていないんですか。
○説明員(高倉博郎君) お答えいたします。 私たちの方もいまだ何も回答をいただいておりません。
○野田哲君 問題は、九月ですからねあと一カ月しかないわけですから、これはひとつ早急にアメリカに対して善処を求めて確たる措置がとられるように、ひとつ鋭意引き続いて努力を求めておきたいと思うわけです。 次に、去る八月十二日の午前十時過ぎに奈良県吉野郡十津川村のV字型の谷の中で米軍機によって林業用のワイヤが切断をされた、こういう事故が報道をされておりますが、これはどういう状況であったのか、まずその事故の状況について説明をいただきたい。
○政府委員(渡辺允君) ただいま先生御指摘の事故は、申されましたとおり、八月十二日の午前十時十五分ごろに、米海軍ミッドウェーの艦載機でございますEA6Bプラウラーという飛行機が、いわゆる航法訓練のために奈良県の吉野郡十津川村の山岳地帯を飛行中に、谷合いに架設されておりました材木運搬用のワイヤロープに接触して、そのロープを切断したということでございます。 航法訓練と申しますのは、ある地点から他の地点までの間地図に基づきまして低空で飛行をいたしまして、そのパイロットの練度の向上を図る訓練であるというふうに米側からは聞いております。
○野田哲君 施設庁としては、この被害に対してはどういう措置をとったんですか。
○説明員(金枝照夫君) お答え申し上げます。 現在米海軍は事故調査委員会を設置して詳細を調査中でありますが、八月十七日、防衛施設庁は在日米軍司令部に外しまして、事故原因の徹底的究明及び有効な事故防止対策の確立を申し入れたところであります。 一方、大阪防衛施設局においては、八月十四日、被害者に遺憾の意を表明するとともに損害賠償の手続の説明を行い、また同十五日、事故現場を訪れ被害状況の調査を行っており、本件の損害賠償措置につきましては遺漏のないよう進めていく所存であります。
○野田哲君 そこで、今外務省審議官は、米軍の方では航法訓練をやっていたんだと、パイロットの練度の向上のための訓練だと、こういう説明があったわけですが、このいわゆる訓練空域というのは、日米安全保障条約、それに基づく地位協定、そしてさらに、それによって日米合同委員会で場所を定めて指定をしていると思うんですが、その指定の状況を御説明いただきたいと思います。
○説明員(芥川哲士君) お答えいたします。 米軍が使用しております訓練空域と申しますのは、我が国の領域内にあるものが七カ所、それから我が国の領域部分と領域外の部分の双方にまたがっているものが四カ所、それから領域外にのみあるものが十二カ所、計二十三カ所あるわけでございまして、これらの訓練空域のうち領域内の訓練空域につきましては、地位協定第二条第一項によりまして、施設、区域として米軍に提供しておりますところの陸地ないし水域の上空を、当該陸地ないし水域と不可分の一体のものとして、戦技それから射爆撃等の訓練のために米軍の使用を認めているものでございまして、これらにつきましては、一般の船舶、航空機等の安全を確保するために公表をしているところでございます。他方、領域外のものにつきましては、一般の船舶、航空機等の航行の安全を確保するために、空域を設定しているものでございます。 これらの訓練空域につきましては、その範囲それから使用条件等につきましては、官報に施設庁告示をもって公表しておりますほか、海上保安庁の方からは水路通報、それから運輸省の方からは航空情報等を発出していただきまして、それらによって訓練についての周知が図られていると承知しているところでございます。
○野田哲君 訓練空域の法的側面について伺いたいと思うんですが、地位協定の二条に基づく施設、区域、これは空は入らないわけですね。
○政府委員(渡辺允君) お答え申し上げます。 地位協定そのものでは施設、区域そのものについて定義を置いてはおりませんけれども、政府は従来から一貫して、地位協定上の施設、区域と申しますのは、構築物、それから土地、それから公有水面を指すというふうな解釈で地位協定を運用いたしております。 現在問題になっておりますいわゆる訓練空域でございますが、これは、施設、区域として提供されます土地ないし水面の中に、それを使用いたします場合、訓練等のためにその上空を米軍機が飛行することが当然の前提となる射爆撃場のようなものがあるわけでございます。そのような場合に、その上空につきまして、施設、区域として提供しております土地ないし水面といわば一体のものとして米軍の使用を認めているというのが、いわゆる訓練空域の性格でございます。
○野田哲君 この地位協定に基づく施設、区域には空は入らない。しかし、この施設、区域を使用することと一体の関係で訓練空域というものを定めているんだ、こういうことなんですが、訓練空域を定めているということは、そして官報に掲載をして運輸省から必要な情報を提供しているということは、航空交通にトラブルがあってはいけない、航空交通の安全を図るということが目的で空域を定めているんじゃないかと思うんですが、空域を定めた目的というのはそういうことと理解していいんですか。
○説明員(芥川哲士君) 先ほど申しましたとおり、空域を使用いたします場合に、例えば射爆撃訓練等々を行いますと、単に他の航空機に対しての航行の安全を阻害するほか、海面上あるいは陸地にございますところの交通機関あるいは漁船の操業等にも被害を及ぼす場合がございますので、そういう面での安全を確保する上から空域を設定しているというふうに承知しております。
○野田哲君 指定された空域以外での飛行、これはどのような取り決めになっているわけですか。私の承知しているところでは、指定空域以外での飛行というのは、地位協定五条の二項の施設、区域に出入りをする、あるいは施設、区域の間を移動する、こういう定めがあるわけだし、それから地位協定の三条、施設、区域への出入りの便、近傍における権限、こういう規定があるわけですが、指定空域以外での飛行、これはどういう取り扱いになっているわけですか。
○政府委員(渡辺允君) 米軍機のいわゆる訓練飛行の関係で全体の姿を御説明申し上げますと、まず一般論でございますけれども、米軍は、安全保障条約第六条に基づきまして、我が国の安全に寄与すること、それから極東における国際の平和と安全の維持に寄与するということを目的として、我が国に駐留しておるわけでございます。したがいまして、原則として、米軍がこのような安全保障条約上の目的を達成するために、この飛行訓練のような活動も含めまして、軍隊としての機能に当然属するような活動を一般的に行うことは、いわば安保条約、地位協定が前提としているところでございます。 そこで、飛行訓練について申しますと、これが例えば実弾を用いました射撃訓練というようなものを伴います場合には、これは提供いたしております。その施設、区域と一体をなしておりますいわゆる訓練水域を使用して行っておるわけでございます。それから、それ以外の形態の訓練の場合には、これは必ずしもその施設、区域を使用することが当然の前提となっているわけではございません。 そこで、実際の問題といたしましては、例えば射撃等を伴わない形でのいわゆる戦技の訓練を行うというような場合には、昭和四十六年八月の航空交通安全緊急対策要綱というものがございますけれども、そこに定められております自衛隊の訓練空域を米空軍と航空自衛隊との間で調整をしながら、米空軍はそれを利用して訓練を行っておるということでございます。 それ以外の、そのような戦技の訓練等も伴わない、例えば今回の航法訓練のようないわば通常の飛行訓練の場合には、このようなどこの空域でやらなければならないという制限はございませんけれども、その場合にも米軍としては、当然のことながら、我が国の航空交通の安全には十分の配慮を払うべきものでございますし、実際問題といたしましても、そのような場合には、例えば民間航空路を避けるとか、それから最低安全高度を尊重する等の措置をとりながら行っているというふうに承知をいたしております。
○野田哲君 射撃等を伴わなければ定められた訓練空域以外でもいいんだ、こういう説明なんですが、まずはっきりしておきたいと思うのは、今回事故のあった奈良県吉野郡十津川村、あの空域というのは訓練空域ではない、このことは明確ですね。定めてある訓練空域ではないということは。 そこで、今外務省の審議官が述べられたことなんですけれども、射撃等を伴わなければ訓練空域以外でもいいんだ、こういうことなんだけれども、指定の空域以外での飛行は日本の法令を守るということがまず前提になっているんじゃないんですか。地位協定の合意議事録で、五条四項ですか、たしかそういうことになっていると思うんですが、いかがですか。
○政府委員(渡辺允君) 非常に一般的に国際法上の原則を申し上げますと、一国において外国の軍隊というのはその国の法令の適用を受けないわけでございます。ただ、同じように国際法上の原則といたしまして、法令の適用は受けませんけれども、その法令を尊重するという義務はあるということであろうかと思います。 それから、航空機に限って申しますと、我が国の国内法といたしましては、いわゆる航空法の特例法というものがございまして、航空機の運航に関連する規則の一部を除きまして、航空法については米軍に適用しないということが定められております。 他方、先ほど先生御指摘の問題は、いわば交通安全にかかわります非常に基本的な航空法の規則について、今申し上げたような原則の例外として米軍も適用を受けるという関係になっておるわけでございます。
○野田哲君 問題を整理いたしますと、まず訓練空域というものを定めてある。この訓練空域を定めた意味というのは、一般の航空交通の安全を図るために定めているんだ、こういうことですね。ところが、射撃を伴わなければ訓練空域以外でもいいんだと今審議官はそう言われたわけです。それからもう一つは、指定空域以外での飛行というのは、施設と施設の間の移動とかあるいは施設、区域に対する出入り、この場合があり得るんだ、こうなっているわけです。そして指定空域以外での飛行については日本の法令が適用はされないにしても、これは日本の法令を守っていくといいますか、遵守するといいますか、尊重するといいますか、要するに、日本の法令による通行の秩序の維持を図っていく、こういうことがやはり一つの前提だと思うんです。日本の法令を尊重するということになりますと、計器飛行の場合にはクリアランス、有視界飛行の場合にはこれは通報の義務がない、こういうことだと思うわけです。 そこで問題は、今度の事故の起こったときのことでありますけれども、パイロットの練度の向上を図るんだと、こういうことで航法訓練をやっていたんだと、こういうことですけれども、あのV字谷を地上すれすれに飛行して、そして日本の林業のワイヤロープを切断するという、これが一体日本の法令を尊重した飛行なのかどうか。これを容認したのであれば、これは射撃訓練以外は、射撃を伴わないものであればどこでどういう方法で飛んでもいいんだということならば、訓練空域を指定して日本の上空の航空の安全を守るという意味は全くなくなってしまうわけです。ワイヤロープが切れただけだからいいんだけれども、もしあれがそのまま引っかかって落ちたらどうなっているんですか。そういう点からもっとこれはけじめをきちっとつけなければいけない問題じゃないですか。いかがですか。
○政府委員(渡辺允君) 私、先ほど申し上げませんでしたけれでも、私どもといたしましても、この事故が発生いたしました直後に、米側に対しましてはその原因の徹底的な究明、それから再発防止、将来の安全確保については強く申し入れをいたしておりまして、先ほど施設庁から御答弁ございましたとおり、米側も委員会を設置して原因の徹底究明に当たるということで、今調査をしておるところでございます。 それからもう一つには、米側といたしましても、この地域におきましては、この調査委員会の調査が終了いたしますまで同様の訓練は行わないということを言ってきております。
○野田哲君 事故の原因の究明とかそれから補償とか、そしてこの決着がつくまでは飛ばないという問題ではないと思うんです。こういうアクロバットみたいな飛行訓練が政府がこれにオーケーを出して容認をして、庁本国じゅうどこででもやられたら、一体これはどうなるんですか。私は、やはりこういう日本の国民に対して損害を与えたり恐怖心を起こすような、そういう訓練を指定空域以外のところでやるということは、これはやめてもらうべきじゃないか、厳重にこのことはアメリカに申し伝えるべきことじゃないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○政府委員(渡辺允君) 先ほども申し上げましたとおり、米軍の行動は我が国の安全を守るという米軍が我が国におります目的から出発しておることでございまして、その目的を果たすために軍隊として行わなければならない活動を行うということは、これは安保条約あるいは地位協定がその前提として予想しておるところであると思います。しかしながら、その場合、米軍といたしましても我が国の公共の安全、特に航空交通の安全に対して十分の配慮を払わなければならないことは当然のことでございますし、それから、先ほども申し上げましたように、現実の問題といたしましても、米軍としては十分の配慮を払いながら訓練を行っているということでございます。そのような状態を前提にいたしまして、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましても、このような事故の再発の防止それから今後の安全の徹底というようなことについては、今後とも米側と話し合っていきたいと思っております。
○野田哲君 米軍としても十分の配慮を払って飛行訓練をやっているというふうに言われるが、谷合いに張られた林業用のワイヤロープを引っかけて切断するようなそういう飛行が、何で十分な配慮を払った飛び方だと言えるんですか。こんなことは国民には納得できないですよ。そして、訓練空域を定めている、それはトラブルを起こさないために訓練空域を定めているんだ。ところが、あなたは、射撃が伴わないものであればほかのところで飛んでもいいんだと、こう言う。しかし、ほかのところで飛ぶ場合も、それは日本の航空法令、これをやはり尊重する、これに従ってもらうというのが前提になっているんじゃないか。今回のそういう飛行のあり方というのは、全くこれは日米間の意思を踏みにじるやり方じゃないか。あんなことが許されるのであれば、訓練空域を定めた何の意味もないじゃないか。もっとこれはけじめをつけるべきだというのが——審議官にこれ以上言ってもあれですから、これは強く私は指摘をしていきたいと思うんです。 官房長官とそれから総務庁長官そろわれたところで、重ねてこれは官房長官にも申し上げておきたいと思うんですが、官房長官退席をされているときた、私、総務庁長官と土地問題のことでいろいろやりとりをしたわけです。経過をもう一回簡単に繰り返しますと、最近の土地の高騰に対して、中曽根総理の指示を受けて総務庁長官が行革審の方に土地対策について検討を求められたと、こういうことなんです。そして、総理はその後の別の会議の発言で私権の制限についても検討を求めているんだと、こういう趣旨の発言をされた、こういうことなんです。 私が指摘したいのは、現に国土利用計画法という法律があって、この国土利用計画法の中で私権の制限についても定めた区域内では売買についても許可を受けなければいけない制度があるとか、あるいは遊休土地についてもこれを活用するための勧告をする制度とかいうものが法律で定められている。これについては、特に土地の売買で許可を受けなければならない一定の区域内では、この法律については全くこれは適用された例は一件もないということが国土庁の報告なんです。そういう私権の制限がある、現にある法律も全く機能していない。そして、国土庁設置法に基づいて国土審議会という審議機関がある。その所掌事項では土地の全体的な総合的な計画、地価対策、そういうものも所掌事項に入っているわけです。それから、国土利用計画法に基づいた国土利用計画審議会、こういう審議会もあるわけです。そういう審議会は、年に一回か二回形式的な審議をやる以外に何の機能もしていないわけなんです。現に私権の制限について法律があり、そして土地政策を審議をする審議会が二つもありながら、そこが全く機能していない。活用されていない。そういう状況の中で、行革審に答申を求めれば即効薬になるような、いいうまい答申が求められるんですか。私は今の法律と今の審議会をもっと活性化させることを考えていかなければいけないんじゃないか、こう思うんです。 もう一つは、現にいろんな審議会があります。いろんな審議会が法律に基づいてあるにもかかわらず、中曽根総理の常套手段というのは、私的諮問機関をいろいろやられる。もう一つは、何でもかんでも行革審に持っていって、そこの答申を水戸黄門様のこの印籠が目に入らぬかというような形で掲げてやろうとされる。これは制度運用を間違っておられるんじゃないか、こういうことを総務庁長官といろいろやりとりをしたわけです。これはやはり官房長官として、政府全体の運営の中で考えていかなければいけないことじゃないかと思うんですが、その見解を伺って最後の質問にいたしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 行政の取り運び方についての野田さんのような御批判、これもあろうかと私は率直に思います。しかし、今回の地価問題を含む土地対策について、行革審に基本的かつ総合的な改革方針について改めてひとつ検討をお願いしたいと、こういうことを総務庁長官が内閣を代表してお願いをしたゆえんのものは、御案内のように、第二臨調というものは国政全般にわたって聖域なしにすべて審議をしていただいて、その審議の結果を最大限政府は尊重をして、そして行政を進めさせていただく、こういう建前になっているわけでございます。 第二臨調でも、御案内のように、これはやったんです。答申が一応出ているんです。しかしながら、いかんせん時間等の制約もありまして、この問題については深い論議、したがって精細な御答申がちょうだいできたとは私は考えておりません。そういう意味合いで今日に至っておったわけですが、御承知のような、大都市の一部地域を中心にして、まさに放置できない異常な地価上昇が見られる。これでは経済問題とは言い得ない。まさにこれは社会問題化しておるではないか、これが国民の皆さんの一般の御認識であろうと思います。ならば、この際、やはり国政全般にわたって聖域なしに御審議をしていただいておった第二臨調の施策をさらに推進をしていただくというために、私的諮問機関でなしに、公的な制度として設けられたこのいわゆるポスト行革審に改めて政府が諮問をしたということは、私は行政の進め方としてはあり得ることではないのか。なぜかといえば、それはおっしゃるように国土庁には土地審議会、その他いろんなものがあることも事実でございますし、それの活性化もいいではないか、それはおっしゃるとおりです。 あるいはまた、現在の私権制限についても土地利用計画法の中で、一番厳しい措置が——あれはたしか認可制ですね。あれはしかし地方団体がやるんじゃなかったでしょうか。あれは地方団体。だんだん行政の組織が下へ行けば行くほど、直接住民との接触が深いものですから、私はやむを得ないと思いますよ、それは。それは悪いとは言わない。言わないが、難しい問題になればなるほど、それは実効が伴わないということになることも事実なんです。しかし、東京都のようなところは、最近余りひどいではないかといったことで、御案内のように徐々にやっております。やっておりますが、私は必ずしもこのいわゆる伝家の宝刀というものがありながらやっていないと言われる批判にも、これは私はなるほどなと、こう思わざるを得ぬ面がありますけれども、しかし、やはり東京とか大阪とか、名古屋とか福岡とか、大都市の中の一部には本当に放置できない状況になっておるわけですから、ならばこの際、やはり関係省庁が非常にたくさんある、しかもこれが地方団体に権限が下がっておるというようなことを全般的な高い立場で行革審で改めて検討をしていただく。その中で、場合によれば、今まである私権制限、公共性ということでいろいろな法律がありますから、それの活性化をこういうような方法でやりなさい、あるいは改革すべき点があるのならば国会にお願いして法律の改正をしなさいとか、あるいはまた、むしろそうでなしに、一番厳しいことであるならば一体土地とはそもそも何ぞやと、これは自由なる商品なのかと、そうでなしに、憲法二十九条によってもこれはもう少し土地の所有権というもの、土地の利用権というものについては、おのずからここまで来れば——全体じゃありませんよ、国全体じゃこれはえらいことですから、そうじゃなしに、所有権というのは何といったってこれはもう基本的な国民の権利でございますから、全般的に公共性でこんなものをこうやるんだというわけにはまいらない。これは物価政策安定会議でも総理は明確に御答弁をしております。 だから、そういった一部のものについては、やはりそこまで踏み込まないとこの問題は解決できないのではないかといったような深い点に立っての論議をしていただこう。論議の結果それは無理だということであるならば、ならばこういう方法でという御結論も出るでしょう。私はそこまで今回やらないと、ただ単に土地の問題は放置できないではないか。あるいは私権制限、所有権の制限、公共性がなんというような抽象論議だけでこの問題が解決するとはもう絶対思わない。しかし、私の率直な自分の経験からいいますと、昭和四十七、八年のあの地価狂乱のときに既に内閣で私が座長で取り扱ったんです。そして、今のようないろんな法律をつくった、基礎をあのときつくったわけですね。しかし、それがうまく機能をなかなかしない。しかし、しないのはやはりまだそこまで国民の意識が変わってないということであったと思います。それが、今や放置できないでやはり十数年の歳月を経てここまで来ればある程度のことはできるようになったのではないか。そこに総理は着眼をせられまして、そして山下さんにお願いをして、改めてひとつ全般的な観点から見直して、本当にこの問題だけは、これはもうすべての人が参加をして合理的な解決をやるべき時期が来た、またそれをやり得る私は時期がどうやら十数年たって来たのではないかな、こう思っておるわけでございます。 えらい長答弁で恐縮でございましたけれども、そういう意味合いでございますので、中曽根政治のやり方の手法としまして、何でも私的諮問機関をつくって云々と、そういう批判はそれは受けとめますよ、私も、受けとめるけれども、しかしそれだけではない、そこをひとつぜひ野党の皆さんにも御理解をしていただきまして、ともにこの問題だけは本当に解決に取り組んでいただくようにお願いをしたい、こう考えます。
○委員長(名尾良孝君) 委員会は午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後一時十二分開会
○委員長(名尾良孝君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○峯山昭範君 私は、先ほど午前中に報告のございました給与勧告の問題について、初めにお伺いをしたいと思います。 昨年の給与勧告のときにも随分いろいろ話をさしていただきましたけれども、ことしの勧告は、特に「給与勧告の骨子」のところにも随分書いてございますけれども、「企業経営環境の厳しい状況を踏まえ、賃金改定の状況はもとより、経営合理化、雇用調整の実態等も詳細に調査し、国民各層と従来にも増して意見交換に努めるなど、様々な観点から検討」と、そしてその次には「大部分の企業において賃金の改定が行われていること、四現業職員との均衡、各界の意見、各方面の勧告に対する期待等諸情勢を総合勘案し、勧告制度の趣旨・役割を踏まえ、給与改定の必要性を判断」と、これだけ書いてございます。これは昨年の給与勧告の際に官房長官が例の五%条項を持ち出しまして、五%以下の場合は勧告する必要はないんじゃないかというような意味の発言を当時されたこともありまして、ことしは昨年の勧告よりも、昨年の勧告は二・三一%ですかね、それよりもまだ下回る今回の一・四七%を勧告するに当たって、人事院としては相当気を使って、何というか、言いわけがましいようなことを随分書いているような気がするわけであります。きょうまだ官房長官お見えになっておりませんから後ほど官房長官にもいろいろとお伺いしたいと思っておりますが、ことしの勧告についての人事院としての考え方、そしてこの五%条項等も踏まえまして、これからの安定成長の時代の給与の勧告のあり方というのは非常に大事になってくるんじゃないか、高度経済成長時代の五%を突破してばんばん勧告するなんという時代はそうこれからやってくることはないと私は思います。そういうふうな意味では、この今回の勧告の一・四七%という時代がこれから幾らか続くんじゃないかと、そういうふうに思うわけであります。そういうふうな意味で、ことしのこの一・四七%という低い数字でありながら人事院が思い切って勧告をされたということは、私はそれなりに評価をしなければならないと思っております。 そういうような意味で、ことしの勧告に対する人事院の考え方、そしてこれからの給与勧告に対する取り組み等について、初めに人事院の方からお考えをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(佐野弘吉君) ただいまのお尋ねの中にございました五%の条項でございますが、これはさきの国会でも累次にわたって御質問、御意見がございまして、その都度内海人事院総裁から二十八条に関する所信を表明をいたしてまいってきておるところと承知をいたしております。 私どもは、その五%云々という御意見があったことも当然承知をいたしておりますが、そのことに気を使いますよりも、今回の勧告に当たりまして最も細心にして慎重な心構えを求めましたことは、御承知のような円高不況からきます、例えば北海道あるいは九州等における産炭地、造船、製鉄というような、経済不況に直面をいたしておりまして、かような時期に我々が給与勧告の率の多寡にかかわらずこの勧告をいたすという以上は、日本の社会労働情勢いかんについて十分な見きわめを持ちたい、このように考えたのがまず第一の基本的な心構えでございます。 したがいまして、今回の民間給与実態調査につきましては、例年になく各地における企業の経営不振、不況、これにどのように対処しておるか、あるいは経済構造の変化に伴う失業の問題、あるいは賃金カットその他のこのような問題がどういうふうな状況を示しておるかについて、十分な調査をあわせて行ったわけでございます。しかし、私どもが当初危惧しておりましたよりもはるかにドラスチックに休業に入るとか賃金をカットするとかいうような状況は少のうございまして、私はここに日本における経営者、従業員の健全な経済不況切り抜けのための努力というものを非常に感銘を持って承知をいたすことができました。その結果、私どもがこの民間調査の結果、九二・九%の企業、九三%に近い企業において賃金改定をそれぞれの企業の苦しい中でも低率ながら行っているということが明確になったわけでございます。そのような状況を把握いたしまして、私どもは、二十八条の五%条項のいかんにかかわらず、自信を持ちましてこの九三%に近い民間企業における賃金改定に即応して官民較差を埋めるというふうにいたすことが正しいことだというふうに判断をいたしたわけでございまして、それが今回の較差一・四七%、三千九百八十五円という較差に相なったわけでございます。 御承知のように、五十三年以降数年にわたりまして、また昨年二・三一%、六千九十六円かと記憶をいたしておりますが、ことしははるかに低率であり、また低額ではございます。しかし、もし私の記憶が間違いなければ、この三千九百八十五円をもってしても諸手当へのはね返りで年間七万円に近いという額に相なろうかと思いますので、私どもとしては決しておろそかにできない数字である、これは公務員の多くの諸君にとって極めて大切な数字である、このように確信をいたして、給与勧告をいたしたわけでございます。 したがいまして、昨年における二・三一%、本年における一・四七%というような低率が今後続くということは、十分に日本の経済状況の中で予見はされますが、またこれが一昨年ほぼ三カ月おくれではございますが内容的には完全実施された、昨年は名実ともに完全実施された、ことしも幸いにして国会並びに政府に御善処をいただいて完全実施できますれば、公務員諸君の職務に精励しかつ士気を維持する上に極めて十分な有益なる措置であろうと思いますので、今後とも低率、低額にかかわらず勧告はいたしてまいりたい、このように確信をいたしております。
○峯山昭範君 ぜひ、今お話がございましたように、二十八条の二項の五%条項いかんにかかわらず勧告をするということは大変私は大事なことだと思いますし、これからの低成長時代のことを考えますと、一・四七%といいましてもやっぱり四千円近くになるわけでございまして、サラリーマンの皆さん方の生活の状況から見ますと、私は大変大事なことじゃないかと思っております。 そこで、細かくいろいろお伺いしたいのでありますが、一つだけこれに関連をしてお伺いしておきたいのは、特にことしは念入りに調査をされたということでございます。中でも、民間の企業の皆さん方の御意見を聞かれたというふうなお話があります。勧告の中にも、例えば官民の給与較差があれば毎年それを解消することが重要だとか、あるいは内需拡大の面から公務員給与の及ぼす影響はなおざりにできないとか、これは意見の一部として報告書にも述べられているわけでございますし、特に東京とか仙台で給与改定に対する御意見を聞かれたそうでございますが、民間の皆さん方の御意見は主にどういうふうな御意見であったのか、この報告書に載ってない部分等を含めましてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(佐野弘吉君) 例年、東京におきます参与会、あるいは東京におきます中小企業の経営者、財界の方々、それから人事行政あるいは労務管理、その方の専門の方々、学識経験者、あるいは言論界の方々、これらの方々の人事行政全般に関する御意見を承ってまいったところでございますが、先ほど来御説明申し上げましたような趣旨で、本年は特に仙台、大阪、九州福岡におきまして、同様な方々の構成をもちまして御意見を聞く機会を得ました。私自身が実は福岡で九州管内の方々にお集まりを願って御意見を承ったところでございまして、私のお話しすることによって、大体仙台なり大阪なりほぼ同様な御意見とお酌み取り願って結構かと思います。 非常に大別いたしますと、九州においても、先ほど私が触れましたように、経済的な非常な不況下にある地域ではございますが、私が想像いたしました以上に公務に対する御理解を願う、これは多少私どもの努力が足りないで、今回そういう意味も含めまして、行政、公務に関する御理解を広く得るためにこの種の会合を催したことも事実でございますし、また承った御意見では、それぞれかなり中小企業の経営者として苦しくはありますけれども、公務の果たしておる役割、任務の重要性についてはよく御承知の上で、仮に我々自身のところで給与がさして改善できなくても、しかし公務員の諸君の仕事を適正に公正に維持する上では、我々としてはあえて官の側において給与の改善を辞退することはない、遠慮することはないという積極的な意見が意外に多いことを私は大変に喜んだのでございます。 で、話がちょっとわき道にそれますが、例えば週休二日制につきましても意外にやっぱり御支持が多くて、行政サービスが落ちては困るという御意見はもちろんございますが、しかし将来を展望して、日本の置かれている国際的、国内的な状況の中で将来週休二日制というものはさらに推進せざるを得ないでしょうと、この点も勇気を持ってなされて結構ですというような、大きく言いますればそういう意見が多うございました。で、私どもはいよいよそれらの地方におきます皆さん方の御意見をも背景としてこの給与の勧告並びに週休二日制の問題に取り組んだと、こういう次第でございます。
○峯山昭範君 官房長官にお伺いします。 官房長官、昨年の勧告のときと今回の勧告とは随分違いますね、これ。昨年の勧告のときには長官は、この五%条項の問題につきましても、新聞報道並びにこの委員会でもお伺いをいたしましたが、公務員給与の改定は人事院の独立した権限ということで、そういうふうにしながらも、この際人事院に五%条項について十分検討していただく時期に来ていると思うというようなことを勧告が出た後の記者会見等でおっしゃって、この委員会でも、余り人事院に圧力をかけるようなことはやめておいてほしいと私はこの席で申し上げたのを覚えておりますが、ことしは今度はがらっと変わりまして、終わった後の官房長官のお話等、新聞報道でございますが見てみますと、後藤田官房長官も事前の官邸、人事院、大蔵省との調整で、給与引き上げ率が低くても勧告の必要性が明示できれば五%条項にこだわらず勧告を出していいとの姿勢を示したと、こう新聞には載っておりまして、私は長官がお見えになる前に人事院の方に話をしておりましたんですが、まあ確かにことしのいろんな状況、内外の諸情勢を見まして、公務員の皆さん方から見ましても、一・四七%という低い率でありましてもやはり全体では四千円近くになりますし、また昔の高度経済成長時代というのはこれからやってくるのかどうかわかりませんが、そんな時代はもうないんじゃないか。そういうような意味では、物価もある程度安定をいたしておりますし、そういう点からいきますと、この一%前後のいわゆる勧告の時代というのはこれから幾らか続くんじゃないかという考えといいましょうか、予想が立つわけでありますが、そういうふうな意味では人事院の果たす役割という問題を考えましたときに、私はこれからもこういう時代が続けばやっぱり人事院としては自信を持って勧告をしていただきたいと先ほど申し上げたところなんですけれども、こういう問題に対してまず官房長官のお考えを初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、今峯山さんがおっしゃったような趣旨のことを昨年、当委員会でございましたか、お答えをした記憶がございます。その私の信念に変わりは今日もございません。で、ことしは人事院当局もそういう点に十分留意をなさって、厳しい雇用情勢下における、しかも物価安定の状況下における勧告としていかにあるべきかということは、慎重に御検討なさったはずでございます。また、慎重に調べたと人事院当局は先日来衆議院等でもお答えをしておりまして、私は当たり前のことであろうと、こう思います。 それから、同時にまた政府は、人事院の中立性そして労働基本権の代償措置であるということにかんがみまして、勧告というものがあるならばこれはやはり最大限に政府としては尊重をすべきであるというこの基本的な考え方は、これまた私は私の考え方の基礎に持っておる信念でございます。そういう扱いで今日まで数年間私はやってきたつもりでございます。 ところで、ことしの人事院の勧告というものを見ますと、慎重にやった結果、やはり五%条項はあるけれども勧告をするんだという意味合いでしょう、四つ、五つの項目を並べでございます。その中で、私が、なるほどなと、これはやっぱり考えなきゃならぬのかなと思ったのは、二つしかございません。 その一つは、慎重に調査をした結果、やはり官民の較差が低いけれどもあったという事実、これはやっぱり無視できないではありませんかと、こう書いてある。これは五%から比べればどうかなという気はするんですよ、私は。するが、しかし、峯山さんがおっしゃったような点もありますから、これは政府として考えなきゃならぬなと。それからもう一つは、同じような公務員でありながら現業職員については既に裁定が出まして、そして、ことしは、いろいろ論議はありましたけれども、国会にいかがいたしましょうかというお伺いはしないでそのまま実施しようと、こう決めたわけでございますね、これは現業と非現業の区別はあってもやはり公務員であるということから考えれば、この二つの事実は今回の人事院勧告を政府として扱う際に真剣に私は尊重して考えなきゃならぬことであると、かように思います。 しかし、法律に五%という条項があるのなら、一体それは人事院さん、あなたはどういうときにこれ適用するつもりですかと、この規定はなくていいんですかという逆の質問も、ここに人事院の方いらっしゃるので失礼だけれども、私は率直にそう思います。どういうときにこれ使うんですかと。ある以上は、やはり私はそれなりのこの規定の生きる場面だってあり得るのではないのかと。慎重でなきゃなりませんよ。慎重でなきゃならぬが、そういうことだってあってしかるべきだ、ならば、ことし、これは私の全くの個人的見解として聞いていていただきたいんだけれども、勧告というのは一体いかがなものであろうかという気は私は率直にしているんですよ。これは報告ではないのかと、本来言えば。現にことしのやつには給与の勧告のほかに報告事項というのがあるんですね。調べましたと、人事院としては、これは立場上。調べた結果、一・四七しかありませんと、ありませんが、こういう事実だから勧告をしますと。これも一つの考え方でしょう。私、それは否定はしない。 しかしながら、私個人としては、調べたけれども、五%条項がありますから、人事院としては報告をいたしますと、政府においてひとつ雇用主の立場においてしかるべき判断をなさってもらいたいというのも一つの考え方ではないのかなという気もするんですよ、私は。私は率直に、これは非常に重要な公務員の給与の問題でございますから、率直な見解を申し述べたわけでございますが、しかし、基本は私は、公務員というものの勤務に対する安心感を与えて、一生懸命に働いてもらうことのできるような環境整備にこれは政府としては全力を挙げてやるべき筋合いのものである、この基本だけははっきり認識をいたしておりますので、つけ加えておきたいと思います、
○峯山昭範君 官房長官おっしゃるとおり、そういう点もあると思います、それだけに、人事院としては、官房長官の今のお考えをやっぱり十分理解をして、それで真剣に検討したんだと思うんですね。だから、ことしの勧告には、それを踏まえて、今官房長官は二つおっしゃいましたが、それ以外にも地方に出向いていわゆる中小企業の皆さん方や大企業の皆さん方、あるいは不況下の大変な中の皆さん方の御意見を聞き、いろいろと勧告の中にこんなに細かく詳細に書き込まれているというのは今回初めてでございまして、そういうふうな意味では相当真剣に受けとめておられるんじゃないかというふうに思っております。それはそれで私はいいと思うんですが。 さて、完全実施ということはもう今まで衆議院の内閣委員会でも議論しておられますし、また、その方向等も出ておると思うんですが、総務庁長官と官房長官お二人いらっしゃいますので、関係閣僚会議ですか、そういうふうなものを開いてやられるんだと思いますが、これからの段取りを一遍教えていただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおりに、八月の六日に勧告がなされまして、その翌日第一回目の給与関係閣僚会議を開いております。今後もこれは開かれるべきだと思いますが、これは官房長官の所管でございますので、私からそれ以上申し上げることは避けたいと思います。いずれにいたしましても。この勧告の扱い方につきましては、私は給与担当の大臣でございますから、特に労働基本権の制約の代償の一つでございますし、そのことをしかと踏まえてその完全実施に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(後藤田正晴君) 主管の大臣である総務庁長官の御意見を尊重して私としても対処したいと、かように考えております。
○峯山昭範君 総務庁長官、やっぱり完全実施という方向で総務庁長官としては一生懸命努力をする、これはそういうことでよろしいですね。
○国務大臣(山下徳夫君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 それでは次に、防衛庁関係の方もお見えになっていらっしゃると思いますが、今回の給与勧告で防衛関係費はどういうふうになりますか、これが完全実施されたとした場合ですね。
○政府委員(友藤一隆君) 所管の政府委員、ちょっと今来ておりませんので、後でまたお返事をさせていただきたいと思います。
○峯山昭範君 防衛庁の方でも、これはGNP一%とのかかわり合いがありますので、給与関係の今回の法案が一〇〇%完全実施された場合どういうふうになるかという問題と、それから、このGNPの問題につきまして、経企庁が三・五%の成長を上回るというようなことで上方修正というふうな話も出ております。その場合、防衛庁の昭和六十二年度の予算がGNP一%以内におさまるかどうかということも含めて、御検討していただくようにお伝えいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○政府委員(友藤一隆君) 所管の者によく伝えておきたいと思います。
○峯山昭範君 給与の問題はその程度にしまして、週休二日制の問題についてお伺いをしたいと思います。 週休二日制の問題については午前中も御質問がございましたが、いろんな問題がたくさんあると思います。まず、勧告に至る経過を人事院の方から御説明願いたいと思います。
○政府委員(川崎正道君) 今回、四週六休の本格的実施を勧告申し上げたわけでございますが、この四週六休を本格実施するという勧告をいたしました理由は、大きく分けまして三つばかり挙げられるかと思います。 一つは、今日、週休二日制、完全週休二日制を含めまして週休二日制を促進していくということは、国民的課題になっておるという認識に至ったということがございます。これは午前中の御審議でもいろいろ出ておりましたけれども、各種の審議会の御答申あるいは政府の決定、閣議了解等々、いろんな面におきまして、公務員の週休二日制というものを促進する必要があるという国民的なコンセンサスができてきていたと。そういう事態を踏まえまして、人事院といたしましても、今日週休二日制を促進していくということは非常に大事な課題であるというふうに認識したということがございます。 それから、我々人事院におきましては、官民比較という原理、原則がございます。この官民比較という原理、原則から見ますと、民調の結果、週休二日制の実施状況が七七・一%と、また、隔週または月二回という形での週休二日制の実施状況も六二・八%と非常に高い率になっておる。民間でこれほど週休二日制が普及されておるという実態を踏まえれば、公務員の世界におきましても、週休二日制を四週六休まで進めてもしかるべきではないかという判断をしたというのが第二点でございます。 さらに、昨年の十一月から政府の方で四週六休の試行をしていただいておりますが、この試行の参加率が約九割に達しておると。しかも、その九割の方々の実施状況、各省庁における実施状況、職員の努力等を見ておりますと、非常にうまく四週六休をこなしていただいておる。行政サービスの著しい低下を来すこともなく、かつ職員に著しい負担を強いることもなくうまくやっていただいておると、こういう状況がございます。 この三つの観点を総合勘案いたしまして、四週六休の本格実施をすべきであると、このように人事院としては判断したと、こういうことでございます。
○峯山昭範君 これは午前中の質疑でも官房長官からもお話がございましたが、これは週休二日制に対する民間の特にやっぱり中小企業の皆さん方の御意見ですね、これは人事院の方で調査をされていらっしゃるわけでございますが、大体どういうふうな御意見が中心だったのでございましょうか。
○政府委員(川崎正道君) 中小企業の方々との懇談会におきましておおむね出ました意見を要約いたしますと、四週六床は進めてもらって結構であると、今日の日本の状況において週休二日制は官民を問わず進めていくべき課題であるというふうに思うと、しかし、それをするためには、公務においても生産性を上げていただきたいと、公務においても生産性を上げるという形でやっていただきたいと、こういう御注文はございましたが、そういう条件のもとでできるだけ早く四週六休は進めるべきであると、こういう御意見であったように承知しております。
○峯山昭範君 今回の勧告の中でも、外国の状況の説明、先ほどもちょっとございましたが、週休制のいわゆる形態の問題、それから週の所定勤務時間の問題、それから週休制の形態別年間の休日日数の問題、特にいつごろからこういうふうな問題、例えば週休二日制を実施しているかということを含めまして、概要を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(川崎正道君) ことしの四月に、人事院は外国の公務員の週休二日制についての調査を実施したわけでございますが、四十カ国について調査をいたしました。その調査結果を概略申し上げますと、完全週休二日制を実施している国が三十一カ国でございます。それから、隔週の週休二日制をしているのが一カ国、それからいわゆる土曜日は半ドンで日曜日が休みという形の国が五カ国、それから週に一回だけ休みという国はわずか三カ国と、こういう形でございまして、三十一カ国という多数の国が完全週休二日制を実施しておると。それから、勤務時間の点で申し上げますと、週の勤務時間が四十時間以下の国が三十三カ国ということになっておりまして、調査しました四十カ国全体での過労働時間、勤務時間の平均は三十八時間二十九分と、こういうふうな姿になっております。
○峯山昭範君 そうしますと、週休二日制の実施時期ですね、大体いつごろから実施されてますか。
○政府委員(川崎正道君) 諸外国におきましてはかなり早い時期からこの週休二日制、完全週休二日制に移っておりまして、一九六〇年代に既に先ほど申し上げました三十一力国のうちの十九カ国が完全週休二日制に移行しております。
○峯山昭範君 そうしますと、先進七カ国は、特に日本を除いた七カ国でいいますと、大体六〇年代からもう実施をしていると、こういうふうにとってよろしいでしょうか。
○政府委員(川崎正道君) けさほども申し上げましたように、いわゆる先進七カ国のうちイタリアが一日半制でございますが、そのイタリアを除きます先進国、いわゆるベネチア・サミットに参加している国々、これは一九六〇年代から完全週休二日制を実施しております。
○峯山昭範君 その場合ですね、やはり問題になります土曜閉庁の問題ですね、それと国民に対するサービスの問題ですが、そういうふうな問題は諸外国はどういうふうにしてそれを解消、解決といいましょうか、していらっしゃるように受けとっておられるのか、そこら辺のところはどうでございましょうか。
○政府委員(川崎正道君) 我々のところは勤務条件を扱っているという立場での調査をいたしておりますので、行政サービスの点につきましてまで十分な調査ができかねてはおりますけれども、少なくとも我々が承知している限りにおいては、行政サービスを低下させることなく実施しているように承っております。
○峯山昭範君 これは非常に重要な問題で、今午前中に官房長官からも御答弁をいただきましたが、週休二日制が民間でどんどんどんどん進んでいきますと、お役所はやっぱり土曜日あけておいてもらいたいという話も出てくるわけでございまして、実際問題として非常にこれは難しい問題だと私思います。そういうふうな意味で、これはそこら辺のところをどういうふうにバランスをとりながら解決をするかというのが、これからの大きなテーマに私はなるんじゃないかと思っております。そういうふうな意味で、この中身もやっぱりもう少し研究をする必要があるんじゃないかと思うんですね。そこら辺のところもぜひ御研究いただきたいと思います。 それから、これは官房長官、私の手元に週休二日制に対する資料が大分あるんですけれども、いわゆる国内におきましても週休二日制を拡大していくという面では、もうとにかくいろいろなところでやっぱり内需拡大だとか、現在の諸外国とのいろいろな関係だとか、あるいはもういろいろな点から見て週休二日制という方向に進んでいるやに見えるわけであります。そういうような意味でこれは我々としてもそういう方向に検討をしなきゃならないし、そういう方向に進まなければならないと思うんですが、ただし、そんな中でいわゆる国民へのサービスを低下させないで、あるいは国民のいわゆる利便を期するようにしながらこの問題を解消しなきゃならないわけでありますが、官房長官のお考えとして、これからこういう問題をどういうふうに解消していかれるおつもりなのか、政府としては何らかの対応をしていらっしゃるのか、そういう点も含めまして一遍お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(手塚康夫君) 週休二日制の推進と閉庁問題、実はかなり関係はありますが、往々ごっちゃにされてしまう面がございます。 例えば閉庁にするのに定員が必要じゃないかというような答申もあったことはございます。しかし、そうではないのでして、例えば四週六休にするのに現在問題なのは、現在建前上四十三時間をこれを四十二時間にしようと、そうすれば例えば交代制勤務であれば要するに二・四%の定員削減と同じ効果を持つ、その中でいろいろと工夫をして現在試行をやっていただいているということになるわけでございます。ところが、閉庁は全然別の観点から実は考えておりまして、それじゃそういう形で土曜日に半数ずつ出てくるというのを昨年の十一月末から試行をやっております。その状況を見ておりますと、例えばチームを組んで仕事をしているようなところは土曜日余り仕事にならない。せいぜい準備ができるだけであるということになってしまう。それならば、そういったチームはある土曜日には全員出てきてもらって、別の土曜日にはむしろその役所を閉めてしまうという方が能率がいいではないか、そういう点に実は着目いたしまして、本年の三月二十五日、各省集めての人事管理官会議総会で山下総務庁長官から、その辺検討してほしい、ただこれについては国民に対する行政サービスの問題があるから、その接点をどう求めるかを検討してほしいという御指示をいただきまして、それ以後検討を始めたわけです。ついでに申しておきますと、そのときから各省縦割りでまず検討いただいて、それをヒアリングをいたしまして、六月に横割りの検討ということで人事管理運営協議会幹事会に専門部会を設けまして、十二省庁が集まってそこで横割りの検討をしておる、そういう段階でございます。 それで問題は、そういう国民に対する行政サービス、これが完全に落ちないようにというのは実は無理な点がございます。先生もおっしゃるように、例えば窓口的なところであれば、これは土曜日に閉めるというのは、その日に行けば例えば半数の職員でサービスが落ちたとしても開いているのに比べれば、閉まってしまうというのは明らかに行政サービスの低下というふうに言えるわけです。ただ問題は、その接点を当面求めていって、私ども段階的にと言っていますが、現在考えていますのは、段階的にまず著しく国民に対してサービス提供上不便をおかけするような点は、当面は閉庁ではなくてあけたままいきましょう。例えば研究機関的なものあるいは統計部門あるいは本省庁の管理部門、こういったところは、仮にそれを閉めたところで直接国民に接するものでなければ問題がないんではないか。じゃその中間のものについても一体どういう問題があるのか、あるいは代替措置があり得るのか、その辺の検討を今進めているところでございまして、将来はやはり閉庁をもっと進めていきたいわけですが、その折にはもう少し国民の理解を得ながらということになりますと、現在は昨年の総務庁の世論調査を見ましても、まだ国民が完全に閉庁することに対して理解を示していただいているとは思いません。そういう意味で、国民感情も考えながら段階的に進めていきたいと思っているわけでございます
○峯山昭範君 官房長官、衆議院の方へ行かれるそうですので、週休二日制の問題を今検討していらっしゃるそうでございますが、やはり閣議決定とかいっぱい週休二日制の問題についてあれこれやっておられますよね。これは政府としてきちっとこの問題に取り組んでいくことが大事だと思うんですが、官房長官のお考えだけ簡単にお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 週休二日の問題は、労働時間短縮の問題とも並んで、これはもうはっきりした私は方向だろうと思います。したがって、勧告がある以上、今せっかく総務庁で御勉強していただいておりますから、その結論をできるだけ早く出していただいて、政府としても早く実施に踏み切りたいというのが、率直な私の考え方でございます。ただ、閉庁問題になりますと、これはなかなか検討を十分しませんと行政サービスの面で果たしてどんなことになるか、まだもう少し勉強させていただく必要があるかもしれません。しかし、いずれにせよ方向ははっきりしておりますし、できるだけまた早く踏み切るべきものは踏み切るべき時期に来ておる、かような考え方でございますので、御理解しておいていただきたいと思います。
○峯山昭範君 この問題もやれば切りがありませんし、大体の方向ももうそういう方向ですけれども、実際一番問題なのは厚生省の関係だろうと思います。そういうふうな意味で厚生省さんにちょっとだけお伺いして、次の問題に移りたいと思います。 厚生省さん、これはこの骨子の中にもありますけれども、今ちょうど試行期間中でございますが、特に国立病院、療養所等の方は試行にもまだ参加していらっしゃらない方が多いわけでありますが、そういう点を含めまして、これはどういうふうになるのか、その点の御意見あるいは現在のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○説明員(渡辺修君) 昨年の十一月末から政府として四週六休制の試行に入るという方針が決められたわけでございまして、それ以来私どもどのようにして試行に入るかいろいろ検討してまいりました。現時点では、厚生省職員約七万五千人のうち試行に入っておりますのは二万二千人前後でございまして、残りの約五万三千人につきましては、現時点でまだ試行に入れずにおります。しかし、いろいろと職員団体あるいは患者さん方とも相談をしまして、最近に致りましてようやくこの十月からおくればせながら試行に入るめどが立ったところでございます。 試行に入るに当たりましては、業務の見直し等いろいろ工夫、改善を講じながら、病院の運営に支障を来さないよう、患者さん方に大きな御迷惑をおかけしないでやる方法はないか、これからしばらくの間大いに知恵を絞って試行に入ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 これは人事院にお伺いしたいんですが、開庁したままいわゆる四週六休を進めていきますと、私は代休の問題とかそういうふうな問題がやはり大きな問題になってくるんじゃないかと思います。新聞報道によりますと、代休の問題とか夏季休暇の問題等について人事院で検討をしていらっしゃるそうでございますが、これはやはり非常に大事な問題であります。そういうふうな意味ではやっぱり、現在公務員の皆さん方に代休制とか夏季休暇制というのがないそうでありますが、一般の民間の企業ではこういうふうな問題は非常に私は進んでいるんじゃないか、そういうふうに思います。例えば夏季休暇にいたしましても、最近は大部分の企業が取り入れているところが多いように聞いておりますが、そういう点も含めまして、この問題についての人事院としてのお考え、そしてもしこういう問題に取り組んでおられるとすれば、一日も早くこの問題についての結論を出していただく、これは大事なことじゃないかと思うんですが、これもお答えいただきたいと思います。
○政府委員(川崎正道君) 今お話しのように、代休制度の導入ということはこれから公務の部内におきましても検討しなければいけない一つの課題であるというふうに我々も認識しております。 それから夏季休暇の点でございますが、民間におきましてもかなりの普及をしております。今お話にもありましたとおりでございますが、私たちの方で調べました結果におきましても、七五・六%の企業が夏季休暇の制度を持っておるという結果も出ております。こういう民間での普及の状況をも踏まえまして、夏季休暇につきましても検討をこれからしていかなければいけないというふうに思っております。いずれにいたしましても、これかなり大問題でございますので、我々の方におきましてもいろんな角度からの検討をいたしまして答えを出していきたいと、このように考えております。
○峯山昭範君 これはこの問題の最後としまして、総務庁の方で、この週休二日制の問題、最終的には完全週休二日制に持っていかざるを得ないと私は思います。そういうふうな意味では、結局開庁方式で完全週休二日制というのは非常に難しいと思います。そういうふうな意味で、これはもう当然終着は完全週休二日制ということになるわけでありますが、それに至るプログラム、目標、これは新前川レポートとかいろんなところでも時間的な問題、報告をしているわけでございますが、そういう点も含めまして、総務庁としてのお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 政府委員等からも御答弁申し上げておりますように、これは労働条件の改善であり、また労働時間短縮という立場からの国際協調という面から見ますと、進めていかなきゃならぬのは当然でありますし、行く行くはおっしゃるとおり閉庁方式になると思います。現に私どもの役所も、例えば統計局というのがございまして、私も定員は何名かよく承知しておりませんが、恐らく二千人ぐらいいると思いますが、一つの例をそういう統計局にとりましても、事務上の流れ作業というのでしょうか、それぞれが一つの機械を持ちながら流れ作業的にやっていますと、半分休むとあとの半分がその半分を補うところか、半分だけでは停滞して何もできないという面もあるかと思います。それは随所に、統計局だけじゃなくてたくさんの役所の中にたくさん出てきていると思います。したがって、やっぱりそういう面からしますと、能率本位ということになれば、これはやっぱりシャッターをおろした方が私はいいんじゃないかと思っております。それにつきましては、ただ長年にわたって国民の間に定着してきた役所の出勤日、お休みという、これに対してはやっぱり国民の理解が必要でございますから一挙にというわけにまいりませんし、そういう面もあわせて、今努めて国民の理解を得るためのPR等もやっている段階でございます。 また、定数の問題等につきましても、これまた政府委員から御答弁申し上げましたけれども、民間におきましてもやはり一つの合理化によってこれを補っておるということでございますから、私どももそのことによって定員がふえるということは今のところ全く考えておりません。そういうことは合理化によって消化しながら、ひとつこれは遂行していかなければならぬと思っておる次第でございます。いずれにしましても、なるだけ早い時期にひとつこれは結論を出さなきゃならぬということで、今後作業を進めてまいりたいと思います。
○峯山昭範君 週休二日制の問題と給与の問題は以上で終わります。 次に、防衛の問題について二点お伺いをしたいと思います。 きょうは外務省もお見えになっていらっしゃると思いますが、まず一つは、先般の奈良県の十津川村で起きました米軍機の林業用のワイヤロープの切断事故の問題でありますが、これは私は新聞報道並びに、地元でございますから地元の皆さん方からも状況はつぶさに聞いてまいりましたが、これはどういうことなのか、一遍外務省の方から初めに現状、事実関係を御説明いただけますか。
○政府委員(渡辺允君) お答え申し上げます。 八月の十二日の午前十時十五分ごろでございますが、米海軍の空母ミッドウェー艦載機でございますEA6Bプラウラーという機種でございますが、この飛行機が航法訓練のために奈良県の十津川の山岳地帯で飛行をしておりましたところ、谷合いに架設されました材木運搬用のワイヤーロープに接触をいたしまして、そのロープを切断したというのが事故の概要でございます。航法訓練と申しますのは、ある地点から他の地点の間までを地図に基づきまして低空で飛行をいたしまして、パイロットの練度の向上を図る訓練であるというふうに説明を受けております。 この事故が発生いたしました後、私どもといたしましては、直ちに米側に対しまして事故原因の究明、それから事故の再発防止、安全確保について申し入れをいたしました。これに対しまして、米側といたしましては、現在事故調査のための委員会を設置いたしまして、事故の原因等の詳細について調査をしておるところでございます。それから、海軍といたしましては、この調査の結果が出ますまで、この地域において当時行っておりましたような訓練を行う計画はないということを申してきております。
○峯山昭範君 低空の練度の訓練ということですが、あのロープまでは谷底から二百五十メーターぐらいしかないわけですから、相当低空の訓練をしておられたわけですね、実際問題として。それで、こういうふうな訓練はどこにも届けをしなくて、そしてしょっちゅうこういうことが行われているわけですか。これはどういうことなんですか。
○政府委員(渡辺允君) 米軍の訓練でございますけれども、米軍が安保条約に基づきまして日本におります目的、我が国の安全それから極東の平和と安全を維持する、そのために寄与するという目的のために軍として行います活動については、これは米軍として行い得る活動なわけでございます。 それで、今回の訓練飛行のような場合、例えば私ども承知しておりますところでは、厚木の飛行場に出発の際フライトプランをファイルするというようなことはいたしておるようでございます。 それからもう一つ、航空法の規定そのものは特例法によりまして米軍に直接の適用はないわけでございますけれども、米軍としては我が国の航空交通安全、民間航空路の問題、それから最低安全高度の問題等については、十分の配慮を払いながら訓練をするということでやっているというふうに承知をいたしております。
○峯山昭範君 これ幾つか事実関係を確認をしないといけない問題があるわけですけれどもね。日米安保の上で日本としては認めなきゃいけない点がたくさんあるんだろうと私は思うんですが、それにしても、車だってやっぱりきちっと交通ルールがあって事故が起きないように必死になっておるわけですよ。そんな中で、やはり米軍に対しても日本の空は飛んでいいところと飛んで悪いところというのはあると私は思うんですよね。そこら辺のところはどういうふうになっているのか。奈良県の十津川の上空というのはしょっちゅう飛んでいいことになっているのかどうか。厚木の飛行場を飛び立つときにはフライトプランが出ていると言いますが、そのフライトプランではどういうふうになっているのか。具体的にはどういうふうに掌握していらっしゃいますか。
○政府委員(渡辺允君) 一般的に申し上げますと、今回の飛行訓練の場合のように、いわば通常の飛行形態で訓練を行います場合には、それを行います空域について特別の制限はないわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、当然米軍といたしましても民間航空路を避けるとか、それから最低安全高度を尊重するというような形で我が国の航空交通の安全に本来配慮を払うべきものでございますし、また、実際それに十分の配慮を払いながら実施しているというふうに私どもは承知をいたしております。
○峯山昭範君 いや、これ航空法上特別制限はないとは言いながら、要するに、もう一回聞きますが、厚木の飛行場から飛び立って、そしてどこら辺を飛ぶということになっているんですか、この飛行機は。具体的にはこの日フライトプランはどうなっていたんですか。これは事故を起こした日だけじゃないんです。一年ほど前から月に何回か飛んできているわけです。たびたびそういう状況を見ているわけです。たまたまロープにひっかかってロープを切ったから事故になりましたけれどもね。たびたび見ているわけですよ、地元の人たちは。どこの飛行機かわからないわけですよ、みんな。ですから、そういうふうな意味では、特別の制限はないとはいいながら、やはりきちっとした制限というか、民間航空機も飛んでいるわけですし、いろんなものがいっぱいあるわけですから、国内法はきちっと守っていただかないと大変な事故につながる可能性があるわけですよ、実際問題として。そういう点を踏まえて強烈な申し入れもやっていただきたいし、具体的事実だけでも確認しないとどうしようもありませんから、当日のフライトプラン、一般論じゃなしに、時間もたっているわけですから、これはもうちょっと具体的に調べていただかないと、外務省としても。当日のフライトブランはどういうふうになっていたんですか。
○政府委員(渡辺允君) この飛行機は、厚木の飛行場を飛び立ちまして、ほかにはどこへも立ち寄らずに厚木の飛行場に帰っております。 フライトプランの内容でございますが、実は、この内容自体につきましては米軍の運用にかかわることでございますので、これを公にすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○峯山昭範君 ということは、完全にいわゆる低空でああいう谷合いを縫って飛んで、訓練のためにやっていたということですね、これは。そういうふうに外務省としてはきちっと認めておられるわけですね、どうなんですか。
○政府委員(渡辺允君) これは、先ほども申し上げましたとおりに、いわゆる航法訓練のための訓練飛行でございます、 繰り返しになりますけれども、米軍といたしましても当然我が国の航空交通安全に十分の配慮を払うべきでございますし、それから我が国の法令を尊重すべきものでございます。米軍としてもそのようにやっているということでございますが、今回このような事故が起こったわけでございます。私どもも、また米側も、その原因の究明それから今後の安全確保、再発防止のためにどうするかということをさらに話し合っていくつもりでございます、
○峯山昭範君 私は、とてもじゃないけれども、これは納得できる問題じゃありませんな。少なくともロープにひっかかるように飛んだわけですから、二百五十メーター以下で飛んでいるわけですよ。そんな低空で飛んだら、日本の自衛隊のレーダーサイトだってつかめないでしょう。大体三百メーター以下はなかなかつかみにくいんですよね、今は。そういうような意味からいきますと、私は、そういうふうな特別の制限はないとはいえ、やはり日本の航空の安全という面からいきますと、安保条約の上でどうしても訓練をするとはいいながら、やはりそこのところの歯どめはきちっとしていただかないといけないと私は思うんですよ。きょうは大臣がお見えになっておりませんから、審議官だけですからそこまで責任のあることは答弁できるのかどうか知りませんが、事実関係を私はもう少し詳細に調べていただきたいと思います。そして、その事故の内容あるいはその事故を起こした谷合いでの飛行の目的、そういうものにしましても、やっぱりもう少し明らかにしていただかないといけないと私は思うんですよね。そういう問題につきましては、今後内閣委員会で、法案が来る可能性があるわけですから、そのときには大臣にも来ていただいて、懇ろに質問させていただきたいと私は思っていますので、そのときにわからないということがないようにがっちりお願いしておきたいと思います。 それから、施設庁、これはもう早速地元に飛んでいかれたのかどうか知りませんが、補償交渉を始めていらっしゃるそうですが、現在までの経過とあわせて施設庁のお考えをお伺いしておきたい。
○政府委員(友藤一隆君) 私どもでも、本件に関しましては、在日米軍司令部に対しまして、事故原因の究明と有効な事故防止対策の確立については申し入れをいたしております、 お尋ねの被害の補償の件でございますが、大阪防衛施設局が現地の所管の防衛施設局でございまして、八月十四日に被害に遭われました会社の役員の方に早速遺憾の意を表明いたしますとともに、損害賠償の手続等の御説明に伺っております。それから、翌十五日には事故現場を訪問いたしまして、被害状況の調査等も行っており、本件の損害賠償措置については遺漏のないように今後進めてまいりたいというふうに考えております、
○峯山昭範君 もう一つ、これは時間の関係がありますので、自衛隊機の最近のニアミスの問題、これは非常に私は重要な問題であると思いますので、ちょっとお伺いをしておきたいと思います。 これは先般の本会議におきましても質問がありましたが、防衛庁長官からは、その原因等について調査中である、こういう御答弁がありました。これは現在どういうふうになっておりますか。
○政府委員(長谷川宏君) お答えします。 八月十一日、四国南方沖海上におきまして海上自衛隊のU36A型機と全日空機との間で、また八月十九日には千歳飛行場の近辺におきまして航空自衛隊のF15型機と全日空機との間で、いわゆるニアミスが発生したとされております。 ニアミスの報告はいずれも全日空機側からなされておりますが、自衛隊機の機長の報告によりますれば、民間機を視認しつつその前方を通過したことは認めておりますものの、民間機との間には相当の距離があって衝突等の危険は感じなかったとのことでありまして、現時点において直ちにニアミスに該当するとは断定できないと考えられます。これらの事案につきましては、現在運輸省におきまして調査を行っておるところでございまして、防衛庁としてもこれに積極的に協力しながら、早急かつ厳正に事案を解明することとしております。 航空交通の安全確保につきましては、今後とも万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 これは非常に重要な問題なんですね。いろいろあるんですけれども、一つはこのニアミスに対する認識、これが非常に私は重要な問題だと思います。全日空機の機長は大体五百メーターぐらい、こう言っておるわけですね。あなたは今の答弁によると相当の距離とおっしゃいましたが、これはどのくらいとおっしゃっておるんですか。
○政府委員(長谷川宏君) 今のケースは後の方の千歳におけるものでありますが、その場合の具体的数値でございますが、これは現在まさに運輸省におきまして調査中でありますので、第一報段階のパイロットの報告をそのままこの場で申し上げることは遠慮をさせていただきたいと思うのですが。
○峯山昭範君 当時の新聞報道によると、相当の距離——あなたは相当の距離とおっしゃいましたが、パイロットのいろんな証言によると五キロメートルと。五百メートルと五キロと大分違うんです。確かに違うんです。当時ニアミスを起こした戦闘機は何という戦闘機ですか。
○政府委員(長谷川宏君) F15であります。
○峯山昭範君 F15という戦闘機が全日空機の前をぱあっと飛んだわけですな。五キロ飛ぶのにどのぐらいの時間かかるんですか。
○政府委員(長谷川宏君) ちょっと正確に計算しませんと……。まことに申しわけありません。
○峯山昭範君 そんなことはもうあなた方真剣に調べたらわかることですよ。F15というのはマッハ出すんですよ。当時はどのくらい出したか知りませんけれども、相当なスピードで、我々も千歳の空港の近くでF15が訓練しているのは何回も見たことがありますが、五キロ飛ぶのに何秒、何分なんてかからないはずですよ。相当の距離があったといいましても、距離と時間とは大分違いますから、これ。普通の民間航空機が七百キロ、八百キロで飛ぶその時間とはてんで違うわけですよ。そうでしょう。しかも、前の雫石の事故、そういう点からいきますと、日にちもたっているからニアミスに対する考え方、認識が自衛隊自身が甘くなっているんじゃないか、あなた自身がこの問題について真剣に取り組んでない。全日空の機長が余り敏感になり過ぎていると。あなたが内局の中心者なら、大変だと、これは。今のままの認識では雫石の二の舞を起こしかねない。二度とこういう事故を起こさないようにするためには、このニアミスという問題あるいは安全航行という問題について真剣に取り組んで、相当の距離というのはどのぐらいなんだ、どうなんだと、それこそ真剣に検討して、そして民間航空機の皆さん方のそれは杞憂であればいい。しかしながら、やはりそういう事故が起きる可能性というのが続けて起きたわけですから、これは自衛隊としては真剣にこの問題をとらえて、こういうことで二度と事故が起きないように、今回は起きなかったわけですけれども、二度とこういう事故を起こしてはならないという考え方に立ってこの問題を対処しないと大変なことになる。私はこの点は申し上げておきたいと思います。 それから二番目の問題として、航空自衛隊の体制の問題というのがあります。これは、御存じのとおり、昭和四十六年の七月には雫石の上空で自衛隊機と全日空機が衝突をいたしまして、百六十人の皆さん方が亡くなったわけであります。当時私も内閣委員会におりまして、現地へ飛んで行ってその惨状を目の当たりにしたことを覚えております、その私ですら、やっぱりあの当時のことは日にちがたつと忘れてしまいます。薄らいでいきます。当内閣委員会で昨年この問題について質疑がありました。そうでしょう。あの事故当時の被告の方を励ますために全国から自衛隊機に乗って福岡に集まったという話がありました。そういうふうなことで、ニアミスあるいはそういう事故等に対する考え方がだんだん薄れていっているんじゃないかということがあります。 したがって、そういうふうな問題とあわせまして、現在日本の空では民間と自衛隊と共用している空港が幾つかあるわけです。非常に私は大事な問題だと思います。そういうふうな意味では真剣にそういう問題が再発しないように、防衛庁の内局のあなたが最高の、教育訓練局長さんなんですから、立場にあるわけです。そういうふうな意味ではぜひとも私は、この認識の問題あるいは体制の問題、そういういろんな問題を厳重にしていただく。非常に私は大事な問題であると思います。そういうふうな意味であえてきょうはこの問題を取り上げましたけれども、ぜひ今後ともこういう問題は真剣に対処していただきたい、そのことを要望しておきたいと思います。それで、局長の御答弁だけお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(長谷川宏君) よく承りました。
○吉川春子君 まず、一番最初に一つ確認しておきたいと思います。 去る八月六日に今年度の人事院勧告が行われましたが、公務員が労働基本権を奪われている、制約されている代償措置として行われるものでありますから、政府は完全実施をすべきであると私は考えます。午前中からの御答弁を伺っておりますと、完全実施のために政府は全力を尽くすというふうにお答えになっていると受けとめておりますが、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 私は給与担当の大臣といたしまして午前中も御答弁申し上げましたし、午後もまた御答弁申し上げます。 これは速やかなるひとつ決定を、速やかなると申しますか、急いで決定いたしまして、なるだけ早い時期にひとつしかるべき機関に諮ってそして実施の方に踏み切っていきたい。——ちょっと御質問の趣旨を私聞き漏らしましたのでなんですが、恐らく御質問の趣旨は完全実施するかどうかということですか。
○吉川春子君 そうです。
○国務大臣(山下徳夫君) 完全実施に向かって努力をいたします。
○吉川春子君 その完全実施の中には給与の改定とそれから週休二日制が入ると思うんですけれども、週休二日、四週六休を土曜閉庁の方式で行うという場合に、さっき厚生省関係の問題が出ましたけれども、例えば学校なども閉庁ということについては非常に大きな問題があると思いますが、この閉庁による四週六休の実現について、それらの微妙な問題についてどのような方向でおやりになるのか、伺います。
○政府委員(手塚康夫君) 学校の問題は、確かに同じ週休二日制でもちょっと違った面があるかと思います。あるいはPTA等の問題などもございまして、いわゆる国民が公務員関係の週休二日制に反対するのと違った意味合いを持っての反対もあるかと思っております。なおかつ、私どもの方は国家公務員を対象として考えておりますので、一般的に問題とされる小中学校は直接私の方の所管にまずなりません、それについては文部省の方で、教育課程審議会の方で審議をされるというふうに伺っておりますので、それはそちらの方の御議論を待ちたいと思っております。
○吉川春子君 国立の小・中・高校もあるでしょう。
○政府委員(手塚康夫君) 数の上で少ないですが、国立大学の附属関係が確かにございます。まあそういうところについては、やはり教育機関ということで一緒になっていくのではないかというふうに我々思っております。そういう意味で、私どもが今考えている中では、カテゴリーとして多少ちょっと違うかなとは思っております。
○吉川春子君 それでは、公務員の給与は何によって決められるんでしょうか。
○政府委員(中島忠能君) 国家公務員法に規定がございますが、「情勢適応の原則」いわゆる民間準拠の原則というのが一つございます。それと、給与を運用する場合には、職務給の原則というのも規定されております。なお、それ以外に考慮すべき要素といたしまして、生計費等を考慮して決めると、こういうことになっております。
○吉川春子君 経企庁にお伺いいたします。公務員給与の決定の一つの根拠が民間準拠ということですが、民間賃金について伺いますけれども、経企庁は、この五月に、「内需拡大と成果配分(概要)」というものを発表いたしましたけれども、その中で、我が国の賃金決定の傾向、そして、労働組合運動のかかわり方などについて、どのように分析されておられますか。
○説明員(上野達雄君) この報告書の中では、民間の賃金というのは本来労使の話し合いの中で決定されると。ただ、中長期的にはやはり生産性に見合った賃金というのが望ましい姿ではないかというふうに考えまして、過去の分析をいたしますと、五十年代は若干生産性に見合った賃上げが必ずしも行われてこなかったという意味から、現下の経済政策というのが内需主導型の経済成長に持っていくということから、今後は労働生産性というものにある程度見合った賃金、賃上げというのが望ましい姿ではないかというふうに分析しております。 労働組合の問題につきましては、日本の場合、若干その組合の組織率が低い等もありまして、必ずしも賃上げに強く作用しているというふうには考えませんけれども、ただ、不況のときなどを考えますと、労働市場あるいは経済情勢に見合った労使の話し合い型の賃金決定がなされるということは、一方から言いますと、雇用問題をそれほど深刻化させることなくうまく労使間の話し合いができるという意味で、プラスの面を持っているのではないかというふうに考えております。
○吉川春子君 そこで指摘されておりますのが、昭和五十年代に入って、管理春闘、横並び春闘などと称される中で賃上げの低位平準化傾向が続きとなっていますが、この原因についてはどのようにお考えですか。
○説明員(上野達雄君) 従来の日本の賃金決定というのは、大企業、特に重厚長大型の鉄鋼でありますとか、そういった業種の主導によって決められてきたということもありまして、最近、御承知のように、こういう重厚型の産業が非常に不況であるということで、春闘方式で一括賃上げ決定というような形をとりますと、どうしてもそこにしわ寄せされて、比較的生産性あるいは収益の高い業種も横並びになるという傾向が最近までは見られたというふうに考えております。
○吉川春子君 この経企庁の文章では、「労働組合が全体として現実化傾向を強め、対立型(ストライキ)から参加型(話し合い)へと運動のあり方を変えてきていること」が、賃上げが低い水準にとどまっている原因だとしているわけですね。 それで、労働分配率についてどうですか、国際比較はどうでしょう。
○説明員(上野達雄君) 労働分配率につきましては、国際的に見ますと、やはり日本は総体的に低い分配の水準にあるというふうに考えております。それから、傾向的に見ますと、やはり五十年代におきまして若干労働分配率が低下してきたというふうに見られまして、これは先ほど申し上げました生産性と賃上げというのは必ずしも対応した関係になっていなかったということが原因しているというふうに考えております。
○吉川春子君 そこで、人事院にお伺いいたしますが、公務員給与については、「民間に準拠することが最も適当である」というふうに人事院総裁の談話で述べられています。今お聞きのような情勢で、しかもことしの春闘の相場は最低であります。生産性さえも下回っているということを政府が発行している文章さえ指摘している、こういう中で、公務員賃金、公務員給与を民間に準拠させることが最も適当だというのはどういう意味ですか。
○政府委員(中島忠能君) 民間賃金が、まあいろいろな要素で決定されるんでしょう、恐らく。雇用情勢を考えたり、あるいは国際情勢を考えたり、いろいろな情勢で決定されるんでしょうが、労働者側あるいは使用者側それぞれ置かれた条件のもとで精いっぱいの努力をして民間賃金が決められておる。その民間賃金に準拠して公務員の賃金を決定していくということが国民の理解と納得を得られるやはり最もいい方法だということで、私たちは従来から民間準拠の方式というのを踏襲してきているわけでございます。 したがいまして、今先生が御指摘になられたようなこともわからぬことはございませんけれども、私たちの出す勧告というものを政府の方でお受けいただいて、そして完全実施していただくというためには、国民の理解と納得というのがどのようにして得られるかということを我々も考えなきゃならない。そういうことで、従来からの方式を今回も採用したということでございます。
○吉川春子君 民間準拠だけじゃなくて、さっき局長もおっしゃられましたように、そのほかの生計維持とかいろんな要素も考えて公務員賃金というのは決定されなきゃならないと思いますし、私はまず最初に、その民間賃金準拠ということが余り妥当でないということを指摘して、もう一度後で戻りますが、次の問題へ行きます。 標準生計費の問題についてお伺いいたしますが、全国標準生計費と勧告給与との見合いという、これ資料としていただきました。これを見ますと、独身者の標準生計費が八万八千二百十円、勧告俸給額に諸手当を加えますと十万四千五百三十四円ですか、共済掛金とか住民税、所得税を差し引いても、十八歳の場合では三千七百五十六円のプラスになるわけで、一応形の上ではこれで生活できるということになると思います。ところが、二人世帯、三人世帯、五人世帯までありますけれども、これはどこをとってもマイナスの数字になっているわけです。 そこで、お伺いしたいわけですが、勧告給与で標準生計費が賄えるようになるのは年齢は幾つでしょうか。二人世帯から五人世帯まで示してください。
○政府委員(中島忠能君) 標準生計費との見合いで俸給を考えていくということでございますけれども、その俸給というのをどこまで計算の中に取り上げていくかということですが、通常三者給といいまして、本俸と扶養手当と調整手当というものと標準生計費との見合いというのを議論してまいりました。しかし、標準生計費の中には住居費もございますし、交通費もございます。したがいまして、三者給ではなくして住居手当や交通手当を入れたもので見るべきだという議論もございます。さらに、標準生計費の中には娯楽費とかあるいは交際費という、性格的には臨時的なものもございます。そうしますと、収入の中に臨時的なものも含めて対比すべきじゃないかというふうに考えられます。いわゆる所定内給与で見たらどうだという考え方もございます。そのようないろいろな考え方に基づいて標準生計費との見合いというものを見ていかなきゃなりませんけれども、いわゆるそういうものを含めた、月例給与というふうに通常言いますけれども、月例給与と標準生計費だけで対応させていくべきものかどうか。現在日本の勤労者の生活パターンというのを見てみますと、期末・勤勉手当というものの一部を生活費に充てているというのが通常でございますから、私たちが生計費との見合いで俸給を考える場合には、期末・勤勉手当の一部を通常の生活費に充てるということで生計費との見合いを考慮しているわけでございます。
○吉川春子君 ちょっと私の質問にまず答えていただきたいんですけれども、二人世帯から五人世帯で標準生計費を賄えるのは何歳になるのかと、勧告給与で。そこをまずお答えください。
○政府委員(中島忠能君) 私が申し上げましたように、期末・勤勉手当の一部を生活費に充てるということになりますと、すべての世帯において標準生計費を賄っております。
○吉川春子君 そういう答弁は全く不当ですね。そうしたら、そういう資料を事前に私の要求にこたえて出せばいいのであって、そういう資料を出さないで、おたくからいただいたこの資料によりますと、もうその二人世帯から五人世帯まで賄えるようになるのは、例えば二人世帯では三十歳、三人世帯では三十七歳、四人世帯では四十一歳、五人世帯では四十四歳。つまり、結婚できるのは三十歳で、一人目の子供を産めるのは三十七歳で、二人目の子供を産めるのは四十一歳と、こういう資料をおたくの方から出したんですよ。では、賄えるという数字をどうして事前に出さないんですか。
○政府委員(中島忠能君) 先生の御質問が、俸給で標準生計費を賄えるという前提でお尋ねになりましたので、私たちの物の考え方に基づいて御答弁したわけでございます。
○吉川春子君 では、続けて伺いますけれども、それならばなぜ一時金を含めた金額で民間との比較をしないんですか。四月分だけで比較されているわけですけれども、そういうふうに一時金とかそういうものを含めなければやっていけないというのであれば、そういう形で民間と比較されるべきじゃないですか。
○政府委員(中島忠能君) その民間と比較すべきじゃないかという御質問は、私たちが勧告するに当たって民間の一時金をも含めた比較をすべきじゃないかと、そういう御趣旨ですか。
○吉川春子君 そうです。
○政府委員(中島忠能君) 私たちが給与勧告をします場合には、俸給は俸給、手当は手当、期末・勤勉手当は期末・勤勉手当という個別にそれぞれ民間と比較して、それぞれ勧告すべきものは勧告する、現状を維持すべきものは現状を維持すると、そういう方式でやっておりますので、その点は先生も既に御存じのとおりだというふうに思います。
○吉川春子君 その問題は後でもう一度やりますが、そうしますと、標準生計費を賄えるのはやはり勧告俸給額では賄えないと、そういうことですね。結論だけで結構ですよ。
○政府委員(中島忠能君) 先ほど申し上げましたように、三者給で言うのかそれとも所定内給与で言うのか、あるいはまた日本の勤労者の一般的な生活パターンである期末・勤勉手当を含めたところで見るのかということによって、それぞれ答えが変わってまいります。
○吉川春子君 答えは変わってきますが、そちらからの資料によると、二人世帯以上は勧告給与ではマイナスになるということですね。 もう一つこの標準生計費についてお伺いいたしますけれども、人事院の算定しました標準生計費と東京都の人事委員会の算定による標準生計費を比較しますと、一万円以上差があるんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。東京都の方が正確なんでしょうか、それとも国の方が正確なんでしょうか。
○政府委員(中島忠能君) 標準生計費を算定します場合に、東京都の方式と人事院が行っている方式とは基本的な点においては相違はございません。 ただ、東京都が行っておるのと我々が行っておるのと違う点は、一つは、人事院が行います場合には総務庁が行っております家計調査に基づいて価格を出しておる、片一方東京都の方は東京都独自で価格を調査してお出しになっておるというところが一番大きな違いでございますが、それ以外食料費につきましては例えて言いますとそれぞれの採用品目が若干異なっているとか、あるいはまた細かいことになりますけれども、動物性たんぱく質の占めるパーセントをどのように見るかとか、そういう技術的な点において異なっております。基本的な点においては同じでございますので、まあ異なっておることによる金額が今先生がお話しになられた金額だというふうに思います。
○吉川春子君 標準生計費が東京都で計算したのと国で計算したのと、同じ東京都で標準生計費が一万円も違ったら困るじゃないですか。
○政府委員(中島忠能君) 私たちは、今申し上げましたように、総務庁で実施しておられる家計調査、大変権威のあるものでございますから、それに基づいて生計費を出すということについては、それが正しい方式だというふうに考えております。
○吉川春子君 東京都は、そうすると、権威のない資料に基づいてやっているということになりますか。
○政府委員(中島忠能君) 東京都は東京都なりに自信を持っておやりになっておるんでしょう。
○吉川春子君 だから、その差についてどうお考えですか。こんなに差があってまずいと思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(中島忠能君) それぞれの異なった機関が行っておるわけですから、それぞれにそれぞれ言い分があるのだろうというふうに思います。
○吉川春子君 国がとにかく一万円も低い標準生計費を算出しているということについては、全く不当であるというふうに思います。 次に、官民較差についてお伺いいたしますけれども、人事院勧告のねらいは公務員の給与を民間賃金と均衡させると、官民較差をなくすということですけれども、ことしの勧告によって官民較差は一応なくなっているんだというふうにお考えなんですか。
○政府委員(中島忠能君) なかなかお答えしにくい御質問でございますが、私たちが官民較差を算出する場合には、公務員の中で最も基幹的な職種と言われます行政職俸給表(一)及び(二)の適用職員につきまして、それと相当する民間の企業の事務、技術、技能労務職員のそれぞれを、給与決定条件を同じくする者同士を個別に比較いたしまして官民較差を算出し、その官民較差を本俸と手当の間で埋めていくという方式をとっております。そういう方式で現在官民較差を埋めておるわけでございますから、私たちは基本的には官民較差は埋まっておると、こういうふうに考えております。
○吉川春子君 文部省にお伺いいたします。 国立大学と私立大学の教員の給料についてその差はどうなっていますか。
○説明員(佐藤次郎君) お答えいたします。 国立大学と私立大学の教員につきましては、それぞれ給与体系あるいは年齢構成等の給与水準を決定する要素が異なっておりますので、また私立大学が大都市に集中しているというような事情もございますので、一概にそれを比較するのは極めて難しいと思うわけでございます。 ただ、数字といたしましては、文部省が三年に一度やっております学校教員の統計調査報告というのがございますが、それの最新のものが昭和五十八年度にございます。それによりますと、昭和五十八年九月分の諸手当、調整額を含めない給料月額、これの比較が出ておるわけでございまして、教授で申しますと国立大学が平均年齢五十四・三歳で四十万三百円、私立大学は平均年齢五十七・三歳で四十一万七千八百円と、助教授につきましては国立大学が平均年齢四十二・九歳で二十八万九千五百円、私立大学は平均年齢四十三・七歳で三十三万一千円、助手で見ますと国立大学が平均年齢三十五・五歳で二十万八千七百円、私立大学は平均年齢三十二・六歳で二十万七千三百円と、そういう状況でございます。
○吉川春子君 これに一時金を加えますと、諸手当を加えますともっと較差は大きくなると思いますけれども、今文部省の学校基本調査によってもそういう差がありますが、私は東大の職員組合の官民較差の実態調査の表をいただきました。それをちょっと引用してみますと、国立と民間の比較で、民間というのはこれは銀行業なんですが、三十歳の助手で一時金では五三・六%、年間給与では二六・九%の較差がある、四十歳の助教授では一時金では八七・五%、年間給与では四四・八%、五十歳の教授では一時金が七八・三%、年間給与では三七・八%という、こういうすさまじい較差があるんです。国大協からも国立大学の教官等の待遇の改善の要求が出ていると思いますけれども、その中身はどうなっていますか。
○説明員(佐藤次郎君) 国立大学協会の会長から本年六月二十三日に文部大臣あてに「国立大学教官等の待遇改善に関する要望書」が出されております。その要望事項は六点ございまして、簡単に申し上げますと、第一点は「教育職(一)の俸給体系の是正を図り、併せて俸給水準の格段の引き上げを行うこと。」、第二点は「大学教官特有な職務に見合う手当として「大学研究調整額」を新設すること。」、第三点は、「研究教育支援職員等の待遇の抜本的改善を図ること。」、第四点は「部局長のすべてについて指定職の完全適用を図ること。」、第五点は「管理職手当の適用対象を拡大すること。」、第六点は「大学の中堅職員の待遇改善を図ること。」、以上でございます。
○吉川春子君 大学教員から給与改善についてはそれ以外にも強い要望が出ております。一九八五年に東大教員有志二百九人が声明を発表して、マスコミもかなり注目しました。一九八五年には東京地区の国立大学教官有志八百四十八人が声明を出しておりますし、昨年は日教組大学部傘下の百一大学の有志が声明を出しております。そして、ことしは全国国公立大学の教員有志七百七十一名が給与改善の要求の声明を出しているわけです。繰り返し繰り返し大学教員から給与待遇の改善要求が出されているわけです。私も大学の先生から、余りにも給料が低くて本を買えないんだ、本屋さんに行くと欲求不満になるから行かないんだという話を聞いて非常にショックを受けたんですけれども、こういう実態があるんですが、人事院に伺います。 国立大学の教員と民間の同じような職種との間にこういう較差があるという事実については御存じてしたか。
○政府委員(中島忠能君) 今文部省の方からも御答弁がございましたように、官と民との間の給与比較というのは実は非常に難しゅうございます。給与を決定する条件というのがそれぞれ異なりますから、その異なったもの同士を比較するというのは非常に難しゅうございますが、給与決定条件の主なものと言われますと学歴とかあるいは勤務地とかあるいは経歴というものをそれぞれ同じくする者同士を比較するということで見ていくわけでございますけれども、昨日先生の方からいただいた資料というのを見てみますと、それぞれ国立大学の教員というのはわかりますが、私立大学の教員は一体どの範囲の私立大学の教員の給与なのかというのもなかなかわかりかねます。それにいたしましても、月額給与というところを見てみますと、官と民間の私立の大学の相互の給与というのはそれほど差がないけれども一時金において差がある、そういうような結果が出ておるようでございます。せっかく昨日先生からいただいた資料でございますので、それを引用しながら御答弁申し上げますと、そういうようなことになるのかなというふうに思うわけでございます。 ただ、今文部省から話がございましたように、国立大学の先生というのは大体五〇%が地方におる。地方といいますのは、東京とか横浜とか大阪とか、そういう大都市以外の地方におる。ところが、民間の私立の大学の先生というのが地方におる割合はどうなのかというと二四、五%しかいない。したがって、大都市におる方がどうしても給与が高くなりますから、その両者を比較するとどうしても一般的には官の方が低くなりやすいんだという要素もあるということを、ひとつ先生頭に入れていただきたいというふうに思います。
○吉川春子君 一時金でかなり差があるということはおっしゃられましたけれども、まさにそれで年末などの一時金を比較の対象から外しているということは一つ問題だということをここで指摘しておきます。 時間の関係で先に進みますが、大学の職員についてもかなり官民の較差があるわけなんです。これもやはり東大職員労働組合の調査の結果ですけれども、二十五歳で一時金で一八%、年間給与で一二・七%、三十五歳で一時金で二〇・六%、年間給与で九・二%、これが五十五歳になりますと一時金で七四・四%、年間給与で五〇・四%という差が生ずるわけなんです。文部省にお伺いいたしますけれども、文部省の行政職(一)の級別予算定員によりますと、文部省の本省と国立大学の比較はどうなりますか。
○説明員(佐藤次郎君) 行政職俸給表の(一)の適用になります文部本省は約千百名おります。一方、国立学校は三万八千人おるわけでございます。その等級別の状況を見てまいりますと、三級以下のいわゆる係員の者につきましては、本省で見ますと二三・一%、国立学校で言いますと五六・二%、それから四級から六級の係長相当の者につきますと、本省関係では四一・八%、国立学校では三七・二%、それから課長補佐以上について見ますと、七級以上になりますが、本省では三五・一%、国立学校では六・六%、こういう状況になっているわけでございますが、これらの本省と国立学校というのは組織の状況もそれから官職、いろんなポストの設置状況、また職務の内容、職責等大変異なっておりまして、一概にこれを比較するというのは非常に難しいわけでございますが、国立大学の場合は大学の新設とか学部、学科の新増設に伴いまして定員増がございまして、比較約二十代、三十代の若い方が多うございます。特に現在国立学校の事務系の職員で問題になっておりますのは、三十代後半が大変大きな層になっておりまして、これらの処遇すをポストが必ずしも十分でないという点に着目して、私ども努力をさせていただいているところでございます。
○吉川春子君 年齢別の資料がいただけなかったもので、数だけ比較しますと確かに国立大学の方がぐっと級が低いで寺よね。そういう点で今努力しているということなんですけれども、やはり年齢も同じだと本省と大学とも同じような待遇、同じような級にならなきゃいけないわけですね。そういうことで努力されているということですか。簡単で結構ですが……。
○説明員(佐藤次郎君) 単に本省と国立学校の年齢だけではございませんで、国立学校の方が三十代後半の層が非常に数が今多くなっておりまして、その処遇するポストが少ないということでそこが問題になっておりますので、その点を努力をさせていただいている、こういうことでございます。
○吉川春子君 官房長官も総務長官もお見えになりましたので、次に進みます。 婦人研究者の問題についてお伺いいたしますが、文部省最初に数字を示していただきたいと思うのですけれども、婦人の大学教授、助教授の比率、それから旧帝大と一般との比較の数字はいかがですか。
○説明員(佐藤次郎君) 昭和六十一年の五月現在で申し上げますと、国立大学の教授の数が全体で一万五千二百四十七人ございます。助教授の数は一万三千九百三十八人おります。そのうち、女性は教授で三百十五人、助教授で六百五人、こういう状況でございます。この数字でございますが、十年前の昭和五十二年に比べてみますと、教授におきましては百九十三人から三百十五人と百二十二人ふえておるわけでございます。割合で申しますと、六割を超える増加の状況になっております。助教授についても同様でございまして、約六割ふえておりまして、三百七十五人から六百五人にふえている、そういう状況でございます。
○吉川春子君 旧帝大の数字だけわかりますか。
○説明員(佐藤次郎君) 旧帝大の関係で特に先生からの御指摘のございました東京大学、京都大学、東北大学、九州大学、この四大学合わせまして、女性の教授が九名でございます。それから助教授が二十三名でございます。これらにつきましても、十年前と比べましてそれぞれ教授では四人、助教授では八人と、かなり割合としてはふえている、こういう状況でございます。 以上でございます。
○吉川春子君 官房長官は婦人問題の内閣の副本部長をされていらっしゃるわけですけれども、もともとうんと少ないから率で言えばふえているといえばふえているんですけれども、一万五千人もいる教授の中で百九十三人しか婦人はいない、あるいは二千人ぐらいいる教授の中で九人しか女性の教授がいない、四つの旧帝大で。こういう数字について婦人の地位向上のために奮闘されている官房長官としてはどういう印象を持たれるでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御指摘のように、私は婦人問題企画推進本部の副本部長をさせていただいております。御案内のように、ことしの五月に西暦二〇〇〇年に向けての新しい国内行動計画、これをつくらせていただきました。この計画は、男女共同参加型社会ということが目的になっているわけですね。そういう観点から今の文部省の御説明を聞きますと、国立大学における女性の職員数、教授、助教授、講師、助手、これは五十二年から六十一年までのを見ますと、五十二年を一〇〇とすれば、物によればなるほど六割はふえておると言いますけれども、今おっしゃるように、もとの数が少ないんですからね、これはやっぱりもう少し実態が私はふえなければ問題にならない、こう思います。 基本的に大学の例えば先生について言えば、男女の能力の開きがあると私は思っていない、重労働なら話は別ですけれどもね。それを見ましても、やはりこれは日本の社会の長い間に根差しておる一種の、言葉は悪いけれども差別感とかあるいは家庭の生活の実情から来る開きであったかもしれませんが、いろんな理由が重なって今日こうなっていると思いますね。それがいつの間にか国民の意識にまでしみ通ってきてしまっておる。だから、まず私はやはりこれを変えるのには、意識の変革ということを第一に政府としては関係方面に働きかけて取り組んでいかなければ、なかなかこの目的は達成できないと思います。最近内閣も、各種審議会の委員等もございますね。これなんかも見ますと、御婦人の参加が非常に少ないんですよ。何とかひとつこの数をもう少しふやせということで、大変最近は努力しておることもこれはもうお認めいただきたいと思います、それでも数が少ない。だから、私はなかなかこの実現というものは容易でないと思います。 しかしながら、いずれにせよ意識の変革というようなことを基本に置きながら、基本目標として五つ、それから具体的な重点目標として十五、これは吉川さん御案内のとおりだと思います。この目標を立てまして合せっかく努力をしておりますから、私どもとしてもこれは継続的な地道な努力をお互いにやっていかなければいけないのではないかなと。国会議員の数だって少ないですよ、これは。半分あったってちっとも不思議でない。終戦直後より今減っているんじゃないですか、たしかあのときの選挙より減っています。これは本当はやっぱり意識の問題ですから、なかなか容易でないと思いますけれども。 確かに、毛沢東さんじゃありませんけれども、それはやっぱり天を支えておる半分は女性なんですよ。そして、今こういう時代になってきているわけですからね、全部の人の能力を平等に参加させるということでなけりゃ本当の意味での社会の開発は難しい。そういう時代になったなと、こう思います。それには私はもう年をとり過ぎた。しかし、これからはそうでなければならぬなというのは本当に私はそう思っておりますから、そういうつもりで政府としては全力を挙げて取り組まざせていただきたい、こう考えております。
○吉川春子君 最後に、総務庁長官、日教組の大学部の方から婦人の研究者の問題について具体的にもっと実態を把握するように調査をしてほしいというような要望も出ておりまして、きのう総理府の方から来ていただいてそれはあるんですけれども、そういう点で実態がまだなかなか把握されていない。なぜこんなに女性の研究者がふえないのかという問題について政府がもっと実態を把握していただくために調査をしていただきたい、そういう機関も設けていただきたいという要望も出ているわけで、ぜひそういう点で総務庁としても積極的につかんでやっていただきたいと思いますが、その点について最後に御答弁いただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 私に対する御質問でございますか。——突然の御質問で私も何と御答弁申し上げていいかわかりませんが、いずれにいたしましても、この問題は事務方とよく打ち合わせてみたいと思います。
○柳澤錬造君 官房長官、今対女性観で大変いい御意見をお聞かせいただいて、そういう意識の改革をしなくちゃいけないんだという、おっしゃるとおりだと思うんです。その点からいけば、ことしのこの人事院勧告の完全実施なんてことはそれほど難しいことではないし、ずっときょう朝から各委員から御質問が出ておりますので、その細かいことは省きまして、ともかく手続がありますからね。それから、人事院勧告のあり方ということについて官房長官先ほど言われてわりましたこと、私はあれも正論だと思いますし、ですからそういう点でそういうことは私も支持したいと思いますから、ともかくことし出されたこの勧告については、手続はまだ時間がかかるけれども完全実施はしますと、そういう点のことだけはやはりお答えになっておっていただきたい。そうするとみんなまた安心しますから、そういう点で御答弁いただきたいんですが。
○国務大臣(後藤田正晴君) 何しろ一存でお答えできない問題でございます。閣僚会議がございますから、その議を経なければならないわけでございます。その前提でお答えをさせていただきたいと思いますが、かねがね申し上げておりますように、やはり私は何といっても職員に安心感を与えるんだ、それが一番肝心だと。それでなければ公務の適切な運営ということは難しいんですよね。そういう意味合いにおいて、人事院の勧告というものがあった以上は、いろいろ経緯はありますけれども、政府としては最大限に尊重しまして、そして先ほど来担当の総務庁長官がお答えしているような方向で努力をさせていただく、かようにお答えをさせていただきます。
○柳澤錬造君 これはもうやっぱりぜひ完全実施でやっていただきたいと思います。 それから次に、人事院にお聞きをするんですが、ことし四週六休制、これももうぜひやっていただかなきゃいけないことだけれども、私が人事院にお願いしたいのは、まだ土曜日の半ドン制があるわけでしょう。地方なんかだと土曜が半ドンといってもそれで済むけれども、東京なんかの場合は、通勤が片道平均して大体一時間半、そうすると往復三時間かかる。往復三時間の通勤時間を要して、恐らく三時間半ぐらいしか働かないと思うんですよね。そういうふうな勤務態様をとっておることは、今日これだけ近代化の進んだ中でもって、私流に言わせれば時代おくれも甚だしいんじゃないか。だから、四週の労働時間は確保しておかなきゃいけないけれども、その中で、わかりやすく言えば、まだ半ドンが二日あるわけでしょう。それだったら、この半ドンの二日分をくっつけてもう一日休みにして、四週七休制にしてしまう。それで四週の労働時間は変わりがない、東京とか大阪のような大都会の場合にはそういう応用動作をきかせるぐらいのことをやはりしてあげるべきだと思うんですけれども、これは人事院の方にお聞きしなければならないことで、そういうお気持ちをお持ちにならぬかどうか。お持ちになっていただきたいということですけれども、どうですか。
○政府委員(川崎正道君) 非常に貴重な御示唆をいただきましてありがたいと思っておりますが、人事院といたしましては、この夏、四週六休の本格実施というのを勧告したばかりでございまして、まずはこの四週六休を完全実施していただくということが何よりだというふうに受けとめておるわけでございます。その先の話といたしまして、今委員御指摘のような方法は一つの貴重な方法として私たちも受けとめております。 いわゆる四週七休、土曜日の半日の勤務を一日にまとめるということは一つの方法だとは思うんですが、この点につきましては、将来検討いたしますときに、例えば行政サービスのあり方との問題等々もございますので、その辺のところもひとつ考えなければいけないかなと。それからもう一つ、週の勤務時間、人事院規則で現在四十四時間、四週五休ということで四十三時間、この四週六休が完全実施されますと四十二時間という体制に入るわけでございますが、土曜日に一日勤務しますとその週は四十八時間になるというような問題もございます。そういうふうなところも含めまして、十分にこれから検討をさせていただきたい、このように受けとめております。
○柳澤錬造君 人事院の方はそれで結構です。ただ、申し上げておきますけれども、私が言っているのは、そういう点の応用動作をきかせるぐらいのことをやっぱり人事院は考えるべきで、半ドンなんというのはあれは戦前の遺物なんです。これだけの一千何百万も住むような大都会ができ上がって、そしてみんなが東京へ行くと。だから、東京なんというのは人間の住む町じゃないと外国から来た人が言うのはみんなそこにあるわけなんです。だからといって、まさか昔の五百万ぐらいの都市にするわけにはいかないんだから、だったら、一千二百万もいるような大都会における勤務のあり方はどうすべきかということで、そういうふうなことに知恵を出すのが皆さんのお仕事じゃないですか。そうでなければ何にもならないから、今ここですぐと言ってもなんですから、そういうこともいいことだなと思ったら、それにどうやって早く移るかを御検討いただきたいということを、要望だけ申し上げておきます。 あとは外務省の方。ペルシャ湾の問題で若干これからお聞きしていくんだけれども、五月八日の予算委員会で私はこれを取り上げたんですが、日本の秀邦丸という二十五万トンからの大きなタンカーがイランの高速ボートにロケットをぶち込まれた。そこで、当然イラン政府に抗議もなさったはずだし、向こうから回答が来たらすぐ私の方にもそれを知らせてくださいよと言っておいたんだが、依然としていまだに外務省から私のところにはその連絡は何もない。これはどうなっているんですか。そこからまず私は外務省の御返事をお聞きしたいんです。
○説明員(小原武君) 五月五日の秀邦丸の被弾事件に対しましては、先生ただいま御指摘のように、事件の直後にイラン、イラク両国政府に対しまして、東京それから現地におきまして遺憾の意を表明し、それから事件の事実関係の調査を要請し、また、湾内の安全航行確保のための配慮を強く申し入れたわけでございます。さらに、倉成外務大臣が六月にイランを訪問した際にも同様の申し入れを行いました。 先方の反応でございますけれども、外交上のやりとりでございますので詳細について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、イラク側は無害中立的な船舶への攻撃はしないという態度でございます。また、イランの方は、六月に訪問しました倉成外務大臣に対しまして、友好国たる日本の船舶を攻撃するはずはないという言い方をいたしまして、秀邦丸を攻撃したのはイランではないという態度を示したのでございます。
○柳澤錬造君 それはどういう答弁をしているの。 〔委員長退席、理事岩本政光君着席〕 私が予算委員会でやったときには、宇宙衛星を使ってすぐ写真を送ってきたんですよ。あのときも私は言っているように、あの高速ボートを五隻持っているんです。それで、ちゃんともうあの写真まで送ってきて、それもあそこで見せて、こういうふうな格好でロケット砲がこっちで機関銃がこっちと言ったわけですよ。あれはたまたまロケットがぶち当たったところが水面よりか少し上だったから、沈まないで済んだんですけれども。外務大臣が行かれてそういう御返事を聞いて、それで外務大臣は納得してお帰りになったんですか。仮に納得したのならしたで、あれだけちゃんと予算委員会で言っておいたのにかかわらず、何で私のところへ返事をよこさないんですか。
○説明員(小原武君) 実際に攻撃をしたのはどこかという点については、確認されておりません。 それから、安全航行の維持、回復というために、いろいろのルートで当事国に働きかけを行っているわけでございまして、ただいま申し上げた以外の場でありましても、イランの外務次官が日本に参りましたときに総理みずから、それに並びまして倉成外務大臣並びに事務当局からも強く要請をしているところでございます。さらに、七月二十六日でございましたけれども、国連の安保理決議が成立後、ジュネーブにおきまして倉成外務大臣がイランの外務大臣と会談いたしまして、その席におきましても重ねてペルシャ湾内の自由航行の維持の必要性、重要性ということを力説したのでございます。このように、引き続き自由航行確保ということでの働きかけを重ねているわけでございます。
○柳澤錬造君 どこかよその国の船がやられたというのならこれは今のような答弁の仕方で私済むと思うけれども、日本の船がやられたんですよ。しかもイランのあれが持っている武器がどこの国の製造した兵器がということまでわかっているんですよ。 〔理事岩本政光君退席、委員長着席〕 国際的にみんなあれがどこの国のものであって、積んでいる兵器はどこの国の製造したものかということまでわかっていて、それでそのことも余り全部明確にイラン政府といって言うこともあれですから、あのときはイラン政府らしいという表現の仕方で、私は若干そこら辺は外交上の問題があるから言ったんですけれどもね。今のような御答弁の仕方では、外務省は何をしておるかというんです。 今、ペルシャ湾に船とのぐらいあるか御存じなんですか。大体あそこは平均で、これは官房長官も聞いておいてほしいんだけれども、ペルシャ湾に入っている日本の船というのは平均で大体二十二、三隻いるんです、多いときは三十隻。それが一昨日の二十五日の正午現在で私が調べさせたところによれば日本船が七隻と、それから外国用船、これは日本が借りて使っている船が六隻と、十三隻なんです。だから、平常時の半分の船しかあそこへ入ってない状態になっている。いかに少ないかということ。これはもうあれから油積んでくるからみんなあそこへ行くんですから、それが平常の状態の半分以下の船しかあそこへもう入り込まないでいるような状態になっている。それで外務省自身が今のような答弁の仕方をしているというのは、そういうことはどうお考えになるのか。 それで、予算委員会でも言ったんだけれども、少なくともあの秀邦丸は横っ腹まで大きな日の丸をなにして、あれの写真ももうなにしたとおり、明らかに日本の国籍の船だということを承知の上でもって、しかも夜だったらまた間違えたということもあるけれども、真っ昼間のお昼ちょっと前でしょう。それへロケットをぶち込まれて、それは主権が侵害されたことでしょうと言うんです。その主権が侵害されたというようなことについては、外務省はそういう受けとめ方はしているの、どうなの。
○説明員(小原武君) 主権の侵害でないかという点でございますけれども、国際法上の問題といたしましては、攻撃主体が確実に特定できないという点など、事実関係に不明な点がございますので、法的な判断は差し控えさせていただきたいと存じます。
○柳澤錬造君 それじゃ、これは官房長官、今の答弁認めるの。だったら、泥棒が入ったのを、わからないんだから、夜中に窃盗というか泥棒というか、あれ何で警察がそれを追っかけ回す必要があるんですか。だれが入ったかわからないんですから。そうしたら、だれか泥棒が入ってどうだこうだといって警察がそいつを調べる必要ないわけでしょう。少なくともこれがまた農水省とかほかの省庁だったら別だけれども、外務省が今のような格好で答弁されていたのでは私は困るんだけれども。日本の政府としてはこの秀邦丸の事件については主権が侵害されたというような判断はまだ下していないんですか、いるんですか。——いやいや、もう官房長官じゃないと。政府をなにして、やっぱり。
○説明員(小原武君) 国際法そのものはそれなりの体系があり、それに準拠して国家同士が規制を受けるという法体系のもとでお答えしているわけでございますが、そういう状況のもとでは遺憾ながら攻撃主体が特定できないという、事実関係が不明な点がございますので、法的な判断はできないというお答えをせざるを得ないのでございます。しかし、これは安全航行の回復、維持ということについて私どもが何もしてないということではございませんで、それどころか、あらゆるルートを使いまして当事者に対して働きかけを重ねてきているわけでございます。
○柳澤錬造君 主権が侵害されたかどうかはわかりませんという判断をお持ちでもって、あらゆる手段でもってと言っても、全然話が合わないじゃないの。主権が侵害されているかされてないかと言う。私は明確に主権が侵害されたと思えばこそ、それに対しては日本の政府としてあらゆる手を使ってそいつに文句言わにゃいかぬわけなんです。主権侵害されたかされないかわからないと言っていろんなら、どこへ物を申しに行くんですか。さっきも言ったとおり、真っ昼間の午前十一時何分かでもって、明確に写真も撮っていれば、その積んでいる兵器がどこの国の兵器かもわかっているほどにあれは明確なんです。しかも、五隻あることまでわかっている。それで三月、四月にやられたのはよその船で、五月に入って五番目にやられたのが日本の秀邦丸なんです。あなたが、少なくとも外務省がそういう人ごとみたいな物の言い方をしておって、これどうなるんですか。 それで、防衛庁の方はこれどうしているの。防衛庁も主権の侵害という受けとめ方をしているのかいないのか、そこはどうなんですか、
○説明員(西連寺治君) このことにつきましては、防衛庁として取り上げるべき事柄ではないと考えられますので、答弁を差し控えさせていただきたく思います。
○説明員(小原武君) 先生がおっしゃるような状況から判断しました一つの考えというのは、私どもも持っていないわけではございません。しかしながら、特定できないという状況にかんがみまして、イラン、イラク双方に対して安全航行の維持、確保という点についての強い申し入れをしているわけでございます。
○柳澤錬造君 さっぱりわからぬ。 官房長官、やっぱり内閣のボスから返事してもらわなけりゃ。ペルシャ湾が戦争地帯だということはもう理解されていると思うんですよね。だから、あそこへ今行っている船には通常の保険のほかにかなり高い割り増し保険が掛けられている。そうしてくると、それはどうなっているんですか。今、それぞれの船の船主に持たしているんですか。それとも、ああいう危険地帯に行くんだから、それは日本としても油が必要なことなんだから、それは政府がそういう点については何らかの補償というか、なにをしているんですか。そこはどういうことになっているんですか。
○説明員(長尾正和君) お答えいたします。 船舶の戦争保険料のことでございますが、保険料は一般的にそうでございますけれども、こういったものにつきましては本来運賃あるいは用船料でカバーされるべきものであると考えております。したがいまして、用船契約あるいは運送契約におきましても一般的には用船者あるいは荷主、チャーダラーが負担するといったことが明示されておるものが一般的でございます。 ただ、一時的に保険料が高騰したような場合、直ちに運賃でカバーし得ないために、海運会社が割り増し保険料を負担するものもございます。このようなものにつきましては、平常時の運賃収入から徐々に積み立てをいたしまして、このような事態に対処するために税制上の措置といたしまして、五十六年からでございますが、船舶戦争保険異常危険準備金制度というものが設けられておりまして、これによって対処しておるわけでございます。
○柳澤錬造君 割り増し保険というのは大体十四日単位で、普通の保険は長期だけれども、大体倍ぐらいになるわけでしょう、今のところ。まだ、今のペルシャ湾の状態で。そうすると、倍ぐらいに通常保険の上に乗っかるわけだけれども、それも船主、おまえらがみんな払いなさいというふうにしているわけですか。
○説明員(長尾正和君) 私どもが監督しております海運事業者のこういったところへ運航しておりますところへ聞いたところでございますけれども、契約によりまして、あるいは用船契約の期間あるいはそれが定期用船あるいはスポット、そういった契約の状況によりまして、いろいろ状況は異なるわけでございますけれども、例えばスポット契約、ボエージチャーター、一回だけの航海の時期と期間を限ったような場合は、運送契約当時にわかっております保険料についてはまずレートを決める際に取り入れまして、それからペルシャ湾などに入っていくときにさらに割り増し保険料が上がっているような場合につきましては、それを用船者の負担にするといった契約もございます。また、全くのスポットでございます場合には、これはタンカーレートの中に含まれておるということから、運賃一般の中で負担している、中に折りこまれているというような契約のものもございます。
○柳澤錬造君 もうそういうところはいいわ。保険で非常に複雑な形になっているから。 官房長官、あれだけ魚雷にやられたり、これはまだ日本の船はないが、アメリカは軍艦まで派遣して、そしていろいろやっているわけだ。そうしてくると、防衛庁の方は私たちは関係ありません、こう言っているわけです。そうすると、これはもうあれだけの戦争地帯でもって攻撃受けたりしているんだから、もう日本船の船員の諸君が、とてもじゃないけれども身の危険を感じてもうあそこへ行くのは御免です、ほかの航路なら行くけれども、あのところへ入っていくんだったらもう私たちは途中でおろしてもらいますという格好で、もう船員が乗船拒否という格好になって、だれもペルシャ湾に日本船が入ることができないという形になっても、日本の政府としてはそれはもういたし方がないと、もうそういう判断を下しているんだなというふうに私は思うんだけれども、それでよろしいんですな。
○説明員(小原武君) 先ほど来申し上げておりますように、安全航行が維持回復されるように、それから究極のところは、イラン・イラク紛争自体が解決されないと、なかなか湾内の安全航行だけが独立ては実現できないという観点から、紛争自体の解決に努力する、この二つの観点を持ちまして、従来から外交努力を重ねてきているわけでございます。 御案内のように、七月二十日に安全保障理事会におきまして新しい決議が成立いたしました。それの実施をめぐりまして、今安全保障理事会並びに事務総長を中心にしましていろいろの努力が続けられているわけでございますけれども、我が国としましてその実現方に事務総長を助けるということで、懸命の外交努力を続けておるところでございます。
○柳澤錬造君 今のようなことを言っておって、それ答弁になるつもりなの。イランとイラクの戦争ってきのうきょう始まったんじゃないわけ。あれまだ、官房長官、たしか伊東外務大臣のとき。それで、あのときに、私が予算委員会か何かでもって、遠くじゃない、同じアジアの中でもってイランとイラクが戦争やってる、せめてこれだけの経済力を持っている日本が乗り出していって、そうしてそんな戦争いつまでもやってないようにとやったらどうですかと言ったときに、たしか私の記憶では、まだ始まってそんなにたたないときだけれども、外務大臣は、とても私たちの手に負えるものじゃありません、と。というのは、宗教が同じなわけでしょう、両方とも。イランもイラクも同じ宗教を持っておって、そうしてああいうことをやってるのであって、宗教上の問題も絡んで非常に複雑で、私たちが乗り出して手がつけられるような、そういう代物ではありませんというのが、そのときの外務大臣の答弁。 それで、あれからもう五年、六年とこう来ているわけだけれども、そして今のような——それはこの前外務大臣は善処をします、何をしますと言った。ましてやイランまで行かれた。それで現実に何か変化が起きたかというと、何も起きないわけでしょう。それは簡単に起きるような状態ではないけれども。だから、おやりになるならおやりになるらしくきちんとそういうことをやって、それでじゃあ日本は全部もうあそこへ、全部もうシャットアウトして、日本としてはもうペルシャ湾の中には船を入れませんよと言って——入れませんよと言ったって困るのはこっちが困るわけだけれども、その辺をもうちょっと毅然とした態度をとってくれぬと、それで今度はもうそれこそ機雷にぶつかるか何か、ボカンとやられたときには、今まで——じゃあ外務省へ聞くけれども、その秀邦丸が何隻目、日本の船でやられたの。
○説明員(小原武君) 日本の、日本籍の船としては二隻目でございます。それから、そのほかに日本の乗組員が乗っている船が三隻被害を受けております。
○柳澤錬造君 まだ時間少しあるけれども、もうやるの嫌になったわ。 ともかくね、官房長官、これだけ明確にしておいてよ。これは私が言うわけじゃない。乗組員が危なくてもう行けません、おりますよと言ったときに、そのことについてそれはいかぬということは言わぬようにやはり政府でもってしておいていただかないと、それで事故が起きてしまってからそれこそああだこうだ言っても手おくれになりますから。そうでなければ、日本船が安心してともかくあっちへ行けるような態勢をとっていただくしかない。ところが、今の外務省や防衛庁の答弁を聞いていると、そんな気持ちは少しもないんだから。人の国のようなことを思ってるんだから。だから、そういうことから考えれば、いよいよもうどうにもならなくなったら、もう日本の船員はみんなおります、おりられてもしようがありません、そういう気持ちでもって政府も対応をとっていただいて、それで何とかあそこは早くおさまるようにしていただかなきゃならぬけれども、船員がそういうことを言い出したときに、それはいけませんとか何とか言わないように、それだけお願いしておきます。
○国務大臣(後藤田正晴君) 柳澤さんの御意見を承っておりますと、ごもっともな御心配でございます。私どもとしても、船員がそういうような状況にならないように、殊にまた国全体としましても、これはホルムズ海峡を通って日本に入れている油の量が五五%です。これに依存しておるわけですから、何としてもこのペルシャ湾の安全航行、さらにその根源にあるイラン・イラク紛争の平和解決、これには日本政府としては全力を挙げなければならぬと、こう考えておるんです。不幸中の幸いといいますか、ヨーロッパ各国と違って手の汚れていない国でございます、日本は。中東に対しましてね。それだけに、イラン、イラク双方に対して物が言えるというのは、今先進国では日本だけなんですね。そういう意味合いにおいての外交努力、そして殊に、何といいますか、さればといいながら、これ柳澤さん、防衛庁を責めてもそれは無理なんです。まさか巡洋艦くっつけて行くわけにはいかぬのですよ。やっぱり何らかの国際的な枠組みをつくって、その枠組みの中で日本としての協力の仕方というものが私はあり得るのではないのか。その一つとして、先ほど外務省が言った国連の事務総長中心の今動きがございますね。あるいは安保理事会等も動いておる。これらの中での日本の役割、あるいはまたこれらの一つの仕組みがあればそれについて日本は——武力でもってそれに援助するというわけにはこれはいきませんから、日本は。ならば、しかし、それ以外の方法だってあるのではないか。日本らしいやり方というものがね、そういう努力も一方でやる。そして同時に、迂遠なようではあるが、基本はやはりイラン・イラク紛争というものでしょうから、それについての和平への努力も重ねていくということ。それから、船員に対する不安感を除くためには、これはやっぱり船主側あるいは組合側に対して、イラン、イラクの情報というものを各国から日本はとれるわけですからとって、そしてそういう情報面でのサービスをすることによって、できる限りの航行安全を図っていくと、こういう努力をしなければなるまい。 それから、また秀邦丸のような事件があれば——これは私は国際法知らぬです。もう何十年も前の話ですから、こういう席でうっかり言うたら後でとんでもないことになるからそれは申し上げませんが、まあ簡単に、あるいは間違っていれば後で訂正させてもらいますけれども、ああいった海におけるあれは、管轄権は何というんですか、旗国主義、旗。それは秀邦丸は日本の船ですから、これはやっぱりこれに対する私は不法なる攻撃である、こう認識せざるを得ません。そこで、恐らくあなたやったのと違いますか、事実を調査してくださいよと、私どもは遺憾に思うと言うだけの外交的な処置はやっているわけですね、これは。先ほど答弁したとおりやっている。やっているんだけれども、遺憾ながら、両方とも私の方ではございませんと、こういう回答なわけですよ。しかし、それではこちらとしては満足しているかといえば満足できない。だから、ああいう事件があったときにはやはりそれなりの遺憾の意をこちらとしても表明をし、厳しい事実調査を求めて、そしてその調査の結果に従っての日本の当然の主張というものはきちっと処置をするということ、これは私は国としてはやらなければならぬであろうと、こう考えておるわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、柳澤さんのおっしゃることはよくわかるけれども、これはなかなか容易ならざる、解決がですよ、事態であろうと。ならば、できる限り被害が起きないように、起きた場合の処置はどうするかといったようなことを十分対応をする必要があるだろう。その対応の処置の中の一つに、運輸省に柳澤さんがお聞きになった保険料の問題、これは普通は運賃の中に入るはずですね、運賃の中に。しかしながら、特別危険なやつについては積み立てをやっているわけでしょう。その積み立てについては、税制上の処置をしているわけですね。税金を取らないようにしているはずですよ。だから、そういうようないろんな手だてを講ずることによって、この場をともかく日本としてのやるべきことをやってしのいでいくというのが私どもにとり得る処置であると、かように御理解をしていただきたいと、こう思います。
○柳澤錬造君 官房長官の御答弁で終わろうと思いますから。 ただ、この点だけはだめ。やるべきことをやってないの。それは、さっきも言うとおり、夜中にこそ泥に入られたのなら、どこから入られた何だと言ってこれは別だけれども、真っ昼間に——私の手元にもすぐもうあれから写真を送ってくるくらいになっているんです。だから、外務省も外務省で、イランに言ってもいやおれは知らぬと言った、イラクに言ってもおれは知らぬと言った、知らぬと言ったからわからないんだだったら、外務省なんか要りゃせぬわ。しょっちゅうその五隻が走り回っているんだから。それでちゃんと写真まで撮っているんです。そのくらいのことは外務省なら外務省が現地の外交機関を使って、そうしてもう徹底して調べ上げて、警察が泥棒を追いかけるようにやって、それでこうこうしかじかじゃないかと言って、その証拠を持って行くのならいいけれども、本当を言って、外務大臣はわざわざ行かれたのは結構だけれども、行ってそこでもって何も物の汁もつけられないで、ただ言うだけ言って帰ってくるようじゃ情ない。 そういう点で、このまま平穏におさまっていくような状態であればこんなことも私言わないけれども、とてもそんな状態じゃないんですから、今。ますますああいうぐあいでもってエキサイトをしていって、機雷も片方で一生懸命になってやって、かなり撃って爆発させているんだけれども、一方からぼんぼんぼんぼんまた流してくるわけですから。しかも、まだあの中の方は広いからいいけれども、オマーン湾のあそこのところなんか本当に狭いところなんですよ。これはもう大変な神経をすり減らしてあそこに入り込んでいくんですから、そういう点でもって、機会がありましたら官房長官の方からも外務省なり、それから防衛庁は我々の関知するところではありませんと言うから、そんなことを言っているような防衛庁だったらもう要らないから解散しろとでも言ってもらって、もうやっていただきたいと思うことを要望だけして、終わります。
○委員長(名尾良孝君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十七分散会 —————・—————