運輸委員会 第5号
- 発言数
- 267 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/08/26
会議録
○鹿野委員長 これより会議を開きます。 陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、航空に関する件について、関西国際空港株式会社代表取締役社長竹内良夫君、また、陸運に関する件について、日本鉄道建設公団理事向井軍治君をそれぞれ参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○鹿野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。二階俊博君。
○二階委員 関西国際空港は、昭和四十三年に運輸省が調査を開始して以来、実に二十年に近い歳月の来ようやく着工し、関西地域の期待はもとより、内外の航空需要の増大にこたえるために政府及び地方自治体、経済界、さらには特に本日御出席の関西国際空港の竹内社長以下一丸となって取り組んでおられる姿に、まず敬意を表したいと思います。 早速お尋ねいたしますが、経済摩擦の解消という美名のもとに、アメリカを初め韓国、ヨーロッパ等から工事等に参入を求め、次々に無理難題と思えてならないようなことを空港会社へ持ち込んできておるとの印象を持っておるものでありますが、直接交渉に当たっておられる竹内社長はこのことをいかに受けとめておられるのか。また、関西国際空港は一体何のためにこれを建設しようとしているのか。国や公団のような公的機関ではなく何ゆえに株式会社方式をとったのか。関西の地元の意向が建設並びに運営により強く反映されることを期待して地方公共団体や民間の出資もしているわけでありますから、地域の意向がより強く反映されてしかるべきであると考えますが、私は、近ごろはアメリカの意向の方がより強く反映されようとしているのではないかと憂慮するものであります。先般の日米実務者レベルの協議においても、新聞を飾る見出しはいずれも譲歩、譲歩であります。 この際、竹内社長に改めて伺いますが、関西国際空港の建設に当たって何が最も重要なことであると考えておられるのか。あわせて、このような状態で六十八年三月開港という当初の計画が果たして計画どおり運ぶのかどうか、その見通しと御決意のほどを最初に伺っておきたいと思います。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○竹内参考人 関西空港株式会社社長の竹内でございます。 私は、関西国際空港株式会社の社長といたしまして、この空港を機能的、効率的なものといたしまして、低廉しかも予定どおりの期間内に完成させることを任務としております。御指摘のございました外国企業の工事、物品調達への参入の問題は、これはひとり当社、関西空港株式会社だけの問題にとどまらずに、現下の日米貿易摩擦の象徴的問題の一つとして受けとめざるを得ないものと考えております。これは過去の交渉経過、交渉経緯からも、また今回のスマート次官の、例えば関西国際空港問題は日本市場の開放性をはかるリトマス試験紙であるというような発言がございましたように、その点は明らかであると思っております。その意味におきまして、当社といたしましても、内外無差別、公平で透明な契約手続を進めることは極めて重要なことと認識している次第でございます。 一方、昭和六十八年三月開港の目標は守らねばならないものでございますし、また株式会社として経済的、効率的に事業を遂行していくことが必要でございます。したがいまして、これら諸般の事情を十分考慮しながら、全力をもって、誠意をもってこの問題に対処してまいるべきものだと考えております。 また、関西国際空港の建設に当たって何が最も重要と考えるかという御質問に対しまして、関西国際空港株式会社は、民間会社として公的施設である空港を建設し、将来それを経営していくという我が国で初めての試みでありますが、建設に当たってまず第一に考えなくてはいけないことは、運輸大臣から御指示のございました、機能的にも効率的にもすぐれた国際空港として昭和六十八年三月までに開港する、そのことが最重要な課題であると考えております。このためには内外のすぐれた英知を結集して活用していきたいと考えております。 第二に考えることは、利用者の利便の確保を図りながら経営的に十分成り立つ空港つくりを目指したいという点でございます。このために都市機能等を導入いたしまして、従来の空港とは一味違う価値と魅力を持った空港の建設、運営を目指していきたいと考えております。 第三には、環境に与える影響等に十分注意を払いながら建設を進め、また将来の空港を考えるとともに、この空港と地域社会との共存共栄を図っていくということが最も大切なことでないかと考えております。 六十八年三月開港は大丈夫か、そのことはどうかという御質問でございますが、現段階におきましては、漁業補償交渉等で予定よりも約十カ月おくれた着工になっております。したがいまして、六十八年三月開港という目標は容易ならざる達成目標でございますが、護岸、連絡橋、埋め立て、空港施設の各建設段階で工期の短縮を図りまして、目標達成のためあらゆる努力を尽くしてまいりたいと考えております。 また、今回の米国との契約手続等に関する協議の結果、この新しい契約手続等は、従来私どものとっていた契約手続等に比べまして複雑な面がございますが、こういう複雑な面を克服して、開港がおくれることのないようにいたしたいと考えている次第でございます。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○二階委員 先般の日米協議において見積もり期間を現行二週間を四十日に、さらに六十日にするというアメリカ側の強い主張に、日本側は工期のおくれにつながりかねないとの懸念を持ちながらアメリカの要求どおりしたということが新聞に出ておりますが、このことが事実とすれば、関西国際空港や運輸省は、日米の経済摩擦の解消のためにという高い立場に立って進んで了解されたものか、あるいは外交優先で押し切られたものか、この間の事情について交渉に当たられた政府側から答弁を願いたいと思うわけであります。 国会や多くの株主の意向、地元の地方公共団体の意見等は全く無視してこうした決定がなされたことはまことに残念だとしか言いようがありません。アメリカに言われて押し切られて、また韓国、ヨーロッパ、いずれ中国からも言ってくるかもしれない。工期のおくれにつながりかねないような懸念を持つこうした決定、しかも関空本体がおくれることは、閣議了解もされておる、関係閣僚会議でも既に決定を見ておる地域整備計画にも少なからぬ影響を及ぼしかねない、こういう重大な決定であります。一体だれの責任でこのような決定が最終的になされたのか、一応お伺いをしておきたいと思います。
○山田(隆)政府委員 関西空港の問題につきましては、ただいま竹内社長からお話がございましたけれども、私どもといたしましては、アメリカからの話につきましては、当初の完成予定を絶対におくらすことがないように、これが優先課題でございます。そういう考え方のもとにこれまで日米間で協議を行ってきたところでございまして、今回の協議の経緯を申し上げますと、八月十四日から二十日にかけましてスマート米商務次官それからファーレン同じく商務次官代理、ほかのアメリカの政府代表と、関西空港プロジェクトへの米企業の参入問題につきまして、当方は外務省、建設省も入れまして三省でもって協議を行ったわけでございます。 この協議におきまして米側からは、関西空港株式会社の入札手続等に関しまして、まず第一に、仕様決定前に外部からの意見を聞く機会を設定してほしい、それから第二に、見積もり期間の延長をしてほしい、三番目に、外国での実績等を評価してほしい、四番目には、公正中立な異議申し立て制度の確立等について所要の措置を講じてほしい、こういうような要求があった次第でございます。これに対しまして日本側といたしましては、工事の進捗に影響を及ぼさない範囲で手続の透明性を確保するという観点から、とり得る最大限の措置につきまして関空会社とも十分意見の交換を行いまして、その検討の結果を踏まえまして、可能なものにつきまして米側の要求を入れることとしたわけでございます。 私どもといたしましては、従来、中曽根総理が前の商務長官ボルドリッジと会われました際に、アメリカ側に対しまして、外国企業と日本企業とは無差別に取り扱う、外国企業に対しても公平な競争の機会を与えるというふうなことを言われたわけでございまして、そういう観点から関西空港会社として、工期に支障のない範囲内でできることをやらせるということでございまして、アメリカ側の要求を受け入れたからといって、決してこれが工期のおくれに響くというふうには考えておりませんし、また日本側の考え方を決定するに際しましては、関西空港会社の意思というものも十分尊重して考えておる次第でございます。
○二階委員 関西国際空港の問題について外務省の見解を伺っておきたいと思います。 いろいろな経緯があって今日会社が設立され、そして着工に入っておる。関西地域の意気込みも大変なものがあるわけでございますが、こうして種々の困難な問題を乗り越えて進んでおる最中に、突然のごとくアメリカ側が、受注ができないと議会の保護主義の炎に油を注ぐなどというおどかしをかけてくる。私は、これは全く筋違いのことだというふうに考えておるわけでございます。さらにまた、今航空局長から御答弁がございましたが、アメリカの国会議員の中には、何度も中曽根首相から確認をとっているのに改善が見られないなどということを言っておるわけでありますが、私は、今の航空局長の答弁が筋だと思いますが、中曽根首相が、アメリカの国会議員が言うような、いわゆるそれらしき言質をアメリカ側に与えたことがあるのかどうか、これを外務省から伺いたいと思います。
○田中説明員 お答え申し上げます。 外務省としての問題認識もただいま航空局長がお答えいたしたのと同じでございまして、確かに現在の日米の六百億ドルに上る貿易不均衡というものが遺憾ながら背景にございまして、米国の議会におきましては、包括貿易法案ということでいろいろなことが日本との関係で口実になり、非常に厳しい法案が審議をされようとしておる。こういうものが一般的な背景にございまして、日本といたしましても、いわゆる自由貿易、国際貿易体制から非常に大きな恩恵を受けておるということがございますし、やはり日本としてできるだけのことはやらなければいけないという基本的な認識に立っておるわけでございます。 委員御指摘の、中曽根総理の御発言につきましては、これも航空局長の答弁のとおりでございまして、昨年の七月に現在亡くなりましたボルドリッジ商務長官が訪日いたしました。その際に総理が言われたのは、日本として公正かつ無差別な競争の機会は与えましょう、他方、アメリカの企業にあっても日本の制度上必要なことは尽くしてもらいたいし、かつ企業努力というものを十分していただきたい、こういうことを申しまして、かつ昨年の十二月にマコースキー上院議員が日本に参りましたときも同じようなことを言っておられるわけでございます。したがって、あくまで公正かつ無差別な競争機会を与えるということ、それが日本の基本方針としてあるわけでございまして、アメリカの企業の受注をギャランティーするとかそういうことでは一切あり得ないということでございます。
○二階委員 よくわかりました。今日の日米貿易摩擦は、いろいろ言いますが、私はこれはまさに技術格差がもたらしたものと考えております。安くていい製品はいずこの国の国民も求めておるものであります。今回の国際空港がいよいよエンジンを全開させてようやく快調に離陸しようとしておるときでありますから、外務省の今の考え方もわからないではありませんが、少しばかりの関西国際空港の仕事を与えてみても、経済摩擦の解消にはそう大して役立つとは私は考えておりません。結果は工期がおくれたという事実だけしか残らないのではないかということを危惧するものでありますが、今後の日米の交渉に当たって、そういう点についてはただいまの御答弁を踏まえて十分対処していただきたいと思います。 そしてまた、日米の外交の重要性、経済摩擦の解消に努力する、あるいは友好国として困っているときには助け合う、これは極めて当然のことだと思います。しかし、時間がございませんから詳しく申し上げませんが、例えば捕鯨の問題一つとってもそうなんです。アメリカの極めて理不尽な主張や宣伝やおどかし、これに外交当局はなすすべもないではないかという感じを私は持っております。かねて市場開放の象徴的なものとして金属バットが言われました。一騒ぎあったわけでありますが、市場開放の後、果たしてアメリカの金属バットがいかほど日本に入ってきたか、そしてアメリカの赤字解消にどの程度役立ったのか。鯨といい、金属バットといい、友好国としてもう少し実情を事前にしっかり説明をしてやる親切、そして相手の言いなりになることが真の友好を深めていく上で必ずしもいい結果をもたらさない、これを考えていただきたい。 関西国際空港の問題はもう既に離陸しておるわけでありますから、これを余り深追いをしてきてもアメリカのためにもよい結果をもたらさぬということをやはり外務省はここらで表明をすべきじゃないか。他のプロジェクトへの参加の突破口にも考えておるとかといいますが、それをどのように受けとめておられるのか、もう一度外務省にお尋ねいたします。
○田中説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、外交を行っていくに当たりまして、まず日本の実情というのを相手によくわからせる努力をしなければいけないということはまさに御指摘のとおりでございまして、私どもも私どもなりに、現在の関西空港プロジェクトをめぐる日本の実情というものを実は機会があることに米側にも説明をしておるわけでございます。関西空港会社においてもセミナーを行っていただきましたし、まさに専門家の見地から空港プロジェクトがどういうものであるかという説明をしていただいたわけでございます。それ以外にも、総理の訪米あるいは外務大臣の訪米の機会をとらえ、議会との対話、あるいは大使館を通じまして各種の機会にいろいろ話をしておるわけでございます。 私も、関西空港プロジェクトにつきまして、実は米側が当初考えていたことよりはアメリカ自身の考え方もかなり変わってきている、関西空港プロジェクトについてなぜこういう方式で空港プロジェクトをつくるか、あるいはそのタイミングがどうかということも含めて、恐らくそれなりにアメリカ側の理解は進んできているというふうに考えております。他方、あくまでアメリカ側の要求につきましても是々非々ということでございまして、彼らアメリカの、必ずしも手続が公明正大になっておるからということで企業の受注がふえるわけではない。 他方、先ほど竹内社長からも答弁がありましたように、関西空港といたしましてもできるだけすぐれたものを使う、国際的にすぐれたものを使っていくということはまさにプロジェクト自体にとりましてもプラスでございますし、そういう観点から、建前というか、表面的に見ましても、きちんとした透明な手続をとっていくということを大前提といたしまして、できるだけ国際的にすぐれたものを使っていくということでございましょうし、今後ともそういう方針で対処していくつもりでございます。
○二階委員 この際、運輸大臣にお尋ねします。 日米協議で、我々は新聞等の情報で知る限りアメリカ側の主張に押し切られたというふうな感じがしてならぬわけでありますが、アメリカ側はこれに対して一応の評価をしたとかなんとか言っておりますが、運輸大臣としてこれらのことをどのように評価しておられるか、簡単で結構ですから御答弁をお願いしたいと思います。 なお、内外の航空需要、つまり二十四時間空港の建設に対して大変な期待が高まっておるわけでありますが、今後の国際航空路線の拡充に関しても大臣の御方針をあわせてお答え願いたいと思います。
○橋本国務大臣 今我が国は三十八カ国との間に航空協定を締結をいたしておりますが、同時に、我が国との間に航空協定を締結したいという要望をお持ちであるのにもかかわらず我々がこたえていない国の数は三十九カ国に上っております。これはいろいろなこれからの問題があるわけでありますけれども、航空協定の締結に踏み切れないでいる相当数の国を抱えている大きな原因の一つは、我が国の空港事情にあることは御承知のとおりであります。 現在、新東京国際空港の完全空港化に向けての工事が進められておりますが、これが完成をいたしたとしてもすべての需要に到底こたえられる状況ではございません。それだけに、関西国際空港というものにかける私どもの期待というものは極めて大きく、予定どおりの工期でこれが完了することを何としても確保しなければならない状況でございます。 ところが、私が就任いたしました直後から、本当に就任時点におきまして知識がなかった私としては、目を白黒するぐらいアメリカを初め各国からこの関西国際空港に関するさまざまなアプローチが続いてまいりました。そしてその中で私どもが常に言い続けてまいりましたのは、我々はとにかくこの空港を決められた期間内でつくらなければならない、その工事に関して、内外無差別の原則をもって一番いいものを採用していくということは当然だ、しかし同時に、第一段階の人工島をつくる工事は、時間の関係もあってもう御無理です、その後については、我々はどこの国のものであれ、一番よいものを採用するんですと。その基本方針を今日まで貫いてまいりました。 ところが、その途中で私が意外に感じましたのは、日本のルールを各国が研究をしておられない。殊にアメリカが御存じありませんでした。そこで、わざわざ関西国際空港会社にセミナーを開いていただいたり、さまざまな説明もしてきたわけであります。そうした中で、話し合える限りの努力を今日まで日本としてはしてきたと私は考えておりまして、全く違った視点から新たな問題が提起をされない限り、我々とすれば出せる回答はすべて出した、これ以上の譲歩というものは、内外無差別ではなく、特定国を有利にする以外の譲歩というものはあり得ない状況であります。 それだけに、今回の協議結果につきまして、アメリカ側は、完全な意見の一致を見たわけではないが、一定の前進だという一応の評価をしておられると聞いておりますが、私どもとしては、やれる努力の最善を尽くしたことでありますから、これ以上の、内外無差別という方針を貫く限り、やり方はございません。これから先、逆に各国の企業というものが我が国の法制度でありますとか手続というものに従って、参入のための真剣な企業努力をしてもらいたい、そう思っております。
○二階委員 会計検査院においでをいただいておりますが、時間もありませんので、簡単にお答え願いたいと思います。 この関西国際空港はもちろん会計検査院の対象となると思いますが、空港の施工管理の方針に、「早く、安く、確実に」とあります。これが遅くて、高くて、不確実なものになった場合、つまり関西国際空港に損害を与えた場合、外国の企業が原因となっても会計検査院は当然厳正に対処すべきであると思いますが、この際、会計検査院の見解を伺っておきたいと思います。
○関本会計検査院説明員 お答え申し上げます。 今先生おっしゃいましたように、関西国際空港株式会社に対しましては会計検査院の検査権限があるわけでございまして、また一方、関西国際空港株式会社の契約の相手方につきましては会計検査院の検査権限は及ばないことになっておるわけでございます。しかしながら、関西国際空港株式会社に対する会計検査の際には、契約の内容、契約締結の方法あるいは契約履行の状況等について十分調査を行いまして、その当不当の判断を行うとともに、経理手続等について迅速かつ適切な是正策を講ずる要があると認められます場合には、これを求めていくことになるわけでございます。御指摘の例のように、契約の相手方がたとえ外国の企業であるといたしましても、日本の企業が契約の相手方である場合と何ら変わることなく、これらの点について厳正な態度で会計検査を実施していく所存でございます。
○二階委員 今後交渉に当たられる政府及び関西国際空港の皆さんにお願いしておきたいのですが、アメリカの代表がしばしば漏らしている言葉に、これを議会に報告するが議会が承知するかどうかわからぬ、このように言っておりますが、こういうことはアメリカの交渉の常套手段であります。しかし、アメリカの議会が承知できないという以前に、日本側の議会の存在もどうかお忘れにならないようにお願いしておきたいと思います。 きょうは時間も参りましたので、日米協議の詳細に立ち入ることはできませんでしたが、私は、委員長にお願いして、日米協議の会議録を資料として御提出いただくようお願いしたいと思うのであります。つまり、アメリカの企業に対しては、入札に参加できなかった人たちあるいは下請を希望する人たちに対して関西国際空港はその紹介の労を惜しまないということをアメリカに提示しておる。では、日本の七百に及ぶ株主、株式に参加をしておるこういう会社、あるいは関西国際空港がわざわざ指名参加の希望があるかということをとったものだから、七千に及ぶ会社が希望しておる。こういう人たちはやはりねじくぎ一つでも、紙切れ一枚でも関西国際空港に参加したいという希望を持っている。これに対しまして内外無差別の原則を貫けるのかどうか。これは、時間がございませんが、社長、ちょっと一言だけお答え願いたいと思います。
○竹内参考人 私は、文字どおり内外無差別、同じように考えていくべきだと思っております。
○二階委員 それでは、先ほどの資料の要求につきましては、委員長に御配慮をいただくことにいたしまして、関西国際空港の竹内社長初め皆様には御苦労さまでございました。早期完成に向かって私どもも協力するつもりであります。心を新たにして格段の御努力をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○鹿野委員長 ただいまの二階君からの資料要求の件につきましては、理事会におきまして後日協議をいたします。 新盛辰雄君。
○新盛委員 昨日、四全総に基づく六十三年度以降の第十次道路整備五カ年計画が自民党の建設部会で報告されたと聞いておるのですが、四全総と高規格幹線道路網計画、この組み入れを含めてどういう内容であるか、御報告を願いたい。
○神谷説明員 お答え申し上げます。 高規格幹線道路につきましては、四全総の目標といたします多極分散型国土の形成を進めていくための最も重要な手段と考えておりまして、二十一世紀の初頭に向けまして全国で約一万四千キロ整備することとしております。このため、その整備に当たりましては、長期的な展望のもとに計画的に確実に整備を進めていくという必要がございますので、四全総の計画期間中、昭和七十五年が目標年次でございますが、そのときまでの整備目標を約八千から九千キロメートルというふうに具体的に定めますとともに、この高規格幹線道路は、地域開発の機動力となります、あるいはさらに交流ネットワーク構想を四全総で標榜しているわけでございますが、その展開を先導していくための最も重要な戦略プロジェクトであるというふうに位置づけております。 したがいまして、国土庁といたしましては、国土審議会の場などを活用いたしまして、しっかりとしたこれの進行管理と申しますか、進行がきちっとされていくようにそういう管理をしていきたいと思います。それと同時に、関係係省庁、特に建設省でございますが、緊密な連絡をとりながら計画の実行を強力に推進いたしていく所存でございます。
○新盛委員 多極分散型の四全総の計画内容については従来も議論があったわけですけれども、内容について具体的に建設の場に当たる建設省が発表されている第十次道路整備五カ年計画の投資規模なり延長キロ、その総額そして着工、完工、こうしたことについて、特に高規格幹線道路の五カ年計画は千六百五十四キロ、そして六十七年度までに開通予定を考えておられる高速道路三十九区間、この内容も既に明らかになっているようでありますが、こうした財源についてどういうふうにお考えか。
○小林説明員 第十次五カ年計画は、総額五十三兆円ということで要求をさせていただくということにさせていただいております。そのうち先生今御指摘の高規格幹線道路の関係につきましては、十兆三千億ということで要求をさせていただいております。その財源につきましては、当然特定財源でございますガソリン税等が中心になろうかと思いますが、高規格幹線道路は大部分が有料道路ということで整備をしていくということもございまして、財投のお金等も適宜有効に使っていきたい、こういうふうに考えております。
○新盛委員 この道路特定財源の柱になっております揮発油税の面で、十五分の四にしてこれを一般会計の方に入れないで道路整備特別会計に直接入れるような財源の取り扱いを今後したい。従来はそういう取り扱いをしていないのですが、新たな問題として出てくるわけですけれども、この財源の確保という、将来のビジョンでありますが、今計画をされている各高規格幹線道路とか一般道路とかすべて含めて、今計画の俎上にのっている分は、大体第十次の道路整備五カ年計画で考えておられるビジョン、いわゆる将来の展望として確実に完工される自信があるのでしょうか。
○小林説明員 ただいま第十次の五カ年計画を五十三兆ということで要求させていただいておるというお話を申し上げましたが、先ほどのお話のように特定財源が主たるものでございまして、この特定財源率は八割ちょっとぐらいではないか、こんなふうに考えております。二割弱のものにつきましては、特定財源でない一般財源を充当させていただくように努力していきたい、私どもこんなふうに考えております。
○新盛委員 具体的に入っていきますが、私は、九州管区の中で特に九州縦貫自動車道路、八代-人吉間の工事の推進、さらには人吉-えびの間の整備促進、これはこの地域だけが残っておりまして、現在の進捗状況ということについて、またいつ着工し、いつ完工の目標を持っておられるか、お聞かせをいただきたい。
○小林説明員 九州縦貫自動車道は北九州から鹿児島、宮崎に至る延長四百二十八キロの路線でございますが、そのうち八一%に当たります三百四十五キロが既に供用済みでございます。先生今御指摘のございました八代-えびの間六十一キロは未開通でございますが、このうち八代-人吉間三十八キロにつきましては、現在まで肥後トンネルという非常に長い六キロ余りのトンネルで水が出まして大変難工事でございましたが、これの開通の見込みもつきまして、六十四年度には開通になるのではないか、こんなふうに思っております。 それから、人吉-えびの間でございますが、これは御承知のように、国道二百二十一号の加久藤トンネルというのをつくりまして、それを利用していただいているわけでございますが、そんな関係もございまして着工がおくれまして、現在該当路線の路線発表等を始めたところでございまして、六十年代の後半には供用開始を図りたい、こんなふうに考えております。
○新盛委員 九州地方における高速自動車道の整備水準は全国に比し極めて低い。そういう意味で、九州を貫く縦貫道路というのは早急に全線開通をさせてほしいという地域住民の切なる願いがあるわけですから、今後も努力をしていただきますが、確かに、九州縦貫自動車道の八代-人吉間三十八キロ区間は六十四年度までに開通するであろう、そして人吉-えびの間は将来の問題になってくるわけですが、それにあわせて、既に四全総の中でも明確になってまいりました南九州西回り自動車道は第十次道路整備五カ年計画の中に入るのか入らないのか。これも早期着工、早期完成ということで期成会ができておりますし、鹿児島、熊本両県の協議会もできているという状況でございますが、この見通しをお示しいただきたい。
○小林説明員 冒頭にお話のございました高規格幹線道路網計画の中に今御指摘の南九州西回り自動車道というものが位置づけられておるわけでございまして、既にこの路線につきましては、一部の区間につきまして国道三号のバイパスというような形で仕事を着工しております。例えば日奈久道路でございますとか鹿児島道路とかというところでございますが、今後も一般国道三号線を自動車専用道路として整備していくという一環の中で積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
○新盛委員 第十次道路整備五カ年計画はきのう発表された内容で進むことになるわけですか。またさらに、今申し上げた南九州西回りの自動車道の問題も御回答ございましたけれども、高規格幹線道路の中で投資規模が大幅に拡大しなければならないわけでありますが、そういうものも含めてどういうふうにされようとしているのか、お聞かせいただきたい。
○小林説明員 総投資規模五十三兆円で十次の五カ年計画をやっていきたいということが建設省の今の案でございまして、これから財政当局と御相談の上規模が決まり、さらには閣議決定等の段取りもさせていただいて決定するということになろうかと思います。しかし、その中で高規格道路を重点的にやっていこうということが建設省の基本的な姿勢でございまして、この辺は一つの大きな柱として計画を進めていきたい、このように考えております。
○新盛委員 運輸大臣にお聞きしますが、これは建設省なり国土庁の全体の計画の中にありますが、輸送を担当する運輸省当局としましても、九州地方開発の一体的な発展のためには産業及び生活の基盤、基礎あるいは客貨の流通あるいはそれの高速化、あなたがいつもおっしゃいますように、今後の中距離あるいは長距離の輸送を含める高速化はもう否定できない状況になっていくわけであります。運輸省としても今後こうした幹線の早期完成を願っておられると思いますが、将来幹線道路、鉄道、港湾、空港、一体的な交通施設あるいは通信施設を積極的に進めるということについての決意をお聞かせいただきたいと思うのです。
○橋本国務大臣 私は、国土の均衡ある発展を遂げていく過程において、高速鉄道もまた高規格の高速道路も、そして航空輸送、海運輸送がそれぞれ与えられた役割をきちんと果たしていくことは当然必要なことだと考えております。運輸省といたしましてもその役割を十分果たしていく、そのつもりであるということであります。
○新盛委員 次に、新幹線の諸問題について触れてみたいと存じます。 中曽根総理が希望の灯は消さない、整備新幹線五線について凍結解除を図る。あるいはことしに入りまして、昨年来続いております財源問題についても、整備新幹線財源問題等検討委員会も六人委員会として今既にぎりぎりの相談をしていると聞いております。ここで、既に整備五線の中でも先行しているという東北、北陸、九州鹿児島ルートの取り扱いであります。もちろん北海道あるいは一部長崎ルートというのもございますが、もう既に地元では区画整理事業あるいは街路計画、駅周辺整備事業等の計画が着々と進んでおるわけでありますが、いまだに政府の態度が不明確なためにこれらの事業実施に非常にそごを来しているという現状であります。 そういう中で、私どもとしても、鹿児島ルート、博多から鹿児島二百四十キロ程度でありますが、このルート公表が行われまして以来、その沿線にあります個人の土地の利用、あるいはそれらに対する、新幹線はいつ来るだろうかという、いわゆる生活権という面においても深刻な問題が出ているように聞いております。この整備新幹線について政府の態度がいまだに明確でないのでありまして、これはもう既に百五十億の建設費を三線に一応六十二年度の予算で計上しているという現状であります。そういう面からも政府のこの問題に関する見解、確たるこれからの整備新幹線の着工に対する態度をひとつ明らかにしてほしいと思うのです。
○橋本国務大臣 この機会にまず委員に対して第一にお礼を申し上げたいことは、昨日の本会議におきまして新幹線の建設主体を鉄建公団とするという議員立法を通過させていただいたことでありまして、この点につきましてまずお礼を申し上げます。 しかし、整備新幹線そのものにつきましては、今までもたびたびお答えを申し上げてまいりましたように、六十年八月の政府・与党の申し合わせによりまして設置されました整備新幹線財源問題等検討委員会が財源問題などの着工条件の前提について鋭意検討を行っておるところでございます。その中で、去る三月二十六日にこの委員会におきまして、基本的な方向づけを政府・与党から成ります少人数のグループで行うことが確認をされまして、現在その方針に従っての検討が進められております。また七月十日に開催されましたこの小委員会におきまして、旅客会社等に対する意見の聴取という方針が決定され、同日付で現在旅客会社等に意見の照会を行っております。予算編成との関連もございまして、この旅客会社等の回答は本年末を目途とされておりますが、この旅客会社等の意見を踏まえて適切な結論が得られるように努めてまいりたいということであります。
○新盛委員 建設主体の法案がきのう衆議院で成立して、今参議院に付されているわけですが、その間の討議の中で、運輸大臣、今もそのことを含めての御回答でございますが、都市間鉄道の高速化を図っていくことは必要だけれども、それがJR新会社の経営に悪影響を及ぼさないように十分配慮しなければならないんだ、これは一貫して大臣の答弁になっているわけであります。確かにJR新会社発足間もないわけでありますから、財政の問題は、あるいは営業主体になる側とすれば大変深刻な問題だとは思います。消極的にこれを見ているんだろうと思いますけれども、いつの場合に、これがまた無理のないようにというように事態が好転するかもしれない、そのことも考えなければなりません。したがって、今お答えになったように、本当に整備新幹線五線の着工は今の時期において必要なのかどうなのかということについて、本当に大臣の気持ちというか、前向きであるか、ちょっと見合わせる、消極的であるかという、積極性と消極的なところと、我々も非常につかみ得ないところがあるのです。非常に酷な質問だけれども、この辺、どちらの側なのか、お聞かせをいただきたい。
○橋本国務大臣 私の態度は終始一貫変わっておりません。高速鉄道網は将来の我が国を考えたときに絶対に必要であります。同時に、発足いたしましたJR各社の経営に影響を与えることがあってはならない。殊に並行する在来線は個々のJR各社の資産であり、また貨物鉄道株式会社はその線を借りて営業を行うわけでありますから、その経営に影響を与えることがあってはならない。当初から一貫して変わっておりません。
○新盛委員 やはりそれを総括される運輸大臣の答えですが、六人委員会のメンバーでもございますから、これの成り行きというのは非常に我々も注目をしているわけでして、財源の問題で後ほど触れますけれども、問題は、積極的であるかどうかということにかかっているわけで、在来線の廃止とかあるいはそうした従来の狭軌鉄道の経営にも影響を与えるようなことではいけない。それはJR各会社が非常に困るわけでありまして、そういう面では慎重にしなきゃならない部面もございます。 しかし、四国に三本も橋が本州との間にかかるとか、上越線もそんなに急がなくてもよかったのに上越新幹線ができたじゃないかとか東北ができたじゃないか、いろいろな面で政治的なにおいがするんじゃないか。今、日本の国土の高速化を図ろうとするなら日本列島のまさしくバックボーンをつくろう、それが交通網体系のあり方であろう、そう思うのでありまして、ぜひ今残されております各整備線に対する積極的なお取り組みをいただきたい、このことは私の方から強く要望しておきます。 それで、昨年凍結解除以来六十二年度の予算に計上されました建設費百五十億、これは既にもう計画の中に入っているわけでありますからこの配分と、そしてどういう処置をされるのか、お聞かせをいただきたい。
○林政府委員 六十二年度、鉄建公団に整備新幹線の建設費として百五十億計上してございます。それとは別に、同じく鉄建公団に建設推進準備事業費として三十億が計上されておるということでございます。この建設推進準備事業費は、従来からの調査に引き続き行うと同時に、さらに一歩進んで建設の準備のための諸般の経費にこれを充てるということでございます。 御指摘の百五十億につきましては、これは建設費でございますので、これについては、検討委員会の結論が得られて着工の前提条件が整うという状況のもとでこれが執行されるというものでございます。そういう性格のものでございます。したがいまして、現段階、まだ検討委員会で鋭意検討を継続中でございますので、これについての配分その他使用計画というものをまだ策定する段階には至っていないという状況でございます。
○新盛委員 きのう建設主体の鉄建公団への移行が決まったわけでありますから、それに伴って建設費の方も具体化しなければいけないわけですが、六人委員会の結論を待たなければ使えないんですか。それを申し上げるのは、整備新幹線の駅部分の工事、従来の国鉄用地が利用されているわけですよね。あるいはその用地の取り扱いがどういうようになっているかわかりませんけれども、そういう面から見ますと、将来経費の軽減というか、これはもうぜひ見解をいただきたいんですが、これらの用地、国鉄清算事業団あるいはJR各社が駅周辺の用地も持っているわけでありますから、こうした面で既にこの工事が、着々と周辺整備が行われておるという現状ですので、こういうようなところの用地は無償で提供されてもしかるべきじゃないかというふうに思うのです。 だから、このことの意味を含めて、もう既に三つの箇所が、東北、北陸、九州鹿児島ルート、先行しているんじゃないか、私どもはそう推測するのですよ。それは自民党内部で議論されていることが伝わるのかもしれませんけれども、百五十億を三等分するんじゃないだろうかという、そういうことにならないのでありますか。そしてまた、用地のこれからの活用、これはもう無償で提供する、そういうことも議論していいんじゃないですか。その辺の見解をいただきたい。
○橋本国務大臣 整備新幹線の予定の地域及びその周辺におきまして、各種の整備事業の執行に関して大変地元にいろいろ御配慮いただいておるという状況は私も十分認識をいたしております。しかし、今委員が御指摘になりましたその百五十億円というものはまさに建設費でありまして、これは、着工につきまして検討委員会におきまして検討いたしておりますところでありますので、私どもとしては、早期に適切な結論が得られるように努めたいという以上のことを現在申し上げられる状況にございません。 また今のお話に関連をいたしますが、例えば清算事業団とか旅客会社が、建設費を低減させるためにもその用地を無償で、もし持っているなら提供したらどうだというお話につきましても、これは昨年の臨時国会で御審議をいただきましたように、清算事業団に帰属をいたしました二十六兆円に及ぶ膨大な債務を償還をし、最終的に国民に御負担を願う部分をできるだけ軽減しようということでつくり上げましたいわば貴重な財源であります。これはやはり適切な価格によって処分をされなければなりません。 仮に整備新幹線の用地であるからということで無償で提供いたしましたとするならば、結果としてこれは国民負担の増大を招くわけでありまして、これは私は問題だと思います。また私の知る限りにおきまして、旅客会社に承継されました。地の中で、整備新幹線用地として譲渡し得るようなものはたしかなかったと理解をいたしております。用地として提供できるものはなかったと理解しております。同時にまた、旅客会社の用地の上に整備新幹線の施設が建設をされるということでありますならば、これは旅客会社と整備新幹線の建設主体との間で当然適切な協議がされるということになるものでありましょう。私はそう理解いたしております。
○新盛委員 確かに、清算事業団という新たな手法を選んで貴重な国民の財産である二十六兆円価がしの債務を消化していくという役割があるわけでありますが、これからの営業活動を展開していくといういわゆるJR各会社の運営の中に大きな役割を果たすのがこの新幹線構想だろうと思うのです。したがって、そういう面では多角的に、機能的にそれらの状況を勘案をしていければ、国民のいわゆる負担感というのは解消されるんじゃないか、積極的なこうした活用をするということが大事じゃないかというふうに私は思います。 そういう意味で、非常に問題じゃないか、無償で提供するのはちょっとそれはどうかということでしょうけれども、やはり建設費を低減をしていくためにありとあらゆる活用を図っていくんだ、そういうことでなければ、建設というのはただうたい文句で、希望の灯は消さないといった話もそういうふうにはならない。まさに真っ暗じゃないか、こういうことになるわけですから、この辺のことについては私どもぜひ御検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 検討せよという御命令であれば検討はいたしましても結構であります。しかし、やはり国民に最終的に御負担をいただく部分を少しでも減らすべく清算事業団の用地というものは適正に処分していくのが、国会において御審議をいただき、成立をさせていただきました清算事業団法の根幹でありまして、整備新幹線の用地といえども、やはりこれは適切な譲渡という形態をとらざるを得ないものと私は考えております。
○新盛委員 建設財源の問題で六人委員会がいろいろ議論されているのでしょうが、大蔵省、自治省に次々にお答えいただきますが、巷間言われておりますように、新幹線建設に当たっては全額国費でやるんじゃなくて、公共事業あるいはいろいろな面の捻出があったとしても地方債を起債する、これは地方自治体としては大変圧迫を受けるわけでありますが、一〇%負担をしなければ整備五線はなかなかうまくいきませんよ、こういうふうに言われております。 大蔵省にお聞きしますが、建設国債を発行して、そしてそれは国民の側に負担をさせるんじゃなくて、また政府が責任を持ってそれを処理するという考え方はできないものかどうか。 第二に、自治省は、地方自治体に地方債を起債させる、そして一〇%負担をするんだ、こういうことについて賛成しておられるのかあるいは反対しておられるのか、その辺のことを明確にお聞かせをいただきたい。 以上、二つについてお答えをいただきたい。
○田谷説明員 お答えいたします。 整備新幹線の財源問題でございますが、先ほどから運輸省から御答弁申し上げてございますように、現在、政府・与党間に設置されました財源問題等検討委員会におきまして、財源の問題あるいは各種の着工の前提条件につきまして検討を行っているところでございます。したがいまして、御質問の点はその検討委員会の結論待ちということではありますが、私ども財政当局といたしましては、先般の当委員会でも御答弁申し上げましたように、先生の御提案ではございますが、建設国債によるということにつきましては、現在の厳しい財政事情あるいは先般の国鉄改革に伴いまして多額の国民負担の問題が生ずる見込みでございまして、このめどが今のところ立っておらないというようなことを考えますと、建設国債によるということは到底とり得ないのではないかというふうに考えております。
○二橋説明員 整備新幹線の地元負担についてのお尋ねでございますが、整備新幹線の財源につきましては、自治省といたしましては、新幹線鉄道が国土の骨格的な交通網を形成するという性格あるいは現行の国、地方間の事務配分、財源配分の建前から申しまして、基本的には国及び鉄建公団の負担において行うべきものというふうに考えておりますが、先ほど来各省からお答えがございますように、この財源問題全般につきまして整備新幹線財源問題等検討委員会で現在検討が行われておりまして、その議論の状況を見きわめながら対処してまいりたいと考えております。
○新盛委員 確かに、これはこれから六人委員会で議論される話でしょうけれども、考え方として、従来の東海道、山陽あるいは東北、上越各新幹線、国が国鉄に助成をして借金だけが残った建設でありました。そういうことのツケで今清算事業団の中で四苦八苦しているという現状なんですね。各社は新幹線保有機構を中心にしたリースで新幹線の借金を返済しているという状況なんです。だから、こうした問題が出てくることも将来また予想されるじゃないか、そういうことよりも、国が責任を持って建設を図る、そのためにはやはり建設国債発行というのもあり得るんじゃないか、従来こうした議論も与党内部においてもあるわけなんですから、そうしたこれからの財源の見出し方をぜひ御検討いただきたい。 従来、地元負担ということなどは、既存の、でき上がりました新幹線ではなかったわけであります。今度できるのはそうやらなければいけないというのは非常に不公平感が出てくるわけなんですよ。こういうことについて一体どういうふうにお考えになっておられるのか、もう一回聞かしていただきたい。
○田谷説明員 先ほどの建設国債によってはどうかという点でございますが、私どもの立場から申し上げますと、建設国債といえども、最終的にはやはり国民の負担によって償還をしていかなければならないという問題でございまして、繰り返しになりますが、現下の厳しい財政状況あるいは先般の国鉄改革に伴います多額の国民負担の問題というものを考えますと、これ以上さらに負担を重ねていくということは大変無理があるのではないかというふうに考えております。
○新盛委員 どうもなまず問答になってしまって、しゃっきりしませんが、では、在来新幹線の建設費のキロ単価、東海、山陽、東北、上越それぞれについて、その時期の物価指数なり材料費の問題等いろいろ状況の違いはありましょうけれども、お知らせいただきたい。 ついでに、整備新幹線五線の建設費は、既に発表されておりますように総額五兆三千二百億。東北、北海道、北陸、九州鹿児島と長崎、それぞれの算出も一応なされておるわけでありますが、そのキロ単価、これはどういうふうに積算されたのか、その根拠をお聞かせいただきたい。
○林政府委員 既設の四新幹線につきましてキロ当たり単価を申し上げますと、これにつきましては建設完了時の単価、それから先生御指摘の整備新幹線との比較において同じ時点に修正した単価とあるわけでございますけれども、比較が可能な状況で御検討いただく、こういう意味で五十九年度に換算した単価で申し上げたいと思います。そういたしますと、東海道新幹線につきましては五十九年度換算でキロ当たり三十七億でございます。それから山陽新幹線につきましては三十五億、東北新幹線が四十九億、上越新幹線が七十億でございます。 それから、整備新幹線の建設費でございますが、これにつきましては財源問題等検討委員会で現在検討中でございますので、いわゆる確定した建設費というものはないわけでございますが、現段階までの検討の過程で一つの試算値というものが出されております。その試算値に基づいて申し上げますと、五十九年度価格でございますが、東北新幹線の盛岡-新青森間でございますが、これがキロ当たり単価が三十七億円、北海道新幹線が三十六億円、北陸新幹線が三十九億円、九州新幹線の博多-西鹿児島間が三十六億円、九州新幹線の鳥栖から長崎までが三十六億円、以上のような状況になっております。
○新盛委員 これらを基準にした建設費をこれからどう探すかということにかかっているわけでして、これは六人委員会がどういう結論をお出しになるかわかりませんけれども、いずれにしても、もう六十三年度予算の編成期に入るわけですからぎりぎり措置をしなければならない、こういうことになるかと思うのであります。 そうした面で、営業をやる話を今したってこれは夢みたいな話ですから質問を省略しますが、今後のこうした建設費を国で賄ってもらえば経営主体であるJR各社は採算上無理はないんじゃないか。在来線対策もこれあり、新幹線保有機構はございますが、それらの作業をJR各社に移しかえる将来展望というのはないのかどうか。これは三十年かかって返さなければならぬことになっていますが、今度新しくできる新幹線整備五線は各社にお任せされたらいかがなものか。それは各社からもそういう声はないわけじゃありませんから、見解をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 今の御質問に的確なお答えになるかどうか存じませんけれども、いわゆる建設主体一元化法によりますと、現在の旅客会社が建設主体とされている東北あるいは九州新幹線の建設に関する事業を鉄建公団が引き継ぐことになるわけでありますが、この引き継ぎが行われました段階におきましては、鉄建公団が建設主体としての法律上の位直を占めると同時に、工事の完成後における線路の保守等の鉄道施設の維持管理が営業主体たる旅客会社に移ることになるわけであります。 委員の御指摘になりましたように、完全に移しかえてしまう、その場合にどういう事態が起きるのか、私にも的確な想定はできませんけれども、坂に今後建設をされる整備新幹線のみにそのような手法をとりました場合に、現在の新幹線保有機構で保有しリースをしておりますものとの関係が一つは問題になろうかと思います。またしかし、民間企業になったJR各社に対し国費をもって建設をした整備新幹線というものを無償で渡してしまうということは、これもまたちょっといかがなものでしょう。私もそういうふうにできたらこれはさっぱりするだろうと思いますけれども、しかし、やはり実態、そのようにはいかないのではなかろうかと思います。
○新盛委員 新幹線問題に関連をしまして、最近、リニアモーターカー活用の問題が各地で議論されています。最近は高度の温室、いわゆるセラミックなどを中心にした超電導体の問題はまさしく産業革命への道を開こうとしておるのですが、そういう中で、リニアモーターカーがまさしく現実問題化されるであろう。建設費の面においても、車体の中に電磁石の大きな装置をつけなければならないものが、もし超電導体の開発がなされたらまさに軽便になる、安くなる。 そういうことなどの展望を持てば、各地でリニアモーターカーの実験線を設置してくれとか、あるいはもう新幹線などということよりも、一足飛びにこれらのリニアモーターカーを入れてほしいという計画が地域開発の面で進んでいるように聞いております。これまで相当な額の、四百億ぐらいは使ったんじゃないですか、これだけの投資をしていまだに活用ができないというのは、まあ研究過程でございますが、一体これからどうされるのか、考え方をお聞かせいただきたい。
○橋本国務大臣 今御指摘の磁気浮上式のリニアモーターカーというものにつきましては、高速低公害など一般的特性を有する交通機関として現在技術開発が行われているわけであります。これらの特性が発揮できる形で実用化されました場合には、今委員御指摘のように本当に有効な交通手段たり得るもの、私もそう思います。しかし、現在の時点におきましては、輸送容量あるいは輸送頻度、建設コストあるいは運営コストなど旅客輸送システムとしての諸特性が必ずしも明らかではございません。技術開発の進捗状況も考えながら、リニアモーターカーの輸送特性などについて検討している最中でございます。 確かに、御指摘のようにリニアモーターカーにつきましては、六十年度の決算時点におきまして約四百二十三億円の開発費を投じてまいりました。そしてその中で、五十四年十二月には無人で時速五百十七キロメートルを記録、六十二年二月には時速四百キロメートルの有人走行を記録するという結果を生んでおりまして、現在、将来の営業用車両の原型でありますプロトタイプ車両を用いまして各種の走行試験をいたしております。今後もこれらの試験を継続すると同時に、長距離路線に適応させるためには、高速分岐装置あるいは変電所制御装置といったものの開発が必要だそうでありますが、こうしたものの開発を進めることとしており、これらの装置が開発されました後に、さらに宮崎の実験線において実験を行うことにいたしております。確かに、リニアモーターカーの将来にはさまざまな夢を描けるものであることは間違いありません。しかし、実用化にはいましばらくの時間を要するものではなかろうかと私どもは考えております。 また、今委員から安いという御指摘がございましたが、まだ技術開発の途中でありますために、建設費の明確な算定というものは現時点では困難でありまして、まだできておりません。しかし、一般的な傾向として言われることは、例えば新幹線と比較しました場合、軌道とか電気関係の施設はむしろ高くなるかもしれない、そういう要素がある。反面、橋梁でありますとかトンネル等の構造物については低くなる要素があると言われております。まだ依然として大変未知な要素が多い中で、今委員御自身からも御発言がありましたように、地上コイルなどの大量生産により一体コストダウンがどの程度できるのか、超電導というものの研究が今花盛りでありますけれども、その開発のスピード等も見合わせてまいりますと、私どもは、将来に対して極めて夢の多いものである、しかし、実用化までにはまだ多少の時間を要するものである、そのように認識をいたしております。
○新盛委員 一連の新幹線整備五線の問題について終わりまして、あと海運の問題もございますし、旧国鉄の諸問題もあるのですけれども、時間が詰まりましたので、林審議官来ておられるようですが、一言。 JRの新会社ができまして、もう既に開業五カ月、今非常に順調だというところもあればそうでもないところもあるようですけれども、先般、私はJR九州をちょっと調査しましたが、どうも清算事業団のあり方が、私どもの同僚議員ももう何回か指摘をしているわけでありますが、従来の人活センターみたいなものの延長じゃないか、非人道的な扱いがされている、このことばかり耳にするわけであります。参議院の附帯決議で、所属する労働組合に対する差別、選別は行わないということなのですけれども、どうも第二次採用を含めて勤務成績というところで常識に外れたような振り分けがなされている。この実態が、もう一々挙げれば切りがないのでありますが、事実そうなっているのか、お答えをいただきたい。端的にお願いします。
○林政府委員 清算事業団の関係でございますが、国鉄から清算事業団あるいはJRの各社にこの四月の時点で職員がそれぞれ配属になったわけでございますが、国鉄でその作業をするに当たりましては、職員の希望を最大限に尊重するということが一つございます。それから新会社の円滑な業務運営、これも配慮しなければいけない、そういう観点から、この三月の時点で設立委員会から示されました採用基準に従って新会社の職員となるべき者を客観的かつ公正に選定したということで、決して差別とか選別ということはなかったというふうに設立委員会にも当時国鉄から報告がなされております。 それでまた、清算事業団に移ってから新会社による追加採用があったわけでございます。その第一次の追加採用としまして北海道あるいは九州で若干採用いたしましたし、その後本州各社あるいは四国、貨物会社におきまして北海道、九州の職員、清算事業団の職員の追加採用を行ったわけでございますが、これにつきましても、当初の時点と同様の基準に従いまして、希望を聴取しながら追加採用をやったわけでございまして、その際に差別、選別というふうな事態があったとは聞いておりません。 ただいずれにしましても、結果として現在清算事業団に残り、いわゆる再就職対策が必要な要員が約五千七百名おるわけでございますが、この職員の再就職については、三年以内に完全にこれを達成するという目標で清算事業団としては今最大限の努力をしておるわけでございまして、私どもといたしましても、これら職員に対して親身の態度で清算事業団が接して、本当に個々の職員の気持ちを十分くみ上げながら希望する再就職の道につけるように最大限努力するように、清算事業団の方にこれからも十分指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○新盛委員 もう一つ、この管理者は、指定職を除いてですけれども、全国で約三万人、対象者三分の一と言われていたのですけれども、実態はどうなっているのでしょうか。それと、これは九州の例ですけれども、管理者は全員採用されている。採用されて清算事業団に出向しているというように聞いているのでありますが、その実態はどうなっていますか。
○林政府委員 管理者と一般職員との関係でございますけれども、昭和六十一年の四月現在の国鉄職員数、これは二十七万七千人でございました。その内訳といたしましては、一般職が二十四万二千人、それから管理職が三万五千人であったわけでございます。これらの職員のうち新会社に採用された人は、一般職の人が十七万六千七百人、それに対しまして管理職は、新会社から清算事業団に出向している者を含めまして、これを内数として含めまして二万三千九百人でございます。したがいまして、その採用率を申し上げますと、一般職が七三%いわば新会社に採用された、それに対しまして管理職は六八%ということになっております。したがいまして、管理職は一般職をむしろ下回る率で承継法人に採用されているというのが実態でございます。
○新盛委員 この問題等については、今まだ五カ月たった以降ですから、これからさらに三年のうちに全員完全に消化するという決意も言われましたけれども、随時また機会を見て質問をしたいと思っております。特に差別扱い等については厳に慎んでいただきたい。すぐにはね返ってくるわけですから、いかにそんなことはありませんと言いましても出てくるのですから、きつくこの点の起こらないように現場指導その他をお願いしたいと思います。 最後に、最近の外航海運危機問題、今まさに大変なところへ来ております。それで、全日本海員組合から「外航海運危機突破」の一つとして「船員の雇用と生活確保のための緊急申し入れ」が、運輸大臣にこの六月十日に申し入れされているのですが、運輸大臣、もうごらんになったでしょうが、その内容は各面にわたっておりますから、それに対する見解をいただきたい。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○野尻政府委員 先生ただいま御指摘ありましたように、六月十日付をもちまして全日本海員組合の組合長から運輸大臣あて、「外航海運危機突破」ということで「船員の雇用と生活確保のための緊急申し入れ」、これをいただいております。その中身につきましては、海運対策、船員対策、その他の対策と各般にわたる事項についての御要望をいただいておるわけでございまして、私どもといたしましては、この御要望の中でできる限り実現できるものについては最大限の努力を払っていきたい、こういうふうに考えております。
○新盛委員 ことしの海運白書、七月二十日に出された内容でありますが、海運企業経営に及ぼした円高の影響が述べられております。九百六十億円の差損が生じたとしておるわけでありますが、もし六十一年度も前年度と同じように為替レートが二百二十九円ならば営業収入は四百九十億円で黒字であった、これは計算上そう出てくるのですから。そのとおりですか。
○中村(徹)政府委員 ただいま先生の御指摘のありました数字につきましては、私どものいわゆる外航海運白書に記述しているわけでございますが、これは円高による影響額として私どもが一つの試算をいたしたわけでございます。それは、円高問題に関する影響というものについての一般的な御理解をできるだけ深めていただくという観点から一つの参考として記述したものでありまして、これが確定的なものとは言えないわけでございます。しかし、確かに御指摘のように、仮に六十一年度と六十年度が同じ円レートであるとすれば四百九十億円の営業黒字が見込まれるわけでございますけれども、それは全体で、海運助成対象企業三十九社の話でございまして、大手六社だけに限りますと、さらに若干減りまして三百億円の営業黒字があり、そして収支の悪化の数字は七百八十億円の赤字になるということでございます。
○新盛委員 その数値は幾らにしましても、結局船に乗っておられる職員の、いわゆる船員さんたちの責任じゃないじゃないか。海運合理化というのはすべてしわ寄せは職員の方の減員、省力化に入ってくるわけですね。円高が生じたことで過当競争、船がたくさん入り込んで、海運事業の中で日本商船隊は頑張ってきてくれたんだけれども、円高によって、結局しわ寄せが全部船員の方に降りかかってきたというところに問題があるわけです。だから、これは政府が何としても救済をしてもらわねばならぬというのが私の結論なんですよ。それは申し入れの中にも書いてあるとおりですね。これが一つ。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕 それと、北米航路の中でちょっとお聞きしておきますが、収入、これもそうなんですけれども、六十一年度六百九十億の赤字だと白書は言っております。全体の営業損益は四百七十三億円赤字だ、これも御存じのとおりです。換言して言えば北米航路以外は二百十七億円の黒字になるということにもなるのです。そのとおりですか。
○中村(徹)政府委員 二百十七億円というのは、計算の基礎が違いますので、二百十七億円かどうかということについてははっきり言えませんけれども、相当の黒字が出ているであろうということは確かだと思います。
○新盛委員 北米航路の費用の内容について伺います。前もってお知らせしてありますから金額だけ教えてください。一つ運航費、二つ船費、三つ借船料、四つ海運業の各費用、それだけ述べてください。
○中村(徹)政府委員 私ども、北米航路の費用等につきましては定航六社からヒアリングをしまして結果を得たわけでございますけれども、それは全体的な運賃収入、費用、損益というものだけでございまして、それ以上の内訳や要因分析を報告を求めておりませんものですから詳細には承知しておりません。しかし、大体私どもが一般的に北米定航におけるコスト割合ということで、今度の報告とは関係なく常識的に承知しております数字といたしましては、運航費が約六〇%、船員費が約五%、借船料が約一〇%、その他の費用が約二五%、こういうふうに一般的に言われているということは承知いたしております。
○新盛委員 金額は大体総額に各パーセントを掛ければわかるわけですからいいですが、結果的に、結局いずれの場合においても円高以外の過当競争あるいは運賃の低迷、コストダウン、そういう結果によることも当然あるわけでありますから、この辺についてはもう考え方を聞いている時間がありません。 そこで、緊急を要する海運企業の減量、合理化を白書の中ではうたっておられるわけであります。これでいきますと船費が全体的には五%ということになっているのですから、これをゼロとしても黒字にはならないことは明白なんです。だから、結果的に船員をいじめているじゃないか、船員減だ、減量だ、合理化だと、こういうふうにしむけていくこと自体に政策の面で欠陥がありはしないかということを私は指摘をしているわけであります。そうですか。
○中村(徹)政府委員 北米航路の赤字の原因につきましては、米国の海運法に基づく競争の激化、あるいは同盟機能の弱体化、あるいは極東の多数の船社が入ってきた問題、あるいは日本から極東への貨物のシフト、同時に船員費等のコスト面での邦船社の国際競争力の低下といった種々の要因が複合的に作用して、非常に採算悪化を招いているというふうに考えるわけでございます。今後はこういうコスト面における国際競争力の強化を企業において図っていただいて、北米定航において生き残りを図っていくという方法しか考えられないのではないだろうかと考えております。
○新盛委員 当面の船員雇用対策の問題として、先ごろ船中労から雇用の基本方針が出されました。ごらんになっていると思います。しの内容についてぜひ御見解をいただきたいのであります。 それと、海上の職域開拓あるいは陸上職域への転換、陸転に具体的に力を入れることになっているわけでありますが、陸転なども、中高年齢層の皆さんを初めとして現実は非常に難しいのですね。だから、これはお考えになっていると思いますが、身近な船舶に工夫をして乗せるような方策はないものか。また、昨年来職安を通して船員の陸転をされました員数は今つかんでおられますかどうか、これも端的にお答えいただきたい。 それから、もう時間がありませんので続いて申し上げて、回答をそれぞれいただきたいのですが、本当は大蔵省も関係があるのですけれども、前国会で私のところの関山委員から、仕組み船を中心とした外国船を裸用船にしやすくするために、裸用船料の源泉徴収課税の免除を問題提起しました。その際は勉強いたしますという御答弁があったのですが、その後どうなされたか。 また、雇用対策を初めとして、新たに六十三年度予算編成に向けて海上職域の開拓、厚生省も来ておられると思いますが、いわゆる船保持会で新設されるのですが、あるいはまた一般会計も緊急陸転のための経費をおつくりになるのじゃないだろうかと思うのですけれども、具体的にどんな作業を進めておられるか。 それから、今時間短縮を中心にした労働基準法改正が国会で論議をされております。この内容についてお答えいただきたいのは、船員雇用対策の問題として、特に運輸省が考えております船員法改正、振りかえ休日を買い上げるとかいう時代に逆行するようなこともあるし、船員法の労働時間は七百総トン以上の船と小さな船なども同じようにすべきじゃないかとか、定員制の見直しも、船ごとにそれぞれ基準を決めてあるのですけれども、届け出制によることになると船の定員がどんどん減っていく心配もありますので、こういう問題等について今度の船員法改正でお考えになっている分をお答えいただきたいと思うのです。
○鹿野委員長 時間の関係もありますので、簡潔に要領よく答弁してください。
○野尻政府委員 先生からは船員行政に関しまして幾つかの点について御質問がありましたので、船員関係については私からまとめて御答弁させていただきます。 まず第一点は、船員中央労働委員会から答申されました船員雇用対策の基本方針について運輸省はどのように考えておるかという御質問であったかと思います。本件につきましては、去る五月十五日に船員中央労働委員会から答申が出されたものでございまして、この答申は外航、内航、漁船各分野にわたりまして広範な今後の船員雇用対策、特に昭和六十年代中ごろをめどとしました船員雇用対策につきまして指摘されたもので、貴重な答申であるというふうに私ども理解しております。今後、船員雇用対策を推進するに当たりましてはこの答申に基づいて実施してまいりたいと考えております。 その次に、船員雇用対策の問題として、具体的に海上職域の確保、さらにまた陸転の問題について御指摘がありました。海上職域の確保につきましては、従来から離職船員に対しまして外国船に乗れるような、そういうようなための奨励金、あるいは雇用船員につきましては、これは船員保険特別会計の問題でありますけれども、船員派遣助成金という形で、外国船に対しまして船員が何とか乗れるような、そういう対策を講じておるわけでありますけれども、今後もこの対策を充実強化してまいりたいというふうに考えております。 なお、先生の御発言の中で、陸転につきまして数字を把握しているかということでございますが、陸転につきましては、私どもの方の資料といたしましては、船員の退職後の状況につきまして、例えば退職後年金に入る人とか自分で就職先を見つける人、あるいはまた会社のあっせんで就職する人とか私どもの船員職業安定所であっせんさせていただいている人とか、いろいろな分野にわたっておりまして、その状況についてなかなか把握できないという状況でありまして、ここで陸転の数を何ぼというようにお答えできないことについては申しわけないと思いますが、いずれにしましても、私どもの方の調査によりますと、私どもの職業安定所に参っております求職者のうちの半分は、陸転もやむを得ない、こういうような希望を述べております。そのようなことから、大体半数ぐらいの方はやはり陸転もやむを得ないと考えておるのではないかというように推測しているところでございます。 なお、船員法の改正の問題でありますが、船員法の改正につきましては、陸上の労働者につきまして労働時間の短縮等を内容とします労働基準法の改正案が今国会で審議されておりますことは先生よく御承知のとおりであります。海上労働につきましては、海上労働の特殊性ということから、労働基準法ではなくて船員法で労働時間等については定めているわけでありますけれども、労働時間の短縮ということはいわば時代の趨勢でもあるわけでありまして、私ども、船員法の改正につきましては今後さらに検討してまいりたいと考えております。
○中村(徹)政府委員 裸用船に対する源泉徴収の問題につきましては、本年三月二十五日の本委員会で質疑が行われまして、私どもの方で御答弁申し上げたとおりでございますが、その勉強を続けておりまして、来年度税制改正要望の中にこれが加えられるかどうか、そういうことを一つの目標としてただいま検討を続けておるところでございます。
○中西説明員 船員の雇用対策の関係でございますが、船員保険特別会計におきましても運輸省における施策と相まって拡充を図ってまいりたい、かように考えておりまして、六十三年度予算要求におきましても、雇用調整を目的とした船員の陸上出向制度の創設あるいは船員の陸転のための教育訓練の拡充、こういったものを入れまして予算要求をしてまいりたい、かように考えております。
○鹿野委員長 午後一時十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時十分開議
○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。左近正男君。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○左近委員 運輸政策審議会の中で、今度大阪圏の都市交通部会を発足させていただけるということを聞いておりますが、正式にいつ発足になるのですか。
○熊代政府委員 御指摘の大阪圏の鉄道網の見直し関係につきまして運輸政策審議会に、先生は大阪圏の部会とおっしゃいましたけれども、地域交通部会というものを発足させていただいて、そこで検討をしていただこうと思っております。まだ省内の諮問の意思決定等は行っておりませんけれども、担当部局といたしましては、九月下旬、遅くとも十月上旬には開いていただいて、諮問したいというふうに思っております。
○左近委員 新設される大阪地域の部会ではどのような鉄道網をつくるのか、どういう視点で答申作業をやってもらいたいと運輸省としては考えておられるのか、その点いかがですか。
○熊代政府委員 先生御承知だと思いますが、大阪圏の鉄道網整備につきましては、運輸政策審議会の発足前の都市交通審議会で昭和四十六年に、六十年を目標とした一応の計画を立てていただいて、それに従って進めてきたわけでございますが、その後の情勢変化も非常にございます。そういった観点から、その後の情勢変化に伴う見直しとあわせまして、我々としましては、今世紀末といいますか二十一世紀、東京圏につきましても昭和七十五年を一応の目標とした計画を立てていただいたところでございまして、七十五年を見越した今後の人口の動向あるいは需要見通し、さらには関西国際空港の問題とか関西文化学術研究都市、大阪テクノポートといったようないろいろな地域開発の構想、そういったものを踏まえました長期的な視点に立った見直しということもあわせてお願いしたいと思っております。
○左近委員 今もお話がございましたように、四十六年十二月に都市交通審議会は、「大阪圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備増強に関する基本的計画について」ということで十三号答申がされているわけです。この内容は、十六路線二百二十九キロの新線建設、こういうものが十三号答申では織り込まれておったのですが、実際に六十年の目標年次までに実施されたのは八路線五十二・五キロでございまして、実施率は二三%ですね。計画は非常に大きな計画であるけれども、実際に実施されたのは二三%。これは非常に低いわけです。この点について運輸省としてはどういう見解をお持ちですか。
○熊代政府委員 御指摘のように、この十三号答申では新線建設が十六路線二百二十九キロ、その中には、緊急整備区間ということで十区間六十四キロ、その他の区間百六十五キロという分類になっております。新線建設につきましては五十二・五キロ、二三%でございますけれども、緊急整備区間という部分で見てみますと七四%、さらには、お述べになりませんでした線路増設につきましても九路線、百二十一キロの計画に対しまして八十・八キロ、六割程度にはなっているわけです。ただ、それらを含めまして達成率が非常に低いということは御指摘のとおりでございます。 昭和四十六年という日本の経済が高度成長の盛りの時期にできたものでございまして、それが進まなかった原因として我々が感じておりますのは、まず第一番目に、人口の六十年度推定というものに対してかなりそれを下回った人口の伸びになっていたということ、それから四十八年のオイルショック後に物価そのものが高騰して鉄道の建設費自体が非常に高騰した、さらにはJR関係につきまして、国鉄の経営悪化により投資が抑制されたといったような点が挙げられると思います。したがいまして、今後の新しい計画策定に向けましては、我々はできる限りそういう意味で実現可能な対応を図って、そういったものが達成できるようにいろいろな手段もあわせ考えていかなければいかぬなというふうに思っております。
○左近委員 今もお話がございましたが、これからの新線建設の作業については、やはり具体的に建設可能であるというような展望を明らかにした答申作業をしていくべきだ、私はこのように思います。そこで、これからの作業の問題について、期間的には今もお話がございました二十一世紀冒頭ぐらいを想定してもらって、必要な建設路線、資金計画、経営主体のあり方、この三位一体となった答申作業をしていただかなければ地図の上に何ぼ線を引いても意味がない、私はこのように思います。したがって、具体的かつ現実的な答申作業、こういう視点を大切にした作業をやっていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○熊代政府委員 この点につきましては先生の御指摘のとおりだと思います。東京圏の計画の見直しを一昨年やっていただきましたときにも、整備方策についてかなり突っ込んだ議論をしていただいたわけでございますが、大阪圏につきましても、さらにそれを深めた格好で整備方策あるいは資金計画、経営主体といったような、実現のためのあらゆる障害たり得るものを除去すべく、そういう点の御議論を十分やっていただこうというふうに思っております。
○左近委員 それではよろしくお願いします。 答申の作業期間は大体どれくらいを考えておられて、委員の構成なんかはどう考えておられますか。
○熊代政府委員 答申の期間は、諮問いたしまして審議会の中で御審議いただくことですから我々がとやかく言えるようなものではないわけですけれども、御承知のように、大阪圏につきましては昭和六十年度が十三号答申の目標年次であったということもありまして、近畿の運輸局を中心にかなり準備的な作業は進めてもらっております。なお、その後のことをいろいろやる必要もございますけれども、そういった面では多少短く、東京圏の場合二年半かかったわけですけれども、それよりは短縮できるのではなかろうかというふうに思っております。 それから、メンバーにつきましては目下検討中でございまして、今ここで申し上げられる段階に至っておりませんけれども、基本的には運輸政策審議会の委員の先生方の中から数人の方に所属していただく。そのほかに、大阪の問題でございますので、大阪、近畿地域におられます学識経験者、さらには地方公共団体あるいは事業者の代表といったようなものを加えた構成で考えていきたいというふうに思っております。
○左近委員 できるだけ答申の作業を急いでもらいたいと思います。 そこで大臣、大阪圏の今日までの鉄道投資というのは、東の方と比べまして二眼レフであるとかなんとか、ええ格好は言われておりますが、非常に大阪圏の鉄道投資は少ないわけですよね。私は、今後は大胆に鉄道投資をやっていただきたいと思いますが、大臣の決意いかんをお聞きをしたいと思います。
○橋本国務大臣 ちょうど昭和三十六年の春から三十七年の夏にかけてサラリーマン時代、私も大阪に一年余り住んでおりました。その当時でも、大阪の鉄道輸送需要というものは相当なものだということを身をもって体験をいたしましたが、その後余り進歩をしていないということは、私は委員の御指摘のとおりだと思います。 現行計画につきましては、先ほど局長が申し上げましたようなさまざまな要因からその目的が達成されなかったわけでありますが、新しい計画の策定に当たりましては、大阪圏における圏域整備の基本的な方向あるいは将来の需要動向などについての適切な見通しというものを前提にし、整備方策についても十分な御論議を願って、実現可能な計画を策定していただきたいと考えております。運輸省といたしましても、もちろん、そのような長期計画に沿って着実に鉄道網の整備が図られるように努力していくことは当然のことであります。
○左近委員 それではよろしくお願いをいたします。 次に、懸案の大阪片福連絡線の建設について、来年度から工事が開始されるというようなことを聞いておりますが、事実ですか。
○熊代政府委員 片福連絡線につきましては御承知かと思いますけれども、旧国鉄時代に国鉄が工事の認可を五十六年に受けて、その後投資を抑制するということで見送られているものでございます。その後、認可を受けた状態をJR西日本が引き継いだ状態になっております。最近、大阪市の再開発あるいは片福を実現することによって片町線あるいは福知山線の活性化ということで、JR西日本と大阪市を中心にしまして、これを早急に進めたいという御意向が出てまいりました。我々としましては、いろいろこれからやらなきゃいかぬ問題がございます。例えて言いますと、環境アセスメントをやらなきゃいかぬとか、そういうものもございますが、努力をすれば六十三年度中に着工できるだろうということを前提に、予算等につきまして、そちらの方向での要求をしてまいりたいというふうに思っているわけです。
○左近委員 今お話がありましたように、これは五十六年四月に、運輸大臣から工事の施行認可を受けて、いろいろな事情があって延び延びになっておったのですね。やっと来年度日の目を見るということで、私は非常に喜んでおるわけです。そこで、工事費と開通予定期日はいつごろを想定していますか。
○熊代政府委員 営業キロ約十二・二キロでございますが、総工事費が、これはきちっとした数字じゃないのですけれども、約二千三百五十億程度になろうか。工事期間でございますが、着工して七年間ぐらいで完成できるだろうというふうに考えております。
○左近委員 この運営主体はどこが担当するのですか。
○熊代政府委員 先ほど申し上げましたように、JR西日本と大阪市が中心になりまして、この片福連絡線を早く実現しようということで、この二者を中心にしまして第三セクターで建設をしようというふうな考え方に立っております。その第三セクターが建設したものを、現在福知山線及び片町線はJR西日本が運営しておりまして、これと直通運転をいたすということでJR西日本が運営をするという形を考えております。
○左近委員 運営主体はJRの西日本、建設主体については第三セクター、こういうことですね。そこで、今お話がございましたように、二千億を超えるかなり大きなお金でございまして、建設資金の調達についてどのように考えておられますか。
○熊代政府委員 御承知のように、現在鉄建公団を使いまして新線の建設等につきましてはP線方式というのが私鉄対象に行われておるわけです。片福線等新線の建設で地下にかなりの部分があるというようなものについては、我々考えておりますような期間での収支採算、あるいは資金収支も黒字になるということがなかなか困難だろうという観点から、また、これは今月末に大蔵省に要求することにしておるわけですけれども、NTTの株式売却益による無利子貸し付け、開銀を通じての無利子貸し付けの対象にしてもらいたいということを考えております。したがいまして、建設資金につきましては、出資金、それから今申し上げた開銀を通じた無利子融資、それからP線方式といったものをかみ合わせた形で進めることを考えていきたいというふうに思っている次第です。
○左近委員 そこで、その問題はそれといたしまして、この片福連絡線と同じように大阪外環状線も五十六年の四月に運輸大臣から工事施行認可を受けてそのままほったらかしになっておるわけですね。この路線についてはどう考えておられるのですか。
○熊代政府委員 大阪外環状線につきましては、先生御指摘のように、もう随分前から地元としては御要望のある路線であるということは承知しております。これは今御指摘のように五十六年に、工事施行の認可は国鉄時代に受けているわけですけれども、その後の状況から見送られているということになっておりますが、現時点でJR西日本会社がこれを直接今すぐやりたいという意向も受けておりませんので、我々としましては、この問題を含めて、先ほど申し上げた運政審の地域交通部会の計画の中で審議していただくということになろうと思います。
○左近委員 ひとつ積極的に対応していただくことを要望しておきたいと思います。 次に、大阪港の、名称はどうなっておるのか知りませんが、臨港道路計画、鉄道と自動車併用の海底トンネルをつくっていこうという構想があるらしいですが、具体的にどういう構想なのか、またこれはいつから着工されるのか、お伺いをいたします。
○奥山(文)政府委員 大阪市におきましてテクノポート大阪計画という、港湾地帯を中心といたします発展計画を策定しておるところでございますけれども、その中で大阪港の沖合に、現在埋立地となってございますが、南港地区、北港地区というところに新しい副都心を形成していこう、こういった計画内容でございます。大阪市におきましてはその実現に向けまして今努力を続けておるということでございます。 先生お尋ねの臨港道路ということでございますが、この臨港道路の計画はテクノポート大阪計画を実現するためには極めて根幹となる施設でございまして、これはまた港湾の諸活動にとりましても必須の施設ということでございます。 道路の諸元を申し上げますと、延長が約二キロメートルございまして、そのうち約一キロメートルが海底トンネル分に相なるわけでございます。現在の南港地区に結ぶ計画で、昭和六十年度より国の補助事業といたしまして調査あるいは設計といった事業から着手しているところでございます。今後のテクノポート大阪計画の進捗状況にも関連いたしますけれども、私どもの計画では、昭和七十年代の前半の完成ということを目指しまして本格的な工事に着手してまいりたい、さように考えているところでございます。
○左近委員 はい、わかりました。 そこで、東京圏の交通問題について一点御質問をしておきます。 東京都は地下鉄の都営十二号線の建設構想を具体的に進めておられるわけですね。特に東京都内の交通状況を考えて、東京都の中で山手線のように地下の環状線をつくっていこう。十二号線ができますと、東京都内の公共交通、都市交通というものはかなり飛躍的に高められる、私はこのように思っております。この東京都の十二号線構想について、運輸省としては今後どういうふうに対応されようとしておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。
○熊代政府委員 御指摘の都営十二号線でございますが、これにつきましては、放射部といいますか、既に光が丘-練馬というところを、四・八キロですが、これは小型地下鉄ということで建設を進めております。これは新宿に向けてさらに延伸すべく整備が進められると思っております。御指摘は環状部の部分でございまして、この点につきましては、昨年四月に東京都知事の諮問機関として地下鉄建設・経営調査会というものをつくりまして、そこの最終報告を受けまして、実現性があるという結論を受けまして、本年四月に東京都の中に十二号線建設推進本部というものを設置しまして、昭和六十六年くらいから工事にかかれるようにしたいというふうな意向のもとに諸般の検討が進められておるわけでございます。 運輸省といたしまして、この環状部の整備につきましては、建設運営方策に関する今後の都サイドの検討等を踏まえ、さらには、開業後の助成といいますか、そういったものと国の財政事情等も片方で勘案しなければいけませんけれども、それらを含めまして適切に対応していく必要があるというふうに考えております。 〔久間委員長代理退席、小里委員長代理 着席〕
○左近委員 まだ若干期間のある問題ですが、運輸省としても今後積極的に都側と協議し、対応していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 次に、都市の交通問題についてちょっと状況を申し上げ、大臣の所見をお伺いをしておきたいと思いますが、地方公共団体が経営する公営交通事業というのは今大変な赤字でございまして、六十年度決算では六千六百九十八億円の累積赤字、不良債務も二千三百八十六億円、そのような膨大な赤字が出ておるわけでございます。しかし、都市の交通としてはこれはなくてはならないものでございまして、一日一千万人以上の乗客の輸送を担当しておる、こういうような状況であります。この赤字の原因は、地下鉄建設については大きな借金による元利償還の問題が経営圧迫をしておりますし、またバスなど路面交通については、言い古された問題でありますが、モータリゼーションの進展に伴い走ろうと思っても走れない、こういう都市事情にあるということであります。 このような現状のもとで、公営交通を預かる管理者あるいは職員は、恐らくこの二十年間合理化、効率化に向けて可能な限りの努力を今日までやってきたわけであります。しかし、なかなかこの再建ができ得ない、こういう状況であります。国としても今日まで運輸省、自治省初め各機関においていろいろな角度から支援をしていただいておるわけですが、さらに一層の財政的な支援の問題、あるいは今日モータリゼーションで車が動けないというような状況のもとで、都市基盤というか都市環境、こういうものをもっと公共交通がスムーズに走れるような環境づくりに努力をしていただきたいな、このように思っておるところであります。 幸いに大臣は昔大阪におられたということでありますので、大阪のことはよく御存じと思いますから、大阪のあのようなことが東京においても名古屋においても神戸においても、大都市を中心にこういう状況が出ておるわけでございまして、運輸省としても、総合的な交通体系というものを確立をしていく、こういう担当部署でもございますので、今後とも力を尽くしていただきたいとお願いを申し上げ、大臣の所見を承りたいと思います。
○橋本国務大臣 今公営企業、公営交通を含めましていずれも大変苦しい場面にあるということは私も承知をいたしております。その中で、委員が取り上げられました例えば地下鉄について、確かに建設に巨額の投資を必要とするわけでありますし、開業後の資本費負担が非常に大きい、そのために経営の圧迫要因となるといった問題もございます。しかし、建設費の一部を補助することによって長期的には収支均衡し、経営の安定化が図られるものと考えておりますので、今後とも、助成措置を講ずるとともに、経営の一層の健全化に努めていっていただくことによって、事業の健全経営を求めたいと考えております。 また公営バスあるいは路面電車につきまして、走行環境の悪化によりましての客離れが進む、大変厳しい状況にあるわけでありますが、潜在的な需要は完全に多くあるわけであります。ですから、バス優先信号の設置でありますとか、バスの専用レーンの整備など走行環境の改善を図る一方で、やはり経営の合理化のための一層の努力を行っていただくことにより、事業経営の健全化を図りたいと思います。運輸省だけでできない部分もありますが、関係省庁にも連絡をとりながら改善のための努力をしたいと考えております。
○左近委員 ひとつよろしくお願いをいたします。 そこで、車の排ガス問題について少し御質問をさせていただきますが、今国会で公害健康被害補償法、公健法の見直し問題が大きな焦点になっておるわけです。私は、今日の都市公害の実態というのは、工場などの固定発生源よりは車などの移動発生源が大きなウエートを占めておるのじゃないか、このように思っておるわけです。そこで、環境庁は軍の排ガスについて今日どんな対策を具体的にとっておられるのか、お答えを願います。
○南戸説明員 お答えいたします。 沿道を中心とする大都市の大気汚染を解決することは極めて重要な課題と考えております。このため、環境庁としましては、自動車の排出ガスについて乗用車の五十三年度規制、ディーゼルトラック、バスの五十八年規制等、これまで規制強化を逐次行ってきたところであります。さらに本年一月、大型ディーゼル車等からの窒素酸化物を大幅に削減する規制の強化を行ったところであります。さらに中央公害対策審議会におきましては、現在、NOx排出量の多いディーゼル車等の排出ガスの一層の低減等について総合的な審議を続けており、この結果を踏まえて規制の強化等所要の施策を進めてまいる所存であります。 また、これらの規制強化対策とあわせまして交通公害対策が必要と考えておりまして、輸送の共同化等による交通量の抑制、立体交差化等の道路構造改善などによる交通の分散、円滑化、低公害車の普及等の諸対策を総合的、計画的に推進してまいりたいと考えております。
○左近委員 昨年ですか、東京都の環境保全局の調査では、LPG、液化石油ガスの乗用車について、時速四十キロメートル以上であればNOxの低減装置の機能がとまってしまう、あるいは機能が著しく低下してしまうという実験結果が報告されておりました。こういうことであれば、今日の国の十モード方式による測定法ではカバーし切れないわけです。また、そんなことがわかっておりながらメーカーがそんな車をつくっておるところにも、私は自動車メーカーの良心を疑わざるを得ないわけです。ここらの問題について、環境庁としては各メーカーに対してどんな対応措置を今日までとられたのか、お伺いをしたいと思います。
○南戸説明員 環境庁は昨年十一月、社団法人日本自動車工業会に対しまして、LPG乗用車について排出ガス対策上適切な配慮を要する車種のあることが明らかになりましたことから、大気汚染防止を最大に配意した排出ガス低減対策の実施を要請いたしました。これに対しまして関係自動車メーカーにおきましては、指摘のLPG乗用車に関しまして、本年七月以降生産される車について、高速領域においても低速領域と同様の対策により一層の窒素酸化物の低減を図ったところであります。
○左近委員 これは、七月生産ということであればいつ市場に出るのですか。現在の車についてはそのままですか。
○南戸説明員 七月から生産されるわけでございますので、市場には七月から順次出回るものと思われます。また現在の車についてどうかということでございますが、タクシーの使用期間ということを考えますと、非常に短い期間で代替して知るわけでございます。そういったことから、こういった車が早期に代替されることを期待しております。 それから、使用過程車についてこういう対策を実施することができるのかどうかという御質問でございましたが、今回の対策というのは、エンジンそのもののいろいろな重要な部分を基本的に設計変更して対策しておりますから、使用過程車については適用は困難と考えております。
○左近委員 それでは、国の十モード方式は不備だということがはっきりしたわけでして、測定方法を変えることについては実施するのですか。
○南戸説明員 自動車排出ガスの特性は走行状況に大きく依存するものでありますために、排出ガス規制に係る走行モードは、大都市における自動車の走行実態が反映されるように設定される必要があります。都市内の一般道路走行を基礎としたテンモード等の試験方法により、そういう趣旨で現在実施しているところであります。しかしながら、テンモード等の設定以来かなりの期間が経過しているために、五十九年度から大都市地域における走行実態の調査を実施しておりますが、高速道路の延伸による高速走行の増加等の実態を踏まえまして、現在、中央公害対策審議会で走行モード見直しに必要な排ガス特性の把握、現行モードとの比較等所要の検討を行っているところであります。環境庁としましては、その結果を踏まえまして走行モードについて所要の措置を行っていく所存であります。
○左近委員 この十モードを十一にするのか十二にするのか知りませんが、最高速度四十キロを、今の高速道路の状況から見ればできるだけ引き上げていかざるを得ないと思うのですね。そういうことで、早く結論が出て実施に移せるようにしていただきたい、このように思います。これはLPGの問題だけではなしに、トラック、バスは今大体直接噴射式のディーゼルエンジンになっておるわけでありまして、これが今大量のNOxを出しておるということはもう御承知のとおりだと思うのです。 そこで、運輸省にお聞きをいたしますが、道路運送車両保安基準、こういうものがあるわけですが、ここらをもっと強化していく、そういう中で環境問題について具体的な厳しい基準を設定していくという考え方についてはお持ちなのか、現在検討されておられるのか、その辺はどうですか。
○清水(達夫)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の大型ディーゼル車の規制強化の問題でございますが、基本的には、自動車公害の防止のために大型車対策をさらに推進することは必要かと思っております。この件につきましては、環境庁の方で許容限度を定められまして、それに基づきまして私どもの方で具体的な規制基準を定める、こういう仕組みになってございますので、環境庁ともこの点につきましてはよく密接な連携をとって進めてまいりたい、かように考えております。
○左近委員 ともかく今東京もそうですし、大きな都市ではこの自動車公害、排ガス問題が大変な問題なんですね。そういうことで、環境庁としてもまた運輸省としても積極的な取り組みをしていただきたいと思います。私は、かねてからこの委員会でも、やはり大都市の車の総量規制というものをある面では社会的に実施していかなければなかなか根本的な解決にならないのじゃないか、こういうことを主張しておるわけですが、この辺、環境庁としてはこの総量規制問題についてどういう考え方をお持ちですか。
○濱中説明員 お答え申し上げます。 大都市地域におきます大気汚染対策、特に窒素酸化物の対策につきましては、先ほども申し上げましたとおり、自動車一台一台から排出される排出ガスの規制に加えまして、自動車の交通量あるいは交通の流れ方に関する交通対策というものが必要と考えておりまして、私どもといたしましては、第一に、まず輸送の共同化などによりましてトラック走行量の抑制を図る物流対策、第二に、公共輸送機関の整備や利便性の向上などによりまして乗用車の利用の抑制を図る人流対策、第三に、道路の立体交差化あるいは環境保全に配慮したバイパス、環状道路の整備などによりまして交通流の分散、円滑化を図る対策などを総合的に推進することが重要と考えております。 環境庁といたしましては、京浜、阪神の両二大大都市地域におきまして窒素酸化物による大気汚染を低減させるため、関係省庁、地方公共団体の協力を得て、これら今申し上げました各種交通対策でございますとかあるいは電気自動車、メタノール自動車などの低公害車の普及などの諸対策を具体的に盛り込んだ計画を策定し、これに基づき諸対策を推進することといたしておりまして、昨年九月、環境庁に学識経験者、関係省庁及び地方公共団体の関係者から成る検討会を設置し、現在検討を進めているところでございます。私どもといたしましては、本年度中にもこの結論を得た上、今後この計画に沿って各種の対策事業の積極的な推進を図ることとしておるところでございます。
○左近委員 環境庁、ひとつ頑張っていただきたいと思います。それでは環境庁、結構でございます。 次に、大阪空港の問題について質問をいたしますが、大阪空港の存廃問題について、運輸省としていつごろ結論を出されようとしておるのか、お伺いします。
○山田(隆)政府委員 現大阪国際空港の将来のあり方につきましては、新しい関西国際空港との関連において検討がなされるべきものであるというふうに考えております。運輸省といたしましては、大阪国際空港の存廃につきましては関西国際空港の開港時までに決定するということにしておりまして、現在、その存廃を判断するために必要な調査を行っているところでございます。この調査は、近畿圏におきます航空需要予測であるとか環境対策の検討など広範な調査でございまして、これら調査の結果を受けまして、現空港の存廃について関係地方公共団体の意向といったようなものなども踏まえながら、できるだけ早期に結論を出したいというふうに考えております。
○左近委員 今もお話がございましたが、関西新空港は現在の大阪空港を廃止をするということを前提に建設が開始をされたわけですね。しかし、最近の地元の十一市協なんかの動きを見ますと、かなり柔軟になっておる、少し変化をしてきているなということを私も感じております。運輸省は、「将来の航空需要に対応する空港使用形態のあり方と騒音環境予測調査」、「大阪空港が近畿圏に及ぼす経済効果調査」、こういうものを発表いたしておりますが、この内容等仄聞をいたしますと、地元さえ合意があれば現大阪空港は存続の方針だというニュアンスに私はうかがうわけですが、その辺はいかがですか。
○山田(隆)政府委員 大阪国際空港の存廃につきましては、先ほども申し上げましたように、地元の意向等も踏まえて検討していきたいということでございまして、ただいま先生がお話ありましたように、現在地元の情勢が変化しているというふうに私ども承知しております。大阪国際空港騒音対策協議会という地元の十一市で構成する協議会がございますが、この協議会の六十一年度の運動方針におきましては、四十九年度以来続いてまいりました空港撤去という方針が削除されたというふうに承知しておるわけでございます。私どもといたしましては、現在大阪国際空港の存廃についての調査を行っておるわけでございますが、そういう調査の結果を受けまして、それから関係地方公共団体の意向等も踏まえながら、大阪国際空港の存廃についての結論を出していきたいということでございます。
○左近委員 現在の大阪空港の周辺環境基盤整備事業は何年次まで、いつごろまでかかるのですか。
○山田(隆)政府委員 大阪国際空港にかかわります環境対策といたしましては、発生源対策を推進する一方で、民家防音工事であるとか移転補償等の周辺対策というものをこれまで強力に実施してきたところでございます。そのうち、民家防音工事につきましては、六十年度で環境対策全体といたしまして……(左近委員「簡単でいいよ。何年次までかかるのかということ、基盤整備の問題でいいよ」と呼ぶ)基盤整備につきましては、最近民家防音工事がおおむね完了いたしましたので、今後は基盤整備というものに重点を置いていきたいと思っておりまして、特に大阪府の場合には、騒音激甚地区につきまして約五十ヘクタールに及び大規模な緑地を六十二年の二月二十七日に都市計画決定いたしまして、国及び大阪府が事業主体となって計画的な整備を進めることとしておりますほか、町づくりを進めるための地区整備計画の策定を国と地方公共団体が相協力して進めており、今後とも、都市づくりに配慮したそういう周辺整備の実現に向けて努力していくということでございまして、特に期限を設けていつまでに完了するということではございません。
○左近委員 いや、私期限問題を聞いたのは、結局六十八年の三月ですか、関西新空港が開港する、それまでに一年前にやるのか、半年前に結論出すのか知りませんけれども、いずれにしても、現大阪空港の存廃について運輸省としては結論を出さなければならぬですね。地元では、結局現大阪空港を廃止という方針がもし仮に早く出れば、今環境整備の問題を手を抜いてしまうと違うかというような心配があるわけですね。したがって私は、今進めておる環境整備の問題については、年次を繰り上げるといえばおかしいですけれども、積極的に進めてもらって、この存廃問題とかかわりなく環境整備問題については既定方針どおり大胆にやっていただきたい。何か今非常に微妙な空気が地元にあるわけでして、早いこと廃止を決定すれば環境問題はほっておかれてしまうのと違うかという心配があるわけですが、その辺どうですか。
○山田(隆)政府委員 おっしゃるとおり、大阪国際空港の存廃につきましては、六十八年三月の前までに決定するということにしております。他方、環境対策につきましては、私ども鋭意環境対策を進めておるところでございまして、民家防音工事につきましてはおおむね六十年度で概成したということで、引き続き残っておりますものにつきましても民家防音工事を含めた環境対策を実施しておりますし、緑地等の環境整備につきましては、今後大阪府とも協力いたしまして実施する予定でございまして、決して関西国際空港ができるから、あるいは存廃調査の結論がいずれ出るからということで環境対策に手抜きをするというようなことはいささかも考えておりません。
○左近委員 いずれにしても、最高裁の判決では現大阪空港は欠陥空港というようなことを言われたわけでして、今、夜九時の飛行制限、ジェット便については一日発着二百便、これはずっと守りますね。
○山田(隆)政府委員 現在、大阪国際空港におきまして、環境対策上の観点から発着時間の制限及び発着回数の制限といった運用を行っているところでございます。この制限を今後このまま存続するかというお話でございますけれども、大阪国際空港の存廃につきましては現在調査を行っているところでございます。また最近大阪の環境対策が進みまして、騒音も非常に軽減しておりますし、また、地方の空港から大阪国際空港へのジェット機の乗り入れの増加等の要望も非常に強く出てきております。私どもといたしましては、今後の騒音の状況あるいはそういった状況の変化も踏まえながら、総合的に検討していきたいというふうに考えております。
○左近委員 ということは、この飛行回数、発着回数の規制については見直すということですか。
○山田(隆)政府委員 こういう問題につきまして、地元の意向を十分尊重しながら今後検討をしていきたいというふうに考えております。
○左近委員 五十年にこの制度ができたわけでして、そのときには一日という単位で限定されておった。それが五十八年に年間一日平均ということになったわけでして、かなり運用をされたわけですね。地元では、最近運輸省の方から、地方空港のジェット化に伴って、ジェット便の便数増という問題を強くプッシュされておるというようなことを伺っているのですが、運輸省は増便問題でそういうことを言っていませんか。
○山田(隆)政府委員 私どもといたしましては、現在までのところ、地元に対してジェット便の枠の増大について要望を申し上げていることはございません。
○左近委員 それでは安心をいたしました。 次に、関西新空港、午前中も論議がされておりましたので省略をいたしまして、大臣にちょっとお伺いをいたしますが、これは六十八年の三月開港ですが、地元では、第二期工事の問題、これについて引き続きやっていただけるのだろうという強い希望、期待を持っておるわけですが、この関西新空港の第二期工事の問題についてどのようにお考えなのか。例えば第一期完成後、六十八年以降のしかるべき時期に第二期工事のゴーサインを出されるのか、あるいはこの六十八年の開港までのしかるべき時期にゴーサインを出されるのか、その辺運輸省なり、特に大臣としての御見解を承っておきたいと思います。
○橋本国務大臣 去る六月三十日に閣議決定をされました第四次全国総合開発計画におきまして、関西国際空港につきましては、「航空需要の動向、採算性等を見極めながら、関西国際空港の全体構想を推進するための調査を進める。」と明記をされております。 運輸省としては、六十三年度の概算要求におきまして、全体構想に関する基礎的な調査に着手をしたいということで予算要求をしようと思っております。この調査におきまして、航空輸送需要の動向でありますとか収支採算性などを検討することとしておりまして、現大阪国際空港の存廃問題などの検討と相まって第二期計画の建設時期についての結論を出すという手順でありまして、できるだけ早く結論は出したいと考えております。
○左近委員 それでは大臣、重ねてお伺いしますが、もう第二期工事はやるんだ、実際に正式にその結論を出していくのは、まあここ一、二年中にそういう考え方を出すんだという理解でよろしいですか。
○橋本国務大臣 今申し上げましたとおりでありまして、余り特別な解釈を加えないでいただきたい。ですから、むしろ六十三年度にそうしたための調査費を我々は要求してその調査をしていく、その調査とあわせて、現在の大阪国際空港をどうするかという問題も含めて結論を出すわけでありますから、私は、今の航空界の状況から見まして、第二期工事をやらないでいいんだなんという結論が出ると思いませんけれども、理論的可能性としてはそういうものもあるわけで、今の時点ではこれ以上の御答弁は差し控えたいと思います。
○左近委員 飛行場の調査というのは、これは関西新空港でも環境調査について二十年もかかっておりましたので、もう調査費を計上されたからといってどうなるかわかりませんので、念のため聞かせていただきました。 もう時間がございませんので、最後の時間、オートマチック車、AT車の問題について少し聞きたいと思います。 急発進の問題が社会的に大きな問題になっておることは御案内のとおりです。現在町を走っている車の三〇%以上がAT車、こういうように言われておるわけでして、便利さから、最近の登録台数は五〇%以上がAT車、こういうような状況でございます。運輸省に届け出のあったこの四年間の事故発生件数も百七十八件、こういうように言われておるわけですが、この百七十八件の中で、確かに運転手の操作ミスによる部分があるかもわかりませんが、かなりの部分そうでない、構造的な問題がどうかはわかりませんが、運転手の操作ミス以外の要素でこういう事故が起こっておる、こういうことでございます。 そこで、運輸省としては原因究明作業を急いでおられるように聞いておりますが、今後どういうようにこの問題に対して対応されようとしておるのか、お答え願いたいと思います。
○清水(達夫)政府委員 お答え申し上げます。 運輸省といたしましては、この問題に対しまして、まず急発進、急加速の原因究明につきましては、先般、日本自動車工業会に対しまして調査を指示するとともに、さらに中立公正な立場からの原因究明を図るため、私どもの附属の交通安全公害研究所におきまして、車両構造上の原因究明につきまして試験調査の実施を開始したところでございます。 また、運転者の誤操作によります急発進、急加速防止のための車両構造上の対策につきましても、先般、日本自動車工業会に対しまして検討を指示したところでございまして、これを受けまして現在同工業会におきましては、作業部会を設置いたしまして検討が進められておりまして、年内には対策の方向づけが行われる、かような状況にございます。 このような状態でございまして、私どもといたしましては、オートマチック車の問題が社会的に非常に重要である、こういうことにかんがみまして、その徹底した原因の究明と車両構造上の対策につきまして、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○左近委員 この急発進する車の製造元やあるいは輸入代理店に対してなぜリコールをしなかったのか、その点はなぜなんですか。
○清水(達夫)政府委員 お答え申し上げます。 一般的に申し上げまして、リコールというものを行います場合には、まずそのふぐあい、欠陥の内容が明らかに究明されまして、その上に立ちまして、どういう部品を交換したらいいか、そういったような具体的な対策が決定されませんと、こういうリコール措置を講ずることは非常に困難ではないかと考えておる次第でございます。 御指摘のこの問題に関するAT車の急発進、急加速につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、現在までのところ原因が明らかになっておりません。したがいまして、対策につきましても適切な対策というものが決め切れない状況にございますので、まず徹底した原因の究明を急ぎますとともに、さらに誤操作を防止するための構造面の対策については別途検討を実施する、こういうことで進んでおるところでございます。
○左近委員 これはリコールを求めるとすれば、対象台数はどれぐらいの台数になるんですか。
○清水(達夫)政府委員 仮定の話として……(左近委員「事故を起こしておる車種ははっきりしておるだろう」と呼ぶ)突然の御質問でございますので正確な数字は持ち合わしておりませんが、AT車全体の現在の保有台数といいますか走っておりますのが、推定でございますが大体九百五十万台程度というふうに考えております。
○左近委員 それはわかっておる。事故を起こしておる車が限定されておるからね。まあよろしいです。 そこで、時間が来ましたので、最後に大臣に伺いますが、ともかく、原因究明までこのままの状況ではユーザーが不安でしょうがないわけですね。自分でこれは努力をせねばしようがないのか。そこらは国としてももっと早急な対策をユーザーにとってあげないといかぬのじゃないかと僕は思うのですが、その辺どうですか。
○橋本国務大臣 今委員は車種が限定されているという前提でお話がございましたけれども、実は運輸省に届け出がありました台数、百七十八台でありましたか、その中を見ておりますと、AT車、大抵の車種に届け出が出ておりまして、そういう意味でいきますならば、今部長がお答えをいたしましたように、AT車全体の問題としてこれはとらえなければなりません。運輸省として、確かにこれは大事な問題であると考えて、工業会だけではなく、中立公正な機関としての運輸省の研究機関においても研究をさせているところであります。技術的な問題でありますので、いつまでということは私にも限定はできませんけれども、できるだけ早くその結論を得て、対応策を講じたいと考えております。
○左近委員 よろしくお願いします。 質問を終わります。
○小里委員長代理 次は、河村勝君でございます。河村勝君。
○河村委員 きょう私は、今危機状態にあります外航海運の雇用問題についてお尋ねをいたします。 外航海運に従事する船員の数は、昭和五十年には五万五千人ありました。ところが、昭和六十年、ちょうど十年たつわけですが二万五千人、五〇%以上の減少であります。これはそこでとどまらないで、六十一年には二万百二十、六十二年一月には一万九千九十六、六十二年四月には一万七千六百八十一、こういう数字を私は持っております。この二年間ぐらいで、半数以下に減ったものがさらに減少しつつあります。これ以上の急激な雇用不安はありません。 その上、船員の場合の雇用悪化というものは、陸上の場合と非常に違うところがあって、陸上の場合には、石炭にせよ造船にせよアルミにせよ、いずれも生産が落ちて職場が減っていくわけですね。そこでいや応なしに職場を離れ、転換をしていかなければならない、そういう実態がある。 ところが、外航海運の場合を見ますと、船員の職場である日本商船の船腹量そのものはほとんど減っていない。昨年ぐらいから若干減っている傾向があるけれども、それにしても大したことはない。総トン数においても隻数においても船腹量は違わない。だから、いわば働く職場というのはあるわけですね。あるにもかかわらず日本船員の職場がどんどんと失われていく、そこに異常な、割り切れないものがある。その上に船員の特性として、非常に専業性が強くてなかなか転換がきかない。陸上の場合には、同じ機械産業であれば、船をつくっている者が自動車に行ってもさしたる変化はなくて転換をしていけるけれども、海の職場から陸の職場にかわるということは激変を伴うわけで、なかなか転換がしにくい。だから、勢いどうしても海の中で消化していくことに努めなければならぬ、そういう矛盾があるわけですね。ですから、自分の職場が現にありながら、それが外国人に奪われて、日本の船員は働けなくなるというところに異常な割り切れなさがあるわけです。 私は、運輸省が何もしてこなかったとは言いません。昭和五十二年に船員雇用対策の基本方針をつくってからこの方、その都度、対症療法的には雇用調整に必要ないろいろな対策を講じてきたと思う。だけれども、一体日本の商船隊をどうして、日本の船員をいかにそこでもって働かせるかという基本的な問題について、ちっともさわらずにしてきた、そこに私は大変な問題があるのだと思う。何かというとそれは企業の自主性だと称して、便宜置籍船とか仕組み船とかいうものをつくって、日本船離れしていくことを放置していたと言ってもいいでしょう。しかし、それではもう済まない時期に来ていると私は思う。日本商船隊というものは、今日まで、こういう厳しい中でもそうは減っていないのですね。今後も海洋国家日本として、日本の商船隊というのはやはり相当な規模のものを維持していかなければならない宿命のようなものがあるのです。 ですから、そこでもって、世界でも最も優秀な日本船員を中核にした日本の商船隊を、今後いわばナショナルミニマムとしてこれだけはどうしても保持していくんだという目標をつくつて、その上で雇用対策を考えていく、そういう大きな戦略があるべきはずのものだ。アルミみたいなどうにもならない衰退産業でも、やはりある時期にはナショナルミニマムをつくって生産を維持し、雇用を維持してきた。最後は力尽き、矢折れて撤退せざるを得なかったけれども、それでもそれだけの努力はしている。それを役所も応援をしてやってきた。運輸省は、船の専管官庁として、そうした戦略目標なくしてやっていくというのは、私は甚だけしからぬと思う。今この時期に、一体これから先どうやっていくのか、そういう戦略的な物の考え方について、まず運輸大臣の所見を伺いたいと思う。
○橋本国務大臣 日の丸商船隊を堅持したいという気持ちは、私は委員とちっとも変わらないと考えております。ただ、今委員から御指摘のありましたナショナルミニマムの問題につきましては、昨年十二月の海運造船合理化審議会の海運対策部会の小委員会の中間報告の中にも、「今後における我が国商船隊の構成、規模等については、ナショナル・ミニマムの設定の問題をも含め、我が国経済社会が現在急速な構造変化の過程にあることから、諸般の情勢を勘案しつつ、引き続き、検討を行うこととする。」という御意見をいただいております。 私は、今委員の御指摘になりましたような視点は決して不必要なものだとは思いません。しかし、現在の外航海運というものが世界的な船腹過剰状態の中で、しかもまだ、経済的にも世界全体に低迷が続き、しかもその中におきまして、日本船の競争力が、円高などによる船員コストの格差の拡大などさまざまな原因によりますけれども、発展途上国船員配乗の船に比して著しく低下をしてきている状況の中で、こうした状況の中において我が国の商船隊のミニマム設定を行うということは、大変難しい以上にむしろ危険な作業になりはしないかということを考えております。むしろ海造審におきまして、今後とも御検討を願いたいと考えております。
○河村委員 私は、非現実的な主張をするつもりは全くありません。現実に先進国に共通して、世界的な海運不況の問題は別にして、開発途上国の船員との賃金格差があることも事実だし、日本の場合には、特に急速な円高が進みましたから、その格差が大きくなったという事実もある。そういう事実を前提としつつ、なおかつ国際競争力を持った日本の商船隊というものをつくる道はないのか。そこのところは、今大臣は海造審にお任せするというようなことを言われたけれども、これはあくまでも諮問機関ですよね。実際すべての審議会がそうであるように、事実上主管官庁が誘導してつくる答申なんだ。だから、主導権というのはやはりその役所が持たなければならない。だから、どうやったら一体競争力を持った商船隊をつくることができるか、それを私は真剣に考えるべきだと思うのだが、そうじゃないでしょうか。
○橋本国務大臣 私は、真剣に考えないと一言も申しておりません。ナショナルミニマムという点について、私は、今の時期に、この状況の中でナショナルミニマムを設定することはむしろ問題が多くなりはしないかということを申し上げたわけであります。 むしろ長期的に考えていきます場合に、我が国の鉛そのものの性能の向上あるいは少しでも、より少ない乗員によって運航される船、今、一方で解撤を進めながら超省力化船に向かいつつある状況は御承知のとおりでありますし、コンテナ船あるいはLPG船等々、競争力を持ちます船を中心にしながら、私どもは今後の海運というものを考えていかなければならないと考えております。ただ、少なくとも日本におきまして常用の職務員によって運航されます船、日本の船員によって運航はされるが、航海ごとに雇用される船員によって運航される船、さらに発展途上国の船員を乗せた場合の船、人件費に大きな開きがあることは委員も御承知のとおりであります。
○河村委員 近代化船をつくってそれを中核にしていく、これはもちろん大切なことで、それが一番大事な政策であることは間違いがありません。しかし、近代化船だけで日本の商船隊を構成していくというのは、うんと将来の話は別だけれども、現在だって近代化船というのは全商船隊の中の十分の一に満たないわけですから。それじゃ現実に今働いている船員の雇用を維持しながらやっていくことはできない。 だから、在来船についても日本の船員だけが乗るのではなくて、それは中核になる船員は日本人にしても、その他のものは下級船員、言葉は悪いけれども下級船員は開発途上国の人たちを使っても、その組み合わせをうまくやればやっていけるはずだし、また日本の船員がいることによって、現実に今海上の損害保険だって日本船員が乗っていると乗っていないとでは保険料が違うのでしょう。そのくらいの優秀性を持った者が中核になっていくというのは、私はごく自然の形だと思うのです。そういう意味で、近代化船はもちろんだけれども、在来船についても競争力を維持していく方法があるのじゃないか。そういう意味で、私はこれからいろいろお尋ねをしたいと思っているのです。 今、当面問題になっているいわゆる仕組み船について日本人船員を乗せられないかという問題であります。もう便宜置籍船が悪いとか仕組み船が悪い、けしからぬと言ってみても、それでは問題は解決しないわけですから、仕組み船は仕組み船というものがあるという前提に立って、そこに日本人船員を乗せていくということを考えざるを得ない。つい先ごろ、外航船員の緊急雇用対策について労使の合意がこの三月にできております。御承知のとおりです。そこでは今の急激な円高不況に対応して外航二団体の経営者が相当大きな経営合理化対策を打ち出してきておる。それに対して組合側も正面からそれを受けとめて、それを消化していこうとしているわけですね。一方では特別退職制度をつくって雇用調整をやる。同時に、さっき言ったように一遍に陸上に転換させていくことは難しいから雇用開発機構というものをつくって、そこでその傘下に自社船だけじゃなくて仕組み船も含めた船団をつくって、そこに退職をした船員を使っていこうという構想ですね。 これは非常に現実的な対応であって、最近の海造審の答申においても、また五月に出た船員中労委の答申においてもその現実的な対応を評価して、ぜひとも仕組み船を含めた外国船への日本船員の混乗について政府も支援対策をとるべきである、そういうことが書かれているのは御承知だと思う。 現実にこういうものを受けて、仕組み船に対する混乗、これまで私も何遍か聞いたことがありますけれども、その都度それは企業の自主性によることであって、政府としては口の出しようがないというふうなニュアンスの答弁であったけれども、ここまで来て、これだけのオーソライズされた答申もある時期に来て、運輸省としては一体どういうふうに対応するつもりですか。
○野尻政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、我が国海運業界は不況が非常に長期にわたっておるわけでございまして、それに伴う雇用不安が現実の問題となっていることは、私たちも十分承知しておるわけでございます。日本船舶に日本人船員が乗り組むことが一番望ましいことは当然でありますけれども、一方で日本船舶が少なくなってくる状況の中で、外国船舶に対して少しでも多くの日本人船員を乗せてもらうということで、私ども行政を展開してきているところでございます。 ただいま先生の御指摘にありました仕組み船を含めた便宜置籍船を初めとします外国船に対しまして、運輸省といたしましても従来から、例えば離職船員が外国船に乗る場合には奨励金を交付するとか、あるいはまた厚生省にお願いいたしまして、船員保険特別会計から船員派遣助成金を交付するというような形で、何らかの政策支援によりまして外国船に対する日本人船員の乗り組みを促進するように進めてきているところであります。 ただ、便宜置籍船といえども外国の法域において設立された法人でありますので、私どもの行政指導あるいはまた政策支援にも限界があるのはやむを得ないというように考えております。ただしかしながら、日本人船員の雇用の場が縮小するという傾向の中にあって、今後さらに便宜置籍船を含む外国船の雇用の場を開拓するための努力とあわせて、政策支援についても最大限の努力を払ってまいりたい、こういうように考えております。
○河村委員 現在、仕組み船と言われるものは何杯あって、現実に日本人船員が乗っている仕組み船というのはどのぐらいありますか。
○中村(徹)政府委員 大変申しわけありませんが、今手元に資料がございません。仕組み船の数自体が正確にわかるかどうかということも問題でございまして、ちょっと調べさせていただきたいと思います。
○河村委員 きょう、私は外航船の雇用問題について質問するという通告をし、かつ仕組み船に対する日本人船員の混乗問題を聞くということまで質問通告をしております。それにもかかわらず仕組み船の数もわからず、その仕組み船に日本人船員を乗せている船の数もわからない、そんな不勉強なことは許されない。それで一生懸命やっていますと言っても、ちっとも一生懸命やってないじゃないですか。 今仕組み船の数は千五百隻ぐらいあるはずです。そのうち日本人船員の乗っているのは二百五十隻ぐらい。千五百の中の二百五十ぐらいだから五分の一しか乗ってない。これだけ問題になっているものの実態を知らないで、行政指導していますという口はきけないのですよ。私は甚だ遺憾です。後で調べて正確な数字があったら言ってください、今はいいから。 それと、混乗対策をやるからにはできる限り船主の負担を軽くし、かつ途上国船員との賃金格差を埋めるような補助制度が必要である。これはひとつ、大戦略のもとなんですから、通常の観念でなくて、ちょっと手厚くやるべきだと思う。今失業船員を乗せるのには就職奨励金があり、現在雇用している職員を外国船に派遣する場合の手当として船員派遣助成金がある。失業船員に対するものは月額二万円で、雇用職員の場合には三万円だと思いますが、円高の時期ですから思い切ってこれを倍増する。金額的にはそんなに大きなものではないから、これは運輸省の責任としてどうしてもやるべきだと思うのですが、そのくらいの考えはないのですか。
○野尻政府委員 先生の今おっしゃいました就職促進のための奨励金は私ども運輸省所管でございますし、それから雇用船員が派遣された場合の派遣助成金、これは厚生省所管でございます。 まず、就職奨励金につきましては、先生今おっしゃいましたように一人一回十二万円交付しているわけでございまして、六十三年度予算要求に当たりましては、先生がおっしゃるように倍増ということまではいかないかもしれませんが、それに近い線で、できる限り大幅な増額を獲得するように最善の努力をしたいと考えております。
○河村委員 雇用職員の派遣助成金は船員保険法だから厚生省という意味か。それはそうかもしれない。そうかもしれないけれども、やはり船員を所管しているのは運輸省なんだから、厚生省のことだから知りませんという返事はないでしょう。それは運輸省として全力を挙げて厚生省と話をして、もし退職職員の方を倍近くするというならば当然こっちの方も倍にするぐらいの努力をする、それくらいの約束はできるでしょう。
○橋本国務大臣 私もちょっと今、最近の船員保険特別会計の中をよく存じませんので、それだけの余力があるかどうか自信がございませんが、今委員から御主張の点につきましては、厚生省に私の方から伝えて努力をしてみたいと思います。ただ、中身を存じませんので、お約束は私にはできません。
○河村委員 船員保険は独立しているものですから、一般の雇用保険と違って懐が小さいことは知っています。だけれども、この際は、懐が小さ過ぎてどうにもならないというのなら一般会計から補てんをしても、これはやるとすれば恐らく運輸省の仕事だろうと思うので、そのくらいの決意でぜひやってほしい。こういう手を打っていかないと、なかなか競争力を持った商船隊をつくっていくということは不可能なんですね。 そこで、これは労働側には随分反対があることも私は承知をしているのですけれども、この際、仕組み船に対して日本人船員を必ず乗せろというのと同様に、今度は反面、固有の日本船の中で在来船、近代化船は少数精鋭ですから開発途上国の船員なんか乗せたらえらいことで、これは全く論外ですけれども、在来船については、日本人船員が幹部職として乗るとともに、そのほかに下級船員については開発途上国の人たちを乗せて混乗させる、これをやるべきではないか、そう思っているのですね。ですから、近代化船は日本人だけでもってやる。在来船については、便宜置籍船であると日本商船であると問わず、日本人船員は基幹部分だけを占めて、あとは開発途上国職員に原則として開放するというぐらいのことをやって、それで国際競争力を維持できる商船隊をつくる。 運輸大臣は非現実的だというような言い方をされたが、そうした構成をして、競争力を持てる商船隊をつくるという条件をつくればナショナルミニマムというものはつくり得るし、そこでどれだけの日本人船員を確保できるかという目安ができるはずだと思う。そういう考えを私は持っているのですが、運輸省としてはいかがですか。 〔小里委員長代理退席、久間委員長代理 着席〕
○野尻政府委員 原則として日本国内におきまして外国人労働力は受け入れないということが閣議了解として、我が国の方針として現在もなお生きております。ただ、この閣議了解は雇用対策法に基づく雇用対策について決定をする際の閣議了解でございまして、形式的には船員には適用がないということになっております。しかし、従来から船員につきましてもこの閣議了解の趣旨を準用いたしまして行政指導を行うということにしているわけでございます。 ただこの場合、船員に関します行政指導というのは、日本船舶であって、日本の船社が配乗権を持っているものを対象とするというように決めているわけであります。したがいまして、いわゆるマルシップと称しております、日本船でありましても外国の船会社に貸し渡した場合、その貸し渡された先の外国の船会社が外国人の船員を配乗するという形で、先生今おっしゃったいわゆる混乗というものは、これは行政指導の対象外にされております。 こういうような観点から、既に近海海運業界では労使間で話し合いが成立いたしまして、昭和五十五年からマルシップ方式によります混乗が実現されております。ただ、外航海運業界におきましては、まだこういったマルシップ方式によります混乗ということについての労使間の協議は成立していないというように承知しております。 ただ、マルシップ方式からさらに進んで全面的に日本船について外国人を乗せることができるように改めるべきではないかということにつきましては、先ほど申し上げました長年にわたります行政指導あるいは政策の変更を伴うものでありますので、慎重に考えなければいけないのではないだろうかと考えているわけであります。この場合特に問題になりますのは、こういった混乗問題につきまして労使を含めた社会的コンセンサスが成立しているかどうか、あるいはまた外国人船員の導入によりまして、我が国の労働政策全体から見てそれが受け入れられるものであるかどうか、あるいはまた外国人船員を導入した場合に、先生がおっしゃるようにむしろそれが日本人船員の雇用の場を広げるあるいは確保する道にもなるんだというような点、いろいろな点からの検討が必要ではないかというように考えております。
○河村委員 これはやるとすれば重大な政策変更になりますから、慎重の上にも慎重にしなければなりませんし、同時にそれが日本人船員の職場を拡大することにつながらなければ何にもならない。ですから、それは私は具体的によく検討してほしいと思う。だけれども、マルシップ方式とか仕組み船とか便宜置籍船とか、いろいろな脱法的なやり方で事実上なし崩しにやらされているよりも、そういう脱法的な方向に逃げないで日本の堂々たる日本船として、仕組み船なんていうのはなくしてしまって、むしろ日本船そのままでもって日本船員が基幹になって、そして開発途上国の職員も包容していく。そういう競争力のある日本商船隊をつくることができれば、それが一番望ましいと私は思うので、むしろそういう方向で進むことを私は検討されるべきだと思う。 大臣、こんな話は初めてお聞きだろうと思うけれども、大体方向づけとして考えられることではないかと思いますが、どうですか。
○橋本国務大臣 せっかくの委員の御示唆でありますが、私自身はこの点には少々首をひねっております。 と申しますのは、まず第一に、結果としてこれが日本人船員の雇用の拡大につながるかどうかという点について、私は自信がございません。しかし、それ以上に、長年、院の中におります際、労働関係の委員会におりましての御論議をずっと聞いておりました立場からして、外国人の労働力を受け入れること自体が果たして船員だけにとどまるものであるかどうか、他の部分における外国人労働力の流入とどのような関係を持つか、その辺について、私は多少の不安を感じております。しかし、現実に混乗船が存在することも事実でありまして、それがそれなりの役割を果たしておることも事実でありますので、私も勉強はしてみたいと思いますが、現時点におきましては、私は少々疑念を持っておるということであります。
○河村委員 疑念をお持ちになるのは当然であって、はい、やりますなんと言われたらそれこそ逆に心配になりますよね。だけれども私は、どうしても日本商船隊というものを、恒久的に日本船員を中核としたものをつくるべきだし、またそれが日本にとって一番いいことだと思うから、それに向かってあらゆる方策を講じてもらいたい、そう思って一つの提案をしたわけでありますので、ぜひとも考えてほしい。 そっちの方は結構だけれども、仕組み船には日本人を乗せませんよなんというそういうことになってはてんで話にはならないので、私が言っているのは、仕組み船であろうと何であろうと、全部について同じ原則でいけるならこの話は成立するはずだという大ざっぱな計算をした上でやっているわけであります。現に仕組み船が千五百隻、在来船が五百隻ぐらいのものでしょう。そうすれば、在来船に全部乗せても仕組み船に全部混乗させればそれで十分にバランスはとれるはずだ。私はそういう印象を持っているわけです。 時間が大変限定されてしまって、あとの問題に触れる時間が少なくなりましたが、部員の職員化問題、これは私が今主張していることともつながることであって、今一番真剣に取り組まなければならぬ問題だと思うのです。 極端に言えば、日本船員は今後原則として職員部門だけで働く、そして開発途上国の人たちに部員の仕事を渡していく。一つの職業転換とも考えてこの雇用対策を考えていくべきだと私は思っているのです。ですから、ただ昇職とか昇格とかいうことではなしに、雇用対策の根幹としてこの部員の職員化というものを考えてもらわなければ困る。どうもこれまた、運輸省にこれまでいろいろお尋ねをしていますけれども、部員の職員化は大事だと言いながら、本当にどれだけの手だてをしているのかということになると甚だ疑問だと私は思う。一体どういう方針で臨むつもりですか。
○野尻政府委員 先生おっしゃるとおり、部員がこれから生きる道は職員になる、これが前提であると私どもも考えております。ただ、部員が職員になるためには当然海技資格が必要になってくるわけでありまして、現在、私どもでは財団法人日本船員福利雇用促進センターにおきまして必要な海技資格を取得するための教育訓練を実施しておりますし、また厚生省にお願いいたしまして、船員保険特別会計からは、雇用船員をこの教育訓練に派遣させる場合に派遣助成金を支給していただくということで、教育に万全を期しているつもりでございます。
○河村委員 それじゃ伺いますが、今海技大学に特修科というものを昨年新設をして、そこで部員の職員化の教育をやっておりますね。ところが、それに対しては技能訓練派遣助成金のようなものが全く支給されておらないと聞いているけれども、一体これはどういうわけなんですか。
○野尻政府委員 海技大学校につきましては、講習科と特修科という科がございます。講習科につきましては、既に先生の御指摘の船員派遣助成金は厚生省から交付されておりますが、特修科につきましては、ことしできたばかりということでございますので、もう少し様子を見ながら対応したいというのが厚生省のお考えであります。 私どもといたしましては、船員派遣助成金はできる限り多くの方々が受け入れられるように、あるいは多くの方々を対象にできるように、今後とも厚生省と協議してまいりたいと考えております。
○河村委員 これは現に養成をやっているのですから、それがもうちょっと様子を見てというんじゃ、本当の対策とは言えないと私は思うのです。なぜこの海技大学の特修科をつくったときにそういう訓練派遣のための助成金を考えておかなかったのか。
○橋本国務大臣 ですから今、部長からお答えをいたしましたように、船員保険を主管される厚生管としてはもう少し様子を見たいということでありました。ただ、私どもは努力をこれからもしたいと申しております。
○河村委員 今部員が約一万人と言われているけれども、そのうち海技免状を持たない人間が何人いるか御存じですか。こっちの方はわかるでしょうね。
○野尻政府委員 今部員の中でどのぐらい職員となるための免状を持っているかということについて、手元に資料がございませんので御勘弁願いたいと思います。
○河村委員 質問を通告してあっても甚だ不勉強で、どうも本気であるかどうか疑わしい。今海技大学で養成している数というのはごくわずかですね。ところが、部員は約一万人いる中で、海技免状を持っていないのが四千人いるんですよ。ですから、これをただ適当にやっているんじゃ、いつまでたっても事は片づかない。本気に部員の職員化を考えるならば、少なくとも五年間ぐらいで四千人を全部職員にしてしまうというぐらいの計画をつくるべきなんですよ。ですから、毎年八百人、五年で四千人、それに対しては、企業の負担になることですから、技能訓練派遣助成金を当然適用する、それぐらいのお考えでもって進むべきだと思うのですけれども、いかがです。
○野尻政府委員 私の答弁に一部不十分なところがありましたが、部員の職員化のための教育は、海技大学校のほかにも財団法人日本船員福利雇用促進センターにおいても行われておりまして、先生の御指摘にありますように、今後船員福利雇用促進センター及び海技大学校におきまして部員の職員化のための教育を鋭意進めてまいりたいというように考えております。
○河村委員 ぜひ本気でやってほしい。数字や何かをちっともつかんでいないところを見ると、どうも本気でこれを消化していこうという気がないようにしか思われない。ですけれども、くどいようですが、部員の職員化というのは、基幹職は日本人、それで下級と言うとしかられるかもしれませんけれども、一般職は開発途上国というそういう仕分けで、将来にわたって競争力を持てる商船隊をつくりたいというのが私の願いであり、それが日本の海洋政策としてあるべき姿だと私は思うので、ぜひもうちょっと真剣にやってほしいと思う。 時間がなくなってしまいましたので最後に、午前中裸用船料の話が出ましたね。用船料の源泉徴収免除をやってくれということについて、かなり前向きの答弁があったように思いました。かつて昭和四十六年から四十九年まで源泉徴収不適用であった。五十年、五十一年、これは円高不況の中で、私も気がつかなかったのはうかつだったと思うのですけれども、このときに一〇%徴収になって、五十二年以降は二〇%課税になってしまった、こういういきさつがあるようですね。なぜこうなっちゃったのだろうかと思って、私も大変うかつだったと思います。裸用船料がどういう役に立つのか、私は本当はよくわからなかった。仕組み船の細かい仕組みを私もよくわからない部分があったものですから、外国の会社がもうかったってしようがないじゃないかと実は思っていたのですけれども、そういうこともあって、少し抜かったような気がする。これは仕組み船のコストダウン等に大きな役に立つので何とかやってほしいと思うのです。いきさつと今後の対策を聞かせてください。
○中村(徹)政府委員 ただいま先生御指摘の、外国法人等から裸用船した場合には、所得税法によりまして、用船料の支払いに当たりまして二〇%の徴収義務が課せられるわけでございますけれども、裸用船を行う場合には減免しろという御指摘がございました。これについては、四十六年から五十二年の間、おっしゃるように減免措置がとられてきたわけでございます。この点につきましては、船腹需給が非常に逼迫しておりまして、船腹需要を増大させようという観点から裸用船を増す必要があるというような政策目的で当時行われたものだと私どもは承知しております。 最近の情勢というのは、そういう意味では必ずしもそのような情勢ではないわけでございます。しかし、先般来この点については何らかの税制上の措置をとるように、こういう御示唆がありまして、私どもも勉強をし続けておるところでございまして、六十三年度の税制改正要望に向けまして、そういうことを要望することが可能かどうかという観点で今検討をなお続けておるところでございます。
○河村委員 船腹需給は逼迫していないけれども、別の意味で非常に必然性のあるというか切実な課題になってきておりますから、これはぜひ実現してほしいと思います。 時間になりましたので、これで終わります。
○久間委員長代理 西中清君。
○西中委員 最初に、営団地下鉄の民営化問題についてお伺いをしたいと思います。 六十一年六月十日の行革審答申によりますと、営団地下鉄は「五年以内に可及的速やかに特殊会社に改組し、地下鉄のネットワークがほぼ概成し、路線運営が主たる業務となる時点において、公的資本を含まない完全な民営企業とする。」とされております。この行革審答申に対しまして、営団地下鉄はいつ特殊会社へ移行する時期というように判断をしておるか、まず伺っておきたいと思います。
○熊代政府委員 営団地下鉄の特殊会社化につきましては、行革審答申を受けまして昨年末の行革大綱におきまして、「五年以内に可及的速やかに特殊会社に改組することとし、当面、累積欠損の解消等、そのための条件整備に努める。」というふうに決定されております。 これに基づきまして、そこに言われております「そのための条件整備」ということで、経営の効率化、経営基盤の強化等に努力させているところでございまして、移行の時期につきましては、そこにあります「五年以内に可及的速やかに」ということで、現時点でまだ時期を具体的に何年というふうに決めておりません。そういうことで、まだ営団は累積欠損も六十一年度末で抱えておりますし、そういった面で条件整備に努めさせておる段階でございます。
○西中委員 行革審の答申で「五年以内に」とありますが、これは守る決意でございますか。
○熊代政府委員 それを受けての閣議決定でもございますので、その線で我々としては検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○西中委員 条件整備が整うというのは、どういう要件を指しているのですか。
○熊代政府委員 今お答えいたしましたように、これは二つあろうかと思います。 一つは、特殊会社にいたしましても株式会社になるわけでございますので、黒字体質になる必要がある、こういうことで効率化を図る。それからなおもう一つの点では、現在営団で検討を進めておりますが、いわば関連事業といいますか、そういったものにも積極的に対応するような民間株式会社としての運営ができるような体制づくりということを指しているものというふうに理解して、進めております。
○西中委員 特殊会社に改組するのが五年以内、地下鉄のネットワークがほぼ概成し、路線運営が主たる業務となる時点、これで民営化ということでございますが、運輸省として特に何年を目標に民営化するというような計画はないんですか。
○熊代政府委員 営団は御承知のように経緯的には旧国鉄と東京都が出資、一部地方公共団体と国鉄ということでできてきたものでございますが、行革審の答申の公的資本を含まない完全民営化の時期については、先ほど御指摘になりましたように、地下鉄のネットワークが概成し、路線運営が主たる業務となる時点ということでございますので、我々といたしましては、六十年に、二十一世紀に向けての東京圏における交通網の整備に関する運政審の答申をいただいておりますが、これで提言された地下鉄網が概成される時期、一応あの運政審の答申は七十五年をめどにしております。七十五年をあるいは多少過ぎた時点かとも思いますが、その概成される時点をいわゆる完全民営化の目標として考えるということで進めてまいりたいと思っております。
○西中委員 国鉄清算事業団、これは三百億、五四。一%、東京都が二百六十億、四五・九%の出資額だと伺っておりますが、この点間違いないかどうか、それから六十一年度の決算はどういう状況にあるのか、伺っておきたいと思います。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○熊代政府委員 営団への出資額は、六十二年三月末で、清算事業団が三百十億三千四百万強、正確に申し上げますと、三百十億三千四百三十一万八千五百円という端数があります。それから東京都が、先ほどちょっと二百六十億とおっしゃったかと思いますが、二百七十億六千五百六十八万一千五百円というふうになっております。 それから、正確な資料は持ってまいりませんでしたのでちょっとあれなんですが、六十一年度の営団の決算におきましては、税引き前といいますか経常収支で相当大幅な黒字を出しております。これによりまして累積赤字をかなり消したという状況でございます。
○西中委員 次に、国鉄改革法施行法附則の二十四条で、国鉄が「清算事業団となった後において、清算事業団から適正な価額で政府に譲渡されるものとする。」と規定されております。 質問でありますけれども、まず、いつ国に譲渡されるのか、その時期はいつなのか。第二点は、「適正な価額」とは、いつだれがどこでどのような算定方式で決定をするのか、伺っておきたいと思います。
○林政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、清算事業団の営団に対します出資持ち分につきましては、国鉄改革法等施行法の附則第二十四条第二項におきまして、「政府は、清算事業団に対する貸付金の償還に代でこれを「譲り受けることができる。」すなわち代物弁済ということができることを規定しております。この規定に基づきまして、清算事業団に対する政府貸付金、これの償還期の到来の都度、償還額に応じて譲り受けるということになるわけでございます。 例えば、具体的にはことしの九月の三十日に第一回目の償還が参りますけれども、五十一億一千八百万でございますが、これについてまずその適用があるわけでございます。したがいまして、これからの評価が一体どれくらいの額になるかによりまして、その償還期のいつの時点でちょうど完済という形になるか、これがまだこれからの評価額によって変わってまいりますので、今の時点では、いつまでに譲渡が完了するか、まだ決めかねる状態でございます。 それかうまた、清算事業団がその出資持ち分を政府に譲渡するに際しましては、清算事業団法の施行規則第一条によりまして資産処分審議会の意見を聞くということになっております。現在、この審議会で株式等処分部会というのをつくりまして、営団の出資持ち分の処分につきまして具体的にどういう手法でこれを評価するかという検討が続けられております。したがってまだ結論が出てないわけでございますが、最終的な譲渡価格につきましては、この審議会の結論を得まして、その意見を踏まえて、基本的には清算事業団がその債権者である政府と相談をして決定をするということになろうかと思います。
○西中委員 これは人の話でございますけれども、もし上場というようなことになれば現在の出資額の十数倍というような値段になるだろうというように言われておりますけれども、それほどの形になるように予想されておりますか。
○熊代政府委員 この出資持ち分の評価につきましてはいろんな評価の仕方ということがありまして、林審議官からお答え申し上げたように現在処分審議会の方で検討されているところでございます。いろんな評価方法というのは、類似株価との比較の方法とかあるいは資産をもとにした評価の仕方とかということでございまして、検討中でございますので、どういう方向ということを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○西中委員 これもひとつ厳正に評価をしていただきたい、こういうように思っております。 そこで、営団の民営化でございますけれども、東京都の方は都営地下鉄との一元的運営を求めておるのは御承知のとおりでございます。いろいろ話し合いもあったんではないかと思いますが、経緯をお知らせいただければありがたいと思います。 同時に答申では、将来「公的資本を含まない完全な民営企業とする。」としておるわけでありますけれども、そうなりますと、東京都の持っている約四十数%、半分近い出資についても手放すということに相なるのか、その点も確認をしておきたいと思います。
○熊代政府委員 東京都と営団の地下鉄の一元化問題につきましては、先生御指摘のように東京都の正式な意向ということとは必ずしも限らないわけですけれども、都議会等におきましてそういう議論があったことは事実でございます。なお、これらにつきまして、一昨年あるいはもうちょっと前だったでしょうか、都知事の諮問機関的なところで議論されたこともございます。 運輸省といたしましては、営団地下鉄と都営地下鉄の一元化につきましては、現時点におきます両者の財務状況及び経営効率の差あるいは職員の処遇問題、先ほど申し上げたような計画を今後さらに促進するという意味の地下鉄の建設促進などの点から、現時点での一元化については必ずしも適当でないというふうに判断しておりまして、当面両者それぞれの経営の改善、効率化を一層促進する、あわせてサービスの一体化を図るという線で進んでございます。したがいまして、この件につきまして東京都と運輸省とが話し合いをしたということは特にございません。 それから特殊会社化につきまして、先ほどまだ時期が決まっていないと申し上げたわけですけれども、我々としては五年以内にということでございますので、もう一つの出資者であります東京都と必要に応じその具体化の段階で協議はしていきたいというふうに思っております。 それから、公的資本を含まない完全民営化ということを言われております。東京都も地方公共団体でございますので、おっしゃるようにそこからの出資は公的資本ということになろうかと思います用意味されておるところは、いわゆる完全な商法上の株式会社として民間資本に基づく会社化ということが観念されておると思いますけれども、現時点ではまず株式会社化を進め、その後さらに完全民営化を検討していくという手順で進めていくことになろうと思います。
○西中委員 東京都とは正式な話し合いはしていないというようなお話でございますけれども、東京都から要望書も出ておりますでしょうし、しばしばこのことが問題にもなっておるわけでございます。また、五年以内ということになりますとすぐにやってくるわけでありまして、この点については、職員等々も大勢いるわけでありますから、安心できる状況に持っていってやることも大事な問題だと思うのです。そういう意味で、東京都の意向なり意見というものを十分に聞き、そして協議をするということにしていただくことが大事だと思っておりますが、大臣にお伺いをしておきたいと思います。
○橋本国務大臣 要は、行政改革の実を上げると同時に、これらの路線を利用される都民にとって一番いい方向を模索していくことでありますから、その間において東京都とも十分に相談はいたしてまいりたいと思います。
○西中委員 次に、今月の十一日と十九日に起こりました全日空と自衛隊の航空機の異常接近について若干お伺いをしておきたいと思います。 十一日は、全日空のボーイング767と海上自衛隊の訓練支援機が高知沖で異常接近したと全日空の機長から報告があったと聞いております。続いて十九日は、今度は北海道でございますが、全日空ボーイング737と航空自衛隊のF15戦闘機、この異常接近も全日空機長からの報告ということになっておるようでございますが、運輸省及び防衛庁の現在までの事実関係の掌握状況はどうなっておるか、伺っておきたいと思います。
○山田(隆)政府委員 最近の異常接近の報告でございますけれども、ただいま先生からお話がございましたように、機長報告が二件出されております。 まず一つは八月十一日でございまして、当日、高知沖におきまして全日空三五四便鹿児島発名古屋行きが、レーダー管制下におきまして高度二万九千フィートで飛行中、串本の西南西約百八十キロメートル付近におきまして海上自衛隊U36A訓練支援機と接近したというものでございます。 それから二つ目の案件は八月十九日のものでございまして、千歳上空の異常接近でございます。これは全日空三三九便新潟発千歳行きが、千歳のレーダー管制下におきまして高度一万二千フィートで飛行中、千歳の東約二十五キロメートル付近におきまして航空自衛隊F15戦闘機と接近したというものでございます。 これらの事案につきましては、目下私どもの方で関係者等から事情を聴取いたしまして事実関係の調査に入っておりまして、調査結果はわかり次第発表いたしたいというふうに考えております。
○西中委員 この問題、極めて憂慮しておるわけでございますけれども、昨年の記録では異常接近の報告はゼロだったというように聞いておるわけでございますが、この点は間違いございませんか。
○山田(隆)政府委員 六十一年度につきましては異常接近報告はございません。
○西中委員 一方では民間パイロットのアンケート調査によりますと、六十一年、七十二人がいわゆるニアミスをしたという報告をしておるわけでございます。この報告ゼロとアンケート調査との乖離というものは極めて問題だというふうに私は思っておるわけでございますが、運輸省の認識はいかがですか。
○山田(隆)政府委員 異常接近の報告についてでございますけれども、まず異常接近の定義につきまして申し上げますと、航空法の七十六条の二で「機長は、飛行中他の航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認めたときは、」「運輸大臣にその旨を報告しなければならない。」こういうことになっております。このような状態を私どもとしては異常接近、俗称ニアミスと言っておるわけでございますが、この状況は非常に抽象的でございます。 私どもといたしましては、実務上の判定基準といたしまして、まず第一に、回避操作をとる余裕がない状態で空中衝突あるいは空中接触の危険性がある程度に接近したもの、第二に、異常回避操作により空中衝突あるいは空中接触を避け得たもの、この二つの概念を示しておりまして、これに該当する場合に機長の報告を求めておるわけでございます。それで実際に機長の報告がどのようになされているかということにつきましては、今のようなことにつきまして、私どもといたしましては航空会社等に十分周知徹底を図っておるわけでございまして、航空法に基づく報告というものは、今のような条件に該当したものと認定されたものに限るわけでございます。 他方、先ほど先生からお話がございました、昨年一年で七十二人ものニアミス経験者があるのではないかというお話でございましたけれども、これは航空安全会議のアンケートによりますものというふうに承知しております。この場合のニアミスという定義は必ずしもはっきりいたしておりません。そういう面で、これは推測でございますけれども、航空安全会議のアンケートの場合には、恐らくより広い概念で回答者がそのような回答をしたのではないかというふうに考えております。
○西中委員 我々は素人ですから、新聞でこういう記事が出ますと、飛行機は危なくて乗れない、こういう気持ちになるのです。基準が違うんだろうということで放置をされておりますと極めて迷惑なんです。やはりこういう問題については、でき得る限り規定をきっちりし、双方といいますか、運輸省からも指導をしていただいて、同じような認識のもとにおいてニアミスがあったのかなかったのかということを知らせていただかないと、要は乗客、お客さんがどうなのかという問題なんでございますから、その辺のところは、ただ基準が違うから数が違うんだということで済む問題ではないように私は思うのです。 したがいまして、この問題についてはどちらが正しいとか正しくないとかは別にして、もう一度検討していただいて、国民が安心できるような結果というか、報告が行われるようにしていただきたい。それてなければ、報告自体が何の意味もない、こういうことになるわけでございますね。逆に、報告ゼロが発生ゼロではなかったということであれば、これはもう大変だと思うし、今度は事実、発生しておるのだけれども、パイロットが報告しなくて、七十二人が黙っておったからわからなかったんだということになれば報告義務の違反でありますから、どちらにしてもこれは問題があるわけです。ですから、この問題についてはもう一度よく検討していただいて、わかりやすい基準で、そう誤差の出ないように何らかの方法をとっていただきたい、このように私は思うのですけれども、いかがですか。
○山田(隆)政府委員 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、異常接近の定義というのは、確かに具体的にはなかなか示し得ませんけれども、できるだけはっきりした形で航空会社に周知徹底を図っております。また、国が発行いたしております航空路誌でも十分周知徹底を図っておりまして、今後とも、法令に従いまして適切な報告がなされるよう一層の努力をいたしたいというふうに考えております。
○西中委員 ですから、七十二人のパイロットが異常接近したんだ、こういう認識をしておるのですね、調査では。これはきちっと報告してもらわなければ困るわけで、そういった面も含めて、基本的にもう一度検討し直していただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。
○橋本国務大臣 要は、法に定められた報告義務というものに忠実に、各機長さん方がそうした事態に遭遇された場合には的確な報告をしていただくということに尽きると思います。そういった方面に対しての指導は今後とも一層徹底させてまいりたい、そのように考えております。
○西中委員 そこで現在、報道では、アメリカはニアミスが非常に多発しておるということで、またけた違いに航空大国でもありますから、なかなか難しいことだろうと思うのですが、民間航空機絡みのニアミス発生件数は一日一件、軍用機や自家用機を含めると一日三件ということで、非常に憂慮すべき状況にあるという報道がなされております。 我が国はまだこういう状況にないようでありますけれども、しかし、今後航空需要は増加する一方であろうと思います。特に羽田沖合展開、成田二期工事の進展、関西空港の新設など飛躍的に航空交通の密度が高まることは確実だと思いますが、今からこの異常接近を防ぐシステムの開発、これに力を入れるべきであろうと私は思います。特に関東の空域は極めて複雑で、やはりこの危険は大きいと考えておかなければならぬと思うのです。 アメリカでは、今百二十二億ドルをかけてコンピューター制御ATCシステムであるとか、さらにはドップラーレーダーの設置であるとか、TCASの設置であるとか、こういうものの研究が非常に急がれておるわけでございます。当然我が国としてもこの研究は進んでいるかと思いますけれども、こういった問題、運輸省としてはしっかり力を入れていただきたいし、同時に、一体どの程度のところにあるのか、現況を伺っておきたいと思います。
○中村(資)政府委員 お答えいたします。 先生御指摘になりましたように、羽田の沖展あるいは成田の二期工事、関西、こういう三大プロジェクトがこれから進むわけでございますので、私どもとしても、マン・マシーン・システムといいますか、フロー・コントロール・システムだとか、あるいはシステムのいろいろな評価をするセンター、あるいは広域レーダーの関係、こういう三本柱での要求を六十二年度に向けて実はかためてまいろうということで、今鋭意検討をしております。 その中では、確かにおっしゃいましたように、ニアミス関係のいろいろな機材につきましてもアメリカでかなり開発が進んでおります。一つには、航空機に搭載をいたします空中衝突防止装置でございますが、これは我が国でも例の雫石の事故以降その開発に鋭意努力してまいったわけでございますが、その後、国際的に統一を図る必要もあるということで方式が若干変わってまいりました。そういうこともございまして、昭和五十八年になりましてからは、国際民間航空機関の中で、同装置の規格を国際的に統一するための専門のパネルが設けられましたので、現在、委員を派遣して国際規格案の作成に貢献をしておるところでございます。残念ながら、今のところ、空中衝突防止装置の実用化につきましてはまだ数年かかるのではないかと思っておりますが、こういうものが実用化されましたときには、鋭意その装備について努力をしてまいりたいと思っております。 それから、フロー・コントロール・システムでございますが、具体的にはこれから何年かかけまして、いろいろな意味でアメリカのシステムが進んでおりますので、そういうものを勉強しながら、その成果を取り入れたものを私どもの方でもつくってまいるよう努力してまいりたいと思っております。
○西中委員 これは世界的にある程度協力をしながら進めていかなければならない問題だろうと思いますが、日本としてもこれは鋭意努力を願いたいというふうに言っておきたいと思います。 それから、異常接近が報告されました千歳空港ですが、安全のために管制統制官制度を導入すると伝えられておりますが、これはどのような役割を果たすのか。同時にまた、航空自衛隊が管制をやっておりますから、どの程度この権限が及ぶのか、その辺もあわせてお伺いをしたいと思います。
○山田(隆)政府委員 千歳につきましては、先生おっしゃいましたように、現在、防衛庁が進入管制業務、飛行場管制業務等の業務を行っております。また、来年七月に新千歳空港が開港するわけでございますけれども、これは純然たる民間空港でございますが、この飛行場管制あるいは進入管制等につきましても、新千歳空港が現千歳空港とかなり接近しているという状況から、管制につきましては一元化して行うことが望ましいということで、防衛庁と私どもと協議いたしました結果、今後も引き続き新千歳空港を含めて防衛庁が管制を行うことにしておるわけでございます。 そこで、この業務を円滑に行うことも含めまして、私どもとしては来年度の組織、定員の要求として千歳に航空管制業務統制官というものを現在要求しておるところでございます。この航空管制業務統制官と申しますのは、防衛庁に委任しました管制業務につきまして航空法第百三十七条第四項の規定に基づく統制を実施する権限を持つものでございます。具体的には、運輸省の千歳空港事務所に配置することを考えておりまして、防衛庁が実施いたします現在の千歳飛行場及び新千歳空港に係る管制業務につきまして航空局としての統制業務を行うわけでございます。 その具体的な内容といたしましては、管制業務及び施設の視察、それから管制業務に関する報告の徴収、民間航空会社等からの要望等の聴取、これらの事項についての改善策の検討及び現地部隊等との調整、こういった業務について、新しい航空管制業務統制官に行わせたいと考えております。
○西中委員 次に、コミューター航空の問題について伺っておきたいと思います。 昨日、運輸省航空審議会の小委員会で報告がなされたようでございます。今日までさまざまな議論の中で積み上げをしていただいたと思いますが、どういうことが一番焦点になっているのか、伺っておきたいと思います。
○山田(隆)政府委員 コミューター航空の問題につきましては、運輸省の航空審議会の中に地域航空輸送問題小委員会というものを設けまして、ことしの春以来いろいろ御議論をいただきまして、昨日、小委員会で報告の取りまとめをいただいたところでございます。 ここでは、今後のコミューター航空の位置づけ、それからコミューター航空について、国であるとか地方公共団体あるいは事業者といった関係主体の役割、コミューター空港の整備のあり方、コミューター航空事業のあり方、こういったものを御議論いただいたわけでございます。昨日の小委員会の答申におきましては、今後のコミューター空港の整備については地方が主体となるわけでございますが、これに対して「国は、一定の財政上の支援を行うことが適当であり、その程度は、従来の空港整備法の第三種空港に次ぐ水準とすることが適当である」という考え方が打ち出されております。
○西中委員 概算要求では、コミューター空港に関しては四〇%の助成で五億、ヘリポートについては三〇%の助成で五十億というように聞いておりますが、今の中間報告の考え方に従って出てきたものだろうと思うのですけれども、その点はどうか。同時に、この整備に当たっては環境アセスメントの費用とかさまざまな経費がかかるわけでありますけれども、これは助成対象になるのかならないのか。 また、今回の補正予算及び来年の概算要求ということで空港の整備がどんどん進められることは非常に結構なんですが、運輸省として、日本全十にわたってコミューター空港及びヘリポートについてはこれだけのものをするというのは、この小委員会の結論を待ってから立案されるのか、それとも独自でお決めになっておるのか、その点はどういう関係になっておるのかを伺っておきたいと思います。
○山田(隆)政府委員 まず、来年度におきますコミューター空港関係の予算についてでございますが、コミューター空港につきましては、今国会に提出いたしました日本電信電話株式会社の株式の売却収入の活用によります社会資本の整備の促進に関する特別措置法関連法案におきまして、空港整備法を改正いたしまして、地方公共団体が行いますヘリポートあるいはコミューター空港等に対しては国の無利子貸し付けを行うような制度を創設したわけでございまして、来年度の予算につきまして、ヘリポートの整備としては東京ヘリポートその他四十カ所で五十億円を要求いたしておりますし、コミューター空港としては但馬空港及び枕崎空港の整備ということで五億円を要求いたしておるところでございます。これらの制度につきましては、先ほど申し上げましたように、航空審議会のコミューター小委員会の意見をも踏まえて要求させていただいておるわけでございます。 それから、環境アセスメントに係る費用を助成対象とすべきではないかという問題でございますが、地方公共団体が整備するコミューター空港及びヘリポートの整備費に対して助成をするわけでございますけれども、その中で環境アセスメントに係る費用については助成の対象とは考えておりません。これは、従来から整備を進めてまいりました地方公共団体が設置、管理いたします三種空港についても同様の取り扱いを行ってきておるところでございまして、それと同じような取り扱いをヘリポートについても行っていくということでございます。 それから、今回出されたコミューターについての報告といいますのは中間的な取りまとめでございまして、最終的な報告というものは、これからさらにいろいろ御審議をしていただきまして来年の春ごろになるのではないかと予想されますけれども、私どもといたしましては、コミューター航空に関する全般的な措置というものはその最終報告を待って考えていきたいというふうに思っております。
○西中委員 この種のコミューター空港及びヘリポートをどんどん増設していただくのは結構でございますが、いずれにしても、小型機の時代を迎えようとしておるということだと思います。したがって、それらが本当の意味で実を上げていくということになるのは、中核の空港が受け入れの整備が行われないと十分な効果を上げ得ないのではないかと思っておるわけでございますけれども、こういう点についてはどういうお考えにあるのか。特に羽田、成田、関西空港といった点で十分な配慮が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山田(隆)政府委員 コミューター航空の将来の発展を考えますと、先生おっしゃいますとおり、基幹空港への乗り入れというのが非常に重要な問題になろうかと思います。他方、基幹空港の現状を見てみますと、羽田空港は既に定期便がほとんど増便できないという状況にございまして、現在、そのような制限を解消すべく沖合展開事業を進めておるところでございます。また大阪空港につきましては、環境上の問題からやはり乗り入れ便数が制約を受けておりまして、現在、羽田にしろ大阪にしろ、原則として小型機の乗り入れは認めていないという状況にございます。 今後どうするかということでございますけれども、羽田につきましては、沖合展開工事の完成の際には、現在十六万回と言われている発着回数が二十三万回と約五割程度ふえますけれども、国内の今後の輸送の伸びを考えますと、今でも非常に需給が逼迫しておりまして、今後増大する輸送を考えますと、従来の大型の定期便の乗り入れで恐らく早晩いっぱいになるのではないか、なかなか小型機を入れる余地は少ないのではないかというように考えております。沖合展開工事と同時に、私どもとしては、小型機の受け入れをどうするか、コミューターというものが最近非常に関心が高まってまいりましたので、これについては今後の航空審議会のコミューター小委員会等でも御議論いただきたいというふうに考えております。 それから大阪につきましては、関西国際空港が六十八年の春には供用開始予定でございますが、これも当初の計画というものは、国際線なり国内線なり従来の型の定期便の就航ということを考えておるわけでございまして、最近関心の高まってきた小型機対策というものは必ずしも十分考えられていないところでございます。 ただ、今後コミューター航空の進展度を勘案いたしまして、東京であるとか大阪であるとかこういった地域にどのような形でコミューター航空を受け入れていくかということは、これからの問題として検討させていただきたい。ただ、東京、大阪のような特殊な地域を除きましたそのほかの空港につきましては、余裕がある限りコミューター航空についても受け入れを図っていきたい、かように考えております。
○西中委員 今の御説明ですと、東京、大阪は非常に困難で、これから対応を急がなければならぬ、こういうことだと思いますが、小型機の経営面からいけばむしろ需要の多いのは東京、大阪だろうというふうに思うのですね。ですから、ここに入らないということは、日本のコミューター航空の進展という点では極めて難しいというふうに私は判断をするわけでございます。そういう点で、今から積極的に取り組みをしていただいても早くないわけですから、どうかひとつ馬力を出してこの問題はいい形を見出していただきたい、こういうように要望しておきたいと思います。 次に、海上保安庁にお伺いをいたしますが、昨年六月十七日、福島県相馬市沖の太平洋上で沈没をいたしました海洋調査船「へりおす」、この海難について、簡単で結構でございますけれども、今までの経緯を御説明いただきたいと思います。
○大塚政府委員 事故処理の経緯について申し上げます。 昨年六月十八日十四時ごろ、航行中のカーフェリーが金華山沖合で漂流中の無人のゴムボートを発見いたしました。巡視船がこれを揚収し調査したところ、このゴムボートは海洋調査船「へりおす」搭載のもので、同船は六月十六日清水港を出港し、北海道に向かう途中、六月十七日十七時、福島県塩屋崎沖において運航者の日本浅海研究所あて、これ以上しけたら付近の港に避難するとの船舶電話による連絡を最後に消息を絶っていることが判明しました。 海上保安庁は、直ちに塩釜海上保安部に海難対策本部を設置し、巡視船、航空機を出動させ、捜索を開始したのでございますが、六月二十日福島県鵜ノ尾崎沖合で湧出油を発見したほか、付近海域で同船の作業用ゴムボート、潜水用帽子等多数の物件を揚収したため、巡視船に搭載しましたサイドスキャンソナーで海底の調査を行い、六月二十二日北緯三十七度四十五分東経百四十一度三十九分の海底で「へりおす」の船体と思われるものを発見いたしました。七月一日にはサルベージ会社の潜水艇の調査により、沈没船は「へりおす」であると確認をされております。 乗組員等については、六月二十八日に塩屋崎沖合で二名が漂流遺体で発見され、また九月七日に一名が漁労中の漁船により遺体で発見されましたが、残る六名は行方不明となっている。 以上でございます。
○西中委員 行方不明と思われる遺族の方からお話も伺ったわけでございまして、どうかひとつこの問題についてはしっかりした取り組みをしていただきたいと思います。 その後、関係者のさまざまの調査の中で、船長さらには設計者、さらには会社側、こういったところが書類送致をされておるようでありますけれども、来月の二十二日、水深二百三十メートルの海底から船体の引き揚げ作業が始まるようなことを聞いております。具体的にどういう形になっておるか、伺っておきたいと思います。
○大塚政府委員 「へりおす」の引き揚げにつきましては、船舶所有者の駿河精機株式会社と遺族側との話し合いの結果、幸い今般引き揚げることに決定し、九月二十二日から沈没現場で引き揚げ作業を開始することになったと聞いております。 引き揚げ作業は、サルベージ会社の計画によりますと、沈没現場海域で潜水作業等により船体を浮揚させた後、塩釜港に曳航することとなっておりますので、海上保安庁としましても、必要に応じ巡視船艇等による現場の警戒等を行うとともに、前広に通航船舶、操業漁船に対し水路通報や航行警報を行って、作業状況を周知して海上交通の確保を図るなど、引き揚げ作業が円滑に行われるように措置したいと考えております。
○西中委員 十分な御配慮がいただけると思いますが、私の方からも、重ねてこの引き揚げ作業についてはできる限りの支援をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。 同時に、こういう事故を二度と起こさないということが一番大事な問題でございますから、役所としてのかかわり合いはどうなるのか知りませんけれども、船のさらなる沈没原因であるとか設計上の問題であるとか航行上の問題であるとか、それぞれ書類送致されておるような状況でありますから、当然もう一度お調べになるんだろうと私は思うのです。その面も含めてしっかりした取り組みをぜひお願いしておきたい、このように思う次第でございまして、技術的な面をあとどうされるか、もう一度伺っておきたいと思います。
○大塚政府委員 「へりおす」が引き揚げられた場合におきましては、海上保安庁としましても行方不明者の捜索、船体の検証等を実施しますほか、船体の状況を見まして、できますれば所要の試験を実施するなど、必要な補充捜査を行いたいと考えております。
○西中委員 まだ行方不明ということですので御遺族とは言えないのですけれども、まだ生きておるような気持ちがするとおっしゃっているような状況で、私たちも非常に心が痛むわけであります。どうか大臣、今海上保安庁からも力強いお話をいただいておりますけれども、ひとつしっかりこの問題にお取り組みをいただくように、決意のほどを伺っておきたいと思います。
○橋本国務大臣 大変痛ましい事故でありましただけに、私どもとしても今まで注意を払ってまいりました。海上保安庁が全責任を持って全力を尽くすと信じております。
○西中委員 次に、我が党が提案をいたしております洋上学校構想について簡単に触れておきたいと思います。 七月の参議院予算委員会におきまして塩川文部大臣は、安全性などクリアをしなければならない問題はあるけれども、すばらしい企画であるからぜひ積極的にやりたい、こういう答弁をされております。また総理も、大賛成である旨の御答弁をされたわけでありますが、この計画の主たる目的は、言うまでもなく生徒児童の教育というところにあるわけでありますけれども、同時に、私ども運輸に関心を持つ者としては、現下の造船不況対策、船員雇用問題等にも若干資するものがあるのではないか、こういうように考えておるわけでございまして、運輸省としてもでき得る限りの支援、また積極的な取り組みをお願いしたいと思うのですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 私は、この御構想を伺いましたときに、船舶建造の財源調達でありますとか運営主体、採算性、さらには船上での安全性とか健康管理といった問題を考えますと、関係者の間の調整が必要だなという感じはいたしました。しかし、我々は今のどから手が出るほど新しい船の注文が欲しいときであります。こういう構想が具体化されれば、我々としては本当に心からお礼を申し上げます。
○西中委員 先ほども申しましたけれども、これは文部大臣がおっしゃっているわけですが、主体となるべきものは、その答弁のとおりに、これはやはり都道府県であろう、私たちも現在のところそういった方向で考えておるわけでございます。したがいまして、文部省としても助成をしたい、こういう御答弁をいただいているわけでございますが、まだまだこれは各地方自治体でいろいろ検討を重ねていかなければならぬ問題であります。しかしながら、文部省もそういう積極的な助成ということを言っておりますので、運輸省においても、もしもこれが実現ということになればさまざまな助成、例えば入港料の減免等々ぜひ検討していただきたいし、同時にまた、こういった船舶は前例がほとんどございませんから、専門の立場からどういう船がいいか、これは都道府県で決めることでありますけれども、それなりの調査研究等もぜひお願いをいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○間野政府委員 洋上学校の構想でありますけれども、これはおっしゃいましたように、文教政策ということで第一義的に検討されるべき問題であろうかと思いまして、特に運輸省の方で財政上の支援措置を講ずるということはいろいろ難しい面があるかと思いますが、技術的な面で、例えば、先ほども安全性の問題等御指摘ありましたけれども、どういう設計であるかとかあるいはどういう仕様書でつくればいいかというような面ではできるだけのことは御協力していきたいというふうに考えております。
○西中委員 ぜひ真剣なお取り組みをお願いしておきたいと思います。 次はオートマチック車の急発進、急加速の問題についてお伺いをしたいと思います。 きょうの新聞では、運輸省はトラブル発生原因を解明する実車走行うストの対象車種を拡大する、こういうような報道もあったようでございますけれども、こういう判断になってきた背景といいますか、既にこの問題の原因究明を始めておられるわけですが、今どういう状況にあるのか、伺っておきたいと思います。
○清水(達夫)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のAT車の急発進、急加速につきましては、これまでも昭和五十八年に問題となりました。その機会を契機といたしまして私どもといたしまして、メーカーに対しまして急発進、急加速の苦情、事故の事例の報告を求めまして、その内容につきまして検討を重ねてきたところでございますが、御案内のように急発進、急加速現象が再現しにくい、こういう技術的な問題もございまして、直接的に車両の構造、装置の欠陥によりまして事故が起きたと認められる事例は見当たらなかったものでございます。しかしながら、本年の五月末に大きな事故が二件ほど連続して発生いたしましたこと、またこれまで私どもに報告されました事例の中には、少数ではございますが、運転者の誤操作だけでは説明のしにくい事例も出てまいりましたので、今般、原因究明を徹底して行いまして所要の対策を講ずる、こういうことにしたわけでございます。
○西中委員 AT車の急発進、急加速の発生件数は百七十八件というように聞いておるのですが、誤操作と認められないケースというのは何件くらいあって、どういうケースを指しておるのか、伺っておきたいと思います。
○清水(達夫)政府委員 お答え申し上げます。 現在、私どもに集まりました百七十八件につきまして交通安全公害研究所の方で分析をいたしておりますが、走行中に急に速度が上がったといったようなものが六件ほどございます。そういったものを含めまして全体的に現在洗い直しをしている、こういう状態でございます。
○西中委員 運輸省の調査は調査としてこれからも鋭意続けていただかなければならぬと思っておりますが、これは自動車を製造したメーカーがみずからの責任においてしっかりやってもらわなければならない。むしろこれは運輸省がやるよりも、第一義的に安全な車を販売する、製造する、これが本当だろうと思うのですね。したがって、メーカーに対して原因究明をしっかりやるように運輸省は指導すべきである、私はこう考えておりますが、その点いかがでしょう。
○清水(達夫)政府委員 お答え申し上げます。 私どもといたしまして、自動車工業会に対しまして原因の究明を指示したところでございますが、御指摘のように、各メーカー自身におきましても当然自社の車両につきましていろいろな情報を収集いたしておるところでございますので、それらの苦情などの情報に基づきまして問題のある装置、部品などを使いまして各社それぞれ実験部門におきまして究明のための再現試験、そういったものの努力を鋭意重ねておるところでございますが、運輸省といたしましても、各メーカーにおけるこれらの原因究明に積極的な努力を傾注するよう引き続き指導を強めてまいりたい、かように考えております。
○西中委員 これは極めて人命にかかわる問題でございますから、メーカーが本当に真剣に一刻も早くこの原因を明らかに把握をする、これを指導はしていただいていると思いますけれども、私は、特に事の重要性を考えますと、もう既にやっていただいているとは思いますが、大臣においてもしっかりメーカーに原因究明を一日も早く行うように指導していただきたい。同時にまた、自動車教習所等で今二時間ぐらい講義か何かしておられるようですが、その研究の経過の中でそれなりの情報が出てきましたならば、やはり自動車教習所においてもしっかり教育訓練をやるようにやっていただきたいというように思うのですが、最後に、そういった点について大臣の決意のほどを伺って、私の質問を終わります。
○橋本国務大臣 確かに、今御指摘を受けました、原因究明の中途において何らか役に立つ情報があった場合に運転教習所の教科の中にそれを取り込む工夫をするというのは、大変的確な御意見をいただいたと理解をし、私どもこれから十分考えてまいりたいと思います。 原国究明に当たってメーカーに努力を命ずることは当然でありまして、全力を尽くします。
○西中委員 終わります。
○鹿野委員長 中路雅弘君。
○中路委員 最初に、ニアミス事故の問題について二、三お伺いします。 十一日の高知沖の問題、それから十九日の千歳空港上空での自衛隊機と民間機のニアミスの相次ぐ発生の問題ですね。航空交通が今大変大型化、高速化している、その交通量も非常に増大している中で、大変な不安を増大している国民の重大問題だと思いますが、新聞の報道を見ますと、橋本運輸大臣が自衛隊機のニアミス多発について、防衛庁に雫石の教訓を忘れないでほしいと異例の注意の喚起をされたという報道もされていますけれども、最初に、今ニアミスの多発している問題について大臣の見解、認識をお聞きしたいと思います。
○橋本国務大臣 先般来続けて二件のニアミスと思われる事件が起き、現在、運輸省はその調査、解明に当たっております。ですから、具体的な事件について触れることはいたしませんけれども、いずれにいたしましても、空の事故というのはそれがたちまち人命にかかわるものでありますだけに、双方も注意をし、事故の発生を防ぐためにはニアミスといった事態は何としても回避しなければなりません。 先般来、本院におきましてもまた参議院におきましても、こうした点についての問答が交わされました際、防衛庁側の御答弁の中であるいは雫石の事故の教訓を既にお忘れになったかのような御発言がありましたために、あの事故の直後の気持ちに返っていただきたいという気持ちを申したことは事実であります。
○中路委員 私も、特に七一年の七月、全日空機と自衛隊機の空中衝突によって百六十二名の犠牲者を出した雫石の事故の教訓が生かされる、このことが今日最も重要な問題でないかと思うのです。政府は、自衛隊機と全日空機の空中衝突事故の後に中央交通安全対策会議、座長は当時の佐藤内閣総理大臣ですが、これをつくられて、航空交通安全緊急対策要綱というのをつくられまして、閣議でも了承されたわけです。七項目の緊急対策、この中に、空港の空域並びに航空路の空域及びジェットルートの空域と自衛隊機の訓練空域とを完全に分離するという、いわゆる軍用訓練空域と民間航空路を完全に分離するなどの提案が出ていますけれども、私は、雫石の教訓の中で出された緊急対策要綱が完全に守られていくならば、ニアミスのような問題も起きないはずだと思うわけです。 今この訓練空域は、その後新設あるいは拡大されているところもあると思いますが、訓練空域の現状と、そして千歳、那覇、小松、三沢などは自衛隊、米軍と民間の共同空港になっておりますが、これは全国で今何カ所あるか、お答え願いたいと思います。
○山田(隆)政府委員 まず、自衛隊の訓練空域でございますけれども、現在、自衛隊訓練・試験空域として公示しておりますのが、高高度訓練・試験空域が十四カ所、それから低高度訓練・試験空域というのが九カ所、したがいまして、合わせて二十三カ所になります。 それから軍民共用空港の数についてでございますけれども、現在、自衛隊と共用しております飛行場は十四カ所でございまして、その内訳は、自衛隊が利用しております民間空港が九カ所、それから民間機が乗り入れております防衛庁設置管理の飛行場が五カ所ということでございます。
○中路委員 今度ニアミスの問題が起きました、千歳の空港上空で起きたわけですが、この千歳空港も、現在の空港の近くに今度民間機専用の新千歳空港を来年開港される予定ですけれども、この新空港の管制権も運輸省には渡されないで、依然として自衛隊が握るということになっているわけです。今の空域の問題、あるいは軍と民間の共同空港がどんどんふえてきているわけですけれども、これを見ても、雫石のときに出された緊急対策要綱から見ても、むしろ事態は逆行して、軍事優先の方向が進んでいるのではないかと思います。 航空管制の問題についても、やはり運輸省での一元化の方向が望ましいわけです。先日もこの委員会で那覇空港の問題について触れましたが、既に十五年間、暫定期間ということを日米で協定されている。運輸省もあるいは現場の技術者も管制官も、既に技術的に困難でない、問題はないと言っているわけですが、問題はアメリカの方が承知をしない。約束をした暫定期間、既に十五年でまだ返さないというのがあるわけですが、運輸省としてもこの一元化の問題について一層努力していただきたいということと、あわせて七一年に定められた航空交通安全緊急対策要綱を完全に実施していくように一層努力をしていただきたい。 きょうも、この問題について委員会が始まる前に運輸大臣にも申し入れをしたところでございますが、大臣の方から御所見をお聞きしたいと思います。
○橋本国務大臣 確かに、先刻申し入れ書はちょうだいいたしました。その内容につきましては、賛成できるところもあり、また私どもと意見を異にするところもありましたが、御意見はちょうだいをいたしたところでございます。 確かに、管制の一元化という言葉は大変よい言葉でありますけれども、現実に狭隘な日本の国土の中を考えます場合に、委員は軍民という言葉を使われましたが、軍という言葉を使ってよろしいのかどうか。自衛隊との共用という空港がありますことは、私はある程度やむを得ないことではなかろうかと存じます。千歳など防衛庁管理の飛行場における管制業務というものが航空法に基づいて防衛庁長官に委任をされておるわけでありますけれども、その実施は運輸省の定める基準と同一のものによって行われておるわけでございまして、今後とも、十分に安全が確保されるよう必要に応じて所要の調整、対策というものを講じてまいりたいと考えております。また、訓練空域等について十分にそれを遵守してもらうことは当然のことであると思っております。
○中路委員 さしあたって、特に今回のニアミスについて運輸省の安全監察官で調査されていると思いますが、管制官やパイロットなどからも事情を聞いて、今度の事故についての十分な調査、関係資料等をすべて公表していただき、原因の徹底究明と再発防止策をぜひとっていただきたい。今大臣は申し入れについて、握手はできないけれども二本指くらいの握手はできるというお話だったのです。これはその一本指くらいには入るのではないかと思いますけれども、自衛隊と全日空のパイロットの間でも非常に大きな証言の食い違いが今あるわけです。ぜひ運輸省で徹底究明をやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○橋本国務大臣 今回のニアミスに関しましての調査でありますけれども、今進行中でありますので内容について私は触れることはいたしませんが、これまでも防衛庁側の協力を得ているところでございまして、事情聴取、資料提出について防衛庁側の協力を十分得ておりますということだけは御報告を申し上げておきます。
○中路委員 監察官の方はいかがですか。首席監察官はおられますか。
○山田(隆)政府委員 航空局といたしましても、現在首席監察官のもとで安全監察官が事情聴取等原因究明をやっておりまして、これはただいま運輸大臣からも申し上げましたように防衛庁側からも協力を得ておりまして、事実関係の徹底的な究明をやりたいというふうに考えております。
○中路委員 今のニアミスの問題とは別なんですが、一問この機会にお聞きしておきたいのですが、大韓航空事件で、八三年から九月一日でちょうど四年目になるわけです。外務省お見えになっていますので、報告だけ求めたいのですが、ちょうど四年目になります大韓航空事故について、事故原因の究明がどこまで進んでいるのかということと、もう一点遺族補償、たしか二十七名ですか、日本人を含めた二百六十九人の乗客、乗員が犠牲になっているわけですが、この遺族補償がどうなっているか、簡単でいいですが、御報告いただきたいと思います。
○金子説明員 大韓航空機事件の真相究明につきましては、これまでソ連政府等に対し種々の機会に要請してきておりますし、また中立的な国際機関である国際民間航空機関、ICAOの調査を積極的に支援してきたところでございまして、先生御承知のとおり、ICAOにつきましては、我が国、米国、韓国の全面的協力を得て調査を行い、一応の報告書を作成したところでございます。しかし、御承知のとおり、なぜ大韓航空機が航路を逸脱したのか、そういう原因につきましては必ずしも断定しておらないということでございまして、我々としましては、今後とも、この事件の真相解明のためさらにこういった努力を継続していきたいと考えておるところでございます。
○本田説明員 補償の問題でございますけれども、遺族に対する補償の問題は第一義的には大韓航空と乗客の遺族の間の民事上の問題でございます。しかしながら、政府としましても可能な範囲で側面から最大限の援助を行うという立場から、大韓航空に対しましては、日本人遺族に対する補償問題の円満な解決に特別な努力を払うように、また韓国政府に対しましては、側面から補償問題の円滑な解決のために協力するように累次申し入れを行ってきております。 補償問題につきましての大韓航空と遺族との間の話し合いは、事件発生以来数回にわたり行われてきたわけでございますが、具体的な成果が見られずに、五十九年十二月及び六十年八月、日本人遺族会の一部の家族が大韓航空を相手取り東京地裁に、またその他の遺族が六十年一月大韓航空、米政府等を相手取って米国連邦地裁に損害賠償請求訴訟を提起したわけでございます。政府といたしましては、今後とも、当事者双方の努力によって補償問題が早期に円満な形で解決されることを希望しているわけでございます。また遺族に対しましては、累次関係資料を送付するなど側面的な援助を継続しておりまして、今後とも、このような側面的援助を継続していきたいと思っております。
○中路委員 ニアミスの問題については、本日私たち議員団の申し入れもやっておりますので、ぜひ検討していただいて、先ほど御答弁もありましたけれども、具体化できる問題についてはひとつ誠意を持って御検討、具体化していただきたいと思います。 次に、JR関係の問題ですけれども、八月二十四日に国鉄労働組合の六本木委員長から労働大臣あてに要請書が出されており、衆参の社会労働委員会にも同じような関係の要請が出されています。出向の問題なんですが、今JR東日本の関係だけでも第一次から第三次まで含めますと出向者の発令が三百九十二名に上っています。この三百九十二名のうち二百七十四名、七割以上が国労の組合員であります。例えば高崎地本の関係で見ますと、出向者の五十一名中八割近くが国労組合員、しかもその大部分が組合役係員ということになっています。 この出向問題について各県の地方労働委員会に訴えが出されていまして、御存じだと思いますが、神奈川、東京都、埼玉、栃木、千葉、新潟、愛知等の地方労働委員会で、JR会社が行っている出向命令について勧告や要望が相次いで出されているわけです。例えば神奈川地方労働委員会の勧告では、出向命令の実施を保留して、また、これに従わないことを理由として前記組合員に不利益を課してはならないという勧告が出ていますし、東京都の労働委員会の勧告でも、組合員の出向の基準について団体交渉を進めて、合意を得てから実施するように勧告が出されています。 労働省に最初お聞きしたいのですが、一般的に言って、第三者機関である地方労働委員会の勧告、要望は尊重されなければいけないと思いますが、いかがですか。
○長勢説明員 審査の実効確保の措置の勧告、要望は、不当労働行為事件の労働委員会におきます審査手続の一過程で労働委員会等が行うものでございますが、従来の実際の運用を見てみますと、勧告等が履行されている例もあれば、あるいはその勧告等が契機となって和解に移行したという例もございますし、また、その一方で履行がされなかったという例もあるところでございます。いずれにいたしましても、この実効確保の勧告、要望等につきましては、御案内のとおり、法的な強制力はないわけでございますけれども、労働委員会としては、当然勧告等を当事者が尊重されることを期待しておられるものと承知いたしております。
○中路委員 例えば政府も、最近七月二十三日の参議院予算委員会での出向の問題についての質疑で、何らかの同意が必要だということは平賀政府委員が答弁されています。今訴えが出されているのは、この出向問題で本人の意思が全く無視されて出向の命令が出されているということで、地方労働委員会でもこうした勧告が相次いで出されているわけであります。そういう点で、労働省また運輸省がこの問題についてJRに対して指導していただいて、勧告にもありますように、当該組合との団体交渉のルールをきっちり確立して、国会の答弁にもありますように、本人の意向を全く無視した強制出向にならないようにぜひ指導を私はお願いしたいと思いますが、労働省、運輸省の御見解を聞かしていただきたい。
○長勢説明員 実効確保の勧告等の性格は先ほど御説明いたしたとおりでございますけれども、この実効確保の勧告等は、労働委員会の個別事件の審査手続の一部という形で行われているものでございますので、労働省がこの問題について具体的にとかぐの指導を行うという立場にないことだけはひとつ御理解いただきたいのでございます。一般論として、不当労働行為があってはならないことであり、また、労使関係が円満であるべきことというのは当然のことでございますので、私どもとしてそういう方向で考えてまいりたいと思います。
○橋本国務大臣 従来私どもは、労働組合側から経営者に当事者能力を与えろというお話をさんざん聞いてまいりました。せっかく民営化になり、労使間で話し合われるべき事項に行政として介入するつもりはございません。
○中路委員 私がお話ししているのは国会の答弁や、あるいは後でお話ししますけれども、分割・民営化に当たって附帯決議も出されています。こうした決議はやはり守っていかなければなりませんし、そういう立場で政府としてのあるいは運輸省としての監督指導をお願いしたいと言っているわけです。 具体的な例で一つ出しますけれども、きょう何枚か持ってきましたけれども、今国労の現場の組合支部等から私たちのところに、これははがきなんです。百二十円切手が張ってありますジャンボのはがきを一部持ってきましたけれども、山積みするように全国から来ています。九州地区から来ましたのを一部持ってきましたけれども、この中にみんなそれぞれ自分たちの訴えを書いております。このジャンボはがき、表ははがきの形式になって、切手を張ってありますが、裏にマジックで皆それぞれ個人の訴えがいろいろと書いてあるのです。共通しているのは、国会の附帯決議等がほとんど守られていない、これはぜひ厳格に守ってほしいということなんです。例えばこれは国労の門司地本から出ているのですが、清算事業団に入っている人たちで、四十一名全員が国労の組合員なんですが、この五カ月間毎日自学自習ということで、何も仕事をさせてくれない、定期昇給もないし、ボーナスもカットされている。欠員があれば、当然附帯決議でも、清算事業団から優先的に補充されることになっているけれども、そういったことも全く行われていない。そういう意味で、国会でのこうした決議をぜひ守るようにしてほしいという訴えが共通にあるわけです。 御存じのように、例えば参議院の附帯決議を見ますと、職員の採用基準について、「本人の希望を尊重し、所属労働組合等による差別等が行われることのないよう特段の留意をする」というのがありますし、また、「できる限り清算事業団職員を新事業体に吸収するよう努める」、労働条件等基本的な賃金、労働条件については、清算事業団の職員の場合も国鉄職員時代の実績等をできる限り尊重するとともに、差別があってはならないという附帯決議が行われているわけです。 私は、来ました訴えが事実だとすれば大変問題だと思いますし、ぜひこうした実態を一度調査していただいて、国会のこうした決議に反する事実があれば是正するように指導をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○林政府委員 政府といたしましては、国会におきます附帯決議の趣旨を尊重いたしまして、その実現に努めることが必要であると考えているところでございます。このような観点から、職員の雇用それから生活の安定というものに十分な配慮を従来からも払ってきております。 先生御指摘の参議院の附帯決議の第九項の(一)、(三)、(四)に関連して申し上げますと、附帯決議の九項の(一)につきましては、設立委員が国鉄職員から新会社の職員を採用するに当たりましては、国鉄は設立委員会の示した採用基準に従いまして新会社の職員を客観的かつ公正に選定したという旨の報告が、当時の国鉄から設立委員会に行われております。また新会社の追加採用も、設立委員が行った採用に準じて行われたということでございまして、これらの採用は公正かつ適正に行われたというふうに考えております。 それから、御指摘の附帯決議九項の(三)でございますが、九州あるいは北海道、再就職先の確保が非常に困難な地域における対策でございます。こういう地域につきましては厳しい雇用情勢にあるということは事実でございまして、これら地域の清算事業団職員を対象に、新会社は一次、二次にわたりまして合計千六百二十七人の追加採用を行ったところでございます。さらに、残った人たちについてはこれから清算事業団が全力を挙げてその再就職対策を講じていくということになっております。 それから御指摘の(四)、労働条件等につきまして、清算事業団職員の基本的な賃金等につきましては、できる限り国鉄時代と同水準によるということで、労使で協議をいたしまして決められておるというふうに承知しております。 夏期手当につきましても、職員の勤務実態を踏まえて労使間で協議の上決定されております。 以上のようなことで、私どもといたしましては、極力附帯決議の趣旨に沿うように十分清算事業団を指導しておりますし、現にそのような対策が講ぜられておるというふうに認識しております。
○中路委員 訴えでも、ぜひ現場に視察に、調査に来てほしいということがありますから、私も時間を割いて現場には行きたいと思いますけれども、今御答弁がありましたが、運輸省の方でもJRについてこういう訴えがあるということをきょうお話ししていますから、ぜひもう一度御調査を願いたい。 一例だけ私挙げますけれども、これは鹿児島の隼人駅で、例えばJRの駅が独自にツアーを企画したんですね。そしてその営業成績が悪いというので、職員に全部、赤字になった分六十万四千二百円を振り割って負担させるということが行われております。募集人員の八十人が四十八人の予約しか集まらなかった。割り当ての三十六人分のうち、特に営業サービスセンター、ここの職員には大体大人一人分の料金を全部負担させたということで訴えがあるわけですが、JRの九州鹿児島支店長は、事実関係を調べて、このようなことが二度と起こらないよう指導したいとは言っていますけれども、労働省にお聞きしたいんですが、こういうことに自腹を切らしたり、ノルマが未達成だといって天引きしたり、労働者の負担にするというのは明らかに労働基準法の二十四条に違反すると思いますが、いかがですか。
○長勢説明員 ただいま御指摘の事実は初めてお聞きいたしましたので、背景等ちょっとただいま承知いたしませんので申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○中路委員 私が聞いているのは、一般的にこういう例えばJRがツアーを募集して赤字が出た。一応職員にノルマをやったんでしょうね。それが未達成だということで、自腹を切らせるとか強制的にそれを負担にして、今度は全部払っているんですけれども、自弁で者やっているんですね。こういうことは事実だとすれば労働基準法に違反することではありませんか。一般的な話を聞いているんです。
○長勢説明員 大変恐縮でございますが、いろんな事情等もあるかと思いますので、ここでお答えを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○中路委員 それでは、これは一般の新聞にも報道されていることです。現地の朝日新聞でも大きく出ているんです。至急調査をしていただいて、この問題については後日回答をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○長勢説明員 事案を調査の上、御報告いたします。
○中路委員 時間が限られていますので、あと二問ばかり。 鉄建公団はお見えになっていますか。――これは長い懸案の問題なんですが、武蔵野南線が昭和五十一年三月に開通して以来十年以上の経過をたどる問題です。振動、大変な騒音の対策の問題ですが、五十五年に私が国会で取り上げまして、当時の塩川運輸大臣もぜひ関係の被害者の住民と会いたいという話がありまして、その年に私も立ち会いまして関係の方が運輸大臣に会われました。話を聞いて、これは大変鉄建公団のずさんな工事だったということで、抜本的な対策が必要だ。当時の国鉄それから公団に対策を検討させるというお約束をされまして、既に十年たっているわけです。 またこの問題で、工事が始まる前に川崎市と鉄建公団との間で覚書が交わされています。振動は〇・三ミリセコンドとか騒音は昼間五十五ホン、夜間四十五ホンという覚書が交わされていますが、開通しますと途端に本当に地震のような振動、騒音で、被害で悩まされているわけですが、その後公団はどういう対策をとってこられたのか。 そして時間がありませんからまとめてお聞きしますけれども、現在お聞きしますと、せん断形のレール締結装置という新しい方法を開発して試験的にやっておられると聞いていますが、その効果等を含めて、簡潔に今やっておられる対策についてお聞きしたいと思います。
○向井参考人 武蔵野南線のトンネルにつきまして、五十一年三月に開業いたしまして振動問題が発生いたしまして、その後公団といたしまして、昭和五十一年から昭和五十六年度にかけましては軌道パッドの交換、これはやわらかくするということでありますが、それから五十四年度から六十年度にかけまして、建物に対する防振工事というものを施してまいりました。前者の方は振動源に対する対策でございますが、ある程度の成果は出たのでありますが、なかなかその目標値まで達しないということで、家屋の対策をその後続けてまいったわけでございます。しかしながら、これにつきましても十分なる成果が残念ながら、非常に努力したのでありますが、得られなかったということで、その後いろいろ技術陣で検討いたしまして、いわゆるせん断形レール締結装置と申しているもの、これはゴムを縦形に入れまして、これで振動を吸収するというものでございますが、これにつきまして五十九年度から開発にかかりまして、これまでにほかの線区に一部敷設し、それから当該線区に約八十メートル敷設いたしまして、六十二年の春に敷設いたしまして、現在その試験中でございます。 この試験の目的は当然振動の低減ということでございますが、それ以外に、これは列車が走るわけでございますので、列車の安定試験、それからトンネル内での耐久性がどうであるかということ、それから保守管理上どういう問題があるか、こういうことでございまして、こういうことを現在実際に現場で試験中でございます。 それでその効果でございますが、振動につきましては大体平均六デシベルほどの低下を期待できるということが現在までに判明しております。しかしながら、列車が走るということにつきましては、今の安定性の問題、それから耐久性の問題、それから保守管理上の問題、これが解決いたしませんと営業に大々的に使うということができないわけでありまして、現在、この点につきまして鋭意検討、試験を続けているところでございます。ということでございまして、振動だけの問題はかなりの成果が見られるということで、その他の問題についてさらに解明していきたいと思っております。
○中路委員 今の検討、今試験的な検討中なんですが、さらに抜本的な対策を進めていただくように、今の開発も一層進めていただいて、特にお願いしたいと思うわけです。 この問題の最後にもう一問、今の補償の問題です。現地では二百戸近く被害家屋があると思いますが、途中で打ち切られるのではないかという不安も今出ているのですが、これまでのように地元の関係者の実態をよく聞いて、補償についてはよく協議して、今後も誠実に当たってほしいということをもう一問お願いしておきたいのですが、いかがですか。
○向井参考人 補償につきましては、これまで家屋の変状等につきまして延べ九十戸について補償いたしております。それから、本年度は現在三十七戸の申し出がございます。いずれにいたしましても、トンネルの工事あるいは列車走行に伴う被害が生じた場合については補償いたします。
○中路委員 もう時間も近づいていますので、最後にもう一問お聞きしたいのです。 アスベストの問題ですが、最近、教室などの学校施設での天井や壁などの吹きつけ材として使用している発がん性物質アスベストによる汚染が全国的に問題になっていますが、私もこのアスベストの問題で、昨年の十一月に質問主意書を出しました。この質問主意書の回答で、労働省としてもあるいは環境庁も、監督指導を通じてその対策の一層の周知徹底に努めているという御返事をいただいているのですが、最近新聞報道で見ますと、私も調査したのですが、JRの新鶴見で貨車の解体作業でこのアスベストが出てきているのですね。列車の最後部に連結されている緩急車の中の暖房用のストーブの煙突を包んでいる断熱材にアスベストを使用しているのですが、最初作業のときに、現場の二人の助役もみんなアスベストであることを知らないで作業を始めて、飛び散っているということで、今大きな問題になっているのですが、これまでこうしたアスベストの作業について、指導徹底ということを労働省が言っておりますが、どういう指示をしておられたのかということ。 時間がありませんからまとめてお聞きしますけれども、今回の問題で現場の作業をやっている組合員から、当然ですが防じんマスクだとかあるいは作業衣だとかいうものが要求されていますが、上と相談するということで、まだ解決していません。労働者の安全、健康の問題にかかわることですから至急調査をして、この対策をぜひやっていただきたい、この二点をお聞きしたいと思います。
○冨田説明員 昨年既に建築物の解体または改修工事における労働者の石綿粉じんへの暴露防止等について、関係団体に要請するとともに、都道府県労働基準局長あてにこの周知徹底について指導してきたところでございます。本年六月からは、石綿等の撤去作業に際しての作業手順を含めたきめ細かな対策を行わせるべく、建設業労働災害防止協会に講習会を開催させて、その周知徹底を図っているところであります。今後とも、あらゆる機会を通じてその指導の強化に努めてまいりたいと考えております。 なお、昭和六十二年度安全衛生行政の重点の一つといたしまして、石綿粉じん暴露防止の徹底を図るよう、全国労働基準局長会議及び全国労働基準局安全衛生主務課長会議において指示したところでございます。 また、JR東日本株式会社中原電車区新鶴見派出所における貨車解体作業につきましては、現地の労働基準局において実態を調査し、その結果を踏まえて必要な対策を指導してまいりたいと考えております。
○中路委員 時間ですので終わりますが、今のアスベストの問題は先ほど御紹介しましたジャンボはがきの中でも、清算事業団でも貨車の解体作業ということもありますから、今お話ししました新鶴見の例が、全国的に貨車解体作業で行われていると思うのです。改めて点検していただいて、労働者の健康、安全の保護のためにひとつ具体的な指導を行っていただきたいということを最後にもう一度要請しまして、質問を終わらしていただきます。
○鹿野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十五分散会