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109回国会衆議院1987/08/18

大蔵委員会 第3号

発言数
103
登壇者
12
会派数
3
開催日
1987/08/18

会議録

池田行彦自由民主党

○池田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 お盆明け、早速の大蔵委員会開会でございますが、NTT関連二法案、中身の審議の前に、ウォーミングアップじゃございませんが、しばらく委員会から遠ざかっておりましたので、大臣に所信を少々お聞きしたいと思います。  まず、第三次中曽根内閣が成立いたしまして、宮澤大蔵大臣におかれましても主要大臣ということで入閣をされまして一年余がたつわけでございます。大体一年一区切りでございますが、この一年余を振り返って、大蔵大臣としての反省、総括、所感、まずこれからお聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私も就任いたしまして一年余りでございますが、昨年の七月の段階におきまして、いわゆる円高が非常に急速に進みました結果、我が国の経済が十分に対応し切れない深刻な問題を惹起したわけでございます。それに対しては、財政も御承知のような状況ではありますけれども、しかし財政なりに対応をしていわゆる内需振興等々に努めなければならないと考えまして、また国会でもそのような御議論が多数でございましたので、そういうことをも考えながら、昨年の補正予算、また先般の緊急経済対策に伴います補正予算等々を財政としても精いっぱいの努力をしてまいったつもりでございます。  また、もう一つ、円高そのものも急速でございましたので、我が国経済の対応が困難でございましたが、どこまで行けば天井を打つのかということがわからないということは企業家としては非常に計画を困難にすることでございますから、為替の安定について日米間あるいは多国間で何とか合意ができないかということもこの一年間いろいろに私なりに考えてまいりました。御承知のようにある程度の体制ができたかというふうに考えております。  それらの反面、シャウプ以来の税制改正をぜひ将来を展望して実施いたしたいと考えておりましたが、結果におきまして、前国会におきまして政府の提案いたしましたものの大部分が国会のお認めいただくところとならずに廃案となりました。この点はまことに残念なところで、私どもとしても反省すべき点が幾つかあろうと思いますが、他方で所得税等々を中心とする減税の国民的な要望が非常に強うございますし、また、将来を展望いたしますと、今のままの税制では二十一世紀までのこれからの変化になかなか対応できないのではないかと思っている点もございまして、目先の減税の問題、中長期のこれからの税制改革の問題をこれからひとつ政府としても方針を定めてまいらなければならない。この仕事はただいまのところいわば将来に残されておる、こういう感じを持っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうしますと、激動のこの一年間であったわけですが、自己採点しますと、宮澤大蔵大臣、この一年有余は何点ですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 これはどうも遠い将来になりましてからむしろ振り返ってお決めいただくしかないのではないか。私としては一生懸命やってまいったつもりでございますけれども、それが果たしてどういう結果であったか、将来からでありませんと判定が困難ではないかと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 次の質問に移ります。  八月十五日、毎年暑い夏、敗戦の記念日ということで迎えるわけでございますが、今回、靖国神社の参拝に当たりまして、内閣官房より留意事項ということで、参拝は一礼にとどめ二社二拍手、いわゆるかしわ手を打つことですが、二社二拍手一礼など神道形式は行わない、こういう指示があったそうでございますが、宮澤大蔵大臣はこの参拝形式はいかがであったのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私は、いつもそうでございますけれども、いわゆる公式参拝ということはいたしませんので、一般人と同じように社頭で参拝をして自分なりのおさい銭を奉納してくる、そういうことで今年もそのようにいたしました。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうすると、もう一遍お聞きしますが、二社二拍手一礼であったのかどうかということと、それから、総理大臣が公式に参拝をするということ、これについてはいかがお考えですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私は、参拝いたしますときにいつでも二社二拍手一礼ということをどこでもやっておりますので、今度もたしかそういたしたと思いますが、それは全く公式参拝ではなく、個人の社頭における参拝でございますから、私のいわば自分としての参拝の仕方でございます。  総理大臣の問題につきましては、かねて官房長官が談話を出しておられますので、それで尽きておると考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 急いで次の質問に移りたいと思います。  七月二十九日にロッキード裁判の控訴審判決があったわけでございます。この控訴審判決は厳しいものであったわけでございますが、この後のいわゆるマスコミの報道を見ましても、政治家自身に対する襟を正していくべきである、こういう報道が非常に大きくまた印象に残っているわけでございます。  そこで、いわゆる政治家のパーティー、こういうものに対して税金がかからないということで、特に投書欄なんかには大変盛んにそのことが論議をされておるわけでございますが、これについては、政治家のいわゆるパーティー、励ます会等々、後援会総会、こういうものについて税金は一体どうなっておるか、また、社会的にも国民的にもそういう世論もあるということを踏まえて今後どのように対応していかれるべきものであるか、その点についてお伺いしたいと思います。

日向隆国税庁次長

○日向政府委員 委員も御存じと思いますけれども、いわゆる政治家の主催するパーティーにつきましては、通常人格なき社団等が主催するものでございまして、これにつきましては収益事業以外は課税されないということになっております。ところで、パーティー券の売り上げにかかる収入は、法人税法に規定する収益事業、これには当たらないところでございますので、主催者である人格なき社団においては課税されないということになっております。ただ、その利益が政治家に配分された場合には、その政治家にとりまして雑所得を構成する収入金額として把握されるということになります。私どもといたしましては、この雑所得を構成する収入金額がどのくらいであるか、並びに、その収入金額について政治家が私的消費をするないしは私的資産の形成をするという場合には当然所得として課税しなければいけませんので、日ごろからこれに関するあらゆる有効な資料、情報の収集に努めまして、政治家から提出される申告書等とこれらの資料、情報を突き合わせまして、問題がある場合には実地調査等を行いまして適正に処理する、こう考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 これは大蔵大臣のところ、宮澤派のことだそうでございますが、先月の二十七日に未閣僚経験者、いわゆる閣僚未経験者について夏の手当として一律三百万円を配ったということだそうでございます。こういうふうにはっきり新聞報道されているわけでございますが、三百万円配った。これは政治家としては、いわゆる申告、また報告といいましょうか、どういうふうにすれば非課税になるのか、またどういうふうにしなければいけないのかという問題が一点。それから現実にそういうものがきちっと確定申告等で雑所得で上げておられるのかどうか、実際につぶさに見られたのかどうか、この点についてお聞きしたいと思います。

日向隆国税庁次長

○日向政府委員 ただいま私から御説明申し上げましたように、そのような収入はその年分の雑所得を構成する収入金額として把握されまして、その当該収入金額から政治活動のために費消した金額を控除して残りがあれば、また繰り返しますけれども、雑所得として申告をしていただいて課税するということになります。したがいまして、問題は政治活動のために費消したかどうかというところでございますけれども、私どもは、先ほど申し上げましたように、申告書等を初めあらゆる資料、情報を収集いたしましてその点について十分念査しておるところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 御信用申し上げて、とにかく国民の皆さんから、政治家だけがいわゆるクシピンのピンでほとんど課税されない、こういう疑惑の目からこれを消し去っていかなければ、襟を正していかなければならないと思います。昔は派閥から盆暮れに幾らもらったとかそういうことは内密の問題であった。最近はもう当たり前のようなことでどんどん新聞にも報道されるわけであります。先ほどのようにきちっとした申告ができているかどうかということについてはひとつ厳重にお願いをしたい、かように思うわけでございます。  続きまして、所得税の改正法案がきょうの昼から本会議でいよいよ趣旨説明、審議が始まるわけでございますが、実は私は六十一年の三月六日に、竹下大蔵大臣のときでございましたけれども、医療費控除についていろいろと論議をさしていただきました。今回の所得税法の一部改正によりますと、五万円が十万円に一応上がるわけでございます。そうしますと、六万円、七万円、八万円、今までは医療費控除で適用を受けていた方々は十万円以上ということになりますと受けられなくなってくる、こういうこともあるわけでございます。  その中で一番大きな問題は、何といいましても寝たきり老人、床ずれ、かぶれ、褥瘡、こういうことで今紙おむつ、紙おしめといいましょうか、こういうものが非常にはやっておるわけでございますが、この紙おむつ、紙おしめ、どう言った方がいいかわかりませんが、紙おむつと言わしていただければ紙おむつの、医療費控除というものは一部改正になって五万が十万にもなるわけでございます。月に一万数千円ぐらいそれだけで費用がかかるとも言われております。この紙おむつについては今後どのように考えていけばいいのか、またどういうように検討されておられるのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

日向隆国税庁次長

○日向政府委員 一般に紙おむつの購入費用が医療費控除の対象になるかどうかにつきましては、たしか委員御存じと思いますが、昨年の三月、予算委員会分科会において私どもより答弁しておりますとおりでございます。  ただ、今委員が具体的に御指摘になりました寝たきり介護老人の使用する紙おむつにつきましては、寝たきりであるということが現に何らかの疾病や障害があると考えられます。また、そのような状況の中で使用される紙おむつ等につきましては、医師等の判断があれば診療または治療等のために直接必要なものとも考えることができますので、御指摘の寝たきり介護老人の使用する紙おむつの購入費用につきましては医療費控除の対象とすることについて現在前向きに検討してまいりたい、かように考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 大変前向きな答弁が出ましたので、多くの寝たきり介護老人を抱えた家族の経済的負担等々を考えていただきまして、さらに突っ込んで検討していただけることをお願い申し上げておきたいと思います。  続きましていわゆるマル優問題でございます。  ちょっと関係当局のお方にお聞きいたしますが、いわゆる少額貯蓄非課税制度、こういういわゆる貯蓄に対しての優遇制度というものは諸外国ではその例があるのでしょうかないのでしょうか、それからまずお聞きをしたいと思います。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 フランスあるいはイギリス等におきまして若干そうした少額の貯蓄につきましての税制上の優遇措置といったものは見受けられるわけでございますが、我が国のように一般的に個人貯蓄の七割ぐらいまでを非課税とするというようなかなり広範囲な特例措置というものは諸外国には見当たらない、私どもはそんなふうに考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 大変回りくどい言い方でよくわかりませんが、要はフランス、イギリスでは若干なりともそういう制度はあるということですね。もう一度お願いします。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 そういうことでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そういたしますと、これは本年七月八日の衆議院本会議におきまして社会党さんの代表質問に対して総理大臣がこのように答弁をされております。これは官報の号外にあるわけでございますが、このように総理はマル優について答弁をされておられます。「マル優につきましては、これは外国から非常に強い批判が今までございました。言いかえれば、貯金に補助金を与えているという制度である。ほかの国でやっていないのに日本だけがこれをやっておるから、貯金が非常にたまって、結局それが円高の原因になっておる。」「日本だけが」、こういうふうにはっきりとおっしゃっておられます。私も本会議、最前列でございますので、よくこの発言は記憶をしておるわけでございます。「日本だけがこれをやっておる」という言い方は果たして適当なのか不適当なのか、これについてお伺いします。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 これは、ただいま申し上げましたように、日本におきましては個人貯蓄の七割、金額で申しますと二百八十七兆円、こういったものが非課税対象になっておる。それに対しまして、イギリス、フランス等におきましては、文字どおりの少額貯蓄と申しますか、極めて一部の貯蓄につきまして非課税とする制度があるというようなことから、一般的なお話といたしまして諸外国には見られないというふうな御答弁がされておったのではないかと思うわけでございます。私どもも、予算委員会等におきまして総理が、外国にも小規模なものはある、しかしそれは、フランスでは例えば二十兆円、イギリスでは五兆円、そんな数字をもって御答弁もしておられるケースもあるわけでございまして、制度としてそうした小さなものはございますけれども、我が国と比較して比較できるような一般的な大幅な優遇措置はない、そういう趣旨でそのような御答弁がされておられたというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうすると、これはちょっと言い過ぎということですね。日本だけという断定した言い方でございます。正確な言い方をしていただかないと、本会議でおっしゃるようなことは、こうやって官報号外で国民の皆さんに広く目にとまるわけでございます。そういうふうな印刷物として出回るものに、知らない人がこれを見ると、日本だけがやっているのか、それは外国から言われても仕方がない、金額の規模ではなくて、そういう制度がほかの国にはなくて日本だけのものだ、こういうふうなとられ方をする答弁になるわけですね。この答弁書は恐らく主税局の方で書かれたのじゃないですか。もう少し丁寧に、諸外国にもそういう少額で非課税制度はある、それは規模は小さい、そういうものを入れないと、これを見ただけでは、日本だけがこれをやっておるから云々と、こういう言い方になると思うのですが、もう少し正確な言い方を総理にさせないと、それでなくても総理は税制音痴だとか財政音痴だとかいろいろと巷間言われておるわけでございます。主税局長、どうでしょうか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 実態関係はただいま申し上げたとおりでございまして、そのような誤解を世の中にお招きするようなことのないように私どもも十分注意してまいりたいと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 私、実はことしの一月に公明党から欧州税制調査団の一員として派遣をされました。諸外国といいましてもイギリス、フランス、西ドイツ、スペインの四カ国でございましたけれども、参ったわけでございます。その中で、イギリスについては、これからどんどんいわゆる国営企業を民間にしていく、株式を売却する、それにはストックが必要だということで、どちらかというと今後そういう貯蓄の非課税制度というものをさらにやっていかなければいけないのではないかというような話も漏れ聞いてきておるわけでございます。それからフランスについても、先ほど規模は小さいとおっしゃいましたけれども、ここにあるデータによりますと、フランスの個人貯蓄残高は五十二兆円、日本の三百七十六兆円から見れば六分の一ぐらいでございまして非常に低い。しかし、これはフランスという国が、御存じのように教育の面だとか福祉の面だとか住宅の面だとか、いわゆる社会資本の整備も非常にできておりますし、また福祉の制度も非常に発達しておるということで、貯蓄そのものをしなくてもいわゆる老後生活もできるのだ、こういうようなことで貯蓄も少ないとも考えられるわけでございますが、この五十二兆円の個人貯蓄残高のうちに非課税貯蓄残高は二十四兆円、四五%ということだそうでございます。日本が七〇%云々という先ほど御発言がございましたけれども、パーセントだけ見れば、金額の規模は小さいけれども、フランスのパーセントは非常に高い。半分になんなんとしている。こういうことから見れば、日本だけが、ジャパン・バッシングじゃございませんけれども、このマル優制度で、諸外国から、それによって内需拡大ができない、円高の原因だと云々されるということはいかがなものかと思うわけでございます。  同じく総理が七月八日の答弁で、サミットでイギリスのローソン蔵相から、いわゆる前川レポートを実施してもらいたい、貯蓄制度というものをやはり日本では非課税制度というものを廃止していかなければいけないのだ、内需拡大にならないのだ、そういうようなお話があったというわけでございますが、大なり小なりイギリスにもそういう制度があるわけでございます。そういうことについては総理はただ言われっ放しじゃなくてきちっとお答えをしなくちゃいけないのじゃないか。イギリスにも若干ではあるけれどもあるじゃありませんか、日本も戦後は最小限度貯蓄をやっていこうということで、そういうように国が一つの施策としてやってきたのだ、こういうきちっとした答弁をしていかなければ、言われっ放し、とにかく諸外国のいろいろな会議へ出ても、向こうから言われて直すという後追い行政といいましょうか、何をやってもよその国から言われて直すという日本、主体性のない日本、こういうことにもなりかねないと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、マル優制度につきましては断固存続をさすべきである、私どもはこういう立場で、今後の所得税法一部改正案の審議になりましたときには、さらに理論武装いたしまして論議を進めていきたいと思うわけでございます。  マル優の問題でもう一つお聞きしたいのですが、所得税法一部改正がもし可決されますと、一律三五%という分離課税が二〇%になる、こういうことになりますといわゆる金持ち優遇ということが起こるのではないか、このように言われておるわけでございますが、これについて大臣はどう思われますか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 今回御提案してございます利子課税につきましては、現在の社会経済情勢の実態に即しまして、利子につきましては一律分離課税が実質的に一番公平を確保できる方策ではないかということで、そうした方向での提案をさせていただいているわけでございます。この点につきましては、三五%の問題とも関連しましていろいろ御議論はあるところでございますが、現在の三五%課税の利用状況等からいろいろ勘案いたしまして、私ども、必ずしも、これが高額貯蓄者と申しますか高額所得者と申しますか、そういった方々への優遇ということでもなく、実質的に公平を確保できる方策ではないかということで考えておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 年収四百万円以下のサラリーマンが約八〇%ぐらいいらっしゃるというふうに聞いております。こういう方々はいわゆる所得税は税率でいきますと一〇・五%から一二%ぐらいでいいわけですね、標準家族ということにしますと。若干の利子課税を含めて総合課税しても一〇・五%から一二%の税率でおさまるわけです。しかし、これが一律分離課税になりますと、そういう一〇・五%から一二%でおさまるべき対象の方々がこの利子課税については二〇%という倍近い税率の税金を納めなくちゃいけない。反対に三五%納めるべき方は二〇%でいい。これはますます不公平というものが助長されるのではないか。そもそもの税制改正の基本理念というのはいわゆる公平とか公正とか簡素、選択とか、いろいろ言われましたけれども、この公正の原理にも相反するのではないか、かように思いますが、いかがですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 現在御提案しておりますのは二〇%一律分離課税でございますけれども、これは国税、地方税合わせましてのものでございまして、国税としては一五%に相なっておるわけでございます。その点につきましても、先生の御指摘で一〇・正あるいは一二、そうした御議論もあるわけでございますが、利子につきましては、十億口を上回るような預金口座がございますので、そうしたものを実質的に公平に課税させていただくという意味におきましては、御提案しているものにおきましては、六十五歳以上の老人、身体障害者、こういった方々、稼得能力が減退していると申しますか喪失しておられます方々のものにつきましては非課税を継続する。そうした方々以外につきましては国が一五、地方税を合わせまして二〇。また、その間のサラリーマンにつきましては、住宅、年金等の財形貯蓄につきましては五%の税率で課税させていただく。ゼロ、五、二〇というこの利子の世界の中で大ざっぱに、累進と申し上げられるかどうかわかりませんが、そうしたような課税の方式でもって公平の確保を図りたいということで御提案をしているわけでございます。  一方、現在三五%を適用されておられる方につきましては、先ほど申し述べましたように、その利用の実態等からいたしますと、高額所得者の方の御利用もございますが、一方、低額、中程度の所得者の方々もかなり利用して、まんべんなく所得階層にかかわらず御利用されているというのが実態でございますし、また三五%分離を適用される以前に、非課税貯蓄が限度いっぱいになれば、例えば割引債を御利用になるとかもろもろの手段を使われて貯蓄をされている実態に見受けられますので、高額所得者の方、お金持ちの方だけが三五から二〇になるということではございませんで、今までの一六%の割引賞の方が今度は一八になるという点もございますし、目いっぱい非課税貯蓄を利用されている方はゼロから二〇になるということもございます。いろいろな点から考えまして、私どもこれは実質的な公平を確保できる制度であるというふうに考えておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 論議はまた次の機会に譲りますが、このマル優制度という名前はこのまま残るのですか。いわゆる六十五歳以上の方とか母子家庭の方とかこういう社会的弱者の方々を配慮してそれは残すということでございます。マル優制度という名称にするのでしょうか、それとも新型マル優制度というのでしょうか、ないしは弱者救済少額貯蓄非課税制度というのでしょうか。名称、この辺はどういうふうにお考えですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 マル優と申しますのは、いわば俗称と申しますか、一般的な呼び名でございます。法律的に申し上げますと、現在の所得税法では「少額預金の利子所得等の非課税」という条文で構成をされております。今回御提案してございます法律改正案におきましては、「老人等の少額預金の利子所得等の非課税」ということで、従来の名称に「老人等の」という言葉を付加させていただいているというのが法律の姿でございますが、これが今後一般的に世の中でどのように呼ばれることになるかは、今後の社会の受けとめられ方によるのではないかと思うわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 では、いよいよNTTの法律にいかないと、もう時間が半分過ぎましたので、ちょっと回り遣いたしましたけれども、NTT関連二法案の審議、まずその周辺のことにつきましてお伺いしたいと思います。  NTT株の売却益を社会資本整備に使うという法案でございます。これはどうして減税に使わないのかということについては、この委員会でもたびたび論議されました。そこできょうは、私は皆さん方から今までお聞きした答弁もよく知っておりますので、大体総理大臣が昨年の衆参同日選挙のときに具体的にどういう発言をしたか、これは新聞報道でございますので詳しいてにをはまではないわけでありますけれども、例えば六月二十日、宇都宮市内においては、大型減税の必要を重ねて強調するとともに、財源については、首相自身としては、一、行財政改革の推進、二、日本電信電話会社、すなわちNTTや日本航空の政府持ち株売却、三、国有財産の処分、このように発言をされておられます。また、六月三十日、札幌市内においても、所得減税の財源についてはいろいろ知恵を使って努力したい。総理が一生懸命知恵を尽くして考えたということでしょうね。それは、NTTや日本航空の株の売却もある、こういうのです。このように総理大臣が国民に公約をされ、至るところで、所得減税の財源は、行政改革、それからNTT、日本航空の株の売却、国有地の売却、このように明確におっしゃっておられる。私も何回もテレビでおっしゃっているのを見、また聞いたわけでございます。  このように、総理は、知恵を使って努力したい、その中に、NTTの株の売却も所得減税の財源である、こういうふうに至るところでおっしゃっている。国民は全くそれを信用したと思うのです。それなのになぜかNTT関連二法案では全然減税のことは触れていない。全部社会資本の整備に回してしまう。どうも総理が独断でおっしゃっているのか。先ほどから私が何回も申し上げているように、巷間、総理は税制音痴だ、財政音痴だと言われている、それをまさに助長させているようなことにもなるわけであります。それのみならず、我が党、また野党の皆さん方も、減税に使うべきである、その財源にすべきである、こういうふうに本会議やいろいろな委員会で申し上げると、減税の財源に使うのは不適当であるなんというようなことをはっきりとおっしゃる。一年前に言ったことと今と全然違うというまさに驚くような変心ぶりでございます。  これについて、担当局の方は総理のおっしゃっていることを素直に行政に反映させようという一つの姿勢がないのではないか。総理に勝手に言わせておけばいいよ、あとはこちらが適当にやりますよというふうにもとれるのです。ますます税制音痴だということを助長させておるようにもとれるわけですが、一体全体総理がこれほど何回も減税の財源にするとおっしゃっているのに今回NTTの関連二法案については一切そういうことが言われてない、これについてもう一度明確なるお答えをいただきたいと思います。これは大臣から。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それはむしろ私からお答えを申し上げるべきことかと存じます。  私が昨年大蔵大臣に就任いたしました直後でございますが、今後の財政、税制等を考えまして、総理の言われるNTTも一つの財源である、総理はそういう意味で言われたと考えるのでございます。そういうお考え方もございますが、NTTというのは国民の過去の努力の集積でございますから、今後の投資的な目的に使うことができるならば適当であろう、また、しばらくの間NTT株の売り払いはできますけれども、それもあるときまでであって、いわば恒久的な財源とは申しにくいということもございますから、私が工夫をしてみますのでできるならばひとつNTTを社会資本充実のようなことに使ってはどうか、こう考えて、私としても努力をいたしてみますということを申し上げた経緯がございます。  昨年の暮れごろになりまして、NTTの株式を何かそういう方向に、社会資本充実等々に使う方がいいのではないかということで事務当局に検討を指示いたしたわけでございますが、その後そういう明確な方途もだんだん方向として浮かび上がってまいりましたし、また経済の動きもこういうようになってまいりましたので、総理のお許しを得てこういう形で運営をさせていただきたい。総理大臣ももともとこれが唯一の財源だと言われたわけではございませんで、要すればこれも一つの考え方であろうと言われたわけでございますが、幸いにして今年度の減税につきましても財源等の目当てもだんだんついてまいりましたので、こういうことでお願いをいたしたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 知恵を使ってとおっしゃっておりますし、財源の一つであろうというその一つも実現されないということですね。NTTの株、日本航空の株、それから国有地売却、一つもそれが実施されない、その程度の総理の発言のみである、このようにとらざるを得ないわけでございます。これは私は厳重に申し上げておきたいと思います。  今度はNTTそのものの会社の経営内容、実態というものについて、これはやはりいい内容にしていただかないと株価も上がらないわけでございまして、NTTの会社の経営実態に関することについて何点がお聞きしたいと思います。  一つはテレホンカード。最近一億枚以上も発売をされておられるようでございます。このテレホンカード、大変集まります。特に田舎に行きますとテレホンカードが使えない電話機が公衆電話に至るところにある。そういうところでも、ちょっとした町の開店記念日だ、開店何十周年記念だとか結婚式の引き出物だとか、たくさんテレホンカードが集まるわけでございます。しかし使おうにも電話機がない。まだテレホンカードの使える電話機は二〇%ぐらいでございますかということでございまして、今後ふえるとは思うのですけれども、そこでこういうふうな御意見を言う方がいらっしゃいます。どうせ電話料金を払うものが、代金前払い制度のテレホンカードであるわけでございますので、どうせなら電話料金の精算にも使ってもいいのではないかということでございます。ですから、例えば我が家の電話料金が五千円だったといえば、テレホンカード五百円のが十枚ある、それでひとつ精算をお願いしようという、これはまさに国民の声をNTTの皆さんも聞いてもいいんじゃないか。どうせ前払いで払ったお金です。その電話料金をテレホンカードで精算をするということ、これはどうでしょうか。できませんか。

濱田弘二郵政省電気通信局電気通信事業部業務課長

○濱田説明員 お答え申し上げます。  委員御指摘のように、チンホンカード、現在カード式の公衆電話専用で使われておるわけでございます。カード式の公衆電話、現在十五万台でございますが、六十二年度中に二十七、八万台まで、増設の結果そこまでいく予定でございます。  現在テレホンカードを公衆電話の支払いのみに使用していただいておるわけでございますが、これを委員御指摘のように、こういう用途を限定せずに広く例えば電話料金等の支払いにも充当するということにつきましては、紙幣類似証券取締法に抵触するおそれがある等の問題がございまして、現在のところただいまのような使途に限定しておるわけでございます。したがいまして、今後の問題といたしましては、これらの紙幣類似証券取締法等の関係法令の内容につきまして十分に検討、吟味される必要があるということでございますが、これとともに、直接の発行元でございますNTT、ここにおいて行われますところのお客様ニーズの具体的な把握とかあるいは事務処理面とか財務面等に与える影響、これらがNTTにおいて検討なされるわけでございますが、こういう事業体においての検討の状況も十分フォローする中で郵政省といたしましても委員御指摘の問題について研究してまいりたいと考えておる次第でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 今御答弁ありました紙幣類似証券取締法、これは管轄は大蔵省ですね。今言ったことはこの法律から見てできないのですか。どうでしょう。

足立和基大蔵省理財局長

○足立政府委員 紙幣類似証券取締法第一条といいますのは、紙幣類似の作用をなす証券について、大蔵大臣が、発行、流通、こういうものを禁止することができる旨規定されていることは御案内のとおりでございます。現在のテレホンカードにおきましては、カード利用の可能な公衆電話だけでございますので、紙幣類似の問題は出てこないということでございますが、先生御提案のような電話料金の決済を行うということになりますと、この決済の方法が一体どういうことになるのか。決済といいましても、例えば金融機関であるとかあるいは郵便局であるとかいうところに個人がテレホンカードを持っていって、これで電話料金を払ってくださいというような形をもしとるといたしますと、それは個人の預金口座に一般的な支払い手段としてテレホンカードを受け入れるということになるのでないか。そうなりますと、やはりこの紙幣類以証券取締法上ちょっと難しい問題が出てくるのでないかなと実は考えておりますが、具体的なこの態様につきまして郵政省さんとも御相談しながら、今後の具体的なこのテレホンカード等につきましての取り扱いにつきましてまた御相談をさせていただいて検討を続けていきたいと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 デパートで商品を買いましてそれを銀行へ振り込む場合、まさかデパートの商品券で銀行に持っていく人はいないわけです。デパートヘ直接行って物を買ったときにそのデパートの商品券で決済をするわけですね。ですから、先ほどおっしゃったように、電話料金を銀行へ振り込むときに、今のデパートと一緒で、テレホンカード持っていってという、これはあり得ぬことですし、それは無理だと思います。でなくして直接電話局へ行く。直接電話局へ、これを見てください、今月の明細五千円ですと、テレホンカード五百円のを十枚出す。これだと別に、電話料金の決済ですから。これはどうですか。

足立和基大蔵省理財局長

○足立政府委員 先生の今のお話のように直接電話局へ持っていくという問題になりますと、私が先ほど申し上げたような問題はなくなると思います。ただ、今度は逆に、これはNTTでございますから全くそういう現実の問題ということは考えられないのでございますが、ある会社がそのようなカードをいわば前払いで売っておきまして、そのカードで何か物が支払われるのですよということになりますと、例えばその会社が非常に弱小な会社であったというような場合にはまた問題が新たに生じ得るというような、いわば商品券と類似のような問題が出てくるという可能性はございます。しかし、今現実にNTTのテレホンカードと考えまして、そういう支払い手段でありますと恐らく紙幣類似証券取締法の問題は少なくなるのでないか、そのように考えておりますが、検討させていただきたいと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 白紙のもとを代理店に渡してそこで印刷していくわけですから、もとはNTTが発行しておられるわけですから、しつこいようでございますが、これはひとつ前向きに検討していただかなければ、このテレホンカードの退蔵ということで、せっかく前払いで払ったカードがそこらそんじょに残って使えないということであればこれは国民生活にとってもマイナス面でございますから、これは前向きにひとつ検討していただきたい、かように思うわけでございます。  それからいわゆる第二電電、三社ほどいよいよ市外電話ということで参入をするわけでございます。今のNTTは通話明細書発行サービスというのはどうなっておりますか。また、ほかの三社はどういうふうな体制でいくか、それもあわせて御答弁をお願いします。

濱田弘二郵政省電気通信局電気通信事業部業務課長

○濱田説明員 NTTでは現在東京都と横浜市の一部におきまして料金明細内訳書サービスというのを希望される加入者の方につきまして行っておるわけでございます。実費といたしまして、郵送料のほか、明細書の作成にかかる費用、例えば一番最低の九枚までですと百円でございますが、こういった料金を徴収するという仕組みになっております。  一方で、この九月四日からいわゆる新電電三社が東名阪の地域において電話サービスを提供するわけでございますけれども、三社とも、郵送料は別といたしまして、明細書の作成につきましては原則として無料でサービス提供を行うことといたしておるわけでございます。これが現在の実態でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 郵送料は取られるのですか。私、電話で聞きましたら、郵送料もサービスしますと言っておりましたけれども、どうですか。

濱田弘二郵政省電気通信局電気通信事業部業務課長

○濱田説明員 新電電三社、それぞれ、使用料金をはがきで通知されるところと、それからまた封筒で通知されるところでちょっと分かれておるわけでございますが、封筒で前月の電話料金を通知されるそういう会社につきましては、その封筒におさまるような非常に少枚数のものでありましたら郵送料は別建てに徴収しないわけでございますけれども、明細書の枚数が多くなりますと、やはり郵送料は別途徴収するというふうな形でもっておやりになるというふうに承知いたしております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 電話での聞き方が悪かったのでしょう。郵送料は無料ですか有料ですかと聞いたら、無料ですとはっきりおっしゃいましたけれどもね。いずれにしても、新電電の方はそこまでサービスをしていこう、片一方NTTさんの方はそういうサービスは実費をいただきます、郵送料もいただきます、これじゃNTTが民間になったって新電電の方がサービスがいいということで、何のために民間になったのか、こういうことにもなりかねないわけでございます。この点、ひとつ通話明細書の発行サービスについても新電電に肩を並べるようなサービスをやはり私たちユーザーにしていただかなければ困るわけでございますので、この点についてもよく検討をしていただきたいことをお願いをしておきたいと思います。じゃ、結構でございます。  じゃ、NTT関連法案の中身について、もう時間がなくなりましたけれども、何点かお伺いしたいと思います。  いわゆるA、B、Cのタイプに分けまして社会資本の整備をしていこう、こういうことでございます。それで、いずれにいたしましても最終的には返還をしていただきまして国債整理基金の方へ戻す、今度の法案はこういうふうな仕組みになっておるわけでございます。特にこのAとCですが、このAとCの場合、無利子貸し付けでございますが、もし万々が一、大変収益が上がった、公園に附属する駐車場をつくった、その駐車場に無利子貸し付けしたけれども、これが物すごく駐車料金がどんどん入ってもうかっている、こういう場合も考えられるわけでございます。そういう場合も無利子なんですか。将来ともに無利子でいく、こういうことでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今回の社会資本整備策は、現下の経済情勢に緊急に対処するということで、無利子貸し付けというメリットを与えることで社会資本の整備を促進しようということで御提案申し上げているわけでございます。このうち収益性のあるAタイプ及びCタイプの事業に対する貸し付けに際しましては、それぞれ、Aタイプについてはそれを所管する事業官庁、Cタイプにつきましては日本開発銀行等による審査ということで、法律で定める範囲内で各個別事業の収益状況に即した適切な償還条件等が定められるということでございますので、収益が予想以上に上がった場合にも、利子を取るということは、最初のいわば貸付条件がそういうぐあいに設定されますので、そういうことは考えておりません。また、そういうことで高収益が上がるような事業に対して無利子の貸し付けを行うというようなことを実は考えていない。いわばそういう収益分岐点にあるような、いわばそういう無利子貸し付けを行うことによって促進できるような社会基盤を整備することによって広く社会基盤の整備を図っていこう、そういう考え方でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 収益が上がらないようなものに貸し付けをする。では、反対に、収益が上がらないところか全然大損をするというのがありますね。公園のそばに駐車場をつくった、全然だれも使わない、もうとにかく返済できない、こういう場合はではどうするのですか、反対に。そういうものに貸し付けするわけでしょう。返済できない。どうするのですか。そういうものは貸し付けをやらない、こういうことですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 いわば収益が上がるようなタイプの事業につきましては従来からいろいろ例えば開銀等の有利子貸し付けがあるわけですが、今回の法律は、いわばA、Cタイプと申しますのはそういう従来の有利子の貸し付けではなかなか促進されないというものに即してやるわけでございますので、確かにそういう危険はないとは申せないと思います。ただ、これを貸します場合にはそれぞれ所管の官庁あるいは開銀等が厳正な審査をやりまして十分にチェックをいたしますので、そのようなことは生じないというような仕組みになると私どもは考えておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そのお言葉を信用したいわけでございますが、今までいろいろな補助金でも、漁港をつくったけれども全然だれも使ってない、そのために大きな冷蔵庫をつくった、これも全然使われてない、会計検査院が毎年毎年そういう報告書を山ほど出しておるわけでございますから、全然ないということを信用したいけれども、これだけどんどん、三年ないし大臣のお言葉を聞くと四年ぐらい、一兆二、三千億円ぐらいの規模でどんどんいこうというわけですね。早く言えば、不要不急のもの以外、めくら貸し付けでありませんけれども、どんどんいっちゃえ、予算はあるのだというようなことで、貸し付けた後に返済不能、不能ということで、結局先ほど大臣がおっしゃったようにNTTの貴重な国民の財産、これが国債整理基金に返ってこない、こういうものを内部でどうチェックするか、どのようにして貸し付けをきちっと見守っていくのか、そういう体制を組んでおるのですか、また組むのですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 Bタイプの事業につきましては、通常の補助金と同じようなことになります。A、Cタイプにつきましての御心配であろうかと思いますが、その点につきましては、私どもこれから十分注意していかなければいけないと思いますが、基本的には、国の事業者等に対する無利子貸付金というのは債権管理法が適用され適切な管理がされることになっております。したがいまして、債権の保全措置とか強制履行の請求等の手段もございますし、債権管理法に従ってそれぞれ厳正な管理を行っていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 この貸付対象は、会計検査院の検査の対象になるのですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 対象になると考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 では、大蔵省内部のそういうチェック機能、それから会計検査院の検査機能というものがスムーズにうまくいく、このように御信用申し上げておきたいと思います。  さて、これから三年ないし四年間で社会資本整備ということで相当の金額が出ていくわけでございます。しかし、用地取得費というものは一体どう考えるのか。この用地取得ということがネックになって、幾らお金を借りたくても用地取得ができなければ何もできないという残事業というのは山ほどあるわけですね。この用地取得ということは無利子貸し付けの中で含まれるのでしょうか。カットして事業費だけなのか。どうでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今回の補正におきましては、その緊急性、経済効果を早くさせたいということで原則として用地取得費は認めないということにしておりますけれども、基本的には用地取得費は公共事業あるいは社会資本整備をしていく場合に必要なことでございますので、これは当然融資対象に含まれます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 さらにお聞きをいたしますが、これは社会資本整備に限るわけでございます。しかし、いろいろな方々がおっしゃっているのは、果たしてそれだけの事業ができるのだろうか、使い切れない、消化し切れない、そういう面も考えられる。と申しますのは、いわゆるミスマッチということで、鉄筋工だとか型枠工だとか、そういう方々が非常に人材不足でございます。また、例えば当初一億円でできる予定のものが、今合板のパネル、木材を初めどんどん上がっておりますね。そういうようなことから見れば、地元にとっても超過負担ということも特にBタイプの場合考えられるわけでございます。一つは、使い切れない、消化し切れないという事態が考えられる、これについてはどうなのかということと、それから、Bタイプの超過負担した場合、この方の返済は一体どうなるのか、二つの点についてお聞かせ願いたいと思います。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 Bタイプの無利子の貸付金は、いわば通常の公共事業の補助金と同じ扱いになるわけでございます。したがいまして、地方がそれの超過負担を生じるということは、いわば実施計画に当たって適正な執行が行われれば私どもは生じないというぐあいに考えておるわけでございます。また、これの執行がことしの補正予算を含めまして執行可能かという問題は、最近確かに型枠工等一部に不足が言われておりますが、事業官庁の建設省等に伺いますと、それほどの問題はなくて、細心な注意を払って事業執行していけばそういう御心配なく事業の執行が円滑に行われるというぐあいに私どもは伺っておるわけでございます。私どもも今後ともその点については十分気をつけて執行を見守ってまいりたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 最後に、大臣に二点ほどまとめてお伺いいたします。  一つは、使い切れない、消化し切れないというおそれも出てくるわけですね。用地取得費のいろいろな高騰の問題もございますし、またそれを極力割いて事業量ということでふやしていこうということでございます。そうしますと、私に言わせると、社会資本整備に限るのじゃなくて、減税も一つの案でございますが、それ以外にもODA予算だとか科学技術振興費にするとか、そういうふうなことには考えないであくまでも社会資本整備費一本でいくのかですね。意味わかりますか。今後とも三、四年間はそれ一本で、社会資本整備費に限っていくのか。ODA予算だとか科学技術振興費、国民の財産ですから、それをそういうところへ使っていくというふうなことは一切今後考えられないのかというのが一点。  それから最後に、こうやって貸し付けをいたしまして五年据え置きで二十年払いだとか三年据え置きで十五年払い、A、B、Cタイプあるわけでございますが、どんどん返済になっていきますけれども、いわゆる返済金は目減りをするわけですね。例えば物価上昇から見ますと、六十二年を一〇〇としますと、二十年前の昭和四十二年は約三三で三分の一なんですね。ですから、どんどん返済されてくる、利子がつかないわけですから。しかし、それは実際目減りするわけですね。一兆円貸し付けたものは、二十年後には三千億円ぐらいの価値しかないわけですね。そういう目減りというものもあるわけですね。ですからこの点について、国債整理基金に最後は返ってくるというけれども、返ってくるのは利子をつけて返ってくるんじゃなくて、どんどん目減りして返ってくるわけです。そういうふうなことも考えられるわけでございます。この二点についてどうお考えなのか、最後にお聞きして終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 最初にミスマッチのお話がございまして、先ほど政府委員が申し上げましたように、確かに一部の資材あるいは一部の特殊技術者等々についていろいろ話がございますけれども、これは我が国の経済全体から見ますとそんなに心配したことではない。むしろミスマッチということであれば、本当に政府が応援の手を出さなければならない非常に経済が落ち込んだ地方がございますが、そういうところでこういう仕事をうまく受け取ってくれるかどうか、またこれに適するようなプロジェクトがあるかどうかということは、よほど私ども考えてまいらなければなりませんので、地方の方でもそれなりに工夫をしていただいておると思いますが、その点は大事なことであると思います。  それから、ODAであるとか科学技術等々にこの金を使うことはないか、ただいまそういうことを考えておりません。と申しますのは、この使途はBタイプを除きますと、結局産業投資特別会計あるいは国債整理基金に返ってまいらなければならない金でございますので、使い切りにするわけにはまいらないという性格がございます。それならば、なぜBタイプだけは出し切りになるかといえば、それは社会資本整備の緊急性があるということであろうと存じますので、そういう意味で、その他の目的に使うことは今考えておりません。  第二の問題は、目減りの問題でございますが、確かに十五年、二十年たちますと、貨幣価値が上がるかもしれませんがあるいは下がっておるかもしれない、経験的には何がしかそういうことがあるかもしれません。しかし、仮にそうでございましても、この結果、各地方で大きな仕事ができて社会資本が整備されていけばそれで目的は達するわけでございますし、またさらに申しますならば、最終的に国債整理基金に返りまして償還をいたします国債そのものは、これも実はいわばノミナルで表示されておるわけでございますから、その点は経済効果は同じになるのではないかと思います。  今、Bタイプについてお答えいたしましたときに、ちょっと途中を省略したようなお答えの仕方をいたしましたが、Bタイプヘの支出は、御承知のようにいわば補助金等の前渡しのような格好になるわけでありますから、将来の補助金の支出によって償還はされる。しかし、いわゆる前渡しをすることの意味は、社会資本の整備が緊急性がある、こういう意味合いである、こういうことを申し上げようといたしました。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 それでは終わります。御丁寧にありがとうございました。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 中村正男君。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 今回、政府の方から所得税法等の一部を改正する法律案が、内閣提出第四号として出されてきたわけでございますが、まず所得税の減税についてどういう目的と考え方を持って出されたのか、基本的な点をお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 本来、我が国の税制そのものが、シャウプ勧告以来非常に長い間根本的な改革をいたしておらなかったわけでございますので、そのことからきますところのいろいろな改革の必要は、所得税につきましても当祭言えることでございます。殊に、最近目立ちますことは、所得税、殊に中堅サラリーマンの払います勤労所得についての所得税について、大変に重税感、圧迫感が強い。それは、他の所得、事業所得等々との関連においてよく言われることでございますが、同時にまた、税率の累進の刻みが非常に小そうございますために、ちょっと昇給するとすぐに高い税金になる、働けど働けど楽にならないといったような、そういう重税感は何とか直しておく必要があるということもございまして、その階層を中心にしてできるだけ税率の刻みを緩やかにしよう、いわば最低税率が適用される所得の範囲をできるだけ広くしておこう、こういうこと、並びに配偶者特別控除等も新設をいたそうとしておるわけでございますが、一つはそのような考慮でございます。余り所得税がきつくなりますと、やはり勤労意欲というものを失わせることにもなります。そういうことも考えた上でございます。     〔委員長退席、中川(昭)委員長代理者席〕

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 確かに、そういった勤労者の不公平税制ということに対する是正、これが一番大きな私たちのまた期待するところでもあるわけですが、もっとグローバルな意味においては、一連の国際的な要請も含めまして、今国内で一番求められておりますのは、より質の高い個人消費の拡大、それによる内需の拡大、そして国際的な貿易摩擦の是正ということが基本的にあろうかと思います。そういう意味合いでは、今回の税制の改正では、規模的な面でいささか我々としては不十分だという立場をとっておるのですけれども、細かいところはこの法案の審議のときにまた改めて質問をいたしますので、規模的な点についての具体的な数字と考え方をちょっとお聞きをしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 今回御提案申し上げておりますのは、前国会において御提案申し上げましたいわば長期的な税制改革全体を国会においてお認めいただくことができませんでしたので、この際考えられるべき所得税等々の減税について御提案をいたしておるわけでございます。したがいまして、これから将来に向かいましての問題は、税源等々の関連も考えながら、さらに一歩進みました所得税の本格的な総合的な減税というところへ到達をしていきたいと私ども考えておりますが、このたびは当面の措置につきまして御提案をいたしたわけでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 そうしますと、これをずっと積算いたしますと、所得税に関しては一兆三千億円、こういう数字になるわけですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 政府が御提案いたしておりますのは、一兆三千億円の所得税の減税をいたしたいと考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 既に与党、野党協議が重ねられておりますけれども、この臨時国会でスムーズにこの法案を成立させていくためには、一兆三千億円では余りにも野党との、我々の主張との開きがまた大きくあると思うのですが、それをより接近させるといういま一度の政府・与党としての努力、あるいはそれに対する思い切った上積み額というものについて、財政当局責任者としてはどのようにお考えになっておられますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点につきましては、政府が政府案を提案申し上げました後の段階におきまして、与野党の首脳部の間で会談が行われまして、八月七日に会談についてのいわば合意と申しますか、与党からの提案につきましての四点の合意ができておるというふうに承知をいたしております。それによりますと、所得税の減税額についてはさらに二千億円を上積みする、それから六十三年度におきましては地方税を含めて二兆円を超える額とする、こういうことと承知をいたしております。このような各党間の合意点が、法案の審議を通じまして具体的に修正という形になりまして、院の御意思ということになりますれば、政府といたしましてはもとよりそれを尊重いたさなければならないと思っております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 一応、今後の与野党の協議を見守っていく、その段階において二千億円の上積みが決まれば、それは財政当局としても具体的にそれを実施していく、そういうお考えのように受けとめたわけでございますが、我々は、その二千億円の上積みだけでは事態の解決にはならない、いま一度の上積みをやるべきである、財源については確かにいろいろ難しい点もありますが、六十二年度に限って言うならばまだ上積みの財源措置が可能ではないのか、こういう見方をしておりますけれども、そういう方向について、まだ二千億円をさらに上回っての対応も十分可能かどうか、一応大蔵省内としては検討がされておると思うのですが、その辺についてはどうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 本来、政府の御提案いたしましたところは一兆三千億円の減税案であったわけでございますが、与野党の御協議の結果、それが二千億円上積みされるということは、率直に申しましてやむを得ないことであろうというのが率直な感じでございます。と申しますのは、御指摘になりましたように財源の問題がございますし、それからやはりこういうことは一遍限りの減税ということではございませんで、恒久的なものと考えなければなりませんので、そういたしますと、将来の財源がどうなるかということも私どもとしては職責上当然考えます。といたしますとこれが限度であろう、今政府がどう思うかとお尋ねであれば、合意ができればこれは尊重いたさなければならない、ここが限度であろうか、こういうふうに考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 そうしますと、一応上積みの限界はもう二千億しか考えられない、それ以上の数字については財政当局としてはこれを実施はできない、こういうお考えですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 国会におきまして、そのような政府の考え方についてぜひ御配慮をお願いいたしたい、こういうことでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 ということは、明確に否定はされていない、与党、野党の協議がさらに前進をすれば、財政当局としても何らかの措置をしてそれに対応する、こういうお考えとして受けとめてよろしいでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 国会の御意思をあらかじめそんたくいたしましてかれこれ申し上げることは非礼にわたるおそれもございますが、政府といたしましてはこれが限界であるということは、これはどうしても申し上げざるを得ないかと存じます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 一応今の答弁、現時点ではこれが限界だろうというふうに存じますので、この辺でおいておきたいと思います。  そこで、先ほどの答えの中で、減税はことしに限ったことではない、さらに来年度以降についても十分考えていかなければならぬ、そういう御意思が出ておったと私は思うのですが、新聞では大蔵首脳という形の報道で、それなりに六十三、六十四年あたりまで一定の数字も出ておるようでございますが、財政当局者として、大蔵大臣として来年以降の減税についてはどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいまのお尋ねの意味は、六十二年度はともかく何とかできるのであろうが来年度以降はどう考えておるかという、実はその点は私どもまことに苦慮いたしておりまして、来年度につきましての税収見積もりあるいは歳出等々まだわからない状況で、減税の幅だけがここで決まっていくということに事実上なるわけでございますので、その財源をどういたすかということは実は大変に難しい問題でございます。  本来、政府としては歳入中立ということでお願いをいたしたいと考えておりましたし、またいわゆる非課税貯蓄、マル優の課税の問題も急に財源にはならないということ等がございまして、大変に苦慮をいたすところでございます。しかし、そのような決定が国会の御意思としてなされました際には、これはやはり歳出歳入全体を通じましていろいろな工夫をしていわば財源をつくっていかなければならない。ただいま、六十三年度においてそれにどう対応するかということを申し上げることができない段階でございますけれども、何かそういう工夫をいたさなければならない。苦慮をいたしております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 今国民が知りたいのは、ことしの減税はもちろんのことですけれども、少なくともこれから三年間、今のこの円高不況を克服し、個人消費を中心にした内需の拡大を図っていくためには、当面ここ二、三年の減税はどうなっていくのか、これをあわせて今度のこの国会審議の中で国民は知りたい、またそれを知ることが、今閉ざされているといいますか、いささか持ち直してはおりますけれども、より旺盛な個人消費を引き出すことになるわけですから、もう概算要求の段階でございますから、せめて六十三年度についてそれなりの減税はやる、やるのであればやる、規模としてはこの程度はやらなければならないというふうな意思は、むしろ積極的に宮澤大蔵大臣の御主張からしても私はやっていただきたいな、こう思うのです。  その辺くどいようでありますけれども、まあ財源は、六十二年度の決算剰余金も、恐らく六十一年度と同じようなあるいはそれ以上のことが見込まれておると思いますし、後ほど質問していきますが、このNTTの売却益金のその見通しも絡めて考えますと、マル優廃止はともかくとして、その財源には当面、私は六十二年度も全くないということではないと思いますので、踏み込んだ発言をやってもらうことが、この六十二年度の所得税制の改正論議にも非常に弾みがつくと私は思うのですが。  この委員会の論議というのは上滑りといいますか、なかなか本音の論議がございませんので、本当に我々もそういった面では質問しながら失望しているのですけれども、むしろ国民はその中身、来年はどうなるのかということを今知りたいわけですから、そういうことを思い切ってひとつ出してもらいたい。もう余り総理に御遠慮もなさらなくてもいい時期に来ておりますので、ぜひひとつ大蔵大臣のお考えをもう一度お聞きしたいのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私といたしましては、先般八月七日に各党間で合意の見られました四点につきましての減税等々の措置は、これは当然のことながら昭和六十三年度に向かって引き継がれていくというふうに考えておりますので、所得税について申しますれば、いわば一兆三千億円に二千億円の上積みがあるということは、明年度以降こういう所得税制になるということを覚悟しておかなければならない、それはそのように考えております。  その場合にどういう財源措置をするかということになりますと、先ほど六十一年度において相当大きな自然増収があったではないかと言われますことはそのとおりでございます。そこで、もしこの自然増収が一般的な経済の好転を反映したものであるといたしますならば、六十二年度においてもある程度の期待ができる、そういう部分が全くないとは申し上げませんけれども、いかにもこの六十一年度の自然増収を分析いたしますと、経済情勢の一般的な反映というよりはやや一時的なと申しますか何度も反復されないような、そういう要素が自然増収に反映されている部分が多い。したがって、これをベースに六十二年度の自然増収を予測することはどうも危険があるというふうに考えておりまして、その点で、この先につきましての楽観的な見通しが今の段階でなかなか申し上げられないというのが事実でございます。  ただ、私としては、国会の御意思として今度このような所得税減税が実現するといたしますと、これはどうしてもそのためそれを賄ってまいらなければならないのが大蔵大臣の職責でございますので、あらゆることをいたしましてそれは実現をするような財政措置を講じてまいらなければなりません、こういうことは考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 ことしのこの減税規模がどう決着をするのか、当然それを土台にした六十三年度の所得税の減税もこれは考えなくてはならない、私はこういうニュアンスとして一応受け取っておきたいというふうに思います。我々の主張はことし、六十二年度二兆円の減税要求をしておりますけれども、これは単に六十二年度単年度だけではなしに、せめてその程度の規模の減税をここ三年間ぐらいは継続的に実施をしていけば相当の内需拡大の効果が出てくる、こういうふうに考えての要求でございますし、その辺では基本的に与党それから政府との考え方にそんなに大きな違いがないと私は思うのでございまして、今の答え、いささか慎重な答えでございましたけれども、私は、積極的に六十三年度もことし以上の減税をやるというふうな決意で臨んでいただきたいと思いますが、最後に、今の問題についてもう一度その辺をお聞かせ願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 同じことを繰り返しまして恐縮でございますが、そのような財政事情及びそのような見通し難でございますので、何とぞ所得税の減税規模につきましては、この八月七日の四党の御議論の範囲内においてとどめていただけないものであろうか、行政府といたしましてはそれを重ねてお願いを申し上げたいと存じます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 後ろで応援団がかなり申されておられるようでございますが、時間も経過しております。次に移っていきたいと思います。  私は、この法案に関して、それから今の減税の論議、この関連で整理して申し上げますと、今までの論議では今回の株の益金の使い方、こういう使い方で果たして財政再建・国債償還との絡みで最良の選択であったのか。今、日笠委員の質問でもございましたけれども、これはだれが考えても、返ってくるときには半分ぐらいに目減りしてくることは事実でございますから、そういう意味合いでの最良の選択であったかどうか、これが一つ今度の議論ではあったと思います。  それからもう一つは社会資本の整備ということでございますが、こういう形での公共投資型、従来の公共投資とそんなに大きな変わりはないと思うのですが、これで潜在的な需要を引き出しての内需拡大の効果が果たしてどの程度望まれるのか、これも疑問のあったところでございます。  そしてもう一つは、この一連の法案の大きな重要な目的であります緊急経済対策ということであれば、今慎重な答弁に終わっておりますが、むしろこの減税の上積みに思い切って使うのが一番適切な経済効果を生むのではないか。この三点が今日までの論議ではなかったのか、私はこう思うのですが、改めて大臣の今日までの論議を通じての見解をもう一度お聞きしたいと思います。     〔中川(昭)委員長代理退席、委員長着席〕

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この社会資本整備勘定からの支出の目的でございますが、従来の公共事業ではなかなか手の届きにくいところ、あるいはさらにそれを緊急に面的な面で施行する必要がある部分、あるいはまたその上で民間のいわゆる民活を助けたいといったような意図から、新しい構想としてお願いをいたしておるところでございますから、これはそれなりに従来と違った面での、あるいは違った地域にわたりましての社会資本の整備が行われることになるであろうと期待をいたしております。  確かに言われますように、これだけの財源があったときに、将来のことは別にいたしまして、これを減税に使った場合の効果というものも無視できないところでございますけれども、そういたしました場合には、いっときそれによりまして大きな効果がありましても、その減税を将来に向かってどうやって財源的に担保できるかという問題がございますので、私どもとしてはこのような選択をいたしました。我が国が社会資本の整備が十分でございましたならば、こういう選択はむしろなかなかなし得ないところであったと思いますが、幸か不幸か非常に社会資本の整備がおくれておりますので、そのためにこれを使うことが有用なのではないかというふうに考えたわけでございます。したがいまして、その用途につきましては、仮に民活法等の改正がございましたような場合にはそういうことも考えながら、なるべく広くこの目的が達せられるように運用してまいることがいいのではないかと思っておりますが、考え方の基本はそのようなことでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 そこで、第一点目の財政再建との関係でありますが、改めて確認をしておきたいのです。  今進められております国債償還は、いわゆる六十年償還ルールに基づいて六十一年も実施をされておりますし、六十二年もその方向で進められておる。当面この償還ルールの見直しはやられずに、特に来年度の予算策定に向けてこのルールはそのままでいかれるということなんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私の気持ちの中では、変更しないことを前提にいたしております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 そうしますと、今度はNTTの益金の見通し、これがどの程度になってくるかという問題なんですが、六十一年、第一回の売却を基礎に考えますと、恐らくこの秋に売り出される百九十五万株も売り出し価格がそんなに大きく低下することは考えられないのじゃないか。低く見積っても二百五十万円くらいで、もう時間的にもそうないわけでありますから、最低でもそのくらいの相場で売買がされると思うのですが、仮にそれで計算をしますと約五兆円、四兆八千七百五十億円という数字になるわけです。それで、この国債償還ルールに基づく使われ方をして、その差し引きを考えますと、約三兆円の数字が出てくるわけです。そういう計算は間違っておるのでしょうか、どうですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 先生の御質問、いろいろな前提がございまして、一つには、二百五十万円で本当に売れるかどうかという問題はまだ今後の問題でございますが、仮にいろいろ手数料等を差し引いてもとにかく一株当たり二百五十万が入るといたしますと、確かに四兆八千七百五十億円の収入があるわけでございます。ただ、今申しました国債の六十年償還のルールによります士、国債償還に要する金が約二兆二、三千億要るわけでございます。それから、財政制度審議会の答申もいただいておりますけれども、国債整理基金としてはいろいろな国債管理政策上、手持ちの余裕資金も持っておく必要があることを考えますと、金額につきましては三兆という額はかなり下回るのではないかなというぐあいに考えておるわけでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 かなり下回るというお答えなんですが、私の場合は単純に四兆八千七百五十億円から一兆八千余りを差し引けば三兆円、これはおよその額を申し上げたのですが、一応当局としては、それでは具体的にどのくらいのというか、これは予算ですから一定の見積もりをしておかなければいけません。その数字はどの程度見ておられるのですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 仮に一株当たり二百五十万円の収入があったといたしますと、確かに四兆八千七百五十億の収入がございますが、六十三年のネットの国債償還額が実は一兆八千三百億でございませんで二兆三千億ぐらいございます。正確に申しますと二兆三千百億でございます。これが六十二、三年のネット償還額でございますが、それを差し引きますと余裕金のいわば残高としては二兆五千六百五十億ということになります。これから売却の経費、これは恐らく千億を上回るだろうと思いますが、それと手持ちの余裕資金として仮に一兆を持つといたしますと、完全に活用可能額は約一兆四千億程度ということになろうかと思います。  それで先生の御指摘との差額は、国債のネット償還額の差額が約五千億ございます。それから、あと手持ちの余裕資金としてどれだけ持つかという形で、これを仮に一兆と置きますと、当然のことながら三兆が約半分ということですから、それに手数料など千億くらいは取られますので、それを差し引きますと約一兆四千億程度がな、これは二百五十万円で売れるかどうかということもございますので一応仮定計算でございますが、そういう結果になります。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 相当余裕資金といいますか、その数字が私にはまだ十分理解できないのですが、決算をしてみると、いやそうではなかった、二兆円以上あるいは二兆数千億円の益金が出てきたというふうな結果になるような感じが私はするのです。  今、極めて低目に見積もっておられますね。しかしそれにしても、今当局の方から説明のあった極めて安全係数を見越した数字でも、一兆五千億円くらいは見込めるわけです。そうしたらことしの減税、政府が今提案されておるのは一兆三千億円で、どこまで上積みがあるかわからないにしても、来年度も少なく見積もってもその程度の減税規模であれば、これだけでも仮に減税に回すとするならば十分賄える。まして六十三年度の売却も同じような、そんなに大きく経済が変動するわけでもないし、ここ当面、国民が期待しておる三年間二兆円規模の減税は、このNTT株の売り払い益金をベースにしても十分賄えるし、国民にそのことを約束しても数字的に大きくそごを来すことはない、国民がそれに非常に期待すると私は思うのですが、どうですか、それは全く減税に回さないというお考えなんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは減税ということになりますと、これは将来恒久的な制度でございますから、仮に今おっしゃいましたような仮定をそのまま前提にいたしまして、三年間はそれくらいのものはあるではないかということが言えたといたしましても、しかし、減税そのものは恒久財源を必要とする、それから後はどうなるのかということは考えておかないわけにはまいりませんし、かたがた、これを減税に使いましたときには、国債償還の財源を将来そのときに失ってしまうわけでございますので、本来この資金を国債償還のために使いたいという、棄損せずに、いわば減らさずに使いたいという基本的な構想はそこで崩れることになってしまいます。そういうような意味から、NTT株から仮に予想以上の余裕金が政府に入ってまいりましたといたしましても、それを減税に使うことは、私としてはどうもいかがなものであろうかと考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 減税に使ってしまうと何か全部なくなってしまう、せっかくのNTTの益金が全部消えてしまう、こういう考え方に非常にこだわっておられるように思うのです。我々は、減税というのはあくまでも勤労者あるいは国民全体の可処分所得をふやして、それが個人消費に回って内需を刺激していく、これは当然またそれぞれの分野での税収として大きく富を持って返ってくるわけですね。そのことに期待する政策でなければ、私が最初にこの減税は何のためにやられるのですかと言ったら、大臣はそういう答弁をされたわけですから、益金を使うときにはそれはもう返ってこないんだと言いながら、しかし今回政府が実施しようとする減税の考え方には内需拡大を大きく期待している、それは将来の財政再建にも大きく寄与する、こういうふうに答弁されている。非常にうまくこういう使い分けをされているのですね。極めて矛盾なんですよ。そこには全然別の次元での考え方が出ているのですが、ちょっと納得できぬのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは中村委員の言われますことは、減税をすればそれだけの経済的な効果があってやはり国の経済全体が成長をしていって、その結果として大変に財政収入だって結局ふえるかもしれないよ、いろいろなことを考えれば、減税に使った金はなくなった金だ、そう考えることは単純過ぎると言われます意味は、私にも実は決してわからないわけではございませんが、さあそうなるかならないかということになりますと、やはり大蔵大臣としては、ある程度かた目のことをどうも考えておかなければならない。先々この株がどう売れていくかというところまで、先ほどいろいろ前提にお立てになりました幾つかの点についてまで、一つ一つ仮に疑ってみるということをせざるを得ないというのが私の立場でございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 私どもの主張は、今一番大事なことは政府の主導で国内全体の潜在的な需要を開発していく、そこに思い切った予算措置をしていく、これが一番重要じゃないかという立場に立っているわけですね。  そこで、ちょっと観点を変えて、そういう意味合いで今やらなければならぬことについて少し別の次元で聞いてみたいと思うのですが、通産省、お越しですか。——実は、電機産業でつくっております労働組合で、今回、円高の影響により非常に輸出が減少してきておりますが、それが雇用にどのような影響を及ぼしておるのか、こういう分析をしたデータがございます。通産省の方には、もうこれをお渡しして御理解をいただいておると思うのですが、大臣には初めてでございますので、少しその結論だけを申し上げたいと思うのです。六十一年の輸出の実績、これは全産業でございますが、前年比六兆六千億円減少しております。減少率は一六%であるわけですが、この結果、全産業で八十八万六千人、製造業で六十万二千人の雇用に大きな影響が出ておるわけです。電機産業だけでも十一万四千人の雇用の減少をもたらしております。  さらにこの円高が、円レートがこの水準で仮に推移をしていくといたしますと、海外直接投資がまだ一層進むと私は思うわけです。いわゆる海外に生産の拠点を移していく、こういうことが考えられるわけですが、これにつきましても、アプライドリサーチ研究所というところとタイアップして調査をいたしております。その数字を申し上げますと、一九八三年の時点では製造業で十九万八千八百五十六人、海外直接投資による雇用に対する影響が出ております。電機産業では五万二千八百八十人。  それを二つのケースでもって一九九五年をシミュレーションしてみますと、ケースIというのは、直接投資の増加率を八五年から九〇年にかけて製造業で九・七%、電機産業で一二・九%の数字を設定しての結果であります。九〇年から九五年では製造業で七・一%投資が増加していく、電機産業では一〇・四%。こういうケースIで見てみまして、一九九五年には製造業で五十万九百七十六人雇用が減少する、電機産業では二十三万四千三百八十一人雇用が減少する。このケースIの増加率というのは低目に見積もった数字だ。もう一つの数字でもってケース皿を考えてみますと、これは八五年から九五年の十年間でありますが、製造業で一六%、電機産業で二二%の増加率として試算をいたしますと、製造業全体で何と八十四万四千百十三人、電気機械産業で四十六万百十四人の雇用が減少する。今、電機産業をざっと見て百二十万人ですか。ですから、三分の一強は職場を失う、こういう数字になってくるわけです。  私が申し上げたいのは、今一番必要なことは、よりハイテク化あるいは情報化に向けての政府主導の国内の潜在需要の開発をやらなければならない。本来、このNTTの株の売却益金をむしろそういうところに使うべきだ、こう私は主張したいのですけれども、これは言ってみれば公共財産の処分でありますから、全国民的にという形に使われませんので、そういう主張はいたしません。しかし、政府の予算で思い切ったこういう情報化、ハイテク化に向けての潜在需要の開発というものを積極的に進めないことには、今回のこの法案のように単なる公共投資だけでは、いわゆる建設業界主体の雇用にはそれなりの影響はあるかわかりませんが、製造業全体の雇用には全然有効な働きをしない、そういう立場を私はとっておるわけです。  そこで、通産省が来ておられると思うのですが、少し本題と外れると思いますけれども、しかし内需拡大という面ではむしろこの際大蔵大臣の前で、ぴしっと通産省としてのそういう問題意識というものを私は出してもらいたい。この六十三年度の予算に相当な規模の予算化を要求してもらいたいと思うのでありまして、通産省の考え方を出していただきたいと思います。

広瀬勝貞通商産業省産業政策局企業行動課長

○広瀬説明員 産業構造の調整に伴います雇用の問題につきましては、私どももいろいろ勉強させていただいております。先ほど先生のお話しになりましたシミュレーションにつきましても、私どもも伺わせていただいておりますけれども、これは中身につきましては少し私どもの計算と違うところもございますが、これはまた勉強させていただきたいと思っております。  問題は、産業構造調整に伴って雇用機会の喪失をどういうふうにカバーしていくかということだろうと思いますけれども、御指摘のように、今後、技術開発とか情報化といったような産業技術のイノベーションの成果を新たな産業分野に生かしていく、そのことによって新たな産業を興していくということが非常に大事なことだというふうに考えております。そういう観点から、情報化とか技術開発の関係の施策を強力に進めていくということが非常に重要だというふうに認識をしております。現に、今年度から施行させていただいております産業構造転換円滑化臨時措置法といったようなものを的確に適用いたしまして対応しておるわけでございますけれども、御指摘のように今六十三年度予算概算要求の検討中でございますが、その中でも情報化とかハイテク関係の予算に十分配慮したものをつくっていきたいというふうに考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 時間が迫っておりますので、問題提起だけにとどめます。ぜひひとつ、大蔵大臣に理解をしていただきたいと思うのです。十分御理解いただいておると思いますけれども、例えば前川レポートによりましても、いわゆるそういった産業調整に思い切った手を打たないことには雇用のミスマッチが非常に予測される、このまま何ら有効な手だてが講じられなければ二〇〇〇年には知識専門職で約三百万人不足をする、逆に工場の直接作業者は三百万人余る、今から情報化、ハイテク化に向けての精力的な予算化、取り組みが必要だ、こういう指摘もございます。たまたま公共投資にこの益金を使うという法案が出ましたので、私どもの主張はそういうところじゃなしに、もっと国内の潜在的な需要の開発を政府主導でやってもらいたいということだけ主張しておきたいと思います。  そこで、この法案のポイントだけちょっとお聞きをしておきたいと思います。  建設省、国土庁もお越しをいただいておりますので、具体例で一、二ちょっとお聞きをしたいと思うのですが、実は私の選挙区にもあるのですが、住宅・都市整備公団を中心に今木造賃貸住宅地区総合整備事業というのが進められております。東京都内、京阪神、全国で合計十九カ所が指定されておりまして、特に住宅環境の著しく悪い地域三カ所、これは密集地区、こういう取り扱いをされております。私の選挙区では、大阪の寝屋川市というところの東大利地区、これは新聞にも大きく出たのですが、そこは具体的な整備計画に基づいて都市の再開発をやろう、こういう事業が行われつつあるのですが、仮に今度のこの法案では、こういったことに対してはどのタイプが適用されて、どういうふうな具体的な資金の手当てがなされるのか、ちょっとお聞きをしたいのです。

三井康壽建設省住宅局住宅総務課長

○三井説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘の木造賃貸住宅地区総合整備事業につきましては、五十七年度より予算化をさせていただいているところでございますが、これは任意の事業でございまして、法律に基づいていない、予算上やっている事業なわけでございます。今回のNTT法におきましては、法律に根拠のある事業を対象とするというふうにされております結果、NTT分の予算の配分はしないということになっているわけでございます。ただし、御承知のとおり、我が国の居住水準はまだ劣悪な状況でございます。特に、木造賃貸住宅の解消は私どもとしても大事な事業でございますので、毎年一般会計の、いわゆる通常の予算といいますか、これで毎年一〇%ずつ伸ばしておりまして、予算上はそういう形で進めさせていただく、来年度の要求におきましてもそういった観点から、ゼロシーリングの中でございますけれども、伸び率は伸ばしていきたいというふうに考えているところでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 ということは、せっかくこのA、B、Cという細かく区分けをした使われ方をしながら、都市問題、とりわけこういった住環境の整備なんかにこの資金が使われない、これは何とも理解できないですね。もっとこういう資金を、しかもこれは単年度に集中して配分されるわけですから、こういう緊急的な事業にこそ使われてしかるべきだ、私はこう思うのですけれども、大蔵省の考え方はどうなんですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 建設省の行っている木造賃貸住宅地区総合整備事業というものが対象になるかならぬかという御議論でございますが、基本的に今度のA、B、Cタイプの中でそれぞれ、Aタイプは収益性のある公共事業、Bタイプは面的開発で一体的緊急整備、それからCはいわば民活法等の法律に根拠のある民活事業に対する融資というような仕切りになっておるわけでございます。したがいまして、この木賃総合整備事業はその分野になかなか入りにくいわけでございますけれども、実はBタイプの公共事業というのは在来型の公共事業といわば代替性を有していると申しますか、基本的には片方は面的の緊急開発の整備ということで重点的に配分をするわけですが、その介在来枠の方のいわば振り回しと申しましょうか、編成の余裕もできるということなので、私どもとしては、この木造賃貸住宅地区総合整備事業の重要性はよく認識しておりますので、建設省とも相談をいたしまして、来年度の予算編成に当たりましてもその重点的な配分をぜひ心がけたいというぐあいに考えておるわけでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 国土庁にもおいでをいただいておりますので、関西文化学術研究都市構想、これはスタートしておりますが、これにはどういった適用がされるのですか。

鶴井哲夫国土庁大都市圏整備局整備課長

○鶴井説明員 関西文化学術研究都市におきましては、将来、文化活動とか研究活動とか研究の交流活動とかいろいろな活動がなされるものと思います。そこで、そういった諸活動を推進していく上で中核となるような施設につきまして日本開発銀行の無利子融資をしていただくように、国土庁として要望しているところでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 それでは、基本的なことを最後に聞いておきたいと思うのですが、社会資本の整備、これが一つの大きな目的になっておると思います。どういう社会資本の整備を中心にこの資金を回そうとしておられるのか。  私の主張だけ申し上げます。私は、もう余りばらまき的に地方だとかどうとかというのじゃなしに、欧米に比べてとりわけおくれておる社会資本といえば、下水道にしてもそれから公園の一人当たりの面積にしても、都市生活にかかわる点が一番見劣りすると思うのです。したがって、余り広範に使途を広げるのではなしに、都市生活に重点を置いた思い切った使われ方をすべきじゃないか、とりわけ下水道に絞ってもいいのじゃないか。一切ほかのものに使わずに、三年間で少なく見積もっても五兆円くらいの予算規模が見込まれるわけですから、これを下水道につき込めば私は相当な効果が出ると思うのですね、それだけに一点集中主義で。  この下水道の事業というのは、農業基盤整備よりも配分が少ないんですよね。これは御存じですね。それでいて、なぜこの下水道がより普及しないのかということをしょっちゅう政府の方からも言っておるわけですけれども、そういう都市生活に絞って、下水道に絞るべきじゃないか、そういうことについてはどうですか。余り広範に広げ過ぎた……。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今回のNTT活用法案のねらいも、一つには面的な開発と一体的緊急に整備をする公共事業ということで、そういう重点的配分を何とか行いたいというねらいも込められているわけでございます。  ただ、下水道だけに全部集中すると申しますのは、やはり公共事業予算というのはそれぞれの目的があり、それぞれの使命を存しておるわけでございまして、農業基盤整備事業も高生産性農業の確立とか食糧の安定供給ということで、非常に重要だという御主張をなさる方々もおられるわけでございます。ただ、下水道事業に重点的に配分する必要があるということは、私ども十分認識しておりまして、今度の補正の配分に当たりましても、建設省とも相談をしながら重点的配分を行ったところでございますし、例えば昭和四十年度と六十二年度と比較しますと、農業基盤整備費はその間九・二倍でございますけれども、下水道の予算額は四十三・六倍ということで飛躍的に拡大しているということで、私どもも下水道整備には十分重点を置いて、従来から意を用いているというところを御理解いただきたいと考えます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 伸び率は確かにそうなっているのかもわかりませんが、絶対額ではまだ、六十二年度の当初予算では下水道が六千五百六十六億二千七百万円、農業基盤整備は八千五百五億四千八百万円。絶対額では、絶えずまだ農業基盤整備を追い越していないのですよ。それだけ都市生活の一番基本である下水道というのは、かけ声ばかりで予算が全然具体的に伸びないのですよ。ですから、私はもう一度この主張をしておきますが、ぜひ一点主義、都市生活中心に、とりわけ下水道に重点的な配分をしていただきたいと思います。  時間が参りました。結論的に、今回の法案に対して言うならば、私は小手先での社会資本整備という印象をぬぐえない、これが一つ。それから、認定基準あるいはどこでどういう形でそれが認可をされていくのか、そのことも極めて複雑、いたずらにこれはあるいは陳情合戦等が行われていくと思いますし、従来の公共投資との線引きが一体どうなされるのか、それも大変不明確だと私は思います。より公共投資に偏り過ぎて、さっきから言っておりますが、国内の潜在的な需要開発推進という点とのアンバランスがより拡大をするというふうな懸念を持ちます。  最終的に言わせていただきますと、大蔵省の各省に対する予算編成権の強化、そういった、より権限の強化が色濃い法案だというふうに私は申し上げまして、最後に大臣の御見解をお聞きして終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先ほど下水道等について御見解をお示しになりましたが、確かにそれは私も同感でございます。先般の補正予算でこのNTTの活用をさせていただきまして、その結果、いわゆる生活環境関連の公共事業におけるシェアが当初予算の一五から二〇にかなり目立って大きくなっておりますが、私どもは、やはり一つはそういうことにこの重点を置いてまいるべきであろうというふうに考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 終わります。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 次回は、明十九日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十五分散会

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