法務委員会 第2号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/07/29
会議録
○大塚委員長 これより会議を開きます。 お諮りいたします。 本日、最高裁判所上谷民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○大塚委員長 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
○坂上委員 坂上でございますが、私の時間は十時から十一時二十分までということになっておりまして、質問事項につきましては一番から八番まで、各関係省庁に御連絡済みでございます。 そこで何か、今情報によりますと、田中角榮元総理については控訴棄却という判決が出たのだそうでございますが、これに対する詳細の判決要旨の御説明は、法務省の方で情報が入り次第ひとつ判決結果について報告をしていただきまして、それで、それに関連いたしますところの質問を刑事局長にさしていただきまして、十一時まで法務大臣が参議院本会議場におられるそうでございまして、十一時から二十分間遠藤法務大臣にこの判決に対する評価についてお聞きをするということにさせていただきたいと思いますので、随時法務省の方で判決の情報が入り次第御連絡をしていただければそちらの方へ質問を切りかえさせていただきたい、こんな順序でさせていただきたい、こう思います。 まず、四番目の司法試験改正の方向とその見通しについてお聞きをいたしたいのでございますが、六月の二十日前後に私はバンコクに参りましたら、バンコクの大使館の方へ法務省の方から、タイの国における司法試験制度あるいはこれに関連する問題等について御照会がなされておるそうでございまして、大変幅広く大がかりな司法試験改正の準備がなされているということを知ったわけでございます。一面、全力を挙げて司法試験に合格のために努力しております諸君たちは、この司法試験の改正については大変神経をとがらしているわけでございます。 そんなようなことから、司法試験は一体いつごろ改正をして新たな試験が行われるのか、そしてまた、その受験科目に局限されるのだろうと思うのでございますが、法務省はどういう方向に考えておられるのか、今どのような準備作業をなされておるのか、ひとつ現段階におきますところの方向と見通し等について、わかる範囲においてお答えをいただきたい、こう思います。
○根來政府委員 前々から委員会でお答えいたしておりますように、最近の司法試験の状況を見ますと、合格者の平均年齢が非常に高くて、在学生の占める率が非常に低いということでございます。要するに、平均的に言えば五、六年受験の勉強をいたしまして、大体二十八歳ぐらいで合格するという傾向にあるわけでございます。そして、決してそういう方が悪いというわけではございませんが、そういう傾向から見ますと、やはり大学に在学している学生が司法試験を受けなくなる、いわゆる司法試験離れというのを起こしているのじゃないかという一般の危惧がございまして、そういう点から司法試験制度というのをもう少し見直したらいいのではないかという意見があるわけでございます。 一方、司法試験が発足してかれこれ四十年ぐらいになりますけれども、その間大きな変革がないわけでございますが、世間は御承知のように、この間御審議いただいた外国弁護士の受け入れ法案で御審議いただいたときに御意見がありましたように、非常に国際化あるいは事件の複雑化が進んでいる状況にございます。そういう状況下にございまして今の司法試験制度がいいかどうか、あるいは司法試験の合格者の数がいいかどうかという点について検討すべきものというふうに考えている状況にございます。 ところで、そういう問題を含めまして、今回法曹基本問題懇談会というのを設けていただきまして、いろいろ幅広い御意見をいただいているのでございますが、御承知のように法曹の登竜門というのは司法試験でございます。そういう意味で、この基本問題懇談会においても司法試験の問題を含めていろいろ御検討いただいている状況でございますので、そういう意見を踏まえまして、また各層の御意見を聞き、あるいは立法が必要ということになりましたら法制審議会の御審議も得て国会に法案を提出するという段取りになる状況でございまして、今のところそういう問題点は把握しておりますけれども、現在の司法試験制度をどういうふうに改正するか、あるいは今おっしゃった試験科目もどういうふうに変えていくかということについて特別の腹案はない状況にございます。要するに、そういう問題点を何とか解決する方法はないかということを考えているのでございます。 一方におきまして、試験制度というのはいわゆる試行錯誤というのは許されない状況でございますので、十分検討いたしまして、国会に法案を提出するという段階になりましたらまたいろいろ御意見を伺いたいと思いますので、その節はよろしくお願いしたいというふうに思っております。
○坂上委員 抽象的なことはこの間聞いたからわかっているのでありますが、具体的にどのような準備をなさっているか。さっき言ったようにバンコクの大使館のところまで何か照会をするようにというような連絡が来ておるそうでございますから、そういうような、今どのような準備をなさっているのかということ、いつごろを目途にしておられるのか、やはり受験生にとってはそれは大変な影響でございますから、そういう点、具体的な点をお聞きしているわけです。
○根來政府委員 私も詳細存じておりませんが、バンコクに御照会しておるということになりますれば、それは法曹基本問題懇談会に提出する資料を集めるということで御照会しているのじゃないかというふうに思います。といいますのは、先ほど申しましたように、基本問題懇談会では司法試験を含めていろいろの法曹養成の問題について御検討いただいている状況にございます。この事務局は官房人事課でやっているのでございますけれども、その官房人事課で基本問題懇談会に提出する資料ということで集めているのではないかというふうに推測しております。 ただ、ただいまおっしゃいました、それでは具体的にいつをめどにどういう方向でと言われますと、現在のところ全く白紙でございまして、この基本問題懇談会でどういう意見が出るか、あるいは今年度中に何とか御答申をいただけるのではないかというふうに期待をしておりますけれども、その御答申をいただいて、それを検討して、またそれからさらに考えるという状況でございまして、はっきりしためどを申し上げる状況にはございません。
○坂上委員 それはそれでわかりました。 それから今度は三番目の、即決和解によるところの、国土利用法でしたかの脱法行為に対する対応についてお聞きをいたしたいと思うのでございます。 御存じのとおりの地価暴騰の状況でございます。そこで、土地取引について規制を行いまして、国土庁に一応届け出をして勧告をいただくというような法律になっておるようでございますが、これについて、裁判所の調停あるいは即決和解あるいは判決、こういうような場合においては届け出を必要としないというふうな条文があるようでございます。そういたしましたら、今度はそれを、俗に言いますと悪用でなかろうかと思うのでありますが、即決和解によってどうも脱法行為をしているというような状況が報じられておるわけでございますが、国土庁の方といたされましては、この脱法行為、そしてこのことが地価高騰の逃げ道になっているか、どの程度御理解をなさっているか、まずお答えをいただきたいと思います。
○鈴木説明員 御指摘のように国土利用計画法におきましては、一定の規模以上の土地取引をいたします場合に届け出をいたすということになっております。その届け出につきまして、司法の判断を尊重するという観点から、民事訴訟法によります即決和解などを届け出義務の適用除外としておるところでございます。 この届け出の適用除外となっております調停などのうち、特に最近即決和解が国土法の届け出義務を免れる目的で悪用されているという事例が見受けられるわけでございますが、私どもといたしましては、即決和解の全体の件数につきましては司法統計年報で承知をいたしておるのでございますが、このうちどの程度が土地取引に関するものであるかということについては不明でございます。しかしながら、その一部ではございますけれども、都道府県などからの個別の通報によりまして、届け出義務を免れる目的で即決和解を悪用しているという疑いのある事例が報告されておりまして、それを把握しておるところでございます。
○坂上委員 きのう、下級裁判所、簡裁の審議をさせていただいておるわけでございます。その中で、簡易裁判所裁判官の資質の問題についてまだ議論は出てこないのでありますが、やはり相当問題にすべき部分もないわけではなかろうかと思うのであります。また、この即決和解というのは大体簡易裁判所で行われているのではなかろうか、こう思っておるわけであります。かつまた、この即決和解というものは紛争がなければできないわけでございます。そして、紛争があって、その紛争を解決していただくために申し立てをする、そして裁判所のもとで互譲によって和解ができたということで、和解調書、即決調書というのでしょうか、でき上がることになるわけであります。でありまするから、裁判官によりましては、真に紛争があったのかどうなのか、そしてこのことが和解とどうつながっているのかということは、よくお調べになる裁判官もおありでございます。必ずしも即決和解の条文に沿ってなされていないと思われる前もないわけではなかろうかと思うわけであります。 しかも、これからまた国土庁から御説明があるのだろうと思うのでありますが、新聞の報ずるところによりますと、裁判所の方に裁判のあり方について要請をなさっておる。例えば、都道府県に照会をしていただいて、申し立てに書かれておるところの金額が適正であるかどうかということもひとつ調べていただいて、このことがひいては即決和解の条件に当てはまっているかどうかというようなことをひとつ御検討をいただきたいというふうになっておるわけであります。いわば、他の官庁から裁判所に対する不信であります。 しかし、また一方、考え方によっては裁判官に、対する独立の問題あるいは裁判干渉の問題でもこれまたあるわけであります。きのう私は、法務大臣権限法の第四条の発動があるいは司法権の独立に影響するのかどうかということも御指摘を申し上げたところでございまして、そういう問題を実は含んでおるわけでございます。国土庁の方といたしましては裁判所の方にどのような要請をなさるつもりであるのか、これに対しまして裁判所がどのような対応を今なさっておるのか、そして今私が挙げました二、三の問題点についてどのようにお考えになっておるのか、御回答をいただきたいと思います。
○鈴木説明員 国土庁といたしましては、この即決和解にかかわります国土利用計画法上の取り扱いの問題につきまして、即決和解等の事案処理に必要となります情報を各都道府県の国土利用計画法担当部局から裁判所に対しまして提供するための態勢を整えまして、この態勢の活用方につきまして最高裁判所にお話をしたところでございます。 と申しますのは、国土利用計画法につきましてはさきの通常国会におきまして一部改正をしていただき、そのときどきの地域の土地取引、地価の動向に対応して弾力的に監視区域の地域指定をいたすというような新しい制度が創設されたところでございます。これによりますと、そのときどきの事態に対応いたしまして監視区域の対象地域が変わっていくということが考えられます。それからまた、国土法に基づきます土地の取引の届け出対象範囲、この下限面積もまた事態に即応いたしまして変わっていく、かなり流動的に変化していくことが考えられるわけでございます。したがいまして、かなり専門的にこの点を掌握しておらないことには国土法上の対応をフォローするということが困難である、そういう考えに立ちまして最高裁判所にお話をしたところでございまして、最高裁判所におかれましては、この旨を下級裁判所に対して周知をしたというふうに聞いておるところでございます。 今後、私どもといたしましては、求められればそれに対しまして速やかに情報連絡をいたすということを通じまして、国土利用計画法上の運用に揺るぎのないように厳正に対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○上谷最高裁判所長官代理者 起訴前の和解と申しますのは、これはもう委員御承知のとおり、本来は裁判所が紛争についていろいろ事情を聞いてあっせんをしながら和解をまとめ上げていくという制度でございますが、実際にはこれが、即決和解という言い方で呼ばれていることからもわかりますとおり、申し立ての前に当事者間で十分話し合いが進められまして、紛争の解決につきまして実際は条項等もほぼまとまった段階で裁判所に申し立てられてくるというのが多いわけでございます。そのために、例えば今問題になっております土地に関する権利の移転について国土利用計画法等の規制等がありましても、当事者の方から積極的に規制内容について説明をしてもらう、それを受けて裁判所が検討するという機会が非常に乏しいという実情にございます。 ただ、統計的な数字では即決和解の数は非常に多うございますが、これは、今回の問題がございまして、東京周辺の裁判所に土地の権利の移転に関する事件の大体の割合をサンプル的に調べていただきましたところ、多いところで一割強、少ないところですと五%前後というふうな数字になっておりまして、件数としては少のうございます。それから、特に規制の対象となるような広い面積の事件というのはそう多くはございません。私どもの方で、果たしていわゆる悪用と申しますか、脱法行為が行われたかどうか、必ずしも把握できないわけでございますけれども、全体としてまだ。そう多くの数が悪用されているというほどではないように思います。しかし、そうは申しましても、土地の権利の移転に関する規制が脱法的に行われるということがあると困りますので、私どもの方としても、今回こういうことが問題になったのを機会に、各裁判所にせんだっての国会で改正されました改正法の内容とか、それから今回問題にされている内容等をお知らせいたしますとともに、実務の取り扱いについて役立つような事情をいろいろとお知らせしたわけでございます。 つまり、仮にこういうふうな脱法行為を防止しようということになりますと、先ほど申しましたとおり当事者の方から進んで資料を出してくれるということを期待しにくいものでございますから、どうしても裁判所の方で進んで規制があるかどうか、それから従前の経緯がどうかということを調査しなければいけないわけでございます。そのための材料を裁判所が持たなければいけないわけでございます。ちょうど今国土庁から御説明ございましたとおり、国土庁の方では、各都道府県の方で裁判所からの照会があればできるだけ迅速に裁判所の照会にこたえる態勢をつくりたいというお話がございまして、これは私どもの方としてもそういう情報を知らせていただきますとこういう脱法行為の防止のために大変有益でございますので、そういうことであればぜひともお願いしたいということで、国土庁の方から各種の照会先を御連絡いただき、その照会先へ連絡すれば規制の対象になる土地であるかどうか、何平米以上が規制の対象になるか、あるいはまた国土利用計画法二十四条の規定にございます適正でない価格というのがどのくらいの金額なのかというふうな資料を教えていただける、そういうふうな態勢をつくっていただき、そのことを私どもの方で全国の高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所に連絡したわけでございます。 これは即決和解でございましても、その他の裁判上の和解あるいは調停、いずれも司法裁判所が独立した判断によってされることになりますので、私どもの方としては、事務当局としてかくかくしかじかの取り扱いをしてほしいという趣旨で、通達というような形で流すわけにはまいりませんので、材料を提供しまして各裁判所の判断の資料を豊富にしていただく、そういう趣旨で連絡をさせていただいたわけでございます。今後、八月一日から施行されるいわゆる監視区域の指定につきましても、指定がなされた場合にはその資料等をそれぞれの裁判所に速やかにお送りいたしまして、裁判官が容易に必要な資料を収集しまして、適切な和解、調停等の処理ができるような態勢を整えてまいる所存でございます。
○坂上委員 ちょっとまた後で聞くことにいたしまして、時間がありませんので、今度は豊田商事の不当利得返還と所得税還付についてお聞きをいたしたいと思います。 まず国税庁にお聞きをいたしたいのでありますが、国会で豊田商事の問題が取り上げられました。いわばこれは詐欺をする会社じゃなかろうかというような論旨でもって取り上げられたわけであります。そこでその間、国税局の方で、国税庁というのでしょうか、二回にわたりまして調査に入られたそうでございます。そしてその結果、多分五十八年の九月に調査をなさいまして、三月に修正申告させた、こういう話を聞いているわけであります。 そこで、そのときの実態調査によりますと、豊田商事といたしましては収支はとんとんだ、したがって法人税は納入しなくともいい、こういう申告がなされていたのだそうでございますが、それは著しい粉飾決算である。膨大もない、数額にいたしますと数百億にわたるところの欠損が出ている、したがってこれについて修正申告せいというような指導があった、こう聞いておるわけであります。前後二回にわたりまして国税庁が調査なさったのだそうでございますが、その調査の日時と、そして粉飾決算の実態をまずお話しいただきたいと思っておりますが、国税庁おられますか。
○川端説明員 ただいま先生御指摘されました問題でございますけれども、まず、個別にわたることにつきましては、私どもの方、事柄の性質上答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、まさに御指摘の点については、当該豊田商事において犯罪的な実際行為があったのではないか、詐欺まがいのことがあったのではないかというようなことを中心にして国会でも議論があったではないか、その辺について国税当局はしかるべききちんとした手を打ったのか、こういうような御趣旨だろうと私理解させていただきます。 私どもの方で実際に調査した段階につきましては、一般的には、犯罪の嫌疑があるというような場合には、御案内のとおりに刑事訴訟法の第二百三十九条第二項に規定します公務員に課せられております告発義務でございますけれども、それから国家行政組織法第二条第二項に規定します行政機関相互の連絡をすべきではないかというような問題を私ども意識しているわけでございます。 この点についてお話し申し上げますと、一般の私どもの税務調査は犯罪を捜査するということを目的としたものではございませんで、先生御案内のとおりに税務申告が適正になされているかどうかという観点で行っているものでございます。そのために、私ども国税職員には犯罪行為に当たるかどうかという確認に必要な専門的知識がございません、かつ税務調査上におきましては犯罪行為を確認するという段階がないということなどからいたしまして、その確認にまで至らなかったというような実情でございます。
○坂上委員 国会で問題になってから大体何回調査をなさったか、こういう質問もしておるわけであります。粉飾決算について、調査の結果がこういうことであった、そういうことをお聞きをしておるわけでございますので、もう少し具体的にお話しをいただきたい。ただ、税法上言えないというのだったら、それなりのまた意見がありますから。
○川端説明員 調査をしましたのは、五十八年に一回でございます。
○坂上委員 どんなことがわかったのです。
○川端説明員 私どもの方では、税務調査、一般的に課税上不適正な会計処理に基づいて申告を行っているような事実を把握した場合には、更正決定の期限の制限内の事業年度分につきましては適正な課税処理を行うということで、またさらにはその後の事業年度分につきましては適正な会計処理に基づく申告を行うようにということを指導することといたしております。したがいまして、適正な会計基準に基づくところの申告をしなさいという指導をするという立場でございます。
○坂上委員 どうもちょっと答えがたいような答弁でございますが、御存じのとおり、私から言わしてもらいますと、五十八年の九月に皆さんが調査なさった。どうもこれは粉飾決算である。赤字もないし黒字もないということで、とんとんであるという申告、しかしこれは粉飾決算である、修正申告しなさいということで修正申告をさせた、その金額は数百億円の欠損である、こう私らは理解しているわけです。 それに基づいて考えられることは、この会社は赤字続きで、民衆から集めておる金は、全部自分たちが給料その他の名目でもって食っていくためにのみ預かっているのであって、もうこの赤字を回復するだけの力と能力はない、考えてみればまさに詐欺的手段によって金を集めているのではなかろうかと、五十八年のこの調査の段階で、特に法を取り扱う税務署、国税庁の立場としてはおわかりになったのではなかろうか。しかし君たちは、一人は一千万、一人は五百万、一人は一千二百万と報酬をもらっておる、これについて源泉を納めろ、こういうようなことでお取りになっているのじゃなかろうか。時間がありませんから指摘だけ申し上げますが、こういう人たちはどう言っているかといいますと、国税庁こそ悪徳商法をやっているのではないか、こういう言葉が実は聞こえてくるわけです。今私が御指摘申し上げましたことについて、国税庁としてはどのように御答弁なさいますか。
○川端説明員 まず、修正申告の話でございますけれども、先生御案内のとおりに、修正申告は当初申告した課税標準額よりもさらに所得がふえるという場合に、納税者側の方におきまして修正申告をするという道は開かれておりまして、一般的にさらに所得が減額するという場合には、更正の請求という手続を経て税務署に対してその対応を求めるという制度がございます。したがいまして、先生御指摘のとおり、この会社は、一般論でございますけれども、三月決算であれば三月に申告するという形のものでございます。したがいまして、修正申告というのは現実申告所得金額がさらにふえる場合だけでございます。私どもの方では、先ほど申し上げましたとおりに、実際に申告が適正であるかどうかという観点から質問検査権を行使しておりますものですから、専門的に犯罪があるかどうかというところまでの知識もございませんし、そういうようなことを確認する段階もないという事情にあることをひとつ御賢察願えればということでございます。
○坂上委員 幾ら頭が悪くとも、賢察するわけにはいきません。これはひとつ国税庁にもお願いをしたいのでございますが、豊田商事関連者から皆様方が源泉徴収として取られた金は、やはりそういうふうに国税庁そのものがもう五十八年の段階で、このことは違法のある金なんだということで源泉徴収をなされていたのだということは、私はこの点からも言えると思っているわけでございます。 そこで、この間、二十名について判決があったわけであります。国税庁は、お返しになったのは約五千万から六千万だそうでありますが、向後、判決があった場合にのみ、これに類似の場合のみ源泉で取った金はお返しいたしましょう、こういう御答弁だそうでございます。被害者たちは、この判決で、七十四億円とは言えないけれども、これに相当するような近い金まで返還ができるのじゃなかろうかということを期待をしたわけです。しかもお年寄りです。女性や老人をだまして、今言ったように金を集めた。そして自分たちは給料、歩合だといってこれを使っていた。そしてその上前を国税庁はお取りになっていたわけでございます。だから、言葉はきつうございますが、皆様方の中から、これは国税庁こそ悪徳商法じゃなかろうかとまで言っているわけでございます。そういう実態でございまするので、この間の源泉の還付は、おまえたち裁判を起こしてきた者のみ返すというやり方は余りにも無慈悲なのじゃなかろうか。 一番最初に、国税庁はこういう答弁をなさっていたわけであります。「従業員報酬の民事上の効力、これがあるのかどうか、その判断を裁判の結果を待ちまして、そこで確定いたしました権利義務あるいは経済的事実、そういうものに基づきまして適切な対処、対応をしてまいりたいというのが私どもの立場でございます。」というのが裁判中の御答弁でございます。だから二十人の判決があれば、これに準拠して、これはどうも、これはこうだ、一つ一つ個別的に二十人以外の人にどう適用するかということを御検討いただくものだとばかり私たちは思ったわけであります。しかし、皆さん方の方は、二十人以外返しません、必要ならば判決を持っていらっしゃい、こういう無慈悲な対応でございます。一言でいいですから、今後ともこういうことのないように、もっとこういう被害者、管財人とお話し合いをして、救済のためにひとつ御努力をいただけるかどうか、御答弁いただきたいと思います。
○買手屋説明員 お答えいたします。 先生御指摘の、当委員会におきましてもいろいろ御議論があったことを承知しておりますが、今回の判決でございますけれども、特定の外交員の特定の期間に受けた極めて高額な外交員報酬について判示したものでございまして、この判決では、まず豊田商事の商法の違法性につきまして、この違法性は極めて強いというふうに評価した上で、次に個々の外交員の勤務期間であるとか、あるいはその社内の経歴あるいはセールスの方法、そういった違法性を基礎づける主要な事実について、個別にその違法性の認識を認定をいたしまして、これらの社員が違法性を有する会社の商法に加担した、そういうふうに位置づけまして、その結果として、その歩合報酬が公序良俗に違反し無効であるから不当利得に当たるということになっておるわけでございまして、私どもといたしましては、こういった判決を受けまして、この外交員報酬につきまして、納税済みの源泉徴収税は過誤納金に当たるということで、先般、先生御指摘のように管財人の方に還付をいたしたところでございます。 一方、私どもの税務上の処理と申しますのは、租税を徴収するにいたしましても、あるいは還付するにいたしましても、法律の規定に従って適正にやらなければならないわけでございまして、したがって、一般論でございますけれども、既に徴収されております源泉所得税を還付できる場合と申しますのは、一つは、源泉徴収の対象となりました所得の支払いが誤りであったために返還された場合ですとか、あるいはその所得が源泉徴収の対象とならないことが法的に明確にされた場合などに限られるわけでございます。 また、これも一般論でございますけれども、先ほど申し上げたような判決が出た場合における支払済みの給与あるいは訴外の外交員の報酬、それから被告にかかわる返還の対象とされた期間前の報酬につきましては、この判決の影響を受けるものではないというふうに私ども考えておるわけでございまして、こういったことから、今回の裁判による判決が下された外交員報酬以外に係る源泉所得税というものは現時点では還付することができない、そういうことでございます。
○坂上委員 今後どうするか。
○買手屋説明員 今後のことでございますけれども、私どもといたしましては、今後新たに不当利得返還請求訴訟が提起された場合には、そういった訴訟の判決があって、外交員報酬の返還が確定というような場合には、さきの判決の対象とされました外交員の報酬に係る源泉所得税と同様の取り扱いを行うこととしてまいりたいというふうに考えております。 それからまた、裁判上の和解があった場合には、原則といたしまして、外交貝報酬が実際に返還されたときには、その返還された金額に係る源泉所得税を還付してまいりたいというふうに考えております。ただ、和解に至る経緯ですとかあるいは審理の内容から見まして、外交民報酬について、これが無効を前提にしているというふうに確認できる場合には、実際の返還がない場合でも還付してまいりたい、かように考えております。
○坂上委員 大変不満でございますが、論議はもう少し続けさせていただきますが、またほかのこともありますので、大変不満であるということだけ表明して、ひとつできるだけ、裁判をしなければ取れないようなことのないように御配慮を特に要望だけしておきます。 では、刑事局長がお見えのようでございまするので、できましたら丸紅のロッキード判決についての要旨などお聞かせいただきたいと思います。
○岡村政府委員 本日、東京高裁におきましてロッキード事件のいわゆる丸紅ルートに関します控訴審の判決がございました。 主文でございますが、五名の被告人のうち伊藤被告に関します原判決を破棄いたしまして、伊藤被告に懲役二年執行猶予四年の刑を言い渡しております。これは一審は実刑の判決でございましたが、控訴審におきまして執行猶予を付したということでございます。そのほかの四名の被告人につきましては、いずれも被告人側の控訴を棄却いたしております。すなわち、一審の有罪判決を控訴審においても維持したということでございます。 判決の理由の骨子でございますが、嘱託証人尋問調書の証拠能力につきましては、米国の裁判所に対し国際司法共助に基づく証人尋問の嘱託をした手続は適法である。検察官が公訴権行使の一態様として証人らに対し不起訴確約をした措置に違法はなく、右不起訴確約に基づき自己負罪拒否特権を消滅させ重言を強制して獲得された本件嘱託証人尋問調書は、違法に収集された証拠に当たらない。本件嘱託証人尋問調書が刑訴法三百二十一条一項三号書面に該当するとして、これに証拠能力を認めた点に違法はないということであります。 次に、事実の認定でありますが、これにつきましては、原判決の事実認定に誤りはないといたしております。 次に、職務権限でありますが、運輸大臣は職務行為として定期航空運送事業者に対し、特定機種の航空機を選定購入するよう勧奨する行政指導をなすことができる。内閣総理大臣は、内閣法六条所定の指揮監督権限の行使として、昭和四十五年十一月二十日の閣議了解等に基づき運輸大臣に対し右行政指導をするよう指揮する職務権限を有するというふうに判示いたしておるところでございます。
○坂上委員 総理大臣の犯罪でございまして、私も田中角榮代議士と選挙区を同じくしているものでございまして、罪を憎んで人を憎まずという心境ではございます。 しかしながら、事は金権政治と腐敗と汚職の政治構造を断罪したものだと私は理解をいたしておるわけであります。ロッキード事件は、まさにけじめをつけることが真の政治倫理確立の根幹だと私は理解をしておるわけであります。もちろん高等裁判所の判決でございますから、被告人の皆様方には上訴権があるわけでございます。多分これを行使になるのだろうと思うのでございます。今実刑判決に結果的になった皆様方は、保釈によって出ておるわけでございます。控訴棄却という判決によりまして、保釈の効力を失ったということになるわけであります。第一審でありますれば出頭義務がありますから、その場から、保釈の効力を失ったから連れられて拘置所に行くわけでございます。控訴審は出頭義務はございませんので、在宅されておるのだろうと思うのでございます。上訴に伴いまして、保釈の許可がない限りは原則として勾引しなければ、あるいは勾留しなければならぬという状態になるのだろうと思うのでございますが、まずこの点いかがでございますか。
○岡村政府委員 この点につきましては、再び保釈を請求して裁判所がどう判断するかということは、これは裁判所の問題でございますけれども、再保釈になるという道もあり得るわけでございます。
○坂上委員 おわかりならお答えいただきたいのですが、再保釈の申請はなされたのでございますか。 それから、直ちにというわけにもいかないのでございましょうが、そういたしますと、田中代議士が今病気でおられるということも聞いておるわけでございますが、検察といたしましてはどの程度の病気、これがやはり保釈に対する意見を述べる上において重要な影響を及ぼすのだろうと思います。また、場合によっては勾引をするにも重要な影響を及ぼすのだろうと思うのでありますが、どの程度の事実認識、今おわかりならばお答えいただきたいのですが。
○岡村政府委員 現在まだ判決言い渡し中であろうかと思うのでございまして、再保釈の請求が出たかどうかは、私今の時点では承知いたしておりません。 また、病状の点でございますが、これは再保釈の請求が出るなどいたしまして検察官の意見が求められました場合には、適切な対応をいたすものと承知いたしておりますけれども、今の時点でどの程度かということは、ちょっとお答えいたしかねるところでございます。
○坂上委員 それから、国会議員に実刑の判決があって確定した場合、病状その他で服役をしない場合であっても、公職選挙法によれば、確定次第公民権停止になって失格をするわけであります。一般犯罪の場合の執行猶予であれば、これは国会議員の地位を失わない。これは佐藤代議士によって明らかでございます。実刑判決の場合は、判決が確定をいたした場合は法律上どういうふうになるのでございましょうか。おわかりならお答えをいただきたいと思います。
○岡村政府委員 被選挙権が停止されるかどうかというような問題、ちょっと公職選挙法の規定を検討いたしてお答えいたしたいと思います。
○坂上委員 私の調べたところによりますと、実刑判決が確定をいたしますれば刑務所に収監ということになるわけでございます。そうしますと、やはり確定という段階で国会議員の地位を失うというふうに理解をしているわけでございます。いま一つ、病気によっては刑の執行がなされない、いわば執行停止の状態にあることがあるわけでございます。そうした場合でも、もちろん国会議員の資格を失うというふうに私は理解をしておるわけでございます。 突然でございますし、またお立場がお立場ですから間違いのある答弁ではと、突然の質問で、大変抜き打ち的で恐縮でございましたが、後でひとつ皆さんの方で御検討いただきまして御答弁を、できたらこの段階でいただいておきたいなというふうに思っておるわけでございます。 さて、これは裁判所にお聞きしていいかどうかわかりませんが、通常上告審というのはどれぐらい、短くて、そして長くて、かかっているものか、一般事件として、刑事事件として。どなたでも結構でございますから、大体こうだというようなことをお聞かせいただければ結構なんでございます。
○岡村政府委員 これはやはり個々の事件に応じまして、上告審としての判断を行うのに相当の期間を要するのかあるいは短期間で可能なのかというような問題に帰着するのではなかろうかと思うのでございまして、一般的にいいましてどの程度かということは、ちょっとお答えいたしがたいところでございます。
○坂上委員 大臣お忙しくて大変恐縮でございまして、のどもいやさないうちに御質問するのは何でございますが、事はやはり国政にも大きな影響を及ぼす問題でもございますから、休みなしに御質問をお許しいただきたい、こう思います。 御存じのとおり、きょうは十時にロッキード裁判の丸紅ルートにつきまして東京高等裁判所の判決がありました。私たちの同僚と言っては何でございますが、田中角榮代議士、元総理大臣にかかわる、俗に言うロッキード犯罪に対し、また、これに関係をいたします贈賄側の諸君にも判決がありました。請求控訴棄却、そして伊藤さんについては減刑の判決がありまして、実刑から執行猶予がついたそうでございます。 そこで、まず法務大臣、大体検察が主張したとおり、それから第一審の判決が判示したとおりの原審が維持された、こう見ていいのじゃなかろうか。特に大きな問題になりました一つは、内閣総理大臣の機能の問題、権限の問題、それから嘱託尋問に対する日本の刑事訴訟法を適用した場合の効力の問題が判示されまして、これも第一審のとおりというふうに聞いておるわけでございます。そこで大臣にお聞きしたいのは、法務大臣のお立場といたされまして、ひとつこの判決についてどのような感想、所感をお持ちなのか、お聞きをしたいわけでございます。 それから二番目に、これは何か意地悪い質問のようで恐縮ですが、私も気持ちの上でもまた大臣と同じ状況なんでありまして、田中代議士は新潟県第三区の選出でございまして、私がたった一人の野党の代議士でございまして、同じ選挙区におりまして何となく微妙な空気でございます。大臣は、俗に申しますと田中派と言われた派閥に御所属をなさっておりまして、先般竹下派が旗上げをなさったわけでございまして、そちらの方に大臣は所属をなさっているというようにも拝察もしておるわけでございますが、そういたしますと、いわば田中派としての大臣あるいは竹下派としての大臣のお立場もあろうか、こう思うわけでございますが、そんなような観点からまたどのようにこの判決を見ておられるのか。 もう一つは、人間の立場に立ちまして、人としての立場でございますが、私も人の子でございまして、罪を憎んで人を憎まずという気持であるわけであります。殊に検察の方から田中先生の病状を今お聞きしたのでありますが、これはまだこういうところでお答えするのはいかがかという御答弁だから私は聞かないわけであります。ただ、やはり事は、病状が今後保釈に対する意見あるいはその後の裁判に対する情状というような関係、それから時には収監ということにも響くものでございますが、そういうどの程度の御病状にあるのかということもなかなかはっきりはしておらないわけでございます。 そこで、それは余談でございますが、遠藤要個人としての御所感もこの判決でおありであればひとつお聞きをしたい。大体、いろいろな立場でまた見方があろうし、御見解もあろうと思いまするので、そんなようなことで大臣と私の立場も一部似ておるようなお立場もありまして、質問するにも相当な私の微妙な気持ちを動かしながら今御質問を続けている、こういうようなことでございますので、大臣から率直な御意見を賜りたいな、こう思っておるわけであります。
○遠藤国務大臣 ただいま先生からお尋ねの問題ですが、お話のとおりきょう十時からロッキード丸紅ルートの判決がございまして、今先生御指摘のとおりであったと私も承知をいたしております。 今先生から私の立場も大変御理解をちょうだいしながらお尋ねをちょうだいいたしたのでございますけれども、やはり先生と私の立場というのは全く同じような感じがいたしますが、法務大臣として裁判所の判決に対して意見を述べるということは差し控える方がいいと私は思っておりますので、その点御理解をちょうだいいたしたい、こう思います。
○坂上委員 法務大臣としての意見は差し控えるという。これはいかがなものでございましょうか。検察を指揮するというような、統括というのですか、立場にもあられるわけでございますし、意見がないということになりますと、相当な問題なんじゃなかろうかとも思うわけでございます。やはり社会正義の実現、検察の適正な行使、それに伴う判決でございまするから、裁判所が意見を述べるということは差し控えたい、こうおっしゃるのはわかるのでございますが、法務大臣のお立場としては、率直に言いましていかがなんでございましょうか、お答えいただきたいし、また遠藤要氏個人あるいは田中派と一緒に所属しておられる立場、そんなようなことからも、それなりの御意見があってしかるべきなんじゃなかろうかと思いますが、再度ひとつお願いをいたしたいと思います。
○遠藤国務大臣 先生には先生としてのお尋ねでございますけれども、法務大臣が裁判所の判決に対して、これはよかったとか悪かったというような話をするということ自体がどうかな、検察の方で上告するかしないかというような問題も検討の中にあり、まだきょう判決を聞いたばかりでもございますので、そういうふうな点や何かを考えますると、今ここで機先を制してというようなことになりましょうか、そういうような点で裁判所の判決に対しては法務大臣の立場としては差し控えた方がいいという私の考えでございますので、その点、どうぞひとつ御理解をちょうだいいたしたいと思います。また、個人的にと言われましたけれども、ここで、この席に個人遠藤要が出る場でもございませんので、個人の意見をここで申し述べるということもまたこれはどうかなと感じておりますので、その点も御理解をちょうだいいたしたいと思います。
○坂上委員 私は、やはり法務大臣といたしましては、特に検察の指揮監督のというのでしょうか、総括の立場にも立っておられると思いまするし、意見を述べないというのはちょっといささか、職務怠慢とは言いませんけれども、まだ上告するかしないかわからぬ、こう言うわけでございますが、ちょっと御指摘申し上げたいのは、確かに、量刑不当で伊藤さんについて検察が上訴権を持つのは当たり前でございます。しかし、それ以外の人はもう控訴棄却でございまするから、検察の方がこれについて上訴権を持つということはあり得ないことでもあるわけでございます。そんなようなことから、もうこの段階で伊藤さんを除いて御意見を申し述べられてしかるべきだし、また述べるべき義務までは言いませんけれども、国会の答弁としてはきちっとやはり言わなければならないのではなかろうかなというふうに実は思っておるわけでございます。 今まで中曽根総理は、ロッキード事件については現在公判係属中であるから行政府の最高責任者としての自分が意見を述べることは差し控えたい、こう言って政治倫理の確立を求める国民世論に背を向け続けてきているわけであります。もう事実審理としての高等裁判所の断は下されたわけでございまするから、いわば検察の主張が通ったわけでございまするから、そういう立場に立った法務大臣でございまするので、私はやはりこれはもう政治倫理確立の立場から、しかも法の適正なる施行を日本を代表してなさっておる法務大臣としては、これについての御所見はここの段階で述べるべき義務に近いものがあるのでなかろうか、こう思っておりますが、もう一遍。
○遠藤国務大臣 繰り返して申し上げるようで本当に恐縮でございますけれども、自分としては、さらに被告が上告するかどうかというような問題も含まれておることでもございますし、やはり法務大臣としては今の判決に対して意見を述べるというようなことはやるべきではない、こういうふうな考えを持っておりますので、重ねてのお尋ねでございますけれども、私の気持ちはそのとおりだと御理解願いたいと思います。
○坂上委員 これ以上お述べにならないというので、どうしようもありません。 刑事局長、何かおわかりでございましょうか。
○岡村政府委員 公職選挙法九十九条によりますと、「当選人は、その選挙の期日後において被選挙権を有しなくなったときは、当選を失う。」というふうに規定されているところでございます。ところで、被選挙権を有しない者といたしましては、公職選挙法の十一条で「禁錮以上の刑に処せられその執行を終るまでの者」というものも挙げられているところでございます。したがいまして、これに該当いたしますならば当選を失うということになるわけでございます。
○坂上委員 ロッキード問題、これで一応終わりますが、もう五分ありますので、せっかく来ておられるので、海外先物取引の被害とこの対策についてお聞きをしたいのでございます。 警察庁の方では海外先物取引について相当本腰を入れて、刑事犯罪という立場から着目して捜査をいただいておることに敬意を表したいと思っておるわけであります。 御存じのとおり、海外先物取引は依然として被害者が絶えません。農水省からも来ていただいておるわけでございますが、まず農水省の方では、今どのようなこの被害の実態になっておるか、この被害者救済のためにどのような対応をなさっているか、簡単でよろしゅうございますからお答えをいただきたい。 それから、警察庁の方とされましては、今大変捜査なさっておって大変結構でございますが、さらにこれを強化して捜査をしていただきたいと思いますし、一番大事になっております警視庁管内の捜査は必ずしも行われておらないのじゃなかろうかということを実は心配をしておるわけでございまして、そういう実態等についても少しお聞かせをいただきまして、警察庁については被害者根絶のための御努力もひとつどのように捜査としてやっていただけるかお伺いをしたい、こう思っています。
○中村説明員 海外商品市場におきます先物取引に関しまして、私ども農林水産省やあるいは通商産業省等に苦情相談が寄せられているわけでございますけれども、その内容につきましては、会社についての問い合わせあるいは利益保証による不当な勧誘であるとか、仕切り回避、益金や保証金の返還遅延、いろいろその内容は多岐にわたっているわけでございまして、苦情相談の件数の推移を見ますと、六十年度は前年度に比べまして一二%程度、それから六十一年度につきましては一%程度の件数としては減少を見ているという状況でございます。 海外先物取引につきまして、海外商品取引業者と一般委託者との間の受託等を公正にし、委託者が受けることのある損害の防止を図るということにつきまして、まず私どもといたしましては、ポスターあるいはチラシ等によりまして啓蒙普及をいたしておるとともに、農水省におきましては専用の電話を設けまして、海外商品市場における先物取引に係る苦情相談の受け付け、回答、さらに政令指定されていない海外商品市場の苦情件数、苦情内容等の状況から判断いたしまして、対象市場としての追加、海外商品取引業者の受託業務に関する所要の調査を行っているところでございまして、関係省庁とも協議いたしまして適切な対策を講じてまいりたい、このように考えております。
○泉説明員 先物取引をめぐる犯罪につきましては、御指摘のとおり警察庁におきまして、全国の警察挙げて重点を置いて取り組んでいるところでございます。警視庁におきましても力を入れておりまして、昨年、昭和六十一年初めに株式会社飛鳥にかかわります事案を検挙いたしまして、この検挙がそれに引き続きます全国のこの種事案に対する先駆け、また契機となって全国でも取り締まりが行われておるというような状況でございます。なおその後におきましても、警視庁及び各府県で捜査を継続いたしまして、都内におきます業者を初め全国的な悪質業者について鋭意捜査をしておるところでございます。その数を申し上げさせていただきますと、昭和六十一年からこれまでに検挙または検挙に着手し現に調査中のものが二十六事犯ございます。うち逮捕したものが九件五十七人でございまして、これらの事件に係る被害の状況は、被害者総数が約九千二百人、被害総額百九十二億二千万余りということでございます。今後とも全国の警察を挙げまして、この極悪質事犯に対しては取り締まりを強化してまいりたい所存でございます。
○坂上委員 一応これで私の質問は終わりますが、ひとつ政府にお願いを申し上げておきたいと思うのであります。 ロッキード事件の大きな争点の一つは、果たしてこれが政治献金であったのか、あるいは収賄であったのかということも議論になったところでございます。私は、こういうことの大きな原因になるのは、政治資金規正法の中に大きな問題があるのだろうと思うのでございます。政治資金規正法をもっと強化せよというのが、社会党を初めとして各野党の主張でございます。やはりこのような汚職、腐敗な政治、政治倫理がだめになってきておるという現実は、この根本的なものはおのおのの気持ちの土と、国民のこれに対する評価もあるわけでありますが、国会の立場といたしまして自粛自戒しなければならないものだろうと思うわけでございまして、やはり立法的な処置といたしましては政治資金規正法をもっと強化をいたしまして、企業から片っ端から献金をもらう、企業からパーティー券を買ってもらう、こういうことがまかり間違いますとこのような問題にもなりかねないと実は私は思っておるわけであります。綱紀粛正、政治倫理確立の立場に立ちまして、法務大臣としてはどのような、最後の御所見をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○遠藤国務大臣 これは法務大臣として答えていいのかどうかは問題があろうと思いますけれども、法務大臣も一政治家でございます。そのような点で、やはり考えなければならないのは、国民からの政治に対する信頼を一層深めていかなければならぬ、そういう点は先生御指摘のとおりでございまして、そのような点から考えますと、政治倫理に対して各党間で真剣にもっと議論をし、そして立法すべきものは立法していくというような方向で努力をしなければならぬ、このような考えを私個人も持っておりますので、政治資金規正法等についても再検討の必要があるかどうかという点を素直に洗い直してみるというような点も必要ではないか、こう思っております。 とにかく信頼の置ける政治、そのような精神で私も努力をいたしたいと思いますが、これは法務大臣としてというよりも、超党派的にこの問題に取り組んでいくということが大切ではないかな、こう思いますので、先生方の格段の御努力もお願いいたしたいと思います。
○坂上委員 ありがとうございました。終わります。
○大塚委員長 冬柴鉄三君。
○冬柴委員 先ほどの質問にもありましたように、本日十時に東京高等裁判所において、田中角榮元首相に対するいわゆるロッキード裁判丸紅ルート控訴審判決期日が開かれまして、田中被告に対しては控訴棄却という判決が宣告をされました。事実審としては最終の判断でありまして、かねて検察が一審以来主張しておられた五億円のわいろの収受の事実、これの存在が積極的に認定をされたということを意味しまして、まことに重大である、このように思われます。田中首相側におきましては一審以来そのような事実を否認し続けてきたのでありますけれども、これが最終的に司法において否定をされた、このようなことを意味すると考えます。 この判決に対する法務大臣の所見をお伺いいたします。
○遠藤国務大臣 先ほどもお答え申し上げたように、きょうは十時から先生御指摘のように判決が、丸紅ルートと申しましょうか、判決が決定いたしたわけですけれども、この問題について法務大臣が裁判所の判決に対して意見を言う、感想を言うことは遠慮させていただきたいと思っておりますので、よろしく御理解願いたいと思います。
○冬柴委員 検察の方の御意見も伺いたいと思います。
○岡村政府委員 検察といたしましては、一審以来主張、立証いたしてまいったところが一審判決及び二審判決において認められたところであるというふうに理解しているところでありまして、控訴審判決につきましては、一部被告人につきます量刑の点は別といたしまして、一審判決がそのまま認められたということにつきましては、いわば当然のことであるというふうな理解をしているものと思っております。
○冬柴委員 この質問につきましては、この程度にいたします。 きょうは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律、それと医業類似行為の制限につきましてお尋ねをしたいと思います。 この法律の第十二条には、何人もその免許を受けずしてこのような医業類似の行為を業としてはならない、このようなことを定めておりまして、その十三条の三各号及び十四条各号には、そのようなものの違反につきまして罰則の規定があります。この法律は昭和二十三年に施行され、その後何回かの改正を経て今日に至っているわけでございますけれども、このような医業類似行為についての取り締まりの実態を、簡単で結構ですが、お尋ねをしたいと思います。
○阿部説明員 ただいまちょっとちゅうちょしておりましたのは、先生の御趣旨が取り締まりということでございましたので、直接私どもが取り締まり権を持っているのではございませんので、ちょっと遠慮していたのでございますが、行政解釈としてもやはり医業類似行為というのはやってはならぬという法律の趣旨がございます。ただ、後ほど先生の論議にも出てくるのではないかと思いますが、かつて最高裁の判決等もございまして、一律的に取り締まるというのはなかなか難しいというふうな状況にございまして、私ども何度か通知等を出しまして、その最高裁判決でも取り締まり、禁止される部分であるというふうに認定されているものについては一般的に許されるものではないのでということを何度か都道府県等に対しまして通知を流しまして、できるだけの、できるだけといいましょうか、指導の徹底方について指導はしてまいってきておるわけでございます。
○冬柴委員 二十三年にこの法律は施行されており、先ほどちょっと挙げられた判決は後でも若干議論したいと思うのですけれども、昭和三十五年にこのような最高裁判決があったと思うのですが、その判決のある前と、それから以後によってこういうものに対する行政の考え方、対処の仕方というものは変わっているのですか、その点はどうですか。
○阿部説明員 大分前のことでございますので、当時どうだったかということよりも最近の私どもの考え方ということを申し上げたいと思うのでございますが、法律上は何人も特定の免許を受けた者でなければ医業類似行為をやってはいけないというふうになっておりますが、最高裁の判決では、一律的に禁止することは法律の趣旨ではないはずであるというような判断が示されております。人の健康に危害を及ぼすおそれのある行為については別であるけれども、それ以外のものについては一律的に禁止するのは法律の趣旨ではないというふうな判断が示されておりますので、その後はあくまでも人の健康に危害を生ずるおそれのある行為ということについては少なくとも取り締まりを徹底しろというふうに、どちらかといいますと変わったというより極めて限定した指導方針になっているというふうに御理解いただければと思っております。
○冬柴委員 いや、厚生省、最高裁大法廷判決が出る前と後で解釈が変わったかどうか、その点だけ。
○阿部説明員 率直に申しまして、取り締まり等に当たっての考え方が変化があったというふうに考えていただいて結構だと思います。
○冬柴委員 ところで、いわゆるあんま、マッサージ、指圧等の免許を得るためには、同法の二条におきまして、養成施設というところで二年以上の勉強をする。その中には解剖学、生理学、病理学、衛生学、その他あんま等となるのに必要な知識と技能を修めまして一定の試験に合格した者に対してその資格が与えられる、こういうことであります。業法ですから、そのように資格試験をして資格を与えたということですから、それ以外の人たちには無資格でそれと類似の行為をしてはならない、当然そういうふうになってくるわけでございまして、この法律によってその人たちについては独占的にそのような医業行為を行うことができる、このような権利を付与しているわけです。 反面、そのような人たちに対しては相当厳しいいろいろな義務も課されております。例えば脱臼とかあるいは骨折の患部に対する施術を行ってはならないとか、あるいは器具や指等を消毒をして、いろいろな病気を感染させたりしてはならないとか、あるいは一番問題ですけれども、厳格に宣伝広告を制限をいたしておりまして、広告事項も法定をされている。それから、衛生上いろいろ害を生ずるおそれがあると認めるときは、そういうあんま等の施術者に対して業務に対して知事は必要な指示をできる、こういういろいろな義務がありまして、これに従わない場合には罰則があります。また、そういう施術所、行う店と申しますか場所についても、届け出をしたりあるいは構造設備、そのようなものの基準も政令で定められている。それが守られているかどうかということも検査をすることもできる。このように、権利が与えられているかわりにいろいろと非常に重い義務も課されている、このような実情があるわけでございます。 問題のこの最高裁判決でございますけれども、これはSH式の無熱高周波療法、何か温熱療法みたいなものらしいのですけれども、これに対しても昭和三十五年に最高裁大法廷判決がありまして、人の健康に害を及ぼすおそれがない医業類似行為は、一律にあんま等の法律によって取り締まるということはできないのだ、こういうことにされました。 ところで、最近世間的にカイロプラクティックというようなものが相当大きく宣伝もされ、そして一つの社会的実態として行われているようになっているようでございます。このカイロというものにつきましては、一応手を用いて人体に押しとか引きとかねじりとか、あるいはたたく等の機械的な刺激を与え、脊椎を矯正するという施術である、このように言われております。また、三省堂編集の新修百科辞典の中には、やはりカイロについての説明がありまして、「カイロプラクティックは一種のあんま術、主として脊椎部に圧迫マッサージを加えることによってその狂いを矯正し、これによって神経及び内臓器管の健全を図り、疾病を治癒せしめんとするものである。」このようなことも書かれているようであります。また、衆議院の小沢貞孝議員の質問主意書に対する答弁書もあるようでございまして、カイロプラクティックとあんま、マッサージ、指圧は同名異種の手技療法である、このような回答が過去にされているようでございます。 そこで、このカイロというものに対する厚生省の考え方を伺いたいのですが、このカイロプラクティックというのは、そのほかにも最近エステティックとかいう痩身術といいますか、そういうようなものがいろいろとあるようでございます。そういうものと、あはき法と言われるあんまとか等の法律との関係、どのように理解していらっしゃるのか、明確に答えてほしいと思うのです。
○阿部説明員 あはき法、あんま、はり、きゅう、マッサージ、指圧師法でございますが、これはあくまでもあんま術、指圧、それからマッサージ、それぞれの療法につきまして業務の内容及びその行うための資格要件等を決めたものでございますが、カイロプラクティックにつきましては、今先生お話のございましたように脊椎矯正というふうな名前でも一部に言われておりますけれども、脊椎のずれが病気のもとになるのだという考え方のもとに、手技によりまして脊椎の骨を押すなどいたしまして椎骨のずれを矯正する療法であるというふうに理解しておりまして、基本的にあんま、マッサージあるいは指圧というのと業務の性格、内容は違うものであるという考え方に立つておりまして、先生おっしゃったように、手技という手指を使うという意味では一つの共通性というのがございますけれども、その物の考え方それから内容及びその性格というものは違うものであるので、あんま、マッサージ、指圧の業務ではないというふうな考え方です。 ただ、一般的に医業類似行為というような表現がございますが、医業類似行為というのはかなり広い概念でございます。あんま、マッサージ、指圧等も医業類似行為の一種というふうに理解しておりますが、そういう意味での医業類似行為の一種としてではカイロプラクティックも同類の療法であろうというふうには考えております。
○冬柴委員 医業類似行為であるということになりますと、先ほど挙げましたあはき法のいわゆる医業類似行為の制限規定、この違反者に対する罰則規定、こういうものが働くと思うのですけれども、それでは厚生省はこのカイロに対してこのような制限規定に違反すると考えておられるのか、それとも違反しないと考えるのか、違反しないとすればその論拠はどういうところにあるのか、その点について簡単に。
○阿部説明員 医業類似行為でございますので、医業類似行為の禁止規定の文理解釈としては入るというふうに言わざるを得ないのかと思っております。 ただ、先ほど申しましたように三十五年の最高裁判決で、その法律の趣旨が、人の健康に危害を生ずるおそれのある行為についてだけ限定して制定されている趣旨でなければならぬ、それてなければ、いわば職業選択の自由というふうな点から見て憲法違反の疑いも濃厚であるという意味の判決がございますので、そういう趣旨からしまして、罰則の適用とかいうことになりますと、法解釈上無理なのではないかというふうに考えております。
○冬柴委員 要するに、無害、有効といいますか、そんなことがあるのかどうかわかりませんけれども、毒にも薬にもならない、毒にはならないけれども、薬にはなるかもわからぬ。こんな考え、私としてはどうも納得がいかないのですけれども、そういう手技を用いていわゆる機械的刺激を肉体に与える、そういうものは生体反応がゼロということでなければ少なくとも無害ということは言えないのではないかと思われるわけでございます。 また、あん摩等中央審議会、この中で整形外科の専門医の立場から骨折や脱臼の事例が報告されたり、あるいはお医者さんの代表委員の方から治療機会の喪失を招くのではないかというような発言があったとも聞いているのですが、その点についてはいかがですか。
○阿部説明員 審議会の中で委員の先生からそういった御意見といいましょうか、御指摘があり、かつまた一般的にも、カイロプラクティックによって結果がより悪くなったとかいうふうな事例もないではございません。ただ、それについても、具体的に一つの違反事件を立証できるかということまでなかなか確認できないうわさ程度のものが多かったり、あるいは患者さんといいましょうか、被害を受けた方の御了承を得られなかったりしまして、なかなか具体的な被害の実像というものはつかみにくいというのが現在の私どもの状況でございます。
○冬柴委員 ちょっと難しい質問になるかもしれませんけれども、刑事局長、こういう実態がありまして、これは業法に詳しいところですか、所管からの告発とかそういうものがないとなかなか動きにくい事案かもわかりませんが、明らかに医業類似行為というものについては罰則規定も法定されている。しかし、それの適用について判断にいろいろ揺れがあるという状況のようですけれども、検察としてはその点についてどうお考えなんでしょうか。
○岡村政府委員 ただいま御指摘の問題はかなり医学的、専門的な問題を含んでいると思われるのでございまして、一般的にそれに対してどう対処するかということはお答えしにくい点があるわけでございます。 問題は、具体的事件が発生いたしました場合でございます。この場合は、もちろん検察といたしましては厚生省その他関係機関とも十分連絡をとりまして、医学的あるいは専門的分野からの御意見も伺いまして適切に対処しなければならない問題であると思っております。
○冬柴委員 そこで、厚生省に一つ提言したいと思うのです。 カイロ自身、私は悪いとかいいとか、そんな判断をする一つの材料はありません。けれども、あんま、マッサージ、指圧師という一つの職業は、業法を設けて、片方は二年間、銭灸になりますと四年間勉強して、そうして試験に受かってようやく開業できる。カイロの場合は三カ月か四カ月何かやれば立派な卒業証書といいますか、もらって、それで堂々とやれる。マッサージ、あんまさんの方は広告宣伝もしてはいかぬ。それから、こういうふうに消毒せいとか、いろいろな行政指導がたくさんある。違反したら罰則がある。ところが、片一方は新聞とか相当大っぴらにいろいろな効果まで書いた宣伝をしていても野放しになっている。それで、保健衛生、消毒その他の行政指導も恐らくされていないと思うのです。こういうことがあっていいものだろうか。 少なくとも、もしカイロを認めるとしても、あるいはカイロとか先ほど言いましたエステティック等、我々から見れば医業類似行為と目されるのではなかろうと思われるような行為につきましても、野放してはなくて、少なくとも広告について一般消費者がそこへ行けばあらゆる万病が治るような錯覚を起こすような広告を許すとか、あるいは保健衛生の立場から、手でもって人の体にさわるわけですから、消毒とかそういうものを万全にする、あるいは施設についても清潔を保持するとかという点について、厚生省が何らかの法に基づく取り締まり等がなされるような根拠をつくるべきではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○阿部説明員 一般的に、国民の保健衛生上の有害なものがあってはならぬという意味での行政責任というのは私ども負っていると思うのでございます。そういう視点から、事実行為としてカイロプラクティックの団体なりほかのさまざまな、かなり幅広い医業類似行為が存在していますけれども、そういった団体等に対しまして、先ほど先生が言われたような一、二カ月の簡単な養成で看板を出してそういった業務を行うことのないようにというふうな意味での行政指導といいましょうか、そういうものはやっているのでございますが、その取り締まりとなると、仮にその医業類似行為について、効能効果という意味で果たしてどうなのかということが立証されていないことについてでありましても、いわば広告の制限なり、あるいは施術所についての構造設備なりということを強権的に取り締まるということになりますと、やはり行政指導ということではどうにもなりません。お話のとおりでございます。 ただ、法律的にそういう根拠をつくってやった方がいいのかどうかということになりますと、仮に広告制限でありましても人の権利義務の制限ということになりますので、果たしてそういったふうな法律規定を設ける必要性があるのかないのかということは、やはり権利の制限との一つのバランスの問題になってくるのではないかと思うのでございます。そうなりますと、御存じのとおり、先ほどの最高裁判決等で示されたことからしますと、率直に申しまして、現在のあん摩マッサージ指圧師等法の延長線上の問題としてそういったふうな取り締まり規定を新設するというのは、大変難しい問題ではないかというふうに考えております。
○冬柴委員 では公正取引委員会、来ていただいていますので、一言お尋ねします。 このような、全部ではありませんけれども、一部のカイロプラクティック業者ですね、そういう人たちの治療効果までを誇大に宣伝する、このようなことが見受けられるわけです。公正取引委員会はこのような実情を把握していられるかどうか、それから、もし誇大な宣伝、いわゆる治療効果等を、本来そういうものは許されないと思うのですけれども、そういうような宣伝をした場合、いわゆる景表法との関係をどのように考えられるか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○本城説明員 公正取引委員会におきましては、先生御指摘のようなカイロプラクティックに関しまして、具体的な事件の端緒なり、あるいはそれを問題にした、あるいは事件になったというようなことはございません。 今先生の御質問の誇大な宣伝と景表法との関係ということでございますけれども、一般的に申しまして、景品表示法におきましては、事業者が商品または役務の取引に当たりまして、その内容または取引条件についで、実際のものよりも著しく優良または有利であると一般消費者に誤認されるため不当に顧客を誘引して、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示を行っている場合におきましては、不当な表示として規制の対象になるわけでございます。 本件に関しましてはなかなか難しい問題もあるかと思いますし、現在、具体的な事件に接しているというわけではございませんけれども、具体的な表示行為に関しまして具体的な事件の端緒に接した場合におきましては、それを待って景品表示法上の不当表示に該当するのかどうか検討することといたしたい、そういうふうに存じております。
○冬柴委員 この件につきましては、関係各省に対しまして、あんまとか鍼灸、マッサージなどをやっていらっしゃる方というのは、主に目が悪い方がそれをなりわいとしていられる方が多いわけでありまして、このようないわば社会的な弱者の方の唯一とも言っても過言ではないようなこのような職域が、難しい問題があるからといって侵されることがないように、また反面、一般の大衆の保健衛生、このようなものを守る意味からも特段の配慮をしていただきたい、このように御要望申し上げまして、次の問題に移らせていただきます。 個人情報というものの規制に関する基本法を制定されてはいかがかということでございまして、コンピューターの急速な発展に伴う高度情報社会の今日、個人に関する情報が行政機関や民間企業によって大量に収集されて利用されております。そしてまた、今後この傾向はますます加速されていくであろうと予測されます。個人の基本的人権の擁護は日本国憲法の三大原理の一つでありまして、それを所管する法務省として、この際個人情報に関する基本法の制定に着手することが必要ではないか、このように私は考えているわけでございます。 そこで、通産省にお尋ねしますけれども、約二千万件の登録情報を有すると言われています株式会社信用情報センター、これはクレジット系のようでございますけれども、それを通産省として指導していられるようでございますので、時間も余りありませんので、その現状、問題点等を御説明いただきたいと思います。
○北畠説明員 ただいまの先生の御質問についてお答えをいたしたいと思います。 まず第一に信用情報センターでございますが、これにつきましては私どもの通産省の関係で割賦販売法という法律がございまして、これはいわゆる月賦、クレジット、こういうことになるわけでございますが、この会社は昭和五十九年の九月に設立をされまして、六十年の四月に営業を開始をしておる、こういうことで、クレジットにかかわります信用情報を、非常に限定的ではございますけれども、集めておる、こういう会社でございます。先ほど先生の方から登録情報数二千万件ぐらいとおっしゃいましたけれども、私の方の手元の六十二年三月末現在の数字では、大変恐縮でございますが、約三千五百六十万件、こういうような数字になっておるようなわけでございます。それで、この信用情報センターにつきましては、現在クレジットにかかわります信用情報については、銀行関係、大蔵省の関係でございますが、その団体が三つほどあるわけでございますが、私ども、大蔵省の方と十分協議もいたしまして、こういう信用情報を管理する機関につきましてきちんとした対応をするように、こういうことで指導をしております。 具体的には、昭和五十九年に割賦販売法が改正をされました際に、信用情報の適正な使用、それと正確な情報をインプットしなければいけない、こういうことで必要な規定を整備をしたわけでございますが、これを受けまして、割賦販売審議会においての議論を踏まえ、私どもの方としては昨年、六十一年の三月でございますが、通達を出した、こういうような状況でございます。 具体的には、この通達の中身といたしましては、信用情報についての適正な利用を促進するということで、具体的に収集をいたします情報の範囲、登録する情報の範囲を限定をするということでございます。すなわち、信用情報に限定するということ、それからコンピューターに入ります情報が不正確であったり、あるいは時間的におくれておる、こういうことではいけませんので、正確性、最新性を維持するということ、それからプライバシーの保護との関係では、特に目的以外のものに使用される、こういうことになってはいけないわけでございますから、このCICの職員に対して厳重な就業規則等で規制を行うというようなことで対応して、なおかつ漏えい防止をするということ、それと同時に、さらに消費者から、自分の情報がどんなふうにそのコンピューターの中に入っているかということを知りたい、こういうような要望がありました際はこれを開示をする、こういう制度を設けて対応しておる、このような状況でございます。 私どもこの問題について、このCICの運営に関しまして先生御指摘の問題というふうに考えております点といたしましては、いわゆるクレジット契約を結ぶ際には、コンピューターに入りますよということで包括同意を得ておりますけれども、その後、具体的な支払い遅延が起こった場合に、本人の方にその旨を通知した方がいいのではないか、こういう点がございますので、この点については通達の中でも要検討事項になっておりましたから、引き続きCIC及び関係の与信の関係者に対して、この問題を前向きに検討するようにということで指導しておりまして、そういう方向で現在研究、検討が行われている、こんな状況でございます。
○冬柴委員 通産省、大蔵省が指導していらっしゃるということで、その点はいいのですけれども、通産省の今述べられた、一社で国民の約三分の一の情報が短期間の間に収集、分類されている、私の情報も恐らく入っていると思うのですけれども、そのようなことを考えますと、何が入っているのかな、このような心配をいたします。 それと、経済企画庁が六十一年五月二十四日に事業活動における個人情報の収集、利用等に関する調査報告というものを出していらっしゃいますが、この中で、この報告は民間企業の三千百八十社を対象に実施されたようでございますけれども、何と一企業当たり平均保有情報量は百四十二万人に上っているということで、その情報の内容も、性別、生年月日、職業、勤務先のほか、家族構成、商品・サービスの購入歴、社会的地位、趣味、資産、病歴、犯罪歴、このような広い範囲に及んでいるということが報告されております。しかも、この約半数に当たる企業は個人情報の内部管理規則を定めていない。それからまた、個人情報の秘密の保持とか複写等の禁止等の措置さえ講じていない企業もある。それからまた、個人情報が企業内にファイルされていることを本人に通知していないというような企業が半数以上ある。そういうことがありまして、ただいまの通産省あるいは大蔵省が指導しておられるような企業は問題ないとしても、こういう一般企業がこれだけの情報を持っているということについては、ちょっとそら恐ろしい感じがするわけでございます。 そこで問題点ですけれども、先ほど通産省からも説明がありましたように、登録情報の内容をもう少し必要最小限のものに限定すべきではないかというふうに思うことと、もし誤った情報、私は犯罪歴、前科はないわけですけれども、誤って、あるいは同姓同名等で誤ってそういうものが書かれたとか、アメリカでは酒乱だというようなことが書かれたために自動車が購入できなかったという事例も報告されておりますし、そういうような誤った情報については訂正権というものを明確にしなければいけないのではないか。それから、プライバシーの侵害から保護する、そのような措置も必要だと思うのです。 そのようなことから、私は、このように本人が知らぬ間に集められた情報、こういうことについてはだれでも他人にみだりに知られたくない、ひとりでおいてほしい、こういうようなことは人間の本源的な要求だと思うわけです。しかし、我々も社会的存在である以上、孤高、山の中にひとりおるようなことは許してもらえないだろう。そういう要求を調和するために、法務省、これは人権に深くかかわることでありますので、そういう個人情報を、今通産省が言われたのは信用情報ですけれども、それを含む個人情報を収集する際に一つの基準、ガイドライン、こんなものを決めておく必要があるのではないか、このように考えるわけでございますけれども、その点についての、これは民事局ですかどこですか、お答えをお願いいたします。
○稲葉政府委員 御指摘のように、個人情報に関しましてはいろいろ社会的にも問題になっているわけであります。ただ、この個人情報をめぐりましては、プライバシーの権利として個人情報をみずからコントロールする権利を持つべきだという考え方がだんだん社会的に明確になってきつつありますが、まだ確立しているわけではない。そしてまた、その根拠といたしましても、人格権であるとかあるいは幸福追求権だとかということを根拠にしておりますけれども、一方では先ほど通産省からの話もございました営業の自由とか、あるいは官庁の場合でございますと、公共の福祉とかそういうものとのかかわり合いがあるわけでございまして、かなり相対的な問題がございます。しかも、プライバシーに関する意識というものはかなり相対的でございまして、ある人はかなり放棄してもいいと考えているのに対して、ある人は非常にそれについてセンシティブ、鋭敏に考えているという点もございまして、なかなか一般的、画一的にこれを規制するということは難しいように考えております。 しかし、今後の検討課題であることは間違いないわけでございまして、今後検討したいとは思いますが、なお各省庁においてもこの問題については十分現在検討が行われている、そのような趣旨の閣議決定もあるようでございますので、その推移を十分見守ってまいりたいと考えております。
○冬柴委員 最後に法務大臣、この点についてぜひ検討していただきたいと私は思うのですけれども、大臣のお考えを伺って終わりたいと思います。
○遠藤国務大臣 昭和六十一年の十二月三十日に閣議決定されているのは、行政機関において保存している個人の情報の保護の問題について法的措置を講じる方向で閣議で決定しておりますので、今検討のさなかである、こういうような点で近く立法される方向にあるということでございます。さらにまた、その同じ閣議決定の中において、民間企業の保有する個人情報の保護、ただいま先生お話しのような問題については、関係省庁において検討を進めるべきであるということで閣議でも話が出て決定されておりますので、その検討作業の過程において法務省として、今先生の御発言のような、やはり人権擁護ということを主とした発言を強く推し進めていきたい、そういうふうな点で努力いたしたいと思いますので、御理解願いたいと思います。
○冬柴委員 終わります。
○大塚委員長 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 さっき同僚議員からも質問がございましたが、本日はロッキード裁判についての判決が出たということでございまして、今田中さんに対するものは控訴棄却ということでございましたけれども、法務委員会が本当に法の番人なわけでございますので、さっき大蔵委員会で似たような質問が出たら、宮澤さんは余りすんなりと答えないで済ましてしまったわけでございますけれども、法務委員会におきましては、どうしても大臣のいわばこれについての御感想をまずお聞きしたいと思います。
○遠藤国務大臣 さきにも申し上げたとおり、裁判所の判決について具体的な意見、感想を述べるということは差し控えさせていただきたいとお願い申し上げます。
○安倍(基)委員 それでは、国会議員として、法の番人としての立場の国会議員として、現在いわゆる政治倫理審査会というのが国会法の改正でつくられたわけでございますね。御承知だと思います。それが六十年十二月から発足しておるわけでございます。ここに我々はこの問題を取り上げるべきであるということを主張しているわけでございますが、自民党の考えは、過去に起こったものは対象にしないというような解釈でいるとか聞いておりますけれども、これは過去に起こったことというのは非常におかしな話で、まだ決着がついてない、まさに論議の最中であるというものは過去ではないのですね。これは当然裁判所でなくて、国会として取り上げてしかるべき問題であるわけです。 しかも私のお聞きしているのは、法の番人としての委員会の主務大臣は国会議員として――この国会法はわざわざそのために改正し、過去のものは除外だという過去のものの解釈の問題になるわけですから、それはまさに継続中のものでもあるわけです。それを何で取り上げようとしないのか。取り上げるべきではないかと思いますけれども、その点はどうお考えでいらっしゃいますか。
○遠藤国務大臣 政治倫理審査会というのは、先生御承知のとおり衆議院と参議院と別個につくってあります。衆議院の方は多少時間がかかっておったようでございますけれども、参議院は素直にでき上がった。そういうような点で、一議員としてということになりますと、衆議院はやはり衆議院の考えてその倫理審査会が進められておりますので、参議院の私が衆議院の政治倫理に対してどうこう申し上げるということ、これまたひとつ遠慮させていただきたい、こう思います。
○安倍(基)委員 これはちょっと異なことを承りますが、いわば国会法の改正ですよ。私は参議院議員ですからと言われますが、私は国会議員としての御意見を承っているのであって、何も参議院議員としての意見を承っているわけじゃないのです。
○遠藤国務大臣 それはそのとおりですけれども、倫理審査会は衆議院と参議院が異なってつくってあります。そのような点で、衆議院の倫理審査会に参議院の私がこれはこうするべきであるとかああするべきであるということはどうかな、こう考えております。
○安倍(基)委員 いささか押し問答に近いのですけれども、この問題は国会議員としてのあれで、じゃ衆議院と参議院というのはもともと違うのですか。それは院は違うにしても、国会議員じゃないのですか。でございますから、私は参議院議員ですから衆議院のことは知りませんよじゃ、何のために国会法を改正したのですか。はっきりお答え願いたい。
○遠藤国務大臣 衆議院も参議院も国会議員であることは先生御指摘のとおりでございますが、政治倫理をつくった趣旨というのは、改めて私が申し上げるまでもなく、政治に対する信頼を高めて国会の権威を高める、そういうふうな目的でつくってあるということは私もよく承知をいたしております。ただこの中身において、衆議院で多少進め方や何かについても異なっている点があるのではないかということでございまして、私は今まで残念ながら衆議院の政治倫理の中身については承知いたしておりませんが、今先生の御指摘のように、過去のことは云々というようなお話があったようでございますけれども、参議院でもまだそういうふうな話は全然聞いてもおりませんので、それ以上はひとつ先生、余り聞かないでほしい、こういうふうにお願い申し上げます。
○安倍(基)委員 人のいい大臣を余り責めたくはないのですけれども、ただちょっと解釈として、これは衆議院であろうと参議院であろうと問題になると思いますけれども、過去のものを問わないというような解釈が、じゃ過去のものかどうかという問題にもなるわけですね。要するに、事実があったのとそれはまだ決着がついてないのと。まだ決着がついてないのですから、これを過去のものとして扱うのはおかしいのですよ。その辺についての御見解を最後にお聞きしましょう。一体これは過去のものであるのか。この審査会というのはそういった過去に起こっちゃったものは話にならないのか。ところが、過去に起こっちゃったこういった犯罪という問題はまだ決着がついてないのですよ。過去のものじゃないのですよ。だからこそ騒いでいるわけですよ。でございますから、これについて参議院、衆議院というのじゃなくて、一体これは過去のものとして審査の対象外にすべきであるのかどうか。これは法務の権威者としてのいわば御回答を願いたいと思います。
○遠藤国務大臣 政治倫理については、先ほど申し上げたように、国民から信頼のおける政治を中心としてつくったものでございまして、その中においてたまたま今度田中の問題からそのようなお尋ねを受けておるわけですけれども、安倍先生、これを法務大臣である遠藤にお尋ねされるということは、ちょっと私としても申し上げるのには非常に立場がつらいということは先生よく御理解願っておると思いますので、その点は特に私から、言い逃れと言うと大変語弊がございますけれども、衆議院と参議院の政治倫理は同時につくったわけでもございませんで、参議院の方は衆議院より約一年近く前につくっておる、そういうような点もございますので、私はこちらの設立の趣旨の中身は承知もしておらぬということで、御理解をちょうだいいたしたいと思います。
○安倍(基)委員 いずれにせよ、法の番人としての大臣は政治倫理というものについてもっと深い関心を持ってもらわなくては困りますよ。私がお話しいたしましたように、これはやはり裁判所の話ですよというのと、じゃ国会としてどう対処するんだというような別個の問題があるのでございまして、この点はひとつよく党内における法の代弁者としての発言をしていただきたいと思います。 次に、時間がえらい短いものでございますから、なおお聞きしたいのですけれども、実は私は浜松というところを選挙区としておるわけでございまして、そこで今非常に話題になっている暴力団の事件があるのです。これは簡単に申しますると、ある暴力団が事務所を海老塚町という町に持っていこうとしたけれども、普通だったらすぐ泣き寝入りする住民が、本当に勇敢に立ち上がって、そこでつくろうとする事務所の前に監視小屋をつくりまして、出ていってくれという運動を始めた。身の危険をも顧みず非常に勇気ある行動なのでございますが、そのうちに暴力団の方が逆に人権侵害で住民を訴えたわけです。犬が人にかみついてはニュースにならぬけれども、人が犬にかみついたらニュースになるというようなもので、暴力団が一般の住民を訴えて、それに対してこれはけしからぬというので弁護団ができまして、それが逆提訴しますよということを言い出した途端に、弁護士が刺されたわけですね。それからまた、そのリーダー格が襲われたということで、監視小屋の話が出たのが去年の八月ごろ、向こうの暴力団が提訴したのが十一月でございまして、非常に延々と続いている争いなんですよ。 本当に住民が結束して暴力団に対して立ち上がるなんということは、例のないまことに見事な行為なんですけれども、それは結局、死にませんでしたけれども、弁護士が刺されたという事件にまで発展したわけですよ。この辺を警察の方はどういうぐあいに考えておられるのか、はっきりお聞きしたい。これは、今のところ出ているのは暴力団の方が住民を訴えておる裁判でございますから、その辺のいわばいきさつなどをちょっとお話しいただきたい。
○森広説明員 お答え申し上げます。 今御質問にございましたように、暴力団が珍しく訴訟を提起いたしたわけでございますが、それに対して住民側からも暴力団を追い出すための訴訟を提起することを検討し始めた途端に大変暴力的になりまして、今おっしゃるような幾つかの事件を暴力団側からしかけてきたわけでございます。これらの事件は、警察で現行犯あるいは緊急逮捕をしておるところでございます。しかし、住民の不安があるわけでございまして、警察といたしましては、この勇気ある住民の運動というものをせっかく支援をしていく、また訴訟をする権利というものは断固擁護していかなければならぬという立場から、今後とも住民の保護、それから当該暴力団に対する取り締まりというのは一層強化してまいる、かように考えております。
○上谷最高裁判所長官代理者 今お尋ねの事件は、昭和六十一年十一月五日に提起された事件のことだと存じます。その後、口頭弁論の期日を重ねておりまして、これまでに五回の期日を重ねているという状況でございます。今までのところ証拠調べといたしましては、県警に対する調査嘱託の申し出がございまして、原告の属する団体の性格とか構成メンバー等について裁判所から警察に調査を嘱託いたしておりまして、近く回答が得られる予定でございます。
○安倍(基)委員 細かい話はいいですから、要するに考え方ですね。ちょっと質問としては難しいかな。余り影響を及ぼしてもいけないから。
○上谷最高裁判所長官代理者 この事件についてどのような判断をするかというのは、これはまさに当該事件を担当しておる裁判所の判断でございまして、私どもがこの事件についてどういうふうな判断になるだろうかとか、どういうふうな判断をすべきだろうかということを申し上げる立場にはないのは十分御理解いただいているところだと思います。今の段階ではまだ人証の取り調べ等は行われていないようでございますし、双方から事務所でありますとか監視小屋等の検証の申し出がなされているという段階でございます。今のところまだ終結の見込み等は立っていないようでございますが、次回期日がことしの八月二十四日に指定されております。裁判所の方も、いろいろ注目を浴びている事件でございますので、この事件について適正かつ迅速な手続を進めるべく努力しているところだというふうに申し上げておきます。
○安倍(基)委員 警察の方に。しかるべく取り締まるというのはどういうしかるべくですか。暴力団をしかるべく取り締まりしようとおっしゃるけれども、どういう取り締まりをするのですか。
○森広説明員 お答えいたします。 この問題に関しまして、住民に対して暴力団が暴力行為をしかけてくることが十分予想されますので、それの保護に当たる。それから、もしそういう犯罪が行われた場合には徹底的に検挙してまいることはもちろんでございますが、そのほかにも、暴力団のことでございますので既に犯罪が行われて、潜在しておる犯罪もあろうかと思いますので、そういうものの掘り起こしにも努めまして、住民運動と並行しまして警察も何とか暴力団の組織自体を壊滅に追い込むような取り締まりを徹底してまいりたい、さような心構えでおるところでございます。
○安倍(基)委員 これは一つの大きな例なんですけれども、暴力団対策はいろいろあると思うのですよ。資金源の問題とか、今に麻薬とか密輸みたいな問題も起こってくるかもしれないし、それとともに、暴力団を使う人間ですね、最近は地上げなんかに暴力団が介入するという話もありますけれども、結局どこからか金が入ってきて、また逆にそれを利用する人間がいるからこういうことになる。その辺のいわば取り締まりといいますか、暴力団全体をどうやって追い込んでいくのか。また、逆に暴力団から転向したい人間をうまく救っていくというか、結局幾らたたいても、出ていった、はみ出た人間がまたあちらこちらでもとへ戻らざるを得ないという要素を、やはり暴力団といえども人の子ですから、それをいかに矯正していくのか。その辺を警察、法務、全体として一体どう考えているのか。 たたきつぶすことは大事です。しかし、たたきつぶすのも、チンピラを捕まえてみてもしようがない、また出てきた犯罪をつかまえてもしようがないので、そのもとになるところをどうたたいていくんだ。たたいたあげくつぶれていったところをどうやって中から正業に戻していくのか。その二つがポイントだと思うのですけれども、その辺はどういう対策が立てられているのですか。
○森広説明員 暴力取り締まり問題の大変根本に触れるようなお尋ねであると思います。確かに暴力団というものは普通の犯罪集団と違いまして、単に国民の財産を奪うとか生命、身体に害を加えるとかというだけの存在ではございませんで、昔から賭博を開帳したり覚せい剤の販売をしたりというように、いろいろ不法ではあるけれども国民の中にそういうものを求めている者がおる。そういう者に対して一定のサービスとか禁制品を販売することによって、犯罪行為を行うのみではなくて、いろいろそういうことによって資金源を確保し、自分たちの組織を伸ばしておる。同時にそれは、ある一面の見方をすると、国民の中にもそういう暴力団のサービスやら財貨やらを求めている者がいるから暴力団がなかなかつぶれない、こういう関係にあるのは先生おっしゃるとおりだと思います。私どもとしては、取り締まることだけではなくて、やはり国民の間に暴力団を否定するような風潮を巻き起こして、国民と一緒になって暴力の排除に努めていかなければならないと考えております。 またもう一点、暴力団構成員を検挙いたしましても、多くの場合また再び暴力の社会へ舞い戻るということが指摘されておるわけでございます。警察といたしましては、暴力団員を検挙した場合には暴力組織から離脱するように、あるいは組長、幹部クラスを検挙いたしましたときには暴力団の組織を解散するように強く勧告をしているところでございますが、政府の閣議決定にも基づきましていろいろな関係省庁がこれに協力をし、特に法務省におかれましては更生保護行政の面で、そういった暴力団につきましても、犯罪者の保護、更生という面で御努力をいただいていると認識をいたしております。
○安倍(基)委員 時間も少ないので、大臣に、今度の浜松の問題は本当に勇気ある市民運動なんですよ。だから、この具体的な案件についてどうお考えになっているのかが第一点でございます。 第二点が、今話が出た、暴力団をいわばつぶしていくというのは単に警察だけの問題ではないと思われるわけです。どういう資金源を押さえていくのかということと、それをつぶして正業に戻らせるというのがまた新しい分野。それは警察だけでは、警察が暴力団で捕まった人間をこの人間がいいからどこかの会社に推薦しますなんてことをやったらとんでもない話になってしまいますから、警察だけでは処理できない要素があるわけですね。 この第一の浜松事件についての方針、これは警察の方針でもございましょうけれども、と考え方。二番目が私が今あれした、暴力団をいわば壊滅させるためには、単に警察にハッパをかけるだけじゃだめだ、むしろ警察、法務、ほかの省庁も含めて考えていかなければいかぬという考えですけれども、その点、二つの点についてお聞きしたいと思います。
○遠藤国務大臣 浜松の事件については、今静団地検浜松支部において送検しておることは先生御承知のとおりであります。この問題で、この町において起きた、先ほど先生もお話しのとおり、暴力に町の人たちが立ち上がったという勇気には私も敬意を表しておきたいと思います。最近ややともすると、自分に火の粉がかからないとというような、案外そういうふうな世の中になりつつあるような感じもいたします。電車の中でも暴力を振るわれていてもだれも素知らぬ顔して別な方を見ているというのが、最近そういう傾向が多いときにこのような問題に市民が立ち上がったということに対して、私は敬意を表するのみでなく、やはりそういうふうな問題に対しては厳正に臨んでいかなければならぬ、こういうふうなことが一つ。 今先生御指摘のとおり、暴力団の根を絶やすという問題、それからその組織自体は解体させたが、後は知らぬというようなことであってはならぬ、それがまた芽生える動機にもなるというようなお話、もっともだと私は承知をいたしております。そのような点で、これはただ単に取り締まりだけで根絶する問題ではない、こういうふうにも承知をいたしておりますので、この問題はもろもろの各省庁において一体になって汗をかいて努力しなければ、この組織の解体ということが真の解体にはならぬ、こういうような点があろうと思いますので、適当な機会に閣議においてこの問題を発言して、各省庁の協力を得て、暴力団の一掃と今後二度と芽生えないような方法を講じていきたい、このような考えを持っております。
○安倍(基)委員 非常に前向きな御答弁をありがとうございました。 特にまず第一の浜松の問題も、せっかく立ち上がっても一年以上もめるわけですよね。そのうちに刺されるとかいう話も出てきている。ですから、この決着をちゃんと、せっかく立ち上がったものが結局は十分な援助がなくてつぶれてしまったとなると、二度とそういう動きが出てこない。この点についてかたい御決意をひとつお聞きしたい。 二番目の、閣議においてというのは、一つの特別の機関というか、連絡の機関でもつくってそういったものに対処していくというおつもりであるのか、その二点をもう一遍御確認して終わりたいと思います。
○遠藤国務大臣 今先生おっしゃるとおりでございまして、浜松のような問題を二度と繰り返させないように、再犯防止のために努力していき、そしてこれから一般の市民の方々、国民の方々の、正義に立ち上がってあくまでも悪を懲らしめるという姿勢を通させるような制度にしていかなければならぬということが一つと、その暴力団組織の壊滅、根を断つということに対して各省庁と協議をして、そのもろもろの方策を樹立させたい、そのようなことを申し上げておきたいと思います。
○安倍(基)委員 どうもありがとうございました。今のお答えを承って、非常に心強うございます。 いずれにせよ、こうやってテストケースとして出てきたものが、いわば後からサポートがないままに結局うやむやになってしまう、その結果二度とこういうことがあらわれないということを私は心配いたしますので、この二点についていいお返事をいただきましてありがとうございました。 私の質問を終わります。
○大塚委員長 安藤巖君。
○安藤委員 法務大臣は、きょう東京高等裁判所で言い渡されましたいわゆるロッキード事件の判決に対しての所見なり感想なりは御勘弁願いたいということで、おっしゃらなかったことは先ほど来聞いております。 そこで、私一言お尋ねしたいのですけれども、政治家たるもの、一般的な犯罪行為はもちろん、いやしくも職務に関する汚職、これに対して疑いを持たれるとか、あるいはこれにかかわるとか、そういうことは全くないように姿勢を正しておかなければならぬということについては御異存がないと思うが、いかがでございましょう。
○遠藤国務大臣 そのとおりでございます。
○安藤委員 そこで、きょう予定しておりました問題についてお尋ねをしたいと思うのです。実は昨年の十二月三十日午後七時二十分ごろ、茨城県西茨城郡七会村字塩子の阿久津改蔵さん、当時六十歳の人が自宅の庭先で暴漢に襲われた事件があるわけなんですね。この事件のてんまつについて、まず警察の方にお尋ねをいたします。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 お尋ねの、茨城県七会村在住の阿久津改蔵氏にかかわる刑事事件でございますが、同氏に対しましては傷害事件が起こっております。これは、ただいまお尋ねのとおり、昨年十二月三十日午後七時二十分ごろ、阿久津改蔵氏が自宅の前にあるビニールハウス前の街灯のスイッチを入れようとしましたところ、ビニールハウスの物陰に潜んでいた犯人にナイフ様の刃物で顔面、頭部、右手等十一カ所を切られ、全治三週間の傷害を受けたというものでございます。 この事件につきましては、当日の午後七時三十分ごろ、同氏の家族から一一〇番通報がございまして、これによりまして警察として事件を認知いたしまして、被害者からの事情聴取を初め、現場の実況見分、現地現場周辺からの聞き込み、凶器の検索等所要の捜査を行っておるところでございます。
○安藤委員 阿久津改蔵さんが負った傷害の程度につきまして全治三週間というふうにおっしゃったのですが、私が持っております診断書によりますと、これは百七針を縫うという大けがで、二回形成手術を行って、なお五カ月の経過観察を要す、こういうふうになっておりますから、相当な重傷だというふうに思っております。しかし、今その中身についてあれこれ申し上げておる時間的な余裕がありませんので、先へ進みます。 ところで、この阿久津さんは七会村のいわゆる阿久津党と言われる名家の中心人物で、村の参与もしておられる有力者であります。この七会村へ自衛隊の爆破訓練場を誘致するという問題が起こりまして、実はこの誘致につきましてはことしの二月の十四日に村当局と防衛施設庁との間に協定書が結ばれた、こういう経過であります。 新聞の報道それからその他村民の皆さん方から私がお聞きしたところによりますと、この被害者の阿久津改蔵さんの誘致問題に対する態度、これは最初のうちは条件つきで賛成という態度であったわけです。その条件は何かといいますと、地場産業の発展のための補償がしっかりいただけるということでメリットがあると考えられた。そこでいろいろそのために努力をされてこられたのでありますが、村当局がだんだん補償を無視した条件で訓練場の受け入れを決めるという動きが出てきた。そこで、約束が違うじゃないかということで阿久津改蔵さんは反対の立場をとられるようになって、誘致反対派の旗手、旗頭と目されるようにもなってきた、こういうような事情があるのですが、警察の方はこの事情は御存じでしょうか。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 お尋ねのような情報も含めまして、現在幅広く捜査を行っておるところでございます。ただ、そうした事情が本件事件に結びつくかどうかということは現在判明いたしておりません。
○安藤委員 そこで、防衛施設庁の方にお尋ねをしたいのですが、この訓練場の誘致の問題について、昨年の七月の四日、それから七月の二十九日、この両日に七会村の方は村長、助役それからこの阿久津改蔵さん、そして水戸防衛施設事務所長の板垣靖雄さんほか二名が七会村のやまびこの里というところで会談を行った。これが七月の四日。それから同じく昨年の七月の二十九日、今度は水戸市のプラザホテルにおいて、阿久津改蔵さんと助役、そして板垣所長とがまた意見交換を行った、こういうような事実がありますか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問の件でございますが、東京局の担当と村長さんとの会談に阿久津改蔵氏が二度同席されたということは承知いたしております。
○安藤委員 日にちはいいですか。
○佐藤説明員 はい、そのとおりでございます。
○安藤委員 それから続いて九月の二十二日に、今度は村長さんと板垣所長がいろいろ会談をなさったという事実があるのですが、このときには阿久津改蔵さんは出席をしておらなかったという事実は知っておられますか。
○佐藤説明員 お答えいたします。 お尋ねの日には阿久津改蔵氏が同席されたとは聞いておりません。
○安藤委員 最初に申し上げましたように、阿久津改蔵さんは最初賛成でそれから反対に回ったということで、最初の七月の四日、七月の二十九日には同席をしたけれども、九月の二十二日にはもう反対側に回ってこの席には参加しなかった、あるいはさせてもらえなかったか、どちらかですが、とにかくしていなかった、こういう事実の経過があります。 ところで、十一月の終わりごろに現在の村長である岩下金司氏が村長に立候補するということを意思表示をされた。これは当時の村長である、村長の選挙は統一地方選挙でことしの四月にあったわけですから、当時の村長であります阿久津憲一に対抗して対抗馬として出てくる、こういう形になったわけですね。そして、この被害者であります阿久津改蔵氏が強力にこの岩下金司氏を応援をする、こういう格好になってきたわけです。こういうような事実は警察の方は知っておられますか。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 お尋ねのような事情につきましても承知いたしておりまして、そのようなことも念頭に置きまして幅広く情報収集をいたしておるところでございます。しかし、これもまた本件事件と直接関係があるかどうかということはまだ判明いたしておりません。
○安藤委員 後で余分なことをつけ加えなくていいです。これはこれから徐々に明らかになるのだから。 ところで、これは防衛施設庁にお尋ねしたいのですが、昨年の十月中旬、これは日にちは特定していないのですが、当時の阿久津村長と先ほどからいろいろお話が出てきております板垣所長が茨城県の知事に会いに行った。もちろんこの訓練場の施設の誘致に関係することだと思うのですが、こういうようなことがあったかどうか、どうですか。
○佐藤説明員 私といたしましては、承知いたしておりません。
○安藤委員 それは私としてはですが、これは具体的な事実として私は聞いておることでありますが、続いて十二月の二十八日、現在の村長岩下氏ですね、立候補を表明した、この人に対して、村長への立候補をやめよという知事の方からの意向が、ある県の有力者を通じて伝えられた。ところが本人は、もちろん断固としてこれを拒否した。これは本人が言っていることであります。 そこで、村長が誘致反対派にかわったら、いわゆる阿久津憲一村長から岩下村長ということにかわったら、これは反対派にかわるわけですから、誘致に支障が出るだろうというのが当時の村民の皆さん方の一致した意見だったというのは私も聞いておりますし、新聞の報道でもあるわけです。そして最初に申し上げましたように、本件の阿久津改蔵さんが暴漢に襲われだというのは、この十二月二十八日から二日たった十二月三十日のことなんであります。 続きまして、この阿久津改蔵さんのところには、これはことしになってからですが、二月の十四日、先ほど来申し上げておりますように、自衛隊の爆破訓練場誘致の協定書が締結されたその日の午前五時三十分ごろ、この阿久津改蔵さんのうちの栽培用鉄骨プレハブ平家建物から出火をした。これはもちろん放火事件ということになっていろいろ捜査が続けられているというふうに聞いておりますが、まさにこれは協定書が締結されたその日の朝、火をつけられているのですね。 こういうようなことから考えますと、やはりこの自衛隊の爆破訓練場誘致問題に絡んだ傷害事件、これは最初殺人未遂事件ということで捜査を開始されたそうですが、二十四時間たったら傷害事件に切りかえられた。その辺も私はおかしいと思いますけれども、きょうはその問題は別にします。そして協定書締結のその日に火がつけられたということで、これはまさにこの誘致問題に絡んだ事件じゃないのかなと思っておりますが、それと絡んだ事件だという認識を持っておられるかどうか。先ほどからそれはどうこう言っておられるのですが、今私は事実の経過をずっと申し上げてきたのです。そして、昨年の十二月三十日から八カ月たった、放火事件からも五カ月たっているわけです。この間いろいろ御努力はしておられると思うのですが、目星は全くついていないのかいるのか、捜査の状況は一体どうなっているのか。村の人たちは大騒動をやっておるのですよ。その辺の事情をお聞かせいただきたいと思います。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたように、あらゆる情報を多角的に収集いたしまして現在捜査をいたしておるところでございます。特に県警本部捜査一課から地元の笠間警察署に捜査員を派遣いたしまして、現在も引き続き鋭意捜査をいたしておるところでございまして、大変困難な事件でございまして、時間はかかっておりますけれども、なお懸命な捜査を続けたいというふうに考えております。
○安藤委員 大分期間が経過しておるのですが、そして七会村というところは、もちろん犯人は村の中にいるとは限りませんし、村民であるかどうかもわからぬわけですが、村は有権者二千百十七人というところなんです。小さな村です。この小さな村で起こった大事件、有力者がやられちゃったわけですから、家にまで火をつけられた。これが八カ月たってもわからぬ、五カ月たってもまだわからぬということではいかぬと思うのです。それは相手があることですから一概には言えませんが。 それから、捜査の態勢も最初は三十人ほどでしたか、それが今半分以下に縮小されているという話も聞いているのですが、そういうこととも関連いたしますと、どうも少し手ぬるいんじゃないのかなという印象を受けるのですが、鋭意鋭意とおっしゃるけれども、どうですか。捜査の態勢も少なくなっているのですが、さらにもっと力を入れて頑張るというようなことをもう一遍はっきり言ってください。
○広瀬説明員 現在まで懸命な捜査をいたしておるところでございますが、引き続き県警本部並びに所轄署において懸命な捜査をするところでございまして、また県から報告を求めつつ警察庁においても指導をしてまいりたいと思っております。
○安藤委員 そこでもう一つ、先ほどからも問題にしておるのですが、爆破訓練場の誘致問題に絡む賛成、反対、新聞等がそれも書きながら選挙絡みだということも言われておるのですが、この誘致問題がこれに絡んでいるんじゃないのかという点はどういうふうに考えてみえますか。
○広瀬説明員 ただいま捜査中でございますので、何がこの事件の真因であるかということはまだ判明いたしておりません。多角的に捜査をしてまいりたいと思っております。
○安藤委員 そこで、最後に防衛施設庁にお尋ねしたいのですが、事ほどさように問題はいろいろややこしいことになっておりまして、協定書は二月十四日にできたわけですね。協定ができたわけですが、この協定の中身を全部村民に公開していない。村民に対してどういうことになるか、危険の問題とか公共事業がどういうふうにいろいろ補助をいただいてやれるのかどうか、あるいは産業の問題がどうなるのか、あるいは爆破訓練場ですから火薬を運ぶについてどうなっているのか、そういうような点について協定の内容を全部村民に公開してほしいという、非常に強い村民の要望があるのです。だから、そういうようなこともいろいろ問題になってこうなっているのではないかという気がするのですが、その点については施設庁の方はどういうふうにお考えでしょうか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 協定の主たる内容につきましては、村内の十カ所の告知板に掲示いたしまして村民に周知が図られた、かように承知いたしております。 それから公開の件でございますが、これまた協定当事者の意向を伺った上で御返事申し上げたい、かように存じます。
○安藤委員 先ほどおっしゃったような掲示場に云々という話は私も聞いているのです。しかし、それではまださっぱり要領を得ない、不十分だというのが村民の声、それから阿久津改蔵さんの声でもあるわけです。まだ別の協定書があるのじゃないかというぐらいの声まで上がっているのです。そうなればこれは施設庁としても心外じゃないのかなという気がしますし、当局者の方から何か要請があればということを今おっしゃったのですね。ということは、村民の方から、そして村民の声を代表すべき村の方からそういう要請があればやるんだ、こういうふうに伺ってよろしいですか。
○佐藤説明員 お答えいたします。 この協定につきましては、先生御承知のように、茨城県知事を立会人といたしまして、七会村村長、それから東京防衛施設局長、それから陸上自衛隊の施設学校長、この四者で協定を締結いたしております。したがいまして、協定当事者の御意向もあろうかと存じますので、その辺調整した上で御返事を差し上げたい、かように申した次第でございます。
○安藤委員 いや、当事者とおっしゃっても、知事は立会人でしょう。あとはみんな防衛庁なり防衛施設庁の身内ですから、残るのは村当局、これ以外にはないわけですから、その辺のところを村民がそういうような意向だということも話していただいて全部公表するということに御努力をお願いしたいと思います。 そこで、最後に大臣、本件の、といいましても私がいろいろお尋ねしております阿久津改蔵さんに対する傷害事件、放火事件、これは先ほど来申し上げておりますように傷害事件から八カ月、放火事件から五カ月たってもまだ鋭意、多角的にということをおっしゃるだけで、近いうちにというお言葉が出てこないわけなんです。これでは村民に対しても、そういうがちゃがちゃとした中での不安、いら立ちというのがあると思うのです。だから、これは厳正に速やかに捜査に力を入れて事件解決のために警察庁の方が努力をすべきだと思うのですが、その点について、わしは管轄が違うということはおっしゃらないで、正義の実現のために法の執行の最高責任者であられるわけですから、一言所見をいただいて私の質問を終わります。
○遠藤国務大臣 ただいまの事件については警察当局が鋭意捜査中、こう承知をいたしておりますが、さらに私の方からも緊密な連絡のもとに一層捜査に拍車がかかるようなことに努力いたしたい、こう思いますので、御了承願います。
○安藤委員 どうもありがとうございました。
○大塚委員長 次回は、来る三十一日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時散会