P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
109回国会参議院1987/08/21

外交・総合安全保障に関する調査会安全保障小委員会 第1号

発言数
93
登壇者
11
会派数
4
開催日
1987/08/21

会議録

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) ただいまから外交・総合安全保障に関する調査会安全保障小委員会を開会いたします。  安全保障問題に関する件を議題とし、日米安全保障体制の現状と問題点について、外務省、防衛庁から順次説明を聴取いたします。  それでは、まず外務省から説明を聴取いたします。藤井北米局長。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 日米安全保障体制の現状と問題点について、外務省から見た御説明をさせていただきます。  我が国の安全保障は国の生存を確保するという意味におきましてすべての政策の基本でございまして、国の安全確保に憂いなきを期してこそ初めて平和と繁栄を目指した我が国の活動が可能であるという意味で、外交の最も基本であるというふうに観念しております。  今日の国際社会におきましては、我が国が単独でその安全を確保することは困難な状況でございまして、そのため政府としては、我が国が必要最小限の自衛力を整備するとともに、我が国にとって基本的に重要な価値を共有する米国と安全保障体制を堅持することによって我が国の安全を確保することが最も賢明な道であるということで、我が国はそういう選択をしてまいったわけでございます。  米国の安全保障政策の基本は紛争の抑止にあるわけでございまして、我が国としてもこの米国と安全保障体制の信頼性を維持向上し、かつ円滑な運用を行うことによって、我が国に対して行われ得るいかなる攻撃に対しましてもこれに対応できる有効な体制をとって、侵略を抑止していくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。  その日米安保条約のもとにおきまして日米両国は、その五条で、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め」て、それぞれの「憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処する」ことを誓約しておるわけでございます。したがって、我が国に対して武力攻撃が発生した場合には、その攻撃がいかなるものであっても、米国は同条約の規定によりまして我が国を防衛する条約上の義務があるわけでございます。  また、同条約は、日米両国が極東における国際の平和と安全の維持に共通の関心を有することを宣明しておりまして、第六条で、極東における平和と安全の維持のために米軍が我が国における施設・区域を使用することを認めておりまして、このような意味で日米安保体制の存在が我が国のみならず極東地域の平和と安全にとって重要な意味を持っているということでございます。すなわち、この関連で米国は、我が国に対する武力攻撃に対しまして、それに対して我が国を防衛する条約上の義務を負っていることに対しまして、我が国は施設・区域を米国に提供するという義務を負っておるという立て方になっておるわけでございます。  この関連で近年、特に円高後、施設・区域が、例えば沖縄その他におきまして当該地域に及ぼします直接的な経済効果というものがやや減退のきみにあるわけでございます。そういうこともございますし、また沖縄におきます特殊な状況もございます。これは後ほど防衛施設庁の方からも御説明があるかと思いますけれども、最近の事故の多発とか、あるいは後で申し述べます一部要員の解雇というようなことがございまして、施設・区域を取り巻く環境にやや厳しさが見える面もございます。  ただし、常に我々として忘れてはいけないと私ども思いますことは、安保条約の根幹は、米国が日本を防衛するということと引きかえに、我が国の義務の最大の問題が米国軍隊に我が国の施設・区域を提供しておるということであり、その施設・区域の駐留の目的に従って、在日米軍あるいは施設・区域を使用する米軍の円滑なる運用の遂行ということが条約上の大きな日本政府としての義務であるということでございまして、これなしには安保条約の一つの大きな側面が阻害されることは事実であるというふうに存ずる次第でございます。  このように、安保条約に基づきまして我が国の安全を確保するという考え方をとってきたわけでございますけれども、日米安保体制は、米国との単なる条約上の権利義務だけの問題ではなしに、米国との政治経済上の緊密な協力関係ということ、それからそれと並んで、我が国自身の防衛力の整備を行っていくという必要があることは言うまでもございませんが、防衛力の整備の問題については、私が本日特にこれに言及することは差し控えたいと思います。  我が国の安全保障を確保していくには、日米安保体制が一つでございますけれども、同時に節度ある自衛力の保持、さらに第三には国際平和の維持のための外交努力、この三つの柱をもって我が国の安全を確保していくということが我が国政府がとってきておる立場でございます。国際紛争の解決のための我が国の平和的な外交努力、開発途上国に対する経済協力等々含めまして、こういう非軍事面での我が国の努力というものが、我が国の安全保障を確保していく上で大変に大きな意味を持っており、それが我が国の責任が増大するに伴ってその重要性もまた高まっているということは言うまでもございません。他方、我が国周辺地域におきまして、ソ連が質的、量的に一貫してその軍備を拡大してきておることは厳然たる事実でございまして、我が国を取り巻く国際情勢には厳しいものがあるというふうに考える次第でございます。  現在の日米関係でございますけれども、日米関係は、経済、貿易関係で多くの問題を抱えておるわけでございますが、防衛、安保関係については、これまで基本的に良好に推移を見ております。他方、アメリカの議会の一部におきましては、防衛、安保問題を経済、貿易とリンクして考える議論とか、あるいは我が国のただ乗り論を非難する根強い動きがあるということもまた事実でございます。特に五月十七日のスターク号事件以降、ペルシャ湾情勢が緊迫の度を加えまして後は、アメリカの議会を中心に、かなり広範な世論におきまして我が国に対するいわゆるただ乗り論がほうはいとして起こってきておるわけでございまして、例えばアメリカの議会に、六月初めのベネチア・サミットを控えまして、上院の民主党院内総務でありますところのバード上院議員を初めとするハード決議案が上院で成立する。この決議案は、大統領に、ベネチア・サミットで同盟国に対して、ペルシャ湾における西側の安全保障の利益を確保するために必要な外交的、軍事的措置に協力するよう奨励すべしというような趣旨の決議案でございます。  さらに下院におきましては、ハンター、リッター修正案というような修正案が通っておりまして、その趣旨は、日本はGNPの三%を防衛に向けるかあるいは三%に満たない場合には差額の支払いを行うべしというような修正、これは国務省の予算に関する修正案でございますが、この部分だけは六月十八日に下院本会議で採択されておるというような事実もございまして、類似の法案等が多数出ておるということでございます。もっとも、このような前者のハード決議案につきましては、それは決議案でございまして、あくまで法的拘束力はございませんし、後者のリッター修正案につきましては、これが最終的に上院の裁可を得まして法案になる可能性というものは必ずしも大きくはないかもしれませんけれども、そういう考え方が出てきておるということは事実でございます。アメリカ政府も我が政府も、防衛問題と貿易問題はあくまでこれをできるだけ切り離して論じていくべきであって、安保、防衛問題を経済摩擦との関連で取り上げていくということを回避するように最大の努力をしているわけでございます。  最近発生いたしました東芝機械による工作機械の不正輸出は、さらにペルシャ湾のスターク号事件以降、アメリカの特に議会を中心といたしまして、我が国に対しましての厳しい見方を助長しておるわけでございます。政府といたしましては、できる限り早急に外為法の改正をお願いいたしまして、これの今後の再発防止に全力を挙げていくということを行い、このココムの問題が安全保障と貿易という二つの問題にまたがっているだけに、この問題をできる限り冷静に日米間で早期に処理していくということがただいま申し上げましたコンテクストから言いまして重要であるというふうに考えておる次第でございます。  安保体制の運用について、幾つかの具体的問題について御説明させていただきたいと思います。  我が国は、安保条約、地位協定に基づきまして、米軍の使用のために約百三十の施設・区域を、共同使用を含みますけれども提供しております。我が国には約五万人の米軍が駐留しております。約二万人の駐留軍の日本人労務者を抱えておるわけでございます。在日米軍の駐留経費につきましては、五十三年及び五十四年以降、在日米軍の従業員労務費の一部を負担してきております。これがいわゆる思いやりでございますけれども、さらにまた在日米軍の隊舎とか宿舎の新築、改築等を含めまして在日米軍の施設整備、これにつきましても思いやりということでときどきくくられておりますけれども、というその二つを実施してきておるということでございます。  さらに、米軍医船の円滑な寄港など安保条約・地位協定の運用が円滑に行われるように努力しておる次第でございます。その関連で、昨年末からことしにかけまして一つの大きな進展が在日米軍の労務費の特別協定でございます。  この協定は、一九六〇年に安保条約・地位協定が成立いたしましてから初めて条約によりまして地位協定の特例、地位協定の改正ということであってあくまで特例でございますけれども、初めて条約によりまして地位協定の一部に特例を設けたということでございます。これは、さきおととしから以来の円高を中心といたします最近の経済情勢の変化によりまして、在日米軍の経費が急激に圧迫されたわけでございます。特に、在日米軍の従業員につきましては円で支払っておるわけでございますけれども、そのもとはドルでございますので、同じ円を支払うのに五〇%から六〇%近いドルが必要になってくるという当然の理でございますけれども、このために在日米軍の財政が極めて逼迫いたしまして、駐留軍労務者の雇用の安定が著しく脅かされつつあるという事態に直面したわけでございます。したがいまして、日米地位協定の二十四条について特別の措置を設ける、これは五年間の時限でございますけれども、ということで、本年一月に特別の協定を結びまして、国会の御承認を得まして、本年六月にこれが発効したわけでございます。  これによりまして、我が国は社会的諸手当、これは調整手当、扶養手当、通勤手当、住居手当等でございますが、さらに季節手当、これはいわゆるボーナス、夏期手当、年末、年度末手当でございます。それから退職手当について、その二分の一を限度として負担するということを約束いたしまして、六十二年度予算におきましては、日本政府は新たな負担として約百六十五億円を計上したわけでございます。この措置によりまして、在日米軍の経費は円高によりましてそれだけ割高になりまして、要請される経費全額を見られたわけではございませんが、それの一部でございますけれども、しかしながら、このような措置をとりましたことによりまして、全般的に米側も雇用の安定に対して大きな前進が見られたということは事実であろうかと思います。  他方、在日米軍の財政事情はなお極めて厳しいものがございまして、本年の七月二日に至りまして米側から、沖縄における米海兵隊クラブの従業員三百三名を本年九月末をもちまして退職願うという通知がございました。これが特に沖縄の方々にとって大きな問題としてのしかかっておるわけでございまして、現在防衛施設庁と外務省が一体になりまして鋭意米側と折衝しておるところでございます。  それから次の問題といたしまして、対米武器技術供与の問題について御報告さしていただきます。  日米安保体制のもとにおきまして、日米両国は相互に協力してそれぞれの防衛力を維持、発展させるということが規定されておりますけれども、我が国は米国から防衛力整備のための技術の供与を受け、各種の協力を戦後得てきたわけでございます。近年、我が国の技術水準が向上してきたことなどの新たな状況によりまして、我が国としても防衛分野におきまして米国との技術の相互交流を図るということが日米安保体制の効果的な運用にとって重要となってまいったわけでございます。  したがいまして、政府といたしましては、一九八三年の一月に米国との間で武器技術の供与に道を開くということで対米武器技術供与取り決めを締結したわけでございます。これは武器技術三原則に関連いたしまして、米国に対してのみは、その武器は相変わらず慎むわけでございますけれども、武器技術につきましては米国に対しては要すればこれを供与することができるということの道を開いたわけでございます。もちろん、これを供与するに当たりましては、この取り決めに明記してございますように、政府としてのチェック等々の十分な体制をしいておるわけでございまして、日本政府側におきましては武器技術共同委員会というものの日本側委員部というものを設けまして、これは外務、防衛、それから通産の三省庁による委員部がございますけれども、この審査を経て適当と認める場合には武器技術を米国に供与することができるということを取り決めたわけでございます。昨年末にこの武器技術供与取り決めに基づきまして具体的な三つの案件が初めて供与されることになったわけでございます。  一つは、防衛庁の技術研究本部が研究をしてきました携行SAM関連技術、それから第二が、我が国民間企業が保有しております米海軍の武器たる艦船の建造のための技術、それから米海軍の武器たる艦船の改造のための技術と、先ほどのは建造、こちらは改造でございますけれども、基本的には非常に似通った技術でございますが、この三件について先ほどの武器技術共同委員会日本側委員部が承認を行って対米武器技術の供与の道を開いたわけでございます。  第三に御報告申し上げますことは、SDIの研究参加問題でございます。  SDIにつきましては、八五年の三月に米国政府から参加招請を受けまして、自来各種調査団を派遣いたしますとか、あるいは関係閣僚会合を開催いたしますとか慎重な検討を行ってまいったわけでございますけれども、昨年の九月九日に官房長官談話という形で我が国の方針を決定したわけでございます。  その後、参加を希望する我が国の企業などがSDIの研究計画に参加をする際にはそれを円滑にするというための枠組みについて米政府と交渉を行ってきまして、本年七月二十一日、ワシントンにおきましてSDIにおける研究に対する我が国の参加に関する日米政府間の協定というものに署名したわけでございます。このSDIの研究参加につきましては、幾つかの点が非常に明確でございます。  一つは、我が国の参加といいますのは研究への参加であるということでございます。SDIそのものが現在研究計画である、将来開発配備に移行するという段階においては改めて同盟国とも協議をする云々ということになっておりますが、今回締結いたしました七月二十一日の協定におきまして、さらにこの点を念には念を入れて明らかにするためにSDI構想、戦略防衛構想における研究に対する我が国の参加ということを明記しておるわけでございまして、我が国の参加はあくまで研究に対する参加であって、それ以上のものではないということでございます。  それから第二の点は、この参加と申しますのは、民間企業等がアメリカの政府あるいはアメリカの企業等とSDI研究計画の一部について契約を結んでその一部の研究を行うということ、それが参加ということでございまして、日本政府が何らかの予算などをもちましてSDI研究計画を推進していく、これに補助金を与えたり、あるいは何か米政府との間で協力をしていくということを想定しているものではございませんで、国会におきまして累次政府側が答弁しておりますように、我が国としてはSDI研究計画のために研究予算を講ずる考えはないということを累次明らかにしておるところでございます。  それでは、何でこんな枠組みが必要なんだということが御質問あるかと思います。それは本来、研究に対する参加は現在の法体制におきましても可能でございますけれども、この枠組みをつくりますことによって幾つかの点で民間企業が参加しやすくなるという、その円滑化のためにこの枠組みをっくったものでございます。  それは、第一点は日本の企業などが参加する場合に、既にみずから持っている技術、それからSDIに直接関係なくみずからがつくった技術、これは何らその使用権あるいは秘密の保護指定等において影響を受けるものではないということがこの日米の協定で合意されているわけでございます。したがいまして、日本企業はその点については安心して参加し得るということは言えるわけでございます。さらに、参加した結果研究を行いまして生み出されたその果実、その成果につきましては、最低限使用権を持ち得るということなど、その最低限の使用権の保障を行っておるわけでございまして、協定でこのような最低限のことが明記されなければ、我が国の企業は全くの白紙の状態でアメリカ政府あるいはアメリカの企業と交渉に入るということになりまして、それだけ我が国の企業が不利になるということでございます。  それから第二に、SDI研究計画は高度の研究計画でございますので、秘密指定のものがかなりあるようでございますけれども、その秘密を米政府が指定しました場合に、その保護のために必要な措置をとるということで政府が新たな立法等は一切行いませんけれども、既存の法制の枠内においてこの秘密の保護をできるだけとるようにするということでございます。そこで初めて秘密の情報が我が国の民間企業に流れてくるわけでございまして、このような協定がなければ秘密の情報は我が国の民間企業に流れてくることは通常ないということが言えるわけでございます。  それからさらに、この協定によりまして日本企業は競争入札に応札するために必要な情報の入手とか、あるいは説明会などへの出席についてアメリカの企業と同等に扱われる、つまり当協定がありますがゆえに、何か説明会があるぞということになりますと、アメリカ政府は我が国の企業にも連絡してくるということでございまして、そういう便宜があるということでございます。  さらに、何らかの日本の企業とアメリカ政府の間で、あるいはアメリカ企業との間でいろいろ悶着がありましたときには、場合によっては日本政府はそれに関与してアメリカ政府に意見を述べることができるということもございます。  以上がSDI研究計画に我が国の企業などが参加するに当たって、参加を円滑化するための枠組みと申しておることの内容でございまして、繰り返しになりますけれども、日本政府がSDI研究計画に対して資金を出したりいたしまして、これを積極的に補助していくということまで日本政府がSDI研究計画参加に当たって約束しているわけではございませんということでございます。  以上、当面の問題について種々述べたわけでございますが、日米安保体制は基本的には健全に良好に運営されてきておるというふうに考えます。アメリカの議会の一部において我が国に対するただ乗り論というようなものが最近強まってきていること、それから経済摩擦という状況の中で、これと防衛をリンクしようという動きがあることはありますけれども、アメリカ政府の立場は、あくまでこれに対しまして日米安保条約を円滑に運営しながら、その運営はあくまで経済摩擦とは切り離していくという立場をとっておりまして、この点日米両国は一致しておるところでございます。  ただ、その運営に当たりまして、基地の問題、最近は先ほど申しました雇用の不安定の問題、それから事故等の問題、いろいろな問題が派生してきていることもまた事実でございますけれども、これらの問題を着実に解決しながら日米友好関係の大きな基礎をなしております日米安保体制というものをできるだけ揺るぎない形で保持していくということが、我が国の国益に沿うゆえんであるというふうに考えておる次第でございます。  以上、概括でございますけれども御説明さしていただきました。

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) 次に、防衛庁から説明を聴取いたします。宝珠山防衛審議官。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 防衛審議官の宝珠山でございます。  日米防衛協力のための指針及びこの指針に基づきます研究作業の概要について、お手元に資料を配付してございますが、その資料に従って説明をさしていただきます。  最初に指針の作成経緯について説明いたしたいと思います。ちょっとページが飛びますけれども、資料の四ページの左側の方をごらんいただければと思います。  先生方よく御承知のところでありますが、日米両国は、万一我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した場合には、日米安全保障条約に基づきましてそれぞれの憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することとされておるわけであります。しかし、昭和五十年代の初期、具体的にはこの日米防衛協力の指針が合意されますまでは、この安保条約に基づき共通の危険に対処するための軍事面を含めました包括的な協力体制に関する研究協議というようなものは行われておりませんでした。このような状況を踏まえまして、例えば我が国に対して武力攻撃が発生した際に、日米両国は具体的にどのような措置をとり、どのような範囲で協力していくのかといったようなことについて明らかでなかったのであります。この面で改善を図るために昭和五十年八月、当時の三木内閣総理大臣とフォード米国大統領との会談、それからそれに続きます坂田防衛庁長官とシュレシンジャー米国防長官との会談におきまして、日米両国が協力してとるべき措置について協議しよう、またこのための場を設けるということが了解されたのであります。  この了解に基づきまして、五十一年七月に第十六回日米安全保障協議委員会が開かれ、この協議委員会の下部機構として、日米安全保障条約及びその関連取り決めの目的を効果的に達成するため、緊急時における自衛隊と米軍との間の整合のとれた共同対処行動を確保するためにとるべき措置に関する指針を含めまして日米間の協力のあり方に関する研究協議を行うという目的のもとに、防衛協力小委員会が設置されました。この委員会は、同年の八月に第一回会合を開いて以来、二年有余にわたりまして研究協議を重ね、五十二年の十月に日米防衛協力の指針を取りまとめたのであります。この指針は、さらに五十三年十一月に第十七回日米安全保障協議委員会に報告されて了承されております。  国内的にはこの指針は、同じく五十三年の十一月に国防会議で審議を行い、さらに閣議において資料を席上配付の上、所管大臣であります防衛庁長官及び外務大臣が発言をされ、この指針の経緯、内容を報告するとともに、防衛庁長官から、この指針に基づき自衛隊が米軍との間で実施することが予定されております共同作戦計画の研究その他の作業については防衛庁長官が責任を持って当たることといたしたいという趣旨の御発言があり、いずれも了承されておるところであります。  このような手続を経まして日米防衛協力のあり方についての基本的枠組みが示されたということは、それ以前と比較いたしますと、我が国の防衛政策を適切に推進する上で極めて有意義であったと考えられるものであります。  次に、指針の概要について説明さしていただきます。この全容は資料の二ページと三ページに掲げてございますけれども、ここでは説明の便宜上、要点をまとめました一ページの資料に従って説明をさしていただきたいと思います。  左側の方に「前提条件」と書いてございますが、この指針が事前協議に関する問題、それから日本の憲法上の制約に関する諸問題、それから非核三原則は対象にしないということ、また、この結論は両国政府の立法、予算ないし行政上の措置を義務づけるものではないということを前提条件として策定されております。  指針の内容について見ますと、侵略を未然に防止するための態勢、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動など、第三に、日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合の日米間の協力の三項目から成っております。  一番上の第一の、侵略を未然に防止するための協力のあり方についてでありますが、ここでは、日本は、その防衛政策として自衛のため必要な範囲内において適切な規模の防衛力を保有するということ、この防衛力を最も効率的に運用し得る態勢を整備、維持するということ、また、地位協定に基づく米軍施設・区域の安定的、効果的な使用を確保するということにしております。米国の方は、核抑止力を維持するということ、即応部隊を前方に展開するということ、それから来援し得るその他の兵力を保持するということであります。  さらに、日本に対して万一武力攻撃がなされた場合に、自衛隊及び米軍が共同対処行動を円滑に実施できるように、両者の間の作戦、情報、後方支援などの分野での協力態勢の整備に努めることとしております。このための措置として、自衛隊及び米軍は、日本防衛のための共同作戦計画、作戦上必要な共通の実施要領などについての研究を行う、また、必要な共同演習及び共同訓練を実施するということにもしております。さらに情報についても、日本防衛に必要な情報交換を密にする、通信連絡体系の整備など所要の措置を講ずることによって情報協力態勢の充実を図ることともしております。  二番目でありますが、日本に対する武力攻撃がなされるおそれがある場合と日本に対する武力攻撃がなされた場合とに分けてそれぞれの場合における防衛協力のあり方について記述しております。  日本に対する武力攻撃がなされるおそれのある場合については、情勢の変化に応じて必要と認めるときは、自衛隊と米軍との間に調整機関を開設することを含めまして必要な準備を実施することとしております。また、それぞれが実施する作戦準備に関しまして効果的な協力を確保するための共通の基準をあらかじめ定めておく、両国政府の合意によって選択された準備段階に従ってそれぞれが必要と認める作戦準備を実施することともしております。  次に、日本に対する武力攻撃がなされた場合についてであります。  日本は、原則として、限定的かつ小規模な侵略を独力で排除し、侵略の規模、態様などによりまして独力で排除することが困難な場合は、米国の協力をまってこれを排除することとしております。自衛隊と米軍が共同して作戦を実施する場合については、それぞれの防衛力を適時かつ効果的に運用することとしておりますが、この場合の作戦構想などについては、次のような五つの点に要約されるかと思います。  一つは、自衛隊は主として日本の領域及びその周辺海空域において防勢作戦を行い、米軍は自衛隊の行う作戦を支援し、また自衛隊の能力の及ばない機能を補完するための作戦を実施するということであります。二つ目は、自衛隊及び米軍は、緊密な協力のもとに、それぞれの指揮系統に従って行動するということ。三つ目は、自衛隊及び米軍は、調整機関を通じ、作戦、情報及び後方支援について相互に緊密な調整を図るということ。四番目は、自衛隊及び米軍は、緊密に協力して情報活動を実施すること。五番目は、自衛隊及び米軍は、効率的かつ適切な後方支援活動を緊密に協力して実施するという、以上五点に要約されると思います。  三番目でありますが、日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合の日米間の協力についてであります。  この場合、日米両国政府は、情勢の変化に応じ随時協議すること、また、日米両国政府は、日本が米軍に対して行う便宜供与のあり方について、あらかじめ相互に研究を行うこととしております。  以上のような指針に基づきまして、自衛隊と米軍が共同作戦計画の研究を中心とする具体的な研究を行いますことは、安全保障条約の持っております抑止効果を高め、我が国の平和と安全を一層効果的に維持することに貢献するものと考えてお りますが、この指針に基づく研究作業についての現状を説明いたします。  資料の四ページをおあけいただければと思います。  指針で予定されております主要な研究項目は、指針の第一項及び二項関連と第三項関連の大きく二つに分けて考えられます。  第一項及び第二項に基づく研究項目としましては、共同作戦計画の研究とその他の研究とインターオペラビリティーに関する研究の三つに分けて考えております。  さらに、その他の研究作業と書いてありますところにございますように、その他の研究については七つの項目に区分してあります。すなわち、作戦上必要な共通の実施要領、調整機関のあり方、作戦準備の段階区分と共通の基準、作戦運用上の手続、指揮及び連絡の実施に必要な通信電子活動に関し相互に必要な事項、情報交換に関する事項、補給、輸送、整備、施設など後方支援に関する事項の七つであります。  第三項の関連では、日本以外の極東における事態で、日本の安全に重要な影響を与える場合の米軍に対する便宜供与のあり方の研究であります。  これらの作業の進抄状況につきましては、一項及び二項に基づく研究作業は、防衛庁では統合幕僚会議事務局、それから米国は在日米軍司令部が中心となってこの作業を実施してきております。共同作戦計画の研究につきましては、当初からこれを優先して進めることとしてきておりますが、五十三年末に研究を開始しております。これは我が国に対する侵略の一つの態様を想定しまして研究を行って、昭和五十六年の夏には一応概成を見ております。以後、さらにこの研究を補備充実する作業を実施いたしまして、五十九年末に一応の区切りをつけたところであります。現在は情勢に応じた見直しなどの作業を実施しているところであります。  この研究の主要な項目は、第一に前提となるシナリオの設定、第二に脅威の分析、第三に日米の対処能力の見積もり、第四に日米の共同作戦要領の検討などであります。その具体的な内容につきましては、事柄の性質上公表を差し控えさせていただいているところであります。共同作戦計画の研究については、さらに新たな想定に基づく研究についてこれを開始するための準備作業を行っているところであります。  シーレーン防衛の共同研究については、昨年十二月に研究作業が終了しておりますが、後ほど次ページの資料を用いて説明させていただきます。  その他の研究作業のところの七項目でありますが、これらにつきましても逐次研究を実施しているところでありますが、まだここで報告できるほどの成果を得るに至っておりません。  インターオペラビリティー、相互運用性に関する研究につきましては、指針に基づく共同作戦計画の研究、その他の研究作業の中でも相互運用性の問題に考慮を払ってきておりますし、本年一月に開催されました第十七回日米安全保障事務レベル協議においてはこの研究を推進していくことで意見の一致を見ておりますが、この研究でもここで御報告できるほどの成果を得るに至っておりません。  それから、日本以外の極東における事態で、日本の安全に重要な影響を与える場合の米軍に対する便宜供与のあり方の研究でありますが、五十七年一月に開催されました日米安全保障協議委員会において研究を開始するということで意見が一致をしております。外務省が主管となりまして、防衛庁も参加して日米両国間で研究作業を進めておりますが、これもまた報告できる成果を得るに至っておりません。  最後に、シーレーン防衛共同研究について説明いたしたいと思いますが、五ページをお開きいただきたいと思います。  五十七年の第十四回日米安全保障事務レベル協議におきまして、シーレーン防衛に関する研究を日米防衛協力のための指針に基づいて行おうということで意見が一致しております。これを受けて、五十八年三月に開催された第九回日米防衛協力小委員会においてこの研究を進める基本的な枠組みについて確認をいたしております。このもとで鋭意研究を進めて、昨年十二月、研究作業が終了したところであります。  この研究は、日米防衛協力のための指針を作成いたしました際の前提条件、先ほども述べたところでありますが、それから指針に示されております基本的な制約、条件、構想などの範囲内におきまして、日本に武力攻撃がなされた場合、シーレーン防衛のための日米共同対処をいかに効果的に行うかということを目的としまして、日米両国部隊の作戦能力の検証を行うということでありました。  この研究では、脅威、シナリオ、投入兵力などを一定の前提のもとに設定し、同時に指針に基づく基本的な共同作戦要領などを検討いたしました。  侵略態様といたしましては、船舶、主要港湾、防衛施設、海峡の要域などに対する各種の攻撃を想定し、これに対して日米は共同して哨戒、護衛、防空、洋上阻止、港湾、海峡の防備などの各種の作戦を行っております。その累積効果によって海上交通の安全を確保することとして、これらの作戦を実施した場合に日米の部隊がどの程度シーレーン防衛という目的を達成できるかを検証したこととなります。  内容の細部は事柄の性質上申し上げられませんが、その結果、一定の前提のもとにおける日米のシーレーン防衛能力の検証ができました。研究作業を通じてシーレーンの防衛構想、共同作戦要領などに関する日米相互間の理解が増進されました。陸、海、空統合かつ日米共同で実施したことから、統合運用に関する理解も深まったところであります。作戦能力に係る一層高度な分析手法あるいは技術の習得といった面でも研究成果を得ることができたものと考えております。  以上、日米防衛協力のための指針などの概要についての説明を終わらせていただきます。

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) 次に、柳澤訓練課長に説明をお願いいたします。

柳澤協二防衛庁教育訓練局訓練課長

○説明員(柳澤協二君) ただいまごらんいただいております資料の六ページに従いまして、日米共同訓練の状況について若干御報告申し上げます。  まず、共同訓練の意義等でございます。  これはたびたび申し上げてきたところでございますが、自衛隊が米軍と共同訓練を行いますことは、それぞれの戦術技量の向上を図る上で極めて有益であること、それから日米共同訓練を通じまして平素から自衛隊と米軍との間で戦術面における相互理解と意思の疎通を促進しまして、インターオペラビリティーの向上を図っておくということは、有事におきますところの共同対処行動を円滑に行う上で不可欠でありまして、ひいては日米安全保障体制の信頼性から抑止効果の維持向上に資するというようにとらえております。こうした観点から、今後とも日米共同訓練につきましては機会をとらえまして積極的に実施してまいりたいというところが基本的な考え方でございます。  次に、実施状況でございます。  大変細かい図で見にくくて恐縮でございます。中ほどにごく大まかな資料を備えておりますが、その頭にございます統合幕僚会議につきましては、スタートが最も遅うございまして、昭和六十年度から実施をいたしております。六十年度には日米共同統合指揮所演習という形で実施をいたしまして、六十一年度におきましては統幕事務局と陸、海、空、三自衛隊、それから米軍の陸、海、空、三軍が参加いたします形で初の日米共同統合実動演習を実施したところでございます。  それから六十二年度につきましては、去る七月に、これは日米共同統合指揮所演習という形で演習をいたしております。  次の陸上自衛隊につきましては、昭和五十六年度に通信訓練、それから指揮所演習を開始しております。六十一年度につきましては、米陸軍との間でこれまで実施してまいりました方面隊レベル、それから師団レベルの指揮所演習を行っておりますが、あわせて米陸軍及び海兵隊との総合的な実動訓練、それから各種の機能別訓練なども実施しております。  六十二年度におきましても、昨年度六十一年度とほぼ同様程度の訓練を実施する予定でおります。  次に海上自衛隊でございますが、海上自衛隊は自衛隊の中では最も早く昭和三十年度から共同訓練を実施しております。昭和六十一年度につきましては、これまでと同様でございましたが、対潜、掃海等の訓練を行いますとともに、海上自衛隊演習の際に、同時に日米共同訓練を実施しております。  また、この表で飛び飛びに表記してございますのは、いわゆるリムパックでございますが、リムパックにつきましては昭和五十四年度以降これまで四回参加しておりまして、逐次その規模等を充実させてきたところでございます。  昭和六十二年度につきましては、リムパックは実施を予定されておりませんけれども、そのほかはおおむね昨年とほぼ同程度の訓練を実施する予定をしております。  航空自衛隊につきましては、昭和五十三年度から米空軍との共同訓練を実施しておりまして、五十三年には戦闘機戦闘訓練、それから五十四年度からは救難訓練をそれぞれスタートしております。また、五十八年度からにつきましては、指揮所演習を開始したところでございまして、昭和六十一年度はこれまで同様戦闘機戦闘訓練、これはおおむね月一回のペースで実施しておりますが、そのほか防空戦闘訓練などを実施しておりまして、六十二年度におきましても六十一年度とほぼ同程度の訓練を実施することといたしております。  また、共同訓練実施の基本的な考え方といたしましては、個々の共同訓練を実施していくかどうかの判断につきまして、まず第一点として当該訓練の目的、内容が防衛庁の所掌事務の遂行に必要な範囲内のものであるかどうかということ、それから当該訓練を実施することが政策的に妥当であるかどうか、さらに教育訓練上の効果がどの程度あるかといったようなことを個々具体的に検討いたしまして判断するということにしておるわけでございます。  なお、日米共同訓練につきましては、これまでの経過については簡単に御報告申し上げましたが、近年、陸、海、空自衛隊におきまして、それぞれ着実に進展してきているところと考えておりまして、さらに統合訓練につきましても今後とも充実を図っていくなどいたしまして、今後各般にわたりますところの日米共同訓練をさらに充実発展させてまいりたいと考えておるところでございます。  以上で簡単でございますが説明を終わらせていただきます。

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) 次に、笠原施設企画課長に説明をお願いいたします。

笠原恒雄防衛施設庁施設部施設企画課長

○説明員(笠原恒雄君) お手元の資料の七ページ以下におきまして、在日米軍施設をめぐる問題について御報告いたします。  まず、在日米軍施設の推移でございますけれども、七ページに書き上げておりますが、平和条約発効時、昭和二十七年四月二十八日現在におきまして二千八百二十四施設、土地の面積で約十二億五千三百万平方メートルありました。その平和条約発効後整理統合の実施あるいは昭和三十二年六月の、いわゆる岸・アイク共同声明を契機とします米陸上部隊の撤退に伴いまして大量の返還があり、昭和三十五年六月の、いわゆる日米安全保障新条約の締結の前には、平和条約発効時に比べまして施設の数で十分の一以下、面積で四分の一という数字、つまり昭和三十五年三月三十一日現在、占用施設は二百四十一施設、面積にしまして約三億三千五百万平方メートルに減少を見たところであります。その後、昭和四十三年十二月二十三日開催の日米安全保障協議委員会第九回会合におきまして約五十の施設の調整計画が了承され、同計画を中心に整理統合を進めたところ、昭和四十七年三月三十一日現在の占用施設は百三施設、面積にしまして約一億九千七百万平方メートルでありました。そのほかに、地位協定第二条第四項同適用の、いわゆる米軍に一定期間の使用が認められる施設が二施設、面積にしまして約九千四百万平方メートルございます。  昭和四十七年五月十五日、沖縄復帰に伴いまして沖縄県所在駐留軍施設八十七カ所、約二億八千六百六十一万平方メートル、これは地位協定第二条第四項回の施設を含みますけれども、これが新たに提供され、その後昭和四十八年一月二十三日開催の日米安全保障協議委員会第十四回会合におきまして了承されました関東平野における米空軍施設、それと沖縄におきます米軍施設の整理統合計画、並びに昭和四十九年一月三十日の第十五回会合及び昭和五十一年七月八日の第十六回会合において了承されました沖縄における米軍施設の整理統合計画が進められまして、昭和六十二年一月一日現在の占用施設は百六施設、面積にしまして約三億三千百万平方メートルでありました。このほか、地位協定二条四項回の適用ある施設が二十五施設、面積約五億四千二百万平方メートルのものがございます。  このように在日米軍に提供しております施設につきましては、我が国の土地の有効利用、都市計画等との調整を図りつつ、その整理統合を実施してきたところでありまして、現在では七ページの下段に書き上げてありますように、沖縄に所在する施設につきまして、安保条約の目的の達成と沖縄振興開発計画との推進の調和を図りつつ、かつ土地所有者等の意向にも配慮しまして整理統合計画を推進しているところであります。  次に八ページに移りますが、駐留経費の日本側負担でございます。  先ほど外務省北米局長から御紹介がありましたとおり、在日米軍の駐留に関連しまして米側が負担する経費の問題につきまして、在日米軍の駐留が円滑かつ安定的に行えるようにするため、地位協定の範囲内でできる限りの努力をするという方針のもとに昭和五十四年度から提供施設の整備を行い、また日本人従業員の雇用の安定を図るため昭和五十三年度から労務費の経費の一部を負担してきているところであります。  次に九ページに移らせていただきますが、いわゆる周辺対策でございます。  米軍施設は、米軍の活動の基盤として必要不可欠なものでありますけれども、他面、その設置、運用や特定の行為により周辺の住民の生活や事業活動に障害を与える場合があります。もちろん、米軍は周辺住民に障害を与えないよう努力はしておりますけれども、その任務の遂行上このことはある程度避けがたいところだと思います。しかし、これを放置することは周辺の住民にのみ負担をかけることとなり適当ではありませんので、国としましては、関係住民の生活の安定と福祉の向上に寄与するため、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律等に基づきまして種々の施策を講じてきております。  一つは、障害防止工事の助成であります。地方公共団体等が、戦車その他重車両の頻繁な使用、射撃、爆撃等によりまして生ずる障害を防止、軽減するため、農林漁業用施設、道路、河川等の施設について必要な工事を行うときは、その費用の全部または一部を補助することとしております。次に、航空機の離陸、着陸等の頻繁な実施あるいは機甲車両等の頻繁な使用によって生ずる騒音を防止、軽減するため、学校、病院等について防音工事を行うとき、国はその費用の全部または一部を補助することとしております。  二番目の施策は、飛行場及び空対射爆撃場周辺における生活環境の整備であります。飛行場または空対射爆撃場の周辺におきまして、米軍の航空機の騒音に起因する障害の度合いを基準といたしまして、飛行場等を取り巻く外側から第一種区域、第二種区域及び第三種区域の指定を行いまして、国民第一種区域に所在する住宅については防音工事の助成を行う。第二種区域から外に建物等の移転を希望する者に対しましては移転の補償。そして第二種区域内の土地の買い入れを行いますとともに、移転が円滑にいきますよう移転先地における公共施設の整備について助成を行っております。さらに、第三種区域に所在する土地につきましては、緑地帯その他の緩衝地帯として整備するよう所要の措置をとるほか、国が買い入れた土地を地方公共団体が広場等の用に供するときはこれを無償で使用させてきております。  三番目の施策は、施設周辺における損失の補償であります。米軍による航空機の頻繁な離陸、着陸、射爆撃の頻繁な実施により、従来適法に農林漁業等の事業を営んでいた者がその事業の経営上の損失を受けたとき、その損失を補償しております。  四番目の施策は、民生安定施設の助成であります。米軍施設の設置や運用によりその周辺地域の住民の生活や事業活動が阻害されると認められる場合において、地方公共団体が、その障害の緩和に資するため、生活環境施設や事業の経営の安定に寄与する施設、例えば道路、消防施設、公園、農林漁業施設等でありますけれども、その整備について必要な措置をとるときは、その費用の一部を補助することとしております。  五番目の施策は、特定防衛施設周辺整備調整交付金の問題でございます。飛行場でありますとか演習場、港湾等の一定の米軍施設のうち、その設置や運用により周辺地域に及ぼす影響等を考慮しまして、当該地域を管轄する市町村が行う公共用の施設の整備について特に配慮する必要がある米軍施設を特定防衛施設、そしてその関連する市町村を特定防衛施設関連市町村としてそれぞれ指定しまして、国は当該市町村に対して公共用施設の整備に充てる費用として特定防衛施設周辺整備調整交付金を交付しております。  最後でありますけれども、十ページになりますが、最近におきます米軍基地をめぐる諸問題についてお話し申し上げます。  一つは、艦載機着陸訓練場の確保の問題であります。現在、空母艦載機の着陸訓練が主として行われております厚木飛行場は、周辺が住宅密集地でありまして、飛行規制及び夜間照明等のため必ずしも円滑な訓練ができる状況になく、米側から代替施設の確保を要請されているところであります。一方、我々といたしましても同飛行場周辺における騒音問題は早期に解決しなければならない問題と認識しております。このため種々検討の結果、立地条件から三宅島を適地と判断しまして同島に設置をお願いしているところでありますけれども、現在状況がわかる資料がないために、気象調査等の適地選定にかかわる資料収集のための事前調査を進めているところであります。  次に、池子住宅地区及び海軍補助施設に係る米軍家族住宅の建設問題であります。横須賀地区におきます米海軍家族住宅の深刻な不足を解消するため、住宅建設適地を調査検討しました。その結果、横須賀海軍施設に通勤し得る範囲の既存の米軍施設のうち、約一千戸程度の住宅がまとまって建設でき得る池子住宅地区をいわゆる適地と判断いたしまして、長期間にわたり地元と調整協議してまいりまして、池子に九百二十戸の住宅を建設することを決めました。その後、神奈川県条例に基づく環境アセスメントの手続を進める中で、地元において種々の動きがありましたけれども、当庁といたしましては五月八日に神奈川県知事から提示されました調停案を受諾する方向で尊重することとし、現在アセスメント、評価書の作成手続を鋭意進めているところであります。  次に、沖縄におきます従業員のいわゆる人員整理の問題でありますけれども、先ほど北米局長から御紹介がありましたので省略いたします。  二番目に、米軍の駐留に伴い発生する事件、事故の防止につきましては、機会あるごとに米側に申し入れているところでありますけれども、今後ともその都度、状況に応じましていろいろなレベルにおきまして米軍に注意を喚起し、原因を究明し、再発防止をとるよう求めてまいりたいと考えております。  以上で終わります。

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) 以上で説明聴取は終了いたしました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

堀江正夫自由民主党

○堀江正夫君 私は、まず外務省にお尋ねをいたします。  ただいまの御説明の中で、軍事面では日米間は基本的には緊密な関係にはあるものの、最近になって議会筋を中心にきしみが生じつつあるとの懸念をお持ちのように承ったわけであります。私もこのような日米間の現状に深い憂慮を持つものでありまして、何とか関係の改善充実を図って、その信頼関係を一層確かなものにしてこれを強化しなきゃならないと信じております。このようなスタンスに立って二点についてお尋ねをし、かつ意見を申し述べます。  第一は、外務省が主管されております極東有事研究の促進の問題であります。これにつきましては、私は過去二回ほど関係の委員会で研究の促進を要望いたしました。これは日米安保条約に基づく日本の果たすべき当然の責任であり、この研究の遅滞というものが日米間にきしみを生ずる一因ともなることを恐れているからであります。しかし、五十七年一月に研究開始に合意してから既に五年半を超えてしまいました。この具体的な研究は恐らく広く関係各省の協力を得なければならない問題であって、あるいは事務的にはこの点に大きな障害があるのではないかなと推測をするものであります。もしそうだとするならば、その協力をもっと高いレベルに上げて協力体制を確立するといったような措置も講じて、積極的に推進する必要があるのじゃないかと思っておりますが、この研究の現状と対策、見通しについて伺います。  第二は、ペルシャ湾の現在の情勢に対応する日本外交の基本姿勢であります。  政府が従来からイラン・イラク戦争の終結に努力をし、この地域の安定に尽力をして腐心しておられることを評価するのにはやぶさかではありませんけれども、現在の情勢はこれを引き続いて推進するだけでは日本がその責任を果たしているということにはならないのではないかと思われてなりません。日本が所要とする五五%の石油をこの地域に依存し、現に日本向けのタンカーを米海軍が直接護衛をし、米国だけじゃなくて、イギリス、フランスの海軍がこの海域の安全の確保のために掃海活動を行っております。私は、このような米国を中心とする各国の軍事行動に対して、日本も憲法の許す範囲においてこの海域の公海で直接的な護衛行動をすべきことを積極的に検討すべきじゃないかと思うわけです。このペルシャ湾の問題は、言うまでもなく日本自身の問題であると思います。そしてこれは金銭であかない、あるいは外交努力だけで済まし得るという問題ではないのじゃないかと思われてならないわけであります。私が今提言をしましたような行動をとらない限り、日本は関係各国から説明をしようとしても説明しようもない非難を浴びて、この点で特に日米安保体制に大きな禍根を生ずることになるのではないかとひそかにおそれるものであります。  以上二点をまず外務省から承りたいと思います。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) いずれの二点も大変に政策問題として基本的な問題であるというふうに考えます。  第一点の極東有事研究でございますけれども、御指摘のように昭和五十七年一月以来、審議官レベルで始めたわけでございますけれども、たしか三回の会合を持ちまして、それ以来研究は続いてはおりますけれども、実際問題といたしまして、関係各省含めてのインテンシブな作業というものは事実上中断状態になっているというのが現状でございます。その点については、毎年、例えば一月のSSC等におきましても報告をしておりますし、米側もその事態を存じております。困難はいろいろなところにございますけれども、まさに御指摘のように、この問題は関係各省に大変に広くまたがる極めて複雑な問題でございまして、いろいろな意味での事務的な障害、法制的な障害を含めまして大変に大きな問題がございますので、なかなかこれが進展していないということでございます。我々といたしましては、これは日米間で約束をした以上、さらにそれのみならず、やはり日米安保体制を円滑に運用していく上で、いずれにしましても我が国の便宜供与のあり方ということをきちっとしておくことは非常に大切なことであるというふうに思っておりますので、できる限りの努力を今後とも傾注していきたいと思います。御指摘の点は大変に貴重な御意見といたしまして、今後とも我々もできる限りの督励をいたしまして、みずからの努力をしていきたいと思います。  第二のペルシャ湾の件でございますが、私の所掌の範囲を超えておりますので、本件につきまして残念ながらただいま先生の御指摘の点について有権的な意見を述べるわけにはまいりませんけれども、先生の御指摘のアメリカにおいてこの問題が非常に日米関係との関連で大事な問題になってきているということは、先ほどもちょっと触れましたけれども、この点につきましては私も全く同感でございます。我々が日本で新聞報道等を見ております以上に、特にスターク号事件以来のペルシャ湾における緊張というものに対するアメリカ国民、これは議会のみならずでございますけれども、一般の国民を含めての関心の度合いというものは高いわけでございます。これは当然のことでございますけれども、アメリカのテレビ等では大変にこれを大きく取り上げておる、国民もそれを注視しておるという事態でございますし、さらにその中で大変に日本との関連が注目されているということは現実であろうと思います。  例えば先般、米海軍が護衛しましてガスプリンス号というのがペルシャ湾から出てまいりましたけれども、これは一つのドラマと申しますか、ということでアメリカ国民が手に汗握ってテレビなどで見ておったわけでございます。そのアメリカのテレビなどを見ますと、我々は時々それをモニターしているわけでございますけれども、このガスプリンス号は日本に行くんだ、日本に行くんだということを非常にアナウンサー等は強調しているわけでございます。アメリカ国民は非常にそういう意識を持ってあのガスプリンス号の護衛、それが無事ペルシャ湾から公海に出たという情景を見ておるわけでございまして、そういうことが、先ほども触れましたペルシャ湾情勢を契機として、特に最近我が国の防衛努力に対していろいろな決議案等の形で出てきているということの背景にあるのかと思います。それは確かに一つの事実として申し述べる点ではないかというふうに考えます。  さらにその上に突っ込んで先生の御指摘は、非常に基本的な点でございます。その点について日本政府としてどうすべきかということにつきまして、個人的な意見は別といたしまして、まことに申しわけございませんけれども、私の担当の範囲を超えるものでございますので、その点についての考え方の開陳は差し控えさせていただきたいと思います。

堀江正夫自由民主党

○堀江正夫君 今、藤井局長の申されましたまず第一の極東有事研究の問題でありますが、局長も言われましたようにまさに日米間の正式な約束そのものでございます。したがって、日本が当然果たさなければいけない。これが従来の各省間のいろいろな問題で五年半たっても進まないと、これではもう済まされないと思います。最近のココムの問題なんかも、これはやっぱり各省の安全保障というものに対する認識の欠如というものが一つの大きな要因になったと思うわけです。これをひとつ他山の石としてぜひともこの問題についても政府を挙げて、各省挙げてやれるようにこの上とも努力をしていただきたい。我々与党としてもこの問題についてできるだけバックアップしたいと思っております。  ペルシャ湾の問題は、これは本当に政治そのものであり大変な問題だと思います。そのことは私もよくわかっております。同時に、これは軍事能力の問題も当然あると思います。また外交そのものの問題でもあります。一つの私の提案を真正面から受けとめていただいて御検討願いたいということを重ねて申し上げておきます。  次は防衛庁に二点だけお尋ねをし、意見を述べたいと思います。これは日米安保体制下における日本の防衛を一層確実のものとしたいという私の念願、熱望を踏まえてする質問でございます。  その第一は、米国の第二五師団の軽師団編成化の問題であります。先ほどの御説明で共同演習が回を重ねて行われ、かつその内容が逐次充実していることを頼もしくお聞きしたわけでありますが、陸上自衛隊と米軍の共同演習の米側参加部隊には必ずハワイにおりますところの二五師団がおるというふうに承知をしております。ところがこの二五師団が最近軽師団に編成替えをされました。一方、昭和五十三年の十一月に先ほど御説明がございましたが決定されたガイドラインでは、増援米軍には反撃作戦、すなわちさらに具体的に言いますと攻勢力を持った戦力を期待することになっておる、このように私は理解をするわけであります。また、共同演習を何度かいろいろやられました。その中で、侵攻国の陸軍を撃破するためには重装備の師団、重戦力が絶対必要であるといったびたびの成果が出ているようにも仄聞をしておるわけであります。そのような中で米国の二五師団が軽師団化された。これは重大な問題だと私は思うわけであります。  そこで、米国の二五師団の軽師団化について事前に相談があったのかどうか。あったとすればその場合に防衛庁はどのような対応をしたのか。さらに、既にこの二五師団は軽師団化しておるわけです。こういった現実を踏まえて具体的にどのような対策をとっておられるのかということについて伺いたいと思うわけであります。私はガイドラインの申し合わせに従いかつ二五師団の軽師団化を認めるという前提に立つならば、ここで真剣にポンカスという問題を考える以外に解決の方法がないのじゃないか、このようにも考えておるということを、この点については申し添えておきます。  第二は、米軍の来援の基盤の確保の問題であります。今日までいろいろと作戦研究が行われてきましたが、来援米軍の基盤を確保しておくことが来援米軍がその能力を日本の防衛のために有効に発揮するために絶対に必要であることは申すまでもないところであります。今日までの米軍基地の整理統合の中ではこのような観点からの配慮はなかったと思います。それはそれでやむを得なかったと思います。しかし、今後の整理統合の中ではこのような視点を加えた再検討をしなけりゃならないのじゃないか、私はそのように思うわけであります。  以上二点についてお伺いをして私の質問を終わります。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 御説明いたします。  米国の第二五師団の軽師団化についていつごろ防衛庁は知ったのかということでありますが、ハワイの二五師団の軽師団化を検討しているということにつきましては八四年三月ウィッカム陸軍参謀総長、これは当時でありますが議会証言を行いましたのによって知ったという状況でありました。事前に日本に協議をするというような性格の問題でもないものかと理解しておりますが、そういうことがあったということはございません。  このような軽師団化という改編を米国がなぜ行うかという点についてでありますが、これは全般的にあるものは重装備あるものは軽師団化することによって機動力を持たせるというようなことで改編を行っているように理解しておりますが、軽師団化の一つの目的は戦略機動性にすぐれて高い展開能力を持つものに改編しようということであります。そのねらいはやはり原則の抑止をより一層確実なものにするということのようでありまして、通常戦力を充実近代化する一環であると理解しております。それに対して何か防衛庁として意見を述べたりあるいは対策を講じているかということにつきましては、そのようなことは私の承知している限りございません。日米間には各種の安保条約に基づく協議機関がございますが、それぞれの機会に来援をより確実なものとするように種々の協議あるいは意見交換を行っていることによってこの二五師団のみならず全体的な来援能力の向上あるいは来援をより確かなものにするための努力をしているところでございます。  それから、ポンカスについての御指摘でございますが、軽師団化することと直接は関連がないかもしれませんが、重装備なりを我が国に事前備蓄しておくことがどうかという御指摘であろうかと思います。これは一般論として申し上げますと、日米安全保障体制の抑止力の効果的な維持という観点から見まして、我が国に対する武力攻撃が発生した場合の対応において米軍の来援をどうするかということの関係で研究あるいは検討を行っておくということは大変有意義なことであろうとかねてから考えておるところであります。現在までのところこれは数年前でございますが、防衛庁長官が米国に参りましたときワインバーガー長官にお話しをしたところでありますけれども、米国が現在欧州で行っているような事前集積の考え方を日本について持っているということはないということを明言されておりまして、仮にそのようなことをするとしても、それは米国議会の承認が必要であるというようなことも付言されておりました。  では、我が国として積極的に検討してはどうかという御指摘かと思いますが、現在の我が国の防衛努力の面では事前備蓄以前にいろいろとやらなければならないことがたくさんあるわけでございまして、具体的に今検討しているということはございません。しかし、今後情勢あるいは防衛力整備の進展を踏まえて検討すべきではないかという御指摘であろうかと思いますが、この点は十分頭に置いてこれから検討してまいりたいとは思いますが、今すぐにどうということはとてもとり得る状況でないことを御理解いただければと思います。  来援基盤の問題について従来防衛庁はおろそかにしているのではないかという御指摘があったかと思いますが、先ほども申し上げましたように、米軍の来援というものをより確実なものとすることが抑止力を高めるという我が国の防衛政策の基本に立ってみますと、大変重要であることは御指摘のとおりと認識しております。そういう観点から、一般的なものではありますが、日米間の相互理解の促進というようなことでみずからの防衛力の整備に努めるとともに、米国との間断のない対話を通じて信頼性の強化に努めるというソフトの面での努力が一つございます。  それから、日米防衛協力のための指針に基づきまして共同対処行動を円滑に実施し得るようにいろいろの分野で協力体制の研究を進めておりますし、共同訓練などを通じての努力をしているところであります。さらには、我が国に駐留しております米軍の活動の基盤となる施設・区域の安定的な使用の確保にも努めているところであります。それをさらに拡大して余裕を持っておくべきだというような御指摘でございますれば、将来的には検討すべき課題であると思いますけれども、なかなか今のところそこまで手が回っていないという状況でございます。

堀江正夫自由民主党

○堀江正夫君 第一の問題は、ガイドラインで陸上作戦について反撃力を期待しているわけでしょう。二五師団は反撃力になっていないじゃないですか。それを私は指摘しているわけです。もしもそれを是認するならば、それにかわる何かをしなければ日本は反撃力を持ち得ないじゃないか、どうするんだということを私は言っておるわけですから、その点についてもうここでお答えいただこうと思いませんけれども、穴のないようにやっぱりしなきゃならぬのじゃないかということを指摘したつもりですから、お考えいただきたい。  第二の問題で、今までそういう配慮がなかったことについては、それは私は当然だと思っているんです。しかし今のお答えでは、これからの来援基盤のいろんな研究成果ができても、大事だと思うけれどもなかなかできないというお話ですけれども、それはおかしいので、そのままずっと整理統合をやっていったならば、これはもういよいよいざというときにどうするんですか。全然来援基盤を確保するなんということは不可能になってくる、日本の実態からいうと。そうなると、まだ残された整理統合の中で私はやはり今言ったような視点を加えながら再検討をするべき時期じゃないかということを提言申し上げたんであって、その点をひとつもう一度よく踏まえて今後検討していただきたいということを要望申し上げておきます。御返事は要りません。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 最初に外務省にお伺いいたします。  日米安全保障条約は、御説明がありましたように、日本の防衛に関すること並びに日本の安全に極めて重要な関係を持ってあろう極東に事態が起きた場合の米軍の活動を容易にするための便宜供与等についていろいろと規定されておるわけでありますが、日本の安全に重要な影響を及ぼす事態というのは、この安全保障条約をつくった事態においては、まさしく日本周辺だけを考えておれば大体重要なことは済んだ時代であったかと思います。もう既にそうでない時代に入っていたと見てもいいのですけれども、しかしあの六〇年、それから七〇年の時代においてはその程度に限定してもよかったかもしれません。しかし、情勢がさらに変化しておりまして、御承知のように、まさに世界のどこの事案でも日本の安全保障に非常に大きな影響を及ぼす。  特に、例えば、現在心配になっておりますペルシャ湾のような地域における事態がさらに拡大した場合には、大変に日本の安全保障に大きな影響を及ぼすことになると思います。私は、改めて日米安全保障条約をそういうような方面まで拡大しろとかそういうようなことを今申し上げるつもりはございませんけれども、今のような事態が仮に発展をして、日本に駐留しておる例えば海兵隊あたりが直接ペルシャ湾海域、地域あるいはディエゴガルシアを中継して、あるいはその他の地域等を中継してでもいいのですけれども、転用されるというような場合に、直接、間接の便宜供与が必要になると思います。また、その中には移動前の便宜供与もあるでありましょうし、それから向こうに着いた後にいろいろと障害が起きて、それも整備支援、あるいは補給支援というようなことを日本から欲しいということも起こると思いますけれども、こういうことに対して日本はどういうような便宜供与をするのがいいのでしょうか。また、それはどういうような現在の条約上その他障害があるんでしょうか。それが第一点です。  それから第二点は、そのペルシャ湾の状況と関連してでございますけれども、ペルシャ湾海域には多くの日本の船舶が行動しておる。そして、既に損害を受けた船舶もあります。それから日本の船員は、日本の船舶だけではなくてほかの外国船籍の船舶にも搭乗しておって、大変に危険を感じておるわけでありますけれども、これの安全をいかにして確保するかということは、やはり国としても極めて大事な措置をとらなきゃいけないことではないかと思うわけてあります。アメリカ側においては、例えば本日の新聞によりますと、中東のこの地域の艦隊司令官の上に特別司令部を設置することを決定しておりますが、そういうところにおいて船舶の航行を安全にするための管制をする、あるいは少なくともそういうところ等から十分な安全に必要な情報を流してもらうというような措置がとられなければならないと思いますが、現在までそういうものはどういう措置がとられておるか、あるいは今後どういう措置をとったらいいであろうかということについてお承りしたいと思います。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) まず第一点でございますけれども、日米安全保障条約の枠というものはやはり堅持しながら、我が国としてこの円滑な運営に当たっていくということが必要かと思います。  日米安全保障条約の枠でございますけれども、これは例えば第六条にございますけれども、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」云々ということがあるわけでございまして、あくまで日本国の安全と極東における国際の平和と安全ということが日米安保条約におきまして我が国が施設・区域を提供している目的でございます。ということは、アメリカの軍隊が我が国に駐留しあるいは寄港しあるいは通過するというような場合に、日米安全保障条約の趣旨に沿っているか、すなわち極東における我が国の安全はもちろんでございますし、極東における国際の平和、安全の維持に貢献するという実態があるかということでございます。そういう実態がある以上、この基地を使用することができるし、かつ先ほど申し述べましたように、我が国としてはその円滑な遂行に協力すべきであるということになるかと思います。  それがあくまで中心でございまして、その日本におきまして、極東の国際の平和と安全に貢献しておる実態を有しておる艦船あるいは航空機などがペルシャ湾あるいはその他の地域に移動して活動を行っているからといって、それ自体が日米安保条約に違反しているということではございませんが、それはまた逆に言えば可能であるということになるかもしれません。  いずれにしましても、日米安保条約が規定しておりますことは、そういう極東という限定がある中で、それにそういう実態があるかどうかということでございます。もちろん、直接的に日本の施設・区域からいわゆる戦闘作戦行動に出まして、直接ペルシャ湾なりどこか外国に行きましてそこの戦闘に参加するということについては、事前協議をするということがあるわけでございまして、事前協議なしにそれはできないという制約がございますが、それ以外の点におきましては、何度も繰り返して恐縮でございますが、極東における国際の平和と安全の維持に貢献するという実態があるその艦船等がペルシャ湾等に行きまして移動するということは可能であるということでございます。したがいまして、我が国といたしまして、ペルシャ湾等の米軍に対して何らかの軍事的な協力を行うということは全く想定していないわけでございます。  それから、先ほどの第二の御指摘の点でございますが、恐縮でございますが、これも私の範疇をやや超えることになりますが、聞くところによりますと、政府といたしましては、海上保安庁がハイドロパックという米国の水路通報、これは世界的なもののようでございますが、その情報を得て、さらに米英艦船向けに米軍が流しておるスペシャルウォーニング情報というのがあるそうでございますが、それを入手いたしまして、短波、無線及び共同通信を通じまして、我が国の船舶に情報を流しておるということを政府は行っておるというふうに承知しております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 今御質問申し上げました第一点につきましては、私は別に日米安保条約を改定しろとか、日米安保条約の解釈を拡大しろとか、そういうことを申し上げたわけではありませんので、とにかくペルシャ湾の安定、平和というものは日本の安全保障にとって極めて重大である、したがって、それなりの何らかの日米協力あるいは自由陣営全体の協力、あるいはさらにもっと広い協力が必要であろう、その中に軍事的な何らかのものが含まれてくることも考えておかなきゃいけないのじゃなかろうかということを申し上げただけでございます。  次に、防衛庁にお伺いいたします。  最初に、きょう御説明あった中に関することで一つ二つ御質問申し上げたいのですが、一つは、この防衛協力のための指針によっていろんな研究がなされているわけですけれども、共同作戦計画というものを最終的にはつくらなきゃいけないわけですね。これはいつごろを目途にしてやろうとしていますか。どうも今までのところ研究は研究としてずっと続けていく、これは意義がないことはない、非常に重大な意義があるわけでありますけれども、最終目的がいつ達成されるのかさっぱりわからないのじゃないかという感じを持つわけでありますが、これはどうでしょうかということ。  それから、インターオペラビリティーについて最近非常にアメリカ側は強くいろいろな要望を出しておる、また重視しておるようであります。そしてまた、これは実態的に大変に重要なことであると思います。しかしながら、これも最近我々の耳に入ってくるのは度が過ぎたインターオペラビリティー、つまりもう何でもかんでもアメリカの装備を使え、アメリカの戦術的なあるいは作戦的ないろいろなプロセデュアーをそのまま日本側にも適用しないとインターオペラビリティーは確保できないという、そういう感じの言葉が伝わってくるわけであります。これはそういうことがあってはならないと思うのでありまして、その件について正式にはどういうことになっているかということを簡単に御説明願います。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 第一点の共同作戦計画はいつつくるのかという点でありますけれども、一般論としてはそのようなものを作成することはあり得ると私どもは考えてはおります。しかし、現在までのところその具体的な内容でありますとか、形式でありますとか、手続でありますとか、そういうものを検討するという状況には至っておりませんで、いつだということについては日米双方ともに具体案を持っていないというのが実情であります。  第二点のインターオペラビリティーについて、人によっては非常に拡大をしているのではないかという御指摘かと思います。そういう議論があることは確かに私どもも承知しておりますけれども、日米すなわち統合幕僚会議事務局と在日米軍との間で検討しておりますインターオペラビリティーといいますのは、そういう非常に広い意味のものではございませんで、相互に持っております現有の装備を、あるいは後方支援面も含みますけれども、それらの共通性あるいは両用性というものを確保するという観点からどういう施策を講ずればいいのかといった限定的なものでありまして、我が国の主権にかかわるような問題をこの言葉の中に包含して研究をするというようなことは全くございません。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 最後に、ココム規制の問題について防衛庁にお伺いいたします。  ココム規制というのは御承知のように、世界の平和あるいは国際の安全のために極めて重要な手段であります。したがって、日米安保体制を確実に機能させるためにもこれは妥当な線で守られていかなきゃいけないというふうに考えます。最近、東芝機械事件を契機にして政府はいろいろな対応策を立て、再発防止について外為法等の改正を今議会に提案しておりますが、そういうものを含めていろいろなことを図ろうとしておることは大変結構なことだと思います。そしてまた防衛庁もそれに積極的に参画するという態度があるやに承っておりますが、これはもう当然安全保障の重要な問題であって、防衛庁が一つの重要など申しますか、もっと言えば中核的な存在としてこのココム規制についていろいろと関係省庁と調整していくことが必要だと思います。  たたしかるに、新聞等を読んでいますと、どうも防衛庁が表面には全然出てまいりません、防衛庁がこういうふうにやるというところは。そこで、一体防衛庁はココム規制について通産省あるいは外務省とどういうふうに協力してやろうとしておるのかということを承りたいと思います。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) ココム規制という点に関しますと、防衛庁は従来も所掌しておりませんし、今回の法改正でもそれに関与するという形の改正を盛り込んでいるわけではございません。しかし、現在ココムにつきましては、御指摘のように東芝機械事件を契機にいたしまして政府として極めて積極的に取り組んでいると理解しております。そういう中で防衛庁としてもこういう状況を踏まえて、現在持っております所掌事務の範囲ではありますけれども、適切に関与すべきであるという考え方で臨んでおります。  例えば、ココム問題について関係閣僚会議を設置してはどうかというようなことが検討されております。重要な事項について審議しようとするものと思いますが、それらの検討に際して防衛庁も関係省庁とともに参加しているところであります。  外為法の改正に関連して報道されました御印象をお述べになったのかと思われますけれども、今回の外為法の改正の中で国際的な平和及び安全の維持というものが入ったのが一つの大きな特徴だと理解しております。この意義は全く当然のことでありますけれども、我が国の平和及び安全を包含するということは当然でございます。  他方、防衛庁は我が国の防衛をその基本的な任務としているわけでありますから、防衛庁長官が我が国防衛上の見地から通商産業大臣などに意見を述べるということは既に法律によって十分確保されているわけでありまして、この権限のもとにできる限り協力をしていくべきであるというコンセンサスはございます。今も努力をしているところでありまして、例えば防衛庁がどういう点で貢献できるかということになりますと、武器の国内における多くの調達者として、あるいはその開発でありますとか運用でありますとか、そういう知識あるいは周辺における軍事情勢についてもいろいろの知識と経験を持っているわけでございまして、これらによって養成された人間も他の省庁にはない特徴であろうかと思いますが、これらの人たちを一時的に、あるいは相当長期的に割愛するということも防衛庁の一つの貢献であろうかと考えたりしております。いずれにしましても、今後関係省庁とよく調整をしながら進めていくことであろうと思います。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 ありがとうございました。  以上をもって私の質問を終わります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今の永野議員から御質問がありましたココムの問題で外務省の方にお尋ねしたいと思います。  私は全く逆な立場で質問するわけですけれども、これはフランスのル・モンド紙の二年前の記事だそうです。私は直接読んでおりませんけれども、こんなふうに書いてあるそうです。  フランス政府が秘密にソ連筋から入手した資料に基づいたものだそうですけれども、ソ連は一九七九年に百五十六件の技術サンプル、それから三千八百九十六件の技術論文を収集した。そのうち、技術サンプルの約半分ちょっと、八十七件、それから技術論文のうちの約一割、三百四十六件を兵器の研究開発に応用したんだそうであります。そのために、航空関係だけで約一億五千万ドルの研究費を節減することができた、こういう内容だそうですけれども、私が今問題にしたいのは、こういったものを収集した国別の問題なんです。その国の一番多いのはアメリカで、六一%だそうです。西ドイツが一〇・五%で、日本はわずかに三・〇%にすぎない。  そこで質問なんですけれども、日本をこのココムで締めつけてみても、今言ったようにアメリカや西ドイツからも技術は非常にたくさん輸出されているわけです。日本は三%ですけれども、その二十倍以上がアメリカなんですから、このようにアメリカや西ドイツからも技術は輸出されているわけです。ですから、ココムで日本を締めつけてみても日米の安保体制の強化には私はならないのじゃないだろうか、そんなふうに思うわけです。どうも日本が一番貧乏くじを引くような可能性が非常に大きいというように思うのです。このようにココムの加盟というものは日米の安保体制には余り役に立っていないと考えるんで、私はむしろココムなんというのは脱退するべきでないのかなと考えているんですけれども、その点についてどうでしょうか。  そして、今回外為法で安全保障条項が設けられておりますけれども、これなんかもそういう点からいけばあ極めて無意味でないだろうかというように思うのですけれども、外務省の見解はいかがでしょうか。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) ココムの問題を本日のテーマでございます日米安全保障ということ、そこから派生する問題であるというふうに必ずしもとらえる必要はないのではないかというふうに存じます。  一つは、やはり西側の十六カ国がココムというものをつくりまして、そこで話し合いをしておるわけでございますし、そのシステムに基づきまして日本では外為法があり、その規定があるという中で、現実にその違反が起こったということ、それがアメリカ等で問題になっているということが一つの問題でございまして、これに対してはやはり違法な行為によりまして一つの事態を惹起しておるわけでございますので、それを是正していくというか将来に対してこのようなことがないように、その防止を行っていくということであろうかと思います。  同時に、もちろんそれが日本自身の安全保障にどういう意味を持つのかということに思いをめぐらすということも必要であると思いますし、それが日本とアメリカのみならず、西欧を初めココム加盟国との経済関係、友好関係一般にどういう影響をもたらすのかということも思いをめぐらすべきであると思いますけれども、いずれにしましても日米安保条約あるいは安保体制の運用強化のためにココムの規制を強化するという考え方ではなしに、今申し上げたような考え方で、ココムにつきましてはできるだけ早期に将来の防止のための外為法の改正についでこれが国会の御承認を得まして、日本政府としての一連の施策が実効性をもって行われることが大切ではないかというふうに感じる次第でございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 結局最終的には日米安保体制の強化ということを考えて、そういうことから外為法の今度の改正ということになるんではないかと私は思っているんです。  それでもう一つ、今フランスのル・モンド紙の話をしましたけれども、例えば今のこの情報からいきますと、ソ連側の情報収集の中では日本がたった三%しか占めていないという。それよりももっともっと大きい西ドイツとかアメリカがある。そうすると日本だけ規制してみたところで、いわゆる西側体制の安全保障ということには何ら役に立っていないのじゃないだろうか。確かに今おっしゃるように日本でそういう事件が起きたし、ココムに加盟している以上はそういう一つの制裁措置をきちっととらなきゃならないことは現状の段階ではわかるけれども、しかし根本的に考えてみたら、それは何も意図しているような意味は持っていないのじゃないのだろうか。その辺諸外国との資料の流出とかということとの関連の中でどういうふうに位置づけたらいいのか、考え方を聞きたいわけです。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) ただいまの御指摘の点でございますけれども、ただいま我が政府が目指しておりますことは、ココムという一つの紳士協定と申しますか、そういうものがありましたらそれを日本政府としてきちっと守れるようにと、現に事件があったわけでございますので、再発防止ということを目指すものでございまして、ほかの国との関係で特に日本だけがココムについて余計な規制を行う、余計な規制と申しますのは品目なんかにつきまして多くなる、そういうことではないことは明確であると思います。そういう意味におきまして、日本の場合には国際的にココムの場で一定の了解が成り立ちましたらそれをきちっと守っていくということが今の問題でございまして、どの程度とういう品目に規制をかけていくのかいろいろレビューもしているようでございますし、そういうことを含めましてそれはまたおのずから別な問題であろうかというふうに思うわけでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 論争の場でないようですから、私は最後に意見だけ申し上げておきたいと思うのですけれども、こういうことをやっていれば結局日本の経済活動を政府みずから規制してしまう危険性もあるんじゃないかなと思うのです。結局は最後に日本だけが貧乏くじを引いてしまうというさっき言ったような結果になりかねないと思うので、そういうことからいけば、どうもココムに加盟しているということは余り日米の安全保障の問題からいっても無意味だなと、そんなふうに考えているということだけを申し添えておきたいと思います。  その次に、安全保障の問題で質問するのは私は初めてなものですから、極めて基本的な問題についてまず防衛庁のお考えを聞いておきたいと思うわけです。  先ほど来いろいろお話を聞いておりますと、日米安全保障条約に基づく日米安保体制が日本を非常に守っているという印象を強く受けるわけですけれども、そういう点でこの日米安保体制というもの自体が一つの敵国を想定した脅威に基づいた体制をつくっているものだというふうに理解するわけです。具体的にはソ連脅威論ということになるんでしょうけれども、一体ソ連脅威論は存在するのかどうなのか。栗原防衛庁長官はこういうことを言っているんだそうですね。日本国民にソ連の脅威を認識させるのが政治家としての私の任務であるということを長官がお話しされているようですけれども、私はこのソ連脅威論というのは極めて意図的につくられてきたものだというように思うのです。  今はもう亡くなられた玉置総務長官が、かつて参議院の予算委員会で北海道の地図を示しまして、防衛庁長官に北海道の地名を書いたものを渡して、これは何と読むかなんという質問をされていました。私もたまたまその議事録をちょっと読ませていただいたことがあるんですけれども、あの話なんかずっと聞いておりますと、何か今にもソビエトがオホーツク沿岸から北海道に侵入してくるんでないかというような印象を非常に受けて、国会の中というのはこういう論議をしているのかなと思って実はびっくりしたんです。  そういった中で、何年前でしょうか、統幕議長に矢田さんという方がいらっしゃいましたですね。たしか四、五年くらい前だったと思うのですけれども、東京で財界人を集めて講演されたんだそうですが、その中でこういうことをおっしゃっているということを何かの本で読んだんです。それは、日本が何にもしないときにソ連は攻めてくることはないのだ、ソ連が日本を攻めてくるときは米ソが激突した場合そのあおりを受けて攻めてくるであろう、こういうふうにおっしゃったそうですね。私は非常に驚いたわけです、統幕議長がそういうふうにおっしゃっているということは。私も全くそのとおりだと思いますので、そういうことをお考えになっている防衛庁の幹部がいらっしゃるんだなと思ったんです。それと同じようにアメリカの元太平洋軍司令官ガイラーさんというのですか、この方は、北海道に対する水陸両用の強襲攻撃の脅威はないに等しいのだ、こんなふうにもおっしゃっているわけです。私は、どうも日本が何ら軍事行動を起こさないというときにソ連が果たして日本を攻めてくるというふうに、そういうソ連脅威論ということをまともに考えていらっしゃるのかなと思っているんですけれども、そういう点についていかがでしょうか。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 第一点は、世界の軍事構造についての理解にかかわるかと思います。世界で現在、金額はちょっと記憶しておりませんが、およそ六〇%の軍事力を米ソで年々支出しております。軍事力は二十年ぐらいの耐用命数があるわけでございますから、その蓄積量の差というのは巨大なものでございます。この両国は民主自由主義と共産主義ということで、これは基本的に対立し抗争していると私ども理解しているわけであります。我が国はそういう中で国防の基本方針に防衛の基本的な考え方を示しておりますが、民主主義を基調とする我が国の独立と平和を守るということでございます。その方針のもとに内政諸施策をいろいろ進めるということは当然でありますが、国力、国情に応じて自衛のため必要な限度において効率的な防衛力を漸進的に整備するという方針が示されております。この効率的な防衛力の漸進的な整備の目標を明らかにしておりますのが防衛計画の大綱でございます。  この防衛計画の大綱は特定の国を敵視するというような考え方に立つものではございませんで、現実に我が国周辺にかなり大きな軍事力が存在し、かつ行動しているという事実を踏まえております。放置する場合にどうなるかということで言いますと、我が国の軍事力がほとんどなかった時代において、我が国領空を航空機なりが自由に飛び交った時代もあるわけでありまして、そのような主権が侵されることのないような軍事的な警戒体制をとり得るということを一つの目標にしております。その他幾つかの考え方というのが示されておりますが、その考え方は限定的かつ小規模な侵略に対しては独力で対応し得るような防衛力を平素から備えておくことによって、軍事的な侮りを受けることなく侵略を未然に防止し、あるいは主権を侵されるようなことのない状態というものを保ち続けることができると考えているわけであります。もちろん、これは日米安全保障条約を前提としての話でありますけれども、そういうことで防衛計画の大綱というものは、特定の国がどういう侵略をするからというような考え方に立つものではありませんで、今の世界の状況の中で必要最小限の自衛力というものの整備を目標にしているわけであります。  これを可能にしておる条件といいますのは、世界を二分しております他方の、我が国と政治、経済あるいは社会制度を同じくします米国との安全保障条約でつながっているということで理解しております。それは、我が国の防衛力は小さいけれども、これに手をかけるといいますか我が国を侵略するときには、安全保障条約のきずなによって巨大な米国の力を引き出すことができるという状態が維持されることによって、我が国に対する侵略がそもそも防止できるという考え方に立つものでございます。そういう意味で、先ほどいろいろのお名前を挙げての御指摘がございました。そのような御議論が戦後ずっと続いているように理解しております。  しかし、これとは逆の考え方もあるわけでありまして、もし日本に防衛力がない状態があったとしたならば、侵略が起こらないというようなことは言えないという考え方は十分成り立つわけでありまして、私どもはむしろそちらの方をとっているということでございます。防衛庁のかつての高官が、日本が何もしないときに攻めてくることはないというようなことをどういう文脈でおっしゃったかわかりませんけれども、これは適切な規模の防衛力を持っている状態が前提になっての御議論であろうと思います。その適切な規模の防衛力とともに、日米安全保障条約がやはり有効に機能していることも、あわせて恐らくどこかで指摘になっているはずだと私は理解いたします。  それから、米国の中に北海道に対して強襲するようなことはないというような御議論をする方のおられますことも承知しておりますけれども、これは逆の見方をする方もおられるわけでございます。それは、日本のこの地域における防衛力が弱かった場合には極めて魅力ある地域だという指摘をすることによってなされております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今、審議官が最後の方で、日本が仮に防衛力を持っていない場合には侵略されるという前提に立っている、そういう考え方があるということをおっしゃったんですけれども、具体的にどういうことが考えられますか。過去にそういうことというのは考えられますでしょうか。その辺が私よくわからないのです。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 具体的にどういう侵略があるかということは、詰めていきますると千差万別という言葉が当たるほどにいろいろ考えられると思います。しかし、我が国周辺について見ますとかなり大きな軍事力が展開されているわけでありまして、これを大まかに分類いたしますと、潜水艦も含みますけれども、艦艇、航空機による海上補給路に対する攻撃というものが一つは類型的に考えられます。それから爆撃機による我が国の重要施設などに対する攻撃も考えられます。  それから、我が国は地理的に北の宗谷海峡、津軽海峡あるいは対馬海峡という重要な海峡にかかわっておりますけれども、これらの海峡の自由通航を確保するということが重要性を持つ戦略体制といいますか、軍事構造にあることを考えますと、自由通航の確保をねらいとした地上攻撃というものも考えられないわけではありません。もちろん、陸、海、空の複合した侵略というものも十分考えられるわけであります。  これらをいずれということではなく、効率的に防衛しようという考え方に立ちますと、我が国と政治経済体制などを同じくする米国と手を結ぶということを一つの柱にし、みずからも適切な規模の防衛力を整備する、またいざという場合に我が国に米軍が来援をする基盤をつくっておくというようなことによって、安全と平和が維持されていくというふうに考えているわけでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 この問題でもうちょっとお尋ねしたいのですけれども、日本の周辺にいろいろな軍事力が存在する、艦艇がある、あるいは航空機がある、そういうことが日本として脅威だということなんですか。ということが即日本に対する侵略という可能性があるんだと、防衛庁の方としてはそういうふうにお考えになっているわけでしょうか。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 能力が存在するから即我が国に対して侵略をする意図を持っているという考え方に立つものではありません。一般的に防衛力整備を考えます場合には、能力と意図とに分けて考えることができると思っておりますが、侵略が現実に発生するのは能力と意図とが結び合わさったときに生ずるものと理解しております。  意図といいますものは比較的容易に変化し得るものと理解しておりますが、能力は、例えば艦艇一隻を製造するだけで数カ年の期間を要しますし、これを戦闘できる状態の艦艇群などにしますには恐らく十数年という期間を必要とするわけであります。また、このような軍事力というものは外から比較的容易に観察することができるという特性もございます用意図がどうあるかは別にいたしまして、存在する周辺の能力というものを念頭に置いて防衛力整備は行っているということであります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 よくわからないですね。その意図と能力が必要だということは、これはわかるんですが。  それではもう少し具体的にお尋ねします。特定の名前を挙げるのはどうかとおっしゃいますけれども、事実、防衛庁長官が、ソビエトが最も脅威であるということを国民に知らせることが自分の政治家としての任務だとおっしゃっているわけですから、あえてソ連ということでお聞きしたいのですけれども、それじゃソ連が日本に対して攻撃を加えるという場合はどういう場合なんですか、そのソビエトの意図ということを解釈した場合。例えば、今お話の中で三海峡の自由通航の確保という問題も挙げました。そんなことも含めながら、それではソビエトが日本を攻撃する意図というのはどういうことが想定できるのか。その点いかがでしょうか。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 我が国が地理的にアジアのこの地域にいるということからどうしても国名が挙がってくるわけでございますけれども、そういう国を敵性国家だというようなことで防衛力整備を行っているということではございません。では、どこの国が侵略をする可能性があるかということになりますと、能力の面に着目せざるを得ないということでありまして、意図が変わり得るということを前提にいたしますと、能力をしっかり見ておいて対策を立てることによって、そのような軍事力が我が国に現実に脅威になって降りかかってくるということを未然に防止できると考えているわけであります。  能力はあっても意図がないではないかという御指摘であろうかと思いますけれども、あるいは意図はどんなものが考えられるのかという御指摘であろうかと思いますが、これは先ほど申し上げました世界の軍事構造の中ではゼロだとは言えないというのが私どもの考え方でございます用意図がゼロであるということが証明できない限り変わり得るものであるという前提に立ては、能力に着目して適切な努力をすべきものと考えるところであります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 さっきお話しになった三海峡の自由通航権の問題ですけれども、米ソが激突した場合に、ソビエトの艦艇というのは当然太平洋に打って出るためには三海峡を通ります。そのときに、日本が日米安保条約に基づいて三海峡封鎖に協力を要請された場合、これは当然自衛隊としては協力をするわけですね。その点はどうなんでしょう。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 自衛隊が我が国の自衛権の行使として行動するかどうかということは、我が国に対して侵略があるかどうかというような自衛権発動の三要件が満たされるかどうかにかかわると思います。今御指摘の状況が必ずしもその点で明らかではありませんが、仮に我が国に対する侵略がない状態においていずれかの海峡なりあるいはすべての海峡なりについて防備をしろというようなことでありますれば、それは恐らく我が国としては受けることはないものと理解しております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 侵略があるかどうかということは非常に難しい判断ですね。直接日本の本土に対して攻撃を加えてきている場合にはこれは侵略というふうに考えられるでしょうけれども、しかしソビエトの艦艇が日本の海峡を通過する、その通過の意図というものが侵略に結びつくかつかないかというのは非常に判断が私は難しいと思うわけです。その辺はどういうふうに解釈したらいいのですか。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 自衛権発動の三要件について御説明することによってそれも御理解いただけるかと思いますが、自衛権の行使につきましては、第一に我が国に対する急迫かつ不正の侵略、これは武力攻撃の発生があることが一つであります。第二にこれを排除するために他に適当な手段がないこと、第三に必要最小限度の武力行使にとどめるべきことという三要件を備える必要があるということが、従来といいますか、政府が一貫してとってきているところでありまして、今、船が海峡を通るということだけでこの要件に合致するとはとても考えられないところであります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そうしますと、今の三つの要件というのは、日本の領土に何らかの形で攻撃がない場合にはこれは日本に対する侵略とはみなされないわけですね。ということは、もし三つの要件というものが、今言ったように直接本土に攻撃を加える場合以外のものはこれは直接の侵略にはならないということになると、本土に対する攻撃がない限りは日本の自衛隊というのは三海峡封鎖を要請されても出ることはあり得ないと解釈していいわけですか。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 本土といいますか、本土、領域も含む概念でございますし領空も含む概念でありますが、かつ我が国の艦艇などが計画的かつ組織的な武力攻撃を受ける場合についても、自衛権行使の要件の場合には考慮されると考えます。しかし、今おっしゃる海峡を通過するということだけでは明らかに我が国に対する侵略と認めることはできないであろうと思われますが、そのような理解に立ちますれば、我が国が防衛行動に出るということは、私の理解では考えられません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 もう一つ、日本の自衛隊が三海峡封鎖に仮を手をかさなくとも、日本を基地とする米軍が何らかの形で三海峡封鎖に発進するというのですか、日本を基地として三海峡封鎖を行うということはあり得るわけですね。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 在日米軍は、極東の平和と安全のために我が国の基地、施設を使用する権限は持っておりますが、我が国の基地から戦闘行動に出るに際しては事前協議の対象になっております。したがって、そのような場合についてはしかるべきルートを通じて我が国に対し協議があるものと考えます。その場合に、我が国が侵略されていないにもかかわらず、三海峡であれその他の我が国の領域であれ、何らかの戦闘行動をするということについてイエスと答えるというのは非常に考えにくいように理解いたします。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 後で質問しようと思ったんですけれども、たまたま事前協議のお話が出ましたのでちょっとお聞きするんですけれども、その事前協議というのは拒否権はあるんですか。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 拒否権という言葉は正確でないかと思いますけれども、日本政府の意図に反して行動しないということをアメリカは誓約しております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 それで、事前協議の問題についてもうちょっとお尋ねしたいのですけれども、例えば、核の持ち込みは事前協議事項だから事前協議がない以上心配ないというふうに政府は言ってきたわけですね。ところが、一九六〇年に秘密合意があることが判明したというふうに伝えられていますね、新安保条約締結のころですけれども。それは一九六六年の二月二十四日に、当時のラスク米国務長官がライシャワー駐日大使あてに極秘電報を打って、それが明らかになっているわけです。その中で日米間で核兵器を持ち込める秘密取り決めをしていたというように言われているわけです。  それからもう一つは、ベトナム戦争のときに沖縄が米軍の重要根拠地になったけれども、そのときにも事前協議というのはなかったわけです。そういうことを考えますと、本当に事前協議というものが行われるんだろうかどうなのかちょっと疑問を持つわけですけれども、その事前協議の範囲というのは一体どういうことなんでしょうか。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 二点全く別の問題だと思いますけれども、第一の問題でございますが、今御指摘の秘密合意なるものは存在いたしません。それはアメリカのラスク国務長官から在日の大使館にあてた電報のことかと思いますけれども、これにつきましては、米政府がこの電報で言っておりますことは全く不正確であるということを述べております。  それから、核の持ち込みにつきましては、これが事前協議の対象になるということは岸・ハーター交換公文、藤山・マッカーサー口頭了解から極めて明瞭でございまして、この点について日米間で意見の相違はないと思います。アメリカがいかなる形であれ日本に核を持ち込む場合には事前協議を行う必要がございますし、その場合には、日本政府は必ずノーと言うということを宣明しておりますし、その場合に、アメリカ政府は日本の意図に反して行動しないということでございます。  それから、ベトナム云々につきましては、これは岸・ハーター交換公文におきまして事前協議というのは三つの場合を想定しておるわけでございます。  一つは合衆国軍隊の日本への配置における重要な変更、それから第二は同軍隊の装備における重要な変更、ちなみに、この装備における重要な変更に関連いたしまして、先ほども触れました藤山・マッカーサー口頭了解、核について述べておるわけでございますけれども、さらに日本国から行われる戦闘作戦行動というのが第三番目でございます。この日本国が行う戦闘作戦行動と申しますのは、先ほど宝珠山審議官が触れましたように、日本国から直ちに戦場に行くことであるということでございますので、仮定の問題でございますけれども、日本の海峡などで戦闘が行われまして、在日米軍が日本の基地から直ちに発進するという場合はこの戦闘作戦行動に該当するやに思われますが、日本国から直ちに戦闘に臨むわけではなくて、軍隊の特性としてどこかに移動いたしまして、そこから戦場に臨むというような場合には戦闘作戦行動に該当しないということが長年のこの事前協議における定義でございます。したがいまして、ベトナム戦争の場合に、日本国から直ちに戦場に飛んでいったということではございませんので、ベトナム戦争の場合に事前協議が行われなかったということでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ちょっと先に進みますけれども、それでは日本にこの事前協議に対する発議権というのはあるんでしょうか。何か一説によりますと、アメリカ政府の申し入れによってのみ行われるものであって、日本にはそういうものはないのだというふうにもおっしゃる方もいらっしゃる。その点どうなんでしょう。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 事前協議と申しますのは、在日米軍が日本の領域内におきまして本来自由に行動できる、その自由を一定の範囲に限るという制約でございまして、この制約はアメリカ政府に与えられた義務でございます。したがいまして、アメリカ政府がこの義務を遂行するために日本国に対して、今の三つの場合につきまして事前協議の要請をしてくるべき筋合いでございまして、日本政府からこれを事前協議という形でアメリカ政府に要請するということは、そのアメリカ政府の義務違反をあたかも前提として行動するということに等しいわけでございます。このように一番基本的な日米の間に存在します安全保障にかかわる条約におきましてアメリカの義務違反をあたかも前提として日本政府が行動するということは、この条約の最も大切な信頼関係に基本的な影響を与えるということでございまして、この点は従来からも国会で種々議論のあったところでございますけれども、政府は一貫して事前協議はアメリカの義務であり、それはアメリカが遂行すべきものであるというふうに解釈し、そのように国会で述べてきておるところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そうしますと、当時、安倍外務大臣、一九八五年の四月十七日に衆議院の外務委員会で、日本に発議権は条約上の権利として位置づけられていない、これが政府としての統一見解というふうに解釈していいわけですね。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 政府としては、ただいま申し述べましたように、条約上日本政府が発議をすべきものじゃないという見解をとっております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 わかりました。  その次にお聞きしたいのは、日米安保条約と非核三原則との関係なんですけれども、一九八五年十一月六日の参議院の予算委員会で、これは田英夫さんが質問をしているんですね。どういう質問をしているかというと、「日米安保条約と非核三原則というこの対比の中で言うと、日本政府のやり方は日米安保条約の側に重みがかかり過ぎているんじゃないだろうか、こういう気がしてなりません。」、こういう質問に対して中曽根総理が、「私はやはり日米安保条約というものが一つの基本である、その運用の一つのやり方というものに非核三原則というものがあるんだと、そういうふうに考えております。」と、こうお答えしているんですけれども、これから考えますと、日米安保条約というものが主であって非核三原則は従であるという解釈に、これを読みますとそういうふうに私は思うわけです。それなら非核三原則は、日米安保体制上、核の持ち込みが必要だと、必要ならば変更してもいいんだ、そういうふうに解釈してもよろしいのでしょうか。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 今の質疑の点は私も正確に記憶していないわけで恐縮でございますけれども、私の記憶で、もし間違っておれば恐縮でございますが、申し上げさせていただきますと、たしか中曽根総理は、その御発言だったかと思いますけれども、についてさらに国会で追及がございまして、たしか私の記憶では、中曽根総理は、非核三原則は日本の国是であるということで、自分の意図しておるところは、非核三原則が安保条約の従にあるということではない、そういうつもりで言ったんではないという趣旨のことをおっしゃったやに記憶しております。ちょっと私の記憶でまことに申しわけございませんが、いずれにしましても非核三原則は日本の国是としてこれを貫いていくということは、さらに日米安全保障条約と矛盾しないということにつきましては政府が一貫して国会等で答弁もし、明らかにしておるところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ということは、こういうふうに確認してよろしいわけですか。日米安保体制上、核の持ち込みはどうしても必要なんだということがあったとしても、日本には非核三原則がある。それを中心に考えて、一切そういうことは行わせないというように解釈していいわけですね。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 政府は累次国会で明確に述べておりますように、米軍が核を日本に持ち込みます場合には事前協議がある。事前協議がない以上、核は持ち込まれていないし、非核三原則は日本が堅持しておるということでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 最後に日米安保体制と集団自衛権の問題でちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、千海里シーレーン防衛について、一九九〇年度までに日本が完遂するかどうか監視する法案というものがアメリカの議会で可決されたというように聞いているわけですけれども、それではアメリカが有事であって日本が平時でも、日本の自衛隊は日本の国土の領外でアメリカの艦隊を護衛するという責任が出てくるんではないかと思うのです、こういうアメリカの考え方からいきますと。こういう集団自衛権というのは憲法の解釈からいってどうなんでしょうか。私は憲法違反になるんじゃないかなと思うのですけれども。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) ちょっと申しわけございません、最初の部分が、アメリカの決議というのは、完遂というふうに承りましたが……。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 アメリカの議会で可決をされたというふうに聞いているんですが。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) どういう趣旨の、失礼ですが。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 一九九〇年までに日本が千海里のシーレーンを防衛する体制をつくるべきであると。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) そのような趣旨の法案などが出ておることは存じておりますけれども、アメリカの議会でそのような決議案ないし法律が成立したということは事実として存在いたしません。しかしいずれにいたしましても、物の考え方といたしまして、集団的自衛権と安保条約の関係については、一般論で申し上げますれば、憲法の解釈といたしまして、我が国は集団的自衛権を行使することはできない、その解釈にのっとりまして日米安保条約ができておるわけでございます。したがいまして、先ほど冒頭に私が述べましたように、日米安保条約第五条におきまして、我が国の施政権下における攻撃に対して米軍は日本を守る義務が生じるわけでございますけれども、アメリカに対する攻撃あるいは米軍に対する攻撃に対して日本が安保条約上これを守るという義務は全くないということでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そういうことから申しますと、先ほどもちょっと出ておりましたペルシャ湾の防衛問題について、確かに日本の船舶も航行しているわけですけれども、極めて集団防衛態勢に関係してきはしないかという心配も出てくるんですけれども、その辺の解釈は防衛庁はどういうふうにされていらっしゃるんでしょうか。あるいは外務省でも結構ですが。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 先ほどペルシャ湾の関係で、自衛力をペルシャ湾に派遣するというようなことは申し上げたつもりはございませんが、もしそういうことにとられておりますれば、後ほど修正させていただきたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 質問の方で出たんです。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) もしそういう仮定といたしまして、どのような防衛力を派遣するかということにかかわると思いますが、例えば先ほどもございましたように、イギリス、フランスなど掃海艇などを派遣しているわけでございますけれども、そういうものを派遣することが憲法上できるのかどうかという御質問になろうかと思います。一般的に我が国が自衛権を行使できる地理的範囲というのは、公海部分であれば可能であるというのが憲法の解釈でございます。  では、ペルシャ湾の公海部分に自由に行けるかと、それは憲法に反するものではないかということかと思いますけれども、実際には具体的な状況というものをまだ私ども詳細に詰めておりませんので、反するのかどうかというのはここで申し上げるのは御勘弁願いたいと思います。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 まず、外務省の北米局長に質問をいたします。大体防衛庁も外務省もここに説明されたことに沿って質問をしたいと思います。  まず第一に、今の説明を聞いておりましても、日米安保条約についての解釈なり運用というものが、私は岸安保のごろからその状況をフォローしておる一人ですけれども、非常に変わってきているという印象を持つわけです。  第一に安保条約には、先ほど北米局長もちょっと触れられましたように、単に軍事的ないわゆる同盟関係といいますか、協力関係というもののほかに、政治的、経済的協力関係の条項があるわけです。当時は岸総理も、経済的協力関係というものを非常に強調いたしまして、具体的に言えば第二条ですね、それから前文にも書いてありますが、それがあるから単にこれは日米間の軍事的同盟関係だけではないのだということを強調されたわけです。ところが、今の状況を見ておりますと、この第二条の後半にあります「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。」という条項は完全に死文化しているというか、とんざしてしまっているという感じがするわけです。つまり、先ほどの説明にもありましたように、それは具体的には経済摩擦ということで、アメリカが経済的敵対国という言葉を使って、アメリカの議会が日本を批判するという状況にまでなっておる。  それで、北米局長の説明にもありましたように、軍事的関係だけは良好だということは、つまり経済的関係の部分はもう全然うまくいっていなくて、軍事的同盟関係といいますか、それだけが健全に機能しているということだと思うので、そういう意味では安保条約というものの軍事色というものがますます強くなってきているということだと理解できるわけですけれども、そういうことは果たして健全なのかどうか。また、それを是正する努力を日本政府としてはすべきではないか。極端に言えば、今のアメリカ議会などの日本たたき、ジャパンバッシングというものは、この条項から見て第二条違反ではないかとさえ思うわけですけれども、その点についてのまず見解をお伺いしたい。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 第二条は確かにそういう条項がございまして、この安保条約というものはいわゆる狭義の軍事条約と申しますか、安保条約は日米間のやはり根底にある一つの基本的な条約であるというふうに我々は考えておる次第でございます。  先ほど御指摘になりました敵対国云々でございますけれども、英語で言うアドバーサリアルトレードという表現を上院の包括貿易法案の中に入れるという案がございました。日本語では我々は阻害貿易と約しておりましたけれども、これが結局は上院で外されまして、その言葉は削除されたわけでございます。そういうときにも日本という同盟国、友好国に対してそういう言葉を使うのは適当じゃないじゃないかという議論がアメリカの上院で大勢を制したということでございまして、やはりいろいろ経済の分野では、日本に対するいわゆるジャパンバッシングといいますか、日本に対する非難という声が大きく聞こえてまいりますけれども、基本的には米国の議会を含めて米国の一般の皆様はもちろんのこと、日本に対して非常に親近の情を持っておる。それから日本が同盟国であるということを大前提にむしろ最近では、日本は本当に同盟国がというような時々論評があらわれておりますけれども、そういう日本がアメリカにとって極めて近い同盟国であるという意識は根底にあるわけでございます。そういうわけで日米安全保障条約が軍事面だけが走っておるということは必ずしも言えないのではないかと思います。  なお、一言つけ加えさしていただきますれば、現在の日米経済関係が全く悪いということでは必ずしもございませんで、いろいろな問題が議会等で起きているということでございます。しかし、その議会も日本に対して非常に親近感を基本的には持っているということが一つと、冒頭にも陳述申し上げましたように、アメリカ政府は日本政府と一緒に保護貿易主義に問題が走らないようにということに努力しておるわけでございますし、さらにもっと根底にこの経済摩擦の根城を見ますれば、日米間で経済的な関係が非常に密接の度を加えておるというその現実から派生してきておるわけでございまして、必ずしも経済問題は非常に悪いけれども、防衛だけはいいというような話ではないのではないかというふうに思う次第でございます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 そうすると、日本としてはこれ以上何も別に努力をしなくてもいいということになりますか。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) まさにいわゆる日米経済摩擦というコンテキストにおきまして、日米両政府、それから議会人まじりましていろいろな各層が努力をしておりますことは、ここの二条の後段にありますような、先ほど先生御指摘のように両国間の食い違いを除くことに努めるということ、まさに関西空港であるとか、次はココムの問題、いろいろそういう問題につきまして食い違いを除くことに努めておるということではないかと存じます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 次に、先ほどの局長の説明にもありましたように、アメリカの特に議会が経済と軍事のリンケージをやってきているということをお述べになりましたけれども、まさにそのとおりだと思うのです。しかし、アメリカの政府はそのリンケージはいけないということでずっと進むように努力をしているという御説明もありました。しかし必ずしもそうではないのではないか、アメリカ政府も議会のそういう空気を背景としてだんだんリンケージの考え方になってきているんではないか。  その一例として、例えばFSXの問題を考えてみました場合に、まさにリンケージ作戦の一つの典型ではないかというふうに思う。つまりワインバーガー国防長官でさえ口ではリンケージはしないということを言いながら、実際には、つまり東芝事件以来非常にアメリカの議会の空気が悪いから、このFSXの問題についても非常に困難な情勢になっておるというふうなことを言っておりますし、それで端的に言えばアメリカの兵器を買え、あるいはまたアメリカの兵器を中心とする共同開発、共同生産ということを実質的には要求をしているという形になってあらわれておる。これはまさに私はリンケージだというふうに思うわけなんだけれども、その辺はどういうふうに判断をされておるか、防衛庁の見解もあわせてお聞きしたいと思います。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 先ほど冒頭で、アメリカの議会の一部には防衛と貿易問題をリンクさせようという動きがある、これは憂慮すべきことであるというふうに申し上げましたけれども、私はそういうふうに思うわけでございますが、アメリカ議会の大勢に至っているというふうには必ずしも存じておりません。政府につきましては先ほど委員御指摘のように、必ずしもそういう態度は今とっていないということでございます。  FSXについて申し上げますれば、総理が訪米なさいましたときもその後もいわゆる栗原三原則ということでございまして、第一にFSXは防衛の目的で選定するということ、第二に当然のことでございますが、日米のインターオペラビリティーを考えるということ、第三に日米両国の産業のインタレストに拘泥しないということ、この三つの原則を中曽根総理は米政府に対しても申し述べましたし、さらにナショナルプレスクラブあるいは議会においての質問で明らかにしておるわけでございます。その後も日本政府はその態度をもちましてアメリカと話をしてきております。したがいましてその原則から明瞭なように両方の産業の考慮ではなしに、すなわち貿易の考慮ではなしに防衛の考慮でこれを選んでいくという立場を堅持しているというふうに存じます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 防衛庁の見解は。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 同じでございますけれども、加藤防衛庁長官の時代あるいは栗原防衛庁長官の時代にもワインバーガー長官との会談がございますが、その際以来一貫しておりますことは、FSXの問題は日本が自主的に決定すべきものであるということ、貿易の問題とは別のものであるということを強調しているところでございまして、先ほど藤井局長が言われました三原則、これは私ども栗原三原則と呼んでおりますけれども、この三原則についてワインバーガー長官自身が異存がない、同意できるものだというような評価をしておるわけでございまして、今私どもも純粋に防衛上の観点からたくさんの選択肢について鋭意検討を進めているところでございます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 安保条約の解釈が非常に変わってきたという印象を持つ次のポイントは、いわゆる極東の範囲という問題について、これは条約の国会審議のときには随分問題になったことなんですけれども、いわゆる適用範囲です。そのときの答弁では、「大体においてフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び中華民国の支配下にある地域もこれに含まれる」というのが岸総理の答弁であったわけです。  ところが、最近の政府の見解を聞いておると、まず極東の範囲そのものがどんどん私は実質的には広がっていっているんではないかということと、もう一つは、極東の範囲が仮にこの岸答弁に近いようなものと解釈しても、米軍の行動は必ずしも極東の範囲に限定されないということによって、事実上米軍の行動の範囲をどんどん広げていっている。先ほどの北米局長の答弁によってもペルシャ湾の情勢についての関連で、ペルシャ湾に出動するという米産船が仮に日本の基地を使っても、それが要するに極東の平和と安全に関係があるということであればそれは許されるし、日本はまた施設提供だけでなく、便宜供与してもいいのだという趣旨のお話がありました。そうなるともうこの極東の範囲、いわゆるこの条約範囲というものは全く実質的には意味がなくなるという感じがするわけなんですけれども、どこに歯どめが置かれるのか、それが一つ。  もう一つは、ペルシャ湾の問題について今のお話ですと、基地の提供、便宜供与ということだけなのか、あるいは自衛隊がペルシャ湾情勢に行動するということはないというお話でございましたけれども、例えば経済的な何らかの負担をする、米議会で最近言っている安保料を払えとか、そういう考え方に沿って何らかの経済的なコストを負担するということは考え方としては可能なのかどうか、その辺もあわせてお聞きしたいと思います。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) まず第一の極東の範囲でございますが、極東の範囲についての政府の立場はただいま委員御指摘のとおりでございまして、その考え方に変更があるわけではございません。  それから第二の御指摘の、極東の範囲は範囲として日本の施設・区域が非常に広範な目的のために使用されるのではないかという御指摘、これは国会で特にベトナム戦争のとき以降非常によく出てきておるわけでございます。いろいろ議論がなされているところでございますが、政府が一貫して言ってきておりますことは、先ほども私、永野委員の御質問に対してお答えしたとおりでございまして、やはり安保条約の施設・区域を日本が提供いたします目的は、六条に明記されておりますように、我が国はもちろんでございますが、さらに極東の平和と安全の維持に資するということでございますので、その実態が存在することが我が国の施設・区域を、特定の艦船、航空機等でございますが、米軍が利用する大前提でございます。他方、そういう実態が存在いたしますれば、艦船、航空機等軍隊の特性からいいまして、我が国あるいは極東のみをその行動の範囲として縛りつけるということは不可能でございます。したがいまして、極東の範囲を超えて行動をすることは可能であるということを政府は一貫して言ってきておるわけでございます。  先ほど便宜供与云々というお話がございましたけれども、日本政府が施設・区域等を通じまして、例えばペルシャ湾あるいはそれ以遠というようなところでの米軍の活動に直接の便宜供与を与えるということは、必ずしも安保条約が想定しているところではないというのが先ほど私が永野委員の御質問に答えたゆえんでございまして、あくまで極東の平和と安全の維持という目的に沿ってその実態を持っておれば、他方、行動の範囲はそれよりも広がっても構わないのだということでございます。  それから第二点でございますけれども、我が国はペルシャ湾におきまして、もしイラン・イラク戦争が終息いたしますれば、その後にその復興援助などを行うことが考えられるということを表明しておりますし、国連等で何らかのスキームができれば、それに対して応分の資金的な寄与をすることが考えられる、それを検討してもいいということを日本政府は述べておるわけでございます。それが現在の日本政府の立場でございます。さらに一般的な理論的な問題といたしまして、先生の御質問がそこを包含しているのかどうか、ちょっと私も確かではございませんけれども、理論的に言って日本政府がアメリカの例えば軍事行動というようなものに対して直接的なと申しますか、金銭的な何か寄与ができるのか、そういう御質問であろうかと思いますけれども、それは過去において国会で答弁がございます。  それは理論的には我が国の憲法上その他の立場から申して可能である。すなわち、先ほど問題になりました集団的自衛権ということが日本の理論的な制約でございますが、集団的自衛権というものは実力の行使であって、実力の行使に至らない金銭的な寄与ということは理論的に可能であるという答弁がございます。ただ、その答弁でも明確に申し述べておるとおり、理論的に可能であるということと、それから政策的にそういうことをやるかどうかというのは全く別の問題であると申しておりますけれども、その点も私も改めてまた申し述べておきたいと思います。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 次に、防衛庁にお聞きしたいのですけれども、先ほどから日米共同研究のテーマとしてインターオペラビリティーの問題が出ておりました。一体このインターオペラビリティーというのはどういうことなんですか。つまり、先ほど永野委員の質問にもございましたけれども、アメリカと同じ兵器を使わなきゃいかぬということなのか、あるいは兵器だけではなくてどの程度の範囲のことをインターオペラビリティーと言うのか。その辺の概念が難しい横文字で盛んに言われるから国民はよくわからないだろうと思うのですけれども、どういうふうに定義されておるんですか。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) インターオペラビリティーというのを私ども相互運用性と日本語では訳しておりますけれども、これについて確立された定義があるというわけではございません。しかし一般的には戦術、装備、後方支援などに関しまして共通性、それから両立性を確保するということで日米間では相互に理解しているところであります。  若干具体的に申し上げますと、戦術面ということでは作戦に関する協議あるいは手順などの共通性ということがございます。それから装備品などに関する共通性あるいは互換性というものも含まれます。それから補給関係で言いますと、これらの基準あるいは手続などの共通性、互換性というものがあります。その他では通信あるいは情報面でも共通性、互換性ということを確保するということでありますが、このような共通性、互換性を確保するということが日米安保条約の、あるいはそれらに基づく取り決めの効果的な運用に寄与するということで両国ともこれを促進したいと考えているわけであります。  今申し上げたようなことで明らかではないかと思いますが、御指摘の装備品などに関する共通性、互換性ということは同じものを意味するのかといえば、必ずしもそのようなものとは理解しておりません。それはむしろ共通性、互換性というよりも同一性ということで表現されるべきであろうと思います。あえて共通性、互換性ということは同一でないものについての共通性、互換性ということで私どもは理解しております。  これらを研究するに当たりまして、同じものでなければインターオペラビリティーが保てないということでありますと、向こうのものを買うよりほかなくなるわけでございますし、防衛力整備で何かを選ぶ場合にも米国のものを買ってこなければならないということを認めるようなことにもなりかねませんので、そのような理解ではなくて、自主的に選んで持つことを決定している我が国の装備などにつきまして共通性、互換性を持たせるにはどうするのがいいのかということをおのおのについてよく知っている専門家がおのおのの分野で研究をしているという状況であります。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 もう時間が来ましたから、最後に米軍基地の問題、先ほどから安保ただ乗り論の話も出ておりました。それから安保科を払えなんという話も米議会の間にあるということですけれども、私は日米安保条約というものは、先ほども北米局長の御説明のように、米側は要するに日本に対する防衛責任を持っている、それのバランスをとるためにつまり基地を提供している、こういう形によって特殊な形ではあるけれども、相互性といいますか、バランスがとれているというふうに思うわけで、特に日本の基地を米軍が自由に使えるということは大変なメリットだというふうに思うのです。最近は特に東京圏の首都の周辺に横須賀のようなあるいは厚木のような広大な基地を持っておる、しかもそこにはいろいろな問題も起こっているという状況なので、土地の値上がりというような状況から見て、この基地を仮に日本のあれで計算した場合に一体どれくらいの価値なのかということを一回施設庁あたりで計算してみたらどうかと思うのです。そういう発想に基づいて、いかに日米安保体制というものがアメリカにとってもメリットがあるんだということをデータを示してもっと積極的に言うべきではないかというふうに思うのですけれども、その点はいかがでございますか。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 我が国の提供している施設・区域というものは確かにアメリカにとって大きな意味を持っていると思います。ただ、それは同時に、我が国の防衛そのものにとっても先ほど来るる御説明申し上げておりますように、安保条約と我が国の自衛力の二つで我が国の防衛が成り立っておるということでございますので、大変に意味を持っているわけでございまして、施設・区域というものは我が国がアメリカに与えている恩恵というわけでは必ずしもないのではないかと思います。しかしそうは言いましても、委員御指摘のように、日本の基地を維持していくということのいろいろな意味のコストが非常に高くなってきているという側面はございます。そのような側面についてはできるだけアメリカの人々に知らせるようには努力しております。しかしながら、やはり何といいましても我が国自身も基地を維持していくということが、コストはいろいろ高くかかる面があるけれども、それは我が国の防衛にとっても大事である、日米関係という意味では必ずしもございませんでも、我が国にとって大事なんであるという認識がやはり基本的には必要なんではないかというふうに考えます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 外務省、防衛庁から詳しい説明を聞きましたけれども、山口委員らからも述べられましたけれども、私は日米安保条約についての評価の点では意見を異にするということだけ最初に述べておきたいと思います。  その上でですけれども、安全保障問題を考える場合に重要な問題の一つは、今日の情勢を大局的にどう認識するかということがあると思います。その点で今日の世界はやっぱり核兵器の大幅削減、さらには核兵器を全面的になくそうという方に向かっている、それが世界の大勢ではないかと私は思っています。そういう点で我々が安全保障政策を考える場合にも、そういう世界の大勢をどう促進するかということが最大の問題ではないかと思いますけれども、その方策は別として、世界のそういう大局的な認識についてどういうふうにお考えになっているかという点を外務省にまずお伺いします。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) 今、委員御指摘のように、現在のところ戦後初めて、核兵器が現実に削減されるかどうかという真剣な交渉が行われておるわけでございます。その意味は大変に大きいと思います。しかしながら、それは米ソ間の軍事的なあるいは安全保障面での確執が終わるということではなしに、レーガン大統領が最近も指摘しておりますように、これはアメリカが財政赤字を抱えながら着実に防衛力を増強してきたその成果であるということを言っております。アメリカの抑止と同時に交渉を行うということ、それからソ連の側におきましてもそれなりのいろいろ考慮があったかと思いますけれども、そういうことが基本にある。すなわちお互いの米ソそれぞれの軍事力というものが厳として存在しておる、その中で今の喜ぶべき現象でございますけれども、核兵器の削減ということが一部についてではございますけれども、行われるかもしれないという状況に立っているというふうに判断いたします。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 これまでの議論でもソ連の脅威論が相当論議になりました。私は、その点でも外務省、防衛庁の認識は変えるべきだと思います。というのは、ブレジネフ時代と違ってゴルバチョフのもとでのソ連は非常に大きな変化がある。その変化を全く見ないでソ連の脅威論だということではやっぱり現状に合った安全保障政策というものは成り立たないと思います。これは質問じゃなくて私の意見だけ時間の関係で述べておきたいと思います。  その上で、来年はそういう世界が軍縮の方向に向かう上で第三回国連軍縮特別総会が開かれるという年で、私はこの国連軍縮特別総会自身を政府あるいは外務省は歓迎されるかどうかということとあわせてお伺いしたいのですけれども、第一回国連軍縮特別総会の最終文書、この中の十三項です。「永続する国際の平和と安全は、軍事同盟による兵器の蓄積の上に築き得るものではなく、また、不安定な抑止力の均衡又は戦略的優越の教義によって支えられるものでもない。」、こういうふうに、これは日本も賛成したはずですけれども、うたっている。私は今の世界の中でこういう方向、これまでの議論でも抑止力論ということが盛んに唱えられました。しかしそうではなく、あといろいろ書かれていますけれども、やはりそういう認識に立った核兵器をなくす、あるいは軍縮への努力ということこそが必要ではないかというふうに思います。外務省、この第一回国連軍縮総会の十三項、今読み上げたところについての見解とあわせて意見を聞きたいと思います。

宮本雄二外務省国際連合局軍縮課長

○説明員(宮本雄二君) お答えいたします。  まず最初に、第三回軍縮特総でございますが、ことしの春開かれました第一回準備会合におきまして来年の開催というのがさらに確認されております。政府としましても第三回軍縮特総の開催に向けてこの積極的意義に着目して鋭意準備を進めでおるという状況でございます。  御指摘の第一回軍縮特総で採択されました最終文書でございますが、これは経緯から申し上げますと、特に安全保障の基本認識につきまして東側、西側それから非同盟それぞれのよって立つところが異なっておりまして、こういう違いをいかにして調整するかということで最後の最後まで最終文書の採択自体実は危ぶまれたものでございます。最終的にいろいろ努力をして最終文書をつくらなけりゃいけないということででき上がったものでございます。したがいまして、一つの考え方で首尾一貫しているということではなくて、実はいろいろな考え方がこの中に入ってきておるのが最終文書ということでございます。  ちなみに御指摘の第十三項につきましては、これも国連の中でよくあることでございますけれども、一つの言葉を言うにしても若干形容詞をつけてみたり、順序を変えてみたり、そういうふうにいたしましてお互いの立場が妥協できるものならば妥協するということで、ここで「不安定な」という形容詞がついておるがためにNATO諸国も含めた西側の大部分の国がこのコンセンサス、手続の採択に入ったということでございまして、恐らく我が国も含めまして、我が国はそうでございますけれども、それ以外の国も含めまして、このところによって従来のそれぞれの国の基本的な立場ないし考え方が害されるものではないという判断のもとにこの採択に参加したというふうに理解しております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そういう説明ですけれども、そもそも軍事ブロックの対抗というものが第一次世界大戦、第二次世界大戦のやはり重要な要因になった。したがって、戦後の世界では軍事ブロックの対抗そのものを本来は否定しているというのが世界政治の流れだと私は思います。そういう点で、国連軍縮総会の最終文書でもそういうふうに言っていることは非常に重要だと思います。特に最近、非同盟諸国のみならず、ワルシャワ条約機構でもNATOとワルシャワ条約機構の相互解消というふうなことをうたっている。そういうときだけに、我々はどういう意図で加わったかは別として、日本も含めて西側も加わった最終文書がそういうふうにうたっている方向、これがそこへ至る過程をどのように目指すかという点についての、それは恐らく私と外務省との間に大きい意見の食い違いはあると思いますけれども、しかし目指すべき目標としては、そういうものはやっぱり我々は認めてかかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

宮本雄二外務省国際連合局軍縮課長

○説明員(宮本雄二君) 国際の平和と安全のために軍縮が必要である、なかんずく核軍縮を進めなければいけないというのがいわば国際的なコンセンサスでございます。そのための実現の手段、やり方をどうするかということで実は各国意見を異にしております。私どもはもう国会等で大臣等何度も御説明いたしておりますように、やはり軍備の水準を十分な検証措置を伴った形で一歩一歩下げていく、こういう道しかないのではなかろうかということで努力しておる次第でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私が今言いたかったことは、特にその軍縮一般じゃなくて、軍事ブロックの対抗を解消するという方向を目指すべきだということでしたけれども、これは時間の関係がありますから答えは結構です。  もう一点外務省に質問したいのですが、最初の報告の中でも触れられておりましたアメリカにおける日本に防衛費増額を求める動きです。報告にもありましたように、ハンター、リッター修正案というもので防衛費GNP比三%を要求する、満たない部分は差額をアメリカに払えと、これは米下院で全員一致で可決されたという報道になっております。アメリカ議会ではいろいろなそういう法案が出ているということでしたけれども、日本に防衛分担を求める法案もあるということをもこれまでの議論の中でも述べられました。その中で、特に軍事費の増額を求める法案あるいは決議案というものではどういうものが出ていて、今どういう状況になっているかということと、それからアメリカ以外の世界のどこかの国の議会で日本にそういうことを求める決議を採択したとか、あるいは法案が出たという例があるかないか、おわかりでしたらそれとあわせてお答え願いたいと思います。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) まず、アメリカ以外の方を先にお答えさせていただきますが、アメリカ以外の国で日本の防衛力増強を求める決議、法案等が議会に出たということは承知しておりません。  それから、アメリカではそういう法案、決議が従来から提出されております。ことしはそれが下院で可決されておるということが現在の特徴でございます。主なものは例えばハンター修正条項、これは六月十六日下院本会議で可決、四百十五対一でございますが可決されておりまして、国務長官は日本の防衛費が少くともGNP比三%まで増大するよう本法律成立後百八十日以内に日本政府との交渉に入る努力をしなければいけない、こういうことでございます。  それからリッター修正条項は、先ほど申し上げました六月十八日に下院本会議で発声投票で可決されておりますけれども、これは国務長官は、日本の防衛費を少なくとも対GNP比三%までの増大、もしくは同三%に満たない場合は差額の支払いを求めるべく、本法律成立後百八十日以内に日本政府と交渉に入る努力をしなければいけないということでございます。  上院では、先ほど申しました、一般的にこれは日本だけではなくて同盟諸国に対し、大統領はペルシャ湾における西側の安全保障の利益を確保するために必要な外交的、軍事的措置に協力するよう要請すべしというバード決議案が六月四日に可決されておるというようなことが主な動きでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私の聞いているのでは、そのほかにもまだあるようですけれども、後で結構ですから、そういうアメリカに出ている法案の動きのわかる資料をいただきたいと思います。  それから、アメリカでだけこういう法案あるいは決議案が出ているというのは、そこに日米安保条約の問題があると私は思います。安保条約の産物、特に日本が西側の一員としての責任を果たすというふうなことを言い出すから、西側の一員であれば西側並みの軍事費を分担せよということになってきていると思います。その点で議論しようとは思いませんけれども、仮にこういう法案が成立した場合にはどういうことになるんですか。

藤井宏昭外務省北米局長

○政府委員(藤井宏昭君) このような法案がそもそも成立するかどうか、御報告申し上げましたように、アメリカの場合には下院で可決されても上院で両院協議会というものがございます。その過程でどうなるかということがございますし、さらに大統領が拒否権を使うかどうかという問題がございます。したがいまして、現在のところこのような法案が成立するという見通しにはなっておりません。したがいまして、全く仮定の問題でございますので、仮に成立したらどうなるかということは、ちょっと余り過度に仮定過ぎてお答えしにくいような感じがいたします。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 それじゃ答えにくいようですから、それはそれでおくことにしましょう。  次に、防衛庁にお伺いします。  私、テレビで聞いて非常にびっくりしたんですけれども、元外務省の高官だったはずですけれども、曽野明氏ですか、この人がTBSのテレビで、日本がペルシャ湾の機雷掃海に出かけたらどうか、朝鮮戦争のときにもやったが、海上自衛隊の専門官を自衛隊をやめさせて外務省の技官として五十人ぐらい出したらどうか、こういう提案が行われました。これは先月の二十六日の朝のテレビです。私はこれは、これまでもあったペルシャ湾にどういう対応をするかということともかかわるわけですけれども、朝鮮戦争のときには実際にやられた例があるだけに、ちょっとこれはただしておかなくちゃならないと思いました。というのは、朝鮮戦争のときに、私は質問主意書も出して、明確な答弁もらえませんでしたけれども、千二百名の旧海軍軍人がやっぱり四個の掃海隊を編成して朝鮮戦争で実際に掃海に当たった。これはもう海上保安庁史にもきちっと出ている事実で、否定できない事実ですね。これは全面占領下だったということではありますが、今日例えば海上保安庁であれ何であれ、そういう掃海隊に編成して参加するということはできるのかできないのか、まず法的にひとつ明確にしていただきたい。  それから私は、ペルシャ湾に自衛隊をやめたことにしてこういう形で掃海隊を派遣するということはあり得ないと思いますけれども、日本が掃海技術がすぐれているという世界的評価があるというわけですから、あるいは来ている可能性もなきにしもあらずかとも思います。そういうことを含めて、こういう提案に対して防衛庁としてはどういうふうにお考えになるか、お答え願いたいと思います。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 防衛庁として、現在ペルシャ湾というところまでの遠いところに機雷掃海などのために自衛隊を派遣するということは考えておりません。したがって、先ほども申し上げましたように、法律面で十分な検討などは行っていないところであります。  ただ、せっかくのお尋ねでありますから一般論として申し上げますと、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土あるいは領海あるいは領空に派遣するということは、一般に自衛のため必要最小限度を超えるから、そういうものは憲法上許されないというのが統一的な見解であります。  では、そうであればできないかということとの関連でありますが、他方、自衛権行使の範囲というのは我が国の領域内に限定されているわけではありませんで、公海及びその上空に及ぶということもかねがね申し上げているところであります。したがいまして、ペルシャ湾に限らずいかなる海域でありましても、公海部分において自衛隊の部隊が行動するということが憲法上あるいは法律上許されないという理解には立っておりません。本件の問題は、むしろ法律というよりもこの紛争地域に派遣するということについて国としてどう考えるかということであろうと思います。慎重に検討をすべきものであろうというふうに考えられるところであります。  第二の海上自衛隊は能力的にはどうかという御質問でございますが、これは現在三十隻ほどの掃海艇あるいは四機の掃海ヘリコプターなどを持っておりまして、これは我が国の重要港湾あるいは主要海峡などの掃海を実施し得るようにということでかねてから整備し、訓練をしてきているものでございます。したがって、周辺海域における掃海能力としてはまだ防衛計画の大綱で目標としている能力には達しておりませんけれども、かなりな能力を持っているものと思います。しかし、周辺海域を越えて、例えばペルシャ湾ということになりますと、およそ六千海里も離れるわけでございますし、この海域に比較的小型の艦艇を派遣することができ、かつおよそ未知の海域において機雷などの掃海を行うことができるかということになりますと、上空における脅威あるいはその他の艦艇、航空機からの攻撃がないような場所であればできないということはないかと思いますけれども、御指摘になっている海域というのは、既に今現在非常にホットな紛争地域であることを考えますと、そういう場合に、すなわち機雷以外の脅威にどう対応するかということについても配慮せざるを得ないわけでございまして、我が国周辺における能力があるからといって数千海里も離れた海域で掃海なりの行動ができるかというと、にわかには判断しがたいものでございます。いずれにしましても、現在派遣するというようなことを検討しているということでもございません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 法的には可能だということはとんでもないと私は言わなくちゃなりませんが、これも議論は置きます。  結論的にもう一問させていただきたいのですが、私はこれまでのきょうの論議を聞いていて、安保が締結された当時と変わったという問題も含めて、西側の一員としての防衛面での役割ということがこのごろ強調されますけれども、そのことと専守防衛ということとの関係は一体どういうことになるのか。そもそも専守防衛ということと西側の一員としての防衛役割の分担ということは、これは私は矛盾対立する、あるいはそれこそ安保拡大、軍事分担の拡大の結果いろいろな諸矛盾も生まれているというふうに思います。この点防衛庁の見解をお伺いしたいと思いますけれども、最後の質問ですから一言だけ外務省に。  核密約はないとおっしゃいましたけれども、これはとんでもないことで、核密約ですから、それがあるということを言うはずはないわけです。ですけれども、これはもうれっきとして公文書に描かれていることだということだけ私は一言つけ加えた上で、防衛庁のさっきの質問、お答え願います。

宝珠山昇防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(宝珠山昇君) 専守防衛という我が国の安全保障の基本的な姿勢を表現した言葉、これは我が国が行動しようとする場合の基準に関すると理解してよろしいのではないかと思います。そのような専守防衛という枠組みの中で努力する防衛努力というものが、世界的に見た場合にどのような効果を持つかということで見ますと、西側の一員としての負担といいますか、そういう効果があるということではないかと思います。それは、専守防衛の努力は我が国の防衛を全うするための努力というとらえ方もありますでしょうし、それを別の観点から見ますときに、西側の一員としての努力という見方が成り立つのであろうと理解しております。  いずれにしましても、防衛庁は国防の基本方針や大綱のもとで防衛努力を続けているわけでございまして、西側の一員としての努力をするために、何かをしようという発想のもとにそれを基準として努力をしているものではないということであります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 時間ですから終わります。

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) 以上で質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗