地方行政委員会 第1号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/07/28
会議録
○石橋委員長 これより会議を開きます。 理事の辞任の件についてお諮りいたします。 理事熊谷弘君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任並びに委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員になっております。この際、補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石橋委員長 御異議なしと認めます。 それでは 岡島 正之君 及び 渡海紀三朗君 を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○石橋委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国政に関する調査を行うため、本会期中 地方自治に関する事項 地方財政に関する事項 警察に関する事項 消防に関する事項 以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○石橋委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡島正之君。
○岡島委員 一般質疑の時間をいただきましたので、地方自治の問題を含めて若干の質問をさせていただきます。質問が粗雑でございますので、答弁の方はひとつ簡潔にお願いをいたしたいと思います。 まず最初に、地方自治体の現状と将来展望についてお伺いをいたしたいと思います。 今日ますます多様化していく中で、国民の要請というのは、単なる生活の量的な豊かさから、さらに質的な向上に向かっていると私は思います。量から質への、まさに成熟社会への期待であろうと思います。またさらに、人口構成の高齢化に伴って、人生八十年の時代から、これからは人生一世紀の時代が到来したとさえ言われておるわけでございます。こうした中で、行政の最先端に立つ地方公共団体は、地域の個性あるいはまた特性、そういうものを生かしながら地域社会の建設に向かっていかなければならないわけであります。 折しも本年は地方自治法の施行四十周年、さらにまた明治二十一年、市制、町村制の公布から百年といういわば節目のときでありますから、そのときに当たりまして、まず冒頭に自治大臣として今日の地方自治の現状と、さらにまたこれからの展望についてお伺いをいたしたいと思います。
○葉梨国務大臣 地方自治制度の発足以来、関係者の御尽力あるいは国民の御協力と御理解によりまして、我が国の地方自治はおおむね定着しつつあると考えるものでございます。しかし、今日社会経済情勢の変化に対応しまして、地域社会の活性化と住民福祉の増進を図るために、地域の特性を生かした個性豊かな地域づくりが必要となっていますことは、先生御指摘のとおりでございます。地方公共団体の果たすべき役割はますます重要性を加えていると考えているものでございます。 また、国、地方を通じます行政の簡素効率化及び地方分権の推進を図らなければならないという観点から、機関委任事務あるいは国の地方公共団体に対します関与、必置規制の整理合理化等、改善を要する点が多々あると考えるところでございます。 したがいまして、これらの改善を含めまして、今後とも住民に身近な行政はできるだけ住民に身近なところで執行し得る制度とするように、地方自治の理念に十分配慮しながらその一層の充実強化に努力してまいりたいと考えているところでございます。
○岡島委員 そういう中で、今日の地方財政の問題を考えてみますと、地方債あるいはまた交付税特別会計の借入金等を含めまして、地方全体で六十三兆円という残高があるわけでございますけれども、さらにまたその中で国庫補助負担金の削減等がある。そういう悪条件の中でございますけれども、さらに一方におきましては行政の需要拡大があるわけでございます。特に公債費の負担等の問題は、六十年を考えましても、負担率が二〇%以上だという地方団体が千三十六団体もあり、三一%を超しておるわけでございます。そういう状況の中におきまして、地方財政につきましての基本的な自治大臣のお考えを、この機会にまずお聞かせいただきたいと思います。
○矢野政府委員 御指摘のように、地方財政は、借金の残高の増大に伴いますところの公債費の増高、あるいはここ数年行われてまいりました国庫補助負担率の暫定引き下げの問題等によりまして、地方負担の増大が見られ、極めて厳しい状況にあるわけでございます。 こういった状況に対応する自治省としての基本的な財政のあり方に関する考え方でございますが、一つは、地方団体の行財政の守備範囲の見直しあるいは行財政運営の効率化によりまして地方歳出のできるだけの合理化をさらに推進していく。同時に、御指摘いただきましたように、今日各地域において、あるいは円高、構造不況等による問題、あるいは高齢化の進行によって生ずる問題など、さまざまな社会経済情勢の変化があるわけでございますが、こういった変化に対応いたしまして、地域経済の活性化対策など各種の行政課題について適切に対応し得るように、何といっても地方税あるいは地方交付税等の地方の一般財源の充実確保に努めてまいりたい、こう考えておるところでございます。 なお、公債費の負担が特に大きくなってきておるではないか、全体の三一%の団体が既に二〇%を超えているではないか、こういう御指摘でございます。 地方財政は国家財政と異なりまして、いわばさまざまな条件を持つ団体の財政の集まりでございますので、これを総体としてとらえるのみでなくて、やはり個別にその状況に応じて対応しなければならないと思われるのでございます。したがって、公債費の増高につきましても、全般的に言いますと規模の小さい団体ほどこの公債費の負担の増大が著しいようでございます。そういったことに対応いたしまして、そういう団体の公債費負担ができるだけ軽減をされるように、それと同時に、一方で必要な事業ができるような形での対策を今後進めたい、こういう点についてもこの際お答えを申し上げておきたいと存じます。
○岡島委員 今お話がございましたが、そういう厳しい状況の中で、先般七月二十四日に補正予算が成立をいたしたわけでございます。この補正予算の公共事業費の二兆四千四百六十七億円の中で地方負担が一兆一千九百六十三億円でありますけれども、この地方負担に対しましてどのようなお考えをお持ちになっておるのか。六十一年度は二千五百三億円でございますから、これは約四倍であります。従来は補正においては地方負担は地方債で全額措置されたわけでございますけれども、今回のような巨額の場合には一般財源、交付税の措置が必要ではないかと思いますが、その点についての見解をお示しを願いたいと思います。
○葉梨国務大臣 ただいま先生から御指摘がございましたように、補正追加の公共事業等に係る地方負担はこれまで全額地方債で措置してまいりましたが、今度の、ことしの地方負担額は普通会計分につきましても九千七百四十億円と非常に多額に上っております。この普通会計分につきましては、これまでのように全額地方債で措置をするというわけにもまいりませんので、ただいま大蔵省と協議中でございますが、先生が今まさにおっしゃいましたように、交付税によります一般財源措置を含め、事業執行に支障がないよう適切な措置を講じてまいりたいと考えております。
○岡島委員 地方の実情をひとつ十分お考えの上に、適切な措置をこれからお願いを申し上げる次第でございます。 そこで、次に六十二年度の地方交付税の問題につきましてお伺いをいたしたいと思います。 既に四月から、地方団体におきましては、国の作成いたしました六十二年度の地財計画にのっとって財政運営が行われておるわけでございますけれども、税制改革の推移によってこれからは所得税の減税等が考えられるわけでございます。そういう中で、まず一つには交付税の総額全体において変動があるかどうか。そしてまた、そういう場合に不足財源が出たときにはそれについてどのように対応されるのか。それでまた、通常八月に交付税が決定するわけでございますけれども、この時期等について現在どのようにお考えなのか。それらの点についてお考えをお示し願いたいと思います。
○矢野政府委員 衆議院に設けられました税制改革協議会の報告が先般出たわけでございますが、今後の税制改革の取り扱いのいかんによりまして、御指摘のように当初において予定いたしておりました地方交付税、総額九兆八千九百億円について減収が生じることももちろん考えられるわけでございますが、その場合には地方公共団体の健全な財政運営に支障が生じないよう、また一方におきまして、先ほど御質問にございましたような、また大臣からお答えを申し上げましたような追加公共事業について、その円滑な執行ができるように必要な措置を講じなければならないと存じます。すなわち、地方団体におきましては、当初に示された地方財政計画、これに基づく歳出の中身というものを予算に盛り込みまして執行中でございますから、これに必要な交付税の財源は、もし穴があいた場合には必ず補てんをし確保しなければならない。と同時に、公共事業の追加に伴う地方交付税の措置についてもあわせて考えてまいりたい、こういう考え方のもとに目下大蔵省と鋭意協議中でございます。 なお、交付税の決定につきましては、これは御承知のとおり八月末までに行わなければならない、このように法律上規定されておるところでございまして、今日までずっと八月末までには普通交付税の決定をしてきたところでございます。私ども本年度の場合にもぜひそのようにして、地方団体が特に九月の議会におきまして予算の補正を行うに際して不安のないようにいたしたいと考えておるところでございますが、自治省といたしましては、そのため、税制改革の取り扱いが決定され次第速やかに今臨時国会に交付税法改正法案等を提出するよう諸般の準備を進めているところでございまして、これによりましてぜひ八月末までに交付税ができるよう諸般の作業を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○岡島委員 いずれにいたしましても、税制協議会におきましても、与野党で地方財政の運営については十分考慮するという合意がなされておるわけでございますから、地方公共団体の円滑な財政運営に向かってお取り組みをいただきたいと思います。 次に、住民税の減税の問題についてお伺いいたします。 今一番関心のあるのは税制改革であり、二十四日には中間答申がなされましたが、特にその中でまず第一に六十二年度の住民税の減税についてお伺いいたしますけれども、これは仕組みの上から制約があり、所得税減税とは違って可能ではないという見解が示されておりますけれども、そのことについてまず一点お伺いいたします。仮に、もしそのことが無理だとするならば、六十三年度以降についてはどのようにお考えになっておられるのか。一部新聞報道によりますと、六十二年は見送り、六十三年は五千億円、六十四年は六千億円というふうに自治省と大蔵との折衝がなされる、こういう報道がなされておりますが、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○津田政府委員 住民税の年度途中減税の問題でございますが、先生御指摘のように、住民税の仕組み上、課税事務の全面的なやり直しというものは市町村及び給与支払い者に相当な事務量をお願いしなければならぬと考えられるわけでございます。 具体的に申しますと、国税、所得税におきましては、年末調整あるいは三月十五日の確定申告、こういうような制度を利用いたしまして年度途中減税に対応できる、または現に昭和五十年代におきましても数回所得税の年度途中減税というのは実施したわけでございます。その折々にも住民税の年度途中減税ができないかというような御意見もあったわけでございますが、このような仕組みでなかなか難しい。 もうちょっと具体的に申しますと、住民税の納税義務者が四千四百万人おるわけでございまして、これを全部やり直さなければならない。その期間、今回の政府案、廃案になりました政府案におきましても住民税の減税二千三百億と相当大きな規模のものでございますので、これを年度途中に何とかできないかということで市町村あるいは給与支払い者等の御意見も伺ったわけでございますが、現実問題としまして、恐らく市町村の課税事務のやり直しが三カ月程度かかるであろう、それから民間給与支払い者のいわゆる給与計算機等の入れかえで一月かかる。そういたしますと、恐らく国税の年末調整と重なって、これは両方はこなし切れない。そうすると、年を越すことが十分予想される。大阪市、横浜市等では百万人以上の納税義務者に対する賦課がえをやらなければならない。さらに、そういうふうにおくれてまいりますと、いわゆる還付という方々が非常に多くなりますと、還付事務、納税義務者との連絡、また納税義務者から税金を返してもらうための手続が非常に複雑になるわけでございますし、特に普通徴収の場合でも前納で第一期の納期に納めていただいておる方がある。これらの方々が会社の就職先が変わりますとその変わった先を追いかけなければならない、あるいは住居が移転しますとその移転先への連絡というような事務が重なるわけでございます。そういう意味におきまして、私ども真剣にこれまで検討し、また各界の御意見も聞いてまいったわけでございますが、非常に事務処理量が膨大になって、また実際上ごとしじゅうには到底できない、こういうような情勢でございまして、非常に困難な問題かと思います。 そこで、私ども昭和六十三年度に改めて減税案というものをつくりたい、かように考えておるわけでございますが、その規模をどうするかまだ検討中でございますが、恒久財源の確保の見通しあるいは六十三年度財政状況の大方の見当をつけなければならない、さらにことし昭和六十二年度にできないというような事情も考えながらこの規模を検討してまいらなければならない、かように考えておるわけでございます。
○岡島委員 次に、国民健康保険の都道府県負担の導入の問題についてお伺いをいたします。 既に六十三年度の予算についての動きはなされておるわけでございますけれども、国保制度においての国庫負担の一部を都道府県に負担させるという動きが昨年の予算編成の段階にもありましたが、結果として地方自治体が総反対をして実現をしなかったわけでございますけれども、またまた六十三年度予算に向かってこの問題が再燃をされている、そういうことを聞いております。 そこで、まず自治省としてはこの問題についてどのように基本的にお考えであるのか。そしてまた、厚生、大蔵、自治の三者でつくりました国保問題懇談会が五月に設置をされておるようでございますけれども、この辺の動き等についてお伺いをいたしたいと思います。単に地方に負担させ地方に責任を転嫁するという考え方は私ども理解ができませんし、また新聞の報道等によりますと、医療給付の中の五%から七・五%、私は千葉県でございますが、千葉県の予算の中では六十億から八十億かかる、そういう数字を聞いておりますけれども、そのことが地方財政の圧迫につながると思いますので、その辺についての考え方をお示しいただきたいと思います。
○葉梨国務大臣 自治省といたしましては、国民健康保険につきまして医療費の国庫負担の一部を地方に負担させることには反対でございます。 その理由でございますが、国保制度というのは、国民皆保険制度の一環として国の制度として設けられましたものでございまして、地方負担の導入ということは国保行政に対します国の責任を地方に転嫁するものであるということでございます。次に、国民健康保険も他の医療保険と同じように国費と保険料及び事業主負担によって支えられるべきものであると考えますが、国民健康保険の被保険者に対してのみ地域の住民の税金を支出することは、住民相互間の負担の公平を欠くことになるということでございます。いずれにいたしましても、市町村国保の安定を図るためには、医療保険制度全般についての広い視野からの改善方策を検討すべきでございまして、そのような検討を十分に行わずに、単に地方に経費の一部を負担させるようなことはあってはならない、こう考えるわけでございます。 また、昨年暮れの自治、大蔵、厚生の三大臣合意に基づきまして国保問題懇談会が設置されましたが、同懇談会におきましては、国民健康保険につきましてその安定した運営が確保されるよう、医療保険制度全体の中における制度のあり方について幅広く基本的な検討を行ってきたところでございます。したがいまして、この懇談会では国保に関連するいろいろな問題について幅広く検討を加えられると考えておりますが、自治省といたしましては、どのような問題が検討されるにしろ、ただいま申し上げたような設置の趣旨を踏まえて議論がこれから進められていくべきものであろう、こう考えるところでございます。
○岡島委員 今自治大臣のお話がございましたが、地方の財政圧迫にならないように、そしてまた本来の負担の公平という面から考えましてもそのことは私どもおかしいと思いますので、そういう方向でお取り組みをいただきたいと思います。 次に、警察当局の方へ、今日の治安情勢についてお伺いをいたします。 新聞等でいろいろ報道されておりますが、極左暴力集団によりまずゲリラ事件が多発いたしております。特にその手段、方法等も凶悪となっておりまして、一段と激化しておるように感じますけれども、そういう中で、まず第一に、警察当局はこの動向についてどのように考えておられるのか。 そしてまた、これらの事件は成田空港の二期工事の反対闘争と関連している面が非常にあるわけであります。ちなみに、本年もう二十六件ゲリラ事件が起きておりますけれども、その中で二十四件が成田の反対闘争に関連しておる、こう言われておるわけでございます。そういう中で考えますときに、成田の現状の警備体制、そしてまた二期工事に向かってのこれからの状態に対する警察当局の警備体制、そういうものを含めながらお聞かせいただきたいと思います。
○新田政府委員 御説明申し上げます。 極左暴力集団によるいわゆるゲリラ事件でございますが、昨年一年で八十九件発生しておるわけでございます。これは昭和五十四年以来最も多い数でございます。本年は七月二十七日現在で二十六件と昨年同期に比較いたしますと件数は少ないのでございますが、内容的には爆弾事件が七件もあるということで憂慮すべき状態にあるわけでございます。 これら最近のゲリラ事件の特徴といたしましては、工事関連業者などの個人宅に対する放火といったように攻撃範囲を拡大しているということ、それから発射弾を多く用いるということ、それに先ほどちょっと申しました強力な爆弾を使用した本格的な爆弾事件が発生しておる、こういうことにあるわけでございます。 成田の工事との関係でございますが、極左暴力集団では、例の成田空港を、日本帝国主義、略して日帝と呼んでおりますが、日帝、国家権力の軍事空港の建設である、あるいは農民殺しの攻撃というふうにとらえまして、これと闘うことが階級決戦の突破口を開くことになるというふうに位置づけて成田闘争に取り組んでいるわけでございます。成田関連の事件については、先ほど先生御指摘のとおりの事件が発生いたしておるわけでございまして、こうした厳しい情勢が十月十一日、一〇・一一成田現地闘争と彼らは申しておりますが、これと沖縄国体をめぐってさらに一段と強まるものと思われるわけでございます。 警備体制の方でございますが、現在千葉県警の警備部隊を中心に警戒、警備を行っておるところでございますが、今後の工事につきましては、現に運航されている空港の安全を図る一方で、同時に広範な工事区域に係る警備を実施するということで、長期にわたり、大規模で、かつ大変難しい警備であると考えております。 警察といたしましては、国民の理解と協力を得つつ適正な警備実施が行えるよう、引き続き関係機関に各種警備環境の整備等をお願いしながら、千葉県警を中心に全国警察が一体となって警備の万全を図るということを方針といたしておるところでございます。
○岡島委員 時間がわずかでございますから、あと二点、警察庁にお伺いをいたします。 一つは、今の警備体制のゲリラ事件の問題とも関連いたしますけれども、天皇陛下が沖縄国体に行幸されるということが大体決定いたしたようでございますし、西銘知事の要請があったようでございますけれども、本年度の過激派各セクトの闘争目標というのは、今年度最大の闘争課題が沖縄国体の天皇行幸の反対闘争だということを言われております。これらについての警備体制の問題を含めて、ひとつお考えをお聞かせいただきたい。 それから、最後の質問になりますけれども、警察官の増員の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 警察官の定数の増員につきましては、六十年度以降、鉄道公安官の移管が六十一年度にありましたが、これ以外増員がなされておらないわけでございます。こういう状況について警察当局としてはどのようにお考えになっておるのか。 先般、私どもは石橋委員長のお供をして欧米の地方行政の視察に参りましたが、警察官一人当たりの人口負担はヨーロッパでは二百人か三百人だと言われております。日本では平均で五百五十五人だと言われております。特に人口過密の私どもの千葉県だとか埼玉県におきましては七百五十人以上だ、こういう状態であるわけでございますけれども、人口負担の問題、警察官の増員の問題、それらにつきましての御見解をこの機会にお聞かせいただいて質問を終わりたいと思います。
○新田政府委員 まず、沖縄の関係について、私から申し上げます。 極左暴力集団は、沖縄国体開催に伴う天皇陛下の行幸の御予定に対しまして、天皇訪沖実力阻止あるいは訪沖爆砕というような主張をいたしておりまして、昭和六十二年最大の闘争課題というふうにして取り組む構えを見せております。その結果、昭和五十年沖縄海洋博がございまして皇太子及び同妃、両殿下が行啓されましたが、あのときを上回る規模での闘争というものが予想されるわけでございます。最近の極左暴力集団の動向につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、悪質化、凶悪化しているというふうに認識をいたしております。 警察といたしましては、関係当局との連携を密にし、国民皆様方の御理解と御協力を得ながら事前対策を着実に推進いたしまして、全国警察の総力を挙げて警衛、警備の万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
○大堀政府委員 地方警察官の増員につきましてお答えを申し上げます。 都道府県警察官の定員につきましては、人口、世帯数はもとより、犯罪や交通事故その他変貌を重ねる治安情勢を総合的に勘案をして、必要な警察力の確保を図るべく決定をしてきているところでありますが、最近におきましては国、地方を通じての厳しい財政事情により増員を図ることが困難であるために、警察官一人一人の資質の向上、あるいは人口急増地域等への重点的な配置、装備資機材の近代化等により治安水準の維持に努めている現状でございます。 しかしながら、御指摘のとおり、我が国の警察官一人当たりの負担人口につきましては、欧米主要国と比較をして相当重たいものとなっております。特に首都圏周辺、千葉等の人口急増地域におきましては、その傾向が顕著になっているところであります。また各種の警察事象も年々増加を続けているところでありますので、警察庁といたしましては、引き続き内部の合理化の徹底を図る一方で、必要な体制の整備にも努力をしていく所存でございます。
○岡島委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○石橋委員長 安田修三君。
○安田委員 それでは、まず初めに自治省の方にお尋ねいたします。 六十一年度の税収増によりまして地方交付税が約五千七百億円増額ということになってまいります。その使い方について、まずお聞きしたいと思います。
○葉梨国務大臣 六十一年度の国税三税の自然増収によります地方交付税の精算額は、先生今おっしゃいましたように五千七百億円程度と見込まれております。自治省といたしましては、この精算額を追加公共事業の財源として活用することとしたいと考えておりますけれども、今後の税制改革の取り扱いのいかんによりまして必要となります地方財政対策の見直しの問題もございます。そういうことで、今後大蔵省と協議をいたしまして適切な措置を講じてまいりたいと考えている次第でございます。
○安田委員 そこで、先ほども質問にありましたが、今回の補正予算によって追加された公共事業等による地方負担額は、普通会計、公営企業会計合わせて一兆一千九百六十三億円、これのいわゆる財源については財政運営に支障のないようにするというのが先ほどの大臣の答弁でございます。 そこで、かねがね自治省は大蔵省と一般財源を回すように協議中だ、先ほども交付税等ひっくるめて財政運営に支障がないように、こう言っておるわけでありますが、さて、今ほどおっしゃった地方交付税の精算分、これもこの中に使われるのか。あるいはまた、それとは別個に大蔵省から、もう借金だけ地方に残るわけでありますから、それは国の内需拡大という要請によって地方が借金をしているという宿命になっているわけでありますから、そういう点では別個の財源として自治省は一生懸命頑張っておられるのか、そこら辺をお聞きしたいと思います。
○矢野政府委員 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、自治省といたしましては、とに、かく今年度の財政運営について安心してこれを進めることができるように、しかも極めて大きな規模の追加公共事業が組まれましたので、その事業をも円滑に執行できるようにいたさなければならない、こう考えておるところでございます。 そのために、この追加公共事業の財源といたしましては、たまたま昭和六十一年度の終わりごろに至りまして一部の企業等においてかなり大きく利益が生じたこともございまして、国税三税、特に法人税、所得税の自然増収が出てまいりました。その地方交付税の精算増約五千七百億円程度でございますけれども、その一部をぜひこの公共事業の追加に伴う地方負担の財源にも充てたいと考えておるところでございます。本来ならば、六十一年度の精算増につきましては御案内のように六十三年度の交付税に加算されるというのが通例でございますけれども、しかしとにかく目の前のことしの地方財政の状態、とりわけ公共事業の執行を円滑ならしめることが第一、そのためには、やはり起債だけでは到底これに耐え切れない団体が多いと考えられますので、ぜひこの一部を充てたい。 ただ、どの程度充てるかにつきましては、これは税制改正に伴う交付税の本体と申しますか、当初見込みました交付税にどういうような穴が生じるかというふうなことをよく見きわめていかなければならぬと思いますが、それとの関連があるわけでございます。そういう点を含めて目下大蔵省と協議中でございます。
○安田委員 そうしますと、昨年十一月、六十一年度予算の補正を行ったときに、いわゆる国税三税の減収補正に伴って交付税の減額四千五百二億四千万、これを交付税の減額補正を行って借り入れをやったわけでありますが、それを精算分で埋めて残額を使うということになるのでしょうか。それとは関係なしに、今おっしゃった公共事業等にどの程度回せるかということを大蔵省と折衝、こういうことになるのでしょうか。
○矢野政府委員 昨年の秋の国会においてお願い申し上げました、当時の経済情勢に基づきまして税収が大幅に減る、それに伴って御指摘のように交付税四千五百億円余を減額せざるを得ないということになったわけでございますが、その穴埋めは借入金でございました。ただし、利子は全額国庫が負担をするということでございました。この借入金につきましては、それはそれなりにそのときに法律を御審議いただいて定めまして、また大蔵省とも約束を交わしているところでございますので、これはそのままでございます。したがいまして、今回生じてまいると見込まれる精算増をもってその四千五百億円に充てるということは考えていないわけでございまして、今回の五千七百億円については、税制改革の結果、場合によりましてはこれは穴があくかもしれない、すなわち今年度当初の交付税に穴があくかもしれない。それについてどのように補てんをするかということをあわせて考えなければならない。それと追加公共事業に対する地方財源措置。この二点をもって大蔵省と協議中、こういうことでございます。
○安田委員 それではこれは一体いつ決まるのですか。先ほど、交付税関係も諸般の準備を進めた、こうおっしゃっておるわけでございまして、大体収入関係は皆さんの方で事務的にそろそろ決まっている。もうあと税収の関係が税制改正で最終的にどうなるかということがちょっと決まらぬ。そこで、おおよその枠が事務的には決まってきておるようでありますが、いつ決まるのでしょうか。
○矢野政府委員 お尋ねの御趣旨は、いつ政府としてその方針を決め、法案を提出するか……
○安田委員 いやいや、大蔵省と裏負担の一般財源に回すというのはいつごろ大体決まるか。
○矢野政府委員 お答え申し上げます。 目下鋭意協議中でございますが、特に交付税について申しますならば、交付税の総額がどのようになるかということは、やはり税制改正の取り扱いをどうするかということが決まらないとできないわけでございます。また、それによりまして地方税制の改正が行われる場合には、その改正に基づく基準財政収入額の計算というのを行わなければならない。したがいまして、国の税制、地方税制、この取り扱いの決定と同時に、当初の地方交付税に対する補てん措置並びに追加公共事業に対する措置、この両者ひっくるめて決めてまいりたい、できるだけ早期に決めてまいりたい、このように考えております。
○安田委員 それでは、八月二十一日までに交付税の配分を決めなければならぬ、そこで交付税法案を出さなければならぬ、そのときに、今おっしゃったように公共事業費の裏負担分の財源等も全部一諸に決まる。 さて、それでは交付税法案、この法案の成立のタイムリミットというのはいつなのでございましょうか。国会の審議状況等から今私たちは心配しておるのでありますが、皆さんはいつまでに成立しなければ来月三十一日までに配分できない、こう思っていらっしゃるのでしょうか。
○矢野政府委員 できるだけ早く法案を提出いたしまして、速やかに法案を提出いたしまして、提出されました場合には速やかな御審議を賜りたいと申し上げなければならないわけでございますが、事務的に申しますと、普通交付税の額の決定を行います場合には大変膨大な作業が必要でございます。したがいまして、現在いろいろ事前の準備作業も進めておりますし、また法案が提出されました場合には、その提出される交付税の改正案を前提といたしまして基準財政需要額の試算あるいはそのほかの手続を事実上進めていくことをお許しいただくといたしましても、やはり法案の成立から最低一週間程度の期間は必要になろうかと思います。法案が成立しなければどうしても進めることのできない手続というのがやはりございます。そういう期間を私どもぎりぎりで考えてみますと、これは全力を挙げましてもその程度の期間が必要かな。したがいまして、八月末までに決定ということになりますと、その一週間程度前までには改正法案が成立をしておるということが私どもとしては必要だ、こう考えておるところでございます。
○安田委員 そこで、そうしますと、一週間前ということになりますれば八月の二十四庁ごろが大体タイムリミット。さて、御存じのように国会は来月の八日から約十日間、お盆の自然休会をやるということが既に議院運営委員会において決まっております。法案提出は三十一日か八月四日かという話もうわさに聞いております、これは皆さんはどのようにお考えかわかりませんが。さて、仮に八月四日、もしマル優関係が政府から法案が出されたとして、交付税は切り離すというお話も聞いております。仮に八月に出たとすれば、御存じのようにお盆前に審議日数というのは全然ございません。今度はどうあっても交付税は慎重に審議しなければなりません。御存じのように、地方交付税法は前回廃案になったわけでありますから、一つも地方財政関係は審議しておりません。参考人も呼んでおりません。今回は、どうあっても一カ月間の審議日数は通常の先例によりまして必要でございます。 そうしますと、国会が召集された時点からその日程がわかっているわけですから、自治大臣としては、地方団体の財政実情から見たときには、既にその日程からもって地方財政は切り離して、例えば住民税減税をするのかしないのか、時間的に間に合わなければ、しないのならしない、それから他のそれと絡まって地方財政が運営できないのなら、もう他のものはやめて、地方財政のためにもすっきり今期はこうしてもらいたいということを大臣としては政府部内に強く発言しながら地方財政関係の法案を先に出すべき必要があったのじゃないか、こう私は思うのですが、その点大臣はどうだったのでございましょうか。
○矢野政府委員 地方交付税の決定が早く行われませんと地方団体が非常に困るということは申すまでもないところでございます。私どもとしても、そのためにできるだけ早く、予定をしておりますところの交付税法が提出されました場合には、速やかな御審議を賜りまして御議決をいただきたいというぐあいにお願いを申し上げるところでございます。 ただ、あくまでも交付税制度そのものは、これは税制と密接不可離の関係にございます。もう既によく御承知のとおりと思います。そういう意味では、やはり税制改革関係の法案と一緒にしてこれを決めてまいらなければならない、そういった事情がございますので、やはり税制改正の方の取り扱いが決まるのをどうしても待たなければならないわけでございます。この点は御理解を賜りたいと存じます。
○安田委員 そこで、審議日数からいいますと、これは皆さん三十一日までに間に合わせるために二十四日までにやってくれとおっしゃっても、まさかこれだけ今度の本格的な交付税を一日やそこらで上げてくれ、そういう国会軽視というわけにはいかぬと私は思いますね。そういう点では、いまだに法案提出日が決まっていない。私は、税制問題が絡むのですから、絡ませないように自治省としてそこらあたりは発言されたのかと聞いた。返事が返ってきておりません。私は、そういう発言があったということは聞いておりませんから聞いておるわけです。いや、これは困るんだ、ああだこうだといろいろな有象無象が絡むと地方財政は決まらなくなりますよ、大変なんだ、だからこの際政府としてはほかのことは今期はやめてすっきりいってもらいたい、こういうことが自治大臣から話があったということを私は聞いておりませんので、そこで聞いておるのですが、大臣どうなんでしょうか、そこらあたり何か発言されたのですか。
○葉梨国務大臣 先生の御発言のような地方財政の状況につきましては、かねて閣議等でもいろいろ話題になりまして、できるだけ早く地方の財政の状況を安定させるためにも、税制協議会の協議が早く進んで、そして地方交付税法、地方税法改正案が出せるようにしたいということは、各閣僚の皆様にも御理解をいただいていたところでございます。 ただ、最近の閣議でそういう話をしたかとおっしゃられれば、最近はもう皆さんよくおわかりだということで申し上げておりません。ただ、そういう気持ちでおることは先生方も御心配のとおりでございますし、また、最近党の税制改革に対します方針も決まるやに聞いておりますので、決まりました上は地方税法、地方交付税法も提案されましょうし、提案されました上は、極めて日数が少のうございますけれども、できるだけ効率的に御審議を願いまして、法案の成立に持っていっていただくようにしてもらいたいと心から念願する次第でございます。
○安田委員 次に、国民健康保険の方に入りたいと思います。 先ほどもこれまた質問がありましたが、昨年の暮れの予算編成に当たりまして、国民健康保険の財政負担について国から県に肩がわりさせようということから反対の声が上がりまして、さたやみになりました。その結果、厚生大臣、大蔵大臣、自治大臣の三者の覚書に基づいて国民健保のあり方について研究するため五月八日に国保問題懇談会が発足いたしました。 さて、この検討課題についてまずお伺いしたいと思います。
○矢野政府委員 去る五月八日に設けられました国民健康保険問題懇談会でございますが、この懇談会が設けられました動機は、自治、厚生、大蔵三大臣の間の合意でございます。この懇談会におきましては、国民健康保険の安定した運営が確保されるように、医療保険制度全体の中におけるその制度のあり方について幅広く基本的な検討が行われるもの、このように承知をいたしております。
○安田委員 そこで私は、国保問題は自治省が大いにひとつ発言してもらわなければならぬ立場にあると思うのです。これは国の委任事務として市町村が国保をやりながら、国の方では補助金を削り、そして一方退職者医療制度を創設し、そしてまた先般老人保健法改正によって加入者按分率を変える、こういうことによりまして他の保険制度との間の財政調整というものを行いながら今日までしのいでまいっております。 そこで、今回の研究に当たって覚書の中では、医療保険制度全体の中におけるその制度のあり方について国と地方の役割分担等を含め見直すということが出ておりますが、これは医療制度というよりも、福祉をひっくるめたこの種の社会保障全体の中から洗い出さないとこの問題はなかなか解決できないのじゃないだろうか、そうしないと地方への財政負担だけ、いわゆる財政問題だけが論議されていくという危険性があるのじゃないだろうか、こういうことを実は私は考えるわけであります。その点、もちろん委員は十三名、いろいろな方が入っておられますが、自治省としてはこの懇談会にどういう提起をしておられるか、お聞きをしたいと思います。
○矢野政府委員 この懇談会は、学識経験者あるいは地方公共団体の代表者等によって構成されるものでございまして、それぞれのお立場から問題が提起をされ、審議が進められていくという性質のものでございます。したがいまして、自治省として公式にこの国保問題懇談会についであれこれと口を差し挟むというわけにはまいらないのでございますが、ただいま安田委員が御指摘のような問題点をやはり幅広に検討していただきたい。単に国民健康保険の中だけで議論をするというのではなくて、もっと保険制度全体の中の幅広の議論を進めていただいて、そして国保制度を安定化させていただきたい、 福祉政策その他の関連も実は従来からいろいろ議論のあるところでございます。そういったところまで含めるのかどうか、これは懇談会御自身の問題のお取り上げ方いかんによるかと思いますけれども、私どもとしては、市町村が責任を持っておりますところの国保制度が全体の中で安定した運営ができるようにという見地からの御審議をお進めいただきたいという希望でございます。
○安田委員 厚生省の国民健康保険課長さんがおいでだと思いますが、厚生省の方は一体その点、これは皆さんでただ論議してくれと言ってもそんなわけにはいかないわけでして、必ず政府関係審議会にはテーマがあるわけです。それから、後から述べますが、委員の方もそういう点では余り広いメンバーではございません。そういう点で厚生省はどういう考えを持っておられますか。
○加納説明員 ただいまの問題でございますが、国保問題懇談会では、国民健康保険につきまして安定した運営が確保されますよう、医療保険制度全体の中における制度のあり方について幅広く基本的な検討を進めていきたいということで御検討願っているところでございます。
○安田委員 国民健康保険の一人当たリ医療費というのは、他の制度と比較しますと、年齢階級別の一人当たり医療費は被用者保険と水準がほぼ同じなのですね。問題は、高いというのは、六十五歳それから特に七十歳以上の高齢者層においてその階級だけが病気が非常に多発してくる、これが全体の一人当たり医療費を押し上げていくということになっているわけですが、それを解決するために、今日まで退職者医療制度の創設、それから老健法の改正によって緩和されてきておるわけです。問題は、退職者医療制度が創設されたときに六・五%国庫補助金が削られた、これが大変響いておるのじゃないかと思うのですが、その点どう思っておられますか。
○矢野政府委員 退職者医療制度が導入されました際に国庫負担制度の仕組みが従来と変わりまして、おっしゃられますように四五%から三八・五%に下がったわけでございます。この退職者医療制度の創設の趣旨につきましては、国民健康保険財政というものの安定化を図るという趣旨に出たものであることは間違いございませんし、また事実そのような機能は果たしつつあると考えます。 ただ問題は、そのときに見込みました退職者医療制度への加入が必ずしも予定どおりにいかなかった、それによりまして実は国民健康保険財政に大きな影響が生じてまいったわけでございます。この点につきましては、地方団体側もそういった見込み違いによって、一方では国庫負担率が下がったわけでございますので、それによる影響というものをどうしても補てんをしてほしいということで非常に強い要請を関係方面、厚生省等に重ねてまいりまして、また私ども自治省といたしましても、そういった地方団体の意見について同様の主張をしてまいったわけでございます。 今日まで、まだ十分ではございませんが、そういった見込み違い等による財政のいわば穴のあいた部分については、その補てん措置について行ってきておるところでございます。さらに今後国保財政の状況等にも十分注意をする必要があると思いますが、必要な補てん措置についてまた私どもも努力をしてまいりたい、こういうつもりでございます。
○安田委員 厚生省にお尋ねしますが、五十九年度の統計でいきますと、一世帯当たりの年間所得が百万円未満の世帯というのは、国保の場合、全世帯の約四四%を占めております。さて、低所得者の割合が非常に高いというのはだれでも認識は一緒であります。特にその中で零細企業の給与所得者が全世帯の三一%、それから無職者二二%、この割合が非常に大きいわけです。零細企業の給与所得者、今健康保険は全加入を目指して三カ年計画でしょうか、一生懸命やっておられますが、とにかく本来健康保険で救うべき人たちも国保の中に入っているというのはいろいろな問題があるわけですが、同時に、日本の所得水準そのものが低いということがやはり問題ではないか。そういう点で、労働政策、所得政策もひっくるめて国保問題というのは論議していかないと、どうしても医療の財政問題に埋没してしまう危険性があると思うのです。 私はたまたま懇談会のメンバーを見ますと、各界の十三名の委員は立派な方でありますが、先ほど医療制度全般を見直してという意見にもかかわらず、この中には例えば健康保険組合の代表ですとか、言うなれば医療問題なりそういうもの全般を見直すために必要なメンバーというのは入っておりません。そうしますと、これは国保の財政問題だけいじるということになるのじゃないか、そうすれば結局は県や市町村というところの負担をどうするかということになっていくのじゃないかと思うのですが、厚生省どうでしょうか。
○加納説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、国保は被用者保険の対象者以外のすべての人を国保の対象といたしておるわけでございまして、したがいまして、被用者保険と比べまして所得のばらつきも多く、また低所得者が多いということも事実でございます。ただ、その中で国保のサラリーマン世帯といいますか零細企業の従業員の所得は、私どもの統計で見る限りは、ほぼ国保の平均並みでございます。ただ、無職者世帯の所得が相当低い水準であるわけでございます。 いずれにいたしましても、国保の低所得者の問題につきましては、この懇談会の重要な検討テーマの一つというふうに認識をいたしております。今後、懇談会の場におきまして検討が進められることを期待をいたしておるわけでございます。 それから、先生の御指摘ございました、被用者関係の代表の方が入っておられないという御指摘でございますが、被用者保険の関係につきましては社会保険審議会がございます。この社会保険審議会の会長代理をやっていただいております宮澤先生にこの国保問題懇談会の委員に入っていただいております。そういった意味で、被用者保険のサイドの意見も十分反映できるのではないかと私ども考えておるような次第でございます。
○安田委員 低所得者が多いために滞納が非常に多い。滞納一掃ということは今までいろいろな議論もされておりますし、それからまた、国保連合会等は厚生省とタイアップしまして三%運動、要するに保険料の納入率を一%高めよう、医療費は一%節約しよう、それからもう一つの一%は何でしたか、とにかくそういう運動もやっておるようであります。 たまたまここにありますのは、これはコピーですから色はついておりませんが、「みんなの健康を守る 国民健康保険 昭和六十二年版」というパンフレットなんですが、大分県と大分県国民健康保険団体連合会、大分県市町村国民健康保険となっています。そこで、今度は滞納が著しい者には保険証の交付を差しとめるということが法律の改正によっていろいろと問題となりました。たまたまこれには「保険税は納期内に納めましょう。」そこで漫画で書いて口から言葉が出ておるわけでありますが、「保険税を特別な理由もなく滞納した場合には次のような法的措置が講ぜられることになりました。」そしてそこには①と②と二つのことが、例えば高額医療費の給付の差しとめですとか療養費の差しとめ等が書いてあるわけであります。 これは、「法的措置が講ぜられることになりました。」ではなくして、法的措置が講ぜられることになりますと、そういうことができるということに法律はなったわけでして、何も初めからそういうことがすっと断定されたわけじゃない。これは健保組合の方で裁量されて、そういう場合にすることもあるということなんですね。この場合は、ちゃんと「なりました。」となっているわけでありまして、これは厚生省もこういう指導をしているのではないでしょうか。 〔委員長退席、西田委員長代理着席〕
○加納説明員 ただいまのパンフレットの文章自体、厚生省が特に指示したものではございません。その点はあらかじめ御了解いただきたいと思います。 ただいまのパンフレットの内容でございますが、内容を拝見いたしますと、今回の措置のポイント、すなわち保険税を特別な理由もなく滞納した場合には一定の措置が講ぜられることがあるということを周知する旨のパンフレットというふうに考えられるわけでございます。運用の実際面が省略されている面はございますが、まあ行き過ぎとまでは言えないのではないかというふうに考えております。実際の運用に当たりましては、国からの通知等も踏まえまして、事前に十分に納付相談、指導を行う等、適正な運用が図られるものというふうに理解をいたしておるような次第でございます。
○安田委員 これは「なりました。」ということを断定しても皆さん行き過ぎじゃないということなんですか。ちょっと課長、これは「なりました。」で、こういうことがあるということでなく、全部こうやるんですか。
○加納説明員 実際の運用において全部のケースについてやるということではございません。もちろん事前に十分御相談、指導をやった上でという趣旨でございます。
○安田委員 そうしたら、これは行き過ぎじゃないですか、「なりました。」ということは。なりますということじゃないですか。
○加納説明員 今回の措置を周知し、また警告を発するという意味でつくったものだというふうに理解をしております。
○安田委員 だから、そういう意味に書かないとだめでしょう。大分県を指導せぬとだめですよ。 そこで、現行の医療保険と福祉サービスというのは全く別個の制度として、運営とそれから行政とは分かれております。そこで、老人も病人としてその治療にだけ目を向ける医療、それから心身の衰えに対するサービスとして単なる身の回りの世話だけを役目と心得る福祉サービス、この両者の間には相互交流というのは現行はございません。そこで、医療と福祉サービスとは本来共通した目的と機能を持っているというところに特徴があると思うのですが、そういう点を十分論議をして、その上でいわゆる国と地方との役割分担というものを見直すべきではないだろうか。ですから、私は医療だけということに目を向けた場合は大変なことになると思うのですが、この点大臣、これは自治省として大変だと私は思うのです。 自治体というのは本来福祉の方に非常に重要な役割を持って金をたくさん出しておるんですね。ですから、そういう現在やっておる役割、その上にまたいろいろなものがおっかぶさってくるということに対しては、やはり医療はほとんど国の方で所管してやってきた、福祉の方は地方の方が大変なお金をつぎ込んで、大抵地方財政の中では福祉の構成比というのは非常に高いわけでして、そういう点の現在までやってきた役割分担というものをやはり全部一緒に見直しながらいかないと、地方だけに負担がおっかぶさってくるということになりますわけで、そういう点大臣は十分留意されて、この懇談会に対しても自治省はよく目をつけていっていただきたいと思います。そういう点で大臣の考えをお聞きしたいと思います。
○葉梨国務大臣 国民健康保険等の医療保険制度と例えば老人に対しますいわゆるヘルス事業とは、密接な連携をとりながら実施されることが医療費の適正化を進める上でも効果的であろうと考えておるわけでございます。今後、先生おっしゃいますように、国保財政の安定した運営が確保されるためにも、医療保険制度とヘルス事業等の関連のある他の施策との総合的な実施をするという観点から、幅広い検討を行っていきたいと考えておる次第でございます。
○安田委員 それでは次に、昭和六十三年度の固定資産の評価がえについてお尋ねしたいと思います。 今回、評価がえは、地積で十六万一千七百五十五平方キロ、筆数にしまして一億五千七百七十三万八千筆ということになるようであります。それで、全国の各都道府県に一カ所の基準地を選定し、この基準地については、自治省がその所在する市町村の申し出価格をもとに全国的な観点から適正なバランスが図られるように調整を行うということになるようであります。それで、それぞれの市町村に一カ所の基準地が選定され、これらの基準地については各都道府県が県内の適正なバランスが図られるよう調整を行う、こういうことで実施をされるように伺っております。 さて、一つお尋ねいたしますが、各市町村間及び市町村の中の土地の評価の均衡化を私はぜひとも図ってもらいたい。といいますのは、今日まで相続税評価額は市価の大体五〇ないし六〇%、それから固定資産評価というのは市価の大体二五ないし三〇%、こういうぐあいに見られておりまして、両者の間には大体何か相関関係があるように私たちは見ておったわけでありますが、必ずしもそうでもないところもございます。最近はいろいろと相続税評価額の方もかなりアップをしてきておるようでありますが、たまたまその双方を見ておりますと、各市町村の間の不均衡というのが実は素人目にもわかったわけであります。そういう点で均衡化を図るようにひとつ努力してもらいたいということについてまずお尋ねいたします。
○津田政府委員 固定資産税におきましては、土地の評価につきまして評価が適正ということと同時に、均衡のとれた評価が行われるということも非常に重要と考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、先生からお話しのような自治大臣あるいは都道府県等の調整の手続を経まして個々の地籍につきまして評価を行うわけでございますが、個々の地点におきます評価の適正化を図るとともに、市町村内の地域間の均衡、市町村間の評価の均衡ということに今後も努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 なお、相続税あるいは時価と申しますか公示価格との差という問題もあるわけでございますが、これはそれぞれ公示価格の性格、相続税の性格、特に固定資産税は約三千二百万人の納税義務者を抱え、毎年毎年負担していただく、こういうような税の性格を持っておるわけでございまして、このような性格を踏まえ、適正な評価、均衡のとれた評価、そして適正な負担というものをお願いしてまいりたい、かように存じております。
○安田委員 それでは大臣にお尋ねしますが、現状のこの地価急騰が大変な問題になって、政府の方もその対策を進められておりますが、その現状からいきますとこの評価額が著しく影響してくる、こう思うのですが、一体自治省としては評価についてどういうぐあいに考えておりますか。
○葉梨国務大臣 先生御指摘のように、一昨年あたりからその動きが見えてまいりましたが、昨年、ことしと大都市の中心商業地におきます地価の異常な高騰が見られているところでございまして、私どももこの状況に大変な憂慮を持って見守っているところでございます。 昭和六十三年度には固定資産税の評価がえが行われますが、各地方団体におきましてはその作業をただいま進めているところでございます。自治省といたしましても、全国的な観点から基準となります地点につきまして公平な評価が行われますように、ただいま調整を行っているところでございます。 ところで、先ほど申し上げましたように、急激な値上がり、異常な値上がりのあった地点がございます。先高を見越して非常に高くなっていたり、将来に対する期待価格がもう既に十分以上に価格にあらわれているところ、そういう異常な地価に対しましては、特にその不正常な状況を修正いたしまして評価をしなければならない、このようなことを考えておりまして、自治省といたしましては課税団体とそういうことを配慮しながら調整を図ってまいりたいと考えているところでございます。 なお、固定資産税の負担と評価の問題につきましては、昨年十月の税制調査会の答申におきまして、「その評価に当たって引き続き均衡化、適正化に努め、中長期的に固定資産税の充実を図る方向を基本とすべきである。この場合、多くの納税者に対し毎年課税されるという固定資産税の性格を踏まえて、負担の急増を緩和するためなだらかな増加となるような配慮が必要である。」こうされておるわけでございまして、この趣旨を踏まえてこの作業を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○安田委員 そこで、地方税法の第三百四十一条一項五号の中に「適正な時価」ということが言われているわけでありまして、それに基づいて自治省告示の固定資産評価基準がいろいろと指図をしております。この固定資産評価基準が予定する通常の売買地価ということからしますと、今大臣が正常な状態に調整してとおっしゃっておっても、かなり上がってくるのじゃないだろうか。そこで、これはいろいろな議論のあるところですが、今の通説からするとこうはならないのでございますが、利用価格というものもひとつ税法の第三百四十一条一項五号の「適正な時価」というものと考えておるのだというようなわけにはいかないだろうか、私はこう思うのですが、その点どうでしょうか。
○津田政府委員 固定資産税の課税標準につきましては、地租以来いろいろな変遷があるわけでございまして、現行の資本価格、売買価格というものの制度をとりましたのはシャウプ勧告に基づいてでございます。戦前におきまして、いわゆる賃貸料等の御指摘の利用価格的な課税標準のとり方もやられておったわけでございますが、実はこの利用価格あるいは賃貸料をとりますと、いろいろな問題が出てまいります。例えば同じ土地でございましても、店舗に使われる場合、アパートに使われる場合、事務所に使われる場合、恐らく賃貸料はさまざまになってしまう。戦前の実例におきましても、賃貸料価格を課税標準としながら、結局は委員会で台帳主義によりまして一律に定めておったというような実例がございまして、結局のところ売買実例価額方式というものが他の方法に比べて比較的容易であり、各土地の評価の均衡の確保あるいは確認が容易である、このようにされておりまして、市町村もシャウプ以来の事務になれてきておるわけでございます。 そういう意味におきまして、基本的に売買実例価額というものを中心として考えるわけでございますが、先ほどちょっとお述べになりましたように、固定資産税の評価額の水準は大体公示価格の四分の一と言われる、まあ単純な比較はできないわけでございますが、そういうような意味で三千二百万人の納税義務者が適正に御負担いただけるような評価の努力もしておるわけでございます。したがいまして、先生御指摘の利用価格方式というものも考えられるわけでございますが、過去の経緯等から見ますと、やはり現在の方式を進めるべきではないか、かように考えております。
○安田委員 そこで、今局長のおっしゃった経緯からすると難しいということになるわけですが、サラリーマンの住宅地、それから零細小売商店のように生活するための財産としての固定資産というのは、不動産業者が商品として持つ土地とか、大企業が買い占めた遊休土地などのような投機的財産や資本的財産とは本来的に区別しませんと、最近のこの地価急騰に対して、収入、所得は上がらないのに固定資産だけは高くなる。結局町の中から出ていかざるを得なくなって、地上げ屋に翻弄されるという現象も一部出てまいっております。 そういう点で、課税標準それから税率の仕組みも変える、持っている人たちのそれぞれ持っている機能によって課税標準や税率も変える、そういう行き方を考えていくことも必要なのではないだろうか。非常に難しい問題を含みます。税法上の理論体系からしてもいろいろな問題が出ます。しかしそういうことも研究しないと、固定資産税に対しては市町村の安定的な財源であるにもかかわらず不満が出てくる可能性があると思うのです。そういう点で自治省も少し幅広く研究される必要があるのではないかと私は思うのですが、どうでしょうか。
○津田政府委員 固定資産税は、原則として固定資産自体の持ちます価値に着目して、その資産価値に応じて課税される物税でありまして、いわゆる納税者を目標として、その全体の給付能力なり稼得能力というものを判断する人税とは違うんだ、こういうような観点で税をつくっておるわけでございます。 そういう意味におきまして、その納税義務者にはいろいろな形態の方もあるかと思いますし、空き家の場合がある、あるいは正直申しまして借金で家を建てた方にも税の負担をいただかなければならない、こういうような仕組みにもなっておるわけでございます。したがいまして、個々の納税義務者の配慮ということと、また人税である所得税なり住民税なりそういうような所得課税とともに、やはり税体系の中でこの位置づけというものを考えていかなければならない、かように感じておるわけでございます。 ただ具体的な、御指摘の居住用の宅地につきましては、既に二分の一あるいは四分の一というような課税標準の特例をつくりまして、生活必需的な居住部分への配慮をやっておるわけでございます。零細規模の商店ということもあるわけでございますが、これにつきましては、併用住宅の場合には住宅のそのような軽減措置を講じておるわけであります。ただ、基本的に商店部分あるいは事業所部分というものは、いわゆる営業所得の計算上、これらの固定資産税は損金に算入される、こういうような税全体の仕組みも絡んでおるわけでございます。 〔西田委員長代理退席、委員長着席〕 それから、最近いわゆる土地転がしあるいは買い占め、こういうような問題があるわけでございますが、現在の固定資産税におきましてそれらの個別問題に対応するのは、やはりいろんな問題が生じてまいりまして、むしろ大勢の納税義務者に迷惑がかかるというような事態も考えられるわけでございます。そういう意味におきまして、やはり固定資産税とは別個の税制を考えるべきだ。かつて政府税調におきましても未利用地税というような構想もあったわけでございますが、現実問題として未利用地の判定というのは、どこが未利用なのか、どの程度建物が建っておればいいのか、そういう具体的な判定がなかなかできない、こういうことでいまだに検討が続けられておるわけでございますが、実現を見ておりません。 このように固定資産税全体につきましても私ども今後なお検討をしてまいると同時に、そういうような個別対策に絡みます個別税制のあり方ということにつきましても十分検討を続けてまいりたい、かように存じております。
○安田委員 それでは関根消防庁長官にお尋ねしますが、ちょっと時間がなくなったものですから、一括ひとつお聞きいたします。 まず、老人福祉施設の火災に絡んで、社会福祉施設等における防火安全対策検討委員会が設置されて検討されておりますが、まずここはいつごろまでにこの結論をまとめられるのか。 そして委員会で、例えばいろいろな出される検討事項を見ておりまして、大変結構なんでございますが、とかくこういう福祉施設では、その中にお世話になるといいましょうか、要するに利用者といいましょうか、入っている人たちの立場というものをつくっている人がいろいろと心配して、ああするこうすると考えるのだけれども、実際入っている人の立場からすると、どうもニーズに合っていないという、これはいろんな子供の施設やお年寄りの施設、従来つくった中では絶えずそういう問題が出てくるわけであります。 今回の場合も、自力で避難のできないお年寄りたちを対象にした施設等の防火問題ですから、そういう人が出てきて意見を言うというのは困難なのでありますけれども、そのかわりにそういう施設の協議会の会長さんですとか、そういう方たちが入って議論されているということになるのでしょうが、消防庁の所管からすれば防火、消火、避難、こうなるのですが、もちろん建設省の住宅関係、厚生省も入っておられます。問題は、広くそういう入っておる人の立場でいざ火災になったらどう対処すべきか。 例えば、私たち外国の福祉施設を見た場合にも、お年寄りが平生食堂で座っているいす、それもトウなんかでつくって、いざというときには担架がわりにすぐ持ち出せる、そういう配慮になっているというところに大変全体がいわゆる防火、避難というものを兼ねておる。そういうものは日本の従来の施設には欠けておる。こういうことはこの種の火災が起きたときに、例えばこの間の松寿園のように、人もあれもいろいろなことが仮に充足しておったとしてもだめだったとか、あるいはというようなことが他の場合にも起きるわけでして、そういう点でまず消防庁の考えを聞きたい。 さらに、いろいろな研究をされて進めていきますと、どうしても金が足らなくなってまいります。これは大臣に後から聞きたいわけですが、消防庁の予算というのは少しずつ目減りをしております。研究してその成果を出す。例えば最近は弱者の施設、中高層建築物が大変ふえてきておる。そうすれば当然それに伴う消防器具等がやはり近代化されてくる。そのために市町村にも補助を出さなければならぬ。それで消防庁は今の予算状況からすると大変苦しいのじゃないだろうか。そういう点では、こういう最近大きい火災もありますし、大臣もひとつ来年は腹をくくって、どんと消防予算を持って、いざ起きたときも人は一人も死なせぬぞ、こういうたんかも切って金を取るという覚悟も必要じゃないか、こう思いますので、長官の答弁を聞きまして、大臣からひとつお聞きしたい。
○関根政府委員 松寿園の火災を契機といたしまして、社会福祉施設等におきます防火安全対策をさらに強化する必要があるということで、そのための検討委員会を早速六月十一日に第一回の会合を開きまして以来四回の会合を重ねて、関係各省なり施設の代表者なりあるいは学識経験者の方々の御意見を出していただいて、今案を取りまとめ中でございます。できるだけ早く結論を出していただきたいということでお願いをいたしております。私どもといたしましては、今月いっぱいにでも何とか出していただけないかということで鋭意検討を急いでいただいておるところでございます。 それから次に、消防サイドな力あるいは防火担当者のサイドで施設の防火、安全を考えてはいけない、やはり利用者の立場に立って、あるいは入所者の立場に立って考えるべきであるという御主張、お話でございますが、全く私どもも同感でございます。 消防職員が施設等へ査察で参りましたり消防設備の状況を点検に参りますときにも、入所者の意見なり、あるいは入所者と気軽にお話をしていろいろな現場の状況というものを的確につかんでくる、こういうことを今までもやらしていたつもりでございますが、今後ともそういったことで現場の状況をできるだけ的確につかみ、意見も聞いてくるようにしたいと考えております。 なお、今回の検討委員会には、もちろんこういった施設を所管いたしております厚生省の担当課長さんにも参加をいただいておりますし、また社会福祉施設側を代表いたしまして全国社会福祉協議会の代表者の方、また日本精神薄弱者愛護協会の代表の方にも入っていただいておりまして、そういった方々から現場の状況をお聞きする、意見を反映していただく、そういう考え方をとっているところでございます。 また、火災等が起こりましたとき緊急にいろいろ対応するというのは、あらかじめ計画をいたしているだけではなかなか対応し切れない、現場においてとっさにいすごと患者を運び出すようなことを考えたり、もちろん担架は最近は大体車輪がついておりまして、そのまま出せるようになっておりますが、そういったものの軽量化でありますとか、取り扱いの簡単なものにしていくとか、そういった研究も、私どもは消防研究所も持っておりますし、また消防機器につきまして検定を行っております消防検定協会がございます。最近では財団法人といたしまして消防設備安全センターというのがわりかし活発に運動を展開しておりますので、そういったところを動員いたしまして、できるだけ研究をしていっていただいて、いわゆる防災弱者というものに対するそういった応急の場での対応が現実的にうまくいくように研究を続けていきたいと考えておるところでございます。 なお、予算につきましては、私どもマイナスシーリングの影響を受けまして、市町村の消防設備に対する消防予算、いわば消防補助金と言われておりますが、だんだん減ってまいっておりまして、現在百三十六億まで目減りをしてしまっております。できるだけ必要な額を確保するように最善の努力をしていきたいと考えております。
○葉梨国務大臣 先生の御質問にもありましたように、いろいろ新しい事態が生じております中で、それらに対します研究を進めていかなければならないと思っております。また、都市化とか都市の高層化あるいは地下街の発展、あるいは危険な建物があちらこちらにできてきている、こういうようなことに対応いたしまして化学消防車その他の消防装備の充実も図らなければならない。残念ながらここ数年消防予算が減少しておりますが、何とか減少から増加と言わずとも、ここらでストップさせて、そして少ない予算が効率的に使われるようなそういう体制づくりをするように指導してまいりたいと考えているところでございます。
○安田委員 葉梨大臣の特徴をひとつそこにぜひ出していただきたいと思います。 さて、時間がなくなりましたので、恐縮ですが一括警察当局の方に質問いたします。 まず悪徳商法について、最近、霊感商法、海外先物取引、原野詐欺取引、現物まがい取引、悪質抵当証券取引など、利殖絡みの悪徳商法がますますはびこる情勢にあります。そこで、社会を動かすのが政治だとすれば、まさに今の政治は狂っておる、こうしか言いようがありません。だます方は最高に悪いのですけれども、乗る方も利口にならなければならぬと思うのでありますが、その警鐘として関係機関が悪質業者におきゅうを据えるということもまた大切だと思います。 そこで、まず警察庁に寄せられる相談件数や取り締まり状況、私の持っている消費生活センター関係の資料では非常に膨大な、一万四千幾らという数字なんですが、警察庁の方ではどの程度把握されているか。 さらに、高麗人参濃縮液の輸入元ハッピーワールドの卸元の「世界のしあわせ」に、医薬品でないことの行政指導を厚生省が実はしたわけでございますが、一方、公正取引委員会も同様に景品表示法の違反のおそれありとして文書警告をしたと言われています。その内容について公正取引委員会の方にお尋ねしたいと思います。 そしてもう一点、警察の方に、海外先物取引業者は二百四十ないし二百五十あると言われております。その中にも悪質のものは百幾らある、こういうぐあいに言われておるわけでありますが、一体これはほとんど全部悪質なのかどうか、これをお聞きしたいと思います。 もう一つ警察の方で、神奈川県警における警官の氏名等公表問題が盗聴事件に絡んで出ておりまして、朝日新聞の二十三日付では、警察庁小池官房長が、決定はまことに遺憾である、こういうコメントを実は発表しておりますし、神奈川県警の有馬浩一郎警務部長も同様のコメントを出しております。私は、警察の職員やあるいは家族に危害を及ぼすおそれがあるから公表は控えてくれということについて、警察当局として時の情勢なりいろいろなことからそういう要請をされることはあり得ると思います。しかし、神奈川県が条例をつくって、そして審査会が慎重に各関係者の意見を聴取しながら公開に決めたということに対しましては、私は、行政官庁はそれに協力するのが当然でなかろうか。そういう点で、小池官房長のは単なる要請なのか、あるいは事実そういうのは警察では困るということなのかということについて、私は、困るということであればこれは逆に困ったことである。それはやはり要望は要望としても、協力は協力をしていくということが必要ではないだろうか。そうしませんと、警察と県民との信頼関係というのが出てこない、いつも秘密のベールに包まれているという不信感しか出てこないと思いますので、そういう点は警察も開かれた警察への努力が必要である、こう思いまして、その点の見解をお聞きしたい。 以上であります。
○漆間政府委員 お答え申し上げます。 先物取引商法等のいわゆる悪質商法についてでございますが、警察といたしましては、消費者保護、弱者保護の立場から取り締まりの最重点課題として取り組んでおります。 先物取引商法につきましては、これまでに二十六事件、被害者約九千二百人、被害額百九十二億二千万円を上回る事犯を検挙いたしております。 それから霊感商法につきましては、昨年来四事件を検挙いたしております。それから相談状況はどうかという御質問でございましたが、昨年じゅうの相談の件数が九千三十九件でございます。うち霊感商法が百九十八件、本年はまだ一月から六月までで総数はわかっておりません。霊感商法だけに限っていえば三百五十八件ということでございます。 それから、海外先物業者の数が二百四十のうち、おかしな業者はどのぐらいあるかという御質問でございましたが、おおよそ百十を超える数字ではないかと考えております。 以上であります。
○本城説明員 公正取引委員会といたしましては、一和高麗人参茶及び一和高麗人参濃縮液の一般消費者向けのパンフレットにつきまして調査をいたしましたところ、不当景品類及び不当表示防止法に違反するおそれのある表示が見られましたので、株式会社「世界のしあわせ」ほか一社に対しまして、六月三日、文書により警告を行ったところでございます。 警告の主な内容といたしましては、これら二社がパンフレットにおきまして、使用原材料について、コウライニンジンのうち品質の最もよいとされております六年根を使用しているというような表示をしていたわけでございますが、実際には五年根を一部使用していたものであったこと、また同業他社の同種の商品につきまして、高温による抽出によりコウライニンジンの成分であるサポニンが破壊されているかのように表示されていたのでございますが、実際にはその合理的根拠は明らかでなかったり、あるいは事実と相違していたものであったりしたことなどからいたしまして、不当表示のおそれがあるということで警告をした次第でございます。
○小池政府委員 神奈川県警察の警察官の氏名等の公表についての御質問にお答え申し上げます。 警察として人事委員会の職務に協力することは当然であると思いますが、違法行為を行う者は、警察の体制等を調査して取り締まりを免れたり、警察職員に対して牽制や妨害を加えたりすることが多いわけでございます。例えば、暴力団の取り締まりに従事する者の全容が明らかになれば取り締まり活動に重大な支障が生ずることになりますし、また極左暴力集団は警察を敵視し、警察施設に対するゲリラを敢行し、警察関係者に対する攻撃を公然と主張している状況にございます。こうしたことから、警察職員の氏名、所属等を公表することは、違法行為を行う者に取り締まりを免れさせ、牽制、妨害の機会や攻撃目標を与えるおそれがあるのでありまして、警察の職務の遂行上支障があると考えております。 今回の神奈川県人事委員会の決定は、そういう事情があるにもかかわらず、警察が一定の目的のために人事委員会に提供いたしました資料を目的外に使用し、これを公表することとしたものでございまして、その意味におきましてまことに遺憾であると考えております。 今後警察といたしましては、職務の遂行に支障が生ずるような事態を防ぎ、かつ人事委員会の職務にも支障が生じないような資料の提供方法等について検討する必要があると考えております。
○安田委員 終わります。どうも時間が食い込みまして済みませんでした。
○石橋委員長 中沢健次君。
○中沢委員 三つほどテーマを絞りまして、一般質問をさせていただきたいと思います。 まず一番最初に、ことしの六月に自治省が発表されました地域経済活性化緊急プロジェクト、この内容について具体的に幾つかお尋ねをしたいと思います。 まず第一点は、資料もいただいておりますけれども、この緊急プロジェクトの目的と対象についてでありますが、特定地域について一定の条件の合った地域についてこの緊急プロジェクトを行うということでありますが、具体的にどういう物差しで地域を特定をされるのか。 関連をいたしまして、当然ながら一定程度の事業規模について自治省当局は考えていると思うのでありますけれども、全体的な事業の規模、どの程度をお考えであるか、この二つをまずお聞かせをいただきたいと思います。
○森(繁)政府委員 お示しの地域経済活性化緊急プロジェクトは、急速な円高の進行とかあるいは内需主導型の産業構造への転換の要請等で、我が国を取り巻く社会経済情勢が大きく変化いたしております。そのため、特定の業種に大きく依存しております地域におきましては、景気が停滞し、雇用が悪化する等極めて大きな影響が出ておるわけでございます。そこで、関係の地方公共団体がこれらの地域におきまして緊急に行いますプロジェクトを支援しようというものが、この地域経済活性化緊急プロジェクトでございます。 その対象地域は、この趣旨にのっとりまして、急速な円高の進行によりまして地域経済が大きな影響を受けておる地域、具体的に申し上げますと、特定の業種への依存度あるいは経済活動の停滞状況あるいは雇用情勢の悪化状況、こういう一定の要件に合致する市町村を対象地域といたしたい、かように考えておるわけでございます。今申し上げましたような要件に合致をいたします市町村の数は、現在のところ全国でおおむね二百五十市町村程度になるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。 それからまた、事業規模につきましてもお話がございましたが、現在関係地方公共団体でこれらの緊急プロジェクトの内容につきまして詰めておる段階でございますので、私ども現段階におきまして詳細な数字は持ち合わせておりませんが、このプロジェクトの性格にかんがみまして、関係地方公共団体におきまして積極的に事業が実施されるよう強く期待をしておるものでございます。
○中沢委員 そこで、事業規模についてもう一つ再質問させていただきたいと思いますが、趣旨からいいまして、非常に円高不況、特に私は北海道の出身なんでありますけれども、北海道にとりまして非常に関心の多い問題でございます。具体的には各地方団体の作業が前提になるということなんでありますが、例えば一つのプロジェクト、どの程度の金額を考えているのか。上限はあるのかないのか。 それから、それを全国的に積み上げて、仮にその希望が何百億という金額に積み上げがなった場合、全体的にその規模そのものを枠組みの中で抑えてしまうのか、あるいは最終的にこのプロジェクトの対象になる条件がそろっているところについては、希望どおり積み上げになるのかならないのか、この二点、具体的にまたお聞かせをいただきたいと思います。
○森(繁)政府委員 まず第一点の事業の規模といいますか、上限、下限の話でございますけれども、あと財政局の方でお願いいたしておりますが、地方債の対象にするということが一つの大きな柱になっておりますので、その意味である程度事業規模が大きいといいますか、その地方団体で地方債を起こして事業をするにふさわしいような規模、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。したがいまして、逆に申し上げますと、上限の方は地方公共団体が自主的に判断していただくということになろうかと思います。 それから、地方団体の方でまとめました緊急プロジェクトにつきまして、それをそのまま認めるのかというお話でございますが、地方公共団体が関係当局といろいろ相談いたしましてまとめました緊急プロジェクトにつきましては、私ども最大限これを尊重いたしたい、かように考えております。
○中沢委員 それじゃ、この問題に関連をいたしまして、財政上の支援措置につきまして具体的にお伺いをしたいと思います。 内容としてはいろいろあるのでありますが、例えば地域総合整備事業債の充当率、現在七五%を九〇ないし一〇〇%に引き上げる、こういう具体的なプラン、あるいは過疎債につきまして特別枠として配分をする、こういうプランも示されているのでありまして、そのこと自体は私どもとしては一定程度評価をしたいと思うのでありますが、問題は、結局その交付税法上の財政措置ということについて従来どおりの財政措置なのか、あるいはこの際、緊急という今度のプロジェクトの性格からいいまして、交付税の措置につきましても何らかのプラスアルファといいましょうか、そういうことを考えているのかいないのか、例を二つ出しましたけれども、具体的にお示しをいただきたいと思います。
○矢野政府委員 今回の地域経済活性化緊急プロジェクト計画につきましては、事柄の性格上、構造不況地域等においてとにかく緊急にその効果を上げなければならない、こういうプロジェクトでございます。 内容につきましては、先ほど担当審議官の方からお答え申し上げたとおりでございますが、そういう性格のものであるだけに、その主力になりますものは地方債という具体的な財源措置をもって行うのが最もこの効果を上げるにふさわしい、こう考えておるわけでございます。問題は、御指摘のように地方債はあくまでも借金でございますので、こういった地域において、確かにその事業によって大いに効果が上がり、あるいはそれが税収にはね返るというようなことがあるといたしましても、なかなかすぐにはね返ってこないという点もあろうかと思うのでございます。 そこで、この緊急プロジェクトに充てます地方債については、その主力を地域総合整備債あるいはお挙げになりました過疎債、こういうものを重点的につき込む、こういうことにしておるわけでございますが、これらの地方債につきましては、単独事業の中でも交付税による元利償還措置がついておるものでございます。そういうものをむしろ重点的につき込むことによりまして、将来の償還に当たっての財政負担をできるだけ少なくし、かつ事業がやりやすいようにする、こういう趣旨によって行うものでございます。 したがいまして、例えば地域総合整備事業債につきましては、特別分七五%に加えて一般分を一五ないし二五%上積みをいたしまして、そして九〇ないし一〇〇%にするということでございますが、この七五%分につきましては、地方公共団体の財政力に応じまして一定の割合を交付税で算入する、あるいは過疎債につきましてはその元利償還金の七〇%を交付税で算入する、こういうような仕組みになっておりますので、その上にさらに特別の算入措置をするという意味ではなくて、そういうものをむしろ重点的にこういったプロジェクトにつき込む、こういう意味でございます。
○中沢委員 それで、過疎債の特別枠という問題なんですけれども、これは資料を見た限りにおきましては、改めて特別枠というのを起債の枠として新設するというふうに私は理解をするのですけれども、そういう理解でいいのか。そうじゃなくて、過疎債について見ますといろいろな問題がありまして、現在の枠を完全に消化をしていないという話も少し聞いておりますので、そういう内容についてどのようにされるのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。
○矢野政府委員 過疎債につきましては、先ほどお答え申し上げましたように交付税上の元利償還算入措置がこれに附帯しておるものでございますが、今回の地域経済活性化緊急プロジェクトの対象市町村の中には、旧産炭地などのように、もともとこの過疎債の対象になり得る過疎市町村が少なくない、かなり多いということにかんがみまして、そういった市町村で経済の活性化や雇用の確保のために緊急に実施する事業で過疎債の対象になるもの、例えば地場産業の振興事業であるとかあるいは観光開発事業、こういったものについて過疎債を充当しようというわけでございます。 今御質問の特別枠でございますが、特別枠というのは従来からそういう枠を設定いたしておりまして、過疎債の一部を特別枠としておるわけでございますが、逆に申しますと、一般枠の方につきましては各都道府県ごとに枠を決めてまいります。それで、その際には過疎の市町村数あるいは人口とか面積とかあるいは前年の実績とか一般的な基準をもって算定をして配分をするわけでございますが、それ以外に特別の具体的な事業、例えば学校統合であるとか集落の移転とか、あるいは例えばリフレッシュふるさとモデル事業とかコミュニティーセンターとかいった個別、具体に拾い上げていく方が適当なもの、こういうものは特別枠として、先ほど申し上げました人口、面積等による一般枠とは別に地方債の発行を認める、こういうことにしておるわけでございまして、今回の緊急プロジェクトに際しましては、こういったプロジェクトを行う市町村にそういう意味での特別枠を重点的に配分をしてまいりたい。 特別枠の額につきましては、必ずしも固定的に考えておりません。どういうプロジェクトが出てくるか。なるほどこれはやはり過疎債を特別枠で充当した方がいいなと思われるものは積極的に充当してまいりたい、こういうことでございます。
○中沢委員 そこで、この問題について最後の質問になると思うのでありますけれども、資料の一番最後の方に、特別交付税上適切な措置を行うというくだりがあるわけです。緊急に行う経営安定あるいは雇用確保対策、そういう場合については特交上の適切な措置を行う、こういうことなんでありますけれども、例えばどういうプロジェクトが対象になると考えていらっしゃるのか。経営安定、雇用確保という言葉だけではちょっとイメージが具体的に出てこないものですから、例えばこういうものが対象として考えられる、こういうことをまずお示しいただきたいし、それから特別交付税上の措置をするということについてはいろいろな手段、方法があると思うのですけれども、具体的にどういうことを考えていらっしゃるのか、あわせてお聞かせください。
○矢野政府委員 緊急プロジェクトを実施いたします場合に、先ほど来申し上げておりますように物的な施設といいますか投資的な経費と申しますか、こういった面につきましては、先ほどのように地域総合整備事業債あるいは過疎債、さらには一般の単独事業債、こういうもので措置してまいりたい。 ところが、市町村が実施する緊急プロジェクトの中には、そういった物的なものではなくていわば起債になじまないものそういう施策がもとよりあろうかと思います。そういう施策につきましては特別交付税で財源措置をしてまいりたいと考えております。従来からも地域経済振興のために、そういった地方債になじまない財政需要がある場合には特別交付税で算入してきた例がもちろんあるわけでございます。 例えば従来の例に徴して申しますと、中小企業融資に対する利子の一部を特別交付税の中で算入をするとか、あるいはお金を低利で預託をいたしまして、そしてそれによって生ずるところの利差の額、こういうものを交付税に算入をする、あるいは試験研究開発のために投じた経費、物的なものを除く試験研究開発経費、あるいは調査とか情報収集とか広域的な観光の宣伝であるとかイベントなどをやるとか、そういった事柄がこういった緊急プロジェクトの中で特に必要だというものとして市町村で実施し、かつそのために財政支出を行った場合には、そういうものを特別交付税の算定に当たって対象にしてまいりたい。 特別交付税の算定は十二月及び三月の二回に分けて行うわけでございます。その二回の中で具体的に市町村から、こういった地域にどういう財政支出を行ったかということを十分調査をいたしまして、それに対して措置をしてまいりたいと考えております。
○中沢委員 そこで、今の問題について私の方の要望を申し上げますと、せっかくつくられました緊急プロジェクトでございますので、自治省側としてもできるだけ間口を広く、各自治体の希望に沿って、しかも事務的にも速やかに起債の許可等々について行っていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 いま一つは、交付税措置の問題で言いますと、確かに過疎債は七〇%交付税措置がされる。私もよく承知をしておるのでありますが、この際ですから今後ひとつ御検討いただきたいと思うのでありますが、そういう現在の制度に上乗せをするような検討についてぜひ自治省内部でお願いをしたい。これは御答弁は特別求めません。そのように御要望申し上げておきたいと思います。 さて二つ目の問題でありますが、不況地域の自治体財政対策につきまして、少しく地元の実態を踏まえて具体的にお尋ねをしたいと思います。 まず公債費率の問題についてお尋ねをしたいと思うのでありますが、地方財政白書なんかを見ましても、その傾向についてはいろいろ出されております。それで全国的な傾向につきましては、例えば公債費率二〇%以上のところが三千二百五十二団体のうち千三十三に上る。全国的に三一・五%という比率になっているわけです。特に私は北海道の夕張の出身でありますが、夕張は石炭の町。公債費率の最近の数字を拾ってみますと、余り高くないのでありますけれども一五・二%。鉄の町の室蘭については二〇・〇%。造船の町とも言われております函館については一四・六%。数字のばらつきがありますけれども、依然として公債費率はやや高いところに位置づけされているのではないかと思います。 先ほど来質問いたしました緊急プロジェクトのおよそ二百五十市町村についての平均的な公債費率について、数字があればお示しをいただきたいし、もしなければ、自治省の専門家としてのおよその想定について、その数字をまずお聞かせをい ただきたいと思います。
○矢野政府委員 公債費負担比率についてのお尋ねでございますが、全体の数字は先ほど御質問でお示しになられたとおりでございますが、この地域経済活性化緊急プロジェクトの対象地域の候補として考えられる、まだ具体的に決定しておりませんので候補として考えられる市町村の昭和六十年度の公債費負担比率の平均は、これは単純平均しか出せませんけれども約二八%程度、このように把握をいたしております。
○中沢委員 そこで、関連をする第二の質問でありますが、本年度の補正予算に関係いたしまして、例の地方負担問題、数字的にはあえて申し上げませんが約二兆円。単独事業を入れると二兆八千億くらいに上るわけですね。単独事業は一応別にいたしまして、結局二兆円に近い地方負担、これは前年度に比べますと補正予算の規模で四倍になる、このようにも言われておりまして、これは大変ではないかと思うのです。 そこで、先ほど来の質問でお答えもありましたけれども、一つの財政的な手当てとして、五千七百億円という一定の予想される、あるいはやや確実な財源について、有効に地方負担の解消というところに回すべきではないか、下限として回すべきではないか、こういう考え方が一つ当然出てまいります。 それからもう一つは、きょうの論議で余り出てきておりませんが、自治省が既に明らかにしておるのでありますけれども、七月十日付の文書、財政局長名で各都道府県に通達をお出しになっております。いわゆる起債制限の緩和措置につきましてお示しになっているわけなんですが、この七月十日付の文書によりますと、公債費率というよりも起債制限比率を使っているのでありますが、起債制限比率が一八%以上の市町村を対象にして起債の許可のいろいろな対応をする。このこと自体は私は別に反対ではございません。問題は、それに付随をいたしまして関係市町村に適正化計画を出させる、その計画が前提にある、こういう内容なのです。このことについて、そういう受けとめ方でいいのかどうか、まず第一点お尋ねをしたいと思います。
○矢野政府委員 第一点、交付税の配分をできるだけ不況地域にという御趣旨でございます。 今回私どもは、補正追加されますところの公共事業の地方負担、これに対しては従来のように起債だけではなくて交付税による措置もあわせてということを大蔵省の方に目下求めており、協議中でございますが、その財源としては五千七百億の交付税の六十一年度精算分の一部を充てたいと考えておるわけでございます。その五千七百億の一部をもって交付税に充てる場合、そういう形で実現をいたしますれば、できるだけ公共事業の配分が重点的に行われると思います。ただ、交付税は補助金ではございませんので、補助金のような配分の仕方はもちろんするわけにはいきませんが、できるだけそういう公共事業の配分の多い地域に交付税がそれに見合っていくようにということで算定の方法を考えてまいりたい、こう思っておるところでございます。 それから第二点の公債費対策の問題でございますが、この趣旨はこういうことでございます。 つまり、先ほどお示しになられましたように、一般財源における公債費負担比率、これが二〇%以上に達するところがもう既に市町村で千三十三ということでございますけれども、内容を見てまいりますと、やはり小規模な地方公共団体からこの比率が一般的には高くなってきておる。規模の大きい団体は、ずうたいが大きいわけでございますから起債の額も借金の額も大きいのでございますが、まだそう大きな比率にならない。ところが、小規模な団体にこういう公債費負担比率が高まり、ひいてはそれが制度上の起債制限比率二〇%、これは公債費負担比率に用いる率とは違いますけれども、起債制限比率に該当してくるおそれが高い。そういう観点から、そういう地方自治体においてはやはり公債費の負担をできるだけ低くしなければならない。 それと同時に、起債制限にかかりますと起債の発行ができなくなりますので、そういう団体において内需拡大等のために起債で仕事をやりたいと思ってもできないということになるとこれは事柄として重大だ、したがってそういう団体においては公債費負担比率をだんだん引き下げながら、しかも同時に公共事業等が地方債を財源として執行ができるようにという観点から、我々として対策を立てたものでございます。 その手法として、公債費率が一八%以上ということでありますが、それは二〇%に間もなくもう近づきつつあるというような団体、要するに危険信号のついておる団体、それ以上の団体を対象にして、一方において公債費の財源を極力生み出せるような方策を立ててみてください。そしてその場合に、その財源を繰り上げ償還に充てる、あるいは繰り上げ償還がすぐできなければ積み立てておく。その積み立てた場合には、そういうものを積み立てたわけでありますかも公債を償還したものと同じように考えて、起債制限の扱いの場合にはそういう取り扱いをしてまいって、つまり起債の発行をできるようにしていきたい、こういう趣旨でございます。なお、利子の一部を特別交付税で措置をしてまいることによって支援をしていく、こういうことでございまして、内容は、あくまでも市町村の自主的判断に基づいて、ぜひそういうぐあいにしたいというところについて我々としてはそういう対策をとりたい、こういう趣旨でございます。
○中沢委員 答弁漏れといいましょうか、それも絡めて再質問したいと思うのですが、七月十日付の文書の中には、一八%問題と同時に、適正化計画を策定する。この適正化計画について言いますと、従来いろいろなそういう計画がありまして、それをめぐって現場の市町村段階ではいろいろな問題が出ているわけですね。例えば歳入をふやす、そうなってくると、税以外の関係で使用料、手数料を引き上げせざるを得ない。歳出を抑えるということになってくると、これまた人件費、物件費を含めていろいろな問題が出てくる。そうなると、このせっかくの自治省の配慮が、適正化計画がなければだめだというこの前提がついている限り、なかなか趣旨どおりといいましょうか目的どおりいかないのではないか、こういうことを私は非常に危惧として持っているものですから、それがあくまでも大前提なんですかと、これをまずお尋ねしたわけです。そのことについて、大事な問題ですからちょっとお答えをいただきたいと思います。
○矢野政府委員 先ほど申し上げたような趣旨でございますが、そのために適正化計画をつくっていただいて、公債費の比率が最終的には一六%以下、安全ライン以下に下がるような計画をつくっていただく、これが今回の対策のいわば必要な前提ということでございます。
○中沢委員 正直いいまして、この問題について基本的な議論をいたしますとなかなか時間が十分でないと思いますので、別な機会に譲りまして、もう少し具体的な問題点につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。 具体的な問題の第一は、普通交付税上、例の人口急減補正、これが制度として行われている。あるいは産炭地の場合は特別にそれに加えまして産炭地補正という制度があるわけでありますけれども、特にこの産炭地補正につきましては、五月二十五日の衆議院の石炭対策特別委員会で細谷大先輩の方から自治省側に質問いたしまして、担当課長の方から答弁があるのでありますが、私はこの産炭地補正について二つの指摘をしておきたいと思うのです。 非常に専門的な話になるかもしれませんが、この算式をずっと見てみますと、従来からそれぞれ問題点が指摘をされていたかもしれませんけれども、特に産炭地の三つの就労事業につきまして補正の算定のA、B、CのCのところに出てきているわけなんでありますけれども、自治省も御承知のように、産炭地の三つの就労事業というのは九州地区に事実上限定をされておりまして、北海道にはこれが適用にならない。全国的な状況からいいますと、九州の閉山もありますけれども、北海道で閉山が既に土砂川町の三井砂川、あるいはこれから先まだ幾つかの山の閉山が想定される、こういう状況でもございます。ですから、この際算式の一部を、もう少し実態に沿って制度の見直しをやるべきではないか、これが一つ。 いま一つは、六十二年度から、つまり掛けるアルファという部分の率が急速に減少になるわけです。御承知のように、六十二年度〇・九、そして六十六年度は〇・一になってしまう。つまり、産炭地補正が事実上六十七年度以降はほとんど効果が出ない、これが実態ではないかと思いますので、この二つの問題について自治省側としてはどういう見解をお持ちであるか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
○矢野政府委員 産炭地補正についてのお尋ねでございますが、この産炭地補正と申しますのは、産炭地域の市町村の財政状況を勘案して、鉱業人口の減少に伴う財政需要の激変を緩和するための暫定措置として設けられたものでございます。昭和五十一年度以降の普通交付税の算定において適用されておるところでございます。でございますから、これはあくまでも激変緩和措置としての、一定期間適用するものであるという点について御理解を賜りたいと存じます。 この産炭地補正は昭和五十一年度につくったわけでございますが、当初、激変緩和の措置でございますから昭和五十六年度までの間とされておったわけでございますけれども、その後の状況を総合的に勘案をいたしまして、昭和六十六年度まで十年間さらに延ばす、そして激変緩和の措置でございますので、昭和六十一年度まではそのまま算入額を据え置くとして、その後漸減の方式をとるということの仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、私どもの方としては、この激変緩和が現在用いておりますのは、昭和三十五年の人口と昭和五十年の人口を比較して使っておるわけでございます。相当長期間にわたりますし、現在の制度では六十一年度までは据え置いてその後逐次漸滅するという方針を、これは現行制度が既にそのようになっておるわけでございますので、それに基づいて算定をしてまいりたいと思います。 なお、仕組みにつきましては、御指摘のように確かに三就労事業をその一部に用いておるわけでございますが、これはこの補正の性格にかんがみましてそういう数字を用いてまいったわけでございます。あくまでも暫定的な激変緩和措置ということで、そういうような実態をも含めて算定をするということにしたわけでございます。もちろんそういった事業のないところではこの数字が該当にならないということは御指摘のとおりでございますが、一面、そういう事業があるということをこの補正の中に算入する必要もあるという観点から、このような仕組みにしておるところでございます。
○中沢委員 その辺の議論はまた石炭対策特別委員会などの中でやりたいと思いますが、それに関連をいたしまして、これは全国押しなべて同じような傾向なんでありますけれども、とりわけ北海道は第一次産業、そして第二次産業も石炭や鉄鋼や造船と大変な不況に今直面をしている状況なわけです。 実は、昭和五十五年と六十年の国勢調査をいろいろ分析してみまして、全国の都市の中で人口の減少の大きいところがどこなのか調べてみました。残念ながら、私の出身の夕張が都市の中で全国一で二四・一%の減少率。二番目も北海道の赤平市で一一・一%。三番目に、余り予想をしていなかったのでありますが、鉄鋼の町と言われております室蘭の九・三%。非常に残念ですが国勢調査人口で全国のナンバースリーがすべて北海道、こういう状況です。 これに対しましては、先ほど来質問をしております緊急プロジェクト等々の中でいろいろ起債の配慮その他があるということについては承知をするのでありますけれども、例えば非常に全国的に見ても極端に一つの産業に依存をしている、そういう自治体があるわけでありまして、そういうところに限って言うと、産炭地補正に匹敵をするといいましょうか、準ずるといいましょうか、そういう新しい補正制度があってしかるべきではないか。恐らく当該市町村からもそういう趣旨の要請なんかも来ているのではないかと思うのでありますけれども、これにつきまして自治省のお考え方をお示しいただきたいと思います。
○矢野政府委員 産炭地補正は、先ほど申し上げましたように、かなり以前に既に閉山等によって人口が減少し地域経済の立て直しを図らなければならない、そういった市町村が現実に対象になっているわけでございますが、お示しのように、最近の状況から特に閉山あるいは非鉄金属等の閉山もございます。そのほかの構造不況、こういったものによりまして人口が急激に減りますと、これはやはり市町村の財政の上にも非常に大きな影響をもたらすわけでございます。現在、この点については、私どもは交付税の算定上では幾つかの仕組みを持っておるわけでございます。 一つは、国勢調査人口をとりますので、最近において人口が減少した場合には、次の国勢調査の翌々年度くらいまでは現在実際に人口が減っても従来の人口を交付税上の算定に使っていく。これは現実には市町村の財政にとっては財政のレベルを維持することができるということになるわけでございます。それから、その後新しい国勢調査人口に置きかえました場合には、一度に減らさないでいわゆる人口急減補正を掛ける、産炭地の場合にはさらにその上に別の産炭地補正というのを掛けておったわけでございますが、そういう手段があるわけでございます。 ただ問題は、単にそういうような激変緩和的な仕組みのほかに、さらに何らかのものが必要ではなかろうか、こういう点の御指摘でございますけれども、確かにそういった市町村におきましては、当座やはりいろいろな財政需要が出てまいる、したがって人口がそういう構造不況等によって急激に減ったような団体について、さらに当面必要な財政需要を何らかの形で算入する手法については、交付税の補正を通じましてよく検討してまいりたいと考えております。
○中沢委員 今のお答えにつきまして、ぜひ積極的に努力をしていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。 関連をいたしまして、あと幾つか具体的な点についてお尋ねをいたしますが、例えば産炭地の場合の炭鉱閉山ということについて言うと、全国的に何回か経験をしている、しかし最近もそれが続いている、こういう状況でございます。産炭地自治体に共通して非常に希望の強いのは、かつて起債をいただいていろいろな公共事業をやっている。しかし例えばの話、人口が大幅に減っていきますと、当然ながら学校の統廃合あるいは住宅の集約、かつて起債を中心にしてやっていた公共事業が、事実上学校が要らなくなるとか公営住宅その他が不要になる、こういう問題がずっと繰り返し繰り返し出てきているわけです。その都度いろいろ対応されていると思うのでありますが、この際、公共施設の破棄ないしは統廃合に伴いまして地方債の繰り上げ償還が当然出てくるのでありますけれども、これをひとつ適用除外ということで配慮ができないのか、あるいはまだ未償還部分で残っておりますものにつきまして、償還の財源について一定の財政的な配慮ができないのか、こういう問題が一つございます。 それに関連いたしまして、特に炭鉱地帯というのは非常に特殊性もあるのでありますけれども、今度閉山になりました土砂川の場合は、三井砂川炭鉱が一町一山、炭鉱が閉山が決まりまして、町の予測調査によりますと、六十五年度には人口がおよそ六割ぐらい大幅に減少する、こういう予測も既に数字的に出されております。問題は、一町一山ということで炭鉱会社が住宅を持っていたり、あるいは水道を持っていたり炭鉱病院を持っている。この山が閉山になりますと、その後始末は現実問題としては各自治体が責任を持ってやらなければいけない。それは通産行政の責任だと言えばそれまでなのでありますけれども、回り回って最終的に自治体がその辺の後始末を今までもやってきたし、これからも現実的にやっていかざるを得ない、こういう事例につきまして、今までもケースを幾つか扱ってきたと思うのでありますけれども、最近の実態から見てどのように措置をされるお考えなのか。 それと関連をして、産炭地の場合は過疎地域に該当していないところも当然あるわけでありまして、できればそういうところにつきましてもこの際過疎債を適用して起債上の配慮、そして交付税の措置をする、こういう一歩踏み込んだ自治省側の前向きの見解をお聞かせいただきたい。 以上三つほどまとめて具体的に申し上げましたけれども、お答えをお願いしたいと思います。
○矢野政府委員 閉山等によりまして急激に人口が減った市町村におきまして、従来の施設の規模を縮小しなければならない、あるいは場合によっては除却しなければならない例などはいろいろ出ておると思います。そういったものにつきまして地方債で従来財源が措置されておったケースが多いわけでありますが、そういった地方債の繰り上げ償還については、これは不用公共施設の起債償還というものに当たりましては繰り上げ償還が原則になっておりまして、そういう原則は貫かざるを得ないわけでございます。しかしながら、これによりましてその地方団体の財政運営に支障を生ずるということも考えられますので、繰り上げ償還の適用除外あるいは償還の一時停止を含めた特別措置が可能なものについてはその一部にできないかということは、現在関係方面とも協議中でございます。これが第一点でございます。 それから、もちろんそういった過去に起こしました地方債の償還そのものが非常に重荷になってくるわけでございます。それに対する財政措置をどう考えるか、こういう御趣旨の御質問かと思います。 確かに閉山等に伴いまして地方自治体がその後始末をしなければならないというケースは大変多いと思います。私ども基本的には、御質問の中でもおっしゃられましたですけれども、これは企業なり国において万全の措置を講ずべきものが多いと考えておりますけれども、結果的に地方自治体が引き受けざるを得ないというケースが多々あるかと思います。それらの事業の実施に伴いまして地方団体に財政上の負担が生じる場合には、その財政状況を勘案しながら、財政運営に重大な支障が生じないように、地方債の面あるいは特別交付税の配分などを通じて適切に対応してまいりたいと考えております。 地方債につきましても、交付税上の元利償還算入措置があるものが望ましいという点から過疎債というものを同じように適用できないか、こういう御趣旨かと思いますが、過疎債は過疎債なりの本来の目的がございますので、これに該当するところはその過疎債によって財政上の手当てもできるわけでございますが、そうでないところにつきましては、過疎債ではありませんけれども、その町を再建するために、立て直しを図るために地域の整備を図る必要があるというような場合には地域総合整備事業債、これも交付税上の措置もございますので、そういったものの活用を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○中沢委員 それでは、この問題について大臣にぜひお願いをしておきたいと思うのであります。 今それぞれ担当の局長の方から、緊急プロジェクトないしは不況自治体の財政問題についてお答えがございました。正直言いましてかなり抽象的な御答弁でございまして、十分納得ができないのでありますけれども、いずれにしても前向きに検討するということが幾つかございましたので、特に北海道に限らず日本全体で特定の不況業種、不況地域があるわけでありまして、そこの自治体の財政について、責任大臣として決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○葉梨国務大臣 ただいま財政局長とのやりとりを伺っておりましたが、先生御出身の北海道、特に夕張地域などのいろいろな困窮状態はよく身にしみて感じていたところでございます。財政上非常に弱体な地方自治体に対しましては、今まで局長からの答弁にもございましたように、地方交付税措置あるいは地方債措置等を特別に配慮いたしまして、地方自治体の財政運営並びに事業執行に遺漏がないようにできるだけの措置をとることを改めてここに申し上げておきたいと思います。
○中沢委員 それでは、残る時間、三つ目の問題についてお尋ねをいたします。 NTTの株売り払い収入の活用による社会資本の整備の促進策、まだ本会議に正式に法案が提案されておりませんけれども、起債にも関係いたしますので、できれば大蔵の方から、そして関係する部分は自治省の方からお答えをいただきたいと思います。 まず一番初めの問題でありますけれども、六十二年度の補正予算の規模につきましては資料もいただいております。その中でNTTの株の売却の活用の財源といたしまして、数字も出ているのでありますけれども、大蔵省の発表によりますと総額四千五百八十億、こういう数字が発表されている。ところが、自治省の資料によりますと、これは地方団体の関連分なのでありますが、括弧書きでNTT相当額が三千八百二十億円、こういう数字になっているわけです。したがって、大蔵の方にお尋ねをいたしますけれども、数字の違いについてはそれなりの根拠があると思うのでありますが、その内容について具体的にお聞かせいただきたい。
○斎藤説明員 既に成立を見ました六十二年度補正予算では、NTT株式の売り払い収入の無利子貸し付けへの活国策として、御指摘のとおり総額四千五百八十億円を計上してございます。このうち五百八十億円、これは開銀等を通じまして、いわゆる民活事業に融資するための額でございます。 それから残りの四千億円がいわゆる公共事業への配分類でございまして、この公共事業への配分額が二つのタイプに分かれております。一つは有料道路のように収益性のある公共事業、これは利用料金などによりまして貸付金の償還が可能な事業でございます。このタイプの公共事業への貸し付けとして八十三億円を予定しております。それから四千億円のうちの残りの三千九百十七億円、これが通常の公共事業を面的、一体的に、なおかつ緊急に整備していこうという趣旨のものでございます。これにつきましては、貸付金の償還時に地方公共団体に対しまして補助金が交付されることになっております。 御指摘の三千八百二十億円という数字でございますけれども、恐らく今申し上げました通常の公共事業に対する三千九百十七億円、これから水資源公団など地方公共団体以外が事業主体になっている公共事業を除いた額が三千八百二十億円になるのではないかと承知しております。
○中沢委員 今の説明で数字的には理解できるのでありますけれども、いただきました資料にAタイフ、Bタイプ、Cタイプという三つのタイプについて説明が載っております。このタイプの具体的な制度の中身、それはタイプによって貸し付け条件その他が相違するのかどうなのか。それと関連をいたしまして、地方関連の三千八百二十億の枠が一応NTTの方から出されてくる。これは法律を見ますと自治法上の地方債にこの貸付金は相当する、こういうことでありますから、自治省もいろいろな形で関与するのではないかと思うのですね。その場合に、貸し付けを決定をするというか貸し付けを採択するといいましょうか、それについていわゆる一般的な起債と同じような従来どおりの方法でやるのか、趣旨からいって相当限定されているA、B、Cというタイプがあるわけでありますから、何らかの物差しをもって優先順位みたいなものをつけるのかどうなのか、これは大蔵省と自治省に対するお尋ねになると思うのでありますが、お聞かせをいただきたいと思います。
○斎藤説明員 先ほど申し上げましたように、今回の無利子貸し付けの対象事業として便宜A、B、Cと三つのタイプがございますけれども、このうちAタイプにつきましては、地方公共団体以外の第三セクターあるいは道路公団のような特殊法人、これが収益性のある公共事業を行う場合に対する貸し付けでございます。 それからBタイプと申しますのは、現在主として地方公共団体が実施主体となりまして補助金によりまして行われている公共事業でございまして、およそ現在の公共事業のすべてが含まれるわけでございます。 それから、私ども便宜Cタイプと申しておりますのが、開発銀行を通じまして無利子でいわゆる民活法あるいはリゾート法あるいは関西文化学園都市法、こういった法律により行われておりますいわゆる民活事業に対して無利子貸し付けを行うものでございまして、貸し付け条件は申すまでもないことでございますけれども、A、B、Cタイプを通じまして無利子ということになっておるわけでございます。 なお、その貸付金の償還条件でございますけれども、法律上上限が決まっておりまして、Aタイプの収益性のある公共事業については二十年以内の貸付期間、それからBタイプにつきましては同じく二十年以内となっておりますけれども、これは後から補助金によってお返ししていただくという仕組みになっておりますこととの関係上、政令で具体的な償還期限を決めることになりますが、今内々検討しておりますのは、二十年よりも相当短い期間を考えております。それからCタイプのいわゆる民活事業に対する貸付金につきましては、法律上償還期限が十五年ということで決まっておりまして、具体的な貸し付けに当たりましても恐らく十五年に近い貸し付け条件になるのではないかと思います。
○矢野政府委員 後段の御質問につきまして私どもの方からお答え申し上げます。 御指摘のとおり、これは貸付金でございますので、先ほど大蔵省の方から御説明ございましたBタイプ、これは地方公共団体に対する貸し付けでございますから、制度上やはり地方債の手続によるということで、私どもも地方団体にはそのように、先ほどお示しの通知によりまして指導いたしております。ただ、形は地方債でございますけれども、実質は、償還に当たりましてはこれと同額の補助金を償還時において当該地方団体に交付する、しかも無利子である。したがって地方公共団体は、いわば国費のかわりに貸し付けられる貸付金につきましては財政上特にみずからその点については負担をする必要がない。本来の補助率に見合う地方負担分のみが負担になるわけでございます。したがって、この補助金としての性格を事実上持っております貸付金につきましては、地方債の許可にも当たりますが、各省においてそれぞれ公共事業の配分が行われましたならば、直ちに私どもの方はそれに対する許可予定の手続をとって地方団体が直ちに借り入れができるようにしてまいりたい、そういうぐあいに考えております。
○中沢委員 もう時間も参りましたので、あと二つまとめてお尋ねをいたします。 実は、この制度は六十二年度の補正で初めて出てきた。金額的にもかなり大きいわけです。最近の新聞その他の報道によりますと、また株式の売却が予定をされておりまして、この制度がずっと引き続き来年度以降に継続になる、こういう前提でありますと、六十三年度の総体の規模、この公共事業に充当できる規模がどの程度になるのか、あるいは六十四年度以降、これは株式でありますからいろいろ変動すると思うのでありますけれども、どういう見通しをお持ちなのか、これはひとつ大蔵の方にお尋ねをしたいと思うのです。 それからいま一つは、自治省にも関連をすると思うのでありますが、いずれにしても公共事業で言うと地方負担が非常に増大をする、枠がふえること自体は問題ないにしても、同じように地方負担の枠がふえる。先ほど来の質問とは若干性格が違うのでありますけれども、せっかくNTTを中心にした新しい制度をつくる、そういう場合につきましては、この際地方負担についても貸付金制度というのが導入できなかったのかどうか。私は、NTTに対して地方が今日までいろいろサービスに努めてきまして、地方としての一定の役割は果たしてきたと思うのですよ。そうしますと、国費について無利子の貸付制度を導入する、同時にそれと同じ程度の無利子の貸し付けというのをこの際地方負担の方にも回すべきではないか、こういう持論を持っているんです。その辺について再検討の余地がないのか、大蔵省にお尋ねをしたいし、あるいは地方自治体について相当配慮をされております自治省側として、この問題について大蔵省と改めて折衝して、つまり今年度限りの制度であれば別でありますけれども、来年度以降もずっと継続するわけでありますから、そういうことにつきまして、ぜひひとつ自治省側としての、大蔵とぜひ再検討というか協議を改めてやっていただきたいと思うのでありますが、この辺につきましての自治省側の見解も最後にお尋ねをしておきたいと思います。
○斎藤説明員 今回のNTT株の売り払い収入を活用しました無利子貸し付けの制度は、御指摘のとおりここ数年継続を予定している制度でございます。六十三年度以降そのNTT株式の売り払い収入の貸付金への活用額はどの程度になるかというお尋ねでございますけれども、この点につきましては、今後のNTT株式の売り払い実績、それからまたそのときどきの経済社会情勢などを見きわめまして、毎年度の予算編成の過程で決められるべき性格のものであると考えております。したがいまして、六十三年度の貸付予定額につきましても、最終的には同様に十二月末の予算編成過程で決められるべき性格のものであるというふうに考えております。 それから、今回のスキームのうちのBタイプ、通常の公共事業に対して貸し付けを行う仕組みでございますけれども、これはあくまでも国の補助金にかえまして無利子貸し付けを行う、そのことによりまして当面の課題であります内需の振興、地域の活性化といった課題にこたえていこうという制度でございます。もちろんこういった事業の円滑な実施のためには、事業の実施主体であります公共団体の方で必要にして十分な財源措置がされ、事業の円滑な執行が図られるということが何よりも肝要でございまして、この点につきましては先ほど財政局長から御答弁もありましたように、今年度の巨額の公共事業の追加に伴う地方負担分につきましては、従来おおむね起債によって対処してまいりましたけれども、今年度につきましては六十一年度に生じました地方交付税の精算財源の活用も含めまして何らかの措置ができないか、現在鋭憲政府部内で検討しているところでございます。 いずれにしましても、公共事業の遂行に当たりまして地方の方で円滑な事業の執行に遺漏がないよう万全を期してまいりたいと思っております。
○矢野政府委員 今回のこのNTT株式の売却益を公共事業に充当するというやり方でございますが、これは本来国債整理基金に帰属するものを当面いわば流用と申しますか、内需拡大のために使うということであって、最終的には国債の償還財源に充てられるという性質のものであることは、これは御承知のとおりと思います。 確かに御指摘のように、こういったNTTの株式の売り払い収入によって資金が今日のように形成されてきたわけでございますが、その経過とか背景を考えますと、このNTT資金を地方財源として活用する、すべきではないかという御議論も理解できるところでございますが、少なくとも制度上NTT資金が国債整理基金に帰属しておるということでいけば、これを直ちに地方財源として活用するということにはなじみにくいといったような考え方もございますので、当面は少なくともNTT資金の活用については、そういった背景もございますので、できるだけ地域の実情、地方団体の期待を反映した内容になるものが必要であると考えております。 なお、御指摘のように、これによりまして実質的に公共事業の枠が膨らみ、したがって地方負担もそれによって大きく増大をする。この制度が今回限りのものではなかろうということは我々も考えておりますが、何年間かそういった制度が続くということも考えられるわけでございますが、ただその場合における地方負担の増大につきましては、これは我々としても、そういった新たな財源を国費に投入をして事業が行われるわけでございますから、その地方負担に対する財源措置がいかにあるべきかということを含めて、今後とも国の財政当局とよく協議をしてまいりたいと考えております。
○中沢委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○石橋委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ――――◇――――― 午後二時四十二分開議
○西田委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長が所用のため出席がおくれますので、お見えになるまで、その指名により私が委員長の職務を行います。 質疑を続行いたします。小谷輝二君。
○小谷委員 税制改革につきましては、午前中にも論議がございましたが、税制協議会で伊東座長から議長に中間報告があったと伺っております。私どもは、この報告は単なる経過報告であって、座長の個人的判断によって提出されたものである、このような見解を持っておるわけでございますが、公表された報告の内容は、意見の一致を見たものとして、中堅サラリーマンの税負担の軽減、また恒久財源の確保、減税の先行実施、戻し税方式はとらない等々であります。野党の主張は所得税、住民税合わせて二兆円規模の減税を行う、自民党の方の主張は恒久財源の確保、総額一兆円を下らない所得税の減税を行う、住民税は仕組みから六十三年度分から実施する、こういうものでございますが、両論併記ということで報告されたものと報道もされ、私もそのように思っております。 また、伊東座長は七月二十四日に税制協で、減税規模は住民税も含めて二兆円に近づけていきたい、またマル優の修正についても最大限努力をする、このように述べられたと報道されているわけでございますが、自治省として、午前中も論議がありましたように、交付税の問題、また補正の公共事業の財源問題、住民税の減税等々、緊急課題としてゆるがせにならぬ目前に迫った重要な問題がこの税制改革を待って行われるということでございますので、これを踏まえて大臣はどのようにお考えになっておられるのか、最初にお伺いしたいと思います。
○葉梨国務大臣 税制改革につきましては、政府としてぜひこれを実行して国民の期待にこたえたいと考えているわけでございますが、税制協の中間報告を踏まえてただいま自民党で協議中でございますので、私がつけ加えて云々する段階ではないと思う次第でございます。 法案が出ました上は、皆様の御審議を得て、地方税法改正それから交付税法改正の法律案を成立させていただくということになると思う次第でございます。
○小谷委員 税制改革につきましては、税制協は今後も熱心に協議を進めていきたいと言っているわけでございます。大臣もさきの国会で交付税問題等について、私の質問に対しても、税制協の協議を関心を持って結論を見守っていくつもりです。このように答弁があったわけでございますが、この点は現在もそのとおりか、変わりはないのかどうか。報道によりますと、政府・自民党は税法の改正案を七月三十一日にも閣議決定して本国会に提案すると報道されておりますが、その点はどうでしょうか。
○津田政府委員 税制改革の問題につきましては、住民税の問題、マル優改組の問題、これも地方税源といたしたいということで先般通常国会に御提案したわけでございますが、これらの問題のみならず、実は土地の短期重課の問題であるとか、たばこ消費税が十二月三十一日で日切れになっておるとか、電気ガス税等も売上税絡みで十二月三十一日で日切れ、こういうような格好になっておるわけでございまして、それらの所要措置を含めまして、住民税の取り扱い、マル優の取り扱い等、税革協のこれまでの御審議で出されましたいろいろな御意見、そのほか各方面の御意見をよく伺いながら早急にまとめなければならないのではないか、こういうようなことで内々の作業をしておることは事実でございます。 最終的にいつ出せるかは、まだ内容自体が固まっておらないわけでございますが、私どもとしましては、これらの問題を解決するために、ぜひこの臨時国会に地方税法改正案を御提出し御審議を受けたい、かように存じておる次第でございます。
○小谷委員 大臣にお尋ねしておるわけですけれども、税制協の協議を関心を持ちながら結論を見守っていきたい、このようにおっしゃったことは今も変わらないかということと、報道によりますと、政府・自民党は税法の改正案を七月二十一日に閣議決定をする、したがって本国会に提案する、このように報道されておりますが、大臣、この点はどうなんですか。
○葉梨国務大臣 二十五日に中間報告が出されましたが、その前の段階とただいまではいささか違うかと思います。中間報告を踏まえて自民党と政府が協議中でございまして、一歩前に進む前段階であろう、こう考えます。
○小谷委員 お人柄のいい葉梨自治大臣ですからこれ以上は申し上げませんが、自民党税調の方は既に大蔵、自治両省とも本臨時国会に税法の改正案を提出するということで了承ができた、このように報道されておるわけでございますけれども、実際にそうであるとすれば、自治省の方はかなり煮詰まったものが既にでき上がって、近々に政府案として提出されるというふうに我々は受け取らざるを得ないのでございますが、この点はいかがですか。
○津田政府委員 先ほど申し上げました私どもの作業におきましては、いわゆる譲渡所得の問題であるとか、たばこの日切れの問題をどう処理するか、そういうような問題につきましては具体的に詰めておるような状況でございます。 ただ、住民税の減税、これは所得税の減税とともに規模をどうするか、こういうような問題、あるいはマル優改組につきましてこれまでの税単協の出されましたいろいろな御意見を踏まえてどのようにするか、ここいらがなお詰まっておらない状況でございます。早急にその結論を得ましたら法案の立案につきまして作業を進めたい、かように考えております。
○小谷委員 土地問題、地価対策についてお尋ねをしたいと思います。 中曽根総理は、土地問題は行政としてゆるがせにできない緊急課題である、このように述べられまして、新行革審にも緊急諮問をした、こう言われております。また、現在の異常な土地の高騰は中曽根政権の土地政策の無策、失政の結果である、このような批判も現中曽根内閣の閣僚の中からもあると言われております。現状は全く深刻な問題でございます。 政府は地価対策閣僚会議を設けて、そして総合的な対策を検討しているということが報道されておりますけれども、特に三大都市圏における土地の適正な高度利用、地価対策、また住宅供給の促進と具体的な処置をどのようにお考えになっておるのか、総合的な対策を検討されているのか、この点について、大臣、お願いいたします。
○葉梨国務大臣 地価対策は昭和四十年代、五十年代、そして六十年代を通じての緊急な課題であると思います。特に、ここ数年来の大都市を中心とします地価の異常な高騰につきましては、国民生活に対しましても非常に悪い影響を与える問題である、このように重大に認識をしている次第でございます。 内閣におきましては、地価対策閣僚会議が組織されまして、累次検討を行ってきておりますし、先般は臨時行政改革推進審議会にも御検討をお願いしてきた次第でございます。 地価対策関係閣僚会議におきまして現に実施し、または強化しようとしている対策を申し上げますと、一つは土地取引の適正化であり、二つ目は国有地、国鉄清算事業団所有地等の処分に当たっての連絡と情報交換でございます。第三番目には、需給不均衡の是正のための供給促進策の研究でございます。 また、中長期的検討課題といたしましては、一つとしては、先般発表されました四全総にもうたわれておりますような地方分散ということでございます。二つ目は東京圏圏域におきます業務拠点の分散の問題でございます。第三番目には土地の高度利用、四番目には市街化区域内農地の宅地化の促進、中長期的にはこういう四つの課題を検討することとしておるわけでございまして、私も地価対策関係閣僚会議のメンバーといたしまして、この土地の問題に総合的に取り組み、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○小谷委員 七月の二十三日の参議院の予算委員会で、我が党の及川議員の地価対策に対する質問に対して、綿貫国土庁長官は、地価抑制策として国土利用計画法に基づいて強権を発動しなければならない事態もあり得る、このように述べられ、実質的には地価の凍結につながるような規制区域指定も辞さないという強い決意を述べられたわけでありますが、この規制区域に指定するということは具体的にはどういうことなのか。これは国土庁に御説明いただきたいと思います。
○鈴木説明員 国土利用計画法によります規制区域の発動の問題でございます。 規制区域の指定をいたしますには、まず土地の投機的取引が相当範囲にわたりまして集中して行われ、またはそのおそれがあること、そしてさらに地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあるといったことを都道府県知事が認めました場合に指定が行われるものでございます。 この指定の手続でございますが、都道府県知事は、規制区域を指定いたします場合には、その旨並びにその区域及び期間を公告することとされております。 また、その公告後速やかにその旨を内閣総理大臣に報告いたしますとともに、関係市町村長に通知をする。そしてさらに、当該事項を周知するため必要な措置を講ずることとされておるわけでございます。 また、都道府県知事は、公告の日から二週間以内に、関係市町村長の意見を付しまして規制区域の指定が相当であることについて土地利用審査会の確認を求めることとされているわけでございます。 このように厳重な手続を経まして指定がなされるわけでございますが、指定が行われますと規制区域内のすべての土地取引の契約が許可制の対象になるわけでございます。都道府県知事は、許可の申請に対しまして、土地の価格や利用目的を審査いたしまして許可または不許可の処分をいたす、かような次第になるわけでございます。
○小谷委員 この規制区域の指定は、都道府県が指定を受けた区域内での土地の取引価格が適正であるかどうかを審査して、適正なものを知事が許可するということになるという御説明ですが、実質的に現在問題になっております三大都市圏でそんなことが果たして可能なのかどうか。また、それによって起こり得ると想像される問題点、これは自治省、どうですか。
○森(繁)政府委員 今国土庁の方から、土地の取引の規制につきましての御説明がございました。こういうことが現実に行われますと、地方団体にとりましても相当量の事務の負担増になるということは事実でございます。ただ、他方、土地の地価対策というのは緊急の課題でございまして、その辺面々相まってお互いバランスをとりながら考えていかなければいけない問題ではなかろうかと思います。
○小谷委員 地価の急激な変動につきまして、全国平均七・七%、東京は二三・八%、大阪四・六%という変動率が発表されておるわけです。特に大阪、東京におきましては、商業地域とか住宅地域は急騰しておるわけでございまして、特に東京においては七六・二%の変動率であります。急騰したその主な理由というのは何なのか、どういうわけでこのような急騰が始まったのかということと、またこの状況は今なおとどまることなく急激な上昇を続けておるわけでございますが、土地の公共性、また都市計画の面から見てみましても、自治体におきましては野放しにできない問題であると思うわけでございますが、これは自治大臣はどのように認識されておられるのか。また、国土庁はこの状況をどう認識して、また対応しようとされておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○葉梨国務大臣 地価の異常な高騰によりまして、都市部におきましては地方団体の公共事業はほとんど推進することが不可能になっているのではないかと思います。また、当然町づくり等今時に自治省が力を入れております地域対策もなかなかやりにくくなってきている、こういう状況であろうと思うのでございます。そういう状況の中で、今までの施策を超えて新しい思い切ったいろいろな対策をとっていかなければならないだろう。そういう意味で、衆知を集めてこの異常事態に対応していきたいと考えている次第でございます。
○鈴木説明員 地価急騰の原因でございますが、昭和五十九年ごろから東京の都心商業地の地価上昇が顕著になってきたわけでございますが、これは、我が国経済の国際化、情報化、サービス化などの構造変化に伴いまして、業務機能や管理機能の東京への集中が一層促進されましたために、オフィス床需要が著しく増大いたしまして供給とのアンバランスが生じたためである、かように考えております。 住宅地につきましても、このようなビル用地需要が波及したこと、それからさらに、都心部でのビル用地売却者などによります買いかえ需要などが周辺部の住宅地で増大したことによりまして地価上昇が生じたということがございます。それからさらに、こういったような需要を当て込みました不動産業者などによる手当て買いが活発化いたしましたことが地価上昇をさらに増幅させたことにもなっておりまして、さらには現下の金融緩和状況がこれらの動きに拍車をかける役割を果たしていると考えております。 これらの状況に対しまして、私どもといたしましては、さきの通常国会におきまして国土法の一部改正をしていただいたわけでございますが、これによりまして創設されました監視区域制度を積極的に活用するように地方公共団体を指導しているところでございます。今後とも、関係の地方公共団体と緊密な連絡調整を図りながら適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
○小谷委員 地価の高騰によって固定資産税問題が大きく出てくるわけでございますけれども、固定資産税は市町村の基幹税目であり、昭和六十年度の市町村税収総額を見てみましても、三三%に当たる、三分の一を占める、こういう重要な税目であるわけでございます。したがって、このような異常事態に対応できる体制を検討しなければならぬ、このように思うわけでございますが、特に私どもにとって関心を持たなければならないのが住宅用地、中小企業、零細企業、個人商店等の一定の規模、小規模の面積、これに対する固定資産税について非常に大きな社会問題になってこようかと思うわけであります。 固定資産税は、課税標準の前提として、土地の評価額、売買の実例価額を基準にして評価されていくということであり、住宅用地とか自家営業者の営業用地また自分の土地の売買に全く意思も関係なくして、また居住者の所得の増減に全く関係なく、近隣の土地の売買実例価額の上昇によって引き上げられてしまうことになるわけでありますから、大都市の中心部に住む住民は、固定資産税、都市計画税の税率に関係なく評価額の上昇による大幅な増税となり、今のような地価の上昇が続けば、まさに貧乏人は大都会に住むなということにもなりますし、都心部に住む人たちや中小零細企業または個人商店、こういう弱い立場にある人たちは都心から出ていけという結果になるわけでございます。 都心部に住んでいるある町会の役員さんは、一番先に魚屋さんが廃業して転出しました、続いて八百屋さん、豆腐屋さん、食料品店、喫茶店、新聞販売店というように転業、廃業、転出をして、だんだんと住環境が破壊されつつあります、まさに生活圏が崩れていくのをとめようもありません、このように実情を訴えているわけでございますが、この実情を大臣はどのように認識しておられるのか、またどのように対応するのか。きのう発表された自治体の監視体制で果たして抑止ができるのかどうか非常に疑問を持つわけでありますが、大臣、いかがでしょうか。
○葉梨国務大臣 まず総論的なことを申し上げたいと思います。 固定資産税は、固定資産の所有者に対しましてその資産価値に応じて税負担を求める税金でございます。三年ごとに、その間における状況の変化とか経済活動の進展等に伴う資産価値の変動等を勘案して、評価の適正化、均衡化を図ることとしているわけでございます。 六十三年度の土地の評価がえについては、御指摘のような特異な地価の状況にも十分配慮しながら、課税団体と調整を図ってまいりたいと考えております。 また、土地に対します固定資産税においては、評価がえに伴う負担の急激な増加を緩和するために、従来から、毎年度の税負担の増加が一定の範囲内にとどまるように負担調整措置を講じてきたところでございます。 今後の固定資産税の負担の問題につきましては、たびたび申し上げているところでございますが、昨年十月の税制調査会における答申の中にこう書いてございます。「多くの納税者に対し毎年課税されるという固定資産税の性格を踏まえて、負担の急増を緩和するためなだらかな増加となるような配慮が必要である。」この趣旨を踏まえて検討してまいりたいと考えている次第でございます。
○小谷委員 六十三年度は土地の評価がえの年でありますし、六十三年一月一日現在、これが基礎になるのでありますが、あと五カ月後に迫っておるわけでございます。もう実態調査も終わり、評価はおおむね確定していると思うわけでございますが、どうなのか。 また、見通しとして、全国平均と三大都市圏についての地価の評価額の変動はどうなのか。自治省、いかがですか。
○津田政府委員 固定資産税の評価がえは昭和六十三年一月一日現在でやるわけでございますが、御承知のとおり、土地の評価がえだけにつきましても、その対象が全国で一億六千万筆にわたっておるわけでございます。そういうことで非常に膨大な作業でございまして、実は既に昨年の夏ぐらいから作業を進めておる。現段階におきまして基準地の設定、それから売買実例価額の調査というようなことを進めておりまして、自治省と各都道府県におきますそれぞれ各都道府県の最高価格の基準地の価格調整、そして都道府県におきましてはさらに各市町村の最高価格基準地の調整、こういうような作業をなお今後進めていかなければならない、かように考えておるわけでございます。 そこで、どのような結果になるかということにつきましては、その作業の進行中でございますので、まだ自治省と都道府県、都道府県と市町村間の意見調整の段階でございますので、まだ見通しが立っておらないわけでございますが、公示価格の推移、御承知のとおり固定資産税の土地の評価におきましては、売買実例価額あるいは公示価格の動向あるいは相続税の路線価の動向、こういうようなものを総合的に勘案しながら決めなければならないわけでございまして、公示価格だけで決まるというようなものではございませんが、今回の評価がえに使います五十九年、六十年、六十一年、この三カ年間の土地の上昇率を見てまいりますと、御承知のとおり商業地中心に上がっておる、こういうことが言われておるわけでございますが、商業地につきまして五十九年、六十年は三%台、六十一年が五%台で、この三カ年間で約一三%でございます。 ところが、これが局地的には非常に急激な上昇を見ておるわけでございまして、この間東京二十三区の商業地全体では五〇%程度、大阪市で三二%程度、それから名古屋市は大体全国平均程度の上昇率が見られるところでございます。以上申しましたのは商業地全体でございますが、最高価格を示す標準地に係る同席期の三カ年間の上昇率は、東京二十三区では一七六%程度まで上昇しておる、こういうような状況でございます。大阪で九二%、名古屋市で八〇%、こういうような状況が見られまして、いわば今回の土地騰貴は富士山型の、中心地は非常に急激に上っておる、全国的にはそれほど激しいものではない、こういうところが特色でございます。 評価に当たりまして、先ほど大臣から答弁がございましたように、異常な地価の中には買い急ぎ等の実例がかなり見られるわけでございます。一例を申せば、例えば買いかえ特例を受けるためにその定められた期限内に何としても土地を取得しなければならない、こういうような買い急ぎというような事例も多く見られるわけでございまして、このような事例というものは今回の評価から外すように、そして正常な価格を求めるよう私ども地方団体を指導しており、今後の都道府県あるいは市町村との評価の調整というものに当たりましても、そのような観点で臨みたいと思います。 基本的には、固定資産税が多くの納税者を抱え、一方市町村の重要な税源である、こういう点を配慮いたしまして、先ほど大臣が述べました税制調査会の答申の趣旨に沿ってやりたい、このように考えております。
○小谷委員 大都市の、特に中心部が特異な状況での値上がりの現象があるわけでございますが、この現象に対応するために今までもとってこられた調整措置、それから特例措置をさらに再検討していく考え方はあるのかどうか、いかがですか。
○津田政府委員 先ほど申しました異常な形での地価上昇というものに対応しまして、評価の段階におきましてそのような買い急ぎ等の特異な事例というものを外して考えるということと同時に、その評価がなされた後の毎年度の税負担につきまして負担調整措置というものを従来もとっておりましたが、六十二年の評価がえにおきましてもそのような措置は考えなければならないのではないか、かように考えております。
○小谷委員 現在は大都市の中心部だけではなくして、周辺の一般住宅地域にも地価の値上がりが進んでおるわけでございまして、固定資産税が増額となる。したがって借家人と家主との家賃値上げ問題での争いが起こる。また立ち退きを強要されたり暴力団の地上げ屋が横行するような事件が各地で既に発生しているわけであります。住宅地そのものは土地の価格の上昇に伴って収益を生ずるものではありません。反面、地価の上昇等資産価値が高くなれば、それに対応できるようなビルの建築とか高度利用ができる能力を持った大手企業の所有地、また一般住民の住宅地を全く同様に考えていいものかどうか、矛盾が起こらないかどうか、このような点。現行は住宅地は評価額の二分の一、特に小規模住宅については、二百平米以下のものについては四分の一の制度のほかに、現行の単一税率、これを使用目的別に複数税率化したらどうか、この検討はどんなものか、この点はいかがですか。
○津田政府委員 固定資産税は資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在いたします受益関係に着目しておるわけでございます。そういう意味におきまして、いわゆる財産価値というものが基礎でございまして、その人の所得能力あるいは稼得能力、そういうものを集約的にしまして税負担をお願いいたします所得課税とは違いまして、いわゆる物税というような性格を持っておるわけでございます。したがいまして、固定資産税の中におきまして税率に差等を設けるということは税の本質にも絡む問題でございます。 しかし、住宅用地、住宅等につきましては、先生御指摘のとおり二分の一あるいは四分の一と大幅な課税標準の特例を設けてございます。そして町の中に見られます一般商店の方々は恐らく大体が店舗と住宅が併用されておる、こういうような状況でございますので、このような併用住宅につきましても住宅に対する措置を講じておるわけでございます。 ただ、先ほど来申し上げましたように、税の性格からいいますと、いわゆる事業活動をしておる部分につきまして大企業、中小企業を問わず固定資産税負担というのは事業所得の損金計算になる、こういうような固定資産税だけではなくて税体系全体としての位置づけというようなものでもございまして、事業部分についてそれ自体として固定資産税の軽減を図ることは固定資産税の性格また全体としての税体系としてはいかがか、かように考える次第でございます。
○小谷委員 地価の異常な高騰は固定資産税額に直接反映することになるわけでございます。これは、生産活動には直接結びつかない生活の根拠である住宅用地、これの税負担が大幅に増大するということになりまして、国民生活に重大な影響を与えることになるわけでございます。したがって、次に申し上げます三点に十分考慮していただきたい。 一つは、急激な地価の高騰が固定資産税の評価に反映しないような減免措置をできるだけ講じていく。二番目には、税負担の調整措置をより緩和して負担の軽減を図るように努力をする。また、地代家賃の便乗値上げを招かないような所要の措置を講ずること。この三点について大臣の対応をお聞かせいただきたい、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○葉梨国務大臣 先ほど一般論でも申し上げましたように、固定資産税の本質論からまいりまして、減免ということはなかなか難しいことではないかと思う次第でございます。 負担調整措置につきましては、先ほども申し上げましたように、三年に分けて率を決めて上げていくということをとるということで対応したいと考えている次第でございます。 便乗値上げにつきましては、常に評価がえのときに引き上げが行われるような状況がございますが、評価がえごとに行われる値上げについてできるだけ抑制するように都道府県を通じて指導を行っていきたいと考えているところでございます。 〔西田委員長代理退席、委員長着席〕
○小谷委員 住宅は国民生活の根拠でもありますし、行政としてもこれは重視していくべき問題であります。 今大阪で大幅な値上げ問題が起こっておるわけでございますが、この実情をどの程度建設省は掌握されておるのか、お尋ねします。
○荒田説明員 まず、一般的な家賃の値上げの関係でございますけれども、六十年を一〇〇とした家賃指数は、六十一年で大阪の場合一〇四、全国的には一〇二ぐらいのレベルでございます。したがいまして、まだこの数字には最近の地価の急騰というのが反映されてはいないかと思うのですが、今のところ、特に急激に家賃が現実に引き上げられているというようなことは聞いていないわけでございます。
○小谷委員 特に大阪で起こっておる問題ですけれども、家賃の大幅な値上げの理由の一つとして、昨年十二月に借地・借家の料金の統制令が廃止されたこと、二つ目には地価の急上昇、三つ目には、全国の地主家主協会、こういう団体から各地主家主に対して、賃料の大幅な増額を積極的に行うように、このような指示が出ておるわけでありまして、これは、既に値上げの通知を出す様式まで参考に添付して全家主に配付されておるというふうなことが大きな原因であろうと思われるわけでございます。 借家は、大阪でも十二万二千九百戸、東京でも九万一千戸余りあると言われております。今行われようとする値上げ幅、それも二割や三割というものではなくして三倍、五倍、中には三十倍というふうな大幅な値上げが各地で要求され、借家人を戸惑わしておるという現状でございます。借地法十二条、また借家法七条等があるわけでございますが、これは原則的には家主と借家人の合意、それができない場合には調停、それもまとまらぬ場合には裁判、そして鑑定、こういうふうなことになっているわけでありますけれども、これに対するところの何らかの対応がとれないのか、こういうちまたの声でありますが、建設省いかがですか。
○荒田説明員 ただいまのお話、地代家賃統制令の廃止に絡む地代家賃の大幅な引き上げ要求の件であるわけでありますが、地代家賃統制令につきましては、昨年十二月二十一日限りで失効したわけでございます。私どもとしては、借地・借家人の生活の激変をできるだけ緩和するということを踏まえまして、各公共団体あるいは地主家主経営者団体に対しましても、地代家賃統制令の廃止のみを理由とする大幅な便乗値上げ、そういったことは厳に慎むよう指導してまいってきております。 特に、先生御指摘のように大阪府あるいは大阪市がこの地代家賃統制令対象住宅が多いわけでございますけれども、この一月から、市あるいは府の窓口に失効に伴ういろいろな相談が参っておりまして、三月の契約更新時にちょっと相談案件が多かったわけですけれども、その後減少してきております。そこで、相談内容でございますけれども、おっしゃいますように、家主の方からは賃料を幾ら上げたらいいか、借り主の方からはこれぐらい引き上げが求められているけれどもどういう対応をしたらいいか、こういうような御相談がほとんどであるわけでございます。 私どもといたしましては、統制令撤廃後の地代家賃の決め方というのは、今先生御指摘ありました借地・借家法の世界、当事者の協議によって定めるというルールがございまして、そちらの方でよく相談して決めるように、あくまで当事者相談の上でなければ上げられません、便乗値上げの不当な要求があった場合には、それは借り手の方がイエスと言わなければ上げられないわけでございますので、そういう趣旨を話しまして、なおかつ地主家主側のいわば経営者団体について、なおなお便乗値上げと思われる、あるいは便乗値上げにつながるような不当な要求はするなということで指導してまいっております。今後とも窓口を通じまして、公共団体のレベルで必要に応じて適切な指導をなお強めていきたい、かように考えている次第でございます。
○小谷委員 次に、経済審議会特別部会の前川春雄部会長の提案によりまして、内需拡大報告の審議経過報告、こういうものが部会長から発表されておるわけでございますけれども、その中で、内需拡大報告の審議経過の重要な項目の一つに宅地の供給の促進を取り上げて、農地への課税の強化を提言しているわけであります。その中に、三大都市圏の市街化区域の農地がなくても食糧供給に不安はない、むしろ国土形成の観点から農地を宅地にかえることが大切だ、このような意見を述べております。 また、日経連の方からは、住宅難で通勤時間が長くなると、従業員の勤労意欲が阻害され、企業の活力を損なう。また首都圏の農地四万九千ヘクタールを住宅地に転用すれば、公園や道路などの社会基盤を除いても百六十五平米、約五十坪の住宅が百五十万戸建設できる、約六百万人の住居ができる。このように試算しているわけでございますけれども、そこで農地の宅地並み課税の徹底を求めているわけです。また、一般市民感情として、農家は税金をほとんど負担せずに開発の利益を独占している、見せかけの農業で地価の値上がりだけを待っている、こんなことは不公平ではないか、こういうふうな意見も出ておるわけであります。 これらを総合して、農地の宅地並み課税をどう考えておられるのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
○葉梨国務大臣 市街化区域、特に三大都市圏の市街化区域の農地の宅地並み課税につきましては、もう十数年来いろいろな議論が行われております。 本来、建設省が昭和四十四年でございますか都市計画法の改正をいたしましたときに、市街化区域、市街化調整区域、その他の区域と分けましたときに、十年以内に市街化の道路、公園その他の施設を整備すべき区域として指定したわけでございますが、その後の経過を見ますと、そういう都市施設の整備がなかなか進まない、こういう状況があり、それから宅地供給を進めるべきだというようないろいろな議論が行われてきたわけでございます。その中で、今先生が言われましたように、特にその市街化区域内にあります農地を所有し経営しております農家の意向をどう裁量していくかということが一番大きな問題、また難しい問題として今日に至っているわけでございます。 五十七年には、その市街化区域内の農地につきまして長期営農継続農地という制度を創設いたしまして、十年間営農を継続することが適当である農地については、いわゆる農地としての固定資産税以上の税額を徴収猶予して、五年後に農業を継続していることを確認した上でその猶予している税額を免除する、こういうようなことが決まって今日に至っております。この制度ができましてから、宅地供給もある程度進んできてはいるわけでございます。しかも東京の例をとりますと、今二十三区内に千八百ヘクタールの農地が存在しております。今考えておりますことは、こういうような大都会の中でなお農業を営みたいという農業経営者の意向をどう考えていくかという問題がございます。 宅地供給と農業継続の二つの課題を調整する手段としまして、長期営農継続農地という制度ができたわけでございますが、これからの宅地供給の問題については、農家の意向を尊重しながら、しかも供給促進策として農業経営を本当にやっているかどうかということ、これをもう少しきちっと見ていったらどうか、こういう御提言がございます。 そのほかに土地利用計画の問題、都市に緑地がなくちゃいけないじゃないか、緑地を確保すべきである、あるいは避難地として農地は有効ではないかというような認識、その他都市公共施設との関連等、そういう複雑な、また広い背景を十分に考えながら、三大都市圏における農地の宅地並み課税の問題を考えていかなければならない。また、自治省といたしましてはそういうような観点から検討を進めているところでございまして、各般の学識経験者の御意見も聞きながら、これからの判断をしたいと考えている次第でございます。
○小谷委員 大都市周辺の住宅地対策につきましては、長い間の経緯がございました。都市計画法の規定によって市街化区域の線引きが行われてもう久しいわけでございますが、特に三大都市圏においては大幅な見直しの時期が来ているのではないか、このように思われます。 都市周辺の住宅地価格、これが需要と供給のアンバランスから急騰し続けておるわけでございます。その抑制策としては、今のところ全く無策で今日まで来たわけであります。土地政策の失敗に起因するのであると思わざるを得ません。線引きは都市計画法で五年ごとに、今大臣もおっしゃったように見直すことになっておりますが、それがほとんどできてないのではないか、この際根本的に見直す必要があるのではないかと思われます。 また、市街化区域を拡大して市街化に見合う公共投資、すなわち道路、交通、水道、下水等々整備を緊急に行って、内需拡大策の一つとして国民生活に密着した生活関連公共事業の推進を図っていく、こういうことを今こそ本気になって考えていくべきときではないか、こう思うわけでございますが、これはいかがですか。
○伴説明員 お答え申し上げます。 線引きの見直しの件でございますけれども、現在、実は第二回目の線引き見直しをやっておりまして、六月末現在で線引きの見直しをしようとしている都市計画区域が全国二百八十二ございますけれども、その九割の地域で終わっております。それで、その結果、全国では大体六万四千ヘクタールほどふえておりまして、住宅戸数でいきますと百十五万戸分ぐらいふえております。三大都市圏も二万二千ヘクタールほどふやしております。 ただ、先生御指摘のとおり、特に三大都市圏を中心としまして宅地需要が非常に根強いものがございますので、この線引き制度の的確な運用によりまして必要な宅地供給ができるように配慮していきたいと思っておりますが、同時に、いろいろな運用の面もございますので、例えば市街化調整区域に置かれたところでも、一定規模以上の良好な計画的開発行為については個別に許可するというようなことをやりまして、これも従前ですと二十ヘクタールでございましたけれども、それを五ヘクタールまで下げております。そういう小さいところでも許可できるように運用しておりますし、また先国会で集落地域整備法というのを設けまして、一定の計画に適合している開発行為につきましては開発を認めるという制度を設けております。こういったものを活用して整備を図っていきたいと思っております。 それから、同じく先生の御指摘のように、宅地供給ができるような開発適地を拡大いたしますために、必要な道路だとかあるいは鉄道とか下水道、そういった公共施設を充実することが必要かと思います。従前より、住宅宅地関連公共施設整備促進事業制度というような、住宅宅地の供給のために必要な関連公共施設を供給できるような別枠予算を持っておりますが、そのようなものの活用、その他今後とも必要な公共事業費の確保に努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○小谷委員 時間が来たようでございますが、今我が国の行うべき国際的課題としても内需の拡大は急務でありますし、その柱となるべきものは住宅建設であると思っております。三大都市圏の住宅建設促進のためにも都市計画を根本的に見直すべきときである、こう思うわけであります。極端に言えば、三大都市圏はすべて調整区域を外して、ただし長期営農継続農地についてはそれなりの措置をとっていく、要するに納税猶予措置をとっていくとかいうふうな考え方を今思い切ってやるべきときではないかと思うわけですが、建設省いかがですか。自治大臣にもお考えを聞いて、質問を終わりたいと思います。
○伴説明員 線引き制度と申しますのは、特にコンパクトに市街地をつくりまして、そして公共施設整備を計画的かつ効率的にやろうという制度でございます。線引き制度がありませんと、公共施設もないままに劣悪な無秩序な市街地ができる、いわゆるスプロールでございますけれども、それができますので、特に三大都市圏のような開発ポテンシャルの高いところこそ必要ではないかと考えております。 ただ、先ほども申し上げたように、宅地の需要の強い三大都市圏につきましては、その市街化区域の適切な拡大なり市街化調整区域の運用の適正化なり、そういったことで対応していきたいと考えております。
○渡辺(功)政府委員 ただいま市街化調整区域を思い切って市街化区域とする、そこに宅地並み課税を行う、一方長期営農継続を行う者に対する配慮はそれとして、そういうことを行うことによって宅地化を促進するというお話がございまして、その点について御説明申し上げます。 市街化調整区域が市街化区域になると、今の宅地並み課税の仕組みの上でどういうことになるかといいますと、現在の制度におきましても三大都市圏の特定市の市街化区域農地ということになります。そうしますと、三・三平方メートル三万円以上のものが宅地並み課税の対象となるということになっておりますので、ただいま委員御指摘のように地域が拡大されますと、その網の目に照らしまして、その網の目に入ってくるようなものが宅地並みの課税の対象となるということは今の制度の中に組み込まれておりまして、御趣旨のような方向になるわけでございます。 また同時に、つけ加えて申し上げますと、三年ごとの評価がえによりまして、そうした三・三平米当たりの評価額が三万円以上になってくるというものが出てまいりますと宅地並み課税の対象となる、こういう形におきまして、現在の制度の中においても御趣旨のような仕組みが仕組まれておるということになっているわけでございます。その運用を通じて適正な方向へ運用を図ってまいりたい、こう考えているところでございます。
○小谷委員 終わります。
○石橋委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 大臣、先ほどはありがとうございました。冒頭にお礼を申し上げておきます。 さて、最初の質問は、一体そんなことが本当にあったのかというような話をしますので、委員長もひとつよく聞いておいていただきたいと思います。これはもう本当にあったことでありますが、今月の出来事ですけれども、町の名誉のために名前は言いません。名前は言いませんが、実は真っ昼間に町のど真ん中で火事が起きました。そして類焼四軒というような大火事になってしまった事件があるのでありますが、そこでこういう奇妙きてれつなことが起きているのであります。 それは何かと言いますと、火が出たことに気がついた御近所の方が、それっというので一一九番をいたしました。これは国民の義務ですね。一一九番をいたしましたところが、何遍かけても話し中なんです。何遍かけても話し中だから、ああ一一九番をかけているのは私だけじゃないな、それはそうですよね、たくさんの人が見ているのですから。あっちこっちからかけているんだろうと善意に解釈いたしまして、これはもう消防署はわかっている、だからもう間もなく来ると思っておったところが、待てど暮らせど消防車は来ない。そのうちにすっかり火が回ってしまったというような事態が起きまして、大火事になってしまいました。これはもう本当に便利な場所なんでありますが、考えられぬことなんですよ。それでみんなが唖然としておりました。 ところが、かけてもかけても一一九番がかからなかったという原因がわかりました。何であったかというと、御承知のとおり一一九番は救急業務も行っております。したがいまして、救急をお願いいたしますという電話をかけておったのですね。そういたしますと、このごろは――こんなことは余り議事録に書かないでほしいと思うのでありますが、中にはタクシーのかわりに救急車を雇う人もあるような時代でございます。町によって違うと思いますが、救急車が一回出動すると約九千円くらいの単価につくのでございます。できるだけタクシーがわりには利用してもらいたくないなという気持ちがあるんでしょう、どこが悪いんですか、何がどうなっているんですかというようなことを聞きますね。本当に救急車が必要なのかどうかを聞きます。それで、ああこれは要るとなったら、それじゃあなたの場所はどこですかとなりますね。そうしたら、何町のどういうところで、どこの角を曲がってどうなって、もう一遍言ってくださいというようなことで、一一九番が救急業務の電話が随分長くかかるのです。それで、救急車が出た後で、一一九番がかかるより前に、火の手が見えたものだから慌てて消防車が飛んで行ったというようなことでございます。 ですから、一一九番をいたしました市民の間からは、一体どないなっとるんやろか、一一九番というのは一本しかないのかという話が出ておるのでありますが、一体全国の一一九番はどのような体制になっておるのか、二度とこういうことがあっては困りますので、念のために伺っておきたいと思います。あってはならぬ不思議な話です。
○関根政府委員 お話のようなことが起こっては実際問題として困りますので、そういったようなことのないように、実際の電話の受け方その他につきましても注意をしていかなければいけない問題だと考えます。 基本的な問題といたしましては、現在の一一九番回線はいわばNTTの方で自発的にと申しますか、公共性にかんがみましてNTTで用意をしていただいておる。それに対しまして、私どもの方からも必要に応じてお願いをし、回線の増加を図っていただいておるところでございます。もちろん大都会の東京等につきましては、まあまあ十分といいますか、相当大きな災害等がありましてもどうにか間に合うような回線数を確保しているものというふうに考えておりますけれども、田舎の方へ参りますと一回線しか一一九番用のものがないというところも、ところによってはあるようでございます。そういうところは確かにおっしゃるように、一一九番と火事とが一緒に入りますときには、どちらかがつながらないということも起こり得るわけでございます。今後ともNTTとよく連絡をとりまして、そういったところの解消に努めていきたいと考えております。
○岡田(正)委員 これは大変大事な話でありますから、さらに確認をしておきたいと思うのであります。全国をお調べいただきまして、一回線しかないというようなところについては、NTTに御無理を申し上げてでも必ず複数の回線にしてもらうようにぜひ対処していただきたい。これを速やかにやっていただきたいと思うのでありますが、いかがでありますか。
○関根政府委員 具体的な状況につきましては現地の消防署がすべて承知をしているわけでございますし、火災発生件数でありますとか、あるいは救急車の要請件数、救急車も最近多くなりまして、全国では年間に二百三十万件起こってきておるわけでございます。それの分布も地域によってわかっておりますので、具体的な対応は現地の消防署と現地のNTTの出先機関との間で折衝をしていただくという仕組みにいたしております。それを我が方として、何か現地で解決できないような問題があるということになりますと、消防庁がNTT本社といろいろ協議をしていきたい、そういう体制で臨んでいるところでございます。 せっかくお話がございましたので、さらにそういう体制を強化いたしまして、実情に合うような、間違いのない速やかな対応ができるような体制をつくっていきたいと考えます。
○岡田(正)委員 さて、その火事の問題でありますが、実は類焼を受けた建物というのをよくよく眺めてみますと、これは類焼するのが当たり前だ、類焼しない方がおかしいというような建物であります。それは昔倉庫であったものを区切りをいたしまして、世帯を入れてアパートにしておるわけです。ところが、火事が一番端っこの家からぼんと出た。そこで窓から火が見えるわけでありますが、火事が出ますと直ちに今度は天井裏へ一番早く移ります。天井裏を突き抜けてしまったら隣の部屋に移るのかといえばそうではなくて、四軒並んでおれば一軒目の端っこから四軒目の端へ行くわけですね。ちょうど煙突になるわけです。煙突になって、こっちの部屋が燃えておるのに、火はずっと鎮火したかのごとくに見えて四軒目の屋根の先からどどっと火を噴くというような状態であります。だから、むしろ火元を間違えるというような錯覚すら起きかねない状況でありまして、あんなことが民家の場合に許されておるのか。 大体消防関係の業務の一つに、これは建設省のお仕事でありますが、民家を建てるということになれば当然建築確認申請というものが出ます。建築確認申請が出て、その設計図が一緒に添付されて、今度は消防署の同意を得るべく書類が消防署へ回ってくるはずです。消防署の方で図面を調べて、同意がなければ建築確認はおりない、こういう仕掛けになっておるはずでありますが、それなのに屋根裏が筒抜けというようなことが現実にあるとすると、これは恐ろしいことだなという感じがするのであります。その点について、建築の関係の方は実はお呼び申し上げておりませんけれども、同意を与える消防の立場として一体どういうことになっておるのでありましょうか。そこの御説明をいただきたいと思います。
○関根政府委員 お話がありましたように、例えば倉庫を住宅に改造するということになりますと、これは建物の用途変更ということになりますから、法律上当然確認申請を出し直して許可を受けないといけないわけでございます。ですから、その確認申請が出てくれば、今まさにお話がありましたように、消防の方へ書類が回ってまいりまして、消防は現地へ行って見て状況を把握して、仮に天井へ届いていないようなおかしな設計であればオーケーを出すはずがございません。消防同意が出るはずがございませんから、そういう建物ができることはまずないと思います。したがって、もし仮にお話のような事例があるとすれば、それは多分確認申請を出さなかった、潜りではないかという心配があるわけでございます。 しかし、世の中には悪い人もいるわけでありますから、潜りがあっても、火が出て被害が出てまいりますと責任がありますので、消防としてはそういったものについても立入査察等は随時必要に応じてやるように指導をしてまいります。今後とも、そういうやや怪しげな建物等がありました場合には査察の徹底等を図ってまいりたいと考えます。
○岡田(正)委員 消防に対して最後の質問でありますが、このごろは昔のように望楼に立つというようなことはないのでしょうね。今回の事件のような場合は、望楼に立っておったらイの一番に出動ができたはずでありますが、望楼には立っておらぬようであります。あれはこのごろどういうことになっておるのでありましょうか。一一九番という電話がありますので、火を見かけたらばっと連絡がある。それからさっと飛んで出ればいいのであって、高いところで眠たいのに我慢してくるくる見て歩かぬでもいいじゃないかというようなことで、あれはもうやめてしまったのかどうか。 それから、一一九番がありまして現場へ到着できる時間ですね。これはそんなに各町に消防署があるわけじゃございませんので、なかなか一概には言えないと思いますが、およそどのくらいの時間で行けるものでありましょうか。これは、消防団によって消火体制を整えておるようなごく田舎の方なんかになりますとなかなか返事がしにくい話だと思いますが、総括的な話として御回答いただきたいと思います。
○関根政府委員 望楼でございますけれども、いわば制度としてやめてしまったわけではございません。現に望楼を置いてそこで、最近の統計では年間十件ほどの火災発見をしている実績もあるわけでございます。しかし、都会におきましては近所に高層の建築物がどんどんふえてまいっておりますので望楼の価値が総体的に非常に低下しているというようなことから、一般的な消防署におきましては廃止をしておるというのが実情でございます。 そこで、通報につきましては、今お話しの回線数の問題もありますけれども、電話の回線が非常に普及してきておりますので主として電話に頼ろう、その回線をふやすことによって通報を的確にやっていこうというのが今後の方向だろうと思います。しかし、そうはいいましても、実は昨年の大東館の火災というのが伊豆熱川温泉で起こりまして多くの犠牲者が出たわけですが、あのときの状況は、電話がありながら、回線がふさがっていないにもかかわらず、慌ててしまって電話を最後まできれいに回し切れなかった、一一九番を回し切れなかったというのが通報のおくれの一つの原因になっておるというようなこともございますし、また今回の松寿園の火災の際も、宿直の方が少し慌てたという点もあるのでしょうけれども、これも消防署への通報がややおくれたというようなこともございます。 そういうようなことから、一一九番、簡単な操作ではありますけれども、人間というのは本当にとっさの場合慌ててしまいますと、わけのわからない行動をすることが多いわけでございますから、いわばワンタッチで消防署へ通報できるようなシステム、これだけ科学技術、通信技術が発達しているわけでございますので、そういったものの開発も今後的確にやっていきたい。 また、でき得れば機器の開発等ともあわせまして、自動火災報知機というのがありますけれども、煙なり熱なりを感知いたしまして自動的にアラームが鳴る施設ですが、それを消防署へ直結していく、間に人が入らなくても自動的に消防署へ通報ができる、そういったものの開発をも目指して、これから研究開発のための努力をしていきたいと考えておるところでございます。 ところで、火災が発生しましてから現場へ消防隊が到着し放水するまでの時間でございますが、建物火災について申し上げますと、現在大体半分程度のものが、通報がありましてから、覚知と言っておりますけれども、覚知いたしましてから五分以内に放水開始をいたしております。十分以内に放水開始をした件数は大体八六%という数字が六十年度で出ております。したがって私どもとしては、非常に遠隔地のものも含めてこの数字でございますから、まあまあ消防はわりかし迅速的確に対応しているなどいう感じでございますが、この到着から放水までの時間をもっと向上していくような努力はさらに続けていく必要があると考えております。 なお、火が出ましてから大体八分以内に放水が開始されるような体制がとれますと隣のうちへは燃え移らない、軒先をちらちらなめるぐらいのことはありましょうけれども、本格的な延焼が起こるということはなくて済むのではないかということが消防界での定説になっておりまして、そのためには、通報時間でありますとか、あるいは到着いたしましてから実際放水するまでの間に何分か何秒かかかりますので、そういうものを差し引きますと、覚知から現場到着までの間は大体四分ぐらいで到着できるように、そういうことを考えて消防力の整備を進めていきたいと考えているところでございます。
○岡田(正)委員 最後のと言いましたが、今の何分何分という話が出ましたので、そのことにちょっと関連をさせていただきます。 これも本当にあったことでありますが、火事が出た、消防車がうわっと行った、三台ほど一緒に着いた、それで道路にある消火栓を使って全部取水管を突っ込んだ、それでエンジンを回して放水開始、なかなか勇ましい姿なんです。うわっとやったところが出ないのです。これはどうなったんだ、それでよく聞いてみたら、理屈はよくわかるのでありますが、ちょうど四つ角、十字路でございますから、ぱっと三カ所に消防車が消火栓に突っ込むというのは可能です。ところが出そうと思っても肝心な水道管の水がついてこぬわけですね。それで、これはどうしようもないなというので二台エンジンをとめたらぴゅっと出だした、こういうようなことです。 そうすると、地方交付税の配分基準の対象に消火栓があるのでございますが、消火栓というのは一体どの程度役に立つのかなという気持ちがしてならぬのでありますが、こんな質問したらあほみたいに見えるかなと思って実は言わなかったのです。だけれども、四分以内に行って放水開始というのを目標に頑張りますという非常に気持ちのいいお話があったのでありますが、さて四分以内に行って放水開始、水は出ぬというようなことがあったのでは何にもならぬですね。一体消火栓というのはどの程度役に立つものか、ちょっと返事が難しいのじゃないかと思いますが、お答えください。
○関根政府委員 岡田先生の御指摘のようなケースがありますと、これは大変なことになりまして、消防の士気にも影響いたします。そういうことのないようにふだんから、実際の火事が発生したときを予想いたしました消防の訓練をさせたり、あるいは火災警防計画というものをつくらせておりまして、仮想的な消防ポンプの配置等をやらせております。また水位統制計画というようなものも組んで、火事のときに間違いのないようにさせているわけでございますが、多分そのケースのときは、たまたまそういう計画なり訓練が十分でなかったということではなかろうかと思います。 消火栓そのものは、消防水利の基準におきましてきちんと定めがございまして、口径が六十五ミリ以上、それからそこを分岐しております元の水道管は細い水道管ではいけませんので、百五十ミリ以上の水道管につながっていること、一分間に一トン以上の水量が出なければいかぬ、しかもそれが四十分間は最低継続して給水ができるものでなければいかぬ、こういう基準になりまして、基準に適合して大体設置されているはずでございます。したがって、通常の消防ポンプであれば水道管の一系列に消火栓を五本分ぐらい使っても大丈夫なようになっているのでございます。しかし大きなエンジンの消防自動車が入ったということになりますと、二台ぐらいがぎりぎりかなというときもあろうかと思います。 いずれにいたしましても、どこの道にはどういう水道管が入っておる、どういう消火栓の配置ぐあいになっておるんだということを事前に承知した上で、それに基づいてポンプの配置計画をつくっておかないと、実際問題としてはうまくいかないのではないかと思っております。そういう意味におきまして、そういった計画の立案でありますとか訓練でありますとかをさらに徹底させまして、住民の信頼に十分こたえ得るような消防にしていくように努力してまいります。
○岡田(正)委員 警察庁の方には質問を用意しておりませんでしたので、それでは大臣の方に最後にこの問題について希望を申し上げておきたいと思います。 消防庁におかれましても警察庁におかれましても、それぞれ一一〇番、一一九番というものがあるのでございます。今の長官のお答えによりまして、私は非常にうれしかったのであります。NTTの好意でもって一一九番が設置されておるけれども、一本しかないようなところは、さらにふやすようにこれからも地元の署と連絡をして協力したい、ふやしたい。さらに、一一九番というのは慌てたときにはなかなか手が回らぬ、考えられぬような現象が起きてくるので、大東館の火事のことなんかも例に挙げていらっしゃいましたが、その反省から、ワンタッチでプッシュすればぱっと通じるような、あるいは火災報知機といいますか、ああいうもののアラームが鳴ったらそれが直接消防署にぽんとつながるというような装置を開発して、何とか市民の財産と生命を守っていきたいという決意のほどを伺いまして、本当に頼もしく思いました。 これは消防署だけではないと思うのです。一一〇番でもしそういうことがあったら人ごとです。危ないというようなことになったときに話し中ですということではえらいことが起きるので、よもやそういうことはないと思いますが、一一〇番を含めてこの一一九番の通報体制の改善ということについて、大臣からもひとつ格段の努力と御要請をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょう。
○葉梨国務大臣 今御質問と答弁のやりとりで出てきた問題につきましては、十分に検討させます。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。 それでは、通産省の方お越しになっていますか。――先ほど質問の要旨は本会議場で申し上げましたので、ここではもう中身は申し上げません。要は企業城下町を救済するためのいわゆる地域の活性化対策、これが最重要の課題でありますが、そういうこと等について通産省のお考えをこの際ぜひ承っておきたいと思うのであります。
○大村説明員 お答えいたします。 企業城下町につきましては、大変深刻な状況にあるというのは先生御案内のとおりでございます。こうした厳しい状況にかんがみまして、私どもとしましても産業構造転換円滑化臨時措置法、そしてまた中小企業関係の法律でございますが、特定地域中小企業対策臨時措置法といった法律に基づきまして、特定地域として指定したところにつきましては重点的にこれを振興していくという施策を講じているところでございます。 ポイントは、特に地域の雇用増をもたらす、産業おこしプロジェクトと言っておりますけれども、言ってみれば、企業の城主に成りかわって新しい事業を興していって雇用をふやしていくという考え方でございますが、こういったプロジェクトに対しましては、国としましては、この円滑化法に基づきまして産業基盤整備基金による出資とか利子補給等による支援体制を整えたところでございます。 現在、各地におきましてはいろいろ工夫がなされておりまして、例えば地域資源を最大限活用するということで海洋資源を活用してみょうとか、あるいはバイオテクノロジーを活用していこうかというような形で、地域にとって最もふさわしいようなプロジェクトを現在地元の方で検討しているところでございます。私どもとしましては、こういった地域の努力に対しまして、先ほど申しましたような政策手段を講じて強力に支援をいたしたい、かように考えておるところでございます。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。 それでは、ただいまの御回答を承りましたので、地元の市長に対してもその旨十分伝え、せっかくの御協力をよろしくお願いをしたいと思います。地元の市長も陳情に参ると思いますが、ぜひまじめに積極的に対応していただきますようこの際要望をしておきます。いかがですか。
○大村説明員 先生の御要望の地元の市、これは因島市だと思いますけれども、因島市は特に日立造船の造船部門が撤退しておりまして、大変重大な支障が生じておるところでございます。したがいまして、先生の御要望の趣旨を踏まえまして、地元の方から相談がございましたら、私どもとしましては、これに対して必要な助言等を積極的に行っていく、そうして企業化という段階に至りましたら、先ほど申しましたようないろいろな政策手段を講じまして積極的に対応してまいりたい、かように考えております。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。大変満足であります。 さて、通産省の方でいま一つ、産業空洞化の波にいかに対処するかという問題であります。これは御承知だと思いますけれども、きのう、おとといでしたか、テレビか何かでニュースのときにちょっと聞きかじったことで、非常に私は心配をしておるのでありますが、今自動車産業あるいは電機産業あるいは繊維という関係が、円高の関係でアメリカやその他の国に工場をつくって、そこで生産をして売れば貿易摩擦の解消になるだろう、一助になるだろうというので、どんどん出ていっておることは御承知のとおりですね。 それで、大体アメリカだけを対象にとりましても約二百万台生産体制がもうほぼ整った、こういうところに来ております。そうすると、大体我が日本が輸出しておる総量の約四分の一を生産するようなことになるのでありますが、我々日本人としては、これで貿易摩擦の量が減るな、しかし日本の生産量を極端に落とす必要もないのではないかというような淡い希望を持っておりましたが、あに図らんや、アメリカの上院か下院かよくわかりませんが、四名ほどの議員が一緒になって、日本企業がアメリカでつくる自動車は日本から輸出をしてきたものとみなしてその総数を制限せよ、こういうようなことを物すごく今言っておるそうであります。これはこれでまた大変な問題でありますが、こういうふうにして二百万台近くも外の方へ出てまいりますと、そういう今の四人の議員の横暴とも言えるようなことがまた法律案になって、これが可決をされるというようなことになってまいりますと、もう日本はいよいよ現在の日本の生産台数マイナス二百万台ということになってしまって、確実に日本の自動車産業は落ち込んでしまいます。そうすると、そこで働いておる従業員の諸君は要らないことになります。企業合理化でまたこれは失業しなければならぬようになるので、大変な雇用不安が今起きつつあります。その下請協力工場に至っては本当に生きた心地はないというような気持ちで日々を送っていらっしゃるのでありますが、この産業空洞化の波に対して通産省はいかなる対処を行おうとしていらっしゃるか、お聞かせいただいたらありがたいと思います。
○松藤説明員 お答え申し上げます。 御承知のように、現在日本は一千億ドルに上る貿易黒字を毎年出しておるような状況にございまして、世界じゅうから大変な批判を受けているわけでございます。したがいまして、自動車とか家電とか、その他繊維とかも含めて、海外投資が現在円高を契機に非常に進んでおるということは、一面大幅な不均衡の是正という意味におきましては、日本の今の国際的な立場をある意味では改善する要素でございます。 しかしながら同時に、先生御指摘のように国内での産業の空洞化、特に雇用ですとか地域経済の問題に与える影響というものが非常に懸念されて、これも大変深刻な問題であることは私どもも十分了知しているわけでございまして、先ほどの話にもございましたように、さきの国会におきまして産業構造転換円滑化法あるいは中小企業の地域法等々の法律を成立させていただきまして、構造転換に見舞われた業種が他の事業に転換していくことによって従業員を外に吐き出さないで済むようにしていく、従業員を社内に確保していく、そのための努力に対して税制上、金融上のいろいろな支援措置を講じていく。あるいは非常に影響を受けている地域に対して企業が立地する、あるいは第三セクターで事業を行うといったような場合に、やはり税制上、金融上のいろいろな支援措置を講じていくというようなことをやっているわけでございます。 しからば、そうはいっても、じゃ一体どこに、どういう分野に日本の産業構造の明るい部分があるのだということが次の問題でございまして、これは私どもも産業構造審議会等においていろいろ勉強しておりまして、基本的には二つの分野ではないか。 一つは、マイクロエレクトロニクス、新素材、バイオケミカル、この三つの技術を核にするいろいろな新しい先端産業の芽が現在非常に出てきております。こういう新しい先端産業、しかも世界の中で、例えばアメリカあたりの兵器産業とかなんとかとまた新しい摩擦が起こってもしようがないものですから、なるべくアメリカあたりと競合しないような分野で日本の先端産業を生かしていく。これは製造業でございます。これが一つ。これは相当大きなマーケットが二〇〇〇年にかけて期待できます。 それからもう一つは、サービス産業でございます。特にこの五年間ぐらいに新たに増加した労働者の四分の三はサービス産業で吸収されておりますが、どういうところが伸びておるかといいますと、いわゆる対事業所サービスという分野でございまして、最近のコンピューター技術の発達等によりまして、企業の情報処理サービスあるいは調査分析事業等々、事業のいわばいろいろなソフトの部分を外部から支援していくようなサービス産業が非常に伸びておりまして、雇用吸収という意味におきましては、これがこれからも非常に大きな役割を果たしていくだろうというように思っております。 したがいまして、こういったハイテク部分の製造業、それと対事業所サービスを中心とするサービス産業、これが現在も相当な勢いで伸びつつありますが、これが将来とも社会のニーズの変化に応じて新しい商品を供給していくということを通じて、日本の経済をより高度の、付加価値の高い産業構造に転換することは私どもとしては十分可能であるというふうに考えておりまして、こういった新しいサービスの発展のために、通産省としても今後さらに引き続き一生懸命努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。それでは通産省の方、結構でございます。 それでは国土庁の方にお尋ねをするのでありますが、これもちょっと質問としては妙な話でありますが、いよいよ来年、六十三年度は固定資産の評価がえの年であります。これがまた住民にとっては大変大きな悩みでありまして、今から相当上がるのではないかという心配をしております。なぜならば、一昨日の新聞を見ましても、東京都内の特別なところは、これはもう何倍、下手をすると十倍というような上がり方をしておりますが、都内平均をいたしまして約八〇%評価が上がっておる。全国平均でも恐らく三割近くになるのではないかというような新聞がちょこちょこ出るんですね。これを見まして、固定資産税を払っていらっしゃる方は戦々恐々としているわけです。 そこで、固定資産の評価というものが一体どういうところから起きてくるんだろうかということを考えてみたいと思うのであります。大蔵省が毎年発表しております路線価格表、それから国土庁がお出しになります地価公示表、こういうものによって、これを参考にしていわゆる評価額が上がっていくというふうに考えておるのでありますが、その手順は間違いないでしょうかね。 〔委員長退席、岡島委員長代理着席〕
○津田政府委員 固定資産税の評価がえの事務処理につきまして、私から御説明申し上げたいと思います。 評価がえは三年ごとに行われるわけでございまして、当面昭和六十三年一月一日の評価がえを目指しまして、実はもう昨年来から作業に入っております。固定資産税、土地だけでも一億何千万筆というものを評価しなければならないというようなことで作業に入っておるわけでございます。 仕組みでございますが、各都道府県庁所在市に一地点の基準地を設けまして、前回の評価がえ以降におきます基準地周辺の売買実例価額、それから相続税の最高路線価あるいは地価公示価格というようなものの動向等を考慮いたしまして、各市におきまして評定いたしました基準地価格をもとに全国的なバランスを自治省で調整いたします。この場合には自治省と各都道府県の担当者におきまして十分協議を重ねていくわけでございます。さらに、各県におきましては各市町村の一番高い基準地価格というものにつきまして市町村の担当者と都道府県の職員が調整をする、こういう作業を行っていくわけでございます。 したがいまして、御指摘の公示価格あるいは相続税の最高路線価ということも一つの評価の要素でございますが、それだけで機械的にやるものではございません。売買実例価額なども参照いたしますし、また売買実例価額にきつましても、最近の異常な土地騰貴というもの、買い急ぎ等によって非常に値段をつり上げた取引事例がございます。こういうものは私ども異常な価格としましてはじいて、そういうようなものを除いた売買実例を参考にしていく、このような状況でございます。 いずれにしましても、固定資産税は市町村の基幹財源でもございます。これを安定的な収入として確保していかなければならない。しかし、納税義務者が三千二百万人ぐらいございます。これらの方々の事業あるいは生活に影響するところも大なわけでございますので、納税者の負担ということも考えて適正な評価をしつつ、あるいはその評価の結果によりましては、毎年度上昇率につきまして負担調整をする措置というものも従来やっております。六十三年の評価にもそのような措置が必要ではないか。いわゆる評価の段階でのそういうような異常な事例というものを排除するというような作業、そしてそのできた結果によります毎年度の負担調整措置、そういうもの両々相まって適正な評価、バランスのとれた評価をしてまいりたい、かように考えております。
○岡田(正)委員 国土庁にお尋ねいたします。 国土庁が毎年出しておる地価公示というのは、あれは何のために出すのですか。
○森説明員 地価公示制度は、一般の土地取引に対しまして指標を提供するという目的と、それから公共用地の取得価格の算定等に資するということを目的に実施しておるわけでございます。また、国土利用計画法におきまして土地取引の規制を行っておりますが、この価格審査の基準という役割も持っておるわけでございます。 〔岡島委員長代理退席、委員長着席〕
○岡田(正)委員 今御答弁がありましたけれども、固定資産評価額の評価を変えていくに当たって、路線価格と地価公示が参考にされておることは間違いないということであります。このことについて、私も固定資産税を払っておる一人でございますけれども、我々庶民の目から見ると、固定資産税は地方自治体の有力な主要財源の一つである、したがって少しずつ上げていかないと職員の給料も払えない――給料だけじゃありませんね、仕事もなさるのでありますが。そういうことで銭が要るから何ぼか上げなければいかぬぞというようなことに結びつけられやすい。 実際には、土地を買い家を建てて、そこへ住んで本当に平穏な生活をしておる住民にとっては、何のためにこんなに上げてくれるのだろうか。収入はそんなにふえるわけはないのですよ。官庁の方々と大企業の方々は、ことしなんかの例を見ましても大体平均して三・五%ぐらいのベースアップですよ。ですからこれは確かに上がっている。だが、それをのけた中小企業なんかでは、ベースアップどころかダウンという状態ですね。現在もらっておる給料を抑えられるのですよ。下がるのですよ。据え置きだったらまだいい方なんです。据え置きなんという中小企業はなかなかない。こういうような状態で、給料が下がるのに固定資産の方だけは、金を生み出してくれないのにどんどん上がっていく。その上がり方たるや実に二%、三%のアップじゃありませんね。物すごい勢いで、恐らく三年間平均で二〇%ぐらい上がっているんじゃないですか。一年で七%か八%ぐらいも上がっていく。だが給料は下がる。生活の安定しておる公務員の皆さんや大企業の人でも三・五%しか給料は上がらない。税金の上がり方の方が大きい。これはどうも納得がいかぬのです。 こういう点について私は非常に不愉快な気持ちを持っておりますので、国土庁が出しておる地価公示というのは何のためやと聞いたら、土地取引をするための指標、公共用地の取得に当たっての指標ですか、そういうようなことのために出しておるというのですが、そんなものを出さぬでもいいじゃないですか。私から言うたら、やっちもない要らぬことをするなあ。そんなことをするからどんどん上がっていくのです。それであれは新聞に、一月ごろですか、でかっと出ますね、二面か三面だあっと地図入りで。物すごい点数が書いてあって単価を示してある。あんなことをするから日本の土地価格はどんどん上がる。 国土庁はとうの昔に御存じでしょうが、今の日本の評価額をそれぞれの場所の評価で、山は山、田んぼは田んぼ、その価格で計算をして日本全土を買い取るお金があったら、日本の二十六倍の面積のアメリカをそっくり買うことができるだけではない。アメリカを二遍買えるのであります。こんなべらぼうな話がありますか。二十六分の一の面積しかない日本全土を買い占めるために必要なお金を持ってアメリカへ行けば、アメリカという国を二つ買えるんです。こんなばかげたことがこの地球上にあっていいのでしょうか。 それで、きょうせっかく答弁に出てきたのに、何でわしがそんなことで汗かかないかぬのやと思われるかもしれませんから、返事がなければなくてもいいが、とにかく何でそんな日本の土地価格を上げるための一助ともなるべき地価公示をせねばならぬのだ、大蔵省も要らぬことをするではないか、国土庁も要らぬことをするではないか、もうやめてくれと言いたいのでありますが、いかがでありましょうか。
○森説明員 土地取引の指標を提供する目的でございますが、一般の人から見まして、地価というものは非常に把握しにくいものでございまして、高値の取引等がございますとすぐにその取引に影響されてしまうという側面がございます。地価公示では、そういった影響を防止するために、先ほどからも固定資産税の評価の際も異常な取引事例等は排除して評価するというお話でございますが、地価公示の価格を出します際にも、もちろん現実の取引の指標とする価格でございますから、現実の取引事例とか賃貸事例といったものから価格を出すわけではございますけれども、買い急ぎ等の高値取引といった事例は排除いたしまして価格を出しておるわけでございます。そこで、そういった指標を提供することによって、異常な高値取引に一般の取引が影響されないような効果をねらっておるわけでございます。 それから、先ほど申しましたように、国土利用計画法では一定規模以上の土地取引については届け出制をしいております。それで、やはり一般的に妥当と認められます水準以上で取引をしようという場合には、価格について指導するあるいは勧告をするということになるわけでございますが、この価格審査の判断基準といたしましても公示地価の水準を利用する、活用するということになってございますので、地価対策上この公示価格を通じまして一定の役割が果たされていると考えるわけでございます。
○岡田(正)委員 御苦労さんでございます。そのために大変な努力をなさっていることは認めるのでありますが、しからば反間いたしますが、日本一高いと言われるハンカチ一枚の面積で五百五十万円という地価があります。ああいうことは認めていらっしゃるのですか。ははあ、それで結構と言って、国土庁としては地価公示をするという立場から見てもハンカチ一枚五百五十万オーケー、そういうのを認めておるんですか。
○森説明員 確かに銀座等の土地におきましては先生御指摘のような非常な高値になっておりますが、その価格水準がもろもろの政策的な見地からどうかという話は二心別にいたしまして、実際にそういったところで土地取引をしようという人が出た場合に、例えば国土利用計画法でどういった価格の指導をするかということを考えますと、一般の取引がそういった価格水準で現実に行われているということでございますれば、そういった需給関係から出てまいっております価格水準については、地価公示の立場からは、まあそれが価格水準であるということを認めることになろうかと思います。
○岡田(正)委員 そうすると、現実に売買行為があったその後で、国土庁が出しておる地価公示の価格から言っても物すごい金額の取引があった。しかも買い取る人間には銭こはない。その銭はどこから借りてくるかといったら、だぶついている銀行から借りてきて、それでどかんと大枚を投資して買い取る、そしてまた次の人に転売するというようなことが行われて、地価がどんどんウナギ登りに上がっていっておるのでありますが、今の御答弁を聞いておると、ハンカチ一枚五百五十万でも、まあそういうことがあったのかな、あったんならあったんだな、それが現実の売買取引の例になるんだなあというふうにやるのじゃ、全部後追いじゃないですか。 そんなべらぼうな取引があるものかというので、いわゆる高値取引を排除するためにやっておるのでありますというなら、なぜその高値取引をぴしっと排除できないのですか。そんなことをやらぬでおいてほったらかしにするからどんどん上がるので、それでは地価公示なんというものは要らぬじゃないですか。そんなものは全然ほったらかしにして、庶民の諸君の常識に任せればいいじゃないですか。むしろ国土庁や大蔵省の路線価格、地価公示というのは、日本の土地価格をどんどん上げる手助けをしているというふうにしか私は思わない。でありますが、再度答弁がありますか。なければなくてもいいです。
○森説明員 実際の土地取引の実例はかなり幅があるものでございまして、例えば今の事例の中でも、公示価格水準をさらに相当上回る土地取引というものも現実にあるわけでございますが、公示価格を算定いたします場合には、そういった高値取引には買い急き等の特別な事情が含まれている場合が多いわけでございまして、そういったものは公示価格を出す際には使っていない。しかし、多くの一般の取引もその価格水準で行われているという段階になりますればそれが公示価格の水準にならざるを得ない、こういう趣旨でございます。
○岡田(正)委員 時間がなくなってきましたので、国土庁に対する質問はこれをもってやめさせていただきますが、大臣、この際希望しておきたいと思うのです。私、この問題で一時間ぐらいとりたかったのでありますが、実際に言って、大蔵省が毎年御苦労して出しておる路線価格、そして国土庁が御苦労して出しておる毎年の公示価格、これは私から言わせたら、今の御説明を受けましたけれども、要らざることをするではないか、何のためにそんなことに大勢の人手をかけなければならぬのか、つまらぬことはやめてくれと実は言いたいのであります。これが実際に日本の土地の価格を抑えてくれるような一つの効果があるなら話は別ですが、何らその効果を果たしていないということになれば、私はむしろ要らざることであると思うのでありまして、ぜひひとつ大臣も御研究をお願いしたいと思います。 そこで、さらに大臣に希望申し上げたいことは、もうこれほど不況が根を張ってまいりますと、地方の住民の固定資産税の負担は本当に骨身にこたえるのです。国民健康保険税と固定資産税の支払い、これが本当に骨身にこたえるのです。私もこたえておるのです。だからこの際申し上げておきたいのでありますが、今特例がありますね、住宅専用の場合には二百平方メートルまでは四分の一の評価という特例があるのでありますが、これもこの際は思い切って大胆な改善をやっていただくべき時期が来ているのじゃないか。それを大臣の手でやり遂げていただいたら、昔葉梨さんというすばらしい大臣がおったなと後世にその名を語り継がれると思うのでありますが、大臣の決意を伺いたいと思います。
○葉梨国務大臣 路線価格とかいろいろな価格のつけ方がございますし、地点を多数とっておりますが、それらはそれぞれの政策目的によって行われている作業でございまして、それが直ちに地価を抑制するとかいうものではなくて、手段としてあるわけでございますから、その点は御理解をいただきたいと思う次第でございます。 固定資産税の評価がえに伴う問題につきましては、先ほど申し上げましたようないろいろな税制調査会の答申等も踏まえまして、できるだけ抑制をして評価をしよう、こういうことで対応しておりますので、今まで余り上がらなかったのが急激な値上がりによって税金の負担は多くなることは事実でございますが、できるだけその負担を抑えるような努力をしていきたいと考えている次第でございます。 それから、二分の一、四分の一と軽減措置をとっております。その率をまた改めるということはなかなか困難なことだ、こう思う次第でございます。
○岡田(正)委員 国土庁の方はありがとうございました。 次に建設省、先ほどの本会議の発言に基づきまして、橋の問題を言いましたが、あれは本四公団の橋が一本、道路公団の橋が一本、それで主人に就職先もない、したがってせめてパートを求めてということで本土まで二本の橋を渡っていく、往復に要する金が二千七百円、それでパート料でいただくのが一時間五百円掛ける五時間で二千五百円、マイナス二百円、一体何しにパートに行ったのかわけがわからないのでパートもやめてしまうというような悲惨な状況にあるのでありますが、この両方とも、実は本四公団、道路公団であります。何とかひとつこういうことについては減免の措置がとれないものかということを訴えておるのでありますが、いかがでありますか。
○松延説明員 お答えいたします。 本四公団とか道路公団等の有料道路でございますが、これは財政投融資等の資金を活用することによりまして道路整備を緊急に行い、料金収入で建設費あるいは維持管理費等のすべての費用を償還するという制度になっておりまして、償還後は無料開放ということになっております。 先生御提案の料金を減免するということは、こういうことをやりますとこれが減収になりまして、例えば償還がおくれるとか、あるいは後年度また料金を値上げしなければならないとか、将来の利用者の負担増大を招くということがございまして、大変困難じゃなかろうかと考えております。また、料金は利用者に公平に負担してもらうことが原則でございまして、特定不況地域であるということだけの理由で減免措置を行うことは極めて困難というふうに考えております。 ただ、反復的に有料道路を通行する利用者へのサービスとしまして、実は個数券の割引制度というものがございまして、これは最大二〇%までは割り引けることになっておりまして、先生先ほど御指摘の二千七百冊が、こういう制度を利用していただきますと、普通車で二千百六十円あるいは軽自動車で千五百二十円ということになろうかと思います。
○岡田(正)委員 それでは時間がありませんので要望だけ申し上げておきますが、建設省におかれましても、今の財政投融資資金を使っておるので借りた金は返さなければいかぬ、もちろん全部返したら無料にする、そういう理屈はよくわかっておるのです。それから、今ここで特定の人を減免するというようなことをやった場合に他への影響がどうであろうかというようなこともあるし、返済期間が延びてくるというようなこともあって、あちらこちらに支障があるから非常に困難で、ひとつ回数券というものでやっていただきたい、こういうお話があるのでありますが、これは何の支障もない人の場合でも回数券を買ってくれれば二割の割引があるのですね。だが、実際には生活が本当に困ってしまって、去年の一月からやめていった人が、雇用期間の延長を入れましても三百五十日で切れておりますから、ことしの一月からどんどん本当の失業者、どこからも銭が入らない失業者が出ておりますので、もう途方に暮れているのです。 そういう問題がありますので、特例の割引率とかいうようなこと、これは通勤割引があるかと思えば学割というのもあるのですから、そういう点、余りきちょうめんに考えずに、もう少し幅を持った考え方をぜひ御研究いただきたい、このことを希望いたしまして、ついに質疑時間の終了が宣告されました。労働省、厚生省にもお越しをいただいておったのでありますが、まことに申しわけありません。これをもって終わらせていただきます。ありがとうございました。
○石橋委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 本会議でも予算委員会でもお尋ねをしてまいりましたが、我が党の緒方国際部長宅に対する警察官が関与しておると言われております盗聴事件に関しましてお尋ねをしたいと思っております。 まず最初に公安委員長にお尋ねをしたいわけでありますが、参議院の予算委員会におきまして我が党の橋本議員が質問をいたしました。「電話盗聴というような陰湿な反社会的な不法な行為、これは我が憲法十三条が保障する個人の尊厳とプライバシーを侵す、さらに十九条の思想、信条の自由を侵す、そして二十一条の結社の自由、具体的にその二項に「通信の秘密は、これを侵してはならない。」と明記してある、その憲法に反することはこれは言うまでもありません。」そこで「総理は憲法との関係でどのように御認識いただいておりますか。」とお尋ねをいたしました。 これに対しまして総理は、「本件の嫌疑は基本的人権にかかわる重大な問題をはらんでいると思いまして、」云々と答えております。憲法との関連でお尋ねをしましたことに対して、総理は、憲法との関連で、基本的人権にかかわる重大な問題だ、こういう認識を示されましたが、公安委員長としては同じ認識ですか。
○葉梨国務大臣 本事件につきましては、憲法で保障しております通信の秘密にかかわる重大な事案であると認識しております。
○経塚委員 私がお尋ねいたしましたのは、単に通信の秘密だけにとどまらず、例を申し上げましたでしょう、個人のプライバシーの問題等々を含めまして基本的人権にかかわる重大な問題だと総理は認識しておる。公安委員長はそういう御認識かとお尋ねしたのです。
○葉梨国務大臣 ただいま御答弁申し上げたとおりでございます。
○経塚委員 重ねてお尋ねをいたしますが、通信の秘密を侵すということは、基本的人権にかかわる問題じゃないのですか。
○葉梨国務大臣 基本的人権にも関係する問題であります。
○経塚委員 基本的人権にも関係するということで、基本的人権にかかわる重大な問題だという御認識は、総理と同じ認識だと解釈をいたします。 そこでお尋ねをいたしますが、これも総理との質疑の関連でございますが、同じく橋本議員が、「警察官の電話盗聴は憲法に違反するような重大な事件であるという、こういう御認識に立ては、今後は絶対にやらせない、政府の責任者としてそういう立場を貫いて指示をするなど具体的な処置をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。」とお尋ねをいたしました。 これに対しまして総理は、「また、こういう事件が起きないように再発防止についても厳重に指示しております。」とお答えになっております。公安委員長に指示があったわけですか。
○葉梨国務大臣 本事件につきましては東京地検の捜査結果を待っているところでございますが、その結果もし是正するところがありますれば是正すべきであると考えております。内閣の一員といたしまして、総理のそうした意向は了解している次第でございます。
○経塚委員 私がお尋ねしていますのは、捜査の結果を待って、その報告に基づいて是正するところがあれば是正をする。これは是正すべきところがあれば是正するのは当然ですが、総理が答弁をしましたのは、「厳重に指示しております。」と言っておるのですよ。指示いたしますじゃないのです。「厳重に指示しております。」とお答えになっているのですよ。だからその指示が警察庁にあったのか公安委員長にあったのか、それをお尋ねしているのですよ。
○葉梨国務大臣 私に対しまして直接の御指示はございません。
○経塚委員 それでは長官にあったのですか。
○山田(英)政府委員 ございません。警察庁としては国家公安委員会の管理のもとにございますので、総理からの指示ということはないわけでございます。
○経塚委員 これは重大な問題であります。総理がうそをついたということになりますよ。そうじゃないですか。これから指示いたしますというのなら、まだ指示はありませんという答弁で通るでしょう。「指示しております。」ということなんですよ。これは正森委員も質問いたしましたけれども、やっておる、そしてその疑いを持たれて地検特捜部の捜査を受けておる、にもかかわらず長官はやっておらないなどと言う。うそをついてはならぬ警察がうそをついておるというようなことじゃないか。そうすると、総理もうそをついているということなのですよ、これは。 それで、しかも橋本議員の質問の前段は、警察官の電話盗聴は憲法に違反する重大な事件であるという認識に立ては、政府の責任者としてはどうするんだと聞いたのです。そうすると、総理が答えていわく、またこういう事件が起きないように再発防止のために指示しておりますと言うのですよ。それで今、公安委員長にも指示がなかった、警察庁にも指示がなかった。これは総理はどこへ指示したのですか。総理がおらぬからこれは聞くわけにはいかぬということになればそれまででありますが、この指示は一体どこへ飛んでいったのですか。総理から全く何の指示もなかったのか。これは重大な問題でありますから、改めて公安委員長と長官にお聞きしておきます。
○葉梨国務大臣 先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
○山田(英)政府委員 御答弁申し上げたとおりでございます。
○経塚委員 これはまことに重大な問題であります。国会の場におきまして、政府の最高責任者が指示をしておりますと答弁をしながら、担当国務大臣も、それから肝心の警察庁も何の指示も受けておらない、これは後で我々は徹底的に追及をしなければならぬ、こう考えております。 続きまして、これも公安委員長にお尋ねをしたいわけでありますが、公安委員会が設置をされた目的は、警察の中立性を確保する、それからさらに警察行政を民主的に管理をする、田上穣治氏の「警察法(法律学全集)」によりますと、素人の委員をもってあえて公安委員会を設置した理由はここにある、こう解説をされております。それで、したがいまして、この委員は国会の承認を得た上で内閣総理大臣が任命をする、こういうことで、いわゆる中立性と民主的管理、これを目的として、しかも国民と国会に対して責任を負う、これが国家公安委員会のあるべき姿だ、こういうふうに我々は考えております。 この問題は総理も認識され、委員長も御答弁になりましたように、ここのところにかかわる重大な問題、そしてもういろいろとこれは報道されております。それで、しかも警察が地検特捜部の取り調べを受けておる重大な問題であります。これは公安委員会として当然しかるべき論議を尽くされたことと思いますが、協議をいたしましたか。
○山田(英)政府委員 公安委員会には、本事件に関しましていろいろな機会に警察庁から所要の報告をいたしております。 そこで、警察庁として、また私自身としての本事件に関する認識でございますが、ただいまお尋ねにもありましたように、現職の警察官が盗聴容疑事件で検察庁の事情聴取を受けておる、このこと自体が警察に対する国民の信頼を損なう大変遺憾なことであると受けとめております。 警察の行います情報収集活動、これは適法妥当な範囲で行うべきものでありまして、国民からいささかの疑惑も招いてはならないと考えております。そうした点を踏まえまして、過般の定期異動でも、人心を一新して国民の期待にこたえる警察諸活動を展開すべく、関係ポストについて人事刷新を行ったところでありまして、そうした認識、判断に立ちまして公安委員会にも種々所要の御報告はしております。 公安委員会におかれましては、情報収集活動が違法にわたるということがあってはならない、そういう基本的なお立場でありまして、私といたしましても、捜査の結果を待ち、もし是正すべき点があるならば是正するにやぶさかでないという考えでおるわけでございます。
○経塚委員 私は公安委員長に、公安委員会として協議をなさったのかとお尋ねしているのです。
○葉梨国務大臣 盗聴問題につきましては、国家公安委員会におきまして警察庁から所要の報告を受けている次第でございます。
○経塚委員 ただ報告を受けて、それで済ましているのですか。これは大変重大な問題だ、公安委員会としてどういう態度をとるべきか御協議されておらぬですか。
○葉梨国務大臣 公安委員会といたしましては、本問題は重要な問題として認識しております。 事実関係につきましては検察庁の捜査の結果を待たなければなりませんが、警察が行う情報収集活動にはいささかの違法もあってはならないと考えており、そのような基本姿勢を持っておる次第であります。
○経塚委員 違法な活動があってはならない、そういう認識を持っておられるということでありますが、公安委員長もお答えになりましたように、警察官が地検の特捜部の捜査を受けているということは承知しておりますと御答弁なさったでしょう。そういう重大な事態で、私が申し上げましたように警察行政を民主的に管理する、しかも公安委員は国会で選ばれている、国会に対して責任を負う重大な立場にある。だからこの事件の真相の究明はもとよりでありますが、公安委員会としてどういう立場に立つべきかということは十分論議をし尽くされなければならぬ問題だと思っている。報告を受けておるだとか、あるいは違法活動があってはならないという立場に立っておりますとかいうような程度では、十分国民の疑惑を解明し、国会に対する責任を負う態度であると言いがたいと私は思っております。しかし、時間の関係もございますので、次の質問に入りたいと思います。 御承知のように、神奈川県の人事委員会は、盗聴事件に関与したと言われる神奈川県警警察官の氏名、階級等について、公文書公開条例の趣旨からいって、答申は最大限尊重すべきである、こういうことで公開を決定いたしました。この答申につきましては公安委員長、警察庁長官も読んでおると思いますが、念のために申し上げておきますけれども、公開の理由として、「国民主権原理をとる憲法の下にあっては、行政組織は、直接間接に民意に基礎を置き民意を反映する組織でなければならないとともに、行政組織に対する民主的コントロールの途が開かれ、行政の責任体制が明らかにされなければならないと考える。その観点から、県の職員の配属状況に関する情報は、県の組織に関する情報として、県政の言わば主権者である県民の前に明らかにされるべきものである。」こういうことで人事委員会も公開に踏み切ったわけであります。 人事委員会は、今さら申し上げるまでもなく地方自治法、地方公務員法に基づいて設置をされた機関であります。地方自治の本旨を体して職務を遂行すべき立場にある。これは自治大臣にお尋ねをしたいわけでありますが、法令に基づく地方の行政機関の決定については、自治大臣としては尊重すべきだと考えますが、その点はどうですか。
○葉梨国務大臣 神奈川県人事委員会が特定の県警の職員の氏名等を公表することとした決定でございますが、神奈川県公文書公開審査会の答申に即して同委員会が行ったものでございまして、神奈川県の機関の公文書の公開に関する条例に定める手続に従ってとられた措置であると理解しておりますけれども、一般的に言いまして、情報公開につきましては請求者側の利益と公益目的とを慎重に比較考量して処理すべきケースが少なくないと考えられるのでありまして、今後とも関係機関において研究を重ね、条例の適正な運用が図られるよう願っている次第でございます。
○経塚委員 それは答弁になっておりませんがな、あっち行ったりこっち行ったりして。私がお聞きしたことにはっきりお答えくださいな。これは自治大臣としては当然でしょうで憲法で保障された地方自治の本旨の立場に立って、地方の行政委員会が違法なことをやっているならともかく、法令に基づき、条例に基づいて決定をしたことを自治大臣としては尊重するのは当たり前じゃないですか。これはイロハのイじゃないのですか、地方自治の。そこをお尋ねしているのですよ。検討する余地も何もないじゃないですか。地方の行政機関の決定は尊重して当たり前だと思うから私はこれをお尋ねしているのですよ。そうじゃないのですか。尊重すべきなんでしょう。
○大林政府委員 自治省といたしまして、地方の情報公開条例の運用については一つ一つ内容についてまでまだ承知いたしておりません。今回の事件につきましても新聞報道程度の情報は得ておりますけれども、事柄の成り行きといたしまして、大臣がお答えいたしましたように、今回の問題は条例の手続に従って正規の機関が決定した結果であろうと存じます。 ただ問題は、その内容についてまた種々議論があるようであります。一般論で申しまして、やはり一つの情報公開をするかしないかにつきましては、それぞれの立場でそれぞれの御意見があろうかと思います。そういう問題について、自治省の立場といたしましては、関係機関で十分慎重に協議をしながら決めていただきたい、こう念願しておるというお答えになるわけであります。
○経塚委員 私は率直に聞いているのですよ。私の質問の意味がわかりませんか。法令に基づいて地方の行政機関が決定したものについては、自治大臣としては尊重するのは当たり前じゃないか。当たり前の質問をしているのですから、当たり前の答弁をしてもらわないと困りますがな。何か特別変わったことは聞いておりはしまへんがな。尊重するのは当然なんです、法令に基づく行政機関の決定なんですから。情報公開の内容について私は論議しているのじゃないのです。地方の行政機関の決定を、地方自治の本旨に基づいて、自治大臣、担当大臣としては尊重するのは当然じゃないですかと聞いているのです。
○大林政府委員 今回の決定につきましては、条例の手続に従った決定であると認識しております。
○経塚委員 条例に基づいて決定した地方の行政機関の決定ならば、これは政府としても尊重するのは当たり前のことですよ、それは。それを答えられないというのは、何か横手に長官、警察庁長官が座っておるから自治大臣ちょっと遠慮しているんじゃないですか。あなたは管理する立場なんだから何も遠慮することないですよ。自治大臣として、こんな問題なかったら、もう普通の答弁で、自治大臣胸を張って、地方の行政機関の決定は当然尊重いたしますと言うとるに違いおまへんわ。横手にちょっと座っておるから遠慮しておるんだろうと思う。そんな姿勢だから警察の秘密主義体質がいつまでたったって温存されるのですよ。 長官にお尋ねをいたしますが、二十三日の記者会見でこう言ったと言われておりますね。神奈川県の人事委員会の決定は「遺憾なことだ。」「公開請求があることを前提に人事委員会が持っていることは、公開条例の趣旨からしてもなじまない。」「返還してもらうなどの方法を考えたい」。これは事実ですか、「返還してもらうなどの方法を考えたい」と言ったことは。
○山田(英)政府委員 警察として人事委員会の職務に御協力申し上げることは当然のことであります。 ただいまいろいろお尋ねの点については、私いろいろな語をしまして、その一部が報道されておるわけで、必ずしも真意が伝えられているわけじゃないと思いますが、私が記者の方々にいろいろお話ししました趣旨は、警察が一定の目的のために人事委員会に提供申し上げておるその資料が、目的外に使用されて公表されていくということになれば警察の職務の遂行に支障を来す、そういう観点から今回の人事委員会の御決定というのは警察の立場から見ますと遺憾なことであるということを申し上げたわけでありまして、そこで今後警察としてどう対応すればよいのか、そのことを考えていきます際には、人事委員会の職務にも支障がないような資料の提供方法ということを検討する必要があるのではないかというようなことを申し上げたわけであります。ただ、何分にも都道府県条例の解釈、運用の問題でございます。都道府県ごとに検討していただく必要がある、さように考えております。
○経塚委員 もう一回念を押しておきますが、返還を求めるようなことを検討したい、返還を求める、これは言っておるのですか、おらぬのですか。
○山田(英)政府委員 全体の趣旨はただいま御答弁申し上げた趣旨で御理解いただきたいと思うのですが、御用済み後において、それを使い終わった後で持っておられることによって、それを持っているから公表するということであるならば、人事委員会の職務にお使い終わった後はやはり戻していただくのも一つの方法かもしれないという選択肢の検討の一つとして、アイデアとして申し上げたことはございます。しかし、先ほど御答弁しましたように、人事委員会の職務に御協力するのが我々の立場でございまして、その都道府県ごとの情報公開条例の運用として検討していただく必要があると考えております。
○経塚委員 御用済み後は返してもらいたいという趣旨にとれるわけでありますが、長官、これは越権行為ですよ。あなた、地方自治法、地方公務員法を御存じでしょう。人事委員会の権限についてどう書いてあるのですか。地方自治法、地方公務員法、さらに警察法、長官という最高の責任者でありながら御存じないようですからちょっと読み上げておきましょう。 地方自治法二百二条の二、人事委員会の職務権限、こう書いてありますよ。「人事委員会は、別に法律の定めるところにより、人事行政に関する調査、研究、企画、立案、勧告等を行い、」云々。 そして、この地方自治法二百二条の二を受けまして地方公務員法八条、「人事委員会は、左に掲げる事務を処理する。」十一項目書いてある。その十一項目の一番初めに、最も重大だから、「人事行政に関する事項について調査し、人事記録に関することを管理し、」云々と書いてあります。 そして、逐条解説では、「人事行政とは」ということで、「人事委員会が所管する地方公務員の身分取り扱いのすべてである。」こう書いてあるのですよ。 それで警察法五十六条、「職員の人事管理」では、警視正以上は国家公務員。しかし、警視以下については、これは当然地方公務員として人事委員会の条例、規則の定める範囲内に所管されることなのですよ。 返してもらうというのは、もともと警察のものなんだという認識が前提でしょう。だから返してもらいますというような話が出てくるのです。これは返すも返さぬもないですがな。地方自治法、地方公務員法によって、人事委員会の職務権限として、職員の管理行政上職種、階級、氏名等を含めて調査し、そしてその資料を収集することが職務権限として義務づけられておる。だからこれは人事委員会の記録なんですよ。警察がちょっと見せますといって見せた記録とこれは違います。所有権は人事委員会にあるのですよ。警察に所有権があるのなら返してもらうということは言えるはずでありますが、人事委員会に所有権、一切の管理権があるのですよ。したがって警察庁長官ならば、神奈川県警に対して地方自治法、地方公務員法、警察法に従って地方の行政機関の決定に従うべきだと言うべき立場であるにかかわらず、言わないところか、あべこべに人事委員会のすべての権限、管理下にあるものに対して返してもらうなどとはもってのほか、越権も甚だしい。これは全く違法行為と言わなければならぬですよ、こんな発言が出てくるのは。警察というのは法律を守るべき立場にあるにもかかわらず、法律のイロハも知っておって知らないというふりをしておるのか、これは全くけしからぬ話ですよ。地方自治に対する越権行為も甚だしいと言わなければなりません。同時に、この内容ははっきり言いまして国民の知る権利を侵すものです。この点はいかがですか。
○山田(英)政府委員 所有権云々というお話もございましたが、できないことをやるということではございませんで、人事委員会の職務に御協力するに際して資料の趣旨を明確にしていく必要があるのではないか、こういうことで申し上げたわけです。 審査会の御決定が出る以前の人事委員会の原決定でございますが、それによりますと、この資料というのは「「大事に関する統計報告」の動態統計を作成するに際しての参照資料であって、それ自体公表することを目的として作成したものでない」という理由で公開するに当たらないという御判断もあって、それで審査会の御決定で先ほどお尋ねにもありましたような決定が出ておるわけでございまして、私どもとしては、今後理論的にも公開条例において守るべき個人情報というのは何かということを真剣に討議される余地はあるのではないか、かように思っております。そうした議論の過程で我々が人事委員会に御協力するについていろいろなお話し合いをする余地も残っておるのではないかということを感じておりましたので、そのことを申し上げたというわけでございます。
○経塚委員 協力すると言っても、こんなものは警察庁や関係官庁は義務化されているのですよ、法令で。私が何回も言っていますように、職員録をつくるというようなことは人事委員会の権限なんです。拒めないのですよ。それをおわかりじゃないのですか。何か警察が人事委員会に協力してやっているんだ、それで人事委員会に示してやっているんだ、それを用が済んだら返してもらうなどというのは、ちょっと警察は思い上がっていますよ。人事委員会の権限を何と心得ているのですか。御承知のように人事委員は議会の同意を得て長が任命をするのです。だから人事委員会は公安委員会と同じように中立性、公正性があるのです。人事委員は政党に所属する者から委員を選ぶ場合だって制限されているのです。それほど公正、中正を原則としているのです。そして議会、長に対して責任を負っているのです。こんなものは協力するも何もないです。名簿をつくることは人事委員会が自分の権限でやれることなんです。それを何か恩着せがましく協力するなどという考え方自体が、情報公開の内容についても、地方において自主的に決めるべきものについてまでとやかく物を言うという姿勢になってあらわれてくるのです。これは全く許しがたい。 それからもう一つの問題でありますが、公開をなぜしないのかということにつきましては、いや、にせ左翼暴力集団に襲撃されるとかなんとかいうことを言っておりますが、これだって理由になりませんよ。これははっきり神奈川県の審査会が言っておるわけでしょう。「県警が職員等の安全を図ろうとしていることは理解できる。しかし、職務に関連して職員等が嫌がらせを受けたり、時には危害を加えられるおそれがあるということは、他の一般職員や民間企業の役職員についてもあり得ることであって、このことが、条例の適用上、知事部局等の職員と区別して、県警の職員の氏名、職名等を個人情報として特別に保護する合理的根拠になるとは認められない。」全くそのとおりですよ。 これは例を挙げれば切りがないです。六十二年五月十四日の新聞報道によりますと、ある学校の校長が五年間にわたって暴力団の幹部から、息子の生徒会長落選は教師の責任だといって六十九回もゆすりたかりを受けて二千万円を奪われた。学校の教員だって同じことですよ。 それからこれは判事が襲撃された事件でありますが、「狭山事件で有罪判決の寺尾判事、襲われる バット持つ五人組」これも三回襲われたのでしょう。官舎に空気銃を発射されるなど襲撃事件があったわけでしょう。 それから運輸省の幹部ですね。これも車を放火され住宅を放火されて隣の家も全燃するという事件が起きているのでしょう。 幾らでもありますがな。そんなもの理由になりませんよ。全体に奉仕する立場に立つ者は、やはりみずからその職を選んだ以上は、職を賭して国民に奉仕することは当然のことですよ。警察官だけ氏名、職種を公表すれば襲われるからと逃げ隠れするかのようなことは、これ自体士気に影響しますよ。理由になりはしませんがな。一般の公務員はどうなるのですか。我々政治家も同じことですよ。身命を賭して国民全体に奉仕する立場に立つ公務員である以上は、私は襲われていいとはさらさら言いませんけれども、職務遂行のためには当然自分の決意を持ってみんな事に当たっているのですよ。これは理由にならぬですよ。どう思いますか。
○山田(英)政府委員 我々としましては、違法行為を取り締まる立場からしますと、違法行為を行おうとする者は、やはり警察の体制を調査して取り締まりを免れたり、警察職員に対して牽制や妨害を加えたりすることが多いわけでございます。実際、外国におきます情報公開法の運用の実態を見ましても、その弊害が大変出ておるということがあるわけでございます。例えば、暴力団の取り締まりに従事する者の全容が明らかになりますれば取り締まり活動に支障も生じますし、これはすり係にしても薬物取り締まりにしても全く同じだと思います。単に極左のゲリラ対策ということだけではないわけでございまして、やはり取り締まりを免れさせ、牽制、妨害の機会あるいは攻撃目標を与えるおそれが十分にありまして、また、一般市民からの情報提供の機会も少なくなるというごとにも及ぶ事例もないではないと思います。 そういう観点から、いろいろ御指摘もございましたが、私どもとしては、警察官の個人識別につきましては一般的に公開することは職務の遂行上支障があると考えておるわけでございます。
○経塚委員 公開することは職務の遂行に支障があるとか、これは予算委員会の御答弁ですが、在籍の有無を申し上げることは御遠慮させていただきますなどと言っておりますけれども、そんなものは幾らでも公開されておりますがな。大蔵省で出している職員録がそうでしょう。一万何千円出せばみんな手に入りますがな。課長以上みんな載っておりますがな、警察庁も公安調査庁も。これは一体とないなるのですか。あなたの答弁は矛盾だらけですよ。これも引き揚げるのですか、こう言いたいわけですよ。これは大蔵省の印刷局が発行しているのでしょう。 最後に公安委員長にお尋ねしたいわけでありますが、きょうの新聞を見ますと、現職の警官が関与しておったことは間違いない、しかも組織的であるというようなことも報道されております。にもかかわらず、今に至るも警察庁長官を初めとして警察庁は何ら反省の色も示さないし、みずから事を明らかにするという態度もとっておりません。公安委員長としては、こういう重大な問題に対しては警察がみずから進んで真相を明らかにするように、当然の公安委員会の職責として指導すべきである、かように考えておりますが、公安委員長の御見解をお伺いしたいと思います。
○葉梨国務大臣 本事件につきましては、東京地検におきまして厳正公平に捜査中であると承知している次第でございます。警察といたしましては、今後とも必要な限りの協力をしてまいる所存でございます。
○経塚委員 答弁、了解するのではございませんが、時間の関係もございますので、次に霊感商法の問題について一、二お尋ねをしておきます。 これは日本弁護士会の報告も既に御承知だと思いますが、被害人数が一万四千五百七十九人、しかも六十年からこれは急増しております。そこで二点お尋ねをしておきたいと思いますが、一点は、これは刑事法を適用して詐欺、恐喝等々で警察は迅速に対応すべきである。こういうふうに考えておりますが、その点についての見解はどうか。 それからもう一点の問題は、これは公安委員長にお尋ねをしたいわけでありますが、これも六月四日の参議院の決算委員会におきまして佐藤議員が質問をいたしております。その際に公安委員長の手元へ販売の手引書「ヨハネトーク」というものをお渡ししておったと思います。その件については公安委員長は十分その資料を検討させていただきたい、こういう御答弁でございました。検討されてどういうことになったのか。その二点をお答えいただきたいと思います。
○漆間政府委員 お答え申し上げます。 警察といたしましては、霊感商法につきましても、他の悪質商法と同様に、違法行為があれば厳正に取り締まりを行っているところでありまして、これまでに詐欺罪、恐喝罪、脅迫罪、訪問販売等に関する法律、薬事法、迷惑防止条例等を適用して検挙した事例もございます。今後とも違法行為があれば各種の法令を適用して、厳正な取り締まりを行っていく所存でございます。
○葉梨国務大臣 「ヨハネトーク」をちょうだいいたしまして読んでみました。なかなか心理の機微をついたやり方であるなどいう感じがいたしました。警察に対しましては、これらの資料を取り締まりの参考にするように話をしたところでございます。
○経塚委員 これは詐欺、恐喝、薬事法違反、刑事法適用の問題でありますが、私は豊田商事のときもお尋ねしたのです、六十年のときにお尋ねしたのです、すぐ刑事法を適用せいと言って。ところが本腰を上げたのは六十二年でしょう。五十七年でもう既に国会で答弁されているのですね。だから刑事法適用までに五年かかっているのですよ。この間にどんどん被害がふえていったのですね。だから私は迅速に対応してもらいたい。 それから法務省せっかくお見えになっておりますので、法務大臣の御答弁、根を絶やすような方途をこれからも検討していく、こう御答弁になっておりますが、具体にどんな方途を検討中ですか。
○石川説明員 お尋ねのいわゆる霊感商法につきましては、悪質でかつ組織的な犯罪であるということで国会で御論議がありましたし、マスコミ等でも多々報道されているところでございまして、この点につきましては捜査当局におきましても十分承知しておるところと思います。したがいまして、捜査当局におきましては、これらの御論議とかあるいはマスコミの報道等の内容を十分念頭に置きまして、刑罰法令に触れる事案、例えば詐欺罪あるいは恐喝罪等に触れる事実認定ができますならば、厳正に対処するものと考えております。
○経塚委員 根を絶やす方途を検討中ということでありましたから、具体に根を絶やすどんな方途を検討中かとお尋ねしたわけでございますが、この点はお答えがなかったわけでありますが、これはまた私の後で正森委員がいろいろお尋ねすることと思いますので、これで終わらせていただきます。
○石橋委員長 正森成二君。
○正森委員 最初に警察庁長官に一問だけ聞かせていただきます。 先ほどの経塚委員への答弁を聞いておりますと、私は速記したわけではございません、メモしただけですから若干違っておるかもわかりませんが、長官は我が党の緒方国際部長宅盗聴事件に関連して、現職の警察官が事件に関与したとして検察庁の取り調べを受けているというだけでも国民の疑惑を受ける重大なことで、国民の信頼を得るためにも、さきの一連の人事異動を機会に人心を一新した次第というようにお答えになったように思います。大体こういう趣旨の答弁をされたことは間違いございませんね。
○山田(英)政府委員 定期異動における人事刷新の中身の一部としてそのように考えておるということは御答弁したとおりであります。
○正森委員 私が七月十四日に予算委員会で質問いたしましたときに、わざわざこの点をマスコミの報道を引用して伺ったら、通常の人事異動であるということ以上にはお答えになりませんでしたね。私が重ねて、マスコミは引責人事だと報道しておるが、それでは引責人事ではないのかと聞いたら、やはり通常の人事異動だと言われました。ところが今の答弁を聞いておると、一連の人事異動を機会に人心を一新した、こう言われました。これは私が後ろで聞いておりましたら、答弁のニュアンスが非常に異なっておると言わざるを得ないのです。あなたの答弁のニュアンスの変化した真意を承りたい。
○山田(英)政府委員 予算委員会におきまして正森委員にお答えしました内容で、定期異動であって主要ポストについて人事刷新を図ったものであるということは、つけ加えてお答えしております。そこで、ただいまお尋ねのように引責辞職ではないのだなと重ねての御質問もございました。検察庁の処分が出ている段階ではありませんので、引責というふうには私考えておりませんが、主要ポストにおいて人事刷新を図ったということは確かでありますし、御答弁いたしましたし、先ほど答弁いたしましたのはその中身を申し上げたわけでございます。
○正森委員 長官は今そうお答えになりましたが、私も議事録を拝見しましたが、私に対する答弁は、あくまで通常の人事異動、それを早めたものであるという趣旨から一歩も出なかったように思います。ところが今の答弁は、わざわざ現職の警察官が事件に関与して取り調べを受けておるというだけでも重大であるということを言うた上で、人心の一新を行ったものであるということになれば、聞きようによっては、みずからが関与したのか、あるいは監督責任を問われたのかは別問題として、何らかの意味で責任をとって人心の一新を行ったというように受け取らざるを得ない答弁ですね。そう受け取っていいのですか。もしまたそういう人心の一新なら、率直に言って、長官、もう一人人心一新しなければならない人がいるんじゃないのですか。神奈川県警本部長や警察庁の警備局長が異動あるいは辞任しただけでは人心の一新にならないのじゃないですか。本当にこれは申しわけがないと思ったら、長官自身が責任をとらなければいけないのじゃないですか。
○山田(英)政府委員 情報収集活動というものが国民に疑惑を抱かれてはならない、そういう疑惑を抱かれてはならないという立場に立ちまして人心を一新したわけでございまして、そういう意味で定期異動の中における人事刷新というふうに考えております。
○正森委員 これ以上御質問してもお答えになれないでしょうけれども、もし本当に人心の一新というなら、もう一人人心を一新すべき人がいるということをあえて申し上げておきたいと思います。御苦労さまでした。 今、霊感商法について経塚委員が御発言になりましたが、被害について、最近の二、三年で苦情相談が一万三千件、百八十三億円であるとかいろいろ言われておりますが、経企庁おいでになっておりますか。大体そういう被害についてどういうぐあいに掌握しておりますか。
○吉田説明員 御説明申し上げます。 国民生活センター及び地方の消費生活センターで受け付けました苦情件数でございますが、五十九年度二千八百七十六件、六十年度が三千二百九十九件、六十一年度が五千三百五十七件、本年度に入りまして四月から六月の分が千七百四十八件、こういうふうになっております。それから契約全額でございますが、六十一年度について見ますと、八十七億二千七百万円、こういうふうになっております。
○正森委員 警察庁に伺いますが、警察庁の生活経済課長ですか、上野さん来ておられるかどうかわかりませんが、その方は五月二十一日の衆議院特別委員会で霊感商法を定義して、「人の死後あるいは将来のことについてあることないことを申し向けてその人に不安をあおり立て、その不安につけ込み、普通の人だったら買わないようなものを不当に高価な値段で売りつける商法こういうぐあいに定義した上で、「警察といたしましては、霊感商法というのは各種の悪質商法の中でも最も悪質なもの、すなわち人の弱みにつけ込むというか人の不安をかき立ててその弱みにつけ込むという意味で大変に悪質なものだ、こういうふうに考えております。」こう答弁をしておりますが、この答弁の趣旨は変わりませんか。
○漆間政府委員 もう一回霊感商法の私どもが考えておる定義を読み上げさせていただきます。霊感商法とは、人の死後あるいは将来のことについてさまざまなことを申し向け、不安をあおり立て、それにつけ込んで印鑑、つぼ、多宝塔などを高価な値段で売りつけるという商法で、これは人の不安をかき立て、その弱みにつけ込むという意味で大変悪質なものであるというように考えております。
○正森委員 基本的には私が申したことを肯定されたと思います。 そこでもう一つ伺いますが、青森で、セールスで知り合った女性を悪霊がついていると言って旅館に連れ込みまして、霊払いの儀式をして千二百万円ものお金を祈祷料としてだましとった印鑑などのセールスマン三人が、執行猶予つきでございますが、有罪判決が言い渡されました。御承知のことだと思いますが、そのときに巡査部長が作成した捜査報告書にはこう書いております。「被疑者」これは名前はわかっておりますが省略いたします。この被疑者が「所属するグリンヘルスという会社は世界基督教統一神霊協会および主義主張を同じくする異名同体の国際勝共連合の思想教育を受けた者の集まりであることは本年十一月十五日に被疑者宅を捜査した際、同所で事情聴取した平松武雄、真鍋一弘、中西信夫らの申し立てから明らかであり」云々というように捜査報告書に書かれているようでありますが、この事実は承知しておりますか。
○漆間政府委員 当時の事件に関する公判記録の中に、お尋ねのような事実を記載した捜査報告書があるということについては承知いたしております。
○正森委員 四月十五日にNHKが「おはようジャーナル」の特集番組、これを放送いたしましたが、そこに登場した統一協会の脱会者は、この霊感商法が統一協会の目的を達成するために行われたものであることを次のように語っております。「「経済活動」というのは「万物復帰」という考え方がありまして、これは、地球上全体のすべてのものが神のものであるという教えです。それは神のものであるけれど、サタン=悪魔にとられた、だからその悪魔によって奪われたものを神側のわれわれ信者が、再び神の方に持ち返るという教えにもとづいてやっているんですね。」こういうように言っておるんですね。 国家公安委員長、つまり霊感商法というのは、本来神の国のものであるものがサタン、悪魔にとられているんだ、それを万物復帰で返すんだから、少々のことを言うたってそれは構わないんであるという考え方に基づいてやられているんですね。 きょうは時間がございませんので申しませんが、法務大臣は根元までさかのぼってこの問題は対処していかなければならないということを言っておられます。 そこで、この統一協会はどういうものであるかといえば、その中心の教典は原理講論というものなんですね。原理講論の一番のもとは韓国版でありまして、これはこの間まで極端な韓国中心主義を唱えておりました。最近は、余り批判がひどいので、それを削っておるという話がございます。日本語訳では削っておる部分がございました。しかし、もとのところでどういうことを言っているかといいますと、「端的にいって、イエスが再臨される東方のその国とはまさに韓国である……イエスが韓国に再臨されるならば、韓民族は第三イスラエル選民となるのである」「この国であらゆる文明が結実されなければならない。有史以来、全世界にわたって発達してきた宗教と科学、即ち精神文明と物質文明とは韓国を中心として、みな一つの真理のもとに吸収融合され、神が望まれる理想世界のものとして結実しなければならないのである」云々。 次いで「言語はどの国で統一されるであろうか?その問いに対する答えは明白である。子供は父母の言葉を学ぶのがならわしであるからである。人類の父母となられたイエスが韓国に再臨されることが事実であるならば、その方は間違いなく韓国語を使われるであろうから、韓国語はまさに祖国語となるであろう。したがってすべての民族はこの祖国語を使用せざるをえなくなるであろう」こう言っているんですね。こういう絶対的な韓国中心主義なんです。 そして、ほかにもいろいろ資料がございますが、統一協会の関係者の秦道臣という男が「アジアに希望の陽が昇る」という本を書いております。その本の中でどう言っているかというと、日本のことをこう言っているのです。七百四ページ「女性日本と男性韓国の婚姻」という題なんですね。そこでどう書いているかというと、「一四〇○年の歴史において、幾度か外圧をもろに受けながらも、日蓮・竜馬のような愛国的義人が突如輩出され、彼らの涙と血によってその外圧を押し返し属邦化を奇蹟的にまぬがれてきたのである。」こういうぐあいに日本を褒めて、その上でこう言っているのです。「女性であれば、生娘、貞操を固く守られてきた処女に喩えられよう。」こう言っているのですね、日本のことを。「だがその女性も年頃に成長したのである。多くの男性が求婚してきている。その求婚の本命こそ、男性韓国なのである。」女性日本に対して男性韓国が求婚しておる。そして「男性韓国が、真理の国ということができるとすれば、女性日本は産業の国といえるのではなかろうか。深遠な真理をもって語りかけてくる男性に、女性は何をもって返答をするであろうか。婚姻の約束が成った後は、仲人を立て、調度品を将来の夫のもとに納める習いがあるではないか。日本は、二十年間の驚異的な産業の発展を有している。この産業・経済を男性韓国へ結納として収める歴史的必然性がある。」こう言っているんです。 いいですか。つまりイエス・キリストは韓国に再臨される。韓国語は世界語になる。日本は生娘だ。理想の男性は韓国だ。そこへ婚姻するには産業日本はこれをそっくり韓国へ結納として納める歴史的必然があるのだというようなことを言っているのですよ。そして万物復帰で、サタンのもとにあるものを、それはだまそうがどないしようが持ってきて、神の国だということで文鮮明なんかに贈ればそれは非常に結構なことだという考えを持っているんですね。ですから、悪いことをやるのに悪の観念がないんですね。こういうことによって非常に重大な被害が起こっているということを国家公安委員長も警察も法務省も認識していただきたいと思うのですね。ところが皆さん方は、国会ではいろいろ言うと、根元に迫るとかいろいろ言われているのですが、実際上の対処になるとそれをされておらない。 幾つか例がございますが、時間がございませんので一つだけ申し上げます。長崎で統一神霊協会のいろいろな霊感商法を暴露した「ちゃんぽん」という雑誌があります。この編集者に対して空気銃まがいのもので射撃して負傷させたという事件がございました。私は、七月の初めですが、長崎へ実際に参りまして、この方から事情を聴取してまいりました。警察、ぜひ聞いていただきたいのですが、警察も御存じのように、霊感商法を批判しますと、まず集中的な電話がかかってまいります。何千件、二年前の朝日新聞の場合には数万件の電話がかかってまいりました。実際上仕事ができないという状況まで起こるわけですね。そして、朝日新聞の場合には二年前に、私どもの調べでは実に四万六千三百二十六本の電話が六日間にかかってきたというように言われております。 この川原さんのところにも、空気銃まがいのもので撃たれる前の晩、空気銃で撃たれたのはその日の零時過ぎですから、数時間前こういう電話がかかってきました。無言電話で、時々物を言うのですが、「川原、おめえは共産党か。おめえ、本当になめると、こっちは承知しないぞ。いよいよ覚悟せろ」、覚悟しろというのを佐世保の言葉で「せろ」と言うのですね。そういうふうに言っているのですが、このテープを長崎の統一協会を脱退した人に聞かせると、全員一致して、これは勝共連合長崎支部の事務局の最高幹部の声に間違いがない、こう言っているのです。私は名前もわかっております。それで、そのことを本人が幾ら言っても警察は取り上げない。声紋でも調べれば非常によくわかるのですけれども、それを取り上げてくれないということを言っているのですね。 それからまだあります。この川原さんが告訴しまして警察に調べられたら、長崎の警察はこう言っているのですね。調書をとるときに、襲われたと書くか、けがと書くか。波紋が大きい。死人が出るかもしれない。あんたが酔っていたという証言もある。警備の園田は木の切り株でけがをしたのかもしらぬと言っている。けがをしたということであれば波紋はない。空気銃を見たわけではないだろう。こういうように執拗に、これは単純なけがであるというように誘導しようとしているのですね。これでは事件をもみつぶそうとかかっていると言われても仕方がないんじゃないですか。私は、本人のところへ行って直接その録音テープも聞き、また実際に話を聞いた上で言っているのです。国会で言っていることと全然違うじゃないですか。守っているのですか、この統一協会を。
○仁平政府委員 お答えします。 お尋ねのございました雑誌「ちゃんぽん」の編集人に対する事案につきましては、現在長崎県警におきまして捜査しているところでございますが、被害者本人からの事情聴取はもとより、現場における実況見分あるいは現場周辺における聞き込み等の捜査を厳正に実施中であるという報告を受けておるところでございます。
○正森委員 厳正に実施中と言うのですけれども、被害者がそういう録音テープに基づいて、そしてこの声の主は国際勝共連合長崎支部の最高幹部の一人であると言っているのに、それに対して十分な捜査がされないという不満あるいはもどかしさを私に訴えているのです。 私自身その脅迫電話を開きましたが、随分長い沈黙の期間があった。ところが、その沈黙の中で、その部屋のほかの人の声が入っているのです。そのほかの人の声が何と言っているかというと、アンケートとかCBという言葉が入ってくるのです。アンケートというのは、統一協会の人が町へ出て二十前後の若者にアンケート用紙を渡して、そしていろいろ回答させて自分たちの勉強会に引き込む一番初歩的な活動なのです。CBというのは何かと言えば、これも統一協会の諸君が霊感商法で売りつける宝石だとかも皮のことをCBと言うのです。つまり、これは統一協会のアジトから脅迫電話がかかっておることを明白に示しておるのですね。しかも、それは非常に感度のいい録音テープに入っているのです。これは、警察がやる気があれば十分調べられることではないですか。私は、もし今までの国会での言明が本当なら、そういう点について厳正に捜査されることを心から希望しておきたいと思います。 最後に、政治家としての、国務大臣としての葉梨さんに伺いたいと思います。 こういうことであるにもかかわらず、例えば朝日新聞の七月二十六日、霊感商法を守る会が各地で開かれておりますが、そこに福田元首相、中曽根氏の御子息を初めとして十人もの自民党議員が祝電を続々と打っておるという記事が出ております。これは、国民感情から相隔たること大きいのではないですか。国務大臣としての御見解を承って、時間ですから質問を終わります。
○葉梨国務大臣 そのような記事が新聞に出ていたことは承知しておりますが、本件についてコメントすることは差し控えさせていただきます。 ただ、一般的に申しますと、政治家である以上、いろいろな団体等から出席してくれとか祝電を打ってくれと言われるような依頼があることは当然でございますが、その際、団体の性格や会合の内容などについてよく調べて行うべきであると思う次第でございます。
○正森委員 終わります。
○石橋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十七分散会