地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 254 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/08/21
会議録
○石橋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左近正男君。
○左近委員 本法案の審議に当たりまして、冒頭大臣の決意なり所見を承っておきたいと思います。 振り返ってみますと、昨年来からこの春にかけて、昭和六十二年度の予算編成に当たって売上税の問題あるいはマル優制度の廃止、こういうことを地方財政計画に組み込んで地方へ押しつけた。このことによって地方公共団体は大変な混乱をしたわけですね。地方財政計画とは何か。これは各地方公共団体が円滑に予算の執行のできるような手だてを地方財政計画で策定をしていくということでありますが、ことしの場合は全く逆でありまして、政府の押しつけによって地方公共団体が大変混乱をしたわけです。そのことについて自治大臣としてどのような反省をしておられるのか。これをまず冒頭、大臣の決意なり心情をお聞きしておきたいと思います。
○葉梨国務大臣 今年度の予算編成に際しましては、シャウプ勧告以来四十年近くたちまして、抜本的な税制改革を行って国も地方も財政構造を立て直していこう、こういう考え方から税制改革関連法案を提案していたところでございます。しかるところ、国会の御審議の経過によりまして重要な税制改革法案が廃案になったわけでございます。地方団体におかれましては、地方財政計画に基づきまして税制改革関連法案を想定した予算を組んでおられたわけでございまして、今先生言われましたように、法案の廃案によりまして歳入の見通しが狂いあるいは混乱をしたという結果に現在なっているわけでございまして、大変残念に思い、また地方団体に御心配をかけましたことについては遺憾に思っているところでございます。 五月に衆議院議長のごあっせんによりまして税制改革協議会ができまして、与野党の御協議が進んでいるわけでございますが、先般そのうちの一部税制改革の法案、政府原案ができまして、御提案を申し上げたところでございます。そして、地方の財政計画あるいは地方財政の税収につきましては、そのような混乱がありましたけれども、自治省といたしましては、地方財政が予定どおり歳入が確保できるように万全の対応策をとっておりまして、地方交付税あるいは地方税源の確保等につきまして遺憾なきを期したいと考えているところでございます。
○左近委員 順不同になりますが、大臣がおられる間にちょっと人勧問題についての見解をお聞きをしておきたいと思います。 御案内どおり八月六日に人事院勧告がされたわけですが、平均一・四七%、三千九百八十五円、昭和三十五年の今日の勧告制度以来最低の率であります。政府は給与関係閣僚会議等で、当然今日の状況を考えれば完全実施をされる、私はこのように確信をいたしておりますが、地方公共団体を預かる自治大臣として、地方自治体の賃金について当然これは人事院勧告に準じて完全実施をされるべきである、このように思いますが、大臣としての所見を承っておきたいと思います。
○葉梨国務大臣 地方公務員の給与は、先生御存じのように国家公務員の給与に準じて取り扱うこととなっておるわけでございます。昭和六十二年度の地方公務員の給与改定でございますが、国の人事院勧告につきましてただいま給与関係閣僚会議におきましてその取り扱いを鋭意検討中でございますので、その結果を待ちまして、地方団体に対しまして国に準じて適切に対処するように指導してまいりたいと考えております。 先生御存じのように、地方財政は国の財政と同様に極めて厳しい状況にございまして、多額の借入金を抱えるなどの状況にございますが、地方公務員の給与改定につきましては、このような財政事情を考えながら、しかも勧告尊重の基本精神に立って、誠意を持って検討を進めていく必要があろうと考えておる次第でございます。
○左近委員 大臣、もう一問だけ。大臣も給与関係閣僚会議の有力なメンバーでございますが、その会議では積極的に完全実施に向けて発言されていく、こういう理解でよろしいですか。
○葉梨国務大臣 給与関係閣僚会議の有力なメンバーでもございませんけれども、ただいま申し上げたような線に沿って対応していきたいと考えております。
○左近委員 地方公共団体が勧告に準じて給与引き上げをする場合、必要な財源はどれくらいになりますか。
○矢野政府委員 地方公共団体が国に準じて給与改定を実施したとした場合の一般財源の所要額は約千九百七十億円でございます。その内訳を申しますと、給料表の改定に係るものが約千七百六十億円、通勤手当に係るものが約五十億円、住居手当に係るものが約五十億円となっており、そのほか特別職等に係るものが約百十億円、このように相なっております。
○左近委員 これらの財源対策についてはどうされますか。
○矢野政府委員 地方公共団体が国に準じて給与改定を実施した場合の財源でございますが、地方財政計画上、年度途中における予見しがたい財政需要に備えるためにあらかじめ計上してございます追加財政需要額、約五千億円でございますが、その一部を充てることにより対応することになる、このように考えております。
○左近委員 ことしの人事院勧告は、給与の問題と四週六休の制度的な実施問題について勧告をしておるわけです。去年からことしにかけて四週六休の試行をやってこられたわけですが、特に地方公共団体ではそれ以前の四週五体問題もかなり立ちおくれておる現状であります。そこで、この一年間やりました四週六休の実態と、昨年までやられておった四週五休の地方公共団体における実施実態はどうなっておるのか、御答弁を願います。
○柳(克)政府委員 ただいま御指摘のとおり、地方公共団体におきます四週六休制は必ずしも順調に進んでいるというところまでいっておりませんが、試行を決定しているものまで含めまして、本年四月現在で二二・九%の団体が試行いたしております。それから、四週五休制につきましては全団体の四七・七%が実施しているという状況でございます。
○左近委員 これは非常に低いのじゃないですか。国家公務員の場合はどうですか。
○柳(克)政府委員 国家公務員の場合には八九・九%でございます。
○左近委員 今御答弁がありましたように、四週六休については二〇%台、四週五休についても五〇%を切っておる。これは自治省として今日の社会情勢を踏まえてどんな指導をされておるのか。やらぬ方がいいというような指導をされておるのか。これは各地方公共団体の勝手だ、給与等についてはあなたのところではラスパイレス問題を非常に厳しく指導というか干渉されておるのですが、四週六休、四週五体問題についてはほったらかしなんですか。この辺どうですか。
○柳(克)政府委員 地方公務員につきましても、基本的には四週六休と申しますか週休二日制の方向へ持っていくことが望ましいと考えておりまして、いろいろな機会を通じてそういうことは申し上げているところでございます。ただ、先生御承知のとおり、地方公共団体の場合には国に比べまして窓口業務が多いとか、いわゆる困難職場が多いとか、いろいろ問題がございます。あるいは市町村の一部のところに参りますと、各地域内でのバランスの問題その他がございまして、なかなか進捗していないという実情でございます。
○左近委員 僕は、そんな考え方では地方公共団体の四週五休、四週六休の進展はなかなか図れないと思うのです。だから、自治省としても頭の切りかえが必要ではないか。今GNPは世界で第二位だと言われておる、主な先進国ではほとんど完全週休二日制が実施されておる、こういう状況の中で、今部長から説明のあったような形は非常に残念なことだと僕は思うのです。だから、自治省として当面四週五休の完全実施、あるいは人事院はもう四週六休から閉庁問題、週休二日制の具体的な展望まで明らかにした勧告をしておるわけですね。こういう状況の中で、自治省としてももっとアクションを起こした強力な指導をすべきではないか、僕はこのように思いますが、どうですか。
○柳(克)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、地方公共団体におきましても、四週六休と申しますか、勤務時間を短くしていくということを検討しなければいけないと考えておるわけでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、職場の状況とか地域内の問題とかいろいろ問題がございます。そういうものを一つずつ解決するために研究しなければいけない問題がたくさんございますので、私どもとしても研究会などを設けてそういうことができるだけ解決できるように努めていきたいと考えております。
○左近委員 僕は、それではちょっと手ぬるいと思うのです。だから、今回人事院勧告が四週六休制度化の方針を出したのだから、自治省としても何らかの強力な指導通達を各地方に対して出してもらいたい。この点どうですか。 〔委員長退席、岡島委員長代理着席〕
○柳(克)政府委員 昨年、国におきまして四週六休の試行の勧告がございましたときにも通達を出しておりますし、それから四週五休制の場合にも、これは大分前でございますけれども、やはりそういう通達を出すなどして、できるだけ四週五休、四週六休に入れるようにお願いをしておるところでございます。
○左近委員 そんなことは知っているよ。しかし、そんな形どおりのことでは——二二%台あるいは五〇%切れるような状況なんですよね。これを何とか打開するような強力な行政指導をしてくれと言っているわけです。去年もおととしも出していると言う。出したけれども実際はこんな状況でしょう。だから、もっと質を変えた強力なものをことしの場合は出してくださいよと言っているのです。あなたみたいな機械的な答弁でどうするのか。
○柳(克)政府委員 二二%台と非常に低い率ではございますが、ただこれは四週五休に入ったときよりは少し進んでおる、そういうことである程度理解は進んできておるのではないかと思います。先ほど来申し上げておりますように、窓口業務が多いというようなこともございますので、そこをどういうふうにして解決していくのか、そういう具体的な提言あるいは模範例というものを知らせていくことも一つの考え方ではないかと思っております。そういうようなことも通じて、ぜひ四週六休制が定着するように持っていきたいと考えております。
○左近委員 きょうはこれが本題ではないのでもっといろいろやりたいけれども、最後にもう一点だけ。 人事院は近い時期に官庁の土曜閉庁方式、こういうものを提起しているわけですね。国においても、それを受けてかなり前向きに検討していこうという時期に来ております。これは今いろいろとお話がございましたように地方公共団体の難しい状況があるけれども、土曜閉庁方式についてどのような見解を自治省としてはお持ちなのか、お伺いをしておきたいと思います。
○渡辺(省)政府委員 地方公共団体における土曜閉庁については、住民の十分な理解を得ながらその可否を検討する必要がある。それで、地方公共団体には窓口業務等の住民サービスヘ直結する業務や交代制の職種等が非常に多い関係もあって、国家公務員の場合以上に検討すべき課題も多いものと思うわけでございます。 そこで、この問題は国の行政機関における取り扱いと均衡を保っていなければならない性格のものであり、現在総務庁において検討されているので、国の動向を勘案しつつ地方公共団体についても対応していかなければならないな、こういうことを特に検討してまいりたい、こう考えております。
○左近委員 公務員、特に地方での週休二日制の問題は、やはりもっと今日の時代を考えて自治省としても思い切った対応をしていただかなければならぬ、このように私は思いますので、そのことを強く要望しておきたいと思います。 そこで本題に入りますが、私は今回の法改正の問題について、特に地方税問題と大都市税制問題、この二つの観点から質問をさせていただきたいと思います。 私どもは、やはり減税がまず先行だ、第一義だ、またマル優の廃止等については減税問題と切り離して対応すべきだ、こういう強い主張を今日もまだ持っておるわけです。特に減税問題について、当然地方も含めて六十二年度から実施がされるというような強い期待も持っておったのです。これは所得税の場合は六十二年度から実施がされますが、住民税は六十三年度からと一年ずれ込むわけですが、住民税の減税について六十二年度、当年度どうしても実施することが不可能なのかどうか、いい知恵がないのか、この辺どうですか。
○津田政府委員 所得税と並びまして個人住民税の負担軽減というものにつきましては、先生御指摘のとおり国民の要望というのは非常に強い、このように私どもも感じておるわけでございます。そこで、何とか六十二年度事務処理がこなせるかどうかということにつきまして地方団体あるいは直接に税の特別徴収をしていただきます給与支払い者等の方々の御意見というものも聞いてまいったわけでございますが、結果的には、絶対できないということではないですが、事実上不可能ではないか、このような判断をいたさざるを得ない、このように考えております。 と申しますのは、先生御承知のとおり個人住民税の納税義務者が約四千万人を超えております。横浜市あるいは大阪市等をとりますと一団体でも百万人以上の納税義務者を抱えておりまして、これの賦課事務を全面的にやり直さなければならない、そして給与支払い者も全部給与の支払いからの特別徴収額を切りかえなければならない、こういう問題を抱えておるわけでございまして、期間的に申しましても、市町村からヒアリングいたしますと約三カ月程度かかる、それから給与支払い者の方もいわゆる給与計算機等のデータの入れかえというようなことでやはり一月は見てもらわなければ困る、こういうような状況でございます。 そういうことを考えますと、現時点から三カ月プラス一月ということになりますと、十二月にどうしてもかからざるを得ない。この十二月というのは、また所得税におきます年末調整事務ということで給与支払い者、民間側というのは非常に事務がふくそうしておる時期でございます。そういうような関係で難しい。そして、特に本年度の場合には固定資産税の評価がえの事務を抱えておるということで、例年以上に実は難しい問題を抱えておりますし、また時期がおくれればおくれるほどいわゆる還付というケースがふえてくる。この還付の方には、住所が移転等すればまた追いかけてその住所地へ連絡する、本人から還付の請求をもらう、そしてするというようなことで事実上難しいということを御了解いただきたいと思います。
○左近委員 悪いけれども、答弁を短うしてください。 今いろいろ事情の説明があったわけですが、わからぬことではない。これはやはり制度が問題なので、所得税は現年度、住民税は前年度方式、これは同じ税金ですから、なぜ同じ現年度に処理ができないのか、いろいろ事情があるかと思いますけれども、その辺はどうですか。簡単にやってください。
○津田政府委員 住民税の性格としまして、課税団体である住所地と市町村というものを特定しなければならない。そうすると、現在一月一日でやっておるわけですが、そういうような期日を決めてその団体に納めてもらう。その場合に、現年度方式でございますとそれぞれの給与支払い者等におきましては所得税と同様な事務がかかる。要するに毎年、毎月の給与の支払い額に応じた税金の徴収あるいは年末調整というようなことでございます。これは現在の所得税で特別徴収義務者、給与支払い者に御苦労かけておりますものの倍になるわけでございますが、現在の前年度課税方式の方が給与支払い者等にとりましては非常に事務の簡素化、簡明になっておる、このように考えておる次第でございます。
○左近委員 これ以上あれしませんが、かなり時代が変わっているわけですな。いろいろ事務作業の様式についてもかなり変わってきておる。だから、今後一遍こういうことについて、もう従来からやっておるからこうだというのではなしに、僕は研究をしてみる内容を含んでおるのじゃないか、このように思いますので、これは問題提起だけにしておきます。 そこで、今度の地方税の改正の問題ですが、所得税と地方税を比較した場合、所得税は何といっても累進性が高いということですね。地方税はできるだけそれを抑えた全体的な発想、これが一つの大きな特徴点ではないかと思うのです。所得税の場合は一〇・五%から七〇%、これは今度一〇・五%から六〇になるわけですが、地方税の住民税の余り累進性が高くない状況の中で刻みの圧縮というのはする必要があるのかどうか、この辺はいかがですか。
○津田政府委員 御指摘のとおり、所得税と違いまして、住民税におきましては最低税率と最高税率の幅が非常にフラットであるということでございます。ただ、現行制度はやはりその中におきましても十四段階の税率の刻みをつくっておりまして、政府税調の答申にもあるとおり、所得が少し増加すると高い方の税率の適用に結びつきまして負担累増感をもたらす、このようなことは避けるべきではないかというような観点から、十四から七段階へ削減しておるような状況でございます。
○左近委員 今の答弁された発想で、地方税全体そういう発想でおられるのですか。これは道府県民税、今まで二と四でございましたね。これを一本化するのであったらまたあれですが、三というのをふやしているのじゃないですか。これは今あなたが答弁された考え方と逆行しているのじゃないですか。
○津田政府委員 御指摘のとおり、道府県民税は現在二段階の税率区分を三段階にいたしておるわけでございます。これの理由は、道府県、市町村間の税源配分に配慮いたしまして、道府県民税の減税規模を適当なものにするために必要となったものでございますけれども、道府県民税と市町村民税を合わせますと税率の刻みを半分にした、結果的には全体としては簡素化ということを考えておるわけでございます。
○左近委員 だから御都合主義ですね。やはり一貫性がない。特に最低税率の問題で、四・五%から五%に引き上がっておる。僕はこれはけしからぬことだと思うのです。恐らくあなたの方では、基礎控除等いろいろな引き上げをしたから現実上は減税になるのだという答弁をされるかもわかりませんが、所得税の場合は最低一〇・五%を据え置いているわけです。一方、高い方では一八%を一六%にしておる。やはり税率構造、区分だけを見てみれば、これは低い層に強くなっておる、金持ち優遇だ、そういう問題提起がされるわけです。なぜこれを四・五のままにできなかったのか、なぜこれを五にしたのか、〇・五アップしたのか、これはどうなんですか。
○津田政府委員 最低税率四・五を五にいたしましたことは、先生もおっしゃられたように、基礎控除、配偶者控除、扶養控除の各二万円の引き上げというような課税最低限の引き上げといわば抱き合わせというような格好にしましても、低額所得者につきまして、低額所得者のみならずすべての所得者において減税をいたそう、こういうような考え方でございますし、先ほどの税率の刻みという点で申しますと、現行の課税所得金額二十万円まで四・五%、四十五万円まで五%あるいは七十万円まで六%、このような刻みを簡素化いたしまして、六十万円まで一律五%という簡素化を図っておるわけでございます。
○左近委員 僕はそんなことを言ってない。四・五が五になっているというのは、税率表では下の階層の者は〇・五上がるのでしょう。
○津田政府委員 確かに税率の点では上がりますが、それを補ってなお余りある課税最低限の引き上げを図っておるわけでございます。
○左近委員 やはり税率構造、税率区分の問題と基礎控除等の問題を一緒にどんぶり勘定で物を判断するのは僕はおかしいと思うのです。やはり基本は税率構造、税率区分表ですよ。格好悪いでしょう。あなたのところは減税していると言っている、表を見たら四・五から五になっているのです。所得税でも一〇・五で据え置いているのですよ。もう何ぼやってもあなたの答弁は大体わかっておるから言わぬけれども、実際もうちょっと考え方を配慮しなければいかぬ。やはり税金を納めている住民がどういう受けとめ方をするかということを考えながら政治をやってもらわぬとあかんよ。あなた方は政治家でないと言えばそれまでかもしらぬけれども、これは中曽根内閣の姿勢の問題ですよ。あなた方もそれに応じて仕事をしているのでしょう。表を見たら、ああ四・五%だったのが五%に上がった。やはり格好悪いでしょう、いろいろ裏で基礎控除等の引き上げの努力をされておっても。世の中というのはそういうものなんですよ。だから私はこれは強く要望しておきたいと思います。 そこで、国に納める税金であろうとも地方に納める税金であろうとも、ある程度発想の統一というか、課税最低限ぐらいはできるだけ同一にしてもらいたい。今回、住民税の課税最低限度が標準世帯で百九十一万二千円から二百二十六万一千円になってくる。所得税の場合は、現行の二百三十五万七千円から、六十二年度二百六十一万五千円、六十三年度は二百六十一万九千円になる。住民税と所得税の課税最低限度に非常に大きな差があるわけですね。本来は同一にしてもらいたいわけですが、やはり格差を埋める努力をもっと大胆にしてもらいたい。例えば六十一年の生活扶助基準額は二百三十一万円ですか、住民税においてもその辺ぐらいまで最低の額を引き上げるべきではないか、このように思っておりますが、この点の基本的な考え方ですね。所得税と比較して住民税の方がずっと厳しいわけですよね。ここらをどう考えておられるのか、御答弁願います。
○津田政府委員 生活保護基準の問題、そして住民税と所得税の課税最低限の関係でございますが、生活保護基準は社会保障制度上のものであるのに対しまして課税最低限は税制上のものであるということで、制度の趣旨あるいは仕組みというものが異なっておるわけでございます。したがいまして、課税最低限が当然に生活保護基準を上回らなければならないというふうには考えておらないわけでございます。しかし、もちろん無視するということではなくて、国民生活水準に対して課税最低限がどのようにあるべきかというような観点の配慮、検討は常にやってまいらなければならない、かように考えております。 それで住民税と所得税の課税最低限の問題でございますが、住民税は所得税と違いまして、地域社会の費用を住民がその能力に応じまして広く負担するというような性格を持っておるわけでございます。余り課税最低限を引き上げますと、正直申しますと農山漁村等では住民税の納税義務者数が非常に落ちる。これが地方自治の精神に照らしましていいのかどうか、実はこういう問題がございまして、政府税調におきましても、所得税と住民税というものの性格をわきまえて課税最低限を一致させる必要はない、このように言われておるわけでございます。 今回の税制改正の場合におきましては、所得税の方は課税最低限を上げなかったわけでございますが、私どもといたしましては、国民生活水準あるいは納税義務者の割合、そして先ほど先生御指摘の税率構造というような問題もございましたので、住民税は課税最低限を引き上げたわけでございます。そういうような点におきまして、今後ともこれの見直しにつきましては国民生活水準の動向等をよく考えまして検討していかなければならない。しかし、住民税としての性格についても御理解賜りたいと思います。
○左近委員 今回の地方税の改正問題、これは所得税の問題も同様でございましたが、配偶者特別控除制度を創設したということは一歩前進であると思うのです。しかし、考えてみますと、給与所得者も含めて今多くの国民は世帯主収入だけで生活をしている状況ではないわけですね。奥さん方は非常にパートに出ておられる。今パートの収入限度が九十万円。九十万円を超えますと配偶者控除を適用しない、このことが非常に大きな不満として出ておるわけですね。したがって、やはり九十万円問題をもう少し引き上げさせていくということが、今国民あるいは多くの奥さん方から非常に強い要望として出ておるわけでして、この点について全く配慮がされておらない、ここに私は非常に大きな疑問なり不満を持っておるわけです。配偶者特別控除の漸減方式というものがとられておりますが、そんなものをとられたって若干の手当がつくだけでありまして、九十万円の限度は変わらないわけでして、その辺について全く配慮されておらないのはどういうことなのか、お聞きをしたいと思います。
○渡辺(功)政府委員 ただいま委員が御指摘の配偶者控除の適用につきまして多くの御意見があることは私ども承知しております。この問題については税制調査会でもいろいろな御議論がございまして、配偶者控除の適用要件というものをどういうふうに考えるかということでございますが、ただいま御指摘の九十万円で急に負担がどうなるという問題は、例えば百万円にいたしましてもやはり起こるではないかということになったわけでございます。そこで、やはり所得が全くない人、三十万円の人、六十万円の人、九十万円の人、こう考えていきますというと、どこかで負担というものがなだらかに変わっていくという仕組みがいいのではないかということで、委員御指摘のような制度がとられたわけでございます。 なお、形式的なことでございますが、配偶者控除だけではありませんで、そういう控除の適用要件というものは、住民税の場合は所得税と同一の取り扱いをいたしております。これによりまして、地方公共団体も納税者側も、新たな申告をするとか課税資料を収集するとかということなしに税務執行ができておるわけでございまして、住民税単独で範囲を拡大することは、税制上からも非常に複雑になるということも含めまして困難であるというふうに考えております。
○左近委員 僕は何も縄張り的な答弁をしてもらおうとは思わなかったので、これは当然所得税の場合も同様なことであります。皆さんの奥さん方はパートになんか行ってないでしょう。審議官、あなたのところはどうですか。こんな切実なことないでしょう。だから、やはりもっと下を見て政治をやってもらわなければいかぬ。ほとんどの奥さん方が行っているよ、このごろ。これは配偶者控除が受けられないというだけの問題ではなしに、健康保険なんかの扶養認定も外れるわけですね。これも非常に大きいのです。組合健保なんか大体この基準によって、これ以上収入があれば健康保険から外しておるわけですね。いろいろ違いがあるけれども、僕が見ておったら組合健保なんか大体これを基準にしている。やはりここらも大きな問題として出ておるので、僕はこの問題に対して今後一遍もっと前向きに検討してほしいな、このように思いますので、強く要望しておきたいと思います。 そこで、今回所得税は一兆三千億円、これに二千億円積んで一兆五千億円、こういう減税の上積みがされるわけですが、所得税の場合はそれによって当然税率構造が修正になるわけです。しからば住民税の場合、今いろいろ局長の方からお話がございましたが、税率構造面で再調整が必要ないのかどうか。僕は厳格に言えば、これは所得税との兼ね合いの問題をいろいろ言われているわけですから、特に中堅所得層の再調整が必要になってくるのじゃないか、こんな感じがするわけですが、その点はいかがですか。
○津田政府委員 所得税がさらに二千億上積み、こういうような幹事長・書記長会談の結果になっておるわけでございます。これに応じまして住民税をどうするかという問題は確かにございます。ただこの場合、住民税におきましては、減税の総額自体がいわゆる恒久財源でございます利子課税の見直しというようなことで、大体総額が六千五、六百億というものは動かせないということと、先生からも先般来いろいろ御意見がございますけれども、既に住民税につきましては十四段階を七段階の税率区分にしまして全体がフラットな税率構造ということも考えますと、所得税におきます二千億円の手直しというものに対応いたします住民税の税率構造の調整ということは必要はないものと考えておる次第でございます。
○左近委員 一兆三千億に対する住民税の減税、そういうものをパラレルに見れば問題が当然出てくるわけですよね。ましてこれは一兆五千億では済みませんよ。まだ二千億積まれるのか、我々は六十二年度に二兆円と言っているのですから。そうすればやはり税制構造上、政府原案として出された発想と、所得税と住民税の関係はかなり狂ってくるだろうと思うのです。だからその辺、もう時間もございませんので、意見として出しておきたいと思います。 そこで、マル優の問題について触れたいわけですが、今度個人住民税が六十三年度五千七十二億円、六十四年度六千六百億円、これが減税される。これらの財源は、今も答弁がございましたように利子割、マル優の廃止で恒久的な財源を求めていくんだ、こういうことですが、マル優の廃止問題、これは原案では六十三年一月一日になっておりますが、修正で六十二年四月一日、こういうようにだんだんずれ込んできておるわけでございます。したがって、六十三年度、六十四年度でマル優の廃止によって地方税としてどれだけの財源が確保できるのですか、どうですか。
○津田政府委員 御指摘のとおり、マル優の見直しを恒久財源としておるわけでございますが、一番極端なものは定額貯金十年物というものがあるために、平年度化は五年以上先の話になるわけでございます。さしあたって来年度の問題、減税規模の方は五千億、このように御提案申し上げておるわけでございますが、現段階におきまして利子課税の見直しに伴います税収というものは、実は私ども政府案で提出いたしました一月一日実施でございますと約三千五百億円程度。ですから一千五百億円不足する。何らかの財源確保をしなければならない。これが先般の書記長・幹事長会談の結果四月一日になりますと二千五百億円に落ちてまいりまして、さらに千億円不足する、こういう事態でございます。 この差額につきましては、今後の税収の動向、その基礎となります経済動向を考えて、歳入歳出を通じます地方財政運営全体の中で対処しなければならない。そして、六十三年度あるいはそれ以降の地方財政対策を講ずるに際しましては、この点を十分に念頭に置いて、地方団体の財政運営に支障が生じないように適切に対処してまいりたい、かように考えております。
○左近委員 だから私どもは、減税問題とマル優の廃止は切り離すべきだ。今お話があったように、所得税の方も当然でございますが、住民税の六十三年度、六十四年度減税についても財源問題はマル優の廃止によって半分にも満たないわけですね。そういうような状況のもとで、何でマル優の廃止だけを引っ張り出して同時にしなければならないのか、これは私どもが一番不満に思っているところなのです。財源問題はかねてからいろいろ国会の中でも本会議等でも問題になっておりますが、例えば六十一年度決算剰余金二兆三千三百七十億円、地方税では御案内のとおり五千七百五十五億円出ているわけですね。恐らく六十二年度の決算剰余金というのも、六十二年度の今の経済状況は大変円高でいろいろ不況とかいうのがありますけれども、いろいろマネーゲームが大々的にやられておるというような状況のもとで、六十一年度よりもさらに大幅に大きな決算剰余金が出るんじゃないかというような見通しがされているわけですね。したがって、それでマル優を廃止しなくても住民税の減税は十分可能ではないかという判断を私はしているわけですね。特に六十二年度の決算剰余の見通し、これはどれくらいを思っておられますか。
○矢野政府委員 御指摘のように、昭和六十一年度の国税の決算、下期において大変好調でございまして、六十二年度の国税、特に交付税の基礎になります国税三税の収入状況もこれまでのところは比較的順調である、こう聞いておりますが、しかし何分にもまだ年度途中のことでございますし、また、所得税減税による影響というようなものもございますので、最終的に昭和六十二年度分の地方交付税の見込み額がどういう程度になるかということは、現在のところ見通しがつきにくい状況にあるわけでございます。 恒久減税でございますので、これに必要な財源というのはやはり恒久的な税源によって確保されるというのが筋道であろうかと思います。こういった景気の状況によって一時的に生ずる、いわば不確定な要素によりまして減税のように将来にわたって影響を及ぼすというような措置をとることはできないのではないか、このように考えておるところでございます。 〔岡島委員長代理退席、委員長着席〕
○左近委員 だから政府は、税制改革は今回は第一弾ロケットでしょう。第二弾ロケットを用意しておるのでしょう。いろいろ国会が混乱するから第二弾ロケットを懐へ入れているわけで、こんなものは明らかでしょう。我々は税制改革については、今税制協議会等で論議されていますように、やはり何らかの改革をしなければならぬですよ。それは与野党大体一致しているわけですよね。いろいろな不公平な税制もたくさんありますよ。我々は、十項目何とか是正してもらいたいということを言っているのですよ。今御答弁があったのは、これでもう税制改革は最後だ。最後ですか、そうじゃないでしょう。やはり近い時期にさらにいろいろけんけんがくがくやらなければならぬですよ。そういう段階でマル優を俎上にのせたらいいのですよ。当面は、ここ一、二年決算剰余金で処理ができるのじゃないかと私は思うのですね。そこらのことを私は指摘をしておるわけです。 そこで、今財政局長の方から、地方に対しては絶対迷惑をかけない、マル優の税収と減税との差についての財源はしっかり国で一〇〇%保証する、こういうことを言えますか。
○矢野政府委員 先ほど税務局長からお答え申し上げましたように、最終的な住民税の減税幅は、財源確保策としての利子課税の見直しによる増収の幅をもって行いたいということでございますが、中間段階に、途中におきまして先行減税という形になるわけでございます。この点はそれぞれの年度、六十三年度、六十四年度における地方財政計画の策定を通じ、地方財政対策土地方団体の財源に穴のあかないようにしてまいりたい、そういう所存でございます。
○左近委員 あなたのところはうそが多いから、うそのない政治をしてくださいよ。 今回、減税が二千億円、またこれは三千億円、四千億円になるか、上積みされる情勢が明らかであります。そうすると、地方財政収入が減るわけでありまして、現在の状況では二千億円ですが、どれぐらい減るのか、それに対する補てんはどういう形になるのか、いかがですか。
○矢野政府委員 所得税の減税が上積みをされるということになりますと、その三二%に当たる額が交付税でございますので、その分が目減りすることは御指摘のとおりでございます。ただ、昭和六十二年度の地方交付税の総額につきましては、既に御提案申し上げております地方交付税法におきましては、当交付税の基礎になっております所得税等の額は当初に計上した額にいわば固定するという形にいたしておるわけでございます。そういう意味では、昭和六十二年度の交付税の総額については直接影響は生じてこない、すなわち交付税の総額は確保される、このようになるわけでございます。
○左近委員 マル優問題について、大蔵省から来ていただいておりますが、現在の実態がどうなっておるのか。少額貯蓄非課税制度、郵便貯金の非課税、少額公債非課税制度、財形年金の貯蓄非課税制度、この四つがあるわけですが、今おのおのの預貯金額についてどれくらいになっておるのか、お聞きします。
○杉崎説明員 お尋ねの非課税貯蓄の残高を申し上げますと、昭和六十一年三月末、ただし証券会社の取り扱い分は六月末現在でございますが、まず少額貯蓄非課税制度分は残高が百六十三兆一千三百五十一億円、郵便貯金分は百二兆九千九百七十九億円、少額公債非課税制度分は十兆六千九百八十五億円、それから財形貯蓄につきましては、郵便貯金分を除いて申し上げまして九兆七千六百五十億円となっております。
○左近委員 合計は幾らですか。合計は出していないのかね。 マル優の廃止の対象除外者、これは老人等に対する少額貯蓄非課税制度ということで、六十五歳以上を基本にしていろいろ二十三項目程度考えられておるらしいですが、これらの対象者は何人か、また今御答弁があった貯蓄額の中でどれくらいの額になるのか、これは推定になるだろうと思いますが、御答弁願います。
○杉崎説明員 今回の税制改正法案によります老人等の利子非課税制度の対象となる人数でございますが、延べで一千五百万人から二千万人近くになるものと見込まれております。その内訳としては、年齢六十五歳以上の老人、これが約一千二百八十万人ほどいらっしゃるということでございます。 それから、対象となります貯蓄残高の推計でございますけれども、これは、六十一年三月末時点で推計してみまして六十四兆円程度というふうに見込んでおります。
○左近委員 今日のマル優制度、限度管理がルーズになっておる面等々改革をしなければならぬ問題も当然含んでおりますが、このマル優は、将来老後になったらどうしょうか、あるいは子供の教育の問題、病気になったときどうしようか、いろいろなことを考えて、汗を流しながらこつこつ貯蓄をされている方々が非常に多いわけなんですよね。ですから、そういうものを基本に残しながら限度管理問題について適正な方法を考えていくということが、今日の状況の中で一番いいんじゃないかと思うのです。何で殊さらマル優だけピックアップしなければならぬのかということは、先ほどもくどく言いましたが、強い不満を持っているわけです。 今現在この利子問題については、総合課税、分離課税、これは本人選択になっているわけですね。もちろんこの地方行政委員会としては、分離課税分については住民税をもらっていないわけですね。だからこれは不満があります。不満がありますけれども、そういうものは今後いろいろ検討するとして、現行の本則で本人選択、こういうものを基本にしてマル優を残しておっても何も支障がないではないか、私はそういうふうに思うのですが、何でこの時期にこのマル優制度だけをピックアップしなければいかぬのか、これを教えてください。
○杉崎説明員 今回マル優につきまして御案内のような改正を考えましたのは、現行の非課税の貯蓄制度というものがいろいろな問題を抱えているからでございます。 すなわち、個人貯蓄の七割以上が非課税の適用を受けております結果、巨額の利子所得が課税対象から外れておりまして、給与所得でございますとか事業所得、法人所得等との間で税負担の不公平がもたらされている。それから、この制度がいろいろな理由から結果的には高額所得者ほどより多く受益している現状にあるということ。それから、現に不正利用がかなり見受けられます。また、こうした制度は、戦中や戦後の経済復興期と異なりまして、今日のように世界一の資本輸出国となった我が国におきまして、貯蓄の奨励といった目的で一律的に政策的配慮を行う必要は薄れてきているのではないか。それに、こうしたことにつきまして外国からの批判も高まっているというようなことを念頭に置きまして改革をするわけでございます。
○左近委員 日本は世界一の債権国だ、黒字をたくさん持っておる。見てくれば確かにこれは経済大国かもしれませんが、前川リポートでも出ておりますように、住宅の条件は非常に悪い。ウサギ小屋だと言われているわけですね。皆さんの方はそうではないけれども、多くの庶民はウサギ小屋ですよ。消費者物価も、今これだけ円が高くなっておるのに大体横並びだ。本来であれば、輸入品については半額近く下がらなければならぬ。差益も十八兆円から出ているのに、還元は五〇%そこそこしかされておらない。労働時間も二千時間を大幅に上回っておる。主な先進国の経済データを見ても、実際の国民生活の面では日本の国民は何も経済大国並みの豊かさを持っておらないということははっきりしているんですよ。だから国民は貯蓄性向に走るわけです。不安なんですよ。社会保障は将来どうなるのであろう、年金はどうなるのであろう、やはり自己の努力をしていかなければならぬのではないかということで、お互い汗を流して貯蓄をしているわけです。 今のお話では金持ちの方が余計厳しくやるんだと言いますが、今まで利子に三五%の課税がされておった。ところが今度一律に二〇%になるといえば、今まで自分たちの貯蓄は利子に対しては税金が一銭もかかっておらなかった、これが二〇%かかる。金持ちは今まで三五%かかっておった、これが二〇%にダウンするんだ。この形だけを見れば、今回のやり方というのは何で金持ちにメスを入れることになるんですか。貧乏人にメスを入れている改正でしょう。だから、どこを基準にあなた方が発想をしていくかということが私は非常に大事な問題だと思うのです。今の三五%が二〇%になる問題について、あなたどう答弁されますか。
○杉崎説明員 先ほども申し上げましたとおり、今の非課税貯蓄制度というのがかなり大きな枠になっておりますものですから、それを枠いっぱい利用できるような方というのはどうしても高額所得者になるということから、この制度が結果的に高額所得者に有利になっているという現状にございます。 確かに三五%の部分が二〇%になるということもあるとは思いますけれども、実態をよく見ますと、むしろこうした枠を超えていらっしゃる方というのは、例えば割引債を買うとかそれ以外の金融類似商品をいろいろ購入されるとかいうようなことで、実態としては三五%で課税されているものが二〇%に軽減される部分というのは小さいわけでございます。そして、現在三五%の課税を受けている者がどういう人たちかということを見てみますと、比較的それほど年収の高くない方がかなりのウエートで適用を受けていらっしゃるということもございます。そのようなことから、今回の改正に踏み切っているわけでございます。
○左近委員 マル優問題は、他の委員会でも大きな問題として審議がされると思いますので、また同僚議員からも今後いろいろ問題提起があるだろうと思いますので、それぐらいにしておきたいと思います。 大臣いつ来るの、委員長。約束の時間、かなりおくれておるな。
○石橋委員長 大臣がまだ参っておりませんので、しばらく休憩をいたします。 午前十一時十一分休憩 ————◇————— 午前十一時十六分開議
○石橋委員長 再開いたします。左近君。
○左近委員 大臣、大臣をお待ちしておったのは、この機会に大都市税制の問題について、少し大臣の御所見をお伺いしたい、このように思ったからであります。 大臣も御案内のとおり、今日の大都市の財政は、都市施設の整備の問題あるいは福祉あるいは公債費などの非常な増加、そういう反面、税収入の伸びは相対的に非常に低いわけです。財政硬直化が極度に年々進んでおる、こういう状況です。 この財政力指数を見ても、一以上のところは政令指定都市で川崎市のみである。他はすべて一を切っておるという状況です。財政硬直化も、私の出身の大阪市なんかは九七・二%、非常に悪いです。神戸市は九一%、こういうような状況です。公債費負担比率も、今地方公共全体では一二・八%ですが、福岡は一五・四%、大阪市は一八・八%です。今大都市というのはこれだけ日本の経済の面でも中枢的な機能を果たしておるのに、川崎市を除きすべてが交付団体である。 このような現状に対して、大臣はどうお考えなのか、所見を承りたいと思います。
○葉梨国務大臣 御質問の大都市の税源の充実でございますが、従来から自治省といたしましては努力を重ねてきたところでございまして、行政事務の配分に即応いたしまして軽油引取税及び石油ガス譲与税の一部を大都市に配分いたしまして、また自動車取得税及び地方道路譲与税を都道府県と同様の基準で大都市に配分することとしているところでございます。 さらに、大都市の行政需要の増大も念頭に置きまして、事業所税の創設を昭和五十年に行いました。また、税率の引き上げを五十五年、六十一年に行い、法人住民税均等割につきましては五十一年、五十二年、五十三年、五十八年、五十九年と行い、また法人税割の税率の引き上げも、四十九年、五十六年と実施をしております。都市計画税の制限税率の引き上げを五十三年に行い、地方道路譲与税の市町村に対します譲与割合の引き上げを昭和五十四年に行っております。都市におきます行政需要の増大等の状況に対処して今日に至っている次第でございます。 今後とも地方制度調査会とか税制調査会等の審議を煩わしながら、その税源の充実を図る観点から税制各般について検討してまいりたいと思いますので、よろしく御理解をお願い申し上げます。
○左近委員 今大臣から今日までの取り組みの状況についてはいろいろお話がございましたが、特に五十年の事業所税の新設等がなり前向きでやっていただいていることはよくわかりますが、なおかつ私が先ほど申し上げたのは現在の状況なんです。それだけいろいろやっていただいても、今日こういう状況であるということなんです。 この原因として、指定都市というのは法制上多くの事務配分を受けておるわけですね。そのことによる税制上の措置の不足額は六十一年度で千三百七十二億円にもなる、こういうふうに言われているわけです。政令指定都市だから府県の仕事、国の仕事を、数でいえば四百近くではないでしょうか、法令は十六、七かもわかりませんが、それだけの仕事を政令指定都市に負託させておいて、後は財源的に面倒を見ないというのは、私は片手落ちではないかと思うのです。実際に六十一年度、そのことによって一千億を超える財政負担を政令指定都市はしているわけですよ。このことに対してどうお考えでしょうか。
○矢野政府委員 御指摘のように、政令指定都市におきましては、他の市町村に比べて、例えば道路に関する事務であるとか民生、福祉関係その他特別の権限を付与されておることによりまして財政需要がその分だけ多いということはそのとおりでございます。税源の面では、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、地方道路譲与税あるいは軽油引取税交付金、あるいは大都市だけではありませんが主として大都市の有力な財源になっております事業所税、こういったものが付与されているわけでございますが、全体を通じて見ますと、交付税の基準財政需要額の算定においてそういった事務に必要な財政需要は大都市においてそれぞれ措置してまいっておるところでございます。特に大都市におきましては、その実態からいって昼間流入人口等が多い、こういった点も考えて交付税の需要の算定を行うといったことによりまして、大都市への財源の充実措置を従来から講じてきておるところでございます。 いろいろ新しい財政需要がまた出てまいるわけでございますが、そういった点については今後十分に実態をも踏まえてよく検討し、そういった実態に即応するように努力してまいりたいと考えております。
○左近委員 僕は、早急に何らかの手だてをしてもらいたい。例えば、今大臣からも局長からもお話がありました五十年に創設された事業所税、この事業所税は人口三十万以上のところの目的税だと思うのですね。現在六百五十三市中、人口三十万以上というのは六十四都市、九・八%、これはここに適用がされているわけですが、この事業所税を基準財政収入額から除外する。これは基準財政収入額に事業所税分が入っているわけですね。これは特定なところに対する目的税的なものだから基準財政収入額に入れる必要がないのじゃないか。これを除外する。こういうことは今自治省の管轄の中でできるのじゃないですか。いかがですか。
○矢野政府委員 御指摘のように、事業所税は基準財政収入額の算定の対象になっておるわけでございます。一般に基準財政収入額は法定普通税が対象になるわけでございますが、ただ目的財源の中でも非常に包括性を持ったものにつきましては、例えば地方道路譲与税もそうでございますし軽油引取税あるいはその交付金、こういったものもやはり対象にしておるわけでございます。これは、そういった税が一定以上の団体については必ず課税をするということになっておること、またその金額が非常に大きいということもありまして、交付税の調整の仕組みに入れるということに従来からしてきておるところでございます。 御指摘のように、事業所税を基準財政収入額に入れないで、それに対する需要というものを別に考えるという考え方も一つの考え方だと思いますけれども、先ほど申し上げましたような地方財政全体の観点から見ますと、道路財源などと同じように調整の仕組みに入れていく方が適当だと思っております。もちろんその際には、単に基準財政収入額に事業所税を算入するのみではなくて、これらの事業所税課税団体については、同時に、都市整備のために必要な需要を基準財政需要額の方に上積みをする、こういう仕組みにしておるところでございます。それによってこういった事業所税の目的財源としての性格が生かされるようにしておる、そういうような仕組みをとっておることを御理解賜りたいと存じます。
○左近委員 理屈としては一緒じゃないかというような御答弁ですね。だけれども、各自治体の自主財源であるか地方財政計画の中にしっかり組み込まれた財源であるかということは大変違うわけでして、その点問題提起をしておきますので、ひとつ今後前向きに検討していただきたいと思います。 一つの例を申し上げますが、人口一人当たりの税収の伸びを昭和三十年を基準に一〇〇として見ますと、道府県税は四八九一という指数になるのです。これは四十八倍、四十九倍、市町村税は三八七〇、三十八倍、指定都市の税収の伸びは三一七九、三十一倍です。これは五十九年現在の統計でございますが、大都市、指定都市はこのような現状で、事務所もたくさんあるし人もたくさん住んでおるしで経済活動も活発であるというようなところが、これだけ税収が落ち込んでいるわけですね。これはどういうことなんですかね。大臣どう思われますか。大都市であれば、指定都市であれば、経済活動も活発だからもっと税収はあるだろうと一般的に思われるのですが、市町村税よりも落ち込んでいるわけですね。これはなぜなんですか、一遍大臣からやってください。
○葉梨国務大臣 都道府県税は、経済の変動に影響を受けやすい法人事業税等の税目のウエートが市町村に比べて高こうございます。このために昭和三十年代からの日本の経済成長に伴って大きく税収が伸びているのに対しまして、市町村税には、固定資産税のような安定性には富むが伸長性においては劣る税目が主要な税目となっていることも原因と思われます。 また、指定都市の税収の伸びが市町村平均を下回っていることにつきましては、地方における経済発展の結果、税源の均てん化が昭和三十年に比べまして進んでいることが挙げられます。また、昭和三十年の指定都市の人口一人当たりの税額の絶対額は四千三百五十二円ですが、これが市町村平均二千五百八十二円を大きく上回っていることが原因として考えられるところでございます。これは大府県と地方の県との間の格差が縮小してきたことと同じようなことではないかと考えているところでございます。
○左近委員 大臣の言わんとしていることはわかるのですが、どうも情熱がないね。これはおかしいなというような受けとめ方がちょっと少ないですね、大臣。そうでしょう。去年来から昭和二十五年のシャウプ税制以来の税制の大改革だ、これは中曽根総理を初め皆さん方がずっと言ってこられたのですが、僕はこの中で不思議に思うのは、かねてから地方財政、地方公共団体の財政確立、確保、こういう問題が非常に強く各団体から要望されておるにもかかわらず、全くそれらの問題について税制改革の俎上にのっておらない。これはおかしくてしようがないのですよ。シャウプ勧告というのは、やはり地方税に対する改革は常に地方自治の確立に寄与するものでなければならないという、そういう発想が税制の大改革に当たっては一番基礎的な——住民が、そこに住んでいるのが市町村ですからね。だから、やはりもっと前向きで検討をしてもらわなければならぬと私は思うのですが、この辺、売上税の問題やマル優や何か実入りの問題ばかり考えて、国と地方の財政という問題についての発想の転換が全くされておらぬのですよ。 自治省、大昔は非常に権限の強い内務省であったかもしらぬけれども、最近の自治省は大蔵省の金魚のふんみたいに、何か決めたことを後でごとごとついていくというようなことでは困ると私は思うのですよね。自治大臣というのは大したものですよ、これは。三千何百の地方公共団体のあなたは頭、ドンですよ。わかりますか。だから、地方が困っておるんだったら、子供が困っておるんだったら、一肌脱いでやろうかいというような気持ちにあなたはならぬですか、どうですか。
○葉梨国務大臣 私も就任をしまして一年を過ぎましたが、その間、自治省におきまして財政当局、税務当局の考え方を一生懸命勉強してまいりましたけれども、地方の財源、税源を充実させ、地方の主張を中央にぶつけるという意味では、自治省が先頭に立って頑張っているということを実感してまいりました。そういう意味では、先生の御批判というものは、これは先生の気持ちはよくわかるけれども、頑張っているなということを私は改めてここで申し上げておきたいと思う次第でございます。 それで、今の御質問の中で、地方税をもう少し充実させないか、もっと拡大させたらいいじゃないか、こういう応援のお気持ちの御質問であろうと思いますが、今度の税制改革について申し上げてみますと、国税、地方税を通じた税制全般にわたります改革をしなければならない、そして地方税源を充実させよう、こういうことが大前提でございますけれども、さしあたりまして、そういうことを前提として早急に実施しなければならない住民負担の軽減とか合理化を行おう、こういうことが今度提案しております利子割課税の一つの考え方でございます。住民税として利子割が創設されることになりましたことは、自治省といたしましては、地方税源の充実強化にとって極めて有意義なことであると評価している次第でございます。 今後におきましても、税制改革につきましては、地方税源の充実強化の観点を十分に踏まえまして、これからも積極的に対処していきたいと考えておりますことを申し上げておきたいと思います。
○左近委員 私は、今日の地方が大変困っておる状況の一番大きなネックは、もうこれは言い古された問題ですけれども、国と地方との税源配分に大きな問題があると思うのですよ、率直に言って。六十年度決算を見てみましても、租税の配分では地方税は二十三兆三千百六十五億円、これは全体の三七・三%です。国税は三十九兆一千五百二億円、これは六二・七%。総額で六十二兆四千六百六十七億円の中で、国が二、地方が一という税金の取り方をしているわけですわ。 ところが、実際に使用されておる税金の実質配分は、地方が四十三兆七百七十五億円、これは六九%が地方で使っているのです。国は十九兆三千八百九十二億円、三一%です。国が一に対し地方が二、実質配分というか税金が使われているわけです。逆転しているわけですよね。この逆転をどう是正をしていくかという観点がやはりどうしても僕は必要だと思うのです。もちろんこれは一〇〇%是正をすることは無理です。産炭地の問題とか不況の都市の問題とか過疎地とか、いろいろな問題がありますから、これは交付税制度というものを有効に機能させていかなければならぬということはよくわかります。しかしこれは余りにも、二対一が一対二に逆転しておる、この状況については、僕は何が何でもメスを入れていかなければならぬのではないかと思う。 だから、国と地方の税源配分の割合はどの程度が妥当なのか。今国が六三に対して地方が三七、使っているのが地方が七〇、国が三〇ですからね。これを何とかやはり是正をさせていく必要が僕はあると思うのですが、この辺の発想について大臣としてはどう思われますか。
○津田政府委員 国と地方の税源配分の割合がどの程度が望ましいかということは、国と地方との事務配分のあり方、それから税源偏在のあり方、そしてそれを補う財政調整制度というものに絡んでまいるわけでございますし、もちろん国民の税負担水準がどのようなものでいいかということで考えていかなければならないということで、一概には申し上げられないかと思います。 ただ、全般的な国と地方との税源配分の比率と同時に、特に町村におきまして半分以上の団体が税収の比率というのは二割を切っておる。これはやはり地方自治体ということからして問題があるのではないか。そういう点から申しますと、やはり地方の税源というものはなお充実していく必要があるのではないか、私どもこのように考えておるわけでございます。 今回の税制改革におきましても、全体的に税収ニュートラルという中でございますが、例えば問題の利子割にいたしましても、約一兆六千億の総体の税収の中で地方が六千五百億程度になるかと思います。この比率は四割台の数字かと思いまして、従来の国と地方との税源配分の比率よりはもうちょっとよくなっている。これは先ほど先生おっしゃられましたように、源泉分離課税で地方税をかけられなかったという問題もこの際一挙に解決したという点もあるわけでございますが、今回の税制改正の中でも努力しておるわけでございますし、今後におきましても税源充実に努力を重ねてまいらなければならない、かように思います。
○左近委員 今局長言われたように、町村の中では地方税が入ってくるのは二〇%台、これは全国平均で見ましても六十年度決算では四〇・六%ですよね。これは地方税なり地方譲与税、地方交付税を入れた一般財源を見ても五七・八%。私はせめて地方税がやはり五〇%ラインを超えるような形がどうしても必要ではないかと思うのですよ。やはりそういうことに向けて国と地方との税源配分について一歩ずつ努力をしていくという姿勢が、何か今の自治省にはないんじゃないかと僕は思うのですがね。あるんですかな。その辺どうですか。
○津田政府委員 今回の税制改革におきまして、いわゆる税収ニュートラルということで、国、地方ともニュートラルというような枠が一つ今回はあるわけでございます。しかし、そういう中におきましても、今申しました利子割等の点につきましては、むしろ地方に有利な率というような格好で処理をいたしたいと考えておるわけでございます。今後、国の財政事情、地方の財政事情というものをにらみ合わせながら、先生御指摘の地方税源の充実あるいは交付税も含めました地方一般財源の充実ということによりまして、地方の自主性の強化について努力してまいらなければならない、かように思っております。
○左近委員 大臣、今の私のやりとりで、やはり大都市関係の税金についてはもうちょっと何とか面倒を見てやらなあかんなというようなお気持ちにおなりですかどうですか、一言。
○葉梨国務大臣 一概に申し上げることは不可能であると思います。 それから、大都市には大都市としての財政需要がございますが、また市町村、特に辺地の市町村等においては財政力が非常に貧弱であるという問題もございまして、国全体として均衡ある発展を遂げていくためには財源の調整ということも必要でございます。そういう意味におきましては、もちろん大都市も財源が充実することが望ましいけれども、全体のバランスを考えながらやっていかなければならない。こういう意味では、なかなか簡単にお答え申し上げることは不可能ではないかなと思うわけでございます。
○左近委員 だから、私が先ほどから申していましたように五〇%ラインに乗せていただいたらどうか。また、交付税制度を有効に機能させていくことも今大臣言われたように当然必要なのですが、いろいろ資料を申し上げましたように、今大都市が税収の伸びの面でかなり落ち込んでいることも率直な事実ですよ。だから、今後自治省としてこの大都市税制問題について一遍具体的に検討するような機関を持ってもらえないかどうか。そこで一遍洗いざらい検討してもらって、こんな大きな都市が全部交付団体だというのも異常ですよ。政令指定都市としての事務配分のあり方の問題、これはいろいろ整理統合できないかどうか、合理化が図れないかどうか、いろいろな問題がたくさんあると思うのです。そこらの問題について前向きに検討していただくような場を自治省内に設けていただくということについては、大臣いかがでしょうか。
○葉梨国務大臣 実は、数日前に政令指定都市の市長さん方がお集まりになりまして会議が開かれ、私も第二日目に参加いたしましていろいろ御意見を伺ったわけでございます。そのときにも、財政の問題だけじゃなく、大都市制度全体についてまた見直しをしたいというような御要望も承った次第でございます。 そのときに、私一人のそのときの感触として申し上げましたことは、自治省ももちろん重大な関心を持っておりますけれども、問題点を大都市の当事者自身が指摘し、そしてそれに対してどういう方向づけをしたいかということを大都市自身で提起していただくということ、ひとつこれが必要ではないか。その過程であるいはそういう段階を経た後で自治省が入りまして、また御一緒にこれからの将来像を考えていく、そういう二段構えがいいのではないかということをお答え申し上げたところでございます。
○左近委員 ひとつ前向きで取り組んでいただきたいと思います。今の大臣の御答弁を前向きと受け取りましたが、また次の新しい内閣でも自治大臣をやっていただければ非常に結構なんですが、あなた方はもう一年単位でおやめになるから、何ぼこういうことをやっても答弁を忘れるでしょう。そういうことのないようにきっちりやっていただきたいと思うのです。 そこで、少し今大臣も言われたのですが、十八日に指定都市の各市長さん方と会われた中で、旧国鉄用地の地元自治体への優先的な払い下げについて大臣にかなり強い要望がされたと聞いております。大臣は運輸大臣に対して申し入れをするというようなことであったらしいのですが、どうでしょうか、今旧国鉄は大変大きな債務を抱えておるわけですね。清算事業団においても今その問題で非常に頭が痛いのじゃないかと思うのです。このような大きな問題に対して、自治大臣として運輸大臣に対して申し入れをするだけでは問題の解決は図れないと私は思うのですよ。東京都の知事も大変怒っていますよね。土地対策、土地改革というものが国の政治の大きな主人公になっているわけでして、また、ささぬとあかんわけですよね。 したがって、そういう中で大都市周辺の旧国鉄用地というのは、やはり地元の開発、発展のためにも優先的に地元地方公共団体に適正な価格で払い下げをしていく。これを民間の入札にすれば今どころの地価じゃないですよ。どんどん引き上がりますよ。だから私は、内閣全体でこの問題を取り組んでもらいたい、内閣全体の中で旧国鉄用地の地元自治体への優先払い下げという位置づけをしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○葉梨国務大臣 旧国鉄用地の払い下げにつきましては、実は去年の秋の国鉄国会におきましても、各党から御質問もございまして、自治省としての考え方を申し上げたところでございまして、今もその考え方には変わりございません。 また、先生が今言われたように、公共用あるいは公用等に供するための用地については、地方公共団体への随意契約による譲渡が必要であるということを申し上げておきましたが、今度の清算事業団法によりまして、この随意契約による譲渡が可能となったわけでございます。これは大変結構なことだったと思いますが、問題は随意契約の価格の設定でございまして、そこら辺については十分に留意して、地方団体とともに適切な値段で払い下げが行われるよう協力をしていきたいと考えているところでございます。そして、地価高騰の火つけ役になったりするようなことは決してあってはならないと考えておることを申し上げておきたいと思います。
○左近委員 ひとつ頑張ってやっていただきたいと思います。 もう一問だけ。この七月二十七日に自治省の中にある地方公営企業研究会が中間答申をされているわけですね。これは財政局長に対してされているのですかね。地方公営企業の中で、これは私の出身でもあるのですが、公営の都市交通事業というのは、今日のモータリゼーションの波にもまれて財政的にも大変な状況になっているのです。ここらの問題は、またいずれ時間をいただいて質疑をしていきたいと思っておりますが、きょうは要望だけでございます。 自治省としても最終答申に向けて今後いろいろ作業をされるだろうと思いますが、これは市民の足でございまして、各地方公共団体が営業しているところは、なくてはならない交通機関でもございます。健全な再建に向けて、財政的な側面を含めて、ひとつ前向きに取り組んでもらいたいと私は心から思っているのですが、大臣の所信をお伺いしておきたいと思います。
○矢野政府委員 御指摘のように都市交通、とりわけ路面交通は大変なモータリゼーションによりまして非常に経営が難しい。今まで随分いろいろ事業体自身も努力してまいりましたし、また自治省としてもそれなりの措置をとってまいりました。しかし、にもかかわらず不良債も依然として極めて多額となっております。 この問題についていろいろ研究会でも御議論があったようでございますが、去る七月二十七日に中間報告をいただきました。私どもとしても、公共交通という点はやはり考えていかなければならない、それなりにいろいろな方策も今後とも講じていく必要があるし、経営努力も必要だと思います。そういう点を踏まえ、また私どもの方のいろいろな措置についても、こういった中間報告を受けまして十分ひとつ検討してまいりたい、こう考えております。
○左近委員 大臣、今局長のあれを受けて一言どうですか、締めくくりだから。
○葉梨国務大臣 地方公営企業が地方の交通に果たした役割というのは非常に大きいものがありますが、時代の発展とともにモータリゼーションというのは特に大きいと思いますが、そういうことからなかなか経営が困難になってきている。その中で結局地方の住民のための足として今後の必要性はどうかということが一つあると思います。それと、新しい環境の変化に対応した新しいあり方というものを研究していくことが必要であろう。その中で、今局長が申し上げましたような財政問題を含めましたいろいろな検討を進めていくべきであろうと思います。 ただ、私は利用者の一人として考えますと、東京都などでは昔は都電が縦横に走っておりましたが、ほとんどが地下鉄になりました。そして、その地下鉄は都民の足として不可欠のものとなりました。そういうような新しい事態における新しいあり方というもの、地下鉄自身も都営交通などが経営が安定しているというよりは多大の債務を抱えておりますけれども、将来の方向性はきちんと示していると思います。そういうことも参考にしながら研究をしていくべきであろうと思う次第でございます。
○左近委員 どうもありがとうございました。終わります。
○石橋委員長 山下八洲夫君。
○山下(八)委員 まず最初に大臣にぜひお尋ねしておきたいですし、またぜひもうこれきりにしてもらいたいなというふうに思うわけでございますが、結論を先に申し上げますと補助金カットの問題でございます。 昭和六十年度に一割カット、そして六十一年度から向こう三年間大幅カット、また今度は六十二年に二年間のそれ以上に最悪の大幅カット、このような状況になって、一応六十四年の三月三十一日までという状況になっております。ただ今日大変、一方では失業者がふえる、一方ではまた何とか内需の拡大をしないといけない、そういうようなことで、今臨時国会でも大変な補正予算が組まれたわけでございます。 そういう中で考えていきますと、確かに補正予算の中でも補助金はカットされていることは事実でございます。だけれども、現実的にはこの補助金カットというのは事実上壊れているのではないか、もう空洞化したのではないか。できれば六十二年度中でこの補助金カットはやめてもらいたい、そのようにまた大蔵省とお話をしていただいて、ぜひこの覚書を破棄してもらいたい、そのように思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○葉梨国務大臣 国庫補助負担率の引き下げでございますが、あくまでも国の極めて厳しい財政事情のもとで暫定的に行われたものでございます。自治省といたしましても好んでこれを受け入れたわけではございません。地方財政の健全かつ安定的な財政運営の確保の見地からいたしますと、このような暫定措置が好ましくないことは言うまでもございませんが、六十二年度までの暫定措置は法律で決められたものでございまして、この六十二年度限りでこれをやめるということはできないと考えております。そういうシステムで、またそういう大蔵省と自治省の両省の話し合いで決めて、それを前提としていろいろな施策を進めておりますので、それを途中でやめようということは不可能であると思う次第でございます。 それから、国庫補助負担率の引き下げに伴いまして地方財政にはいろいろな影響が出ておりますけれども、これは実質的な負担増が生じないように、いろいろな必要な補てん措置を講じているところでございます。今後の問題といたしましては、中央から単に地方に負担を転嫁するような施策が行われないように留意をしていく所存でございます。
○山下(八)委員 何か時間制限が後ろの方でくくられまして、それに協力いたしたいと思いますので、なるべく簡潔に御答弁はいただきたいと要望しておきます。 確かに法律で決まっている、全くそのとおりです。この法律というのは人間がつくったわけでございますから、また変えることはできるわけでございます。その姿勢があるかどうかということでございます。百歩譲りまして、これはどんなことがあっても六十三年度限りなんだ、この強い決意はぜひしていただきたいと思うわけです。 特に地方に対しましていろいろな負担については配慮なさっている、そのようなことをおっしゃっていらっしゃいますが、現実にはそうではなくて、三千三百からある全国の自治体の皆さん方は本当に泣いているわけでございます。後ほど文部省関係になるわけでございますが触れていきたいと思いますけれども、その中身を聞いていただきますと本当におわかりになると思うわけでございます。どんなことがあっても六十三年度中にもう終わってしまうのだという大臣としての決意をぜひお聞かせいただきたいと思います。
○矢野政府委員 御指摘のように、現在の補助負担率の特例、三年間の暫定措置でございます。したがいまして六十三年度をもってこれが切れるわけでございますが、その後の取り扱いにつきましては暫定期間内に改めて検討するということにされておるわけでございます。この際には、私どもとしては、国、地方間の事務配分あるいは負担区分あるいは税財源の配分、そういったもののあり方などを総合的に勘案をして、これは地方行財政の自主性の確立というようなことも考え、十分な検討を加えて適切な対処をしてまいりたいという考え方でございます。
○山下(八)委員 文部省、いらっしゃいますね。 私は、岐阜県の上矢作町というところから一つの陳情書をいただいたわけです。これを見ておりましたら、ただ岐阜県の上矢作町だけの問題ではない、全国の問題だ、そのように受けとめたものですから、本日この問題に触れさせていただくわけでございますが、この上矢作町というところはどのようになっているかといいますと、本当に過疎地でございます。人口が六十一年四月現在で三千三百五十五人。ここで中学校を何とか統廃合したい。昔の村が統合しまして町になっておるわけです。それぞれの昔の村に一つずつ学校があるわけです。田舎というのは、大体学校といえばコミュニケーションの場で大変重要なことであるわけでございますが、その真ん中に新しい中学校をつくって一つにしたい。その二つの中学校を一つにするために足しても百四十七名の生徒なんです。このようなものが岐阜県にまだあるだろうかとちょっと調べてみましたら、まだ三つぐらいの町でこのような現象になるおそれがあるところがあるわけです。九十九の自治体がございますから、あるわけです。そうしますと、全国では随分あるのではないか。 この陳情書の中身は今ちょっと触れたわけでございますが、読みますと、「本町は統合致しましても小規模校(百三十七人)でありますゆえに校舎、運動場等の国庫補助対象面積では、必要とされます各種教室や、陸上競技の出来ます運動場の面積を確保する事が非常にむつかしい制度となっております。」これは小規模校ということで制限にひっかかっておるわけでございます。その陳情書の中身は、小規模校の基準面積の引き上げ、または過疎地域振興特別措置法による基準面積の引き上げなどぜひ改正を願いたい。もう一つは、補助基準の引き上げをお願いしたい。 ちょっと先に補助基準に触れておきますと、ここは過疎地域でございますから、本来なら三分の二の校舎に対する補助金が出るわけです。補助金カットの問題で現在は十分の五・五、このようになっています。また、今度は大規模校といいますか、人口急増地の大規模校でございますと、グラウンドに対しましても二分の一の補助金が出るわけです。確かにこういう小さい町ですから、そういう点では土地は都会に比べて安いかもわかりません。安くても、ただでないわけです。グラウンドを買う補助金も出ないわけです。 同時に、これから文部省の方にお尋ねしたいと思うわけでございますが、そのような観点から見まして、今申し上げましたとおり補助基準の枠にも入らない、適正規模校にも入らない、そういうところにどのように対応して統廃合を進めていけば立派な学校ができるのか、ぜひお聞かせいただきたいと思うわけです。
○遠山説明員 お答え申し上げます。 学校の一般の用地の取得につきましては、先生御承知のとおり、建物と違いまして非償却資産でございまして、五十年後、百年後もそのまま価値を持ちますものですから、従来からその取得につきましては地方債で措置をされておりまして、国の補助制度はないわけでございます。 ただ、例外として過大規模校を分離する場合の学校用地の取得費に対して、時限措置として補助を行っているわけでございます。これはちょっと話が長くなって恐縮でございますが、過大規模校というのは、新聞等でいろいろ御承知かと思いますが、教育指導上あるいは教育管理上非常にさまざまな問題点が指摘をされておりまして、その分離が一刻も早く行われることが必要であるということが再三指摘をされているわけでございます。ただ、そういう過大規模校を抱える市町村におきましては、そういう過大規模枝を分離しようとしてもその用地の取得が極めて困難でございます。また、その用地の取得に対して非常に多大の財政負担が生ずる、こういう実態にあるわけでございまして、そういう事情から国が例外的に時限的に補助を行っているわけでございます。 過疎地域の小中学校の統合の話でございますが、用地につきましてはそういうことで補助制度を設けていないわけでございまして、起債措置でやっていただいているわけでございますが、校舎の整備あるいは屋体の整備につきましては、先生お話のように二分の一の補助率を十分の五・五という、ささやかなかさ上げではございますが、そういうことでかさ上げをさせていただきまして施設の整備を行っていただいているところでございます。あと残りの地方負担分については、起債それから交付税でもって義務教育施設についてはかなり手厚く見ていただいているところでございます。
○山下(八)委員 大臣、お聞きになられたと思うわけでございますが、過大規模校というのは大体人口急増地、どちらかというと大都市、場合によれば不交付団体的なところもあるかもわからないですが、そういうところが大体過大規模校。今度は小規模の学校で、一つで余りにも小さくなったから二つ一緒にしよう。これは本当に過疎地の小規模校。ここには過疎債でかさ上げがされて三分の二になっていた。過疎債の対象になるのはやはり財政力指数が大変弱い、そういうところが対象になっていると思うわけです。強ければ過疎債なんか適用されないわけでございます。法律でも決まっているわけでございますし、幾ら過疎であっても財政力が強ければならないわけでございます。そのことを考えれば、補助金のカットがされている、せっかく過疎債で三分の二になるのが六十三年度までは十分の五・五。学校を何とか統合して、そして少しでも適正規模化、それでもはるかに遠いけれども、一つはたったの四十人ぐらいの学校である、もう一つは百人ぐらいの学校である、これを一緒にして、そして少しでも学校らしくしていきたい、こうすることができないと悩んでいるんですよ。 だから、冒頭申し上げましたこの補助金カットがどのように悪影響を及ぼしているかというのは、この一つの事例でもおわかりだと思うわけです。これが自治体三千三百からあるわけでございます。そうしますと、この学校だけではなくて、ほかの事例でもいろいろと悩んでいる自治体というのは全国にたくさんあると思うわけです。そういう意味からも、冒頭申し上げましたように、どんなことがあってもこの補助金カットの覚書は六十三年度中で終わるのだ、だからかたい決意で、大臣の任期中に、ぜひかたい決意のほどをお示しいただきたいと思うわけでございます。
○矢野政府委員 補助率の暫定引き下げがいろいろな影響を及ぼしておる例として今お挙げになりましたこと、私どもも十分念頭に置いてまいりたいと存じます。補助率の引き下げの暫定期間が終わった後の問題、取り扱いについては先ほどお答え申し上げたとおりでございます。 ただいま御指摘になりました過疎地域の学校統合、これは確かに従来三分の二でございましたものが十分の五・五まで下がってきておる。そういった点を考えまして、この国費減額相当分については臨時財政特例債による措置をもってとりあえずの財源措置をし、その元利償還費の一〇〇%を交付税で措置をしていく、こういう仕組みをとって、実質的に補助率引き下げに伴う財政負担がないようにしてあるわけでございます。また、地方負担について過疎債を活用するという方法もあわせて講じておるところでございます。過疎地域の市町村、いろいろ財政事情が難しい点はあろうかと思いますが、そういった点についてはまだ総合的な観点から考えてまいりたいと存じます。
○山下(八)委員 文部省の方にちょっとお願いしたいわけですが、大都市のマンモス校と申しますか大規模校、これにつきましては、用地取得まで二分の一の補助金が出るということであるわけです。今のやりとりでおわかりだと思うわけでございますが、そういう意味では過疎地域も逆の意味で財政力が大変弱いわけです。取得が困難なのは同じなわけです、金がなければ買えないわけですから。高くても金があれば買えるのです。そういう点ではこのようなところに対してもぜひ同じように補助の措置をしていただきたいと思うわけです。これが一点です。 二つ目は、このような小規模校は四十人学級でいけば多分四クラスぐらいしかつくれないわけです。文部省の適正規模校というのは十二学級から十八学級。この適用に当たらないものですから、大きく後退した学校しか建設することができないわけです。特に小さい自治体におきましては、コミュニケーションの場あるいはそこの町のシンボルとしての学校であるわけです。そのことを考えますと、補助の問題あるいはそういう校舎等の建設に対する配慮の問題、それについてもっともっと格段の、ここの学校だけではなくて全国的にたくさんあると思いますので、配慮をしていただく、そのようなことをぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○遠山説明員 お答え申し上げます。 用地に対する補助制度につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、一般の用地に対する補助制度は現在のところ非常に困難でございます。理由等は先ほど申し上げたとおりでございますが、補助率は二分の一ではなくて、急増地域についても七分の二という補助率でございます。 それでちょっと私どもの調べた資料の範囲で申し上げますと、投資的経費で小中学校費に占める用地取得費の割合というのがあるのですが、これが過大規模校を有する市町村で……(山下(八)委員「そんなことはもういいです、時間がないですから」と呼ぶ)そういうことで一般の用地の取得費に対する補助制度は非常に困難でございます。 それから小規模校に対する基準面積の問題でございますが、私ども適正規模校を中心に基準面積を配慮しているというようなことはございませんで、小規模校については適正規模十二学級から十八学級までの学校以上に手厚く配慮しているつもりでございます。しかし、まだまだ学校教育の教育内容、方法の多様化に対応して不十分な点があろうかと思いますので、今後さらに検討努力をしてまいりたいと思います。
○山下(八)委員 ぜひ検討していただきたいと思います。ありがとうございました。いいですか。 それこそ時間がないものですから、駆け足で交付税あるいは地方税の私が特に関心を持った点につきましてちょっとお尋ねさせていただきたいと思います。十八日の本会議だったと思いますけれども、私のところの仲間の委員が質問されたことについてひとまず二点ほどお尋ねしたいと思うわけです。 特に自治体に対しまして売上税、マル優制度の廃止を前提として予算が組まれまして、そしてマル優廃止あるいは売上税の法案が結局は百八国会で廃案になったわけです。そのときに地方自治体に対しまして、売上譲与税を中心とした予算を組みなさい、あるいは今回またマル優制度廃止を前提とした予算を組みなさい、そういうことで三千三百の自治体に当然指導なさっていると思うわけです。そういう中で全国それぞれの自治体が本当に大変大混乱をしているんではないか、また現実に大混乱をしているわけです。予算書をしょっちゅうつくりかえないといけないわけでございますから大混乱するわけです。そのことにつきまして、本会議におきまして大蔵大臣と自治大臣の責任はどうなんだという質問をされました。改めてお尋ねしたいわけでございますが、このようにことしの一月から大変現場の自治体に対しまして大混乱を起こしているわけです。そのことにつきまして自治省の責任と、そして大蔵省はどのような責任を感じて、またどう責任をとろうとしているのか、両省から簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
○矢野政府委員 当初通常国会に御提案申し上げました税制の抜本改革に関する案の中に含まれておりました売上譲与税等につきまして、地方団体に対しましては、私どもは政府としてそのような案を提出をし、またその前提としての地方財政計画を組んだわけでございますから、この点は十分に連絡をし、地方団体もそういった点を考えて予算を組むという姿勢に立ったところが相当数もちろんあったことは事実でございます。あくまでも地方団体が予算の計上は自主的に決めることでございますが、結果的に地方財政計画なり政府の提案を信頼をして予算を組むということは、地方団体としてはある意味では当然であろうかと思いますので、その結果が御承知のような経緯をたどって関係法案が廃案になり、今回改めて再提出をさせていただいた、見直しの上提出させていただいたわけでございます。その点について地方団体の財政が非常に不安定な状態に置かれたということについては、私ども大変心苦しく思っている次第でございます。 今回の提案につきましては、もちろん地方団体に対してはそのように連絡をいたしております。こういうような見直しを行ったということを連絡をいたしております。また、目下御審議をいただいております地方税法あるいは交付税法が成立いたしました場合には、地方団体に対して改めてこのような形で六十二年度の地方税財政制度の改正が行われるということは十分連絡をし、したがって地方団体もそれに対応した措置をとってまいることになろうかと思いますので、その点は法律の成立を待って十分指導いたしたいと考えております。
○水谷説明員 お答えいたします。 今回の税制改正の見直しの問題につきましては、地方の三千三百の団体に、廃案になったということ、また今回の見直しということで御迷惑をかけていることは私ども承知をしております。ここで重要なのはやはり地方財政の円滑な運営ということでございまして、私どもといたしましてもこの点には従来より十分配慮しているつもりでございまして、今後も今先生御指摘の点を踏まえて十分に心にかけてまいりたいと思っております。
○山下(八)委員 地方財政を確立する、当然のことであるわけでございますが、そうしますとマル優廃止、これにつきましては一月一日で指導されているのですか、四月一日で指導されているのですか。
○矢野政府委員 政府が提案しておりますのは、利子課税見直しは一月一日からの実施でございます。このように政府の法律はなっているということを地方団体に連絡いたしております。
○山下(八)委員 またそのこと一つとっても、次へ混乱していきそうな気が私は強くするわけです。ぜひそのようなことがないように、特に地方財政の確立に対してはくれぐれも十分な配慮をしていただきたい。——そのようなことは考えずにぜひ行っていただきたいというふうに思います。 次へ移っていきたいと思います。個人住民税の減税が提案されているわけです。六十三年度五千七十二億円、六十四年度六千六百億円、仮にマル優廃止が実施されたといたしましても、地方税収入六千五百億円になるのは、自治省のお話では平年度化に七年から八年くらいかかると私はお聞きしているわけですが、この間の地方財源不足類はどういう処置をされるのか、これが一つです。 それから二つ目には、この六千五百億円については何を積算されて出された数字であるのか。大蔵省にもこの数字については同じようにお尋ねしたいわけでございますが、その積算根拠を教えていただきたいと思うのです。
○津田政府委員 御提案しております住民税の減税は、来年度五千億円、平年度化いたしますと六千六百億円程度の規模になるわけでございます。それに対する恒久財源措置としてお願い申し上げたいのが利子課税の見直しでございまして、これが大体六千五百億円程度に見込まれます。ただし、先生御指摘のとおり、利子につきましては一番長い郵便局の定額貯金十年というようなものもあるわけでございますので、理論的計算でまいりますと恐らく六、七年は平年度化にかかるであろう。実際は途中解約等があるので若干は早まるとは思いますが、理論計算ではそういうようなことでございます。 したがいまして、六十三年度につきましては利子の収入が一月一日実施ということで約三千五百億円程度、私どもこのように見込んでおったわけでございますが、先般の幹事長・書記長会談の結果四月一日にいたしますと、これがさらに一千億円落ちまして二千五百億円というようなことで、減税規模に対して半分の収入しか期待できないというような状況になっております。最近の経済情勢また税収の実績等から見ますと、ある程度の自然増収が期待できるかと存じます。しかし、いずれにしましても、この補てんというものにつきましては、来年度あるいはそれ以降の各年度におきます地方財政対策におきまして十分な措置を図ってまいり、地方団体の財政運営に支障のないようにいたしたい、このように考えております。 それから、平年度におきます利子割の増収額六千五百億円の積算でございます。現在この利子課税制度の見直しによります改正増減収、大蔵省とともに精査中でございまして、まだ確定的に申し上げられるものではないわけでございますが、さきに利子課税制度十月一日実施の際に用いた諸前提で計算いたしますと、まず非課税貯蓄分は貯蓄残高が三百兆円、このように見込んでおります。そのうちから老人等の非課税制度存続にかかわるものを除いたものに対する利子の支払い額に税率の五%、財形貯蓄の問題がまた見直しということがあるわけでございますが、大ざっぱに申しますと、そのような非課税貯蓄分が約四千六百億円と見込んでおります。 それから課税貯蓄分につきましては、現行制度におきます源泉分離選択分であるとか申告不要分、あるいは総合課税分の利子支払い額をもとにいたしまして利子割額を計算し、そして現在住民税でも若干総合課税しておりますので、その分を差っ引くというような計算をいたしますと、課税貯蓄分については約千九百億円。合わせまして、非課税、課税貯蓄分合計で六千五百億円になるわけでございます。 ただ、この場合の積算基礎が、金利が大体四・一%程度、あるいは老人世帯等の非課税分を非課税貯蓄の約二五%程度に見込んでおるわけでございますが、ここいらの点まだ精査を要する、また全体的にももうちょっと国税と詰めてまいりたいと思いますが、今申しました現段階の私どもの見込み数字としてはそのようにつかんでおる次第でございます。
○山下(八)委員 大蔵省、この間の本会議におきまして宮澤大臣が、支払い利息十五兆九千億円という答弁をなさったわけです。そして今の自治省の御答弁は、大蔵省が通常国会の予算委員会で提示されました資料の積算と全く同じであるわけです。そのときには、三百兆円で年間利子見込み額十二兆三千億円、今のお話のとおりです。このような積算で資料が大蔵省から出されているわけです。けれども、それから約八カ月だたない、七カ月ぐらいでございますか、この間に、年間利子見込み額が十五兆九千億円という大臣の答弁が本会議で出てきたわけです。これはどこから出て、どういう積算から出てきたのか。四・一%の同じ利率で、同じ三百兆円が今度それによって三百五十兆円になったとか、そういうふうに何か変化があるのですか。その辺、いかがでしょう。
○長野説明員 御説明申し上げます。 先日、本会議で大蔵大臣が御答弁申し上げた数字は、六十年におきます非課税貯蓄の金融機関による支払い利子額の合計数字でございます。ただいま税務局長から御説明いたしましたのは、六十二年をベースにいたしまして、六十二年の予算の御審議の際に私どもが改正増減収として見込んだ見込み方を御説明したわけでございます。結果的には古い数字の方が後から判明したということで、六十年の数字は後から判明した、これは実際の払いでございまして、当時の金利水準と今回の積算に使いました最近の金利動向の違いということが、十五兆という数字と十二兆の数字の違いになっておるわけでございます。
○山下(八)委員 確かに、六十年度利率が五・五%なんですね。今おっしゃったその資料を使っていらっしゃるのですよ。大臣が答弁されますときに、支払い利息を、マル優を廃止しますと十五兆九千億円、こんなにたくさん出ますよ。その前の予算委員会のときには十二兆三千億円、そういう資料が出てくるのですね。それが今度は、マル優廃止によのます増税それから所得減税あるいは住民税減税、これをいたしますよという大蔵省試算では、標準家庭でマル優廃止によります増税分と差し引き、減税は五万四千円に、このようなことを出されるのですよね。この中身を見ていきますと、この税率は現行の水準の年三・六%でやっているのですね。こっちは五・五%の高いの、こっちは今度は減税するために少しでも減税額を大きく見せる三・六%でやった。これは国民に対してだましているんじゃないか。何で同じ利率で全部統計をとらないのですか。その辺はどうなんですか。
○長野説明員 大臣がお答えいたしました数字は、いわば過去の統計、しかも試算をするという性格のものではございませんで、実際に金融機関が支払ったその当時の利子額を御報告申し上げたわけでございまして、これはその年々によって金利情勢によって変わってまいります。十五兆九千億と御報告申し上げましたが、その前の年は十三兆五千億ということでございますから、年々の金利変動でこの数字は変わる性質のものでございます。 そこで、ことしの予算委員会におきまして、利子の税収見込みのときにどういう金利をとるかという問題になりますが、将来の金利動向というのはいろいろな見方がございますけれども、これを一方的にこういう金利に何年ごろになるだろうという見通しを立てるのもまた難しいことでございますので、約束事といたしまして、その時点での金利水準で加重平均をして試算させていただいたということでございます。 それからまた、先般仮定試算という形で御指摘の三・六%という数字で試算をいたしましたけれども、これも予算編成時に比べますと、最近さらに金利が下がってきておりますので、現在の金利水準を前提とするとこういう試算が出てまいりますということで御報告したわけでございまして、試算をするときどきの金利情勢、経済情勢等の変化に応じて、若干時点がずれるにつれて異ならざるを得ない側面があることは御理解いただきたいと思います。
○山下(八)委員 それは詭弁でありまして、確かにおっしゃっていることはそのとおりなんですよ。だけれども、国民に対して発表するとき、とにかくマル優を廃止するとこんなに税収が伸びますよ、それを発表するときには、利率の高いものを発表して、今度はマル優を廃止をして、増税にもなるけれども所得減税、住民税減税をすればこれだけ今度は皆さんの税金は安くなりますよ、そのときは三・六%でやる。一・九%ですから、約二%近い差があるのですね。これこそやはり国民に対して大変なごまかしてはないですか。じゃ、なぜそういうところまで理解できるように発表なさらないのですか。一方でとにかくマル優は廃止して増税になるけれども所得減税でうんと皆さん得するんだ、そういう宣伝をする。一方ではマル優を廃止したらこれだけの廃止によります税の増収ができるんだ、その利率を変えてやる、こんなことは許せませんよ。もう一度それについて簡潔に答弁いただきたいと思います。
○長野説明員 先ほどの御答弁のあるいは繰り返しになるかと存じますけれども、金利の水準をどう将来的に見込むかというのは非常に難しいことでございますので、判明しておるその時点での金利をとってもろもろの計算をするということをいたしておりますが、その前提条件としての金利水準はこのくらいのものを見ましたということを申し上げておりますので、あるいはその金利水準についての条件をたがえればこういうふうになるという計算はまたおのずからできてくる、決して国民の方にわかりにくくという趣旨ではございませんで、だれでもわかりやすい一番直近の金利を使って計算させていただいたということでございます。
○山下(八)委員 もう時間がありませんのでこの問題を打ち切りますが、NTT株の売却益についてお尋ねしておきたいと思います。 私は、相当部分を自治体に譲渡すべきではないかと考えているわけです。確かに一株五万円からの株の実勢価格が今は二百五十万円くらいですか、あるいはもうちょっと高いかもわかりませんが、そのような背景になりましたのは、NTTを高収益事業として育てたのは、本当に自治体の努力というものは大変なものがあったと私は思うわけです。例えば、公社時代には地方税については納付税方式で二分の一、今激変緩和で法人事業税にはなっておりますけれどもまだ二分の一、そのような非課税やらあるいは減免をしてきているわけです。あるいはまた道路占用料とかそういうものも取っておりませんし、あらゆるところで、場合によれば用地取得費に対しましても随分力をかしたのではないか。そういうものがたくさんあるわけです。そういうことを考えますと、この自治体の貢献というものは大変なものであるわけです。六十二年以降も三兆円前後のプレミアムが生ずるわけでございますし、そういうことから見ていきますと、自治体の社会資本整備の基金として自治体に譲渡すべきことが当然でありまして、それにつきまして国債整理基金会計に属する資金ということで全部取り上げてしまう、このような状況では余りにも地方自治体は気の毒ではないか、何をやってきたんだ、そのように私は思うわけです。 ですから、そういうことを考えますと、自治省、特に大臣は、大蔵大臣に対しまして自治体の社会資本整備の基金としての譲渡を要求すべきだと思いますし、ぜひもっと強力に要求していただきたいと思います。その点につきまして、いかがでしょうか。
○矢野政府委員 今御質問されましたように、NTTの株式の売り払い収入による資金が形成されてまいりました経過とか背景等を考えてみると、こういった資金を地方財源として活用するべきではないかということも一つのお考えかと存じますが、ただNTT資金は国債整理基金に帰属するということになっておりまして、これを地方財源として直ちに活用することにはなじみにくいという考え方もございますので、当面少なくともこのNTT資金の活用につきましては、できる限り地域の実情や地方団体の期待を反映した内容のものとして使われるということが必要であります。そういう意味ではその活用については、こういった無利子貸し付けといったような活用の方式については地方の要望に沿った運用がなされるべきものだというように考える次第でございます。
○山下(八)委員 もう繰り返しませんけれども、全部国債整理基金会計に入れるんだということのないように今後も努力していただきたいと思うわけです。 それで、NTT財源のBタイプ貸し付けについて若干触れたいと思うわけでございます。 産投会計より直接または各種特別会計を通じまして自治体に貸し付けあるいはその返済を求める方法といたしましては、国と地方の財源をかえって複雑にして、納税者やら利用者の理解、協力をますます困難にしているのではないか、また、各自治体の予算書や決算書の地方債、公債費の項目は、今ですら難しいのに、ますます理解し得なくなってくるのではないかと思うわけです。また、実質上補助金、負担金であるならば、資金の流れは産投会計と各種公共事業特別会計で整理をすれば手続を複雑にする必要もございませんし、かえってその方がいいのではないか、そのように思うわけです。それで足りるのにもかかわらず、なぜ自治体が返済の都度補助申請をするなど手続を複雑にするのか。 また、資金配分につきましては各種五カ年計画の枠外で行うのか、あるいはその場合の配分の基準はどうなるのか。せんだっての臨時国会の予算委員会だったと思うわけでございますが、大蔵大臣は、最初は枠外で行う、そのような答弁をされたように私は記憶をしているわけでございますが、自治省の考えとしては枠内で行うのか枠外で行うのか、できれば枠外で行うべきではないかと私は思うわけでございますが、ぜひその辺についてお考えを聞かせていただきたいと思います。
○矢野政府委員 NTT資金のいわゆるBタイプと称される公共事業を対象とするものについての運用の仕方に関する御質問でございますが、第一点については、そういったやり方をするのは複雑ではないか、こういう御趣旨でございます。この点について、こういったやり方をとる正確な理由につきまして、予算主管官庁ではございませんので、私どもの方が必ずしも直接十分にお答えできる立場にはないかと思いますが、ただ私どもは、こういったもともと国債整理基金に属すべきものを無利子貸し付けという形で行うこの資金の性格、それからそれぞれの特別会計を通じてやるということは、その特別会計がそれぞれほかと区分して経理されるという、その設けられた趣旨、こういったものを考えてこのようなやり方をとったものではなかろうかと考えておるところでございます。 ただ、御指摘のように、これは最終的には償還時においで同額が補助負担金として支出されるわけでございますから、形の上では貸付金、いわゆる地方債ということになるわけでございますけれども、実質はそうではないということでございます。そういう意味では、地方財政の姿を理解する上において、そういった実質的な償還費負担を伴うものでないものが償還費を伴うものであるというものと一緒になって、形の上では何か膨らんでおるというような点での国民に誤解を与えることのないように、その点は十分注意をしてまいらなければならぬ、この資金は今後も続くということになれば、特にその点は私どもも留意をしてまいらなければならぬ、こう考えております。 それから第二点でございますが、五カ年計画の枠内であるかどうか。実はこの辺は私どもとしても第一の御質問と同じように、どういうぐあいに取り扱われるかということは明確に承知はしておりませんし、またお答えできる立場にはございません。ただ、大蔵大臣がどうお答えになられましたか私もよく承知しておりませんが、Bタイプについては公共事業を対象とするものでございますので、そういう点から見ると五カ年計画の枠内なのではないのかな、こう考えておるところでございます。 なお、これは予算主管官庁あるいはその公共事業を所管する官庁でなければ実は正確にお答えはできかねるのかな、このように存じます。
○山下(八)委員 時間がなくなりましたので、最後に大臣にぜひ一点だけ、違った問題ですが決意を述べていただきたいと思うわけです。 私は百一国会それから百二国会で、不公平税制になりますが、社会保険診療報酬の事業税の問題、それからマスコミ関連の問題について、百一国会では田川自治大臣、そして百二国会では当時の古屋自治大臣にそれぞれ決意やら実行を迫ったわけでございます。 まず最初に百一国会で田川自治大臣のときには、新聞、テレビのマスコミ関連につきましてはまだ非課税措置がされていました。そこで、かたい決意で社会保険診療報酬の方もマスコミ関連の方もちゃんと不公平税制を正しますと大変力強い答弁をいただきまして、その一つの実をちゃんとつくり上げてくださったわけです。 そして古屋自治大臣のときに同じように質問しましたら、今度は古屋自治大臣はこのように答弁をなさっているわけです。「昨年私がこの地位を引き受けましてから、これらの問題は党の税調並びに政府税調でいろいろ論議されたところでございます。特に今お話しの社会保険診療ということは、政府税調でも積極的な取り上げ方をしておったのでございます。率直に言いますと、党税調の私どもの頑張り方が足りなかったのじゃないか、自分ではそういうように反省しておりますが、マスコミ関係の説とこの社会保障の」これはちょっと間違っておるようですが、「社会保障の診療というものは両方ともぜひ実現したい、自分ではそう思っておったのでございます。」「一年間しばらく検討してくれというような話になりまして、自治省としては例の利子所得の問題とか事業所の規模の問題とか社会保障の診療ということは検討項目としてちゃんと党税調にも報告し、」党税調でやっているというふうに答弁しておりまして、一生懸命努力をしているということを最後におっしゃっているわけでございますが、結果は何の変化もないわけです。 葉梨自治大臣のときに、社会保険診療報酬の事業税はおれの手でやったんだと、歴史に残るようなことをぜひやっていただきたいと思いますし、またやるべきだと思いますが、その決意のほどをお尋ねさせていただきたいと思います。
○葉梨国務大臣 事業税の課税の特例措置につきましては、従来から廃止に努力をしてまいりました。昭和六十年度におきまして、今先生御指摘のように新聞業ほか六事業につきましてその特例措置を廃止したところでございます。 社会保険診療報酬に係る事業税の特例措置につきましては、創設されましてから長期間を経過し、この間、医業等をめぐる社会的、経済的環境は著しく変化し、また税制調査会の答申におきましても数次にわたりその廃止、撤廃が指摘されているところでございます。このような状況を踏まえまして、昭和六十二年度の税制改正に当たりましてもこれを廃止する方向で検討してきたところでございますが、この問題は、他の事業に見られない医業の特殊性を考慮すべきであるという御意見であるとか、あるいは老人保健制度の見直しに伴います医業経営の実態の変化を見きわめるべきではないか、こういう御意見等がございまして、その見直しの実現を見るに至らなかったところでございます。先生がただいま御指摘になられたとおりでございますで この特例措置につきましては、自治省といたしましては、引き続きこれらの答申の趣旨を踏まえ、保健医療政策との関連を考慮しながら見直しの実現に努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
○山下(八)委員 社会保険診療報酬の所得税の方でも特例措置が今でも随分なされているわけなんですよ。ですから、せめて事業税の方は特例措置を外してももう何ら影響はないのじゃないか、そのように思えてならないわけです。またそうすべきだと思うわけです。ただ検討検討で毎年真剣に検討、真剣に検討と言ったって、結論が出なければ意味がないわけです。葉梨自治大臣のときにこそ歴史に残るようにぜひ廃止に踏み切ってもらいたい、この特例廃止をぜひ実現してもらいたい。最後にもう一度その決意をお聞かせをいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○葉梨国務大臣 ただいま申しましたように、老人保健制度の運営状況、その医療経営に対する影響等をよく調べまして、その影響等を見た上で、よく関連業界を説得し、実現に至るように努力をしたいと考えておる次第でございます。
○山下(八)委員 終わります。
○石橋委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後二時五十七分開議
○石橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。柴田弘君。
○柴田(弘)委員 一昨年は地方行政委員会でありましたのですが、大蔵の方におりまして、葉梨自治大臣には初めての質問でございます。どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。 まず最初に、今回のマル優廃止を含めましたいわゆる税制改革の問題につきまして、大臣の御見解をお聞きをしておきたい、私はこういうように思うわけであります。 いずれにいたしましても私が強く感ずることは、後で申しますが、マル優原則廃止もさることながら、何かしら、抜本的な税制改革と口では云々されておるわけでありますが、中途半端に終わった嫌いがある。そして、しからば今後一体どういった手順でどういったスケジュールのもとに抜本的な税制改革を行っていくかということも極めて不明確であると思います。それから長い間積もりに積もった税制のゆがみ、ひずみ、あるいは重圧感を除去することにあったと私は考えておるわけであります。また中曽根総理も、そのスローガンとして、公平、公正、簡素、活力、選択、こうした五項目を繰り返し繰り返し本会議あるいは予算委員会等々で答弁をしてきたわけであります。今回のこのマル優廃止を含む一連の税制改革というものが果たしてそうした趣旨に沿ったものであるかどうか、私は甚だ疑問に感ずるわけであります。まずこの点についての大臣の御見解、御所見をお伺いをしておきたいと思います。
○葉梨国務大臣 今先生がお触れになりましたように、昭和二十五年でございましたか、戦後税制がシャウプ勧告によりまして新しく生まれ変わり、約四十年たちます。その間にゆがみ、ひずみが出る、あるいは不公平感が増大する、特にサラリーマン層の皆様において重税感が満ち満ちております。また、直間比率のバランスが非常に偏っているということは、財政収入が中央地方を通じて景気、不景気に左右されやすい、こういうようなこともございます。また、今高齢化社会への入り口に我々は立っておりますが、財政需要が多い、その財政需要を将来にわたって確保するためにも税制の抜本改革をしなければならない。 こういうような認識のもとに、自民党あるいは政府税制調査会におきましては、過去もう二年前からいろいろな検討を経まして、本年の通常国会に税制改革関連法案を中央地方を通じて提出したわけでございます。残念ながら、国会の審議の過程で根幹となるべき法案が廃案となりまして、一方におきましては衆議院議長のごあっせんによりまして与野党による税制改革協議会が発足して、今日に至っているわけごでございます。 私どもといたしましては抜本的な税制改革をこれから息長く行っていかなければならない、その中の一つの方策といたしまして利子課税を行おうということで、このたびこの臨時国会におきまして関連法案を御提案申し上げたわけでございます。この御審議を今お願いしておりますが、政府といたしましては、これら関連法案を成立させていただいて、しかもさらに政府が目的といたしております抜本的な改革を、税制改革協議会等の御協議を経て各界の御意見を十分に伺い、国民の理解と協力を得ながら進めていきたいというのがただいまの考え方でございます。 〔委員長退席、岡島委員長代理着席〕
○柴田(弘)委員 いずれにいたしましても、今日の段階におきましては、抜本的な税制改革の全体像と申しますか、あるいは将来こうしていくんだという展望も定かでないわけであります。極めて不安であると思います。 そして、今度の改正の目玉はやはり何といいましてもマル優の原則廃止であります。マル優のように国民の間に定着をしておりましたこうした制度を廃止しようというからには、政府には当然踏むべきいろいろな問題、手続があったはずだと私は思います。一挙にマル優を廃止しての一律分離課税、これは当然零細貯蓄者からの反発もあるわけであります。マル優そのものが中曽根総理が言うごとく不公平、不公正等の諸悪の根源である、こう言い切るならば、しからば一方においてキャピタルゲインの課税というものは一体どういうふうな判断をしているのか。こうしたものも同時にきちっと見直していかなければならないし、あわせて将来の総合課税、やはり一番公平な課税というのは総合課税でありますが、その展望もある程度はきちっと示していくべきであったけれどもこの点の欠落がある、私はこのように考えるわけであります。大臣、いかがでしょうか。
○津田政府委員 税制調査会等の審議を経た経緯の中から、私から御答弁申し上げたいと思うわけでございます。 今回利子課税の見直しというようなことを御提案しておるわけでございますが、キャピタルゲインにつきましても一部強化するというような方向は打ち出されております。この利子課税の問題とキャピタルゲインの取り組み方と比べると利子課税の方が酷ではないか、こういうような御意見もあることは承知しておるわけでございます。ただ、キャピタルゲインの問題につきましては、実は税制上、キャピタルゲインというのが単年度で生まれたものではなくて、かなり長期間にわたって生まれた場合とか、そういうような税の基本の問題もございますし、またもちろん把握という問題もあるわけでございますし、あるいは現在、有価証券取引税が一兆円の大台に乗っておるような税収を上げている、このような実情もあるわけでございます。政府全体といたしましても、キャピタルゲインの課税につきまして現段階以上にさらに今後とも改善に努めなければならない、こういうような方針は持っておるわけでございます。 それから、総合課税の問題でございますが、利子課税の見直しにつきましていろいろ御意見がある中で、過去の経緯といたしますと実はグリーンカード制度の問題があったわけでございまして、一度立法化されましたが、その後のいろいろな御意見、特に現実問題としては資金シフトが大幅に起こった、こういうような実績も踏まえましてグリーンカード制度というものも行われなかった。こういうような経緯からしますと、実質的に公平を図るという意味におきましては現段階におきまして一律分離ということもそれなりの効果がある、従来の利子課税からは一歩前進、このように評価してもいいのではないか。しかし、今後の問題としまして、総合課税が有効に行い得る方途というものは研究していかなければならない、かように考えておるわけでございます。
○柴田(弘)委員 そこで、この総合課税の問題は、さきの与野党の幹事長・書記長会談で、利子課税については五年後に見直す、そこでは総合課税という問題が話し合われたと私は聞いております。当然法案の修正なり、あるいは附則条項にこれを追加しなければならないのじゃないか、こういうふうに思います。中曽根総理も本会議の答弁におきましては、この与野党幹事長・書記長会談の合意というものを尊重して対応してまいります、こういう話であったわけでありますが、その辺、自治省としてはどうお考えですか。
○津田政府委員 幹事長・書記長会談の席で出されましたいろいろな観点と同時に、いわゆる総合課税への今後の取り組みの方向というものは政府としましても尊重していかなければならない、かように存じておるわけでございます。その扱いにつきましては、現在あるいは今後の国会審議の中で関係の各党がどういうような格好で御処理いただけるか、方針としては政府としては尊重していく、このような考え方でございます。
○柴田(弘)委員 大臣も同じ考えでございますか。
○葉梨国務大臣 ただいま税務局長が御答弁申し上げたところに尽きると思います。
○柴田(弘)委員 そこで、大臣が先ほど答弁されましたが、これは税制改革の一環、こういうふうにとらえていらっしゃるわけですね。とおっしゃれば、私はわからぬところが多過ぎるのじゃないかと思うわけであります。 第一に、政府の税制改革の基本的なねらいというのは、直接税負担の軽減と、それに代替するいわゆる間接税の導入ということにあったと思いますね。これは国民が大いなる疑問を持っておりますし、私自身も疑問を持っております。もちろん今後とも税制改革協議会等々で協議はされるかもしれませんが、もし政府の意図がそうであるならば、今回のマル優廃止というのは所得税内部の徴税ウエートの移しかえにとどまっているのです。所得税を減税し、住民税を減税し、一方において利子所得に課税をすれば、これは同じ所得税内部の徴税ウエートをこっちからこっちへ持ってきた、その間に多少の減税があるということであるわけであります。これは本当に政府の意図した抜本的な改正ではない、こういうふうに私は思います。 であるならば、一環としてとらえるというならば、一番初めに申しましたように、将来高齢化社会が来る、大変な福祉財源が要るでしょう、あるいは財政再建もしていかなければならない。この今回のマル優廃止というものは、この税制改革の一体どれだけの位置を占めるものであるのかどうか。もっとはっきり言えば、主役であったはずの大型間接税はもう必要でなくなったかどうかということが私は正直に申しまして一番聞きたいことなんです、これは本来は大蔵大臣に聞かなきゃいけませんけれども。これは私だけでなく国民がみんなそう思っているわけです。マル優廃止がその一環としてとらえられるなら、その次に来るのはやはりそういった将来展望を踏まえていわゆる大型間接税が出てくるのではないか。要するに、税制改革の当初の中曽根内閣の理念というのはここに来て喪失してしまったのかどうかということもあわせて私はお聞きをしたいと思いますが、どうですか。
○津田政府委員 まさしく高次な判断を要するわけでございまして、私から云々すべきことではございませんが、今まで私ども税制改正作業の中でやってまいりましたことは、現在の税のゆがみ、ひずみというもので一番大きなものは、やはり給与所得者と事業所得者あるいはそのほかの所得者とのいわゆるクロヨン問題と言われるもの。クロヨンの実態自体につきまして、私ども税務を担当しておる者といたしましては適正な課税というものは行われておるわけでございますが、やはり給与所得者のうちの八五%が納税義務者になっている。ところが、事業所得者なり農業所得者というものは四割ないしは二割台、こういうようなことで、そこに不公平感あるいは不均衡感が生まれるというような事実。また、法人課税におきましても約五四、五%が赤字法人ということで、残りの四十数%の企業だけが法人税を納めておる。どうも我が国の税負担というものがサラリーマンとそれから一部の企業というものに偏っておるのではないか、ここいらから重税感なり不公平感が生まれたということではないかと思います。 税体系上の問題といたしますと、このような観点から申しますと、勤労所得課税というものの軽減方策。それから法人課税におきましても、やはり国際水準というものも考えてまいりませんと、いわゆる空洞化というものも招きますので、現在の我が国の法人課税水準というものは少し高過ぎるのではないか。そうすると、残ります税の問題としましては、いわゆる消費税、間接税の体系と資産課税の体系、こういうふうにあるわけでござ、います。 そこで、資産課税につきましては、先般来の国会審議におきましても、来年度の固定資産税の評価水準あるいは相続税の問題につきまして、やはりこれもかなりの意見があるわけでございます。そういうような税体系上から考えますと、やはり間接税という問題は今後検討課題として取り上げなければならないのではないか。特に物品税を中心といたしますいわゆる個別間接税というのが、商品間にもかなり不公平感、不均衡感というものが生まれておる、こういうふうに考えられるわけでございます。 それから、まさしく所得課税の中でもいわゆるサラリーマンに対する課税とそのほかのものに対する課税というものは、今回いわゆる資産性所得としての利子課税というものにつきまして見直しをお願いしておるわけでございますが、なお問題というものは残されておるのではないか。しかし、体系上から申しますと、やはり間接税という問題は今後我が国税体系としては検討がされていかなければならないのではないか、かように思う次第でございます。
○柴田(弘)委員 私、個人的にそうだと思いますよ。今税務局長の答弁があった。だから申しておるわけであってね。ところが、その前にもっともっとやるべきことがあるということも申し上げたいわけですよ。つまり、先ほど来御答弁をいただきましたキャピタルゲインの課税強化の問題ですね。利子所得が十兆円とすれば、こちらの方の譲渡益の問題は、キャピタルゲインは三十兆円とも言われている。これに多少は手をつけたのかもしれないが、やはりこれも、なるほど公平だなと言われる方向へ持っていくべきであると思います。医師優遇税制の問題あるいはみなし法人課税制度の問題など、抜本的に間接税云々という前にやはりまだまだ不公平の是正を行う分野があるのではないか、こんなふうに考えております。税調もそういった議論を展開しておったと思います。 そこで、具体的に来年度以降の税制改革というものについては一体どういうふうに対応されようと考えているのか、この辺をひとつお聞きをしておきたいと思います。
○津田政府委員 かねての衆議院議長あっせんの中にもございましたように、やはり直間比率の是正という問題があるのと同時に、それ以後いわゆる税制改革協議会の場におきましても、不公平税制というものを具体的に野党の先生方からも項目を挙げての御審議、今後の協議ということがあるものかと思います。 私どもは、そういうような税制改革協議会あるいは政府税調その他の各方面の意見を外しまして、今後ともこの不公平税制の問題は決してゆるがせにできない問題と考えておるわけでございます。
○柴田(弘)委員 そこで、今回のこのマル優廃止ですが、私どもの素朴な算術的な計算からいきますと、一兆三千億の所得税、これは幹事長・書記長会談で二千億上積みされて一兆五千億になる。そして住民税は一応とりあえず昭和六十三年度は五千億、昭和六十四年度は六千六百億ですか、こうなりました。 そういたしますと、これは恒久財源を用意する必要があるわけであります。これは当然であります。そしてその恒久財源の手段としてマル優廃止で得られる財源というのは、やはりこれは本当に平年度化するのは一体いつか。六十三年度、六十四年度にはならぬと私は思う。仮に五%で計算していっても、中には長いのは十年という定額貯金もあるわけでありまして、やはり単純計算でまいりますと七、八年後でなければ、一兆円なり一兆六千億円なり、兆という数字がつく規模のいわゆる平年度化というのは期待されない、私はこう思います。はっきり言って、マル優廃止というのは未来型恒久財源というふうに私は呼んでおるわけであります。だから、住民税減税、所得税減税もそうでありますが、やはりこうした本当にきちっと確保されるかどうかということがはっきりしていないこの未来型恒久財源をなぜ緊急用意されねばならなかったかという点に強い疑問を感じておるわけであります。 結局、キャピタルゲインはちょっと難しい。いろいろ困難が伴う。医師優遇税制もなかなか手がつけられない。とにかく懐へ手を突っ込んで取れるところから取ろう、こういう一律分離課税。申告不要制度というのも御承知のように政府税調は答申をしておった。一律分離課税が一番簡単で一番税収も上がるから一番いいだろう、取りやすいところから取ろう、こういったことで、余りはっきりと物を確定をしないといいますか、果たして税収がきちっと六十二年度、六十四年度あるかないかもわからないマル優廃止を減税財源にしたということはそういうことではないかという強い疑問を私は感じておりまして、絶対反対であります。 それからいま一つは、マル優廃止は与野党合意を踏みにじるものである、あるいは議長あっせんというものを踏みにじるものであるという議論もある。私もそのとおりだと思いますが、やはり五月十二日の社、公、民、社民連四野党と自民党とのいわゆる与野党国対委員長会談で約束した合意、この合意の第三項には、廃案になる売上税問題法案は臨時国会に再提出することは考えない、このように明記をされておる。しかも、このときの売上税関連六法案というのは、売上税関連七法案のうちこの時点で既に大蔵で採決をされました租税特別措置法を除く、所得税法等の改正案あるいは売上税法案、所得税法等改正及び売上税法施行法案、地方交付税法改正案、それから地方税法改正案、そして売上譲与税法案、この六法案ですね。こういうふうに私どもは理解をしているわけであります。でありますから、マル優廃止というのはこの与野党合意によって明確に、臨時国会に再提出されることがない、こういうことが合意をされた、これを踏みにじったということははっきり言えると思います。また、四月二十三日の衆議院議長のあっせんで、売上税とともにマル優廃止も廃案となることを決定しておったわけであります。通常国会が終了してわずか半月後に、何らかの反省というものなしに再びマル優廃止を蒸し返してくるというのは、こうした与野党合意、そして議長あっせんの趣旨に反する。これはまさしく民主主義というものの基盤を揺るがすものである、こういうような考え方を一つ持っておるわけであります。 それからいま一つは、やはりそういった問題とともに、どう考えてもマル優廃止それ自体が金持ち優遇になってくる、こういうふうに私は考えている。金持ちとそうでない人の差がますます開いてくるのではないか、こういうことであります。マル優廃止によって得するのは、マル優枠を超えて多額の余裕資金を持っている金持ちの人たち。現在マル優枠を超える部分については、三五%の分離課税か他の所得と合算をいたしました総合課税の対象となっております。しかし、今回これが三五%から二〇%へ、差し引き一五%も減税をされます。例えば、一億円の預貯金を持っている人はマル優廃止で、私の試算が間違っているかもしれませんが、とにかく四十二万四千円も得する。一方、財形を含めて千四百万をマル優いっぱい、きちきち使っている人は今まで無税でありました。利子率四%で計算をしてまいりますと、これは間違いなく無税から二〇%になってくるわけでありますから増税になる。計算によりますと九万二千円も増税になる。これは紛れもない金持ち優遇、庶民いじめの改革である、こういうふうに考えておるわけでありますが、いかがでしょうか、二点について。
○津田政府委員 今回法案を提出した経緯につきましての御批判でございます。税制改革協議会が設置されまして十二回にわたり御審議がなされたわけでございますが、その協議を踏まえました七月二十四日の議長に対する報告におきまして、具体的な提言や合意に至らなかったものの、税制の抜本改革の必要性が各党共通の認識であるということのほか、「中堅サラリーマンの負担軽減に配慮しつつ減税を行う。」「減税の実施に当たっては、恒久財源が確保されることが必要である。」「昭和六十二年度において、減税を先行実施する。その際、「戻し税」のような、一時的な減税方式を採ることはしない。」こういうような意見の一致を見たと報告されておるわけでございます。特に私ども地方税財政の担当者としましては、同報告におきまして、「税制改革案の検討に当たっては、地方公共団体の財政運営に甚大な影響があることを考慮し、早急に結論を出す必要がある」こういうような協議会の経緯を見ておるわけでございます。 そういうような状況の中で、やはり私ども地方税あるいは地方交付税の問題というものを早急に手当てする必要がある。しかし、税制改革協議会の報告というものにつきまして、具体的な合意がなかったわけでございますので、政府の責任において取りまとめて御提案を申し上げておるわけでございます。 恒久財源として利子課税の見直しというようなものをお願いしておるわけでございますが、前通常国会に提出いたしましたものに必要な見直しというものをさらに加えまして提案しておるわけでございまして、いわゆる売上税関連六法案の再提出というものには当たらないのではないか、このように考えておる次第でございます。 それから、特に三五%の源泉分離選択課税の問題につきまして、今回の利子課税見直しというものが金持ち優遇あるいは庶民いじめの改正になっておるのではないか、このような御指摘でございますが、御承知のとおり現在のマル優の枠というものが、一世帯四人家族で申しますと三千六百万円までの枠がある。三千六百万円の枠というものを使い切るのはやはり相当な高額所得者ではないか、このように考えられるわけでございまして、実際面におきまして現在のマル優がより高額所得者に有利になっておる、活用されている、こういうような事態はあるのではないか、かように考えております。 それから、実際の状況から申しましても、実はこのマル優の枠を超えた場合の資金運用としましては、現在割引債の一六%というものの活用がかなり行われておるわけでございまして、どちらかと申しますと、実は三五%の源泉分離選択課税の利用というものは、大蔵省の御調査等によりますと、これは割に所得階層にまんべんなく利用されておる。まんべんなくというのは言い過ぎかもわかりませんが、金持ちだけが利用しておるということではないようでございます。三五%源泉分離課税というものは、三五%の税金さえ払えば税務署との交渉はなしというこの点が非常に一種の魅力と申しますか、そういうような資金運用の一環としてこの三五%の源泉分離というものが使われておるということでございまして、高額所得者のみが三五%を利用しておって、それが二〇%になるというようなものではないのではないか、このように認識しておるわけでございます。 いずれにしましても、これらの問題、と同時に基本的に、資産性所得の一環として十数兆円という利子所得をいわゆる勤労所得の減税財源としてお願いする。この勤労性所得と資産性所得とのバランスというものも大きな原因でございまして、決して金持ち優遇というようなことだけではないのではないか、かように考えておるわけでございます。
○柴田(弘)委員 せっかくの御答弁でありますが、私もいろいろと計算をしたりして考えてみました。一つは、先ほど申しましたように三五%が二〇%になる。全部総合課税ということになれば、それはいいですよ。それは選択制なんです。要するに、明らかに一億円の人は減税になるんじゃないですか。それから無税であった二百万、三百万の人たちが、一方においては確かに所得税、住民税減税があるにしても、増税になるわけであります。そういった単純計算をしても金持ち優遇ということははっきりしている。 それから局長さん、それをおっしゃるなら、総理府の貯蓄動向調査というのを御承知だと思いますが、あれは平均でたしか四百七十数万円だ。この中には生命保険料とかいろいろ入っている。個人貯蓄だけじゃない。それで最頻値といって、日本全国の世帯が預けている金額は幾らだというと、百九十三万円なのですよ。そういう点から考えますと、百九十三万持っている人は無税だ。ところが今度は二〇%有税だ。これは金持ち優遇、貧乏人いじめになるわけじゃないですか。そういう点で、不公平、不公正のために、そういう悪用している人が多いから一律分離課税ではっと網を打つんだ、これが公平、公正を確保するのだ、中曽根さんはそうおっしゃる。あなたたちもそういう考えだと思うのですが、本当にやるなら、私は、グリーンカードを導入してきちっと把握して悪用を防止し、そして総合課税にするのが本当の公正だと思いますよ。そこまでの道筋というものが今政府の頭の中にない。税制改革協議会の協議を見守ると申しておっても、そういった本当にきちっとした公平、公正を確保していこうというのが総理を初め政府の皆さん方の考えにない。 そしてしかも直接税云々、間接税云々ということを検討するというならば、その前にある直接税体系の中で行われている不公正、みなし法人の問題であるとか医師優遇税制の問題であるとかそういった問題、あるいはクロヨンの問題、こういった問題をきちっと解決してから、次の高齢化社会を展望しての税制改革の論議というものを、ただ単なる政府税調の密室の中、政府の中でだけでなくて、国民の世論を踏まえて、国民合意のもとに二十一世紀を目指した税制改革というものをきちっとしていく必要があるだろう、私はこういうふうな考えておりますが、私の考えは間違っておるでしょうか。どうですか。
○津田政府委員 税制というものは何と申しましても国家を国民が支える一番大きな問題でございまして、税制が安定的なためには、国民の合意あるいは国民の理解というものに裏づけられなければならないということは、先生御指摘のとおりでございます。 そこで、利子課税の問題につきまして総合課税という問題でございます。将来の検討課題ということで、私どもも幹事長・書記長会談の結果を踏まえまして今後対処すべきもの、このように考えておるわけでございますが、総合課税にするにはこの利子というものが非常に流動的であり、大量的であり、そしてグリーンカードのときのように資金シフトというような点を考えなければならない。さらに申しますと、夫婦や親子の間においても、へそくりを御主人は知らないけれども税務署にはわかるというような仕組みが果たして国民意識として御理解がいただけるのかどうか。 また、そういうようなコンピューターを使わないような把握というものを考えますと、相当な徴税費というものがかかる。これは私ども税務執行なり税務行政に携わっておる者が労をいとうという意味ではないのでございますが、不正利用のために税務当局が相当な努力をする、もちろん努力はしなければならないわけでございますが、過剰な努力をするということは、まさしく正直に納めていただいた税金を使うことでございまして、そういうような点も考えなければならないのではないか、かように思うわけでございます。 しかし、税の実質的な公平ということにおきまして、所得の高い方にはそれなりの税負担をいただき、低い所得の方には税負担が軽減される、軽い税負担で済ませる、こういうことは大きな方向でございまして、今後この総合課税の問題につきましても私ども真剣に取り組んでまいりたい、かように思っております。
○柴田(弘)委員 繰り返して申しますが、総合課税化への問題、そしてキャピタルゲイン等を含む資産課税の問題、これは抜本的に見直していかなければ不公平はますます拡大してくる、こういうことを私は申し上げているわけであります。 それで、今回の住民税の税率改正、これは私の素人考えからかもしれませんが、ちょっと御指摘申し上げたいと思うのです。 市町村民税の現行税率表と六十三年度改正税率表、当初案と六十三年度改正を比べてみますと、所得二十万円以下の人は二・五%から三%になる、六十万円を超えて七十万円以下の人は四%が五%になる、四百六十万から五百七十万の人は九%が一〇%、こういうふうに増税になるランクがあるわけであります。これでいいでしょうかというのが私の疑問点の一つです。素人考えですから、私の考えが間違っておれば素直に指摘していただければ結構です。 もっとも、これは三控除が引き上げられますから計算上は増税にはならないことになっているわけでありますが、今度、六十二年度と六十四年度の改正表を比べてみますと、四百五十万から四百六十万の人が八%から一〇%、九百万から九百五十万の人が一〇%から一一%と増税のランクが出てくるわけです。六十四年度には三控除の引き上げ等による減税措置はございませんから、増税のまま残されることになるわけであります。このような増税必至の税率表というのは妥当と言えるかどうかという疑問点を一つ率直に私は持っております。 二つ目の問題は、当初案と今回の六十二年度税率表を比べますと、年収一千万までの人たちは現行に比べて軽減額あるいは軽減割合は増加している、よくなっている。しかし、千二百万から三千万までの人は当初案と全く同じなのです。ずっとゼロになっているのですね。それから三千五百万から、六十二年度税率表の方が軽減額、軽減割合がまた増加している。要するに中間がその差が、これはおたくの方からいただいた資料だが、(ロ)から(イ)を引くとゼロ、ゼロ、ゼロとなって、軽減額、軽減割合が当初案と全く一緒ということですね。だから、これだけ見ても、マル優問題と同じく高額所得者に対して有利な税制、税率表じゃないか、こんな率直な疑問を資料をいただいて持っているわけですが、どうなのですか。なぜここをゼロにしたか。ここはある程度減税にしなければいかぬのじゃないですか。だから、減税の上積みをしようと思えば住民税だってできるはずだ。これは修正を要求したいと思います。どうですか。
○津田政府委員 具体的な税率におきまして、一定の所得段階におきまして税率がむしろ上がるというような問題は確かにございます。しかし、先生まさに御指摘のとおり、いわゆる三控除の組み合わせというようなものでやりまして、表をごらんいただいておると思いますが、三控除と税率を組み合わせますと、きれいに減税をしておるつもりでございます。 それから、六十三年度と六十四年度を比べますと、四百六十万クラスとか九百五十万円クラスというものにつきまして、六十三年から六十四年に移行するときに表面の税率がむしろ上がっておる、こういう御指摘もあるわけでございますが、現在の税率というのはいわゆる超過累進税率でございまして、下の方の所得の段階には下の税率をかけて、その次の段階には次の税率をかける、こういうような仕組みは御承知のとおりでございます。したがいまして、四百六十万円のケースで申しますと、六十二年度の百三十万円から二百六十万円までの方は一〇%、ところが六十四年度には百三十万から三百万円と、要するに四十万円一〇%の率を伸ばします。そういたしますと、その二百六十万円と三百万円との間は、六十三年度は一二%の税率がかかっておる。それが今度は六十四年度では一〇%の税率になりますので、二%軽減される。これが実は八千円、この所得の段階におきまして減税になります。ところが御指摘のとおり、四百六十万のところを考えてみますと、四百五十万から四百六十万は六十三年度一二%であったものが、六十四年度の税率になるとこれが一四%、一ランク上の税率に上がっておる、こういうことでございます。これの増税額、これは確かに増税になります、その十万円部分は。その差が二%でありまして、二千円の増税と申しますか、減税が減るというようなこと。しかし、この方には、前の段階の百三十万から三百万の段階におきまして八千円の減税がまず先に出て、それで今度は四百五十万から四百六十万円の十万円について二%の減税の減と申しますか、二千円だけプラスになるということで、差し引き六千円の減税になってくるような仕組みでございます。九百五十万円におきましても、そのようないわゆる下からの所得の積み上げということで必ず減税が働くような仕組みにしておるわけでございます。 それから最後の問題でございますが、千二百万円層以上が当初案に比べてゼロ、こういうような格好、しかしもうちょっと高い段階になるとまた減税が出てくる、このようなことでございます。 基本的な考え方といたしまして、当初案に比べまして、当初案は二千三百億から出発することでございましたが、今回五千億というようなことで、若干枠が広がっておりますので、中堅所得層あるいは低額所得者層にその部分の減税を振り向けておるわけでございます。 〔岡島委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、これは先生まさに御議論があるかと思うのですが、いわゆる最高税率をどうするか、現在一八というものを一五に下げていこうというのが通常国会で出した原案でございました。それで当初案におきましては、まず一七にしよう、こういうような案でございました。しかし、この二千三百億円の減税の枠を五千億円に拡大した。当初案ですと最終は七千五百億程度でございますが、かなりその最終の姿の方に近づいてきておるものでございますので、一七と一五の中間をとって一六に下げた、こういうような経緯でございます。 もちろん、この最高税率のあり方につきましては、いろいろな御意見があることは承知しておるわけでございますが、私どもとしましては、余り累進性が高いことによります事業意欲、勤労意欲の減退、あるいは累進税率を逃れるための節税なり脱税というものの誘因を防ぐ、このような意味におきまして、ある程度の最高税率の引き下げということは考えなければならない。しかし、国際的に見ますと、所得税と合わせますとまだ、先進諸国では最高の六五%を最終的に目指しておるわけでございまして、御指摘の金持ち優遇、それだけの考え方で処理しているわけではないわけでございます。この点、御理解を願いたいと思います。
○柴田(弘)委員 時間が迫ってまいりました。この議論はまた一遍ゆっくりとやろうと思うのですが、これはゼロになっているのですよ。そして、それからその上は、三千万以上はまた当初案よりよくなっている。最高税率云々という問題じゃないのです。なぜこれがゼロになるのですか、このところを減税すべきじゃないのですかというのが私の質問なのです。これはおかしいですよ。納得できません。 それからマル優廃止も、今の合意にも反しますし、金持ち優遇税制であるということははっきりしているし、また仮に国際的に云々と申しましても、一律分離課税を行ったとしても貯蓄は減りません。これは大蔵省も認めています。今日の福祉あるいは住宅の問題、いろいろ考えてまいりますと、やはりつめの先に火をともしてそしてためたお金なんです。今一番大変なのは四十代、五十代の中堅サラリーマンなんですね。やはりもっともっとそういう人たちに配慮した税制改革というのが私は望まれる。でありますから、今回のこの税制改革法案は私どもとしては到底賛成できません。賛成できないところか、マル優廃止はぜひとも撤回をすべきである、これを申し上げたい。この辺の答弁を大臣にいただきたい。 それから、ちょっとあちらこちらで、もう時間がないから簡単にやりますが、地方交付税で、私も一昨年と昨年二回にわたりまして、国際交流推進という立場で地方交付税の算定基礎の中にその費目を入れたらどうだという質問をいたしました。今年からそういった費目が国際交流推進費ということで入ったようでありますが、これは私も非常に評価をいたしております。具体的に、おたくの方の地方自治体に対する基本指針を見ても、国際的交流のイベントを、例えば名古屋市が昭和六十四年に百周年記念になりますので、世界デザイン博覧会、それから世界デザイン会議というのを各国を招来してやるわけです。これは直接的には外務省あるいは通産省の問題でありますが、地方自治体の国際化の問題あるいは活性化という問題から、自治省としても、せっかく国際交流の推進費ができたわけでありますから、その枠を拡大して対応して前向きに取り組んでいただけるかどうかという問題。 この二点について、簡単にひとつ大臣からお答えいただきたいと思います。
○葉梨国務大臣 今マル優廃止法案を提案しております政府といたしまして、廃止に反対か賛成かと言われましても、これはもうお答えするまでもないことでございまして、十分に政府の意のあるところを御理解いただいて、できれば御賛成いただきたいということが私の気持ちでございます。
○矢野政府委員 柴田委員に以前御指摘をいただきまして、国際交流に関する費目を交付税の中に設けたわけでございます。これは、その節にも申し上げたかと思いますが、いわゆる外国青年の招致に伴う日本の国際化の推進という新しいプロジェクトを進めるために、六十一年度はこれは準備的な経費でございましたが、昭和六十二年度において新たに費目を設け、そういった語学指導等を行う外国青年に係る給与費とか旅費とか国際交流関係の負担金、所要経費を、標準団体ベースで三千八百万、全国ベースで約三十億円を措置したわけでございます。 普通交付税で今回措置をするということにいたしておりますのはただいま申し上げた目的に出るものでございますが、自治省全体といたしまして、やはりこれから国際化に関する問題は大いにいろいろな面で進めていかなければならない、こう考えております。国際化推進のための町づくりというようなことも、これから自治省としての重点施策に掲げていきたいというようなことも考えておりますが、御指摘のようなこういった博覧会、従来国際博というようなものにつきましては、政府としてそれに関連するもろもろの事業についてのいろいろの財政の負担関係を決め、援助措置等も行っておることもあるわけでございますが、一般にあちこちで行われるさまざまな博覧会そのものについて直接現在普通交付税上財政措置をするというところまではまだ至っていないわけでございます。ただ、そういった地方団体が国際化のために大いに努力するという点につきましては、我々もその地方団体の努力というものを十分認めていって、いろんな面でのまた配慮をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○柴田(弘)委員 最後に大臣、今の名古屋の世界デザイン博の問題、ちょっと答弁してください。 それからもう一つ、建設省来ていただいておるのですが、詳しくは申しませんが、大曽根土地改造事業も、これも全国にない画期的な事業なんですね。それも建設省の方にも既に予算要望いたしておりますが、積極的な取り組みをしていただきたいと思います。 この二点を伺って、前向きの答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○葉梨国務大臣 地域レベルの国際交流は、それぞれ地域のニーズを踏まえ、個性と創意を生かして行われるべきでありまして、これによって国際社会におきます地域アイデンティティーを確立しつつ、地域の産業経済を刺激して、地域を活性化することに意義があるものと考えております。自治省といたしましては、この趣旨を踏まえました国際交流事業が各地域で実施されることは、先ほど局長からも申し上げましたように、望ましいことであると考えているところでございます。 先生からお話のございました世界デザイン博覧会につきましては、名古屋市の方からの具体的な要望等がございますれば、事業内容等につきまして十分検討し、適切に対応してまいりたいと考えております。
○小川説明員 本事業は、名古屋市の北東に位置いたします大曽根駅を中心とした都市拠点づくりといたしまして、土地区画整理事業により鋭意実施されているものでございます。建設省といたしましても、都市再開発の推進は近年の重点施策の一つでございます。私どもは、これに該当する当地区の事業につきまして、これまで同様に事業費の確保に努めながら事業の進捗を図っていく所存でございます。
○柴田(弘)委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○石橋委員長 小谷輝二君。
○小谷委員 本年は地方自治法施行四十周年という年を迎えたわけでございますが、自治省におきましてもそれなりに記念すべきこの年を地方自治発展のためにいろいろ努力され、いろいろ御検討を加えておられると思います。今地方自治体は、住民福祉の向上、また地域社会の整備、地場産業の発展等々、住民のニーズにこたえるべく努力を重ねておるところでございますが、今後なお二十一世紀に向かっては、さらに情報化社会、国際化社会、また問題の高齢化社会等を迎えることになるわけでありまして、これらに対応するために地方自治体の責任はますます重要になってくる、このように我々思っております。 そこで、地方自治発足四十周年という佳節を迎えたこの本年、自治大臣という重責を担っておられる葉梨大臣に、地方自治に対する抱負と、また今地方自治体に対して何が最も必要なのか、このような点について御感想をお伺いしたいと思います。
○葉梨国務大臣 新しい地方自治制度が発足いたしまして四十年でございますが、関係者の御尽力と国民の理解と協力によりまして、我が国の地方自治はおおむね定着しつつあると考えているところでございます。 しかし、御指摘のような社会経済情勢の変化に対応して、地域社会の活性化と住民福祉の増進を図るため、地域の特性を生かしました個性豊かな地域づくりが必要となっておりまして、地方公共団体の果たすべき役割はますます重要性を加えていると認識している次第でございます。 また、国、地方を通ずる行政の簡素効率化及び地方分権の推進を図らなければならないという観点から、機関委任事務の整理合理化等なお改善を要する点が多々あると考えているところでございます。したがいまして、これらの改善を含め地方自治の理念に十分に配慮して、その一層の充実強化に努力していきたいと考えております。
○小谷委員 地方の時代と言われて久しいわけでございますが、今大臣の抱負にもございましたように、地方自治の役割はますます重要になってくると我々も思っております。今最も必要なことは、地方の行財政全般にわたって諸施策を推進していくためには、地方自治体の体力そのものをつけなければならぬ、このように思うわけでございます。ところが政府は、近年いろいろな施策は、地方財政の健全化にまさに逆行するような補助金の引き下げ、また地方負担の転嫁、また経常経費にわたるまでマイナスシーリングということで、国保や義務教育費の補助の引き下げ等が行われておるわけであります。また、今回の追加の公共事業の地方負担分におきましても、これまた建設地方債、これで賄うというふうなことで、どれ一つとってみましても地方財政はますます硬直化していく。自治体に力をつけるところか、むしろ弱体化し続けていく、こういうふうな状況にあるわけでありますが、私は非常に危惧しておるわけであります。この点はどう思われるのか、大臣いかがですか。
○葉梨国務大臣 今先生がお触れになりましたように、地方財政は大変な借入金残高を抱えておりまして、厳しい状況にあることはもうおっしゃるとおりでございます。各地方自治体の財政運営におきましても、年々公債費負担が増大しておりまして、極めて厳しい状況にあり、早急に財政構造の健全化を図ることが必要であると考えております。このような見地から、今回の補正予算に基づく追加公共事業等に必要な地方負担につきましても、全額を地方債によることなく、三千五百億円の地方交付税の増額を図ることとした次第でございます。 今後とも、行財政の守備範囲の見直しとか行財政運営の簡素効率化等によりまして経費の節減合理化を図るとともに、地方税とか地方交付税など地方一般財源の充実を図っていく必要があると考えている次第でございます。
○小谷委員 それなりに努力されておられることにつきましては、それなりに私もよくわかるわけでございますけれども、ちょうど地方自治発足四十周年という記念すべきときに、今こそ思い切った地方自治の原点に立ち戻って、そうして内政の担い手である地方団体と国との税源の再配分をこの機会に本気になって考えていく。また自主財源の確保、また機関委任事務の整理統合、このような諸施策を今この機に、この記念すべきときに見直し、抜本的な改革を行うべきではないか、このように思うわけであります。 ところが今状況は、権限は中央へ、そして責務と負担は地方、こういうふうなあり方が何年も続いておるわけです。こんなやり方が今後も続くということになれば地方自治そのものの存在価値すらなくなるんではなかろうか、このように非常に思うわけでありますし、今後もこのような施策が続けられるとすれば、自治体にとっては本来の地方自治そのものが損なわれていく、こういうことにならざるを得ないではないか、こう心配をしておるところでございます。大臣を初め自治省の幹部が本気になって地方自治を今守るべきときではないか、このように思っているわけでございますが、この点、大臣いかがですか。
○葉梨国務大臣 地域社会の活性化でありますとか住民福祉の増進を図るために、住民に身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理できるように、国、地方間の役割分担とか財源配分のあり方について幅広く検討を行うことが必要であると考えております。 このために、これまでにも機関委任事務とかあるいは国、地方を通ずる許認可権限の整理合理化、国の関与、必置規制の整理合理化などを行ってきたところでございますが、これまでの措置は地方公共団体の長年の要望から見ますとなお不十分でございます。これからも国、地方の役割分担等のあり方についてあらゆる機会をとらえて、地方分権を推進する観点に立ちまして適切に対応していきたいと考えている次第でございます。地方自治は漸進的に進んでいる、しかし十分ではない、そういうことでございまして、先生がおっしゃるような悲観的な状況にはない、このように考えております。
○小谷委員 税制改革について質問いたします。 自治大臣は前国会におきまして、私の税制改革に対する質問で、地方交付税法を含めた税制全体の改革案を与野党で協議をしていただき、しかも地方財源を充実するような方向で地方交付税法も含めて新しい改革案の協議を進めて、その成案を得ていただけるよう期待を申し上げるところでございます、このように御答弁があったわけでございます。これはそのまま申し上げたわけでありますけれども、大臣は与野党の税制協の成案を期待している、このように申されたわけでございますが、この税制協の協議を、今現在もその成案を期待しておるということについては変わらないわけですか、この点はいかがですか。
○葉梨国務大臣 税制改革協議会の報告が出されました段階で、地方税法の改正については中間報告を踏まえて自民党と政府が協議中であると答弁申し上げた次第でございます。この中間報告におきましては、減税の実施に当たっては恒久財源の確保が必要であることなどの意見の一致を見た点だけでなくて、各党から出されたものの一致を見るに至らなかったいろいろの御意見が報告されているところでございます。 今回の税制改正でございますが、これらの意見について十分に配慮しながら政府の責任において取りまとめたものでございます。利子課税制度の見直しにつきましても、所得課税の公平確保、減税の恒久財源等の観点を踏まえ今回の改正を行うこととしているものでありますので、御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○小谷委員 税制協は現在も協議は続行されているわけでありまして、成案にはいまだ至っていないわけであります。今日の段階で所得税法改正案等三法案が今国会に提出されたわけでありますが、この中には、先ほどからも話がありましたように、国民の強い反対で廃案になった売上税関連法案、すなわちマル優廃止法案が含まれておるわけでありまして、このマル優廃止法案が地方税関係と抱き合わせで提案された。 このマル優廃止法案は、先ほどの質問にもありましたように、御承知のように国対委員長会談で再提出はしない、このように約束されたものであるわけでありまして、この約束に反するということで盆前一週間にわたって審議がストップした、このような事態を招いたわけでありますが、申し上げるまでもなく、今自治体からは交付税法、地方税法の早期決定が非常に強く要望されておるところであります。また私どもにつきましてもこの点は早期決定が必要である、このように深く認識をしております。 ところが、本来このような税制改革は、全体像を明らかにした上で所得税の減税、また住民税の減税、また租税特別措置等の位置づけ等を明確にして全面的な改革を進めるということが最も好ましいわけでありますが、今回の政府案は全体像を明らかにするものではなくして、早期に解決しなければならない交付税、地方税に公党間の約束に反するマル優廃止法案を抱き合わせて提出された。これは我々にとっても非常に遺憾に思うわけでございまして、このような抱き合わせがあったので非常に混乱を招いた臨時国会ではなかろうかと思うわけでございます。この点大臣はどうお考えになりますか。
○葉梨国務大臣 地方交付税法の改正案につきまして大変御理解をいただいていることはありがたいと拝聴した次第でございます。 さらに、利子課税の見直しは与野党合意に反するという御指摘がございましたが、これにつきましては、新たに老人等に対します少額公債利子非課税制度を存続させることといたしておりますほかに、財移住宅や年金貯蓄の税率を半分に引き下げる等を行っておりまして、五月十二日の与野党合意に言っております売上税関連法案の再提出には当たらないと考えている次第でございますので、念のために申し上げます。
○小谷委員 この問題は国対あたりで随分論議されているようでありますので、ここで申し上げることは差し控えますが、次に地方財政対策について質問をしたいと思います。 地方財政対策の補正措置で城となるもの、売上譲与税の廃案になった分とかまたその他地方税等、また増となったもの、差し引きどれだけがマイナスになったのか、ここらを説明をお願いします。
○矢野政府委員 今回の新しく見直して決定をいたし提出をいたしました税制改革案と当初の案とを比較いたしますと、昭和六十二年度の地方税及び地方譲与税につきましては次のような変動が生ずるわけでございます。 まず第一に城となる方でございますが、これは第一には、利子課税見直しの実施時期が当初案は六十二年十月一日でございましたが、見直し案では六十三年一月一日ということとされたことによりまして、当初案の増収予定額が五百五十二億円減となる。それから第二に、売上税法案を提出しないということになりましたので、売上譲与税相当分、これは全額でございますが、千八百三十八億円が減になるわけでございます。そのほか、法人税における賞与引当金が実施されていないということにより、法人住民税、法人事業税について九百九十二億円の減が生ずるわけでございます。以上の結果、当初案の増収予定額は三千三百八十三億円目減りをするということになります。 一方、増となる方でございますが、売上税を提出しないということによりまして、当初案では廃止予定とされておりました電気税等の三つの税が復元をするということになったことによりまして六百七十二億円の増、それから個人住民税の減税の年度内実施が見送られることになったことによりまして、減収予定額のうち二千三百十八億円が復元されるということになりました。増の方の合計は二千九百九十億円でございます。 この結果、地方税及び地方譲与税全体としては、当初案に比べ差し引き三百九十三億円の減収になるということでございます。
○小谷委員 売上税の導入という国の施策が国民の強い反対によって廃案になったわけでございますが、本年初め、二月ですか自治省から、今廃案になった売上税、これを前提として各地方自治体に対して地方財政計画を立て、それに基づいた予算編成をするように指導されてきた。その結果、先ほどから、午前中からもお話がありましたけれども、大きな歳入欠陥が生じてきた。それにより地方自治体においては大変な混乱を生じたわけでありまして、自治省の責任は大きいと思います。この点はどう考えていますか。
○矢野政府委員 当初案におきまして売上譲与税等を見込んだ地方財政計画を策定し、これを地方公共団体に連絡をしたところでございます。従来より、新しい年度の制度改正については地方団体の予算編成の参考となるように詳細な連絡をするということになっております。また、地方団体におきましても、それによって収支のバランスをとったものとした地方財政計画を参考として予算を組むというのは自然な姿であると思います。 ただ、そういった連絡をしたわけでございますが、結果として売上税関連法は廃案ということになりまして、これによりまして地方財政計画を参考にして予算を計上した地方団体に大変御迷惑をおかけしたということについては、私どもとしては大変心苦しく思っておるところでございます。 したがいまして、今回の見直しによりまして、当初の地方財政計画を信頼をして予算の計上をし、また歳出を執行中の地方公共団体に対して、その財源をぜひとも確保していくということを含んだ関係法案を御提出申し上げておるわけでございまして、この点について私どもとしてはぜひとも早期にこの成立が図られることをお願いを申し上げておる次第でございます。
○小谷委員 これは矢野さん、今後もこの種の法案が出るたびに、今回の補正もさることながら、また今回のマル優制度の見直しの問題、廃止の問題等を含めて、その都度国の方で、一応まだ国会にも出されていない、要するに提案される前にでもぽんぽん地方自治体に、これに基づいて予算編成せい、こういうことが今後も行われるのですか。同じことを繰り返すことが今後将来起こるのではないでしょうか。これはどうなのでしょう。
○矢野政府委員 現在の地方財政、仕組みとしても大変複雑でございますし、また昔に比べますと大変内容の膨大な歳出あるいはこれに見合う歳入というものが、毎年度いろいろな改正を伴って計上されるというわけでございます。私どもとしては、そういったものを地方財政計画という形でまとめまして地方団体にこれを連絡するということは、やはり必要であろうと考えております。もとより、地方団体がそれに基づいて予算をどのように計上するかということは、最終的には地方団体が決めることでございますが、私どもとしてそれについて全く連絡をしないというわけにはまいらない立場にあろうかと思います。 もちろん、そういった制度改正に関する法案というものは、国会の御議決を待って初めて効力を発するものでございますから、私どもとしては従来より、そういう法案が成立した場合には初めて正式の通達により、地方団体に対し、こういう法案が成立したのでこれに基づいて予算を計上して財政運営に遺憾なきを期してほしいということを言うわけでございます。また今回の場合にも、ただいま御審議中の法案を御議決を賜りましたならば、そのような形でまた正式に地方団体に通知をいたしたいと思います。 ただ、それに先立って、こういうことを政府が決定し、国会に提案をするということについては、地方団体としてもそういった状況をやはり知り得る必要があろうかと思いますので、そういった形での地方団体への連絡は今後ともやっていかなければならない性格のものだ、このように考えておるところでございます。
○小谷委員 だから自治省として地方自治体を、地方財政計画を指導する面から見て当然かもわかりませんけれども、むしろそのことが混乱を招く原因になるようなものは考えるべきじゃないですか。だから、いろいろ考えて、非常に難しいかもわかりませんが、要するに今までの考え方で、まだ成案になったものでもない、まだ閣議決定もされてないようなものをぽんぽん財政計画で、これに基づいて予算を組めと言わんばかりの指導をされたのでは、地方自治体は今後も混乱を起こすことがあるんじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
○矢野政府委員 実態的には大変難しい問題でもあろうかと思います。と申しますのは、政府として決定したものを地方団体に知らせるということは、私ども必要だと思います。しかし、それが本当に効力を発するのは、やはり国会の御議決をいただいてからでございますので、それまで黙っていて、その後こういうぐあいになったと言ってやるというだけでは、現在の複雑な行財政の執行のもとでは、地方団体としてもやはりかえって不安だと思います。 ただ、今回の場合にも私どももそういう点は十分実は感じたわけでございますけれども、非常に激しい論議の対象になるということが考えられるもの、こういったものについては、そういうことは十分ひとつ考えながら地方団体によってそれぞれ決定をしてほしいという点には、これは留意をしてまいる必要はあろうかと私どもも思います。ただ、全く何も言わぬというのは、むしろ自治省としての責任を放棄するということになろうかと思いますので一その点は御理解を賜りたいと存じます。
○小谷委員 先ほど財政局長から説明がありましたように、今回の補正で三百九十二億、差し引き財源不足ということのようでございますが、その補てん財源はどうしますか。
○矢野政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、地方税関係につきましては減収の大きなものとしてはもちろん売上譲与税、それから逆に当初減と見込んでおったものが復元したもので大きなものは個人住民税ということでございますが、結果的にその他の要因も含めまして三百九十三億という金額の減収が生じてきたわけでございます。これは税の減収でございまして、もちろん交付団体、不交付団体両者を通じてあるものでございます。また、金額的に三百九十二億ということでございますし、それ以外に何らかのこの三百九十三億を新たに埋める税源確保という案も直ちには考えられないという点から、この三百九十三億につきましては、当初の減税が若干先行したことによる財源不足額の補てんと同様に、財源対策債で措置をするということにいたしております。
○小谷委員 財源対策債でこれを賄うというお考えのようでございますが、これは金額の云々にかかわらず、また地方負担の先送りということになるわけであります。また、地方自治体の財政の健全化は極めて重要な問題であり、これは各自治体とも首長また議会ともどもみんな努力を重ねながら努めておるところであるわけであります。この公債費の負担率の問題が地方財政の健全化については大きな問題になるわけでありますけれども、まずここ十年間でこの負担率がどの程度になっているのか、負担率がどのように変動しているのか、この点ちょっと御説明いただきたいと思うのです。
○矢野政府委員 いわゆる公債費負担比率、これは地方団体の公債費の負担の状況をあらわす場合に最も一般的に使う概念でございまして、端的に申しますと、一般財源の中に占める公債費の割合ということでございます。この負担比率の推移でございますが、昭和四十九年当時におきましては一般財源に占める公債費負担の割合が五・二%程度でございました。その後この率は累増してまいりまして、昭和五十五年度では一〇・七%、一番最近の昭和六十年度におきましては一四・三%、これは都道府県、市町村全体を平均した姿でございます。そういう意味では、公債費負担比率は逐次累増しておるという傾向を明らかに示しておるところでございます。
○小谷委員 自治省として、負担率がどの程度までならまずまずということで許されるものか、どう考えられますか。
○矢野政府委員 ただいま申し上げました公債費負担比率以外に、いわゆる起債の制限比率という最も厳格な意味のものがございます。これは公債費の中で特定財源の伴うものとか交付税上措置のあるもの、こういったものを全部除いて計算するものでございますが、この起債制限比率の場合には二〇%以上になりますと起債、地方債の発行そのものが一部について制限をされるということになっておるわけでございます。これは最も厳格な意味でございますが、先ほど来申し上げました公債費負担比率で考えてみますと、いろいろな状況から判断いたしまして、この比率がやはり二〇%以上ということになると、公債費負担の財政に与える影響が相当重くなっていると判断をしているわけでございます。これがさらに上がってまいりますと、恐らく起債制限比率の方も二〇%になってくるというようなことが考えられるわけでございます。その場合には起債が制限されるわけでございますから、もちろん財政運営上極めて重大なことになるわけでございます。そういう意味では公債費負担比率の段階で二〇%というのが一つの赤信号だ、こういうぐあいに考えております。
○小谷委員 先ほど大臣も地方自治体はますます順調に発展をしておるということでございますが、少なくとも公債費負担率から見れば四十九年から倍々ゲームのようにふえてきておるわけですし、それだけ地方財政は硬直化してきたということで、地方自治体独自の地方自治にまつわる事業がそれだけ硬直化してきて動きがとれなくなりつつあるということでございます。 そこで、自治省の資料によりますと、この負担率がかなり地方財政に深刻な状態になりつつある。六十年度決算を見ると、公債費負担率は全体の平均が一四・三%、今報告のあったとおりであります。危険信号と言われる二〇%を超える団体が千三十六、全体の三一%、これは大変なことじゃありませんか。また、負担率が三〇%以上、危険率の度合いを超したのは百六団体、全体の一四%近く、こういうふうな状況で、私は順調、健全に地方財政は発展しておると言えるかどうか疑問を持つわけであります。 また、このような状況になってきたのは、昭和五十年以降に財源不足をすべて地方債の増発で賄ってきた、国の財源不足といいますか、これをことごとく地方に転嫁してきた、それを起債で補てんをして先送りしてきた、このような安易な考え方の積み重ねが今日のもはや限界に来たといってもいいような状況になったのではないかと思うわけですが、矢野さんどうですか。
○矢野政府委員 確かに御指摘のように、今日公債費負担比率が上がってまいりました。というのは、昭和五十年代に入ってから財源不足を賄うための地方債、あるいは当時においても景気刺激のための公共事業の増加といったものに対して地方債が多く使われてまいりました。また、最近におきましても内需拡大等のために地方債を当面の財源として使う場合がしきりにあるわけでございます。確かに平均的には一四三%程度ではないのかと言われるのですが、地方財政はあくまでもこれは個別の団体の財政の集まりでございますから、決してこの平均で見てもらってはいけない。この平均の姿で例えば国家財政と比較して、地方財政はまだまだ低いと言われるのはもってのほかであるということから、最近では特にそういった個別の団体についてどうなっておるかということに強い関心を持たざるを得なくなったわけでございます。 もとより、全体としてもこれ以上起債の増発を安易に行っていくということになりますと、この比率はますます高まってまいります。そういう意味からも、今回の追加公共事業の財源措置に際しましては、従来ならば全部起債ということでありましたけれども、もうそうはいかぬ状況になってきたということから、どうしても一般財源の措置を必要とするということで、御提案申し上げておるような措置をとっておるわけでございます。やはり必要なことは、全体としての一般財源の増加を図ると同時に、もう一つ、この中身を見てみますと、比較的規模の小さい団体から公債費負担比率が上がってまいります。ですから、その辺はよく考えていかなければならない。そういう意味で、そういう団体において公債費負担比率が上がってまいりますと、内需拡大のための仕事に起債の発行もできなくなってしまう、そういうことから、そういう個別の団体に対する指導なり支援措置、あるいは地方交付税等を通じての財源の均てん化、こういった点を特に考えていかなければならない、こういうつもりで地方財政のこの問題を考えておるところでございます。
○小谷委員 大臣、私は与野党という立場ではなくして、立法府の一員として、また地行の委員として、今こそ地方の自主財源の確保、さらに交付税率の引き上げ等々抜本的な改革を早急に行わなければならないのではないか、このように思うわけですけれども、大臣いかがですか。
○葉梨国務大臣 地方の自主財源の確保あるいは充実という点につきましては、先生と全く同感でございます。 地方団体の基幹財源の一つでございます地方交付税について申し上げますと、現在特別会計におきましては六兆一千億円もの借入金残高を抱えております一方、国税三税の三二%という法定率で計算しました額では不足するために、毎年度のように特別措置を講じ、必要な額を確保しているところでございます。その意味では、現行の三二%が十分とは言えないということは言えると思いますけれども、一方、国の財政も大変厳しい状況にございますので、交付税率を引き上げてもらいたいと思いましても、なかなかそれも不可能ではないかと思う次第でございます。 そういう意味におきましては、今後地方財政の厳しい状況を踏まえて、税制改正であるとか国、地方の役割分担と費用負担のあり方につきまして検討を進めていく必要があろうかと思いますし、事務配分に対応いたしまして国、地方間の適正な税財源の配分が行われるよう、先生の御指摘の点も含めて検討を進めていきたいと思う次第でございます。
○小谷委員 補助率の引き下げのことについてちょっとお尋ねしておきます。 昭和五十九年、六十年、続いて六十一年三年間の暫定措置として補助金が削減され、以後補助金は削減しない、このような約束のもとにきたわけでございますが、六十二年度も再び削減された、約束はほごになった、こういう経緯がございます。このような補助金の削減は、地方財政を圧迫するだけではなくして地方の自主性を損なうものであり、地方六団体からも何とか削減をしないようにという陳情も自治省にもかなり出ておると思うわけであります。ところが、先般六十二年度の予算の概算要求基準が示されたわけでありますが、経常経費のマイナスシーリングのもとで補助率の引き下げが行われるかのごとき報道がありました。自治大臣、この補助率引き下げについては六十三年度はどのようにお考えになっておりますか。
○葉梨国務大臣 昭和六十一年度に引き続きまして昭和六十二年度も国庫補助負担率の引き下げが行われたわけでございますが、これは内需の拡大を図るために、公共事業について緊急避難的に行われたものであると理解しております。引き下げに際しましては、地方債あるいは地方交付税によりまして地方財政に実質的な負担増が生じないよう補てん措置を講じているところでございます。これまで行われました国庫補助負担率の引き下げは昭和六十二年度までの暫定措置とされているところでございますので、自治省といたしましては、各省に対しまして、その上にさらに補助負担率の引き下げを行うようなことがないよう強く申し入れているところでございます。そのようなことはなさるべきではないと考えている次第でございます。
○小谷委員 過日の新聞報道によりますと、宮澤大蔵大臣は、国の補助金や負担金の引き下げ問題について約束があるので約束違反はできない、しかし新しい合意ができるものがあるかどうか年末まで検討したい、このような宮澤大蔵大臣の記者会見での内容が報道されておりますけれども、今までのことは今までのこととして置いておいて、新たな補助金の削減に類するもの、この合意ができれば導入していきたい、このような考え方ではなかろうかと思われるような発言でありますが、この件について大臣どうですか。
○葉梨国務大臣 ただいまの国庫補助負担率の引き下げ措置でございますが、昭和六十三年度までの暫定措置である旨を大蔵、自治両大臣で覚書を取り交わしているところでございます。覚書によります約束は当然守られるべきであると考えておりますし、来年度において大蔵省からさらに補助負担率の引き下げを行うような提案はあり得ないものであると考えている次第でございます。
○小谷委員 今までずっと地方に責務と負担をすべてかけてきたという経緯から見て、何が出るかわからぬという点で非常に危惧があるわけでありますが、大臣、今後はこれ以上地方自治体に、たとえ交付税で補うといえどもこれは地方の財源でありますから、先送りであって要するにローンと同じじゃないですか。したがって、ここらで本当に地方自治を発展させ守っていく大臣という立場で、思い切って決意を新たに臨んでもらわなければ地方自治体はたまったものではない、このように思うわけであります。この点について大臣の決意をお聞きをして質問を終わりたいと思います。
○葉梨国務大臣 ただいま地方自治体を思うお気持。ちからの激励を含めてのお言葉を賜りまして、大変ありがたく拝聴いたしました。私の物の言い方が大変やわらかいものですから、くにゃくにゃしていると思われるかもしれませんが、やわらかい物の言い方ではあるかもしれませんが、自治省としてはそのような考え方で対応したいということを御理解いただきたいと思います。
○小谷委員 では質問を終わります。
○石橋委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 大蔵省からわざわざお越しいただいておりますので、大蔵省に対する質問が五つありますから、最初にまとめて質問申し上げたいと思います。 さて、今私どもはマル優制度廃止の問題をめぐってけんけんがくがくの論争をやっておるわけでありますが、どうもようわからぬことがあるのです。ようわからぬことをごちゃごちゃいじるのに、例えがおかしいかもわかりませんが、例えば群盲象をなでる、いろいろな話が出てくる、正体がわからぬ、これじゃ論議になりませんので、軽くお答えを質問の冒頭に答えていただきたい。 いずれも数字的なことでありますが、非課税貯蓄が二百八十七兆円ほどあるということを承っておりますが、間違いありませんか。
○野村説明員 お尋ねのとおり、現在非課税貯蓄残高としてございますのは二百八十七兆円でございます。
○岡田(正)委員 続いてお尋ねいたします。 その二百八十七兆円というのは我々も聞いておるのでありますが、それは郵便局、銀行、国債、財形、いろいろな方面にわたって御調査なさって把握された数字であろうと思います。 そこで、それぞれに何口、何兆円ずつあるのか、何口というのは通帳のことでありますが、これがさっぱりわからぬので教えていただきたいと思います。
○野村説明員 個々の件数はなんでございますが、全体といたしまして持っております少額貯蓄の件数につきましては、一億五千六百三十万件となっております。そのほかに公債あるいは財形貯蓄それぞれあるわけでございます。ちなみに少額公債の件数を申し上げますと七百十八万件、財形貯蓄につきましては千七百十二万件でございます。
○岡田(正)委員 私ども、五億口あるんだとか六億口あるんだ、国民一人当たりについて五つぐらいはあるんだろうということをよく聞きますよね、週刊誌なんかにも書いてあるのでありますが。今お話しになった一億五千六百万件というのは、非課税貯蓄残高二百八十七兆円が一億五千六百三十万件あり、別口で少額公債が七百十八万件、財形貯蓄が千七百十二万件ございますという意味なのでしょうか。
○野村説明員 ただいま申しましたのは少額貯蓄非課税の申告が行われているものの件数、申告書数でございまして、預貯金の口座数といった観点から申し上げますと、通常貯金が六千六百四十二万口座、定額貯金が三億四千四百七十四万口座、その他一千二百五十五万口座、合計いたしまして四億二千三百七十一万口座でございます。
○岡田(正)委員 よくわかりました。 さて次の問題であります。よく不正利用されておる、不正利用が多いのでけしからぬということを聞くのでありますが、不正利用のそれぞれが何口で何兆円ぐらいあるのでありましょうか。
○野村説明員 ただいま個々の件数は持ち合わせがございませんけれども、いわゆる金融機関等に対しますマル優の調査を私どもは行っているわけでございます。六十年度の事務年度で見ました場合、調査、指導いたしました件数が四千七百八十二件、接触割合としては約一〇%強でございます。
○岡田(正)委員 六十年度に四千七百八十二件、約一〇%の調査をいたしたということでありますから、不正利用の件数はこれを一〇〇%にしてもらえばいいんだという意味なのでしょうか。それで、金額はどのくらいと見ていらっしゃるのでしょうか。
○野村説明員 期間は六十年の七月から六十一年の六月という一年間でございますけれども、四百二十一億円を追徴しております。
○岡田(正)委員 四百二十一億円を追徴したということでありますが、私どもの方で聞きたいことは、不正利用は一体何口でどのくらいあるものか、これは国民が聞きたいところですよね。非課税貯蓄残高が二百八十七兆円ということまでお調べになっておるわけですから、不正利用がどのくらいあるかということのおよその見当はついておるのじゃないのですか。
○野村説明員 ただいま申しましたように、私どもが直接調査をいたし、あるいは指導したりしております件数は、先ほど申しましたような件数でございます。その実態がどういうふうになっているかという話は、まさに私どもの調査が必ずしも行き届いてない点でございます。ただ、指摘をしたい点は、現在非課税貯蓄制度といったものの適用を受けているもの、実はこれが個人貯蓄の七割以上になるわけでございます。金額にいたしまして十五兆九千億。こういった中にどの程度不正利用があるかということについては、私どもの調査の及ぶ範囲内のことしかわからないわけでございます。
○岡田(正)委員 私は頭が悪いのでしょうか、あなたの頭がよ過ぎるのか、どうもちょっとよくわからぬのです。くどいようでありますがもう一遍。非課税貯蓄残高は二百八十七兆円あります、これは調べました、その申告口数も全部調べましたということは承りました。そこで、木正利用は幾らあるのかと聞いたら、ほんのちょっと調査をしただけであって実態はわからぬ、こういうことでありました。だから実態はわからぬということで受け取っていいですね。
○野村説明員 不正の利用の形態と申しますのは、例えば名前を家族あるいは親戚とかいろいろな他人名義を借りるいわゆる借名というもの、あるいは全く架空の名前を立てまして架空名義の預金をつくる、こういったものもあるわけでございます。それがまさに非課税貯蓄の適用を受けた預金総額といたしまして十五兆あるわけでございます。したがいまして、その実態が個々にどのようになっているかということについては、これは膨大なもので事務的にも大変な作業でございまして、なかなか実態を把握し切れないというのが私どもの今の実態でございます。
○岡田(正)委員 先ほどの十五兆九千億というのは申告をしたものの総額でありますか。十五兆九千億円というのは二百八十七兆円の残高というものに対比してどういうふうに理解したらいいのですか。
○野村説明員 十五兆九千億と申しますのは、まさにその利子額でございます。その点お含みおき願いたいと思いますが、そういったことから御推認いただければと思うわけでございます。
○岡田(正)委員 わかりました。 次に、マル優の枠を高いっぱい使い切った人というのは、何口ぐらいで何兆円ぐらいになるのですか。非課税貯蓄の中に入っておるのでしょう。
○野村説明員 ただいま申しましたように、非常に膨大な数でございまして、実態は必ずしも把握しておらないのが実情でございます。
○岡田(正)委員 いま一つお尋ねしますが、三五%の分離課税という制度が今ございますね。これを実際に利用なさっていらっしゃる人はどのくらいで、三五%の分離課税でどのくらい税収があるのでありますか。
○野村説明員 源泉分離を適用されたものの利払い総額は一兆五千億円になります。
○岡田(正)委員 何人がわかりませんね。
○野村説明員 金額でおさえておりますので、件数はちょっと手元にはございません。
○岡田(正)委員 そうすると今のお答えは、もし間違っておったら後で答えてくださいよ。総額でお答えしましたということです。やはり頭のいい人の答弁というのは違いますね。一兆五千億円を割ることの四千五百、これは世帯人数が違うけれども、四人世帯とするならば四、九、三十六、四人世帯なら三千六百万円。ですから、世帯数が知りたいなら三千六百万円で割りなさいよ、そうしたら何世帯かということが出てきますというふうに受け取って次に参りたいと思います。間違っておったら後で言ってくださいよ。 それから次に、マル優を廃止して一律課税をするというのが今度の提案であります。そこで、六十二年度は現在の原案では一月から、こうなっておるのでありますが、これで六十二年度は一体どのくらい入るのか、それから平年度収入は一体幾ら見ておるのか、その平年度収入が一〇〇%の金額、いわゆる予定金額でありますが、一〇〇%の予定金額に到達するのには、我々は六、七年かかるというふうに見ておりますけれども、そのとおりであるかということについてお答えください。
○野村説明員 初年度につきましては十月一日施行でございますので四百五十億、これが平年度ベースになりますと九千五百七十億、このような数字になっております。——失礼いたしました、一月一日でございます。
○岡田(正)委員 一月一日から課税をしたとして六十二年は四百五十億円の収入の予定、平年度収入は九千五百七十億円の予定ということでありますが、これは一年定期もあれば二年定期もあるし、いろいろある。それに対する利子についての二〇%の課税ですから、ぐるぐる回り歩きますので、高いっぱい、予定額を一〇〇%取る時期というのは、六年後か七年後かということはお答えがありませんでしたが、いかがでしょうか。
○野村説明員 先ほど申しました数字は実は十月一日を前提に考えておりますので、一月一日を前提にしたものについては現在精査中でございまして、数字を手持ち持っておりません。恐縮でございます。
○岡田(正)委員 そうすると、先ほど十月一日からというお答えがあって、また一月一日という訂正があって、また今度十月一日に変わりましたね。それで、間違っておったら後で教えてください。何年たったら平年度いっぱいになるかということはわからぬ、お答えがないのですからわからぬ、こういうふうに私の方は受け取らせていただきます。 かくのごとく、私が今五つの問題について、マル優はどないなっておるんやということを聞かれても正体がわからぬというので、正体を調べてみると一あなたが答える。すばらしい、どうぞ。
○津田政府委員 通常国会に出したとき私どもなりに計算をしたのですが、六十九年度に平年度化する、こういう計算になっておりました。今回いろいろまた手直ししておりますので若干変わってくるかと思いますが、そういうような見当で御理解いただければと思います。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。だから六、七年というのは約七年ですね、それで一〇〇%が取れるようになる、こういうことでありまして、今ずっと五つほどの問題について、わからぬこと、理解のできないことをお尋ねした。マル優問題を論議するときには、この基本的な数字がわかってないとさっぱり論議が進みません。それでお尋ねしたのであります。 まあ私の方は意地悪で申し上げたのではなくて、ずっと質疑応答を聞いておりまして、まことに隔靴掻痒の感があるという気持ちがいたしましたので、今お尋ねした五つの問題は質問通告しておりませんので、大蔵省の方には大変御迷惑をおかけしたと思いますが、かくのごとく専門家の税制第三課長、もうこれで飯を食っていらっしゃる方でも余りよくわかってないというのですから、ましてや我々がよくわからぬのは当たり前、国民がさっぱりわからぬというのが本当だと思うのであります。そういう問題をつかまえてこれから大蔵省の見解を尋ねてまいりたいと思います。 まずお尋ねをいたしたい第一点は、このマル優制度の廃止というのは老後の生活設計等を崩すものでありまして、むしろこの際、限度額管理を徹底する適正化措置の強化を行うことによってこの制度を残すべきではないでありましょうか。それが一つ。 また、一律二〇%の分離課税は、従来の利子所得などの総合課税制度に逆行いたしまして、金持ち優遇の批判は免れないと思いますし、新たな不公平を生ずることになると考えますが、いかがでございますか。
○野村説明員 ただいま御指摘がございました限度管理を徹底するという御指摘でございますが、現行の非課税貯蓄制度を前提にした一つの議論であるわけでございます。私どもがここで問題にしておりますのは、現在の非課税貯蓄制度そのものが持っておりますいろいろな問題を議論をしてきているわけでございます。 まず一つは、先ほど申しましたように、個人貯蓄の実に七割以上が非課税貯蓄制度を適用されておる。そして先ほど申しました十五兆九千億、こういった巨額の利子が課税ベースそのものから外れているということを問題にしているわけでございます。したがいまして、給与所得とか事業所得、法人所得、こういったものとの間の税の負担の不公平が現に起こってきているわけでございます。 また、高額所得者につきましてはマル優等の枠を限度いっぱい使っている、例えば夫婦二人あるいは子供、いろいろ使ってきて、事実上課税を免れている、こういった現象もあるわけでございますが、平均的な所得者は必ずしも枠を使い切ってはいない。そういった意味で高額所得者ほど逆に受益をしている。また、先ほど話がございました不正利用というのも多々見られるわけでございます。 また、目を転じまして我が国の置かれている立場、こういったところを考えてみた場合に、経済復興の時期とは異なりまして、世界一の資本輸出国といった状況になっている今日におきましては、貯蓄奨励といった目的で一律的に政策的な配慮を加える必要があるかどうか、このことについては海外からもいろいろと批判も寄せられていることでございます。こういったような諸事情を考慮いたしまして、実質的な公平を確保することを目的といたしまして、今回このような御提案をしているわけでございます。 なお、第二点としてお尋ねがございました金持ち優遇ではないかという話につきましても、先ほどちょっと触れましたように、実際の高額所得者につきましては限度いっぱい使っておる。そしてまた、さらには先ほど御指摘のございました割引債、こういったものも使っているわけでございます。そういうようなこともございまして、一律分離課税への移行はむしろ高額所得者に実質的な負担増を求めることにもなるわけでございまして、実質的な公平を一層進めるものである、こういう認識を持っているわけでございます。 以上でございます。
○岡田(正)委員 よくわかりました。 そこで、今の個人貯蓄の七割が非課税になっておる、それでその利子が十五兆九千億である、これは非常に問題である、金額も大きい、こういうことをおっしゃいました。それで、この個人貯蓄の七割が非課税であるということは調査済みなんですね。だから何口で何兆円あるんですかと聞いたら答えられないはずはないと思いますが、今手持ちの資料がないとおっしゃるならそういうふうにおっしゃって、後で届けてください。 そこで、高額所得者の人はそれに引きかえて高いっぱい使っていらっしゃいますよということをおっしゃいました。それを知りたいのです。そういう人が何口あるのですか、どのくらいの金額ですかと聞いたが、わかりませんでした。それも今手持ちがないんだから、後で答えますというなら資料をお送りください。 こういうふうにわからぬことを前提にして今言っているわけでありますが、今日本は世界でも一、二を争う国になった、むしろ消費を奨励して内需の振興に役立たせるようにしなければならぬ、今や貯蓄を奨励する時代ではない、こういうふうに言い切っていらっしゃるのでありますが、私たちの認識からいたしますと、これも総務庁が発表なさった数字でございますが間違っておったら言ってくださいよ。 総務庁は、昭和六十一年度の貯蓄動向調査報告書を出しております。それによりますと、勤労者の世帯の平均貯蓄額は七百三十三万円でありました。その内訳は、生命保険が百八十二万、有価証券が百三十九万、定期預金が三百二十七万、普通預金が五十万、社内預金その他で三十四万、締めて七百三十三万円。ただし負債の残高がありまして、それは世帯平均で出すと二百六十五万円にも上る。そのうち住宅や土地の関係の借金というのが二百四十七万円を占めております。しかも、全世帯の三分の二がこの貯蓄額の平均以下でありまして、五分の一の世帯は貯蓄よりも負債の方が多いのであります。こういう報告が出ておるのであります。 ですから、先ほど来から御質問がいろいろありました中で、皆さんがおっしゃっておりますように、定額貯蓄をしておる皆さんの固まっておるところは、平均では三百二十七万の定期預金となっておりますが、大体百八十万円見当ではないか。一世帯当たり——一人じゃないですよ、一世帯当たりで百八十万円が筒いっぱいだろう、これがもうほとんどの世帯である。何でこんな平均の七百三十三万とぽんと上がってきておるのかといったら、それは中にはもうたくさん筒いっぱいやっている人がある。そういう人たちがあるかと思えば、全然預金のない人もある。だから、平均をしていくと七百三十三万になるのでありまして、この平均の貯蓄高七百三十三万は非常に高い数字を示しておる。したがって、その内訳の定期預金の三百二十七万も非常に高い水準を示しておるのであって、勤労者世帯の実態は定額預金は百八十万円見当であろう、これがほとんどだ、こういうふうに言われておるのであります。 そこで、これは私の一つの考え方でございますが、今三千八百万世帯くらいあると思います。それにこの高過ぎる今の平均の三百二十七万の定期預金を掛けてみたら百二十四兆円くらいを占めることになると思います。百二十四兆円、これは筒いっぱいにも何にもならぬ。一世帯で三百二十七万、しかもその数字は百八十万という実態よりは高い数字です。その数字でやっても百二十四兆円。しかも、非課税貯蓄残高の二百八十七兆円の半分にもならない。したがいまして、二百八十七兆円から百二十四兆円を引きました百六十三兆円ぐらいのものが三五%の源泉分離課税をかけることに値する金ではないのかというふうに理解をするのであります。 そうすると、今はちょっと利子が低いのですが、五%の利子といたしまして、それに対する三五%の分離課税となれば、貯蓄総額に対して一・七五%を掛ければ税収が出てまいりますから、百六十三兆円に対する一・七五%といえば優に二兆八千五百億円の税収が上がるはずである。だから、限度管理さえびしっとすれば現行制度で約三兆円近くの税収が上がってくるはずである。それをやろうとしないのは当局の怠慢と言われても仕方がないのではないかと私は乱暴な言い方をするのでありますが、いかがでございますか、
○野村説明員 ただいまいろいろ御指摘がございました。まさに利子所得というのは、今いろいろな計数が話題になっているわけでございますけれども、非常に大きいものでございます。大量なものでございまして、また、その内容たるものは非常に多数の金融商品という形であります。また、資金自体も割と転々流通する、いわゆる浮動性があると私ども言っておりますけれども、そういった意味で非常に利子所得というものは特異性がございます。 したがいまして、こういうところのものを限度管理をして的確な執行を図るということになりますれば、例えば納税者番号といったようなものをもってしなければなかなか的確な把握ができないと思うわけでございます。しかし、そのような制度を運用するとした場合には、納税者あるいは金融機関、郵便局、国、地方、税務当局にとりまして相当の事務負担というものも当然覚悟しなければいけませんし、現在の納税環境、税務執行体制を考慮した場合には、なかなか現実的な対応は即座には難しいのではないか、これは先生非常に御承知のとおりかと思います。そういった実情にございますので、そういった限度管理がなかなか難しいという実態が一方にある、そういったものも踏まえて、私どもは先ほど申しましたような一つの提案をしているわけでございます。
○岡田(正)委員 よくわかります。よくわかりますが、国民総背番号制度、俗に言うグリーンカードというようなものを採用しないとなかなか把握が難しゅうございます、こういうことをおっしゃいます。そこで、把握が非常に易しくて、しかも的確に税収が上がる方法としては、マル優という制度を残して、マル優限定カードというものをそれぞれ発行すればいいと私どもは考えておるのであります。 それはどういう仕掛けかといいますと、例えば私がマル優制度を受けたい、認定を受けたいということになれば、私が住んでおる市町村役場に行きまして、現実に私がそこに住んでおるかどうかという確認をしてもらう。その確認してもらう役場に行って、あなたのマル優カードを、はい申請がありましたから出しますと言って私に対してマル優の限定カードを出してくれる。マル優にしか使えないものです。このカードがあるからといって車の運転はできません。そういう限定されたものであります。 そこで、それは本人が持っておるだけであります。役場から直接交付される。その持っておる者に対して、郵便局なら郵便局の欄、銀行は銀行の欄、国債は国債の欄それぞれが、例えば郵便局が、広島県の三原で入れて今度は北海道の郵便局で入れようと何をしようと、とにかくマル優扱いにしてくださいと言ったらそのカードを示さなければならない。それを示したら具体的にその郵便局で月日と金額を書き込む。それが三百万円になればもう書くところはないのですから、郵便局はどこへ行ったってもう受け付けてくれません。そうするとマル優カードが利用できないということになったら、それを超えた者は、いわゆる総合所得が嫌なら源泉分離課税を取ってもらう、本人が申告するのが嫌ならこれは分離課税にしてくださいと言う、この二つしかできない。銀行に行こうと郵便局に行こうとそういう仕掛けになるわけです。 そうなったら税収は三兆とは言わぬ膨大なものが入ってくると私は思います。それを実行しないから、もやもやしておるからだめなのであって、取り扱う金融機関にマル優カードを添付しなければ、見せなければ、確実に三五%の分離課税を求めますか、総合所得でいきますか、どっちにしますか。おれは分離課税にしてくれと言われたら、分離課税をその利子からぴしゃっぴしゃっと三五%取る。これは金融機関の責任ということにすれば、税務署のお役人をふやす必要も何にもない。 しかも今度は個人のプライバシー、中曽根総理の好きな言葉に、委員長、あんなものは、他人の懐に手を突っ込むようなことができますか、こう言って委員会でも本会議でも答えられました。とんでもない話であります。今のように市町村役場に行って本人だけしか持っていないマル優カードを発行してもらいましたならば、私マル優カードをもらいましたよと言って主人に見せる必要も何にもないわけです。奥さんが黙って一人で握っておればいいわけです。マル優カードをもらいたい人が直接役場へ行けばいいわけだ。主人が行きたいなら主人が行く、奥さんが行きたいなら奥さんが行く。本人でなければ交付しないという徹底した限度管理をやれば、個人のプライバシーが崩されることもないということになるわけでありまして、税務上も何にもコストはかかりませんし、税収だけはばっかばっかとあきれるほど入ってくるということになって、いっそのこと個人住民税はやめますかというようなことが大臣から提案なされるというようなことが出てきたらすばらしいんじゃないかと私は思うのです。 だから懸命にまじめに、我々国民というのは四つの不安がありまして、とにかく病気になったときにどうしようか。個人負担はありますよ、昔は工場健康保険なんかはただでした、今では一割負担になりました。家族が病気になったら三割負担がありますわ。どっちにしたところで病気になったらどうしようか。貯えがなくてどうするんですか。病気になったから貸してくださいといって銀行へ駆け込む人がおりますか。それはよほど高額になって貯金が足らなくなればしようがないですよ。だけれども当座間に合うだけの貯金というものは、人間である限り家庭を守ろうという本能がありますから、どっちにしたって御主人は知らぬでも奥さんが一生懸命貯蓄しますよ。それはわずかなものです。平均でいったら百八十万くらいしかない。そんなものではあるが、病気になったときの不安、子供が進学していったらどうしようかという不安、これは入学金も要る。そして試験代も要る。下宿料も要る。そういうことに金がかかるからというのでこつこつとためる。そして今度は住宅。人間だれでも一国一城のあるじになりたいものです。立派な家を持ちたい。この欲望には切りがない。だからそのときの足しに財形貯蓄にも走るわけです。 私も現実に家を十五年前に建てました。わずかな、三十坪を〇・二坪切れる家を建てました。それは住宅金融公庫の融資が三十坪を超えたらなかったからでありました。だから〇・二坪わざわざ切って二十九・八坪という半端な数字にしたのです。だから非常に住みにくいですね。もっと広い家を建てればよかったと思うのですが、もう手おくれです。それでその借金をいまだに払っております。それで、いわゆる住宅ローンなんかをお払いする場合でも、ローンを払うということよりも前に、どんがらだけは建ったが、どこへ机を置いてどこをどういうふうにしようかということを考えていくときに、一番先に目がつくのはカーテンをどうするか、電気の器具をどうするかということですよ。だからシャンデリアが、シャンデリアというのは幾つも球があるようなのを言うのでありますが、皆さんの方が専門でしょうが、とにかく電気の物品税がかかる。球が三つ以下であれば物品税がかからぬ。だから四つのシャンデリアは物品税がかかるからやめたというので私の家も球は三つです。これは渋いものですよ。カーテンなんかに至っても、どのカーテンにするか。やはりカーテン一枚じゃなくてレースくらい欲しいですね。これはレースがついているのかな。レースがないと何か殺風景でしょう。こういうふうに潤いのある住宅といったらレースも置きたい、そして厚いカーテンも置きたい。ところが値段がいろいろあります。恥ずかしい話だが一番安い分へ行くわね。そうしたら大体三年たったら黄色くなって引っ張ったらばさっと切れますよ。結局これは貧乏人の銭失いですな。こういうことがある。 これは現実に私の経験ですよ。まだ十五年前の話です。そんなふうにして何百万、その当時は何百万でありますが、何百万という家を建てるときでも、たった一万円か五千円のカーテンでさえ何とかして縮められぬかと苦労するのであります。そしてもともとの大きい金額はローンで払っていくわけです。そうやってみんな苦労しておるのでありますから、住宅を建てたときにどうするかという不安がありますからそれもためていく。 さて人生の御用事が済んで、もうあんた会社で用事ないよ、ここからどこへ行っても使ってくれないよということになって、晴耕雨読といういい言葉があるのですけれども、実際には畳の上でごろ寝するしかないという老後を今後送ろうとするときに一体何歳まで生きるか、これはだれもわからぬですね。易者に聞いてもわかりません。私は八十三歳まで生きると易者が言ったが、あんな細かい数字を言うやつはうそに決まっている。そうなるといつまで生きるかわからぬのに金がどのくらいないといかぬかということは計算しますよ。これは厚生省か労働省だったか、老後の生活資金を調査して発表しておりましたね。大体六十歳から後、平均余命を生きていくのには約二千六百万円の金が必要である。それだけの貯金をしていないと途中でアウトだよ。アウトだよということは何かといったら、生きて座っておるけれども食べるものがないということなんです。これは死ねということなんです。そうすると首をつる以外にはない、こうなりますから、そうなっちゃ大変だから老後のためにとためるわけですよ。政府でさえ、六十歳以降平均寿今まで高いっぱい生きていくためには二千六百万要ると言っているじゃないですか。 要るのに、貯金は平均しましたら百八十万ほどしかないのですよ。それだけのみみっちい、本当にこそこそしたささやかな貯蓄に対して、日本は今GNPが世界第二位だ、第一位だ、だからこそ今消費の時代だと言って、せっかく昭和三十八年以来続いてきた我が国が誇るべきマル優制度というものを、減税の財源として、恒久財源としてこれをつぶすのだというので、まあ消費に使うのですわ、国際世論にも合うようにするのですわ、それは文句はいろいろあります。これは何ぼでも理屈はつけられる。うちの春日一幸ではありませんが、理屈は貨車で後からやってくるというくらい、理屈は何ぼでもつけられるのです。そういう現実に生きている人間たちに失望を与えるようなことはさせぬ方がいい。だから、今度のマル優の廃止なんかでも私はやるべきではないと思いますね。 しかも、今聞いてみたら、何ですかこれは。減税をやるためには恒久財源が要ります、こういうことを言いながら、恒久財源そのものは十月一日から施行しても四百五十億しか入ってこないというのでしょう。平年度で幾ら入るのだと言ったら、これが何兆円も入るんじゃない、九千五百七十億しか入らぬ、こういうのでしょう。これじゃ地方税だけを賄うので筒いっぱいじゃないですか。地方税の減税はことしはないからまあいいですよ。だから来年の話になりますが、地方税の減税があるとしたら、その地方税の減税だけでも大体五千億ぐらいいくわけでしょう。そうしたら多少のおつりが出るわね。仮定の話で、多少おつりが出るが、それで余ったやつを所得税の減税の方へ持っていったって、本当にササに露が降ったようなものだね。ということになると、私ら人間が悪いのか知らぬが、また死んだはずの幽霊が、ちょうど盆過ぎですわな、盆灯籠の火がともるころですわ、ゆらゆらゆらと墓場から出てくるのと違うのか。それが出てこぬと、これは算用が合わぬようになる。というようなことを考えてみますと、本当に情けない気がするのでございます。 この問題を、今課長さんはこれ以上突っ込んだお答えというのはなかなか難しいし、質問するのが酷だと思いますから、次の問題に移らせていただきます。 国民が税制改革において最も期待しておるというのは、税負担の不公平を是正してください、これが我々国民の願いですよ。その願いからいいましたら、今所得があったらそこに税金をかけるのは当たり前、所得のあるところ課税あり、これも小さいときからよく聞いて知っております。だからそれならば、キャピタルゲイン等のそういうあらゆるその他の所得に対してなぜ課税をしないのだろうか。大体自治省の本来の考え方あるいは大蔵省の考え方というものは、総合課税を求めていくというのが基本ではなかったのでしょうか。だから、マル優廃止をして一律二〇%の分離課税というようなことは、今までの分離課税三五%の適用を受けておった人とも比べて、私は公平の原則に非常に反するやり方ではないかと思うのでありますが、いかがでございますか。
○野村説明員 ただいまいろいろ御指摘がございましたけれども、今回の税制改正で、今おっしゃいました資産関係につきましても私どもはいろいろ意を払っているところでございます。公平、公正という抜本的見直しの本来の理念というものを踏まえまして利子課税を行うことはもちろんでございますが、あわせて、例えば有価証券の譲渡益についても思い切った課税ベースの拡大こういったことにも意を払っているわけでございます。 また、土地の譲渡益につきましても、既に御存じのとおり、超短期の所有土地などに対しますところの重課あるいは個人の事業資産の買いかえ特例の縮減、そういったものについても一層の適正化を図る、こういうことでいろいろやってきておるわけでございます。また、有価証券取引税についてもあわせて見直しをやっておる、こういうふうなことでございます。 また一つ、有価証券のいわゆる譲渡益、キャピタルゲインという話でございますけれども、これについても実はいろいろ税調等で検討されてきておるわけでございますけれども、譲渡損の扱いとかあるいはいろいろな取引の実態把握、資料収集、こういったものは事務的に非常に難しいといった側面もあることについて御理解をいただければと思うわけでございます。 以上でございます。
○岡田(正)委員 今の答弁は、私本当に気に入らぬのですよ。後ろからの御声援に悪乗りをするわけじゃございませんけれども、とにかく今の答弁なんかをずっとだんだん聞いておると、理屈はいろいろつけられるが、要するに、つづめてみたら取りやすいところから取っちゃうという考えにしか政府は至っていない。私はこれがいかぬと言うのです。そういう考え方が国民にとったらまことに迷惑千万と言いたいのであります。 時間がもうあと七分しかないそうですから次の質問に入らしていただきますが、非課税貯蓄制度を架空名義を使って不正利用しておる預貯金は全体の一割近くに上るといううわさもありますが、そうなのでありましょうか。しかも、これらの利用者は一部の富裕者である、いわゆる富んでおる人であると思われますが、いかがでございますか。そうではない、会社なんかがやっているんだなんというような新しい答弁が出るのも決して拒否いたしません。 わずか一割ほどのこれらの不正利用者のために、しかし金目はごっつい、その金目はごっつい不正利用者のために、先ほど私が申し上げたような老後の問題、子供の教育あるいはその他の問題について額に汗をして一生懸命ためてきた勤労者のささやかな、本当にささやかな、一人じゃないですよ、一世帯平均わずか百八十万に満たないようなこういう貯蓄に課税をするということは、まことに不公平きわまることではないのでしょうか。その点についてもう一度確たる御返事をお願いします。
○野村説明員 ただいまいろいろまた数字を挙げて御指摘ございましたけれども、先ほど申しましたように六十事務年度で実は四百二十一億円の追徴税額があるというふうに申しました。これに見合う元本が一体どのくらいあるか、こういうことについては計数的には把握していないのが実情でございます。 なお、今いろいろ限度管理の強化とか先生から懇切丁寧な御提案をいただいたわけでございますけれども、冒頭申しましたように、やはり現在の非課税制度そのものが持つところの税制上の問題点といったものが一方であるわけでございます。海外からの批判もある、こういうふうに申しましたし、また他のいろいろな所得とのバランス上いろいろ問題があるわけでございます。そういったようなことも含めて、ひとつ御理解をいただければと思うわけでございます。 以上でございます。
○岡田(正)委員 理解ができぬのであります。それは幾ら理解をしてくれと言っても、私ども貧乏人にとってみれば理解のできる話ではございません。ほんのわずか、四千七百八十二件ほど、一〇%の調査をしても四百二十一億円の追徴税があるというような状態でありまして、この問題を論じると、じゃ税務署の職員をもっとふやしてちょうだい、こういうことになりますから、この問題についてはそれ以上申し上げませんけれども、海外の批判もこれあり云々というようなことがありますが、本当の意味において日本が金持ちなんですか。私から言ったら、日本人は日本という国の単位で考えたら、GNP、これはなるほど世界で第二位でありましょう。第二位でありましょうが、日本人個々の人たちの世帯におけるその金持ち度合いというのは、私ははるかにはるかに下の方のものだと思っております。これはもう高い高い物価、高い高い土地、それでまじめに働いたらもう常にそこからは税金を分捕られる。それでうまいことをやれば何ぼでもうまい逃げ道がある。それで、不幸にしてとっつかまったら運が悪かったということで、いわゆる追徴税を払えば事が済む。監獄まで行く必要はない。しかも税金は申告すればそれで済む。申告というのは人がしてくれるのじゃないのですからね。本人がするのですからね。これくらい楽なものはないですわ。サラリーマンの諸君なんかも、私は一年間にこれだけしか所得がありませんでしたと自分で申告して済むのなら、これはまことに気楽なものであります。それを調査する税務職員の数は膨大な数に上るでありましょう。だから、摘発を受ける者はごくわずかにしかすぎません。こういう、取りやすいところからはどんどん源泉で取るわ、マル優で一律課税はするわというようなことでやられたのでは、たまらぬのは働いておるまじめな国民でございます。私はその点を特に申し上げたかったのでありますが、質疑時間が終了したそうであります。最後に大臣に要望しておきます。 マル優というのは、私たち国民にとりましては、先ほど申し上げました病気、教育、住宅、老後の四つの不安のために私どもはそれを利用しておるのであります。しかもその額は、一世帯平均百八十万であります。そんな零細なものにまで一律課税をするなんということは、私はこの制度廃止は反対であります。そして、所得税の減税が今行われております。幹事長の回答で二千億の上積みが一応第一次回答で出されております。今度第二回目でプラスアルファがごそっと出てくると期待をしております。 さてそこで、所得税の減税が上乗せになっただけ住民税の方が見劣りすることは間違いありません。まことに残念。これは二十五日に私は改めて大臣に質問をする予定でありますが、何せこの住民税のアンバランスがごぼっと目に見えてわかってくることが一つと、住民税は所得税に比べて高いなというのが一つ。そして、恐ろしい固定資産の評価がえがありますよ。これがまた、ぼこんと固定資産税が上がってきますよ。それで、住民税と今や肩を並べるかもしれぬと言われるほどの国民健康保険税、この重圧にみんな苦しんでおります。そこへもっていって、マル優の廃止であります。そして、一律の課税であります。何をもって住民がたまりましょうか。特に、非課税貯蓄をしていらっしゃる、自分たちの家族のために備えてと思ってやっておる奥さん方の恨みというものは相当なものがありますよ。御主人は細かいことはよう知らぬ。だが、家計を支えておるのは御婦人であります。その声なき声の御婦人方の恨みというのは相当なものがあるということを大臣もひとつ自覚をしていただいて、二十五日の質疑の際には性根を据えていい御返事をいただきますようお願いをして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○石橋委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 最初に自治大臣にちょっとお尋ねをしたいのです。 補助金、国庫負担金の補助率、負担率のカットの問題でありますが、先ほどの御答弁を聞いておりますと、六十年度は一年限り、六十一年度はこの一年限りの約束もほごにしてしまった。額も六十年度の倍に引き上げられた。それで、六十一年度は三年間、当分の間は国と地方の財政の基本的な関係に影響を与えるようなことはやらない。それで、何で国庫負担金と補助率のカットをのんだのかということについて、大臣は、内需拡大のために緊急避難的な措置だ、こうお答えになったのですが、これはしかしちょっといただけませんな。 大臣、御記憶だと思うのですが、去年の十一月二十日の当地方行政委員会におきまして、大臣こうお答えになっているのですね。「かなりの財源不足が見込まれます地方財政の現状にもかんがみ、仮に提案がありましても、自治省としては受け入れる考えはございません。」とはっきりおっしゃった。緊急避難的措置ということが許されるなら、これは六十三年度だってまた緊急避難的な措置ということになりかねませんよ。大臣の答弁から見て、これは受け入れるべきでなかったはずなんでありますが、これはなぜ受け入れたのか。これはどうも合点がいきませんので、改めて御答弁をお願いしたいと思います。
○葉梨国務大臣 昭和六十二年度におきまして、公共事業等につき、さらに国庫補助負担率の引き下げが行われることとなったわけでございますが、これは、急激な円高の進展等経済情勢が激変する中で、公共投資の拡大による内需の振興を図ることが重大な政策課題となっていたことと、一方、国の財政再建路線は引き続きこれを堅持しなければならない。一般歳出の総額を前年度以下に抑制する方針のもとで、建設国債の増発を避けて公共事業の事業量を確保する必要があるという政府全体としての苦しい事情がございまして、財政投融資、民間活力の活用等、各般の工夫を凝らした上で、さらにただいま先生もお触れになりましたように、緊急避難的に、ほぼ公共事業に限って補助負担率の引き下げを行うこととしたわけでございます。 補助負担率の引き下げによります国費減少相当額は地方債で補てんをいたしまして、その元利償還費を全額地方交付税で財源措置するとともに、この交付税措置に必要な原資につきましては国が将来全額負担する措置を講ずることとしておるわけでございます。こういうようなことによりまして、地方財政に実質的な負担増が生じないよう手厚い地方財源措置を講じていることから、自治省といたしましては、大変苦しい選択ではございましたけれども、やむを得ず受け入れた次第でございます。「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じない」といたしました昨年度の覚書の趣旨に実質的に背くことにはならないよう最善の努力を払ったつもりでありますので、御理解いただきたいと思う次第でございます。
○経塚委員 それは大臣、御答弁になりませんよ。そんなことを言うとったら、また六十三年度の予算編成のときも同じ事情が出てきますよ。これはもう、あなた、一度ならず二度、それで三度ということになってくるわけですよ。 それで、公共事業云々とおっしゃいましたけれども、六十二年度は義務教育費、養護学校教育費国庫負担の削減もそうでしょう、三百七十億、これも削減でしょう。自治省は人がいいというのか、緊急避難だ、緊急避難だと言って、それでだんだん地方の方へ、地方の方へツケを回してきよったら、たまったものやおまへんで。国と地方の信頼関係にかかわるという批判が出るのは当然でしょう。これは、自治大臣のお耳に入っているはずですよ。それで、あの当時新聞に一斉に報道されましたのは、三年間、当分の間は国と地方の財政関係の根本的な変更にかかわるようなことは絶対受け入れぬといって、自治大臣の姿勢も報道されていたはずなんですよ。それで、土壇場になってこれはひっくり返るわけでしょう。そんなもの、あなた、信用ならしまへんで、地方から見たら。何と言おうとこれは弁解の余地はないですよ。 それで、ちょっとお尋ねしますが、その国と地方の財政関係を根本的に変更するというのは、地方へのツケ回しの額が一体どれくらいまで許容されるのか、それをちょっと教えてください。
○矢野政府委員 昭和六十一年度の補助率の暫定措置が決まりました場合の国、地方間の負担関係を基本的には変更しない、これはこういった国庫補助負担率の引き下げは行わない、こういう趣旨であるということを国会でも御答弁を申し上げたわけでございます。そういう中で六十二年度の問題が起きました。 今御質問のありましたような、一体何が限度かという点につきましては、先ほど申し上げましたように、これはあくまでもそういう補助率のカットをやらないという意味に尽きるわけでございますから、それはそういうぐあいに御理解いただきたいと思いますが、大臣がお答え申し上げましたのは、結局政府としてそういう結論に達した、その点について、これは政府として御答弁を申し上げたわけでございます。 実際問題としては、委員よくいきさつも御承知と思いますけれども、昨年の秋以降国の財政当局から、前年度の覚書というものがあるにもかかわらず、さらに経常経費、これは国民健康保険国庫負担金等を中心とするものでございますが、経常経費並びに公共事業費について、当初公共事業費の方は五千六百億円と非常に膨大な国の負担を下げて地方負担をふやしたい、それは内需拡大のために、しかも建設地方債の増発ができない、そういう事情だから何とかお願いしたい、こういう打診がございました。しかし、自治省としてはそういったものには応じられないということは極めて強く反対をしたわけでございます。いろいろな紆余曲折を経て、最終的に予算編成のぎりぎりになって、大臣も申し上げましたような財政措置を実質的に六十二年度の場合よりもさらに進めて、起債で一たんは立てかえるけれども、交付団体分については個別にも総額についても全額国が別に負担をする一交付税にその分を上乗せする、こういうことで実質的な意味での国、地方間の負担関係を基本的に変更したことにならないという、辛うじて、極めて苦しい説明と思いますけれども、そういうことで、私どもとしては最終的にやむを得ないということで受け入れた、こういうことでございます。そういう意味では、国と地方との間の補助負担の関係の変更ということを国の財政の都合で行われてはならない、そういう考え方は自治省として変わっていないところでございます。
○経塚委員 それは大変正直で結構と言いたいところでありますが、しかしその論理がまかり通るなら、もう地方行政委員会で財政局長がどんな御返事なされようと、自治大臣がどんなお約束をされようと、政府の方針だということになってくれば、この委員会での御答弁が全部覆ることになるのです。そうしたら、我々は一体何を信用して論議を展開すればいいのかということになりますね。ここで、絶対に後へ引きません、何と言おうと国庫負担率のこれ以上の引き下げは、これは結局は国と地方の財政関係の変更になるわけであります、こういうことはわかっておって、そしてこの場へ出てきますと政府の方針でありましてと、それで地方債で、交付税で手当てをするからというようなことをおっしゃいましても、交付税は、自治省もはっきりおっしゃっておりますように、形を変えたもので、いわば地方の財源でありますから。自治省自身がおっしゃっておるわけですから。何が悲しくて国のツケ回しを地方の財源で、タコが我が足を食うようなことをいつまでもさせられなきゃならぬのかということになるのですよ。 それは財政局長としては政府委員でありますから、そんな答弁をせざるを得ぬということはよくわかりますけれども、私はさっきも言いましたように、そんな答弁を繰り返されておったのでは、もうどんな御答弁をいただいたかてこれは信用ならぬですよ。そうしたら、政府の答弁として聞かなきゃならぬということになれば、総理大臣にその都度御出席をいただいて、政府の方針として変わりはないのかということを確かめないと信用ならぬということになりますよ。私の言っておることは無理ですか。一つも無理はおまへんで。これは筋が通っておると思うのですよ。来年度のこともありますけれども、これは絶対に受け入れるべきではないのはもとより、撤回させるべきです。 もう一つお尋ねしますが、新聞の報道を読みますと、八月十八日ですか、今度は国保財政の軽減で厚生省懇が検討、都道府県の財源導入を図る、こういうことが報道されておりますが、結局医療費の一部を都道府県に負担をさせようという、かねがね報道されておることがいよいよ本格化するという状況になってきておるわけでありますが、これについての自治省の見解はどうなんですか。
○葉梨国務大臣 これは昨年の暮れの予算編成の際にも問題になったわけでございます。自治省といたしましては強く反対をいたしまして、その結果大蔵大臣、厚生大臣、自治大臣で国保問題懇談会というものをつくって健康保険制度の抜本改正について検討を進めよう、こういうことでまとめたわけでございます。自治省といたしましては、国民健康保険につきまして医療費の国庫負担の一部を地方に負担させるということはすべきではないと考えている次第でございます。 その理由は幾つかございますが、まず国民健康保険制度は国民皆保険の一環として国の制度として設けられたものでございますので、地方負担の導入は国保行政に対します国の責任を地方に転嫁するものであるということでございます。 次に、国民健康保険も他の医療保険と同じように、国費と保険料及び事業主負担によって支えられるべきものでございますが、国民健康保険の被保険者に対してのみ地域の住民の税金を支出するということは、住民相互間の負担の公平を欠くことになるわけでございます。 いずれにいたしましても、市町村国保の安定を図るためには、医療保険制度全般の中で広い視野から改善方策を検討すべきでございまして、そのような十分な検討を経ないで、単に地方に経費の一部を負担させるような制度の根幹にかかわる重大な変更が行われるようなことがあってはならないと自治省としては考えている次第でございます。
○経塚委員 医療保険制度全般の見直しということにつきましては、私どもはいろいろ論のあるところであります。ただ、今自治大臣がお答えになりましたね、医療費の一部を都道府県に負担させることについては自治省としては反対である、これは明確に御答弁いただいたわけであります。しかし、これもどこまでその筋を通していただけるのか。前科といったらちょっと言い過ぎですが、これは前歴があるのです、児童扶養手当、特別児童扶養手当のときも。これも言ってみますと、都道府県に負担させるようなことは自治省としては絶対反対だと言って、当時の自治大臣も答えはったわけです。この後がらがらと崩れてしまった。それで、これは二割負担でしょう。これは最後まで節を曲げずに筋を通しはりますか、どうですか。
○葉梨国務大臣 国民健康保険制度は国民の皆様が加入している中で一番大きな保険制度でございまして、医療保険制度の根幹をなすものでございまして、これにつきまして、この財政運営についてもいささかも揺るぎがないように制度がこれからも国民生活がある限り続いていく、健全に運営されていくということは、国民にとりまして非常に重大な課題であると思います。 そういう意味におきまして、負担を求められました負担の額の大きさもさることながら、制度自体の重要性にかんがみまして、自治省といたしましては、先ほど申し上げましたような各省と協議を進めて制度の健全な運営ができるようなあり方を徹底的に追求していきたいと考えているところでございます。
○経塚委員 ちょっとくどいようでありますが、それでは、医療保険制度全般の見直しの中であれば都道府県の医療費の一部負担も了承することもある、こう解釈できるのですが、その点はどうなんですか。
○矢野政府委員 昨年、自治省としては強く反対をいたしました。しかし、自治省としては、国民健康保険制度そのものの今の運営実態から見て、これは市町村にとってやはり大変難しい事態になっておる。そういう観点から、医療保険制度全体の中で見直しをするための懇談会をつくって、その中で十分議論をして答えを出していくことは必要だ、こういうぐあいに考えて、現在覚書を結び、既に懇談会ができて、その中で議論をされておるということであります。 したがいまして、その懇談会の中での議論というのは、あくまでも国の負担を減らして地方の負担に振りかえるというような形での議論であってはならない、あるべきではないと私どももちろん考えております。あくまでもこれは懇談会の中で御議論をなさるわけでございますから、自治省が一々そこに行ってあれこれと口を差し挟むという立場ではございませんけれども、自治省としては、少なくともこの国保制度の本質から考えてみて、これに都道府県費を導入する、それによって事を解決するというようなものではないのではないか。やはり国民健康保険制度につきましてはその負担が非常に大きいということから、既に老人保健制度ができ、さらに退職者医療制度ができ、しかし、なおそれ以外の部分については医療費に対して国保税の負担が非常に重くなりつつある、そういう実態から何らかの方策を考えなければならない。そういう意味で、医療保険制度全体の中で考える必要があるということで懇談会を設けた、こういうことでございますので、国庫負担そのものを減らして都道府県負担に振りかえるということについては自治省の考えはどうかと聞かれれば、それはそういうことはあるべきではない、こういう考え方でございます。
○経塚委員 次の問題、ちょっとお尋ねしたいのですが、今回この売上税廃案による交付税のいわゆる減収分でありますが、二千二百六億円、六十一年度の交付税の精算額を充当しておるわけでありますが、これは一体売上税法案廃案の憂き目に遭った責任は国と地方とどっちになるわけですか。
○矢野政府委員 売上税については、税制の抜本改革の一環といたしまして所得減税、法人減税、これに伴うところの財源確保策の一つとして当初提案されたわけでございますし、また、それに伴って地方税あるいは地方交付税に対する影響というものに対する措置を講ずるために譲与税あるいは交付税の対象税目、こうしたわけでございます。これは政府としてそのような提案を行ったわけでございます。もちろん地方団体も減税に対する財源確保策については必ず間違いなく講じてほしいという強い要望がございました。その点を踏まえて私どもとしては当初提案をしたわけでございますが、御承知のような経緯を経て廃案となったわけで、この点につきましては我々としては大変残念ではございますが、しかし、これは国会の御決議をいただけなかったわけでございますから、やむを得ないと考えておるわけでございます。 その点について地方の責任あるいは国の責任ということを端的に聞かれましても、それがどういう責任関係にあるのかということはなかなか答えにくいと思うのでございますが、私どもとしては、それを提案したことによって地方団体にそういう財源方策を示した、それができなかったということについてはまことに心苦しい、こう考えております。したがいまして、改めて見直した上で必要な財源措置を講ずるための案を今回の臨時国会におきまして御提案し、御審議をお願いをしておるわけでございます。
○経塚委員 私が聞いていますのは、ここは大事なところなんです、国庫負担金、補助金のカットの問題とあわせて。これは廃案になった責任、地方に何も責任はありませんよ。国の責任なら全額国の責任でこれは負担すべきなんですよ。地方交付税といったら地方の財源なんですから。何で公約違反に基づく、国民から批判を受けて廃案になったもののしりぬぐいを地方交付税で見なければならぬのですか。だから私は、国庫負担金、補助金のカットの問題も触れてきましたけれども、一体自治省というのはどんな立場に立っているのか、実はその姿勢、事の本質をたださざるを得ないわけですよ、こうなってきますと。こんなものまで、六十一年度の地方の財源である地方交付税でもって売上税あるいは売上税関連の法案の廃案に伴う歳入の欠陥を地方に負担させるというのは、これはもってのほかだと思うのですよ。これは歳入欠陥三百九十余億もそうでありますが、その点は一体どう考えているのですか。これは当然国の責任において負担すべきだ、地方交付税などこれに充てるべきではない、地方交付税の精算額はもっとほかに充てるところがあると要求されたのですか。その点はどうなんですか。
○矢野政府委員 今回の税制改革の見直しに伴って交付税上の財源補てん策を講ずるに当たりましては、私どもいろいろ議論もし、考えたところでございます。 一つは、当初における減税、これに対する措置というものもございました。当初におきまして、交付税上やはり所得税の減税先行によりましてそれだけ交付税に穴があいたわけでございますので、初年度不足になることになったわけでございます。こういった点は特例加算ということで確保したわけでございます。それはまた今回の御提案申し上げておりますところの交付税の減収補てんの中にももちろん含まれておるわけでございます。しかし、売上税につきましては、これが減税のための財源確保策として提案され、所得税等の減収が地方の交付税に及ぶということから、その二〇%、これを交付税の対象税目にするということにしたわけでございますが、そのもとが実現をできなかったということになったわけでございまして、率直に申しまして六十一年度交付税の精算増、これは御指摘のとおりもちろん地方団体の財源としての交付税でございますけれも、しかし、売上税の今回不提出に伴いまして国として特にこれにかわるべき新しい税源というものを現在の段階で提案をしておるわけではございません。そういう観点から見れば、本年度の当面の措置として地方交付税のたまたま生じるこういった精算分を充てることによって確保するということは、これは地方団体の財政運営の本年度の安定を求めるために必要だ、このように考えたわけでございます。 もとより、これはそのままにしておけば六十三年度の交付税に加算されるということでございますけれども、現在そういった財源があるということから、とりあえず目の前で最も必要な、そのことにこれを使う、そして六十三年度においてこの点がまた地方財政の関係、状況がどのようになるかわかりませんけれども、六十三年度においてまた措置が必要となれば必要な措置を講じていく、こういう考え方で五千七百億円余の中の二千二百六億円を今回売上税の穴埋めに充てるということにしたわけでございます。
○経塚委員 それは本末転倒の措置ですね。もっとほかに地方交付税を充当しなければならぬような事業がどんどんあるわけでしょう、単独事業も地財計画に比べまして決算が随分おくれておりますから。 建設省、お見えになっていますか。ちょっとお尋ねしますが、公共下水道の行政人口に対する処理人口の割合ですが、これは五十年二二・八%、六十年はたしか四八・四%というふうに聞いているわけですけれども、これは大体七〇%に達するのは何年度ぐらいの予定とお考えになっているのですか。
○斉藤説明員 お答えいたします。 私どもの持っております長期計画の中では、およそ十五年先、つまり二十一世紀初頭には七〇%に到達するというふうに想定しております。
○経塚委員 これは想定だけでしょう。執行率が計画に対してどんどんおくれているじゃないですか。第五次の計画事業に対する執行率は六九・八%でしょう。どんどんおくれているじゃないですか。中曽根総理はサミットで日本の地位は高く評価されたなんということを言って胸を張っておりますけれども、西独は一九八三年、今から四年前で九一%でしょう。アメリカは今から八年前で七二%でしょう。フランスは十二年前で六五%でしょう。こんなことであなた、何が先進国ですか。いまだに生のくみ取りをやっているようなことで、落ちればおつりが返ってくるような便所に入っていて何が先進国がと言いたいわけでありますが、これは市町村も本当に大変なんですよ。 これは問題が二つあると思うのです。一つは、事業費が抑制されてきているということ、それから事業費が抑制されてきておる中で国庫負担の比率が大変悪くなってきているわけでしょう。五十八年が七〇%、六十二年が五一・六%でしょう。もう一つは、幹線、準幹線に予算をつけましても、供用開始のための面的整備、この単独が随分とおくれてくる。だから私は、事業費をふやす、それから国庫補助率を引き上げる、さらに面的整備、単独事業などに必要なものについても補助対象枠を拡大していく、これを思い切ってやらないと公共下水道の事業は進捗しないと思うのですが、その点はいかがですか。
○斉藤説明員 お答えいたします。 公共下水道に対します国の補助率につきましては、ほかの公共事業と同じように六十年度から一律に暫定的に引き下げられているわけでございますが、この引き下げ分につきましては、現在直接地方公共団体の財政負担にならないような所要の措置がとられているところでございます。また、国庫補助対象の範囲の問題でございますけれども、この点につきましては、第六次下水道整備五カ年計画の初年度に当たります昭和六十一年度から、一般都市及び町村につきまして公共下水道の管渠の補助対象範囲の拡大を図ったところでございます。 先生御指摘のとおり、我が国の下水道の普及状況が欧米諸国に比べまして著しく低い状況にありますことから、当面は事業量の拡大に重点を置いて整備促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○経塚委員 大臣お聞きになっていますように、国庫負担の補助率が国の方は下がってきて地方の方がふえてきているのですね。だから、なかなか計画どおりどこでも進まないという状況になっている。 警察庁、交通安全施設も同じような状況なんですが、信号灯の新設については単独事業に切りかえたわけでしょう。このために地方は信号灯の設置要望になかなかこたえられておらぬでしょう。私ちょっと問い合わせてみたのですが、大阪の府警本部の状況でありますが、六十一年度は要望が二百六十カ所ですよ。設置したのはたった九十カ所、三四・六%です。東京はもっとひどいですね。これは警視庁の交通年鑑に出ておりますが、六十年、要望が千二百八十六カ所です。ついたのはたった七十四カ所、五・七%です。これも大変なんですね。私ども人命優先の交通安全対策をと今国会でも随分と問題にいたしましたけれども、総理は、人命尊重の交通対策をとっておりますと言うけれども、新規の信号灯の設置率が要望に対して東京王・七%。警察庁の要望ですよ、住民の要望じゃないですよ。大阪で三四・六%。これはちょっと低いじゃないですか。国庫補助額を引き上げるべきだと思うのですが、この点はどうですか。
○内田政府委員 お答えいたします。 実際に各都道府県におきまして、信号に対し要望の数がどのくらいあるのかというのは私ども把握してないところでありますし、要望というのもなかなか数がとりにくい、正確に把握がしにくい数字であるわけです。したがいまして、我々といたしまして、信号機の設置に当たっては、地元住民の方だとかあるいは地方それぞれの議会の方、関係行政機関その他道路を利用される関係者の方々の意見、要望を総合的に検討いたしまして、さらに現場の道路交通の状況に基づきましてその必要性を判断して五カ年計画を策定し、これを計画的に整備を進めているというところでございます。
○経塚委員 その五カ年計画も計画どおりいってやしませんがな。公共下水道事業と同じことですよ。国庫補助金、補助率の削減のしわ寄せで、第何次、第何次とせっかく計画を立てながら計画どおり執行されておらない。最大のネックになっておるのです。そこはひとつ自治大臣もしかと記憶にとどめておいていただきたいと思うのです。 次の問題に入ります。農水省お見えになっていますか。農地の宅地並み課税の問題についてちょっとお尋ねいたしますが、昭和六十一年の十二月十六日、参議院の農林水産委員会におきまして、我が党の橋本議員の質問に対しまして国務大臣がお答えになりました。「土地税制はくるくる変えてはならない、せっかく確立したものをやっぱり農民が安心して農業ができるようにしてあげるべきだと考えます。」こうお答えになっておりますが、この大臣の御答弁のとおり今日も農水省の態度は変わりございませんか。
○中村説明員 大臣のお答えのとおりでございます。
○経塚委員 大臣のお答えのとおりということで、農水省の態度については私は子といたします。これはくるくる変えてはならぬ。 ところで、これは自治大臣にお尋ねをしたいわけでありますが、自治大臣としてはどうなんでしょうか。これは今日の附則が決められました五十七年の三月二十三日に世耕自治大臣が、「本来の農業ということであれば、そのままその意思を十分尊重して長期にわたっての営農をしていただきたい。」こういう趣旨で地方税法の新たな附則ができた、こういうことで説明されておりますが、自治大臣の趣旨はどうですか。
○葉梨国務大臣 このたび、長期営農継続農地に対しまして徴収猶予の運用実績等について調査をいたしましたが、その結果を取りまとめたところでございます。 地方団体におきます本制度の運用の実態でございますが、おおむね適正に行われていると思われますが、長期営農継続農地の認定等に際しまして営農を裏づける資料を活用している団体がほとんどないということがございます。また、現地調査等制度の運用につきまして団体によって運用に差異が見られることなど、地方団体を指導すべき点も数多くございますので、今後、今回の調査結果を踏まえ、より適正な運用がされるよう地方団体を指導してまいりたいと考えております。 なお、宅地並み課税のあり方につきましては、今後各方面から御意見が出されることも予想されるところでございますので、長期営農継続農地制度の適正な運用を確保するために制度面の手直しが必要とされる場合も起こり得ると思われるのでございますが、そのような場合には税制改正問題として税制調査会等の審議も経て検討していくべき問題であると考えている次第でございます。
○経塚委員 そうしますと、制度面の改正が行われ得る場合もあるということであれば、この地方税法附則二十九条の五は、五十七年から十年間となっていますが、その制度改正が行われ得る場合というのは、その十年の途中であり得るわけですか、それとも附則は附則として十年は生きる、それ以降の時期を指しておられるのか、その点はどうなんですか。
○葉梨国務大臣 営農を継続したいという農家の方々が三大都市圏の市街化区域内にたくさんおられます。その営農継続を希望する方々の意思を尊重しながら制度の運用をしていきたいということが基本にあるわけでございます。 ただ、この長期営農継続農地制度というのは、農地価格に対する固定資産税を上回る税額を徴収猶予をしている、あるいは免除をするというような特典を与えておりますので、その制度が適正に運用されているかどうかということが非常に重要な点でございます。その点につきまして実態調査を行って、ほぼ適正であろうけれども、なお至らないところもあるようである、こういうことでございますので、これについて制度の見直しを一見直しというのはそういう意味の、適正に運用されているかどうかという点についての見直しをする必要があると判断された場合には、税制調査会とかその他いろいろ御検討いただくこともあり得るということでございます。それが十年後であるのかあるいはその前であるのかということは、これからの御検討の結果によるものではないかと私は考える次第でございます。
○経塚委員 自治大臣の今の御答弁は、五十七年の附則を制定されたその趣旨とこれは大分変わってきていると私は思うのですね。この附則でいけば、五年たって検討をする、そしてさらに長期農業継続の希望のある人についてはさらに受けて十年と一応なっている。だから、農業団体の関係者はみんな十年は変わらないものだ、その間の指導はいろいろあるでしょうけれども、そういう受けとめなのですよ。それを十年たって制度の見直し、改正になるのか、あるいは十年を待たずに制度の改正、見直しになるのか、それは税調の云々、こうなってまいりますと、みんな十年は変わらぬと思っているのに、これから五年以内に制度の改正もあり得るのじゃないかというような解釈が生まれてくるのじゃないですか。そしてこれを裏づけるかのように、六十一年の政府税調の答申では、制度の実施途上であるから見守る、こうなっておるのですね。 ところが、経済対策閣僚会議では「本制度の運用について地方団体を指導する等必要な措置を講ずる。」となっておる。「地方団体を指導する」ということは指導するだけであります。しかし「等必要な措置」ということの中に、いわゆる制度の改正、はっきり言えば附則の削除等を含めた制度の改正があり得るのか、この疑念が生まれてくるのは私は当然だと思うのですが、そこをきめ細かく御答弁をいただきたい。
○津田政府委員 先般の緊急経済対策におきましても、今先生御指摘のように、「運用実績を調査検討し、その結果を踏まえ、本制度の運用について地方団体を指導する等必要な措置を講ずる。」このようになっておるわけでございます。そして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、この五年間の実績等を調査して、私どもとしましても現行制度が適正に運用されること、要するにまじめに農業をやっておる方についてはもちろん現行制度というような考え方でございます。 それで、よく各方面からまじめじゃないのじゃないか、単に土地の値上がり待ちではないか、こういうような批判もあるわけでございます。しかし、その問題につきましては、まず現行制度の的確な運用ということが私ども一番大事と思いまして、調査をし、その調査の結果を踏まえ、地方団体等の意見も踏まえまして指導をやってまいる。ただ正直申しまして、いろいろな意見があるのは事実でございます。新行革審等におきましても、土地問題を取り上げる際に、この宅地並み課税制度の問題につきましても御議論があるかと思います。私どもとしましては、本制度が、五十七年創設したこの制度の趣旨というものが、やはりまじめな農業をしておる方につきましては農地並み課税をし、そしてかつ宅地供給というような面、両面の調和というような制度をつくったわけでございまして、税制としてはやはり安定性が望ましい、このように考えております。ただ、これにつきましては先般来各方面の意見があるのは事実でございます。
○経塚委員 各方面からの御意見がある、それは当然いろいろな論議はあるでしょう、それぞれの立場によりまして。しかし問題は、今申し上げましたように、政府税調の答申と経済対策閣僚会議の決定との間に変化があったのかなかったのか、あったとすれば五十七年の附則制定の当初と趣旨が変わってくるじゃないか、そこの点をただしておるわけです。 宅地に供給できるところは宅地に供給をしてきて、あと宅地に供給できるような余地はもう全くといっていいほど、今市街化区域内のいわゆる農地についてはそんなに余地はないということを実はいろいろ農業団体と懇談をしてみまして私は痛感をいたしました。仮に宅地並み課税がされるということになりますと、これは私の地元の羽曳野市でありますが、十アール当たり農業収入が水田で八万二千六百円なんです。畑で九万六千六百円なんです。これは宅地並み課税されますと、六十二年の推計でいきますと、税額は八万八千七百九十円になるのです。松原市の場合は、宅地並み課税されますと十万一千円になりますけれども、水田で七万四千百円しか所得がないのです。堺市の場合は、農業収入は平均十五万円です。課税されますと二十五万円ということになるのですね。大阪府を平均しますと農業所得が十万一千円なんです、六十年の農水省の統計情報部の資料によりますと。宅地並み課税されますと、十万一千円の収入に対しまして、田で十四万二千五百九十円の課税なんですよ。だから農業が完全につぶれる、こうなるのです。 つぶれて、それじゃ宅地に放せばいいじゃないかと単純におっしゃる方があるかもわかりませんが、聞いてみますと、市街化区域内で今農地として持っておりますのは、平均いたしますと、大阪などでは一反とか一反五畝とか二反とか全く小規模なんですよ。それで、先祖伝来の土地を手放してきて、もうこれだけは手放せないというので後継者もつくってそれでいろいろ四苦八苦、農産物価格の激変の中で辛うじて切り抜けてやってきておる、これが一つ。 それからもう一つ。聞いてみますと、そんなものは税金払えぬようになったら宅地に出したらええやないかと言うけれども、袋小路で、家の裏に田んぼがあって、そこの家までは道がついておるけれども、そこから先は宅地に放しても道がないとか、そういう状況のところも随所にあるわけなのですよ。 だから、これは制度の抜本改正というようなものはやるべきでない。農業を続けたいという意思を持っておられる農家に対しては、都市農業の果たす役割というのは、新鮮な野菜の供給源であり、緑地の保全であり、最近は防災地域がなくなってきましたからそこを防災地域に提供するとか、いろいろな役割を果たしていることは今さら申し上げるまでもないわけですね。したがいまして、五十七年につくりました制度の抜本改正はやるべきでないと私は考えておりますが、その点、最後に大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○葉梨国務大臣 市街化区域内の農地につきましての対応策でございますが、農業をまじめにやろうとしておられる、現にまじめにやっておられる方々の意思を十分に尊重しながら、しかもまだ一方においては宅地供給の要請もある、あるいはその中で都市緑地を確保しろ、こういう要請もある、あるいはまた公共施設を整備してほしい、こういう要望もございます。それらの各般の要望を十分に踏まえながら、これからのあり方を考えていかなければならない。先生がおっしゃいましたような緑地を確保しなければならぬというのは、私は、まさに大事な視点であろうと思うのでございます。 もう一度申し上げますと、まじめに農業を経営していらっしゃる方々の意思は十分に尊重しながら、市街化区域内農地のあり方をこれから考えていかなければならない、このように思う次第でございます。
○経塚委員 各般の状況ということもございますけれども、基本はやはり農業を続けたいという方の意思をあくまでも尊重するという観点を貫いていただきたいということを申し上げまして、終わらせていただきます。
○石橋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十四分散会