決算委員会 第2号
- 発言数
- 345 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/07/29
会議録
○堀之内委員長 これより会議を開きます。 昭和六十年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、厚生省所管及び環境衛生金融公庫について審査を行います。 この際、厚生大臣の概要説明、会計検査院の検査概要説明及び環境衛生金融公庫の資金計画、事業計画についての概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀之内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 昭和六十年度厚生省所管一般会計及び特会計の決算に関する説明 昭和六十年度厚生省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算額につきましては、当初予算額九兆五千二十七億六千三百十万円でありましたが、その後予算補正追加額三千百一億八千三百万円余、予算補正修正減少額六百六十一億一千三百八十七万円余、予算移替増加額三百九十七億四千七百一万円余、前年度繰越額二百四十億七千三百五十三万円余、予備費使用額九百二十六億九千八百十八万円余、差引四千五億八千七百八十六万円余を増加し、歳出予算現額は九兆九千三十三億五千九十六万円余となりました。 この歳出予算現額に対し、支出済歳出額は九兆八千五百八十九億四千四百二十一万円余、翌年度繰越額は三百四十億五千三百四十九万円余、不用額は百三億五千三百二十五万円余で決算を結了いたしました。 次に、その主な事項につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一は、生活保護費であります。 生活保護法による生活扶助基準につきましては、国民の消費水準等の動向に対応して改善を行ったほか、少人数世帯の処遇、教育扶助等についてもそれぞれ所要の改善を行いました。 また、生活保護費補助金について補助率の引下げを行うとともに生活保護臨時財政調整補助金を新たに設けました。 これにより、生活保護費として、総額一兆八百七十六億八百十五万円余を支出しております。 第二は、社会福祉費であります。 社会福祉施設の運営費につきましては、入所者の一般生活費等の増額をはじめとして、職員の勤務時間の短縮に必要な業務省力化等勤務条件改善費の増額などを行い、所要の経費を支出しております。 また、施設整備費につきましては、特別養護老人ホーム、心身障害者福祉施設等の各種社会福祉施設及び地方改善施設の整備に対して七百九十六億四十五万円余を支出しております。 老人福祉費につきましては、老人保健法に基づく老人医療の給付に必要な経費のほか、家庭奉仕員の増員を行うとともに、デイ・サービス事業、生きがい対策等在宅のねたきり老人等に対する福祉サービスの拡充強化を図り、一兆三百二億三百二十六万円余を支出しております。 児童保護費につきましては、児童保護措置費の内容改善を図るとともに、心身障害児(者)対策、母子保健衛生対策、児童健全育成対策などの推進を図り、五千七十五億三千三百六万円余を支出しております。 さらに、児童扶養手当につきましては、給付額の二段階制、都道府県負担の導入等を図ったところであり、特別児童扶養手当の支給に要する経費と合わせて、三千六十八億八千五百九十七万円余を支出し、母子福祉対策につきましては、母子福祉資金及び寡婦福祉資金の貸付原資として、三十八億四千六十一万円余を支出しております。 このほか、身体障害者の福祉対策として、障害者社会参加促進事業、「障害者福祉都市」推進事業及び在宅障害者デイ・サービス事業の拡充を図るほか、在宅の重度障害者に対する福祉手当の改善等従来の施策を強化するとともに、身体障害者更生援護施設の運営のための経費を支出しております。 以上、社会福祉費として、総額二兆五百九十九億一千四百十八万円余を支出しております。 第三は、社会保険費であります。 国民健康保険事業につきましては、昭和六十年度末における保険者数は、三千四百三十七であり、その被保険者数は、四千五百二十九万余人となっております。 昭和六十年度におきましては、市町村国民健康保険の運営の安定化に資するための国民健康保険特別交付金を含め、医療費及び事務費等に要する経費として、二兆三千二百七十四億九千三十六万円余を支出しております。 また、社会保険国庫負担、厚生年金保険国庫負担及び国民年金国庫負担に要する経費として、三兆四千六十五億三千五百六万円余を支出しております。 このほか、児童手当の給付費及び事務費に要する経費として、六百四十七億四千九百七十五万円余を支出しております。 以上、社会保険費として、総額五兆八千二百六億二千五百十万円余を支出しております。 第四は、保健衛生対策費であります。 原爆障害対策費につきましては、各種手当の額の引上げ等の改善を行うなど施策の充実を図り、一千九億一千七百九万円余を支出しております。 精神衛生費につきましては、精神衛生法に基づく措置入院費及び通院医療費の公費負担に要する費用として、六百三十五億二千七十一万円余を支出しております。 このほか、結核医療費として、三百九十二億二千三百三十四万円、疾病予防及び健康づくり推進費、保健所費、らい予防対策費、老人保健法による保健事業に要する経費等の保健衛生諸費として、九百二十九億八千八百八十九万円余を、それぞれ支出しております。 以上、保健衛生対策費として、総額四千六百四十七億九千三百四十六万円余を支出しております。 第五は、遺族及び留守家族等援護費であります。 戦傷病者戦没者遺族等の援護対策につきましては、遺族年金等について恩給の改善に準じて額を引き上げるとともに、戦没者の遺族に対する特別弔慰金の継続及び増額等の措置を講じたほか、遺骨収集及び慰霊巡拝を実施いたしました。また、中国残留日本人孤児対策につきましては、訪日肉親調査の対象人員を大幅に増員したところであります。これにより、遺族及び留守家族等援護費として、総額一千四百八十三億四千二百七十一万円余を支出しております。 第六は、環境衛生施設整備費であります。 環境衛生施設の整備を推進するため、昭和六十年度は、廃棄物処理施設三百八十六箇所、簡易水道等施設四百六十二箇所、水道水源開発等施設三百十九箇所の整備について、それぞれ補助を行い、環境衛生施設整備関係費として、総額一千九百三十五億四千二百七十二万円余を支出しております。 次に、特別会計の決算の概要につきまして御説明申し上げます。 第一は、厚生保険特別会計の決算であります。 厚生保険特別会計につきましては、一般会計から一兆五千四百六十二億九千二百五十二万円余を繰り入れました。 まず、健康勘定の決算額について申し上げますと、収納済歳入額五兆二千十八億一千三百八十一万円余、支出済歳出額四兆九千七十九億四千九百十三万円余でありまして、差引二千九百三十八億六千四百六十八万円余については、この勘定の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。 なお、昭和六十一年三月末の事業所数は、九十二万余箇所、年度平均被保険者数は、一千五百六十九万余人に達しております。 次に、年金勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額十一兆七千五百九十八億七千十二万円余、支出済歳出額六兆四千六百十四億七千三百二十二万円余でありまして、差引五兆二千九百八十三億九千六百八十九万円余については、この勘定の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。 なお、昭和六十一年三月末の事業所数は、百二万余箇所、年度平均被保険者数は、二千七百二十五万余人に達しております。 次に、児童手当勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額一千四百九億三千三百八十三万円余、支出済歳出額一千二百八十三億二千九百八十一万円余、翌年度繰越額四千三百五万円余でありまして、差引百二十五億六千九十六万円余については、このうち五十億四千五百八万円余をこの勘定の積立金として積み立て、七十五億一千五百八十八万円余については、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。なお、年度平均支給対象児童数は、二百七万余人であります。 最後は、業務勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額四千二百九十六億六千二百三十万円余、支出済歳出額四千百九十七億九千七百六十四万円余、翌年度繰越額三十七億一千六百七十六万円余でありまして、差引六十一億四千七百九十万円余については、このうち、四十六億一千百十三万円余を翌年度の歳入に繰り入れ、十五億三千六百七十六万円余については、健康及び年金の各勘定の積立金に組み入れることとして、決算を結了いたしました。第二は、船員保険特別会計の決算であります。船員保険特別会計につきましては、一般会計から五百四十九億八千六百六十九万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額三千九十六億七千三万円余、支出済歳出額三千億五千三百七十八万円余、超過受入額二十億九千七十四万円余でありまして、差引七十五億二千五百四十九万円余については、このうち、九万円余を翌年度の歳入に繰り入れ、七十五億二千五百四十万円余については、この会計の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。なお、年度平均の被保険者数は、十七万余人であります。 第三は、国立病院特別会計の決算であります。 国立病院特別会計につきましては、一般会計から一千二百七十九億三千九百四十八万円余を繰り入れました。まず、病院勘定の決算額について申し上げますと、収納済歳入額三千六百四十一億八千九百万円余、支出済歳出額三千六百十八億二千八百八十九万円余でありまして、差引二十三億六千十一万円余については、これをこの勘定の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。 なお、昭和六十年度の事業概況を申し上げますと、入院患者数は、一日平均三万二千余人、外来患者数は、一日平均四万余人であります。 次に、療養所勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額三千五十億九百七十三万円余、支出済歳出額二千九百九十一億八千五百七万円余、翌年度繰越額百七十二万円余でありまして、差引五十八億二千二百九十三万円余については、この勘定の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。 なお、昭和六十年度の事業概況を申し上げますと、入院患者数は、一日平均四万二千余人、外来患者数は、一日平均一万余人であります。 第四は、国民年金特別会計の決算であります。 国民年金特別会計につきましては、一般会計から一兆八千七百億五百六十万円余を繰り入れました。 まず、国民年金勘定の決算額について申し上げますと、収納済歳入額二兆七千三百二十三億二千七百九十七万円余、支出済歳出額二兆六千八百八十三億八千二十六万円余、超過受入額二千百三十五億一千八百六十一万円余でありまして、差引一千六百九十五億七千九十万円余については、この勘定の積立金から補足することとして、決算を結了いたしました。 なお、昭和六十一年三月末の被保険者数は、二千五百九万余人で、そのうち、保険料の免除該当者は、二百六十一万余人であります。 次に、福祉年金勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額一兆三十五億一千百四十一万円余、支出済歳出額九千百六十一億三百二十三万円余でありまして、差引八百七十四億八百十七万円余については、翌年度の歳入に操り入れることとして、決算を結了いたしました。 最後は、業務勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額一兆六千六百七十六値九万円余、支出済歳出額一兆六千六百五十八億三千九百九十三万円余、翌年度繰越額二千百四十一万円余でありまして、差引十七億三千八百七十四万円余については、このうち、十六億五百八十九万円余を翌年度の歳入に繰り入れ、一億三千二百八十五万円余については、国民年金勘定の積立金に組み入れることとして、決算を結了いたしました。 なお、昭和六十年度の決算検査報告においで掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、誠に遺憾に堪えないところであります。 今回不当事項として指摘を受けましたものは、健康保険、厚生年金保険及び船員保険の保険科の徴収額が不足していたもの二件、健康保険及び船員保険の傷病手当金等並びに厚生年金保険及び船員保険の老齢年金等の支給が適正でなかったもの二件、医療施設運営費等補助金、老人保護費補助金及び児童保護費等補助金の補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの九件並びに児童扶養手当の支給が適正でなかったもの一件であります。 意見を表示され又は処置を要求された事項は、福祉年金と公的年金との併給調整についての事務処理の適正化についてであります。 不当事項として指摘を受けたもののうち、保険料の徴収不足については、既に徴収決定を完了したところでありますが、今後とも適用事業主及び船舶所有者に対し、報酬に関する適正な届出の指導・啓もうの徹底を図るとともに、実地調査等を強化し、保険科の徴収不足の解消に努力いたす所存であります。 健康保険及び船員保険の傷病手当金等並びに厚生年金保険及び船員保険の老齢年金等の支給が適正でなかったとして指摘を受けたものについては、既に返還の措置を講じたところでありますが、今後とも被保険者及び適用事業主等に対し、適正な届出の指導・啓もうの徹底を図るとともに、関係書類の調査等を強化し、その支給の適正化に努力いたす所存であります。 医療施設運営費等補助金、老人保護費補助金及び児童保護費等補助金の過大精算などのため不当であるとの指摘を受けた国庫補助金については、既に返還の措置を講じたところでありますが、今後は、このようなことのないよう事業主体に対する指導を一層徹底し、補助事業の適正な執行に万全を期する所存であります。 児童扶養手当の支給が適正でなかったとして指摘を受けたものについては、既に返還の措置を講じたところでありますが、今後とも現況届等の調査・確認事務について、都道府県に対し、指導・徹底を図り、児童扶養手当の適正な支給に努力いたす所存であります。 意見を表示され又は処置を要求された福祉年金と公的年金との併給調整についての事務処理の適正化については、御指摘の趣旨を踏まえ、所要の措置を講ずべく改善を行う所存であります。 以上をもちまして、厚生省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 昭和六十年度決算厚生省についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十年度厚生省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項十四件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項二件であります。 まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号一三号及び一四号の二件は、健康保険及び厚生年金保険並びに船員保険の保険科の徴収に当たり、徴収額が不足していたもので、いずれも事業主又は船舶所有者の提出する被保険者資格取得屈等において制度の理解が十分でなかったなどのため、保険科算定の基礎となる被保険者の報酬月額が事実と相違しているものなどがあったのに、これに対する調査確認及び指導が十分でなかったため、保険科の徴収額が不足していたものであります。 検査報告番号一五号は、健康保険及び船員保険の傷病手当金等の支給が適正でなかったもので、健康保険については、被保険者及び事業主が制度の理解が十分でなかったりなどして傷病手当金及び出産手当金の支給の基礎となる傷病手当金請求書又は出産手当金請求書の記載内容が事実と相違しているのに、これに対する指導及び調査確認が十分でなかったため、傷病手当金等の支給が適正を欠いたものであります。また、船員保険については、被保険者又は被保険者であった者が制度の理解が十分でなかったりなどして傷病手当金請求書又は障害年金裁定請求書の記載内容が事実と相違しているのに、これに対する調査確認が十分でなかったため、傷病手当金の支給が適正を欠いたものであります。 検査報告番号一六号は、厚生年金保険及び船員保険の老齢年金等の支給が適正でなかったもので、厚生年金保険又は船員保険の年金の受給権者及び事業主並びに船舶所有者が誠実でなかったなどのため、年金の受給権者が被保険者資格を取得した際に事業主及び船舶所有者が提出する資格取得届の記載内容が事実と相違しているものなどがあったのに、これに対する調査確認等が十分でなかったり、適正な資格取得届が提出されているのに、事務処理が適切でなかったりしたため、老齢年金等の支給が適正を欠いたものであります。 検査報告番号一七号から二五号までの九件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。 これを事業別に区分いたしますと、検査報告番号一七号及び一八号の二件は、医療施設運営費等補助金でございます。 この補助金は、都道府県、市町村等の開設する公的医療機関が行うべき地中核病院運営事業、へき地療所運営事業等に要する費用を補助するものでありますが、事業主体では、巡回診療及び医師派遣に要した医師の人件費を過大に算定するなどして補助対象事業費を過大に精算していたり、別途厚生省所管の無医地区医師派遣費補助金の交付対象となっていた医師の人件費の一部について、本件補助金の交付対象として重複して国庫補助金の交付を受けるなどしていたりしたものであります。 検査報告番号一九号から二四号までの六件は、老人保護費補助金でございます。 この補助金は、養護等の措置を要する老人を特別養護老人ホーム文は養護老人ホームに収容し養護した場合に、その措置に要する費用を都道府県又は市町村に対して補助するものでありますが、補助対象事業費の精算に当たり、老人やその扶養義務者から徴収する徴収金の額を過少に算定していたり、民間施設給与等改善費の計算を誤っていたりしたため国庫補助金が過大に精算されていたものであります。 検査報告番号二五号は、児童保護費等補助金であります。 この補助金は、保護者の労働、疾病等の理由により保育に欠ける児童を保育所に入所させて保育した場合に、その措置に要する費用を市町村に対して補助するものでありますが、保育単価の適用を誤っていたため国庫補助金が過大に精算されていたものであります。 検査報告番号二六号は、児童扶養手当の支給が適正でなかったもので、児童扶養手当の認定請求書、現況届又は資格喪失届の記載内容が事実と相違しているものがあったのに、これに対する指導及び調査確認が十分でなかったため、手当の支給が適正を欠いたものであります。 次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。 これは、福祉年金と公的年金との併給調整の適正化に関するものであります。 福祉年金は、受給権者が公的年金を受給する場合、その額が一定額を超えているとき又は福祉年金と公的年金とを合算した額が一定額を超えているときは、受給権者から福祉年金支給停止関係属を十四日以内に提出させ、公的年金の受給開始月から福祉年金の全部又は一部の支給停止を行うこととなっておりますが、受給権者からの届け書が遅延していたり、公的年金を受給しているのに都道府県の調査によって判明するまで届け書を提出しなかつたり、都道府県、市町村での公的年金の受給状況の把握・調査が十分でなかったりしたなどのため、福祉年金の全部又は一部が支給停止されることなく支給されていて、多額の福祉年金が二重払となっておりました。 したがいまして、このような事態の発生を防止するために、社会保険庁におきまして、受給権者に対して届け書の期限内届出の励行について周知徹底させ、支給停止を必要とする者を的確に把握するための事務処理体制を整備し、二重払の事態となったものについては返還させるなどして年金支給の適正化を図るよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 その一は、世帯更生貸付等補助金の交付に関するものであります。 世帯更生貸付等補助金は、低所得世帯等の経済的自立と生活意欲の助長促進を図るための世帯更生資金の貸付財源が不足する場合に都道府県が社会福祉協議会に補助する額に対して六十年度において十分の六相当額、五十九年度以前は三分の二相当額を国が都道府県に対して補助するものでありますが、二十二都府県の協議会では、毎年度の補助金の交付申請に当たって既往年度の貸付実績を十分考慮せず過大な貸付計画を立てたり、前年度からの繰越金を過小に計上したり、償還元金を過小に見込んだりなどしたため、過大に補助金の交付を受けており、その結果多額の繰越金を生じている事態が見受けられましたので、厚生省において、都府県に対する指導監督及び交付申請に対する審査を十分に行い、また、交付申請書等に資金需要の審査に必要な貸付実績表等を添付させるなどして、補助金の交付を適切に行う要があると認められました。 この点について当局の見解をただしましたところ、厚生省では、都道府県に対して、六十一年十一月に通達を発し、協議会からの交付申請の内容を十分審査するよう指導監督を行うとともに、毎年十月末に当該年度の貸付実績表等を提出させるなどして、貸付財源として必要な額を交付することとする処置を講じたものであります。 その二は、国立結核療養所の医師等に係る俸給の調整額に関するものであります。 国立結核療養所に勤務する医師及び看護職員に対しては、職務の特殊性、難易度等に応じて定められた調整数によって計算された俸給の調整額が支給されておりますが、結核患者以外の一般患者を担当する医師等に対して、結核患者を担当する医師等と同じ調整数を適用する取扱いになっておりますのは、調整数が結核感染の危険性など職務の困難性を考慮して設けられていることからみて適切ではないので、医師等の勤務実態に即した俸給の調整が行われる要があると認められました。 この点について当局の見解をただしましたところ、厚生省では、関係当局と協議を行い、療養所における調整額については、医師等の勤務実態に応じて、調整数の適用を従来の療養所単位から病棟単位に改めて、六十二年度から実施する処置を講じたものであります。 なお、以上のほか、昭和五十九年度決算検査報告に掲載いたしましたように、資産保有者に対する生活保護並びに厚生年金及び国民年金の支給の適正化について、それぞれ処置を要求いたしましたが、これらに対する厚生省の処置状況についても掲記いたしました。 以上をもって概要の説明を終わります。 ………………………………… 昭和六十年度決算環境衛生金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十年度環境衛生金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ………………………………… 昭和六十年度環境衛生金融公庫の業務の概況 一、環境衛生金融公庫の昭和六十年度の概況につきまして御説明申し上げます。 昭和六十年度の貸付計画額は、一千八百五十億円を予定いたしました。 その原資としては資金運用部資金の借入金一千九百五十二億円から借入金債還等百二億円を控除した一千八百五十億円を充てることといたしました。 これに対しまして、貸付実績は、一千五百三十六億円余でありまして、これを前年度と比較いたしますと、七・一パーセントの城となっております。 二、次に貸付残高について、御説明申し上げます。 昭和五十九年度末における貸付残高は、六千九百四十五億円余でありましたが、昭和六十年度中に一千五百三十六億一千万円余の貸付を行い、二千百三十一値八千万円余を回収いたしましたので、昭和六十年度末においては、六千三百四十六億八千万円余となっております。 三、次に貸付金の延滞状況について御説明申し上げます。 昭和六十年度末におきまして延滞後六ケ月以上経過したものが二百七十二億二千万円余でありまして、このうち一年以上のものは、二百四十二億九千万円余で総貸付金残高の三・八パーセントとなっております。 四、次に昭和六十年度の収入支出決算について御説明いたします。 昭和六十年度における収入済額は五百九十二億二千万円余、支出済額は五百九十三億円余となりました。 まず、収入の部におきましては、本年度の収入済額は五百九十二億二千万円余でありまして、これを収入予算額六百億七千万円余に比較いたしますと、八億五千万円余の減少となっております。 この減少いたしました主な理由は、貸付金利息収入が予定より少なかったためであります。 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額六百二十一億八千万円余に対し、支出済額は五百九十二億円余でありまして、差引き二十八億七千万円余の差額を生じましたが、これは借入金利息等が予定より減少したためであります。 五、最後に昭和六十年度における損益について申し述べますと、本年度の貸付金利息収入等の総利益は六百八十四億円余、借入金利息、事務費、業務委託費、滞貨償却引当金繰入等の総損失は六百八十四億円余となりました。 この結果、利益金は生じなかったので国庫納付はありませんでした。 以上が昭和六十年度における環境衛生金融公庫の業務の概況であります。 なにとぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます —————————————
○堀之内委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。自見庄三郎君。
○自見委員 人生八十年時代、昭和二十一年は平均寿命が五十一歳だったかと思うわけでございますが、厚生大臣御存じのように大変な長寿社会を迎えたわけでございます。これは大変に喜ばしいことであります。 日本の医療システムというのはいろいろな問題がございます。また、克服せねばならない問題も多々あるわけでございます。トータルとしては本当に官民力を合わせて大変すばらしい歴史上の金字塔を築き得たというふうに私は思うわけでございます。しかしながら、今後、人生八十年、高齢化社会を迎えるわけでございまして、医療需要の増大あるいは多様化、医療の高度化等の時代も踏まえて、そういった人生八十年の長寿社会を指向して国民に適切な医療をあまねく確保するということで、御存じのように近年医療法の改正をやらせていただいたわけでございます。そういった、いわゆる地域の体系立った医療供給体制の整備の推進ということを目的とする都道府県の医療計画の策定、また医療法人に対する指揮監督等に関する規定についてもいろいろ整備が行われたところでございます。 医療というのは基本的に人の命にかかわることでございますから、人の命は地球よりも重たいという表現もあるように大変大事な価値でございますし、また世界各国共通して自分の健康を願わない人はいませんし、ましてや自分の子供なり親の健康を願わない人間というのは、地域、社会、文化、文明は違いましても願わない人間はいないというふうに思うわけでございます。健康というものの持っている価値そのものは最大公約数的な、人類に共通の貴重な価値だというふうに思うわけでございます。 医療の一線におきましては、医者と患者さんあるいは医療スタッフとの人間的な信頼関係が基本だというふうに私は思うわけでございます。医療というのは御存じのように大変公共性があるわけでございますし、やはり人命にかかわることでございますから大変貴重であると同時に、医療人あるいは医療機関におきましても大変高いモラルが要求されるというふうに私は思うわけでございます。そういった中できょうは御質問をいろいろさせていただきたいわけでございます。 現在、租税特別措置法に特定医療法人という制度がありますが、これは大蔵省にお聞きするべきものかと思いますけれども、特定医療法人の数、また特典について簡潔に御説明いただきたいと思うわけでございます。
○田村説明員 お答え申し上げます。 まず特定医療法人の数ということでございますが、現在百七十五ございます。 それから恩典ということでございます。特定医療法人の承認を受けた場合には、先生御承知のように、法人税率の適用におきまして相違がございます。医療法人は普通法人、一般の法人扱いでございますので税率はただいま四二%ということになっておりますが、特定医療法人に認定されますと二七%が適用されます。したがって一五%の相違があるわけでございます。また、個人が例えばその特定医療法人に寄附をしたというような場合におきましては、その寄附した財産につきまして、国税庁長官の承認を受けた場合には、譲渡所得の非課税制度、そのような恩典がございます。
○自見委員 認可要件についての御質問もあったのですが、認可要件と申しますか、そのことについて簡潔にお答えいただきたいと思います。
○田村説明員 特定の医療法人と申しますのは、そもそもその財団たる医療法人あるいは社団法人で持ち分の定めがないものでございまして、その事業が医療の普及及び向上あるいは社会福祉への貢献、そのほか、公益の増進というものに著しく寄与する、かつ公的に運営されていることについて一定の要件を満たすものとされておりまして、その認可要件の一定の要件という御質問でございますが、例えば診療報酬の額が妥当であるとか、あるいは運営組織が適正でありまして同族支配的な運営がなされていないとか、あるいは役員、親族等に対しまして財産の運用及び事業の運営に関し特別の利益を与えていないとか、あるいは法人が解散する場合その残余財産は国とか地方公共団体または同種の医療法人に帰属することとされていることとか、あるいは医療に関する法令に違反する事実そのほか公益に反する事実がないといったようなことが要件とされております。
○自見委員 そういいますと、要するに公益性の著しく高い医療機関に限って、公的に運営されていることを担保といたしまして、そういったことで許可される。そのかわりに、租税特別措置法によりまして四二%の法人税が二七%、一五%ですか軽減される。今、非常に税の問題は国民の関心を呼んでおります、御存じのように。一五%軽減する。しかし、本当に公共性のある、そして本当に公的に運営されていることについてそういったいろいろな要件を満たした場合に許可できるということでございまして、今百七十五、全国にあるということでございます。 ところで、この医療法人あるいは医療に実際にかかわる人のモラルと申しますか、そういったことで近時いろいろなエピソードがあるわけでございまして、そのたびに私も大変心を痛めるわけでございます。医療というのは基本的に自律性、あるいは福祉というのは、何と言いますか、善意であるという前提にある程度立っている、私は福祉制度というのはそういう制度ではないかと思うわけでございます。それを、まあいろいろな制度がございますから、そういったものを何か内部から利用する、時々そういったことが新聞紙上をにぎわすわけでございます。そういったことは自律的に、まずモラルの問題として厳しく規制していく必要がある。医療人も、また医療界も規制していく必要があると思うわけでございます。 しかしながら、近時いろいろなことが起こってきたわけでございまして、そういったことで今度の医療法で医療法人の、さっき申しました指揮監督というふうな、そこをある程度整備して、場合によっては公権力によって指導させていただくというふうになったと私理解しておるわけでございますけれども、厚生省御当局、それでよろしゅうございましょうか。
○竹中政府委員 医療法人は我が国の医療にとりまして大変重要でございますので、前回の医療法改正の際にお願いを申し上げまして、医療法人の自律性を高めるためのいろいろの規定を盛り込ませていただいたということでございます。
○自見委員 今私が話題にしました特定医療法人でございます。それは公益性の高い医療法人、たくさんございます。その中で、今全国でわずか百七十五ですか、ということでございます。大変公益性が高いという答弁でございましたが、厚生省としても当然そういうふうに御認識でございますか。
○竹中政府委員 そのとおりでございます。
○自見委員 今百七十五のその特定医療法人の中に徳洲会及び沖縄徳洲会の二法人があるというふうに聞いておりますが、もしあれば、その医療法人としていつ許可されたのか、理事長はどなた様なのか、また行政当局が把握している実態についてお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○竹中政府委員 医療法人徳洲会でございますが、これは昭和五十年一月に医療法人を設立いたしまして、五十六年四月に特定医療法人の認可をとっております。理事長は徳田虎雄氏でございまして、現在、北海道から鹿児島県の九都道府県にわたりまして十五病院を開設、三千八百八十九床の病床を保有しております。 それから医療法人沖縄徳洲会でございますが、昭和五十二年六月に医療法人を設立いたしまして、五十六年四月に特定医療法人となっております。理事長は同じく徳田虎雄氏でございまして、現在、沖縄県等四県にわたりまして四つの病院を開設いたしております。病床の総数は八百九床でございます。
○自見委員 大変公共性の高い、公益性の高いという病院で特定医療法人というものの中に、徳洲会及び沖縄徳洲会というのがあるという答弁でございました。 ここに新聞がございます。これは昭和五十九年の九月二十六日の朝日新聞において、これは新聞報道でございますが、八尾徳洲会病院の基準看護の不正申請と看護料の不正受給が報道されておるわけでございます。また、昭和六十一年の三月二十八日のサンケイ新聞によれば、八尾徳洲会病院において基準看護料を不正に受給した金額についての返還命令が下されているという報道がなされております。 事件の概要と、その処分はどうなっているのか、行政当局の御説明をお願いいたします。
○下村政府委員 大阪の八尾徳洲会病院でございますが、ただいま御質問にございましたように、昭和五十九年九月二十六日、基準看護の承認申請に当たり不正の届け出がなされていをという新聞報道がございまして、これをきっかけにいたしまして、大阪府におきまして数次にわたり調査を行うとともに、昭和六十一年の二月十二日に監査を実施いたしました。その結果、承認に必要な看護要員数を満たしていますが、正看護婦の数が不足しているという期間があるということが判明いたしたわけでございます。大阪府におきまして、看護要員が不足する期間の基準看護料を返還させるという措置をとりまして、昭和六十一年三月二十八日付で戒告措置をとったわけでございます。
○自見委員 一億二百万の返還命令をしたということですね。戒告処分をしたということでございますか。
○下村政府委員 そのとおりでございます。
○自見委員 いわゆる基準看護料の不正受給によって一億円以上の返還を求められた例は、ごく常識的に、一億円の基準看護科の不正受給というわけでございますが、大変額としては大きい気がするわけでございます。我々あるいは地方公共団体、あるいはいろいろな保険者の掛けた大変貴重な健康保険のシステムの中の一環でございますから、一億円以上というのは私にとっては大変高額だというふうな気がするわけでございますけれども、これまで一億円以上の返還を求められた例は何件ほどあるのでございましょうか。
○下村政府委員 取り消し処分に至っていないようなものもございますので、全般の状況を必ずしも把握しているわけではございませんが、私どもの把握している限りでいいますと、基準看護に係る不正請求で一億円を超え取り消し処分を受けましたのは、最近では昭和五十八年に一件、石川県で三億三千万円という事例がございます。一億円を超える大規模なものは極めてまれな例ではないかというふうに考えております。
○自見委員 今局長の答弁でも五十八年に一件あったということでございますから、極めてまれだという御答弁があったわけでございます。徳洲会の場合は戒告処分であったが、非常にまれだということでございます。この基準看護科の不正受給によって一億円以上返還されたということは非常にまれだということを今局長が言われたわけでありますけれども、厚生大臣としてはどういうような御意見または御感想をお持ちでございましょうか。
○斎藤国務大臣 医療法人、特にまた特定医療法人等につきましては、公益性の非常に高いものでありますし、また良質な医療を国民に提供しなければならないというものであるわけでございます。そういう法人が医療関係法律また関係の法令に違反するというようなことは、また社会的な批判を浴びるということは大変遺憾なことでありまして、私どもといたしましても適正に厳しく指導監督を強めてまいらなければならないというふうに考えております。
○自見委員 わかりました。大変指導監督を強めていかなければならない。本当に厚生大臣の胸の痛むような御答弁であったと私は感じるわけでございます。 それでは、大蔵省にお聞きしたいのですが、租税特別措置法施行令の法人税率の特例の適用を受ける医療法人の要件等の第三十九条の二十六の六、さっき御答弁がございましたが、設立するときの認可要件といたしまして「当該法人につき医療に関する法令に違反する事実その他公益に反する事実がない」ということが認可要件の一つになっておるようでございます。そしてなおかつ、特定医療法人としましたという場合、途中で、その後から認可要件と変わってきた場合あるいはいろいろなことを起こした場合、これは租税特別措置法の第六十七条の二の二によりまして「大蔵大臣は、前項の承認を受けた医療法人について同項に規定する政令で定める要件をみたさないこととなったと認められる場合には、そのみたさないこととなったと認められる時までさかのぼってその承認を取り消すものとする。」こういうふうに書いてあるわけでございます。大変公益性が高くても、設立のときにはそういったものを満たしておいても、後からその設立の要件を満たさなくなったという場合には承認を取り消すものとするというふうな条項があるわけでございます。ですから、何も私は、特定の医療法人というものは一遍設立してしまえばその後は一当然そういった設立要件、基本的に信頼関係が大事でございますから、そういったものがもう明らかに崩れた場合には承認を取り消すものとするという条項があるわけでございます。そこで、今厚生省当局からございました医療に関する法令に違反する事実という条文に該当するのじゃないかというのが私の質問でございます。
○田村説明員 特定医療法人に関連いたします租税特別措置法の関係につきましては、ただいま先生からお話があったとおりでございます。したがいまして、認定要件の一つでございます「医療に関する法令に違反する事実その他公益に反する事実がない」ということが前提でございますので、そのような事実があれば適切に対処するということになろうかと思います。 ただ、個別の法人につきまして具体的なお答えをするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げれば、特定の医療法人が、冒頭御質問ございましたいろいろな承認要件、六つほどございますが、それらの要件を満たさないということになりました場合には、所轄税務署長から国税局長そして国税庁長官を経由いたしまして大蔵大臣に申報することとされております。したがいまして、いすれにいたしましても、特定医療法人につきましては、承認要件に違反する事実があるかどうかにつきましていろいろな角度からその把握に努めているところでございまして、もしそのような要件違反があるということであれば適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○自見委員 今大蔵省が言われたのは多分昭和三十九年の十二月二十五日に出ている国税庁の長官通知の五じゃないかと思うのですが、その内容で、税務署長は、大蔵大臣の承認を得た医療法人が承認基準に該当しなくなった場合には、その事実を国税局長及び国税庁長官を経由して大蔵大臣に申報するものとするという長官通知があるわけでございます。そのことでございますか。——そのことでございますが、しかしながら、私はごく常識的に考えまして、これは税務上のことでございまして、医療に関することは、これは承認基準運用の六の(二)というところで、都道府県知事の証明した事項、医療関係法令に違反する事実がないということが事実と反している場合あるいは事実と反していると認められる場合は大蔵省と厚生省との協議の上で処理することとするから、その事情を大蔵大臣に上申することというのが実はあるわけでございまして、今私が申し上げましたが、医療関係法令に違反する事実があれば、これは税務署長ではなくて厚生省と協議するということに通知あるいは承認基準の運用の六の(二)でなっておるのではないですか。
○田村説明員 先生のただいまの御質問、特定医療法人承認基準の運用六の(二)の件に関しましては先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、御指摘のこの件につきましてはこれまでのところ厚生省との間で協議は行ったことはございません。
○自見委員 さっき厚生省の保険局長さんから、非常にまれなんだ、一億円以上の基準看護料の不正受給というのは非常にまれなんだという話が実はあったわけでございまして、厚生大臣もそういったことは非常に胸が痛むという御答弁をされたわけでございます。こういった何年間に一遍かしかないような不正受給の額、一億以上の返還命令が出たのを大蔵省と厚生省は協議してないということでございますか。これは大蔵省でございますから、厚生省も協議してないのかどうかお聞きしたいと思います。
○竹中政府委員 御質問の徳洲会に関しまして、今お話しの事項に基づきました両省間の協議は現在まだ行っておりません。
○自見委員 これは医療法上あるいは健康保険、保険というのはある意味で契約のような側面もございますから、必ずしもそこら辺が明確でないところがあるかもしれませんけれども、まあ私の率直な感じといたしまして、そういった不正受給が明らかになって行政処分を受けた、戒告だということで大蔵省と厚生省が協議しないということは、ちょっと私は素朴な感情としていかがなものかと思うわけでございます。厚生大臣、どうでございましょうか。
○竹中政府委員 実は、先生のお話の都道府県知事の証明事項の中に、医療に関する法令に違反の事実はあるかないかということを証明することになっておりまして、徳洲会に関しましても該当の知事がそういう証明をしておる。 そこで、医療に関する法令に違反の事実はあるかないかという場合の医療に関する法令とは何かということにつきまして、実は昭和四十年に医務局長通知が出されております。その内容を申し上げますと「医療監視の結果、医療法違反の事実がないと認められるときに行なうことを原則とするが、麻薬取締法、医師法等に違反の事実が確認されている場合には証明を行なわないこと。」という通知を出しておりまして、つまり、健康保険関係の法令違反についてはこの部分は該当しないという趣旨の通知が出ておるわけでございます。
○自見委員 これは厚生大臣にお聞きしたいのですが、要するに医療関係法令というのは医療法を原則とするのだということでございまして、健康保険法に関することは原則として医療関係法令に違反する事実という範疇に含まれないということでございますね、厚生大臣。 それで、今の私の質問ですけれども、これは昭和四十年に出た。今六十二年だから十二年前でございますが、大変国民の健康を祈る気持ちと同時に、さっき申し上げましたように医療は非常に高度化し専門化し多様化してきたわけでございます。医療関係法令といえば当然医療法が原則でございましょう。この中にやはり健康保険法も入れる必要があるのではないかと私は思うわけでございます。
○竹中政府委員 昭和四十年の通知は先ほど申し上げましたとおりでございますが、先生の御指摘を踏まえて十分検討させていただきたいと思います。
○自見委員 踏まえて検討していただく、大変貴重な御答弁をいただいたわけでございますが、もしこれがそういったことに入るということになれば、自動的に徳洲会病院の場合は、最初の設立要件が医療関係法令に違反する事実がないということに抵触するわけでございますから、当然特定医療法人の許認可について変わってくると考えてよろしゅうございますか。
○田村説明員 特定医療法人の承認要件といたしまして、先生御指摘のとおり「医療に関する法令に違反する事実その他公益に反する事実がないこと。」とされておりますから、そのようになればそのような取り扱いになろうかと思います。
○自見委員 ありがとうございました。そういうふうに変更すれば当然健康保険法のいわゆる基準看護科の不正受給の問題も範疇に入ってくるという御答弁であったというふうに私は認識するわけでございます。 さて、次の質問に移りますが、いわゆる鎌倉の徳洲会病院についてお聞きしたいと思うわけでございます。 昭和六十二年三月十九日に開設許可された湘南鎌倉病院は、当初特定医療法人徳洲会が開設する予定であったが、結局個人の開設になったというふうに聞いておるわけでございますけれども、その経緯はどんなものか御説明をいただきたいと思います。
○竹中政府委員 湘南鎌倉病院の開設につきましては、昭和六十一年六月から医療法人徳洲会が神奈川県と事前協議を続けてきたわけでございます。本年の二月に至りまして個人盛岡正博氏、埼玉県羽生市在住の方でございますが、盛岡正博氏個人がこの病院を開設したいということを県に申し出たわけでございます。神奈川県といたしましては、この間の経緯も踏まえまして審査を行った上で、本年の三月十九日に盛岡氏個人に対し開設許可を与えたというふうに聞いております。
○自見委員 そういった御説明でございますけれども、湘南の鎌倉病院は個人病院であるが実態は特定医療法人徳洲会が開設しているのではないでしょうか。
○竹中政府委員 先ほど申し上げましたように、湘南鎌倉病院は、当初医療法人徳洲会が開設を計画しておったわけでございますが、計画の中途におきまして開設主体が個人に変更されたということでございます。神奈川県といたしましても、この経緯を踏まえまして慎重に審査を行いました結果、事業計画や資金計画も適正でございまして、申請していた盛岡氏がみずからの責任のもとで運営するものであるというふうに判断をいたしまして開設許可を与えたという御報告をいただいておるところでございます。
○自見委員 医療法が改正になりまして、徳洲会というのは二つの県余にまたがる医療法人でございますから、定款の変更には当然厚生大臣の許可と申しますかが必要だというふうに私は認識しておりますし、また医療法人の資産要件についてきちっと、これは百分の二十でございますかというふうになったと私は記憶しておるわけでございますが、このことと関係があるわけでございますか。
○竹中政府委員 前回の医療法改正におきまして、一つの医療法人が複数の都道府県にわたりまして病院を開設をする場合には、従来は都道府県知事、最初の病院の設置をする都道府県の知事が認可権者であったわけでございますが、医療法改正によりまして、今申し上げましたように複数都道府県にまたがる場合は厚生大臣の認可に係るということに改正をされたわけでございます。ただ、従来からございます医療法人につきましては、医療法改正後新たに別の都道府県に病院を開設するときに初めて厚生省の所管に所管がえをするということになっておるわけでございます。したがいまして、徳洲会、沖縄徳洲会も含めまして、現在は厚生省の所管にはなっていない、それぞれの大阪府知事及び沖縄県知事の所管になっておるわけでございます。 それから、徳洲会の資産要件でございますが、ちょっと今数字を持ち合わせておりませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。
○自見委員 何と申しますか、医療法人がそれまではずっと開設の願いを出していたけれども、これは私が聞いたところによると、直前になりまして個人に切りかえるということでございまして、私は、どうも許可というのは、局長の説明は説明としてお聞きをさせていただきましたけれども、許可というのは、やはり医療法の基本的な精神があるわけでございますから、実態に立脚して与えるべきでないかというのが私の意見なんですけれども、どうでございましょうか。
○竹中政府委員 最近、例えば営利を目的としているかしていないかというような論議に絡みまして、つまり株式会社が実際上病院の開設計画を立てる、ところがそれは医療法に抵触するわけでございますので、形の上で個人の開設に切りかえるというような事例も実は出でまいっておるわけでございます。そういったことに関連をいたしまして、私ども、本年の六月二十六日付で各都道府県に対しまして、開設申請者が実質的に運営の責任主体たり得ないおそれがある場合におきましては十分慎重に審査を行うよう通知をいたしておるところでございます。今後ともその点の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。
○自見委員 適切に運用していきたいという局長の御答弁でございますから、しっかりやっていただきたいと思うわけでございます。 次は大蔵省の方にお聞きしたいのです。さっきの特定医療法人の承認基準という件でございますが、「その他公益に反する事実がない」ということが書いてありますけれども、この公益の中に脱税が含まれるのかどうか、それをお聞きしたいのです。
○田村説明員 今の御質問でございますが、要件といたしまして「医療に関する法令に違反する事実その他公益に反する事実がないこと。」ということでございますが、特定医療法人の承認要件及びその後の実態把握につきましては十分努めておるところでございまして、公益に反するということにつきましても、広い概念でございますのでいろいろな角度から検討してまいらなければならないと考えております。 脱税ということも、その脱税が例えばどのような不正の内容であったのか、あるいはその方のこれまでの申告事績といいましょうか、税務の申告事績はどうであったのかというようなことなどを総合的に判断しながら、公益に反しているかどうかを判断するということになろうかと思います。脱税を幾らしたからどうであったかということだけではなくて、その全体の内容とかこれまでの申告事績とか、そういうようなことを全部勘案しながら公益に反しているかどうかということを判断している、そういうことでございます。
○自見委員 今の答弁によりますと、脱税の程度と申しますか、いろいろございましても、そういった公益に反するということに脱税ということが入るということでございますね。それはいろいろ程度の問題はありますよ。ありますけれども、一般的な概念として公益に反するといえば、これは常識的にも脱税というのは非常に公益に反する行為でございますから、公益に反する事実ということに一般的概念として当然脱税は入るわけですね。
○田村説明員 先生のおっしゃるような御理解で結構だと思いますが、一言申し上げておきますと、脱税といいましても非常に幅の広い言葉でございますので、例えば、多少の過少申告加算税を取ったとかそのような事例の場合もありましょうし、あるいは言葉の厳格な意味で脱税ということでございましたら、先生おっしゃるように入ると考えてよろしいと思います。
○自見委員 ちょっと前に戻りますけれども、昭和三十九年の十二月二十五日の国税庁長官の通知の五で、税務署長は、大蔵大臣の承認を受けた医療法人が承認基準に該当しなくなった場合には、その事実を国税局長、国税庁長官を経由して大蔵大臣に申報するものとするとあるが、さっきこういった通知が存在するということでございました。そして、そういった場合は大蔵大臣に申報しなければならないというふうに書いてあるかと思うのですが、特定医療法人一般的な話でございます、今までにこの通知を採用して大蔵大臣に申報してきた例があるかどうか、お知らせいただきたいと思います。
○細田説明員 先ほど来御説明がございますように、税務調査の過程で特定の医療法人につきましてその承認要件に抵触すると思われるような事実を把握した場合、この場合には税務当局としましてその事実を適宜大蔵大臣の方に連絡する体制となっております。 お尋ねの件は、これまで何件ぐらいやったのかということかと思いますが、こういうような連絡は必要に応じて適宜行うということになっておりまして、過去どの程度の連絡をしたかどうかにつきましては私必ずしも定かに把握してございませんけれども、ただ感触として申し上げますと、特定の医療法人の承認は大蔵省におきまして厳格な審査のもとに行われていると聞いておりますので、税務調査等で承認要件に抵触する疑いのある事実を把握するケースは余り多くないというふうな感じはいたします。
○自見委員 必要に応じて適宜行っている、しかしながら印象としては余り多くないというふうな御答弁だと思います。 それでは、過去三年間と申しますか、昭和六十年度、六十一年度、六十二年度の特定医療法人徳洲会の法人所得状況についてお知らせいただきたいと思います。
○細田説明員 お尋ねの医療法人徳洲会の法人所得ということでございますが、公示されました所得金額で申しますと、周知六十年三月期が十六億六千八百万円、六十一年三月期が十一億六千五百万円、六十二年三月期が五億二千百万円、こういうふうになっております。
○自見委員 今、過去三年間のそういった法人所得の状況について国税当局の方から公示をしているということで御発表があったのだろうというふうに認識するわけでございますけれども、要するに、特定医療法人に承認されたわけでございますから、さつきのように法人税が四二%から一五%下がったわけでございますね。租税の優遇措置があるわけでございます。その租税特別措置法によって特定医療法人に承認されたがゆえに、昭和六十年、六十一年、六十二年、今の法人所得税がどれくらい減免されたのか。あらかたな計算でよろしゅうございますが、それについてお答えいただきたいと思うのです。
○細田説明員 おっしゃるとおり、税率で一五%、ポイントの差がございます。したがいまして、仮に、先ほど申し上げました公示所得金額、この三年合計で約三十三億余りかと思いますが、これにこの一五%を乗じますと三期合計で約五億円、これが軽減されておるということになろうかと思います。
○自見委員 その公益性が高いあるいは公共性が高いということによりまして、この特定医療法人徳洲会は約五億円の法人所得税を軽減したということでございますね。 これは税務当局の話でございますから、私も、個別の案件についではいろいろ、租税でございますから当然守秘義務というのがあるだろうということも一面においては理解できるわけでございます。新聞報道によりますと、昭和六十一年二月十五日の朝日新聞によれば、あくまでこれは朝日新聞の報道でございます。これによれば、徳洲会において五億円もの脱税が発覚をしたとの報道があるわけですが、これが仮に事実だとすれば、このことはやはり公益に反する事実じゃないかというふうに私は思うわけでございますけれども、このことにつきまして大蔵省当局に、こういった事実関係があったのかどうかということをお聞きしたいわけでございます。
○細田説明員 ただいま先生御指摘の新聞記事でございますが、この新聞報道の事実につきましては私どもも承知をしておるわけでございますけれども、何せ個別の問題にかかわる事項でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 一般論として申し上げますと、国税当局といたしましては、いろいろな資料、情報、部内の収集しておりますいろいろな資料、こういったものと納税者から提出されました申告書を総合検討いたしまして、課税上問題があると認められた場合には実地調査を行って、その結果に基づいて適正な課税処理をするということでございます。 重ねて申し上げますけれども、お尋ねの件に関しましては、個別にわたる事項でございますのでちょっと答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○自見委員 個別のことだから答えにくいという大蔵当局の御答弁でございますが、これは極めて公益性が高い、公共性が高いということですね。特別に厳しい要件を満たしたものだけがこの軽減の恩典を受けるということでございます。今の御発表によりましても、三年間で約五億円の減免金額をこの特定医療法人はいただいたわけでございますね。そういった、法人の場合等もいろいろあるのでしょうけれども、大変公益性が高いものでございますから、個別のことは答えにくいという基本的なことも私はわからないわけじゃないのでございますけれども、しかしながら、このことにつきましてもう一度お尋ねします。大変公益性が高い特定医療法人のことでございますから、なおかつ、これは天下の朝日新聞がこういうふうに報道しておるわけでございます。そのことについて、そういった事実があったかどうか、もう一度重ねてお聞きしたいと思います。
○細田説明員 本件に関しましては、また同じことでございますけれども、言葉をかえて申し上げますれば、私ども税務調査を担当する者には、一服公務員よりさらに重加された守秘義務というのが税法上設けられておるわけでございます。これによりまして納税者とその秘密を知り得る立場にある税務職員との信頼関係が保持されており、ひいてはこれが適正、公平な課税の実現あるいは申告納税制度の維持、こういったものにつながっているわけでございまして、そういった事情をひとつよく御理解いただきまして、その辺につきましてはよろしく御容赦いただきたいと思います。
○自見委員 まあそういう御答弁でございますかり、これから先は私はもうそのことについては質問を——個人のプライバシーということですが、やはり公共性、公益性が高いんだ、そのために租税特別措置法によって一五%も税金をまけているわけでございますから、要するに、貴重な国民の税金をまけでいるという公共性があるわけですから、私は、個人の場合と一律に論じるのはいかがなものかというふうな気がするわけでございます。 しかし、それはそこにおきまして、今度は一般論でございますけれども、さっき大蔵の方からいろいろな御説明がございました。一般的に、どの程度の脱税状態があったら特定医療法人の認可を取り消すのか、その点について御質問したいと思います。
○田村説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げたことの繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、一定の金額、これ以上の金額であれば承認を取り消す、これ以上の金額でなければよろしいというような、そういう具体的な金額基準というようなものは特に定めておりませんで、やはりそれは、先ほど申し上げたような不正の内容とかあるいはこれまでの申告事績とか、そういうこと全体から判断いたしまして公益に反しているかどうかというようなことの判断ということになりますので、金額基準というものはございません。
○自見委員 もう一度お尋ねしたいのですが、要するに、さっき私が申しました国税庁の長官通知により申報した例があるのかということを、実は特定医療法人についてお聞きしたわけでございます。必要に応じて行っている、しかし余り多くはないという御答弁だったというふうに思うわけでございますけれどもね。これはあくまで新聞報道でございますが、なおかつ今、個別の報道については個別のことであるから答えにくいという答弁でございます。それから先には行かないわけでございますけれども、この徳洲会の問題について大蔵大臣に対する申報があったかどうか、これをお知らせいただければと思うわけでございます。
○田村説明員 先ほど国税庁の方から答弁がありましたとおりでございまして、個別の事案でございますので、差し控えさせていただきたいと思います。
○自見委員 わかりました。私は、さっきも申しましたように、公益性という問題で大変不満でございますけれども、やはりそういった答弁でございますから、先へ質問を変わらせていただきたいと思うわけでございます。 昭和五十九年の新聞報道でございますが、鹿児島県の瀬戸内町の町長選挙においで徳洲会の職員が四名、公職選挙法違反でございますかで逮捕され、また六十一年七月の衆議院選挙において徳洲会職員九名が逮捕された旨のマスコミ報道がなされておるわけでございます。これはあくまでマスコミ報道でございますが、これは事実でしょうか。これは警察庁にお聞きしたいのです。
○垣見説明員 お尋ねの件につきましては、鹿児島県警察において、それぞれの選挙におきまして御指摘の職員を逮捕し、現金買収容疑事件等で検挙がされた旨の報告を受けております。
○自見委員 この新聞報道によりますと、本件捜査の過程で徳洲会の医療相談所数カ所が家宅捜査を受けているということでありますが、事実でございましょうか。
○垣見説明員 御指摘のように、公職選挙法違反の容疑で家宅捜索を実施している旨の報告を受けております。
○自見委員 医療相談所が家宅捜査を受けたということでございます。 それでは法務省の方にお聞きしたいのですが、今警察庁の方から答弁があった事件について、その後の判決はどのようになったか、御答弁をお願いしたいと思います。
○石川説明員 お尋ねの件でございますが、委員のお申し出になりました人数と若干違いがありますが、これは私どもの確認したところで御報告申し上げます。 まず、瀬戸内町の町長選挙でございますけれども、これは五十九年九月の瀬戸内町町長選挙に関しまして、房弘久候補の選挙運動者九名、うち身柄五名を、これは逮捕されたという意味でございますが、公職選挙法違反の現金供与または現金供与の申し込みの事実で受理しました上、このうち六名を公判請求いたしまして、その余の三名を路式請求いたしました。その裁判はいずれも有罪で確定いたしております。 次に、衆議院選挙の方でございますが、これは六十一年七月の衆議院議員選挙に際しまして、徳田虎雄候補の選挙運動者十四名、うち身柄が十二名でございますが、これを公職選挙法違反の現金供与または現金供与の申し込み等の事実で受理しました上、このうち十一名を公判請求いたしまして、その余の三名を略式請求、その裁判はいずれも有罪で確定いたしておるのですが、ただ一名のみ上訴しておるということでございます。
○自見委員 今警察庁及び法務省から、選挙違反で、多数の徳洲会職員がそういった公職選挙法違反の罪に問われたということでございます。 政治活動の自由というのは我が日本国民主主義の当然の基本でございます。しかしながら、この問題点は、公益の増進に著しく寄与し、かつ公的に運営されているべき特定医療法人の職員が、だれが見ても多数、選挙違反で逮捕されるというような事実は、特定医療法人のあるべき姿としてふさわしいかどうかと申しますと、私は、医療でございますから、なおかつ公益性が非常にあるということを認定されたような医療法人のあるべき姿としては大変ふさわしくないんじゃないかというふうに、残念じゃないかという気がするわけでございますが、これは健康政策局長に、こういった特定医療法人の職員でございます、警察庁からも職員だということは今あったわけでございます、そのことについて御意見をお願いしたいわけでございます。
○竹中政府委員 直接特定医療法人の承認の要件にぶつかるかどうかということは別にいたしまして、先生お話しのように特定医療法人は大変公益性の高いものでございますので、その法人の職員、が選挙違反を犯すということはふさわしくない、適切でないことだと考えております。
○自見委員 今、健康政策局長から、ふさわしくない、適切でないという御答弁でございました。このことにつきまして厚生大臣はどう思われますか。
○斎藤国務大臣 私もまことに好ましくないことであるというふうに考えます。
○自見委員 大臣からも好ましくないということでございました。そうしますと、行政当局といたしまして好ましくないというふうな御答弁でございますが、その先何か、いろいろな指導と申しますか調査と申しますか、そういったことをお考えでございますか。
○竹中政府委員 医療法人が適正に病院を運営するあるいは医療に関する事業を行うということは当然のことでございます。しかし、選挙違反ということで直ちに私どもがその医療法人に対して公式に指導するかどうかというのは少し検討させていただく必要があるのじゃなかろうかと思います。
○自見委員 わかりました。指導するかどうか、少し先で判断してみたいということでございますね。局長そうでございますか。——次に、昭和六十一年一月十二日のサンケイ新聞によりますと、徳洲会の理事長の徳田虎雄氏が、自分自身の選挙運動で十一億五千万円の損害を徳洲会に与えたとして大阪地検特捜部に背任罪で告発を受けたという新聞報道があるわけでございますけれども、法務省としては、これは事実でございましょうか。
○石川説明員 お尋ねの件につきましては、昨年一月十日大阪地検におきまして受理いたしまして、これは背任という罪名で来ておりますが、現在捜査中でございます。
○自見委員 捜査中でございますから、もう一点、これは基準看護の不正申請及び不正受給についてさっき私が説明したわけでございますけれども、この件に関して大阪地検に詐欺罪として刑事告発されたというふうに聞くわけでございますが、それは事実でございましょうか。
○石川説明員 お尋ねの事件につきましては、やはり昨年、六十一年でございますが、四月七日に大阪地検におきまして告発を受理しまして現在捜査中でございます。
○自見委員 この二件について捜査の進行状況、もし許せれば御説明願いたいと思います。
○石川説明員 現在捜査中の事件でございますので、どの程度進展しているかということについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○自見委員 わかりました。地検の特捜部の方に告発されているということでございますね。 それでは、実は私がきょう質問をさせていただいた特定医療法人の徳洲会の件でございますね、明らかに基準看護料の不正受給では行政処分、戒告処分を受けた、これは事実でございます。なおかつ、一億二百万円でございますか、これは返還をしたということでございまして、また私がずっといろいろなことを質問をして、この特定医療法人は医療の公共性の非常に高い特定医療法人としてはかなりな問題点が浮かび上がってきたというふうに私は感じるわけでございます。 どうもこの徳洲会病院は、特定医療法人の要件を最初満たしていた時代もあったのかもしれませんけれども、当然あったのでしょう、しかし社会福祉に貢献し、国民の医療に寄与するものから少しずれているんじゃないかというふうな率直な感想が私するわけでございます。ましていわんや、医療法の中で最も公共性が高い、全国で百七十二しかない特定医療法人、特別に大蔵大臣の許可で減免措置がある、三年間でも五億円減免措置をしていただいたというふうな病院にすると、どうもこの資格にたえ得る病院がどうか。私はこの点につきまして、どうも徳洲会の病院がそういった資格にたえ得る病院じゃないんじゃないかというふうな、いろいろ今までずっと私の質問からあるいは答弁から、そういう感じがするわけでございます。 医療でございますから、私も最初に申し上げましたように、医療というのはまず自律性というのが当然大事でございます。お医者さんと患者さんあるいは医療界の方、信頼関係が大事でございます。なおかつ、ある一定の診療をさせていただいて、その中で信頼関係の中でやっていくというのが私は医療の基本だというふうに思うわけでございまして、こういったことで何もかも規制し、あるいは指導監督を何もかもすべての医療の分野にやれというのではございません。大多数の医療界の方々、私もそういった人をたくさん知っておりますけれども、本当に大変まじめに熱心に献身的に働いておられるわけでございます。その結果として日本の平均寿命も非常に延びたわけでございまして、一番最初に申し上げましたように、いろいろな問題点はあっても、日本の医療というのはトータルとして非常に国民にも支持され、すばらしいものを築き上げてきたというふうに、また行政当局の方、医療の第一線の方々あるいは医療を支えてこられた方に私は大変深い敬意を表するわけでございますけれども、中にこういった、私が今申し上げました徳洲会の病院が明らかに行政処分を受けている、その他でいろいろな事象が出てきたわけでございますけれども、そういった病院があると、どうもほかにやっておられる方までそういった色眼鏡で見られがちだという現象が起こるわけでございますね。 この問題をまず、徳洲会の病院の方がこういったことをきちっと誠意を持って——やはりあくまでのりというものがあるわけでございますから、当然そういったことが医療の基本だと思いますから、どうものりを越えているんじゃないかというふうに、私は明らかにそういった気がするわけでございまして、こういったことになりますと、やはり特定医療法人でございますから、また医療法人でもございますから厚生省がいろいろ乗り出さざるを得ないということで、ますます医療に対する国民の不信が高まるということは、ずっと五年、十年の医療界を見て、私は大変残念なことだというふうな気がするわけでございます。 そういった中で最後に御質問をしたいわけでございますが、さっき健康政策局長がなり前向きな御答弁をされたわけでございますが、基準看護料の不正受給等、特定医療法人の許可の取り消しを検討することもあり得るんだ、将来そういうことになればあり得るんだというふうな御発言があったと思いますが、健康政策局長、それでよろしゅうございますか。
○竹中政府委員 そのとおりでございまして、医療に関する法令の中に健康保険関係の法令を取り入れるかどうかということにつきまして十分検討させていただきたいと思っております。
○自見委員 大蔵省にお聞きしたいのでございますが、今そういった厚生省当局の御答弁でございます。それでよろしゅうございますね。
○田村説明員 特定医療法人につきましては、今後とも大蔵省としても十分実態把握に努めまして、要件違反があるということであれば適切に対処してまいりたいと思います。
○自見委員 厚生省に最後にお伺いしたいわけでございます。 非常に多数の問題点、これは私はまだ問題点の一部ではないかという気もするわけでございますけれども、問題を抱える徳洲会病院について、厚生省の指導のもとに各都道府県一斉に医療監視を行うように指導すべきではないかというふうに私思うわけでございますが、どうでございましょうか。
○竹中政府委員 病院等の医療機関に対しましては、少なくとも年一回程度は医療監視員が立ち入って医療監視を行っておるところでございます。多数の病院等を開設する医療法人、あるいはまた数多くの県にまたがって医療機関を開設している医療法人の病院、これらにつきましてお話がございました各都道府県の協力のもとに一斉に医療監視を行うなど、実態に合った医療監視を行うよう努力をいたしたいと考えております。
○自見委員 そうしますと、今私は徳洲会病院に対しても各都道府県が一斉に医療監視を行うというふうに理解したわけでございます。それでよろしゅうございますか。
○竹中政府委員 同時期に一斉に各都道府県に医療監視を実施をしていただくということになるわけでございますので、その辺、関係の都道府県とも十分連絡調整をいたしまして、実施できるかどうか、私どもとしては前向きに検討させていただきたいと思っております。
○自見委員 前向きに検討するということでございますから、それを了としたいと思うわけでございます。 厚生大臣、私時間をいただきましていろいろ私の考えも述べさせていただきました。基本的に、私は医療というものはヒューマニティーがあるというふうに思うわけでございます。医療行為そのものが人の命を救う、あるいはけがした人を治療するということは、私一番最初に申しましたように、これは人類の変わらぬ非常に貴重な価値だと思うわけでございます。なおかつ、近代国家でございますから、厚生大臣として、国民の健康の保持あるいは健康の増進を図る、そして社会的にも良好な状態、定義はいろいろ健康にはございますけれども、そういったことに日夜努力されておられることに大変深い敬意を表するわけでございます。なおかつ、大多数の方々が本当にまじめにやっておられるということを私は実感として持っておるわけでございます。 そういった中で、きょうは特定医療法人の徳洲会病院の件、これは租税特別措置法の適用になっておるような、非常に公益性の高い病院でありながら、どうもいろいろな問題点が浮き彫りにされたわけでございますね。そういった点を踏まえまして、最後に厚生大臣の今後のこの問題に対する決意、そして御意見をお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○斎藤国務大臣 特定医療法人を初めといたしまして医療法人の公益性というものは非常に重要なものでありますし、また信頼関係の上に立った医療というものが何としても確保されなければならないことが強く要請をされておるわけであります。多くの医療担当者の方々の御努力によって日本の医療も非常に高い水準になり、またその結果として国民生活の安定なり健康保持ということについて大きく寄与をしていただいておるわけでありますので、特定の法人が社会的な批判を浴びることによって全体の医療の信頼を落とすというようなことは断じて避けなければならないことではなかろうかというふうに思います。 厚生省も医療指導監督等についてこれまでも適宜行ってまいっておるわけでございまするけれども、特に医療法の改正等におきまして医療監視規定というものが整備をされたわけであります。これに基づきまして厳正に対処をいたしてまいりたいというふうに思います。きょう御指摘のありました数々の問題、法令に照らし、また社会的な批判も含めて適切な指導監督を厳正に強化いたしてまいりたいというふうに思います。
○自見委員 適切に厳正に監督していきたいという厚生大臣の御答弁でございますから、お願いをしたいわけでございます。本当に国民の健康、福祉のために御尽力しておられます政治家としての先輩でもございます厚生大臣に深い敬意を表させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。長い時間ありがとうございました。
○堀之内委員長 魚住汎英君。
○魚住委員 公的な宿泊施設に対する質問を数点いたしたいと思います。的確かつ前向きな御答弁をお願い申し上げたいと存じます。 まず最初に、厚生省及び郵政省、労働省その他の省庁におきまして、国民の福祉の増進、また健全なレクリエーションを楽しみながら健康の増進を図る等々の目的をもって会館、宿泊施設等の、民間の旅館やホテルと類似の施設を設置していることは御承知のとおりでありますが、きょうは特に厚生省の施設等についていろいろとお尋ねをしてみたい、このように思うわけであります。 厚生年金は、御承知のとおり国民の大多数が、自分たちの生計を考えながらその加入の意思を持って、自分たちの将来の生活設計のために、言うならば半強制的と申しますか、そういうような形で加入をしておる年金制度でございます。ここで年金制度のよしあしを申し上げようとは思わないわけでありますけれども、それらの年金を原資として各種の事業がなされておるわけでございます。その中でもとりわけ、今申し上げましたようにそれらの年金を原資とした公的な宿泊施設であるところの厚生年金会館でありますとかサンピア何々でありますとか、そのような呼称を用いた宿泊施設等が設置をされておるわけでございますが、それらの設置の状況をまずお尋ねしたい、このように思います。
○岸本政府委員 厚生年金保険の福祉施設は、厚生年金保険法に基づきまして被保険者や受給者等の福祉の増進を図ることを目的として設置されるものでありまして、制度に対する被保険者等の理解を深め、保険科納付に当たっての協力を確保する等、制度の円滑な運営に貴重な役割を果たしているものでございます。 先生のお尋ねは宿泊施設ということでございましたけれども、お答えとして少し広く、厚生年金保険の福祉施設について申し述べさせていただきます。 厚生年金保険の福祉施設といたしましては、現在、病院、会館、老人ホーム、スポーツセンター等各種の施設がございまして、全国で八十九施設が設置運営されております。
○魚住委員 いろいろな仕事をなさっておられることは私どもも存じ上げておるわけでありますが、きょうは特にその中でも会館及び会館に類するそれらの呼称を用いた、厚生省の場合はサンピアという名前でいろいろな施設をつくっておられるようでありますが、それらのことについてお尋ねを絞ってしていきたい、このように考えておりますので、よろしくお答えをいただきたい。 この施設は、加入者への福利還元というものを主体として幅広く利用されておるようでございます。とりわけそういうようなことがきょうの趣旨であります民業の圧迫につながっていく、またそれぞれ今日まで数多くの地元の既存の業界との摩擦、それらのことを生じておることも熟知しておるわけでございますが、まず最初に現在の施設、とりわけ宿泊施設を含む利用状況はどういう状況にあるか、またそれらの利用状況が、特に民業を圧迫するという観点からきょうは質問をしておるわけでありますから、言うならば本来の趣旨に、今答弁がありました年金保険法の趣旨に従ったものではない利用状況が見受けられはしないか、そのような心配もするものでありますが、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○岸本政府委員 厚生年金保険の福祉施設は幅広く御利用いただいております。ちなみに六十一年度の実績で申し上げますと、厚生年金会館では九百六十六万人、それからサンピア等の宿泊施設でございますけれども、これは定数がございまして数としては比較的少ないわけでございますけれども、全体としてスポーツ施設の一環をなしているわけでございますので、スポーツ施設等を含めた利用者といたしますと一千万人、それから病院では百九十三万人ということになってございまして、各施設の利用者の総数は二千百万人を超えるというように幅広く御利用をいただいているわけでございます。
○魚住委員 それらの施設の中に宿泊施設を持っておるというのは今お尋ねをしたとおりであります。年間九百六十六万の利用者がある、こういうお答えがあったわけでございますが、民間との競合という観点から臨調でも答申をなされたように理解をしておりますし、また総務庁も行政監察を行っている、このような認識をしておるわけでありますが、行政監察の結果どのような勧告をなされ、地元との調整をどういう形で期待されておるのか、これらについてお尋ねをいたしたいと思います。
○西村説明員 お答えいたします。 総務庁では昭和五十七年一月から三月にかけまして国と特殊法人が設置いたします宿泊施設の設置運営に関しまして行政監察を行っております。その結果、改善を要する事項につきましては、昭和五十八年九月十六日に厚生省、労働省等に勧告しております。 監察の結果では、国や特殊法人が設置いたします宿泊施設の中には、民間の宿泊施設が既に整備されているところが多くて一部の地域で民業圧迫というようなことで地元の旅館組合等と紛争を生じましたり、あるいは既設の民間宿泊施設の宿泊利用率が減少しているというような例が見られておりますので、これらの施設を新設する場合には、臨調答申等の趣旨を踏まえまして民間と競合するものについては原則として行わないこととする必要があるという勧告をしております。そのほか、利用低調な施設を廃止するとか、員外利用料金の適正化等についても勧告しております。 なお、臨調では特殊法人等が設置いたします会館、宿泊施設につきまして、民間と競合するものの新設を原則として中止するとともに、既存施設につきましても運営の民間委託を進める等、経営の効率化を進めることを答申しております。政府はこれを受けまして、昭和五十八年五月二十四日に、民間と競合する会館、宿泊施設等の新設を原則的に中止するとともに、既存施設の運営の民間委託等を進めることを閣議決定しております。 以上でございます。
○魚住委員 今お答えをいただいておりますことはまことに当を得たものであろうと思います。ところが実態を調査してまいりますと、御指摘があったような事態とはかなり違うような気がしてなりません。原理原則論をここで長々と申し上げようとは思いませんけれども、最近の年金関係の施設の中には、民業を圧迫し、なおかつ民業より以上に余りにも進んだいわゆるPR等もなされておる。まして、これは具体的な例で恐縮ですが、これは皆さん方のサンピアという施設なんです。これらのものを見てみますと、まことに立派な施設でもございますし、地域においてはこういう施設ができたらうれしいだろうなと、こう利用者からすれば思うのでありますが、同業種の方々から見れば、イニシアルコストが全然かかっていないこういうような施設でありますから、料金も低料金でやれる、なおかつ、いわゆる人事管理面においても公務員という扱いになる、こういうような形で大変魅力のある職場になってくる、こういうようなものがある日突然にあるところに皆さん方の御意思でほっと建てられる、そういうようなことになってくると、そこの地域に、いわゆる一つの地域の秩序というものを持って今運営しておるその秩序が大きく踏みにじられてくる、こういうような事態が招来するわけであります。 まして、この施設等をいろいろとお訪ねをして数字を調べてみましたら、サンピア岐阜というのは年間に結婚式だけでも二百五十八組あるのだそうであります。法律の趣旨、制度の趣旨から考えてみても、いろいろと広義に解釈していけば結婚式というのはいわゆる制度の趣旨に合うという解釈もできるのでありましょうけれども、私はこういうようなことは、皆さん方が最初お考えになってこういうような施設をおつくりになった当時の本旨から少し逸脱したものになっているのじゃないか、こういうような気がしてなりません。 一方、これはことしの皆さん方の施設のいわゆるPR用のそれぞれの施設の概要でありますが、こういうのが実はカラー刷りであるのです。「快適さ、ラインアップ。便利で充実した施設が、全国に四十二カ所そろいました。」こういうことで全国のものが、これはコピーでとったものですから色はついていませんけれども、すばらしいものが出ておる。まして九州の宮崎県の地元ではテレビ会社のコマーシャルを使ってPRもしていただいておる。こういうようなことになってくると、今それぞれお答えがあったような立場と現実の姿というのはかなり差異があるのじゃないか、このように思われてならないわけでありますけれども、そのような実例を実際御承知であられるかどうか。御承知であるとするならばそれらのことについてはどのようにお考えになるか、まずお伺いをしてみたいと思います。
○岸本政府委員 昭和五十八年九月に出された総務庁の改善意見は、公的宿泊施設の新設に関しては、臨調答申の趣旨を踏まえ、民間と競合するものについては原則として行わないようにする必要があるというものでございまして、社会保険庁といたしましても、この改善意見を踏まえて、宿泊施設である会館につきましてはその新設を行わないこととしたわけでございます。 今お話しございました厚生年金の健康福祉センター、いわゆるサンピアでございますが、昨今の国民の健康志向を受けまして、被保険者等の健康づくり、体力づくりを主たる目的とした施設でございます。センターに滞在して健康づくりや体力づくりができるよう、宿泊のための機能も附帯設備として有しているものでございます。また、結婚式場、宴会場等につきましても、被保険者等の福利向上の観点から設けたものでございます。 ただいま私どもは、設置運営は民間団体である財団法人厚生団というところに委託をいたしておりまして、この施設に従事する職員が公務員であるということはないわけでございます。ただ国が設置して委託をしている施設でございますから、PR等につきましてもそれなりの節度を持ったものにしていただきたいというふうには思っているわけでございます。これは広く利用いただいているわけでございますけれども、被保険者、受給者等に広くこういう施設の内容をお知らせをいたしまして、利用の便を図るということは一方において当然のことであるわけでございまして、私ども、委託を受けました厚生団が一生懸命PRをしていくということに対しましては大変結構だと思うのでございますが、一方先生のおっしゃいましたような民業圧迫という観点から見ますとそこに異なった問題が出てくるわけでございますから、そういうことのないよう節度を持つ、品位のあるPRということをしていただくように要望いたしたいと思います。 サンピアの設置に当たりましては、私ども総務庁の改善意見の趣旨を勘案いたしまして、事前に地元関係者と十分に調整を進める等、民間業者と競合し、民業を圧迫することのぼいよう慎重に配慮してまいっておりますけれども、今後とも一層その努力をいたしたいと思っております。
○魚住委員 御答弁いただいたわけでありますけれども、いずれにいたしましてもこの問題は、臨調の答申でありますとか閣議決定でありますとかにおきまして、民間と競合する会館、宿泊施設等の新設を原則的に中止をする、こういうことになっておるわけでありますから、将来の方向として、既存の施設についての運営のあり方、これらについて民間への委託等を考えながら経営の効率化を進めるようにすべきであると思うわけでありますが、いかがでございましょうか。 また、福祉施設のこれらの設置をする箇所が決定をした場合に、また決定に至るまでにいろいろなケースがあろうと思うわけでございますけれども、事前に地元の各界、また地元の業界との十分な打ち合わせ、調整等を行っていただいて、民業圧迫である、こういうことを言われることのないようにぜひひとつ御配慮をいただくようにしていただけないものだろうか、このように思うわけであります。 また、この事柄を掘り下げていろいろと申せば幾らでも申せることはあるのです。これはもう実に厚生年金法からひもといていってやっていかなければならないようになるわけでありますかう、その辺のところは、せっかくきょうは大臣もおいででありますから、節度のある、しかも——何もこの施設自体が悪いとかいいとかという、そういう論旨で申し上げておるわけではありません。当然必要なところには、日本国じゅうこういうような施設は必要なところはあるでしょう。しかしながら、大体今までに皆さん方がおつくりをいただいた一つの傾向としてはどういうようなものであったかというと、大体先ほどもおっしゃいましたように、ペイライン、独立採算制度、こういうようなものが建前でありますから、どうしても大都会中心型、いわゆる地域の主たる都市集中型、こういうような形になっていくわけでありまして、果たして今までのあり方が正しかったかどうかという見直しもぜひひとつあわせてしていただかなければならぬ事態が来ているのじゃないか、こう思うわけであります。 いずれにいたしましても、これらの決定に従って節度のあるあれをしていただく、今こういう御答弁をいただいたわけでありますが、さらに、それらの地元の業界との十分な調整、これは何も宿泊業界だけではありません、ほかのいろいろなものもあるわけでありますが、ひとつ十分な配慮をお願いをしておきたいと思います。 なお、今、国会でもいろいろと取り上げられて、日本の今後の国民の健康増進とまた余暇の利用、こういうようなことについていろいろと論議がなされ、新たなる法律等がたくさん出てきておるわけであります。そういうようなことからいたしまして、こういう会館等ができたその時代というのは、この厚生団というのができたのは昭和十八年か十九年である、こういう認識をしておるわけでありますけれども、いわゆる新しい時代の新しい施設としてこういうような方向で国のためにやっていこうじゃないかということでおつくりをいただいたこれらの施設の出発点というのは、ほとんどがそういう三十年代の終わりから昭和四十年代の当初にかけてだと思うのです。そういうときには民業はどうであったかというと、民業というのは非常にグレードの低いものであったし、またいわゆる社会資本の充実等もそれだけ至っていなかった。そういうときに皆さん方が、やはり国家、国民のため、こういうお考えでおつくりをいただいたということはよく知っておるわけであります。 しかしながら、それから時が流れ、既に二十数年の時が流れておるわけでありますから、その中においで社会の形態も変わってきておる、まして、いわゆる国民の動向も変わってきておる。こういうようなことになってくると、ぜひとも心していただかなければならぬことは、今までやってこられた皆さん方の考え方というのがすべてが正しいんだという考えは、これは過ちである、こう思うのです。 まして、私たちは今、日本人はワーカホリックだ、こういうことで、働き過ぎだ、こういうことである。住まいだって御承知のとおり小さなウサギ小屋みたいなものだ、こういう指摘も受けておる。仰せ、一週間七日しかないのに六日も七日も働く連中がおる、こういうことで、世界的なレベルから見れば非常に奇異の目をもって見られておるというのが我々の人種である。片一方では、何とかして余暇の時間をつくろう、一週間にどれくらいの時間働いたらいいだろうかな、こういうことで、言うならば皆さん方で、私たちもそうでありますけれども、参加をいたしまして、いわゆる労働時間の短縮等についての法律等もつくっておる。こういうような時代の趨勢というものをお考えをいただいて、今後こういうような施設をおつくりをいただくということであるならば、大臣、ぜひとも違う角度での施設をおつくりをいただきたい、こう思うわけであります。 特に、海洋スポーツでありますとか航空スポーツでありますとか山岳のスポーツでありますとか、そういう分野についてはほとんど皆さん方まだ目が向いておらない。言うならば民間がやっても立派にペイしていけるものについて自分たちも後から乗っかっていこう、こういう形でしか理解ができない。現実は違うと思うのですけれども、そう誤解されてもしょうがないような形で皆さん方の公的な宿泊施設というのが実は運営されておる、こういうことであります。 でありますから、民間委託の問題は民間委託の問題として今後御検討いただく、片一方ではそういうような形で全体のあり方として国民のニーズをどう把握してどういうような方向へ皆さん方持っていったらいいかということをお考えいただく、こういうようなことで今後進めていただくことはできないものだろうか。その辺のところについてお伺いをいたしたいと思います。
○斎藤国務大臣 長寿化が進みます中で国民の余暇の増大というものが大変大きくなってきております。そういう中で健康やまた文化、教養という面についての非常に多様々ニーズというものも出てきておるわけであります。 御指摘の、厚生年金保険等の積立金を利用いたしまして、年金受給者やまた被保険者に対する福利厚生事業といたしましてのそれぞれの施設を運営をいたしてまいっておるわけでありまして、この点につきましてはこれまでにも利用者の方々から非常に評価をいただき、また皆さんに喜んでいただいているというふうに私は思っておるところでございます。 今後に向けましては、今先生からいろいろな御提言がございました。まさにその時代の社会経済情勢の変化、またニーズの変化、こういうようなものを的確にとらえ、また、こういった年金の福利厚生事業としてふさわしい事業はどういうものであるかということをよく考え合わせ、そして時代に合った新しいものに常に転換をしていく、その努力をしてまいらなければならないというふうに考えております。 また、民間委託という面につきましても、これまでもそのようなことでやってまいりましたが、今後とも一層努力をいたしでまいりたいと思います。 また、PRの検討につきましては、大変皆さんに喜ばれ、評価を受けておる施設でありますから、それだけのものを皆様方によく知っていただくということも必要でありますので、それなりのPRもしていかなければならないと思いますが、その中にはおのずと適正な範囲なり方法というものをわきまえてやらなければならないということもお説のとおりだと思っております。 また、最後の民間との鏡台の問題でございます。設置するときにはおおむねその設置する地元において設置に対しての強い要望があるわけでございますので、その地元の皆様方の要望に沿い、また地元の皆様方とよく御相談を申し上げて、その地に適したいろいろな内容を備えたものを設置をしていくという努力をいたしておるわけでありますが、そういう際には、当然その地元の民間の業者のこれまでの御努力というものもあるわけでありますので、民間との競合がないように十分調整を図って、そして地域の皆さんに真に喜んでいただけるような施設として設置運営をしていくように、今後とも一層努力をいたしてまいりたいと思います。
○魚住委員 大臣から非常にありがたい御答弁をいただいたわけでありますが、きょうのこれらの質問のポイントであります事柄につきましては大体御理解をいただいたものだと思います。先ほども申し上げたわけでありますが、施設がいいとか悪いとか、ためになっておるとかならないとか、そういう観点で申し上げたわけではありません。でありますから、やはり国民だれしも、ひとしく法のもとにおける平等からいたしましても、生活をしていく権利を持っておるわけでありますから、そういうような形で皆さん方の施設がいわゆる民業圧迫という点でとられないようにだけは、どうぞひとつ細心の御注意をお払いをいただきまして、ぜひとも、運営をされております団体に対しても今後皆さん方の方から的確な御指導をいただきますように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○堀之内委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○堀之内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小川国彦君。
○小川(国)委員 私は、東京都東村山市にある特別養護老人ホーム松寿園で去る六月六日の深夜出火があり、そこで十七名もの犠牲者を出した、この問題について厚生大臣並びに厚生省当局にお伺いをしたいというふうに思うわけであります。 実は私もこの松寿園には火災後、現場に参りまして、あるいはまたそこの所在する東村山市等あるいはまたそこに所在する他の関連福祉法人等も視察をしてまいりまして、その中でこの松寿園問題は日本の特別養護老人ホームあるいは福祉法人の今後のあり方について大きな問題を投げかけている問題だということを痛感いたしたわけであります。 それにつけても、やはり今回の火災事故が発生しました松寿園を運営いたしております福祉法人昭青会というものの複雑な経営問題というものが表面化してきたわけであります。特にこの昭青会の違法な担保設定や競売の申し立てなどが福祉法人の経営基盤の弱さ、それからこれを改善できなかった監督官庁のチェック体制、こういうものが非常に問題として出てきたのではないか、こういうふうに今思っているわけでございます。 その点でまず厚生省にお伺いしたいのは、社会福祉法人昭青会は昭和五十三年十月十八日に認可されたわけでありますが、その時点でこの昭青会の土地は浩徳全部病院の所有であり、既に抵当権が設定されていた、こういうことを東京都は知っていたというふうに言われているわけでありますが、このようなことが事実上あったのかどうか、この点まず厚生省の認識からちょっとお伺いしたいと思います。
○小林(功)政府委員 社会福祉法人昭青会の認可に当たりまして、その老人ホームの敷地が賃貸借関係にありまして、自己の所有ではないということはわかっておりました。ただ、貸貸借契約の関係でその所有者から念書が出ておりまして、昭青会が認可されたときは、この土地については昭青会の賃借権は登記することを誓約するという旨の念書が出ていまして、いわばその登記が確約されているという認識に立ちまして認可を行ったものでございます。
○小川(国)委員 社会福祉事業法の第二十四条によりますと、「社会福祉法人は、社会福祉事業を行うに必要な資産を備えなければならない。」こういうふうに規定されているわけでありますが、昭青会は法人認可がなされていたわけであります。なぜこのように法人認可の要件を満たしていない状態でこの認可がなされたのか、この点が一つ疑問として残るわけでありますが、この点はいかがでございますか。
○小林(功)政府委員 御指摘ございましたように、確かに社会福祉法人を設立します場合には、原則としまして物件の所有権を有することということが必要とされておりますが、ただやむを得ない場合には、地上権などのようないわば利用権が設定されていればよろしいという取り扱いをしておったわけでございます。
○小川(国)委員 昭和五十三年の十月十八日が社会福祉法人昭青会の認可でございますね。
○小林(功)政府委員 そのとおりでございます。
○小川(国)委員 ところが、そのさかのぼる一年前の昭和五十二年七月七日に松寿園の建設予定地は医療法人、社団浩徳全部病院を債務者として根抵当権が設定されていた。こういう事実については厚生省の方は確認しておられたんですか。
○小林(功)政府委員 それは承知しておりまして、先ほど申しましたように、それは承知しておりましたけれども、念書が出ておったということで賃借権が登記されるという前提で考えましたので認可をしたわけでございます。
○小川(国)委員 それで、そのとき東京都、もちろん厚生省もそうだと思うのでありますが、大臣認可に当たりまして、松寿園を経営する昭青会に対し、浩徳全部病院から土地の賃借権を設定してもらうべく指導して、その誓約書を添えて厚生省に進達し、厚生省はこれを受けて大臣認可を行った、このとおりでございますか。
○小林(功)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○小川(国)委員 さらに、その後賃借権の設定というものは、具体的には行われたのでございましょうか。その後の経過はどのような経過をたどっておるのでありましょうか。
○小林(功)政府委員 その後賃借権の登記がされておりません。今にして考えますと、念書を信用して認可したわけでございますが、その後をチェックし確認をすべきであったという反省はしております。
○小川(国)委員 さらに昭和五十四年九月七日には、今度は松寿園の建物にまで厚生大臣の承認を得ないまま抵当権が設定されたということでございますが、このことも厚生省の方では確認されておりますか。
○小林(功)政府委員 建物につきましては認可当時は全くそういうことはございませんで、その後根抵当が設定されたということを五十六年に至りまして東京都が登記簿調査というものを行いまして、その段階で発見したものでございます。
○小川(国)委員 そういうことで、これも大臣認可を、承認を得ずにこの建物の抵当権が設定されたということでございます。 これは老人ホームの建物についても、抵当権の設定は五十四年九月から始まっている。そして五十五年七月には松寿園の敷地についても昭青会を債務者として抵当権が設定された。こういう、厚生大臣の承認を受けない担保設定は違法で、いわゆる社会福祉法人の定款準則第十二条というので、大臣の承認を得ない担保設定は違法ということであり、そういうことについて規定があるにもかかわらず、それ以後土建会社や金融会社から次々と、そういうものが債権者に名を連ねてくる、こうしたずさんな法人の運営といいますか経営に対して、監督官庁としての指導はその間どのようになされてきたのでありますか。
○小林(功)政府委員 先ほど申しましたように、東京都が五十六年の四月に登記簿調査で発見いたしまして、直ちに是正を命じたわけであります。しかし、その後法人の方は、指導がありながらそれを遵守しなかったということでございます。 なお、前後しましたけれども、先生おっしゃいますように、厚生省が示しています定款準則、それからそれに従って定められました法人の定款には、承認がなければ抵当権は設定してはならないという旨の規定がございまして、そういう意味ではいわば違法でございます。
○小川(国)委員 その後、松寿園の建設には、総建設費三億四千九百万円のうち、四分の三の二億一千五百万円を国と都が負担したということでございますが、この補助金は大体このようになされたのでございますか。
○小林(功)政府委員 そのとおりでございます。
○小川(国)委員 この補助金の交付に当たりましても、借地の場合は借地権を登記することは必須条件になっている。昭和五十八年以降は公有地を無債で借りた場合のみ、こういうことに変わったようでありますが、いずれにしても借地権を登記するということは必須条件になっていた、補助金の交付のためには。このことはいかがでございますか。
○小林(功)政府委員 老人ホームの経営をするわけでありますから、その経営が安定的に行われなければならないという意味で、しっかりした使用関係が可能になるような、そういうことが必要でございますので、おっしゃるとおりでございます。
○小川(国)委員 そうしますと、国と都は補助金交付要綱というものに基づけば、こうした経営基盤の極めて不安定な状況にある、しかも借地権登記が行われてないというところに補助金交付を行ってきたということは、この補助金交付要綱というものの精神に反して補助金交付を続けてきてしまった、こういうことになるんではなかろうかと思うのですが、この点はいかがでございますか。
○小林(功)政府委員 老人ホームの設置、つまり補助金の交付の段階では、まだ借地権が登記されていないということが判明していなかったわけであります。その後に東京都の調査で判明いたしまして、それでその是正を命じておった、結果的には確かにそういうことになりますけれども、補助金交付段階ではその念書あるいは施設、法人の申し立てというのを信用して交付した、こういうことかと思います。
○小川(国)委員 その後今日まで、国が認可した五十三年から今日まで、ほぼ十年近くなるわけでございますが、この間、年々措置費は交付されてきたというふうに思うわけでありますが、その一人一人の入園者に対する措置費、この交付に当たってもこうした土地と建物に対する抵当権の設定の解除、そして正当な賃貸借契約の確立ということがやはり厚生行政の指導上重要なことではなかったか、こういうふうに思うのでありますが、その間における、この約十年近い間における東京都なり厚生省は、この改善命令なり改善指導についてどれだけの努力をされてきたのでしょうか。その経過を伺いたいと思うのです。
○小林(功)政府委員 先ほどもちょっと触れましたように、東京都がその違反事実を知りました後、是正を命じまして、今社会福祉施設に対する監査というものがございまして、大体原則として年に一回やっております。それで、この松寿園あるいは社会福祉法人昭青会に対しましても東京都は毎年監査をやっておるようでございます。先ほど問題になりました借地権の登記の問題につきましても毎年指摘をしておった。しかし、いろいろな事情で施設のあるいは法人の方はその是正が実現できないでいたということでございます。
○小川(国)委員 そうした形で今日、昭青会は、七月二十日に寮母ら職員三十九名会員を事実上解雇した。国と都からの措置費の打ち切りによって人件費のめどがつかなくなった。こういうことでありますが、今後の松寿園の再建についての見通しはどういうふうに持っておられますか。
○小林(功)政府委員 実情を調べてみますと、八月の半ばまでは警察の立入禁止が行われる予定のようでございます。したがいまして、仮に復旧工事が開始されるといたしましても、その前提として建物の傷みぐあい等を調べる躯体工事調査というのが必要なんだそうであります。この躯体工事調査が八月末ごろになるというふうに聞いております。また、この修繕をする場合にも、その工事期間が最低でも大体六カ月くらいはかかるであろうということでございますので、現時点では、法人側の言うことを聞いてみますと、来年の二月には再開をしたいという希望は持っておるように聞いております。ただ東京都といたしましては、再建の前提条件となる財産の保全、つまり安定的に施設を経営できるかどうかということに非常に関心を持っております、当然でございますが。そこで、そういった点についての法人の対応というものを見守っていくこととしておりまして、厚生省としましてもその推移を踏まえて適切な処置を指導していく所存でございます。
○小川(国)委員 私はこの問題を振り返ってみまして、一つの火災の発生からいろいろな防災対策の問題やら、この特別養護老人ホームの中におけるさまざまな問題が出てきたわけでありますが、やはり問題は一番原点に戻って、東京都や厚生省がこの社会福祉法人というものを認可するときにもっとより厳正な態度で臨むべきであった、このことが出発点における一番重要なことではなかったかというふうに思うわけです。 社会福祉法人というのはいわゆる国の厚生行政の補助的な機関として、公立、国立てはない民間がこうした社会福祉法人をつくって、寝たきりの方でもあるいは特別養護でもさまざまな仕事をしていってくださるということはありがたいことであるわけですけれども、しかし一たびそれが、建物についても国からの補助金が出されあるいはその後の措置費が出されていくという過程を考えてみると、これはある意味では国の機関と同じように考えていかなきゃならない。したがって、認可に対しても厳しい制約がある。そういう意味では、この福祉法人の認可に当たっては、その土地とか人とか財産とか、この基本的な要件についてはきちっとした条件整備の上で認可をしていくということは極めて原則的に果たさなきゃならない問題だと思うのです。 その出発時点において「賃借権登記についての誓約書」というのを私も入手さしていただきました。これは東京都や厚生省、私ども皆さんの方にこれが出ているということで、再三伺ってこの誓約書を入手いたしましたが、この中で 賃借権登記についての誓約書 社会福祉法人昭青会が認可された時は次の土地についての社会福祉法人昭青会の賃借権を登記することを誓約致します。 昭和五十二年七月十四日 東村山市青葉町二丁目二十七の一番地 貸地人 医療法人社団浩徳全部病院 理事長 大地 福男(印) 東村山市青葉町二丁目二十五の二、三番地 借地人 社会福祉法人昭青会 設立代表者 牧山 一昌(印) 殿 記 土地の表示 所在地 東村山市青葉町二丁目二十五の二、三番地 面 積 千六百二十八・八二五平方メートル こういうふうに誓約書が出されているわけなんですが、私は誓約書をとって認可をするということ自体が異例なことではないのかというふうに思うわけなのです。本来的にはその土地がこの法人の所有になっているということとか、あるいは第三者から借りる場合には明白な借地権というものが存在するということとか、まず福祉法人をつくろうというものがしっかり土地を確保して自己のものとして第三者の介入を許さないという土地の条件が整備されて、その上に良識ある経営者の人が配置されて、そして補助金によって建物がつくられていく、こういう条件が基本として整えられなければならない。そういう観点からいくと、その大前提である土地条件が整備されてないものを、こういう誓約書が出されたからといって、そこで大臣認可を与えるということは、厚生行政のあり方としては好ましくないことではなかったのか、こういうふうに思うのですが、大臣はこの点、どのような御所見をお持ちでしょうか。
○斎藤国務大臣 先生御指摘のようなことだと思います。私も同感に思うわけでございますが、社会福祉法人の設立及び運営が法令に基づいて適正に行われるとともに、基本財産が適正に管理されることにより、所期の社会福祉事業が実施されていかなければならないわけでございます。今回の事件はまことに遺憾な事件でありまして、今後このようなことが繰り返されないよう一層指導を行ってまいりたいと考えております。 これから社会福祉施設等の需要はますます増大をいたしてまいる、社会福祉法人の認可も非常に幅広く行われてまいるであろうと思いまするし、また特にそういう中で、都市部において土地の確保がなかなか難しいというような点について柔軟な対応も一方でしていかなければならないと思うわけでございます。それだけに社会福祉法人としての運営が社会福祉事業に沿って、目的を達成できるようにしっかりとした指導を強化していかなければならないわけでございますが、昨年の改正で機関委任事務への移行もあったわけでございますが、そういったことも踏まえて、ひとつそういう指導のあり方についてよく検討をいたしたいと思います。
○小川(国)委員 大臣の御答弁でおおむねの趣旨は私も理解するわけでありますが、ただ問題は、土地の確保をしがたい、したがって柔軟な対応も必要、こういう御答弁の部分があったわけでありますが、私は今回の昭青会のようなことは今後あってはならないのじゃないか。出発点において誤りを犯しますと、その後における建物に対する抵当権の設定、これが大臣承認なしに行われても、これに対する制裁も処罰もできない。しかもその中に既に老人が収容されておれば措置費も継続しなければならないということになって、最初の出発点の誤りは本来ならどこかで是正されなければならなかったはずだと思いますね。これは東京都が監査で指摘したというだけではなくて、大臣認可を与えた厚生省も東京都もともかくこのことを最大の至上命令としてこれが一日も早く解消されるということがなければならなかった。それが行われていれば、ここが抵当権が設定され、競売に付されるというようなことは起こらなかったはずなのですね。そういう点からいうならば、私は、これからの厚生省の姿勢としてはこういう誓約書的なことは二度とあってはならないことなのじゃないか、この点の原則だけはしっかり厚生行政の中で、先ほど申し上げたように今後の社会福祉法人の認可ではやはり土地と人と財産が良識ある適正な条件を持っている、このことの確保については原則をきちっと守っていく、こういうお考えをぜひ貫いていただきたい、こういうふうに考えるわけでありますが、この点についてもう一度大臣から御答弁をいただきたい。
○斎藤国務大臣 若干誤解をいただいたかと思いまするけれども、一方においてその認可基準等について柔軟に対応していかなければならない部分も今後出てくると思うわけでございますので、それだけに今先生がおっしゃるように当初の財産、人そして土地というような基礎になる部分をしっかりと把握をして、そして社会福祉事業の所期の目的が円滑に実行されるように特に注意を払ってまいらなければならない、こういう気持ちを申し上げたところでございます。でありますので、先生のおっしゃる御趣旨と同じでございます。
○小川(国)委員 その点につきましては、今後特に厚生省当局の指導、取り組みの厳正な執行をお願いをしたい、こういうふうに思います。ただ、私ども、今回の事件を契機にしまして東京都の福祉局が指導検査結果をまとめました昭和六十年度の「社会福祉法人の借入金の状況」、こういう資料を見ますと、老人福祉施設八十一カ所のうち一億円以上、二億円未満の借金を抱えている施設が十八カ所と最も多く、次いで七千万円以上、一億円未満が十カ所、二億円以上三億円未満が九カ所となっておりまして、さらに十億円以上というのが三カ所ある、こういうことでございます。借入金なしというのはわずかに八十一カ所の中で六カ所だけ、こういう状況であります。 それからまた、さらに資産管理を見ますと、七十七法人のうち不適のCの評価は二十二もあったわけであります。この中には不動産台帳や固定資産台帳が整備されていないものや、基本財産、運用財産の登記漏れ、施設の現状と登記簿との不一致などずさんなものがあったと言われております。 それから、会計経理面でもC評価は七十七法人中二十四法人もありまして、そのほとんどは会計事務の不備であった。しかも問題の昭青会は、六十年度の一般指導検査では表面上ではまずまずの経営状態とされてBの評価だった、こういうふうに言われております。 こういうふうに見てまいりますと、私どもは第二の昭青会が今後この運用の中の、財政運営、経営の面あるいはまた今申し上げたような基本財産である土地とか固定資産の面で、あるいは経理事務の面でいつまた同じような事件が発生しないとも限らない、こういうことを痛切に感ずるわけでありまして、この際、厚生省当局がこの問題を契機としてこうした全体的な社会福祉法人の現況に対する検討、見直しを行うべきじゃないか、こういうふうに感じている次第でありますが、この点について厚生省のお取り組みの考え方はどのようなものがあるか、伺いたいと思います。 〔委員長退席、魚住委員長代理着席〕
○小林(功)政府委員 数字をおっしゃいましたが、確かに借入金がかなりな額に上っている施設もございます。恐らくこれは設置のときの四分の一の自己負担分の借入金の残が中心だろう、こう思います。ただ、ほとんどの施設におきましては、この償還計画をはっきり決めておりましてそれに従って償還していると思います。現に社会福祉・医療事業団の低利の融資がそれに充てられているわけでございますから、そこはそうだと思いますけれども、ただ中にはあるいは経理面でずさんなところがあるかもしれません。また資産についても、今度の事件でもわかりますように、中にはそういうのがあるかもしれません。そういった面で私どもは、監査を県は毎年一回、特に問題があるところはそれに加えて特別監査をやる。それから、中央の厚生省でも運営上問題があるところは本省みずからやるというようなシステムを今やっております。そこら辺で、その監査をさらに今後充実をいたしまして、そういう経理面あるいは資産面のチェック、あるいは役員の構成のチェック、そういった面、これからも十分に、今まで以上に充実した監査を行いたい、このように考えております。
○小川(国)委員 それから、私は東村山市の福祉施設を見て回った所感なのですが、ここには大変、たしか何十カ所という社会福祉法人が一つの自治体の中に集中しているのですね。しかし、それにしても国や都道府県が監査、監督をする面もありますが、市町村が自分の地元にある福祉法人の実態というのは割合把握しやすいわけですね。そういう意味では、今後私は監査だけではなくて、市町村の、自治体の協力も得て日常的に福祉法人の監督や指導が十分行われるような、こういうところまで一歩進めて取り組むべきじゃないか、これは要望意見として申し上げまして、今後の検討を願いたいと思います。 それからさらに、私は今度の事件を通じて痛感したのでありますが、昭青会の場合に、大臣の承認を経ないで法務局に参りますと抵当権の設定やら競売寸前のところまでいってしまう。これから医療法人にしても福祉法人にしてもあるいは学校法人にしても、国の助成なり補助を受けていろいろなものをつくっていく、それから運営にもいろいろな助成を受けていく。そういう学校や病院や福祉施設が、ある日突然大臣の承認なしに抵当権が設定されてしまう、あげくは競売に付されてしまう、こういう事態がやはりある。と思うのですね。これはやはり日本の行政官庁の横の連携がもっと適切にいって、例えば大臣の承認書がないものは登記所が受け付けないというぐらいにこの医療法人でも福祉法人でもしていかなければ、やはりこうした事件がまた続発するおそれはあるのではないか、こういうふうに思うわけなんですが、そういうことについては厚生省としてはどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
○小林(功)政府委員 先生今御提案になりましたようなシステムがとれますと、私どもとしては大変結構でございますが、ただ、社会福祉法人の基本財産の担保提供というものは、その基本財産が法人存立のいわば基盤であるということ等にかんがみまして、いわば財産の保全を図るという観点から社会福祉法人の定款において所轄庁の承認を必要とするというふうに規定しているわけでございます。それに対しまして、抵当権の登記等につきましては、民事上の第三者に対する対抗要件などの権利の補てんの観点から行われているものでもございますので、私どもとしては法務当局にこういうお願いをするのはなかなか難しかろうなという気がしておるわけでございます、率直に申しまして。私どもとしては、むしろ先ほど来申し上げておりますように、指導、監査を定例的にやっておりますから、その際にきちっと登記簿をとって、そこで物的面あるいは人的面についてチェックをする、そういう方向でやる方がより現実的ではなかろうかというのがただいまの私どもの考え方でございます。
○小川(国)委員 法務省の方、お見えになっていらっしゃると思いますので、参考のために伺いたいと思うのですが、私ども今申し上げたようなこういった法人認可を受けた病院とか福祉施設とか学校、こういうものが担保に供せられて競売に付されるということは非常に遺憾なことだと思うのですね。これがやはり法務省の、特に登記行政の中の対応でこれが対応できるならば、こうした問題の発生を防げる有力な足がかりになるのじゃないか、私はこういうふうに思うのですが、その点についての御所見をひとつ伺いたいと思います。
○永井説明員 御指摘の点、もっともな点がございますが、ただ、登記制度の仕組みということから考えますと、こういう制度が非常に難しいというのが現実でございます。 と申しますのは、先生御承知だと思いますが、抵当権の設定でありますとかあるいは所有権の移転といいます物権の設定、変動につきましては、当事者が自由にこれを契約で行うことができるわけでございます。ところがごく例外的に、例えば農地ですと都道府県知事の許可がないと私法的な効力が生じない。あるいは、代表者を同じくいたします会社間の取引ですと、これは取締役会の承認が要る。こういうふうに法律上はっきりと定められている場合は、これは登記手続上におきましても許可書あるいは承諾書というものを添付させているわけでございます。 ところが、問題はこういった社会福祉法人でございますとか学校法人その他の中で厚生大臣の承認が要るとかあるいは文部大臣の承認が要るということが定められている場合があるわけですが、これは定められているのは法律ではございませんで定款に定められているにすぎないわけでございます。定款に定められているにすぎないものは、いわばその団体の内部的な自己規律にすぎないわけでございまして、これに反した行為をやった場合の私法的な効力につきましては多分いろいろ疑義があるわけでございまして、原則はむしろ有効でございます。したがいまして、これを登記所においで裁判所におけるように実質的判断をすることができないわけでございます。そういったことから、民法そのものの原則が社団法人も財団法人もいろいろな内部規制については対外的に効力を有していないというのが大原則でございますので、社会福祉法人等におきましてもまず基本はそこから始まっているわけでございますので、登記所においてそういうものを添付させるということができないわけでございます。そういうところが一応の説明でございます。
○小川(国)委員 厚生省の病院関係の方いらっしゃっていると思いますので、病院等が、いわゆる公益法人の認可を受けた病院が担保に供せられたり競売に付せられたり、そういう前例的な事例はなかったのかどうか、それから今後発生のおそれはないかどうか、その点はいかがですか。
○竹中政府委員 医療法人につきましても、債務を履行できないような場合には不動産の差し押さえ等の財産保全処分が行われることがあり得るわけでございます。私ども、必ずしもその辺の実態を十分把握をしておるわけではございません。今後できるだけそういうことのないように経営指導の充実等に努めていきたいと考えております。
○小川(国)委員 社会福祉法人ではこの松寿園のような類似の前例はございませんでしたか。
○小林(功)政府委員 ちょっと手元に具体的な資料を持ち合わせませんが、一、二例はあるように聞いております。
○小川(国)委員 これは今法務省の方の御答弁ありましたように、現状ではそれぞれ厚生大臣とか文部大臣の行政の中で大臣承認という手続を経させるという形の中で対応するという形になっているわけなんです。ただしかし、それも今度の昭青会のようにそこをするりと抜けて、これを担保に供したり担当権に供したりということが行われても、それを防止する手段は残念ながらない。今局長さんがおっしゃったように、監査の中で後で発見しても、是正させようとしても担保に入った後ではこれはもう是正の措置が打てないということで、残念ながらいずれも良識に期待しての大臣承認という手続になっていると私は思うのですね。 確かに、公益法人が認可される過程はそうした良識に基づいてそういうものが設立され運営されるであろうという期待感のもとに行われているのですが、現在の社会事情は、いろいろな経済的な余裕を持った人がそういう社会福祉事業、公益事業をやろうとして、発想の原点はよろしいとしても、途中で結局事業に行き詰まると、行き詰まったあげくがそうしたものでも抵当権を設定せざるを得ないという事態がある。やむにやまれずやってしまったという事例、今度もそう言うかもしれませんね。そういうのを抑える手段は残念ながら現行法上はないわけですよ。ですから、私は今法務省がおっしゃったように、例えば農地法上の取り扱いのように、都道府県知事の認可がなければ転用は行わない、あるいは移転登記は行わせない、こういう法的条件が具備されるならばこれをきちっと防ぐ道はあるんじゃないか。そこまで法律でやらなければならないということは大変残念なことかもしれませんが、今の社会経済のいろいろな動向を見ると、法で防げるならばやはりきちっとした立法化の中でこれを防ぐ、こういうことを検討してみる必要はあるんではなかろうか、こういうふうに思うのです。 この点について厚生省当局のお考えと、もう一遍法務省当局も、そういうことがなされてきたら対応できるのではなかろうかと思いますので、その点についての御答弁をひとついただけたらと思います。
○斎藤国務大臣 現在、社会福祉事業全般にわたる検討をいたしておるところでございますが、そういう中で社会福祉法人のあり方等についても、今先生がおっしゃられたような御趣旨に基づいて検討をいたしてみたいと思います。しかしながら当面は、先ほども御答弁申し上げましたように、各都道府県におきます監査の中で登記簿を実際に提示をさせるとかいうようなことで厳正にチェックをし、また登記所における問題につきましては、先ほど来お話がございますように、法律的なよって立つところの相違によってなかなか難しい問題でありまするけれども、何とか、何か運用上の問題で協力関係を結んでやっていくことができないかというようなことについて法務省ともひとつ相談をいたしてみたいと思っております。
○永井説明員 立法的に農地法の場合と同様な形がとれれば、登記手続上はそういうことでチェックするという仕組みになると思います。 ただ、ちなみに申し上げますと、こういう制度をとりますと、あらゆる法人につきまして問題になるわけでございまして、それが民法の大原則からいくとやや取引の相手方を害することになるのではないかという批判が一方ではまたあるわけでございまして、この点は立法に当たられる際には十分留意せられるべきことだと思っております。 ちなみに、この松寿園の場合につきましては、実は抵当権に基づく競売申し立てではございませんで、一般債権に基づく強制執行の申し立てでございまして、これは担保権が登記されようがされまいが全然関係なく、債権があるものについては一般強制競売を申し立てることができるわけでございますので、必ずしも抵当権の設定登記とそれとが結びつくものではないという部分もあるわけでございます。
○小川(国)委員 終わります。
○魚住委員長代理 渋沢利久君。
○渋沢委員 三重大附属病院の医師と看護婦がB型肝炎にかかって、医師二人が死亡するという不幸な事件が起こりました。これに関連してまず若干尋ねますが、この感染経路などの事実関係は明らかになりましたか。
○仲村政府委員 お答えいたします。 ただいま三重大学当局でもいろいろ調査をされておるようでございますが、私どもといたしましても、三重県の担当部を通じましていろいろ情報を提供していただいておるところでございますが、現在までのところ、まだ詳しい内容については掌握できておらないようでございます。
○渋沢委員 この問題を見ておりまして感じますことは、これは起こってはならない事件ですけれども、お医者さんといいましても比較的新しい研修の職員あるいは看護婦というところにどうもしわ寄せが来ているのかなという感じを私は受けたのです。全体に医療従事者の保安といいますか健康上の管理のシステムや、庁費等全体の予算が非常に不足しているという状態の中で、背景としてはこういうことが一つあったかなという気がしてならないわけであります。厚生省は、この種の問題が起こってくる背景というものをどう受けとめていらっしゃいますか。
○仲村政府委員 これは伝染病でございます。したがいまして、私どもといたしましては伝染病予防対策ということで位置づけておりますが、このB型肝炎というのは非常に特殊な病気でございますし、かなり新しくいろいろの知見が集められた病気でもございます。したがいまして、私どもとしても、従前の伝染病対策とは若干異なる視点をもって対策を講じておりますが、日本を含めましてアジアには非常に多い病気でございますので、かねてから研究班を組織いたしましてワクチンの研究開発とかいろいろ総合的な対策を取り上げてきたところでございます。 お尋ねの予防対策全般につきまして申し上げますと、六十年五月に既に私どもといたしましては、「B型肝炎の予防方法について」という通知を各都道府県にお出しいたしまして、その中でも特に医療機関につきましては、B型肝炎医療機関内感染対策ガイドラインというのを御紹介いたしまして、各医療機関につきましてそのような感染防止対策を図るようにということでお願いしておるところでございます。 さらに、本年は、新しい知見も加えまして、B型肝炎の医療機関内感染対策ガイドラインをまた改定いたしまして、都道府県にお示ししたところでございますが、それ以外にも、私どもといたしましては、一般の赤ちゃんがお母さんからうつる垂直感染というのもございますので、それの対策は別途児童家庭局の方で六十一年一月からやるようにしておるところでございます。
○渋沢委員 国民の命を預かる医療従事者にこういう事態が起こるということは、これはもう非常に遺憾なことでありまして、そういう意味で病院側の管理上の問題という以前の問題です。政府、厚生省として、この種の問題が起きてくる背景、そして今後がようなことが起こらないための対応をひとつ積極的に考えていただかなければならぬというふうに思います。 三重大の問題はこの程度にいたしまして、今度の事件は、大変危険な、感染のおそれのある医師の採血とか手術とかいう治療、医療行為を通してこういうことが起きました。また同時に、これに対する対応策はそれなりにあるということも言えると思うのでありますけれども、この事件に関連して意外だと思いますことは、この種の病原菌に汚染されている可能性のある注射針などの使用済み器材の後始末、つまり医療廃棄物、こう一口にくくって言えるかと思うのですけれども、これの処理の現状というものが非常にずさんである、野放しと言っていい状態に置かれているという事態は実は余り知られていない。私自身も実は大変不勉強でありましてよく知りませんでしたが、たまたま「ニュースステーション」というテレビ番組で医療廃棄物という特集がございましてそれを見ておりましたが、これは意外と気のつかないところで、しかし非常に大きな危険があるということを痛感いたしました。大臣、お互いに忙しくてなかなかそういう番組を見ている時間がないのですが、これはごらんになったか、あるいはどなたかからその内容をお聞きになったことはありますか。
○斎藤国務大臣 残念ながらその件についてはお聞きいたしておりません。
○渋沢委員 その内容を要約して言いますと、ごく一部を除いた多くの病院で、これらの注射針あるいは血液の付着しているさまざまな器具、まさに病原菌そのものの非常に危険なこれらの器具が一般のごみと同じような扱いでごみ捨て場に処理されているという事実をまさに画面でとらえて報道している。非常にショッキングな中身でした。この事実を突きつけられたある病院の事務長がコメントしていました。近所の子供が自由に出入りできるようなごみ捨て場に血のついた注射針や器具が一般のごみと一緒に放置されているという状態について、これは大変危険ではないかという指摘に対して、おっしゃるとおり大変危険でございます、大変まずい事態でございます、こういう証言をいたしているものが映し出されてまいりました。本来病院自身がやらなければならない選別、その処理、これらの廃棄物は非常に多うございます。ごみ処理の機能の中で一定の選別をしなければならない、清掃事業に携わる者の部分で、本来医療機関がやらなければならないその種の選別を清掃労働者がやっております場面をとらえております。こんな注射針が中に入っていてけがをすることはありませんか、しばしばあります、非常に危険です、こうその清掃作業員が訴えておる場面が出てまいります。さらに続くのでありまして、こういう危険な注射針の使い捨て年間十七億数千万本あるというデータの中で、後処理、後始末がどうあろうと罰則一つないという現状の中では病院等医療施設機関の良識にまつ以外にない、野放しと言っていい状況にあるという状況が映し出されている、こういうことなのであります。これは大変恐ろしいことだなというふうに思ったわけであります。 厚生省にお尋ねするのだが、いいか悪いかどうするか、どういう改善の努力をしているかしていないかという問題は後に触れますから別にいたしまして、現状がこういう状況にあるという事実認識についてはどうとらえていらっしゃるのか。
○森下政府委員 お答えいたします。 医療機関から排出されます廃棄物は事業活動に伴って排出されるものでございますので、その材質とか性状に応じまして産業廃棄物あるいは一般廃棄物に分けられるわけでございます。産業廃棄物として代表的なものは、先生が今おっしゃいました使用済みの注射針などの金属器具、これは金属くずという範疇に入ります、そのほか破損した注射器など、これはガラスくず、それから使い捨ての注射器、これは廃プラスチック類というようなものになっておるわけでございまして、こういうものは廃棄物処理法の基本原則にのっとりまして事業者みずからの責任において適正に処理されなければならないということになっております。 実際はどうなっておるかということでございますが、病院などが自分で焼却炉を持って始末しておるところもあるようでございますけれども、それ以外に、都道府県知事などの許可を得ました許可業者に預ける、そういった例が大半でございます。いずれにいたしましても、法律上は保管施設においてこういったものをちゃんと保管し、またこういった廃棄物が飛散したり流出しないように適正に処理基準を守らなければならないということになっております。 また、先生も御承知かと思いますけれども、清掃事業に従事いたします職員が危険な目に遣わないように、東京都などでは既に医療機関に対しまして、廃棄物を出します場合に一定の出し方というものを指導しておるわけでございますが、私どもはなおその徹底を図る必要があると考えております。 仰せのとおり、これが完全に分別されて、それぞれの流れに沿って始末されておるというふうには考えておりませんので、今後とも医療機関から排出される廃棄物の適正な処理を確保いたすために全国的な処理の状況を把握いたしまして、関係部局とも連絡をとりまして、地方公共団体に対し適切な指導をしてまいりたい、このように考えております。
○渋沢委員 時間が三十分しかないので、答弁も親切なのはありがたいが、聞きたいことにほっと答えてください。 今のお話の中で、要するに御指摘のような危険な状態が全くないというのではなしに、かなりそういう状況にあるということをあなたは事実認識として認めているかどうかということを聞いたら、それはお認めになるという中身で、その前段の話を聞いていると何の心配もないような錯覚を起こすのですが、とんでもないのです。 これは、東京都の清掃局が六十年十二月に出したパンフレット、「医療機関の廃棄物処理の手引」というのがありますが、時間がないので多くを言いませんが、この中で「注射針は、むき出しのままごみ収集に出すと、従事職員が負傷したり、病原菌に汚染されるなどの事故がしばしば発生しており大変危険です。」とあります。六十年ですよ、この段階で既に清掃局が、東京都の清掃労働者がこの種の作業の中でさまざまな問題が出てきている、けがをする、そういう報告や苦情が出されて——これは本来衛生局が病院側にこういう通知を出すというなら話がわかるが、清掃側でやむにやまれず注意書き、手引を冊子にして配布いたしました。この中で既にこの段階でかなりそういう苦情が訴えられているということが明らかになっておる。特にエイズの問題が最近出てまいりまして以来、清掃従業員の間ではこれは非常に深刻な問題になっているという事実が実態としてあるわけであります。 これも非常におっかないことでありまして、最近、五月に私も都へ連絡をして聞いてみましたが、作業中に血液の入った瓶が割れて血をかぶったというようなことが訴えられて、駆け込みがあるとかいうようなことが報告されております。これは非常にゆゆしいことでありまして、これも簡潔に尋ねておきますが、この種の状態を放置されておりますと、これは当然二次感染のおそれがある。清掃従業者にしてしかりです。さらに、その処理の手法を間違うならば、これはさらに大きな汚染の拡散になりかねないということを意味しておると思うのです。この危険な実態について、厚生大臣、これは非常に小さいものとして扱ってほしくないのですね。今のデータについてどう御認識なさっておるか。これは放置できない事態だというふうに御認識いただかなきゃならぬと思うのですが、いかがですか。
○斎藤国務大臣 先ほど先生の御指摘のテレビ放映についてはそのものは拝見をいたしておらないと申し上げたわけでございますけれども、お話を聞いておりますうちに、テレビの放映で、たしか献血をした後の針とか、それから使用不能な血液の処理などについてのテレビ番組がございました。それを見たことを思い出しておりました。また、医療機関から出ます人体の臓器等の一部の処理の問題についてもお話を伺ったことがございました。これらの問題は決して小さな問題ではなく、適正にきちっと処理をするようにしなければならない重要な問題であるというふうに認識をいたしております。
○渋沢委員 結局この後処理、滅菌処理などが厳格に行われないならば、これは非常に危険があるということだと思うのですね。これに対して厚生省が今までやってきたことは、これは率直に申し上げて、エイズの問題が出てこの感染の拡散についてさまざまな関心を呼ぶという中で、多分ことしの春、全国の担当自治体の課長会議か何かで口頭で一定の注意を喚起するということは確かにあったように聞いております。しかし、今までの対応としてはその程度だ。法律の上でいえば、この廃棄物の処理及び清掃に関する法律の中でいえば、その趣旨は病院のみずからの責任で処理しなさいということになっているのですね。自分たちの責任でおやりになることですよということの趣旨になっていますから、それはそのとおりやるところも中にはあるのです。厳格にやっているところもあるようであります。 それから、都道府県の中でもアンバランスがありまして、非常に熱心に取り組むというところもありますが、総体としてこれは野放しと言っていい状態だという現場の状況があります。東京は私が調べましたが、ほとんど一般のごみと同じような処理をしている、こう言っていい事実がございます。ないと言うなら、違う状況を把握しているとおっしゃる方があるなら、私は自分のデータを示して尋ねますけれども、そう言えるならおっしゃっていただいて結構なんです。大臣、非常にこれは問題だと思うのです。私もあげつらってだれかの責任をただすというつもりで申し上げているんじゃなしに、今後これはきちんとしてもらわないと、口頭で全国の課長に注意せいぐらいのことで済む話ではなかろうと思うのです。 きのう厚生省の方が見えたから私コピーを渡しておきましたが、ニューズウィークの七月三十日、新しいもの、日本語版ですけれども、このコピー、大臣のところへは行っていないのですね。見ていますか。——見ていない。それではちょっと一言、時間もったいないけれどもそのポイントだけ言っておきましょう。だめだね、あなた担当なのに、渡したらこんなものはちゃんと大臣に見せておきなさいよ。 大臣、簡単に中身を言いますとこういうことなんです。アメリカのニュースがたまたまこれに出ている。それでいいますと、見出しが「危険がいっぱい医療廃棄物 ずさんな管理体制に、改めて浮上するエイズ感染の恐怖」、こうなっていまして、アメリカのインディアナポリス市の団地裏で子供たちが赤い液体の入った大量のガラス瓶を発見して、壁にぶつけて割って遊んでいた。ところが、これが近くの病院から捨てられた血液サンプル容器で、そのうち一つはエイズ患者から採血されたものであるということが後で調べたらわかった。オハイオ州のボードマンというところでは、子供たちがごみ箱から拾ってきた注射針でお医者さんごっこを始めて、お互いの腕に注射をし合っていたとか、つまりこれらの廃棄物が非常にずさんな廃棄処理になってこういう問題になっておる。「病気を感染させるおそれのある医療廃棄物には、汚れた注射針や点滴用の管のほか、プラスマ容器、切断された人体の部分や胎児、各種の排泄物などが含まれる。その危険性は以前から知られているのだが、一つ困ったことがある。」、連邦法によって放射性物質その他毒性のあるものは厳しくこれが規制されて、後処理についての厳格な罰則を含めてこの処理義務が与えられているが、医療廃棄物ということについては非常にあいまいである。このために先ほどのお話のように、日本の法律と同じです。病院の良識に任せるという形であって、しかもその医療関係のごみの量が最近は激増しているということのために、各市の清掃能力が対応できないという結果、こういう野放し状態が出ている。こういうことが一言で要約するとアメリカに出ておる。日本の現状と法の体制とによって、このまま進めばある面で日本だってこういうことになりかねない、そういう状況を抱えていやしないかと思うのです。 今の法律の中で医療廃棄物というのがどういう扱いを受けているかということを見てみましたら、産業廃棄物の中に、例えば注射針の針の方は金属ごみ、その類の中に入っておりますよという説明。注射器とかいろいろ関係のガラス器具はガラスごみの中に入っていますよという解釈で扱われておる。せっかくこういう法律があるなら、この一条の十二項目ありますものの最後にやはり医療廃棄物というものをきちんと、毒性のある廃棄物の処理と同じような意味で扱うというくらいのことできちんとした対応をしない限り、私は行政も本気で責任のある規制措置ができないということになるだろうと思うのであります。 法律をいじるということについて、この三十分の質問で今大臣に即答しろというふうには言いませんが、しかし法の部分でもこれは検討に値する部分があると、私は今申し上げたようなことを考えておる。これはこの機会に積極的に検討をするというお考えを大臣お持ちかどうかということをお尋ねすることが一つ。 もう一つ。当面のこういう事態に対して、法律の枠はありますけれども、その中でぎりぎりこの事態、危険な状態を拡散することのないような処置を徹底して全国の医療機関に求めるという指導をきちんとやってもらわなければ、これはすぐにできることなんです。相当の決意と指導をこの際私は厚生省に強く望んでおきたいと思うのです。これはひとつ大臣からお答えいただきたい。
○竹中政府委員 今御質問ございました後段の方について答弁をさせていただきたいと思いますが、先ほどお話ございましたように、今年五月の主管課長会議では既に指示をいたしておりますが、さらに、例えば医療機関に対する医療監視の際にも、こういった医療廃棄物の適正処理について十分指導するように、そういう趣旨の通知を今準備をいたしております。できるだけ早く都道府県に通達をいたしたいと考えております。
○斎藤国務大臣 当面の問題につきましては今健康政策局長から御答弁を申し上げましたが、いわゆる医療廃棄物が適正に処理をされておりませんと感染の危険等大変重大な問題になります。これまでいわゆる産業廃棄物の一環としての処理をいたしてまいったわけでありますが、そういう産業廃棄物の中における医療懐係の廃棄物としてどうあるべきかということについて速やかに前向きに検討をいたし、対策を抜本的に立ててまいる方向で取り極みたいと思います。
○渋沢委員 当面の処置については今通達を用意しているという局長の説明ですから、これはいつ出すのですか。
○竹中政府委員 いつということを今ちょっと申し上げにくいのでございますが、例えば半月とか一月くらいの単位のうちに通知を出したいと思っております。
○渋沢委員 それはやはりきちんとやってもらいたい。そして一体、全体の状態がどうなっているかということについてもその後厳しくチェックをしていただきたいということを要望しておきたい。今大臣からは大変前向きに、法律の上でもどう位置づけるかということを含めて検討したいという積極的な姿勢が示されたというふうに受けとめますが、そういうことでよろしいですね、大臣。ぜひこれはやっていただきたい。危険は小さいうちにきちんとした対応をやっておけばアメリカのような状態にはならぬで済むはずであります。しかし、流れはやはり一つのところへ流れている感じがしまして、私は読んでぞっといたしました。 もう一つつけ加えて言うと、「ニュースステーション」を見ましたときの最後に、局長、あなたの健康政策局の担当課長が出るんだよ、いや全国ちゃんとチェックしておりますから心配ありませんとこう言うんだよ。あなた、笑い事じゃないよ。あなた方はすぐそういうことで国民に対してはぺろっと無責任なことを言う、何にも実態がわかっておらぬくせに。今明らかになったように実態は野放しだ、十分な対応もやっていない。春にちょっと課長会議で注意したという程度で、一月後がそこらに今度はきちっと通達で重みのあるものを指示しますと今言ったけれども、ついこの間のテレビの放映を僕は見ておって、松村といったか村松といったか知らぬけれども課長さんがた、あれを聞いたからこれはちょっと調べてやらなければいかぬと実は思った。これはいけませんよ、厚生省。議会では今のような非常に前向きな大臣の話を聞いて、私はそれは非常に評価をいたしますけれども、国民に向けては心配ありませんとおっしゃる。国民に向けてうそを言ったらどういうことになるかというのは、去年来の政治の動きで嫌というほどお互いにわかっておるはずです。それを反省しなければいけませんよ、厚生省。無責任です。人の命を扱う仕事をあなた方は預かっているのだから、これはもう少しまじめに対応していただきたい。 きょうは医療廃棄物の処理問題に結果絞られたようなことになりました。ほかの問題でも若干聞きたかったのですが、時間をオーバーしてはいけませんので時間どおり正確にやめますが、ぜひひとつ大臣初め厚生省、きょうここでお話しになったことを責任を持って対処していただくように、いずれまた改めてその後の成り行きについてはもう少し時間をいただいてただすことにいたしまして、私の質問をきょうは終わります。
○魚住委員長代理 渡部行雄君。
○渡部(行)委員 まず最初に大臣にお伺いいたしますが、今日日本の厚生行政全体を見ましたときに、世界の先進諸国と比べて一体どういう位置づけにあるのか、その点と、さらに、人間の幸せを豊富化してそれを保障していくためには現在この段階で何が一番緊急重要な課題であるか、その点についてお伺いいたします。
○斎藤国務大臣 厚生行政は国民生活の万般にわたることでございますが、その中でも特に将来に向かって何が重要か、また当面する問題は何が重要かというお尋ねでございます。 私が申し上げるまでもなく、日本の高齢化というのは非常に速いスピードで進んでおりまして、いよいよ本格化する長寿社会を迎えるわけでございますが、その長寿社会が国民の皆様方が本当に健康で豊かで、そして明るい生活、長寿を全うしていただけるようなそういった遥るぎない基盤づくりを今からしておかなければならないという問題であろうと考えております。そのためには社会保障制度、年金や医療保険という点について、本格化する長寿社会においても安心して安定した制度として運営できるような基盤づくりを今こそいたしてまいらなければならないと考えております。同時にまた、そういった長寿社会においてお年寄りの皆さんが健やかに長寿を全うしていただけるように、健康についての問題とかいわゆる福祉サービスの問題とかこういった点についてきめ細かく対策を講じ、政策を推進いたしてまいらなければならないと考えております。 当面する緊急の問題といたしましては、前国会から継続審議になり、現在御審議を煩わさんといたしております法律がございます。中でも国立病院や療養所の再編成に伴う特別措置法、また精神衛生法の一部改正の法律、エイズに対する予防法律、こういったような法案をお願いいたしておるわけでございますが、この国会におきまして先生方の御協力をいただきまして、ぜひ早急に成立をさせていただきたいというのが当面する願望でございます。
○渡部(行)委員 ただいまの御説明によると今出ておる三法案を早く成立させてくれ、こういうお話ですが、その前にやることがたくさんあるのではないか、私はこんなふうに考えるわけです。 これは「健保ニュース」の中の問題ですが、今から三十五年後には我が国は高齢者人口が非常に多くなって、四人に一人が六十五歳以上の老人で占められるであろう、こういう推計がなされて、しかもその中で脳の老化から通常の社会生活を営むことが困難ないわゆる痴呆性老人が増加してきていることも事実で、これが大きな社会問題としてクローズアップされている、こういう情勢分析がなされておるわけでございます。そこで、昨年の八月二十九日に痴呆性老人対策推進本部を設置されたわけですが、これはその後どういう活躍をしたのか。しかも昨年じゅうには痴呆性老人対策専門家会議を設置してことしの八月のシーリングに、六十二年度予算の概算要求にこれらについての予算要求を間に合わせたい、こういう趣旨のことが載っておりますが、これについて御説明願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 痴呆性老人対策につきましては、今先生から御指摘いただきましたように、昨年の八月に厚生省内に事務次官を長といたしまして痴呆性老人対策推進本部を設置いたし、省を挙げてこれに取り組んでおるところでございます。近々にその報告をまとめたいと考えておるところでございまして、この報告に基づきまして来年度へ向かって対応いたしてまいりたいと思っております。
○渡部(行)委員 そこで、この国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案等が仮に通ったと仮定した場合、厚生省は、来年度、全国の国立療養所のうち二カ所を選んで痴呆老人専門のモデル病棟を設置する、こういうふうに言われておりますが、その設置場所等については大体の、何といいますか、準備作業は進んでいるのでしょうか。その辺はいかがなものでしょう。
○川崎(幸)政府委員 ただいまのモデル実施につきましては、特に再編成の問題とは関係がないといえばないのでございますけれども、モデル的実施を、私どもの現在の考え方では、東西に一カ所ずつやってみたいということで考えておりますが、まだ具体的にどこにやるといったようなことは決めておりません。 〔魚住委員長代理退席、古賀(誠)委員長代理着席〕
○渡部(行)委員 そこで、もちろん、それを法律が通らないうちに決めたとすれば、これは大変な問題でございますから、その点は了解しますけれども、考え方としては確かに大切なものが、評価されるものがあるかと思います。しかしその前に、今痴呆性老人あるいは寝たきり老人あるいは植物人間と言われる人たちがどのような状態に置かれておるのかということを、本当に真実を把握しているだろうか、私はその辺が非常に疑わしいわけであります。 と申しますのは、最近こういう現象が出ておる。ある子供が障害のために植物人間になってしまって、そして何年か入院をしておったところが、もうこれ以上治らない、これで医療として施す術は何一つないから早く退院してくれ、そういうことを家族の方が言われた。しかし、退院するといってもうちに連れていくわけにはいかない。うちは二人きりで共稼ぎでありますから、どうしても生活する上では、そういう寝たきりの植物人間をうちに置いたのでは生活が成り立たない。こういうことで、どうしてよいか、あちらこちら児童相談所や福祉事務所等に行って相談してもらちが明かない。ところが、その病院は、今度はその父親の職場のところまで電話をして、何とかさせてくれと、今度は上司からそういうことをさせておるところもあるわけです。あるいはまた、この患者は医学的治療が終わったから、もううちの病院に置くわけにはいかない、どうか出てくれ。そこで、いろいろと近所の病院を探したところが、それを治療の対象として入院させる病院も出てきた。一体、退院させる病院と入院させる病院が、同じ患者に対して診断し評価するというのはどういうことを意味しているのか、私は、この矛盾をどうしても解釈できないわけでございます。 そういうことが行われておる、日常茶飯事に行われておる。それを国の厚生行政がきちっと把握して、そういうものに対処するにはどうしたらいいのか。それでは、その医療の限度というのは一体何なのか、これが私は非常に問題になってくると思うのです。 そこで、時間がありませんからこちらで説明しますが、植物状態の患者に対して国のやり方だけを待っておってはどうしようもないということで、これは運輸省系の特殊法人自動車事故対策センターというものを資本金三十億九千余万円で設立し、その九五%以上が政府出資になっておるということです。これは非常にいい傾向ではあるけれども、私は、むしろこういうものは国が早く手を打つべきであり、厚生省が中心になってやるべきものだというふうに考えておるわけです。そこで「援助制度の第二弾」として、入院が長びくにつれて家族の生活は破壊され、付き添い看護の疲れで倒れる肉親が続出した。遅ればせながら五十四年、家族へ介護料の援助制度ができて、入院患者の場合一日三千円、在宅なら同千五百円が支給されることになった。五十八年末現在、九百九十六人に対し、累計二十二億円が支給された。 これに引き続く援助第二弾として、今度は介護科受給患者の一部を専門病院に引き取り、少しでも後遺症を和らげ、家族の悩みを軽くするのがねらいだ。こうして千葉の療護センターというものをつくったという話に発展していくわけです。 このようにして一部そういう方向に流れてきておりますが、この中でその院長あるいは看護婦長が言っていることは、「植物状態患者というのは、もうだめなんだとして医療から見捨てられてしまっている。だけど実際の患者に会うと、中には、治療効果のでそうな人がかなりいます。これをほっておいてはよくない、重大な問題だなと思いましたね」治療といっても、特別な新薬を試みたりはしない。医師と看護婦が、入り代わり立ち代わり患者の世話をして、話しかけ、音楽を聴かせ、テレビを見せ、おむつを取り換え、マッサージしてやる。 食事も、多くの病院でやっているように、人工栄養液をチューブで画一的に流し込むといったことはしない。消化しやすいように細かく刻んだものを、ゆっくりと一時間以上かけて、話しながら食べさせてやる。こういう院長がいるわけです。本当に頭の下がる思いです。そしてまた看護婦長は、「患者さんを十把ひとからげにして、植物状態だから何も分からないんだと思ったら、とんでもない間違いです。むしろ逆に、何でも分かっているんだと思って、根気強く、へこたれずに、看護していくつもりです」と言っておるわけです。 こういうふうに本心から患者を愛し、患者に対して何とかしようという人がいるかと思うと、病院長からその職場まで電話をかけて、そして、早くおまえの子供を出せなどと言う、全く人間としても許せないようなことを平然とやる、こういう厚生施設があってよいものかどうか。この辺に対してひとつ御説明を願いたいと思います。
○竹中政府委員 どういう患者を入院させるかあるいは退院させるかという、どこまで医学的な治療あるいは入院治療を続けていくかという問題でございますが、これはなかなか難しい個別の問題でございます。一般的に申し上げますと、どこまで入院医療をやるかというのは、大変抽象的で申しわけございませんけれども、そのときそのときの医学水準とか医療関係者のコンセンサスによりながら、それに基づいて最終的には主治医が個々に判断をされるというのが実情でもあり、そういうものであろうかと思うわけでございます。 また植物状態の患者につきまして、病状が固定化した場合に確かに根本的な治療法というのはないわけでございますが、先生からもお話がございましたように、個々のケースについては病状の変化、変動が相当あるということでございますので、そういった患者の取り扱いについては、その都度病状を総合的に勘案して、医学的治療の内容あるいは退院の可否というようなことが決められていくものであるというふうに考えているわけでございます。 それから医師と患者の関係、お話がございました。医師は患者のためにいろいろ治療の最善を尽くすということでございますし、患者が最も幸せな状態になるように進めていくのが医師であり医療であるということで、今先生からお話がございました二つの、両極端でございますけれども、医師ができるだけいい対応をするように期待をいたしておるところでございます。
○渡部(行)委員 それでは問題の解決になる答弁にはなっていないようですね。だから私はその際に、医療というものの範囲はここまでであって、そしてあとは介護の方に回すんだ。医療措置が終わって介護に回すなら、そこに何らのよどみなく回せるような体制が今度は必要だろうということですよ。ところがその体制ができていない。こんなものは何も難しいことでなくて、ベッドが足りないならベッドをつくればいいんで、そんなに金のかかる問題でもないわけです。あるいは介護に係る看護婦をふやすなりいろいろ方法はあると思います、またはそういうものを新しくつくっていくなり。ところがそういうものが全く——全くとは言いませんけれども、今非常に社会的問題にまでなっているにもかかわらず、一方において国立病院等の再編成ということを考えておる。これは大変な金がかかりますよ、今まで二つあった病院を両方やめさせて、今度はそこに新しくまた病院をつくって統合させたり、いろいろやるわけですから。そんな金があるならば、なぜ今までの既成の病院を充実強化しようと考えないのですか。実際に、大臣、あなたは民主主義国家において、そういう行政を一般住民あるいは国民の全反対を押し切ってまでやることが民主主義に合致しておりますか、この点をお聞きします。
○斎藤国務大臣 初めの問題は大変難しい問題でございまして、画一的にどの程度の症状で退院をさせるか、入院をさせるかというようなものがなかなか割り切れない問題であるということは先生も御承知の上のことだと思うわけでございます。あくまでも医療担当者の総合的な判断の上に立ってこれが行われるべきであるというふうに考えるわけであります。また、医療機関において退院が望ましい、しかしながら在宅ではなかなか受け切れないという万々に対しましては、それぞれの症状に応じて真にやむを得ない場合に施設にお引き取りをさせていただくというようなことで対応いたしておるわけでございまして、身体障害者の療護施設とかその他の施設等についてそれなりに整備をされてまいっておるというふうに私は認識をいたしております。ただ、中間施設的なものにつきましては、老人保健施設というものが先般の老人保健法の改正でお認めをいただきまして、新しくできてまいるわけでございまするけれども、他の分野における中間施設のあり方というようなことについては、これからなお取り組んでまいらなければならない分野であろうというふうに考えております。 国立病院・療養所の再編成の問題にお触れになられましたけれども、この問題は、国立病院・療養所が現在日本における医療機関の中でどのような位置づけをし、どのような部分を担当していかなければならないかという観点に立って再編成の計画を考えておるところでございまして、いわゆる一般的な地域医療というものについてはその他の公私の医療機関において十分御担当いただけるのではないか、それよりも広域的な範囲を対象として専門的また高度な医療を国立病院・療養所として責任を持って提供をいたしてまいるというふうな角度から再編成を行った方がいいのではないか、こういうことで今回の国立病院・療養所の再編を進めていこう、こういう考えにあるわけでございます。
○渡部(行)委員 そこで、一つは、前の話に戻りますけれども、外部の有識者を入れてつくられたはずの痴呆性老人対策専門家会議というものは、これはいつ設置されて、今後五年間の施策についての会議の意見の取りまとめを六十二年の夏ごろにはきちっとしたい、こういうことになっているようですが、そのあれはできたんでしょうか、このことが第一点。 それから第二点は、今大臣のお話は私の言っていることと全くすれ違いで、私の言っているのは、つまり国民や住民のすべてが反対した場合、それを押し切ってまでこの法律を通していくことが民主主義の原則にのっとっているのかどうかという点です。その点についてお答え願います。
○斎藤国務大臣 痴呆性老人対策のことにつきましては後に政府委員から答弁をさせますが、国立病院・療養所の件につきまして、ただいま先生おっしゃられましたように国民が大反対をするのを押し切ってやることが民主的であるかというお話でございます。私どもは、先ほど申し上げましたような趣旨で、国立病院・療養所の再編成をいたしたいと考えておりますので、それぞれの該当する地域におきましては、地方自治体を初め関係者の皆様方に十分なる御理解をいただき、また地域の医療が確保できるというようなことも含めて十分お話し合いをした上で御理解をいただいて、これを実施をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○渡部(行)委員 委員長、今の大臣とのやりとりを先にしてしまって、後からさっきの答弁をいただきます。いいですか。——今のお話ですが、これは具体的に福島県の問題で、国立病院・療養所の統廃合、あるいは移譲に反対するということで大臣のところにも請願書が来ておると思うのです。郡山病院と国立療養所福島病院の統廃合でございますが、しかもこれについてはこの病院の院長が大臣あてに上申書を出しているはずでございます。そして、さらに福島県を筆頭に県内の各市町村全部がこの反対請願を採択して、その資料も大臣のもとに来ているはずでございます。こうなると、この福島の国立療養所福島病院と郡山病院の統合というのはだれも賛成している人がいない。しかもこれは、その中間につくるという話が専ら飛んで、その地図まで大体でき上がっているわけでございます。こういうふうにもう地図まではっきりしてわかっているわけですが、こうなると住民はますます動揺して、これは大変なことだということになっているわけです。そうすると、福島県二百万県民が反対しているのに、それを法律でごり押しに通すつもりなのかどうか。具体的にお伺いしますが、その辺はいかがなものでしょうか。
○斎藤国務大臣 ただいまのお話は、国立療養所福島病院と国立郡山病院についてのお話だと思うわけでありますが、両施設を統合いたしまして、母子医療、がんに関する第三次の医療等を行うとともに、地域の教育、研修等を行う総合診療施設として整備いたしたいという計画を持っておるところでございます。今お話のございました病院長の上申書というのは私まだ拝見をいたしておりません。あと、地域の市長また市議会の皆様方から反対の要望なり陳情書なりはちょうだいをいたしておるところでございます。 しかしながら、また御指摘のございました第三の地点で整備をする、その地図もできておる、こういうお話でございますが、第三の地点で整備をするのか、いずれかの施設で整備をするのか、そういった点もまだ決定いたしておりませんし、そういった問題も含めて十分地元の皆様方と御協議をし、御理解をいただいてまいりたいと思っております。 どうしてもこういう問題については当初地域の皆様方から大体反対をいただく場合が非常に多いわけでございます。しかし、この再編成の趣旨とかまた再編成されたときの新しくできる医療機関としてのその優位性といいましょうか、特性というものについてよく御説明をいたすことによって徐々に御理解も深まってまいるであろうと考えております。 また、反対の御要望の中には、それぞれの地域の医療を確保しなければいけない、確保して、そのためには云々、こういう御意見が必ずあるわけでございます。私どもは、それらの地域における医療がもうなくていい、それはやらないでいいのだという観点に立っておるわけでは決してないわけでありまして、必要な医療については必要な医療機関を確保していかなければならない。しかしながら、それが国立病院・療養所でなくてはならないのかどうかについて御理解をいただきたいということでありまして、そういう後医療を確保するためにも、今回御審議を賜るうといたしております特別措置法によって後医療を十分確保していただけるようにしてまいる、こういうことであるわけでございますので、ひとつよろしく御理解をいただきたいと思いますし、私どもも地域の皆様方に本当のところを御理解いただくように一層の努力をいたしたいと考えておるものでございます。
○黒木政府委員 痴呆性老人対策の専門家会議についてのお尋ねでございますが、六十一年十月に設置をいたしております。目的は、たしか先ほど大臣から答弁いたしましたように、次官をキャップにいたします推進本部をつくっておるわけでございますけれども、その本部の報告作成に当たりまして、痴呆性老人問題は非常に専門的な医学的な事項が多いということで、外部の有識者から意見も聞こうということで会議を設置いたしたわけでございます。熱心に御討議をいただいておりまして、先ほどこれも大臣からお答えいたしましたように、近くまとまる本部報告の中にその専門家会議の御意見も反映されるものと承知をしております。この専門家会議の会議自体の報告をまとめる予定はございませんが、本部の報告の中に盛り込まれた形で報告があるというふうに考えております。
○渡部(行)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○古賀(誠)委員長代理 新村勝雄君。
○新村委員 日本では現在医師の数は一応充足されたと言われておりますけれども、地域的には依然として僻地、いわゆる無医地区が存在すると思います。無医地区といいましても定義の仕方がいろいろあると思いますが、厚生省としてはこの無医地区、僻地医療、特に無医地区がどのくらいあるのか、それをまず伺いたいと思います。それからまた、その定義の仕方についても伺いたい。
○竹中政府委員 無医地区の数でございますが、昭和五十九年十一月三十日現在で千二百七十六地区、その無医地区内の人口が三十一万九千七百九十六人ということでございます。
○新村委員 この無医地区あるいは無医地区の人口三十一万ということでありますが、この完全解消が国民医療にとって絶対に必要だと思います。 そこで、僻地医療、無医地区の解消のために厚生省としても努力をされておるわけでありますが、一方、自治体としても自治医大というものをつくって努力をされておるわけでありますが、この自治医大の運営、卒業者の卒後研修あるいは一定の期間が経過した後における再研修、そういったことの考え方を通じて、自治省と厚生省というか自治医大と厚生省との間に若干のあつれきがあるやに聞いておるわけであります。 まず、厚生大臣は参議院の予算委員会でこの問題について、僻地中核病院の現状について答弁をされております。その中で、プライマリーケアや包括医療に関する研修はそこで、僻地の中核病院で十分に行われている、ということは、満足な状況にあるということを答弁されておりますけれども、この御認識は現在でも変わりございませんか。 それからもう一つですが、多科ローテート方式というのは、これは研修のシステムとしてそういうものがあるのですか。
○竹中政府委員 後段でお尋ねの臨床研修の方式でございますが、私ども大まかに三つに分けておりまして、ストレート方式、ローテート方式、それから総合診療方式、この総合診療方式のことをスーパーローテート方式、かなり広い範囲の診療科にわたって研修を行うというものをいっているわけでございます。
○斎藤国務大臣 先生御指摘の、参議院の予算委員会におきまして、僻地医療に携わっていただく医師の皆様方の研修につきましては、プライマリーケアとか包括医療という面においてそれぞれの地域の中核病院がその研修に十分こたえているというふうに申し上げた次第であります。ただし、それ以上の、いろいろな御希望によって、それぞれの医師の不得意な分野あるいは得意な分野をなお一層研修をいたしたいとか、そういったようないろいろなバラエティーというものに対応するものがほかにあっても、またそれとしてしかるべきではないかというふうにもお答えをいたしておるところでございます。
○新村委員 いわゆる研修指定病院というのは全国にどのくらいございますか。それから、僻地中核病院というものがどのくらいあるのか。そして、この研修指定病院並びに僻地中核病院のうちで、いわゆるスーパーローテート方式をとっておるといいますか、それを行っておるところ、スーパーローテート方式、多科ローテート方式、これはどっちでも同じなんですか。これをとっているところは何病院ぐらいございますか。
○竹中政府委員 僻地中核病院の数でございますが、六十二年度で百十九ということでございます。それからもう一つ、お話しの臨床研修の指定病院でございますが、これは医師法に定められております医師免許取得直後の二年間、臨床研修を行うということになっておりまして、それは大学病院がまたは厚生省の指定病院で行うということでございます。したがって、地域中核病院とは全く別のものでございますが、この臨床研修指定病院は六十二年度で全国で二百十七でございます。それから、スーパーローテート方式の臨床研修を行っておる病院でございますが、今具体的な数字をちょっと持ち合わせておりませんが、私どもこれを大いに普及したいと思っておりますが、ごくわずか、せいぜい十ぐらいの病院ということでございます。
○新村委員 スーパーローテート方式は十、それから、それは僻地中核病院の中で十なのですか、それとも……。
○竹中政府委員 僻地中核病院と申しますのは、それぞれ僻地医療のための現地における中核病院でございまして、どちらかというと中型ぐらいの病院でございます。それに対しまして臨床研修指定病院と申しますのは、全国で二百十七ということで、むしろ大型の総合病院でございます。したがって、僻地中核病院と臨床研修指定病院とは全然別の病院でございます。十と申し上げましたのは、臨床研修指定病院二百十七病院のうちでスーパーローテート方式を実施しておる病院が十病院程度である、そういうことでございます。
○新村委員 そうしますと、僻地中核病院ではスーパーローテート方式はやっていないということですか。
○竹中政府委員 スーパーローテートと申しますのは、先ほど来申し上げておりますように卒業直後の二年間の臨床研修のタイプとして言われておるものでございます。しかし、中身としましてはできるだけ広い診療科目について、特にプライマリーケアを重点に置いた研修方式でございますので、僻地中核病院でこれはむしろ僻地に勤務をしていただくお医者さんについて研修をやる、今の医師法に基づく臨床研修とは別のものとして一般的な意味での研修、僻地診療に当たっておられる先生方の一般的な意味での研修が僻地中核病院で行われておる、その中身の多くはやはりプライマリーケアに対応できるような幅広い各診療科の研修ということでございますので、全然別の話ではございますが、中身的にはかなり同じような研修が行われておる、そういうふうに理解をいたしております。
○新村委員 そうしますと、はっきりしませんけれども、僻地中核病院ではスーパーローテート方式は行っていないということですね。
○竹中政府委員 二つの話が混線をいたしておりまして大変恐縮でございますが、一つの話は、医師法に定められております医師免許を取った直後二年間は臨床研修に努むべしということが医師法に規定をされておりまして、その二年間の臨床研修は大学病院または厚生省の研修指定病院で行われておる、そのときの研修の方式にスーパーローテート方式というのがあるというのが一つの話でございます。 もう一つは、それとは全く別に、自治医科大学を卒業された方を含めまして、僻地の診療所等に勤務をしていただいておるお医者さんに対しまして一般的な研修をする。今の医師法に基づく研修ではなしに一般的な研修をする、それを僻地中核病院が担当しておるわけでございますが、そこでは別に何々方式、何々方式という方式は特に定めておりません。ただ、僻地中核病院で行われておる研修も、プライマリーケアに対応できるような医師を養成するための幅広い診療科の研修ということであるということでございます。
○新村委員 そこで自治省では——自治省ではというよりは自治医大ではでしょうけれども、首都圏に第二附属病院をつくってスーパーローテート方式の研修をしようということのようでありますけれども、現在自治医大の卒業生は指定病院で研修をしておるわけですね。そこで、特に第二病院を一カ所つくってそこで研修をするということは、本来の目的が僻地医療に従事をする医者の養成にあるわけでありますから、ちょっと理解しがたい点があるわけです。それよりは、むしろ全国の研修指定病院あるいは僻地中核病院で研修をされた方がいいのではないかというふうに考えられるわけでありますが、第二病院を殊さら一カ所設置をするその考え方はどういうことなんですか。
○磐城説明員 自治医科大学の卒業生の場合、今御指摘のように卒業と同時に出身都道府県に戻りまして、医師法に定められました二年間の臨床研修を受けた後、直ちに知事の指示に基づきまして第一線の医療に従事することになっております。しかも、その後一定期間僻地の医療に従事することがこの卒業生には義務づけられているわけでございます。 自治医科大学の卒業生の勤務する僻地等におきましては、身近に指導医もおらず、また研修の機会等にも恵まれないため、日進月歩しております医学や医療技術にややもすれば立ちおくれがちでございます。全国にはローテート方式を採用する研修指定病院があり、卒業直後の臨床研修及び義務年限内におけるいわゆる後期研修においではこれら臨床研修指定病院等が利用されているところでございますが、自治医科大学が建設を予定しております第二病院は、九年間の義務年限を終了した卒業医師のうち、今後も引き続き僻地等における総合医として第一線の地域医療に従事しようとする医師に対して、改めて今日の医学、医療技術の進歩に対応し、計画的に能率よく質の高い研修を行って、高度な臨床能力を持っていただくことを目的としてつくられる病院でございまして、自治医科大学卒業生の置かれたこのような特性を踏まえて建設されるもの、このように承知しております。 また、建設場所が大都市の周辺である大宮市ということで進められておりますが、大宮市を選定した理由といたしましては、自治医科大学の本大学と近く、有機的な連携が可能であること、また、大宮市における医療の需給関係等から見まして、第二病院が大宮市における地域医療に貢献できること、そして、医師の卒後研修のためにはできるだけ多くの疾患についてより豊富な症例を体験することが必要でございますが、大宮市においてはこのような条件が整っているということ等で選定した、このように承っております。 〔古賀(誠)委員長代理退席、委員長着席〕
○新村委員 時間がありませんから続いてずっと申し上げますので、まとめてお答えをいただきたいと思います。 そうしますと、将来は自治医大の附属病院で卒後研修をやった方がいい、及び再研修、これも自治医大の附属病院でやった方がいいとお考えであるのか。 次に、今自治医大の卒業生は研修病院でやっておるわけですけれども、ここでは研修が不十分であるとお考えであるのか、そのために一カ所に集めようとしておるのか。 それからもう一つは、自治医大の性格ですけれども、自治省の官房参事官がかつて全国の自治体病院の会合の席で、自治省においても、交付税の算定を通じ、設立の際に出資していただいたものの返還金あるいは臨床学習していただく方々の給与について交付税で措置をしているというふうなことを言っておられますけれども、これは間違いないのか。そうしますと、自治医大は私立大学ではありますけれども、半ば国立の性格を帯びてくるわけですね。そういう性格的なあいまいさがあるわけでございますけれども、この点をどう説明されるのか。 それから、今までお伺いした一連のことを通じて、厚生省が計画をされておる無医地区の計画あるいは率後研修あるいは再研修の体系と、自治医大が今考えている卒後研修あるいは再研修の体系とがうまくマッチをしていないという印象を受けるわけであります。そして、ややもするとこれは、僻地の医療に関する限りは、自治医大主導のもとにその今後の運営が行われるということであって、厚生省の計画とそこにそごあるいは摩擦が生ずるのではないかという危惧があるわけでありますけれども、これらについてどうお考えでございますか。
○磐城説明員 今、自治医科大学の第二病院について御答弁申し上げましたが、いずれにいたしましても、日進月歩をしております医療技術、医療内容に対応していくためには、それぞれさまざまなタイプの研修が必要であろうかと思います。自治医科大学で考えております第二病院というものも、主としてこのような自治医科大学の卒業生の置かれております特性に基づいて、それを踏まえまして、今後さらに僻地医療等を初めとする地域医療に貢献していただくために欠けているものを補っていく、このような趣旨でつくられているわけでございまして、医師免許取得後の臨床研修あるいは一定期間の僻地の勤務を終えた後、一度それぞれの県の主たる病院に戻ってまいりますが、そこにおける後期研修等々と組み合わせながら、研修をいろいろな段階で進めていく必要があるのではないかと思っております。多様な研修の一つの段階としてこの第二病院というものも位置づけられるもの、このように考えております。 次に、今厚生省の方で体系を立てておられますさまざまな研修が不十分であるかどうかということでございますが、いずれにいたしましても、自治医科大学卒業生の場合には、医局等での勉強の機会等もその制度上ないわけでございまして、そういう点、他の医大卒業生の場合に比べまして何点か不利な点もございます。こういうものを制度的に補完していくということも必要なのではないか、このように考えております。 次に、自治医科大学の運営に当たりまして地方交付税措置が行われているかどうかという点でございますが、これは、現在も地方交付税措置が各県均等で行われておりまして、その性格は、一つは大学の教育、運営に必要な経費でございまして、もう一つは、在校生に対しますいわゆる奨学金でございます。したがいまして、今先生御指摘のような医師になってからの報酬ということについては、この地方交付税措置の対象には含まれておりません。 それから、自治医科大学の性格でございますが、国立てはないかということでございますけれども、設立は、各都道府県の共同融資ということで設置しております。したがいまして、その意味では形式上も国立とは一線を画されると思いますけれども、しかし、その存立目的というものは、いずれにいたしましてもかなり公共性の強いものである、このように思っております。 最後に、厚生省の研修体系と自治医科大学が考えておる研修とずれなりそごがあるのではないかということでございますが、私どもも、厚生省が全体として医師の能力の向上等に対して考えておられます研修の中に位置づけられるものである、このように考えております。
○斎藤国務大臣 厚生省といたしましては、僻地医療対策を進めていくため、僻地中核病院の整備等の僻地保健医療計画を策定いたしまして推進いたしておるところでございます。 自治医科大学卒業医師につきましては、僻地医療の確保のために少なからず貢献をしていただいておると考えております。このたびの自治医科大学の第二病院計画につきましても、これが僻地に勤務する若い医師の研修等を通じて僻地医療の充実に資するものとなるよう期待いたしておるところでございます。
○新村委員 あと、質問を予定していたのですけれども、時間がありませんので次に譲ります。建設省、おいでをいただいていると思いますけれども、別の機会にお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○堀之内委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 委員長、理事の御配慮によって、極めて短い、二十分間という異例の時間の中で質問をしますので、私も協力したのですから、どうかひとつ答弁も、長たらしい暑くなるような答弁は要りませんのでお断りしておきますとともに、時間のないところをお呼びしてお帰りを願わなければならない省庁の皆様には、あらかじめ御無礼をお許しを願っておきます。 最初に、インフルエンザの予防接種についてでございます。端的にとんとんと聞いていきますので、御返事だけいただければ結構です。 一つ、インフルエンザの集団予防接種の効果はあるのかないのか、その効果と副作用と事故とのバランスはどうなのか、これが一点。 二点目は、厚生省のインフルエンザ流行防止に関する研究班ではどのような意見が出されたのかということでございます。インフルエンザには御存じのとおり香港A型とかB型とかいろいろございますが、副作用も非常に多い。しかも、これは強制的な接種を小中学校で子供さん方にやらしておりますが、強制的にやることに対する意見が続出しております。また、新しい型の副作用の少ない薬を出したと言われておりますが、全国でも多数の事故が出ております。事故といっても、事故というほどの事故なのかどうかはその判定に極めて難しいものがございますが、副作用があることは事実でございます。また、父兄の中にはそういう強制的な接種についての疑義もあり、また都道府県、地方公共団体の財政負担も大変なものでございますが、この際そういう点についてお尋ねいたします。
○仲村政府委員 インフルエンザにつきましては、先生が今おっしゃいましたような議論がたくさん出ておるのも事実でございますが、私ども、インフルエンザの唯一の予防対策というのはワクチンしかないということで考えております。これはWHOも同様の考え方でございまして、私どもとしてはインフルエンザに対してはワクチンを接種したいということで考えておりますけれども、おっしゃるように、ワクチンでございますので異物を体内に入れるということで、副反応が生ずるということもございます。これにつきましては、ワクチンを改良いたしまして、現在は非常に副反応の少ないワクチンでございますけれども、それにつきましてもいろいろ議論が出ました関係で、私ども、インフルエンザ流行防止に関する研究班という研究班を設けていろいろ検討していただきました。 ワクチンの効果に関する内外の文献の収集と評価、ワクチン接種現場の医師の意識調査、予防接種を中止している地区の調査に対する評価、インフルエンザ対策に関する法的基盤の検討、ワクチン生産体制等に関する検討、この五つを柱といたしまして研究班の研究を進めていただいたわけでございまして、個人防衛効果はこのワクチンについてはあるということで御判定をいただいております。ただし、集団免疫効果については確実に判断できるほどの十分な研究データはないという結論でございます。 ワクチン接種に従事しているお医者さんの御意見といたしましては、市町村の責任で実施し、正しい健康教育により自主的な協力を得る方がよいというお考えを持っておるお医者さんが非常に多いということでございます。 それから、法的基盤の検討の内容では、対象者の義務を強調するよりも、予防接種の効果と公衆衛生上の意義を理解させる健康教育を重視して、これを前提として予防接種を実施することが必要であるというふうなことで御結論をいただいておるところでございます。
○小川(新)委員 すると、現在の強制的な接種は続行ですね。
○仲村政府委員 種々の判断がございますが、市町村が責任を持って実施するという体制が責任の所在を明らかにする、あるいは、今おっしゃいましたけれども、費用負担の点を考えると非常に好都合であるというようなことから、私どもとしては、インフルエンザの予防接種を今直ちに廃止するというのは非常に難しいことではないかというように考えております。
○小川(新)委員 そうしますと、あくまでも、事故とこれに伴うところの患者及び父兄からの問題については、市町村が責任を負うのであって厚生省が負うのではない、こう言うのですか。
○仲村政府委員 予防接種を実施する際には、都道府県知事が必要と認めた場合に市町村にそういう形で実施していただくという形が現在行われておりますので、その形は、今直ちに廃止するのは困難であるということでお答えいたしました。
○小川(新)委員 次に、大学病院等における医療と研修の見直しにつきまして御質問させていただきます。 最近は医療費が毎年一兆円ずつ上がるということで、保険医療費抑制の中間報告が六月十一日に出ました。厚生省の国民医療総合対策本部が大学病院との関連性についての中間報告を出しております。それを拝見いたしますと、「大学病院における研修や医療は、研究、教育、診療が渾然一体となって実施されている。大学病院は他の医療機関に比べ重症、難病、原因不明の患者等に対する医療のウエイトが大きいという特徴がみられるが、ややもすると研究優位の姿勢からくる過度の専門指向や検査指向型の診療傾向がみられる。」これに対してまず注意をしなければならぬということを前置きにして、ずっといきまして、「具体的な方策」として、「大学病院など高度専門病院に対する診療報酬の在り方の見直し」として、「大学病院等においては、研究、教育、診療が渾然一体となって実施されているが、考え方としては、本来それぞれの機能を区分し、医療保険としては診療部分を評価すべきである。このような視点から、検査料などについて大学病院等の実態に即した診療報酬の在り方を検討する。」これは一体どういうことなのかということです。その機能をまず区分しろと言っている。大学病院では研究と教育と診療とが混然一体となった中で診療体系ができているから、患者に対してもまた補助を受ける側に対しても、目的外の高い医療費になるということを指摘したんだ、こう理解しているわけです。そして、それを検討しなければいかぬということをまず言っておりますが、これはどういうことを検討するのですか。
○下村政府委員 大学病院が教育研究機関としてこれまで我が国における医療の高度化あるいは医療技術の向上に大きな役割を果たしてきた、この事実については厚生省も否定するわけではございませんが、医療保険の立場で見ますと、大学病院がそもそも保険医療機関になったというのは、保険でも大学病院にかかりたい、大学で高度なかつ専門的な医療を受けたいというような希望が被保険者にあって、保険医療機関に指定したわけでございます。 しかしながら、日本の医療制度ではどの医療機関にも患者の選択によってかかれますので、大学病院にもどなたでもおいでになる、現在の状況から見ますと、総体としての患者数の伸び率は落ちてきているわけでございますが、大学病院だけは非常に高い伸びで患者の数がふえているというふうな状況でございます。そういう状況の中で、すべての患者について高度な医療が行われる、あるいは高度な医療が行われる場合であっても医療保険の場合には、やはり教育とか研究とはある程度一線を画して、一定の限度があるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。 こういうふうな考え方から医療保険の立場からは、大学病院に対して、高度専門医療ではあっても一定の節度を求めていきたい、理論的には、現行の教育、研究、診療のうちで診療部分を評価して、保険としては支払っていくというのが正当ではなかろうか。ただ、これを実際問題として画然と分離できるかどうかということが困難であるとすれば、診療内容から見ますと検査の部分が他の病院と比較して突出した格好になっておりますので、この高い検査料についてあるべき診療というふうな立場から見るとどの程度のものになるかという具体的な内容を決めていきたい。ただ、そのやり方についてはなかなか難しい問題がありますので、大学側といろいろ協議を重ねていこうということでただいま第一回の協議が終わって、秋にもまた引き続いて協議をしょう、こういう段取りになっておるわけでございます。 また、大学病院の場合には、他の医療全体に対する影響力が非常に大きいので、そういう面からも大学病院の問題というのは重視しているわけでございます。
○小川(新)委員 文部省来ていますか。——反論してくださいよ。
○佐藤説明員 大学附属病院というのは、医学、歯学の教育、研究に必要な施設として文部省の方で大学設置基準というものを定めて、学生の臨床教育あるいは医師の研究活動、また卒後研修の場として機能するように定めたものでございますが、また同時に医療法上の機関として一般患者に対する診療を行う、こういう役割を担っておるわけでございます。このために、学生の教育の観点からいえば、軽度から重度まですべての症例を扱うということが必要とされますし、またその医学医療の発展というものを支えていくその重責、こういった点からいえば、診療水準を維持する、そういう観点から、一般の医療機関では診断、治療が困難な重症あるいは難症の患者も多数受け入れておりますし、また各地域の中核的な医療機関というものになっておるわけでございます。 大学病院の使命が教育、研究、診療であると言われても、それはあくまでもその診療行為は、検査等を含めまして患者のために行うということは大前提でございまして、患者から得たいろいろなデータといったものを教育、研究に役立たせていただいておる、こういうふうに私どもは考えております。
○小川(新)委員 要するに今何だかんだ言っているけれども、厚生省の言っていることでは納得できない、今のままがいいんだ、そんな何だかんだ中間報告で心やかましいこと言うな、結論として言えばそういうことなんでしょう、端的に言えば。
○佐藤説明員 私どもといたしましては、医療費全体がなかなか難しい局面に来ているということでは認識を一にしているわけでございますが、ただ、大学病院の機能というものについては、単に診療面だけから見るというわけにはまいりませんので、やはり教育、研究の面があるということを十分認識していただきたい、こういうように考えております。
○小川(新)委員 厚生大臣、お聞きのとおりです。だから今対立しているわけです。それで、これは私も大学病院へ入院いたした経験者の一人からいえば、非常に患者側としては実に微に入り細に入り検査をしていただけるし、総合病院的な立場に立っての診断ができてありがたいわけですが、その診療費がほかの病院よりも二倍から三倍高いというようなことの御指摘もあるので、その辺のところは大臣、決着をつけなければいかぬですな。中間報告が出たら出っ放し、お互いに下の方では議論をしっ放し、それでは日本の医療行政になりません。大学という高度なそういった研究と教育と診療というのが混然一体となって今のような大学病院の成果が出ているということであれば、ただ単なるお金の分野だけで論じてもいかがなものか、こういう考え方もございますけれども、また一面から見れば、医療費が年々一兆円も重なってくる中で、当然保険料という問題も考えなきゃいかぬということですね。 それで、もう一つお尋ねしておきたいことは、こういうことを言っているんですね。今度「大学病院など高度専門病院における外来診療の見直し」ということですね。「大学病院など高度専門病院」と、これはまた位置づけてしまっているんですがね。「高度専門病院」という位置づけ。これは果たしていいか悪いかちょっとお聞きしますが、「その本来の機能が発揮できるよう外来診療の在り方を見直すそのための方策として、紹介外来制や医療費の支払方法の在り方など今後幅広く検討を行っていく必要がある。」と言うのですね。この「紹介外来制や医療費の支払方法」ということは、ある程度締め出すという意味なのか、それともその辺のところはどうなんでしょうかね、この検討は。これは大臣の政治的判断からひとつ……。専門家がお話しになると私はわからないのです、難しくて、何を言われているのだか。ちょっと大臣の高度な洗練された政治的頭脳の中から御答弁いただきたいのですが、いかがでしょうかね。
○斎藤国務大臣 このたびの医療総合対策本部におきます中間報告は、決して医療費の抑制のための中間報告ではございませんで、より一層良質な医療サービスを提供し、また効率的な医療サービスを提供していく、こういう観点からの、時代の趨勢に沿って常に見直していかなければならないという観点から、今回の中間報告をまとめたわけでございます。 そのうちに四つの大きな柱がございますが、その一つに、大学病院についての検討ということもあるわけでございます。先ほど来お話がございますように大学附属病院におきましては、教育そして研究、そして診療というものが混然一体となって行われておるわけではございますけれども、しかしそれぞれの分野における医療上の評価というようなものがあっていいのではないか、これをどのように評価をしていくかということについて検討をいたしてみたい、こういうことが一つであります。 また、非常にざっくばらんな言い方をいたしまして恐縮でございますけれども、大学病院に風邪引きや腹痛まで飛び込む、また他の診療機関でも十分対応できるような疾病においても大学病院に飛び込むという傾向、これが必ずしもいいのかどうか。やはりそれぞれ限られた医療資源でありますし、その供給体制というものがそれぞれの持ち分があるわけでございますので、そういった持ち分において診療を行っていただき、そしてこれまで大学附属病院が果たしてこられました高度専門的な医療というものについてはそれなりの評価をさせていただく、こういう観点からいろいろ見直しをしまた協議をしてよりよき医療の提供に向けてまいりたい、こういうことでございますので、これはもうまさに医療の中身にも入ってまいることでもありますから、医療担当者、大学病院の担当者の方々と十分なお話し合いをし、そしてコンセンサスを得ながらよりよき方向に向けてまいりたいと考えておるところでございます。
○小川(新)委員 一言私、大臣にちょっとクレームをつけたいのですが、ただ単なる風邪引きだ、腹痛だなんという判断は私たちにはできないわけですね。風邪がもとで死んじゃう人だっているんだし、腹痛がただ腹が痛いのか盲腸なのかがんなのか、そんなことはわからないわけです。だから、これはただ腹痛、風邪引きだけで済めばこんないいことはないのですが、それをさらに拡大しないまた大きくならないように注意するために、患者の心理としてより高度な整備された病院の選択権の自由という中でやっていることですから、どうかひとつその辺のところは御認識をしていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 それは俗っぽい言い方で恐縮でございますがと申し上げましたが、やはり初期診療を担当する分野もあるわけでございますから、そういう分野において診療を受け、そして大学府院においてより高度な医療を施した方がいいという判定をいただいて行っていただくというようなことも十分考えられるのではないかという意味でございます。
○小川(新)委員 時間がないから、ちょっと最後に一問だけ聞いて、これで終わりにします。 ダニの問題でちょっとお聞きしたい。家庭でのダニ発生が最近多くなりまして、ぜんそく、アレルギーなどの原因となって社会問題化しているところでありますが、南京虫とかシラミと同格にダニを扱うということが一体いかがなものか。医療性のそういった害虫に対してはハンドがあるわけですね。農薬害虫は農薬取締法で規制され、衛生害虫、ゴキブリ、ノミ、シラミ、南京虫は薬事法、伝染病予防法で規制されておりますが、かゆい、痛いだけの不快害虫、ダニとかも虫とかムカデなどはどの法律にも該当していない。そこで、いろいろなダニの業が出てまいりまして、今それの副作用が問題になっている。例えば、今問題になっておりますダニ用シートの安全性のチェック、有効成分や使用上の注意の表示を法規制の対象にすべきであると思うけれどもどうか。しかも日本古来の畳が、じゅうたん等から比べればダニの発生が百倍から二百倍も少ないということの認識の中で、一体政府はそういう問題をどうつかまえていらっしゃるのかという点を、時間がありませんから非常に質問が粗雑になりましたが、ひとつ御理解あるところをお聞きいただきまして、質問を終わらせていただきますので、答弁をお願いいたします。
○北川政府委員 最近の住宅事情は一般的には非常によくなっておるわけでございますけれども、その反面、そういった衛生害虫が我々の日常生活周辺に繁殖してくる、こういうことで、よりよい住宅環境をつくっていく、こういう観点からダニの問題も一つ取り上げておるわけでございます。 ダニは、最近特にアレルギーとの問題等も非常に出てまいりまして、今までわかってない点が非常に多い、こういうことから、臨床の専門家あるいは衛生動物の専門家あるいは建築の専門家これが一堂に集まっていろいろ問題点を協議していこう、将来適切ないろいろな研究の結果対策を考えていきたい、このように考えておるところでございます。
○小川(新)委員 終わります。
○堀之内委員長 古川雅司君。
○古川委員 原爆投下、終戦から四十二年の歳月が過ぎました。ことしもまた、広島では八月六日、長崎では八月九日、忘れ得ぬ暑い日を迎えるわけでございます。大臣には昨年広島にお越しをいただきまして、平和祈念式典また被爆者の代表にもお会いをいただきまして、御記憶に新しいところかと存じます。被爆者の間では高齢化が進んでおりまして、被爆者にとって被爆五十年あるいは六十年はないという悲痛な叫びも日増しに強くなっているところでございます。 さて、本国会の冒頭、七月八日でございましたが、国務大臣の演説に対する我が党の石田幸四郎議員の質問に対しまして、被爆者援護法並びに原爆被爆者対策につきまして総理がこのように答弁をしておられます。「被爆者の受けた放射線による健康障害という他の戦争犠牲者に見られない特別の犠牲に着目して、広い意味における国家補債の見地から、被害の実態に即した措置を講じておりまして、」こうして現状としては「今後とも現行の原爆二法」によって対処していくというお考えを示されたわけでございます。これは従来と全く変わっておりません。しかし、この答弁の中で述べておられます「被害の実態に即した措置」という点につきまして、この被害の実態、またその措置をこれから見直しをしていかなければならない点について最近幾つかの報告がなされております。公表されております。その点について、若干お伺いを進めてまいりたいと思います。 まず最初に、いわゆる黒い雨の地域の見直しに関する問題でございますが、これは昨日、二十八日の参議院社会労働委員会でも質問が出たというふうに聞いておりまして、まことにそっけない御答弁であったと耳にいたしております。これは五月に筑波大学で開かれた気象学会で、広島の原爆投下直後に降った黒い雨は従来の調査の二倍の範囲に及んでいた、こうしたデータが元気象研究所研究室長の手によって明らかにされたということでございまして、これは、被害地域の根本的な見直しが必要なのではないか、あるいはまた健康診断特別区域、いわゆる黒い雨降雨地域でございますが、その拡大につながっていかないかということであります。この点につきましては、既に七月七日でございましたか、広島市議会から内閣総理大臣と厚生大臣にあてて「「黒い雨」地域の見直しに関する意見書」として提出されているところでございます。これが一つ。 それともう一つは、原爆の放射線量の大幅修正の報告でございます。これは、広島、長崎両市に投下された原爆の放射線量の見直しを進めていたいわゆる日米合同の原爆線量再評価検討委員会、ここが八日に厚生省に対して報告書を提出いたしております。広島の原爆につきましては、その威力が定説より二〇%強かったという報告でございまして、これは現行の被曝基準がいずれも暫定数値のデータとしては非常に影響を少なめに見てきたのではないか、極論すれば甘過ぎたのではないかということも指摘されているわけでございますが、この二つの報告について厚生省としてはどう受けとめてこれから対処していかれるのであるか、まずその点からお伺いをしていきたいと思います。
○仲村政府委員 黒い雨の問題でございますが、増田博士が研究発表をされたということを知っておりますし、私どももその資料をちょうだいいたしまして現在精査をしておるところでございますけれども、先生御自身の申しようでも、まだ引き続きいろいろ調査をなさるということをおっしゃっておられるようでございますので、私どもといたしましても、今後の研究データにつきましてもいろいろちょうだいしながら検討してまいりたいと思います。五十五年に私どもが原爆被爆者対策基本問題懇談会からちょうだいいたしました報告書にもございますように、残留放射能等「科学的・合理的な根拠のある場合」に限って地域指定を行うことが重要であるということでございまして、五十一年と五十三年に残留放射能調査をいたしましたところ、私どもの判断といたしましては、黒い雨地域と他の地域との有意差はないということでございますので、増田先生の研究の基礎資料となりました手記、アンケート、調査のみをもって科学的、合理的な根拠があると判断するのは非常に難しいということで考えておるところでございます。 それから線量再評価の問題でございますが、これはアメリカのネバダで実験されました原爆の線量の測定と日本の広島、長崎へ落ちたのとが少し違うのではないかということから御議論が始まりまして、日米共同で原爆によります放射線の物理学的な線量を決定するということでの作業を行ったわけでございます。御指摘のとおり、報告書をいただきましたが、物理的な線量を新たな決定をいただいたわけでございますので、今度は、その放射線の生物学的な影響について現在、放射線影響研究所でその解析作業を打っておりますので、その結果を待っておるところでございます。この報告と放影研の方の作業結果とあわせまして審議会の御意見などを伺うというふうなことで考えておるところでございます。
○古川委員 どうも被爆者対策につきまして、厚生省の基本的な理念といいますか、昭和五十五年以来、いわゆる厚生大臣の私的諮問機関である原爆被爆者対策基本問題懇談会、いわゆる基本懇の意見をなかなか乗り越えられない。それを一つの壁にして、それを被爆者の意見をはね返す材料として今日まで通してきたのではないか。いわゆる基本懇の意見に述べております、原爆被害を含めて、戦争による被害は「すべての国民がひとしく受忍しなければならない」というこの考え方が非常に大きく阻んでいるのではないかというふうに思うわけであります。 こうした実態の報告がなされ、それに対する対応を見るにつけましても、どうもこの考え方をこの辺で大きく翻していかなきゃならない、受忍ということを撤回していかなきゃならないのじゃないかという感を強くしているわけでありますが、報告として厚生省がことしの六月五日に発表いたしました昭和六十年度の原爆被爆者実態調査、この結果の公表がございます。片や被団協の約一万三千人を対象といたしました原爆被害者調査第一次報告、これは昨年の十二月六日に公表されております。 この二つの調査を見ますときに、大臣もこれは当然目を通していらっしゃると思いますけれども、二つの調査の間に基本的な性格の相違、取り組みの相違、したがって、その内容、解析、分析、そういったことに相違点が出てきているのではないか。実態は一つ事でありますけれども、これはどうしたことなのか。この被団協の調査も大勢の方が一生懸命苦労をしてこつこつと集めた資料であります。不十分だと謙遜はしていらっしゃいますけれども、この中に被爆者の実態が強くにじみ出ていると思います。なおかつ、厚生省がせっかく進められました六十年度の被爆者の実態調査の報告につきましても、被団協なりの見解を示しているわけでございますから、厚生省としてはこの被団協の調査についてどういう認識で受けとめていらっしゃるのか、その点もひとつこの際明確にしておいていただきたいと思うのでございます。 多少話は変わりますけれども、八月の六日には広島市へ中曽根総理大臣が再び訪問されまして、平和祈念式典を初め諸行事に参列をされると伺っております。もちろん総理がいらっしゃるのですから、手ぶらというわけにはいかないと思います。前回せっかくおいでになったときも、被爆者の心を逆なでするような、誤解を受けるような御発言がありまして大変残念でございましたけれども、今回、総理として四十二年を期して一つの節目として被爆者の援護政策に対して何らかの明確なお考えをお示しになるときではないかと考えるわけでございます。 いろいろな調査あるいは報告、また厚生省みずからがこれまで三回にわたっていろいろな実態調査をまとめてこられました。それにまた今申し上げたような被団協あたりがまとめた実態調査もございます。さらに、これから進めていきますれば、アメリカにあるまだ公表されない資料を取り寄せる、それに対してどう取り組んでいくか、また別の問題でありますけれども、そういったことを含めて、そろそろこうした調査結果を総括して被爆実態の白書というようなものを取りまとめる必要があるのじゃないか。 これは、今非常にグローバルに世界的に被爆の実態というものが見直されているわけでございます。「ザ・デイ・アフター」という映画、また最近公開になりました「風が吹くとき」というアニメ映画、そういったことも非常に大きなセンセーションを巻き起こしております。また、世界各地で開催されております核の脅威展、そういったものを通して、世界じゅうの人が被爆の実態について今初めて目を開いたという感動とともに、また脅威を感じて核の廃絶、軍縮に対しての思いを新たにしているわけでございます。 そういう意味で、長々と申し上げましたけれども、厚生省としてはそうした世界に示し得る被爆の実態というものを四十二年の歳月を経た今きちんとまとめて提示をする、これは被爆国家としての大きな責任でもあるし、非常に大事な事業になるのではないかと私は思います。総理大臣の広島訪問の手土産の話からそこまで発展をしてしまいましたけれども、大臣のお考えをお示しおきいただきたいと思います。 なお、この厚生省の実態調査につきましては、非常に不明確な部分がまだ残っておりまして、例えば自由記述部分の分析であるとか、あるいは死没者調査であるとか、そういったものをこれからどう取り扱っていくのかということも非常に大きな問題でございます。 大変限られた時間でございまして、質問を時間内に終わらせてまとめて御答弁をいただくことになりますが、こうしたことを考えてまいりますと、これまで被爆者から、あるいはまた広島、長崎の八者協からいろいろな被爆者援護措置の充実強化についで要望が寄せられてまいりました。被爆者健診においてがん検診をどうするのか。七十歳以上の健康管理手当、この更新の手続を廃止する問題、これをどうしていくのか。すべての手当の所得制限を撤廃してほしい、これに対してどうしていくのか。原爆の死没者に特別給付金を支給する、こういった問題も、列挙をいたしますと切りがありません。たくさんございますけれども、中でもこの七十歳以上の健康管理手当の更新手続を廃止するという要望は、先ほど申し上げましたとおり、これは高齢化が進んでいる中で非常に強い声がございます。 この点について、一昨年、六十年五月二十三日の社会労働委員会で当時の増岡厚生大臣はこう答弁しておられます。「健康管理手当につきましての有効期間、すなわち更新でございますが、これは御指摘のように病状固定という現象があろうかと思うわけでございますので、できるだけ手続上の負担軽減ができるように事務当局に検討させたいと思います。」その後、国費でございますから全く廃止してしまうというわけにもいかないという実態はお述べになっておりますけれども、この検討はその後どうなっているのか、どう進んでいるのか、ひとつお伺いをいたしておきたいと思います。 さらに、これは厚生省の方でも既にお聞きになっていると思いますが、財団法人の放射線影響研究所、いわゆるABCCの移転の問題でございまして、これは市内の適地へ早期に移転をしてほしいという要望が広島市を中心に出されております。その理由についてはここではもう述べませんけれども、長年の要望でございまして、広島市においてはこの放影研の移転予定地も本年の七月に確保しているところでございます。厚生省としてもこの辺で御決断をいただいて、大蔵当局との詰めをしていただきたいということを痛切に思うわけでございますが、この点も含めて御答弁をいただき、私の質問を終わりたいと思います。
○仲村政府委員 大臣に御答弁いただきます前に事務的なことでお答えさせていただきますが、調査の関係でございますけれども、生存者調査については既に発表したとおりでございますけれども、お尋ねの死没者調査につきましては、かなりの回収率、約八〇%ぐらいの回収率をちょうだいいたしておりまして、このデータにつきまして現在広島市、長崎市において既存資料との照合等いろいろ整理を進めておりますが、まとめるまでにはやや日時を要するようでございます。 それから被災関係資料の埋没資料の収集でございますけれども、いろいろなところへ、私どもできるだけ資料を集めたいということで関係団体等にも御連絡をさせていただいているところでございますが、同時に、海外におきます資料、これは特にアメリカの原爆製造計画に関する資料を集めましたマンハッタン管区資料とか戦略爆撃調査団報告というのがあるようでございますが、その関係で、原子爆弾関係で私どもがそういう観点から使えるような資料はないかということで、アメリカの国立公文書館にあるようでございますけれども、アメリカの在外公館を通じまして現在いろいろの作業をやっておりますが、これもなかなかスムーズにはいってないようですけれども、引き続き努力をしてまいりたいと思います。 それから、七十歳以上の方々の健康管理手当の支給期間の撤廃ということのお尋ねでございますが、御承知のように、その疾病にかかっている状態を定期的に確認することが手当の趣旨から必要だということで私ども考えておりまして、単に高齢であるという理由からは更新できないわけでございますけれども、健康管理手当のあり方につきましては、御指摘の手続上の負担軽減も含めまして、今研究班に研究をしていただいております。これは疾病分類とかいろいろの医学的な面もございますので、そういう観点で引き続き御検討いただくということで作業を進めておるところでございます。 それから、放影研の将来のことでございますけれども、もちろんああいう建物でございますので、今後長期的にどうするかということは、建物、敷地の問題に限らず、研究体制全般についても見直す必要があるということで私ども検討しております。ただし、御承知のように、これは日米折半ということで運営されておりますので、アメリカ政府とも話し合わなくてはいけない問題でございますが、市の方でもいろいろの御協力をいただけるというふうなことも伺っておりますので、私どもといたしましてもどういうことが最適なのか、それからアメリカとどういうことで話し合いを進めるべきかということを含めまして、なお引き続き検討させていただきたいと思うわけでございます。そのような観点で私どもも、今先生おっしゃいましたようなことで、被爆者の被災の実態につきましてはできるだけいろいろの観点から詰めるようなことで努力をさせていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 八月の六日には総理が広島へ、また八月の九日には総理の代理といたしまして私が長崎へお邪魔をさせていただき、平和祈念の式典に参列をさせていただきたいと思っております。この原爆の惨禍というものを再び起こさない、恒久平和を祈念し、またその中でも特に核兵器の廃絶ということについて、国務大臣として誓いを新たにいたしてまいりたいと考えております。 また、被爆者の援護を担当いたします厚生大臣といたしましては、生存者調査の結果にも出ておりますように、被爆者の方々が大変高齢化をされておることからのいろいろな問題がございます。また、それに伴って健康への不安、御心配というものも非常に高いものがあることを認識いたしております。特にそういった点に十分留意をしてこれからの被爆行政を推進をいたしてまいりたいと考えておりますし、また先ほど先生から御指摘のございました死没者調査、また海外やその他に散っております資料の収集等を含めまして、先生の原爆白書というお言葉もございましたが、そういった原爆被害の集大成をしたものを何らかつくってみたいという方向でひとつ検討をいたしたいと考えております。
○古川委員 終わります。
○堀之内委員長 貝沼次郎君。
○貝沼委員 きょうは久しぶりで決算委員会に質問の時間を与えていただきまして、ありがとうございました。 先ほども話が出ておったようでございますが、インフルエンザの問題につきましてちょっとばかりお尋ねをしておきたいと思います。 実は昨年十月九日の社会労働委員会におきまして、私はインフルエンザ予防接種について質問をさせていただきました。それは予防接種法の目的というものは「伝染の虞がある疾病の発生及びまん延を予防」、一般的に社会防衛と呼ばれておるわけでありますが、これを大人社会を守るためというふうな言い方をされる方もおります。その大人社会を守るために、大人社会というのはインフルエンザにかかりますと重症化の危険性が老人ほど大きくなるわけでありまして、大人社会はその点では弱い。その点、学童、児童の方はインフルエンザにかかってもせいぜい二日ぐらい寝ておれば治るというふうに大変強いわけでございます。そのために特定の集団、つまり重症化の小さい学童を中心とした集団に集団義務接種をいたしまして社会防衛をするというようでございます。こういう、社会全体の流行を抑止することにあるわけでありますが、しかし実際はインフルエンザの予防接種をやったにもかかわらず、学級閉鎖等が毎年行われておるとか、あるいはいろんな副作用の問題とか出ておりまして、やはりここにはちょっと無理な点があるのではないかというようなことで質問させていただいたわけでございます。 私の考え方、誤解があるといけませんのではっきりと申し上げておきたいと思いますが、私は、一つはインフルエンザのワクチンの研究というのは進めなければならない、これは当然なことだと思います。それからワクチンそのものが悪いなんということは私は考えておりません。しかしながらワクチン株とそのときの流行株がなかなか一致しない、こういうことがありますので、その予想といいますか推定といいますか、例えばことしの各流行するインフルエンザの予想が、ことしの二月ごろ実は予想し、それからワクチンの生産に入って、そして冬のインフルエンザに備える。この予想が外れておりますと、当たらない。それがほかの言葉で言えば、ワクチンが効かないんじゃないかと言われるわけであります。私は、これは効くとか効かないとかという言葉は適当ではなしに、ワクチン株と流行株が一致しなかった、その予想が非常に難しかったというところに実は問題があると思っておるわけでございます。したがって、学童を中心にした特定集団に対する集団義務接種、これは果たしてどんなものか。学童の方はしょっちゅういろんな人と抱き合ったりあるいは近づいて伝染する可能性は高いと言われておりますが、大人だってやはり電車に乗ったりいろんなことでその伝染性は大変高いわけでありますので、子供にそれを限っておくというのはやはり疑問がある。 そういうことで、できるならばもっと母親あるいは父兄の意思を尊重した形で任意の接種にある意味において変えることができないのか。もちろん物すごい勢いで流行してきたような場合には、それなりの措置が必要だとは思いますが、一般的なものとしてはそう強制的にやる必要はないのではないかという感じがしておったわけでございます。 ところが、先般「インフルエンザ流行防止に関する研究」というので、「インフルエンザ流行防止に関する研究班」という方からいろいろな意見が出されまして、一つのまとまった報告が出されました。この点私も一生懸命読ませていただきました。そして「ワクチンの効果に関する文献的評価」、これは専門家の言うことでありますから私は言いません。「ワクチン接種現場医師の意識調査及び分析」、これも専門家の話である。三番目の「学童予防接種効果に関する研究の疫学的分析及び評価」というのがありまして、学童に対して果たしてどうなのかということがあります。四番目は「インフルエンザ対策に関する法的基盤の検討」というのがありまして、これは法体系の立場からいろいろ論じられております。学校における養護の先生方が関係をしてまいります。 こういうようなことから、きょうは時間がありませんので、とにかく一点をお尋ねしておきたいと思います。 それはどういうことかといいますと、この研究班の報告書を読む限りでは、必ずしも集団義務接種がいいという結論にはなっていないようであります。議論はあるというような結論になっておりますし、それからさらにプライマリーヘルスケアの考えから、例えば国民の自発的意思に基づいて予防接種を受けることが望ましいという考え、そしてそのための健康教育というようなことに力を入れていかなくちゃならないのであって、何でも強制的にやればいいというものではないというような考えもあるようでございます。こういうところを踏まえまして、今回この報告書を受けた厚生省が今度は厚生省として、これは研究班の意見でありますから、これを受けた厚生省が今度はどういう態度をお示しになるのかということが関心事になっておるわけでございます。 そこで本日は、その姿勢といいますか、厚生省の態度、こういうものをお尋ねしたいと思っているわけでございますが、きょう伝染病予防部会が開かれるやに聞いておりまして、そこでいろいろと御意見も出るようでありますけれども、厚生省として何もなしに御意見を聞かしてくださいということはまずないと私は思います。ある一つの考え方を持って、そして専門的な先生方にこの考えについての御見解を承りたいというふうな出し方をなさると思いますので、厚生省の考え方を教えていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 インフルエンザの予防接種につきましては、先生も御指摘をいただきましたようなさまざまな御意見がございました。これに基づきまして研究班を設置し、いろいろ御研究をいただき、また小委員会等においても御議論をいただいてまいりました。現在、公衆衛生審議会の伝染病予防部会において御検討をいただいておるところでございます。 厚生省といたしましては、いろいろな御意見はございまするけれども、インフルエンザの予防についてはワクチンしか有効な手だてが現在ないということ、また現在は余り流行をいたしておりませんけれども、大流行ということになったときに、そのときにどう対応を将来していけるのかという問題、また先ほど先生御指摘ございましたように、ワクチン株の推定をより確実なものに研究を進めていくというような問題、また予防接種についての体制のあり方とかまた責任体制のあり方というようなことについても配慮をしていかなければならないというふうに考えております。 先生も御指摘がございましたが、いずれにいたしましても、予防接種を受ける人、また保護者等の意向が十分反映されるような、そういう形の中で地方自治体や国民の皆様方の御理解を得ていけるようにいたしてまいらなければならないと考えております。 いずれにいたしましても、現在伝染病予防部会において御議論をいただいており、近々にその御報告がいただけることとなっておりますので、この御報告を十分尊重し、国民の皆様方に十分御理解をいただけるような方法で対処いたしてまいりたいというふうに考えております。
○貝沼委員 大変微妙な言葉が多かったわけでございますが、要するに保護者その他の意向を十分反映されるような方向で、こういうふうにおっしゃいましたが、わかるようなわからないようなところであります。一点だけ確認をさせていただきたいと思いますが、それは現在の制度と幾らか変わる方向が示唆されておると受け取ってよろしいですか。
○斎藤国務大臣 今も申し上げましたように、公衆衛生審議会の伝染病予防部会の御検討の結果を十分尊重して考えたいと思いまするけれども、これまでいろいろ研究をし検討を続けてきたわけでありますので、何らかの変わりはあり得べしと思うのでございます。
○貝沼委員 そこから先は決定しておりませんので、幾ら質問をしてもこれはむだだと思いますので、質問はもういたしませんが、この研究報告書の中にも任意性を認めた方がよろしいというような内容の意見もかなりあったようでございますので、ぜひそういうふうにひとつしていただきたいと希望を申し述べまして、質問を終わりたいと思います。
○堀之内委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三であります。 まず最初に、今非常に問題になっておるわけでございますが、全国の診療機関、お医者さんと損害保険会社との間で自動車損害賠償保険の支払いをめぐってかなりトラブルが続出をしておりますので、その問題について損保会社の監督官庁である大蔵省とそれから診療機関と関係のある厚生省にお伺いをしたい、こう思うわけであります。 我々が交通事故に遭います。これはもう救急患者でありますから診療所に、病院に担ぎ込まれます。そうすると診療所は生死の境でありますからあらゆる処置をします。診療報酬というのは、健康保険と違って自由診療という形になっておるわけですから、当然自動車損害賠償保険に請求をすることになります。ところが、この自動車損害賠償保険をつかさどるところの保険会社は、まあいろんな歴史があるわけでございますが、従来一体お医者さんかどういう治療をしたのかというようなことを調査をするという医療調査員という制度を、制度というのですかそういうものを設けまして、これは損害保険会社の社外従業員でありますけれども、採用して調べる。そこで診療機関側とのトラブルがあったようであります。 さらに最近では、損保会社が、会社の顧問ではないんだけれども、委託契約を結ぶ弁護士を使って、その診療機関へ行きましてその弁護士が値下げ交渉をする、あるいはあなたは自動車損害賠償保険の手続ではなくて、あなたは健康保険に入っているんだから、あなたは国民健康保険に入っているんだから、あなたは共済組合に入っておるんだからという形で適用する保険をかえさせるという圧力を加える。いわゆる使用の強制をする、強要をするというようなことがございまして非常にもめておるわけでございますが、ひとつ大蔵省に、五十九年の末に日本医師会と損保協会とが、私が今申し上げました医療調査員の行動について何か話し合いをしたと聞いておるわけでありますが、その点についての問題点、非常に簡潔で結構でございますからお答えを願いたい、こう思います。
○山本説明員 お答えいたします。 今議員の御質問がありましたように、交通事故に係ります医療保険の請求に係りまして、第一線でやっております保険会社と医療機関の間でトラブルがあったということは聞いておりまして、そのために昨年の九月に、できるだけトラブルをなくすという意味で、保険会社が弁護士を委託する場合につきまして、できるだけ円滑にできるようにという通達を損害保険協会の方から出しておるというふうに聞いております。
○草川委員 今大蔵省の方の答弁がありましたが、「医療分野における弁護士の委任上の指針」というのがあるわけであります。弁護士を使う場合には事前に医療機関に連絡をしなさいよあるいは極力前広に連絡をしなさいよということで、突然弁護士等が診療機関に来ることを配慮しろというような趣旨の指針が日本損害保険協会の方から保険会社の担当者の方に昨年の九月三十日に出されているわけであります。 それからまた、調査員のあり方について五十九年十二月二十日に日本医師会と日本損害保険協会とが交わした申し合わせ事項というのがございますが、それを見ましても、とにかく調べるということは認めるけれども、それは決して医療内容に立ち入って、示談をしたりあるいはいろいろな問題を言うべきではない、医療内容に口出しをすべきではないという趣旨の申し合わせが行われているわけであります。本来ならばそういう申し合わせがあるわけですからトラブルがなくてもいいのでございます。 私きょうここにいろいろな資料を持ってきたわけであります。私は愛知県でありますから、愛知県の外科の先生方何人かとお話をしまして、実は非常に切りがございませんが、一つの診療所一枚ずつこういうことをしゃべってくださいよというのがあります。あるいは愛知県だけではぐあいが悪いので京都のお医者さんに聞きましたら、京都の方も二十診療所ぐらいの各病院から、実は私の内容はこういうことだという資料をいただいております。 そこで、ごく簡単に問題点を一回申し上げますと、京都の場合でございますけれども、弁護士が来て、患者の症状が固定したじゃないか、固定しておるんだからあなたはもう病院を退院させるべきではないか、診療を続ける必要はないじゃないかというようなことまで言われておる例があるわけです。それから、保険会社にしてみれば、例えば非常に濃厚診療だからそれに対して単価を下げてくれというようなことを保険会社は言うと思うのでございますけれども、実はそうではなくて、トラブルが多いのは、一たん請求をする、もうそれで結構です、保険会社の方もその金で請求をしてくださいと言っておきながら実際支払いが遅延をする、その後弁護士がやってきて、先生、悪いけれども半分にしてくれよと言う。だから、内容がどうのこうのではなくて、バナナのたたき売りじゃないのですけれども、とにかく物を渡してからおいまけろ、こういうことが多いという例がずっと来ておるわけです。しかも、もうそれでわかりました、払いますよと言っておきながら実際上は保険会社からの現金の支払いが非常に延びてきておるという例がございます。 今から申し上げますと、例えば京都のIという病院は五十九年四月に五千二百十円の請求をしたのだけれども、それが今もって支払われていない。それから、これもIという病院でございますけれども、昭和五十四年十月に二万二千五百円請求をしたのだけれども、損害保険会社から連絡はゼロで今もって入金はございません、こういう例ですね。それから、いろいろと細かく書いてあるのですが、弁護士が中に入ったときは支払いが非常に悪いとか、Eという病院は、これも五十九年十一月に請求をして、幾ら請求したかというと三千円請求しておるのですが、一年五カ月たって入金をしたという例があります。それから、Dという病院については五十九年七月に百二十八万の請求をしたんだが、これは減額をして入金までに一年九カ月かかった。しかもその間には裁判を行って、和解で支払いが行われた。同じ病院で、六十年三月に請求をした六万三千七十五円が一年三カ月たってようやく入金をしたというように例を挙げると切りがないわけでございます。ひどいのになりますと、Bという病院では一年一カ月、それから一年七カ月——一年七カ月分は五十九年八月に請求した四万三千四百八十一円。だから、必ずしも高額のものを高いからといって損害保険会社が見直してその支払いがおくれておるというわけではないという例をただいま京都の例で申し上げたわけであります。 愛知県の例を言いましても、これは私の本当の地元のドクターでございますけれども、今のような例がたくさんあるので、保険会社は金利を稼ぐのが目的ではないか、ちょっとひどいじゃないかという言い方があります。事務員が何回か電話で請求するのだそうでありますけれども、請求すると担当者は近いうちに必ず払いますという返事を繰り返す。だから、ほっておくと全然支払いかないというので、この先生は県の医師会に報告するぞ、なぜ払わぬのかというのを文書で出せと言ったのだが、何にも返事がない。たまたまその先生の友人が保険会社の重役をしておるので、その人に言ったらすぐそれは払われたという例がある。では、こういう人の縁故を使わないと支払いかないのではないかという言い方。あるいは、これも愛知県の海部郡というほかの地域のお医者さんでございますけれども、保険会社に請求をすると、弁護士の指示がなければ支払いはできないので弁護士へ申し出てくれ、こういうことを言うというのです。診療機関のドクターにしてみれば、なぜ私が一々その請求を弁護士のところへ言わなければいかぬのか、保険会社が払えばいいじゃないか、こういうトラブルもあるわけであります。これは保険会社の名前が詳しく全部書いてあります。大手の保険会社の名前がほとんど出ておりますので一々申し上げませんけれども、そういう例が一つあるということです。 それからもう一つは、保険会社がすぐ患者のところへ行って、あなたは自動車損害賠償保険に入っているから本来ならばこの手続をするんだけれども、将来の示談の問題とかいろいろなことを考えると、あなたは政府管掌の健康保険だから政府管掌の保険に切りかえてもらいたい、あるいは何々会社の健康保険に入っておるのだから何々会社の健康保険に切りかえてくれ、こういうことなんです。そのかわりにその健康保険組合に後で保険会社の方から金額を払うからそういうようにしてくれ、こういうわけです。その患者は先生のところへ行って、実はきのうけがをしたんだけれども、保険会社から請求はあなたが入っておるところの健康保険組合にしてくれということだ、何を言っているんだ、君は交通事故だからこれでやればいいじゃないかという、そこで患者と診療機関との間でトラブルが始まる、また弁護士が入ってくるというようなことがあるわけです。 なぜそういうことをやるのかと聞いたら、一番最初に私が申し上げましたように、自由診療だと一点十五円とか二十円とか三十円で請求するところがありますから、後で保険会社は値下げ交渉に来なければいけない。ところが、本人の健康保険なら一点十円の請求ですから、早く言うならば値下げ交渉をしなくてもいい、こういうことがあるので、最近損害保険会社が非常に積極的に被害者あるいは患者に、せっかくの自動車損害賠償保険があるにもかかわらず健康保険への切りかえをやるという例がほとんどの病院から出ておるわけであります。 これもたまたま京都の先生方がアンケートをとったわけでありますけれども、一たん病院に担ぎ込まれてから保険を切りかえる、社会保険等に切りかえる例というのが、大体六%あるというのです。全部が全部とは言いませんけれども、六%近くあるというわけですよ。それで一体、その六%の患者に対してあなた自身の意思かと言ったら、そのほとんどが実は損害保険会社の要請から切りかえるというようにした、こういう例もあるわけであります。 それでございますから、今ここで申し上げたいのは、診療機関にしてみれば社会保険等については——ちょっとお伺いしますけれども、何カ月くらいたったら診療機関に支払いが行われるのか。労災保険は一カ月、社会保険は二カ月くらいだと思うのですが、そういう形で振り込まれるのだけれども、今私が申し上げたように、半年だとか一年だとか、ひどいのになると一年半も支払いが滞る。しかも、それが大きな金額ではない、小さな金額も含めて行われておるという例があるわけでございますけれども、その点について大蔵省はどのようにお考えか、いま一度御答弁を願いたい、こう思います。
○山本説明員 お答えいたします。 被害者と加害者の間で、例えば責任につきましての分担割合について争いがあるとか、あるいは濃厚医療か否かといったところで医療機関と意見の対立があるといった場合には、保険金の支払いまで時間がかかる場合もあるかと思われますが、そのようなトラブルがない場合、ごく単純なケースで考えますと、おおむね二カ月程度で支払われると聞いております。
○草川委員 今、二カ月だというお話がありましたけれども、少なくとも私が今申し上げたような例はたくさんございますけれども、非常に長期間滞っておる、こういうことを、実は厚生省はそういう診療機関をいろんな意味で監視しておみえになる役所でございますが、承知しているのかどうか。これは承知してなければ、私は厚生省として一回調べてもらいたいと思うのですよ。そうでないと、我々はおちおち交通事故に、まあ遣わないようにするわけですが、もし不幸なことになっても、どこの病院に担ぎ込まれるかもわからない。ドクターは一体、この人はどういうように処置をしたらいいのか。まず生命を守らなければいかぬということで全力を投球するんだが、その金が、今言われたように二カ月で入れば問題がないのですよ。ところが、値下げ交渉がある。そして決められても支払いが遅延をする。しかも弁護士という方が入ってくる。わずらわしいわけです。 一番最初に私が質問したように、トラブルがあるからというので医師会と損害保険会社と何回か申し合わせをしておるのだが、その申し合わせが実質上は守られていない。なぜそういうことをやるのかというのは、ここからは私の推察になりますが、私は今の日本の損保会社が、本社で一々その金額を削ったり金利を稼ぐなんということは少なくともないと思うのです。だとすると、一体それはどこかというと、本社から支社へ来る、支社から何々方面という方面のセンターがある。どうもそのセンターの方面長が、自分が十とか二十の診療機関を受け持ってその支払いをするという役柄を持つとすると、そこで診療機関に対して私は一割下げましたよ、二割値引きを成功させましたよ、三割成功させましたよと、支払いをこのようにおくらせたといって、その人が成績を上げるというようなことがあるのではないだろうか。これは推察ですがね。 これは、徹底的に一遍調べてもらいたいのですよ、それ以外に考えられぬのです。 なぜかというと、診療機関を訪れる弁護士というのは、弁護士になられてから非常に若い方が多いようです。よく聞いてみると、会社の正規の頭間弁護士じゃないのですよ。いわゆる委託の、委任する弁護士で、この方もどちらかというと値引き交渉を全部任されておりますから、成功報酬で若い弁護士の方々が活動してみえるのではないか。これは想像ですけれども、それ以外に私は考えられぬのですよ。もし本当に損害保険会社が、なるべく削れよ、なるべくドクター、あれだから思い切って交渉しろよというようなことを言っておったとすると、私は大変不幸な状況になると思うので、この点を踏まえて厚生省の見解を問いたい、こう思います。
○竹中政府委員 今お話しの、自賠責の支払いが不当に遅延しておるのではないか、その点について厚生省として把握をしておるかという御質問でございますが、私ども、そういった具体的な事例については現段階では把握をしておりません。もしそういう不当に支払いを遅延するということのために、例えば医療機関の経営上非常に問題を生ずるというような事態でございましたら、もちろん、私どもとしてそういった事実の把握に努める必要があろうかと思いますが、ただ単に自賠責の支払いが遅延しておる、その状況把握がどうかということでございますと、私どもとしては、自賠責の所管省でそういう事実については把握をしていただくのが筋ではなかろうかと思うわけでございます。
○草川委員 えらいのんびりしたことを言っておみえになりますが、今の私の地元の先生でいいますと、これは先生一人に看護婦三人ぐらいの外科ですけれども、半年以上、六カ月以上の未収が一八・一%だというのです。このドクターの場合は一八・一%、残っておる金額は一千万だというのですよ。だから余り大きな病院じゃないのですがね。しかし、少なくとも半年以上が二割近く未収としてあるということは、医療経営にとっては大変だ。その分だけの金利を負担せざるを得ない。だから医療経営にこういうものは非常に大きな影響を与えてきておる。だからこそ医師会は損保会社といろいろな話し合いをしておる。 でございますから、これは今の局長以外に、厚生大臣にお伺いをしますが、せっかく自賠責があっても、振りかえて健康保険の適用を損保会社が迫るということが現実に今起きておるわけですが、これは厚生省としても過去、通達が出ておりますけれども、それは本当にやむを得ないときに後で損保会社と振りかえをしてもらうという便宜措置を認めたわけであります。それが損保会社の医療費を節約するために利用されたとするならば問題だと思うので、その点を含めて答弁を願いたい、こう思います。
○斎藤国務大臣 ただいま健康政策局長から御答弁いたしましたように、厚生省としては、今先生からるる御指摘いただいたような件についてまだその実態を十分に把握をいたしておらないわけでございますけれども、今先生が御指摘のようなことが非常に多くあるということでは大変問題であるというふうに考えます。大蔵省ともよく相談をいたしましてこの問題を調査し、また対応をいたしてまいりたいと思っております。
○草川委員 もう時間がございませんし、あと二つほど問題がありますので、この話は、ひとつこれを機会に厚生省としては真剣な対応をとっていただきたい、あるいはまた大蔵省も、そういうことのないように損保会社の監督を深めていただきたい、こういうように思います。 そこで今度は、厚生年金の福祉施設の充実の問題について申し上げてみたいと思うのでありますけれども、厚生年金の還元問題ということにもなるわけであります。 いわゆる加入者の福利向上のために年金に関する福祉施設というのは非常に重要な役割を果たしておるわけでありますが、民間との競合という点についてはいろいろな意見があるわけでありますので、それは十分に配慮をしなければならぬと思うのであります。今後も加入者のニーズの動向を的確に把握をして施設整備を進めていってほしいという要望を申し上げたいと思うのです。私自身も、過日、年金の熱海岩間荘に、私の年とったおばあちゃんがおるものですから、連れて行きまして、長期滞留という意味では私ども非常に助かったわけでありまして、普通の旅館のようにごちそうを食べるとかいう意味ではなくて、ふろへ入ってお年寄りが長期に安心して過ごすことができる、ああいう設備というものはもっとふやしてもらいたいという意向もあるわけでありますが、ひとつ設備整備の方向についてお答えを願いたい、こう思うわけであります。
○岸本政府委員 厚生年金の福祉施設につきましては、厚生年金事業の円滑な運営に貴重な役割を果たしているわけでございまして、先生がそのように評価していただいていることを大変感謝をいたすわけでございます。これからいろいろと国民の余暇時間等もふえてまいりますし、また健康とか文化とか教養とか、そういうことへの関心も高まってまいりますので、私どもといたしましては被保険者等のニーズに即応いたしまして、それにマッチしたような福祉施設をいろいろと工夫をして、ハード面、ソフト面でサービスを提供していかなければいけない、こういうふうに思っておりまして、福祉施設のそのような役割というのは、ある面で今後ますます重要になってくるというふうに認識をいたしておるわけでございます。民間との競合という点にも十分配慮してまいる必要がございまして、私どもといたしましては両者の要請のバランスをとりつつ福祉施設の整備を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○草川委員 これは要望でありますから、私、ぜひ大臣に答えてもらいたいのですが、これは一つのアイデアなのですが、最近ゴルフ人口というのが非常にふえてきておるわけです。特にサラリーマンに圧倒的に人気があるわけでありますが、厚生年金の福祉施設として、体力づくりの一環としても私はパブリックのゴルフ等を採用してもらいたい。これは思い切って全国的にたくさんつくってもらいたいということを実は労働省にも言っているのですが、とりあえず年金というものを扱っている厚生省が第一義的に、高齢者の面はかりではなくて、若い人たちに本当に安心してプレーができるようなところを、少なくとも全国的ないいところにやるように脱皮をすべきじゃないか。そういう大胆な発想を持ってもらいたいという気持ちがあるのですが、その点、どうでしょう。
○斎藤国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、厚生年金の積立金を利用いたしまして年金受給者や被保険者のための福利施設というものを整備をいたしてまいるということは、これからの長寿社会にあって余暇活動を充実させていくという面においても大変重要なことであると考えております。そういう中ではこれからのいろいろなニーズに対応する、また厚生年金の関係の福利厚生施設としてあるべき姿というようなものも十分考えながらやっていく必要があると思いますし、同時にまた、午前中にも御指摘がございましたように民間との競合ということを避け、地域における十分な調整をしてやっていく必要があると考えております。 そういう中で、今御提案のございましたゴルフ場の問題でございますが、確かにゴルフというものが、もう一部の人だけのものではなく、非常に幅の広い方々に利用されておるということと同時に、また会員制のゴルフ場が非常に高価であって、パブリック・ゴルフ・クラブというようなものがもっと普及をすればいいというような御意見が非常にあるということも私自身感ずるわけでございます。しかしながら、ゴルフというものが厚生年金の施設として妥当なものであるかどうかということについては、国民の多くのコンセンサスが十分に得られているとはまだ私は自信が持てないわけでございます。先生のせっかくの御提案でございますので、幅広く御意見をちょうだいいたしながら検討をいたしてまいりたいと思っております。
○草川委員 私は、ぜびこういう委員会を通じてコンセンサスを得るように、そのつもりで発言しているわけですから、ないなんて言わずに、前向きにひとつ検討していただきたいということを要望しておきます。 最後に、もう時間がございませんので、これは厚生大臣からの見解を問うという形にしたいと思うのです。 薬価政策という課題でありますが、これは古くしてまた今日的にも非常に重要な問題になっております。かつて林厚生大臣が、私、予算委員会で御発言をしたときに、どうしても薬価政策というものについて私は疑問があるというようなことを言われたことを鮮明に覚えておるわけでございますが、依然として私どもの胸にすとんと落ちる政策ではありません。この薬価政策というのは、戦後の混乱した時代に生まれたものでありまして、非常に過保護的な要素が残っております。そういう中で大手、中小との問題もあります。いわゆるゾロゾロメーカー、ゼネリックというんですかそういう業界もあるわけでありますが、それが価格に、同一効能同一薬効でも上下の幅があり過ぎる。ですから私は、同一効能同一薬効ならば安い薬を消費者あるいはドクターが使えばいいではないかという議論も出てくるわけでありますけれども、そういう点についての大臣の御見解も賜りたいわけであります。 特にアメリカではかつて代替薬品禁止法という法律があったわけでありますが、最近では逆に代替の薬品をどんどん使いなさいという、安い薬を診療機関は使えばいいではないかというような、そういうように大統領の方も積極的に署名をしておみえになるようであります。また各州にもそういう法律ができておるようであります。そういう点で、薬価政策についても大臣、非常に高度な御判断を持っておみえになるやに我々は聞いておるわけでございますが、ひとつこれは業務局ではなくて大臣の御見解を賜って私の質問を終わりたい、こう思います。
○斎藤国務大臣 薬価政策につきましては、これまで薬価差益の是正という観点に立って数度にわたる薬価基準の見直しを行ってまいったところでございまして、これまで行ってまいりましたことを踏まえてひとつ薬価改定のあり方等について、算定方式のあり方等も含めて昨年から中医協において御協議をいただいてまいったところでございますけれども、その結果、大筋としてはこれまでの銘柄別の薬価ということを維持しつつ若干の算定方式の変更をするのが妥当であろう、こういうような御報告をいただいたわけでありまして、しばらくこの新しい算定方式によって行っていくことにするべきであるというふうに考えておるところでございます。
○草川委員 以上で終わります。
○堀之内委員長 大矢卓史君。
○大矢委員 まず、環境衛生金融公庫の運営と今後の方針についてお伺いをいたしたいと思います。 ちょうど昭和四十二年の九月に環境公庫が設立をされまして本年で二十周年、成人に達せられたわけであります。非常に環境業者にとりましては期待もされ、そしてこれからも大いに飛躍をしていただきたいと思うのでありますけれども、まず、せっかく理事長がお越してございますので、今後の抱負等についてお聞かせを願いたいと思います。 〔委員長退席、上草委員長代理着席〕
○山下説明員 先生よく御承知のとおりに、環境衛生金融公庫は、環境衛生関係企業の衛生水準の向上、近代化、そのために衛生行政とタイアップいたしながらその資金融資の面から体質の向上のために努力をいたしておるところでございます。御承知のとおり大変零細な企業が多うございますので、私どものような、市中金融機関では賄えぬような部面につきまして、公庫として全力を挙げてお役に立つように努力をいたしたいと考えておるところでございます。
○大矢委員 六十年度の業務の概況についてはちょうだいをいたしましたけれども、それを見ますと、前年度比で貸し付けの実績が七・一%ほど減少になっております。この減少の傾向は現在も続いておりましょうか。
○山下説明員 発足以来ずっと貸し付けは伸びてきておったのでございますが、昭和五十五年をピークといたしまして、その後暫時減少の傾向をたどってきているわけでございます。御指摘のとおり昭和六十年度につきましても前年度に比べ約七%貸付額が減少するという事態になっておったのでございますが、実は昭和六十一年度については増勢に転じまして、昭和六十年度が千五百三十億程度の貸し付けでございましたが、六十一年度については千六百七十億余ということで、前年度に比べて約八・八%貸付額がふえるという状態に相なっておるわけでございます。
○大矢委員 そこで、貸し付けておられます貸し付けの方法でございますけれども、どのようになっておりましょうか。
○山下説明員 いろいろな側面からの御説明の仕方があると思いますが、環境衛生金融公庫の貸し付けの態様といたしましては、直接公庫が貸す直貸しというものと、それからこれが大部分でございますが、直接環境衛生金融公庫は支店を持っておりませんものですから、代理店をお願いして代理貸し付けをいたすという形と両方ございます。 このうち直貸しにつきましては昭和五十七年一月一日から始まりまして、まだ歴史も浅うございますし、私ども本部で直接お世話できる範囲で、東京都と神奈川県だけ行っておるわけでございますので、六十一年度で申しまして二十件、約十三億五千万程度の貸し付けと相なっておるところでございます。 大部分は代理貸し付けでございますけれども、この代理貸し付けに二通りございまして、甲式と乙式と分かれておるわけでございます。甲式につきましては、受け付けから貸し付けの決定、管理、回収まですべて代理店にお願いをいたすという形のものでございます。乙式につきましては、そのうちの審査と貸し付けの決定の事務、これはある程度の高額案件になったものでございますが、それにつきましては私ども公庫に御相談をいただきまして、私どもの方で貸し付けを決定する、その他の部分は代理店にお願いを申し上げるという形に相なっております。
○大矢委員 直貸しと代理貸しがあるようでございますけれども、ただ、その代理貸しの中で国民金融公庫が預かっておられるものとそれ以外の市中銀行にお願いをしている分とがあると思いますけれども、これる直貸しと代理貸しの中の国金、そしてまたそれとは別に商工中金でございますか、それ以外に、銀行そしてまた信用組合に至るまで、日本全国に金融機関の御指定をされておるようでございますけれども、この金融機関の数とこれらのパーセンテージをお示し願いたいと思います。
○山下説明員 代理機関としてお願いをいたしておりますのは、公的機関といたしましては国民金融公庫それから商工組合中央金庫、私的金融機関といたしましては都市銀行から地方銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合に至るまでお願いをいたしておるわけでございます。多うございますのは国民金融公庫が百五十一店舗、市中金融機関につきましては約五百六機関、店舗数にいたしますと約一万八千余という店舗をお願いいたしておる。商工組合中央金庫は件数が非常に少ないのでございますが、店舗は九十程度お持ちでいらっしゃいます。 以上でございます。
○大矢委員 その扱っているパーセンテージはどの程度ですか。
○山下説明員 六十一年度の状況を申し上げますと、環境衛生金融公庫が直接扱います直貸しが十三億五千万円、約〇・八%でございます。それから、六十一年度の貸付実績といたしましては、国民金融公庫でお願いいたしておりますのが約八九・三%、千四百九十二億程度に相なります。それから、市中代理店、都市銀行以下の民間金融機関でございますが、ここにお願いをいたしておりますのが百六十四億九千万程度、約九・九%、一〇%程度でございます。商工中金は四千五百万あっただけで、率としてはゼロ%と申し上げてもいいような状態に相なっております。
○大矢委員 国金なり商工中金との取引の中で、また銀行その他の金融機関との取引、それがもし万一支払い不能になりましたときの処理はどのようになっておりますか。
○山下説明員 まず、代理貸し付けをお願いいたしますとき、あらかじめ両方でその責任の度合いと申しますか保証の割合を決めております。国民金融公庫との間におきましては五〇%ずつ負担をいたす、それから対市中金融機関に対しましては、先ほど申し上げました甲式の場合におきましては、八〇%市中にお願いし、二〇%環衛公庫が負担する、それから乙式におきましては、逆に市中金融機関におかれましては二〇%、環境衛生金融公庫におきまして八〇%負担をする、そういう保証割合でお願いをいたしておるところでございます。
○大矢委員 保証協会を通じてやっているものがございますね。これは直貸しなんですか、それとも国金、それとも都市銀行なんでございますか。どういうことなんですか。
○山下説明員 担保の一形態だと存ずるわけでございますが、物的担保それから保証人による保証、そのほかに御指摘のとおり信用保証協会の保証というものも担保として採用いたしているわけでございますが、これはどの部面の貸し付けにつきましても対象とするということに相なっております。
○大矢委員 貸し付けの状況をお聞きいたしますと、直貸しが〇・八%、そして国金の方で八九・三%、その他の銀行で九・九%、こういう状態である。店舗数からいきますと、一般の銀行の窓口は一万八千余ある、にもかかわらずこれだけの九・九%で、民間の扱い高が非常に少ないではないか、私はこのように思います。 銀行の方に私聞いてみますと、まず銀行へ相談に参られますと、真っ先に、自分のところで少し不安を抱きますと保証協会の保証をとってもらうということで保証協会へ相談をしていく、そしてその次に紹介をしていくのが中小公庫であろう、最後に、国金の話が出ますと直接国民金融公庫へ行ってくださいということで国民金融公庫の方に振ってしまうというのが、これが市中の今指定になっておられる一万八千余の金融機関の方の実感なのです。こういう受けとめ方をしておりますし、こういう運用をしておりますから、このような一万八千余の窓口で九・九%しか扱い高がないんだ、私はこのように理解をいたしております。 もう一つ、その原因と申しますのは、今申しますように、保証協会の保証つきでございますと、これはもし事故がありましても一〇〇%お金が返ってまいります。そして、国金の場合には五〇%、五〇%ということでございますけれども、市中の場合には、甲の方式でいきますと、国金が五〇%、五〇%であるにもかかわらず、市中銀行の方は八〇%がその責任だということであります。そうなってまいりますると、これは一〇〇%の保証協会扱いにすることが当然でございますし、そしてまた、委託されておりましても、現在の金融がダブついております、金がダブついております。その状態においで、環衛公庫の窓口としての十分な働きをしなければならぬ、そういう認識は全然ないわけである。それは、この二十年という時日がたっておりますけれども、それに対するPR不足と申しますか、また、こういうような厳然とした違った形での責任をとらされる。そういうことを直していかないと、今後とも環衛公庫が環衛業者の金融機関として大いに伸びていただかなければならぬ、その大きなネックになっておる、そのように私思いますけれども、この点いかがでございましょうか。
○山下説明員 先ほども申し上げましたように、六十年度まで減少を続けておりましたが、六十一年度増勢に転じまして、八・八%増ということに相なったわけでありますが、内容を分析いたしますと、実は市中金融機関の方の伸びが六十一年度は多うございまして、約二八・九%ぐらい市中金融機関の貸し付けは伸びておる状況でございます。そういう意味で、徐々にやはり御理解をいただき、御協力をいただいておるものと考えておるわけでございますが、御指摘のとおり、私どもの趣旨といたしましては、できるだけ環衛業者の方の立場に立って、その方たちの営業をどうしたら振興さしてあげられるかという立場で接していただくように常に代理店の皆様方にお願いを申し上げているところでございまして、今後ともそういう努力を続けてまいりたいと存じます。
○大矢委員 こういう形でいきますと、今理事長も申されましたけれども、一万八千という——国民金融公庫のお店の数からいたしますと、まだまだ率が低いわけであります。とてもじゃありませんけれども、ただ単に、昨年度より伸びたということでありますけれども、これがこの比率からいきますと、当然市中銀行の比率が大きくならなければならぬ。にもかかわらず大きくならないというのには、今申しましたように大きな問題と、そしてもっと積極的に市中銀行に対してこういう制度をどんどん活用していただけるような、そういう今後の努力をしていただきたいと思うのであります。 そこで、その貸し付けの内容でございますけれども、有担保と無担保のその比率はわかりましょうか。
○山下説明員 六十年度の貸し付けの実績で申しますと、無担保のものが七〇%弱、約六八%台という格好でございます。担保をいただいておりますのが三〇%強というのが実態でございます。
○大矢委員 担保はどういうとり方をされていらっしゃるのですか。
○山下説明員 三〇%程度と申し上げました有担保のもののほとんど全部が不動産が多うございます。信用保証協会も若干ございますが、不動産が多うございます。 先生よく御承知だと存じますけれども、環境衛生金融公庫が発足をいたしまして昨年まで二十年、設備資金専門の金融機関としてやってまいったわけでございます。それが昨年十月から、振興事業にかかわる運転資金についてはこれもお貸しができるという形になっておるわけでございます。したがいまして、環境衛生金融公庫プロパーの貸し付けの担保の形態といたしましては、不動産に対する普通抵当権の設定という事例が圧倒的に多数である、そういうのが実情でございます。
○大矢委員 これは不動産担保ということでございますけれども、不動産担保を使われましたときに保証人はいかがでございますか。
○山下説明員 この点は個々の事例に応じて御判断を願っておるわけですが、原則的には保証人はおつけいただきたい、しかし、その担保が相当しっかりしたものである、これは保証人がなくても大丈夫だというふうな判断ができます場合には、必ずしも保証人がなくても担保だけでもよろしいという取り扱いに相なっております。
○大矢委員 金融について不動産担保をとるということそのものについては、なるほど安全性があるということでございますけれども、このことがやはり非常に地価を常に押し上げていっておる一つの原因ではないか。金を借ります、そのためには、何といってもまず不動産がありますかということから入っていくわけである。それよりも、環衛公庫というようなこういう政策融資については、やはり仕事の内容そして将来の採算性からこれを返していけるんだという、事業内容、これらを中心に貸していただきたい。しかし、現状ではこういう不動産を担保に入れることもまたやむを得ないことかもわかりませんので、現状を是認した上で、やはり担保が十分であるならば保証人が要らないとか、保証人が十分であるならば担保が要らないとか、そういうことをしていただきたい。 そこで、不動産の担保の査定でございますけれども、どういうふうな査定になっておりましょうか。
○山下説明員 初めに、御指摘のような趣旨で運用いたしておりまして、大まかな私どもの基準といたしましては、五百万未満のものは特に必要があるなというとき以外は担保がなくても保証人だけでもよろしいじゃないか、五百万を超えた場合については担保をお願いしたいけれども、実情から見てしっかりした保証人がおられるから必ずしも担保なしても大丈夫だという場合にはそれも可、それから担保が非常にしっかりしているというような場合については保証人がなくてもお貸ししてもよろしいではないかという大きな考え方を決めておりまして、そういう関係で七〇%程度は無担保でお貸ししているというこの割合は割合に高い、無担保貸し付けの割合が高い公庫じゃないかと思っておるわけでございます。 具体的に、担保に供します不動産につきましていかなる評価をして、どのような形で担保にするかということにつきましては、その点につきましてはそこまで細かく私どもの公庫で一つ一つ指示はいたしませんで、現実に窓口になってお取り扱いをいただきます代理店、これも金融機関でございますので、代理店の判断、周囲の状況、あるいはそのときの路線価、時価その他の状況、それらを見て御判断を願う、そういう運用にいたしているところでございます。
○大矢委員 それでは具体的に例を申しましてお答え願いたいと思いますけれども、一千万円の担保価値があると申しますか、時価で売買価値のある担保があったといたしましたら、幾ら貸していただけますか。
○山下説明員 通常の抵当におきましてはそのように考えております。
○大矢委員 一千万円の売買ができる土地があれば一千万を貸していただけるということですか。
○山下説明員 失礼いたしました。正確に申し上げますと、一千万の債権が生じておる、それに対して、その土地の状況その他から見てこの程度の担保でいいのではないかというような判断は、具体的には、代理店でお貸しをお願いいたしますとき、代理店の判断を尊重いたすというのが基本的な立場でございます。代理店によりましては、若干の安全を見て担保価値を評価するという場合もあろうかと存じます。
○大矢委員 それでは、余り細かいことを理事長は御存じないようでございますので、せっかく大蔵省からも来ていただいておりますので……。一般的に、政府金融機関等が行っております担保価値は時価の何掛けで評価をしていらっしゃいますか。
○浅見説明員 この問題は大矢先生かねてから大変深い御関心をお持ちで、既に御高承のことかと存じ上げますが、御説明申し上げます。 御高承のように、私どもが政策金融として使わせていただいておりますお金は、国民が、例えば零細貯金と申しますか、郵便貯金としてお預けいただいているお金あるいは年金といったようなものでございますから、これは私どもとして確実にお預かりし運用していかなければいけない、こういう要請が根底にございます。それとまた、これはあくまで金融活動でございますので、民間の金融機関で行っておられる金融活動と余りかけ離れたものであってはいけない、こういう考え方もあろうかと思います。 そういったことを総合いたしまして、現在、政府関係の各公庫の担保評価に際しましての担保掛け目につきましては、ただいま理事長からもお話がありましたように、担保物件の立地条件でございますとか将来の変動性とか、処分が容易か難しいか、難易性といったようないろいろな要素はございますけれども、これを総合的に勘案いたしまして、大体でございますが、八〇ないし六〇%程度というような評価になっているかと存じております。
○大矢委員 従来から私どもが聞いておりますのは、政府機関は大体八〇%ぐらいだろう、しかし民間は六〇%だから、私の方が民間よりもずっといいんだということを言っておられる、こういうことでよろしゅうございますか。
○浅見説明員 先ほど申し上げましたように、民間の金融機関と私どもとの間にそう差があってはいけないということは感じるわけでございます。また、お預かりしております資金の性格に着目して、確実にそれをお返ししなければいけないということで、運用部資金法等に安全、確実、有利というような原則がございますが、そういった点にかんがみますと、私ども、民間とそんな大きな差はないものというふうに考えておりますが、先生がおっしゃいますように、六〇とか八〇ということでケース・バイ・ケースで、一概には申せないかと思いますが、認識といたしましては、私どもも先生とほぼ同様な認識を持っております。
○大矢委員 それでは、この担保には抵当と根抵当と二通りございます。これにつきましてどのように理事長は考えていらっしゃいますか。
○浅見説明員 これも先生よく御高承のことかと存じますが、抵当権をいただきます場合に根抵当権を設定するかあるいは普通抵当でまいるかということは、これはお客様と申しますか、借り入れをなさる方のまさに任意の領域でございますので、私どもとしては、それぞれの借り入れをなさる方の意思を尊重すると申しますか、そういったことでやっているわけでございます。 ただ、現実問題としてどちらが便利かということになりますと、たびたびお借りになるような大変御縁の長い方にありましては、一々抵当権をその都度設定するというようなことよりも根抵当の方が便利だということで、現在は根抵当権を設定されるケースの方が多い、かように承知をいたしております。
○大矢委員 そうしますと、それは根抵当も抵当も同じ条件でつけるということですか。
○浅見説明員 先ほどは担保物件の評価のお話をさせていただいたわけでございますが、今の先生の御質問が、仮に根抵当の場合の極度額をどの程度とするかというお話だといたしますれば、これはまた先生御高承のことで今さらということかもしれませんけれども、御承知のように、普通抵当の場合にも民法上、これは民法三百七十四条でございますが、最後の二年分の利息、損害金も抵当権設定額を超えて担保されるということもございます。また、民間の金融慣行もございますので、私ども、大体二ないし三割借入予定額を上回る極度額で設定している例が多い、かように承知をいたしております。
○大矢委員 そこが私の問題にしたいところであります。民間でもやっていると言いますけれども、必ずしも民間はやっておらないわけであります。やっておるところもあるかもわかりませんけれども、通してやっておらない。この役所だけがそういう二〇%なり三〇%やっておる。 そうなりますと、今申しましたように、一千万の担保がございますと、大体八掛けで、従来この民法が改正になりますまでは八百万円借りられたわけである。しかし、八百万円借りようといたしますと、その二〇%の前に三〇%つけなければなりませんから、大体二百四十万というものが要るわけである。そういうことでございますので、一千万の担保では、従来借りられておったものが根抵当になりますと借りられない。どちらが得か損か、御本人が自由に判断をしてくださいということでありますけれども、役所関係のそういう抵当は必ず他の金融機関よりも一番につけてくるということをまず言います。そしてそれがずらされまして、その前に、今言われましたように、二〇%ないし三〇%上積みしたものをつけてくるということになりますと、やはりその担保力がだんだん足りなくなってくる、後の金融機関の金融が難しくなってくる、こういうことであります。 そして、私は理事長にお伺いいたしたいのですけれども、先ほどから申されましたように、各金融機関だけでなくして、環衛公庫の方でも審査をされて金額が多いと決定される。そのものについて、やはりそういう債権の保全ということで、先ほどから言われておりますように、一〇〇%の担保力を認めないわけであります。八〇ないし六〇ということを言っていらっしゃいますけれども、もう既にそのときに余分にとっておる。それにもかかわらず今度は、根抵当だからということでこれに二〇%、三〇%足していく。こういう公の金融機関の姿勢、私はそれが不思議でならぬわけであります。 このことによって、皆さん方が一体どういう審査をしていらっしゃるのか。五年間という年月でございますとか、また十年というような長い年月でございますと、二〇%といいますと、やはり一年ないし二年そういうものが——よほどの社会的な情勢の変化でございますとか、取引のあれで自分がこうむったことで、自分の意思に反して事業がうまくいかなくなることはあると思いますけれども、皆さん方がしっかりそめ審査をしていらっしゃって、それがなぜそのようなものをとらなければやっていけないのか、そういうことが一つございます。 そしてまた、この根抵当というのは御承知のように減らないわけであります。抵当権というものは、それが半分に減りますと半分に減るわけであります。一(いち)つけましても、その次には、半分返しておりましたらそのときの効力は半分しか及ばないわけであります。しかし、根抵当というのはもうずっとこのまま、幾ら返済をいたしましても最後まで及ぶわけであります。もし万が一途中でその事業がだめになりましたときに、まずいい言葉で教えてもらいますのは、金利の方に負担をいたしませんから先にお金を入れなさい、そうしたら元金に全部充当いたします、そして、最後に金利のことは相談しましょうということになります。そういたしますと、最後になりますと、これだけの根抵当があいておりますから、今までの金利を合算いたしますとこれだけいただきたいということで、話がそこから進むわけであります。抵当権の場合は、もし事故がありましたら過去にさかのぼって二年、これ以上は取れないわけであります。そういうような不利益とか利益というものを十二分に——私も、勉強させていただいたからわかりました。一般に借りに来る人は、役所を信じて、いいことを教えてもらって、言うとおりやってもらっている。そういうことを一々説明をして、原則的には抵当権でいくんだ。しょっちゅう借りかえ借りかえでやると言いますけれども、きょう借りてまた半年先に借りるというようなことではないと思います。そういうことでございますので、やはり抵当権でやっていくということを原則にしていただきたい。 そして、根抵当という制度をどうしてもやるにいたしましても、この二〇パー、三〇パーというのはまず環衛公庫に限ってはおとりにならない、おとりにならなくても債権の保全は既に八〇パーということで十二分になっておる。そういうことでまず、増し担保と申しますか、二〇パー、三〇パーをとると言われたその考え方に対して、環衛公庫そのものが、理事長そのものが、自分たちの、庶民の金融としてこれに対して前向きで、従来のものを解消してもらう、このことをお願いいたしたいと思いますけれども、いかがでございますか。
○山下説明員 まず初めに、借り受けされます方の御意思を考え、これを尊重して、普通抵当を選ぶかそれから根抵当を選ぶかというようなことについて、借り受け者の御意思を十分尊重しなければならぬということにつきましては、先生御指摘のとおりに私どもも考えておるわけでございます。 実態といたしましては、先ほど申し上げましたように、環境衛生金融公庫プロパーの貸し付けにつきましては、今でもそうでございますが、長い間設備資金主流でございましたものですから、運転資金は非常にわずかな割合でしかないものでございますから、環境衛生金融公庫プロパーの貸し付けにつきましては普通抵当の方が多いというのが実情でございます。 私より先生の方がお詳しいので本当に申しわけないのですが、ただ普通抵当というのは、具体的な貸し付けがございまして、それに対しましてこの担保があの貸し付けに当たるものという性格を持つものだと思うのでございますが、根抵当というのは、ある程度の担保をいただいておきまして、それが具体的な債権は、今あるものも含まれましょうが、将来発生するかもしれないというような要素もあるわけでございまして、その辺ちょっと性格に差があるのかなという感じもいたしております。 根抵当の極度額の割り増しの程度につきましては、金融慣行の範囲内であれば大体代理店のお考えを尊重して私どもやってまいるという感じでございますが、ただいま御答弁にもございましたように、大体二、三割程度ということになっておりますが、これはもう環境衛生金融公庫だけ特別にというのも、環境衛生関係営業で例えば公衆浴場が非常に社会的に困っている、これに何とかひとつ利率その他債還期限等で特別の措置を考えたい、これは環境衛生の非常な特殊性だと思うのでございますが、一般的な金融の処理の面につきまして、特別に環境衛生金融公庫だけ他の金融慣行と違うやり方というのも、ちょっと検討さしていただかないと直ちにはという感じを受けておるわけでございます。
○大矢委員 理事長、時間もございませんが、私も舌足らずでございましたけれども、二〇%、三〇%余分にとらなければならぬという理由は、一体何なんですか。
○山下説明員 私が承知しております範囲では、将来予想されます最高貸付額の元本及び利子、その滞りました場合のおおむね二年分の遅延損害金、そういったものの限度、そういうものを考えて、一応基準として二ないし三割増の考え方で処理しておられると伺っておるわけでございます。ただ、具体的に非常に立派な保証人がおられるというような場合には、その辺の見通しもあるわけですから、弾力的な運用もいたしておられるやに聞いております。これは、代理店によって非常に異なっておりまして、市中の金融機関におきましても三割とか二割とか一割とか、いろいろございます。例えば預金を非常にしておられる方に対して設定されます場合の根抵当につきましては、その割り増し分が割合に低い形でなされておるというような状況もございまして、この辺やはり、代理店の良識ある金融慣行の中における処理ということにつきましては、これを私どもとしては認めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○大矢委員 これからほかの問題も少しだけ触れたいと思いますので時間が余りありませんが、ただ理事長、借りる方の人の意見で抵当か根抵当かを決めていくということをおっしゃいましたね。ですから、もし抵当をつける場合には必ず、抵当とはこういうものであり根抵当とはこういうものである、こういう利益、不利益があるんだということを説明していただいて、それで本人がなおかつ根抵当がいいということなら、あとの二〇パー、三〇パーがいいとか悪いとかはきょうは時間がありませんからやりませんけれども、まず御本人の選択を主にして抵当権、根抵当権につけていただく。なぜ私がこういうことを申すかといいますと、根抵当をつけますと必ず、一回きりで済みます、抵当権はその都度やりますから費用がかかります、こういうことを言う。私もそうだと思っておった。ところが、環衛公庫は登録免許税法の非課税法人ということでございますし、国民金融公庫もそうでございます。そして保証協会は、普通千分の四でありますけれども、これは千分の一でありますか。そうなりますと、わずかの金額のために、もちろん環衛公庫の場合は一銭も登録税は要らないわけであります。それなのに、高くつきますよということでこれを根抵当にしていくということは、私はもってのほかだと思います。そういうことも含めてすべて説明をして、はっきりと抵当権、根抵当権ということで、よくよくその方が根抵当が好きで、それでも根抵当でやってもらいたいということであるなら別ですけれども、何に直言わずに黙って根抵当にしてしまうというようなこと、また今言いましたように、だまして、こちらの方が安くつきますよ、毎回やると高くつきますよというようなことで今までやってきたわけであります、私も聞いてきましたが。調べてまいりますとそういうことは全然ないわけでありますから、そういうことも含めて利用者に言っていただいて、抵当権にするか根抵当にするかということを決めていただきたい。 そういうことで、大臣、私の説明が悪くてわかりにくかったかもわかりませんけれども、やはり庶民の金融として、今後も厚生省の中で環衛公庫の果たす役割は大きいと思いますので、今後前進をしていただきますように大臣からも一言御見解を承りたいと思います。
○斎藤国務大臣 先生から、さまざまな実態に即応した御質問なり御指摘がございました。環衛公庫理事長からもいろいろなことを申し上げさせていただき、御理解をいただいた部分、また、その御要望を受けとめて改善をしていかなければならない部分、いろいろあったと思うわけでございます。環境衛生金融公庫は、私が申し上げるまでもなく、環境衛生営業に携わる方々について、その置かれている立場、すなわち保健衛生の維持向上を図りつつ営業をしていかなければならない。また、中小企業といいましても一層零細な営業を行っておられるということから、なかなか一般金融では融資を受けにくいというような観点、また、厚生省が行ってまいります保健衛生上の行政を一層円滑に進めていくための政策金融、また、過日お決めをいただきました環衛指導センターの事業を推進をしていくというような観点、いろいろな観点に立ちまして、環境業界の一層の振興を図る意味で非常に大きく期待をされておる金融公庫でございます。今後とも皆様の期待にこたえていけるような環衛金融公庫であるように、制度面、融資の改善また運営の改善、こういったものに努めてまいるように私どもも指導をいたしてまいりたいと考えております。
○大矢委員 時間がございません。せっかく通産省なり環境庁から来ていただいておりますので、二旨だけお願いをいたしたいと思いますが、やはり古くて新しい問題、今も公害がやはり私どもの大きな健康の問題であります。そして、公害と申しますと何と申しましてもPCB汚染、これが大きな問題になってまいりました。そしてまた、私どもの記憶も新たなところでございますけれども、四十七年の四月に衆議院の公害対策環境保全特別委員会でこのPCBの追放が決議をされまして、政府もメーカーの製造を中止した。それ以後どのようなPCBの公害物資がございまして、そしてまたそれがどのように保存され、どのように今後またこれの解決をしていこうというのか、各省庁からお尋ねをいたしたいと思います。
○森下政府委員 厚生省が所管いたします部分についてお答え申し上げます。 液状PCBにつきましては昭和四十七年に生産が中止になったわけでございますが、その後鐘淵化学あるいは三菱モンサントにおきまして保管、管理されております。この汚染対策につきましては、四十七年の四月、関係省庁より成りますPCB汚染対策推進会議、こういうものが設置されまして、総合的な汚染防止対策が推進されておるところでございます。 厚生省におきましては廃棄物処理法、これを所管する立場から、まず廃PCBそれからPCB入りのノーカーボン紙、こういうものを新たに産業廃棄物として指定いたしました。それから処分基準を整備いたしました。また、産業廃棄物処理施設の追加あるいは廃PCBの保管、管理の徹底の指示等を行いまして、PCB廃棄物の処理に伴う環境保全上の支障が生じないような措置を講じてまいったわけでございます。また、お尋ねのPCB廃棄物の処理について処理の推進が図られますよう関係省庁に対しまして必要な協力を行ってきたわけでございます。
○浜田説明員 お答えいたします。 総括的な御質問でございますので、漢としたお答えになってしまいますが、環境庁といたしましては、特に液状の廃PCBにつきまして高砂市において処理をするという必要性が生じてきたこともございまして、その焼却をするに当たっての環境保全上の安全性という点につきまして、一昨年環境庁の計画に基づきまして試験を実施をいたしております。その結果、高砂に保管しております鐘淵化学の液状廃PCBにつきましては各種の法的な手続も踏まえまして、現在本処理に移ろうという段階でございます。私ども、この焼却試験が安全に実施されるよう今後とも関係機関、関係省あるいは地元の県市と十分連絡をとりながら指導、監視を行ってまいりたいと思っておりますし、また同様にほかのPCBの焼却につきましても関係省庁等と必要な連絡をとりながら、安全な処理という点について努力をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○宇都宮説明員 PCBの処理、処分につきましての通産官の方針につきまして御説明いたします。 PCBの処理、処分につきましては廃棄物の処理及び清掃に関する法律等によりまして手続面及び安全規制面、ともに法制上整備がなされているというふうに考えております。PCBの処理、処分につきましては、関連法令の主務官庁及びその委任団体たる地方自治体が一義的には所管することとなっておりますが、当省といたしまして処理、処分を行う当事者たる事業者の指導監督を任務とする官庁といたしまして、今後ともこれに協力してまいる所存でございます。 以上であります。
○大矢委員 もう時間が過ぎておりますが、ただ大臣、今十二分に私も聞く時間ございませんでしたので十二分におわかりにくいと思いますけれども、これら非常に重要な公害物質が今一体どこにどれだけあるのかということになりますと、だれも把握をしておらないのが現状であります。先ほどもやはり病院の廃棄物の問題ございましたけれども、このような大きな問題で今なお裁判なり病気で苦しんでおられるこれらの人々を考えますときに、二度とこのようなことがあってはならぬし、製造中止になりましたこれらの紙でございますとか電気の絶縁体、そして今二カ所にございますと言われております液状PCB、これらが一体どこにどれだけあるのかということは厚生省もつかんでおらないわけであります。 〔上草委員長代理退席、委員長着席〕 そういうことで、最終的には法律に基づいて地方自治体にどうのこうの言いますけれども、やはり公害が出ますと、国民の健康を守っていくというのが厚生省の仕事だろうと思います。そうなりますと、厚生省の最高責任者としてこのような状態で果たしてもう忘れ去られていいものなのかどうか、今後これに対してもっと積極的に対応していただきたいということを希望し、大臣の所見を承って質問を終わらせていただきます。
○斎藤国務大臣 PCB問題につきましては、厚生省といたしましても関係機関と積極的に協力をいたしまして、PCB廃棄物が一日も早くすべて適切に処理されるように努力をいたしたいと思います。
○堀之内委員長 野間友一君。
○野間委員 最後の質問者ですが、まず初めにお聞きしたいのは手話通訳の制度化の問題であります。 御案内のとおり、聴覚障害者が言語障害者を含めてですが約四十万人、この制度化については当事者だけでなくて関係者が本当に長い間待ち望んできたところであります。皆さんの大変な御努力によりまして今回全日本聾唖連盟から手話通訳制度調査検討報告書、これが六十年の五月二十日に出されました。また、これに即して手話通訳認定基準等策定検討委員会、これが先般中間報告を発表されまして、いよいよこの最終報告も今年度中にということで、これについては本当に関係者の御努力に対して心から労を多としたいというふうに思います。この中にはもちろん厚生省の役員の方も入って鋭意努力されたわけであります。こういう努力の結果がやっと実りまして、このたび総理が本部長であります障害者対策推進本部、この障害者対策に関する長期計画の後期重点施策の中にやっと入りまして、いよいよこれから具体化がスタートするということで大変喜んでおるわけであります。 そこで要望なのですけれども、一日も早くこれが実現できるように、特にこのような中間報告まで出ておりますので、養成あるいは資格認定等についての報告でありますけれども、これらを含めて六十三年度の予算の中に組み入れる、今鋭意努力中だと思いますけれども、その点についてまず厚生大臣に御見解を賜りたいと思います。
○小林(功)政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、長い間かけまして全聾連でいろいろ検討していただいた経緯がございますけれども、本年五月に中間報告が出ました。それに対しまして全聾連からは、この報告は認定基準の骨格を示しているものであるから、詳細につきましてはさらに検討を行って今年度末までに最終報告を行いたい、こういうふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、厚生省といたしましては、最終報告が出た段階でこれからどういうふうに対処するか決めたいと思っております。来年度予算で検討しろ、こういうお言葉でございますが、ちょうど今御案内のように概算要求をまとめておる最中でございますのでここで具体的に申し上げるわけにはいきませんけれども、そこら辺の関係は先生の御意見を参考にさせていただきたいと思います。
○野間委員 今、局長が答えられましたけれども、ぜひ強く予算化されるように要求しておきたいと思います。 と同時に、その後さらに設置をどうするのか、派遣の問題等々これは追って最終報告の中にもまとめられるやに私どもは承知をしておるわけですけれども、その際も十分関係者、特に全日本聾唖者連盟、こういう皆さんの要望を十分お聞きになりまして、そしていいものをぜひ早期につくるということで御努力を願いたい、こう思いますけれどもいかがでしょうか。
○小林(功)政府委員 養成とか設置、これは資格制度ができた後の話でございますので、これも今どうこうというわけにはいかぬと思いますけれども、お話ございましたように、この種の問題というのは一番関係の深い皆さん方でいろいろ協議していただく、我々も応援する、お互いに協議、話し合いを続けながらまとめていきたい、こういうスタンスで私どもは前からおるわけでございます。したがいまして、今までやってきた検討もすべて全聾連に委託しまして、そこでやっていただいておる、こういうことでございますので、これからもそういうスタンスで臨みたいと思います。
○野間委員 そこで、ちょっと具体的な要望を二点ばかりこの問題についでしておきたいと思うのです。 手話通訳士が仮にできたとしても、今日までいろいろ働いてこられた、いわゆるメニュー方式での手話奉仕員養成制度、派遣制度、これはございますね。だから、これとは別のものとして、これまでのメニュー事業は手話通訳士を支えるものとして一層充実発展させていただきたいということが一つ。 もう一つは、中間報告の中に、手話通訳士の養成のための機関として「国がモデル的養成機関を早急に設置することが望ましい。」こういうふうにありますね。これをぜひ取り入れていただいて、国立身体障害者リハビリテーションセンター、これにはぜひひとつ設置してほしいという強い要望がありますけれども、この点もぜひ組み入れていただきたいと思いますが……。
○小林(功)政府委員 メニューの手話通訳制度、これは今後とも伸ばしていきたいと思います。 それから、モデル機関につきましてはもう少しお時間をいただきたいと思いますが、先生の御要望としては十分承っておきます。
○野間委員 ありがとうございました。 自治省、政見放送と手話の採用の問題についてですが、これも国会で懸案の問題ですね。今お聞きのように、いよいよこれが具体化するということの中で、政見放送にぜひ手話を入れる、これは公民権、参政権の憲法上の保障からしても早期に実現することが非常に大事な問題だと思いますので、この点について自治省の今の時点での見解を聞きたいと思います。
○岩崎説明員 政見放送への手話通訳等の導入の問題でございますが、この点につきましては、昨年末に学識経験者から成ります政見放送研究会というのを設けました。そこにおいて鋭意調査研究を現在進めているところでございますが、先般統一地方選を控えまして中間報告が出されました。その中間報告を受けまして聴覚、言語に障害のある方が立候補した場合には、あらかじめ候補者から提出された原稿につきまして放送事業者が録音したものを候補者が使用する、こういう形で聴覚、言語に障害がある候補者につきましても、政見放送によりその政見を伝えることができるような措置をとったところでございます。 また、政見放送全般への手話通訳等の導入の問題でございますけれども、政見放送といいますのは候補者の政見を伝える大変重要な機会でございます。私ども政見放送の実施に当たりましては、できるだけ多くの方々に候補者の政見が伝わるように、その便宜を図ることが必要だ、こういう基本的な考え方を持っておるわけです。 しかしながら、政見放送といいますが、極めて限られた期間内に多くの候補者につきまして公正に制作、実施しなければならないという性格を持つものでございますし、またすべての候補者に対しまして公正公平な取り扱いが特に厳格に要請されるものでございます。そうした政見放送の性格上いろいろと検討を要する問題がございます。例えば極めて限られた期間内で非常に均質のレベルの高い手話通訳者を全国各地でそれぞれに確保するにはどうしたらいいか、こういった制作上、技術上のいろいろな問題があるわけでございますが、こういった問題を中心にしまして現在、政見放送研究会等を中心にしまして鋭意検討を進めているところでございます。
○野間委員 憲法上の観点からもこれはぜひとも早期にやるべきだと考えておりますので、その点についてさらに強く要望して、この手話の問題については一応これで終わりたいと思います。御苦労さまでした。 次にお聞きしたいのはいわゆるソープランドの問題であります。売防法が施行されましてちょうど三十一年を経過いたしました。この中で売防法が一体どういう役割、機能を果たしてきたのか、これについてはざる法であってというようなこととか、売春は減るどころかふえる一方、いろいろな新たな手口もたくさん出ておるわけであります。 そこで、最初に総理府にお聞きしたいわけですけれども、総理府の関係審議会として売春対策審議会、売対審がありますね。これは厚生省もかなりメンバーとして中に入っておられまして、そして総理大臣あるいは厚生大臣等にも意見具申がなされております。これを見ますと、例えば昭和四十八年七月の総理あての意見具申では、当時はトルコぶろ、今はソープといいますけれども、これも「地域によってはあたかも集娼地区の再現をおもわせるものがある。」「トルコ風呂営業の実態は、売春防止対策上看過できない」、いわゆる集娼地域の再現のようなていをなしておるというような指摘。あるいは四十九年七月の同じく売対審から総理あての意見具申、この中でも「トルコ風呂営業の実態についてはいささかも自粛がうかがえない」「過般視察した状況では、あたかも遊廓の復活をおもわすものがあり、いまや黙視できない段階にきている」というふうに厳しく指摘もされております。さらに比較的新しいと申しますか、五十七年の六月四日、これも総理大臣あての意見具申ですけれども、こういうふうに指摘しております。「売春の常態化」というタイトルで、「トルコ風呂営業は、」云々とありますけれども、「通常「個室」を設け、その個室においてトルコ嬢が男性の利用客に対し、流し、マッサージなどのサービスを提供するという特殊な構造施設及び営業型態を有するものであるため、ほとんどのトルコ風呂において売春等が常態として行われているのが実情である。」こういう記述がありますけれども、この点確認だけしておきたいと思います。
○小池説明員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘のとおり、売春対策審議会における意見具申におきまして、そういう指摘がなされております。
○野間委員 これは厚生省も入った中での評価、つまり、まさに今や公娼復活あるいは集娼復活、遊郭のようなもの、こういうのが総理あての厚生省も入ったところの売対審の意見具申の中に何度も何度も指摘されて、しかも法の改正が必要だということまで言われておるわけです。これは後で触れます。 法務省にお伺いしたいと思います。 いわゆる滋賀県の雄琴のトルコの売防法違反の判決、これは四十九年六月三日付の大津地裁の判決ですが、この最後のところの判示にこういうふうにありますね。「売春の場所提供をしていると目される店が雄琴地区に三〇軒余り存在していることは公知の事実である。」その次に、「このような現実のもとでなお、営業許可がなされているという行政上の重大な問題——つまりこのような売春の実態をわが国自体がどのように受けとめているかという問題も含めて——も存している」云々。つまり、売防法違反のこの裁判所の判示の中でも公知の事実というふうにも認定しておるというふうになっておるわけですね。法務省、そうですね。
○飯田説明員 お答えいたします。 今先生御指摘のとおりの記載があることは承知いたしております。
○野間委員 そこで厚生省にお聞きしたいのは、いわゆる個室浴場ですね。公衆浴場法、これは厚生省の所管なんですが、個室浴場は一体全国に何軒あるのか。厚生省からいただいた資料によりますと千六百五十施設、東京は二百九十七、大阪七十。これは六十一年度末のようですけれども、これは事実、間違いありませんね。
○北川政府委員 先生御指摘の数字は、いわゆる公衆浴場のうち個室つき浴場施設の数字でございます。
○野間委員 個室つき浴場、これは公衆浴場法の中の一つのおふろの形態のようですけれども、この中で、いわゆる客に対して異性が接触して役務を提供するという風営法の規定がありますけれども、つまり、女性が客に接触してそして役務を提供するというようなもののない個室浴場というのは一体あるのかどうか。いかがですか。
○北川政府委員 個室浴場の実際の運用の形態については、必ずしも的確な数字をつかんでおりません。
○野間委員 実際つかんでいないと思うのですけれども、これは大きな問題だと思うのです。先ほどから売対審、これは厚生省が入った意見具申ですね。それから法務省、裁判所の判決の中でも公知の事実とまで言われる。ところが、厚生省はこういう実態を把握していない。私は、ここに公衆浴場法の持つ致命的な欠陥がある、こういうふうに思うわけであります。 警察庁にお伺いしたいと思います。 この個室浴場に対する売防法違反の検挙件数、検挙人員ですね、これは五十九年が件数が千四百九十九、六十年が千八十二、六十一年が七百九十一、検挙人員は省略しますが、検挙件数はそうなっておりますが、間違いありませんね。
○上野説明員 間違いございません。 ただし、参考までに申し上げますが、私どもでやります場合は、一つの店に対して管理売春ですとか場所提供とか何件かの別な法令を適用した場合は、件数は重ねて計上することになります。
○野間委員 それはそうだと思うのですけれども、どっちにしても千六百五十の施設があり、それから東京、大阪については数を申し上げました。件数を今認めました。大阪について言いますと、検挙件数が六十年が二百十一、六十一年が二百九十一、こういう数になっております。これは警察からいただいた資料です。 結局、先ほどから何度も申し上げておりますように、実際に個室浴場というのは売春の巣窟になっておるわけですね。しかもこれは浴場法では、異性に対して接触して役務を提供、こういうものは全く無関係にどんどん許可していくというようなことで、言ってみれば厚生省が売春を推奨しておるというふうなことにも書いや、笑っていますけれども実際そういう役割を果たしておるわけであります。 そこで大臣、笑っておられますから聞きますけれども、こういう個室浴場についていわゆる売春との関係でどのような認識を持っておられるのか、お答えいただきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 個室つき浴場が売春の巣となり、公知の事実であるということにつきましては、まことに遺憾な状態であると思っております。厚生省といたしましては、御承知のとおり、公衆浴場を保健衛生上の観点からこれを所管いたしておるわけでございまして、売春問題につきましては、売春防止法とか、またいわゆる風営法を所管する観点から適切に対応されるべきであるというふうに考えております。
○野間委員 環衛公庫の融資の対象についてお聞きしますけれども、環衛公庫には個室浴場は貸付対象に入ってないと思うのです。なぜなら、公序良俗に反するところには貸さないという規定がありますよね。
○北川政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○野間委員 個室浴場には貸さないわけですね。公の秩序、善良の風俗に反するから貸さない、こういうことになっておるわけですね。 そこで、次に進みますけれども、ちょっと委員長、資料を配付したいと思いますので、お許しいただきたいと思います。——それじゃ委員長、進めます。 後でずっと資料を引きながらお聞きしたいと思いますが、大阪に七十の個室浴場があるということを私、指摘しました。これはその大阪の七十のうちの五十一について調べた一覧表であります。これを見ますと、私、驚いたのですが、一枚目のページをごらんいただきたいと思います。融資総額が三百八億七千百十万円です。物すごいですね。なお貸付残高は二百三億五千五百万円。そこで、金融機関の数は四十三あるのです。これは登記簿で全部洗ってあるわけですね。機関別の内訳を見ますと、都市銀行が三行七億八千万、地銀が一つで一億八千万、あと数字は書いてありますから省略しますが、相銀、信用金庫、信用組合、外国銀行、クレジット会社等、政府系金融機関一つ、これは環衛公庫であります。つまり都銀から信用組合まで、そしてその他クレジット会社等々を含めますと、びっくりしたのですが三百八億という膨大な融資がなされておるわけであります。 そこで、大蔵省にまずお聞きしたいのは、いわゆる個室浴場に対する金融機関のあり方、融資のあり方、今環衛公庫については申し上げたわけですけれども、まずこれについて一言見解を聞かせていただきたいと思うのです。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 金融機関の業務運営に当たりましては、信用秩序の維持あるいは預金者の保護、金融の円滑化等、金融機関に対します国民経済的要請を踏まえることが必要でございまして、大蔵省といたしましても、金融機関に対しましてこのような観点に立つで与信業務を行うように指導をいたしておるところでございます。 金融機関の個々の融資につきましては、これは本来金融機関が良識に従って判断すべきものでございまして、特定の業者に対する融資を規制するということは基本的には適当でないと考えておりますが、法律に違反するような行為を助長するおそれがある融資というようなものでありますれば、金融機関がこれを自粛すべきということは当然のことであると考えております。
○野間委員 そうすると、個室浴場について金融機関は自由に貸してよろしいということになるわけですか。
○高橋説明員 ただいま申し上げましたように、個々の融資につきましては金融機関の良識ある判断ということによるべきものであると考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、法律に違反するような行為を助長するおそれがあるようなものとか、もちろん法律に違反するものをしてならないことは当然でございますが、法律に違反するような行為を助長するおそれがあるような融資、こういうものについでは金融機関が自粛すべきものだというふうに考えております。
○野間委員 そういうなまぬるい態度をずっととり続けできたわけですね。これは売防法の中には違反の、十二条「資金等の提供」があるわけですね。これは「情を知って、」という、これの立証はなかなか難しい。警察もかなり苦労して努力をしていろいろと捜査をしておるわけですけれども、しかし金融機関が次から次へとどんどん貸して、これは大体一部屋一千万円ぐらいのデラックスなあれがあるそうですし、それから一つつくるのに何億円かかるそうですね。 それで、これは私が全部一覧表調べたわけじゃありませんで、「大阪の婦人保護事業を守る会」というのがありまして、代表世話人が菅原藤子さん、それから弁護士の渡辺和恵さん、二人が主としていろいろやっておられるのですけれども、どうにも我慢がならぬ、厚生省はとにかく公衆浴場法で次から次へと認めていく、大蔵省は今のそういうような態度で次から次へと金は貸す、こういうようなことで、これはどうにもならぬということで皆さんが努力をして実はやっておるわけですね。だからそんな態度をずっととり続けている以上、やはりこれはなくならないわけですね。 これは店名等を全部墨で消してありますからそれには出ておりませんけれども、番号で言いますと四と五ですね。これなどは環境衛生金融公庫が五十一年に六百万、五十五年返済で抹消していますね。さらに五十五年の四月に三千万貸して、これは五十七年に返済で抹消、これは抵当権ですから、私持っておりますけれども登記簿上すぐわかるわけですね。これまたけしからぬことだと思います。 それから、実は今大蔵省は自粛云々というふうに言いました。私が今申し上げた「婦人保護事業を守る会」の方々がこれ全部調べ上げて、そして金を貸している銀行に対していろいろ申し入れをしたわけですね。その中で幸福相互銀行というのがありますが、この一覧表で見ますと二十七のところですけれども、これを見ましたら、幸福相互銀行は六十一年四月に六億貸しておるでしょう。それから極度額を上げまして六十一年十月には九億、それからここでは二番抵当になりますが、六十一年十月にさらに五億、これ合わせましたら十四億、とにかく六十一年四月以降貸しておるわけですね。これは二十七のところです。これについて言いますと、今申し上げた「大阪の婦人保護事業を守る会」の方々が幸福相互に行きまして、そして六十一年四月二十三日の六億がわかりましたものですから、これについて——失礼しました。ずっと申し入れをしておったのですね。申し入れをしておったところが六十一年四月二十八日に回答がありまして、要するに申し入れというのは、こういうところには、個室浴場には金貸すな、こういうことなんですね。それに対して幸福相互が、実は今まで二件貸した事実はあるけれども、個室浴場だということがわかって鋭意回収に努力をして繰り上げ償還させ、今では回収済みだ。それからさらに、そのほかには現在個室浴場への融資はありませんというのが正式に、代表取締役名の回答書が来たわけですね。これが六十一年四月二十八日付なんです。 ところがこれを見ましたら、二十七のところ、今も日付を申し上げたわけですけれども、その後貸しておるわけですね。十月に九億、極度額上げて貸しておるわけでしょう。それからさらに十月三十一日、同じ日、二番抵当ですが五億やっておるわけです。 だから、自粛自粛と言いますけれども、こういう文書でまで回答して、そしてもう貸さぬ、回収した、今ないと言いながら、ところが実際は貸しておるわけです。私は金融機関のモラルとしてまさに公約違反であり、しかも貸さぬと言いながら貸しておる、こういう姿勢は許されぬと思うのですが、これでも大蔵省は何とも言いませんか。
○高橋説明員 個別の取引の問題につきましては、私ども現状を把握しておりませんのでお答えする立場にないわけでございますが、先ほども申し上げましたように、金融機関が個々の融資に当たりましては、その良識に従ってきちっと判断をして社会的公器としての役割を果たしているものと思っておりますし、また法律に違反するような行為を助長するようなものについては、これは自粛すべきであるということは言うまでもないことだと思っております。
○野間委員 いや私聞いておるのは、個別についての答弁はともかくとしても、要求して、やりませんと、個室浴場であることがわかって、それで回収をいたしました、もうありません、そのほかにもありませんと言いながら、実はその後ずっと貸しておるわけでしょう。こういう銀行の姿勢というのは自粛で済む問題ではないと思うのですよ。今地価の高騰について、銀行のあり方について融資の規制、いろいろ言っております。私はこういうようなものを全部洗って、そしてきちっと、こういうものに対しては融資は規制する。環衛公庫は、一つ違反がありますけれども、やっておるわけですが、これはほんまに厳しくやるべきだと思うのです。あなた課長ですけれども、どうですか。
○高橋説明員 この問題につきましては、これは法律に違反するとかそういう問題でありますれば、法律に違反するような融資は指導とかそういうことを超えて法律上してはならないわけでございますが、一般に金融機関の個々の融資につきましては、金融機関の自主的判断、健全な判断というものに期待すべきものだと考えております。
○野間委員 そのモラルがはっきりせぬ。つまり約束しながら、ところが実際は貸しておるから私は問題にしておるわけですよ。 厚生大臣、また戻って聞きますけれども、先ほど冒頭に申し上げたように、特に売対審の意見具申が年を追うごとに中身が厳しくなっておるわけですね。五十七年のこれについて言いますと、先ほども聞きましたけれども、「通常「個室」を設け、その個室においてトルコ嬢が男性の利用客に対し、流し、マッサージなどのサービスを提供するという特殊な構造施設及び営業型態を有するものであるため、」、「ため、」ですよ、「ほとんどのトルコ風呂において売春等が常態として行われているのが実情である。」。これは厚生省の役人も入ってできております売対審ですね、これの意見具申なんですよ。だから、これは単に厚生省としては、公衆浴場法があって、それは姿形だけであとは知らぬということは言えないと私は思うのですね。つまり、こういう個室浴場を認めるがためにこういうことがどんどん起こり、しかもこれに金を貸すということになっているわけですが、こういう意見具申の評価に対して厚生大臣、どういうふうに評価されるのか、認識されておるのか、もう一遍答えてください。
○北川政府委員 先生の御指摘ではございますが、公衆浴場法においては公衆衛生の観点から規制をしておる、こういうことでございまして、売春の問題についてはまだ別途の法体系のもとに規制をされるべきものではないかと我々は考えておるところでございます。
○野間委員 厚生大臣、いかがですか。
○斎藤国務大臣 ただいま生活衛生局長が答えたとおりでございます。
○野間委員 これは決算の委員長もお聞きのとおり、とにかくどこもないのですよ。警察が飯のハエを追うようなことを苦労してやっておるわけですけれどもね。 日弁連が「個室付浴場業に関する調査報告書」というものを出しておりますね。御承知のとおりであります。この中でも公衆浴場法の中で個室浴場、こういうものは禁止せいという要求が入っておりますね。そしてそれまでは当面、資金の提供とかあるいは取り締まりの強化、行政上のいろいろな措置をとれというのが入っているわけですけれども、厚生省、これについてどういうふうに考えているか、今答弁ありましたけれどもね。私はそれがやっぱり基本だと思うのですね。厚生省に再度答弁を求めるのと、それから法務省にその点についての見解を聞きたいと思うのです。
○北川政府委員 公衆浴場法に関連しましては先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
○飯田説明員 ただいま御指摘の点でございますが、売春防止法十二条には資金提供を規制する法律がございますので、そういう違反事実等がある場合にはそれを適切に活用して取り締まっていくということになろうかというふうに考えております。
○野間委員 私は話を聞いておったら厚生省どうも、マッチポンプとは言わぬけれども、売対審の中に厚生省保健医療局長、業務局長、社会局長、児童家庭局長、皆入っていますよね。そして皆さんがいろいろなことを考えながら、そしてこういう、現在個室浴場が売春の巣窟と申しますか常態化しておるというようなことを出しているわけですよ。出しながら、その法律の中では個室浴場は入れ物さえきっちり衛生上等々ができておれば、異性が接触して云々というようなことは関係なしに無制限に許可するわけですね。そこでどんどん売春が行われる。 そこで、これは非常な金がかかりますから、銀行はどんどん金を貸す。これを一体どうしたらいいのですか。こういう常態化しているという評価をしながら売防法だけを言うわけですよ。売防法には資金提供禁止がある、管理売春の禁止がある、だからそれに頼ったらいいんだ。しかしこれはずっと次から次とふえておるわけでしょう。しかも個室浴場は売防法違反の中で約二〇%、愛人バンクとかいろいろ新しい形態もありますけれども、これは非常に大きいんですね。厚生大臣、これは今御返事ができないかもわかりませんけれども、私はやっぱり一番根本は厚生省だと思いますが、これは所管庁というのはかなり多いわけですね。だからみんなで協議をして、一体どうしたらいいのかということをぜひ協議、検討していただきたいと思うのです。そうでなければこれはえらいことになると思うのです。いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 先ほどから、厚生省としては保健衛生上の観点から公衆浴場法に基づいて規制を行っている、売春防止法もしくは風俗営業法等についての所管の官庁において対応することが妥当であろうということを申し上げたわけでございますが、これまでにも厚生省のそういった衛生の観点からの規制におきましてもそれぞれ協力をしながらやっておるわけでございまするし、今後ともそういった官庁との協力を深めていくことによって、今おっしゃっておられますような遺憾な状態をなくしていくように御協力をいたしてまいりたいと思うわけでございます。
○野間委員 くどいようですが局長、実態はこういうことでしょう。裁判所の評価もそういう評価を判示しているわけでしょう。ずっと年々ふえておりますが、警察もどんどん検挙をやっておりますけれども、これは氷山の一角で、これは公知の事実ですからね。しかも法律に基づいて婦人がサービスする、そういうものも次から次へと許可されるということになりましたら、これは本当に大変じゃないか。これはだれが考えても本当にそうだと思うのですよ。だから浴場法の中で個室浴場はこれを禁止するんだということをなぜ入れることができないのかと私は思うのですよ。そういうものがなければ売春の巣窟になりませんしね。それから大蔵省も、資金提供、これも相当なお金ですから、これを貸さなければこういうものが新しく建つことは相当減ってくるし、根を断つことができるというように思うのですね。局長、ほんまにちいと性根入れて考えてほしいということ、それに対する答弁と、それから大蔵省、資金提供、これも自粛自粛と言うなら、それだけなら大蔵省も結局売春を助長するようなそういう役割を果たすことになりますよ。それでもいいんでしょうかね。みんな頭に来ますよ。これについてちょっと両方さらにお答えいただきたいと思います。
○北川政府委員 公衆浴場法の立場からは一定の施設要件があればそういう営業をするという、これは憲法に保障された基本的な権利ということで許可をせざるを得ないというのが現状でございます。その後の運営について先生がおっしゃるような実態があるとすれば、それはそれに対応する別の法体系によって規制をされるべきものと考えておるわけでございます。
○高橋説明員 金融機関の融資につきまして先ほど来申し上げておりますように、基本的に法律に違反するような行為を助長するような融資というものは、そういうおそれのある融資については自粛すべきであるということが基本でございまして、こういう基本にのっとって銀行がその社会的公器としての与信業務を的確に行っていってもらいたいというふうに考えております。
○野間委員 おそれがあるというふうに言いましたね。だから、これは銀行がそれぞれ貸すときにきちっと精査して貸すか貸さぬか決める。その際には厳格に審査をすべきだと私は思うのです。そういう点で自粛自粛というモラルだけに頼っておったらぐあい悪いわけで、大蔵省としても実態を十分把握した上で、こういうことを助長するようなことのないような手だてをするべきではないか、これは何度も言っておりますけれども。そうでなかったら結局厚生省所管でこれをつくり、そしてつくるのに金を提供する、できたものは売春をやる、警察は後を追いかけるように次から次にと歩いてとにかく売防法違反で摘発しなければならぬ、こういうようなことになるわけです。だから、結局起こったものについて事後の処理をするということにしかなりません。しかも今申し上げたように実態が実態ですから、重ねて厚生大臣を初め各省庁、これについて十分検討して、こういうものを根絶するという立場でひとつ取り組みをしていただきたり時間が参りましたので、その点についてもう一度大臣から所見をいただいて、終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 いろいろ検討してみたいと思います。
○野間委員 終わります。
○堀之内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十一分散会