地方行政委員会 第1号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1987/07/10
会議録
○委員長(谷川寛三君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、地方行政委員長に選任されました私、谷川寛三でございます。 申し上げるまでもございません、本委員会は地方行財政の改革並びに警察、消防の健全な運営を図り、もって公共の秩序の維持と住民の福祉向上に資する重要な使命を担った委員会でございます。その委員長の職責はまことに重大なものと痛感をしておるところでございます。まことに微力ではございますが、委員の先生方の御協力を賜りまして、本委員会の公正、円満な運営に心がけ、職責を果たしていきたいと考えております。 何とぞよろしくお願い申し上げます。 松浦前委員長から発言を求められておりますので、これを許します。松浦功君。
○松浦功君 昨年の七月から一年間、いろいろ御懇篤なる御鞭撻をいただきまして、おかげさまで大過なく委員長の職務を果たし辞任することができました。皆様のおかげと心からお礼を申し上げたいと思います。 なお、委員として残留することになりましたので、今後ともこれまで同様の御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げます。 ありがとうございました。(拍手) —————————————
○委員長(谷川寛三君) それでは、理事の補欠選任につきましてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に松浦功君及び抜山映子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(谷川寛三君) 次に、国政調査に関する件につきましてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、地方行政の改革に関する調査を行いたいと存じますが、御異議、ごさいませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(谷川寛三君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。 風俗営業等に関する制度及び運用につきまして調査検討のため、今期国会におきましても、小委員七名から成る風俗営業等に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないものと認めます。 小委員及び小委員長の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。 それでは、小委員に出口廣光君、松浦功君、佐藤三吾君、片上公人君、神谷信之助君、抜山映子君及び秋山肇君を指名いたします。 また、小委員長に松浦功君を指名いたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(谷川寛三君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 先般、当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。佐藤三吾君。
○佐藤三吾君 委員派遣の御報告をいたします。 派遣委員は、松浦前委員長、出口理事、片上委員、神谷委員、秋山委員及び私の六名で、去る六月九日、十日の二日間、東京都八丈町を訪問し、離島振興の実情及び町政の概況について調査を行いました。 第一日目は、東京都八丈支庁におきまして、支庁、八丈町から離島振興の状況及び町政の概要、また八丈島警察署から管内概況について説明を聴取した後、町立八丈病院、八重根港、八重根漁港及び集落を結ぶ幹線道路の整備工事を視察し、翌日は、農道の整備状況、花卉園芸の振興状況、神湊港及び神湊漁港の整備状況を順次視察調査いたしました。 調査を行った全体の印象といたしましては、空港、港湾等離島振興のための基本的施設は着実に整備が進展している反面、島内での雇用機会の少ないこと等による若年層の流出、医師確保問題、国民健康保険財政問題など多くの課題を抱えていることが改めて実感させられた次第であります。 以下、調査の概要を申し上げます。 八丈島は、東京の南方海上二百九十一キロメートルに位置し、面積は六十八平方キロメートル、周囲五十九キロメートルの繭型をした島であり、緯度は四国の室戸岬とほぼ同じであります。人口は、昭和二十五年の一万二千八百八十七人をピークに一貫して減少傾向にあり、去る六月一日現在で九千九百七十七人となっており、減少率は低下しているもののなお減り続けております。また、気候は黒潮暖流の影響を受けた海洋性気候を呈し、年平均気温は十八・二度、高温多湿で雨が多いのが特徴であります。 まず、離島振興のための施設整備の状況についてであります。 その第一は、離島にとっての命脈線とも言える交通体系の整備状況であります。空港は東京都が管理する八丈島空港がございます。拡張工事の末、現在長さ千八百メートル、幅四十五メートルの滑走路が供用され、羽田との間を一日六便、約一時間で空路を結んでいます。また、海路については東京港より週六便が就航し、本土との間を約十時間で結んでおります。港湾施設としては、同じく都の管理する神湊港及びその補完港としての八重根港があり、一島二港の状況にあります。神湊港は八丈の海の玄関であり整備は進んでおりますが、八重根港は接岸条件が悪く、現在泊地の整備を行っており工事の完成が待たれています。また、島内交通は舗装率一〇〇%の都道と三三%の町道があり、比較的保有率の高い島民の自動車と町営バスなどによって確保されています。島内の道路は、八丈島が年間雨量三千二百ミリを超える全国有数の降雨地帯であり、また地形が急峻であり、その上海岸線が断崖になっているなど厳しい条件のもとにあり、その管理には御苦労されているとのことでありました。 その第二は、産業基盤の整備状況、特に漁港、農業基盤整備事業の状況であります。まず、都の管理する四漁港については、泊地の拡張、防波堤の改良などの整備が進み地元漁船の根拠地及び他県船の避難港として利用され、一方、農業基盤の整備につきましては国、都の施策を通じ農業構造改善事業、土地改良事業等が行われ、我々が訪れた樫立地区の農道は急峻な地形にもかかわらず、狭い道幅ながらもよく整備され、花卉園芸振興の支えとなっていることが認識できたのであります。 次に、産業の振興状況についてであります。 八丈島の産業は、農業と沿岸漁業を基盤として商工業や観光関連産業などと幅広く調和を図りながら発展してきております。しかしながら、石油危機以来の景気の低迷に伴う需要の伸び悩みは八丈島の産業にも少なからぬ影響を与え、安定した地場産業確立のため経営の一層の合理化、組織の強化を図るなど抜本的な対策が必要とされています。以下、農業、漁業、商工業、観光業の順にその振興状況を報告いたします。 第一に、農業は、総戸数の約一七%を占める農家によって耕地率五%という厳しい条件のもとで経営されており、生産額は昭和六十年で約二十六億円に上っております。温暖多雨という恵まれた気象条件を生かし観葉植物、フリージア、フェニクスロベレニー、ストレチアなど花卉園芸が振興され、その出荷額は年々増加し全農産物の八〇%を超える約二十一億円に達し、島の基幹産業として重要な地位を占めるに至っております。しかし、年じゅう強風が吹いていること、傾斜地のため機械化が困難なこと、産地間の競争が激化していることなど問題も多く、出荷組合の結成、試験研究の推進など新たな対策が必要とのことであります。また、島の特産野菜として年々島外への移出がふえつつあるものにアジタバがございますが、最近の健康食品指向の中で将来への期待が持てるということでありました。 第二に、漁業に関しては、八丈島は黒潮の中にあり暖流系のトビウオ、ムロアジ、カツオなどの回遊が多く、根つきの魚族も豊かで我が国の好漁場の一つと言われ、昭和六十年の漁業生産額は約十四億円となっております。また、施設面では、漁港の拡張、漁業近代化資金による漁船の大型化などにより比較的安定した漁業が営まれてきましたが、五十七年以降冷水塊の影響で潮流が迂回するなど海況が悪化し、トビウオを中心に水揚げが低迷し、また、漁場が豊かなため他県の漁船と競合するなど漁家は厳しい経営を余儀なくされています。このため漁礁の設置や人工礁の造築などの沿岸漁場整備開発事業の効果が待たれ、また、五十九年に大規模増殖場が完成したトコブシ漁業については、さらに小規模増殖場の造成が計画されるなど、とる漁業からつくる漁業への転換が図られ期待が寄せられております。 第三に、商工業の分野においては、くさや加工、しょうちゅう製造、アジタバ加工など、一次産品の加工業を中心に昭和六十年では加工業製品の生産高は八億二千万円となっております。また、有名な黄八丈については伝統工芸品の指定を受け、近年生産量も増加してきたとのことでありますが、八丈の特産物として次世代へ受け継ぐ努力が続けられております。 最後に、観光事業についてでありますが、八丈島は年間を通じ温暖な気候に恵まれ、周囲を海に囲まれた自然環境の豊かな土地であるとともに、流人文化や伝説などの観光資源にも恵まれ、昭和六十年の観光客の消費金額は約三十七億四千万円となっております。当地は三十九年に富士箱根伊豆国立公園に編入され、その後、海洋観光地としての離島ブームで多くの観光客が訪れ、八丈の経済発展のため少なからぬ貢献をしてきましたが、四十八年をピークに来島者は減少傾向にあります。近年大型船の就航、空路のジェット化等の整備がなされているものの、レジャーの多様化、夏季集中型の観光地であることなどさまざまな問題点を抱えているのであります。しかし最近、スキューバダイビングなどのマリンスポーツが盛んになり、若者が集まるようになるなど新たな観光開発へ力を入れようとしているのであります。 続きまして八丈町の町政の概況について、このたびの派遣に際し問題となった事項について御紹介したいと存じます。 まず、八丈町の昭和六十二年度の歳入歳出予算規模は約三十五億円となっております。実質収支は黒字基調で推移し、また経常収支比率は全国の町村の水準を若干上回っておりますが、公債費比率は全国のそれを下回る数値で推移しております。 このような財政事情のもとで、まず問題となりましたのは国民健康保険財政の問題でありました。八丈町における国保財政の状況は、昭和六十年度決算においては、都の支出金の六千五百万円を得て三百万円の黒字となっておりますが、六十一年度におきましては、都の支出金五千八百万円のほか一般会計から五千七百万円を繰り入れて収 支のバランスをとるという厳しい環境にあります。この点については、最近の医療費の急増傾向の中で国民健康保険の健全経営を図るため町としての努力をする一方、国においても国庫負担金を増額することを要望する旨の申し出がございました。 また、八丈島には伊豆諸島でただ一つの町立病院であります八丈病院が昭和四十一年に開設され、現在ベッド数五十二、医師四名という陣容で経営されております。この病院運営について指摘されましたのは、財政面では一般会計及び都からの補助を受けて経営されておりますが、実損益では赤字傾向にあること、また医師はいずれも派遣医とのことでその滞在期間が短く、患者との間に信頼関係が形成されにくいことであります。すなわち、国においては医師過剰時代を予測して医学部定員の削減などの政策を打ち出している一方で、離島、僻地の医療機関では医師確保が大変難しいのが現実であり、八丈においても大学病院に医師派遣を依頼しているとのことでありますが、滞在期間が診療科目によっては一週間というものもあり、長期滞在の確立や離島の医療充実のための医師の確保について強い要望がございました。 さらに、防災体制の整備についても、国の施策に対し大きな期待が寄せられたのであります。伊豆諸島は富士火山帯に属し、過去噴火により多くの被害をこうむってきたところでありますが、昭和五十八年には三宅島、昨年は大島において大噴火が発生し、全島民が島外避難という事態に至ったことは同じ境遇にある八丈島民にも非常に強い関心事でありました。また、八丈島は近年規模の大きい地震や大型台風による災害に見舞われております。そこで、島換地域の火山観測体制の充実強化及び地震、台風などの災害時の情報通信網の整備のため防災無線施設整備事業への国庫補助の増額を求めるとの要望が出されたのであります。なお、観測体制につきましては、都の防災会議火山部会におきまして現地調査の結果、民間委託の調査を継続するとの決定がなされたとのことであります。 最後に、八丈島における警察行政の概要についてその特色となる点を申し上げます。 まず、交通関係では、自動車は島民の一・七人に一台の割合で普及していますが、昨年の人身事故の発生件数は三件で死者はなく、前年に比べ六件減少しているとのことであります。また、水難事故が年々増加しており昨年は八名が死亡、うち四名がスキューバダイビングの際に命を落としております。伊豆七島でも死亡事故は八丈島だけとのことであります。これに対しては、救助隊の新設、業界への安全対策の呼びかけを積極的に行うなどマリンスポーツの安全を確保していきたいとのことでありました。 以上、我々は、八丈の現地に触れて離島振興の実情を調査してきたのでありますが、四囲を海に囲まれ面積も狭小で、本土より隔絶している離島地域は、生活の諸条件において依然として本土との間に格差が生じているのであります。この格差を是正するため、島民の生活の基礎的条件の改善や産業振興の施策を推進し、島民がその置かれた自然条件を十分活用し、それぞれの生計を維持していくことができるようにすることが必要であると思います。離島においては、我が国の経済社会の変貌の中で高齢化の急速な進行、若者に対する就業の場の確保の問題など困難な条件もふえ、その環境は大きく変容してきております。他方、長期的に見れば自然的、地理的環境には十分資産となり得るものもあると思われます。このような現状を十分認識しつつ、さらに離島振興を進めていくことが必要であると感じた次第であります。 終わりに、今回の調査に際しましては、東京都八丈支庁、八丈町を初め関係者の方々が終始我々に御協力くださいましたことに対して深く感謝の意を表しますとともに、町当局から提出されました要望書につきましては、会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、よろしくお取り計らいのほどをお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(谷川寛三君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいまの報告の中で要請のございました要望事項等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十一分散会 —————・—————