地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/08/26
会議録
○石橋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は、昨二十五日に終了いたしております。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。岡島正之君。
○岡島委員 私は、自由民主党を代表して、政府提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。 今回提出された地方交付税法の一部を改正する法律案は、昭和六十二年度分の地方交付税の総額について所要の加算を行うとともに、地方交付税の単位費用を改正することなどを内容とするものであります。 まず、昭和六十二年度分の地方交付税の総額については、当初予算に計上された額を確保するとともに、補正予算に基づく追加公共事業等の実施のため三千五百億円を地方交付税の総額として増額することとしており、所要額が確保されることとなっております。 また、昭和六十二年度の普通交付税の算定については、経常経費に係る国庫補助負担率の引き下げ等に伴い増加する経費に対し所要の財源を措置し、あわせて福祉施策に要する経費、教育施策に要する経費、地域の活性化の促進に要する経費、国際化への対応に要する経費の財源を措置するほか、投資的経費について地方債振りかえ後の所要経費を措置するとともに、補正予算により増額された公共事業等に要する所要経費の財源を措置することとしております。 これらの措置を内容とする政府提出の地方交付税法の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢、国及び地方の財政状況等を考慮するとともに、地方財政の円滑な運営を図る見地から適切なものであると認められますので、本案に賛成するものであります。 なお、地方財政は引き続き巨額の借入金残高を抱え、今後とも厳しい財政運営を余儀なくされるものと見込まれますが、政府におきましては、地域社会の健全な発展と地域住民の福祉の向上に果たす地方団体の重要な役割にかんがみ、今後とも地域振興の積極的な推進を図るとともに、地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。 以上をもちまして、政府提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成の討論を終わります。(拍手)
○石橋委員長 安田修三君。
○安田委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして反対の討論を行います。 以下、反対理由を述べます。 第一に、中曽根総理は、税制改革について「周到な配慮をもって検討を加えなければならない」と言われました。総理の「周到な配慮」とは、サミット等でマル優廃止を打ち上げ、国会における約束、公党間の確認を破棄することであります。与野党国対委員長会談における合意、税制改革協議会における議論の経過を見ますと、マル優廃止法案の再提出は許しがたい行為であります。そして、売上税、マル優廃止の混乱の被害を一身に受けたのが地方財政計画であり交付税であります。地方自治体の財政運営は混乱と不安の極致に至っております。また、今日、地方税より先に交付税が採決されるという制度上の逆立ちが行われるのもこの混乱によってであります。 第二に、税制改革については地方財政運営に支障を来さぬよう措置するとされましたが、全国津々浦々の自治体は大混乱です。一体、地方財政計画というのは地方財源を確保するためのものであるのか、国の政策的意図を地方の迷惑は構わずに押しつけるものなのか、この混乱の責任をだれがとるのか、こうした問題について何ら納得できる答弁が得られていません。地方財政計画の性格の変質は地方財政、地方自治の根幹の問題であり、かかる無責任な姿勢は断じて許せません。 第三に、国の責任で提案された売上税やマル優廃止が廃案となったことによる地方財政の減収に対して、なぜ国は責任を持って補てんしないのでしょうか。税目が消え、税収はゼロという今日の事態において、地方自前の財源である六十一年度決算剰余金等で穴埋めすることは適切な措置とは言えません。財源不足額は地方交付税に国の自前の財源をもって特例加算すべきでありますが、この点につきましても政府は誠意ある姿勢を示していないことは極めて遺憾であります。 第四に、さらに、六十三年度五千七十二億円、六十四年度六千六百億円の個人住民税減税が提案されていますが、仮にマル優廃止が実施されたとしても、地方税収入が六千五百億円となるには七、八年かかるとされています。この間の地方財源不足類はどのように措置されるのか。利子課税の税率引き上げや大型間接税創設が再びかま首を持ち上げることはない、地方財政運営に支障を来さないと約束できるのか、不透明であります。 第五に、今年度補正予算による地方財政の財政需要増は、その大半を地方債によって措置するとされていますが、これにより借金財政はさらに深化します。緊急経済対策においては地方単独事業の八千億円の追加要請も盛り込まれておりますが、過去の実績からいっても、また今日の自治体財政の実態からしても不可能なことは火を見るよりも明らかであります。政府は、NTT株売却益の無利子貸し付けを地方債計画に組み込んでいますが、これは地方債の補助金化、補助金の先食いとしか言いようがありません。NTT株売却益の相当部分は地方財源として配分されるべきでありますが、政府・大蔵省は、NTT株売却益を自治体に貸し付けるだけという姿勢を貫いております。 第六に、地域は、石炭、造船、鉄鋼などの産業を抱え、構造不況に悩む地域においては起債発行もままならない状況であります。自治省においても若干の改善は提案していますが、到底十分ではありません。地域経済の再建を保障、裏づけし、雇用の安定を図る上でも特別の交付金の交付等財政援助が必要不可欠であると考えますが、政府の姿勢は極めて消極的であります。 第七に、財政再建路線が破綻した以上、補助金カットを続ける合理性はなく、三年間の特例は一年を残して打ち切るとともに、来年度予算における経常経費一〇%カットという概算要求基準を撤回し、地方財政への負担転嫁は断じて行うべきではないと考えますが、政府とりわけ大蔵大臣は明確な回答を避けております。これは地方に大きな不安を与え、地域経済振興の支障となっています。 以上が主たる反対理由でありまして、以上を述べ、討論を終わります。(拍手)
○石橋委員長 草野威君。
○草野委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして反対討論を行うものであります。 昭和六十二年度当初の地方財政は、実に二兆三千億円余に上る財源不足が見込まれておりました。地方財政の状況はまことに厳しい状況に追い込まれております。 地方財政を硬直化している主な要因である公債費比率は年々著しく増大しており、その実情は個々の地方自治体に明確にあらわれております。すなわち、公債費負担比率が警戒信号とされる一五%を超える団体は全体の六割に、危険信号とされる二〇%を超える団体が全体の三割にも達し、また、三〇%を超えて危機的状況にある団体が百十一に及んでおります。 これまでの政府の地方財政対策は、財源不足が出れば借金によって対処すればいいという安易な考えでこれまでまいりましたが、もはやそれは限界に達しており、このような状況が続くなら、地方財政が破綻に追い込まれる日も遠くありません。 しかし、政府は、こうした危機的状況に対して適切な対策を立てようとしておりません。この際、地方財政の抜本的改革を強く要求するものであります。 次に、補助金削減についてでありますが、六十年度に続いて六十一年度に三カ年の暫定措置として補助金が削減されることになり、以後は補助金削減が行われぬことが約束されました。しかし、それにもかかわらず、六十二年度も再び再々削減が行われたのであります。このような補助金削減による国の財政の地方転嫁は、地方財政を圧迫するとともに、国にとっても負担の先送りにすぎません。 また、今回政府は、追加公共事業に伴うNTT株売却資金についても、その株売却収入を公共事業の補助金にかえて地方自治体に無利子で貸し付け、その償還時に補助金を交付することとしております。しかし、これは現在までの国、地方間の財政秩序を全く無視するものであります。既に昭和六十五年度を目標とした国の財政再建計画が破綻しようとしておりますが、このような小手先だけの施策を行う必要は全く見当たらないのであります。 今財政に求められているものは、一日も早く行政改革の実施、不公平税制の是正等による財政の確立を図り、国、地方間の財政の改革を図るべきであります。それを怠り、いたずらに地方に負担を転嫁し、国の財政の先送りには強く反対するものであります。 次に、国民健康保険会計についてであります。今日の地方財政を圧迫しているものの一つは、国民健康保険会計の赤字であります。五十九、六十年度の退職者医療制度の見込み違いによる地方の負担額及び老人保健法の改正がおくれたことによる地方の負担額は、一千億円を超えております。これらは、これまでの経緯から見ても当然政府の責任により措置すべきでありますが、今回の補正予算でも措置されておりません。地方財政の現状を見たとき、第三次補正において必ず補てんすべきことを強く要求するものであります。 以上申し述べまして、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する反対討論といたします。(拍手)
○石橋委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行うものであります。 反対の第一の理由は、補助負担割合の変更は今後三年間は行わないとした昨年度の約束を踏みにじり、今年度もまた投資的経費を中心として補助率の引き下げを断行し、地方に負担を転嫁したにもかかわらず、地方交付税上、十分な補てん措置を講じていないことであります。 第二の理由は、地方財政において巨額の財源不足が続いているにもかかわらず、抜本的な制度改革も行わず、地方交付税総額の特例加算という形で、その場しのぎの対策に終始していることであります。 第三の理由は、以上の結果、各地方団体は事業遂行のための財源対策のため地方債の発行を余儀なくされ、地方団体をますます借金財政に追い込むとともに、財政運営を著しく硬直化させてしまったことであります。 反対の第四の理由は、税制改正の最大の課題の一つが、国に偏った税財源配分のあり方の見直しにあったにもかかわらず、今回の税制改革では税制中立性の名のもとに全く放置され、何らの改革もなされていないことであります。これでは、新たな地方の時代にふさわしく、地方が国民のきめ細やかな欲求に応じた政策を展開することはできません。 以上が主な反対の理由でありますが、最後に私は、政府に一言意見を申し上げたいと思います。 それは、売上税の導入やマル優廃止など、明らかに公約違反である税制改革案を政府が提出したことが、地方交付税の審議をおくらせ、各地方団体にいたずらな混乱と不安を与えてしまったことであります。かかる件について政府の反省を促すとともに、税制改革は国民の合意のもとに進め、二度とこのような事態を招かないよう厳重に注意されるよう申し添えて、反対討論を終わります。(拍手)
○石橋委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の地方交付税法改正案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、地方交付税の対象税目である所得税やマル優廃止を盛り込んだ所得税法等の改正案が、いまだ大蔵委員会で審議中であり、しかも地方税法改正案も結論が出ておらないにもかかわらず、地方交付税法案だけを採決しようとしておるからであります。これは近来全く前例を見ないことであり、異常と言わなければなりません。また、交付税法案の審議時間も、昨年の国会では二十四時間三十分であったものが、今回は地方税法案を合わせてもわずかに十二時間余ではありませんか。 政府・自民党は、交付税は八月末までに決定をしなければならないことを理由として挙げております。しかし、交付税法案の審議がおくれた最大の原因と責任は、さきの国会で公約違反として国民の強い反対に遭い、廃案となったマル優制度を廃止する法案を、数カ月もたたないのに再び提出するという、主権者国民を二重、三重に踏みにじる暴挙をあえて強行しようとしたからではありませんか。速やかにマル優廃止法案は撤回すべきであります。 第二に、交付税法案の内容も、地方財政を充実、地方財政危機を打開する内容となっておらないからであります。 地方財政は公債費負担比率が危険ラインの二〇%を超える地方団体が三分の一にも達しておることに見られますように、危機的状況を迎えております。その最大の原因と責任が、挙げて政府にあることは明白であります。 六十二年度の地方財政計画を五十六年度と比較すれば、地方税の伸び率が一四三%、使用料、手数料が一三七%と、歳入の伸び率を大きく上回り、住民の負担がふえておるにもかかわらず、地方債は一四九%、公債費負担比率も上昇をし続けております。その最大の原因が国庫負担金、補助金等の削減にあることは、国庫支出金が伸びないところか、九九・七%と逆にマイナスになっておることを見ても明らかではありませんか。 六十一年度は、国庫負担金、補助金の削減は一年限りとした六十年度の自治、大蔵大臣間の約束がほごにされたばかりか、削減額も一兆二千億と倍に引き上げられたのであります。さらに六十二年度は、「仮に提案がありましても、自治省としては受け入れる考えはございません」と大臣も当委員会ではっきりと約束をしておったはずであります。ところが、新たに削減額を増額、今年度は実に一兆六千三百二十億円にも上っておるではありませんか。しかも実にその八三・五%を地方債の増発で補てんさせようとしておりますが、地方への負担転嫁は明白であります。本委員会での約束をほごにした自治大臣の責任はもとより、二度にわたって自治、大蔵大臣間の約束を踏みにじった政府の責任は厳しく問われなければならないと考えております。 今、これでは国と地方との信頼関係にもかかわるとの批判が出ておりますが、これは当然のことであります。 ところが、政府・自治省はこの声に耳をかそうとしないばかりか、公約違反の売上税廃案に伴う歳入不足二千二百六億円を地方交付税で補てんしようとしております。政府の責任による歳入不足をなぜ地方の財源で補てんしなければならないのか。国の地方への責任転嫁ここにきわまれりと言わなければなりません。 日本共産党・革新共同は、軍事費一兆八千億円を削減、大企業優遇税制を改め、補助金削減を撤回、交付税率を引き上げ、地方財政を拡充することを強く求めてまいりましたが、この道以外に国民の暮らしと地方自治を守る方途がないことはいよいよ明らかになったことを改めて強調して、討論を終わります。(拍手)
○石橋委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○石橋委員長 これより採決に入ります。 地方交付税法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○石橋委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、野呂昭彦君外四名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五党を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。 地方交付税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、地方公共団体における行政需要増による地方財政の財源不足を打開し、地方自治の拡充強化を図るため、以下の各項について善処すべきである。 一 地方財政の硬直化を防ぐため、地方交付税法第六条の三第二項及び昭和五九年度地方交付税法改正の主旨に鑑み、地方交付税の充実を図るとともに、公債費負担比率の著しく高い団体における地方債償還費に対する財源措置を充実すること。 二 国民健康保険事業等に対する国庫補助負担金については、その所要額の確保を図るとともに、地方財政への負担転嫁は一切行わないこと。 また、地方財政の逼迫と地域経済の停滞の現状に鑑み、政府予算における地方関係予算については概算要求基準の弾力的運用を図ること。 三 今後、補正予算による公共事業の追加実施及び地方単独事業の追加要請に際しては、その事業の確実な進捗と借入金の増大を防ぐため、的確な財政措置を講ずるよう努めること。 四 NTT株売却収入の活用による無利子貸付金の地方債計画への計上に当たっては、一般の公共事業の場合と同様、地方公共団体の負担分に対し的確な財源措置を講ずること。 五 円高・構造不況による失業・雇用不安の拡大と地域経済社会の停滞を是正するため、不況地域における産業の振興と雇用の創出を確保し、地方公共団体の財政の安定化に資するよう財政措置の充実を図ること。 六 地方公営企業の経営の健全化と経営基盤の確立を推進するため、経費負担区分原則に基づき一般会計からの的確な繰り入れに努めること。 七 地方公務員の週休二日制の推進を図るとともに、土曜閉庁の検討をすすめること。 八 昭和六二年度地方財政対策については、地方財政運営に支障を来さないよう、第二次補正予算等において的確な措置を講ずること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いをいたします。
○石橋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石橋委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、葉梨自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。葉梨自治大臣。
○葉梨国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。 —————————————
○石橋委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 ————————————— 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○石橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕
○石橋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時五十三分散会