外務委員会 第1号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/07/29
会議録
○山口委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国際情勢に関する事項について研究調査し、我が国外交政策の樹立に資するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○山口委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。 この際、外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣倉成正君。
○倉成国務大臣 私は、七月二十六日より二十八日まで、第七回国連貿易開発会議総会出席のためジュネーブに滞在し、本二十九日帰国いたしました。 今次総会は、四年ぶりのもので、七月九日から三十一日までの予定で開催されておりますが、今後の南北対話のあり方を決定する重要な会議であります。欧米諸国が、今次総会において必ずしも積極的な姿勢を示していない現状の中にありまして、我が国が、先般、緊急経済対策、なかんずく二百億ドル以上の資金還流計画及び五億ドルのアフリカ諸国等後発開発途上国に対するノンプロジェクトの無償資金協力を打ち出したこともあり、開発途上国の我が国に対する期待は高まっております。 私は、七月二十七日、今次総会の本会議で一般演説を行い、開発途上国の経済発展に対する我が国の積極的な貢献について、緊急経済対策を中心に説明するとともに、開発途上国への資金フロー促進策を検討する賢人グループの設立及び一次産品加工度向上のための円卓会議の設置の二つの提案をいたしました。私の発言は、開発途上国はもとより多くの先進国からも、今次総会に対する具体的な貢献であるとして高く評価されました。 また、開発途上国代表との話し合い等を通じ、今次総会を現実的な成果のある実りのあるものとするよう訴え、我が国としてもそのための労を惜しまないことを表明してまいりました。 今次総会は最後の週に入り、まさに困難な交渉が行われておりますが、我が国の南北問題に対する積極的な姿勢が他の先進国に対する刺激となり、今次総会が南北双方の協力により成功裏に終了するよう期待いたしておる次第であります。 また、私はこの機会にイラン、韓国両国の外相、ジョルダン皇太子、インドネシア調整相、ガット事務局長等々と会談いたしましたほか、途上国の閣僚を招待いたしまして午さん会を主催いたしました。 これら一連の会談では、率直な意見交換を行いました。 特にヴェラヤティ・イラン外相との会談では、即時停戦等を求める国連安保理決議第五百九十八号が全会一致で採択されたことを踏まえ、同決議に対するできる限りの前向きな対応、ペルシャ湾での行動の自制及び国連事務総長の努力に対する協力等強く働きかけました。これに対し同外相は同決議には、イラクの侵略者としての非難が含まれていないので受け入れられないとしつつも、国連事務総長の努力に対してはできる限りの協力をするつもりであると述べておりました。イラン側の基本的姿勢は依然としてかたいとの印象でありますが、我が国としては、今後とも志を同じくする諸国とも連携しつつ、イラン・イラク紛争の早期終結とその間における自制ある行動を両当事国に対し粘り強く働きかけていく所存でございます。 ハッサン・ジョルダン皇太子との会談では、同皇太子よりジョルダンの中東和平実現に向けての努力につき説明があり、これの打開のための国際会議開催に対する支援要請がありました。我が国は、これを支持するとの立場をとっておりますが、私より中東和平に関する我が国の政策及びイラン・イラク紛争の平和的解決のための環境づくりの努力等につき説明をいたしたところでございます。 韓国の崔侊洙外務部長官との会談では、ソウル・オリンピックを明年に控えた朝鮮半島情勢、国際経済、貿易問題及び漁業問題を含む二国間問題につき意見交換を行い、また、ワルダナ・インドネシア経済・財政・産業担当調整大臣との会談では先般の我が国の円借款供与に対し先方より謝意が表明されたほか、対ASEAN資金協力につき意見交換を行いました。 さらに、私は、ダンケル・ガット事務局長とウルグアイ・ラウンド交渉の現状につき話し合いました。 わずか二日間という短い期間ではありましたが、私は国連の場を利用して、我が国の立場を国際社会に対し強く訴え、多くの成果を上げたものと考えておる次第でございます。 ―――――――――――――
○山口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
○高沢委員 大臣、ジュネーブのUNCTAD会議からきょうお帰りで早速この外務委員会、大変御苦労さまであります。お疲れでありましょうが、これからいろいろな御質問をいたしますので、ひとつ十分なお答えをいただきたい、こう思います。 初めに、つい最近起きました事件ですが、沖縄海域でマレーシア船籍の貨物船が国籍不明機のロケット弾を受けた。国籍不明機というのはどう見てもアメリカの飛行機ということであろうと思いますが、まずその辺の事実関係及びこれに関連して、あの海域は我が国の関係の船舶や漁船も非常に多く航行するところですから、その安全確保というふうなことで、特にアメリカ当局に申し入れをされたか、あるいはこれからまたされるのか、その辺の対応も含めてお尋ねをしたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいま委員お話しの件は、極めて不幸な出来事でありまして、あってはならない事故であると考えております。 本件事故につきましては、七月二十七日午後八時四十五分ごろ、沖縄近海鳥島の近くの我が国領海内においてマレーシア船籍貨物船ポメックス・サガが被弾し、航行不能となり、また同船の乗組員一名、フィリピン国籍の方でありますが、重傷を負ったものと承知いたしておる次第でございます。 本件に関しましては、米側に照会しましたところ、本件発生時刻に米海軍の航空機四機が本件発生位置の近くにある鳥島射爆撃場において模擬爆弾を使用して通常の爆撃訓練を行っていた由でございます。 二十八日那覇に入港したポメックス・サガの船体を海上保安庁が調査した結果、弾頭二個等を発見いたしました。右弾頭につきましては、米軍担当官が確認したところでは、米軍で使用されているものと同じものと承知しております。ただし、二十七日の訓練で米海軍により実際に使用されたものであるかどうかについては、さらに確認の要があるとのことでございます。 我が国の領海を航海する船舶の安全が確保されるべきは当然のことでございます。また、米軍は訓練を行うに当たり、一般船舶の安全に影響のないよう、現地で船舶が存在しないことの確認を行う等、安全確保については万全を期すべきものと考えております。 本件につきましては、事実関係の確認のための調査が行われるものと考えておりますが、古事実関係の確認を待って、我が国政府としては、米側に対し厳正に対処する一方、このようなあってはならない事故の再発を防ぐための万全の措置がとられるよう、米側と十分協議してまいりたいと考えておる次第でございます。
○高沢委員 今外務大臣より、その対応も含めてお話がありましたが、今後二度とこういう事故の起こることのないよう、我が方としても厳正な対応をぜひお願いしたいと思います。 時間の制約がありますので、SDIに関する質問の方へ進みたいと思います。 七月二十二日にSDIの研究参加に関する日米の協定が締結されたわけであります。まず、その総論といたしまして、SDIという計画これ自体レーガン政権が非常に強力に進めてはいるわけでありますが、聞くところによれば、レーガン政権の部内でもこれについてはかなり賛否の意見がある、こういうふうに聞いておりますし、あるいはアメリカの物理学会とか、あるいはまた共和党、民主党という政党レベルになれば、各議員それぞれの立場はありましょうが、押しなべて民主党サイドはこのSDIという計画に対して非常に消極的な考え方である、こういうふうなことも聞いておるわけでありますが、SDIというアメリカの計画そのものについての状況認識というものを大臣はどのようにお持ちか、まずお尋ねしたいと思います。
○倉成国務大臣 SDIの計画につきましては、今高沢委員がお話しのとおり、米国政府内あるいは議会の中でいろいろ議論のあることは私も承知をいたしております。 ただし、御案内のとおり八五年から始まりましたこの計画が、今日まで累計約八十億ドルの予算がもう既に計上されておるということは、それなりの議会の意思が反映され、またこの計画の重さを物語っておると思うわけでございまして、今後来年度の予算についていろいろ審議が行われまして、政府の予算どおりの予算が通るかどうかは別といたしましても、この計画について米政府がさらに推進を図っているという事実は、我々客観的に認識しなければならないと考えておる次第でございます。
○高沢委員 こういうケースは大臣はお考えになることはないですか。アメリカという国は、つまり来年もう大統領選挙があるわけですから、次に大統領にどういう方がなるかということによって非常に大きく今までの政策が見直される、あるいは転換されるということが非常にある国であって、そういう中においで、ここで日本はアメリカとのSDIの協力の協定を結びました、来年の大統領選挙でこういう大統領が当選しました、その大統領はSDIということを、もうおれは進める考えはないんだというようなことになることがないのか、そういうときにここで今回結んだ日米の協力協定というのは一体どういうことになってしまうのか、そういうふうなことを大臣お考えになることはありませんか、いかがでしょうか。
○倉成国務大臣 今回のSDI協定、日米間の協定、取り決めは、日本の企業等が参加する場合にその参加がしやすくなるように、そういうことを日米間で取り決めを行ったわけでございまして、参加するかどうかということは企業等の自由でございます。 したがって、これに今後のアメリカの政策がどのように展開するか、大統領がかわればどうなるかということの予測をここで私が云々することは、他国のことでございますから差し控えさせていただきたいと思いますけれども、少なくとも現段階においてSDI計画というのが現実に八十億ドルの予算を既にもう使い、これからまたその予算が計上されようとしている段階において、日本の企業等がこの計画に参加するという意欲を持っておれば、そういう場合にできるだけトラブルを避けたり企業の権益が保護されたり、そういうことを内容とするものでございますから、私は、現段階におけるSDIの日米間の取り決めというものはそれなりに有意義なものであると確信をいたす次第でございます。
○高沢委員 今大臣の御説明では、企業などが参加する、その場合の仕方の取り決めである、こういう御説明ですか。 すると、極端な例として、日本の企業でこれに参加しようというものが一つも出てこなかったというふうな場合には、協定はあるが、その実態は結局何も発動せずに終わるというふうなことも理論上はあり得る、こういうことでしょうか。
○倉成国務大臣 理論上申せばそのとおりでございます。
○高沢委員 そこで、あと参加する者についてお尋ねをしたいのですね。 つまり、企業等、こういうことでありますが、現実にその研究参加といえば、例えば日本でもいろいろな大学の研究室がありますね。あるいは民間の研究所もありますね。あるいは政府関係のこの種の研究機関がいろいろあります。公益法人関係とか、さらには学者で個人というふうな場合も含めまして、そういういろいろなものが考えられる中で、この研究計画に参加する者、その日本側の者というのは一体中身はどういうことになるのか、これはいかがでしょうか。
○藤井(宏)政府委員 お答えいたします。 者とは、参加する者は、協定におきまして英語でエンティティーズと言っております。これは理論的に申し上げますと、一つは企業でございます。一つは、もちろん公益法人等もあり得ると思います。それからもう一つは、政府研究機関というものも理論的には考えられるわけでございます。さらに、純粋に理論的に申しますれば、個人ということも考えられ得ないわけではないと思いますけれども、実際問題といたしまして、SDI研究計画ということの性質上、個人が参加するということは考えにくいのではないかというふうに思います。 さらに、政府研究機関等につきましては、当然のことでございますけれども、その設置法とか設置の目的とか予算とか、あるいはその研究機関の業務の状態であるとか、いろいろな制約がおのずからあるわけでございまして、政府の研究機関が参加するということはあくまで理論上の問題でございます。さらに現実問題といたしまして、政府研究機関に参加してくれというような話は一切ございませんし、そのような話が近い将来あるというようなことも一切聞いていないということでございます。
○高沢委員 今のところは私は大変大事なポイントだと思うのです。企業は参加するかどうかは自分なりの一つの判断で決めるということも考えられますが、政府関係の研究機関となる場合は、参加するかどうかは今度は政府の意思がそこに働くわけですね。 そうなってまいりますと、例えば通産省の関係の研究機関とか文部省の関係の研究機関とかいうふうなものが参加をするかどうか、仮にアメリカからひとつこの機関は参加してくれ、こういうふうな要請があって求められたときに、参加するかどうかということをどのレベルでどういう物差しでその参加するかどうかを決められるのか、その辺はいかがでしょうか。
○藤井(宏)政府委員 先ほど申し述べましたように、政府研究機関につきまして参加をしないかというような話があるわけでございませんので、全く理論的な話でございますけれども、全く理論的な話といたしましては、その政府研究機関というものがどのような政府との関係にあるかということによってもいろいろ違ってくると思います。 いずれにしましても、その研究機関の意思がどういうふうに決まるのかということがその研究機関の一つ一つについて具体的に考えられる必要があるわけでございますが、その際でも明確に言えますことは、その研究機関の設立の目的とか活動の目的とかあるいは設置法というものがあれば、そういう制約が厳然としてあるということは間違いのないことであるといふうに存じます。
○高沢委員 理論上のこととして今藤井局長お答えですが、仮に私も理論上の問題として、ある省の所属の研究機関が参加しましょうとなったときに、それを最終的に決めるのは、その省の大臣というレベルも考えられるし、あるいは閣議というレベルも考えられるし、あるいはその省の省議というレベルも考えられるし、いろいろ決定のレベルというものはあり得るわけですが、どういうレベルでそれは決定するのか。 それから、時間の関係でもう一つ。そういうふうに仮に参加しようとすることを決めたときに、そこの研究所にいる技術者、研究者の中にいわゆるSDIには研究参加しないよ、協力しないよという科学者の署名がずっと行われていると私は聞いています。そういうふうな場合に、その所属機関に働いている研究者の人たちが自分は参加をしいんだ、こうなったときに、その機関は参加を決めた、そこにいる個人としては自分はこういう研究はしないんだ、こういう場合の取り扱いは一体どうなるのか、この辺のところはどうでしょうか。
○藤井(宏)政府委員 SDI研究計画の性格上、一般的に申し上げますれば、政府研究機関に関連するよりは我が国の企業に関連する方が圧倒的に多いであろうということは容易に一般的に想像がつくことであろうと思います。したがいまして、政府研究機関について具体的な要請もない現段階で理論的にその問題を余り詳細に詰めてみるということも我々としても困難でございますが、一般的に申し上げますれば、先ほど来申し上げておりますように、その研究機関がどのような意思の決定をする機関なのかということ、すなわち設置法とか、特定の省の下にあるのならばその大臣との関連とか、その個々の研究機関について具体的に考えていく必要があると思います。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○高沢委員 私は、政府機関がSDIの研究に参加する場合は、民間企業と違って政府対政府の関係にどうしたってなりますから、その意味においては、今はまだ考えられないと言っておられますが、仮にそういうケースが出てきたときに、その参加の決定の仕方あるいは参加する態様、そこで働いている個々の研究員が参加するかどうかということなどいろいろな諸問題がありますから、その種の問題は、仮にそういうケースが出てきたら改めてこれは国会に語る、具体的には外務委員会に諮る等々の扱いをひとつしてもらいたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○倉成国務大臣 ただいま政府委員がお答えいたしましたとおりに、例えば政府の機関等の参加を求められる、そういうことはほとんどないと思いますけれども、仮にあった場合、その研究機関の設立の目的ということがやはり一番問題になろうかと思います。また、その目的に従ってそういうSDIの研究計画に参加することはまずないだろうと思いますけれども、そういう参加についてどうするかということは、当然その機関が決めることであろうかと思うわけでございます。 これは法律事項でもないし、財政事項でもございませんし、また条約の批准でもございませんし、これは当然行政的に処理してしかるべきものだと私は考えておる次第でございます。しかし、できる範囲内ではできるだけ国会に御報告申し上げることもあり得ると思います。
○高沢委員 今申し上げました政府関係機関は、国と国との関係になりますから、これは国会に報告し、諮っていただくということはぜひお願いをしたいと思います。 時間がありますので進みますが、この協定には別に実施細目があるというふうに言われておりますが、その実施細目の公表ということについてはどういうふうにお考えなのか、それをひとつお尋ねしたいと思います。
○藤井(宏)政府委員 御存じのとおり、アメリカはSDIにつきましては四カ国と協定を結んでおりますけれども、これらの協定は一切公表されておりません。我が国は、我が国の立場から、何とかSDI協定を公表したいということでアメリカと日本の間の交渉の最重点事項の一つとしてこの公表ということを主張してまいったわけでございます。その結果、政府間の協定につきましてはこれを公表することができたわけでございます。 省庁間の実施取り決めにつきましては、これはアメリカの計画に関しますSDIでございますので、不公表ということになった次第でございます。しかしながら、その不公表の部分につきましても、国会その他の場におきまして、御説明できる範囲のものはできるだけ御説明していきたいというのが我々の立場でございます。
○高沢委員 藤井局長、今、説明できる範囲のものはできるだけしてまいりたいと言われましたが、大体それはどういうふうな範囲のものになりますか。多少の例示も含めて御説明願いたいのですが。
○藤井(宏)政府委員 例えばこの協定の第四項におきまして「個別の契約その他の取決めに従った作業の実施の過程において日本国及びアメリカ合衆国の参加者により創出された情報に対しては、公正かつ衡平な待遇が与えられる。」こういうふうに記しておりますけれども、この「公正かつ衡平な待遇」とは何かということにつきまして、いま少し詳しいことを御説明できるというようなことでございます。
○高沢委員 この実施細目の関係あるいは今度のこの協定そのものの関係で一番の核心部分は、研究によって得られた情報の秘密保持、私はここのところが一番核心の部分じゃないのか、こう思うのであります。 そこで、この秘密保持のことで、これは秘密にしようということを決めるのは一体アメリカなのか、その研究に参加した日本企業もこれは秘密にしようとか、いや、する必要はないということを決める権限を持ち得るのか、全一的にそれは専らアメリカが決めるのだということなのか、その辺の秘密の扱いの決定は一体どうなるのか、このことをお尋ねしたいと思います。いかがですか。
○藤井(宏)政府委員 SDI研究計画はアメリカの計画でございまして、アメリカがお金、予算を使う計画でございますので、秘密にするかしないか、秘密の程度、これを指定するのはアメリカ政府でございます。
○高沢委員 ただ、我が方から研究に参加して達成された成果について秘密にするかどうかという問題が出るわけです。そういたしますと、その扱いが秘密になればなったで、今度は日本の参加した企業がその成果を利用できる、できないという関係に非常に大きく響いてくることになりますね。 そうなりますと、その決定はアメリカであるということだけで済ましていいのか。日本の参加した企業もそのことについては発言の権利があるというふうに考えるべきじゃないかと思うのですが、この辺はどうなっていますか。
○藤井(宏)政府委員 この協定の一つの意味は、まさに委員ただいま御指摘の点にございまして、何でもかんでも秘密であると指定されてしまうのでは企業としては大変に行動がとりにくいということになります。したがいまして、秘密に指定してはならないものというものを明確にしております。 この点は御説明すべき点でございますけれども、一つは、参加企業などが契約、アメリカ政府あるいはアメリカのプライムコントラクター等との契約でございますが、契約以前から有している情報、それから契約の履行とは無関係に創出した情報、これにつきましては秘密に指定し得ないということをこの協定は規定しております。 したがいまして、秘密の指定と申しますのは、まずアメリカ政府から渡ってきます情報、最初の情報、いわゆるバックグラウンドインフォメーションと言っておりますけれども、それと研究の結果創出された情報、この二つに限られるわけでございますが、いずれの場合におきましても、これについては秘密に指定するということを事前に通報する一定のプロシージャーがございます。 さらに、それにつきまして日本政府が関与しておりますので、もしそこに万一恣意的なことがあるというようなことがありますれば、企業はもちろん契約の当事者としていろいろ言い得るのみならず、日本政府とアメリカ政府が常に協議するということが協定の中にございますので、その協議条項を使いましてアメリカ政府と話し合うことは可能でございます。
○高沢委員 今説明された内容は非常に重要だと思いますが、そういうことは実施取り決めには規定されているのですか。いかがでしょうか。
○藤井(宏)政府委員 実施取り決めに何が書いてあるかということは不公表でございますので申し上げられませんけれども、私がただいま申し上げましたことは日米間の了解の範囲内であるというふうに御了承いただきたいと思います。
○高沢委員 今非常に問題にされていることは、あるハイテクですね、その技術的成果が軍事に使えば使える、同時にそれは民用、平和産業に使えば使えるというような、そういうケースがもうほとんどでしょう。そういうときに、これはSDIの関連だ、これは軍事利用の関係だ、だからこれは秘密だというふうに網をかぶせられて、そのために平和利用に使えば非常な効果を発するような技術が使えないということになることが、これはココムにせよ何にせよ、みんな今その問題があるわけです。 そういうふうなことを考えたときに、今の秘密指定の枠のかけ方がやたらに何でもかけてしまうというようなことになっては大変なわけで、今、場合によれば企業とアメリカのみならず日本政府とアメリカ間の協議もあり得るのだというお話がありましたが、そこのところを日本政府としてもよほどしっかりと腹を据えて対処してもらわないと、大変なことになると思います。もう一度、この辺の決意なり評価を、これはひとつ大臣からお聞かせ願いたいと思うのです。 〔甘利委員長代理退席、中山(利)委員長代理着席〕
○倉成国務大臣 今、政府委員から明らかに申し上げましたとおりに、個々の契約の作業の過程で参加企業が生み出した情報、並びに参加企業等が研究参加以前にあるいは研究参加とは別途に生み出した情報については、先ほど政府委員から申し上げましたことを繰り返すことになりますけれども、いわゆるSDI参加プロジェクト契約の参加によって、バックグラウンドインフォメーションと言っておりますが、背景情報の創作者の有する所有権及び使用権は影響を受けない。すなわち今まで持っておったのは影響を受けない。それからまた、契約に基づく作業の過程で生み出された情報、フォアグラウンドインフォメーション、これにつきましては、特許の対象たる情報で米国政府が権原を有するものについては、米国政府は、通常、日本国の参加者に対して取り消し可能な非排他的かつ使用料の免除されたライセンスを与える、こういう取り決めが日米間で行われておるわけでございます。
○高沢委員 秘密保護のことにまた関連するわけでありますが、このSDIの協定に関連して新たな秘密保護立法はしない、そういうことは既に確認されております。 そうすると、従来ある枠組みでそういうSDI関連の秘密保護のあれもやっていくんだということになりますが、それは具体的にはどういうやり方をすることになるのか、お尋ねをしたいと思います。
○藤井(宏)政府委員 この枠組みでございますけれども、政府と政府の間で情報が参ります。その情報につきまして秘密の保護についてそれぞれの政府、日本の政府の中におきまして、一定の秘密の段階に応じまして秘密の表示を明らかにするとか、秘密の情報を取り扱う者を業務上必要な者に限定するとか、取扱責任者を明確にするとか、そういう手続を定めまして政府の中でこの秘密が漏れないようにするということでございます。 ちなみに政府の中から外に漏れないようにということにつきましては、日本の現行の法律におきまして、国家公務員法百条とか外務公務員法あるいは自衛隊法が該当するわけでございます。 それから政府と当該の参加する企業との関係につきましては、通産省が当該企業との間で契約を結んで秘密の保護についての措置をとるというふうに了解しております。
○高沢委員 今言われたような手続をとったけれども、しかしその秘密が漏れたというようなことになって、それを例えばマスコミの新聞記者がキャッチして、これが秘密扱いになっているということを意識せず、そういうことを知らずにそのことを原稿に書いたとかそれが新聞に掲載されたとかいうふうなことになったときに、この新聞記者はこの場合には処罰されることになるのかどうか、いかがですか。
○藤井(宏)政府委員 この協定をつくります際の我が方の最も基本的な立場が幾つかあったわけでございます。 一つが冒頭に申しました公開の立場でございます。もう一つの大きな立場が、既存の国内法の範囲内で行うということでございまして、この点は協定の中にも秘密保護の関連で既存の国内法及び取り決めの中で行うということが明記されておるわけでございます。 ということは、罰則を含めまして現在の我が国におきます法制の範囲内におきまして秘密の保護を行う。逆に申しますと、それを超えるような大変な秘密と申しますか、そういうものは来ないという面があるかもしれません。しかしそれは、当然のことでございますけれども、現在の国内法の範囲内で行うという我が国の立場からしてそれ以上のことはできないということでございますが、その範囲内では最大限のことをしたいということでございます。 それでは罰則は一体何かということでございますが、それはその法律、先ほど申しました国家公務員法、自衛隊法等々ございますけれども、そういう個々の法律の解釈、適用の問題でございますので、どのような状況においてどのような罰則であるのかということは一概には申し上げがたいかと思います。
○高沢委員 国内法の一つの問題としてMDA協定に伴う秘密保護法もあるわけです。この秘密保護法の前提は、アメリカから日本へ供与された装備とかあるいは情報とか、そういうことの秘密を守る。これが大前提になっておるわけです。 しかし、これは罰則を見れば、懲役五年という非常に重い罰則がこれには伴っているわけでありますが、このMDA協定に伴う秘密保護法を適用するという場合は、SDI関連のそういう秘密保護の情報はすべてアメリカから提供されたものという大前提に立つ、こういうことなのか。その共同研究に参加した日本の企業から出た情報であった場合、これも含めてアメリカから提供された情報という、このMDA秘密保護法の扱いをするのか。その関係はどうなりますか。
○藤井(宏)政府委員 MDA秘密保護法は、ただいま委員御指摘の点と、もう一つはアメリカから提供された装備に関する情報、それから情報であって装備品に関するもの、これが一条の三項にございます。それぞれにそれがどのようにSDIの流れの中で関係してくるかということはまさに法律の適用の問題でございまして、我々が有権的に申し上げるのはいかがかと思いますけれども、この一条三項の一号、二号については、これをMDA秘密保護法の七条におきまして「この法律の適用にあたっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない。」と明記しておりますので、そのような立場に立って運営されていくものというふうに存じております。
○高沢委員 今やりとりいたしました秘密保護のやり方も、これはもう本当に今度の協定の一番のかなめのところだと私は思いますが、そういう重要性にかんがみて、今あなたのお答えになったようなそういう内容は実施取り決めに入っているのですか、いかがでしょうか。
○藤井(宏)政府委員 実施取り決めに何が入っているかということは申し上げちれないのは残念でございますが、一般的にMDA秘密保護法が、先ほど申しました公務員法、外務公務員法、自衛隊法と並びまして、もう一つ理論的にあり得るということは日米間でも話に上っておるということは事実でございます。
○高沢委員 今言われた基本的にあり得るというのは、具体的にどういう意味なのですか。
○藤井(宏)政府委員 MDA秘密保護法に該当するような情報がSDIとの関連であれば、それはMDA秘密保護法が関連するということは日米の間でも了解されているということでございます。
○高沢委員 もう一つ、SDI関係の核心部分は、今度、研究で達成された成果の利用ですね。その結果、いわゆる特許権というものが出てくる。この特許権は、アメリカと西ドイツの協定を拝見するとアメリカが持つと規定されているようでありますが、日米関係ではこの特許権はどういう扱いになるのか、いかがでしょうか。
○藤井(宏)政府委員 アメリカ政府が研究資金を出して、それと情報を出して、それに基づきまして日本企業などが研究を行ってその成果を生み出す、こういうことでございますので、この研究成果につきましては、特許の対象となり得るものは、通常の場合米国政府にその特許が所属するということでございます。 ただ、その成果を生み出しました日本の企業につきましては、当該成果にかかわる使用権が認められる。これは累次御説明申し上げておりますように、取り消し可能な非排他的かつ使用料免除の使用権が与えられるということでございます。ただ、場合によりまして、当該企業の求めによって米国政府がさらに特許権を与えるということもあり得るということでございます。 いずれにしましても、これは原則の問題でございまして、個々の権利につきましては、アメリカ政府あるいはアメリカのプライムコントラクターと日本の当該企業などとの契約の中で明記されるということでございます。
○高沢委員 今言われた特許権と使用権、これはどういう点が同じでどういう点が違うのか、それが一つ。 それから、その使用権が場合によれば取り消されるというふうなことを言われましたが、取り消されるということは一体どういうケースであり得るのか、これを説明してください。
○藤井(宏)政府委員 特許権は、その事案の性質が特許になじむものであるということが必要であると思います。特許権になじまないもの、例えばコピーライトというのがございます。商標登録というようなことはちょっとSDIの関係ではないと思いますけれども、コピーライトというようなものがあると思いますけれども、その他のノーハウ等につきましての所有権でございます。 第二の御指摘の点でございますけれども、取り消し可能とは一体どういう状況において取り消し可能であるかということでございますが、これはその成果を生み出して使用権を与えられた当該企業がその使用権を長期にわたって使わないというような場合に、アメリカ政府としてはこれに対してこれを取り消すことが可能であるということでございますけれども、今までのところアメリカ政府はこのようなケースにおきまして取り消しを行ったというケースは一件もないと存じております。
○高沢委員 アメリカと西ドイツの協定では、何か先端技術を西ドイツが輸出するということに対してアメリカが拒否できる、こういうことが入っていると伝えられております。これが本当かどうか。 それからもう一つは、その際ココムの規制を強化するのだというふうな規定がアメリカ・西ドイツの協定には入っているということを聞いておりますが、そういうことがあるのかどうか、それからこの点が日米の関係ではどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。
○藤井(宏)政府委員 まず、西ドイツとアメリカとの協定でございますが、西ドイツとアメリカとの協定については我々内容を存じておりません。一部ちまたにリークというふうに出ておる文書はございますけれども、日本政府として西ドイツとアメリカの協定がどうであるかということを公に云々する立場にないわけでございます。 それから第二の点でございますけれども、先端技術云々ということは、日本とアメリカの間にはそういうことはございませんし、ココム云々ということも特に我々として新しい了解があるということではございません。
○高沢委員 ココムの方へ移りたいと思いますが、東芝機械のココム違反事件ということが昨年の段階でアメリカから六月にあるいは十二月にそのことについて日本側に対して照会があった、こういうふうなことが伝えられ、そして経過では、その段階では、通産省は調べてみたが問題なし、こういう判断をされたと聞いておりますが、このアメリカから来た照会は、恐らく外交ルートだからまず外務省へ来たのだと思います。外務省から通産省へ伝えられた、こういうことではないかと思いますが、まず外務省として、アメリカから来た照会はどういう内容の照会で来たのか、それをお尋ねしたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 お答え申し上げます。 昨年六月に米側から、東芝の九軸の金属工作機械がソ連に不正に輸出されたのではないかという照会が参りました。
○高沢委員 そうすると、今の御説明では、九軸の工作機械が出たじゃないか、こういう内容の照会があったということですね。その段階で、通産省が外務省からそれを受けて、そして調べたが問題なしとなったというのは、当時通産省はどういう調査をし、どういう判断をされたのですか。通産省にお尋ねします。
○村田説明員 お答えいたします。 私ども最初に情報を入手いたしましたのは一昨年の十二月、これはパリのココムの方にこの事件の関係者の方から内報がございまして、もちろんパリのココムからさらに日本政府に、外交ルートを通じましてこういった不正輸出事件があるのではないかという照会がございました。 私どもの調査は、そのココムからの通報を受けて、一昨年の十二月から昨年の一月にかけましてほぼ一カ月間にわたり調査を行ったというものでございます。これは特に報告聴取命令をかけることなく、企業からの事情聴取という形をとっております。六月の時点で米側からの問い合わせがありましたときには、一昨年の十二月から昨年の一月にかけまして行いました調査結果を米側に伝えるという形をとりました。したがいまして、六月の時点で改めて調査を行ったということではございません。
○高沢委員 今の外務省の渡辺局長の説明では、九軸のものが出ている、こういう内容のアメリカの照会があった。そうすると、通産省はそれを受けたわけでしょう、九軸のものがと。このことについて、東芝機械との関係でどうかということを調べることはしなかったのですか。いかがですか。
○村田説明員 お答えいたします。 もちろん指摘は九軸のものが出たのではないかという指摘でございましたから、私どもも九軸のものが出たのではないかと疑いを持って、その点を中心に事情調査をしたわけでございます。
○高沢委員 そうすると、あなたの言う事情調査というのは、東芝機械へ九軸を出したかと聞いた、いや、出しておりません、ああそうか、これで終わったという調査ですか。いかがですか。
○村田説明員 お答えいたします。 もちろん、いろいろな契約書の一部ですとかある程度の証拠資料は添付されてココムに通報がありましたものですから、そういった点を中心に、かつ技術的なスペックその他も全部チェックしたわけでございます。 これはちょっと余談になりますけれども、ココムの方に内報いたしました人間からも後で事情聴取いたしましたが、その人間も申しておりましたけれども、これは一見して、あるいは簡単にわかるような代物ではありません、頭からしっぽまで徹頭徹尾、ある意味でにせの論理、にせの輸出商談というものが完全に構成されております、簡単にわかるものではございません、こういうことを言っておりました。 私どもの調査は別にいいかげんにやったわけではございませんけれども、そういった虚偽の点を見抜くには至らなかったという点は非常に残念に思っております。
○高沢委員 聞けば聞くほどちょっと驚いた話でありますけれども、その通報した人が、これは簡単にわかるものじゃありませんよ、頭からしっぽの先まで偽装してありますよ、こう言ったことを聞いておいて、アメリカからは九軸だと言ってきていて、しかもなおかつわからなかった。これは私はちょっと常識的には考えられない。 その意味においては、ことしの中曽根総理の訪米が迫ってから、あわてて今度は、にわかに、さて九軸を出してけしからぬ、それ告発だというようなことになったというこの辺の展開もまことに不可解ではありますが、この経過からすると、まことに通産省の当事者の責任は重大であるということを私は言わなければならぬ、こう思います。この場でありますから、これ以上のことを言ってもどうこうできる立場ではありませんが、その責任の点は、あなた、どう考えますか。
○村田説明員 先生御指摘の、総理訪米を控えてあわてて調査したということでございますが、実は昨年十二月にアメリカ側から再度通報がございまして、私どもとしましては、年明け早々から全力を挙げて私どもの担当課全員を充てて調査に再度取り組み始めたわけでございます。 具体的に申し上げますと、そういった予備的な準備段階を経まして、四月早々に企業に対しまして報告聴取命令をかけ、順次事件の実態を洗い出したわけでございます。したがいまして、お言葉ではございますが、総理訪米を控えてあわてて調査したというものではないことを一言お断りさせていただきたいと思います。 それから、責任の点でございますが、やはり輸出管理を担当いたします通産省といたしまして、初期の調査の段階でこれを見抜けなかったということは、まことに遺憾であると考えております。
○高沢委員 あなたに言ってもしようがありませんけれども、今後の運営においては、そうした行政の責任ということは十分考えて運営していただきたい、こう思います。 今度、それに関連して外為法が改正されることになった、この改正の関連で法定協議を入れるかどうかで随分外務省、通産省のやりとりがあったということは聞いていますが、現段階ではこれはどういうところに結論が来ていますか。
○渡辺(幸)政府委員 外為法の所管は大蔵省と通産省で、通産省からお答えいただいた方があるいは適当かと思いますけれども、私ども外務省といたしましては、今回の東芝の九軸不正事件というのは、現在の輸出管理体制、なかんずく国際の平和と安全の維持の観点からする輸出管理体制の実効性が必ずしも十分でなかったということを示すものであるということで、その国際の平和と安全の維持からする輸出管理体制を整備するためには、やはり経済合理性ないし貿易という観点と、国際の平和と安全という観点との両方の考慮を含めたチェックの体制と申しますか、複眼的体制の確立が必要であり、それを法的に担保するといいますか、明記することが必要であるという観点から所管官庁である通産省と鋭意話し合いを続けてきたわけでございますけれども、何らかの形で法律に明記されるということについての見通しはかなりはっきり得られる段階に至っておるという状況でございます。
○高沢委員 それについて通産側の見解を聞かしてください。
○糟谷説明員 御説明申し上げます。 ただいまのいわゆる法定協議の点につきましては、外務省の経済局長の方からお答えしたとおりでございますけれども、私どもとしましては、ココム規制のやり方につきましては、かねてから外務省、通産省、密接な連係プレーのもとにやってきているという確信を持っておりますけれども、今回の東芝機械事件を契機として、この反省の上に立って、こういう事故が再発しないようにどういう形でこの連係関係を考えていくか、そういう視点で現在外務省との間でいろいろ話し合いを進めておるところでございます。いずれにしましても、両省間で現在精力的にその最後の詰めを行っているという段階でございます。
○高沢委員 これはひとつ大臣にお尋ねしたいんですが、安全保障、平和と安全、こういう性格のことであるから、外務省、通産省の協議が必要であるというふうな理屈は、その理屈をもう一歩進めると、安全保障だから防衛庁も入る必要があるというふうな論理が当然出てくる、そしてまたそのことを私は大変恐れるわけです。 そういう意味において、今度の外為法の改正の中で、そういう外務、通産両者の入り方ということがいずれ近いうちに最終的に決まるでしょうが、将来そのことが今度は防衛庁ということに広がることになりはしないのか、この点は国務大臣のお立場で倉成大臣に、将来に向かっての一つの危惧をする立場から、そういうことが果たしてあり得るのか、いやそういうことは絶対ありませんということなのか、そこをひとつしっかりお聞かせ願いたいと思うのです。
○倉成国務大臣 外為法の第二十五条に、役務取引に関しまして国際の平和と安全という言葉が入っておることは御承知のとおりでございます。四十八条の物の取引についてはこれは入っていない、そういうことがございます。しかし、いずれにしましても、こういう観点から、輸出管理体制の実行姿勢が十分でない。貿易というのは元来自由であるべきものでございますけれども、いわゆるココムの申し合わせによって、各国それぞれの法制、それぞれの立場によっていろいろな規制を行っておるわけでございますし、また外国為替の管理等についても一定の規制を行っていることは御承知のとおりでございます。 したがって、今回の事件の教訓を正しくとらえて、国際の平和と安全の維持という観点から、輸出管理体制の整備を図る必要があるということで、国際の平和と安全の維持にかかわる規制を実効性あらしめるために、多角的観点からバランスのとれたチェックを行うために通産大臣と外務大臣との協議が確保されることが必要であるという見地でただいま鋭意折衝をいたしておるところでございます。 したがって、我々は今通産大臣と外務大臣がこういう協議を行うということで話を進めておるわけでございますから、私の所管でございませんので、防衛庁がこれにどうするかということは内閣全体の問題でありますけれども、感じとして言わしていただけば、こういう多角的な協議ということから外為法の中にどういう形で他の省庁が入ってくるかということは私がコメントする立場でございませんけれども、私の感じとしては、通産大臣と外務大臣が法的には協議を行うということでほぼ目的を達せられるのじゃなかろうかと考えておる次第でございます。
○高沢委員 こう言っちゃ外務省に対して失礼かもしれませんが、法定協議を非常に強く要望されたということは、つまりこれだけ日本の外務省もココムではやっているのだぞということをアメリカに見せようというお気持ちがかなりあったのじゃないのか。今、失礼かもしらぬがとこう断っておりますので、ひとつ御勘弁願いますが、外務省としては、当然対アメリカの矢面に出る立場ですから、そういうふうなお考えがあったのじゃないかと思います。 それとの関係で言うと、つまりアメリカなんかは既にココムの案件は国防総省も絡んでおるということがあるわけですが、そこで、さっき言いましたような安全保障なら今度は防衛庁もというふうに連動していく心配はないか、こういうふうに今お尋ねをしたわけです。今の失礼の段はおわびしながら、ひとつ外務大臣、そういうことにならぬように、日本としては平和憲法があるのですから、頑張る、こういうお気持ちも聞かしていただきたいと思うのです。
○倉成国務大臣 日本の平和と安全ということは、他国から言われたからやるべきことではなくして、日本みずからが考えなければならないことだと思うわけでございます。 しかし、今回の不幸な事件が起こりましたから、こういうことを契機にひとつ我々も認識を改めてこの問題に真剣に取り組もうということでございまして、委員が最初お話しになったように、決してアメリカに点数を稼ごうとか、そういうことではございません。日本みずからの問題としてこの問題を取り上げているということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○高沢委員 あと一、二、今度は通産省にお尋ねしたいと思います。 要するに、このココムの審査の体制、検査の体制を強化する、こういうふうなことになっているわけですが、戦略物資輸出審査会、こういうものを省内で設置された、こういうことです。これは具体的にはどういうふうな運営をされるのか、これに伴う人員の増加とかいうふうなことはどういうふうな措置をとっておられるのか、まずお尋ねし。たいと思います。
○村田説明員 お答えいたします。 従来、戦略物資の輸出審査といいますものは、まず、その関係いたします物資を所管しております、私ども原局と呼んでおりますが、原局の方に申請がございまして、そこから関係の各課で協議をする、各課の審査を順次経ていく、こういう流れであったわけでございます。 今回、省内に戦略物資の輸出審査会を設けたということでございますが、これは私どもの貿易局の審議官をヘッドといたしまして、関係各課の課長クラス以上の合議体というもので重点的に審査をしよう、従来の各課を経ていく審査プラスの、さらに重要案件につきましては合議体で最終審査をやろう、こういうシステムでございます。 取り上げます案件といたしましては、大体金額的に一億円以上の大口案件、あるいはコンピューターですとか工作機械ですとか、先端分野の品目の輸出案件、そういったものを重点的に取り上げたいと思っているわけでございます。 それから、審査体制の充実のもう一つの柱でございます人員の方でございますが、従来、全体で約四十人ぐらいで審査をしておりましたが、とりあえずこの七月にこれを五割増しいたしまして約六十人の体制をしいております。先行きは、来年度初めぐらいには八十人体制に持っていきたい、かように考えている次第でございます。
○高沢委員 ここでひとつ、お尋ねというよりはお願いということになりますが、この東芝機械事件が出てから、いわゆる共産圏に輸出をする関連の商社のいろいろな通産省に出した審査書類がみんなたまってしまって、ちっともその決裁が進まぬ、ただ時間がたっている過程の中で、下手をするとこちらの小さい、力のない商社はつぶれてしまうというふうな事態で大変重大な段階になっていると聞いていますが、この辺の認識と、そういう事態にならぬような速やかな書類の処理、審査というものを進めるように、ひとつお願いも含めてお尋ねをしたいと思いますが、いかがですか。
○村田説明員 先生御指摘のような若干審査の遅滞というのが出ておりますのは私どもも承知しております。非常に残念なことでございまして、何とか従来のような審査のペースに戻したいと考えておるわけでございますが、今回の事件をめぐりますいろいろな動きの中で、実際問題といたしまして私どもの審査人員が手いっぱいになっているという事情も、これございます。 いずれにいたしましても、こういった事態を放置することはできませんものですから、私どもとしましては、審査に当たる人間を区分いたしまして、審査業務以外の業務はやらせないとか、いろいろな点で工夫を重ねているところでございまして、なるべく早く正常な姿に戻したい、かように考えております。
○高沢委員 ぜひそれを促進してほしいと思います。 それからもう一つお尋ねしたいことは、検査の体制ですが、場合によれば、企業に対する立入検査、あるいは企業の内部監査がどういうふうに行われているかというチェック、こういうところまで検査体制の問題として進めるというふうにお聞きしていますが、この辺の立ち入りとか、我々の概念では、立入検査というと相当重大な事件というふうに思うわけですが、どういうやり方を具体的に考えておられるか、説明をお願いします。
○村田説明員 お答えいたします。 御指摘の立入検査は、大まかに分けまして二つないしは三つに分かれるかと思います。一つは、違反事件が生じましたときに、それを究明するために立入検査をやる、これは従来からある制度でございます。それからあと、輸出申請が出てまいりましたときに、その申請内容の品物、これを現物を見てチェックしないと危ないという場合に、場合によりましては立入検査を行うことも考えられるというケースでございます。それからまた、企業の輸出管理体制というものがきちんと行われているかどうかというものをチェックいたしますために、その企業の現場に行きまして実際の運営方法を見るというのも一つ考えられるかと思います。 ただ、私ども現在立入検査としてこれから重点的に行わなければいけないと考えておりますのは、主として二番目の点でございます。違反案件はもとより二番目の点でございまして、企業の内部の運営体制がしっかりいっているかどうかを確認するために立入検査をするということまではなかなか行いにくいのではないかと考えております。 企業の内部の輸出管理の方法についてのチェックでございますが、これは先般七月二日と七日の両日にわたりまして、通産大臣が関係百五十団体、これを招きまして、その傘下の企業に、各企業においてぴしっとした輸出管理体制をとるようにその団体から指示してほしい、こういう要請をいたしました。 そして、その各傘下の企業に対します要請を行います際に、各団体としてこういうふうな基本方針で各企業輸出管理を徹底させてくれという基本方針をつくって通産省に届け出てください、こういうこともあわせて要請申し上げたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、まず、こういった各団体の基本方針というものがきちんとつくられているかどうかというものを重点的に見てみたいと思うわけでございます。 それからまた、それに基づきまして各企業できちんとした管理体制がとられているかどうかは、これは今後の問題でございますけれども、場合によりましてはランダムチェックで主なところを調べてみたいと思っておりますが、これは立入検査というような性格のものではないと考えております。
○高沢委員 その審査、検査の体制を厳正にということは当然でしょうが、とにかくそれによって角を矯めて牛を殺すというようなことのないように、くれぐれもその点はひとつ留意して運用していただきたい、こう思います。 最後に、今度は大臣にまた戻りますが、このココム案件その他を見ておりまして、あるいはSDIのことを見ても、結局ここにずっと一本深く太く突き出されてきているのは、要するにアメリカの国益というものではないかと私は思うのですが、そのアメリカの国益ということに今度は振り回されて、我が国がそれでもってSDIの関連であるとかココムの関連であるとかいうふうなことで一生懸命やってみたが、結果としては自分の貿易量が減った、自分の技術移転が減ってしまった、こういうことで日本としては大きなマイナスを受けて終わりだったというようなことになったら、これは大変だと思いますが、その辺の今度の事柄全体の性格を大臣としてはどういうふうに御認識が、お尋ねしたいと思います。
○倉成国務大臣 委員御承知のとおり、今日本は自由貿易体制の中で貿易で非常に大きな利益を受けておるわけでございまして、ガットのいろいろな協議に参加をしたり、いろいろな多角的な貿易の会議に参加して積極的な役割を果たしているのは、そういう貿易の自由ということによって日本が最大の恩恵を受けているということがその背景にあるわけでございます。 他方、日本の安全ということを考えてまいりますと、今日の世界が、これはいろいろ委員とは御見解が異なるかもしれませんけれども、我々の見解ではやはり東西の力の均衡ということから現在の世界の平和が保たれている、そういうことを考えてまいりますと、戦略物資、そういう物資についての管理体制をやはり自由主義陣営の国々として十分考えていくということは当然のことであろうかと思うわけでございまして、したがって、そういうことについてココムの場において、そういう自由体制の国々が申し合わせをする、非公式の協議をする、その協議をそれぞれの国の実情に合わせて、国内で法律で律するというような体制をとっておるわけでございますから、したがって、将来非常に平和な世界ができ上がってきて、そういうことがなくて何でも自由に世界じゅうの貿易ができるような体制ができるような世の中ができ上がってくることを我々は期待しておるわけでございますが、今日の世界の現状から考えると、なかなかそうはいかない。したがって、今日の段階における国際情勢の中で我々がとるべき選択は、ただいまのような選択ではなかろうかと考えておる次第でございます。
○高沢委員 私に残された時間はもうあとわずかですが、ここで韓国問題についてお尋ねしたいと思います。 その前提として大臣に、今度UNCTAD会議でジュネーブヘいらっしゃって、そこで韓国の崔外務大臣と会談されたということでありますが、まずその会談の中身、どういうお話をされたか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○倉成国務大臣 大変限られた時間でございますから、その詳細について申し上げることはできませんけれども、大体考え方として三つのことが中心でございました。一つは、在日韓国人政治犯の問題、これについては国会の委員会等でもいろいろお話がございましたので、この問題の提起をいたしました。第二番目は、日韓漁業問題、これは日韓間での非常に大きな問題になっておりますので、この問題についての話し合いをいたしました。それから三番目には、北朝鮮が軍縮提案を、十万人の兵力削減ということで最近いたしておりましたので、どういう話し合いが行われたか、こういう問題を中心にお話を聞いた次第でございます。 そこで、簡潔にお答え申し上げますと、国家保安法違反等在日韓国人問題については、私から、本件は基本的には韓国の国内問題である、したがって、我が国はこれにコメントする立場にはないけれども、これらの方々は特に我が国との関係が深いし、また日本にも親族もおられ、いろいろな関係者もおられ、また日本の国会等でも非常に関心が深いから、特に人道的な見地から好意的な配慮方を要請いたした次第でございます。これに対しまして崔外務部長官は、日本側の立場はよく伺ったが、韓国側の立場もあるのでよく検討したい、こういうお答えをちょうだいしました。 第二の、日韓漁業問題について申し上げますと、私から、実態に即した操業条件の設定及び取り締まりの強化が必要である、これは漁業協定の枠組みの見直しということを日本側は絶えず主張しておるわけでございますから、このことを背景に従来の立場を強く主張したわけでございます。十月が期限でございますから、したがって、この件については水産庁同士で話し合いをしているけれども、私からもひとつ崔長官の協力を得たいということを申しましたが、先方は、韓国側もいろいろ国内の問題を抱えておるので一挙に抜本的解決ということはなかなか困難であるけれども、日韓双方の考え方の隔たりが少ない点から取り組んで、解決に向けて相互に努力をしていきたい、そういうお話でございました。 第三の、北朝鮮の軍縮提案については、私から、韓国側はこれについてどういうふうに考えているかという質問をいたしましたところが、先方は、兵力削減のためには最小限の信頼関係が必要である、昨年一月に北朝鮮が中断した南北対話をまず再開する必要がある旨述べまして、さらに韓国政府としては、今次北朝鮮の提案は受け入れられないが、今後ともオリンピックの成功と、なお朝鮮半島の緊張緩和を探求して対話のための突破口を見出したい、こういう旨の応答があったわけでございまして、率直な意見の交換を崔長官と私との間でいたしたというのがジュネーブにおける日韓外相会談の概要でございます。
○高沢委員 今三つの内容について御説明がありましたが、私はもう時間がありませんので、その第一の在日韓国人の政治犯の釈放問題、このことに限ってひとつまたお尋ね、あるいはまた同時にこれは要望ということにもなりますが、申し上げたいと思います。 御承知のとおり来年はソウル・オリンピックの年であって、私たちは、このソウル・オリンピックをやるのに南北間の共同でオリンピックを主催するという形がうまく話がついて、そしてそれこそ平和的にめでたくオリンピックが成功するということを大変念願しますが、恐らくその時期になれば在日韓国人の人たちが、オリンピックヘ非常にたくさんの人たちが行くだろう。これはもう間違いないと思います。 そのときに、在日韓国人の家族の人たちでいまだに獄中にあるというふうな人たちがあるということは、もしそのオリンピックの時期までそういうことが残るとすれば、これは大変在日韓国人の人たちも心の痛む、こういう問題ではないかと思います。時期を切るようで大変あれですが、何とかそれまでには、できるだけ速やかにということでありますが、少なくともこのオリンピックというものが行われるまでには、そうした政治犯の問題はすべて解決ができるというふうな形にぜひいってもらいたい、私、こういう気持ちでいっぱいです。 今、韓国ではいろいろオリンピックに向けて大統領の直接選挙の問題とか事柄自体が非常に急速に動きつつある。こういう状況の中で、韓国でもいわゆる民主勢力は政治犯の釈放ということをいろいろやってはいるわけでありますが、当然その関連というものは出てくると思いますが、我が国としては、在日韓国人の日本に来るに至ったいろいろな経過、これはまた特別な歴史的な経過があるわけですから、そういう意味においては内政干渉というレベルとは違う人道上の問題、こういう立場で、ひとつ政府の立場で最大限そうした政治犯の釈放の努力をお願いしたい、こう思うわけですが、ひとつ大臣のお気持ちをお尋ねしたいと思います。
○倉成国務大臣 韓国側もソウル・オリンピックを成功させたい、そしてIOCの決定が非常に近まっておりますから、そういうことは先方にも十分認識があると思うわけでございますし、私もちょうど高沢委員のお話しのような論旨でこの問題を提起したわけでございます。 ただひとつ、どういう罪名でどういう中身で先方が在日韓国人をそういうふうに拘禁しているかという問題がやはりございますので、そこに立ち入ることはいささか我々としてちゅうちょいたすわけでございますので、人道的な立場からぜひひとつ釈放していただきたい、それは日韓の友好関係についても大変裨益するところが大きいということを強調した次第でございます。
○高沢委員 御承知のとおり、例えば徐勝、徐俊植兄弟などのように、既に刑期は終わっている。終わっているけれども、いつ出してくれるのか、それこそ無期限に拘留が延長されて、実際上無期懲役と同じような扱いをされているケースもあるわけですね。これは刑期が終わってもそういう扱いをするということは、ちょっと近代法では考えられない立場である、こう私思いますね。 それから、恐らく韓国の従来の当局から見て最大の危険人物と目された金大中氏もああやって完全な復権ができたというようなことになってみれば、そういう在日韓国人の関係者で今拘留されている人たちの釈放というものはそこから当然出ていい、それよりもっと大きなことすら既に解決されている、こういうふうに思えばそういう立場も十分成り立つと私は思いますね。 そういう意味において、大臣にその立場からの御努力を最大限お願いするということと同時に、アジア局長おいでですが、アジア局長、またこういう問題は裏表のいろいろな努力が必要なんですね。そういう意味におけるそういう御努力、既にされているかと思いますけれども、そういう面も含めて、今のこの政治犯問題の解決にはひとつ局長も最大限の努力を大臣とともにやっていただきたい、こういう要望ですが、ひとつそれぞれの御見解を聞かしていただきたいと思います。
○倉成国務大臣 今お話しの点を踏まえて最大限の努力をいたしたいと思います。
○藤田(公)政府委員 ただいま大臣から申し述べましたとおりの覚悟で行いたいと思います。
○高沢委員 ちょっと私の期待したお答えからみると少しあれですが、結局、する室の種の人道問題を日韓の政府レベルでお話をする、定期外相会議であるとか、いろいろなそういう機会、チャンスというものはあろうかと思いますが、それをただ待っているだけではいかぬだろうと思いますが、その辺の日韓の政府間で在日韓国人政治犯の釈放問題ということを進める方法論といいますか、段取りといいますか、その辺のところを差し支えない範囲で、こんな努力もしてみたい、こういうこともやってみたいということがあったらひとつ聞かしてもらいたいと思うのですが。
○藤田(公)政府委員 基本的には大臣から先ほど御答弁ございましたことに尽きておりますけれども、ただいまの委員の言及されました例えば外相会談等の場で言及するのみでなく、随時適切なときにという御趣旨かと存じますが、例えば韓国政府が今般の盧泰愚候補のイニシアチブと申しますかに従いまして政治犯の復権、赦免、釈放等を行うという報道が出ました際に、直ちにソウル、それから東京におきまして、本件はもちろん韓国の国内問題であるということは十分承知はしているけれども、日本の国内における非常に強い関心、それから親族が多くおられるということにかんがみまして、このような措置がとられる際には人道的な考慮に立ってこの在日韓国人の方々のうちの国家保安違反等で問われている方々についても好意的な配慮を加えられることが非常に望ましいというようなことを申し入れをいたしまして、定期会談ないし外相レベルの会談に至る前の段階におきましても、事務レベルでも機会をとらえて先方の注意を喚起をしているという状況でございます。 今後も機を逸せずに考えていくようにという御示唆は承りました。
○高沢委員 もうこれで終わりますが、今般、大統領直接選挙制について盧泰愚氏がああいう踏み切りをしたわけですね。それにはいろいろアメリカがどうとかこうとか観測はありますけれども、それは一応別として、非常に大きな要素だったのはやはり目の前にソウル・オリンピックがある、これを成功させなければいかぬという、これが非常に大きな力になった、私はこういうことだと思います。 今のそういう在日韓国人の政治犯の釈放の問題にしても、そういうふうな一つのソウル・オリンピックというものがあるということ、これを、余り公には言えない、しかし委員会で言っているので公になってしまいますが、そういうことも十分いい意味で利用しながら、ひとつ実現のための努力を大いにやっていただきたい。これもアジア局長、また大臣にもそのことを要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○中山(利)委員長代理 次に、神崎武法君。
○神崎委員 大臣には帰国早々、お疲れのところ大変恐縮でございますけれども、何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。 初めにココムの問題についてお尋ねをいたしますけれども、実は従来から、私の承知しているところでも、ココム加盟国の中にありまして、米国は共産圏諸国に対する高度技術輸出規制の強化を主張し、ココム規制の強化というものを常々主張してきているわけでございますけれども、他のココム加盟諸国、特に欧州諸国がむしろココム規制の緩和を主張している。そういうことで大変米国とその他のココム加盟国との間でいろいろ意見の食い違いがあるということが言われております。 実際に、フランスの「一九八四年国防予算報告書」というものがございまして、その中を見ますと、同じようなことが言われておりまして、「アメリカは、少し前から技術が東側に漏れることを防止するための手を打って来ている。」「右のようなアメリカの態度に対しては、COCOMの同盟国から抗議が出ている。」「COCOM加盟諸国は、ソ連の軍事力に寄与するような技術の東側への移転を規制することの必要性については一致している。しかし、ヨーロッパ経済はアメリカよりもはるかに大きく貿易に依存している。しかも現在西ヨーロッパは失業と不況に見舞われており、東西通商を制限するような考え方は、甚だ評判が悪い。これら同盟諸国は、軍事的に利用され得る技術の範囲についてのアメリカ政府の解釈は誇張されていると考えている。」こういうような記載もあるわけでございます。 そこでお尋ねいたしたいのでありますけれども、我が国としてはココム規制に一体どういう態度で臨んでいるのかという点と、今回の東芝問題を契機に再発防止策ということがいろいろ言われておるわけでございますけれども、その中に、一歩我が国が米国側に踏み込んで米国側のスタンスでココム規制をもっと強化しろという立場に一体スタンスを変えるのか、あるいは従来、これはわかりませんけれども、欧州諸国と同様にココム規制は緩和すべきである、再発防止策はとるけれどもココム規制に関しては規制を緩和すべきである、こういうスタンスに立っていくのか、そこに変化が今回の東芝問題を契機に一体生じたのかという点を含めて、我が国のココム規制についての対応、姿勢というものについて御説明をいただきたい。
○倉成国務大臣 ココムの規制に関しましては、NATOの中でアイスランドを除いた諸国と日本の十六カ国がこれに参加しているわけでございますが、この中にはそれぞれココム規制の中身についていろいろな御意見があることは委員御承知のとおりでございます。 しかしながら、常に隔意のない参加国の意見の交換によって、どこかの国が自由にやるということになるとこれはまずいので、ひとつ別個の基準ではなくて参加国が一定の合理的な基準をつくろうということでココムという非公式協議機関が生まれてきたわけでございますから、我が国としてはこれらの諸国と、日本以外の十五カ国と十分意見をすり合わせて、合理的な基準に基づいてココムの申し合わせを守っていくということを考えていきたいと思っている次第でございまして、委員お話しのように、強化か緩和が、そういう表現で単純に割り切るのはいかがなものだろうかと思います。 しかし、いずれにしましても、戦略上非常に重要な役割を果たす物資についてココムである程度の規制が行われるということは、西側諸国の安全保障に関連するのみならず、我が国自体の問題としてやはり真剣に考えるべき問題ではなかろうかと考えておる次第でございます。
○神崎委員 そうしますと、この東芝問題を契機に我が国のココム協議の場におけるスタンスは従来から変化があるのかないのか。従来どおりですか。そういうふうに理解してよろしいのですか。
○渡辺(幸)政府委員 お答え申し上げます。 ココムの活性化といいますか強化と申しますか、従来もココムに対しては我が国は積極的に参加してまいったわけでございますけれども、今後ココムの諸活動、なかんずくココムのリストレビュー、それで真に戦略物資、戦略的価値のあるものを限定するという作業、その作業に参加するということと同時に、限定された戦略物資についての輸出の規制についてはきちんと各国ともやろうじゃないかという体制づくりに積極的に貢献していく、そういうことであろうかと思います。
○神崎委員 どうもよくわかりにくいのですけれども、なかなか難しいということがよくわかりました。 今回の東芝事件のきっかけになりましたのは内部告発という形でココムの事務局に詳細な報告書が提出されたことによるわけでございますけれども、文芸春秋の八月号にその告発者の文章が掲載されております。 それによりますと、「ソ連貿易に従事するわが国の商社は、その数およそ五十数社、」「これらの商社のうち、日本政府当局の輸出規制関係の法規を一度も侵犯していない商社は、おそらく皆無であろう。」そういう趣旨の記載があるわけでございますけれども、この文章からいたしますと、どうも日本は企業ぐるみ、日本ぐるみでココム規制違反をやっておるというような誤解、あるいは事実かどうかわかりませんけれども、そういう認識を他国に生じさせるおそれがあるわけでございますけれども、通産当局としては、この事実関係についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○村田説明員 先生御指摘のような記事が文芸春秋八月号に載っておりますことは承知しております。ただ私どもといたしましては、特別なケースで非常に悪質な違反事件がございますけれども、大多数の企業はやはり我が国の輸出関連法規を遵守して、非常に適正なる遵法意識のもとに輸出を行っていると理解しております。 ただいずれにしましても、輸出管理というのは非常に難しゅうございます。故意であろうとあるいは過失であろうと企業のサイドでいろいろな違法が行われる可能性は否定できないわけでございまして、そういった可能性をできる限り払拭したいということで、輸出管理につきましては先般来いろいろな強化策を打ち出しているところでございます。ただ一番重要なことは、産業界あるいは企業みずからが襟を正して徹底した輸出関連法規の遵法意識、それからまた内部におきます管理体制の確立ということを行っていくことが何よりも肝要であろうと考えておる次第でございます。 そうした観点から先般、七月二日と七日の両日にわたりまして通産大臣から百五十団体の責任者に対しまして、傘下の企業に対してこういった内部管理体制を確立するように、それからまた輸出関連法規を厳格に守るようにという指示を出したところでございます。今後ともこうしたまず一番基本となります産業界あるいは企業の遵法意識というものにつきまして適宜指導を行ってまいりたいと考えております。
○神崎委員 東芝問題を契機に再発防止策をとられること、大いに結構でございますけれども、その一環として審査体制の強化拡充を図るということも言われております。ところが、現在共産圏との貿易に従事している方々は今回の東芝問題を契機に大変不安がっておりますし、こういった審査体制の強化拡充ということでさらに審査に時間を要するということで、東西貿易の制約、阻害になる、そういうことが大変懸念されるわけでございますけれども、阻害とはならない、しかし審査体制の強化拡充をする、そういうことをお考えになっていらっしゃるとは思いますけれども、どういう趣旨でこの点をお考えになっているのか通産省にお伺いいたします。
○村田説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、最近特に東芝機械事件を契機にいたしまして、私どもの業務が非常に繁忙になっておるということもあって、輸出申請の処理が非常におくれております。まことに残念なことでございまして、その正常化に極力早く実効的な対策、手を打ちたいと考えておるわけでございます。 案件審査につきましては、やはり従来に比較いたしまして慎重になっていないと言うとうそになります。東芝機械事件のような事件が起こりましたものですから、特に先端分野の非常に機微な案件につきましてはさらに慎重な態度になっていることも事実でございまして、こういった二つの要因で審査のおくれが出ているわけでございますが、これは私どもの本意ではございませんで、やはり通常一、二カ月程度で審査を終えるように、正常な姿になるべく早く戻したいと考えております。 そのために、とりあえず七月に入りまして審査人員を五割増し、四十人から約六十人にふやしたわけでございます。それからまた、審査の重点化ということも進めておりまして、省内におきます輸出審査会という合議体をつくりましたけれども、何から何までそこにかけるということではなく、重点的に選び出しまして、そういったものについては慎重な審査をする、しかしそれ以外のものにつきましてはなるべく早く処理を行うという形で、重点化を行ってまいりたいと考えているわけでございます。 それから、内容的な点でございますけれども、もとより東西貿易それ自体に悪影響あるいはブレーキをかけようということは本意ではございませんし、そういうことを行うべきではないと私ども基本的な認識として抱いております。 それでココムの規制ないしは輸出貿易管理令によります規制といいますのは、先生もよく御存じのように一定の技術スペック、技術基準が書いてございます。その技術基準に該当するかどうかというところをなるべく客観的に判断していく、こういうことが一番の審査の基本でございます。それ以上に恣意的な配慮を加えるとか、あるいは全く違った観点からの要素を大幅に加えていくということは、やはり外為法の目的、本来の貿易立国としての我が国の立場から考えまして必ずしも適切なことではない、かように考えておる次第でございます。
○神崎委員 再発防止策の一環として外為法の改正というものが言われておるわけでございますけれども、その中で焦点になってきているのが安全保障条項の問題だということが報道されているわけでございます。 ところが、現行の外為法の二十五条、これは昭和五十五年の改正の際に安全保障条項が入っているわけでございます。このソフトや技術の輸出についての安全保障条項というものが五十五年の改正で入りながら、物の輸出についての四十八条には安全保障条項が入っていないわけでございます。 その時点では、四十八条に安全保障条項が入らなくても法体系上整合性がとれている、そういう政府当局の判断があったのだろうと思うわけでありますけれども、今あえて四十八条の安全保障条項というものを問題にしている。こういう経過も含めて、そういう点についてはどういう意味から議論をしているのか、整合性という点で、ではなぜ五十五年のときには入れなかったのかという点も含めて、改正の必要性について、私は必要性はないという立場から御質問をいたします。
○糟谷説明員 お答え申し上げます。 昭和五十五年に外為法を大改正いたしまして、そのときに現行の外為法第二十五条役務取引の規定が入ってきたわけでございます。 この五十五年の大改正では、それまで役務取引については原則禁止という建前で規定が整備されておりましたのを大きく改めまして、原則として自由である、ただし何らかの理由で規制を継続すべきものにつきましては、これをポシリストに掲げまして許可の対象として残す、こういう整理をしたわけでございます。したがって、その時点以前から実は国際的な平和及び安全の維持の観点からやっていたものを、この段階で法律に明記するということになったわけでございます。 一方、貨物の方でございますが、貨物につきましても、昭和五十五年以前から同じような観点から、国際的な平和及び安全の維持といった観点から一定の貨物につきましては輸出規制をしていたわけでございますけれども、この外為法の貿易面の規定の仕方は、原則として自由であるという建前の中で、特に問題のあるところだけ承認制をしくという、原則と例外が当時の役務取引とは逆になっていたものでございますから、そういう原則自由という考え方が既に導入されておりました四十八条については、あえて法律の改正をいたしませんで、手をつけなかったということでございます。したがって、法文上二十五条と四十八条、食い違っているように見えるかもしれませんが、実態において五十五年の前後で変わっているということではございません。 それから、今回検討しております外為法の改正でございます。このポイントは、いわゆるココムに関連します技術輸出あるいは貨物の輸出、これを特に特掲をいたしまして、それについて違反があった場合に罰則あるいは行政処分の強化をするという観点で今検討しているわけでございます。 したがいまして、その観点からいたしますと、ココムの関連貨物についての違法な輸出と、それ以外の貨物についての違法輸出とでは分けなければいけない、こういう必要性が出てまいりまして、その一つの視点として、国際的な平和及び安全の維持といった文言を取り入れてその区分けをするという考え方で現在整理をしている、こういうことでございます。
○神崎委員 その場合に、今までは貨物については原則自由ということで、この五十五年の改正でも安全保障条項というものを入れなかった。ところが、今回、安全保障条項を四十八条に加えるということになりますと、貨物について原則自由ということがそうでなくなる、いわゆる二十五条と全く同じ取り扱いになる、そういうことになるわけですか。
○糟谷説明員 外為法の改正案、まだ最終的に政府として決めたわけではございませんけれども、今考えておりますのは、四十八条について規制の範囲であるとか対象であるとか地域であるとかということについては大きな手を加えずに、そのうち特にココムに関連のあるものについて罰則であるとか行政処分を強化するということでございまして、従来、承認制にかからしめていたものを大きく二つに分けて規定する必要が生じた、そういう技術的な問題でございます。したがって国際的な平和及び安全の維持という言葉も、それをグループ分けする際の視点として取り入れているということで御理解をいただきたいと思います。
○神崎委員 私は、今回の東芝問題について日本が再発防止策をとること、これは大いにしなければいけないと思うのですけれども、それを理由にして東西貿易を制約するようなことはすべきでないと思います。 そういう意味では、安全保障条項というのは、政府も今までも必要ないという立場をおとりになってきたわけでございます。この二十五条については入れたけれども、四十八条は入れない、しかし解釈上必要な制約はとれるというお立場で来たわけでありますけれども、そうであれば、私はあえてこの安全保障条項というものを入れる必要はないんじゃないか、そう思うわけでございます。 この安全保障条項等の絡みで、通産省で作成している外為法の改正案に、外務省が法定協議権を主張しているということで先ほども御答弁がございましたけれども、外務省として今回の改正でこの点を主張している根拠というものはどういう点にあるのか、それはこの安全保障条項というものが入らないと法定協議権というものは出てこないのかどうか、その点を含めて御答弁をいただきたい。
○渡辺(幸)政府委員 従来からココム関連の事務につきましては外務省、通産省密接に協力して対応じてまいったわけでございますけれども、輸出管理という面につきましては、対共産圏に対する戦略物資の輸出の問題を含めて、その管理の実施については通産省の御所管ということで、必ずしも十分な体制ができていなかったのではないかというのが外務省の見解でございます。 今度の事件をきっかけにいたしまして、外務省としても国際の平和と安全の維持という観点からする輸出管理体制の十分化を図るという見地から積極的に参加し、主務官庁でございます通産省と密接に協力、協議してまいりたい、それを何らかの形で法的に明記するということが重要ではないかという観点から通産省、主務官庁と鋭意お話し合いを続けてきておる、こういう状況でございます。
○神崎委員 私は外務省が通産省と協議をするということはいいことだと思います。しかし、その前提としてこの安全保障条項というものがなきゃいけないのだということになると納得ができないわけでありますけれども、そこら辺のところは安全保障条項を根拠にしなければその協議権というものが発生しないのかどうか。もう少しいろいろ御検討をいただきたいと思うわけでございますが、今のココムにも関係がございますけれども、七月二十一日にアメリカの上院で包括貿易法案が可決されたわけでございます。 その中で特に東芝制裁条項というものが含まれておりまして、本来ならばこのココムは紳士協定でございまして、国際法上も国内法上も条約としての効力は全くないはずなのでありますけれども、我が国の企業の国内法違反行為によってアメリカで特定の企業がねらい撃ちという形で制裁されているわけでございます。その点については納得がいかないし、こういうことが、今後特定の企業をねらい撃ちにした制裁条項というものがどんどん立法化されるということになりますと大変な問題になりますから、これは我が国としても、悪いことは悪いにしても、主張すべきことはきちんと主張しなければいけないと思うわけでございます。この点についての外務大臣の所見をお伺いいたします。 あわせて、政府は、この成立しました貿易法案について、保護主義的色彩の強い問題点を文書にまとめて上下両院議員に送って法案不成立を働きかけるということを決めだということが報道されておりますが、実際にそういう文書を送ったのか。送っていないとすれば大体どういう内容のものを考えておられるのか。いつごろ送るのか。そういう点についてあわせてお尋ねをいたします。
○渡辺(幸)政府委員 東芝機械関連の日本企業及びノルウェーのコングスベルグ関連のノルウェー企業に対する今度の事件に関連してのいわゆる制裁法案、ガーン修正法案については、委員御指摘のとおり、外国の特定の企業に対して制裁措置をとる、あるいは補償を求めるということはかなり異例なことでございまして、疑念の多い措置だと思います。その旨は申し入れでございます。 他方、そのガーン修正法案が含まれて上院で成立をいたしましたいわゆる包括貿易法案につきましては、松永駐米大使から上院議員、下院議員、多くの関係議員に対して文書で疑念のある点を伝えて、善処方と申しますか再考方を要請しておるという状況でございます。
○神崎委員 この包括貿易法案につきましては、四月に下院においても可決されているわけでございまして、九月に上下両院協議会でこの一本化が図られて両院で可決の上大統領に提出されるだろうということが予測されているのであります。我が国としてもこの両院の調整の推移を厳しく見守る必要があると考えますけれども、この包括法案の行方は大体どういうふうになるのか、どういう見通しを政府はお持ちになっているのか。
○渡辺(幸)政府委員 委員御指摘のとおり上院の包括法案は先般成立したわけでございますけれども、下院の包括貿易法案は既に四月三十日に下院を通過してございます。両院の貿易法案は当然のことながら相違点が多々あるわけでございまして、その下院と上院の二つの貿易法案の調整の作業が、多分八月に入ると思いますけれども両院協議会で行われるという段取りでございます。両院協議会はいわゆる夏休み前に多分一回か二回は開かれるだろうと思いますけれども、ワシントンの現在の情勢では、両院協議会の協議が調って議会で一本の法律として成立するという時期は夏休み以降であろうというように一般に思われております。 これに対するアメリカ行政府の態度でございますけれども、下院の包括貿易法案の内容についてはかなり保護主義的な色彩の強いものでございますから、もし下院の法案のとおり通るということであればレーガン大統領は拒否権を行使するという姿勢を示しておりますし、上院の包括貿易法案についても成立前の時点でございますけれども、拒否権行使の可能性の非常に大きいことを示唆してございます。したがいまして、行政府としては両院協議会の過程を通じて保護主義的色彩をできるだけ薄めるように働きかけていくものと考えますし、我が国といたしましても何とかその方向で働きかけてまいりたいと考えておる次第でございます。
○神崎委員 両院の法案が一本化されまして成立をいたしますと、いろいろな問題点を含んだ保護主義的な法案でございますので、我が国の貿易体制のみならず世界の貿易体制秩序に大変大きな影響をもたらすであろうと思うわけでございます。その意味におきまして、この法案の不成立のために政府としても全力を挙げなければいけないと思いますけれども、大臣の御決意のほどを伺いたい。
○倉成国務大臣 ただいま経済局長から御説明申し上げたとおりでございますが、下院の方は一月六日に提出された法案が歳入委員会等を通りまして、四月三十日に本会議で二百九十対百三十七で通っております。この本会議に先立ちまして、ゲッパート修正法が本会議で二百十八対二百十四で可決ということでございます。 それから上院の方は、御承知のとおり二月五日に提出されまして、五月七日に財政委員会を通過しまして、七月二十一日の本会議採択が七十一対二十七という圧倒的多数で通過しておるわけでございまして、そのほか七月十日にバード、ドール、リーグル、ダンフォース、この四議員からいろいろ――いわゆるスーパー三〇一条という修正案が本会議で八十七対七の大差で可決されている。したがって、これは大体夏休みが八月八日から九月七日ということでございますから、恐らく委員の構成と申しますか上下両院の委員をどのくらいにしてどういう人たちを選ぶかということが休会前に行われて、この夏休み休会明けにいよいよ審議に入るのではなかろうかと思います。 したがいまして、私どもとしてはこの法案が通るということになりますと、上下両院でどういう協議が行われるかということもさることながら、これは日本のみならず世界貿易に対して大変大きな脅威になるという認識のもとに、全力を挙げてこの法案が通過しないように、また万一この法案が通過することがありましても、行政府が権限を行使でき得るように最大の努力をいたす所存でございます。
○神崎委員 大臣の御努力を期待するところでございます。 次に、SDIの研究参加の政府間協定の問題についてお尋ねをいたします。 今回の協定は研究参加の協定でありまして、実験、開発、配備への参加とは別のことであるというふうに政府も説明をされていると思います。ところが、アメリカ政府はこの法律上の解釈は研究参加は配備まで可能だ、こういう立場をとっているという報道も一方でございます。また、本年四月の国防総省の技術報告書によりますとSDーシステムは実証試験段階に入ったということが報告されたとも言われておるわけであります。 私も、三月に訪米した折の国防総省の説明ぶりからいたしますと、相当SDIの研究が進んでおり、実験、開発の段階に入っているという感を深くしたわけでございますけれども、今回の協定はあくまでも研究参加の協定であって、実験、開発、配備への参加は対象になっていないんだということでよろしいかどうか。また、その点について米側との詰めは明確にできているのかどうか、お尋ねします。
○藤井(宏)政府委員 まず第一に、SDIの現段階における状態でございますけれども、いまだ実験、開発、配備の段階に入ったということは言えないと思います。SDIはなお研究段階にあるということでございまして、将来SDIが一九九〇年代の初めにいろいろな研究を行って配備をするかどうかを考える段階になりましたそのときにどういう配備をするかということについて、一部研究と申しますか、いろいろな議論が行われているという状況だと思います。 第二に、今回の我が国と米国との間の取り決め、協定でございますけれども、この協定は「戦略防衛構想における研究に対する」云々ということで、「戦略防衛構想における研究」ということを何回も明記してございます。我々は戦略防衛構想、SDIそのものが研究計画であると思っておりますけれども、長き将来にわたりまして我々が参加いたしますのはあくまで研究計画であるということを明確にするためにこのような表現を使っておるわけでございまして、その点、委員御指摘のごとく我が国が参加する対象は研究であるということは明確になっておると思います。
○神崎委員 そういたしますと、将来実験、開発、配備への参加が問題になったときに、仮に参加をするということになりますと、これは別途協定をつくるということになるわけですね。
○藤井(宏)政府委員 先ほど来申しておりますように、SDI研究計画に対する参加ということでございまして、あくまで研究計画に対する参加が明確になっております。我が国といたしましては、SDIが配備されるというような状況において我が国がどういうふうに対応するかについては、従来からも一切態度を表明していないということでございます。
○神崎委員 将来実験、開発、配備が問題になったときに、我が国が仮に参加をするためには別途の協定が必要であるかどうか。この点はどうですか。これは一般論としてで結構です。
○藤井(宏)政府委員 この協定は、あくまでSDI研究計画に関する参加でございます。したがいまして、全くの理論的な問題といたしまして、将来仮にSDI配備計画というようなものがございましてそれに日本が参加するという問題が、現在起きておりませんけれども仮に将来起きたといたしますれば、それに対する参加ということについては、全く別な取り決めなりアレンジメントなり、何らかが必要であろうと思います。
○神崎委員 今回の協定は政府間の行政協定として国会の批准、承認もなく発効することになっているわけでございますけれども、この点については私は大変大きな疑念があると思うわけでございます。昨年の当委員会でも議論をしたところでございますけれども、このように政治的に重要な国際約束については当然国会の批准、承認を得るべきものであるというふうに考えるわけでございます。この点について、そういうお考えは今の段階で全くないのかどうか。どうでしょうか、今からでも遅くありませんけれども、どうですか。
○斉藤(邦)政府委員 御承知のとおり、国際約束のどういうものを国会の承認をいただいた上で締結して、どういうものを行政府限りで締結するかということにつきましては、政府は一定の基準を設けましてそれに従って実施してきているわけでございます。 その内容をごく簡単に御説明いたしますと、政府といたしましては、三つの基準を立てまして、これに該当するものは国会の承認をいただいた上で締結しております。第一が法律事項を含むもの、第二が財政事項を含むもの、第三が国家間一般の基本的な関係を法的に規定するという意味で政治的に重要な国際約束であって、それゆえ発効のために批准が要件とされているもの、この三つございます。 今回のSDI協定につきましては、法律事項、財政事項を含むものでないということは従来から御説明しているとおりでございます。 第三の政治的に重要な協定、条約に当たるのではないかという御指摘でございますけれども、ただいま私が申し上げましたとおり、この政府の基準の第三番目の点といいますのは、国家間の一般的な基本的な関係を決めるという意味で政治的に重要であって、したがって批准条項を持つ条約という基準になっております。 今回のSDI協定、これが政治的に重要な意味を持つものであるかどうかという点、これはもちろんいろいろ御議論のあるところでございますけれども、ただいま申し上げましたような基準に照らしてみますと、これには該当しないという判断のもとに行政取り決めとして締結した次第でございます。
○神崎委員 今回の協定の三項によりますと、秘密保護のために、国内法と日米の協定の枠内において、すべての必要かつ適当な措置をとるということになっているわけでございます。政府としては新たな秘密保護のための立法措置はとらないということを言われておりますけれども、この秘密保護について現行の我が国の法体系でよい、新たな立法措置は必要としないという米国側の合意は得られているのかどうか。得られているとすれば、それは口頭了解なのか、文書による了解なのか、この点について明らかにしていただきたい。
○藤井(宏)政府委員 新たな立法を必要としないということにつきましては、アメリカ政府と了解を得られているというふうに存じます。それはまさにただいま委員が御指摘のこの協定の三項にございます「両政府は、それぞれの国の国内法及び日本国とアメリカ合衆国との間の協定の枠内において」という点でございまして、ここで言う国内法と申しますのはこの協定締結時の国内法ということでございまして、その枠内ですべての措置をとるということがこの協定の趣旨でございます。
○神崎委員 そうしますと、今のところはこの協定上も了解が得られているんだという御説明でございましたけれども、ところが、この規定を根拠に、将来、米国の方から日本が秘密保護のためにさらなる国内法上の必要かつ適当な措置をとれ、こういうような要求をするということは可能になるのですか、ならないのですか。
○藤井(宏)政府委員 累次御答弁申し上げているとおり、我が国はアメリカ政府との交渉の過程におきまして、アメリカ政府に対しましても、あるいは公の国会等における答弁におきましても、我が国のSDI参加はあくまで我が国の現在の国内法の範囲内でやるというふうに態度を鮮明にしてきたわけでございます。したがいまして、そのような了解の上でこの取り決めが、協定ができております以上、米国政府がさらに新しい立法を行うべしというようなことを言ってくるということは、私どものところでは想定されないというふうに存じます。
○神崎委員 次に、ペルシャ湾の安全航行問題についてお尋ねをいたします。 さきのベネチア・サミットで政治に関する三つの声明が採択されて、その一つは「イラン・イラク戦争及びペルシャ湾の航行の自由に関する声明」でございます。政府は、七月七日の総合安全保障関係閣僚会議におきまして、イラン・イラク戦争を解決の方向に導き、ペルシャ湾情勢を安定させるために、非軍事的分野で応分の役割を果たしていくという方針を確認いたしておりますけれども、具体的に何をすることをお考えになっているんでしょうか。
○恩田政府委員 先生御指摘のとおり、総合安全保障閣僚会議におきまして、外務大臣より、ペルシャ湾情勢を安定させるために非軍事的分野において応分の役割を果たしていくということを御報告申し上げました。 具体的には、この場でも大臣からしばしばお答えいただいたことでございますが、イラン・イラク紛争の平和的解決のために外交的な努力を積極的にやる。特に、国連安全保障理事会等を通ずる国際的な協力の場において積極的にその動きに参画していく。また、紛争後のイラン、イラク両国の復興及び湾岸地域、さらには中東全体の安定のためにできる限り協力していくということを政府として方針を表明しておりますが、このような形での紛争の解決及び情勢の安定化ということに政府としては努力していきたい、こういうことでございます。
○神崎委員 米国内でいろいろ我が国に対して厳しい意見表明があるわけでございますけれども、米国がペルシャ湾における原油タンカーの安全航行に責任を持つなら、恩恵を受ける日本や西ドイツなどに相当の負担を求めるべきだというドール上院院内総務ら共和党幹部の発言、あるいはペルシャ湾防衛の分担を日本国憲法の範囲内で求めるというフィッツウォーター報道担当補佐官の発言、米国のマスコミの発言で、ペルシャ湾石油への依存度は日本七〇%、欧州五〇%、米国七%なのに、なぜ米国だけが犠牲者を含む負担を全部負わなければならないのか、あるいはレーマン前海軍長官等の発言で、同盟国に軍事分担を求めるべきだ、ペルシャ湾の航行自由を確保するための米国が負っている費用、年間約四百億ドルの一部を同盟国に負担させるべきである、こういう厳しい要求が出ているわけでございます。ワインバーガー国防長官も毎日新聞とのインタビューで、「海上自衛隊を送れとは言わないが、米海軍の展開で経費がかかる以上、役務提供、あるいは代替的措置を期待する」、こういうことを発言したということが伝えられているわけでございます。 総理は五月二十九日の記者会見で、米国が求めているペルシャ湾岸での防衛費用負担について、我が国は憲法の範囲内で国民が認める方法で貢献する方法を考えなければいけない、こういうふうにお述べになったと承知しておりますけれども、憲法の範囲内の貢献というのは具体的にどういうことを指しておられるのか。
○恩田政府委員 先生御指摘のとおり、米国議会を中心といたしまして、我が国がペルシャ湾の安全航行のために貢献を行うべきである、その貢献の内容につきましては、御発言の方々によってはいろいろなことを言っておられますが、そういう声があるということは私どもも承知しております。 しかしながら、現在のところ米国側から我が国の負担について具体的な形での要請がございませんので、どういう具体的な内容を想定してお答えすべきかということがよくわからないわけでございますが、私どもとしては、そのような国際的な場裏でそういう問題が起こってきたとき、また米国等から具体的な要請があったとき、憲法の範囲内でできる限りのことをしたいという考え方で応じたいというふうに思っております。
○神崎委員 我が国がペルシャ湾防衛で財政負担をすることは、憲法上あるいは国内法、条約など現行法の枠組みの中で一体できるのか、できないのか、その根拠もあわせて明らかにしていただきたいと思います。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○斉藤(邦)政府委員 憲法の問題でございますので、外務省がお答えするのが適当かどうか存じませんけれども、一般的にお答えするといたしまして、憲法で禁止されております集団的自衛権、これは集団的自衛権を含めましておよそ自衛権というものは国家による実力の行使にかかわる概念でございます。したがいまして、我が国が単に財政的貢献を行うということは実力の行使には当たりませんので、我が国の憲法上認められない集団的自衛権の行使には当たらないというふうに考えられます。
○神崎委員 大臣にお尋ねをいたしますけれども、大臣は七月二十七日にジュネーブで開かれました国連の貿易開発会議第七回総会で演説をされまして、二百億ドルの官民資金の還流計画を披露されると同時に、この促進のための賢人グループ設立と、一次産品問題で途上国ごとのケーススタディを行うという二つの提案をされたことが国内でも報道されておりまして、大臣いろいろ御活躍されたことがわかるわけでございますけれども、この二百億ドルの還流計画、これは開発途上国も大変大きな期待をいたしておりまして、日本版マーシャル・プランというふうに呼ばれているところでございますけれども、この具体的な構想というのですか、大臣、このお考えを簡単にちょっと言っていただきましょうか。
○倉成国務大臣 ただいま神崎委員お話しのとおり、七月二十七日の第七回の国連貿易開発会議、いわゆるUNCTADの総会に出席しまして一般演説を行いました。御案内のとおり、開発途上国の直面している最大の問題は、開発のための資金の問題、また一兆ドル以上に及ぶ累積債務の問題でございます。また、一次産品の下落等の問題が非常に大きな問題になっていることは御承知のとおりでございます。 私は、第一の資金の問題に関しましては、関心を有する諸国及び関係する国際機関の支援のもとに、独立したハイレベルの賢人グループを設立して、開発途上国への資金フローを促進するための方途につき検討してはいかがかという提案をいたしたわけでございます。 もちろん日本の二百億ドルのアンタイドの資金というのはその一翼でございますけれども、一兆ドルというような累積債務、また今開発途上国が要求しております非常に膨大な資金ということになりますと、やはりこれは多くの国々または国際機関、こういうところと協力していかなければ、日本だけでこれを賄うことは到底できないわけでございますから、その一翼は十分担い、そしてまた我々も最善の努力をするけれども、ひとつ独立したハイレベルの賢人グループでどういう方策があり得るかということをみんなで考えたらどうかということを提案したわけでございまして、どちらかというと、今先進国は援助疲れと申しますか、途上国のこういう問題について多少熱が冷めていると言うと言い過ぎでありますけれども、若干関心が薄くなってきているということもございまして、こういう提案を第一にしたわけでございます。 第二は、そのUNCTADの提案のもとに構成されたラウンドテーブルを設置し、一次産品依存度の高い開発途上国を中心として、一次産品加工度の向上のために当該開発途上国、先進国、関係国際機関がとるべき措置を勧告させることができるようにしたらどうかという提案をしたわけでございまして、御案内のとおり途上国は一次産品に頼っている国が非常に多いわけでございますし、またこの一次産品の中でも、例えば銅をとりますと光ファイバーでこれが代替されてくるということになると、単にその緩衝在庫とかそういう問題だけでは解決しない問題があります。 したがって、そういうきめ細かい各国別の対応をどうしたらよいかということをラウンドテーブルで考えていったらどうか。余り大ざっぱな決議や議論をしても実際の開発途上国のニーズに適しない、そういう意味での提案をいたしたような次第でございまして、これらの提案の具体的な内容につきましてはUNCTADの場において鋭意協議が行われておるわけでございますし、また、これからも行われるであろうと思いますので、日本も積極的に参加いたしまして、人材提供や経費負担面でも応分の寄与をする用意があるということを明らかにいたしたような次第でございます。
○神崎委員 この計画自体は大変結構なことでございますけれども、大半が民間資金を当てにした計画でございますし、経済同友会も「政府の資金還流計画は、コマーシャルベースが三分の一を占め、ODAに当たる部分は六分の一程度と推定され、これではかえって国際的批判を招くおそれがある」、こういう指摘をしておることも聞いておるわけでございます。そういう意味において、累積債務に苦しみます途上国にとってコマーシャルベースですと借りることもなかなか難しいのじゃないかと思われるわけでございます。 そこで、提案でございますけれども、この二百億ドルの資金が世銀を通した融資でありましても輸銀等との協調融資でありましても、コマーシャルベースで貸し付けることには変わりはございませんけれども、民間資金の利子分を例えばODAで補給する、こういうことを考えますと途上国は借りやすいし、この二百億ドル自体が生きてくると考えられるわけでございますけれども、そういう考え方はいかがでしょうか。
○倉成国務大臣 その問題に関しましては、いろいろな考え方、いろいろな組み合わせがあると思います。一番望ましいのは無償贈与でございましょうけれども、これは到底財政負担にもたえないし、日本だけでもやれないし、また世界の国々もそれだけのことはとてもやれないと思います。 したがって、サハラ以南の地域については五億ドルのノンプロジェクトの資金を三年間で準備するというようなことをいたしておりますけれども、その他の地域については、それぞれの国の従来の債務の状況あるいはこれからどういう計画で再建を図っていくかという状況、そういうことをあわせてきめ細かく資金還流計画を考えていく必要があるのじゃなかろうかと思うわけでございまして、政府資金のみでこれを賄うということになると到底全体の需要を賄うことはできないと思いますので、どうしても民間資金の導入ということが考えられるわけでございますから、民間資金の導入の場合にはできるだけよい条件の資金になるように最大の努力をいたしたいと思うわけでございます。
○神崎委員 最後に、ブラジルの南マット・グロッソ州バルゼア・アレグレ移住地の問題について、時間もございませんので、一括してお尋ねいたしますので、一括して御答弁いただきたいわけでございます。 地元の新聞によりますと、この移住地、日本人「入植者のために破価の値段で有償譲渡された二千五百ヘクタールの土地が、国有財産処分規定による五年間の売買禁止契約が存在するにもかかわらず、いつの間にか日本の不動産業者の手に渡っていた。」というようなことで大きく報道されております。 この土地の処分、払い下げについて不明朗な事実があったという報道があるわけでございますけれども、これは国際協力事業団が前身の海外移住事業団から引き継いだ国有財産でございますが、事実関係について最終的な結論が調査の結果出されていないようでありますけれども、事実関係を外務当局としてどういうふうにごらんになっているのか。 さらに、指摘されているような問題があるといたしますと、JICA並びに監督官庁であります外務省にも責任があるということになろうかと思いますが、その点はいかがでしょうか。 また、この問題では、長年にわたって苦労し努力してまいりました日本の入植者に対して十分な配慮が払われるべきではないかと思うわけでございます。移住者の将来の安定を願って譲渡したものがその趣旨に沿っていないということは甚だ問題であると思いますし、外務省といたしましても移住者の立場を十分に理解した円満な解決を図るよう努力すべきだと考えますが、御見解を伺いたいと思います。
○妹尾説明員 それでは、まとめてお答え申し上げます。 まず事実関係でございますが、御指摘のとおりJICAのブラジル現地法人ジャミック移植民有限責任持分会社の解散に伴う清算業務の一環としまして、昭和五十九年十二月にこの現地法人が持っておりましたバルゼア・アレグレ牧場をこの移住地の唯一の移住者農業団体であるバルゼア・アレグレ産業組合に売却したものでございまして、この売買契約では五年間の転売を禁止しているわけでございますが、売買の直後にこの組合が第三者と転売予約契約を結んでいたことがことし一月の調査の結果確認されたものでございまして、この点、ただいま委員から御指摘の問題があるわけでございます。 この牧場の売却そのものにつきましては不明朗な点があったのではないかという御指摘でございますが、この現地法人が適正に売却したものである、これは価格、手続あるいは現地事情、入植者の関係等の点から適正に売却したものであることは間違いないと考えておりますが、その直後にこの組合が今申し上げましたような転売予約契約を行ったことは、この売却の趣旨などからいたしましてもまことに遺憾なことであると考えているわけでございます。 外務省としては、入植者の立場を理解して解決を図るべきではないかという御指摘は全くそのとおりでございまして、そもそもこの牧場の売却の考え方自体が、長年苦労されました現地の入植者、それからそういう入植者の団体の安定的な発展を願って行ったものでございます。そういうことですので、この転売予約契約の事実が確認されてから、JICAからバルゼア・アレグレ産業組合に対しまして本来の売却の趣旨が生かされるように働きかけを行って、現在関係者の間で解決に向けての話し合いが行われていると承知しているわけでございまして、今後とも御指摘のような立場から推移を見守りたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○神崎委員 以上で終わります。
○山口委員長 次に、永末英一君。
○永末委員 外務大臣に伺います。 去る二十一日、ソ連のゴルバチョフ共産党書記長はインドネシアのムルデカ紙とのインタビューで、アジア諸国が置かれた状況を勘案し、かつその懸念を考慮して、ソ連はアジア部にあるすべての中距離ミサイルを撤去する用意があることを表明する、こういう要旨の発言をいたしております。外務省はこれに対して何か反応されましたか。
○倉成国務大臣 我々はINF交渉に関しましては、グローバル・ゼロ、そしてアジアが不利にならないようにというのがかねてからの主張でございまして、したがいまして、ソ連が西側が主張してきたINFのグローバル全廃をようやく受け入れたことは、アジアと欧州の同等の取り扱いを求める我が国の一貫した主張及びこれを踏まえた米国の粘り強い交渉が実を結んだものであると評価をいたしておる次第でございます。 我が国を初め西側諸国が結束して米国の交渉努力を支持してきたことがこのような結果を生んだものと思うわけでございますが、アラスカ配備の権利確保に関する総理のかねてからの発言もグローバル全廃へ向けての西側の一員としての努力の一環だと思うわけでございますので、我が国としては、効果的な検証措置を伴ったINF協定が早期に締結されることを期待いたしている次第でございまして、ジュネーブの軍縮交渉におきまして、パージングIa、また検証、そういった問題が具体的に実を結んで、このゴルバチョフ提案が実現することを心から期待いたしておる次第でございます。
○永末委員 経過を聞いているのじゃなくて、この発言があってから日本の外交として何かやられましたかと聞いているのです。 成果が上がったと言うけれども、いろいろなことを言っているわけですからね、このゴルバチョフ記者会見というのは。条件が満たされなければ行われないのか、満たされなくても行われるのか、いろいろ聞きたいところは僕でもありますよ。しかし、あなたは成果と言われたのだから、できちゃったようなことでございますけれども、だから外務省として、いや日本政府として、この発言に対して何かやられたかということを聞いているのです。
○中平政府委員 委員御指摘のとおり、ゴルバチョフ書記長がインドネシアのプレスの人に話をされたわけでありますが、日本政府といたしましては、まずそういう第三者に発表されるということは、それ自体は結構でございますが、やはりこのINF交渉はあくまでもジュネーブの席でやっておるわけでございますので、我々とすれば、そのこと自体は歓迎するけれども、ジュネーブでどういう態度をとるかということをまず見ようということにしたわけでございます。 そして翌日の二十二日でございますか、ジュネーブでソ連は口頭で、ゴルバチョフ書記長がインドネシアに言った趣旨のことを提案したわけでございます。書面ではございません。口頭で説明したわけでございます。それを受けまして、アメリカ筋からは、正式にそういう提案があった、口頭で提案があったということを我々承知したわけでございますが、それなら正式の場に、一応交渉の場にのったのだなということで歓迎しているわけでございます。 アメリカを初めとして、西側諸国もソ連の態度の変更を歓迎しているわけでございます。もちろん歓迎している理由といたしましては、先ほど大臣が申し上げたとおりでございまして、現在までソ連があくまでもアジアの百弾頭ということに固執しておりましたので、やっとソ連がそのかたくなな態度を放棄したのかという意味で歓迎しているわけでございます。
○永末委員 ジュネーブにおきますソ連代表の口頭での、アジア部におきますINF核弾頭の完全撤去ということは無条件ですか。
○中平政府委員 詳細については、交渉事でございますのでこの席で明らかにさせていただくわけにいかないと思いますが、ソ連は条件をつけていると我々は了解しております。
○永末委員 条件がわかり次第、外務委員会で報告をしてください。 外務大臣、そうしますと、この前のサミットで中曽根総理がレーガン大統領に言ったことは、もうそういうことは我々は考えていないとアメリカ政府に言われましたか。
○倉成国務大臣 別に何も申しておりません。 まだゴルバチョフ提案が、ジュネーブの軍備管理交渉において正式にどういう条件でどういう提案がされるかということを見守っておる次第でございます。
○永末委員 アメリカ政府に我が方の意向を伝えなければ、なお中曽根総理意見というものは残っているわけですね。つまり、対抗上、ソ連が百弾頭アジア部に設置するとすれば、あなたの方もアラスカに置いていいではないかということは日本政府の意向として残っておることになりますな。どうですか。
○倉成国務大臣 先ほど申し上げましたように、日本の基本的な立場はグローバル・ゼロ、そしてアジアが不利に取り扱われないようにしてほしいということが我が方の一貫した主張でございます。もし仮に暫定的な措置があるとすればという前提条件でございますから、私は、こういうプロセスの話だけでございますから別に中曽根総理が提案したという種類のものではないと思っております。 したがって、特別今総理がどうこうということではなくて、ソ連のそういう提案が実質的に実のあるものであれば、これは非常に喜ばしいことであると考えておるわけでございますが、こういう軍備管理交渉というのは、やはり最終的に正式の場でいろいろな諸条件を満たすということが大事なことではなかろうかというのが従来の経験にかんがみまして大事なことでありますので、その状況を注意深く見守っておるというのが現状の段階でございます。
○永末委員 グローバル・ゼロというのは目標であることは間違いありませんよ。みんなそう思っているわけです。しかし、そのグローバル・ゼロに至る過程において中曽根総理が、提案はしなかったかもしれぬが、それでよろしいということを申したと中曽根総理自体が国会で言ったじゃありませんか。要らぬことを言って、つまり日本が、アメリカが核兵器をアラスカに設置することをカウンター要因として認めていたということが残っていることはいいことだと思いますか。 グローバル・ゼロというゴールのことを聞いているのではないのであって、そんなことを発言して、なおこれからこのゴルバチョフ発言がどのように具体化されるかわからない、その限りにおいては決着つくまでは中曽根発言は残っておる、こういうことでいいのでしょうか。そこのところだけお聞きしたい。
○中平政府委員 中曽根総理の発言につきましては、レイキャビクの会談、いわゆる幻の合意というのがございますが、あの合意で、ヨーロッパはゼロにしましょう、しかしアジアについては百弾頭を持ちたいというのがソ連の立場でございましたし、アメリカはそれに対しまして、それではアメリカも――これは米ソ交渉のルールでございまして、同じカテゴリーの兵器システムにつきましては平等というのが原則でございますので、それではアメリカもその残りの百弾頭持ちましょう、しかしヨーロッパはゼロであるので、アメリカは本土に持ちましょう、持つ権利を確保したいと、当然のことながらアメリカは主張したわけでございまして、そのアメリカ本土という中に当然アラスカが、アメリカの中でございますので入るわけでございます。アメリカはあくまでもその配備する権利ということを主張しておったわけでございまして、その配備する権利を主張しているアメリカの立場はまことにもっともであるということで、その立場を支持してああいう発言をされたと私は思っております。 したがいまして、この話でもし核弾頭の話がうまく交渉が運びましてなくなるということになりますと、その前提であるアメリカに配備する権利という問題もなくなるわけでございますので、その問題は残るといいますか、自然にその問題自体が、根っこにある問題がなくなるという意味におきましてその問題はなくなるのではないか、こう我々は思っておるわけでございます。
○永末委員 経過を承知して質問しているのですから、経過の説明は要りません。私の言っているのは、そういう経過で同意をしたという日本政府の責任者である中曽根総理の見解は残っておるわけです。今我々の努めるべきは、ゴルバチョフの発言に対してこの真意を確かめ、そしてその条件があるならば条件が成就されるものかどうかということを日本政府がキャッチすれば国民に説明する、こちらの方が大事であって、中曽根発言が残っておるのをそのままにしておくということでいいのかということを聞いておるわけです。 つまりアメリカのアラスカに核弾頭が設置されておる、それがゴルバチョフ発言の具体化まで、アジアのどこか知りませんが、ソ連のINFが残っておる。日本の平和と安全にいささかも関係のない話です。あるということはプラス要因ではないということです。したがって、私の方はひたすら核兵器の撤去を要求する立場であるべきであるのに、妙な核兵器均衡論みたいなものを信じてアメリカの設置に同意しておるというその態度が間違っていると我々は考えておる。 したがって、なくなればその発言も自然に消えるだろうではなくて、ゴルバチョフ発言をきちっとつかまえるならば、それに対して日本政府としての核廃絶に関する行為があってしかるべきだと思う。正確にお答え願いたい。やるつもりか、やらぬつもりか。
○倉成国務大臣 いわゆる中曽根発言は、グローバル・ゼロということのてことしての発言でございまして、ゴルバチョフのINF全廃という発言は、新聞記者のインタビューに対する御発言でございますから、そしてまた、ジュネーブにおいてはまだ正確に文書をもって、そしてまた米ソ間の交渉の土俵においてどういう条件でどういう中身のものであるかということはまだ明らかにされておりません。したがって、そういうことを踏まえて我々は対処すべきではなかろうかと思うわけでございます。
○永末委員 外務大臣、今最後にあなたがしゃべったことをやってほしいと言っているわけです、待っているのではなくて。我々は核兵器を持たないものだから、核廃絶は一体どういうことになっているのか、皆重大な関心を持っているわけで、しかもまだ八月がやってくるわけだから、やはり積極的に行動して、パフォーマンスの時代です、やっていただきたいということを申しておきます。 東芝問題につきまして、外務大臣はアメリカから東芝事件なるものを最初に通報されたのは昨年の六月と聞いておりますが、事実ですか。
○渡辺(幸)政府委員 いわゆる東芝機械の不正輸出事件についてアメリカから通報を受けたのは、御指摘のとおり昨年の六月でございます。東芝機械の不正輸出事件について日本政府の注意が喚起されたのは、先ほど通産省から御説明がありましたように、一昨年の十二月、パリのココムの事務局長から通報がございました。
○永末委員 外務大臣はアメリカから通報を受けた後で何をされましたか、昨年の六月から、やったことを言ってください。
○渡辺(幸)政府委員 昨年の六月にアメリカから通報がありました後、外務省は遅滞なく通産省にその照会の内容を伝えました。現実にこの問題について外務省としても通産省とともにこれは非常に深刻な問題であり得るという問題意識で検討を始めたのが十二月、ことしの一月、二月でございます。そして、総理の訪米準備ということもございますし、そういう観点からこの問題を取り上げ、外務大臣の御訪米というお話もございまして、その時点において外務大臣にも御報告を申し上げたという次第でございます。
○永末委員 何かをやったのは昨年の十二月、本年一月、二月と三カ月もありますが、この期間で一番最初にやったことは何で、それはいつですか。
○渡辺(幸)政府委員 昨年の十二月にアメリカの国防次官が日本に参りまして、その際、その次官に随行してきた国防省の高官から東芝九軸のソ連に対する不正輸出の問題が提起されました。かつ、その九軸の問題というのはソ連の原潜の静粛化に関連がある可能性が相当強いという指摘でございます。 したがいまして、この問題はアメリカの核戦略と申しますか戦略的に相当大きな問題であり得るということで通産省に御連絡をしたということでございます。その時点から通産省においては改めて鋭意真相究明に乗り出されたというように承知しております。
○永末委員 今の話を聞きますと、十二月にアメリカの国防省の高官から指摘をされてから動き出したようですが、昨年の六月から十二月までは何かしたのですか。
○渡辺(幸)政府委員 その点については、あるいは通産省からお答えをいただいた方が適当かと思いますけれども、先ほども通産省から御説明がありましたように、通産省といたしましては、外務省から昨年の六月連絡を受けて、それに対する回答といたしましては、一昨年のココム事務局長からの照会に対するかなりの調査の結果、不正輸出の事実はないという心証を受けられて、それを改めてアメリカ側に回答したということだと承知しております。
○永末委員 この件はノルウェーの会社が関係を持っております。ココムというのはもともと政府間の問題でございまして、今の期間ノルウェーは何をしたか、御報告願いたい。
○渡辺(幸)政府委員 ノルウェーの措置については、率直に申しまして本年の五月の中旬ぐらいの段階、すなわち日本においては四月三十日に東芝機械に対する警視庁の一斉捜査、それから五月十五日にはたしか通産省の行政処分、それから六月十五日には東芝機械の二名の起訴及び東芝機械自身に対する起訴という時点ぐらい、その時点あたりまではむしろノルウェーの方が対応策が遅かったという状況でございます。その五月、六月ぐらいからノルウェーはかなり果断な措置をとったわけでございます。 具体的に申しますと、ノルウェー政府、司法当局はコングスベルグ社員一名を五月に起訴してございます。それから、六月十七日にブルントラント首相がレーガン大統領に親書を送りまして輸出管理法制の強化を伝えた。それから、六月二十二日に在米のノルウェー大使がアメリカの上院議員全員に対して、それから下院の外交委員会、国防委員会のメンバーに書簡を発しまして、コングスベルク社に対する措置、具体的に申しますとコングスベルグ社は国営の会社でございまして、その対共産圏貿易部門を担当いたします子会社の営業を無期限に停止した、あるいは解体したということと、輸出規制の関連法規の強化の意向をその書簡で在米ノルウェー大使がアメリカの上院議員及び下院の有力メンバーに伝えたということでございます。 ちなみに輸出規制の関連法案の強化の内容でございますけれども、現行の罰則は輸出禁止に関する暫定法でございますけれども、故意のものは六カ月、過失のものは三カ月というものでございますが、それを故意のものを五年、過失のものを二年、それから時効につきましては故意のものを一年から十年に延ばす、過失のものを一年から五年に延ばすという輸出規制関連規定の強化の意向を伝えたものでございます。ちなみにその法案の成立は夏休み前ではなくて秋であるというように承知しております。 さらに六月二十二日、同日、ノルウェーの貿易・海運相が輸出規制強化に関する声明を発表いたしました。そして六月の下旬、相前後いたしましてホルスト国防相、それからストルテンペルグ貿易・海運副大臣が訪米いたしまして行政府及び議会に積極的な働きかけを行ったということでございます。
○永末委員 我が国の外務省は、田村通産大臣が訪米せられるまでアメリカにおいて何かしましたか。
○渡辺(幸)政府委員 アメリカにおいては、この東芝不正輸出問題が日本の安全及び西側の安全に重大なる影響を及ぼし得る問題であるということを前提にいたしまして、その真相究明の状況及び先ほど申しました日本の措置、関係会社に対する一斉捜査あるいは起訴あるいは行政処分の内容をできるだけアメリカ政府に伝え、かつ議会にも伝えてアメリカ側の正確な理解を求めたということでございます。 六月の下旬には外務大臣から米政府関係閣僚に対して日本の対応措置及び今後とるべき措置の内容について概括的な説明をする書簡を発出してございます。さらに田村大臣の御訪米につきましては外務省からも経済局の審議官を同行させますし、現地においては松永大使が田村大臣に常時お快いたしまして対米働きかけをいたしました。 それと同時に、ほとんど同時期でございますけれども、パリのハイレベルの会合がございました。そこに特に北村外務審議官が出席いたしましてココムの関係各国に対して日本のこの問題に対する態度、今後の対策の方向について説明をし、アメリカ側とも意見交換を行ったというのが外務省が行ってきた施策でございます。
○永末委員 今御説明の中に、アメリカ議会に対して何かやったというのですが、何をしたのですか。
○渡辺(幸)政府委員 議会の関係議員、特に日本に理解のある、あるいはいわゆる自由貿易推進派の議員に対して積極的に松永大使以下が働きかけて、アメリカ議会において東芝関連の法案が過激な形をとらないということ、あるいは下院においてはそういう法案が通過しないように働きかけるということでございます。
○永末委員 にもかかわらず東芝のラジオですか、これをアメリカの国会前でたたきつぶしたり包括貿易法案の中に東芝制裁の規定が入れられたり、外務省の活動は効果がなかった、こういうことですか。
○渡辺(幸)政府委員 御指摘の外務省の活動の効果を量的に評価をすることはなかなか難しいことだと思いますけれども、今後とも日本のこの問題に関する再発防止策の検討の進展に応じ、それを遅滞なく米国関係者に伝えて、アメリカの先ほど申しましたような保護貿易主義的な色彩の強い法案、なかんずく東芝機械との関連における制裁法案等についてよりよき理解を求めてまいりたい、かように思っております。
○永末委員 外務大臣、今一連の説明の中でノルウェーは国防大臣をアメリカに派遣をいたしておりますね。六月二十二日と承りました。我が国は七月十四日に至って通産大臣がアメリカを訪問いたしておる。これを受け取るアメリカ側からすれば、アメリカの国防省の者がずっと前にやってきてこの問題の重要性を日本政府に伝えたと彼らは思っているに違いない。ところがそれに対する日本政府の反応は今のような姿である。 外務大臣は日本政府が自分たちの考え方を十分にアメリカ政府や議会に説明したがごときお話がありましたけれども、そうだろうか。ノルウェーが国防大臣を送っていることを一体どう受けとめておられたのか、外務大臣の見解を承りたい。
○倉成国務大臣 今お話しのとおり、ホルスト国防相が六月下旬に訪米したことは事実でございます。しかしながら日本政府といたしましても外交ルートを通じてあらゆる努力をいたしまして、この問題の重要性を日本政府としては十分自覚をしている、したがって、この再発防止のために最善の努力をし今対応を図りつつあるということを先方には伝えておるわけでございまして、ただいまるる経済局長から御説明したとおりでございます。そして先般田村通産大臣の訪米となってあらわれた次第でございます。 したがいまして、時期のずれが若干あった、向こうは国防相が行った、日本は通産大臣が行ったという問題の相違はございますけれども、我が国としてはこの問題についての重要性ということについては、いささかもノルウェーの政府の認識と我が国の政府の認識と変わるところがないと私は確信いたします。
○永末委員 我が国の政府が安全保障の問題についてややもすればなまぬるい感覚で眺めておるのではないかと見られる行為がいろいろあるわけで、この事件ははしなくもそれを明確に示しておると私は思います。したがって、あなたは今、あっちは国防大臣が行って、時日はちょっと差があったけれども我が方も通産大臣が行ったから重要性の認識は同じこっちゃ、こういう話ですが、僕はそう思わない。 日本政府の方が先に政府を代表する大臣が行って我々の考え方、もし彼らに陳謝すべきところがあれば陳謝しなくちゃならぬが、自由貿易を捧持している我が国としては我が国の考え方があるわけであって――ノルウェーの国防大臣が行一だということは安全保障上の問題として行っておる。通産大臣が日本の国から行ったということは、これは貿易の問題として行っておるのでございまして、私はその辺の彼らの受け取り方には差異があると思います。 そこで伺いたいのは、通産省との間に外為法の改正等々で法定協議をしようといろいろ論議をしておられるようですが、外務省は何を協議しようとしておるのですか。
○渡辺(幸)政府委員 お答えいたします。 現在のいわゆるココム関連の申し合わせを実施する法的な体制は外為法でございます。外為法の運用に関して、国際の平和と安全の維持の観点からいたします輸出管理体制を一層整備することが今度のような不正事件の再発を防止する非常に重要なかなめであるということでございます。 それで、その法の中で、外務省といたしましても外為法の主管官庁、輸出管理の主管官庁であります通産省と密接に相協力いたしまして、今度のような不正事件の防止あるいは不正事件が生じたときの摘発のより迅速なる実施ということを期するために協力してまいりたい。そういうことを法的に何らかの形で表現していただくということが両省間で鋭意話し合いの対象になってきた問題でございます。
○永末委員 貿易管理令の最後にございますココム関連の品目みたいなものを私も見てみましたが、素人では全然何のことかわかりませんね。したがって、法定協議と言っているけれども、現在でも法文の中に役務取引については「国際的な平和及び安全の維持」と書いてある。それを輸出の承認にも書かれようとするのかもしれません。 しかし、書いたからといってどうということはないのであって、法定協議をしようとすれば、現在の通産には最末端の担当は十人しかいない、これを拡大強化しようとするのでございましょうが、外務省も役人をたくさんつくって何かしょうとするのですか。
○渡辺(幸)政府委員 外務省といたしましても、こういう国際の平和と安全の維持の観点からする輸出管理について何らかの役割を果たしたい、より一層の役割を果たしたいという観点から、外務省の担当部局における組織の充実、人員の増強ということを現在検討中でございます。かつ、パリにございますココムにおける我が方の代表陣の充実ということもあわせ検討中でございます。
○永末委員 外務大臣、ココムというのは、それをつくっているのは国際条約に基づくものでもなく、要するに国際的な関係でいえば打ち合わせなんですね。その執行はそれぞれの政府が国内法によってやっておる、こういう仕掛けになっておって、よくわからぬ点がある。だから、今までココムの問題はこの委員会でも再三取り上げられましたが、よくわからぬというところで推移してきておる。それが今この問題でにわかに脚光を浴びておる形で、何とかしなければいかぬとみんな思っておると思うのです。 しかし問題は、専門的にこれをやっている通産省が陣容を強化する。外務省も今の御説明によりますと、何か陣容を強化してやろうと言いますが、そんな機械の専門家、機械といったってありとあらゆるものが入っていますな、ああいう専門の外務省の職員をおつくりになるのですか。何名ぐらいつくったらできるとお考えなんですか、お聞かせ願いたい。
○渡辺(幸)政府委員 委員御指摘のとおりココムリストと称するもの、すなわち貿管令に掲げられている品目のリストというのは極めて技術的に精緻なものでございまして、それを整合するかどうかということをチェックすること自体は大変な技術的能か、専門的能力を必要とするものでありまして、かつ、その必要とする人員の数も非常に多いわけでございまして、通産省と同じような陣容を外務省が持とうということは毛頭考えておりません。通産省の御説明によりますと、本件に関係する承認件数は二十万件ということでございまして、外務省として二十万件を一々通産省から御相談いただくと、外務省の機能、私どもの経済局の機能は多分麻痺するぐらいだと思います。 それにしても何らかの役割を果たしたい。例えば、ココム関連の情報の収集、整理ということについてより充実した体制をつくりたいということでございまして、現在ココム関係の事務が五、六名でございますので、それを数名ふやすということ、あるいは独立の部屋をつくるというようなことを考えております。
○永末委員 もともとこのココムというのは、アメリカが自分の方の輸出をしたくないものの品目をまずつくって、それがもとで膨らんできたわけですよね。したがって、アメリカの方には理由があっても他の国には理由がないものもある。いわんやココムに関連するものであっても、我々が一べついたしましても全く軍事用であるとは思えない品目が山ほど書いてあるわけであります。 いわんや軍事用と申しましても汎用品がたくさんございまして、特にこれからいよいよふえるであろう電子兵器関係、電子機器関係、こういうものはわからぬのでございまして、それを、なるほどアメリカがあんなことを言っておるからチェック機能を増強するのだ、話はわかりそうな気がしますが、しかし輸出という点から考えると、事務が渋滞し期間が延びてわけのわからぬことになるかもしれない。外務省は心配かもしれないけれども、政府は一つなんだから、もっと機能的にやるのが行政改革の趣旨にも合すると思います。 そこで、外務省としては対等でやろうとしているのか。あなたは、政府は一体という原則であなた方の責任を果たす体制をつくろうとしておるのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
○倉成国務大臣 委員もう十分御承知のとおり、ココムの出発点はマーシャル・プランから始まったわけですね。マーシャル・プランでアメリカが援助物資を出したときに、その物資の一部が共産圏へ流れることについての規制が一九五〇年に始まって、そして五二年に日本がこれに参加したという経過があるわけでございます。そして今お話しのように汎用技術と戦略物資と申しますか、軍事技術との区別ということは非常に難しい問題であることも委員御指摘のとおりでございます。 ただ、NATOの参加国、これはアイスランドを除きますけれども、それと日本との十六カ国が集まって、緊密な連絡をとりながらひとつ話し合いをしてお互いに戦略物資の輸出について取り決めをしようという非公式の協議機関でございますから、自由主義陣営の連帯感、そして信頼を高めるという意味において、いろいろ難しい問題があるかもしれませんけれども、緊密な連絡をとりながら、お互いに意見を交わしながら、これは何もアメリカが言うからということではなくて、アメリカの意見に対して反対の意見があればまたその意見をココムの場において相互に相談をし合いながら、その結果出てまいりました申し合わせをそれぞれの国の法律に従って実行していくことが大切ではないかと思うわけでございまして、今回の不幸な事件を契機といたしまして、政府が一体となってこの問題に取り組んでいくことが大事ではないかということで鋭意その作業を進めておるというのが現在の状況でございます。
○永末委員 時間がございませんので、最後に一つだけ伺いたいのですが、国際的な条約や取り決めに我が国が違反すれば相手方に対して陳謝しなければならない。これはそういうものではなくて、それぞれが国内法によって処置をしようということをやっておった。その国内法におけるいわば犯罪事件が起こっておるということでありますが、外務大臣はアメリカに対して陳謝すべき案件だとお考えかどうか、最後に一言お答え願いたい。
○倉成国務大臣 御案内のとおり憲法第四十一条に基づくいわゆる法律事項ではない。それから、憲法八十五条に基づくいわゆる国の歳出に基づく事項でもない。また憲法第七十三条の第三号の批准を要する条約事項でもない。いわば国際的な申し合わせという非公式の協議機関によることでございますから、法的な拘束力はございません。 しかしながら、十六カ国がそれぞれの立場に立って、率直に申しまして現在自由陣営とその他の陣営との一つの力の均衡ということで今日の世界の平和が保たれておるという現実から考えてまいりますと、やはりその申し合わせというのは誠実に守っていくことが国際的な信用を高めるゆえんであり、また我が国の安全保障の面からも大切なことであると思うわけでございますから、こういう不幸な事件については、陳謝という言葉が適当であるかどうかは別にいたしましても、遺憾の意を表するのが当然であると考えておる次第でございます。
○永末委員 終わります。
○山口委員長 次に、松本善明君。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○松本(善)委員 まず、沖縄本島近くの東シナ海航行中のマレーシア船の被弾事件でありますが、海上保安庁は調査もしておると思いますので、その事件の起こりました位置、あるいは米軍とのかかわり、そういう点について伺いたいと思うのであります。 既に報道されておるところでも、鳥島の射爆場から北方約千二キロのいわゆる提供をしている訓練区域外で起こった。しかも破片にはMK、マーク76の字があったということでありますとか、第十一管区海上保安本部が沖縄米海軍に照会した結果、その射爆場付近で当時空母ミッドウェーの艦載機FA18ホーネット戦闘攻撃機がマーク76型模擬爆弾を使って夜間訓練していたこともわかったということであります。 沖縄の現地新聞によりますと、琉球新報では、沖縄米軍筋はこの被弾事件の原因が米軍の模擬爆弾訓練にあったことを非公式に認めた、重要性にかんがみて米海軍の艦隊活動司令部の司令官ガンジー大佐に報告されており、ホワイトハウスにも、また米国防総省にも伝えられたということが報道されておりますが、私の指摘した点にも触れながら、海上保安庁の事件についての報告を求めたいと思います。
○児玉説明員 お答え申し上げます。 マレーシア船籍の貨物船ポメックス・サガの事故の概要を御説明申し上げます。 昭和六十二年七月二十七日午後八時四十二分ごろ、沖縄西方の鳥島の北約十三キロメートルの海上におきまして、台湾から空船で名古屋向け航行中のマレーシア船籍貨物船ポメックス・サガは、国籍不明の航空機からのロケット弾らしきものにより船橋等に被弾しまして、甲板員一名が負傷するとともに、レーダー、操縦装置等が損傷し、航行不能となっております。 同船からの医療援助要請等の緊急放送を受信しました第十一管区海上保安本部では、直ちに現場に巡視船二隻、航空機二機を出動させまして、負傷者につきましては二十八日午前二時四十分ヘリコプターによりつり上げ救助いたしまして、同日午前三時二十五分那覇空港において救急車に引き渡しております。 また、同船につきましては同日午前五時二十分巡視船により曳航を開始しまして、同日午後六時十分には那覇に入港させております。 以上が事故の概要でございます。
○松本(善)委員 米軍とのかかわりはどうですか。
○児玉説明員 このポメックス・サガの船内において発見されました模擬弾の刻印等によりますと、米軍が使用しているものと思料されます。詳細につきましては米軍の調査待ちといったことになっております。
○松本(善)委員 既に報道されていることがいっぱいあるのにもかかわらず国会にそれが報告されない、非常に遅いというのは大変遺憾だと思うのであります。 外務省に伺いますが、この場所は鳥島射爆場の北方十三キロ、これは先ほど領海というお話がありましたが、訓練区域外だと思いますが、このことと、それからこの危険きわまる演習をなぜ提供区域外で行うことができるのか、その根拠について伺いたいと思います。
○藤井(宏)政府委員 被害船のポメックス・サガ号の報告によりますと、本件事故発生位置は北緯二十六度四十二分東経百二十六度五十二分ということで、もしそういうことでございますれば、ただいま委員御指摘のように、これは提供しております訓練地域外でございます。 ただ、この点については現在詳細調査中ということでございます。
○松本(善)委員 我々の調査では、このサガ号に撃ち込まれましたマーク76模擬爆弾といいますのは、核爆弾投下用にも使われているものであります。マーク76模擬爆弾は別名BDU33と呼ばれておりまして、これは核爆弾の自由落下方式による投下と同じ弾道特性をとって落下するようにつくられており、このために米軍の航空部隊はこの模擬爆弾を核爆弾の標的命中精度を向上させるためにも使ってきたものであります。今度事件を起こしたと考えられております空母ミッドウェーのFA18ホーネット戦闘攻撃機自身が核爆弾のB57、同じくB61をそれぞれ二個ずつ積載して核投下任務につくことができることはよく知られているところであります。 今回のこの訓練をしておりましたFA18機は核攻撃訓練を行っていたという可能性も否定できないのでありますが、この点も含めて調査をして国会に報告していただきたいと思います。そして、先ほどは米軍の回答を待っていろいろ対処方法を考えるんだということでありますが、私が先ほど申し上げましたとおり、非公式に米軍はもう認めている。米軍がやったという以外には考えられない事件であります。私は外務省の対応は大変遅いと思うのでありますが、一体いつその回答は来るのか、私の申しました点も含めて報告をしてほしい。 それから訓練区域外でどの程度の演習が行われているかということも今わかればお答えいただきたい。
○藤井(宏)政府委員 本件に関しましては、事故発生以来直ちに外務省に通報がございまして、関係方面にも通報いたしまして、外務省は米側と話をしてきておるわけでございます。さらに、今までの御答弁で明らかなように、若干の点について事実関係を調査している点もございます。 ただいま、先ほどでございますけれども、米軍は、ポメックス・サガで発見された弾頭二個は二十七日の訓練で米海軍により使用されたものであるということを確認いたしました。非常にテンポ速く調査しております。それが第一点でございます。 第二点は、先ほどの御質問に私全部答えなかったわけでございますけれども、冒頭の御質問にございました、地位協定の関係は一体どうなんだということでございますが、これは先ほど冒頭に述べましたように、事故の発生地点が正確にどこであるかということを現在調査中でございます。仮にポメックス・サガが言っておりますように訓練地域外であるといたしますれば、それは遺憾なことであり、地位協定上、この種訓練を訓練地域外で行うことは認められないというのが我々の態度でございます。 もちろん在日米軍がその訓練を、まあ訓練といってもいろいろな態様があるわけでございますが、すべて施設、区域の中でのみ行わなければいけないということは必ずしもございません。訓練によりましては地域外、施設外におきまして行い得るということもあるかと思いますけれども、このように地上あるいは海上の安全に直接影響します射爆訓練を訓練地域外、提供地域外におきまして行うということは、先ほど申しましたように極めて遺憾なことであるということでございまして、この点について、事実関係がはっきりいたしますればそれなりの対応をしていくということでございます。 それから、先ほどの御質問の訓練空域外における訓練にどのようなものがあるかというようなことでございますが、これはもちろん先ほど申しましたように訓練というものが明確でございません。例えば単純なる飛行訓練というものをどこでやってもいいというようなことは、極端なケースでございますがあると思いますし、今回のようなケース、地上の安全に直接かかわり合うというようなこともございますので、一概に申し上げられませんし、また米軍の個々の運用にかかわるということでございますので、訓練地域外で何件、どういうふうに、いつやっておるというふうなことを全体として総括的に把握しておるわけではございません。
○松本(善)委員 これは安保条約のもとでの米軍基地のもたらす危険というものを本当にまざまざと示したと思うのです。 外務大臣にも伺いたいのですが、現地の新聞は「沖縄の海は”戦場”か」という社説を、これは沖縄タイムスでありますが、出しまして、そしてその中では、 沖縄周辺はマグロなどの好漁場であり、多くの漁船が日夜操業している。また、同海域は貿易国の日本にとって物流のルートをなし、中東と日本を往来するタンカーほか貨物船の海上交通が頻繁である。その近くに軍事訓練空域や水域があり、今回のような事件が影を落とすということでは、とんでもないことだ。関係当局は、何よりも漁船や船舶の安全を取り戻すことに全力を挙げるべきだ。 と指摘をしております。 現在、沖縄の近海や上空には三十一カ所の軍事用演習水域があり、また十五カ所の軍事訓練空域があります。復帰後十五年もたちながら、まだ全面占領時代の沖縄とほとんど変わらないような米軍の過密地域が沖縄には依然として残っている。そこにやはり根本の問題があるのじゃないか。こういう事態が続いているということは、やはり政府の安保条約堅持政策の結果だと私は考えるのですが、この事件について外務大臣はどうお考えになるか、御答弁をいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 今回の事件は、先生お話しのように大変不幸な事件でございますし、またあってはならないことだと思っております。したがいまして、我が国の領海を航行する船舶の安全が確保されなければなりません。 また、米軍は訓練を行うに当たり、一般船舶の安全に影響ないように現地で船舶が存在しないことを確認を行う等安全確保については万全を期すべきものと私ども思うわけでございます。 したがいまして、本件につきましては、先ほども政府委員からお答え申し上げましたとおり、引き続き事実関係の確認の調査が行われるものと考えておりますが、有事実関係の確認を待って我が国政府としては米側に対して厳正に対処する一方、このようにあってはならない事故の再発を防ぐための万全の措置がとられるよう米側と協議いたしたいと存じておる次第でございます。
○松本(善)委員 外為法の改正問題が本委員会でもきょうもずっと議論をされたわけでありますが、国際的な平和と安全の維持条項を外為法四十八条にも入れるということでございます。 外務大臣にいろいろお聞きしたいのですが、その前にちょっと実務的なものを通産省に聞いておこうと思うのです。 貿管令の別表はもちろんココムの規制品目に基づいてつくられているのだと思うのですが、この許可をするかどうかというのは、結局ココムのリストに基づいて、先ほども少し触れておられましたけれども、技術基準に合致するかどうかという判断をする、そういうことになって許可をするかしないかということを決めるのだと思うし、それから場合によってはココムの本部に送って、いわゆるパリ送りというのをやって、そしてそこで決めるというふうにして運用されているのではないかと思いますが、その実情をお話しいただきたいと思います。
○村田説明員 お答え申し上げます。 結論的に申し上げれば、先生のおっしゃられたとおりでございます。貿管令の中に書き込んである技術基準は必ずしも十分ではございませんで、もともとのココムリストは非公開になっておりますけれども、あの貿管令の技術基準プラスのアルファのところで私どもはチェックをする、こういうシステムになっております。
○松本(善)委員 外務大臣に伺うのでありますが、国際的な平和と安全の維持というのは、結局ココムに従って貿易をやるということが国際的な平和と安全の維持に役立つということを言わんとしているのではないか、こういうふうに思うのです。 ココムはNATOの結成に伴って、アメリカが加盟国に対して社会主義国への戦略物資の輸出を禁止させてNATOの軍事的優位を保持しようということを目的として創設したものだと思いますし、日本も安保条約が発効後加盟する、こういう状況になっている。 そうだとしますと、国際的な平和と安全の維持がココムと直接結びつく。これは結局事実上社会主義国を敵視して、我が国が持ってはならない仮想敵国に社会主義国を考えるという政策ということにならざるを得ないというふうに思うのですが、外務大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 いわゆる共産主義圏、ソ連圏に対する戦略物資の輸出について、自由主義諸国で相談をいたしまして規制を加えようということは一九五〇年から始まったものでございます。 その背景といたしましては、アメリカのマーシャル・プランのヨーロッパに対する提供、そのマーシャル・プランの物資が共産圏に流れていくということを防止しようということが発生点といいますか経緯でございます。現在もその仕組みと申しますか、そういう非公式の協議機関としてココムが存在するわけでございますけれども、その背景にありますのは、現在の世界の政治、世界の国際情勢においての東西関係においては、やはり力と抑止といいますか均衡と抑止で支えられているという考え方がございます。ソ連圏に対して戦略物資を輸出するということは望ましくないという考え方が前提になっているということは事実だと思います。
○松本(善)委員 外務大臣、私がお聞きしたのに十分にお答えされていないのですが、要するに、国際的な平和と安全の維持ということはココムの条項に従ってやるべきだということを言っているのではないかということが一つ。 それから、これは社会主義国を事実上敵視をしている、仮想敵国を事実上設けているということになるのじゃないかということを政治家としての外務大臣に伺いたいのです。
○渡辺(幸)政府委員 大臣からお答えがあると思いますけれども、国際の平和と安全の維持ということでココムという非公式の協議機関で申し合わせた内容の規制というものを実施するということは、そのとおりでございます。 他方、それでは国際の平和と安全の維持の観点からする輸出の規制というものがすべてココムだけかというと、必ずしもそうでないということは言えるかと思います。
○松本(善)委員 大臣にお答えいただきたいのですが、ついでといいますか、もう一つ聞きたいと思います。 我が国の平和と安全をどのようにして守るかということについては、憲法前文は、「日本国民は、恒久の平和を念願し、」「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」憲法の精神は、やはり敵対国をつくらない、社会主義国のように体制が遣おうとその国を信頼して、そして平和国家として生きていくというのが日本の生き方である。 そういう点で言うならば、軍事同盟を背景にして、NATOとか日米安保条約を背景にして輸出規制を強化していく、ココム体制を強化していくというのは、憲法の精神に反するのではないか。先ほどの質問に対する御答弁とあわせてお答えいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 今先生からお話しの後段の点でございますけれども、日本国憲法の精神についてはもう先生のおっしゃるとおりでございます。 しかしながら、戦後の世界を振り返ってみますと、百五十以上の紛争ないし戦争、動乱、そういうものが世界各地で起こっておりまして、現に石油の輸入について日本と大変関連の深いイラン・イラク紛争というのは泥沼のような状況になっておるわけでございます。憲法の精神が世界各国の人に全部守られれば、もうそれは一番理想的なことでございますけれども、現実の世界はそうなっていないということをやはり我々は認識しなければならないし、我々はそういう間違いは許されません。 一億二千万の国民の生活を守っていかなければならない、国の安全を守っていかなければならないということでございますから、やはり空気や水のように考えている国の安全という問題について、もっと国民のコンセンサスを得て考える必要があるのじゃなかろうかと実は私は考えておる次第でございまして、残念ながらその点は先生と意見を異にする次第でございます。 前段の問題については、今経済局長から申し上げましたとおり、第二十五条の役務、そしてまた第四十八条の物、これについての規定のやり方が違っておりますけれども、御案内のとおり今は物の中にも随分ソフトが入ってきておるというような状況で、大分実情が変わってきておるわけでございまして、ココムだけが、世界の平和と安全という問題でそれがすべてであるというふうには考えていないわけでございます。したがって、我が国独自の立場で武器輸出の禁止もいたしておりますし、やはりいろいろな点でそういう検討がされてしかるべきだと思う次第でございます。
○松本(善)委員 経済局長の答弁も含めまして、ココムが国際平和の安全ということの判断の一つになる、これはなかなか重大な答弁だと思いますし、社会主義国を事実上敵視することについては反論もありませんでしたので、私は、全体として軍事同盟強化策になることは明白だと思うのですね。私たちは、軍事同盟はワルシャワ条約機構も含めて世界的に破棄するということを目指しているのですけれども、日本はそういう方向に外交政策を進めていくべきであるということを指摘して、次の質問をしたいと思うのです。 この問題では、やはり外為法一条の貿易自由の原則、これは東京地裁のココム違法判決でもこの点を重視しておるわけですし、一条は変わらないわけですね。しかも、必要最小限の場合にだけ管理、調整をする。貿易を禁止していいということは一言もないですね。ココムは事実上貿易を禁止することになっていく場合もあるというふうに私は思います。どの国でも、これは体制のいかんにかかわらず、どことでも貿易をすることができるのは経済主権の内容だと思う。それは国として守らなければならぬ。憲法の原則もそうだと思うのです。そういう点からいいますと、今度の措置は本当に危険きわまりないものではないかと思います。 私はこの点について伺いたいのですが、事実関係をちょっと聞いておきたいのです。 先ほど来も言われておりましたが、貿易について重大な影響が起こっている。審査のおくれその他も出てきている。例えば、カメラ用の電子部品が、一部に人工衛星に使われる素材が入っているという理由で非該当証明が出にくくなったり、規制品目ではあるけれども、軍事用などに転用される可能性のないワープロやパソコン用の半導体まで輸出承認がおくれている。これは規制品目に入っていることは明白で、許可なしに輸出すればやはりひっかかるわけです。 そこまで来たら、運用次第では社会主義国向けの貿易は終わりになってしまう。だから商談もどんどんあきらめている。断念している。各社とも、今後は審査に半年から一年は覚悟をしなければならない、パリ送りになればさらに時間がかかる上、ココム違反事件で各国政府が神経質になっている現状では輸出が認められる可能性は少ない。審査に時間がかかって納期に間に合わず、違約金など払わされるのが落ちで、商談はあきらめた方がいい。大手商社でさえもそう言っているのですよ。 これは、事実が明白に貿易の自由を侵害していると思うのですね。私は、それが外為法で改悪をされていくならばさらに強まる、こんな大改悪はないと思うのです。この貿易自由の原則が国際平和の安全という名目でココムによって規制されている、言いかえるならばココムの範囲内で貿易の自由が認められるということになると、これは逆転だと思うのですね。これはまことに重大です。 しかも、ココムについては真っ正面から国会で議論されないで、秘密協定だ。そして外為法の改正という形でこの大問題がやられるということは、日本の政治の上では非常に重大なことだと思うのですよ。外務大臣、どう考えますか。
○倉成国務大臣 貿易は元来自由であるべきである、そして、世界じゅうの国が自由に物資の流通をして有無相通じていくということは基本的な立場でなければならない、そうあってほしいと私は思います。 しかしながら、一方において、御案内のとおり世界の平和が東西関係の力の均衡、抑止力ということで成り立っておるという現実、これも直視しなければならないと思うわけでございまして、ココム参加国の十六カ国がそれぞれ非公式ではありますけれども協議をいたしまして、こういう物資についてはひとつ共産圏に対する輸出を見合わせようということは、私は決しておかしいことではない、今日の世界の現実から考えておかしいことではないと思うわけでございます。 その規制のあり方について、各国それぞれの法制、それぞれの立場でどういう規制のやり方をし、どういう法律によってするかということを決めておるわけでございまして、日本において外為法でそれをやっていこうということは決して間違ったごとではないと存ずる次第でございます。
○松本(善)委員 これは非常に重大なことで、倉成さんが大蔵政務次官をやっておられたころに、覚えておられるかどうかわかりませんが、水田さんが、これは独立の法律でやるべきだということを言っているのですよ。立場は違うけれども、ある意味での正論だと思います。こっそり外為法の改正というようなことでこんな重大な問題をやるということは本当に許されないと思うのですね。 西ドイツのスタンダード・エレクトリック・ロレンツ社がハンガリー向けにデジタル式電話交換機システムの売却をしたときに、西ドイツ側の反論が、私は本当に傑作だと思うけれども、今は汎用品がうんとふえてきているから、もしこの売却事例が軍事用通信システムに転用されるおそれがあるというなら、同じように米国の小麦は現にソ連兵を養っているのではないか。どう思いますか。これこのとおりじゃないですか。 日本は屈服して、アメリカの言うことをもう何でも聞いている。まさにココム内のタカ派になろうとしているというのが実情だと思います。これは外務大臣が日本の将来ということ、日本の貿易ということを考えて、やはり真剣に考え直さなければならぬというふうに思います。 私はちょっと実務的なことを通産省に聞いておきたいのですが、中国に対して、今このココムの規制はどうなっておりますか。
○村田説明員 中国に対しましては、他の共産圏諸国とやや扱いが異なっております。 簡単に申し上げれば、比較的緩目に輸出ができる、こういうことになっておりまして、これはココムの申し合わせに従ってそういう運用をしているわけでございます。
○松本(善)委員 アメリカは中国を西欧や日本と同じVグループに格上げをしたし、それから今お話があったように、八五年二月のココム協議で中国向けの規制緩和を図るということを決めておるわけであります。これは通達でやっていますか、事実上の取り扱いで中国は緩めているのですか。
○村田説明員 事実上の取り扱いでやっております。
○松本(善)委員 これはやはりこういうようなことが事実上の取り扱いで中国向けも変わっていくということになったら、商売をする、貿易をする人は本当に困りますよ。これはいつ変わるかわからない。本当に私は貿易問題にとって重大なことだと思う。 外務大臣に二つお聞きしておきたいのですが、一つは、中国だけが社会主義国の中で特別扱いをされている。アメリカなどは日本や西欧のような軍事同盟を結んでおる国と同じように扱っている。これは一体どういうわけなのだろう。安保条約や自衛隊を中国が認めているからということ以外には私には考えられないと思うのだけれども、我が国もこれを緩めている。これはなぜなのか。これが一つ。 それから、先ほどから申し上げておりますような貿易の自由ということとの関係で非常に重大なことがやはり起こりそうになっている。この問題について、先ほど私が言ったことについての反論があれば、伺いたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 第一の質問の点、すなわちココムないし日本の貿管令上、中国の扱いが他の共産圏と違うではないかという点でございます。その点は、東西関係における中国の位置する位置の性格によるものだと思います。 それから第二点の、社会主義国云々というお話については、ココム対象国とすることが敵視政策であるというようには考えておりません。
○松本(善)委員 大臣、ございますか。
○倉成国務大臣 ココムでいろいろ相談した結果中国に対する取り扱いは決まっていると思いますし、またいろいろな取り決め、申し合わせをしたからといって、すぐ敵視政策であるというふうには私は考えないわけでございまして、だんぜん世界が大きく変化していき、また共産主義の国々もいろいろな機関に参加するというようなことになってきて、世界の現在の情勢がだんだん変わってくれば、おのずから松本委員のおっしゃったような方向に動いていくと思いますけれども、残念ながら、現実の、現在の時点の状況においてはやむを得ない措置であると考えておる次第でございます。
○松本(善)委員 これで質問を終わりますが、私は、SDIとの絡みで、SDIと、それからココムの規制の強化というのはレーガン政権の政策目標として定着をしてきた。それに日本は両方とも参加していく、積極的に応じていく。これは宇宙へも核軍拡を広げていく、それから貿易の自由も制限していく、日本を本当に危険な方向へ進めていくものだということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。 ――――◇―――――
○浦野委員長代理 次に、第百八回国会内閣提出、国際緊急援助隊の派遣に関する法律案を議題といたします。 政府より提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣倉成正君。 ――――――――――――― 国際緊急援助隊の派遣に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○倉成国務大臣 ただいま議題となりました国際緊急援助隊の派遣に関する法律案について御説明申し上げます。 我が国は、従来、海外において大規模な災害が発生した場合には、被災国が緊急に必要とする資金の供与、医療チームの派遣等により対応してまいりましたが、六十年九月のメキシコ地震、十一月のコロンビア火山噴火に対する援助の経験等を踏まえまして、同年末より、特に災害緊急援助のための「人の派遣」につき、救助人員の派遣を含むより総合的な形での国際緊急援助体制の整備を進めてまいりました。 今回提案の法律案は、我が国としてその国力にふさわしい国際的責務を果たすため、海外における大規模な災害に対し、緊急の援助活動を行う人員を国際緊急援助隊として被災国に派遣するに当たっての根拠及び手続等を明確にし、その派遣体制を一層整備することを目的とするものであります。 具体的には、被災国政府等より国際緊急援助隊の派遣要請を受けた外務大臣からの関係行政機関の長への協力要請、関係行政機関、都道府県警察、市町村消防の協力、外務大臣の命令に基づく国際協力事業団による国際緊急援助隊の派遣等の措置を規定いたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○浦野委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、来る三十一日金曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十七分散会 ――――◇―――――