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109回国会衆議院1987/08/21

内閣委員会 第4号

発言数
124
登壇者
19
会派数
5
開催日
1987/08/21

会議録

石川要三自由民主党

○石川委員長 これより会議を開きます。  公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。  まず、去る六日の一般職の職員の給与の改定に関する勧告及び週休二日制の改定に関する勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。人事院佐野人事官。

佐野弘吉人事院人事官

○佐野政府委員 御説明申し上げます。  人事院は、去る六日公務員の給与と週休二日制に関する報告及び勧告を国会と内閣に提出いたしました。本日、早速勧告内容について御説明申し上げる機会が与えられましたことに衷心から感謝いたします。以下、その概要を御説明いたします。  まず初めに、給与勧告の内容について御説明いたします。  公務員の給与については、従来から民間の給与と均衡させることを基本としてきております。本年は、民間賃金の精密な調査はもとより、賃金を取り巻く諸情勢についても詳細に調査し、また、従来にも増して国民各層との意見交換の機会を設けるなど、公務員給与の取り扱いについてさまざまな角度から検討いたしました。  民間企業の状況について見ると、厳しい経営環境のもとで多様な経営上の努力が行われていることが認められましたが、大部分の企業において、低率とはいえ例年どおり賃金改定が行われていることが確認されました。また、国民各層から表明された意見を見ると、行政に対する厳しい注文がある一方、職員の処遇を適切に維持することの重要性を指摘するものが多くありました。  さらに、昨年、関係各位の御努力により勧告どおりの給与改定が行われ、このことが職員の勤務意欲や労使関係に好ましい影響をもたらしたことは、各職場の管理者が指摘するところであります。  以上申し述べました諸事情、四現業職員との均衡、公務員の生活等を総合的に勘案し、勧告制度の趣旨、役割をも踏まえ、例年に比べ低率ではありますが、官民較差に見合った給与の改定を行うことが必要であると認め、勧告いたしました。  改善に当たりましては、本年の官民の給与の実態等を詳細に検討し、三千九百八十五円の較差の配分として、俸給に三千四百十四円、一・二六%、手当に三百七十四円、〇・一四%、この改善の定率手当へのはね返り百九十七円、〇・〇七%といたしました。  まず、俸給表につきましては、民間初任給の上昇傾向等を考慮して、初任給に重点を置きつつ、全俸給表にわたって金額の改定を行っております。  また、指定職俸給表につきましては、諸般の事情を勘案し、行政職と同程度の改善としております。  次に、手当につきましては、民間における支給状況等を考慮し、通勤手当及び住居手当について改善を行い、その他医師の初任給調整手当についても必要な改善を行っております。  特別給については、公務員の期末・勤勉手当の年間の平均支給月分と民間のボーナスの年間の支給月分とがほぼ均衡しているので据え置いております。  実施時期につきましては、本年四月一日からとしております。  次に、週休二日制の報告及び勧告の要点について御説明いたします。  公務員の週休二日制につきましては、現下における民間の週休二日制の普及状況、公務において実施している四週六休制の試行の状況その他の諸状況を勘案しますと、この際、公務員の週休二日制を四週六休制に進めることが必要であると認め、勧告することといたしました。  今回勧告いたしました四週六休制は、基本的には四週五休制の方式を踏襲することとし、また、当面、職員が交代で休む方式を予定したものとしておりますが、政府において土曜閉庁の実施の方針が決定された場合には、その方針に沿った閉庁方式への対応も可能なものであります。  実施時期につきましては、現在実施している試行に引き続く形で速やかに実施されることを要請しております。  なお、今勧告による四週六休制は、職員の勤務時間を短縮するものであるため、勤務一時間当たりの給与額の算出に当たっては、短縮後の勤務時間を基礎とすることにいたしました。  また、今回の報告の中で、土曜閉庁問題、公務員の勤務時間短縮、週休二日制のこれからの方向について言及しております。  土曜閉庁の問題につきましては、基本的には行政サービスのあり方に係る問題として、政府において御判断いただくべきものと考えておりますが、人事院としては、土曜閉庁の実現が望ましいと考えており、政府に対し、この問題についての検討を要請いたしております。  公務員の勤務時間短縮、週休二日制のこれからの方向については、完全週休二日制を目標に掲げ、近い将来においてその実現を可能とするため、計画的に条件整備を進める必要があることを、また、実勤務時間短縮のためには超過勤務の短縮が必要なことを申し述べております。  以上、給与及び週休二日制の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。  人事院勧告は、労働基本権制約の代償措置として、国家公務員法の定める情勢適応の原則に基づき、職員の勤務条件を民間と均衡させるため行うものであります。  本院としては、職員をより一層職務に精励させるとともに、公務に必要な人材を確保し、将来にわたる国の行政運営の安定を図ることが重要であり、そのためにも職員に対し給与を初めとする勤務条件を適正に確保することが必要であると考えております。  内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割に深い御理解を賜り、何とぞこの勧告のとおり早急に実施していただくようお願い申し上げます。  以上でございます。     ―――――――――――――

石川要三自由民主党

○石川委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口健二君。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 私は最初に、給与担当大臣であります山下総務庁長官にまずお尋ねをいたしたいと思います。  ただいま人事院の方から、去る八月六日に出されました今年度人事院勧告について、その趣旨の御説明をいただきました。給与引き上げにつきましては三千九百八十五円、率にして一・四七%ということでありますから、史上最低の金額、率だというふうに思います。過去七年間にわたって人事院勧告が抑制をされてきたその経過から見て、それによってこうむった損失などを考えますと問題がないとは言えませんけれども、今日人事院勧告制度が民間準拠という制度をとっておる以上、今回の勧告についてはこのようなものであろうかというふうに実は理解をしておるわけであります。  とりわけ、今回勧告または報告という形で出されました労働条件の中での四週六休制に対する勧告、あるいは今もお話がありました週休二日制へ向けての取り組みの問題、とりわけ、土曜閉庁という思い切った提言がなされておるわけであります。この問題が勧告で出されまして以来随分マスコミ関係でも反響がございまして、目にとまっただけでも随分あるわけでありますが、このマスコミの報道を見ておりましても、今回の勧告については大変好評であると言っても言い過ぎではない。国民も大きな支持を与えておる。見出しを見ても、お役人は働き過ぎであるとか役所が休んでくれないと後がついていけないとか、さまざまな国民の声も実は発表されておるわけでありますが、この勧告並びに報告を受けまして、給与担当大臣であります山下長官としては今後どのようにこれに対応し実現をしていくか、このことについてまず当面の取り扱いといいますか基本的な考え方についてお伺いをいたしたいと思います。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 八月六日に人事院から給与及び週休二日制に関する報告並びに勧告をちょうだいいたしまして、その概要につきましてはただいま佐野人事官から御報告があったとおりでございます。私どもといたしましては、給与関係閣僚会議においてその取り扱いにもう既に着手したところでございます。  私といたしましては、これはただ単に総務庁だけで処理できる問題ではございませんので、もちろん私が主管の大臣という責任者でございますが、国政全般にわたる問題でもございますので、関係行政機関とも話し合いながら、もちろん今申し上げましたそういう立場にある私としては完全実施が最も大切であるという考え方に変わりはございません、完全実施を目途にしながら関係諸機関と話し合い、一日も早く詰めてまいりたい、こういうふうな決意でございます。  さらに、週休二日の問題でございますが、四週六休につきましては既に昨年の十一月から試行いたしております。大過なくこれがずっと今日まで続いておりまして、総務庁を中心にさらにこの取り扱いを検討してまいりたいと思っております。  それから、閉庁方式の導入につきましては閉庁問題専門部会、各省庁の人事担当課長で構成されておりますが、そこで既に検討に入っております。今後さらに具体的な諸問題について検討を加え、ますますその内容を深めながら結論を急いでまいりたいと思っております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 それでは、官房長官に御出席をいただいておりますので、給与関係閣僚会議の座長という立場でひとつお尋ねをいたしたいと思うのであります。  昨年は八年ぶりに人事院勧告が完全実施をされました。公務員並びに関係者の皆さん方は大変喜んでおるわけでありまして、人事院の報告の中にも、「昨年、勧告どおり給与の改定が行われ、これにより労使関係が安定し、各職場に好ましい影響がもたらされたことから、勧告に対する期待には大きなものがある。」というふうにも指摘をしておるわけであります。  今、山下長官の方からも基本的な立場をお伺いしたのでありますが、特に今全国の公務員の皆さん方は、この勧告が出されてから、一日も早い閣議決定、完全実施を実は望んでおるわけであります。昨年と違いまして、ことしは勧告がなされ、ちょうど今日臨時国会が開かれておるわけでありまして、当然この臨時国会において処理されるべきものであるというふうに私どもは考えるわけでありますが、今後の閣議決定、さらにはその後の扱いについて官房長官の方からお答えをいただきたいと思います。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 六日に人事院から勧告と報告をちょうだいいたしまして、その翌日に給与関係閣僚会議を開きましてその内容の説明を聴取し、若干の意見の交換を行いました。  ことしの給与勧告は、昨日来人事院の方から御説明がございましたように、厳しい雇用情勢の中で公務員の給与を引き上げる、一方、法律には五%条項というものもある、こういう中での勧告であるだけに、人事院当局としても慎重の上にも慎重に調査をせられまして、その上での御勧告あるいは御報告であったと思います。それらを私どもとしては率直に受けとめまして、給与関係閣僚会議で十二分に各方面からの検討を加えまして、できるだけ早く結論を得て所要の措置をとってまいりたい、こう思いますが、御案内のように、今こういった国会の開かれているさなかでございますし、閣僚が相当多数集まるわけでございますから、あと何回かの関係閣僚会議を開かなければなりませんで、今直ちに、例えばこの国会中に法律案を出せとかいうようなことになりますと、私は実際問題としてそれは難しい、こうお答えせざるを得ません。  しかし、いずれにいたしましても、従来からの先例もございますし、それから私どもとしては、やはり人事院の給与勧告というものは政府は最大限に尊重するというのは当たり前の話でございますから、そういうような立場に立ちながら、職員の諸君にできるだけ早く安心感を与えるような基本的な認識のもとに準備を進めていきたい、こう考えておりまするので、御了承を賜りたいと思います。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 状況はよくわかりましたが、どうでしょうか、閣議決定の時期の見通しくらいはまだ御判断できませんか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 今日の段階でいつごろ閣議決定をなし得るかというのは、先ほど言ったようないろいろな客観情勢が厳しい状況の中での勧告でございますし、しかし基本は尊重するということでございますけれども、やはり各方面からの広い目配りに基づいた論議を経ませんと、急速に閣議で決めるというわけにも今の段階ではまいらないのではないか、多少の時間のゆとりをいただきた  しかし、いずれにいたしましても職員にいたずらに不安感を与えるといったようなことのないように、これは私どもは十分心得てやりたい、こう思っております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 官房長官に、突然のことで大変申しわけないのでありますが、せっかくきょうお越しをいただきましたので、もう一点だけお尋ねをさせていただきたいと思うのであります。  実は私も昨晩からニュースを見ておりまして大変びっくりいたしました。けさの朝刊にも各紙ともかなり大きく取り扱っておるわけでありますが、ソ連における日本の防衛駐在官と三菱商事の次長が、強制国外退去ということではないと思いますが、自主的な退去を求められた。これに関して今度は逆に日本の方から、外務省としては駐日ソ連通商代表代理の方を国外に出ていただく、こういうことが大きく報ぜられているわけであります。  日ソ関係、いろいろ多くの懸案があるのでありますが、私どもとしては、さらに友好を深めていかなければならぬ、日ソ関係の国交というのはより緊密な方向に持っていかなければならぬというふうに考えて、実は大変ショックを受けておるわけでありますが、この問題に対して官房長官としてはどのような御見解を持っておられるか、ひとつこの機会にお伺いしたいと思うのであります。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 これは私がお答えするのが果たしてどうかなという気もしますけれども、国務大臣という立場で率直にお答えをいたしたいと思います。  御承知のとおりに、昨日、ソ連側から在ソ日本大使館の方に、竹島一等書記官、これは防衛駐在官でございますね、それと大谷という三菱商事の支店の副所長両名に対して、その資格にふさわしくない行動あり、したがって、ペルソナ・ノン・グラータ、PNGではないけれども、自主的に退去をしてもらいたい、こういう要請があったわけでございます。  日本側は昨日、やはり先般来問題になっておりました東京航空計器の事件に関連をしてポクロフスキー通商代表部代表代理について、やはり、PNGではないが国外退去を要求する。これは、事件の内容は既に御案内のとおりだろうと思います。これに関連をしておるわけでございます。  さてそうなると、今あなたが御質問になったように、何かお互いに報復みたいな形だなという理解をされがちでございますが、私はそうではないと考えております。東京航空計器の方の問題は既に七月二十日、竹島書記官のオデッサ旅行は七月二十九日、末のことでございます。そういった時系列を見ましても、日本側が対応、報復措置といったようなことを考えたわけでは絶対ございません。これは一応別問題である、かように御理解をしていただきたい、こう思います。  いずれにいたしましても、今回の措置を静かに考えました場合に、ソ連側も、日本側ももちろんそうですが、PNGの措置をとってないということですね。自主的退去を要求している。つまり、これは抑制的な方針であることだけは双方とも間違いがないわけです。そこらをよく考えますと、こういったことは諸外国の間ではしょっちゅうあることなんですね、日本では非常に珍しいのですが。お互いに抑制的な考え方をとっておる、ということは、つまりは、何といっても肝心なことは、日ソ両国の友好関係というものをこういうことで壊したくはない、日ソ友好を推進をするということは双方とも必要であろうと判断をしておるのではないか、私どもはもちろんそうでございますから。そういうようなことを考えますと、このことによってこれが日ソ両国の政治問題化するといったようなことではない、私はかように考えます。  ただ、竹島一等書記官に対する先方の退去要求の理由については私どもとしては認めるわけにはまいらない。これは単なる視察旅行にすぎないので、資格に反したいわゆる諜報活動をやったというような事実はないということで、ソ連側のこの理由については私どもとしては遺憾に思うし、承服するわけにはまいりません。  しかし、さればといって、これがPNGではないにしても、退去要請を自主的ではあるが要求があった以上は、速やかに日本に帰国をさせませんと、ソ連の大使館に置いておいても今後の任務遂行は全く不可能だと私は思います。そういう意味合いから、退去要求のあった竹島書記官については一刻も早く東京に帰らせたい。同時にまた、ソ連側もポクロフスキーをどう取り扱うか、これはソ連側の対応でございますが、適切なる措置をとられるもの、かように考えております。  いずれにせよ、こういう事件によって、両国の大きな政治問題化して一層日ソ間の関係が悪化するということのないように私どもとしては努めなければならぬ、かように考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 官房長官、どうもありがとうございました。結構でございます。  それで、先ほど人事院の方から説明がございました勧告並びに報告について、とりわけ四週六休の試行の状況、それから特に週休二日という報告が出されておるわけでありまして、今もお話がありましたように土曜閉庁という新たな問題が提言をされておるわけであります。  本来ならば、まず総務庁の方にこの状況をお聞きをしたいと思ったのですが、ちょっと時間の関係もありますので、今までの論議の経過からいって非常に問題があるという省庁、二、三来ていただいておりますので、まず各省の方からちょっと状況を報告していただきまして、それをお聞きした上で後ほどまとめて総務庁の方の御見解なりを賜りたい、このように思いますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、文部省の方から四週六休の試行の状況なりあるいは今後の対応、週休二日まで展望して、どういうところに問題があるのかあるいは現状どうなっておるのか、この点について概略お聞きをいたしたいと思います。

奥田與志清文部省教育助成局地方課長

○奥田説明員 お答えを申し上げます。  公立学校の教員の週休二日制の問題につきましては、学校におきます教育活動との関連を考慮して実施する必要がございます。  先生も御案内のように、現行の教育課程は週六日を前提に編成をされるということでございますし、一方、夏休みなどの長期休業期間中もございます。そういうことから、これらの長期休業期間中にいわゆるまとめどり方式というふうな形で週休二日制を現在実施いたしておるわけでございます。  公立学校におきます四週六休の試行の問題につきましては、現在、今年度から始めておりますけれども、既に十都県におきまして試みられております。私どもとしましては、今後の取り扱いでございますけれども、これらの試行の状況や、現在検討が進められております教育課程の問題、さらに国民の教育に対する要請といったようなことを総合的に勘案いたしまして、今後検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 それでは厚生省の方、同じようなことでひとつお答えをいただきたいと思います。

渡辺修厚生省大臣官房人事課長

○渡辺説明員 私ども厚生省では七万数千名の職員を抱えておりますけれども、そのうちの約三割についてはおおむね順調に四週六休の試行に入っているところでございます。  しかし、国立病院・療養所の職員五万三千名ほどにつきましては、残念ながら現時点ではまだ四週六休の試行に入ってないというのが現状でございます。この国立病院・療養所は機械化をして省力化をするといった分野といいますか範囲が少ない、勤務の性質上そういうところがある、あるいは看護婦その他、二十四時間の交代制のローテーションを組んでやっている、こういった特殊性からなかなか四週六休に入りにくいという事情がございましたが、幸い、最近に至りまして、関係方面ともいろいろ知恵を絞りながら協議を重ねてきました結果、何とか十月から国立病院・療養所についても試行ができるかなというところに参りました。とにかく知恵を絞り、試行をやってみて、その上で本格実施の問題についても検討をしていきたい、現時点ではそんなことでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 厚生省の方にちょっと御見解を承りたいと思うのでありますが、今問題になっておるのが病院・療養所である、十月から何とか試行に入れるのではなかろうかというふうにおっしゃっておられるわけですね。これが将来的にやはり週休二日ということになってくる。人事院も土曜閉庁というのを提言しておられるわけですね。  私は今から十数年前、看護婦の夜勤制限闘争というのに取り組んだ経験が実はあるわけです。俗に二・八闘争といいまして、これは、従来看護婦の夜勤というのは一人で、多い人は月に十日も十五日も、こういうことでは看護婦さん自身の家庭生活もなかなか大変なことになる、人権問題にもなるということで、夜勤をする場合には必ず一病棟について複数、二人以上、大きい病棟については三名、そして夜勤の数も一カ月に八日以内に抑える、こういうことでいろいろ話し合って、ほとんどのところで実はこれは実現をしていったわけです。ところが、やはりそのように勤務状態が変化していくわけでありますから、率直に言って、これはそのままの定数ではやれっこないのですよ。ですから、そういう病院関係につきましては、やはりかなり大幅に看護婦さんの定員をふやさなければならない。結果的にはそういう形になっているわけですね。  私が今非常に心配をしておるのは、国立病院・療養所等の四週六休、さらにそれが週休二日に移行していくという段階で、今の人員のやりくりでもって一体それが可能なのかどうなのか、その辺について厚生省の方はどのようにお考えになっておるか、見解があればひとつお答えをいただきたいと思うのです。

高木俊明厚生省保健医療局管理課長

○高木説明員 国立病院・療養所につきましては、ただいま先生の御質問にありましたように、なかなか厳しい状況でございます。ただ、この四週六休に当たりましては、政府の方針といたしまして、現行の定員の中で何とか工夫をして試行に入ってみる、こういうことでございますので、私どもとしては、大変厳しい条件でございますけれども、その中で、職員団体、患者の方々等とも話し合ってまいりまして、一定の工夫を凝らしながら、四週六休の試行に当たっては現状の体制の中でやっていこうということでございます。  なお、今後本格実施等になっていくに当たりましては、四週六休の試行の状況等を踏まえながらやはり考えていかなければならない問題が出てくるだろう、こういうふうに思っております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 それでは、引き続いて運輸省の方から同じようにお願いいたします。

尾松伸正運輸省大臣官房人事課長

○尾松説明員 運輸省の四週六休制の試行の状況について御説明をいたします。  運輸省の場合は、四週六休制の試行はすべての職員について実施をいたしております。ただ、業務が非常に多種類ございまして、例えば航空管制官とか航海訓練所の船の乗組員とか海上保安官とか、何らかの形で交代制勤務に従事している者も多数ございます。したがいまして、実施の内容につきましては、いわゆる基本形によるもののほか、そういう交代制勤務に従事している者等につきましては、弾力的な運用で試行を実施いたしているわけでございます。  実施に当たりましては、当然、交代制勤務者の場合は工夫をして勤務線表を見直してやるとか、あるいは窓口業務の場合でございますと、特に土曜日は受付業務の予約制をして関係の団体に協力を求めるとか、そういうようなことで実施をしているわけでありますが、現在までの試行の実施の状況で見ますと、おおむね順調に試行は実施できているのではないか、こういうふうに思っております。  したがいまして、今後本格実施に移行するかどうかにつきましては、まだ今結論を申し上げるべきではないかもしれませんが、比較的楽観をいたしております。ただ、本格実施あるいはその先の閉庁制というような問題につきましては、政府全体で検討しているところでありますから、その中で前向きに検討していきたい、こういうふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 今の運輸省の御回答だとかなり楽観をしておるというように言われていますけれども、先ほど私が厚生省の方にもお尋ねをしたように、では、本当に週休二日に移行するといったときに、例えば一つの職種として、航空管制官は現在の人員でやりくりして週休二日にいけるというふうにお考えなのでしょうか、ちょっと私、疑問があるのですが。

尾松伸正運輸省大臣官房人事課長

○尾松説明員 少し御説明が足りなかったかと思います。  現在行っております四週六休制の試行の実施状況から見ますと、おおむね順調に推移しているというふうに思っております。したがいまして、現在のような弾力運用ということを含めまして、四週六休制を本格実施に向けていくことについては基本的にはいいのではないかというふうに思いますが、しかしまだ試行いたしている段階でございますので、その実施状況を見てさらに検討をしたいと思います。  その先の閉庁制の実施につきましては、まだまだ幾つも検討すべき問題があろうかと思います。これから検討をしていくことである、こういうふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 そこで、総務庁の方にお尋ねをするわけであります。  今、文部、厚生、運輸、三省にお尋ねをしたのでありますが、実は最初に、きょうはもう時間がないと思ってお呼びをしておりませんので、総務庁の方でわかっておれば、まずその点からお尋ねをしたいと思うのであります。  警察庁と防衛庁ですね、これは一体試行の状況というのはどのように把握をしておられるでしょうか。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 防衛庁の方は完全に順調にいっていると聞いております。  警察関係は、一部残っておりますが、これは地方警務官百八十七名が残っております。これは実際の勤務との関係で、都道府県での試行との関係があるものですから、そのためにできないということでありまして、先生おっしゃるような本質的に定員の問題でできないということではないというふうに理解しております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 そこで、かなり全体的に見るとこの試行の状況というのは進んでおるというふうに理解はできるのでありますが、それでもなお各省庁によっては非常に問題を抱えておるところ、やはり少しばらつきがあるわけですね。総務庁としては国家公務員全体としての試行の状況をどのように把握をしておられるのか、できれば少し詳しく、総務庁としてのまとめておる状況があればお知らせをいただきたいと思います。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 まず、数の点でお話しいたしますと、昨年の報告で提言された四週六休の試行、その前段階として実は四分の二指定方式という半分交代制は実際はやってきておるわけです。それを踏まえて、今度は四週六休の試行ということで去年の十一月の末から入ったわけでございます。それで、現時点におきましては、対象たる一般職の公務員五十万四千人のうち八九・四%に当たる四十五万一千人が参加しているということで、四週五休当時の試行状況と比べてもはるかに多くが参加しているというふうに理解しております。  試行の実施形態の方は、先ほども運輸省からも出ましたが、四十五万一千人のうち約八二%の三十六万九千人が基本形でやっております。ただ、基本形にどうしても乗れない交代制職員等がございます。それが一八%、約八万二千人ほどがそういう形になっているということでございます。  それで、この現在試行中の職員につきまして全く問題がないかと言えばそうではございません。試行の途中でいろいろな問題がやはり出てきております。個々に名前を挙げるのはちょっと差し控えますが、業務が滞留したとか待ち時間が長くなってしまった、あるいは業務処理を平日に持ち越さざるを得なくなったというようなことで、土曜日の業務に支障が生じたというような事例も生じてはおりますが、そういったところにおいても、さらに応援体制の強化、それから利用者や関係団体に対する趣旨の説明、それから予約制の導入あるいは平日の受け付け時間の延長といったいろいろな工夫を凝らして、そういった問題点も既に解消しているというふうに聞いているところでございます。  したがって、私ども大局的に見た場合には現在この試行に入っております八九・四%、このグループにつきましては、本格実施への移行、円滑な移行を私ども期待しておるわけですが、可能性はかなり大きくなっているというふうに考えておるわけです。  したがって、むしろ残りの、試行に入っておりません約一割強の五万三千人、ほとんどは実際に申しますと先ほどの厚生省の国立病院・療養所関係ということになるわけでございます。このグループがめどが立ては人事院の勧告に沿っての措置ができるようになるわけです。ただ幸い、先ほども厚生省からも答弁がありましたが、きょうの閣議後の記者会見で厚生大臣もその旨を発表された、十月から試行に入るめどがついたということを承っておりますので、一段前進したと思います。ただ、まだ話し合いの内容を十分に聞いているわけでもございません。それによって、すぐこれで厚生省も大丈夫だと言えるのかどうか、この点はもう少し検討しなければいけませんが、厚生省などとも連絡をとりながら、関係方面とさらに協議を進めていきたいというふうに思っております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 四週六休の問題は、今年度は明確に人事院の勧告という形で出されてきているわけですね。今いろいろ各省庁の試行の状況等もお伺いをいたしました。先ほど大臣の方からも基本的なお考えをお伺いをしたわけでありますが、総務庁としてはこの勧告に従って、試行ではなくていつから実施に踏み切るのか、この考え方がありましたら、ひとつその辺を明確にしてほしいと思います。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 その辺、実は今御答弁申し上げた内容に尽きるわけなんです。  現在試行に入っているところは、私どもが見たところでは各省いろいろな工夫を凝らしていただいて極めて順調にいっている、今や国民サイドからの不満等もないというふうに考えております。したがって、見切り発車ということができれば別ですが、私どもはできる限り全部の職員が一斉に本格実施に入れることを期待するわけです。そういう意味で厚生省の方の話し合いを見守ってきたわけですが、とりあえず試行に入るというめどだけはついたという、きょうそういう段階になっておりますので、そういった現実を踏まえてさらに検討を続けていきたいと思っております。  したがって、現時点でいつからということは申せません。私どもの希望としてはなるべく早くからということで、いろいろ検討は進めているわけでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 確かに公務員の場合には平等取り扱いの原則というのがあるわけですから、私はそのことはきちっと守っていかなければならないと思うのです。しかし、今までの御答弁を聞いておりますと、やはりかなりばらばらといいますか問題がある。今の人事局長のお考えですと、やはり全体の足並みがそろわなければ実施に踏み切らない、こういう考え方なんですか。ある程度、この程度まとまるなら実施に踏み切ってもいいという考えがあるのか。それによって実施の時期というのは実態からいってかなりずれてくるのではないかという気が私はしますから、その辺の御見解をひとつお聞きをいたしたいと思います。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 せっかく厚生省において関係者と話し合いを進めておる最中でございます。したがって、私の方で、全部がそろわなければいけないとか全部がそろわなくてもいいとか、そういうことを現時点で申し上げる段階にはないというふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 いや、その状況はわかるのですよ。しかし、それでは余りにも、せっかく昨年は十一月末から試行に入って、全体的に見るならばかなり順調にいっている、一部のところで問題はありますけれども。今年度は四週六休について人事院は勧告をしているわけですね。ですから、やはりある程度のめどというものがないとこれはおかしい。各省の試行の状況待ちだ、それを見てから判断をするというのでは、これは一体いつごろになるのか。せっかく勧告を尊重し、完全実施という基本的なお考えは先ほど大臣も述べておられるわけですから、もう少しその辺は明確になりませんか。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 四週五休制の第二次試行のときでしたか、やはり厚生省関係は試行に入れませんでした。しかし、勧告を受けて、実際には試行しないまま本格実施のめどが立ったということで実は本格実施に入ったわけでございます。  ただ今回は、厚生省は十月から試行に入ると言っているわけです。したがって、先ほど私も申し上げたように、その話し合いの内容をつまびらかに聞いているわけではございません。その話し合いの内容いかんによっては、それは十月の試行の結果を見なくてもあるいは踏み切ることができるのかもしれませんし、あるいはそうでないのか、これはもう少し厚生省と話し合いをしなければいけないものですから、現時点で私がどうこう言うのは差し控えたい、そういうことでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 そうしますと、四週六休の完全実施に踏み切るについて、今一番ネックになっておるというか問題になっておるのは厚生省の関係、いわゆる国立病院・療養所の関係で、その他のところについては大体問題はない、こういうふうに理解しておっていいのですか。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 試行との関係においては、現在ほかの省庁から特に問題があるというふうには聞いておりません。  ただ、もう一つ問題がありますのは、これはむしろ人事院の方が報告でおっしゃられるより前に、三月に各省集めての人事管理官会議総会において山下大臣から御指示がありまして、こういう御時世なんだし、試行の状況を見ると能率面から考えても閉庁問題を検討すべきではないかということで、三月段階で各省に閉庁問題の検討をお願いして、六月には各省庁の検討を受けて、今度は横断的な検討ということで専門部会をつくってやっておるわけです。これは四週六休と閉庁問題がイコールではございませんが、将来の週休二日制の推進のためにも閉庁問題というのは重要なことでもございますし、せっかく四週六休の勧告があり、かつまた人事院としても閉庁問題にも触れているということを考えれば、可能ならば同時並行的に処理したいというふうに事務的には考えて検討しているわけでございます。そういった要素がもろもろあって時期的な問題も決まってくるかというふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 土曜閉庁の問題、私が今お尋ねしようと思ったら局長の方から言われたのですが、今のお話を聞いていると、並行して論議をしているというのは、土曜閉庁と四週六休の試行は同時にやるというのですか。その辺はどうなんですか。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 試行とおっしゃいますが、四週六休の試行は現在やっているわけですね。ですから、むしろ四週六休の本格実施と土曜閉庁は一緒かという御質問かと思います。  これについては、必ずしも両者一体不可分のものという関係ではございません。しかし、四週六休を処理するに際しては、現在の四週五休の関係からいっても給与法をいじることになります。それで、しかもそのときの四週六休のいじり方、これが閉庁問題を導入するかしないかによって違ってくるわけです。したがって、四週六休の法改正を検討する際には閉庁問題の検討結果を持っていないと法律が不十分なものとなる、私どもはそう思います。まあ不十分と言ってはいけないのかもしれません。二度にわたって給与法を改正しなければいけないということにもなり得るわけです。ですから事務的にはそこら辺まで見越した形で処理をしたい。  ただ、現在専門部会でも検討しておりますのは、例えば閉庁するとなると、一般国民を初め、あるいは特定の対象者に対して周知徹底をしなければいけないかもしれない、その期間というものをどの程度考えたらいいかといったような問題もあるわけです。そうすると、その期間は閉庁問題については多少置かなければいけないかもしれない、その辺は現在検討しているところだということでございまして、そういう意味で、ずれることもありますし、必ずしも同じ日に一斉にということにはならないこともあるということを申し上げておきたいと思います。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 土曜閉庁の問題は、私が予測をしておったよりも総務庁の方がどうも積極的に取り組んでいるという感じを今受けたのでありますが、大変結構だと思うのです。そこまで踏み込んで四週六休の本格実施とそれから土曜閉庁の問題を同時にやっていこうという考え方は私は大賛成なんですが、それだけに、先ほども申し上げましたように固定化をして考えてしまうと、片一方が難しいからこちらの本格実施もどうしても延ばさざるを得ないということにもまたなりかねない、この辺は大変心配をするわけです。  そこで、重ねて確認という意味で、先ほどから申し上げておりますように、あるいは今お話がありましたように、四週六休の本格実施と土曜閉庁の問題については、同時に実施をすることも含めてこれから具体的に取り組んでいくというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 私たち役人も、仕事を方向を決めてやるときには必ずしもかたくなには考えません。一蓮托生で、こっちがだめならもうこっちもしようがないというふうに考えるわけではございません。状況によって、やはりその目的に一番ふさわしい方法を常に求めていくわけでございます。そういう意味で、現在は私ども事務的にはやはりこれは一緒に処理していくのが望ましいということで、またそれが決して不可能ではないと考えて作業を進めている、そういうことでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 四週六休、土曜閉庁含めて総務庁のお考えはよく理解できたと思います。  そこで最後にもう一つ、これは将来的な問題にも関連はありますけれども、明確に週休二日ということで今度は人事院の方は勧告にはなっておりませんが、報告ということで出されておるわけですね。ですから、当然四週六休の本格実施、土曜閉庁を含めて週休二日制ということを展望しながら論議を進めていかれると思いますけれども、現段階における週休二日制の問題について総務庁としては今どういうお考えを持っておられるか、お伺いをいたしたいと思います。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 人事院は週休二日というか完全週休制と言っていたかと思います。それは私どもの方で今度サミット参加国の先進六カ国の調査をいたしまして、その結果を見ますと、イタリアはちょっと特殊な国でして、一日半で、土曜日半ドンでやっております。ただ、週の勤務時間は三十六時間というふうに短い。その他の五カ国は全部閉庁方式で、週四十時間以内で完全週休制をとっているわけです。そういったものがやはり望ましいと私どもも考えます。  現に経済構造調整推進要綱、昨年の五月に決定したのですが、それでも、中長期的課題としては銀行と並んで公務員についてもそれは考えていけということになっているわけです。ただ、これがすんなりいくかどうかという問題は、現に我々がこれだけ閉庁問題で腐心をしておりますのは、昨年の十一月に発表されました、七月に行った総理府の世論調査の結果を見ましても、国民の六割以上の方が公務員の週休二日制には賛成していながら、閉庁してもいいですかと聞くと、窓口について賛成してくれるのは一五%ぐらいしかいない。もっとびっくりしたのは、窓口以外の役所の業務についても閉庁していいというのは二三%台しかいない。これはやはり国民に実態もわかっていただいていない、そういう御理解が足りないのだと思います。  私ども今度閉庁問題に取り組もうと思ったのは、逆にそういう御認識、理解を改めてもらうためには、仮に一部閉庁しても国民の生活にそれほど影響するものではないということを現実にわかっていただく方が早いのじゃないかという発想もありまして、閉庁問題を取り上げているわけです。ただ、そうは申しましても、去年の調査と五十二年当時の調査と、国民の反応は実際にはそれほど変わっていないわけです。したがって、現にそういう投書もございますが、土曜日に役所に行った方が便利なんだとおっしゃる民間の方が多いわけです。そういう方が完全に認識を改めていただける時代にならないと完全週休制はなかなか難しいと思います。  ただ、目標でございまして、私どもそれをいつとは置くことはできません。ただ、当面は人事院の方から勧告を受けた四週六休の本格実施について円滑な移行ができるように最大限の努力を尽くしている、そういう状況であるということでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 土曜閉庁の問題で、今人事局長は、土曜日に役所が休んでも余り大きな影響はないのだということで理解を求める。私はそうじゃないと思うのですよ。やはり発想の転換をしなければいけないのじゃなかろうかと思うのですね。金融機関が第二、第三土曜日を営業しないということ、確かに一部では不便ですよ。しかし、不便ではあってもそれが時代の趨勢であり、当然のことだというふうに理解をすれば、私は別に何ら問題はないと思う。だから現状は何ら問題がなくそのように実施をされていっておるわけです。  先日、ある新聞の主張欄でしたか、ちょっと冗談めかしてこういうことが書いてありました。公務員、公僕ということで、御主人が働いておるのに公僕が休むのはけしからぬなどという考え方は捨てた方がいい、公僕が休んでおるのに主人が働くのはこけんにかかわると思って休むべきだ、こういうことが冗談めかして書いてありました。私は、国際的な、世界的な、あるいは国内においてもそうでありますけれども、完全週休二日制の問題というのはまさに時代の趨勢でありますから、従来の発想を変えて、公務員の場合も役所の場合も国民に理解を求めるような方法をとっていかなければならないのではなかろうかと思うのですね。ただ、役所が休んでも余り影響はありませんよ、そういうことでは国民はなかなか理解をしてくれないのではなかろうかと思いますので、そのことをちょっと申し上げておきたいと思います。  それから、時間も余りなくなりましたので、人事院に二点ほどお尋ねをいたしたいと思います。  今のに関連をした問題でありますが、今回、報告の中で人事院は、「土曜日を官庁の休日とすることにより全職員を一斉に休みとする方式の導入が望ましいと認められる。」とはっきり言っておられるわけですね。ここまで言っておられるその根拠といいますか理由があったら、ひとつ明確にしていただきたいと思うのであります。

川崎正道人事院職員局長

○川崎(正)政府委員 土曜閉庁方式を導入するかどうかという問題は、基本的には行政サービスのあり方で、政府の方で御検討を願う問題であろうというふうに認識しております。しかし、四週六休を円滑に実施していく、あるいは将来完全週休二日制を実施するためには避けて通れない問題である、むしろ勤務条件を扱っております人事院の立場からいたしますと、土曜日を閉庁にすることが望ましい、実際問題として土曜日を閉庁にしないとなかなか休みがとりにくい、こういう認識を持っておるわけでございます。  したがいまして、先ほど申しましたように、基本的には政府の方で御検討願う問題ではあるけれども、やはり勤務条件を扱っている人事院としては、この際ぜひできるだけ早い機会に土曜閉庁を導入していただくことを政府の方で御検討願うことを報告の中で要請申し上げた次第でございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 もう一点お尋ねをいたしたいと思います。  実は昨年の八月十九日の本委員会でも私お尋ねをいたしましたが、調整手当の問題です。いろいろと問題もあろうかと思いますし、人事院なりにさらに検討を続けていきたいということで、もう少し時間をかしてほしい、昨年の調査ではたしかこの問題について調査をしておらないというような御回答だったと思うのですが、この改正が行われてから相当の年数がたちますし、それぞれの地域的なさまざまな諸情勢というものも変化が起きておりまして、私のところにもこの調整手当の見直しという要請はかなり出てきておるわけです。したがって、この調整手当の問題、現状はどのようになっておるのか、あるいは見通しとして何かお考えであればこの際お聞きをしておきたいと思います。

中島忠能人事院給与局長

○中島(忠)政府委員 調整手当の問題ですが、先生よく御存じのように、この手当がスタートいたしましてから二十年たっております。したがいまして、その間の社会経済情勢の変動というのは相当なものがございまして、その変動は調整手当の支給地域にするかどうかというときの判断要素でございます民間賃金とか物価とか生計費というものにも影響を与えております。したがいまして、今先生がお話しのように、この支給地域のあり方については見直さなければならないという認識は持っております。  ただ、この制度がスタートいたしますときに国会の方の附帯決議がございまして、支給地域というものの現状を変更しないようにということでございますので、それ以後、私たちは時代の変化に対応するために官署指定という微調整をやってまいりました。  しかしながら、今先生からお話がございましたようにいろいろな声が出てきておりますので、私たちは問題意識を持ちまして、現在の地域の中でも法律の要件に該当しない地域があるんじゃないだろうか、あるいはまた要望する地域が本当に法律要件を満たしておるのかどうかということを個別に検討する必要があるだろうというので、市町村単位に指標を実は収集いたしております。  ただ、公表されております指標の中で、民間賃金とか物価とか生計費というものを市町村単位に発表しておるものが非常に少のうございます。したがって、資料の収集に現在苦労しておりますけれども、その資料の収集に努めますとともに、関係各省の人事担当者とかあるいはまた調整手当に相当する手当が民間にもございますので、民間の人事管理担当者等からもヒアリングを行っております。  したがって、私たちはこの問題について本格的に検討いたしたいと考えておりますが、四十二年スタート時の国会の附帯決議につきましても、ひとつ国会の方で抜本的な見直しをしなさいという附帯決議をし直していただきたいと考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 時間がそろそろ参りましたから、最後に、給与担当大臣でもあります山下長官に御要望と、そしてまた御所見もお伺いいたしたいと思います。  私も二十数年間にわたって毎年毎年人事院勧告の問題についてはいろいろ頭を悩ませ続けてきたのでありますが、この問題について本当に安心をしたのは二、三年ぐらいではなかったかと思うのです。そして昨年ようやくまた完全実施ということになりました。私ども大変うれしく思っておりますし、全国の公務員の皆さんもまたそうであります。  それで、先ほど冒頭に申し上げましたように、今回の勧告、率からいって金額からいって極めて低いものであります。そしてまた、今日私どもを取り巻いているさまざまな経済情勢その他の諸情勢から判断してみても、これはだれが考えてみても完全実施をすべきである、こういうふうに私どもは思っておるわけでありまして、先ほど官房長官の方からも今後の見通し等についてのお話もありましたが、給与担当大臣としてこの完全実施に向かってひとつぜひ御努力をしていただきたい、このことを御要望申し上げ、御所見がございましたらお伺いをいたしたいと思います。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 給与担当大臣としての基本的な考え方あるいは決意と申しましょうか、それは人勧制度を尊重するということでございます。したがって、そういう尊重するという趣旨からするならば、ちょうだいいたしました人事院の勧告をなるたけ早く、しかも完全に実施するために最善の努力を払うということが私の立場でございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

石川要三自由民主党

○石川委員長 竹内勝彦君。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 人勧問題に先立って若干お伺いいたします。  昨日、ソ連外務省が、在モスクワ日本大使館の防衛駐在官、それから三菱商事モスクワ事務所次長の二人に、偵察行動やあるいは秘密情報収集といったものが理由だということでございますけれども、できるだけ速やかに国外退去、これは防衛駐在官です、それから三菱商事の次長に対しては一週間以内とか、そういう要求をしたということを明らかにいたしました。  最初に外務省にお伺いしておきますけれども、まず、現時点でわかっておる状況をできるだけ詳しく。  それから、報復措置ととられても仕方ないでしょうね、こういうやり方が果たしていいのかどうなのか。先ほど官房長官のコメントもございましたが、とにかく外務省の長谷川欧亜局長が、早速ソ連通商代表部のユーリー・ポクロフスキー代表代理を国外退去処分、これは航空機器メーカー幹部が自社の技術資料を在日ソ連人に流していた事件に関連したとして退去処分を通告した、こういうことでございますが、なぜ対抗措置ととられても仕方ないようなそういうやり方で持っていかなければならないのか。私ども見ておっても、ちょっとこれは短兵急じゃないかなというような感じを受けるわけですね。したがいまして、なぜそういうふうに持っていったのか。  第一点目は現状、なぜこの防衛駐在官とそれから三菱商事の次長が退去させられたのか、それから第二点目は、その対抗措置を何でこんな早速そういうやり方で持っていったのか、その理由がちょっとわかりません。したがいまして、その二点、できるだけ詳しく外務省、答弁してください。

野村一成外務大臣官房外務参事官

○野村説明員 一昨日でございますけれども、ソ連外務省のチャプリン外務次官が私どもの鹿取大使に対しまして、具体的措置としまして、オデッサにおきまして岡本、竹島両防衛駐在官が諜報活動に従事したということ、それから大谷、これは三菱商事の現地駐在所の副所長でございますが、ソ連外国貿易省から非公開の情報を入手した、あるいはやみ取引に従事した等の事実を述べまして、ただいま御指摘のありましたように、竹島、大谷両氏につきましてソ連邦を離れることを要請するという通報がございまして、それに対しまして私ども鹿取大使の方からは、これは事実無根であるということで反論いたしまして、日ソ関係に悪影響を与える不当な措置であるということで遺憾の意を強く表明したわけでございます。実際上、両名につきましては、そういう措置が通報された以上、帰国というやむを得ない状況になるというふうに考えております。  他方、別途御指摘ございました東京の通商代表部のポクロフスキー代表代理に対する退去要請の件につきまして、これは私どもとしましては、ポクロフスキーが日本の国内法に違反しまして、その身分にふさわしくない行為を行ったということがまずございます。にもかかわらず、日本側からの累次の出頭要請にこたえていない、そういう状況を踏まえまして今回の措置をとったものでございまして、認識としまして、とるべき措置をとったというふうに考えております。ソ連側の措置への対抗措置ということを意図したものではございません。     〔委員長退席、船田委員長代理着席〕

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 対抗措置じゃないといっても、ではなぜ昨日、その日を合わせたのですか。意味がわからない。もう一度その理由を答弁してください。

野村一成外務大臣官房外務参事官

○野村説明員 このポクロフスキーに係る件につきましては、累次出頭要請を行っておりまして、本来このタイミングで私どもとして国内法違反に対する厳正な措置ということでとるべき措置をとったということでございまして、タイミング云々について、意図的に対抗措置ということを念頭に置いたわけではございません。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 では、防衛庁にお伺いしておきます。  こういう日本大使館防衛駐在官というのは、防衛庁から外務省へ出向ということでございますね。このような防衛駐在官は、ソ連のほかにはどこどこにあるのか、また、このような事実は国会への報告はどうなっておるのか、防衛庁として今回のソ連側の措置はどう受けとめておるのか、以上の点に関して防衛庁の考え方を答弁してくださ

松本宗和防衛庁人事局長

○松本政府委員 まず、防衛庁といいますか防衛駐在官の配置状況でございますけれども、在外公館に勤務しておりますいわゆる防衛駐在官、これは現在三十の在外公館に三十八名派遣されております。具体的な国名でございますが、三十の在外公館ということで、主な国といたしましては、米国、ソ連、イギリス、フランス、西独、ベルギーその他、中国、韓国も含めまして三十ということでございます。  今回とられました措置につきまして防衛庁はどうかということでございますけれども、この防衛駐在官の勤務につきましては、在外公館におきまして大使の指揮監督のもとにおいて勤務しております。したがいまして、その職務そのものについて防衛庁といたしましてコメントいたしますことは適当ではなかろうと思いますが、当人でございますが、赴任後まだ間もございません。この駐在官が仮に帰国せざるを得ないというようなことになれば、これは甚だ遺憾なことではないかというぐあいに考えております。  なお、防衛駐在官全体について国会に対してどのような報告がなされておるかということでございますが、これにつきましては、個々のケースに応じまして、御質問に対して御答弁申し上げるなりあるいは資料提出させていただくというような形で御報告させていただいております。  以上でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 官房長官にお伺いしておきますが、世界の大局はINFなど新デタントで東西の緊張緩和に向かっておるのに、先ほども官房長官も言っておりましたが、ココム規制違反事件、そういうようなものも出てき、そして日ソ関係が悪化しておる、そういうような中で、対応はどうしても、だれがとらえても日本政府としては今向いておるのは米国に向いておるという形になっておるわけですね。その中で、先ほどの外務省の答弁では私どもとしてはわかりません。なぜそれを昨日――これは全く対抗措置ですよ。その形でさらにソ連の駐在官を退去させなければならないのか。そういうようにしか受けとれません。官房長官はどういうふうに受け取っておるのか。  それからまた、今後これは内閣として、もちろん外務省あるいは防衛庁なりいろいろと対応していかなければならぬ問題でございますが、内閣としてどう対応していこうと考えておるのか、官房長官の御所見をもう一度御答弁いただきたいと思います。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 日ソ関係というのは、やはりお隣の国でございますから、私はやはり友好を増進するということが基本的な日本の考え方でなければならぬと思います。  ただ、日本が西側の一員であるというこの基本的立場、これもまた確固としたもので、我々としては考えざるを得ない。そういった中で、やはり東側の頭領格であるソ連との間においてもやはり私は親善関係が深まっていくということが望ましい。いつまでも冷たい関係が続くことは好ましくない、こう考えておったのですが、最近だんだんいい空気の方に向かっておったように私は考えておるのです。そういったときにこの種の事案が起きたということは、大変遺憾に思います。  今御質問の、日本側が直ちに措置をとったのが報復措置ではないのかというお尋ねでございますが、それは先ほどお答えしたように、七月二十日の例の東京航空計器のスパイ事件に関連をして通商代表部代理の調べをしたいということで出頭要求をしばしばしておったが一向に応じない。竹島一等書記官のオデッサの旅行は七月二十九日か七月三十日と私は理解しておるのですが、順序はまるっきり逆なんで、日本側から報復措置をするなんというようなことは全く考えておりません。その点は理解をしてほしいと思う。  それと同時に、竹島書記官に対する退去理由について、スパイ活動といいますか諜報活動をやったということが言われておるのですが、私はそのソ連の理由に対しては承服することはできない、こう考える。それはなぜかといいますと、率直に、一般論としてお聞き願いたいのですが、終戦までは別としまして、戦後の我が国はいわゆる対外的な諜報謀略活動というものは全く行ってない国である、ここはぜひ理解をしておいていただきたいと思います。それは日本の一つの大きな長所でもあるし、しかし同時に厳しい国際社会の中で考えれば、見方によればこれは大きな弱点でもあるかもしれません。しかし、いわゆる対外諜報謀略活動は日本は一切やってない、このことは理解をしていただきたい。  ところが諸外国はどうかといえば、御案内のようにイギリスであればM15、M16というのが厳然として存在しておる、フランスであればセデックがある、ドイツであれば、今これは多少名前が変わっておるかもしれませんがゲーリング機関がある、アメリカはCIAがある。ソ連はGRUとKGBがある。これは公然たる事実なんですね。対外諜報活動をいずれの国もやっている。しかし日本はそういうことは一切やっていない国である、ここはぜひ理解をしておいていただきた  それだけに、竹島一等書記官がいわゆる諜報活動をやったから立ち退いてもらいたいという理由についてだけは日本政府としては理解に苦しむし了承ができない、こう私は思います。しかし、いずれにせよそういう状況下で仕事ができるはずはありませんから、先ほどお答えしたように速やかに東京に帰らせたい、こう思っておるわけでございます。  そしてまた同時に、ソ連の通商代表部代理と称せられる人のこのスパイ事件というものは、既に送致をしてある厳然たる事実でございます。ただしこれは外交特権のある方でございますから、実情を調べたいということで出頭要求をしても一向に応じないということでございますので、それならば、PNGという厳しい措置は日本としてもできるだけ避けたい、だからやむなく自主的な退去をしていただきたいという要求をした。これはおのずから事件が全然別の問題である、かように理解をしておいていただきたい。  そして同時に、こういったことが繰り返されることによって日ソ関係がさらに冷却化することはできる限り避ける、この理性が双方に必要であろう。そして日ソ間の友好を何らかの形で一層増進をしていくように双方が努力をする必要がある、かように考えておるわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 外務省、ありがとうございました。結構でございます。  それでは、人事院にお伺いいたします。  先ほど御説明がございましたが、一般職の給与を定期昇給を除くベア相当分として四月一日にさかのぼって平均一・四七%、三千九百八十五円引き上げるとしたわけでございますけれども、昨年の人事院勧告の史上最低と言われた二・三一%、六千九十六円、それよりも大幅に下回っておりますね。公務員の皆さんからいたしますと、官民の較差はまだ不満足であろうかと思います。しかし、目下のこの行財政環境なかなか厳しい中、円高不況という経済の下降現象、そういう中で、今回の人事院勧告について人事院としてどういう点に重点を置いて勧告されたのか。また、先ほどからも論議になっておりますが、四週六休制についても勧告されておりますけれども、その特徴についてまずお伺いしておきたいと思います。

佐野弘吉人事院人事官

○佐野政府委員 先ほど本年の勧告につきまして概略御説明申し上げたところでございますし、また、先ほど来種々御議論をいただいておりますように、今回の勧告は給与の改善と週休二日制の二つを提出したところが例年と異なっておるところでございます。  この二つの勧告を実施するにつきまして、公務員法の二十八条についてのいろいろの解釈の問題もございましたが、人事院といたしましては、現下の経済環境からくる経営上の厳しい状況、企業経営が非常に困難になる、あるいは雇用調整の問題が起きる、あるいは定昇のみに限るという製造業を中心とした経済構造の変化と申しますか動揺の中で、果たして人事院がかような社会経済情勢の中でいかようにこの推移、状態を見きわめて勧告をいたすべきかという点に非常に慎重にかつ相当の留意を持って社会全体、経済全体を眺めるという努力をいたしたつもりでございます。したがいまして、既に定着しておると確信しております民間の給与実態調査につきまして、今回は改めてその点についてさらに精密な調査を加えました。  その結果、私どもは当初賃金カットなり解雇なり休業なりということが多かろうかという危惧を持ったのでございますが、調査の結果、私どもの想像を超えてはるかにこれらのドラスチックな措置はわずかでございまして、九三%に及ぶ企業におきまして低率ながら給与改定、賃金改定を実行いたしているということを明確に確信を持って調査が終了いたしたわけでございます。  もとより官民較差という前提によりますので、民間の広範にわたる賃金改定が低率であるということに準拠いたしますれば、今回の公務員の給与改定も当然ながら一・四七%、三千九百八十五円という比較的低い金額にとどまりました。ただいま委員の御指摘のように、昨年は二・三一%で六千九十六円にとどまりましたが、それよりかなり低額ではございます。しかし、この金額を年間を通じて見ますれば七万円相当に相なるわけでございまして、例えば減税で七万円を得るということも大変なことでございますから、我々はこの数字をないがしろにできないというふうに認識をいたして、あえて低率ではございますが給与勧告をいたした次第でございます。  この配分につきましては、低率でございますので、全給与俸給表にやや低率ながらまんべんなく及びましたが、しかし民間企業の水準等に合わせまして、初任給の周辺に意を用いていささか重点的な配分を試みました。あとは、民間企業の支給状況等に合わせまして、住居手当、通勤手当に絞りまして改善を加え、あわせて、事務的ではございますが、初任給調整手当あるいは指定職の改善に振り向け、さらに年間の定まっております勤勉手当等に配分をいたすという結果に相なったわけでございます。  これらの勧告をいたしましたのは、当然民間企業が経営側並びに組合側と申しますか働く諸君とともに健全なる努力において不況を克服しているという中で我々はかような措置をとったのでございますし、また近くは、公務員の中の四現業諸君の仲裁裁定に合わせる均衡論ということも当然配慮いたしたわけでございます。  以上をもちまして給与関係のおおむねの考え方を御説明申し上げましたが、四週六休制につきましては、先ほど来るる御議論がございまして、総務庁当局にも御質問がございまして、大方人事院の意のあるところも御了解願っておるかと思いますが、御承知のように、経済構造調整特別部会において、一九九〇年代あるいは二〇〇〇年代におきまして完全週休二日制あるいは千八百時間という労働時間を国際的水準に相応させるということが既に政策目標として提示されておることも我々はよく承知をいたしております。また同時に、今日の民間企業で七七%の事業所が何らかの形で週休二日制をとっておりますし、また六二%強の企業体におきまして隔週ないし週休二日制を実施いたしておりまして、これらの過所定勤労時間は現在の公務員の勤労時間よりも短縮をされておりますし、年間における休暇日数も民間の方がはるかに多うございます。     〔船田委員長代理退席、委員長着席〕  こうした情勢で、我々としては昨年十一月三十日から試行されました公務員の四週六休制、これは御承知のように五十四年の勧告で五十六年から四週五休制に入ったわけでございますが、八年ぶりで本格的な四週六休制を提言いたしまして、国内外の諸般の社会経済情勢、国際情勢に相応して、ぜひこれをこの年末の試行に引き続いて本格実施をお願いいたしたい。  しかし、先ほど来申し上げましたような将来展望から申しますと、四週六休制は完全週休二日制への中間的な形態であるというふうに認識をいたしまして、としますればやはり土曜閉庁方式というものは避けて通れない問題に相なろうというふうな認識を持ちまして、報告の中でこの問題に言及し、政府の御検討を今後お願いいたすということにいたしたわけであります。  ちなみに、将来に対して日本の労働条件というものがいかにあるべきか、また公務員の勤務時間制度というものの改善、保健あるいは福祉というものを考えました場合、やはり一斉指定方式によって官庁を休むということは、民間の協力、支持、納得を得ることが必要ではございますが、ぜひその方向に進むべきだということに我々は一つの認識を持って提言をいたしたわけでございます。  あわせて、この際あえて付言させていただきますれば、官庁におきます超過勤務、時間外労働等につきましても、将来一つの課題としてこれの短縮を御検討願いたいということに言及をいたしております。  以上でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 山下総務庁長官にお伺いしておきます。  まず、今回の人事院勧告の完全実施は担当大臣としてお考えになっておると思います。ぜひ完全実施、そしてまた、この一・四七%の勧告に対してどのように考えておるか。さらにまた、これらの人事院勧告の完全実施は政府として当然行うべきであるが、給与関係閣僚会議を何度か開き閣議決定されていくと思います。どのようなスケジュールで、そしてまた給与法を提出するのか伺いたい。今回、この百九回臨時国会で給与法を提出するつもりはないか、そういった面もあわせて山下総務庁長官のコメントをお願いしたいと思います。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 ただいま佐野人事官から詳しい御説明がございましたように、今回の決定に当たっては、民間の給与を初め関連のある諸般の問題を十分御検討いただいた上での勧告だと私ども承知いたしております。あわせてまた、給与担当大臣としての立場からも、私どもは今回の勧告につきまして、なるたけ速やかに、しかも完全実施という方向で努力をしなければならぬ、かように思っておる次第でございます。  なお、スケジュールにつきましては、私ども総務庁だけの問題ではなくて国政全般にかかわる問題でございますから、関係閣僚会議等で検討いたしまして、先ほど申し上げましたように、なるたけ速やかなる結論を出したいことは当然でございますけれども、それまでに諸般の手順というものがございますから、それらをなるたけ早くさばいて、なるたけ早い時期に決定したい、こういう気持ちに変わりはございません。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 後藤田官房長官にお伺いしておきますが、八月七日に第一回の給与関係閣僚会議を開かれて、今後またこの閣僚会議を開いて取り扱いを決める方針と伺っております。  国家公務員法には官民の給与較差が五%未満の場合は人事院勧告を義務づけていないのに、今回勧告が出されたことに関しては、給与関係閣僚会議の主宰者としてどのように考えておるのか伺いたいのと、それから、六十一年度の勧告が二・三一%と五%を下回った、実施決定に当たって後藤田官房長官が国家公務員法の五%条項に触れて、今後五%未満ならば勧告は不要と指摘したのであるが、今回の考えはなぜ変わったのか、またそういった面も踏まえて今後の閣僚会議、どういうように持っていって、先ほども総務庁長官に答弁いただきましたが、スケジュールを決めて、そして完全実施、それから給与法の提出、こういう形になっていくと思いますが、官房長官からの御答弁をお願いしたいと思います。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 御質問のような点も含めまして、給与関係閣僚会議で国政全般の立場に立っていろいろな御意見が出ようかと思いますが、それらの議論を踏まえながらも、基本的にはやはり人事院勧告というものを最大限尊重するという立場で、しかもできるだけ早く結論を出して職員の皆さん方に不安感を与えないというような方向で処理をしていきたい、かように考えておるわけでございます。  なお、五%条項に触れての御質問がございましたが、私どものようなアンシャンレジームの人間は、月給といえばベースアップだというインフレ時代の物の考え方は、そろそろ私は考え直す時期に来つつあるのではないか、またそれが望ましい、基本的には私はさように考えておるわけでございます。しかし、戦後四十年の間に、月給を上げる、待遇を改善するといえば必ずベースアップであるといったのが定着しておって、なかなか若い人にはわかりにくい。角屋さんぐらいのお年になると私の言うこともわかってくれるのではなかろうかな、こう思うわけでございます。  一方、法律にはこの五%条項というものがあるわけです。しかも、今日の雇用を取り巻く民間の状況はまことに厳しいものがあるわけですね。しかも、物価はどうかといえば、今日はまさに超安定の時期に入っておる。だから、労使の間で利潤の分配の問題としての争いになれば話は別ですけれども、そうでない、この物価云々といったようなことからする問題であるとするならば、私は、定期昇給というのがそろそろ検討せられていい時代になっておる。たまたま五%条項がある。ならば、役人というものはどうしても日本の今までの習慣上、率先垂範という言葉もあるわけでございますから、この点についてはこの委員会で、五%条項というものがありますよ、ここは人事院御当局もお考えになられるべき時期に来ているのではないかということを私は率直に申し上げた記憶がございます。  人事院は、昨日来お答えいたしましたように、この点に非常に注意をなさって慎重の上にも慎重に検討せられて、なおかつ給与のベースアップについて一・四七ですか、極めてわずかではございますが、そのほかに定期昇給は二・一か二ぐらいありますから、三・五%近くのものになろうと思います。これは人事院のお立場として慎重審議の結果の勧告だ、私はこう思いますので、私どもとしてはそれらを検討したい。  その中で五つばかり、人事院の給与勧告の中身を見ますと書いてあるのです。いろいろありますが、私は率直に申しまして二と三、つまり大部分の企業、九三%が低率ではあるが賃上げを行っておる、実態調査がそう出ておる、こうお書きになってある。三番目が同じ一般職国家公務員である現業職員、三十四万人おりますが、これの賃上げが仲裁裁定どおり完全実施せられておる、この二つが挙げられております。  そうしますと、官民較差を調査してその較差をなからしめるというのが人事院の建前でございますから、この二つの事項についてだけは人事院の勧告を私なりに尊重して対応しなければいかぬのではないかな、こう思っておるのが私の今日の考え方でございますが、いずれにせよ、極めて重要な問題でございますので、関係閣僚会議で十分検討させていただきたい、私はこう思います。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 今回、四週六休制について勧告をいたしております。五十六年から始まった四週五休制でございますが、昨年十一月三十日からおおむね一年間の期限で試験的に四週六休制を実施してきたわけですね。今回のこの勧告を示すに当たって、一年間の試験期間を通して土曜閉庁などさまざまな問題点に解決の方途がついたのか。  それから、今度は行政サービスの問題がございますね。それが低下しては大変でございますけれども、例えば税務署、地方法務局、地方運輸局、出入国管理などの窓口サービス、国立病院等は工夫が必要になると思います。また、労働時間短縮の方向へ行政官庁と金融機関が決定的な影響力を持つのでございますけれども、その意味で土曜閉庁の率先垂範には賛成でございますが、経済や社会のあり方の構造調整をどう行っていくのか、また、土曜閉庁を前提に今度は完全週休二日制、これのめどについてはどう考えておるのか、あわせて御答弁ください。時間がないから、できるだけ簡潔にお願いします。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 大分盛りだくさんでございますので、全部網羅できますかどうか。  四週六休制は、先生おっしゃるとおり昨年十一月末から試行に入りまして、約九割の職員について入っているわけですが、これは極めて順調にいっていると理解しております。残りの約一割の厚生省関係、国立病院・療養所関係の職員になりますが、これにつきましても、先ほど申し上げましたように、きょうの閣議後の記者会見で厚生大臣が、組合及び患者団体とも話し合いをして今般実施のめどがついたので本年十月から試行を実施することにしたという発表がございました。そういう意味で一段進展したと考えております。  それから、確かに土曜閉庁によって行政サービスの低下が考えられる。これはある意味では四週六休の方が行政サービスの低下なり能率の低下が考えられるわけです。半数の職員でやるために、チーム編成などでやる場合には土曜日はふだんの半分ということではなくてもっと機能が低下してしまうというようなこともあるわけです。それに着目して我々も土曜閉庁というものを検討し始めたわけですが、能率面では、むしろ閉庁して別の日に全員が来る方がより能率がいいと思います。  ただ、国民に対する行政サービス、こういう観点では、現実に、土曜日に多少薄くなったとしても行政サービスを提供していたものがなくなるという意味では、目に見えた形で低下するということになります。そういう意味で、現在人事管理運営協議会の幹事会に専門部会を設けて検討しておりますのは、そういったはっきりした形で国民に対する行政サービスが著しく低下するようなところはやはり閉めるわけにはいかないのではないか、また、多少の影響があるにしても、何か工夫を凝らせばその度合いを少なくしてそれで閉庁することが可能なものもあるのではないか、そういったことを目下検討しているということでございます。  いずれにしても、国民の理解を得つつ、なるべく早い時期に土曜閉庁というものを実現し、さらに国民の理解が進むことによって完全週休二日制に行くのではないかと思いますので、これはいつの時点で完全週休二日に行くということは、正直、ちょっと私どもお答えしかねるということでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 時間ですので、もう一点で終わります。  近年の社会経済情勢の基調の変化、人口構造の急激な高齢化、高学歴化、生活意識及び価値観の多様化、高度技術社会への移行、国際化の進展などを要因とした急激な変化に迅速に対応できなければなりません。そういう面では、ますますそういったものに対応できる行政の効率化の要請、人事行政を行うことは人事院に課せられた緊急かつ重要な課題だと考えられます。  こういう問題に対応できるように、人事院は昭和五十八年の給与勧告の際に幾つかの事項を取り上げて、昭和六十年度を目途にその検討を進めてきたようでございますが、それらの検討は終了しているのかどうか、また、それ以降生じておる新たな社会経済情勢に対応した人事行政施策といったものの検討は行わないのか、それから、人事院として効率的な行政を行うために公務員についての国民へのPRはどんな施策を考えておるか、それから、最近、高度情報化社会への移行のテンポが早くなっておるのとともに、国際化の時代ともなっておるわけですが、行政も同様に考えられます。人事院の立場から、この高度情報社会への対応策、どんなものを考えておるのか。本会議が一時ですから、あとまだ二人おりますので、ひとつ簡潔に御答弁いただきまして、私の質問は終わりたいと思います。よろしくお願いします。

石川要三自由民主党

○石川委員長 答弁の前に、質疑は時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭に願います。

加藤和夫人事院管理局長

○加藤(和)政府委員 先生の御質問いただいた点は多岐にわたっておりますが、簡潔に申し上げたいと思います。  諸情勢の変化に対応いたしまして人事行政の総合的検討ということに関しましては、五十八年の報告で取り上げたところでございますが、その成果、検討結果が出たものについて逐次実施するということにいたしておりまして、既に六十年から、採用試験体系の再編、行政研修を中心とする体系の整備充実、さらに、給与関係におきましては職務の等級の新設統合、俸給表の新設といったようなことも行い、休暇制度の整備ということも進めております。  こういった実施した事項以外に、情勢の変化に応じまして各種の措置を引き続き検討して実施していくという考え方でございますが、特に先生御指摘のございました高度社会、さらに国際化の時代に対応いたしまして、人事院といたしましては、行政官の国際対応力を増すために、長期、短期の在外研究員制度の充実、さらに外国行政官との交流、外国行政官に対する我が国においての研修の推進、実施、こういったことも充実してまいっておりまして、さらにこういう点につきまして人事行政に対する国民の信頼を得べく、各界有識者との意見交換、言論界、マスコミ等を通ずる対応、さらに刊行物による紹介、普及といったような新しい社会に対する内容を取り入れながら、あらゆる機会をとらえて人事行政の信任を上げ、かつ斬新な展開を図ってまいりたい、このように考えております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 終わります。

石川要三自由民主党

○石川委員長 和田一仁君。

和田一仁民社党・国民連合

○和田委員 先ほど来、各委員の質問を聞いておりまして、私の質問を申し上げようという点について大分解明をされておりますので、ごく簡単に基本的なことについてだけ御質問をいたしたいと思います。  今度の人事院の勧告は、官民較差が低率であるというにもかかわらず勧告がなされました。国家公務員法二十八条によって五%未満の場合には勧告の義務がない、してもしなくてもよろしい、こういうことは人事院の裁量にゆだねられておるわけでございますけれども、今回は、今までから比べると大変低い一・四七%という数字ではございましたけれども、これをあえて勧告をなされた、完全実施をしてもらいたいというこの勧告については、私どもは高く評価をしていきたいと思っております。  あえて勧告を行った理由につきましては、先ほど来佐野人事官からもお話がございましたので、私は改めて申し上げませんが、いろいろ質疑応答を聞いておりまして、今も官房長官、退席されましたけれども、人事院の慎重審議の結果としてぜひ尊重したい、こういうお話でございました。私は、この勧告をぜひ最大限尊重していただきたい、こう思って質問をさせていただきたいと思います。  まず人事院にお尋ねいたしますけれども、今回はこういう大変な作業の後、勧告をされました。今後五%未満という数字が出た場合に、恐らく五%を超えるようなことはもうこれからは少ないと思っておりますけれども、そういう数字が出た場合でも勧告をやるかどうか。私は、今回の勧告を通し、これからも五%条項に余りこだわらずにぜひ勧告は続けてしていただきたいと考えておりますけれども、その点についてどういうふうにお考えかを伺いたいと思います。官民較差という立場からいうと、民間がこれから大幅に景気が向上して大幅になれば別ですが、そうでないとなるとベースアップの低率が続くと思います。そういう中で、人事院の国家公務員の労働基本権の代償措置としての勧告を、極めて尊重していかなければならない、より尊重していかなければならない制度だと私は思いますが、今後のそういった事態に対してのお考えについてお聞かせいただきたいと思います。

佐野弘吉人事院人事官

○佐野政府委員 二十八条の五%条項につきましては、先般の国会でもいろいろ御議論がございまして、御質問がございましたが、その際、内海人事院総裁よりかなり明確にこの二十八条の解釈、人事院の所信というものはるる御説明いたしてまいっております。今回ももとより五%条項について私どもも当然承知をして、これは頭の中に入れながら議論をいたしておりますが、それよりももっと社会経済情勢の推移を慎重に明確に把握して、真に必要があるならば、仮に低率でも官民較差を埋めていくという明確な認識を持ちまして、少なくとも総裁を中心とする三人の人事官会議においてはこの点を、所信と申しますか、十分の明確な認識を持ちましてこのことに当たるということで推移してまいりました。  そのために、先般来御説明いたしましたように、私どもはひとり中央だけでなしに、地方都市に及びまして、中小企業の経営者あるいは人事行政並びに労務管理等の専門家の御意見あるいは学識経験者の御意見等を詳細に地方都市においても世論をお聞きするという努力を試みまして、その結果、調査の方では片方九三%の改定の事実を掌握いたしましたし、あわせて世論といたしましては、仮に低率であっても公務を適正に維持していく上には公務員の賃金も健全かつ正当に維持していくことが当然であるという強い民間の支持も得たと確信をいたしておりますし、同時に、私どもも公務について民間の方々の御理解、納得を得ることに大変な努力をいたしたつもりでございます。  かような経過を積みまして、あわせて、一昨年は三カ月の遅滞があったといえども全俸給表を完全に実施していただき、昨年は二・三一%の低率ではございましたが完全実施をしていただきまして、一応の――例えば私自身が九州に参りましたが、九州管内の各省庁の管区局長全員に集まっていただいて、九州全域の経済情勢等を聴取しながら、あわせて管内の公務員諸君の士気がこの二カ年の給与改善によってすこぶる向上して、モラールの維持が図られている。したがって、労使間の協調と申しますか、意思の疎通も十分に行われておるというような御意見を承りまして、非常に自信を持って今回の措置をとったわけでございます。  したがいまして、昨年の二・三一といいことしの一・四七といい、日本の国家の社会経済情勢がよほど重大な事態に立ち至らない限りは、私どもは低率をもちましても今後完全な実施を求めて勧告をいたしていきたい、このように思っております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田委員 総務庁長官にお尋ねいたしますが、人事院は引き続きそういう意味で低率であっても勧告をしていく、こういう方針を伺いましたが、総務庁長官としてはどういうお考えを持っておるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 総務庁といたしましては、従来から、労働基本権制約の代償措置でございます人勧制度はこれは尊重しなければならぬ、こういう立場で今日までまいっておることは皆さん御承知のとおりであります。特に、昨年完全実施が行われた、裏打ちができたということで、公務員の皆さんの士気に非常にいい影響を与えたということは直接何回も聞いております。大変大切なことだ。そういう実例等私は直接見聞きして、これはやはり守らなければならぬという気持ちを一層深くしている次第でございます。  なお、五%問題につきましては、なるほど過去におきまして閣僚の懇談の席上において出たこともございますが、これはただ単なる意見として出ただけでございまして、あくまでこれは人事院でもってお決めになる筋合いのものである、このように理解をいたしておる次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田委員 総務庁長官のお話も昨年の完全実施が行われたことによって大変士気によい影響を与えたという判断をされておりまして、そのことは大事だということなので、これは今後とも完全実施の方向で勧告を尊重していただきたい、こう思います。  今回、そういう状況の中にあって給与関係閣僚会議が持たれておるようでございますが、先ほど後藤田官房長官のお話も何かはっきりした時期はおっしゃってなかったようですけれども、職員に不安感を抱かせるようなことにはならぬようにする、こういう御答弁がありました。総務庁長官、関係大臣として大変な地位におられます長官として、この公務員の期待に対して、どうなるかという不安感を抱かせないような方向でできるだけ早く閣議決定をしていただきたいと思っておりますけれども、どのようなものでしょうか。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 今も御答弁申し上げましたとおり、給与担当大臣としてはその速やかなる完全実施を念願とし努力をいたしますが、国政全般にわたる問題でございますので、関係の閣僚会議等を開きまして速やかなる決定をこいねがいながら努力をしてまいりたいと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田委員 給与関係の閣僚会議の中でこの勧告を完全実施に向かって推進するのはやはり長官のお役目だと思っておりますので、そういう意味でぜひひとつ御努力をいただきたい、御要望申し上げておきます。  それからもう一つ、そういう方向であるならば、当初予算のときに従来は給与改善費というのが計上されておりましたけれども、それが去年どことしは計上されないようになってしまいました。私は、低率であってもやはり勧告がありそれを完全実施することが大きな方向としてあるならば、給与改善費というものは本来ならば必要なものであり不可欠なものであるという意味から予算に計上しておくべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 給与改善費を予算に計上すべきであるかどうかという問題は、これは財政当局で検討されるべき問題でございます。しかしながら、この有無にかかわらず人勧尊重の姿勢に立って私どもは対処いたしておりますし、現に今申し上げました昨年度は完全実施いたしましたが、この六十一年度につきましても給与改善費は当初予算には計上されておりませんでした。したがって、当初予算の計上の有無にかかわらず、私どもは完全実施を必ずなし遂げたい、かような決意でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田委員 私もまだ一番大事な勤務条件等についてお伺いしたいと思いますけれども、関連質問がございますので、大分時間がたってしまいましたので割愛させていただきまして、週休二日制の現状、それから閉庁問題、こういう問題についてもぜひひとつ勧告どおり実施していただきたいことを御要望申し上げながら、関連質問に移りたいと思います。

石川要三自由民主党

○石川委員長 関連して、田中慶秋君。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 関連質問に立たせていただきます。  まず、総務庁長官にお伺いしたいのですが、一つは、総務庁長官は新前川レポートを御存じですね。新前川レポートでは、労働時間短縮の問題で少なくても西暦二〇〇〇年までに千八百時間、こういう問題が取り上げられておりますけれども、御承知ですか。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 概略承知いたしております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 そこで、現在労基法改正の問題もありますけれども、今般、人事院の勧告で四週六休問題が取り上げられて書かれたということは、これからの時間短縮を初め労基法の改正にとっても大変有意義だ、こんなふうに評価しているわけであります。  そこで問題は、総務庁長官にお伺いしたいのですが、過去に、昭和五十五年、「週休二日制等労働時間対策推進計画」を策定されて、年間総労働時間を昭和六十年までに二千時間にするということを打ち出された政府方針があります。しかし、この計画も思うようにいかない、これが現実であります。その後昭和六十年六月に「労働時間短縮の展望と指針」ということを改めて方針を出し、昭和六十五年までに時間短縮二千時間を、こういう形で方針を出されました。さらに六十年十月十五日には、経済対策閣僚会議の中で策定された「内需拡大に関する対策」ということで、週休日等の年間休日日数を今後五年間で十日程度ふやし欧米主要国並みに近づけていくという政府方針が出されていることについて御承知いただいているでしょうか。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 先生今おっしゃいましたのは日本の民間労働者全般についての時間短縮の問題で、政府としていろいろそういったものを決め、あるいは審議会の答申で出たものだと理解しております。ただ、正直に申しますと、それが当初の予定どおりになかなかいかない、あるところまでいったら頭打ちになってカーブが落ちてしまったという状況を踏まえて、実は新前川レポート、前川レポートもそうですが、民間に幾らかでも刺激を与えるために、むしろ銀行と金融機関と込みで、これが率先しなさいという御指摘をいただいて、私どもその線に沿って努力しているものですから、労働者関係の問題につきまして詳しく存じ上げているわけではございません。ただ、先生のおっしゃる流れはある程度は理解しているつもりでございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 それはちょっとおかしいと思うのです。これは政府方針として打ち出されて民間に対する指導強化をしていこうということですから。それは、いずれにしても労働時間短縮が思うようにいかないために次々とこういうものも打ち出されている。そこで、今度の問題も、いずれにしても労働時間短縮がそういう形で遅々として進まない。もう長官御存じだと思いますが、今、日本の総実労働時間が二千百六十八時間、アメリカ、イギリスよりは約二百時間、西ドイツやフランスよりは約五百時間、こういう形で長いわけですね。そんなことから、今回の新前川レポートが具体的に千八百時間ということを指摘されたわけですね。  そうすると、私は少なくとも今回の四週六休あるいはまた土曜閉庁というものを、もっと具体的にこれを推進、バックアップする意味でやっていかなければいけないのではないか、こんなふうに思うのですね。今幾つかの例を申し上げて、遅々として進まない。ですから、今度新前川レポートがなおかつ千八百時間、少なくともこれは国際公約のような形で私ども受けとめておりますけれども、長官、いかがでしょう。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 今回のこの四週六休あるいは閉庁問題は、一つには労働条件の改善であり、あるいはまた労働時間の短縮という面から見ますと国際協調であるということはもう御承知のとおりであろうかと思います。  ただ、その速度の問題、遅々として進まないとおっしゃいましたけれども、遅々として進みつつあるわけでございます。ただ、速度の問題がどうかということはいろいろな議論のあるところでございますけれども、理想としておっしゃることに私ども決して逆らうつもりはございません。人事院でも十分御勘案いただきまして今回の勧告となったわけでございます。御趣旨は十分踏まえながら、今後とも処してまいりたいと思います。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 お言葉でありますけれども、例えばOECDの統計によっても、先進諸国は、少なくとも時間外を含めたあらゆる労働時間の短縮について、一九七五年を一〇〇とするならば現時点においてはおおむね九〇台まで縮小されてまいりました。日本においては一九八四年、逆に一〇二・四という形で、労働時間が短縮どころか、残業を含めてでありますけれどもふえる傾向にあるということが現実問題としてデータとして出ていることも事実なのです。ですから、遅々として進まないというのは、私どもはそういうところを含めて言っているわけでありますし、今回の千八百時間台にするためには、少なくとも先ほど言われた銀行、官庁がそれを率先しなければいけない、これがやはり国際公約であろう、こんなふうに思っております。  ですから、この国際公約を必ず実現をする意味で、今申し上げたような四週六休さらにはまた土曜閉庁の問題、これをちゃんとしていかなければそれをバックアップできないし、中曽根さんがいつも言われているように、国際国家日本ということは単なる経済大国、そういう形であってはいけない、こんなふうに思うのです。  もう一つには、雇用不安という形で今大変大きな社会問題になっているわけです。現在、失業率三・二%、さらに雇用の創出を考えるためには、時間短縮をして、レジャー産業を初めとする新たな産業に転換を求められなければいけないであろう、こんなことから、週休二日制あるいはまた土曜閉庁というものは大変重要である、もう既にその時期が熟してきているのではないか、私はこんなふうに思うのです。  ですから、いろいろな例をるる述べてきたわけですけれども、その実現をするのはやはり長官の心一つにかかっているのではないか、こんなふうに思いますけれども、長官の考え方を聞かせてください。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 これは、私の心一つとおっしゃるが、私の胸三寸でできる問題ではございませんが、いずれにいたしましても、御趣旨は全く同じでございます。  先ほどから私が御答弁申し上げたとおりでございますが、民間の金融機関と公務員の執務と基本的に違うところは、やはり国民に対する奉仕と申しましょうか、そういう奉仕の密度において違うと私は思うのでございます。したがいまして、国民に対するサービスがそのことによって低下するということはいけないことだということで、今いろいろと検討を行っておる段階でございまして、私どもとしてはおっしゃる趣旨はよくわかっております。全く同感でございますから、一日も早さその実施をこいねがいながら、さらに具体的な作業を進めてまいりたいと思っております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 長官のかたい決意と受けとめて、さらにまた国際公約であり、これは二〇〇〇年までには千八百時間台にする、こういういろいろな要素がありますから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  そこで長官にお伺いしますが、昭和六十年に与野党間で構成されました労働時間短縮及び連休問題懇談会の報告を受けて五月四日が休日化されたことは御存じですね。私どもは五月一日から五月五日までを太陽と緑の週間と決めて、現実にこの五月四日の問題についても各党にお話を申し上げながら御理解をいただいて休日化されたわけであります。  ところが五月一日のメーデー、今、全国的には少なくとも労働者の大体六五%が、ほとんどがメーデーは休み、現在日本においてもこういう形になりつつあるわけであります。そういう中で、五月一日を休日として扱う、休日として取り上げる考え方はないかどうか、お伺いしたいと思います。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 実はこれは私の方の所管ではございません。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 休日法は総務庁の仕事です。ですから五月一日を、メーデーでありますけれども、今申し上げたような休日とする、祝日とする、こういうものを改めて総務庁としてお考えいただきたい。

手塚康夫総務庁人事局長

○手塚政府委員 三年前に総務庁ができたときに総理府と旧行管と一部一緒になったものですから、その点で総務庁、なかなかわかりにくくなっております。  先生おっしゃる点、昔は総理府の一部の総理府の審議室で行っておりました。それが分かれまして、現在それは総理府の方に、内閣審議室と総理府が一緒になって残っております。こちらに参りましたのは国家公務員に関する人事管理ということで、その関係は来ておりますが、残念ながら総務庁は全く所管しておりません。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 それじゃ大変失礼いたしました。私は総務庁の所管だと思って……。  いずれにしてもその辺をお伺いしたかったわけでありますが、それじゃ角度を変えて、総務庁長官も政府を支えている長官の一人として、私が今申し上げたことについて、私的な考え方で結構でございますから、もし考え方がいただけるならば御答弁をいただきたいと思います。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 突然の御質問で、大変難しい問題だと思います。今申し上げましたように私どもの所管ではございませんが、あえて申し上げるならば、検討すべき課題ではあるなという感じは私も持っております。それ以上、ちょっと私、今申し上げることはできないと思います。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 いずれにしてもこの問題は、これからの休日がそういう点で大変多く要求されております。データによりますと、年間十日間休日をふやすことによって大体九十二億ドルほど、それだけ大変大きな影響が出てくる。こんな形で、貿易摩擦の解消にもなりますし、やがて日本が先進国としてやらなければいけないだろう、こんなふうに考えておりますので、公務員も同じ境遇にいるわけでありますから、これはやがて人事院の方にも波及する問題であろうと思いますので、これはぜひこの辺を含めてこれから検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。  そこで、人事院にお伺いしたいのですが、時間短縮や休日、そしてまた土曜閉庁等々は推進していかなければいけない、私はこんな立場に立っております。しかし、そのことによってサービス低下があってはいけないということも事実だと思うのです。ところが、一部の調査の中でこんなことが判明して驚いておるのですが、事実でしょうね、間違いなく。国家公務員及び地方公務員の中に、休暇の扱いの問題で、一分、三分、五分、十分、こんな休暇扱いを現実にされているところがあるのです。今まで普通は、半日休暇とか一日休暇というものは私はよく存じ上げていたのですけれども、一分、五分、十分の休暇さえ現実に、大変きめ細かくなったなといえばきめ細かくなったなという感じを受けますけれども、これはちょっとおかしいのではないかな、こういうふうに思っております。その辺の現実に行われている実態調査が明確になっておりますので、この辺をどう受けとめておられるのか、お伺いしたいと思います。

川崎正道人事院職員局長

○川崎(正)政府委員 委員今御指摘の調査の結果というものを、私たちの方は存じ上げておりません。  現在、国家公務員につきましては、休暇につきましては一時間単位で休暇を与えるということにしておりまして、今お話しの一分、三分というようなことはあろうはずがないというふうに思っております。地方公務員の方につきましては、所管が違いますので我々の方ではよくわかりませんが、国家公務員についてはそういうことはあろうはずがないと思っております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 民間では大体一日をベースにした休暇なんですね。ところが、国家公務員及び地方公務員は半日、一時間単位です。これはどういう根拠でなされているのでしょう。一時間単位というのは法律で決められているのですか。こういうことが認められているから、十分も五分も出てきていることは現実なんです、はっきり申し上げて。ですから、そういうことを含めて、あらゆるものが今発想の転換を求められている時期ですから、そういう点では時間短縮は時間短縮でしなければいけない、休日は休日としてふやさなければいけない、しかし、サービスが低下してはいけないということですから、こういうことについても一考を要するのではないかな、こんな意味で私は質問しているわけです。

川崎正道人事院職員局長

○川崎(正)政府委員 現在、国家公務員の休暇の扱いにつきましては人事院規則で詳細を決めておるわけでございます。原則は、今委員御指摘のように一日または半日を原則としておるわけでございますが、必要があれば一時間単位でも与えられるということで、例外的に時間単位の休暇を認めておる、こういうことでございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)委員 いずれにしても、今時間短縮をしようとか休日もふやそうとかいろいろな形で創意工夫をされているわけでありますから、一時間の休暇を認めることがやがて三十分、十分、五分、こういうところまで拡大解釈をされて運用の面でされているところもあります。余りここで具体的にどこのということを言うと支障がありますが、それはやはり今の時代の流れに逆行している、こんなふうに思いますから、そういう点は正すべきところは正し、そしてまた改善するところは改善していかなければいけないであろう、こんなふうに思っておりますので、そういうことを含めてこれから皆さん方の扱い方を御検討いただきたいことを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。

石川要三自由民主党

○石川委員長 柴田睦夫君。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 初めに、総理、閣僚の靖国参拝問題についてお伺いします。  政府は一昨年、従来の靖国公式参拝の見解を変更して、神道の参拝形式、二礼二拍手一拝でなく、ただ一礼するなら憲法が禁止する宗教活動に該当しないから公式参拝は違憲に当たらないとして、中曽根総理が靖国公式参拝を行いました。我々は、どのような参拝形式をとろうと、宗教施設への総理、閣僚の公式参拝は違憲であるとして、当委員会でも大論争をしてまいりました。     〔委員長退席、船田委員長代理着席〕  昨年、ことしと、中曽根総理は、公式参拝はさきの侵略戦争を肯定し憲法に違反するものであるという国の内外からの批判がありましたので、そういう中で公式参拝を断念せざるを得ない状況にあります。しかし、多くの閣僚はこの間参拝しておられます。しかもことしの参拝では、田村、橋本の両国務大臣は、二礼二拍手一拝の神道形式で参拝をしたと公言しておられます。にもかかわらず、二人の閣僚に対して中曽根内閣は何らの措置もとっておられません。これは政府自身が官房長官談話で示された公式参拝合憲の条件とした参拝方式を明白に逸脱した行為ではないでしょうか、官房長官にお伺いいたします。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 御案内のように、靖国神社への参拝は、国のために命をささげた皆様方に、私ども日本人として、遺族の方々の心情というものを思うならば、やはり政治の場にある者としても靖国神社に参拝をしたい、またすべきであるということを考えておるわけでございます。しかしながら、御案内のように憲法二十条ともう一つは憲法八十九条等との関係もあって、なお違憲の疑いを否定し得ないという法制局の見解がございまするので、閣僚としての参拝は差し控えておったわけでございます。  しかし、何とか国民多数の方々、特にまた遺族の心情というものにこたえなければならぬのではないかというようなこともあり、藤波官房長官の時代に靖国懇を設けさせていただいて御勉強していただいた結果、いわゆる宗教儀式といいますか、神道様式といいますか、それを避けて参拝をし、そして、命をささげた人たちに対して追悼の誠をささげ、平和を祈念をするということであるならば必ずしも違憲とは言い得ないのではないかという大方の方々の御意見で、それに従って政府としては法制局の見解の一部修正を行ったわけでございます。その結果、いわゆる世間で言う公式参拝というものをそういう様式で行ったことは御案内のとおりでございます。  ただ、問題は極めて憲法上のデリケートな問題でもございまするので、昨年もそれからことしも、これは私は官房長官でございますから、こういった経過について資料を作成をいたしまして、そして靖国神社参拝の要領ということで、その前日、秘書官を通じて各国務大臣にお渡しをし、間違いのないようにしていただきたいという意味で、資料をお渡しをした上で、閣議の後、閣議の席ではございません、閣議が終わった後でございますが、官房長官として私から改めて靖国神社参拝についての留意事項ということを御説明を申し上げて、そして、総理はしたがってことしは参拝をいたしませんということを申し上げ、あとは、これは別段制度化したものでありませんからその都度の問題でございますが、閣僚の皆さん方はこういったことを十分御承知の上でそれぞれの自主的判断に基づいて行動していただきたい、こういうことを申し上げてありましたので、私としましては、新聞紙上、いろいろな今御質問のようなことを見ました。しかしながら、閣僚が憲法違反を行ったというふうには理解をいたしておらないというのが私の認識でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 私がお尋ねしたのは、私どもの考えはさきに述べましたけれども、結局、二礼二拍手一拝の神道形式で参拝した二人の閣僚がいらっしゃる、それに対して不問に付しておられる、これは、政府の見解を改めて、公式参拝は合憲である、その条件にこういう条件がつくならばということで改められましたけれども、その政府の改められた参拝方式を逸脱しているのではないかということであるわけです。二人の閣僚のことについて特にお伺いしておるわけです。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 私は、ただいまお答えをいたしましたように、新聞では見ましたけれども、お二人の閣僚が、いわゆる靖国神社参拝に際して憲法違反になるようなことをなさったというふうには理解はいたしておりません。しかし、これは直接ひとつ御本人にお聞きをしていただきたい、かように思うわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 新聞でも、「公式組のうち田村、橋本両氏は「一礼二拍手一礼」の神社形式で参拝。」これは東京新聞です。それから、毎日新聞でも、「参拝閣僚のうち田村通産相、橋本運輸相の二人は内閣が憲法上の疑義があるとして行わないよう注意を呼びかけていた公的立場での神道形式にのっとった参拝を行った。」こう書いてあるわけです。  ですから、これだけのことが書いてあれば、これはもう間違いないと思いますし、官房長官も先ほど新聞をごらんになったということであれば、何らかの措置をとらなければ、これはこれを容認するということになると思うわけです。その点についてお伺いします。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 私は、先ほど来からお答えしているように、憲法違反を二人が行ったというふうには理解をいたしておりません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 そうしますと、この官房長官談話で藤波官房長官が示された条件、さらに去年後藤田官房長官がこの藤波長官談話は現在も存続しているということを言っておられますけれども、その中に、「この公式参拝が宗教的意義を有しないものであることをその方式等の面で客観的に明らかにしつつ、靖国神社を援助、助長する等の結果とならないよう十分配慮するつもりである。」という前提に立って、そして最後のところで、「各閣僚は、内閣総理大臣と気持ちを同じくして公式参拝に参加しようとする場合には、内閣総理大臣と同様に本殿において一礼する方式、又は、社頭において一礼するような方式で参拝することとなろうが、言うまでもなく、従来どおり、私的資格で参拝することなども差し支えない。」これが藤波官房長官談話であります。  神道形式によるべきではないと言っているにもかかわらず神道形式によられた参拝、神道形式でやれば違憲の疑いがあるということでありますから、この長官談話に違反して、また、恐らく長官の留意事項にも違反してやられたこの二礼二拍手一拝の神道形式、これをやった閣僚というのはやはりこの政府の見解に違反したことをやっているのではないかということであります。お伺いします。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 何度もお答えを同じようにして恐縮でございますけれども、私はお二人の閣僚が憲法違反になるような公式参拝をなさったとは理解をいたしておりません。仮に神道様式、宗教儀式にのっとってやったとするならば、それは私的参拝ではないのかというふうに私は思いますが、いずれにいたしましても憲法違反になるといったようなことはお二人はなさっていないということを私は確信をいたしております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 二人の閣僚は、公式参拝である、こう言われております。それで神道方式にのっとった参拝をやられたわけです。二礼二拍手一拝の神道形式、これをやっても憲法違反ではない、そして公式参拝であって、この形式をとっても憲法違反ではない、このようなお考えですか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 私は、だからその点はお二人に確かめていただく以外方法はないと考えておりますが、いやしくも国務大臣が憲法違反に該当するようなことをやったというふうには全然理解をしておりません。したがって、公式参拝であるならば神道儀式といいますか、宗教儀式にならないようにおやりになったのであろうし、それからまた、神道儀式に従ったということであるならば、それは私的参拝としておやりになったのではないのか。その際に、新聞記者諸君との応答でどのような応答があったのか、これは私の関知するところでは、ございません。  いずれにせよ、国務大臣として憲法違反のことをやったというふうには理解はいたしておりません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 しかし、先ほどから言っておりますように新聞で、公式である、神道方式にのっとった参拝をやった、こういうことが出ておりますし、官房長官もその点は事前に注意をされたということであると思いますので、そこまで新聞に載っておれば、やはり官房長官として実際を調査して何らかの措置をするなり、そういうことをやるべきではないかと思いますが、調査をされる考えはありませんか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○後藤田国務大臣 いやしくも一国の国務大臣でございます。その方のこういった行動について、一々私、官房長官として調査するといったつもりはございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 官房長官の今のようなお考えであれば、この閣僚の参拝は、こうした参拝形式の既成事実を積み上げて官房長官談話さえ有名無実にしようとすることになると思います。さらに政府がこれを擁護しているということは、公式参拝合憲の政府見解がいかに欺瞞に満ちたものであるかをみずから証明しているものと言わざるを得ません。我が党は、総理や閣僚の一切の靖国公式参拝中止と、これを合憲化する一昨年及び昨年の官房長官談話の撤回を要求するものであります。  この点は一昨年の八月、当委員会で我が党の三浦議員が二礼二拍手一拝でやったらどうなるのかと質問しておりますが、当時の法制局長官も、「目的が戦没者の追悼にあったといたしましても、外形から見ましてその目的が宗教的意義を有する行為と受け取られるおそれがございますから、津地鎮祭の最高裁判決の考え方、いわゆる目的・効果論に照らして考えましても、なお憲法に違反するのではないかという疑いが残ることになろうかと思います。」こう答えているわけです。一礼二拍手一拝で参拝をした、そして公式であるということを言っているわけですから、憲法違反の疑いがあるということは明らかであります。その点調査もしないというようなこと、ただそれを容認するということが、結局政府見解を有名無実にしてしまうということも指摘しておきたいと思います。  それでは、時間がありませんので人事院勧告の問題について。  ことしの人事院勧告は、改善率一・四七%と一九六〇年に現行の勧告方式をとって以来最低の水準となりました。公務員労働者は、政府の臨調行革路線によって人勧を値切られたり凍結されたり、また最近では共済年金の掛金の大幅アップ、ことしに入ってからは官舎使用料の値上げが強行される、こういう状況にあるわけです。このような公務員労働者の生活実態からして、今回の低い勧告は極めて不十分なものと言わざるを得ないわけであります。     〔船田委員長代理退席、委員長着席〕  官房長官は、昨年は国公法の五%条項発言などをなさいましたけれども、一・四七%が勧告をされました。当然勧告どおりに実施すべきものであります。この点につきましては、先ほどから御見解を同僚議員からお伺いいたしましたが、最大限尊重して早く職員に安心感を与えるというきょうの言明を、官房長官も山下長官もともに早く実現されるように要望いたします。  そこで、この勧告で気になる点がありますが、大学卒の第Ⅰ種試験採用者の初任給格付を改める点であります。現行は二級二号俸に格付されていましたが、来年度から今度はこれを三級一号俸に格付するとしております。この理由は何ですか、お伺いします。

中島忠能人事院給与局長

○中島(忠)政府委員 Ⅰ種の採用試験と申しますのはもともと三級の官職を対象とする採用試験でございまして、現在二級二号に格付しているのはあくまで暫定的な措置でございます。それを今回正常な姿に戻すということでございまして、本来三級の官職を対象とする試験だということは試験公告等においても人事院として明示しているところでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 初任給につきましては、Ⅱ種、Ⅲ種の採用者も民間の初任給を下回っております。それをⅠ種だけ格付を改めて引き上げるというのは大きな問題になります。民間準拠という原則に立つならば、他の試験採用者も同じように格付を上げるべきではないかと思うわけであります。  本来の姿に戻すのだということを言われますが、本来の姿というのはいわゆる六級職で、私が受けた昭和二十五年の試験なんかでもそうでしたけれども、それから何年もたってなぜ今ごろこの時期に改めるのか、これをお伺いします。

中島忠能人事院給与局長

○中島(忠)政府委員 昭和六十年に俸給制度の大幅な改正をいたしました。等級の新設をする、俸給表を新設するという大幅な制度改正をいたしまして現在の一級から十一級制というものをつくったわけでございますけれども、本来ならばそのときにⅠ種試験の採用者につきましては三級に格付しておくべきだったと考えますが、当時はいずれにいたしましても俸給制度の大改正ということでございまして、その制度改正の内容を詰める、そしてその改正された内容を円滑に施行するということに実は精いっぱいでございまして、それ以外の問題は先送りした。したがって、昨年人事院勧告も完全実施されたことでございますし、人事院としては給与制度上残った問題については今後着実に解決していくということでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 時間がありませんので先に行きますが、国税専門官、それから労働基準監督官の採用者は従来の上級甲と一号俸差で格付されてきました。今回の措置で三号俸差に広がることになります。初任給全体のバランスを崩すようなことになるわけであります。これらの試験採用者も引き上げないとバランスが崩れることになるのではないかと思いますが、この点の配慮はあるわけですか。

中島忠能人事院給与局長

○中島(忠)政府委員 Ⅰ種試験の採用者につきまして三級一号に格付するというのは、Ⅰ種試験の性格からそういうふうに考えたわけでございまして、先生がお話しになっている観点からのものではございません。ただ、先生が今御指摘されるような問題もありますので、関係省庁の意見も一応聞いてみたいと思います。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 以前の上級甲採用者、つまり現在のⅠ種試験採用者は、特権的に昇格、昇給がなされてまいりました。こうしたやり方というのは、人事行政ではもちろん、公務部内でも批判が出されておりまして、社会的にも学歴社会という悪影響まで及ぼしております。今回の措置は、これを増長し、公務部内での格差を一層広げることになるのではないかと危惧するわけであります。この点については簡単に結論的に答えていただきます。

中島忠能人事院給与局長

○中島(忠)政府委員 Ⅰ種試験採用者もⅡ種試験、Ⅲ種試験採用者も、それぞれ力を合わせて現在の公務組織を円滑に運営しておりますし、その結果、国民に対しては行政サービスを十分提供しているというふうに私は思います。  ただ、今回の措置といいますか、本来の姿に戻す今回の措置が、先生が御心配になられるような結果を生み、国民に対して公務サービスの面で迷惑をかけるようなことになってはならない、それは当然でございますので、人事管理官会議等でよくその趣旨は徹底してまいりたいと思います。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 次に、週休二日制の問題であります。この四週六休制は、ことし五月の政府の緊急経済対策にも明記され、日本政府が国際的にも公約したものであります。四週六休制及び完全週休二日制を実施するということについての政府の基本方針につきましては、先ほど来お話がありました。  そこで、日本の労働者の長時間労働の問題ですが、これは国際的にも批判されているところであります。労働者にとっては、働き過ぎではなく働かされ過ぎと言うべきものであります。四週六休制に関連して、人事院や総務庁が公務員の労働時間の国際比較をこのところ発表しておりますが、これらの資料によっても日本の公務員労働者の長時間労働が浮き彫りになっております。内容の方は省略いたします。それから、週休二日制の導入の時期についても大変おくれているわけです。また、人口千人当たりの公務員の数が日本は外国に比べて非常に少ないという状況にあるわけであります。総務庁長官、公務員の国際比較をやっておられて、感想をお願いします。

山下徳夫自由民主党総務庁長官

○山下国務大臣 労働時間の比較から申し上げますと、おっしゃるとおり必ずしも先進国に比べて日本が良好な状態であるとは申せないと思います。だからこそ、毎回御答弁申し上げておりますように、今回の四週六休の実施あるいは閉庁に向かって今作業を進めておりますが、勤務条件の改善と同時に国際協調を進めるということは労働時間の短縮ということでございますから、そういう趣旨に沿って私どもは今努力をいたしておるところでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 中曽根内閣になって自衛官は千百人ふやされておりまして、その他の公務員は二万人減らされております。ここに政府の姿勢があらわれていると思うのですが、職員団体が調査したところによりますと、一般の公務員の間では、職場で一番変わったのは人が減らされて仕事がきつくなったということだというわけであります。行政サービスを低下させず公務員労働者の労働時間を短縮するためには、どうしても定員をふやさなければならない、このことを検討しなければならないと思うわけであります。  それから、今恒常的になっております超過勤務につきましても、労働時間短縮のために改善する必要があります。人事院は近く研究会を設けてこれらを検討するようでありますが、人事院が現在持っておられます公務員労働者の超勤に対する問題意識、またこの研究会設置の目的、時間があと一分になりましたので、その範囲でお答え願います。

川崎正道人事院職員局長

○川崎(正)政府委員 長時間の超過勤務ということは、職員の健康、福祉ということから考えましても、ただいま委員御指摘のように労働時間短縮という観点からいたしましても重要な問題であると人事院は認識しております。ただ、本来的にこの問題は各省庁の勤務体制の問題であろうかと思っております。ですから、職務執行の簡素化、合理化ということを各省庁がお考えになることが第一だと思っております。ただ、そうはいいましても、やはり勤務条件にかかわる問題でもございますので、人事院といたしましても、各省庁といろいろこれから御相談申し上げまして、できるだけその縮減に努めてまいりたい、このように考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 終わります。

石川要三自由民主党

○石川委員長 次回は、来る二十五日火曜日午前十時十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十四分散会

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