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109回国会衆議院1987/07/29

大蔵委員会 第2号

発言数
245
登壇者
17
会派数
5
開催日
1987/07/29

会議録

池田行彦自由民主党

○池田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森田景一君。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 大臣お疲れでございます。到着早々質問いたしますが、先ほどロッキード裁判の二審の判決が出たようでございまして、田中元総理が一審判決どおり有罪ということになったようでございます。国務大臣としまして、また次の総理を目指していらっしゃるお立場として、宮澤大蔵大臣の所感のほどをまずお聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ちょうど参議院の院内におりまして、詳しいことをいまだ存じておりませんが、判決につきましては、特にコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 これからどういうふうに動くかわかりませんけれども、日本の政治史上、総理の犯罪とまで騒がれた重大な問題でございまして、今後の、我々政治家にとりましても非常に重大な関心を持っているわけでございますが、大蔵大臣も将来どういうお立場になるか今のところ予測はできませんけれども、どうぞひとつ国民の信頼をつないでいくような立派な大臣として活躍していただくように、最初にお願い申しておきたいと思います。  よその党のことを申し上げて大変恐縮でありますけれども、自民党の総裁選挙も十月八日に告示されると決まったそうでございまして、いよいよ中曽根総理大臣も引退ということになるわけでございます。このポスト中曽根に向けまして、宮澤大蔵大臣も次の総裁、総理を目指して、先般青森市で遊説の第一声を上げたと報ぜられております。  ところで、中曽根総理大臣は、先般の本会議の中で質問に答えまして宰相論を述べられました。その内容は、大蔵大臣もお聞きになっていらっしゃったようでございますから御存じでございますけれども、私の方からもう一度申し上げてみますと、四つございました。一つは「国境を越えた人類愛を持たなければならない。」二番目が「あふれるばかりの同胞愛と愛国心の強い者でなければならない。」三番目が「見識と人材活用の能力を必要とする。」四番目が「千万人といえども我行かんとする強固な意思と実行力が必要である」、この四つでございました。  しかし、私は中曽根総理のこの宰相論を聞いておりまして、大事なものが欠けているなと思ったのです。これは中曽根さんには言えないことだったわけなんです。宮澤大蔵大臣、次の総理を目指すお立場として、宮澤大蔵大臣の宰相論をお聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは、甚だ分に過ぎることでございますのでお許しをいただきたいと思いますが、中曽根さんのお挙げになりました四つのことはどうも自分にないものばかりで、大変にどうも至らざるを恥じつつ伺っておったわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 今、くしくも後ろから声がありました。私は、中曽根総理の宰相論に欠けていたものは、国民にうそをつかない、これが欠けていたと思うのです。これは中曽根さんは言えません。言うことができないわけです。それで今、宮澤大蔵大臣は大変謙遜なさってお話がありましたけれども、あのときに中曽根総理は、この本会議場にいらっしゃる皆様方はそういう資格に該当する方だと言われましたので、宮澤大蔵大臣も御謙遜だと思いますけれども。  このうそをつかないということについて、例えば河本前国務大臣はこういうことを発言しております。七月十二日の青森県八戸での発言でございます。新政権は自民党の信頼を回復する内閣でなければならない。信頼を回復するというのは、うそをつかないということと同義だと思います。それから、ライバルかどうかわかりませんが、安倍自民党総務会長のキャッチフレーズは創造と信頼の政治じゃないかと思うのですね。これは直接聞いておりませんが、先日、七月二十七日に北海道の札幌で安倍派の時局講演会が開かれたようでございまして、この模様がテレビで放映されました。その後ろの垂れ幕の中にこの創造と信頼の政治、このようにありましたので、恐らくこれは安倍さんのキャッチフレーズではないかと思います。ですから、中曽根総理大臣に欠落している大事な要素がこの信頼ということ。信頼とはうそをつかないということ、裏切らないということだと思うのですけれども、宮澤大蔵大臣は、私の考えに対してどう思いますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 四つの条件の中で、なるほどそのことは総理大臣は言われませんでしたが、これは宰相の条件というよりは人間としての基本的な条件でありますから省略せられたのであろう、宰相としてはさらにその上にいろいろの条件を求められておる、こういうお答えであったと思います。もとより、信なくんば立たずというのは政治の基本でございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 宮澤大蔵大臣の御答弁は本当に的確だと思うのです。だけれども、これが宰相の条件だという、まあかばっていらっしゃると思いますけれども、実は中曽根さんは大きなうそをついたわけですね。しかも、前の第百八国会で売上税及び関連六法案が廃案になりました。この廃案になったのは、いろいろございましたけれども、一番大きな原因となったのが中曽根さんの宰相論の欠落した今の信頼という、うそをつかないという、これが大きな原因だったと私は思うのです。要するにダブル選挙の前に、大型間接税は導入しない、こういう公約をしました。その公約を破って売上税を出してきた、この公約違反が大きな原因だったと私は思うのです。また我々政治家にとりましても、公約を守るということが国民に一番わかりやすい政治なはずですね。そういう点について、大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは申し上げるまでもないことで、森田委員の言われましたことはそのとおりと思います。いわゆる信が万事のもとであるとか、あるいは信なくんば立たずというのは、そういう政治の一番基本的な守らなければならない条件を言ったものだと考えます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 宮澤大蔵大臣のお気持ちのほどはよくわかります。くどいようですけれども、もう一遍お尋ねいたします。  宮澤大蔵大臣は将来総理大臣になられるかもしれません。現に今閣僚でございます。ですから、宮澤大蔵大臣は、うそをつく政治はやらないということは当然だと思いますけれども、そのところをもう一遍確認しておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 どういう立場にございましょうとも、政治にかかわっております限りは、そのことは一番大事なことだと考えております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 それで、売上税等六法案が廃案に決まったのは、議長裁定によりまして自民党及び四野党の国対委員長の間で次のように合意がされた結果でありました。それは、五月十二日国対委員長会談によりまして、「①今国会は会期延長をしない②売上税関連法案は廃案とする③売上税関連法案は臨時国会に再提出しない④税制改革協議機関は会期内発足を前提として与野党国対委員長間で話し合う」、こういうことで合意がされたわけですけれども、当時は法案の担当者であります大臣でございます。これは与野党でこういうふうに協議がされたのですけれども、大臣としても当然御承知だったと思うのですが、どうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 与野党国対委員長会談でこのような合意がなされたということは、後ほどメモをもらいましたので承知をいたしております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 この廃案になりました六法案の中には、マル優制度廃止法案も含まれていたわけですね。これも確認しておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 そのとおりでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 この第百九臨時国会の召集前にも与野党の国会対策委員長会談が行われまして、先ほど申し上げました五月十二日の合意が再確認をされたわけでございます。これは七月二日でございますが、藤波自民党国対委員長は社公民の三党に対して、「(1)五月十二日の(売上税関連六法案は臨時国会に再提出しないとの)与野党国対委員長会談の合意を尊重する(2)税制に関することは与野党の税制協議会の合意を尊重する」、こういうことで国対委員長会談が行われました。そして臨時国会の召集となったわけでございますが、こういう合意も大蔵大臣、御存じでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 六十二年七月二日のそのような合意につきましては、これもメモをもらっておりますので承知をいたしております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 それから、いろいろと本会議あるいは予算委員会等におきまして大蔵大臣は、税制改革については税制改革協議会の結果を尊重する、このように答弁をしていらっしゃるわけでございますけれども、それは間違いございませんか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 従来そのようにお答えをしてまいりました。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 税制改革協議会での現段階の協議の内容というのは、二つなのですね、合意されております。一つは、直間比率の見直しの必要性は認める、二番目が、大幅な減税を行う、大型減税といいますか、これを行う、この二つは合意されているわけです。合意されてない部分は、減税の財源について、自民党はマル優制度の廃止を主張して、野党は不公平税制の是正を主張して、この点が合意されてないわけでございます。したがいまして、税制改革協議会の結果を尊重するという、これを御存じであり、また、先ほど大臣がおっしゃいましたうそをつかない政治というものを目指すならば、このマル優制度の廃止は今度の臨時国会に持ち出すべきではない、このように私は思うわけでございます。大臣、いかがでしょう。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 議長のあっせんあるいは税制改革協議会における各党の御討議の内容等々につきまして、政府が有権的に解釈をするということは慎むべきことであろうと存じておりますが、ただいまの御指摘の問題あたりは、私どもとしてこう考える、ああ考えると申し上げにくい種類のことではないかと思います。  例えて申しますと、税制改革協議会の報告、これは座長が座長の責任において議長に対してなされたものと承知をいたしておりますが、その中に「次の諸点については、意見の一致を見た。」すなわち、税制の抜本改革の一環としての中堅サラリーマンの負担軽減等の減税、これを行うことは一致を見た。「右の減税の実施に当たっては、恒久財源が確保されることが必要である。」この点についても一致を見た。六十二年度の減税先行は戻し税のような一時的な減税方式はとらないということ等をどのように考えるべきかということは、政府が有権的に解釈をいたすべきことではない、その辺の御事情は国会と申しますか各党と申しますか、その間のお話の中から生まれてくるべきものであろう、また生まれてきたものであろう、こういうふうに考えております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 この間のある新聞の記事によりますと、この夏休みに中曽根総理と宮澤大蔵大臣、安倍総務会長それから竹下幹事長、このニューリーダーと言われておられる三人の方がゴルフをされるという記事がありました。その記事の中に、このゴルフで恐らく会談があるだろうと予測されておりまして、この会談のときに三人のニューリーダーの方が、どなたかが中曽根さんに引退の時期はいつにしますか、いつ引退しますかと、はっきり引退の時期を進言したらいいのじゃないだろうかということが載っていたわけでございます。私は、非常に興味深く読んだわけでございます。  なぜ、こんなことを申し上げるかといいますと、皆さん方が非常に中曽根総理の引退花道ということを考えていらっしゃる、こういうふうにずっと言われておりました。今回、もしマル優廃止を持ち出してきますと、先ほど申し上げましたように公約違反、約束違反、うそつきということになって、また無用の混乱が起こる可能性があるわけでございまして、これは中曽根総理の引退花道じゃなくて、満身創痍の引退につながりかねないと思うわけです。そういう立場から考えますと、そういう機会に宮澤大蔵大臣が引退の時期を進言し、そしてまた花道を飾るならば、我々が主張しております二兆円規模の減税を実現して花道を飾る、これが花道としては一番いいのじゃないだろうか。よその総理大臣の話でございますけれども、私はそう思っているわけでございまして、その点について大蔵大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 税制改正の問題につきましてるるお話してございまして、議長あっせんから与野党国対委員長会談の合意事項あるいは先般の伊東座長による議長報告等々総合いたしまして、私どもとしまして、私どもの立場は政府の立場でございますが、議院内閣制でございますから、政府・与党という関連はもとより十分に考えてまいらなければなりません。この税制改革協議会報告を読みますと、ただいまの御指摘の点は非常に微妙な問題であろうと存じます。政府としてこれを有権的にこう、ああと解釈すべき立場にはございません。党の方の意見もこの経緯につきましてはよく聞きまして、そういうことも考えながら政府としてどうすべきかを決めてまいるべきであろうと思います。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 この税制改革協議会座長の報告、これは座長の私見であるというふうに野党三党の方は共同声明を出しております。このことは御存じでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 座長が報告をされました経緯は存じておりまして、これは与野党合意による報告ではない、そのように聞いております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 そういう経過でございますから、いろいろ新聞報道、テレビ報道なども見ておりますと、政府の方としては、マル優廃止をどうしても出したいんだというのがしょっちゅう出てくるわけでございます。だから、宮澤大蔵大臣が今おっしゃったように税制改革協議会の協議を待つんだというならば、はっきりと我々は結果を尊重する、結果に従って出すか出さないか決める、こういうことを明らかにしておけば、無用の混乱みたいなことは起こらないで済むだろうと思うのですが、その点についてはどうお考えですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点につきましては、十二回にわたりましていろいろ御討議がありまして、その結果が、座長の御報告によれば合意された点、合意されなかった点がかくかくである、こういうことで、その点につきましてはかなりの、十何回にわたる御討議が行われたと承知しております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 今回の補正予算は五兆円ということでございます。総額六兆円規模、こう言われておるわけですね。五兆円が六兆円というのは、一兆円の減税が入っているわけですね。これは間違いありませんか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先般決定いたしました緊急経済対策につきましては、一兆円を下回らないような所得等の減税を行いたいというふうに政府は決定をいたしております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 一兆円を下回らない減税をすると政府も決定した。それからベネチア・サミットでも約束してきた、こういうことでございますね。一兆円の減税をするというその財源については全然考えないで約束してきたんですか、あるいは政府は決定したんですか。その辺のところはどうなんでしょう。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点は政府が緊急経済対策を決定いたしましたときに、税制改革の一環として一兆円を下回りない所得関連の年内減税を先行させる、そういう趣旨で決定をいたしておると存じます。「衆議院に設置された税制改革に関する協議機関における協議の状況を踏まえ、速やかに直間比率の見直し等税制の抜本改革の実現を図り、その一環として、昭和六十二年度において総額一兆円を下らない規模の所得税等の減税先行を確保する。」こういうのが政府の決定でございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 そういうことで税制改革協議会の結論待ち、結論がなかなか出なければ一兆円を上回る減税もできない、このように大蔵大臣は考えていらっしゃるのですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 座長の報告によりますと、これはこの協議に加わられました各党を拘束するものではないということはよく存じておりますが、意見の一致を見た点は、税制の抜本改革の一環としてサラリーマンの負担軽減が必要である、六十二年度において減税を先行実施する、右の減税の実施に当たっては恒久財源が確保されることが必要である、この点についての御意見の一致があったというふうに承知をいたしておるわけです。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 恒久財源の必要性を認めるというのはわかる。さっき申し上げましたように、それをマル優制度の廃止でやるかあるいは不公平税制の是正でやるかというところで合意に達してないというのが現状なんです。この点について同じことをやりとりしてもしようがありませんから次に進みますけれども、後でまた関連して申し上げたいと思っています。  今回のNTT関連二法案は、NTT株売却益、すなわち四千五百八十億円を公共投資に使おうということでございまして、これは三つのタイプがあると御説明いただいております。一つは、当該事業等から収益が生ずる公共事業に八十三億円、Bタイプとして通常の公共事業に三千九百十七億円、これは貸し付けるけれども後で補助金相当額を政府で見る、それからCタイプが民活事業に五百八十億円を出す、こういう内容でございますけれども、こうした配分でどのような社会資本の整備が図れるのか、配分が果たして十分に行われているのか、こういう点について御所見をお聞かせいただきたいと思います。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今先生がおっしゃいましたとおりの配分額になっております。その中で、Aタイプの八十三億円は従来にない公共事業の新しいタイプでございまして、いわば将来そういう公共投資から上がってくる収益で償還をしていただくということで、具体的に申し上げますと、例えば工業団地を造成する場合の取りつけ道路のインターチェンジとかそういうものに対する投資、あるいは駐車場整備に関連する公共投資とか、あるいは公園の中のコテージとかそういうものの収益を見込みましてそれに関連する公園投資とか、そういう形のいわば従来にない全く新しいタイプの公共事業でございます。  Bタイプの三千九百十七億円の公共投資につきましては、これはいわゆる補助金型の従来収益が上がらない公共事業でございますが、今度法案を提出して御審議いただいておりますように、面的、一体的、緊急という条件をつけまして、地域の開発の核になるような面的な公共事業に重点投資をするということで、今度の補正予算におきまして、生活関連と申しますか、そういう一体的緊急整備の核としての下水道、公園等のシェアをふやして、そういう意味でいわば従来の公共事業とはやや違った新しい特色を出しておるわけでございます。  それからCタイプの民活型の融資、無利子貸し付けの五百八十億円は、これはいわゆる民活事業ということで、従来から法律案を提出いたしまして御審議いただいて成立させていただいておる各種の民活法等のいわゆる民活タイプの事業につきまして、無利子の融資をしてさらに助成を手厚くしようということでございまして、これにつきましては将来収益が出てまいるということでお返しいただく。これは開銀等を通ずる融資の形態の貸し付けでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 公共事業は内需拡大の重要な柱でありますし、その配分にあっては生活関連、社会資本整備の拡大に重点を置くべきだろう、こういうことはかねがね私どもも主張してまいりましたし、大臣もその方向で努力をなさっておられたと思うのです。そのためには、継続的な公共投資が必要になるわけでございます。今回の補正後の一般会計予算は対前年度比で四・四%増、こういう伸び率になっておるわけでございます。これはかなりの積極財政ではないかというふうに思うわけでございます。ただ、今回のこの大型補正がいわゆる臨時、緊急という意味の大型補正でございましたので、景気が一時的によくなればいい、こういう考えでやっておられるのか、あるいはここで積極的に財政の拡大に向かって継続的にまた拡大を図っていくのか、こういう点がよくわからないわけです。そういう点をひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 我が国が社会資本整備を中心にいたしまして内需の拡大をしなければならないということは内外からの要請でございますが、同時に、経済構造の転換もしなければならないということになりますと、これはかなり長い間の、前川報告が申しますような努力を必要とすると考えます。したがいまして、財政も一度補正予算を組めばいいということではございませんで、長きにわたってその努力を財政として支援をしてまいらなければならないと考えております。  ただ、御承知のように財政再建という問題がまだその途上でございますから、それを放てきするわけにはまいりませんで、その間にいろいろ工夫が要ることでございますが、その工夫の一つがただいま御審議をいただいておりますこのNTTの売却代金の活用によりまして、終局的には国債の償還をするわけでございますが、その間途中の余裕財源がございますから、これをもってただいま申し上げましたようなA、B、Cの三つのタイプにわたりまして、社会資本整備を中心に内需の拡大を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この制度をお認めいただきますと、これからかなり長い間にわたりまして、在来の公共投資にプラスになりますような形でそれを支援してまいりたいと考えております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 これからも継続的に公共投資の増大を図っていく、こういう御説明だったと思いますので、御苦労も多いことと思いますけれども、ぜひまた検討していただきたいと思うわけでございます。  それにあわせまして、昭和六十三年度の予算の概算要求基準、大蔵省の方ではほぼまとまって、何か近々内閣で決めるのだというふうに報道されておりますけれども、大蔵省の来年度に対する概算要求基準の考え方、この辺のところを明らかにしていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 実は、それをこれから月末までの間に、各省庁、関係閣僚の間で協議をしなければならないという段階でございまして、実は正念場はこれからということでございますが、概して考えまして、先ほどから御指摘のような社会資本整備を中心にした内需の拡大、いわゆる投資的な公共事業等は、従来のようにマイナスのシーリングをかけておるということはもうなかなか無理であろうという気持ちを持っております。しかし、そうなりますと、それ以外の経常的経費につきましては、やはり財政再建途上でございますから厳しく編成をしてまいらなければならない、それが基本の考え方でございますが、そういう中で従来からシーリングについては幾つかの例外項目がございまして、その点につきましては今回といえども基本的な事情は変わりませんので、それらのものについてどういうシーリングを考えていくかといったような問題がございます。これらはすべて、できますならばこの月のうちに関係省庁の大臣と合意をいたしまして閣議の了承を得たい、ただいまその努力のちょうど途上にあるということでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 閣議決定の前にはっきり物を申すわけにはいかない、こういうことだと思うのですけれども、報道されているところを見ますと、六十三年度の予算の中にはNTTの売却益一兆三千億円を使う、こういうふうに報道されているわけです。これは間違いありませんか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点は先ほど申し上げましたように、社会資本整備を中心にした内需拡大の努力は一度だけで済むものではないという基本認識を持っておりますので、したがいまして、このたびの補正予算で到達いたしました公共投資の水準というものは、それを割り込んではならないであろうという意識は持っておりまして、そういうことで六十三年度の予算編成もやってまいりたいということは考えておりますが、具体的にどの数字になりますかにつきましては先ほど申し上げましたような事情もございまして、まだちょっと最終的には申し上げかねておるわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 大臣も、これは公の場所だから言えないというのかもしれません。新聞にはそういうのが出ているのですね。私はこの辺がおかしいなと思うのです。例えば日本電信電話、NTT株の売却収入の一部を利用し、道路、公園、下水道など複合的な都市開発を進める公共事業に一兆二千億円、地方の民活事業への無利子融資に一千億円の別枠を設ける案も固まっているというのです。これは一体どういうところで発表するのですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 今までの私の経験からいたしますと、そういう報道がいろいろなことにつきましてございまして、私も知らなくて聞いてみると大体そうだということもございますし、そうでないということもございましていろいろでございますが、この点につきましてはただいま申しましたように、このたびの補正後に達成しました水準は何とか維持をしたいということは私も申しておりますので、それに向かっていろいろ作業が進行しているということは事実だと思いますけれども、当然のことながらまだ最終的に何も決まっていないということでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 宮澤大蔵大臣は本当に正直な方だなと今思いました。私は知らない、また、報道されたことがしばしばそのとおりになっていくと。本当に、私もいつもそう思うのですけれども、記者も優秀なんでしょうけれども、こういう新聞で報道されるならば、我々にもおおよそ今固まっている段階はこういうものです、そんなことくらい話してくれたっていいんじゃないか、こう思います。聞きますと、そういうことはわかりません、固まっていません、これではどっちが正しいのか我々としても判断に迷うのですね。そう思いませんか。この辺のところを、これから総理になられようという方ですから、どういうふうにしたらいいのか、ひとつ御所見のほどを聞かせていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それはやはり政府による決定というものの持っております性格と、報道というものとの基本的な違いであろうと私は思います。政府の場合は、最終的に手続を経て決定をいたしませんと、これが公の決定ということを申し上げられない。いわんや国会に申し上げますときには、中途半端なことを申し上げられないものでございますから、決定までは決定しておりませんとどうも申し上げざるを得ないのでございますけれども、その決定におけるプロセスというものは御承知のようにいろいろございますから、報道の立場からいえば、それを見ておられて大体こういうところへ落ちつくだろうというようなことは十分に予測をされるだけの知識があり、またそれなりの情報がありますとそういう予測をされる。そのこと自身は、やはり私は民主主義における一つの大事な機能であるというふうに考えておりますものですから、そういう意味では報道というものと政府の公の決定というものは二つのものと考えるということは、そういう仕組みと申しますか民主主義のあり方というのは、それなりに意味が十分にあることだというふうに私は思っておるわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 大変苦しい御答弁みたいに感じました。それはそれで結構でございますので、少なくとも新聞でこのように報道された段階で我々としても内容を知りたいというときには、公式の場でなくても結構ですから、ひとつ明らかに説明もできるような、そういう体制はぜひとっていただきたいと思うわけでございます。  それで、先ほどの話に戻りまして、公共事業の継続的拡大という点についてでございます。実は、これは大蔵大臣のところにも要望書というのが行っているんじゃないかと思いますが、日本下水道協会というのがございまして、この下水道協会が要望書というものを出しております。内容は、  一、 下水道は普及率が低く、その早期整備に対する要望が極めて強い。  一、 下水道事業は、発注が大企業から中小企業まで広く対象となり、内需拡大効果が極めて大きい。  一、 下水道事業の発注は不況業種(製鉄・コンクリート・造船等)を含め多業種にわたり、円高不況対策に寄与する。  一、 下水道事業は、用地費の割合が非常に少ない。  一、 下水道事業は、トイレの水洗化等民間投資を誘発し、投資波及効果が大きい。 こういうところから、   国民的要望である下水道の整備を強力に推進するため、左記のような特性のある下水道事業について、次の措置を講じていただくよう要望いたします。 ということで、   昭和六十三年度予算編成に際しては、シーリシグを撤廃し、下水道事業に優先的に配分すること。   昭和六十二年度予算編成に際しては、下水道事業について、今年度を上回る事業費を確保すること。 これをぜひ実現してほしいという要望でございますが、要望にこたえることはできますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 下水道の普及率が三十数%、四〇%に満たないということは、まことにどうも残念な、またある意味で恥ずべき現状であると考えております。  事は、結局事業執行官庁の主務大臣の御判断ということでございますけれども、下水道の一般公共事業におけるシェアは当初予算で一〇・九%でございますけれども、このたびの補正予算におきましてはNTTの財源を使いました結果一五・二%になっておりまして、シェアが非常に大きく伸びております。このたびのNTTの売却代金の活用による社会資本整備は、できるだけそのような生活関連というものに重点を置いてまいりたいというふうに考えておりまして、それがここにあらわれたものと存じますが、恐らく主管大臣におかれても同様な御判断を持っておられるものと考えております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 私がお尋ねしましたのは、ことしは大変な努力をされましたが、それはわかりますけれども、継続的な事業の拡大ということで、ほとんどのところがみんなお金に絡んでおります。何といってもお金の元締めは大蔵大臣ということでありますから、大蔵省の方で認めていただかないと予算がつかないわけですね。そういうことで六十三年は大丈夫ですか、こういうことです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私どもといたしましては、ただいまおっしゃいましたようなことに重点を置くべきであると考えております。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 それでは、次は全国街路事業促進協議会というのがあります。これも、   街路は都市の諸活動を支え、安全かつ快適な都市生活をおくるための必要不可欠な基盤的施設であるが、その整備は著しく立ち遅れている。 中略いたしまして、   第十次道路整備五箇年計画の発足を間近にひかえた今日、われわれは国民や地域の切実な要望に応え都市づくりの命運にかかる街路の整備を積極的に推進することを改めて決意し、左記の事項の実現を強く要望する。 ということでございまして、  一、 第十次道路整備五箇年計画は、国民や地域の切実な要望に応えるべく総投資規模五十兆円以上を確保すること。  一、 揮発油税・自動車重量税等の道路特定財源は、その全額を道路整備費に充当することはもとより、一般財源を大幅に投入すること。    なお、今日まで未充当の自動車重量税については、ただちに道路整備費に充当すること。  一、 昭和六十三年度の街路事業予算の大幅な拡大を図ることとし、このため昭和六十三年度予算概算要求においては、公共事業費のシーリングを撤廃すること。  一、 地方公共団体の道路財源を充実強化すること。 こういう内容でございます。この内容について、大蔵省は財政的に昭和六十三年度以降対応できますか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 道路整備の問題については、特定財源の問題その他いろいろな問題があることは十分承知しております。新五カ年計画が六十三年度から発足するということも、概算要求に向けて建設省において今検討が進められている状況でございます。私どもとしては、すべてこういう要求につきましては、今後の予算編成の過程で建設省と十分相談をしながらやっていきたいと思っております。  ただシーリングにつきましては、先ほど大臣から御答弁がありましたように、私どもとしても十分内需拡大の要請にこたえるために思い切った措置を講ずるわけでございますけれども、例えば道路事業だけについてシーリングを除外するというようなことは、ちょっとなかなか難しいのかなというぐあいに考えておるわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 与党席の方からも大分御支援をいただいておりますので、ひとつ実現のために十分御努力をお願いしたいと思います。  もう一つ申し上げておきたいと思います。これは全国知事会からの要望でございまして、   現下の地方財政は、累積した巨額の借入金を抱え、その償還は今後の地方財政の運営にとって大きな負担となっており、これまでのように借入金に依存することは困難な状況にある。   このため、地方一般財源を充実強化することによって、借入金依存体質からの早期脱却をはかり、地方財政の健全性を確保することが、緊急の課題となっている。 よって、国においては、次の事項を早急に実現されたいということでございまして、  一 目下、不安定な状況にある本年度の地方財政について、その運営に支障を生ずることのないよう、早急に適切な措置を講ずること。    特に、国の補正予算により追加される公共事業等に伴う地方負担の財源として、昭和六十一年度の国税三税の自然増収に対応する地方交付税の精算額を活用する措置を講ずること。  二 税制改革を行うにあたっては、いわゆる直間比率の見直しを行うなど整合性のとれた望ましいものにするとともに、必要な地方税、地方交付税等の地方一般財源を確保し、地方財政基盤の安定的な確立をはかること。 こういう要望でございまして、これはもっともな要望でございます。大蔵大臣も十分御存じと思いますけれども、この機会でございますので改めてお尋ねしておきます。これは要望にこたえられるかどうか、お答えいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 概して、ごもっともな御要望と考えますので、できるだけ御要望にこたえなければならないと思います。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 NTT株の売り払い収入は国民共通の資産であり、また国民に還元する方法として、公共事業財源に限定することなく、幅広い活用方法を検討する必要があると思っております。  我が党は、NTT株売り払い収入については、六十二年度所得税減税の財源に充てることを主張しております。なぜ二兆円減税か、こういうことにつきましては、先般の予算委員会で、我が党の坂口政審会長がいろいろと図表をお示ししながら、なぜ二兆円の減税が必要かということを御説明しましたから、大臣よく御存じと思います。私たちはこのように二兆円減税を主張し、またその財源としてNTTの売却収入を充てるべきだ、こう主張しているわけでございます。  大蔵大臣は、NTTの株につきましては、今までも国民の過去の蓄積であるから減税財源で食ってしまうのはいけない、資産として残すのだ、こういうことを言ってこられたわけでございます。しかし、国債整理基金に充当することで、果たして大臣のおっしゃるような目的を達成することができるのかどうか、私、非常に疑問に思っているわけです。  なぜかといいますと、本年度当初予算を見ましても、国債費が十一兆三千三百三十五億円になっているわけですね。この内容を見ますと、国債の償還に二千八百十億円、国債利子等に十兆九千四百二十八億円充てているわけです。事務取り扱い等が一千九十六億円、こういうことになっているわけですね。これは間違いありませんでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今先生御指摘になりましたのは、六十二年度当初予算の数字でございます。その点は間違いございません。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 それで発行する公債が、私ちょっと数字を持ってこなかったのです。たしか十兆くらいだったと思うのですね。これは数字はどうだったでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 先生のおっしゃいました当初で申しますと、十兆五千十億円でございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 今回、建設国債は一兆三千億でしたか。そうすると、公債発行しても償還と利払いというのですか、こうすると、とんとんか、あるいは公債発行しても間に合わない、これが現状ですね。どうでしょう。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 数字的に申し上げますと、先生のおっしゃるとおりでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 それで、本年末の国債残高が百五十三兆円になるわけであります。国債を新しく発行しても、利子や償還でとにかくとんとんになるか支払いの方が多くなる、これではNTT株の利益を国債償還に充てても全然焼け石に水ということになると思うのですが、大臣、この点いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 今のお話は、まさに我が国の財政がそのような姿になっておる、そのゆえに、何とか財政再建をいたしませんと一般会計の弾力性がなくなってしまうとかねて申し上げておりますことを数字で森田委員から御指摘があったわけで、そのとおりでございます。そのとおりでございますから、NTTのこのような売却代金はやはりそういう債務の償還に充てさせていただきたい。これは、それだけ金があればさらに上乗せ償還をしてはどうかということになりますと、この点は今の内需拡大、社会資本整備という緊急の課題との優先度の判断の問題になると思うのでございますけれども、私どもはルールどおりの償還はいたしまして、その残りは一時こういうことで活用をすることの方がいわば両方の問題の処理ができる、こう思いまして、このような法案を御審議願っておるわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 ですから、国債の償還に充てるのか、あるいは減税の財源にして景気を浮揚し、税収で財政を立て直していくのか、いろいろ考え方があると思うのですが、私も本当に恐ろしいなと思っておりますのは、国債及び借入金の償還年次表というのを見ますと、来年度の金額は二十四兆九千億ですか、こうなるのですね。これはどうなんでしょう。来年から昭和七十二年ごろまで、毎年どのくらいずつ国債費というのは計上しなければならないのか、ちょっとお話しいただきたい。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今先生御指摘になりましたのは、いわば期限が来ることによる要償還額の合計でございます。それは、例えば六十三年で申し上げますと、要償還額の合計は十五兆九千五百億というようなことでございますけれども、その大部分は借換債収入ということで借りかえていくということでございまして、六十分の一ずつは現金償還をするという建前で国債の管理運用を行っているわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 国債のみでいきますと六十三年が十五兆、六十四年が十四兆、六十五年が十五兆、六十六年が十一兆、六十七年が十三兆、六十八年が十一兆と大変な金額になるわけですね。払えないから借換債、これは世間でいいますと自転車操業というんですか、こういう状態ですね。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 国債の発行、償還につきましてはルールがございまして、六十分の一ずつは現金償還をして、あとは借換債で賄っていく、いわば六十年で償還をするという建前になっておりますので、発行額が非常に巨額であるという点は問題でございますけれども、これは償還が行われると同時にそれの大部分を借りかえるということなものでございますから、その意味ではルールに従った運営がなされているというぐあいに私どもは考えておるわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 この問題をやっていると時間がなくなりますので、また機会がありましたらいろいろとお話をさせていただきたいと思います。  私どもは、減税の財源には、不公平税制の是正で十分恒久財源は確保できるという主張をしております。細かい内容について大蔵大臣、お聞きになっていらっしゃるかどうかわかりませんから、きょう申し上げますと、例えば負担の適正化、合理化で二兆三千億円増収になる。第一番目がグリーンカード復活による利子配当所得に対する総合課税化によりまして、①が限度額管理の徹底、②が源泉徴収税率、源泉選択税率の引き上げ、それから二番目がキャピタルゲインの課税の強化ということでございまして、①有価証券譲渡所得課税の強化、②土地譲渡所得課税の強化、第三が社会保険診療報酬に対する課税の特例の是正、四番目が納税環境の整備、五番目が自然増収、行政改革の徹底等。こういうことをやりますと、いわゆる負担の適正化、合理化で二兆三千億財源ができる、こういう試算を我が党はしているわけでございます。  それから第二点としましては、課税ベースの拡大等で一兆二千億円の増収が見込める。一つは貸倒引当金の見直し、二番目が退職給与引当金の見直し、三番目が各種準備金の見直し、四番目が受取配当非課税、配当軽課制度の廃止、五番目が法人事業税、事業所税の見直し、六番目が法人への固定資産税の強化、こういうことで一兆二千億円。合計しますと、国税として二兆七千億、地方税として八千億、合計三兆五千億の増収が見込める。これは不公平税制を是正するとこうなるということです。したがって、恒久財源はできるというのが我が党の試算でございます。こういうことについて、大蔵大臣は試算をなさるか検討なさったことはおありですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 ただいま御指摘のございました点につきましては、先般御提案申し上げた政府の税制改革案でも、項目としてはそれぞれ取り上げさせていただいて検討を行っているところでございます。ただ、社会保険診療報酬課税につきましては、国税につきましては昭和五十四年度の改正におきまして実態に即した経費率となるような改正を行い、その後、その経費率の区分金額をずっと固定いたしておりますのでかなりその適応者も減ってまいりまして、だんだん実情に即したものになっているのではないかと考えておりまして、現在さらにこれを課税見直しをするという点につきましてはいろいろ議論のあるところでございます。  それから引当金につきましては、貸倒引当金、退職給与引当金という御指摘でございますが、政府原案といたしましては、賞与引当金の廃止ということで対応をさせていただいておるところでございます。  ということでございまして、御指摘のような点につきましてはおおむね検討課題にさせてはいただいて、それぞれにつきまして方針をお示しさせていただいたところでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 それで、検討なさって私が申し上げました三兆五千億の増収にはなるのですか、ならないのですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 例えば引当金でございますと、賞与引当金の廃止等で私ども計算いたしますと、これを四年間で廃止いたしまして、一年間に三千億円ずつの増収を計上させていただいたわけでございます。  それから、第一点目り利子課税につきましては、政府原案で検討させていただいたときには、国税、地方税合わせまして一・六兆円程度の増収を見込んだところでございます。したがいまして、基準のとり方についてはいろいろあるわけでございますが、御指摘のようないろいろな点、方式は違う場合もございますけれども、極力こうしたものの中で減税財源を確保するように努力いたしたという点は、ある意味では同じ方向をとっているわけでございます。厳密に二・三兆円それから一・二兆円というこの数字に合うものではございませんが、そうしたものに近い努力はいたしてきているとも申し上げられるかと思うわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 三兆五千億に近い数字だとおっしゃるのですけれども、それでは、大蔵省の方で試算したのはどの程度なら出てくるのですか。どの程度の金額になったのですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 ただいまも申し上げましたが、利子課税につきましては、方式は異なるわけでございますが、この点につきましては原案では国、地方合わせまして一・六兆円と申し上げたところでございます。それから、土地、株式のキャピタルゲイン関係につきましては、有価証券取引税の税率の見直しそれから土地の事業用資産の買いかえの圧縮等々によりまして、数百億円から千億円内外のものを計上させていただき、また、土地関連でございますが、登録免許税の税率の見直し等によりましても二千億円程度のものを計上していただいたわけでございます。それは、政府原案ではそうだったということでございます。  それから引当金につきましては、貸し倒れ、退職給与につきましては今回は計上はいたしてございませんでしたが、賞与引当金につきましてこれを四年間で廃止をしていく、単年度三千数百億円のものを四年間にわたって計上をさせていただいたわけでございます。  それから、受取配当益金不算入、配当軽課税率の見直し等によりましてそれぞれのものを計上し、これは金額は余り大きくございませんけれども、数百億円程度のものを計上はさせていただいたわけでございます。  そういったものを合計いたしますと、ただ賞与引当金につきましては、これは制度を四年間にわたって廃止いたしますと、それぞれの年は三千億円を超えるものが計上できますが、これを単純に合計していいかどうかやや問題でございますが、利子、土地等につきまして概算して、そうしたものは二兆円程度のもの。それから賞与引当金につきまして、これはどのように計算するかはやや問題がございますが、これも三千億からのものが四年間にわたって計上できるとすると、二兆四、五千億のものは計上させていただいたとも申し上げられるかと思いますが、これは計上の仕方がいろいろ考え方がございますので、単純に全部合計して申し上げるというのもいかがかと思いますが、大ざっぱに感じを申し上げればそんなことでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 二兆円程度の財源はあるということでございますから、これを充当しても当面は二兆円規模の減税は可能だというふうに我々は考えるわけです。その点を大蔵大臣もよく御検討いただきたいと思います。  ちょっとくどいようですけれども、一つ二つ例を挙げてお尋ねしたいと思うのです。  例えば配当所得の是正ということでございます。個人の配当所得は、総額としてどのぐらいになっておりますか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 配当所得として源泉所得税を課税させていただきます部分は、源泉徴収の段階では個人、法人が合計して出てまいりますので、この個人分だけということでございますと若干正確を欠く場合がございますが、配当所得としては大体二兆円から三兆円のものが、源泉所得税としては計上はされておるわけでございます。ただ、厳密に所得としての個人分という点につきましては、なかなか正確には申し上げられる点がございませんが、大ざっぱな感じはそんなところでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 この大蔵省の資料で見ますと、最近は今の答弁のように二兆円ぐらいになっているかもしれません。私の調べたのでは、個人の配当所得としては一兆八千四百八十三億円というのが大蔵省の数字で出ているわけです。それで、この個人の配当所得に対しては一〇%の税額控除をしていますね。どうですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 先ほど申し上げましたように、配当所得として源泉の面でとらえますと、個人、法人が入って、ございますので、例えば個人、法人を全部合わせた配当の支払い金額としては二兆七千になっておりますが、このうち個人分につきましてはその何十%かとなろうかと思うわけでございます。  それから個人の配当所得につきましては、一千万円以下の方については一〇%の配当控除、一千万円を超える所得の方について五%の配当控除があるというのは、御指摘のとおりでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 ですから一兆八千四百八十三億円、これは今の御説明のように一千万までの配当所得に対しては一〇%ですね、一千万円を超えて二千万、三千万の方は一千万を超える部分について五%の配当控除だと思いますね。違いますか。一千万には一〇%の控除がある、それを超える部分が五%の控除。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 技術的で申しわけございませんが、配当所得者の方もほかの所得がある、ほかの所得を含めまして所得が一千万円までの方については、その中に配当が入っておりますとその配当の一〇%でございます。もしその所得者が配当だけでございましたら、もちろん一千万円以下の全部、それにつきまして一〇%になるわけでございますが、大方ほかの所得もございますので、その一千万円というのはほかの所得も含めたところでございまして、ほかの所得と含めまして一千万円を超える方につきましては、その配当については五%という規定の仕方となってございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 仮に押しなべて平均して一〇%と仮定します。仮定です。そうしますと、この税額控除一〇%を廃止すれば、配当所得の税額控除を廃止しますと、一〇%ですから一兆八千四百八十三億円でも一千八百億円の増収になると私は計算したわけですけれども、これはどうですか。正しいですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもの持っている数字といたしまして、配当の支払い全体としては二兆七千億の配当所得がございまして、この中で私どもとしては大体三割程度が個人分ではなかろうかと見ておるところでございますので、一兆七千というのはちょっと、後でまた御指摘の数字は検討させていただきますが、やや大きいかなという感じがするわけでございます。  それから、一〇%の配当控除分でございますが、昭和六十二年度予算で計上させていただいておりましたその一〇%の控除分は、四百億円程度と計上させていただいております。しかし、これは確定申告書に出してこられた方でございまして、配当控除を適用した結果、還付申告をされる方につきましては、還付分として申告分に出てまいりませんので、ちょっと計算は難しいわけでございます。したがいまして、表面的に出ております確定申告された方についての配当控除の金額は、はっきりいたしておりますのは四百億円程度ということでことしは計上させていただいておりました。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 それから、キャピタルゲイン課税の是正でございます。これは捕捉が難しいとかなんとかいろいろ言っておりますけれども、一九八五年度の株式分布状況調査によりますと、個人株主数は二千四十六万人いらっしゃる。株数で六百七十九億九千万株所有していらっしゃる。一九八六年の株式売買高は、株数が二千三百八十三億三千万株、金額で百九十三兆五百八十九億円なんです。すごい金額でございます。  それで、有価証券の譲渡所得課税につきまして、個人の株式売却益三兆三千億と推定されるわけでございますけれども、この点についてはいかがですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 一つの分析といたしまして、そうした数字を挙げておられる論文があることは私ども承知いたしておりますが、その金額の積算の方式につきましてはちょっとつまびらかにいたしておりませんので、そうした数字が真実に近いものであるかどうかにつきましては、ちょっと申し上げかねるところでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 そういう計算をなさる方もいらっしゃるということでございますから、担当局においてもぜひこういう問題について十分調査をしていただきたいと思うのです。  これが仮に三兆三千億あるとしまして、これに三〇%の課税をしますと九千九百億円になる。そういうことになりますと、有価証券取引税は廃止しなければなりませんからこの減額が六千三百億円、差し引き三千六百億円の増収ができる、こういうことであります。それから土地の譲渡所得が十一兆二千億円、こういう数字があるわけでございます。それで、課税除外分四兆一千億円を引きまして差し引き七兆一千億円の譲渡所得がある。この半分を課税対象にします。半分といいますと三兆五千五百億円ですから、これに三〇%の課税をすれば一兆七百億円になる、こういう計算もあるわけでございます。この点についてはどうです一が。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 有価証券取引につきましては、昭和二十八年の改正におきまして原則としてこれは非課税とする、ただ、有価証券取引の背後にある担税力に着目いたしまして有価証券取引税をお願いするということになっておるわけでございまして、これが現在譲渡額の万分の五十五という課税をお願いしておりますのが、一兆四千億円程度の税収になっておるわけでございます。  今御指摘のように、キャピタルゲイン課税に全面移行する場合には、この有価証券取引税を廃止されるという御指摘でございますが、したがいましてその点につきましては、今一兆四千億円になっておりますのと相対照して、どのようにこの点を措置するかという点が問題になろうかと思うわけでございます。  それから土地の譲渡益につきましては、確かに十一兆円の譲渡益がございますのに、課税対象といたしましてはそれが四兆円程度のものになっておるということは御指摘のとおりでございます。ただ、これにつきましては、その大半は個人の居住用財産を譲渡されたときの三千万円特別控除でございますとか、個人の居住用資産の買いかえの繰り延べによりますところの譲渡益部分でございますとか、そういったものが大半でございますので、確かに現在居住用資産の買いかえの問題につきましては非常に土地政策との関連で御指摘がございますが、これを個人の方のそうした場合の控除額の見直しなり繰り延べの廃止縮減等となりますと、これはかなり大きな問題となりますので、なかなか簡単な問題ではないとは思うわけでございます。  しかし、御指摘のような点がございますので、昭和六十一年度の改正では法人につきまして繰り延べの範囲を二割縮減させていただいた。そして先般御提案した政府案では、個人の事業用資産の買いかえの繰り延べ部分を二割縮減をさせていただいてはいかがかと、一応御指摘の点の若干の改正の方向には着手はいたしておるわけでございますが、大半を占めております個人の居住用をいかがするかという点がこれは大きな問題としてあるわけでございまして、勉強課題であることは私どもも認識いたしておるところでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 勉強課題がいつまでに終結するのか、そういうことが非常に大きな問題だと私は思います。私が一例として申し上げましたが、こういう問題につきましても、ひとつ優秀な方々がそろっていらっしゃる大蔵省でございますから早く検討して結論を出して、しかも減税財源に充てられるように努力をしていただきたいと思うわけでございます。  時間も差し迫ってまいりましたので最後にしたいと思いますが、実は財団法人国民経済研究協会というのがあります。ここで七月の二十日に「新財政ビジョン」というのを発表しました。この内容につきまして申し上げますと、日本のとにかく先ほど申し上げました国債残高百五十三兆円。NTTの売却益を回しても焼け石に水。これではいつまでたっても国債は減るどころかふえるだけじゃないか、こういうことでやはりこの国債残高をなくしていく。ということになれば、国債費十兆ないし十一兆という金額は丸々使えることになってくるわけでございます。そういうことで、大変斬新的といいますか驚天動地といいますか、そういう提案を発表しております。  そういう内容について、大蔵大臣お聞きになったことありますか。――ない。じゃ申し上げますと一公社・公団など政府出資の三十四機関を民営化する。その株式を売却しますと、利益が百七十一兆円になるという試算でございます。この百七十一兆円を国債残高の削減に充てれば、増税しなくても財政の弾力性を回復できる、こういう内容でございまして、大変困難な問題がたくさんあろうかと思いますが、しかしやはり傾聴に値する御提言だろうと私は思うわけでございます。  この国民経済研究協会のビジョンは、六十三の政府出資法人のうち三十四機関、政府系金融機関十二、公団十三、特殊会社八、郵便貯金、これを民営化し、株式を売却しますと約百七十一兆円の売却益ができる、このようにしているわけでございまして、これは六十二年度末の国債残高百五十三兆円を上回るわけでございます。あと細かいことは、申し上げますと時間なくなりますから。こういう民間の研究機関でなければとても考えつかないようなビジョンが発表されておりますが、こういう問題について大蔵大臣はどのようにお考えになりますか、初めてお聞きになったようでございますが。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 国民経済研究協会の御提案につきましては、私どもも承知をしております。ただ現在、郵便貯金を初めといたしまして御提案になっている株式売却対象の公団等というのは、それぞれ特別の法律によって国会の審議を経て、いわば国の固有の政策的な役割をそれぞれ果たしていただいているというものばかりでございます。したがいまして、これらを民営化して株式を売却するということは、民営化が国民経済に対してどういう影響を与えるかとか政府の政策遂行の目的との関連をどうするかとか、非常に慎重な検討を要するのではないか。郵便貯金の民営化という構想がその中に入っておりますけれども、それ一つをとってみても大変な問題であろうかというぐあいに考えているわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田(景)委員 やはり何かといいますとお役所の方はそれは難しいと言う、こういうことになるわけでございます。でも、中曽根総理はこの間、私は総理大臣になって国鉄も民営化しました、NTTも民営化しましたと大見えを切ったんですね。確かにつくったときはそういう目的ですけれども、後をどうするかということはまた後で考えればいいことですから、最初から難しいと言うんじゃなくて、やはり国の財政、これ、宮澤大蔵大臣が総理大臣になっても、百五十三兆円の国債の残高は恐らく減らないんじゃないだろうかなと私は思っているんです。これが減るというならば、私ももろ手を上げて応援してもいいんじゃないだろうかと考えたりしますけれども、それは減らない、こう思うのです。  そういう話をしていますと申しわけないと思うのですが、私が申し上げたかったのは、とにかく信義を守る、うそをつかない政治をやるという立場から、マル優制度の廃止はこの臨時国会に持ち込まない、これが一つ、それから二兆円規模の減税を実現してほしい、この二つを言いたかったためにいろいろ申し上げました。申し上げたけれども、まだまだたくさんあったわけでございますが、途中省略いたしました。  どうぞひとつ、大蔵大臣もそういう立場になって、真剣な御検討をお願いしまして、質問を終わります。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 午後一時十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四十一分休憩      ――――◇―――――     午後一時十三分開議

池田行彦自由民主党

○池田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 久々の大蔵委員会のような感じがするわけでございますが、どうも最近大蔵委員会以外で税制論議が非常に進んでいるみたいでございますし、大蔵の分野がかなり侵されているような感じがするわけでございまして、大蔵関係の方々あるいは大蔵委員会のメンバーの方々の御協力をいただいて、きょうは延々と質問ができるということで大変喜んでおります。  まずそこで、先国会の終盤に議長あっせんという形で税制協議会というのが衆議院の中にできました。自社公民の四党での税制協議が行われておりますけれども、一応先週の末に中間経過報告が出されました。大蔵大臣も多分それを目にとめられていると思いますけれども、まず現在の税制論議は非常に各論に入り過ぎてなかなか進まないというのが税制協議会の現状ではないか、こういうふうに私自身感じているわけでございます。本来の税制協議、税制改革、こういう問題につきましては総論から入っていきまして、現在の問題点を洗い出しながらそれをどういうふうに次の改正で織り込んでいくか、こういう論議をしながら、また今の税制のできないろいろな基盤、現在の状況、こういうものも見ていかなければいけない、私自身そういうふうに考えるわけでございます。  そういう面から見て、現在の税制協議会の進め方について、大蔵大臣としてどういうお考えを持ちあるいは御意見を持っておられるかということをお聞きしたいというのがまず一点。それから、特にマル優問題でいつも話が出ておりますけれども、現在のいわゆる分離課税を中心にした制度から将来は総合課税に移行していきたいという従来からの大蔵省の考え方でございますけれども、この辺が非常に不明確になっているような感じがいたしますので、本来あるべき姿としての税制度についてのお考えをお聞きしたいと思います。もう既に自民党税調の方から、自民党税制改正案のようなものが新聞紙上に流されておりますけれども、この辺についての意見も含めて大蔵大臣としての所見をお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 税制改革協議会につきましては、衆議院議長のごあっせんによりまして共産党を除く各党が御協議を続けられまして、既に十何回熱心に税制問題について御検討いただきましたことは、その結果につきまして政府がとやかく申し上げるべきことではないと思っておりますが、御努力に対しまして敬意を表しております。  政府といたしましては今年度、規模の大小はともかくといたしまして、所得課税の減税をいたしたいということをかねて考えておりまして、この点は税制改革協議会においても、大きさはともかくとしてその必要をお認めになっておられるように承りますが、そういう問題がございますのと、地方財政計画が立たないという問題があったりいたしまして、税制改革協議会がなるべく速やかにそれらの問題について御検討願い、あるいは議長の言われました直間比率等々につきましても御検討願いたい、こういうふうに念願をして今日に及んでおるわけでございます。  次に、マル優の問題について、総合課税、分離課税の問題をどう考えるかというお尋ねでございましたが、基本論といたしましては、すべての所得は総合されて、そして累進税率の適用を受けるべきものであるというのが総合課税の基本的な理念であると思っております。ただ、それを実現いたしますために、すぐにできるものと、なかなか行政上の体制その他従来からの経緯とかいろいろなことがありまして直ちにそうできにくいものもございます。また、そのためには相当複雑な準備も必要とするかもしれないというような問題もございますから、すぐに全部が総合されるというわけにはまいらないのが現実でございますけれども、いずれの日にかは、すべての所得が総合されることが考え方としては私は基本であろうと思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 今回の税制論議の中で、各論に深く入り過ぎたためと私最初に申し上げましたけれども、そもそもは六十二年度の所得減税を時期的に早くやらなければいけないという話がございました。政府の方といたしましても、少なくとも一兆円を下回らない所得減税をやる、こういう一応国際公約的な約束があるわけでございます。一方で我々の方は、従来から二兆円を上回る所得減税をやろうという話で進んできておりまして、一つは、六十二年度の所得減税を考える最終的なタイムリミットがどこにあるか、これがこれからのいろいろな政治日程と絡んでくると思います。一つは、先ほどのお話の中にもありましたように、政府というよりも自民党内部のいわゆる総裁選挙の関係、これは後だれがやられるか知りませんけれども、少なくとも十月八日に選挙の告示をされる、こういうことでございまして、十月いっぱいかけて決められていくと思います。そういう大変大きな日程もあるわけですし、もう一方では、今お話の中にございましたいわゆる地方財政計画、これを所得税減税を含めて今我々は要求しているわけでございますが、これについての一つのタイムリミットが一応八月末だ、こういうふうに言われております。そういうふうに考えていきますと、所得税減税というのはやはり八月末ぐらいまでに決めていかなければ、六十二年度というのはなかなかできないのかな、こういうふうな感じを受けているわけでございますが、規模は別にしまして、まず六十二年度制度改正を含めた所得税減税をやろうとすれば最終的な時期がいつなのか、これについてお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 政治情勢について最初に御言及がございましたが、政府といたしましては、緊急経済対策を決定いたしましたときに、一兆円を下回らない所得課税の減税を行うということを政府・与党の間で決定いたしております。政府自身も正式に決定をいたしておりますので、したがいましていわゆる政治情勢云々は一応そのことに無関係に、この方針そのものは政府・与党の間で変わらない方針だというふうにお考えいただきましてよろしいかと思いますが、お尋ねは、実は地方財政との関係あるいは税法そのものの施行との関係でいつまでがタイムリミットかということでございますので、それは政府委員の方からただいまお答え申し上げます。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 私ども事務的な観点からいたしますと、所得税減税につきましては、これは原則は毎月の源泉徴収、そして最後年末には年末調整で大半のサラリーマンは調整をされるということになってございますが、四千万人のサラリーマンの方につきましては、三百万人の源泉徴収義務者の方の御協力を得て円滑に年末調整を遂行するということになりますと、毎年年末調整の説明会等につきましては十一月から始めているところでございますので、そのための印刷等々の準備をいたしますと、十月ぐらいからその準備はぜひとも始めさせていただきたい。そういたしますと、極めて技術的と申しますか、事務的な面からのお話を申し上げれば、九月いっぱいには制度改正が確定と申しますか、国会でお願いをするとすればそれが成立しているということを私どもとしてはぜひお願いしたい。これは全く事務的、技術的な面からの、そうした仕組みの面からのお答えでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 地方財政の方は同じでいいですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 地方財政につきましては、地方交付税を基準財政需要と基準財政収入を算定して、八月末に配るということが法律の規定として義務づけられておりますものですから、地方税を含めたいわば基準財政収入の全体の姿が八月末までに明らかになるということがぜひとも必要であると、私どもは考えているわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 地方財政の方の交付金でございますが、これは一応八月末までにということです。後で修正がきくかどうか、その辺についてお答えを願いたいと思います。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 地方交付税につきましては、全国三千三百の地方公共団体個々に基準財政収入、基準財政需要を積み上げて、その差額をいわば交付税でお配りするということでございますので、後からの手直しが不可能とは申しませんけれども、大変な混乱を生じるということでございますので、法律で八月末までにそれぞれ個々の公共団体について、そういう交付税額を確定しろということになっておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 時間はかかるけれども修正はできる、こういうふうに私はお伺いしたわけでございます。  本日の議題になっておりますNTTの株の売却益の件でございますが、先ほどといいますか本来から減税財源の話がございまして、我々の方は、従来といいますよりも昨年度、中曽根総理が選挙の演説の際と申しますか、要するに減税をやるのだというような政府の方針を打ち立ててこれを軸に選挙戦を展開していこう、こういう中身の中で、昨日我が党の岡田議員も本会議の席で御質問申し上げましたけれども、その当時の減税財源としての一つにNTT株の売却益を充当する、こういう話がございました。きのうの話では、どうも政治公約であり、実行されない、こういう感じを受けております。  ことしになりましてから、所得税減税がまさに具体化をしようというときに、急にこのNTT株がそういう減税財源として使えない、こういうお話がございました。この件について、大蔵大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。中曽根さんが約束をした、要するに今回のこの一兆円を上回る所得税減税をやろうというのも一つの国際公約でございますし、六兆円に上る緊急経済対策もいわゆる国際公約である。まして、選挙公約的な発言でございますから守らなければいけないのは当然でございますし、ことしの売上税のいろいろな問題のときにも、あれは選挙公約じゃない、要するに中型以下の間接税であるというようなことを言って一生懸命逃げておられましたけれども、そういうことからすると、選挙公約というのは非常に重要な意義を持つわけでございまして、我々もマスコミ等を通じて中曽根さんがそういう発言をされておりますのを聞いておりますし、そういう面で見るとまさに選挙公約違反ということになるわけで、公約を実行しようとすれば、今回の売却益については所得税減税の財源に引き当てをする、こういうお答えを当然いただくべきである、こういうふうに考えますけれども、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 昨日でございましたか、本会議で岡田正勝議員の御質問がまさにその点についてございまして、総理大臣は、選挙中に所得税減税等の話をしたときに財源はいろいろ考えがある、例えばという一つの例として、NTTのことを話したというふうに答弁をしておられたとたしか聞いておりました。そういう意味では、一つの可能性として言われたというふうに私は了解をいたします。  次に、現実の問題としてNTTの売却代金を減税財源にすべきかどうかということについては、幾つかの問題があると存じます。  その第一は、私どもはこれを国債償還の原資にしたいと考えておるわけでございますが、その間にルール以上の償還をいたすよりは、余裕金は目下の当面の急務であります社会資本の整備、内需の拡大、地方の活性化にしばらく使わせていただく方がいいのではないか。しかし、結局これは返ってまいりますから、将来減税の財源として失われることはないわけでございます。それが一つでございます。これに対しまして、減税に使ってしまいますと、それは財源が失われますので、その限りにおいて国債償還に使うということが、いわばできなくなるという問題があろうと思います。  それからもう一つの問題は、まだ何回かNTTの株式の売却はできますけれども、それはあと数回でございまして、これはしょせん財産処分でございますから、いっときの財源であって恒久財源とは申しがたい。したがいまして、恒久税制に対してはやはり恒久の財源をもって減税を賄いたい、こういう考え方からいたしますと、これはいっときの財源であるという問題がございます。そのようなことから、私どもとしてはNTTを減税財源とせずに、いっときの減税でございますればいっときの財源でよろしいわけでございますけれども、そうでないと思いますので、やはり恒久財源をつくらせていただきたい、こう思うわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 今のお言葉でございますが、国債償還を確かにしようということで、我々も国債整理基金への売却益の投入といいますか繰り入れは是ということで、今までやってきたわけでございます。当然財政再建についても、安定的な財政再建というのはやはりどんなときであってもやっていかなければいかぬ、こういう考えも持っております。しかし、ことしは二つの面で当初の予定よりも非常にいい方向に向いているのではないか、こういうふうにちょっと考えるわけでございます。  というのは、ことしのというよりも昨年の十月か十一月、ちょうど六十二年度予算編成の際に、経済の動きとかいろいろなことを含めて六十一年度をベースにして考えられましたその情勢と大幅に今変わってきている、こういう話でございます。先ほども財源問題の中で論議されておりましたけれども、当初のいわゆるNTTの売却益として見込まれている金額が大変少ない金額だったと思います。当初六十一年度の末に予定をされましたNTT売却益は四千百五十八億、これだけを一応計上しよう、こういうことでございました。しかし、値段が大変高く売れましたので、秋に一兆九千百五十二億円に増額をした、こういうことになっております。しかし、実際はその当時よりもはるかに高い値段で売買をされまして、六十一年度の売却益としては一株当たり百二十一万七千円程度ということで、合計二兆三千七百四十六億円という大変な金額になりまして、これだけで四千五百九十億当初の予定より上回る状態となりました。こういう結果が出ております。現在の国債整理基金の金額は六十一年度末で一兆七千三百億円程度ございまして、今回の増収分を加えますと二兆千八百億円という大変な金額になります。  我々が何で財源に使えないかと言うのは、実は国債整理基金に一般会計からの繰り入れを行っていなかった、こういうことが平気で行われながら、なぜ今まで出したり入れたりとめたりというのが自由にできまして、今回に限り減税財源に使えないのかという、今までの政府がやられた行為に対する不満が一つあるわけです。  それからもう一つは、数字的に見ても今申し上げましたように二兆数千億円という金額がそこに蓄積をされている、こういう状況でございまして、本来の恒久財源を減税に充てていくという、確かに長期的な分野から見るとわかるわけでございますが、今とりあえず六十二年度の論議あるいは六十三年度の見通しということを考えていきますと、そんなに恒久財源にこだわらなくても今当面の資金運用はできるのではないか、こういうふうに思うわけです。この辺についてもう一度今までの行為を振り返ってみていただいて、大蔵大臣としてのお考えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 いわゆる六十年規則によりまして国債の一部を、俗語で申します現金償還するということでございますが、従来国債整理基金特別会計が、昔で申しますと定率繰り入れをやっておったわけでございますが、それを停止いたしまして、いわゆる予算繰り入れでやってまいりました。整理基金に多少のオペレーションの余裕もありましてやってまいりましたが、それは予算繰り入れでつないでまいりましたわけで、ここでNTTの株式を国債整理基金特別会計に帰属させることができまして、しかもそれがそこそこの値段で売れたということで、国債整理基金特別会計はいわば幾らか運営が楽になった。したがいまして、今回は予算繰り入れをいたさずに済んでおるということでございます。  そういう状況でございますから、これを取ってしまいますと、もう一遍国債整理基金特別会計に少なくとも予算繰り入れをしなければ国債の償還ができない、オペレーションができないということになりますので、それだけのものはどうしても国債整理基金特別会計が持っていなければならない、ただいまNTTの売上代金がその機能をしている、こういうのがいきさつでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 じゃ、ちょっと数字の確認だけいたしたいと思います。  NTT株の見込みということで最初に計画をされましたものが秋の補正で変更された、このときの金額が一兆九千百五十二億円、これでよろしいですか。それから、六十一年度の百九十五万株の売却益の総額が二兆三千七百四十六億円という数字、それから、六十一年度末の国債整理基金の残高は一兆七千三百億円、こういう数字でございまして、それに今回の増収分が加えられて二兆一千八百億円という数字でございます。これと、六十一年度の決算剰余金一兆七千五百五十七億円、こういうものがあります。まず、そこまでの数字を確認したいと思います。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 そこまでの数字は御指摘のとおりでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 そういうことでございましたけれども、実際はどうかといいますと、六十二年度は二百五十万円で一応NTT株の計算がされておりまして、二百五十万円で計算をしますと四兆八千八百億円となりました、こういうことでございます。これは見込みでございますから、ちょっと数字はわからないと思います。こういう数字をずっと足していきますと、NTTの株売却だけで六十一年度と六十二年度合計しますとかなりの数字になるわけです。六兆、七兆くらいになるのですね。逆にそれだけの財源があるということでございまして、実勢と当初見込みとがかなりいい方向に変わってきている、こういうことになります。  そこで、NTTが将来どうなるかというのは我々も心配しておりますので、ちょっとお時間をいただきまして郵政省にお伺いをしたいと思います。というのは、二百五十万円の株価がどうなるか、そういうこともございますので、まずその辺についてお聞きしたい。  NTTが民営化されたメリットというのは、株売却益が国に入るというただそれだけじゃないと思います。まず決算状況といいますか、こういうものが既にいろいろ出されておりますけれども、この中身からいきますと、公社の一番最後のころの決算というのは若干悪化したということがありましたけれども、民営化された後、かなり健全な決算内容が出ている、こういう感じがするわけでございます。  そこで、我々が一番非常に関心のあるのは、NTTは総資産が非常に多いわけでございまして、その総資産を株数で割って従来からのある推定値というものをつくったわけでございますが、やはり一つの基準になろうと思います。民間になっての実績がまだ少ないわけでございますから、その辺で総資産が守られていくということは、より健全な経営的な体質がNTTの中に育っていく、こういうことになるわけでございまして、公社時代と、要するに現在ですね、民営化された後、それから将来、民営化が安定した時期、こういう大体大きく三つくらいに分けて、特に今までの電話通信の分野あるいはそれ以外のデータ通信なりいわゆる競合相手、両方とも出てきておりますけれども、その辺を含めた見通しをちょっとお伺いしたいというのと、それから現在の株価評価、二百二、三十万円だったと思いますけれども、この辺をどう思うか、この辺もお伺いしたいと思います。

品川萬里郵政省電気通信局電気通信事業部監理課長

○品川説明員 お答え申し上げます。  先生お尋ねの件の、まず株価の数字についてどう思うかという御指摘でございますが、この点につきましては郵政省としましては、これはまさに株価市場においてお決めになることでございまして、私どもとしてはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。  それから、今後のNTTの経営のあり方、あるいはこれまでどのような経営努力をしてきたかということでございますが、今先生御指摘にございましたように、NTTの民営化の趣旨というのは、とにかく合理化された経営形態のもとに大いなる経営成績を上げるというところにあったわけでございます。公社時代、株式会社になってからの時代を通じまして、電気通信の分野というのは技術革新の大変著しい分野でございますので、例えばデジタル化技術の採用あるいは通信衛星、光ファイバーの利用による効率的な通信システムの形成、こういった技術革新の成果の採用を積極的に進めるとともに、同時に人的な側面でございます保守部門でございますとか、あるいは電話運用部門あるいは電報業務等につきましては、積極的な省力化施策を推進してきております。  これは公社時代、会社時代を通じての経営努力でございますが、会社になりましてからは社長の陣頭指揮のもとに、一例を申し上げますと、例えば毎年のように社内の組織を積極的に新しい体制に対応できるように変えております。事業本部制の採用あるいは職員に対して、全職員に手紙を出して企業意識の浸透を期待する、あるいはいわゆるクォリティーコントロール手法を用いての経営体質改善、あるいは最近に至りまして、トータルコスト削減特別委員会といったものも、社内組織ではございますが設置いたしまして、それこそ全社を挙げて強力な会社づくりに努めておるわけでございます。  競争相手と申しますか、新しいこの電電改革の趣旨は、同時に電気通信産業という新しい成長分野をつくるということでございまして、新しい会社も続々出てきておりますけれども、こうした競争のいわばインパクトというものを上手に活用して、さらに立派な経営成績を上げていくということを我々期待しておりますし、またそのような努力が大きな成果を得られるよう、郵政省、政府としても支援あるいは協力をしていくべきものと考えております。  以上でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 確かに、いろんなことをされているのは我々も聞いているわけでございますけれども、総資産が十兆円を超える企業というのは非常に少ない、まれな状態だと思います。一方、減価償却がこれまた一兆円を超えるということで、売り上げに対して減価償却が非常に大きいような気がするわけでございまして、今例えば第一種の新規参入あるいは第二種はこれまた大変な数字でございますけれども、民間企業でございますから、ともかくもうけることを目的にやるわけでございますから、いろんな形での進出がこれからなされるんではないか、こういうふうに思います。  今、例えば料金比較という形で見た場合に、電話番号で〇〇八八とか〇〇七七とかを使っている、テレコムですね、そういうところがありまして、例えばこれは幹線の価格でございますが、百キロで見てみた場合にNTTが百四十円、これは電話料金でございます。これに対して日本テレコムの場合には百十円、それから第二電電はまだ余り動いていませんけれども、百四円。いずれにしても大体百円ちょっと、こういう数字でございます。東京-大阪間という形で比較をしますと、NTTが四百円、日本テレコムが三百円、第二電電が三百円、大体三百円ということでございまして、新規参入の業者の方が比較的値段が安い。いろんな契約を今とりに回っているような状況でございます。もう一方、第二種の方になりますと、三百六十社くらいの新規参入がございまして、こういうところがまさに競合してくるということでございます。  我々心配いたしますのは、電電公社の時代には一つの年間計画なりあるいは中期計画なり、そういうものをもとにいわゆる独占的な仕事を今までやってまいりまして、職員の方にやはり体質的に独占企業という体質があるのではないか。ですから、民間が新規参入をして特に利益幅のある分野、こういうところに参入をいたしますと、利益のある分野には競合ができてとられてしまう。利益のない、むしる欠損の多い地方の電話回線なりそういう分野にはどれも手助けに来てくれない、こういうことが起きるのではないか。これはNTT民営化のときにもお話を申し上げたのでございますが、この辺の状況については、まだ立ち上がって間もない状況でございますが、どういう情勢になっているのか、おわかりだったらお答えをいただきたいと思います。

品川萬里郵政省電気通信局電気通信事業部監理課長

○品川説明員 お答え申し上げます。  現在時点で、新しい通信事業者のうちいわゆる第一種電気通信事業者でございますが、これは現実にサービスを提供している会社は五社ございますが、六十一年度末の売り上げ、そのサービスはいわゆる専用線サービスでございますけれども、計八億円前後でございます。それから、競争とNTTの経営成績との関係でございますが、この電電改革の趣旨というのは、競争を通じていい刺激を受けてNTTの力をつけていく、そのための民営化ということでございますので、その体制づくりに今NTTは全力を挙げて取り組んでいるわけでございますから、この点については十分対応できるものと私ども見ておりますし、また経営側も、そのような自信のほどは十分示しておるわけでございます。  ただ、電気通信の今のネットワークの状況から申し上げますと、今後いろんな形があり得ますけれども、現在見る限りは、特に自分でネットワークを設置してサービスを行います一種事業者というのは、すべてNTTのネットワークとつながないと今のところはサービスができない状況になっております。したがいまして、いわば新しい通信事業者のトラフィックがふえていくということは、同時にNTTにとってもプラスになるという面がございまして、NTTと新しい通信事業者とはいわばライバル関係にもございますが、同時に提携先という、他の産業市場には見られない側面もまたあるわけでございます。  そういう意味で、この電気通信事業というのは、例えば交通の分野でございますと、飛行機は飛行機、列車は列車、自動車は自動車ということでそれぞればらばらの関係でございますが、通信の場合にはそのように相互に連携して一つの日本全体の通信システムを形成しているというような関係もございまして、いわゆる悪い意味での共存を図るということではなしに、それぞれの経営努力がお互いにいい影響を及ぼし合うのではないか、このように私ども見ておるところでございます。  なお、先生御指摘の三百六十社に及びます第二種通信事業者、こちらの方はかなり成績も上がっておりまして、大体四千億から五千億の売り上げという状況になっております。  以上でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 先の話で、これだということはなかなか言えないわけでございますが、要するに少なくとも投資した資本の回収くらいはやりたいというのが民間の本来の経済活動の柱でございまして、もうけぬならば次の利用手段を、こういうふうに考えていくのが大体常のことで、そういう意味では競争相手と手を組んでいるからといって安心していると、これはまたとんでもない話になると思います。しかし、いずれにしてもここ数年ぐらいはまだまだ力の差があるみたいでございますから大丈夫だと思うので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それで、株価評価についてはなかなかコメントできないということでございましたけれども、少なくともここ数年の経営形態としては変わらないというお話でございまして、来年度も二百五十万円で計算をして、ちょっと高いかなという感じがしますけれども、少なくとも予定はできるのではないか、こういうふうに思います。  我々の方で大変不思議なのは、ことしの予算を組まれるときに、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、予定をされましたいわゆる税収の伸びと、実際には六十一年度決算に余剰金が出る、こういうような状況でございまして、大変大きな差ができておりまして、当初は三千億くらい不足するのではないかというふうに我々も話も聞いておりますし、新聞紙上で流されておりまして、それが急速今度は一兆七千五百億も余ってきた、こういうことになりまして二兆円の誤差が出た。二兆円というと五%ですよね。普通、大体一%未満というのが誤差でございまして、五%も違うと、水野さん大丈夫ですか、こう言いたいのですが、おられませんので言いませんけれども、本当にそのくらいの誤差が出るというのは、やはり当初の要因とかなり違った要因があるのではないか、むしろそういう感じがするわけで、これだけ税収見込みに大変変化が出た要因は何か、これをお聞きしたいと思います。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 私ども、去年の十月に作成して国会に御提案した補正予算では、一兆一千二百億円の減収を立てさせていただいたわけでございます。その当時の全体として低迷しておりました経済情勢、それから税収の伸びも低下いたしておりまして、そうしたものを基礎に個別税目ごとに積み上げて計算をしたものでございました。しかし、年度後半に参りまして税収は伸びを回復し、最後の三カ月は二けたの大きな伸びを示しまして、結果として二兆四千億円という補正予算に対しましては大きな増収が生じたということでございまして、私ども見積もりを行った者としてまことにどうも遺憾なことと存じておるわけでございます。  ただ、この伸びを計算いたしますと、経済成長率との関連でよく見ております弾性値は二・一五という数字を示しておるわけでございまして、過去十年平均の一・一程度のものに対しては二倍近い数字でもございますし、また、計数をとり始めて以来、こうした高い弾性値はなかったわけでございますので、極めて異例な税収であったと考えるわけでございます。  その中の主なものは、法人税、有価証券取引税、土地の譲渡所得税、土地の登記のための登録免許税などでございまして、これらの計数につきましては、今月末に税収が確定いたしますので、それを待って詳細に検討をいたしたいと思っておるわけでございますが、先ほどの弾性値の数字でもおわかりいただけますように、極めて異例な税収でございましたので、私ども、言いわけではございませんけれども、全く予想できなかったものであるというふうに考えておるわけでございまして、今後こうしたことを参考にしながら十分検討をしてまいりたい、余りこういう大きな開差が生ずることのないように努力いたしたいと思っているわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 うれしい方に傾いたわけでございますから、そんなに責めることはないと思いますけれども、やはり経済の情勢を的確に把握していただかないと、これは逆にいった場合大変なことになると思うのです。そういうことも考えていただきたいと思います。  それから、何度も申し上げますけれども、予定してなかったんだから減税に回したっていいじゃないかというふうに思いますが、いかがでございますか、大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ですから、六十二年度で所得税の減税を、幅にもよりますけれどもある程度のことをお願いするといたしますと、これはいわば前倒しになるわけでございますので、この部分の財源はお許しを得て、剰余金を使わせていただくということにせざるを得ないのではないかと思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 今回の補正予算の中身を見てみますと、一般公共事業が二兆四千五百億、災害復旧が四千五百億、地方単独事業が八千億、住宅金融公庫が七千億、これは二万五千戸分ということでございます。この大幅な補正予算が組まれたというのは、御承知のように緊急経済対策ということでございまして、いろいろな要素をそこに含んでいる。  一つは、当然まず内需拡大をやって、対外貿易不均衡を是正しようということでございますが、もう一つは円高不況対策というのもあります。そういうふうにいろいろ考えていきますと、今までと違った要素がこの補正予算の中に含まれておりまして、例えば配分の比率、めり張りのあるという言葉でよく言われますけれども、これをめり張りのある予算にして経済的な刺激をしよう、あるいは消費の誘発をしようということが本来行われなければいけない、かように思うわけでございます。  ところが、今回の補正予算の配分の中身を見ますと、いわゆる公共事業に対するウエートが非常に高く、治山治水あるいは道路整備あるいは下水道、環境整備あるいは農業基盤整備、こういうところに非常に高いウエートがかけられております。本来の六十二年度の当初予算を見ますと、同じく今申し上げました治山治水、道路整備それから住宅対策、下水道それから農業基盤、これがまた非常にウエートが高い。  ずっと今までの経過を調べてみますと、昭和五十五年、いわゆるシーリングが開始された年代、その辺からほとんど比率的には変わらないで横ばいに来ているというような感じがいたします。そういうことを見てみますと、補正予算といいながらいわゆる緊縮財政予算の踏襲をしている、こういうふうにしか思えないわけでございまして、果たしてこういう補正予算で経済的な効果が出てくるのかな、こういうことでございますが、いかがでございますか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今回の公共事業予算の追加に当たりましては、NTT株式売却収入というものを活用しつつ、地域の開発整備の核となる面的開発事業等に関連する公共事業に重点的な配分を行ったつもりでございます。この結果六十二年度予算の事業別配分というのは、面的開発事業等の一環として一体的緊急に整備する必要性が相対的に高い下水、公園等のシェアが従来に比して高まっている。玉置先生御指摘のようにまだ十分ではないかもしれませんけれども、私どもとしては、そういう重点的配分を公共事業担当の各省庁と相談をしながら、精いっぱいの努力を行ったつもりでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 七年間も同じような割合でやってきて、緊急経済対策といいながら比率が変わらなかったというのは、今の説明ではちょっとわかりにくいんですけれども、よろしく……。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 具体的に申し上げますと、例えば下水道の六十二年度当初予算のシェアは一〇・九でございますけれども、これを今回の補正予算では一五・二と全体の中のシェアを著しくアップしている。それから、例えば公園等はウエートはもともと小さいわけでございますけれども、全体で一・八のウエートのものを二・三に上げるということで、公共事業は各省庁それぞれ事業別に重要な施策でございますが、その中で精いっぱいそういうめり張りをつけたわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 徐々に社会資本の充実のために移行されてきているというのは、これはまた日本の今の現状から見て当然だと思いますけれども、ちなみに下水道。今お話がございました下水道、普及率で見ると、イギリス、西ドイツ等は九十数%、アメリカが七二%、日本が三六%。こんな高いんですかね、ちょっと不思議な感じがするんですが、一七ぐらいじゃなかったかと思いましたけれども、何かまだまだそれにしてもおくれているということでございます。また住宅につきましては、一人当たりの部屋数でいきますと、ヨーロッパというか欧米が二・〇に対して日本が一・七、七〇%の分野でしか我々は住めない、こういうことでございまして、まだまだやはり力を入れていかなければいけない分野である、こういうふうに思います。  そこで、内需拡大で公共投資そのものがどの程度影響があるのか、この辺についてお聞きしたいわけでございますが、例えば今問題になっております土地問題、土地価格、これがやはり公共事業費に対してかなりのウエートになっているんではないか、こういうふうに考えます。一般の道路とかあるいは街路、この辺になると用地費が二五%を超える、こういうふうな状況でございまして、たくさんお金をかけながら用地費に食われてしまう、これが日本の特色であり、実際今大変困っている問題ではないか、こういうふうに思います。ですから、できるだけ投資効果を上げてやっていくには土地買収の費用の要らないものにしようじゃないか、こういう話が一時あったと思いますが、この辺がどうなっているのかというのと、用地費のウエートで投資効果が激減するのではないか、こういうことに対してお答えをいただきたいと思います。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 日本の公共事業の場合、用地費のウエートがマクロで見ますと大体二割程度でございますが、今度の補正予算では緊急の経済対策ということもありまして、原則として用地費には充当しないということで、大部分を工事費ということに充当することにいたしております。したがいまして、補正予算における用地費のウエートはほとんど微々たるものであろうかというぐあいに考えております。  それから、今後公共事業予算を編成する際に用地費が確かに重大な問題になりますけれども、これは用地の安定等をどうやって図っていくかという非常に大きな問題と密接に関連いたしますが、経年の経緯を見ますと、公共事業の用地費というのは比較的安定しておりまして、大体二割程度でずっと推移しております。それは、各省が予算執行の段階でいろいろ工夫を凝らして、用地費のウエートを下げるないしは用地費の少ない事業に重点的に配分する等の工夫を行っているものだと考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 公共事業というものは確かに非常に難しい分野でございまして、人口の多いところは用地費が高いし道路についてもなかなか進まない、こういう状況でございます。道路以外というか、要するに大都市以外に行きますと、今のお話で二〇%下回る用地費で済む、こういうような状況でございます。本当はもっと格差があるのではないかと思いますが、大体建設省の試算なんかでありますと一八%ぐらい、こういう数字が出ているようでございます。  そこで先ほどの続きでございますが、固定的なシェアですね、これのめり張りをつけていくというのは、これはまだ緊縮財政の中で考えられているから非常に難しいと思います。しかし補正では、今のお話のように下水道とかその他の部門について若干の上積みをしたということでございますが、一般的にこれからの財政運営を考えた場合、特に内需拡大を一つの柱にした財政運営、財政出動というものがこれから行われなければいけないと思いますが、その中で特に固定的なシェアの弊害といいますか、これを若干申し上げたいと思います。  一つは、実体の経済にそぐわないということ。これは確かに今まで財政は財政で進み、経済は経済で進みということで、経済的な刺激がなくなってきているということになる。それから社会的整備のあるいは重点的な発展というか、ある程度中長期的に見て一つの目標に対して発展をしていく。これは、費用的にある程度固定化されることはやむを得ないと思いますけれども、逆に財政のバランスからいくと経済の足を引っ張る、こういうことにつながるのではないか、こういうことが考えられます。  それから毎年毎年お金を出していると、役所、中央官庁ですね、これと地方との結びつきによりまして、特に官庁の権益をガードするというか、こういうことにつながっていくのではないか、こういうふうなことが考えられておりまして、大変税金のむだ遣い、逆にいわゆる行政改革の動きをとめてしまう、こういう心配をしておりますけれども、これに対して大蔵省としてどういうふうにお考えになっているか。これは私が申し上げた意見ですからね。大蔵省として、シェア固定化という方向に今来ていますけれども、この辺をどういうふうに考えられているか、お聞きしたいと思います。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 公共事業の各事業につきまして、従来からシェア固定化ということで御批判が種々あることはよく承知しておりますけれども、公共事業の執行官庁の立場に立ちますと、それぞれの事業につきそれぞれ重要度があり、どの分野も重要であるということでなかなかシェアを変えていくということが難しいというのは、全く先生御指摘のとおりでございます。ただ、今般の今御審議いただいておりますNTT法では、従来にない全く新しいタイプのいわば開発利益型の公共事業とか、あるいはいわゆるBタイプの公共事業でも、面的、一体的緊急整備といういわば法律の要件をはっきりさせまして、そういう意味でいわば緊要度の高い公共事業というものに配分するような形になっておりますので、これを活用いたしまして、私どもとしても何が一体重要な公共事業であるかということを十分に検討して、重点配分にこれからも努めてまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 今回のNTT株、わざわざ出てきたというのは、やはり緊急経済対策の実施が国の内外に及ぼす影響がかなり大きい、こういうことだと思います。それで、我々が考えますのは、内需拡大をやって果たしてどれだけ輸入拡大につながるか、こういうことでございまして、輸入弾性値あるいは輸出弾性値、これはアメリカと日本が全く性格が違うということで、輸入弾性値の場合は一を下回る〇・六五か七ぐらいだったと思いますが、輸出弾性値になると一・八ぐらいということで三倍ぐらいの開きがある。ですから、例えば百億ドル輸出をしますと、国内の景気はそれにつれて一・八倍以上の力で盛り上がってくる。ところが、百億ドルの内需を喚起しても実際の輸入としてはもっと少ない、〇・六五ぐらいの影響度しかない。こういうことで考えていきますと、今のままでは日本の経済が貿易黒字を削減するというのはとても難しい。  これは大臣、いろいろなところへ行かれてお話を聞かれたり、あるいは海外からいろいろな要請を受けられたときに、当然そういうお答えをされていると思います。そういう面から見ると、経済構造調整といいますか、これによほど力を入れていかなければいけない、こういうふうに思います。経済企画庁の長官もやられた大臣でございますから、特に経済的な分野でのいろいろな知識経験が豊富でございまして、その辺でぜひ経済構造調整ですね、要するに日本の体質を変えていかなければいつまでたっても、日本はそうじゃないんだということでは済まない。これは我々も外国の方とお話をしたりしたときに、ともかく日本人の性格として外国のものを買わないんじゃないかというぐらい攻め込まれておりまして、そういう状態でございまして、いや、おまえのところが悪いんだ、悪いんだと逃げておりますけれども、これは本当に逃げだけなんですね。  だから、日本の製品が是か非かということではなく、多少やはり日本の経済構造そのものがいわゆる消費傾向にあり、なおかつ輸入品を受け入れる要素がある、こういうような形に変えていかなければいけないと思いますが、まず大蔵大臣の所見をお聞きして、後、経済企画庁に若干お聞きをしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 このたびの緊急経済対策のいわゆる外貨に及ぼす効果いかんということにつきまして、経済企画庁では五十億ドルないし六十億ドルという試算をいたしたわけでございますけれども、我が国の貿易黒字は千億ドルでございますので、玉置委員の言われますように、とてもとてもこれは一遍の補正予算をもってはいかんともなしがたい、この点は私も御意見とまことに同感でございますので、諸外国にも誤解を招かないようにその点ははっきり申すことにいたしております。  そこで、ですから問題は我が国の経済の構造が変わりまして、もっとたくさんの資源と資金とを内需の充実に社会資本の整備等々を通じて向ける、輸出に向けておりましたものをそっちへ向け直すという努力がどうしてもございませんと、貿易黒字というものは小さくならない、あるいは輸入は起こらない、こういうことにまさにそのとおりであると私は思います。前川報告の言っていることもそういうことでございますから、したがいまして、この一度の補正予算をもって事は済むというわけでは到底ない。やはり何年かにわたってこういう努力を続けることによって、結局日本の過度の輸出依存体質というものを直していかなければ問題は解決いたさない、そのようにまことに同感でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 まさに大臣おっしゃるとおりでございますけれども、いつまでにやるかという話、これが全然出てこないですね。それから、やらなけれがいけないと各省はおっしゃるのですけれども、だれがやるかというのも、経済企画庁で全体のものはやっていますけれども、ただ具体的に動いていくのは民間企業でございまして、その民間企業に対していろいろな手法なりノーハウなりそういうものを与えたり、行政的な若干の介入をしたりあるいは受け皿をつくるとか、こういうことをやっていかなければいけないと思いますが、これがなかなかなされていない。  これは経済企画庁の資料でございますが、「二〇〇〇年の職業別需給ギャップ」こういうのがございまして、今の各産業別の分野からあるいは業種別にずっと時代の流れを追っていきますと、二〇〇〇年にはこういうギャップがあるということで、需要と供給で需要の方が上回る業種としては、専門的、技術的職業従事者というものが上回って、事務屋さんも若干上回ります。ただ、販売従事者とかあるいは農業とか製造業、こういうところになりますといわゆる人が余ってくる、供給過剰という形になります。こういうふうな一つの構造を予測するいろいろな資料が出されております。  それから「職業別の就業者の構成比」、こういうものを見でおりますと、八五年は日本の場合にはいわゆるホワイトカラー、セミホワイトカラーよりもブルーカラーが多い、こういう状況でございますが、そのブルーカラーの人数が減ってまいりましてホワイトカラー、セミホワイトカラーがふえる、第三次産業的な分野が非常に拡大をされるだろう。今でももう六〇%を超えておりますから、そういう状況になっております。これで見ると、米国と同じく国内消費中心の経済構造になるのかな、こういう感じを私自身持つわけでございますが、それでは具体的に経済企画庁にお答えをいただきたいと思います。  まず、今申し上げましたように、この緊急経済対策が立てられるほどの緊急を要する状態に日本が今追い込まれている、こういうことでございますから、今の輸出弾性値、輸入弾性値を変える作業といいますか、経済構造そのものを変える作業、こういうのを急いでやらなければいけないと思います。ですから、いつを一つの目途としてどういう方法でだれがやるのか、これについてお答えをいただきたいと思います。

谷弘一経済企画庁調整局国際経済第一課長

○谷説明員 先生の今の中長期的な方向については、私どもも十分にまず毎年毎年の足元を固めていかなければいけない、こういうスタンスでおりまして、現在、内需拡大策によりまして、当面、五十ないし六十億ドルの対外的な経常収支の不均衡を削減しよう、こういうことでございます。その背景にこういう政策がかなり有効に効いてきているという一つの点といたしまして、一つは先ほど御指摘のございました我が国の輸入の弾性値というのが、原材料を非常に多く輸入するという日本の構造のために輸入弾性値が小さい、所得の弾性値が小さいということがあるわけでございますけれども、最近の原油価格の低落というような要因もございますが、日本全体として門戸開放をいろいろやっておりまして、製品輸入が非常にふえてきておるという非常に力強い方向が見えてきておりまして、こういう方向が全体としてそういう政府の努力と民間の輸入品を大いに使おうというような努力と重なって、少しずつ着実に進んでいくのではないかというような期待をしておるところでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いつまでにというのはありませんか。それは今の五十から六十億ドルの問題でございまして、私が言っておるのは経済構造調整、これが必要だと思うのですが、必要であるかないかというのと、それからいつまでにそういうことをやらなければいけないのか、この辺についてお答えいただきたいと思います。

谷弘一経済企画庁調整局国際経済第一課長

○谷説明員 お答えいたします。  ただいまの御質問については、私が十分お答えできるかどうかわからないのでございますけれども、経済企画庁として中長期的な観点でいろいろな御審議をいただいて、そういう中で世界的な合意の形成ということも必要でございますし、日本だけができる点と世界的な合意をつくりながらやっていかなければならない点、多々ございますので、いつまでにということはございませんが、そういう方向で着実に中長期あるいは短期的な政策努力をしておるという現状でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いつまでにというのがなかったら、御論議をいただいてといっても、国会で論議するのもいいけれども、議員立法でやれといったら本当にそれができるかどうかちょっと疑問を持っておりまして、やはり行政の側がある程度一つの方向を模索しながら逆に議会を巻き込んでいく、むしろそういう働きかけをしないといけないと思いますし、経済企画庁は数字だけまとめていればいい、何となくそんな感じがするのですがね。だから、いつまでにという――これは役所の悪いところでございまして、普通はいつまでにどうするというのを必ずやらないと会社が倒れるのですよ。倒れないところだからいいですけれども、その辺で、日本の国が倒れたらどうするのだという心配をしまして、やはり緊急経済対策でございますから、そのぐらいはやって補てんをしていこうということですから、今までの流れの中に貿易不均衡是正というのはずっと柱として流れているわけでございまして、その中には買わなくてもいい飛行機を二機買って政府で使おうなんてありますね。あれは実際に飛ぶ機会があるのかどうか不思議なんですけれども、その辺も考えていくと、むだをなくすためには、貿易不均衡是正のために経済構造を変えた方が早いのじゃないか、こういうふうに思うわけです。  だから、ほっておくとまた思いつきで物を買って、この間はヘリコプターですね、今度は飛行機でしょう。今度は何を買うのですかね。そのうちだんだん私的なものまでたくさん買うようになるのじゃないか、こういう心配もしておりまして、そういう面で、やはり一つの時期を区切って経済構造の変革を図るアクションを起こしていかなければいけないと思いますが、大蔵大臣、経済企画庁長官ではございませんけれども、経済担当の一閣僚として、むしろ取り仕切る方でございますから、ぜひそういう期日をある程度明確にした動きをやっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 そのお尋ねは、御無理ではありませんが、また非常に難しいお尋ねなものですから、政府部内で、いわゆる前川報告にいたしましても経済構造の調整にいたしましても、何年間でということはもとより決めたものはございませんし、またその積み上げになる議論をモデルを使ってやるということも、実際上は可能でないのだろうと思います。  ですから、私は大数法則的にごく大まかに申し上げるしかないわけでございますけれども、日本経済がこのように輸出に過度に依存する体質に変わりましたのは、振り返ってみますと一九八〇年から八五年の間の五年間でございます。これは八〇年のときには、我が国の貿易黒字は六十八億ドルでございますけれども、八五年にはそれが六百十六億ドルになっておりますので、この間に非常に大きな変化があった。この五年間は石油価格が上がり続けまして、たしか四十ドルぐらいまでいったかと思います。それから、円は下がり続けまして二百四十九円なんというのが、これは五十七年でございますから八二年でございますね、そんなところまでいっております。ですから、どうしても油を買わなければ日本は死んでしまう、輸出をしなければいけない、おまけにドルが高いものですから輸出は幾らでもできるということで、日本の経済体質が極端にそういうふうになっていって、それでプラザ合意でドルを落としたということになるわけでございます。  ですから、あそこで五年かかっているなという感じがいたします。これは歴史でございますから、あそこで五年かかったから今度また五年かかるという話は全く意味をなしませんけれども、かなり大きく国内の経済体質を変えていかなければなりませんから、一年や二年でできないことは明らかでございます。雇用の問題もございますし、もう少し言えばそれこそ広い意味での、農業等々までそれに関係してまいりますから、やはり前川報告も恐らく五年ぐらいなことを頭に置いて書かれたのではないかと私自身は考えておりますけれども、事の性質上、政府側に細かいフローチャートのような日程があるわけでもございませんし、またモデルでそれを計算することもできませんものですから、細かい議論は多分いたしたことはないと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 私たちが一番心配しておりますのは、輸出ドライブがかかるということもございますけれども、産業構造あるいは経済構造の変革によって雇用問題が発生をする。今でも既に三十万人のあれをやっていただいておりますけれども、具体的にはなかなか進まないところもありまして、企業城下町的な要素を持っている町になりますとほかに持っていくとこみがない、だから住居、学校ともに移さなければいけない、こういう問題が生じてまいります。  ここに「一九七〇年から一九八四年までの就業者数の産業別構成比の変化」というのが出ておりまして、第一次産業は当初四・六%だったものが今は二・二%に半減をしております。第二次産業は五七・六%から五五・五%で多少減少。第三次産業が四五%から五四%へ増加をしている。こういうふうに産業間で第一次、第二次、第三次と大別しても、やはり第三次産業への雇用者の移行がだんだんと出てきております。  税収の面でもそういうのが出てきているわけでございますが、大蔵省でも第三次産業の研究は既に数年前から行われておりまして、長富さんが昔ソフトノミックスというのを研究されて、要するに第三次産業、サービス部門を中心にした経済がどんどんと伸びていくだろう、あれは特に税収の基盤みたいな話でございましたけれども。そういうふうに第三次産業が伸びてくることがわかりながら、逆に今対外的に貿易摩擦に苦しんでいるのは第二次産業でございますし、また第一次産業もいわゆる価格差問題で海外との不況感といいますか持っている、そういう状況でございますから、そういつまでも手をこまねいて見ているというわけにはいかないわけでございまして、ある時期を区切ってこの問題の解決のためにぜひとも御尽力をいただきたい、こういうふうに思います。  あと時間がございませんので、経済企画庁はこれで終わります。  また、これも本来の話でございますが、いわゆる税制の論議に戻りたいと思います。マル優のお話を若干申し上げたいと思います。  先ほどもちょっと言いましたけれども、どうもマル優というのはいい方にも悪い方にも使われるところがありまして、我々、昭和五十五年、グリーンカード制のときに、マル優のいわゆる限度管理をやろう、こういうことで大蔵省当局から出されました少額貯蓄等利用者カード、いわゆるグリーンカード、この辺を最初は一生懸命進めていたのですね。ところが、どういうわけか最後の方は大分変わりましたけれども、今考えてみてなぜ変わったのかな、こういう感じでございました。あのときやっておけば何でもなかったのですけれども、だれかやめろと言う人がいましてやめたのです。自民党の金丸先生でございますけれども。それで、今考えてみますと、その当時からまだまだマル優に対する不正利用がそんなに減少はしていないような感じがいたします。  そこで、まず国税庁にお聞きをいたしますけれども、最近のマル優に関する不正利用といいますか、この辺についてのデータがございましたらお聞きをいたしたいと思います。

日向隆国税庁次長

○日向政府委員 直近の六十年度におきます金融機関調査の結果で申し上げてみますと、これは主として仮名、借名等による不正利用により追徴した税額でございますが、これは加算税を含めまして四百二十一億円でございます。これを一定の前提によりまして、つまり追徴期間を二年、税率を加算税を含めまして二五%、利子率を仮に六%といたしまして元本に引き直しますと、一兆四千億前後になろうかと思います。これはその調査した店舗数に基づいて申し上げたわけでございますけれども、これは大変大胆なことでございますけれども、これを総店舗数に対する割合で引き直して全体のマル優不正利用の元本を推計いたしますと、約十二兆円前後になろうかと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 現在のマル優では、今お聞きのように不正利用が非常にたくさんあるということでございます。大体金融機関に対する調査が若干甘いのではないかというような感じもするわけですし、私なんかが見たり聞いたりするところによりますと、ある程度の限度管理というか、名寄せをやってなおかつマル優の限度管理をやっているはずでございますが、そうはしないでそこそこのところで金融機関がその税金分を持って払っている、だからお客さんにはマル優ですよと言いながら実際はその立てかえをやっている、こういうのもあるようでございまして、大変嘆かわしい状況だと思います。むしろ、今金利戦争で各金融機関大変厳しい状況に追い込まれておりますし、これから自由化がまだまだどんどん進んでまいりますと金利というのはもっと厳しくなるということを考えていきますと、まずその体質を変えなければいけないというふうに思います。  そこで、マル優の論議をする前に、グリーンカードを、これは中曽根総理の本会議場での御答弁あるいは予算委員会の答弁を聞いておりますと、懐に手を突っ込む、そういうふうなところがあるらしいのでございますが、この辺について、我々、グリーンカードもしくはいろいろなカード制、この辺を実施して限度管理を厳格にすべきであるという主張をしておるわけでございますが、これについて大蔵大臣としてどういうふうにお考えになっているのかお聞きをしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先ほどもお話がございましたように、一度グリーンカードといったようなことを決めかかったわけでございましたけれども、その後世論からいろいろな反応がありまして最終的に断念をするに至った経緯は先ほどちょっと御言及になったとおりでございます。  私が思っておりますのは、ある非常に限られた範囲でそういう限られた人々が番号を持つというようなことは別といたしまして、このマル優なんかの関連でグリーンカードを考えるといたしますと、これはもうほとんどすべての人に恐らくそれが施行されることになるであろうと思われます。その結果、幾つかの問題が起こるわけです。  例えば、納税者、それから金融機関、郵便局、それから地方の徴税に当たる者、中央地方の徴税官署等々の間でそういうカードをどうやって管理するかということは、大変に厄介な手間もかかりますし、それなりの費用もかかる問題であろうと思われます。相当複雑なことになるであろう。しかし、それはそれでもう構わないさというお立場はあろうと思いますが、もう一つの面というのは、そのように国民がいわば番号を与えられるというそのこと自身が国民感情にどういうふうに受け入れられるかという問題だと思うのでございます。  アメリカの場合にはソーシャルセキュリティーの番号をみんなが持っておりますが、聞くところでは、それが徴税に用いられるようになるのに三十年かかったそうでございますから、そういう意味で国民が当局者から管理をされているあるいは監視をされているというふうにこれを受け取らないことが大事なんだろうと私は思いますが、我が国なんかの場合には過去に戦争、敗戦といういろいろ不幸な歴史がございますから、もうきょうの日本はその時代からまことに遠く参りまして久しいと思いますけれども、やはり国民の中にはそういう記憶があって、何かのときに政府の監視のもとに置かれるということが国民感情としては一番嫌うところなのではないだろうかと思います。  それから、中曽根総理の御答弁を伺っておりますと、もう一つ言っておられますことは、預金といったものは親子、兄弟、家族の間でもお互いに言い合わないものなのであって、それが明るみに出されるということは、いわばそこまでしなくていいのではないか、それは政治全体としてはたとえ幾らかの税金は取れてもマイナスなんではないかというところの部分が懐に手を突っ込むという表現といつも伺っておりますと続いて出てきておりますから、そういうことを考えておられるのではないか。それもまた真理であろう。  これは私の個人の感じでございますけれども、押しなべてアメリカのような社会は大変に一種のクールといいますか、結局知らない人々が集まって一つの社会をつくっていったわけでございますから、お互いの間が割り切れるのではないか。そうして、うらやましいことですけれども、そういう権力に対する反抗、抵抗というものが常に成功してきた社会でありますから、番号で監視される、管理されるという恐怖があるいは少ないのかもしれません。しかし、我が国のように、あるいはヨーロッパの多くの国がこの制度を採用しておりませんのは、過去にやはりそういう歴史とか経験とかがあるほかに、何しろ民族の歴史が長いものでございますから、お互いの間の関係がいろいろなものを持っていまして簡単に割り切れないといったところがあるのではないか。これは最後は私の私見でございますけれども、そういうことがカードというものに国民が一種の抵抗感を持つ理由ではないかと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 五十五年にいただいた大蔵省の資料によりますと、預金残高とかそういうものは各金融機関が管理することになっていて、国税当局は利子配当の支払い調書だけてあります、オープンにされない、こういうふうに書いてあるのです。懐に手を突っ込むようなことにはならない、こういうことでございますので、何か当時の資料をいろいろお持ち歩きになって各部署に説明に行っている方もおられますけれども、こういう自分たちでつくった資料も持ち歩いていただいて、ぜひグリーンカードというのはいいんだということを広めていただきたいと思います。  時間が参りましたので、あと一つだけお聞きをして終わりたいと思います。  累積債務問題でございますけれども、大変な金額に上っていると思いますし、日本の銀行もやはりある程度危険に備えた体制というのをとらなければいけないというふうに思います。聞くところによりますと、ヨーロッパではもう既に償却がほとんど終わっておりまして、アメリカもかなり進んでいる、こういうような状況でございます。累積債務によります損害といいますか、多分戻ってこないと思うのです。大体戻ると考えている人は少ないと思いますが、もしものときに備えてある程度償却を銀行の側に認めていくようなことを考えて、また推奨すべきである、こういうふうに思いますが、銀行局としてどういうふうにお考えになって、またどういうふうな指導をされていくのかお聞きをしたいと思います。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○平澤政府委員 この問題につきましては、既に昭和五十八年に特定海外債権引当金勘定の制度を設けております。それから、五十九年度の税制改正におきまして、特定海外債権に係る海外投資等損失準備金制度、いわゆる海投損を設けております。この両者で現在やっているわけでございます。あと、いわゆるファクタリング会社をつくりまして実質的にこれらと同様の効果を上げる制度もあわせて今実施の方向でやっているわけでございます。  ところが、最近シティーコープを初めアメリカの金融機関が引当金を積みました。そういうのを受けまして、我が国の金融界においてもこの問題についてさらに進んだ取り組みをすべきではないかという声も起こってきておりまして、現在金融界の中でこれについてどのように考えていくかあるいは行政に対してどのような要望をするか等々について検討しておりますので、我々としてはその検討の結果を現在待っているわけでございます。それを受けまして、必要あらば各般の措置をとっていくということになろうかと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 世界の金融界の動きでございますから、何かあったときに余波が一般の国民に来ないように早急な措置をお願い申し上げておきます。  最後に、同じく海外援助でございますが、利子補給のための融資とかそういうような形が大変多くなっているということでございますけれども、それぞれを図られた方のいろいろな話を聞いてみますと、具体的な国民からの要望が全然織り込まれていないというような話もあるようでございまして、国情、用途について十分中身を調査されて融資をされるように、これは大蔵省直接の問題ではないと思いますけれども、そういう面があるということだけ申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 矢島恒夫君。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 最初に、大蔵大臣にお尋ねをいたします。  昨日の大臣の御答弁にもかかわり合いのある問題なんですけれども、さきの百八国会におきまして国民は売上税、マル優問題につきましては大変な反対運動をした。特に、一斉地方選挙ではきっぱりとした国民の審判が下った。こういう中で廃案になっていったわけでありますけれども、この問題で、大臣は昨日御答弁の中で、国民に対して、食わず嫌いだとか聞く耳持たぬとか、大変重大な挑発的な発言じゃないかと思うのですが、この法案が廃案になった理由あるいは今もそういうお考えなのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 そう申し上げながらそういう言葉を使ったと思いますけれども、私が端的に申し上げようとしましたのは、この税金というものが一体どういうものなのか、どういう目的を持つものなのかということについて十分国民に御説明をする機会あるいはその時間を得ませんままにこれについての一種の拒否反応が先に国民の中に生まれてしまいまして、ついにそういう機会を得ずに終わった、そのことはまことに残念なことでもありましたし、またそれなりに政府としても行き届かないところがあった、こういうことを申し上げようとしたのであります。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 国民に十分な理解をしてもらう時間がなかったとかいうふうに言われるわけですが、私は大臣の認識不足ではないかというふうに思うわけです。  といいますのは、昨年の十二月十二日だったと思いますが、この大蔵委員会におきまして、当時はまだ政府税調や自民党税調でその準備がされている段階でございましたけれども、質問したことを私は今思い出しているわけなんですが、このとき、マル優の廃止や大型間接税、売上税の問題というのが公約違反であるということあるいは内容にごまかしがあるという点で質問させていただいたわけなんです。とりわけ、大型でない理由としていわゆる多段階、包括的、網羅的、縦横十文字の投網をかけるという問題の中で、非課税品目の問題だとか非課税業者の問題などについてお聞きしたわけなんですが、そういう中で、まさに国民の皆さん方にとってみればそういうごまかしたとか内容についての不明確な部分がだんだん明らかになるに従って反対だという声がどんどん広がったというふうに私は理解しているわけなんです。  そこで、こういうふうにはっきりと結論が出た問題だ。昨日の新聞によりますと、ちょうど高校野球の予選をやっておりますけれども、「コールドゲームで、勝負はついたはずなのに。中断しただけと自民、マル優廃止むし返し。」こういうふうなことが書いてある。中曽根首相もこの新しい大型間接税やマル優廃止というものについてはだれが反対してもやり抜こうという大変な決意をみなぎらせているように見えるのですけれども、大蔵大臣、あなたもこのマル優問題につきまして今国会に提出するつもりなのかどうか、この辺をちょっとお聞かせ願いたい。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 マル優の問題につきましては、せんだってからいろいろな機会に申し上げてまいったつもりでございますけれども、従来これは長い間我が国の税制にございました。それはやはり資本を優遇するというか貯蓄を優遇するという制度でございました。その理由としては、あるときは富国強兵であったと思いますし、あるときはまた戦後の資本蓄積が非常に大事である、それぞれ目的は時とともに異なってまいりましたが、ここまでそれが残ってきた。しかし、我々はこの制度になれておりますからそう怪しみませんが、いわば先入観を捨てて、なぜ資産所得がこれだけ優遇されるのかということを問いますれば、何に対して優遇するとすれば、例えばそれは勤労所得に対して資産所得を優遇するわけでございますから、それはなぜだと言われますと、過去の理由はともかくとして、今どうしてかと言われると、それは先入観のない立場から見ればいろいろ議論があるだろうと私は思います。  そういうことからいいまして、確かに世間には特別の配慮をして差し上げなければならない人々がおられますので、そういう方々には、従来がらの沿革もございますから、そういう方々のためにこの制度を優遇策として新しく考えたらどうか、そのかわりそれ以外の方々は、これはいわば資産所得でございますから、ある程度の税金をいただいてもいいのではないか。何分にも二百八十兆というものが課税の対象になっていない。なぜかといえば、それは利子だからである、利子ならばなぜだということにならざるを得ませんので、そういう見地から、政府としては、この問題を新しい制度として社会的配慮を必要とされる方々のために設ける、一般的な従来行われておりましたものはやめさしていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 マル優問題につきましてはまた後ほどお伺いするとして、今度新型の間接税問題というので、新聞に、経済同友会が二十七日に、原則としてすべての取引を課税対象とし、税率は二ないし三%とする新型間接税の導入を中心とした税制改革を提言した、こういう記事が載っているわけですけれども、大臣、このことについてはどういうお考えでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 かつて御提案いたしました売上税は、御承知のような理由で廃案になりました。私どもはそのことをいろいろ反省しておりますけれども、我が国のように所得水準が高く、かつ、所得の格差の少ない社会では、ある程度の社会の共通な費用は皆さんに負担していただいてもいいのではないか。殊に非常に直接税が高い、直間比率が大変に直接税の方に寄っておるということが事実ございますし、また十何年もしますと高齢化社会が急速に訪れます。そのときに、生産年齢人口が非常に少ない人口でたくさんの老人をしょっていただかなければならないということになりますから、そういうことまで考えますと、やはりここらあたりでそういうコストを幅広く社会の皆さんに背負っていただくということがいいのではないか、そういう問題そのものはやはり存在をしている、問題がなくなったわけではないと思っておるわけでございます。  したがって、せんだっての国会までに昨年から起こりました大きな地震の揺れはこれはもうそれといたしまして、もう一遍静かな見地から問題が研究され、検討され、どうしたらいいかという御議論が起こってまいりますことは、ただいま御指摘の御議論などもそういう御議論だと思いますけれども、それはそういういろいろな御議論が民間の中からあるいは有識者の中から出てくることは喜ぶべきことではないか。ただ、私どもは、この間のような経験をいたしましたので、同じことを二度繰り返してはならない、やはりいろいろ国民の御納得を得つつ進んでまいらなければならないということは強く感じております。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 この間のような状況じゃなくて、静かな状況の中でいろいろと出てくる、こういうわけですが、実際問題として、マル優廃止にしましても、あるいは新しい大型間接税の導入にいたしましても、非常に国民の反対の声、またそれがきっぱりと出ているという現状の中で、こういうものについてはあきらめていただくということが今国民に対する答えではないか、こんなふうに私は思います。  そこで、けさの各新聞にも、マル優大詰めの調整、こういうような見出しでいろいろ書かれておるのですが、マル優の廃止とともに税制改革、いろいろ考えていらっしゃるようですが、その中で二つほどちょっとお聞きしたいのです。  有価証券譲渡益課税の強化というようなことが載っておりましたのですが、どの程度の強化をお考えになっていらっしゃるかということが一つと、それからもう一つは、国税通則法を改正して、各種の加算税、例えば無申告加算税だとかあるいは過少申告加算税だとか重加算税だとかいろいろありますけれども、こういうものを引き上げるというようなことも考えていると書いてあるわけなんですが、この辺について。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 今回税制改革協議会の方で七月二十四日に報告をなされました。私ども、その報告を踏まえまして、現在、各方面の御意見等を承りながら、今回臨時国会にお出しする税法につきまして詰めさせていただいているところでございますので、そこの内容につきましては今とやかく申し上げる段階にはないわけでございますが、先般私どもが御提案申し上げた中身としては、今御指摘のようなキャピタルゲイン課税の問題、それから加算税の問題があるわけでございます。  そのときに御提案申し上げた中身としては、キャピタルゲイン、特に株式について、有価証券について申し上げれば、継続的取引につきましては一定の範囲で課税対象にさせていただく。そういう際につきまして、現在御承知のように五十回、二十万株の要件を満たす場合には課税となってございますが、これを三十回、十二万株とさせていただく。それから一銘柄二十万株の譲渡があった場合に課税させていただくというのを、これもやはり十二万株にしていただくといったような案を御提案したところでございます。  また、加算税につきましては、過少申告加算税等々につきましての加算税の率を五%引き上げさせていただく。ただし、また反面、加算税につきましての実際に徴収する際のいわば少額不追求的な限度は千円から五千円に上げさせていただく等々の内容を盛り込ましていただいて御提案をいたしたところでございます。その点は現在廃案となっておりますことは御承知のとおりでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 特に加算税関係について非常に重大な問題があるんじゃないかと思うのですけれども、今お話ですと五%引き上げる。それは例えば過少申告加算税ですと現在が五%ですから一〇%にするとか、あるいは重加算税になりますと三〇ないし三五になっておりますか。ですから、それを同じように五%ずつ引き上げる、こういうような内容が出たのかどうか、その辺をちょっと。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 通則法六十五条、六十六条、六十八条関係にございます加算税の割合を五%引き上げるということ、一方、加算税につきましての確定金額の切り捨て基準を千円から五千円にいだすという百十九条関係の改正でございました。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 私、この加算税の問題では、意図的にあるいは作為的にいろいろな方法で過少申告したりという場面と、それから零細企業や中小企業の皆さん方が税そのものについて十分理解してないとか、あるいはまた仕事が忙しくてなかなか記帳もできにくいというような状況によって起こった場合とは根本的に違いがあると思うのです。そういう点から、こういう加算税についての問題については慎重に行う必要があるんじゃないか。十分検討してもらいたいし、こういうことはできればやめた方がいいんじゃないかということを申し上げて、大臣お帰りのようでございますので次の質問に入らせていただきます。  今審議されておりますNTT株の売却利益流用の問題についてでありますが、大臣も御案内のとおり、電電公社が民営化されるという法案が出されたときにも、私どもは電気通信事業というものが極めて公的な性格を持ったものであるというような点から、そのほか幾つかの理由を挙げて民営化に反対いたしました。そして特殊会社NTTが発足していったわけでありますけれども、政府の持ち株を放出するという問題につきましては、これまた純民間会社としていく方向を打ち出したわけですが、これにも納得できないということで反対いたしました。今日、私どもはNTTの形態を再び安企業形態に戻すべきだということを要求しているわけでございますけれども、実際に今政府の持ち株をだんだん放出いたしまして、国民の貴重な共有財産を使っていっているわけであります。こういう問題を据えながら、六十年の例の整理基金特別会計の改正の問題ですけれども、ここで国債償還に充てることを決めた。この法律が成立して幾らもたたないうちにこれを放棄して、この今審議されている法案の中で他に流用していこう、こういうことになってきているわけでございます。このことは財政再建という面から見れば財政再建をおくらせるものだと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 前の方針を放棄して法改正というふうに仰せられたわけですけれども、放棄をしたというふうには私ども考えておりませんで、すなわち、株式は国債整理基金特別会計に属しておるものでございますし、その売却代金は国債の償還に用いるという原則そのものは変わっておりません。ただ、今回御提案をしておりますのは、いわゆるルールによる該当の国債を償還いたしました後、余裕金がございますから、それを無利子で地方の活性化とかあるいは社会資本の整備とかにしばらくの間使わせていただきたい。最終的にはこれはもう一遍国債整理基金に戻ってまいるわけでございますから、国債償還のために金を使うという原則には変わりがございません。  ただ、強いてお尋ねを考えていきますと、いや、金がある限り、償還期になろうとなっていないとにかかわらず、つまり現金償還をする範囲を広げていけばいいではないかということは、それは上乗せ償還というのは一つの選択だと私は思うのでございますが、そういたしますと、実際上の財政といたしましては、社会資本整備、内需拡大というのが大事な問題でございますから、そのためにそれだけ建設国債を出さなければならないということに今の財政でございますとどうしてもなりますので、こっちで償還いたしましてもこっちで建設国債をそれだけ出すということであれば、御提案いたしましたような形で社会資本整備をさせていただく方が政策としては賢明ではないか、こういう判断をいたしました。これは選択の問題でございますけれども。いずれにいたしましても、国債償還をするという基本原則は変わったわけではございませんから、現行の考え方を放棄したという意味ではございません。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 償還か社会資本かの選択の問題はまた後ほどお聞きいたしますが、現実の問題として、その選択はともかくとして、財政再建という面ではおくれてくるということについてはお認めいただけるのでしょうか。     〔委員長退席、熊川委員長代理着席〕

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは、先ほど申しましたように、社会資本整備というものが緊要な課題であるとすれば、このためには建設国債を出さなければならなかったであろうと思いますので、その部分を電電公社の売却代金がカバーしておりますから、そういう意味では結局同じことではないかという感じを持っておるわけであります。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 同じことでないことにつきましては後ほどまた具体的な数字でお聞きしたいのですが、もう一つ財政再建にかかわる問題として、昨日の大臣の御答弁にも関係することですけれども、六十一年度国税の自然増収の問題なんです。二兆四千億円余りが自然増収になった。我が国の経済成長はまだ力があるわけだということから、大臣、財政再建への展望がこういう状況の中で開けたというようにお考えになっていらっしゃるように答弁ではお聞きしたのですけれども、それでよろしいのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 いえ。と申しますと、いかにも六十一年度の自然増収分が今後もそういうベースで続く、したがってというふうに御解釈をいただくと必ずしもそうではございません。そういうふうに楽観しているわけではございません。しかし、経済運営がもう少し正常化していきますと、六十五年脱却ということは必ずしも全く不可能だとあきらめるのには早いのではないかという感じは持っております。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 その六十五年脱却問題では何回となく大蔵委員会でもいろいろと質問が出されているわけですが、大変見通しが暗いのではないかという方向の質疑が今までずっと続けられてきたと思うわけです。そういう点で今の御答弁を聞きますと、引き続きこの旗はおろさずにいく、これはかねがね大臣も言っていらっしゃることですけれども、私、相当ぼろぼろになった旗をまだ掲げ続けるのかというような気がするわけですが、もう二度もう少しはっきりと六十五年脱却についての見通しをお聞きいたしたい。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは正直に申しましてなかなか計数的にこうこうというふうに御説明することができません。というのは、これからの税収の見通しとか経済成長とか、殊にこの節は国際経済によって日本の経済が非常に影響を受けたりいたしますので、あれこれこういう道筋で必ずしも望みなきにあらずとも申し上げられませんし、こうこうの理由でこれはとてもだめでございますとも申し上げられないような、そういうことで大変に状況が厳しいのは前から申し上げているとおりなんですけれども、あきらめるのにはちょっとまだまだという感じが私はいたします。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 今二つの選択の問題が出されまして、償還にしてしまうのかそれとも社会資本の方を選択するのかという問題だ。確かに、現在の経済情勢を考えれば、社会資本の整備は非常に重要な問題になってきております。とりわけ国民生活に関連するところの公共事業はぜひ進めていかなければならないと思うのですけれども、そういう中で自然増収による増収があったわけなんです。こういうものをそういう方向へ充てることもできたのではないか。何もNTT株の売却利益を流用するというのでなくてもよかったのではないか。これには財界からのいろいろな要求があったのではないか、財界優先ではないか、こういうことも考えているわけなんですが、その点についてはどうなんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 NTTの売却代金を社会資本の整備あるいは地方の活性化、民活に使おうというのは一年限りの思いつきではございませんで、何年か制度としてやっていきたいと考えましたがゆえにまたこうやって法律もお願いしているわけでございますから、自然増収というものは定義上一回限りのものでございます。やはりこれでなければいけないのじゃないかと思います。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 先ほど、償還に充てた場合、あるいは今日のように社会資本の整備に充てた場合、後で戻ってくる、結局また償還財源になってくるんだというお話がありましたので、ちょっとお聞きしたいのです。  仮定の計算として、株の売却益を国債償還に充てるのと社会資本の整備などに現在のように無利子で融資する、もちろんこの間には国の財政の立場から考えると大きな差が生じてくることは明らかだと思うのですが、そこで今回四千五百八十億円を国債償還に上乗せしたとします。さらに六十三、六十四年度以降の国債償還、一兆二千億ぐらいを見込んでおられるようですが、それを上乗せするようにした場合と、今回の法案のように無利子融資へ、A、B、Cというタイプがありますけれどもこれに配分する、五年据え置きの二十年償還とか三年据え置きの十五年償還というように使った、さらにこれを六十三、六十四、六十五年度も今回の法案と同じような配分で使っていった場合に、二つの間にどれくらい差ができるかということで試算をお願いしてあったのですけれども、結果が出ておりますか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 四千五百八十億円というお金を無利子の融資をするというところは今度の補正でお願いをいたしまして既に成立させていただきましたので確定しておりますけれども、六十三年以降一兆二千億ずつ使うかというところはまだ決まっておりません。したがいまして、先生からいただいた数字を仮に置きまして金利五%と仮定しますと、平年度で約二千億ぐらい金利負担が軽減されるという意味ではかかっていくということでございますけれども、先ほど大臣がお答えしましたように、もし社会資本整備の所要額を所与のものといたしましてこれを無利子貸し付けでやらないとしますと、国債を発行するわけでございます。国債は無利子貸し付け額と同額発行されるわけでございますから、それについての平年度の利子もやはり二千億程度かかるわけでございます。したがいまして、その間に本質的な差はない。そういう意味で、係結局利子負担の額は減額しますけれども、片や建設公債を増発いたしますと六十年間にわたっていわば利子負担が続いていくという意味ではむしろ利子負担は重くなるのかなという感じでございます。     〔熊川委員長代理退席、委員長着席〕

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 平年度二千億円という試算でございますし、また国債発行、これは発行するかどうか、ほかに財源があればまた別のことだと思いますけれども、そういうことで大して変わらないという御答弁のようですが、それは財源を国債発行等をしないで社会資本の充実ができればそれにこしたことはないということになるわけだと思うのですが、その問題はまた後でお聞きすることにいたします。  いずれにいたしましても、建設国債の発行やそのほか、そういうものを考慮しなければ大変な額の差が出てくるということが言えると思うのですけれども、平年度二千億円、先のことは一応一兆二千億ということについては私の方で出した数字なんで仮定としてということなんですが、大臣、国の財政という立場から考えて大変大きな損失ではないか、今御答弁あったように建設国債とかいろんなものを考えますといろいろな答弁が出てくるとは思うのですけれども、この部分について考えると大変な損失だと私は思うのですが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは、建設国債の議論はさておいて、無利子であるということ、利子収入を失っているではないかということ、その限りではそれだけの得べかりしものを得ていないわけでございますけれども、それは公共事業となり、あるいは地方の開発になり、また民活になりしてそれなりの公共の役に立つ仕事をいたしておるわけでございますから、ただ捨てたわけではございません。そのためにその利子分を政府としては負担している、こう考えていただいたらよろしいかと思います。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 家を買ったけれどもローンで返済していかなければならない、そういった方々はちょっとまとまった金が入りますと繰り上げて返済していこうとする。これは利息が大変でございますから、実際の購入価格よりローンで長く二十五年、三十年になりますと二倍近くなってしまう、こういうことからそういうことを一生懸命考えるわけです。これは普通の個人の生活の問題ですが。中には宝くじが当たったら早速それに充てるのだととらぬタヌキの皮算用をやっていらっしゃる方もいるようですけれども、いずれにしても利息に対してこの圧力を何とか解消しようというのが一般個人の方々の考え方だと思うのです。  国の財政でも同じだと思うわけです。そういう点からいけばNTT株の売却益は現行法どおり国債償還に充てるということを私は強く求めるわけですが、ただこの後、二つの選択の問題が出てくるわけでございます。それで、選択ということになれば幾つかの問題の中からどれをとるかということになると思うのですが、現在問題になっておりますのは、国債償還かそれとも社会資本の充実か、この二つの選択のどっちかということになるわけです。先ほども私が申し上げましたように、財源の問題になってくると思うのです。つまり、両方を同時にできればそれにこしたことはない。しかし、実際にNTT株の売却利益のうちの上の部分はこれだけしかないのだという点から、どっちに使おうかと思えば、今緊急に求められている社会資本の整備の方に使う、これが大臣のお考えであることは昨日来の答弁で十分知っておるわけです。  そこで、これはマル優の廃止による財源の問題、あるいはこれを減税に回すための恒久的な財源だ、こういうこともちょくちょく言われているわけですが、先ほど六十一年度国税の自然増収の問題もお伺いしたわけですけれども、これは来年度とうなるかわからない、ことしたまたま自然増収があったというお答えですが、同時に、我が党の立場といたしますと、軍事費の削減一兆八千億円、あるいは不公平税制の是正、こういうことを主張しているわけです。とりわけ不公平税制の是正の問題で、キャピタルゲインの問題について先ほど御答弁をいただいたわけですが、総合課税にする問題や有価証券取引税の上乗せの問題、あるいは大企業に対するいろいろな優遇税制、例えば外国税額控除あるいは退職金引当金、貸倒引当金という各種の引当金や準備金がございますけれども、こういう面を縮小したり廃止したりすることが今必要ではないかと私は思っておるのですが、  その点についてはいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点は、不公平税制はもとより、できる徴税は体制を強化いたしましてやらなければならないと思っております。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 具体的なAタイプ、Bタイプ、Cタイプという三つのタイプに分けられるわけですが、そのタイプの問題についてお伺いしたいのです。  まずAタイプでございますが、これにつきましては、開発利益吸収型といいますか将来収益の出る事業、こういうことになっておると思うのです。  そこで、何点かについてまとめて質問をしたいと思いますが、こういう開発利益を伴うような事業というのは、結局のところこの事業主がこの事業によって開発利益を受けるわけですから、これに対して無利子融資というよりは、つまりこれは破格の財政援助を与える、必要ないんじゃないか、むしろ開発利益の吸収という点を検討されたらいかがか、この点が一つと、現在この事業の主体が公団とか第三セクター、こういうことになっていると思うのですけれども、この第三セクター、最近のをいろいろと見てみますと、大体株式方式というような形で民間資本と余り変わらないような方式でやっているところが多いようでありまして、そういう点から考えますと、公共事業の分野へ民間企業がどんどん進出してくるということを促進するのではないか、こういうものに財政的ないろいろな援助を与えていくということはいかがなものかという点と、それからもう一つは、けさの新聞に「「受益者負担」事業に二千億円」という見出しがありまして、Aタイプについていきますと、今年度補正では八十三億円だったかと思いますけれども、これについて来年はどう考えているのか、あるいは将来こういう収益型の公共事業への配分をふやしていこうというようなお考えがあるのか、この三つの点をちょっとお聞きしたいのです。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 質問の第一点は、開発利益を吸収する以上は、無利子の貸し付けではなくて有利子の貸し付けにしてそれを回収してはどうか、こういうことであろうかと思います。これは先生御高承のように、公共事業というのは本来収益が上がらないということで、国がいろいろな財源をもとにいわば補助金を交付するなり自分がみずから工事をするなりして整備を推進してきたものでございます。したがいまして、本来公共事業というのは収益がなかなか上がらないものというのが通常の形態でございます。今般、その中から、いろいろなタイプがございますけれども、そういう公共投資をすることによってそれに伴ういろいろな施設の収益から返済ができるという意味で、いわば新しいタイプの公共事業として開発したということで、これを一挙に有利子にするほどの収益性がないという意味で無利子の貸し付けとしているわけでございますけれども、いずれにせよ元本分が回収できるという意味で私どもは実は画期的なものであると考えておるわけでございます。  それから、来年度このAタイプの事業にどれくらいの額を予算編成の段階で配分するのかという点は、実はまだ決まっておりません。これから概算要求基準ないしは年末の予算編成にかけてどうなるかというのを、法律を早急に通していただきまして、その要件に合致するものの中から鋭意拾っていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。  それから、このAタイプの事業というのは、法律にもはっきり書いてございますように、要するに道路公団等のいわゆる政府系の公団、それから地方道路公社、それからこの間法案で御審議いただいて成立いたしました民間の再開発のための第三セクター機構、それだけに限定しております。それから対象の施設は、特定の事業者にその利用をさせるものではなくて、広く一般の用に供されるという意味の非常に公共性の高い施設に限っておりますので、特定の民間事業者の利益になるというような趣旨のものではないわけでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 Bタイプに関連してちょっとお聞きしたいのですけれども、先日新聞に「ヘリで舞えるか地域経済」というのがありまして、ヘリポート整備促進制度の問題が出ておったわけなんです。このヘリポートの整備促進制度というものにつきまして、Bタイプの対象事業だと思うのですが、これはどういうものでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 Bタイプのヘリポートの整備の話でございますけれども、六十二年度補正予算で国費三億円、事業費十億円ということでお願いをいたして予算は通していただいております。したがいまして、貸付割合は三〇%ということでございますが、助成対象は地方公共団体が整備する公共用のヘリポートということで限定をしておるわけでございます。したがいまして、民間事業者がつくるヘリポートは助成の対象といたしておりません。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 実は、この同じ新聞記事の中に、中曽根総理は、一県に二つずつくらいあってもいい、こういうことを周囲に漏らしているというような記事があるわけですけれども、そのような計画になっているのかどうか、そしてそれらに対して何カ所ぐらい具体的になっているのかということと、NTTのこの売却益を無利子で融資するということになるのかどうか、その辺をちょっとお聞きします。

阿部雅昭運輸省航空局次長

○阿部(雅)政府委員 ヘリポートの整備計画でございますが、最近各方面から強い要望がございまして、私どもでもこのようなものをどういう制度で整備すべきかというようなことを検討してまいりましたが、この際、NTTの株式の売却益を活用する制度が設けられるということでこの制度にのせていただきまして、国が整備費の三〇%を無利子で貸し付け、当該貸付金の償還時において償還金に相当する金額を補助するという制度でひとつ整備をスタートさせたいということでお願いしたわけでございます。  その整備の目標ということで数の点お話ございましたが、私どもで当面考えておりますのは、県庁所在地ですとか人口二十万以上の都市、あるい は広域市町村圏、モデル定住圏等の中心都市、あるいはリゾート地域ですとか国際観光モデル地域といったところの中核的なものをおおよそ六十カ所程度頭に置いて整備してまいりたいというふうな考え方でございます。  この補正予算でお願いいたしましたものは事業費、国の負担分三億円でございますが、具体的には東京のヘリポート、それから群馬のヘリポートといったようなことでかなり計画のまとまったものがございますが、その他のもの、現在都道府県等において随分精力的に検討しておられますが、十五カ所といったものを頭に置きまして今年度予算に計上させていただきました。なお、来年度以降のものにつきましては、こういうものの状況を見ながらさらにお願いしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 全体では六十カ所ぐらいを想定しながら当面十五カ所ぐらいということですが、ここで、飛ぶヘリコプターの方なんですけれども、ヘリコプターは実際にいわゆる国産のものを使うのかあるいは輸入のヘリコプターを使うのか、その辺については何か計画がございますでしょうか。

阿部雅昭運輸省航空局次長

○阿部(雅)政府委員 ヘリコプターは完全に日本でつくっておるというものはございません。ライセンス生産その他でつくっているものはございますが、やはり主として米国なりあるいはヨーロッパでつくっておるヘリコプターというものが日本で、一部生産に関与しているものもございますが、使われているというのが実情でございます。今後におきましても、やはり外国からヘリコプターを購入するというものがベースになるというふうに考えております。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 新聞でも、貿易摩擦の解消と内需拡大をねらったヘリポート制度、こういうような書き方がされているわけですが、この計画そのものがいわゆる対外経済摩擦の緩和というねらいが強いのではないかという点を指摘しながら、先ほど具体的な例として東京ヘリポートと群馬でのヘリポートというのがありましたけれども、群馬の前橋のところに予定されているものだと思うわけです。こういうヘリポートをつくってどういう利用価値があるかとか、そういういろいろな問題を検討されてはおると思うのですけれども、中曽根首相が利用するためのヘリポートではないかといううわさもあるわけですが、こういう利用問題についてどんなふうなお考えですか。

阿部雅昭運輸省航空局次長

○阿部(雅)政府委員 お答えいたします。  現在ヘリコプターはいろいろな分野で活動しております。例えば報道用ですとか農薬散布ですとかその他作業用ですとかございますが、私どもは今後都市あるいは空港等へのアクセスといったような形での高速機関としての機能が相当期待されておるというふうに理解しておりますし、さらに、防災ですとかその他緊急輸送といったようなことがいろいろな面で期待されるような時代になってきていると思います。そのような面でヘリコプターが極めて機動的に広範に活用できるというようなことが今後期待されておりまして、私どももそのようなことで整備してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 Bタイプの事業についての質問をしたいと思うのですが、いわゆるBタイプというのは、単発の事業じゃなくて総合的開発事業あるいは面的整備とかそういうようなことで行われるということだと思うのです。現在例えば関西学術文化研究都市だとかあるいは和歌山のサイエンスパーク構想だとか広島中央テクノポリス構想などが出ておりますが、こういうものがBタイプということになりますと、いわゆる大型プロジェクトと一般的に言われているものの関係が優先されているのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 いわゆるBタイプは、面的、一体的、緊急ということでございますので、今御指摘になった事業について確かにBタイプの公共事業が出ていく余地はあろうと思いますけれども、それぞれの具体的名前を伺っておりますと、それは開銀等を通じて融資するいわゆるCタイプの民活事業の方に該当する計画ではないかというふうな感じがいたします。結局、Cタイフは、そういう民活法その他で行われる公共的な多目的ホールであるとか博覧会の施設とかいわゆる建物を中心にした融資でございます。ところが、そういう地域開発の場所が仮に基盤となる公共的投資がおくれておるという場合には、例えばそれに対する取りつけ道路であるとか下水道の整備であるとか、当然のことながら地域に必要な公園の計画とか、そういったものについての重点投資をするという意味ではBタイプがそこに投入される余地があるということでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 そういう点から、箱物をCタイプとしても、その周辺、取りつけ道路やそのほかBタイプとして行われる事業ということになりますと、やはり私が先ほど指摘しました民活関連の大型プロジェクトというものがどうも優先されそうな気がするのですけれども、その点についても十分注意していただきたい。  それから、もう一つBタイフのことでちょっとお聞きしたいのですが、償還する時期になりまして、いわゆる政府の財政負担の問題なんですけれども、Bタイプの場合には、六十二年度融資がもし決まったとしますと、その地方公共団体につきましては六十七年度から返済が始まっていくわけです。そういたしますと、政府としては六十七年度以降新たな財政負担を生じるのではないか。その財源について今どうお考えになっていらっしゃるか、この点をちょっと。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 おっしゃいますように、Bタイプの公共事業につきましては収益性がございませんので、地方公共団体の負担を全くかけないという意味で、償還時にそれについては国が補助をする、償還費を負担するということが法律に明定されております。その意味で、六十七年度になりますと、割賦でお返しいただく分についてそれと同額を国が負担するということは事実でございます。それにつきましては、それまでに私どもが今まで続けております財政計画の努力を続けていってそういう負担にたえられるような財政体質にしていくということが私どもの努めではないかというぐあいに考えておるわけでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 その時期になりまして新たな建設国債の発行だとか増税だとかいう形での財源づくりというのをやってもらっては困りますので、今御答弁になったような方向で御努力いただきたい。  もう一つ、今度はCタイプに属しますが、リゾート開発計画に関連して少しお聞きしたいと思います。  リゾート開発計画が今全国各地で次々と打ち出されておりますけれども、その数も大変な数に上っていると思うのです。大蔵大臣、こういうふうに今あちこちで計画が進められておりますが、内需拡大という面から考えたときにこれがどの程度寄与するのか、なかなか数字的には難しい問題ですけれども、寄与するということでやっているのだと思うのですが、内需拡大との関係では現在どんなふうにお考になっていらっしゃるか、ちょっとお聞かせ願いたい。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 内需拡大、それから地域経済の振興、それから国民生活そのものがやはりそういうものを求めておるといったような幾つかの観点でございます。殊に一般の公共事業でございますと主として東京、大都市が潤いましてなかなか地方にはいかないものでございますから、そういうリゾート開発というようなものを地方でやられて、そこに民活が行って仕事が興る、また、そこへ外からお客さんが来る、国民もそういう場所を求めているといったようなことではかなり有意義なのではないかと思っております。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 私どももリゾート地づくりということを否定するものではございませんけれども、民主的な観光開発を進めていくということが重要だと思うわけです。  ところで、私はちょっと実情をあちこち調べてみたのですけれども、どうも上からの計画が次々と押しつけられると言っては少し語弊があるかもしれませんが、計画は上の方ででき上がっている。あるいは新聞にも、これは今月の十四日ですか、経団連がこういういろいろなリゾート開発そのほかも含めましてどんどんと後押しをしていく、全面支援だというようなことを書いてありますけれども、こういう要請にこたえる形がどうも多いのではないかという点を非常に心配しているわけなんです。  私はその中の一つの例として新潟県の奥只見レクリエーション都市建設というのをちょっと見てまいったわけです。また、あの周辺は長岡を中心とする大規模開発が今進められようとしております。実はこの奥只見や長岡の問題を質問させていただく前に、この地域というのは、御案内のとおり、奥只見地域レクリエーション都市誘致期成同盟会会長は田中角榮ということになっているのです。相当以前からやってきている状況なんですが、午前中大臣は参議院の方へ行っていらっしゃって、きょうの控訴審判決については聞いてなかったのでコメントは差し控える。あれから少し時間がたちましてニュース等もごらんになったかと思うのですが、そのことについての御感想は何か変わったものはございますでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 実はそのニュースを見る暇がないままにおりますんですが、したがって判決理由も存じませんし、判決につきましては別にコメントを申し上げないということを午前中申しまして、ただいまも同じことを申し上げさせていただきたいと思います。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 それでは具体的な奥只見の問題についてちょっとお聞かせいただきたいんですが、新潟の中でもこの地域というのは大変な豪雪地帯ということで、とりわけ対象になっております南北魚沼郡ですか、七つの町村がかかわり合いを持っておると思うのです。林野庁と建設省がやられた調査というのは五十五年と五十六年で、その後県の方で五十七、五十八と調査をされているようでありますけれども、上越新幹線やあるいは関越自動車道の開通ということで大分大都市圏との交通が便になってきたという点から、地元では大変この観光型産業を基軸として何とか地域全体の振興を図りたいというような考え方があるようでございます。  そこで建設省と林野庁の方にちょっとお聞きしたいんですけれども、新潟県では、この奥只見のレク都市構想ですか、このほかに海洋性レクリエーション基地構想というのがあるようでございますけれども、この奥只見レク都市構想というのはリゾート法による地域整備構想として承認される可能性があるのかどうか、また現時点の調査そのほかで問題点があるとすればどんなことか、その辺をちょっとお聞きしたいんです。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 お答えいたします。  奥只見のレクリエーション都市開発とリゾート法との関係でございますが、リゾート法におきます地域整備構想の承認と申しますのは、同法に定める一定の要件を備えた地域におきまして県の作成する構想が国の定める基本方針に適合する場合に承認されるというスタイルをとっております。  なお、現在まだ法律が成立しまして間がございませんので、関係各省庁におきまして基本方針について検討を進めている段階でございまして、基本構想の承認はさらにその後ということになっていくわけでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 可能性の問題についてはどうですか。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 これは全くまた……。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 調査された結果、林野庁と建設省ですが、この地域について特に問題はないという結論なのか、それともこういう点が今後検討されるべき問題があるとか、その辺はどうでしょうか。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 調査はもう今から数年前でございまして、大分当時と社会情勢その他変わってきておりますが、当時におきましても新幹線あるいは関越自動車道の開通などを見込みますと相当の需要が見込めるというふうな結論を得ております。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 この構想は、何か聞くところによりますと、第一段階の完成というのが昭和七十五年ですか、想定しているようでございますけれども、現地でちょっと聞きますと、この時点で年間延べ五百万人お客さんが来る、こう計算されているようなんですが、私も行ってみていろいろとあれしたんですが、どうもこんな数が見込めるかどうか、この辺についても調査されているんだと思うのですけれども、そういう合理性の問題と、それから実際にこれが完成するのはいつなのかという点をひとつお願いしたいと思います。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 年間の利用客数でございますが、先生御指摘のとおり昭和七十五年度においておおむね五百万人程度の入り込み客というものを想定いたしております。あくまで入り込みということでございます。  なお合理性はあるのかというお尋ねでございますが、奥只見地域の現状、これは小出、浦佐地域、大和町等を含んでおりますが、そういった地域全体の現状を見ますと、上越新幹線の開通あるいは関越自動車道の開通それから一帯の自然資源の豊かさあるいはレクリエーショシ施設の現に充実されている点などもございますが、そういった点などから考えまして、そういった利用客数は見込めるのではないかというふうに現在考えております。  なお、完成年次はいつかということでございますが、これはあくまで地域一帯の基本的な整備も含めまして実施してまいりますので、いつが完成ということはなかなか見込みがたいものでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 この奥只見の件ですが、七つの拠点が今計画されていると思うのですけれども、そのうち三つの地域、あれは浅草岳ですか、それから大湯と須原、この三つの地区が現在着工中と聞いております。そして須原の地域について若干お伺いしたいんですけれども、先ほども申しましたように大変な豪雪地帯ということで、三メートルや四メートルの雪は冬は普通だというような状況のようでありまして、この須原のスキー場でスキー客というのは毎年およそ何人ぐらい集まってきているか調査をされたでしょうか。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 お答えいたします。  利用客数でありますが、須原スキー場につきまして、現在昭和六十年度におきます調査では七万一千人と出ております。なお、将来の利用者数の算定はなされておりません。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 林野庁にちょっとお聞きしたいんですが、この須原地区では、入り込み客ですが、延べ何万人という目標になっているかという点ですけれども、林野庁来ていらっしゃいますか。

杉原昌樹林野庁指導部計画課長

○杉原説明員 ただいま御質問の須原スキー場の現在の利用客数は、先ほど建設省の方でお示ししたとおりでございます。ただ、これからの周辺のいろいろな開発等々の程度によってこれから変化するというふうに考えておりまして、現在具体的に利用者数をお話しすることはなかなか難しいのではないかと思います。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 今、後ろの方で定員割れじゃないかというような声がありますが、続けて質問をいたします。  この須原スキー場ですけれども、規模としては大変小さいスキー場の一つだろうと思うのですね。なかなかもうかる事業は困難ではないかというのが地元の人たちの一つの不安材料になっているわけですが、公共事業として経費をかけてみたけれども、実際に人が今見込まれたような形で来なかった、こういうことを大変村としても、また村民としても心配しているわけです。とりわけそういう結果になるのではないかという声も聞かれているわけなんであります。この点については非常に重大な問題だと思うのです。ですから、このようなところにも、いわゆるこのリゾート法対象として、そしてBタイプ対象事業としてこのNTTの株の売却利益を充てていく、無利子融資が行われる、こういう問題について、大蔵大臣には今お聞きいただいたかどうかあれなんですが、いかがなものでしょうか。  収益が上がるかどうか非常に心配しているこの奥只見の特に須原地域の村やあるいは村民の方々、後でいろいろなツケが回ってきたら大変だ、こういう声があるわけなんです。先ほどいろいろお聞きしますと、いろいろ調査されておるようですけれども、収益を上げるには難しいスケールの小さいスキー場であるわけなんですけれども、こういうところもそういう対象として無利子融資が行われるということについてどんなお考えか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 今御質問の具体的な対象については、先ほど答弁ありましたように、まだ具体化しているわけではございません。ただ、Cタイプの貸付金の対象になるわけでございますけれども、これは開銀等の政府関係機関から貸し付けるということでございまして、いわばそういう金融の専門家の審査も経るということでございますので、少なくとも無利子の貸付金は返済になるという確たるいろいろなことがわかりまして初めて貸し付けられるというぐあいに私どもは理解しておりますので、もしそういう意味で償還がとても不可能であるという計画であれば、それは当然にCタイプの貸付金はなされないものであるというぐあいに理解しておるわけでございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 浦佐と小出の地域の問題なんですけれども、これは建設省、大蔵省、ちょっとお聞きしたいのです。  浦佐とか小出という地域は奥只見レク都市の玄関口になるのじゃないかと言われているところなんですけれども、ここは第三セクターによる上物の建設ないしは維持管理というものが進められていくと思うのですけれども、民間、特にそれも大企業主導になる可能性というのが非常に強いと言われているのですが、その点について建設省はいかがですか。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 お尋ねの浦佐、小出地区につきましての開発構想でありますが、当該地域の計画につきましてはまだ構想段階というふうな段階でございまして、具体的な計画はまだ聞いておりません。  また、レクリエーション都市の開発に関しましては、そのような公益性を伴う、かつ、収益性のある施設につきましては、第三セクターで設置運営をするようにという基準を山さしていただいております関係から、地元ではそのような施設につきまして第三セクターということが出ているのではないかというふうに存じますが、仮に第三セクターが設けられることになりました場合には、他の地域の例から類推いたしますと、恐らく県、町村初め農業団体その他各方面の団体などがかかわってこられるものというふうに考えております。  いずれにいたしましても、当該地域の具体的な開発について、確としたものを当方としてはまだお聞きしている段階ではございません。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 そういう状況だというわけですが、あの方面に数年前から大分西武資本が入っているということで、私も見てまいりましたけれども、そういうところが実際にイニシアを握っていくという可能性もあるということから、あの辺の農家の方々が大変心配していることがあるのです。それは、大体、米作農家でして、同時に民宿などを経営して生計を立てている、こういう農家の方が多いのですけれども、こういう状況の中で開発が進むことによって、一つには、開発によって田んぼを取られてしまうんじゃないかとか、あるいはまた民宿の経営、最近の若い人たちは民宿というよりはホテル形式の宿泊施設へ恐らく行くでしょうから、そういうことを大変心配しながら生活の問題というのがいろいろと語られているわけなんです。そういう点については調査の中ではどんなふうに見ていらっしゃるか、その辺をちょっとお聞きしたい。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 レクリエーション都市と申しますのは、地域開発あるいは地域振興構想あるいは計画と申してよろしいかと存じます。  お尋ねの奥只見レクリエーション都市区域でございますが、三つの都市計画区域に分かれておりまして、その合計面積は約三万ヘクタールを若干上回るぐらいの広さでございます。その中で基盤となる公共施設、これは新規の施設立地を見込みつつ、かつ、既存の集落、市街地の基盤を高めるという目的で整備をしてまいりますが、こういった施設と、それから中核となる施設につきましては、かつ、公益性の高いものでございまして例えば都市計画の特許事業となるようなもの、こういったものにつきましては第三セクターによります整備を進めてまいる。ただ、これだけでは地域振興の実が上がるわけではございませんので、当然関連する施設の立地というものも推進してまいることになろうと思います。そういう中には民間の施設立地が相当含まれるということ、これは性格上あり得ることであろう、こういうふうに存じます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 私は奥只見を一つの例として取り上げて質問してきたわけなんですけれども、いわゆるリゾート法というものによって国や都道府県が調査をして大変莫大な投資もする、そして民間、とりわけ大企業の活力の道を開いていく。ということは、不動産取得税だとか、あるいは固定資産税だとか事業所税の減免措置も与えてきた。また、国からの手厚い出資や融資や補助もある。その上、この地域ではいわゆるヒューマン・グリーン・プランということによって国有林の活用という道も開こう、この場合には第三セクターによるゴルフ場の開発も認めることになっている、このようにお聞きしているわけでございます。こういうような至れり尽くせりの上に、さらに無利子融資というのが今回出てきているわけですが、こういう至れり尽くせり、さらにまたその上にというこのやり方に対して、大蔵大臣、どうお考えでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それはやはりリゾートといいますかレクリエーションといいますか、そういう物の考え方だと思いますが、このたびの貸し付けというのは何も企業家に利益を与えるためにやっているわけではございません。ただ、そういう企業家も全く奉仕事業をしているわけでもございませんから、そういう意味での民活ということになるのであろうと思います。つまり、利用者が、国民が、一般大衆がそれによってレクリエーションができる、あるいはリゾートに行って愉快な時間が過ごせるということ、それを目的として国が考える、こういうことだと思います。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 こういう計画については相当慎重に調査されておると思いますが、私の調査では、果たして成功するのかなと、大変危ぶんでおるわけです。私はあの地域を見まして、豪雪対策にもう少し力を入れるべきじゃないかどいう点、例えば道路整備にいたしましても融雪、消雪対策というようなことで、特にあの地域は豪雪地帯ですので、いわゆる雪と今度のプログラムとの関係、この辺の調査はどんなふうな結論を出していらっしゃるのでしょうか。

坂本新太郎建設省都市局公園緑地課長

○坂本説明員 雪との関係についてのお尋ねでございますが、雪はある面では利用していこうということから、スキー場の開発ないし振興計画というものも当然これは地元町村レベルで出てまいろうかと存じます。また、道路の問題も、地方建設局の方でいろいろと調査は進めておる段階でございます。  また、先ほどお尋ねの須原。地区でございますが、須原地区におきまして公共投資をしております公園事業でございますが、これも、ちょうどそこに三百年来の国の重要な文化財でもあります目黒邸という民家がございますが、これを中心にして民家集落をつくりまして、これは豪雪の中に雪国の住まいを再現いたしまして、訪れる方に雪国の生活というもの、あるいは家の構造、文化のあり方、伝統のあり方、こういったものも理解していただきながら、豪雪自体も一つのレクリェーション対象といいますか、そういうことで活用もしてまいればと存じております。いずれにしても非常に難しい問題が多々ございまして、そう簡単にといいますか、簡単と言うと大変語弊がございますので訂正させていただきますが、早々にいい答えが出るわけではございませんので、引き続き検討を進めさせていただきたいというふうに存じておる次第でございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 やはりそういう十分な配慮と、同時に絵にかいたもちにならないようにやっていかなければならない問題ですし、とりわけこういう地域の豪雪対策というものも今後十分考えていただきたい。  ところで、時間が全体的には延びてまいりましたので、協力する意味からもとに戻すというので、少し四時をオーバーしましたが、最後にお聞きしたいのです。  これは大蔵大臣に前にも質問があったことなんですけれども、来年度の予算の概算要求基準の問題なんです。今進めているところだ、今月内というところでというお答えだったのですけれども、きょうの新聞などによりますと、何か防衛庁あたりで六・七%ですか、こういうのが出てきているという報道もあります。この防衛庁の防衛費問題も含めましていろいろと構想を練っていらっしゃると思うのですが、お答えいただける範囲内でもしお答えいただければと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 概算要求基準の問題はこの月末までに何とか決めたいと思っておりまして、一般的にこのような社会資本整備、内需振興の必要の強いときでございますから、公共事業のような投資的経費についてマイナスをシーリングにするということはやはり適当でないのではないかということ、しかし、そうなりますと経常的経費の方におのずからかなりきつく当たらなければならないといったようなこと等々は、基本的にはどうもそうかなと考えておるのでございますけれども、それから後のこと、各省の問題、あるいは従来から例外と言っておりますもののシーリングの考え方、今お尋ねの点もその一つでございますが、これはこれから最終的にはあるいは閣僚間の折衝になるものもあろうかと思いますけれども、今まさに作業の最中でございます。

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島委員 引き続き、今日の財政状況の中でいろいろと御苦労されていることわかるのですが、来年度の予算の編成に当たって、この基準を設けるに当たっては、私どもが常日ごろ国民生活を向上させる方向、例えば社会保障だとか教育だとか医療だとか、そういう方面を十分考慮していただく、この点については、いつもいろいろと問題になりますが、軍事費、防衛費の方を削減ということを念頭に置いていただくということをお話し申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 早川勝君。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 今回の法案の趣旨は、先ほど来お話ございましたように、補正予算もそうですが、緊急経済対策の一環である、またその中軸をなすものだというふうに理解しております。考えてみますと、内需振興という問題は、実は五十年代、ここ十年余の課題でもあったわけですけれども、その手だてを考えてみますと、財政の手だてを講じるものもありますし、金融の問題で対処をする分野もありますし、それから最近ですと、円高というのか、ドル安というのが正確なのでしょうけれども、そして原油安という中で円高差益の還元の問題も必要だと思います。それともう二つ、制度的に内需型社会経済に転換するための方策も考えなければいけないのじゃないかというふうに思います。  それら幾つかあるわけですけれども、それぞれについてお尋ねしたいわけですが、まず最初に制度的な面ということで言いますと、やはり週休二日制、時間短縮というよりも週休二日制の問題、完全週休二日制を早く実施することが必要じゃないかというふうに考えております。けさの新聞でも、公務員の隔週土曜休業を人事院は提言するということが出ていますが、公務員が完全に土曜閉庁するということと同時に、金融機関が、今第二、第三土曜日が閉店になっていますけれども、できるだけ早く完全週休二日制を実施するということが雇用の面でも内需という需要の面でも求められているし、また対外的な側面からも求められております。そういうことを考えますと、早急に完全週休二日制を実施することが必要だと思っておりますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 昨年八月からこれまでの第二土曜日に加えまして第三土曜日を休業といたしたところでございます。これをまず定着させたいと思っておりますが、週休二日制をさらに一層拡大する、これはやはり一つの大きな時代の流れでございましょうから、そのための環境整備、つまり、それは金融機関同士ばかりでなく、利用される方々、これは国民、一般消費者もいらっしゃいますし企業もおりますわけですから、そういうことの理解を得ながら環境整備に努力をしてい岩たいと思っております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 第一に、制度的には完全週休二日制をやることが必要だと思います。  それからもう一つは、御存じのように円高が、ここ十日、一週間ばかりは若干違いますけれども、基調としては円高が非常に進んできております。そこで円高差益の還元について伺いたいと思いますが、この臨時国会の伊東政調会長の質問の中にも、円高差益の還元が不十分じゃないか、卸売物価は十分下がっているにもかかわらず消費者物価は反映してない、そんなことがちょっと質問という形で出されましたし、経企庁の資料を拝見してもやはりそういう結果が出ています。最近の円高差益還元の状況について伺いたいと思います。

熊澤二郎経済企画庁物価局物価政策課長

○熊澤説明員 円高差益の現状はどうかというお尋ねでございますので、御説明いたします。  先生御承知のように、円高差益の還元につきましては、昨年来累次にわたりまして対策等を行っております。本年に入ってからも年間約二兆円の規模で電力、ガス料金の再引き下げ、さらには輸入牛肉の展示販売における小売目安価格の引き下げ等を実施いたしております。こうした措置によりまして円高差益還元率は期を追って上昇しておりまして、本年の一-三月期、三月まででございますが、円高の始まりました六十年十月ごろから一年半の間の累積の還元率でございますが、約六〇%近くに達しているものと試算しております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 還元率をトータルで言われましたが、約八〇%、数字を見ますと七八・七なんですが、その還元の中身が消費、投資、輸出等に分かれてしまうわけですね。そうすると、還元率にして約八〇だと言われたのですが、その還元の額の中身を消費と投資等に考えますと、恐らく消費財、消費部門の方の比率はもっと低いと思うのですね。ですから、今トータルで言われた数字よりも日常生活の分野で受ける還元の効果というのは低いと思うのですが、その点についてはどういう数字になっていますか。

熊澤二郎経済企画庁物価局物価政策課長

○熊澤説明員 円高差益は輸入する際に支払い代金が節約されるという形で発生するわけでございますけれども、私ども、これがそれぞれいろいろなところでの価格低下を通じまして最終製品の価格低下までつながることが望ましい、こう考えておりまして、最終製品ということになりますと、御承知のように消費財もございますし輸出の製品もございます。それから投資財といったようなものもございます。そういったそれぞれの最終製品の価格低下という格好で円高差益の還元というのが行われているわけでございまして、そうした意味で、国の全体で見まして、各種製品の価格低下を通じて輸入コストの低下というものが最終製品の価格低下という格好で六割ほど返っている。消費財につきましても、御承知のように消費者物価の安定という形をもって消費者にメリットが返っているというふうに見ているところでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 還元の問題について、実は「ESP」の四月号に若い方が書かれているのを拝見したのですが、例えばセメントをコスト面で考えると、一一・二%程度価格低下があってもいいのじゃないか、ところが実際には〇・五%ぐらいだ。確かに需要、供給という価格決定の要因があるわけで、それによって決まるわけですけれども、どうも円高差益をコスト面から試算すると、今言ったように一一%強下がってもいいけれども実際には〇・五%ぐらいしか下がらない。この原因についてはどういうふうに理解したらよろしいのでしょうか。

熊澤二郎経済企画庁物価局物価政策課長

○熊澤説明員 ただいま先生からもお話ございましたように、個々の一つ一つの製品をとってみますと、セメントというお話もあったわけでございますけれども、いろいろな要因によって価格は決定いたします。先生がおっしゃいましたような需給要因というようなことも一つの大きな要素でございます。セメントにつきましても、当然海外からの原材料、輸入品を使って製造しているわけでございますので、理論的には、先生御引用のようなこれだけの価格低下があってしかるべきだというような計算は、それぞれについて細かい計算をすればできないことはないわけでございますけれども、御承知のように、価格というものは一部のコストだけで決まるものではございません。需給要因というようなことが主として価格を動かす大きな要因でございまして、そうした一つ一つの製品をとってみますと、必ずしも輸入コストの低下でそれだけ製品コストが低下していないというものもあろうかと思います。輸入消費財などにつきましても、海外からの仕入れの価格が円高によりましてどれだけ安くなっているか、ではそれが小売価格ではどれだけ安くなっているだろうかとか、私どもはこういったことを一つ一つの商品について調べてみているわけでございますけれども、商品の性格によりましてさまざまでございます。非常に競争的な市場で扱われている商品になりますと、そういったものの輸入価格の低下よりも小売価格の方が大きく下がっているといったようなものも中には見られるわけでございます。  そうした需給状況を反映しまして、一つ一つの製品をとってみればその輸入コスト低下分だけ製品コストが下がっていないじゃないかと御指摘をいただくようなものはあろうかと思いますけれども、国全体として見ますと、先ほど申しましたように十分とは申せないかもしれませんけれども、六割程度の差益還元は行われている、最近の例でいえば八割程度ということでございますけれども、そういった状況だと認識しております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 経企庁、ありがとうございました。  そこで、円高差益の問題は時間を追ってやがて少しずつ効果があらわれてくるだろうという見通しを出されたわけです。実は今セメントの例を挙げましたけれども、そういうふうな下がり方をしない製品があります。これはまた後ほど触れる公共事業にもかかわるわけですけれども、いわゆる建設資材価格が最近全体に上がっているということのその一つの例としてセメントの例を今出したわけです。  そこでもう一つ、金融の問題について簡単に伺いたいのですけれども、五月、六月ですか、この二カ月間、たしかマネーサプライが二けたを超えております。三月にマネーサプライが対前年比ですけれども九%増を示したときに、日銀はインフレを懸念されるというコメントを総裁が出されているわけですけれども、五月が一〇・二、六月が一〇・〇という、M2とCDをプラスしたものですが、そういう伸び率になっているのです。この伸びについて、通貨当局がインフレを最重点にした金融政策をとるのは当然ですけれども、考えてみますと、九%というと、もう三カ月前にそういう認識を総裁はされているわけです。大蔵大臣はどのような所感をお持ちですか。

長富祐一郎大蔵省大臣官房総務審議官

○長富政府委員 マネーサプライが、今御指摘ありましたように、現金、預金の指数であるM2プラスCDで見たところ、御指摘のような数字であることは間違いございません。また、日本銀行も、現在の金融緩和基調を安定的に維持していきたいというふうに言っていると同時に、行き過ぎについては節度ある態度を要望しておるところでございますが、現在物価の動向は、卸売物価が六月対前年比が三角の四・二%、小売価格は大体横ばいという数字でございまして、現在インフレを懸念する状態にあるというふうには考えておりません。ただ、物価の動向は非常に国民生活に直結する重要な問題でございますので、今後とも慎重に注意してまいりたい、かように考えております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 マネーサプライがふえているということと同時に、来年度予算編成、概算要求のときにもやがてはっきりすると思うのですけれども、原油価格が恐らく六十二年度予算編成のときよりも高く設定せざるを得ないんじゃないかなと思いますし、円のレートの問題は、今百五十円前後で推移していますけれども、一体どれぐらいになるかわかりませんが、ひところの百四十円台よりはという感じもいたしますと、逆に円が若干安くなるのかなという感じもふっとします。そうしますと、そういう条件の中で金利を今のまま据え置くことがずっと続けられるのかどうかという感じも持つのです。その点で、今審議官がインフレの懸念は今のところしてないという答弁をされたのですけれども、将来の見通しの問題ですからわかりませんが、ただ御存じのように土地の問題についてはまさに土地インフレという状況だと思うのですね。そういうふうに考えますと、マネーサプライの動きをどれぐらいのところまで考えて見ておけばいいのかなというのをちょっと知りたい。二カ月間一〇%台に上がったわけですね。大体どれぐらいを考えておけばいいのかなということをちょっと御意見いただければ。

長富祐一郎大蔵省大臣官房総務審議官

○長富政府委員 マネーサプライにつきましては、二月続きまして二けた台を記録したということで日本銀行の方も非常に警戒をいたしていることは事実でございます。ただ、現在幾らの水準がいいか数字で申し上げることは非常に難しいのでございますが、二けたが二月続いたということで日銀の方も非常に注意しているという点で御理解いただきたいと思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 そこで、内需振興の柱となるのが財政であり、今回の補正予算であり、NTT株の売却益の利用の問題であります。この法案、本会議を通じて社会党を初め野党が減税の財源に使うべきだという要求をしています。  実はある雑誌を見ていましたらエコノミストのアンケート調査が出ていまして、圧倒的多数が減税先行が必要だということを明らかにしています。やはり一番問題になるのは一体財源をどうするかというところでして、七十人のエコノミストですが、所得税の減税財源についてNTT株の売却益と決算剰余金で当面措置するのがいいだろうというのが二十五人で、数からいけば一番多いのですね。その次に新型間接税導入を含む税制改革でというのが十九人、国債発行で十五人、不公平税制十四人、その他三人ということで、どうも二十五人の専門家がNTT株の売却益と一兆七千億円を超える六十一年度の剰余金で処理すればいい、こうアンケートに答えているわけですが、大蔵大臣はどんな考えをお持ちですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それはアンケートで果たしてどういう内容の問いであったかが明確でないと思いますけれども、少なくとも一遍限りの仮に今年度の先行減税でございますと、それは大きさにもよりますけれども、算術の上では剰余金で処理できないわけではございませんが、一遍限りの減税ということはあり得ませんから、来年度もそれは続く、恒久化するということになれば恒久的な財源が必要だ、いつも申し上げていることでございますけれども、そういうふうに思うわけでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 恒久財源のお話がございましたので主税局長に伺いますが、仮にマル優を廃止した場合、初年度と二年目、三年目、四年目、もしわかりましたら五年目ぐらいまで、一兆六千億という数字は恐らくすべて、例えば郵便貯金は十年ですから、それが満期になって解約したときに出る数字ではないかというような感じを持つのですけれども、恐らく二、三年の間はとても減税財源に補てんするような額はマル優廃止では出てこないのではないかと思いますけれども、その点どうですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 御指摘のように金融商品は最長十年のものもございますので、前回御提案申し上げた案で申しますと、この十月一日から実施、そして月数案分で適用していくということでございますと、完全に平年度化して、あの当時申し上げておりました国税、地方税含めましての一兆六千億円の金額が収入として計上されるのは厳密には十年になるわけでございますが、平均預入期間でございますとかいろいろな金融商品の期間別の分布状況等から見ますと、五年なり六年ぐらいでおおむねその金額に近くなるということではないかと見込まれるところでございました。初年度の計算といたしましては、国税としては四百五十億円程度、地方税といたしまして六百五十億円程度、合わせて千百億円程度が計上されておったところでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 そうしますと、今年度の所得税減税に必要な財源はとても恒久財源、すなわちマル優廃止というところでバランスするものではないわけですね。だからといってNTTの株をこれから売却する期間すべて財源にというふうには私個人は考えていません。問題は、六十二年度の減税をするに当たって、とてもマル優イコール恒久財源で事足りるということでないことを考えますと、今回の減税財源は、剰余金にしろあるいはほかのところから持ってくるにしろ、政府の案でいきますと何らかの形で一兆円を超える財源を調達しないといけないわけですね。例えば新聞等で拝見する一兆三千億円なり一兆四千億円の減税、その中のマル優のウエートは、国税だけにしますと四百五十億ですから五%に満たないのです。それぐらいの観でしかないわけです。そうしますと、マル優問題というのは、先ほど来いろいろな議論がございましたし、また後ほど触れたいと思うのですが、それほど減税問題とリンクさせて議論する筋合いのものでもないのじゃないかと思うのですけれども、この点だけ伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 六十二年度に関します限りまさに早川委員の言われるとおりでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、この減税は将来に向かって続きますから、やはり将来この減税の財源に育っていくほどの大きさを持っている税源を今から育てておかなければならない、こういうことでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 そこで、今回提案された法案について伺います。  先ほど来の議論もございましたけれども、実は補正予算で今回一般公共事業費が八千億円追加されて、それ以外に四千五百八十億、そのうち四千億円が特定の公共事業貸付金だ、こういうふうになっているわけです。その補正予算もそうなんですが、配分が基本的にはどうも変わっていないのじゃないかなという感じを持ちます。何か下水道と都市公園が非常に高いということを先ほど来答弁されているわけですが、六十一年度の事業内訳、それから六十二年度の当初、補正後の額等比率を見ますと、基本的にはそんなに変わっていないのじゃないかと思うのです。事実、例えば道路整備が二九・一二ですから約三〇%弱ですが、六十一年度が二九%、六十二年度当初が約二九%で、補正後もやはり二九%、しかも産投会計の中で今度追加されるわけですが、四千五百八十億円のうち道路整備事業資金貸付金というのが千百五十億円ですから、四千五百八十億のうちに実に二五%がそこへ使われている。そういうふうに見ていくと、量は確かにふえたわけですけれども、質の面ではどうも余り大きく変わっていないのじゃないかと思うのですが、その点についてはいかがですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 先ほど来何回か御質問をいただいておりますので、少し具体的数字に即して申し上げたいと思います。  治山治水という分野を見てみますと、六十二年当初シェア一七・六%が補正後では一九・五%ということで、約二ポイント上がっております。それから道路整備、当初シェア二八・九%でございますが、補正後では三一・四%ということでございますから、約二ポイント上がっておるということでございます。他方、例えば下がったものを申し上げますと、一般的に重点的に見たもの以外は、実は造林、工業用水、そういうものが下がっておるわけですが、その他相当目立ってふえたものとしましては下水道、当初シェア一〇・九が補正後一五・二ということで約五ポイント上がっているということで、私どもといたしましてはそれぞれの事業の要請に応じて緊急なものということでいろいろ配分について工夫をいたしたつもりでおるわけでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 それで、この法案は第二条に、「国は、当分の間、別に法律で定めるところにより、」「貸し付けることができる。」こう書いてありますけれども、この「当分の間、」こというのはどれぐらいの時間を考えればよろしいですか。

斎藤次郎大蔵省主計局次長

○斎藤(次)政府委員 これは今回の法律でお願いをしておりますNTT株の国債償還に充てていくいわば剰余の金ということでございまして、実はそのNTT株の処分計画というのが確定しておるわけではございません。NTT株につきましては、各年度の予算編成過程におきまして、そのときの財政状況とか前年度の売却結果等を勘案した上で処分限度数というのを決定いたしまして、国会の御審議を得た上で決めていただくということになっておるものですから、そういうことで売却の見込みがまだ確定したわけではないということが一つ。  それから、いわばどの程度の金額で売れるかというところも非常に流動的であるものですから、これが一体何年度まで使えるか。片方で、NTT株の売却に伴うそういう余裕金の総額が幾らになるかという、いわば収入面と申しましょうか歳入面と申しましょうか、そちらの方の金額が未確定であると同時に、他方、いわゆる社会資本の整備という分野において今後どれくらいの投入をしていくかということが最終的にはまだ確定をしていないわけでございます。これはまさにそのときどきの経済状況等に左右される面が大きいわけでございますので、歳入歳出両方の面からいってどの程度の年度になるかがまだ現段階では具体的にはっきりしない、毎年度の予算編成の過程で国会の御審議を得た上で決めていくという性格のものでございますので、終期がはっきりしないという意味で「当分の間こというぐあいにお願いをしておるわけでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 社会資本整備をやるときに、極端な場合ですけれども、ことしは四千五百八十億余裕金が出た。来年はNTTの株がどれだけ売れるか、あるいはどれだけ市場に出すのかという市場の動向等、あるいは財源の状況を踏まえて考えると言われたわけですけれども、一方で社会資本を計画的にやらなければいけないという必要があるし、また、それは景気政策に余りにも使い過ぎると非常に非効率な面が出るというのは現に幾つか例があるわけですね。  そうしますと、NTTの売却可能な株式というのはトータルで言えば千四十万株ですか、現在それだけは売却してもよろしい。六十一年度、六十二年度がそれぞれ百九十五万株で、六十三年度以降はどうなるかわからないということを言われたわけですけれども、ただ、六十四年度まで三分の二の二分の一ですか、そこまでは売却してもというそういう余裕は与えられているわけですね。  そうしますと、ごく単純に私なりに計算してみますと、六十四年度までそれぞれ百九十五万株、これは単純な割り算ですからそういう数字が出てまいります。その後二百六十万株が実は残るわけでして、この枠まで売却してもいいという総額が千四十万株ですから、六十四年度まで四年間で七百八十万株、あと二百六十万株は残るわけですね。これについては、まだどこにも、売却してもいいという、基本法みたいなところにはあるのですが、今回処分してもいいという形には書いていないわけです。  ただ、こういうふうに考えますと、六十二年度というふうにこれからスタートさせた場合でも、四年か五年間ぐらいは計画的にやろうと思えばできるのじゃないか。どれだけの余裕金が生まれるかはそのときの株価によって額が決まってくるわけですけれども、四、五年は可能じゃないかな、また、そういうふうに考えて社会資本整備勘定ということを考えなければいけないのじゃないかと思うのですね。ことしだけつくって来年やらないといいますと、先ほど来議論がありましたように、社会資本整備をやるときにできるだけ短期間がよろしい、土地売却費は使わない方が効率的なんだと言われたのですけれども、幾ら短期間でもすべてが一年で完備できるものじゃないと思うのですね。そうしますと、「当分の間、」というのは、さかのぼって株そのものをいつ、どうするかという議論はずっと残ると思うのですけれども、少なくとも四、五年の間はこういう考え方である程度の計画性を持って取り組む必要があるのじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ちょっとおっしゃいましたそのとおりでございます。六十二、六十三、六十四とありまして、それから後のことは何も決まっていないわけですが、その六十四のところまで、売れる価格にもよりますが、毎年のこのような社会資本整備勘定に入れますのも多ければ多いほどいいというわけのものじゃございません、やはり適正な金額というものがございましょうから。そういたしますと、整理基金にかなりのものが残るということはあるかもしれません。そういたしますと、それはその後でまた使えるということがあり得ることでございますから、おっしゃいますように三、四年、四、五年、少なくともそのぐらいの間はこれを使っていく、そのくらいの長さのことは考えておく必要があると思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 地方自治法か何かで当分の間といって昭和二十九年にできて当分の間が今日まで続いているという起債の自由化の話はありますけれども、今回はそんなあれじゃなくて、「当分の間、」というのがありますけれども、恐らく高齢化社会を迎えるに必要な社会資本整備をやらなくてはいけない。特に生活ということはそうなんですけれども、それ以上に、生活一般ではなくて、高齢者の生活のための資本整備が必要なのじゃないか。例えば住宅にしろ道路にしろ階段にしろ、高齢者はどうも階段を上りおりするのが非常に苦痛だという話を聞くわけですから、それを考えますと、同じ生活関連の整備といっても若干新しい発想を入れないといけないのじゃないかと思います。それだけに、できたら五年とか六年という期間を区切って考えていく必要があるのじゃないかと思っております。  そこで、大臣、大変恐縮なんですけれども、実は三年前に資産倍増計画を出されましてインタビューに答えられておりまして、大体三年ぐらいたつと当時考えていたものあるいは発表した政策が妥当であったかどうかというのがわかると思うのです。今出してそれが適切かどうかというのはわからないけれども、一定期間置けばわかると思います。そういう意味でこれを拝借させていただきますが、非常に参考になって勉強させられるのです。  実はこれは大臣がインタビューに答えられているわけですが、「大型間接税などは考えていないのですか。」という質問に対しまして、「おおまかなお答えとしてはその通りです。」ということを言われているのです。それで「一般消費税のような大きなものは考えていないが、もしかしたら、例えばガソリン税とか自動車重量税など目的税的なもので、社会資本充実のための財源をひねり出すことは考えられます。」こういうふうに答えられています。今考えてみますとガソリン税だとか自動車重量税というところがNTTの株の売却益かなというふうに感じたのですけれども、問題は、この大型間接税の問題について当時大蔵大臣は考えていないし恐らく難しいのじゃないかということを言われている、入れることは。恐らく今の日本の国民は受け入れないだろうということを言われているわけです。当時のお考えは、ちょうど三年たつわけですけれども、現在どのようにお考えですか、伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 これは一九八四年六月のインタビューをただいま御引用になられたわけです。それで社会資本の充実が必要だということをこのころから考えておりましてこういうことを申しまして、今私これをもう一遍読み返す時間がないわけでございますけれども、私が一つこのときにちょっと勘定に入れなかったことがございます。それはいわゆるプラザ合意、一九八五年の九月のプラザ合意によりましてドルが急落をし円が急上昇しまして、そこから日本経済が非常に難しい問題を抱えるに至ったその部分を私は予測し得なかったわけでございます。したがって、財政なんかもまあまあこのようなと申しますか、そこから来る困難に遭遇するとまで実は予測をいたしておりませんでした。これは私の予測の至らないところでありますけれども、その辺の部分につきましてはどうもこのときに言っておりますことがその後に起こりました事実と少し合っていない。それは認めざるを得ないところであります。  ちなみに、しかしそうであろうとなかろうと社会資本の整備は必要だと思っておりましたが、今度は逆に海外からそれを強く求められるようになった。それは今度は逆にまた当時予測をしていなかったところでございますけれども、いずれにしてもその問題は残るし、これからやらなければならないいわば内外からの要請であるというふうに思っております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 急激な円高と国際的な環境は変わったというのはよくわかるのですけれども、そしてまた社会資本の整備の必要性はよくわかったのですが、大型間接税はこのときは必要ではないだろうと考えておられたと思うのですが、それも変わられたということですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点はもう少し詳しく申し上げるべきだったと思うのですが、そのようないわゆる円高によりまして経済成長がこのような影響を受ける、したがって財政がこれだけの影響を受けるということが読めませんで、もう少し順調に経済成長が進んでいって、したがって自然増収もある程度あって、こういう想定をしておったわけでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 もう一つ、また同じお答えがなされるかもしれませんけれども、マル優の問題もここに言われているのですね。「利子配当所得については総合課税にいくのではなく、源泉選択税率を五ポイントぐらい上げて四〇%ぐらいにしてもいいから源泉選択制度を残しておくのがいいところだと思っています。」それから、マル優制度は弊害が出ているので「それを直す方法としてはマル優カードなんていうのは、いい考えかもしれません。」こういうように答えられて、社会党が当時、過渡的に、完全総合課税へいく前に、源泉税率三五%を四〇%にして、グリーンカードは、先ほど来お話がございましたけれども、挫折しましたけれども、貯蓄利用者カードを使って完全に悪用を防いだらどうかということを言っていたわけで、そのとおり言われていたものですから賛意を表した次第なんですけれども、この問題についてはいかがお考えですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 実は私がここで申したかったことは、源泉選択を残しておくべきではないかということを言いたかったのでありますけれども、「明らかに違法に使われていることが問題なので、」云々ということを言っておりますが、その違法についてはどうするかということについてこう答えておるということでございます。私自身は、現実の問題としてはこれを全部総合課税でいくということはなかなか容易なことではないし、やはり源泉選択でいいんじゃないのですかということを言おうとしておったのだと思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 源泉選択制度というところまでですと、政府がマル優制度そのものをなくして一律というふうにもつながるおそれがあるものですから、ただ、ここで言われているのは、明らかにマル優制度は弊害をなくすためにマル優カードというふうに読みますと、やはりグリーンカードに類したものを、あれはたしか昭和五十五年ですから、ちょうど八〇年ですから、もう導入しないことがはっきりした後の時点でありますので、恐らく今政府がしようとしているいわゆるマル優制度をなくすこととはちょっと違うのじゃないかと思うのですけれども、その点だけ確認させてください。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ここで今読んでおりますが、問題になっているのは、結局利子配当所得をどうするかということを議論しておりまして、私は源泉選択を残しておいた方がいいだろうということを言っております。そうすると、しかしこの制度は、今度はマル優の話になっていますけれども、違法に使われているじゃないかと言われて、それは違法のことは困るのですが、しかし源泉選択そのものはやはりいいんじゃないか、少し税率を上げても残しておいたらいいんじゃないかということを言っておる。それは当時、総合課税とかグリーンカードとの関連でこういう議論をしておるんじゃないかと思いますけれども。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 読み方が悪いのかもわかりませんけれども、どうも違うんじゃないかと思います。それはそれとして、と言ってはいけないのでしょうけれども、もう一つ最後の方に、実は敬服しているのですけれども、「土地インフレから物価に火がつく心配もないわけではない。」という質問者の言葉に対して、「地価インフレになるような気配が出れば、ちゃんと抑え込めますよ。」ということをちょっと言われたのですけれども、実は資産倍増計画が具体化されない段階で、土地に関してはまさに狂乱というか狂騰というか、土地インフレという状況が生まれているのです。今回の補正予算を見ましても公共事業が非常に巨額に上った、それから上半期の契約率も過去十年余を超えて一番高率のたしか八〇%ぐらい契約する、しかも補正予算で事業費もどんどんふえるというと、どうも先ほど来の話の中で土地に食われるようなことはしないんだというんですけれども、普通に公共事業といいますとやはり土地に食われていくわけです。そういう心配をしているのですけれども、これは杞憂に終わるのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 今回は特にそれを気をつけておりまして、この補正分は土地に関するものはたしか一%とかいう非常に小さい数字を聞いております。少なくとも五%以下である。大変に気をつけておりますし、やはり土地の問題というのは公共事業であるとないとにかかわらず問題でございますから、私どもも金融機関にいろいろ御注意をしたり、また税制とかその他いろいろ、この点については国民のコンセンサスも出てまいっておりますから、土地についての対策をどうしても急いで考える必要がある。公共事業も、その点では、なるべく先々のことを考えますと、使われた土地の代替分は役所でございますからある程度は用意をしなければならぬと思いますが、しかしそれはほどほどにして、効率のいい使い方をしていただきたいと思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 金融機関の土地融資に対する自粛の問題で、実はこれは一週間前の新聞の記事なんですけれども、割と皮肉っぽく「遅ればせ?の土地融資自粛」という表現で書かれているのです。大蔵省銀行局がいろいろな情報を集めて、過剰融資をしないようにということをやられていると思うのですが、その点、どのような手法で、今日どういう状況にあるかだけちょっと伺いたいと思います。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○平澤政府委員 今の御質問は、どのような事情でなったかということでございますね。御存じのように、金融機関の不動産業者に対する融資の額が、日銀等の毎月発表しております資料によりましても、このところ急増しております。したがいまして、これに対する見方でございますけれども、地価上昇に伴って実際に実需に伴う資金繰りからの融資が恐らく大部分を占めると思うのですが、しかし、中にはそういうような融資の結果として地上げ等その他投機的な地価の高騰を招く原因になっておるものもあるかもしれない。特に中央信託銀行の問題が最近起こりましたので、そういう観点から、行政当局といたしましても、いわゆる社会的な非難を招くような融資は厳に慎む必要があるということでございまして、そういう意味から、従来一般的に報告を受ける際にヒアリングを聞いておりましたのを今度は特別のヒアリングをさらにその上に重ねて実施する、その特別のヒアリングは、地域によって地価の高騰地域が集中しておりますので、そういう地域の金融機関あるいは最近の一般的な調査によって何か問題があるかもしれないと思われるような金融機関を選びまして深度のあみ調査を行うということをしたわけでございます。  他方、金融機関の方もこの問題を深刻にとらえておりまして、御存じのように、信託協会から始まりまして、土地融資については騰貴を招くようなものは厳に自粛するという申し合わせをしたということでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 金融機関の不動産業者等に対する土地融資に対してこれからどの程度効果が出てくるか、また、先ほど読みましたようにもうおくれたのではないかという見方をしておるのですが、これについてはどういう考えをお持ちですか。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○平澤政府委員 その問題につきましては、従来から三度にわたりまして銀行局長通達を発出して金融機関が土地に対する融資を十分に注意してやるようにということをやってきておるわけでございます。したがいまして、金融機関としては十分注意してこれまでやってきておるわけでございますけれども、しかし、先ほど申し上げたように、具体的に中央信託等の問題が最近起こったわ付でございますので、さらに念には念を入れて、融資を行う際には十分注意してやるようにということを強くこちらからも言いますとともに、ある程度その実効を期す意味で特別の調査もやるということでございます。したがいまして、我々としてはその効果はさらにあらわれてくるものと期待しておるわけでございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 最後になりましたが、結局一番最初に、内需振興のための方策というのは、制度的には完全週休二日制をやって制度的な取り組みをしなくちゃいけないという問題が一つあります。  それから金融面では、これ以上低金利ということは到底考えられないわけですから、そうしますとあとは財政等を出動するわけですけれども、減税と公共事業と毎々議論になるわけですけれども、とりわけ補正予算を含めて公共事業を中心にした積極財政を進めるということになったわけですが、そのときの問題点の一つはやはり土地の問題だと思うのですね。いろいろ聞きますと、東京から始まったのが京都に行き、大阪に行き、愛知名古屋へ来て、だんだん大都市から中都市へ波及するおそれがなきにしもあらずです。とりわけこういう公共事業が非常に巨額になればなるほどそれに拍車がかかるのではないかと思っております。その点で、先ほど銀行局長がお答えになりましたように、これからの効果をぜひ期待したいと思っております。  それからもう一つは、社会資本整備になったときに、下水道率が若干上がりましたよという答弁をいただいたのですけれども、資産倍増計画、あれは昭和七十年度までと書かれていましたので、そうしますと十年くらいを多分考えられたわけですね。そうじゃなくて、少なくとも五年とか六年とかいう期間の社会資本整備というものはこういうものだともっと特定していいんじゃないか。来年度予算編成においても、NTT株一兆三千億になるのか一兆二千億になるのかわかりませんけれども、別枠という部分が、内容的にはどうも今までと同じような公共事業の中身で、比率が若干変わるだけだ。これじゃいつまでたっても、本当に高齢化社会、これからお年寄りが多くなる、私たちそうなんですけれども、そういう時代の社会資本整備、病院にしろ保養所にしろ、そういう整備ができないんじゃないかと思うのですね。せっかくNTTの株をこういうふうに使おうとされるならば、先ほど言いましたように時間的にそれほど無限に財源はあるわけではなくてせいぜい五、六年だと思うので、それにふさわしい社会資本計画をつくってその財源に使っていただきたいなという希望を述べまして、私の質問を終わります。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三分散会

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