大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/09/09
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、抵当証券業の規制等に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。宮澤大蔵大臣。 ————————————— 抵当証券業の規制等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○宮澤国務大臣 ただいま議題となりました抵当証券業の規制等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 近年、我が国におきましては、国民の金融資産の増大や金利の自由化の進展に伴う金利選好の高まり等を背景として、抵当証券取引が急速に発展しております。しかしながら、他方では、悪質業者による抵当証券のカラ売り、二重売り等によって多数の購入者に被害が生じてきているのが実情であります。 このような状況を踏まえ、抵当証券の購入者の保護を配るため、本法律案を提出したところであります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、抵当証券業を営もうとする者に対して大蔵大臣への登録を義務付けるとともに、帳簿書類の作成、保存等の義務に関する規定及び立入検査、登録取り消し等の監督に関する規定を設けることとしております。 第二に、抵当証券業者は、販売を行った抵当証券を購入者に現実に引き渡す場合等を除き、これを大蔵大臣の指定する抵当証券保管機構に保管させなければならないこととしております。 このほか、不適切な広告の規制、契約締結に際しての一定の事項の開示の義務づけなど抵当証券業者の行う業務について必要な規制を行うこととしております。 第三に、大蔵大臣は、一定の要件を備える者の申請があった場合において、その者が抵当証券業者の販売に係る抵当証券を適正に保管すること等ができると認められるときは、抵当証券保管機構として指定することができることとし、当該機構の監督等に関し、所要の規定を設けることとしております。 第四に、抵当証券業協会についての規定を設けることとしております。 以上が抵当証券業の規制等に関する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○池田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○池田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
○沢田委員 国民から見ますと、豊田事件に次いで、この抵当証券による詐欺的な行為といいますか、そういうようなことで金集めをしている経済犯罪が非常に多いということは、極めて憂慮にたえない次第でありまして、今回、これはもう与野党を通じまして、こういう事件の撲滅を期したい、完全にこういう事件をなくしていく、また法の網をくぐって出てくることも予想をされることではありますけれども、それでもなお我々はできる限りの万全を期すことにその意味があり存在がある、恐らくこういう与野党共通の立場で、なくしたい、こういうことをさせたくない、また国民の信頼にこたえる行政にしたい、こういう気持ちでいると思います。 大臣、そういう意味においてこれからいろいろ提言なりを申し上げますが、その趣旨は同一のものであるというふうに考えてよろしゅうございましょうか。
○宮澤国務大臣 ただいま沢田委員が御指摘になりましたようなことがまさしく御提案を申し上げました私どものねらいでございます。
○沢田委員 最初に、抵当証券が乱発をされている現状のそもそもの原因は、四十七年ごろは全国で十件ぐらいであった。これが、私の地元に電話で聞いた限りにおいては、今大宮だけでも十件ぐらいある、去年の方がまだ多かった、こう言っているのでありますが、そのころからだんだん数が、今三千件、四千件とこういうふうに上がってきているわけです。これは後で聞きますけれども、今まで起きた事件でも、第一抵当証券が、六十億ぐらいの被害額で、モーゲージ証書が約四千三百枚、被害者数が約三千人、それから丸和証券というのが、大体三十億で、被害者数が大体千五百人ぐらい、和興証券が五億ぐらいで三百人程度の被害というふうに言われております。こういうものが起きてきたそもそもの原因はどこにあって、いつごろ気がついたのがその点ひとつ関係機関からお聞かせいただきたいと思います。
○平澤政府委員 今委員がおっしゃいましたように、抵当証券取引につきましてはこの数年間に非常に急激にふえてきております。現在、取扱業者数は百社ぐらいになっておりますし、販売残高も一兆円を超える額になっていると聞いているわけでございます。 それでは、このように急激にふえてまいりました理由でございますけれども、これは、いわゆる抵当証券業者が抵当証券を小口に分割いたしまして、しかも元利金の取り立て等の事務をすべて行う、その結果個人投資家が抵当証券を投資物件として非常に買いやすくなるということが一つございました。それから、この抵当証券は、他の商品に比べましてリスクがあるわけでございますが、それと裏腹の関係になるわけでございますけれども、金利がやや高目であったということも急速にふえてまいった原因に考えられると思います。それから、逆に言いますと、このような抵当証券は資金調達面でも役に立っておりまして、個人事業主や中小企業にとって銀行融資を補完する形でこれが新たな長期の資金調達手段を提供したということもその原因になっているわけでございます。 したがいまして、ほとんど大部分のものは健全なものでございますけれども、そういう中で、仕組みといたしまして、先ほど委員が言っておられましたように、二重売り、カラ売りというものを一部の悪徳業者が行い得る余地が残っていたというところが問題でございまして、そういうことを今後防ぐ意味で法案を御提出し、御審議を願っているということでございます。
○沢田委員 それにはほかにもまだ理由があると思いますが、約十年以上、これでいくと、初めは非常に少なかったものが、ピーク時では百四十社で発行残高は約一兆円を超える、こういうところまでいった。その間に手を打つことは考えなかったのかということが一つ疑問なんですね。今日こういう事態になってから何とかしなければいかぬと言い出して、火事になって半分くらい家が焼け出してからさて水をかけようか、こういう議論をする。この発想といいますか、なぜこういう手おくれな状況が生まれたのか、その責任はどこにあるのかということを我々も反省しなければならぬと思っていますが、政府としても今日までこういう状態を野放しにしていたところの原因はどこにあるのかあるいはもっと早く手を打たなければならぬという意識はなかったのであろうか、その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○平澤政府委員 御存じのように抵当証券は抵当証券法に基づいて発行される有価証券でございます。したがいまして、同法律で定める要件及び手続に従えば何人であっても登記所から抵当証券の交付を受けてその譲渡、販売を行い得るという制度になっているわけでございます。 ところが、その間に悪質な業者がおりまして、このような抵当証券の交付を受けるわけでございますが、例えば、二億円の抵当証券を持っているにもかかわらず、五億円とか六億円をあるように偽装いたしましてカラ売りをする。二重売りをする。しかも抵当証券が全くないのに売るというようなこと等も起こる可能性のある仕組みになっているわけでございまして、その意味ではこの部分の投資家を保護する面で法制上十分でないということがあったわけでございます。 そこで、昨年春ごろ、悪質業者が急増いたしまして善良な人たちにいろいろ損害を与えるという事案が起こってまいったわけでございますが、これを行政上取り締まるには、結局刑事法の段階、いわゆる詐欺等の規定でないと取り締まれない、その前の段階でこういうものを防止する仕組みがないということになりまして、急遽抵当証券研究会というものを法務省と大蔵省と共同でそういう場をつくりまして、この問題を精力的に議論し、本年六月に報告書を得たわけでございます。その報告書に従いまして今回このような二重売り、カラ売りを防止する仕組みを法案化いたしまして御提出しているというのがこれまでの経緯でございます。
○沢田委員 警察関係でお尋ねいたします。 今、若干法制上に問題がなくはなかったから、こういうような意味のことを言われました。警察の方から見て、このカラ売りとか二重売りというのは当然詐欺罪に該当していた、当時においても客観的にも該当しているものだとも言えると思うのでありますが、その点は、警察当局としては、これは親告罪みたいに被害届が出てこなければ俎上にのらない、こういうような扱いの方が多かったような気がするのでありますが、その点はどういう立場で御検討をなさっておられたのか、お聞きしたいと思います。
○五十嵐説明員 お答えいたします。 抵当証券をめぐる悪質商法につきましては、その手口が抵当証券の販売を仮装する形態、例えば抵当証券などのカラ売り、二重売りといった形態で行われておるという状況でございました。警察としましては、静岡県警が日証抵当証券事件を検挙したのを初め、これまでに六事件を検挙いたしておりますが、これらはいずれも抵当証券のカラ売り、多重売りなどによる詐欺として立件したものでございます。
○沢田委員 非常に簡潔でありましたけれども、では、いわゆる事件の発見がなぜ今日になったのかという点についてはこの後の質問でお答えいただきます。 これも時間的に全部その内容に入ってはいけないのでありますが、一応六社挙げました。これはやや犯罪として大きいという意味で挙げたのでありますが、第一抵当、丸和証券、和興証券、日総リース、日証証券、東洋抵当事件、これらに関係して一つずつ、現在の捜査、訴追あるいは裁判中、その段階に応じて、それぞれ対応した現在の状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
○五十嵐説明員 お尋ねの会社、丸和証券と今言われましたが、丸和証券は多分丸和モーゲージのことではないかと思います。それから和興証券というのは和興抵当証券のことかと思います。日証というのは日証抵当証券のことと思いますので、それを前提に話をいたします。 いわゆる抵当証券商法に関しまして多くの苦情が出ていたということは事実でございまして、警察では関連情報の収集などその実態把握に努めていたところでございます。 この中で、日証抵当証券及び東洋抵当証券につきましては、昨年十月及び十一月に詐欺罪で検挙し、それぞれ起訴されている状況にございます。 それからその他の会社につきましては、中には実際に登記所から相応の抵当証券の発行を受けていたものもありまして、今言った中では、和興抵当とか丸和モーゲージ、こういったものについては実際に登記所から相応の抵当証券の発行を受けているというものでありまして、この点で警察ではその商法の実態等について関心を持って見ていたところであります。 また、このような中で、警察では、悪質業者六社を連続して検挙いたしまして、マスコミ等を通じてこの抵当証券商法の危険性を広く一般国民に広報いたしまして被害の拡大防止や新たな被害の未然防止を図ってきたこともありまして、これらの業者はもはや営業を継続していくことができなくなり、現に破産等をするものも出てきている状況にあります。 このように、悪質業者を封じ込めたことは、消費者保護の観点から警察としては一応の成果をおさめたのではないかというふうに考えております。
○沢田委員 これは報道関係のものでありますから、大蔵大臣、お疲れのようですが、ちょっと聞いておいてもらわなくちゃ困るのでありますが、日証抵当は六十一年十月に倒産、それから旧ナショナル、今述べられたものが六十一年十一月、あと大成、和興、信組財形、フコク抵当、扶桑、旧三井ですね、千代田抵当、東洋抵当、日本財形、第一抵当、中国共栄会、こういうものは、一番大きいのが第一抵当五十億、東洋抵当十六億、あと旧ナショナル十七億、これはみんな販売額ですからその影響は大きいのだろうと思うのです。こういうものがすべて倒産をして、これだけの販売をしていたということですから、被害者もそれだけ、第一の場合に二千人、東洋の場合で千二百人、「購入者数(億円)」と書いてありますから、あるいはこれは二千億円、一千二百億円という意味も含まれているのかもわかりません。これは報道の関係ですからちょっとわかりませんが、いずれにしてもこういう倒産会社が、豊田商事も後で聞こうと思うのですが、必ずその職員がまたどこかで別な名前の会社をつくって、同じような手口で同じようなことをやっていくという状況。それからもう一つは、大手の金融機関のいわゆる隠れみのとしてこういう会社が生まれてそれぞれ代行をしているという傾向、こういうものがなかなか抜け切らない。警察としては、いわゆる現象論にならざるを得ないのかもわかりませんが、どうも表に出ているものをちょっちょっと、ケーキの頭のうまいところだけ食ってどうもその根っこまではいかぬというような傾向なしとしない。もう少し踏み込んで捜査なりその内容なりを追及するということはできないのかどうか。我々国民から見ると極めていら立ちを感ずるのであります。出てくるとわしゃわしゃとやるけれども、今言ったように、今起訴されているのが二つきりだ、こういうことでしょう。じゃ、あとはどういう段階にあるのですか。 今二つ質問したのですけれども、いわゆる国民のいら立ちに対して、まずあなた方はいら立ちを感じてないのかどうか、それから聞きましょう。こういう状況は満足すべき状況である、こう思っておられるのかどうか。その点からまず聞いて、この国民のいら立ちに対してどう対応しようとしているのか、またどう法律を変えてもらいたいのか、その点もお答えいただきたいと思います。
○五十嵐説明員 お答えいたします。 先ほど二件ということを申しましたが、先生が質問された中で起訴が二件ということで言ったわけでございまして、六件検挙したうちには、日証抵当証券、これについては先ほど言いましたように起訴されております。それから、二件目の中国抵当証券というのがございます。これは既に判決が下っております。それから、三件目の信組財形株式会社、これも既に起訴になりまして、判決が出ております。千代田抵当証券、これにつきましても起訴になっております。東洋抵当証券につきましても起訴になっております。芙蓉抵当証券につきましても起訴になりまして、検挙したものについては、いずれも起訴で、判決が下っているか、あるいは現に公判中、一部起訴猶予もございますが、そういう状況でございます。 それと、先生、警察は検挙しただけで満足しているのかという話がございましたが、我々としては、消費者の被害を防止する、あるいは被害の拡大防止ということについて、未然防止、拡大防止については最善を尽くして、事件としてできるものについては何としても事件として検挙したいということでやっておるわけでございます。事件によりましては、その内容とか態様によりましてどうしても事件検挙に至らないというものもございます。特にこの抵当証券業というものについては業態自体に対する法規制がかぶっておりませんので、捜査するといってもなかなかそこから踏み込めない。直接詐欺で入らざるを得ない。ということになりますと、警察は精いっぱいやっておりますが、なおかつ六事件検挙。その余波といいますか、マスコミとかあるいは関係機関、団体等の御協力もありまして、ほかの残りの悪質業者についてもほとんど休業あるいは破産、そういう状況に追い込んでいるということを申し上げたわけでございまして、ただ警察としては精いっぱいやっているということは御理解いただきたいと思います。
○沢田委員 大変御努力に敬意を表します。では、今度この法律ができたらさらに万全になっていくことは間違いないのですが、どの程度の確信が持てるか、これで不足がないか、この点がまだ不備じゃないか、こういう心配をすることはありませんか。
○五十嵐説明員 非常に難しい質問なんですが、結局今回いろいろな点で、悪質業者がこの抵当証券業界に入ってきていろいろな悪質商法をやっているということで、何といいますか、手口その他を踏まえましていろいろな法規制をかけるというような案になっているわけでございます。法規制したとしてもいろいろな悪質業者があるかもしれません。しかし、今回の法案で、悪質業者が無登録で抵当証券業を営むこととか、あるいは抵当証券業者が販売を行った抵当証券をみずから保管すること、こういったことが禁止されますし、その他書面の不交付等について罰則規定が盛り込まれておりますので、消費者保護の観点から見て非常に好ましいのではないかという感じを持っております。
○沢田委員 あなたとしては自信がある、これで大体十分満足、やや満足できる、こういうことですか。
○五十嵐説明員 私は個人的にはちょっと答えられませんが、ただこの法律ができれば相当警察としては踏み込んでやっていける範囲が広がるのではないか。従来詐欺だけでしかなかなか入れなかったというのが、今度はこの規制によって警察の方の捜査も踏み込みやすくなるという感じもいたしますし、またこれによって悪質業者が入りにくい環境ができるという感じがするわけです。
○沢田委員 じゃ、まだ確信は持てないけれどもややそんな気がするという程度の法律内容だということでしょうか、警察では。
○五十嵐説明員 お答えいたします。 犯罪の態様というのはいろいろな態様になりますので、現時点の状況から踏まえてどうだということを前提にするのと、将来、私が考えていないような形態での悪質業者というのが出てくると思うのです。ですから、今の現状を踏まえてどうだと言われることになれば、悪質業者の手口とかいうものから見て、悪質業者がやりそうな手口については相当な網がかけられたのではないか。ただ、それ以上に悪質業者もいろいろな知恵を絞りますので、またいろいろな形態が出てこないということは、私は自分でやっているわけではありませんので、そこまではちょっと答えにくいのであります。
○沢田委員 いや、これも一般論では、大体こういうものをつくる場合、常識的にはあらゆる場合を想定するわけですよ。現在あるものはもちろんのことですが、例えばこういう文章を裏返しにしてみればこれはどうなるであろうかということを常にいろいろ考えて、百通りも二百通りもケース・バイ・ケース、あらゆる場合を検討して法制局はつくっているものだと私は思うのです。だから、それを警察は受けとめているのかどうかということを実は私は聞きたかったわけです。法制局が法律をつくるときには、こういう場合抜け道はないだろうか、こういう抜け道はないだろうかということをいろいろなケースで模索をして、そして網をかぶせながら法律をつくってきたわけです。だけれども、警察はそういう受けとめ方がまだわからない分がある。これから将棋を指すのか碁を打つのかという感じの考え方ではないと私は思うのですがね。ですから、大抵の場合はこの中に含まれているのだろうと思うのですよ。そう思っていないのかな、今の答弁では。だから未知数が多過ぎるような御答弁があったのではないでしょうか。でなければ、まだ法律を勉強していないのじゃないですか。初めて見たのじゃないですか。どちらですか。
○五十嵐説明員 未知数の部分があるというのが大分強調されて受けとめられたようですが、今までの悪質業者、この種の抵当証券業者の手口を見ますと、もう大半はこれでかぶっているというふうに理解しております。
○沢田委員 結構です。そういうお言葉を言った以上、これからも勉強されて、恐らくあらゆる場合を想定しながら捜査の手順あるいは犯罪の発見、こういうことに耳を傾けられることだろうと思うので、一層の御奮闘をお願い申し上げます。 さて、若干順序不同になりますが、今警察は消費者という言葉を使っておられたのですが、これは投資家というのですか、消費者というのですか、どちらを法律的には使っているのか、ちょっとお答えいただきたい。
○平澤政府委員 この場合は実質的には投資の目的が大部分でございますので投資家ということでありますけれども、法律上は抵当証券の購入者というふうになっております。
○沢田委員 そうすると、先ほど言ったように消費者という言葉では法律用語としてはないということで、いわゆる購入者、投資家、こういうことになりますかな。そういうことが正当のようです。 そうすると、そういう投資家あるいは購入者は今までどういう方法でこれらのものを買うに至ったのか。これは言い出すと切りがありませんから大体五つぐらい、こういう場合とこういう場合が一番比率的には多い、その比率の多い順序でお調べになった結果をひとつお聞かせください。
○平澤政府委員 投資家が抵当証券を購入する動機、契機は何かということでございますが、やはり一番大きいのは金利選好であろうかと思います。 そこで、これにつきましては国民生活センターが設けております抵当証券・先物取引等消費者一一〇番で相談を受けたのがございますが、その結果、いわゆる動機というのではなくて購入したきっかけということで調べておりますけれども、やはり一番大きいのは「折り込み・チラシ広告」によるのが多いようでございます。それから、次がこれで見ますと「金融機関の情報」というのがございます。それから、新聞等で知識を得て購入したというようなものが三番目でございます。 こういうきっかけでございますが、最初申し上げましたように、金利選好、より利回りの高いものというのが内心の動機としては大きいのではないかと推察しているわけでございます。
○沢田委員 いや、私の言うのは、それは購入しようとした気持ちの方なんですが、買うに至った動機というか手続といいますか、あるいは訪問、口コミ、チラシとか、ここで余りこれを言うとまたそれを利用される人が出てきてしまってはいけないかもわかりませんが、そこをせんさくすることがプラスかどうか、そんな方法があったのか、聞いている人はもうけたなと思う場合もあり得ますが、一応法律上で考えていく場合の勧誘の方法、それについては今言われたのが限界でしょうか。金利優先というのはどうも口コミということになるのですが、それ以外は今言われたようなものかどうか、もう一回確認します。
○平澤政府委員 それでは、先ほどの国民生活センターの統計、調査の中の「購入のきっかけ」の項目を申し上げますと、「折り込み・チラシ広告」、「訪問販売」、「電話勧誘」、「ダイレクトメール」、「新聞情報」、それから先ほど申し上げましたような「金融機関の情報」、それから「その他」、こういうものが購入のきっかけとなっております。
○沢田委員 それを私が聞いたのは、その一番大きな原因をとめていくための手続を考えていこう。これは訪問販売は前から言われていることなんです。例えば面会には事前に了解をとってから訪問させるという欧米ではあり得る習慣が日本ではない。突然訪問が皆まかり通っているというやり方なんでありまして、そういう点については、事前に了解をとって面会の時間を定めて行くということ。これはほかの犯罪にもつながるわけです。これは今のところでは感覚的なものですが、大臣として、これは自分の所管外も含まれていますが、通産の方の関係も商工の方も皆含まれている話になるわけですが、そういう訪問販売について、これは政治家として聞いているわけですよ。演説するときにはやはりそういうことも言わなければならないでしょう。だから、そういう訪問販売として今後どういうやり方が日本にとっていいのかということについては考えられたことはありませんか。急だから、戸惑っているんでしたら、もう少し時間を置きます。 訪問販売というものが日本の慣習制度の中に存在しているけれども、ちゃんと事前に予告をとって訪問するという手続をとらせることについての可否ということが一つ。山の中の農家なんかというのは玄関から全部あいちゃっているのですから、これはもう訪問販売もべったくれもない、こんにちはでいいのですが、いわゆるマンションの多い首都とかなんとかの中ではこの訪問販売に関する犯罪というものは極めて多いのです。そういう意味においての規制というわけじゃありませんが、そういうことをなくしていくための方法というものをちょっといろいろのことを連想しながらひとつ考えてみてください。しばらく時間を置いて、次に行きますから。 続いて、今度の新しい法律では、保管機構に預けさせるから、いわゆるモーゲージ証書の発行、取引というものはなくなるから心配ないんだ、こういうことで考えておられますが、まず保管に要する経費はどれくらいか。それから、銀行の金庫とかその他に預けるというふうに聞いておりますが、銀行のアウトサイダー的なこういう業種もたくさん出てくるわけですから、果たしてそれで安全と言えるのか、まずその二点からお伺いいたします。
○平澤政府委員 法案にも書いてございますように、保管機構は公的な機関として指定するわけでございます。しかもその業務を行う際の監督その他についても法案に規定があるわけでございます。そういう保管機構がきちっとした金庫等の場所で保管いたしますので、この保管については問題がないわけでございます。したがいまして、委員が先ほど言っておられました二重売りあるいはカラ売りの問題は、結局抵当証券業者が自分で保管するところに悪質な業者がそういうことを行う可能性があるわけでございますので、保管機構をそれ以外のところにつくることによってこの問題は十分に防げるということでございます。
○沢田委員 昔といいますか、昭和の初期でも結構ですが、例えば今の土地の暴騰の段階で、例えば抵当が二千万あったと仮定しますが、土地が物すごく上がって、あるところでは競売にしたらば大体六千万くらいだろうと当初言われていたところが一億の値をつけながら予定していたら二億で売れた。ですから、結果的に、例えば二千万円が二億円になるとすれば、競売になっても最悪の場合は十倍の金が入ってくる。とすれば、例えばこれをあらかじめモーゲージ証書をつくっておいて、十倍の資金に見合うものまでは発行が可能になってくるという心配はないですか。
○平澤政府委員 抵当証券は登記所において発行するわけでございますが、その際に抵当証券の金額が確定いたしますので、その抵当証券によって表章される抵当権の不動産等の価値が上がりましてもその金額は変わらないわけでございます。しかし、今委員がおっしゃいましたお話をさらに進めまして、抵当証券が一度債務が弁済されまして解消された後でまた新たに抵当証券を設定するというときは、おっしゃるように金額がふえるということは考えられるわけでございます。
○沢田委員 モーゲージ証書というのをある程度わかっていて聞いていてもしようがないのですが、一応法律的な解釈ですから、モーゲージ証書はいかなる根拠で、いかなる法律的な効力を持ち、第三者の対抗要件は果たしてどういうものをもってつくられるものなのか、その法的位置づけを法制局を含めてここでちょっと述べておいていただきたいと思います。
○平澤政府委員 今おっしゃいましたモーゲージ証書の法律的な性格、位置づけについては主として法務省のお考えが重要かと思いますが、我々といたしましては、このモーゲージ証書は、抵当証券の売買の事実をまず明らかにするということ、それから売買の対象となった抵当証券を抵当証券取扱会社が保護預かりをしているという事実を明らかにする、そういう意味でいわゆる証拠証券と考えているわけでございます。
○沢田委員 では法制局。
○津野政府委員 お答えいたします。 モーゲージ証書の法的性質につきましては、先ほど銀行局長から御答弁になりましたこととほぼ同一でございますけれども、抵当証券の売買の事実とか元利金の取り立て委任を受けている事実とか買い戻し特約、そういう存在を明らかにする証拠証券でございまして、いわゆる有価証券ではございません。かつ、モーゲージ証書と申しますのは抵当証券の売買契約書の性格も持っているわけでございまして、そういう性格のものでございます。
○沢田委員 だから、第三者に対抗する条件はどうですか。
○津野政府委員 先ほどお答えいたしましたように、これは有価証券ではございませんので、証拠証券としての性格を有するものであるということでございます。
○沢田委員 では、そういう言うならば格付でいけばゴルフの会員権よりもまだ低い位置づけにあるものですね。有価証券ではないし、しかも第三者に対抗できるものでもないし、それがなぜこういうふうに出回ってくるのか。いわゆる貸金業の方の業界に入るから金利が高い、今の低金利時代の中において貸金業法の金利が使えるからだ、それが魅力で結局預かり証が、預かり証といいますか金利、元利明細の預かり証ですか、そういうものが出回っているということになると解釈してよろしいですか。
○津野政府委員 モーゲージ証書によります取引につきましては、先ほども言いましたように、これは抵当証券を売買するということを保証する契約書の面と、それから証拠証券としての面とございます。したがいまして、その裏側にあります抵当証券の何といいますか有利性とかいろいろなものは売買によって当然出てくるわけでございますけれども、そういう結果によって売買が盛んに行われてきていると考えております。
○沢田委員 それでは一つの仮定で質問いたしますが、こういうものが動いている一つの理由は、土地の暴騰も原因にある。家屋は割合こういうものでは利用しないですね。主として土地が多い。ですから、先ほど述べたように一定の面積がある、百坪なら百坪の面積があるものが二千万円の抵当に入っていた。根抵当権は別ですね。それで二千万円の証書を発行される。発行書を手にしたらばそれでモーゲージ証書をつくることは可能になる。そうすると、その土地百坪の価額は市場価額とすれば一億か二億するといった場合に、その証書を手に入れた人は金が欲しいというか金をつるために何枚か出して売る、これが法律上はカラ売りということになるわけでしょう。二千万円を十枚か、まあ五枚売る、そうすると一億ぐらいになる。十億の十分の一です。そうするとそれは競売になっても詐欺にはならないでしょう。競売になった場合に二億の資産が入ってくると仮定すれば、だまして金を取ったことにならないんじゃないですか。
○津野政府委員 御質問のケースでございますけれども、先生がどういうふうに考えていらっしゃるかちょっとわからないのですが、抵当証券の場合は債権と一緒に一体化しておるものでございますから、例えば二千万円の抵当証券を発行すれば二千万円の債権がついているわけでございます。その貸し金の債権の範囲内においてのみ抵当証券というのは発行できますし、現在やっておりますこのモーゲージ証書というのはその二千万円の範囲内で出しておる。それ以上になりますと、それにつきましては今回の法案でもいろいろ書いてございますけれども、例えば法案の第十六条で契約締結時に書面の交付を義務づけております。この書面はモーゲージ証書が兼ねることが多いと思いますけれども、この書面には抵当証券の番号とかそういうものを必ず記載するようにというふうに義務づけておりますし、その虚偽の記載をした場合には六月以下の懲役とか五十万円以下の罰金に処するとか、それから法案の十九条におきましても、契約の締結の際に偽計を用いて、偽ってそれを締結するというようなことを禁止しておりまして、その違反につきましても三年以下の懲役あるいは三百万円以下の罰金とか、さらには法案の第十八条で、先ほども出ておりましたけれども、抵当証券の業者による保管を禁止しておりまして、保管機構に保管する場合には遅滞なく保管証を購入者に引き渡すということを義務づけております。したがいまして、違反をいたしますとこれも六月以下の懲役ということになっておりまして、そういった何枚も発行するというようなことに対しましては対処するようにできているわけでございます。 詐欺罪の関係は、法務省の方からお答えさせていただきたいと思います。
○石川説明員 具体的な事実関係が明らかでございませんので、一般的に詐欺罪が成立するかどうかというふうに聞かれましてもちょっとお答えいたしかねるわけでございます。いずれにいたしましても、詐欺罪は相手方を欺罔いたしまして錯誤に陥れて財物を騙取するというところが詐欺罪でございますので、その構成要件に当てはまればそれは詐欺罪が成立するということになろうかと思います。
○沢田委員 そのとおり。ところが詐取でなくて、それはにせものであるかもわからないけれども類似する証書が出て、競売のときにはその元金が戻る、こういうことになればそれは詐欺罪となるかどうかということを今仮定として聞いているわけであります。そういうことが現実にはあり得るから言っているわけです。だから、その場合にモーゲージ証書が果たしていわゆる偽文書になるのか。あるいは金は渡すのですから詐欺罪ではなくなるのではないのか。詐取したわけではないのですから。ちゃんと返済できるわけですから。その点は今の法律では取り締まることはできるけれども刑法上の詐欺罪には該当しないのではないかという私の仮説なんであります。いかがですか。
○石川説明員 十分問題点が把握できないわけでありますが、カラ売りだけれども実体があるということでありますと、詐欺の犯意を立証するのはなかなか難しいのではないかという気はいたします。ただ、もっと具体的な事実関係が明らかにならないと答弁いたしかねるところです。
○沢田委員 まあその程度だろうと思います。だけれども、今度の法律でカラ売りは禁止をされるということになりますから、詐欺罪は成立しないとしてもこの法律では取り締まりの対象になるものと解釈いたします。 法制局、そういうふうに解釈してよろしいでしょうか。
○津野政府委員 ちょっとお言葉を返すようで恐縮なんですけれども、先生若干誤解されている面があるのじゃないかと思います。一点は、抵当証券はあくまで債権といつも一緒になっているわけですね。例えば二千万円の抵当証券を発行するときには二千万円の債権が出ています。次に、さらにそれに対して新たな抵当証券を発行する場合、これは第二順位でも第三順位でも十分な抵当証券の対象になる資産の資産価値があれば出せるわけですね。ですから、そういうものが抵当証券としての発行を受けておれば全然問題ないわけでありまして、抵当証券の発行を受けていなければそれは抵当証券の世界とは全く別の世界の話になりますので、それは場合によっては詐欺罪になり得ることもあり得るという考えでございます。
○沢田委員 言葉を返してないので、そのとおりなんです。だけれども、さらに上回る知恵を発揮すればそういう場合が起こることは可能なのかということを言っているわけです。もちろん一億なら一億の抵当権が設定されている場合は一億の抵当証券は一枚しかないのですから、それを十枚発行するわけにはいかないのですよ。そんなことはわかり切っている。しかし、一億の抵当権がおれにはあるんだ、しかしあそこの土地は十億あるんだ、だからこのまま金が取れなくなっても、競売になっても十億には売れるからその分だけは大丈夫だよという論理のものが出てくるでしょう、こう言っているわけでありまして、その辺のやり方というか商法というか、そういう点は、さっき刑事の方で答弁したような場合はいわゆるカラ売りをするということになるわけです。今度の法律で取り締まれるようになったからそれはそれでわかっているが、だけれども、実物については、その抵当権で競売にすればそれだけの金が出てきて、地主は一億を返してあとの九億は自分の手元に戻ることになるわけですね、十億で売れれば。だけれども、その間に、そういうカラ売りをされている場合に、第三者の対抗要件は果たしてあるのかというのがさっきの質問だったわけです。僕の方の仮定の議論がわかりにくいのかもしれないけれども、それはまた後でいきましょう。もし時間に余裕があれば伺います。 もう一回言ってみますからね。これは我々現実にそういう問題に遭っているから言っているわけです。実際は十分の一の抵当権である、しかし競売の場合は十倍の土地になります、そういうことが担保されている場合に、十分の一の価額の証書を十通発行する、十通発行するということは十倍にカラ売りすることが可能な道になりはしないかということを言っているわけです。そのカラ売りが果たして犯罪構成として何になるかということ。それは債権者が一人の場合のことを言っているわけでありまして、五つも六つも持っている場合はまたそれによって変わってきます。今の土地の暴騰はそういう余裕をつくっているということを申し上げたかったわけです。 国土庁にもおいでいただいておりますが、その前に、新しい貸金業法の取り扱いによってこれだけ細かい手続をしていくわけですが、今の業界の現状から見て、これは貸金業業界ということにするわけですか、それとも抵当証券業業界と呼称するようになるわけですか、その点だけお答えいただきたいと思います。
○平澤政府委員 貸金業の場合は貸金業法で規制されるわけでございますし、この場合はこの法案で規制されるわけでございますので、そういう意味では違う業者であるということでございます。
○沢田委員 そうすると、貸金業は新しく貸金業の方の協会をつくりましたね。だから、今度はここにありますように抵当証券業の協会をつくる、そこに入らない者はだめだということで規制をしていく、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○平澤政府委員 今委員のおっしゃいました最後のことに絡むわけでございますが、この協会は加入が任意でございますので、加入しないからといって抵当証券業ができないということにはなっていないわけでございます。それから、多くの場合貸金業者と抵当証券業者が同一人格であるということでございますので、それぞれの業界に属し、それぞれの協会に加入するということになります。
○沢田委員 そこで、こういうときに抜け穴みたいに抜かして任意に置いておくという存在を、法律上ある程度義務的に、義務的という言葉がいいかどうかわかりませんが、強制的というか、自主的に全員が参加するという仕組みになぜ法制上できなかったのですか。
○平澤政府委員 協会は、法律に規定しておりますように、本来のカラ売りとか二重売りを防止し購入者を保護するというよりも、いろいろ問題を周知徹底したり、あちこちで問題が起こった場合にその相談に応じるというような仕事を主たる役目としているわけでございます。したがいまして、前者のいわゆる一番問題になっております購入者保護という観点では、今度登録という制度をとりますので、その制度でそちらの方は十分法益が確保されるということですので、協会への加入をすべて強制するということをしていないわけでございます。
○沢田委員 重ねてですが、だからこれまでの問題が起きているのですから、物事の徹底あるいはここで言う購入者の保護を守る場合に、例えば登録されても住所をどんどん変更されてマンションの一室を借りてやっている場合も当然あり得るわけですから、その捕捉が極めて困難になるのではないですか。だから、協会に入っていることによって連絡などの徹底というものが図られるのであって、そういうものが散らばってどこかからどこかへどんどん移転されて、登録は東京都へ登録しておけば都内は自由ですからね、そうなったらこれはもうつかまらないじゃないですか。例えば何かやっても連絡がつかないのではないですか。そういう危険から見ると、ある程度法律上も拘束力を持たせる必要性はあったのではないのかという気がいたしますが、いかがですか。
○平澤政府委員 今委員がおっしゃいましたようなことは、実際上といたしまして、住所を変更した場合には行政当局にその旨を通知することになっておりますし、かつまた、抵当証券業者につきましては、開業規制で、一定の資本金が必要だとか、その他経営者については従来犯罪を犯したことがないとか、業者としての健全性を保つ意味でのいろいろの規制がございますので、今おっしゃいますようにアパートの中だけで転々ということは実際上起こり得ないように法律上措置しているわけでございます。
○沢田委員 これはここでそうだともなかなか言いにくいでしょうから、ただ今後の行政指導やあるいは市民がある程度協会に入っている者を信頼する等々ということを考えた場合に、法制局としてもこれだけに緩めたのは、どうしても外しておかなければならない事態というものが起こり得るということを想定したのだろうと思うのです。ぴしゃっと全部協会に含めてしまうことは何らかの支障が生ずるということであったのか、それともその程度緩くても十分目的は達成できるということであったのか、あるいは若干の推移を見て今後そういう必要性があれば一つのものにしていくということで今後にゆだねた、こういう意味なんですか。そのいずれをとったのか、ちょっとお答えください。
○津野政府委員 お答えいたします。 お尋ねの件でございますけれども、御趣旨は、抵当証券業協会への加入をなぜ強制加入にしなかったのかという御質問かと存じます。これは、抵当証券業協会はいわゆる民法上の法人として任意設立の法人でございますし、かつ、どうしても加入しなければ行政目的は達成できないというような性質のものでも必ずしもございませんので、任意加入にしておいてそれでいろいろな購入者の保護に欠けるようなことはなかろうということで強制加入にしていないということでございます。
○沢田委員 では、例えばこの法律ができてどの程度の組織率になると想定されましたか。これは両者から伺います。業界とそれぞれ話し合ったのでしょうから、これで大体どの程度の組織率になると考えていますか。
○平澤政府委員 ほとんどの業者が協会に加入するものと我々は予想しております。
○津野政府委員 行政面のことでございますので、銀行局長がお答えしたとおりだと存じます。
○沢田委員 では、これで一〇〇%の組織率は可能だし、また行政的にもそういうことは今後も特別の突出したものは起き得ない、こういうことを想定している、こういうふうに見ていいんですね。
○平澤政府委員 ほとんどの業者が加入すると予想されますので、委員のおっしゃるようなことになろうかと考えております。
○沢田委員 ここでさっき百四十社と申し上げましたけれども、現在時では何社ぐらいで、どの程度の数になる予定ですか。
○平澤政府委員 現在約百社程度の業者がございますので、その程度の数になろうかと考えております。
○沢田委員 もっとふえるとも考えてないし、減るとも考えてない、こういう意味ですか。
○平澤政府委員 本業界が今後発展いたしますれば業者の数もふえてくるというふうに予想はされますが、現段階で、それではどの程度ふえてくるかということについては、正直なところわからないということでございます。
○沢田委員 大体地域的な分布として、将来展望としてはどういうふうに判断されておりますか、申請の地域的な展望としては。
○平澤政府委員 現在約八割の業者が東京に集中しておりますので、その他の地域といいますと、大阪、名古屋等になろうかと考えております。
○沢田委員 そうすると、もっとふえるということですか。北海道とか九州とかそういうところにはもうほとんどこういうものは出てこない、大体その辺にとどまってしまう、こういう判断ですか。
○平澤政府委員 現在北海道、九州にも若干の業者がございますが、将来これがどの程度ふえてくるかという点についてはなかなか予想ができないということでございます。
○沢田委員 いや、そういうことを想定しているのかどうかということを実はお伺いしたかったわけでありますが、そう繁盛してもよくないのかもしれませんし、また余り繁盛しないのもよくないのかもわかりませんから、そういう中途半端な法律になっているんだろうというふうに解釈いたします。 それから、続いて罰則規定なんでありますが、いわゆる経済犯罪については、通常極めて罰則は甘いと言われているのであります。今回の罰則規定を拝見いたしましても、特別の場合を除いて、一般的に金額あるいは犯罪が起きた実質的な経過等から見るとまだ甘いんじゃないかという気がするのであります。それからもう一つは、豊田事件の問題と関連して、その落ち武者があっちこっちに行ってまた同じようなことをやるという、そういう規制についてもちょっと甘いんじゃないかという気がします。この法律は一歩前進ですから、私もこれでだめだとは言いません。しかしながら、そういう点についてはさらに今後補強をしていく、あるいは事態の推移によっては、豊田商事の落ち武者があっちこっちへ行って同じようなことをやっているというような状況を見れば、さらにそういうものを補強していくという必要性はあるんじゃないのかという気がするわけです。 ですから、きょうこれでしますとは言えないでしょうけれども、そういう配慮は、法制局を含めて、してほしいと思っているわけです。これは、経済犯罪には極めてその点が強い。もっとも、偽装倒産なんかの場合は、お父さんがやめれば当然奥さんの名前でまた別な会社にする、奥さんがだめなら今度は長男の名前でやる、あるいは今度はおばざんの名前でやる、こういうことが連綿と続いている例は枚挙にいとまがないわけですから、それまで私は取り締まれとここでは言いませんけれども、こういう詐欺的な行為についてはある程度禁止項目をふやしていいんではないのかというふうに思いますから、その点御検討をいただけるかどうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○平澤政府委員 いわゆる本法における罰則規定の問題でございますので、これは法務省等の所管になろうかと思いますが、この罰則規定の考え方を申し上げますと、一方において購入者の保護をどう図っていくかということが法律の大きな目的でございます。したがいまして、この購入者の保護を図るためには、ある意味では罰則を重くしていった方がその目的に合致するという点もあるわけでございますけれども、しかし必要以上に量刑を重くするということはまた問題でございますし、特に、これと似た制度といたしまして投資顧問業等々の業務がございます。ここに書かれております罰則規定、これとの量刑のバランス等も考慮して今回の罰則規定を定めたというふうに考えられるわけでございます。
○沢田委員 いや、そのことを否定しているわけじゃないんですよ。否定してはいないけれども、例えばある政治家だって追徴金五億円だなんという。インフレでだんだん軽くなっちゃうかもしれませんけれども、そういう例もあるくらいです。しかし、そういうものに比べてこういう場合の罰金その他が軽過ぎやしないか。自分の得べかりし収入に比べてその納める罰金の額が余りにも低過ぎるという意味で、均衡を失しているのではないか。だから、今後検討の課題として、やはりバランスをとっていくかどうか。極端に言えば、警察も来ていますが、交通取り締まりの反則金の方がこれよりも内容的に見たらずっと重いんですよ。一時停止とか駐車違反の反則金の方がこれから見たら比較としては大き過ぎるぐらいですよね。弱い者からたくさん取っていくという発想だというならこれは話は別ですがね。そうでないとすれば、均衡というものは、やはりこういう経済犯罪に対して少し甘過ぎないか。だから検討してほしいということを言っているわけです。今おっしゃった答弁を否認しているわけではないのですから。検討してくださいと言っている。どっちが口出すのかといったら、この法律ができたらあなたの方で口出すんだろうから、ひとつ法制局に依頼をする、こういうことになるんでしょうから、そういう意味においての見解を聞いている、こういうことです。お願いします。
○石川説明員 罰則の方は私どもの所管でございますので、若干答えさせていただきますけれども、経済活動に対する諸規制は種々の観点から必要な範囲において行われているものでございまして、このような規制に対してどのような罰則をどの程度科するかという点は、いろいろな観点から検討しているわけでございます。 本法につきましてもいろいろな観点から検討いたしました結果、法定刑では三年以下で、委員が先ほど罰金は反則金より安いんじゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、四十八条の罰則規定で「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処しここうなっておりますので、反則金よりは大分高いのじゃないかというふうに思っております。その点も含めましていろいろ検討いたしました結果、これが適当であるというふうに考えておるわけでございます。 なお、経済犯罪はどちらかと申しますと特別法犯でございまして、これはいわゆる形式犯と呼んでおりますが、そういった類型に属する犯罪でございます。一方、これが実質犯になってまいりますと、これは詐欺罪という刑法の規定がございますし、刑法二百四十六条第一項では十年以下の懲役になっておりますので、そちらの方で十分捕捉できるというふうに考えております。
○沢田委員 総体的な議論はまた後に譲りますが、そういう傾向はまだなしとしないと判断しているわけですが、若干意見の食い違いがあります。 そこで大臣、そろそろさっき言った問題で、忘れればいいと思っていたのかもしれませんが、そう思っていればいいと思っていたのかもしれませんが、いわゆる訪問販売が日本における犯罪の構成の原因、それからこれも直ちに停止するとかとめられるというものではないとは思います。これは前の渡辺さんのときにも僕は聞いたことがあるのです。栃木の方の田舎に行くとそういうのは自由なんだというのが答弁でした。しかし、マンションが多くなってきている東京なんかにおいては犯罪の温床の一つの原因になっているというふうに我々は判断をして、そういう必要性があるのではないかということを提言をしているわけであります。その点に対する、これは大臣というよりも認識をお聞かせをいただきたい。
○宮澤国務大臣 私もどうも十分知識がございませんのできちんとお答えできませんけれども、このごろ都会地では突然訪問しましても留守が実際上多い、地方ではたまたまお年寄りがいましても決定の実権がないというようなことが多いそうでありますので、実際上はだんだん、訪問する方は行き当たりばったりではなくてデータを持っておられますから、やはり電話をかけて行くとかというようなことになっていくのではないか、大勢としてはそうではないかと思いますし、それに、おっしゃいますように、ベルを鳴らしたら出ていくということは何も予告なしには非常に危険なことになりつつある、そういうふうに受けとられつつございますので、習慣としてはだんだんそうなっていくのではないかと思います。
○沢田委員 非常に前向きにお答えいただきましたが、残念ながら担当大臣でありませんので、それは聞いていた部下の人たちがそれぞれ対応していただきたい、こういうことでお願いをしておきたいと思います。 続いて、若干これに関連をいたしまして豊田商事事件のいわゆる後始末、この法律が今度できてこれで撲滅されればいいのでありますが、——ちょっとその前に、今の問題に関係して、これだけの業法ができると、新しい貸金業業法、投資顧問業法、こういうようないろいろな、多種多様な業界が生まれ、行政指導が生まれ、政令が生まれる、こういうことになりますと、それぞれの専門職員といいますか、国税戦員といいますか、一般の税関の職員といいますか、そういうようなものも含めながらいわゆる一般国税の職員は大変新たな仕事が加わっていくということになるのではないか、今までの業務量で済むのかどうか、また余りふやすということは行革にも反するでしょうから、しかし仕事がふえることは事実なのではなかろうか、こういうふうに思いますが、その点は大体どの程度にふえると考えておられますか。
○平澤政府委員 この法案が成立いたしますと、主として財務局の事務量がふえるかと思います。例えば登録の受け付けあるいは審査、立入検査等の各種の事務がふえてくると考えられるわけでございます。しかし、他方、財務局につきましては累次にわたって定員削減を進めております。したがいまして、そのような中でこの新規の事務のための人員をどう見ていくかということを考えていきたいという次第でございます。
○沢田委員 ちょっとはっきりしないのですが、どの程度仕事がふえるかということです。今のはふえる内容を言ったという意味なんですか。言えないんですか。それともこういう仕事はふえるということで言ったわけですか。
○平澤政府委員 事務のふえる量を例えば何人日とか、そういうふうに定量的にはかれる段階にはまだ至っておりませんので先ほど定性的な答弁をしたわけでございますが、いろいろのやりくりの中でできるだけ増員を少なくすることによってこの問題を解決していきたいというふうに考えている次第でございます。
○沢田委員 大臣もそういう点で、こういうことで国民に迷惑のかからないよう、遺漏のないように、局長はあの程度しか物が言えないのでしょうから、ふやしてくれとここの辺まで来ているのでしょうけれども、それ以上言うのはどうもおこがましい、こういうことで遠慮しているのだと思うので、大臣もその点はやはりふやさなくちゃならないかなというくらいの気はお持ちになっておられるだろうと思うのです。これだけの法律ですからゼロで済むということにはならないでしょうから。大臣もその点の認識はお持ちになっていると思う。やりくりするかどうするかは別問題ですよ。例えばそれは一歩譲って別問題としても、相当な人数がこれによって必要だというふうには御判断なさっておられると思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 一定の行政事務量はございますので、それはある程度の人員が必要であると思いますけれども、これもできるだけやりくりをしていかなければならぬと思います。
○沢田委員 それからもう一つ、前に戻って恐縮でありますが、モーゲージ証書の解釈がちょっとさっき私の理解が不足だったのかもわかりませんけれども、もう一回確認をしておきたいと思うのです。今後あっちこっちに出回っていくわけですが、要すれば有価証券ではない、預かり証的なものである、と同時に第三者の対抗要件は持たない、それから紛失などをした場合についての再発行、これは行われるのか、そこは聞いてなかったのでお答えいただきたいと思うのでありますが、要すれば今述べたようなものよりもっと適切な表現があったらひとつ、これとこれとこういうものです、こういうふうにお答えいただきたいと思うのです。ここでちょっとはっきりしておきたいと思います。お願いいたします。
○津野政府委員 先ほどお答えいたしましたように、先生に今要約していただきましたが、大体そのとおりでよろしいかと存じます。
○沢田委員 では、それ以外にほかには性格は持っていないということですね。そういうことになりますね。要約すればそういうことだということは、それ以外には特に考えられない、いいですね。
○津野政府委員 ちょっと答弁漏れでございますけれども、再発行は恐らくしてもらえると思いますし、それはモーゲージ証書の約款にどう書いてあるかによると存じます。それから、いわゆる売買契約書としての性格も持っているというところがちょっと抜けておりましたので、補足させていただきます。
○沢田委員 要約して今まで私の述べたこと、また補足されたことをもってモーゲージ証書の性格、こういうことで確認をさせていただきます。 続いて、ちょっと法案とも関連をいたしますが、今日の土地の暴騰というものがあって今後こういうものがさらにふえていくであろうという想定を実は私はいたしております。要するに金になれば何でもいいといった一つの発想が世の中に蔓延していることは事実ですし、またマネーゲームがいろいろな分野で動いていることも事実であります。ですから、この豊田事件はそれを証明しているものの一つだろう。 特に厚生省関係でこの際伺っておきたいのは、日生会であっちこっちの病院を食い散らかしたりいろいろありましたが、日生会で行った四つなり七つなりの病院の後始末として厚生省にお伺いしたいのですが、その後病院は再開されているのか、患者にはどういう対応をしているのか、それからその日生会の事件のいわゆる刑事訴訟法上の扱いとしてはどう扱われているのか、それらの点について、高松の場合はどう、どこかの場合はどうということがあるでしょうから、簡単にそれについて、今言った要件を満たすような御答弁をお願いいたします。
○松村説明員 医療法人日生会につきましては、現在医療機関は経営しておりません。活動を休止しておる、このように聞いております。 それから、六十年当時に日生会が買収をしようということで関係をいたしました医療機関につきましては、結局買収は行われずに、現在まで引き続きその医療機関において医療活動が行われている、このように聞いております。
○沢田委員 休止という言葉を使われましたが、先般法律でつくりました地域医療策定審議会といいますか、名称は正しくなかったかもしれませんが、ほぼそういうものだと思います、それとの関係はどういうふうになりますか。
○松村説明員 今議員御指摘の点は地域医療計画の問題だと思うのですが、現在各都道府県におきまして地域医療計画の策定が進行中でございます。したがいまして、このような新しい医療機関をつくる場合には、こういう県の医療審議会の中で検討される、このようになると思います。
○沢田委員 対象となる、こういうことですから、ひとつその地区の療養者に迷惑のかからないように対応してほしいと思います。 続いて、同じくこれは豊田事件の関係で起きていた詐欺の破産、ネズミ講の防止違反、国土利用計画法違反、外為法違反、セールスマンの、これは詐欺ですが、詐欺訴訟、以上のような豊田事件のときのこれも訴追をしておりまする関係についての現状について、詐欺破産についてはどう、ネズミ講の防止の違反についてはどう、国土利用計画法違反についてはどう、外為法違反についてはどう、これは、タイだとかインドネシアに弾薬庫をつくるとかつくらないとか、そういうことでいろいろ行われた事件でありますが、セールスマンの訴訟の状況はどうということについて、それぞれの分野でひとつお答えをいただきたいと思います。
○石川説明員 いわゆる豊田商事関連の事件がどのようになっているかということにつきまして、若干御説明申し上げます。 豊田商事の純金ファミリー契約による詐欺事件につきましては、御承知のとおり、本年三月二十三日に大阪地検におきまして、豊田商事代表取締役社長兼銀河計画取締役副社長の石川洋ほか四名につきまして、事件送致を受けまして、四月十二日以降順次大阪地裁に詐欺罪で公判請求しまして、現在裁判所に係属中でございます。これは、新聞等で報道がありましたとおり、多額の詐欺事犯でありまして、顧客四千六十三名から売買代金名下に百三十八億百八万円をだまし取った、こういう事犯でございます。 それから、委員の方からは御指摘がなかったのですが、強制執行不正面脱という事件がございました。この事件につきましては、大阪地検におきまして役員、従業員五名の送致を受けまして、六十年八月七日、うち二名につきまして大阪地裁に起訴いたしました。これら二名につきましてはいずれも実刑判決が言い渡されております。 それから、外為法の関係でございますけれども、この事件につきましては、六十年十月十一日に神戸区検が藪内という者と米戸という者を同違反で起訴しまして、神戸簡裁におきまして罰金刑に処しております。これは外国法人に対する無届けの金銭貸し付けでございます。 それから、無限連鎖講でございます。これはベルギーダイヤモンド株式会社の関係者に対する無限連鎖講の防止に関する法律、いわゆるネズミ講防止法でございますが、この違反事件につきましては、昭和六十年十月以降、名古屋地検ほか十四地検が事件の送致を受けまして、全事件を名古屋地検に集中いたしまして捜査いたしましたが、昨年四月被疑者全員につきまして不起訴処分といたしております。 国土利用計画法違反につきましては、岡山地検や仙台地検におきましていずれも昭和六十年十月に受理いたしまして、昨年二月及び五月にいずれも不起訴処分、これは起訴猶予でございますが、しております。 それから、詐欺破産についてでございますが、これは本年二月九日大阪地検におきまして受理いたしまして、七月三十一日に不起訴処分に付したところでございます。 セールスマン訴訟は民事訴訟だろうと思いますので、私ども承知いたしておりません。 先ほどちょっと御指摘のありました日生会事件につきましては、刑事事件としては受理いたしておりません。 以上でございます。
○沢田委員 大臣、なぜこんなことを言ったのかというと、我々はえてしてのど元過ぎれば熱さを忘れるで、ああいう事件が起きたときは騒ぎますが、その後始末というものについては我々割合無関心になりがちな傾向なしといたしません。そういうことで、今度の法律によってその効果をより効果あらしめるために、それぞれ関係の職場の方がこの法律を有効適切に生かして国民に対する迷惑を最小限度に食いとめてもらいたいということで、前車の轍を踏まないという意味を込めながら実は改めてそのそれぞれの後の扱いの内容をお聞きをしたということなんです。 しかし、考えてみると、こうやって聞いてみますと、やはり幾らか軽いなという感じがしませんか。あれだけのでかい、騒いだ割合には、ネズミ一匹とは言いませんが、とにかく少し大山鳴動に近い感じなしとしないなという気はしませんか。その点、大臣、どうですか、印象としては。
○宮澤国務大臣 わざわざそういうお尋ねをなさいました御趣旨は、私は極めて同感でございます。刑の量定とか罰則とかいうことは、私ども門外者には本当にわからない、非常に難しい、いろいろな理論もあるし、軽重のつけ方があるようでございますので、何とも申し上げかねます。
○沢田委員 これは責任のある人から見るとなかなか言いにくいでしょうけれども、これは感じの問題として受けとめておいてもらえばいいと思います。 それで、これは大臣じゃなくて内閣なのでありますが、委員長ちょっと聞いておいてもらいたいんですが、きょうは内閣を呼んだ、そうしたら知事会があって来られないというんだ。どっちが大切なのかなと思ったんだが、大蔵委員会どっちでもいいということなのかもわかりませんが、極めてこれは遺憾だなと思います。これは念のため。ただ担当者に頭を下げさせて御勘弁を御勘弁をと言っているだけで、ちょっとおかしいなと思うのです。 もう一つ、その中身を申し上げるのですが、なぜそれを呼んだかというと、私が文書で質問主意書を出して、きのうの閣議で決まったそうです。それはそれでいいんですが、その次にマスコミから連絡があった。私の方には回答書が来ない。しかしマスコミには回答書が打っちゃっている。これはどう考えても国会の運営として納得しがたい。閣議で決定して新聞発表してしまって、議員の方に来るのは翌日だというのは、紺屋のあさってという言葉があるけれども、まさにそういうことなので、これは簡単なことのようで、議会のルールとして、立法府と行政府との関係において随分失礼な話だと思うのですよ。本人がいるともっと怒りたい、怒っているのですけれども、いないのだから、のれんに腕押してしょうがないなと思いながら、これは今後できれば厳重に、大臣に言づけするということになってしまったわけです。 そういう出席関係も一つある。それからもう一つは、今言ったような手続関係で、官房長官か何かが新聞発表してしまってそれが出てしまった、それで議員の方には伝わらないというルールは、やはり改めてもらわなければならぬ課題である。これは委員長もそう感じられるだろうと思います。ですから、そういう点の扱いについては、予算その他についてもそうでありますけれども、十分配慮しておいてほしい。きょうはしかりつけるのじゃなくて、そういうふうに国会の権威のためにも、これは私個人の問題じゃありませんので、一応申し上げておきたいと思います。 続いて、この間の成田の免許証の事件について、これも大臣とは直接関係ないのですが、警察が来ているので、公文書か私文書か、こういうことで、これは常識外れのことですから、きょうはあえてしかっておくということだけにします。とにかく大臣だってわかるでしょう。大臣は運転免許取ってないのですね。取っていますか。卒業証書は公文書じゃないですね。免許証に落書きをするということはとにかく常識外ですね。それが公文書であれ私文書であれ、とにかく常識外の行為である。それを公安委員会が運転の免許のしるしとして交付するものですという答弁も、これも話にならないと思うのです。私は公文書か私文書か聞いているので、そこへ落書きされた事件について聞いたわけですから、来ておられるようですので、その点について答弁を求めるのは過酷で、断頭台に進むような気持ちでここへ来るようなことになるだろうと思うので、きょうはそういう言い分があったぞということを記憶にとどめていただいて、これは終わりにします。これは大臣に言う言葉じゃなくて警察の方へ言う言葉であります。 それでは次に、もうこれで時間的にはありませんから、土地の暴騰を抑えるということについて伺います。 大蔵大臣、この間税法の審議をやりましたけれども、この土地の暴騰というものは、今の金余り現象というものがあり、今日金がこれだけ出回っている段階で、しかもどんどん輪をかけてそれが動いていっているわけですから、この土地の暴騰を食いとめるというのは並み並みならぬ努力が必要だろうと思うのです。なまじっかな方法でこれがとまるとは思わない。私はいろいろな提言をしていますが、これも即効薬にはならない。だから、即効薬的なものをやるためにはどうしたらいいのかということで国土庁からこういう書類をもらいましたが、これもどうも特効薬にはならない。だから、特に市町村の首長なりにすべての開発の規制について権限をゆだねて、首長に許可権限を与える、当面、一年なら一年の暫定法ででも土地だけについてはそういう開発行為に対しての許可権限を首長に与える、こういうような方法をとって幾らかでも抑制をするということが必要ではないのか、私は当面はそれ以外にないだろうと思っているのです。もちろんそれはいいものも悪いものもつぶれるのですから、必ずしもそれで一〇〇%いいとは思いませんけれども、それ以外にこの暴騰を抑える道はないのじゃないかという気がしているわけです。この法律のゆえん、抵当証券の発生も、この土地の暴騰が言うならばその原因、温床になっているわけでありますから、それを抑えるためにも、今言った首長に権限をゆだねることが、マイナスもある、しかしプラスの方を求めてそういう方法を採択するということが当面必要ではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 この土地の問題は、実は内閣でも、あるいは自民党もそうでございますが、各党におかれてもいろいろ御検討が進んでおりますし、また行革審にも期限を切ってとりあえずのお答えを聞かせていただけないかということもいたしておりますので、私がただいまあれこれと申し上げることは余り適当ではないと思います。ただ、昨日も閣議でございましたことは、例えば、この監視地域というものを各都道府県必要なところで広げていただくというようなことは問題の解決に役立つのではないか、あるいは税制上の措置、また金融機関の貸し出し等々に対するしかるべき指導等々も当面のとり得る対策としては有効ではないかというような議論がございました。また、かなりのものは実行に移されておるわけでありますが、それを超えて、さてどういうことが考えられるかということは、ただいま至急検討中の問題でございます。私は主管大臣というわけでもございませんし、事実がちょうど検討中の問題でございますので、しばらく御猶予をお願いしたいと思います。
○沢田委員 国土庁にも来ていただいていますが、国土庁が考えていることでは、いわゆるスピードの問題が今問われているんだと思うのですね、大臣。いわゆる即効薬という言葉がいいかどうかわかりませんが、当面何かとりあえずの措置をしないとさらに大変な事態になってしまう。特に新宿あたりに東京都庁が移るというようなことも含めて、そういうことをより一層激化させているということになれば、この法律も、この土地の騰貴をとめていくことが抑制する一つの道につながるという立場を実は私はとっているわけで、そういう意味から見れば、何としてでもそこを抑えていくことが必要なのではないか。これも一つの提言で終わってしまうのはどうも情けないのでありますけれども。閣議で話があったけれどもまあしばらくまた様子を見ようということでは、その間またどんどん同じようなことになってしまう。JRなどから考えてみれば、その方が得だということも考えないわけじゃないけれども、そのことですべてを律するわけにはいかないと思いますから、この点は大臣もひとつ自信を持って、土地の騰貴を抑えることが政治家としての当面の最大の使命だと思いますので、適宜言われた程度で満足するわけにはいきませんけれども、これは特にお願いをしておきます。あと聞いても同じだろうと思いますから。大臣もこれ以上ここでわあっとこれをやると言うわけにはいかないでしょう。やはりそれぞれの関係機関があるのでしょうから。ただ、そういうせつない市民の声があった、本当に弱ったなという市民の声が存在しているんだということをひとつ銘記しておいていただきたいと思います。 時間はまだちょっとありますが以上で私の質問は終わりますけれども、最後に、この間中曽根総理はここで野口同僚議員の質問に対して、相続税の問題にもちょっと触れて、出しましたなどと言っていましたが、あれはうそですね。今度は相続税の問題は出してなかったですね。——抹消しました、ああそうですか。委員長は適当に抹消してしまっているそうですが、中曽根総理はそう言いましたけれども、それはそうでなかったという事実と、相続税の問題は引き続き早急に検討してほしい、何らかの機関でひとつ相続税のあり方について検討していただぎたいと思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 相続税の問題につきましては、政府の税制調査会においてもこの際検討することが必要であるという意見でございまして、財源等のことで今回この国会には御提案申し上げませんでしたが、政府といたしましてもこれは放置できない問題であるというふうに認識をいたしております。
○沢田委員 では、適切な定員と事務の執行と最小限国民に迷惑のかからないような対処を望んで質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○池田委員長 山田英介君。
○山田委員 抵当証券業法の審議になるわけでございますが、今回のこの立法措置あるいは抵当証券の取引をめぐります昨年来のいろいろな事件の背景などを見て私なりに考えてみますと、一つにはこの抵当証券の取引を規制する法的な整備がなされていなかったこと、それは誇大広告あるいは勧誘の方法についてもいろいろ問題があったようでありますし、標識の掲示等につきましてもいろいろな問題がございました。また、抵当証券の原券と申しますか、そのものをいわゆる抵当証券業者が保護預かりとしていたこと、これがカラ売りとか二重売りとかの誘発原因になっておった。あるいはまた、第三者機関がこの原券を保管するという、そういう機関がなかったこと。これらが抵当証券取引をめぐるトラブル、事件の主たる背景になっていたのではないか。 加えて申し上げれば、債権につきその担保価値の十分性を証する書面、このいわゆる不動産鑑定士の鑑定評価の過大評価あるいは水増し評価というようなものも背景にございます。それから、細かくなりますけれども、業者が発行いたしておりますモーゲージ証書に、例えば弁済期の記載であるとか、あるいは一個の抵当証券について自分自身を含めて一体何人の購入者がいるのかというようなことが必ずしも明らかでなかったということ、さらにはその業者が倒産をした場合にモーゲージ証書を購入した購入者がみずから元利金の取り立てを行わなければならなくなっておること、挙げればこういうものが今回の立法措置の背景にあり、あるいは取引をめぐる一連の事件の背景としてあった、私はかように認識をいたしているわけでございます。 今回、この抵当証券業の規制等に関する法律案をいろいろと勉強させていただいたわけでございますが、その中身は、例えば抵当証券研究会などの答申と申しますか、それらの一つ一つの問題点をかなり踏まえた形の、あるいは生かした形の今回の立法というふうに私は感じられるわけでございます。そういう意味では、今後の抵当証券取引はきっと適正に行われていくであろう、裏返せばこの業法の制定によりましてかなりの効果を上げることができるだろうと私も期待をする一人でございますが、それは法案の中身の質問によって順次明らかにしていただきたいと思っております。 忘れてならないもう一つの点は、かなりのモーゲージ証書の販売・発行残高というものがあるわけでございます。新しい法律、この規制等に関する法律で縛ることのできない、規制することのできない、既に現に存在をしているモーゲージ証書の販売というものがあるわけでございます。伺いますと一兆円を超えるそういう証書が既に販売をされておる、このようにも承知しておるわけでございますが、この一兆円を超えると言われるモーゲージ証書を購入したそういう購入者、投資家をあわせてどう保護していくかという角度、そういう点にもやはりきちっと光を当てていきませんと、これは片手落ちになってしまう、こういうふうに私は思います。そういう観点から順次質問をさせていただきたい、かように思っているわけでございます。 まず順序といたしまして、抵当証券業の規制等に関する法律案を条文を追いましてお尋ねをしてまいりたいと思います。 第二条の「定義」のただし書きでございますが、第二条は「この法律において「抵当証券業」とは、抵当証券法第一条第一項に規定する抵当証券の販売で業として行うものをいう。」その次でございますが、「ただし、他の法律の規定でこれにより抵当証券の購入者の保護が図られるものの適用を受ける者として政令で定める者が行うものを除く。」少しわかりにくい表現でございますが、このただし書きはどういうことを想定されておられるのか、まず伺いたいと思います。
○平澤政府委員 この法案の第一条に「目的」がございまして、最終的には購入者の保護を図ることを最大目的としているわけでございます。したがいまして、そのために、抵当証券業というものを決めまして、これに対してもろもろの規制をかけていくということでこの目的を達成しようという法体系になっております。 そこで第二条でございますが、ただし書きに、政令で定めるものは除く、こうなっておりますのは、このような目的から見てその対象とする必要がないというものを政令で除くわけでございまして、具体的には、既にいろいろの法律によって行政当局の規制、監督が可能であり、本法案の対象としなくても購入者の保護に欠けるところはないというようなものをここで政令で決めようということでございます。それでは具体的に政令でどのようなものを考えているかということでございますが、例えば銀行あるいは信用金庫等、既に十分行政上監督を受けておるものを対象として考えておるわけでございます。
○山田委員 三条の「登録」でございますが、「抵当証券業は、大蔵大臣の登録を受けた法人でなければ、営んではならない。」ここに明確に規定されているわけでございますが、念のために、免許制にするか、あるいは許可制の方がいいのではないか、あるいはまた登録制、いろいろ言われてきた経緯があろうかと存じますが、この登録制を導入されたことにつきましてお伺いをしたいと思います。
○平澤政府委員 委員が今御指摘の点につきましては、抵当証券の研究会におきましても随分議論されたところでございます。おっしゃるように、例えば届け出ということもございます。それから本法案にございますように登録ということもございます。さらに免許等々の規制の仕方もあるわけでございます。しかし、一つは、戦後の法律の考え方といたしまして、営業の自由はできる限り尊重するという考え方が片方にございます。しかし、余り自由を尊重し過ぎて、規制を緩めることによってこの法案にございますような立法目的を達成できないということでは問題があるわけでございます。したがって、達成し得る限りにおいて必要最小限の規制にとどめるということがまた考え方としてあるわけでございまして、そのような考え方をいろいろ勘案いたしまして登録制を採用したということでございます。
○山田委員 四条関係でございますが、登録の申請につきましては、「次に掲げる事項を記載した登録申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。」 一から六まであるわけでございます。これは当然だと思います。その第二項で「前項の登録申請書には、第六条第一項各号に該当しないことを誓約する書面」、これは法人でありますとかあるいは第六条関係はいろいろ出ておりますが、こういうものに「該当しないことを誓約する書面その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。」これは、最近急激に抵当証券取引のマーケットといいますか、シェアが拡大をしてきており、それが一兆円規模のマーケットであるというようなことから考えますと、この登録の申請の際、登録制という範囲の中におきましてのことでございますが、極めて厳格な審査がなされなければならないのだろう、こう思うわけでございます。したがって、この二項の「その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。」というのはどういうことを予定されておられるのか、これをちょっと伺っておきたいと思うのです。
○平澤政府委員 こうした添付書類の提出を求める理由でございますが、登録申請者が本法の第六条第一項の登録拒否要件に該当するか否かということを判断する資料として必要であるからでございます。 そこで、「その他大蔵省令で定める書類」といたしまして現在考えられておりますものは、大きく分けまして例えば次のような三つのものがございます。一つが、法人の役員及び重要な使用人の住民票の抄本等あるいは履歴書といったもの、第二に、法人の役員及び重要な使用人が禁治産者等に該当しない旨の市町村長の証明書、それから三番目に、法人の定款または寄附行為及び登記簿の謄本等ということを考えているのでございます。
○山田委員 七条の関係でございますが、極めて単純明快な質問で恐縮でございますが、「第三条の登録の有効期間は、登録の日から起算して三年とする。」一年という考え方もあるし、また五年という考え方もあるし、その中で三年というふうに定められたのはどういうお考えがございますのでしょうか。 〔委員長退席、大島委員長代理着席〕
○平澤政府委員 登録の有効期間につきましては、登録を更新させて一定期間ごとに定期的に登録拒否要件に該当するかしないかということの確認を行うために設けた趣旨でございます。したがいまして、この期間をどの程度にするかという点につきましては、この有効期間の安定性あるいは行政サイドの事務負担等、それから確認を受ける事業者の立場、しょっちゅうやりますと非常に煩瑣になりますので、そういうものを総合勘案いたしまして三年としたものでございます。 ちなみに、例えば貸金業規制法、それから旅行業法、農薬取締法等も登録制度をとっておりますが、これで採用しております期間も三年となっておりまして、類似の制度においては比較約三年が多いということも本法で三年とした背景にございます。
○山田委員 第三章「業務」の第十四条関係でございますが、「広告の規制」、この条文の言葉でございますが、「抵当証券業者は、その行う抵当証券業に関して広告をするときは、その者の信用、抵当証券に記載された債権の元本及び利息の支払の確実性その他の大蔵省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をしこの「著しく」、「又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。」のところの「著しく」、この「著しく」というのはどういうことなんでしょうか。では著しく事実に相違してなければ許されるのかというふうにも読めるので。特に「債権の元本及び利息の支払の確実性その他の大蔵省令で定める事項」というのは、まさにこの取引の根幹をなす一つ一つの重要な事項であろうと思うわけでございますが、これはたしか研究会の報告の中には著しくという言葉は使われていない。それで自然に私も読めたわけでございますが、法律案を見ますとこういう形になっております。この辺が誤解されたり拡大解釈される余地、危険性というのはないのかどうか、ちょっと確認しておきたいと思います。
○平澤政府委員 本法案十四条でございますが、これは、今委員もおっしゃいましたように、抵当証券を購入するに当たって業者による広告が購入者の重要な購入の判断材料になるということで、購入者の被害を未然に防止するために広告の規制を定めた規定でございます。 その規定の中におきまして、おっしゃるように「著しく事実に相違する」云々ということで「著しく」という言葉が入っております理由でございますけれども、一つは、通常広告等を行います場合には、多くの場合がなり限られたスペースでしかも割合短い時間で大衆に商品をPRするという必要がございますので、その伝達すべき情報につきましてもある程度簡素化あるいは簡略化を行わざるを得ないわけでございます。したがいまして、そのようなものは社会通念上ある程度許容される範囲があるわけでございまして、これを、全く「著しく」というのを取ってみますと、事実に相違するという場合に、事実が一〇〇%あったときに、簡略化その他によって例えば七〇%ぐらいしか書いていないということになると、三〇%について事実は言っていないじゃないかという問題も起こってくるわけでございます。ところが、片方におきまして、本条に違反した者には六カ月以下の懲役等の罰則が科せられておりますので、ここに書いてあります規定そのものが犯罪構成要件としてずばり意味を持つわけでございます。したがって、これを「著しく」というのを取りますと、あらゆる場合が裁判、訴訟の対象になり、構成要件にひっかかってくるということがあるわけでございます。しかし、この程度が非常に行き過ぎますと、片方でまた購入者保護の点で問題があるということでございますから、許容される範囲というのは法律解釈上おのずから出てくるわけでございます。 そこで、それでは従来法律上具体的にこのような事例があるかといいますと多々ございます。例えば貸金業規制法とか投資顧問業法、または不当景品類及び不当表示防止法等においても、同様にこの構成要件としての規定でございますので、同じように「著しく」という規定が入っているのでございます。
○山田委員 わかりました。 次に、十八条関係の「抵当証券の保管の禁止等」というところでございます。 これは冒頭申し上げましたように、抵当証券の原券そのものを抵当証券業者が保護預かりとしていたところにいろいろな事件の主要な原因があったというようなことから考えますと、十八条というのはこの法案の極めてかなめをなす一つではないか、こういうことだと思います。そこで「抵当証券業者は、抵当証券の購入者の保護に欠けるおそれが少ない場合として大蔵省令で定める場合を除き、販売を行つた抵当証券を自ら保管し、又は第二十七条第二項に規定する抵当証券保管機構以外の者をして保管させてはならない。」事業者が原則として保護預かりというような形はもうこれでだめですよ、こういうことになっているわけですね。 それで、この十八条の前段部分ですが、「抵当証券の購入者の保護に欠けるおそれが少ない場合として大蔵省令で定める場合」は、抵当証券業者に抵当証券の原券を一定の期間といいますか、預けることができる、そういう道を開いているわけですが、これは具体的にどういう意味なんでしょうか。
○平澤政府委員 本法案では、カラ売り等の不正を防止するために、保管機構に保管を義務づけているわけでございますが、そのような場合でも、例えば抵当証券会社が購入者から抵当証券の記載の変更や元利金取り立ての委任を受けている場合等々には、会社が委任事務を処理する必要があるわけですけれども、そのときに抵当証券に記載された抵当権の表示内容を変更する必要があるのでございます。このような場合は、一時的に業者がこれを保管する必要がどうしても出てくるわけでございまして、このような場合に限りまして自社保管の禁止規定を適用除外するという趣旨でございます。したがって、これによってむしろ円滑な抵当証券取引に資するという面もあるわけでございます。かつまた、購入者保護に欠けることもないということでございます。
○山田委員 そういう御答弁でございますが、ここのところは、業者の保護預かりを全面的に禁止をするという中のいろいろ申されたような場面がそれはそれとしてよくわかるわけでございますが、いずれにしても、抵当証券の原券が事業者の方へ渡されるというある意味では唯一の事態でありましょうから、これらが遺漏なきように運営されていかれるように、ここのところは特段に御注意が必要なのじゃないかな、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思っております。 抵当証券の保管機構というものが新たに設立がなされるわけでありますけれども、いま一つはっきりいたしませんのは、この保管機構というのはどういうメンバーが相寄りまして設立をするのか。これは民法三十四条でございますか、公益法人を設立するということでございますが、構成するメンバーといいますか、どういう人たちがこの機構をつくるのでしょうか。
○平澤政府委員 この保管機構は、事業を行います場合にもろもろのコストもかかるわけでございますので、ある程度の基金が必要であるわけでございます。それによってできるだけ一般の取引上の負担を少なくすることも必要であるわけでございます。そういうこと等を考えまして、この保管機構の出資者、出捐者といいますか、につきましては、法案成立後どういう方々が適当かということについて検討することになろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたような趣旨から、公共的な免許企業である銀行や証券会社等々、しっかりしたところにお願いするということも一つの案として考えられるわけでございます。
○山田委員 いろいろな方々の御意見を伺っておりますと、抵当証券保管機構の構成につきましては、抵当証券業者と取引関係のない、そういう立場の方々がよろしいのではないかという意見もかなり多いわけでございます。御答弁を伺っておりますと、一つの案としては考えられるということで、銀行とか証券会社とかというふうにおっしゃったかと存じますが、実際には抵当証券業者というのは資金的なバックに銀行とか証券会社等がついている、そういう事業者が多いと承知しておりますけれども、取引関係というか、完全に後ろ盾みたいな形で資金的には存在しているわけでございます。その辺についてはどういう御理解でございますか。
○平澤政府委員 この保管機構の法人格は民法上の公益法人でございますので、この保管機構の仕事につきましていわゆる出資者が、私的な立場からいろいろ発言することができないようになっているわけでございます。それとともに、この保管機構は、法律にもろもろの規定がございますように、大蔵大臣がまず指定する、そして所要の監督を行う、したがって、検査等も行いますし、その役員の選任その他につきましても、十分その中立性、公共性が保たれるような仕組みとなっておりますので、そのような心配はないものと考えております。
○山田委員 二十八条の関係でございますが、「抵当証券保管機構の業務」ということでその第二項に、「抵当証券保管機構は、大蔵省令で定めるところにより、その業務の一部を、大蔵大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。」ここのところは、具体的にどういうことを想定なされておられるのか。この保管機構の業務というのは極めて大事な業務でございますので、大蔵大臣の承認が必要になるわけだと思いますが、「他の者に委託することができる。」これは具体的なケースで御説明をいただければと思います。
○平澤政府委員 この保管機構は、保管事業を適正かつ確実に行うことが必要であるわけでございますので、先ほど答弁申し上げましたように、いろいろの監督規制をこの保管機構にしているわけでございますが、そういう意味では、基本的には当該法人がこの仕事を行うということは当然のことでございます。しかし、先ほども御議論がございましたように、抵当証券業者は全国各地に散らばっております。したがって、保管機構を幾つも各地につくるのはどうかという問題もございますし、その辺の問題等々考えますと、ある場合には、例えば抵当証券の単純な保管といったようなものは、金融機関その他きちっとしたそういう設備のあるところに委託するということも、この抵当証券業務を低コストで行うためには必要であると考えられる場合もあるわけでございまして、そのような場合には業務の委託を行うこともできるようにこういう規定を入れているわけでございます。
○山田委員 第六章の「抵当証券業協会」とい永規定で、第三十八条には、抵当証券業協会という民法第三十四条公益法人の規定による法人を設立することができる、こう規定をされております。それから、三十九条では「名称の使用制限」というのがございまして、その第二項「協会に加入していない者は、その名称中に抵当証券業協会会員という文字を用いてはならない。」これとあわせて考えてみますと、まずこの抵当証券業協会というのは設立することができる。これはもう当然監督官庁になられる大蔵省としては設立をしなさい、こういうことだろうと思います。しかし、ここでは「することができる。」こうなっております。それから、いま一つの「協会に加入していない者はこというところから推定をいたしまして、仮に設立をされた抵当証券業協会には、加盟をする事業者と加盟をしない事業者と二つに分立をするということがあらかじめ予定をされているようでございますが、大蔵省の、監督官庁の指導とか監督が、この設立されるであろう証券業協会を通して各事業者、会員に周知徹底が図られていくというようなことを考えれば、それは投資家保護という観点からいたしましても、協会に加盟をさせた方がいいのじゃないかというふうに私は考えるわけでございますが、その辺のところにつきまして御説明を願いたいと存じます。
○平澤政府委員 このような協会に加盟するか否かにつきましては、今委員御指摘のように、本法案上加入の義務はないわけでございます。これにつきましてはいろいろ議論もあったわけでございますが、一つはおっしゃいますように加盟を義務づけるという考え方もあるわけでございまして、例えば先例といたしましては、司法書士や土地家屋調査士等は強制加入になっているわけでございます。しかし、この場合は極めて専門的な業務を独占的に行う、ある意味で社会的使命の高いお仕事であるわけでございます。 片方、抵当証券業協会は、そういう意味では法令に規定しておりますような業務を行っておりまして、先ほど申し上げましたような司法書士の方々の場合と違いまして、その協会そのものは登録を受け付けるという業務を行うこともないわけでございまして、そういう意味から業者の加入を強制する必要はないんじゃないかということで、そういう規定にはなってないわけでございます。したがいまして、このような類似の協会もそのほか法令上ございますので、本法案では、あくまで業者の自主性を尊重して任意加入とするというふうにしているわけでございます。しかし、現段階で個々の抵当証券業者の感じを見てみますと、恐らく多くの業者がこれに加入してくるのではないかというふうに我々は期待しておりますので、大数においてはおっしゃるような方向になっていくというふうに考えておるわけでございます。
○山田委員 条文から離れますけれども、モーゲージ証書、これは今まで指摘されてきた幾つかの中に抵当証券上の弁済期が記載されてないケースが多かった、購入者はこれを記載されてないものですから知りにくい、あるいはまた自分を含めて何人が抵当証券を購入しているかということが個々の購入者にとってはわからない、カラ売り、二重売り、本当になされているのかどうかがわからないという、それらが現実に事故につながっていたということを考えますと、この法律が仮に成立をした場合でも、機構が交付する保管証と事業者が購入者との間に契約する際に交付をするモーゲージ証書というのは原則的に残るわけですね。したがいまして、当然その弁済期であるとか他の購入者がどういう関係になっているのか、購入されているのかということは、保管証の方に記載されるだろうというふうに私は思っておりますが、モーゲージ証書の方にも、これは当然記載がなされなければならないんだろうというふうに考えるわけでございます。したがいまして、その辺の取り扱いについては、投資家保護という観点からぜひそうしていただくのが筋ではないのかな、この点はいかがでございましょうか。
○平澤政府委員 これにつきましては、法案の中では特に規定はございませんが、大蔵省といたしましては、本法案の成立後、関係者と十分協議いたしまして、今委員御指摘のような御趣旨も踏まえながら、統一約款を作成するという方向で考えてまいりたいということでございます。
○山田委員 関連してもう一つお願いしておきたいと思いますのは、この抵当証券の取引の流れというのは債権債務の関係が存在する、そして抵当権が設定されておる、これが大前提です。それで、それが抵当証券業者から登記所に持ち込まれまして、交付の申請を行います。そういたしますと、それが適格な要件を備えておれば、法務局から抵当証券の原券が交付されます。その交付された抵当証券の原券をもとに、いわゆる投資家を募ります。購入者を探すわけです。そして、例えば一億の抵当証券であれば、小口分割を仮に一千万ずつとした場合に、十人の購入者がそろって一億の金が振り込まれて送金されてきて、それと抵当証券原券そのものをつけて、抵当証券保管機構の方へ保管をお願いします。そして保管証の交付を受ける。そういうことですね。 大きな流れはそれで間違いないのだろうと思いますが、機構から交付された保管証と業者が購入者に交付しなければならないモーゲージ証書が別々に、タイミング的に先にモーゲージ証書が行く、お金が入ってくる、そして一定の期間を経過した後に機構の保管証が業者を通して購入者に渡される、この期間的なずれがないことが、事件、事故の防止に、あるいは誘発することを食いとめるために必要ではないか。実は私も、最初ちょっとしたことのように考えたのですが、機構が発行する保管証と業者が発行するモーゲージ証書は、投資家である購入者に同時に交付されるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○平澤政府委員 おっしゃいますように、仮に時間的に短い差でも、その間に差がございますと問題が起こる可能性もあるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、法案が成立いたしましたら、そういうことのないようにできるだけ仕組みを考えたいということでございます。
○山田委員 国土庁にお見えいただいているわけでございますが、順次お伺いをさせていただきます。 抵当証券取引をめぐるトラブルの中に、冒頭で申し上げましたように、不動産鑑定士による鑑定の過大評価という問題が事実としてございました。鑑定士による鑑定評価書というのは、債権の十分性を証明する書面ということで、この取引のまさに大もとをなす部分でございます。あえて言えば、不動産鑑定士の方々が鑑定評価された、それなくして抵当証券取引というのは成り立たないということでございます。この抵当証券取引における不動産鑑定士に役割を踏まえまして、昨年来いろいろな事件がありましたが、国土庁としては、それらを踏まえてどのように鑑定士の先生方に指導なされておるのかこの辺につきましてまずお伺いしたいと思います。
○森説明員 抵当証券の発行に関連する不動産の鑑定評価につきましては、国土庁といたしましては、従来から不動産鑑定士等の団体でございます社団法人日本不動産鑑定協会に対して注意を喚起してまいったところでございますけれども、特に昨年いろいろ社会的な問題もございましたので、協会では昨年十二月に、抵当証券発行に伴う不動産鑑定評価上の留意点等について、かなり詳細な通知を全会員に発したところでございます。このほか、会員広報とか講演会等も通じて啓蒙活動を行ってきております。国土庁といたしましては、今後とも、日本不動産鑑定協会とも緊密な連絡をとりながら、抵当証券に係る不動産鑑定評価に遺漏のないようにさらに指導の徹底を図ってまいりたい、かように考えております。
○山田委員 この債権の十分性を証する書面というのは、抵当証券法施行細則の二十一条ノ二に定められているわけでございますが、御案内のとおり、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書というものが現実にはほとんど充てられているわけでございます。 そこで、実際に抵当証券を発行する、交付するところは法務省法務局ということになるわけでございますが、鑑定評価の額等が過大評価あるいは水増しというような形が、大変残念なことでございますけれども、今後絶対起こり得ないということは言えないわけでございますので、仮にこういうことがなされた場合は形式審査という限界が法務局にはあるわけでございます。極端な、有名なといいますか、事件、トラブル等に巻き込まれて、いろいろ社会的にも報道されるような当該土地物件等に対しては、法務局の職員の方々があらかじめ了知できるわけですから注意を喚起することはできるわけですが、申請される物件というのは相当な件数になってきていることを考えますと、再発防止あるいは未然に防ぐという観点からすると心配なしとしないわけでございます。 私は、不動産鑑定士のお一人お一人の方々が、社会的な地位の向上に努めて資質の向上に励んでおられるということは十二分に承知しているつもりでございますが、現実にそういう事件が不動産鑑定士を巻き込んだ形で発生したということを考えまして、これは鑑定士に限らないのですけれども、それは確かに国家試験を受けて、いわゆる事業者と個々に委託受託の関係があるわけでございますけれども、そこにおいて、癒着と言えば言葉が過ぎるかもしれませんが、業者の言うことを聞かなければならないというようなことがいささかでも出てくる余地が存在する。ちょっと考え過ぎ、心配のし過ぎかもしれませんけれども、例えば不動産鑑定協会あるいはそういうような一つの機関として、一兆円にも上る大きな抵当証券の取引という現実があるわけでございますので、機関として受託をし、そしてその鑑定評価の具体的な事務、作業については当然個々の鑑定士の方々がなさるというようなことも検討してみる必要があるのじゃないかと私は思うわけですが、森課長さん、いかがでしょうか。 〔大島委員長代理退席、委員長着席〕
○森説明員 不動産鑑定協会は業者の団体でございまして、先ほど申しましたようないろいろな啓蒙活動等を中心にやっておるわけでございますが、その結果、現在では、不動産鑑定士の皆さんは抵当証券に係る鑑定評価の社会的な重大性といいますか、こういうことについては既に十二分に認識しておりますので、御指摘のような御懸念はまずないものと考えております。今の先生が御提案の、抵当証券に関する鑑定評価について協会がまず受けてという案でございますが、この鑑定協会は、一般の需要に応じて鑑定評価を直接受託するという立場に今ないといったような問題があるわけでございます。 なお、添付されて法務局に出てまいりました鑑定評価書のチェック方法といったような点につきましては、今後とも法務省とかあるいは鑑定協会等との間で十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○山田委員 私、言葉が足りなかったわけですが、それは鑑定協会は、業務を受託するようなそういう法的な存在でないことは私もよくわかるわけでございます。ただ、公認会計士法における監査法人、これはやはり全く同じとは言いませんが、大きな企業と一人一人の公認会計士との力関係の中で、監査業務というものが必ずしも公正を期しがたいのではないかというようないろいろな中から、いわゆる監査法人というものが生まれてきたという経緯がございますね。今はまだ、まだといっても一兆円規模です。これが研究会の報告書、答申などを見ても、将来はもう大変な市場にこの取引そのものが拡大をする可能性というものを示唆されておりますし、不幸な一連の事件というものを別にすれば、これは我が国の金融、経済の中において占める位置というのは、大変大きな高いものがますます出てくるだろう。 そうなると、仮にマーケットの規模が五兆円、十兆円というふうに発展、拡大していった場合に、抵当証券事業者と不動産鑑定士がいわば一対一の関係で鑑定評価というものが任されていていいのかな、それは確かにいわゆる土地の公示に関する法律に基づいて出された公示価格というようなものも、添付されて出されてくるわけでございますが、それはそれとして、そういう監査法人が設立された経緯等も念頭に置いた場合に、将来は全くそういうことは考えられないんだ、やらないんだ、ナンセンスだと言うことができますか僕はできないと思うのですけれども。
○森説明員 先ほど申しましたように、不動産鑑定士の方々の現在の認識は、抵当証券に関する鑑定評価については十分配慮しなければいけない、慎重にやらなければいけないということでできてまいっておりますが、ただいまの先生の御提案も一つの御提案として受けとめさしていただきたいと思います。
○山田委員 ぜひ、十分念頭に置いて御検討をなさるべきだ、このように申し上げたいと思います。そうしませんと、債権の十分性を証する書面ということにつきましては、鑑定評価書とか鑑定士の登録済証とか印鑑証明書まで、本人がみずから作成したということを証明するために、あるいはまた、申し上げましたように地価の公示法による公示価格を鑑定評価書に記載するとか、いろいろなそういう措置は講じておりますけれども、しかし、それでもなおかつ現実に過大見積もりが起きたわけですから、現実に過大評価があったわけですから、将来のこの取引がさらに発展、拡大していく過程の中では、監督官庁たる国土庁におかれては、これはもう当然積極的に検討し取り組んでいかなければならない課題である、このように私は申し上げておきたいと思います。 国土庁の森さん、結構でございます。 次に、抵当証券法の施行地域に関しましてちょっと伺っておきたいんですが、時間が迫ってきておりますので簡潔で結構でございますが、お願いしたいと思っております。 まず、現在の規制はどうなっているのか。それから、時間を省くためにもう一つ一緒に、昭和六年、勅令第百八十三号が公布されて、それが現在も生きているかと思うのですが、これは何か法的な根拠があるのかどうか。これは法務省ですね。
○田中説明員 現在は、抵当証券の施行区域は市制区域に限っております。したがいまして、現在のところ、町村の地域については抵当証券を取り扱わないという扱いに、これは当時からしております。これについては、この際拡大をした方がいいのではないかという議論は当然あるわけでございますけれども、今回、この抵当証券をめぐっていろいろなトラブルが若干ございました。しかも、先ほど先生の御指摘のように評価の際の問題点も大分ございまして、やはりこの辺がある程度落ちついていかないと私どもの方もちょっと自信がないということで、今回はこの市制区域に限るということを今のところは維持しているわけでございますが、将来この鑑定評価の方法が完全に間違いがないようなことになってきますと、それが農村地域とかそういうところでも十分かどうかということを検討した上、広げることもあり得るということでございます。
○山田委員 この勅令第百八十三号、昭和六年でございますが、ここで今御答弁がありました現在の市制施行区域に限る、こういうことになっているわけです。ところが、実際この勅令第百八十三号でこのように規制をしているわけですが、これは法的根拠はないわけです。それから勅令が出された背景というのは、御案内かと思いますけれども、施行後の混乱を防止するために、市及びこれに準ずるごく一部の町に限って勅令で指定をしたという昭和六年当時の事情があるわけでございます。当時の記録によりますと、一律実施、要するに全国の市町村一律に、そこに所在する土地、建物等物件につきまして抵当証券の担保対象となるよということで一律実施をした場合に、登記官のふなれによる混乱を懸念して特定の地域に限定をした、このように説明をされているようでございます。 それは今、田中参事官が御答弁なされたことにもまことに通じているわけでございまして、鑑定評価のあり方とかあるいはもろもろの法的な整備等がなされていない段階においては、若干自信がないといいますか問題がある、今すぐ並行して規制を解くには。しかし、この業法の成立とかあるいは施行等に伴って抵当証券取引が非常に適切になされていくというようなことを前提とすれば、この地域規制というものは外す用意がある、ただいまこういう御答弁があったわけでございます。ぜひこの点は、参事官、担当の部局におかれましても、そのタイミング等も慎重に、なおかつ、またある意味では積極的にひとつ御検討はさらに進めていただくべきではないだろうかこう思っているわけでございます。 町村部は今だめだというふうになっておりますけれども、全国の七、八〇%を現実には占めているわけでございますし、それから可部だ、村部だといっても、実際には住宅建設とかあるいは企業団地、工業団地等で商工業の進出も非常に目覚ましい、昭和六年当時とは大きく時代が変化をしてきているということも当然あるわけでございます。あるいは登記実務におきましても、抵当証券の申請、交付、一連の法務局がかかわる事務手続等につきましても、五十八年ごろからずっとこの件数がふえてきているわけですから、数年が経過をして扱いにもなれてきているだろうと思われますし、それからさらにこの何年後ということになれば、専門家としてさらにもっとなれていかれるわけでございますので、そういうことからすれば、この適用除外をいつまでも残しておくということは、政策的な見地からしても矛盾が一層拡大をするのではないか、こういうことでございますので、これはこれ以上申し上げません。今参事官から前向きな、あるいは僭越ですが、御正確な姿勢あるいは御認識を伺わせていただきましたので、そのようにひとつぜひ御検討いただきたいと思っております。 最後になりますけれども、私、冒頭に申し上げました、一方においては、新しくこの業法が立法されたことによりまして、今後の抵当証券取引というのはその適正が期されていくだろうと期待をいたします。ただ問題は、現在までのそういう特段に規制等がない状況のもとで販売されたモーゲージ証書等が一兆円を超えるというふうにも聞いておりますので、これらの投資家、購入者に対する保護ということが一方において極めて重要でございます。そこで、何点か質問をさせていただきます。 まず、一兆円を超えるというように私申し上げているわけですが、御当局が掌握をされておるこのモーゲージ証書の販売残高、これはどの程度になっているのでしょうか。
○平澤政府委員 全部詳細に把握しているわけではございませんが、抵当証券懇話会でございますが、そういうところへほとんどが加盟しておりますので、そういう計数を聞きましたところ、一兆円強の残高が現在あるというふうに推計されるわけでございます。
○山田委員 これは実は大事な問題でございまして、一兆円強というふうに銀行局長御答弁でございますが、これは正確につかんでおられないのでしょうか。
○平澤政府委員 正確にはつかんでおりません。
○山田委員 なぜつかめないのですか。私は、きょう田中参事官もお見えですからお伺いするのですが、全国の登記所には抵当証券の控えがあるわけですね。そうなりますと、それを全部突き合わせてみれば少なくとも抵当証券の債権額は出てきますね。要するに、現在取引の状況にある債権額だけは少なくとも出てくるわけですね。本来、債権額とモーゲージ証書で売りました販売額というのは、これはカラ売り、二重売りがまるで一切ないということになればぴたっと一致する、あるいはそれ以下といいますか、債権額を下回るモーゲージ証書の発行残高、こういう関係がはっきりあるわけでございますから、そういう作業をなさってなおかつ一兆円強、こういうことなんでございましょうか。それとも、大体七十社が懇話会で、六十二年三月末で一兆八百七十五億ですか、発高残高がありますと報告なされたのかどうか、明らかな数字になっておりますけれども、それらに七十社以外の抵当証券業者、独立系とかと言われておるようでございますが、そういう皆さんが発行した残高を加えれば、大体の数字は銀行局長もおっしゃることできるのじゃないでしょうか。
○平澤政府委員 今のお話のように、まず抵当証券の発行総額があろうかと思います。これは登記所の方のお話になるわけでございます。その抵当証券の発行総額の中で恐らく大きな部分が、モーゲージ証書としてさらに売られているということになろうかと思いますが、どの程度売られているかということをこの抵当証券発行総額がわかった中で調べることは、御存じのように不可能でございます。かつまた、モーゲージ証書として一度売られましてもそれが戻ってきた場合にタイムラグがございまして、またその抵当証券をもとにしてモーゲージ証書が売られるということでございますから、そのような意味での摩擦的な部分がまたどれだけあるかということも、そちらの方からなかなかわからないわけでございます。したがいまして、現在ある数字は、先ほど申し上げましたように抵当証券懇話会、これは七十数社でございますが、この数字はきちっと出ておりますので、それが一兆数百億の数字がございます。それ以外に、社数として恐らく三十社弱の業者があるというふうに推定されますので、そういうものの金額がどれぐらいになるか。ただ、懇話会の抵当証券業者ほど大きなものはございませんので、したがってあくまで推計でございますけれども、かなり大胆に申し上げれば恐らく一兆一千億は超えた数字ではないかというふうに推定されるわけでございます。あくまで推計でございます。
○山田委員 田中参事官にお伺いしたいのですが、ある一定の時点をとらえて、例えば六十二年の三月末という時点で法務局が申請を受けて交付をした抵当証券の控えというのがございますが、そこに記載された債権額を大都市部を中心にといいますか、全国的にこれを集計してみるという作業は、要するに債権額としていつの時点で幾ら存在するのかというような把握の仕方は、今までなされておられますか。
○田中説明員 抵当証券の取り扱いに関しまして私ども通達を出しておりまして、抵当証券を発行した場合それから戻された場合、こういう場合には登記所から私ども本省の方へ報告をしていただくことになっております。これはちょっと一カ月おくれになりますけれども、一カ月おくれではどこの会社がどの登記所で幾らの抵当証券を出したか、何通出したかという報告をいただいておりますので、私どもの方では、現時点ではどこの会社が今までどのくらいの債権額の抵当証券を発行したかということの把握もしております。
○山田委員 時間が参りましたので最後に申し上げたいと思うのですが、議論したかったので残念なんですが、ちょっと私の方で時間の配分を間違えたかもしれません。 問題は、この業法三条で登録を受けた法人でなければ業務ができないということになりますが、大きく分けて三種類出てくるのですね。要するに、この法律が仮に公布されて六カ月以上一年の間に施行されますね。施行されてから六カ月の間に、現在抵当証券業を行っている事業者が恐らく登録の申請をするでしょう。した場合に、この登録が受け入れられた業者、要するに登録業者となる業者、それから登録申請したけれども登録の拒否要件といいますか、それらに該当して登録されなかった業者、事業者、それからもう一つは登録する意思そのものが存在しない、持っていない業者、事業者、大きく言ってこの三つに分かれるのです。登録された業者は大蔵省の指導監督のもとに、あるいはこの規制等の法律に基づいて規制されるからいいのですが、登録を拒否された業者と登録をする意思のない業者、これらが少なからぬ額のモーゲージ証書を投資家に既に売ってしまっているということですね。これらについて、投資家保護という観点からすればどういうふうにこれを——買い戻しの期間が一年後、二年後、三年後にやってくるわけですから、そのときに昨年来起きてきたような事件が起きて、投資家、購入者がまた泣いて、それで何とかしようと思っても、それは事後のことでありますから後手に回って、結局歯どめをかけることができなかったというようなことが起こり得るのです。 この業法ができてから先の話ではなくて、要するに登録されない、拒否された業者それから登録の意思もない業者、今の局長の御答弁ですと、七十社という懇話会の加盟メンバー以外に三十社以上いるんじゃないか。ある報告書で見ますと、警察庁では数十社、営業方法に問題がある、あるいはまた資金的なバックにもちょっと脆弱過ぎて問題があるというふうにもとらえているという、そういう報告も私聞いているわけでございます。したがいまして、この業法に基づいての運営と同時に、今申し上げました三種類の中のあと二つの事業者については、購入者保護という立場から、やはりきめの細かな対策というものを考えていただかなければならないなということを私は心から申し上げたいと思うわけでございます。 まことに、質疑時間が少しオーバーしておりまして、委員の皆様には申しわけないのですが、局長に一言、そして大蔵大臣から最後に一言御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
○平澤政府委員 この法律の適用関係を申し上げますと、法施行後に売られたものにつきましてはこの法律の適用があるわけでございます。したがいまして、その前のものについてそれではどうするかというのは、まさにおっしゃるような問題があるわけでございますが、その中で、引き続きこの法律で登録して行う業者についてはほとんど問題がないのですけれども、登録を受け付けてもらえなかった業者あるいは登録もしないでやめてしまう業者、これにつきましてはこの法律が適用にならないわけでございます、既に売ったものにつきましては。 したがってその点、それでは保管機構にそういう業者が保管してもらうようにするかどうかという問題も検討してみたわけでございますが、この保管するというのは法制上の義務づけでございまして、そのような義務をさかのぼって、既に私法上の契約をやっていたそのようなモーゲージに適用することはやはり問題もあるわけでございますし、仮にそれではさかのぼってやらせるということになりますと、個々に契約を変更する必要があるわけでございます。そういうとこみへ保管させるということを、購入者に契約上変更して処理することが求められるわけでございまして、その辺が極めてまた法律的に複雑になりますし、事務的にも膨大な事務量が要るということ等をいろいろ考えまして、先ほど最初に申し上げましたような経過措置の規定になっているということでございます。
○宮澤国務大臣 今の保管機構に保管させることはできない、法律的にあるいは事実上できないということまでは局長のお答えのとおりでございますが、御心配の向きは、しかしそういう業者は、どちらかといえば十分の信用に値しないということになりやすく、その結果そこから事故が起こりやすいということを御心配でいらっしゃると思います。 まず事故の点につきましては、これは残念なことでございますがこの法律でカバーができないとしますと、やはり従来のような刑法上の罪を犯さないように、それを厳重に法の適用をしていくということであろうと思いますし、同時にこの際この法律の適用を、つまり登録を受け得なかった、あるいは受ける意思がないということになりますと、それは投資家からいえば、購入者からいえば警戒をしなければならない発行者であるということがおのずから知れ渡るということになってまいるかと思いますので、この点はある意味で購入者に対する警告といいますか注意を要する事項になって、それはやむを得ないと思いますし、むしろ事故を防ぐという意味では、そのことはかえって事故を防ぐという役割を果たすのではないかと思います。 いずれにいたしましても、しかしその期間は長く見てます三年でございましょうか、多少そういう不安定な期間がありますことは御指摘のとおりでありますが、事故が起こりませんように行政の上でもよく注意をしてまいります。
○池田委員長 山田君、時間が参りました。
○山田委員 終わります。
○池田委員長 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 たまたま今の同僚議員からの話も出たのですけれども、今度の改正は非常に大きな問題点を持っていると私思うのです。 というのは、登録をさせる、登録をしますと大体民間の人々は、いわばお上のお墨つきをもらった業者だという安心感を持つわけですね。今まではそういうことがなかった。自分でいろいろ考えて選別しなければいけなかった。ところが登録業者となると、お墨つきをもらった業者だと思うわけですよ。そのときに、今度の制度はいわば預かり証と抵当証券とのリンクをきちっとして、カラ売りとか二重売りとかいうことを防止はできる。しかし、その基礎の抵当証券が本当に現実のいわば地価なりなんなりを反映しているかということは、はっきり言いまして登記所もしくは不動産鑑定士に任されているわけですね。でございますから、大蔵省として自分の方の範囲内の業者だけはきれいにする。しかし、いわば法務省、登記所でやる、不動産鑑定士がやってきている、そのもとになる証券の発行が本当に大丈夫なのかどうかということについては、必ずしも保証はないわけですね。これは、国土庁あるいは法務省の方がきちっとやりますよと言うかもしれませんけれども、その辺はぱっと半分抜けているわけです。 となりますならば、登録をさせる、お墨つきを与える。そこで抵当証券と預かり誰とのリンクがきちっとして、カラ売り、二重売りはなくなる。ただ要するに、そのもとの抵当証券が本当に実態を反映しているのかどうか。さっき沢田同僚議員が、大体地価がどんどん上がるからいいじゃないかというか、そういった議論もありましたけれども、これは逆の場合もあるので、そこのところが一つ抜けておると私は思います。この点、一体どうしたわけでそちらの方が抜けておるのか。登録を与える以上はそちらの方もカバーした意味で、基本になる抵当証券の実態をどう反映しておるかというところをきちっと押さえた上でないと、本当の意味の投資家保護ができないのではないか。その辺が抜けているのはなぜか、どうするつもりかということについてまず御質問したいと思います。
○平澤政府委員 今回、法案を御提案申し上げました趣旨は、購入者の保護という点が一番大きな目的であるわけでございます。その場合に、これまでにいろいろ起こりました問題の事例を類型化いたしますと、大きく分けて三つあろうかと思います。 一つが、抵当証券を発行していないにもかかわらず、いかにも持っているがごとく仮装いたしましてカラ売りをするという場合、次が、抵当証券はある程度金額は持っておりますが、それを二重にも三重にも売るという場合、もう一つが今委員がおっしゃいました事例でございますが、不動産鑑定士が鑑定に当たって土地の過大評価を行った事例、これが唯一でございますけれども一つあるわけでございます。これらにつきまして、最初の二つは、今回保管機構を設置することで十分に防げるわけでございます。それから三番目の問題は、先ほども国土庁の方から御答弁がございましたように、不動産鑑定協会等々を通じまして、そういう問題が起こらないよう厳しい指導を行っておられるわけでございます。その意味でそういう問題は起こり得ませんし、仮に抵当証券業者と組んで何かやるというような場合には、抵当証券業者そのものを今回の法律でいろいろ、開業に当たっての資格を非常に厳しくしておりますし、行為も規制しておりますし、監督も厳重にやっておりますので、抵当証券業者が鑑定士と組んでそういう過大な評価をやるということも十分防止できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○安倍(基)委員 最初の鑑定の部分で生じた事故が少ないとおっしゃるけれども、実際のところはそういったことがどのくらいあり得るか、まだわからないのですよ。私も、国土庁がそういう通達を出したことは知っています。しかし、投資家保護という意味で銘打って登録制度を打ち出す以上、そこまで一歩踏み込むべきじゃないか。登録の際に登録業者をよく審査するからとおっしゃるけれども、さっきもちょっとどこかのところで、オフィスを持ってやるというのも出してくるかもしれぬ、一応形の上でちゃんとした人間がいると言ってくるかもしれぬ、ココムじゃないけれどもどのくらい詳しく審査できるのか。しかも、どのくらい立入検査をやるのかという問題も絡まるわけですね。 ですから、業者によっては、一応登録するけれども、三年後は再登録を断念して適当にやろうという人も出てくるかもしれない。そうなりますと、最初の抵当証券を発行する段階まできちっと押さえた形でやらなければ本当の意味で、登録させますから、お墨つきでございますから安心ですとみんなに言えないじゃないですか。日本人というのは、どっちかというとお上からのお墨つきを非常に大事にする。登録業者なら安心だと思ってやったところが、一番もとになる抵当証券そのものが実態を反映していない場合も十分あり得るわけです。この点について、大臣どうお考えですか。
○宮澤国務大臣 御指摘は別に間違っておると思いません。不動産鑑定士がもし不正をやったときにはそういうことが起こり得る、それを登記所がチェックすることは事実上できないわけでございますからそういうことは起こり得る、得るという意味では起こり得ますが、さて、そういうことはありながら、今回のようにカラ売りであるとか二重売りであるとかいうことを何とか防止しようという法の上の努力は、それなりに評価されていい。別にもう一つ危険があるから、こっちの方の危険はむしろほっておけばいいとおっしゃったのではありませんけれども、そういうことにはならないだろうと私は思います。
○安倍(基)委員 本来、この登録制度を入れるならば、その中にそういった要素も含んでやらないと片手落ちじゃないか。不動産鑑定士がやるから安心だ、あるいは別に罰せられる、あるいは登録業者はちゃんと審査するからとおっしゃるけれども、法文の中に当然それを含んだ形で、大蔵省の範囲内だけきちっとやるよ、法務省あるいは国土庁の範囲内は知らぬよというのでは、許されないのではないかと私は言っているのです。この点についてどうお考えか、これからどうお考えになられるか、大臣の意見をもう一遍承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 それは結局、第六条に定めるところの登録の拒否、この行政をできるだけわかり得る範囲できちんとやっていくということであろうと思います。
○安倍(基)委員 それでは、登録をした後検査的なことはやるのですか、やらないのですか。
○平澤政府委員 法文にもございますように行政当局に検査権限を認めておりますし、さらに今委員が御指摘のような抵当証券業者が例えば不動産鑑定士と意を通じてそのような行為を行った場合には、十九条に偽計を用いてそういうことをやってはいけないという規定もございますし、もろもろの規定で罰則の適用があるわけでございまして、その問題につきましてはそういうことで法律上も措置をしているわけでございます。
○安倍(基)委員 いずれにいたしましても大臣、この辺はやはり検討事項として考えなくてはいけない問題です。というのは、登録をした以上はみんなが信用する、ところが、その一番基礎になる抵当証券そのものがどうやって発行されるかということについては、この法律は必ずしもきちんと書いてないわけです。登録のとき拒否すればいい、あるいは検査するというだけの話で、一番最初の発行段階、この部分がぴたっと抜けているわけです。これは国土庁が監督する、あるいは法務省がやるといっても、私はマル優のときもお話ししたのですけれども、法案を考える上においていささか拙速に過ぎるのじゃないか。みんなが困るからということでさっとつくる。ところが、そういう大きく抜けたところがある。 そこで私は聞きますけれども、十九条という規定がある、この罰則の関係について各国ではどういう規定になっていますか。
○平澤政府委員 委員御存じのように、各国におきまして制度の仕組みが違っておりますので、日本とずばり同じような制度をとっているところはございません。
○安倍(基)委員 私もきのう、各国の制度を大まかに聞きました。余り詳しい説明を聞いていると時間がないから、英米独仏それぞれどうなっているか、しかもこの場合に罰則関係はどうなっているか、五分以内にそれを教えてください。
○平澤政府委員 まず英仏でございますけれども、このような発達した制度はございません。したがって、一応検討に当たって参考になる制度といたしましては、米国と西ドイツの制度があるわけでございます。米国の制度は、いわゆるモーゲージ・パス・スルー、証書発行という仕組みでございます。それから西独は、抵当債券発行を抵当銀行というところに認めておりまして、その意味では日本と似た仕組みになっております。
○安倍(基)委員 罰則はどうなっていますか。
○平澤政府委員 今、手元に詳しい条文は持っておりませんが、検討に当たって向こうの制度も調べておりますので、後ほどわかる範囲で御答弁申し上げます。
○安倍(基)委員 法務省、わかっていますか。
○田中説明員 お答え申し上げます。 私どもの方も、今大蔵省が答えたのと同じ程度の情報しか持っておりません。
○安倍(基)委員 私は、この法案が拙速に過ぎるという話をしているのは、要するにほかの国の制度をきちっとわかってないじゃないですか。 それじゃお伺いしますけれども抵当証券、ドイツの場合には抵当銀行が出しているのです。その場合には流通を重んじているわけですね、銀行にやらして限定して、そういうことですね。そうすると今回の法改正は、抵当証券法の改正はほとんど行われてないということは、転々流通することは余り考えていないわけですね。将来これをどうするかという問題が必ず起こるわけです。将来、転々流通するような抵当証券に持っていくつもりがあるのかないのか、その辺を含めてお答え願いたいと思います。
○平澤政府委員 抵当証券も含めまして、いわゆる世界的なセキュリタイゼーションの中で債権を証券化するということが起こっておりますので、この問題をどう考えていくかということについては現在金融制度調査会で検討しているわけでございます。したがいまして、将来抵当証券をそのような金融的な——現在の抵当証券は極めて個別性が強いものでございますけれども、そういう個別性をできるだけ薄めた仕組みにすることがいいか悪いか、かつまた、そういう仕組みをどういう金融制度の中で、どういう機関に扱わせるのがいいかということも含めまして、検討していくことになろうかと考えております。
○安倍(基)委員 ドイツの場合に抵当銀行にやらせているということは、それだけ流通性を与える意味で銀行にやらせているわけです。でありますから、抵当証券を認めるという形になれば保管機構も当分変わってこなければいかぬ、もう一遍考え直さなければいかぬ話になるわけですね。でありますから、ともかく今度の法案が、いろいろ出てきた被害者に何とかやらにゃいかぬという面でつくったことは事実でございましょう。ただ、お話しいたしましたように、その前段階としての抵当証券発行の段階がすっぽり抜けておるという点が第一点。 第二点は、これから抵当証券的なものの形でもって流通をもし将来考えるならば、考えるか考えないか、今のところまだ決まってないようでございますけれども、そうなったときにこの保管機構というのはどうなるんだという長期的な考え方がないわけですね。私は今度の法案につきまして、御苦労はわかりますけれども、どうもマル優廃止と同じように、いろいろ言われたらさっとやらにゃいかぬという考えが先に立って、どうもその辺の検討が不十分じゃないのかな。特に投資者保護という面だったら、さっきの抵当証券発行の段階まで一歩踏み入れるべきではないか。また、逆にこれから流通を考えるのであれば、むしろ抵当銀行みたいなところに絞っていく。 アメリカの場合には、抵当銀行ではないけれども抵当金庫みたいなのが何カ所かありまして、それとはまた別にみんなが債券発行しているわけですね。例えば、抵当金庫みたいなところで発行したものは割合と信用されている、ほかのものは信用されていない。あとは、投資者の方がいろいろ選択してやっているということでございまして、日本の国民性というものは、一遍登録とかなんとかというお墨つきをやるとみんなそれを信用してしまうという非常に、逆に言えば甘い点もあるわけです。でありますから、国が関与して何らかの方法をやるときには相当きちっとしてやっていかないと、とんだことになるということでございます。この点、私は皆さんの御苦労もわからぬではないけれども、そういう長い目で見たビジョンがあってこれをやったのか、その辺を大臣、お聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 おっしゃっていらっしゃいますことは、最初から一つのポイントであると私は伺っております。 そこで、先ほどから申し上げておりますように、登録をするときに登録を拒否をすることができる、そこでその後のフォローアップはどうかとおっしゃっておられましたが、二十二条でございますが、今度は抵当証券業者に対して業務もしくは財産に関して資料の提出を命じ云々、立ち入り検査ができる、こういうことでできるだけのフォローアップをしよう、ここのところまではできておるわけでございます。それでも最初にその債券が発生するときの事由については十分にこれ、確認ができないだろうと言われますことは、私はその点は問題が残っておる。安倍委員の言われますように、これが転々流通する有価証券になり得るかどうかということは、恐らくはもとへ返ってその発生のときにちゃんと信頼ができるかどうかということとも、私は関連をしていくに違いないと思う。そうでありませんと、転々流通すれば極めて危険だということになりますから、そういう問題は全体として一つ残っておる。 こういうものをどうするかということは今審議会で検討しておるのでございますが、やはりそういうことになるとすれば、発生のもとのところをどうやって正すかということにぶち当たらざるを得ない問題であろうと思います。他方で、しかし現実にこういうことか一兆円を上回って起こっておりますから、今後そういうことについての、その防ぎ得る部分の間違いを防いでおきたいというのがこのたびの立法の趣旨であって、もとのところに触れておらないということは確かに私は御指摘のとおりであろうと思います。
○安倍(基)委員 もちろん、転々流通する状況になるためにはそれこそもとから全部きれいにして、しかも相当業者を限定して、抵当銀行なりアメリカにおける抵当金庫ですか、そういうぐあいにしていかなければいけないと思います。その段階までには至らない状況であるわけですけれども、少なくとも転々流通しなくても投資者の保護という面においては、まず第一のもとからやるということは少なくとも今度の立法において考えるべきであったのではないか。その辺が、恐らく国土庁あるいは法務省と大蔵との間で、大蔵は大蔵としてちゃんとやる、あとはおまえのところでやってくれということになったのではないかと思いますけれども、ただ、しかし、投資者にとっては、大蔵の分はきちっとしていてももとの部分がちきっとしていなかったら信用できないわけですから、私は、この法律の非常に大きな問題点はそこにまず第一点がある。 第二点が、こうやって将来、では転々流通するいわば抵当証券的なものを頭の中に入れているのかどうか。さっきの金融制度調査会で今検討中という話もありましたけれども、その辺については前向きな話になるんですか、それともそれは相当先の話と考えているのか、あるいはその必要はないと考えているのか、その点はいかがですか。
○平澤政府委員 現在、残高がございます一兆円を上回る抵当証券は、抵当証券法に基づいて発行されているわけでございますが、これは極めて個別性の強い、お金を貸している人と借り手及びその借り手の所有する不動産、これが非常に結びつきが強い仕組みになっております。したがって、この仕組みを前提に極めて金融的な仕組みを考えるには、いろいろ問題が出てくるわけでございます。したがいまして、諸外国の場合はその個別性をどのように切るかという点で制度をいろいろ考えておりまして、日本で言う金融債に極めて類似した仕組みになっておりまして、金融債に担保権がついているというような仕組みになってきております。したがって、それではそういうものを日本に導入するのがいいのか悪いのかという点については、現在の長信銀行法の仕組みとどういう関係になるかという問題もあるわけでございまして、そのようないろいろな角度から検討を進めていくべきものと考えられるわけでございます。
○安倍(基)委員 ということは、まだこれから検討するのであって、どちらへ向かうかはわからないというぐあいに理解していいですか。
○平澤政府委員 例えば抵当証券が現在のごとく個別性が薄れたものといたしましては、例えば工場財団等を抵当権としてどうしていくかとか、いろいろその個別性をより一般性、普遍性に変えていく仕組み、これは将来の金融の流れの中でやはり大きな検討課題として考えていくべきものと思っておりますが、具体的にそれではどういう仕組みがいいのかという点については、今後の調査会の検討にゆだねていきたいということでございます。
○安倍(基)委員 基本的な問題はそれなんですね。あれからいろいろ勉強しましたら、六月十二日、十六日に、朝日には賛成論、それから日経には「抵当証券業法への疑問」と称しまして反対論が出ているのです。日経といえば一応信用のあるものですけれども、そこで、本当は、反対論、賛成論それぞれ参考人を呼んで本来聞くべき問題であると私は思うのです。しかし、これはいろいろな事情もございましょうから、今ここで私が蒸し返してもちょっと問題かもしれないが、私は、委員長としてもこの問題について非常に軽率であったと思います。半日ぐらいでこの話を結論を出そうというのは、余りにも重大な問題です。今さら理事会で決めたことを私はあえて言わないけれども。 そこで、ここに書いてあるのは、反対論の中に「こうした提案にはうなずけない点がある。」これはむしろ銀行でやらせてもいいじゃないかという議論も出ているわけです。既に銀行でやらせているのが随分ある。これは、第三者の方がいい、別につくるのがいいという議論もあろうけれども、銀行でやらせる、既にやらせている。「したがって必要なら第三者機関を設立せずとも、同じことが可能ではないか。」という議論がございますけれども、これについてはどう考えますか。
○平澤政府委員 銀行に全部やらせるという考え方もあるかと思いますが、既に抵当証券会社というものが百近くございまして、大きいものは千億単位の仕事をやっているわけでございまして、これがいかに適正に抵当証券業務を行うかということが今非常に重要な問題であるわけです。したがいまして、銀行に扱わせる問題も含めまして、そういう問題はやはり制度の問題として今後検討していくべきものと考えているわけでございます。
○安倍(基)委員 ということは、銀行にもやらせましょうかということですか。今度の保管機構は違うわけですね。将来、銀行にもやらせましょうかという質問が第一点。銀行にやらせるとどういう弊害が起こりますかということが第二点。いかがでございますか。
○平澤政府委員 銀行にやらせるかどうかにつきましては、現段階でその問題については答えを出しておりません。銀行にやらせる問題は、先ほど来申し上げておりますように、制度の問題と非常に絡んでくるわけでございます。その問題全体を現在金融制度調査会で検討中でございますので、そういう中でこの問題をどう位置づけていくかということも、一つの検討課題になり得ると考えております。
○安倍(基)委員 第二の質問の、銀行にやらせるとどういう弊害が起こるかについてはどうですか。
○平澤政府委員 弊害という意味がよくのみ込めませんが、現在の法案に書かれております抵当証券業を銀行が行うといたしますと、銀行も銀行法その他で行政の監督を十分受けておりますので、信用力においては十分あるというふうに考えておるわけでございます。
○安倍(基)委員 大臣、今お留守中に話が出たのですけれども、ちょうど例の答申が出たころに朝日、日経が、それぞれ賛成論、反対論を述べているわけです。日経が反対論を出しているわけです。その反対論の一つの中に、銀行に原券を保管してもらってやっているのも随分あるし、それでもいいじゃないか、特に第三者機関をつくる必要はないじゃないかという議論もあるのです。それに対して事務方の答弁は、銀行の業際というといろいろ範囲があるのでなかなか踏み切れないのだけれども、将来はそういったことも可能ではないかというようなニュアンスの答弁がございました。私は、何も銀行にやらせろと言っているわけではないけれども、銀行でもいいじゃないかという反対論、簡単に申しますならば、将来抵当証券的な転々流通的なものを考えれば、むしろいわば中間段階としてこういうことも考えられるわけですね。でございますから、銀行でいいじゃないかという議論と、それからいわば銀行には将来やらせるつもりなのか、その二点、いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 物の考え方としまして、例えば西ドイツなどではそういうハイポセックパンクというものがあって、やはりそういうことをやっているということがあるように承知をしておりますけれども、我が国の場合、抵当証券というものを、そういうものまでいわばかっちりしたものとして育てていくかどうかという問題が金融制度調査会の問題に一つございますし、もう一つは、御承知のように銀行間でどういう種類の銀行にどういう機能を与えるかという金融制度の問題がありますものですから、その辺のところ、ただいま明確にどういう方向ということにお答えをすることが事実上難しい、明確でないということと考えております。
○安倍(基)委員 だから、被害者救済という面でこういうのをつくるのも悪いことではないけれども、つくる以上は、さっき言いました最初の段階を締めなさいよ。二番目に、これからどういう方へ持っていくのかという一つの見通しもなくて、ただ出てきた非難を早くとめましょうというのはいささか問題ではないかな。これからいわば抵当証券的な土地担保のこういう証券を将来どう扱うんだ、私がここで言いましたのは、今回の改正が中途半端ではないか。第一は、そういう発行の段階のもとが締められていない。二番目は、抵当証券法の改正というのは全然されてなくて、それはそのままにしておいて、まあまあともかくみんなの非難をとめましょう——抵当証券を将来どう持っていくんだ、抵当証券をどう考えるのかということをきちっと考えた上で問題を処理すべきではなかったかな。いわばマル優制度と同じように、もっと資産所得についての全体のビジョンを持って、その中で考えるという点においても欠けているのじゃないかなということを私は考えるのですね。 この点、もう時間もございませんから、最後に、これからどういうぐあいにこういう欠点を補っていくのか、特に最初の発行段階のあり方、どういうぐあいに考えていくのか、補っていくのかということを含めまして、大臣の御答弁を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 前段の点につきましては、先ほど申し上げましたように、安倍委員の言われるところは、確かにそこまで今回の法律が考えていない、そこまでカバーしていないということは明らかでございます。 抵当証券法そのものをどうするかということは、また別に法務省でいろいろお考えであるかもしれませんけれども、今回は証券業そのものを対象にしてこの法律を書いたということでございます。全体の問題そのものは、確かに将来に向かっていろいろな問題を残しているということは御指摘のとおりでありますが、それらをどういう方向で今後検討すべきかということは、なお金融制度調査会等々の審議、御議論も待ちながら決めてまいりたいと考えております。
○安倍(基)委員 時間もございませんから終わりますけれども、そういう基本問題を踏まえた上でこの法案を考えていただきたかったと思います。 時間がないですから終わります。
○池田委員長 矢島恒夫君。
○矢島委員 私、まず最初に、この法案がどうしてこんなに遅くなったかという点、といいますのは、既にこの問題がいろいろと新聞紙上に載ってまいりましたのは昭和五十七年とか五十八年の時点でもう既にあったわけで、私はここに六十年、一昨年の五月の新聞を持っているわけですけれども、その新聞にも「抵当証券が個人投資家の人気を呼んでいる。」「これを売る抵当証券会社も急速に増えていて六十社を超えている。なかには信用度で首をかしげるようなところもあり、いずれ一般投資家を巻き込んだ倒産騒ぎが起こるおそれもある。」ところが、こういう問題についてこの新聞では、大蔵省に抵当証券業懇話会からもいろいろと働きかけがあった、しかし、「大蔵省の立法についての反応は、いまのところ慎重だ。倒産などの具体的事例もないし、金融全体の流れが規制緩和と投資家を含めた自己責任原則を強める方向になっていることもあるようだ。」こういうような論評をしております。そういう中で昨年の暮れ、いろいろと事件が起こりました。 第一抵当証券の被害者の問題では、やはり昨年の新聞の中で、その後被害者の会というのをつくって、いろいろと新聞記者が質問をしているわけですけれども、「なぜこのような抵当証券に飛びついたのか」という質問があるわけです、ある被害者は、マル優廃止の動きの中で老後の備えのためだ、こういう答えを言っている人もいる。先ほど大臣も、これから三年間、もう既にモーゲージ証書を売ってしまった、しかし、これから抵当証券業者として続けないか、あるいは続けられない、こういう事態が業者に起きたときにはこれからも問題がある、こういう御答弁もありましたけれども、要するにそういう事態をつくったのは——もう少し早くこれに対処すべきだったのではないか。この第一抵当証券の被害者の方々と一緒にやっている弁護士さんが、「最後まで悪質業者を暴走させる前に、ブームになった時期などに国は何らかの手を打つべきだった」という御意見も言われているわけなんですが、なぜこのような事態になったかということをさかのぼっても仕方がないと一方では言っても、その責任の所在とか状況というものをまず確かめて質問に入りたいので、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○平澤政府委員 今委員がおっしゃいましたように、抵当証券につきましての業務が始まってまいりましたのは五十七年でございまして、その後伸びはかなり急速でございましたが、いろいろ問題が顕在化してまいりましたのが、昨年に入ってからいろいろ出てきたわけでございます。 この抵当証券は、これも御存じのように、抵当証券法に基づいて発行される有価証券でございまして、その法律で定める要件と手続に従えばだれでも登記所からその交付を受け、またその譲渡、販売を行い得るという仕組みになっております。これは昭和六年にできたわけでございます。したがって、その限りで行われておれば問題なかったわけでございますけれども、実際上はここ二年くらいの間、これを分けまして、おっしゃるようにいろいろな方面に売るということから、しかも悪質な業者がその中に入ってきたということから問題が顕在化してきたわけでございます。 法律的には、これまでは大蔵省は、抵当証券そのものを監督指導を行う法制上の仕組みになっておりません。しかし、この問題は非常に貸し金業者に絡んでくる問題でもあるわけでございますし、それからある意味では金融的な側面もあるわけでございます。したがって、大蔵省としても、この問題については被害者が出ないように何らかの制度的な仕組みを考えていく必要があるということを強く意識いたしまして、昨年急遽抵当証券研究会を法務省とつくりまして、そこでいろいろな角度から、これは先ほど来議論がございましたように非常に法律上難しい問題がございますので、検討しました結果、本日御審議いただいておる法案としてまとまったわけでございます。ここに至ります過程においておしかりを受けるように、遅かったとかいろいろ御批判はあろうかと思いますけれども、我々としてはこの問題については真剣に取り組んできたつもりでございます。
○矢島委員 真剣に取り組んできたというわけですが、もう一つ、大変対応が遅かったという点と同時に、いろいろ言われましたけれども、先ほど出ました抵当証券研究会、この報告書は六月十一日に提出されておると思うのですね。「金融財政事情」という雑誌の一部にこういうのが出ています。「なお、大蔵、法務両省は、今回の報告書を受けて、抵当証券業法の立法作業に入り、今夏にも開かれる予定の臨時国会にこれは六月八日の時点です。「「抵当証券業の規制等に関する法律案」として提出する予定だ。」こういう報道もなされております。ところが、どうしてこんなに国会の会期末ぎりぎりになってこれを出してきたか。同時に、勘ぐれば、マル優廃止の法案が衆議院を通過した、やれ一安心というのでこれを出してきたというようにも言えないことはないというような事態で、もっと早い時点で、この状況から言えば六月十一日の時点では既に出されているという状況の中で、なぜこの国会のこういう押し迫った事態で提案したのか、大蔵大臣、これはいかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 これは主として法務、大蔵両省の間で非常に難しい問題でございますので検討しておりまして、結局検討に時間がかかりまして、それを法制局で法文化をしてもらった、実は単純にそれだけ時間がかかったのでございます。私が判断しましたのは、この遅い時期になお国会にお願いをして御審議すべきか、あるいは次の国会まで待つべきか、むしろそちらの方を私は判断せざるを得ませんで、事態がこういうことになっておりますのでできますればこの国会で御審議を仰ぎたい、こう思いまして、遅くなりましたことは申しわけないと思っておりますが、それは実は事務の運びがどうしてもそこまでかかったということでございます。
○矢島委員 とにもかくにもこの時点で出しているということは、国会がこういうふうに延長されましたけれども、もし延長がなかったら先ほど大蔵大臣言われたように、またまた先送りになってしまうという事態になったわけです。私は、先ほど新聞の世論調査の状況などを見たわけですが、やはり昨年の十二月の時点で、このマル優廃止が心配だとか老後に備えて少しでも有利なものへということがこういうモーゲージ証書を買うような事態になったんだ、こういうふうに話している人も五〇%くらいいるわけです。ですから、マル優廃止法案などよりも、こういう法案をできるだけ早く整備して出してもらいたかったということを申し上げておきます。 警察庁の方いらっしゃると思いますのでちょっとお聞きしたいのですが、先ほどの質問で既に悪質業者の摘発状況というのはお聞きしましたので、この部分は答弁を省略していただいて結構ですが、警察庁がつかんでいる問題業者といいますか、いわゆる調査対象は今何社ぐらいあるか、ちょっと教えてください。
○五十嵐説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたが、昭和六十年以降一部悪質業者がこの業界に参入いたしまして、昨年の夏のピーク時には、警察で把握しておった悪質業者は全国で五十数社に達しております。その後警察の方でも重点的に取り締まりをいたしまして、先ほど申し上げましたように立件検挙しておるわけでありますが、現時点では、昨年のピーク時に五十数社あった悪質業者のうち摘発した六社を初めといたしましてもう大半が倒産あるいは休業中という状況で、一応これらの悪質業者を封じ込めることができたというふうに認識しております。
○矢島委員 大半が既に倒産したり休業したりというような状況で、一つの山を越したというような状況を御答弁されたと思いますけれども、私ここに「抵当証券商法をめぐる相談事例と取締り状況」、警察庁保安部生活経済課の小森さんが書かれているものなんですけれども、この中にこういう文章があるわけです。これは今の御答弁と同じように「警察が把握している抵当証券取扱会社は約一三〇社あるが、」途中ちょっと飛ばしますけれども、「一部については銀行等が母体となったそれなりにしっかりした会社もあるようだが、残りの五〇余社は会社の安全性という点で目いっぱい好意的に評価しても「きわめて頼りない存在である」といわざるをえない。このなかには登記だけで営業実態がまったくないものも含まれている。 問題なのはそういった会社が現に消費者に」これは購入者かもしれませんが、「消費者にモーゲージ証書を交代しているということである。」こういう文章が載っております。つまり、先ほどのこれからの登録が行われて登録がきちんと行われた業者については、それなりの網がかかっていくと思うのですが、登録をしないあるいは登録できない、こういう業者が既にモーゲージ証書を売っている状況にもこれから問題がある、いろいろと御答弁あったわけです。そういう問題のある業者、あるいは懇話会に入ってない、先ほど銀行局長の三十社くらいあるのではないかという御答弁もありましたが、こういうものを徹底的に調査し、そしてこれを追跡し摘発すべきものは摘発すべきだ、こう思うのですけれども、もう山を越えたからそろそろ大丈夫だというような御意見なんでしょうか、そこをちょっとお聞かせください。
○五十嵐説明員 悪質な抵当証券業者につきまして六事件を検挙したということで、今若干の数の抵当証券業者が残っているということを申しましたが、ピーク時には、昨年の十月から十二月にかけて三カ月で九百十四件、これだけの苦情が警察なり消費者センターなり国民センターに合計で寄せられていたわけですが、ことしになりまして、四月以降七月までですが、十二件ということで、若干悪質な抵当証券業者は残ってはいるのですが、苦情等についてはほとんどないというような状況になっております。しかし、ほっておきますとまたいつ再燃するかわかりませんので、今回の法案の趣旨もその辺にあろうかと思います。また、警察の方としても、引き続き手を緩めないで監視なり取り締まりをしてまいりたいと考えております。
○矢島委員 まだ十二件、いろいろと苦情や相談が寄せられているわけですから、なくなったわけではないので、ひとつ今の御答弁にあるような方向で、ぜひ厳正に対処していただきたいと思うのです。 埋もれてしまっている被害者といいますか、なかなか表に出てこない、つまりいろいろなことで被害は受けたのだけれども名前を世間に出したくないとか、そういう形で埋もれている被害者もあるというようなことを聞いておりますし、同時にまた恐縮ですけれども、これは警察庁保安部の生活経済課長の上野さんがこういうことも言っていらっしゃる。例えば「いま、まさに一千万円の知恵のない人が一千万円の金を持っていて、経済犯罪に巻き込まれている。」これは「時局インタビュー」に答えて言われたことですが、「騙された人達というのは、もともと社会性がうといといいますか、常識が欠けている面があることは事実なんですが、いまの世の中で、まだ八%、一〇%などという金利が平気であると思っている人が、いっぱいいるわけですね。」これは非常に問題ある発言だと思いまして、私これを今ここで取り上げたわけなんですが、こういうような観点で調査してもらったのでは本当に困る。これは、やはりだまされた人が悪いんだという観点は根本的に間違っているのではないかという点を指摘して、先ほどの御答弁にありましたように、この悪質業者に対しては厳格に対処していただきたい、重ねて言いまして、次の質問に入りたいと思います。 次は、法案の中身についてですけれども、法案を見ますと、大変あちらこちらに政令だとか省令で決めていく、ちょっと数えてみましても二十数カ所そういう部分があると思うのです。その中でも、特に法規制の根幹にかかわる点の一つである第六条の登録の拒否の項です。その第二号のところに、「資本又は出資の額が抵当証券の購入者を保護するため必要かつ適当と認められる金額」これは政令で定めるということになっているわけですけれども、この額というのは大体どれぐらいを考えていらっしゃるのか、ちょっとお聞きしたい。
○平澤政府委員 この問題につきましては、購入者の保護を図る観点からいえば、資本金が多々ますますあればあるほどいいわけでございます。それだけ資金力があるし信用もあるということでございます。しかし、そうはいいましても、非常に巨額の金額を要件とするというのも現実的ではないわけでございまして、したがってこれにつきましては、やはり一定の常識的に適切と考えられる金額がおのずから出てくるものと考えているわけでございます。それとともに、現在抵当証券業者が約百社前後あるわけでございますが、大部分がきちっとした業者であるわけでございまして、こういう業者が登録して継続的に事業を行っていくということを確保することもまた重要な問題であるわけでございますので、それらの抵当証券業者の現在の資本金の額、あるいはこの法案が施行の時期までにその金額がどの程度になり得るかというような点等々を考えまして、一定の額を決めたいということでございます。具体的に現在何億円とか何千万円とか、そういう金額を持っているわけではございません。
○矢島委員 購入者保護の立場からいえば、こういう点はぜひ明確にしてこの審議の中で検討させていただきたいと思うのですが、今どうしても明確にできないということならば、これは確認でございますけれども、今銀行局長答弁されたように、いわゆる資本力のない業者が入ってきて購入者に被害を及ぼすということは、そんなことは絶対にないというような点で確認してよろしいでしょうか。
○平澤政府委員 先ほど申し上げましたように、そういう要請も十分頭に置きながら、答えを出していきたいと考えております。
○矢島委員 何といいましても資本力がないということは、実際に何か事件が起きたときに購入者が被害をこうむるわけですから、悪質業者を出さないためにも、また購入者に被害が及んだときにその救済という面からも、十分に検討をしてひとつ決めていただきたいという点を申し上げて、次の質問に入りたいと思います。 次は、裏書の問題で幾つかお聞きしたいのです。 日本弁護士連合会がことしの二月に、「抵当証券取引の被害の実態と法的規制についての意見書」というのを出されておりますが、その中にこういう文章があるわけです。「抵当証券法では抵当証券の権利の譲渡は記名式裏書によってなされると規定されているが、抵当証券会社は抵当証券の裏書をせず、あるいは被裏書人欄を白地とした白地式裏書のままであるのが通常である。」これでは「破産債権者の地位しか認められない結果になり、白地式裏書の状態を改め記名式裏書にするか、購入者の権利を確実に確保する制度が必要である。」この文章からすれば、やはり記名式裏書ということを言っているのだと思いますが、この点についてはどういうふうなお考えですか。
○平澤政府委員 抵当証券の譲渡の仕方につきましては、法務省の所管の問題でございますけれども、抵当証券研究会におきましてもこの問題がいろいろな角度から議論されておりますので、それを御紹介いたしますと、報告書におきましては、「今後、購入者保護を一層確かなものとするためには、」「記名式裏書による処理を行うことが適当である。」というふうに述べられておるわけでございます。 したがいまして、現在、業界内におきましても、記名式裏書を行うよう業務方法の改善が現に検討されていると聞いておりますので、行政当局といたしましてもその方向で指導してまいりたいと考えております。
○矢島委員 ぜひ、その辺についてはさらに研究を進められて、そういう方向を出していただきたい、こう思います。 その次の質問に移らせていただきます。 法律扶助制度について法務省の方にお伺いするわけですけれども、何といいましても今度の抵当証券の問題では、この「目的」にありますとおり「購入者の保護を図る」ということが第一だろうと思うのです。同時に、先ほど警察庁の方にも質問いたしましたけれども、いわゆる悪徳業者に対する厳重な態度での調査や摘発ということも必要だ。もう一つは、実際にその被害に遭われた方が、資力が乏しいためにどうしても泣き寝入りするようなことがあってはならないし、それを救済していかなければならないと思うのです。 この三つ目の問題で実は法務省にお聞きしたいのですけれども、法律扶助協会が、現在サラ金や悪徳商法の急増の中で被害者からの訴訟費用の借り入れ申請というものがどんどんウナギ登りになっている、そういう意味では財政的にピンチを迎えているということでございますが、国民がひとしく裁判を受ける権利を保障するのは国の責務だと思うのですね。しかも、この法律扶助事業の資金は主に寄付金だとかあるいは借入金ですか、民間の資金に頼っている部分というのが大部分である。国庫補助につきましても、十数年間ですか、ずっと据え置かれたままだというような事態にあるとも言われております。日弁連や法律扶助協会も、国庫補助の増額を非常に要望していらっしゃる。大臣のところにも恐らく届いていると思うのですが、六十二年、ことしの八月に財団法人法律扶助協会の会長名で、「国庫補助金の交付額は昭和五十八年以来七千二百万円に据置かれております。このため、当会の事業運営は困難を極め法律扶助事件の増加した昭和六十一年度には七千四百万円の資金不足を生じております。そこで当会は、援助を求める国民に応えるためこれは来年度予算の要望ですが、二億四千万円を要望したい、このためにぜひ力を尽くしてもらいたいというような要望書が参っております。 そういう意味からも、一つには国庫補助の増額に対してどうお考えかもう一つは、日弁連や法律扶助協会なども言っておりますが、法律扶助法を制定すべきだという主張があるわけなんですけれども、これに対して法務省ではどのようにお考えか、御答弁いただきたい。
○島野説明員 御説明いたします。 ただいまの国庫補助金の予算を増額すべきではないかという御質問ですが、貧困者に対する訴訟援助というのは極めて重要なことであると承知しております。現在、先生がお話しになりましたように、このことは法律扶助協会に対する補助金の交付という形で実施しております。 現下の財政事情のもとにおきましては、補助金の一割カットという閣議了解等もありまして、例年法務省は省内等で努力を続けまして、また、大蔵省との関係においても最大限の努力を払いまして、前年度同額というのを確保している次第でございます。法律扶助事業の重要性にかんがみまして、真に扶助を必要とする者が救済されない事態が生じないよう、今後ともこの制度の安定、充実に努力する所存でございます。 御質問の抵当証券の被害者に対する訴訟扶助をするかしないかという問題は、法律扶助協会が自主的に決定することでありますので、その判断にゆだねたいと思っております。 それから、法律扶助法という法律を新しく制定することについてでございますけれども、法律扶助協会が昭和二十七年に発足しまして、当時は自己資金で運用されておりまして、昭和三十三年から国庫補助金交付、その額については今お話しのあったとおりでございますけれども、既に十六億を超える国庫補助が交付されております。この制度によりまして相当の成果を上げてきておりますので、法務省といたしましては、既にこのようなやり方は定着していると考えております。この方式によって今後とも法律扶助制度を充実、発展させていきたい、そのように考えております。 以上でございます。
○矢島委員 一%カットの問題など出されまして、国庫補助の問題あるいは法律扶助法制定の問題、どうも余りすっきりしませんけれども、そこで大蔵大臣、先ほど法務省の方も言われたように、この制度が大変重要な役割を果たしている。国庫補助に相当期待をしている。資力の乏しい被害者救済のために大蔵大臣も一肌脱いでもらうという意味から、国庫補助をこの法律扶助協会へ増額をひとつ検討していただきたいと思うのですが、この辺はいかがでしょう。
○斉藤(次)政府委員 従来から私どもとしては、厳しい国家財政状況の中で法務省とよく相談をしながら、精いっぱいの配慮をしてきたつもりでございますけれども、六十三年度の扶助事業に対する国庫補助につきましては、これから所管官庁である法務省と予算編成過程でよく相談をして、適正に決めてまいりたいというぐあいに考えております。
○矢島委員 時間がなくなってしまいましたが、国土庁の方にずっと待っていただきました。実は、既に不動産鑑定士の問題については質問が出されておりまして、ただ、お待ちいただいたので一言だけお答えをいただきたいのですが、岡山市内で起きました例の実勢価格の三倍の問題、あるいは鎌倉市ではアジサイ寺の問題などもいろいろありましたけれども、いずれにいたしましてもこの抵当証券の対象物件の評価が一人の不動産鑑定士によって行われる、これに依頼する形、これは私は一抹の不安を抱かざるを得ないのです。しかし、今まで国土庁の方の答弁をお聞きいたしますと、相当のいろいろな手だてを尽くしていらっしゃるということです。そこで、この法案が成立後に、抵当証券にかかわる不動産の担保適格性あるいは鑑定評価ということで問題を生じない、こういうふうに考えて大丈夫かどうか、この辺についてひとつ。
○森説明員 お答えします。 これまで私どもが講じました措置については先ほどの御質問にお答えしたところでございますが、今後におきましても実は不動産鑑定協会では、既にこの秋のシンポジウムでも担保評価の問題を取り上げようとか、いろいろ会員の啓蒙を図ってまいりたいと計画しているところでございますので、こういったことの起こらないように我々も指導を徹底してまいりたいと考えております。
○矢島委員 どうもその辺が私たちも非常に懸念するところですが、ぜひひとつ、納得のいくような方向で研究をしていただきたいと思います。 時間が参りました。この法律が厳正に運用されること、また、被害者を今後とも生じないようなことを願うと同時に、被害者の救済という問題、あるいは悪徳業者に対して厳正な態度で警察庁も臨んでもらうし、法務省もやってもらうということを要求いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○池田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○池田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 抵当証券業の規制等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○池田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○池田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五分散会 ————◇—————