環境特別委員会 第6号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/09/09
会議録
○委員長(松尾官平君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る七日、山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として浦田勝君が選任されました。 また、昨八日、関口恵造君、宮崎秀樹君、田渕勲二君、沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として木宮和彦君、中曽根弘文君、一井淳治君、橋本敦君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(松尾官平君) 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 去る二日の委員会において委員長から要望しました資料につきまして環境庁から発言を求められておりますので、これを許します。加藤企画調整局長。
○政府委員(加藤陸美君) ただいまの中央公害対策審議会の議事録の件について、中央公害対策審議会会長にお会いし、御要望の御趣旨をお伝えして相談いたしました。 中公審会長の御意向は次のとおりでございます。 一、当審議会としては、これまで会議の公開及び議事録の公表問題についてたびたび審議してきた。審議会のメンバーのコンセンサスは、審議会において自由に意見を述べ公正な審議を進めるためには、会議の非公開、議事録の非公表を原則とすることを申し合わせてきた。 二、その後この申し合わせに従って審議を進めてきたところである。会長としては、答申書そのものに審議の経過を反映させるよう最大限の努力をしてきたし、また、今回は特に会長談話を付して審議の様子を伝えさせていただいたつもりである。 三、以上のようなとおりであるので、せっかくのお申し越してはあるが、会長としてはこれまでの申し合わせを覆すことはできかねることを何とぞ御了承いただきたい。 以上のとおりでありますので、何とぞ御理解を賜りますようお願いいたします。
○委員長(松尾官平君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○近藤忠孝君 委員長、議事進行について発言します。
○委員長(松尾官平君) 速記をとめてもらいます。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(松尾官平君) 速記を起こしてください。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○丸谷金保君 今の局長からの御報告、大変重大な問題だと思いますので、長官の御意向をしかと承っておきたいと思います。ただいまの局長からの報告については、長官もそのように受けとめておると考えて間違いございませんか。というのは、中公審会長からの回答でございますが、これはあくまで環境庁長官に対して行われたものだと思いますので、その点改めてひとつまず確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) 中公審の議事録等の提出要望につきましては十分重みのあるものと私は受けとめております。しかしながら環境庁としては、中公審の決定、会長のお考えを尊重し議事録などの取り扱いについて対処していくことが適当であると考えておりますので、この点十分御理解を賜りたいと、こう思います。
○小川仁一君 ただいまの御答弁、いろいろと私の方から申し上げた結果、経過的には委員の皆さんが御承知のとおり、私の要求に対して理事会が開かれ、理事会の決定によって山東昭子前委員長が当委員会で環境庁に提出を求めたものであります。その際委員の皆様となたからも御異議がございませんでした。したがってこれは私の推定では、当然、委員部としては委員会決定と同じように扱われた文章であると理解をいたしております。 この際それに付随して申し上げたいことは、この理事会の決定なり委員会の決定を環境庁と中公審会長が恣意的な態度で、何ら法的な根拠もないままに拒否、無視なさるということは、今後の委員会運営上非常に大きな問題が出てくると思います。 私たち委員会は、国会の一つのルール、例えばこの委員会の運営なら理事会の決定、委員長の発言によって審議をいたしておりました。その理事会の決定が無視され、委員長の発言が断られるとなったら、委員である私はどういう態度でこれから委員会に臨めばいいのか。理事会の決定は何ら権威ないものとして自由な行動をとっている、委員長の発言が信用できないものという前提で私たちが委員会の審議その他に当たるとすれば、当然のことながら委員長並びに理事会の権威が損なわれ、私は、そういう状況でいくんでしたら今後この委員会における行動の自由、対応の自由を保留せざるを得ない。何をやったって構わぬじゃないかと、言い方を変えれば。また、今後もこの委員会が続けられるわけですから、そういったルールというものはきちんとこの際理事会でお決めをいただかなければ、私としてはただいまの環境庁の答弁をこの委員会で納得するわけにはいきません。理事会って何をするんですか、委員会って何をするんですか、委員長って何をするんですか。非常に重要な国会運営のルールにかかわる問題だと思います。 それで同時に、私たちは国民の利益を問題にして今討議していますが、私はこの前にも申し上げた。国家秘密とか重要な国家の利益を損なうという問題についてなら私だってどこまでも要求するという気持ちはありません、それは外交上とかいろんな大きな問題があるんですから。しかしこれは国民を対象にしたものですから、ぜひこういう問題を再度環境庁として考えていただきます。 ここにジュリストという本の座談会がございます。御出席の方は加藤一郎さん、橋本道夫さん、森嶌昭夫さん、香川順さんという方でございます。読ませていただきますというと、この方々はみんな中公審の委員でございます。その方々が自由にお話をなすっておられ、果たしてそれが議事録の討議であったのかどうかということも非常に審議過程として疑問を感ずるものがあります。反論はございましたがとか、違った意見はございましたがとかいっても、違った意見や反論の中身はおっしゃっていないわけです。一方的にこういうふうに市販される雑誌に審議会の中身が堂々と言われている。聞くところによると学会の雑誌にも載っている、また経団連の方にも全部回ってこれが正式に報告されているという。こういう状況が他の場所、他の会合の中で行われておりますときに、何で国会議員である我々が、その資料を入手して正確な資料に基づいて国民の利益に合致するような討議ができないのか、なぜそれをさせないのか。こういうことに対して私は、国民から信託を得た国会議員として非常な憤りを覚えます。したがって、議事録提出には最後までこだわり続けます。 以上申し上げたことをぜひ理事会において御審議を願いまして、理事会のお扱いを願いたいと思います。そうしなければ私は、不正確なこういうジュリストの本やその他に沿って質問をしていかなければならない、突き合わせだけでも大変なむだな時間が要ると思いますのでぜひお考えを願いたいと思います。
○丸谷金保君 非常に重要な問題でございますし御質問でございますのでこの際理事懇談会で少し検討させていただきたいと思うんですが、委員長の方でお取り計らいを願いたいと思います。
○委員長(松尾官平君) 暫時休憩します。 午前十時十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十七分開会
○委員長(松尾官平君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 本日、都合により、小川仁一君及び近藤忠孝君の質疑は次回に回すことといたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○一井淳治君 環境庁長官にまずお尋ねいたしたいと思います。この委員会は、七日に板橋区大和町の交差点付近の大変な大気汚染箇所を視察いたしまして、人の体をむしばむ大気汚染の実態というものを身をもって体験してきたわけでございます。長官は第百八回国会の冒頭で、 環境行政は、国民の健康と生活を公害から守り、豊かな自然環境を保全するとともに、潤いと安らぎのある快適な環境の創造を目指す重要な使命を帯びた行政であります。私は、今日の経済社会の変化に対応して環境行政がその使命を全うできるよう、その責任者として全力を注ぎ込んでまいる所存であります。 このように決意を御表明になっておられるわけでございますけれども、大気という人間に一番密接な環境を保全し、国民の命と健康を守っていく上での環境庁長官としての責任をどうお考えになっておられるのか、ここで改めて決意のほどについてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) お答え申し上げます。 環境行政は国民の健康の保護を使命とするものであり、あくまで、国民の健康と生活を守る立場から時代の変化に対応した施策を進めていくことが基本であると考えております。 今回の公健制度の見直しは、制度をより公正で合理的なものとするためのものでございまして、大気汚染による健康被害の予防に重点を置いた総合的な環境保健施策を推進しようとするものでございます。また、窒素酸化物対策などの大気汚染防止対策を一層強化することとしており、国民の健康の確保に万全を期してまいりたいと、今もその所信を述べさしていただいたときと変わらない気持ちで取り組んでおります。
○一井淳治君 大気汚染と健康被害との関係の評価等に対する専門委員会の報告の中に環境庁のaの調査、bの調査と二つの調査が記載されておりますけれども、この二つの調査は何を目的としてなさったのか、この調査の目的についてお尋ねしたいと思います。特に本件の五十八年十一月十二日の諮問とは関係ないとは思いますけれども、そういった点についても回答いただきたいと思います。
○政府委員(目黒克己君) この環境庁が行いました二つの疫学調査は、いずれも大気汚染と健康影響との関係を検討するということに資するという目的で実施をいたしたものでございます。この目的に従いまして三十三地域あるいは五十一地域それぞれ調査をいたしておりまして、総計四十五万人を超える回答数を得た国際的にも例のない最高レベルの調査でございまして、いずれも昭和三十年代それから四十年代への調査の問題点を改良いたしたものでございます。
○委員長(松尾官平君) この際申し上げます。都合によりこの議場内の喫煙は御遠慮願いたいと思います。
○一井淳治君 このa、b両方の調査を読みますと、調査の対象として小学生の両親、祖父母というものを選んでおられるわけでございますけれども、なぜそうなったのか。また、どういった人たちの指導といいますか、検討の結果そういうふうになったのか。そこのところを回答いただきたいと思います。
○政府委員(目黒克己君) 少し詳しく申し上げますと、ただいま申し上げました規模の調査でございますが、昭和三十年代から四十年代に行われておりました調査は主としてBMRC方式の問診調査というのが行われておったのでございます。この以前に行われておりました調査が、調査員が本人と面接をして行うという必要があるために大人数を対象とすることができない、あるいはまた調査員による偏りが生ずるおそれがある、こういうようなことを改良いたしましたものが環境庁が行いましたこの二つの調査でございます。 この先生の御指摘の点がその対象となるところの選び方に影響してくるのでなお詳しく申し上げますと、今回のATSにおきましては、調査対象者が質問票によりまして自分で記入できるように工夫をしたという大前提があるわけでございます。そして、この調査を行いました場所が主として小学校を中心として行ったのでございます。したがいまして、成人用だけではなくて児童用の質問票というものもやったわけでございます。ぜんそく等の各種の症状につきまして、それぞれ児童、成人の各種の疾病に対応する等内容も充実した形でもって行ったのでございます。したがいまして、先生から御指摘がありましたけれども、当初三十年代、四十年代に行いました調査を改良いたしたものがこの環境庁が行った調査なのでございます。 その内容につきましては、この調査におきましてもそれぞれのパーセントで児童、成人等についても行っているのでございますが、結果といたしまして小学生の児童を有する家庭の人員構成と大体イコールになる、こういうことでございますので、したがいまして、結果として老人とかあるいは子供、乳幼児の比率が若干下がると、こういうことは事実でございます。しかしながらこの調査につきましては、成人以外の老齢の者につきましてもデータは出ておるのでございまして、そのデータにつきましてこの専門委員会の中でも審議をしたという経過があるのでございます。
○一井淳治君 私がお尋ねしたいのは、調査の対象として小学生の両親や祖父母が選ばれたこの事情なんですけれども、結局こういうことなんでしょうか。小学生を学校に呼ぶ際両親とか祖父母、こういう保護者も学校へ呼んでその学校で調査をしたと、そのためにこうなったんだと、そういうふうにお聞きしていいんでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) 大気汚染にかかわりますぜんそく等の疾病の比率がやはり児童に圧倒的に多い、こういう状況がまずございまして、したがいまして小学校を中心といたしまして質問票を配ってそして記入をしていただいたと、こういう経緯でございます。
○一井淳治君 そうすると発想とすれば、小学生を調べたいという発想から進んだわけなんですか。
○政府委員(目黒克己君) この発想といたしましては、基本的には小学生それから同居する両親、祖父母等を対象としているのでございます。
○一井淳治君 その調査の目的なんですが、全般的な調査ということで出発されたんでしょうか、それとも小学生を中心とした調査ということだったんですか。
○政府委員(目黒克己君) 先ほど申し上げましたように学校単位でまず小学生、それからそれに同居いたします祖父母、こういう者をある程度想定をいたしましてその中で調査を行ったということでございます。したがいまして、この成人の中で三十歳、四十歳代の者が結果として非常に高くなりまして五十歳以上が相対的に少なくなりますが、先ほど申し上げましたように五十歳以上の者につきましてもその報告はいたしておるところでございます。
○一井淳治君 そういった調査をするについては疫学の専門家の方が加わって計画を練っておるんですか。どうなんですか。
○政府委員(目黒克己君) この調査にかかわりました先生方、疫学調査の方々がデザインをされまして、またこの専門委員会のメンバーの中にもその先生方がお入りいただいているところでございます。もちろん全員というわけではございませんが、主な先生方がそれぞれお入りいただいていると、こういう現状でございます。
○一井淳治君 この調査は特定の階層、年齢的な階層を選んで調査をするという結果になっておるわけでございますけれども、年齢層別のグループで大気汚染に抵抗の強いグループあるいは抵抗の弱いグループ、それを選び出すような調査といったものほかつておやりになったことがあるんでしょうか。この年齢層は大気汚染に強いとか弱いとか、そういったふうな調査を今までなさったことがあるんですか。
○政府委員(目黒克己君) 特に小学生を対象といたしましてこのような疫学調査をやるという理由でございますけれども、一つは、乳幼児等の問題については母親がかわりに書くといったような状況でそれは当然含まれてくるという考え方でございます。いず札にいたしましても、小学校をもとといたしましてこの地域を、四十万に余るサンプルをつかまえるということでこのようなデザインを組み込まれたというふうに私ども考えているのでございます。御指摘の老人の部分につきましてはこの調査の中にも入っているのでございます。
○一井淳治君 私は、年齢層別にどういう年齢層が大気汚染に対して強いのか弱いのか、そういった点を知るための調査があるのかどうかをお聞きしたかったんですけれども。私の知っている限りではありませんし、今の御回答にもそういうのがあるようなお答えはなかったので、ないという前提で進めさせていただきます。 このa、b二つの調査ともに調査の対象が小学生と同居の父母、祖父母が対象となっておるわけでございますけれども、そういたしますと、現実の問題として三十歳代、四十歳代の壮年層は体力が最も頑健な階層だと思いますが、そういった階層が調査の対象になっておる。例えば大気保全局の調査では三十五歳から四十九歳の男性が七二%を占めている。平均では三三%でございますけれども、こういうふうに非常に大気汚染に対して強い階層を選び出して調査をしているというふうになっておるわけでございますし、また大気汚染に非常に鋭敏で弱い老人層が欠けておる、そういう二つの大きな特徴がこの調査にあると思います。 そういった観点からいたしますと疫学調査の対象としては非常に不適当ではないだろうか、その点はいかがでございましょうか。こういうふうな非常に疫学調査の対象として当を欠くものを基準にして専門委員会の答申が出ておるわけでございまして、そういったものを基本にして地域指定の解除をされては公害の被害者たちはたまったものではないと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(目黒克己君) 先ほど御説明を一番最初に申し上げましたように、一つの年齢階層について調査対象とするか否かという問題でございますが、当初指定に踏み切りました当時の昭和三十年代、四十年代の調査はいずれも成人のみでやっているのでございます。そしてBMRCのやり方を改良したものが今度のATSでございますが、いずれも測定点を中心といたしましてこのような大規模な調査の協力を得、しかもかつ、ある程度の精度を高めるという技術的な問題からまいりますとどうしてもこれは小学校単位でやるのが一番いい、こういう当時の疫学の先生方の考えからそのようなデザインを行ったのでございます。またこの判断をいたしますときに、五十歳以上の者は少ないけれども、このデータも取りまとめ報告書に記載をいたしましてそれについても御審議いただいたものでございます。 また大気保全局の調査につきましては全年齢を対象として解析をいたしておりますが、この辺につきましても、先ほど来申し上げておりますように六十歳以上の老人は通常調査の対象とはしていないというかつての疫学調査の問題もございますが、いずれにいたしましても私ども、過去もそれから現在行われております新しい方式も含めましてこの環境庁の調査は現在考え得るベストの手法によるものであるというように専門家から聞いているところでございます。
○一井淳治君 私がお尋ねしたのは、一つは、通常の年齢階層の分布に比べて非常に頑健な層だけを選んで調査しているじゃないか、それからもう一つは、大気汚染に非常に敏感な弱者群といいますか、老人層が欠けている、そういう点で疫学調査の対象としては不適当ではないかという点についてお尋ねしたわけでございますけれども、その点については回答がいただけませんので、その点の欠陥をこれは認めざるを得ないんじゃないかというふうに私今の回答を聞かしていただきまして、もう一つの点についてお尋ねしたいと思います。 それは、このa、b両調査とも非常に対象地域が広範囲でございまして、a調査の方が九都道府県、b調査の方が二十八都道府県になっております。気候要因、社会的要因とか全部異なる地域を十把一からげに調査の対象としているという点非常に不適切なのではないでしょうか。特に、地域指定の妥当性、地域指定の可否について取り上げてこれの解除等を考えていくというのであれば、指定地域と諸条件の似通ったほかの地域とを比較するという手法をとらないと疫学調査としては意味がないんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(目黒克己君) 私ども環境庁におきましては我が国の現状の大気汚染と健康影響との関係を見るために調査をいたしたのでございます。そしてまた企画をしたのでございますけれども、特定の地域のみを対象とするということは適当ではないというふうに考えたのでございます。すなわち、大気汚染レベルの非常に低い地域から我が国の最高濃度レベルの地域までを含めて、低い地域も高い地域も含めてそして先ほど申し上げましたような対象の中で見ていく、それで全国的なレベルの判断に資する、こういうことでこの調査を行ったものでございまして、地域の選び方につきましては、非常に濃度の高いところと低いところというところで影響がどう違うかということを調べるということでこの地域の選定をいたしたのでございます。
○一井淳治君 この調査に当たられましては、既存の指定地域の解除をするかどうかとか、既存の指定地域の妥当性というふうなものを考えよう、選び出そうと、そういうふうな予定をあらかじめ持たないでこういうふうな調査をなさっておるわけでしょう。
○政府委員(目黒克己君) 御指摘の点でございますが、私どもあくまでも現状の大気汚染の状況の中でこの調査を計画しそして設定したものでございます。つまり、先ほどのものをもう少し追加いたしますと、それがお答えになるかどうかわかりませんがちょっと申し上げさせていただきますと、石油化学コンビナートからの硫黄酸化物が主たる原因でありましたころは同一の都市の中で汚染レベルの異なる地区を設定することが可能でございました。さまざまな汚染源から発生する窒素酸化物やあるいは大気中の粒子状物質が主たる汚染物質である現在では近接した地区で汚染レベルの異なる地区を設定することが困難であったという事情がございます。なお四十年代後半において行われました調査、例えばいわゆる六都市調査等では既にこのような全国的な調査は行っているということでございます。
○一井淳治君 環境庁の方ではNOxと健康被害あるいは複合汚染と健康被害の関連性についてどのような調査をなさっておられるのでしょうか。さきにa、b二つの調査についてはなさったことはわかっておりますが、そのずっと以前に四大調査とかあるいは全国四十一カ所の地域指定をするに当たっての、最後は五十三年六月に東大阪が追加指定されておりますけれども、そういうふうな地域指定をする際の調査があったかと思いますけれども、それ以外にNOxと健康被害、複合汚染と健康被害の関連についての調査とすれば何かなさっておられるのでしょうか。これはないように思うんですが。
○政府委員(目黒克己君) NOx等の健康影響についての調査といたしましては、これまで環境保健部では、国民健康保険のレセプトを用いましたいわゆる受診率調査、それから今申し上げましたATS方式に準じた質問票を用いた有症率調査を行ってきたわけでございます。また大気保全局におきましてもその疫学調査を行ってきたのでございますが、今まで申し上げましたほかに国立公害研究所等におきましてもある程度の研究というのを予算の範囲内で、例えば二酸化窒素やオゾンの暴露による急性あるいは慢性影響については実験的な研究といったようなことは行われておるのでございまして、御指摘のようなはっきりそういう形での調査というものは、今までお答え申し上げましたもの以外にはないのでございます。
○一井淳治君 昭和四十九年十一月二十五日に中公審が「公害健康被害補償法の実施に係る重要事項について」という答申をいたしておりますけれども、その答申の第四の「附言」の中に、今後の窒素酸化物等の検査方法について必要性とかその方向について述べられております。それからまた、この環境委員会またはその前身の委員会におきまして、挙げれば切りがないんですけれども、四十九年五月の二十九日の参議院、五十一年三月二十九日の衆議院を初めとしてその後八つばかり衆参の両委員会で窒素酸化物等と健康被害の因果関係の究明が必要だという附帯決議がなされておるわけでございます。政府として当然この附帯決議は守って調査研究を進めねばならないというふうに思いますが、ただいまの御答弁では十分な調査がなされていないんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。 特に今回の地域指定の解除という方向を出すに当たっては、科学的な知見が足りないということが原因で切り捨てられているということもあると思いますので、知見が足らない原因が、結局環境庁の方が附帯決議を守ってきちんと調査研究をしなかったために知見が足らなかったということになったんじゃないかと思いますけれども、そのあたりはいかがですか。
○政府委員(目黒克己君) この中央公害対策審議会の専門委員会におきましては、今まで申し上げました疫学調査のほかに内外の科学的な知見を集めまして、またその上に動物実験とかあるいは人への実験的な負荷研究とかあるいは臨床医学的な知見といったようなものを総合いたしまして、そして総合判断に基づいて一つの評価を行ったというように報告書に記載されているのでございます。また私どももこの専門委員会の結論は、集め得る内外の最も科学的な知見を収集した結果総合的に判断をされた、このように受けとめているところでございます。
○一井淳治君 その内外のいろいろな研究成果を取り集められたことはわかるんですけれども、しかし環境庁として、もう少し附帯決議に従って調査研究をおやりになってもっと科学的な研究を前道させるべきであったと思うんです。その点ができていないように思うわけでございますけれども、環境庁としては独自の調査の機関なり施設をお持ちおんでしょうか。それとも委託研究でやっておられるんでしょうか。また、NOxや複合汚染との関係の健康被害の影響調査については毎年どれくらいの予算を今まで用いておられるんでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) これは大気局でやっておりますもの等々もございますし公害研究所でやっているものもございますが、まず先ほど来申し上げました二つの有症率調査におきましては、五十二年度から五十八年度までに毎年二千万から三千万円程度の予算で実施をいたしてまいりました。また大気保全局におきましても、五十四年度から六十年度までに毎年三千万円程度の予算で疫学調査を実施してきたのでございます。そのほか国立公害研究所におきましても、五十二年度から五十六年度まで毎年三千万から四千万円程度の予算で二酸化窒素やオゾン等の先ほど申し上げました実験的な研究を行ってきたところでございます。したがいまして私ども、この大規模な疫学調査ということになりますと、やはりこの分野の専門の先生方にお願いし、また関係各方面にそれぞれ御協力をお願いして委託調査ということでやっているものもあれば、公害研究所で直接やっているものもある、こういうようなところでございます。
○一井淳治君 大気汚染の状況がSOx中心の時代からNOxや複合汚染を考えねばならない時代に変わってきておるわけですから、NOxや複合汚染の健康被害への影響やその性格、内容についてもっと本気で研究に取り組んでいただかなければならないんじゃないかというふうに思います。その研究や努力を怠っておいて、研究の成果が上がらないうちにこの専門委員会報告程度のことで地域指定の解除をするのはどうかと思いますが、その点いかがでありましょうか。もう少し研究を進めていってそういった困果関係なり影響というものがもう少し解明された後に見直すべきではないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(目黒克己君) 先ほど来申し上げましたように具体的なテーマとしていろいろございますけれども、多数の調査を行ったほか、科学的な当時の文献等をできる限りその時点でのベストのものを集めた結果行いましたものでございまして、私ども、この専門委員会報告は極めて今の時点での集めることができる最高の科学的な知見を集めたものである、このように考えておりまして、この専門委員会報告を根拠といたしましてそれを踏まえて一つの答申を出したという経過につきましては、私どもこれは科学的な知見を十分踏まえていると、このように考えているところでございます。
○一井淳治君 今回の中公審の答申の「指定地域の今後の在り方」という項目の中に、 本制度において、一定の地域を指定地域として指定し、補償給付を行うことが合理的であるためには、①人口集団に対する大気汚染の影響の程度を定量的に判断でき、②その上で、その影響が、個々の地域について、地域の患者をすべて大気汚染によるものとみなすことに合理性があると考えられる程度にあること、が必要である。 ということでこの二要件が必要だとされておるわけでございますけれども、この二要件については専門委員会の報告書にも全く触れられていないわけでございますが、この二要件はどこから出てきたのでございましょうか。 それからこの二要件を考えた時点では、この①と②の二つの要件を証明するだけの科学的な知見が専門委員会報告の中にはないということははっきりしておるわけでございますから、①と②の二要件を立てるということは、わかりやすく言いかえると、地域指定を解除しようという意図があったんだ、解除する目的を持ってこの二要件をつくったというふうに考えざるを得ないわけでございますけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。
○政府委員(目黒克己君) 御指摘の二つの条件ということにつきましては、これは大気汚染の幾つかの前提があった上でいろいろ御議論を審議会でもいただき、あるいは国会でも再々御審議をいただいたものでございますが、御指摘の二つの条件とは、大気汚染以外の原因でも発症いたしますぜんそく等の患者さんたちにつきまして、指定地域と指定疾病と暴露要件という三つの割り切りによって、二足地域の指定された地域内のすべての患者さんはもうすべて大気汚染によるものというふうに制度の上でみなしていこう、こういう本制度の運用として当然あるわけでございます。そういう割り切りの上で必要となる条件ということで、従来の指定の考え方も含めまして中央公害対策審議会でこの考え方を示したのでございます。 この考え方をもう少し詳しく申し上げますと、大気汚染がぜんそく等の主たる原因であると考えられるような状況におきましては、この二つの条件の第一番目の「人口集団に対する大気汚染の影響の程度を定量的に判断でき、」という点について、疫学等の手段によって大気汚染物質が何ppmになれば一般に地域の有症率がどの程度になるかということを示すことができたわけでございます。もう少し平たく申し上げますと、大気汚染の状況によりまして一般に地域の有症率がどのくらいというふうなことがはっきり定量的に判断できると、こういう意味のことでございます。例えて申しますと、昭和四十九年十一月の答申におきましては医学的な総合判断の上に立ちまして二酸化硫黄に関して具体的にお示しをいただいているのでございます。 それから次に二つ目の条件でございますが、今申し上げました条件の上で「その影響が、個々の地域について、地域の患者をすべて大気汚染によるものとみなすことに合理性があると考えられる程度」というところのくだりでございますが、この点につきましては、制度上、これは先ほど申し上げましたように多くの他原因でもって生じますぜんそく等の患者について、みなすというようなことがございますので、制度の上で、他の原因を無視して地域の患者全員を補償の対象とすることが妥当であると考えられるような程度というのでございます。例えば大気汚染による影響がぜんそく等の原因の過半となっているとみなし得る、こういうような状況のことを指しているのでございます。 今の二つの条件等々考えまして、特に二つ目のことにつきましては、大気汚染がぜんそく等の主たる原因であると考えられ得る状況下では、昭和四十九年の答申に見られるように、疫学調査すなわち医学的な調査によって地域の有症率というものが自然有症率の二倍以上となっているような場合ということがこれに当たるという、このような考え方が妥当であると考えられ、現行の指定地域はこの条件に該当したということで行っているのでございます。 以上申し上げましたように、この二つの条件というものを示しましたのは、先ほど来申し上げておりますようにこの一つの割り切りというものの議論の結果、審議会の過程において、専門委員会報告とそれから委員会の議論等の中でこのようなものを踏まえてこのような結論に到達したのでございます。
○一井淳治君 もう少し簡単にお答えいただいた方がいいと思うんですけれども、結局、この①と②の要件というのはどこから出てきたんでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) この二つの要件につきましては、この制度発足当初からのいきさつあるいは当時の状況、あるいはその当時の審議会の答申等を踏まえて、あるいはまたそれに科学的な知見等を踏まえて審議会で出されたものと、このように私ども理解しておるところでございます。
○一井淳治君 結局、作業小委員会でこの文章をつくったわけですから、作業小委員会の人がこういうふうな案文をつくったと、そういうことでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) この答申は、この専門委員会報告を踏まえまして、またあるいはそのほかの各方面のいろいろな御意見等を踏まえまして専門家である審議会の先生方、専門委員会の先生方も含めて結論を出されたものでございます。一番当初、作業小委員会でお尋ねのことについても当然その文章は議論をされているのでございます。次いで部会のレベルでこれらの先生方を、専門委員会の先生方も含めて最終的な結論となったものでございます。
○一井淳治君 そうしますとその段階では、専門委員会の報告書に書いてある程度の知見であれば①と②に該当する箇所はないというふうな見方も可能なわけですから、もうその段階でも既存の指定地域は全部切り捨てと、そういう結論を持ってといいますか、逆に言うと、既存の指定地域を全部切り捨てるためにこの①、②の条件をつくられたというふうに言われても仕方がないんじゃないでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) この専門委員会の報告の中にこの主たる原因ではない云々というくだりがあったわけでございますけれども、それを受けて作業小委員会ではこれを御審議いただいたわけでございます。この御審議の過程の中では、先生御指摘のようなことではなくて、むしろ、現行の非常に割り切りでもって行った制度が科学的な知見に照らして妥当であるかどうか、あるいはこういう条件下でどうだったんだろうと、先ほど来申し上げましたように四十九年度当初の答申等々と引き比べながら議論を重ねてこのような結論に到達したのでございまして、先に先生から御指摘のような前提でつくったというものではないのでございます。
○一井淳治君 ですけれども、その①、②の要件をつくればこれは普通の社会常識を持っている頭の人であれば結果が見えてくるわけでありまして、そこでは、切り捨てをするか、あるいは環境庁の方で一層科学的な知見をふやすように疫学調査なんかでももっとやっていただくか、この二つの道があったわけですけれども、さらに研究を進めるという道をとらなかったのはもうその段階で切り捨てるという意図があったんじゃないかと思います。 それはともかくといたしまして、この要件につきましては、①の要件ですけれども、こういうふうに病気の原因を定量的に判断できるというふうなことは机の上では可能かもしれませんけれども、現実に大気汚染公害の場合にそういったことが可能なんでしょうか。どうなんでしょうか。鈴木武夫前国立公衆衛生院の院長さんが東京高裁の証言において、この①と②の要件を満たすような病気はない、これは現実を知らぬ人の頭の中で考えた空論だということで①、②の要件が極めて不当だということを述べておられます。この要件は、法律家的な論理的な考えからいけば、あるいは文章とすればいいのかもしれませんが、現実の大気汚染公害の場面に適用する要件とすれば極めて不当ではないんでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) 人口集団に対します大気汚染の影響の程度を定量的に判断できるというくだりについての御質問でございますが、昭和三十年代あるいは四十年代当時のような非常に激甚な大気汚染の状況のもとにおきましては定量的に判断することができる、疫学的にもできる、このように当時も判断をしたわけでございます。しかしながら、現状のような、当時から比べて非常に大幅に大気の汚染が変化をし、あるものについては大きく改善されたと、このような状況下におきましてはこの定量的な判断ができかねるようになってきたと、こういうことを申し上げているわけでございまして、私どももその辺については、十分この審議会の考え方についても当然ではなかろうかというふうに考えているところでございます。 なお、鈴木先生がおっしゃっておられますことは医学的な面ということとそれから法律的な面と二つの面があるのでございます。先ほど来申し上げておりますようにこの制度そのものが、大気汚染が原因ではない、あるいはほかの原因であるといったような人も含めて一定地域にある人はすべて大気汚染が原因であるというふうに見なそうという最初の大きな割り切りからスタートをしているところでございまして、この辺につきましては、医学の間でもいろいろな原因論等については今なおいろいろ意見があるところであるということは私どもも承知をいたしておるのでございます。しかしながら、一たびそのような形で割り切った後、その割り切り方が今の状況下では妥当かどうか、制度を公正に運用するためにあるいは制度を公正に保つために必要かどうかという観点から議論をいたしましたときに、先ほど来申し上げましたくだりの、定量的に判断できる云々ということが結論として出てきたのでございます。
○一井淳治君 今も言われたように、かつてはSO2がたくさん出たから定量的な判断が可能であった、最近は事態が変わって定量的な判断ができなくなったと。そういうことになれば、環境庁の方でもう少し研究をしてもらわない限りは、現在はとにかく定量的な判断を全部できないわけですから、今のお話によると全部公害被害者は切り捨てになってしまうと、こうなってくるんじゃないでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) 公害健康被害補償法は、民事を踏まえました原因者として費用を負担する側とそれから被害を受けて補償を受ける側と、こういう二つの割り切りをしてでき上がっている制度なのでございます。したがいまして、先ほど来申し上げておりますように大気の状況の非常に甚だしいときにはできる、しかし今のような状況ではできないと。この辺につきましては専門委員会報告におきましても、この複合的なと申しましょうか、NOx、SOxそれからSPM等今の大気汚染の状況全体を含めて主たる原因とは言えないと、このような判断をされておるのでございまして、私ども、このような判断をとるということについては妥当であろうというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 定量的な判断ができるかどうかということは一つの資料でありまして、根本的には法的な因果関係があるかどうかの指標だと思います。何も①、②の要件を立てなくてももっとほかに法的な因果関係を認定する方法があればいいわけでありまして、こういうふうな方法を立てるのは甚だ疑問ではないかというふうに思います。 ここで質問を変えますけれども、今回の答申は昭和五十八年十一月十二日の環境庁長官から中公審への諮問に始まるわけでございますけれども、この諮問の内容ですが、公害健康被害補償法第二条第一項に係る対象地域のあり方、これを諮問しておるというふうにお聞きしていいでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) 御指摘のように、私ども、大気汚染の現況にかんがみて地域の指定のあり方についてということで諮問いたしたのでございます。
○一井淳治君 この諮問の趣旨でございますけれども、昭和六十年三月二十五日の衆議院の環境委員会で当時の長谷川環境保健部長さんが、指定要件あるいは解除要件の明確化なんだというふうな答弁をしておられるわけでございます。これをかみ砕いて言いますと、大気汚染に係る地域を指定あるいは解除する基準といいますか物差しを明らかにするという諮問のように私は理解しておるわけでございますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) 当時の諮問でございますが、「公害健康被害補償法第二条第一項に係る対象地域のあり方について」ということでございまして「我が国の大気汚染の態様の変化を踏まえ、今後における公害健康被害補償法第二条第一項に係る対象地域のあり方に関して、公害対策基本法第二十七条第二項第二号の規定に基づき貴会の意見を求める。」ということで諮問をしたのでございます。 この五十八年十一月の諮問当時には環境庁といたしましては、制度発足時において知見が十分でなかった二酸化窒素とかあるいは浮遊粒子状物質を含めまして大気汚染と健康被害との科学的な評価を行い、これを踏まえまして現在の大気汚染の状況に対応した指定要件あるいは解除要件を示していただきたい、このように考えていたのでございます。 しかしながらこの専門委員会報告から判断をいたしますと、現在の大気汚染では地域の有症率を決定するさまざまな要因の中で主たる原因をなすものとは考えられない、人口集団に対する大気汚染の影響の程度を定量的に判断することができない、こういうようなことでございますので中央公害対策審議会では、このような状況下におきましては新たに指定の要件とか解除の要件を適切に設定することはできないけれども、もはや、民事責任を踏まえました制度として大気汚染物質の排出原因者の負担において損害の補てんを行うことは適当ではない、したがってこの指定地域をすべて解除することが相当というふうに判断をしたのでございます。 したがいまして、五十八年十一月の諮問はこの第一種地域のあり方ということについて諮問をいたしたのでございまして、指定要件とかあるいは解除要件というのを示してはいない点では当初とりました環境庁側の考え方とは異なっているのでございますけれども、しかしながら、この指定地域のあり方としてこの解除相当という結論を示した云々のことについては中央公害対策審議会の権限の範囲内で今回の答申が行われたのでございまして、今回の中公審の答申は諮問の範囲を逸脱してはいないと、このように考えているところでございます。
○一井淳治君 二回りも三回りも先にお答えをいただいて恐縮なんですけれども。最初諮問では考えていなかった、しかしその後現在のような答申になったというお答えでございますけれども、結局、今回の答申というのは当初考えておった諮問よりも非常に拡張していると、その点はお認めになるわけですね。
○政府委員(目黒克己君) 当時の諮問の範囲内であり、かつまた中央公害対策審議会の答申はその諮問の範囲を逸脱をしていないと、このように考えているところでございます。理由は先ほどちょっと申し上げましたようなことでございます。
○一井淳治君 法的な権限とかそういうことを聞いているんではなくて、事実の面で、当初諮問した方の考えておったのはまあ物差しを諮問した、しかしその後いろいろ事情があって解除するのが妥当だというところまでの答申になったと、そういうことなんですね。
○政府委員(目黒克己君) そのとおりでございます。
○一井淳治君 中公審は環境保健部会の方に諮問を付託して、環境保健部会が専門委員会をつくって検討されたわけでございますけれども、専門委員会の検討事項は何だったんでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) 大気汚染と健康被害との関係の評価等に関する専門委員会報告ということでございますが、専門委員会では、このように大気汚染と健康被害との関係につきまして主として御議論をいただき御結論をいただいたものでございます。
○一井淳治君 そうすると、地域指定の解除が相当かどうかとかいうふうなことは専門委員会には付託してないわけですね。
○政府委員(目黒克己君) 専門委員会におきましては、あくまでも今申し上げましたように大気汚染と健康被害との関係の評価ということをお願いしたのでございます。
○一井淳治君 その専門委員会の報告の後作業小委員会の検討があり、十月六日中公審の環境保健部会に出されてそして十月三十日の最終答申というふうになったわけでございますけれども、最初諮問された方が考えておった地域指定をする指定の要件あるいは解除する要件、そういった物差しについてはどこかで審議されたのでしょうか、あるいはどこかの文章で明らかにされておるんでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) この中公審の答申では、今の物差しと申しますか、今のことにつきまして当然経過の中で議論をいたしまして報告をされているところでございます。
○一井淳治君 そうすると、指定の物差しと解除の物差しについてはどのようになったんですか。
○政府委員(目黒克己君) これは先ほど御説明を申し上げましたようなことでございますが、中公審答申の中では、特に四十九年答申の解除の考え方ということについて一項を立てまして、その中でただいまお答え申し上げましたような、定量的に判断するのが困難であるというためにこの要件が示し得なかったという趣旨のことが報告をされているのでございます。この辺につきましては、部会あるいは作業小委員会等においてこの部分についてそれぞれ御検討をいただいたものでございます。
○一井淳治君 諮問された基準とすれば、指定する要件と解除する要件と二つあるわけですけれども、指定する要件の方はどうなんですか。
○政府委員(目黒克己君) 指定の要件については昭和四十九年制度発足当初につくっているわけでございますけれども、それと同じものを今私ども使っているのでございます。
○一井淳治君 指定の要件について諮問されておるわけですけれども、これについては諮問に対する答えがないわけですか。
○政府委員(目黒克己君) この地域の指定要件につきましてはこの審議会の中でも、現在の大気汚染では有症率を決定することができない云々と先ほど来申し上げましたような理由で現時点においては具体的に地域の指定要件とかあるいは解除要件を示すことができないと。私どももこういう考え方でいるのでございます。
○一井淳治君 じゃ、指定要件は結局検討をしなかったわけですかね。
○政府委員(目黒克己君) 先ほど申し上げましたようにこの制度発足当初の指定要件というのは今あるわけでございますけれども、新たな指定要件ということにつきましては解除要件同様御審議はいただいたのでございますが、先ほど申し上げましたように特に示すことができなかった、こういう状況でございます。
○一井淳治君 当初の諮問の一番大事な点ですから、それに対する答申をしないということは中公審として一番重要な点を怠っているということになるんじゃないですか。
○政府委員(目黒克己君) 今の先生の御指摘の点につきましてはこの中公審の答申の中でも「指定地域の今後の在り方」ということで「指定地域について」あるいは「四十九年十一月答申に示された解除の考え方について」等々というようなことについて触れておられまして、その中で十分御審議されており、結果として先般来申し上げているような最終的な判断になったものと、このように私ども考えております。
○一井淳治君 そうすると結局、解除あるいは指定の具体的な要件は記述されてないわけですね。
○政府委員(目黒克己君) ただいまの御指摘でございますけれども、御議論はいただいたのでございますが、現在の大気汚染の状況の中ではっきりした因果関係を示し得ないといったようなことからこのような解除要件あるいは指定要件ということについてつくれなかった、こういう結論でございまして、この点についても十分記載をされているものというふうに私ども判断しておるのでございます。
○一井淳治君 最初の諮問当時の時点では指定あるいは解除の物差しを中心に諮問されたという具体的な事実がある。その後状況の変化があって、それはもう度外視して全面解除という結論に走ったということになっておるわけでございますけれども、これは結局環境庁あるいは政府の方針がそういうふうに変わった、最初の諮問当時とそれから答申の時点とでは政府の方針が変わったからそのようになったということじゃないでしょうか。特に最初のころは、三つのケースがあると、例えば一部指定地域を解除するとかいろんなケースが考えられるんだというふうなことも聞いておったわけでございますけれども、後で全面解除というふうになっていったのはやはり政府の方針の変更があったためではないでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) あくまでも御指摘の点、なぜ指定要件が示されなかったのか、その指定要件が示されなかったのは政府の考え方が変わったからじゃないかとかいう点につきましては御指摘のようなことではございません。現実にこの指定に相当するような汚染というものがないということもございます。いずれにいたしましても、大気汚染の状況が非常に大きく変化してこの当時使っておったいろいろな物差しが通用しなくなったというところにこの審議会の経過があるわけでございます。 その辺につきましては専門委員会報告等で科学的知見等を踏まえていろいろ御結論をいただいたわけでございまして、その御結論を踏まえますと、私が先般来お答え申し上げましたような理由で要件を示せないという状況の中でただいまのような結論になったのでございます。あくまでも審議の経過の中で、この法を公正に運用するという前提から見ますと現行のような形ではなく、一つの正当な公正かつ適正に運用するためには解除相当云々と、こういうような結論に到達したのでございます。
○一井淳治君 その専門委員会の報告あるいは知見ですけれども、結局これはa、bの両調査が最も基本になっておるんですが、このa、b調査は頑健な層ばかりを対象としているわけですから、当然さらに研究を進める、地域指定の解除にいくにはもっと環境庁の方で努力していただいて、附帯決議もあることですから、科学的な知見をふやしていく、その上で当初の諮問どおり具体的な指定あるいは解除の基準をつくっていくという一つの政策もとり得たでしょうし、あるいはもう全面解除に持っていくんだという一つの政策もとり得たでしょうし、そこのところは政策の問題であるわけです。現実に公害の被害者はたくさんおられまして年々ふえておるわけですから、政策の問題であるというふうに思いますけれども、やはり経団連とのいろんな交渉、そういった中で全面的な解除という方向に進んでいったんではないでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) まず第一番目のお答えでございますけれども、一つは、要件云々ということにつきましての科学的な物差しにつきましては、先ほど来申し上げておりますような大気汚染の変化ということで当時できたものができなかったということでございます。 それから後段の研究調査云々という点でございますけれども、私ども、やはりこの専門委員会の中で科学的にもベストの知見を集めた結果というように理解いたしておりますので、さらにこの点について今後の課題として研究を進めるという点については、これは専門委員会報告等にも提言をされておるところでございますので研究等は続けていくのでございますが、先ほど来申し上げておりますように、個々の対象に対して補償するというよりは地域全体に対応するという考え方を中公審は示しているのでございまして、このような方向でまいりたいと、このように考えているのでございます。したがいまして、この調査研究につきましてはそれぞれの項目についてそれはそれとして今後研究は続けてまいりますが、全面的に制度を合理的に保つためには今解除してまいるのが相当である、適当であるというように私ども考えているところでございます。
○一井淳治君 この指定地域の見直し問題については、昭和五十九年十月一日を第一回として環境庁と経団連との定期的な懇談会が持たれるようになったという報道もあるわけですけれども、そういう中で見直しについての協議が進んでいったんじゃないでしょうか。これが審議会の方に反映していったんじゃないですか。
○政府委員(加藤陸美君) 先生からお話のございました経済界、特に経団連との会談といいますか懇談といいますか、これは数年前からほぼ年に一回ないしは二年に一回というような間隔はございますけれども、これはいろんな問題についてといいますか一般的な諸情勢について、あるいは環境問題についてはいろんな規制も行っておりまして、これにももちろん従ってもらわなければいかぬのは当然でございますし、かつまたそれ以外に行政の方針ないし指示に協力していただくというような問題ももちろんあるわけでございますし、それ以外に意思疎通をしておくというような一般的な問題について年に一回ないしそれよりちょっと長期間に間を置きますけれども、そういう機会が持たれたことは確かでございます、 ただ、先生がただいまおっしゃいましたようなつながりと申しましょうか、これは直接あるはずはないわけでございまして、いろんな議論、意見交換というのはもちろんそれは、そういうところとか何かということだけでなしにいろいろあるんじゃないかということも含めてあるいは先生おっしゃっておられるのではないかと思うわけではございますけれども、少なくともそういうことによって環境庁ないしは、審議会とも先生おっしゃいましたが、審議会の審議が変わっていくということはございませんし、またあるべきでないことでございます。
○一井淳治君 別に情報交換とかそれをとやかく言っているわけではないんです。ただ、例えば五十九年十一月十四日に環境庁と経団連の首脳等が都心のホテルで会談したということが中央紙の第二社会面のトップに出るようなかなりな関心の対象になるという事実はあると思うんですけれども、結局それは、見直し問題がどういうふうに進んでいるのかという世論の関心がそういったふうな記事を仕立てたんじゃないかというふうに思います。そういう中で例えば五百億円の基金構想とかあるいは将来の賦課金額をどうするかとか、そういった問題も当然相談が産業界との間でなされておるんじゃないでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) まず第一点の五十九年の十一月の会合という点、今ちょっと手元に詳しい資料を持っておりませんので、五十九年時点に……、あるいは先ほどちょっと私御答弁申し上げました環境庁の幹部、これはたしか当時の大臣以下と年に一回というものの例の一つではないかなというふうにも思いますが、ちょっとそれはつまびらかではございません。 それから今先生おっしゃいました、例えば基金拠出であるとかあるいはほかの拠出金の取り方の問題であるとかをそういう場で相談する、ないしはしたということは、少なくとも私の関知する限りはございません。
○一井淳治君 私は、その場での話し合いがあったかなかったかということは別にとりたてて言ってはいないんですよ。ポイントは結局、五百億円の基金構想が出てきたり、あるいは現在現実に予定がされている将来の賦課金額について、仮にこの法案ができ上がって、はい将来こういう賦課金を払いなさいと言われた場合に、産業界に私は払いませんよとそっぽを向かれてしまったら基金もできないしどうにもこうにもならない。そうならば当然、前もって産業界の方に根回しをする、話し合いをすると。その話し合いの中で、見直しはどうなるんだとか、全面的に指定地域を解除いたします、それについてはこうしましょうというふうな話し合いができていると思うんですよ。 そうでないとこの五百億円という構想も、それは勝手にお役所がつくっただけであって全然実行性がない。それはもう常識からして、現在の政治がいいかどうかは別にして、現在の政治の実情からすれば当然話し合いができているだろうと。最近審議会はダミーであるとかあるいは隠れみのであるとかというふうに言われておりますけれども、それが中公審にも反映してそれでこういう方向になったというふうに見られるのが普通のように思われるんですけれども、どうでしょうか。当然前もってお話し合いがあるんでしょう。
○政府委員(加藤陸美君) まず細かい日付の方で、十一月十四日、五十九年のとおっしゃいましたか。六十一年のお誤りではございませんですね。同じ日付で会談が行われている日付がたまたまございましたので。まあまあその点はちょっと申し上げておくだけですが。 その肝心のお尋ねの点でございますが、例えば基金の問題にいたしましても、もちろん最終的に中公審から意見が答申されておるわけでございますから、そういうものを考えていくに当たっては私どもよく事務的な打診とか言うわけでございます。そういう段階では、これは実現しないのでは何ともしようがございませんものでございますので、あらかじめ、どういう意向、どういう考え方があり得るか、あるいは実現のめどがあり得るかというようなことについてのいわゆる事務的な打診というんですか、これは通常先生おっしゃるとおりな、おっしゃるとおりと申し上げるとかえって誤解を招くかもしれませんけれども、これは私ども事務当局といたしましてはしなければならぬそれぞれの段階があることは確かでございます。ただそのときに、いろんな方向といいますか、行政として判断すべきことに影響するようなことはそれはございませんということを申し上げておるわけでございます。
○一井淳治君 これは日弁連の意見書にも、経団連は、昭和五十年十二月には環境庁担当者から公害指定地域の解除を行政目標とするという約束を取りつけたということが書いてあるわけですけれども、そういうことで環境庁の方向も地域指定の全面解除という方向に進んでいったんじゃないでしょうか。それがこの中公審の方に反映しておるんじゃないでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) ただいま日弁連とおっしゃいましたけれども、その資料といいますか関係の材料にそういうことをお書きになっておるという点、私今直ちにはつまびらかではないわけでございますけれども、そこに書いてあることが事実がというようなお尋ねであるとすれば、それは私はないというふうに、それは子細に今拝見しておるわけではありませんのであれでございますが、ないということをお答えするわけでございます。 それから全体的にそういう全面解除の方向をその時点で、大分前の時点を先生おっしゃっておるように思いますけれども、その時点で決められるわけももちろんございませんし、こういう方向を出すということも申し上げられるはずもないものだと存じますので御理解いただきたいと存じます。
○一井淳治君 この地域の指定の問題については、内閣総理大臣が審議会や関係の都道府県の意見を聞いた上で進めるということになっておりまして、そこで公害の被害者の権利も守られるというふうになっておるわけですけれども、現実には今言ったように産業界との間の交渉で進んでおる。産業界の方も最初は、例えば八割負担は重過ぎる、二割負担の自動車の負担金をふやせとかいうふうな意見もあったんですけれども、だんだんとなくなっていった。そしてこの諮問の方も、最初は物差しの諮問であったものが最終的には全面解除も諮問の範囲内なんだというふうに解するというふうに変わっていった。これが実情ではないんでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 幾つかのことを申し上げられた上で当面出てきた方向としてそういうふうに動いたんではないかというお尋ねかと存じますが、総体としてはまずそういう動きのものではありません。そういうことが出るべくして動いていったわけでございます。それぞれの判断で動いたわけでございまして、おっしゃいますような図式といいますか、そういうものではないということをまず総括的にお答えしなければならぬと思います。 ただ、今おっしゃいました中で一つ申し上げさせていただきますと、中公審への諮問が物差しであったということをおっしゃいましたが、先ほど部長の方からも答弁申し上げておりますとおり、これは、大気の大きな変化を踏まえてそれに対する第一種指定地域のあり方についてという御諮問でございますので、ちょっと先生のおっしゃるような意味合いでそう変わっていったということではない、その範囲の中であることは間違いないと思うわけでございますし、どうも先生のおっしゃったとおりの動きというふうにはちょっとお答えはできないわけでございます。
○一井淳治君 昨年の十月三十日の答申でございますけれども、今私の方から質問申し上げたようないろんな経過があってまとめるのに無理があったんじゃないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。この種のとりまとめは、総会ではなくて環境保健部会が審議して答申するのが普通だというふうに聞いておりますが、鈴木専門委員長が十月六日に反対意見を出していると、そういったことで部会ではぐあいが悪いので総会を開いて総会の場でまとめるようにしていったというふうなこともあるんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 それからまた総会の場面で相当の反対意見が出た、そして反対意見を答申に併記しなさいという非常に強い要求が出た、そういったものを、会長が何とか文書で談話を発表するからというふうなことを言ってかなり強引にまとめていった、そういう経過があるんじゃないでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 大きく分けて二点かと思いますが、総会が持たれた、これは大変まとめるのは難しかったからではないかというお尋ねでございました。これどういうふうにお答えするかなかなか難しいところでございますが、それはそうでないことは明らかでございまして、部会の意見は部会の総体の意見としてまとまっておるわけでございます。この点はまず御理解を正確にしておいていただきたいと思います。それから、確かに総会を開いて答申をまとめるということは比較的少ない例であることは先生おっしゃるとおりでございますが、これは、それだけ会長が問題を重要視されて全体の動きも参酌しながらということだと思います。重要だと判断されて総会を特に開かれたというものでございます。繰り返しになりますけれども、大変重要なものであるので環境保健部会以外の委員の方々にも御審議をいただき慎重を期するために総会を開催したというふうに御理解いただきたいと存じます。 それから、いろいろな意見が出てまとめるのが大変だった、だから会長の意見表明というようなおっしゃり方をされましたけれども、その点はちょっと違うわけでございます。本日たまたま午前中の私の御報告の関連で中公審会長の談話が配られておりますので御参照いただければありがたいわけでございますが、その中にも「指定地域の解除について反対あるいは時期尚早との意見もあった。」という、一部という表現がついておりますけれどもあったということでございます。それを御参照いただいてもわかるとおりでございますが、会長がこれらを含めて総体としての意見をまとめられて、総会としては答申を決定しておるわけでございます。 その辺ただいま先生の事実関係についてのお尋ね、そう間違って理解されておるとだけ言っておるわけではございませんけれども、ちょっと少し違った受けとめ方でお尋ねいただいたようでございますので、その辺は御理解を正確に、ないし正していただければありがたいと思います。
○一井淳治君 今、反対意見あるいは時期尚早の意見が一部と言われましたけれども、この会長談話を見ましても一部とは書いてないわけでございます。そしてこの文章で「反対あるいは時期尚早との意見もあった。」ということをわざわざ文章にするということはよほどのことがあったんじゃないかということを疑わせるわけでございます。これは本当に議事録を見させていただかないと私どもわからないのでぜひとも拝見したいわけでございますけれども、こういうふうな会長談話をわざわざ出した、それによって何とかまとめたというふうなことが起こったのは、やはり本当に科学的なあるいは公正な意見ということで審議会が持たれたのではなくてかなり政府あるいは産業界の考え方に中公審が引きずられている結果じゃないかというふうに思うわけでございます。 その点は別といたしまして、この会長談話ですが、これは答申と一体となるべきものじゃないかと思いますけれども、その点はどうでしょうか。答申書だけを印刷されて配付されるというのではなく、その場のまとめ方が会長談話を出して反対意見もあるんだということで何とかまとめ切っているわけですから、これも一体として刷り込まないと意味がないんじゃないかと思いますけれども、その点どうでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) お答えする前に、先ほどの私の一部という表現は間違っておりました。ただ、実質的にそんなにはということをちょっと御説明させていただきたいんですが、その「様々な意見が出され、その中には指定地域の解除について反対あるいは時期尚早との意見もあった。」と記述され、「また、多数の委員から、」というふうに書き分けになっているものですから私それをちょっと誤解いたしまして。失礼いたしました。 それから今おっしゃいました後の方の問題でございますけれども、まず、この会長談話を出すからということでまとめたという点、表現がなかなか、これは微妙な点でございますので一概にはそうでないなんていうふうに言うのもいかがかとは思いますし、総会の中のお話でございますのでなかなかつまびらかにしにくいところでございますけれども、会長談話は答申の一部になるものではございません。これは明らかでございます。それから同時に添付されなければならないというものでもございません。これも明らかにしておきたいと思います。ただ、ちょうどこの答申書を出されたときに会長記者会見というのを、これは慣例でございますのでいたされておりますが、そのときに、会長はこれをみずから書かれまして、ペン書きのコピーの形で配られて会長会見のときに使われたことは確かでございます。
○一井淳治君 その点についても議事録を早く見させていただきたいというふうに思います。 最後でございますけれども。実は衆議院の八月二十五日の環境委員会でございますが、岩垂委員の方から中曽根総理大臣に対して患者代表を中公審に早く入れてほしいという要望をしたわけでございます。これに対して「検討するにやぶさかでございません。」という首相の回答があったわけでございますけれども、できるだけ早く患者代表を中公審に入れていただくようお願いいたしたいと思います。この点について、簡単で結構でございますから大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) お答え申し上げます。 中公審の委員は公害対策に関する学識経験者により構成されており、中公審はこれまで公正に運営され、また今後とも公正に運営されるものと考えております。御指摘の件につきましては、総理のおっしゃったことと同様私も、いろいろな状況の推移等を見まして将来必要があるという場合には検討するにやぶさかでない。総理と同じ気持ちでございます。
○広中和歌子君 高桑栄松委員は、公明党・国民会議でしかも医学博士でいらっしゃいますけれども、本会議並びに当委員会で、公害指定地域の全面解除は時期尚早であり、疾病と健康は連続的であるのでオール・オア・ナンではなく段階的措置が必要である、そういう御意見を申されたわけですけれども、私は心からこれに賛成するものであります。それを踏まえた上で今後に向けての幾つかの問題点について御質問させていただきたいと思います。 私は一昨日板橋区の大和町の交差点に行き、大変な環境のところで人々が生活しているんだなと非常に驚いてしまったわけです。その交差点は首都高と中仙道と環七が立体交差して一日二十四万台、そういうふうな非常に激しい交通量のあるところです。そのうち平均いたしますと約二五%が大型車であるということでございます。そして午後三時のNOxの値が〇・〇八ppm、これは基準をはるかに上回るものでございますね。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 御視察をいただきました大和町のところの状況は先生のお話のとおりでございまして、東京都内でも非常にNOx濃度の高いところでございます。
○広中和歌子君 そこに測定値をはかるボックスが地上七メートルにあったわけでございますけれども、その高さが高くなればなるほど濃度というのは薄くなるのか濃くなるのか、そのことについてお伺いしたいんでございます。
○政府委員(長谷川慧重君) 空気を採取する採取口の高さの問題でございますが、採取口といいますか、その測定所のあるところの周りの状況によってかなり差異があるかと思います。余りしっかりしたデータではございませんが私の手元にありますものといたしましては、平らなところでございますと低いところより高いところの方が若干濃度は低く出る。しかしながら高いビルが周りにあるようなところでございますと、低いところと高いところが同じような傾向であるかどうかについてはかなりばらつきがあるということでございまして、御視察いただきました大和町の陸橋の点につきましては、周りにかなり高い建物あるいは道路自体がお話しのように三層構造ということでございますので、七・三メーターのところが私どもが通常目安としております一・五メーターの濃度とパラレルであるかどうかについてはちょっと一概には言えないんでございますけれども、大体一メーターから七メーターのところにおきましても、あの周りの状況から見ますとそう大きな差はないんじゃなかろうかなというぐあいに思っているところでございます。
○広中和歌子君 この場所は公害指定地域だと思いますけれども、具体的に住民のためにどのような対策をとっていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 道路沿道対策ということのお尋ねかと存じますが、先生御案内のとおり、道路沿道自動車交通公害対策といたしましては、まず基本的には、車一台一台の排ガスのいわゆる単体規制といいますものを従前からいろいろやっているところでございますし、それからそこの交通量といいますものについて、できるだけ効率的な車の使われ方がするような形での交通量の抑制分散等についていろいろ対策をやっておるというようなことが基本的にあるわけでございます。特にあの大和町的なところになりますとなかなかそういう既存の方策だけでは難しいという点もございまして、実は私ども、国公研等にお願いをいたしましてそういう特殊な場所におきます道路構造についてのいろんな検討をやっていただいているところでございます。 先般も発表されたわけでございますが、例えば道路につきましても掘り割り構造にするとNOxの量が減ってくる、あるいはドームをつくりまして脱硝装置をつければなおさら減るというような報告等もあるわけでございます。それから東京都の方でもいろいろ調査もやっておりますので、そういうような東京都の調査あるいは国公研の研究成果といいますものを踏まえまして、これから、各省と連携をとりながらそういう土木関係の専門家の方々あるいは環境サイドの専門家の方々というような方々にそこら辺につきましてのいろいろ実際的な検討を進めていただきまして、基本的な対策とあわせまして特別な場所についての検討を進めてまいりたいというぐあいに思っているところでございます。
○広中和歌子君 大変結構なお話なんでございますけれども、検討をいたしまして実際に具体的に何かをするといった場合にどのくらい時間がかかるのか、そして予算の措置というのはどういうことになるんでしょう、どこが出すんでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 道路交通公害あるいは局地的な汚染の問題は非常に大事な問題、早急に解決しなきゃならぬ問題でございますので、できるだけ早く検討を進めまして具体化の方向に向けてやってまいりたいというぐあいに思っております。 それから予算等の関係でございますが、私どもその研究成果を踏まえて具体化の検討をやります場合におきましては、関係各省庁特に建設省とも十分連携をとりながら進めていかなきゃならない問題であろうというぐあいに思っているところでございまして、そういうことで予算の問題等もにらむというわけじゃございませんけれども、そういうこともある程度頭の中に入れながら局所的な問題につきましても関係のところと十分連携をとりながらやってまいりたいというぐあいに思っておりますので、ひとつ御理解いただきたいと思っております。
○広中和歌子君 建設省の道路沿道公害対策につきましては後ほどお伺いしたいと思いますけれども、いずれにいたしましてもここは住居としては余り適していないんではないかという印象を持つわけでございます。それなのに、あのコーナーのところにアパートが建設中だったわけなんですけれども、なぜアパートの建築をお許しになったのかちょっとお伺いしたいんでございますが。
○説明員(梅野捷一郎君) 公害の防止に絡みます地域全体について見ますと相当広い範囲でいろんな問題がございますし、内容もいろいろ多岐にわたっているということでございます。私どもが建築に関するいろんな建築規制を実施しておりますのは主として建築基準法のようなものを中心にやっているわけでございますけれども、一般的なそういう建築規制というものを今お話がございますようなものと直接対応させていくというのはなかなかなじまないんではないかという考え方を持っております。そんなことで、沿道の環境の保全に関連して建物サイドで規制なり保全整備に対する対応を図る方が適切だと。そういう場合につきましては、幹線道路の沿道の整備に関する法律というようなものによりまして建物の制限とか助成措置とか、そんなことで建築側の対応をしているということでございます。
○広中和歌子君 沿道における公害というのは新たな問題でございまして、新たな問題に関しましては新たな対応が必要ではなかろうかと思うんでございますけれども、なじまないということでこの問題をほうっておいていいのかどうか。例えば道路から数メートル中に入れましてそこに緑を植えるとか、そのような例えば行政指導を今までなぜできなかったのか。これからそのようなことをなさる御予定があるかどうか。それから集合住宅には空気の浄化装置みたいなものが義務づけられているんでしょうか。建設省の方にお願いします。
○政府委員(長谷川慧重君) 先生のお尋ねが非常に広い範囲でございますのでなかなか一概に答えづらい問題かと思いますが、ただいま建設省さんの方からもお話がございましたように、例えば都市計画の決定に際しましていわゆる幹線道路沿道における土地利用に関しまして、第一種なりあるいは第二種の住居専用地域は原則として交通量の多い幹線道路に定めないように定められているようなものでございまして、そういう中で都市計画のところでも一応いろんな考慮がされておると。 さらに、ただいま御説明ございました沿道の関係でございますが、先生お話しのような緑地整備等のために沿道の土地の買い入れ等排ガス対策にも資するような施策の推進が沿道法によりまして進められているところでございまして、現在東京都内におきましては、環状七号線の練馬区内等土地区、約十五キロメートルにおきましてこのいわゆる沿道法に基づきます沿道整備計画が策定されまして各種の対策が進められておるということでございます。ここら辺は、建設省さんの持っておられますいわゆる沿道法に基づきます対策はそれぞれ進められておるという状況にございます。
○広中和歌子君 先ほどの御質問にもちょっと関連するんでございますけれども、高さはうんと高くなりますと汚染の濃度が変わるものであるんだったら、道路沿線におきましてはもっと高さ制限を、今まで例えば五十メートルであるものを百メートル、二百メートルと、二百メートルの建物があるかどうか知らないけれども、ともかくうんと高くすることによってよりよい住環境を、どうしてもそこに住みたいという方のために提供できるんじゃないかと思うんでございます。欧米なんかでは空中権の譲渡というのがございまして、例えばすぐ隣に低い建物または道路であるとか教会であるとかいうようなものがありましたらばそれを借用することができるという法律があるわけでございます。 あそこを見ますと、三つの道路が交差していて今さら交通をとめるわけにいかないわけですよね。だけれども、その周辺を少し整理いたしまして例えば道路の上にどでかい建物を建てる、そして周辺を緑地にしてしまうという――買い上げというお考えはちょっとおやめになった方がよろしいと思うんです。ああいうような公害の激しいところでさえ土地の値段が一向に下がってないということをちょっと伺ったわけで、そういう土地に大事なお金をお使いになるんじゃなくて、もっと前向きなよりよい住環境のためになるべくたくさん使っていただきたいと思うわけです。ともかく、もっと高く建てるといったような発想もできるんじゃないかと思うんでございますけれども、建設省の方いかがでございましょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 非常に先生のお考えは、大気の面から見ますと高いところは確かにNO2の濃度もそれなりに下がってまいるわけでございますから、そういう面におきましては確かにお話の点は非常にユニークな発想といいますか、非常に新しい発想かというふうに思うわけでございます。あとは、建設サイドにおきまして道路、住居等につきましてはいろいろな考え方があろうかと思いますので、先生のお考え方を十分私ども建設省の関係のところにお話し申し上げまして今後の検討にさせていただきたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 いずれにいたしましても、都市計画に大気汚染の対策というものも織り込んだ新たな政策が必要なんじゃないかと思うわけでございます。今まで私この委員会に出席して、またいろいろ資料などを読んで勉強させていただいた結果として、SOxは環境基準を達成しておるが、NOxとか浮遊物による大気汚染というのは依然として減っていないということなんでございますけれども、大和地区に限らず、一般にどのようなことを今後やっていかれるおつもりなのか、環境庁の方針、そしてどのくらいの予算をお持ちなのかということもお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 特に沿道を中心といたします大都市の大気汚染、先生のお話にございましたようにNOIなり浮遊粒子物質の環境基準を達成するということは極めて重要な課題と思っておるところでございます。そういうことで環境庁といたしましては従前からいろいろな対策を講じているわけでございますが、特に本年の一月に、先ほど申し上げましたようにいわゆる大型ディーゼル車からの窒素酸化物を削減する規制の強化を行っており、いわゆる単体の規制をやっておるわけでございまして、こういう車そのものにつきましては今後とも引き続き規制の強化を進めてまいりたいと思っておるところでございます。 それから全体の交通総量の抑制あるいは交通量の分散などの対策を講ずるために、京浜地域等を対象といたしまして輸送の協同化の促進や低公害車の普及などを内容といたします総合的な計画づくりを現在進めておるとこるでございます。またさらに、現在御審議いただいております法案が成立しました後におきましては、新たに設けられることになっております基金の制度も活用して交通公害対策の一層の強化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。またそれ以外にもいろいろな御意見等もございますので関係省庁とも十分連携をとりながらやってまいりたいと思っております。 それからSPM対策でございますが、このSPMにつきましては、いわゆる人為的な工場からのばい煙に含まれる部分あるいは粉じんあるいは車公害によりますもの、あるいは自然生成によるもの等いろいろな要因があるわけでございますが、工場のばい煙対策あるいは粉じん対策、自動車につきましてもNOx対策とあわせましてこの辺のことについてはいろいろ検討を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。 予算の関係でございますが、NOx対策だけで約一億円でいろいろな調査検討を行っておるところでございます。
○広中和歌子君 その基金の五百億というものでございますけれども、実際にその部分で毎年使えるお金というのはどのくらいを予定していらっしゃいますか。
○政府委員(加藤陸美君) これは大体運用益でという考えでございますので、金利の関係がございますけれども、大体二十億から三十億の間というふうに御理解賜りたいと思います。
○広中和歌子君 それだけのお金で今おっしゃられたようないろいろな対策ができるのかどうかということが非常に心配なんでございます。 私はたまたまあの大和町には住んでおりませんけれども、ともかく、NOxということで自動車とかトラックとかバスなどの移動発生源が空気汚染の新たな元凶になっているという中でこれからどんどん対策を講じていただきたいというふうに願っているものなんでございます。そのような移動発生源、つまり空気を汚染するその責任者はだれか、だれが責任をとるべきかということを考えるんでございます。自動車メーカーだろうかそれとも石油メーカーだろうか運送会社だろうかとか、タクシー会社、バス会社それから自家用車を持っている人、我々のように公用車をときどき利用させてもらう人とかガソリンスタンドとか、道路が不十分であるとか、いろいろなところを責めることができるわけでございます。ともかく我々は車から非常な利益を得ております。つまり我々は受益者であり同時に加害者であると、そのようなことを認識するわけでございます。 それで、車の台数というのは毎年ふえているんじゃないかと思いますけれども、ともかく、便利さを利用するんであればその便利さに見合うだけのコストを払わなければならないと。そのような考え方に関しましては環境庁長官どのようなお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(稲村利幸君) 今先生の御意見を拝聴しておりまして、自動車公害問題の解決のために、立体交差等の道路構造の改善や低公害車の普及などの事業を総合的に進めていくと同時に、自動車を利用する人たちがこうむる恩恵に対しては当然税をということで、ディーゼル車等の汚染原因者あるいは利用者がそれなりに負担する目的税についての御指摘だろうと思いますが、先生のこの御提案は大変私も興味があり、大変な御見識だと、こう考えております。税の創設につきましては負担のあり方、税体系のあり方等に関していろんな議論があるところでございますし、困難な面も多々あると思いますが、これはやはり大事な課題として私も勉強をさせてみたいと、こう思っております。
○広中和歌子君 恐れ入りました。 新たな税を特別の目的のために設ける前に、我々が車を一台保有するためにどのくらいお国に対して税金を払っているのかということをちょっと試算していただきたいんでございますけれども、普通乗用車を持ちますね、そうするとどのような種類の税金を我々は払わなければならないんでしょうか。
○説明員(薄井信明君) 自動車を持っていただくということに関係いたしまして幾つかの税負担を今お願いしておりまして、数字につきましてはちょっと今調べさせますが、どういう税金がかかっているかと申し上げます。 まず国税の世界で申し上げますが、車を持つということにつきまして、まず購入されますと物品税がかかります。また保有してこれを使うということに着目いたしまして自動車重量税というものがかかる。それから自動車を動かすにつきましては燃料を使いますのでこの燃料に揮発油税、地方道路税あるいは石油ガス税といった国税がかかっております。このほか地方税が自動車関係で四つの税金がかかっております。これら全体で、車一台を一年間持っていた場合どのくらい税負担がかかるかにつきましては検討いたしまして後ほどお伝えしたいと思いますが、私どもがこれまで政府税調その他で御議論いただいているときの記憶をたどってみますと、アメリカに比べるとかなり高い負担をしているかと思います。また西欧に比べてまあ同じくらいかなというような負担をしているのではないかと思っております。
○広中和歌子君 わざわざ計算していただくのは恐縮でございますので。千五百ccの車を私が持ちまして一年間がないたくさん使ったといたしますと、大体十四万八千百七十三円の税金だけお払いしているんですね。私が自動車を持って加害者として十四万八千百七十三円。ですから、やっぱり公害を出しているわけですから何とかその部分を対策費に使っていただきたいわけですよね。つまり、こうした国税というのはどういうような形で使われているのかお伺いしたいんでございますが。
○説明員(薄井信明君) 国税についてお答え申し上げますと、先生もう御承知のことを繰り返し申し上げることになりますが、我が国の税制では、税金というのは一般的に歳出に向かうために徴収させていただいて、どういう事業に使うことがいいかという優先度を毎年の予算のときに考えて分配していく、これが基本になっております。 したがいましてその税法自体は、はっきりと目的税としている税金は今申し上げました自動車関係の税金でもございませんで、結局は一般財源としてこれを徴収する形になっております。ところが、例えば道路整備が必要であるとかあるいは自動車重量税で申し上げれば公害関係に使わしていただく、こういった形で実際工事業を進める上において税金との関係をつけて、つまり歳出サイドの事業としてリンクさせている面はあるということで、ちょっと回りくどく申し上げましたが、税金の仕組みとしては一般的な財源としてはおりますけれども、公害に関して申し上げれば自動車重量税というものが公害への予算へリングした形で使われていると、こういうことが申し上げられると思います。
○説明員(小坂紀一郎君) 地方税について申し上げますと、先ほど大蔵省からお答えございましたように、地方税におきます自動車関係税といたしまして自動車税、軽自動車税、自動車取得税、軽油引取税、この四つの税金が税目としてあるわけでございます。このうち自動車税と軽自動車税は一般財源ということでございますが、自動車取得税それから軽油引取税は、道路に関する費用いわゆる道路目的財源として使用されているということでございます。
○広中和歌子君 地方税と国税合わせまして自動車関係の税収というのは五兆円あるという数字をいただいたんでございますけれども、それは正しいでしょうか。
○説明員(薄井信明君) 私どもの国税と地方税を合計いたしまして六十二年度の予算では五兆三千億円程度税収をいただいております。
○広中和歌子君 今地方税のことでお答えいただいたわけですけれども、国税に関しましては特定財源と一般財源とございますけれども、特定に当たるものはどういうものがございますか。特定というのはどういうことにお使いになるんでございますか。
○説明員(薄井信明君) 先ほど申し上げましたことを補足する形になりますが、例えば揮発油税という税金がございます。これは道路整備のために必要な事業の予算を立てる際に揮発油税に相当する金額を歳出上計上する、これを特定財源と私ども申し上げております。税をいただく立場から申し上げますと、そこは税法上目的税とはなっていないんですが、事業を進める立場から揮発油税収に相当する金額を特別会計に入れる、こういう形になっております。 そういう意味で自動車重量税について御説明申し上げますと、自動車重量税が一入りますとそのうちの四分の三が国の財源、それから四分の一が地方へ譲与されます。地方に行った分は道路財源になっているかと思います。それから国に参りました自動車重量税の四分の三につきましては、これを道路財源に充てる部分と一般財源に向かう部分が大体八対二ぐらいの割合で今まで実施されておるわけです。この一般財源と言われるもののうち、今ここで御議論いただいている公害関係にその一部が回っていく、こういう形をとっております。
○広中和歌子君 今までは七千億入る重量税のうちの二百億が公害関係に出されたわけでございまして、今度基金として出されるのは百億でございますね。 SOxとNOxの関係を見てみますと四対一の割でSOx関係の工場などがたくさん出していらっしゃるわけです。あちらは過去十年間に非常に努力なさった。しかしながら一方自動車の方は、努力もなさったんでしょうけれども、ガソリン車につきましては認めるわけでございますが、ディーゼル車などは三分の一ぐらいしか下がっていない。ですから公害費全体として考えますと、自動車いわゆる移動発生源の方が寄与度というのは高いわけですけれども余りお出しになっていない、そのような印象を受けるんでございますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 私の方からお答えさせていただきます。 今先生のおっしゃいます窒素酸化物それから硫黄酸化物、それを、固定発生源の方は硫黄酸化物という意味合いでおっしゃっておると存じますが、この関係はまず前提からちょっと御説明申し上げさしていただきたいんでございます。 公害健康被害補償制度での補償の問題のお金でございますので、これはまず全国の汚染原因者から負担を求めるという一つの割り切りになっております。もちろんこれは、補償の面についても先ほど来御答弁申し上げておりますように指定地域、暴露要件、指定疾病の三要件で割り切って認定するというわけでございますが、今の割り切りはそれと別な方でございまして、費用負担の面についても全国の汚染原因者に負担を求めるというまず前提、割り切りがございます。この中でどうしていくかというと、これは、特別の指定地域内の人にはその地域の工場、事業場、自動車からお金をというワン・ツー・ワン・コレスポンデンスにはなっておりませんで、全国でまたは全国をという関係でございます。 さてそこでNOx、SOxのバランスをどうしておるかといいますと、全国のまず固定発生源、煙突の方でございますね、煙突の排出します硫黄酸化物及び窒素酸化物の総量、それから自動車から出ます硫黄酸化物と窒素酸化物の総量、それぞれの総量を計算いたしまして割合を決めておるというわけでございます。したがってこれは、自動車はNOxが多いのは確かなんでございますが、NOxだけということでもございませんし、固定発生源の方も必ずしもその賦課金はSO2だけで取っておるというわけではございません。その点まず御理解いただきたいと思います。 その上でその八対二と定めてきたのは、制度発足時から審議会の御意見等ももちろん承りながら決めてきておるわけでございますが、制度発足当時は、大まかなパーセントで申し上げますと、固定発生源の方が出すSOI、NOIの総量が大体八二%、それから自動車の方が一八%でございまして、それで八対二となっているわけでございます。これが確かに場所によって相当な変化はあるわけでございますが、先ほども全国で申し上げましたので御理解いただきたいんですが、六十年度の状況で申し上げますと七六%と二四%という数字になっております。これは、八対二のバランスを依然として続けていくことが妥当だといいますか、現行比率を変更するわけにはいかないということでやってきておるんでございますので、何か少ししか取っていないということにはなかなかならぬのではないかなと思います。
○広中和歌子君 ともかく十年前と比べまして自動車の数というのは非常にふえているんじゃございませんか。どのぐらいふえているんでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 自動車でもガソリン、ディーゼル、LPGまた特別の車というぐあいにいろいろあるわけでございますが、トータルで申し上げますと四十九年で約二千七百万台、それから六十一年になりますと四千八百万台ということでございまして、四十九年を一〇〇といたしますと六十一年が一七七という指数でございますから七七%の伸びという形になっております。
○広中和歌子君 ガソリン車の排ガスでございますけれども、四十九年を一〇〇といたしますとどのくらい減っているんでございますか。自動車の数がふえたからといって必ずしも大気汚染がひどくなったというふうには思いたくないんでございますけれども、どのくらい下がったんでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 自動車につきましては規制がそれぞれの車によりまして非常にばらつきがあるわけでございますが、概略申し上げますと、未規制のときと比較いたしましてガソリンの乗用車は現在の規制が約九〇%削減ということになっております。それからガソリントラックにつきましてはこれまた大きさによっていろいろあるわけでございまして、軽量車から重量車というぐあいにあるわけでございますが、未規制時と比べますと九〇から七五%の削減ということになっております。それからディーゼル車につきましてもいろいろあるわけでございますが、全般的にいいますと八〇から五五%の削減ということになっておりまして、これらの規制は、先生も御案内のとおりにそれぞれの車の種類に応じまして技術的な可能性をもとにいたしまして決定いたしておるということでございます。
○広中和歌子君 昭和四十八年を一〇〇といたしますと、一般乗用車に関してはあの当時のレベルから比べますと八%に下がっているんですばらしいことだと思うんですけれども、ディーゼル車の方は、ディーゼルの乗用車が二四から二五%でそれは大変いい方ですが、トラックとかバスになりますと四〇%前後というような数字をいただいているわけなんです。一般乗用車の排ガスがこのように非常に減った理由というのはどのようなことか。一方ディーゼルの方はどうしてガソリン車並みにならなかったのか伺いたいんです。
○政府委員(長谷川慧重君) 技術的な難しいお話でございますが、ガソリン車につきましては、先生御案内のとおり三元触媒という形で触媒によりましてNOx等を低減する、あるいは排ガスをもう一回燃焼のところに回すという排ガス再循環という方式をとることによりまして未規制時から比べれば非常に削減がされている形になっているわけでございます。ところが一方、軽油によりますトラックにつきましては、ただいまお話し申し上げましたように排ガスの再循環がガソリン並みにはなかなかまいらないということ、それから三元触媒につきましてもいろいろ問題があってなかなかガソリン並みのような形で使うわけにいかないというようなことで、現実にトラック等につきましては燃焼の仕方を遅くする、緩めるというような形のもので現在対応いたしているわけでございます。そういう面で燃料の差によります技術的な使われ方の差がございましてそれぞれにつきましての削減の割合がかなり違っておるという状況にあるわけでございます。そういうことで私どもの方は、トラック等にかかわります、特に軽油を使いますディーゼルにつきましては、こういう面での技術の促進につきましていろいろ関係方面とも連携をとりながら進めておる状況にございます。
○広中和歌子君 恐らく一〇〇が八に下がったということはすごく研究開発をなさったんじゃないかと思うんですね。易しいとか難しいとか、私は本当に素人でございますから素人並みの考え方しかできないんでございますけれども、やっぱり研究開発を大いになさったんじゃないかと。それは官庁でなさったわけじゃなくて恐らく民間で随分なさったんじゃないかと思うんでございますけれども、同じような研究関発がディーゼル車の方では真剣にやられているのかどうか。そしてまたディーゼル車に関しましては、輸出する車の割合がどのくらいあるのか伺いたいんでございますけれども。
○説明員(中川勝弘君) お答え申し上げます。 今環境庁の方からお話ございましたようにディーゼルエンジンとガソリンエンジンは技術的に異なっておりまして、触媒をつけてNOx等の低減を図ることが非常に難しゅうございます。したがいまして現在の環境規制に対しましては、燃焼室の形を変えたりあるいは着火の時期をずらせて、少し温度を低い状態でできるだけNOxを出さないというようなことで対応してきておりますけれども、これも限界がございます。 そこで昨年から私ども、大型トラックメーカーを初め触媒等の部品メーカーの皆さん方と話をしまして、ディーゼルエンジン、特に大型のトラックの場合の技術開発を目的として新燃焼システム研究所というのを設立いたすことにいたしまして、現在既に研究を始めております。政府として私どもの方からは、基盤技術研究促進センターというのがございましてこれからも出資を行っておりまして、具体的には、ディーゼル車にもつけることのできる触媒を見つけ出す、そういう排ガスの処理技術の研究をする、あるいは燃料の燃焼状態、これはガソリンの場合と異なりましてコントロールが非常に難しいわけですけれども、そういう超高圧燃料噴射のための技術とか、いろいろ低公害化に資する研究開発をこれから実施をするということで既にスタートをいたしております。 それからディーゼル車の輸出ということでございますが、ちょっと手元に数字はございませんけれども、ちなみに大型のトラックの国内での毎年の販売台数が十一万台ぐらいでございまして、輸出はたしか十万台以下でございますから、それぐらいがディーゼル車の輸出だろうと思います。
○広中和歌子君 ということは、普通の乗用車の輸出台数とそれから輸出の割合と、それから国内のとほとんど同じぐらいということでございますか。 そしてディーゼル車も輸出していらっしゃるということは、海外の基準ですか、そういうものに達しているということでございますか。
○説明員(中川勝弘君) 恐縮でございますが、ディーゼル車全体の輸出の台数というのは確かな数字は手元にございませんけれども、乗用車の場合は主としてガソリンでございますから、先ほど申し上げましたトラックそれから小型のトラックでディーゼル使っているのがございますから、先ほどの十万台程度というのは大型のトラックでございまして、したがって両方合わせますともう少し大きな数字になろうかと思います。 当然輸出をいたしておりますから、輸出先国での環境公害基準には合致をして輸出をしておるわけでございます。
○広中和歌子君 道路上における大型車の割合なんでございますけれども、私どもが参りました大和では、首都高速では二四%それから環七では三〇%、一般道路では一〇%から二〇%、時間にもしろということでございましたけれども。大型ディーゼル車と普通乗用車との公害寄与度みたいなものは二十対一という数字を都庁の方からいただいたんでございますけれども、それについて何か御意見ございますでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 自動車が排出します排出ガスが環境に与える影響の寄与度というお尋ねでございますが、これは先生御案内のとおり、自動車の大きさなりあるいは走行の状態にもよって変わりますので一概にガソリン車と大型のディーゼル車とのNOxの排出量の比較を言うのは非常に難しいわけでございます。先生のお話にございましたようにガソリンの乗用車と大型のディーゼルトラックを比較いたしますと一対二十程度のものもあるかと思いますけれども、また別な比較といたしましては、ガソリン車とディーゼル車のNOxの排出量を乗用車の規制値で比較いたしますと一対二ないし三というような形で、車の車種等の比較によりまして非常にばらつきがあるわけでございます。それから、先生お話のように一対二十といいますのは、ガソリン乗用車と大型ディーゼルトラックを比較すると大体そのぐらいのものもあるなという感じでございます。
○広中和歌子君 いろいろ数字は違ってくるんだろうと思うんですけれども、ちょっと簡単に頭で計算いたしましても、特に大型ディーゼル車の公害寄与度が高いということを考えますと一ディーゼル車の排ガス規制を非常に強力に行っていただくか、またはディーゼル車の量を制限するしかないわけでございますが、生産枠というようなものは設けていらっしゃいますか。特に乗用車に関しましてはディーゼルと普通のガソリン車とあるわけでございますけれども、そのような行政指導はなさっていらっしゃいますか。
○説明員(中川勝弘君) 自動車の生産に関して、どういう車種あるいはどういう燃料を使うかということに関する指導なり規制というのは私どもではやっておりません。
○広中和歌子君 軽油引取税は地方税だそうでございますけれども、ガソリン税と比べて倍ぐらい違いますよね。一方では国税は五十三円ぐらいで、地方税の軽油の方は二十四円ぐらい、非常に差があるんでございますけれども、なぜそのように差を設けていらっしゃるのか。そしてこうした税金が安いことが、だれでも安い経費の方がよろしいわけですからディーゼル車に移っていくというような傾向は出てないんでしょうか。ちょっとお伺いいたします。
○説明員(小坂紀一郎君) 確かに軽油引取税の税率は揮発油税に比べるとその絶対額については安いことになっております。それにつきましてはこの軽油引取税がつくられました経緯から御説明申し上げさせていただきたいと思います。 軽油引取税が創設されましたのは昭和三十一年のことでございました。それまでは実は自動車燃料に対する課税といたしましては揮発油税しかございませんでした。しかしながら軽油を用いて走行している車ももちろんあったわけでございます。したがって、結果として揮発油自動車と軽油自動車との間で税の負担の不均衡が生じてきたということでございます。そのことと、それから、やはり地方団体の道路財源が必要だというような事情から昭和三十一年に軽油引取税が設けられたということでございます。したがって、軽油引取税は揮発油税を追いかけて後からできたということでございます。 当時その税率をどうするかということを検討されたわけでございますけれども、結果として六千円という税率を設定いたしました。その当時は揮発油税それから揮発油にかかる地方道路税がございますから、合わせて一万三千円の税率でございました。ですから、半分弱ということでございます。 その理由といたしましては、後から追いかけてできた、要するに今までは税がゼロだったわけでございますけれども、したがってその段階で急激な税負担になるということが第一であったわけでございます。それから、その当時ディーゼル車の車体としての価格がガソリン車に比べると高額であった。それからバス、トラックが多いわけでございましてその軽油の使用量も多いというようなこと。それから、これは軽油引取税の特徴でございますけれども、揮発油を用いるのは自動車がほとんどでございますが、軽油の方は農耕用でございますとか漁業用とか鉄道とか用途がいっぱいございます。したがって自動車以外の軽油にも課税される、例えば建設用の機械とかも課税対象になってしまうというような事情がございまして、それらに対する影響も考える必要があったというようなことでございます。 押しなべて申し上げますと、そういう創設の経緯から、バス、トラックという運輸一般的な運賃、国民生活に非常に大きな影響のある税金だということで、物価の高騰それから経済に対する悪影響ということを考えて今のような税率に設定されたという経緯でございます。その後何回かにわたって引き上げられてきたわけでございますが、揮発油税との均衡でございますとか地方道路の整備財源の必要性とかそういうことを考えて引き上げられてきたわけでございます。 それで税率を比べる場合に、絶対額というばかりでなく油の価格に対する負担割合ということが客観的な指標になろうかと存じます。東京都で調べた小売価格に対する税負担の数字でございますが、六十一年の十月で揮発油税が四四・八%それから軽油が二九・三%ということで絶対的な税率よりも負担の水準は接近をしているわけでございますけれども、今申し上げたような事情によりまして差があるということになろうかと思います。今後税率を見直す必要も生じてこようかと思いますけれども、今先生のお話のように揮発油税との均衡ということも確かにございますが、先ほども申し上げましたように軽油引取税は、ともかくバス、トラックであるということで経済に対する影響ということも十分考慮に入れなければいけないと考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 昭和三十年から今までというのは日本は経済発展ということで非常に努力したわけで御事情は大変よくわかるわけでございますけれども、私は未来に向かって今質問しているわけで、これからどういうふうに変えていく可能性があるかなというようなことをお伺いしているわけなんです。 特別目的税ですか、それに関してなんでございますけれども、地方税に関しましてもそれから国税に関しましてもほとんどが道路建設に向けられている状況は今も変わらないんでございましょうか。
○説明員(小坂紀一郎君) 軽油引取税ほか道路目的財源と言われるものは確かに道路に関する費用ということで一般的に建設費に使われているわけでございますが、しかしながら道路に関する費用の中に、例えば道路に起因をいたします騒音とか、それからさっき御議論が出ておりますような大気汚染に関連する事業がございます。例えば遮音壁それから植樹帯、そういうものは道路に関する費用として道路目的財源においても事業が行われているということで使用できる余地があるということでございまして、たとえ道路目的財源であろうとも軽油引取税が結果として公害対策の財源となっているというぐあいに理解いたしております。
○説明員(薄井信明君) 揮発油税収を見合いとして道路建設の方の財源に入れるという制度が道路の制度としてあるものですから先生御指摘のような形になっておるということは事実でございます。ただ、先ほど来申し上げましたように国税に関しましては制度としては一般財源として徴収させていただいておりまして、あとは、それぞれの各事業がその事業の規模を決めるに当たって物差しとしてお使いになっている面があるわけでございまして、そういった点からも御考慮いただきたいと思っております。
○広中和歌子君 私は、まだ日本では十分に道路がないということで道路をふやしていただくことには賛成なんでございますけれども、道路を整備いたしますと逆に車の数もふえますし、車の数がふえると公害もふえると。公害はだれが出すかというと我々一人一人がある意味で責任があるわけでございますから、やはり道路をふやすと同時にコストの方も、つまり公害、大気汚染を和らげるためのコストもお払いしなきゃならないんじゃないかと思うんです。今おっしゃいましたように防音壁とか植樹帯、そのようないわゆる地域住民などに対する配慮、それから全体的な公害に対する配慮というのは道路予算に対してどのくらいの割合になっているんでございましょうか。
○説明員(松浦たかし君) お答えいたします。 今、道路の建設費におきまして道路の環境対策に用いている費用はどれくらいかという御質問とお聞きしましたが、まず遮音壁の設置状況でございますが、昭和六十一年度末で専用道路を中心といたしまして約千二百七十キロというような遮音壁を設置しております。それから大気汚染につきましては基本的には発生源対策ということであろうかと思いますが、道路事業におきましても植樹帯とかあるいは環境施設帯というようなもの、これは大気汚染の防止に役立つということでやっておりますが、こういったものの整備も進めておりまして、植樹帯につきましては二万五千四百キロ余り行っております。それから環境施設帯については百九十七キロというような実績を上げております。 これに対する予算でございますが、昭和六十二年度に予算措置しておりますのは、遮音壁の設置につきまして約二百四十億円、それから植樹帯などの道路の緑化につきましては四百五十億円、それから環境施設帯の設置につきましては二百三十億円ということで合計九百二十億円の予算を計上しております。道路整備費全体の予算が五兆七千五百億円余りでございますので、この中に占めます割合としては二%というような状況になっております。しかしながら道路の事業を行いますときに、都市内の渋滞している道路から通過交通を外に回してやるというようなことでバイパスとかあるいは環状道路の整備、こういったものとかあるいは路面の補修というような環境に資する事業も行っております。こういったものを合計いたしますと約五千三百億円ということで、道路事業費に占める割合としては約九%というような状況になっております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 私、成田の飛行場に行く途中で防音壁を見ますが、非常に長く続いていまして、ちょっと空が見えるんですけれどもまるでトンネルの中を走っているみたいですね。外の景色がほとんど見えなくて本当に文句を言いたいくらいなんですけれども、逆に言えば、外の方がそれでもって音から守られているんだから仕方がないなと思いながらよく走るんでございます。しかし非常に感激することが一つありまして、それは防音壁の一部ですけれどもツタが生い茂りまして、防音壁のあの、そう言っては悪いんですけれども汚い壁が緑の壁に完全に変わっているというところがあるんですね。そうじゃないところもあるのでどうしてかと思ってちょっと見ましたらば、下がコンクリートであるか土であるかで随分違うんだと自然の生命力みたいなものに驚いたわけでございます。必ずしもお金だけじゃなくてそうしたちょっとした配慮で、どうしてもコンクリにしなきゃならないところにはプランターを置くとか。ああいうのは野生のものでございますから大した世話は要らないし、日当たりはいずれにしてもよろしいわけでございますから。緑の壁にいたしますのとそうじゃないのとでは運転する者にとりましては非常に事故率なんかも違ってくるんではないかと思うんでございますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(松浦たかし君) 従来行っておりました遮音壁が非常に評判が悪いものですから、これを少しでも潤いのあるものにしていきたいということでツタ等が植えられるところには植える、また幅がとれるところにおきましては植樹帯を広くとりましてその中に遮音壁を設置するというようなことを今やっております。都市内でどうしてもそういう余裕がとれないところについては透明の遮音壁を現在設置中でございます。外の景色が中から見えるということも今試験的に施工しております。我々は今後ともこういうものについてはできるだけ積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 道路の建設費は、伺わなくても土地代に非常に高く取られているということは想像できるんですが、その高価な土地に、例えば青山通りとか表参道とかああいうような一億もするような土地に車が違法駐車してたりしていますが、あれは非常に高くつく駐車代だろうと思うんでございますね。それをレッカー車で持っていけと言うことは簡単なんですけれども、じゃ、どこへとめるのかということで駐車場の建設というのも非常に大切だろうと思うんでございます。そういう意味で地下駐車場を義務づけるような建設規制、こういうのも私は新たな公害対策ではなかろうかと思うんでございます。ちょっと矛先があっちへ行ったりこっちへ行ったりして恐縮なんですけれども、建設省のお考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 先生御案内のとおり非常にきょうは各省の方々が来ておられるわけでございますが、それぞれの担当の方々がセクトに分かれておりますので必ずしも先生の御質問にお答えできないのかもしれませんけれども。 私どもといたしましては、先生のお話の中にございましたように町の中に駐車場を設けるということは、一方では車がどんどん入ってくるという感じもございますし、かといって駐車場がないと道路に車が駐車をしまして車の流れが悪くなるというような点で大気対策上両方の面が考えられるわけでございます。ここう辺をどう考えたらよろしいのか難しい判断かと思いますけれども、いずれにしましても、町の中を必要があって入る車が適正に駐車をし、しかも円滑に流れるようなことを考えていく必要があるだろうと思いまして、先生の問題提起につきましても、これからどう対応するか建設省とも十分相談してまいりたい、先生の御意見も十分お伝えしておきたいというように思っております。
○広中和歌子君 自動車産業はこれからますます発展いたしますでしょうし、今後どのような状況になってくるかというのは我々予想がつかないわけで、環境庁が中心になってでも、どこでもよろしいんでございますけれども、本当に大きな将来に向かっての設計、それも各省庁またがるような設計が必要じゃなかろうかと思うんでございますが、何かそういうようなものも含みました自動車公害防止法案的なものをおつくりになる意図はおありでございましょうか。長官にお伺いいたします。
○国務大臣(稲村利幸君) 沿道を中心とする大都市の大気汚染等の問題を解決することは、先生大変細かく御指摘されているように大変重要な課題だと私も理解しております。このため、環境庁としては自動車排出ガス規制の強化、交通総量の抑制、交通の流れの分散対策を進めているところでございます。現時点におきましてはこのような施策を着実に実施していくことが大事であると考えております。御指摘の自動車交通公害防止法というような特別立法につきましては今後の研究課題として受けとめさせていただきたいと思います。
○広中和歌子君 いろいろやっていただけるお考えはあるようなんですけれども。 先ほどの財源に戻るんですが、やはり環境庁として先ほどの五百億の基金ではどうにもならないんじゃないかと思うんでございます。もちろん道路などが一部、一部というか、かなりの額ですか九%、それを公害対策、環境整備に使ってくださるということもあるわけですけれども、ある程度特別財源といたしましてガソリン税また軽油、特に軽油に関しましては、ディーゼルから出る物質を少しずつ少なくしていくことは非常によろしい、インセンティブとして大変結構だと思うんですけれども、例えば五円から始めてもよろしいし七円から始めてもよろしいわけですが、一リットルにつきそのような特別税をかけて重点的に公害対策の資金にするといったような考え方についてはいかがでございましょうか。
○説明員(小坂紀一郎君) いわゆる特定財源を創設すべしという御提言だと受けとめさせていただきましたが、特定財源一般につきましては政府の税制調査会の答申等におきましても、財源の効率的な使用あるいは優先的な配分に意を用いなければいけないし、また場合によっては特定財源化することによってかえって財政運営が窮屈になってしまうというような指摘もあり、慎重に検討すべきだということにされているわけでございます。 ただいまお話しの具体的にこういう軽油引取税についてはどうかということでございますが、先ほど申し上げましたように地方の道路目的財源でございます。先ほど地方の道路がだんだん整備されてきたというお話がございましたが、地方の道路の整備水準というのはいまだしてございます。ちょっと数字を申し上げさせていただきますと、わかりやすいところで舗装率でございますけれども、これは六十年の数字でございますが、一般国道が八三・三%の舗装率に対しま促して主要地方道、県道でございますが、この舗装率が五四・五%ということでまだまだということでございます。 それからまた地方道路目的財源、道路に関する費用に用いられる割合でございますけれども、全体のそういうまだ貧しい整備水準の道路関係の費用に対して、第九次の道路整備五カ年計画の財源見通しによりますと地方の道路特定財源としては三七%程度でございます。ですから軽油引取税もこの三七%の中に入っているということでございまして、一方、そういうような状況にかんがみてもっと道路特定財源を強化すべきであるという議論もあるような状況でございます。したがいまして現状におきましては、今お話しのような軽油引取税の地位、専ら公害対策に充てられる分の特定財源とするということは困難であろうかというぐあいに思う次第でございます。 それから当然のことを申し上げて恐縮でございますけれども、この道路特定財源を充実した結果それだけ一般財源のうち道路に充てられる分が少なくて済むということにもなりまして、結果として公害対策の充実にはつながるという仕組みになっていることを御理解いただきたいと存じます。
○広中和歌子君 最後に、今の点に関しまして長官の御意見を伺わせていただきたいんです。軽油引取税またはガソリン税の一部を特定財源として公害対策に使う、例えば一リットル一円でありましても非常な額になるわけでございます。一円というのは我々車を使っている人間にとっては本当に大した額ではないわけでございまして、そういうような形で空気をきれいにするために貢献するということもこれから必要ではないかという考え方もあるんではないかと思うんでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 私の方からまずちょっと状況をお話し申し上げておきたいのでございますが、先生まさに自動車公害を中心にお話してございます。環境庁としましてはもちろんそれは現下の非常に重要問題であることは間違いございませんが、それ以外の公害対策を含めた公害防止計画、これは、全国じゃなしに特に公害問題が問題視される地域においては総理大臣の指示のもとに各都道府県が公害防止計画というものをつくることになっております。その中にいろいろな問題、典型七公害を中心にしていろいろあるわけでございますが、その中に交通公害、これは主として大気とそれから騒音にかかわる部分がございます。 これを進めていくために財源をどう使っていくかということでお尋ねでございますのであえて私御説明申し上げるのでございますが、その全体の中でどういう位置づけ、相互にどういう関連でもって考えていくべきか。これはただいま関係省の方々から詳細にわたって御答弁を申し上げたとおりでございますけれども、自治省関係、地方関係、国税関係とこれもまた総合的にいろいろな御見解があるわけでございますし工夫もせにゃならぬと思いますが、いずれにしましても、総合的に見てどういう対策を考えていくか。それをまた、これは専門専門ございますので、建設省さんあるいは運輸省さんあるいは通産省さん、そして私どもも仲間に入らせていただいていろいろな計画を立てていく。それに基づいて都道府県で公防計画を立てると。こんな大筋になっております。 したがって、そういうものを踏まえながらさて財源をどうしていくかという点は、確かに先生御指摘のようになかなかお金を出すということはきつい話でございまして、なるべくならばという気持ちがあることはもう無理からぬところではございますけれども、しかしながらその利便も受けておるということとの兼ね合いで、そういったとえリッター当たり一円、二円といいましても量が多いからという先生の御指摘ごもっともだと存じますが、ただ、だからといってそれをストレートにすぐ何かしましょうというのはちょっと私どももなかなか自信がございません。最初の方でも大臣からも御答弁がございましたように大臣の御指示を受けて勉強はさせていただきたいと思いますけれども。まず大臣のお話の前に、一般論といいますか、御説明だけ申し上げさせていただきました。
○国務大臣(稲村利幸君) 先ほど私は、この問題ちょっとアバウトだったかと思いますが触れさせていただきましたが、税体系のあり方、税の取り方等についていろいろ議論のあるところでございますが、先生の御指摘を踏まえてよく勉強させたいと思います。
○山田勇君 まず、現在この公健法に基づいて公害保健福祉事業が行われているわけですが、これは公害病患者さんたちの健康回復のためのリハビリテーション事業、転地治療事業それから療養器具の支給、家庭における療養の指導などが内容となっております。これについては今でも患者さんから事業そのものについて不満の声が多く聞かれます。事業を一層充実させることが求められていると思いますが、環境庁としては今後どのようにこの事業に取り組んでいくのか、まずその姿勢を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(目黒克己君) 公害保健福祉事業につきましては従来ともその趣旨に従いまして忠実に私ども充実することに努めてまいってきたのでございますけれども、先生御指摘のとおり今でも患者の方々の不満等御意見があることは事実でございます。今後ともこの被認定患者の健康の回復とか保持とか増進、このようなものが図られますように、新事業として実施されます健康被害予防事業と相まちまして事業内容の質的な充実とか運用方法の改善等によりまして事業をより一層効果的なものにしてまいりたいと、このように努めて努力してまいりたい、このように考えているところでございます。
○山田勇君 健康被害予防事業についてお尋ねをいたします。これは、総合的な環境保健に関する施策の推進また今後の健康被害の予防といったことを行おうとしておりますが、具体的にその内容並びにこの財源を確保するのにどのような手段をお考えになっているかお聞かせを願いたいと思います。 またこの財源については、基金の拠出を受けてその運用益を事業に充てるものとしておりますが、この基金の積み上げまでどの程度の期間をお考えになっておられますか。
○政府委員(目黒克己君) まず最初に予防事業の内容についてお答え申し上げます。 まずその必要性でございますけれども、現在の大気汚染の状況下では個人に対して個別に補償を行うのは適当ではないけれども、大気汚染が何らかの影響を及ぼしている可能性は否定できないということから、大気汚染防止対策のほかに環境保健に関します施策を一層強化する必要がある、そういうようなことからこの新事業は環境保健に関する施策の一つとして実施されるものでございまして、中公審の答申を受けているのでございます。その目的といたしますところは大気汚染によります健康被害を予防するためのものでございまして、国、地方公共団体が現在行っております健康被害防止のための一般的な対策を補完し、より効果あらしめるものとするものでございます。 具体的な内容でございますが、新事業は人の健康に着目をいたしました環境保健事業と、それから環境そのものに着目いたしました環境改善事業から成るのでございます。 環境保健事業は、原則として第一種の指定地域を解除された地域の人口集団を対象といたしまして例えば健康相談や健診等による健康の確保、あるいはこの回復を図るといったようなものでございまして、主なものから申し上げますと、まず、例えば大気汚染の健康影響等に関します研究、第二番目のものといたしましては、医師や保健婦等による呼吸器疾患にかかわります相談や指導あるいは疾病を予防するための健診といったようなものでございます。また三番目のものといたしましては、呼吸器外来の整備によります医療の充実といったようなものが主なものでございまして、これらを行いますためにさまざまのメニューを用意しているのでございます。 また環境改善事業でございますが、例えば交通公害防止のための計画づくりや低公害車の普及促進等によりまして環境質自体を健康被害を引き起こす可能性のないものとするというようなことから行うものでございます。 以上が新事業の主な内容でございまして、この事業につきましては、主として事業の対象となります地域を管轄いたしております地方公共団体がそのメニューの中から適当な事業を選択して実施するものでございます。協会は環境庁の指導監督のもとに調査研究等の業務を行うのでございますけれども、地方公共団体に対して助成金の交付の業務を行うこと等によりましてこれを支援するということでございます。具体的なものとしましてはそのほかいろいろ個々別々にございますが、主なものとしては大体そのようなものが新事業の内容並びに目的、趣旨それからこれの進め方といったようなものでございます。 財源等につきましては局長の方から御説明申し上げます。
○政府委員(加藤陸美君) お尋ねのありました財源の関係等につきましてお答えを申し上げます。 ただいま部長の方からも答弁がございました健康被害予防事業は、汚染原因者であるばい煙排出者及び大気汚染に関連のある事業活動を行う者から拠出される拠出金によって基金をつくりまして、その運用益によってその財源を賄うということにしております。これにつきましては大体先ほど来お答えしておりますが、事業を実効あるものとして実施できるようにするために所要の額を確保する考えでございますが、具体的に言いますと五百億程度を積み上げていただきたいと考えておるわけでございます。それをどうやって確保するかという点でございますが、この拠出につきましては環境庁といたしましては、経済団体連合会を初め経済界に対して基金に対する拠出を要請しているところでございます。基本的には既にその拠出について協力することの合意をまとめているという旨の報告を受けておるところでございます。 それから積み上げまでにどれぐらいの期間がかかるかというお尋ねでございました。これ、その取り方等細かい点はちょっと先ほど一部申し上げたところでございますが、その期間を試算いたしてみますと、これはいろいろな推計でございますので正確にというのもなかなか難しゅうございますけれども、七、八年で所要の額は実現できるのではないかと考えております。
○山田勇君 そうしますと、この基金の積み上げは補償給付へ充当されない部分が積み上げられていくことになるわけですね。ということは、この基金の目標であります五百億円に達するのに――既存の認定患者さんが早く治るということが望ましいというふうに考えるわけですが、しかし実際には病気のことですからどうなるかわかりません。そこで、既存の認定患者さんたちの更新に当たっては絶対に不利益になるようなことがないように、いやしくも切り捨てというようなことのないようにしていただきたいと思うんですが、この点は大丈夫でしょうかね。
○政府委員(目黒克己君) 被認定患者さんに対する認定の更新等についてでございますが、これはもう先生御指摘のとおり病気が治るということが最も望ましいことでございますが、もちろん私ども従来から各県、市、区に対しまして指導や通知をいたしておるのでございまして、公正で統一的な事務が行われるように努めてまいったところでございますし、現在でも四十一の各指定地域の方々との行政上のつながりと申しましょうか、連絡会等を通じて指導あるいは意見をいただくといったような連携に努めておるところでございます。 御指摘の基金を積み上げますために認定の更新等において患者に不利益を行うようなことは私どもはいたしません。私ども、あくまでもこれまでの延長線上で、少なくとも不利益になるようなことはいたさない考えでおるのでございまして、あくまでも健康を回復する方向で治療体系を整備するとかあるいは予防事業を行う等といったようなことで相努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○山田勇君 基金の積み上げに当たっては、現在でも地域指定外の企業が負担を求められて、制度発足のときからそれがおよそ百八十倍にもなっております。このような状態の中で認定患者さんの補償給付を続けていくわけですが、そこで中小企業に対する配慮を十分考えていただきたいと思うんですが、環境庁としてはどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 補償給付の関係についての費用のことでございますが、この費用につきましてはばい煙排出者から賦課金を徴収していくことになるわけでございます。ばい煙排出者である以上その責務はどうしても果たしていただかなければならないというのが基本でございます。 なお、中小企業という言葉にストレートに当たるかどうか、ほぼ趣旨は合うのではないかと存じますけれども、いわゆる排出ガス量が小さい事業者、中小企業が大部分当たると思いますが、特殊な排出量の多い中小企業もないとは言えませんので先生の御趣旨に全く合っているというわけにはいかぬかもしれませんけれども、これは、現行制度におきましてもそれから今度の現在御審議願っておる法律の方も同じ考え方でございますが、その費用負担を求めないことにいたしております。量の少ない、極めてではございませんが、比較的量の少ない企業からは費用負担を求めないということにしております。これは今後例えば指定地域が解除された後も考え方は同様でございます。
○山田勇君 この健康被害予防事業を進めていく上で基金の運用益を充当していくとするんであれば、そう簡単にすぐにこの財源が満たされるとは考えられませんし、見込みとしておおよそ二十五億円とも言われております当初の財源の確保について、改正法案には拠出された基金そのものを使えるということがありますが、さらに国としての財源の確保についてはどのように対処されるか、まずこの方針をお尋ねいたしておきます。
○政府委員(加藤陸美君) 積み上がるまでの間のお尋ねでございますが、健康被害予防事業の財源は、先ほどもお答え申し上げましたとおり汚染原因者等からの拠出金によって基金を設けその運用益によって賄うことを基本といたしております。ただ、所要の規模の基金が積み上がるまでにはある程度の期間が必要であると見込まれるわけでございますけれども、それまでの間は、改正法にも定めておるわけでございますが、汚染原因者等から拠出される拠出金の一部を直接事業費に充てることによりまして事業を実施してまいる考え方でございます。
○山田勇君 この改正案には国は財源の措置ができるものとなっております。国民の健康、生命を守るためには国としても積極的にその役割を果たすことが当然であります。この点、環境庁としては財政当局に強く求めていく姿勢が重要ではないでしょうか。その点でこれからの環境庁のいろんな姿勢が問われていくと思います。 次に、現在独自に補償給付の制度を持っている地方自治体もあるわけですが、このような制度は、今回の法改正に伴ってそのままでは補償給付に当たって矛盾が生じるおそれがあります。この点地方に支障が生じないように対応しなければならないと思いますが、環境庁の認識並びに対処方針をお聞かせください。
○政府委員(加藤陸美君) 特段のお尋ねという意味合いじゃなしに意見として申し上げられたのかもしれませんけれども、私どもとしても、前段の方で申されました国としても財政当局に頑張れという御指摘、御趣旨もよく踏まえながら環境庁としては所要の措置を講ずる考え方でございまして、今後財政当局とも十分調整してまいりたいと思っております。
○政府委員(目黒克己君) 現在独自の救済制度を有する自治体についてどのように私どもが対処をする考えでいるかという御質問でございますが、公健法に類似するあるいは関連する地方の独自の制度といたしましては、公健法の認定患者に対する給付の上乗せ等を行ったり、あるいは公健法の対象外の患者への医療費の補助等を行うものなどさまざまなものがあるのでございます。それぞれの制度の性格や内容が違っていることは承知いたしておるのでございます。例えば東京都が公害健康被害補償法の指定地域以外の地域を含めます都内全域を対象としておりまして、この給付の内容としては、十八歳以下の指定四疾病疾患者に対して医療費の自己負担分を支給するといったようなこと等を東京都はやっておられるわけでございます。 これらの独自の制度を今後どのようにしていくのかということについてでございますが、これは、私ども環境庁が地方自治体に対しましてどうこう言うことではございませんで、地方自治体がそれぞれの御事情あるいはそれぞれの状況のもとに御判断されるものと考えているのでございます。しかしながら、今回の公健法制度の改正の考え方や内容が地方の制度運用等について参考になる場合もあるということはございますので、そのような場合にあるいは地方公共団体等が――私ども、再々申し上げておりますように地方公共団体とは以前からこの執行のために互いに連携を強めこの制度を運用をいたしておるのでございますので、地方公共団体の求めに応じて十分な説明等は行ってまいりたいと思っております。
○山田勇君 去る七日に現地視察ということで板橋に行ってきたのでありますが、都市部における幹線道路の大気汚染対策は今後も一層促進していかなければならないと痛切に感じた次第であります。このことは、いわゆる環境対策ということで解決しようとしても難しいのではないか、すなわちこれは都市問題として対処しなければならないと思います。 東京都はこの七日に大気汚染の六十一年度測定結果を発表していますが、環境庁としては対策の強化充実について具体的にどのようなことを考えているのかお聞かせください。
○政府委員(長谷川慧重君) 道路交通公害対策をいろんな形でやっておるわけでございます。基本的には自動車一台ごとの排出ガスの規制あるいは立体交差化等の局地的な道路構造の改善が必要なわけでございますが、それに加えまして、先生からお話ございましたように都市の全域にわたるような広域的な対策もあわせて行うことが重要だと考えているところでございます。 またどんなようなことを考えているのかというお尋ねでございますが、例えば環境の保全に十分配慮いたしました環状道路を整備いたしまして、大規模な物流施設をそこに適正に配置することによりまして大型トラックの都心部への乗り入れを抑制したりあるいは不必要な通過交通を排除していくこと、あるいは輸送の協同化などによりまして貨物輸送の合理化によりますトラック交通量を少しでも減らす、さらには公共輸送機関の機能を強化いたしますことなどによりまして自家用乗用車の利用の抑制を検討するなど都市構造全般にかかわりますいろんな対策があるわけでございます。このような対策につきましては現在環境庁におきまして、関係省庁、地方公共団体の協力を得まして京浜・阪神地域において今申し上げましたようないろいろな対策を総合的に推進するための計画づくりを行っているところでございます。現在のところ、本年度中にこの計画の取りまとめを行いましてその推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○山田勇君 これは都市部全体というか、交通体系の見直しという形の中でも今後私、建設委員会の委員ですのでそういう点また別の委員会でもいろいろとお話をしていきたいと思っております。例えば車一台で牽引車的なもので荷物を多く運べるというんですが、これは、長さそれから道路上の問題、曲がるのに牽引車の場合は大きな回り方をしなければならない、そういうような問題等々は残されるんですが、牽引車的なものをこれから少し考えていきますと一台の車で二台分ぐらいは輸送できるんではないか。牽引車そのものは排気ガスを出しませんので、出荷場所を集中化した中でそういう排気ガスのないトレーラーによって運ぶとか、そういうような全体的な大きな構想といいますか、都市問題として今後考えていかなければならないなというふうに考えております。 そこで、この改正法案の審議は十分に尽くさなければなりません。公害患者の方々の救済ということは病気を治すということであると考えます。この点、環境庁としては今後補償から予防へという流れに転換していくのだと聞いておりますが、現実に患者さんは存在しているのでおります、この人たちの救済ということに関して今後一層しっかりと環境庁としての責任を果たすことに努力していただきたいと思いますし、患者さんの持っている不信感も取り除いていかなければなりません。法律案提出の責任者としての長官の強い御見解と御所見を伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(稲村利幸君) 山田先生御指摘のとおりでございまして、環境行政は国民の健康の保護を使命とするものであり、あくまで国民の健康と生活を守る立場から時代の変化に対応した施策を進めていくことが基本であると考えております。 今回の制度改正において指定解除が行われた場合においても、既に認定を受けておられる患者の方々につきましては従前どおり補償給付の支給を行い、その保護に欠けることのないように万全を期する所存でございます。
○委員長(松尾官平君) 本案に対する本日の質疑 はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会 ―――――・―――――