大蔵委員会 第6号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/09/16
会議録
○委員長(村上正邦君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として、日本たばこ産業株式会社代表取締役副社長石井忠順君及び日本銀行理事青木昭君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上正邦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(村上正邦君) 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 私は、昭和五十五年初当選して、この大蔵委員会で各大臣といろいろ勉強させていただきました。宮澤大臣とはこういう委員会で御見識を伺うのは初めてでございまして、これから所得税法の一番大きい問題を議論するわけでございますけれども、どうでしょう、野党の我々のいい意見や建設的な意見などがあったら大臣は取り入れて法案を修正するというような気持ちございますか。まず、その点を伺っておきます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 当委員会における御議論はもとより十分に拝聴いたし、また政府の所信もそれに対してお答えをしてまいりたいと存じておりますが、税制改正につきましては、ただいまの私の感じておりますことを申しますれば、政府提案が既に衆議院におきましていろいろな経緯の末に修正をされております。我が国の財政状態がこのふうな状況でございますので、税制のあり方、減税の幅等々につきましてもおのずからそういう点で制約がございますことは鈴木委員もよく御承知のとおりと存じますが、何とぞそのような点も御審議の際に御勘案を賜りたいと思っております。
○鈴木和美君 今大臣のお話を承りますと、衆議院でいろんな議論がなされてきた、いろんな経緯もあるというようなことなどからぜひ考えをしんしゃくしてくれという御意見ですけれども、参議院には税制改革協議会というのも設置されたわけでもございませんし、また御案内のとおり二院制度でありますから、参議院の独自の質疑なり討論なり意見なり主張なりというのはあると思うんです。そういう意味合いをもちまして、衆議院で話をしてきたから参議院はそのとおり考えてくれと言われても、ちょっとこれは私どもとしてはそうかと言うわけにはいかぬのでございまして、ぜひ参議院でもいい意見があれば率直に聞いて直していきたいとか拝聴したいとか、そういう態度をもう一回表明してもらわないと幾ら質問したってどうにもなりませんので、大臣の所信を、坦懐のところを御説明いただきたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま衆議院云々と申し上げましたのは、一の院と他の院という意味で申し上げたのではありませんで、政府が御提案いたしました減税案そのものが現状の財政状況の中でぎりぎりいっぱいのものを御提案をいたしたつもりであったところへかなりの修正が行われることになりました、したがいまして既に政府が考えておりました財政の限度というものを、相当実は苦しい状況になっております。その現状を御勘案お願い申し上げたいと、こう申したのであります。
○鈴木和美君 いずれまた討論を通じながら、その都度その都度お伺いしていきたいと思います。 さて、私は、本題に入る前に、同僚委員からも御質問がございましたけれども、これからの日本経済と税収の動向について直接伺っていきたいと思うんです。 日銀、大蔵省も景気が底入れを始めまして回復の基調にあるということを再三当委員会でも述べられ、また大臣はいろんな自民党の会議の席でも述べられているようです。したがいまして、名目四・六%、実質三・五%というこの成長率は達成できるのかということと、そのこととあわせまして税収はどのくらいに現在見込まれているのか、この点をまずお尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 税収等々の点は後ほど政府委員から申し上げますが、大局的に見まして、実質三・五%の経済成長率を達成できるかどうかということにつきましては、私はできる公算が極めて高いと考えております。 それは、御承知のように、我が国がいわゆる貿易黒字をできるだけ減らしたいと考えていることもありまして、国民所得勘定における経常海外余剰はマイナスになることがいわば我が国としての政策努力になっておるという点もございますので、海外要因はゼロないしマイナスになる四半期も幾つかあるかもしれないと思っておりますけれども、それを超えて国内要因がかなりのプラスになると考えておりますので、通計をいたしますと年度間で三・五%の実質成長は私は十分可能であるとただいまの時点では考えております。
○政府委員(水野勝君) 税収の点につきまして申し上げます。 昭和六十二年度の税収といたしましては七月末までの分が判明をいたしておるわけでございますが、これは予算額に対しましては二一・四%入ってございます。去年は一八%でございましたので悪くないわけでございます。ただ、今年度におきましてはたばこ産業株式会社の納期限が去年と違っておりまして、去年は一年に二回、ことしは三カ月に一回ということでございますので、その分が四分の一入っている。そうした点を調整いたしますと二〇・八%まで参ってございます。これを昨年の一八%と比べましても二%以上いいわけでございますから、税収は悪くないと申し上げられるわけでございますが、何分にも全体のまだ二割でございます。それから、六十一年度といたしましては年度前半は比較的伸びが低い、その後、後半に至りまして相当な高い伸びに至った、こういう去年の税収の動向を引き直してみますと、ことしの前半は伸びは高いということも言えるわけでございますので、いずれにいたしましても、まだこの段階で全体につきまして云々できる、申し上げられる状況にはございませんが、状況だけを申し述べました。
○鈴木和美君 九月三日の日経新聞に大蔵省もこういうことを述べているということで、自然増、七月は一二・五%、今年度自然増収は四、五兆円の可能性を持っているというような発表がございますが、この発表はいかがなものでしょう。
○政府委員(水野勝君) 発表はいたしてございますが、ただいまお示しのような単刀の伸びとしては一二・五%の伸びであるというところまでは申し上げたわけでございます、これがその後、年度を全部通しまして伸ばしていきますといろんな数字をお示しされる向きがございますが、そこまで私どもとしてはお示しはしてない。現在までの伸びをお示しし、それは悪くはないというところまででございまして、全体を通ずると幾らになるというところまでを示して発表したということはございません。
○鈴木和美君 数字的にまだ早いといえば早いわけでございますので、的確な確実な数字というものは答弁は要りませんけれども、大方自然増収は予算編成時から見ると大幅に伸びている、伸びるんじゃないかということは言えるんだろうと思うんです。 そこで、六十三年度の予算編成の問題ですが、概算要求も締め切られまして、いよいよ国会が終われば六十三年度の予算編成にかかるんだと思うんです。もちろん自民党さんのいろんな状況などによってどなたが総裁になるのかわかりませんけれども、そういう経済の方針なり経済政策の展開なども影響があるんでございましょうが、今のところ考えられる六十三年度の予算編成に当たって自然増収というものはどのぐらいに見込んで予算編成をするというようなお気持ちなのか、今伺っておきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) お尋ねはごもっともだとは思いますけれども、ただいま政府委員が申し上げましたように、六十二年度の税収そのものが、ただいまのところ伸びは悪くございませんが、しかしそれは前年同期あるいは前年同期までの累計の対比で申し上げていることでございますので、前年の今ごろは税収は決してよくございませんでしたので、それとの対比で高い値が出ておるからといってこれが今年度の全体を推測する根拠にはどうもなりにくいということを感じております。 殊に、昭和六十一年度に意外に自然増収がございました一つの原因に、法人、殊に製造業が営業利益は円高等の関係で非常に悪かったにもかかわらず、いろいろな金融操作、財テク等でかなりの決算をいたしました。そのことが意外な税収増になってきたと思われるにつきましては、ただいまのそういう製造業の営業利益は前期よりも改善しておることは確かと思いますけれども、そのかわり今度はそのような財テク等々のいわば営業外の努力を、これは何と申しますか非常に苦しい努力であったわけですが、そういうことは余り期待できないというか、なさらないであろうといったようなことがございますので、つまり前期の法人税が意外によかっただけそのまま今期の法人税をそのペースで考えることに問題があるだろうということがございましたりいたしまして、今年度の自然増収がどのぐらいかということをなかなか申し上げかねておるところでございます。それがはっきりいたしませんと六十三年度の税収を計算することができない。御承知のように、六十三年度の税収を考えますのは年末になるわけでございますが、そのときまでに片っ方で来年度の経済成長についての経済企画庁を中心とする作業が行われ、また大蔵省としてもそれまでにわかりました今年度の税収をもとに来年度の税収を考えるということでございまして、その時期までにまだかなりの時間がございますので、お尋ねではございますけれどもただいまのような状況で確たることが申し上げられないということでございます。
○鈴木和美君 私がこのことをお尋ねしている最大の理由、目的というのは、自然増収というものをどういうふうに見るのかということは、予算編成なりそれから各省からの概算要求が決まってこれからいろいろ折衝もありましょう。そういうようなことを考えてみると、どうもこの自然増収というものが政策の展開に当たって何かうまくそのときそのとき利用されているみたいな感じがしてならないんですよ。 御案内のとおり、六十一年度当初予算において見込んでおったのは六十二年度は五・二%の伸びですね。決算ベースでいくと九・六%ですね、これは、ずっと見てみますと一番低く自然増収というものを見ておったときですね。私が思うのには、確かに今大臣がおっしゃるようにいろんな状況、経済の変化はありましょうけれども、まだ自然増収というものは次も期待できるような状況だと思うんですよ。 そこで、これからの予算編成技術というものは、そういう自然増収というものを頼ってというか、頼りにしてというようなことで予算編成されるのか。片や、NTTの法案も縛りがかかっちゃっているわけですからどうにもならない。そういうことになってきまして、マル優の問題もありますけれども、これは大分先ですね。そういうようなことになると、一体これからの予算編成に当たっての税収のいわゆる方針というのはどういうことになるんだろうか。つまり自然増収だけを見込んでずっといくんですか、それとも財源がどうも乏しいから何か考えるんですか。大臣は直間比率の問題も方々で話されているんですが、私は、そこのところは一体どうするのかなという興味と関心とを持って大変重要視しているわけです。序や、こういうことを言っちゃおかしいでしょうけれども、前回、売上税などというああいう間接税に対しては国民の大変な批判があったわけですね。そういう批判というものも片方であるわけです。税収の面ではそういう問題点があるわけですね。したがいまして、六十三年度予算というものは、国民的な批判というものをどれだけ謙虚に受けとめられて、なおかつ現在の税収の状況を見たときに、これから一体どういうふうになさるんですか、これが私の一番聞きたいところなんです。 時期がまだ早いとおっしゃればそれまででございますが、そういう経済の展望、六十三年度予算編成の大方針などについて大臣の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 六十三年度の予算編成は先ほど申しましたようにまだ何カ月か後のことになるわけでございますが、一般論として六十三年度の税収というのは大変に悲観的かそれともやや楽観をしているかというお尋ねであるとしますと、経済状況等々から考えますと税収は少しは伸びてくれるのではないかということを私自身は、今、確たる根拠はございませんが、達観としては考えております。 その場合、一番やはりそれだけ特例公債の発行を減らすことができるというふうにまず私としては考えるわけでございまして、御承知のように、昭和六十五年度には特例公債依存の体質から脱却したいという目標を政府はやはり持っておりますから、ある程度の自然増収があればそれだけ特例公債を減らせるということをやはりまず私としては考えます。 しかし同時に、おっしゃいますように、今年度のただいま御審議いただいております所得税等々の減税は、これはいわば前倒しを覚悟してお願いをしておることでございますが、来年も当然この減税はそのまま続くわけでございますので、来年度のこれに見合う財源はどうなるのかということについては実はただいまのところ答えが出ていないわけでございます。 本来、政府は、通常国会で廃案になりましたけれども、長期的な税制改革をいわば歳入中立的なものとして構想したわけでございますが、その中で売上税は御指摘のように廃案となりました。これについては政府もいろいろな反省をいたしておるわけでございます。その反面で、所得税についても法人税についてもいわば恒久的な税制改正を考えておりました。この直接税についての税制改正は、やはり何とかして実現をいたしたいと政府は今日でも考えております。考えておりますが、そのためには恒久財源を必要とするということもまた事実でございまして、まさに御指摘のとおりの問題を政府は苦しんでおるわけでございますが、そういたしますとそのような恒久的な直接税の税制、減税を実現可能ならしめるための恒久財源は何かということについて、十分確たる答えを実は持っておりません。 事をややもう一つ複雑にいたしておりますのは、衆議院におきまして税制改革協議会というものが発足をいたしまして既に十数回の御討議をされました。そしてまたあるいは再開をされるのではないかと考えるわけでございますが、減税については恒久財源を必要とするということについてはほぼ会議参加者の間のコンセンサスがあったということを座長報告は述べておられるわけでございます。そういたしますと、恐らく税制改革協議会においてはただいままさに鈴木委員の御指摘になりましたような問題にこれから取りかかられる順序であろうかと思われます。他方、政府は年末までに来年度の歳入歳出につきましての決定をいたさなければならないわけでございますが、このような機関がまたそういう御検討をなさるというやさきでございますので、これは共産党を除いて各党が御参加であり、ああいういきさつで発足をいたしておりますから、いわゆる私的なものとは政府は考えておりません。政治的には非常に尊重しなければならない協議体であると考えておりますので、協議会におけるこれからの御検討、御討議をしばらく政府としては見守る、拝聴をするということになろうかと思います。 どうも、この協議会ということを申し上げますと、殊にそれが衆議院にだけ設けられておるということがございますので、他の院におきましてそういうことを申し上げますことは私どもとしても大変に申し上げにくいことであるのは事実でございます。事実でございますが、現実に衆議院におきましてそういう共産党を除く各党間の御協議が今日まで行われまた行われようとしておるという事実は、政府としても軽々しく考えるわけにいかないということでもうしばらくその経緯を見守らせていただく、そうすべきであろうというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 これはこのくらいにしますけれども、私がこの部分ではっきりしておきたいことは、やはり売上税という問題、マル優も含めてですが、国民のあれだけの意見、批判というものがあったわけですね。これはやっぱり率直に受けとめていかなきゃならぬことだと思うんです。そういう態度をとってほしいと思うんです。中曽根さんの時代だからおれは知らぬというわけの代物ではないと私は思うんです。その点は謙虚に受けとめてほしいんです。 同時に、合せっかくお話が出ましたから、私も百歩譲って、何も参議院に税制協議会というものができたわけではないんですが、その税制協議会というものを今度は話題の中心にしようとすれば、いみじくも今大臣も、税制協議会がこれからいろんな討論をするであろう、またそこに期待をしているという面もありましょう。つまり、何か自分のところが都合が悪いと税制協議会の意向を見てとか、税制協議会の議論を待ってとか、いろんな話がずうっとあったんですよね。でも、野党は、恒久財源という問題は確かに問題であるという認識を持ちながらも、減税という問題に対して、先にやろうじゃないか、お金も現にあるじゃないかということで、恒久財源という問題の認識は持ちつつも減税という問題を先行させたんだと思うんです。そうですね。 さて、その限りにおいては、よしあしは別として、この一兆五千億余にわたる減税の恒久財源という問題は一体与野党を通じてどうしたらいいのかということを深く議論しようというときに、何でマル優だけが抜き出されなければならぬのですか。伊東座長のあの報告書の中にも、現状でいいじゃないかという意見、それから改組した方がいいよという意見なども並列されて、そしてマル優の問題については税制協議会は決着がつかなかったということが歴然としているわけでしょう。片っ方では、都合の悪いときには税制協議会でお願いをしたい、見守りたい、結論がつかないうちにぽっとマル優だけが抜き出されるのは一体どういうことなんですか。 例えば、恒久財源の一つの要素であるとは言うけれども、時期が繰り延べられてしまった関係で六十二年度は何も財源がないですね。毎回議論されているように五、六年先の話ですね。今すぐというわけじゃないです、このマル優は。もちろん、いろんな不公平税制に絡む問題で野党もそれぞれの提起はしていますね。その中で、限度管理も含めたマル優の問題も提起しておいた。何でそれだけが今度拙速的に取り入れられなければならないんですか、財源的に言うなら。 もう一つは、中曽根さんがよく言う悪用論というのがございますね。悪用論と言うけれども、私に言わせれば、悪い者を捕まえることができないから一般に全部負担してくれというみたいにしか聞こえないんですよ。だから、中曽根さんの必要とする理由もどうも私は釈然としない。他方、いや外国からきつく優遇制度だというような話があってということもございます。しかし、この国会で外国の話をしているわけじゃないですよね。ここはここの国会の討論じゃないですか。大臣がおっしゃる不要論についても、私は私なりに意見があります。いかがなものか、これだけの課税ベースをほうっておいていいのか、これに対しても私は意見がございます。 あれやこれや考えてみても、なぜこのマル優だけが今国会に抜き出しに出されなきゃならなかったかという理由が私ははっきりしないんです。いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) マル優につきましては、既に申し上げましたことを鈴木委員も御承知の上でお尋ねいただいておるわけでございますけれども、要するに、過去においてこれが目指した政策目的というものは果たした、となれば特別な社会的な配慮を必要とする方々にはこの制度を改組して残す、それ以外の方々には普通の所得として富資産所得でございますから課税をするのが相当ではないかというふうに私は思っておるわけでございますが、確かに御指摘のように、これは、歳入としては何年かたちませんといわば一〇〇%期待する歳入は入ってこないわけでございますから、当面の財源になりかねるということは御指摘のとおりでございます。 にもかかわりませず、政府としましては、所得税法を改正するといたしますれば、これはやはり所得の一部であることにもとより変わりがございませんので、実現に、フルにこれが歳入になるということに相当の時間がかかるということも考えながら、したがってなるべく早くこれは実施に踏み切るべきである、こう考えまして今回所得税制の改正の一部と考えまして御提案をいたしたわけでございます。 税制協議会との関連におきましては、これは非常に複雑な政治的な経緯を経たのでございますけれども、まず八月七日に税制協議会がいわば二カ月間の審議を終えまして、座長報告がなされました直後の八月七日に自民党の幹事長から与野党書記長・幹事長会談におきまして四項目の御提案を行い、その中には利子課税の制度の改組を述べておるわけでございますけれども、八月二十六日にさらに与野党の書記長・幹事長会談が行われました。 これらの会談を通じまして、この四項目の自民党の御提案については、各党はそれに賛成をされたわけではございません。同意があったわけではございませんが、現実にはこの会談を契機といたしまして衆議院における税法の御審議が始まった、そういう大変複雑な経緯を経ておりまして、片方で税制改革協議会が行われておった、その参加をしておられる同じ各党が書記長・幹事長の会談を重ねられて衆議院の審議が再開された、そういう大変に微妙でございますが、経緯としてはそのような経緯であったと考えております。
○鈴木和美君 その点は前回の我が党の丸谷委員とのやりとりですから、私は、そこのところはいずれまた丸谷委員とこの委員会の中で整理すればいいと思うのです。 私が今言いたいことは、八月七日、八月二十六日、いろんな経緯がありましたでしょう、あったかもしらぬけれども、宮澤大臣がおっしゃるみたいな所得税の公平化とか政策目的がなくなったものであるからと、ただそれだけの理由でマル優の問題が抜き出されて議論になったというものではないと思うんです。 なぜかというと、税制協議会のときには野党もそういうマル優を含めて十項目述べているわけでしょう。不公平是正の観点から、有価証券譲渡益の課税強化とか土地税制の改革の強化とか非課税貯蓄の限度管理の徹底とか貸倒引当金繰入限度額の適正化とかタックスヘーブンの対策とか支払い配当軽課制度の廃止とか配当課税の改革とか給与所得控除の頭打ちの制度の復活とか特別措置の見直しとか、そして公平な税務執行体制の確立等々についていろんな意味から税の公正化、公平化というものについて議論しようではないか、そしてそういう問題があることは十分承知していながら、なおかつ減税は先にとりあえずやろうじゃないかということで税制協議会の中でも――今大臣は十数回と言ったけれども、十二回じゃないですか。数回というのは五、六回ですから、十二回なんです。そのくらい話は進んできたわけでしょう。 だから、今大臣がおっしゃるみたいな問題点というものが、仮にいい悪いは別にしても、あるということはそれぞれの認識の中にあったはずです。だから、そういうものを含めてこれから徹底した議論をやろうじゃないかということは何回か言っておったんじゃないですか。にもかかわらず、突如としてそういう書記長だか幹事長だかの会談のときにひょっと出てくるとかこれだけがばっと抜き出されるということは、ほかの理由があるんじゃないですか。税体系とか税構造とかそういう議論とは全く違った意味において、私はマル優という問題が出てきたんじゃないかと思うんです。その点が何としても気持ちの中にすとんと落ちないんですね。いかがですか、この点は。なぜそういうものがそういうふうに突如として出てきたのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府といたしますと、この問題については前から税制調査会の答申もありまして考えていたところでございますが、御指摘のように、税制改革協議会は十二回の御審議の中でこの問題については意見の一致を見なかったわけでございます。御指摘のとおりであります。 しかし、政府・与党といたしましては、この臨時国会における税制改革の中でこの問題はやはり取り上げることが必要であるという判断をいたしましたがために、税制改革協議会の場ではなく、それを構成する各党の最高の責任者の幹事長・書記長会談において自民党からこの問題についての提起を行い、二度の会議が開かれまして、それについて合意があったということではございませんが、その二度の会議の協議を契機として衆議院の御審議が始まった、こういう経緯でございますので、政府・与党がこの問題についての税制改革協議会にあらわれました野党の御意向ということを全く無視したあるいは配慮をしなかったということではございませんで、書記長・幹事長会談においてこの点は二度にわたって御検討いただいた、御同意があったわけではございませんけれども御検討いただいた、こういう経緯でございます。
○鈴木和美君 私は委員長にお願い申し上げたいんですが、今大臣の答弁を伺っておりますと、マル優のつまり突如として出てきた問題と、それから俗称マル優問題を今回提起しなきゃならぬというようなことを前提にして議論されている中曽根さんの悪用論であるとか、それから宮澤さんの不要論であるとか税制協議会の経過だとか外国の問題であるとか、いろんなことを述べてきたんです。私は、一つ一つ政府が述べることはもちろん政府の態度ですからどうぞお述べくださって結構です、しかし、この国会でそのものだけを議論しても意味ないじゃないか、恒久財源の問題まで含めて与野党でやろうじゃないかということを言っておったじゃないか、そう述べているんです。それが、与野党書記長・幹事長会談だかどうか知りませんけれども、突如として出てきた。与野党書記長・幹事長のところに出てきたというだけなんです。どういう理由でどうだということはないんです。そこのところがはっきりしない限り私は質問できませんから、これははっきりしてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま申し上げましたような経緯でございましたから、この利子課税について政府が御提案をしたことにつきまして、与野党間の合意があったとこれは申し上げるわけにはまいらないわけでございますけれども、二度にわたりまして関係各党の最高責任者が協議をされ、そして自民党の提案いたしましたこの四つの点につきまして、それはこの問題を含んでおるわけでございますが、合議があって――合意があったわけではございませんが、その結果として衆議院の審議が再開されたという経緯を考えますと、政府・与党としては、御賛成を得ることはできませんでしたが、各党のこれについての御関心については十分御説明をする努力をいたしたというふうに私としては考えております。
○鈴木和美君 もう一度申し上げます。 今、大臣がおっしゃっていることは、それはそれで結構だと言うんです。ただ、私が言いたいことは、与野党書記長・幹事長会談をやったとしても、どの党も合意はしていませんと。とりわけ我が党は、そのことに対してはもう絶対反対をずっと主張し続けてきているんです、幹事長会談のときにも。だから、出すか出さないかという技術論じゃなくて本質論を私は言っているんです。本質論はあなた方が何も心配することないじゃないですか。与野党が恒久財源の問題について一生懸命これからやろうじゃないか、ましてや自民党の総裁任期がいつかもうちゃんと決まっているわけでしょう。六十三年度の予算編成の時期も決まっているわけでしょう。自然増収が見込まれる時期はどこかということも大体決まっているんですよ。あとはどうするかということは、これは大変なことなんですよ。だから真剣にやろうというのに、何で抜き出されなければいかぬのか。 もっと別な表現で言えば、中曽根さんが内閣総理大臣だから何とかしてでも引退の道筋をつけたいのか、それとも売上税とマル優が前国会でああいうふうになっちゃったから、三百を持つ自民党としては顔が立たぬということなのか、もっと別なところに本質があるんじゃないかと私は言うんです。 だからその意味で、何ぼ説明されたって私は今のところ納得できないですよ。これは扱いについてぜひ理事会で協議してもらいたいと思います。
○委員長(村上正邦君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(村上正邦君) 速記起こして。 大蔵大臣、同じ御答弁を三回繰り返しなさっておられるわけでありますが、その答弁では納得がいかないと、こういうことですが、それ以上踏み込めますか。踏み込めなければ別途協議いたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本件の今日までに至る経緯はただいま申し上げましたとおりでありまして、政府・与党といたしましては、税制改革協議会等々における各党の御意向にかんがみまして、書記長・幹事長会談等を通じて十分政府・与野の考えておりますところを御説明申し上げたその努力は最善の努力が尽くされたと考えておるわけでございます。そして、その結果として衆議院の御審議が再開をされて、税法につきましての衆議院としての議決、それは御承知のように四点の修正を含むものでございますが、そのような議決が行われまして本院に送付をされた、そのような経緯でございます。 したがいまして、この利子課税につきまして野党各党の合意があったということはもとよりございません。現実には、衆議院におきまして税法は野党は反対を表明せられたわけでございますから、ございませんが、結果といたしましては修正を含みまして衆議院から本院に送付をされた、そういう経緯で、政府といたしましては与党と力を合わせまして本件につきましての御説明には最善を尽くしてまいったつもりでございます。
○鈴木和美君 納得できないです。同じ答弁です。
○委員長(村上正邦君) 速記とめてください。 〔午前十時四十分速記中止〕 〔午前十一時五分速記開始〕
○委員長(村上正邦君) 速記を起こして。 ただいま理事会におきまして、鈴木君の質問は基本的な問題でございますので政府と与党である自民党と再度協議をいたしまして何らかの形で大臣御答弁をいただく機会をいただきまして委員会を続行したいと、こう思いますのでよろしくお願いを申し上げます。
○鈴木和美君 ただいま私の件につきましては理事会協議が行われたようでありますから、理事会の決定でどうぞ運んでいただきたいと思います。 そこで次の問題、絡んで御質問をいたしますが、今度現行の法律案でまいりまして、なおかつ与野党で協議された経過の中で、マル優の非課税というものが六十五歳並びに弱者と言われる方々にはそのまま続けようというお話でございますが、この六十五歳というものはどういう基準で出てきたんですか。
○政府委員(水野勝君) 今回御提案しております利子課税の改組案につきましては、お年寄り、母子家庭、身体障害者等所得の稼得能力が減退、消滅された方、こういった方々につきましては、貯蓄につきましては一定限度まで従来どおり非課税制度を続けさしていただいたらいかがかということでございますが、その際の所得の稼得能力が減退した方々の対象、その中でのお年寄りの問題でございますが、この点につきましては、お年寄り、老人につきましての国におきますところのもろもろの制度、こうしたものを考え、それとの整合性を保つように図らしていただいたということでございます。 具体的には、税制におきましても老人につきましての制度がもろもろございます。そうしたものの中におきましては、例えば老年者控除は六十五歳以上、老人扶養控除につきましては七十歳以上等の年齢がございます。また老人福祉法によりますところの福祉の措置、こうした福祉につきましては六十五歳あるいは七十歳と定められているところでございます。それから社会保障制度におきますところの基礎年金等の支給開始年齢の原則的な年齢が六十五歳でございます。 こうしたもろもろの制度との整合性を考え、また今回御提案申し上げております趣旨からいたしまして六十五歳と御提案さしていただいているところでございます。
○鈴木和美君 お年寄りと老人というのは六十五歳以上のことを言うんですか。
○政府委員(水野勝君) 税制上におきましては、老年者と言うときには六十五歳、老人というときには七十歳というふうに所得税法等の税制上はそんなふうに区分さしていただいてございます。
○鈴木和美君 今時間がありませんのでお年寄りと老人の定義を議論するつもりはないんですが、六十五歳という基準というか、そのことを採用するということであれば、百歩譲って、マル優という問題は基本的にいろんな問題はあるけれども、大体退職の年限というのは六十歳ですね。六十五歳から仮にマル優が非課税になっているということであっても、生活のサイクルというのはちょうどやめたときからはかっていかないと老後の生活というものが確保できないというような意見などもあって、六十五歳にするのであれば六十歳にしてくれたっていいじゃないかというような意見などもあるんですが、これに関してはどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(水野勝君) 通常の職場でございますと六十歳ということでございますと退職をされるということのケースが多いことは御指摘のとおりだと思いますが、六十歳でございますと現時点ではなお元気な方が多く、もろもろの第二の職場等々におきまして所得を稼得しておられるというケースも多いわけでございます。したがいまして、どの点で所得の稼得能力が減退したかという点を割り切るかということになりますと難しい問題もあるわけでございますが、先ほど申し上げたような税制上の国の措置その他もろもろの国の措置との整合性から切らしていただいているということでございます。 それからもう一つ、先ほど制度の趣旨からもこの年齢を考えさしていただきましたということを申し上げましたが、今回引き続きまして非課税貯蓄制度を続けられる方々の貯蓄の割合を今度の御提案申し上げている線で申し上げますと、今までの非課税貯蓄の大体四分の一ぐらいの方が引き続き適用を受けられるようになっておるわけでございますが、六十歳までまいりますと現在の非課税貯蓄の四割近くが引き続き非課税に相なる。これは、現在のマル優制度が始まりましたときは三割程度の適用、個人貯蓄の中でのウエートであった、それが現在七割まできている、それがこの非課税貯蓄制度の問題点として一つあるわけでございます。したがいまして、四割近くまでまいるというのはいかがか、四分の一程度がこの制度の趣旨にも適合するのではないかといった点が制度の趣旨でございますし、その点をもう一点付言して申し上げさしていただきますと、六十歳に切りますとそれだけ適用範囲が広がりますので約三千億円以上の減収をも伴うといった点もあるわけでございまして、こういったことをもろもろ検討いたしまして六十五歳ということで御提案を申し上げておるところでございます。
○鈴木和美君 大臣にお伺いしたいんですが、私の推測によりますと、先ほどの議論じゃございませんが、大変マル優の問題は国民関心の問題でございますね。私たちはとにかく反対なんですよ。皆さんの方は何とかやりたいと。やったからにはある程度見直したかというようなことが国民的にちょっとわからぬと格好が悪いというようなことで、六十歳にしたらどうかということに対して、見直したならばこれは四割なんですよと、そこのところにこの法案の一番のねらいがあるんだというような意味で、もちろんお金三千億というのはかかりますけれども、そこは私は五十歩百歩だと思うんです。六十五歳にしても六十歳にしても、その辺のところは五十歩百歩だと思うんですが、大臣はこれに対してどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) このたび改組いたしました制度としましては、社会的に特別の配慮を必要とする人々に対してこの制度を置きたい、こういうことございますが、その場合年齢をどこで切るかということはこれは一つの決断をしなければならないことでございましたが、ただいま政府委員が申し上げましたように、どの辺からいわば稼得――稼得というのは所得を得るという意味の言葉でございますけれども――能力が現実に落ちていくか、世の中で老人と考えなければならない常識的な線はどこであろうか等々のことを考えますと、国民全体が長寿になっていることもございます。また現実に六十何歳という年齢は決して引退をされるような年齢というふうには現実の社会はなっておりません。また、社会保障等々年金などの問題もいろいろ考えますと、やはり今として六十五歳というのがお年寄りとして特に配慮をすべき境目ではないか。いやそれでもまだまだ六十五歳ではお若過ぎるという考え方もあるのかもしれませんけれども、そうそうもまいりません。やはり六十五というのは相当な限界ではないかというふうに政府としては考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 私は先ほど原則的に反対の態度をずっととってきたんですが、持ち時間の関係もございますから、この点については私は大変深い関心を持っておりますので、大臣も質問の時間は少のうございますけれども頭の中に入れておいていただきたいと思います。 さて、国税庁にお伺いしますが、六十五歳にしても六十歳にしても、ある基準を引くということだとしますと、それでなくともこのマル優の限度管理をしっかりしようや、名寄せをしっかりしようやというような風潮でございます。そこで、まだ、六十五歳にしても六十歳にしても、そういう老人名義というものが悪用されはせぬか、しっかり管理できるのかというような国民の心配があるんですが、国税庁としてはどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(日向隆君) ただいま委員が仰せられましたように、マル優制度につきましては、その制度を的確に運用するためには本人確認が正しく行われることと提出された非課税貯蓄申告書を的確に名寄せすることが必要だと存じます。 ただいま提案されている政府案による場合、本人確認につきましては、これは御案内と思いますが、住民票等一定の公的書類により行われることとされておりまして、これが金融機関等の窓口で適正に行われれば仮名預金による不正利用の問題はなくなるものと考えられます。 他方、非課税貯蓄申告書の名寄せにつきましては、その対象者が老人等で、今御議論ございましたが、私ども約二千万人弱と見込んでおりまして、住所、氏名及び個人の不変の要素でございます生年月日を名寄せのキーといたしまして、全国一本の名寄せをすることによりまして非課税貯蓄の限度を超えて提出される申告書のチェックが可能であろうと、かように考えております。
○鈴木和美君 国税庁ですけれども、マル優に限らず、現在の機械化とかコンピューターとかいろんな方法を講じれば、非課税になっているいわゆる悪用というか、そういうものは現在の技術上においてすべてつかまえられるというような見通し、見解に立たれますか、それともちょっと難しいなという見解に立たれますか。あなたの個人的見解でもいいです。
○政府委員(日向隆君) 本人確認の問題につきましては、ただいま申し上げましたように、公的書類によりまして金融機関の窓口で厳正なチェックが行われれば仮名預金の問題、仮名問題については私は解決が可能であろうと思います。 ただ、問題は、この場合におきましても借名という問題がございまして、借名につきましてはなかなか問題が難しくて残ってくるんではないか、かように考えております。 それからもう一つ、お尋ねの名寄せの問題でございますけれども、これはコンピューターの技術の進歩その他を勘案して考えていく問題ではございますけれども、二千万人弱という場合には今言ったような技術的な観点でこれが可能であろうというふうに私は申し上げましたが、これが現行制度のように一億数千人が対象になってくるということになりますと、現在私どもが持っております非課税貯蓄申告書の残高は正直申し上げまして一億六千五百万枚ぐらいに達しております。また、年々提出されるフローとしての非課税貯蓄申告書も約二千万枚というふうな膨大な数になっておりますので、これが金融機関の窓口の所在する税務署を通じまして今度は納税者が住んでおります税務署に送られてまいりましてそこで名寄せが行われるということになるわけでございますけれども、これをコンピューターによりましてどの程度的確に実施することができるかどうか、これはかなり検討を要する問題であろうかと思っておりますし、御理解賜りたい点は、この場合には二千万人弱の場合と比べまして相当膨大な事務量とそれから経費がかかるということがあろうかと思います。 また、先ほど申し上げました借名の問題につきましては、二千万人の場合にはおのずからその対象が限られてまいりますので借名しょうにもなかなかしづらいという実際上の問題がありますが、一億二千万人程度の話になりますとこの借名の問題につきましてもかなり程度の違いがあろうかと、かように考えます。
○鈴木和美君 主税局長にお尋ねしますけれども、今郵貯の方の問題はそれなりにわかったんですけれども、当委員会で同僚議員からもたくさん質問がありました現在の非課税の残高ですね、六十年度末では二百八十七億ですか大体三百億ぐらいになっているのじゃないかなと思うんですが、この数字について悪用がどのくらい行われているかというようなことは、主税局長、大体ある数字がわかりましょうか。
○政府委員(水野勝君) 現実に国税庁におきまして調査を申し上げればかなりな問題が出ているということは事実でございます。 制度的にこれをどのくらいをもって不正があるかという点につきましては、制度的に考えますといろいろ難しい面がございますが、例えば貯蓄動向調査、家計調査、こういったものから平均の保有額を取り出し、それに世帯数を掛けますとお示しの二百八十七兆とは相当な差がある。しかし、それは統計のとり方等の問題でもございまして、全部がそれは不正であるということは言えないと思いますが、そうした計算をしますとかなりな差が出るということはそうした不正的な要素もあるのではないかというふうにも受け取れるわけでございます。 しかし、正確に二百八十七兆の中でどのくらいが不正であるかということを申し上げるのはなかなか難しいところでございます。
○鈴木和美君 私の推計では、今のお話ではございませんが一世帯当たりの貯蓄残高と世帯数を判断してみますと、約百兆円ぐらいどうもおかしいんじゃないかというように、私は大ざっぱな計算ですけれどもそんな感じであります。局長も、悪用されている要素要因があるかもしらないという今お答えですね。全部がそうだとは言わぬけれどもどうも悪用されているというような認識でおられると思うんです。 それで、これはもちろん限度管理という問題から始まって、資金のシフトから始まって、金融の事情から始まってキャピタルゲインというものが大変これ議論になっているわけでございます。それで、それについて私どもとしては、個人のプライバシーという問題があったんですけれども、番号制みたいなものを入れてきちっと捕捉をしないと、制度上の不公平というものはよくここで議論になるんですけれども、大蔵大臣のこれまでの御答弁じゃございませんけれども執行上の不公平がいつも問題にされるわけです。私は五十六年のときに当委員会でも質問したことの記憶をずっと持っているんですが、おいでになる福田先生も当時主税局長だったし高橋先生もそうだし梅澤さんもそうだし、今度水野さんにかわって、そのときそのときに税務署の職員はふやしてください、そうでないと私ら困りますよと何回直言われている。ところがふえるのはこれぐらいです。つまり実調率というものが非常に下がっている、そういう状況の中で一挙に税務署職員を何万人ふやせなんていったってできっこない話ですね、これは一挙には。徐々にはしてもらわなければいかぬ。けれども、こういう不正というものがある限りは、税制上いろいろないい制度をつくってみても、結局はしりが割れちゃっているというようなことになると思うんですね。 だから、私は、一つは、税務職員という問題もしっかり考えてほしいと同時に、水野局長は、先般、和田先生の御質問だったかどうか知りませんけれども、そろそろキャピタルゲインの課税の方向について番号制を含めながらこれから検討をしていかなきゃならぬと思うというように私がとれた答弁があったんですが、今のお気持ち、答弁は私の理解で変わりございませんか。
○政府委員(水野勝君) 番号制につきましては、ただいまお示しのように昭和五十五年度改正におきまして、国民納税者番号ということではございませんが、非課税貯蓄を利用されるという方の番号、これを便宜使いまして非課税貯蓄だけでなくて利子課税全体につきましてこれを適用して適正化を図るということを御提案申し上げて立法化させていただいたところでございますけれども、諸般の事情から五十八年度改正で三年間延期をさせていただき、六十年度改正ではこれは撤回をさせていただいたというところでございます。これがまだほんの一昨年でございますので、改めてもう一回番号制度を仕組みをつくり直しまして御提案してまいるだけのどうも環境はまだ私ども十分ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。 ただ一方、御指摘のございましたキャピタルゲイン課税につきましては、これはなかなか放置できない問題である。この点につきましては、年々その課税範囲の拡大に努めてきておるところでございます。また、昭和二十八年度に有価証券のキャピタルゲインは原則非課税としつつその背後にある担税力に着目して有価証券取引税を創設させていただいたわけでございます。その有価証券取引税が今や一兆四千億円という税収を上げるに至っております。これだけの御負担をいただいておるというところでございますが、これが流通税という形をとっておりますために、こうしたもので配慮をさせていただいておりますといってもなかなか簡単に御理解は得られない。この有価証券取引税とあわせながらキャピタルゲイン課税を、実質的税負担を所得課税の面でお願いをしていくという仕組みをやはり有価証券取引税というだけでなくて考えてまいる必要はかなり大きなものであろうかと思うわけでございますので、このキャピタルゲイン課税の問題については早急に取り組む必要がある。従来からの漸進的解決はもちろんその努力は続けなければいけないと思いますが、基本的な勉強も早くする必要があるということを考えておるわけでございますが、ただその場合におきまして直ちにキャピタルゲインにつきましても番号制的なものをその中にどの程度組み込んでいけるのかということになりますと、番号制度の先ほど申し上げた経緯等からしますとこれはなかなか難しい面があるというふうに感じておるわけでございます。
○鈴木和美君 結局、勉強するといったって何やるんですか。今答弁聞いておって、あっちいったりこっちいったりしているんですが、さっぱりわからないのですが、何を勉強するのですか。
○政府委員(水野勝君) 端的に申し上げますれば、現在は二つの方式で御負担をいただいておる。一つは有価証券取引税、一つは特定の継続的取引の場合の譲渡益課税、この二つの方式でございますが、この継続的取引だけに限られた現在の有価証券譲渡益課税につきまして継続的取引ということに限らなくて譲渡益課税をお願いをする、それが直ちに原則課税と一挙にいけるものであるかどうか、そこはその中間にいろいろあり得るのかどうか、そこらのまだ基礎的な方向につきましても十分内部でよく検討されたというところではございませんが、そのあたりから取り組みを始める必要がある、このように考えております。
○鈴木和美君 大臣、私は一律分離課税というものを今回提起したということは、大蔵省としては総合課税という問題は別に放棄したわけじゃございませんよということをおっしゃっているわけですね。だけれども、実質的にも分離課税をここに入れるということは、総合課税というものを放棄はしていないんだとは言うけれども、時間的、物理的に見ていけば分離課税というものを認めざるを得ないというような方に行っちゃっているんじゃないかと思うんですね。私は、ここのところは一つの税体系として問題だな、税構造として問題だなということを思っているんです。 今こういうことを議論しようというわけじゃないんですけれども、そういうことから考えてきたときにやっぱりキャピタルゲイン課税という問題を本気に考えていかないと、これは悪徳商法じゃないですけれども大変な社会的問題というものが私は出るような気がしてならないんですよ。だから、今水野局長は勉強していきますとおっしゃったんですが、納税者番号でも何番号でもやっぱり番号制を入れないとちょっとどうかなと私は思うんですよ。例えば、グリーンカードの問題についても、省はグリーンカードをやりたいと、何といったって提起したんですから。むしろこっちに並んでいる自民党さんの方がだめだといってあれはやめたんですから。今の金丸さんが一番親玉になってやったわけでしょう。よく考えてみると大きい金を持っている人にばかっとかけられては大変だといって、これは一挙にどんでん返しになってあんなことになっちゃったと思うんですね。だけれども私は、やっぱり番号制というものを入れてきちっとした捕捉をしながら適正な税を課すということが必要だと思うんです。 そこで、大臣にお尋ねしたいんですが、そのキャピタルゲインという問題について、番号制も含め、有価証券であればそれぞれ売買の報告書を提出するとか本人の確認をきちっとするとか証券会社の協力をもらってどうするとかというようないろんな方法があると思うんですね。そういうようなキャピタルゲインの課税について、近いうちに本気になってお取り組みになるのかならないのか、その点の見解を大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 原理原則の問題といたしましては、どのように発生した所得も所得として、しかも理想的にはそれは総合課税で累進の課税を受けるべきであるというのは原則であろうと思います。 そこで、ただいまお話しになられましたキャピタルゲインの問題というのは、過去にもそういう経験をいたしたわけですけれども、なかなか行政として、先ほど鈴木委員がいみじく至言われました制度としての公平ということと執行面における公平という問題が確かにございまして、行政としてはなかなかキャピタルゲインというものを公平に捕捉をするというそういう体制ができていない。これは残念なことでありますけれども、現実にできていない。そこで、かつてグリーンカードというようなことである程度のそういう措置を考えたわけでございますけれども、それはいろいろな意味で、自民党ばかりとは申し上げ得ないいろんな世論のやはり反撃がありまして入れられるところとならなかった。それは、我が国のように、アメリカなんかと違いまして長い歴史を持っている、陰と陽の陰影のある社会におきましては、すべてのことを番号で白日のもとにさらすということについてのやはり国民の気持ちというものが、古い国でございますだけにあるのであろうと思われます。また、そういうことから過去に不幸な体験をしたこともございますものですから、必ずしも国民がそれを受け入れる気持ちになっておられないということではないかというふうに考えておりまして、そういうことの中で、しかしおっしゃいますようにこれを全く放置するというわけにはまいらない。体制の中でどれだけのことができるか、継続的にあるいは大量にというようなことからだんだんにその課税の範囲を拡大してまいろうとしておるわけであります。究極的には、やはり今鈴木委員のおっしゃいましたように、何かの形で公平な行政によって過不足なくそれが把握できるということが究極のやっぱり私どもの目標である、そういう努力をしていくべきものであると考えております。
○鈴木和美君 主税局長、こういうことはできませんか。今大臣の問題認識もやっぱり大変なものであるという認識でございますので、大蔵省がいろいろ検討した結果をここ一年とか二年の間に村上委員長に報告するみたいな、勉強します、勉強勉強でいつまでも長くするわけにいかぬものですから、勉強の経過を必ず一年ないしは二年の間に当委員会に報告するというようなことまで私は言いたいんですけれども、受ける用意ございますか。
○政府委員(水野勝君) 私どもとしては、この問題は放置できない問題であると考えておりますので、できるだけ早い機会に当委員会におきますところの御審議を踏まえまして十分勉強をいたし、その成案ができればこの委員会の御審議の過程でいろいろまた御議論をいただき、そしてまたそれが法案としてまとめられるまでの段階に至れば法案として御提案を申し上げ、御審議を願いたいという希望は持っておりますが、今回の改正御審議を経て後にどの程度のスピードでタイミングでそうした勉強ができるか、この次のとか、この次の次のとか、そこまで具体的になかなか申し上げられないわけでございますが、そうした検討を重ね御審議を願うという希望はもちろん持っておるわけでございます。
○鈴木和美君 茶化してなく聞いていただきたいんですが、今水野局長が言われる大蔵省の部内で使われている言葉の中で、早い時期というのはいつのことを言うんですか。
○政府委員(水野勝君) 毎年国会で御審議、御議論をいただきましたら、その御意見、御議論、御指摘は税制調査会に次の機会に報告を申し上げ、その場でまた御議論をいただくわけでございまして、そのときの御議論が税制調査会でまとまれば次の改正の機会にはお出しをしてまいるというタイミングになろうかと思うわけでございます。 通常の年でございますと大体二月、三月に国会で御議論を願い、それを春夏秋といただきまして御議論を申し上げて、次の機会にと申しますと一年あるわけでございますが、今回は、今はもう九月になっておりますので、ややそこは通常の年のタイミングとは少し違っておりますので、すぐこれをもって来年度の改正となりますと時間的にかなり切迫していますので、通常の年のようなわけにいくかどうか、そこは若干自信のないところでございます。
○鈴木和美君 短い時間ではありますけれども、国民の多くがこの問題については注目しておりますので、大臣、今私が述べた点を十分踏まえて対処していただきたいと思います。 次は、所得税の問題について若干伺っておきます。 今回提出された法案と当初案と比べますと、当初案の方につきましては、これからのつまりサラリーマンの税のあり方というようなものがある程度政策的展望的に整合性というものが私はあったように思うんです。つまり税率構造を六段階にしてあるとか、そういうものとの関連でこうだというようにある程度整合性があったように思うんです。今回出てきているのは十三段階か十二段階が、それだけですね。したがって、私が思うのには、この勤労者の税の問題というもののフラット化というものは放棄されたのか、これはどういうふうにこれから取り扱われるのか、その点を伺っておきたい。
○政府委員(水野勝君) 前国会に御提案を申し上げた姿で申し上げますと、御指摘のように、六段階の所得税の刻みといたしておったわけでございます。これは、大多数のサラリーマンの方々が固まっておられる所得分布の中では、世代、ライフサイクル的に考えますと、初任給から始まって四十代、五十代の働き盛りになり退職されるという中で、それほど累進を余りきつくする必要はないのではないか。むしろお子さんの教育とか住宅問題で一番生活に逼迫感のある四十代、五十代、その時期はまた収入も高水準になる時期でございますが、そこに累進が働くということはサラリーマンの重税感を高めている面があるというふうに考えられるところでございますので、大多数のサラリーマンの方については一つないし二つの税率でもって対処していただいていいのではないか。それを基本にしつつ、その一定の水準以上は累進をお願いをするとしても六段階ぐらいという姿を描いて、そうした税率構造を含む改正案を御提案申し上げたところでございます。 ただ、前回の通常国会、それから今般の臨時国会に至るまでの経緯等を踏まえまして、今般はそうした諸税率の刻みの全体としてのイメージは頭に置きながら、当面ここまでできる、当面ここまではとにかく早急にやる必要がある、それは財源の点も展望しつつの上でございますが、今回はそこまでのものをとりあえずまとめさしていただいて御提案をいたしたところでございます。 そうした基本的な考え方をつくり上げたその背景となる考え方につきましては、私ども、それはやはり将来の姿としてはあっていい姿ではないかということはなお頭には置いてございますが、それをどのように今後実現していくかということになりますと、財源の問題、他に税制改正を急ぐべき問題等々との兼ね合いでございますので、今国会におきますところのもろもろの御議論を踏まえながら、そうしたイメージは持ちながら検討はしてまいりたいと考えているところでございます。
○鈴木和美君 今のお話によりますと、将来の税の構造というか税率構造ですね、これは前回提出されたようなものは捨てているわけではないんだ、だけど通常国会、今度の臨時国会を見て今回はこういうふうにしたと。捨ててはいないという答弁だと思うのですが、しかし直ちにそれをどうするかということについては、今のところどうも計画的なものは持ち合わせていないというように受け取ったんです。 そこで大臣、大臣の答弁の中でもこの前出ておったのですが、今回の一兆五千億余、住民税を入れて二兆というような減税というものは相当思い切ったものである、過去から見てもそれこそ数えるぐらいである、思い切ったものだという答弁がございましたね。そして庁方、フラット化の方は、いつ、どういうふうに採用するかという計画的なものもはっきりしないんですよ。先々の労働者の、これからのサラリーマンの所得というものを考えてみても、減税はそう簡単にこれから行われないんじゃないか、賃上げといってもそう簡単にいくものじゃないだろう。同時に、大臣が衆議院でお話しになったときの言葉も私は非常に引っかかるんですが、ヨーロッパやアメリカなどでは付加価値税みたいなものが導入されたときに減税が行われていますという一項目があるんですね。裏から読むとそういう新型の何かが入らないときには減税はないんだなと、裏から読んだら皮肉ってそういうふうに私にはとれるんですね。 そういうことをあれやこれや考えできますと、今いみじくも主税局長がおっしゃった、財源というものがない限り少なくとも減税というものはそういじれないと、そうおっしゃった。そうすると、サラリーマンの減税とか所得とか安定した生活だとかいうことを考える場合の国としては、もうお金がなければだめだ、つまり裁量的なものでしかやれないということに答弁が意味するように思うのですよ。それではサラリーマンはたまったものじゃないと思うのですね。ちょっとでも上がれば税率構造は上がるのですから、名目賃金で上がっていくのですから、実質所得は減るのですから、それが放置されていくということになるとこれは大変なことだなと思うんです。 それでもう一つ、私は心配なのは、最近日銀がこういうことを言っていますね。今は確かに物価は何とかかんとか落ちついているように見えますよ。だけれども、マネーサプライの問題であるとか卸売物価の問題であるとか素材の値上がりであるとかということに対して、インフレの危険というものを今も赤信号で出していますね。そういうことを考えていった場合に、サラリーマンの生活というものに物価調整減税という言葉じゃないかもしらぬけれどもインデクセーションみたいなものをやっぱり採用しておって、サラリーマンが勤めてからある時間まで、退職するまで余り税率というものは動かないような、安定した生活が営めるというような意味で私はこのインデクセーションというものを取り入れたらどうか。諸外国でもやられているわけですね、そういうものについて大臣はどういう見解をお持ちですか、
○国務大臣(宮澤喜一君) 売上税の御議論が国会で行われましたときに、このようなものを導入すると税率を上げることは比較的容易ではないかというお尋ねがございまして、それに対して、西欧諸国を見ておりますといわゆる付加価値税の税率の変更というのは大きな所得税等の減税が行われるとき、それとのいわば見合いで行われることはございますけれども、そうでない場合にはなかなか税率の引き上げというのは簡単には行われておらないように存じますということを申し上げたことがございます。それはまたそのとおりであろうと思うのであります。 そこで、ただいまのお尋ねのことは、私どもは、やはり殊に給与所得者について累進構造の緩和を図って、いわば社会に出ましてから退職するまでの間の余り厳しい累進というものを何とかして穏やかに緩やかなものにしたいというこのことはいつの日にか実現をいたしたいと思っております。また、法人税についても国際的な観点からいえば現在のものは高過ぎると考えておりますこともしばしば申し上げました。しかし、それらはいずれにしても相当な財源を必要といたすということは我が国の財政状態が変わりませんとやはり申し上げざるを得ない。 で、衆議院のことを申し上げるのはいかがかと存じますが、衆議院議長が税制改革協議会をあっせんしてつくられましたときも直間比率云々ということを言われましたのは、我が国の社会がやがて高齢化するということも考えながら、社会の共通の負担はなるべく薄く広く、これだけ所得水準も高く格差のない国でございますから多くの国民にしょっていただくことがいいのではないかという、それは私どもの関心でございますが、そういうことにも触れておっしゃったことだと思うのでありますが、そういうこと等をあわせますと、やはり将来直接税、所得税、法人税を大幅な減税をしていくということになりますと、そのための税源、恒久的な財源をやはりどこかに見つけざるを得ない。私どもは売上税ということで非常に大きな反省をいたしておりますから、このことについては十分、軽率でなく考え直さなければならないということを重々思っておりますが、しかしただいま言われましたような所得税課税というものを大幅に減税していくとすれば、何かの恒久財源を求めなければただいまの財政状態としてはなかなかそれは容易なことでない、そのように私どもは認識をいたしておりまして、私は今の経済状態がインフレになるというようなふうには考えておりませんけれども、我が国の個人所得税の殊に中堅層における重税感というのはこれはやはりかなりのものでありまして、何とか緩和をしなければならないということを思うにつけまして、ただいまのように長期的には何かその財源を求めなければならないということを、やはり問題としてはそういうふうに考えざるを得ないと思っております。
○鈴木和美君 私の話の仕方がおかしいかもしれませんけれども、今大臣の答弁の中での直間比率の見直しということだけを抜き出して言うんであれば、私は直間比率の見直しというものは結果からあらわれるものだと思うんですね。だれの説を聞いてもそうでしょう。初めから直接税何割、間接税何割といってどっといくようなものでないと私は思うんですよ。現行の税制のいろんなひずみ、ゆがみ、そういうものを洗い直した上で結果としてそれが何%になるのかという哲学でなきゃいかぬと私は思うんですね。ここに日向さんの、国税庁の労働組合、国税会議ですな、国税会議も、直間比率の問題について、結果としてあらわれるものであるというふうにわざわざ述べている。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 今直間比率を私は議論しようというあれはないんですよ。今私が言っているのは、大幅な減税を我々は要求して一兆何千億かの減税が行われたけれども、不満である。そういう立場から見ると、お金があるときだけ減税しますというような裁量的なものではなくて、も一と将来的に――つまりサラリーマンというのは今様に言うと金の卵を産む鶏みたいになっているんですよね。私に言わせれば今本当にサラリーマンは大変だと思うんです。だから、そういうところに視点を合わせて、将来インデクセーションみたいなものを取り入れる考えはないかと私は聞いているんです。あとほかに要らないんですよ。
○国務大臣(宮澤喜一君) 突然のお尋ねでございますのでお答えをする用意がございませんし、またインデクセーションというものが具体的にどういうことをお考えになられますか、それにもよることと存じますが、一般論としてのみ申し上げますならば、我が国のように安定した経済において所得と物価等々の間をインデクセーションで調整するということは、メリットがあるかもしれませんけれどもかなり弊害がございますので、よほど慎重でなければならないと思っております。
○鈴木和美君 私も税率構造だけをいじって済むという問題ではないと思うんです。今いろいろな何々控除、何々控除というものをどういうふうにまた絡ませるかという非常に技術的にも難しさはあることを私は重々承知しております。しかし、サラリーマンの現況から考えればせめてそれぐらいのことを取り入れてくれたっていいじゃないか、もう少しそういうことを真剣になって検討してくれたっていいじゃないか、クロヨンの話じゃございませんけれども、必ずそういう問題が出るわけですね。だから、今直ちに結論は要らぬけれども、私はそういう強い希望を持っているということについてもぜひ頭の中に置いておいてほしいと思います。 さて、その次の問題は一般財形の問題でございますが、今回、年金、住宅というものを含めましてそれでゼロになったということはあるんでございますが、一般財形についてどうして非課税が行われないのかということについての理由についてちょっとお尋ねしておきます。
○政府委員(水野勝君) 今回の改正案におきましては、貯蓄の点について申し上げれば、戦時中の購買力の吸収、戦後におきますところの資本蓄積といった点を背景として一般的に貯蓄を税制上優遇するという必要性は乏しくなってきているのではないか、ただ、老人、母子家庭、身体障害者等稼得能力の減退した方につきましては非課税貯蓄制度を継続する、こういう形に改組することがいいのではないかということを御提案申し上げておるところでございます。 したがいまして、財形貯蓄につきましても、一般的な財形貯蓄をそのまま非課税として継続するということになりますと、勤労者につきましては引き続き一般的な貯蓄につきましての非課税制度が継続するということに相なるのでございますので、他の所得者とのバランス等からいたしましてはこれはやはりいかがかということで、普通の貯蓄課税として扱わしていただいているところでございます。ただ、財形の中でも住宅財形、年金財形につきましては特段の措置を講じさしていただいているところでございます。
○鈴木和美君 私から申し上げるまでもなく、財形制度の目的というのは、既に発表のように、勤労者財産形成制度は一九七一年に制定されて、勤労者財産形成促進法というものができ上がって、その制度の中で目的として掲げられたものは、勤労者の自助努力により資産を保有することを国が援助し、事業主の協力と相まってその計画的財産形成を促進することにより勤労者の生活の安定を図り、ひいては国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであると書かれていますね。これが私は促進法の目的だと思うんです。 さて、今日勤労者の財形の状態を見てみて、住宅と年金というようにだけなぜ区切らなきゃならぬのかということに対して、みんな納得できないんですね。少なくとも勤労者の貯蓄の動向というものを見ますと、もう御承知だと思いますが、六十一年度貯蓄に関する世論調査の中で、最も重点を置いている貯蓄の目的は何かということを問うたところが、 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕一番は、病気、災害の備え、これが三一・六%でしょう。子供の教育、結婚資金一七・六%。老後の生活費一五・九%。土地、建物購入などの資金九・九%。これが高い理由になっていると思うんですね。したがって、住宅は住宅、もちろん年金は年金という目的はありましょうけれども、勤労者の貯蓄の形成、財産形成というものはやはりこういうところに重点があるということを考えれば、先ほど申し上げました促進法の目的、内需拡大などなどかる見てもやはりこれは同じように取り扱われるべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(水野勝君) 先ほども申し上げましたように、一般的に貯蓄を優遇するという点につきましては、この時点におきましては見直しをさしていただければというふうに考えるわけでございます。ただ、勤労者の財産形成が重要なことはもちろんこれは引き続きましてあるわけでございまして、したがいまして一般の財形貯蓄制度といったものはなお継続をするわけでございます。ただ、税制上、それを一般的なものまで優遇と申しますか特別に配慮いたすということになりますと、他の所得者、サラリーマン以外の方々の一般の貯蓄とのバランスといった点が出てまいりますので、この時点におきましては、財形の中でも年金、住宅につきましての財形につきまして特別の扱いをさしていただければというふうにお願いをしているところでございます。 また、この場合におきまして、財形法におきましてもそうでございますが、今回の法律におきましても、現在持っておられます一般財形貯蓄、この残高を一定の条件で契約変更していただければ、これを住宅財形あるいは年金財形といたしまして改組をし、そのまま非課税の特例を受けることができるようにいたしておりますので、先ほどお話しのように、住宅あるいは老後のために貯蓄をされるという方々のウエートもかなり大きい、そういう意味からしてそういうふうにそこへ移行をするようにいろいろ税制上も配慮をしているところでございますので、こうした点を御活用いただければと思うわけでございます。
○鈴木和美君 議論が逆なんですよ、議論が。 家を持っている人もおるんだから。そうでしょう。だから住宅と年金という制度ができたんだから、一般の人は全部こっちにシフトしてくれませんかとおっしゃったって別に家を持っている人はシフトしようがないんですよ。 それから、ほかの人との比較を見るとちょっと問題でありはせぬかというお話ですけれども、今度は六十一年度総理府の貯蓄動向調査を見ても、全世帯平均で九百九万ですか、貯蓄の残高ですよ。勤労者の所得平均が七百三十三万、非勤労者所得平均千二百二十二万、こういう残高でしょう。だから、私は、先ほど申し上げました促進法の目的などから見ても、これは一般財形というものは非課税のまま取り扱っておいて、国の内需拡大政策やその他自助努力やそういうものを含めれば今の政策と合致しているんじゃないのか、何でここだけ抜き出してそれをやらなきゃいかぬのか。ほかと比較、比較と言うけれども、比較から見てもそんなにおかしいものではないんじゃないかということを私は申し上げているんですよ。いかがですか。
○政府委員(水野勝君) そうした点も踏まえて検討させていただきまして、今のお話の一般の世帯と勤労者世帯では確かに差があることはあるわけでございます。この中にはなかなか営業性預金を十分うまく区分して取り出していることができるかどうか、そこらの統計上の問題もあろうかと思いますが、実態としてはやはり貯蓄の水準には差はある、そこらになお差があるという点を勘案いたしまして、サラリーマンについては住宅、年金については特例を続ける、こうしたことで一般の人との差を設ける、そこらまでは一般の貯蓄者の御同意も得られるかというところで引き出していただいているところでございまして、そこらの点の特例措置でもって御了解をいただければと思うわけでございます。
○鈴木和美君 大臣、これは衆議院の方でいろんな議論をされてきてから参議院の審議に移るに当たりまして、各方面からこのことに対する私どもへの要請というものが大変多いんです。それだけこれも国民的な注目の一つのテーマだと思うんですね。そういう意味で当然我々としては大変こだわっている問題でございますので、頭に置いておいていただきたいと思うんです。 次は、日本たばこ会社の副社長さんに大変お待たせいたしたんですが、たばこの問題に入らせていただきたいと思います。 今回の改正案で、六十一年度に実施された増税分の時限立法というものを六十二年四月一日から十二月末日まで延長したものをもう一回三カ月延長するという提案でございますね。これはどういう理由なのか、説明してください。
○政府委員(水野勝君) たばこにつきましては、委員御承知のとおり、昭和六十一年度改正で地方財政対策、地方への補助金問題等に関連いたしまして一本一円の特例措置を講じさせていただいたところでございます。そうした特例措置を講じましたたばこの負担水準を前提といたしまして、昨年の税制調査会で抜本改革につきましての議論を進める中におきましてもたばこの負担水準につきましていろいろ議論がございまして、その結果といたしまして、十月末の抜本改革答申と昭和六十二年度税制改正答申におきましては、売上税を前提といたしまして売上税込みの税負担水準としてはその水準を維持することとし、一部売上税に関連する部分はそちらに移行する、その結果としてのたばこ消費税それ自体の水準といったものを算出をし、それは売上税とあわせて六十三年一月一日から適用するということで整理をさせていただいたところでございます。それによりまして、本年の租税特別措置法におきましては、売上税の実施までの間、ことしの十二月末までの分につきましてこの特例措置を続けさせていただくという御提案を申し上げ、御承認をいただいたところでございますが、今般、さきの通常国会、この臨時国会等の経緯によりまして、売上税はすべて現時点におきましては法律から外してございます。そうしますと、売上税を前提といたしましてことし十二月まで続けさせていただいた後の来年三カ月間の部分につきましてはその部分が抜けてくることとなりますので、この三カ月間につきましてこの十二月までの御負担を続けさせていただきたい、こういうことで御提案を申し上げたところでございます。
○鈴木和美君 後ほど大臣にはお尋ねしますけれども、日本たばこ会社にお尋ねしますが、先般の民営移行後、今日の経営状態というものはどういうことになっているのか、簡単で結構ですから御説明いただきたいと思います。
○参考人(石井忠順君) 簡単に御説明申し上げます。 一昨年の四月、専売公社から日本たばこ産業株式会社という株式会社に民営化をされまして二年たちまして、三年目に入っておるわけでございます。 簡単に申しますと、初年度六十年度、二年目の六十一年度、経営の成績としては、いろいろ問題ございましたけれども、まずまずの経営成績を上げられたかというふうに思っております。経常利益ベースで約九百五、六十億円、初年度も昨年度もそういった状況でございます。 ただ、問題はこれからでございまして、御案内のように、今年の四月から製造たばこにかかりますところの関税がゼロになりまして、本格的な競争が始まりまして、同じ価格帯で輸入されました外国たばこも私どもがつくります国内製品もほぼ同じ価格で市場に出回っておるという状況でございます。そういう中でかなり輸入たばこのシェアもふえております。昨年度が通算をいたしまして三・九%でございましたけれども、八月からは九%、現在一〇%近い状況になっております。そういう意味で、私ども三年目に入りまして、いわばこれからが本当の競争下の会社としての経営だというふうに認識をして努力をしてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○鈴木和美君 私が聞いた話ですが、民間移行後企業努力が大変行われて、三万何千人がおった労働者も二万五千人しかおらぬというようなことで、工場も幾つかつぶしながら大変な努力をされているということは承っております。 それから、総体的にたばこの需要の見込み、実績というものは、民間になったときからずっと見ますと、まず第一、長岡社長が先般私におっしゃっておったんですが、一本一円値上げが竹下さんの時代にはっと決まっちゃった、そして今回二〇%の関税が取り外されちゃった、こういう状況の中で大変総体的な売り上げの方は苦しいんですというお話があったんですが、それはそういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○参考人(石井忠順君) 率直に申しまして、昨年の五月から臨時増税ということで正確に申しますと一本九十銭の増税でございます。たまたま私どもの方はその御負担をほとんど消費者の方に値上げという形でお願いをせざるを得ませんでしたが、外国たばこの方は御案内のような円高というような状況もございましてその辺はとんと定価を据え置くという形で推移をいたしております。私どもとしては大変つらい状況でございますけれども、お話ございましたように、社内の合理化その他営業努力等も含めまして、何とか競争に耐え抜いていかなければならぬと考えておるところでございます。
○鈴木和美君 先ほどの主税局長のお話と関連してもう一つお尋ねするんですが、専売公社からたばこ会社にかわるときのたばこの税率というものは納付金、消費税、いろいろ含めまして当時は五六・七%というのが平均の税率であったわけですね。その後、先ほど申し上げました地方交付税が足りないということで自治省と大蔵省との間に、それこそ何というんでしょう、関係者に相談のない間に大臣同士が決めちゃった。一本一円、まあ九十銭の値上げになった。これの税率が五九・七%ですね。ちょうど転換するときが五六・七%。酒、たばこ、いろんなものを含めてそれが適当だろうというので決めた。その後ぼっと今度は値上げが行われた、こんな状況だと思うんです。 そこで、たばこ会社から見ると、たばこというものはどのぐらいの税率であった方がいいのかというようなことについて特別の御意見ございますか。
○参考人(石井忠順君) 財政学の専門家でございませんので的確なお答えはできかねるかと思いますが、私ども、たばこをつくり消費者の方々に御愛用していただくといったばこ企業の立場から申し上げますと、これは税の面だけではないと思いますが、喫煙と健康問題その他いろんな関係があるかと思いますが、総消費が横ばいあるいは微減の状況でございます。そういった点から考えますと、製造たばこに対する税の負担力と申しますか、かなり限界に近いところに来ているんではないかなというような、そういったようなこれは感じでございます。恐縮でございます。
○鈴木和美君 藤井政務次官にちょっとお尋ねしますが、よく藤井政務次官たばこを吸われますけれども、どうしてたばこを吸われるんですか。
○政府委員(藤井孝男君) 日に平均大体四十本ぐらい吸っています。
○鈴木和美君 大変申しわけないんですが、なぜ私がそういうことを聞くかというと、今たばこ会社は大変だと思うんです。十一月にWHOの東京会議が開かれることになりまして、健康、喫煙問題に関しての世界会議が東京で開かれます。八月末に厚生省から白書が出ました。他方、アメリカにおいては日本とちょっと違うんですけれども、アメリカの場合には有害表示、こっちは注意表示ですね、そういう表示の違いはあるんですが、先般ある人が裁判に持ち込まれました。連邦の裁判所はたばこを吸ったことによって肺がんになったとは思えないという結論の判決が出ているわけですね。片方ではそういうのが出ている。片方ではたばこを吸ったらもう真っ黒けだよというような人もおる。そういう中でWHOが開かれるというときに、国の対応として一体どういうふうにするんだろうということが大変私は心配なんです。 例えば、今説明したように、民間にかわったときには五六・七%がたばこの税率としては一番いい、こうおっしゃってあの数値を決めたんです。そして、その後一本一円値上げでしょう。五九・七%。これも一年の時限立法とする、国が金がないんだから助けてくれよといって社長に相談なく竹下さんが決めちゃった。社長も怒ったです。この限りからいうと、社長が怒ったということは適正税率は五六・七%と思っていたから怒ったんじゃないですか、相談がなかったということもあるけれども。だから、たばこ会社が今適正税率が何ぼがいいかと言われたってなかなか答えにくいでしょう。だから、副社長のお話では、現在の税率は担税能力として限界ですよというお答えなんだと私は思うんですね。しかし、依然として売上税を見込んで、一年時限立法であったものを売上税が入るんじゃないかと思ったものだから十二月三十一日まで延ばしたわけでしょう。たばこの担税力は五九・七%がいいんだというんであれば、それは十二月三十一日まで区切るのがおかしいですよ。たばこの税率は約六〇%がいいというんであればずうっとやればいいわけでしょう。もっと別な表現によれば、本則に取り入れりゃいいじゃないですか。売上税があったから十二月三十一日までだと。だからこれ吹っ飛んじゃったら当然もとに戻すべきじゃないですか。時限立法として一年限りでございますよといっておって、今度売上税があるからまた延ばした、それも十二月三十一日までですよ。こういうやり方というのは私はとてもおかしいと思うんですね。しかし、それだけたばこに対して、つまり徴税というか消費税というか税金をたばこで上げてくださいということを国は、大蔵省は言っておりながら、他方厚生省、文部省、この東京会議が開かれるときに、たばこを吸ったらもうパアよということを言うのはどうでしょう、これ。大蔵省の立場はお金が欲しい、もっとちょうだいよ、片方は吸いなさんなというんです。 大臣、これはどういうふうに理解したらよろしゅうございますか。
○政府委員(宮島壯太君) たばこ消費税はたばこが特殊な嗜好品であることに着目いたしまして課税しているものでございまして、現在税負担が国、地方合わせて五九・七%、先生の御指摘のとおりでございまして、税収では国、地方合わせて二兆円弱の財源となっております。 一方、喫煙と健康問題につきましては、これまでさまざまな研究がなされておりまして、国民の関心も高まっているところでございます。鈴木委員御指摘のとおり、近く厚生省の公衆衛生審議会の専門委員会から喫煙と健康に関する報告がなされるやに聞いておりますし、また十一月には喫煙と健康世界会議が東京で開かれるということになっておりまして、大蔵省といたしましても、喫煙と健康問題は国民の関心が大変高まっている中で各省との間でどのように進めていったらいいのか真剣に検討していかなければいけない段階に来ていると思います。 いずれにいたしましても、我が国たばこ産業の健全な発展に努める立場が私どもの立場でございますから、そういった観点に立ちながら喫煙と健康問題について真剣に考えていきたいと、このように考えております。
○鈴木和美君 大臣、今は製造独占ですから、それはそれでいいんですわ。だけど、諸外国のたばこ会社が日本においてシェアを拡大しようということであれば、テレビ、新聞から始まって相当の宣伝をしなきゃいかぬですね。それを放置するということも問題でもあると同時に、日本たばこも一緒にやらにゃいかぬですね。宣伝が大変過激過ぎるじゃないかとか強過ぎるじゃないかという意見も実はあるわけですね。 しかし、今私が言いたいことは、日本の政府が本当にたばこという問題に対して課税の対象とするというんであれば、もう少し私はきちっとした態度をとってもらわないと従業員の立場から見たって大変だと思うんです。もちろんいろんな議論があることはあってもいいと思うんです。だから、私どもは、たばこを吸う人も吸わない人も同居しているんだから、スモコロジーと私は言ったんですが、エコロジーとスモーキングをくっつけて、お互いに社会の中で同居していこうじゃないか、スモコロジーと私は言ったんですが、そういう運動は運動で続けていいわけですよ。だから、たばこ会社に税というものを期待するというんであれば、やっぱり大蔵省は大蔵省なりに各省との間によくきちっと連絡をとりながらこの東京会議、健康、喫煙問題に対して対処してほしいと私は思うんです。今審議官からもお話があったですから大臣の答弁は要りませんけれども、どうぞそこは頭に置いておいてほしいと思うんですね。 さて、もう一つ、石井副社長にお尋ねしますが、たばこは安くしたら売れますか。
○参考人(石井忠順君) お尋ね大変難しくて御趣旨を取り違えたかと存じますが、公社から会社になりまして全面的な定価の値下げということをいたしたことはございません。私の記憶しておりますところでは、昭和二十年代の終わり、三十年代の初めであったかと存じますが、ピースだけ値上げをいたしましたら大変消費が落ちまして、またもとへ戻したということがございます。その結果、一時減りました消費はまた戻ってきた、ピースにまた需要が戻ってきたということはございますが、全銘柄にわたりまして価格を下げたという経験がございませんので、その場合に消費がどうなるかということについて的確なお答えはちょっと御勘弁をいただければと存じます。
○鈴木和美君 大臣、私がそのことをなぜ尋ねるかというと、今副社長からいろいろ御説明があったように、全体の中で三・何%と見込んでおったのが九%ぐらいに外国たばこが伸びてきた。税法の問題は、一本一円の値上げは一年限りである、そして十二月三十一日までに延ばしてきた、今度つじつまが合わないから三カ月だけ延ばしてくれというわけでしょう。だから、原則からいうんであれば、やめなさい、もとの税率に戻せ、つまり一本一円税金を値下げしろと。二十円でしょう。アメリカたばこもイギリスのたばこも日本のたばこも、消費者からいったら二十円値下げすべきですよ。安い方がいいんですよ。そうでしょう。だけれども、片方では健康、喫煙の問題があったりいろんなことがあって、二十円それなら下げたらたばこは売れるのかと。それなら会社としてもまたやりようがあるわけですね。私の見方からすると、そんなにたばこという問題は急激に伸びるというような状況には見えないんですよ。そういう客観的条件にあるんじゃないのかなと。片方、葉たばこという問題を大きく抱えながら、これは一社独占体制でやってはいるけれども大変苦しい状態であることは間違いないんですよ。だから、下げたから売れるというものではないかもしらぬ。外国との競争もまたある。そういう矛盾というものを会社は私ははらんでいるんだと思うんですよ。 そこで、大臣に尋ねたいんですよ。今、私は三カ月延長するというのもけしからぬと言っているんですよ。これは、たばこ会社とかなんとかじゃなく消費者の立場からすると一本一円値上げしたものが一年限りである、売上税を見込んだから十二月三十一日まで、つじつまが合わないから今度三月三十一日まで、こうやって延ばし延ばし、延長、延長、延長なんということが、国会の会期ならともかく、税法上延長、延長、延長なんということが今まで例がありますか。余りないですよ。再延長はあっても。その次また今度とうするか。 したがって、来年の四月一日からはどうされるのかということを大臣聞かせていただけませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十一年に上げさせていただきましたときに、これは一年限りの措置でございます、後のことは後で検討いたしますというふうに申し上げたのは、売上税が予定をされておりましたもんですから売上税との関連で解決をしようと考えたわけでございましたけれども、今度こういうことになってまいりました。過去におきまして一年限りと申し上げましたようなことが、また地方財政にいろいろ御負担を願うような新しい問題が起こったものでございますから続けてやらせていただいておるというのが現状でございます。 正直を申しますと、一年だけというふうなことを申し上げ、また思いながら、現実にそうでなかったということになって、どうもやはりそういう点は申しわけないことだというふうに思っておるんでございますけれども、来年はどうするかということで、結局、来年度の財政あるいは税制をどうするかということとも実は関係いたします。冒頭にお話のございました税の増収あるいは税収の見込み等々にも関係いたしますし、ただいまこうこうということを、全体の状況がわからないものでございますから、まことに申しわけございませんが、確たることを申し上げ得ない段階だと存じます。
○鈴木和美君 私は答弁が大変不満なんですけれどもね。どうもたばこというと煙に巻くみたいな答弁ばっかりで腹が立つんですが、こういうことは言えますか。 今、会社は、担税能力がぎりぎりだということをおっしゃっているわけですよ。だから、この一月から三月までの取り扱いもさることながら、これからずっと将来を展望して、担税能力というのであれば最高の税率はこれ以上はもうお願いすることはできないんだなということを、大臣今そういう感想ですか、いかがですか。これ以上はもうたばこの税というものは上げることはできないんだな、そういう感触をお持ちですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) たばこ産業株式会社が発足をいたしまして二年半ぐらいでございますが、その間に今の問題があり、また外国たばこの関税をゼロにしてしまった経緯があり、それに何といっても耕作者の問題がございます。そういういろいろなことを考えますと、日本たばこ産業会社には、いろいろ経営が大変だろう、随分苦労をかけておるということは率直に感じています。
○鈴木和美君 私も、誤解があっちゃいけませんから、担税能力がぎりぎりだということは五九・七%ということを言っているわけじゃないんですよ、ここを間違わないでくださいね。 私は、売上税というものを見込んだものだから一月一日からは従量、従価の組み合わせも変わって税率は五九・一%ですね、主税局長間違いないですね、どうですかそこは。五九・一%。
○政府委員(水野勝君) 仰せのとおりでございます。
○鈴木和美君 大臣に申し上げた限界というのはそこですよ。五九・七%を言っているわけじゃないんですよ。そこのところが担税能力としてはぎりぎりじゃないか、そこのところをはっきりしてほしいんですよ。 そうでなくとも間接税というのは、松下幸之助さんがセブンスター一個買っても税金は百三十二円でしょう。年金で細々と働いているおばあちゃんがマイルドセブン一個買っても百三十二円の税金ですよ。おかしいと思いませんですか、これは。ビール一本飲んだって三百十円の大瓶は四八・八%、約半分でしょう。松下幸之助さんが一本飲んでもその税金、細々と働いている人も。間接税というのは私はそういうものだと思うんですな。だから、そういう問題も含んでいるさなか、今競争が激しい状況の中でやっぱりきちっとした政府の踏まえ方をしてもらわないと私は大変だと思うんですよ。 そのことを含めて私は、この税率には反対ですよ。一月一日からの問題も含めて反対、四月一日からの取り扱いというのは極めて不満です。大臣の答弁は、どうするのかさっぱりわからないですよ、今の答弁では。むしろ四月一日からの方の問題が私は問題にしなきゃならぬ点だと思うんですよ。そういうことを含めて最後の答弁をしてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろ最近におきまして状況は変わっておりますし、まあ会社もいろいろ苦労しておられる、それからこの一円の問題もただいま御指摘になりましたような経緯からまいりましたので、どうも大変にあれこれ気を使わなきゃならない状況だということは私もわかっております。御指摘になられましたことのお気持ちもよくわかるのでございますけれども、重ねて申しわけありませんが明年度の財政そのものがまだよくつかめておりませんので、ただいま確たることを申し上げることができません。どうぞその点お許しをいただきたいと思います。
○鈴木和美君 本来であれば、今の宮澤大臣の答弁ではちょっと不満なんですよ。四月一日からどうするのかということがわからないんですよ。これではとても対応がしにくいんですわ。だけれども、私の持ち時間ありません。 だから、委員長にもお願いしたいんですが、今の四月一日からの取り扱いという問題は、いずれまた別の機会に赤桐理事さんにもお願いをしておきますから、どうぞ理事会で取り扱いを上手に決めていただきたいと思うんです。 残り時間あとないんですが、私はあと医療控除の問題があったんですけれども、時間がございませんからまた別の機会にさしていただくことにして、私はこれで質問を終わります。
○委員長(村上正邦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(村上正邦君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田教美君 日銀の青木理事に来ていただいておりますので、まず、当面の国際通貨、金融問題について二、三お尋ねをいたします。 アメリカは、去る四日、三年五カ月ぶりに公定歩合を〇・五%引き上げました。これはアメリカのインフレ防止とドル防衛策だというふうに言われておりますけれども、この米国の公定歩合引き上げをきっかけとして先進国の通貨、金融政策の協調のあり方とあるいはまた当面の日本経済の運営、財政の運営というふうなものに多少の変化があるのかどうか。特に問題は、〇・五%引き上げでドル安の基調に歯どめがかかるのかどうか、そういった点についてどういう判断をされておるのか、その点について大蔵大臣と日銀当局の御見解をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般のアメリカの公定歩合の引き上げはポール・ボルカー氏からアラン・グリーンスパン議長が受け継ぎました最初の仕事であったわけでありますが、それもBISの会議がございます前に決断をしたという意味で、いろいろグリーンスパン氏の議長としてのこれからの姿勢を象徴するものであったのではないかと見ております。それは、つまり今和田委員の言われましたように、インフレの危険の芽を早いうちに摘み取る必要があるといったような考え方あるいはまたそれが引き上げによって為替安定に及ぼす影響等々いろいろ考えられてやられたことだと思います。一般に時期としてはやや意表に出た早い時期の措置であったというふうに世間は印象づけられたようでありますが、それだけにそういう効果を持ったんではないかというふうに思っております。 これによって両国間の関係あるいは我が国の財政、経済に特段どう影響があるということも、ただいまの段階ではこれという判断を下すことはできませんけれども、そのような、何と申しますか、非常に用心深い、しかも自主的なアヘッドの措置というものは諸般の状況にいい影響を与えるのではないか。また、我が国としては、インフレというようなことを私ども全然心配はいたしておりませんけれども、やはりマネーサプライはかなり高いということは金融当局としては当然いつも注意をしておられることであろうと思いますので、そういう観点から見てもグリーンスパン氏がああいう態度に出たということは、我が国との直接関連があるという意味ではございませんで、金融当局の一つの節度というものを示したものとして考えていいのではないかと思っております。
○参考人(青木昭君) 大蔵大臣が今おっしゃいましたとおりでございまして、今度の公定歩合引き上げにつきまして連銀当局は、潜在的なインフレ圧力に効果的かつタイムリーに対処するための措置と、こういうふうに言っておるわけでございまして、直接為替市場の問題には触れていないわけでございますけれども、経済界では最近の不安定なドル相場の動きにも対処した措置であるというふうに評価をしておるわけでございます。 米国の公定歩合引き上げ後の円相場、もう御高承のとおりでございまして、大体百四十円台の前半で推移をしておりますけれども、引き上げの直前が百四十一円台、きょうのところが百四十三円台ということになっておりまして、まあ若干ながらドル高円安になっておるわけでございます。特に先週末アメリカの七月の貿易収支が発表になりまして、これがこれまで最大の百六十五億ドルの赤字というふうに発表されたわけでありますけれども、ドル売りの圧力が余り高まらないでまいりました。結局、米国の公定歩合引き上げによりまして、米国の通貨当局がドル相場安定に向けての強い姿勢を示したということが市場に印象づけられている、これがあずかって力があったんではないかというふうに思っておるわけでございます。 私どもといたしましては、こうした米国当局の姿勢とそれから主要国の協力体制のもとで為替市場の一層の安定が達成できるということを期待しておるわけでございます。
○和田教美君 この二十九日からワシントンでIMFと世銀の合同年次総会が開かれて、それを中心にG5、G7などの一連の国際会議が開かれるというふうに伝えられておりますが、アメリカの公定歩合の引き上げということでアメリカは、日本や西ドイツに対して、アメリカはとにかくやったんだから日本や西ドイツはもっと内需拡大とそれからさらに金融面でも追加措置を必要とするんだというふうなことを言うんではないか、場合によっては一段の日本の公定歩合の引き下げを求めてくるという可能性もあるんではないかというふうな報道がございますけれども、その辺についてどういうお考えか。 それと日銀当局は、そういう公定歩合の引き下げというようなことについて可能性ありと見るのか、その辺のお答えを願いたいと思います。
○参考人(青木昭君) 今度特段アメリカの方から金利、特に公定歩合を下げてくれというような要請があるわけでは全くございません。 金融政策の当面のスタンスということでございますけれども、国内の景気は回復の軌道に乗っておるわけでございます。今後は六兆円に上る緊急経済対策の効果というものも出てくるわけでございますから、為替相場が安定をしております限り、内需を中心といたしました景気上昇というのが見込まれるような状況にあるわけでございます。 一方、金融面では、先ほどお話もございましたように、マネーサプライの伸びがどんどんことしに入ってから高くなっておるというようなこともございますし、企業金融は大変緩和をしております。 そうした中で物価の方は、原油を初めとしまして国際商品市況が高くなっておる。また、建設資材のようなものが最近値上がりをしておるというようなことがございます。もちろん、まだまだ日本経済全体として輸入も含めまして供給余力というのが大きいわけでございますから、直ちに物価の安定基調が大きく崩れるというようなことはないというふうに思っておりますけれども、こうした物価の動向には十分注意をしていかなければならないわけであります。 このような情勢から見まして、当面の金融政策運営に当たりましては、引き続き為替相場の動向には十分注意をしながら、物価面にも従来以上に重点を置いた配慮というのがやはり必要になってくるんではないか、そういう意味で非常に慎重なスタンスが求められるんではないかと、そういうふうに思っておる次第でございます。
○和田教美君 今度の一連の国際会議の中で特にG5あるいはG7、今度は大蔵大臣はお出かけになりますか、ワシントンには。何か政局の関係で、行くとしてもトンボ返りだなんという話を聞きますけれども。
○国務大臣(宮澤喜一君) 小人数のグループの会議があるように聞いておりますので、少なくともそれだけは出ませんと務めは果たしたことにならないと思っておりますんですが、それから先のことはまだ十分日程を立てておりませんで、場合によりましてはトンボ返りのようなことになろうかと思います。
○和田教美君 いずれにしても、G7あたりには出られるという今のお話のようでございますが、今度のG7では各国間の政策協調効果を高めるため、ベネチア・サミットで合意したサーべーランス、これの枠組みを活用して最初の討議が行われるというふうに伝えられております。 そこで、このサーベーランスという問題について、これは、今日本政府としてはどういうふうに評価をしているのか。また、今度の会合でどういうふうなことが議題、テーマになるのか。 そこで、それに関連して一つお聞きしたいのは、さきのルーブル合意では大体現行水準で為替相場の安定を図るということをうたっておられたというふうに思います。ところが、この現行水準について、その後の各国の景気の動向その他のファンダメンタルズの異動といいますか、そういうものを踏まえて今でもそういう合意というものは生きておる、大体このくらいの水準で安定させるということがいいというふうにお考えなのか、その辺のところをあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(内海孚君) まず、サーべーランスの問題についてお答え申し上げます。 サーべーランスという若干聞きなれない言葉でございますが、ただいま和田委員御指摘のとおり、ベネチア・サミットにおきましてその手続が一応合意されたわけでございます。手続と申しますのは、まず、年の初めに当たりましてある程度中期的な見通しなりあるいは予測なりというものを各国等が出しまして、そういったものについて議論しながら、年に何回か集まって、実際にそういう見通しとどういうふうに実態とが動いているかということを見ていこうということでございます。 ただ、実際問題といたしまして、そのときにもお話が出たわけでございますが、今まで結局は同じようなことを事実上やってきたわけでございまして、今までとやり方が急に全く変わることがここで行われるわけでもありませんし、そういう意味では、各国の大蔵大臣、中央銀行総裁という方がお集まりになるわけですから、細かい数字がどうこうということではなくてやっぱり大所高所からの政策運営ということについて忌憚のない意見の交換という本質的な性格は変わらないわけでございますし、またそれによって各国が手足を縛られるというようなことよりも、忌憚なく話し合いながら国際的な要素を十分国内政策に反映してやっていきましょうというサブスタンスも余り基本的に革命的に変わるものではないということであろうと思っております。 それから次に、先ほど為替の問題御質問でございましたが、これは、実はサーべーランスとは直接関係のないことではあるわけです。サーベーランスの方はどちらかというと基本的な政策協調の問題でございまして、これと関連づけながら為替市場においてどういう協力体制をしいていくかということであろうと思いますが、現行のレベルの程度の周辺でということについて、具体的にこの辺という数字を頭に置いて合意をしているということではないわけですので、現在為替市場は先ほど大臣から御答弁がありましたようなことで動いておりますが、そういうことを前提として具体的に協調体制についてよく確認をしようということになるのではないかというふうに思われます。
○和田教美君 日銀の青木理事は結構でございます。 それじゃ次に、所得税法等の一部改正案について御質問をいたします。 この改正案の提案理由で宮澤大蔵大臣は「国税に関する制度全般にわたる改革」の一環としてこの法案を出したということをおっしゃいました。そしてまた、早急に実施する必要のあるものについて措置をしたということを言っておられます。そこで、この「国税に関する制度全般にわたる改革」ということは、要するに抜本改革だというふうに我々は理解するわけなんですけれども、抜本改革というのは、この前の売上税を中軸とする法案では確かに抜本改革という感じはいたしましたけれども、売上税という中軸が抜けちゃって、廃案になっちゃった。そしてその後の抜本改革のイメージというものは一向に今までの御答弁を聞いておりましてもはっきりしないわけですね。この間の委員会でも大蔵大臣は、将来さらに所得税、法人税の減税もやりたい、しかしそれには何らかの財源措置が必要だという答弁をなさっておりましたけれども、それ以上には進んでいないわけでございます。 ところが、大蔵大臣は、国会では非常に慎重な答弁をされているけれども、地方で総裁選挙争いの遊説ではかなりはっきりおっしゃっているわけですね。つまり景気回復によって税の自然増収が期待できるにしても、高齢化社会を控えて社会的な共通費用は広く薄く国民に背負ってもらっていいというふうなことを十三日の静岡の自民党の全国研修会でおっしゃったという報道がございます。これは、つまり売上税にかわる何らかの要するに大型間接税というものの導入の必要性をうたったものだと思うんですね。そうすると、ここの提案理由の説明におっしゃっておる「国税に関する制度全般にわたる改革」というのは、即、今大蔵大臣が講演されておるような趣旨のものというふうに理解をしていいんですか、それともそうではなくてそれは将来の目標であって、それまでにもう一段階あって、抜本改革というものは大型間接税というものを抜きにしての何か工夫を考えよというふうに受け取るべきなのか、二段階に受け取るべきなのか、その辺はどうでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 通常国会に政府が税制改革案を御提案いたしましたときに、減税面におきましては所得課税それから法人税について、おのおの理由は当時申し上げましたので繰り返しませんが、将来に向かって相当大きな減税、殊に所得税については中堅勤労所得者層を中心になだらかな税率にして全体を簡素化したいということを考えておりました。これは、勤労意欲とか企業意欲とかいうことを考えますときにどうしてもやはり必要であるという考え方に現在も変わりがございません。したがいまして、せんだって申し上げましたことは、このたびの税制改正にそれらのことが表面的に出ておるわけではございませんけれども、将来そういうものをやっていく上で今度のことがいわばその第一段階と申しますか、そういうものに相当するそういう位置づけを私どもの頭の中では実はやはり考えておると申し上げてよろしいのだと思います。 ただ、所得税、法人税の大きな減税をいたしますというと、ただいまの財政事情からしますと、恒久減税でございますから恒久財源というものが要る。それをどうするかということで、まさに通常国会におきましては売上税をその大きな財源と私ども考えて御提案をいたしましたが、これは廃案になりました。これが廃案になったという事実は軽々しく考えるわけにはいきませんので、やはり所得、法人の減税は必要であろう、そのためにはかなりの財源が要るであろうというところまでは私ども思いますけれども、ああいう形で廃案になったあの反省というものは相当深刻なものがございまして、軽々しくこういうことがすぐもう一遍やれるものというふうに軽率に考えるわけにはいかないだろう、そこはやはりよほど各方面の御意見、世論というものを見ながらしなければいけないと、こう思っております。 今、私が自民党の研修会で申したと御紹介になりましたことは確かにそういうことを申しております。それは、やはり高齢化社会になりましたときに少数の若い人が多数の老人を背負わなきゃならないということが、二〇〇〇年あるいは二〇一〇年になりますと、今からわかっておるわけでございますから、そういうときの若い人の負担というものは大変なものになる。とすれば、そのような社会的な共通のコストというのは若い人だけにしょわせるわけにはいかないので、やはり国民全体がこれだけ所得水準も高くなっておりますから、少しずつなら何かの形でしょってもらわないとそのときに非常に困ったことになるのではないか、ついてはそのような制度をなるべく早く発足させる必要があるということは同時に考えておるわけでございます。 前のこととそれとをあわせますと、よく形はわかりませんけれども、そして売上税そのものはああいうことで葬られましたが、問題がそこにあるということは恐らく国民の多くが気づいていただいたのではないか、またこれからも折に触れてそのことは国民に申し上げて考えていただく必要があるという気持ちを持っております。 そのことと所得課税あるいは法人税のいわば私どもが終局的な形と思われる減税の姿とは、どうも財政の現状が今日のようなことである限りどこかで結びつく必要がある。厳密にその年あるいはその翌年といったようなことである必要はないかもしれませんけれども、でき上がった姿では大体両方がバランスをするようなことを考えておく必要があるだろう。今年こういういわば所得減税を御提案いたしましたのは、これはいわば前倒しの姿でございまして、これはそれに見合う恒久財源がないということで、それの前提に立ちまして御提案をいたしたものでございますから、そういうときに恒久の姿というのを申し上げることは余り適当なことでない、当面どうしてもしなきゃならないものだけを御審議いただいておるわけでございますが、私どもの頭の中では、しかしやはり所得課税あるいは法人税は行く行くはそういうシャウプ以後の大きな改正に仕上げていきたいという気持ちを持っておるわけでございます。
○和田教美君 大蔵大臣は、その「制度全般にわたる改革」というのは、つまり何らかの形の広く薄く国民が負担する間接税ということだということを今の答弁は実質的にお認めになったんだと思うんですけれども、これは初めてじゃないわけですね、売上税が廃案になったというような事態は。前に、大平内閣当時にもいわゆる一般消費税という形のものがつぶれた。二回とにかくつぶれているわけですね。 さっきもこの売上税の廃案ということは非常に重く見なければならないという御答弁もございましたけれども、政治的な問題として、仮にそういう広く薄く国民が負担する何らかの形の課税ベースの広い間接税というものを再び出してきても、それで国民的合意が得られるというふうにお考えなのか。その辺は私は非常に疑問に思うんです。私は、将来ともそういう国民的合意はなかなかそう簡単に得られないから、それを導入するということを考えずに、もっと別の方法を考えるべきだというふうに考えるんですけれども、その点はどうお考えですか。
○政府委員(水野勝君) 今お話のございました大平内閣のときの一般消費税につきましては、あの当時は、税体系の見直しという点もございましたが、とにかく膨大な特例公債への依存から一刻も早く脱却いたしたい、こういう点からの御提案でもあったわけでございまして、その点につきましては今回とは若干異なる面もあろうかと思うわけでございます。 それは別といたしまして、間接税につきましては、従来からその比率が極端に低下してきているという点がしばしば指摘されるところでございますが、その中身を見ますと、例えば昭和三十年代におきましてもほとんど直接税と間接税は同じぐらいの比率を持っていたと言える時代があったわけでございますが、その内容といたしましては、お酒、たばこ、こうした特別な嗜好品に対する課税の割合が全体の税収の三割以上を占めておったわけでございます。その他には物品税その他があったわけでございますけれども、酒、たばこといった特別な嗜好品に対する消費が極端に減ってまいり、また物品税等も数十品目に限られた課税をいたしてございますので、最近、例えば五十年代に参りましても三年置きぐらいにお酒を増税さしていただく、たばこも三年置きぐらいに値段を上げさしていただくということを引き続きお願いしても間接税のウエートの低下は免れないわけでございますし、また、物品税につきましては、その数十品目のほかに少しでも課税の拡大をお願いし、財源の確保とともに負担の公平を図るということもお願いをしてきたわけでございますが、現行の八十五品目に限って御負担をお願いするという枠内の中ではそれも限界があるわけでございまして、間接税のウエートは低下の一途を免れてきていないわけでございます。 このように酒、たばこといった極めて限られた物資に極端に依存をしておりましたこれまでの間接税、それからまた八十五品目という限られた物品にお願いをいたしております物品税、こうしたもののままでは間接税のウエートといったものがどんどん低下し、それが所得税、法人税の御負担になっていくということにならざるを得ないことは明らかではないかと考えるわけでございます。 そうしたことを考えますと、現在の個別にお願いをいたしております間接税といったものを何らかの時点でその基本的なあり方について見直す必要があることはどうも避けられないのではないかという気がするわけでございます。そうした点の試みといたしまして先ほど御指摘のあった一般消費税、それから先般の売上税といった問題があるわけでございますけれども、それぞれの機会におきましてそれぞれ社会からいろいろな御批判をいだたき現在のような情勢になっていることは御指摘のとおりでございますが、さりとて現在のこのような間接税制度といったものがそのまま続くものであるというふうには私ども考えられないわけでございますので、そこらの点につきましては、国会の御論議等も通じまして、こうした間接税制度の現状、問題点等につきましていろいろ御議論を願い、御理解を賜ってまいりたいと思うわけでございます。
○和田教美君 大蔵大臣に今の点をもう一度確かめておきたいんですけれども、どうも今の局長の答弁は問題をすりかえているわけで、私は、広く薄く国民が負担する課税ベースの広い間接税というものについては近い将来において国民の合意を得られるというふうにお考えかということを聞いておるわけです。 私の見解によれば、こういう売上税の廃案というとにかく一つの大変な事態を経た問題ですから、これをそのまま今の自民党政権のもとでまた再び同じような形のものを出してくるということは、政治的にも間違っている。少なくともそれをやるというのであれば次の総選挙の争点にすべきだというふうに私は思うんですけれども、そういう意味で国民的合意を得られるとお考えなのかどうか、その点を聞きたいんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年来の売上税をめぐる国内におけるいろいろな論争、それから国会における御処理等々は、国民に対して税の問題について非常に大きな関心を呼び起こすのに力があったことは確かであると思います。それで、提案された売上税というものは、これを国民の大多数はよしとはせられなかったようでございます。それなりのまた欠陥もあり、国民に御説明をする時間も少なかったのであろうと思いますが、ただ最小限言えることは、どうしてこういうものを政府が考えたのであろうかということについては、この税そのものについての賛否とは別にいたしまして、何かそこにそういう財政上のあるいは税そのものの租税体系からの必要があったのであろう、それを賛成という意味ではありませんで、そういう意味での問題意識というのは国民の間に相当広く一度は高まった、売上税がなくなりましたので廃案とともにまた議論は聞かれなくなりましたけれども、一度そういう問題意識が植えつけられたということは私は間違いがないと思うのであります。 したがいまして、将来、周到な準備なりあるいは説明のもとに、どういう形になりますか、かくかくの理由で何かやはり国民の皆さんに考えていただきたいという問題提起に対してはまたいろいろな賛否両論があると思いますけれども、少なくとも今回の論争によりまして、何が問題であるのか、なぜそういう問題提起がなされるのかということについては、認識は私は深まっておるだろうと思っております。それをどのような政治的なタイミングで行うか行えないかということは、これはまた全く別の問題であろうと思います。それはそれなりに慎重に考えなければならないことでございますが、今回の国民的な論争というものが私は将来に向かってむだではなかったというふうに実は考えたいと思っておる次第でございます。
○和田教美君 次に、提案理由の説明に「内外の社会経済情勢の変化等に即応して早急に実施すべき措置」を講じたということが書いてございます。この改正案の内容から見て、この緊急に実施すべき措置の中心は、一つは所得税の減税であり、一つはマル優の廃止、少額貯蓄非課税制度の廃止だというふうに私は理解するし、だれが見ても異存はないだろうと思うんです。 そこで、所得税の減税ですけれども、これについては税率構造、最高税率の引き下げをやっていながら一〇・五%の最低税率は据え置いているというふうなことから、我々は、政府は中堅所得層を中心とする減税だということを盛んに強調いたしますけれども、実際にはこれは金持ち減税に偏っているという判断をいたしておりまして、極めて不満であります。また、所得税の減税の幅もまだまだ小さいというふうに思っております。しかし、今日の所得税の課税ベースが著しく勤労所得に偏っておる、サラリーマンを中心に減税の要求が強いというふうなことから見ますと、所得税の減税そのものは、私は、確かに政府のおっしゃるようにこの「早急に実施すべき措置」のものに入ると思うんです。しかし、マル優の廃止、これがなぜ早急に実施すべき緊急性を持っているのか、その点は一向に我々は理解できない。政府はどういうお考えでこれが緊急に必要だというふうにお考えになるのか、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 所得税が緊急の課題であるということにつきましては大方の合意をいただいておるところでございますが、現下の財政状況等からいたしますとそのためには恒久財源が確保されることが必要であるという点につきましても大方の合意を得られているのではないかと私ども考えているところでございます。 〔委員長退席、理事大浜方栄君着席〕 そうした意味からいたしますと、たとえ利子課税につきましてはこの当該年度あるいは翌年度におきましてそれに見合う財源が確保されるというものではございませんが、さりとて早い機会にこの見直しをお願いをしないことには、常にこの年度、翌年度にはすぐには財源にならないと言い続けておりますといつまでもその見直しはできないところでございますので、この恒久財源の確保といった点からいたしますとぜひとも早い機会にお願いをいたしたいところでございます。 また利子課税それ自体といたしましても、この点につきましてはしばしば申し上げているところでございますが、十六兆円という課税所得が課税ベースから外れていることが大きな問題でございます。また、戦時中の消費購買力の吸収、戦後の資本蓄積といった要請から貯蓄につきまして特別の措置を講じているといったことが現下の社会経済情勢からいたしまして適当かどうか、この点につきましても現在の内外の社会経済情勢の変化に即応して早急に見直しをすべき措置ではないかと私どもはその面からも考えているところでございますので、今回御提案を申し上げたところでございます。
○和田教美君 そういう理屈を並べるとまだまだ緊急に実施すべきことは幾らでもあるわけでございまして、非常に理由薄弱だというふうに思うんです。 それで、マル優の廃止の時期は、政府案では六十三年の一月ということになっておりました。ところが衆議院の修正で六十三年四月ということになりますから、少なくとも六十二年度については全くゼロですね。それから六十三年度についてもこのマル優の廃止による利子所得に対する一律二〇%の課税、これが財源として使えるのはせいぜい数百億円だというふうに言われておりますが、それで間違いないですか。 それでまた、今おっしゃったように、最終的に完全にマル優の廃止が財源として活用できる数年先の総額は幾らぐらいになりますか。
○政府委員(水野勝君) この制度自体につきまして見直しをお願いした場合におきまして、その制度改正が完全に効果を発揮いたしました時点におきましては国税、地方税合わせまして一兆六千億円程度の収入が確保されるのではないかと見込まれるところでございます。このうち国は一兆弱、地方が六千億強ということになってございます。ただ、これは例えば郵便貯金の定額貯金でございますと十年間という商品でございますし、期日指定でございましたら三年、それからビッグ、ワイド等の五年といった商品もございます。したがいまして、この制度が実現されて完全に発揮されるまでには五、六年、六、七年を要するのではないかと思われるわけでございますが、六十三年四月一日からの実施といたしました場合におきましては、国、地方合わせまして四千億円強の収入が見込まれ、このうち国としては二千億弱のものが予想されるところでございます。先般二月に御提案を申し上げたときの政府案は十月一日実施でございましたので、国としては四百五十億円のものを予定をいたしておったところでございます。 いずれにしましても、これを実施いたしましたその最初の年度は、年度当初からでも二千億弱、年度中途からでいたしますと御指摘のように数百億円というものではございますが、先ほど申し上げましたように、そういうことだからといって先に延ばしておきますと全体としての税収が実現されるのもそれだけ延びていくところでございますので、当年度、翌年度におきましては申し上げたような金額の規模のものではございますが、私どもとしては、それが全体が延びていくからといってたから延ばしておいていいというものではないと考えますので、やはりここにございます「早急に実施すべき措置」として御提案をさせていただいたわけでございます。
○和田教美君 それ論争しても切りがありませんから別の観点から申しますと、このところ税収の伸びが非常に好調だということはさっきの大蔵大臣の答弁でも認められておりました。大蔵省が発表した七月の税収実績は四兆四千二百九十七億円で、前年同月に比べて一二・五%増加いたしております。四月からの累計では八兆五千八百五十八億円で、前年同期比一四・一%の増となって、過去最高の記録となっております。実は六月の税収実績についても同じような質問をいたしたんですけれども、この調子では税の自然増収は六十一年度の二兆四千三百億円の自然増収を上回って四、五兆円程度に達するのではないかという見方がマスコミなどではだんだん強くなってきておると思うんです。 その問題については先ほど午前中にも質問がございまして、主税当局は依然として慎重な見方をしておるわけですけれども、もしそういうかなり好調な自然増収があるというふうに考えますと、今回の一兆五千四百億円程度の減収というものの財源というものは少なくとも六十三年度についてはもう確保されたも同然だと。それで賄えばいいわけですから。なぜ、マル優の廃止を強行したり、新型間接税の導入を急ぐようなことを言ってみたり、そういうことをしなくても、来年いっぱいかけてこの所得税の減税についての恒久財源の議論をゆっくりして、それからでも間に合うではないかというふうに私は思うんですけれども、その点はいかがでございますか。
○政府委員(水野勝君) 確かに、去年、ことしの税収は好調ではございますが、税収につきましては、例えば四十八年、九年は極めて好調であったということでそれを延ばしていきましたところ、昭和五十年には三兆円の赤字が出て特例公債の発行をお願いすることになったということがございますし、五十四年、五十五年がやはり相当な増収がございましたのでそれを延ばしてまいりましたところ、五十六年は三兆円、五十七年は六兆円という歳入欠陥を出したこともございますので、二年ぐらいは好調でもその後は大変難しい、慎重を要するというふうに私どもは考えているところでございますし、また、現時点におきましては、六十二年度でございますと相当な特例公債の発行を続けているところでございますし、累積といたしましては百五十兆円の国債残高を抱えておるところでございますので、税収が好調であればまずそうした借入金に対する対応といったものを考える必要があるのではないかと思うわけでございます。減税は重要な喫緊の課題でございますが、こうした財政事情からいたしますとそれは恒久財源を確保してお願いをするのが後世代のための重要な配慮ではないかと思うわけでございます。 そうした点からいたしますと、繰り返してはございますけれども、利子課税の見直しもその年度、その翌年度におきましては、その点は恒久財源としては確保されない、そういった意味におきましては財政事情それ自体は非常に厳しいわけでございますが、それにいたしましても何年か後にはそれは歳入として期待できるものでございます。そうした点におきましては、六十三年度、六十四年度の財政事情というものはまさに財源見通しが立っていない、非常に厳しいものがございます。それだけにこの利子課税の見直しはぜひともお願い申し上げたいとして御提案しているところでございます。
○和田教美君 政府は、この税制の抜本改正という問題について常に直間比率の是正ということを、先ほどの議論でもそういうことだったわけですけれども、おっしゃっております。我々も、将来にわたっての税制の改革ということを考えた場合に、直間比率の問題に全く手をつけないでいいと言っているわけではないんですね。それはしかし十分時間をかけて論議すべき問題であって、その前に、まず直接税の中のいろいろなひずみといいますか不公平、不公正というものを徹底的に洗い直してみたらどうかということを言っておるわけでございます。例えばいわゆるクロヨンの問題もそうですけれども、最近の問題では特に午前中からも議論に出ておりました証券投資のキャピタルゲインの問題、いわゆる資産性所得における金持ち優遇の税制、こういう問題にメスを入れれば六十三年度以降についても相当な財源が出てくるのではないかというふうに我々は考えるわけでございます。ですから、直間比率是正絶対論という立場は私はいけないというふうに思うわけですけれども、どうしてそういう直接税の中の不公平是正というものに今大胆に取り組むというお考えにならないのかどうか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(水野勝君) 決して直接税の中のもろもろの問題点につきまして対処を怠っているわけではございません。 キャピタルゲイン課税につきましては、現在の原則非課税という基本的な枠組みの中でその課税範囲の拡大につきましては逐年努力をいたしてきているところでございます。また、そうした原則非課税という基本方針そのものにつきましても、いつまでもこれを放置しておいていいかどうかという点につきましてはたびたびこの当委員会におきましても御指摘のあるところでございますので、私どもとしては早急に勉強をしなければいけないと考えておるところでございます。 それから利子課税につきましては、これも直接税の中での一つの見直しでございます。たびたび申し上げておりますように、十数兆円といったものが課税ベースから外れているという点につきましては資産所得課税の問題としてぜひ見直しをお願いいたしたいと考えておるわけでございます。 それからもう一つの問題は、土地税制でございます。土地税制につきましては、もろもろの政策的要請からこれがかなりな規模でやはり課税ベースから除外されている点があるわけでございます。ただ、土地は、長い期間にわたって保有されていたものが一度に所得として実現されるといったものに通常の総合累進課税をそのままお願いするのがいいかどうかという問題はございますので、それなりの配慮は必要とされるところではございますが、さりとて土地の譲渡益につきまして普通以上に優遇を続けるということはいかがかという観点からいろいろ検討をさしていただき、必要に応じて見直しを行わさしていただいているところでございます。
○和田教美君 この前の政府税調の抜本答申には、キャピタルゲインについては、有価証券譲渡益課税、これは不公平税制の最たるものだと私たちは考えるんですけれども、究極的に原則課税ということになっております。ところが、今のお話ですと、確かにその後、キャピタルゲイン課税、対象とする継続的取引の範囲を広げたというふうなことを挙げて努力をしているんだということをおっしゃっておりましたけれども、依然として原則非課税については変わらないわけでございます。しかも、つまりキャピタルゲインの課税の対象になる件数は、この間の御答弁でも大体わずか七十件ぐらいだ、それがどの程度広がるかだというお話でございましたが、七十件程度ではこれは制度として実施したということではなくて、全く象徴的なものだというふうに考えざるを得ないと思うわけで、そういう意味ではこの税調答申にすら、私は、とにかく違反をしているというか、税調答申すら要するにぐあいの悪いところは無視しておるというふうに極言できるんではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(水野勝君) 御指摘のように、有価証券譲渡益につきましては、「究極的には原則課税を志向すべきであると考える。」とされているところでございます。ただ、その後ろに続けられておりますように、税制調査会の答申におきましては、「その場合、適正、公平な税務の執行の確保を図るためには、有効な課税資料の収集のための実効ある措置が不可欠であることに留意すべきである。」というふうに付言されているところでございまして、原則を課税というふうに宣明することは簡単でございますが、それは、結局、つかまれるところは原則総合課税でつかまれ、出てこないところは出てこないということで、かえって不公平を招くことでございますので、単に原則課税と宣明するだけではやはり不十分でございまして、適正な執行が確保されるための実効ある措置がどうしても必要ではないか、そこらの点につきましての具体的な考え方と方策につきましてはなおまだ関係者の間では合意がされてないところでございます。 また、御承知のように、昭和二十八年に現在の基本的な原則非課税が打ち出されたところでございますが、その際に、それを機会に有価証券取引の背後にある担税力に着目いたしまして有価証券取引税を課税をすることをお願いをしたわけでございまして、これが最近は一兆四千億円程度の税収が確保されるに至っておるわけでございまして、この点につきましてもあわせて考慮する必要があるのではないかと思うわけでございます。しかし、一兆四千億円の税収がそこに確保されておりますと申し上げても、いやそれは流通税であって譲渡益課税ではないということでなかなか御納得を得にくいところでございますので、これらの点もあわせて検討し、この税制調査会の方向に沿って勉強してまいりたいと思うわけでございます。
○和田教美君 午前中も議論になりましたけれども、その勉強ということですね。先ほどの答弁では、来年度の税制改革にはとても間に合わないということですか、いつごろに大体間に合うんですか。
○政府委員(水野勝君) 先ほども申し上げましたが、通常の年度でございますと二月、三月に国会で御議論をいただき、それを念頭に置きまして次の年度の改正を作業させていただくというのが通常でございますが、今年度はもう九月になってございますので、通常の年のように翌年度改正にすぐ間に合うかどうかにつきましては必ずしも自信のあるところではございませんと申し上げたところでございますが、さりとて来年度においてこれはもう無理だと私ども決めつけておるわけではございませんで、当委員会のこの御審議をいただき、そうしたものを踏まえて早急に勉強には着手いたしたいと考えているところでございます。
○和田教美君 政府税調の答申で抜本改革を求められているもので全く手をつけていないものはほかにもまだたくさんありますが、その一つに相続税の軽減の問題がございますね。 政府税調の抜本答申によりますと、軽減する方向で「ある程度の見直しを行うことが適当である」と書いてございます。そして十二月の六十二年度税制改正答申でも、抜本答申で指摘した方向で「その具体的実施について検討することが適当である。」ということが書いてございます。ところが、今出されておる政府案ではこれは全くゼロでございます。最近の大都市、特に東京及び東京周辺の地価の高騰、これによって相続税が急騰して、これが自然増収をふやすという皮肉な結果にもなっているわけですけれども、この相続税が払えずに住みなれた我が家を売って住みかえなきゃいかぬというふうな問題が続々起こっているという記事がこのところ盛んに新聞に出るわけです。ここにも朝日新聞の二、三日前に出た田園調布の例を書いた記事がございますけれども、そういう意味でこの抜本答申が出たころに比べると一層緊急性が高まっているというふうに思うんですね。この財産税の問題について何か軽減の措置をとらなきゃいかぬ。ところが、今までの経過を聞いておりますと一向に具体的な案というものが出てこないわけでございますが、この点はいかがでございますか。
○政府委員(水野勝君) 御指摘のとおりでございまして、昨年十月二十八日の抜本答申におきましてはいろいろ検討すべき点が指示をされておるわけでございますが、具体的に昭和六十二年度改正を取りまとめる際におきましては、これは、改正の必要性はございますが、その改正の順序と申しますか、そうした点からいたしまして、今年度におきましてはこの相続税の点は取り上げなかったところでございます。その後におきましてもなお地価の高騰等が続いてございますので、そうした問題があることは十分承知をいたしておるところでございます。 ただ、この御指摘の新聞記事等にもございますが、土地の評価が上がってまいる。評価の点でこれをいろいろ対処いたしますと、相続税につきましてよく指摘される点でございますけれども、借入金をもって土地を取得して、相続に臨む、そういたしますと借入金の方は一〇〇%資産から控除され、土地の評価額の方が時価に近いものでございませんと、低い水準でございますと、かえってそれが債務が超過するような形に工夫されるわけでございまして、多々そういう事例もあるわけでございます。したがいまして、時価が上がったといったものを背景といたしまして、評価の点につきましてその点をいろいろ手だてを講じますとそのような問題が生ずるわけでございます。 さりとて、この地価の問題は東京を中心とする、いわば全国的に見ると限られた地域の話でございますから、相続税一般の問題として取り上げるとその点はまた問題があるのかもしれない。そういたしますと、居住用の土地につきまして一定の面積に限って何らかの措置を講ずる、これは現在の租税特別措置法におきまして二百平米までは三割控除という特例があるわけでございますが、この点をもっと広げるなりの手だてがあるのではないかという御指摘がある。しかし、そうなりますと、主として土地から遺産が成り立っているという場合とそうでない場合とでどういうふうな負担のバランスが保てるのか、そういった問題もある。もろもろの点の御指摘を受けているところでございまして、十分今後検討すべき課題であると考えておるところでございます。
○和田教美君 これも時間との競争ですから、勉強ばかりされずにひとつ早急に結論を出していただきたいと思います。 さて、僕は、政治的に見ますと今度の税制改正の目玉は所得税の減税ではなくてやっぱりマル優の廃止だと思うんですね。これは中曽根総理がやめていくについての花道にプレゼントするというふうな政治的な意味がかなりあるんだろうというふうに私は理解をいたしております。 そこで、我々はマル優の廃止には絶対反対でございますけれども、マル優を仮に廃止するということを前提に考えた場合にはこの一律二〇%分離課税というのはいけない、やはり利子所得に対する総合課税化を図るべきであるという考え方でございます。なぜかというと、分離課税というのは利子配当所得が多い高額所得者に有利な制度だというふうに判断をするからでございまして、これによって税の不公平というものが一層また新たに生み出されてくるというふうに考えるからでございます。 ところで、衆議院の与党の修正でこの利子課税については「総合課税への移行問題を含め、必要に応じ、」五年後に見直しを行うという修正が行われております。ところが、先日の当委員会の参考人の意見聴取では主婦連事務局長の清水鳩子さんなどが五年後に見直すなんてこの忙しい世の中に随分のんびりした話で、しかも「必要に応じ、」やるというのでやらないかもしれない、こんな生ぬるい修正ではだめだ、ぜひもっと期間を短くして見直しをできるように修正してほしいという要望がございました。私もその点は全く同意見でございまして、もしそういうことをやるのなら、五年なんて悠長なことを言わずに見直し期間をもっと縮めるということが必要だと思うんですが、その点についての御見解をお聞かせ願いたい。
○政府委員(水野勝君) 御指摘の点はごもっともでございます。 利子課税につきましても、所得税におきましてはこれはあくまで総合累進課税という原則でもってお願いをしておるわけでございます。 ただ、今回は郵便局にも新しく課税をお願いする、また今まで源泉徴収といったことがなかった地方税におきましても利子について新しく源泉徴収を行い、都道府県、市町村で処理していただく、そうした新しい情勢もございますので、今回は、大量かつ流動的な膨大な金融資金を相手にする利子課税制度としては一律分離課税が実質的に公平を推進する方策ではないかということでこの方策を御提案申し上げたところでございます。 この金融資産は個人の非課税貯蓄だけで申しましても二百八十兆円ぐらいあるわけでございますが、その一番大きい部分は郵便貯金の定額貯金でございます。これが約九十兆円あるわけでございますが、これは金融商品としては十年の預入期間のものでございますので、商品としては十年物ということになるわけでございます。次の大きなウエートを占めておりますのは期日指定定期預金でございまして、これが約八十兆円ございます。そのほか、ビッグ、ワイドといった長期の五年の商品もございまして、長期の商品が大体六割、七割を占めておるところでございます。 こうした長期の金融資産でございますので、今後短期間の間にこの制度がさらに見直しがなされることあり得べしということでございますと膨大な数の預金者としてはその選択に際しましていろいろ御判断に迷うところでございます。そうした点からしますと、ある程度の期間をもって制度化をし、預金者にその選択をお任せするということが必要ではないかと思うわけでございます。 また、今申し上げましたように、今回郵便局にも新しく源泉徴収義務をお願いし、そのためのコンピューターその他につきましての対応措置をお願いしているところでございますし、また、多数の金融機関にもこうした新しい制度への対応を機械化の面でお願いをしているわけでございますが、それぞれの金融機関、郵便局におきましては相当なコストをかけてこれへの対応をお願いしているところでございますので、これがまた短期間に見直しが行われるということになりますといろいろ対応に苦慮されるところではないかと思うわけでございます。 やはり、こうした多数の国民の皆さんに影響のあるもの、多数の金融機関等に影響のあるものにつきましてはある程度の法的安定性が要請されるのではないかということで、私ども租税特別措置法で期限をつけずに御提案をしたところでございますし、御指摘のように、修正によりまして五年という期間をいただいてございます。そうした点からいたしますと、五年という期間はこれはぎりぎりのものではないかと私どもとしては考えているところでございまして、ぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○和田教美君 先ほどの答弁で、六十五歳以上の老人などに対する利子非課税制度の存続という問題について、なぜ六十五歳で切ったのかというお話がございました。老齢者が六十五歳以上で老年者が七十歳以上という初めて聞く定義でございますけれども、それも御答弁がございました。要するに、今の制度がとにかく税制にしても社会保障の仕組みにしても六十五歳以上ということになっているからそうするんだという趣旨の御答弁でございましたけれども、これは私は実態を非常に認識していない議論ではないかというふうに思うんです。 大体今の定年は五十七、八歳ぐらいから六十歳ぐらいで定年になります。それから六十五歳までの間はいわば老齢者の谷間であって非常に生活が苦しいというのはよく言われることなんですね。一つには、収入ががたんと落ちるという問題。それから、地方税が一年おくれで参りますので、退職金に対する地方税が一年おくれで来る。そうすると六十一歳とか六十二歳になったときにどかんと地方税を取られるというふうな問題、しかも今言った年金だとかそういうふうなものもこの間はなかなか十分もらえないというふうないろいろな問題があって、非常に谷間で生活が苦しいというのが実際に老年生活をしている人の実感だと思うんです。 そういう意味からは、もしこういう制度をやるとすればぜひ六十歳以上からということにすべきだというふうに思うんです。自民党の中でもこの問題を論議したときに六十歳からにすべきだという議論があったというふうに聞いておりますけれども、なぜ六十歳ということにしないのか。結局は、そうなれば財源がたくさん要るということに尽きるんではないかと思うんですけれども、その辺についてもう少し温かみのある態度をひとつとっていただけないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府委員(水野勝君) 今回御提案しております六十五歳の考え方につきましては、今回は所得の稼得能力が減退された方につきましては引き続き非課税を御適用いただくということでございまして、その際に一般の社会的な情勢から考えて所得稼得能力の減退といった点をどこでとらえるかとすれば、ただいまお話のございましたように税法上の制度、それから社会保障制度におきますところの分類その他もろもろの制度の整合性から考えて六十五歳ということで御提案をさせていただいておるところでございます。 また、ただいまお話のございましたように、六十歳あるいはその前後で退職される。退職されると退職金もかなりお持ちでございまして、そういった点からいたしますとこの年齢階層というのは貯蓄は割合お持ちの階層のようでございます。また一方、六十歳ごろになりますとお子さんがほとんど独立されて、比較的、生活の面からいたしますと、どちらかというと四十代、五十代に比べますと、ゆとりと申してはなんでございますけれども、そういう点の感じられる世代でございます。今後、高齢化社会が続きまして、だんだんさらに拡大されまして長寿社会になる。そういたしますと、やはり六十歳から六十五歳ぐらいの間につきましては、最初の職場は今のお話のように定年で退職されているといたしましても、第二、第三の職場でなおやはり御健在で稼得能力もお持ちになることが一般的になるのではないかという気もいたすわけでございますので、どうも御答弁としては余り温かくないかもしれませんが、そうした社会の実情からいたしますと、ここは六十五歳で仕切らせていただくことをぜひ御理解を賜ればと思うわけでございます。
○和田教美君 それは、再就職というのは大蔵省の高級官僚のような非常にエリートの方々はそういうことは簡単ですけれども、実際のサラリーマンはなかなかそうは簡単にいかぬですね。なかなか就職がないという事態はこれからどんどんふえてくるだろうというふうに思うので、もっと温かい気持ちで御検討を願いたいというふうに思います。 それから、マル優の問題についてさらにお伺いしますけれども、この六十五歳以上の老齢者が千三百万人、母子家庭、身障者全部合わせて大体二千万人という国税庁の御答弁がさっきございました。これについては限度管理あるいは名寄せは朝霞のコンピューターセンターですか、これを使ったら十分できるという答弁でございました。老齢者については完全にできるのに、マル優も含めてなぜ、その他の名寄せだとか限度管理というのが全くできないのか、それも我々はちょっと腑に落ちないわけですね。コンピューターの技術というのはこれからもどんどん進歩していきますし、もう現に進歩しているだろうと思うので、やろうと思えばやれるんではないかというふうな議論をこの間の参考人の意見聴取でも述べられた方がございました。そういう点については大蔵省はどうお考えなのか。
○政府委員(水野勝君) 先ほど御説明がありましたように、二千万人前後のこの適用者につきましてはコンピューター等によりまして適正に管理をすることが可能であるということの御説明があったと思いますが、この点につきましては、この二千万人という方はお年寄りあるいは母子世帯等でございまして、これが借名とかそういった点でほかに乱用と申しますか悪用されにくい対象ではないか、こういった点の御説明もあったかと思うわけでございます。それが一億六千万口という今の非課税貯蓄制度となりますと実質的に管理がなかなか困難であるのではないかということでございました。それとともに、私どもといたしましては、この不正利用を防止するための管理の適正化といった点も今回の利子課税の見直しの一つの観点ではございますが、基本的には、戦時中から続きました利子と申しますか貯蓄優遇課税制度を一般的なものとしてはここで見直して、社会的に稼得能力の劣った方以外は一般的には課税させていただくという制度に踏み切らせていただいている。それからまた、課税上も十数兆円という利子所得が除外されているという点を是正させていただきたいといった点が現在の社会経済情勢からの要請としてその見直しの理由となってございます。 今申し上げましたように、不正利用の排除ということもその一つの目的でございますが、その点とともに今申し上げたような観点のお願いでございますので、管理ができるできないという点につきましてはその点はおいて、基本的にこの見直しをお願い申し上げたいと思っているところでございます。
○和田教美君 この委員会でも利子所得の問題については盛んに議論が出ておりますけれども、配当所得についても、私は、方向としては総合課税化に向けての歩みを進めるべきであるというふうに思うんですね。 配当所得については、現在は総株式の五%以上を有する株主の配当所得、それから一銘柄年間五十万円以上の配当所得については三五%の源泉分離選択はできないということになっているわけで、それ以外はできるということになっているわけですけれども、これはやはり配当所得については少し優遇し過ぎではないかというふうに思うんですけれども、これの総合課税の強化というふうなことについてはどういうお考えですか。
○政府委員(水野勝君) 今御指摘のように配当につきましては三五%がなお残されておるわけでございますが、この点につきましてはただいま御指摘のように五%、五十万円という限界があるわけでございまして、この配当所得の実際の課税状況を見ますと、この源泉選択を利用されている方というのは極めて少数でございまして、そのほとんどは原則としては二〇%の源泉徴収を受け総合課税の形となっておるところでございます。ただ、一銘柄一年間十万円の配当所得につきましては申告不要という制度がございまして、大半の配当所得者はこれを利用されておるのではないかと思うわけでございます。 ただ一方、これはまた別途御指摘のあるところでございますが、配当につきましては配当控除制度といったものがございまして申告をされれば一〇%の控除があるわけでございます。そういたしますと、二〇%の源泉徴収で総合申告されれば一〇%の控除が受けられるのを申告不要の形をとってそのままにされておると実質は三〇%の税負担ということにも考えられるわけでございまして、大半の方がこの申告不要という部類に入っておられるということは大体その程度の御負担をされてそのままになっておるというふうに言えるのではないかと思うわけでございます。 そういった点からいたしますと、これはやはり今回利子課税につきましての見直しをお願いするという際におきまして配当につきましてはやや利子と異なる点があるのではないかということから、税制調査会の答申におきましても、配当所得の「性格等に照らし源泉分離選択課税を存置する」ということで現行どおりとすることで適当ではないかとされておるところでございます。 御指摘のように問題がないというわけではございませんので、そうした点も含めまして検討をされたところでございますが、検討の結果、現行を維持することでよいのではないかということで、今回は特段の御提案を申し上げなかったところでございます。
○和田教美君 マル優が仮に廃止されますと一律二〇%分離課税ということになるわけですけれども、キャピタルゲインが今お話しのように全くしり抜けだというふうな状況から、株式への投資だとかそういう資金移動がかなり活発に行われるのではないかというふうに思うわけですね。現に証券会社なんかは相当強気でがっぽりこちらにいただけるぞなんていって頑張っているというふうな記事も出ておりましたけれども、そうなると今の金融界に与える影響もかなりなものになるんではないか、こう思うんですね。 政府は前々からこのマル優の廃止をやっても預金は余り減らないというふうな見解のようにも聞いておるわけですけれども、預金が余り減らないんだったらこのマル優廃止をやっても余り意味がないわけですね。要するに、貯蓄し過ぎたという外国の批判があるからこれをやるんだというのも一つの理屈になっていたわけですから、そういうことで預金が減らないということだったら意味がないわけですが、その辺のところはどういうふうに大体考えておられますか。
○政府委員(水野勝君) 課税水準と貯蓄との関係につきましては、従来からいろいろ研究があるわけでございますが、その相関関係ははっきりしたものが認められないというのがどうも通説的な評価のようでございます。そういった点につきましての評価はそれとして、戦時中及び戦争直後以降におきましてはこの利子課税につきまして税制上の優遇措置がとられてきた、しかしその背景となる社会経済情勢が変わってまいった以上は、それは税制上の優遇措置としてはやはり基本的に見直しをお願いせざるを得ないということではないかと思うわけでございます。 それからまた株式等との関係からいけば、株式と利子所得につきましては、その元本が保証されているかどうかといった点から基本的に性格の差があるのではないかと思うわけでございますので、こうしたものが金融資産に影響が全くないということは申し上げられないと思いますけれども、そこはおのずから限度があって、私どもこれによって大きなシフト等につきましてはそれほど考えなくてよいのではないかと考えておるところでございます。
○和田教美君 マル優の廃止が行われて一律二〇%の分離課税が行われるということになりますと、先ほどからも申し上げておるように、大口預金者は現行の三五%の源泉分離から二〇%の源泉分離ということでこの点では確かに減税になるわけです。ところが、小口の大衆預金の場合にはマル優がなくなって一挙に二〇%の増税ということになるわけです。そうでなくても大口預金者の場合には二年前から本格化し始めた大口金利の自由化で多少利子が上がっているというふうなことから得をしているという面があろうと思うんですが、小口預金者については依然として低金利政策のもとで非常に低い規制金利で縛られておる、損をしているという見方もできると思うんですが、そういう点ではこの不公平が一層ひどくなるんじゃないかということを指摘する学者もおります。 そこで、小口預金の金利も自由化されれば恐らく上昇すると思うんですけれども、もしマル優廃止をやるということであれば、ぜひマル優廃止と同時に小口預金の金利の完全自由化ということもやるべきである、こういうふうに考えるんですが、この点についてはどうお考えですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 御存じのように、預金金利の自由化につきましては、今大口の方から漸次進めてきているわけでございます。したがいまして、これから小口の方へ入ってくるわけでございますが、小口の方に入っていきます場合に幾つかの検討すべき課題があるわけでございます。一つが税制上の問題、それからもう一つが預金とそれから郵貯との関係をどう考えるかという問題、それからさらにこれは預金者の方ではなくて、預金を預かります金融機関の経営にどういう影響を与えるかという三つの問題があるわけでございます。 そのうち、いわゆる税制上の問題につきましては、本法案が成立いたしましたらすべて一律になりますので、その意味では一つの課題が解決されるのではないかと我々考えております。したがいまして、今後残りの課題を解決しながら漸次小口預金の金利の自由化にさらに取り組んでいくということで努力していきたいと考えております。
○和田教美君 今すぐというわけにはいかぬですか。
○政府委員(平澤貞昭君) これにつきましては、先ほど申し上げました問題を今時に郵政省と勉強会をしておりまして、これにつきまして答えを早急に出したいと思っております。したがいまして、何らかの答えが出てくれば小口の方へ進めていくということが可能になってくるわけでございます。
○和田教美君 次に、緊急に必要とするむしろ税制の改革ということについていえば、例えば土地税制の問題があると思うんですね。 土地税制の問題は、全体の問題は時間がございませんのでここでは触れませんけれども、特に今問題になっているのは固定資産税の問題ですね。東京などで非常に急激に上がった地価のために固定資産税が非常に上がるんではないかという不安が都民の間に多いわけです。ちょうど固定資産税の評価がえが三年に一度実施される、六十三年度はその改定の年度に当たっているということで固定資産税がいわば追い出し税になるというふうなことは絶対に避けるべきだと思うんで、その点についてはむしろこれを抑えるという方向に行くべきだと思うんです。東京都も国に対して、異常な地価高騰をそのまま固定資産税や都市計画税、相続税に反映させないよう大都市の特例を設けるべきだというふうな申し入れをしておりますが、自治省としてもいろいろ考えておられると思うんで、大体結論が出ているのか、どういう考え方なのか、自治省の方来ておられますか。――ひとつ答弁お願いいたします。
○説明員(佐野徹治君) 来年度の昭和六十三年度は土地の評価がえの年度でございます。現在、この評価がえにつきましては課税団体の方で作業をいたしておりますが、自治省におきましても全国的な観点から評価の基準となるような地点につきましては目下課税団体と調整を進めておる段階でございます。 この場合に、先ほど御指摘のありましたような異常な地価の高騰と申しますか、そういう点につきましてはこの評価に当たりまして現在の固定資産評価基準におきましてもいろんな不正常な要素を排除しながら評価をする、こういうようなことになっておりますので、この評価に当たりましては、異常な地価の高騰に関連いたします不正常な要素ということにつきましては排除をいたしながら評価の作業を進めている、こういうようなことで現在課税団体、二十三区で申しますと東京都でございますけれども、東京都とも調整をいたしながら作業を進めておる段階でございます。
○和田教美君 非常に抽象的な答弁で、それでは何のことかわからぬわけで、東京都は前回の改定時は一八・五%の値上がりということですね。それ以下の上昇率とすることを決めたという報道もあるわけですね。まあ、一けたにするのか、あるいは二けただけれども一〇に近い二けたにするのか、その辺は具体的にどういうことですか。関係の都民は具体的な数字が非常に知りたがっているわけですからね。
○説明員(佐野徹治君) 現在の作業段階を申しますと、先ほど申し上げましたように、評価の基準となる地点、これは各都道府県の中の一番評価額の高いところでございますけれども、この評価の基準となる地点につきましてどうするかということにつきまして現在、課税団体、東京都の方と調整をいたしておる段階でございます。 この評価の基準となる地点につきましての価格が決まりますと、それとの関連におきまして東京都におきまして全筆につきましての評価の作業を進めるわけでございますが、東京都におきまして今作業中の段階での感触と申しますか、そういうことにつきまして恐らく都議会あたりでお話をされたのではないかと思っておりますが、私どもの方ではまだ評価の基準となる地点につきましての最終的な決定という段階に至っておりませんので、現段階ではまだ確定的なことは申せない状況でございます。
○和田教美君 次に、今度の改正案には、土地転がしを防止するために、不動産屋が二年以内の超短期の売買をやる場合のそれについては超短期重課をやるという制度ができておりますね。これは我々も賛成でございます。しかし、問題は、どうも不動産業界なんかの話を聞いてみますと、こんなのは余り痛くもかゆくもない、つまり二年以下ならいけない、非常に超短期重課だというんであれば少し金融でつないでおいてもらってそして三年以内ということにすれば、短期の課税ということになって四〇%で済む、だから今の金融の状況からいけばそんなことはそう難しいことではないというふうな意見を言う人もありますね。 そこで、中曽根総理でさえ、問題はこの超短期重課制度が効果を上げるかどうかは金融の態度、金融の節度次第だというふうなことをおっしゃっておったし、事実きのうですか、日銀総裁に対しても重ねてそういう問題についての金融界の自粛の指導を強化しろということをおっしゃっておる。大蔵省も、この問題についてはあんまりでたらめなとにかく土地に対する融資をやるべきでないというような自粛の申し入れを金融界にもしておるようですけれども、実は、この間ここの委員会の参考人の意見聴取に出てこられました全銀連の神谷会長は、政府の見解に反論するということでございまして、そんなことはない、我々は大いに自粛しておるんだ、ところがどうも政府の受け取り方はどうも違うんだと、こうこうこうだといって具体的に申しておられましたけれども、一体どうなんですか。政府の判断は、大体金融界も自粛しておる、そして効果が上がっておるというふうに見るのか、中曽根総理のようにあるいは官房長官のようにまだまだ金融界はけしからぬというふうに見るのか、その点大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 恐らく急速にそういう自粛の方針が徹底しつつあるといってとが真相であろうと思います。つまり何度か銀行局長通達をしておりましたけれども、年のかわりますころあたりにはそれが非常に投機的な貸し出しが意識的にたくさんあったとまでは申しませんけれども、必ずしも厳格にそのとおりされておったかどうかといったような心配もございましたので、その後に地域を定め金融機関を決めまして、具体的に特別のヒアリングを行うことにいたしました。これがある意味で大変に、そういうことは今までほとんどなかったことでございますので、効果を持ったと申しますか、急速に徹底していったように見ております。ですから、神谷さんのおっしゃいましたことは、恐らく、冗談ではありません、今我々はもうとてもぎりぎりやっているんですというお気持ちでありましたでしょうし、そのほかの方々はもう少し早い段階、このもとはやっぱり金融であったんではないかというようなことを言われておるんでございましょうが、ただいまとしては随分これは徹底したように私は思っております。
○和田教美君 それから、これはちょっと別の問題ですけれども、六十二年度減税ですね、これの財源ですが、これは一体どういうふうになるのかというのはさっぱり答弁を聞いていても具体的にわからないんです。 政府案の一兆三千億円に野党の要求によって二千四百億円上積み、合計減税規模は一兆五千四百億円ということに修正でなりますね。それで、その財源は六十一年度の剰余金約一兆三千五百億円ですか、これを充てるということはわかります。 〔理事大浜方栄君退席、委員長着席〕 しかし、それを充ててもなお千九百億円ぐらい不足になりますね。この不足分は何で措置されるおつもりなのか、御説明をお願いしたい。
○政府委員(水野勝君) 今般、この法案の中で所得税減税、利子課税とともに御提案申し上げている点といたしまして、有価証券取引税の税率の見直し、それから登録免許税の課税標準の見直し等々につきまして御提案を申し上げているところでございます。こうしたものをこの法案の中に盛り込まさせていただいている内容でお許しを得れば、それによりましておおむね今御指摘のような金額のものは何とかそれによってカバーされるのではないかと考えているところでございます。
○和田教美君 何とかカバーされるというんじゃいかにも漠然とした話で、具体的に足らない分は大体どういうことでやるのだというのはもう少し具体的に出るんではないかと思いますが。
○政府委員(水野勝君) 六十二年分としては減税額は一兆五千四百億円と見込まれるところでございます。一方、昭和六十一年度の剰余金のうち、先般の補正予算におきまして流用されております残りの部分は一兆三千五百億円ございます。ただ、この一兆三千五百億円というそれに四千億円を足した一兆七千億円と申しますのも、これは本来財政法の規定からいたしますとその半分以上は国債整理基金に繰り入れるべきものでございますから、その点のお許しを国会で得るという前提でございますが、そういう前提に立ちますと一兆三千五百億円あるわけでございます。 それを充てた残りは、御指摘のように千九百億円程度がなお残るわけでございますが、有価証券取引税の中での転換社債の税率を約六倍引き上げさせていただいております。これによりますところの収入額が九百億円程度と見込まれるところでございます。また、登録免許税につきましては、その課税標準を五〇%引き上げさせていただくという御提案でございまして、これが六十二年度としては千億円程度の税収が見込まれるところでございます。したがいまして、おおむね一兆五千四百億円六十二年度としてはカバーされると考えておりますが、六十三年度以降につきましては厳しい状況にあるわけでございます。
○和田教美君 もう時間がなくなりましたからこれで終わりますけれども、今回の改正案が平年度として出された場合に、租税の増収、減収額はそれぞれどのようになるのかお示しを願いたい。どの資料を見てもその点がはっきりいたしておりませんからお答えを願いたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 所得税につきましては、六十二年度一兆五千四百億円でございますが、平年度ベースにおきましては一兆五千億円程度かと見込まれます。 それから、ただいま申し上げた有価証券取引税、これがおおむねフルに一年分でいたしますと千七百億円程度となろうかと思うわけでございます。 それから、もろもろの金融類似商品、定期積金とか相互掛金、こういったものを含めました金融類似商品の見直しが約七百億円。それから取引所税の国債につきましての税率を見直しさせていただいております。その他のものを含めまして約四百億円の収入が見込まれるところでございます。 その次の点は、先ほど申し上げた登録免許税でございますが、これは平年度一年分といたしますと二千二百億円程度の収入が見込まれるところでございます。しかしながら、この登録免許税は固定資産税評価がえを前提にして当面のさしあたりの措置としてお願いし、期間を区切って御提案申し上げていますから、こうしたものを御指摘の平年度的な改正の効果として申し上げるとなると若干問題でございます。それはそういったことをのみ込みさせていただきまして約二千二百億円でございます。 それから、利子課税は国税、地方税合わせまして一兆六千億円でございますが、国税分としては一兆円弱でございます。しかし、これはこの金額が完全にあらわれてまいりますのは五、六年後でございますということを申し上げているところでございます。
○吉岡吉典君 十日の委員会に続いて質問を行います。 まず、マル優の問題です。十日にもマル優の問題がなり質問しましたけれども、引き続いて行いたいと思います。 最初に、マル優問題をめぐる政府の答弁を聞いていますと、これは一般庶民に関係があるというよりは高額所得者から税金を取るのだという感じの答弁を聞くことが非常にしばしばです。私どもは、マル優という問題は病気や老後へ備えた貯金の利子に税をかける一般庶民泣かせたと、そういうふうに言っているわけです。ところが、宮澤大蔵大臣の答弁を見ましても、低所得者も利用しておられますが高額所得者の利用率が高いという答弁でした。そのほか、これによって高額所得者へ課税をすることで不公正をなくすのだ、そういう答弁でした。 金額の面から見れば別ですけれども、マル優利用者の圧倒的な多数は一般庶民ではないかと私は思いますけれども、このマル優利用者の実態というものがもし調査があれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 貯蓄に関する世論調査によりますれば、マル優制度の利用状況は、年間所得二百万円未満五六%、二百万円から三百万円未満七一%、三百万円から四百万円未満七六%、四百万円から五百万円未満八三%、五百万円から七百万円未満八八%、七百万円以上九三%、こうした数字があるようでございます。
○吉岡吉典君 もうちょっと、よくわかりかねますが、どういうことですか。利用者というのは、例えば二百万未満五六%というのはどういう数字なんですか。ちょっとわかるようにしてください。
○政府委員(水野勝君) 恐らく年間所得が二百万円未満の方々、そういう階層の方でマル優制度を利用されている方はその中の五六%である、一方七百万円以上の方につきましてはその九三%がマル優を利用されておる、こういう数字ではないかと思われます。
○吉岡吉典君 私が聞いているのはそういうことじゃなくて、マル優全体の利用者の中で高額所得者の人数がより多いのか、一般庶民がより多いのかということで、今の数字ではそういう答えになりません。私は、やはり一般庶民の利用者が利用者の人数としては圧倒的に多いと思います、今の答弁ではその点が明らかになりませんから、これは私の意見として述べさせていただきます。もちろん高額所得者も利用しているということは、これは間違いないことです。しかし、政府の答弁だと一般庶民が老後、病気に備えて利用しているという面がほとんど重視されないで、あたかも高額所得者の利用するものだというふうに聞こえます。 そういう政府の答弁の最たるものは、私は、大臣がしばしば答弁される四人家族で三千六百万円の非課税が可能でありますという答弁だというふうにこれまでの答弁を聞いてきました。宮澤大蔵大臣にお伺いしますが、四人家族で本当に三千六百万円マル優が利用できるんですか。これは、標準世帯で合法的にこれが可能な方法があれば教えていただきたいものだと思いますけれども。
○政府委員(水野勝君) 非課税貯蓄制度は、お一人につきまして現在の制度は、普通の金融機関が三百万円、郵便貯金が三百万円、国債の購入額が三百万円、合わせて九百万円でございます。したがいまして、四人御家族でそれぞれお一人ずつが九百万円ずつお一人ずつでされれば四人世帯では三千六百万円になる、そういう計算でございます。 ただ、恐らく御指摘は、四人世帯と申しますと夫婦と子供二人でございますから、子供の名義で九百万円を預金なり国債を買うということができるのかということではなかろうかと思いますが、その九百万円ずつを直ちに分けて子供の名義で預金をいたしますればそれは贈与の問題になりますが、長年かけて九百万円を計画的に分けるようにすればそれはできないことではございませんので、大臣からそういうふうに申し述べているとこ ろでございます。
○吉岡吉典君 九百万円掛ける四が三千六百万円になるぐらいは私でも答弁していただかなくても理解できます。 問題は、標準世帯で三千六百万円の利用が可能だということを前提もなしにしばしばおっしゃっている。それから今のような計算、長年かければできる、それも計算してみればすぐできることです。しかし、夫婦と子供二人の標準世帯で三千六百万円、これは非常に高率の贈与税抜きにはできないことでありまして、あたかも三千六百万円まで可能だ、したがって高額貯蓄者がマル優制度はより多く利用しているんだ、だからマル優廃止というのは一般庶民ということじゃなくて高額所得者に対する対策だと、そういうことがおっしゃりたいことだと思いますけれども、そういう言い方というのは私はフェアな言い方ではないと思いますけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今お聞きになったようなことでございますので、あり得ることと思って申し上げておるのであります。
○吉岡吉典君 いろいろな仮定をすれば、その仮定の中の一つとしてはあり得る。 そういうものが普遍的なような言い方、三千六百万円まで可能だという言い方は、聞いている私から見れば、それはやっぱり何かうまい名義を使って不正のマル優利用を勧めているようにしか聞こえません、どうでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 先ほども申し上げました貯蓄に関する世論調査におきましても、所得階層別に見ますと、限度いっぱい利用されておられる方の割合を見ますと、二百万円未満の方は一九・六%の方がいっぱいでございますが、七百万円を超えます方につきましては四三・一%の方がフルに利用されておる。やはり所得階層の高い方はフルに利用されている割合が下の方に比べて倍以上であるということは見受けられるところでございます。
○吉岡吉典君 マル優利用者全体の中で高額所得者がより多くて、そちらの人が三千六百万円を使っている、そういう数字はどこからも出る余地はないと思います。高額所得者が額において仮に多く利用しているとしても、それの不正、それを理由にしてマル優を廃止して一般庶民の貯金に税金をかけるというようなやり方というのは、これは全く庶民いじめだということは十日の委員会でも言ったとおりです。 私は、マル優廃止がそういう一般庶民に与える影響については何もお考えにならなくて、全くこれが高額所得者から公正に税金を取り立てるためのものだ、そういうふうにお考えになっているのかどうか、もう一度お伺いします。
○政府委員(水野勝君) 今般、利子課税につきまして、戦時中あるいは戦争直後の貯蓄優遇策という点を基本的に見直しをさせていただいておりますが、ただ、この点につきましては、社会的に稼得能力の低下している方々につきましては引き続き非課税を継続して利用いただけることといたしておりますので、その点につきましては、その貯蓄者の実態に合った課税制度に改組さしていただけるものと私どもは考えておるところでございます。
○吉岡吉典君 手を差し伸べるべき者は手を差し伸べたというので、老人、母子家庭、身障者などの例が述べられます。これだけでほかの国民には手を差し伸べる必要がないという論拠にもなりませんが、しかし、あなた方が手を差し伸べたという人の中からも次のような強い要求が出ています。これは共産党に最近東京の狛江市の七十歳のお年寄りから来た手紙ですけれども、ちょっと紹介しておきたいと思います。 総合課税を残すようお骨折りお願い致します。 私の場合を申し上げますと、昭和六十一年度の 確定申告は、収入二十六万円(利子のみ、年金 八十万円余は控除され雲となる)、様々な控除 は、老齢控除、扶養控除、障害控除その他で合 計控除額は百六十二万円で、結果はマイナス百 三十六万円となります。それで、金利の税金五 万円余は還付され、それも当てにして生活して おります。今度分離課税になればそれがなくなるということが訴えられており、最後に「中曽根首相は、下層階級の事情などわからない人だとはっきり感じます。」、そういうふうに述べられております。 あなた方は、手を差し伸べるべき人に十分手を差し伸べた、そういうふうにそれでもお考えになりますか。
○政府委員(水野勝君) ただいまの数字をお聞きいたしますと、利子が五万円源泉徴収分が還付されておると。この方が七十歳でございますからこれからも非課税貯蓄は御利用をいただけるのではないかと思うわけでございます。還付が五万円でございますと、これを二〇%でいたしますと二十五万円の利子所得がおありになる。それは、元本としては、二十五万円でございますと大体五百万円ぐらいのものでございます。その点で申し上げれば、今後七十歳以上の方は九百万円までは御利用いただけるかと思いますので、この方については今回の制度でカバーしていただけるのではないかと考えるところでございます。
○吉岡吉典君 次の問題ですが、今の議論はさておきまして、先ほどの三千六百万円問題ですが、これにけりつけておかなくちゃなりませんが、私は、そういう全く特殊な事例を引っ張り出して宣伝するやり方はやめてもらいたい。 今度の税制改革をめぐる政府、大蔵省の文書、答弁等を見ると、一般的でない極端な例、一方的に偏った事例を持ち出して盛んにあたかも減税になるというような宣伝が行われている。これは私は非常にまずいと思います。 それは私の意見として述べておきまして、次に、不正使用問題です。 マル優の不正問題は十日にも私取り上げましたけれども、大蔵大臣は、不正使用を主な理由としてマル優廃止を述べていないんだと、そういうふうにおっしゃっていましたけれども、これまで中曽根総理以下がマル優廃止の主な理由として述べられたその一つが不正使用ということであったことは間違いありません。選挙中にもそうだったし、その後もそういうことを言われた。今度の国会の答弁の中でもそういう答弁が続いています。私は、それほど大きく取り上げられるからには不正の実態が詳しく調べられていると思いますが、その不正の実態、まず説明していただきたいと思います。
○政府委員(日向隆君) 私ども預貯金につきまして源泉監査を行っておりまして、直近の昭和六十事務年度の税務調査で把握したマル優の不正利用に基づきまして追徴した税額は加算税を含め四百二十一億円でございます。これに見合う不適正にマル優制度を利用していた預貯金等の利子及び元本につきましては、全体の計数につきましては、推計でございますけれども、前提として追徴期間が二年、追徴税率二六%、金利六%として計算いたしますと、その元本は一兆四千億円でございます。 さらに、この調査を行いました金融機関等の店舗の数は四千七百八十二店舗でございまして、これが全国の金融機関等の四万一千六百二十店舗に占める割合でこれを単純でございますけれども引き伸ばしますと、不正利用されております元本の推計額は十二兆二千二十六億円に相なろうかと思います。
○吉岡吉典君 まず、この前も私言いましたが、今の数字でよく注意して聞かないと、九九。九%というのが不正利用だというのはマル優利用者の九九・九%が利用しているようにも印象づけられます。正確を期しておいてもらいたいと思いますが、それは利用者の九九・九%ではなく調査された店舗の九九・九%だということに間違いありませんね。
○政府委員(日向隆君) 委員の仰せのとおりでございます。
○吉岡吉典君 この今の数字、これをマル優全体の中で見るとどの程度の比率になるかということを次にお伺いします。 野村総合研究所所長の徳田博美さんは「金融財政事情」という雑誌の中で、大蔵省の調査をもとにして試算されて、マル優の不正利用というのはマル優利用者の恐らく三%以下になるだろう、そういう数字を試算して述べておられます。ちょっと読んでみますと「不正利用している場合は金額が限度いっぱいに達していると思われるので、現在の平均利用率からみて、この「悪用」人数は、マル優利用者のおそらく三%以下になると思う。」と。 この試算、どういうふうにごらんになりますか。
○政府委員(水野勝君) 御指摘の論文につきましては、私ども直接ただいまお聞きしたところでございますので、その不正利用というのがそれぞれの方々の一人一人についてどのように当たられたのか、それは仮名部分をおっしゃっておるのかあるいは他人名義を利用した借名等がそこに入っているのかどうか、そこらの点も定かでございませんので直ちにここで先ほどの国税庁の数字との関連につきまして申し述べることは難しいところでございます。
○吉岡吉典君 それでは、先ほど述べられた数字ですが、それはマル優貯金の中の何%ぐらいになりますか。
○政府委員(水野勝君) 先ほどの御説明申し上げたところですと、約十二兆円というところの数字を用いますと現在の非課税貯蓄は二百八十七兆円でございますが、これは金融機関とともに郵便貯金も含めてございまして、調査の対象は恐らく金融機関だけであろうかと思いますのでこの元本は百七、八十兆ではないかと思われます。そうしたあたりの数字になろうかと思うわけでございます。
○吉岡吉典君 そうしますと、百八十兆の中の十二兆二千万円ということですから一割にも満たない、七%ぐらいですか、ちょっと数字、計算したものじゃありませんけれども。そうしますと、野村総研の徳田さんの試算ではマル優利用者の三%以下になると思うというものであり、大蔵省の数字によっても金額面からいっても百八十兆のうち十二兆ぐらいだということ、まあ七%になるか六%台かわかりませんけれども、そういうふうなものでしかありません。もちろんこれ自体は放置できないものだということはわかりますけれども、しかしこれをもってあたかもマル優が丸々不正使用されているような言い方で非難、攻撃を加え、これを理由にマル優を廃止するという理由は私は成り立たないと思います。 特に、本会議で中曽根総理が答弁されて、四日ですが、私聞いていてこれだとまるでマル優利用者は全部不正をやっているという言い方に聞こえるなと思った答弁があります。それは、非課税については老人、母子家庭、社会的に弱い人には存続し、不正は是正しなければいけないと言った、そのとおり実践していると。つまり、非課税を取っ払われた者はあたかもとりようによっては不正利用をしているから廃止したんだというふうに受け取れかねない、そういう答弁でした。 私は、一般庶民にマル優を不正利用するほどの貯蓄は実際にない、それを今挙げられたような数字をもとにしてマル優があたかも貯金の不正利用の巣窟になっているようなそういう言い方をするのは今後慎んでもらいたい、またそういう印象を与えるような発言、答弁の仕方というものもやめてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(水野勝君) 今回御提案申し上げておりますのは、不正利用といった点も今回の見直しの一つの要素ではございますが、私どもといたしましては全体の中での十数兆円の利子所得をどうするかという問題、戦時中から続けてきたこの貯蓄優遇措置をどのように考えるかという問題、そちらの問題として御提案を申し上げているところでございますので、不正利用につきましてはその中の一つとして御提案をしている点を申し述べたいと思うわけでございます。 それからまた、不正利用の点につきましては先ほどからのいろいろな数字もあるわけでございますが、また貯蓄動向調査等々からいたしますとサラリーマンの勤労者世帯の平均保有額、これは五百万弱でございますし、一般世帯を含めた全国平均の数字もそれほど大きいものではない。これに世帯数を掛けますと二百八十七兆円という数字には到底及ばないわけでございまして、その間には数十兆円の差が出てくるわけでございます。それを不正と申し上げることはできませんが、そういう数字でもあるということもまた一つの数字としてあるわけでございます。
○吉岡吉典君 またあたかも不正だというような言い方で、先ほどの不正は一兆二千億円だという答弁と違って、何となく不正があるというふうに印象づけようという答弁だと私は思います。 一般庶民には不正をするほどの貯金がないということだけははっきりしました。それでは、一体だれがどういう形で不正を行っているのか、不正利用はだれが行っているか、これが大事な点です。これは高額貯蓄者だということは今の答弁でも明らかですけれども、私はそれが銀行と結託してやられているというところに最大の問題があると思います。先ほども調査した銀行の九九・九%までが不正使用をしていたという答弁がありました。最近の新聞報道でも、大阪の泉州銀行が指南役になってマル優の不正使用、それから脱税を援助していたという事件が報道され、これによると二百数十人の名を使って同銀行の三つの支店に四百五十口のマル優定期預金を銀行側が指南役になって行わせていたという報道がありました。こういうやり方での不正こそ問題であり、同時に、したがってこれを押さえることは可能だと思います。マル優の不正が年々大蔵省の調査でふえている理由についても、日経新聞では、国税庁の説明として、大口の預金者と金融機関が手を結んでマル優を悪用しているケースがふえたからだ、こういうふうに語っているということを報道しておりました。 こういう点、どうですか、大蔵省お認めになりますか。
○政府委員(水野勝君) 不正利用という点についてよく関連して言われますのは、仮名と借名、他人名義を利用する方法でございます。仮名といった点につきましては、金融機関としてもそうしたものを極力排除するように指導をいたしておるところでございまして、もう一つの方の借名となりますと、よく言われますのは会社の社長さんが従業員の住民票を全部集めてそれで何十口と非課税貯蓄を設定するということがよく言われたりするわけでございます。そうした場合につきましては、これは特段金融機関がこれに加担して云々ということではなくて、やっぱり預金者の方の問題ではないかと思うわけでございまして、こうした書類が整えば非課税が受けられる、こういう不正利用の余地を残すようなこうした現在の制度それ自体というものがやはり問題ではないかと思うわけでございまして、やはり、私どもとしては、金融機関なりの云々というよりはこうした制度自体につきまして社会経済情勢の変化に応じまして見直しをお願いをするのがいいのではないかということで御提案しているわけでございます。
○吉岡吉典君 金融機関をかばっている一半は預金者だという説明ですけれども、しかし泉州銀行の例も、報道によれば銀行が指導してやらせたと報道されておりますし、日経新聞に出た国税庁の説明という中では大口の預金者と金融機関が手を結んでやっている、こういうふうになっています。私は、やはり金融機関の預金集めの手段としてこれが使われたということが最大のものだということを、これは前回も私は言いましたけれども改めて言っておかなくちゃなりません。 それから六十一年一月一日から実施された本人確認の厳正措置の結果はどうなっているか、その調査がありましたら調査結果をお知らせ願います。
○政府委員(水野勝君) 六十一年一月からは新しく本人確認の資料をいただき、また限度管理をそれによりましてさしていただくということになっておるわけでございますが、六十一年の制度改正は、それは六十一年一月以後に預入をされるなり利払いを受けるなりの機会にそれをいたしていただければよいということとしたわけでございます。郵便貯金で申すれば十年、期日指定で言えば三年間、こうした預入期間があるわけでございますのでその間につきましてはそのままで結構ですということにいたしておりますので、六十一年以後一年以上は経過いたしておりますが、どの程度の部分がそうした新しい預入、利払い等になっておるかどうかはまだ全体としてそこまでいっているということは言えないかと思いますし、また国税庁の先ほどの資料も、調査結果の数字につきましてもそれはその前後のものでございますから、その是正分と申しますのがそこにあらわれてくるのはまだ先のことではないかというふうに感ぜられるところでございます。
○吉岡吉典君 さきにお示しした野村総研の徳田所長は、この六月一日以降は架空名義の預金は一掃されたと見てよいというふうに同じ論文でお書きになっていますけれども、以前と違って厳正なる実施が行われているというふうに判断なさるかどうか、具体的なデータは別として、その点の判断はどうですか。
○政府委員(日向隆君) 六十一年一月一日から御案内のように公的書類による本人確認が行われておりますが、それについては私どもの源泉調査の対象になりますのはまだほんの一部でございまして、その実態については今主税局長が御答弁したとおりであります。 ただ、私ども感触論として申し上げますと、それ以前に比べてはかなりその点については改善されているんではなかろうか、かように考えます。
○吉岡吉典君 銀行がきちっとやればかなりの部分は押さえられるということは非常にはっきりしていると思います。同時に、先ほどの論議でもありましたように、二五%に当たる非課税制度の残る部分はコンピューターによる管理ができるということもはっきりしています。 これは十日にも私述べましたけれども、朝霞にある国税庁の事務管理センターに行っての調査では、マル優限度額管理、名寄せは、これは今のままの設備のままではできないにしろ、もう一つ建物を建てるとかどうとかいうようなそんな大げさなことはなく、仕事量のいかんで設備をどの程度強化するかという措置さえとれば技術的には可能だということであり、そのやり方は背番号も納税者番号も要らない、住所、氏名、生年月日の三つでやれる、単に理論的にやれるというだけじゃなくて実行可能な研究は終えているという答弁だったということは私重ねてここでももう一度述べておきたいと思います。そして、そういう見地に立ては、不正だから不正が起こらないようになくすということでなく、不正は不正としてきちっと正し、そして庶民のマル優制度を維持していくということは幾らでもできるのだということを、そのこともあわせて述べておきたいと思います。 次の問題は、一律分離課税の問題です。 一律分離課税の問題については、その結果二〇%の税率ということでどんな金持ちも低所得者も、言いかえれば、何百億円貯金している者もごくわずかの少額貯金者も同率の税金がかけられる、そういうことになります。これが公平な課税だというふうにお考えになりますか。
○政府委員(水野勝君) 今回の御提案は、先ほど申し上げましたように、所得の稼得能力の減退した方については非課税でございます。その上の方、上と申しますか、それ以外の方の利子所得につきましてはこれは原則一律二〇%の課税でございまして、こうした利子所得は稼得能力のある方のものでございますから勤労性所得の課税、これは最低地方税を含めて一五・五%でございますから、その勤労性所得の上にある利子所得としては二〇%程度のものはぜひお願いを申し上げたいということでございます。いわば利子所得そのものの中で稼得能力の減退した方はゼロ、それ以外の方は二〇ということで大まかに課税の水準を分けさせていただき、これによりまして実質的に公平な課税制度をお願いをしようとしたところでございます。 何と申しましても、何千万口、何億口という預金者あるいは預金口座の問題でございますので、これを実行していただく金融機関、郵便局等々のお手数、預金者のコストといった点を考え、そうした点からの制度の要請からこれが最も公平申立的な課税方式であるということで御提案をしたところでございます。 この点につきましては、現在ございます三五%の源泉分離課税と関連いたしまして、お金持ちの方が三五を使っておられたからそれが下がるということでお金持ち優遇、不公平だという御指摘もあるわけでございますが、この点につきましては、高額預金者といたしましては目いっぱい非課税貯蓄を利用されたあとは現在ございます割引債の一律源泉分離課税の方式をお選びになるとかいろいろなことでむしろ節税を図っておられる、そうした方々につきましては今回分離税率は引き上げになるわけでございます。また、源泉分離課税の利用状況を見ますと、所得水準と比べて比較的なだらかに各階層とも御利用を願っているようでございますので、お金持ちの方だけがこれを利用しておられた、その人たちだけが二〇になるということで不公平云々ということは当たらないのではないかと考えるところでございます。
○吉岡吉典君 私は、何も金持ちだけがなどという質問をしていません。してもいないことに長々時間をとられるのはまことに心外です。聞いていることに答えてください。 私が聞いたのは、要するに、収入の高い者から高率の税金、低い者から低率の税金というのが近代的民主主義税制の原理だ、それを一律に二〇%という分離課税にすることが公平かという質問をしたわけです。今の答弁ではそれが実質的な公正だという答弁でした。まことに驚くべき答弁だと私は思います。 今、国会のマル優問題をめぐる論議に関連して、各党あるいは政府にもそうじゃないかと思いますが、さまざまの要請書、陳情書がやってまいります。 それによりますと、例えば全国青年税理士連盟というところから来たのを読んでみますと、それは二〇%一律分離課税についてこういうふうに結論づけております。 「累進構造」「所得再配分機能」をもった総合課税制度は、この新たな分離課税が追加されることによって、今や崩壊の危機に直面しているといえます と、こういうふうに言っています。同じく近畿青年税理士連盟、そこから来たマル優廃止に反対のお願いというのにはこういうふうに言っています。 個人所得課税は、個人の全ての所得を総合しこれに累進税率を適用することにより、能力に応じた公平な負担を求めるものです。政府税調の答申においてもこれを個人所得課税の基本原別とし、利子所得についてもこの見地から検討すべきであるとしています。ところが、今回の改正案である一律分離課税方式は、現行の源泉分離選択課税方式と比べてみてもこの見地からむしろ逆行するものです。従って一律分離課税には断固反対します と、こういうふうに述べられております。 十日に私質問したときに大蔵大臣は総合累進課税は現在も有効だという答弁でしたし、水野主税局長は答弁の中でしばしば総合累進課税は理想だと、そういうふうに述べられています。 その理想だとする方向になぜ反するこういう一律分離課税方式をとらなければならないのかということですね。納得できる答弁をお願いします。
○政府委員(水野勝君) 利子所得は、先ほど申し上げましたように、口座としては十億口にも上る多量のものでございますし、またその商品は極めて多様性があり流動的なものでございます。そうした特異性があるということを一つ踏まえる必要があると考えます。 次に、今回におきましては初めて郵便局におきましても源泉徴収義務をお願いをするところでございます。また、地方税におきましても新しく源泉徴収制度を導入され、都道府県におきましてこれに対処するところでございます。 そうした新たに今回課税のシステムの中にお願いをするところからいたしますと、極力これは簡素で効率的な制度であることが要請されるところでございます。こうした要請を考えますときには一律分離課税が適当ではないかと考えたところでございます。しかしながら、お話にもございましたように、利子所得はあくまで所得税の一環としては総合課税が原則でございますので、所得税法におきましては総合課税をお願いしつつ、租税特別措置法におきまして当面の措置として一律分離課税を御提案申し上げたところでございます。
○吉岡吉典君 マル優の問題はここらで終わって、次の問題へ少し移りたいと思いますけれども、私は、十日の委員会で国際批判によってマル優を廃止する根拠はないということを言いました。不正問題についても、不正は押さえ得る、技術的に可能だということを現に当事者が言っている、大蔵省の朝霞の管理センターではそう言っているわけですね。それを、マル優も実態がつかめないからやめるのだ、それから総合累進課税、それに反する一律分離課税方式も結局実態をつかむことが困難だからという理由でやめよう、実態を把握することが困難だという理由で民主主義的な近代的な税制から逆らう方向へ進むということは、私は絶対許されないことだと思います。 しかし、これは議論してもそれ以上進みませんから、次に、所得税減税問題について質問に移らせていただきます。 この前も問題にしましたけれども、所得税減税という宣伝が行われていますけれども、この後直間比率見直しによる大型間接税が控えている、連動しているということは、これはもう明白な事実ですね。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 一体どの程度の大型間接税が予定されているか、これは今尋ねてもお答えがないでしょうから私は別の形でお伺いしますが、問題になっている直間比率の見直し、これは今七対三だというのを六対四にすればどうだけ増収になりますか。
○政府委員(水野勝君) 現在の国税はおよそ四十二兆円ございます。したがいまして、その一%というのは四千二百億円に相当するところでございます。したがいまして、これを一〇%動かすということでございますれば、それは四兆二千億円程度の移動になる、このようになろうかと思うわけでございます。
○吉岡吉典君 七対三を六対四にする、それが四兆二千億円ということになる、この数字については我々議論ありますけれども、一応今の答弁によってもそういうわずかの比率の見直しだけでも大変な増税になる、こういう直間比率の見直しが現にもう日程に上っている。そういうときに、そのことと切り離して、今提案されている法案をもって減税だ減税だという言い方も私は客観性を欠いたものだ、フェアでない、さっきの言葉で言えばそういうふうに言わざるを得ません。 そこで、今度の法案に関連してお伺いしますけれども、減税減税といっても、一番減税になるのはやはり七〇%から六〇%に税率が下がる、ここが何といっても一番今度の減税で大きい恩典を受けることになる、これは非常に明白だと思います。これはことしの五月ころ公表された高額納税者で見ても、税率が一〇%下がれば、ブリヂストン名誉会長の石橋さんの場合には一億三千万円の減税、上原大正製薬会長の場合には一億円と、そういうふうな減税になるわけですが、私がお伺いしたいのは、前国会に提出された法案では七〇%から六〇%ではなく五〇%ということになっていました。今回はそれが六〇%になっていますが、いずれ五〇%にしようということなのか、さらにアメリカのようにもっともっと低い税率にしょうということなのか、まずお伺いしておきます。
○政府委員(水野勝君) 先般の第百八国会に御提案した数字では最高税率を五〇%にし六段階にするということを御提案申し上げておりました。これは、所得税は五〇%でございましても住民税が一五%でございまして、合わせて六五%に相なるわけでございます。現在、世界で一番高い所得税の最高税率はイギリスの六〇%でございまして、次がフランスの五八%、ドイツの五六%でございます。アメリカは二八%でございます。これだけ世界の経済交流、社会的な交流が盛んでございますと、おのずとこうした税率水準というのは国際的な水準に合わせる必要もあろうかと思うわけでございますが、先般の御提案申し上げた所得税法案は廃案となっており、今回最高税率を六〇%としたものを御提案申し上げておるわけでございます。 中堅サラリーマンを中心としては累進税率は一つないし二つにとどめ、その上に累進を積む場合においては世界の水準等をも勘案して五〇にするというのは、イメージとしてはなお私どもにはございますが、これを具体的にどういうタイミングなり段取り、財源措置をもって今後考えていくかは、全く現在は白紙でございます。
○吉岡吉典君 主税局長は私の質問に答えないで質問していないことはかり答えられる、それじゃ困ります。 五〇%だったという前回の法案は私も知っています。そういうことを将来考えるのか、それとももっと低い率まで考えていこうというのかどうなのかということが私の聞きたいことで、国際比較を聞いたわけでも何でもありません。しかし、今国際比較が出ました。日本の税率は世界で最も高いというお話ですから、そこでその問題に質問を移していきたいと思います。 日本の場合、確かに数字の上では税率は高い。しかし、総合課税でない、また、さまざまの特例措置、優遇措置がとられている結果、今の税率というものは実質の負担税率を示していない、そういうふうに私は思います。したがって、数字の上での税率を比較して日本が高い低いといっても実質比較にはならないと思います。 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕 これは、政府税調の小倉会長も去年エコノミストのインタビューの中で アメリカもイギリスも総合所得だ。日本は総合所得になっていない。数年前までは、日本でも総合所得税であることが一番いいんだとなっていた。ところがそれが出なくなった。だから、実質上は、金持ちにとって日本は総合所得ではない。月給だけは総合所得になっているけれども、株の売買で儲けるとか、配当などは総合されていない。富裕階級はそういうものが主たる所得の源泉ですからね。そういうものを除いたままフラットにするなんていう議論は、日本では通じないんだ。ある論者は、それを通じるかのごとく錯覚を起こすんだ。あれはよくない。 こういうふうに小倉税調会長が述べているわけですね。そういう国際比較をやろうというのでは私は納得のいく答弁というふうには言えません。 しかし、その問題は後でもう一度触れるとして、大蔵省にお伺いします。 私の持っている資料で少し古い資料ですけれども、東京都に設置された東京都新財源構想研究会が作成した資料があります。これは東京都内の四区三市の六十三万人の納税者について調査した東京都民の所得階層別税率負担率というものですけれども、これによりますと、所得二千万円から三千万円の層までは累進性が貫き税負担は上昇しています。これを超えると負担率は低くなってきます。その結果、所得三億円を超える高額所得者の場合と六百万円から一千万円の層とがほぼ同じ税負担率になっている、そういう数字が出ています。古い資料ですけれども、私は傾向を知る一つの材料にはなると思います。それどころか、こういう傾向は現在もっと露骨になっているのではないかと思います。 大蔵省、これと同じデータによるものでなくても、こういう東京都がやったような所得階層別の税負担率がどうなっているかというような調査はやられたことがありますか。
○政府委員(水野勝君) 恐らくそのお示しの数字は、昭和四十年代と申しますか、五十年代初めの所得分布をとってのお話ではないかと思うわけでございます。 その点を一番左右いたしておりますのは土地の分離所得の扱いではないかと思うわけでございます。昭和五十年までは、土地につきましてはすべて二〇%分離課税でございました。当時の所得税の最高税率は七五%でございますので、土地の譲渡所得は圧倒的に高い方に集中しているわけでございます。そういたしますと、ある分布階層からは、譲渡所得が大きなウエートを占めますとその税率は二〇%に収れんしてしまう。したがいまして、分離対象譲渡所得を合わせて負担率を示しますとそのような結果ともなろうかと思うわけでございます。 その後、土地につきましては昭和五十年度の改正におきまして一定金額以上は四分の三分離課税といたしたところでございますが、現在は二分の一総合課税になってございます。二分の一でございましても、現在の最高税率七〇%を前提といたしますとその負担率は三五%に下がるわけでございますから、この所得分布の中に分離課税所得である土地の譲渡所得を入れてその分布を見ますとおっしゃるような姿になることは否定できないと思います。 ただ、この土地の長期譲渡所得と申しますのは、長年の間に実現した所得でございますので単年度の累進総合課税を行うことは酷に過ぎますので、諸外国におきましてももろもろの特例措置を講じておる。現在、我が国では四千万以上は二分の一総合課税でございますので結果的に三五%になっておる、その点のあらわれがそうした御指摘のような負担率のカーブになるのではないかと思うわけでございます。
○吉岡吉典君 私の質問は大蔵省もそういう調査をやったことがあるかないかということですよ。聞いていることに答えてください。長々と聞いてもいないことを……。
○政府委員(水野勝君) 特段そうしたもので……
○委員長(村上正邦君) ちょっと、委員長の指示に従って。
○吉岡吉典君 いいですよ、それは。 いずれにせよ、あなたも、所得三億円のものと六百万円から一千万円の層とがほぼ同じ税負担率になる結果が起こり得るということは、古い資料ではありますがお認めになりました。 こういう傾向というのは、個人の所得税だけじゃなく法人税についても同様なことが言えます。大企業ほど負担率が軽いという結果は別の資料でも計算することができます。 一九八三年の国税庁の「法人企業の実態」という資料に基づいて計算し直してみますと、資本金百億円を超える巨大企業の法人税の実際の負担率は中小企業に比べても格段に低い、そういう数字になります。資本金五千万円の法人税率三六・九七%、それに対して百億円、これは二九・九八%、そういう試算が我々の計算によってはできています。 この点でも資本金百億円の方が五千万円よりもはるかに低い、こういうことでもって税率が累進性が高いと単純に一言えますか。
○政府委員(水野勝君) 現在の法人税率は留保部分と配当部分につきまして相当の差を設けてございます。資本金の大きな会社はそれだけ配当部分が大きい場合が多いわけでございますので、そうしたものをとりまして税額を算出いたしますとそのような結果になることは確かでございます。
○吉岡吉典君 こういうわけで、日本の税率が高いというのは数字だけのことです。 私は、日本政府はアメリカの税制改革の例をよく出されますけれども、アメリカがやった中の悪い点、累進課税の緩和というふうなことは学ぶが、アメリカが税制改革に当たってやったところの特例措置、一連の優遇措置を全部切ってしまった、そういうふうなことは全然やらないで、大企業、大金持ちへの優遇措置、特例措置はそのまま残してそして累進課税の緩和をやる、そういう特例、優遇措置を残したまま実質的には空洞化してしまっている税率での比較をやる、これは実際上意味を持たないと思います。 もう一つお伺いしますが、我々が入手した大蔵省の内部文書にこういうのがあります。これはTPR応接録というので、ことしの一月六日十六時から十七時、ハーバード大学のサックス教授と応対者杉崎課長、黒田参事官、坂井企画官、こうなっています。ここで税制改革についての意見交換が行われております。 この意見交換で日本側の説明を聞いた後、ハーバード大学のサックス教授はこういうふうに言っております。これはことしの通常国会に出された法案ですけれども、そうすると「この改正により、企業の場合、日本の方が有利になるという議論があると思うが、どうか。」つまり、アメリカより高いどころじゃなくて、アメリカより日本の企業の方が有利だ、そういうふうにアメリカの学者は大蔵省の説明を聞いて言っているんですね。それに対して、杉崎課長は否定していない。産業によって異なると思うということしか言っていないわけですね。 日本の税率が国際的にそれでもなお高い、こういうふうに言い張られるのかどうなのか、お伺いします。
○政府委員(水野勝君) 今般、アメリカの税制改革は法人税率を三四%にいたしておるところでございます。我が国の法人税の基本税率は、配当分は三二でございますが留保分は四二で、したがいまして先ほど申し上げたような配当性向によってその税率は変わってくるわけでございますが、いかにしましても、税額部分は留保部分として計算されますので、それを加重平均してもこの税率水準でアメリカの三四%より下がるということはちょっと考えられないと思うわけでございます。
○吉岡吉典君 アメリカの学者は大蔵省の説明を聞いてそう言ったのに対して、大蔵省は反論していないわけですからね。これはおたくの文書ですから、ある経路で私も手に入れたものであります。偽造文書でも何でもありません。お見せするわけにはちょっといきませんが。そういうものでそうなっています。 時間がありませんから最後にもう一問質問させていただきますが、サラリーマン減税、中堅サラリーマン減税ということを大いに宣伝してこられました。そして、大蔵省が発表した数字によると、これを読めばほとんどすべてのサラリーマンがマル優による増税分を計算に入れても減税になるように受け取れる、そういう数字になっています。五分位の数字全部減税、こういう表が出されております。大蔵省は、サラリーマンはマル優による増税があっても全部減税になる、そういうふうにおっしゃるのかどうなのか。 我々が計算したところによれば、共稼ぎの場合、共稼ぎの比率というのは決して少なくありませんが、共稼ぎの場合にはほとんど増税になる、そういう結果が出ておりますし、独身者の場合にはこれまた多くが増税になるという結果が出ています。時間がありませんから、私はそれを詳しく述べることはできません。事前に私は大蔵省に共稼ぎの場合、それから独身の場合、それぞれどうなるかという計算をやっているのかどうなのかを含めて質問することを通告しておきました。大蔵省はすべてが減税だというふうにおっしゃるのかどうなのか、お伺いします。
○政府委員(水野勝君) 私どもは、今度の減税は中堅サラリーマンの世帯の負担の軽減という点に重点を置いて御提案を申し上げたわけでございます。この点と利子課税を合わせました負担の増減につきまして先般資料をお出ししたところでございますが、その際におきましても、これはそうした中堅サラリーマンの標準的な世帯ということをお断り申し上げ、共稼ぎ等々につきましてはその収入水準に比較して貯蓄が多い世帯でございますとか共稼ぎによって現在その世帯自体の所得税の御負担がかなり低くなっている世帯とか、そうした世帯につきましてはいろんなケースがあり得るということもあわせて御説明を申し上げているところでございまして、先般のこの点の資料をお出ししたときの新聞記事等によりましても、大蔵省も標準的なケースを言ったものであり共稼ぎ等につきましてはまた変わることあるべしというような説明もつけた記事となっているようでございます。したがいまして、私どももそこらの点は注意して申し上げているところでございます。
○吉岡吉典君 それでは、共稼ぎ及び独身者の場合の資料をもらえますか、試算。
○政府委員(水野勝君) 独身なり共稼ぎ世帯につきましては、この貯蓄水準の数字のとらえ方というのがなかなか難しいところでございますので、私ども定性的にはそういうことはわかるわけでございますが、そうしたものを分析する場合に、ある大胆な仮定ということをいたしませんとなかなかお示しするのが難しい。しかし、私どもはそういう点をねらって改正を御提案をしているわけではございませんので、余り大胆な仮定を置いた数字をお示しするのもまたミスリーディンクだということで今まで余りそういった点につきましてはお示しと申しますか仮定に基づく計算はいたしてないところでございます。
○吉岡吉典君 大胆な仮定とおっしゃいますけれども、共稼ぎというのは政府の調査でも四六%いるわけですね。そういう人々にどうなるかという数字は示さないで、それで出された数字は今のようにそうでない例もあるかもしれないということをおっしゃいますけれども、出された資料というのは全部減税になる資料だけ、そして減税にならないことが予想される共稼ぎについては資料も出さない。何も大胆じゃなくて、半分近い数字を占めるそういう数字を出さないで、結局は増税になるものが出るように見られるそういう資料は出すのは嫌だと、そういうことだとしか思えません。 私は、きょうの質問は、最初からそういう政府の都合の悪いところは全部隠して都合のいいところだけしか出さない、そういう宣伝では本当にまじめに税制改革をやろうとする態度ではないということを言ってきました。共稼ぎの問題について我々が試算したところによれば、貯金の利率三・六%で計算すれば第三位までは増税、もし四%で計算すれば四位までが増税、そういう結果になっております。ですから、共稼ぎの場合はもう一千万円以上の人以外は増税になるんだ、それから独身者の場合には減税になるのはごくわずかの者で、給与収入が二百五十万円で貯蓄が百万円、給与所得三百万円で貯蓄が百万円及び二百万円、この場合にのみ減税であとはいろいろ我々が計算した多くの試算すべて増税になっている、そういう数字というのは出さない、そういうやり方ではこれは本当にふまじめな態度だと思います。
○委員長(村上正邦君) 吉岡君、時間が参りました。
○吉岡吉典君 何回も言いますように、今度の税制改革に続いて直間比率の見直しがあります。 私は、この政府の今の税制改革というのは国民にとっては大変な大増税であるということを述べて、質問を終わります。
○栗林卓司君 まず、大臣にお尋ねをするんでありますが、大臣、定年退職したサラリーマンの貯蓄について特段の税制上の優遇措置を講じなければいけないなとお考えになったことはございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 定年退職をしたサラリーマンの貯蓄について特段の優遇措置を講じなければならないということを考えたことがあるか、こういうお尋ねですね。いわゆる定年ということと常に関係いたしませんかもしれませんが、サラリーマンが将来の年金とか住宅とかいうことについてしている貯蓄についての優遇といったようなことは必要なことであろうと思います。
○栗林卓司君 六十歳を超えて六十五歳まで、これを何と呼べば正しいのかよくわかりかねますけれども、一応六十歳代前期の高齢者とでも言った方がいいのかもしれません。この層について先ほど局長は、大体この層の皆さんはゆとりがありますのでという趣旨の御答弁になりました。本当にゆとりがあるんだろうかという点を以下申し上げてみたいと思います。 ここに「勤労者の老後生活安定対策研究会報告書」があります。昭和六十二年五月であります。これを見ますとこう書いてあるんです。「勤労者の多くは職業生活から引退後約二十年近い老後生活を過ごすことになる。」、だんだん高齢化してまいりましたから男女ともこういったことだろうと思います。この期間を「心身ともに充実した引退後の生活を送れるか否かは勤労者全体の大きな問題である。」、これは御説のとおりであります。では、この期間どうやって生活をされるかといいますと、公的年金によるかあるいは貯蓄によるかどちらかというのが調べた結果のこの層の生活をするめどの立て方であります。 そこで、では六十五歳以上を考えますと、公的年金は幾らもらえるか、この研究会の報告によりますと、月額約十四万円であります。ところが実際に幾ら生活費が老後にかかるかといいますと二十五万円であります。したがって、公的年金を十四万円としても十一万不足することになります。こういう勘定をして逆算をして言っていることは、六十五歳で千五百万円の資産がないと老後の生活は不安であります。しかも、その貯蓄だけで老後を暮らすといっても容易ではありませんから、本当は働く意思と能力があれば職につくのが一番いい解決方法であります。したがって、その道を開くのが政府の重大課題であるとも書いてありますが、私も全く同感であります。 ところが、現実に職についてはどうかといいますと、労働大臣官房政策調査部がつくりました「人生八十年時代の勤労者生活」を見ますと、時間の関係上細かくは読みませんけれども、言っていることは、雇用対策といったってとても望み薄であります。したがって、それぞれが自助の努力をしていただくしかないし、貯蓄に頑張っていただくことが老後の生活保障であります。しかも、「賃金水準も定年前の水準に比べれば低い。その所得水準で老後の生活を維持していくには不十分である。」、「年金制度が充実し、社会保障給付も従来よりはよくなってはいるが、現状ではこれだけで生活を維持はできても豊かな生活はできない。」、こうも書いてあります。 そこで、こうした六十歳代前期の人たちの気持ちというのは、一口で言うと不安感だろうと思うんですが、そこで今の政府がなすべきことの一つは、ちょっと場所が拾えませんので記憶に頼って申し上げます。資産の運用についての正確な情報の提供が必要である、あるいは、老後の金融資産の保全について中長期の見通しを持った促進のための施策が必要である、こうも書いてございます。 そこで、私が今申し上げたかったのは、なるほどマル優というのはいろんな不正利用の問題を含めてさまざまな問題を抱えていることは、それ自体私は否定はいたしません。ただ、六十歳代前期の生活保障として考えますと、それが当初のマル優の目的ではなかったにしても、結果として、ある社会政策的目的を果たしてきたということは言えるのではなかろうか。そこで問題は、こういう社会政策的目的を果たしてきたことにあるのであって、それがいわゆるマル優廃止ということで全部つっくるみになって廃止になる。これが今はうはいとして起こっている、老年に対する特別措置は六十五歳ではなくて六十歳からにしてもらいたいという多くの高齢者の皆さんの要望だと私は思うんです。したがって、これまでのマル優制度が六十歳代前期の、これは六十五歳以上の御老人を含めての結論は同じなんです。この人たちの生活保障という面で、ある社会政策的役割を立派に果たしてきたということをまず率直に認めるところから考えるべきではあるまいか。この点労働省がおいでになっていますから労働省の見解を求めても結構ですが、むしろこういう一般的なテーマでありますから、ゆとりを持っているというにはほど遠いこの人たちの不安を考えてみた場合に、これまでマル優がこの層の人たちに対して果たしてきた社会政策的役割を重視をすべきではないかという点について御所見をいただきたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 貯蓄の統計等を見ますと、六十歳と六十五歳の間の層の方々は各年齢階層の中では一番貯蓄を持っておられるという意味で私先ほどゆとり云々と申し上げたわけでございまして、それによって直ちに生活にゆとりがあり、また不安がないということではないだろうと思いますので、御指摘の点は不安の点ではそのとおりであろうかと思うわけでございます。 ただ、私どもの今度御提案申し上げておりますのは、所得の稼得能力をお持ちの方は、これは普通に働かれて勤労所得なりを得られる、それにつきましては最小限度の課税が行われる。利子所得はその上の所得でございますので二〇%程度の御負担を願いたい。しかし、稼得能力がなくなられる世代におきましては、それは利子所得そのものがその生活を支える所得でございますので、この点につきましては非課税を継続をすることといたしたい。このような趣旨の御提案を申し上げているところでございますので、その点は六十五歳をもってほかの年金制度等々、税制上のもろもろの措置等々とあわせて整合性を保つように御提案を申し上げたところでございます。
○栗林卓司君 このサラリーマンの定年後の貯蓄という問題について、私は、これにさまざまな優遇措置を与えているのは欧米では多く見られるところでありまして、特に企業のやる退職貯蓄制度、さらにはアメリカがやっておりますIRA、個人退職勘定、まあ個人退職勘定は先般のレーガンの税制改革で圧縮された云々の話もありますけれども、仮にそうであったとしても、私言いたいのは、その層の貯蓄に対して税制上の特段の配慮をするというのは何も珍しいことではない。逆に言いますと、それは結果として貯蓄優遇になるわけです。ですから言葉をかえますと、さまざまな手段を尽くして貯蓄優遇しているのが欧米の普通の姿である、日本だけがマル優で貯蓄優遇しているなどと言われる覚えはないというのがある税の専門家の意見でもありました。 このように見てまいりますと、六十歳代前期の高齢者に対して特段の配慮をするというのはちっともおかしいことじゃない。しかも、現状はどうかといいますと、自分たちの将来設計の中に非課税というのは入っているわけですね。ところが、他にかこつけてそれを全部とっ外して引きはがしちゃうというのは余りにもむごいやり方だとお考えになりませんか。
○政府委員(水野勝君) 確かにアメリカにおきましても、利子非課税制度ではございませんが、御指摘のIRA制度その他貯蓄につきましてこれを所得控除をするという制度があるわけでございます。むしろそれは、引き出されるときには課税になるわけでございますからいわば課税の操り延べでございまして、またそれが日本の利子非課税制度と比べられるものであるかどうかについてはいろいろ御議論があろうかと思うわけでございます。 しかしながら、今回の利子課税制度におきましても、一般的な貯蓄優遇制度は見直しをさせていただきますが、老人等につきましては継続する。それからまた、サラリーマンにつきましても、住宅、年金の財形貯蓄につきましては非課税を継続する、これによりまして老後に備え、住宅に対処されるのに備えてまいりたい。こうした点につきましてはただいまのようなお話の線に沿ったものではないかと私ども思うわけでございますが、一般的に老後のためのものであれば六十歳以上のものについて非課税扱いをするというところまでまいりますと、なかなか難しい問題ではないかと思うわけでございます。
○栗林卓司君 今財形のお話がございました。私は、六十五歳以上の老人について特別配慮をすることに異論を申し立てているんではないんです。それはもちろん結構なんですが、あわせて退職年齢から六十五歳に至るまでのこの層について特別な配慮が必要でしょうと申し上げているのであります。 なぜかといいますと、退職一時金というのは生活設計の大きな足がかりでありまして、六十歳で退職金を手にする、それをどうやって保全をしふやしながら後半生き続けるであろう二十年間をどうやって充実して生きるかという、そういう安心感の問題ですから。そうすると、六十歳以上については特別扱いをしないといかにも話の筋道がおかしくなり過ぎる。財形といいますが、財形は定年退職をしたら御承知のとおり利用はできません。したがって財形ではだめであります。この財形の問題は、実は一般財形の問題があるんですが、これは今時間の関係でこの機会では触れません。 で、私は、六十歳以上高齢者に対して特段の配慮、言い直しますと、事実上マル優措置を存続しなさいという主張をしているんでありますが、それに対して、こんな予想をしたんです。それは、お気持ちはわかりますけれども、逆さに振っても金がないんですとおっしゃるのかと思ったんですが、そうではなくて、やっぱり制度の仕組みとしてどうにもそれは残すことは我慢ができぬ、こういうことですか。
○政府委員(水野勝君) 制度の趣旨からただいま申し上げたところでございますが、御指摘のように、先ほども申し上げましたようにこの層の方々の貯蓄のウエートというのはかなりございますので、現在の老人範囲、六十五歳以上等によりまして現在の非課税貯蓄の四分の一ぐらいが引き続き非課税になる、これが六十歳まで拡大いたしますと四割弱の貯蓄が引き続き非課税になるということになりまして、この制度の見直しの観点からするといかがか。それをまた敷衍してまいりますとこれによりますところの減収額がかなり大きなものになるということからも御理解を賜りたいと申し上げているところでございます。
○栗林卓司君 六十歳代の方々のマル優利用残高が非常に大きいということおっしゃいましたが、これはとりもなおさずそれだけ重い位置をその人たちの生活設計の面で占めているということですよね。ろくに利用もしてないというのであれば、これは澄ましておけばいいわけです。ところが、退職金だといっても、これは全企業、大中小ありますが、全部で出るわけではありません。それは出ない中小企業の方がむしろ多いといった方が間違いないかもしれません。そこで、適格年金も含めて公的年金の拡充について、これは政府がいろいろと強い声で呼びかけている分野でありますが、幸いにして退職金をもらった層がそれを最も安全な利殖の道であるマル優に託するのはごく自然でありまして、残高が多いというのはそれだけそれはその層の人たちに役立っているという意味なんです。そういうものの役立ちを忘れて、この際引っぱがしてしまうというのは社会政策として余りにも情なしと言われてもしようがないんじゃありませんか。ここで大いに理論闘争をしかけまして血相変えてやるようなことじゃないですよね。だってだれでも六十代はやがて来るし、それからみんな長生きをしていくんだもの。そのときにどうやって生活設計を立てていったらいいのか、一番いいのは定年を延ばすことなんです。一番いいのは生活費をもっと低廉にすることなんです。ところが、先ほど申し上げました費用の中では、日本の生活費は高い、光熱費が高い、土地も高い、食科費も高い、そこの中で老後の生活をやっていくのだし、高いのはだれの責任か、これは政府として責任を逃れるわけにはいかない部分ですよ。その点、片一方では貯蓄について特段の優遇措置があったってちっともおかしくないではありませんか。しかも海外だって同じようにやっているんですから。それは非課税であるか租税の課税の延期であるか、それはさまざまですよ。 これについて、大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) お説はずっとよく承っておりましたわけですが、そういうことが実際あることもまた事実と思います。そして従来の制度であれば年齢に関係なくそこのところである程度のマル優があった、それがある意味でプランの中に組まれていたと、こうおっしゃることも私はそういうことはあることだと思いますが、問題は、ですからその線をどこに引くのかということだと思うんでございますね。 私どもは、六十ではなくてそれは六十五というのが、年金にいたしましてもあるいは福祉政策にいたしましても、それが老年と申しますか年寄りの線であろうというふうに考えて御提案をいたしておるわけでございますし、それが六十であったらなおいいではないかと言われますればそれはそうだと思いますが、ただ現実には六十歳、それはおっしゃいますように十分たっぷり働く場がないというのは事実としても、まだまだ六十では新しい職場でいわば所得を得られるチャンスはかなりある、これからはまたそうなっていかなければならないと思うにつけまして、やはり六十五というところで線を引かしていただきたい。政府が全くそういう人々のために何にも考えていないというのでございますと今のような御批判がそのまま当たりますが、決してそうではありませんで、特別な配慮をすべき人々に対してはこの制度を新しいものにしておこうというのでございますから、要はどこでその境界を引くかということではないかというふうに思います。
○栗林卓司君 問題はやはり財源になっていくと思うんですね。そこで、仮に六十からと広げますと、この場合、減収額という言葉が正確かどうかわかりませんが、当初期待したよりも減ってしまう税収額が大蔵省の計算によると三千百億だと言われております。三千百億となりますと、これはもともと今ある制度を続けるだけですから減収という言い方はおかしいのだけれども、ただ、変えると思い立った計画から見ると確かに減収になるわけですね。それをどうするかという議論になればこれはまた議論のしようはあるのでありますが、六十五歳がいいのか六十歳がいいのか、それはその層の実態に照らして考えていけばいい問題だと思いますから、そこらについていや六十五だ六十だという議論をすることに余り意味があろうとは思いません。 問題は、この所要財源をどうやって見つけていくかということなんですが、関連してお尋ねしますのは、所得税減税案御提案でありますけれども、これは当初政府税制調査会が提起をした案を踏まえたものにはなっておりません。むしろ所得税減税のタイプⅢの税率構造を踏まえたものはむしろことしの百八国会に御提出になったあの所得税減税案でありまして、あれは売上税との絡みで消えてしまって新しい改正案として新しいものを今御提示でありますけれども、問題は百八国会に出してきたあの案は今後どうなっていくのか。 で、先般の小倉税調会長の発言によりますと、あれはもう税調の真意なんですからぜひとも通常国会でやってもらいたい、その財源としては間接税の導入が当然必要でありましょう、こうおっしゃっておられました。これは、最近さまざまな場所で自民党の幹部の方が直間比率の見直しということを声高におっしゃるものですからお尋ねするのですが、直間比率の見直しというのは、これは言ってみても意味のないことであって、いろいろやってみたら結果としてこういった比率になりましたというだけであって、初めに直間比率の見直しありきという議論は毛頭ないわけです。 そこで、直間比率の見直しで言っていることは何かといいますと、まず所得税減税については当初の政府税調案のとおりやってみます、足らざる財源については間接税を導入します、こういう絵だろうと思うんですが、こういったことを考えていかれるのかどうか。 私が聞きたいのは、実は先般クロヨン問題についていろいろ申し上げました、重ねては申し上げません。今のクロヨン問題、所得率格差のあの不公平、多くの納税者が確実に実在すると信じているあの不公平をそのままにしておいて、新型か大型がわかりませんけれども、そういう間接税の導入ができるとお考えになるのか。 そこで、話は時間の関係上飛んでまいりますけれども、どうやってクロヨン問題、所得率の格差を是正をしていくかといいますと、やはり執行体制をどうやって整備するかということが政府としての大きな政策になってくるのではなかろうかと思います。現在、国税職員は約五万人だと思いますが、これはほとんど横ばいで推移してまいりました。ところが実際の申告納税者の数等を考えますと、到底この数で十分な調査ができるとは思えません。そうしますと、まずこの国税職員についてふやす体制をまずもって政府みずからつくっていかなければならないと思います。 また話が飛ぶようですけれども、今回の税制改正の中を見ましても、例えばサラリーマンの実額控除の制度が新しく導入されたと言っております。ただ、この実額控除というのはよく考えてみると大問題でありまして、恐らく十分な執行体制がないと行き違いによる現場のあつれき、サラリーマンというのは四千万人からいる。これは大混乱になるんじゃないかということを想定するのも余り不自然な想定ではございません。この面からも国税職員はふやしていかなければいかぬ。また、例えば医療費の足切り限度の問題がありますけれども、あの問題にしても、もし十分な国税職員を擁して執行体制を整備していたとしたら医療費の足切り限度などということもやらなくても済むはずでありまして、ああやって足切りで切っておかないと現実にはさばけないから切っているのでありますが、本当は足切りというよりも、おいでいただく納税者の皆さんを十分に応対申し上げながら処理をしていく体制をつくる方が私は先ではないか。 その他飛び飛びで申し上げておりますが、今私が言いたいことは、国税職員をどうやってふやしていくのか。これは、大臣おっしゃいましたように、急にそんなことを言われたって無理だよと。無理なんです。無理であればあるほど中長期の計画をお尋ねしておかなければいけません。毎回これはこんにゃく問答で終わる場合が非常に多かったんです。今度という今度はそういった形でこの執行体制の問題を済ましてしまうわけにはいかないのではないか、私はこう思いまして、本日、今後の執行体制の整備についてなるべく具体的に、場合によっては実調率の目標を、その達成に必要な年月を含めて具体的な大蔵省の政策をお示し願いたいということを再三にわたって申し上げ、通告をしてまいりました。これは事柄の性質上、事務当局というわけに私はいかないと思うのです。むしろ大臣としての責任ある御答弁をぜひこの際承っておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、国税庁当局から説明をお聞き取りいただきたいと思います。
○政府委員(日向隆君) ただいま委員が仰せられましたように、クロヨンという言葉に象徴される所得種類間における把握の差に基づく不満感、不公平感をできる限り解消するということは委員の仰せのとおりでございます。 このための方法として、私は内部事務のコンピューター化による合理化、効率化を前提にして、方策は三つあろうかと思います。 第一は、納税道義の高揚でございまして、このためには充実した租税教育がぜひとも必要であります。 第二は、具体的な納税の方法についてしっかりした裏づけとして正しい記帳の普及徹底が大切でございまして、このためには税理士会、青市会、商工会議所、商工会等の民間団体に協力いたしまして記帳指導を徹底して行うことが肝要かと考えております。 第三には、確定申告期において地方公共団体と協力して各種の資料に基づく充実した納税相談を行い、その上で申告されたものをチェックするための有効な資料情報に基づく効果的な事後処理及び事後調査が必要でございます。特に、いわゆる税務調査につきましては深度ある調査と実調率の維持に努力することが大切と考えております。 この三つの方策のうち、定員の関係で最も問題となりますのは、委員も御案内と思いますが、実調率の問題でございまして、実調率を高めるためには今の条件を前提にいたしますと定員が必要でございます。この場合、いろいろと私ども議論をしたわけでございますけれども、白紙に絵をかく という前提で検討いたしますと、最長の除斥期間である七年以内に調査を一巡するということが一つの判断であろう。中長期的にと、こう委員はおっしゃいましたのであえて申し上げますが、一つの判断でございまして、このために必要な実調率は一四・三%でございます。 御案内のように、営庶業所得者に対します調査にはいろいろな形態がございますが、この事後調査に類するものといたしまして事後処理というのがございまして、この事後処理も一応事後調査に準ずるとしてこれをカウントいたしますと結果として増加させるべき実調率は五・六%ということになりまして、これを要処理人員をベースにして単純に計算いたしますと所要人員は三千七百四十四人ということになります。 ところで、重々御案内のことを申し上げるのは恐縮でございますけれども、実際には私ども総定員法の枠内がございますし、現在行政改革下でございまして、私どもといたしましては、年々の予算編成の際には税務の重要性、歳入官庁としての特殊性について関係方面に理解を求めながら、できる限り定員の増加に努力してまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては栗林委員からかねて大変に御理解のある御質問をいただいておるところでありますが、今次長が申し上げましたように、まず、国税庁の職員が仕事をします上で納税者あるいはいろいろ支払いに当たる人々、支払いというのは支払い調書とかの支払いでございますけれども、そういう人々の協力がどれだけあるかないかということによって、当然のことながら国税職員がどれだけ要るかということに関係をいたします。 したがって、今次長が申し上げましたのは、そのようなことでいわば納税のモラルもあり、あるいはまた支払い調書等々出される人々の積極的な協力等々を確保することが前段で第一だということを申し上げておるわけであります。 そういうことの体制の整備を図りながら、しかしなお実調率を上げるとすれば、仮に今七年ということは一四%と申し上げましたが、それだけのことをやればかなり実調したことになるだろう。その人数は三千幾らということを申し上げたと思いますが、五万人おりますから二十五年といたしますと大体四%、二千人ぐらい毎年退職をしていくということになりますでしょう。そういたしますと、ネットでそれだけのものを確保していくとすればやはりそういう訓練も教育も必要であろうと思います。それより前に、実は、最大限の機械化あるいは能率化ということをやっていかなければならないのはもちろんでありますけれども、その上でなおそれだけの人々が必要だと、そういう計算になるというのが御説でございました。国全体の公務員の定員縮減、冗員を減らすということとの関連もございます。そういうことも考えながら、いわばこれは税収ということではありますけれども、それより前に税務が公平に執行されておる、御質問のもとはそこでございますから、そういうことを国民になるほどなというふうにわかってもらえるような執務体制というのをいたしますために、あるいは必要な増員というものは最小限度やがて考えていかなければならない、そういうことであろうかと存じます。
○栗林卓司君 一言意見だけ申し上げてやめます。 毎年の増員状況を見ますと本当に涙が出るほど微々たるものでございまして、であればあるほどこういった質問を私はしたのですから、一応今のお話は七年という最長除斥期間のことを念頭に置きながら執行体制の整備のために横並びではなくて具体的に努力をしていくというお約束だと受け取らせていただいて質問を終わりたいと思うんですが、そういうお約束として受け取らせていただいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国全体の公務員をなるべく減らそうという方針がありますことは御存じのとおりでございますから、そういうことも考えながら必要な人員は確保していかなければならないと思います。
○委員長(村上正邦君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十八分散会 ―――――・―――――