大蔵委員会 第6号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1987/08/25
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案 を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉置一弥君。
○玉置委員 大蔵大臣には、参議院の大蔵委員会に続き大変御苦労さまでございます。 今回の所得税法案は、所得税そのものの問題点というのもあるわけでございますけれども、一つには国会のいろいろな約束事項を無視して出てきたという問題点がありまして、この前にも同僚議員がお聞きになりましたけれども、私たちは政府の国会に対する姿勢に大変な不信を持っているものでございます。それと同時に、先般の売上税問題は、日本の国民の税に対する意識あるいは国会審議のあり方、いろいろな面でその問題点を浮き彫りにし、また課題を提供してきたというふうに思うわけでございまして、まず冒頭に当たりまして、税に対する意識あるいは国会の中のいわゆるルール、この辺について大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。 さきにも申し上げましたように、今回の前、所得税改正が通常国会の段階に出されまして、このときに売上税法案が同時にその穴埋めとして出されてきたという経過がございます。我々も五月十二日以降、特に税制協議会等の取り組みがございまして、衆議院の中で与野党の税制論議を進めてまいりました。それを見ても、十二回という経過を経ながら結論に至らなかった、こういうことでございます。そういうところから見て、やはり税制に対する政府・与党並びに野党それぞれの思惑もあり、あるいは意識の違いというものがありということで、幾ら論議してもなかなか意見の一致を見ないのではないか、私どもちょっとそういう心配をいたしておりますし、私自身が税制協議会のメンバーとして二回出させていただきました。そのときに、これは当分の間折り合いはつかないなと私自身が感じたわけでございます。そういう面では、やはりもっといろいろな分野で税制の論議というものが行われていかなければ、日本のこれからの新しい税制というものは生まれてこないという気がいたしますので、一つ一つ要点を絞って大臣の御意見を伺いたいと思います。 まず一つ、先国会で売上税が廃案に追い込まれました。これを我々としても大いに反省し、また逆に言えば、政府・与党に反省を促すということでありますけれども、先国会における売上税廃案をどういうふうに分析され、またどういうふうなこれからの対応をしていくのか、この辺についてお伺いをしたい。これは売上税をどうしていくという話ではなくて、売上税が廃案になった事態を受けとめられまして、国民の税意識でありますとか、あるいは国会運営のあり方、あるいは税制改正のあり方、こういうものを含めてどういうふうにお考えになっているか、この辺をお聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 前国会で売上税法案が廃案となりましたことにつきまして、政府といたしましていろいろな反省をいたしておりますが、やはり政府としての意思決定がおくれまして国会提出との時間が非常に少のうございましたので、国民各位にこの税がどういうものであるかということを十分に理解をしていただく、そういう時間が大変に少なかった。政府の努力をいたします時間が大変に少なかったばかりでなく、いろいろな理由からこれについては一つの先入観、拒否反応のようなものが国民の側に生まれてしまいましたので、その後になりましていろいろ説明をしようといたしましても、なかなかそれに耳を傾けるというような世論にならなかったということが基本であったと思います。この点については、今後の問題として十分に反省をいたしております。 それから次に、これらの問題は一括して衆議院議長のごあっせんによりまして、税制改革協議会の御検討の対象になったわけでございますが、政府といたしまして、やはりシャウプ勧告以来の新しい税体系をつくりたい。殊に所得税、法人税は、企業意欲とか勤労意欲とか諸外国との比較とかいろいろな問題がございまして、殊に所得税については重税感といったようなものもございますから、何とかこれは大改正を行いたいと考えておりますにつきましては、このような財政状態のもとにその財源をどうするかという問題は問題として残っておりますことは、ぜひ税制改革協議会でも御理解を得たい。また、議長が税制改革協議会をつくられるあっせんの中に、直間比率の云々ということについて述べられました点につきましても、税制改革協議会においてひとつ御検討をいただきたいというふうに考えております。 他方で、売上税は廃案となりまして、国民の側においてその点は恐らくは、問題がとにかく一応終息したというふうに考えておられることと存じますけれども、その後の問題として、とは申してもやはり今後所得税、法人税等の減税をする、あるいはシャウプ勧告以来の大税制改革を行うというときに、この間の売上税はこれはもう済んだことといたしまして、何かしかしやはり問題があるのかもしれないといったような意識は、国民に持っていただいたであろうと思います。その点は、いわば過ぎ去った時間を回顧して申しますならば、そのような問題があることを国民に知っていただいた、そのような意味合いにおいて無意味ではなかったであろうといったようなことを考えておりまして、ただいまといたしましては、税制改革協議会がそのような国民に芽生えつつあります問題意識をも踏まえまして今後の恒久的な税制について御検討を、またできますならば結論を出していただくことを政府としては期待をいたしておるところでございます。
○玉置委員 今の大臣のお話の中で、一つは検討の期間の問題がございました。この間本会議で中曽根総理が、売上税に関しても実際は六十年の十二月ですね、六十年の十二月からいわゆる政府税調がそういう基本問題を打ち出しまして、約二年がかりで出してきた、こういうふうな感じでございます。十分時間をかけたというのが、この間本会議の答弁の中でございました。それからもう一つは、やり方といいますか国民に対するアピールですね、それがまずくて共感を得られなかった、今もおっしゃいましたけれども。 私はそうじゃなくて、逆に、例えば政府税調が一番最初に話を打ち出したのが五十九年でございますが、五十九年の十二月、それから六十年と二回出されています。そういう流れを見てみますと、いわゆる政府税調というのは政府の諮問機関でございますから国民全体に問いかけたわけではない、こういうことが逆に、政府部内では確かに検討されておりましたけれども、国民全般を相手にして検討を始めたということではないので、むしろ国民に出されたのは昨年の十二月ということですね。いわゆる六十二年度予算の決定を見たときに、そのときの財源として売上税を充当する、これが初めて売上税というものが表に出てきた、そういう時期であったかと思います。そういう意味では、国民にしてはまさに寝耳に水でございましたし、またその前に、衆参ダブル選挙においては大型間接税導入をしない、こういうことでやってきた、このいわゆる公約違反に対する批判というものが国民の側にあったと思います。 同じく今回の所得税問題につきましては、所得税減税をやりましょうという公約をした。それからサミットにおかれても、日本ではこういうことをやるんだということを公言されてきた。そして五月の十二日、そして七月の二日というふうに、所得税減税については一応確認をしながら、なお売上税関連の法案については次の臨時国会に提出をしない、こういう約束をされて出されてきた。こういう今までの経過を見てまいりますと、どうも売上税が出てきてなぜ廃案にされたかということがまだまだ十分理解をされていない、こういうふうに感じるわけでございます。 ただ私自身も、今回の所得減税の問題、これは先行きどういうふうな扱いを受けるかという心配をいたしております。後で申し上げますけれども、一つは、さきの通常国会にございました増減税同額、これがまだ生きているかどうか、これをまず確認をしなければいけない。それから、いわゆる減税額を決めていくのは面積であるのかレベルであるのか、こういう確認もしておかなければいけない、こういうふうに思うわけです。 いろんな税制上の問題がありますけれども、大変政治のルールといいますか議会での約束が守れなくてこれが当たり前になってきている、こういう今の風潮ですね。これが我々の特に国の最高機関と言われております国会の場において、相手を信用できないで何が審議ができるか、こういう気持ちもございますので、ぜひそういう面でもう一回売上税の問題を振り返っていただきたいと申し上げたいと思います。 それから、今質問をちょっとやりかけましたけれども、例えば六十二年度減税を今この所得税減税の中で論議をいたしておりますけれども、一つの大きな流れとして増減税同額というものが、今でも大蔵省のというよりも政府当局としての柱の中に生きているのかどうか、この辺を確認したいと思います。
○宮澤国務大臣 売上税の問題につきましては、確かに政府税調では長いこと検討が行われたということはそうでございますけれども、その最終段階においていわば三つのタイプがあってその中からどれを選ぶか、そこまでいきませんと議論は実際本格化いたさないわけでございますから、事実に徴していいますとその決断をいたしましたのは十二月でございますので、おっしゃいますように国民の側から見れば、具体的な問題として提起されたのはその時点であるということは、私は事実に徴して玉置委員の言われるとおりだと思いますので、そうなりますと、いかにも国民にわかっていただく時間が少なかったということはやはりそう申さざるを得ないと思います。 それから、次に所得税の減税のことでございますが、前国会に御提案いたしました税制改革案は全体としては歳入中立的である、これは現在の財政状況から見ましてやむを得ないところだと考えておりましたが、それが廃案になり、税制改革協議会が行われ、今国会に所得税等の当面必要とする施策について御提案を申し上げておる。この点は、既に自民党が緊急経済対策を決定いたしました段階で、四囲の情勢から見て六十二年度にどうしても所得税の減税を行わざるを得ない、一兆円を下回らない規模でなければならないだろう、その場合に、それが前倒しになってもやむを得ないということを決心いたしておりますから、その意味におきましては六十二年度におきます所得税減税は、いわば増減税同額といったようなところからは抜け出しておる、当面どうしても緊急の策として必要であって、その財源は何か別途の方法で考えざるを得ないという考え方に立っております。 具体的には、お許しを得て前年度の歳入剰余金を使わしていただけばと考えておるわけでございますけれども、いずれにしてもこれは新しい税源をもってカバーをするわけではございませんので、そういう意味で増減税同額という考えはとっておりません。 次に、六十三年度につきましてどうかということは、実はこれはこれからの問題であろうと存じます。長期的に申しますならば、このような財政状態が改まりません限りは、大きな減税をしようとすれば、やはりそれは恒久財源をもってやらしていただきませんと財政がもたない、そういう考え方は将来に向かっては依然として政府は持っておるつもりでございます。
○玉置委員 今のお話によりますと、六十二年度は特に財源についての恒久的なものを考える間もなく減税をやる、そちら側の言い方をするとそういうことなんですね。六十三年につきましてはやはり恒久財源をそろえていかないと、これからの減税分引き当ての財源が対応できない、こういうことだと思います。 そこでお聞き申し上げたいのですが、今まで与野党の税制協議の中で減税財源の話がしょっちゅう出ておりました。さきの大蔵委員会でも、NTTの株の売り払い金の譲渡益について引き当てができないか、こういうお話を申し上げてまいりました。当初の予測は四千億か五千億ぐらいしかなかったのですが、実際の株の売却益というのは二兆円近くあるいは二兆円以上出ている、こういう状況でございます。 こういうことから考えていきますと、今お話がございましたように、思わぬところに財源ができたわけでございまして、六十二年度だけを考えていけば、ある程度、六十三年以降我々も食い逃げをしないで、責任を持って恒久財源を考えるという話をしているわけでございますから、一兆五千億と言わずにもっと踏み込んでもいいというふうに思いますが、いかがでございますか。 というのは、今までは一兆五千億ぎりぎりだ、財源はこれしかない、こういう言い方でございました。これは幹事長もそういうお答えをされておりますし、大蔵大臣は、一兆三千億は大蔵省として責任を持つけれども二千億は知らない、ましてそこから上さらに出てくる問題については知らない、このようなお答えでございますから、財源は本当にないのかなということで我々もいろいろ調べたわけでございます。六十一年度の剰余金もございますし、六十二年度の剰余金もありますし、NTTの売り払い金の譲渡益もあるわけです。これがそれぞれ今までの思惑と大体同じぐらいであれば、我々としても当初の計画どおりということで、大変この厳しさを受けて大幅減税難しいなという気持ちでございますけれども、しかし逆に、今は思惑より非常に景気の上昇が見られまして、まして財源として少なくともことし、来年は出てくるような問題があるわけですね。 そういうことを考えると、増減税同額で増税ができないから減税ができないということではない、まして、少なくともことし、来年、二年間考える時間があるわけですね。そういうことを考えていきますと、その間に何らかの恒久財源の確保というものも可能ではないか。あるいは、最近の主税局の税収算出のための租税弾性値、これが従来よりかなり高目に結果は出ていますね。そういうことを考えていきますと、本来落ち込んでいた経済がやや上向き傾向に乗じてきた、こういうことは言えると思いますので、その辺を考えて、一兆五千億と言わず、財源があるのですから、ぜひもう一歩踏み込んだ減税を実施していただきたいと思います。 そこで、まず大蔵大臣として、減税に対して一兆三千億だけしか責任を持てないのか、あるいはもうちょっと用意してもいいのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 これはたびたび申し上げることで、繰り返して恐縮でございますけれども、NTTの財源というのはこの二、三年、確かに株が売れさえしますとございますのですが、これはやはり恒久財源ではございません、資産の処分でございますから。このたびお考えになっておられます、あるいは政府が御提案しております減税は、これは戻し税でございませんで、恒久制度でございますから、そういう意味ではやはり恒久的な財源を将来にわたっては持っておりませんと、NTTのような一時の財源でこれをやることは問題があるというふうに、これはもう前回申し上げましたのでそれ以上詳しく申し上げませんが、考えておるところでございます。 それから、確かに六十一年度には相当大きな自然増、歳入剰余がございましたが、これも御存じのように一過性の性格を持つものが相当多うございまして、その結果租税の弾性値は二を上回るという、まことにちょっと例のないようなことになっておりますが、これは六十二年度に繰り返される性質のものではないと思っておるわけでございます。六十二年度からだんだん経済がうまく動くようになりましたら、ある程度のことは期待いたしたいと思いますけれども、それは六十一年度の実績に立ってそれを考えるわけにはいきませんで、性格の異なったものにならざるを得ないだろうと思いますから、今それを幾らと考えるわけにもまいりません。 政府といたしましてはそのような諸般のことから、過般御提案いたしましたような所得税減税をお願いいたしたいと思っておるわけでございますけれども、ただ、八月七日に各党の書記長・幹事長会談におきまして、自民党の幹事長からいわゆる四項目の御提案を申し上げた、仮にあのような線で各党の御同意ができまして、国会がそのような修正に向かって御意思を決められますときには、無論、政府としてもそれは尊重いたさなければならないと考えておりまして、その際さあどうするかということは政府が申し上げるべきことではなくて国会の御意思の決定を待つ、それがあのいわゆる四項目の線に沿って行われますようなことになりましたら、政府としてはそれは尊重せざるを得ないと思っております。
○玉置委員 それでは大蔵当局にちょっとお聞きしたいのでございますが、六十一年度の税収、これはもう剰余金になっていますね。それからNTT株の売り払い金の当初予測と実績との差。それから六十二年度の税収見込み、これは当初は六十一年度ベースで計算されていますから、六十一年度のベースが、剰余金を含めて、今度変わってくると見られると思いますけれども、その辺を見ていただいて、それぞれどういうふうに変化しているかということをお答えいただきたいと思います。
○水野政府委員 六十一年度の税収につきましては、昨年の十月に見積もったところでございますが、当時のもろもろの景気情勢、税収の動向等から判断いたしまして、一兆一千二百億円の減収を立てさせていただいたわけでございますが、大変遺憾でございますが、これがその後税収の伸びは上昇に転じまして、結果として補正後予算に対しましては二兆四千三百六十八億円の増収となったところでございます。 それから昭和六十二年度にいたしますと、このように二兆四千億円上回ったということからいたしまして、六十二年度税収は六十一年度実績に対しまして約七千億円弱低いものとなっておるわけでございます。これが六十二年度税収に影響するところはもちろん否定できないわけでございますが、現在は六月末までの実績が判明いたしておりまして、これがまだ全体としては、予算額に対しましては一〇・一%の進捗割合になっておるわけでございます。 また、六月までの税収の伸びは累積で一五・四%の伸びでございますが、先ほど申し上げましたように六十一年度としては、年度当初は比較的低い伸びでとどまっておって、年度後半に伸びたというところがございます。したがいまして、現在の一五%がそのまま続くということは考えにくいわけでございますけれども、いずれにいたしましても、六十二年度としてはまだ一〇・一%の進捗割合でございますので、こうしたものから六十二年度につきまして、年度全体を申し上げられる状況にはないことをお許しいただきたいと思います。
○足立政府委員 NTTの予算計上額について申し上げます。 六十一年度当初予算におきましては、NTT百九十五万株の処分価格、これは政府として幾らと見込めませんものでございますので、純資産価額方式ということで、二十一万三千二百十円を発行価格といたしまして予算計上をいたしてございます。したがいまして、百九十五万掛ける二十一万三千二百十円ということで、当初予算では四千百五十八億円計上をいたしてございます。 六十一年十月に、二十万株につきまして入札を実施いたしました。その結果の平均単価が百十九万七千円となりましたので、それの入札分の二千三百九十四億円というのは確定をいたしました。さらに残りの百七十五万株につきましても、百十九万七千円の安全率を八〇%掛けまして、補正予算で売却経費を差し引きまして、純売却収入といたしまして一兆九千六億円を計上いたしてございます。これは、当初予算に比べますと一兆四千九百九十四億円、約一兆五千億円の増でございますが、これは整理基金の増ということで国債償還に充てられることになってございます。 さらに、売却実績でございますが、現実の売り出しが六十二年一月に、値つけ株約十万株を除きまして約百六十五万株が百十九万七千円で売れまして、さらに値づけ株十万株につきましては初値が百六十万円で売れましたので、これが売却経費を差し引きました純売却収入といたしましては二兆三千五百九十一億円ということになりまして、補正後の数字に比べますと四千五百八十四億円増ということになってございます。このうち四千五百八十億円につきまして、六十二年度の補正で一般会計へ繰り入れしたところでございます。
○水野政府委員 ちょっと申しわけございませんが、先ほど税収だけにつきましては二兆四千億と申し上げましたが、委員御承知のように、この二兆四千億の税収そのものが剰余となっているわけではもちろんございませんで、ここから歳出歳入の不用等あるいは国債、公債金の減額等を引きまして、それから地方交付税等の財源増を差し引きました財政法第六条の純剰余金は一兆七千六百十五億円、それから先般の補正予算におきまして、これから四千三十億円が計上されておりますので、その残りとしては一兆三千五百八十五億円になっておる。ただ、これは財政法第六条の規定によりまして純剰余金一兆七千億円は、二分の一以上は国債整理基金に計上するとなってございますので、そうしたものを計上しないとした場合の計数でございます。
○玉置委員 黙って今までの制度でいきますと、やはり国債償還に充てるということですね。これは我々もやぶさかではないのですけれども、少なくとも期待以上に大きな余剰金が出たわけでございますから、当然国民の経済活動に対する恩返しといいますか、そういうことも考えていかなければいけないと思いますので、これからのいろいろな折衝等がまだ続いていくと思いますけれども、その中で財源をぜひあてがっていただきたいと思います。 それから、大蔵大臣が今まで答弁の中で、政府としては一兆三千億というのをこれは何回も言われておりますけれども、それとあといろいろな経過を見ながらその差額については当然対応しなければいけない、こういうこともお話しされています。そういうことであれば、今二千億の差額が出ておりますね。一兆三千億と一兆五千億でお話し合いが、今ちょっと平行線ですけれどもそこまで来ている。これが例えば一兆七千億とか八千億とかになってきても、当然今の状況でありますと、多少国債償還をおくらせればできるということもあるわけでございますから、そういう対応が、例えば仮定の話ですが五千億程度ですね、ですから一兆七千億、八千億ですか、五千億というと。あと三千億ふえた場合に対応できるかどうか。 我々から見ると、ざっと見て大体四兆円くらいの余剰金みたいな形であるわけですね。ただ、国債償還もありますから、それから今まで使った分もございますから、そういうことでそんなにはないと思いますけれども、少なくとも先ほどのお話の続きをいきますと、六十二年度は恒久財源を考えない措置をしたい、それから六十三年以降は恒久財源を考えた、いわゆる前倒してない部分、その辺の減税というものをやりたい、こういうことでございますから、六十二年は恒久財源を考えないでやってもいいのじゃないかということであれば、余剰金を大いに活用していただくということでございまして、制度としてどうするかというのは別にして、六十二年としては財源がありますか、こういうことでございます。
○宮澤国務大臣 いわゆる今年度の前倒し所得税減税分は、これはもう増減税同額ということではとてもできない、これは別途の財源で措置せざるを得ないということは先ほど申し上げたとおりでございますが、歳入剰余金がほぼそれに見合う、こういうことで考えてまいりました。しかるところ、仮に四党がお話しになりました一兆五千億円ということになりますと、これは剰余金では足りないということになってまいりまして、その点をどうするかということはまだ十分に検討いたしておりません。恐らく、歳入歳出いろいろな方からやりくりをして何とかやれるか、非常にぎりぎりのことでございますけれども、もうそうせざるを得ないのかと思っております。ただ、その場合でも、NTTの売却代金につきましては、先般本院を通過いたしました法律案の趣旨によりまして処理をさせていただきたいと思いますので、これを減税財源にするということは全く考えておりません。
○玉置委員 考え方によっては、本院が決めれば可能であるというような気がするのですね。今回の場合、まだそこまで話し合いがついていませんからそういう決定は難しいかと思いますけれども、先ほどのお話によりますと、少なくとも四兆円近い金額が従来の当初予算を組んだ段階よりも思惑外として出てきている、こういうことがあったから要するに六十二年度減税前倒しというのが出てきたのではないか、こういうふうに私は見ているのですけれども、そういう面から考えていきますと、剰余金その他、NTTの売い払い金、あるいはまだ採決までいっていませんけれども、日本航空の民営化、いわゆる政府株の売り渡しというものもあるようでございますし、それをやれば大体四千億ぐらい出るのですかね、こんな話もあります。そういうふうに考えていきますと、やはり一兆五千億というところに固執をする必要は全然ないのではないか、こういうように思います。一兆五千億というのはどうして出てきた数字なのか、もしおわかりだったら御答弁いただきたい。
○宮澤国務大臣 政府としては、御承知のように剰余金等も考えまして、一兆三千億で御提案をいたしておるわけでございますので、それが、まあいろいろ各党幹事長、書記長がお話し合いになられた際の、想像でございますけれども、いろいろな空気等々から自民党の幹事長が案として出されたもの、こう承知をいたしております。その内情は局外者でございますのでよくわかりませんが、ただ、もしそういうことで四項目のそれが合意になってしまいましたときには、自民党の幹事長が言い出されたことでございますから、これは政府・与党としてもその点は何とかつじつまを合わせていかなければならない。八月七日の数字については内々そう考えておりますが、先ほどからお話しのように、これは実は剰余金だけでは本来なら足りない数字でございます。
○玉置委員 これは読売新聞だったと思いますけれども、八月八日の読売新聞に「所得税率十二段階に」ということで、「政府・自民修正方針」というものが掲載をされております。これが本当かどうか、まずそれを確認したいと思います。 だから、これは二千億ですね。二千億を捻出するため、だから一兆五千億にするための政府案の修正ということでございまして、これで見ますと、課税所得が百四十万円、百五十万のところが一〇・五%に変わる。だから、政府案では一二%でございましたのが、この案といいますか、この新聞に載っております案でいきますと一〇・五%。それから百六十万、二百万のところが、百六十万は政府案の一二%でそのままですけれども、二百万のところが一四%が一二%。これでいくと大体一兆五千億になる、こういうことらしいのでございますが、この案が実際政府部内で検討されているかどうか、その辺についてお聞きをしたいと思います。
○水野政府委員 先ほどから大臣から申し述べておりますように、幹事長の方から金額をお示ししての御提示でございまして、あとは私どもとして、そうしたものを実現される過程におきまして具体化されてくれば尊重申し上げますということを申し上げているだけでございまして、具体的に特段のそうした内容につきましての検討なり指示があるといったようなものではございません。
○玉置委員 検討していないものがどうしてこう新聞に出るのですかね、「政府・自民修正方針」という形で。これは新聞社がうそをついているということですか。読売新聞、八月八日。だったら、読売新聞はうそを報道する新聞なのですか。
○宮澤国務大臣 この点は私が事務当局に申しておることなんでございますけれども、政府案といたしましては、我々が最善と信ずるものを国会に御提案をいたしておるわけでございまして、これが私どものお願いしたいところでございますが、ただ、あのような八月七日の経緯で自民党の幹事長が言われたということは、もし各党がそれに国会の御意思として合意なされましたらば、これは何とかいたさなければならない。しかし、それは国会の御修正ということでございますから、政府が先走ってあれこれ申すべきことではございませんで、したがいまして、そういうことは事務当局に、そういう作業を国会の御意思がはっきりするまではすべきものでないと申しておりまして、私も、したがってそういう案を存じません。報道されましたことは、恐らく何かのひらめきというようなことかと存じます。
○玉置委員 そこで我々は、減税の例えば一兆五千億でとまっておるのはどうなんだろう、当然幾らがいいかというのは、あるところに行くための一つの経過みたいなものでございますから、我々も、幾らがいいか、ここで手を打つとかというのはなかなか難しいと思うのですね、率直な話。余り言っちゃいけないのですかね、そんなことはないと思いますけれども。 そういう意味で考えていきますと、例えば政府の方で当初出されました二兆七千億の減税、二兆七千億だったと思いますけれども、通常国会で出されましたね。あれが将来の形がどうかという一つの方向が出てくると思います。私は、減税問題はなぜこうぎくしゃくしてもめるのかという一つの中には、やはり将来像が見えない、この中で論議をしていくこと自体で、じゃ、もうしようがないからここで頑張ろう、こういう形だと思うのですね。ですから、例えば二年かけていわゆる恒久財源を含めた形での所得減税、こういうものの絵がかけていきますと、おのずから六十二年というのはこの辺にしておこうやというところで決まると思うのですね。これがないために、五月以降幾らにするかという話ばっかりが先行いたしまして非常にまずい形になっている、こういうふうに思います。そういう意味で、少なくともまず所得税ですね。所得税、法人税、いわゆる直接税のあり方、こういうものの全体の絵をかいていただいて、直接税が全体としてどうなっていくのか、この辺からやはりやっていただいて、少なくとも一つの経過措置である、そこへ行くまでの経過措置で六十二年度がおのずから決まっていく、こういうふうな形をぜひとっていただきたい、こういうふうに思うわけです。 そういう意味で考えていきますと、例えば直間比率の見直しとか、そういう言葉が先行いたしますけれども、我々は逆に政府御当局の方から、直間比率は結果として出てくるものであって先に決めるものではないとかあるいは決まるものではない、こういう答弁を聞いています。嫌というほど聞いていますね、今まで。それが、中曽根さんの方へいきますと、直間比率見直しという話が先に出てきて、直間比率が先行する、こういうふうな感じを何となく受けるわけです。ですから、この減税問題一つをとってみても、従来のいわゆる本来税制論議をやらなければいけない手順、こういうところからどうも大分外れてきているのではないか、こういうふうに思うわけでございまして、やはり国会審議の正常化といいますか、あるいは税制改革とか、物事を決める手順の正常化をやっていかなければいけないと思います。 そういう意味でまず一つ、その中で今回は六十三年以降の所得税減税の方向あるいは直接税の方向というものがお示しになられていませんけれども、この辺はどうなったのでしょうか、これをお伺いしておきます。
○宮澤国務大臣 シャウプ以来長い年月がたっておりますので、この際将来に向かって根本的な税制改革が必要であるということについては、恐らく与野党とも、その内容はともかくといたしまして、基本的には御異存のないことであろうと思います。そういうことになりますと、玉置委員の言われましたように、終局的には所得税にいたしましても法人税にいたしましてもこういう姿にいた、したい、しかしそこへ一足飛びに到達することができませんから段階的に、こういうふうに考えております。終局の姿からこっちへさかのぼってくるような形でそれを段階的にやらせていただくということが、私どもも玉置委員の言われますとおりまさしく最も望ましい姿である、やり方であると考えております。 実は前国会に御提案いたしましたのは、最終的にそのような所得税のあるべき姿、法人税のあるべき姿を頭に考えながら御提案をいたしたわけでございましたが、あのような結果になりました。今国会に改めまして当面の問題だけを御提案いたしましたのは、将来のことを仮に展望して御提案をいたしますと、それは財源を伴っていないことでございますから、また政府が前国会で廃案になりましたような財源措置を考えているのではないか、それは国会の意思ではないという御反論があることは容易に予測されますので、今国会は大きな姿はともかく一応引っ込めまして、当面緊急とするものだけを御提案をいたしました。しかし、基本はやはり玉置委員のおっしゃるとおりだと思います。国会におきましても税制改革協議会におきましても、将来の行き着く姿をお考えの上で、どうやってそれに到達していくかを御検討願いたいと存じます。願わくは、財源の方もよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
○玉置委員 我々が受ける印象としては、今回例えばマル優も一緒に出されてまいりました。それから所得税も前回に出てきた六十二年度分、そういう形でほぼ近いものが出てまいりました。こういうことからいきますと、大体この前政府案として出てきたのが最終の形かなと予測をするわけでございます。そうすると、そこまでいくからには当然、その当時でございますから要調整額というものがございまして、穴埋めをやらなければいけない。要調整額が今非常に少なくなってきているわけですね、税収の伸びとかそういうものがありますから。そういうわけで、当初は四兆五千億ぐらいだったと思いますけれども、そのくらいの税収が新たに得られるものということで計画をされましたけれども、実際は二兆円ぐらいで済むだろう、こういうふうになってまいりました。そういうふうにしていきますと、いずれにしたって不足額は将来いつかは出てくる。決していいときばかりでないわけでございますから、財政の伸びとかそういうものも考えていきますと当然一つの指標ができてくる、こういうふうに思います。 しかし、出してくるとたたかれるから出さないということではなく、今までは要調整額、大体どのくらいだというのが出ていたのですね。財政計画の中で、来年以降例えば三年間、五年間とかいろいろな計画がありまして、単なる指数を当てはめていくとこうなります、こういう説明を受けておりますけれども、少なくともいつになればこのくらいの財源が必要ですというものが出てきて、財政の伸びと税収の伸びがありまして、その差額を一応要調整額という形で我々承ってきたわけでございますが、当然今も同じ傾向でやっておられるのではないか、こういうふうに思います。 そういうことであれば六十二年度減税をする、六十三年をやる、今度はその分がもろに我々に降りかかってくる可能性もあるわけでございますから、やはり真剣に今回の減税も受けとめて、我々がこのくらいの減税をやっていただくのだ、あるいは六十三年もやっていただくということであれば、当然責任を持って国の財政運営に必要な部分は考えていかなければいけない。これは野党であっても当然でございまして、何も与党だけがそういうことをやっているわけじゃないのですから、その辺は十分御理解をいただきたいと思いますし、また、景気のいいときは食い逃げというのはあったかもわかりませんけれども、今は先を見て運営していかないといけない時代でございますから、まず食い逃げすることも考えられない。そういうことになっていくと手のうちを明かしていただかないと、というのは歳入はこれだけだよというものが、要するに増税の部分あるいは減税の部分、そういう総額の論議あるいは全体像の論議というものがまずあって税制論議が進んでいく、こういう形でないといけないと思いますので、ぜひともこれからのいろいろな論議につきまして、単に法律を出してくるだけではなく、十分慎重な出てくるまでの時間をとっていただきたいと思います。 ちなみに、アメリカがつい二年ほど前に税制改正をやりました。このときには一九八四年十一月、財務省の税制改革の発表というものがありました。その前にレーガンさんが、たしか政策としてかなりのアピールをしておりました。そういう中で進んでまいりまして、二年がかりで大統領が最後に署名をするという形で決着がついたということでございまして、アメリカの場合もかなり大改革でございましたけれども二年がかりで一応おさまった。それからフランスのいわゆる消費税問題、これなんかでも三年は最低かかっておりますし、お隣の韓国にしても年数をかけてやっている、あるいは西ドイツにしても年数をかけてやってくる、これは当然だ、こういうふうな言い方なんですね。日本だけが出して半年以内に決めてしまう、あるいは場合によっては今週出してきて来週決めるというのもありますから、こういうような税制の決め方は、国会そのものももちろんでございますが、国民のいろいろな意向を十分酌み取らないうちに審議が終わってしまうということにつながってきているわけでございます。 こういうほかの国の情勢と比較をして、我が国の税制改正につきまして時間的な問題は本当にこれで十分か。中曽根さんに言わせますと、税調の審議が始まってから法案になってこちらに出てくるまでが検討期間である、こういうことでございますが、例えば自民党の内部だけで論議をされていても、国民の意見が全部反映されたとは我々思わないわけでございます。そういう面で考えていきますと、国会の場で論議をするあるいはいろいろな公聴会を開くとが手順がございますけれども、その辺で物事を順序よく決めていく、あるいは最終的にはいろいろな意見が織り込まれたものが出てくる、こういうことが一番いいのではないかと思うわけでございます。 ですから、まず率直に聞きたいのは、変な言い方ですけれども、中曽根さんになってこのやり方が変わったのですね。中曽根さんが悪いのか、あるいは今までの歴代の大蔵大臣が悪いのかわかりませんが、少なくとも中曽根内閣の一つの手法みたいなところがございます。税制に限らず重要法案もみんなそうでございますけれども、少なくともまず国民のいろいろな意見を聞く機会を与えること、そして国会の中での審議時間を十分とっていただいて、出されたものに固執をしないという姿勢を貫いていただくこと、こういうことをお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 冒頭に申し上げたことでございますけれども、前国会の反省は、政府税調において確かに長いこと検討しておられたのでございましょう、現実にそうだと思います。ところが、その中からどれを採用するかということは決められないままにずっと事態は推移いたしまして、大変遅くなりましてから党の税調においてそれを終局的に決めてもらったことでございますが、これも大変に時間が短かったということがございますので、今玉置委員の言われましたように、売上税などにつきましては、いかにも国民の皆さんに十分議論をしていただく時間がなかったということはまことに残念なことでございますが、事実であったと思います。これは将来の反省材料だと思っておるところでございます。
○玉置委員 大臣の食事の時間がないようでございますから、これはやっていると切りがないので一応ちょっと抜けていただいて、その間水野局長にいろいろお伺いしたいと思います。他省庁も来ておられますので、なるべくそのお話からやりたいと思います。 実は、これは日本の国民性といいますか、いわゆる投機に熱中する性格といいますか、こういうものが今の異常な株価を高めたり、あるいは債券市場に流れ込んだりということで、逆に我々心配しておりますのは、マル優が廃止をされるということになればますますそういう傾向が強くなるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。先日の大蔵委員会の質問の中にも、公共投資の中でのいわゆる土地代金、この土地の値段が非常に高くなっておりまして、都市部では二〇%を上回る公共事業費の中での費用を占めている。地方へ行きますと一七%ぐらいとかいうのがあるのですけれども、その辺を考えていきますと、どうも投機に走る国民性といいますか、こういう気がするわけでございます。 いろいろ調べておりましたときにちょうど、これはいつでしたか、二十一日の新聞でございましたか、公共事業のいわゆる建築資材、この辺が異常な値上がりをしている、こういうことでございます。資料を持ってきたつもりでございましたけれども、ちょっと見つからないので、まずその上位でございましたヒノキ材あるいは合板、これは農水省の管轄だと思いますが、お見えでございましたら、この一年間どういう変化があったのか、それからその通常の市況、これは非常に難しいのですが、市況が回復する場合と、回復した市況がさらに上がる場合とありますけれども、その辺を含めて大体今どういう価格にあるのか、まずお聞きをしたいと思います。
○高橋説明員 お答えいたします。 木材の価格でございますが、木材の価格は昭和五十五年にピークがございまして、以降長期にわたって下落、低迷を続けておったわけでございます。最近になりまして、木材需要の回復というものを反映しまして、全般的に上昇傾向になっております。現在、目録の調べによる七月の卸売物価指数によりますと、丸太で対前年比八%の増、それから製材では二一・五%の増、合板では一六・八%の上昇になっております。
○玉置委員 ついでに、ついでにというのも変ですけれども、建設省お見えになっていると思いますが、建設省は公共事業関係の窓口でございますから全般おつかみだと思いますけれども、特に建設省所管として持っておられる中身で、価格傾向をどういうふうにつかんでおられるか、お聞きしたいと思います。
○徳山説明員 御説明申し上げます。 建設資材の価格は、近年、需要の低迷あるいは円高等により安定的に推移してきたわけでございますが、最近一部資材に値上がりの傾向が出ていているところでございます。 具体には、八月現在で私どもの調べでございますと、木材が対前月比で一六・二%、合板は対前月比で八・六%、それから棒鋼は対前月比で一八・八%、H型鋼は対前月比で九・三%、主なところはそれぞれこういうような値上がりとなっております。一方、セメント、骨材、生コン、アスファルト、これは依然安定的に推移しているところでございます。
○玉置委員 経済企画庁、これは今見てもなかなかレベルがわからないのですけれども、全般にこの一年の価格レベルがどう推移してきているか、あるいは公共事業が前倒し、なおかつ追加という形で発注されておりますけれども、この辺がどのような影響を受けているか、もしわかればお願いしたいと思います。
○熊澤説明員 建設資材等を初め物価の動向がどうなっておるかということでございますが、今林野庁あるいは建設省からも話がありましたように、建設資材、中でも木材、木製品につきましては、日銀の卸売物価統計で申しますと対前年比九・二%の増加、これにつきましては、内外で住宅建設が堅調でございまして、供給の過半を占める輸入材があるわけでございますけれども、将来はこれが需要に見合って増加すると見ておるわけでございます。また、現在の住宅着工百六十五万戸というペースが非常に高いペースになっておる、これが将来も続くかどうかという点もございまして、将来の価格につきましては、それほど大幅な価格上昇にはならないかなとは思っておりますけれども、なお価格動向は十分注意していく必要があろうかと思っております。 もう一つ、建設資材の鉄鋼でございますけれども、対前年比ではマイナスの四・六%、最近の動きでは七月で〇・五%上昇しております。ただいま話がございましたように、小型の棒鋼等で大幅な上昇が見られるわけでございますが、これも減産等によりまして在庫調整が行われた、その結果、需給が改善されまして価格が上がってきたということでございますけれども、まだ全般的には減産下でございますので、供給余力はあると思っておりまして、これも価格の高騰をもたらすような懸念はないのではないかと思っております。 セメント等の窯業土石でございますけれども、これは対前年比でマイナスの二・四%、七月の前月比でもマイナスの〇・三%と低下傾向を示しております。円高に伴いまして、韓国とか台湾からの輸入が増加しておりまして、需給が緩和しているというようなこともございますので、これも今後ともこうした弱含みの傾向が続くのではないかと見ております。 全般的に申しまして、今後為替レートあるいは原油価格等不透明な要因もあり、見通しにくいところもございますけれども、多くの業種ではまだ供給余力もございます。それから、円高等のメリットが今後とも経済全体に浸透していくと考えられますし、賃金の上昇も生産性の範囲に見合った落ちついたものになっております。また、円高等によりまして安い輸入品が増加してくるということも考えますと、物価は引き続き安定的に推移するものと考えております。いずれにいたしましても、物価の安定は経済運営の基盤でございますので、万全の注意を払って引き続き物価安定に努めてまいる所存でございます。
○玉置委員 今の経済企画庁あるいはこの前通産省にお聞きしたのですけれども、価格が全般的に横ばい傾向である、あるいは卸売物価については円高の差益還元ということで下がりぎみ、こういうお話の中で、特に建築資材関係の値上がりが目立っているわけでございまして、今お聞きしますと、対前月比八%、九%と上がるのはかなりのものなんですね。 そのときの新聞でございますが、木材、特にヒノキ材については八十何%という数字がありましたし、合板が三三、四%、そういうように非常に高い値上がり率ということになっております。こういうので専門家にちょっと聞いてみたのですが、土木建築の業者何人かにいろいろ聞きまして、どういうものが一番こたえるかというのは、当然そういうものが買い占めに遭うということでございますが、いわゆるコンパネ、基礎を打つときに囲いをする板でございますけれども、あれが一番押さえやすい、いわゆる合板ですね、これが一番押さえやすい、だから、大体合板を押さえれば建築資材の値上がりというのはまずそこに集約されるのではないか、こういうようなお話がございます。 そういう面で、きょうは物価対策じゃないので余り言えませんけれども、値上がり傾向が出ているということは、既に商社なりあるいは建材屋さんなり、そういうところが押さえにかかっているということになると思います。そういう意味で、昨年の秋口からもうそういう話があったわけでございますから、当然手を打っておられると思いますけれども、もう一回見直しをしていただきたい。この価格が上がってしまうと手放しますから証拠は何も残らないので、上がっているうちにぜひ調査をしていただきたい、こういうお願いでございます。林野庁並びに建設省、それについてお答えをいただきたいのです。
○高橋説明員 最近の価格上昇ということがございますので、私どもとしましても関係団体から事情を聴取しております。これによりますと、流通の各段階で先高というふうなことを見込んで、在庫手当てを若干ふやすというふうなことはあるようでございますけれども、相場の騰貴というふうなことを考えて買い占めとかそういうことをやっている事実はないというふうに考えられております。
○玉置委員 調査をした結果ですか。していただけますか。
○高橋説明員 調査といいますか業界からのヒアリングということで、そのヒアリングによりますと今申し上げたような実情でございます。
○玉置委員 私の方では、そういうことが行われているのではないかという話が来ているのですよ。だから、もしあった場合だれが責任をとってくれますか、調査するならこっちでやりますけれども。
○高橋説明員 コンパネにしろ普通の木材にしろ非常にかさの張る品物でありまして、買い占めて置いておくというふうなことのできる性格の商品ではありませんし、昨年と比較しますと、コンパネの生産は一二%も増加し、またこれから輸入が入ってくるだろう、そんなふうに予測がされておる商品でございますので、私どもとしましても、業界からのヒアリングを含め、買い占めというふうなことは調査をするまでもなくないのだろうというふうに考えております。
○玉置委員 我々も同じようなことを考えたのですが、例えば合板というのは一番在庫がきくのです。合板の形で在庫をするというのもあります。セメントなんかは、湿気を含むと売れなくなる。だからそういういろいろな在庫可能、必ずほかに代替のものがない、こういうことで考えていくとコンパネとかもう一つはいろいろあるのですけれども、そういうものが出てくる。だから、三つぐらい押さえれば大体建築資材というのは値上がりする、こういうふうになっているようでございまして、逆に林野庁が合板など在庫がきかないというふうに見ておられると、ちょっと間違いだと思うのです。業界のいろいろな関係から聞くと、大体だれもがこれは押さえやすいというふうに言いますから、その辺で一回調査をお願いしたいと思います。 それから建設省。
○徳山説明員 私どもの所管しております公共事業等の円滑な執行のためには、建設資材の安定的な確保それから価格の安定ということが、先生御指摘のように非常に重要でございますので、私どもでは主要建設資材の需要の予測とかあるいは主要建設資材の需給、価格動向等の調査を実施しておりまして、これによりまして建設資材の需要見通しというものを行っております。それで、これに対応いたしました供給が図られますよう関係省庁及び建設資材業界と常時、連絡調整あるいは情報交換等を行っているところでございます。また、価格の動向等についても細心の注意を払っているところでございますが、特に先般、七月二十四日、補正予算の成立に当たりまして、建設資材業界を所掌しておられます通商産業省及び農林水産省に対しまして私どもの局長から、品不足や不当な価格形成ということが起こることがないよう、従来に引き続きまして建設資材の生産、流通両面において、関係業界に対して特段の指導方をよろしくお願いしますという点を要請したところでございます。
○玉置委員 絶えず監視をしていただかないと、すぐ投機に走る人が非常に多いわけですから、いつまでも言っていてもしようがないので、何かあったらまたこちらから言いますから、そのときにはぜひそれなりの処置をお願いしたい、こういうふうに思います。 それでは林野庁、建設省、経済企画庁、これで終わりますので結構です。 今までなぜこういう話をしたかといいますと、実は土地税制の問題なんです。土地税制というのは、どちらかというと今までは優遇措置をとりながら、土地の放出をねらってやってきたわけでございます。ところが、優遇税制で土地は確かにかなり出てきたかもわかりませんけれども、最近土地供給もなかなか難しい、こういうふうな状況でございます。ところが、一方、その売買される量が減ると、当然需要供給のバランスで価格が上昇いたします。 そこで、これは東京都内の話でございますが、二年前に七千万ぐらいだった家が今二億幾らという大変な数字になっている。だから二倍どころじゃない、三倍になってしまっている、こういうことがございます。また都心部へ来ますと、当初八千万ぐらいだったものが十億ぐらいになっておる。これまた考えられない値上がりなんです。こういうのを見ておりますと、もう税制で幾らいじっても、いろいろな問題点というのはなかなか解決できないのではないか。確かに、土地対策の抜本的なものはございませんけれども、何とか税制で切り抜けていこう、あるいは用途変更とか用途規制とかこういうこともございますけれども、そういう中で土地税制が我々の分担としてあるわけでございます。 この土地税制は、この税制そのものも問題点としてあるわけですが、例えば今までの中で土地税制でいわゆる長期の部分についての優遇をやっておりました。この長期の部分の優遇が果たして土地供給にどれだけ影響があったか、これは今まで聞いてもよくわからないのです。それで私は聞くのをやめました。今回は、長期が十年から五年になっております。長期が十年から五年になっていて、まず一つは土地供給としてメリットがあるかないかというのと、片方では重課を課するぐらいの税率になっていますから、なぜこの長期を十年から五年に短くしたのか、この辺についてお聞きをしたいと思います。
○水野政府委員 今回御提案しているのは、御指摘のような長期、短期の区分を十年から五年に変更いたしておるわけでございますが、これは今回御提案申し上げております土地税制といたしましては、そのほか超短期所有の土地の譲渡益重課制度を創設させていただく、それから個人の事業用資産の買いかえの特例を縮減させていただく、登録免許税の引き上げをお願いする、これは全体としての資産課税の適正化を図る中で土地の供給増に配慮したということでございまして、五年、十年、これだけの改正ということではないわけでございます。全体としての改正の中の一環として御審議をいただければと思うわけでございますが、その中におきましては超短期の転がし的なものを抑制するとともに一方供給の増加も図る、こういう意図をもって御提案申し上げている次第でございます。
○玉置委員 法案全部いただいていますから、何が出ているというのはみんなわかっているのです。十年から五年になぜしたのかという話を聞いておるわけです。長期譲渡で五年から十年の間は売買はそんなに変わらない、そういうことであるのかどうか、その辺なんです。十年から五年になった以外の問題点とか、いろいろなのがありますけれども、それは言わないでここだけを今言っているわけです。片方で、二年の超々短期については税率を高めておきながら、なぜ長期を五年にしたのか、これをお聞きしているわけです。
○水野政府委員 全体としては短期の転がしを抑制する、それからまた不要不急な土地取得を、仮需要を抑制する中で、十年、五年の方は供給の促進でございまして、五年から十年の間の所有期間の土地につきましては短期所有土地として課税される。したがいまして、それは十年を待とうという方もおられる。そういう方が、それは長期譲渡所得として扱われるようになれば現時点で売却処分をいたそうということになることを期待して、供給の増加をねらったということでございます。 昭和五十七年におきまして、従来は、昭和四十四年以降取得した土地はすべて短期譲渡所得として処理されるという制度でございましたものを、以後十年を経過したものにつきましては長期譲渡所得として扱うという改正をお願いいたしました。そのときの経緯を見ますと、面積としてはちょっと把握できませんが、長期譲渡所得の金額としては、それまで二兆円台だったものが三兆円にふえておるという実績はございます。これがこの制度の変更だけによるものかどうか、その点は明らかには申し上げられないわけですが、こういう経緯もあるわけでございます。
○玉置委員 昭和四十七年ですか、固定していたときがありましたね。昭和四十七年の固定を五十七年から変えたのですか、そうだったと思いますけれども、今見ても土地売買の金額が上がってきておりまして、面積はそんなにふえないだろうという気もするのです。まして、今みたいな時世に供出をふやしますと、また地上げ屋さんが活躍して、お値段の方がどんどん上がっていくという心配もございまして、逆に投機に対してもっと規制をしていかなければいけないのではないかと思います。 投機に対して、これは別に準備していませんけれども、特に銀行筋からの融資だとかいろいろな方法がありますけれども、この辺については大蔵省は何かお考えになっているかどうか。どこに聞けばいいですか、銀行局ですか、みんな御承知ですから大蔵大臣ですね。
○宮澤国務大臣 それは、銀行局長から何回かにわたりまして金融機関に通達をいたしまして、不正常なあるいは投機にわたるような土地取引についての融資は厳に慎んでほしいということを申しておったわけでございますけれども、今年になりましてまた非常にそういう動きが顕著になりましたので、もう一月になりますでしょうか、特別ヒアリングというものをやらせることにいたしました。それは、金融機関の中で土地の値上がりの大きい地域、また土地融資のウエートの大きい金融機関を選びまして、どういう状況で融資をしておるのかといったようなことを個別に聞かせております。これはある意味で、かねての通達が守られておるかということなのでございますけれども、別の意味で申しますと、非常に適当でない融資がございますと、ヒアリングをいたしますといろいろな形で役所にもわかってまいりますので、金融機関というのは世間に対しては評判というものを大変大事にするところでございますから、そういったような意味で自粛の効果を期待いたしましてこういうことをずっと続けてやっておりまして、これはかなり効果を発揮しておるのではないかと思っております。
○玉置委員 最近、私はこの土地税制とかをいろいろ考えてみまして、土地の値上がりを防ぐには、最終的には日本人の気質を変えないといけないという感じがいたしました。というのは、何かあるとすぐ投機に走る部分があります。これは一つは、日本には世界に例を見ない商社というものがあることもありますけれども、国民一個人にとってみても、投機というものがかなり自分たちの生きがいみたいなものでございまして、これは貯蓄性の高いというところに結びついていると思います。というのは、将来に対しての蓄えをできるだけふやしていきたい、ましてそういうチャンスであれば財産を伸ばしたい、いわゆる資産を倍増したい、そういうことでございます。そういうふうに見ていきますと、日本人の性格が変わらない限り、土地価格の上昇は多分とまらないだろうと思います。 外国へ行きましていろいろなお話を聞きますと、いや我々に関係ないことには手を出さないのです、こういうことなんです。ほかの国の方は、社会全体の責任というものを十分に感じておられまして、自分たちが余計なことをするとかえって他人に迷惑になるということであれば手を出さない、だから値上がりがわかっていても物を買わない、あるいは投機をしない、こういうこともあるようでございます。この間、そういう話がちょっとありましたが、こういうのを私もいろいろな機会に聞いているわけです。 そういうふうに考えていきますと、投機を規制するというのは、土地価格を抑えるために一番いいのではないかと思います。そういう意味で、投機にお金が回っておりますから、金融機関あるいは証券会社、生保会社、損保会社というところはほとんど大蔵省の管轄でございますから、大蔵省が頑張れば土地価格は下がると思うのですが、いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 金融機関が、その間にいろいろと融資という形で関係するということはやはり少なからずあるわけでございますので、大蔵省といたしまして、今のようにこういうことになりますと、かなり具体的なところに至りますようなヒアリングをする必要があると考えまして、ただいまそれをいたしておるところでございます。
○玉置委員 今回の株価も非常に異常でございまして、ダウ平均が今幾らですか、二万五千円くらいですか、一万円を超えて一万六千円くらいのときでも、わあ高いなというふうに我々は聞いていたのですが、これが二万五千円を平気で超えていくというような状況でございますから、いかに大変な事態がということでございまして、その辺、ぜひ十分な監視をお願い申し上げたいと思います。 そこで、時間が大分迫ってまいりました。短くしようなんてだれかに約束したのですかね、言わなければよかった。――いや、まだですよ、まだいろいろたくさんあります。特にマル優問題。きょうは自治省さんに来ていただいているのですが、ここへ入りますとまた長くなりますので、きのう安倍先生にこちらをお願いしようかと思いまして、それとも逆にしようかな。――もしあれでしたら、もう聞いても最後になりますので、自治省については今回はやめたいと思いますので、次回にまたお願いしたいと思います。 それではマル優問題に入りたいと思います。 実はマル優制度の原則廃止、政府の方で打ち出しておられるのは一応原則廃止、我々の方は原則継続という大変大きな開きがあるわけでございます。人によっては、マル優なんか要らないという人もたくさんいるようでございますが、少ない――少ないといいますか、我々から見たら多いのですけれども、へそくりをたくさんやっている奥さん方、その辺が特に、最近地元へ帰りますと何とかしてよという話がたくさんございまして、要するに金利が何銭か違うだけであっちこっち行ったり来たりやっているわけですね。そういう奥さん方のことを考えますと、どうも我々ちょっと頑張りが足らぬのかな、こういう感じがするわけでございまして、そういう面からいろいろお聞きをしたいと思います。 それでまず、現在口座数が非常にたくさんありまして、政府の方としてはいわゆる不正を防ぐということも何か理由の一つでございますが、大蔵省は、全体の中で不正がどのくらいあると思いますか、お答えをいただきたいと思います。
○日向政府委員 これは、先般も同様の趣旨の御質疑に対しまして私からお答えしたところでございますが、金融機関の店舗を比べてみまして、他店舗に比べまして非課税利子の支払い割合が高いこと等を勘案いたしまして調査対象店舗を選定して、これに臨場いたしまして、まず他人名義を利用して不適正に非課税措置を受けている者がないかどうか、またその店舗に設定した非課税枠を超えて預け入れられているものがないかどうか等について、非課税貯蓄申告書や私どもが収集した各種の資料等に基づきまして調査をすることにしております。 この調査の結果について申し上げますと、直近の昭和六十事務年度におきましては、四万一千六百二十に上る金融機関の全店舗の一一・五%に相当する四千七百八十二店舗について調査を実施いたしまして、その九九・九%の店舗にマル優等の不正利用を把握いたしました。加算税を含め約四百二十一億円を追徴したところでございます。
○玉置委員 これは二通りの考えがございまして、各金融機関の各店で全部不正をやっている、店が不正をしている、こういう場合と、利用者が不正をしている、この二通りがあるわけでございますね。その辺で、限度管理あるいは名寄せ、こういうものを徹底すればある程度の部分が吸収できるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。そういう意味で、政府原案は原則廃止でございますけれども、我々の方は要するに限度管理さえ徹底すれば十分対応できるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。 そこで、順々にお聞きをいたしますが、例えば今回一律分離ということで一応原則行われますけれども、残りの部分の名寄せ、架空名義の把握を今後ともどういうふうにしていくのか、一律で課税してあるから、もう税金もらったからいいやということであるのかどうか、この辺について大蔵省それから郵政省、両方からお願いしたいと思います。
○日向政府委員 まず最初に、私の方から御説明させていただきます。 現行の政府案におきまして、二〇%の源泉分離課税を受けます場合におきましては、その限りにおきまして課税関係は完結しておりますから、これは調査の必要がないと思います。しかしながら、政府案におきまして、老人等につきましては三百万を限度にいたしまして非課税の措置がとられることになっておりますので、これにつきましては現行制度と同じように、まず本人確認の問題及び名寄せの問題があろうかと思います。しかしながらこの数につきましては、先般私からも申し上げたことがございますが、私どもの計算では約二千万人前後と見込まれておりますので、現在の名寄せ等に要する費用とか人員とかに対比いたしますと、相当程度少ない状況で実施できるのではないか。 それからまた、もう一つの問題は、本人確認に関連いたしまして、六十一年一月一日から公的書類等によりまして金融機関が窓口で本人確認をすることになっておりますが、これが完全に行われますと、少なくとも偽名は排除されるだろうと思います。しかし、こういう措置をとりましても、借名についてはまだ問題が残ろうかと思います。しかしながら、一億数千万の人の場合の借名の状態と約二千万人前後の場合における借名の問題とはおのずから把握の状況が違ってまいりますので、今度の政府案におきましては、その借名の問題につきましてもかなりの程度に状況が改善されるのではないか、私どもはかように考えております。
○三宅説明員 お答え申し上げます。 郵便貯金の限度額管理につきましては、現在御審議いただいております所得税法の改正が実施された場合におきましては、所得税法に基づきましての非課税枠三百万円の管理と郵便貯金法に基づきましての預入限度額五百万円の管理をそれぞれ行うことに相なるわけでございます。 まず、非課税枠三百万円の管理につきましては、その本人確認につきまして、所得税法令の規定に基づきまして預金者から公的書類の確認を求めて行うことにいたしておりますし、また名寄せにつきましては、住所、氏名のほかに新たに生年月日も名寄せキーといたしまして、コンピューターによる全国一本の名寄せを行いまして、非課税枠の管理を厳正に実施してまいりたいと考えております。 次に、郵便貯金の預入限度枠五百万円の管理についてでありますけれども、本人確認につきましても、郵便局職員が預金者と面識がある場合等、預金者の住所、氏名が明らかな場合を除きまして、身分証明書等所定の証明資料の提示を求めて行うことといたしておりますし、また名寄せにつきましても、住所、氏名を名寄せキーといたしまして、コンピューターによる全国一本の名寄せを行いまして、預入限度枠の管理を適切に実施してまいりたいと考えております。
○玉置委員 今まではマル優がありましたので、特に名寄せだとか架空名義とかそういうものを厳しくチェックされていたと思いますけれども、今お聞きのとおり決まってしまうと、いわゆる課税対象の部分についての管理は非常に甘くなる、こういう感じがするわけでございます。 この前いただいた資料の中に、マル優及び郵便貯金の不正利用をした事例というのがございまして、実際にこういうことがあり得るわけですね。土地を売買いたしまして、その代金を架空口座の中に入れている。このときはマル優でございますけれども、これからはマル優じゃなくなる部分に入れた方が安全だろうということで、マル優でない部分で口座を開設し、それをその口座に細かくたくさん入れる。例えば、今ございましたけれどもいわゆる借名ですね、名前を借りて口座をつくって入れる、こういうこともあり得ることでございまして、そうなってくると、いわゆる土地売買の代金ぐらい、自分の物で何に使おうがいいじゃないかという部分ではいいのですけれども、例えばその売買された人が亡くなります、あるいは先代の人が持っていて、その人がやったその部分を次の世代の人が預金ごといただく、こういうようになりますといわゆる相続税の脱法行為になるわけでございます。この辺を把握できるかどうかという問題点も出てくる。 それから、架空名義の管理なりあるいは名寄せが十分にできていないと所得の把握も非常に難しいのではないか、こういうふうに思うわけでございまして、この面でちょっと手落ちではないかと私は思うのでございますが、いかがでございますか。
○日向政府委員 確かに、副次的な効果といたしましてはそういう問題もあろうかと思いますけれども、本来相続税にいたしましても所得税にいたしましても、その脱税については、私ども課税上有効な資料、情報の収集に努めて本来の脱税を追いかけるわけでございまして、その結果脱税された資金が、私どもの言葉でタマリと言っておりますが、架空名義預金等になっていた場合、反面調査等によりまして金融機関からこれを把握するということをやるわけでございまして、この本来の姿における調査においてそういう点はカバーできるというふうに考えております。
○玉置委員 郵政省の方、どうですか。郵政省は今でも四億二千口座ぐらいあるのですけれども、やはり名寄せだとか借名とかそういうもの、例えば郵便局が違えばなかなかわからないとか、今誕生日の話されていましたけれども、誕生日を変えたらどうなるのですか。名前は同じで誕生日を変えて、そういうのはできないのですか。
○三宅説明員 郵便貯金の限度管理につきましては先ほど御説明申し上げましたけれども、現在公的書類によりまして本人の氏名、生年月日を確認をいたしておりまして、それに基づきましての厳格な名寄せをコンピューターを使って実施いたしておりますので、少なくとも昨年一月以降につきましては、架空名義とかそういう実態はなくなっているものというふうに考えております。
○玉置委員 今のお話ですと、本人が行って口座を起こせばできるということですね。本人が納得して名前を貸して口座まで開いてやれば、幾らでもそういう土地代金の預金をできるということになるわけでございまして、相続税関係とかあるいは所得の把握とか、こういう部分では非常に不都合が出てくるような気がします。そういうふうなことが行われていくわけでございますから、十分これからその中身についても検討していかなければいけない、かように思うわけでございます。 我々の方でマル優の論議をしておりまして非常に難しいのは、全部だめと言っているわけでございますから、なかなか意見を言えないのですね。その辺が非常に難しいことでございます。ただ、今回五年後に総合課税に移行する、こういうお話がございました。これは総合課税に移行するということは、五年後に総合課税の検討を始めるのかどうか、それから五年後には総合課税を実施をするのかどうか、それから今回の法律案はいつまでというふうに書いておりませんけれども、今回のその後で出てきた問題でございますから時限立法として扱うのかどうか、この辺を政府の方から御答弁をいただきたいと思います。
○水野政府委員 八月七日の与野党幹事長・書記長会談におきまして、いろいろ与党の方から御提示があった、その中に「利子課税制度のあり方については、総合課税への移行問題を含め、五年後に見直しを検討する。」という項目があるわけでございまして、これも先ほどから申し上げておりますように、国会審議の中で与野党でお話し合いが進んでそうした項目が実現されれば、それは政府としても尊重してまいりたいということでございますので、ただいまの三点につきましてもこれがどのように具体化されるかとして、政府サイドとしてはそれを注視してまいりたいと申し上げるわけでございます。
○玉置委員 我々は、とらえようによっては五年後から新しい総合課税が実施をされる、その間のいわゆる経過措置的な今回の措置である、こういうふうな感じがするのでございますが、大蔵大臣として、いろいろお話をお聞きになっていると思いますけれども、どういうふうにお感じになっておりますか。
○宮澤国務大臣 この八月七日の文章を読んでまいりますと、見直しを検討するのは五年後である、次に、その見直しの検討には総合課税への移行問題が含まれておる、こういうふうに解釈をいたしております。 実は、この点につきまして各党間の合意が成立いたしますと、このような事柄をどのようにして担保するかということが、恐らく委員会あるいは委員としてお考えになられるのであろうと思いますので、いずれにしても政府としてはそれに従わなければならない、こう考えております。
○玉置委員 本当は、今大臣おっしゃったように、我々もじゃ五年後という約束はどういう形で残すのか、こういうのがありまして、まだ与野党の話し合いに入ってないのですけれども、そういう中でやっておきたい、だから、もし大臣がある程度お聞きになっておるならばということでお聞きしたのです。そういうことでございます。 総合課税に移行した場合に、やはり総合課税でございますから、国民の所得に対して何らかの番号がなければ非常に難しいわけですね。例えば社会保障番号とかいろいろあると思いますけれども、いずれにしたってそういうものが各国で使われているわけです。総合課税に移行したことを考えていきますと、何らかの、いわゆる背番号と言ったら怒られますけれども、そういうものが必要ではないかと思いますが、いかがでございますか。
○水野政府委員 私どもとしては、お話し合いの方向でございますので、具体的なことをいろいろ申し上げるのもいかがかなということでございます。
○玉置委員 それじゃ技術的に見て、総合課税で番号なしで課税ができるか。番号なしというのは言い方が変ですけれども、いわゆる属人的ナンバーですね。この人は何番というものがなければ、その総合的な課税というのはできないわけですね。例えば、利子配当でありますとかいろいろなのがありますけれども、土地代金の売り渡し譲渡益とかそういうものを全部含めていって、総合的なトータルができて初めて税率が決まるわけでございます。これは、もう言わずと知れてわかると思います。だから、そういう意味で何にもナンバーなしで今の状態、例えば今分離課税をやっておりますけれども、こういう状態の中で総合課税が本当にできるのか、これについてお答えをいただきたいと思います。
○水野政府委員 それは番号ということもございますし、その他もろもろの先ほどございましたような生年月日、住所、氏名、そういったものでということも考えられるかと思いますので、厳密な意味での番号がなければというようにはなかなか申し上げられない。それはいろいろな対応があろうかと思うわけでございます。 また、総合課税を期待するその程度につきましても、本当に完全な総合をお願いするのか、ほどほどのもので満足するという程度の考え方か、そこらにもよるかと思いますし、またそれを執行する税務官庁の方、それからまた納税者と申しますか、預金者の方の対応の態様もいろいろあろうかと思いますので、厳密にこういったものがなければ総合課税できない、こういったものがあれば総合課税できるというようなことは、なかなか一概には申し上げられないのではないかと思うわけでございます。
○玉置委員 少なくとも所得が給与所得だけでない、利子配当とかいういろありますけれども、そういうような場合に、本人とわかる記号を集結して初めてその人の全額が出てくるわけですね。これは、今でもある程度そうなっていますけれども、その記号というものが、本人がわかる記号をつけなければまずわからないのかどうか、所得が累積されるかどうかですね。 要するに、六十二年度の所得、これが給与所得幾ら、株配当幾ら、あるいはいろいろなものがありますけれども、そういうものがずっと累積される、こういうことで、今名寄せは生年月日と名前、それから住所ですね、頭の住所、こういうことでやっていますけれども、例えば違うところに口座があった場合とか、名前も出さないときもありますよね。そういうようなときなんかでも書き込みをやるわけでしょう。だれの所得というふうにわかるようにしていかなければ相手先が困るわけですから、やはりそういう形になると思うのです。何らがその人であるということが、例えば水野さんであるということがわかる、それぞれ総合課税の場合には所得の集積をするわけですから、だからわかるためには記号をつけなければしようがないと思いますけれども、そういう形になるのかどうかだけお答えいただきたい。
○日向政府委員 執行面の問題に関係いたしますので、ちょっと私から申し上げてみたいと思います。 総合課税制度のもとにおきまして、特にまた申告納税制度でございますから、その収入、経費及び収入から経費を差し引いた所得について、一番よく知っておりますのは納税者本人でございます。したがいまして、納税者本人の方が正確に漏れなく申告していただくということだろうと思いますが、それをチェックするためには、いろいろなその御本人の所得の発生についての課税上の資料、情報が必要でございます。それは今委員が仰せられましたように、納税者番号あるいは社会保障番号みたいなものがありまして、本人の確認とそれから名寄せが合理的にできるということであれば、それは私ども執行面からでございますけれども、非常に役に立つものではないか、かように考えます。 ただし、再三申し上げるようでくどいところでございますが、架空名義につきまして、つまり偽名につきましては、これは排除できるかもしれませんが、それを借用する問題につきましては依然として問題が残ろうか、かように考えます。
○玉置委員 今お聞きのように、総合課税になると、何らかのその人を類別する記号、こういうものがなければならないということになります。今回我々の方の主張は、我が党はマル優制度でございますが、あるいはグリーンカードなり、少なくとも限度管理のための記号を使っていいではないか、こういうお話を今申し上げているわけですね。将来、総合課税にいくならば、なおさらそういう導入というものが行われる必要がある、こういうように考えまして、ぜひとも存続を基調に考えてこの辺の変更をお願いを申し上げたい、かように思うわけでございます。 そういう総合課税を片方で打ち出しながら、これはまだ政府原案にはなかったわけですね。ただ、水野さんが今までこの委員会の答弁の中で、やはり将来の理想的な形は総合課税である、こういうお話を何回もされております。これは事実だと思うのですね。総合課税がやはり一番いいのだ、そのためにはということでいろいろなお話をされておりますけれども、実際そういう面から考えてみても、将来、総合課税というのは我々にとっては比較的公平な税制ではないか、こういうふうに思うわけでございまして、そういう面から見ると、総合課税は技術的に若干難しいところもありますけれども、五年後に検討するという言葉が出てきたこと自体で我々ちょっと評価をしたい、こういうふうに思うわけです。ただし、せっかく総合課税に移行するのだったら、今無理してマル優を廃止しないで、むしろ原則継続でナンバーをつけたらどうだ、こういうのが私の意見でございます。そこはなかなか合わないようでございますが、そういう状態。一応一方的に言います。 それから、政府提案の中で老齢者の範囲が六十五歳、こういう年齢になっております。我々がいろいろ調査をいたしますと、少なくとも六十歳定年制、まだ一〇〇%ではございませんけれども、かなりの率になってまいりました。六十歳以降順調に仕事をされている方もおられますけれども、仕事がなくなってしまう、こういうのも最近非常にふえてきております。こういうことを考えていきますと、六十歳で定年になられて退職金をもらわれた。やはり退職金を有効に活用していくということもございますけれども、まず目減りを防ぐという意味ではやはりマル優の枠というものも必要ではないか、こういうふうに考えるわけでございまして、少なくとも現在六十歳定年制というものが日本の一つの流れでございますから、定年になって即退職金がもらわれると思いますけれども、そういう状態の中でやはりマル優によって多少なりとも手厚く保護していく、こういうことが必要かと思います。 それから続いて申し上げますけれども、低所得者、これは質問すると、多分どういう定義にするか非常に難しいという答えが返ってくると思いますが、低所得者はいわゆる低所得者でございまして、これをマル優に加えていただけないか。これは非常に難しいですね。今反対していますからね。反対しているけれども、やはり意見は言わなくてはいけないですから、もしそちらの案であればこういうことをしなければいけないのじゃないですか、こういう言い方でございますから、その辺は十分お考えをいただきたいと思います。 これは先ほどもお話を申し上げましたけれども、例えば我々、低所得者というのはお金を持っていないのじゃないか、こういうふうに考えたのですが、いわゆるパートをやっているような奥様、あるいは内職をやっておるような人、そういうふうに見ていきますと、奥さん連中でちょっとでも収入があると、いわゆる低所得者ということになるわけです、あるいは収入がなくても低所得者になるかもわかりませんけれども。この辺から考えてみまして、低所得者ほど意外と細かくお金をためている可能性がある。今までは、低所得者だから預金などする余裕もないのじゃないかと思っていたのでございますけれども、地元をいろいろ歩いてみまして、奥様連中のお話を聞きますと、何言っているのですか、自分の亭主が頼りないと言ったらしかられますけれども、亭主は頼りあるけれども国が頼りないから、私はちょっと将来のために、子供のためなんですけれども、やはり子供の学校のためにお金を貯金している、こういう方が非常にたくさんおられまして、アルバイト、いわゆるパートをやっておる方が非常に多かったのです。こういう状態でございます。 そういうふうに考えていきますと、やはり低所得者の方々のマル優というのは非常に期待されているところがございまして、そういう方々の夢をはいでしまうというような形はどうも温厚な宮澤大臣の意向に合わないのではないか、こういう気がするわけでございます。ですから、退職後の当座の資金を持っておられる高齢者、それから内職で稼いだりパートで稼いたお金を子供たちの教育のために使われる主婦の方々、そういう方々に対する温かい配慮をぜひお願いを申し上げたい、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。
○水野政府委員 六十五歳と申しますのは、やはり所得税法の世界におきましても、老年者控除といったもので一つの年齢区分として定着をしておるところでございますし、また老人配偶者等となりますと七十歳という数字もあるわけでございます。また、社会保障体系でも、現時点におきましての実情はともかくとして、すべて六十五歳を目標に設定されておるわけでございますので、今後新しく設ける制度としては六十五歳が適当ではないかと考えておるわけでございます。 また、低所得者につきましては、老人等については限度額を設けてその利子を非課税とする。そうすると、そのときは所得水準というのが変動するわけでございますので、六十五歳という年齢で定めていただきましたらこれは後戻りするということはございませんが、所得水準となりますとかなり変動するものでございます。また、預入の時をもって一応資格者として判定をさせていただくわけでございますが、それが利払いの時というのとはまた別の時点になる。そういたしますと、かなり変動いたしますこうした要素をここへ持ってまいりますのは、なかなか難しい面があるのではないかと考えておるわけでございます。
○玉置委員 今お聞きのように、一度出した法案はなかなか変えないというのが大蔵省の姿勢でございまして、これが売上税にも響き、所得税改正にも響いているわけでございます。そういう意味で、できるだけ決めてしまわないで審議をするということが必要かと思います。ですから、いつも大蔵委員会になると主税局長といろいろやり合ったりするのですけれども、いろいろな余裕を持った対応というか論議ですね、これがなければ前進はできない、こういうふうに思います。今、我々が反対をしている法案に対していろいろ意見を申し上げましたけれども、率直なところ、もしその法案がずっと生きていくならばそういうことを考えなければいけない、こういうための意見でございまして、これからまだ論議は続いていくと思いますけれども、その中でぜひお考えをいただきたいと思います。 一応、五分前でございますが、おくれておるようでございますので、この辺で終わります。ありがとうございました。
○池田委員長 正森成二君。
○正森委員 国会議員が審議に参加するのは当然といいながら、七時を超えまして、私の質問は九時前後までになると思いますが、御苦労さまでございます。お残りいただいた同僚諸君の奇特なお志に敬意を表したいと思います。 まず、私は、今回所得税法に含まれているマル優を基本的に廃止する法案について、これは昨年の同時選挙のときに中曽根総理が大型間接税やマル優廃止というようなことを私がやるものですかと繰り返し申し上げたとおりという演説を、例えば私のおります大阪の寝屋川、難波等でも繰り返し行われたことは私どものよく承知しているところであります。ところが、同時選挙が済みましてから間もなく売上税とマル優廃止というものを提案され、国民からこれは公約違反であるという日本列島が騒然となる反撃を受けまして、ついにこの間の国会で売上税もマル優廃止もともども廃案になったものであります。それと基本的にはほとんど変わらないマル優を今回国会に提案されたということは、私どもは、主権者である国民の審判に対する挑戦でもあり、二重、三重に黙視することのできないものであり、当然撤回さるべきであると思っておりますし、終始主張してまいりました。しかしながら、諸般の事情で審議に入りましたので、私どもは、審議に入りました以上は、徹底審議を行って、この法案がいかに道理に合わないものであるかということを審議の中で明らかにしてまいりたいと思います。 そこで、マル優の問題に入ります前に、所得税減税の幾つかの問題についてまず最初に伺っておきたいと思います。 七月に大蔵省は「所得税・住民税減税及び利子課税の見直しの家計の負担に与える影響(仮定試算)」というのをお出しになりました。ここに持ってまいりましたが、それを見ますと、まず「勤労者世帯・平均」ということで、年間収入は五百八十五万円である。貯蓄保有額は四百七十四万円である。これは注を見ますと、七百三十三万円だが、それから生命保険や株式等を除いた結果こういう数字になったのである、こういうように書かれております。また、年間収入五百八十五万というのは利子を含む収入ですから、給与所得ということになると幾らになるかといえば五百六十八万円であるというような御説明のようであります。また、利子率は幾らかという点については、三・六%で計算した、こういうように言われております。そうしますと、勤労者世帯平均、年間収入五百八十五万円の方は五万四千円の減税になる、これが大蔵省の数字であります。 しかし、これは四人世帯で、例えば夫が一人だけ働いて妻は働いていない、したがって専業主婦控除十六万五千円が働いてくる、こういう仮定をとっております。 先般八月十八日に、我が党の矢島議員が、そういう世帯をとらないで、逆に、年間収入が同じ五百八十五万円であっても、夫婦共稼ぎで、夫が三百五十万円、妻が二百十八万円で給与収入が五百六十八万円になる、マル優対象の貯蓄額は同じ四百七十四万円であるということを仮定して仮に計算いたしますと、お手元に差し上げました資料のナンバー3を見てください。その一番左に書いておりますが、そういたしますと逆に一万二千円の増税になります。これは利率を三・六%と大蔵省と全く同じにはじいて一万二千円でありますが、仮に五%の利率とすると二万五千円の増税になります。このことを矢島議員が申し上げましたところ、宮澤大蔵大臣はそういうことになりましょうがということでそれを肯定なさる答弁をされたと私は本会議場におって承っております。それはそうなるのですね。
○宮澤国務大臣 あのときに申し上げましたことは、その計算そのものは間違いのないことだろうと存じますけれども、そもそも一定の所得を夫一人で稼得する場合と夫婦でそれを分けて幾らずつ所得がある場合とでは当然のことながら所得税の額は違います、片っ方は累進がきつく効きますから。それで、二人でやりますと、パーセンテージで申しますとたしか一人の場合より三割くらい所得税が安くなっている、こういうことをつけ加えて申し上げました。
○正森委員 その場合は、それぞれの個人が給与所得が低いわけですから、低い税率が適用になるということですね。私どもの計算では、現行法で三十五万八千円ということになります。 同じような計算で、大蔵省は、第一分位から第五分位まで典型をとりまして、これは全部減税になるという数字を同じ日に出されました。それについて私の資料のナンバー3で「年間収入五分位階級別」というので分析しておりますが、仮に第一分位二百八十万円、これは給与収入は二百七十三万になるはずであります。なぜなら、マル優対象貯蓄額が百九十三万円でその利息三・六%が加わって二百八十万円になるわけです。この場合に、仮に夫が百六十五万円、妻が百八万円といたしますと、大蔵省の計算では減税一万四千円になりますが、我々の計算では逆に一万二千円の増税になります。第二分位の四百二十一万円、マル優対象貯蓄額が三百三十二万円、この方は給与所得が四百九万円になるはずでありますが、夫が二百五十万、妻が百五十九万といたしますと、同じ収入でも、大蔵省の専業主婦控除の働く場合には二万六千円減税になりますが、我々の共稼ぎでは一万八千円増税になります。第三分位、五百三十五万円の年間収入でも同様でありまして、仮に夫が三百二十万円、妻二百万円というようにお働きになると、これは世間で大いにあり得る数でありますが、その場合には、大蔵省の夫だけが働いている場合は四万三千円減税ですが、共稼ぎの場合は一万六千円の増税になります。第四分位、年間収入六百七十二万円についても、夫一人だけの場合は七万一千円の減税になりますが、仮に夫が四百万円で妻が二百五十二万円、マル優対象貯蓄は五百四十二万円、これは大蔵省と同じですが、その場合ではやはり〇・二万円の増税になります。第五分位の一千十八万円年間収入がある家庭に至って初めて、仮に夫が六百万、妻三百八十一万円でも二万六千円の減税になるという数字が出てまいります。 ですから、大蔵省が確かにPRのためにこういう数字を出すのは、それはお気持ちはわからぬでもないのですけれども、それはやはり勤労者世帯でそして専業主婦控除が働くという、大蔵省にとっては最も減税額が大きく出るという家庭をとり、しかもマル優対象貯蓄の利率が三・六%。今年度の予算委員会に出された平均利率は四・一%と書いておられましたね。それをさらに低くして、つまり増税額が少なくなるようにして減税になっているのですね。本当は四・一%で少なくも計算すべきなんですが、ここは正森成二、大蔵省に大きく譲歩して、利率三・六%というあなた方の主張どおりをとって計算しても、第一分位から第四分位までは増税になる、共稼ぎの場合。こういうぐあいになるんですね。 そして、あなた方の予算書につけられた数字を見ますと、専業主婦控除、この適用を受ける勤労者は三七%と書いてありますね。あなた方の予算書に書いてあるのですから間違いないです。そうしますと、残りの六三%の給与所得者は、これはそういうようにならないのですね。ましていわんや農家の家庭とかあるいは中小企業で一緒に朝早くから夜遅くまで働いている家庭とか、そういうところではこういう姿は出てこないんじゃないのですか。資料としてお出ししましたから、私の方で何回も計算していますから、この数字は間違いないはずです。答えてください。
○水野政府委員 今回の税制改正と申しますか所得税減税、大臣から申し述べましたように、世帯としては、主婦が家庭におられる家庭、そうした家庭が他の世帯類型との調整の中におきまして、比較の中におきまして、比較的現在税負担が重くなっている、そうした世帯、しかも中堅所得者と申しますか、そこらのあたりの所得層を中心に減税を行わせていただく、こういう基本的な考え方に立ってございますので、先ほど申し上げました配偶者特別控除等もかなりなウエートを占めておる。したがいまして、今回の税制改正を中心にいたしました標準的な姿でいろいろ説明資料をつくらしていただきますと、標準的なものとしてはこういう負担の変動になりますということを申し上げて説明資料をつくらしていただいたわけでございます。したがいまして、例えば御指摘のような共稼ぎの世帯でございますとか、それからまたあるいは事業所得者でございまして青色の専従者控除を適用しておられる世帯でございますか、そうした世帯におきましては、そうした御指摘のような点が生ずるということはこれはやむを得ない点かと考えるわけでございます。 また、所得税と申しますか、サラリーマンの給与所得税につきましてはとにかく減税をさしていただく、一方利子所得につきましてはかなりな利子所得と申しますか所得が課税外になっているのを是正させていただくという一つの観点から改正をさせていただくという二つの観点からの合成としてそういう結果になる。しかしそれぞれの改正の観点はそれぞれの目的に従って行われるわけでございますので、それぞれそうした意図なり理由を御理解賜ればと思うわけでございます。 ただ、それを二つそろえたところでの普通の世帯としての標準的な負担の変動をお示しするということになりますと、これはあわせてお示しをするのが納税者に便宜かということでお示しをする、そして私どもの考えた標準的なケースとしては減税でございますと申し上げたわけでございますが、いろいろなケースがあろうかと思いますので、確かに説明といたしましてはそういうケースのことにつきましても付言をするというのが公正な御説明ということかとは思いますけれども、標準的なもので御説明をさせていただいたということでございます。 それから利率につきましては、確かに三・六というのは予算の数字とは若干違いますが、これは極めて技術的でございまして、貯蓄動向調査の中での普通預金まで含めた全部の加重平均の利率をもって計算したわけでございまして、特にこれを低く示すという趣旨でお示ししたものではございません。これは四%なりでもってお示ししても大勢としては変わらないのではないかと考えておるわけでございます。 それから三七%につきましては、これは納税者をとりますとその三七%が配偶者控除の適用があるということでございます。一方、世帯全部をとりますと、その共稼ぎの方の場合につきましてはそれぞれの方が納税者としてカウントされますので、一方、世帯数としてとらえまして、その世帯の中で例えば農林漁業を除いた雇用者という立場での共稼ぎ世帯、そういったものを計算いたしますと、それは二割程度という計算もあるわけでございまして、三七%と申しますのはあくまで納税者個人単位をとった数字でございますので、若干そこは御説明をさせていただければと思うわけでございます。
○正森委員 水野主税局長の今の答弁はなかなか正直な答弁だったと思うのですね。あなたの今までの答弁が不正直だというわけじゃありませんけれども。少なくとも今の答弁はなかなか正直におっしゃったと思います。 その答弁を要約しますと、大蔵省としては、給与所得者に減税する、しかもその場合に夫が一人で働いてそして税率が高いというのを減税しようという意図を持っておったので、その意図にふさわしいサンプルを選んだということで、大蔵省としてごもっともな点もあると思います。しかし同時に、あなたはそれだけおっしゃるのじゃなしに、共稼ぎの場合などを計算すれば私が今お示しした資料のようになるということも間接的にお認めになりました。また、全体としてはそれを示した方が両方公平になるかもしれませんがというように、仮定で私が示したのも、国民全体にとってみれば自分たちが今度の税制改革をどう見るかについては必要な資料であるということもお認めになったと思うわけであります。 私どもも、もちろん自分らだけが正しいとは思いませんよ、奥さんが働いておられないという家庭ではですね。利率が三・六%が妥当かどうかということは別としまして。 ここにたまたま五%のを書いておりますが、私の部屋では四・一%のも計算してみました。四・一%の場合は当然のことながら三・六と五・○の間ぐらいの数字におさまるわけですけれども、例えば五%にとりますと、この標準家庭の場合は一万二千円の増税でなしに二万五千円の増税ということになります。これは当たり前の話ですね。ですから、あなた方の給与所得者にとってこれは減税になるんだというような宣伝も、これは公平に、共働きの場合だとか、あるいは独身の場合もありますし、もちろん私が言いました三七%というのは、世帯の三七ではなしに、給与所得者個人の全体の中の三七%だということは初めにも申しましたし、そういうことは承知しております。しかし、何といいましても、全体の三七%の数字を挙げてこれは減税になりますと言っても、全体像をつかむことはできないのではないか。なぜこういうぐあいになるかということを考えてみれば、今回の減税というのが、課税最低限については基本的にはいじらない、あるいは高額所得者七〇%を一挙に六〇%に下げるとか、そういうように、我々の観点からすれば原則として高額所得者優遇の税体系を依然として持っておるということからこういう数字があらわれてくるものにほかならないということを私どもは指摘しておきたいと思います。 時間の関係もございますので、これからマル優の問題について質問をある程度絞らせていただきたいと思います。 マル優の点について私がこれから触れますのは、大蔵大臣はもちろん御記憶だと思いますが、たしか七月十六日でございましたか子算委員会の総括質問で、私の持ち時間のうちの約三分の一を使いましてマル優の問題等税制に触れました。そこで、そのときに触れました問題も、議論の進展の関係上、若干重複する場合がございますので、お許しを願いたいと思います。 まず私が申し上げたいのは、中曽根総理が七月八日、これは社会党の岡田議員の質問に対する答弁の中でこう言っておられます。 マル優についての考え方でございますが、サミットにおける私の発言は、税制改革実現への願望を私が述べたものなのであります。マル優につきましては、これは外国から非常に強い批判が今までございました。言いかえれば、貯金に補助金を与えているという制度である。ほかの国でやっていないのに日本だけがこれをやっておるから、貯金が非常にたまって、結局それが円高の原因になっておる。したがって、世界的水準に円ドル関係や外国為替関係を安定させるためには、日本も外国と同じような水準に移ってもらわなければ困るというのが外国の考え方でございます。 云々ということで、マル優というのは貯金に補助金を与えているという制度であり、外国でやっていないのに日本だけがこれをやっておるというような観点で答弁をされているわけであります。これは速記録ですから間違いのないところであります。 そこで、宮澤大蔵大臣はついこの間のことですから御記憶と思いますが、八月十八日にこれも我が党の矢島議員がこの問題を指摘して本会議で質問をいたしました。そうしますと、中曽根総理は、今度は、それはイギリスにもフランスにもある、しかし、イギリスの場合は非課税貯蓄は六兆円、フランスの場合はたかだか二十四兆円であって、日本のように、あのとき幾らと言われましたか、二百八十七兆と言われましたか、というのとは問題にならないんだという答弁をされたと思います。しかし、私は、この答弁がアメリカについて触れていないというのはしばらくおくとして、アメリカについてはまたゆっくり申しますが、仮にフランスをとりましても、確かにフランスの非課税貯蓄は二十四兆円、もっともこれは為替のとり方にもよりますが、一フランが二十六円としての数字であります。二十四兆円というのは本当なんですけれども、フランスは人口が日本の半分なんですね。それから貯蓄も、ヨーロッパの中では比較的多い方ですが、日本より少ない。そういうところで絶対額だけを比べるのは必ずしも公正でないんじゃないですか。フランスのこの非課税貯蓄というのは個人貯蓄全体の何%を占めておりますか。
○水野政府委員 四割程度を占めているように聞いております。
○正森委員 ここにことしの予算委員会に大蔵省が出した数字がありますが、個人貯蓄残高が五十二兆円、非課税貯蓄残高が二十四兆円で、その比率は四五・一%になっております。そうですね。これは予算委員会に出した数字ですから間違いがありません。そうしますと、日本が二百八十七兆円でフランスは二十四兆円といったら、もうとんでもなく問題にも何にもならぬ、横綱と取り的ぐらい違うというような気がしますが、四五・一%個人貯蓄の中で占める割合があるということになりますと、宮澤大蔵大臣、違うことは違っても、日本と比べれば大関と小結ぐらいの差じゃないですか。そんなに総理大臣が本会議で外国に例がないなんて言うことには到底ならない制度であるというように思いますが、いかがですか。 〔委員長退席、熊川委員長代理着席〕
○宮澤国務大臣 まあ前頭三枚目ぐらいですかね。
○正森委員 なかなかユーモアを持った御答弁でございまして、それは小結か前頭三枚目かというと微妙なところで、前頭三枚目でも横綱に勝つ前頭もおれば小結でもころころ負けるのがおりますから何とも言えないのですが、大体当たらずといえども遠からずという制度で、外国では全然ないなんということは言えないのですね。それがまず第一点です。 その次に伺いますが、今度はアメリカの場合で、それについては資料ナンバー1の(1)というところに書いておきました。これは私が七月十六日の予算委員会でも使いました数字を、レーガンの税制改革、その結果どうなるかということで、一九八八年、つまり来年の分、それまで入れまして、これは米国予算書特別分析編というところからとった数字で、国会図書館の協力を得てつくった数字でありますから間違いのないところだと思います。私が今申し上げますことを分析されたのは、大蔵大臣、決して正森成二の専売特許じゃないのですね。主税局長、予算委員会では時間がなくて申し上げられませんでしたが、趣旨を申し上げますと、住友信託銀行の調査情報というのがあります。ナンバー一一六六であります。同じようなもので要約したものは、やはり住友信託銀行の調査月報、一九八六年二月、ナンバー四二九であります。ここに載っておりますところを、これはもちろん一年前のですからその時点ぐらいまでしか載っておりませんので、現在に引き伸ばして申し上げたわけであります。 そうしますと、アメリカでは日本と同じような非課税貯蓄制度というのはないのですね。あのとき申し上げましたように、地方自治体、州なんかではあるのですね。しかし、国の制度としてはないわけです。そのかわりに住宅ローンの利子所得控除制度と私的年金制度というのがあるのですね。これはどういうものかといいますと、 米国には住宅投資を促進する税制上の優遇措置として、住宅ローンの支払利子を借入期間にわたって所得控除する制度がある。この住宅ローン利子所得控除制度は、住宅取得のために行っている貯蓄の利子を非課税にするのと同様の税制上の効果を持っている。というように言われております。これは計算すればすぐわかりますが、当然のことであります。 そこで、これがどれぐらいの額に達するかということを見てみますと、住宅ローンの残高が一九八四年で実に一兆四千九百九十八億ドル、その支払い利子の所得控除の減税規模は八四年で二百二十七億ドルになるというようになっておるわけであります。この資料を見ていただきますと、米国のところの利子所得控除制度のところに二百二十七億という数字がありますね。それがそれを示しているわけであります。 そのほかに私的年金制度というのがあるわけです。この私的年金制度というのは、ここに書いておきましたが、企業年金とIRAとケオ・プランというのがあります。企業年金というのは企業が積むものです。IRAというのはインディビデュアル・リタイアメント・アカウントといいまして勤労者が積むものです。これは一年間に二千ドルとか制限がございます。ケオ・プランというのは事業所得者がやるものです。こういうように年金については特別の優遇税制がありまして、それは日本の利子非課税制度よりさらに優遇されているのです。それがこの論文ではこう書いてあります。 第一は、年金基金への拠出金が所得控除され退職後の給付金に課税されるので、納税を老後まで繰り延べることができる。第二に、通常、勤労期に比べて退職後の方が所得が少ないので、勤労期の限界税率と退職後の限界税率の差だけ所得税が減税される。第三は、年金基金の運用収益は課税されないので、事実上利子所得が非課税となる。第三点は日本の非課税貯蓄制度と同じで利子所得減税であるが、第一点第二点は実質的な所得税減税である。すなわち、私的年金制度は、利子所得減税と所得税減税を両方兼 備えた減税措置といえる。 従って、私的年金制度は、非課税貯蓄制度に比べて税制上いっそう優遇されていることになる。 このようにこの論文は言っておりますし、事実そのとおりであります。 それがどれぐらい巨額に達しておるかといいますと、企業年金の残高は上位千の基金に限っても一九八四年末で八千六百十六億ドル、企業年金全体に対する減税は四百四十一億ドル、これがこの資料の企業年金四百四十一と書いてあるのに匹敵するわけです。それからIRAの残高は八四年末で千三百三十億ドル、IRAの減税規模は八四年で百十億ドル、これがIRAの下に百十と書いてある数字です。というようになっているわけであります。 そうしますと、これを見ていただきますと、日本との比較でありますが、日本は非課税貯蓄制度で、この論文では二兆四千二百三十八億円の減税になる。それから企業年金も減税になっておりますから、これが四千九百五十八億円、そのほか住宅ローンが一九八四年では四百億円でした。その翌年は六百億円ぐらいにふえておりますが、まあ似たり寄ったりであります。それを全部入れると二兆九千五百九十六億円で、これはGNPの一%になるというのがその下の数字の一・○であります。ところが、アメリカは同じ一九八四年をとりますと全部で九百十九億ドル減税で、これはアメリカのGNPに比べて二・四%である。つまり、アメリカのこの種の減税、中曽根流に言えば補助金は、日本の非課税貯蓄制度の二・四倍という手厚い国の助成を行っておるということなんですね。 この間の予算委員会の質問では、主税局長がたしかレーガン減税がございましてというようなことを言っておりましたね。確かにレーガン減税で、例えば住宅ローンの場合は若干制限が加わりましたね。しかし、宮澤大蔵大臣御存じのように、アメリカはうらやましいですな、セカンドハウスまでは住宅ローン利子所得控除制度があるのです。日本なんかファースト何やらも余りないのですね。そこでセカンドハウスまで制限された。それから、アメリカはここで消費者金融についての利子所得控除もあるのですが、これは漸次廃止されるのですね。それからIRAなどについても所得控除制度が始まります。そういうものを全部入れてどういう数字になるかと言えば、一九八五年は逆にGNPの二・六%、一九八六年は二・七%まで上がりますが、レーガン税制が一九八七年から効いてきて、一九八七年はGNPの二・二%、一九八八年は一・七%というところまで助成金が下落するのです。 ところが一方、我が国はどうかといえば、一九八八年になればこの非課税貯蓄制度の二兆四千二百三十八億円が一、二割のお年寄りなどに対する例外を除いてはっさり切られてしまうから、その差たるや物すごいものになります。数倍の差になります。 そういう点を考えれば、中曽根総理が本会議で、日本だけにある助成金だ、外国にはないとか、フランスは二十四兆で日本は二百八十七兆円だなどと言うのは鬼面人を驚かすペテンであって、実際上は外国にだってあるじゃないですか。シュルツ国務長官が盛んにマル優がいかぬ、いかぬと言いますけれども、そのアメリカでは日本の二倍以上の助成金を出しているじゃないですか。それをほっておいてこれが不公正だなんというのは、宮澤大蔵大臣、おかしいのじゃないですか、水野さん。
○水野政府委員 確かに学者の説等によりますれば、利子所得の非課税と貯蓄のための所得控除制度とは同じであるという学説もあることは私ども承知をいたしておるわけでございますが、そうしたものを完全に同列に比較対比することが税の面から見て適当かどうかという点につきましては、私ども若干の議論はあるところでございます。 それから、我が国におきましても、このほか例えば生命保険料控除的な、所得控除的なものを入れるとすればそうしたものもございますし、また、住宅ローンにつきましては一九八四年後さらに控除額また控除年限も広げてまいっておりますので、そうしたものはこれよりはなお大きくなっているところでございます。 また一方、先生よく御承知のように、アメリカの所得税は、そもそもの発生のときから利子はすべて控除してしまうというところから発生して、現在それをどうやって縮減していくかという過程にあるわけでございますから、日本の所得税とアメリカの所得税を利子控除の点で比較するときに、貯蓄優遇というか利子減税という点からこれを比較するのはややいかがかなという気はいたすわけでございます。 それから、現在のマル優なり少額貯蓄非課税制度と申しますのは、まさに貯蓄一般を、とにかく貯蓄すればその利子は非課税ということでございますが、まさにアメリカのように、一定の目的のための貯蓄といったものにむしろ向けていくという方向がアメリカの方向であろうかと思います。現在御提案申し上げてございますのも、老人等につきましては非課税を継続する、それからまた財形におきまして年金、住宅といったものにつきましては低率課税でいきますということ、それからまた先ほど申し上げた住宅ローンの点もございます。とにかく貯蓄一般につきまして、貯蓄をすれば優遇するというのが戦時中なり戦後の資本蓄積期の政策でございましたので、そうした方向は今後大きく見直していいのではないか。ただ、いろいろ目的的なものを持つ貯蓄とか、そういったものにつきましては今後政策的な課題として残っておる。それから、アメリカと日本では反対の方向から進んできているという面もあろうかと思うわけでございまして、そうした点で、日本としてもやはり見直すべき点にあるということは私ども申し上げたいところでございます。
○正森委員 水野主税局長が言われた答弁の中で、後半部分には聞くべき点はあると私は思うのですね。前半の、アメリカでそういうことをやっている、これは財政の面から見れば同じじゃないかと後ろから言葉もございましたが、中曽根総理が利子非課税制度は補助金と一緒だということを言っておられるという荒っぽい議論からいえばこれは同じことであって、日本はGNPの一%、アメリカは二%を超える、二倍以上の補助金同然のものを出しておるというのは事実だと思うのですね。 ただ、宮澤大蔵大臣はあるいは御記憶かもしれませんが、七月十六日に私が質問したときも、これは、例えば住宅なら住宅とか年金なら年金というように、目的を限ってその目的についてこれを助成するために所得控除を行うとかというようなことと利子一般に行うということとは違うので、そういう点は区別しなければならないという意味のことをたしか言われたように思うのです。主税局長が後半部分で述べられたのも同じことだと思いますが、それはそれとして議論として十分成り立つと私は思うのですね。日本のように、利子一般を非課税にせずに、住宅を建てるということに限ってその支払い利子の所得控除をするとか、あるい制年金に積み立てるというのに限って年金の積立額の一定額までを所得控除するということの方が合理的だという議論は、あるいは私は成り立ち得ると思いますよ。 しかし、仮にそうだとしても、今度のマル優廃止は全く乱暴じゃないですか。そういうことは全然しないでそれではさっと切り捨てる、こういうことをやりまして、ある目的のために、国民が年金を積み立てるあるいは住宅ローンを払うというのについては、新たな減税措置を設けます、その額は全部でこれこれこれこれになります、しかし、そのかわり財源として利子所得のうち一部は改めさせてもらいますというように、今度の税制改革で政府は盛んに増減税同額なんと言っておりますけれども、利子についても同額で、利子をこれだけ減らすけれども住宅ローンについてこれだけふやす、あるいは年金についてこれだけふやす、結局とんとんで同じだからとでもおっしゃれば、そういうことをおっしゃっていないから、私はそれに賛成するという意味じゃないのですよ、まだしも国民は耳を傾けるかなと思いますけれども、やらずぶったくりというのはこのことですね。切るだけ切り飛ばして渡すものは渡さない。 主税局長、私が知らないと思って言っているのかもしれませんけれども、あなたは今住宅ローンについては拡大しておるなんて言われたでしょう。ちゃんと調べておるのですよ。一九八四年は四百億円だけれども、その次の年かその次の次の年は六百億円にふえて、その次は八百億円ぐらいにふえて、そんな程度でしょうが。一千億円いかないのですから。それを何か将来何兆円に膨らむみたいに言ってもらったってそれはだめなんですよ。まだ取り的の者が横綱になったと言うようなもので、そういうことを言ったって説得力がないのです。ちゃんと調べてあるのですから。住宅ローンというのは、最初四百億円で、その後六百億円になって、八百億円になって、その程度なんです。比較の対象にならないじゃないですか。そうしますと、あなた方が、外国にはない補助金だとか、それからフランスはどうだとかいろいろ言われますけれども、国民に対しては全く説得力がないというように言わなければならないと思いますね。これが私が参考資料のナンバー1の(1)で申し上げたいと思っていることなんです。 この数字は正確な数字ですよ。何せ私が勝手に計算したのではなしに、アメリカの――アメリカというのはおもしろい国で、ちゃんと予算書に「特別分析編」と減税がどのぐらいになるかということを書いているのですね。それを使って、しかもアメリカの発表しているGNPを使って計算しているのですから間違いがない。日本のGNPも、経企庁が発表しているGNPですからね。そうすると、明らかに日本だけが特別にこういう問題について政府が手厚く助成しているわけではないというのは非常にはっきりしているじゃないですか。この一事をもってしても、本会議などで中曽根総理が言っているマル優を廃止するのは公正だなんという議論の一番大きな論拠が崩れてしまうじゃないですか。
○水野政府委員 ただいまの住宅ローンにつきましては、この年は四百億、その後の数字につきましてもおおむね委員のおっしゃるとおりでございますが、六十二年改正におきましては三年の控除期間を五年にするというので、ことしすぐは効果は発揮できませんけれども、それを平年度化したところでは二千億を超えるものになるものと見込まれるわけでございます。それから、今回御提案申し上げております年金課税につきましても、これは数百億円の減税をもって対処しているところでございまして、そうした方向には参っておるわけでございます。また、老人、身体障害者等につきましてはこれは継続をいたしておりますし、全体としての増収も五年、六年後の平年度化の計算でございます。 先ほどのお言葉のやらずぶったくりということでございますが、それはそうしたものも五年、六年後のものも充てて今回所得税減税を行おうというところでございますので、その点は二つあわせてお考えいただければと思うわけでございます。
○正森委員 多少はやっておるということだと思いますが、言葉をかえて言いますと、主税局長、朝三暮四という言葉を知っていますか。詳しくは申しませんけれども、そういったぐいのものである。朝三つ、暮れ四つというやつですね。そういうことにほかならないということで、次の論点に移りたいと思います。 次の論点は、貯蓄率が非常に高いと言われていることについてであります。 質問資料のナンバー1の(2)のところに「貯蓄率」と書いてございまして、六十年が一六・一になっています。「貯蓄率は国民経済計算ベースの家計貯蓄率」というように書いておきました。これは、総務庁が行っている家計調査、その数字とは違うんですね。 そこで、総務庁でもよろしいし経企庁でもよろしいが、なぜこういう数字の差ができるのかということと、どちらが国際比較をする場合にイコールフッティングなのかということについて簡単に説明してください。 〔熊川委員長代理退席、委員長着席〕
○石井説明員 お答えを申し上げます。 貯蓄率につきましては、貯蓄を可処分所得で除するという形で求めてございます。国民経済計算上では、この家計は個人企業も含まれております。 可処分所得につきましては、個人企業の営業余剰、それから個人の雇用者所得の受け取り、そういったものを中心とした受け取りから、直接税といった非消費支出、それを除いたものを可処分所得と称しております。この可処分所得から消費支出を控除したものを貯蓄と呼んでございます。 こういった形で貯蓄率を出しましたのが、先生が今仰せの六十年度は一六・一%でございます。 国際比較に当たりましては、今申し述べました家計の貯蓄率において比較されるケースが多かろうかと思います。OECD等の国際比較の統計表には、ここでの家計貯蓄ベースでの国際比較が行われているようでございます。
○正森委員 ちゃんとお答えになったと思いますけれども、わかりやすく言いますと、経企庁、貯蓄の分子の中には、経企庁の国民経済計算ベースという中には例えば生命保険は入らないでしょう。その点が非常に大きな差に出てくるところでしょう。違いますか。
○石井説明員 お答え申し上げます。 国民経済計算上における所得の受け取りにつきましては、今先生がおっしゃられたようなものであるとかあるいは現物給付といったようないわゆる国民経済計算上からの約束による受け取りが含まれております。仰せのとおりであります。
○正森委員 生命保険は入らないのでしょう。
○石井説明員 仰せのとおりでございます。
○正森委員 ここの貯蓄率というのは、経企庁の国民経済計算ベースでは合っていますね。
○石井説明員 先生お示しの資料のデータのとおりでございます。
○正森委員 次に、二枚目のナンバー2の資料をごらんください。 この資料は、日本の貯蓄率が高い高いと言われているけれども、本当にそうだろうかということを分析したものであります。予算委員会のときには、同様、根拠資料を申し上げる暇がございませんでしたが、主計局長、日本銀行金融研究所調査役に堀江さんという人がおられます。これは雑誌「金融」の八六年七月に載りました「我が国における貯蓄の実態と今後の動向」という論文であります。ここに詳しく分析されておりますので、それに基づいて申し上げます。昭和六十一年五月二十三日に日本経済新聞にその要約が載っております。この要約が非常にわかりやすいと思われましたので、その要約に載っております数字をここへ移しかえたのが表1、表2あるいはこの棒グラフでございます。 そこで、日銀の金融研究所ですからいいかげんな研究所ではないので引用しているのですけれども、この中でどういう分析をしておられますかといいますと、 貯蓄は可処分所得と消費支出の差額、言い換えれば金融貯蓄と実物投資(住宅など)の合計から負債増加を控除した額として定義される。 というのが多くの学者の言われるところです。ところが、 一般に消費は支払いと同時にその便益ないしサービスが生ずるのに対し、実物投資ではそれが支払いの時点ではなく使用期間中に分かれて生ずるといった相違がある。 これは当たり前のことなんです。もう少し詳しく説明しますと、 耐久消費財(乗用車、家電など)は、食料、サービス等ほかの消費支出の対象に比べて使用期間が長く、従ってこれに対する支出は住宅同様、投資に含めて扱うことが適当である。 例えば食事なんか食べてしまったらそれで消費が終わってしまいます。ところが、住宅というのは途中で売り飛ばさなければ二十年、三十年使えます。自動車も、三年や四年で買いかえる人もおられますが、多くの場合は五年、七年、私のように十年も使う者もおるということで、長く使いますね。家電などでも同じですね。相当長い間使う。そういうぐあいになりますと、これは単純に消費とは言えないで実物投資というように言えるのではないかというのがこの日本銀行の金融研究所の考えなのです。そういう違いが日本とアメリカとではあるということで、 こうした考えに基づいて、総務庁の家計調査報告をもとに、総務庁の家計調査報告というのは今の経企庁の経済ベースとは違うのです。で総務庁があれば答えてもらったらいいのですが、 報告をもとに、勤労者世帯について耐久消費財購入を貯蓄(実物投資)に加え、そのかわりに、宮澤さん専門家ですからよく御存じでしょうが、 その使用に伴うサービス これを帰属サービスと言いますね。例えば持ち家の人が家賃相当分が帰属サービスであると言われるようなものですね。その (帰属サービス)を所得に加えて そうしないと不公平ですから、そして 貯蓄率を再定義してみよう。 ということでこの論文では再定義しているのです。そしてそれをさらに経企庁の言う国民総生産ベースの統計に直して、それでどれくらいになるだろうかというように計算してみたのがこの「勤労者世帯の貯蓄率」、「従来のベース」それから「耐久消費財加算後」ベースという統計資料です。 これに基づきまして、宮澤大蔵大臣、一番下の棒グラフが「日米個人貯蓄率の比較」になります。堀江さんは社会保障負担まで入れて棒グラフをつくっておられますので、議論がややこしくなりますから、上の方の社会保障負担は削っていただき、まして、貯蓄プラス耐久消費財購入を可処分所得あるいは帰属サービスで割るという真ん中辺の棒グラフを見ていただきますと、黒いのが日本、それから点々のかいてあるのがアメリカで、大蔵省の資料でも、経企庁ベースで日本の貯蓄率が一六・一%ですか、アメリカは五%ですね、実に一一%も違うのですが、こういうように、耐久消費財を貯蓄に入れその帰属サービスを所得に入れて貯蓄率をつくり直しますと、非常に接近して、その差は大体三%前後に縮まるというのがこの日銀の調査の結果なんです。これは非常に理屈に合ったことで私は疑う余地はないと思うのです。 そういうぐあいに考えますと、日米の貯蓄率は物すごく違う違うと言われますけれども、そんなに違わないのです。何も日本だけが特別に目のかたきになって責められるだけのことはないというように言わなければならないのです。しかも、この三%の差というのは、後で申し上げますが、日本には日本の貯蓄率がその程度高くならなければならないという理由があるのです。これは土地、建物が御承知のように諸外国に比べて非常に高い。後で資料を申し上げますが、日本の勤労者の年間の所得の大体六から七倍ですね。外国では大体三倍以内におさまっています。ですから、住宅を手に入れようと思えば相当高い貯蓄をしなければどうにもこうにもならないのです。あるいは社会保障がまだ非常に低いので、日本では将来の老後を考えると貯蓄せざるを得ないのです。そういう点で貯蓄率が高くあらわれているのです。 もう一つついでに申し上げておきますと、今度は生活行動研究所所長山口貴久男さんという人が昭和六十年八月十五日に同じく日本経済新聞に「本当に高いか日本の貯蓄率」という論文を書いておられます。この中の数字を資料ナンバー2の右側に私が写して書いたものであります。 これを見ますと、この方が言っておられるのは、所得階層間の貯蓄率格差が非常に拡大しておる。 収入五分位階級別でみると、所得の最も低い第Ⅰ階級の貯蓄率は五十一年の一七・一%から五十九年には一一・五%にまで大きく低下している。非常に庶民の生活は苦しくなっているのですね。貯蓄率が急激に低下しております。しかも、それをさらに分析して、生命保険料のように契約するとどうしても納めなければならないものが総務庁ベースでは貯蓄に入っていますね。それから住宅ローン返済のように借金で返さなければならないものがありますね。こういうものを固定貯蓄というように呼びまして、それに対して預貯金だとか債券、株式あるいは財産純増のようなものを自由選択的貯蓄というようにこの生活行動研究所ではやって分析をしてみたんですね。 そうすると、どういう姿があらわれるかというのが資料のナンバー③とナンバー④に書いてあります。それを見ていただきますと、 自由選釈的貯蓄のウエートは昭和四十年代にはほぼ一貫して上昇しているが、ごらんのとおりです。 四十九年に七五・五%でピークを打つ。私がちょっと線を引っ張っておきました。 五十年代に入ると一転して低下し、五十九年には四四・六%にまで落ち込んでいる。というようになっているんですね。 特に金融資産等純増のウエートの落ち込みが大きく、四十九年の六四・九%から五十九年には三四・〇%と貯蓄のわずか三分の一にまで減っている。 反対に固定貯蓄のウエートは四十九年の二四・五%から五十九年には五五・四%にまで上昇している。保険純増は四十九年の一四・二%から五十九年には二七・二%へ、借金純減はつまりローンの返済なんかですね。これは同じ期間に、実に一〇・三%から二八・二%へとウエートを急上昇させている。というように書いているんですね。しかも、こういう変化は第一分位ほど大きいというのが一番右側の図です。昭和四十八年を見ていただきますと、第一分位も第五分位も自由選択的貯蓄、固定貯蓄というのは余り比率は差がなかったんですね。ところが、一番下の昭和五十九年を見ていただきますと、何と自由選択的貯蓄は第一分位では一〇%あるかなしです。そのかわり、固定的貯蓄というわけで、生命保険や住宅ローンの返済は九〇%を超えておるという状況になっているんですね。それを要約して生活行動研究所長の山口さんはこう言っております。 第Ⅰ階級では貯蓄の実に九〇・二%が固定貯蓄によって占められ、しかも生命保険料が貯蓄の半ば以上を占めるに至っている。一カ月平均の実額で示すと、金融資産等純増は、四十八年の八千四百七十三円から五十九年には九百円に激減している一方、生命保険純増は三千六百六十八円から一万三千七百八円へと三・七倍にふくれ上がっている。 低所得層を中心にして、生活防衛性の強い貯蓄へと急傾斜している実態を知ることができよう。 こういうように書いてあります。少し長くなりましたが、これが日本の貯蓄率の実態であり内容であります。 ところが、今度の政府の非課税貯蓄課税は、こういう実態をよく見ないで、六十五歳にならなければ、第一分位であろうと第五分位であろうと、あるいは第五分位というのは勤労者の第五分位ですから本当の資産家は入らないんですね、そういうものも一律に全部利子には二〇%かけ遠慮なく取り立てる、そして今まで行っていた源泉分離課税の三五%も思い切りよく二〇%にまけるというのが今度のマル優の基本的な廃止の内容ではないですか。それはこういう貯蓄動向を見ますと著しく不公正であり不公平であると言わざるを得ないので、中曽根総理が言われているようなマル優の廃止こそ公平であるとか公正であるとかなんという議論はどこから押しても出てこないんじゃないかというのが私の見解です。いかがですか。
○水野政府委員 この貯蓄の動向の中で、昭和四十八年、九年の第一次オイルショックのときの貯蓄率の推移については非常に議論のあるところでございまして、この時期と現時点あるいはその前の時点とを比べるときには、その点はかなり議論のあるところではないかと思うわけでございます。 それからもう一点、今回の利子課税制度の対象となりますのは、ここでお示しのような自由選択的貯蓄、金融資産部分が恐らく中心になるのではないか。生命保険料控除につきましては今回はおおむねそのままになってございますので、そういう意味からいたしますと、最近の貯蓄動向と必ずしも反するものでもないような感じをこの資料から、まだここでべっ見したところでございますので正確なところは申し上げられないわけですが、そういうことからしますと、むしろそうしたものに合わせているとも言えるのではないかという気もしますが、ちょっと確定的なことは控えさせていただきますが、そういう感じがいたします。
○正森委員 随分苦しい答弁ですけれども、そうしますと、資料ナンバー2の①を見てください。これは「ハートの経済情報」、第一勧銀が出しているものですね。八五年十二月「経済トピックス」というここに載っている資料です。私が出している資料は、日銀だとかあるいは住友信託だとかあるいは第一勧銀とか、大体共産党とは余り縁のないところなんですね。決して共産党の政策委員会がつくったものではなしに、資本主義社会のぱりばりのチャンピオンがつくった資料でも、あなた方がやろうとしていることが非常に一方的なものであり必ずしも道理に合わないということを示しているのですね。これがそこに出ている図ですけれ ども、よくごらんいただきますと、貯蓄率も全体として低下しておりますが、その低下している中でふえているのは「借金返済」「住宅ローン返済」と「保険増加」であって、「預貯金増加」というのは一貫して低下しているのですね。オイルショックの前ぐらいがピークで、それからはもう一貫して低下しているのです。これはいかに庶民が貯蓄ができないような状況になっているかということ、つまりマル優対象貯蓄ができないような状況になっているかということを示しているのですね。これは全体の傾向としてはおおむね間違いのないところであります。 そういう点を考えますと、宮澤大蔵大臣、いろいろ他の野党の御答弁などで理論開陳をなさっているのを拝見しておりまして、それはそれでそこのところだけを読むとごもっともかなという気もしますけれども、こういう資料をよく吟味しながら全体として見ますと、随分一方的な議論であると思わざるを得ないということを私は指摘しておきたいと思うわけであります。 そこで、次に移りますが、日銀の研究所の調査でもなおかつ是正しても日本は三%高いですね。それはなぜ高いかという点を見てみますと、これは貯蓄増強中央委員会というのがあるのですが、この資料のナンバー2の表2「目的別の金融貯蓄率」という部分がございますが、それを見ていただいたらわかるのですけれども、その中央委員会が調べたのです。そうしますと、ここに「実物投資」というのがあります。これは、住宅を買うとか、自動車を買うとか、そういうぐあいに買ったのが貯蓄に入っておるわけです。「一般消費のため」というのは、目的はないけれどもともかく貯金しておいて、それで何か買おうというものですね。その次の「実物投資のため」というのは、これからためて、一定額たまったら自動車買おうとか、一定額たまったら家買おうというものですね。それから「予備的動機」というのは何かといいますと、老後の不安とか病気とかそういうことのために貯蓄するというように、貯蓄増強中央委員会に答えたものをまとめているわけです。 そうしますと、日本では予備的動機というのが金融貯蓄の中では非常に大きなウエートを占めているのです。ほとんど五割近くを占めているわけです。約三五%が実物投資のため、一般消費のためは一五%、こういうように論文では言われております。 それはなぜだろうかということを、またまた、宮澤大蔵大臣、これは長銀の調査特報ですね。これも資本主義社会の相当チャンピオンの特報でありますが、昭和六十二年の二月号です。「日仏の家計貯蓄行動の比較」というようになっております。これは読んでみますと、フランスからのトレーニーで、アンヌ・カントリーヌ・マテオという人が長銀の調査部におられたときに、フランスから来たのですから日本とフランスの貯蓄について調査されたものをこの調査特報としてまとめたというように書いてあります。それで日仏の比較になっているのですね。 これを読んでみると、非常におもしろいことが書いてあります。長いですからとても全部読むわけにいきませんので、そのさわりの一部だけを読みますと、こういうことを書いているのです。「結論」の部分ですが、 本論の分析は、日本の過度に高い地価、住宅価格をとり挙げている。そして結論として、高い家と土地が貯蓄率に対して与えるネガティブな効果を上回る不動産への欲求の強さが日本に存在していることを見出した。 つまり、日本では地価は高いし住宅は高いし、こんなもの何ぼ貯金しても買えぬかなと思うのだけれども、それにもかかわらず日本人はやはり家は持ちたいという欲求が非常に強いということをこのフランスのトレーニーは言っているのです。そして、 さらに、不動産価格が高いことは、日本人が、消費よりも貯蓄を優先させ、貯蓄の種類のなかでも契約型貯蓄や義務的な貯蓄を増やすことにも貢献している。 契約型貯蓄とか義務的貯蓄というのは、住宅ローンで契約して借金返済していくということでありますが、そういうことをこのフランス人が言いまして、 一方、日本も老齢化に直面しており、その進行のスピードは、フランスよりもむしろ速い。産児率の減少、一人暮らしの老人の増加など家族構成の変化により、伝統的な扶養に対する考え方、つまり、子供は年老いた親の面倒を見るべきだという考えは、すたれてきている。 フランスの研究者が日本についてそう見ているのですね。 こうした、子供に全てをたよることが難しい状況において、年金受給額の減額が実施される見通しであり、厚生省は年金の改悪をしましたね。 そのことを言っているのです。 日本の家計は、益々、退職後の生活に備えて貯蓄しなければならなくなるだろう。 フランス人が言っているのです。 また、フランス人と日本人の年金制度に対する考え方の違いも勘定に入れるべきである。フランスの家計は、社会保障制度が退職後の生活をまかなってくれるものと期待しており、老後のために資産形成を行う必要を感じていないように見うけられる。これに対し、日本の家計、特に若い世代は、そのような自信を持っていない。 そのため、日本の家計は、老後の備えを重要な貯蓄動機と考えている。このことは、日本の高貯蓄率の一つの大きな要因であろう。 こういうようにフランス人が言っているのですね。そして利子非課税制度について、 我々の分析によれば、その影響は、貯蓄の絶対水準よりは、むしろ貯蓄の構成に対してのものである。そして、日本の貯蓄優遇税制の撤廃は、貯蓄水準全体の変化をもたらすものではなく、金融貯蓄から他のタイプの貯蓄へのシフトをもたらすであろう。こう言っているのです。 つまり、日本人は住宅を持ちたいという欲求はある。住宅や土地は高い。社会保障は削られるから、老後に備えてますます貯金しなければならないというインセンティブは依然として高い。だから、仮にマル優が廃止になっても貯蓄動向、貯蓄全体は変わらないだろう。もし変わるとすれば、金融貯蓄から株に移るとか、そういう移動が行われるだけだろう、このフランスの研究者はそう言っているのですね。このことは私はいろいろな意味で当たっている、こう思います。 そして最後にこう言っております。 日本の貯蓄率については、いくつかの確かな根拠により、今後も引続き相対的に高いレベルにとどまると予想される。 というように言っております。そして政策提言としては、これは最後になって申し上げてもいいのですが、 日本の高すぎる家計貯蓄率は、内外の論争の種であり続けるだろう。 しかし、貯蓄水準の高低を議論するより、そうした余剰をどのように適切に効率よく使うかを考えることの方が、間違いなく重要であろう。 こういうように言っております。そして、先ほどの日銀の堀江さんは、この余剰を、財政の問題も考えながら一定の内需拡大、そういう方向に向ける方がいいのであって、これに対して非課税制度を廃止するというようなことをやっても、決して貿易摩擦を解消することにもならないであろうということを言っておられますが、こういう見解について宮澤大蔵大臣はどう思われますか。
○宮澤国務大臣 先ほどからるる統計に基づきまして御説を伺いました。蒙を開いていただいたところも幾つかございます。そこで、いろいろ細かいことは別にいたしまして、私がお話を承っておりまして感じたことを主な点だけを申し上げたいと存じます。 アメリカとの比較をいろいろお話しになられま して、総理大臣がどのようなことからああいうことを言われたかつまびらかではありませんが、私が想像いたしますのに、アメリカ人がよく日本に申しますことは、自分たちは消費に対して財政補助をしている場合が多い、日本の場合には貯蓄に対して財政補助をしている、こういうことを申します。それは、先ほど正森委員が言われましたように、この表でも住宅ローン、それもセカンド・ハウス・マネー、あるいは従来で申しますと消費者金融、これらすべてある意味で、住宅をつくれ、あるいは消費をせよとは申しませんが、それを奨励する効果になっておることは明らかであると思います。 先ほどこの貯蓄の一つの考え方として、耐久消費財を分子に置くということを言われました。これも確かに理のあることでございますが、アメリカで耐久消費財の購入が多いのは、一つにはそのためのローンの支払い利子が控除される、こういうことが貢献をしておることは確かだと思います。 で、申しますと、つまりアメリカの場合の財政援助は消費という行為になされているのに対して、日本の場合は貯蓄という方になされておる。我が国の場合にそういう貯蓄という行為に対して財政援助をするということは、あるいは富国強兵でありあるいは戦後の復興、資本蓄積のためという、そのときそのときの目的を十分果たしておったと思いますが、今アメリカ人が日本に言っていることは、とにかく内需を拡大しろ、輸入品を買ってくれ等々の国際的な要請に対して、日本政府は、それと反対の方向、金を使わない、金を貯蓄するという方向に財政援助を与えているではないか、それは我が国の例とまさに反対なので、むしろお互いの立場が反対になったらいいのではないかとまで極端に言う人があることも御承知のとおりでございます。 そこで、今まで日本がそういう必要があってやってきたことはそれなりの意味がございましたが、今日本政府が、内需を拡大しよう、そうして輸入をなるべく奨励しよう、外国製品も買ってくれというような政策をとっているときに、むしろ金を使わないでためろ、そういう政策はそれと反対ではないか、そのために財政援助をしていることはおかしいのではないか、私はこう言っているのであろうと思います。したがって、先ほどから言われましたように、日本の貯蓄は、いろいろな統計で言われているほど、アメリカより低くないとかいろいろなことはございますが、実はそこらが問題ではなくて、今日本政府が要請されている政策はそういうことではないのではないかという批判がある、これを私は総理大臣は言おうとしておられるのではないかと思います。
○正森委員 大蔵大臣というのは、ある意味では総理の女房役と言ったら申しわけございませんが、これをお助けする立場ですから、そういうふうに言われるのは御無理のないところだと思います。しかし、総理が本会議で、外国にはどこもないのにああいうような助成金を出しておるというような言い方は、これは事実に反するし不公正であるということは言っておかなければならないし、それから宮澤大蔵大臣の今の議論を一〇〇%認めるにしましても、それは日本の利子非課税制度を一定の目的のために消費が進むような税制に変えるということを言えるだけであって、そういう代替制度なしにばっさりと切り捨てるということを合理化するものではないということは指摘しておかなければならないと思うのですね。 それで、経企庁来ておられますか。これは八六年十一月十八日の日経ですけれども、 経済企画庁は「日本の貿易黒字は自動車、電気、機械など一部の輸出産業によって獲得されている」とする分析結果をまとめた。国際競争力が強く輸出志向型の特定産業を除くと、その他の産業は黒字に対し「責任」はないことになる。企画庁はこの結果から、①日本の黒字は特定産業の競争力の産物で、必ずしも国内の投資不足、貯蓄過剰の結果ではない②円高は一部産業の競争力には見合っていても他の産業には大きな打撃となる――などの点が指摘できるとしている。 云々、こう言っておられるんですね。これについてコメントをお願いします。あなた方の出したものを見ると必ずしもここまで言ってないようなところもあるのですけれども、きっと新聞ではレクチャーしたのでしょう。
○金子説明員 申しわけございませんが、実は担当官が来ておりませんで、私直接それにタッチしておりませんので何とも答えられませんけれども、そういうようなものを出したと聞いておりますが、ここで経済企画庁としてそういう見解がどうかということをお答えするわけにはいきません。申しわけございません。
○正森委員 きのうレクチャーしたときに、その点も聞きますということは言っておいたのですけれども、いないものは仕方がないから結構です。 それでは、次の論点に移ります。 宮澤大蔵大臣が、本会議でも言われましたし、予算委員会、当委員会でもしばしば言われていることで、利子課税がいかぬ、いかぬというけれども、利子課税というのは資産課税ではないか、所得税というのは汗を流して働いたものに税がかかる、ところが、資産課税、それも中曽根総理の本会議発言では十五兆九千億円、あるいはちょっと低目に言うにしましてもそれに近い数字、それが課税されないというのはいかがなものか、少なくとも勤労所得よりより優遇しなければならないのは道理に合わないという意味のことを繰り返し言っておられるわけですね。これも、聞きますといやごもっともという気がするのですが、よく考えみると必ずしもそうではないんですね。 これも私が言っているのじゃないのです。ここでもまた皆さん方の陣営の人に御出馬願いたいと思うのですが、徳田博美さんという野村総合研究所の所長さんは、大蔵省に勤務時代中は何をしておられましたか。
○平澤政府委員 銀行局長をしておられました。
○正森委員 あなたの大先輩ですな。この徳田博美さんが野村総合研究所所長という肩書きで六十一年九月十五日の「金融財政事情」に「マル優制度改廃論の論拠を吟味する」という論文を書いておられるのです。これは大蔵省のエリート官僚で銀行局長までされた人ですから、この問題の権威ですね。だから、決してこれは私だけの見解ではないんです。有力な支持者が大蔵省OBにおるわけですから。平澤さんよく聞いておいてくださいよ。その人がどう言っておるかといいますと、利子収入を所得と言えるかどうか疑問であるという大前提をぼんと出しておるのです。どういうように論拠づけているかといいますと、 本来、所得は、その所得者が生活とかレジャーのために、自由に安心して使用できる収入であるといえると思う。ところが消費者物価は石油価格の大幅な下落のなかにあっても、なお上昇をみており、過去一〇年の平均をとってみると、この間の物価上昇率の単純平均は四・六%程度になる。 六十一年の論文のですからね。 これに対して、同一期間の一年定期預金金利の単純平均は約四・八%である。あなたの先輩が言っているんですからまあまあ正しいということにしておきましょうか。 したがって、この間、預金の実質価値は、金利を含めても横ばいに近い。そこで収入利子の全額を消費に向けると、むしろタコが自分の足を食うに等しい形になってしまう。そうですね。利子があって初めて物価上昇にだんだん何とか見合うわけですから、その利子を安心してレジャーなんかに使ってしまったら元本が目減りして価値は一年前の価値を持ち得ないということを、徳田さん、さすが銀行局長ですな、言っているんです。当たり前のことですけれども。 このような利子収入を「所得」といえるかどうか疑問である。 こういうことを言っておられるのです。そして、 しかしながら、所得のなかで金利に類似している不労所得ともいうべき土地家屋賃貸収入と 対比した場合後者は通例、物価の上昇に応じて改定が行なわれる。土地を貸したり家を貸したりしている場合は、二年か三年は据え置きですが、二年か三年かたつと家賃や地代は改定して、土地代が上がったから、やれ何が上がったからということで改定になるのです。隣りに同僚委員の中に弁護士出身の方もおられますが、よくそういう裁判をされたとみえてにこっとお笑いになりましたから事実なんですね。我々にとっては公知の事実なんです。そして、 またその元本というべき土地は消費者物価以上に大幅に上昇しているところが多く、これはもう今ではだれ一人知らぬ者のない事実ですね。土地の値段が上がっているのをどないして抑えるかということで予算委員会で何遍も質問があったわけですから。 地代収入は、これは完全に消費しても以後の収入の確保にはなんの懸念も起こらないわけである。 徳田さんがこう言っているのです。つまり、金を持っておって、銀行に預けて四%や五%利息をもらっても、物価上昇で、多少はふえるかもしらぬけれども、利子所得があったからといって全部使えば元本だけを見れば確実に目減りしておる。安心して使えるようなものではないからこれは果たして所得と言えるのか。それに対して地代や家賃はどうだ、二年、三年たてば上がったのに応じて改定するし、元本はほっておいても間違いなくどんどん上がるのだから、安心して使ったって、元本は減らないところかふえるし、家賃は改定できるし、結構なものじゃないか。こういうことを言って、利子所得を気安く課税するのは不労所得だと言って、いかがなものであろうかという問題提起をしておられるのです。これは私は、さすが大蔵省出身だけあってある意味では鋭い問題提起だと思うのです。平澤さんも同意見ですね。
○平澤政府委員 今お話を伺いまして私なりに感じたことで申し上げますと、恐らく、一定の所得を上げました場合に、だんだんその所得を貯蓄その他に回すわけでございますが、最初のうちは預貯金とか、そのうちに有価証券とか、さらに進みますと保険とか、さらに進むといろいろな実物的な物にも投資していくということでございまして、その中で特に金融資産の分だけとらえて、これについて特にその分だけ議論をするというのもまたいかがかと考えるわけでございます。ただ、その利子所得と実物投資した場合の所得とかそういうものを税法上どう扱うかという点につきましてはまたいろいろなお考えがあろうかと考えるわけでございます。
○正森委員 先輩はかばわなければいかぬし、徳田さんの言うとおりだと言ったら宮澤大蔵大臣ににらまれるし、大分苦心されましたね。なかなかお考えになった答弁だったと思います。しかし、おっしゃりたいのは、貯蓄というのは将来もっともうかる株にいったり土地にいったりいろいろするので、その一時期の形態だけをとらえてどうこう言うのはいかがなものかという御意見のようです。 しかし、後で統計も出してもいいのですが、低所得者ほど金融貯蓄以外になかなか運用できないのですね。株を買おうとか土地を買おうと思ったら一定の資金が要りますから。だから、土地の場合は今言いましたように元がどんどん上がりますね。それから家賃や地代は改定できる。株はどうかといえば、株は空前のブームで、株の値段は物価が上がったりあるいは物価が上がらぬでもどんどん上昇しています。だから、株に投資しておいて物価が多少上がったから目減りしたなんということはないのですね。だから皆様に投資するのです。そうしますと、株やら土地に投資できるのは比較的高額所得者で、本当の勤労市民というのはなかなかそこへいかないのです。 そういうぐあいに考えますと、同じ資産所得に対して課税すると宮澤大蔵大臣はおっしゃるなら、株の売買益に対するキャピタルゲインに対してぴちっと課税する、あるいは土地の売却益に対してぴちっと課税するということであればまだしも、――土地の売却益については今度税制改正が行われましたが、後で、あすになるかあさってになるかわかりませんが、我が党の矢島議員がその点は詳しく質問されるらしいので私からは申しませんけれども、今度の土地税制の変更によって明らかな減税になるのです。例えば十億円の土地を売却するということで長期、短期、超短期というように比べて税率を計算してみますと、いずれの場合でも減税になるのです。ところがまた、株の売買については、五十回以上かつ二十万株以上というのを三十回以上かつ十二万株以上というように変えましたけれども、国税庁まだおられるかどうかわかりませんが、昨年でもその申告はわずか七十件でしょう。それで、それによって増収はどれだけかというと、私は数年前にも聞いたんだけれども、そのときも特別の統計をとってないからわからぬ。この間聞いてもやはりわからぬ。今度そういうように多少重くしましたというのが大蔵省がまるで鬼の首でもとったように言うことですけれども、それによってそれじゃ増収はどのくらいになるんだと言ったら、これはわかりません。つまり、わからぬぐらい少ないということなんです。国税庁やら主税局がわかるぐらいたくさん取れるんだったら答えないはずないのです。私が何遍聞いても、そういう統計はございませんとか今わかりませんと言うのは、わからぬぐらい少ないということでしょう。日向さん、答えてください。
○日向政府委員 今委員仰せられましたように、現行は、株式の売買益に係る所得金額は、一年につき五十回以上かつ二十万株以上の要件に該当する場合には雑所得等として申告されているわけでございます。全国の税務署において提出される膨大な数の申告書の中から、所得面で見てこの要件に合致する申告の件数について報告を私ども求めているわけでございますけれども、その件数は直近の六十年分について申し上げると七十件であります。 また、委員御案内のように、株式の売買益に係る所得金額は雑所得等に区分され、他の所得と総合して申告されているので、申告面で見てその中から株式の売買益に係る所得のみを取り出して正確な金額を把握することは難しいところでございますけれども、あえてその申告面であらわれた数字を概算で申し上げますと、申告件数約七十件に係る収入金額は約二百六十億円、必要経費を差し引いた売買利益は約五億円でございます。
○正森委員 こちらに報道機関もおりますけれども、皆驚倒すると思うのですね、推測で五億円ですよ。 今私資料を持ってまいりましたけれども、公社債の売買高、それは昨年度でたしか三千兆を超えているのじゃないですか。ことしはまだ一月-六月ぐらいまでの統計しかないかもしれませんが、それでも既に三千兆を超えて、ことしは一兆円の一万倍の我々が使ったこともない一京円というのにそろそろ近づくと言われているのじゃないですか。答えてください。
○藤田(恒)政府委員 お尋ねの公社債の売買高でございますけれども、六十一年につきましては二千八百四十四億円、今年の一月から七月までの間でございますが四千二百八十四億円でございます。
○正森委員 兆でしょう。
○藤田(恒)政府委員 そうでございます。
○正森委員 今単位を間違ったよ。専門家でさえ間違うぐらいなんです。
○藤田(恒)政府委員 失礼いたしました。二千八百四十四兆円と四千二百八十四兆円でございます。
○正森委員 専門家でも間違うぐらいけた外れに多いのですね。ことしはまだ八月も半ばなんですよ。それなのに今までの分で去年一年間の二千八百兆をはるかに超えて四千二百兆。だから、一京には近づかないにしても、それに相当近いところへいくわけですね。 それで、その売買で膨大な金が動いておる。それでわずかキャピタルゲインの税収は五億円しかない。これこそ数字が間違って五兆円ではないかと言いたくなるぐらいですね。五兆円だってそんなにおかしな数字じゃないですね。マル優は全部で二百八十七兆円だと言われているのですね。それで今度一兆六千億円取るのでしょう。四千二百兆も金が動いておれば、そこから五兆やそこら取っても――取ってもと言うたらいけません、税金を納めていただいても、別に罰が当たるほど多いことはないですね。ところがそれは五億円しか税収を上げていないじゃないですか。そういうことを一方でやって、それでマル優だけ資産所得で優遇されているのはおかしい、おかしいなんと言うのは、それこそ宮澤大蔵大臣、おかしいのじゃないですか。そう言いますと、水野主税局長は殿の一大事とばかり手を挙げかけたけれども、恐らく言いたいのは、キャピタルゲインとしては五億円でございますが、日本では有価証券取引税というものがございまして、その額は一兆何千億円に達しております、この点も御考慮をいただく必要があるかと存じますと。ようできているでしょう。そう答えようと思っていたのでしょう。違いますか。
○水野政府委員 おおむね委員のおっしゃるとおりでございます。 昭和二十八年まではキャピタルゲイン課税が行われていたわけでございますが、やはりその把握の問題等から、実質的に公平を確保するという観点に立ちまして、一般的にはキャピタルゲイン課税は非課税としつつ、ただ継続的な取引につきましては譲渡益課税をする、しかし通常の場合におきましては有価証券取引税を課税するという仕組みに昭和二十八年に移行したところでございまして、御指摘のように昭和六十一年度におきましては一兆三千六百億円の税収となっておるわけでございます。 一方、キャピタルゲイン課税につきましては、昭和二十八年に継続的取引は課税をするということでございますから、逐次その範囲を広げまして、いろいろ御指摘のある取引につきましては課税対象とさしていただくというふうに漸次拡大をしてきているわけでございます。 しかしながら、そのように定性的にいろいろ拡大を図ってまいりましても、一方また有価証券取引税が一兆円を超える税収を上げてございましても、そこはあくまで課税の公平という観点からいろいろ議論のあることはよく承知をいたしておるところでございます。ある意味では、有価証券取引税と申しますのは、譲渡益があろうと譲渡損の場合であろうと、とにかく一律に課税をお願いする一律分離的な課税でございまして、非常に流動的な株式市場、証券市場に対しまして処理する場合には効率的な課税の方式だということも考えられるわけでございますが、しかし、そうした効率的なという反面、また公平の観点からいろいろ御議論がある。そこらにつきましては、今後なおどういう程度まで具体的な課税の方式を広げるあるいは抜本的に考えるというところまでいけば税収はともかくとして納税者の御批判にたえることができるのか、この点につきましては今後の検討課題であると私どもも考えておるわけでございますが、それがまた実質的に不公平な結果を招くことになりましてもまたいかがなものかということで、現在は漸進的な解決を図っておるというところでございます。
○正森委員 漸進的といいましても、余り遅過ぎるんじゃないですか。国会で牛歩戦術というのをやったけれども、それぐらいもまた動いていないのですね。日向さんが大胆な推測をすればといって言われましたけれども、たったの五億円ですからね。もちろん私は有価証券取引税があるということは知っておりますし、それが一定の効果を上げているということも知っていますけれども、しかし、今度だって有価証券取引税は基本的には減税しているのでしょう。一部は、転換社債なんかはそれは上げましたよ。実際上、もしキャピタルゲインをきちんと取れば、有価証券取引税というのは当然引き下げられるべきものですね。それはバランスの上からも当然であります。ところがあなた方はそのどっちもやらないじゃないですか。有価証券取引税は、財テクブームで物すごく取引量がふえたからその税収は上がりましたけれども、率そのものは基本的には下げる、そしてキャピタルゲイン課税は全く見るべき改善をしないということでしょう。 そこで、またえらい申しわけありませんが、泉美之松さんという人は何をしておられて、大蔵省時代は何をしておられましたか。
○水野政府委員 主税局長を歴任し、国税庁長官をもって退官されたと覚えております。
○正森委員 この間まではたばこ産業株式会社などをやっておられましたね。だから、水野さんの先輩で、日向さんの大先輩ですね。日向さんはまだ国税庁長官にはなっていないけれども、しかしそれにしたって大先輩ですね。 その方が「税理」という本の三十巻ナンバー一というのに「税制新時代の幕開け~政府税調答申の徹底解明」という座談会に出ておられるのですね。近く参考人に出てこられる東大教授の金子宏さんも出席されておられます。それから一橋大学教授の石弘光さんなど五人ぐらいの座談会をやっているのです。その中でどう言っておられるかというと、泉さん、なかなかいいことを言っておられますよ。水野さんもこういうぐあいになってほしいんだけれども、今度の税制改革を言いまして、こう言っているんです。 これが将来ずっと続いたらおかしいと思います。だって、所得税を納める義務のない人まで、一律源泉徴収して取るでしょう。しかも、いま三五%いただいている源泉選択の分まで一律税率になる。これは税負担の公平という点からいったらおかしいですよ。そんなものがいつまでも続くということは考えられない。 これは共産党の質問だって言うたってなかなか立派なものですね。そうしたら、石さんが大蔵省を弁護して、 そうかな。入れたら、続くんではないですか。 なんて太鼓をたたいているんですわ。そうしたら、泉さんは断固として、 いや、だから、それはずっといつまでも続けてはいけないのです。 最初のは いつまでも続くということは考えられない。という観察だったんですね。それがその次には、石さんが余り大蔵省の肩を持つものだから、 いや、だから、それはずっといつまでも続けてはいけないのです。 という価値判断をされて、断固として続けさしてはいけないんだということを言っているんですね。これは水野さん、失礼ですが、大蔵省は先輩ほどいいんじゃないですかね。 それから、その後でまたいいことを言ってますよ。キャピタルゲインについてもこう言っているんです。 結局、証券会社から有効な資料を出してもらうにはどうしたらいいか、これをこれから研究しなければいけない。いままで全然研究できてないのですよ。 こう言った。そうしたら、石さんがまた大蔵省の太鼓をたたいて、 それはまさに協力をお願いするというだけの話で、アメとムチでできますか。 なんて茶化しているんですね。そうしたら、また泉さんが、 いやいや、それを考えないといけない。あり得るんです。なんて言って、積極的に考えにゃいかぬということを言っているんですね。平澤さん、何か感にたえたような顔をして聞いていますな。やはりいい先輩がおったな、こう思われたのでしょうが、こういうことを言っておられるのです。 それから、きょう余り古い先輩だけ出したらいかぬから新しい先輩を出しますが、一橋大学教授の野口悠紀雄さんというのは大蔵省出身ですか。何をしていましたか。
○角谷政府委員 入省年次は私どもより後輩でございますが、主計局の調査課等で課長補佐をしていたと思います。
○正森委員 この方が大蔵省から転身して一橋大学の教授をしているんですね。この方は支出税というような特別の議論をお持ちになった方でございますが、今そのことを申そうとしているのじゃなしに、六十二年一月十九日の「金融財政事情」という雑誌がございます。その中に「資産所得課税の改革をいかに評価するか」というので論文を書いておられますが、その中で非課税制度というのを非常に批判をしておられまして、この方は六十一年の四月七日にも同じ「金融財政事情」に論文を書いておられる。その中ではこう言っておられるのです。今平澤さんが言われた「利子所得はそれ以外の形態の資産性所得に容易に転換できること、」ということを論じた部分で言っている。あなたの言われたのと同じですね。 この問題は、結局のところは、キャピタルゲインの課税に帰する。日本では有価証券の譲渡益には通常は課税されないので、資産性所得をこの形態に転換すれば、その課税はきわめて困難になる。しかも、こうした転換ができるのは、主として大資産家の場合であり、零細貯蓄者は、こうした可能性はあまりない。したがって、利子課税は公平にかなうという一般の印象とは逆に、現実には大衆課税となるおそれが強い。 こう言っているのですね。これは野口さんの意見です。そういうことを言うた上で、六十二年の一月十九日の論文ではキャピタルゲイン課税についてこう言っております。 有価証券については、取引記録が残っているので、とくに情報処理技術が発達した現在では、他の所得に比べてむしろ捕捉が容易であるとさえいえる。 具体的には、売却が行なわれた時点で、売約価格の一定率の源泉徴収を行ない、購入価格の証明は納税者の義務とすればよい。購入価格の証明を納税者の義務とするというのは不動産のキャピタルゲインについて現にとられている方式である。 こういうように言っておられるのですね。それはそのとおりなんですね。不動産の場合は登記簿謄本なんかですぐわかりますからね。それで売買価格というのは調べればすぐわかる。そこで、もうけが幾らかというので、自分は幾らで買うたか、経費で幾ら要ったかというようなことは、これは納税者の方が証明すべきであるという考えでやっているのですね。そしたら株式の売買のキャピタルゲインについてもちゃんとできるじゃないですか。泉美之松さんは、やらなければならないが、それは研究しなければならぬと言っていますけれども、大蔵省の先輩でも若い方の人はちゃんと研究して、できる、こう言っているのですね。 日向さん、あなたは野口さんと御面識はないかもしれませんが、この考えはできるんでしょう。そんなもの、売上税だって、これからほとんどすべての商品の売買に五%取ろうというわけで膨大な法案をつくったのですから、法律には全部書き切れないから百二十何カ所も政令委任をこしらえて事細かなものをつくり上げたのですから、キャピタルゲインについて、恐らくコンピューターで処理しておってあるいは売買記録は全部あるのですから、できないわけがないじゃないですか。日向さん、できるんでしょう。
○水野政府委員 野口先生とは私どもも時々いろいろ議論をする機会があるわけでございます。ただ、野口生先は基本的には支出税論者でございますので、所得税の問題でこういう問題を議論するということにつきましては、やや、私どもと全くどうも基本的には立場が違う点がありますので、かみ合わない点があるわけでございます。 それから、今のキャピタルゲインの話につきましては、先ほども申し上げました、例えば売却価格の一定価格を売買益とし、それから一定率の概算率の経費率を引きまして、それの一〇%なり二〇%で課税をするということになりますと、結局は、先ほど申し上げた有価証券取引税の万分の五十というのは〇・五%の課税率になるわけでございますので、売却価格の五%が売却益である、それからその半分が金利等のコストである、それからまたそれの二〇%であるというふうに計算していきますとまさにそうしたものになるわけでございますから、私どもとしては、むしろ有価証券取引税というのがそういう役割を果たしておるということも時には説明をするわけでございますが、そちらから説明しますとなかなか御納得は得られない。しかし、全く観点を新たにして今の委員のような御説明でやっていけば、仕組みとしては同じになるわけでございますけれども、なかなかどちらから説明するかによって御議論があるところでございます。 そうした野口先生の案のようなものも一つの考え方でございまして、私どもいろいろ勉強はしておるわけでございますが、そうしますと結局は有取税になるのかもしれないしということで、しかしそれでは本当に世の中の納得が得られるのかとという問題もございます。いろいろ検討させていただいているところでございます。
○正森委員 世の中の納得が得られないのですね。宮澤大蔵大臣が、マル優の基本的な廃止を行う場合に、利子所得というのを資産所得なのにこんなに優遇する必要があるのですかということを再々言われますけれども、そういうことを考えますと、それではキャピタルゲインはどうなんだ、あるいは土地の売買益はどうなんだということになる上に、基本に返って、利子課税だって相当取られているというのが、水野さん、この資料1の「貯蓄率と利子課税比率の推移」という中で言おうとしているところなんです。 これは時間がございませんので多くは申しませんが、「日本の預金利子課税制度」という本を栗原るみさんという方が日本経済評論社から出しておられるのです。その中である程度言われている議論で、資料も載っておりますが、これは二、三年前の本ですから、その資料をさらに六十年まで延長して私がこの資料をつくったのですけれども、この国民経済計算ベースの家計貯蓄率、左側ですね、これを見ますと、五十七年が一六・○、六十年が一六・一です。それから右側は、現在でも利子課税を行っているのでしょう、大体一兆六千億円とか一兆八千億円といった規模ですね。そして所得税は全体でどのぐらいかというと、大体十五、六兆でしょう。そこで、所得税全体の中で利子課税はどれぐらいの比率を占めるかというのを資料に基づいて計算してみますと、右側に書いてある数字がそうなのです。これを見ますと、五十七年は一三・〇%、六十年は一二・二%ですね。それで貯蓄率は幾らかというと、一六%ないし一六・一%でしょう。そうしたら、所得全体から比べると結構課税されているじゃないですか。 貯蓄というのは全く税を免れた金じゃないのですよ。だれでもよくわかるでしょう。所得がありましたら、それには所得税というのが一たんかかっているのですよ。だから、貯蓄というのは、我我の所得の中で一たん税金をかけられた中から、お酒を飲んだりビールを飲んだり御飯を食べたりということもいいけれども、将来家を建てたい、あるいは老後の不安に備えたい、子供の教育のためだというわけで、一たん所得税をかけられた中から貯蓄に回しているのですよ。その貯蓄に対して、さっき私は随分目減りするということを言いまして徳田さんの説を紹介しましたが、その利子に対してまた税金がかかっているのですね。その額はどれぐらいかというと、貯蓄率が一六・一%に対して所得税の高に占める利子課税は一二・二あるいは一三・○ですから、結構応分の課税はされているのです。それを今度はあなた方は一挙に一兆六千億円もふやすということになれば、二倍に引き上げるということですから、物すごく高く引き上げる。 一方では、金持ちの資産運用だと野口さんが言っているような株式の売買のキャピタルゲインは、この六十二年について言えば、年の半分で四千二百兆円、年間では一京円に近づこうとするのにわずか五億円しか課税されていない。そんな不公平なことがありますか。そういうものをほっておいて、それで利子を非課税にしておくのは不公平だ、不公平だと幾ら宮澤大蔵大臣が力説しても、それは決して人を納得させる説得力を持たない。これはもう明らかである。第一私は説得されない。私が説得されないということは、多くの国会議員も、少なくもこちら側は、そちら側にもそうだと思っておる方がおられるかもしれませんが、やはり納得しないということなのですね。ですから、そういう不公正なものを、本会議の答弁などで、あたかもこれが公平な税制であるというようなことで大上段に振りかぶって中曽根総理などがやってくる、それを、役目上余儀ないことといいながら、宮澤大蔵大臣や水野主税局長は、先輩には幾多のいい方もおられるのに、あえて中曽根総理の味方をして弁護するというようなことは、道理にもヘチマにも合わないと思わざるを得ないのですが、いかがですか。
○水野政府委員 ただいまの計数の点でございますが、利子所得を分母にとられた、これは恐らく、委員も御承知のことかと思いますけれども、源泉所得税としての利子所得課税額をおとりになった。一兆六千億という数字をお聞きしますと、そうではなかろうか。そういたしますと、これの三分の二ぐらい、そこのところはよくはっきりは今申し上げる計数はございませんが、法人分の源泉徴収税額として法人税から控除されるべきものが所得税の中の利子所得として入っているという部分、それが三分の二ぐらいあるのではないかという気がいたしますので、この数字が、傾向としてあり得るかもしれませんが、割合としてはいかがかなという点は若干疑問に思う点でございます。
○正森委員 それは、大蔵省から報告を受けたときも、法人も入っておるということです。しかし、利子所得が課税に回ってそれが出ているということは事実なんです。利子以外のものに課税されているのならそれはあなたの言うとおりだけれども、逆に利子に課税されて源泉徴収されているのは、まさに二〇%課税された上で法人の方へ行くわけですからね。だからあなたの議論も、率としては多少誤差があるかもしれませんよ、しかし傾向としては、何か利子課税はえらい優遇されているという議論には当たらない、そういう例証の一つとして申し上げたわけであります。 私は実はこのほかにもいろいろの論点を議論しようと思いまして、率直に言いましたらまだ相当部分が残っておりまして、それはレクチャーしましたので担当の方はよく御存じだと思いますが、今、質疑持ち時間が終了いたしましたという紙が回ってまいりました。時計を見ますと九時も回っておりますし、これを超えることはお申し合わせの趣旨にも反しますので、もし機会があればまた引き続き質問をさせていただきたいということで、本日の質問はこれで終わらしていただきます。 おつき合い願いましてありがとうございました。
○池田委員長 次回は、明二十六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時三分散会