社会労働委員会 第7号
- 発言数
- 271 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1987/09/16
会議録
○委員長(関口恵造君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、石井道子君、石本茂君、久世公堯君及び曽根田郁夫君が委員を辞任され、その補欠として松浦孝治君、寺内弘子君、遠藤政夫君及び沓掛哲男君が選任されました。 —————————————
○委員長(関口恵造君) 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○浜本万三君 国立病院の統廃合問題につきまして質問をいたしたいと思います。 先日、統廃合に関しましては、特に地元の問題を中心にいたしまして質問をしたわけでございますが、先日質問をしたことについてのお答えがまだ不十分でございますので、以下、若干の質問をさしてもらいたいと思います。 まず第一は、医療スタッフ等の不足と将来の確保対策の問題につきまして質問をいたしたいと思います。 政府自身が、国立病院や療養所の再編成に関連いたしましたまとめの中で、医療スタッフ等の不足を問題点として挙げておられます。これはどういうところに支障を来しているのか。また、十分な医療スタッフを確保することができない理由は那辺にあるのか。まず、その辺についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 医療が高度化いたしますと、同じ病気に対する治療でも、御承知のようにたくさんの医療スタッフが要るようになるというふうな実態があるわけでございますが、私ども、国立病院・療養所は総定員法の枠の中にあるわけでございまして、そういう意味で医療スタッフを確保するということについての難しさがあるということを申し上げているわけでございます。 ただ、現在行われております国立病院の医療そのものがそういうことによって質が落ちているということではないと私ども考えておりますが、今後さらに高度化あるいは先進的な医療を行うについては、やはり現在の定員では非常に難しいのではないかというふうなことを考えておるわけでございまして、そのために私どもとしては、再編成に伴って生じた定員等の余裕について、医療スタッフを中心に再配置をいたしまして、機能の一層の強化を図っていったらどうかということで考えているところでございます。
○浜本万三君 どうもよくわからないんですが、それじゃさらにもう一つお尋ねするんですが、現在、国立病院などの病床数はどの程度の規模になっており、また、病床の利用率はどういう状態なのかということです。資料もいただいておりますけれども、全病院の平均と比較して、説明をいただきたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 国立病院の病床の利用状況でございますけれども、昭和六十年度の数字で申し上げますと、全病院が八五・八%となっております。これに対しまして国立病院・療養所につきましては、国立病院が八九・六%、それから国立療養所が九五・二%、こういう状況になっております。
○浜本万三君 平均的に言えばそういうことなんでしょうが、一部は病床がフル活動できない状態が慢性化しておるのではないかというふうに言われておるわけです。また一方では、患者に対するサービスの低下を招くということも当然あろうかと思うのでございますが、入院患者百人当たりの医療機関等の職員数は他の公的医療機関と比較してどうなっておるのでありましょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 国立病院・療養所の医療関係職員の状況について御説明申し上げます。 人病患者百人当たりの医師数を比較さしていただきますと、都道府県立ては十三・二人、それから日赤では十二・一人であるのに対しまして、国立病院では九・七人、それから国立療養所では四・二人でございます。また看護婦につきましては、都道府県立が六十八・九人、日赤が五十八・八人。これに対しまして国立病院が四十二・九 人、国立療養所が四十・二人。こういった状況で、他の公的医療機関に比べますと少ないというのが実情でございます。
○浜本万三君 確かに全体の資料を見ますと、他の医療機関に比べまして少し少ないように思われます。 そういうような状況の中で、入院患者に比較いたしまして少ない職員の数で他の医療機関と同じような医療サービスができるんだろうか、こういう疑問があるわけでございます。もし職員が少なくて十分医療サービスができておるとするならば、相当過密な労働が職員に強いられておるんじゃないか、こういうこともまた裏返して考えられるわけなんでございますが、そういう理屈にはなりませんでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいま御説明申し上げましたように、国立病院・療養所におきましては、職員数が他の公的医療機関と比べて少ない実情にあるわけでございますが、今後国立にふさわしい機能を発揮していくためには、医療スタッフ等につきましては一層の強化が必要であると考えておるわけでございますが、現在の職員数の実態におきましては、かなりの数の賃金職員を抱えざるを得ないといったような状況でございます。
○浜本万三君 職員が少なくて医療サービスについても一定の成果を上げておるとするならば、経営効率が悪いということはちょっと考えられないわけなんでございますね。 今日、病院経営に占める人件費は、国立病院と療養所はどの程度になっていますか。また、よそと比較をしましてどういう程度になっていますか。
○政府委員(川崎幸雄君) 国立病院におきます人件費の割合でございますけれども、昭和六十年度の数字で申し上げますと、経常収入に対します人件費の割合は国立病院で四八・八%、国立療養所で七七・七%、こういった形になっておりますが、その他自治体立病院で申し上げますと、人件比率は五一・四%、その他の公的病院で四七・一%、それ以外の私的な病院で申し上げますと四六・九%、こういったような状況でございます。
○浜本万三君 確かに、今資料を拝見いたしますと給与費は非常に多くなっておるように思われますが、これは、人員が少なくて給与費が多くなっておるということは、結局、全体の経営の中で人件費の占める割合が多いということは、先ほど経営効率が割といいんだという話がありましたんですが、悪いということになりませんか。
○政府委員(川崎幸雄君) この経営効率の問題につきましては、いろいろな見方があろうかと思います。確かに今申し上げましたような人件比率の問題もあろうかと思いますが、一方におきましては、やはり国立病院が実際担当をしております医療の内容、不採算的な要素もたくさん抱えている、こういったようなことも勘案いたしますと、いろいろな見方があろうかと思うわけでございますが、今度の再編成におきまして国立らしい機能の強化を図っていくと同時に、やはり必要な経営の改善といいますか努力といったものをあわせてやっていかなければならないというふうに私どもも考えておるわけでございます。
○浜本万三君 先ほど職員の比較のところで、看護婦の数が非常に少ないという資料を示してもらったんですが、私が思いますのに、看護婦が不足しておるからベッドの稼働率が少ない、つまり、入院患者を受け入れないというようなことになっておるのではないかという気もするわけでございます。例えば入院患者百人当たり看護婦の数に大きな差があるということは、どうも厚生省の怠慢があるんじゃないだろうか、こう思うわけなんですが、再度、その辺のところを詳細に説明してもらいたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 看護婦数につきましては、先ほど申し上げましたように、他の公的医療機関と比べて少ないというのが現状であるわけでございます。百人当たり見ました結果がそういった状況になっておるわけでございますけれども、そういったことで、現実に月平均の夜勤回数といった点におきましても、国立病院が九・六回、国立療養所が九回というふうな状況になっておりまして、目標といたしておりますいわゆる二・八体制の実現のためには、今後もかなりの要員の確保が必要であるというのが実情であるわけでございます。 私どもといたしましても、全体的に国家公務員の定員事情が厳しい中におきましても、逐年その整備には努力をしていくつもりでございますけれども、今後、この点につきましても引き続き努力を続けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○浜本万三君 今度の計画によりますと、今後行われる統廃合でありますとかあるいは施設を移譲することによって生み出されました要員等については、必要に応じて医療スタッフを中心に再配置するなど施設の充実強化に努めるというふうなことを申しておられるわけでございますが、その再配置の基本的考え方というものを、前回も伺ったんですが余りはっきりしたことを答えていただけなかったんですが、大臣どうでしょうか、もうちょっとわかりやすく、基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今回取り組んでおります国立病院・療養所の再編成は、その趣旨におきまして、国立医療機関がより広域を対象とし、そして、高度または専門的な医療をやってまいろう、また、教育研修とか臨床研究という部門に力を入れてまいろうと、こう考えておるわけでございますので、この再編成を達成するためはより以上の医療スタッフが必要であるということでございます。 このため、これまで以上に全体として医療スタッフを増員する措置をとるために最大の努力をいたしてまいらなければなりませんし、また、再編成を行うことによって、経営移譲によって生み出される余裕の定員、また統合をすることによって集約化できる定員、こういったものを適正に再配分し、そしてこの再編成の趣旨が現実のものとして実現をされるように、医療スタッフ面においても充実を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○浜本万三君 他の方も質問をされ、私も前回質問をしたわけですが、それらの一連の質問のお答えを伺っておりましても、政府の再編成計画は、対象の施設名がリストアップされておるだけでありまして、対象施設の病床の数でありますとか、あるいは国立医療の病床の数でありますとか、それから職員数の規模をどの程度にするということが非常に不明確になっておるわけでございます。そういう問題についても、従来も明確な答弁をいただいておりませんし、ただいまの大臣の答弁を伺いましてもどうもまだはっきりしておりません。 そこで、別の角度からこの問題をお尋ねするわけでありますが、この再編成後の国立病院・療養所の機能として考えておられます五つの種類の施設につきましては、あるべき施設の規模として、一施設にどの程度の医療スタッフと病床数を考えておられるわけでしょうか。その辺ひとつ明確にしていただきたいと思います。 また、ここで言う再編成後とは必ずしも十年後を意味するものでなく、あるべき姿は当然再編成の過程で考えていくべきものであるはずでありますから、申し上げましたような程度のことは明確にお答えをいただきたい、かように思います。
○政府委員(仲村英一君) 国立病院・療養所が国立にふさわしい役割を果たすために再編成ということを考えているわけでございまして、そのためには医療スタッフあるいは施設設備をできるだけ必要に応じた高水準のものにしていかなければならないと考えているわけでございます。 そのために、再編成に伴って生じました定員等の余裕について、医療スタッフを中心に再配置をして、機能の強化を図るということを考えているわけでございますけれども、今お尋ねの個々の施設について、例えばナショナルセンターが何ベッドの規模、そこには定員が何人というふうなこと ではなかなか決めにくい部分がございまして、はっきり申し上げられないというわけでございまして、例えば基幹施設につきましても、統合後どういう姿になるかというのはこれからいろいろな方々、関係者と具体的に煮詰めてまいりまして、その機能が定まり、それに対応する施設設備及び定員というのはその後だんだん固めていくということでございますので、今お尋ねの形で百六十五カ所が将来何ベッドになって定員何人になるということは、今すぐにはここでお答えできないわけでございます。
○浜本万三君 もう一つさらにお尋ねするんですが、先ほどのように、関係者と協議をされるということなのでわからないということなんですが、どうでしょうか、再編成で生み出される要員の数は目算で大体どの程度と試算をされておられるでしょうか。それが明確にならなければ、医療スタッフを中心に再配置すると申されましても、全く具体性がないんじゃないかと言わざるを得ないわけなのでありますが、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 例えば、六百床規模の病院を二つ統合いたしまして単純に統合すれば千二百ベッドになるわけでございますが、これは、その施設の置かれます敷地の大きさでございますとか建物の問題でございますとか、その地域医療の中におきます位置づけ等がございまして、必ずしも千二百になるかどうかも実はわからないわけでございまして、そういう点につきましては、そういうことを検討する過程でいろいろのことを決めながら、最終的にどういう診療科で何人ぐらいの医療スタッフということを決めてまいりますので、それぞれの施設ごとにそういうプロセスを経た上で定まってくる定員でございますので、現在、今お尋ねのような形で何人がすぐ浮くかというふうなことにつきましてのお答えはいたしかねるというのが実情なわけでございます。
○浜本万三君 まあ伺いましてね、要するにこの法律を通してくれと、後はもう地元の人と話し合って十分うまくやるんだから任せいと、こういうお話のように聞こえるわけです。私はやっぱり、厚生省が具体的な方針を持って、そして内容を明らかにされて、安心して相談ができる、また、職員の皆さんも安心して、統廃合をやるとすれば統廃合の計画に協力ができるような、そういう体制を確立してもらうように特にこれは希望を申し上げておきたいと思います。 それから、質問を変えまして、現在、厚生省が指定する臨床研修病院は全国で何カ所あるのでしょうか。また、そのうち国立病院・療養所は幾つ指定されておるのでしょうか。その辺の数をお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(竹中浩治君) 医師法に定められております医師免許取得直後の二年間の臨床研修を実施する病院でございますが、まず、大学附属病院が百二十七カ所でございます。そのほかに、臨床研修病院として指定を受けておる病院が二百十七カ所。この二百十七カ所のうち、国立病院。療養所は四十四カ所でございます。
○浜本万三君 国立病院・療養所、合計三十七ではございませんか。ちょっと伺った数字とは違うんですが。
○政府委員(竹中浩治君) 国立は、一般病院が四十カ所、それから精神病院が四カ所、合計四十四カ所でございます。
○浜本万三君 そういう数字を伺いましても、臨床研修機能を国立が十分担ってこなかったということがわかるわけでございます。 また、これら指定機関は、その機能を十分果たしてこられたのでしょうか。その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) ただいまお答えございましたように、国立病院四十四カ所が臨床研修指定病院になっておるわけでございます。私ども努力をいたしまして年々増加をさせてきておるわけでございますが、やはり指定の基準というのがございますし、研修の実が上がるための対応というのもある意味では非常に難しい面もございますが、私どもなりに一生懸命やってきたつもりではございますけれども、全体が二百十七カ所のうちの四十四カ所ということでございますので、国立がもっと担ってもいいではないかという御意見があるとすれば、それはそのような形で私ども考えなくてはいけないと考えております。 やはり余り医師数の少ないところでございますとか特定の診療科がない場合には指定を受けられないということが条件になっておりますので、そういう面からも、今後再編成ができた後で、高度の機能を有し、さらにそれが臨床研修の役目を担えるような形での機能のレベルアップも図りたいというのが再編成の一つのねらいでもあるということで考えておるところでございます。
○浜本万三君 これら五種の施設は、専門医療施設を除いてはすべて共通に教育研修機能を付与することとしておられます。しかし、そのためには医療スタッフや施設設備の充実が相当行われなければならないと思うのでありますが、こういった点をお題目に終わらせないためにはどうしたらいいか、お考えがあればお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) ナショナルセンターあるいは基幹施設におきましては、がんとか循環器疾患等に対しますレジデントを含めました専門医等の教育研修、実際にいろいろの形で行っておるわけでございますし、高度総合診療施設あるいは総合診療施設におきましても、臨床研修病院として率後臨床研修を実施するという形を行っております。 また一方、地域医療との関連におきまして、国立病院が中心となって地域のプライマリーケアを含めた地域医療の質の向上と申しますか、生涯教育を担うということでの地域医療研修センターというものも設置してきておるわけでございますが、そういう形での教育研修機能と申しますか、こういうものは国立病院としても今後さらに持ち続けなくてはいけませんし、地域医師会ともうまくタイアップをいたしまして、地域医療を質的に向上させるという点で私ども重要な機能と考えておるわけでございますので、引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。
○浜本万三君 それじゃ大臣にお尋ねするんですが、国立病院のことをよく知っておる人が言っておることなんですが、従来の国立病院における図書室やそれから病歴室などの状況から見ると、余りのお粗末さに、教育病院などとはおこがましいというような発言をされておる方もおられるわけでございます。 今回の厚生省の考え方が、政策医療を明確にするための作文であってはならないと私は思うのでございますが、そういう立場から考えますと、教育臨床研修は再編成と切り離しても充実していかなければならない課題だと思いますが、その点、大臣いかがでございましょう。
○国務大臣(斎藤十朗君) 国立病院・療養所におきましては、これまでにも卒後の臨床研修、プライマリーケアのための研修、地域医療を向上させるための研修、また専門医養成のための研修等を行ってまいったところでありますし、今回の再編成におきましても、こういった教育研修ということを一つの大きな到達すべき課題として掲げておるわけでありまして、今後とも、この再編成が進むにつれて充実をいたしてまいらなければならないと考えております。 同時にまた、今先生がおっしゃいますように、再編成と別にしても国立医療機関として政策医療を推進していくにふさわしい、果たすべき責任が果たせるような、そういった研修施設を充実整備していくということの努力を続けてまいりたいと思っております。
○浜本万三君 最近、業務委託というのがはやっておるわけですが、業務委託につきましてもある一定の歯どめをしなければ医療機関としての責任が果たせぬのじゃないかと思いますので、そういう立場から、若干質問をさしてもらいたいと思います。 政府が発表した基本指針によりますと、「効率 性の観点から経営の合理化等の方策を積極的に進めなければならない。」ということで、「経営の合理化」として、「業務委託」を打ち出しておられますが、どのような方針でこの問題は取り組む考えでございましょうか。 また、現在まで国立医療機関で業務委託をされている部門はどのような内容のものか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 国立医療機関といえども、やはり病院経営の合理的な運営、効率化といった努力は続けてまいらなければならないわけでございますが、この業務委託につきましては、共通管理的な業務につきまして、国立病院・療養所においても進められるものは進めるといったような考え方を持っておるわけでございます。しかし、業務の委託につきましては、決して医療サービスの低下を招くことのないよう、こういった点に配慮しつつ進めてまいらなければならないというふうに考えておるわけでございます。 現在、この業務委託につきましては、ただいま申し上げましたいわゆる共通管理的業務といたしまして、清掃とかあるいは洗濯とか電話交換、こういった分野について逐次実施を進めているところでございますが、今後とも医療サービスそのものが低下するといったことのないよう配慮しつつこれを考えてまいりたいと思います。
○浜本万三君 医療サービスが低下することのないように、一定の部門については業務委託をするというお考えでございますが、一般の病院には、各種部門に業務委託が入っておるように伺っております。 私も、大手資本がさまざまな子会社をつくり、給食部門の全面委託を初め派遣労働者として看護助手まで配置していることも伺って、承知をしておりますが、病院部門への業務委託の採用は、先ほど申したように、人の命を預かることでございますから、おのずから限度があってしかるべきだと思っておるわけです。今後十分そういう点を考えられて、業務委託をする場合には対応してもらいたいと思うわけです。 先ほどちょっと基準を申されたんですが、外注の方法それから外注の基準ですね。もう少し詳しく説明していただきたいと思います。
○政府委員(竹中浩治君) 医療機関がその業務を第三者に委託をする場合には、その医療機関の管理者が業務遂行上必要な注意を果たし得るような体制をとることが必要でございますし、同時に、業務に求められる質を確保することが必要でございます。そういう観点から、今お話しの外注の仕方なり基準というものをある程度定めておるわけでございます。 具体的に申しますと、例えば病院給食に関しましては、まず、病院内の設備を用いて調理をしていただく。現在のところ、外部で調理をするということでは困る。それから、病院の栄養士が献立の基準の作成でございますとか検査をする。それから、委託を受けた業者も、栄養士を配置をしておくこと。それから、委託を受けた業者が何か事故がありました場合に代行保証等を契約の中で明らかにしていく。こういったことを条件にいたしまして、委託、外注をするようにというふうに定めておるわけでございます。
○浜本万三君 最後に、大臣に決意のほどを伺いたいのでございます。 私は、外注はできるだけしてもらいたくないという気持ちを持っておるわけなんです。要するに、外注で重要なことは、病院側に、単に経費の削減ではなく、入院患者に快適な居住サービスをするという基本的な方針なり考え方がなくてはならないと思っております。あくまでも経費削減は剰余金を医療サービスの向上のために還元するということでなくてはならない、こう思います。国庫負担減らしがその目的であってはならないと思うわけでございます。また、委託のしっ放してはなく、外注業務を常時チェックして患者サービスの低下にならないように配慮することも必要であるというふうに思います。 そういう歯どめになるようなことをしっかり守って運営をしてもらいたい、こう思いますが、大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 国立病院・療養所といえども、その経営の合理化、効率化を図っていかなければならないということは当然だと考えますが同時に、国立病院・療養所としての公共性と、また効率性というものの調和をとっていくということも非常に大事であります。 そういう考え方に立って、今先生が御指摘のように、医療サービスの低下を来さないということを第一に考えてこれに取り組んでまいる覚悟でございます。
○浜本万三君 終わります。
○千葉景子君 本案に入る前に、一点だけ確認をさせていただきたいというふうに思います。 前国会で厚生大臣に、血友病の皆さんのエイズ感染、こういう問題につきまして、早急に対策を講じる必要があるのではないか、そういう質問をさせていただきました。また、その後、同僚委員でございます糸久委員の方からも大臣の方に質問させていただきまして、この国会中に一定の御回答をいただくというお約束をいただきましたが、この点については、今どのような状況にございますでしょうか。大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(斎藤十朗君) 血液製剤によるエイズに感染した方々は、まことにお気の毒であり、何らかの対策が考えられないかと検討してまいったところでございます。 具体的には、まず、医薬品副作用被害救済基金の適用対象とすることができないかということを再検討したところでございますが、血液製剤によるエイズ感染は、救済基金の対象である副作用とは言えず、救済基金の対象とすることは困難であるという結論に達したところでございます。 そこで、他の対策が考えられないかということでございますが、これまでのところ、厚生省といたしましては、まず第一に、医療の面については発症を予防することが最も重要でありますので、希望者に対しては最新の薬剤を用いた発症予防事業を行う。また第二点といたしまして、感染者が現在置かれている状況の中でさまざまな不安や悩みを抱えておられますので、プライバシーにも十分配慮しつつ相談に応じられる体制を整備するといった事業について検討を行っておるところでございます。
○千葉景子君 これは、来年度の予算等にも盛り込まれているものでございましょうか。
○国務大臣(斎藤十朗君) 来年度実施できるように予算の中でどのように配分をしていったらいいかということについて、今、前向きに検討をいたしておるところでございます。
○千葉景子君 ぜひ十分な予算を獲得できますように、そしてさらに、きょう二点お話をいただきましたけれども、それ以外の点でも前向きに検討をいただきたいというふうに思います。 それでは、今回の統廃合の問題について質問をさせていただきます。これはこの法案が出ましてたびたび質問が出ております、そういう意味ではたび重なる質問ということで、大変申しわけございませんが、最も基本的なところでどうも納得がいかないという点でございますので、再度確認をさせていただきたいというふうに思います。 まず、厚生省の再編成計画の基本的な考え方としては、一つには「適切かつ効率的な医療供給体制の確立」、そして二つには「公共性と効率性の両立」、そして三つ目には「全国的視野からみた公平、適正な施設の配置」というようなことが基本的な考え方としてとられております。そして、「適切かつ効率的な医療供給体制の確立」という第一番目の基本的な考え方、この内容は、「国立医療機関にふさわしい指導的役割を果たせるよう政策医療を重視し国立病院・療養所の機能の重点を第三次の高度専門医療に特化する。」と、こういう御説明がなされているわけです。 この中で、「政策医療」という言葉、これは、「その時代において国の医療政策としてとくに推進すべき医療をいう。」というふうに御説明をされておりますけれども、だとすれば、この政策医 療が第三次の高度専門医療であるというふうにつながっていくのは一体どういう理由によるものなんでしょうか。このところがやはり今回の法案の一番の基本ではないだろうかというふうに思います。高度専門医療というのはどんなものであるか、そしてなぜその高度専門医療が、今日の政策医療である、いわゆるその時代において国が推進すべき医療であるというふうに言えるのか。この辺をもう一度わかりやすく説明していただければと思うんです。
○政府委員(仲村英一君) 例えば結核について過去の歴史を考えてみますると、当時国民病と言われた結核でございましたけれども、本当に国立療養所が中心になりまして、量的にもカバーをいたしましたし質的な面では非常に先進的な研究を行い、しかもそれが国立療養所群として質の高い研究を、一施設でやるよりもネットワークを使いまして非常に迅速に、つまり短期間で新しい化学療法の対応を考えたというふうな歴史があったわけでございます。 そういうことを考えますと、やはり国立というのは、私どもとしては、現在政策的に問題となっておる医療について率先してその治療を分担する、研究を分担するという形で考えておるわけでございますので、今お尋ねのような観点でお答えいたしますれば、政策的に重要な問題となっておるいわゆる政策医療について国立病院・療養所がその機能を担うということで考えておるわけでございますが、現在、政策的に問題となっておる疾患に対応するといたしますればやはり高度でなくてはいけませんし、例えば専門的な医療ということでそれに対応していくのが非常に必要なのではないか。国立病院がそれを担当いたしまして、先ほどもお話が出ておりましたような教育研修の場としても国立病院を活用していただいて、他の医療機関へだんだんその技術なりが移転をしてまいりますれば、それはむしろ政策医療よりは一般的と申しますか、そう難しくない医療技術に変わっていくということが起こり得るわけでございますので、そういう観点で考えますれば、国立病院が現在担うべき役割というのは高度専門的な医療であって、それがすべてとは申し上げにくい部分もあるかもしれませんけれども、非常に政策的な重要な医療として位置づけられておるというふうに私ども従前から御説明をしてきたわけでございます。 例示が適当かどうか、これはそのときどきの医療技術の水準によって変化することは今先生も御指摘なさいましたけれども、例えば肝臓がんに対します細葉切除術というのは日本で考案されたわけでございまして、これがだんだん他の医療機関にも普及しつつありますけれども、またどの医療機関でもやるわけにはいかないような高度な手術でございます。したがって、こういうものはがんセンターとか地方がんセンターを中心に今後さらに普及を図っていく。例えば心臓をあける手術にいたしましてもそうですし、今後非常に診断技術上重要となるようなMRIといったような機器でございますとか、さらには、例えば千グラム以下の極小未熟児に対していろいろな形での手術を行うというふうないわゆる高度医療と申しますか、そういうものを国立病院が率先して担っていく。腎臓移植にしてもそうでございますが、そういう形で、国立病院だけとは言いませんが、国立病院が主に高度専門的な先駆的な医療を担って、それがだんだん他の医療機関でもできるようになりました際には地域医療全体としての質の向上が図られるわけでございますので、国立病院はさらに次の高度あるいは専門的な医療を担うというような形で国立医療施設を位置づけたい、こういうことで考えておるわけでございます。
○千葉景子君 私も、このような高度専門医療、こういうものについて全く国に責任がないとかいうことを言うつもりはございませんで、こういうところにも目を向けていただくということは大変重要なことだろうというふうに思います。 ただ、今の時代において国の推進すべきことというのは、これ以外にも、やはりこれと並んで、あるいはこれ以上に重要な点があるのではないだろうか、そういうふうに思うわけです。例えば、今国が推進しなければならない課題というのは、医療供給体制の地域格差、こういうものを解消する、こういう問題。とりわけ国民が医療を十分に受けられるという、そういう権利を保障するためにも、こういう地域格差などを解消していくというのも高度専門医療と並ぶくらいに大きな課題ではないだろうかというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(斎藤十朗君) 現在の我が国の医療供給体制は、量的には、マクロ的に言いまして大変高い水準に達しておるというふうに考えるわけでございますが、御指摘のように、地域別に考えますと、地域的な格差というものもあることも否めないわけでございます。 医療法を改正をしていただきまして、そして総合的な医療供給計画を決めていくということで、今、各都道府県におきまして地域保健医療計画というものを策定をしていただいておるわけでございますが、こういったことを通じて、それぞれの地域の格差を是正をしていくようなことにつながってまいるというふうに考えまするし、またそういった中で、病床の不足している地域、またそれぞれの専門的な分野において医療供給体制が不足している地域等については、厚生省といたしましてもいろいろな角度から助成、支援をいたしてまいるということといたしたいというふうに考えておるところでございます。
○千葉景子君 先ほどの再編成計画の基本的な考え方の三番目にも、「全国的視野から見た公平、適正な施設の配置」ということが挙げられているわけでございまして、こういう地域格差の解消というのは大変重要な課題であろうかというふうに思います。 とりわけ、今医師過剰時代というような言葉も聞かれるわけですけれども、確かに総数としては、全部を合計してみれば大変多くなっているということもありますけれども、むしろ地域間の格差というのは拡大しているのではないだろうかというような気もいたすわけです。先ほど厚生大臣もおっしゃられたように、医療法の改正によりまして、医療法三十条の五で、このような地域における「整備その他必要な措置を講ずるように努める」と、こういう規定も盛り込まれてきたわけです。 こういう中で、地域格差というのは今どうなんでしょうか、徐々に縮小して解消する方向にあるんでしょうか。それとも、むしろまだまだ拡大傾向にあるんでしょうか。その辺はいかがですか。
○政府委員(竹中浩治君) 地域格差、特に僻地、離島等を念頭に置きますと、現時点でも非常に重要な問題であろうかと思っております。 ただ、各自治体の御努力等もございまして、例えば無医地区の数というようなことで申し上げてみますと、昭和四十一年に無医地区の数が全国で二千九百二土地区、その人口が百十九万人ということでございましたが、五十九年の十一月未現在では、無医地区の数が千二百七十六、四十一年に比べまして四三・七%。それからその無医地区の人口が三十一万九千七百人ということで、四十一年に対しまして二六・八%ということでございます。 そういうことで、少しずつ地域格差、特に僻地無医地区数というようなことを例に挙げますと、少しずつ改善されているのではなかろうかと思っております。
○千葉景子君 今無医地区の話が出ましたけれども、現在でも、自治体病院の中でもお医者さんを呼ぶには年俸四、五千万出さないと来てもらえないという、そういうことも先日、朝日参考人などからもお話がありました。また、私の聞くところによりますと、広島県のある町などでは、町長が町立病院に医師を年俸四千万円で雇った。ところが、町議会で高過ぎるという反対に遭いまして、三千五百万円に値切られてしまった。そのために医師の側から契約不履行だということで今訴訟が行われ、係争中である、こういうような話すら耳 にするわけです。 こういう形で、地方自治体などでも医師の確保が大変だ。医者に知り合いがあれば町長になれるんだというような話も出るほど、医師確保にも大変苦労しているということなようですけれども、こういう実態については厚生省の方でどの程度把握され、こういう事態についてはどんなふうなお考えをお持ちなのか、お聞きしたいというふうに思います。
○政府委員(竹中浩治君) 僻地診療所等におきまして医師の確保が大変困難であると、いろいろお話がございましたが、それが実情であろうと思っております。ただ、医師がなかなか僻地の診療所に行っていただけないという背景には、やはり研修の機会が非常に少なくて、医学の進歩におくれるというような悩み、あるいは子弟の教育にいろいろ差し支えが出るというような悩み、そういったことがかなり大きいのではなかろうかと思っておるわけでございます。 そこで、私ども従来僻地医療対策といたしまして、いわば点の整備、つまり僻地診療所ごとの整備ということを考えておりましたが、今回、六十一年度以降の第六次の計画におきましては、面の整備、つまり点から面への充実、僻地中核病院を単位にいたしましてその傘下にある診療所、これを全体として眺めていく。つまり僻地中核病院における研修機能の強化でございますとか、あるいは僻地診療所に代替の要員を送るとか、そういうことを含めまして研修の機会を充実していく。まだまだ不十分で、おっしゃいますような点が多々あろうかと思いますが、今後もそういった努力を続けてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 そのようなさまざまな試みはぜひ強化をしていただきたいというふうに思います。 今回の統合、移譲施設の、地域医療計画が今八カ所出ているようでございますけれども、その地域医療計画による病床事情、そういうものから見ますと、統合も移譲も、過剰地域にも確かに存在するわけですけれども、病床不足地域からも統合、移譲病院が指定されている。統合で十一カ所、移譲で六カ所指定をされているということもございます。こういうことを見ますと、まだまだ今回の統合案が地域格差の解消につながるかどうか、大変疑問なところもあるわけです。 こういう不足な地域などは、国としては、統合、移譲というよりもむしろ医療供給を充実する方向へ持っていくべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 国立医療機関といえども地域の医療計画とそごがあってはならない。私どもとしては十分その整合性を図ってまいらなければならないというふうに考えているわけでございますが、先ほど先生からもお話しございましたように、今回の国立病院の再編成といいますものは、国立病院・療養所の機能を明確化する。役割を明確にしてそういった方向で国立らしい医療機関として整備を図ってまいりたいというのが基本的な考え方であります。 したがいまして、国立医療機関は非常に広域を対象とする、広域をカバーするような医療機関に整備をしていく。つまり、高度性あるいは専門性を持たせることによって広域利用を図っていくということで、非常に限られた地域の一般的な医療といいますものは基本的には他の医療機関にやっていただくというふうな考え方に立っておるわけでございまして、したがいまして、国立医療機関というのはいわゆる三次医療を目的とした医療機関として、医療圏を越えた広域をカバーするような高度あるいは専門性を持った医療機関にしてまいらなければならないというふうに考えているわけでございまして、単に国立医療機関が地域の医療におきまして量的な面において分担するということではなしに、各種の医療機関の中で役割分担を明確にして、その整備充実を図ってまいりたいというふうな考え方をとっておるわけでございます。 ただ、現実に、ただいま御指摘ございましたように、個々の例におきまして病床不足地域にございました国立医療機関が統合されるといったような場合に、従来、地域におきます一般医療についても貢献を果たしてきたといった問題につきましては、やはりその後の医療をどうやって確保していくか、やはりこういった問題が統合におきます一番肝心の問題になってこようかと思うわけでございます。したがいまして、そういった地域の後の医療をどうやって確保していくかということにつきましては、私どもといたしましても、十分地元自治体を初め関係者の御意見も聞きながら、そういった地域の医療に支障が生ずるといったようなことのないように十分配慮しながら再編成計画の実施を図ってまいりたいというふうに考えております。
○千葉景子君 今おっしゃられたとおりでして、その地域の住民としてはいつでも安心して医療にかかれるということがやっぱり一番の願いなわけですね。国立らしいというのがよく言葉に出て、どうも国立らしいというのは何か立派ですばらしい設備というようなイメージが浮かぶんですけれども、国民としては、必ずしもそういうことではなくて、すぐにもかかれる医療、そして安心できる医療ということがやはり一番の願いであるということをぜひ御理解をいただきまして、そういう統廃合後の不足地域への手当て等を十分に考えていただきたいというふうに思います。 例えば一つの例なんですけれども、六十一年度着手予定分として、近畿地域で田辺と白浜の病院の統合というのがございます。これは双方の病院を廃止して新しい病院を建設する、新しい病院の建設予定地も田辺市に大体決まっておるというような新聞報道などもなされている状況です。ところが、これ見ますと、田辺市には公立の紀南病院というのがございます。これも総合病院でございまして、今度新設される統合された病院と診療科目などもそう違わない。若干新病院の方が多いようでございますけれども。片や白浜の方は、温泉病院として温泉治療などを主体とした機能回復訓練など特徴的な医療も行っていた。こういう病院が統合され、むしろ総合病院のある田辺の方に新設をされるということだそうです。スタッフなども、ちょうど田辺と白浜の両病院をプラスした、百五十七名ということになっております。 どうもこういうのを見ますと、病院がある方へさらに病院をつくる。そしてスタッフも、先ほど、今後医療スタッフの充実が高度専門医療において必要だというお話ですけれども、ちょうど両方足しただけの数に予定されているということで、これが高度専門医療、あるいは地域格差ですね、「全国的視野からみた公平、適正な施設の配置」、こういうような基本的考え方に本当に即しているものなのかどうか。素人目にといいますか、普通に考えると疑問がないわけではないんですけれども、この例などはいかがなものでしょうか。これは一つの例でございますけれども。
○政府委員(川崎幸雄君) 今お挙げになりました国立田辺病院と国立白浜温泉病院の統合でございますけれども、これにつきましては、それぞれ、田辺病院が百九十三床、白浜病院の方が百三十五床という非常に小規模の施設でございます。しかも、両施設は約十五キロという間隔の近接した位置にございます。こういった施設は、統合することによって機能の充実を図っていくことが適当であるというふうに考えたわけでございます。 そうしまして、この統合いたしました病院といいますものは、和歌山県域を主として診療圏といたしますような高度な総合的診療を行う。さらには医療従事者の研修、そういったようなことも行うような施設として整備充実を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。したがいまして、統合後の新病院につきましてはこういったような機能を発揮できるように医療スタッフ等も充実を図ってまいらなければならないというふうに考えているわけでございまして、内容につきましてもそういった点を十分私ども勘案いたしまして、新病院につきましてはそういった機能づけに即した機能が発揮できますように、内容充実を図ってまいるというふうに考えております。
○千葉景子君 ぜひ今おっしゃった観点はお忘れなく、今後検討していただきたいというふうに思います。 ところで、僻地医療を担っている国立病院・療養所等について、地元の自治体などもこぞって存続を希望しているところが多いわけです。また、地域の住民の生命と健康を守るという意味でも大変重要な意義を持っていると言わなければいけないというふうに思うわけですけれども、こういう地元の声をどの程度勘案していらっしゃるのか、その辺にやはり疑問が残るわけです。 そういう意味で質問をさせていただきますけれども、まず、厚生省に地方支分部局として地方医務局という機関があるかと思います。ここは一体どういう職務を行って、大体全国にどんなふうに配置されているものか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 厚生省の地方支分部局といたしまして、国立病院・療養所の管理を行うという仕事を内容といたしまして、全国八ブロックに地方医務局が設置されております。
○千葉景子君 全国では北海道、東北、関東、東海北陸、近畿、中国、四国、九州と、こういうところに配置されているということでよろしゅうございましょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 四国は支局でございますけれども、先生がおっしゃったとおりでございます。
○千葉景子君 そうなりますと、地方医務局というのは、厚生省の所管している事務の、国立病院と国立療養所に関する事務を管理するということになります。そうなりますと、そこの地方医務局長、トップの方になるわけですけれども、この国立病院、国立療養所の実態とか実情については一番身近で御理解をいただいている方だと考えてよろしいかと思いますけれども、そのとおりでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 地方医務局長は、日常、管内の国立病院・療養所の運営につきまして仕事をやっているわけでございまして、その実情についてよく把握をしながら仕事をやっているというふうに私どもは理解をいたしております。
○千葉景子君 そのような地方医務局長が今回の国立病院・療養所の再編成問題についてどのような意見を持っているか、厚生省の方でもよく御存じのことかというふうに思うんですけれども、一つの例として、北海道について、医務局長がこの国立病院・療養所統廃合問題について見解を述べられている文書がございます。 この中では、「国立十勝療養所と国立療養所帯広病院の「統廃合」計画は、従来の交渉の経緯および確認事項を尊重する立場からは受け入れることは困難である。」ということを述べられています。またその後も、統廃合計画を受け入れることは困難だということを、これは翌年の二月におきましても表明をされているという実態がございます。 こういう医務局長の発言、こういう声については、厚生省としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいというふうに思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 地方医務局長としてそういったような意見を述べたということは、いろいろないきさつもあったかと思いますが、申し上げておりますとおり、今回の再編成といいますものは、あるいは統合し、あるいは経営を移譲するといったようなことでございます。従来国として運営をしてまいった国立病院をそういったような形で再編成をするということでございますので、その実施に当たりましては、いろいろな困難な問題あるいは摩擦も生ずるといったようなことがあろうかと思います。第一線の管理者といたしましていろいろ悩みの多い問題ではなかろうかと思うわけでございますが、しかし、これからの国立病院・療養所の将来の展望を開いていくためにも、今回の再編成の趣旨につきましては十分理解をしていただくように、私どもといたしましても、地方の医務局長あるいは病院長に対しましてよくその趣旨を説明いたしますし、また、指示をいたしているところでございます。 厚生省といたしましては、これは私どもが抱えております重要政策でございますので、そういった関係職員の理解も得ながら着実に、円滑に実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○千葉景子君 やはり現場で、その地域の実情、あるいは働いている方の意見、また地域の住民の意見、そういうものを踏まえて発言しているこういう各ブロックの責任者の声というのは、むしろ厚生省の方が率直に受け入れるべきで、納得するのは厚生省の方じゃないだろうかと私は思うわけです。 そういう意味では、理解を得てこの政策を推進していくというお話ですけれども、今後もこういう意見というのはもうできるだけ尊重する、そして計画を立てる段階でも十分に煮詰めて、計画を出した後からでも、現場から、いわば部内ですね、そういう中からこういうような意見が出るような計画というのは、ぜひ考え直す、見直すべき計画ではないだろうかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがなものでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 繰り返しになりますけれども、第一線にあります地方医務局長あるいは施設長につきましては、個々の地域の問題その他いろいろな実施に当たります問題にいろいろ当面いたすわけでございますけれども、やはり国立病院が置かれております現在の状況、さらには医療を取り巻く環境の変化等を踏まえまして、この際、国立病院・療養所というものが真に国立医療機関として国民の期待にこたえられるような質的強化を図っていかなければならない、こういったことについては十分御理解を得られると思うわけでございますけれども、具体的な計画の実施につきましては、当然私どもはこういった内部の関係職員、責任者の意見も十分徴しますし、さらに相互に意見を交わしまして計画をつくり、その実施を進めてまいるというふうなことは当然のことでございます。 今お話しもございましたように、どういった形で進めていくか、あるいはこれから個々の施設についてどういった細かい機能づけをしていくか、そういったようなことにつきましても、こういった関係職員等の意見は十分勘案して進めてまいりたいというふうに考えております。
○千葉景子君 さらに、各施設の責任者であります病院長からもいろいろな意見が出ている。例えば、六十一年度統合計画に名前の挙がっている帯広の病院長、ここからも厚生大臣あてに、これは六十年でございますけれども、上申書が出されている。これは厚生省に出されているものですからもう十分御存じだと思いますけれども、「帯広病院の医療遂行の使命達成と施設運営に責任を持つ施設長として当院の統廃合には反対であり、名指しの撤回と、現在地での単独による充実・強化を強く望むものです。」。こういう病院長からの上申書が厚生省あてに出されているという状況です。 こういうものを見ますと、どうも今回のこの統廃合問題というのは、現場の意見も聞かずに、厚生省の上部で思い込みの上でなされた計画ではないだろうか、そう考えざるを得ないわけですよ。そういう意味では、こうした声を十分に聞きましてこの計画をもう一度再検討する、そういうことをなされるべきではないだろうかというふうに思います。この点について、ぜひ見解をお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今回の国立病院。療養所の再編成というものが、その趣旨におきまして、総論として多くの方々に御理解をいただけるというふうに私は考えております。しかしながら、具体的な事例ということになりますと、それぞれの地域の皆様方、また、これまでの経緯、置かれている地域におけるその国立病院・療養所の占める位置、そういうようなことからいろんな御意見があるということを承知をいたしておるわけであります。 でありますので、これを進めてまいります場合には、地元の地方自治体を初め関係者の皆様方と 十分に御相談をしながら進めてまいりたいということを私は申し上げておるわけでございます。そういう関係者の中には、地方医務局長やまた病院長等、今御指摘のあったような方々も直接地域の皆様方との接触が深いわけでございますので、十分話を聞いてやってまいるということは必要であると考えております。これまでにもそれなりにいろいろと意見を交わして進めてまいったところでございまするけれども、具体的にどのような統合をし、そして統合の暁にはどのような形になるのか、また、廃止になった施設についてはその地域をどうするのかというような具体的なことにつきましては、地域の皆様方との御相談を進める段階でだんだんに固まってまいる、こういうことでございますので、現在におきましてはまだ十分な合意がなされていない、その合意を形成しつつこれから進めていく、こういうことになるわけでございます。 現段階におきましては、関係の皆様、また、今御指摘のありました地方医務局長や病院長等におきまして、現在置かれているような状況を大きく変化させるというか医療の低下を招くというようなことになっては反対であるとか、また、過去の経緯に照らしてこれが大きく覆されるようなことになっては反対であるとか、関係の皆様方がいろいろな不安を持っておられる、そういう不安が現実になるようなことであっては反対である、こういう趣旨での御意見であるというふうに理解をいたしておるわけでございますので、そういうその不安が現実にならないような方途をお互いに話し合って計画を煮詰めていく、そして最終的には関係の皆様方の大方の理解をいただける、こういうふうに進めていきたい。また、そうできるものというふうに思っておるところでございます。
○千葉景子君 どうも今回の計画は、全国を網羅して一律にやろうなどというのがそもそも無理な計画だったのではないだろうか。地域の不安等も解消しないままに進められているというところに私は非常に問題のある計画であろうというふうに思っております。今後ぜひ、決めたからどうしてもこれをやらねばならぬなどという気負った考えはお捨てになって、十分、個々の問題あるいは地域との問題、こういうものの解消を図りつつ進めていただきたい。できれば私はこの計画をもう一度再検討していただきたいというふうに思うわけです。 ところで、こういう実態にございますけれども、自治体の方としても非常に存続を希望しているわけです。そうなりますと、やはり自治体としても、国立の施設に対しては何らかできる支援をするということもやっていかざるを得ない。特に僻地医療などに不可欠なプライマリーケアを得意とするお医者さん、こういうものを自治体などでも自治医大などに委託して養成をしているということがございます。こういうような僻地に所在する国立病院あるいは療養所に適するお医者さんの育成、こういう問題については、厚生省の方としては、自治体に見合うような努力というような、何かなさっていらっしゃるのでしょうか。
○政府委員(竹中浩治君) 僻地、離島のみではございませんけれども、非常に医学の進歩によって過度の専門化があるというような背景もございます。そういうことを踏まえまして、卒業直後の二年間の臨床研修でございますが、従来、ストレート方式と申しまして一つの診療科だけを二年間研修をするという者がかなり多かったわけでございます。昭和六十年度から、幅広い臨床研修を受けるというようなことで総合診療方式というものを導入をいたしまして、その普及を図っておるところでございます。恐らく、こういう総合診療方式の研修を受けた方が仮に僻地、離島等で診療をされる場合には、非常に役に立つのではなかろうか。 また一方で、これも必ずしも僻地、離島だけを対象にしたものではございませんけれども、そういう総合的な幅広い臨床能力と、それから健康管理から治療、リハビリテーションまで、継続的かつ総括的な医療、地域のプライマリーケアにそういうことが重要でございますが、そういうことを担うお医者さんとして、家庭医の養成あるいは家庭医機能の普及定着といったようなことを、これもモデル事業をそれぞれ実施をしたいということで、昭和六十三年度の予算の概算要求の中に織り込んでおるところでございます。
○千葉景子君 研修医の問題でございますけれども、今の総合診療方式というのでしょうか、そういうものも取り入れてやっているということですが、それは今一体どのくらいの病院でどのくらいの医師がこういう方式で研修をしているんでしょうか。
○政府委員(竹中浩治君) 今数字を用意をいたしておりますが、私の記憶では、まだまだ十分ではございませんで、総合診療方式を導入をしていただいておる指定病院は、まだ十カ所程度だと記憶をいたしております。したがいまして、実際にその研修を受けておる医師の数も、まだまだりょうりょうたるものでございます。
○千葉景子君 ぜひ家庭医の育成あるいはこういう総合診療方式、幅広くいろいろな診療科目に対応できるような医師の養成、こういうものを推進をしていただきたい。そういう意味では、そのための今後の方針といいますか計画のようなものをぜひ立てていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(竹中浩治君) 私ども、大学病院を含めまして現在の臨床研修の中身というものはまだまだ改善を図らなければならない面があると考えておりまして、現在、医療関係者審議会の臨床研修部会におきまして、全体的な臨床研修のあり方の見直しをしていただいております。その中の重要な課題といたしまして、今の総合診療方式の普及、それからこれはこれからの検討でございますが、単なるストレート、つまり一つの診療科だけの研修というものはこの際なくした方がいいのではないか、そういうことも含めまして臨床研修部会で検討をいただいておるところでございます。
○千葉景子君 これはぜひ実行に移していただきたいというふうに思います。 こういう問題になりますと大学の附属病院等での研修ということも非常に重要になってくると思いますが、こうなりますと、文部省の方でもこの辺ぜひ厚生省とも連携をとってやっていただかなければいけないわけですけれども、文部省の方では、この医師養成の問題についてはどんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(菴谷利夫君) 御指摘の点につきましては、まさに専門的に過ぎましてもいろいろと医師として十分でない点もございます。したがいまして、大学病院におきましては、医科大学及びその附属病院におきましては、将来の医師の卵を教育する、これがまず第一の使命でございます。それから、当然疾病に関する非常に先端的な研究をしていく、それからさらに、教育及び研究のための附属病院を持つと、こういう三つの機能があるわけでございますが、どうしても医療の内容あるいは疾病の内容が複雑化しますと専門化をしてしまうという点がいろいろ言われております。しかし、そこで育ったお医者さんにつきましては、いろんなところで、まあ大学に残って研究する人もいましょうし、地域に入って、先ほどおっしゃったような家庭医的な役割等をやる方々もおります。したがって、大学におきましては、従来にも増していわゆる僻地も含めた地域医療というような観点を十分取り入れていこうと、こういう芽生えがいろいろございます。 そして最近は文部省におきましても、そういった医学教育改善について全般的に再検討してみようということで、協力者会議などを設けて報告もまとめもしていただきましたが、その中で、いわゆる僻地を含めた地域医療に関する教育を順次強化していくという点も述べられております。具体的には、教育においてはいろいろと、臨床実習などにおきまして、大学の中の病院のみならずいろんな地域の病院や診療所へ行って実習をやってみる、あるいは公衆衛生学などの社会学の実習においても地域医療への認識を深めるとか、さらに、 学生の自主活動でございますが、課外活動がいろいろあります、そういう中で、僻地とか離島などに行って診療をいろいろ見てみると、そういったいろんなこと。さらには、僻地医療の経験のある方を講師に招いて講義をしてもらうとか、そういったことがいろいろと考えられまして、従来もやっている大学もございますが、今後ともそういった点を順次広めていきたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
○千葉景子君 ぜひ厚生省も文部省と連携をとり、交流を密にして、このような医師の養成問題についても推進を図っていただきたいというふうに思います。 ところで、現在の厚生省の進み方によりますと、離島、僻地医療などは、どちらかといえば自治体が中心になって責任を持ってやっていく。そういう意味での地域医療計画などの策定なども進められているようですけれども、こういう自治体が中心になってやっていくということになりますと、やはりこれに対するバックアップ体制みたいなものがなければ、こういう採算のなかなか合いにくいような地域での医療は進まないんじゃないだろうかというふうに思うわけです。例えば、地方財政上特別交付税を増額をするとか、それから医療費にかかわる診療報酬体系を改善するとか、あるいは離島、僻地医療対策に補助金を少しふやすとか、それから先ほども出ておりましたけれども、医師確保のための対策を国の側でもとるとか、こういう点をバックアップしないことには、なかなか離島や僻地の医療というのが十分に賄われないということになろうかと思います。 それで、この再編成対象の七十四施設のうち、僻地、離島など政府で言う特例地域に所在するものが二十ある。こういうところは今でも医師の確保に苦しんでいるわけで、厚生省からいただいた資料によりますと、こういう二十施設で常勤医師が百五十五人。しかしながら、勤続年数で見ると三年以下というのが百十一人で七二%。非常勤を加えると総数が百九十六人になるんですが、そのうち三年以下が百四十一人と、これも大体七〇%くらいということで、非常にやはり定着といいますか、長く勤務するということが難しいという状況もあるようです。 こういうことも踏まえまして、そして医療法にもこういうところの改善に努力をしなさいということにもなっているわけですので、この点について厚生省としてどんなふうに考えているか、お聞きしたいというふうに思います。
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のように、他の開設者に限らず、国立病院・療養所におきましても、このような地域での医師の確保というのは問題があるわけでございまして、その理由は、先ほど健康政策局長からもお答えいたしたわけでございますけれども、国立病院も、定員に対しまして現員が、百五十八名中百五十五名ということで確保はされておるわけでございますけれども、御指摘のような勤務年数の非常に短い方が多くて、この方々は一定の期間ごとに交代をして派遣されておるというのが実情でございます。 私どもとしても、できるだけ定着をしていただくということでの努力を積み重ねてきておるわけでございますけれども、必ずしもまだ成果が上がっておらないということの実情にかんがみまして、今後も引き続き、県あるいは地元市町村、さらには派遣をいただいている大学等とも十分話し合いをして協力を求めていきたいと考えておるところでございます。
○千葉景子君 それ以外の、医師の確保だけではなくて財政的な面、こういうこともやはりどうしても不可欠な問題ではないだろうかというふうに思いますけれども、こういうあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) いろいろ手当の面での努力もしてまいっておるわけでございますが、先ほどお話しございましたような、破格の値段で招聘するということはなかなか国家公務員の給与法の手前もございまして難しいわけでございますが、いろいろな形での、手当等の増額に努力するとともに、定着される方々に勉強する機会を与えるとか、いろいろの角度からの工夫をさらに重ねていく必要があると考えております。
○千葉景子君 ぜひこれは、余り財政上もけちることなくやっていただきたいというふうに思うんです。こういうことも、そう一年二年ですぐに改善されるとは考えられません。当面やり得る手段としては、厚生省にも検討はいただくわけですけれども自治体の方も、例えば各県で自治医大などに委託をして養成しているような医師、プライマリーケアなどを得意とするような医師を自治体の僻地中核病院に派遣するというだけではなくて国立の施設などにも必要に応じて配置をするというような自治体側からの配慮も今すぐにできる手段としてはあり得るんじゃないだろうかというふうに思うんですけれども、この辺は自治省などではどんなふうにお考えでしょうか。
○説明員(大屋正男君) 自治医大の卒業生につきましては、都道府県知事が指定する病院等で勤務するということになっておりまして、現在でも、数は少のうございますが、国立の病院あるいは診療所に勤務しておる卒業生がおります。
○千葉景子君 そうなりますと、今後もそういう国立の施設などに派遣をしたりするということも、厚生省と連携をとって必要なところに派遣していただくということは、積極的にやっていただけるでしょうか。
○説明員(大屋正男君) 自治医大の卒業生の大事につきましては、各都道府県知事が地域の医療事情等を勘案いたしまして、国立あるいは公立の医療施設へ配置をするということになろうかと思いますので、その地域におきまして、国立の病院、療養所への派遣が必要であるというふうに知事が判断された場合には、そういったことになろうかと思います。
○千葉景子君 ぜひこれは、国と自治体が一丸となってこういう医療の不足するような地域に対しての手だてを図っていただきたいというふうに思います。 ところで、先ほどから政策医療という言葉が出てきたわけですけれども、私は、高度専門医療とともに地域格差をなくする、こういうことも政策医療として重要なことだというふうに思います。さらには、現在必要なことというのは、やはり高齢化社会に向かっての老人医療、あるいは今衆議院の方で通過をいたしました精神医療、これは世界からも指摘されているところですけれども、こういう問題が高度医療などよりも一層必要とされているところではないだろうかというふうに思います。 ちょうど昨日は老人の日ということもございまして、新聞等にも総務庁の調査あるいは健保連のアンケート調査などが載っておりました。そういうところを見ますと、自分が今後寝たきりやぼけ老人になってしまうのではないかと心配している人が大変多い。そういうときには、ぜひ病院に入って専門的な治療を受けたいという人も三割くらいはいるわけです。それから、六十代ぐらいになりますと、病気持ちな人が大体四分の一ぐらい、四人に一人は何らかの病気を持っているというような状況もあるようです。こうなりますとさらにこれが進行していくというのが常識的な考えですから、そうなりますと、老人医療などがこれからむしろ率先してやらなければいけない政策医療ではないだろうかというふうに思いますが、この辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(斎藤十朗君) 御指摘のように、これから本格化いたします長寿社会におきましては、老人医療とかまた精神医療、こういったものは大変重要な課題であるというふうに考えております。 今回の国立病院・療養所の再編成の中におきましても、当然こういったことを国立病院。療養所においても政策医療として進めていくということで包含をいたしておるわけであります。例えば、老人医療と申しましても、がんの医療だとか、また循環器病に関する医療だとか、こういったようなことの専門的な高度な医療を推進をしていくと いうことによって老人医療が充実強化されていくということにつながってまいると思いまするし、また、狭い意味で老人医療ということについて考えれば、老人病に対する研究というようなことについても力を入れてまいらなければならないと考えております。今後において、そういった長寿科学に対する研究組織を国のレベルにおいてどのような形でしていけばいいかということについて昨年から検討をいたしてまいり、来年も引き続きいよいよ基本計画を練ってまいろうと、こう考えております。 こういうものと付随をして、臨床部門としての国立病院のあり方がどうあるべきかということも、今後これとともに検討をし、実現をいたしてまいろうと考えております。また、精神医療等につきましては、これまでも国立病院・療養所が果たしてまいりました役割は大変大きかったと思いますが、今後ともこれの充実を図ってまいるということは当然にして考えております。 また、総合的な高度医療施設ということになった場合のそこにおける精神科というものが精神医療の全体の発展のために大きく寄与してまいる、こういうことでございますので、今回の国立病院・療養所の再編成が進んでいくことによって、今御指摘のような重要な政策医療を国立病院・療養所として推進をしていくということにつながってまいるというふうに確信をいたしておるところでございます。
○千葉景子君 老人医療もこれは福祉の面などとも密接にかかわるところでございますけれども、高度な医療のみならず、むしろ地域の中で医療を適切に受けられる、遠くまで行かずともいろいろな日常の疾病などについてもすぐにも治療を受けられるという体制がやはり老人医療の場合には必要ではないだろうかというふうに思うわけです。そういう意味で、そこに対する国の責任というものも今後さらに高くなってくるだろう。そういうところをぜひ見ていただきたいと思います。 また、精神医療につきましても、確かに国立、公立の果たした役割も大きいかと思いますが、これまでの経緯を見ておりますと、やはり民間の私的な精神病院に依存してきた。そういう中でさまざまな不祥事やいろいろな問題が起こってきたという経緯がやはりあるかと思うんです。全体の病床数に対する割合も国公立て非常に低い状況にございます。 それからまた、精神科医療機関というのも大変地域的に偏っている、偏在をしている。こういう供給体制のあり方も非常に問題があろうかというふうに思います。むしろ日常の生活圏の範囲で身近に通院や入院治療ができるような医療供給のあり方、それから単科病院ではなくてやはり総合病院などの中に、特殊な問題としてではなく、病気の一つの種類であるということで総合病院の中に必ず位置づけるというようなこともこれからの改善のためには必要なことではないだろうかというふうに思います。これはまさに国の責任で、今率先してやらなければいけない部門ではないだろうか。世界におくれていると、一番指摘されているところです。そういう意味では精神医療、老人医療についてもぜひ政策医療として取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、その辺の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 精神医療は、今御指摘のように、全体としては民間病院に負うところが非常に多いわけでございますけれども、そういう中で特に措置入院の受け入れとか、また基礎的な部分、また先導的な部分については国立病院・療養所の負うところも非常に多いわけでございますので、今後とも一層改善をいたしてまいりたいと考えております。 御承知のように、精神神経センターというものをナショナルセンターとして位置づけをし、また今先生がおっしゃられましたように、高度な総合医療施設の中にあっても精神科を設け、そしてここで相当専門的な対応ができる、こういうようなこと、いろいろな面から精神医療の向上のために国立医療機関としての役目を十分今後とも果たすよう、一層努力をいたしてまいる所存でございます。
○千葉景子君 ところで、再編成計画の基本的な考え方として三つ最初に挙げました。そして、政策医療として高度の専門医療を行うということについてはどうも不明確、なぜそうなるのかというのがいまひとつはっきりしない。また、「全国的視野からみた公平、適正な施設の配置」という三番目の基本的考え方も、いろいろな地域の実情あるいは偏在などを見ますと、これもどうも不明確である。そうなりますと一体何が残るかというと、今回の計画というのが、どうも二番目の「公共性と効率性」、むしろその効率性、経営効率の面から今回の再編成計画が進められているんではないかというふうに考えざるを得ないわけです。 例えば「高度専門医療」というふうに言われておりますけれども、今高度専門医療と考えられるような問題はほとんどの医療機関が看板にしたりあるいは取り入れている。大学病院とか、私立の医科大学などでもそうです。そして高度医療機器、CTなどを初めとして高度医療機器の導入というのも非常に進んでいる。CTなどは人口当たりの台数は世界一だというふうに言われておりますし、神奈川などでも、今回の医療計画に記されているところを見ますと、こういう高度医療機器の導入なども相当に進んでいるという状態がございます。 そうなりますと、国立病院もこのような大学病院あるいは私立の医科大学あるいは民間の病院、こういうところと一緒に高度医療を看板に掲げて、むしろ患者を多く呼んで経営効率をよくしていこう、こういうねらいがあるのではないか。むしろ病院のサバイバルゲームに国立も参加するのか、こういうような気がしないでもないわけです。こういうことになると、都市部ではむしろ競合が激しくなり、一方では過疎地域はますます置き去りにされていく。国立からも置き去りにされてしまうのではないか。医療全体がますます格差が開いていく。こんな気がしないでもございません。 前回、朝日参考人の方からもありましたように、自治体の病院などでも赤字病院の割合が高いのはちょうど二百床前後、今回経営移譲の対象とされている三十四施設の平均病床数を見ても百九十三床で、どうもぴったりするんだという御意見もありましたけれども、こういう採算のよくない部分を国から切り離して自治体や民間に押しつける。さらに自治体でも非常に厳しい財政情勢ですから、結局は民間の部門に押しつけてしまう。そして民間では採算の合わない部分はどんどん切り捨てていく。こんな図式が頭に思い浮かべられるわけですけれども、これはこのとおりではないでしょうか。これと違いますか。その辺いかがでしょう。
○国務大臣(斎藤十朗君) 確かに、国立病院。療養所が専門的もしくは高度医療をすべて担って我々だけがやっていくんだということでは決してないわけでございまして、他の医療機関における専門、高度な医療機関とともに、日本のこれからの先端的な医療について、また、政策医療について担ってまいる、そして国立病院としてふさわしい機能を発揮していくということでございまして、他の民間の医療機関等で十分賄える、そういった担当し得るようなところについては他の公的医療機関や民間医療機関にゆだねていく。そして、他の医療機関で担当しにくい分野について国立医療機関がしっかりと担当していく。こういう考え方に立って今回の再編成を行っておるわけでございまして、ここのところはひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。 それから、国立病院の中の赤字病院とかそういう病院を、何といいましょうか、民間に押しつけていくのではないかと、こういうお話でございますが、これは当委員会における御審議でも、これまで国立病院としてせっかく整備をしてきたのに、これを移譲対象にするというのはどういうことか。もしくは、これは黒字病院で、地域の皆様方の中心的な病院になって黒字経営をしているの に、これを民間に移譲しようというのはどういうことかというような逆の御質問もたくさんいただいておるわけであります。こういうことをお考えいただきますと、決して、何といいましょうか、もちかねている病院を移譲したり廃止していこうというような考えでないということはおわかりをいただけるものと思うわけであります。 何度も申し上げておりますように、他の医療機関においても十分担当していただけるような部分についてはこれを他の医療機関にゆだねて、そして賄い切れない、賄いにくい分野について国立病院として国民の皆様方の信頼と期待にこたえていけるようなそういう医療機関に国立病院・療養所を再編成してまいろう、こういうことであるわけでございます。
○千葉景子君 赤字を黒字にして経営もよくなっているところもあります。まさにそういうところは職員等の努力、こういうものに負うところも多いかというふうに思います。また、どうしても民間で貯えない部分を国立てということですけれども、私はそういうことであれば、高度医療あたりは今むしろどこでも率先して導入したいというくらいなものでして、採算の合わない、あるいは効率の悪い山間僻地でありますとか、それから病院の少ないところですとか、そういうところこそほかではできない、国だからできる部分ではないだろうかというふうに思います。そういう意味では今のお答え、私にはどうも納得ができないところがございます。ぜひ今後もそういうところを、民間等でできない、むしろ国で責任を負うべき問題をしっかりともう一度考えていただいて、今後の政策医療、医療問題について御検討をいただきたいというふうに思います。 そして再編成計画、これはこれまでも質問が出ているところですけれども、計画自体がどうもわからない。これから先どう進んでいくのか、今後の進行状況、再編成後どれくらいの病床数が必要であり、そのための医療スタッフなどがどのくらい必要で、その整備のためにどうやって財源手当てをしていくのであるとか、こういうことも全く明らかにされない。十年の間にこの計画を進めていくということですけれども、それであれば今の段階で大枠はこういうふうにしたいんだという、そういうものが出ていないと、例えばこれから自治体と話をするにしても、あるいは各病院などで定員をふやそうか減らそうか、新しく採用しようかしまいかというようなことを考えるに当たっても、あしたこう言われるかもしれない、いや十年先かもしれない、そのとき一体どんな状況になるのか全くわからない、こういう状態だと思うんです。非常に無責任な今回の計画の出し方ではないかというふうに思いますけれども、この辺はいかがでしょうか、再度お聞きしたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成計画につきましては、医療を取り巻きます環境の変化等を踏まえまして、国立病院・療養所の果たすべき役割を明確にする。それとともに、国立として存続すべき個々の国立病院あるいは療養所の中心的機能というものを明確にして発表いたしたものでございます。したがいまして、この計画におきましては、全体枠、あるいはベッド数とか医療スタッフとか、こういったものの全体枠を決めてこれを配分するというような考え方をとっていないわけでございまして、先生も先ほどおっしゃいましたように、一律的にこういった計画を進めていくというものではなくて、一つ一つのケースにつきまして現実的な対応、地元との話し合いの中でさらに具体的な医療機能とか規模とか、そういったものを詰めてまいらなければならないわけでございます。 そういった病床数、スタッフ等につきましては、今後そういった地元の自治体を初め関係者との話し合いの中で構想をだんだん煮詰めてまいります。そういった中でこういったものを明らかにしてまいりたいと思うわけでございまして、ある日突然ばたっと移譲になるとか統合が実施されるということじゃなくて、そういったような着実な作業を経てこの計画の実施をしてまいりたいというふうに考えているわけでございますので、その点、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○千葉景子君 だとすれば、やはりこういう包括的な計画の出し方ではなくて、個々の国立病院あるいは療養所について、じっくりと地元とも話をしながら一つ一つ解決していく、こういうやり方が順当であったのではないかというふうに思います。やはりこういう計画があるのならば、これから先の見通しとかがなければ、この計画が一体どんなものかわからないわけですし、今おっしゃっているようなことであれば、むしろ個々一つ一つ順次解決していけば足りることであったわけで、どうもそういう意味では今回のこの再編成というものが余りにも漠然としていて私どもには納得いかないと言わざるを得ないかというふうに思います。 そういう意味では、今回発表されていると十四施設、それ以外の国立病院やあるいは療養所、こういうものがこの法案の範囲内において今後統廃合などの対象になるようなことはないのかあるのか、この辺もはっきりしないわけです。このあたりはいかがでしょうか。この七十四施設以外は統廃合の対象とはしないんだという明確なお答えをいただければというふうに思いますが。
○政府委員(川崎幸雄君) 昨年一月に、十年の期間を目途といたしまして実施いたします再編成計画の全体を発表いたしたわけでございます。 現段階におきましては、私どもはこの計画に基づきまして最善の努力をし、作業を進めてまいるということを考えておるわけでございまして、当面の予定といたしまして、この統合あるいは移譲といいますものは、この計画の実施というものを進めてまいるという意味で、その他につきまして当面私どもの予定というものには上っておりません。
○千葉景子君 では、この法案に基づいて十年で検討をされるといいますか、計画を進められるというのは七十四施設。これ以外にはないと考えてよろしいわけですね。
○政府委員(川崎幸雄君) 今後の問題でございますけれども、今後また社会情勢あるいは医療環境、いろいろのものがさらに変化するということも想定されますけれども、当面私どもは、十年を目途とした再編成計画を策定いたしたわけでございますから、この計画の実施ということに当面私どもは努力をしてまいるということで考えておりまして、その他については、現在、私どもの予定というものには上っておらないわけでございます。
○千葉景子君 ところで、この法案の中で、移譲または譲渡先の医療機関に医師の派遣等について配慮するということになっておりますけれども、国立病院あるいは療養所などは、先ほどから話が出ておりますように、お医者さんもむしろ不足をしている。余っているというような状態にないわけです。こうなりますと、こういう「配慮をする」というようなことが掲げられておりましても、別な医療機関に派遣するようなことというのは非常に難しいのじゃないかというふうに思うんです。そういう意味では、一体これはどういうことを考えていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) ここに掲げております「医師等の派遣」の代表的な例といたしましては、僻地等の医療機関に対しまして、そういった医療機関の医師が病気になったといったような事故のあった場合、短期的あるいは一時的に手術等の応援に出かける、こういったようなケースが想定されるわけでございます。 今先生からお話がございましたように、そもそも現在、国立施設が医療スタッフ不足の現状ではないかというような御指摘もございました。先ほどから繰り返し申し述べて恐縮でございますけれども、今回の再編成を通じまして、本当に国立医療機関を国立らしい内容の充実したものにいたしたい。今回の再編成を通じまして移譲といったような形になった場合に、そういった医療機関が安 定的に運営できるように、それに対しては国立医療機関が援護措置を講じていく、協力してまいる、こういったようなことをやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○千葉景子君 これは移譲先あるいは譲渡先が、譲り受けると国の方から国立のお医者さんが来てくれるのじゃないかというような過大な期待といいますか、そういうことがあっても困るわけです。そういう意味では、これはできるだけバックアップしようといいますか、何かあったらできるだけ協力をしていきたい、こういう程度のものなんでしょうか。その点がどうも、こういう場合は派遣しますよとか、そういうふうに限定できるようなものではないかと思うんですけれども、協力をしていきたいというその程度と考えてよろしいんでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 移譲いたしました医療機関につきまして、今後とも運営がうまくいくように、国立医療機関としても協力をしていきたいということでございますけれども、ただいま御説明いたしましたように、医療スタッフを派遣するといったようなことのほかに、その当該医療機関の職員の研修を受け入れるとか、あるいは高度な医療機器の共同利用、あるいは心電図の解析とか検体検査、こういったような面での診療への援助ですね。さらには医療スタッフの確保のためのあっせんとか、こういったような面で、ぜひそういった医療機関に対して国立医療機関は協力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○千葉景子君 それでは、少し職員の雇用関係についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。 まず、現在国立の医療機関に働くスタッフというのが、医師を含めて必ずしも十分な状態ではないというお話もございました。こういう中で、一つ私ははっきりさせておきたいのは、総務庁の方で統計を出していらっしゃいますが、「一般職国家公務員在職状況統計表」というのがございます。これの中で、各省庁での常勤職員、そして非常勤職員の数が統計として出されております。この中で幾つか特徴的なことがあるわけですけれども、ちょっと総務庁にお伺いしたいんですが、非常勤職員が大変多い省庁がございます。例えば法務省とかそれから労働省、あるいは農水省というようなところで非常勤の職員が多くなっているという状況があるんですが、これは一体どういう職員に当たるんでしょうか。
○説明員(生盛豊樹君) お答えします。 法務省は五万百五十三人の非常勤職員を抱えておりますが、主として保護司などでございます。農水省は二万四千三百三十三人の非常勤職員を抱えておりますが、これは主として統計調査職員などでございます。労働省は一万八千四百七十四人の職員を抱えておりますが、これは主として労災防止指導員等となっております。
○千葉景子君 こういうふうに特徴的なといいますか、それはよくわかるんです、そう御説明いただければ。 厚生省も、そういう意味では大変非常勤職員が多くて、特に医療職員に非常勤の職員が多いわけですが、それはそのとおりでございますか。
○説明員(生盛豊樹君) そのとおりでございます。
○千葉景子君 この非常勤の職員というのは、具体的にどういう人で、そしてこの労働条件といいますか、勤務条件などは、常勤の職員、正規の職員とどう違うところがあるんでしょうか。
○説明員(生盛豊樹君) 非常勤職員とは、常時勤務を要しない職員のことでありまして、この点で常勤職員と異なるわけでございますが、その勤務条件あるいは採用、給与などにつきましては、人事院規則等に基づきまして各省庁において具体的に定められているところでございます。 例えば給与については、常勤職員とのバランスを考慮して各省庁で定めるということになっております。
○千葉景子君 その給与とか、それから採用の期間、任用期間とか、それから休暇とか医療保障とかなどはどのようになっておりますでしょうか。
○説明員(生盛豊樹君) 当庁で把握していますのは一般的な基準でございますが、給与につきましては、先ほど申し上げましたように、常勤職員とのバランスを考慮して、予算の範囲内で各省庁で支給しておられるものでございます。 また、採用の期間につきましては、基本的には臨時的な業務を中心として非常勤職員が採用されておりますが、これも具体的には各省庁において定められているものでございます。
○千葉景子君 非常勤職員、これについて昭和三十六年に政府の方針が出ているようですけれども、それはどんな内容でしょうか。
○説明員(太田省三君) 定員外の職員の定員化の問題につきましては、昭和三十年代に問題になりまして、昭和三十三年から三十七年までの間に約十一万七千人程度を、定員内に繰り入れることが適当だと思われる職員を定員化をいたしました。それで、三十七年をもちましてそういった定員化措置は終了した旨の閣議決定をいたしたわけでございます。同時に、その際、今御指摘の昭和三十六年の二月の閣議決定がございまして、「定員外職員の常勤化の防止について」ということで閣議決定をいたしました。これは、今後、賃金職員といいますか、非常勤の職員が常勤化をいたしまして、いわゆる定員規制の対象職員と同種または類似の職員が定員規制の外に発生するということはこれは問題であるということで、閣議決定をもちまして、例えば雇用予定期間を一会計年度内に限るといったようなことを決めたわけでございます。
○千葉景子君 厚生省の医療職員には大変非常勤職員が多いわけですけれども、こういうところで働く職員の業務内容を見ますと、これらの職員の業務というのは、臨時的な職務ではなくて、むしろ長期に勤続しているという実態があるんじゃないか。臨時的な、補助的な業務ではなくて、むしろ国立医療機関にとっては基本的な、基幹的な業務というんでしょうか、そういうところに従事しているのではないかというふうに思うんですが、そのあたりはいかがなものでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 先ほども御説明いたしましたけれども、現状におきましてはかなりの賃金職員を抱えているというような実態でございますが、その雇用につきましては、ただいま総務庁から御説明がございましたような形でやっておりますが、勤務の実態につきましては、ただいま先生が御指摘のございましたような状況というものになっているというようなことでございます。
○千葉景子君 これは賃金職員あるいは非常勤職員のあり方からいいますと、どうもそこから外れてしまうような実態ではないかというふうに思うんですね。むしろ定員内といいますか、本来の正規の職員として雇うべき者を定員外、非常勤という形で雇用しているというのがどうも実態ではないかと思うんですけれども、その辺については、総務庁としてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
○説明員(太田省三君) 先ほど申し上げました三十六年の閣議決定の趣旨を踏まえまして、各省庁におかれましては、定員外職員の管理を適切にやっておられるというふうに承知をいたしております。 そもそも定員といいますのは、恒常的な職に充てるべき常勤の職員ということでございまして、職務の内容が恒常的な職でかつ常勤の職員を充てるべき内容であるというふうに判断をいたしますれば、これは毎年度の予算編成過程におきまして、各省庁から総務庁並びに大蔵省の主計局の方に御要求をいただいて、審査をいたしまして増員措置なりを決定するということをいたしておるわけでございます。 ちなみに、さらに申し上げますれば、国立病院の、看護婦等の国立病院・療養所の定員につきましては、現在非常に厳しい定員管理を行財政改革のもとで行っておるわけでございますけれども、そういう中にありましても特段の配慮をいたしておりまして、昭和四十三年度以降、いわゆる総定 員法制定以来六十二年度までの二十年間におきまして、いわゆる一般省庁全体、これは現業も含めましてでございますが、国立学校を除いた場合に約七万人ほどの減を立てておる中にありまして、国立病院・療養所につきましては約七千七百人ほどの増員をいたしておるという状況でございます。
○千葉景子君 もう時間が余りありませんけれども、ぜひ、定員外ということで、常勤と同じような職、業務を行い、そういう立場にありながら非常に不安定な労働条件などに追いやられるというようなことがないようにしていただきたいというふうに思うわけです。 ところで、賃金職員、臨時の職員ですけれども、この統廃合、移譲対象施設の中にもやはり大分いらっしゃるかと思うんですが、それはどのくらいの数になるんでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成計画におきまして対象施設となっておりますところでの賃金職員は、約四千人でございます。
○千葉景子君 このような賃金職員を含めまして、今回統廃合、移譲の対象となる施設に働いていらっしゃる皆さんの今後の働く場所の確保ですね、これについてはどのように考えていらっしゃるのか。とりわけ、移譲ということになりますと二分の一ということもございます。そういうことも含めて働く場所の確保、これについてどのような姿勢で臨まれるのかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 賃金職員の問題につきましては、ただいま総務庁からも御説明ございましたように、全体的に非常に定員事情の厳しい中でも、看護要員を中心として毎年ある程度の増員というものも認めております。こういった中で、賃金職員につきましてはできるだけ定員化に努力をしてまいりたいと思いますけれども、またさらに、今回の再編成を通じまして、定員に余裕ができた医療スタッフを中心といたしまして再配置を考えておりますので、その中でもできるだけの対応をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。賃金職員の雇用の確保につきましても、再編成に当たりましてはできる限りの配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
○千葉景子君 要するに、正規の職員と賃金職員が、移譲などに伴って選別をされたり不当な差別を受けるというようなことがないようにしていただきたいというふうに思いますけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 移譲等に際しましては、賃金職員につきましてもその雇用が図られますようできる限り配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
○千葉景子君 ところで、移譲ということになりますと、過半数の職員が施設とともに譲り渡されるということになりますと、これは一体だれが人を選別をし、どういう形で過半数というものが決められていくんでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成の形態といたしまして、土地、建物のみならず職員も一緒に組織として経営を肩がわりをしていただく場合と、国立の施設、建物を利用して、後、医療機関を経営をしていただく場合という二通りがあるわけでございます。 今おっしゃいました移譲という場合は、それでは職員がどの程度移る場合にこの特別措置法の高率の割引が適用になる移譲に該当するかということにつきましては、その受け入れの職員数が半数以上引き継いでいただくといった場合にこの移譲の要件に該当するというふうに考えているわけでございますが、国立病院そのものを引き継いでいただく場合、これは実際引き受けていただきます新しい運営主体、経営主体の方々が、どういった職員を引き継いでいただけるかといった経営主体の意向もございます。それからまた職員につきましても、新しい経営主体の病院に移るか、あるいは国立医療機関にとどまるか、これも職員の意向にもよります。そういったような関係者の意向によりまして移るか移らないか、こういったようなことが決定されるわけでございます。
○千葉景子君 そうなりますと、本人がぜひ新しい施設へ移りたいというふうに希望しておりましても、相手方が、いやおまえさんは困ると言うこともあり得るわけで、そういう意味では移譲先が主導権を握るというようなことにもなりかねない。また、衆議院の方の参考人で諸橋参考人などはやはり、「非能率的な運営をやっている職員が一緒では、あのように働きの悪い職員が一緒では受け取ることができない、このように言われているのでございます。事業は人であります。あの人ならもらいたい、私はそうあってほしいと思うわけでございます。」というように言われていて、かなり相手方の選別によって振り分けられていくということが考えられるわけですけれども、こういう中で不当な選別や差別が起こらないようにどのような配慮をなされるのか、お考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川崎幸雄君) 実際に移譲が行われます場合に、新しい経営主体の意向を無視して、一人も漏らさず全部引き取ってくれ、こう言うわけにもまいらないわけでございますけれども、現実には、私どもといたしまして、移りたいと希望する職員につきましては、できる限りその希望がかなえられるように、移譲先に働きかけて職員の意向に沿うようにしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○千葉景子君 この法案が、国立病院・療養所等の再編成という名のもとで、職員を職場から放出する。例えばそこでいろいろな組合活動をやっている人間を選別をして放出をしていく。あるいは先ほど言いましたような賃金職員というようなものを解消していく。こういうような手段になりかねない。私はそういうふうに思うわけですね。 そういう意味では、ぜひ、こういう国立医療機関で働く労働者が、先ほども黒字の病院もあるとおっしゃいましたけれども、これまでさまざまな努力を重ねて地域の皆さんの命や健康を守ってきた、こういう働きをしてきたわけです。そういろ意味ではぜひ大臣にも、働いている者の職の確保、これはどこか遠くへ配置がえになるような方も出ないとも限らない、こういうことも含めて、本人の意向なども尊重して確保していく、こういう手段を講じていただきたいと思いますけれども、その辺、最後に大臣の御見解をお尋ねして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) この再編成計画を実行してまいります中には、働いておられる職員の方々の生活の不安を来さないということが非常に重要な事項の一つであるというふうに理解をいたしております。 私どもといたしましては、この再編成を進めるに当たりまして、職員の皆様方の希望をできるだけかなえられるように最善の努力をいたしてまいりたい。また、賃金職員の方々についても、その雇用の場が確保できるよう格別の配慮をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(関口恵造君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 —————・————— 午後一時三十分開会
○委員長(関口恵造君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中野鉄造君 まず最初にお尋ねいたしますが、今回の再編成計画の基本的考え方の中で、「政策医療とは、その時代において国の医療政策としてとくに推進すべき医療をいう。」ということがございますけれども、国の政策として特に推進すべき医療というものの中で、どういうことを重点的にお考えになっておりますか。
○政府委員(仲村英一君) そのときどきによりまして政策的に重点を置くべき医療の目標というも のは変わってくるかと思いますが、現在、マクロ的に見れば、病床におきましてもかなりの水準にまで達しているということ、あるいは現在死亡の六割を占めておるといういわゆる成人病グループというのが非常に大きいわけでございますが、そういう中で、お尋ねの趣旨で、国立病院の再編成ということについて関連してお答えさしていただくとすれば、そのような中で国立医療機関が先導的な役割を担っていくべき医療ということで考えるべきではないかと思うわけでございます。 もちろん政策的に重要な医療は、先ほども出ておりましたような老人医療でございますとか精神医療でございますとか、いろいろな分野がありますが、国の医療機関が直接担って地域医療の中で先駆的役割を果たすような医療という観点で考えますれば、やはり、普通のがんよりはやや難しい種類のがんを相手にしますとか、あるいは循環器疾患にいたしましてもバイパス手術でございますとか、まだそう普及をしておらない医療技術でございますとか、診断技術につきましては精神神経疾患でのいろいろな新しい医療でございますとか、非常に高度な技工と申しますかスキールを要求されるような、例えば未熟児の救命医療でございますとか腎臓移植でございますとか、そういう観点で、あるいは難病のような形で国立の医療機関が今後担っていかなくてはいけないということで考えておりますものを、私どもとしては、現在の政策的な医療ということで考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 今の御答弁の中にベッド数ということもございましたけれども、現在、全国の病床数の五%にも満たない国立医療機関のベッド数では、日本の政策医療というものが果たして賄えるだろうかというような気もいたしますが、その点、いかがですか。
○政府委員(仲村英一君) おっしゃるように、私どもの国立病院のネットワークをもってすべて先駆的と申しますか高度専門的な医療を賄えるとは、私どもも考えておりません。 ただ、高度専門的な医療を担っておる、例えば大学病院にいたしましても、大学の附属病院で行われておる医療は恐らく高度の部分が多いと思いますけれども、医育機関としての使命が片方にあるわけでございますし、学生、アンダーグラジュエイトの教育のほかにも卒後の研修も行っておられますし、各種疾病に対する研究も行っておることでございますので、そういう意味では私どもと違った使命をお持ちなわけでございます。あるいは都道府県立のがんセンターでございますとか母子医療センター、あるいは循環器センターというのがあるわけでございますが、そこでも恐らく非常に高度な医療が行われておるわけでございますが、そういう観点から見ますれば、この再編成を行った暁の百六十近くの国立病院すべてができるだけ高度専門的な医療を担いたいわけでございますが、それをもってすべてカバーし切れるとは思っておらないわけでございます。 そういう観点からすれば、ある地域の中でそういうレベルの高い医療、それから普通の医療、あるいはプライマリーレベルの医療というものがうまくニーズに対応しているかどうかということで、私どもとしては、地域医療という観点でそれを見直すということで、あくまでもその中に位置づけられました国立医療機関としての機能の役割分担ということで考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 今もおっしゃるように、高度先駆的医療を実施するとして国立医療機関の再編成を進めようとなさるわけですけれども、御承知のように、今日では各県に医大が設置されてその附属病院が整備されておりまして、既に地域ではセンター化している現況でありますけれども、やっぱり国全体で考えて医療機関の役割分担を考えるべきじゃないか。つまり、この再編成計画の機能類型においてもやはり国立病院・療養所と一くくりになっておりますけれども、総合的に国立医療機関として、この中には国立医大あるいはその附属病院も含めたものとして、それぞれの機能に応じた施設設備、スタッフ、そういうものを考えていくべきじゃないかと思うんですが、どうも国立医大といったものはこれは厚生省の所管ではない文部省である、こういったようなところから、ここにも縦割り行政の障害が醸し出されているんじゃないかなと、こういう気がしてならないんですが、これはいかがですか。
○政府委員(仲村英一君) おっしゃいますように、国立の施設といたしまして、厚生省のほかに文部省の所管の大学もございますし、他の省庁、労働関係でもいろいろの形の病院もあります。厚生省でも厚生団の行っておる病院とか、いろいろあるわけでございまして、そういう意味で、病院の行政が一元的でないとおっしゃられる部分の御指摘は当たっておるかと思います。 ただ目的は、できるだけ住民のニーズに対応した医療を、効率よく重複なく提供できるということが一番いいわけでございますし、その中で質の高い医療レベルを維持するという目的も別途あるわけでございますが、そういう観点からいたしまして、私どもといたしまして、やはりある地域に限って、ある地域に限ってと申しますか、ある地域を特定してそこで提供されている医療を見直したときに、欠落している部分があってはまことにその住民にとっても不幸なことでございますし、重複が余り激しい場合も問題があろうかと思いますので、そういう観点で、地域医療計画というふうなことでの計画を今医療法に基づいていろいろの府県で御検討いただいているということなわけでございます。 したがいまして、それぞれの設置目的があるわけでございますので一元的というわけにはいきませんけれども、その地域におきます医療の供給のあり方についての整合性と申しますか、そういうものをぜひ見直していただきたいということでの地域医療計画でございますので、私どもとしては、その中で国立病院もそういう形での機能を位置づけていただく。ただ、国立病院のネットワークから見ますと、五つの類型に分けて今後整備を進めていきたい。したがって、その地域で展開されます国立医療機関の機能は、各地域においてやはりそれぞれ違ってきておるという、あるいは違ってきても差し支えないというふうなことで考えておりますけれども、あくまでもその地域住民に必要な質の高い医療レベルが維持されるようなことに国立病院も率先して機能分担をいたしたいと、このようなことで考えているわけでございます。
○中野鉄造君 そうしますと、今回のこの五つの類型の中には、今申しました国立医大の附属病院だとかこういったようなものは、その中には入っていないわけなんですか。
○政府委員(仲村英一君) この五つの類型は、国立病院に関しての機能類型でございまして、入っておりません。 したがって、例えば大学附属病院の規模その他によって違いはあると思いますが、この高い低いの比較は非常に難しいわけでございますけれども、国立大学病院の診療機能に匹敵するようなレベルの国立の医療機関もあり得ましょうしそうでない場合もあり得るということでございまして、それは地域医療の類型と申しましょうか、地域医療全体の供給体制の中でそれぞれの機能を発揮していただくということで考えておりますので、直接的にお尋ねにお答えするとすれば、大学病院等について、この類型の中には全く入っておらないというお答えになろうかと思います。
○中野鉄造君 地域の住民の方々から見れば、とかくお医者さんだとか病院だとかそういったようなものはもうひっくるめて厚生省の所管にあると、こういうような認識があるわけなんですけれども、現状では、行政面のあれから見ますと、こういう国立の医大なんていうものは文部省の所管である。全然別個なんですね。 先ほども申しますように、地域住民から見たならば、そういったようなものは当然一緒だというような認識があるわけですけれども、今回のこの再編成計画の中には、そういう国立医大附属病院というものは入っていない。今後もそれは全然考 慮のほかに置いていくのか。そこいらは、今回の計画を進める上において文部省とどういう話し合いを進めておられるのか。また、将来的な展望といったようなものを大臣からひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今のお話は、厚生省として言うなら二つの使命があると思うわけでございまして、その一つは、国全体の医療供給体制を現在から将来に向けて国民の皆様の期待にこたえていけるような、そういう医療供給体制をどのようにつくり上げていくかということに取り組む立場、もう一つは、現業としての国立病院・療養所を運営しておる厚生省としての立場と、二つに分かれるのではないかというふうに思います。 でありますので、国立病院の再編成に際しては、その再編成計画そのものは国立病院の運営についての将来図を明確にしていくということであり、これとの整合性を持たせながら全体の医療供給体制を万全を期すように指導をいたしてまいるということだと思うわけであります。 御承知のように、現在、地域保健医療計画を各都道府県でおつくりをいただく、そういう中で、それぞれの医療供給体制を地域によって将来の図をかいていくということが必要である。また、もっと大きな範囲での医療のあり方等についても厚生省として心していかなければならない。そういう中には、国立大学附属病院を初めその他の公的医療機関等の役割等について、全体の医療供給体制の中であるべき姿というものを考えて、これを反映していくように私どもが努力していかなければならない、こういうことだろうと思うわけでございますので、それらを調和させ、整合性を持たしていくということに努力をいたしてまいる所存でございます。
○中野鉄造君 今大臣のおっしゃったように、なるほど地域では地域医療計画というものを策定するについては、今申しますようなそういう国立医大附属病院、そういったようなものも全部ひっくるめていろいろな計画の策定をやるわけですね。ところが国の行政はそれが別であるということになると、地域でのそういう医療計画、そして今度国になってくると厚生省と文部省と、こう別個になってくると、なかなかそこにしっくりいかないような面が多々出てくるんじゃないかと思いますが、その辺はいかがですか。
○国務大臣(斎藤十朗君) いや、それは別だということではなくて、地域医療計画を策定するについても、厚生省が全体を見ながら各都道府県を指導してまいるということでございますので、そういう意味において全体をとらえた中での医療供給体制を整えてまいるという厚生省の大きな使命があるわけでございます。そういう使命の中で、地域、各都道府県を指導し、また、大学附属病院を初めその他の医療機関等についても厚生省が中心になっていろいろと協議をし、働きかけていくということが必要である、こう考えております。
○中野鉄造君 ですから、それはそうでしょうけれども、先ほど申しましたように、五つの類型の中に国立医大の附属病院等は入っていない、そうした今回の計画の中身。そして、これから出てくる地域医療計画の策定、そういったようないろいろなちょっと違った面があるわけですから、そこいらの関連性をどのように整合的にとらえていこうとなさるのか。その辺のところを伺いたいんです。
○政府委員(仲村英一君) 我が国の病院が約一万ございまして、その中の国立病院は、まあそう言ってはあれですけれども、数にすれば、たったのと言うくらい少ない。現在で二百三十九でございますから、その一部でしかないということでございます。先ほど大臣からお答え申し上げましたようにその地域地域で提供される医療をどのように最適化するかということを命題としての地域医療計画があるわけでございまして、その中に位置づけられた国立病院というものがあって、その国立医療施設というのはこの五つの類型の形で整備いたしますから、地域医療計画の方ではそういうものを全部お考え合わせいただいて、整合性を持っていろいろ計画をおつくりいただく。もちろん事前にいろいろな調整もするわけですけれども、そういう形ではめ込んでいって、私ども今度国立病院のネットワークを全国で見ますれば、それぞれの地域で、先ほどからお尋ねのような五つのレベルでの医療供給をやります。それから、まあそう言ってはおこがましい部分もあるかもしれませんが、今後実力をつけまして、他の医療機関もリードしていくような高次の機能を付与するように国としても一生懸命やりますので、ということでの全体の考え方の整理でございます。
○中野鉄造君 次に、これは五つの類型の中に関連してきますけれども、基幹施設と高度総合診療施設、その差異というのはどういうところにあるのですか。
○政府委員(仲村英一君) 私どもの命名がこういうことでございますが、基幹施設と申しますのは、一つはブロックごとに、この前もお尋ねございましたけれども、ナショナルセンターとの連携のもとに、地方がんセンターあるいは地方循環器病センターという形で特徴づけられた、非常に基幹的な施設という意味での基幹施設という名前をつけてございます。もう一つの基幹施設としては、特定疾患についてのブロックの中心的な施設として、アルコールでございますとかてんかんとかいうことでの基幹施設というのがございます。 それから、高度総合診療施設と申しますのは、すべての診療科は持っておりますが、それがさらに高度の総合診療機能を持たせるような形で私どもが今後整備をしていって、そこでは先ほど例示で申し上げましたような高度の医療を行うと同時に、そういう医療に関連する臨床的な研究ももっとやる。もちろん厚生省として研究費をつけてやるという意味でございますし、現に難病等ではそういうことで国立病院がいろいろ研究をやっていただいております。それから卒後すぐの臨床研修のほかに、生涯教育を含めた意味での教育研修、そういうものをやるための中心的な機関となる施設ということで、例示をいたしますれば東京第二病院とか大阪病院とか、そういうふうなことで機能づけをしていくわけでございますので、言ってみれば非常に、総合病院ですからすべての科を持っているということでデパート的な機能もございますけれども、もっとそれが高度であるということで位置づけをしてもらいたい。したがって、総論的に申し上げますれば、病床規模も大きいということでお考えいただいて結構だと思うわけでございます。
○中野鉄造君 それで、今回の統廃合の対象となっている施設に対してですが、私が知っているだけでも、ついこの間あそこの国立病院にはあれだけの莫大な資金を投入していろいろな補修をやった、それなのに今回はその対象になっているというようなところがあります。財政投融資からの借入残高も現在六千三百九十二億となっているわけですけれども、今申しますように、整備間もない施設を統廃合し、そしてまた不当な値段でそれを譲渡する、こういうことは、本当に国民共有財産の国立病院あるいは国立療養所のたたき売りみたいなことにもなって、これはもう非常に税金のむだ遣いじゃないのかというのが国民の皆様方の素朴な疑問なんです。 今回移譲するところもありますし統廃合するところもありますけれども、例えば過去五年間ぐらいでそういういろいろな補修をした、そして今回統廃合あるいは移譲の対象になっている、そこいらの補修をした金額はどのくらいになっていますか。過去五年間ぐらい。
○政府委員(川崎幸雄君) 今御質問の、今度再編成の対象になりました施設に最近五年間どれだけの整備費を費やしたかというのは、ちょっと私手元に資料は用意しておりませんけれども、御承知のように、医療施設といいますのは、これはもう年々医学技術の進歩もございますし、一たんつくったらもういいという問題ではないわけでございまして、年々逐次整備を続けてまいらなければならない。私どもも、いろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、今までも国立病院・療養所に つきましてはその内容の充実というものにいろいろ苦心をし、努力をしてきたつもりでございます。 ただ、今回の再編成と申しますのは、先ほどからも話が出ておりますけれども、現在の二百五十の国立医療機関を、今のような形のままではなくて、やはり国立医療機関として今後担うべき役割、機能というものを明確にして、そういった線に沿って今後は整備を進めていく。今までの形のままそれなりに内容を充実していくということは、今後の国民医療の確保、医療資金の効率的な活用、こういったような観点からもこれは適当ではなく、また効率的ではない。むしろ統合すべきものは統合して整備する。あるいは移譲すべきものは移譲する。そういうことによって国立医療機関として今後何をやるかということを明確にして、それに沿って内容の充実を図っていく、それが適当だというふうに考えたわけでございます。 今御質問がございました最近の対象施設の整備費でございますが、ここ五年間というお話でございますが、五十七年度から六十一年度で約四百九十五億。これは移譲、統合含めましてですね。そういったような状況になっております。
○中野鉄造君 それで、そういうようなものが今度は統合あるいは移譲になるわけですけれども、今おっしゃるように、医療というものは日進月歩で、幾ら投入しても次から次にお金は要っていくということもあります。それは医療器具だとかそういうものもそうでありましょうけれども、例えば施設、つまり建物ですね。そういったようなもののいろいろな補修というようなこともかなりやっているわけなんですね。そういうようなものが今度はそれが統合になる。二つのものが一つになる。こうなりますと、結局今まで二つあったものが一つになるわけですから、旧式なものもありましょうし新しいものもあるかもしれぬけれども、医療器具を例にとってみても相当な余剰が出てくる。あるいはまたほかの什器、備品以外のものでもいろんなロスが出てくると思うんですけれども、そういう処理についてはどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(川崎幸雄君) これはケースによっていろいろの場合があろうかと思いますけれども、現実に、移譲の場合は相手方との話の中で取り扱いが決まっていこうかと思います。医療器具なども基本的には引き継いでいただくということが多いんじゃないかと思いますし、統合の場合は基本的には現在使用している医療器具というものも当然新病院において引き継がれるということになろうかと思います。
○中野鉄造君 この三十四の移譲、四十の統合、今さら改めて聞くのがおかしいような気もしますけれども、この四十あるいは三十四を選定したその基準はどこにあったんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成の形態として二つがございますが、その一つの統合といいますのは、近接して国立医療機関がある、その個々の病院をそれぞれ整備するよりはこれを統合することによって機能の強化を図っていった方が適当である、こういったようなものが統合。それから一方、地域において一般的な医療について非常に貢献している、そういったものについて、診療内容とかあるいは診療圏、こういったものを勘案いたしますと、これは国が直接運営をするよりは地元と密着して他の経営主体が経営していただく方が適当である。そういうような形で、病院をそのまま存続し、どなたか別の方にこれを経営していただく。そういうふうに考えたのがこれが移譲と、こういうわけでございます。
○中野鉄造君 全部が全部だとは申しませんけれども、今おっしゃったような基準にのっとって選定されたとは思いますけれども、どうもこの中には、今申しますように全部とは申しませんけれども、僻地、山間といったような、そういうところが多いような気がいたします。そういうところから見ると、何か知らぬけれども地域医療というものがこれからさらにおろそかになっていくんじゃないかという懸命も事実あるわけなんです。この間質問のときにも申しましたように、どういうふうに理由づけられたとしてもそこから病院が一つなくなるわけなんですから、住民としては非常に不安な感じを持つわけなんですね。そうじゃないんだということはもうこの間からいろいろとるるお話は伺っておりますけれども、どうしてもやっぱり地域住民にはそういうものがなかなか納得できない。いま一つひっかかるところがあるんです。 そういうようにして、これだけ反対の声が高い、どうしても移譲ができない、あるいは統合ができない、それでも今後この十年間のうちには何が何でもそれはやり通されるつもりですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 私どもといたしましては、再編成の趣旨につきまして、地元の方々の御理解、関係者の御理解を得るよう今後最大限の努力をしてまいらなければならないと思うわけでございます。統合の場合も、結局は確かに最寄りの病院がなくなる、こういったような問題、確かにこれは重大な問題でございますけれども、しかし、そういった地域も包含した非常に広域でかつ高度な医療機関が整備されることによってその地域の方々もいい医療が確保できるんだと、こういったようなこともよく理解をしていただく。ただ、今おっしゃいましたように、現実に、今まであった、しかも地域の一般の医療をやっていた、そういったような病院がなくなるということに対する懸念、そういったことにつきまして、私どもは後の医療の確保については十分配慮をしてまいらなければならない。そのためにはやはり地域との話し合いをやりながらこういった計画は進めていかなければならないというふうに考えております。 もちろん私どもは、今回の計画で一応十年といったものを目途に最善の努力をさせていただきますけれども、それまでの間はもちろん医療機関としても、国立医療施設としてもちゃんとやっていくつもりでありますけれども、現段階ではこの十年を目途に実現できるように、今後最善の努力をやってまいるというふうに考えているわけでございます。
○中野鉄造君 いろいろこれから努力はされることと思いますけれども、住民の素朴な感情から言いますと、どうしてもこれは地域医療からの撤退ではないのか、こういう感じが強くしてならないわけです。また、国立病院・療養所の再編成は、国鉄の赤字ローカル線廃止の病院版であるなんということがよく言われます。そういうような感じを深くしているわけですから、よほどこれは厚生省としても、その取り組みには努力が必要になってくるんじゃないか、こう思います。 また話がもとに戻りますけれども、先ほどから申しておりますように、現在、国立医大附属病院等はその地域のセンター化しているわけですけれども、今回のこうした計画を進める上において、文部省とはよくそこいら辺の話し合いはなさっておりますか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成計画の策定に当たりましては、まず、六十年の三月に策定いたしました基本指針、あるいは今回御審議願っておりますこの特別措置法案の作成の際、文部省とも話し合いを行ってきたところでございます。 今後とも、私どもこの国立病院の再編成を進めるに当たりまして、先ほど御意見もございましたように、大学病院といえども、主たる目的を異にするといえども、現実にそれは高度専門医療を担っているというような事実もあるわけでございますので、こういったような状況も十分勘案いたしまして、医療機能の分担、連携というものについては十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 次に、午前中の質問の中にも出てまいりましたけれども、この再編成をしていく上で、最も留意していかなければいけないのが職員の身分保障でありますが、厚生省として、一人一人の職員の立場を十分尊重していくということは言われておりますけれども、十分尊重していくとは言いながらも、具体的に果たして一体どういう ような身分の保障をしていくのか、そこいら辺がいま一つちょっとわかりにくいような気がします。 例えば、ある人は国家公務員から地方公務員に、ある人はまた民間の病院にと、こういう場合もあり得るかと思いますが、そういったような場合のことはお考えになっておりますか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成は、国の政策として進めるものでありますけれども、実際、現在働いている職員にとってもこれは非常に重要な問題であることは言うまでもないわけでございます。したがいまして、これらの職員の身分については、生活の不安を来すことのないよう十分配慮をしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 経営の移譲の場合につきましては、移譲の行われた施設の職員となるか、あるいは引き続き国家公務員として他の国立病院に勤務するか、そういったような職員の希望もできるだけ尊重して、その他いろいろな諸般の努力を講じまして、職員の処遇についてはできるだけの配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 職員の希望をできるだけ尊重して配慮をしていくということではありますが、それにはなかなか、何といっても相手があることですし、職員本人自身がそういうように希望している、それに沿って努力したいといったって、受け入れ側が果たしてそれに応じてくれるかどうか、そこいらがまた問題でして、そういうようにならなかったら果たしておれはどうなるんだと、やっぱりこういう不安もあろうかと思うんです。 そこで私は今お尋ねしているわけですけれども、そういったような場合の何らかのきちっとした身分の保障というような、具体的な何か考えておられますかということをお尋ねしているんです。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の移譲の場合につきましては、確かに移譲である以上は、これは一人も残さず職員は引き取ってくださいと言うわけにもまいりません。引き受けていただきます相手方の意向というものもございます。そういった事情もあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、新しい経営主体の病院に移りたいという方々につきましては、できるだけその意向に沿えるよう相手方に働きかけて、そのように努力をいたしたいと思いますし、さらに、別の国立病院において勤務していただくというような形で決して職員の生活に不安が起こらないようにいろいろな配慮をして、十分その点については心がけてまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 そういうことで、この前もお尋ねいたしましたように、Aという病院とBという病院があって、Aに統合するのかBに統合するのかそれも定かでない。それだけに、やはりそこに働く職員の方々の不安も大きいわけですね。今度は勤務地というのもまたいろいろその場合によって還ってまいりますし、そういうところもあるから、統合の場合でも、どこにどこが統合するというような、そういうもう少し具体的なものも早く示してほしいということもあるんじゃないかと思うんです。それも示さないままにこことここは統合するといったって非常に漠然たるものがあるから、それだけ不安も増幅してくるわけなんです。そういう具体性がないというのも今回私たちが反対をする非常に大きな理由でもあります。 職員と同時に、もし統合になった場合、今度は患者さんのたちの場合、今までと同じようなそういう費用の面でも治療が受けられるか、こういう不安も今度は患者さんの側にもあるわけですが、その点はいかがですか。
○政府委員(仲村英一君) 国立病院の場合には、御承知のように、既に現在でも差額ベッド等につきましては他の開設者に比較いたしまして少なく抑えるという方針でやってきておるわけでございますので、そういう観点で患者さんの負担を適正な範囲のものとするということでやってきておりますので、私どもとしても今後その徹底を図るようにしてまいりたいわけでございまして、再編成の実施に当たりましても、現在入院されている方々の医療に支障があっては大変でございますので、そのようなことのないよう十分な配慮をしてまいりたいと考えております。
○中野鉄造君 最後に大臣にお尋ねいたします。 やはり国の行政というものは国民を本位に考えていかなくちゃいけない、また、病院のこうしたいろいろな施策については、やはりそこの患者のニーズというものも大きく尊重していかなくちゃいけない、こういうように思うわけです。この計画を今後十年間にわたって遂行していこうというわけですが、十年といえば短いようでもかなり長い歳月でして、その間には医療も相当な日進月歩の移り変わりがありましょうし、社会の情勢というものも変わってくる。また、今ではとても想像できないようないろんな、高齢化の問題等も出てくることが考えられます。そういうことから考えてまいりますと、やっぱり何といっても国民のニーズ、あるいはその地域の住民の考え方を最も尊重していくべきじゃないか、こう思うわけですね。そうしますと、今の地域医療計画の策定、そういったようなものがはっきり出てきたその暁に、今後は国としてはこういうようなものも考えていこう、それからじっくり計画を立てていく、そのいわば前の準備段階であってもいいんじゃないかなというような気がしてならないんです。 そうじゃなくて、地域の医療計画というものが策定される前にこういう、国の方から今後こうやっていくんだと一つの枠を決めたような形で出されてくる、こういうのはいかがなものかという疑問があるわけですね。そうして、国民医療費増加の抑制だとかあるいは医療供給体制の適正化等を配慮した統廃合計画であるだろうか、こういう疑問も同時に出てくるわけですけれども、その点について、大臣お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 国立病院・療養所の再編成が国民本位のものでなければならないというお話でございます。まさに私どももそのように考えておりまして、再編成の対象施設、また、その統合をする場合にはどのような新しい機能にしていくかというような点については決めておるわけでございまするけれども、具体的な中身につきましては余り決まっていないではないか。決まっていないことが地域の皆さんに不安を与えそして反対になっているではないか。こういう御指摘でございますが、確かにそのとおりでございます。それはまさに裏返せば、今後具体的な施設の統合や移譲を進めていく場合に、地域の皆様方のニーズなり御意見なりというものを十分にお聞きをしながら具体的な中身、枝葉の部分を考えていく、そして地域の皆様方に御理解をいただく中でこれを進めていく、こういう方法でやっていかなければならないと、こう考えておるからであるわけでございます。 また、地域民健医療計画との問題でございまするけれども、これを進めてまいります場合には、各都道府県が計画をいたします地域医療計画との整合性を持っていかなければならないということは当然でございまして、私どもといたしましても、各都道府県とも十分連携調整を図りながら、地域医療計画とのそごを来さないように進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○中野鉄造君 終わります。
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、本法案反対の立場から質問をいたします。 まず、本法律案の中には政令で定めるとされている事項が四カ所あります。いずれも重要事項で、本来ならば法律本文、または少なくとも別表として記載をされて国会に提出をされなければならない性質のものであります。まず、その四カ所の内容をどう考えているかをお聞きをしたい。 第一は、第二条の「公的医療機関の開設者等」の「その他政令で定める者」。それから第二点は、同じく二条の職員の移行を伴う資産譲渡のうち、移譲の要件ですね。それから第三点は、第四条でありますが、二条、三条により無償または減額譲渡できる資産の範囲。それから第四点は、第七条 でありますが、運営費の補助。 どういう内容の政令を予定しておられるか、確認の意味で明確にお答えいただきたいです。
○政府委員(川崎幸雄君) まず、二条の移譲または譲渡の対象の機関でございますけれども、地方自治体を初めとします医療法に定めます公的医療機関、そのほか各種共済組合。これは医療法の七条の二に規定しておりますものでございます。その他、学校法人、社会福祉法人、県、郡、市医師会、こういったように今後医療機関を引き続き安定的に経営をしていただける公的性格の強い団体、法人を指定することといたしているわけでございます。 次に、移譲の要件でございますが、移譲と申しますのは、建物、土地のみならず、職員と一緒に病院を引き継いでいただくわけでございますが、その場合、職員は半数以上を引き継いでいただく、こういったことを予定いたしております。 それから、譲渡資産の範囲でございますけれども、これは実際に後行われます医療機関の事業規模に見合った資産の範囲を定めることといたしております。 それから四番目の、国庫補助の内容でございますけれども、移譲後五年間赤字の二分の一を助成するということを予定いたしております。
○内藤功君 移譲の事項を法律本文または少なくとも別表で記載しなかったのはなぜですか。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいま申し上げましたように、移譲の対象といたしましても法律で具体的に「公的医療機関」といったようなことを明示してございます。これに類似した公的性格の強いものを政令で定めるというふうにいたしたわけでございますし、それから、その他移譲の要件あるいは国庫補助の内容等につきましては、またその具体的な実施細目の問題でございますので政令にゆだねたわけでございます。
○内藤功君 いずれも細目じゃないですね。だれに移譲するか、あるいは何をどの範囲で移譲するか、それからいわゆる移譲としからざる譲渡との区別というふうに、これ、非常に重要な問題だと思いますね。実施細目だというあなたの御主張は私は合点がいかないんです。到底合点がいかないですね、そういう答えてあれば。 今お答えの中の二条、三条により無償または減額譲渡できる資産の範囲、これは事業に見合った範囲で決めると、こうおっしゃったんですが、既に内々全部決まっているんですか。あるいは決まっていないんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 現段階におきましてまだ具体的に内容を詰めておりませんけれども、これにつきましては、国有財産所管の大蔵省当局とも今後内容を詰めまして決定をいたしたいというふうに考えております。
○内藤功君 いつ決まるんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) この法律を成立をさしていただきました以降、政令を制定いたす段階で、大蔵省当局等と協議をいたしまして決定をさしていただきたいと思います。
○内藤功君 だから、いつごろ決まるんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 法律の成立後できるだけ早い時期に、政令の制定の作業に取りかかりたいと思います。
○内藤功君 時期を示せないんですか。大臣、どうなんですか。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今川崎審議官が申しておるとおりでございます。その中には法律成立後と申し上げておりますので、法律成立が私どもでいつということは申し上げられないわけでございます。
○内藤功君 法律が大体いつできるかというのは、私どもが議了に反対していますが、後は議了になるんですね。大体予想つくじゃありませんか、私らは反対だけれども。要するに、レストランに行ってごちそうを注文したら、材料の一部が今ございません、これからとってまいりますというのに似ているんですね、今の話は。随分国会を軽視した話じゃないかという感じがいたしますね。資産の範囲というのは大事なところですよ。細目じゃありませんよ。 大体この国立病院の土地というのは、先ほども同僚委員お話しのように国民共有の財産ですね。その多くは旧陸軍、旧海軍のものであった。終戦の結果、国民全体の医療、福祉のための共有財産になった。本当に戦争の犠牲で得た貴重なものだと思いますよ。そして、戦後四十年間、職員と地元の方の協力で守って発展さしてきたわけでしょう。それをほかに譲渡するということも大問題であれば、ましてや譲渡資産の範囲も法律で示せない。これから大蔵省と相談をしてそうしてこれから決めるんだ。もってのほかだと私は思いますよ。非常な欠陥法案です、これは。大事なところが穴があいているんですから、その意味で欠陥法案です。 ところで、二条、三条による土地の譲渡の価額は、帳簿価格によるんですか、実勢価格によるんですか、何によるんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) これは実際に譲渡をします時点での時価を評価いたしまして、時価によることにいたしております。
○内藤功君 その時価というのは、帳簿価格によるのか、実勢価格によるのか、あるいは何によるのかということを聞いているんです。
○政府委員(川崎幸雄君) これは、一般的に国有財産の処分と同様でございますけれども、そのときにおきます適正な価格を評価いたしまして、それによって譲渡をいたすわけでございまして、いわゆる実勢価格でございます。
○内藤功君 実勢価格というのは、国土庁の発表したものですか。あるいは現実の取引価額ですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 国有財産の処分に当たりましては、その際に専門家の評価を受けまして、その評価によって価格を決定いたしまして、その価格によることにいたしております。
○内藤功君 その価格の判定者はだれですか。
○政府委員(川崎幸雄君) これは財政当局及び厚生省が協議して決定するものでございますけれども、決定するに当たりましては、ただいま申し上げたように専門家による評価をいたしまして、それの結果によって決定をいたすことにいたしております。
○内藤功君 特段の、価格の公正、確実を担保する委員会機関等を予定していますか、いませんか。
○政府委員(川崎幸雄君) 特段、その価格を決定するための組織は予定いたしておりません。
○内藤功君 極めて公正を欠くと言わざるを得ません。私は、JR、国鉄の特別委員会でいろいろ追及しましたが、このときにもいろいろ二重、三重の——私から言えば不十分ですけれども、そういうものをつくっておったんですね。国民共有の財産に手をつける場合の当然の私は扱いだと思うんですね。これもなされていない。 次に聞きますが、昭和二十七年法、昭和二十七年法律三百十一号の国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法におきます資産譲渡と、本法案における資産譲渡等との大きな違いはどこにありますか。
○政府委員(川崎幸雄君) 二十七年法との相違でございますが、特に二十七年法におきましては、移譲の対象が原則として地方公共団体であったということ、それから今回のような資産の譲渡でなくて移譲ということであった、そこらが大きな違いであろうかと思います。
○内藤功君 確かに本法案は、地方公共団体以外、政令で定める民間の方が入ってきているという点が違うと思いますね。それともう一つ、あなたは言わなかったが、今回の本法案は大きく「再編成に伴う」と銘打っている。長期にわたり大規模である。その譲渡する資産の内容、範囲はこの二十七年法の予定した比ではないと思いますね。それなればなおさら、この資産の内容、範囲を法律で明らかにして、国会に明らかにすべきだと思います。私はその点で非常に合点がいきません。欠陥法律案だと言わざるを得ないと思うんです。 次に、次のような国民の皆さんから出ている率 直な批判といいますか、疑問にどういうふうにお答えになるか。よく聞いていただきたい。 それは、本法案によりますと、ある新経営主体、新しい経営主体が、本法二条によりましてある国立病院の土地等の譲渡を受けた場合に、当該新経営主体は国立病院の土地を何割引きという値段で安く手に入れることができる。これが一つ。次に、運営費補助という、いわば一種のプレミアムまでついてくる。もう一つ言えば、他方では従前当該新経営主体が——これは一応地方公共団体は除きましょう。当該新経営主体が従前所有し使用してきたそういう土地を、これを他に相当価額で売却することもできるんですね。売却して新しく国立病院のいわば跡地にやってくることができる。こうなりますと、いわば二重ないし三重に巨利を得ることができる。いわば医療の名による、また法律の助けをかりた一種の悪徳商法というものがそこに発生してくる、こういう道を開く危険のある法律じゃないか。こういう疑問が多くの国民から出ているんです。現実に二千九百九十八の市町村議会、三十九の都道府県議会が反対決議をやっておりましょう。それから関係労働組合、職員団体が四百七十万余の署名を集めておりましょう。それはやっぱりそういう一つの大きな国民共有財産に対する疑念というものがあるからなんですよ。 私は、そういう不心得に対しての適切な歯どめ、規制というのは一体あるのかないのか。厚生省はどういうふうにこれに対処するお考えなのか。これを聞きたいと思うんです。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成を進めるに当たりまして一つの大きな問題は、やはりその後の医療をどうやって確保するか、こういう問題であろうかと思います。したがいまして、この問題につきましては、私どもも再編成の作業を進めるに当たりまして、地元の自治体等とも十分お話し合いをしながら進めさせていただきたいというふうに申し上げているところでございますけれども、今おっしゃいましたように、後引き継いでその地域の医療を担当していただく、あるいは国立病院の資産を活用して医療機関をやっていただくというのも、これは地域の要望にこたえてこの後の医療を確保していただくという観点で今回の特別措置をする、こういったような形で今回の法案を御提案申し上げているわけでございます。 したがいまして、単なる利益のためというよりは、後の地域医療を確保するために必要な措置としてそういったようなことをやるわけでございます。したがいまして、地元の地方自治体等の意向も受けまして後を引き受けていただく。しかも引き受けていただく方々は、地方公共団体以外にも公的の性格の強い、しかも安定して経営をやっていただけるような法人、こういうふうに限定をいたしているわけでございます。
○内藤功君 その新経営主体が今まで持っておった土地を売却すれば二重三重にここで巨利が得られる、それに対する適切な歯どめ、規制は一体何なのか。この点をお答えいただきたい、こういう質問ですよ。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいまの御質問でございますけれども、新経営主体、これは非常に公的な性格の強い団体と申し上げておるわけでございますけれども、そういった団体が現在持っておられます資産を売却されるというようなことにつきましては、私ども、特にそれにつきましてとかく申し上げる問題ではないのではなかろうかというふうに考えております。
○内藤功君 答弁としては、規制はないし、設ける必要はない、こういうふうに承ります。 では次に、厚生省の説明によりますと、移譲後十五年間は医療機関として運営することが政令で義務づけられる、こういう御説明と承りますが、これはそのとおりですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 実際に譲渡、移譲を行います場合に契約を結ぶことになりますけれども、その契約に当たりましては、十五年間医療機関としてこれを使用していただく、活用していただくという条件を付することにいたしております。
○内藤功君 そうすると、それは行政処分としての付条件、条件の付与ですか、それとも政令に決めるんですか。どっちですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 契約上、そういったような条件を付することにいたしております。
○内藤功君 ですから、それは法制的には行政処分に条件を付することなのか、あるいは政令にそこまで書くのか、どっちかと聞いているんです。
○政府委員(川崎幸雄君) 政令に規定するのではなくて、契約においてそういった条件を付するということにいたしております。
○内藤功君 そうすると、もう一つのこういう疑問、批判にどうお答えになりますか。よく聞いていただきたい。 十五年たった後は、何ら規制を受けずに経営主体の自由なる裁量によって国立病院から割り引き値段で得たその土地、資産を、他に相当価額で売却できる、十五年たてばこれはもう自由に売れる、こういうことですね。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の特別措置を適用して移譲、譲渡を受けた資産につきましては、十五年、一般的には国有財産は十年だろうと思いますけれども、これは十五年といったようなさらに厳しい形で医療機関として活用していただくというふうな条件を付することにいたしたわけでございます。
○内藤功君 十五年たてば完全に自由になる。私は以上の点から見まして、やはり一部に非常な巨利を保証してやる、こういう結果に道を開く憂いを非常に深くするものであります。 私はこの法案は、後で申し述べますように、国有財産のいわばたたき売りですね。そして地域住民と職員の犠牲の上につくられた大変な欠陥法案だというふうに思うわけです。 ここで繰り返して言いますが、およそ資産の譲り受け人とか譲渡資産の範囲とか、それから職員の身分とかの重要事項を政令にゆだねて、本問題所管の当委員会にも我々国会議員にも直接明らかにしようとしない。あまつさえ、資産の範囲はこれから決めると言ってはばからない。私は国会審議権の無視だと思いますよ。許せないことだと思います。政令に任すというのは、我々国会議員かと言えば、内閣に任すということですね。中曽根内閣に任すということです。私は任せませんね。そのようなことは、憲法の精神、憲法条項からいっても私は許せないことだと思います。国民や患者の方、利用者、地域住民、職員、また我々野党の意思を無視した一方的なやり方は私は認めることができない。 そうでないと言うなら、繰り返しになりますが、法律の本文または別表にああいう問題は明記すべきだと思うんです。大臣いかがですか、ここのところで。
○国務大臣(斎藤十朗君) 移譲または資産の譲渡を受ける医療機関は、先ほどから申し上げておりますように、特に公的な色彩の強い医療機関として決めさせていただくということでございまして、巨利を追求するというような医療機関ではないわけでございますので、まず御理解をいただきたいと思います。 また、政令につきましても、もうこれは御承知のとおり、法律が成立して後のことでございますが、しかしその政令の考え方につきましては、ただいまも川崎審議官から御説明を申し上げたとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○内藤功君 次に、国立病院で働く職員、正確に言いますと定員内職員及び賃金職員の方々の身分、勤務条件、給与、処遇に関する事項については、従来、一貫して政府は、十分配慮する、あるいは不安のないよう努力、善処する、あるいは先日当委員会での沓脱委員への答弁のように、最大限の努力をする、こういう答弁でありますが、これはずっと続いてきているわけですね。その十分配慮とか最大限努力という意味を聞きたいわけなんですよ。 一つは、職員団体、労働組合と交渉する——十 分配慮ということは、最大限努力ということは、職員団体と交渉して協議を尽くす、しかも日本の判例、学説が言っているように、誠実に交渉、協議を尽くす、職員団体との合意なしには身分、勤務条件、給与等処遇のことを一方的に進めない、そういうことが十分配慮、最大限努力のまず第一の意味で、これは当然だと思うんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 職員の勤務条件の問題につきましては、職員団体と話し合って理解を求めてまいりたいと思います。
○内藤功君 合意なしに事を一方的に進めないということはどうですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 十分話し合いを進め、一方的に進めないよう十分話し合いを進めてまいりたいと思います。
○内藤功君 話し合いというのは、法律的に言いますと交渉、協議ですね。「交渉」というのがあるんですから、公務員法には。そういうことですね。
○政府委員(川崎幸雄君) 必要な事項につきましては、交渉してまいりたいと思います。
○内藤功君 合意なしに一方的に労働条件、身分のことは進めない、そうですね。
○政府委員(川崎幸雄君) 必要なことにつきましては、十分組合の御理解を得て進めてまいりたいと思います。
○内藤功君 そうすると、合意なしに進めることもあるんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今の段階で、抽象的に申し上げるのもどうかと思いますけれども、十分職員団体とも話し合うし理解を得ながら進めてまいるというふうに考えております。
○内藤功君 十分配慮とか最大限努力とか——大臣なんか最大限努力とおっしゃっているんですから、言葉だけであるのかどうかということを今確かめたわけなんですよ。 そうすると、理解を得てやる、今の段階ではできるだけ話し合って進める、あなた方の言う十分配慮とか最大限努力というのは、その程度のことなんですか。合意をもって事を進める、合意があって初めて進めるということでないと、私は十分配慮とか最大限努力でないと思うんですが、違うんですね。どうなんですか、もう一回聞きますが。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成につきましては、職員団体の理解もぜひ得たいというふうに考えておりますけれども、特に労働条件といったような問題につきまして、必要な事項につきましては交渉も行い、そういった話し合いの中で理解を求めつつ進めてまいりたいというふうに考えております。
○内藤功君 大体その言葉の意味がおぼろげながら出てきましたね。 そうすると、もう一つ聞きますが、十分配慮とか最大限努力とか言う以上は、この表現は品がよくない表現で御勘弁いただきたいが、いわゆる生首を切ることはしないということですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今回の再編成につきましては、特に職員を削減するとかといったような観点が全くございません。具体的な実施の際にも、現在働いておられる職員につきましてはその雇用の確保につきまして十分配慮をしてまいる、そういうふうに考えております。
○内藤功君 まだあいまいですね。 そうすると、私は率直に聞いてみましょう。 国家公務員法七十八条四号というのがあります。この発動は、十分配慮とか最大限努力とか言っているということは、そういうこともしないということですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今おっしゃったのは、職がなくなったという場合の……
○内藤功君 七十八条四号です。ここに条文があります。
○政府委員(川崎幸雄君) そういったことの事態が起こらないよう私どもは最大限の努力をしていきたいと思います。
○内藤功君 そうすると、発動する余地が依然としてある、発動することもある、こういう意味に受け取っていいんですか。そうじゃないんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 発動することを予定いたしておりません。
○内藤功君 十分配慮、最大限努力という、大変そのこと自体ではよいことを、悪くないことを言っておられるわけですね。それはもう当然生首を切ることはしない、国公法七十八条四号の発動はしないということに私はつながると思うんです。 今発動を予定していないと言いましたが、これは非常に私は微妙な表現だと思います。もしこれが七十八条四号の発動をする余地を考えているんだとしたら、大臣、本法案はこれは首切り自由化法案という性格を持ってくるし、それから十分配慮というのはこれはもう言葉だけのことだということになってしまうと思うんですね。この点、大臣いかがですか、今の点。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今回の再編成が実施に移されてまいります段階におきまして、現在おられる職員の方々の生活が十分保障されていくように努力をいたしてまいるということは大前提でございます。先ほどから御質問のありますように、職員組合との交渉、必要に応じて交渉もありましょうし、また、個々の方々の御希望を聞き、御希望に沿えるようないろいろな努力もありましょうし、こういったことを総合的に進めてまいりまして、皆様方が納得いくような再編成を実現していけるようにいたしたいと考えております。 今回の再編成は、まさに人員を縮小しようというためのものでないことはもうたびたび申し上げておるとおりでございまするので、こういう趣旨からお考えをいただければ十分おわかりをいただけるものというふうに思うわけでございます。
○内藤功君 確かに配慮しないよりは配慮する方がいいし、努力しないよりは最大限努力する方がいいんですが、言葉だけのサービスじゃ何にもならぬということで私は今厳しく質問をし、また、これからもするわけなんですがね。 そこで、身分、勤務条件、給与、処遇は、権利の問題ですよ。権利というのは、保障の問題なんです。配慮じゃなくて保障なんですね。生存権を保障している、勤労の権利がある、労働条件を法律で決める、そうした場合に、この再編成、移譲に際して厚生省が本当に職員の権利、生活を守っていけるかどうかということが今の問題は問われていると思うんですね。 ところで、この法案を見ますと、職員のことについては二カ条あるだけなんですね。第二条に「職員」という字が二つあります。八条に「医師等の派遣」があります。私は、人が出てくるのはこれだけだと思うんです。二条には移譲というものの定義で、括弧の中に、「当該医療機関め職員が、当該資産の譲渡を受けて経営する医療機関の職員となることを伴うもの」と、こう書いてあるんですね。そうすると、これはこういうふうに読んでいいんですか。資産の譲渡という中には職員の移行を伴うものと伴わないものがあると。職員の異動を伴うものと職員の異動を伴わない、つまり資産だけ移る、こういうのと両方あるというお考えなんですか。そういうふうにこの法律では決めちゃっているんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) この法律におきましては、国有資産の引き継ぎの場合の価額の特例というのを定めているのが基本でございますが、ただいまお話がございましたように、職員の異動を伴ったものとそれから単に土地、建物等の資産だけの譲渡の場合と、二通りがございます。
○内藤功君 当然のことを聞くわけですけれども、そうすると、職員の移行が伴うか伴わないかは、結局だれの意思でどこで決まるんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 私ども基本的には再編成計画、全体計画をお示ししたように、その中でも移譲と統合というのを区分けいたしておるわけでございますが、具体的に実施の段階でこれが移譲になるか譲渡になるかということは、相手方のこともございますしそれから地元自治体とのこともございますけれども、実際に移譲となります と、国立施設を引き受けて実際に運営しようと、人も引き受けて病院として経営をしようという方があらわれて、それとの間で話がまとまった場合に移譲ということになるわけでございます。
○内藤功君 譲渡側、譲り受け側双方の合意で決まると、こういうことですね。そうですね。——うなずいておられるから認めたと。 そこで私は、この新経営主体というものを想定して、それに臨む厚生省の考え方、法律案の考え方は、結論かと言いますと、職員の立場、権利というものを無視して、新経営主体の方の意向、言い分というもののみを重視して、それから日本の今までのこの種の問題の法律の常識から見て非常に理解のできない、そういう考え方だということを、さっきからずっと御議論を聞いていて思うんですよ。 参議院の当委員会で、沓脱委員に対して厚生省は、職員の選別は引き受け手の意向が第一次的というふうに答えられたと私のメモに書いてあるんですが、この答弁は非常に私は重大な答弁だと思うんですが、これは維持されますか、修正されますか。
○政府委員(川崎幸雄君) もちろん、今回の移譲という事例の場合に、個々の職員が行くか行かないかというのは、まず職員の意向、それが大事だろうと思います。といって、また引き受け側の意向、必ず全部の職員を引き取ってくれと言うわけにもいきませんですし、これはこれでまた新しい経営主体の意向というものもあろうかと思います。この両方によって実際に個々の職員が移るか移らないかということが決まるわけでございます。
○内藤功君 相手が採用してくれるかどうか。AからBに移譲した場合に、Bが承継して採用してくれるかどうかは、一にかかって相手の意思にあるという立場でいくのか。当然これはAからBに、働く人の雇用関係、雇用契約というのは当然移行していくんだという立場に立っていくのかによって法律の立場、厚生省の立場、まるっきり違うんですよ。 そこで私はその意味で聞くんですが、万全の努力、最大限の努力、十分な配慮という立場に立つならば、職員の立場をしっかり守っていってあげる法律とその運営が必要だと思うんですよ。移行を希望するすべての職員の雇用関係、雇用契約というものはこれは承継されるという立場になぜ立てないんですか。あるいは、そういう法律をしっかりつくって、原則として行きたいという人は——行きたくない人はこれは別ですよ、行きたい人は全部承継される本来権利があるんだという立場になぜ立てないかというのが私の次の質問なんです。 というのは、きょうは法制局もいないし労働省もいないので、こういう議論を深入りしたくはないんですが、一つだけ言っておきますと、国立病院といえども資産と人によってつくられた一個の経営ですね。ある意味で事業、事業体ですね。その資産が、人を伴ってほかの経営主体に移行するという場合に、労働契約、雇用契約というのは承継されるのがこれはもう当たり前だと思いますよ。ここに私ずっと調べて、大阪の高等裁判所から松山地裁の市民病院の判決、東京地裁の済生会の判決、それから有名な我妻栄教授、有泉亨教授などの学説も全部ここに私一応調べてきました。これも、承継されるというのが当然というんですね。こういう立場に立っていくということが大事なんですが、あなた方の答弁は、もう一にかかって新経営主体に任せる。それだったらうまくいきませんよ。先ほども同僚議員が質問しましたけれども、だめだと言われた場合に、こっちは承継する権利があるという場合とないという場合じゃ違うんですからね。ここをしっかりやってもらいたいと思うんですよ。 私は、あなたと論争してもいいけれども、その時間もないし余裕もないし、あなたもお望みでないでしょうからそれはやりません、そういう論争は。どうですか、こういう立場に立って頑張っていかないとだめだ。また、法律の中にも何でそういうことをちゃんと保障してあげないのかということですよ。
○政府委員(川崎幸雄君) もちろん、職員が行きたくないという意向がある場合はこれは別といたしまして……
○内藤功君 それは別です、もちろん。
○政府委員(川崎幸雄君) といって相手の経営主体の意向もある。しかしながら、私どもの立場といたしましては、移譲の場合に、新しい経営主体の病院に移りたいという意向を持った職員につきましては、それは私どもは職員の意向の立場に立ってできるだけ受け入れていただくというふうに働きかけていきたい。これはもう職員の意向の立場に立って相手とお話し合いをさせていただきたいと、そういうふうに考えております。
○内藤功君 そのことを私は決して批判しているんじゃないんですよ。だから、その立場に立つならば、当然承継される、AからBに行くときは。そういう立場になぜお立ちにならぬのかという、その立論の弱さをついているんです。わかりますか。なぜそういう立場に立たぬか。今国立病院A病院で働いている人は、その契約がB病院にも移っていくという立場に立ってあげれば、もっとしっかりした法律ができたはずじゃないかと私は言っているんですよ。どうですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 実際に移譲、譲渡というのは地域によってさまざまのケースがあろうかと思います。実際、なぜ法律に盛り込まなかったかというような御意見、御批判もあろうかと思いますけれども、繰り返しになりますけれども、私どもといたしましては、実際の作業を進める際、あるいは相手方の話し合いの中では、職員の意向というものを第一義的に、しかもそれを踏まえて相手方にぜひそれを受け入れていただくように働きかけていく、こういうふうな考え方を持って仕事をさしていただきたいと思います。
○内藤功君 それはもう当然なことなんですね。ただその場合に、我々の日常の取引でもそうでしょう。私は権利がないんだけれども何とかひとつお願いしますという場合と、私は権利があるんですよ、あるんだが話し合いましょうと、あるいはお願いしますというのは、全然違うのですよ。私の言うのはそのことです。繰り返しになりますから、もうこれ以上やっても同じ議論になるからね。 それで、いわんやこの法案の意味するところは、移譲、再編成の機に乗じて、この際ひとつ気に食わない人間を排除しちゃおうと。思想、信条の場合もあろうし、組合運動の場合もあろうし、あるいは定員内か賃金職員かというものもあるでしょう。あるいは、そのほか言うをはばかるようないろんな、いわば恣意的な人事上の差別、こういうもので差別を行う、選別を行うということは、絶対にこの段階で許されるべきじゃないし、また、憲法にも違反することであります。そういうような意図を持ってはならないと思いますが、この点をちょっと確認しておきたいのです。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいまお話しございますように、全くいわれなきことで差別を受ける、こういったようなことはあってはならないことでありますし、また私どもも、毛頭そういったようなことは考えておらないわけでございます。
○内藤功君 今言いましたような、憲法でも決めたような思想、信条、組合所属というものを理由とする差別は、これはいわれなき差別ですね。こういうものはしないという立場に立ちますか。
○政府委員(川崎幸雄君) 今の御指摘のようなことは考えておりません。
○内藤功君 職員の選別は引き受け手が第一次的だという答弁は、結局、今の御答弁で修正されたと伺っていいですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 第一次的という言葉もございますけれども、結局はその職員の意向、それはもちろん個々の職員の意向、それから引き受け手の意向、この両方によって決定するわけでございますけれども、現実に個々の職員の処遇を考える際に、その職員が持っております希望、これができるだけかなえられるように努力するのが私 どもの立場であろうというふうに考えております。
○内藤功君 私が今るる述べました法律上の見解、これはいかがですか。この見解はやっぱりしっかり検討してもらいたいですね。検討して、むしろこの立場に立って、労働契約、雇用契約は承継されるのだ、この立場をやっぱり堅持するということが大事じゃないでしょうかね。当然の常識ですよ、これは。 そこで、次は第八条なんです。この第八条は、「第二条又は第三条により資産の譲渡を受けて開設される医療機関」に対し、「国立病院等に勤務する医師等を派遣する等の必要な配慮をする」と、こういう条文であります。先ほど午前中の同僚議員の質問も同様の点をついたわけでありますが、これは格好よく書いていますが、医師が慢性的に不足している、定員割れであるとしきりに答弁で言いながら医師の派遣なんていうのは、そんなゆとりがあるのかという疑問を私は持つのですよ。 午前中のお答えは、ゆとりはないのだということを前提にしながら、他の機関の医師が病気になった場合とか、それから一時的な手術の応援とかというような例外の場合だと、こういうふうに受けとめましたが、そういうことですか、この趣旨は。
○政府委員(川崎幸雄君) 国立病院全般を見た場合に、医療スタッフが十分ではないということは現在の実態であろうかと思いますけれども、実際にこういった移譲が行われましたような場合には、その運営がうまくいくように、国立医療機関としてもその後についてもいろいろな援助の手を差し伸べなければならないだろう、そういうようなことを考えまして、そういった実際の医療機関の医師にいろいろな事故があった場合に出かけていって応援をする、あるいはその他、研修の機会を与えるとか、あるいは医療機器の共同利用とか、こういったようなもろもろの面で、国立医療機関はこういった医療機関について今後も援助をしていくと、そういうようなことをここでうたっているわけでございます。
○内藤功君 公務員法にも人事院規則にも派遣というのはないですね。ないんですよ、これは。見ればはっきりしている。あと労働者派遣事業法という法律に「派遣」というのがありますけれども、これは調べてみましたが、どう見ても医師等医療関係者には全然これは認められておりません、今の労働者派遣法では。 そうすると、この「派遣」というのは何か。「派遣する等の」「配慮をする」という、条文に「配慮」が入ってくるのも極めて珍しい立法例なんだけれども、この「配慮」というのは、あくまでその方の意思に基づいて行っていただくということなんですか。命令も含むんですかこれは。「配慮」というのは。
○政府委員(川崎幸雄君) 実際の運用といたしましては、これは病院の機能といたしまして、そういった医師に出張して応援の仕事をやっていただくと、こういうことになろうかと思います。
○内藤功君 その出張については、命令ということもあり得るんですか、この「配慮」というのは。
○政府委員(川崎幸雄君) 出張ということになりますから、命令ということもあり得ます。
○内藤功君 それから、この八条の「医師等」ですね。この解釈は、私どもいろいろ調べてみると、「医師等」というのは、医師と大体並ぶのはどの範囲かという点で見ると、医師と歯科医師、このくらいの範囲というふうに私は思うんですね。また、いろいろな立法例や解釈なんかでも、「医師等」というのは医師、歯科医師、医師と一緒に同行をされる看護婦さん、まあそのくらいまでだというふうに思うんですね。別にほかにこの「医師等」ということについての確たる定義はないんですね。しかし、これは余り乱用をしちゃったら、医療関係者全体が入ってくる。そうすると、「医師等」という今までから使われている用語とこれはえらく違ってきますね。どこでこれは線を引くのか。 これは新聞の記事ですけれども、何か、厚生省の管理課長と全医労の組合幹部との話し合いをされた内容を新聞で見ますと、広く医療機関の人みんなだなんという答弁をしていますが、これは解釈の名に値しないですわな。「医師等」と言う以上はどこに線を引くかということをきちんとしなきゃいけないと思うんですよ。まさか医療機関全体なんという解釈——それだったら全部書きゃいいんです。医師、看護婦、歯科医師と全部ね。どうなんですか。どういう線を引くか。これは極めてずさんな、これも欠陥法案の一つとして私は挙げたいですね。どういうふうにここを制約するんですか。
○政府委員(川崎幸雄君) 実際にその国立病院が出かけていって応援をするということでございますので、先ほど申し上げた例のように、実際にそこの病院の医師にいろいろな事故や支障が生じて、あるいは手術等の場合のそれに伴う応援体制、そういったことへの応援でございますので、おのずから医師、あるいは手術に必要な医療スタッフと、常識的にはそういったような場合が想定されるのではなかろうかと思います。
○内藤功君 そうすると、これを無制限に広げていくという立場ではないということですね。
○政府委員(川崎幸雄君) 先生の今の御指摘につきまして、無制限に広げるという、その御懸念というのがよくわからない点があるわけでございますけれども、私どもは、必要な範囲内の医療スタッフを中心としたといいますか、医療スタッフの応援というのが通常じゃなかろうかというふうに思います。
○内藤功君 次に、幾つかの個別問題に移りたいと思います。法案についてはまだまだ聞きたいところがありますが、法案そのものについては以上で終わります。 まず、東京都世田谷区の国立大蔵病院の問題であります。大蔵病院は、ベッド数が四百床で、一日の外来患者が七百名以上、採算の上でも九〇%を超えて、赤字は数%ということで、国立病院としては非常に効率のよい病院で、厚生省自体のいろんな条件にもかなっている病院だと思います。ところが、この大蔵病院が国立小児病院と統合されて、地域の一般医療が切り捨てられて、一般外来が廃止されて救急外来もなくなる。そして、高度専門医療機関としてのナショナルセンター化されるということを伺っておるのです。 厚生省のいわゆる全体計画の原則、基準に照らして見た場合に、どの項目に当てはまるかということをまず明確にお答えいただきたい。
○政府委員(仲村英一君) 国立大蔵病院と国立小児病院を統合いたしましてナショナルセンターとして考えております。
○内藤功君 全体計画というのがありますね。その中の原則、基準に照らして、そのどこに当てはまるかという質問です。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいまのお話の国立大蔵病院と国立小児病院、これらの統合と申しますのは、一般的に他の例と違いまして、両施設を、両病院をそのまま病院として存置いたしまして、有機的に、組織的に統合することによってナショナルセンター化を図ろう、こういうものでございます。
○内藤功君 大蔵病院の院長先生の御見解は、高度医療ナショナルセンターというけれども、地域医療を軽視した高度医療というものはあり得ない、一般診療の上に高度専門医療があると思う、こういう御見解を我々に漏らしておられるわけですよ。私は、これは非常に医師としての御見識じゃないかと思うのです。 脳外科、心臓外科がないですね、大蔵病院には。そこで、地域の住民あるいは職員の方の間からも、大蔵病院をもっと充実してほしい、脳外科、心臓外科、これも設置してほしい、こういう要望が出されておるところですが、この要望が出されておることは厚生省は御存じですね。
○政府委員(仲村英一君) 承知しております。
○内藤功君 私自身、去年の九月一日に、たしか課長があるいは補佐だと思いますが、直接お会い をして文書で申し入れておるところであります。 ところで、この大蔵病院に関する合意書というのが私の手元にあるのです。この文書です。これは「国立大蔵病院の統廃合についての合意書」、日時は昭和六十一年十二月十九日十一時十五分。場所は港区赤坂小坂徳三郎事務所。出席者としては厚生省側から国立病院課長玉木武さん、同課長補佐、この二人が御出席。地域代表として地元商店会会長ら三名。小坂先生の秘書の名前も書いてあります。そして、年初以来の大蔵病院についての存続運動の署名が集まった、数度にわたる陳情、請願を重ねた結果、次のとおり合意を確認するに至ったと。合意事項として七項目あります。時間がないので全部読みませんけれども、要するに、総合病院としての機能を残し、現在より充実したものにする。ベッド数四百床は減らさない。それから、現在の敷地は縮小しない。脳外科、心臓外科を新設する。ナショナルセンターが理解されるよう説明に心がける。こういう内容なんです。私は、この内容自体はぜひそうしてもらいたいと思いますね。この内容は大変結構なものです。 ところで、玉木課長それから鈴木補佐、これは昭和六十一年十二月十九日現在本省の病院課におられたことは間違いありませんね。
○政府委員(仲村英一君) 在職しておったと思います。
○内藤功君 本省の課長も、こういう確認書に合意しておられるわけです。これは十万人に上る署名運動がずっと行われた。世田谷の区民というのは現在約八十万ですよ。それから隣の狛江、ここも利用していますが、狛江は七万四千、こういう人が非常に存続、充実を要望しているわけです。去年の十月でしたが、ちょうど小田急の祖師ケ谷、成城、狛江の駅でこの署名を集めましたところ、夕方、駅からおりてきた人がずらっと並んで、そして署名をするという、あの世田谷区には珍しいそういう熱気があったんですよ。私は、こういう地域住民の信頼を大蔵病院というのは今集めていると思いますよ。 大蔵病院の廃止に反対する会の会長さんは、女の方ですけれども、大蔵病院がなくなったら自分はもう生きていけない、難病を抱えている、病院と心中してもいいという気持ちでやっている、こういうふうに語っておられます。私は、厚生省にとって、こういうふうに地域住民かと言われているということは幸せだと思いますよ。喜ばしいことだと思いますよ、これは。これはもちろん、職員の皆さんの職員が足りない中での頑張りも一つの原因になっていると思うんです。 私は大臣にお伺いしたいのですが、こういう病院については、総合病院としての機能の存続、充実を考えてやるべきであって、一般診療から撤退してより高度のものを目指すという口実で一般診療を犠牲にするというふうなことは断じてあってはならぬと私は思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(斎藤十朗君) 今御指摘の点は、私どもとして、母性・小児のナショナルセンター化をいたしてまいりたいというふうに考えておりますが、そういう際に、母性・小児疾患につきましては、臓器別また病院別に各診療科にわたるわけでございますので、当センターには総合診療センターを設置し、幅広く診療ができる機能を、能力を持たせてまいりたい。地域の一般医療についても十分対応ができるようにいたしてまいりたいと考えております。
○内藤功君 大臣、局長、審議官ね。これは、総合病院として充実するというのは厚生省答えていただいているんですよ。しかし、その総合病院というのは、私らの、みんなの言っているのは、地域一般医療の中での総合病院。各科、全科がそろっているそういうものを言っているんです。我々医学の方は素人ですけれども、いわゆる総合病院というのはそういうものだと思って言っているんです。ところが、厚生省の方の答弁の中で総合病院認めますと言う場合には、母性・小児に限っての総合病院という意味で総合病院とお答えになる場合があるんですね。これは私は、そういう意味の総合病院を言っているんじゃないんですということをここで申し上げておきたいと思います。 それから、鳴子病院についてもお聞きしたいと思ったんですが、時間の関係で——これは数日前私のところに、国立鳴子病院の現在おられる患者さん百八十九名から署名簿が届きました。鳴子病院というのは、リハビリとリューマチの治療を特色とする東北で非常に珍しい病院である。どうしても国の援助なしには運営できない専門病院だということが切々と訴えてあります。このことを、特に私は地元のこういう切々たる陳情をここで大臣の耳にお入れして、さらに善処をお願いをしたいと思います。 最後の質問ですが、今度は医療法といわゆる営利目的の問題で、東京都北区東十条のオリンピックグループの病院開設問題であります。 まずお伺いしますが、医療法の七条四項は、言うまでもなく、「営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、」「第一項の許可を与えないことができる。」と、こういう厳格な規定になっておりますが、厚生省のこれについての現在の解釈、運用についてのお考えをまずお聞きしたい。
○政府委員(竹中浩治君) 医療法七条四項の運用でございますけれども、オリンピックグループの例もございますが、形の上で、例えば株式会社の経営ではないというようなものでございましても、実質上個人のお医者さんが設置者として申請をされて、よくよく調べてみると、その株式会社が実質的な設置者であるというようなこともございますので、そういった意味で、開設主体、設立目的、運営方針、資金計画等々を総合的に勘案をして、営利を目的としておるかどうかという判断をすることといたしております。
○内藤功君 このオリンピックグループが、仮称東十条病院開設を策しておるわけであります。オリンピックグループというのは営利法人である株式会社の集団です。病院経営から利益を上げて、医療、スーパー、レストラン等々に再投資して大きな利益の追求を目指しているグループであります。 ところで、このオリンピックグループは、病院を開設しようとするのに、開設許可申請の前に建物の建築許可だけをまず申請するという手段を用いた。そこで、東京都の建築指導部は異例の勧告を行いまして、工事着工前に病院開設許可を得なさいという勧告をしました。その結果、本年三月二十日に、ついにオリンピックグループは申請を取り下げたわけです。しかし、またこれで終わらないで、反省の色がなく、今度は赤字休眠中の医療法人を利用して、これを開設主体とする開設申請をやろうと、こういう動きが出ております。 私が今言っていることは、北区の医師会長さんの報告書に書いてあります。この休眠の医療法人は十数年来全く機能を果たしておらない、そういう休眠法人であります。いわば今の御答弁にあったようなダミーとして申請しようというものでありまして、私は、これは先ほどの御見解からいっても、医療法七条四項に照らして許されないことだと思うんですね。 こういう営利第一主義のグループ、ほかにもありますが、やっぱり東京で今一番目立つのはこれなんですね。こういうものについての厚生省のしっかりした姿勢を要望するものであります。いかがですか。
○政府委員(竹中浩治君) お話の東十条病院でございますが、申請が出まして、その際の審査でございますけれども、先ほど申しましたように、個人のお医者さんが申請者でございましたが、それが実質的に医療機関の運営の責任主体たり得るのかどうか、あるいは開設者の非営利性が確保されているかどうか、こういった点を十分審査を東京都においていたしまして、その結果、取り下げを指導し、取り下げられたということでございます。 この東十条病院につきましてある医療法人から、この建物を利用して病院を開設したいという 相談が来ておると東京都から聞いておりますけれども、現在までのところ、まだ申請は行われていないということでございます。仮に申請が行われました場合に、先ほど来申し上げておりますような営利性、営利を目的としているかどうか、それが形の上だけでなしに実質的にそうであるかどうかということを十分審査をいたしまして、その上で対処をするように東京都を指導したいと考えております。
○内藤功君 直接的には東京都の問題ですが、ひとつこれは医療全体の問題としてしっかりした姿勢で臨んでいただきたいと思います。 私は、オリンピックグループが進出しようとしているこの東京都北区、ここには、現在北区で唯一と言っていいでしょう、唯一と言うべき総合病院である国立王子病院の立川病院への統合計画がありますね。このオリンピックグループはそのいわば後がまをねらっているのではないかという感じを強く持っています。JRの最寄り駅は、国立王子病院は赤羽駅、オリンピックグループのねらっているのは東十条で、ちょうど駅一つの違いです。また、統合計画の出ている松戸市では、徳洲会のグループが既に病院建設のために、開設申請は未提出なのにくわ入れ式を行ったということを私は聞いておるんです。つまり、この二つのケースを見ますと、国立病院が一般地域医療からいわば撤退する、こういうときに、そこをねらって進出する。もうかるだろうというので進出すると、こういう目算を持っているんだと思います。 私はこのことからも明白なように、国が地域一般医療から手を引きますと、経営のためになりふり構わない民間経営者がその地域に出現して、結果として高いコストの医療費によって国民の負担がふえるという事態に発展することを非常に憂えるものであります。 いろいろきょう聞きましたけれども、私は、質問してお答えをいただいていまして、本法案はやっぱり国民の医療を受ける権利というものを侵すものだ。国の公衆衛生向上増進義務というものがこれで放棄されてしまう危険がある。それから、国民共有の貴重な土地や財産をいわばたたき売って、その結果、結局一部の者の巨利がここで得られるという、そういう道を開く危険がある。それから職員の身分、権利の保障については非常に不確かなものであるというような点が、私のきょうの質疑を通しての率直な印象なんですよ。 そこで私は、全国で、都道府県三十九とそれから市町村二千九百九十八の議会が反対の決議をしているんです。反対署名は、労働組合の皆さんがお扱いになったのが四百七十万に達している。これが世論なんですね。私は、この参議院の質問戦はいよいよ終わりの方に近づいていますけれども、こういう世論というものを尊重して、本法案の撤回を私は強く要求したいと思うんです。 質問をしたいことはまだいっぱいあるんです。しかし、尽くされていません。衆議院でも短い時間で参議院に送り込んできて、短い時間でやれというんだからね。私はやっぱりこの程度で打ち切っていくというような法案じゃないと思いますよ。この法案の採決ということについては、私はもっともっと審議を尽くすべきだということを強く主張するものであります。この議了や打ち切りには反対するということも申し述べまして、ちょうど時間が来ましたので、遺憾ながら私のこの場での質問はこれで終わりたいと思います。
○委員長(関口恵造君) 以上をもって本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○委員長(関口恵造君) 精神衛生法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
○国務大臣(斎藤十朗君) ただいま議題となりました精神衛生法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近時の精神医療、精神保健をめぐる状況には種々の変化が見られるところであり、精神医学の進歩等に伴い入院中心の治療体制からできるだけ地域中心の体制を整備していくとともに、多様化し、複雑化する現代社会において、広く国民の精神保健の向上を図ることが重要な課題となってきております。 こうした諸状況の変化を踏まえ、国民の精神保健の向上を図るとともに、精神障害者の人権に配意しつつ適正な精神医療を確保し、かつ、その社会復帰の促進を図るため、今般、精神衛生法その他の関係法律を見直すこととし、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、精神保健の向上に関する事項についてでありますが、精神衛生法の題名を精神保健法に改めるとともに、その目的や国及び地方公共団体並びに国民の義務として精神的健康の保持及び増進その他の精神保健の向上に関する事項を盛り込むこととしております。 第二は、精神障害者の人権の擁護並びにその適正な医療及び保護の実施のための措置に関する事項についてであります。 まず、精神保健指定医についてであります。 従来の精神衛生鑑定医制度を見直して精神保健指定医制度を導入することとし、精神医療についての一定の実務経験のほか厚生大臣等が行う研修の修了を新たにその指定の要件として加えるとともに、五年ごとに研修を受けることとする等の措置を講ずることとしております。 次に、入院制度に関する事項についてであります。 本人の同意に基づく入院を推進する見地から、これを任意入院として新たに法律上規定するとともに、保護義務者の同意によるいわゆる同意入院については医療保護入院として位置づけ、入院に当たって精神保健指定医の診察を要件とする等その適正な実施を確保するための措置を講ずることとしております。また、措置入院の解除につき精神保健指定医の診察を要件とする措置を講ずることとしているほか、精神科救急に対応するため応急入院を新設する等入院制度に関して必要な整備を図ることとしております。 次に、入院患者の処遇に関する事項についてであります。 入院の際には必要な事項を患者本人に告知することとするとともに、都道府県に新たに精神医療審査会を設け、入院患者の病状に関する定期の報告等に基づきその入院の要否等に関する審査を行うこととしております。また、入院患者に対する行動制限のうち特に人権上重要な一定のものについてはこれを行うことができないこととするとともに、精神保健指定医の認める場合でなければ一定の著しい行動制限は行うことができないこととする等の措置を講ずることとしております。 第三は、精神障害者の社会復帰の促進に関する事項についてであります。 法律の目的等において、精神障害者の社会復帰の促進に関する事項を盛り込むとともに、日常生活に適応するために必要な訓練及び指導を行う生活訓練施設並びに自活のために必要な訓練と職業を与えるための授産施設を精神障害者社会復帰施設として法律上規定し、都道府県、市町村、社会福祉法人その他の者がこれを設置することができることとしております。 また、その設置の促進を図るため、国及び都道府県は施設の設置及び運営に要する費用を補助することができることとしております。あわせて、社会福祉法人、医療法人等が精神障害者社会復帰施設を設置することができるよう社会福祉事業法及び医療法の改正も行うこととしております。 以上のほか、精神病者に係る公衆浴場の利用規制を見直すこととし、公衆浴場法の改正もあわせて行うこととしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日からとしておりますが、公衆衛生審議会への諮問に関する事項は公布の日からとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては衆議院において、指定病院の指定の取り消しの手続、医療保護入院の告知の時期、手続義務違反に対する過料の一部削除及びこの改正法案施行後五年を目途とする検討について修正が行われたところであります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(関口恵造君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院社会労働委員長代理理事稲垣実男君から説明を聴取いたします。稲垣君。
○衆議院議員(稲垣実男君) 精神衛生法等の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。 修正の要旨は、第一に、医療保護入院の際の告知については、患者の症状に照らして支障があると認められる場合は、その支障が解消したときに告知できるものとすること。この場合において、その旨を診療録に記載するものとすること。 第二に、罰則のうち、医療保護入院、応急入院及び仮入院の入院時の告知義務違反、任意入院者の入院時の説明等義務違反、医療保護入院の退院時届け出義務違反及び一定の行動制限を行った場合の診療録記載義務違反に係る過料を削除するものとすること。 第三に、都道府県知事による指定病院の指定の取り消しについては、地方精神保健審議会の意見を聞いてこれを行うものとすること。 第四に、政府は、この法律の施行後五年を目途として、新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(関口恵造君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十六分散会 —————・—————