地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 287 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1987/09/17
会議録
○委員長(谷川寛三君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に抜山映子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(谷川寛三君) 地方交付税法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山口哲夫君 最初に、地方交付税に関連いたしまして質問をいたします。 まず、十年来論議されてきた問題でありますからくどくど申し上げませんけれども、交付税法の六条の三の二の解釈についてお尋ねいたします。この中で書かれている「引き続き」ということは、これは二年連続普通交付税総額が不足いたしまして三年目も不足する場合、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方交付税法六条の三の二項の規定の意味についてのお尋ねでございますが、ただいま御指摘のとおり、財源不足額が著しく多額になる、これは普通交付税の一割を超える財源不足が生ずる、そういう事態が二年も続きかつ三年日も同様の事態が見込まれるときに行財政制度の改正あるいは交付税率の改定を行う、こういうような意味であると理解、解釈されております。
○山口哲夫君 時間が一時間半で問題たくさんあるものですから、端的にお答えの方を簡単にしてください。そのために私の方は確認の質問をしているわけですから。 それでは、今お答えになったように、著しく異なるというのは一〇%程度、こういうふうに解釈してよろしいですね。
○政府委員(矢野浩一郎君) そのとおりでございます。
○山口哲夫君 そうしますと、昭和六十年から六十二年の著しく異なる、この一〇%程度というのは自治省の方にお伺いいたしますと、六十二年度は補正でもって二六・一%、著しくの約倍以上ですね。それから六十一年の当初でも一一・四%、補正になりますと一七・一%、これはいずれも著しくを大幅に上回っている、そういうふうに確認をしてよろしいですね。
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘の数字のとおりでございます。
○山口哲夫君 そういたしますと、六十三年度の予算の中でもし一〇%を超える、こういうふうになった場合においては、この六条の三の二の解釈によりまして根本的な制度改正か率の変更が必要になると思いますけれども、そのように解釈してよろしいですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 昭和六十三年度の地方財政の収支につきましては、これは現在の時点ではまだ明確に見通すことはできないと存じます。そういう意味では具体に六十三年度がどうなるかということではなくて、一般論といたしまして、そういった交付税法六条の三の二項に該当する事態が生じた場合には必要な措置をとらなければならない、このように考えるところでございます。
○山口哲夫君 それでは、もし当初予算で一〇%を超えるということになると必ず根本的な改正を行う、こういうお約束できますね。
○政府委員(矢野浩一郎君) 六条の三の二項に言うところの行財政制度の改正等につきましては、従来からいろいろ論議をされてきたところでございます。もちろんそういった事態が根本的に地方財政の状況によって生ずるということであるならば、それに相応するような抜本的な改正をすることが必要でございましょう。 ただ、近年における例では、そういった事態とそれから国の財政の状況、その他いろいろ勘案をいたしまして、これに対応する措置を講じてきたところでございますし、そういった事態が生ずる場合には全般の状況をよく考えて必要な措置をとっていく、このようになろうかと思います。
○山口哲夫君 これは、前の次官ですね、石原さんがお書きになった本ですけれども、この中で制度の改正というものは、「制度の改正の内容については、法文上は何らの制約は付されていないが、それによって構造的に生じている地方財源の過不足を解消できる程のものでなければならないというのが本来の趣旨と解する。」、こういうふうに言っております。ですから、あくまでも小手先の改正ではなくして、構造的な財政の変更といいますか、そういう根本的な制度の改正である。こういうふうに理解したいと思うんですけれども、そうですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) そういった財源不足が生ずるということが地方財政のおっしゃられるような構造的な原因によって生じたもの、そういう場合を予想して、予定をしてこの規定はできておるものと考えます。しかし現実の従来ございました財源不足の事態につきましては、そういったものがどこまで構造的であり、どこまで循環的なものであるかというようなこと必ずしも明確に判定のつかない場合もあろうかと思います。したがいまして、やはりそのときどきの状況に応じまして必要な措置、制度改正の措置をとっていく、こういうことで従来やってまいったわけでございますし、今後ともそういった状況を踏まえて必要な措置を講じていく必要があると考えております。
○山口哲夫君 少なくとも構造的なこういう財政の赤字というものをなくしていかなければならないんだということが制度の改正である、こういうことになりますと、制度の改正をした後は一〇%を何年も超えるような事態は生じないというように認識すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 基本的にはそういった事態になることが望ましい、このように考えます。ただ現実にはそういった措置を講じた結果、やはり大きな経済情勢の変動その他いろいろあって、必ずしもその後恒久的にそういった事態が生じないということには必ずしもならないかと思うわけでございますが、いずれにしてもそういった状況、個々具体の状況を見て措置を講じていくということになると考えます。
○山口哲夫君 私は、少なくとも抜本的な改正ということであれば、その制度の改正を行った後がまた同じような財政の不足を生じるということになりますと抜本的な改正にはならないというふうに考えるわけです。これは昭和五十三年からずっとこの問題に関する論議を読んでみました。佐藤三吾先生とかそれから神谷先生とかここにいらっしゃる方が随分論議をして、そしてそちらにお座りの当時の加藤自治大臣がお答えにもなっているのをしばらくぶりで見せていただいたわけです。それを見ますと、当時の加藤自治大臣はこう言っているんです。なるべく早い機会に根本的な改正を行うべきだと考える、根本的な改正をやっぱりやらなければだめなんだということを大臣そのものがおっしゃっているわけですね。 ところが、これを見ますと、五十三年に改正されたのが当分の間という形で改正したんですけれども、自治省はこれが一つの制度改正だと言っているんですが、制度改正した途端に、一〇%が標準だと言っているのが何と八二・五%、三〇・五、一三・○、三一・三、四三・五、一八・四というふうに一〇%をはるかに超えているのがずっと続くんですよ。これは私はおかしいと思うんですね。この数字を出してくれと言ったら自治省は出せないと言うんですけれども、私が計算して出るものがどうして自治省が出せないのか不思議でしょうがないんです。 そうして五十九年度で改正をした、六十年になって初めて一〇%下がって六・三になった、ところが翌年からまた二四・三、二六・二と大幅に上回るわけですね。そう考えますと、私はこれは法律に規定した制度改正というものは、抜本的な制度改正であるにかかわらずそれを実際に行っていなかった、小手先の改正であったと私は言わざるを得ない、そういうふうに言いたいわけであります。 ちなみに、私初めてなものですからいろいろと勉強さしてもらったんです。この五十年からの地方財政の変わり方をずっと調べてもらったらこんなものになるんです。(資料を示す)私よっぽど頭が悪いのかと思って、数字なかなか頭に入らないものですからちょっと悩んだんですけれども、いろいろな方に聞いてみたらこんなのわかりっこないよと言うんですよ。大臣、ことし、今までのずっとやってきた中でどのくらいの特例債の借金が今あるのか、それを何年度になったら幾ら返せるのか、何年度で全部返せるのか、失礼ですけれども、おわかりでしょうか。——いや、おわかりにならないでしょう、お立ちにならないということは。私はわからないことが悪いと言っているんじゃないんです。おわかりにならないだろうと思うんです。それは当然ですよ。恐らく財政担当の幹部の何人かはわかるけれども、地方自治体の首長なんてわからないです、これ見たって。来年どうなるのか見当つかないですよ。 だから、少なくとも地方財政というものは国民でも大体わかる程度のものでなければいけないんじゃないんでしょうか。国民と言わずとも、少なくとも自治体の首長なりあるいは幹部職員が、大体日本の地方財政というものはこういう数字で来たんだ、これからは大体こういうふうにいくだろう、それに照準を合わせて自治体の予算を編成していくという、そういうもっとわかりやすい財政構造にするべきだ、私はそういうふうに思うんです。 ですから、今まで自治省としては努力をしてきたんでしょうけれども、余りにもこういった小手先の改正ということを続けていくということは、私は地方財政というものをきちっと根本的に確立する意味からいって好ましいやり方ではない、そういうふうに思います。 それで、来年度もし一〇%を超えるということになりましたときに、具体的にどういう抜本的な改正を考えていらっしゃるか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、明年度の地方財政収支の見込みがどのようになるかということが判然としない現在においては、具体的にはお答えをしかねるわけでございます。ただ、ただいま御指摘のように、従来いろんな措置をその状況に応じてとってまいりました。その結果、地方財政制度というのは非常に複雑になったということは事実でございます。 その大きな流れとして、昭和五十年代におきましては財源不足の多くをいわゆる特別会計借入方式というもので賄ってまいりました。これは一つの制度改正と、このように考えております。しかし、昭和五十九年以降はそういった借入金がふえかつその利子負担というものが非常に大きくなってきたということに伴いまして、現在のような特例措置方式というものに切りかえてまいったわけでございます。 今後、近々の間にそういった六条の三、二項に該当するような事態が生じた場合においてどういう措置をとるか、例えばそれが構造的なもので交付税率の引き上げを必要とするのではないか、当然そういったような議論、意見も出てまいるかと思います。ただ、一方におきまして、現在の国家財政の状況が、現行の税制のもとにおいてそういった交付税率の引き上げというものを行い得るような簡単な状況にはないということも、これは御理解いただけると思います。 そういったような全体の状況を踏まえながら適切な措置を講じてまいりたい、このように考えております。
○山口哲夫君 大蔵省いらっしゃいますか。——毎年予算編成になりますと自治省と大蔵省といろいろと予算折衝されると思うんですね。今の議論をお聞きになって、これはやっぱり法律的に見てもおかしいということはおわかりになったと思うんです。 それで、予算編成のときに、今お答えの中ではなかなか大変な事情なんだというお話がありました。しかし、それは大変な事情だというのは役所側の言うことであって、大変な事情であれば大変な事情を緩和するための根本的な対策を考えればいいわけです。少なくとも法律というものは一本あるわけですから、法律に沿うような行政をできるように基本を変えていかなきゃならないと思うんです。そういう点で、大蔵省として今年度の予算編成に当たってどういう制度改正をしなければならないというふうにお考えでしょうか。
○説明員(水谷英明君) お答えいたします。 先生御承知おきのように、国の財政は六十二年度末で百五十二兆円に及ぶ国債の発行残高になっておるわけでございます。こういうような非常に危機的な状況にございますので、国といたしましても基本的に、もちろん行財政改革に取り組むとともに、予算編成に当たっても各般の省庁また関係者にお願いして、非常に厳しいことをお願いしつつその再建に取り組んできておるわけであります。 今、地方財政の状況について先生が区々にまた制度的に御指摘がございました。地方財政につきましてもそういう厳しい状況にあることは私どもとしても認識しておるつもりでございますけれども、このような国の財政状況でございますので、ここ数年、年々先が簡単に見通すことのできないような状況の中で四苦八苦しながら予算編成に取り組んできたというのが実情でございます。 先生の御指摘でございますけれども、現在来るべき来年度の予算編成にどういう制度改正をするのだということを申し上げることができないのは残念でございますけれども、これまでも地方財政に対しましては、先ほど自治省の財政局長からお答えがありましたように、例えば五十九年度におきましていろいろ地方財政対策がわかりにくいのはいけないということもございまして、基本的に三二%の地方交付税とそれに対する特例措置というものに一本にまとめて、それ以降は従来から比べればより簡明な制度になっているのではないかというふうに思うわけでございます。 六十三年度の地方財政の状況がどうなるか、税収動向も非常に動いておる昨今でございますので、現時点でそういう不分明の要素が非常に多いわけでございますけれども、来年度の地方財政につきましてもその円滑な運営に支障を生ずることのないよう、必要な交付税総額を確保するようで。きるだけ国としても努力をしてまいりたい、このように考えるわけでございます。
○山口哲夫君 少なくとも制度改正した暁において、また同じように一〇%を超えるようなことのないように根本的な改正をぜひ図ってもらいたい、そういうことを要望しておきたいと思います。 それで、具体的には私は、ここまでくれば当然交付税率を上げるときだと思います。その根っこになる国の財政そのものが苦しいんであれば、もっと国会がスムーズに通るような税制改正を出せばいいんです、不公平税制の是正なんかやればこのぐらいのものをちゃんと生み出せるような財源があるわけですからね。少なくとも国会が通るようなものを提出して、そして基本を確立した上においてこの交付税法をきちっと法の趣旨に基づいて施行できるような、抜本的な制度改正ができるような方途を講ずるべきである。 そういうことからいけば、当然来年度は交付税率を上げる時期にある。もし税率を上げれないにしても、今特例措置を講じたと言うけれども、特例措置を講じた暁にすぐその翌年からまたふえていくのであればこれは何にもならないわけですから、少なくとも特例措置を講じた場合においては、翌年度から一〇%を上回るようなことのないような特例措置を考えるべきだ。それでなければ地方財政はもうとてもやっていけるものではないということを今度の予算編成に向けて強く要望をしておきたいと思います。 その次、産炭地自治体に対する財政対策についてお伺いいたします。 御存じのとおり、産炭地はもう地方自治体そのものが崩壊寸前にあると言ってもいいくらいであります。そういう中で閉山の後始末を真剣になってやっておりますし、また新しい町づくりに意欲を燃やしてそれぞれの自治体が努力をしているわけですけれども、どうしても財政が貧困でありますからなかなか思うとおりにいかない、こういう悩みを持っております。一例を申しますと、後始末にこういう金がかかるんですね。夕張市を見てみますと、水道施設を改良するだけで十四億二千万円もかかるというんです。今まで炭鉱が使っていた水道を今度全部自治体がやらなきゃならないわけですから。そのうちの十一億四千万が全都市費として持ち出さなければならない。それから病院を取得してこれを経営するだけでも、維持、改修するだけでも十八億三千万、そのうち市費が十二億一千万、これだけの金がかかるわけです、閉山になりますと。これはほんの一例ですよ、まだたくさんあるわけです。 そこでお聞きしたいのは、現在の過疎対策事業債あるいは地域総合整備事業債、これでは算入率も低いし不十分なんですね。ですから、どうしても元利償還を交付税で措置していただけるような、あるいは算入率の高いような特例債、例えば仮称ですけれども、産炭地振興事業債なんというようなものをこの際考えていただかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、自治省いかがでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 産炭地の実情が大変な状況にあるということは、私どももそれぞれの地方自治体から事情を聞いておりましてよく承知をいたしております。こういった産炭地の財政援助につきましては、従来から産炭地域振興臨時措置法に基づいてあるいは国の補助負担率のかさ上げであるとか、地方債の充当率のかさ上げとか、あるいは利子補給制度、あるいは地方税を課税免除した場合にこれを地方交付税の基準財政収入額に算入をしないという交付税上の特例措置、いろんな措置を講じてきておるわけでございます。 御指摘のようなもろもろの財政需要のあることはわかるわけでございますが、御提案のような産炭地の振興事業債というようなものをさらにその上に見ていくのかどうかという点については、これはなかなか難しい問題だと考えております。現状におきましては、現在の地方債制度を活用いたしまして交付税の元利償還措置のついております辺地債、過疎債、あるいは地域総合整備事業債、こういったものを優先的に許可していくというような措置も講じておりますし、またそれに伴う交付税上の措置もいたしておるわけでございます。 なお、全体として産炭地のそういったような財政状況の困難性というものを考えて特別交付税等の配分においては必要な配慮をいたすことにいたしております。もろもろの措置を講じておるところでございますので、この点についてはそのように御理解を賜りたいと存じます。
○山口哲夫君 いろいろ御努力いただいていることはわかるんですが、それでもなおかつ自治体は深刻な状態に置かれているわけです。 例えば後始末のこれもほんの一例ですけれども、改良住宅というのがありますね。この起債の償還、それから維持、補修、このお金はどこから出るかというと住宅使用料から出るわけです。ところが、閉山になって改良住宅に入っている人がいなくなってしまうんです、使用料が全然上がってこない。上がってこないけれども、借りたお金ですから返さないわけにいかないわけです。そういうようなものが改良住宅だけではなくして、公園から、消防施設から、保育所から、学校から全部あるわけです。学校なんかはある程度交付税の中で事業補正で面倒を見ているようですけれども、そういうことを考えたときに、これはやっぱり入居者がいなくなってしまうんですから、返すべき金が入ってこないんですからせめてこういう特例を考えて起債の償還というものを何らかの形で免除する方法はないものでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 確かに御指摘のような事態は当該地方自治体にとってまことに深刻であると思います。ただ、起債の償還を免除するというのは、起債制度の本質からまいりましてこれはできないことと考えております。 ただ問題は、そういった具体に元利償還の財政需要が生じてくると、それが当該団体の財政を大きく圧迫するという点に問題があろうかと思います。そういった元利償還のその自治体の負担の増高につきましては、財政全体の状況を見ながら必要な措置を講じてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○山口哲夫君 閉山したり合理化された自治体は歳入欠陥が出ますね。今まで頼りにしていた鉱産税が入ってこない、固定資産税も入らない、住民税も入らないですね。これ入らないだけじゃないんです。企業が納められないから、それじゃ納めるお金を地方自治体が貸しましょうといってお貸しするわけです。ところが、借りた企業がつぶれちまうわけですね。国の方から石炭特別会計でいろいろな補助金が来るんですけれども、本来であれば、自治体が貸した金は当然これは税金なんですからまず払わなきゃならない責任があるはずなんですけれども、そういうものを払わないで、悪い言葉で言えば踏み倒して、そして閉山していなくなっちゃうわけです。これは地方自治体もう踏んだりけったりだと思うんです。 そんなようなことを考えて産炭地域振興臨時交付金基準額というものを設けているんですけれども、これは一トン当たり百七十八円で漸減方式で四年間しか支給していただけないんです。これはもう少し温かい心を持って自治体に対してせめて十年間くらい、例えば仮称ですけれども、閉山合理化特別財政補助金なんというようなものを創設してみてはいかがかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(高原弘栄君) お答えいたします。 御指摘のように、閉山が発生した場合に鉱産税が入らなくなる、あるいは臨時の地方自治体の出費が非常にふえるというようなことに対応いたしまして、産炭地域振興臨時交付金の中に基準額制度を設けまして、これまで四年間交付しましてその後さらに二年間特別調整額を交付しているところでございまして、これにつきましては地方財政の特に困窮ということを考えまして、実は六十二年度から始まります第八次政策に対応いたしまして、基準額を大幅に、御指摘のとおりトン当たり百十五円から百七十八円、大幅にアップしたところでございます。これを十年間ぐらい延長したらどうかという御指摘でございますけれども、私ども現在石炭対策特別会計、石炭勘定非常に窮迫した状態でございまして、これを直ちにこの時点で引き上げるということはいろいろ難しい問題があろうかと思います。 ただしかし、御指摘のように、我々自身も地方自治体の我々の立場から、地方自治体の非常に難しい財政問題よく認識しておりまして、これから単に石炭対策だけではなく、この前産業構造転換円滑化臨時措置法に産炭地域、多くの地域が指定されておりますけれども、このようなあらゆる産業構造調整に伴いますさまざまな措置を活用いたしまして、それぞれ自治体がやっております活性化事業等を支援する形で地方自治体の財政の困難を幾らかでも緩和するように最大限の努力を続けてまいりたい、このように考えております。
○山口哲夫君 通産省もいろいろと御努力されていらっしゃると思うんですけれども、せっかく自治省や通産省が御努力されましても、産炭地自治体は全く浮かばれない状態に置かれているわけです。どうしてかなと思っていろいろと調べてみますと、やっぱりさっきと同じように根っこになる石炭特別会計そのものがもう足りないわけですね。ですから、これは少なくともことしの四月に六十六年度まで五カ年延長したんですけれども、もう少し先送りして、倒産した会社を抱えている地方自治体ですね、そういうものが完全に一人前にちゃんと独立できるように、そういう新しい希望を持った仕事ができるように、そこまで面倒を見るような石特会計の延長というものをぜひひとつ私は検討しておいてほしい、そういうふうに思います。 それから、よく通産省では全国的不況地域に該当するところの産業構造転換円滑化法なんていうのがあるんだというのですけれども、これは第三セクターをつくる場合にお金を貸してくれる程度の話であって、これはとても後始末をどうする、新しい町づくりをどうするということにはつながっていかないわけですね。少なくとも炭鉱は、日本の国策として一生懸命戦後石炭を掘り続けてきたわけです、たくさんの事故者を出しながらですよ。それに合わせて、自治体も真剣に国の政策を遂行するために努力をしてきたんです。それを今度は国の政策で閉山させるわけでしょう。今まで一生懸命努力してきた地方自治体は一体どうしてくれるのかという、そういう気持ちになるのは当然じゃないかと思うんです。 そういうことを考えたときに、もう少し根本的に自治体の財政を建て直すことのできるような財政構造をつくり上げてくれるようなこと、そういう中では、その一つとして石特会計の再延長なんかも含めて大蔵省と自治省と通産省、この三者で十二分にひとつ協議をしていただきたいと思うんです。できれば産炭地の財政そのものをどうするかということを真剣にひとつ政府部内で考えていただくような三者協議機関というか、そういうものをぜひひとつ考えていただきたいと思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(葉梨信行君) 先生のお話しのような趣旨を踏まえまして、検討してみたいと思います。
○山口哲夫君 ぜひひとつお願いしたいと思います。 もう産炭地の人たちは毎年大臣の方あるいは大蔵省、通産省に随分要望して足を運んでいると思いますけれども、本当に切実な状態に置かれているという、その苦しみをぜひひとつ大臣御理解をいただいて、先頭になって今お話しのような協議機関をつくっていただきたい、こういうふうに思います。 財政の最後は、NTT株の売り払い収入の活用による公共事業についてです。 私、ある自治体の首長にこういう話を聞いて実はびっくりしたんですけれども、NTT株の利益でもって今度公共事業を出してくれる、これはもう大変ありがたい、この仕事をやったらこの金は返さなくていいんだ、こういう考えを持っている自治体があるんですね。冗談じゃないですと、それならそんなありがたいことはないんで、そうじゃないんです、みんなやっぱり自治体は半分負担しなきゃならないんですよと。それで国の補助金は、それは最後は国の方から補助金分は返してくれるけれども、自治体の負担は何にも変わらないんですよと言ったらそうですかと言うんですね。 私はこういう間違いが出てくるのも当然だと思うんですよ。なぜかといえば、地方自治体というのはこれまで電電公社に大変な協力をしてきた。例えば固定資産税は公社ということで半額、半分だけ納付金としていただいている。だから早く言えば半分まけてきたわけですね、国鉄だって同じです。それから電柱や電話ボックス、マンホール、地下ケーブル、全国にたくさんある。これは道路占用料を一銭も取っていないんです、本来なら当然取らなければならない。しかし公的な機関ということで取らなかった。何と固定資産税の二分の一に該当する納付金だけで六千九百億円、マンホール等の道路占用料だけで三百億から三百五十億、そのほかに都市計画税もあります。これも何千万の単位と思うんですけれども、これは共通していませんから、取ってないところもあるんでとりあえず外しておきます。それだけでも七千二百億から八千億もあるんです。いわば地方自治体が電電公社の資産形成に大変な寄与をしてきたということになります。 だから、今日電電公社がNTTとして民営化されるに当たっては、自治体の協力というのを私は見逃すわけにはいかないと思う。それを利益でもって今度は自治体の公共事業をやってあげましょう、しかし半分は自治体が持ちなさい、あとの半分は返してもらう。これでは今までの自治体の苦労というものは全く水泡に帰するのでありまして、少なくとももう少し温情のある考え方を、一般常識的な考え方を持ってわかった、それじゃこの分だけは自治体の方に公共事業として上げましょう、そして全国の自治体が、本当にNTTが民間事業になって自治体もそういう点では今まで努力してきたかいがあったと言えるようなことぐらいは考えるべきでないかなと思うんですけれども、大蔵省いかがでしょうか。
○説明員(水谷英明君) お答えいたします。 NTT株の売却益につきましては、先生今御指摘になりましたように、国民共有の貴重な資産でございます。こういう貴重な資産でございますところから、国民共有の負債に充てるということで実は昭和六十年度の国債整理基金特別会計法の一部改正によりまして、制度的には国債整理基金に所属しておるわけでございます。 したがって、その売却収入につきましても国債整理基金に入り、やがて国債の元利償還に充てられるということになるわけでございますけれども、国債整理基金の資金の事情から、国債の償還の状況から若干の間国債整理基金の資金に余裕があるということで、この余裕資金を活用いたしまして当面の景気対策ということに、いわば一時的に使うということで今回のNTTの無利子貸付制度というものが設けられたわけでございまして、あくまでも国債整理基金の円滑な運営に支障の生じない範囲で社会資本整備の促進を図るということでございます。 そのねらいはあくまでも地域の活性化に貢献するというものが一つの大きなねらいでもございますので、そうした全体の趣旨を含めてぜひ御理解をいただきたい。
○山口哲夫君 毎年公共事業をやる場合に、自治体の財源を全部持ってくれとは言いません。少なくとも今までの努力を認めて一年くらいは私はやるべきだと思いますよ。それは各自治体にやることができないんであれば、全国的に恩恵を与えられるように地方交付税の例えば特会なら特会に入れたっていいじゃないですか、何らかの形を考えて、自治体が納得できるような形というものを一度考えてもらいたいと思います。これは強く要望しておきます。 できれば委員長にもお願いしておきたいんですけれども、こういうことは私はもう皆さん同じ考えたと思うんです。そういう点ではぜひひとつ決議案の中にもこういうことを入れていただければありがたいなというように思います。それでは財政問題は終わります。 次に、外国人登録法の改正について、法務省いらしておりますでしょうか。——この外国人登録法の一番根幹になるものは登録証の交付事務だと思うんですが、そうでしょうか。
○説明員(大澤久君) そのとおりでございます。
○山口哲夫君 そうしますと、交付をするということが法の根幹である。外国人登録法の第五条に、この登録証というのはその場で交付しなければならない、その場というのは申請と同時にという、そういう解釈になると思うんです。法務省で、これは要求してもなかなか出してくれないんですけれども、取扱要綱の中には即日出しなさい、交付しなさい、こういうふうに言っておりますけれども、間違いありませんか。
○説明員(大澤久君) そのとおりでございます。
○山口哲夫君 それでは、法の精神にどうして今度は反するような、一週間もかからなければ交付できないようなラミネートカード方式をとらなければならないんですか。
○説明員(大澤久君) 登録証明書の常時携帯につきましていかに外国人の負担を軽減するか、あるいは指紋軽減に伴う事務の見直しを行いまして、その結果今回のように入国管理局において登録証明書を作成するという制度になったものでございます。
○山口哲夫君 少なくとも法の精神はその場で交付しなさいということなんですから、ラミネートカードを自治体でちゃんとそこで申請と同時に交付できるように、自治体にそういう機械を買って与えるのが当然じゃないですか。
○説明員(大澤久君) その点につきましてやや詳しく説明申し上げます。 外国人登録事務は全国市町村三千五百余の窓口で行っております。今回の法改正によりまして実施されます登録証明書のラミネートカード化のためのカード調製用機器はすべての窓口に配備することが理想的ではございますが、カード調製用機器は一式で約一千万円と高価でございますため、全面町村に配備することは、現下の行財政の状況のもとでは困難でございます。 そこで、登録証明書のラミネートカード化の作成工程を二つに分けまして、まず第一に市区町村の窓口におきましては本人から提出された写真……
○山口哲夫君 簡単に頼みます、後で聞きますから。
○説明員(大澤久君) 申請書と登録原票の記載及び指紋に基づきまして、登録証明書調製用原紙を作成することになっております。 第二に、市町村で作成されました登録証明書調製用原紙を地方入国管理局に送付いたしまして、そこに配備されております調製用機器によりましてラミネートカード化の登録証明書を作成し、これを当該市町村に送付する、こういうことになっております。
○山口哲夫君 どうも私は法務省のお考えというものは、法の精神をしっかり踏まえてやっていないというふうに考えざるを得ないんです。 これは雑誌「世界」にこういうこと書いています。ことしの五月号ですけれどもジャーナリストの吉田さんなんですが、「国の機関委任事務としての外国人登録事務についても、法務、自治両省間の調整は最後まで難航した。」そうなんだそうですね。「改正案では、地方入管局が登録事務に関与することになったため、自治省はいったん自治体に委任した事務権限に再び国(地方入管局)が介入、取り上げようとするものだと反発した。」と。自治省が反発したんだそうです。「法務省は「単に作業の効率や経費の面からの手直し」と説明したが、自治省は条文に明記するよう要請した。結局、登録事務については、「地方入管局の長は当分の間」と「当該市町村の長からの求めに応じて処理する」を明記することになった。入管局はこれは将来、予算措置が講じられるようになれば、全国三千三百の市町村の窓口にカード作製の機械を設置するので、それまでの暫定的措置と説明している。」こう言っているんですね。 私は自治省の言い分は正しいと思いますよ。今まで機関委任事務で全部自治体にやらせていたんですから、それはそれなりに意味があった。だからすぐ即日そこで交付できたんだ、法の精神に基づいて。それを今度金がかかるからといって一週間もかかるように全部中央に集中しようというんですね。 これは自治体としては今まで努力してきたことを一体どう考えているんだというのは当然だと思うのです。こういうやり方というものは私は何らかの意図があるというように考えざるを得ないんですけれども、もしそうでないと言うのであれば、法務省は当然これはラミネートカードを、三千三百とおっしゃるけれども外国人いらっしゃらないところだって自治体たくさんあるんですから、二千しか予算組んでないでしょう、ワープロの関係でも。そうすると二千だけでいいと思うのです。それを年次計画でもってきちっといつまでに各自治体にそれを配賦するというような計画を立てない限り、私は別な意図があるというふうに考えざるを得ないんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(大澤久君) ラミネートカード式の登録証明書の作成の過程に地方入国管理局が関与いたしますのは、あくまでもその作成の一部をお手伝いするということでございまして、作成権限はあくまでも市区町村長でございまして、その基本は変わらないというふうに理解しております。
○山口哲夫君 基本が証明書の交付なんです、それを即日やれと言っているんです。それを一週間も延ばして基本が変わらないなんというのはそれは私は詭弁にすぎないと思う。 それで問題変えますけれども、全国の市長会から決議案でおたくの方に上がってきていますでしょう。指紋押捺の必要性はない、登録証の常時携帯には反対である、こう言っているんです。少なくとも全国の機関委任事務を担当している自治体の長が決議をしたことを一切無視するというやり方は一体どういうことですか。
○説明員(大澤久君) 地方自治体の議会から意見書、要望書等が多数参っております。今回の改正案の作成に当たりましても十分に参考にいたしております。要望書の内容を見ますと、行政の対象でございます在日外国人等の意見をそのまま反映しておりまして、行政目的ないし行政上の必要性の視点を欠いておりまして、そのままストレートに受け入れることは難しいということでございます。 しかしながら、これらの要望書にも反映されております在日外国人の心情等につきましては十分考慮いたしまして、その結果取りまとめたものが今回の改正案でございます。
○山口哲夫君 全国市長会の要望そして決議の根幹をなすものは指紋押捺は必要がないと言っているんです。そして常時携帯も必要ないと言っているんです。窓口を担当している自治体がそう言っているんです。それを全然一顧だにしないで細かなことだけ聞いてみたところで私はそれは自治体の要望に対して耳を傾けたことにはならない、そういうふうに思います。 と同時に、この指紋押捺は必要ないということはあなた方の先輩である元法務省入管局参事官の竹内さんがこう言っていますね。「今後は指紋による判別は不用になっていくだろう。当面は、新規登録者の原簿に自動車運転免許証のように、張り替えのきかない刷り込み写真を利用できれば、指紋はまず不要といえる。」、あなた方の先輩が要らないと言っているんです。そして結論として「この指紋問題は「犯罪人に似た扱いだから不愉快だ」との、素朴な人間感情論に発しているようだが、この感情はやはり尊重し、できるだけ縮減か代替へ進める方向こそ国際友好に沿う、と当局は割り切ったらどうだろうか。」、あなたの先輩がそうおっしゃっているんです。私は法務省の中にはそういう意見が非常に多いということを知っています。自治省もそうだと言っているんです。一体どこでこういうものがねじられたのですか。 一たんつくった法律案がその日のうちにすっと変わる、そして新聞記者発表をやった骨子が何時間のうちにまた変わってくるというそういうやり方、どこから圧力が入ったのですか。私はあなた方は答えられないでしょうけれども、これは非常に重要な問題だということで見逃すわけにはまいらないと思います。そういう点では今までの意見にあったようにその必要性は認めないと言っていると同時に、国際人権規約の第七条何人も、品位を傷つける取り扱いを受けないというこの精神にも反するということで、この指紋押捺制度については絶対改めるべきであるということを強く要望いたしておきたいと思います。 次は民間委託の問題です。特定の名前を挙げませんけれども、北海道のある町でスクールバスの運行をタクシー会社に委託したというんです。これは職安法施行規則四条一項の四号、受託者は「自ら提供する機械、設備、器材」「若しくはその作業に必要な材料、資材を使用し」というこの法律に私は違反すると思うんです。なぜならばそのスクールバスは文部省から補助金をもらってその自治体の財産である。ですから、委託業者みずからの機械ではない、器材ではない、こういうふうに考えますけれどもどうでしょうか。
○説明員(戸苅利和君) お答え申し上げます。 私ども先生の御質問の関係で把握しておりますのは、この四月からスクールバスの運転が北海道のある町で行われているということを聞いております。実はこういった格好でやる場合には労働者派遣法、昨年の七月に施行されておりますが、それにおきまして適用対象業務として十六業務指定されております。これに限って労働者の派遣事業を実施できるということにしておりますけれども、先生御質問のスクールバス等の自動車の運転業務につきましてはこの対象業務に該当しておりません。そういった関係でこの業務を行うためには請負として実施することが必要でございまして、そのためには昨年これも労働省の告示ということで公にしておりますけれども、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準というのを定めておりまして、この基準に定めておる要件をすべて満たす必要がございます。 ただ、この基準におきましては、先生御指摘の自分の責任と負担で準備し調達する機械設備等によって業務を処理するかあるいはみずからの企画性、専門性を持って業務を処理するかいずれかの要件を満たせばよいということになっておりまして、御質問のようにバスが町の所有のものであるからということだけをもって労働者派遣法上問題があるということは言い切れないと考えております。
○山口哲夫君 その後の方のことをお話になったわけですね。しかし「企画若しくは専門的な技術若しくは専門的な経験を必要とする作業を行うものであって、」、だから、こちらの方で何とかなるだろうというお話のようですけれども、その後にこうあるんですね。「単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。」、これは運転業務というのは単なる肉体的な業務だと思うんですけれども、違いますか。
○説明員(戸苅利和君) 運転の内容等につきまして、実はこの件につきましては私どもの関係以外にもいろいろ関係する事務等ございまして、その関係でいろいろ疑義等が出され、その対応にちょっと時間がかかっていたということがあるのでございまして、その問題が最近解決されたということで、私どもとしてもこれが適正な請負として行われるようにこれから指導してまいりたいということで考えております。その指導に当たりましては、単に契約の内容ということだけではなくて、実態を現地の安定所におきまして把握した上で問題があれば必要な指導を行いたいということで、とにかく具体的な実態を詳細に調べた上で対処したいということを考えております。
○山口哲夫君 ぜひ調べて対処していただきたいと思うんですけれども、あなたのおっしゃったように、繰り返しになりますけれども、職安法施行規則四条一項四号の前段にもこれはひっかかるし、それから後段にも、単に労働力を提供するものであってはならないといっているんですから、これは後段にもひっかかるんです。どっちにもひっかかるんです。だから、そこをきちっと踏まえて指導をしていただきたいと思うんです。 それから、文部省いらっしゃいますか。——文部省がバスを購入するとき補助金出しますね。そういう補助金を出したものを簡単に民間に委託をさせるということはよろしいんですか。
○説明員(井上孝美君) お答えいたします。 僻地学校等におきます遠距離通学児童生徒の通学条件の緩和を図るため、スクールバスの購入費の二分の一につきまして国庫補助を行っておりますところは御存じのとおりでございますが、その交付決定に当たりましては、市町村の事業計画におきましてスクールバスの適切な運行が確保されるかどうか事情聴取を行っているところでございます。 スクールバスの運行をどのようにするかということにつきましては各市町村の判断によるものでございますが、スクールバスの運転手の勤務は児童生徒の登校時及び下校時に集中すること、また僻地等の過疎地域におきましては、適当な運動要員の確保が困難なところもあることなどを考慮いたしまして、国庫補助事業により購入いたしましたスクールバスの運行については、安全運行の確保を前提として従来から民間のバス会社等への運行委託を認めてきているところでありまして、地域の実情によりこのような取り扱いを行うことはやむを得ないものと考えているところでございます。 なお、学校におきます交通安全教育につきましては、文部省といたしましては体育局長通知あるいは安全指導の手引等におきまして、各学校において特別活動、学級指導におきましてバスの安全な乗り降りにつきまして安全指導を徹底して行っているところでございます。
○山口哲夫君 文部省、職安法の施行規則四条一項四号後段、さっき言った「単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。」というこの趣旨をもう少し私は勉強していただきたいと思うんですよ。 スクールバスの運転手というのは、少なくともただ子供を運びさえすればいいというものじゃないと思うんです。もし、そういう単純なお考えを持っているとすれば、私は教育上非常に問題があると思うんです。私も自治体で経験がありますけれども、スクールバスの運転手というのは朝晩同じ子供を乗せるわけでしょう。そうしますと、おじちゃんと言って運転手との間に非常にコミュニケーションができるんです。それで、そういう長いコミュニケーションの中で運転手そのものが子供に対するしつけをやっているんです。こうやっちゃだめですよ、こうやっちゃだめ、いけませんよとかね。一生懸命親と同じように指導しているんです。非常に親しんでいるんですね、運転手をおじちゃん、おじちゃんと言って。そういうような一つの私は教育の場でもあるだろう。 だから、私の経験ではスクールバスの運転手というのは余りかえないんです。そんな一年でかえてもいいものじゃないです、子供の関係考えたら。なるべくいい、子供に好かれるような人に長くやっていただく。これは本当にかえがたい教育の場でもあるということを考えた場合に、これをただタクシー会社に運転を任せて、タクシー会社の方は配車計画があるから毎回かわるわけでしょう、運転手が。そういうやり方というものは、私はやっぱり文部省としてもう少し考え直すべきだと思いますね。一回検討してみたらどうですか、そういうことを。
○説明員(井上孝美君) ただいまの件につきましては、先ほど労働省の方から御答弁がありましたように、労働関係法令の解釈について十分検討が行われているように私どもも聞いているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、現在までのところ運行委託について違法であるというようには聞いていないわけでございますが、一般論で申し上げますれば、各自治体が関係法令に基づきまして適正な行政を行うように指導してまいりたい、このように考えているところでございます。
○山口哲夫君 違法と言ってないというのはそれは間違いですよ。さっき労働省の方としては十分この法律の解釈を検討してみたいと言っているんですから、もしそういう考え方であるとすれば連絡が全然なされていないということになります。 ですから、職安法の趣旨というものは、例えばこのスクールバスに置きかえてみれば私が言ったようなことがあるので、単純な労務提供だけではいけないんだということになっているわけですからね。そこを間違って解釈していると思いますので、ぜひ十分ひとつ協議をしてそういうことのないように、私はスクールバスというものはそういう意味から言っても、教育上から言っても民間に委託していいものではない、そういうものになじむものではないということを強く要望しておきたいと思います。そこを十分、さっき労働省は検討すると言っているんですから、文部省もひとつ一緒に真剣に検討していただきたいと思います。 それから、厚生省にお聞きします。いらしていますか。——昨年の十二月のこの地方行政委員会で私質問した自治体の清掃車一台当たりの配置人員数、これは三・○に変わりありませんね。
○説明員(藤原正弘君) 先生の今の御質問の件でございますが、地方交付税の算定基礎としまして二・六人というのが……
○山口哲夫君 交付説聞いていませんよ。私交付税を聞いているのじゃないんです。厚生省が「廃棄物処理事業に、おける事故防止対策マニュアル」の中に、昨年これで聞いたんですよ。一台当たり運転手が一名で、そして「収集作業は二人以上で行う。」こと、これは圧縮式機械式収集車も天蓋式ダンプ収集車も同じというように書いてある。去年は三人ですねと言ったらそうですと言ったじゃないですか、今は変わったんですか。
○説明員(藤原正弘君) 失礼しました、お答えいたします。 厚生省が出しております事故防止対策マニュアルというのがございまして、この中で労働安全衛生確保の観点から収集作業の作業員の人数を言っております。これでは「収集作業は二人以上で行う。」ことというふうに言っておりまして、運転手も含めて申しますと、全体として三人ということになるわけでございまして、先生の御指摘のとおりでございます。
○山口哲夫君 ところが、その基準が守られないで、最近自治体の清掃業務を民間に委託したために、民間の請負業者が二人しか乗せないんです。そのためにあっちこっちで事故が多発しているんです。中には死亡事故も現実に起きているんです。しかも、自治体との契約では三人という契約をして、ちゃんと契約金までもらいながら、請負費ももらいながら二人しか乗せないんです。これは契約違反なんです、明らかに。こういう実態が今全国的にあちこちで起きているんです。こういうことについてきちっと労働者の安全を守るという、そういう観点で厚生省は指導してもらいたいと思いますけれども、どうですか。
○説明員(藤原正弘君) お答えいたします。 先ほども答弁いたしましたように、厚生省では事故防止対策マニュアルというのを出しまして、これを各地方公共団体に配付いたしまして、その趣旨徹底を図っておるところでございます。今後ともこの趣旨の徹底に努めてまいりたいと存じております。
○山口哲夫君 具体的に各自治体に対してこういうことがないようにきちっとした指導をしてもらいたいと思います。これは、また予算委員会のときに質問したいと思いますので、必ずやってくださいよ。どうも自治体を締めつける方はすぐ通達出すんですよ、内簡出すんです。しかし、実際に労働者のそういう安全まで守られていないという重大な問題についてはなかなか出さないんですよ。そんなこと言いたくないですけれどもね、事実なんです。こういうことはあっちゃいけませんのでね、こんなもの出すのはすぐできるわけですから直ちに出してください、いいですね。
○説明員(藤原正弘君) 六十二年の二月にもごみ収集運搬車両に関する事故防止対策の充実についてということで通知を出しておりますが、この通知も先生の御趣旨に沿うものでございます。なお、こういう通知の徹底について努力してまいりたいと存じております。
○山口哲夫君 次に、自治省にお伺いします。 交付税の計算の基礎になる基準財政需要額について、これは昨年のこの委員会では清掃車一台当たりについて随分論議をし合ったんですけれども、ことしはまた六名の今度は清掃費を減員してきたんですね。これはどうしてですか。
○説明員(小滝敏之君) 清掃費の職員数でございますが、直営分からそれぞれごみ収集車及びし尿収集車につきまして委託に切りかえるということで、直営の担当の職員数がそれぞれ三人ずつ、合わせて六人委託に切りかわったという措置をしておるところでございます。
○山口哲夫君 あなた方は実績で組んだというふうにおっしゃりたいんでしょうけれども、自治体はこ九をどういうふうに受けとめているかといえば、自治体にしてみますとこれだけ減ったんだからこれでいいんだというふうに受け取るんですよ、ほかの都市も。これはたまたま実績でこうなったのであって、少なくとももう少し行政をよくしていこうかなと思っているんだけれども、あなた方の方でこういう組み方をしますと、これでいいんだというふうにとらえがちなんですね。金はこれしか来ないんだからというようなことで人員を減らして、そして労働災害が発生しているんです。 どうなんですかね、私はこういう計算というものは実績に基づいて行っていいものなんだろうか、少なくともこれは標準的な団体の姿を出したんでしょう。そうすると、標準的な自治体が標準的な行政を行うためにはどうあるべきかという一つの自治体の行政の理想的な姿というものをそこにあらわすべきだと思うんです。それでなければ、自治省のやり方ですとどんどん自治体の行政能力というものを下げていく、そういう行政の低下につながるようなやり方に見えてならないんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(小滝敏之君) 職員数につきましては、私ども交付税の基準財政需要額におきましては、その人員をベースとして具体的な標準的経費を算入するということでやっておるわけでございますが、お説のとおり具体的な算定に当たりましては、標準的な団体というものを想定いたしましてあるべき経費というものを算定するわけでございますが、あくまで財政措置でございますので現実の財政需要というものがどうなっておるか、それらの実態をもあわせ勘案するという必要がございます。 私ども今回直営から委託に切りかえるにつきましては、既往の財政実態、決算の結果その他職員数の実態等を見まして、極めて乖離が大きいということで部分的な委託への切りかえというものをしておるわけでございます。
○山口哲夫君 自治省は片方で行政の合理化をどんどん進めているわけですね。そして人数を減らさして、実態としてこう減りました、だから財政的な措置はこうですと言って、これじゃまるっきり自治省が各自治体の行政水準を下げるために努力しているようなものです。少なくともごみの問題を取り上げてみましても都市の中ではごみの量はふえてきているんです。それで、収集回数だって一週間に二回を三回にして住民の要求にこたえていこうじゃないかといって行政水準を上げようとしているんです、ところが、自治省のやり方はまるっきり逆なやり方をしているんです。私はこの際、もっと地方の行政水準を高めるという観点に立つならば、こういう実績だけを考えた基準財政需要額の計算の仕方というものは、もう一度やっぱり考え直してみるときにきているのでないかなと、こんなふうに思うんですけれども、大臣いかがですかね、こういう基本的な考え方について。
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方団体に対する財源保障機能を持っております、交付税のメカニズムの中心をなしております基準財政需要額の算定につきましては、さまざまな行政項目について算定をするわけでございます。その中では法令に基づいて基準の決められているものもございますし、また、地方団体の財政運営の実態というようなものを考えなければならぬ場合もあるかと思います。 ただ、基準財政需要額はあくまでも地方団体の財政運営の実態に追随するというものではやっぱりないと考えておりまして、まあそれなりに一つの考え方を持っていなければならぬと思います。ただ、実態と基準財政需要額の算定の内容に余り大きな開きが生ずるというようなことは、これは具体的妥当性というものもある程度必要でございますので考慮していかなきゃならない。そういうような観点から、先ほど来課長がお答え申し上げましたような改定を単位費用において加えたわけでございますので、その算定すべき費目あるいはその行政の内容に応じて実態あるいは基準、いろいろな問題をあわせて考えていく必要があろうかと思うので、その点を御理解賜りたいと思います。
○山口哲夫君 今いみじくも実態に追随するだけではいけないというふうにおっしゃいました。私はそうだと思います。少なくとも自治体の行政水準を高めていくというのが自治省のお仕事だと思うんですね。しかし、実際にやっていることは逆なことをやっていらっしゃるんです。だんだん行政水準を低めるようなことをやっていらっしゃるんです。非常に、それこそそこに大変な乖離があるわけですね。私は、もっと自治体の行政水準を高めるためには、この交付税の計算をその根本から改めていくときでないか。きょうは時間がありませんからこの程度でやめますけれども、一度考えていただきたい、こう思います。 それから、厚生省にお尋ねいたします。 宝塚市で、宝の塚なんですけれどもごみの塚になって、四千トンのごみが野積みされて、すぐそこにマンションがあって何百人も生活している。十分お知りだと思うんですけれども、これは法的にも廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第一条の目的にも反している、こういうふうに思いますけれども、そうかどうか、そこだけでいいです、簡単にお答えください。
○説明員(藤原正弘君) この宝塚のごみの問題でございますが、私ども厚生省としても十分承知いたしておりますが、これは新焼却場の運転管理体制に対しまして市側と市職員組合との間に意見の不一致が生じまして、その結果として、工場敷地内に未処理のごみ、が現在のところ約四千トンビニールシートに覆われまして仮置きされておるというような状態でございます。このような仮置きは通常の状態ではございません。通常の状態ではございませんが、臨時的な措置としてやむを得ず行うものでございまして、法律上どうこう、違反ということにはならないと思います。 しかしながら、廃棄物処理法上の観点からしまして、生活環境の保全を図っていくということは当然のことでありまして、厚生省としましても環境保全、公衆衛生の向上の観点から速やかにこの問題が解消されまして、廃棄物の適正な処理ができますように市を指導しておりますところでございます。
○山口哲夫君 法律に反してないというんですけれども、この第一条は、「この法律は、廃棄物を適正に処理し、及び生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。」と言っている。四千トンのごみが悪臭でしかもメタンガスが発生して、汚水が地下に浸透して、それで適正に処理していると言えますか。そんな甘いものじゃないでしょう。しかも臨時的と言っているけれども、臨時的と言うなら一週間ならまだわかるけれども、何カ月ですか。こういうことを私は放置しておく厚生省も厚生省だと思うんですけれども、今の答弁はちょっと余りにもひどいんじゃないですか、どうですか。
○説明員(藤原正弘君) ただいまのごみの四千トンの仮置きの問題でございますが、基本的な問題は市当局と職員組合との間で今後の委託のあり方について協議されておる段階でありまして、その問題は現在双方五名ずつを出しまして小委員会を設けて、鋭意解決策に向けて検討をされておるというふうに伺っております。近くその解決策が見出されるということを期待いたしておるわけでございます。 ごみの仮置きの問題につきましては、それまでの間十分環境保全上の観点に留意して、周辺住民等に迷惑のかからないよう措置するように市を指導いたしております。
○山口哲夫君 付近住民に迷惑がかからないように指導しているなんというものじゃないですよ。何カ月も四千トン積んでおいて悪臭がぷんぷんでしょう、私どもも現地調査しましたけれども。それで全然付近住民に影響ないなんて言えませんよ。私は厚生省に少なくとも現地調査をしてもらいたいと思います、そういうお考えなら。そこまで言うつもりはなかったんですけれども、そんな甘い考え方を持っているんだったら現地を一回見てください。これは大変な問題ですからね。 そこで、先に進めますけれども、今まで直営でやっていたのを今度は新しい清掃工場を建てたら民間に委託するというんです。それでクレーンの資格も職員は持っていない。今まで一生懸命頑張ってきた職員が、それこそ今までそんなに本を一生懸命勉強するような機会がなかったけれども、資格を取らなければ民間に委託されたんじゃ大変だと言って、毎日子供の机を借りて一生懸命真剣になって勉強して、何人もの職員がちゃんと資格を取っているんですよ、涙ぐましい努力でしょう。そういう今までの努力を無にして民間に委託するというんですけれども、私はこれは法的にも問題があると思うんです。 自治体が建設、処理するごみ焼却場の運転業務について、廃棄物処理法施行規則四条二の十三号ですね、「市町村は、その設置に係る施設の維持管理を自ら行うこと。」、みずから行えと書いてある。委託するんじゃみずから行うことにならないんじゃないですか、これは法違反でしょう。
○説明員(藤原正弘君) お答えいたします。 廃棄物処理法施行規則第四条の二第一項十三号には、先生の御指摘のとおり、「市町村は、その設置に係る施設の維持管理を自ら行うこと。」とされておりますが、これの具体的な意味するところといたしましては、市町村みずからの設置するごみ処理施設の維持管理について、みずからの責任を全うすることのできる体制で臨むべきことを定めたものでございます。 最近の施設は技術的に高度化してきておりまして、施設の適正な運転を行うに必要な専門的能力を有する職員を確保することが困難な場合も生じております。外部の専門技術者の協力を得ることがそういう場合は適切な場合もございます。こうした場合には両町村みずからの責任が担保できるような体制でありますならば、必要に応じて市町村の判断により運転業務の一部を民間委託することも可能というふうに考えております。
○山口哲夫君 専門的な技術、知識を持っていない場合なんというけれども、処理施設をつくるというのは長年の計画でしょう。それに合わせて専門的な技術者を養成すればいいじゃないですか。幾らでもおりますよ、採用しようと思ったら。しかもそんな高度じゃないですよ。そういうことを全然やろうとしないで、ただ新しい施設ができた、技術者がいない、技術資格を取ろうと思って一生懸命努力をして技術資格を取っているところだってあるんです。それを無にして、ただ安ければいいんだということで民間に委託する、こういうやり方というのは私はおかしいと思う。 今あなたが「自ら行うこと」という法律の解釈をみずからの責任を全うできることと言っていましたね。これは昭和五十三年衆議院の社会労働委員会で三月二日の質問に対する当時の小沢厚生大臣の答弁ですよ。そうでしょう。私は広辞苑引いてみたんです、みずからというのは国語としてどういうふうに解釈するのか。そうしたら自分で、自身でと書いてあります。自分でやれ、自身でやれと書いてあるんです。当時の小沢厚生大臣が言うように、みずからの責任を全うできるなんというものではないです。法律の解釈は、少なくともそういう施設というものは自治体みずからも行わなければだめなんですよ。それを自分が責任を全うできるんだから民間に委託してもいいという、そういう法律の解釈にならないでしょう、国語上からいったってみずからというのは、どうですか。国語上からいって自分で、自身でと書いてあるんです、広辞苑には。
○説明員(藤原正弘君) 市町村が自分で設置した処理施設については自分で維持管理をする責任があるわけでございまして、その維持管理について一〇〇%全部自分がやらなければだめだというふうに法律は言っておるわけではないわけであります。すべての責任が全うできるように、そういう体制で維持管理ができるようにというふうに法は言っておるというふうに解釈いたしております。
○山口哲夫君 その解釈は失礼だけれどもこじつけですよ。 それじゃ、これは自治省でしょうか。地方自治法二百四十四条の二の三、公の施設の設置目的を効果的に達成する必要がある場合、条例によってその管理を公共団体または公共的団体に委託することができる、こういうふうに言っているんです。この解釈からいってどうですか、その管理を公共団体または公共的団体に委託することができる、管理をですよ、運営まで委託せいと書いてないんです。 これは法の解釈を調べてみましたら、それはあくまでも管理だけを、例えば社会福祉協議会のようなものに保育所なんかを管理だけを委託するんだ、運営まで委託せいというものではないんだというふうな解釈になっているんです。こういうことからいっても公の施設を今反間に運転まで委託するというんでしょう。これがどうして法違反でないんですか。みずから行うということと地方自治法二百四十四条の二の三とあわせたってそういう解釈にならないと思うんです、どうですか。お答えできないでしょう。私はやっぱりこれは法律的に絶対おかしいと思う。 自治省、労働省、厚生省、この解釈一回検討してください。これは明らかにこういう施設を民間に運転まで全部委託するというのは法律違反であるというように考えます。お答えできるならしてください。
○政府委員(大林勝臣君) 地方自治法では御指摘のように、公共的団体等に管理を委託することを規定しておりますけれども、その趣旨は、基本はあくまで地方公共団体が決めるというのが趣旨でありまして、基本的なことを条例で規定した上でその管理を委託する、こういう趣旨であります。
○山口哲夫君 条例で管理を委託すると今おっしゃったですね、そのとおりです。管理を委託する、運転まで委託せいとは書いてないんです。これははっきりしていますからね。管理であって施設の運営まで委託することではないんだというふうな解釈になっているんです。ですから、今局長がおっしゃったようにあくまでも条例で管理を委託するんであって、運転まで委託するのでないということになります。しかも条例は法律に違反するような条例はつくるわけにいきませんので、これはぜひひとつ今後、こういった条例違反の施設の民間委託は、運営については絶対まかりならぬということをはっきりひとつ自治体にも流していただきたいと思います。 分別収集、ダイオキシンの問題をやりたいんすが、ちょっと時間が足りないので簡単にやります。この分別収集をせっかく今までやっていたのを今度やめるというんですよ、宝塚では。そういうことがあちこちでどうも出てきそうなんですね。厚生省は分別収集というのを指導しているんでしょう。してるか、してないかだけでいいです。
○説明員(藤原正弘君) 分別収集につきましては、ごみの有効利用ができるような場合にはそれは望ましいということで指導いたしております。
○山口哲夫君 ぜひ分別収集はこれからも指導していただきたいと思うんですけれども、その中でダイオキシンが発生するという問題が出ております。とこるが、せっかく分別収集を厚生省の方針のように今まで一生懸命努力してやってきた。それを新しい工場に今度切りかえたときに、分別収集やらないでプラスチックから何から全部一緒くたにして燃やしてしまう。ダイオキシン出るでしょうと言ったら、ダイオキシンは出ませんと言うんです。 厚生省の調査結果によりましてもダイオキシンの心配はないんだ、こういうふうに言っているんですけれども、しかし厚生省の委託したダイオキシン専門家会議の中で、報告書を読んでみますと、確かにダイオキシンが「いずれも評価指針の値よりも小さく、健康上支障を生ずるレベルではない。」、こう二番目には書いてあるんです。ところが四番目にこう書いてあるんです。「わが国のダイオキシンに関する知見はいちじるしく乏しいので、今後はダイオキシンの発生源や制限について、分析方法やモニタリング方法について、さらに健康影響についての調査研究に取り組む必要がある。」、専門家会議でそうおっしゃっているんです。 それで調べてみますと、アメリカは国のレベルで六十以上の研究プロジェクトがつくられて今進行中なんです。環境政策の一審最重点課題がこのダイオキシン問題だと言っている。先から、専門家会議が一番の問題で標準値以下だからいいんだと言っているけれども、私はそういう結果にはならないと思うので、これは厚生省として十分今後このダイオキシン問題が一体どうなのか真剣に研究もしてもらいたいし、その結論に基づいては、今一緒くたに全部燃やしてしまうような、分別収集せっかく厚生省が進めているのに反するようなやり方というものは、やっぱりやめさせるように指導してもらいたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(藤原正弘君) プラスチックの混焼をいたしますとダイオキシンという有害物質が発生するのではないかというような指摘があります。その点のおただしでございますのですが、ごみ焼却に伴うダイオキシン問題につきましては、五十九年の五月の厚生省で設けました専門家会議の報告及び五十九年度に環境庁と共同で行いました実態調査の結果から、現在のごみ処理の工程におきまして人の健康に有害なというようなレベルの問題はないというふうな結論が得られておるわけでございます。 しかしながら、このダイオキシンかどのようなメカニズムで発生するのかということにつきましては、まだまだわからない点が多々あるわけでございまして、厚生省といたしましても発生メカニズム等の調査研究を現在進めておるところでございます。昭和六十年から六十四年度にわたりまして、焼却に伴うダイオキシン等の発生に関する研究、埋立地におけるダイオキシン等の挙動に関する研究、焼却尿中のダイオキシン等の存在状況に関する研究、こういうふうな研究を現在進めております。
○山口哲夫君 まだダイオキシンの問題については解明されていないということは学者の間でも指摘されております。非常に危険だというような警告まで発しているところがあります。ですから、自治体ではそういうことを知りないで、厚生省が簡単に出してしまった一つの方だけ見て四番目の方を読まないで、標準値以下だからいいんだと言って一緒くたにごみを燃やして、分別収集もやめさせるという沖か方共とれは国民の健康管理上非常に問題があるというように思いますので、環境庁、厚生省、力を合わせて早急にこういったダイオキシン問題を検討していただきたいということだけを要請しておきたいと思います。 最後に、もう時間もなくなりましたので簡単にやります。 住民基本台帳法に基づきまして質問をいたします。 札幌市で住民基本台帳の大量閲覧が行われました。新聞にこう載っております。「住民票大量閲覧 市の窓口当惑 出版社と委託契約の調査会社 児童八万七千人分」と。本当使用のおそれもあるということで大問題になって、一時窓口でダイレクトメールの、住民登録票ですか、それを閲覧するのを中止させたというような事件にもなりました。 それで、時間がありませんから先を急ぎますけれども、そういった中で、これはダイレクトメールについて物すごく最近苦情が多いんですね。例えば札幌市の例を言いますと、全く知らない会社から勧誘があった、生年月日など知っているので不思議に思って聞くと区役所で教えてくれたと言う。それから、訪問販売業著など市役所から紹介されて来たとうそを言って勧誘する。中学校の一年生に対して塾のあっせんが数社から来る。夜遅く訪問してきたり、電話も時間を構わずに来る、とてもしつこい。どこで調べたのかと尋ねると区役所で調べたと言う、おかしいじゃないかと。こんなように大変多いんですね。 それで、ダイレクトメールの苦情は一体どのぐらいあるのかなと思って経済企画庁にお聞きいたしましたら、これは全国の中でもダイレクトメールに対する苦情がトップだと言うんです。時間がないから詳しくは聞きませんけれども、そうですね。トップだと言うんです。 それで、これだけじゃないんです。最近東京でダイレクトメール発信元の逆調査を主婦らが三百人でした。そうしますと、やつはり名簿がどうも区役所だとか市役所だとかそういうところから住民登録票のあれを写して把握しているんだと言うんですね。そういうものが中には業者に流れていって、その業者がそれを一つの業としてやっているということもありました。 それから愛媛の松山では、選管が選挙人名簿を売るという大問題がありました。選挙人名簿を製本し販売をしている、こういうことですね。それかももう一つ、金融機関がマル優の本人確認のために預貯金者にかわって住民票を集めている、こういう事例もあります。枚挙にいとまのないほど最近はダイレクトメールを中心にしてプライバシーが侵害されているということが随分出ております。 そこで、ダイレクトメールの場合、住民票の公開の原則があるというふうに言われておりますけれども、公開原則というのはそこまで、業者にまで全部見せてもいいという趣旨のものじゃないと思うんです。だれでも申請して住民票を見ることはできるけれども、それは業者のように名簿をつくるために何万通とだれでも構わず住民票を見るというようなものではない。住民基本台帳法をつくったときの精神というものはそういうことまで想定できなかったからそういうふうに公開の原則というものを書いたと思うんですけれども、ぜひひとつこの際もう一度基本台帳法の精神というものを考えて、ダイレクトメールに対する対処の仕方について検討してみる必要があるのじゃないかな、そういう時期に来ているのじゃないかなと思うけれども、自治省いかがでしょうか。
○政府委員(大林勝臣君) 住民台帳の利用につきましていろんな問題が過去起こりてきておるわけでありますけれども、御案内のように一昨年一応プライバシー問題として改正をいたしました。その際にダイレクトメール市場調査、いわゆる大量閲覧と言われるものについての措置をどうするか、いろいろ検討いたしたのでありますけれども、現在の段階では経済活動自由の原則というものもあるし、結局は不当な目的ということでない限りは窓口でのチェックしかないだろう。大体一般的にそれぞれの窓口におきまして、一回の制限、時間の制限、量の制限、こういったものを取扱要領でやっておるところでありますけれども、確かに今後いろんな事件が起こりますたびにプライバシーの延長の問題としていろいろ勉強していかなければならないとは思っております。
○山口哲夫君 住民基本台帳法の改正に当たって昭和六十年の一月に住民語録に係るプライバシーの保護等に関する研究委員会というのが発足しましたですね。その発表を読んでみますと問題点が幾つが指摘されております。 問題点として、「ダイレクトメール発送等の営利目的のための利用のような、法制定時における制度設定の趣旨の範囲を越えるような利用法が増加している」。改善策として、「個人情報を何人にも公開するという原則は、これを制限する方向で改めること。」。そして「公開制度の見直し」について、住民基本台帳の閲覧について「住民基本台帳の閲覧は、本人又はその家族が請求する場合及び国若しくは地方公共団体又はこれに準ずる団体の職員又は弁護士、司法書士等がその職務上請求する場合は可能であるとし、それ以外では、世論調査、学術調査等、不特定多数の者の個人情報を必要とすることが客観的に正当と認められる場合で、かつ、閲覧により知り得た個人情報が適正に保護・管理される上認められる者に限定することが考えられる。」。 研究会の内容を読みましても、ダイレクトメールはやっぱり今研究してみなきゃならない問題点もあるし、改善策としてはこういうことを考えるべきであるということを指摘いたしております。 今行政局長さんがおっしゃったように、多分にやはり問題もあるので勉強してみたい、こういうふうにおっしゃっておりました、ぜひひとつ早急にダイレクトメールの取り扱いについて検討をこれからもしていただきたいということを要望しておきたいと思います。 最後に、住民基本台帳法の中で、住民票の原本を磁気テープでもいいというふうにしているんですけれども、磁気テープが破損された場合は大変なことが起きるわけですね。今まではちゃんと台帳を持っているんですけれども、それを磁気テープに入れちゃう。磁気テープが壊されることだってあり得るわけです。壊されたときに、それじゃ原本はどこへ行ったかといったらなくなっちゃうわけです。これは私はゆゆしき問題になると思うので、少なくとも可視的な台帳を全部持たせるべきだ。磁気テープだけでやっているところが今私の調べでは九カ所あります。こういうことは万が一の場合に備えて可視的台帳だけはきちっと持たせるようにするべきでないかと思いますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(大林勝臣君) 磁気テープ原本化の改正もいたしたわけでありますが、現実の運用といたしましては、磁気テープの万一の破損を考えまして、いわゆる磁気テープの副本と申しますか予備と申しますか、そういうものを備えつける運用にいたしております。まあ可視的な台帳を置いた方が確かによろしいわけでありますけれども、今後技術の改善その他いろいろなことを考えながらさらに検討してまいりたいと思います。
○山口哲夫君 ぜひひとつ検討してください。そういうところが九カ所あるということと、そういう傾向がどうもこれから出てくる危険性がありますので、そういうことになっては、もし事故が起きたら原本そのものが全部なくなってしまうという重大な問題につながりかねませんので、ぜひひとつ可視的台帳を必ず持たせるように検討していただきたいと思います。 それからプライバシー法の御定、これは臨調でも指摘しているところでありまして、外国でも随分進んでおりますので、プライバシー法の制定についても自治省が中心になって検討してくれるようにお願いをしておきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○佐藤三吾君 大臣、大分休養しておったようですから、ひとつ冒頭に聞いておきたいと思うんですが、交付税にしても地方税にしてもこの時期に審議、採決ということは私は極がで異常であると思うんですね。これは予算編成で政府・与党の皆さんが売上税、マル優の既成事実化をねらって地方財政画に計上を強要した、ところが廃案になった、地財計画がそのために地方財政に混乱を与える。こういう事態が起こり、自治体財政運営を阻害するというような結果になっておるわけでありまして、私は政府、自治省としては極めて責任が重大であると思うんてすが、なかなか政府、自治省ともに責任をいまだに明らかにしない、こういう感じがしてならぬのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(葉梨信行君) この春の通常国会が開会されて以来税制改正問題が国会で御審議されてまいりました。その中で抜本的な税制改正を行おうという政府提案の諸法案が廃案になりましたてとはまことに遺憾でございます。またそれに伴いまして、売上譲与税関係あるいはそれに伴う地方交付税等につきましてもいろいろな影響を受けたことは先生御指摘のとおりでございまして、そのために地方団体が財政運営に困難を来したことにつきましては私どもといたしましても遺憾の意を表明し、改めて臨時国会に提案されました関連法案の御審議をいただき、そして一日も早い成立をお願いしてきたところでございます。 持に地方交付税につきましては、九月交付のために村八月の下旬早々までに地方交付税法、地方税法が成立しなければならない、こういう事態を踏まえ、国会にも御審議の促進をお願いしてまいりました。現実は今日に至ってきょうも地方税法の改正案の御審議をいただいているというような状況でございます。明日、明後日で臨時国会も会期末を迎えますので、御審議を促進していただきまして地方税法を成立させていたたまたいということをお願いしているところでございます。 政府の責任につきましては、そのような事態に至ったことについて、先ほども申し上げましたように、地方団体に御心配をかけたことについては重々申しわけないということを委員会の場を通じて表明しているところでございます。
○佐藤三吾君 総理は売上税の問題を提起した際に、ちょうど統一地方選挙のさなかだったと思いますが、この成立に命をかけるとまでぶち上げたんですね。今は、まだ生きていますからかけてないわけだ。そうして責任問おうとしない。閣議の中で責任をとるべきだという意見も出てない。これは私は、そのことの方がまきに異常じゃないかと思う。二階堂さんが選挙でぶち上げておりますが、私はまさにそのとおりだと思うんです。そうして、そこら辺がいまだに聞かれないんです。 地方税法の内容を見るとシャウプ以来の税制の抜本改革というのが打ち出されたわけですね。ところが、自治体の意見というのは全く聞いてない、この税制改正の作業を見ても。そうして、我々が毎回毎回この委員会を通じて問題指摘をしてきた、例えば医師優遇税制の問題であるとか事業税の問題であるとか、さらには法人事業税の改善とか非課税の特別措置のいわゆる国の施策の遮断であるとか、こういった関係等についてはほとんど今度の改正に出てない。何が抜本か。まさに抜本という意味が意味不明ですね。こういうような感じがしてならぬわけでございます。 ただ一つだけあるのは何かといえば、国民の反対する売上税とマル優だけは廃止をするということだけは出てきておる。こういう意味で、私はやっぱり仁の法案についても極めて不信というか議論に値しないような不満を覚えるんですけれども、こういったことに対して、あなたも閣僚の一員として国務大臣でもあるわけですが、どういう感想なんですかね。
○国務大臣(葉梨信行君) 税制の抜本改革につきましては、国税、地方税を通じての税制の見直しということを目的としていろいろ議論を重ねてきたところでございます。政府税制調査会におきましては、そのような課題を掲げまして一昨年から一年間をかけまして御審議をいただき、昨年の秋に答申をちょうだいした次第でございます。また政府税制調査会には地方団体の代表も委員として参加されまして、地方の声も十分に反映された答申が行われたと私は理解している次第でございます。 また、総理が命をかけて抜本改革に取り組むということを本会議等で国民に表明しておりますけれども、それが通常国会におきまして廃案になりましたことはまことに遺憾なことではございますが、その後衆議院議長のごあっせんによります税制協議会におきまして、与党、野党の委員が出席されまして、累次にわたって御協議をいただいています。その過程におきまして、まず第一段階として利子優遇制度の見直しを行おうということ。で、政府の責任において改正案を国会に提案した、こういう経過であると私は理解している次第でございます。 しかも、これは本会議におきます総理の御答弁において、国民の皆様に利子優遇課税の見直しというのは第一段階であって、やはり直間比率の見直しあるいはさらなる減税というものを所得税についても、法人税についても行うことがこれからの日本経済の発展、国民生活の向上のためにもぜひ必要である、こういうことも申し上げているところでございます。
○佐藤三吾君 必要性については私は否定しないんです。ただ、問題は今おっしゃったように、責任はきちんととっていく、言ったことは責任を持つ。それが通らなきゃやっぱり責任をとる。こういう中で私は国民と政府との信頼感が出てくると思うんです、政治に対する信頼感。そこら辺がなおざりにされて、ただ既に廃案になった法案を国対委員長間で約束したにもかかわらずすりかえて、政府の責任という格好でマル優を出してみたり、そういうことが私は責任のとり方ではないと思うんですね。ここら辺はきょうは時間があればうんと議論したかったんですけれども、時間がございませんからこの程度にとどめておきますが、これはぜひ閣僚の一員ですから、国務大臣としての立場からもひとつ閣議の中で問題を提起してきちっとした方がいいんじゃないかと私は思うので、あえて申し上げた次算です。 大臣個人としては地方自治体に迷惑をかけたことに対する釈明のあれがございましたから、それは了として私は受けとめておきたいと思います。 そこで、地方税の関係で二、三お聞きしておきたいと思うんですが、住民税の課税最低限が生活保護基準を大幅に下回る、こういうようなことから五十六年ごろだったと思いますけれども、非課税限度枠という制度がつくられましたですね。この制度は、夫婦二人、独身等については余り効力はないんですけれども、今回の改正の中で私は気にしますのは、六十三年以降は配偶者の特別控除が加わりますね。これが加わってくるために課税最低限が上昇してまいりますと、非課税限度枠制度というものの意味がなくなるんじゃないかという感じがしてならぬのですが、これは今回は出してないようですから、どのように考えておるのかということをお聞きしたいわけです。生活保護基準の改正の際に手直しをするのか、手直しをしないのかを含めてお答えいただきたいと思うんです。
○政府委員(津田正君) 御指摘のとおり、今回提案しております改正法案におきまして、課税最低限は標準世帯におきまして二百二十六万一千円、このように引き上げるわけでございます。現行の非課税限度額は二百十三万五千円でございますので、課税最低限が大幅に上回る、こういう事態でございます。したがって、夫婦子二人という標準世帯においては、もう課税最低限自体で十分機能するわけでございますが、先生御指摘のとおり世帯構成いろいろな場合がございます、いろいろな事情がある。場合によってはこの二百十三万五千円という今の非課税限度額の決め方、これがやはり必要な事態もあるのではないか、かように考えておるわけでございます。 政府税調でも議論がございましたが、政府税調の結論といたしましても、当分の間この制度を存続すべきである。このようにされておるわけでございまして、昭和六十四年度以降につきましても課税最低限自体どういう水準に持っていくべきか、あるいは国民生活の水準をどう考えるのか、あるいは物価等どうするのか、このような場合にこの非課税限度額が必要とあればやはり存続してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○佐藤三吾君 もう一つ聞いておきたいんですが、衆議院の修正がございまして財形の非課税やマル優廃止の時期が六十三年四月実施となったわけですが、それに伴う穴埋めは何を予定しておるのか、またこのマル優廃止によって道府県民税、利子割としての徴収できる租税収入は、今回の減税規模に達するまで大体十年ぐらい必要だと言われておるわけです。その場合に、例えば来年に限って見ましてもほとんどないわけでございますが、どのような手当てを考えていますか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 修正によりまして、本年度の政府の地方財政に関する見通しからさらに食い違いを生じてまいったわけでございますが、本年度における地方税関係の増減収の食い違いにつきましては総額で当初三百九十五億、こう見ておりましたところ、利子割の四月実施によりましてさらにその上に百二億の減収が上回るという事態が出てまいったわけでございます。これらにつきましては、当初の段階におきまして税制改正に伴う増減収の差額の減収が増収を上回る部門、これにつきましては財源不足対策の一環として財源対策債で措置をするということにいたしておりましたので、これと同様に財源対策債で措置をしてまいりたい、このように考えております。 また今後、お願いをいたしております税制改正が明年度以降進んでまいるわけでございますが、御指摘のように減税の規模と、それから財源確保策としての意味を持っておりますところの利子割について差が生じる、当分の間差が生じることは事実でございます。これにつきましては明年度以降の地方財政対策を通じまして歳入歳出全般の見通しを立てる中で適切な補てん策を講じてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 もう一つそれと関連して聞いておきたいんですが、竹下修正案で所得税減税が二千四百億上積みされましたですね。それで、今申し上げたようにマル優の原則廃止が六十三年四月に実施時期がなった。こうなりますと、当然これは交付税や地方税に影響してくることになるわけですが、どのくらいの額になるのか、影響度が。それに対する補てんというものはどういうふうな形になるのか、もしつかんでおればお聞きしたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) お尋ねの点は幹事長・書記長会談によりまして、所得税減税が政府提案よりさらに二千四百億円程度上積みになって、地方財政に対する影響についてどのように考えるか、こういう御趣旨だろうかと思います。これは所得税でございますので、直接には交付税の総額にもちろん影響する要因を含んでおるわけでございます。 ただ、昭和六十二年度の場合につきましては、現在御審議をいただいております地方交付税法の中で、本年度の地方交付税の基礎をなしております従来の国税三税の額については、当初予算の額でこれをいわば固定するという考え方をとっておりますので、この修正によって本年度の交付税の額が直ちに減るということではございません。地方交付税法の改正案におきましても確認的にその趣旨を規定しておるわけでございます。なお今後、交付税の総額を固定しておりますことと関連をいたしまして、所得税等の歳入予算の補正が行われる、いわゆる二次補正が行われるという事態があろうかと思います。その場合におきましては、もちろん現在御提案申し上げておりますところの交付税の総額、これを減らすことはないという前提のもとにもちろん大蔵省と必要な協議をしてまいりたいと思います。 それからさらに、明年度以降の問題でございますけれども、明年度以降の地方交付税の影響につきましては、今後の所得税収の動向などとももちろん関連をするわけでございますが、明年度の地方財政対策において適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○政府委員(津田正君) 地方税の関係でございますが、利子課税の見直しの実施時期が来年一月一日から四月一日に、幹事長・書記長会談の結果そのように修正されたわけでございます。これによります地方税収の影響におきましては、本年度で約百億程度でございますが、実は来年度になりますと、当初私ども一月一日実施の場合に予定しておりましたのが約三千億から三千五百億程度でございました。これを四月一日、三カ月ずれ込ませますと二千億から二千五百億程度の収入しか見込めない、約千億ぐらい影響が出てきた、このように考えております。これにつきましても減税自体が五千億の規模でございますので、一月一日実施におきましても不足するわけでございますが、さらに不足額が大きくなってまいりました。今後の税制改正あるいは税収の見込み等も立てながら、地方団体の地方税収入が補てんされるような努力をしてまいりたい、かように考えております。
○佐藤三吾君 これは過去でもそうなんですけれども、政策減税の場合には自然減と違って手厚くというか、国が面倒見ていますね、優遇されていますね。これは国の政策の都合によって出てくる結果ですから当然のことなんですが、今回の場合はこれについてはどういうふうに、国の何というんですか、手当てをなさっていくのか、責任を持つのか、そこらについてはもう既に大蔵省と話は進められておるのじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(矢野浩一郎君) 今回の税制の抜本改革は、国、地方、国税、地方税を通じまして税負担のゆがみ、ひずみを是正するという考え方に出るものでございますから、いわば全体としての税制の改正でございます。その際におきまして、地方税の減税に対しましてはその財源を確保するという意味から、地方税あるいは地方譲与税という形でその財源を確保していく、それによって歳入の中立性を保つ、こういう考え方をとってきておるわけでございます。 一方、国税の方の改正によりまするのは、これは当然のことながら、申すまでもなく交付税の方に金額が影響をしてまいるわけでございます。当初の提案の段階におきましてもそういった所得税あるいは法人税等、交付税の基礎をなしております税目、この改正に伴う影響についてはそれなりの手法を講じてきたわけでございます。 なお、その場合におきまして、初年度所得税等の減税によりまして初年度に減収分が増収を上回るという形が出てきたわけでございます。この点につきましては今回の提案にも引き続きそれを確保いたしておりますけれども、いわゆる交付税の特例加算、精算不要という形で確保した。その不足分につきましてはそういう形で措置をしてきておるわけでございます。今後税制改正が行われました場合に、確かに国のみにおいて単独に減税を行うというようなことが従来あった場合に、交付税上必要な補てん措置をとったことはあるわけでございますが、今回の場合にはいわば全体を通じての税制改正でございます。 また、そういった減税に伴うところの交付税の確保については全体の交付税の所要額、あるいはその基礎になる国税の見込み額等を勘案しながら地方財政対策の中で必要な措置を講じてまいりたい。先ほど申し上げましたように、もしそれが不足するということになれば特例加算というような方法もとっておるわけでございますので、そういった点を含めて対策を考えていく、このようになるものと考えております。
○佐藤三吾君 もし不足するじゃないですが、それでは都道府県民税の利子割の実施時期が六十三年四月に修正されたわけで、これは従来から源泉分離課税の選択に伴う利子所得に対して住民税が課税対象でなかったこと等を踏まえて、今までいわゆる財政対策臨時という所要の措置がたしか五百億程度とられてきたと思うんです。これは今回この延期によって当然措置されなければならぬというふうに思うんですがいかがでしょう、この点は。
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のいわゆる財政対策臨時、俗に縮めて財対臨時と呼んでおりますが、この財対臨時は、これはもう既に委員御案内のように、昭和五十二年度の税制改正におきまして源泉分離課税の税率が引き上げられた際に、源泉分離課税が選択された利子所得等について住民税が課税されていないということ等を考慮して、従来一般会計から交付税特別会計に繰り入れるということにしておったわけでございます。 本年度におきましては、当初の税制改革案におきまして道府県民税利子割が、これが年度途中ではありますが、十月実施とされていたこと等を踏まえまして、地方団体としても懸案でございましたいわば国税と同じような立場に立っての利子課税ができるということになりましたので、そういう状況を踏まえてこの財対臨時を取りやめるということとしておったわけでございます。ただ、これは国会の御修正によりまして、この利子割が六十三年四月実施ということにされたわけで、したがって、財政的には本年度は利子割の収入は入らない、こういうことになるわけでございます。 したがいまして、これに対応いたしまして、私どもとしては改めてこのいわゆる財対臨時を措置する必要があると考えております。今後大蔵省との協議を進めて適切な措置をとってまいりたい、このように考えております。
○佐藤三吾君 これは、大臣はひとつぜひ踏ん張ってもらわないといかぬと思いますからつけ加えておきます。 そこで、もう一つ交付税関係で聞いておきたいんですが、交付税について昭和六十二年度の国税三税の収入見込み額は国の一般会計の当初予算に計上された額という文言がございますね。これは言いかえれば減収になった場合でも当初予算の額は保証するというようなことも含まれておるのじゃないかと私は思うんですが、どういうふうに読み取ったらいいんですか、この文言を。仮に減収になっても当初予算の額を保証するというふうに受け取ったらいいのかどうなのか、ここのところいかがでしょう。
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほどもお答えの中でちょっと申し上げたところでございますが、今回お願い申し上げております地方交付税法におきましては、法律自身におきまして地方交付税の総額を決めておるわけでございます。その場合における国税三税の額については当初の額どおりとする、こういうことでございます。したがいまして、それに基づきまして私どもまずこの法律を御可決いただきましたならば普通交付税の決定をいたしてまいりたい。 ところが、一方国の歳入予算の方は、通例と違いまして今直ちに同時に補正をされておるわけではございません。しかしこれは後ほど必ず補正をすることになるわけでございます。もしその際に歳入予算の補正減額が行われるということになりますと、それが交付税の対象税目にかかわるものであるならば、交付税原資がその時点で予算的に不足をするということになるわけでございます。その場合には、既にこの法律を御可決いただきました場合には、それに基づいて決定をいたしました普通交付税を減らすというわけにはまいりませんので、そういう方針のもとに、もし基礎をなす所得税等が減ということになれば交付税原資の補てんの方法を大蔵省と協議をしてまいりたい。その場合におきまして、自治省として、減収がもし生ずる場合にはその減収額は特例加算によって補てんをするという方向でなければならないと考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 五十二年の補正の際も、六十年の補正の際も今言ったような趣旨で当初計上額を確保していますわね、それはそういうことだと思うんです。先日の新聞報道なんですが、これは正確に私もよく、きょうわかれば聞きたいんですけれども、それを見ますと国税収入は非常に好調で、年度末には超過が七兆円という大幅な見通しが大蔵筋から出ておるようですが、こういうふうに超過したときには当初の額というのが、この表現、文言がどういうふうになるのか。いわゆる国の収入額が七兆円もふえても当初の額だからということで動かないのか、交付税がその三二%として今度は見るのか、そういうことについてはいかがでしょう。
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほどは、仮に減るとした場合にこうだということをお答え申し上げたわけでございますが、今度は逆に交付税の基礎をなしております所得税等についていわゆる自然増収があった場合にどうなるかということでございます。少なくとも本年度交付されるべき交付税の額につきましては先ほどお答え申し上げましたとおり、新たな財政需要等の要因が生じてこない限り現在の交付税の額をもって地方団体に交付をするという方針のもとに対応をしてまいりたい、こうも考えておるところでございます。 なお増収がございました場合には、その際の対応ということになるわけでございますが、現在そういった状況が必ずしもそういうことになるのかどうかまだ固まっていないところでございますので、具体的にはお答えしかねると、固まった時点で適切に対処するとお答えするほかはないわけでございます。しかし一般論として仮にそういうような事態においてどういうような考え方があり得るかということになりますと、先ほど申し上げましたように、その時点で改めて新たに基準財政需要額を追加すべき事由があるのかどうかとか、あるいは地方税収入の見通しがあるかどうかということについて見積もりを行って、その結果として地方交付税の所要額がどうなるかという判断をした上で、その所要額に比べて地方交付税の総額に現実に不足を生ずる場合には、先ほど申し上げたように特例加算等の補てんの問題が出るわけでございます。 増収ということになります場合には、その増収につきましては、これは六十二年度の増収でございますから後年度において精算の対象になる、あるいは現在補正時点における最終的な減税等を含めた増収、こういう意味でございますが、その増収につきましては今後の地方交付税の精算の対象になるわけでございますけれども、ぞれはどういった形で措置するかということは、これは昭和六十三年度の地方財政対策並びに恐らくこれと同じような時期に行われる補正予算に伴う地方財政対策の時期において十分よく検討をしてまいりたいと考えております。
○佐藤三吾君 増収の場合は縛りにならない、減収の場合には当初額をちゃんと保証する。増収の場合にはこれは後年度にそれを回していくわけだから縛りにはならぬのだ、こういうふうに理解していいんですか。あなたの言うのは何か、ミミズみたいに話がずうっと続いておってどこが主語か何かわからぬところがあるものだからね。いかがでしょう。
○政府委員(矢野浩一郎君) もう少し端的に申しますと、絶対額が不足になった場合には、先ほどお答え申し上げたとおり、これはどうしても確保しなければならぬ。ところが、逆に例えば減税の要因も含め、それから自然増収の要因も含めその差し引きの結果、仮に増収になるというようなことになった場合には、先ほどのような特例加算で精算せよというわけにはこれはまいらないということでございます。それは通例のルールに従って措置をしていくということでございますので、その点御理解をいただきたいと思います。
○佐藤三吾君 通例ということは、翌年または翌々年に上がっていく、増額されていく、こういうことでいいんですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) これは、国が補正予算として現実に増収を組むかどうかということとかかわります。従来の例から申しますと国に補正要因がございまして、あるいは減税との差し引きの結果最終的に所得税、法人税の予算額をふやすといたしますと、これは自動的にその分交付税がふえるわけでございますが、その分については昭和六十二年度において交付する必要がないというような場合には、御承知のようにそれを翌年度に繰り越すというようなこともございます。もしそれが行われなければこれはいわゆる精算の問題になってくる、こういうふうにお答えしておきます。
○佐藤三吾君 余りようわからぬけれども、時間がない。 そこで、ちょっとついでに二、三お聞きしておきたいと思うんですが、追加公共事業費で地方債を九千七百八十二億ふやしましたですね。そのために借金が六十五兆円に達する、こういう事態になっておると思うんですが、この公債費負担比率、各個別団体の。この状況を見ますと、六十年度で二〇%以上のところが千三十六団体ある。これは四十九年の場合はたしかなかったんじゃなかったかと思うんです、二〇%以上というのは。ゼロではなかったかと思います。全団体で見ますと三一・四%というふうに出ておるわけですがね。今年度の数値はどのような程度になるのか、それから団体の起債残高の限界をどういうふうに考えておるのか、起債の問題で聞きたいんですが。
○政府委員(矢野浩一郎君) 公債費負担比率の状況につきましては、先ほど委員御指摘のとおり、この比率が二〇%以上に達するものは昭和四十九年度におきましてはゼロでございました。一番新しい決算でございます昭和六十年度におきましては千三十六団体でございます。六十一年度においてどうなったかということは、これはまだ決算の状況が判明をいたしておりませんので、何ともお答えをいたしかねます。昭和五十九年度決算から昭和六十年度決算に向けては余り大きな増加にはなっておりませんけれども、しかしこれは各団体ごとの決算を見なければまだ何とも言えません。ただ、全体として公債費負担が増高する傾向にはあり、その中で公債費負担比率の高い団体がふえていくということは、これは一つの趨勢であり、また地方財政上大きな問題であると考えております。 起債残高の限度ということでございますが、これは数字をもって具体的にこの辺が限度ということはなかなか言えないわけでございます。個別団体につきましては、起債残高というよりもむしろ公債費の負担がその財政規模全体に占めるウエートがどうかということで、いわば警戒ラインあるいは限界と考えられるライン、こういうようなものを考えてきておるわけでございます。普通に警戒ラインを大体一五%、二〇%になりますと、超文ますと危険ラインというぐあいに普通考えておるところでございます。そういったことで従来判断をいたしてきておるところでございます。
○佐藤三吾君 そういう状態にあるから、七月十日付ですか、「公債費負担適正化計画等の取扱いについて」という指導課長名の通達が出されたんじゃないかと私は思うんですが、これは一体どういう意味があるのかということが一つ。 それからこの中で、時間がありませんからついでで悪いんですが、起債制限比率一八%以上の団体を対象にしておるわけですね。この一八%という根拠はどういうことなのか。今あなたおっしゃったように、危険ラインというのは一五%というのが従来僕らが把握しておった数字なんですが、今度は一八%という数字が出てきた。これは一体どういうことなのか、あわせてひとつお聞きしたい。
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘の通知によりまして地方団体の公債費負担の適正化に関する指導に取り組みつつあるわけでございますが、私どもの認識といたしまして、全体として公債費負担率が上がっておると同時に、やはり地方財政は個別の団体の財政の集まりでございますので、団体によりましていろいろ公債費負担率の高い低いがございます。特に高い団体につきましては今後の財政運営に非常に大きな影響があると考えておるわけでございます。そういう観点から特に公債費率の高い団体について、その団体が自主的かつ計画的に公債費負担の適正化と取り組む場合において必要な措置を講ずる、こういう考え方から始めたわけでございます。 従来でございますと、いわゆる起債制限比率にかかりますと、これはいわば起債の許可そのものが制限をされるわけでございます。この考え方は、これは今後とも維持していかなきゃならぬわけでございますが、ただ一方におきまして、やはり最近は内需の拡大であるとか、あるいは構造不況等によりまして地域の振興、活性化をやらなきゃならない。そのためにどうしても起債を活用しなきゃならないという例がふえてきておるわけでございます。したがいまして、起債制限比率に該当するからといってそのままに放置をしておけないという事例も出てきておる、こういうぐあいに考えたわけでございます。 そこで、そういう意味から新たな公債費負担の適正化計画をその団体においてつくって、そして自主的、計画的に進める場合には、その利子の一部について特別交付税で措置をするとか、あるいは起債制限比率にかかわらず地域総合整備債などのような起債を認めていく、許可をしていく。こういうような措置を講じて、公債費の適正化と同時に、そういう状態のもとで内需振興のための仕事も同時にできるようにしたい。こういう意味を持っておるものと考えております。 それから、第二点のお尋ねの起債制限比率一八%でございますが、先ほどお答え申し上げました公債費負担比率、これは決算統計上の概念でございまして、一般財源総額に占める公債費への充当一般財源の比率でございますが、この通達で示しております一八%は、もっと厳密な意味での起債の制限をするかしないかという場合に用いる起債制限比率でございますので、計算としては一般財源充当額の中でも普通交付税において元利償還措置をしておるようなものは、これは公債費の分子、分母の中から除いた率で計算をしているわけでございます。そういう意味では最も厳密な意味での公債費に関する率でございますが、この起債制限比率を一八%以上としておるわけでございます。 御承知のように、起債制限比率が二〇%以上になりますと一定の事業につきまして起債の許可が制限をされますし、それが三〇%以上になりますと、よりほとんどの事業について起債の許可が制限をされるわけでございます。一八%というのはいわばこのままほうっておきますと遠からずしていわゆる二〇%の起債制限にかかる可能性がある、その危険性のあるラインとして一八%というラインをこの場合一つの対策を進める場合の水準ということで考えたわけでございます。
○佐藤三吾君 なかなかあなたの答弁は親切なものだから時間がかかるんですがね。 そこでね、これは後で結構ですが、数字を一ついただきたいと思うのは、一八%以上の団体、二〇%以上の団体、三〇%以上の団体、この三つのランクでどのくらいあるかということが一つ。それから危険ラインと言われる一五%から一八%の団体ですね、これがどのくらいなのか、これを後でいただきたいと思います。 それから私は心配するのは、「公債費負担の適正化を図ろうとする団体は、都道府県と協議のうえ公債費負担適正化計画を策定する。」こととしておる、こうなっているわけです、この文章は。どうもかつての地財再建下の再建計画を思い出すような感じがしておるんですが、そういうことはないんじゃないかと私は思うんですけれども、都道府県や自治省のチェックというのはどういう程度のことを考えているのか、わかればひとつお聞きしたいと思いますが、時間がございませんので、余り長ったらしいあれは困るんですが、よろしいですか。長かったらまた後でいいんですよ。
○政府委員(矢野浩一郎君) 前段のお尋ねでございますが、一六あるいは一八というのは現在の決算統計の上ではとっておりませんので、これは調べてお届けをいたしたいと存じます。一六%の方は若干時間がかかるかもしれませんので、御了解賜りたいと存じます。 それから、後段のお尋ねでございますが、財政再建計画と比較してのお尋ねでございますが、財政再建計画は御承知のように、法律に基づきまして非常に厳密な手続で行う、自治大臣の承認という手続にかかわらしめておるものでございます。今回の公債費負担適正化につきましては、地方団体が計画をつくって進めていただく場合にそれに対して先ほど申し上げたような措置を講ずる、あるいは起債制限比率にかかわらず一定の起債を許可するということでございます。それに関するチェックというのは、その事実に、計画の中身に誤りがないのかどうか、そういった程度のチェックを私どもとしては考えております。それ以上特に立ち入った財政運営の中身についての細かいことをやるというつもりはございません。
○佐藤三吾君 わかりました。御答弁をひとつ基礎にして、ぜひ悪夢を思い出させぬようにやっていただきたいと思います。 そこで、きょうはもう時間がございませんで、いろいろまだ固定資産税等も考えておったんですが、できませんので、最後に四点ほど労働基準法改正に伴う問題で地公法の解釈、この点で確認しておきたいと思うんですが、一つは地方公務員法の一部改正によれば、五十八条三項によって労働基準法改正案の規定の一部が適用されない、そういうふうになっておるわけです。労基法の改正案の規定の一部が適用されないのはいわゆる非現業の地方公務員であって、地公労法の適用を受ける企業職員及び同法の準用される単純な労務に従事する職員、これらについては今回の改正文は全面適用、こういう理解でよろしいですか。
○政府委員(柳克樹君) そのとおりでございます。
○佐藤三吾君 そこで、非現業職員に例えば労働時間の配分の弾力化と言われる労基法改正の三十二条の三、三十二条の四、三十二条の五を適用除外したのは、当該条項に基づく労働時間制が地方公共団体の業務になじまず採用の余地がない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(柳克樹君) そこのところはちょっと必ずしもそのとおりではございませんで、まず一つの点は、国家公務員におきましてこの制度を採用しないという考えのようでございます。御承知のように、地方公務員は国家公務員との権衡の問題がございます。 それからもう一つの問題といたしまして、ただいま御指摘のフレックスタイム制だとか三カ月単位の変形労働時間制等については、現段階におきましてこれらの制度を地方公務員について導入するということは、必ずしもその必要性から考えまして薄いといいますか、乏しいと申しますか、さらに検討を要する点もいろいろあるというようなことから適用除外としたということでございます。
○佐藤三吾君 今何が薄いと言ったんですか、後段の部分。
○政府委員(柳克樹君) 導入の必要性が乏しいと申しますか、薄いというふうに申し上げました。
○佐藤三吾君 そこでもう一つ、地方公務員法が労働基準法の一部を適用除外している以上、適用除外部分にかかわる労働時間制、つまりいわゆる三カ月の変形制やフレックスなどの制度を自治体が独自に条例もしくは規則で採用する、こういうことには今言った答弁からいえば違法ということになるんですか。
○政府委員(柳克樹君) この法律の解釈は労働省の方とも相談しなければいけない問題でございますけれども、通常の考え方といたしまして、三十二条の三ないし三十二条の五と同じ内容の制度を条例の規定により導入するということは、労働基準法三十二条の規定に抵触する疑いがございます。したがいまして、できないのではないかというふうに考えております。
○佐藤三吾君 できないということでいいわけですね。 そうしますと、隔週週休二日制から土曜閉庁による週休二日制を政府が試行してかつ地方公共団体に指導しておるわけですが、労基法改正案三十二条の個別労働時間を超える過所定労働時間を採用しておる地方公共団体に対しては、当然自治省として指導に当たらなきゃならぬと思うんですが、どのような指導を考えておりますか。
○政府委員(柳克樹君) この労働基準法の改正法が施行になった場合のことでございますけれども、この過労働時間の適用については三十二条につきまして経過措置が設けられるというふうに聞いておりますので、その経過措置を踏まえた上での議論になりますけれども、もちろん法律に違反しないように適切に指導しなければいけないと考えております。
○佐藤三吾君 経過措置というのは中小企業団体、何か一定の線を引いた以下のものの、三百人か、そのごとを言っておるんですか。
○政府委員(柳克樹君) 一応法律上は、今先生御指摘の三百人の話と、それから職種の話があるようでございますけれども、私どもが今考えておりますのは三百人の方の問題でございます。
○佐藤三吾君 わかりました。 時間が三十二分ですからまだ三、四分あるんですが、警察関係の質問を予定しておったんですが、三分ぐらいではどうにもなりませんので、きょうはせっかくおいでいただいたんですが、警察関係の質問は取りやめにしたいと思います。 ただ、一つだけこの際国家公安委員長もいらっしゃることですからお願いしたいと思います。私はこの委員会で随分取り上げてきたグリコですね、グリコを思い出すような事件が起こっていて、先日私の大分の事務所に警察官の方が二人お見えになって、そして何だろうと思ったところが、グリコの事件のタイプライターを佐藤事務所で買ったということでいかがだろうと、こう来たというわけです。グリコは遠いところだと思っておったところが極めて身近なところに起こっているので思い出したんですが、考えてみると、あのグリコ事件というのが起こって、当時の刑事局長、それから今の長官、山田さんもおられたと思うんですが、大体一年以内には逮捕する、こう豪語しておったんですね。ところがいつまでたっても片づかない。そこに今度は有楽町で三億円の強奪事件が起こるんですね。警察官の盗聴事件が起こり、いろいろ起こってきている。 私は最近の警察行政、一体これでいいのかというような感じもしてならぬわけですがね。ここら辺はひとつぜひまた質問の機会があれはさせていただきたいと思いますが、真剣にひとつお考えになるときに来ておるのじゃないかという感じがします。そこら辺はひとつきょうは質問できませんから、嫌みだけで大変申しわけないんですが申し上げておきたいと思うので、もし国家公安委員長として御所見があればお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(葉梨信行君) ただいま先生がお取り上げになられましたグリコ・森永事件あるいは有楽町におきます銀行での三億円強奪事件等々、大きな事件がいずれも未解決にありますことは甚だ遺憾に存じている次第でございます。 いずれの事件も非常に事柄の重大性から早期に解決するように私も指示をしておりまして、その経過を見守っているところでございます。捜査当局におきましては万全の態勢をとり、たゆみない捜査を続けているわけでございますが、いまだその成果を見ないことはまことに残念でございます。国民の皆様方の御期待にこたえるようにこれからも当局を督励してまいりたいということを申し上げておきたいと思います。
○委員長(谷川寛三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(谷川寛三君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○片上公人君 法案の質問の前に政治献金のあり方について二、三お聞きしたいと思います。 山梨県選挙管理委員会に届けられました六十一年政治資金収支報告書によりますと、山梨県の富士吉田市ほか二カ村恩賜県有財産保護組合が六十一年八月、自民党山梨県連に百万円の政治献金をしていました。その後マスコミ等でも報道されまして、その百万円の政治献金は今月九月七日に自民党山梨県連から保護組合に返還され一応この問題は決着したようでありますが、私にはそうとは思われません。一年間県連に献金されていたことはこれは事実でありまして、お金を返したから何もなかったというわけにはいかないと思います。 まず、自治省は山梨県選管から献金の事実、献金の趣旨、使途についてどのように報告を受けておられるのか、また返還しなければならない理由はどのようなところにあるのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(小笠原臣也君) お答えを申し上げます。 山梨県選挙管理委員会から、新聞報道等がございましたので取り急ぎ報告を求めましたところ、御指摘のように去る九月四日に同県選挙管理委員会が行いました昭和六十一年分の政治資金の収支公表におきまして、自由民主党山梨県支部連合会が富士吉田市ほか二カ村恩賜県有財産保護組合から百万円の寄附を受けていたことが判明し、その後九月七日、同県支部連合会は同組合に対して百万円を返還したということについては事実の報告を受けておるわけでございますが、趣旨、使途等については明らかになっておりません。
○片上公人君 大臣にお伺いいたしますが、地方自治体が政党に政治献金をしていたという事実をどのように受けとめておられますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(葉梨信行君) 地方公共団体が特定の政党に寄附をするということは、地方公共団体の公共的な性格から申しましていかがなものかと思う次第でございます。
○片上公人君 地方自治法二百三十二条の二及び二百九十二条によりまして普通地方公共団体、特別地方公共団体は公益上の必要がある場合、寄附または補助をすることができることになっておりますが、この公益上の必要がある場合というのは非常に抽象的で我々国民にはわかりにくい。具体的にはどのような事態をいうのか、なお現在の地方自治体の政治献金に対するチェック体制、指導はどのようになされておるのかということをお伺いいたします。
○政府委員(大林勝臣君) 二百三十二条の二で、公益上必要がある場合に、寄附または補助することができる。これは長年の間同じ規定を置いておるわけでありますけれども、公益上の必要と申しますのは非常に多岐的な概念であることは御承知のとおりであります。ただ、地方公共団体といたしましてその任務を考えてみますと住民の福祉の増進ということでありますので、住民の福祉の増進に資すると認められる場合に公益上の必要があると考えられるわけでありますが、具体的には極めて行政の多岐性から個々に議会あるいは長がその都度判断して行う、こういうことになっております。 なお、地方団体の政治団体に対する献金のチェック体制についての御質問でありますけれども、当然にそういった公権力の主体である地方団体が政治団体に一般的に補助するという、あるいは寄附をするということはもともと予定をしておりませんので、特にそういったチェック体制というものは設けておりません。
○片上公人君 今回のことにつきまして、違法性についての見解もあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(大林勝臣君) 先ほど申し上げましたように、国であれ地方団体であれおよそ公権力の主体が特定の政治上の主義主張を遂行貫徹することを目的とする団体、つまり政治団体に寄附をするということは一般的には法律上考えておりませんし、私どももこういったことの起こったことにつきましてはまことに疑念を持っております。
○片上公人君 私の調査したところによりますと、過去におきましてはこの山梨の例と同じようなケースとしまして、愛知県の豊田市が昭和四十一年、四十二年にトヨタ自動車工業などの従業員らで組織する政治団体、豊田市給与所得者連合会に百二十万円ずつ補助金を出していたことがございました。 これに対しまして補助金交付は違法だとして裁判になっております。第一審の名古屋地裁は公益上必要なものとは言えないとの判決を下しましたが、第二審の名古屋高裁は同連合会の文化、体育などの公益活動を対象に支出したものであり、仮にその一部が政治資金、選挙資金に流れ込むことがあったとしても、その量は微々たるものとの逆転判決を下し、最高裁は昭和五十三年八月二十九日に各古屋高裁の判決を追認したのであります。 この最高裁の判決と今回の山梨の事態とを同様にこれは解釈できないと思います。というのは、保護組合の献金が政党に対して行われたものでありまして、かつ献金の使途がはっきりしていない点に問題があるからであります。これは地方自治法二百三十二条の二、二百九十二条には、寄附及び補助を受け取る相手方についての明確な規定がないということに原因があるのではないかと思います。 そこで、私はこの際地方自治体は政党や政治団体に寄附や補助をすることはできないという規定を設けるべきと思いますが、その点御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(大林勝臣君) 政党あるいは政治団体に対する国あるいは地方公共団体の補助につきましては、これは基本的に言えばかなり憲法上の問題というものに関連をしてまいると思います。 御指摘の豊田市の第一審判決におきましても憲法問題としてこれを取り上げておりましたが、上告審におきましては必ずしもその点が明らかではございません。ただ、そういった裁判例は別といたしまして、先ほど申し上げましたように、現在の法制のもとで、そういった公権力の主体が一般補助をすることについては私どもは強い疑念を持っておるところでありますが、制度論といたしまして、そういったものを明文で記載する、規定するという点になりました場合に、現在の政党あるいは政治団体の範囲というものは非常に多岐でありますし、豊田市の実例、ああいった政治団体、恐らくは裁判所は親睦団体程度の団体ということを前提としてああいう最終判断をしたのであろうと思いますが、そういった政治団体の範囲の問題、いろんな問題がございます。 当面は私ども各地方団体、こういった例が起こらないように戒めてまいりたいと思いますけれども、制度的にどうするか今後いろいろ考えてみたいと思います。
○片上公人君 政治資金規正法は昭和五十年に改正されまして、第二十二条の三の規定が追加されました。その内容は、国や地方自治体が出資あるいは補助金、負担金、利子補給金等を出した会社や法人は政党や政治団体に寄附をしてはならないというもので、例えばNTTやJR等は寄附はできないのであります。 ところが、この政治資金規正法には国や地方自治体が政党や政治団体に寄附してはならないという規定はないのでございます。国や地方自治体が寄附してはならないというのは当然のことだから規定されていないとも考えられますが、この当然のことが山梨県ではどうも守られなかった。地方自治体が政党に献金した事実が起こったわけでございます。地方自治体が政党に献金したというこの反省から、私は政治資金規正法に国や地方自治体による政党、政治団体への寄附、つまり政治献金を禁止する規定をぜひとも盛り込むべきではないかと考えますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小笠原臣也君) ただいま御指摘がございましたように、現行の政治資金規正法上、地方公共団体が特定の政党や政治団体に対して政治活動に関する寄附をするような事態は想定をしていないわけでございます。今後このようなことが起きないように注意を促してまいらなければならないというふうに思っておるわけでございますけれども、ただいま御意見のありましたような立法的な措置をするかどうかという点につきましては、このような事態が一般的には起こるというようには思われませんし、また先ほど行政局長の方からも話がありましたように、政治的な団体というものの範囲の押さえ方の問題もございますし、ひとつこれは今後の研究課題にさしていただきたいというふうに思っております。
○片上公人君 政治献金につきましてはいまだにその収入、支出の不明瞭さ、政治には金がかかり過ぎるといった批判がございます。 六十一年の政治資金収支報告書が公表されました九月四日、経団連の斉藤英四郎会長は、政治家の資金集めのパーティーが横行している現状を厳しく非難しまして、正規の企業献金に加えパーティー券の購入などは交際費で支出するため、その支出に加え課税対象にもなり二重、三重の負担となっていることを強調しております。斉藤氏は、今後の対応としてパーティーを自粛するだけではだめだ。集まった金の使途を厳密に制限する方法があればチェックになると強調して、パーティーも対象になるように政治資金規正法を改正すべきだと発言されております。パーティーによります政治献金も政治資金規正法の対象になるよう法改正をする考えはございませんかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(葉梨信行君) いわゆる励ます会等のパーティーにつきましては、機関紙誌の発行などと同じように政治活動の一環として行われるものが多いと思われますが、最近これらのパーティーにつきましていろいろな批判的な御意見を聞くようになっております。パーティーについてどのように取り扱いますか、これにつきましては政治資金規正法の見直しの中で今後論議をしていく必要があろうと考えるものでございます。
○片上公人君 地方交付税についてお伺いします。この制度は財源保障機能と財政調整機能があると言われておりますが、これはどういう意味か、まずお伺いしたいと思います。 本来国税三法の三二%でこういう機能が果たされるように制度はできていると思います。だが、現実には昭和五十年代以降毎年度大幅な財源不足が続きまして、臨時の交付、交付税特別会計借り入れ、大量の地方債の増発、地方交付税の特例措置などさまざまな補てん措置が講じられてきています。今また同じようなことを内容とする法案が審議されていますが、地方交付税の制度が当初考えていた機能を有効に発揮しているのか、率直な見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(葉梨信行君) 地方交付税制度についての御質問でございますが、地方交付税法に規定されておりますとおりに、地方団体の財源の均衡化を図る財源調整機能と、もう一つ、地方行政の計画的な運営を保障する財源保障機能とによりまして、地方自治の本旨の実現に資するとともに地方団体の独立性を強化することを目的としているものでございます。今日の地方行財政運営におきまして地方交付税制度の果たしております役割は極めて大きいものがございます。地方自治行政の運営は実質的に交付税制度の運用によって担保されているものと考えておりまして、今後とも引き続きその財源調整機能と財源保障機能の充実を図り得るように努力してまいりたいと考えている次第でございます。
○政府委員(矢野浩一郎君) 後段の御質問につきましてお答え申し上げます。 地方交付税の総額が国税三税の三二%とされておるわけでございますが、五十年度以降、交付税の特例加算とかあるいは特別会計借り入れ等の措置が講ぜられてきたということについて、そのことが果たして交付税制度による財源保障機能を有効に機能せしめておるのか、こういう点の御質問でございますが、地方交付税は申すまでもなく地方団体の基幹財源の一つでございます。地方交付税につきましては、地方財政計画の策定を通じまして毎年度その所要額の確保を図ってきたところでございます。 振り返ってみますと、そういったことの結果、昭和五十年代以降におきましては、御指摘のように国税三税の三二%という法定額では不足いたしますために、毎年度特別会計借り入れ等の措置を講じ、あるいは昭和五十九年度以降におきましても毎年度のように特例措置を講じ、これによって地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう地方交付税の所要額を確保してきておるところでございます。確かに本来の法定額以外に種々の特例的な手法を用いてまいりましたけれども、しかしその結果が、交付税の所要額というのは毎年度地方団体がその行政を執行するに必要な地方費の、地方財源の額を確保してきておるところでございまして、そういう意味では地方交付税制度の財源保障機能は有効に機能しておるというぐあいに考えるわけでございます。 現在の交付税率の三二%、これが十分ではないではないか、こういう御意見がもちろんあるわけでございますけれども、この点は、現下の国の財政事情がこういった交付税率を容易に引き上げる状況にないということも御理解いただけると思います。今後地方財政の厳しい状況を踏まえながら、税制改正あるいは国、地方の役割分担、費用負担のあり方についての検討を進めていく中で、国、地方間の適正な税財源の配分が行われるよう検討していく必要がある、このように考えておるところでございます。
○片上公人君 最近、財源対策債の増発と関連しまして、必要な財政需要が基準財政需要額の算定から落とされていっておりますけれども、これは地方交付税が財源保障機能をなくしていることを意味するのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方財源に不足が生じます場合に、その一部につきまして地方交付税の算定の基礎になっております基準財政需要額から財源対策債にいわば振り出すと申しておりますが、そういったような形で財源措置を講じておる例がしばしばあるわけでございます。これはあくまでも地方財政対策を通じて地方団体の財政運営に支障が生じないように財源措置を講ずる、こういう考え方でございまして、財源対策債の対象になりますものは、御承知のようにこれは投資的経費ということでございます。投資的経費は、そのすべてを地方交付税でその年度において財源措置をするという考え方でないことは御理解いただけると思います。すなわちその経費の性格にかんがみまして地方債を活用することがあるわけでございます。 ただ問題は、その投資的経費についてどの程度交付税の方で財源措置をし、どの程度地方債で財源措置をするかということの判断の問題でございますが、財源不足を生じました場合には、少なくとも経常経費については、これはやはり財源保障機能、建前上これはきちっと交付税で保障しなければならない。 それから、投資的経費につきましては地方債を活用する余地がいわば残されておるということでございます。もちろんそういった地方債は後年度元利償還を伴うわけでございますので、そういった元利償還につきましては所要の措置を講じていくということを毎年度の地方財政対策を通じて行っておるところでございまして、全体を通じて見れば、長期的には地方交付税の果たす財源保障機能がこの財源対策債の発行ということによって決して損なわれてはいない、このように考える次第でございます。
○片上公人君 昭和五十九年度からは、地方財政健全化のために、財源不足額につきましては交付税の特例措置で対処することになっておりますが、その意味の説明をお願いしたいと思います。 またしかし、今回の税制改正に伴う地方財政措置として、当初見込み額からの減三千三百八十三億円に対しまして増が二千九百九十億円で、新たに三百九十三億円ですか、さらに利子割が修正されたことによりまして百億円余の財源不足を生じ、すべて財源対策債で補てんすることになっていますけれども、この際交付税の特例措置は検討されなかったのかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 第一点のお尋ねは、昭和五十九年度の制度改正によりまして、それまでの交付税の特別会計における借り入れ方式というものをやめて、これにかわって特例措置方式というものをとったそのことの意味についてのお尋ねでございます。 昭和五十年代を通じてとってまいりましたところの交付税特別会計における借入金によるところの交付税の増額方式につきましては、これをしばしば行いました結果、借入金の累積によりまして交付税特別会計の利子負担が毎年度極めて大きな額に達するなど、国、地方を通ずる行財政改革推進の見地からも早急にこういったやり方を見直さなきゃならないという観点から、原則として新たな借り入れというものは行わないということにしたわけでございます。 昭和五十九年度以降におきましては、したがいまして、一方で地方団体の財政運営に支障が生じないように、毎年度の地方財政対策を通じまして交付税の特例加算措置を講ずること等によりまして所要の財源を確保しながら、他方新たな借り入れについては極力これを抑制するということによりまして、地方財政計画の策定を通じて経費の節減、合理化を進めるなど行政改革の推進に努めてきたところでございます。そういう意味で、昭和五十九年度の制度改正はそれなりの意義を持ち、役割を果たしておるものと考えるところでございます。 それから、第二点のお尋ねでございますが、当初の税制改革によるところの税収の増収、減収の関係で新たに今回の見直し、さらに修正により財源不足額がさらにふえたことについて財源対策債による措置をしたことについてのお尋ねでございます。当初の税制改革案の見直しに伴いまして、地方財政計画の見込みに比べますと地方税及び地方譲与税が増減収の差し引きで、先ほど御指摘のように合わせますと四百九十五億円の減収になる見込みとなっておるわけでございます。 これにより税制改正に伴いまして当面生ずるところの財源不足額が結局その分、すなわち四百九十五億だけ増加することになりますので、この点につきましては本年度当初の地方財政対策の場合に、税収の、改革による減が初年度増を若干上回る。これについて財源対策債により措置をするという方式をとったものと同様のやり方という意味で、財源対策債の増発により対処するということにいたしておるものでございます。 本年度の当初の地方財政対策におきましては、国税の場合に減税の方が増収額よりも大きくなったために、地方交付税の影響額が約千百三十五億生じました。しかし、これは地方交付税の総額の特例増額措置ということにより補てんをしたわけでございます。地方税の関係につきましては、今のように財源対策債で措置をするということにしたわけでございます。 もちろんこの財源対策債、公共事業等の充当率の引き上げという方式によって行われるものであり、これに伴って後年度生ずる元利償還につきましては、それぞれの年度における地方財政対策を通じまして、その償還費の財源を全体としてもまた個別団体ごとにも確保してまいりたい、こういうことでございます。
○片上公人君 住民税の減税は今年度中に行われず、六十三年度五千億円、六十四年度六千五百億円となっております。したがって、補正措置は来年度以降も必要でありますが、今回の地財対策で税制改革の見直しによる地方一般財源の減収につきましては、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう補てんすると説明している部分は、これは今後についても当てはまるのかどうか。その場合に住民税の減税分はどのように補てんするのかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 個人住民税の減税による減収分につきましては、その財源としては利子割の創設による増収分を充てるということにしておるわけでございますが、利子割の収入は平年度化するにはかなりの年数がかかるわけでございます。したがいまして、その間は住民税の減税の方が先行する、いわゆる先行減税の形になります。減収分が利子割の増収分を上回るということになるわけでございます。この差額の財源といたしまして今後六十三年度以降についてどのように考えておるのか、こういう点が御質問のポイントであると思います。 この点については今後の税制改正において考慮するほか、今後の税収の動向によっては自然増収というものがこれに充てられることもあり得ると考えております。いずれにいたしましても最終的には歳入歳出を通ずる地方財政全体の中でそういった増減の差額について対処していくべきものと考えております。そういう意味で、昭和六十二年度以降の地方財政対策を講ずるに当たりましては、この点を十分に念頭に置いて地方団体の財政運営に支障が生じないよう適切に対処をしてまいりたいという考えでございます。
○片上公人君 税制改正の部分につきましては一応補てんした形になっておりますが、個別の自治体への影響についてはこれはどのようにするのか。 例えば今回の改正で個人住民税の税率構造が簡素化されています。現在の住民税は比較的高い累進性を持っておりますが、改正によりまして税率がフラット化していった場合に、高い所得を得ている地域の減収影響額が大きいと思われますが、これはどのように考えておられますか。
○政府委員(津田正君) 今回の個人住民税の改正は、三控除の引き上げ、それから税率構造のフラット化、配偶者特別控除の創設、これらが大きな柱となっておるわけでございます。 地域ごとの影響でございますが、三控除の引き上げにつきましてはこれは全体的に影響があるだろう、このように考えております。それから税率構造のフラット化は高所得者層の多い地域への影響が大きいであろう。それから配偶者特別控除の創設は当然のことながら共稼ぎの少ない地域により効く、こういうような格好になるであろうということでございます。 したがいまして、これらの点を総合勘案いたしますと、今回の改正によります住民税の影響というものは若干地方団体間の住民税収を平準化する方向になる。なお、利子課税の見直しによります利子収入の地域への影響というものもむしろ地方圏の方に割に利子収入が期待できる、このように考えておりまして、全体的に平準化するのではないか、このように考えています。
○政府委員(矢野浩一郎君) ただいま税務局長から御説明を申し上げたような傾向に税制改正の方はなろうかと思います。したがいまして、御質問のように、団体によって改正による減と改正による増とが食い違う団体が数多く出てくるのではないか、それに対する措置をどうするのか、こういうことでございますが、それはもう御指摘ごもっともでございます、この点につきましては、最終的には地方交付税の仕組み、その算定を通じまして調整が行われるわけでございます。 したがいまして、地方交付税の算定に際して基準財政収入額の要素になるわけでございますが、税収の減ったところはその分だけ交付税がふえる、あるいは一方の税収が減り他方の税収がふえ、その結果税収が増加になるというようなところはその分だけが逆に交付税が減る、こういうような仕組みを通じて最終的に地方交付税の仕組みによって各団体ごとには調整をされるということになるわけでございます。したがいまして、各地方団体ごとの地方税、それから地方譲与税、それから地方交付税、これを合わせた一般財源総体で見れば、それぞれの団体が税制改革による増減によってその財政運営に支障を生ずることはない、このように考えるところでございます。
○片上公人君 経済対策によります公共事業の追加は、二兆四千四百六十七億円のうち国費が一兆二千五百四億円、地方費が一兆一千九百六十三億円となっております。地方が国と同様の負担となっております。 地方の場合はこれに地方単独事業の八千億円の実施が予定されておりまして、このうち一般財源は地方交付税の六十一年度精算三千五百億円のみで、あとは地方債で措置されることになっております。こうしてみますと地方の責任が大変重過ぎるのではないか、このように考えますが、この点についてはどうでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 今回の公共事業の追加によりまして地方団体の公共事業費に係る負担が約一兆二千億近くになる、さらにその上に八千億円の地方単独事業の追加が期待をされているということ、御指摘のとおりでございます。 御承知のように地方財政、現在大変大きな借入金を抱えておりまして、各地方団体の財政運営におきましてもこれは年々公債費負担が増大するなど大変厳しい状況にございます。そういう意味で今回の補正予算に基づく追加公共事業に係る地方負担額につきましては、これは一兆二千億、約一兆一千九百億円余の中で公営企業の、これは本来起債で、地方債で措置をされるわけでございますが、それ以外の普通会計分約九千八百七十七億円、一兆円近くでございますが、これにつきましては今までの追加の場合のように全額地方債という手段に、財源措置によるのではなくて三千五百億円の地方交付税の増額を図る、それと地方債とあわせて財源措置をし、地方財政の円滑な運営の確保、公共事業の円滑な執行の確保に資するものというぐあいに考えてこのような措置をとった次第でございます。 そういう意味で今回の公共事業に係る地方負担額、大変従来に比べますと規模が大きいし、また地方団体の財政運営の状況が大変厳しいことになっているという点を踏まえて一般財源、すなわち交付税による措置をしたところでございます。この点を御理解賜りたいと思います。 それから地方単独事業でございますが、今回の緊急経済対策の一つに掲げられておりますところの約八千億円の地方単独事業の追加は、この意味するところは各地方公共団体が当初予算編成以後、その後の補正予算において追加計上をすると見込まれた額を掲げたものでございます。 この追加することが見込まれる地方単独事業につきましては、性格的には当初の地方財政計画を通じて既に財源措置を行っておるところでございます。そういう意味では地方財政計画上は新たな単独事業の追加ではございませんが、ただ各地方団体が現実に予算編成を通じてそれだけの追加をするということによって緊急経済対策の意味を持つものとしてこの対策の一つに掲げられたわけでございます。そういう意味で一般的な財源措置としては当初の地方財政計画に含まれておるわけでございますから、それによって各団体が予算上対応すればいいわけでございます。 しかし、やはりこの緊急経済対策の実効を上げるために、例えば地方団体が道路とかあるいは河川などの単独事業につきまして六十一年度の事業量を超えて実施するような場合、あるいは円高等によりまして地域経済が大きな影響を受付ている、こういうような特定の地域において地方団体が地域振興のために緊急に実施する一定の単独事業、こういったものにつきましては地方債の充当率を引き上げたり、あるいは後年度その償還について地方交付税上の措置がある特別の地方債、地域総合整備債とかあるいは過疎債といったようなものでございますが、こういった地方債の優先配分を行うというような方法を講じまして、地方団体が実際にこの単独事業の予算追加を行いやすいようにするということにしているところでございます。 自治省といたしましては、地方団体が緊急経済対策の趣旨に沿って、必要に応じこのような特別の地方債措置をも活用しながら地方単独事業の積極的な推進を図るように期待をしておるところでございます。
○片上公人君 最近、地方公共団体の公債費負担比率というのが高まってきまして、約三分の一が二〇%以上になっているとも言われておりますが、今回の地方債の消化に問題はないのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方団体における公債費負担の増高が際立ってまいってきておりまして、委員御指摘のように公債費負担比率が二〇%以上の地方団体、全体の三分の一近くを占める状況になってきておるわけでございます。そういう意味では、地方債による財源措置というものについても、そういった状況を十分考えながらしていかなき神ならないわけでございますけれども、今回の補正追加の公共事業等に係る地方負担につきましては、そういう観点から先ほど申し上げたように全額を地方債によることなく、相当部分を交付税による措置ということにしたわけでございます。 しかしながら、それにいたしましても地方債もあわせて措置をするわけでございますが、その地方債が果たしてうまく地方団体に受け入れられるのかどうかということがもちろん御指摘のようにポイントだと思います。こういう補正追加の公共事業に係る地方債の償還につきましては、これは元利償還金について地方交付税で所要の後年度算入措置を講ずる、こういうことにしておるわけでございます。各地方団体もその点はよく理解をしておると思いますし、私どもの方もそのように指導いたしておりますので、そういった点を考えるならば、公共事業の補正による追加に伴う地方債の償還について、特に支障を生ずるようなことはないと考えておる次第でございます。
○片上公人君 先般、公債費負担適正化計画というものが示されましたけれども、これはどういうものなのか、御説明お願いします。また現在の起債制限比率の状況を説明していただきたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 公債費負担適正化計画についてお尋ねでございますが、この措置は、地方財政が全体として公債負担が増大すると同時に、また個別の団体ごとに見ますと、先ほど御指摘のように、かなり団体ごとに差がございまして、その中で二〇%以上に達するものが相当数に達してきている、こういう状況を踏まえましてこういった措置を講ずることにしたわけでございます。 その意味するところは、公債費の負担が一定以上になりました地方公共団体は従来より地方債の発行が制限をされるということになっております。この場合に用いる基準が、先ほどの公債負担比率と少し概念が違いますけれども、もっと厳格な意味での起債制限比率という一定の算式で計算をした公債費の率を用いておるわけでございますけれども、こういった起債制限に該当して起債が発行できなくなる団体がふえてくるのではないか。しかし一方においては、内需拡大等によりまして必要な地方債を活用していかなきゃならない、そういうような状況もございます。 したがいまして、そういった公債費負担の高い、つまり起債制限比率の高い団体について自主的、計画的に公債費負担を適正化する、端的に申しますと引き下げる、こういう計画を立てた場合には、その利子について一定の特別交付税による財政援助をする、あるいはそういった計画を進めておる団体については起債制限比率にかかわらず一定の地方債をも許可していく、それによって内需拡大等の要請にもこたえるようにする、こういう意味を持つものでございます。 今回の適正化措置におきましては、第一には対象団体は起債制限比率が一八%以上で、自主的に公債費負担適正化計画を策定し、財政構造の弾力化に取り組む団体としております。 第二に、対象団体の策定する適正化計画は、原則として五年度以内にこの起債制限比率を一六%以下に引き下げるとともに、毎年度一定規模以上の歳入の確保あるいは歳出の合理化及び一定額以上の繰り上げ償還あるいは減債基金への積み立てを行うということを内容にしておるものでございます。 第三に、先ほど申し上げました財政上の支援措置でございますが、対象団体が適正化計画に基づきまして計画的に公債負担を軽減して財政構造の健全化を図りながら、その間において内需拡大、地域経済の活性化等のための事業の推進が図れるように特別交付税による利子負担の軽減措置、それから地域総合整備事業債並びに辺地及び過疎対策事業債、これらの起債はいずれも将来償還時において地方交付税の算入措置があるものでございます。そういった地方債の優先配分を行うということにいたしておるわけでございます。 それから、起債制限比率の状況でございますが、起債制限比率は先ほど申し上げましたように、地方債の許可に当たって一定以上の公債費が、その財政に占める公債費の規模が一定以上の比率になった場合に起債を制限するというものでございます。二段階ございまして、一つは二〇%以上に達し三〇%未満のものということでございます。現在、昭和六十一年度におきましては二〇%から三〇%未満のものが市町村で五十六市町村ございます。それからもう一つは三〇%以上、これはもっと制限の対象が厳しくなるわけでございますが、これが昭和六十一年度では二町村、合わせますと五十八市町村、こういう状況に相なっておるところでございます。
○片上公人君 自治省は公債費負担の状況につきまして、ある場合には公債費負担比率、ある場合には公債費比率、そしてまた地方債許可制限比率など用いておりますけれども、どの指標が一番信頼性が高いと思っていらっしゃるのか、簡単にお願いいたします。
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のように、この公債費の状況を示す指標として公債費負担比率、それから起債制限比率、それから公債費率、普通この三つがあるのでございます。そういう意味で、大変実はわかりにくい印象を与えるわけでございますが、まず公債費負担比率、これは地方団体の一般財源の総額に対する公債費充当一般財源の比率、すなわち一般財源の中で公債費に充てられたものの比率、こうお考えをいただいてよろしいかと思いますが、その比率でございまして、この指標は決算統計上出てまいりますが、財政全体の観点から公債費の負担の大きさを説明するという場合に用いることが多いのでございます。 これに対しまして起債制限比率は、これは地方債の許可という現実の措置に際して用いられるものでございまして、この起債制限比率は、普通交付税で元利償還費が措置をされる公債費部分を除外いたしまして、そして公債費の負担の程度をあらわすものでございます。つまり、分子も分母も交付税で措置をされておるところの公債費に当たるものを除いて、その残りの分だけでこの比率を計算いたします。したがいまして、公債費負担比率に比べますと、同じ団体でもこちらの起債制限比率の方が一般的には低くなる。それだけ起債の制限に用いられるものでございますから非常に厳密な計算をするということでございます。この比率が二〇%以上の団体に対しましては先ほど申し上げましたように、地方債の一部について許可が制限をされるということになっております。 それからもう一つ、公債費率という概念があるわけでございますが、これは現在余り用いておりません。起債制限比率を地方債の許可の指標にする以前に、起債制限比率と同様の意味で用いられておったのでございますが、現在は財政分析上、時系列的な比較などを見るための指標として用いておるものでございます。そのやり方は、起債制限比率とよく似ておりますが、起債制限比率の計算ほど実は厳密ではなく、現在ではそういった時系列的な比較以外には余り用いられていないということでございます。 この三つの概念、大ざっぱに区別して申し上げれば以上のとおりでございます。
○片上公人君 単位費用について伺いたいと思います。 まず、大臣の提案理由の説明、要綱に公園の経費の財源措置をしたとありますが、経常経費につきまして三百五十一円から三百五十六円に一・四%の伸びがあるものの、投資的経費では三百二十一円から百五十一円に五三・〇%の激減でございます。そうしますと、公園費を措置したというのは具体的に何をどう措置したのか、これを伺いたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 単位費用の中で公園費についてのお尋ねでございますが、公園費の中で経常的経費に係る単位費用につきましては、六十一年度分と比較いたしますと一・四%の増でございます。これは公園の維持管理のための職員の給与費とか、あるいはその需用費などの経費を措置するために増額したものでございます。 一方、投資的経費に係る単位費用は、御質問で御指摘のように、確かに昭和六十一年度と比較すると五三%の減になっておるわけでございますが、これについては、地方債等の特定財源の充当が増加をいたしましたために一般財源所要額が減少したものでございます。 本年度におきましていろいろ御議論はございますけれども、地方債の活用を大幅に行わざるを得なかったというふうな状況もございまして、この点については逆に交付税による一般財源所要額が減少するということになったのでございますが、それは決して事業総量を削減したものではございません。長期的に考えますと、そういった地方債によって措置をされましたところの公園費につきましても交付税の元利償還の対象になってまいるわけでございますので、そういう意味では、公園費全体についてはやはり長期的に充実を図ってきておるということが言えようかと思います。 また、公園費の経常経費につきまして、これは単位費用のほか測定単位の数値の補正、いわゆる補正係数というのがございますが、その中の密度補正係数に係る単位費用単価につきまして、これを約四%引き上げて充実を図るということにしておるところでございまして、公園費全体としてはその重要性にかんがみできるだけ充実の方向を図ってまいりたいというように考えておるところでございます。
○片上公人君 昨年の法案の説明と異なりまして、今回新たに出てきたのが地域の活性化の促進に要する経費と国際化への対応に要する経費でありますが、それぞれの内容を具体的に御説明願いたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 単位費用の関係で地域の活性化、国際化への対応をどのように措置しておるかということのお尋ねでございますが、まず地域の活性化でございますけれども、地方団体が地域の活性化を図るための財政需要につきましては、昭和六十二年度におきましてはよりその促進を図るという観点から地域の産業振興ということに重点を置きまして、県分につきましては、これは商工行政費において地域産業振興費を新たに算入することといたしております。また市町村分につきましては、これはその他の産業経済費という費目がございますが、この費目におきまして所要経費の大幅な充実を図るということにいたしております。さらに、地方財政計画上、地域経済の安定的な発展と内需振興に資するために地方単独事業費の充実が図られておりますが、これに対応して関係の費目において単独事業の増額を図るということにいたしております。 以上が地域の活性化関係でございます。 次に、国際化への対応をどのようにしておるのかということでございますが、地域レベルにおける国際交流をさらに促進するという観点から、国際交流プロジェクト構想の一環といたしまして、外国青年を招致いたしまして地域において語学指導等を行う事業を推進することにいたしております。この必要経費について、昭和六十二年度におきましては道府県分のその他の諸費に新たに国際交流推進費という細節を新設いたしまして所要の財源措置をしておるところでございます。具体的な標準団体におきまして三千八百三十二万三千円、全国ペースでは約三十二億円をこれによって算入するという措置をとっておるところでございます。
○片上公人君 最近、地方自治の国際化ということが盛んに言われておるわけでございます。姉妹都市を結んだとか、観光旅行に行ったとかだけではないと思いますし、地方自治の国際化という理念とか、そういう必要性というのがもう一つよくわからないのでございますが、大臣はどのように考えていらっしゃるのか、一言お願いします。
○国務大臣(葉梨信行君) 我が国の国際社会におきます立場が非常に強まってまいりました。また非常に多様で幅の広い国際交流が要請されております。そういう現在の国際関係を見据えまして、国レベルの国際交流だけでなくて、地域レベルの国際交流を促進することが重要な課題になってきた、こういうように認識している次第でございます。地域レベルの国際交流は、国が行います国際交流の補完としてではなくて、地域のニーズとか総意に基づいて行われるべきものであろうと思われます。地域における国際交流が行われることは、地域の産業経済を刺激し、またいろいろな異文化の交流によりまして地域を活性化するというような意義があると考えられます。 地域レベルの交流が実施されることによりまして、我が国の地域社会が世界に向かって直接開かれた社会になる、日本の社会と経済に対します国際理解も深まってくるのではないかと考えられる次第でございます。
○片上公人君 地方交付税の不交付団体の数の推移につきましては、五十三年度は四十九団体で一番少なくて、それ以後毎年増加を続けております。六十一年はその数が百八十団体となっております。その理由をどのように見ているのか。 実感としては、それほど裕福な団体が多くなってきているようには思えませんけれども、意図的に基準財政需要額が少なくなるよう傾斜配分をしているのではないかというふうに思われますが、そういうことはございませんか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 交付税の算定の結果としての不交付団体の推移に着眼してのお尋ねでございますが、最近十年間の状況を見てまいりますと、先ほど御指摘の数字、昭和五十三年度四十九、これは不交付団体の市町村の数でございます。ほかに都道府県が一つございます。昭和五十三年度で四十九が五十四年度においては五十六、五十五年度で六十五、五十六年度七十九、五十七年度で八十四、五十八年度百十五、五十九年度百三十六、六十年度百六十六、昭和六十一年度百八十、こういうぐあいに確かに傾向といたしまして不交付団体の数がふえておるということは、これは否定できない事実でございます。 この理由でございますが、これは交付税算定の結果でございますので、全体として基準財政収入額の伸びが基準財政需要額の伸びを上回る傾向が見られますために財政力指数の高い団体、つまり交付、不交付すれすれの団体が交付団体から不交付団体になる、こういうケースが見られるということが一つの要因でございます。 また、特に市町村につきましては、都道府県と比べまして規模が小さいということから、最近の経済情勢を反映いたしまして業種あるいは地域間の景気のアンバランスというふうなことを反映したり、あるいは発電所などが立地をして固定資産税収がふえるというようなことの影響を受けやすいために、都道府県に比べますと交付団体から不交付団体に移行する、こういうケースが多いかと思われるのでございます。 問題は、基準財政需要額の伸びが相対的に低いということに問題があるのではないかということでございますが、これは御承知のように、近年におきましては地方財政計画におきましても、国の予算編成方針と同一の基調に立って経費全般について徹底した節減合理化を図るということにされてきたこと、あるいは地方債への振りかえが行われるということなどを反映しておるわけでございます。しかし一方、先ほどもお答え申し上げましたように、地方財政計画においては単独事業をそういった状況の中でも相当の伸びを確保するというような措置を講じたことに伴いまして、基準財政需要額の方でも、これに対応いたしまして必要な財源措置をしておるという点は御理解を賜りたいと存じます。 なお、今年度の普通交付税につきましては、最終的にはただいま御審議を賜っておりますところの地方交付税法、地方税法の成立を待って確定をすることになるわけでございますが、現段階において試算を進めておるところによりますと、この不交付団体の数は、昨年に比べますと今度は逆に若干減少するものと見込んでおる次第でございます。
○片上公人君 固定資産税の評価がえは三年ごとに行われ、来年度から新しい評価がえによって行われるわけでございますが、本年が評価基準を決定する年になるわけでございます。ただ、東京周辺を中心として地価が高騰している中で、現在の高騰がそのまま評価がえの基準地価になると住民にとっては大変な負担となると思います。土地を元に収益を営む者とそうでない者とを区別して固定資産税を課税できないかどうか。住宅地、小規模住宅用地について特例を拡大する方向での改正が考えられないかどうか。 例えば、住宅地の評価基準を三分の一にする、あるいは小規模住宅用地の評価基準を六分の一にするというような案について検討する考えはないかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(渡辺功君) 固定資産税の負担について、評価がえの時期におきましてどういうふうに考えるか、こういうことでございますが、ただいまお話しのように、最近におきます大都市を中心としました地価の上昇というものは非常に異常なものがありますために、いろいろそうした御心配があることはよく承知をいたしております。 しかし、同時に固定資産税は市町村の基幹的な税目でございまして、しかもその性質は資産の価値に応じて負担をいただくという物税としての性格を持っております。したがいまして、その用途がどういう用途であるかということによって評価を変えたり、あるいは負担の基本的な仕方を変えるということは適当ではないというふうに考えております。 もとより住宅につきましては政策的にも配慮をすることが必要であるというふうに考えまして、現在におきましても一定規模までの住宅用地につきましては二分の一、二百平米までの小規模住宅用地につきましては四分の一という特例を設けておりまして、四分の一にするという特例によりまして既に現在でも一兆円の減収となるような措置となっておりますので、これ以上そうした措置を行うということは市町村財政の見地からいいましても適当ではない。このように考えているところでございます。
○片上公人君 六十三年度からの固定資産税の評価がえの手順につきまして、まず実務的には去年の七月一日の価格をもとに評価を行うことにしていると聞きますが、これは本当かどうか。本当であるとすれば、九月に中央固定資産評価審議会を開いて各県ごとの基準地を決定することになりますが、これはあくまでも確定的に行われるもので、実際の評価がえは既に終了している、こういうふうに思っていいんでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 評価がえの手順でございますが、ただいま御指摘のように、実務的には基準日は六十一年の七月一日という時点をスタートといたしましてその作業に入っております。土地の評価がえにつきましては、その対象が御承知のとおりでございまして、非常に多うございます。全国で約一億六千万筆、宅地だけでも四千三百万筆の筆ごとに評価額を決定するという膨大な作業量でございます。したがいまして、これらの土地につきまして全国的にこの評価がえを実施しようといたしますというと相当の期間を要しますところから、この評価がえの年度の前々年の七月一日、すなわち今回の場合で言いますというと六十一年の七月一日を基準日として定めまして基準地、標準地の評価がえ作業をスタートさせております。そしてその基準日以前の三年間におきますいろいろな状況の変化、経済活動の進展等に伴いますところの土地の資産価値の変動等を勘案いたしまして評価がえを行うということにしているわけでございます。 そこで、そうであるならば、もう既に済んでいるのかということ、あるいは中公審の確認は形式的なものなのではないかという御疑問でございますが、これは作業のスタートをそういう時点に置いてしているということでございます。宅地、農地及び山林につきましては、現行の固定資産評価基準におきまして自治大臣が評価の均衡を図るために指定市町村長が評定した基準地の適正な時価というものについて調整をする。こういうことになっておりまして、この場合中央固定資産評価審議会の意見を聞きまして、その上で基準地価格の調整を最終的に行ってきたところでございます。目下今月中に同審議会の意見を聞いた上で基準地価格を決定する予定で調整作業を進めているところでございます。 なお、指定市町村の基準地価格が決定されますというと、これをもとに指定市町村以外の市町村の基準地価格については県知事が都道府県固定資産評価審議会の議を経まして調整をする、こういうような仕組みでもって評価をしていく。こういうことになるわけでございます。
○片上公人君 固定資産税の評価がえに際しまして各県ごとに基準地を指定し、この基準地における値上がりをもとに県の値上がりを決定するわけでありますが、例えば東京都では、今までの新宿の高野の前が基準地でございまして、今回は銀座の鳩居堂の前が基準地になると言われております。しかし、このように都道府県の基準地が県庁所在地や商業地等の都道府県の中で最も値上がりの高い場所を指定されているのはどういうわけか。なぜこういうことをお聞きするかといえば、県の中で最も高くなったところを基準に評価がえが行われたのでは、普通の住宅地に住んでいる者はこれはたまらないと思うからでございますが、この点についてはどうでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 基準地のとり方についての御質問でございますが、現在の固定資産評価基準上宅地の場合で言いますというと、その基準地は従来から各市町村におきまして最高の路線価を付設した街路に沿設した標準的な宅地、これを基準地としているところでございます。各都道府県間あるいは都道府県内の各市町村間の評価の均衡を確保するということからいきますというと、そういう基準地を設定していくということが適当であるということでございます。ある基準地では最高価格地、ある基準地ではそうではないというようなことでは、均衡を確保していくというときに不適切であるということでございます。 なお、土地の評価がえは基準地価格をもとにしまして、これとの均衡をとりながら各標準地の価格を決定し、さらにこれに基づいてそれぞれの筆の評価を決定していく、こういうことになります。なお基準地は、そういう意味で宅地の場合ですと最も価格の高い標準的な宅地を基準地とするわけでございますが、これは土地の値上がり率の最高地では必ずしもないわけでございます。そういう意味で最高の価格地ではありますけれども、値上がり率が必ずしも最高の標準宅地であるというわけではございません。そういう意味におきまして、それぞれの均衡をとっていくために最も適切であるということで、そういう仕組みをとっているわけでございます。
○片上公人君 東京都におきまして、居住用資産の固定資産税を軽くするために都市計画税の率を引き下げたり、評価を前回並みの一八・五%に抑え込もうという動きがございますが、自治省も承知しているのかどうか、また東京都の打ち合わせの内容についてもお伺いしたいと思います。
○政府委員(渡辺功君) 東京都におきまして都市計画税の引き下げ等が行われているというような新聞報道がございますけれども、これにつきましては私どもが了知をしているという性質のものではございません。評価水準全体の上昇につきましては、東京都におきましては評価がえの準備作業を行っている過程でございます。恐らくその中で得た感触を述べられたものというふうに私どもは理解をいたしております。 土地の評価がえは、各課税団体が評定した基準地の適正な時価について、指定市町村、宅地でございますというと、先ほど申し上げましたように、各都道府県の県庁所在市、四十七でございますが、これにつきましては自治大臣が評価の均衡を図るということのために作業を行いまして、その結果を踏まえてそれぞれ近似価格として均衡をとった形で定めます。それをもとにいたしまして標準地の価格を決定し、それによって名筆の価格を決定する、こういうことになります。 そこで、現在東京都を含みます課税団体において作業が進められておりますので、東京都とどういう調整をとるのかということになりますというと、東京都におきましてもいろいろ東京都において考えられていること、あるいは東京都の地価の上昇については相当不正常な要素があるというようなことを東京都においても考えられているようでございますが、そういったような点につきましては私どもも特段の違う意見がない場合には同じ考え方でございまして、そうした意味におきましていろいろな固定資産評価基準の運用上の諸問題も含めまして意見の交換がございます。そういった調整を行っておるという段階でございまして、これの最終的な調整は、従来から中央固定資産評価審議会の議を経まして、それによって行うということにしているわけでございます。
○片上公人君 次に、国民健康保険についてお伺いいたします。 本年五月八日に学識経験者によります国保問題懇談会が設置され、その後会合が重ねられていると思いますが、その進捗の状況についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林実君) 御質問の国保問題懇談会でございますが、御指摘のとおり本年五月八日に設置されております。 現在までに五回開催されておりまして、主として国保の現状につきまして検討、審議をしているというふうに聞いております。具体的には国保それから政府管掌健保、被用者保険におきましてはその加入者の年齢格差がございます。 〔委員長退席、理事松浦功君着席〕 その実態とか、それから医療費につきましては俗に北海道を除きまして東低西高ということが言われておりますが、その地域格差の実態、さらには赤字団体の実態などにつきまして調査、審議をしておるというふうに聞いております。
○片上公人君 高齢化に伴いまして医療費の伸びが著しく、国保財政が大変厳しい状況に置かれているようでございますけれども、実情をどのように把握されておるか、御説明お願いします。
○政府委員(小林実君) 御承知のとおり、国民健康保険は約四千五百万人の被保険者を擁しておりまして、被用者保険とともに国民皆保険体制の二つの支柱になっておるわけでございます。他の医療保険の対象とならない自営業者とかあるいは農業者等を対象とするものでございます。また高齢者の比率が他の保険制度に比べて高い、そのために老人医療費が増高しておる、こういうことでございます。 一方、所得水準が相対的に低いこと等から財政状況は極めて厳しいものとなっておるというわけでございます。さらに、一昨年創設されました退職者医療制度の加入者数等の見込み違いや老人保健法等の一部改正法案の成立のおくれによりまして、その財政状況は一段と厳しいものになっているというふうに認識をいたしておるわけでございます。このような状況を反映いたしまして、保険制度の建前にかんがみますと、本来支出すべきでない一般会計からの繰入金が急増しておるというようなのが実情でございます。 私どもといたしましては、今後本格的な高齢化社会を迎える中で国保制度の運営の長期的安定を図るためには、所要の国庫補助負担金の確保を図るとともに、医療保険制度全体の中における国保制度のあり方につきまして幅広く基本的な検討が行われる必要があるというふうに思っております。
○片上公人君 国保問題懇談会を設置することになったきっかけは、本年度予算の編成段階で国保の国庫負担分の一部を都道府県に肩がわりさせて、国庫事務費、人件費を国庫の負担から除外する案が大蔵省から示されて、六十二年度については阻止したものの、懇談会での論議が進めば国庫負担分の地方転嫁の話がまた出るのではないかと思いますが、自治省はどのように考えておられるか、また、昨年来の経緯もお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林実君) 市町村国保は、先ほど申し上げましたように、他の保険制度に比べまして高齢者の比率が高く、老人医療費が増高していることや、総体的に所得水準が低いこと等からその運営は極めて厳しい状況にございます。このようなことから国民健康保険につきまして、やはり安定した運営が確保されるように医療保険制度全体の中における制度のあり方につきまして、基本的な検討を行うために昨年暮れ三大臣の合意に基づきまして懇談会が設置されたところでございます。この場は私どもは大蔵省からの話、昨年の予算編成の際に都道府県負担導入問題ということがあったわけでございますが、その後始末のために設けたということではないというふうに考えております。国保問題のみに限定せずに、医療保険制度との関連におきまして、国保の将来のあり方につきまして幅広に検討していただく場というふうに考えておるところでございます。 御指摘の都道府県負担の導入問題につきましては、医療費の国庫負担の一部を地方に負担させるべきものではないというふうに考えておるところでございます。
○片上公人君 国保財政悪化の原因の一つには、退職者医療制度の見込み違いによる影響額がありまして、一部分については補正措置が講じられ補てんされましたけれども、これの未措置額並びに老人保健法改正の実施時期のおくれなどによります影響額の未措置額があると思います。これらの未措置額はどれぐらいの額となっているのか、またこの未措置の額をどのようにするおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(小林実君) まず第一点の、退職者医療制度創設に伴う昭和五十九年度及び六十年度の市町村国保財政への影響額は二千八十億円でございます。この対策といたしまして六十年度補正予算におきまして、国民健康保険特別交付金千三百六十七億円が措置されたところでございまして、その差は七百十三億、こういうことになるわけでございます。 それから二番目に、老人保健法改正絡みの話でございますが、六十一年度における影響額、厚生省の推計で千五百三十八億につきましては、六十一年度の当初予算に計上されました国民健康保険特別交付金二百三十億円、それから老人保健法の改正、これは加入者案分率を六十一年の六月一日から八〇%に引き上げるという内容のものでございますけれども、これによる国庫保険料負担の軽減に見合う額、これは千三百八億でございます。この二つによって補てんされる予定でございました。しかし老人保健法の改正がおくれまして六十二年の一月一日から行われる、こういうことになりましたので、影響額に対しまして千三十六億円の要補てん額が生ずることになったわけでございます。 これに対しましては六十一年度補正予算におきまして、国民健康保険特別交付金がさらに補正されまして措置されたわけでございますが、その額が七百四十億円でございます。いろいろ数字を申し上げましたが、まだこの補てんされていない部分が二百九十六億円、こういうことになるわけでございます。 以上のとおりでございまして、退職者医療の見込み違いと、それから老健法の施行のおくれによる影響額につきましては、未措置分は約一千億残されておるというふうに考えられるわけでございます。 自治省といたしましては、これらにつきましては国の責任におきまして適切な措置が講じられるべきものと考えております。したがって、今後とも国保財政の推移を見守りながらその運営の安定化が図られますように、所管省におきまして適切な措置を講ずるよう要請してまいりたいというふうに考えております。
○片上公人君 最近は、国保の運営につきまして市町村を単位とするものから都道府県よりも広域的な保険単位とするようにという論議もございますが、論議の契機が都道府県負担の道を開くことにあるようにも思えてなりませんが、自治省はどのように考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(小林実君) 国民健康保険問題に関連いたしまして二つの話がございまして、一つは都道府県負担の導入という問題がございます。それからもう一つは、運営主体の広域化というか、都道府県によって運営したらどうかというようなお話もあるわけでございます。 前者の問題につきましては先ほども申し上げたわけでございますが、一つには国民健康保険制度は国民皆保険の一環として国の制度として設けられたものでございまして、地方負担の導入というのは国保行政に対する国の責任を地方に転嫁するものであるということ。それから二つには、国民健康保険も他の医療保険と同様に国費、それから保険料、さらに利用主負担によって支えられていくべきものであるというふうに考えておりまして、国保の被保険者に対してのみ地域と住民の税金を支出するということは、住民相互間の負担の公平を欠くことになりますので、適切でないというふうに考えております。 それから保険者を市町村から府県にしたらどうかという議論があることは私ども承知をいたしておるわけでございますが、 〔理事松浦功君退席、委員長着席〕国民健康保険の保険者を市町村としている現行制度は変更すべきではないというふうに私どもは考えておるわけでございます。 そもそも保険事業は被保険者の間の連帯感を土台といたしておりまして、保険給付と負担との関係がわかりやすくないと円滑に運営ができないと思うわけでございます。保険単位を広げました場合には、受益と負担の関係が現在より住民にわかりにくくなりまして、保険料の徴収あるいは料率のスムーズな改定が困難になるというおそれがあるわけでございます。現実問題といたしまして被保険者の把握とかあるいは保険料、税の賦課は住民基本台帳や住民税、固定資産税の課税台帳等によらなければ行い得ないものでございます。これらはいずれも市町村が作成保管しておるものでございまして、市町村が保険者であることによってこの保険料、税の賦課徴収が効率的に行われているわけでございます。 それから二つ目には、現在市町村が事業主体となりまして老人保健法のヘルス事業を実施いたしておるわけでございます。これら保健事業と国保事業を一体的に実施するその一体的実施を図るためにも、市町村が保険者であることが望ましいというふうに考えております。 また三番目に、保険者を広域的なものというふうにいたしますと、多かれ少なかれ新たな機構を設けたり、人員が必要となりまして行政改革の趣旨にも反するのではないかというふうに考えておるところでございます。
○片上公人君 最後になりますが、地方税法につきまして、今回の税制改正は、売上税導入について国民の反発を招いた結果今回のような改正案になったわけでありますが、宮沢大蔵大臣は、税制改正は今回が第一弾で税制協議会の話し合い次第では第二弾の改正があると言われております。このような発言からいえば、地方税につきましても次の税制改正が自治省としても案としては既に検討されていると推察されますが、もし次の税制改正が行われるとすればどのような方向で行おうとするか、お伺いしたいと思います。例えば住民税の負担のあり方等は、二月の抜本改正案で示されたような形の方が本来的には望ましいと考えておるのか、答弁できる範囲でお聞かせ願いたいと思います。 それともう一つ、配偶者特別控除の創設についてでございますが、専業主婦またパートで働く主婦にとりましては大変朗報であると思います。ただ、配偶者特別控除をせっかくつくったのであれば、なぜ定額の控除を行わなかったのか。特にパート収入が百六万五千円以内のものにつきましても十四万円の特別控除を認めてもよかったのではないか、この点について御説明をお願いいたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(葉梨信行君) 御質問の宮澤大蔵大臣の答弁の内容につきましては承知しておりませんけれども、税制改正の必要性ということについて申し上げてみますと、人口構成の高齢化であるとかあるいは国際化の進展等、社会経済情勢が激しく変化してまいりました。そういう情勢に即応しまして直接税、間接税を通じた税制全般にわたる見直しを行うことは喫緊の課題であろうと考える次第でございます。 今回の改正は、当面早急に実施すべき改正項目を取りまとめたものでございます。したがいまして、今後の税制改革につきましては、所得課税、消費課税、資産課税等、課税ベースを適切に組み合わせて、全体としてバランスのとれた望ましい税制の実現に向けて引き続きそのあり方を検討していくべきものと考えている次第でございます。
○政府委員(津田正君) 配偶者特別控除の問題でございますが、配偶者特別控除は所得の稼得に対する配偶者の貢献度、こういうような事情を念頭に置きつつ設けられたわけでございますが、同時にいわゆるパート問題の解決ということを図っておるわけでございます。 御承知のとおり、パート問題は、現行の制度でまいりますと妻の年収が九十万円以下でございますと配偶者控除が受けられる。ところが、それを一方でも超えますと配偶者控除が受けられないということで、所得税ベースで申しますと九十一万、九十万から一万円だけふえたにかかわらず、現在三十三万円ですか、配偶者控除が消える。ですから、二〇%税率がかかっておる人ですと六万六千円がなくなってしまう。一万円ふえたのに対して税負担が六万六千円ふえるのはおかしい、こういうようなことを直そうというようなことでございます。 そこで、先生御指摘の定額控除ということは確かにその段階ではいいのでございますが、その切れ目になりますとやはり今のパート問題は起こってしまうわけでございまして、そういうようなものを解消するため消失控除というような、若干複雑でございますが、このような仕組みを設けましていわば軟着陸するような形にしたということで御理解いただきたいと思います。
○神谷信之助君 時間の関係で四点について質問をし論議をしていきたいと思います。 まず最初は、地方財政にかかわる問題です。 長期にわたる地方財政の危機的な状況が続いているわけです。この点についての御認識は自治大臣以下自治省の専門家、御一緒だろうと思います。問題は、この地方財政の危機というのが長期的に続いてきて、しかも五十九年以降の特例加算方式が今もとられているわけですね。そして片一方では補助金カットがどんどん広がっていくという、そういう事態、これは単に地方財政が窮屈になってきているというだけではなしに、戦後四十年間続いている今日の憲法における地方自治そのものの否定的な現象、これが急速に強まってきているというように私は考えているわけです。そういう角度から地方財政問題を議論したいと思うんです。 まず最初に、五十年度以降財源不足額が毎年生じてくる。そして午前中の議論にもありましたように、六条の三の二項に該当するような事態というのがたびたび起こっているし、そしてそれに対する制度改正というのをおやりになったけれども、やっぱり財源不足はずっと続いてきている。だから、私も今までよく石原さんの構造的な制度改革が求められているんだというところはよう引用して議論したわけですけれども、そういうものをやらないでずるずると糊塗してきたこういう財源不足に対する対策、これについて五十年度以降どのような考えで、どういう措置をやってきたのか、この辺をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 委員御指摘のとおり、地方財政、昭和五十年代になってからほとんど毎年のように財源不足、しかも巨額の財源不足を生じました。危機的な状況が続いておるところでございます。この点については、昭和四十年代末から五十年代にかけての日本経済の大きな変化が地方財政のみならず国家財政を含めて公共部門に非常に大きな影響を与えてきたということが最大の原因であろうと思います。したがいまして、それに伴うところの税収の極めて大きな激変が見られたり、あるいは一方で景気振興策、内需拡大策を講ずるために積極的に公共投資、公共事業や地方単独事業をふやしていかなきゃならない、こういうような必要性に迫られたりいたしました。そういったものに対応をしながら、地方財政がその運営に支障を生ずることのないように対応したいということで、今日まで各般の措置を講じてまいったところでございます。 その措置を振り返ってみますと、確かに地方交付税の総額の不足については、交付税率の引き上げということも五十年代におきましてはしばしばこれは国の財政当局にも要求をいたしたこと、御承知のとおりでございます。しかしながら、国家財政の事情そのものが到底それに応じられるような状況にないということから、そういうものにかえていわゆる特別会計借入方式というものを講じ、またその特別会計における借入金というものが非常に増高いたし、国、地方間の財政関係というのが極めてわかりにくくなってきたということもございまして、昭和五十九年度からはこの借入金残高を国負担分と地方負担分に分け、一方で原則として借り入れはやめるということにし、特例措置方式を新たに制度、暫定的な制度ではございますが、制度改正として設け、これによって今日まで措置をしてきておるところでございます。 確かに構造的な地方財政の改革をやる必要性というのは、これは全く私ども自治省といたしましても痛感をいたしております。問題は、そういった構造的な改革をやれるような状況を何とかつくり出していかなければならないわけでございますが、当面御指摘のように、どちらかといいますと毎年度の措置によって地方財政の財源不足を補ってきているということは否定できないわけでございます。ただ、私どもも激動する情勢の変化に対応して、地方に対する要請にこたえながら財政運営に支障を生ぜしめないようにする努力はしてきたつもりでございますので、この点につきましては御理解を賜りたいと存ずる次第でございます。
○神谷信之助君 五十年代の初めまでは今も局長言うように、財源不足が生ずるたびに、またそれが一〇%を超える超えないにかかわらず、その前後で二年、三年と続いていく状況の中では、当委員会でも交付税率の引き上げを大蔵省に要求しているという答弁もしばしばやられていますわね。だから、地方六団体も交付税率を四〇%に引き上げよというような要望をした時期もあります。これらは、今日の地方財政制度が、いわゆる地方財源というものが地方税と国庫支出金とそれから交付税、譲与税、ここの関係でやられている。地方税が占める構成比率というのは非常に低いわけですね。これが大きい部分を占めれば相当違ってくるんだけれども。 したがって、そういう地方財政の現状から地方財政法の第二条では、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」ということを規定して、そして交付税法の六条の三の二にあるように、二年ないし三年にわたってずっと一〇%を超えるような財源不足をした場合には、国がちゃんと財政を保障しましょうという建前で来ているわけでしょう。 ところが、今それは崩れているわけですね。当初は特別会計から借り入れをし、あるいは五十三年でしたか、五十三年度以降は二分の一ルールをつくって、本来全額いったら国が措置せなきゃいけないやつを半分は地方に負担をさせるというような措置をとり、そして今度五十九年には今おっしゃったような特例加算、あの当時五十九年のときに石原さんが局長でしたけれども、二分の一でも利子持ってくれると言ったから三二%プラスその国の分があるんですから、三二%プラスアルファのパーセンテージ、交付税率が上がったと実質上同じような状態だった。ところが、特例加算になるとこれはもう全部返さなきゃいかぬですね、自治体が。国が持つわけはないでしょう。全部自治体が持つんですよ。そういう状況に五十九年度以降なってきているんです。 また、一方で補助金カットが始まります。まさに何といいますか、国家財政と地方財政の関係、この構造の現実に立って、そして地方財政の財源不足を生じた場合には国がちゃんと責任をとりますよという、そういう仕組みそのものが五十九年度以降はもうゼロになっているでしょう、ということなんですね。だから、財源不足は将来の自治体が、将来の交付税財源といいますか、交付税財源で返しなさいとか、あるいは地方債でおまえ借金返せ、その借金の一定部分は交付税で見ましょう、交付税だってこっちですから、国が見るわけじゃないんです。こういう事態がずっと続いているんですよ。 これは、まさに先ほど言いました国と地方との財政関係、確立されてきておった財政関係自身を我々は変えると言っているんだけれども、とにかくそれで続いてきておった国と地方との財政関係というのが根本的に崩れてきているというように私は思うんですが、その辺の御認識、大臣なり局長なりどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) いろいろ地方財政のあり方についての論議、これは私どもも十分承っておるところでございます。 考えてみますと、戦後の地方財政が昭和二十年代以来、当時極めて貧弱なかつ不完全な制度のもとに多くの地方公共団体が膨大な負担を背負って大変苦しんだわけでございます。これに対しては、その後私どもの先人の努力によりましていろいろな改善が試みられ、また一方では日本の高度経済成長というものがこれを助けて、地方財政の姿というものが曲がりなりにも軌道に乗ってきたということは、これは私どもは地方財政が、我が国の実質的な意味で内政を支えるという観点から見てその役割をどんどん広げていきつつある、そういうぐあいにも言えるのではなかろうかと思います。 ただ、昭和五十年代以降が先ほども申し上げましたように、財政の構造的な変化の壁にぶつかって、地方財政だけではなくて国家財政も含めた公経済というものが極めて窮迫に瀕してきたということから、国家財政と地方財政との間にいろいろな論議を呼び、またやりとりが出てきたという状況になっておるのかと思います。 ただ、それにいたしましても、地方交付税法なりあるいは地方財政法に決められておりますところの趣旨なり精神というものは、これはやはり厳然として私は生きておるものであり、それがそのときどきの客観情勢の中で仮にどのように姿を変えようとも、その趣旨は守らなければならない。ただ、実際にどう対応していくかということになりますと、これはそのときどきでいろいろやり方を組み合わせなきゃならぬという点もございますので、そこは御理解を賜りたい。私としては決して国、地方間の財政関係が根本から崩れてしまっておるものと、こういうぐあいには必ずしも考えないところでございます。
○神谷信之助君 そういういろいろな情勢の中から姿、形を変えても根本は守ってきているんだとおっしゃるんですけれども、姿、形を変えてしまってさっぱりなくなっているような状態だと私は思うんですよ。 五十九年当時の議事録をずっと見ますと、あのとき石原さんが私の質問に特例加算、特例措置がこれが大きな額になれば、もうこれはどうしても税制改正を含めたその他の制度改正をやらなきゃならない、こういうようにおっしゃっている。そういうことからかもしれませんが、五十九年度以降のなにを見ますところっと変わってきているんです。 自治省から資料いただいて見たんですけれども、五十年度以降の財源不足額に対する地方債でそれを穴埋めした率というのは、大体五十年度補正で四五・七か四八・七ですか、という状況で、いわゆる地方交付税等いろいろな措置、特金借り入れやその他いろいろな方法で、交付税の範疇部分の中での補てん措置というのが五一・三%、そういう状況で来ています。部分的には五十二年度とかそれから五十五年度に地方債が五割を超えている時期がありますけれども、大体四〇%台で来ているんですね。 ところが、五十九年度以降になりますと地方債の依存度というのが五十九年度が七九・八、それから六十年度が八二・八、六十一年度はちょっと減りましたが、それでも六八・六、六十二年度は七八・八、これは補正を入れると少し変わってきますが、大体そういう数字ですね。だから、地方債依存度が物すごくふえてきていますね。それで五十九年度、特例加算措置を導入したときに石原さんは、当時地方債依存度を極力引き下げたいということを強調しておられましたが、実際は我々あのときも言ったんだけれども、特例加算をやって全部こっち持ちになるんですからね。 そうすると、地方債振りかえというやつはうんとふえてきて、結局地方債依存度というのはいや応なしにふえますよと言ったんですけれども、まさに今現実はそういう状態になってきている。この状態を私は非常に心配しているわけです。だから、特例加算といったら結局将来返すんですから、交付税会計で返すわけですね。それで片一方、地方債は地方債でどんどん借金づけにされている、これも返さなきゃいけない、こういう状態が一体いつまで続くのかという問題があるんです。 それでまさに何といいますか、特例加算で大体一〇%、五十九年から六十二年度にかけては一〇・九%ぐらいですね、全部平均しますと。そうすると、地方債の依存度は片一方で七六%になります。だから一割程度しか特例加算になってない。しかもそれは後年度に返す。国の責任といいますか、当初予定をしておった、想定をしておった自治体の財源不足、それに対して国がちゃんと補てんをしますと。まあすぐ補てんできたときもあれば後年度に補てんをした場合もあるけれども、しかしその補てんをするという原則はもう完全につぶれているというふうに私は思うんだけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 確かに御指摘のように、昭和五十年代前半から五十八年ぐらいまでにかけましては、地方財政の財源不足をいわゆる財源対策債等とそれから交付税の借入方式によって行ってきたわけでございますが、その場合におきましては両者半々に近い比率もあったことは事実でございます。ただ問題は、それによりまして交付税の借入残高そのものも非常に大きくなってきたということから、特例加算方式に切りかえたわけでございますが、当時特例加算、特例措置方式に切りかえたときの政府委員の答弁等を通じてその根底の認識にあったのは、そういった国にせよ地方にせよ借金の増加というものが省内の行財政に及ぼす影響をやはり考えて、行財政改革のもとでできるだけ経費の抑制を図っていかなきゃならない、そういう認識が実は前提にあったのであろうと思われるわけでございます。 そういう意味で、できるだけ借金を排すると同時に経費を節減し抑制する、そういう環境のもとでこの特例加算方式、特例措置方式を活用していこう、こういう考えがあったかと思います。 しかしながら、その後なかなか物事というのは考えるとおりには決してまいらない点もございます。内需振興が非常に強く要請をされるというような状態も出てまいりました。また補助金の問題は、補助率カットの問題は新たな問題としてその後出てきたわけでございます。ただ、補助率カットに伴います地方財源措置につきましては当面地方債にこれを措置するわけでございますが、その大部分については、後年度における措置というものをあるいは覚書によりあるいは法律によって予定をしておるところでございますので、そういう意味では地方財政の長期的な破綻を来すことのないような配慮はその都度行ってきておるつもりでございます。 確かに五十九年度当時と若干情勢は変わってきているという点はあろうかと思いますが、そういった借金のウエートの増加というものについては、一方ではそれなりの長期的な配慮もしながら対策を講じてきておるつもりでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○神谷信之助君 やっぱり借金づけ政策が結局行き詰まってきているということの象徴的なできごとは、今度の補正で地方自治体にいろいろ公共事業をやらさにゃいかぬ。そうすると、さっきも出ていました起債制限率一八%なら一八%をオーバーする、あるいはその前後のところ、こういうところはもう起債ができない状況になっている。だから、改めて先般通達を出してその弾力的運用を考えるという措置をとらざるを得なかった。 大体起債というのは自治体は勝手に出せないですわね。自治大臣の許可が要る、当分の間ね。当分の間も四十年以上続いている当分の間だけれども、そうでしょう。だから、勝手につくった借金ではない、自治大臣が承認をした借金。どんどん借金して、そこから先は危ないですよといって子供を保護するがごとく起債の制限ライン、危険ラインというのを設けていろいろ指導する。それも突破せざるを得ない、そういう事態になっていること自身が自分の方で本当は起債を認可する、許可をする、制限をしているわけです。そうしながらどんどん行ってそういうところへ来て、もう弾力的運用を認めざるを得ないような通達を出さざるを得ないというのはまさに地方債依存政策の失敗、これを証明するものだと私は思うんだけれども、どうですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) さまざまな要請にこたえるために当面地方債によって措置をせざるを得ない、またそのことが必要であるという状況から地方財政全体として借金がふえてきておるということは事実でございます。したがって、私どもといたしましては、地方財政全体として借金がふえておる、しかし、それはまだ国家財政の借金の比率に比べるとマクロとしてはまだ小さいではないかというような議論がしばしばあるわけでございますが、しかしそうではない。やはり地方財政はミクロで物を見ていく必要が同時にある。そのために公債費負担比率をいわば細かく分析して、これによって地方団体の相当部分が、既にどちらかといいますと規模の小さい団体から公債費負担の増加の割合がふえてきておる。この事実に着眼をいたしましてこれはやっぱり何とかしなきゃならない。一方において今回公債費の負担適正化措置というようなものを地方団体の一部自助努力というものも含めながら、同時にこれに対する支援措置を講ずるということで始めましたのもその理由でございます。 確かに地方債は自治大臣が許可をするものでございますこと、御指摘のとおりでございます。その前に自治大臣の許可というのは一体どういう性質のものか、これは御承知のとおりでございますが、当該団体の財政を考える必要もございますし、また資金全体の状況を考える必要もある、これはかねがね御説明申し上げてきたところでございます。そういうことと、一方起債政策を積極的にとらざるを得なかったということと若干分けて考える必要があるのではなかろうかと思うのでございます。 そういう意味で、例えば内需拡大等のためにあるいは補助金をカットした、その当面の財源として起債を充てる、そういったものについては、まさに各団体ごとにそれに伴う元利償還というものはもうきっちりした形で見ていかなければ政府としての責任が果たせない。しかし、同時に地方団体自身はみずからの自主的な事業のためにどうしても地方債で事業をやりたいという面もあるわけでございます。これを一々非常に細かくチェックして、どの程度その許可制度を運用するかということとも絡むわけでございますけれども、地方自治の自主性ということともある程度これはバランスをとってこの制度を運用していかなければならない。そういったものの中で現実に起債の公債費の比率が非常に高くなってきたようなところについては、やはり地方団体が自分で自助努力をも加えながら適正化をしていくという必要もあろうかと思います。 ただ、いずれにいたしましても、そういうものを含めて公債費負担が非常に高くなってきておりますので、私どもとして、今回そういう観点から公債費の適正化措置というものを手がけていく必要がある。そうでないと今後対応し切れなくなるという意味でこのような措置に着手をしたということでございます。
○神谷信之助君 しかし、全体で見たら、財政白書で歳出の異的別公債費の部分を見ますと、決算の部分を見ますと、例えば五十八年度は決算額で公債費が四兆八千四百十六億二千九百万ですか、構成比で九・三%ですよ。それに対して、歳入の地方債は五兆二千三百八億二千七百万、ここまでは五十八年度ね、五十八年度までは地方債の方が決算では多くて借金返しの方が少ないんです。五十九年度になりますと違うんだな。五十九年以降、五十九年度はいわゆる借金、元利償還が五兆二千七百九十五億九千百万円、それに対して地方債は五兆八十九億八千二百万。だから地方債、借金よりも借金返し、公債費の方がふえている、多いんです。全体としてマクロで見ると。六十年度はもっとひどくなる。 六十年度は四兆四千九百九十一億二千五百万円、これが地方債の決算における合計額です。それに対して公債費の方の支出は、歳出は五兆七千五百四十四億六千万円です。四兆四千億円、四兆五千億円近く借金をして、それ以上五兆七千五百億円公債費、元利償還せぬならぬという状況になってくる。だから借金返す、借金しても返す方がそれ以上多くなっているという状態が自治体全体の財政の総額としては出てきている。これはもう税金を集めてそれで借金返しやって、借金をまたその上に借金やっても追いつかぬと思う。まさに一時出ていた国のサラ金財政と同じ兆候が五十九年度以降起こってきているんです。 だから、私は今指摘する。地方債依存の政策というのは確かに自治体自身の要求もあります。しかし財源不足、財源対策債を初め財源不足を補うために押しつけたやつがたくさんある。これがあるからこうなってきているんでしょう。本来こういう状態を、そういう危険な状態をなくすために、税金のむだ遣いをしないために自治体が勝手なぜいたくをしたらいかぬからということで一つは自治大臣の認可がいる。金融の条件やらありますよ。一面では自治体に対する信頼が十分できないという面もあって起債の認可制度という、まさに当分の間が延々と続いているような状況が起こっている。その状況の中でこれをやろうとしているんですよ、だから重大だ。これは地方自治、自治体の財政運営に支障のないためにと言いながらどんどん借金を押しつけてきた、こういう状況が現実に生まれているじゃないかと私は言っている、この点どうですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のように、起債の依存額といいますか、発行額に比べて公債費の方がどんどんふえてきているではないかということは、これは御指摘のとおりだと思います。それはおっしゃられるように、基本的にはやはり国、地方を通ずる財政の状況と、それから一方では国の内外の社会経済の要請にこたえるための仕事をしていくために当面起債に依存せざるを得なかったという状況の中から出てきたわけでございますけれども、そういった公債費負担の増高については、先ほどミクロ的な見地からの対策というものを講じる必要があると申し上げました。同時に最も必要なことは、そういう公債負担にたえ得る財政構造を地方財政としてつくり上げていかなきゃならないということが、これが大事だと思います。 いつまでも地方債に対する依存を極めて高い水準でしていくわけにはいかない。状況によりましては逆に公債費を返すためにさらにそれ以上の地方債を増発しなきゃならぬという事態になれば、もっとこれは実は厳しい形にもなっていくということに実はなろうかと思うのでございます。そういうことになってはむしろいけない、これはまさにサラ金財政でございますので、いやしくもそういう状況に陥ることにならないように、今後私どもとして公債費の負担あるいは交付税の借り入れ、特金借り入れを含めてそういうものの償還にたえ得るような地方財政の体質を確立すること、これが目下の目標であることは間違いのないところでございます。そういう状況に対応して精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○神谷信之助君 そんな簡単にいかないんじゃないですか。交付税特会の借り入れというのは五十九年度以降、六十一年度の補正で四千五百二億、これ一回きりで、五十九年度以降は。大体今言った特例加算約一割で、あとは平均してこの四年間で七六%地方債に依存をしているという状態できている、財源不足のときについてですよ。 それが一体どういう結果になるかという点で言いますと、私は財政白書をちょっと調べてみて驚いたのだけれども、こういう事態がなぜ起こってくるのかと見ますと、歳入で交付税、剰余税及び国庫支出金、これの合計を決算額でずっと調べると昭和五十五年ですと今言いました交付税、譲余税、国庫支出金の合計が歳入の構成比四〇・八%、これがだんだん減ってくるんですね。五十八年度は、構成比で言いますが三七・七%、決算額で言いますと二十兆千八百五十三億、三七・七%です、構成比が。五十九年は十九兆六千九百八十八億三千九百万。六十年は二十兆四千百八十八億七千万ですか、三五・五%の構成比になっています。 それに対して地方税及び使用料、手数料の方はどうなってきているかといいますと、五十五年度の構成比は、歳入に占めるのは三六・二%。国から来る金、交付税、譲与税、国庫支出金の四〇・八に対して地方税、使用料、手数料というのは三六・二%ですよ。それが五十八年度になりますと二十一兆一千百五十二億七千五百万、三九・五%で、交付税、譲与税、国庫支出金よりも上回るようになるんです。五十九年度も二十二兆八千六百八十九億九千二百万、四一・六%。六十年度は二十四兆七千八百六十六億四百万で四三・二%なんですね。 あなたは借金返しよりも余計どんどん借金してもらったら困るというようにおっしゃるけれども、そんなことはできやせぬので大臣が認可せぬわけや。結局地方税の増税を図る、あるいは使用料、手数料の増収を図る・いわゆる住民負担に転嫁をする。当初地方財政法や地方交付税法で規定して、財源不足が起こったら国がちゃんと見ますよといって、その範囲内の財源で面倒をちゃんと見たら、正常なそういう措置がされておったらこういう状態は起こらないし、逆に言うとそれでもっと住民のニーズにこたえ得る独自の政策もできる。自治体らしい仕事ができる。今はそうはいかぬでしょう。やろうと思えば臨調の答申で言うように選択と負担や。そうすると、住民にそういう負担をしてもらうように納得させなきゃいかぬからそんなに簡単にできやせぬ。保育所をふやせと言われたって全部自分たちでやらなきゃいかぬ。これを全体のコンセンサスを得るには大変なことでしょう。 地方自治体が自治体らしく、主人公である住民の要求にこたえ得る行政を進めることができなくなってきているのがずっと起こっているんでしょう。それで逆に心ならずも地方税の増収や、使用料、手数料の増収を図らなきゃならぬ。こういう事態が今言った二つ。僕は地方財政白書をずっと見て、いろいろ数字が出てきているなと、これは重大な事態だというように思っているんですよ。この点はいかがですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方団体の歳入の要素をなすところの地方税あるいは使用料、手数料、こういったものの、特に使用料、手数料等のウエートが高まってきているのではないかというような点を踏まえてのお尋ねでございます。基本的には地方団体が、これはかつて臨時行政調査会でも論議をされたところでございますが、標準的な行政を営むというものについての財源は保障されなければならないことは言うまでもないところでございます。 選択と負担という考え方は、これは臨調答申にもそういう考え方が出ておるわけでございますが、基本的には、地方自治の立場からこの考え方を否定すべきものではなかろう。ただ問題は、どこまでが標準でありどこから先が選択と負担によるのか、それが各種の地方税財政制度とどういうぐあいに絡むのかということをよく考えた上で行われるべきものではないか、これが誤った形でそういう考え方が用いられてはならないと思うわけでございます。 使用料、手数料にいたしましても、これはやはり地方の泊主財源の一つでございます。もちろんそれは住民の受益に対して適正な姿で確保、収入されなきゃならないということも必要でございますので、そういった点を含めて地方団体の財政の自主性というものもできるだけ強化をしていかなきゃならない。 我が国のような非常に高度で密度の高い社会におきましては、そういったことに対応する地方財政の仕組みというものがなかなか難しいという問題もあろうかと思います。特に標準的な姿を確保するための財源、これをどうやって保障していくかということが地方財政の常に当面しておる課題でございます。そういうものについて我々としては努力すると同時に、また地方団体自身における自主性発揮のための選択と負担というのも、これも当然あってしかるべきではなかろうかという気がするわけでございます。
○神谷信之助君 自治体に自主性を発揮せいといったってないそでは振れぬというのが今の状態なんです。我が国は先進国でずっと進んでおるとおっしゃるんだけれども、しかし社会的基盤というのは立ちおくれがひどいでしょう、水道、下水道、公園、緑地等々。こういった基盤というのは先進諸国よりうんとおくれているわけなんです。これは自治体がやらにゃいかぬ問題でしょう、やりたくてもやれますか、今の財政状況では。 だから、私は自治体財政の面から地方自治を否定するような施策をとってきたのが今日までの歴史ではないのかと言っているんですよ。自治省は、主観的には自治体を助けてやらにゃいかぬ、地方自治は守らにゃいかぬ、そして地方自治の確立こそが民主主義の土台なんだからというようにお考えでしょう。そしてそのために努力されている。ところが、やってこられたことの結果として見たらそうなっていないじゃないか。どこが違うのかということを私は考えてもらいたい、どこに問題があるのか。 例えば、今やられている財源不足に対して大体一割ぐらいの特例加算、これはいわゆる六条の三の二に言うところの制度改正の一つとして措置されているというように理解をしていいんですか、この辺はいかがですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) これは地方交付税法附則第三条の規定によって設けられたものであり、暫定的ではございますけれども、一つの制度であり、それに基づいて、ただしそれはそれぞれその年において法律で定めるという点が特徴でございますので、自動的にということではございませんが、それはそれの一つの制度であるというぐあいに考えます。
○神谷信之助君 ところが、その特例加算、先ほどから言っているんだけれども、国には何の責任もないでしょう。これは自治体が将来の交付税財源で返還するわけでしょう、そういう代物でしょう。国は一銭も出さぬでいい特例加算じゃないですか、どうですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 一般的に財源不足に対応する場合の特例加算については御指摘のとおりでございます。しかし、例えば今回の税制改革に伴うところの所得税の減税先行分に見合って交付税がその分だけ不足するというようなものにつきましては、これはいわゆる精算不要という形での特例加算もあるわけでございます。
○神谷信之助君 部分的にちょびっとある。政府は政府の政策で現在やっていて、これは明確になっている、そうでしょう。それは当然じゃないですか。 交付税法の六条三の二項の制度改正あるいは交付税率の引き上げという問題は、結局国が長期的に財源不足を生じている地方財政に対して改善をするということを考えているのであって、将来にわたっていわゆる国の責任でそれをやりましょうと言っているんでしょう。僕はその点では、現在の措置というのは六条の三の二に言うところの制度改正に全く当たらないという点を改めてもう一週言わなきゃいかぬと思うんです、五十九年のときも口を酸っぱくして言いました。この点は一つ大きな問題です。 今自治体が、例えばこの間ちょっとテレビを見ていますと埼玉県の戸田市ですか、老人医療の十割給付を幸いなことにやっていたらしいんだね、僕も知らなかったけれども。ところが、公営企業の収入が赤字になってきましたからもうやめるという話が出ていますよ。そういう特殊な財政収入があれば、それは住民の要求にこたえて独自の自治体としての仕事ができるようになる。ところが今はもう、それは先ほど言ったようにそんな余裕はさっぱりない、そうなってきている。 逆に何をさせられているか。さっきも国保の問題が出ましたけれども、国の負担をどんと減らして国保税を上げて、そのために滞納者がふえる。そうすると、法律改正で悪質滞納者については給付をストップすることができる、こうなっている。ところが、現場で何が起こっているかといったら保険証を渡さないんでしょう。あの法の附則ではちゃんと保険証は交付しなければならない、医療給付を給付しないことができるのであって交付はしなきゃいかぬ。厚生省がやっている指導は、滞納があってその半分以上納めなければ渡したらいかぬというんです。だから現場はもうトラブルですよ。住民の役に立つそういう役所だと思っていたのが住民と対立する役所に今は変わってきている、国の出先機関で。そういう状態が今現に起こっているんですよ。 そして、片一方では節約せい、もっとむだをなくせとこうくる。先ほどもあった清掃事業あるいはごみ収集でのああいった問題が起こってくるでしょう。委託をせい、民間委託だといってもう法律も何もないんだ。そういう無理があちこちに起こっている。地方自治は一体どこに行ったんだという重大な時期に来ていると私は思うんです、大臣。これはこの点では確かにいろんな問題があるんです。そしてそれについては、例えばこれらのものについても財源をどうするかとかという問題もあります。 私も、五十年代のあの時代から一貫して言っているのは、交付税率を四〇%に引き上げて、各自治体関係者あるいは労使等の代表も含めて委員会をつくって、そうして地方財政について根本的に検討して、一歩でも地方自治を支える地方財政のあり方というものを確立していく必要がある。これをやらなければ大変なことになっていきますよ、だんだんもう手のつけようがないような状況になりますよということをずっと主張してきたんだけれども、政党が違うし政策が全然違いますからね、具体的なところでは。いろいろあるけれども、しかし自治大臣という職務についておられる限りは個々の自治体が住民に喜ばれるような仕事をやれるようにしなきゃならぬ、国の出先機関になってはならぬ。機関委任事務をやってきたことがありますからそういう側面もある。しかし、それぞれの議会を中心にして住民の要求に基づく地方自治が実際にできるような財政保障、財政制度というものをつくらなきゃいかぬ。それを交付税法の六条の三の二項は期待をしているんだと思うんです。 私は、今度抜本的な税制改革をやると盛んに中曽根さんはおっしゃるけれども、あんな税制改革はお断りですよ。本当の意味で国税と地方税、国の財政と地方財政との関係、こういった点についてやっぱり根本的にメスを入れて、地方自治が保障される財政制度をつくるということ、これは財政局長が逆立ちしたってできやしないので、やっぱり大臣がその気になってもらわぬとできませんので、ひとつ大臣のその辺についての見解を聞い ておきたいと思うんです。
○国務大臣(葉梨信行君) ただいま先生と財政局長との質疑を拝聴しておりました。特に昭和五十年代になりましてから地方財政が困難な中でいろいろの工夫を加えながら今日に至った経緯、あるいはその中における政府の対応の仕方、また国会のいろいろな御論議等を伺った次第でございます。 この御論議を伺っておりまして感じることは、戦後新しい地方自治制度ができ、新しい理念のもとに出発しました地方自治がまあまあ何とか今日まで至ったけれども、今やややりくり財政になって、また窮迫している地方公共団体もたくさん出てきたという状況から抜け出すためには一体何をやったらいいのか、どういう考え方で対応したらいいのか、こういう問題の御提起であろうと思います。まさにそれを解決するために国、地方を通ずる行財政の改革ということが行われているのであろうと思います。 地方自治を健全に運営していくためには、理念だけでなくて財政的な裏づけがなければならない。同時にまた、行政的にも行政改革、簡素化ということをさらに一層進めなければならない。この車の両輪のような二つの改革を行っていくことが必要であろうと思うのでございます。 日本の国が、戦後我々が終戦のときに予想していなかったような大変な発達を遂げ、先ほども御答弁申し上げましたが、世界の中における日本の存在が政治的にも経済的にも大変大きなものになっていて、国民の資産も、国民の経済力もまた大きなものがある。この国民の経済力が国政に、そしてまたある程度の拠出によって、税制によって吸い上げられ地方行政も回っていかなければならない。その日本の国民の力というもの、資産というものあるいは先ほど御質問でもお答え申し上げましたが所得に関する税制、資産に対する税制、消費に対する税制、そういうものを考えますと、それぞれの分母が非常に大きなものになっていて、四十年たった税制のあり方の見直しの中でもう少し素直にそれらの税制が機能してくるならば、これだけ偉大な日本の国あるいは日本国民の力が地方自治体の運営に必要にして十分なほどに拠出されないわけはない、こんなふうな感想を私は持っているわけでございます。 まさに国、地方を通ずる税制改革というのはそういうものをやっていこうということで、政府が皆様に呼びかけている改革の基本的な考え方であろうと思います。 ことしの通常国会におきまして御提案申し上げました税制改革についての政府の御提案が廃案になりました。これについては、いろいろなこれに対して考え方がございましょうけれども、国民の理解と協力を求めなければ税制改革ができないという一点について考えてみれば、やや政府税制調査会とか自民党税制調査会の議論は尽くしたと思いますけれども、国民の皆様に対して御理解を求める努力が少し足りなかった。こういうことが廃案に至った原因であろうと私は認識しておりますが、改めて衆議院におきます税制改革協議会等の御論議を通じ、また各界の御意見を伺いながら、もう少し国民の活力を国政と地方行政に生かせる税制のあり方を国会の御協力も得ながらこれから考え出していくべきであろう。そうすれば私は新しい道が必ず開けてくる。日本の国の経済力、繰り返して申し上げますが、国民の力というものは我々が考える以上に偉大なものがあるはずであろう、このように認識している次第でございます。
○神谷信之助君 そこまでおっしゃると一言言っておかなきゃいかぬけれども、税源をどこに求めるかという目のつけどころが根本的に違うんです。今財テクブームで、今年度で株の売買というのは一京円を超えるだろう、一兆の一万倍ぐらいになるでしょう。これに〇・一%税率を上げるだけで数兆円の税収が上がる。今それにいろんな制限を加えていますから年間五億円しか税金は上がってこないでしょう。そのあとがほったらかしじゃないか。逆に弱い者いじめだけやっている、だから問題なんです。 それからもう一つの問題は、そういう本格的な税制改革をやるなら、その機に何で地方財政を確立するような、いわゆる自主税源をふやすようなそういうことを一緒に考えないのかと言っているんです。おこぼれちょうだいをいつまでもやっていたんでは地方自治は確立しませんよ。憲法の規定では政府と自治体との関係は上下の関係ではないんです。戦前とは違うんだ。そういう関係になっているんでしょう。機関委任事務等で若干の部分を持っているし、財政的に事実できないから地方自治がゆがめられている。本来憲法の規定そのものは同じですよ、それがわざわざ地方自治の諸法をつくっているところでしょう。だからその精神を私は生かしてもらいたいというんです。 時間が予定よりオーバーしましたので、あと税金問題で三点聞きたいわけなんですが、まず住民税の減税の問題。 今度の住民税減税には非常に多くの問題があるので、さっきも言いましたように、この十年間には大変な増税になっているんですね。自治省の資料もらって見てみますと昭和五十三年から六十二年度にかけての十年間、個人住民税の自然増収額、税制改正によらない増税額、いわゆる実質の増税額、これは毎年度三千億から七千数百億円、十年間の合計で五兆一千三百億円に達しています。これに対して減税の方はどうかといいますと小規模な減税が三回、五十四年、五十五年、五十九年度行われただけで減税額の合計は五千三百億円にすぎない。これは自治省からもらった資料で明らかであります。このように、先ほど言ったように年々住民の税負担というのは重くなっているということは明らかで、本格的な大幅な減税を行う必要があると思うわけです。ところが、それを見送りながら、ことしも実務的に困難だということで六十二年度の住民税減税は見送られてしまう、そういう状況が今起こっています。 そこで、今回住民税減税の問題ですが、一つは最低税率を二・五%から三%に引き上げて、最高税率の方は一四%から十二%に引き下げるということで累進構造の緩和ということをおっしゃっているんですが、この最低税率の引き上げは所得税ではやられていない。住民税だけ〇・五%なぜ引き上げたのか。これは住民税としては増税になっている、税率を上げているんですからね。こういうように思うんだけれども、一体なぜかという点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(津田正君) 今回の改正法案におきまして、市町村民税の最低税率を二・五%から三%に引き上げてお願いしておるわけでございます。実は、これはもちろん先生御承知のことと思いますが、いわゆる課税最低限、三控除の引き上げ、あるいは特別扶養控除の引き上げというものとセットでございます。三控除の引き上げにつきましては所得税はやっておりません。住民税だけで走ったわけでございます。 実はこの問題につきましては、政府税調では、所得税については国際比較等から課税最低限の引き上げをする必要なしという極めて明確な見解が出されております。住民税におきましても正直申しまして非常な議論がございました。答申をお読みいただきますと結果的に両論併記で引き上げるべきである、据え置くべきである、具体的にはそれぞれ判断しろ、こういう実は答申まで私ども持ち込んだわけでございますが、これは正直申しまして国会でのかねての御議論等も政府税調でかなり御披露いたしましてそういうような両論併記に持っていって、政府案を固める段階ではまさしく具体的に三控除の引き上げという措置をとったわけでございます。この結果、配偶者特別控除と合わせまして約三十五万円程度の課税最低限の引き上げになっておるわけでございます。 今回の住民税減税におきましては、要するに大幅減税をやる。そのやり方としては税率構造の簡素化、累進度の緩和を図る。こういうような仕組みの中におきまして、住民税でとりました三控除の引き上げ等に伴います課税最低限の引き上げというのは、課税最低限近辺の低所得階層についてはかなり大幅に減税効果というものを持っておるわけでございます。 簡素化という趣旨からいたしましても現行の二十万円まで四、五%、四十五万円まで五%、七十万円まで六%というものを一律五%、道府県民税も合わせてでございますが五%に持っていっておるわけでございます。局所的に見ましても四・五%の対象となっておる二十万円までというのは課税最低限の引き上げで全部のみ込んでおります。二十万円以上の三十五万円まで課税最低限を引き上げた、こういうような構造をとっています。端数をつけるのがいいのかどうかという問題もございましたが、それは別といたしましてそのほかの観点といたしましては、今回の住民税の減税におきますやはり県と市町村への影響の仕方というのも私ども随分神経を使ったわけでございます。やはり財政力の小さ小市町村に対する影響というのをなるべく回避するためには、最低税率の市町村の二・五を三に上げて、それによって負担の緩和を図る、こういうようなことも考えた次第でございます。 さらに、先生が基本的には御意見あるようでございますが、利子課税の見直しにおまましても二〇%の税率の中で国と市町村、県、地方団体をどう分け合うか、それから地方分の中で県と市町村をどう分け合うか、そういうようなことも考えまして三五%源泉分離もこの際一挙に解決できたわけでございますが、そういうものも含めかつ五%という利子課税におきます税率も確保しておる。いろいろな目配りをしてやったつもりでございます、そして結果的には低所得層のみならず、かなりの段階までこの課税最低限の引き上げというものが最低税率の〇・五%アップで十分のみ込んで減税効果を持っております。
○神谷信之助君 課税最低限をいわゆる三控除ふやしたから、それで実質は増税にならないということになりますね。それはわかる。 ただ、今の説明で二つ問題があるんですよ。一つは、これはもう指摘だけにしておきます、時間もありませんしね。いわゆる税の再配分機能の一つの重要な原則である累進税率、これ緩和しているでしょう。これは私は税の基本原則からいって問題だということ、これは議論をやれば長くなりますから指摘だけしておきます。 もう一つは、課税最低限を引き上げるようになったけれども、結局五十六年度に一年限りということでやって、今度七年間も継続にかる非課税限度額が残ったわけでしょう。何でそれを残さぬでいいようにもっと上げない、こういう問題があります。 これをつくったときに、これは五十六年の三月の地行で当時の石原税務局長やな、こう言っていますね。最低生活費部分として各種の所得控除をした残りについて累進構造を持った税率を適用するのが一番よい。そのような減税をするだけの財政状況にないというのが石原さんの答弁だし、そのために、このときの安孫子自治大臣は苦肉の策として非課税限度額を一年限りやったと。その翌年今度は世耕自治大臣——安孫子さんは窮余の一策だな、窮余の一策。世耕さんは苦肉の策。昨年でも何でしょう、矢野さんが税務局長時代に本来課税最低限の引き上げて対応すべきところたが、財政上の理由で暫定的な仕組みを設けておりますと、まさに課税最低限のほかに非課税限度額という規定が存在することは、これはいわば異例の姿である、仮の姿といることを思っておりますという答弁なさっているわね。シャウプ以来の税制改革やろうといって手をつけておいて、なぜ非課税限度額というような苦肉の策、窮余の一策がなお残っているのだ。そこまで上げりゃいいじゃないか、この点はどうですか。
○政府委員(津田正君) 課税最低限と窮余の一策とかいうようないろいろ言われでございますが、非課税限度額の問題でございます。 課税最低限の問題につきましては、政府税調でも、先ほど申しましたいろいろなご意見が実はございます。必ずしも引き上げ論というもので一本やりということではないので、むしろ厳しい意見もあるわけでございます。そういう中におきまして今回私とも三控除の引き上げも図ったおけでございますが、非課税限度額の扱い、正直申しまして標準世帯では非課税限度額を相当上回る課税最低限度まで持っていきました。そういう意味におきましては、標準世帯では非課税限度額を使わなくても済むわけでございますが、しかし、世帯構成いろいろバラエティーがございますので、救済すべきところはやはり救済しなければならないということで、政府税調におきましても当分の間非課税限度額制度いうものを残す。こういうような御答申をいただいておるわけでございます。 いつそのこと課税最低限の引き上げで非課税限度額制度が要らないような措置をとればという御意見でございますが、今申しました課税最低限のあり方自体に基本的にいろいろな御意見があるということと、正直申しまして財政的な点でもございますが、一万円上げますと約八百五十億、課税最低限三控除それぞれ一万円上げますと八百五十億円の財源が要る。市町村ていろんな税目を抱えておりまして、ガス税等が百数十億ですからそれの五倍以上にも当たる財源が要る。こういうような現下の厳しい財政事情、そして地方税源、自主財源としての根幹でございます住民税というものの地位を考えますと、一挙に御提案のような形にはならない現状でございます。
○神谷信之助君 今のやつにも文句を言わないかんのですけれども、時間がないので。 今の税調でも当分の間ということであったのですけれども、当分の間は当てにならないので、四十年も当分の間続いたりしている。だからそんなもの当て国ならぬので、税理論上これは異例の措置だし仮の姿であり、大体理論的にはおかしいということは歴代の税務局表もお認めになっている功たがら。そしてしかも、この十年間で実質の増税になってきている住民税ですからね。抜本的にやろうというならちゃんとそこまで目配りをしてやっておくべきだということだけを申し上げておいて次に移ります。 次は、固定資産税の評価の問題ですがね、評価がえになって特にあちこちで大きく言われているのは、わしらの家は売る気もないのに、売ってしまったらどこにも住へんので、売る気もないのに何で評価だけはどんどん上がっていくのかということですね。これは土地については売買実例を基礎にしてやっているし、家屋については再建築を基礎にしてやっていますかう毎年上がらざるを得ない。一般的には上がらざるを得ない、そういう状況にありますわね。だから、その仕方自身が問題があるのじゃないのか、そういうように思うんです。 これは千葉の裁判にもありましたけれども、生存権的資産と非生存権的資産というのは区別をすべきではないのか、こういう訴訟も行われたことがありますが、この辺について今のやり方を本当に根本的に考えてみたらどうか。 例えば住宅地についても収益を得るそういう土地あるいは家屋、それから収益を得るものではない土地、家屋という考え方はできないのか。売買実例を基礎にしてやるということは売買をするであろうという擬制圧おける評価ですからね。そういう売買によって収益を得る、利益を得るというなれば売買を打ったときに、そこで収益を得たときに課税をすればいいんであって、売買もしていないのに売買をしたと擬制をして、そしてどんどんと課税をするというのはなかなか一般国民にとっては理解できないわけです。こういった点についてひとつ根本的に考えてみる必要があるのじゃないのかという点をまず申し上げたい、いかがですか。
○政府委員(渡辺功君) 固定資産税の評価の問題につきまして、その評価について基本的な点について根本的に見直すという考えはないかということでございますが、現在とっております制度は、先ほど委員も御指摘のように、土地につきましては売買実例価額を基準として評価する方法でありますし、家屋につきましては再建築価格というものを基礎とする方法でございます。 これらの方法は他の例えば土地につきましては、農地であれば収益還元というような考え方に基づいて評価する方法であるとか、あるいは他の土地でありますというと賃貸価塔というようなものを基礎として考えるというようないろいろな方法がおりますけれども、昭和三十九年に固定費産評価制度調査会の答申にもありますように、他の方法にはそれぞれいろいろ欠点がございまして現在の方法が最善であるというふうに考えておるところでございます。 例えば使用収益に着目して評価するという方法につきましては、賃貸料とか資本還元率等につきまして客観的な数値の把握が極めて難しい、それが非常にまたばらつきがあってかえって不公平が生ずるということでございます。現実の使用収益の状況によって評価するというような場合になりますというと、実際の利用の有効度合いによって評価に大きな差が生ずるということになりまして、結果的に極めて不公平なことになりかねない、問題が多い。そこでまた得べかりし収益に着目して評価するというようなことになりますというと、究極的には現行の正常売買価格と差がなくなる、それに帰着するということになると思います。 したがって、売買実例価額を基本とする現行の評価方法が考えられる最善ではないかというふうに私どもは考えているわけでございます。
○神谷信之助君 これは三十九年以来上ってきておられるんですか、そういう考え方に立ってやっておられるのだからそれを否定するような見解はお述べにならぬでしょう、それはわかっているんです。だけれども、現実に今度特にこういうような異常な地価の高騰があると確かにおかしいでしょう、隣の土地がばあっと三倍、四倍になる。この間の報道で、テレビで東京都も前年の一八・何%かに抑える、そういうことをしなければいかぬ、調整措置をしなければいかぬ、そういう矛盾というのはしょっちゅう起こってくるんですよ。 今度の場合でもはっきりしているのは、千葉の裁判の判例でもその点は指摘をしていますね。こういう異常な地価の高騰があったからこっちも評価が上がるというのは不合理だというのが地裁の柏の判例の中で判示しています。こういう異常な高騰のときだったら余計に国民の側からいったら納得できない。納税者が納得するものであって初めて税というのは受けられるわけでしょう。おかしいんじゃないか。 そして、家屋でもそうですね、再建築費というのは年々建築資材その他労賃が上がってくるんだから上がってくる。しかし、二十年間手入れせぬでぼろ家になっても上がっていく、こうなるでしょう。ただ、前年の評価よりは上がらないんだけれども。家屋の場合は前年の評価を超えないことで上限は切っていますから。しかし古い家はそうなってくる。その間に維持補修をやっていくといえば、それはそれなりの評価はできるでしょう。しかし家を建て直すというつも力もないのに一体どうなんやということになる。これは年金所得やそういうところでは出ているわけね。去年がおととしの委員会でも私は申し上げたけれども、働いているときならば維持修理もやれる、収入がありますから。それでそれに対する評価をされるのはわかる。退職して年金で食っている者が維持も補修もできるものじゃない、ところが評価だけはそうなってない。評価は下がらないんですね、償却分。物価上昇とかこう来るわけでしょう、評価はね。償却率とそれから建築資材その他の建築の費用、そのかけんで下がったり上がったりするんで、上限はとまっているんであって前年度よりは上がらない、こういう家屋の場合はそういう仕組みやということは開きましたけれども。 だから、これ自信も実際の国民の生活感情、生活体験からいったら無理がある。これ三十九年以来ずっとやってきているんですから、この評価そのものについてのあり方について一遍検討してもらいたいと思うんですね。研究はしょっちゅうしてはるんやと思うけれども、これ以外にはないという考えやなしに、もっと国民が理解して出しやすいようなそういう課税の仕方はないのか、こういうことをひとつ私は検討してもらいたいということだけは申し上げておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 私どもも評価の問題についてはいろいろな御意見があることはよく承知いたしておりまして、いろいろ具体的な御提案など、学者の方々などの書かれているようなものは非常に注意して真剣に読んでおります。しかしながら、私ども先ほど申し上げましたような考え方を変えるようなそういう御提案には、まだそういう提案にはお目にかかっていないというのが現状でございます。 なお、家屋の評価方法につきましては、確かにそこに住んでおられる方からいいますというと、去年より古くなっているのになぜ下がらないのか、三年前より。そういうことは確かにあるわけでございます。しかしながら、今度はそれを横に見てみますというと、建築費が上昇している場合には古い家屋よりも新しい家屋の方が質が悪くてなおかつ高いということが生じできます。そこでそういうことを考えますというと、確かにそこに住んでいる方の感情という点に、あるいは納得という点についてなかなか納得を得がたいものがあるということは承認しながら、それではその方の感じというものだけを中心に物事を処理いたしますというと、横のバランスとかという問題にやはり問題が生ずるのではないだろうかということを考えるわけでございます。 同時に、住んでいる家で、例えば所得もなくなったときにどうするかという御議論もありますけれども、これは、土地の場合には非常に値打ちのある土地あるいは家屋に住んでおられる方、それほどでもないところにお住まいの方、全然そういった資産をお持ちでない方という方々の間の担税力の差というものを比例的に見て負担をしていただく、そういう形で基礎的自治団体である市町村の財政負担の一部を担っていただくという制度でございますので、御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○神谷信之助君 今の考えでは納得できぬね。去年建った家とことし建った家で、ことし建った方が建築費が高くかかって、しかし材料は悪うなっておるんやと。そんなのあんた、材料悪うなっておってもそれだけかかったら上がるんや。それはそういうものでしょう、それだけのものがかかったということなんだから。さらに去年建てたやつが別に何にもしないのに、一年たって古うなっておるのに評価は上がってくるというそんなばかなことはない。評価はちっとも下がらぬというのはおかしいでしょう。 それで片一方、企業なんかの償却資産についてはちゃんと耐用年数といってどんどん下げるわけだ。そっちはできるんですよ、償却資産については、償却は。それに対して固定資産税かけているわけだ。しかし個人の土地、住宅については、土地は償却資産やないけど、住宅については、家屋についてはそういう措置がとられない。これは不合理きわまりない。いろんな問題からギャップが出てきますよ。この点はひとつ考えてもらいたいということと、そしてこの評価がえで、先ほどから同僚議員からもずっと出ておりましたけれども、調整というのを大臣、やるんですからね。こんな異常な物価高はあかぬ、異常な高騰はあかぬ、こういうことで調整するわけでしょう。 例えば、これはまだ最終決定になっていないからそうは言えないけれども、新聞に出ている一八・七か、前年度並みに東京都は据え置くという方向を出しているようだね。そうするとどうなりますか、最高価格を基準にして四千七都道府県全部やるわけ。それもそこが最高ですからね、皆それ以下でいいわけでしょう。ただ上がり方に違いますわね、それぞれの地域によって地価の高騰の状態、売買実例の変化というのは東京ほどにはならぬ、三倍になったりしてない。東京の三倍のやつを一八・七にするという場合は、地方の方は三倍も仮に上がっていないところで一・三ぐらいしか上がっていなければ一になるのか。その辺はどういうように実際の調整というのはやるのか。
○政府委員(渡辺功君) 宅地の評価につきましては、それぞれ四十七の各県庁所在地の最高路線価に隣接する標準的な宅地を基準地として私ども調整をとるということにしております。しかし、その場合の調整というのはどういうことかというと、全国的な評価の均衡ということに資するためにそういった調整を行うわけでございます。東京都は、今度はその基準地が決まりますというと、それぞれ部かの各市町村を含めて標準地を定めましてその均衡をとっていく、こういう仕掛けで全体の評価を行うわけでございます。 東京都が言っておられるといって新聞に出ております数字は私ども了知をしているというものではございませんで、東京都が実際の評価の作業をやっておりますから、そこで得た感触で、平均的な数値というようなものの感触として言われたものではないかと思います。 そこで、何かその数字というものが抑えてそうなるとかというように感じ取られてお話もあったようでございますけれども、固定資産税の評価の基準の中には今回の評価について特に加えたものでも何でもございませんが、既に正常価格によって評価をするということが宣明されておりまして、それは非常な、異常な状態の部分というものを除くということを言っております。基準というのは、定規を当てたような基準というのはないわけでございます。市町村の熟達した職員の評価能力に依存するところが大でございます。しかしながら、そうは言ってもそれで全部いったのでは全体的な均衡がなかなかとれませんから、その通達の中におきましてはその不正常要素というものを買い増しの場合であるとか、あるいは買い進みとか、あるいは将来の投機的な土地取引として認定されるようなそういう取引であるとかというものは除外するとか、あるいは将来の期待価格というようなものは除外するとかいうことを言っております。 この最後の点は非常に重要でございまして、固定資産税は毎年負担していただく税金でございますから、買い手と売り手とがある程度均衡したような状態を想定して、そこに成立する宅地なら宅地の価格というものを基準として評定するということであろうと思います。そう考えますというと、その異常な上昇というものが非常に大幅に見られる地区と、割合買い手と売り手が均衡しているようなそういう状態で地価が形成されている地域との間におきましては、例えば公示価格に対して何割というのも一定の率ではなくなってくるのじゃないか。これは理論的にもそうではないかというふうに考えております。 そうした考え方につきましては、東京都の課税当局、評価当局もいろいろ考えてやっておるようでございますし、私どもの方にもそういった物の考え方についてはいろいろ意見の交換がございます。できるだけ関係の市町村、県、そういったところの考え方というものは、私ども特段の注意を申し上げなきゃならないようなことがない限りは尊重して調整に当たっていくということにしております。そうした中で、調整を図った上で全体の均衡がとれますように評価がえを実施してまいりたい、こういうことでございます。
○神谷信之助君 時間がないから簡単にしてほしいんですけれども、地方の例えば県庁所在地、それからこの三年間の売買実例もほとんど余り変化がないという、そういうところがありますわね、若干上がったにしても。そこを基準にしてやっていくのか。 例えば東京で正常な売買実例といったって地価がどんどん上がっているときというのはどれが正常やというのがわからへんね。そういう意味で言うと正常な売買実例のケースというのは、比較的地価が高騰していない普通のところですね、一般的な。そこを基準にすれば一定の従来からの比率やバランスなりがあって東京は幾らやというやつも出てきます。今度は東京、いわゆる最高の基準価格を中心にしてピラミッド式にいくわけでね。これでいくと、ここが二・○でいいのか、一・八でいいのか、一・五でいいのかというのは、そのデータになった正常な売買実例というのは非常に問題なんですよ、そんなものが存在するのかどうか。なるほど比較的高騰してないわ、よう実例調べてみたら親戚同士や、これはもうあかんわけやね、外されるわけでしょう、基準にならないから。 こうなってきますと、鴨居堂の前とかどうとかといったってこんなものは基準には全くならない。こうやってみたってそこから地方へ行っちゃったんではなかなかそうはいかない。正常な売買実例のとり方というのは一体どうなるのか、これは非常に難しいでしょう。そういうように私は思うんです。 同時にもう一つ、これは極めて政治的な判断が必要なわけでしょう。実際どこまで正常な実例を全国的に集められるか。確かに専門家の皆さんだからやれるかどうか知りませんが、いずれいろんな与件を入れてやるんでしょう。それが正常な売買実例に当たるのかどうかというのはなかなか難しいし、同時に固定資産税はおっしゃるように毎年払うんだし、国民生活にとっても非常に大きい影響があるんじゃないか。その点では、自治大臣が持っている調整の権限というのは科学的であるようなないような状況だし、一面では極めて政治的な判断を必要とする調整、こういうことになるでしょう。 そうすると、一・八に抑えるのがいいか。東京の場合一・八でいけなかったら一・五でいかぬのか、一・三でいかぬのか、一・○やったらいかぬのか、こういうことになっていきますからね。だから凍結しようと思ったら凍結できるんですよ。そういう点では、全国ではバランスをとるといったって東京やあるいは名古屋あるいは京阪神やそういう局地的に異常な高騰になっているから全国的バランスといってもだめなんです。上からおろしていこうといったってこれは無理やという判断もできる、こういうようにも思うんです。我々はこういう異常な状況のときに上げなきゃいかぬということで上げるんじゃなしに、とりあえず一・〇にひとつ据え置いたらいい、こういうようにも思うんですが、この辺はいかがですか。
○委員長(谷川寛三君) 時間ですから、要を得て簡に。
○神谷信之助君 要を得て簡にしてくださいよ。
○政府委員(津田正君) 前回の評価を据え置くことは例えば地下鉄が通った、道路が通ったというような事情変化を反映できないわけでございまして、むしろ実質的な不公平を招く、このように考えております。
○抜山映子君 先ほど来同僚議員から来年度三年ごとに行われる固定資産税の評価がえの問題についていろいろ質問がございました。各自治体は評価がえの作業に入っておるそうでございますけれども、例えば東京都のこの三年間の地価公示価格の用途、地域別の上昇率はどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 最近の地価動向を見ますというと、全国的に見ますというと宅地につきましてはかなり安定的に推移しているわけでございますが、大都市の一部、商業地等を中心にしまして地価の急騰が見られるなど、従来にない特異な状況になっているわけでございます。 御質問の東京都の場合でございますが、地価公示価格について特別区におきます六十一年以前三年間の変動率を見ますというと、商業地において最高価額地で二・七六倍ということになっております。都心三区では二・四四倍でございます。やはり都心部におきますところの地価の急騰等特異な状況をこれは示している、こういうふうに思います。なお、特別区全体について同じような見方をしてまいりますというと商業地では五〇%アップ、住宅地で一八%、全用途で二六%程度の上昇率となっているところでございます。
○抜山映子君 ところで、従来固定資産税の再評価額に当たっていかなる要素が考慮されておりましたでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 固定資産税の評価がえにつきましては、評価基準に基づいて市町村長が価額を決定する。こういうことでございまして、固定資産税の評価につきましては、評価基準に基づいて評価をする。その評価方式は売買実例価額を基礎とする方式でおる、こういうことが基本でございます。 その場合に、特に今回の評価がえにつきましては、その評価基準の中にもございますけれども、正常な要素というものに着目をして、特にその点に気を配りながら評価がえをするということが今回特に注意をされている点でございます。
○抜山映子君 売買実例だけが評価基準として考慮されておったのですか、それともほかの要素を全く考慮されていなかったのかどうか、ちょっとそのあたりはっきりさせてください。
○政府委員(渡辺功君) 固定資産税の売買実例価額を基礎とするそういう評価方式でございますけれども、委員の御指摘はその売買実例価額というのは常に全部についてあるわけではないということも含めてたと思います。そうした場合におきまして精通者価格、鑑定士の価格もとったりする場合もあります。そういった課税評価がえの作業の過程におきまして資料収集をいたします。また公示価格あるいは公示価格の推移、また公示価格地点というのはかなり地点がえなども行われますので、それがどういう状況でどういうふうに行われているかというふうなことも市町村は把握をいたします。 また相続税の最高路線価の状態やそれの上昇の度合い、そういったようなものを資料として収集いたしまして、総合的に勘案して評価がえの作業を行うわけでございます。
○抜山映子君 ところで、最近の地価の公示価格といい、売買実例といい最近の財テクブームとか、あるいは地価の投機ブームとかというもので異常高騰しているわけですね。 先ほど同僚議員の質問に対しまして、東京都の土地上昇は不正常な要素がある、このように言われましたが、不正常な要素とはいかなるものですか、列挙してください。
○政府委員(渡辺功君) 不正常な要素を除いて評定するという場合に、この不正常な要素とは何かというのは一律の画一的な計算で出るような基準というのは実はございません。これはやはりその評価に当たりますところの市町村の職員の熟達度とか、あるいは評価に当たる職員の層の厚さとかというものに依存をいたしております。そういう点におきましては評価に当たるそうした市町村職員のレベルというものは非常に上昇してきておりまして、私どもは現在そうしたものに当たる集団といいますか、人的な能力としては非常な能力を持っているというふうに思っております。 しかしながら、同時にそういうことだけではなかなか統一ある運用というものを期しがたいものでありますから、評価基準の中に例えば買い増しというようなことが起きてはいないかどうかとか、あるいは競争的にそこを買収したというような事情があるかないかとか、あるいは買い進みとかいう状況はないかとか、あるいは将来の期待価格というものが入っている場合にはそれは除くべきであるというふうなことを通達で示しておりまして、そういったことに配慮して、不正常要素を除いてできるだけ正常要素というものを判定して評価をする、こういうことでございます。
○抜山映子君 不正常な要素について何も私は数字的なもので言えと言っているわけじゃないんで、いろいろな要素を多分評価がえの作業でお考えになっていると思うんですけれども、文言で言っていただきたいと思ったんですよ。
○政府委員(渡辺功君) ただいま文言で申し上げましたように、買い進みであるとか、あるいは将来の期待価格であるとかそういったものがある場合には、不正常な要素としてそれを除いて評定するように評価基準についての通達で示しているところでございます。
○抜山映子君 それじゃ、いろんな意味で調整を行っていただけるそうですけれども、調整の方の作業はどの程度進んでいますか。
○政府委員(渡辺功君) 固定資産税の評価につきましては、全国の評価の均衡を図るために、宅地に例をとりますというと、四十七都道府県の県庁所在地の最高路線価に隣接する標準地を基準地でとって、これの調整をとるということが一つあるわけでございます。この調整をとる作業をやっているというのが現在私どもの段階でございます。これは来るべき中央固定資産評価審議会の御意見をいただきました上で最終的な調整を行ってまいりたい、こう考えているわけでございます。 なお、それぞれの地方団体におきましては、今回の評価がえでございますと、来る一月一日でございますからちょうどその一年半前の六十一年の七月一日を一つの基準日といたしまして、ここから固定資産税の評価がえについての万般の作業をスタートさしております。したがいまして、そうした過程の中におきまして従来しばしば、例えば隣接市町村との境界面におきますところの評価の段差というものがあるというような指摘があるようなところでは、それぞれの市町村がそれぞれの市町村ごとに連絡をとり合うとか、いろんな調整作業が進行中であるというふうに承知をいたしております。
○抜山映子君 そうすると、その調整というのは各市町村によって一定のパーセンテージの逓減率を掛ける、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 例えば地価公示というものに対して一定の逓減率を掛けるというものではございません。それは理論的にも、先ほども申し上げましたけれども、前段申し上げました不正常要素を除くというようなことを考えてまいりますというと、地域によりまして割合に買い手と売り手が均衡しているような状態で売買実例価額が成立しているというような状態のところを考えますというと、かなり地価公示価格と固定資産税の評価額は接近している場合があると思います。逆に、東京のような場合になりますというと、そういう不正常要素の幅が広いということでございまして、理論的にもそれは一定の逓減率というようなもので示せるものではないのではないかということが私ども考えているところでございます。
○抜山映子君 ですから、各市町村によって違った逓減率を掛けるんじゃないんですかと申し上げたんですが。
○政府委員(渡辺功君) その事情は市町村の中でも起こってまいりますので、一定の逓減率というものではないというふうに御理解をいただきたいと思います。
○抜山映子君 いずれにしても、この異常な土地の高騰を固定資産税の再評価額に反映するということは一般国民の税負担が非常に過剰なものになる、あるいはまた中小企業では商売の継続が不可能になることも考えられます。これについては十分考慮していただけることを期待いたしますが、その点どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 御指摘の点は大変多くの方が御心配になっている点であろうと思います。ただ、この問題は基本的には市町村の財政需要を例えば所得課税であります住民税でどの程度負担するか、あるいは周定資産税というような部分にどれだけ依存するかというようなことでもあります。現在土地に係る固定資産税の総額は約二兆円の税金でございます。それが例えば一割ふえるというような場合には二千億円、二割というふうなことでは四千億円というようなベースになります。しかし一方、所得課税であります住民税は七兆円ないしだんだん八兆円というような税金でございまして、そうしたバランスをどう考えるかという基本問題のところに一つまいります。 しかし同時に、御指摘の点はあるわけでございまして、急激な土地の値上がりというものにとういうふうに対処するか、それは先ほど申し上げましたように固定資産税というものの性質上、不正常要素というものは除いて時価というものを評定しなきゃならない、これが一点ございます。もう一つは、そうした上でなおかつ非常な上がり方が生ずる場合がございます。そういう場合のことも含めて税制調査会の答申におきましても負担の急増を招かないような措置を検討すべきであるとい うような御答申もあります。現在三年間の期限つきの措置で負担調整措置というのをとっておりまして、その措置が本年度で切れるわけでございます。そういった措置の検討の御示唆でもあるというふうに考えておりますので、そういった点も含めて今後検討してまいりたい、こう考えているところでございます。
○抜山映子君 当面の措置として、例えば三百平米以下の居住用土地については固定資産税の課税標準の価格を現在の四分の一から六分の一に引き下げる、そういうふうにして評価がえに伴う負担増を避けるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(渡辺功君) 居住用の土地について、例えば三百平米以下の居住用土地について課税標準の特例をさらに六分の一に引き下げるということはどうかということでございますが、これは税負担を引き下げることがその負担をしている人の側から見てどうだということになれば、これはもう別に論議をするまでもないことでございますが、やはりこの問題は固定資産税の負担というものはどういうものであろうかということに帰着すると思います。 現在の評価がえというものがやはり資産として値打ちのあるものを持っておられる方、そうでない方、あるいは全然そうした土地をお持ちにならない方、そういう方々の間において担税力の差がある。その差に応じて負担を求めていくということであるならば、やはり居住用土地について現在四分の一の特例を設けている、これによって約一兆円の減収を生じているということを考えますというと、まあここら辺のところでお考えをいただいて、そして市町村の税負担というものに応じていただくということではないだろうか。これ以上基準を引き下げるとかあるいは緩和するというとこは適当ではないというふうに私どもは考えているところでございます。
○抜山映子君 先ほど来東京都の土地上昇が不正常な要素がある、このように言われたわけですね。それをまた調整するということも言われたわけでしょう。そうしますと、評価がえに伴う負担増を何とかして軽減しなくちゃいけない。非常に難しいから一定のルールをつくって、少なくとも一定規模以下の居住用土地については国民が人間らしい生活を営む上で不可欠なものであるから、先ほど同僚委員も言われましたけれども、いわば生存権に係る基本的な財産権なんだから地価の上昇が住民の追い出し税のようなことにならないためにそのような措置が望ましいんじゃないか。このように御提言するわけなんですが、再度御意見をお伺いいたします。
○政府委員(渡辺功君) 前段申し上げました、例えば不正常要素を除くとか、あるいは負担の急増を緩和しながらいく負担調整措置というものの期限切れに当たって、これを検討するとかいうような問題は、実は固定資産税の資産課税としての基本的な枠組みというものをしっかり堅持するという観点の中で、どういう対処をするかということであろうと思います。三百平米以下の居住用土地というようなその用途についての特例というものは、現在二百平米まで四分の一に特例をやっておりますけれども、これ以上の特例は、そうした資産課税としての性格から見ても適当ではないのじゃないかということを考えるわけでございます。 同時に、ただいま御指摘のような点は、そこにお住まいの方について見れば納得がいくわけなんでございますけれども、そういう資産をお持ちでない方との負担の均衡論ということを私ども考えざるを得ないのでございまして、そうしたことを考えますというと、そうした負担に応じていただきたい。評価がえの姿あるいは固定資産税というものの本質に根差した時価評定というようなことについては、これは真剣に考えていく必要があるということで対応したい、こういうことなのでございます。
○抜山映子君 資産としての値打ちがあるんだからと言われるんですけれども、住んでいる限りどこに住んでいようと、それは顔なじみの近所の人がいるとか、長年住みなれているとか、それだけの意味しかないわけでして、資産としての値打ちがあるから即御負担いただくという考え方は余りにも乱暴なんじゃないか、このような気がするわけです。 しかし、時間もございませんのでこの議論は差しおきまして、ところで都市計画税というものですが、この用途は今どのようなふうに使われておりますか。
○政府委員(渡辺功君) 都市計画税は、都市環境の改善向上を図る都市計画事業等の実施のための目的税でございます。都市計画事業と申しますのは、御承知のとおり街路とか公園、それから下水道、それらの中には土地区画整理事業というような事業もありますが、こういった事業の実施のための目的税としてあるわけでございます。
○抜山映子君 それでは、都市計画税の税率の採用状況をお教えください。
○政府委員(渡辺功君) 都市計画税を課税しております団体は、昭和六十一年度でございますが、七百九十六団体でございます。ちなみに、都市計画事業を行っております団体は全部で約千五百団体でございますから、その半分よりちょっと多いくらいが都市計画税を課税しているということでございます。 都市計画税は、こういうふうに制限税率という制度をとっておりまして、課税するかしないかはその地方公共団体、市町村の判断によるものでございます。七百九十六団体のうち制限税率いっぱいで課税している市町村数は四百三十六団体でございまして、未満の団体が三百六十ございます。 以上でございます。
○抜山映子君 ところで、都市計画税について、固定資産税に応じて講じている小規模住宅用土地にかかわる特例措置、これと同じものを講ずる必要があると思うんですけれども、今これが講じられていない理由はどういうところにあるんでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 都市計画税はただいまも申し上げましたように、基本的な生活環境施設の整備のための目的税でございます。そうして、その受益というものを考えますというと、それは土地及びそれに定着しております家屋を含めまして一体といたしまして、その受益ということが生ずるわけでございます。そうした土地及び家屋についての受益関係ということに着目いたしまして、固定資産税とは別な扱いにするのがむしろ公正である、こういう考え方でございます。 固定資産税は、言うまでもなく市町村の存立のための基幹的な税金でございますけれども、都市計画税はそうした非常に受益関係の強い目的税という性質によるものでございます。
○抜山映子君 東京都の場合、二百平米以下の居住用土地を所有している者の都市計画税の負担額及び固定資産税の負担額の金額はどのようになっておりますか。
○政府委員(渡辺功君) 一つの仮定を置いて試算をしなければなりませんが、二百平米の住宅用地で考えます。二百平米の小規模住宅用地として考える。しかも、固定資産税につきましては標準税率の百分の一・四、都市計画税については制限税率いっぱいの百分の〇・三で課税いたしたといたしますというと、都市計画税は四万四千八百八円という、これは計算上のものでございますが、出てまいります。これに対応する固定資産税は五万二千二百七十六円ということでございます。
○抜山映子君 今お聞きのように、都市計画税というのは限度額いっぱいでいきますとかなり高い額になるわけですが、これを採用するか否か、あるいはパーセンテージを限度の枠内でどうするかは、各自治体の裁量によるわけでございまして、果たしてこれが本当に機能しているのかどうか大変に疑問に思うわけです。 ところで、ラスパイレス指数が一一〇を超える自治体で都市計画税の制限税率〇・三%を適用している団体はどこがありますか。
○政府委員(渡辺功君) ラスパイレス指数が一一〇を超える自治体の中で〇・三%という制限税率いっぱいの課税団体というお尋ねでございますが、一一〇を超える市町村の数は六十一年度で百五十四団体というふうに承っております。この団体のうちで都市計画事業をやり都市計画税を課税している団体は百三十五団体でございます。この百三十五団体のうち制限税率を採用している団体は百二団体でございます。
○抜山映子君 私のいただきましたラスパイレス指数の高い団体ですね、大阪では吹田市とか堺市とか羽曳野市、これはいずれも都市計画税の税率が〇・三と最高税率を課しておるわけです。東京都では八王子市が同じく都市計画税の税率が〇・三、神奈川県鎌倉市が〇・三、こういうようになっておるわけです。このように見ますと、高給を支給している自治体の多くが制限税率日いっぱいの税率を課しているわけですね。これらの団体について行革の徹底で都市計画税の税率を引き下げることができるのじゃないかと思うんです。この引き下げを指導すべきと思いますが、いかがですか。
○政府委員(渡辺功君) 都市計画税の税率は制限税率という制度をとっておりますが、これは都市計画事業を実施しているかしていないか、実施している場合でも一般財源をここに投入いたしまして行うかどうか、都市計画事業をどんどんやるために、やはり都市計画税というものの負担を求めてそのスピードアップを図るか、こういったところに住民の選択というものがあるのだろうと思います。 したがいまして、そういった観点から都市計画税の税率はいかにあるべきか、これは当然に議論としてあると思うのでございます。しかしそのラスパイレスとの関係ということになりますというと、地方公務員の給与、退職手当が従来から非常に高くて批判を受けている。この点は是正を図るべきであり、そういう指導を自治省としてはしてきたわけでございます。今後とも給与とか退職手当について一層の適正化が図られるよう指導してまいるということになるわけでございますが、この都市計画税の税率そのものはやはり都市計画事業の実施、それに充てるためにどの程度の負担をしていくか。そういう選択の中でそれぞれの市町村におきまして市町村当局及びその議会において決定されていく問題ではないだろうか、こういうふうに考えるわけでございます。
○抜山映子君 少なくとも固定資産税の評価がえがストレートに自治体の税収増に結びつくやり方は問題じゃありませんか。
○政府委員(渡辺功君) 固定資産税は資産の価値に応じて毎年課税をする、それは市町村の財政需要を賄うためでございます。したがいまして、既に市町村にはいろいろな行政需要が住民からあるわけでございます。それを賄うために財源がいろいろ要るというこういう状態にあるわけでございますから、安定的な伸長ということをやはり期待しなければならない。税制調査会の答申におきましても、固定資産税について長期的にその充実が図られるということが適当である、適切であるという趣旨で答申をいただいているわけでございます。そしてまた同時に、三年に一度の評価がえでございますが、評価がえを通じて負担の公正、適正化という、あるいは均衡化ということを図っていくということもあるわけでございます。したがいまして、その評価がえがストレートに反映していくということが一つの理論としてはむしろ正しいという議論すらできるわけでございます。 ただその場合に、やはり負担をされる側から見ますというと、急激な負担の増加というのはなかなか負担し切れないといいますか、大変だということは、これはあることは事実でございます。そこで「負担の急増を緩和するためなだらかな増加となるような配慮が必要」だということを税制調査会の御意見の中にもございまして、そういう答申がなされておりますので、そういった趣旨を踏まえてまいりたい、こう思うわけでございます。 なお、くどいようで大変恐縮でございますが、資産価値の増大に伴う税収増というものは、ちょうど所得課税で言いますというと、所得の増大に基づいて所得にかかる税金がふえていくと同じ性格を持っているわけでございまして、地域住民がより期待される生活環境施設の整備等、地方自治体の財政需要を賄うものでございます。評価がえによる税収増が税制上予定をされているということは、むしろそういう税制上の仕組みとしてあるわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○抜山映子君 固定資産税が上がると基準額で都市計画税の方も同じようにアップするわけですから、ぜひただいまおっしゃいましたような特別な配慮をお願いしたいと思います。 それから配偶者特別控除制度の導入は大変結構なことなんですけれども、給与所得者と事業所得者との不均衡是正には不十分ではないかと思います。また、控除額も十四万円で、ちょっと低きに過ぎないか、このように思うわけです。配偶者の貢献への配慮からいきますと、我が党が主張しております二分二乗方式制度の採用が最も穏当である、このように思いますが、検討の必要がないか、以上の点について回答願います。
○政府委員(津田正君) 配偶者特別控除の新設の趣旨につきましては、事業所得者等によります青色申告等による所得の分割というような制度もこれあり、サラリーマンからすると不均衡感があった、こういうような事情を配慮し、かつ御主人が働いているということに対しては奥様の貢献度というものもあるじゃないか、そういう点を考慮して、今回新設を見たわけでございます。 この審議の過程におきましては、二分二乗課税の議論というものもかなりございました。しかし議論の結果、二分二乗制を直ちに取り入れることにつきましては、配偶者の有無による税負担の変動が大きくなり過ぎること、それから共稼ぎが相対的に不利になりまして女性の社会的進出を抑制するおそれもあるのではないか。こういうような議論がされまして、結果的に配偶者特別控除制度の導入、このような形で対処すべきだ、このような結論になり、政府といたしましてもこのような形での案を御提案申し上げておるところでございます。
○抜山映子君 終わります。
○秋山肇君 地方交付税法の一部と地方税法の一部を改正する法律案につきましては、皆さん方からもうそれぞれの御意見が出ておりますので、私は各論的に細かい問題でありますけれども、御質問をいたしたいと思います。 まず最初に、六日の日曜日それから十三日の日曜日、二十日の日曜日、二十日はまだですが、今NHKが報道特集で土地の問題、「土地はだれのものか」というような特集を組んでおりますが、自治大臣初め皆さん方はごらんになったでしょうか。
○国務大臣(葉梨信行君) 私も最近の土地の高騰については大変深い関心を持っておりますし、また閣僚の一人として責任も感じております。そういう意味もありまして、第一回、第二回と放映を見ました。非常に的確に問題をとらえているように思います。 第二回目の放映のとき、この間の日曜日の場面では各国の地価対策、いろいろ税制による地価対策等が示されました。我が国でも昭和四十七、八年ごろから、私ども自民党としましてもいろいろな地価対策を議論してきたけれども、なかなか有効な対策がとられなかった、それがああいうふうにきちっと制度として確立している、なぜだろうか、こういうことを感じました。あの放映の中のアナウンサーの説明でも、イギリスでは土地は女王様の土地だという観念があるというようなことも非常に印象的に聞いた次第でございます。また、韓国の行政当局が、韓国は日本を兄貴として考えているけれども、地価対策についてはもう日本よりも数倍有効な施策を行っている、こういう話を聞きまして内心じくじたるものがございました。 地価がこんなに高騰していて、私は国民生活にも大きなダメージを与えると思います。また、自治省の立場から考えますと、地方公共団体が公共事業をやるといって一体どうやって執行するのか、なかなか大変なことになったなという憂いを深くしている次第でございます。政府には地価対策関係閣僚会議というのがございまして審議をしておりますが、先般、臨時行政改革推進審議会の中に大槻文平さんを委員長とします土地対策検討委員会も設けられ審議が始まっておりますが、自治省といたしましても、こういうような場におきまして有効かつ適切な地価対策のあり方につきまして検討を進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○秋山肇君 十三日の日曜日のときに、冒頭に磯村さんが六日の放送のときに電話がかかってきたのがたしか五千五百本を超えると言われていたと思うんです。今自治大臣もおっしゃっているように、それだけ土地に対する関心というのが国民全体のものだなという感じもするわけであります。 そういう中で、固定資産税の問題というのが今重大な関心事で皆さん方からも質問があったわけですけれども、固定資産税の縦覧の制度というのが決められているというか、ありますけれども、この縦覧に果たしてどの程度の人が行っているのかどうかというのは、この辺は自治省としてはつかんでいらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 縦覧にどの程度の方がおいでになったかというのは課税資料の中にもございませんで、つかんでおりません。
○秋山肇君 それで、縦覧に恐らくそう行っていないと思うんです。私自身も最近、ここ何年か行っていないんですが。 もう一つお聞きしたいのは、相続税には路線価が振られていまして、それは見れば地図の上に載っています。固定資産税は縦覧ということがありますけれども、先ほど来いろんな論議が、一番高いところを基準にしてはどうかというような論議がされていますけれども、どういうものを基準にしているというものは、公表している基準のものはあるんですか。
○政府委員(渡辺功君) 固定資産税は評価ということをやる、それを固定資産課税台帳に登載する。それが基礎となって課税されるというものでありますから縦覧という制度をとる、それによって不服がある場合は審査の申し出が行われる、こういう仕組みをとっているわけでございます。 そこで、ただいまのお話は、縦覧をした場合にそれが適切であるかどうかということが判定できるようなものがあるかというお話ではないかと思います。市町村の当局におきまして、しばしば縦覧をした方がいろいろ付近の評価額というものをずっと見たいという、そういう希望があるようでございますが、これは路線価の場合と違いまして、固定資産課税台帳はそれぞれの方の評価額をそれぞれそこに記載してございますものですから、一方で、法律で定められておりますところの守秘義務ということにも違反するのではないかということで、それは認めておりません。しかし比較するために、できるだけ付近の、例えば標準地の評価水準であるとか、そういったものは問われればこれは教えてあげるとか、そういうようなことをするということはやっておるようでありますし、そういうことが適切ではないだろうかということを私どもは申しているところでございます。
○秋山肇君 それぞれの個人の財産であるから評価を見せない、また今のお話のことも一部理解できるんですけれども、相続税の路線価が公表されているということであれば、あの程度のことはできるのじゃないかなと思うんです。ですから、その辺は前向きにこれからお考えをいただきたいと思うわけであります。 それから、お読みになっていると思うんですが、九月十三日、日曜日、読売新聞に大きく「固定資産、十三年も課税ミス 群馬県伊勢崎市」、こう書いてあるわけです。これは日曜日、私も何をやっているのかなと思って新聞を見たんですが、昨年度六千人分で四億円を取り過ぎている部分がある。そしてまた徴収漏れの部分、農地から宅地に変わったりいろいろしているものを見過ごしているという部分があるわけです。それはそれとして、せっかく住宅用として二百平米までを四分の一にしている。たしか四十九年から実施をされているというふうに思うんですが、これがずっとそのまま適用されずにきているという問題。これは当然お調べになっていると思いますし、その辺についての新聞報道でない、自治省としての今までの調査、おわかりの点だけで結構ですから答えていただきたいと思います。
○政府委員(渡辺功君) 本件につきましては、群馬県の地方課を通じまして事実関係を当該市に照会いたしましたところでございますが、その結果は次のとおりでございます。 新聞報道に掲載された数値等については当局としては発表したものでもないし、その根拠は不明であるということでございます。それから、住宅用地の特例について適用漏れがあるのではないか等ということにつきましては、市では特別調査班三十一名で編成しているようでございますが、これを編成いたしまして、土地及び家屋の全物件について、現地調査等によって事実関係の把握を今やっているということのようでございます。調査対象は大変膨大でありまして土地が約十一万筆、家屋約六万八千棟でございますけれども、来年度の賦課期日、一月一日でございますが、それに間に合うように調査を終了させる予定でやっている、こういうことでございます。 私どもといたしましては、事実関係の内容を明確にするようにこれを急がせるとともに、課税についての誤りがあれば法の規定に沿って適正な事務処理が行われるように指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○秋山肇君 自治省の責任ではないというような、多分これはだれかがそう答えたんでしょう。そういう答え方が新聞に載っておりますけれども、そういうことで国民の不信を招いてはいけないなというふうに私は思うんです。 それで、さっき申し上げた縦覧にしてもそれほどの人が行っていないというふうに思うわけだし、せっかく自治省から通達をされたんだと思うんですが、それぞれの自治体で納税者に対する徹底の仕方の差があったんだというふうに思うわけです。これにもそう書いてありますけれども、この点はどうなんですか。
○政府委員(渡辺功君) ただいま申し上げましたような照会に対する答えでございますので、確たる根拠があって申し上げるわけじゃありません。私どもが通例こういったものが起きた場合にどうかという、そういう一つの推測でございますけれども、おっしゃるように制度の改正というようなことがありましたときに、徹底するためにいろいろ広報を用いるとか、あるいはパンフレットをつくるとかということをかなりやっているということはどこでも必ず相当やっております。しかしながら、それが完全に徹底するかといいますというと、そこはやはり十分でなかったというようなことが起きたのではないだろうか。 したがいまして、重ねてそういったPRをするとか、そういうことが必要であったというようなケースではあったのではないだろうかというようなことも想像されるわけでございますが、これはまだ想像でございまして、事実関係をよく明らかにした上で必要な指導があれば指導をしたいし、これは全くだれが考えても別に注意するまでもなく、課税当局であれば当然だということであるならば、恐らく県と市の間の関係で処理をされて十分正しい軌道に乗るのではないか、こういうふうに考えております。
○秋山肇君 ぜひこれは、何か子供に教えるようなことを自治省として言えないというふうにおっしゃられるかもしれませんけれども、通達を出した後の指導というのも徹底していただきたいと思うんです。 何でかといえば、群馬県伊勢崎市だけじゃないんです。東京でも日野市であったわけですよ。この新聞にも酒田にもあった、こう出ておりますから結構あちこちに、知らないで縦覧も行かない、何もしない。一応令書が来れば、税金というのは来たものは払うものだというふうに思っている。納税は国民の義務だと思っている人が大半なわけですから、税金をごまかそうと思っている人の方が一部なんですから、その点でぜひひとつ徹底してこの辺もしていただきたいと思うわけであります。 それで、新聞の報道だけでお話を申し上げると十三年課税ミスがあった。しかし戻ってくるのは五年でしかないわけでしょう、どうなんですか。
○政府委員(渡辺功君) 税法上規定がございまして、課税漏れがあったあるいは誤って課税が行われた。両方あるわけでございますが、いずれにつきましても更正とか決定の期間制限という規定がありまして、一つには、法定納期限の翌日から加算して五年を経過した日以後においてはすることができないという面が片方にあります。一方では、取り過ぎまして還付する場合でございますが、同時に還付金の消滅時効、まあ法律の安定性ということを確保するために、通例民事でもあるような制度でもございますが、五年を経過したときは時効により消滅するという規定がございます。こうした規定によって税法が運営されているわけでございまして、こういった規定によって処理をされる、こういうことになります。
○秋山肇君 法律では、地方税法に決められているということですけれども、民と官と、やはりこれは悪意で税を納めなかった人が延滞金を取られ、加算税を取られ、重加算税を取られるというのとおのずから性質が違うわけです。ですから、こういう点についてもう少し考えるということがあっていいのじゃないかなと思うわけです。 新聞にも出ていますけれども、新聞のあれですと、四十九年から十三年間にわたって毎年約八万四千円を払った、百十万円払った。そうすると五年分だと返ってくるのは四十二万円ですね。あとのものは払い損だということになるんですが、どうもこれはちょっと納得がいかないというか、納税者の側の立場に立つと納得がいかないんです。この辺はしかともう少し、ただ法律で決められているからというようなことでない解決の方法というのは何かないものなんでしょうか。
○政府委員(渡辺功君) 法律で決められているからということは一つのお答えではありますけれども、なぜ法律で決められているかというこの議論になるんだろうと思います。やはり時効というような規定、そういった物の考え方の根底にあるものは何かというようなことなんだろうと思います。 そうすると、法律的な処理の仕方として、一つのルールが決められたら租税債権・債務というものをそこで切っていく・そういう形で安定を保っていくというようなことが、それによるマイナスよりもさらにそういう部分のプラスというものが全体的に均衡がとれているということで、そういう制度をつくっているということだと思います。これは地方税法だけではありません。税法全体、あるいは一般の債権債務の関係にも及ぶ事柄でありますので、この便法というようなことはちょっと考えられない。課税当局といたしましては、大変申しわけないけれども、こういうことになっているということを納税者に申し上げるということであろうと思います。 なおかつ、どうも今のように調査がはっきりしていないということになると、逆に、本当は把握して課税しておかなければならなかったものも漏れているんじゃないだろうかという心配すらあります。この辺は冒頭申し上げましたように、事実を究明いたしまして必要ならば指導してまいりたい、こう考えております。
○秋山肇君 今のお話の、法律で決まっているから、それが急に私が質問したからできるというふうには思っていないんですが、逆に、ここにも出ているように、最初に申し上げたように農地が宅地になっているとかというような調査漏れもあるわけですね。 私が言いたいのは、官の方が怠っていてそれが追求できなかった。ところが、納税者の方は何も自分の方でごまかそうと思ったわけじゃないわけですよ。これは払おうと思っていたものを勝手に取らなかったんじゃないか、こういうことに論法としてはなろうと思うんです。ですから、それを法律論争だけできちっと決まっているからと言うことは、ちょっとこれから税の公平、いろいろな税の問題をきょうも取り上げられていますけれども、そういうこと等を踏まえて、これは単に伊勢崎市だけじゃなく、全体、地方自治体、国も同じことが言えるんだと思うんです。やはりせっかく税に対する関心が高まってきたところですから、そういうこともぜひ前向きに何か考えられないかなというふうに、これは要望に促しておきます。 それから続いて、固定資産税の問題は強化をすれば土地が出るんだとかいろいろなことが言われておりますけれども、特別土地保有税というのが昭和四十八年に創設されて、土地対策、地面対策で相応の役割を果たしてきたというふうに思うんですけれども、この異常な地価と言われているときに、特別土地保有税の税率についてのお考えというのは何かありますでしょうか。
○政府委員(津田正君) 特別土地保有税は寸同じ土地に課される税としまして固定資産税という性格を持っておるわけでございますが、御指摘のとおり四十八年、いわゆる土地税制の一つの大きな柱、片方におきます譲渡所得と並んで設けられたわけでございます。当時の地価高騰に対してはそれなりの効果を持ったと思います。 今回の地価高騰につきましても、やはり特別土地保有税というものの機能をもう一度よく究明すべきではないか。もちろん税制だけで地価対策が全般できるわけではございませんで、基本的かつ総合的な改革方策という中の一環かと思うわけでございますが、一つの検討材料であると私ども感じておる次第でございます。
○秋山肇君 もう一つ、ミニ保有税の期間の延長というのは、これはどうお考えになりますか。
○政府委員(津田正君) いわゆるミニ保有税につきましては、五十七年の制度改正におきましてむしろ土地の有効利用を早める、こういう趣旨で設けたわけでございます。一応期限が六十三年三月三十一日で切れるわけでございますが、この立法の趣旨、制度の仕組みというものは、現在問題となっております土地問題にもやはり今後においてもなお活用すべきではないか。これにつきましても税制調査会あるいは各方面の御議論を経て決定をされると存じます。私どもとしましては、このミニ保有税をなお今後活用する資格はある、かように考えております。
○秋山肇君 今までいろいろ皆さん方の論議の中心というのは、やはり地方自治体として土地財源というものをしっかり確保する、またそれをきちんとしておくべきだというのが中心だったと思うんです。そういう意味においても今申し上げたこういう固定資産税の課税ミスだとか、これは決してミスをミスとしないで、こういうのを反面教師としてぜひそれを徹底して納税者の皆さん方に理解をしていただくというふうにしていただきたいと思うんです。その点ひとつ自治大臣、最後に締めくくりで先ほど土地税制に対してのお考えもいただいたんですが、この税制についての徹底、これはどうも徹底が足りなかったと思うんです。通達だけ行っていてその後のフォローがなかったというふうに思うので、そういう点も含めましてお答えをいただぎたいと思います。
○国務大臣(葉梨信行君) 大変遺憾な事態だと思います。取り過ぎもあろうし、取らなかったところもあろうし、そこら辺につきまして伊勢崎市当局におきましてきちっとした対応をしてもらいたいと期待をいたします。またそのように指導していきたいと考える次第でございます。
○委員長(谷川寛三君) ほかに御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十九分散会 —————・—————