大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1987/08/27
会議録
○委員長(村上正邦君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(村上正邦君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁三重野康君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上正邦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(村上正邦君) 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○志苫裕君 もう既にたくさんの質疑が行われておりますから、できるだけ重複を避けて少しお伺いしますが、まず、細かい事務的、手続的なことで法案の内容に関して聞きます。 二十五日のこの委員会での同僚委員とのやりとりを聞いておりますと、とどのつまりこの資金は貸付金とはいうものの実質的には補助金の前渡しだ、経済対策という観点で言えば、事業の前倒しをやって、よくその辺に言われておりますように、昼飯と晩飯を一緒に詰め込んでも内需の効果を期待したい、そういうものだということのようでした。 そこで、ちょっとBタイプを例にとって少し手続的なことを聞きますが、これは地方公共団体等は、この金を借りるときにどんな手続をとるんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) Bタイプの公共事業の無利子貸し付けにつきましては、通常の補助金と同様の手続ということで、補助金適正化法の適用を受けた申請手続が必要になるわけでございます。
○志苫裕君 そういうふうに書いてありますよね、第五条、まあ一部適用除外もありますけれども。 そこで、お金を借りて五年据え置いて返すことになりますね、返すときにはその補助金に見合う分を交付する。このときにはどういう手続をとるんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 実はそのときにも補助金申請と同様の手続を一応要するわけでございますけれども、その際には既に無利子貸付金を受けまして、当該補助事業は実質上終了しているものですから、いわば補助金を後年度に交付する段階では、そういう事業の執行に伴う実質的な審査等の補助金適化法の適用は除外をする、そういう手続は要しないということにいたしておるわけでございます。無利子貸付金をお貸しする段階でそういう事業内容の審査等の補助金適化法の実質的審査を行い、後年度補助金を出すときにはそういう実質的手続の審査は省略をするということで行いたいと考えているわけでございます。いずれにせよ、簡素な手続となるように努力をしていきたいと考えております。
○志苫裕君 ちょっと何か意味がわかりにくいけれども、返すときそれに見合う補助金を交付する。最初のときは補助金のようなものを一括貸せるわけだな、補助金のようなもの。返すときに二分の一だか五分の一だか二十分の一だかわからないが、その分を補助金として交付する。これこれのお金という補助金ですね、その申請手続はどこの部分が本当の手続なんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 通常の補助金適化法の適用は、最初の申請のときに通常の補助金申請と同じ方法をとるということでございまして、後年度に償還のための補助金を交付するときには、例えば最も典型的な例で申しますと、補助金適化法第七条に補助金等の交付の条件とかいろいろ定めておりますけれども、そういう実質的な補助金審査の規定をすべて除外をする、いわば形式的な申請を行っていただくというような形をとっておるわけでございます。
○志苫裕君 そうすると、適正化法の第五条の申請というのは最初の借入金のときですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 申請は、最初の無利子貸付金のときにも、実質的な補助金ということで補助金適化法を準用している関係で、申請をしていただきます。それから、お返しいただくときに出します国の補助金も、これは形式上純粋の補助金でございますので五条の適用を同様にしていただく、こういうことで対処しております。
○志苫裕君 そこで、あなた、後段の方、いわゆる二度目の五条申請を行うときにはできるだけ簡単にしますよと言っても、どこにも書いてないんでね、まだ。手続はどこで書くのか——政令で書くんでしょうね、きっと。このつくりからいいましてね。私はそれは、簡素になるか面倒になるかは別にして、役所のことだ、楽になるなんということは余りないと思うんだ。だから、一つの補助金を何遍も申請の手続をとる、例で言えば、一番最初に千円の手続をとる、それを十遍に分けて返すことになるとあとの十遍手続とるわけです。 結論から言うと、そんなばかばかしいことはやめときなさいというのが私の主張なんですね。資金の流れから見ますと、産投会計で整理するわけですから、最初の申請だけであとはもう自動的にやるという方法だってある。そういうことにぜひすべきだというのが私の意見なんです、一遍ちゃんとまともな手続とってるんですから。それを今度は、返すときにまたそれに見合う補助金の申請を十遍に分けて返せば、一番最初の分と合わせれば十一遍だ。それから、後に出てくる今度は起債の分もありますわな。そういうことになってくるので、さっき言った産投特別会計でそのような整理の仕方はできるというふうに思うので、ぜひひとつその点はそのように考えてもらいたい。手続をとってもらいたい。大臣、それはよろしいですか。
○政府委員(斎藤次郎君) その点については検討させていただきたいと思いますけれども、ただ申し上げておかなければなりませんのは、無利子の貸付金は実は産投特会からいわば貸し出されまして、後の補助金は一般会計から出るという、出す会計が違うということもございまして、やはり形式的な手続はどうしても会計処理上必要になるのではないかということでございますけれども、いわば借入金も相殺するように各年度補助金を決めていくという必要があるものですから、どうしても形式的な手続は要るかと思うんでございます。ただ、なるべく地方公共団体等に御迷惑がかからないように、できるだけ簡便な措置を講ずるように努力はしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○志苫裕君 まあ金の出場所が最初と後と違うという貸す方の都合もあるんでしょうが、これは借りて仕事する側の都合も考えないとね、これは同じでね。その辺の点はひとつ、これは私なりにいろいろ工夫してみたら、できるということなんで、その点は強く主張しておきます。 それから、これは二条を読んでみますと、特に二条のBタイプを例にとりますと、「一体的かつ緊急」の「一体的」はわかるわね、てんで見当違いであれば一体でないわけですが、「緊急に実施する必要のあるもの」という表現なんですが、緊急の物差しは何ですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 公共事業の事業の緊急性の問題でございます。今度の法律で「緊急」と申しましたのは、いわば現下の経済情勢等にかんがみまして、面的開発を促進して地方の活性化を図るということに主眼を置いているわけなので、そういう意味で、その面的事業の一環としてやるためには、従来から委員会の御議論で例として挙げておりますけれども、ある面的開発を行った場合に、通常の公共事業であれば、例えば下水道を例にとりますと、仮に五年間で、あるいは十年間で十億ずつ出しているものを、その面的開発を行うためには、これをいわば前倒しして一度に五十億なり百億なり投入すればその面的開発が非常に速やかにでき上がる。そういう意味で、従来の公共事業であれば五年ないし十年にわたって分割交付するものを一度に前倒しして百億投入する、それがいわば面的開発の関連で緊急になるというぐあいに考えて、「一体的かつ緊急」という表現を使っておるわけでございます。 具体的には、それでは緊急の判断をどうするかということにつきましては事業実施官庁と協力をして、よく地方公共団体の意見を聞いてその判断をしていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。
○志苫裕君 これは言葉を使っている分にはわからぬわけじゃないんですが、国民から見て、いろんな社会資本を整備してもらいたいというのは、昔から言っているんだからこれはみんな緊急なんだ。だけど、銭がないから勘弁してくれというようなことで計画的にやったりしているわけですね。ですから、ただその事業実施官庁とお話をしなきゃというのが結びの話なんだけれども、緊急と言えば緊急、急ぐことはないじゃないかと言えば緊急でない、そういう多分にあいまいな概念です。 今度出てくる仕事を見れば、来年やってもいいし、ことしやってもいい、ただこのお金を特別な使い方をするんだと、本来の趣旨は生かしながらも特別の使い方をするんだから、やっぱりそれに何かつけなきゃいかぬ。急ぐものとか、一体のものとかと言わなきゃならぬという意味だろうと思うんですよ。しかし、具体的な仕事になってきますと、緊急性は、じゃあ来年やったらだめ、再来年なら世の中が壊れてしまうかというような話になりますとそうでもないんでしてね、ちょっと例示してくれますか、これは緊急である、ひとつやってください。
○政府委員(斎藤次郎君) 確かに緊急性というのは非常に抽象的な表現でございますので、なかなか御説明するのが難しい点もあるのかもしれませんが、今申しましたように、ある団地の開発をやると、それに伴って公共施設を集中的に整備しなきゃいけない。通常の公共事業でございますと、三年ないし五年ぐらいをかけてやっていく事業がある。それを前倒しで一挙に貸付金を交付することによって、貸し付けることによってその事業は完成する、それによって面的開発が促進をする、こういうような場合が緊急という概念に当たるのかなというぐあいに考えておるわけでございます。
○志苫裕君 どうにでも使えるような話しか出てきませんけれどもね。大臣がよく言っていますように、日本は随分力がある割には社会資本の整備がおくれているので、いつまでもこんな力があるわけでもないと思うから、やれるものは急いでやりたいという意味でできるだけ急いでいるのか、社会資本の整備を促進したいとか、そういう意味で使ってるのかなという感じもしますが。 実はこれは事業官庁と今度出先地方公共団体、それであれもやってくれ、これもやってくれというような段取りになりますと、それはまだ急がぬでもいいじゃないかとか、いやこれは急いだらいいとかというようなあいまいな概念で、主として主観が入っちゃって配分の公正が乱される。自民党の偉い人が入ると緊急になったりね、私が頼みに行ったら緊急じゃなかったりですね、というふうになる。 そういう非常にあいまいな概念なので、そう余り四角四面に考えないで、いわば事業をできるだけ早目にやろうと、少しでも経済効果を期待しようとかというようなことなんでしょう。実際出てくると何が緊急で何が緊急でないか、外された仕事と外されない仕事の差はそんなに出ませんよ、はっきり言いますとね。というので、何か余りそういう仕事の配分の不公正な物差しにならぬように、これはちょっと期待をしておきます。大臣、それはよろしいですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御趣旨のようにやっていきたいと思います。
○志苫裕君 自治省、この資金は自治法第何条の収入になりますか。
○説明員(遠藤安彦君) お答えいたします。 この無利子貸付金につきましては、地方公共団体の借入金であります以上、自治法の二百三十条に定める地方債に該当すると考えております。
○志苫裕君 そこで、自治省から通達が出ておるのは二百五十条の通常の申請手続をとれ、こうなるわけですね。もう既に話の中身がわかっていますように、これは補助金の前倒しなんですよと言うとるのに、補助金なら自治大臣の許可も要らなきゃ、知事の許可も要らなきゃ、内蔵令による大蔵大臣との協議も要らなきゃ、あるいは予算で目的や限度額などの定めも要らなきゃ、地方債計画に掲上する等々のしち面倒な諸制約が全部要らぬわけ。実質的には補助金の前渡し。そして、とにかく手続は簡素にしていきましょうかと言っておるのに、あなたの方は四角四面の話をして二百三十条の地方債だと、したがって二百五十条の申請手続をとれ。余計な手間というものですね、これは。 しかもそうなれば、先ほど次長とやりとりしましたように、あなたとやりとりしたように、一方、補助金の申請手続が要るわけですね。実質的な意味もないのに起債の申請の手続が、またややこしい手続がとられる。これはまことにばかばかしいことだと思うんですが、どうですか。
○説明員(遠藤安彦君) 実質的には補助金だというお話があったわけですが、形式的にはやはり自治法の二百三十条に該当するということで地方債の許可手続をとるということになろうかと考えております。 なお、御指摘のような点もございますので、地方公共団体の事務負担の軽減を図るという意味から、許可手続につきましては簡素なものにしていきたいというように考えております。
○志苫裕君 通常の手続をとれば簡素といっても限度があってね。この法律にやたらと「当分の間」という、当分の間こうしよう、当分の間こういう金を貸すよとかいうことがある。そんなら自治省の方も少し利口になって、当分の間こうするという法律を書きゃいいじゃないの。NTTの何とかかんとか借入金については当分の間こうするというふうに歳入の条項のところに書けば直るじゃないか、そのくらいのことは。そういう何かもうくず屋に売っても困るぐらいにいっぱい資料は出るが、そういう肝心なところ一行で済むじゃないか。どうしてそれぐらいのことを考えないんですか。
○説明員(遠藤安彦君) 御指摘のような御意見もあろうかと存じますが、先ほど申し上げましたように、一年を超える長期の借り入れであるということからは、自治法の二百三十条に定める地方債の許可が必要かと思います。 なお、政府あるいは政府の関係機関からのこういう特定資金によります貸付金もこれまで地方債として許可の対象にいたしておりましたので、私どもとしては、今回のこのNTTの資金につきましても同様な考え方から地方債の許可が必要であるというように考えておりますので、御了承を賜りたいと存じます。
○志苫裕君 御指摘のような意見もありますので、と言ったって御指摘は私だけじゃないよ、これは。自治省以外みんな御指摘しているんだ。どこの地方公共団体もほかの事業官庁もそうですよ。大蔵大臣、これはばかばかしいと思いませんか。あなたは地方債だと思って出しているんじゃないですよ。でも受け取る方は地方債としてややこしい手続を必要としている。内蔵令の第一条の協議、大蔵大臣にそれを求めるんですか、これについて。
○政府委員(足立和基君) まことにかた苦しいことを申し上げて恐縮でございますけれども、法律上の性格としては、今自治省からお話がございましたように、やはり地方自治法上の地方債に該当するということでございまして、そうなりますとやはり財政を預かります大蔵大臣の協議が法令上必要になってくる。そういうことでございますが、実質的には先生おっしゃるように償還時におきましてこの貸付金は国庫補助負担金として地方に交付される、地方にその負担が生じないものでございます。 大臣からも御答弁申し上げておりますように、実質的な補助金の前払いという性格がございますので、先生の御趣旨も踏まえまして責任を持って私は、協議という形でございますけれども、簡便な手続ということで、いわば具体的に申し上げれば、具体的な審査内容というものは大蔵省としては別にいたさない、こういうような簡便なものにしていきたい、そう責任を持って御答弁申し上げます。
○志苫裕君 一番簡便なのは相談せぬでいいというのが一番簡便なんです。相談をして、あなたの方が皆さんいいですよと言うにしても、相談する材料を一式持ってくるんだ、麗々しく書いて、手間かけて、財務局まで行かなきゃならぬでしょう。出す方が起債じゃないと思って出しているんですからね、これは。補助金の前渡しだと思って出しているんで、出している方は全然相談してもらう必要ないですよ。 これは私が言うまでもありませんが、この大蔵大臣とのああいう協議はやめろと言っておるのに対して、大蔵省は、大蔵大臣は、トータルな資金配分の適正化ということを考えるとこれは一通りやっぱり相談にしてもらいますわ、一件ごとにいい悪い言うんじゃないんでね、ということをずっと言っていたでしょう。資金配分の適正化というこの目的に関する限り、大蔵省は資金配分を考えて金を貸しているんですよ。そういうことをちゃんと考えてこの資金はこっちへやるぞ、この資金はこっちへ貸そうとやったわけでしょう。だから、改めてあなたのところで相談に来いという立場でもないわけだ。これについては要りませんよと言った方がいいですよ。大蔵省がそれまで言うのだったら自治省の方もちょっと利口になって、じゃ起債なんというような面倒な手続じゃなくてもっと別のを考えようと、法律に当分の間の特例でも設けようかというふうにだんだん話が進んでいくと思うんだね。大臣、これはあなたが判断してください。この行革の折柄、これくらいの問題ぐらい始末つけたらどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大蔵省の方は、ただいま理財局長が申し上げましたように、できるだけ簡単にいたします。自治省の方にもそうお願いを申し上げたいと思いますけれども、これは自治大臣から本来はお答えのあるべきことでございましょうが、なるべくそういうふうにお願いをいたしたいと思います。
○志苫裕君 あなた丁寧に返事する割にはちっとも中身は変わってない。そうでしょう。 私は、これはこういう性質の資金で特例的にやっておるんだから、これについては起債という扱いで面倒な自治大臣の許可だとか、それから大蔵省への協議とか、そういうものはやめにしましょうやというふうに本元の大蔵省が言い出せば、この問題には自治法の定めにもかかわらずとか、内蔵令の定めにもかかわらずとかという特例がつくれる、だからそうする方がいいですよと言っているんだ。いかに簡素化するといっても、役所流の手続が残っている限りこれは大変なものなんです。これに一人か二人がかり切りにならなきゃいかぬのですよ。これはもっと工夫しなさいよ、あなた。
○国務大臣(宮澤喜一君) 志苫委員は御自分でそういう行政に御関係になられましたので、おっしゃることはまことによくわかることでございます。中央官庁でもできるだけいろんなことを簡素にしてまいろうと思いますが、本件につきましてもそういう精神で運びたいと思います。
○志苫裕君 これ当分しばらく続くわけですからきょうは、わかりました、こういうふうにしましょうという返事が出にくければ、ひとつこれはそれで大きくそう財政秩序を乱すわけでもないし、資金配分がめちゃくちゃになるわけでもないので、これは考えられるテーマだということはひとつ素直に受けとめて、これからもずっとやることで、ことしできなかったら来年からしたってできることですから、これは私から強く要望しておきますし、自治省もひとつそういう点、自治省自身も自治法の二百五十条の規定がある限りこれはまさか勝手な通知で簡便な方法はとれないという立場があるんでしょうが、大蔵とも相談をしてその点は改善方策を考えてもらうということは強く要望をしておきます。特にあなた、この趣旨、宮澤さんね、「内需拡大の要請にこたえるとともに地域の活性化に資するというんでしょう、この法案の目的は。何かお経のうたい文句みたいに「地域の活性化に資する」なんて言ってもらっちゃ困るので、「地域の活性化」というのはどういう意味ですか。だれかこれに答えられますか、「地域の活性化」とは何ぞや。
○国務大臣(宮澤喜一君) これはやはり、昨今の経済情勢を見ておりますと、本来ここへ参りますまでの間に非常に難しい経済問題を持っております例えば北海道、四国などがあるわけでございますけれども、そこへプラザ合意以来の経済情勢の変化で、例えば造船であるとか、石炭はもともとそうでございましたが、あるいは鉄鋼であるとか、そういう俗に企業城下町と言われますような地域が非常に落ち込みが大きくなってまいりました。したがいまして、全体の——従来からどちらかというといわば経済成長に十分乗り切れない地域及び一昨年のプラザ合意以来の企業の衰退によるところの影響を強く受ける地域、それらの地域には殊に何かのいわば手当てをいたしませんと雇用の問題も深刻になっているというような状況がございますことは、志苫委員もよく御承知のとおりでございます。そういう地域には限りませんけれども、やはりそういうところに何かの形で国が公共事業あるいはそれに類することをしていくということは大切なことだと考えておりまして、それに限ったことではございませんが、例えばそのようなことを頭に置いております。
○志苫裕君 地域が停滞している事情として大蔵大臣の説明は、それはそれなりに当たっていると思うんですが、ただ、私なんかはどちらかというと地方自治をライフワークにしておるたちの人間ですけれども、地域という場合には、ただ単にこの地域というのは、土地だとか面積だとか空間だとか場所だとか、そういうものではないんですよ。僕らの概念で言う地域というのは、もう少しこれは一体的なものなんですね。地域には人がいる、人が暮らしている。地域社会にその人たちはお互いに共同してそれなりに貢献をしておる。そういうものを地域としてとらえる。ですから、あえて地域と言えば、この生活と自治なんです。これが地域なんです。これが生き生きしているかどうか。産業も必要です。さまざまな施設も必要ですし、と同時に、人々がこれはおれの場所だと言って進んでさまざまな分野に参加するという、これがもう一方で機能しなきゃだめなんですね。国の都合で自治体を振り回したり、お金やるからついてこいと言ったり、地方の方も自分で考えることをやめちゃってね、中央を向いて補助金にぶら下がっていようとか、こういうふうなことがどんどん進行することが地域の活性化じゃないんです。 私は先ほどつまらぬ手続のことでいろいろやりました。しかし、皆さんは地域の活性化をうたい文句にしながら、自治体が自分の裁量でできるだけ自分で考えていろんなことをやろう、それに対してできるだけ拘束を解除してやろうという発想が全然ないんです。金貸せりゃいいだろう、仕事ができていいだろう、そういう発想で随分列島改造でやってきましたよ。山のてっぺんまでいい道ができたが、活性化していますか、今。こういうふうなことを考えると、もう少し地方の活性化というものに私が今申し上げた生活と自治という概念を取り込んで、さまざまな施策の場合にも、やっぱりそういうところに絶えず視点がこれはもう向いておるということをしてくれれば、面倒な手続はやめようとか、一々お役所にお百度踏むのはやめようとか、余計な権限は排除していこうとか、こういうことになっていくんだと思うんですが、私は少しこういう方向に首を突っ込んだ人間なものだから、こういう言葉で地域活性化とか言いながらもう一つのところは見てないということを非常に不満に思うんですよ。ですので、手続問題についてもそういう意味で私は申し上げているんですね。 特に、今度のこの対策、施策が多分に景気政策という性格を持っておることは、後ほど私やりますけれども、景気政策という場合にも基本的には、国の財政は景気政策の重要な役割を担うけれども、地方財政は景気政策を第一義的には担わないんです。にもかかわらず、国の景気政策の都合で地方財政をひたすら動員をするということになりますと、地方財政は役目が違うだけにへたばるんですね。こういう点についてもなかなか配慮がない。いつでも景気政策に、特に昭和五十年代に入りまして時々財政のブレーキ踏んだりアクセル踏んだりしました。その都度地方財政が動員されたという経過を振り返ってみて、私は、やっぱりそこのところにはしっかりした視点を宮澤さんには据えてもらいたい。金だけじゃない。そこを踏まえてくれれば、いろいろな点でちょっとしたことでも変わっていくんじゃないか。いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは大変大事な点であると思います。ここで確かに地域と申しますのは、今志苫委員の言われましたように、エリアという感じじゃなくて、やっぱりコミュニティーという感じであろうと思うんでございます。 今度こういう法律をつくりますことによりまして、A、B、Cとも全国の各自治体等を中心に御自分のところで必要とされるようないろんなプランを非常に今度は真剣に考えておられまして、それをこの社会資本整備勘定が受けていこうというのでございますから、できるだけそういう地方からのお話というものを、それがなければこれは動かないわけでございますので、そういう精神でやってまいりたいと思っております。先ほど手続のことを言われました意味もそういう観点からよく私ども理解のできるところでありまして、できるだけそういう地方の自治を尊重して、要らない邪魔はしないように、余り煩瑣なことはしないようにというふうに心がけてまいりたいと思います。
○志苫裕君 自治省、これは補助金のようなもの、将来補助金に化けるわけですから当然補助金と言っていいでしょう。その仕事には当然俗に言われる裏負担分というやつが伴うわけでして、お金が来りゃいいというものでもないので、それに見合う自分の方も身支度しなきゃならぬというのが財政の仕組みになっているんですが、その財源手当てはあるんですか。
○説明員(遠藤安彦君) お答え申し上げます。 今回の補正予算に基づきます追加公共事業等に伴う地方負担がNTT株の無利子貸付金にかかわるものを含めまして極めて多額になるということは御案内のとおりでありまして、この裏負担たる地方負担については、三千五百億円の地方交付税の追加措置を講じまして地方債の依存度を大幅に引き下げるというようにいたしたところであります。
○志苫裕君 いやいや、ことしの話はもう地方債、交付税の特例増額も含めましてついていることは先刻もう承知をしています。これから、ことしはわずかこの分にいわゆる三千億何がしですから、これはNTT株の売れ行きが好調であれば数兆円というふうに膨らんでいくことになるわけでして、それに見合う財源手当てというものは基本的にはどういう施策なり構想がありますかということです。
○説明員(遠藤安彦君) 明年度以降の問題につきまして、御指摘のとおり、NTT資金の活用による公共事業量の拡大というのはしばらく行われるというように理解しているわけでありますが、その場合の地方負担につきましては、明年度以降の地方財政対策の中において地方財政の運営に支障が生ずることのないよう適切に対処してまいりたいというように考えております。
○志苫裕君 ちょっとさっきの話に戻るけれどもね、自治省さん、いろいろあるが、ことしに関して言えば借入金という名の地方債、それから裏負担という名の地方債、A地方債、B地方債というのかわからぬが、地方債が二つ並ぶわけです。したがって、総額が地方債ですね。事業費の総額が地方債という形をとってまいりますと、一時的にせよ地方債の方が膨らみますね。それで財政計画とか財政秩序は乱れませんか。
○委員長(村上正邦君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村上正邦君) 速記を起こして。
○説明員(遠藤安彦君) 御指摘の点につきましては、NTTの無利子貸付金に係る地方債につきましては後年度において元金の償還が補助金という形で確保される。一方、無利子でございますので、利子の負担はないということで、財政を圧迫することはないと存じます。 それから、それに係ります裏負担たる地方債の地方財政への影響でございますが、これにつきましては元利償還について毎年度の地方債計画の中で所要の措置を講じて財政の運営に支障がないように取り扱ってまいりたいと、かように考えております。
○志苫裕君 これをずっと統計的に見ていくと、これに該当をしておる年度は借入金に見合う分の地方債がぼこっと膨んでいる形になるんですね。
○説明員(遠藤安彦君) 歳入構成といたしましては、借入金に係る地方債が膨らむということになろうかと存じます。
○志苫裕君 地方債の掲上の仕方、別枠にするということは考えないですね。
○説明員(遠藤安彦君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、この地方債につきましては自治法の二百三十条に基づく地方債ということで、地方債としての性質は地方債、ただし地方債計画その他の掲上につきましては特定資金公共事業債という名前で、計画の中で別の事業としての地方債ということで取り上げて掲上したいというように考えております。
○志苫裕君 わかりました。基本的には私が先ほど述べたようなことで勉強してもらうことにして。 そもそも地方公共団体には、もとの電電資産の形成には税やその他の面で多大な寄与をしてきたわけですから、それなりの資金配分があってしかるべしという立場があるんでして、これはこの法案の審議のときにも議論がございました。 概略でいいですが、自治省、NTT資産、電電資産の形成に地方公共団体はどの程度の寄与をしたと思いますか。
○説明員(鶴岡啓一君) お答え申し上げます。 電電公社の資産形成に地方団体がどのように寄与したかというのはなかなか判断の難しい問題だと考えております。 一つの例としましては、例えば電電公社時代に固定資産税にかわりまして市町村納付金を納めていただいておりますが、これにつきましては、先生御案内のように、二分の一という課税標準の特例がありまして、過去三十一年この制度ができて以来の軽減額といいますか、それを全部軽減だと見ますと、単純に足しまして約六千九百億円という金額になるわけでございます。ただ、それがすべてその資産形成に行ったものと見るかどうかということになりますと、固定資産税の中でも、例えば電力でありますとか、ガスでありますとか鉄道であるというような、非常に公益性の高い事業に対しましては固定資産税の中でも課税標準の特例等の制度がございますので、このすべてが資産形成に一全部とは言えないけれども、私どもの気持ちとしてはこういうことはかなりの面で、そういう意味でいわば実質的な税負担が軽くて済んでいたという点では資産形成に寄与したことは確かであろう。ただ、それがどの程度かというのはなかなか判断が難しいというように考えております。
○志苫裕君 それは固定資産税だけじゃない。その他非課税分と年あるいは細かいことを言えば、電柱だ、電話ボックスの占用料だとかあるいは用地の取得や工事の便益とかいろいろこれはあるわけですが、まあほじくり返すようなことを言っているんじゃないんで、大蔵大臣ね、この問題のまとめにもなるわけですが、ですからそういうふうにおれも相当寄与してきたんだという自治体の立場があるし、その相当部分を自治体の社会資本の整備金などとして譲渡をせよ、基金をつくれというのにも道理があるんでして、百歩譲って今度その道理にこたえて、このような変形した形ではあるけれどもそれにこたえるんだというふうに受けとめるとすればするほど、先ほど来主張しているように、金貸してやるんだから頭を下げて借りに来い、面倒な手続をとれというふうな対応はするべきじゃないということを繰り返し主張をいたしておきます。 さて、当分の間、まあこれから株式売却益がどうなるかわからぬが、これによりますと、予想でやるんじゃなくて、確実に手元に入った金で使い方を考えるというのが財政審の答申になっているものですから、まあやっていくんでしょうが、仮にことしの例でいくとしまして、おとといも議論がありました貸付金の総枠というようなものはおよそ推計できました。それで、仮にこの資金の総枠三兆なら三兆、五兆なら五兆としましょう。この事業分野別というかあるいはA、B、Cの仕事の分野、そういうものには配分に一定の割合のようなもの、枠のようなものをあらかじめ想定しているんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 今度の貸付金のA、B、Cタイプのそれぞれの総枠につきましては、例えば補正予算でAタイプは八十三億とかBタイプ三千九百十七億、Cタイフ五百八十億というぐあいに総枠を設定しておりますけれども、その個々の事業別配分につきましては、それぞれそのときどきの事情を勘案して決めていくということでございまして、特にBタイプにつきましては予算にそれぞれ事業別の計上をいたしておりますけれども、面的事業の一環として一体的緊急に実施すべき公共事業の促進を図るという見地からの事業別配分を行ったわけでございます。 今後の予算編成の過程におきましても、こういう観点から配分を各事業官庁、公共事業、地方公共団体の要望等を聞きつつ調整をしていきたいと考えておりまして、一定の枠を特に定めているわけではございません。
○志苫裕君 これ、ちょっと役所の内輪の変な話だけれどもね、A、B、C、ことしは一定の比率がある、あれを、ことしの額を比率にすれば簡単なことですね。それで、Bの中でも、例えばこの六十二年度補正予算で産投会計の補正内容がありますね、四千五百八十億、治水からずっと始まって十項目、二十項目とかありますね、これに一定の指数化をすることできますね、簡単にね。この配分指数というのは今後のめどになりますか。
○政府委員(斎藤次郎君) 私どもとしては、あるいは一つの参考になるかもしれませんけれども、この枠にとらわれるという考えは全くございません。
○志苫裕君 そうすると、積み上げですか、枠配分ですか。
○政府委員(斎藤次郎君) Bタイプの総枠につきましては、もちろん例えば概算要求で一兆とお決めいただくようにいわば枠の概念がありますけれども、その配分につきましては、各省庁の事情をよく聞いて事業別積み上げという手法を用いて、枠配分の手法はとらないというぐあいに考えているわけでございます。
○志苫裕君 ことしの配分は参考にならぬということですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 参考にならないと申しますのはやや言い過ぎではないかと思います。ことしの事業別の配分につきましても、それぞれの事業の面的開発に伴う一体的緊急整備という観点から配分を行っているわけでございますから、全く参考にならないと言うのは申し過ぎであろうかと思いますけれども、ことしの補正での配分がそのまま来年度の当初予算の配分につながるということはないというぐあいに考えておるわけでございます。
○志苫裕君 じゃ、そう伺っておきましょう。 でも、仕事する側、各融資特別会計別の仕事をする側で見ますと、去年これぐらいあったからことしはこれぐらいかなと一種の想定もするでしょう。しかも大蔵省とお話をするときは大分現場で詰めてから来るわけですね。仕事の流れから言いますと、ことしはこれぐらいありそうだからというようなことで、ずっと下からそれこそ急ぐ仕事を考えてずっと上がってくるでしょう。おおよそのめどというものは、ある意味では参考になるんですけれどもね。
○政府委員(斎藤次郎君) 確かに今度の補正予算でBタイプ三千九百十七億円については、それぞれのまさに緊急性というような観点から積み上がってきた結果が反映されているわけでございますので、これが全く影響を及ぼさないということはないと思いますけれども、私どもといたしましては、この法律を通していただきますれば、その法律に書いてある趣旨に即して一つ一つ事業について綿密な審査をして、できるだけ適正な事業配分をしたいというぐあいに考えておるわけでございます。
○志苫裕君 細かい検証をしていないので全然手元に数字はありませんが、この治水事業資金貸付金から始まって民間活力云々と、ここまでありましたね、ここの四千五百八十億の使い方が。これは例えばそれぞれの長期プログラムを持った計画がございますね、何カ年計画とかあります。あそこにあらわれておる事業量と資金量といいますか、それと見合っていますか、その大きさは。道路が一番あそこは背丈が大きいので、今度の配分も背丈が一番と、そういうふうに見合っていますか。
○政府委員(斎藤次郎君) もちろん、公共事業というのは五カ年計画がほとんどの事業にございまして、その事業実施というのも私どもの一つの予算編成の課題でございます。 ただ、今回のNTTの株式の売却収入の無利子貸付金のいわば配分というのは、法律のところにも書いてありますように、面的開発に伴う一体的、緊急的整備ということで配分を行っておりますので、必ずしもそういう五カ年計画の事業費ないしは事業量と見合ったものにはなっていないわけでございます。例えば下水道、公園等のいわばシェアは当初予算よりも、当初予算では一五%の配分であったのが、補正では二〇%というぐあいにシェアを上げておりますし、必ずしもその五か年計画の事業量、事業費に見合ったものとはなっていないわけでございます。
○志苫裕君 その点は伺っておくだけであります。 そこで、この間同僚の赤桐委員からもお伺いしたんだから詳しいことは言いませんが、ただそのときの話で、貸付金が返還されるときに補助金に化けるわけで、別の懐から今度は補助金が出ていかなきゃいかぬですね。そのときの財政事情がどんな予測になっているんだろうと、本当の補助金を出さねばならぬときにすっかり尾羽うち枯らした貧乏になっておって、交付する金はないというふうになっておるのか、おかげさまで景気もようなって財政もようなって、もう大手を威張って振って交付できる状況になっているかわからないというまことに頼りのない返事でした。そのときの財政事情が仮に悪ければ、すなわち原資がなければ建設国債の発行で賄うことになるでしょうと、まあそういう答弁でしたが。さあそうなってまいりますと、この提案理由のところには建設国債を抑制するように工夫されているということになるわけで、これが次長のお答えになったような、そのときに銭がなきゃ国債を出すわということになりますと、今度発行する国債を後に回したという意味合いしかなくなりますね。そういうことなんですか。提案理由は、国債発行を抑制を工夫したというふうになっているんですが、いろいろやりとりしているうちに、いや、なきゃまた国債だというような話になってくると少しつじつまが合わぬのだけれども。
○政府委員(斎藤次郎君) あるいは私の言葉が足らなかったかもしれないので、その点は申しわけないと思うわけでございますが、私どもの基本的立場は、補助金の償還期が、今度の無利子の貸付金の償還期限が参りますのは、五年の据え置きでございますので、五年後ということになりますものですから、それまでに今までやってまいりました財政改革の努力を最大限今後も傾注して、その六年目に分割の補助金の交付が必要になる時点ではなるべく建設国債を増発しないでも補助金が交付できるような財政体質にしていくために、今後とも最大限努力をしていきたいというのが私どもの真意であるわけでございます。
○志苫裕君 この項目で最後になりますが、大臣、わかりやすく言うと、NTTの株が少し余裕があるので、基金から一般会計へ行って、一般会計から産投へ行って、産投からそれぞれの会計を通って自治体へ行きますな、そして返ってきます。返って、また産投まで返るか知りませんが、一般会計を通って基金へ戻るわけですが、このときの財政事情が、まあ国債も出さねばならぬとか余り景気のいいときでない、財政事情もよくないという、たまたまそういう状況だったとしますかね。本来出稼ぎに行ってお金が国債整理基金という実家へ戻ってくるんだけれども、もう一遍出稼ぎに行ってこいやと、またぐるぐるっと回るということはないんですか。戻らぬで産投会計あたりまで来て、またそこでぐるぐるっと出稼ぎにもう一遍回るということは、これを見ると禁止はされていません。個別法の融資特別会計、四つか五つ載っていますが、経理するところ、あれはことしの分は来た金は返さなくちやいかぬわけですね。これは必ずしもそうは書いてない。いずれ戻らぬといかぬと書いてありますよね。もう一遍出稼ぎに打っちゃならぬとも書いてないわけで、そこはどう考えていますか。
○政府委員(斎藤次郎君) 例えば五年後、据え置きで六年目に償還期限が来るわけでございまして、通常のケースではそれが産投特会から一般会計を通じて国債整理基金に還流するということでございますけれども、そのときの財政事情、経済情勢等を勘案して必要があればそれを再度貸し付けるということは禁止されているわけではないわけでございます。したがってその場合、戻ってきました返還金を再度貸し付けに回すということは可能な制度となっております。
○志苫裕君 やっぱり可能である。ぐるぐる回そうというわけでもないですか、大蔵大臣。返ってくるころあなたがいるかどうかわからぬが、考え方としてはどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのときの財政情勢いかん、あるいはその年の国債償還額が幾らかといったようなことがございますけれども、償還すべき国債を償還し得るような、そういう財政状況に余裕がございますと、これは十分に回転をさせていい金だと思っておるわけでございます。
○志苫裕君 その点は一つわかりました。 ちょっと今度は法案の中身を離れて、この法案のねらいとか発想方法とかというようなものに残りの時間をお尋ねしたいと思うんですが、しばしば申し上げておりますように、国債整理基金にプールをされたNTT株の売却益に余裕があるので、金融運営に支障のないという範囲内でこれを活用しようという発想そのものに異論はありません、ただ眠らしておくよりはいいという意味でね。問題はその生かし方なんでして、減税財源に回したらどうかとか、あるいは償還ルールの改善に回したらどうだとか、その他いろいろもっと本来の趣旨を生かした使い方あるじゃないかとか、そういう提案があるわけですね。現実には。だけれども、大蔵省さんは、いやこの使い方が一番いいんだと言って、判を押したような説明をずっと繰り返しておいでになっていますね。いろいろおっしゃっているんですが、書いてあることや言っていることを、私なりにこれが一番いいんだという皆さんの説明をまとめてみると、まず、おくれている社会資本の整備が促進できるじゃないか、これが一つ。それから、順序は別としまして、内需拡大になって、ひいてはそれが国際収支の改善や問題の経済摩擦の解消にも幾らか寄与することが期待できる。三番目は、当面の国債発行の抑制にもなる。大臣、この間言ったように、何よりも使い切りじゃなくて戻ってくるところがこれはみそだ。戻ってくるんですよ。減税などのようにもう消えてしまうというのは本来の趣旨に沿わないんだ、こういうことをいろいろと言っているんですが、まだほかにありますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大変よく御理解をいただいていると思います。
○志苫裕君 御理解じゃないんだよ。皆さんはこういうことを言っているんだなと頭の悪い私は整理をしたわけですよ。 それでひとつこの機会に、本当にその使い方が本来の趣旨から見て最良であるかどうか検証をちょっとやろうと思うんですが、もともと負の財産である国債の償還に充てようということで国会の合意で法律もできておるわけですが、したがってその指向から言えば、償還ルールの改善というのは容易に考えられることなんです。だから、そういう主張もあるわけですね。だけども、まあ国債の償還という問題は、いわば国民と政府との信頼関係の問題に帰するわけでしてね、国民から政府は金借りているんだから。国民が、どうも政府は信用ならぬし、いろんな国内外の経済状況を見ているというと昔のようにパアになるかもしらぬから早く返してくれやというふうになれば、これは返さなきゃならぬですよ。だけども、おたくさんの方じゃ、まあそんな心配要らぬよ、おれを信用してくれ、こう言っているわけでしょう。決して皆さんのとらの子をパアにすることはないから、こう言って償還ルールの改善というところは退けているわけです。だとするなら、やっぱり国民が政府に不信を抱いたり心配をしないで、おれのとらの子がパアにならないんだなと、心配せぬでも済むような財政計画や経済政策をきちっと示すことが大前提になりますよ。 償還ルールの改善に充てない、約束は守るし、紙くずにはしないと言うのであれば、このとおり安心してくださいという財政計画なり経済運営を示す義務があって、それとの見合いにおいて国民はそれを信用する。繰り上げ償還等の償還財源に回さぬでよろしい、こういう合意が成立するんじゃないですか。あなた方の方は余りそれは示してないんですよ。財政計画なんというのは心配だらけなんですよ。そういう論理が一つ貫徹されぬといけないのじゃないんですかね。償還ルールの改善に回さないというのであれば、こういうことでやれますから心配しなさんな、それよりもこっちの使い方の方が有効だとあなたは言うべきですよ。言っちゃ悪いが、二十五日にいろいろ伺っていますが、そういう視点で償還ルール改善の提案を退けているんじゃない。そう思いませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろ御批判はいただいておりますけれども、昭和六十五年度には特例公債依存の体質から脱却いたしたいという目標をなお政府が掲げております。厳しいことは厳しゅうございますけれども、そういう努力を続けているというようなこと、あるいはまた財政再建を目指して五年間一般歳出の伸びをゼロあるいはマイナスにしてきたといったそのような努力、それは、今志苫委員の言われましたような政府の財政秩序に対する考え方、努力を示しておるものだと思います。現実にはなかなか計画どおりにいくことは難しいという御批判があることを存じておりますけれども、しかし政府が真剣にそのような努力をしているということは恐らく国民は知っておられますし、また我が国の経済そのものについての国民の信頼感も決して揺らいではいない、どちらかといえば日本の経済についてのかなりの信頼を国民は持っておられると考えております。 したがって、それが国債の市場価格にも反映をしておると思うのでございますけれども、しかし政府がそのような厳しい態度をとり続けるということが国債の信用を維持する上に不可欠であるということは、私どももよく肝に銘じておりましてそういう努力を続けてまいらなければならないと思っております。
○志苫裕君 それはまあ、政府の財政経済運営は国民は信用している、まるっきり心配要らぬというほどでもないですよ、それは。心配しているから財テクなんかに走ってるんじゃないかな。財政再建計画について心配をしてないのはいないんじゃないですか。あなたも心配している。中曽根さんも、強気なことを言うが、やっぱり心配しているんであってね、別の事情で心配せぬだけであって。だからこれは、繰り上げ償還説を退けるときには、やっぱり私はそういう財政経済運営をもう一方で提示することによって退ける、言うならそういう手法をとるべきだ。我々は不敏にしてそういうことも聞いてないから、償還ルールの改善も有力な使い方であるという主張だけは残して好きたいと思いますね。 それから、これは緊急経済対策の一環として出てきたというところからでもわかりますように、内需拡大の要請にこたえる、ひいてはそれが収支改善や摩擦解消に寄与できることが期待できる、こういうことになるんですが、内需拡大と国際収支の改善との因果関係をちょっと説明してください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般の緊急経済対策、それを具体化いたしました補正予算でございますが、一般に当面のドル減らし効果と申しますか、対外的な効果は五、六十億ドルではないかというふうに言われておるところでございます。したがって、短期的に見る限りはそんなに大きな外貨減らしあるいは黒字減らしの効果があるわけではございません。むしろ、こういう努力を何年か続けていくことによって日本経済の姿が変わっていく、経済社会のあり方が構造改善をしていくということから、やや長期的と申しましょうか、中期的と申しましょうか、そういう意味で日本の過度の輸出依存体質が変わっていく、そういうことを考えておるわけでございます。
○志苫裕君 過度の期待というか、因果関係を私もそれは認めなきゃなりません、私はそっちの方はそう専門家ではありませんし、勉強もできておりませんが、問題になっておるアメリカとの貿易収支を見ますと、アメリカの赤字は一種のアメリカのビジネスシステムの構造上の問題で、何というんですかな、開発、生産、販売、サービス、こういうシステムがあると、そのうちの生産の部分が外へ出ているわけですから、そこでつくった分が輸入で戻ってくるという、そういう一種のビジネスシステムの構造上の問題があるので、日本の内需とはちっとも関係がないことですね。そういうこととは何も関係がないので、だから日本の内需拡大でそういう構造上の問題が一番解決できる性質の問題でもないようですし、また日本の対米黒字といっても日本人みんなが、日本の産業みんなが黒字じゃないのでして、子細に見ればごく一部の自動車であるとか、あるいは家電であるとか、半導体であるとか、カメラであるとか、そういう限られたもので、何か私ちょっと物の本で読んだところだと、対米輸出の五〇%は私が今挙げたようなそういう産業の二十社くらいのものだ。七五%かなんか、その辺七割以上は上位五十社ぐらいで占めているんだと。こういうふうにも言われて、またそういう国際競争力のある企業の就業人口というのは日本の一二%ぐらいでしかないんだ。日本のごく限られた一部の企業、一部の商品、一部の産業というふうなものによって対米の黒字が五百億ドル前後ですか、六百億ドル近いんですか、わかりませんが。だとすれば、日本の内需拡大とそう直接の因果関係もないと考えられるんですが、ちょっとこの辺の関係、私が言ったこと間違いかもしれませんが、そちらの、何局になりますか、専門家の方ちょっと説明してくれますか。
○政府委員(内海孚君) ただいま志苫委員の言われましたことにつきましてはアメリカでもいろいろ議論がありまして、一体アメリカの産業の空洞化というのはどの程度かというのは、日本からの指摘ほどアメリカ側にその実態の認識がないし、またその実態についてはちょっといろいろ議論があるところのようでございます。 例えば、最近の状況を見てみますと、アメリカの製品、特に工業製品、なかんずく化学製品、機械等の輸出はやはり相当ふえております。アメリカの国際収支が、最近発表になりました六月の数字が百五十七億ドルというふうに非常に悪かったわけでございますけれども、これは輸出の方はふえているんですが、原油等の輸入が非常に金額で膨らんでいるとか、それからNICSからの履物とか繊維というような軽工業品の輸入がふえているというようなところにありまして、アメリカの方の輸出が最近やっぱり非常にふえているのは、今までのアメリカにとって長い間続きましたドル高というものがやはり競争力を失わせていたという面も否定できない。今志苫委員の御指摘の点は、アメリカの経済に携わっている人たちがもうみんな一生懸命探求しているところなんですが、なかなか実態は我々が日本で言われるほどはっきりしていない。あるいは、輸出競争力がこういったドル安が続くことによって出てきたという、ある程度セクターによってはそういう面も顕著に見られるというのも事実でございます。
○志苫裕君 前段の方はそれで局長の答弁わかりました。 ちょっと私後段で申し上げましたように、日本の対米黒字というのはごく限られた産業、ごく限られた企業の上位数十社によって占められているということになりますと、地球の頭をけっぺずるような公共事業をやっておりゃ黒字が減りますというような理屈にちっともならぬわけです。カメラが黒字つくっているときに、つるはしがそれを減らそうたってできない話であります。というふうに考えると余り関係がないことになるわけですが、やっぱりそんな構造なんでしょう、対米の関係。
○政府委員(内海孚君) ただいまの御指摘は私はかなりの程度において当たっていると思います。我が国の内需拡大が直接的に日米貿易収支に与える影響というのは、これは非常に限度があると思います。ただ、アメリカ側が言いますのは、我々の相手方がよく言いますのは、アメリカはこれから財政赤字を縮小し、貿易赤字を縮小していく過程において、やはり世界経済全体が減速するということはこれはゆゆしき問題なので、やはり黒字である日本が適正な程度において経済の規模を拡大してもらいたいというそういう形であると思いますので、直接的にこれによってアメリカの赤字がどう減るということを申し上げるのは必ずしも容易ではないと思います。
○志苫裕君 これはおたくの管轄かな。ちょっと念のためですが、アメリカ資本が日本の国内で生産なり販売をしておる額は大体どれぐらいですか。
○政府委員(内海孚君) ただいま手元で把握しておりません。
○志苫裕君 見当つきませんかな。
○政府委員(角谷正彦君) 通商白書という通産省が出している資料がございますけれども、それによりますと、在日米国企業の販売高というのは大体三百五十億ドル、これは石油関係を除いておりますが、というふうに推定されております。
○志苫裕君 石油を除いてね。
○政府委員(角谷正彦君) はい。
○志苫裕君 そうすると、やっぱりこれも五、六百億ぐらいありそうだということは、通関統計に出ませんわね、これは。出ませんね。石油を除きますからやっぱり五、六百億ぐらいになるのかな。 ともあれ大臣、余計なことを言って恐縮でしたが、こういうふうに見てみますと、この資金の活用が内需拡大、ひいては収支改善、摩擦解消というふうにつながることが期待をできるという根拠はない、ふれ込みどおりのものでもないということになっちゃうんじゃないですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはいつぞやもあるいは申し上げたかと思いますけれども、昭和五十五年には我が国の貿易黒字は六十億ドルであったわけでございますけれども、昭和六十年にそれが六百六十億ドルになるというこの五年間、我が国のいわゆる輸出依存体質というものがこの五年間に急に高まった。それは石油価格が上昇いたしましたり、円が非常に安かったりした、ドルが高かったりした理由はございます。ですけれども、いかにもこの間の我が国の経済の輸出過度の依存体質というものがきょうの問題のもとになっていると思われます。 したがいまして、それはちょうど我が国が社会資本が乏しい国でもございますから、やはりそういうことに経済の重点を向けてまいりますと、そのような経済体質というものがやはり直っていく。それは一年やそこらで直るはずはございませんで、前川報告の申しますように少なくとも数年と思いますが、そういう努力の初めである、一環であるというふうにお考えいただけたらと思います。
○志苫裕君 最後の項目になるんですが、これが内需拡大になるという、私も内需拡大にならぬとは言いません。内需と言われるものは個人消費と設備投資なんでしょう。ただ、これがさも内需拡大になるというふうに言うところに抵抗を感ずるので、内需拡大策はもっと別にあるんですね。ぐるぐるぐるぐる空回りしているお金の使い方を考えればいいわけですね。アメリカといろいろ取引するが、黒字になったつもりでも、何も日本の輸出に返ってこない。日本人の暮らしや何にも寄与してないというふうなそういう問題、そういうお金が日本人の暮らしやそういうものに寄与できるということを考える方が本当の内需拡大です。 内需というのは、とどのつまりは個人ですね、国民の購買力、消費する力ということなんでしょう、内需というのは。設備投資あるいは公共投資もそうですが、結局は購買力ということになるわけでしょう。物を買う力、物を消費する力ということになるわけでしょう。さっき前川報告の話がちょっと出ましたけれども、前川報告を一口で言えば、日本は消費大国たれということだ。そういう物を買う力、消費する力が経済大国日本の国民にあるんだろうか。確かにマネーゲームに流れているお金はたくさんあるようだし、だから外国との取引で随分たくさんの黒字をつくっているようだが、帳面だけであって何も現ナマはない。むしろそれに匹敵するか、それ以上のお金が向こうさんの方へどんどん流れているということになると、膨大なお金は日本人の国民の周りを整えたり購買力を増したり暮らしを高めたりするものに使われていないという、ここのところをほったらかしておいてささやかなお金が内需拡大になるという論法には私は同意しかねますね。いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 内需と申せば消費はもとより御指摘のとおりそうでございますけれども、設備投資、在庫投資、住宅建設、財政の投資もそうでございますけれども、全部内需拡大につながるわけでございます。 それで、この局面について申しますれば、いわゆる公共投資というのは概して民間の投資になじみにくい、それは収益がございませんから。でございますが、しかしそうかといって、全く民間の活用ができないわけではないのでございますので、財政がこういういわば施策をしまして、それによって民間のお金も技術もここへ入ってきてもらいたいというのが、例えばこのCタイプは一番そのいい例でございますけれども、そういうふうに考えておりまして、こういうことから経済をいわば少し動かしていく、そこからひいてはいろいろな意味での先ほど申しました幾つかの内需についての動きが起こってくることを、つまり財政の担う役割というのは限られておりますけれども、しかし財政といえども、やはりこういう努力をして経済がそういうふうに動いていくための、誘い水という言葉は余り適当ではございませんけれども、やはり一つの端緒をつくっていく必要があると考えておるわけであります。
○志苫裕君 私は内需というのは。とどのつまりはずっと詰めていきますと国民の購買力のことだと、いろいろな過程を経ますけれどもね。そうすると経済大国日本の国民にはそんな力は言われているほどない、早い話が東京で土地は買えないんだしね。収入の三、四割はローンで使われているんだしね。購買力平価説というのがあるそうだけれども、それでこうざっと並べてみると先進国では一番びりに当たるという説もあるくらいですから。 ともあれ、そういう状況をもう少し考えるということも、それはもちろん政府の金ばかりじゃございませんけれども、貿易で稼いだ会も、マネーゲームで金融市場を駆けめぐっている金も国民の生活レベルの向上には使われていないという実態を解決するのが真の内需拡大策で、そういうふうに今考えると、公共的建設事情だけがすぐれた内需拡大政策でない、わずかではあっても国民の購買力にストレートにつながっておる減税で懐にお金を返すというのも有力な内需拡大策であるというのが私の主張なんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは異存ございません。政府といたしましても、したがいまして減税をひとつお認めいただきたいということを国会に御提案をいたしておるわけでございます。
○志苫裕君 異存がないんだったらちょっとまたね、異存がないと言ってちっとも税金を回さぬものだからしゃばは面倒になっているんですけれどもね。そういう主張、我々の主張には根拠があるということを私は最後に申し上げたんです。 で、やっぱり私の主張は、政府のお金ばかりではなくて、民間のお金も含めて内需拡大という視野でとらえて物を申し上げたんですが。 ちょっと新聞見たんだけれども、大蔵省も何か株だとか土地だとかその辺、マネーゲームにぐるぐる回っている民間のお金を内需拡大に役立てられないものかというのでプロジェクトチームでもつくって、何か新聞によると七つの構想を立てたと、大蔵省の書いた本は余り売れぬがプロジェクトの本は売れそうなことが新聞に出ていましたが、ちょっと差しさわりのない範囲で何かコメントできますか。
○政府委員(角谷正彦君) 今御指摘のものは「民間活力活用プロジェクト推進のための新しいファイナンス方式について(試案)」といったものでございます。それを御指摘だと思いますけれども。 これは大蔵省の官房審議官室とかあるいは財政金融研究所の若手の職員などが、今先生御指摘のように、非常に国の方は財政は赤字でございますけれども、民間には極めて豊富な資金が存在している、こういった豊富な民間資金を活用いたしまして社会資本を充実するための民活プロジェクトのための何か新しいファイナンス方式が考えられないかということで、いわば一つの議論のたたき台といたしまして取りまとめたものでございます。そういった意味で、今後その試案をもとに民間の方がそれぞれ一層議論をしていただくためのたたき台として出したものでございまして、いわば大蔵省としての正式の見解というものと若干性格を異にしているわけでございます。
○志苫裕君 終わります。
○及川一夫君 我が党の持ち時間は十二時十二分までということになっておりますので、その前提で御質問申し上げたいと思います。同時に、私は大蔵委員会の方は初めての体験でございますので、常任委員会は恐らくどこでも変わりない運営であろうかと思いますが、もし間違いのあるやり方をしたときには適切に御指摘をしていただきまして万疎漏なきようにいたしたいと思いますので申し上げておきたいと思います。 私は、第一番目に伺いたいのは、NTT株の売却収入を融資するということは、一体いかなる意味を持つのだろうかなということを先ほどからの論議を通じながら、同時に衆議院段階での大蔵大臣の御答弁を聞きながら実は考えさせられるのであります。つまり、地方自治体にとって公共事業とか社会資本の充実という問題はのどから手が出るほど取り組みたい問題であることは間違いございませんし、要は財源ということになる。したがって、建設国債の形で補助金が行っても、あるいは建設国債が現金化されて補助金という形で行っても、あるいは融資という形であっても、それは地方自治体にとっては大変いいことだし、ぜひとも早急にやってほしいという立場に立つには間違いないと思います。 ただ、融資という形をとれば返すという話が出てくるわけであって、その返すという話が、補助金で返すんですよ、あるいは建設国債を発行して補助金という形において交付していくんですよ、そういうものが返されていくんですよということは、これまた地方自治体にとってはうれしい話かもしれませんけれども、しかし、実際に政府という立場から立ってみますと、建設国債であろうが融資であろうが、どうも同じことじゃないのか、むしろ融資をすると返すという問題を含めて地方自治体間で非常にわかりにくい。何か借金を背負ったような感じになる、地方自治体ではどこから金を返すんだ、こういう話になると個々に受けとめられるような内容があるように私には思えてならないんですね。 建設国債には利子がつく。それだって、結局は政府が税金という形において負担をしていくことには変わりはないし、国債整理基金に本来予定を超えるようなものがあればそれを積み立てておいて金利を取るということになれば、ふやしていくということになれば、それだけ国債償還に返る元金がふえるはずだが、無利子で融資をするために、少なくともその金利部分は結果的には消化をしてしまうということになるわけですね。ですからそうすると、建設国債を発行して、それをもとにして例えば四千五百八十億という金をA、B、Cに基づいて配賦をするということであっても全く同じじゃないかなという感じが実はするわけなんであります。なぜそんなものを、政府自体がわざわざこの融資という形をとるのか。 確かに中曽根総理の発想としては、国債というものを残高であれ毎年の発行であれ縮小していこう、こういう発想がありますからね、これに沿えば確かにこの手法は、なるほど歓迎される一つの手法がなというふうにも思うんですけれども、実際に景気の回復とか内需拡大とか、あるいは社会資本とか公共事業の強化という問題からいえば、受け取る方はもう同じじゃないか、出す方も形を変えただけじゃないか、こんなふうに思うんですが、どうしてもこういうふうにしなければならない理由というのは一体どこにあるんでしょうか。大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国の財政の現状は及川委員が御承知のとおり、一般会計は国債に二割という高い率で依存をしておりますし、また国債費はその一般会計のやはり二割という、財政再建をこの五年間余りやってまいりましたけれども、なおそのような状況でございます。したがって、本来ならば財政には余裕というものは極めて乏しいと申し上げなければなりませんが、たまたまその時期に社会資本の整備あるいは内需拡大という問題が内外から差し迫った問題になってまいりました。地方にも要望が多いということはただいま及川委員が言われましたとおりで、いかにも社会資本は貧弱でございます。そのことは国外からも強く指摘をされるようになりました。すなわち財政の再建をやりながらしかし内需を拡大しなければならないという、いわば二つの相反した命題を処理していかなければならないというのが今日の現状でございます。そういう形で、幸いにして電電関係のお方の長い間の御努力の結果、こういうものを政府としてはちょうだいをいたしましたから、その余裕財源でその相反する二つの命題を何とか処理をしてまいりたいと考えましたのがこのたびの御提案でございます。 そこで、無利子であるということは、これは政府としてそれは利子が欲しくないわけではございませんけれども、ここにございますBタイプのような公共投資というのは、これは本来収益事業でございませんから、ここから利子を取るというわけにはまいりません。AタイフとCタイプにつきましては、これは本来利子を払ってもやり得るような仕事であれば民間の金でやっておるはずなんでございまして、必ずしも利子を払ってはやれない、しかし無利子ならばやれるというようなタイプの仕事がございますから、そういう仕事に対して財政が援助をするということでその社会資本の整備を図っていけるではないか、こういう発想で無利子ということにいたしたわけでございます。
○及川一夫君 無利子の理由とか、あるいは国の財政が逼迫をしているという事態については、別に私自身、異論を挟んでいるわけではないんです。ただ、国の内外から出されている問題に対して、一つのやり方として、地方における社会資本の充実であるとか、公共事業というものを充実強化さしていこうという意味合いでとにかく財政を出動させにゃいかぬと、こういう言葉はいいんですが、その手法として何で融資方式をとるのか、回りくどい方法をとるのか。どっちにしたって最後は、五年後には一般会計に余裕がなければ建設国債でも発行して補助金というものを生み出していかなきゃならぬのだろうと思うんですね、どっちにしても六十八年度から返せという話になるわけですから。そうすると、今建設国債を発行するのか、五年後に発行するのか、こういうことでしかないじゃないか。何でも先送りになっている。地方では、受けて立つ方は非常に回りくどい、我々国民にとってもなかなかわかりにくい、私はこんなような気がしてならないのであります。 今ここでやろうとしていることが間違いであるとか、問題だから取り消せとか、そういう意味合いで申し上げているのではなしに、どうせやるならわかりやすい方法でやったらどうだという意味では、五年先の建設国債の発行よりも今やったって同じじゃないか。今やれないというのは、どうも形、格好だけを整えようとされる、そのことに余りにもこだわった方式ではないのかと、こういうふうに受けとめられるものですから、そこを思い切って踏み切って、宮澤大臣は積極財政の立場に立っておられるというんなら、そういうことをこの段階でむしろ明確にされた方がいいんではないか。こんな思いを含めて実は申し上げているわけでして、この点、時間の関係もありますから、本来もう少し詰めてみたい気持ちがあるんですけれども、私の立場ではそういうふうに考えられますので、ぜひこれから先の、来年、再来年という問題にかかわっては考えていただきたいものだというふうに申し上げておきたいと思います。 さらに、志苫委員の方も御指摘になられましたけれども、とにかく無利子貸し付けということで補助金の前倒し的な性格を持っているというふうにずっと言われてきているんですが、要するに二十年間の返済ということになっていますね。二十年ということになると、我々自体もどうなっているか正直言ってわからないほど長い期間なんですが、いずれにしても二十年間かけて返済をするということは、逆な言い方をすれば補助金で返す。補助金の前倒しという前提に立ちますと、二十年間この補助金というものを約束をするということにもこれはなるんじゃないか。果たしてその二十年先のことまで、補助金として交付するよというようなことが約束されて本当に履行されるのかどうか。これまでの実態から見ると補助金打ち切りということがあちこちに存在しますから、大変そういう心配というものが出てくるというふうに思うんですけれども、二十年間というふうに設定をされた物の考え方の基本というのは、一体どこにあるのかということをお聞きしたいと思います。
○政府委員(斎藤次郎君) この補助金の償還の期限につきましては、法律上、A、Bタイプは五年据え置き二十年間償還ということになっております。Bタイプの事業につきましては、いずれにせよ国がその時点で償還費に見合う補助金を交付した上で御返済を願うということでございますので、国の補助金が出ません場合にはいわばその返済もないという法律上の仕組みになっております。 具体的に私ども今検討しておりますけれども、確かに公共事業の場合、法律上二十年間で政令で定めるということになっておりますけれども、二十年間はやや長過ぎるのかなということで、過去の下水道の特例債の償還期間とかいろいろなものを勘案いたしまして、五年据え置きで十年の償還というぐあいにしてはどうかと今検討している段階でございます。 いずれにせよ、償還時に国が責任を持って償還費を補助する、そうしてそういう補助した上で御返済を願うということになりますので、私どもとしては責任を持って償還費の補助を計上しなければならぬというぐあいに考えておるわけでございます。
○及川一夫君 お答えとしてはそういう答えしか今日の段階では出ないんでしょうが、我々の立場から言えば、その言葉が履行されるようにそれこそ毎年毎年確認をしていかなきゃならぬ。そうしなければ地方自治体に対して、あるいは国民に対して責任が果たせないということに私はなってくると思うんですね。要は、いずれにしても日本の経済がよくなることにあるわけですから、そういう立場からこの問題についてもぜひ内需拡大というものが目に見えて明確になるような手法、方策というものを講じていただくように、政府にもお願いをしておきたいというふうに思うところであります。 三点としてお伺いしたいのは、売却収入の規模の問題であります。 六十二年度の予算では一株百十九万七千、それの八割相当額というものを基礎にしてはじかれて一兆八千六百七十三億円という数字が出されているんですが、今度売却される六十二年度の百九十五万株、これの売却値というのはどうなるんでしょうか。百十九万七千円の八割相当で証券会社に依頼をするということになるのでしょうか。
○政府委員(足立和基君) 六十二年度、今年度売却を予定しております百九十五万株につきましての売却価格につきましては、売却実施日の前日の終わり値、こういう市場によって決められるものでございますので、私ども今ここで幾らということを確定的に申し上げることはできないものでございます。
○及川一夫君 いつ証券会社に依頼をして売却が始まるんですか。何か新聞では十一月などということがぼろっと出たんですが、大蔵省はそういう御意思を持っておられるんですか。
○政府委員(足立和基君) 具体的な売却時期、売却方法等につきましては現在検討中でございまして、まだ最終的な結論を大蔵省として持っておるわけではございません。
○及川一夫君 年内になりますか。
○政府委員(足立和基君) 遅くとも年内には実施いたしたいと考えております。
○及川一夫君 私も株の値段を大蔵省が軽々に判断をするということはできる相談じゃないということはよくわかっているつもりです。 ただ、株式市場で一般的にやられている手法というものがあるわけでありまして、これは大蔵大臣からも本会議でお答えをいただきましたが、いずれにしても引け値の三%ないしは三・五%あるいは五%と、どうもこの辺が数字——そのほかに手数料というのがあるそうでありますけれども、現在のNTTの株の値段は、本会議でやっておったときには二百五十六万だったんですが、もう二日後には二百六十五万、こうなっておりまして、十万近く、幾らになるかよくわかりませんが、いずれにしても現状の中で、私は二百五十万という数字はこれ以下になるということはないんじゃないかというふうに勝手に実は判断するんですが、論議の都合上、この二百五十万というものを私は前提に実はやりたいと思っておるわけです。特にこの二百五十万が値下げはないよというのは、株式の状況などを見ますと、いずれにしても昨年売却した百九十五万株のうち二二・五%は俗に言う証券会社あるいは生命保険、銀行、こういったところが持っているわけでして、しかもその総額も五千億を超えていると。これだけのものを持っておられるようですから、証券会社や銀行が損をすることをあえて傍観しているはずはないという勝手な想像を含めまして、どちらにしたって二百五十万以下になるなんということは、いいか悪いかは別ですが、あり得ない。したがって、ここではその前提で論議をしたいというふうに思うんですが、よくありませんか。
○政府委員(足立和基君) 私ども、先ほど申しましたように、大体幾らになりそうだとか一つの前提を持ってお話をするわけにはまいりませんが、先生がそういう前提で計算をされるということでございますれば、その計算上どうなるかということは数字上可能に出てくるであろうと考えております。
○及川一夫君 ありがとうございました。 そういう前提でちょっとお話を申し上げたいんですが、NTTの残りの株というのは政府が持っておられるわけですが、六十二年度で百九十五万株、六十三年、六十四年二年間で三百九十万株、そして売却未決定というのが要するに二百六十万株ということになっているはずですが、間違いございませんか。
○政府委員(足立和基君) 本年度百九十五万株を予定してございまして、六十三年度以降NTTの株式の売却をどうするかということは、各年度の予算編成過程を通じまして、その時点の財政状況あるいは前年度の売却実績等を勘案いたしましてこの処分限度数を考える、そして国会の御審議を経て決める。こういうことでございますので、現在は確定的に私どもが毎年度毎年度幾らずつ売るということを申し上げるわけにはまいりませんが、均等に六十三年度、六十四年度と処分をいたしますという先生の前提を置きますならば、そういう数字になろうかと思います。
○及川一夫君 これは財政制度審議会とか国有財産中央審議会でも分割ではなしに一括してという指摘もされているわけですから、恐らく均等に私は出されるのであろうというふうに思いますが、いずれにしても残っている持ち株というのはこのくらいある、先ほど申し上げたような数字があるということを前提にしますと、百九十五万株で六十二年度では四兆八千七百五十億という、まともに売れればこれだけの売り上げになるし、六十三年、六十四年三百九十万株を売ると九兆七千五百億という数字になって、合わせれば十四兆六千二百五十億と、大変な私は数字だというふうに思うのであります。そして六十五年度以降に未決定とされている二百六十万株というものを見ると六兆五千億という数字が出まして、これを簡単に単純に足し合わせますと、それこそ二十一兆一千二百五十億という大変な巨額に実はなる計算が出てくるわけです。 この株は、大臣も再三御指摘されているように、とにかく国債償還に充てよう、こういう大原則ですから、それが国債償還に充てる借金返しの金額は六十四年度まで一体幾らなのかということを教えていただきたいというふうに思います。
○政府委員(足立和基君) 現在予定されております国債のネット償還額、これは六十二年度から六十四年度までの三年間のネット償還額といたしましては、約六兆六千億ぐらいの予定でございます。しかしながら、先日も実は御説明を申し上げたわけでございますが、今年度の六十二年度について申し上げますと、これから売却が実施されるこの売却益、これがとりもなおさず六十三年度の基金の残高になるわけでございまして、六十三年度のネット償還額をその余裕金残高からまず留保する、こういうことでございますので、NTT株のその六十二から六十四の売却収入に対応いたしますネット償還額といたしましては、一年間ずれたところの六十三年度から六十五年度の間のネット償還額を考えなければいけないのではないか、こう考えるわけでございます。そういうぐあいで、六十三年度から六十五年度までのネット償還額といたしましては、約七兆円弱というような額になるわけでございます。
○及川一夫君 ざっくばらんな話ですね、二百六十万株の売却未決定という数字は、六十五年、六十六年にかかるだけの大きな数字ですから、私はこの際、昭和六十六年まで国債償還というのは一体どのくらい必要とするのかということを、大蔵省が発行されました「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」のケースB、これでもって算定をさしていただきますと約十一兆二千億ぐらいになるというふうに実は計算をしているところであります。したがって、それを返すという前提に立って先ほど試算をした二十兆から引きますと、いずれにしても九兆円を超える数字が出てくることだけは実は間違いないわけでありまして、政府といえども株である以上安いより高い方がいいということになるんでしょうから、少なくとも十五兆よりも二十兆の方がいいと、こういうことだろうと思う。そのためにいろいろ売却時期とか売却規模とか売却方法とか、そういうものを考えなければならぬだろうというふうに思うわけですけれども、九兆とか八兆とか七兆といういわば上回る、今回は確かに四千五百八十億のA、B、Cタイプで今回融資されるというんですけれども、それが兆の単位で出てくるということになりますと、果たして公共事業とか社会資本とかそれだけに融資をするという前提に立ちますよ、使ってしまえ、活用じゃない、使いこなしてしまえとこう今回言わないことにして、政府がおっしゃる活用という前提に立っても、一体それだけでいいのかどうか。 大蔵大臣も本会議では、自由民主党や政府でひとり占めする考えはありませんと、こう答えておられるんですから、来年、再来年、その先まで続くだけに、今回だってまあ意見あります、例えば減税に回せないのかと。我が党の野口議員との間でかなりやりとりをされて、減税に使うということも一つの方法。しかし、それは政治としていいか悪いか選択の問題だというふうに大臣はお答えになっている。その限りでは対立なんだ。対立だが、しかし減税に使ってはいかぬとは言えない、選択の問題として使いたくないんだと、それはプラスにならないからと、こうおっしゃられているわけですね。ですから私は、これだけのものについて来年、再来年というものがあるわけですから、ぜひともこの使い道というか、活用の範囲というか、そういうものについては来年に向けて野党の意見を十分間くべきじゃないか。そして有効活用、つまり大臣が先ほど答えられた外からの圧力、摩擦解消と、それから財政の立て直しという両面の矛盾をいかにして解決をしていくかという、率直な話し合いというものをやるべきではないか。そういう意味では、余り今回の法律で決められた枠というものを固定的に考えられるべきではないと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 二百五十万円で売れるという一種の仮定で話をするという、そういうことから御質問が始まっておるわけでございますが、それは私どもも承知をいたしております。ただ、その二百五十万円というのが一体いつまで、これから何年先までということになりますと、これはいかにも先の読みにくいことでございます。あるいはおっしゃいましたように、非常に大きな余裕財源ができるかもしれません、その逆であるかもしれない。それはそういうことになりまして、さてどうするかと、その段階で考えるべきことではないかと思っております。 減税にということにつきましては、やはり減税というのは恒久施策でございますから、このNTT株の財源が相当大きなものであっても、これはやはり財産処分でございますので、しょせん一時的な収入でございます。それを減税の財源にするということは、やはり財政の立場から申すと、現在のような財政状況で申しますと問題があるというふうに私どもは考えまして、このような御提案をいたしたわけでございます。
○及川一夫君 そのお答えでは私は納得できないわけですが、いずれにしても、来年に向けてもいろいろと問題は提起さしていただこうと思っているんです。つまり、大臣がおっしゃられた趣旨に立っても減税に活用さしてもらう方法はないだろうかというところまで私は考えてほしいものだと思うんですね。 例えば減税財源に活用する、つまり融資をするという方法だってないとは言えないわけです。問題は、どう返すかという課題はある。そこまで関連をさせながら減税の、つまり内需拡大につながる減税財源ということも考えたって別に悪いことじゃないか。返せる方法、手段が全くないというなら無責任ということに実はなるんですけれども、決して方法、手段がないわけじゃない。自然増収だって、時間の関係ありますからできませんけれども、二兆四千億とこう言われ、九・六%の伸び率があるんですから、来年まで維持できるんじゃないかという説すらある。それは何といっても、大臣が誇らしげに言われているように、六兆円補正というものがもう鍋底であって、補正によってさらに今度はもう上向くばかりだと、こういうプラス要素も含めまして九・六ぐらいの、話半分にしたって来年だって二兆五千億ぐらいの自然増収はあるじゃないかと、こういうふうに見る意見もがなりあるだけに、私は自然増収でもって、今回の減税論争の中でも全く自然増収を使わないわけじゃないわけでして、だからそういうものを考えながら一時融資をする、利用するというようなことがあったって不思議ではない、こんな気持ちでいっぱいなんであります。ですから、今回はそういう点これ以上詰めませんけれども、ぜひ来年度に向けてはさまざまな観点から考えていただきたいということを申し上げておきます。 で、最後になろうかと思いますが、この売却収入の問題を見詰めるときに、実はNTT事業との関連というものに対して温かみのある考え、あるいは論議というものがないのだろうかなということを思うのであります。 私は正直言ってNTTの出身で事業に携わった人間でありますから、昭和二十八年以来の合理化問題とか技術革新とか自動化、即時化、機械化、あらゆるものに実は三十数年間携わってきています。NTTの株がこれほど高いということは、やはり企業に対する信頼性の問題、人気という意味で何となく買いあさろうというものもああかもしれませんけれども、NTTの株というのがこれだけ維持されているというのは、ある意味ではNTTの社員の人たちにとっては大変な誇りだと思ってもいいと思うんです。ですから、そういう点ではいいんですけれども、ただ、じゃNTT事業は全く今問題がないのかということを考えていただきたいのであります。 民間企業ですから勝手に政府が介入するわけにいかないですから、別に介入しろと言っているわけじゃないんですけれども、つまり九月四日から新規参入の会社が入りますね、もう先生方の事務所にもゼロ・ゼロ・セブンということで恐らく流れてけるはずです、先生方笑っておられるけれども。これは一体どういうことなんだろうか、利用する方から見ますと二本の料金ができるわけですよ。少なくとも〇三、〇四、〇五、〇六、この地域以外はあのゼロ・ゼロ・セブンは使えないんでありましてね、この四つの地域だけがゼロ・ゼロ・セブンというNCCという会社の専用回線、市外回線を使える。したがって、あそこは二〇%とか二五%安くなる、こういうお話になる。逆に言えば、NTTは高いわけです、東京−大阪間だけ。これはあまねく公平にという事業法の立場から言うと、一体どんな意味合いを持つのだろうかということ。そして、このまま放置できるんだろうか、どうだろうか。 じゃNTTは新しい民間企業に倣って市外回線の料金値下げしたらええやないか、こうおっしゃる人もいるんですが、値下げをするということはそれだけ収入が減るということでございますから、それをどうフォローするかということも含めて当然企業は考えなければいけませんわね。しかも、今の料金体系は、御存じのように受益者負担方式ということになっていますからね、コスト主義になっていない。民間企業になったんだからコスト主義でやりますと絶対にこれは市内料金については現状のままで維持することはできない、ただし市外料金は値下げしてもいいかもしれない、こんな実態に立たされているんだろうと思うんです。したがって、基本的にNTTの場合には、料金問題というものを本当の意味でいじりませんと問題の解決につながっていかない。しかも公共性、公益性を持っている地域というものをかなり抱えているわけですから。新しい会社は東京−大阪間だけに市外回線を引いて、あとは全部NTTの要するに設備を使う。アクセスチャージとかそういう問題なんかを含めまして棚上げになっている。これを一体どう解決していくんだろうかというのが、国民の立場からいっても大きな私は課題であろうと思います。 そこで、郵政省の方もおいでになっているんですけれども、一体その辺のことについて、まず郵政省自体がどのような受けとめ方をしているのかお聞きしたいというふうに思います。
○説明員(松野春樹君) 今先生御指摘のように、九月四日から新電電の三社が、平均約二〇%程度安いと言われておる料金でございますけれども、電話サービスを開始いたす予定になっております。当面、いわゆる東名阪地域を営業エリアとするために、それ以外の地域におきましては、少なくとも九月四日のスタート時点におきましてはサービスを享受することができない、今御指摘をいただいたとおりであります。 私どもといたしましても、一つには、今後新規事業者がそれ以外の地域にどういうふうに営業拡大していくのかという問題があろうかと思います。それからもう一面では、民営化後のNTTでございますけれども、大変経営努力を積み重ねられてきております。我々もそのもろもろの努力につきまして、その努力を多としておるわけでございますが、今後その成果が全国レベルで利用者の方々にどういうふうに還元されるか、またその成果の還元というものを期待しているわけでございます。 この料金体系等の問題でありますけれども、私ども、先ほども先生からお触れになりましたけれども、NTTは会社法によりまして、電話につきましては全国あまねく公平にという責務を負っていただいております。したがって、その経営基盤の確立及び安定につきましては、これは私どもにとりましても大きな関心事でございます。そのような観点に立ちながら、また一面、この料金体系のあるべき姿というふうなものにつきましては、これは私どもにとりましても常に心得べきことであろうかと思います。 で、まだ具体的ないろいろな提案があるわけではないんでありますけれども、いずれにしましても、二年前のこの電気通信制度の改革の趣旨に沿った形でこの問題については対処してまいりたいというふうに考えております。
○及川一夫君 具体的に郵政省としてこれについての見解が必ずしもされていないわけですが、もう一つの側面として大臣にぜひ考えていただきたいなというのは、いいとされるNTTにも多額の借金があるというふうなことですね。NTT移行時に四兆九千億の債務がある。今現在でも四兆六千億あるはずである。これを返していかにゃいかぬ。元金返しが幾らか。僕が聞いているのでは、毎年二千億返さなきゃいかぬ。そうしないと十年期間に全体として返せないということになるものですから、そういう努力をしている。それにかかる金利が毎年六千億ぐらいかかるということですから、合わして八千億毎年毎年いずれにしても生み出していかなきゃいかぬ、こういう計算になるんですね。そして株価の方は、これは国民の財産だということで政府がさっと持っていかれるわけでして、株は一切もうNTTは関係がないんですから、関係あるとすれば社員株とそれと重役である社長以下何人かが一株ないし二株ずつ持っているというその程度で、要するに株は関係ありませんから、基本的にはNTTが上げたり下げたりをしているわけじゃないので、全然関係はありません。 したがって、政府が融資をする、そういう措置をとろうとしてもとれるわけは実はないわけでしてね。ですから、もう何か一生懸命やってきた、NTTは何も言ってないわけですけれども、私どもから言えばこれほどの株の売却収入があるのに一言もそういった問題に触れずにおっていいのかどうか、政治には温かみがあってもいいはずだがとこういう観点でいいますと、余りにも無関心じゃないか、こういう感じがしてならないんですが、大臣いかがでしょうか。
○政府委員(足立和基君) NTTが多額の債務を現在抱えておるということは承知をいたしておるわけでございますが、これはそのNTTの株式自体を国債整理基金特別会計に、いろいろ議論がございましたが、三分の二を帰属させる、そしてそれは国債の償還に充てるんだということが国会の御審議を経まして法律改正がなされたわけでございます。 今御審議をいただいておりますのは、そういう国債整理基金にそのNTTの株が帰属しておるわけだけれども、それを売却することによりまして、本来は国債の償還にすべて充てるべきだ、しかしそれがやはり多額になる可能性がございますので、その余裕資金を活用するということでございますから、あくまでも国債償還に充てるという原則を外れるわけにはまいらないのではないかと考えておるわけでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府が多額のNTTの株式を取得いたしまして、その売却益によって、ただいま御提案をいたしているようなことを考えているということにつきましては、冒頭に申し上げましたように、また先日も本会議で申し上げましたが、長い間の電電関係の方々のこれは御努力のたまものである。その点深く敬意を表しておるところでございます。それはまあ公のことでございますが、私情において非常にそういう気持ちを強く持っております。 ただ、NTTに対してそうであるならばどういうことが公にできるかというようなことは、いろいろ法律上の問題もございましょうし、行政上の問題もあろうかと思います。所管官庁におかれて、郵政省におかれて何かお考えになっておられることがございますのでしょうか、どうでしょうか。先ほど具体的なお話はございませんでしたけれども、郵政省において何かお考えでもあればそれは承ってみるということは決してやぶさかではございません。
○及川一夫君 ありがとうございました。 これで終わりますが、いずれにしても、私は企業エゴで申し上げているつもりはございません。やはり公益性、公共性、あまねく公平にということは、いかなる企業であっても電気通信事業をやる限り、当てはまる法律的な原則でしょうから、そういう立場に立って、公正競争の原則をどう打ち立てていくかということがかなり問われてくるという問題意識を持っているという立場から申し上げたつもりでございます。どうかひとつ大蔵省の方もそういう観点からも御検討いただくようにお願いして終わりたいと思います。
○委員長(村上正邦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時十一分休憩。 —————・————— 午後一時十一分開会
○委員長(村上正邦君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩出啓典君 それでは、最初に経済企画庁にお尋ねをしたいと思いますが、今審議しておるこの法律案は、提案理由にもありますように「内需拡大の要請にこたえる」という、こういう内外の要請にこたえるための法案でございますが、政府としても去る五月二十九日に公共投資等の拡大及び所得税等の減税先行による緊急経済対策を発表をして、今回のこの審議の法案もその一環であるわけでありますが、その結果、我が国の経済の状況は景気も非常に拡大基調、あるいは貿易経常収支等も好転に向かっておる、このように理解をしておるわけでありますが、そのあたりの状況について経企庁としてはどのように判断をされておるのかお伺いしたいと思います。
○説明員(糠谷真平君) お答えを申し上げます。 ただいま御指摘のございました緊急経済対策、五月の二十九日に決定をいたしました後、その財政的な裏づけとなります補正予算も先般成立を見たわけでございますので、これに基づきまして、現在各省庁、対策を鋭意実施に移しているところでございます。 この効果でございますけれども、まだ具体的に数字でお示しをするというところまで統計的な制約もございましてできませんけれども、GNP全体に対する効果といたしまして、かた目に見まして今後一年間に二%程度の効果があるのではないかと私ども試算をいたしております。そういうことでございますので、最近の経済情勢とあわせて考えますと、三・五%程度の経済成長という見通しは達成し得るのではないか、このように考えております。 それから、貿易収支、経常収支の動向でございますけれども、最近ドルベースで見ましても黒字幅縮小の傾向にございます。今回の対策によります内需拡大効果、あるいは十億ドルに上ります政府調達等の効果を考えますと、やはり今後一年間で経常収支に対する効果は五十ないし六十億ドルあるのではないか、このように考えておりますので、経常収支の黒字幅も今後着実に縮小していく、このように考えているところでございます。
○塩出啓典君 経企庁は、きょうの新聞見ますと、経常黒字が昨年に比べて百四十億ドルぐらい減少するであろうと、そのように予測をしているようでありますが、これは大蔵大臣にお尋ねしたいと思いますが、こういう経常黒字がだんだん減少に向かっておると、こういうのは定着したとお考えであるのか、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) けさ私もそういう報道は読みましたのでございますが、正式のものかどうかを存じません。 まあ一つは、多少石油価格の上昇が見られるという点がございますし、それから我が国の輸出入で申しますと、数量としては輸出がやや微減、大きな減ではございませんが微減、輸入がやや微増という、そういう傾向は見えるわけでございますけれども、それは数量のことでございまして、ドルに換算いたしましたときに果たしてどういうことになるのか。まあ希望といたしましては経常収支も貿易収支も縮小してほしいということを考えておりますけれども、今の段階でどれほどということを申し上げられるものかどうか、ちょっと私に定かでございません。
○塩出啓典君 次に、日銀の副総裁にお越しをいただいておるわけでありますが、新聞紙上等をずっと拝見しておりますと、日銀といたしましても、景気は秋口から自律拡大の方向に行くんではないかと。一方、マネーサプライが三カ月二けた増である。あるいはまた、東京等においては建設資材等を中心に非常に値上がりをしておる。そういう点から、やはりインフレに対する警戒をしていかなければならない。こういうような報道を見受けるわけでありますが、また現実に、これはまあ卸売物価指数には出ませんけれども、地価の高騰はもう御存じのとおりでありまして、私たちもインフレというものには大変心配をしておるわけでありますが、そういう点について日銀当局としてはどのように考えておられるのか、現状を把握されておるのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(三重野康君) お答え申し上げます。 最近の物価動向でございますが、卸売物価につきましてはややじり高の気配が見えますが、しかし総じて言えば、卸売物価、消費者物価ともに幸いにしてまだ比較的落ちついた推移をたどっていると思います。先行きにつきましても、国内の需給状況、賃金コストあるいは輸入増大の可能性も含めた供給余力があるというようなことから考えまして、当面こうした物価の落ちついた基調は変わらないと、こういうふうに判断をしております。 ただ、そうは申しましても、注目すべき点が幾つかあるわけでございまして、一つは、やはり先生が今御指摘になりましたマネーサプライの増加でございます。昨年の十−十二月、前年比M2プラスCDで申しまして八・三%でございましたものが、ここ三カ月ほどは一〇%台になっております。このマネーサプライがふえているということは、金融が十分緩んでいるということと同時に、先行き物価を押し上げるプレッシャーになるということから見て、私どもとしてはその推移に気をつけているわけであります。 それに、原油を初めとしまして非鉄、貴金属等もそうでございますけれども、一時は非常に低迷しておりました国際商品市況がここのところかなり値上がりをしてきている、これもこれから先行きについては注目していかなければならないと思います。 それから第三点は、これまた先生が御指摘になりましたように、住宅投資が非常に盛んであるし、またこれから公共投資もふえてくるということから、一部建築資材あるいは化学製品が値上がりをしてきておりまして、ちょっと具体的に申しますと、棒鋼は去年暮れがトン当たり三万三千五百円であったものが今は四万六千円になっております。合板は、去年の暮れ一枚千三百円だったものが今現在千四百三十円。塩ビ管、これは去年の暮れ一キログラム当たり百八十三円だったものが今二百円と、大体一割から二、三割方上がってきておりまして、ただもっともこれがすぐにほかの物価へ波及してインフレが出てくるというふうには考えておりませんが、こういう点については引き続きよく注意してまいりたいと思っております。 もちろん、申すまでもございませんけれども、物価の安定ということが経済運営の最大の前提でございますので、私どもといたしましては現在の金融緩和基調というものを維持するという点については変更はございませんけれども、今後とも先ほど申しましたような点を含めまして、物価の動向には一層注意して慎重な政策運営をやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○塩出啓典君 特に、今後の物価との対応において日銀としてはどう考えておられるのか、今回の法案等の内容は公共事業、公共投資の内容でありますが、そういう場合に非常に集中的な投資を避けるとか、あるいは今東京にすべてが集中しておる、そういう意味で東京集中を避けて、むしろ不況地域に重点を置くべきだというような、そういうような意見もあるわけでありますが、そういう点についてのお考えはどうでしょうか。
○参考人(三重野康君) 公共投資関係の実施に当たりましては、これは政府のいろいろ御工夫にあずかるところと思いますけれども、私どもといたしましては、先ほども申しましたように、物価の安定ということから申しますと、公共投資の執行その他についてはさっき申し上げましたような点も御勘案の上、執行に御注意いただければ大変ありがたいと、こういうふうに考えております。
○塩出啓典君 これは大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。 今回の法案の内容、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプという公共事業があるわけでありますが、特にAタイプあるいはCタイプというものは採算性というものでその工事に伴う利益からある程度償還できると、そういうことを考えますと当然これは東京とか大阪とか人口の多いところに集中しちゃうと思うんですね。そういう意味から、今は私の住んでいる広島等は造船不況、大臣も同じ広島県でありますが、そういうところが全国各地にあるわけで、東京と地方とのそういう格差の増大というものがいろいろな問題になってきておるわけでありますが、そのような意味で、この予算の執行に当たってこういう点の配慮はなされているのかどうか、この点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般、補正予算を御審議いただきましたわけでございますが、この補正予算の執行に当たりましては、いわゆる地域による前倒し、地域による傾斜配分というものをかなり配慮をいたしたつもりでございます。殊に、もともと今回のプラザ合意以来の景気より前から落ち込んでおります例えば北海道あるいは四国でございますが、そういう地域に加えましていわゆる造船でございますとか、石炭は以前からでございますが、鉄鋼でございますとか、そういう企業城下町と言われるようなところの落ち込みが大きゅうございますので、そういうところへ傾斜配分をいたすことを補正予算でも心がけたわけでございます。 それから、このただいま御審議いただいております法案に関しましても、「地域の活性化」ということを提案理由で申し上げておるわけでございますが、これはやはりそういう意味での落ち込みの大きい地方からいろいろ地方としての面的開発でありますとか、あるいはその地方地方のいろいろプロジェクトがございますので、殊にBとCでございますが、それらについては重点を置いて施行をいたしてまいりたいと考えております。
○塩出啓典君 それからこの際、日銀副総裁にお尋ねしたいと思うのでございますが、昨日の新聞で、米国の有力格付機関であるムーディーズ社が日本の金融機関に対する格付を下げたと、あるいはまた下げることを検討しておると、こういう報道がなされておるわけでありますが、今日本の金融機関も自己資本比率を上げるということで秋には非常に増資をされると、そういうことになると我々もこのNTTの株価への影響もどうなるのかということを心配しておるわけでありますが、この邦銀四社の格付引き下げの決定、こういう問題をどのようにとらえておられるのか、今後の影響は心配はないのかどうか、この点をお伺いをしたいと思います。
○参考人(三重野康君) 先生御指摘のとおり、アメリカの大手の格付機関が日本の銀行四行について格付を引き下げという報道は私どもも承知いたしております。ただ、これは民間の格付機関が個別金融機関に対する格付をしたという問題と違いまして、その影響等につきましてあれこれ私から申し上げるのは余り適当ではないと思いますが、一般論として申し上げますと、これまた先生御案内のとおりでございますが、金融のいわゆる自由化、国際化というものが急速に進展してまいりました中で、金融機関を取り巻く経営環境というのは非常に大きく変化をしておる。その間にあってもちろんいわゆる収益機会がふえてきているわけでございますが、それと同時にさまざまなリスクが多くなって、それにさらされる危険もまた高まってきているわけであります。 個々の金融機関といたしましては、そういった環境変化に十分対応できるような経営力を強化する、そういったことが必要になってくるわけでありまして、もちろん日本側の銀行もそれに努力はいたしておりますが、私ども中央銀行といたしましてもその方向で個別金融機関を指導してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○塩出啓典君 それから、次に大蔵省にお尋ねをいたしますが、今公共事業の執行におきまして土地の取得費というものが非常に大きな問題になっております。いわゆる地価の高騰が国民生活にも非常に影響を及ぼし、また公共事業の執行の上においても大きな問題になっておるわけでおりますが、この地価対策と今回の補正措置との調整について大蔵省としてはどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(斎藤次郎君) 今回の補正予算におきます公共事業の追加に当たりましては、その内需拡大効果を最大限に発揮させるというねらいもありまして、原則として用地費への充当は行わないということにいたしておるわけでございます。したがいまして、地価への直接の影響は比較的少ないのではないかというぐあいに考えておるわけです。 また今後、今度の貸付制度を初めとしまして、公共施設整備を進める際は、高地価地域におきましては今いろいろな地価対策は検討されているわけでございますけれども、公共事業の執行面でもいろいろ工夫をいたしまして、例えば公共用地の活用とか、下水道が典型的な例でございますけれども、地下の利用というのを図るよう、執行官庁で十分協議してなるべく影響が少ないように取り運んでいきたいというぐあいに考えているわけでございます。
○塩出啓典君 これは大蔵大臣にお尋ねしたいと思いますが、地価の問題につきましては新行革審の土地対策検討委員会でいろいろこれから論議が進められ、やはり土地の私権制限というものも利用については制限をすべきだ、こういうような論議もあるわけでありますが、確かに今土地が投機の対象になっておるということは非常に我々も残念に思うわけです。 そういう点からいえば、例えば坪一億円で買った人はやはりそれ相応の固定資産税なり保有税を払えと、こういうような意見も非常にあるわけでありますが、しかし一方、そこにずっと住んでいる人は周りの地価が上がったために固定資産税が非常に上がって困ると、そういう東京都を中心に固定資産税を据え置けというような運動も非常に大きいわけで、そのあたり両者の意見は反するわけですね。また一方、地価を勝手に上げさせないように法律で規制をしろという、こういうような意見もあるわけですけれども、私はやっぱり法律で規制をしてもこの需要と供給の関係、あるいはまたそういう点から法律で地価を下げろとか、そういうようなことは限界があるんじゃないか。そうなると、やはり税制というものが自由経済の中において地価を安定させるためには税制のあり方というものが非常に私は大事になってくるんじゃないかと思うんですね。そういう点について大蔵大臣はどのように考えておられるのか、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、御指摘のように、新行革審におきまして取り上げていただくことになっておるのでございますが、税制の面で申しますと、私どもはやはり税制も大事でございますが、それは一つの補助的な意味で地価の安定に貢献をするという、そういう性格のものではないかと存じております。 私の直接の所管で申しますと、例えばこのたび短期の譲渡所得に対しては重課をすべきものだということで御提案を申し上げておるわけでございますし、またこれは税制ではございませんけれども、金融面では、金融機関に対しましてかねて通達はしておりましたが、事態が非常に深刻になってまいりましたので、具体的に金融機関を大蔵省に招致いたしまして特別ヒアリングのようなことをいたしております。これはヒアリングではございますが、ある意味で自粛を求める警告的な意味も持っておりますので、それなりの効果を上げつつあるように存じます。 なお、固定資産税、特別保有税、これは自治大臣の御所管ではございますが、やはり現実に譲渡という事実があっても所得が発生いたしておりませんと、保有税的なものはやはり担税力にはいわば限りがあり、現実に生じない所得に対してかけるというわけにまいりませんので、保有税的なものにはやはり一つの限界があるのではないかと、これは私自身の所管ではございませんけれども、そういう考えを持っております。 総じて、しかし税制も補完的ではございますけれども、やはりこの問題についてできるだけのことをして高騰を防止しなければならないと考えております。
○塩出啓典君 自治省の方にお尋ねしますけれども、今の都市周辺の地価の高騰により固定資産税の負担増をもっと減らしてもらいたいと、こういうような運動もあるわけでありますが、そういう問題について自治省としては今どのようなスタンスで検討されておるのか、それをお伺いをしておきます。
○説明員(佐野徹治君) 固定資産税の評価がえにつきましては、これは六十三年度行うということで現在課税団体におきまして作業中でございます。自治省におきましてもこの評価の基準となるような地点、これを基準地主言っておりますけれども、この基準地につきまして適正な評価が行われますように現在課税団体と調整中でございます。この場合、大都市地域の異常な地価の高騰と申しますか、そういう点につきましては、やはり十分に配慮をいたしながら課税団体と調整を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 それから、昨年の十月の税制調査会の答申におきまして、この固定資産税の負担と評価の問題につきましては、「評価に当たって引き続き均衡化、適正化に努め、中長期的に固定資産税の充実を図る方向を基本とすべきである。この場合、多くの納税者に対し毎年課税されるという固定資産税の性格を踏まえて、負担の急増を緩和するためなだらかな増加となるような配慮が必要である。」とされておるところでございまして、私どもこの趣旨を踏まえまして検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○塩出啓典君 それから次に、これは午前中もいろいろ論議のあったところでございますが、特にBタイプについては一昨日も大蔵大臣はいろいろな例を挙げられて十年間毎年、十年かけてやったものをまとめてやることができると、こういう点でBタイプの事業についてのメリットを説明をされたわけです。これをいわゆる建設国債を発行してやる。そういう場合のその違いはどこにあるかと言えば、結局建設国債を発行すれば建設国債の発行金額が多くなるので、この方法でやれば建設国債の発行を抑えることができる。そういう御答弁だったと思うんですけれども、しかしそれはもう見せかけだけの違いであって、私はむしろ国債発行をありのまま国民の皆さんにも、また諸外国からも見えやすいようにやっぱり単純化していかなければいかぬのじゃないか。 今まで政府のいろいろなやりくりを今日見てまいりますと、例えば厚生年金の国庫負担金の繰り入れの特例とか、あるいは住宅金融公庫補給金の一部繰り延べ、あるいは国民年金特別会計への国庫負担金の繰り入れの平準化、あるいは国債整理基金特別会計への繰り入れ停止もそういうことになるわけですけれども、そういう見せかけの国債発行を少なくするそういうやり方は私はいかがなものか、非常にわかりにくいと思うんですよね。そういう点どのようにお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 塩出委員もよく御存じいただいておりますように、我が国の財政はごらんのような現状で、財政再建のまだ途上でございますが、同時に内需拡大、社会資本充実ということが内外の課題になってまいりまして、財政もその一翼を担わなければならないといういわば二つの矛盾した命題を私ども持っておるわけでございます。このたび御提案いたしましたNTT株式売却益の活用は、その矛盾した二つの命題をともかく幸いにしてNTTの売却益が大きく出ますので、これをもってその処理をさせていただきたいとこう考えたわけでございます。 そこで、塩出委員のお尋ねは、むしろこの際、建設国債を入り用なものならば出した方が正直ではないかという、国民を迷わさないのではないかというお尋ねでございますが、幸いにしてこのようないわば余裕金と申しますかがございますので、これを使うことによりまして、少なくとも今発行いたしますならばそれだけの金利負担を生ずるわけでございますから、それをしないで済むというメリットが現実にございますし、Bタイプの場合、将来いずれかの時期に補助金でこれを償還いたしますと、そのときにあるいはそれに必要な建設国債というものが発行されるかもしれない、しかしそれはあるいはそうでないかもしれない。私どもとしては財政再建の目標を持っておりますだけに、将来になりますと、それだけの補助金相当額を建設国債に頼らずに支出し得るそういう望みは決してないわけではないと考えておりますので、いわば現在の金利負担というものを背負わないで済むということ、並びに将来これは財政がもう少し正常化いたしますと建設国債によらずに支弁をすることができるかもしれない。 そういう二つのメリットを考えておりまして、これはいわば国民の目をごまかすために何か一つの便法をとったというものではないというふうに私どもは考えるわけでございます。
○塩出啓典君 結果的には、そういう国債発行の見せかけの金額が非常に少なくなる、それ以外は余り違いはないと、このように理解をしていいわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 少なくとも現実に金利負担というものがあるないはもう明白でございますし、将来その建設国債もあるいは発行しないで済むかもしれない。片方の社会資本の充実、内需拡大が急ぎますだけに、やはりそれを早くやってしまいたいということでこういうことを考えたわけでございます。
○塩出啓典君 私は、そういう点、大蔵大臣の意見とは一致をしないわけでありますが。 そこで、こういうAタイプ、Bタイフ、Cタイプの公共事業があるわけですけれども、これをどこの工事にこれを適用するかということは、これは非常に大きな問題だと思うんですね。今までの当委員会においては、一体どの工事とどの工事にこれを適用するのかと、そういう点については建設省等からもこれは予算が決まるまでは発表できないというお話でしたけれども、これは発表はしなくてもそれはいいと思うんですけれども。ただ、本当にこの法案の目的を達成できるような箇所にこれを実施をしていかなければいけないんじゃないかと私は思うんですけれども、そういう点、大蔵省としてはどのように考えておられるのか。それで、どういうところに適用されるかというその基準というのはどのようにお考えですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 今回の法律案に基づく無利子貸し付けには三つのタイプがあるわけでございます。 Aタイプは、いわば従来にない制度でございまして、公共事業の分野に無利子の貸し付けを行って、その公共事業が行われた事業、ないしはそれに密接に関連する事業から上がる収益で元本部分を返していただくという意味で従来にない制度であるわけですけれども、これは具体的に申しますと、工業団地の造成等の開発プロジェクトがございますと、それと一体的に整備されるインターチェンジ、連結道路というものを整備して、これに要する費用に充てるというようなものを考えているわけでございます。 それから、Bタイプのいわゆる補助金型と申しましょうか、収益性のない公共事業につきましては、これは収益が出ない、それから将来の償還費は国からの補助金で手当てをするということからいいまして、従来型の公共事業と経費の性格からいうと変わりはないわけでございますが、これにつきましても面的な開発事業等の一環として一体的緊急に実施することが必要な公共施設整備ということで、いわば面的開発に伴って必要になるいろいろな公共施設につきまして、これを重点的に投入していくというようなことを考えているわけでございます。 それからCタイプは、日本開発銀行等を通ずる無利子貸し付けで民活事業等を推進するために行うわけでございますけれども、これは地方公共団体が出資する第三セクターが行う民活法対象の研究開発施設、国際会議場とか国際見本市場などの施設を整備する事業というようなものに重点的に貸し付けを行うというぐあいに考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 時間もございませんが、ひとつこういう事業の執行に当たっては、本当に公平に、また効果のあるところに適用されると、いやしくも利権につながると言われるようなことのないように、こういう点を強く要望をしておきたいと思います。 それから、この制度は、提案理由の説明等を拝見しますと、「当分の間」とあるわけですが、私はやはり経済の動きは余りむらがあってはいけない、ある程度なだらかに長期的展望に立ってやっていかなければいけないと思うのでありますが、この「当分の間」というのは一体何年であるのか。長期的展望はどうなのか。 それから同時に、NTTのこの売却益等においても、株価の低下の場合、特にきょう午前中もお話がありましたように、第二電電の進出に伴うNTTへの影響、あるいはまた資本市場におけるいわゆる金融機関等の動向等を考えて、NTTの株価に対する変動要因も非常に多いと思うんですが、そういう点についてはどのようにお考えでございましょうか、これをお伺いをいたします。
○政府委員(斎藤次郎君) 「当分の間」と法律に書きました趣旨は、法律的に申し上げますと、第六条の「繰入規定」がございまして、それに申します「当分の間」というのは、このNTTの活用方策はNTT株の売却収入がなくなりますと、あるいはそれの活用の財源がなくなりますとできませんものですから、そういう意味で「当分の間」ということを規定で申しておるわけでございますが、その他の規定に言う「当分の間」というのは、最終の償還金が国債整理基金に繰り戻されて国債の償還に充てられるまでの間という意味で「当分の間」という置き方をしているわけで、その意味が法律的には違いますけれども、私どもとしましては、今後のNTT株の売却状況あるいは今後の国民生活に緊要な社会資本の整備の状況というようなものを勘案して、その活用をできるだけ円滑に行っていきたいと考えているわけですけれども、それでは具体的にその「当分の間」というのがいつになるかというのは、やはり売却収入の状況、そのときの経済状況、社会資本整備の状況等を勘案して決めていくということで、現在何年度までということを明確には申し上げられないということを御理解いただきたいと考えます。
○塩出啓典君 そうすると、ことしは四千五百八十億円ですか、六十三年度は一兆数千億円、まだ概算の段階ですがそのように言われておるわけです。これは大体六十三年、六十四年以降、金額的にはどうかということもこれは全然決まっていないと、そういうことですね。
○政府委員(斎藤次郎君) 今回の補正におきまして四千五百八十億円の計上をいたしたわけでございます。それから、来年度の概算要求基準におきまして総額一兆三千億の要求枠が決まったことも事実でございます。 ただ、これが具体的に六十三年度以降どういうぐあいになるかというのは、まだこれから予算編成の過程で決めていくことでございますし、六十四年度以降につきましては、まだ現在そういう意味で活用枠については全く白紙という状況でございます。
○塩出啓典君 私は、非常に行き当たりばったりと言えばちょっと大げさかもしれませんけれどもね、非常にそういうような感がいたします。したがって、これはNTTの株が全部今予定されているのを売却してしまえば、もうこの制度はストップする、あとは返済基金があるからその分は残るにしても、その貸し付けの方はもうストップする、そのように理解していいわけですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはこれからの問題なんでございますけれども、NTTの株式がそこそこの値段で売れるといたしますと、今朝も御質問がございましたけれども、かなりの金額でございます。償還予定の国債額を差し引き、そして国債整理基金の余裕金を見ましてもその間にかなりの余裕が出るように感じられますが、他方で毎年の、来年で申しますと一兆三千億でございますけれども、このうちBタイプの支出を一兆円予定しておりますから、これは一般会計の公共事業費のほぼ二割でございますが、したがいまして、金があるからといってそうむやみに毎年毎年使えるものでもないし、また使っていいものでないかもしれないという意味は、かなり先へ繰り延ばして使えるのではないかという感じを持っております。 そうしておりますうちに、これはだんだん回収金が入ってまいりますと、その際に国債償還がどういう状況になっておるかにもよりますけれども、あるいはまた、それが回転をするということは十分考え得ることで、有用である限りは、私はほかの事情が許せばそういうふうにしてかなり長く働いてくれるのではないかというふうに思っております、将来の見通しいかんでございますが。
○塩出啓典君 もう最後に、この提案理由には「国債の償還等国債整理基金の円滑な運営に当面要する資金を上回る資金が、同基金に蓄積される」、そういうことでこれを活用する。しかし、今日までの累積しております国債の利払い、さらには償還ということは、毎年の政府の収支試算から見ても六十五年赤字国債脱却という政府の掲げた目標を実施するにも大変なこれは調整額が必要なわけでありまして、そういう点考えれば、私はこういうNTTの売却益というものも本当に長年の関係者の努力によって生まれた国民の財産でありまして、そういうものをやはり大事に使っていかなければいけないのではないか。そういう意味で、いささかこの現下の我が国の置かれた財政事情の厳しさということ、何か一時ちょっとNTTの株が余裕資金ができたからといってやっぱり国債償還の大変なことを忘れてはいけないんではないか、私は、まあそういう気がいたします。これは我々よりも関係当局の大蔵大臣の方がはるかに認識はされていると思うんですけれども、そういうような気がいたします。 そういう意味で、財政の節度については、これは余り超緊縮ということはどうかと思いますけれども、その節度はひとつ保ちながら運営をしていただきたい、これを要望しておきます。 それと、この利払い費、もう毎月の国債の利払い費というものは大変な額になっておるわけでありまして、そういう点から考えて、普通の民間の企業等においてはこの借入金の金利を安くするためにいろいろ借りかえをしたりそういうような努力をされておるわけですけれども、私はもっとやはり国においてもこの国債のより安い利子の金を活用できるように、前々から、高金利のときには短期の国債を、低金利のときには長期の国債の発行をもっと弾力的にやってそういう利子負担が少なくなるように努力をしろ、こういう意見もあるわけですが、この点についての大臣のお考えをお聞きして終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) そればまことにごもっともな御指摘であると存じます。 最近、できるだけ金利の安いときには長い国債をと考えまして、そういうこともいたしております。国も国民の負担になる国債でございますので、金利情勢に合わせましてやはり工夫をしていかなければならない、また現実にそういうことをいたし始めております。
○多田省吾君 私は最初に、本二法案に関連いたしまして、大蔵省が大臣の指示で今年の八月六日に、「民間活力活用プロジェクト推進のための新しいファイナンス方式について」という試案を発表されておりますが、この一の「はじめに」は、「内需拡大に対する内外の要請は強く、社会資本充実による経済の拡大が望まれている。」これに対して、どうこの民間活力活用プロジェクトを推進していくのかというのが出ておりまして、それから二番目に、「NTT株売却益の活用」これは開銀等を通じて無利子融資をするものである、この意義が述べられて、三番目に、「新しいファイナンス方式」として七つの構想が述べられているわけでございます。その一として「レベニュー・ボンド」、「第3セクター等が、収益事業化が可能な大型プロジェクトを行うに際し、そのプロジェクトの事業から生ずる収益を元利金支払いの原資として発行する債券のこと」だと、このような解説もございます。また、第二といたしましては「民活プロジェクト・ファイナンスのための銀行の転換社債の発行」こういった内容もございます。 こういった試案がつくられておりますが、大変関心を呼んでおられる、たくさん問い合わせもある、つくった資料も増刷分を含めて既に何百部も出ている、こういうことが報ぜられております。これはしかし、大蔵省の見解ではないと、議論のたたき台を提供したものであるというような解説も行われているようでございますが、これはどのような内容でどういう立場でつくられたものか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(角谷正彦君) 今、多田委員御指摘のように、プロジェクトチームのこの試案につきましては、大蔵省大臣官房の審議官室あるいは財政金融研究所の研究部の若手職員がこの試案をつくったわけでございますが、この問題、確かに今御指摘のように、非常に民間には豊富な資金がある、この民間資金を利用しながら社会資本の整備、特に民活プロジェクトを円滑に推進できる、そのための新しいファイナンスの方式が考えられないかということをいろいろ非公式に勉強いたしましてつくったものでございます。そういった意味で、これは大蔵省の、今も御指摘のように、正式の見解というよりは、そういったことの勉強を公表することによりまして、具体的なファイナンス方式につきまして今後民間各界各層がいろいろ勉強していただいて議論をしていただく、そのための一つのたたき台、こういった性格を持っているものでございます。 その中身につきましては、今先生から御指摘がございましたように、七つの方式が一応具体的に勉強課題として挙げられているわけでございまして、これは先ほどお話がありましたように、一つはレベニュー・ボンド、二番目は民活プロジェクト・ファイナンスのための銀行の転換社債の発行、三番目には収益還元型借地方式、四番目にはいわゆるコンパーティブル・モーゲージといいますか、持ち分の転換貸し付け、五番目には土地信託の活用、六番目には、ちょっと名前はあれですが、社会資本の開発総合信託といったもの、七番目には分離型ワラント債、いわゆる新株引受権付きの社債の発行、こういった七つの方式につきまして一つの研究の勉強の成果というものを公表している、こういったことでございます。
○多田省吾君 その七つの方式がいずれも法律改正は必要としないと、そして民間がこれをやろうとする場合には、大蔵省との調整をいただくわけで済むのではないかということでございますが、こういう方式をやりたいという場合は大蔵省はすぐ相談に乗って認可する、こういう立場でございますか。
○政府委員(角谷正彦君) 今申し上げました試案の性格あるいは民間活力開発のためのプロジェクトのファイナンスの方式という問題の性格からいいまして、こういったものはまず民間側でいろいろ議論を深めていただきまして、これが具体的にフィージブルかどうか、果たして関係者の間で調整がつくような性格のものであるかどうか、そういったことを具体的にまず民間サイドで煮詰めなくちゃならぬといったことが前提でございますが、そういった状況を踏まえながら行政当局としても検討していくことになるんじゃないかと、こういうふうに考えております。
○多田省吾君 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、大蔵大臣はかねてから国民資産倍増論というものを、国民資産倍増計画ですか、おっしゃられておりますけれども、この七つの方式が大蔵大臣のおっしゃる国民資産倍増計画とも関連しているのではないかと、このように。受けとられておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この今御審議いただいております電電関連のこういう仕組みを、実は事務当局に何か考えられないかと言って私が申しましたのは昨年の暮れでございますが、これは社会資本充実のためにいわば国の金を活用するということであったわけでございますが、同時に社会資本は何も財政だけでなく、あるものについては民間の資本、民間の力を借りてもできるものが社会資本の中には少なからずあると、こう思いました。そういう見地から大蔵省の有志の諸君に何かの形で民間資金を活用して社会資本を充実する方法はないだろうかと、現に民間である程度やっておられますけれども、余りたくさんは行われておりませんから、法律を変えるとなれば時間もかかることでございますが、今の法律の中で外国のこともいろいろ研究してみたり、諸君も知恵を出してみていろいろやれる方式があるんではないかという、いわば宿題を出しまして、この諸君が考えてまいりましたのが今政府委員が御説明をいたしましたような七つの例示であったわけでございます。 これは研究の過程の中で当然その民間のその方の人たちの意見も徴したりは当然いたしておりますが、それは全部いわば非公式と申しましょうか、いわばアドバイスを求めたというようなことで、公式のことではございませんから、このたびこういうことをいわば発表しましたのは、いかがでしょう、これを民間の方々がごらんになってなるほどおもしろい、やれると思われるならひとつ御検討されてはどうでしょうかと、役所としては法律を改正する必要もないし、いわんや法律に触れるものでもないということを考えておりますが、民間はどうお考えかということで、いろいろ現実にじゃやってみようかというようなことが出てまいりましたら、必要なアドバイスはこちらももし入り川ならいたしますし、前向きに民間の方に取り上げていただけば民間資本が社会資本の充実にいろいろ一役買ってくれるのに役立つのではないかと思っておるわけでございます。
○多田省吾君 宮澤大蔵大臣が国民資産倍増計画という私案をお持ちと聞いておりますけれども、資産のある人がますますその資産を多くする、充実させるということもありましょうけれども、資産のない人がいかにしてこの資産を持ち得るようになるのか、これも国民的に大事だと思いますが、大臣のおっしゃるその計画というものは、余り時間をとっていただいては困りますけれども、簡明にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国民資産、どうも適当室言葉がなかなか見つかりませんで、よくインフラストラクチャーなんということを申しますが、そういう意味では社会資本及び住宅というふうに、住宅はしばしば個人が持っておりますから、個人の持っておりますものが多うございますから、これを社会資本というのにはちょっと、そうであるものもあり、そうでないものもあるという感じがいたしまして、なかなか両方ひっくるめていい言葉がございませんが、申しますと社会資本と住宅ということで、それを倍増と申しました意味は、名目的に土地の価値が二倍になってしまったとかいうようなことを申そうとしたのではございません。例えば下水道の普及率が今三六%でございますと、これをやっぱり何年かのうちには七、八〇%にはしなければならぬではないか、あるいは公園の面積がこれこれであればこうと。そういったようなことを実は主体に、住宅はまた住宅がございますけれども、そういうふうに考えておるわけでございます。
○多田省吾君 もう一つ関連してお尋ねしておきたいのですが、前に大平元総理が田園都市国家構想というものを打ち上げられたことがございまして、本会議等でもたびたびおっしゃったことがございました。代々の総理がこういった構想を打ち上げられることは結構でございますけれども、宮澤大蔵大臣としては、この十年ほど前に大平元総理がおっしゃった内容についてどのようなお考えをお持ちでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国は輸出が大事だということで、戦後専らそれを心がけて、三十年余りたった段階で大平総理が考えられましたことは、それも大体もういいところまでいっているのでやはり生活環境というものが大事ではないか、殊に東京にばかりいろいろなものが集中するということはやはりそれなりの弊害もあるということから、いわば各地域において田園都市とも言うべき職場の環境、住居の環境、それをつくり上げようという発想であったと思います。それはいわば今日でも国民が望ましいと考えておる、あるいは四全総でもそういうことを考えておるように思いますが、そういう構想につながるものであろうと思っております。
○多田省吾君 法案に入りましてお尋ねいたしますが、六月二十二日の財政制度審議会における「六十二年度補正予算の編成についての報告」、その中に「このように蓄積された資金については、その本来の趣旨に則し、特例公債を中心として現行の償還ルールを上回る償還を行い国債残高の減少に努めることが考えられる一方、」と、このように一応原則は述べているわけでございます。私は、財政体質を強化するためには今政府がやっておられる赤字国債の体質を早くなくそうということ、それからもう一つは、やはり今の国債残高が今年度末に百五十三兆円にも及ぼうというときでございますので、国債残高を少しでも減らしていこう、これは利払い等を考えるとどうしても大事でございます。その二つがやはり財政体質を強化する方向であろう、このように思いますし、このたびのNTT株売却の収益につきましても、第一義的にはやはり現行の償還ルールを上回る償還を行って国債残高の減少に努めるということがこれは原則であろうと思います。 私は、五十九年のあの借りかえの制度発足のときも大変残念に思ったわけでございますが、その附帯決議等にもありますように、少しでもやはり国債残高の減少に努める、こういう姿勢、またそういう行動が大事ではないか、こう思うのでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(足立和基君) 財政審の答申にもございますように、確かにNTTの売却益が国債整理基金にたまる、それを財政再建の見地から特例公債の償還に充てるというのも一つの考え方でございますけれども、現在の財政状況あるいは現在の経済情勢、こういうものを総合勘案いたしまして、国債整理基金にございます当面国債の償還に要する資金を上回る資金というものを社会資本の充実、こういったものに役立てるために無利子貸付制度を設けて行う。そう考えたわけでございまして、大臣からも御答弁いただいておりますように、財政再建とそれからまた現在のその内需拡大の要請というものを総合勘案の上、ぎりぎりの選択を行ったわけであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま理財局長がお答えいたしましたように私も考えております。
○多田省吾君 大臣は、もう財政体質が非常に弱くなっているこの現状におきまして、赤字国債をなるべく早くなくす、こういう方向も大事であろうけれども、国債残高の減少に努めなければならないということも私は非常に大事であると、このように思いますが、この点いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのように考えております。
○多田省吾君 今お答えのように、このような社会情勢、経済情勢のいかんでは、社会資本の充実のために、また内需拡大のために、どうしてもやむを得ずこの「円滑な運営に当面要する資金」を上回る国債整理基金に回ったところの資金を活用すると、こういうことでございますけれども、これは確かにそういう方向も考えられようとは思いますけれども、私は、第一義的にはやっぱり本来の趣旨に即して国債残高の減少に努めることが大事であり、少しでもやっぱりそういうことをやってほしかった。もう一つは、やはりこういったA、B、Cタイプの事業、無利子融資、これも全然わからないということではありませんけれども、どうしてもやっぱり地域的に偏る、あるいは内容的に偏るという面もございます。それよりも、この国民共有の財産を活用するためには、野党が言ってまいりました所得税減税の財源として活用することは、国民として反対はしないだろうと私は思います。そういう意味で、それがなされなかったということについては大変残念に思うわけでございます。 このNTT株の売却益の幾らかを所得税減税の財源とするならば、野党の主張する所得税減税二兆円、あるいはそれに近づく減税というものが私は達成できたものと、このように思います。ですから、どうしてもそれができなかったという理由、まあいろいろ今までもおっしゃっておりますけれども、どうしても納得できない。国民共有の財産を活用するという面からいえば最もふさわしい活用の仕方である。まあ三年とか四年とかしか活用できないとおっしゃるかもしれませんけれども、私はそれまでには与野党一致して所得税減税の本来のあり方というものがきちっと私は確立できるのではないかと、このようにも思います。 で、今それができないということ、どうしても所得税減税の財源には回せないとお考えのようでございますけれども、もう一度この辺の納得のいく御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 減税というものが国民にとっては非常に望ましいことであり、また今の我が国の状況からして大事なことであるということは私も全く異存がございませんけれども、やはり減税というのは、戻し税のようなものでございません限りは、恒久的なものでございます。そういたしますと、財政の見地からいえばやはりそれには恒久財源というものが望ましい。NTTの金はかなりこれから一年だけでなく入ってまいるでございましょうけれども、しょせんこれは財産処分でございますから恒久財源とは申しにくい、そういうことは本来好ましいことではなくて、減税は減税なりの恒久財源を探すべきではないか。 それから、減税に充ててしまいますと、それはいわば使われてしまうわけでございますから、国債償還にと両方のことはできない。この場合、いわば活用することによって二つの機能を果たしてもらいたい、こう考えたわけでございます。
○多田省吾君 Aタイプ、Cタイプについて最初にお尋ねしたいのでございますが、Aタイプで言えば、もう既に建設省から道路整備に八十億円、公園等に三億円という要求が出ているようでございまして、御説明の中でも地方道路公社が公園と有料地下駐車場を一体的に整備する場合なんかが将来その事業の利益で借入金を返済できるんだと、こういうことでそういう方向に使おうとなさっている八十三億円ということをお聞きしております。 また、Cタイプは五百八十億円の民活事業ですか、これも郵政省でございますが、六十二年度補正の要求といたしましてテレトピア事業に二百五十五億一千万、あるいは民活法施設整備事業に八十億六千万円、こういった要求が出ているわけでございます。これはいろいろお聞きしますと幕張メッセとか、関西文化学術研究都市なんかあるいは国際見本市なんかの第三セクター方式の開発事業を支援するんだと、そして運営収入から返済していくんだと、こういうことをお聞きしておりますが、具体的にもっと詳しくどういう内容であるか、さらにお聞きしたいと思います。
○政府委員(斎藤次郎君) Cタイプの貸し付けは、今先生御指摘のように、経済社会の基盤の充実に資する施設を整備する民活事業のうち地域の活性化に資するもので、公共性の高い施設を第三セクターが整備する事業というのを対象にしているわけでございます。今度補正でお認めいただきました五百八十億円の金額については、まだ具体的な融資額等が決定されたわけではございません。今後開銀等の審査を通じて決定されていくわけでございます。 今御指摘のテレトピア事業と申しますのは、ケーブルテレビジョンとかビデオテクッス等の先端的な通信施設をモデル都市に集中的に導入することによりまして、地域の情報化を促進しようというもので、全国に六十三のモデル地域が指定されておるわけでございます。 幕張メッセというのは、千葉の幕張新都心の中核的なプロジェクトといたしまして、国際的水準の大規模展示場というものを中心にしまして、会議場とか各種のサービス施設等を一体的に整備して国際的交流ゾーンの形成を目指すということで民活法の対象事業になっておるわけでございます。 それから、関西文化学術研究都市は、京阪奈の丘陵におきまして国際的、学際的な文化学術研究機能の拠点づくりを目指しまして、文化学術研究交流施設等の整備を行うものでございまして、これにつきましては、関西文化学術研究都市建設促進法というものの対象事業ということになっております。 で、御説明しましたように、具体的な貸し付けは、日本開発銀行の個別の審査貸し付けを通じまして、今後内容が決まっていくということになっておりまして、現段階で特段の事業区分とか、事業ごとの融資額はまだ定まっていないわけでございます。法律が成立いたしました段階で鋭意そういう審査が行われるということになっておるわけでございます。
○多田省吾君 Aタイプ、特にCタイプ等におきまして、もし思うような収益が得られないと、ですから返済できないというようなときにはどうなさるんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 私どもは今回のAタイプ、Cタイプの事業はいわば収益性を前提としておりますものですから、御指摘のような回収不能という事態は生じないと考えているわけでございますけれども、いずれにいたしましても具体的な貸し付けに際しましては、先ほど御説明しましたように、日本開発銀行等によるいわば専門家の審査がございますので、適切な償還条件等が定められるものというぐあいに考えておるわけでございます。 なお、こういう無利子の貸し付けにつきましては別途債権管理法という法律がございまして、その法律に基づく管理が行われるわけでございまして、必要に応じまして債権の保全措置、強制履行の請求という道も残されているわけでございます。 いずれにいたしましても、国民共有の貴重な財源でありますから、債権管理等については関係省庁と、あるいは関係機関等を通じまして私ども万全を期してまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。
○多田省吾君 今はっきりした御答弁得られないで残念でございます。 A、B、Cタイプともにこれは返済期限が到来してまいります。国債整理基金に返済された資金というのは本則どおり国債償還に充当されていくのか、それともこの返済資金を再び公共事業等に貸し付けてまいるのか、その辺はどう考えておりますか。
○政府委員(斎藤次郎君) 償還期限が参りますと、産投特会にその無償の貸付資金が返済されてくるわけでございます。これを再び貸し付けるかどうかというのは、そのときの財政状況あるいは公共投資に対する需要等勘案して毎年国会の御審議を経た上で決めていくわけでございますが、制度的にはその返還された資金を再び貸し付けるということができるようになっているわけでございます。 ただし、産投特会に返済された金を一般会計を通じて国債整理基金に返還いたしますと、その段階では最終的に国債償還に充てられるということで、これを再び貸し付けに回すということはないという仕組みになっておるわけでございます。
○多田省吾君 六十二年度のNTT株の売却につきましては、その六十二年度当初予算計上額として一兆八千六百七十三億二千万円を予定しておられるようでございます。また、今までの御答弁の中で、六十三年度の概算要求の中にAタイプが二千億円ですか、Bタイプが一兆円、またCタイプが一千億円の概算要求をしているということもお聞きいたしました。 その際、これは仮定の問題でありますけれども、今NTT株は一株二百五十万ないし二百六十万している。それを百九十五万株全部売り払った場合は計算上は四兆八千七百五十億円になるわけです。本会議等でもその点はお認めになっておりますけれども、そういたしますと、やはりあと一兆七千億ほど余分が出るじゃないかということも考えられます。これはやっぱり膨大な金額でございますからそれはなってみないとわからないとおっしゃるのはわかりますけれども、まあ一兆七千億ほど余裕が生ずるだろうということは、これは容易に考えられることでございますので、その際この一兆七千億ほどの余裕金はどうなさるおつもりなのか、お考えがあったらお聞かせ願いたい。
○委員長(村上正邦君) どなたが答弁なさいますか。
○政府委員(斎藤次郎君) 実はNTTの株がどれぐらいに売れるかというのが公式になかなかお答えしにくいわけでございますけれども、仮に先生御指摘のような二百五十万円の場合、来年度の年度首の余裕金残高はことし補正で使った分を差し引きまして四兆四千億程度になると思いますけれども、来年度ネット償還額が二兆一千あると、それから手持ちの資金が一兆円程度必要であるという御答弁を申し上げたわけでございますけれども、これを差し引きますと、恐らくその段階で活用可能な額は一兆三千億程度ではないかと私どもは見ておるわけでございます。したがいまして、全く仮定の話ではございますけれども、ちょうどこの分が来年度の概算要求の一兆三千億程度というのと見合っているという形になっているわけでございます。
○多田省吾君 せっかくの御答弁でありますけれども、その点は私はちょっと納得できないわけでございまして、一兆三千億程度しか余裕金は生じないという根拠をもっとはっきりとおっしゃっていただきたい。本年が、六十一年度決算額で、しかも百十九万七千円で一株で売りました決算額が二兆三千七百四十六億円生じているわけでございます。二百五十万という現状の姿を考えますと、そして四兆四千億ほどであると、このようにおっしゃっておられますけれども、その辺のことを兼ね合わせますと、どうも一兆三千億にとどまるとは思われない、この辺どうですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 説明がやや舌足らずであったかもしれませんが、二百五十万で売却する場合の六十二年度末の、ことし補正予算で四千五百億余の使用を認めていただきましたので、六十三年度首の、あるいは六十二年度末と申しましても同じでございますが、国債の残高は確かに四兆五千億を上回る四兆五千五百億程度の余裕金残高となります。ただし、六十三年度にネット償還額が二兆一千億円を上回る額がございます。それから、手持ち資金が一兆ございますのでこれを差し引きますと、一兆三千億から四千億程度のいわばお金が六十三年度としては使用可能になるというぐあいに計算をされるわけでございます。
○多田省吾君 この点は私どもの方でももう少し計算し研究して、またさらに再質問したいと思います。 次に、いろいろな答申も出ておりますが、昭和六十二年度以降におけるNTT株売却の方法について、具体的にどうなさるおつもりなのかお尋ねしておきたい。
○政府委員(足立和基君) 六十二年度、本年度のNTT株式の売却につきましては、本年の六月十二日に国有財産中央審議会答申をいただいてございます。その答申に示されておりますように、大変巨大な規模の株式売却でございますので、既存の株主に対する影響、あるいは株式市場全般に対する影響を十分考えて市場価格に準拠いたしました適正な価格で売却したい、これが基本方針でございます。 具体的な詳細でございますけれども、目下今申しました答申の基本的な考え方というものを踏まえまして、関係者間で協議をしておるところでございますけれども、具体的にはなおしばらくお時間をいただきたいと考えております。
○多田省吾君 Bタイプの公共事業にかかわる国の補助の負担金の交付、今までもなくさん論議が行われたわけでございますが、この元本返済にかかわる状況のときに、国の財源見通し、今までも場合によっては建設国債を増発しなければならないだろうということも言われている。そうなりますと、建設国債発行の先送りにすぎないのではないかと、このように思われるわけでございます。 また、当然地方公共団体では当該補助事業を行う場合には地方分担金、地方負担金というものも必要でありますし、地方債で賄わなければならないということもございます。ですから私は、これは全面的に地方公共団体が喜んでおられるとも思いません。そういう意味で、返済時、この無利子貸付金の償還時におきましては、大臣として、この建設公債の増発をしなくてもいいんだという財政事情を生じさせたい、こういう御決意があると思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは財政再建の途上でございますが、この困難な仕事を終えました場合には特例公債というものは発行しなくていいということになるわけでございます。財政がだんだん充実いたしましたらば、こういう補助金等々も建設国債に頼らずに賄えるようになっていかなければならないし、またそういうふうに努力をいたさなければならないと思っております。
○吉岡吉典君 案件と離れますが、最初に大蔵大臣にお伺いいたします。 防衛費の問題でございます。来年度予算概算要求基準が非常に異例のスピードで決まったと新聞では報道されております。六・二%という数字が報道されております。これは予算の比率の六%で計算するとやはりGNP一%枠突破ということになる数字ですけれども、大蔵大臣は総理総裁候補の一人でもありますので、軍事費、防衛費のあり方についてどういうお考え方をお持ちかということをこの際お伺いしておきたいと思います。将来とも軍事費突出という現在のような状況を続けようというお考えなのかどうかですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国の防衛は、いわば専守防衛でありますことは御承知のとおりでございますし、また防衛計画の大綱があり、さらにその上に、中期防衛力整備計画でこれは不変価格で既に五年間分を決定いたしておるわけであります。そういう意味では、いわゆる軍事大国にならないという平和憲法のもとでの我が国の節度ある防衛力の自主的な整備、こういうことで考えておりまして、この点はことしの一月二十四日に閣議決定をいたしましたところで、それに従いまして処理をしてまいるべきものと思います。
○吉岡吉典君 そういう一般的なことじゃなくて、極めて具体的にこの近年の防衛費というのはマスコミでも軍事費突出と書いたようなのが続いているわけですね。概算要求の基準でも六・二%という数字が続いているわけですので、大体こういう規模のものをお考えになっているかどうかということがお聞きしたかったわけです。
○国務大臣(宮澤喜一君) この間、六・二%というのはこれはいわば要求基準でございますので、そういうことで予算が決定したというわけではもとよりございません。私どもとしては、やはり中期防衛力整備計画が期間の間に達成されるということは大切なことだと思っておりまして、その範囲内で節度を持って防衛予算を決定していきたいというふうに考えております。
○吉岡吉典君 その議論はおきまして、一昨日来の論戦を聞いている中で感じたことの一つですけれども、説明の中でもありましたことですが、今度のこの法案、これも外国からの内需拡大の要求ということが一つの重要な要因になっていると、そうとってよろしいでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、我が国が本来、人に指摘されませんでも、社会資本は非常におくれておるということは私ども前から感じておったところでございますが、今やもうこんなに物を輸出しないで、いわば経済摩擦を起こさないでくれということを外からも言われるようになりまして、そうであればこれだけの経済力はやはり社会資本の整備に使うのが本当だというふうに考えております。 ただ、言われましたように、確かに諸外国からも貿易摩擦回避の手段として日本自身がもっと内需拡大をしてくれるべきではないかというそういう要請、声があることも事実でございますけれども、もともとこれは本来我々自身の問題であると私は思っております。
○吉岡吉典君 今、国会に提出され、審議が続いていますマル優廃止にしても、これは中曽根総理自身が国会でもしばしば述べておられるように、外国、特にアメリカからの強い批判に沿って提出されているということですし、外為法の改定問題も外国からの強い要求によって提出されていると。私、なぜそんなに外国からの要求に耳を傾け、あるいはそれに沿って日本でさまざまな法律を変えたりつくったりしていかなくちゃならないのかということに疑問を持ちますけれども、どういうことか説明願います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはマル優利子課税の問題については総理が外国云々ということも答弁をしておられます。それは確かにそういうことがあるわけでございますけれども、もともと富国強兵の時代ではさらさらございませんし、戦後の資本蓄積ももう一つの目的を達しておりますから、こういう資産所得をなぜ免税にするのかということは、やはり我々自身の問題として問われなければならないところではないかと私は思っております。 ただ、そうでございますから、我々は我々自身の問題を処理していっておるつもりなんでございますが、やはり日本がここまで参りますと、日本のやっていることというのは諸外国にいろいろな影響を与えておることも否定できません。そういう意味では、なるべく諸外国が日本にこうしてほしいということの中で、我々から見ても理屈のあることはそれはやはりやっていくという、ごくごくそういう自然な問題意識であろうと思います。
○吉岡吉典君 私、心配してそういうことからお伺いしていったんですけれども、そうしますと、今私が質問しました防衛費、軍事費ですけれども、この六・二%というのについても、マスコミの報道ではアメリカへの配慮だということを大体各紙が共通して解説、論評しております。そのとおりかどうかということが私の疑問になってくるわけです。 といいますのは、アメリカ議会で今、対日軍事費分担をふやせという法案がいろいろ出ているそうで、この間外務省の説明も聞きましたけれども、六月に下院で可決された法案などは西側の一員として三%組めと、それが無理なら差額をアメリカに安保分担金として支払えと、こういうのがありますが、そういうのがそのまま法律になるかどうか別としまして、アメリカで日本に軍事費をうんとふやせという要求が火を吹くような形で出ているということは間違いないと思うんですね。そういうことにも耳を傾けていかなくちゃならないということなのかどうなのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は今防衛を担当しておりませんので、あるいは外交を担当いたしておりませんので、大変に正確には申し上げられないかと思いますけれども、アメリカも何も三%にしろというようなことを、それは一人や二人言う人はあるかもしれませんけれども、そんなことを本気で言っておるわけではないと思うのでございます。私どもが気をつけなければならないのは、日本はやはり民主主義の国家として価値観を同じくする国々とこの価値観を守るわけでございますから、我々として平和憲法の許す範囲でできることはしなければならない。それは、いわば何にも日本はしていない、ただ乗りをしておるというようなふうに世界を印象づけることは決して我々の本意ではございませんから、やはりできるだけのことは、それはしていかなければならない。ただ、おのずから我々の憲法には制約がある。こういうことは、また機会あるごとに私自身も諸外国の人々には説明をいたしております。
○吉岡吉典君 この問題はここで中心にやろうと思っていたわけじゃありませんけれども、アメリカの下院で可決されているんですね、満場一致で、三%というのが。そういう状況、そういう物すごい圧力が加わってきている時期だから、他の問題と同じように、外国の要求、外国の批判ということで日本の政治が動き出したら、これは大変なことだと思って私は述べたわけですが、三%ということは別として、やはりそれにも耳を傾けなくちゃならないというニュアンスを私は感じているところです。その問題はさておきます。 NTT株問題ですが、NTT株売却について、私は論議を聞きながら感じたことですけど、NTT株は高ければ高いほどよいというようにお考えになっているのかどうなのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(足立和基君) NTTの株式の売却に当たりましては、これは国民共通の財産でございますので、売却は公平になされなければならない、それを考えておるわけでございます。したがいまして、今年度の売却は、上場後における売却でございますので、答申にございますように、市場価格に準拠した適正な価格で行いたいと考えておりまして、その価格の水準自体は市場が決めるべきものと考えております。
○吉岡吉典君 その場合、その価格が高くなればなるほどいいということを大蔵省は期待なさっているのかどうなのかということが私の聞きたいところです。
○政府委員(足立和基君) 今申しましたように、私どもは適正な市場価格に準拠して公平に公正に売却を行いたいと考えているところでございます。
○吉岡吉典君 答弁になっていません。私が言いたいことは、このNTT株の売り出しが始まって以来マスコミでも取り上げていますけれども、NTT株フィーバーというようなことがマスコミ用語にもなる、そういう状況が生まれて今まで株式投資に縁のなかった層まで大きな関心を呼んで、いわば株式投機をあおる、そういう傾向があらわれているんではないかということです。今後六十四年までNTT株の売却が続くわけでありますが、それがその株式投機の過熱をあおるようなことになってはならないということを心配するわけです。 こういう現象は好ましいとお考えになるのかどうなのか、そういうことについてはどのようにお考えになっているかお伺いします。
○政府委員(藤田恒郎君) NTTの株式の売却が株式投機ブームをあおったという考え方、いろいろマスコミその他では報道されておりますけれども、私どもとしてはNTTだけの問題ではなくて、やはりNTT株式も株価水準全般のトレンドの中で動いているわけでございまして、したがいまして、必ずしもNTT株式が現在のような株式投機ブームとか、そういったものをあおったとマスコミに言われているようなことはないのではないかというふうに思います。
○吉岡吉典君 きのうの新報に報道されましたが、朝日生命の分析によると、金余りに伴う株式や不動産の高騰が原因で収入の多い家庭と少ない家庭との間の資産の格差が広がっているということを報道しておりました。 今マスコミが書き立てていることでそういう事実はないというお話ですけれども、やはり識者から見れば、まじめにこつこつと働いている国民と、やはりマネーゲームで一獲千金的なもうけをする、そういうことを比較してみれば、そういうふうなことはおかしいことだ。これが広がるというふうになればそれはやはりうまくない事態だと思います。そういう点で、こういう問題についても強く関心を持っていただきたいというのが私の言いたいことです。いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) NTTの株式の売却は売却として公平に適正にいたさなければなりませんが、他方で、吉岡委員が言っておられますようないわゆる金余りに基づくところのいろいろな経済行為、まあ物をつくるにしてもサービスをするにいたしましてもやはり価値を生み出さないような活動というものは、これが経済の主体になっていくというようなそういう風潮は決して好ましくないことだと思います。
○吉岡吉典君 次に進みます。 財政再建問題に関連してです。国債整理基金の運営には余裕があるということですが、しかし我が国の財政危機が極めて深刻なものであるということは、これまたこれまでの論議の中でも明らかにされてきたことです。これは国債依存度の面から見ても、国債残高の面から見てもそういうことがはっきりしているわけですけれども、私はそういう今の日本の財政の実態、これが深刻な事態であるわけですが、これはより根本的に考えておく必要があるじゃないかと思うのは、特例連発による財政法無視の財政運営という問題です。これは私、通常国会でもここでも述べたことですけれども、財政法に次々と特例法を設けていく。財政法違反の赤字国債の発行、それから赤字国債の借換債の発行の問題、絶対にやらないと言っていたものもやり出す。国債整理基金への定率繰り入れの停止、決算剰余金処理の特例等々、次々と特例を設けていく。今回もまた特別措置ということでそれを広げていくということで、こういう財政運営、財政法の精神を踏みにじったやり方というのは、私はもう一たんこういう道に踏み出したらとまらない、ちょうど麻薬患者のような財政運営になってしまうということを心配するものです。 したがって、この財政危機を打開する、財政再建を図るためにはこういう特例を一つ一つやめていかなくちゃならない。そのときにまた新たなこういう法案で特別措置ということは、いろいろおっしゃいますけれども、本気で財政再建を考えているのかどうなのか、やっぱり財政再建を事実上放棄することにつながるものじゃないかという気がいたしますが、この点いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはしばしば申し上げておりますとおり、財政再建は今まだその途中でございますから、これを放棄するわけにはまいらない。と同時に、我が国の内外から寄せられております内需拡大、社会資本整備というこの課題にも顔を背けるわけにはいかないわけでございますので、そういう二つの相反した命題をおのおの満足させながら、何ができるかということがただいま御提案をいたしておりますようなことでございまして、決して財政再建を軽んじておるということではございません。
○吉岡吉典君 私は繰り返すようですが、こういう特例を次々と連発するという方法はもう絶対やめなければならないと思います。 次に、この案件にもかかわる問題ですが、私どもも生活密着型の公共投資の拡大ということは必要だと思っておりますし、我々が発表しているいろいろな政策文書でもそのことを主張しているところです。問題はその財源の問題になるわけですけれども、これまでの答弁を聞いていますと、内需拡大、社会資本の整備のためには国債増発かNTT株売却益の流用かの二者択一だという形で提起されていますが、私はそういう立て方自体が正しくないと思います。そうではなくて、財政再建と内需拡大をどう両立させるかということについてもっと真剣にその方策が考えられるべきだと思います。 その点に入っていくためにも、ひとつ私はよく受ける質問をここで紹介しながら、政府自身はどういうふうにこれに説明を加えられるかをお尋ねしたいと思いますけれども、そのよく受ける質問というのは、日本は世界一の大金持ちだと言われているという問題ですね。これは国際収支、貿易収支、経常収支とも史上最高になっているという問題を見ても、我が国の対外純資産が世界一という状態が続いていることを見てもそうだと思います。あるいはまた、だぶついた金で民間大企業が債券や不動産を外国でも買いあさっているとマスコミでも大きく取り上げられている。そういう世界一の大金持ちだと言われる日本が、国家財政ということになると世界一の借金財政である、この関係は一体どういうことなのかと。軍事費も総額で言えば大きいものですが、GNP比率で言えば低い、諸外国に比べれば決して大きい政府でもない、それなのに一体なぜ世界一の金持ち国が世界一の借金財政国になっているのかという質問をよく受けるんですが、大蔵大臣だったらどういうふうに説明なさるのか、ちょっと模範答弁を述べてもらいたいと思いますけれども。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはやはり国民の負担でございますね、租税あるいは社会保障のための負担、その負担率は我が国は諸外国に比べればかなり低い方でございます。ですから私は高くしなければならないと申し上げておるのではなくて、現状をどういうふうに説明するかとおっしゃいますので、一つの問題はそういう問題があるであろうと思います。
○吉岡吉典君 それでは恐らくだれも納得しないだろうと思います。赤字財政、財政のこの赤字公債の発行というのは、国民の負担が低いところから起こったものじゃなくて、これは事実の経過からいっても明らかなように、第一次石油ショック後の財界の要求に応じた国債大量発行、その結果起こったもので、それで景気はよくなり日本の大企業は大いに栄えた、もう金もあり余って困っているという状況になっているわけですが、しかしその結果、財政は大変な危機になった、これが経過から見ても明らかなことだと思います。それから、我々が具体的に事実に即して見ていくならば、この問題についてどう対処するか、そして今の財政危機を考える場合、財政再建を考える場合にもこの事実に即して見ていく必要があるだろうと私は思います。 これは私よくおもしろい意見だなと思って読むんですが、自民党の藤尾前政調会長が八四年の軽井沢セミナーで行われた講演ですか、この中でも、財界が要求して国債を発行してもいいからというので国債を発行したと。その結果、財政は大変なことになってしまったということをだれが頼みに来たか、「当時の経団連会長の土光敏夫さん、関経連会長の日向方斎さんという東西両経済界の代表であった」、それを一番強く要求してきたのは。そういう経過を述べながら、結論的にこういうふうに述べておられる。「経済界の方々がお持ちになっている国債の利子といったものについても「こういう非常事態だから、私どもにも協力させてくれ。我々が受け取る利息は半額でよろしい、三分の一でも結構。場合によっては利息分はいらない」というくらいの協力態勢」を経済界もとってもらいたいという演説で、これは藤尾さんが軽井沢セミナーで述べられていることです。藤尾さんのいろいろな意見は随分私も批判もしてきましたけれども、この部分は一つの見識を示したものだというふうに私は思っているわけです。内需拡大にどういうふうに今の日本の困難な財政の中で両立する方向を見出していくか、財政再建、内需拡大、こういう発想、これは私は必要なことじゃないかと思います。 そこで、お尋ねしますけれども、毎年十兆円を超え最大の歳出費目となっている国債の利払いを軽減するために、こういう藤尾さんの発想をも念頭に置いて、例えば大企業に対しては現在の低い金利水準による国債の借りかえを求める、こういうふうなことなども大いに研究の余地のある問題ではないかと思い、私ども最近発表した提案の中でもこういう問題を提起しているわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 藤尾さんのそのお話、お話しされたとしますと、それはちょっと勢い余って脱線されたのではないかと思います。今のお話は、こういう金利が低くなっているのであるから現にある国債をいわば借りかえろとおっしゃるのかと思いますが、国債には御承知のように時価というものがございますので、それを無視して額面でそれを借りかえるわけにはまいりません。買い入れ償還をしなければならぬ。しかし、買い入れ償還をするとすれば、国が損をしたのではいけませんので、損をしないように買い入れ償還ができるかということになりますと、なかなかそうは私はまいらないのだと思います。
○吉岡吉典君 藤尾さんのは、これは自由民主党の機関雑誌「月刊自由民主」に出ているものを読み上げたものですから、脱線がどうかは別として、自民党の公式の雑誌に出ているものですから、そのようにお考えになってください。 今の借りかえの問題ですけれども、例えば最近日経新聞が報道したところによりますと、「世界銀行は二十四日、東京市場で発行した円建て公募債を初めて返済期限前に繰り上げて償還することを決めた。過去に発行した高利率債を返すことで資金調達コストを下げ、発展途上国向けの貸出金利を大幅に引き下げるねらい。」云々と、こう出ていますね。ですから、私は法的にもこれは問題もないし、こういう例もあるわけで、私はやはり大いに研究対象としてもらいたいと思います。考える余地全くないという答弁でしょうか。
○政府委員(足立和基君) 世銀の繰り上げ償還につきましては、確かにそのような発表がなされたことは事実でございます。 国債についてそのようなことが法的にできないのか、あるいは現実の問題として考えられないのかという点についてでございますが、期限前償還、繰り上げ償還自体は契約上明記されてございますので、それ自体は適法なものでございます。しかしながら、今大臣が御答弁申し上げましたように、現実に国債というものは流通市場が形成されておりまして、その流通市場においてかつてのハイクーポンの国債というものは高値がついておる。それを額面で償還するということになりますと、その国債を持っておる国民に不測の損害をもたらすということでございますので、これはやはり現実の問題としてはとり得ないことではなかろうかと考えるわけでございます。
○吉岡吉典君 これはここでこれ以上論議することはいたしません。 次の問題ですが、先ほども言いましたように、公共投資、生活密着型の公共投資の拡大ということは我々も必要なことだと思います。住宅、生活道路、下水道、公園、学校、福祉施設、災害対策など、国民生活に密着した公共投資を拡大するということを我々も繰り返し提案し要求もしているところです。これらの生活密着型の投資というのは、中小土建業、左官あるいは電気・水道工事業者等々に仕事もふえ、波及効果もあるという点で私どもは重視してきているわけです。 そのために、どういうところに財源を求めていくかという問題、これは私は提出されているような法案の方向、つまり建設国債があるいはNTT株売却益かというようなことじゃなくて、やはり世界一の金持ちだと言われてだぶついている資金、これを何らかの方法、これは税金という方法もあるかもしれませんし、あるいは今提起したことと関連のある低利国債という方法もあるかもしれませんが、そこを政府に私が提起したいのは、そういうだぶついた資金を吸収してそれを内需拡大に振り向ける、そういうことが必要じゃないか。私はこの大企業、経済界の要求によって藤尾さんも言われたような日本の財政危機が生まれた。そういうときに、そういう措置によって大きくもうけ、会もだぶついている、そういう状況のもとでは大企業にそういう形での社会的責任を果たしてもらう、そういう方向で検討する、研究する余地というものはもう全くお考えにならないのかどうなのか。我々はそういう提案を行いながら、政府の見解を尋ねたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 例えば大企業が持っている国債の利子を半分にするとかいうような種類のことと伺いますと、それは金融秩序というものは全くそうしますともう壊れてしまいます。ちょっと考えられないことではないか。そういう意味で私は脱線云々ということを申したのでございます。
○吉岡吉典君 脱線とおっしゃいますけれども、一方では金がだぶついている、使い道がない、それがマネーゲームに走っているという状況にあるわけですね。それをどういうふうにして内需拡大、公共投資に回すか。それを何らかの方法で吸収して生かす方法はないかどうか、そういうことを研究する余地はないかどうかという意味なんです。これはここの論議では直接出ていませんけれども、共産党が大企業のことを言うと、もう何か思想的な違いだという答えがよく出る。テレビ討論会なんかでもそういう言葉が出てきますけれども、私どもは、大企業、大企業と私何回も言いましたけれども、大企業のそういうだぶついた金を吸収するとか、あるいは社会的責任を果たしてもらうというのは、決して社会主義的な要求でもなく、極めて妥当な民主主義的な要求だと思います。 これはちょっと参考までにですけれども、アメリカのリーガン前財務長官がレーガン税制改革の原案をつくったときの記者会見で、これはニューヨーク・タイムズの八四年十一月二十八日付に出ていますが、税制改革の考え方として、今日法人税をふやすことが公平のためのポイントだ、何となれば多くの大企業が税金を払っていないからだと、こういうふうにリーガン前財務長官自身も言っておりました。 ですから、私ここで大企業いじめをやろうということじゃなくて、そのだぶついた金を吸収してそれをどう生かすかというふうな措置などが、この財政危機の深刻な時期にもっと本気に考える余地のあるものではないかという意味です。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは確かに、これだけ流動性がありましてマネーゲームにそれが行っておるということはどうも余り健全なことではないと、私もそう思っておるのでございます。しかし、それはもうごらんのように、設備投資は起こらない、最近までは在庫投資もないというようなことでございますと、どうしてもそういうことに、あるいはアメリカへ行くというようなことになりまして、殊に外国へ金が出ることが自由になりますと、どうしても金利の高い方へ引っ張られてまいります。それに対抗しようとすれば、やはりこちらでもそれに近い金利あるいは条件を出さなきゃならぬという問題がございまして、そこはなかなかいろいろ工夫が要するんだろうと思います。例えば時々、特別の割引債を出してもいいとか、いろんなことをたまにいたしますけれども、金利差というものがございますとなかなかそこはやはり苦労がございまして、今度のように一部を公共事業の方に何とかしていわゆる民活できないかというようなのも、多少そういうことを考えておるわけでございます。
○吉岡吉典君 その発想を私は変えていただきたいということなんですね。つまり、もうけのためにアメリカへ出かけていくと、だからそれにふさわしいものがなければ帰ってこないということではなく、やはり政府による規制を行う、あるいは社会的な責任を果たす上で一定の犠牲も払ってもらうと、そういう方向でそれを公共投資に生かす方策を研究していただきたいと思います。 今度の案件について言えば、そういう方向に沿ったものではなく、やはりその逆だとしか私には思えませんけれども、あとの問題はちょっと近藤議員に質問していただきます。 —————————————
○委員長(村上正邦君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、及川一夫君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子君が選任されました。 —————————————
○近藤忠孝君 今、吉岡議員の国債の期限前償還問題、要するに低利国債の借りかえ問題につきまして、大臣が金融秩序からいってとんでもないことで実現できるはずもないと、こういうことですし、局長の方からは、額面で償還すると保有者に損害を与えて、これは結局は国債の信用を失うということだと思うんですね。で、何か当然のようなお顔をして、まあそう思っていらっしゃるんでしょうが、私は、債権債務関係でもっと原則に立ち返れば、そういう事態がおかしいと思うんです。 そこで、大臣に質問しますが、要するに期限到来の国債、借りかえでしょう、期限が来たものを返さずにまた別に借りるわけですからね。そういう事態と、それから期限前償還ですから、民間でもどこでも金借りて期限前に持っていきゃもう喜んで受け取りますよ。そしてまた、実は全体の家の再建のためにもうちょっと安い金貸してくれと言えば、大体見通しなども考えてまた貸してくれる。ただ、期限前償還でも、大変債務者としてはこれはいい方なんです。それが今の場合だと全然もうできないと。そのこと自身一般のこの金の貸し借りという面から見て、どうも逆立ちしてやしないかと、こう思うんですが、御答弁いただきたい。
○政府委員(足立和基君) 先生今言われますように、この一般の債券あるいは貸し付け、債務者から見れば債務、これが金利が高いものをあるいは期限前償還したい、こういうようなことは通常行われることでございます。しかし、この国債につきましては確かに国の債務でございますが、そのときどきの市場情勢によりましてその条件が決定され発行される。そしてそれは、国債の流通市場というものが大きく形成されておるわけでございます。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 そこで、過去において発行されております国債は、その条件に従いまして流通市場で価格がついておる、こういう問題がございますので、個人あるいは法人間の単なる貸借関係と大きく異なるわけでございます。現実にあるハイクーポンのものが高値で取引されている、これを額面で償還する、繰り上げ償還するということは、債務者たる国にとりましては、大変それが何らほかに影響がないものであれば好都合な話でございますが、債権者であるその券面を持っております国民には、現実に流通市場で、例えば百十円なら百十円で取引されているものが途端に百円になってしまうということは不測の損害をもたらす、こういうことから現実の問題として困難ではないかと申し上げておるわけでございます。
○近藤忠孝君 国債課長の書いた本によりましても、償還には満期償還と期限前償還がある。ただ、期限前償還は昭和四十年以降の国債については実施された例がないとだけ書いてありまして、困難とも何とも書いてない。日本の歴史の中では戦争中やったことがあるんですね。それはやればできるんだけど、なぜやらないかといえば今言ったようなことで、要するに国債がどんどんどんどん増発されて国債がひとり歩きしている、そこに問題がやっぱりあると思うんですね。 これは大蔵省からもらった資料によりますと、一九七六年には二兆円にすぎなかった売買高がどんどん急激にふえて、最近では、これはことしの一月から七月までで四千百十六兆円、もう全く物すごい勢いでの売買高ですから、いわば国債市場が大きく発展してきたというのか、何といいますかね、その結果ひとり歩きしたというところに問題がある。そういう面から見ると大臣や局長のような考えしかできないけれども、しかし本来の貸し借りの原則は私がさっき言ったようなことなんですね。問題は、このように国債がひとり歩きすること自身に問題がある。ということは、別の面で申しますと、金融が今大変活況にありますよね。いわばそれ自身がひとり歩きしている。そのことと大変関係があるんだと思います。 今日の金融活況には三つ原因があると言われています。一つは今言った国債の大量発行。それからもう一つは、これも資料いただきましたが、特に海外証券への投資ですね。これも大変急激にふえて、六十一年には千百十二億ドル。それからもう一つは、発展途上国への貸し出し、貸し付けですね。これも急激にふえておるという。このことに今日の金融活況の原因があると、こう見てよろしいでしょうか。
○政府委員(角谷正彦君) それはどういう面で金融活況を見るかというのは、いろいろ見方があろうかと思いますけれども、全般的な金融情勢が緩和している中で金融取引が活発化している、こういう背景といたしましては、やはり個人とか法人の資産運用におきまして収益性を求めるという志向が高まっていることとか、あるいはいろんな取引におきましてリスクをヘッジするといったふうな、そういった志向も高まっているといったふうなこともございますし、それ自身やはり経済合理性のあることでございまして、一概に否定すべきことではないというふうに思われます。 ただ、いわゆるマネーゲーム的な行き過ぎにつきましては、これはいたずらに投機的なものをあおらないような形での十分なチェックあるいは注意が必要であろうかというふうに考えております。 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕
○近藤忠孝君 一概に否定すべきでないとおっしゃいますが、これは、私が挙げた三つは全部赤字に関係があるんです。一つは日本の財政赤字、また特にアメリカに対する証券投資はずっとアメリカの赤字、それから発展途上国もやっぱり赤字ですね、全部赤字に関係あるんです。 例えば国債発行の面を見てみますと、一つはこのような国債大量発行の原因は実体経済の低迷にあるんだと思うんです。ですから、そういう低迷の中で財政赤字の増大、それを補うための国債発行ということと、もう一つは実体経済の方は低迷していますから、余剰資金が出てくる。やっぱり余剰資金の行き先としての国債、全部赤字ですね。このように実体経済が低迷している中で、こういう大量の国債発行をした場合に、国債発行の本来の意味は、そこで借金してでも投資して事業を興して、景気をよくして、税収をよくして、そして借金を返していこうということにつながるはずだけれども、全然そうなっていないわけですね。ですから私は、まさにその道を進んでおるんで、こういう状況は実体の経済とかかわりなく金融だけがどんどん活況を呈していくと、その行き着く先は何かということを大臣と議論したいんです。 現に国債の面で見てみますと借換債十四兆余、利払い約十兆、ですから国債発行の九七・六%というものが、要するに過去の元金への返済と利息への返済で、ですからマクロ的に言いますと、経済にかかわりあるけれども、結局は実体経済のわずか二%程度しかかかわりなしに、現在の国債保有者の元金と利息のために新しい国債を発行する。要するに、ともかくも実体経済とかけ離れて、そしてそれが一つの原因になって金融が活性化しているというと、行き着く先は何なのかということを大臣に伺いたいんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それでございますから、財政再建をやっぱりさしていただかないといけませんので、一生懸命それに努力しているわけでございます。
○近藤忠孝君 そして、もう前回以来議論してきたとおり、今回のこの趣旨はそれに逆行するというので、これはますますそういう状況が大きくなっていくんじゃないかと思うんですね。私はこういう実体経済とかかわりのない金融活況を呈して、しかもそれがさらに余計活況を呈していくんだろうと、なぜかというと、やはり過剰貨幣資本の継続的な増大があるんです。だから、やっぱり株取引しておってもうかるから、だからこれは活況を呈しているので、しかしほとんど実体経済と関係ないものが、これが広まっていった場合に行き着く先は二つしかないと思います。一つはそれ自身が破綻して、金融破綻、まあ国家破産でしょうね、それが一つ。それからもう一つは、どんどん札束を発行してインフレにしてそうならないようにやっていく。この二つしか道がないと、こう思います。 私が冒頭に申し上げたとおりに、低利国債の期限前償還をさっきのような答弁でできないとおっしゃると、行き着く先はその二つしかないんじゃないか、そのいずれしかないんじゃないか、こう思いますが、御答弁いただきたいと思います。だから、財政再建のために努力といったって今もう現にできてないんですからね。新たな発行のほとんどが過去の返済と金利に回っちゃうんだから、それを前提としてお答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 法律家のお立場から債務の期限前返済ができないはずはないとおっしゃることは十分に理解できることでございますけれども、国がいたしております債務は、私的債務というよりは一種の公的債務でございます。そして、それは債権者、国民の側から言えば一種の金融資産とそれは考えられるわけで、それとしてまた取引されております。したがいまして、例えば時価が百二十円しております国債を額面百円で期限前に償還をするというようなことになりましたら、これは金融秩序はもう直ちに崩れてしまいますので、そういうことはやれることではない。それなら時価で買い入れるならばいいかということになりますれば、それはよろしいかもしれませんが、恐らく計算をいたしますと、国がそれは相当な損失をいたします。それはまた国債整理基金特別会計法の許すところではないということだと思うんです。
○近藤忠孝君 私は法律家の立場で申し上げたんじゃなくて、参議院大蔵委員の立場として申し上げたということを言っておきたいと思いますし、そういう立場から期限前低利国債借りかえができないできないというので伸ばし伸ばししていきますと、私が申し上げたとおり、それはともかく金融秩序そのものが破壊するか、あるいはインフレ以外にないということを警告をしておきますし、そのとおりになったころは請求が僕らの方に来る、こういうふうに思います。これは前回申し上げたことと思いますけれども、そうなるんだと思いますね。 ちょっと時間の関係で議論はその程度にしまして、この法案のAタイプとCタイプについてちょっと議論したいと思うんです。 まずAタイプですが、これは建設省ですね、市街地再開発事業、各地で行われておりますし、その中で有料駐車場などつくるとこれがその対象になるということですが、今全国的にどのように進んでおりますか。 そういう中で、これはもう既にできてしまったものですが、金沢市の香林坊地区市街地再開発事業というのがあります。これについて簡単に御説明をいただきたいと思います。
○説明員(福田秀文君) 全国における市街地再開発事業の実施状況でございますけれども、ことしの三月末現在で見ますと、百六十七地区で事業が完了しておりまして、なお事業実施中のところが百二十二地区ございます。 それから、金沢市の香林坊地区の市街地再開発事業でございますが、この市街地再開発事業は第一地区と第二地区二つの地区に分けて実施してまいりまして、既に事業は完了しております。 第一地区でございますけれども、この第一地区は施工区域の面積が約一ヘクタールでございまして、建てられた再開発ビルの中に入っております主要な用途は店舗、ホテル、駐車場でございます。総事業費が約百五十億円でございます。 それから第二地区でございますけれども、第二地区は施工区域の面積が約一・五ヘクタールございます。再開発ビルの中に入っている主要な用途でございますけれども、店舗と駐車場でございます。総事業費が約二百三十億でございます。
○近藤忠孝君 その第一地区の方は、東急グループの東急ホテル、それから第二地区の方は大和デパートが入ってくる、そしてあとは今ある地元の業者が入ってきますね。問題はこの地下駐車場、いずれもできますが、それから道路拡幅などがありますよね。そうすると、この地下駐車場については今回のこの法案のAタイプの融資対象、それから道路については、これはBタイプの融資対象、こう聞いております。 そこで、この地下駐車場の経営主体と、それかうこれに要した費用、そしてこれの経営状況、それから利用台数、そしてその収支状況、それについて簡単にお述べいただきたいと思います。
○説明員(福田秀文君) 駐車場だけを取り出して建設費幾らというのは、目下手元に資料ございません。それで、この事業が完了いたしましたのが、第一地区がおととし、六十年の九月、それから第二地区が昨年の九月でございます。まだ全面的に供用を開始して日が浅うございますが、六十一年度の利用状況を見ますと、月決めで貸している部分が一部ございますが、それを除きますと、いわゆる一時預かりの駐車場の延べ台数として五十六万八千台に及んでおります。それで、収支の状況でございますけれども、まだ供用を開始してから日も浅いということもございまして、六十一年度におきましては、料金収入の面ではまずまず当初計画を達成していると言える状況でございますけれども、支出の面で維持管理費が当初計画を上回っているというふうに伺っております。 —————————————
○委員長(村上正邦君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、斎藤栄三郎君が委員を辞任され、その補欠として沓掛哲男君が選任されました。 —————————————
○近藤忠孝君 先ほど、大臣、このAタイプの資金が回収できなかったらどうするのかと、それに対して大体みんな収益が上がると言うんですが、もう現にできており、またもしこれからやれば当然融資対象になる金沢のこの地域の駐車場、この駐車場が赤字なんですよ。この一年間決算しましたら赤字。例えば料金で言いますと、予定よりも千三百万円足りなかった。それで維持管理費は約倍かかって九千八百万円ぐらい余計にかかっている。そういう経過の中で八七年度予算を見てみますと、収入七億二千万円予定したところ五億六千万円に下げている。それから維持管理費、これは一億三千万のところを二億九千万に上げている。このままいきますと、これは赤字の連続で、元来気の長い話で、十八年目で単独収支黒字、三十年目で累積収支の黒字、大変気の長い事業なんだけれども、もうそれが現におぼつかなくなって大幅に修正せざるを得ない。となりますと、これは建設省に聞いたけれども、大体駐車場というのは採算性は余りよくないと、そうでしょう、そう聞いております。だから大体こんなものですし、それから場所の設定その他を間違いますと予定どおりいかない場合がたくさんあるんです。 そうすると、さっき言ったとおり百何十カ所もこういうふうに予定されて、あっちこっちでこの金沢の例のように赤字が出る可能性が現にこれはあるんですよ、どうされますか。先ほどはそんなことはないだろうと多田議員の質問に答えておったけれども、現にもう先例があるんだから。
○政府委員(斎藤次郎君) 御指摘のような事例があるということをただいま伺ったわけでございますけれども、そういう事態にならないように事業執行官庁に今後、これからの話でございますので、十分な検討をしていただかなければならぬというぐあいに考えておるわけです。 私どもも審査というか、事業所所管官庁との調整でその点を十分に今後注意していかなければならぬというぐあいに今伺っておりました。
○近藤忠孝君 では、これは法律家として質問を追加しますと、私の方でそういう赤字になる可能性があるという事実を指摘した以上、ならないようにいたしますでは答弁にならないんです。なった場合にはどうするか、ここで答えてもらわないと困りますよ。
○政府委員(斎藤次郎君) ならないように最善の努力をいたすわけでございますけれども、債権管理法という法律がございまして、そこで債権の管理保全とか強制履行等の手続もありますものですから、その債権管理には万全を期していきたいというぐあいに考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 委員長、これは答弁になっていますか、委員長、しっかりしてください。
○委員長(村上正邦君) それしか言いようがないんじゃないの。
○近藤忠孝君 だけれども、これは元来、本当は国債償還に充てるべき金を、緊急かつ重要なものだということで貸すやつが、現に先例は危ない例に皆なって、これは地元では大問題になっているんです。そうである以上、今のような答弁では、これはとてもこの法案には賛成できない、もともと反対だけれども。どうですか、大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今おっしゃいました香林坊でございますね、これは全部金利がかかっていると思います。ですから、それはちょっとこの場合の例になるかどうかと思います。 それから、本当に、しかしそれにもかかわらず、どうしても債務履行ができないと債権管理法でいくしかしようがないと思いますが、なるべくそういうケースがないように考えてまいりますし、もともと無利子でいこうとしておりますから、それの助けになると思います。
○近藤忠孝君 この計画は、もとより地元の今までおった人々の立場からも出たものでありますが、同時にさっき指摘したように、大ホテルとか大デパートが大きな地位を占めまして、結局この駐車場はそういったもののために役立つんですよ。それが赤字になったり、あるいはそこへ公的資金が投入される、そういう性格の資金だということを、これは大臣、しかとここで認識していただきたいと思います。 それから、あとわずかの時間でCタイプです。 これはリサーチコア施策なんというのがあるんですが、これもこの対象になりますね。その概略、そしてそれが具体的に、これはもう時間がないんで要点的なお答えをいただきたいんですが、川崎でかながわサイエンス・パーク、これが具体化の今たった一つの例です。そこでどんなことをやろうとしているのか、それをごく簡単に御説明いただきたいと思います。
○説明員(大村昌弘君) リサーチコアでございますけれども、これは産業技術に関しましてその研究開発と企業化を効果的に推進していこうということでございまして、具体的には四つの施設からなっております。一つは開放型の試験研究施設、二つ目には技術者の研修施設、三番目には交流施設でございまして、第四番目の施設としましてはベンチャービジネスインキュベーターと言っておりますが、企業化の初期段階における立ち上がり支援をやっていこうという、この四つの施設からなっておりまして、従来地域は生産拠点ということで限界がございましたけれども、こういった施設整備をすることによりまして高度な頭脳拠点を形成していこう、こういうものでございます。 第二点のかながわサイエンス・パークの状況でございますけれども、これにつきましては先ほどのリサーチコアを具体化しようということでございます。 したがいまして、研究開発型のベンチャー企業を創出し、育成するとともに、技術とか情報の発進基地としてこれを育てていこうと、こういうものでございます。
○近藤忠孝君 この発起人の中には、飛島建設、日本開発銀行、日本生命等を含む各生命会社、横浜銀行、こういうのが参加しておるということですが、問題は、こういう大企業が主導的であってならないということなんですよ、一つは。 それからもう一つ、この事業の中でインキュベート事業、さっきからわからない言葉ばかりたくさん出てくるんですが、これは説明によりますと、いろいろ一つの施設の中に入れて、例えば企業家を育てていくと。そのインキュベートされる企業家の卵は年五人程度とし、期間は三年程度と。何をやるのか聞いてみましたら、いわばこれからの新しい産業の指導者、社長業の育成のようなものですね。そんなことをやると言うんですが、果たしてそんなぐあいにうまくいくもんかどうか、その辺ちょっと答弁していただきたいと思います。
○説明員(大村昌弘君) かながわサイエンス・パークにつきましては、御案内のとおり、まず地元の神奈川県と横浜市が入ってございますし、また、国からも日本開発銀行が入っております。そしてまた企業名は、おっしゃるとおり、大企業も入ってございますが、神奈川あるいは川崎の地元中小企業もこれに対して参加いたしておりまして、いわば地域ぐるみで支援していこうと、こういうふうな体制でございます。 第二点目のインキュベーターでございますが、これは元来、卵をかえすという、ふ卵器ということでございまして、立ち上がりのまさにベンチャービジネスの卵を企業化していこうということでございまして、まさに小規模対策といいますか、零細企業対策でございます。そういうことでございまして、今後、操業間もない企業の立ち上がり段階を、いろんなアドバイスをしたり、コンサルティングもして支援していこうということでございまして、特にアメリカでは百以上の実例がございまして、私ども昨年から海外の先進事例を調査したり、あるいは地域のポテンシャルを最大限に生かした形でのインキュベーターをつくっていこうということで、これまで一般会計で調査費をいただきまして調査をいたしまして、県と連動いたしまして、十分実効のあるものをこれからつくっていこうと、こういうふうに考えておるところでございます。
○近藤忠孝君 その採算性とか内需拡大効果などについて質問したかったけれども、時間がないので省略しますが、いずれも公的な面が大変強いから採算性なども、さっきのお話じゃないけれども、そう楽観を許すものでないんじゃないかと思うんです。 最後に、大臣にお聞きしたいのは、今の話はお聞きになりましたね、こういったところにNTT株売却益を投資していくわけですね。一つ私は疑問に思うのは、この人材育成というのもなかなか漠としたものになるんですね。そんなうまいぐあいにこれから新しい分野での産業の指導者がこういった形で育つかどうかというものがありますが、問題は、こういう企業家育成を公的な性格を持った資金でやることが果たしてどうなのかということが一つ。それからもう一つは緊急性ですよ。いつ育つかわからない。例えばここを出たとしましても、果たしてそんなにうまい働き場所があるかどうかわからないし、こういういわば緊急性の問題。片方は財政百薬まさしく緊急性ですよね。そういうところへこういうお金を割いていくことがどうなのか。それから採算性などを見ましても不安定要素も強い。こういった点について、大臣としてこういう資金を投ずることについての問題点はいかがなのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のかながわサイエンス・パークでございますか、私も名前は知っておりますが、中身を今通産省の方が言われるのを伺っておりました。 これは第三セクターでございますから、そういう意味では県も市も公益性を認めればこそこれに出資をしておるんでございますし、民間の企業はまたこれが収益を上げるということの可能性がございますから出資をしているんだと思います。そこへここから金を出すということですから、それはやはりある種の分目的を持っておるというふうに考えて、この金を利用しようということであろうと思うんでございます。その分目的が、例えば新しい技術の開発であると、あるいは新しい人を養うのかどうか、そこはちょっと私はっきりわかりませんが、まあそうであるとして、そういう技術者あるいは経営の方法等々をいわば教育する、あるいは発案するというようなこと自身は、第三セクターであるという県や市がそれに出資をしていくということからしますと、恐らくそこに公益性があるということに違いない。 具体的には、この金を出すかどうかということは今後の問題でございますけれども、まあまあしかるべき種類の仕事ではないかと存じますが、詳しくは現実に存じませんので、抽象的にしかお答えができません。
○委員長(村上正邦君) 他に御発言もなければ、両案の質疑は終局したものと認めます。 それでは、これより両案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。
○赤桐操君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております両法律案に対し反対の討論を行うものであります。 中曽根内閣は、これまで超緊縮財政に固執する余り、一方において国民の税の超過負担を放任し、他方において経済の活性化を阻害してきたとがめが税収面にはね返り、国債の大量発行を余儀なくされるに至りました。そして、国債残高は巨額に達し、利払い費だけで六十二年度予算の政策上最重点に置くべき社会保障関係費を上回るというゆゆしき状況に陥っておるのであります。 このため、国債の残高を可能な限り縮減することは喫緊の課題でありまして、NTTの株式売却収入を国債の償還財源とすることが、衆参両院の逓信、大蔵各委員会での審議を経て、法制化されたのであります。 しかるに、今回提案の両法律案は、国民共有の資産であるNTTの株式売却収入を、立ちおくれている社会資本の整備に投入するという国民受けする体裁をとりつつ、国の無利子貸し付けという異例な制度を実施しようとするものであります。 そして、これによる融資の中身を見ますると、まずBタイプの融資は、補助金の前渡しであり、国の負担という面からは実質上、建設公債を発行するのと全く変わりはありません。 それにもかかわらず、無利子貸し付けの形で資金を交付し、その償還時において補助金を交付するという複雑きわまる方式をとったのは、一般会計において公債依存度を低く見せかけ、いわゆる小さな政府を装う中曽根内閣一流の粉飾的な財政運営の手法であると言わなければなりません。 また、AタイプとCタイプは開発利益吸収型と第三セクター方式の事業であり、公共的建設事業の促進はそれなりの意義があるとはいえ、厳しい財政のもとで、無利子の貸し付けを認めることの根拠に乏しいと言わざるを得ません。せめて国債金利並みの利子を付するのが、当然であります。 しかも、今回の措置による対象は、特定地域の特定業種であり、国民共有の資産を国民に等しく還元するという趣旨から逸脱するものと言わなければならぬのであります。 我々は、かねてより、NTTの株式売却収入は、その効果が国民に等しく行き渡り、かつ現下の国民の最大の要請となっている所得税減税財源に充当すべきであることを主張してまいりました。 これに対し政府は、NTTの株式売却収入は一時的なものであるとして、本資金の活用をかたくなに拒否し、マル優廃止による増税を提案しているのであります。 しかも、マル優廃止による増収効果が平年度化するのは、最長十年もかかるのであり、結局は税の取り過ぎである自然増収に依存しなければならない状況ではありませんか。 仮にマル優廃止を恒久財源と認めた場合においても、税制審議に我々が応じる前提とした八月七日の自民党提示メモの第四項目の「利子課税制度のあり方については総合課税への移行問題を含め、五年後に見直しを検討する」との方針を踏みにじるものであります。 マル優廃止により、国民の零細預金からも過酷に税金を取る一方、源泉選択分離課税の税率三五%を一律に二〇%にとどめるという高資産家優遇措置について我々は決して容認できないのであります。 幸い、NTTの売却収入は、今後六十四年度まで続くため、その間所得税減税の財源として活用しつつ、一方において、税制について、与野党の合意が得られる改革案をつくり上げることが本資金の最善の活用方法であるとの立場から、両法律案に反対するものであり、加えて、国民の国債に対する信用を回復するために、五十七年度以来停止されている国債費の定率繰り入れ措置を復活し、償還財源の確保に努め、特例公債については六十年償還ルールの圧縮を強く求めて、私の反対討論を終わります。
○大浜方栄君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。 この両法律案におきましては、現下の経済情勢に緊急に対処するため、日本電信電話株式会社の株式の売り払いによって国債整理基金に蓄積された資金の一部を国債の償還に支障を来さない範囲内において活用することとし、このため無利子の貸付制度を設け、社会資本整備の促進を図ることとするものであります。 最近、我が国の内外からの内需拡大に対する要請は極めて強いものがありますが、今回の無利子貸付制度は、国民生活に緊要な社会資本整備の促進を図ることにより、このような要請にこたえるとともに、地域の活性化にも資するところ、極めて大なるものがあると確信する次第であります。 これは、厳しい財政事情のもとで、建設国債の増発をできるだけ抑制するとともに、国民共有の貴重な資産である日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入は国民共有の負債である国債の償還財源に充てるという既に確立された制度の根幹は、これを堅持するよう工夫された制度でありまして、この点からも私は、広く国民の賛同を得られるものとして、高く評価するものであります。 今国会におきましては、既に昭和六十二年度補正予算の可決成立を見ておりますが、同補正予算では四千五百八十億円の無利子貸し付けが計上されているところでありまして、ただいま議題となっております二法律案の成立をまって、その一日も早い実施が強く期待されているところであります。 政府におかれましては、今回の無利子貸し付けに当たり、生活関連社会資本の整備を含め、真に緊急かつ必要な事業に対して、重点的に配分されることにより、一層その効果を高められるようお願いいたしまして、私の二法律案に対する賛成討論といたします。
○多田省吾君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております両法律案に対しまして反対の討論を行うものであります。 反対理由の第一は、今日の財政悪化の実態に対する政府の認識は極めて甘く、また適切な対応をしてこなかったということであります。 我々は、かねてより、内外の経済情勢の上から大幅の所得税減税と生活関連社会資本の充実のための公共投資の拡大を主張してまいりました。これに対して、政府は単年度ごとの一般会計の収支じりのみを合わせることに終始して、一貫して縮小均衡策のもとで超緊縮財政を指向し、結果として巨額の国債の累積をもたらしたのであります。 それにもかかわらず、公債依存度が低下し、歳出規模が圧縮されたかのように見せかけておりますが、その実態は、地方自治体や特別会計への負担のしわ寄せと後世代への負担の先送りにより、当面の一般会計の収支が償われているだけであり、財政再建はおろか、財政の実態は悪化の一途をたどっているのであります。 そして、国民の声、我々野党の主張に対し、かたくなにこれを拒んできた政府が、一たび国際会議の場で圧力がかかるや、これを国際公約として実行に及ぼうとする政治姿勢についてはこれを糾弾せざるを得ないのであります。そしてまた、その国際公約による減税にせよ、公共投資のあり方にせよ、野党の主張には耳をふさぎ、独善的な手法でこれを実施しようとしていることであります。 すなわち、反対理由の第二は、その政府の姿勢が今回のNTTの株式の売却収入の活用のあり方に明確に示され、所得税減税の財源にすることを拒否し、しかもその配分に十分な配慮がなされていないということであります。 NTT株の売却収入の使途については、ここで改めて述べるまでもなく、国民共有の資産を国民共有の負債である国債の償還に充てるべく法制化されているのであります。 また、昭和五十九年度の財確法によって特例公債までが借りかえられるという事態を招いて以来、その借換国債はできるだけ発行しないようにし、発行しても可能な限り減債に努めるべき旨の規定も明確に盛られているのであります。 そこで、NTT株の売却収入が予想をはるかに超える巨額に達し、これが四年、五年続くことが明らかになった場合、まず実施されなければならないことは、特例公債の借換額を圧縮し、少しでも国債残高の減少に努めることも必要であります。 次いで、内外から要請されている内需拡大を図るため、二兆円規模の所得税減税を実施するための財源として活用すべきであります。売却収入が国民共有の資産であるならば、国民がひとしく負っている税の超過負担を解消することに国民が反対するはずはありません。しかるに、売却収入を所得税減税財源とすべしとの野党の強い要求に対しても、政府は頑としてこれに応じなかったのであります。 無利子貸し付け全体の大部分を占めるいわゆるBタイプの公共事業についてはいわば補助金の前倒し程度にすぎないのであります。その返済のために返済額相当分を六年後から二十年後にわたって補助金として交付するというのであります。このような複雑な制度を編み出したのも、建設公債による補助金交付では一般会計の公債依存度を高めることとなるからという理由でこのような措置がとられようとしているのであります。 我々は、国民共有の資産としてもっと幅広い活用方法をとるべきであると思いますが、公共事業の施行に当たっては生活関連社会資本等の充実に重点を置くよう強く要求するものであります。 以上をもちまして両法案に対する反対討論といたします。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、日本電信電話株式会社の売り払い収入の活用による社会資本の整備の促進に関する二法案について、反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、NTT株売却益を他に流用するという、財政再建の緊急性、重要性を軽視する無責任なやり方にあります。 そもそもNTT株売却益は、国民共有の資産であり、国民共有の負債である国債の償還財源とすることが一昨年中曽根内閣自身の提案によって法定されたばかりであります。 しかも、国債償還財源として最低必要な定率繰り入れを六年間も停止し、赤字国債の借りかえへの道も開き、今年度も四兆九千八百十億円もの赤字国債を発行、国債残高は今年度末百五十三兆円にも達しようとしており、政府の財政再建計画は、まさに破綻のきわみにあるのであります。にもかかわらず、政府はこの責任を何ら明確にしないまま、過熱した財テクブームのもとで、NTT株の売却益が大幅に膨張することが確実になったからといって、これを他に流用するというのでは、二重、三重に国民を欺くやり方であり、到底認めることができないのであります。 第二は、売却益を大企業中心の民活型公共事業に流用しようとしていることであります。 電気通信事業は、今日ますます公共的性格が強まっており、安企業形態に戻すべきでありますが、株売却はこれに逆行します。 さらに、今回の売却益流用を政府は内需拡大のための社会資本整備と称しておりますが、これまでテクノポリス法やリゾート法、民活法等によって、税制、財政、金融にわたって支援してきた大企業のために、円高不況下の中小企業と比べて破格の無利子融資による事業を推進させようとするものであり、しかもこうした民活型大型プロジェクトによって生活基盤の整備も犠牲にされようとしており、断じて容認できません。 第三は、財界の要求にこたえた大企業本位の積極財政策への転換を図るものであり、国債の大増発、財政危機の激化をもたらすからであります。 補正予算によって、国債発行は十一兆八千六百十億円と、六十一年度補正後の発行額を上回り、財政再建とは逆行した姿に至っていますが、NTT株売却益の流用による公共事業の別枠扱いは、補正予算のみならず、来年度以降の公共事業関係費の大幅増をもたらし、結局、国債大増発とならざるを得ないことは明らかであります。これは、財政危機の深刻化、国民への大増税となってはね返ることにならざるを得ず、容認するわけにはいきません。 最後に、マル優廃止と大型間接税導入の策動をやめ、アメリカと大企業本位の内需拡大策ではなく、国民本位の真の内需拡大策をとるべきことを強く指摘して、反対討論を終わります。
○委員長(村上正邦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより順次両案の採決に入ります。 まず、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村上正邦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村上正邦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、赤桐操君から発言を求められておりますので、これを許します。赤桐操君。
○赤桐操君 私は、ただいま可決されました日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案」及び「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案」に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について十分配慮すべきである。 一、内外の社会経済情勢にかんがみ、均衡かつ調和ある経済発展に資するため、引き続き適切かつ機動的な財政金融政策の運営に努めること。 一、公債に対する国民の信頼を保持するため、今後においても、所要の償還財源の確保に努め、公債の償還に支障なきよう万全を期すること。 一、昭和六十三年度以降の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用に当たっては、国民共有の資産としての同株式の性格を踏まえ、諸般の要請に応え、その効果が広く国民に均霑するよう配意すること。 一、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の一部を原資とする貸付金については、内需拡大・地域活性化という目的に資するため、生活関連社会資卒の整備等を含め、真に緊急かつ必要な事業に対して重点的に配分するよう努めること。 一、昭和六十二年度以降の日本電信電話株式会社の株式の売払いに当たっては、上場後における巨額の株式売却となることにかんがみ、株式市場全般に対する影響を考慮の上、適正な価格で、公正に売却することに努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ皆様の御賛同をお願いいたします。
○委員長(村上正邦君) ただいま赤桐操君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村上正邦君) 多数と認めます。よって、赤桐操君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、宮澤大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮澤大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえ、配意いたしてまいりたいと存じます。
○委員長(村上正邦君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上正邦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五分散会