安全保障特別委員会 第2号
- 発言数
- 373 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/08/24
会議録
○大村委員長 これより会議を開きます。 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。月原茂晧君。
○月原委員 久しぶりに開かれた委員会でございますが、それまでに多くの課題が出てまいったわけであります。そこで、各般にわたりますが、最近話題になっていること、そしてそれについての考え方等についてお尋ねしたいと思います。 まず、ココムの問題でございますが、総括的に見まして、今回の事件の反省としてどういう点を考えておられるか、外務省当局に御答弁をお願いしたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 先般、東芝機械によります九軸工作機械の不正輸出事件がございました。それについて適切な対応ができず、かつ時間が相当経過したということについては、政府全体の問題として考えておりまして、外務省としても反省すべき点は反省し、このような事件が再発しないように各般の努力を続けてまいりたいと考えております。
○月原委員 今お話しのとおり、私は関係各省庁の連絡が不十分であったということは大いに反省しなければならないと思います。これは何もこの問題ではなくて、国家としていかなる問題が起こっても横の連絡を密にして、日本の国家挙げて処理できるような体制を何事についてもしなければならない、これが大きな反省の一つだと私は思っております。 そのほかに、外務省当局はそれは当たり前の話だと言われると思いますが、大体ココムの違反事件が起こったときに、国内でそう大きな問題にせず外国にすぐ陳謝に行く。最も問題は我が国の安全保障である。その場合に我が国に対して、企業を含めてどういうふうな、反省として今後どうするかという説明があったのかどうか、私はそういう点を大いに問題にしなければならない、このように思っているわけであります。 しかし、これはそういう反省事項としてでございますが、私がこういう場で申し上げるのはいかがかとも思いますが、非常に心配していることがあるわけであります。それはどういうことかと申しましたら、日本にとって安全保障カードというものが一番弱いものであるというふうなことが同盟国から思われてきた。そして、これから日本は産業で生きていかなければならない国である。そうした場合に、ココムリストに載るところで勝負しなければならないと私は思っているわけであります。単にココムの方からもらってきた、我々が国家として議論してもらってきたものを法律に直す、そしてそれを厳密に審査する、そんなことは当たり前のことであります。しかし、そのリストにどういう理由で載せるのか、そして古くなったリストをどうして外していくのか、載せるとしてもどういう理屈で載せていくのかというところで、要するにパリのその場で十分ココムのリストについて議論する体制、それが日本のただ単なる安全保障の問題ではなくて、今後日本国家の生きていく道として、産業の生きていく道としても大切なことだと私は思っているわけであります。その点についてどういうふうに対処しようとされているのか、お答え願いたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 委員御承知のように、ココムと申しますのは我が国を含めた自由主義陣営に属する諸国においていわゆる共産圏に対する戦略物資の輸出について非公式に協議をする機関でございます。そして、非公式に協議したその結果についていわゆるココムリストというものを申し合わせて、それを各国が国内の法制上実施をし、対共産圏に対する戦略物資の輸出を規制しているというのが実態でございます。 委員御指摘のとおり、ココムリストと申しますのは、まさに自由主義諸国が共産圏諸国との関係で貿易の振興を図る上あるいは経済交流を高める上においても非常に重要な意味を持つものでございまして、このココムリストのレビューというのはかかる観点から定期的に行われているわけでございます。事実問題としてココムリストの品目数は現在百七十数点でございますけれども、これは過去のココムリストのレビューを通じまして相当短くなってきてございます。外務省といたしまして、あるいは日本政府といたしまして、今後ココムにおける役割を積極的に果たしていくという観点では、このココムリストのレビューにおいて真に自由主義諸国の安全を担保するために輸出を規制する必要のあるものについてはこれをリストに残す、しかし科学技術の進歩その他の状況の変化によって既に規制する必要のないもの、あるいはそういう状況にないものについてはこれをリストから外していくというココムリストレビューの作業についても積極的に役割を果たしていきたいと思っておりますし、かつ、そういう過程を通じてリストに残るものについては各国とも厳正に規制を守る体制を確保する、そういうように心がけてココムに対する積極的役割を果たしてまいりたいと考えております。
○月原委員 後半の点はおっしゃるとおりであります。そして前半の問題について私が思うのは、今局長がお話しのように、今度の問題の反省の一つとして国内の連携という問題があったと思うのです。それともう一つ、逆に言えば、逆というかその延長線上で言えば、ココムリストを決めるそういうところに専門家を、何も防衛の専門家だけという意味ではありません、この際、日本の国家としてそういうことについて議論のできる人間を養成し、そして各省庁問わず国家の代表としてそういうところにいい人材を送っていく。予算が少ないとかあるいは縄張り争いとかそういうようなことでやっておったのでは日本の産業の生きていく道に大きな暗雲が出てくる。そういう意味で、もう来年度の予算要求からでございますが、この点についてどういうふうな考え方で、まだ具体的に固まっていないかもしれませんが、私が申し上げたような考え方で、国家の産業の保護という観点も含めて、そういうふうな点でパリの本部における強化を志した予算要求の心構えを持っているのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思うのです。
○渡辺(幸)政府委員 委員御指摘のとおり、ココムリストの策定過程というのはいろいろな意味で非常に重要な意味を持つわけでございまして、ココムリストの作業をよりきちんとしたもの、より充実したものにするための方策について現在関係各省とともに検討中でございます。ココムリストが合意されれば、それに基づきまして貿管令の別表の改定という閣議の作業もございますし、従来もココムリストのレビューについては関係省庁と密接な連絡をとってきたものでございますけれども、今後それを一層充実したものにするための方策について検討してございます。 他方、パリのココムの会議に出席する者については、常駐の者と、会議によって東京から派遣される者と二つに分かれるわけでございますけれども、常駐の者及びパリの各種ココムの会合に出席する者の充実という点を含めて、現在鋭意検討している段階でございます。
○月原委員 このココムの問題に関連して、もう既に御承知だと思いますが、多くの日本の識者はこういうふうなことを憂えているわけであります。それはどういうことかと言えば、米国が今後の二十一世紀に向かっての産業の主導権をとるために、あらゆる努力をしておる。例えばSDIにおける特許権しかりである。また、みずからの競争力法案をつくる、そういう作業もまたしかりである。そしてそこにおいてこのココムというものを悪用される、と言うと言葉が過ぎると私は思いますが、そういうようなカードによって日本自身の産業そのものの根っこを押さえてくる可能性があるのではないか、産業の競争力というものを押さえてくるのではなかろうか、こういうふうな憂いを持つ人がいるだけに、ココムのところの勝負というものは日本の国にとって大切だ、私はこのように思って質問したわけであります。 来年度の予算要求において、外務大臣も防衛庁長官も含めてでございますが、それは自分の省庁の話ではなくて、より大きな日本の産業基盤にもつながる問題だということを認識されているとは思いますが、どうかひとつ強くそれが実現するようにしていただきたい。今法案が国会にかかっているわけでございますが、この法案はのってきたものをどう処理するかという問題でありまして、私の言うのは、その法案にのせるまでの勝負というものが非常に大きな意味を持つという意味でお願いをしているわけであります。 それでは、ココムの問題に関連して、これは今直接問題になっているのは、ココムの端緒となった問題として潜水艦の音が低くなったというようなことについていろいろ言われているわけでありますが、その因果関係やいかんというようなことを私は今ここで聞くつもりはありません。しかし、潜水艦の音が一般的に低くなった場合に、どういう影響が出てくるのか。海上作戦というか、大きく言えばまず潜水艦作戦、潜水艦の役割というものをまずここで説明していただいて、その潜水艦作戦というものはどういうふうに行われているのか、そしてその低くなった結果どういうふうな変化が出てくるのかということについて、まだ十分議論されていないというか説明を受けていないので、公式の場でそういう点について説明していただきたい、このように思うわけであります、
○西廣政府委員 今幾つかお尋ねがありましたが、まず最初に潜水艦の役割についてお答えしますが、一般的に潜水艦の役割というのは大きく分けると二つあると思います。 一つは、御承知のように弾道ミサイルを積んだ潜水艦でありまして、これは当然のことながら戦略的な攻撃力であって、そういった戦略的な攻撃を行うあるいはそういう力を持つことによって戦略的な抑止をするという任務を持っているわけであります。 一方、そういった弾道ミサイル潜水艦以外の潜水艦は何をしているかということになりますと、まさにそういった戦略攻撃型の潜水艦あるいは水上艦、そういったものを撃破するための任務あるいは民間船等の海上交通を破壊をするための行動をする。そのほかに港湾であるとか水路であるとか、そういったところに機雷を敷設するとか、もろもろの任務を持っておるわけであります、 それでは、我が方の対潜水艦作戦の大要はどういうものがあろうかということでありますが、我が方の任務というのは主として海上自衛隊が海上交通の保護を行っておる。それに対する潜水艦等の攻撃からいかにして我が方の船舶の安全を守るかということでございますので、この方法は大別して三つのやり方があると思います。 一つは、いわゆる哨戒という行動によって、広い区域の中にいる相手の潜水艦をP3C等による哨戒活動によって発見をし、そして見つけた段階で撃破をするという哨戒のオペレーションであります。 第二番目は、データムサーチというふうに言っておりますが、相手方の潜水艦が何らかの形で行動を起こした。例えば民間船が潜水艦の魚雷で攻撃をされたといったような一つのデータムがあった。それをとらえて、すかさずこちらからその地域に急派をして、そして相手方を見つけ撃破をするというオペレーションがあろうかと思います。 三番目は、言うなればバリアといいますかスクリーンといいますか、そういったものをこちらで用意をして、そこに近寄ってくる潜水艦を撃破をするというものでありまして、これは相手の潜水艦がどうしても寄ってきたいところ、あるいは通らなければならないところにこちらの対潜部隊を配備をしておくというものであります。 例えば相手がどうしても通らなければいけない海峡等にこちらの対潜部隊を配備をしておいて、そこで相手がそこを通行しようとするときに発見をし撃破をする。あるいはこちらが船団を運航しておる、ということはその船団を目がけて相手の潜水艦が近寄ってくるわけでありますから、その船団の周囲に対潜部隊を配備をして、潜水艦が近寄ってきたときにこれを発見し、撃破をする。 さらに言えば、港湾等の外周に、やはり港湾というのはこちらの船舶がたくさん蝟集してまいりますから、そういうところに近づいてくる潜水艦を待ち伏せるといいますか、そこに配置をした対潜部隊が待ち受けて発見し撃破をする、そういったスクリーンないしはバリアオペレーションと申しますか、そういった三つの形態があろうと思います。 そこでその際に、相手方の潜水艦が非常に音が小さくなってきたということになるとどういうことになるかと申しますと、最初の哨戒オペレーションで言えば、ある区域の哨戒をする、潜水艦を捜すというときに、相手の音が小さくなればなるほど、当然のことながらきめ細かくこちらのソノブイ等を散布をして発見をしなければいけない。一つの区域を捜索するためにそれだけ多くのソノブイなりP3Cなりが必要になってくる。それだけ網の目を細かくしなければいけないということになるわけであります。 同様に、バリアオペレーションであれデータム・サーチ・オペレーションであれ、例えばデータム・サーチ・オペレーションですと、ある時刻に味方の船舶が攻撃をされた、時を移さずそちらにP3Cなりヘリコプターなりを急派して相手を見つけるわけですが、その間、例えば十分たってしまえば相手の潜在域というものが当然広がってまいります。十五分たてばさらに広がっていく。その際に、相手の音が小さいとそれだけ多くの対潜兵力というものを派遣をしないと相手を見つけるチャンスがずっと減ってしまうということでありまして、潜水艦の音というのは相手方潜水艦を発見するためのいわば唯一の手がかりでありますので、その音が小さくなるということはそれだけ対潜作戦が困難になるということでありまして、基本的な対潜作戦の基盤をなす問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○月原委員 もう一つ、米国の方の関心の一つとしてSLBMを積んでおる潜水艦の問題があると思うのですが、その方については音が低くなったという結果、対潜作戦にどういうふうな問題が出てくるのか。外国の話ですが、その点は専門家としてどうでしょう。
○西廣政府委員 SLBMについても原理は同様でございまして、この戦略攻撃力としての原子力潜水艦、弾道弾ミサイル潜水艦というものの優位性は、その所在というものを明らかにしないで戦略攻撃力を保持しておるという点が一番厄介であり、存在意義があるわけであります。したがって、そういった戦略攻撃タイプの潜水艦というものの力をできるだけ減殺する、ということは常にその種SLBMの所在というものを平時からどのように把握しているかということが、この抑止効果、抑止力の根源になってまいるわけでございます。その点、今申したSLBMの音が小さくなってしまうということ、あるいはその所在がとらえにくくなるということは、それだけ相手方の抑止力といいますか、戦略攻撃力が増大することとイコールである、逆に言えば、我が方の抑止力がそれだけ損なわれてしまうということになろうかと思うわけでございます。
○月原委員 今、対潜水艦作戦ということにおける音の低下がどのような影響を与えるかということについてお尋ねしたわけでございます。 新聞等によれば、米国の方とハワイにおいて海上自衛隊のその担当の責任者が行って話し合ったというふうに言われているわけでございますが、詳細についてここでお尋ねするわけではございませんが、方向としては、今申し上げたような影響を最小限にしたいということでお互いに協力しようというふうに話し合いが行われたと理解してよろしいかどうか、お尋ねしたいと思います。
○西廣政府委員 先般、ワインバーガー長官が六月に来日されたときの防衛庁長官あるいは総理との話し合いで、今回の東芝事件も含めて、ソ連の潜水艦の発生音というものが非常に小さくなってきている、そういったものに対応するために、あるいは我々の失った能力を回復するために何ができるのかということで、日米のネービー・ツー・ネービーで研究しようじゃないかということで、第一回の話し合いがハワイで行われたわけであります。 その席では、大まかに申し上げて三つの点、一つは、潜水艦作戦というのは、その潜水艦の活動する海洋の状況、そういったものを十分把握した方がはるかに有利になるということがございます。そういう意味で、日米双方の海洋調査と申しますか、そういった活動をより活発化すると同時に、お互いの持っているデータを十分交換し合って、そういう点で貢献し合おうじゃないかという点が第一点であります。 第二点は、潜水艦の探知能力といいますか、そういったための例えばソーナーであるとかその他もろもろの機材、あるいはそういったデータを分析する能力、そういったことを含めまして、さらにお互いに研究を進めていこうということで、これから具体的な問題を幾つか選び出して、何が協力し得るものであるかということをさらに検討しようということになっております。 三番目は、対潜作戦のための訓練、練度を上げるために何をしなくちゃいけないか、どういう点により力を入れなくちゃならないかということについて、日米双方の知識を持ち寄って今後その改善なり強化に努めようじゃないかという、三点について話し合った次第であります。
○月原委員 ココム関係の質問は、この辺で終わらせていただきます。 そこで、最近私が非常に恐れているのはどういうことかと申しましたら、東芝のラジカセを議会をバックにしてハンマーでぶち壊すというようなことが行われておる。そしてまた、最近いろいろな点で、米国が経済摩擦で、日本国民から見ればややもすると少しエキセントリックじゃないかと思われるような行動もなきにしもあらずである。そして、一部の日本国民はそのように受けとめているわけであります。しかし、私は、両国の将来にとって今が一番大切なときだと思っているわけであります。 そこで、外務大臣にお尋ねしたいのですが、非常に抽象的な質問で恐縮でございますが、ここで日米関係とは何か。日本がこれだけの経済力を持ってきた、そうすると中には、アメリカ恐るに足らず、我々は取ってかわることができるのだと思うような感じすら持つ人々も一部出てきておる。私は、そういう意味において、米国というものが自由主義のリーダーとしてどういう点ですぐれているというか、現在、どういう点において特色を持ったリーダーであるのだ、そしてそれをないがしろにしてというか、それと離れて自由陣営を安全に保っていくというか、整々とした秩序を保っていくというのは日本独自ではそれはできないのだ、こういう点で米国と協力しながらすることによって、日本がおこって言うわけではありませんが、日本もまた自由主義の利益を享受しているものとして、米国とこういう点については今後協力することによって足らないところを補って、そして自由陣営全体の発展、世界の平和に尽くしていくんだというふうな、一つのはっきりした立場というものを多くの国民に知ってもらわぬといかぬと私は思うわけであります。 そういう点で、米国がどういう点においてリーダーたる資格を持っているのだ、そして今どういう点が問われているんだ、問われているというか少し力不足になっているんだ、それについては日本の国是等に抵触しない範囲で、こういう点については大いに協力していくつもりだというようなことを外務大臣から答弁していただきたいと思うわけであります、
○倉成国務大臣 ただいま月原先生の御質問でございますけれども、戦後、世界の経済が壊滅的な打撃を受けて、世界の富がほとんどアメリカに集中した、そして世界の経済秩序をどう構築するかというときに際しまして、アメリカが世界の経済を構築するためにブレトンウッズ体制、そしてまたガットの体制、IMF体制、自由貿易体制を中心として世界の貿易体制あるいは金融体制をつくり上げて、その上に立ってこれからの世界の経済を建設しようという意味において、少なくとも自由陣営のリーダーとして大きな役割を果たしてきたと思います、 また、軍事的な意味におきましても、自由陣営の中でのリーダーとして大きな役割を果たしてきたと思うわけでございまして、今日でもその役割は変わっていないと思います、 しかしながら、御案内のとおり、アメリカの経済あるいはアメリカの軍事方自体を考えてみましても、アメリカ一カ国をもってしては、今日の世界全体の秩序を維持し、また全体を支配するには少し力が不足してきている、やはりアメリカのみにすべての責任を負わせるということは我々として考えなければならない。アメリカにも重要な役割を果たしてもらうと同時に、自由主義陣営の民主主義という共通の価値観を持つ国々がそれなりに責任を分担していくということが大切なことではなかろうかと思うわけでございまして、日米関係におきましても、防衛費の問題その他において、やはり近ければ近いほど幾つかの問題が起こりますけれども、これらの問題については冷静に対処していく、そして日本はなすべきことを、自由陣営の中の第二の経済大国としての役割を、軍事的な意味ではなすことはできませんけれども、少なくとも経済的あるいは文化的、あるいはその他の意味においてなすべきことを十分なしていくということが大切ではなかろうかと思います。 また、軍事の面から申しますと、日米安保条約に基づいて、日本は大規模な侵略に対しましては対応できませんけれども、少なくとも小規模、急迫な侵略に対してはみずから守るだけの体制を十分備えるということが日本としてとるべき立場ではないかと確信をいたす次第でございます。
○月原委員 今のような考え方で、今の非常に困難な時期ではございますが乗り切っていただきたい、このように思うわけであります。 そこで次に、最近、ソ連の駐在武官の問題とか、あるいはいろいろな問題が起こっておるわけでございますが、日本の国内においても、横田あるいは東京航空計器というような問題が起こっているわけであります。これは、人間の弱いところをつきながら積み重ねてきてこういうところに陥っていくのだと私は思っているわけでございますが、そういうことで、新聞とか雑誌等ではおもしろおかしく書いているわけですが、捜査当局の方から見て、こういうふうな形で引きずり込まれていくのだというような、人間の弱さを利用したこういう事件について、その手口というと言葉があれですが、その典型的なものを、横田の事件とかあるいは東京航空計器の例をとりながら、どういうふうにして引きずり込まれていったのか、そして今後どういう点を教訓としなければならないのだということをひとつ説明していただきたい、このように思うわけであります。
○国枝説明員 まず、横田基地スパイ事件について御説明申し上げます。 二つのケースがあるわけでございますが、一つはエフィモフ元在日ソ連大使館一等書記官と伊達弘視の関係でございます。 初めての接触は、エフィモフが伊達の利用いたしております書籍店で声をかけたことに始まるわけでございます。伊達は中国の政情あるいは人事資料等の中国情報を扱っていたのでありますが、エフィモフは中国の政治あるいは経済につきまして幅広い知識のあるところを伊達に見せまして、伊達の関心を引いたということでございます。その後、おおむね二カ月の間、一、二週間に一回ほどの割合で食事等に誘って接触いたしておりましたが、その間、中国に関する一般的な情報の提供を受けますと謝礼を交付するなどの方法によりまして親密度を深めていったわけでございます。こういう過程を経まして、協力が確信できるようになった段階で真に必要な情報を要求しまして多額の謝礼を提供しておった、こういうことでございます。 同じく横田基地スパイ事件のアタショーノフ元通商代表部員と伊達の関係でございます、 伊達が勤務いたしておりました中国技術センターから、中国情勢に関する研究会の開催案内、これがソ連通商代表部に送られまして、アタショーノフがこの勤務先を訪問したということが最初の接触でございます。その後、おおむね六カ月ほどの間、月に一、二回の割合で食事等に誘って接触をしたわけでありますが、中国情勢等の一般的な情報の提供を受けますと、やはり同じく謝礼を交付するなどの方法で接触を重ねて親密度を深めるという過程を経たわけであります、そしてその後、伊達が要求を受け入れるようになりました段階で真に必要な情報の入手を働きかけた、かようなことでございます。 第二に、東京航空計器事件についてでございますが、デミドフ元アエロフロート(ソ連航空)日本太平洋地区企画開発部長、これが第三者の紹介を受けまして、被疑者をその勤務先に訪問したことに始まります、紹介者が被疑者の信頼する人物でありましたことから、この被疑者はデミドフを信用し、疑念を抱かなかったということでございます。 その後、おおむね二カ月ほどの間、一カ月に二回ぐらいの割合で食事等に誘いまして接触になれさせる、被疑者とは個人あるいは友人として交際するものであるということを繰り返し強調しまして不安を除く、また、思想的、政治的な話題は避けまして、趣味、家族、旅行等身近なテーマを話題の中心として安心させる。こういうことを行いますうちに、次第に会社のパンフレットですとか公刊物といった一般的な情報の提供を求めまして、その価値以上の全員を謝礼として渡し、被疑者の欲望を刺激するということでございます。最後には、被疑者の十分な信頼と協力への意欲を確保したと判断される段階で、これまた真に必要とする情報を要求して応分の謝礼を交付していたわけでございます。 それで、どういう点に気をつけるべきかという御質問でございますので、この点過去に検挙されましたスパイ事件等にかんがみて若干の事例を申し上げつつ御説明いたしますが、結論をまず申し上げますと、接触の過程で通常の交際とは異なる不自然な、あるいは常識から外れた兆候が必ず見られます。例えば、接触の初期的段階におきましては、接触の日時、場所を相手方が一方的に指定する、次回の接触を指定するに際しまして、紙片やマッチ箱の裏に日時、場所を記入したものを手渡す、ひそかに手渡すわけでございます。通常の交際の常識を超えまして一方的に酒食のもてなしを行ったり、物品を提供する、さらには相手方にとって価値が低いと思われるような情報や資料でありましてもこれを高く評価して、その価値にふさわしくないほどの謝礼を支払う、こういうような兆候がございます。さらに接触が進展した段階におきましては、緊急時に備えて電柱に張ったテープあるいは歩道橋に引いたチョークの印など、普通でない連絡方法を指示する。さらには、要求された資料や謝礼の受け渡しの際に、夜間の公園等、人目につかない時間、場所を指定するというような点もございます。 以上、若干の事例を申し上げましたが、接触の過程でこのような不自然な兆候が必ずあるはずでございますので、しかもこれは常識的にわかるはずであろうと考えます、この場合に、相手方の意図を警戒する必要があると言えようかと思います。
○月原委員 そこで、食事に誘う、そして一般情報について金を払うというふうなことで、もう一つ踏み込んだ情報をくれといった場合に、今言ったように、いろいろ特別の場所を指定するとか、そのほかに、その場合にそこで特別の情報と言ったときに、人間の心理からいってちょっとひるむと思うのですね、今までずるずるときておったけれども。そのときに、おどしというか、普通のことで相当金払うておるわけですね。本人は、そんな新聞の切り抜きぐらいだ、あるいはどこかのものの翻訳だというふうな軽い気持ちのものに金をもろうておったのですが、この金をもらったということが弱みになって、今度そういうものを出さなかったら、おまえ、そんなことで金もろうとるんだぞ、上に言うたら首になるぞ、俗な言葉で言うたらですね。今までの捜査の過程でいろいろな例を扱われたと思いますが、そういう形は出ていないですか。
○国枝説明員 私ども承知いたしております最近の事例では、大半が金銭的な欲望に訴えるというものでございます。 ただ、先生御指摘のように、かつて脅迫とまではいかないまでも、そういうような行動があった事例を一、二記憶いたしております。
○月原委員 今お話しのように、これは氷山の一角としてこのような問題が出たのであって、飯でも食わぬか、いい人、尊敬する人からの紹介を受けたら、そしてありがとうと言って何か珍しいものをもらう、そういうふうに積み重ねていって、向こうはちゃんと目的を持っているわけですから。だから、こういうふうな形で入ってくるんだということを、警察の方もパンフレットをつくっておりますが、そういう重要な産業、先ほどココムのお話をしましたが、そういうふうな関係の仕事をしているところには、積極的にそういうふうなことは教訓としてパンフレットをつくるなりして広報していただきたい。日本の国というのは特別の法律を持っていないわけだから、逆にそういうことについてより内部が厳しくなければならない、私はこのように思うわけで、そういう点にも今後配慮していただきたい、このように思うわけであります。 そこで、次に同じような問題でありますが、国内の役所の問題であります。 私が最近非常に驚いておるのは、新聞によく出てくるのに、「個人的にある議員が独自に入手した大蔵省の内部文書をもとに昨年暮れから……」こういうふうな書き出しのが何回となく見られるわけであります。きょうは特別に大蔵省を呼んだわけではありませんが、これは一つの事例として私は取り上げたわけであります。一時役所の内部文書がよく抜かれるというときに、みんなこれはちょっと性根を入れぬといかぬぞということでやっておったのですが、最近比較的平穏なものが続いておるだけに――表にたまたま出してくれたからいいのですね。しかし、こういうのがもし確信犯がおって、いつも重要な書類を抜いてくるというような状態になると非常に困るわけなんです。 そこで、役所の文書等については、定期的にどういうふうな体制で管理しているのか。そしてまた、こういう問題が起こるたびに政府の責任あるところがチェックしていく、こういう点をより注意してその一つの例を研究して、それによってこういうふうにして今後は防いでいったらいいのだということを指導していく必要があるのだと私は思いますが、その点今までどういうふうにされておるのか、今後はそういう問題をどう考えておられるのか、答弁願いたいと思います。
○畠中説明員 お答え申し上げます。 まず、秘密文書一般の取り扱いにつきましては、昭和四十年四月十五日の事務次官等会議におきまして、「秘密文書等の取扱いについて」という申し合わせを行っております。この中で、まず、秘密文書の指定及び作成は必要最小限にとどめることとするとともに、秘密文書の区分とか指定者、指定及び解除、複製、取扱責任者、送達方法、保管方法、処分方法等につきまして各省庁がよるべき準則を定めております。 各省庁におきましては、この事務次官等会議申し合わせに即しまして、各省庁の文書管理規程などにおきまして秘密文書の取り扱いに関する規定を設け、それに従って適切に対処されているものというふうに考えております。 また、総務庁におきましては、行政事務の効率化とか合理化を図る観点から、毎年「各省庁統一文書管理改善週間」というものを実施しております。これは、各省庁事務連絡会議を通じまして文書資料の適正な管理とか有効利用を推進しているものでございますが、このような文書の適正な管理の一環としまして、各省庁の保有する秘密文書などの管理方法についてもその周知徹底を図っているところでございまして、今後ともこのような手段を通じましてその推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○月原委員 今のお話も非常に抽象的なお話でございますが、そういう制度ができていることは十分承知しているわけであります。しかし大切なことは、そういう制度を具体的に運用するに当たって、何か問題が起こったときにそれを一つ一つつぶしていく、新たな教訓はないかということでやっていかなければならない、私はこのように思うわけであります。そういう点から、今の言われた原則は十分守られた上で、いろいろなケースごとに各省庁とよく連絡をとって新たな事態に対応していくという能力をそれぞれに与えていただきたい。そういうふうな気持ちで処理をしていただきたい。 私は、これは本当にありがたいことだと思っておるのですよ、言ってくれたのだから。これを言わないでずっと書類をためられておったらかなわへん。向こうは非常に赤子的な人だったからよかったわけです。そういうふうに私は思うだけに、今後よろしくお願いしたいと思います。 そこで、またその延長でございますが、大使館の方の保全体制というものについてはどういうふうになっておるのか。アメリカの海兵隊の人が、この間、美人に惑わされて大使館の中を案内したというような話もありますし、かつては調査に行った西ドイツの調査員が、変な病気というか急激な病気にかかったというようなこともございます。 皆さんも御承知だと思いますが、大使館の情報というものは、ある外交官に言わせたら、豚の音がうるさいなと言ったら次の日はその豚がいなくなった、これは家の中のことまで聞かれておる、それがわかったというようなことすら言われておるわけでございますが、大使館の保全体制というものはどういうふうにされているのか。そして、定期的に何かの方法を講じておられるのか。余り具体的に言うと手のうちを示すことになりますからあれですが、国民としては外国のそういう記事を読むたびに、日本の国はどういうふうにしておるのだというふうに心配しておる人も多いわけですから、その点お答え願いたいと思います。
○斉藤(邦)政府委員 近年我が国の外交活動の拡大に伴いまして機微な情報というのは増大しております。外務省といたしまして、外交実施体制強化の一環として秘密保全体制の整備強化につき不断の努力をしている次第でございます。 具体的に在外公館の秘密保持体制にどういうようなものがあるかという点につきまして詳細を明らかにすることはこの場ではちょっと控えさせていただきますけれども、例えば通信におきます暗号の使用、それから文書管理の徹底、職員の教育、建物の警備、立ち入りの規制それから秘密保全の点検というようなことがございます。 それから、どのように定期的に点検をしているかという御質問でございますが、これは公館長を含めまして、在外公館の秘密保持体制が十分であるかどうかという点を常時点検させております。同時に査察使の重要な任務の一つといたしまして、査察の対象となっております在外公館の秘密保持体制がどのようになっているかを十分調査いたしまして、必要な場合には改善措置を図るというような措置を講じております。
○月原委員 外務省の方も手抜かりはないと思いますが、米国の新しくできる大使館では、建物さえぶっ壊して新しくつくったらどうだという話すら出ているほどでございますから、念には念を入れてやっていただきたい。こういうものは時々注意を喚起しないと惰性に流れるおそれがあるから、私はこういう委員会で質問するのはいかがかと思ったのですが、あえてこういう問題について絞ってお尋ねしたわけであります。 そこで、次に防衛庁の方にお尋ねするわけでありますが、最近洋上防空のことについて研究の成果が出たというようなことがよく言われておるわけでございます。時間がありませんので洋上防空のことについて詳しくお尋ねするつもりはありませんが、その結果どういうことをしなければならないかということが出てきたのか、そしてそれは、この中期防衛力整備計画の中でどの部分を整備することでできると考えておられるのか、そういう点をお尋ねしたいと思います。
○西廣政府委員 今先生お尋ねのように、防衛庁では洋上防空ということで、近年における空からの脅威というものが質的に変わってきた、そういったことに対応してどういうことをしなければいけないかということについて研究をいたしておる次第であります。 この空からの脅威の変化というのはどういうことかと申しますと、大きく分けて、一つは航続距離の大きな航空機の勢力がふえてきつつある、そしてまたそれらの航空機に搭載する長射程のミサイルというものが実用化され多様化されるような状況になってきている。そういう状況下でどのようにして国土なり船舶の防空を全うしていくかという問題点についての研究であります。これらの研究は大きく分けて三段階あろうかと思うわけであります。 一つは、そういったかなり離れた地点からの攻撃、長射程ミサイルを使った攻撃等に対応するわけでありますから、できるだけ早く相手方の動静というものをとらえなくてはいけない。そういう意味で広域の早期警戒監視というものをいかにして行うかという点が第一点であります。 それから第二点は、相手の航空機がミサイルを発射する前にその母機である航空機を撃破しませんと、いつまでたっても相手方は被害を受けないでミサイルを発射し続けるということになりますから、そういったミサイルを発射する母機対策、母機を撃破する機能というものをいかにして備えるかということが第二点としてあろうかと思います。 最後の段階として、いずれにしろすべての母機を撃破することは不可能でありますから、そういった撃ち漏らした航空機から発射されたミサイルにどう対応するかというミサイル対処能力という三点について研究をいたしておるわけであります。 このうち、御承知のように広域の警戒につきましては、現在中期防でOTHレーダーというものの有用性、これを研究をして、その結果によって必要な措置を行うということになっております。これらについては現在鋭意いろいろな調査を行っておりますけれども、まだまだ技術的に究明しなくてはいけない点がございまして、OTHレーダーというものを整備すべきであり、かつ整備が可能であるという結論をいつ出せるかということになるとまだ見通しが立っていない状況にあります。 それからもう一点、中期計画におきましては、今の三段階の最後の段階のミサイル対処能力として、艦艇の対ミサイル機能の向上ということについて、これまた所要の研究をして、所要の措置をとるようになっております。そのために、よく新聞紙上等で出ておりますエイジス艦その他の問題について研究をいたしております。これにつきましても、今回の洋上防空研究等の成果を踏まえながら、我々として早期に結論を得て措置をいたしたいというふうに考えております。 それ以外、先ほど申したように、本問題につきましては広域監視から母機対策その他非常に広範にわたる措置が必要であるということでございますので、それらについてはやはりこの研究というものをさらに深めていって、その結果を踏まえて将来の防衛力整備の中でどう対応していくかということであろうかと存じております。
○月原委員 今のお話でございますが、中期防衛力整備計画の中に「別途行う洋上防空体制の在り方に関する検討結果を踏まえ、護衛艦の対空ミサイル・システムの性能向上について検討の上、必要な措置を講ずる。」そして「また、OTHレーダーについて、その有用性等に関し別途検討の上、必要な措置を講ずる。」こういうふうに書かれているわけですが、今の局長のお話であると、OTHレーダーについてはまだ相当先の、まだいろいろ検討せぬといかぬというふうな印象を受けたわけであります。 ですから、当面の中期防はまだまだ時間があるわけでございますが、非常に近い時期において、例えば来年度の要求とかというようなことについての整備の予算ということにまでは至らないというふうに理解されるわけであります。ただ、そのミサイル艦については早期にという言葉が入っておるので非常に早いのではないかな、こういうふうに思うわけでございますが、新聞等によると、そのほかに空中給油機の話とかあるいはAEWの話とか、そういうふうな話も出ているわけでございますが、そういうことについてはこれから相当先の課題として考えられるのでしょうか。
○西廣政府委員 確かに、今お尋ねのように護衛艦の対ミサイル機能の向上ということになりますと、これは護衛艦自身の自隊防空あるいは護衛艦が護衛をいたしております船団等の最終的な防空機能ということでそれなりに独立した機能というか、最後の段階の機能としてなくてはならない機能というように考えておりますので、他の機能との兼ね合いというものは比較的少ないと思いますので、独立して結論を出し得る問題であろうかと思っております。 一方、OTHレーダーのような広域の警戒監視あるいは情報収集能力、さらには今お話のありました空中給油機とか早期警戒機とかいった問題につきましては、いわゆる洋上防空といいますか洋上における船舶の防空という機能を離れまして、国土全般の防空、そういった広い意味の防空機能と非常に密接にかかわりのある問題でありますので、単に船舶の防空というような観点からだけで一つの装備体系というものを考えてしまうにはやや早計ではなかろうか。やはりそれは広い意味の防空というものの中でどう位置づけられるかというようなことを含めて十分検討しないと結論は出しにくいものではなかろうかというように考えておるわけであります。
○月原委員 時間も非常に少なくなってきたわけでございますが、最近新聞等で見ると、これまた非常に心配だなと思われるのにニアミスの、ニアミスであったかどうかという問題は別といたしまして、そういう活字がよく躍っているのを見るわけであります。私はどちらが正しかったかというような議論ではなくて、万一の場合には大変な惨事になるだけに、かつての大きな教訓があるわけでございます。ですから、起こったか起こらなかったかは別として、時々ああいうことが話題になるたびに、そういうことについて十分身を引き締めて点検をし、いろいろな手を打っていただきたい、私はこのように思うわけであります。 最後に、防衛庁長官にお尋ねしますが、防衛庁長官、近くアメリカの方に行かれてワインバーガー長官ともお会いになるというお話ですが、そのときに、防衛庁長官が現在頭に置かれている、どういうふうなことを課題とされておるのか、その点をお尋ねして私の質問を終わりたいと思います。
○栗原国務大臣 まずニアミスの問題ですが、これは私非常に重大に考えているのです。これはいいかげんなままにしておいてはいけないと思います。そこで運輸大臣に対しましても、運輸省が主体となって調査をされる、それに対しては防衛庁も積極的に協力をいたします、こう言っております。いやしくもお互いに内部的にかばい合う、そういう態度はよろしくない、落ち度がないなら落ち度がないということでちゃんと申し開きをしなければならぬし、落ち度がある場合にはそれなりの対応をしなければならない。そういうことで、これだけは厳正にやらぬと、まさにシビリアンコントロールにかかわる、こういうように考えております。 それからもう一つのアメリカの方でございますけれども、これは経過的に言いますと、ワインバーガー長官がこの間来られまして、今度は栗原長官、あなたの方からいらっしゃい、しかも御夫妻でいらっしゃいというので、ある意味においては多少砕けたという感じでございました。したがいまして、私もそういう意味で国会の都合がつきましたらというふうにお答えをしたのでありますが、いろいろ懸案のことがございますので、参りますれば当然のことながらFSXの問題とかあるいは対潜能力の問題とか、そういうことが話し合いになるのではないか、こういうように考えております。これらにつきましてはその時点で適切な対応をいたしたい、こう考えております。
○月原委員 今長官から答弁していただきまして私は心強いことを感じたのですが、このニアミスの問題、ニアミスというかこういうような問題について長官が非常に真剣に考えておられる。やはり私は言われるとおりだと思うのです。一番被害を受けるのはその乗っておる国民でございますから。かばい合うとかそういうことではなくて、お互いに事務当局と運輸省としっかりした話をさせて、いささかもそういう心配はないと言われることが国民にわかるようにしていただきたい、このことをお願いします。 そしてまた、ワインバーガー長官とお会いになるときに、日米関係が本当に大事なときであります、議会を含めて大変大事な時期であるだけに、今言ったような問題についても長官の見識を十分披瀝していただきたい、このことをお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○大村委員長 左近正男君。
○左近委員 まず、八月十二日、米軍機が、これはグラマンEA6Bプラウラーという機種であると言われておりますが、奈良県の十津川村の山中で超低空飛行をしまして林業ワイヤを切断した。この十津川地区は米軍の訓練空域ではないわけでありまして、このようなところでこの種事故が起こったということは非常に驚きであり、遺憾なことだと思うのですが、概要なり事実関係はどうでございましたか。
○弘法堂政府委員 お答え申し上げます。 現在までに当庁で得ている情報によりますと、八月十二日の午前十時十五分ごろ、米海軍第五空母航空団、これはミッドウェーでございますが、所属の艦載機EA6Bプラウラーが厚木基地を飛び立ちまして岩国を経由して厚木基地に向かって飛行中に、奈良県吉野郡十津川村の山岳地帯、神納川流域でございますが、ここにおいて谷底から約二百メートルほど上空に架設してありました材木運搬用の太さ十二ミリメートルほどのワイヤロープに接触して切断したということでございます。ワイヤロープは切断の被害がございます。人身には被害がございませんでした。
○左近委員 この飛行機は訓練飛行であったのですか。
○弘法堂政府委員 防衛施設庁が在日米軍司令部から得た情報によりますと、この飛行機は航法の訓練、いわゆるナビゲーションの訓練を実施中であったということでございます。
○左近委員 訓練飛行であることは間違いないわけでありまして、訓練空域以外でのこういう訓練飛行はどのような法的根拠で実施されているのですか。
○藤井(宏)政府委員 安保条約地位協定に基づきまして、米軍は我が国におきましてその米軍の存在の目的、すなわち我が国の安全それから極東の平和と安全を守ることのために一定の行動をすることが許されております。それで、訓練空域につきましては二十三ほど、いわゆる狭義の訓練空域というものを米軍に対して提供しておりますけれども、これはそれぞれの訓練空域につきまして目的が明記されておりますけれども、射爆であるとか地上に直接の影響を及ぼすことでございまして、一般的に、例えば慣熟飛行のための訓練、今回の航法訓練を含めまして言うことは、施設、区域あるいはただいま申し上げました狭義の訓練空域外において可能でございます。
○左近委員 私は、昭和五十九年十月十六日の当安保委員会で、当時民間空港であった松山空港に対し岩国から飛行機が来てタッチ・アンド・ゴーをした問題について質問をいたしました。そのときの外務省の官房審議官山下さんという方の答弁では、私は安保条約の地位協定の関係等に関連して質問したわけですが、こういう答弁をされているわけですね。 なお、協定それ自体との関係でございますが、地位協定上軍事演習といったようなものを取り上げて特に規定はいたしておりません。ただし、当然のことながら、軍事演習を行う場合におきましては、本来そういうことを行うべく予想されております施設、区域、具体的には基地でございますけれども、そういうところで行うのが常識的なことではなかろうか。すなわち、施設、区域以外でやることは協定上予想されていないというふうに私どもは理解している 次第でございます。こういう答弁を外務省がやっているのですよ。それと今あなたの答弁は食い違っていますよ。どうですか。
○藤井(宏)政府委員 我が国は安保条約地位協定に基づきまして施設、区域を提供しているわけでございますから、米軍の行動はまず第一に施設、区域内で訓練を含めましてということが想定されるわけでございますが、それでは施設、区域外、先ほどの訓練空域を含めましてでございますが、外においていかなる行動もとれないかということになりますと、そうではなかろうということでございます。 例えば先ほど申しましたように非常に単純なる飛行の慣熟の訓練というものは、常識的に考えまして施設、区域あるいは訓練空域というところに限定されるべきでないことは明確でございまして、問題は、安保条約地位協定の目的に照らしまして合理的に判断してそのような施設、区域あるいは訓練空域外の訓練がどの程度許されるべきか、それがすべて許されるというわけではございません。先ほど御指摘になりましたタッチ・アンド・ゴーにつきましては明確に地上との関連があるわけでございますので、これは施設、区域外において行われるということは地位協定上想定されないというのが我々の立場でございますけれども、地上の安全、公共の安全に十分な配慮を払った上でそのような地上の安全を害さない範囲における施設、区域外の訓練がすべて地位協定の上で問題であるというわけではございませんで、それは個々のケースについて合理的に、常識的に判断されるべきであるというのが政府の立場でございます。
○左近委員 それでは安保条約地位協定の五条二項の移動ということ、これは認められておるわけですね。これと訓練飛行との関係はどうなんですか。きちっと整理できていますか。
○藤井(宏)政府委員 五条二項は施設、区域間の移動の自由をうたっておるわけでございます。したがいまして、その移動が自由であることは明確でございますけれども、今回の訓練飛行がその移動に当たるものではございません。したがいまして、この問題と今回の一般的に訓練飛行の問題は別種の問題でございます。 訓練飛行につきましては、先ほど申しました安保条約地位協定の目的からして、一応施設、区域あるいは訓練空域の中で訓練は行われるとしても、それ以外の場所で全く訓練を行ってはいけないということではない。それは先ほど申しましたように、一々その形態、内容によりまして合理的に判断すべきであるというのが従来からの政府の立場でございます。
○左近委員 それでは今回のこの十津川の事故、これは安保条約のどういう規定に基づいてアメリカが自由に飛行したのですか。
○藤井(宏)政府委員 本件は、安保条約地位協定の趣旨から申しまして、米軍が我が国に存在するその目的の完遂のために訓練というものは軍隊の大変に重要な役割の一つでございます。したがいまして、その訓練を行い得るということが安保条約、地位協定の趣旨から申しまして明らかでございます。ただ、その訓練は先ほど申しましたように一応施設、区域の中で行われるべきであるという考えはあるわけでございますけれども、それ以外においても全くこれを行い得ないわけではないということでございます。
○左近委員 だから、全く行い得ないわけではないというそのことについて、安保条約上どこに規定されておるのかと聞いておるのです。
○藤井(宏)政府委員 本件は、安保条約、地位協定全体の趣旨から明確でございます。
○左近委員 だから、地位協定の五条二項は移動についてはしっかりと条文化されていますよ。そして訓練空域、これも今二十何カ所ですか、私が持っておる地図では十六カ所ですね、ここでは訓練をやる。それ以外のところでアメリカの飛行機が訓練したらあかんのですよ。移動は認められていますよ、地位協定五条二項で。訓練はだめですよ、これは。そう理解するのが当然じゃないですか。それじゃ、あなたの解釈では日本の国じゅうどこででも訓練できますよ。どうですか、そこらは明確にしなさいよ。
○藤井(宏)政府委員 地位協定五条二項は施設、区域間の移動に触れております。これは条約上の権利としてアメリカにあるということを明記しております。それでは安保条約、地位協定上そういうふうに権利として書いてなければ行ってはいけないのかという反対解釈は、ただいまの先生のせっかくの御発言でございますけれども、先ほど来申しておりますように可能ではない。例えば、非常に単純なる飛行そのものの訓練ということは、非常に限られた施設、区域あるいは訓練空域では行い得ないわけでございます。こういうものは当然のことながら常識的、合理的な判断といたしまして施設、区域外で行われるわけでございますので、訓練一般が施設、区域外で禁止されているという立場を政府はとったことはないわけでございます。 ただ、その訓練も我が国の公共の安全に十分なる配慮を払った上での訓練でなければならないということでございまして、そういう意味におきまして、今回の訓練は我々としては器物に損傷を与えたことは遺憾であるし、米側に対して原因の究明、再発の防止を申し入れて現在事実関係を究明しているところでございますけれども、明らかに公共の安全に十分な配慮を払ったとは言いがたいというのが今回の訓練についての考え方でございます、
○左近委員 あなた、今の答弁では、地位協定五条二項のほかに何か裏の申し合わせみたいなのをアメリカとやっているのと違いますか。やっていなければ、そんな解釈出るはずないですよ。地位協定五条二項にはきちっと移動という項目が書いてあるわけです。これはいいですよ。訓練空域もしっかりと定められておるのですよ。それ以外にアメリカの飛行機が爆弾さえ落とさへんかったら日本国じゅうどこででも訓練してもいい、そんなばかなことに安保条約上はなっていないですよ。そこはどうですか、それははっきりしてくださいよ。けがさえさせへんかったら、公共上被害さえ与えへんかったらアメリカの飛行機は日本じゅうどこででも訓練できるなんて、そんなばかげたことはないですよ。どうですか、はっきりしてくださいよ。
○斉藤(邦)政府委員 一部北米局長が御答弁申し上げたことと重複いたしますが、施設、区域外での訓練の法的根拠というお尋ねでございますけれども、安保条約及び地位協定は、米軍が同条約の目的のために飛行訓練を含めまして軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うということを当然の前提としているわけでございます。したがいまして、どのような訓練でもどこででもできるということを我々は申し上げているわけではございませんけれども、安保条約ないし地位協定に具体的に書いてなければそのような行動ができないというふうには考えていないわけでございます。したがいまして、今回のような飛行訓練、タッチ・アンド・ゴーとか射爆を伴うものでないような飛行訓練、これは地位協定に具体的に書いてないわけでございますけれども、これらの活動が施設、区域の中でなければできないというふうには考えていないわけでございまして、法的根拠が何かというお尋ねでございますれば、その法的根拠といたしましては、安保条約及び地位協定に基づきまして、それが米軍の駐留を認めているというこの一般的な事実、これが法的な根拠というふうに考えられる次第でございます。
○左近委員 非常にあいまいですね。国民は大変不安に思うのじゃないでしょうか。我々も安保条約、地位協定、米軍の演習空域、これは理解していますよ。だけれども、日本じゅうどこででも公共上危険がなければアメリカの飛行機は安保条約上その理念から訓練ができるんだということを国民が聞いたら、非常に不安に思うんじゃないですか。私はこんなことやめてもらいたいと思う。これは外務大臣、どうですか。
○倉成国務大臣 ただいま政府委員からるるお答え申し上げたとおりでございますが、御案内のとおり米軍の飛行訓練、これは実弾射撃とか、そういう非常に重要な問題につきましては当然区域が限定されるべきでありますけれども、個々の活動について区域外でそういう訓練が認められるかどうかということになりますと、個々の活動、その目的、態様、具体的な実情に即して安保条約及びそれに基づく地位規定に照らして合理的に判断さるべきものだと考えるわけでございます。したがって、できるということでございます。 しかし、その場合にもやはり米軍はどこででも自由に飛行訓練を行っていいというわけではなくして、我が国の公共の安全に十分配慮しなければならないということは当然のことでございますから、そこの接点をどう求めていくかということが重要なことではないかと思うわけでございます。ただ移動だけで訓練空域以外はほかには一切できないということになると、安保条約並びに地位協定に基づいて米軍が日本を守る、そういう場合にある程度の自由があってしかるべきだと考える次第でございます。
○左近委員 こんな大事な問題がただ単に安保条約なり地位協定の理念だけで拡大解釈されたらたまったものじゃないわけですよ。やはりそこには厳格な歯どめというか、線引きをしてもらわなきゃならぬじゃないですか。私は、この問題だけをやっているわけにいきませんので、それを強く要望しておきます。それだったら恐らく、例えばアメリカの基地から訓練空域まで行くこの回廊、コリドーというのですか、回廊についても取り決めがないのじゃないですか。自由になっているのじゃないですか。その点、どうですか。
○藤井(宏)政府委員 米軍につきましては、特にコリドーということについての取り決めはございません。
○左近委員 だから、突き詰めていけば、もう空は危険がいっぱいなんですよ。こんなニアミスが起こらないという保証はどこにもないですよ。アメリカの基地から訓練空域まで行く往復、これの航路も全く定められてない、自由勝手だ、こんなことではどうなるんですかね、私はそこらの問題について、何も日米安保条約を認めているわけじゃないですよ、ないけれども、現在こんなにして機能している状況の中でやはり安全に機能してもらわなければ困るわけですよ。今危険いっぱいですよ。その点、大臣に強く要望しておきます。もう答弁は結構です。(倉成国務大臣「要りませんか」と呼ぶ)してくれますか。
○倉成国務大臣 今先生のおっしゃったことは非常に重要な意味を持つと私も認識しております。したがって、日米合同委員会等でやはり十分よく相談をして、米軍が日本に駐留しているという現実、そしてこれがどういう行動をするかということについては、合同委員会等で十分こういう教訓を踏まえて相談をしていくということではないかと思っておりますので、ただいまの御指摘は十分心にとめて、我々は将来米軍ともよく相談し合っていきたいと思っております。
○左近委員 次に、先ほどもニアミス問題が取り上げられましたが、八月十一日四国の高知沖、八月十九日千歳空港の上空で、いずれも全日空機と自衛隊機のニアミスがあったわけであります。これは一昨年は一件、昨年はゼロであります。十日で二回もこんな異常な事態があったわけです。これは四十六年の雫石のあの事故、あれを忘れてはならないと思うのです。 それで、全日空機は航空法七十六条の二に基づいて運輸大臣に対してその事実を報告しておると思いますが、その事実関係を運輸省から報告してください。
○大竹説明員 お答えいたします。 機長報告によりますと、八月十一日の高知沖における異常接近は、全日空三五四便、鹿児島発名古屋行きが、レーダー管制下において高度二万九千フィート、これをメートルに直しますと八千八百五十メートルぐらいになりますが、で飛行中、串本の西南西約百八十キロメートル付近で、海上自衛隊U36A訓練支援機と接近したというものでございます。 一方、八月十九日の千歳上空の異常接近は、全日空三三九便、新潟発千歳行きが、千歳のレーダー管制下において高度一万二千フィート、メートルに換算いたしますと三千六百五十メートルということになりますが、で飛行中、千歳の東約二十五キロメートル付近におきまして、航空自衛隊F15戦闘機と接近したというものでございます。
○左近委員 その接近の度合いはどれくらいですか。
○大竹説明員 ただいま私どもでは、両機の機長あるいは副操縦士、そのほか管制官の管制報告書等を取り寄せまして調査中でございます。
○左近委員 防衛庁側としても、今の運輸省の事実報告について異議がないですね。
○長谷川(宏)政府委員 お答えいたします。 防衛庁側といたしましても今のようなことであると思います。ただ、今の距離等につきましては現在首席安全監察官におかれまして調査中である、こういうことでございます。
○左近委員 そこで、運輸省にお尋ねしますが、異常接近、ニアミスだと言われる運輸省の定義、この接近限界というのはどれくらいを定めておられるのですか。
○大竹説明員 お答えいたします。 航空機の異常接近、すなわち空中衝突もしくは空中接触の危険がある状態の判定基準を数値で示すことは非常に難しゅうございます。このため、異常接近事案の調査事務上の判定基準は、回避操作をとる余裕がない状態で空中衝突あるいは空中接触の危険性がある程度に接近したもの、または異常な回避操作によりまして空中衝突あるいは空中接触を避け得たものの二つの概念を示しております。これは、一般的には航空機の接近による危険度は航空機の速度、接近方向、飛行姿勢、機種等により異なりまして、また、そのときの気象状態、太陽との位置の関係、操縦士の技量、相手機に関する情報の把握のありなし等についても異なりますので、接近時の航空機間の距離などの数値をもって位置的に決めることは難しいということでございます。
○左近委員 これだけレーダーが発達した中でそんな抽象的なことでは困ると私は思うのですが、それはきょうは本題ではございませんので……。 それでは、防衛庁の方は航空機の運航に関する訓令ということで、この接近限界についてはどれぐらいの基準を定めておられるのですか。
○長谷川(宏)政府委員 御説明いたします。 まず、自衛隊の使用する航空機は、民間機などの他の航空機と近接して飛行するような運航はもともと行いませんので、他の航空機にどこまで近接してよいかという意味におきます特定の距離、そういうふうなものは定めることをしていないわけであります。 先生御指摘の訓令二十六条におきましては「飛行中の航空機は、編隊飛行その他の接近が予定される飛行以外の場合においては、他の航空機と六百メートル以上の水平距離又は百五十メートル以上の垂直距離を保たなければならない。」ただし、航空交通管制機関の指示がある場合は別である、こういうふうに定めておりますが、この規定は、自衛隊機がやむを得ず他の航空機と近接して飛行しなければならなくなった場合におきまして衝突のおそれのないように維持しなければならない間隔を定めますとともに、これに反する接近が行われました場合には長官への報告を義務づけているものであります。したがいまして、当該距離を保ちさえすれば、他の航空機の安全を配慮せずに自由に飛行してよいというふうな意味はもちろんないわけでございます。 防衛庁といたしましては、見張り等により安全を確認いたしますとともに、他の航空機の接近を認めました場合には、または他の航空機の接近の情報を得ました場合には、十分な余裕を持って適切な回避行動をとることとしておるわけであります。
○左近委員 防衛庁の方は水平距離六百メートル、垂直距離百五十メートル、これ以内であればニアミスだ、それ以上であればニアミスではないという判断をされているわけですね。 そこで、これは仮定の問題ですが、今F15は最高速度はマッハ二・五ですね。今、運輸省と防衛庁と距離でかなり見解の開きがあるわけで、一方は五百メートルだ、一方は五キロだ。例えば五キロ離れている地点からF15がマッハ二・五ではっと飛んできた。民間機が時速八百キロで飛んできた。いつかこれは衝突する時点があるわけです。これは何秒後ですか。
○長谷川(宏)政府委員 F15につきましては、マッハ二・五で飛行することのできます性能はもちろんあるわけですが、音速を超える速度で飛行いたしますのは、原則として民間機のいない訓練空域等で行われます。そういうふうに限られておりますから、御指摘のような事態は現実には起こり得ないものと考えておりますが、強いてマッハ二、五の速度で、これは四万五千フィートの高度での前提といたしまして飛行いたします航空機と、時速八百キロメートルの速度で飛行いたします航空機とが同一高度で五キロメートル離れた位置から向かい合った状態でそのまま飛行したといたしまして試算いたしますと、両機は約五秒後に出会うことになると思います。
○左近委員 この事実についてどう思われますか。 今、防衛庁やあるいは運輸省の関係、距離五百メートルだとかあるいは何キロとか言っておられる。今、五キロメートル離れておって五秒間ですよ。五秒間で衝突するのですよ。これだけスピード時代で空というのは大変怖いわけです。だからこの水平距離六百メートル、垂直百五十なんというのは、もう秒にもならぬぐらいの一瞬のときに衝突する可能性があるわけですよ。ここらの認識について防衛庁長官どう思われますか。五キロといったらかなり離れています。それがびやっと来たら五秒で衝突してしまうのですよ。これは長官どうですか。
○栗原国務大臣 それは特定の特定の想定の問題ですから。
○左近委員 いや、特定の特定で事故は起こるわけです。
○栗原国務大臣 いや、そんなことを言ったら全部飛行機は飛行できないです、あらゆるものは。そうなりますから、これは特定の特定の問題だと思います。
○長谷川(宏)政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、まさに特定のケースを前提といたしましての試算をすればということだけでございまして、実際には先生御存じのとおり、自衛隊の訓練空域というものがまず航空路と分離されておる、民間航空機等が飛ばないところで訓練を実施するというシステムが確立しております上に、自衛隊機の方は、民間機もそうでございますけれども、見張りをし、そしてできるだけ早期に回避する、また、地上のレーダーサイトからの監視あるいは支援を得て、必要がある場合にはそういうふうに行動するという段取りがついておりますので、そういう事態が頻発するはずは本来はないのであります。
○左近委員 こういう事故は、今、大臣特定の特定だと言われた。そういう特定の特定のところで四十六年のこの雫石の事故だってあったわけです。だから、そういう可能性をきっちりとなくしていくということが必要ではないですか。千歳空港では自衛隊の飛行機はスクランブルをやっているわけですよ。十分可能性はあるのです。そこらをしっかりともっと交通整理をしてもらいたいということを私は言っているのですよ。今回のこのニアミス事件を受けて今後どういうように対応されようとするのか、その辺聞かせてください。
○栗原国務大臣 今申し上げたとおりで、航空機の事故というのは非常に大きな事故ですから、そういうことのないようにしなければならぬという点については私も同感であります。したがいまして、そのために先ほど申したとおり、いわゆるニアミスが起きないように、最近起きたこの事件についても徹底的に調査をしてもらいたい、それについては防衛庁も積極的に運輸省に協力をします、こういうことを申し上げたのであります。それに基づいて対処していただきたい、こう思っております。
○左近委員 そこで、この種問題が起こる一つの構造的な問題といえばなんですが、問題点として、米軍、自衛隊、そして民間機、この共同飛行場、共同空港、ここでの管制の問題をだれがやるのかということにかかわってくると私は思うのです。 先ほども米軍の問題のことを申し上げましたが、結局米軍の飛行については全く自由だ、国内の航空法についても全く適用されない、こんな異常な状況があるわけです。そういう中で民間の飛行機が使っておる空港については管制権を民間に譲るべきである、民間に譲るというのはおかしいですが、運輸省に譲るべきだと私は思いますが、この点はどうですか。
○長谷川(宏)政府委員 自衛隊によります管制業務は、航空交通管制に関します運輸省の権限の一部につきまして航空法百三十七条四項の職権の委任に関する規定に基づく委任を受けて実施しているものであります。当該委任業務の運営に関する事項に関しましては、運輸大臣の統制に服しますとともに、運輸省の管制機関が行います業務と同一の基準によってやるということになっております。したがいまして、管制業務を自衛隊が実施いたしますこと自体には何ら問題がないと考えております。 また、千歳飛行場のように民間と共用しております飛行場におきまして航空交通管制を実施するに当たりましては、防衛庁は従来から民間機の安全及び円滑な離発着に十分配慮しておりまして、航空交通の安全確保につきましては他の基地における管制と比べ一層の注意を払ってきているというのが実情でございます。
○左近委員 この問題はこれ以上やりませんが、空ではシビリアンコントロールというものが今日しっかり確立されておらないのじゃないか。例えば沖縄の問題も、米軍機の空域優先使用の問題あるいは空域の一時的留保、アルトラブの問題、ここらが日常茶飯事に行われているわけです。だから、こういう事故を起こさないための空域管制のあり方については民間機を大切にして優先した取り扱いをされるように要望をしておきたい、私はこのように思います。 次に、FSXの問題についてお聞きをしたいと思います。 FSXの選定問題について長官が基本的な考え方を出されておりますが、改めてその考え方をお聞きしておきたいと思います。
○栗原国務大臣 FSXを選定する場合に私の原則といいますか基本的な考え方は、防衛上必要な非常にすぐれたもの、そういうものをどうしてつくるか、もう一つは、日米安保条約といいますか、そういうものもございますので、少なくともアメリカ国防省の理解を得なければならぬな、それから、こういう問題はとかく航空業界の圧力あるいは航空業界のいろいろな接触というものが過去において不愉快な事態を起こしておりますので、日米とも防衛産業の影響を受けない、そういうものを排除する、そういうことでやっていきたいというのが私の基本的な考え方であります。
○左近委員 今の大臣のそういう方針で今日作業が具体的に進められておるのですか。
○栗原国務大臣 そのように進んでおると私は信じております。
○左近委員 今、ココムの問題あるいは対米貿易摩擦の問題、こういうことで、このFSXの選定に非常に影響をしておると世間では言われておるわけです。ある週刊誌では、東芝後遺症でFSX選定で豹変の日本、こういう記事が出ておりますが、この辺については全く影響されないということでいいのですか。
○栗原国務大臣 私もいろいろ新聞、雑誌を見ていますけれども、極めて無責任ですね。特に豹変とかそういう表現を使って、無責任です。ワインバーガー長官が来ましたときにいろいろ話をした、そのときにワインバーガー長官から向こうの航空機を中心として日本の技術を踏まえていろいろ何かできないかという提案があったことは事実です。ですからそれも検討しなければならない、これもまた事実であります。 ただ、私がそのときにワインバーガー長官に言ったことは、私はアメリカの航空機を買うことに興味があるわけでもないし、何でもかんでも日本がつくらなければ承知ならぬというところに関心があるのでもない、問題は日本とアメリカのハイテク技術というか、技術をどのようにアジャストして、調整して、そしてアメリカのためにも日本のためにも寄与していくか、これはただ単にFSXだけじゃない、これから日本とアメリカの技術というものを考えると両者をどう調整するかという問題であるということを話しておりまして、そういうことも踏まえて今いろいろとやっていくものと考えております。
○左近委員 その作業の選択肢として、一般的に現有機の転用の問題、外国機の導入の問題、国内開発、この三つがある。特に国内開発については、最近では日本の国内での開発だけではなしにアメリカとの共同開発という形をとっていきたいというようなことが報道もされているわけです。今日、この三つの選択肢の中で大体アメリカとの共同開発ということにねらいをつけながら作業が進められておるのじゃないかというニュアンスを伺うわけですが、そういうことでございましょうか、どうですか。
○西廣政府委員 先ほど先生の方から申されました三つの選択肢は引き続き生きていると私は考えております、どれか一つにねらいをつけてそこにまとめていくというとり方はしておらないわけでございますが、御承知のように、今回我々が求めておるFSXというのは、いわば二十一世紀前半に主に使われる航空機でありますので、そういう点では、現在ある航空機なり現在既に使用している航空機あるいは諸外国に現在既に存在しておる航空機ということになると、それは実際に使われる時期に比べると二十年あるいは三十年前にできた飛行機ということになりますので、それなりに改良しなければいけないとか、我々の要求している性能に必ずしも到達しない面が強かろうと思っております。 いずれにしましても、私どもとしては三つの選択肢の中で最も日本の防衛に適したものを先ほど大臣の言われた原則に基づいて選定いたしたいと考えております。
○左近委員 長官はいつアメリカへ行かれるのですか。
○栗原国務大臣 ワインバーガーさんの方の招待が、向こうの方からいつごろ来てもらいたいというふうにまだ言ってきておりません。私自身は、国会がある間は国会のお許しを得なければいけませんし、また国会のある中で私があえて向こうへ行かなければならぬかどうか、そこら辺は全くまだわかりませんので、ただいまのところ、国会が終わった後そういうこともあるかなということであります。
○左近委員 そういうことであれば、会期の延長があるかどうかはわかりませんが、国会終了後速やかな時点で長官が行かれるという理解をしてよろしいですか。
○栗原国務大臣 今申しましたとおり、それは不確実であります。
○左近委員 行かれるのも不確実ですか。
○栗原国務大臣 私は、事情が許せば行きたい、向こうからたびたびの御招待がありますから行きたいと思っておりますけれども、必ず行くというふうに決めておるわけではございません。
○左近委員 それは私のようにぎっくり腰になることもありますのでわからぬと思いますが、長官が行かれたときにはFSX問題についての結論は大体出したいという意向を持っておられるのですか。
○栗原国務大臣 ある程度これは私の政治姿勢というか人生観ですが、私はそのときに行きまして、諸般の事情を勘案して、ここで決めるべきだというときには決めてまいります。そうではないというときには決めてまいりません。
○左近委員 今の状況では、まだ決めれるような状況では作業が進んでおらないという判断を長官はされておられるのですね。どうですか。
○西廣政府委員 FSXの選定につきましては、現在、庁内に委員会を設けまして総合的な最後の検討を進めておるところでありまして、この作業が大体九月中をめどに終わる予定でございますので、そのまとまりぐあいというものを見て決心いたしたいということであります。
○左近委員 FSXに関する予算は六十三年度予算に計上はどうなるのか。中期防ではこの予算について、歳出十億円、後年度負担六百九十億円、計七百億円ということを言っておられるわけですが、この数字はFSXの機種なり研究開発の方法によってかなり異なってくるのかどうか。また、新機種の開発について防衛庁は国内メーカーに対して二千億円というお金をある面では内示しておるというか提示しておるということが一部言われておりますが、こんなことは事実ですか。
○西廣政府委員 今先生申されたように、中期計画の中ではFSXのための経費として後年度負担分を含めて一応約七百億円の枠組みといいますか、それが用意されておるわけであります。そのほかに研究開発費の中にも、FSXの研究開発が行われればそういったものに回されるものも当然あろうかと考えております。 そこで、この金がどういうふうに使われるかということは、まさに先生の言われたとおりどういう形でこのFSXを決めるか、例えば研究開発ということでありますと、できるだけ早い時期から研究開発に着手して、いいものをつくっていくということになろうと思いますので、計上年次から言えばできれば早い時期から計上してじっくりと研究いたしたいと考えておりますし、仮に現用機なり既存機をそのまま使う、あるいは若干改良して使うということになれば、それなりに時期はおくれて使用されても構わないということになろうかと思います。 それから、今二千億円云々というお話がございましたが、これは期間内ということではございませんで、先ほど申し上げたように一九九〇年代の終わり、昭和七十二年ごろまでに開発を終える、そこまでの全開発費として、仮に国産開発で、純粋に我が方で新たなものを国産するとすればこのくらいかかるのではなかろうかということを我が方の技術研究本部がいろいろ案をつくって積み上げております。それはほかの手段と比較するための開発案として整理されたものでありますが、それによりますと、千八百億なり二千億なりの開発費がかかるのではなかろうかという見積もりになっておるわけでございます。
○左近委員 このF1の後の後続機ということで、今お話がございましたように一九九〇年代後半ということでありますが、防衛庁はこのFSXについて、もう今の時点でまだ世界に存在しないほどの非常に高性能、優秀な支援戦闘機を考えておられる、第四世代の飛行機というものをねらっておられる。今日、専守防衛というものを原則にした日本の防衛政策の中で、それくらい優秀な性能を持つ飛行機が必要なのかどうか、この辺の観点からの検討はされましたか。今世界でどこにもないような戦闘機を開発される、こんなことが今の日本の防衛政策上許されるのかどうか、私はその疑問があるわけですが、いかがですか。
○西廣政府委員 世界に類のないような性能であるという、そのとらえ方であろうかと思いますが、我が国の装備すべき戦闘機というものについてはそれなりの特性があるということだろうと思います。非常に大きな防衛力を持っている国であれば制空戦闘機は制空戦闘機、戦術戦闘機は戦術戦闘機、さらに爆撃機は爆撃機というようにそれぞれの機能を持った、単一の機能を持った航空機というものが開発されるのだろうと思います。ところが、御承知のように、我が防衛力というものは、できるだけ最小限の力で最小限の専守防衛の体制をつくろうではないかということで、大綱の水準というものに基づいて防衛力整備がなされておるわけでございます。 したがいまして、御承知のように、我が国が保有すべき戦闘機の数というものは大綱の別表によりまして十三個飛行隊というように定めておるわけでございます。それは要撃戦闘機、それから支援戦闘任務につくものを含めた全体の飛行隊の数でございます。しかも、大綱本文に書いてありますように、いわゆる防空につきましては要撃戦闘機のみならず支援戦闘任務につく戦闘機も含めて戦闘機という言葉で、それらすべてが防空任務にもつくということになりますので、いわばマルチの任務、マルチロールの航空機であるという点では、各国以上にそういう多用途性というものに着目をしているということはあろうかと思います。 それから、もう一点申し上げますと、例えばヨーロッパ等の諸国の戦術戦闘機等を見ますと、大陸国で非常に長い国境線を挟んでそれぞれの国が対峙をしておるという国でありますから、それほどの航続距離は要らないということになります。ところが、我が国のように非常に細長い地形の島国でありますと、例えば北海道なら北海道で戦闘が行われるというときに、北海道等北部日本にあります飛行場の数というのは非常に限定をされます。そういうことになると、その限定された飛行場は、主として防空任務に携わる航空機が配備されなければいけない。としますと、支援戦闘任務に携わる航空機というものは、そういう相手方の航空攻撃が行われる時点でいたずらに被害が出ないように後陣に配備をされていなければいけないということになると、どうしても南東北地方以西に配備せざるを得ない、それが現在の航空基地の配備なり日本の地形上やむを得ずとらざるを得ない状況になります。そういうところに配備してある支援戦闘機がタイムリーにその機能を発揮するためには、それなりの航続距離がないと実際に使われる地点まで行動することができないということになりますのでそれなりの航続距離が要るといったように、日本の国土、地理的な条件、そういったものに適合し、かつ先ほど申したように少ない防衛力の中で総合的に何とか最低限の防衛能力というものを維持するためには、それなりのマルチ的な性能というものが必要であるということは御理解いただきたいと思います。
○左近委員 その点については、いずれまた機会があるだろうと思います。 もう時間がございませんので、次に移りますが、専守防衛問題、これだけやってもかなりの時間が必要だと私は思います。そこで、今、日本の防衛政策というのは専守防衛だ、こういうことを言われておりますが、その専守防衛の解釈が近年どんどんと拡大をされているわけですね。予算面においてもGNP一%の枠の突破の問題、あるいは洋上防空システムということで世界でアメリカだけしか持っておらないような、そういう質的に非常に高い装備を今防衛庁では要求されておる。これは専守防衛の枠を非常にはみ出た考え方ではないか、このように私は思うのです。 そこで、言葉ではなしに、専守防衛の具体的な規定というものを予算と装備の具体的な内容で答えていただきたいと思います。
○西廣政府委員 専守防衛といいますのは、先生が言われたように、例えば純粋に防衛的な機能で、性能の高いものは持ち得ないとか、必ずしもそういったことでないというふうに私どもは前々から理解をいたしておりますし、政府としてそのような御説明をしていると思います。 専守防衛とは、そもそも我が国の憲法をまず基礎にいたしまして、日本自身が侵略的な脅威というものを他国に与えない、そういった攻撃的な軍事力は持たないということを基本にしておりまして、それ以外に、例えばいわゆる武力行使を前提にしたような海外派兵をいたさないとか非核三原則とかいろいろございますけれども、基本的にはやはり相手の国に壊滅的打撃を与えるようないわゆる戦略攻撃力にたぐいするような軍備は持たないんだということに尽きると考えております。
○左近委員 結局、六十二年度予算ではエイジス艦の問題、P3Cの新型機、OTHレーダーの問題、また中期防全体としては空中給油機の問題あるいは空中警戒管制機AWACSの問題、こういうものがずらり出てくるわけでして、またヘリ専用の航空母艦というようなものまでどんどんと拡大をしていくということは、果たしてこれが専守防衛かどうか、これは国民も非常に不満というか不安を持っておられると思うのですね。日本の防衛については与党だけの責任ではないわけでして、私ども野党も日本の平和の問題、安全の問題、これは重大な関心を持っているわけです。 ところが、今防衛庁を中心にして進められておるこの洋上防空のシステムなんかをかいま見てみますと、どこまでいくんだろうかというような非常な不安を持たざるを得ないんですよ。こういうことが果たして国民のコンセンサスを得るだろうか、私は非常に危惧をいたします。その辺で、やはりもう少し節度ある防衛までを限度にしていく。社会党はこれをよっしゃとは言いませんよ。言わないけれども、やはりある程度国民の理解できる範囲、装備、こういうものが私は専守防衛の限界ではないか、このように思いますが、その辺、長官はいかがですか。
○栗原国務大臣 これはやはり国際情勢あるいは近隣諸国の動向、軍事技術等の進歩、そういうものを勘案してやらないと、今防衛局長から話がありましたとおり、非常に高性能なものを持つ、装備をする、そのことが専守防衛と違反する、こういうふうに考えられがちでございますけれども、私はそうじゃないと思うのです。やはり必要なものは必要である、しかしどうして必要なのかそのことをよく御理解いただく、そういう努力が必要じゃないかと考えております。
○左近委員 これは何ぼやっておってもかなり平行線をたどると思いますが、また当委員会等で十分やっていただいたらいいんじゃないかと思うのです。 そこで、もう時間が二、三分しかございません。きょうはSDIの問題を少しやりたいと思っておったのですが、これは協定のほかに秘密協定、秘密取り決めがあるのですか。
○藤井(宏)政府委員 御存じのとおり、SDIに関する取り決めは四つほど諸外国とあるわけでございますが、これはすべて不公表でございます。日本はこれを公表するようにということで鋭意交渉いたしまして、我が国につきましてはその協定が公表されておりまして、その協定の骨子のもとに実施ということで取り決めがあるわけでございますが、その取り決めは不公表でございます。
○左近委員 公表されている協定のほかに公表されない取扱基準というものが存在するということですね。
○藤井(宏)政府委員 それは累次政府が述べているとおり、そのとおりでございます。
○左近委員 きょうは内容についてやりたかったのですが、もう時間がございません。 このSDIの研究参加の問題について、政府間協定、これは全く行政協定にされて国会でも承認を求めないというようなことは大変不満なんです。かねてから言っておりますように、宇宙開発の平和利用の問題、非核三原則の問題、集団自衛権の問題等々かなりかかわり合いを持つと思うのですが、そこらは今後大いに国会の中でも論議をしていただきたいと思います。 そこで、簡単に聞きますが、この協定三条の秘密の情報保護について国内法の枠内で措置するというようになっておりますが、これは日本の国内で新しい秘密保護法的なものを制定しないというような理解でいいのかどうか。 もう一点は、このSDIの研究計画に関する去年の九月九日の内閣官房長官の談話によると、SDIは非核の防御システムである、こういうことが研究参加の前提になっておるわけですが、今後民間企業が研究参加をする中で、SDI全体の体系の中で核にかかわる要因、例えば核爆発でエネルギーを得るとかいうような核にかかわる要因が派生した場合、非核三原則の原則からもこの研究参加は取りやめというようなこともあり得るのかどうか。この二点をお聞きします。
○藤井(宏)政府委員 第一点でございますが、協定の三条に言っております国内法、これは今日におきましては今日の我が国の国内法でございまして、SDI参加との関連で我が国が新しい立法を求めないということは累次政府が公に発言しているところでございます。 それから第二点でございますけれども、SDIはあくまでも研究計画でございまして、一つの可能性といたしまして核励起のエックス線レーザーの研究というものがその中に含まれているということでございますが、それは今日いまだ原理的な研究の段階でございまして、それが将来一体どのようなものになっていくのかということは全く不明でございます。したがいまして、全体としてSDIが、これはアメリカ政府が累次公言しておりますように非核の防御手段であり、それをまた目指したものであるということは間違いないところでございます。 将来の問題につきましてどのような形になっていくのか、これは研究がどのように進んでいくかということでございますが、いずれにしましても核につきまして非核三原則、あるいはNPTに参加しております我が国といたしましては、核に関する技術というものは存在しないわけでございますから、我が国の民間企業がそのような面でアメリカと協力していくということは到底考えられないわけでございます。
○左近委員 それははっきりしておいてもらわなければあかんのですけれども、日本が研究参加をする部面については非核であってもSDI体系全体としてはやはり核がその要素の中に入っておるという場合があり得るわけでして、私は、そのSDI全体の構想の中でこれがすべて非核でなければならない、この研究の要因の中に核を含んでおれば日本もその研究の参加を取りやめるべきではないかということなんですが、その点どうですか。日本が研究するところは非核だ、それだからいいのだという部分的な問題ではなしにですね。
○藤井(宏)政府委員 この点は国会におきまして昨年来種々政府側が述べているところでございますけれども、SDIが非核の研究であるということは、その性格は間違いないところでございますけれども、その中のほんの一部といたしまして核励起によるエックス線レーザーの研究というものがある。それがどのように進んでいくかということは全くわからないことでございますが、それは現段階におきまして極めて限られた一部であり、それがSDI全体として非核の防御システムであるというその性格、目的を変えるものではないというのが政府の考え方でございます。
○左近委員 人間のレントゲンを撮るぐらいのそういうレーザーであれば問題ないかもわかりませんが、例えば広島型の原爆のエネルギーぐらいが必要な場合、当然これはだめでしょう。どうですか。
○藤井(宏)政府委員 SDIは現在研究計画でございまして、その研究計画の中で最も具体的に進捗を見ておりますのは、大きく言いまして二つの兵器体系があるわけでございますが、その中の物理的エネルギーの方でございまして、いわゆる指向性エネルギーの方はなかなか時間がかかっておるようでございます。したがいまして、将来どのような指向性エネルギーで研究が進んでいくのかということは全く将来の問題でございます。
○左近委員 もう時間がないのですが、SDIは非核システムだということで日本も研究参加をするわけですね。だから、SDIの全体的な体系の中で核の要因を含んでおれば日本はやはり研究参加をすべきでないと思うのですよ。だから、この点今後また問題にしていきますが、そのことだけ強く要望なりしておきたいと思います。 もう時間がございませんが、せっかく厚生省来てくれておりますので。先日この委員会で硫黄島へ視察に行ったのですよ。安保の委員長も硫黄島で遺骨の収集をされる方々を激励もされたわけでございますが、何かおびただしい頭蓋骨がアメリカへ持ち去られておる。これは厚生省、知っておったのですよね。それを隠しておられた。これはいつごろ知ったのか、今後どんな対応をされるのか。また、これは当然アメリカとの交渉において政府がもっと前へ出て交渉をしていくべきじゃないかと思うのですね。 私ども安保の委員会として硫黄島へ行ってあのごうにも入らせていただいて、非常にじんとくるものがあったのですよ。そういうような感情をやはりもっと大切にすべきじゃないですか。私は、この委員会で取り上げるのが適当かどうかわかりませんが、せっかく私ども安保の委員会で硫黄島へ視察に行ったわけでして、そこで戦後四十二年たっているのに今まだ遺骨の収集の作業を暑い中、炎天下やっておられるわけですよ。それらの気持ちを皆さん十分理解をしてほしいと思うのです。厚生省の担当者の話と、最後に外務大臣、この問題でどういうように対応されようとしているのかお聞きをして、それで終わりたいと思います。
○大西説明員 お答えを申し上げます。 昭和二十七年の平和条約締結後、初めて我が国から遺骨収集の調査団が派遣されまして、その際に現在の硫黄島協会の会長でございます和智さんとか、それから厚生省職員も当然入っておりましたが、そのときに現地で遺骨を集めました際に頭骨のない遺骨が異常に多いという事実に気づきました。ただ、その原因がわからないという状態でありましたが、恐らく米国兵の中にこれを持ち帰った方があるのじゃないかという推測をされまして、以後、例えば昭和三十一年あるいは昭和六十年というように硫黄島協会は米国で出版される本にアピールをいたしまして、六十年の年末にそのアピールが功を奏しまして、二体、米国から返還されたという事実がございますが、当然のことながら、この間私どもも厚生省としてそういう推測をしていた事実、それから六十年に返還された事実を認識をいたしておりました。 これまでの間の対応といたしまして、硫黄島協会の考え方としましては、政府間交渉ではなかなか難しい問題であろうし、余り米国民を刺激するということが万一あってはいけないからということで、自主的に返還運動を進めたいという御意向で今日まで来られまして、私どもも硫黄島関係の直接の関係者でございます硫黄島協会の意向を踏まえて対処してきた、こういうことでございます。 実は、先週の金曜日にも御指摘のように外交交渉を進めるべきでないかという御質問をいただきまして、それを踏まえまして、改めまして硫黄島協会の方に御意向を確認いたしたのでございますが、なお引き続き硫黄島協会主体で返還運動を進めさせてほしい、まあ外交交渉は今の時点で望まないという、こういう御意見でございましたので、当面そのお考えを踏まえて、側面からできるだけの努力をいたすような対策を進めてまいりたいと思います。 なお、もちろん今後外交交渉を進めよ、こういう御意向が硫黄島協会から出されれば、私ども外務省と相談いたしまして対処する考えでございます。
○倉成国務大臣 非常に大事な問題の御指摘がございました。私も、十七、八年前に社労委員長をいたしておりまして、当時の亡くなられた内田厚生大臣とともに、また僧籍に入られた和智大佐、そういう方々と御一緒に硫黄島に参りまして、慰霊塔を初めて除幕をしたわけでございます。そして、私自身洞窟に入りまして、まだいろいろな遺品が残っている、これではよくない、もっとしっかり遺品の収集をすべきであるということで、厚生省を督励してやらせた経験がございます。しかし、アメリカの方にされこうべ等が行っているという事実については私もよく存じませんでしたので、そういう問題があれば、我々としても、その遺骨が遺族の手に入るように最善の努力をいたしたいと思います。
○左近委員 ありがとうございました。
○大村委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時六分開議
○大村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。上田哲君。
○上田(哲)委員 外務大臣にまずお伺いをいたします。 報道されているところでは、アメリカ、ノーチラスの調査で、アメリカ太平洋軍司令部の文書、一九八四年五月八日付の核兵器の安全確保に関する文書、こういうものがある。非常に重要な文書だという指摘でありますけれども、この文書の存在を認知しておられますか。
○倉成国務大臣 現在におきまして政府におきましては、報道されておるような文書は入手しておりません。
○上田(哲)委員 我々でもこれは既に手にしているわけでありますが、なぜそれを調べようとされませんか。
○藤井(宏)政府委員 現在入手に努めているところでございます。
○上田(哲)委員 もうちょっとまじめに向き合うのが当然だと思うのでありますが、このノーチラスの報告によりますと、アメリカ太平洋艦隊爆発物処理第一グループ分遣隊、これが横須賀と佐世保に配置されている。このことは文書によらずとも確認できることと思いますが、いかがですか。
○藤井(宏)政府委員 爆発物処理に関連する部隊が配置されていることは存じております。しかし、それは一般に爆発物の処理でございまして、特に報道が伝えますように核兵器というもののためにあるということではないというふうに承知しております。
○上田(哲)委員 これは常識とは違うわけでありまして、この分遣隊というのは核問題についてのトラブルを調査検討、協議するものであるというふうに世の中では理解をされているものであります。少なくともこれは韓国やフィリピンあるいはオーストラリア、カナダなどの例を見ましても当然そうした性格を持っているものでありまして、この機関の活動に関して在日米軍司令官と日本政府の間で協議が行われているはずである。これはインターナショナルな常識なんでありますが、その事実はありますか。
○藤井(宏)政府委員 報道が行っておりますような協議を行ったことはございません。さらに、ただいま御指摘のEOD、エクスプローシブ・オーディナンス・ディビジョンに関連して協議を行ったことはございません。
○上田(哲)委員 これは当然そういう協議を在日米軍司令官との間に行うことになっているとされているものであります。協議の申し入れがあったにもかかわらずしないのか、協議の申し入れがないのか。既にEODGRU1というものの存在がありながら、これが全く開店休業ということは理屈、常識に合わないはずであります。
○藤井(宏)政府委員 協議の申し入れもございません。さらに、先ほど御説明申し上げましたとおり、EODと申しますのは英語で申しますとエクスプローシブ・オーディテンス・ディビジョンということでございます。そのディスポーザルということでございまして、一般に爆発物処理でございまして、核兵器のみを特定したものではないというふうに我々は存じております。
○上田(哲)委員 これが核兵器の処理の問題でないというのなら、協議することに応ずることはいささかも問題ないはずではありませんか。核問題の存在を裏づけてしまうことになるのであれば協議があったということにはなるまい、こういう遁辞もあると思いますけれども、核問題と関係ないのだということであれば協議することには問題がないはずでありまして、協議の申し入れがあったら協議はするのですか。
○藤井(宏)政府委員 米軍の中の一部署の行動につきまして協議を行うということは通常ないわけでございまして、この場合には爆発物処理のディビジョンでございまして、それに関連して協議をするということは常識的にも考えられることではございません。 いずれにしましても、先ほど御答弁申し上げましたように、本件につきまして米側から協議の申し入れはございません。
○上田(哲)委員 他国の例、韓国、フィリピンあるいはオーストラリア、カナダ、議事録等の関連からいいましても、これはもう当然一つの常識であります。日本のみはこうした国々の慣例とはただ一つ違って協議もしないということであるとするならば、まことに奇異な感じを否めないのであります。 外務大臣にお伺いをいたします。文書は当然お調べになるべき立場でなければならないと思います。お調べになりますか。
○倉成国務大臣 本件の文書をできるだけ早く入手をいたして、どういうものか調べてみたいと思います。
○上田(哲)委員 もう一言、外務大臣に承りたいのは、その文書を調べてそのような文書が存在をする、そして存在のいかんにかかわらず協議し得るものであるということになれば、これはやはり核兵器の存在もしくは通過を裏づけるものだと一般的に言わなければならないと思いますが、いかがですか。
○倉成国務大臣 全く仮定のお話でございますので、ただいま委員の仰せのようなことでお答えするわけにはまいりません。どういう中身のものか十分中身を精査した上で、これへの対応を考えたいと思う次第でございます。
○上田(哲)委員 非核三原則というのも一般原則論であります。同じような意味で、これも一般論として私はお伺いをしておきたいのであります。またそれを見ていない、存在もしていないと思う、しかしそれを調べてみるということは当然国民の不安に対する立場でありましょうから、そこで一般論としてお伺いをしたい。 こういうものが現に存在し、実存のいかんにかかわらず協議すべきものとしての分遣隊の配置もあるということになれば、人々の常識としては核兵器の存在ないしは通過を認めつつ協議が進んでいる、こういうことにならざるを得ないと考えるのですが、この一般論を否定されますか。いかがですか。
○倉成国務大臣 一般論として申しますれば、御案内のとおり、日本には事前協議の制度がございますから、事前協議がない以上におきましては、日本における核の存在というのはあり得ないということを確信をいたしております。
○上田(哲)委員 そうしますと、このようなEODGRU1なるものの、これは各国の例でありますけれども、在米軍司令官と当該政府とが交渉、協議をするということになっているわけでありますが、日本の場合は、このような協議を行う場合は非核三原則の範囲で協議が申し入れられる、こういうことになるわけですか。
○倉成国務大臣 事前協議の対象になり得るものにつきましては、事前協議によって協議をするということになろうかと思います。
○上田(哲)委員 事前協議の範囲に属さぬと考える場合には、この問題についての協議もあり得るということですか。
○倉成国務大臣 アメリカから事前協議がありまして、我が国の非核三原則に反するものであればノーということでございます。
○上田(哲)委員 論理が矛盾しておりますからよくわかりません。それ以上お答えしがたいというのでありましょう。この問題は大変深刻かつ重要な問題でありますから、非核三原則の範囲外でも一定の交渉があり得るかのごとき言辞もまことに問題でありますから、ひとつまとめて御確認をしておきたいのは、この文書を早急に取り寄せられて、この問題が核問題とどのようなかかわりがあるか、さらにまた、将来にわたってこのような例えば分遣隊との交渉等々をすることの可否等々について早急に見解をまとめていただきたい。その御見解はまたただしたいと思いますが、これは大臣からです。 もう一遍申し上げる。この文書の存在について直ちに調査をされて、おっしゃるような非核三原則の範囲外範囲内という問題も含めて今後どのように対処されるかのあり方を御報告いただきたいと思います。これは大臣でなければ答弁にならない。局長の話じゃない。私は大臣に尋ねているのです。
○倉成国務大臣 いずれにしましても、文書の存在そのものを入手して、その内容を精査した上で、どういう対処をするかということを慎重に検討したいということでございます。
○上田(哲)委員 くどいようですが、簡単なことなんです。いろんな疑義があり心配がありますから、この文書を可及的速やかに入手されて、私が申し上げたような問題について考えをまとめて報告をいただけるということを今御確認を求めているのでありまして、はいと言っていただければ結構です。大臣どうぞ。
○倉成国務大臣 ただいま申したことに尽きると思います。能力があるということと実際所有しているということとはまた別でございますけれども、いずれにしましても、文書そのものを我々が持ち合わせていないわけでございますから、仮定のことに基づいていろいろ、こうでもないああでもないということをお答えするのは適当でないと思います。
○上田(哲)委員 だから、それはしっかり文書を見てからやるということでいいから、そうした疑念その他がありますから、答えられないとおっしゃるのならばそこは一歩引きますから、文書を取り寄せて、今私がるる申し上げた問題についてよく御検討の上御報告をいただけますか、こう言っているわけです。
○倉成国務大臣 ただいまお答えしたことで尽きると思います。文書をなるべく速やかに入手してお答えをしたいということでございます。
○上田(哲)委員 では、それは後に譲ります。 もう一つ外務大臣。先般、八月十九日の衆議院外務委員会で、遠い将来、国際緊急援助隊に自衛隊の参加の可能性があるということを示唆されたというふうに伺っております。八月二十日の衆議院内閣委員会では後藤田官房長官は、これはいずれにしても憲法九条に深くかかわる問題であるから、このようなことがどんな意味であれあってはならぬということをかなりきっぱりと申されたようであります。非常に重大な問題でありますから、遠い将来であれ何であれ、憲法次元に属するこうした問題について、あいまいな発言は許されるべきではない。 私どもはいろいろ調べてみましたけれども、五十五年十月二十八日の政府答弁書、今日は全く具体的にそのような構想はないということを明言されておるわけであります。この際、自衛隊の海外派遣は将来の問題であれ何であれ考えていないという点を明確にしていただきたいのであります。
○倉成国務大臣 国際緊急援助隊の派遣に関する法律案に関しましては、自衛隊はこの中に入れていないわけでございます。これに関しまして外務委員会におきまして種々議論がございました。自衛隊をどうして入れないのか、入れるべきであるという御意見の委員もいらっしゃいましたし、そうすべきでないという御意見の方もございました。したがいまして、我々といたしましては、現在のところ、自衛隊というのはこの中に入っていない、また自衛隊がなくても十分やれる、しかし将来の問題として考えた場合には、やはり国会の論議あるいは国民の世論、また憲法、法律、そういうものを勘案しながら検討に値する問題である、そういうお答えをしたわけでございます。
○上田(哲)委員 これは非常にやはり重大であります。官房長官は非常に明確に、いやしくも憲法九条にかかわり疑念を持たせるようなものとしてこのようなことは全く考えない、こう言っておられるのであります。外務大臣の今の御発言は、今はともかくだが将来は可能性があるという含みを残されておる。これは非常に見解が違うのであります。しっかりした御答弁をいただきたい。
○倉成国務大臣 私が申し上げておるのは決して矛盾しないと思います。将来にわたる問題については、万一それが必要と判断されるようなことがあればその時点で改めて検討されるべき問題である、その意味で将来の検討課題であるということを申し上げているわけでございまして、いずれにしましてもこの問題はかりそめにも憲法の精神に反するような誤解を受けることがあってはならない、国会の論議や世論の動向などにも十分耳を傾け、慎重に検討され判断されるべきものであるということは論をまたないことでございまして、官房長官の答弁趣旨は私の考えと全く同じ考え方であると思います。
○上田(哲)委員 私はこの答弁を読みまして、あなたの今の御答弁と同じとは思えませんね。これはもう「いやしくも海外派兵と紛らわしい、誤解を受けるような扱い方であってはいけない」「憲法九条に基づいて日本の専守防衛という観点ででき上がっておるものだ、」云々、官房長官は明確に将来にわたってもこれを否定されておられます。あなたは将来にわたってはまだわからぬとおっしゃっているのです。将来にわたってという部分では全く違うのであります。将来に可能性を残すのか残さないのか、はっきりお答えをいただきたい。
○倉成国務大臣 日本国憲法そして日本の法律、こういうことにいやしくも反してはならないということを繰り返し私申し上げておるわけでございますから、そういう見地から私がお答えしていることは、官房長官がどういう御表現を使われたか知りませんけれども決して矛盾するところはないと私は感ずるわけでございまして、我々は憲法を遵守し、また国会で制定された法律を遵守し、そしてやっていこうというわけでございますから、この点について決して矛盾はないと確信をいたします。
○上田(哲)委員 言葉で矛盾があるとかないとかということを百万通聞いても仕方がないのです。私は具体的にお聞きしているのです。将来にわたっての可能性もないという立場とあなたのように将来についてはわからぬ、これは明らかに違うのですよ。矛盾がないなんて言葉を百万通繰り返されても説明になりません。 具体的にもう一遍聞きます。将来にはその可能性を持たせるのか、将来ともその可能性を想定しないのか、これは黒白明らかなことなんですから、矛盾しない矛盾しないなんという言葉を使って時間をむだ遣いしないでいただきたい。明確にお答えいただきたい。
○倉成国務大臣 今、官房長官の答弁をちょっと見せていただきました。官房長官はこう申しておりますね。「しかし私は、いずれにせよ日本の自衛隊というものは憲法九条に基づいて日本の専守防衛という観点ででき上がっておるものだ、この基本は絶対に守らなければならない、いやしくも海外派兵と紛らわしい、誤解を受けるような扱い方であってはいけないというのが私の考えである」こう申しておるわけでございまして、私の申し上げていることと全然矛盾することはないと思いますけれども。
○上田(哲)委員 どうかひとつ具体的にお答えをいただきたい。 それでは五十五年十月二十八日の政府の答弁書を読み上げる。長いから省きますけれども、「このような自衛隊の他国への派遣については、将来どうするかという具体的な構想はもっていない。」将来について否定しているのですよ。官房長官答弁をどういうふうに読み下すかはあなたの御自由としても、私が聞いているのは、はっきり問題を角度を変えてお伺いしたいのです。将来に含みを残すのか残さないのかということについてあなたの御見解をしっかり出していただきたい。政府答弁書はそのことを言ってないのです。その政府答弁書をあなたは変えることになるのですよ。そのことの意味を踏まえてしっかり言ってください。そのこと以外のほかの話は結構です。
○斉藤(邦)政府委員 ただいま御指摘の昭和五十五年十月二十八日付の答弁書でございますが、これはまず海外派兵というものを定義いたしまして、武力行使の目的を持って武装した部隊を派遣するということになっております。(上田(哲)委員「委員長、その答弁要りません。答弁者より質問者の自由をひとつ認めてください」と呼ぶ)それに対しまして、海外派遣につきましては武力行使……(上田(哲)委員「要らないと言っているのに、君は何で人の質問する発言時間を抑えるんだ」と呼ぶ)今の御質問に答えているつもりでございます。(上田(哲)委員「答弁になっていないから私は言っているんです。委員長、議場整理をしてください。これは質問権に対する妨害です」と呼ぶ)
○大村委員長 条約局長は私の指示で答弁に立ったわけですから。
○上田(哲)委員 全然答弁でないことを答弁されても困るんだ。もう結構だから、ほかの話は。
○斉藤(邦)政府委員 申しわけございませんが、今の御質問に答えているつもりでございます。最後までお聞きいただきたいと思います。(上田(哲)委員「最後まで要らない。あなたの答弁は要らないんだから、要らないというものはいいじゃないか」と呼ぶ)
○大村委員長 簡潔に願います。
○斉藤(邦)政府委員 簡潔にいたします。 海外派遣につきましては、武力行使の目的を持たない部隊を他国へ派遣することで、これは憲法上禁止されていないと考えているとなっております。それからその後に、しかしながら法律上、憲法ではなくて法律上、自衛隊の任務として規定されていないので、自衛隊を他国へ派遣することは現在ではできないと言っております。それから「このような自衛隊の他国への派遣については、将来どうするかという具体的な構想はもっていない。」という答弁書になっておるわけでございまして、それが昭和五十五年時点におきます政府の考え方でございまして、その時点におきまして「将来どうするかという具体的な構想はもっていない。」ということを今から七年前の時点でお答えしておるわけでございます。
○上田(哲)委員 もういいかげんにやめてくれ。どうかひとつまじめに答えてもらいたい。これもまた力ずくで押し込めていく一つの手法ですか。具体的に聞いているではありませんか。私が停止しているのになおどんどんしゃべっていくという傲慢な姿勢はやめていただきたい。私が具体的に聞いているのは――何を笑っているんだ、君。そんな態度で、三百議席の上に乗っかって物を言っているのかもしれぬが、国民の立場を裏切りますよ。まじめに答えていただきたい。イエス、ノーで答えられる話じゃないか。時間がないから全部読まないと言って一番最後の部分を読んでいるのに、わざわざ時間をつぶしてこれを全部読んでみせるという態度は何事ですか。そんな条約局長は要らないよ。 私が聞いているのは、将来にわたって可能性を否定するのか否定しないのかということを政治家としての大臣に伺っておるのです。簡単なことではありませんか。官房長官との発言が食い違っているか食い違ってないかは、矛盾してないとおっしゃるのならそれ以上言わないから、将来にわたっての可能性を否定されるのかされないのかという一点を大臣が答えていただきたい。三百代言の話は要らぬ。
○倉成国務大臣 ただいま上田委員の御発言は昭和五十五年十月二十八日の答弁書に関連しての御質問だと思いますけれども、この答弁書を全部読むとまたおしかりを受けますから最後の部分だけを読ましていただきますと……(上田(哲)委員「読まなくていいんだ」と呼ぶ)しかし、御質問されているからお答えしているんですから、ちゃんとお聞きください。(上田(哲)委員「ちゃんとしゃべってくれなければだめじゃないか。答弁にならぬじゃないか」と呼ぶ)ちゃんとお答えしています。ですから、最後の部分ですが、「このような自衛隊の他国への派遣については、将来どうするかという具体的な構想はもっていない。」こういう答弁が明確に五十五年の十月二十八日、されておるわけでございます。
○上田(哲)委員 あきれて物が言えない。だからその後を聞いているのです。こういう答弁書も政府が出しているんだが、あなたは将来にわたって自衛隊派遣の可能性を持つのか持たないのか、その一点を聞いているのに、何でこの古い話をずけずけと読まなければわからぬと言うのですか。それが答えられないのなら答えられないでもう結構だ。自衛隊海外派遣の可能性を将来に向かつて保有するのかしないのかということを聞いている。イエスかノーかしかないではありませんか。何で時間を引き延ばすのですか。
○倉成国務大臣 今も自衛隊を派遣しようということは持っておりません。しかし、将来の検討課題であるということを申し上げているだけのことでございます。
○上田(哲)委員 わかりました。私は非常に危険だと思いますが、それをなぜ言わないのですか。私は反対です。少なくともそれは、答弁書なりその位のこれまでの系譜からいって、これまでの方針を変えられることです。非常に危険だということになります。したがって、もう一つ具体的に承っておきます。 防衛庁から提出されているこちらへの資料によりますと、これは自衛隊法等々の改正を必要とする、自衛隊法の改正がなければそのことはできません。このことをまたずらずらとしゃべっていただく必要はさらさらない。では、自衛隊法の改正ということをも将来含むことになるのかどうか、簡単に答えてください。
○英政府委員 緊急援助活動を行う者を派遣する今度の法律の立て方の中で、自衛隊の派遣を必要とするという考え方は、自衛隊の参加がなければできないという考えではございません。したがって、今度の法律には入っていないわけでございます。現在のところ、自衛隊の参加を求めるということは考えておりません。
○上田(哲)委員 自衛隊の海外派遣には自衛隊法の改正を必要としないと今言ったのですか。
○英政府委員 自衛隊法の改正の話を私から申し上げることは適切でないかと存じますけれども、外務省が緊急援助隊を実効的に今後実施していく必要があるわけでございますけれども、現在提出している法律においては自衛隊の参加がなければこれは有効適切に行い得ないという判断ではなくて、したがって、自衛隊の参加を防衛庁の方に協議することもいたしませんでしたし、そういうことは考えていないわけでございます。そのことを申し上げているわけで、自衛隊法改正の話は私からちょっと答弁できない立場でございます。
○上田(哲)委員 だから外務大臣に承っているのです。海外派遣のためには自衛隊法の改正が必要とされるのですよ、そのことを将来考えられるのですか、いかがですかと聞いているのです。答弁してください。
○斉藤(邦)政府委員 現在の自衛隊法のもとでは自衛隊の海外派遣ができないという点は御指摘のとおりでございます。 将来の問題としてどうかという点でございますが、先ほど来大臣から申し上げておりますとおり、現在具体的なそのような計画はないけれども、将来の問題として検討したいということでございます。
○上田(哲)委員 これはえらいことになってしまった。私は、もう少しすっきり否定されるのだと思ったのですが、これは大変なことです。 佐々安保室長、これについての見解があなたにおありだったようですから、お答えいただきたい。
○佐々政府委員 お答えいたします。 八月十九日の外務委員会における議案は、御承知のように国際緊急援助隊の法案の問題でございました。御質問は、その際、これについて安保室はどういう見解を持ちどういう関与をしたか、こういう御質問でございましたので、安全保障会議設置法、内閣法あるいは内閣官房組織令等によりまして、国の安全にかかわることを私ども担当いたしております。この緊急援助隊のお話は、第三国において重大な災害があったとき、サミット国の一国として国力に相応した援助をこれに行う、こういう問題であるので、我が国の安全に直接関係したものではないということが第一の理由。第二の理由は、内閣法第十二条による総合調整権なるものは、各省庁の意見がまとまりませんで行政の統一性を維持する意味で調整が求められるという段階で関与をいたしますので、本件については安保室は関与いたしませんという御答弁を申し上げたところでございます。
○上田(哲)委員 大変なことになってしまったので私は驚いていますが、外務大臣、外務省の御答弁に対して、自衛隊法は言うまでもなく防衛庁管轄でありますから、防衛庁長官は外務大臣の見解と同じでありますか、違いますか。
○栗原国務大臣 外務大臣の答弁と同じであります。
○上田(哲)委員 えらいことになりました、これは。こんなことで将来どんでもない踏み込みをされてしまったのでは、これは場所を変え、時を改めて大いに議論しなければならない憲法上の問題にかかわる大きな問題であります。そのことをくぎを刺して、次の課題に移ります。 三宅島、あと一週間で夏の休戦というのが終わることになるわけでありますが、防衛庁長官、八月三十一日の二十四時をもって終わるという、形式論は形式論でありましょうけれども、やはり九月になったら早速強行というようなことであってはならないと思うのです。いかがですか。
○友藤政府委員 御質問のとおり、八月末まで気象観測柱の残りの一本についての建設工事を休止いたしておりまして、その間三宅村当局と私どもと話し合い解決に取り組んでおるわけでございます。私どもも幹部を数次にわたり訪島させるということで現在話し合いを継続しておる最中でございますので、九月以降のことについてはいろいろ申し上げるのは適当ではないというふうに考えておりますが、いずれにしましても、私どもとしましては気象観測、これは候補地の状況をいろいろ調査をするためのものでございますので、事務的に整々と実施をさせていただきたいということで、できるだけ早く実施をいたしたいというふうに考えております。
○上田(哲)委員 よくわからないのですよ。 長官に伺いたい。施設庁長官ではなく防衛庁長官の方に伺いたい。八月が終わった、九月になったからすぐ強行ということはよくないじゃないかと思っているのですが、いかがですか。
○栗原国務大臣 言葉じりをとるわけではございませんが、すぐ強行などという気持ちはございません。ただ、話し合いに応じてもらいたい、その状況です、それに応じて対応を考えなければならない。何も話し合いをしないで直ちになんという、そういうことは考えていません。話し合いに応じてもらいたい、これが私どもの原則であります。
○上田(哲)委員 観測柱の着工以来一月、半日刻みで議論を重ねてきましたから、今のニュアンスが九月一日零時を切ったらすぐやるみたいなことではないというふうに私は感じました。しかし、一口に話し合いとおっしゃるけれども、政府がやっていらっしゃる事柄の中身というのはどうしても私たちには納得できないことが多過ぎる。 今問題の観測柱でありますが、この三本の観測柱は何のために建てるのか。風向きや風の速さを観測するためだということをしきりに言われるのでありますけれども、実は七月二十四日に南雲東京防衛施設局長が現地へ行かれて村長と会った。そのときに、気象観測についてはもう既にデータは整っておる、整っておるのだがこれをやるのだということを言っておられるのですよ。整っておるのなら何でやらなければいけないのですか。こういう意味のないことであらがいを起こしていくというのは大変おかしいと私は思うのです。これはどうなんですか。
○友藤政府委員 私どもで派遣をいたしました東京防衛施設局長の発言に関しての御質問でございますが、七月二十五日に三宅村長と会談をいたしました東京防衛施設局長が申しましたことは、三宅島の北側にございます神着にございます測候所でございますが、そこの気象データはございますので、これにより飛行場建設を計画しております南側阿古地区の気象状況は擬略推察することができるという趣旨を述べたことでございまして、阿古地区現地におきます気象データはございません。したがいまして、私どもとしては、やはり候補地全般について詳細な気象状況というものを必要といたしておりますので、そういった観点から、今後適地をきちっと選定いたしますためには気象データを現地において収集をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○上田(哲)委員 それじゃまるっきりうそをついたことになるじゃないですか。押し問答になったらしようがないと思うから私は指摘するだけで、ひとつまとめて後で答弁いただけばいいと思いますが、ここにあるのは、これは南雲さんが向こうに行って、今の日にちも違っていますけれども、向こうへ行って南雲さんが話したものを録音をとって起こしたのです。あなたの方で録音をとっているかどうか知らないが、録音を聞かせてあげてもいい。村長に会ったときにしゃべった話を全部録音をとって、それを文字に移してある。そこではっきり言っておるのが、「我々が最適地と認定したのは神着の観測で、風向、風速の年間統計その他はもう全部出ている」と言っているのです。 だから必要ないのですよ。そう言っているのに、今の施設庁長官の答弁だ。そう言ったのではないのだということになれば、また現地で村民をだましたことになる。ちっともまじめな話をしていないのです。恐らく、これはフィージビリティースタディーということなものだから、何にも観測をしないでやったんじゃ笑われる話ですから、データはわかっているんだし、多少データが違ったことになるとしたって、こういうものをやってみせなきゃならない。FS調査です、これは。こんなことを無理やりにやっていくことで既成事実をつくっていこうとする。私は非常にこれはふまじめであり、力づくの態度だと思いますよ。明らかに、あなたのところの局長は、苦し紛れだろうけれどもこう言っているんだ。もうデータはあるんだよ、すべてもう既成事実にしてしまうんだよというようなあり方というものは、私は非常に問題だと思いますよ。わけのわからぬ答弁を聞いてもしようがない。 もう一つ。三宅島村民に、NLPに賛成をしなければ、三宅島に対する補助金や公共事業の配算をどんどん削っていくぞ、自民党の代議士の写真入りでこんなものが配られていますよ。その中には、六十年、六十一年、六十二年のそれぞれ、砂防、治山、海岸、道路、港湾、漁港、簡易水道、草地開発、土地改良その他、数字が出ています。六十二年度は、六十一年度に比べて六九%に下がっておる、これはみんなNLPに賛成しないから見せしめなんだという趣旨のことが、自民党の議員の写真まで入って配られているのです。こんなことができますか。ああ言えばこう言うというだけの答弁にすぎないと思うから、この際ひとつ関係のある、ここに関係配算をしているところから全部聞いていきたい。 まず国土庁、そんなことができるかできないか。
○河出説明員 離島振興関係公共事業予算の地域別配分につきましては、離島振興計画に基づきまして、各事業ごとに関係都道府県から出されます要望をもとにいたしまして、その事業の重要性、緊急性あるいは熟度等を総合的に勘案しながら、国土庁と事業実施官庁及び財政当局と協議をして決定する仕組みになっております。 昭和六十二年度の三宅島関係の公共事業予算でございますが、ただいま先生御指摘のように、総額事業費で十四億二千三百万、対前年度に比べてはかなり減少しておりますけれども、これは逆に六十一年度が大幅に伸びたという反動もございますし、また個々の事業別に見ましても、道路関係の路線の完了ですとか、港湾におきますところの工程上の理由こういったものが影響したわけでございまして、一般に島単位で見ますと、よくこのような予算の大幅な増減はあるわけでございます。したがいまして、今回の三宅島に関します予算は、このNLP反対運動と関連したものではないというふうに考えております。
○上田(哲)委員 六十年度は、事業費は十五億五千四百万円、国費がそのうち十億四千九百万円。六十一年度は、事業費が二十億三千三百万円、国費がそのうち十三億三千四百万円。六十二年度は事業費が十四億二千三百万円、国費が九億二千百万円。こういう経過になっております。 今お話しのように、NLPに賛成しなければ削るぞ、そんなことは到底できないことだ、将来にわたってもそのようなことはないのだということだけ一言……。
○河出説明員 先ほど御説明しましたような基本的な考え方で六十三年度以降も対処してまいりたいと思っております。
○上田(哲)委員 全部聞きましょう。農林水産省、簡単に答えてください。今そういうことはない、将来もそんなことはないというなら、はっきりさせてください。
○福屋説明員 私、水産業の担当でございますが、そういうようなことはございません。また、将来にわたってもございません。また、農業、林業についても同様であると聞いております。
○上田(哲)委員 運輸省。
○堀井説明員 お答えをいたします。 三宅島につきましては、現在、三宅島空港がございますが、私ども空港関係をやっておりますけれども、先ほど離島振興課長の方からお答えになりましたような考え方で今後も対処してまいりたいと思っております。
○上田(哲)委員 建設省。
○友松説明員 建設省におきましてもそのようなことはございません。
○上田(哲)委員 厚生省。
○浅野説明員 厚生省では水道等の環境衛生施設の整備を担当いたしておりますけれども、三宅島におきましては昭和六十年度から簡易水道の拡張工事が始まっております。これにつきまして、六十年度以降毎年度補助金の交付をいたしておりますけれども、六十二年度におきましても、今後御要望を精査いたしまして、必要な補助金の交付をいたしたいというふうに考えております。
○上田(哲)委員 各省庁から一々伺いましたが、こうした自民党議員の写真まで出しておるような、NLPに賛成しなければ補助金をカットするぞ、公共事業をやらないぞ、こんなばかなことはあり得ないということも確認されたので、先ほど来申し上げているように、要るんだか要らないんだかわからないものを柱を立てるというふうな話になっていくなどさまざまな形ではなくて、長官、イデオロギーに支配されて云々というような発言もありましたけれども、村民の気持ちはそういうものではありません。 私は、ぜひこの際話し合えと長官が言われる話し合いについて提案をしたい。こっちの言うことを聞いて何でも納得しろという話し合いを求めるのではなくて、本当に一定の時期に、村長、村議会、村民と腹を割って話をしてみて、村民がいやだと言ったら引き下がる、やめるということを等分に、つまり半分ずつ持った形の話し合いなら、話し合いはできるでしょう。そういう話し合いを胸を開いてやってみるということではないでしょうか。イデオロギー支配なんという形で物を言われたのでは村民の気持ちを裏切ること甚しいし、問題の解決はないと思います。いかがでしょうか。
○栗原国務大臣 この間、あなたも仲介の労をとられて、村長や議長が参りましたね。そのときに私は、こちらの話を住民に十分に聞いてもらいたい、その上で住民全体の総意を確かめるというならいいけれども、ただ村長とか議長だけで話し合いをするというわけにはまいりません。私どもは私どもの考え方を十分に村民に聞いてもらいたい。村民にも聞く耳を持ちましょう、また村民にもそういう気持ちにさせましょう、こういう格好を村長なり議会がやっていただきたい。これが私の基本的な態度であります。
○上田(哲)委員 事態は切迫しておるものですから、私は切に、ひとつ力づくで一方的な立場を押しつけるのではない方向に向かって努力されるように強く申し上げておきたいと思います。 さて、この安保の場でぜひ議論したい問題なんでありまして、そこに集中してまいりますが、私は、きょう、ぜひ議論を深めたいと思うのは、洋上防空構想とは何かという一点であります。まさにこれが今大きな集中課題としてクローズアップされてまいりました。時間を節約して、この背景等々については、すぐ結論に急ぐことでカットしていきたいと思います。 そこで、基礎の認識からひとつ伺いたいのでありますが、この十年間、日米安保体制といいましょうか、日本の防衛構想のよりどころというものは主としてシーレーン防衛ということで進められてきたと思います。そして、そういう立場でガイドラインに基づいての五十八年三月からのシーレーン防衛の共同研究、これが六十一年十二月二十四日の確認文書のサインという形でまとめられた。ことし一月のハワイ会談で報告をされた、つまりできた、終わったということになるわけでありましょう。こういう中から、昨年から防衛庁に洋上防空研究会というものが設けられる。防衛局長が座長である。この見解がこのほどまとまった。ここは非常に大きな流れでありまして、その位置づけの中から洋上防空構想とは何かということを、我々は、言うなれば日本の防衛構想の軸しんが大きくここで一つ立てられたとでもいいましょうか、そういう区切りの時点としてしっかり問題を明らかにしていただきたいと思っておるわけであります。 ちなみに伺うのだが、三年九カ月をかけたシーレーン日米共同研究というものが終わった。それとオーバーラップしながら洋上防空研究会が作業をした。この洋上防空構想というものは紛れもなく日米シーレーン共同研究の中から生まれたという言い方もできるし、そこで指摘された問題点は大きいとも言えるが、そのものあるいはその一部にあるにすぎないというのではない。その中に完全に包摂されてしまうだけのものではないものとして今構想されているのではないか。基礎の認識でありますが、その点いかがですか、
○西廣政府委員 過去十年間まずシーレーン防衛ということについて防衛庁がそれに非常に大きな力を置いてきたというお話でございましたが、私ども防衛力整備全般について言えば、シーレーン防衛もさることながら防空なり陸上防衛それぞれについてバランスをとって防衛力整備を進めてきたと思います。ただ、シーレーン防衛の場合は、我が国の生存のために非常に必要なことであると同時に、そのような対潜能力を持つということが、あるいは反射的効果かもしれませんけれどもアメリカにとってもかなりの意味があるということで、アメリカ側にも非常に強い関心がある問題であることは事実であります。 そういう点で、日米間で多くの研究が行われたこともまた先生の御指摘のとおりでありますし、我々、何しろ洋上の問題でありますので、日本の専守防衛という枠組みの中でどこまでができ、どこからできないかということも含めて十分な検討をしなければいけないということで、このシーレーン防衛について数多くの研究がなされたことも事実であります。 そこから派生して出てきたというか、洋上防空という問題も確かに最近大きくクローズアップされておりますが、これは今先生のお話にあったように、何もシーレーン防衛という観点の中だけでクローズアップされてきた問題ではない。これはどちらかといえば世界の軍事技術の進歩、言うなれば航空機もさることながら精密誘導兵器と申しますか、航空機あるいは艦艇等が搭載する長射程のミサイルの進歩、それの精度が非常に上がってきた。そういった問題から、洋上における船舶の防空もそうであると同時に、本土防空そのものについても非常に多くの影響を与えつつある、そういう問題であろうというふうに私どもは考えておりますし、それは我が防衛力にとって言えば、かつて持っておった例えば防空力、そういったものが技術の進歩に伴って相対的にこちらの防空力というものが失われてきた、あるいは低下しつつある、それをいかに補てんするかといった問題であろうと考えております。
○上田(哲)委員 大体その辺は平仄が合うと思うのです。つまり、非常にわかりやすく言うと、洋上防空構想あるいは洋上防空システムというものはシーレーンを上から守るものだ、シーレーンを上から守るもののみである。つまり単純な言葉の使い方でいえば、シーレーン防衛のための洋上防空構想、こういうふうに使われがちでありますが、防衛庁内部で、つまり日米ではなくて日本独自に進められてきた、そして今回まとまった洋上防空構想というものは、シーレーンのためというものではない。もっと大きく、今の局長の言葉をかりれば本土防衛というものを大きく意識する、こういう広がりといいましょうか、質的な発展とでもいいましょうか、そういうものになってきていると理解していいわけですね。
○西廣政府委員 洋上防空というのは、各国のいわゆる軍事用語として洋上防空という言葉はないと思います。例えば艦隊防空とかそういった言葉はありますが、洋上防空というのは強いて言えば普通の言葉の洋上における防空という程度の意味であると思います。 それは今先生が指摘されたように、洋上を航行している船舶の防空のために洋上において防空作戦を行うということもございますし、と同時に、今やはり先生が言われたように、本土そのものの防空を行うについて、従来であれば本土上空にあらわれた敵機さえ撃破していれば防空が全うできたのが、今や百海里ぐらい離れたところから精密なミサイル等を発射して、我が方の防空のすべての基盤になっている例えばレーダーサイトを破壊することができるようになってきた。そういうことを考えますと、そのような本土からかなり離れた海上から攻撃してくる敵に対してどう対応すれば本土そのものの防空が可能になるかということまで含めて考えないとこの問題は解決しないというか、我々の任務として与えられておる防空任務は果たせないのではないかというように考えております。
○上田(哲)委員 その大きな変化の問題なんですが、先ほど午前中の答弁でも防衛局長は三段階の問題を指摘された。一段階と二段階はシーレーン防衛ということの概念の中に吸収されて理解もできるのですけれども、第三段階というのはちょっとこれまでのシーレーン防衛のための洋上防空という概念からは外れてくる、あるいはそこのところに中心が置かれてきている部分もある。 例えば、これは軍事機密と言われてしまえばそれまでですが、この洋上防空研究ということの三段階の中の具体的なシミュレーションは二つに分かれていたと私は理解をする。一つは一千海里の船団護衛という側面、一つは例えば北海道なら北海道に現に着上陸された場合の対応、こういう二つの問題が含まれていたと私は理解をしていますが、そういうことでしょうか。
○西廣政府委員 洋上防空の庁内におきます研究会でまず当面取りかかったのは、船舶の安全を守るという際の防空機能ということに着目して、おっしゃるとおりシミュレーションを幾つかやったわけでございます。 その一つは、まさに先生のおっしゃったように、洋上かなり離れた地域で民間船等が船団あるいは独航船で航行している、それに対する空からの攻撃というものにどう対応するのが最も経費効率のいい守り方であるかといったシミュレーションでありますし、もう一つは例えば北海道等に既に上陸侵攻が行われておる、そういったときに、こちらから装備なり部隊なりの増援をする、あるいは避難民を送還をする、そういった、相手が航空優勢をとっているにもかかわらずどうしてもそこに行かなければならない、そういう場面における船舶の防空をどうするかという二つのシミュレーションについて勉強をいたしました。
○上田(哲)委員 そのシミュレーションの中では、第一撃論とでもいう部面でいえば、潜水艦攻撃というのはかなり高い。しかし、さっきから何回か出ていますけれども、相手の空からの脅威、航空機の性能の発達とか云々とかいう言葉がありましたけれども、そういう攻撃能力というものの見方から、このシミュレーションでは潜水艦というよりも空の脅威というところにどんどんウエートが移っていった結果が出たのではないか。そして、そういう立場からすると、それはつまり防衛と一口に言っても、防衛対象というものが拡大せざるを得なくなってきたのではないか。そしてその拡大ということの内容は、例えば余り今までは多く言われてなかったのだけれども、船団護衛というよりも日本国内のレーダーサイトというような問題についてウエートが高まってきたのではないかと、私は以上三点思いますが。
○西廣政府委員 私、先ほど洋上防空研究において二つのシミュレーションをやったということを申し上げましたが、これはあくまで防空のためのシミュレーションということで、そういった二つのパターンにおける空からの攻撃に対してどう対応するのが最も被害が少なくて済むかというシミュレーションであります。 一方、今先生、潜水艦の被害と航空の被害というようなお話がありましたが、この点について言えば、そういった総合的な海上交通の破壊に対するシミュレーションというのは、実は昨年終わりましたシーレーン防衛の研究というのがございまして、そこでいろいろな研究をしたわけであります。その中に、相手方は潜水艦、航空機等、もろもろの彼らが持っている機雷その他で攻撃をしかけてくるわけですが、そういったものに対して我が方の船舶がどんなに被害を受けるか、あるいは一カ月、二カ月後に我が国に入港する船舶がどれだけ減ってくるかといったような結果を求めてシミュレーションをシーレーン防衛研究でやったわけであります。 その際の結果について、細部の数字等は御勘弁いただきたいのですが、私どもの得た結果というのは、そのシミュレーションそのものが五十八年度の防衛力、つまり五十八年度に発注した防衛力、六十三年ごろでき上がる防衛力でありますが、その段階の防衛力でシミュレーションいたしましたので、対潜能力についてはかなりのものを我が防衛力そのものは持っておる。したがって、潜水艦による被害というものはあることはあるけれども、逐次我が方の対潜能力の成果というものがあらわれてきてそれは低減してくるわけでありますが、一方航空機による攻撃について言えば、先ほど来申し上げているように、船舶攻撃であっても従来のように船舶の頭上に来て攻撃するのではなくて、もう少し離れたところからミサイルで攻撃してくるということになりますと、そういったものに対応する装備というものが現在ほとんどないわけであります。ということで、一撃一撃の被害はさることながら、ずっとそれが累積してくる。しかも、相手方は今申したように我が方の手の届かないところから攻撃してくるものですから全く被害を受けないので、我が方が航空機の攻撃から受ける被害というものが減っていかない、いつまでたっても同じ状況が続いていくということで、二カ月、三カ月たちますと、潜水艦による被害よりも航空機による被害の累積の方がより多くなってしまうというような一つの結果が出ているのはまた事実であります。 そういったことも踏まえて、やはり船舶の防空についても当然のことながら洋上防空ということについてもう少し何らかの対抗措置をとらないと我が国の生存のために必要な輸出入が確保できないというような一つの教訓をシミュレーションで得たわけでありますが、そういったことも踏まえて先ほど御質問のあった洋上研究というものがここ一年ぐらい行われておるわけであります。 それに対応する手段として、本委員会でも先ほど月原委員の方から御質問があってお答えしたところでありますが、その対応手段としては、まず第一段階としては非常に広域の早期警戒、監視、そういったものが必要であろう。そういったものがないと十分な対応なり避難、例えば船舶がそういう攻撃から避けられることはできないという問題があります。第二番目は母機対策。ミサイル攻撃をしかけようとしている相手の航空機そのものを撃破できないといつまでたっても相手の攻撃がとまることがない、それをどうするかという問題。そして最終段階としては、なおかつ撃ち漏らした母機からのミサイル攻撃というものに対してどこまで自衛措置がとれるような、例えばエイジスのようなシステムが必要かという三段階に分けて研究したわけであります。 そのうちの広域の警戒、監視あるいは母機対策、そういったものは単に船舶の防空ということだけではなくて、それは本土防空そのもの、防空の一番大きな任務である国土の防空、しかもそれを担当しておりますのは航空自衛隊の主たる任務になっておるわけでございますが、そこの本土防空機能として今申し上げたような一段階、二段階についてどこまでのことがやり得るのか、あるいはどこまでやらなくちゃいけないのかというようなことをあわせ検討しませんと、船舶の防空というようなことだけで、ある一つの機能なり部隊をつくってしまうということになりますと、次から次に何か問題ができれば新しい部隊をつくって対応していくということになれば、大綱の別表にある枠組みの中でそれを可能にすることは不可能でありますし、限りなく防衛力というものはふえていってしまうというようなことも考えまして、我々としては、単に海上交通の保護に関連した防空ということにとどまらず、やはり全般防空の中でこれは十分レビューしていくことが必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○上田(哲)委員 非常によくわかりました。 だから、これは大きな問題が幾つか含まれているわけでありまして、三段階の部分で海と空のことでいうと、私どもの仄聞する限りでは八〇%の数値に至るほど空が増高していくというふうな話も漏れ聞いていますけれども、そういう中でシーレーン防衛という船団護衛、船舶防衛という形の範囲にとどまらない、さっきの言葉で言うと本土防衛というところに大きく踏み出していかざるを得ない。それは防衛対象としては、極めて具体的には、日本本土のレーダーサイトというようなものが大きく再認識、と言うと言葉が違うかもしれないけれども、浮かび上がってこざるを得ない。 しばしば受け取られていた感覚は、例えばOTHというようなものはこれはあくまでも第七艦隊のためにある、あるいは洋上防空というのは太平洋側においてのみ意味を持つ、日本海に洋上防空のウエートを余り置かれないというふうな認識は変わってきたんだ。これはいい言葉か悪い言葉か、適切かわからぬけれども、日米のシーレーンの共同研究というものと違って、またそれが終わった時点で、防衛庁のオリジナルな自前の本土防衛計画というものが練られたのが実は洋上防空構想であった、こういうふうにさえあるいは防衛庁では思っているのではないか。 それが今いみじくも指摘されたように、それじゃ一体大綱の範囲でおさまるのか、一%は無論のこと、次期防がどうなるのかという問題が出てくるという問題はもちろんありますけれども、防衛庁としてはそういう今までの防衛構想の質的展開といいましょうか、私は変化と言ってもいいと思うが、恐らく展開ということならば我々から見てもそちらからいっても言葉が合うのではないかと思うが、自前のとでもいいましょうか、そういう本土防衛構想というのが初めて日米合同体制の中だとはいいながら出てきたのではないか、こういうふうに理解をするのですが、いいですか。
○西廣政府委員 今先生、展開というような言葉を使われたわけですが、私どもは、基本的に我々が守ろうとしているもの、これは国土であり国民であり、あるいはまた国民の生存を維持するための海上輸送、つまりそういった物資を運んでいる船舶であるということについては全く今までと変わっていないというように思っております。それに対して危害を与えてくる敵方の能力というものあるいは技術的なものが逐年少しずつ変わってきている。しかも、最近において、先ほど来御説明しているように、航空機のハイスピード、航続距離の長い航空機の増大であるとかあるいはそれから発射される巡航ミサイルといいますか精密誘導兵器といったものの進歩を見ますと、従来のような守り方では守れなくなってきているという事実がだんだん現実になっておるということであろうと思います。 それに対応するためにどうするかということがやはり我々に与えられた重要な課題であり、かつ、それをいわゆる大綱の枠組みの中でいかにして対応していくかということについては相当な研究をしなくてはいかぬというのが今の我々の気持ちであります。今先生、自前の構想というふうに言われましたが、私どもはあくまで専守防衛、自衛のための防衛力ということでありますから、常に我々の持つ防衛力というものはみずからの安全のためというように考えておりますが、それについて従来何十年間かの間育ててきた防空能力というものを質的にある程度見直さざるを得ない時期に来たということは間違いない事実だろうと思います。
○上田(哲)委員 控え目に言わざるを得ないと思うので、そんなところで進軍ラッパを吹かれても困るとも思うけれども、最後に一言言われたように、質的な変化というものだととらえた方が議論は正しいと思いますよ。 私は非常に端的な言い方をしているわけですが、シーレーン防衛のための洋上防空、今までこれはある意味の熟語になっていますよ。そうじゃなくて、日本本土防衛ということをより強く色濃く出していくために空の脅威ということがまたシミュレートされているのであるし、そういう中でのシステムの飛躍的な改善、我々から言えばそういう立場になる、そういう質的な変化、シーレーンのためだけの洋上防空だと思われていたのではないところへ今変わろうとしている。 またちょっとシンボリックな言い方をすれば、太平洋を主戦場とするのみの洋上防空ではなくて、太平洋、日本海、それらを含めたものになる。今まで洋上防空、特にシーレーン防衛という言葉になると、南東、南西海路と言われても南西海路しか今軍事的には議論していないのですから、南東の方は石油がぷかぷかどうなるかという話しかないわけで、その南西海路だけに目を向けていた従来の防衛発想というものでないそういうところにウエートが移ってきたと理解するのが当たらずといえども遠からずのつかみ方ではないか。こういうふうに考えないと、今防衛庁が意気込んでいるOTHにしてもエイジス艦にしても空中給油機にしてもまるきりむだ買いになってしまう、恐らくそういう考え方から一つの変化の時点に来たという認識が大きな武器の買い物計画の奥にそういう構想として今固まったというのが今度の洋上防空研究会の結論なのではないか、つまりそれは今後の日本の防衛構想の中心となろうとする意気込みのものではないのか、こういうふうに私は考えているのですが、いかがですか。
○西廣政府委員 先ほど来お答え申し上げているように、洋上防空研究そのものが現在まさに防衛庁が地道に勉強しておるということでありますけれども、どうも先生のお話を伺いまして、私も非常に似たような問題意識を持っているのではないかというように思っております。なお、そういったことの勉強の結果というものが将来の防衛力整備というものに反映されていくということも当然私は考えることであろうというふうに思っております。
○上田(哲)委員 結論が出てきたと思うのですね。これは非常に大事なのです。今度の洋上防空研究会のこの時点における結論というものの意味は二つある。 一つは、従来の、同じことばかり繰り返して恐縮だが日米合同体制、とりわけシーレーン防衛ということのいわば上の部分としての洋上防空論ではなくて、何かもう少し枠を広げたというか防衛対象を広げた、あるいは防衛庁で言うならば本格的なと言うでしょう、そういう防衛構想に一つ大きく踏み出す結論をここで生み出したのだという点を今お示しになったわけでありますが、そういう問題。 そしてもう一つは、したがってこれは十八兆四千億円の中期防、五カ年計画では到底なし得ざるものであって、これが今ちょろちょろと、品目としてはいかにも目を欺くようにOTHだ、エイジス艦だ、空中給油機だというところが個別に取り出されているけれども、全体をシステム化する、より大きな防衛構想、これは注意深く大綱の範囲でと言われたけれども、到底そんなものでは済まないと私は思うし、一%を突き崩さなければならない必然性はここに存在していると思っているのです。 縮めて物を言うと、第二点というのは、これが六十三年度防衛予算の要求の根拠、さらに次期防の要求根拠となるための試算であり構想のまとめであった、こういうふうに今言わなければならない、これは非常に重大な時期に当たったのだな、こういうふうに思っているのですが、それでよろしいですか。
○西廣政府委員 洋上における防空等を含めて、現在の中期計画、五カ年計画の中でOTHレーダーであるとかあるいは艦艇のミサイル対処能力等について検討の上しかるべき措置をとるということでありますので、一部この五カ年計画でその種の視点から整備を行うということは既に定められていることであります。 と同時に、洋上防空という言葉で言われておる今先生の御指摘のもろもろの問題についてはこの五カ年計画期間中に十分検討して、そしてまさにおっしゃるとおり、次期防というものがあるかどうかわかりませんが、次の整備の段階で仮にこの五カ年計画で大綱水準というものが概成されるとすれば、その大綱水準というか防空能力等についてもその相対的な能力というものを維持するために何をなさなければならないかという結論を出すための大きな一つの材料になるということは疑えないことだろうと思っております。
○上田(哲)委員 わかりました、もちろん賛成ではありません。しかし、大変大きな、ちょっと大仰な言い方かもしれないが、戦後の日本の防衛構想という観点からすると非常に大きな区切りを超えるといいましょうか、重大な一つの時点を迎えていると思います。私はこれが一%などという枠をはるかに超えなければならない内実を持っているというような点はつとに考えていたことでありますし、これは具体的に来年の概算要求、さらに次期防への今おっしゃるような組み立ての問題として大きく具体化してくるだろうと思います。我々は、安全保障論のために一つの大きなテーマとしなければならないところに差しかかったということを認識することができました。 最後に防衛庁長官。長官の感想を承っておきたいわけであります。言葉で言うと、これは変化、発展、展開、充実、増強などという言葉を使えば、長官はどれに当たるとお考えですか。
○栗原国務大臣 今防衛局長も話しましたとおり、いろいろ周辺の軍事情勢あるいは軍事的な技術、そういうものが変化しておりますね。特に経空脅威、こういうものが質的に非常に大きく変化してきた。したがって、それに対応してどうするかという問題が出てくるわけです。その中には、今言ったように本土防空まで含めなければいかぬ。しかし、するところはどこでやるかというと、本土そのものではなくて洋上でやる。そういう意味合いで洋上防空の一つになっているのでしょうけれども、大きな意味で、そういう質的な変化に伴ってそれにどう対応するかというのがまさに防衛力の整備の中心課題になることは当然だと思います。 ただ、それはどこまでも「防衛計画の大綱」の枠の中でやる。しかも大綱の枠の中というのは、別表というのがある。この別表というものをすぐ絶対にどうこうしてはいけないというわけじゃないけれども、しかし別表の枠というのは非常に重要である。その枠の中でやるので非常に苦心が要るということなんですね。 ですから、先ほどFSXについても、質問の中で世界に類のないようなものをと言ったけれども、それは、そういう我が国の地勢的なあるいは我が国の財政の中で工夫を凝らさないといけないという意味ではそのとおりだと思います。そういう認識で私どもは「防衛計画の大綱」の中で情勢に応じて対応していく、これが我が国の基本的な防衛政策でなければならぬ、こう考えております。
○上田(哲)委員 私は、質的大転換である、今後刮目して議論を深めなければならないということを強く申し上げて、終わります。
○大村委員長 井上和久君。
○井上(和)委員 きのうのマスコミ報道によりますと、防衛庁は洋上防空構想についての中間報告をまとめたということが発表になっております。 ここで、まずその報告の内容をお教えをいただきたいと思います。
○西廣政府委員 本日、各先生方の御質問に応じてお答え申し上げておりますように、洋上防空研究というのは防衛庁部内のまさに勉強であります。 ただ、勉強に区切り区切りがありまして、先ほど来お話を申し上げたように一つのシミュレーション、ある種類のシミュレーションを含めて、洋上において船舶が動いておる、それに対する航空攻撃に対する防御手段としてどういったような装備体系が最適であろうかという研究について、一つのといいますか、二つやったわけでありますが、シミュレーションが一応終了したという段階でございます。 非常に概略を申し上げれば、繰り返すようになりますけれども、洋上防空といいますか海洋上にある船舶を防護するため、これも二つのパターンを考えました。 一つは、例えば千海里シーレーンのような洋上かなり離れた地域に航行する船舶、これは船団を護衛した形の場合もあれば独航船で航行しておる場合もありますが、そういったものに対する航空攻撃があった場合にどういう状況になるかという一つの状況、 もう一つは、これまた先ほど申し上げたように、ある地域に敵が侵攻しておる、そこにどうしても作戦のための輸送なり避難民等を連れ帰るための輸送なりをしなければいけない、そこは相手方の航空優勢下にある、しかしその海上輸送だけはどうしてもやらなければいけないという状況下で行われる相手方の攻撃に対してどう対応するかといった二つの状況についてシミュレーションをして、どういう装備の組み合わせが最もコストエフェクティブネスな防御方法であるかというようなシミュレーションをしたわけであります。 と同時に、あわせてその種の洋上におきます防空について非常に重要なことは、まずそういった広い地域、広い海域といいますか広い地域の相手方の行動というものをできるだけ早く把握をしないと対応がうまくいかない。その意味で、広域の早期の警戒機能というものをいかに充実するかということについて研究をしたわけであります。そのためには御承知のOTHとか早期警戒機とかいろいろな装備が考えられるわけでありますが、その中で何が最も安上がりで有効な装備であろうかというような研究をしたわけであります。 それから第二番目は、そういった相手方の攻撃は主としてミサイルによって航空機から攻撃を行うわけでありますから、幾らミサイルを落としても相手は痛くもかゆくもないといいますか、いつまでも攻撃をやめない。いかにしてそのミサイルを運んでくる母機、航空機そのものを撃破するかということが非常に重要な課題になるわけであります。しかし、今申し上げたように、従来の船舶等の防空システムというのは、頭上に来た敵機をいかに落とすかということで、高射機関砲であるとか短距離の対空ミサイルであるとか、そういったものを装備しておったわけであります。そういうことでは、百キロ、二百キロ離れたところからミサイルを発射してくる相手方の航空機には全く対応できない。それに対応するためにはやはりこちらも航空機、戦闘機等を使って対応せざるを得ないということになります。そうしますと、その戦闘機をどういう形で配備するのがいいのか、例えばCAPをしておくのかあるいはOTHレーダー等の情報を端緒にして緊急発進のような格好で対応したのがいいのか、いろいろなやり方があると思います。それについてどういう組み合わせが最も経費効率上いいかといったような研究もいたしたわけであります。 そして最後に第三段階として、そういったもろもろの措置が仮にとられたにしても、なおかつ撃ち漏らした航空機というものがある。その航空機が対艦ミサイル等を発射するであろう。その発射されたミサイルに対して全く無抵抗であるということではとても被害をなくすことはできないということで、最終的な発射されたミサイルに対する対処能力として、先ほど来お話に出ております例えばエイジスシステムだとかターターシステムとか、その種の装備としてどの種のものが経費効率がいいのかというような研究をいたして、一応中間的な終結を見ておるわけであります。 ただ、そのうち特に第一段階、広域の捜索、監視、それから第二段階の母機対策ということになりますと、それは艦艇等がみずから備える防空装備ということではなくて、航空自衛隊が主として担当しております本土全般なりそういった防空全般の能力と極めて密接にかかわり合う問題ではないかということで、船舶防空ということだけで独立した装備体系なり部隊を整備するということではとても防衛力が膨らむばかりでどうにもならない、もう一度ここで全般防空のあり方というものとの関連においてレビューをしていくことが必要であろうということで、引き続き勉強したいということで、結論的には今後引き続き研究を続けていくということになっておるというものでございます。
○井上(和)委員 そこで、具体的に来年度の予算案の中へこの中間報告の内容というものが入ってくるだろうと思うのですが、どういうものが入りましょうか。
○西廣政府委員 まず、広域の早期警戒監視能力、情報収集能力としてOTHレーダーというものの有用性、これについては他の手段、例えば早期警戒機、E2CであるとかAWACSであるとか、そういったものによって情報収集するのに比べるとOTHレーダーというものが極めて運用経費等が安いということで、経費効率のいい広域捜索手段であるということについては一つの結論を得ております。 ただ、それではOTHレーダーをすぐ装備するかということになりますと、装備する場所その他を考えますと、技術的に解則しなくちゃいけない点がまだまだたくさんございます。そういうことで、来度度予算ではOTHレーダーの設置に関連をして、どういう地域に設置する場合にどういう技術的問題があるかという調査を引き続き行いたいということで、調査費の要求をする必要があるのではないかというように現在考えております。 もう一点、先ほど申し上げた三つの段階の中の終末段階である発射されたミサイルに対応する能力ということで、これらに対して必要になりますことは、一つは発射されたミサイルをこちらの機銃なりミサイルなりで撃ち落とすハードキルといいますか、そういう能力というものが重要になってまいります。もう一つは、発射されたミサイルを命中させないように、例えば電波妨害等によって的をそらしてしまうといいますか、そういったソフトキルといったようなやり方もあろうかと思います。そういった最終的なミサイル対処能力について、これまた五カ年計画で艦艇の対ミサイル能力の向上ということで予算も見込まれており、かつ検討の上実施をすることになっておりますが、これについても研究がほぼ最終段階に来ておりますので、早急にこれを取りまとめて、できれば来年の概算要求に盛り込みたいというように考えておる次第でございます。
○井上(和)委員 次に、ココムの問題につきまして若干お伺いをいたしたいと思います。 ココムについて、日本がこれにより積極的な役割を果たすようになってきているということは御案内のとおりでございますが、特に外交体制の改善等の中での具体策というのが示されたわけですが、これについて概括的にお答えを願いたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 今般の東芝九軸の工作機械不正輸出事件を契機といたしまして、このような不正輸出事件の再発防止のために政府が全体として体制を整備するという努力の一環といたしまして、外交体制と申しますか外務省の体制についてもその充実強化を図るということで現在検討が進められております。例えば、パリにありますココムの代表の陣容を強化するというような問題あるいは本省の体制の強化というような問題、さらには関係各省との連絡体制の強化というような問題を含めて現在鋭意検討を進めているという段階でございます。
○井上(和)委員 全般的にヨーロッパ等の産業界というのは、ココムに対して非常に厄介視するというか、そういう風潮があるというふうに伺っておるわけでありますが、政府におきまして、この情勢というもの、ココムというものが外国においてはどういうふうに見られ、どういうふうにとらえられているかということについての掌握をどのようにされているか。アメリカの姿勢というのは今回はっきりしたわけでありますが、その他のことにつきましてわかっておることがございましたら。
○渡辺(幸)政府委員 一般に共産圏諸国との通商問題については、通商を振興することによって経済交流の利益を上げるという面と、ココムが象徴しておりますように、共産圏諸国に対する戦略物資の規制というのは必要最小限、安全保障上の観点からどうしても維持する必要があるという二つの視点があるわけでございますけれども、アメリカにおきましてもヨーロッパにおきましても、各国ともその二つの視点についてのどちらの主張を強くすべきかという議論はあるわけでございます。米国の産業界においても、ココムの規制緩和ということを求める動きはございますし、他方、アメリカの安全保障、西側の安全保障ということでココムの規制というのは重要であり、かつ、さらに規制を強化する必要もあるという意見もあるわけでございます。 御指摘のヨーロッパの情勢でございますけれども、例えば米国と比べまして共産圏諸国、特に東欧諸国との経済交流が深いヨーロッパの諸国においては、経済界の共産圏諸国との貿易拡大に関する熱意と申しますか関心は非常に強いわけでございますけれども、一般的に申しまして、米国は言うまでもなく、ヨーロッパ諸国全体といたしまして、共産圏諸国に対する戦略物資の規制そのもの、つまりココムの基本的な考え方について、これを変えよう、これを廃止しようという動きはございません。 〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕
○井上(和)委員 ココムには百七十八項目の規制品目があるというふうなことも言われておるわけでありますが。その違反の八五%はアメリカである、こんなことも言われておりますし、そういうふうに見ますと、アメリカを初め十六カ国でしたか、加盟国の中で今までに違反をした事例というのはどのくらいあって、どういうことになっているのかという実態を政府の方で掌握されていると思いますが、これを教えていただきたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 御指摘のとおり、ココムの申し合わせについては各国の法制で各国政府がそれぞれ規制をしているわけでございますけれども、当然のことながらこれに関する違反事件というのは各国にあるわけでございます。一般に米国のケースが一番多いと言われておりますけれども、各国ともそれぞれの法に照らして厳正な措置をとっているわけでございます。 私どもが承知しておる範囲では、例えば米国では一九八四年、三年前は二十件、八五年は十三件、八六年には二十四件がいわゆるココム違反として摘発されているというように承知しております。また、英国においては、過去二年半に十五件がココム違反として起訴されているというように、他の主要なココム参加国のほとんどにおいても、過去数件の違反事例があるものと承知しております。
○井上(和)委員 一九八一年のオタワでのサミットで、アメリカはココムの組織機能の改革強化策、それの一環といたしましてココムに軍事小委員会を新設しようという提案をしたというふうに承っておりますが、このねらいというものは、日本の防衛庁が輸出管理行政の国内協議から排除されている、これに対してアメリカは非常に不満を持っており、それを何とかしたいというふうなことをねらいとしてこの提案があった、こういうふうなことを聞いておるわけでありますが、この当時といたしまして、日本の政府はこれに対してはどのような対応をなされたのか、まずお伺いをしたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 委員御指摘の一九八一年の七月に開かれたオタワ・サミットにおきまして東西経済関係の問題が取り上げられたことは事実でございます。オタワ宣言では、東西関係における経済政策を政治、安全保障上の目的と整合させること及び対ソ貿易規制に関する現行制度を改善させるために協議することが一般的な方針として合意されたわけでございますけれども、委員御指摘のように、軍事小委員会設置というような具体的な提案が米国を含めていずれの国からもなされたということはございません。
○井上(和)委員 軍事小委員会を設置しようという提案はなかったということですね。
○渡辺(幸)政府委員 ただいま申しましたように、軍事小委員会という具体的な提案はオタワ・サミットでは行われておりません。
○井上(和)委員 次に、アメリカの対日要求といいましょうか、その中で輸出審査官をもっとふやせ、こういうふうに今回の事件を通じて要望があったというふうに聞いておりますが、まず具体的に何人ぐらいにせよというふうな話があったのか。輸出審査官の問題。
○深沢政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、先般米国のスマート商務次官が参りまして通産大臣と会談した経緯がございます。先週の月曜日に相なります。その段階におきまして、やはり我が国の審査人員の増加の必要性についてスマート次官の方から指摘があったことは事実であります。ただし、何人以上とか、そういう具体的なものではございませんでした。
○井上(和)委員 それでは、人数にしても中身についても具体的な要求はなかったということなんですか。
○深沢政府委員 そのとおりでございます。
○井上(和)委員 日米の両国政府間に次官級の日米ココム協議、これを新設するということでありますが、これはアメリカの要求だったのでしょうか、それとも日本側からの申し出だったのか、この辺について。
○渡辺(幸)政府委員 日米両国政府間では従来からココムの諸問題についてハイレベルで意見交換することについてお互いに関心を持っていたわけでございますけれども、今回、東芝機械の不正輸出事件を契機といたしまして、このようなハイレベルの協議の場を設置することについて日米間で基本的に合意ができたわけでございまして、具体的には次官レベルということで考えられてございますけれども、これがアメリカ側であるとか日本側であるということでは必ずしもなくて、お互いに話し合っている段階にハイレベルの協議、次官レベルの協議をいたそうということになったものと承知しております。
○井上(和)委員 どっちともなく言い出したということですね。 それで、このココムの十六カ国の中で、ほかにアメリカと独自に二国間協議という日本が現在とろうとしているようなことを現にやっておられるところはございますか。
○渡辺(幸)政府委員 ハイレベル協議につきまして、議員御指摘の点、すなわち日本以外にアメリカがハイレベル協議を行っている例があるかどうかということでございますが、多分あると思いますが、非常に申しわけございませんけれども、現在承知しておりませんので、後刻調べて御報告いたしたいと思います。
○井上(和)委員 今回のことを通じましてアメリカが日本に対して最も言いたいことというのは、やはり防衛庁が輸出の審査体制へ関与することが必要なんだということが言いたいのじゃないのかと思うわけであります。今回ワインバーガー氏からこういう話があったのじゃないのかなと思いますが、これについてはどうでしょう。
○瀬木政府委員 対外取引につきまして防衛庁が参加するようにというような要請は特にアメリカからございません。
○井上(和)委員 それでは、外務省に六十三年四月からココム課が新設をされるということでありますが、この具体的な中身についてお示し願いたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、今回の東芝機械の不正輸出事件を契機といたしまして、このような不正事件の再発を防止するために外務省としても体制を整備強化する必要があるということでございますけれども、その具体的な方法については現在検討中でございまして、その具体的な構想の中身について御報告申し上げる段階ではございません。御了承いただきたいと思います。
○井上(和)委員 六十三年四月でありますから、その具体的中身をお教え願える段階ではないといいましても、何かは言えることがあるのじゃないかと思うのです。何にも言えないというのはおかしいのじゃないでしょうか。
○渡辺(幸)政府委員 現在、省内の体制整備あるいは在外のパリ大使館の整備等について具体的な検討を行っている段階でございまして、こういうような席で御説明する段階ではないという点を御了承いただきたいと思います。
○井上(和)委員 例えばココム課の人員の中に防衛庁の職員さんが出向するとかあるいはどの身分でか入るとか、そういうふうなことは検討されておると思うのですが、検討の中でこういうことはどうですか。
○渡辺(幸)政府委員 現在ココム問題等に関する外務省の体制強化の一環として機構の整備について幅広く検討しているわけでございます。その中には、委員の御指摘のとおり関係各省との連絡を密にするという点も含まれてございます。
○井上(和)委員 ということは、もちろん各省庁の一つでもあるわけですから、現時点ではその可能性というか検討の中に入っていることは間違いないのですね。
○渡辺(幸)政府委員 ココム問題の体制整備の一環として外務省としても種々検討しているわけでございまして、関係省庁との連絡体制の強化ということの一環としてそのようなことも可能性としては検討してございます。
○井上(和)委員 外為法の改正案の中で国際的な平和、安全の維持条項というのがございまして、これは非常に不明確だと私は思うのです。例えば、実際この理由でもって国民の権利を制限することになるわけでありまして、平和、安全の維持条項を優先して自由な経済貿易というものが制限されることになりますと大変なことになると思いますし、これはまさに憲法にも違反するような状況になってこようかと思うのでありますが、これについての通産省の見解をお伺いいたします。
○深沢政府委員 お答え申し上げます。 まず第一点の御指摘の「国際的な平和及び安全の維持」、これは先生御案内のところだと思いますが、要するに国際的な紛争の発生とかその拡大を助長するような取引だとか、または西側諸国の安全保障に重大な影響をもたらすような取引を規制することによりまして、我が国を含めます国際社会の平和及び安全が危機にさらされることがないようにすることを意味しているわけでございますが、今回の法改正の趣旨は、東芝機械事件でも明らかになってございますように、違法な輸出が与える影響の重大性にかんがみまして、やはり再発を何とかして防止しなければならない、その角度からの罰則それから行政制裁の強化ということをねらっているところでございまして、この改正によりまして規制対象貨物を拡大するとか規制対象の技術の範囲を拡大するとかというものではございません。ただ、現在の貨物なり技術なりの範囲というのがどういうふうになっているかという点でございますけれども、具体的な貨物、技術の範囲とかそれの仕向け地につきましては、これは現在もやっておることでございますが、政令等々でその範囲を明確にしていくことにしてございます。その意味で範囲が不明確になるということはないというふうに感じでございます。 いずれにいたしましても、適法な取引を行っている限り従来と変わりはございませんで、外為法の基本的な枠組み及び自由貿易という考え方等に反するものではない、こういうふうに考えております。
○井上(和)委員 従来と何ら変わりがないのでしたらやる意味がないのではないかとも思うわけでありますが、国際的な平和、安全の維持、これに反するというふうな判断が今後どんどん行われるということになりますと、まさに自由経済、憲法の基本的な精神の中の一つが崩れるわけでありまして、大変重要な問題だと思うのです。お話を聞きますと今までと何ら変わりませんというようなお話でありますが、私は変わらないのじゃないと思います。これは変わらなければおかしいと思いますし、何らかの変化があることは間違いないと思うのですが、この国際的な平和、安全の維持ということが日本の貿易というものを制限しないようにしてもらいたいし、そうあるべきだと思います。これはまさに憲法的な問題でもおると思いますが、これにつきまして外務省と防衛庁の見解をお伺いしておきたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいま通産の事務当局からお話がございましたけれども、いたずらに対象を拡大したり範囲を非常に厳格にしたりということじゃなくて、従来のものを的確にそして厳正に輸出管理体制をやるということであろうかと思うのでございます。したがって、貿易というのは元来自由であるべきものでありますけれども、しかし、今日の国際情勢のもとで戦略的な物資についてある程度の規制を自由陣営のもとで話し合いのもとでやることは当然のことではないかと思うわけでございまして、この運営についてよく話し合いをして、そして的確にこの運営を厳正にやっていくことが今回の改正の目的であると心得ております。
○瀬木政府委員 外為法の改正につきましては、防衛庁といたしましては所管でございませんので有権的に申し上げることはできませんが、防衛庁といたしまして我が国の防衛を主管する立場から見ますと、今回の東芝機械の事件に見られるように、対外的な取引が我が国を含む国際の平和と安全を脅かすような事態になるということに対しては大変強い関心を持っている次第でございまして、もちろん対外取引の原則は自由であると思いますが、我が国を含む国際の平和と安全を脅かすことのないような適切な規制は必要ではないかと考えております。
○井上(和)委員 輸出審査体制の強化ということは事実上輸出規制ということと等しくなるのじゃないか、こういうふうなことで特に経済界の皆さん方におかれましてもこれに対しての懸念というものが非常に強いというふうに我々は感じておるわけでありますが、これに対しましてもう一度、そうではないなら、ないということをはっきりと言っていただきたいと思います。
○深沢政府委員 お答え申し上げます。 今回の法改正、先ほども申し上げましたように、まさに再発防止というような角度から違法輸出に対する制裁の強化もしようというものでございまして、従来から行っておりましたようなその対象の貨物、技術の範囲、その辺のところを拡大するというようなものではございません。それ以外にいろいろ再発防止の観点から輸出管理体制の強化等々を今図っているわけでございますけれども、このやっている趣旨、やろうとしている趣旨、それにつきましてはあくまでもその輸出管理に遺漏なきを期してまいりたい、それから今回のような事件の発生防止に万全を期してまいりたいというような趣旨で行っておるものでございまして、いずれにしましても、その規制の範囲を拡大する等、御指摘のような御心配はただいまのところはないと考えております。
○井上(和)委員 ココム違反の再発防止のために関係閣僚会議あるいは連絡会議というものを設けると言われておりますが、ここに司法の関係者がお入りになっておると思います。これはどういう理由なのでしょうか。
○渡辺(幸)政府委員 ココム関係の物資の輸出について一定の規制を行うということが今回の輸出管理体制整備の一環として検討されているわけでございまして、その一つのあらわれといたしまして関係閣僚の方々の閣僚会議ということについても御検討が進められておりまして、御指摘のとおりその中に法務当局を含めた司法の方も入っていただくべきではないかという御意見があることは事実でございます。 これは想像いたしますに、輸出管理体制の整備なかんずく不正輸出の防止という観点から法務当局の御参加が望ましいという考慮に基づくものではないかと考えております。
○井上(和)委員 こういう関係閣僚会議あるいは連絡会議というものは、開催方法とか、今後具体的にはどのような運営がなされていくのか、これについてお教えいただきたいと思います。
○三上説明員 お答え申し上げます。 御指摘の関係閣僚会議につきましては、現在関係省庁と御相談をいたしておる段階でございます。どういう事項につきまして閣僚に御審議いただくのか、あるいは具体的にいつこれを開催するのか、こういうような点につきましてはまだ検討中でございます。ただ、関係閣僚の範囲につきましては、法務大臣、外務大臣、大蔵大臣、通商産業大臣、国家公安委員会委員長、防衛庁長官それから内閣官房長官、こういった閣僚の方々を現段階では一応念頭に置いて検討を進めておる、こういう状況でございます。
○井上(和)委員 次に、輸出の審査強化ということにつきまして防衛庁が武器技術の専門家を加える、こういうふうなお話だと思うのですが、これは具体化されていくのでしょうか。
○深沢政府委員 お答え申し上げます。 輸出管理ということに関しますと、これは武器とか武器技術全般を含めまして通産省が行っておるものでございます。それで、防衛庁の審査官が具体的な審査を行うというようなことはございません。ただ、輸出管理をいろいろ進めていくに当たりまして必要に応じて専門的知識の提供を受ける、こういうようなことになりますと意義のあることと考えております。
○井上(和)委員 非常にハイテクのものなんかになりますと専門家でなければ製品自体についてわかりにくいのじゃないかと私は思うわけなのです。したがいまして、武器技術の専門家がそのものに対してしっかり見なければそれが当てはまるか当てはまらないかというのがはっきりしないのじゃないか。はっきりしないままでやるとまたこんな話が起こるということになれば、これは再発防止も何もあったものじゃなくなってしまうわけであります。したがいまして、そういう意味からいいまして、専門家というものがこれに対してどのくらい関与するか。今のお話ですと直接しないというふうに私聞こえたのですが、そんなことであったら逆に言えばまたこういうことが起こり得る可能性というのは十分あるわけでありまして、再発防止の中に大きな穴があくのじゃないかという気がするわけでもございます。そういうふうな点から具体的に防衛庁の輸出の審査官というものが輸出をチェックする、こういうふうなことがどの程度あるか、またやらなければならないと考えておられるか、この辺についてもうちょっとお答え願いたいと思います。
○瀬木政府委員 防衛庁は、装備品の研究あるいは調達また国際軍事情勢というような研究等におきましていろいろな積み重ねをいたしておりますし、また専門家も持っております。我が国の平和と安全というような関連から、対外取引の規制について何らかこういう専門的な知識を提供することが有用であるということであれば、我々もどういう形でこれを生かす道があり得るかということを検討することは考えたいと思っておりますが、ただいままでのところ、通産省等から、これにつきまして、防衛庁にどういう形で協力してくれというような具体的な要請は受けとってございませんので、その段階でまた検討するということになるだろうと思います。
○井上(和)委員 八月七日のアメリカ国防総省の声明の中に、ココム規制の輸出審査強化に防衛庁が加わることを評価する、こういうふうなことがあったわけでございますが、防衛庁は具体的にどのように加わるのか、これは加わるということがあったからアメリカは評価をしたのだと思うのです。全然ないのだったら評価をするわけがないわけでありますが、これにつきまして。
○瀬木政府委員 ただいま先生が引用されましたような新聞報道を見たことはございますが、我々、直接に米国から対外審査に参加するようにというような要請を受けたこともございませんし、いかなる形であれ防衛庁が対外取引の審査に参加するということになるのであれば、それはあくまで自主的に判断するということでございますから、米国がそれを評価するということによって我々の決断がなされるということではございません。
○井上(和)委員 次に行きます。 通産省の輸出審査官の件でありますが、今まで四十二人で、七月の十日には六十三人で、来年度には八十人、こういうふうにするというふうに言われております。先ほどお伺いいたしたのですが、ここで重ねまして、この中に防衛庁の職員さんは具体的に入るように検討をされているかどうか、もう一回お伺いをしておきたいと思います。
○深沢政府委員 お答えいたします。 人員の増加、まさに輸出管理体制の強化の一環として行っているものでありますが、先生今御指摘ございましたような四十二名が六十三名にというようなその数字、これはあくまでも通産省の輸出管理の体制の中におきます人間の数値でございます。ちなみに、四十二名といいますのは、この七月九日ぐらいまでにこういう管理に携わっていた者の人数でございます。それ以降、内部でのいろいろな工面をいたしまして、六十三名まで拡大してございます。六十三年度につきましても大幅な人員増ということを要求してまいりたい、こう考えております。
○井上(和)委員 だから、具体的には、人数で言いまして大体八十人ぐらいというような話があるのですが、これは全然でたらめなのかどうなのか。それと、先ほど私がお伺いしましたこの中に、今検討なさっておるということですが、防衛庁の職員さんがお入りになるかどうか、可能性というか、そういうふうになるであろうとかいうことで結構ですから、そこをしっかり言ってください。
○深沢政府委員 六十三年度につきましては、少なくとも倍増というふうに考えてございました。したがいまして、六十二年度の当初でございますと四十二名ぐらいでございましたから、その倍増、少なくとも倍増ということになりますと先生の御指摘のような数値に相なります。もしでき上がりまして、どういう人員の配置をするのかということにつきましては、これからのでき上がった後の検討課題でございます。 〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕
○井上(和)委員 先端技術というものがどんどん進んでまいりまして、一般物資を軍事用あるいは民事用、こういうふうに見きわめることが大変困難になってくると思います。そういう中にありまして、これは軍事用だ、これは民事用だというふうに簡単に割り切れなくなってくるのじゃないかというふうに思うのです。そうしますと、極端に言えば、これは軍事用、民事用という中に、白と黒で言えばちょうど中間のような、まさにグレーゾーンというのですか、そういうところがどうしても生まれてくるだろうというふうに思うわけなのです。しかしながら、この中に線引きをしなければならぬだろう、こういうふうに考えるわけでありますが、そのことに対しまして、僕は大変無理があるのじゃないかな、どこかに線を引かなければならぬというのも大変だと思うのですが、これについて御見解を。
○深沢政府委員 お答えいたします。 確かに先生のおっしゃるように、ある品目を戦略物資という定義をいたす、それからそれに汎用的なものがいろいろまた近づいてくる、この辺のところをどうするかということにつきましては、例えば、現在行われております規制対象となっております品目をどうするか。それから新たにどうするか、規制されておる品目、もうかなり汎用化してしまったけれどもどうするか、こういうような点につきましては、ココムの会議の場で皆のコンセンサス方式で決めていく話でございます。
○井上(和)委員 時間が来ましたので最後に、どうしてもこれだけはちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。 例えば、そういうふうになりまして線が引けない、つくった方は一生懸命つくって、これは大丈夫だと思ってつくって、そして出してみると、それは輸出できませんよという話になる。どうしてですかと言ったら、これはなぜかということを詳しく言うとなると今度は軍事機密の方になってだめなんだ、言えないんだ。理由は言えないけれども、これはだめなんだというふうなことが起こってきますと、まさに産業界におきましては大変な状況になるわけだと思うのです。自分たちはそう思っていなくても、それはそうなるんだということになりますと大変でございます。しかもその線引きは、今言われたように検討はされるでしょうけれども、これは大変難しい問題だと思うのです。 そういうふうなことを含めますと、まさに軍事機密という言葉が大きな力をもって産業界にものしかかってくる、そういうふうなことに今後なりはしないだろうか、これが非常に憂えられるわけであります。ぜひこういうことにならないようにしてもらいたいし、今のまま流れていたらそういうふうになる可能性が非常に高いと私は思います。その線が引けない以上そういうふうになるでしょうし、この法整備等がちゃんと進んでいって、軍事機密という言葉でもってぴたっと抑えられる、そういうふうになってきますと本当に大変な状況が生まれるだろう。これが憂える最大のものでございまして、こういうことのないようにぜひしてもらいたいのですが、このことにつきまして外務、通産にもう一度見解を求めたいと思います。
○深沢政府委員 お答えいたします。 要するに、対象の範囲が不明確になりますと、先生の御指摘のようなところはある心配というのはございます。ただいま現在でもそうでございますけれども、貨物にしましても技術にいたしましても、例えば貨物でいいますと、貿管令の別表等におきまして、どういう対象の品目が戦略物資としてなっているかということにつきまして明確にされておる次第でございます。その辺のところにつきましては別途通達等におきましても解説がございますし、国民の皆様方にわかるようなやり方でもってしておるところでございますけれども、罰則が強化されるような形になりますと、その範囲というのはいよいよ明確化されなければならないという御指摘だと思いますが、そのとおりに扱いたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 ココムのリストの問題にかかわるわけでございますが、科学技術の進歩あるいは一般の汎用化が進む中で、ココムリストに加えるべきものは真に必要最小限のものに限るべきであるという見地から、ココムにおけるココムリストレビューについては積極的に参加していくということでございまして、他方、コンセンサス方式でリストに残すべきものあるいはリストに入れるべきものが合意される場合には、それを各国が厳正に守るという体制を整備していくということでございます。委員の御指摘のような点については、重々考慮いたしまして対処してまいりたいと思います。
○井上(和)委員 どうもありがとうございました。
○大村委員長 神崎武法君。
○神崎委員 洋上防空構想について研究が進展していることをいろいろ御答弁いただいているわけでございますけれども、まずこの洋上防空の問題からお尋ねをいたしたいと思います。 中期防でこの洋上防空体制を検討するとしているわけでございますけれども、洋上防空体制あるいはこの洋上防空という言葉は、公式の政府文書に示されたのはこの中期防が初めてであろうかと思うわけでございます。洋上防空構想についても研究が進んでいる現段階でございますので、防衛当局としてこの洋上防空体制、洋上防空の定義をどのようにされているのか、お尋ねをしたい。
○西廣政府委員 洋上防空と申しますのは、私は防空機能の一部であろうというようにとらえております。その防空機能が発揮される場所、場面に着目して、それが洋上で行われるということで洋上防空、洋上における防空というように申しておるわけでございます。したがいまして、従来と違った防空対象と申しますか防護対象を拡大したということではなくて、従来からある防護対象はそのままであり、かつ防空機能というものの中でそれが発揮される地域に着目して、それが洋上で行われるという点について、そこに着目した研究をしておるということでございます。
○神崎委員 洋上防空というのは何から何を守ろうという構想なのかという点が常に問題になるわけでございます。ソ連のバックファィア爆撃機がアメリカの空母機動部隊に対してその防空圏の外側からミサイル攻撃をした場合にそれをどうやって防ぐのかといった米軍の護衛あるいは米軍機能の肩がわりということでこういう概念というものが生まれてきたのだ、こういうふうに理解されるわけでありますけれども、防衛当局としては何から何を守ろうという構想だというふうに理解をされているのでしょうか。
○西廣政府委員 我が防空機能の防護対象というのは、言うまでもなく第一には国土であり国民であるわけであります。と同時に、国民の生存を維持するための海上輸送あるいは継戦能力を維持するための海上輸送というもののために洋上にある船舶を守るということも防空対象の一つになっておるわけであります。 今先生お尋ねの、例えばアメリカの機動部隊を守るものから来たのではないかというお話がありましたが、アメリカの艦艇を我が方が何らかの形で防空なり対潜なりで守ることがあるとすれば、それはアメリカのそれら艦艇部隊が我が国防衛のための作戦、それに共同対処しておるという事実があり、それを防護することが我が国の防衛力の目的であります最小限の自衛措置の範囲内であるというように見られる限りは米側の艦艇を防護するということが排除されるわけではございませんが、基本的に我々が守るべき対象としては、国土、由民なり我が国の生存あるいは継戦能力を維持するための海上交通の保護、つまり船舶の保護にあるというようにお考えいただきたいと思います。
○神崎委員 米軍の護衛も一部含まれるということでございましたけれども、従来政府は本土防衛ということを言ってこられたわけでございますけれども、この本土防衛と洋上防空というのはどういう関係に立つのか、我が国の防衛のためになぜ太平洋の遠いところまでの防空を受け持とうとするのかという素朴な疑問が国民の間にあるわけですけれども、この点についてお尋ねをいたします。
○西廣政府委員 洋上における防空というものについて我々が関心を持ちました大きな理由は、先ほど来他の委員の先生方にお答えしておりますように、一つは、我を攻撃する空からの脅威というものが航空機の足が長くなった、あるいはその種の航空機がふえてきた、さらにはそれらの航空機に搭載しておる長射程のミサイル、非常に精度の上がったミサイルが発達し多様化される状況になったという前提に立って、従来の防護対象を守るために、今までのように国土上空に来た敵を撃破する、あるいは洋上を航行しておる船舶の頭上に来た敵に対応するというだけでは済まなくなったという軍事技術の進歩に対応して、同じものを守るために従来の方法では任務が全うできなくなったというところに要因があるわけでございます。 そこで、先ほど上田委員にお答えいたしましたように、洋上において対応しなくちゃいけないという場面で大きく分けると、本土、国土の防空の場合と洋上を航行しておる船舶の防空の場合と二種類に分かれようと思います。 国土防空の点から申し上げれば、従来は国土の上にあらわれて我が国の政経中枢なりあるいは軍事的な重要地点なりそういったものが攻撃をされるということが想定されておったわけであります。それに対応するために我々としてはレーダーサイトというものをまず基盤に置いて、そこが早期に敵の侵攻を発見する、そして我が要撃戦闘機部隊あるいは防空戦闘部隊を誘導して敵に会敵をさせて、そこで防空戦闘を行うというような仕組みになっておったわけでありますが、先ほど来申し上げておるように非常にピンポイントの攻撃が可能になった射程の長いミサイルがあらわれてきたということで、従来ミサイルによる国土攻撃というのは非核でありますとさほど破壊力がないから余りそれを気にする必要はなかったわけでありますけれども、今申し上げたように非常に精度が上がってまいりますと、レーダーサイトならレーダーサイトという非常に重要なピンポイントの攻撃が可能になってきた。しかもその攻撃がレーダーサイトの上空から爆撃するということではなくて、百キロ、二百キロ離れたところからミサイル攻撃してくるということになりますと、敵が上空に入ってくるのを待って要撃をするということでは間に合わなくなってきているという状況にあります。 それに対応するためにはいろいろな措置があろうかと思います。例えばその母機をもう少し洋上で撃破するということも必要であろうと思いますが、これはなかなか難しいことであります。ということになると、その種のミサイル攻撃に対してレーダーサイトの被害を局限するためのいろいろな措置を考えなくちゃいけないのではないかということになろうと思います。その種の研究を洋上防空研究という枠組みの中でやっておるということになります。 もう一方、洋上にあります船舶に対する空からの攻撃につきましては、これまた先ほど来申し上げておるように船舶に非常に近づいてきた段階で要撃しておれば足りておったものが、今や同じように百キロ、二百キロ離れたところから攻撃される。としますと、船舶というものはそういった攻撃に非常に脆弱でございますので非常に大きな被害が生じてくるということになります。それに対応するためには、これまた先ほど来お答え申し上げておるように、早い時点で非常に広い地域の監視、哨戒、警戒というものを行って、敵の出現に対してこちらがそれを回避をするといったようなことも必要でありましょうし、敵の出現を早期に探知をしてこれを何らかの方法で途中で要撃をするといったような措置をとらないと対抗できなくなっていく、相手のミサイルを積んだ航空機の母機に対しては対抗できなくなってきているということであります。そういったことを含め、さらには発射されたミサイルから最終的にどう身を守るかといったことも含めて研究いたしておるということでありまして、繰り返しますが、我々が防護しようとしておる対象というのは何十年も続けております防空対象である国土、国民であり、かつ船舶であるということであって、あとは相手の攻撃の仕方というものが技術の進歩に従って変わってまいった、それにどう対応するかということにあろうかと思います。
○神崎委員 従来、政府はこの洋上防空構想の中身といたしまして、OTHレーダー、エイジス艦、F15、空中給油機、E2Cなどによる組み合わせを考えているという御答弁もあったわけでございますけれども、先ほど伺っていますと、OTHレーダー、エイジス艦というものが具体的に出てきているわけでありますが、空中給油機についてはどういうふうにお考えになっているのか。 それから、E2Cについては現在使用しているE2Cでは十分でない、NATO並みのAWACSを用いてはどうか、そういう声がアメリカからも聞こえてくるわけでありますけれども、これについてはどういうふうに考えているのか。
○西廣政府委員 これまた先ほど来お答え申し上げているように、洋上における防空においては三段階が考えられると申し上げましたが、その最初の端緒をつかむ段階、広域の早期警戒という段階でありますと、OTHレーダーというものがその初度経費なり以後の運営経費を含めて極めて安上がりの装備であるという点については、ある程度の究明が進んでおるわけでございます。と同時に、今度は洋上防空の最終段階である、ミサイルがもう発射されてしまった、その後の段階における防護手段として、ハードキルとしては、ミサイルをミサイルで撃ち落とすという手段があるわけでございますが、その中で対ミサイル・ミサイルとしてどの種の艦艇搭載用ミサイルがあるかということで各種検討して、一つの結論に到達しつつあるというのが現状でございます。 そのように、洋上防空全般のシステムの中で最も端緒になるべきものと最終段階のもの、この両端についてはある程度の見込みというものも立っておりますが、以後の母機対策であり、もろもろの対策についていいますと、これは戦闘機なり、先生の今御指摘になった早期警戒機あるいは空中給油機といったようなものの組み合わせになってまいりますので、これらの最も多くの防衛力というのは航空自衛隊の全般防空のためにもう既に整備されつつあるわけでございます。そういったものと同種の装備でございますので、これは洋上防空ということだけで、どの種のものがどれだけ要る、あるいはどういった体制が効果的であるということを決めるにはやや早計ではなかろうか。やはり全般防空の中でそれらとの兼ね合いにおいて研究する必要があるということで今後の検討課題になっているということでありまして、それは要撃戦闘機もさることながら、空中給油機、早期警戒機も含めて今後なお研究をしなければいけない問題というように考えている次第であります。
○神崎委員 今後の検討課題だという御答弁でございますけれども、具体的にいつごろまでに結論を出すというような検討課題なのか、今後じっくり時間をかけて検討いたしましょうという程度のことなのでしょうか。
○西廣政府委員 現在、政府決定を見ております中期五カ年計画の中で、例えば空中給油機についてはこの期間中に検討するということだけで、特段この期間中に整備に着手するといったような記述もございませんので、整備そのものまでは着手できないと我々は考えております。したがいまして、その種のものが実際に具体的な整備の対象になるというのは、今後、六十六年度以降の防衛力整備についてはまだその方式その他決まっておりませんけれども、そういった段階に現在行っている研究というものの一部が実現をする、あるいはそれが取り入れられるということになるのではなかろうかというふうに考えております、
○神崎委員 この洋上防空体制というものについては相当な金額を要するということは政府御自身がお認めになっているわけでございますけれども、いろいろな所要経費の概略見積もりを示した論文、「洋上撃破と陸上戦力」という「国防」の六十年五月号の大島洋次さんの分析ですと、装備だけで洋上撃破に五十兆円は軽く超すだろう、こういうような指摘もあるわけでございますけれども、結局政府が行おうとしておりますこの洋上防空体制の防空の地理的範囲というものはどのように設定をされているのでありましょうか、
○西廣政府委員 先ほど来申し上げておりますように、防護対象としては、一つは固定された国土であり、その上に生存しております国民でありますから、それ自身は全く変更することがない。一方、洋上にあります船舶につきましても、これも長年の間申し上げているように、我が国周辺の数百海里のところを航行している船舶なり、あるいは外航輸送に従事しておるものであれば千マイルくらいのシーレーン、航路帯を航行しておる船舶ということになりますので、そこにある船舶を守るに必要な範囲ということになろうというように思います。
○神崎委員 実は防衛白書の中の「洋上における防空能力」の記載のところで、「航空自衛隊の戦闘機がその能力の及ぶ範囲で防空作戦を行うことは当然である。」こういう記載があるのですけれども、これは、今防衛局長は限定された意味で御答弁をされたように伺うわけですが、この防衛白書の「洋上における防空能力」のところの防空作戦、いわゆるその能力の及ぶ範囲なんだ、こういう考え方からすると、もっともっと広いものを想定されているのじゃないかとも思うのです。その点はどうなんでしょうか。
○西廣政府委員 先ほどの御質問にも少し触れられましたけれども、洋上防空ということだけで非常に多くの金が要るのではないかというようなお話がありました。先生の言われた数字というのはちょっと私ども考えているものとは何けたも違うような数字に受け取ったわけですが、いずれにしましても、それが数百億であれ数千億であれ、洋上防空ということだけに固定してその任務だけの部隊をつくっていくということになれば、それなりの相当な金がかかっていくということも事実でございますが、先ほど来私申し上げているように、洋上における防空作戦に従事する戦闘機といえども、それがそれだけ専門の戦闘機であって全然国土防空には従事しないというような考え方に立ちますと、どんどん防衛力というのはふえざるを得ない。ところが、防空戦闘、国土防空のための戦闘機というものはそれぞれの地域に配備されておるわけでありまして、それが状況によって洋上の防空任務にもつく、そういう事態があればそういった行動をとるというようなことを考えることによって、我々としてはできる限り、先ほど来申し上げている大綱の中の、しかも大綱別表の枠組みの中で何とか洋上防空任務を果たせないものかという研究をいたしておるわけであります。 そこで、現在の全般防空に従事しております航空自衛隊というものは、おおむね現在のレーダーサイトの覆域内で行動し得るというのが通常の考え方であります。したがって、国土上にありますレーダーサイトの覆域内から外れて航空機が単独で自分で行動するということは、今の装備体系から見ますと非常に難しい状況にある。そこを離れてやるということになりますと、それなりのそれをバックアップすべき、例えば警戒機なりが随伴をして一つのユニットとしてまとまった行動がとれるようにしませんと難しいということになります。そういう点から、先ほど先生の御指摘のあった早期警戒機なり給油機といったものの必要性も浮かんでくるわけでございますが、そういったことを含めて今後十分検討しなくちゃいかぬ課題ではなかろうかと考えておる次第であります。
○神崎委員 防衛白書の中で、特に「洋上における防空能力」というところの中で、あえてなお書きで、先ほど申し上げましたように「航空自衛隊の戦闘機がその能力の及ぶ範囲で防空作戦を行うことは当然である。」というのを、洋上防空ですが、その中で、なお書きであえて入れた。この意味からすると、要するに戦闘機F15にしても、先ほどの洋上防空構想の中でレーダーはOTHだ、早期警戒機E2Cがある、それに対してF15で、戦闘機で戦うんだとか、最後はエイジス艦だ、こういう構想になっているわけですね。その構想の中に入っている「戦闘機がその能力の及ぶ範囲で防空作戦を行うことは当然である。」こういうふうに言っているということは、この洋上防空の地理的範囲というものは、結局、戦闘機の能力の範囲内、これが洋上防空の防空の範囲、こういうことになるのじゃないですか。
○西廣政府委員 白書で言ってある戦闘機が行動範囲内で洋上防空の任に当たっておるということは、全般防空ということで先ほど来申し上げているように、レーダー覆域あるいは航空機の行動半径も関係がございますが、航空機が単独で防空任務を果たすことはなかなか困難でございますので、本土の周辺に備えてありますレーダー覆域の中で戦闘機が行動いたすわけでございます。それらが日本の周辺の海域にかなり突き出しているということは御承知のとおりでありますが、そういったものが全般防空の一つの傘になっておるわけでありまして、国土周辺を航行する船舶というものは、そういった本土防空、全般防空の傘の下を航行するということで、今までも航空自衛隊の傘のもとでできる限り航空からの攻撃による被害を受けないように行動するということで考えられておったわけであります。 それに対して、今後それだけでは済まなくなっている点が幾つかあると申し上げて、るる御説明申し上げておるわけですが、そういった今現在の我が国周辺の沿岸海域の覆域、防空機能を合うさせておる基盤になっておるレーダーそのものが洋上からの攻撃に非常に脆弱になってきている。それをどうするかということを解決しないと、今までレーダーがあるということで全般防空の傘がそこまで広がっていたものが期待できなくなるという問題もございます。 同時に、洋上を航行する船舶について言えば、今までもそういった全般防空の傘の下を通っておれる内航を航行する船舶については問題なかったわけでありますが、それ以外のところをどうしても航行せざるを得ない外航船、いわゆる南東航路なり南西航路帯を航行する船舶については従来もそういう全般防空の傘の恩恵を受けられなかったわけでありますが、それはそれなりに、相手の航空機がそこまで進出するものが非常に少なかった、あるいは進出してきてもそこに来るような長距離爆撃機が頭上に来ればそれなりの防空措置によって対抗できたと考えられておったものが、それほど近づかないでミサイル攻撃を行うことによって爆撃機がみずからを危険にさらすことなく船舶を攻撃できるようになりつつある。それにどう対応するかということで、また別の空の傘を考えなくちゃいかぬなというのが、今の研究課題の中心になっておるわけでございます。
○神崎委員 よくわからないのですけれども、レーダーサイトの覆域内で戦闘機が行動するんだ、しているんだとおっしゃるけれども、今度はOTHレーダーという大変なレーダーを導入しようとしてしている。そうすると、戦闘機の行動範囲が、このOTHレーダーの覆域内ということもあり得るのですか。
○西廣政府委員 OTHレーダーの機能と申しますのは、現在の防空用のレーダーサイト、いわゆる警戒管制部隊とはまた機能を異にいたしております。現在のレーダーサイトというのは敵機の位置を比較的正確に把握をして、そちらに対して誘導したりする機能を持っているわけでありますが、OTHレーダーというのは、先生御指摘のように非常に広域の、広いところは見えるかわりにそれなりにその精度は非常に悪いものでありますし、同時にこちらの戦闘機等を誘導したりする、そういった機能を持ついわゆる警戒管制部隊じゃございませんで、あくまで初度探知、全体の情報の早期探知というものでございますので、従来のレーダーサイトに取ってかわるとかそれのより広い範域をカバーし得るものだとかいうようなものではございません。
○神崎委員 どうも御説明でも防空の地理的範囲がはっきりしないわけでありますけれども、それでは洋上防空の洋上の範囲というのはどういう範囲をお考えになっておるのか。これは限定的なものなのか、あるいは伸縮自在なものなのか、この点はいかがでしょう。
○西廣政府委員 何度も申し上げておりますように、私どもが言っておる洋上というのは防護対象としての洋上じゃないものですから、ここだけを守ればいいというように申し上げられないわけであります。私どもは決して海を守る必要はないと思っております。海に幾ら爆弾を落とされようがミサイルを落とされようが余り痛痒を感じないわけであります。要は、その船舶を守らなければならない、船舶を守るために洋上で防空行動を行わなければいけないということでございますので、ある船舶がどこにいるか、ある船団がどこにいるかによってその周辺、大体百キロないし二百キロのところということになりますが、いずれにしろ周辺といっても四万八万から来るということではなく、相手方の攻撃してくる方向というのは、先ほど来申し上げているようにOTHレーダーでほぼ概位がつかめるわけですから、相手が侵攻してくる方向、百キロないし二百キロくらいのところで要撃できればいいということになろうかと思います。
○神崎委員 この洋上防空体制を検討するとしても、具体的な兵器、システム、予算が既に中期防として閣議決定されているわけであります。その前提となる洋上防空の範囲が明確にされていないというのはまことにおかしな話であると思うわけであります。 政府は、昭和五十九年の通常国会でシーレーン防衛が大綱に入っていたかどうかという問題につきまして、四月十日の参議院の予算委員会で政府見解を示して、その中で周辺数百海里、航路帯を設ける場合はおおむね千海里ということは入っていたんだ、海上自衛隊の能力算定の前提としたという御答弁をされているわけであります。したがいまして、この洋上防空体制を行うというのでありますと、政府が言っておりますように、作戦の地理的範囲が洋上防空体制を行う能力算定の前提となるはずであります。洋上防空体制というものは、地理的に防空範囲をどう設定していくかによって無限大に広がるおそれもあるわけです。その意味でも、この洋上防空体制ということを言う限りは、最低限これは明確にしておくべき前提であるように思うわけであります。この地理的範囲を明確にしないと、一つは自衛隊の行動範囲が無制限に拡大されるおそれがあるわけであります。太平洋全域の洋上防空あるいはペルシャ湾までの洋上防空にまで拡大されかねない、これは空中給油機との兼ね合いでそういうおそれが出てくるわけであります。また、洋上防空の範囲いかんによってはその費用は際限なく大きくなりかねない。さらにまた、その範囲が明確でなければ専守防衛という日本の基本方針に反することになる。こういう点から私はこの洋上防空の地理的範囲を政府は明確にすべきだと考えますが、いかがですか。
○西廣政府委員 自衛隊の行動の範囲といいますか、自衛力の行使し得る範囲ということは、一般論、抽象的に申し上げますと、これはもう政府がかねがね申し上げているように、自衛のために必要最小限の措置をとり得るのに必要な範囲ということで、それが公海にそのままで及ぶということは当然というふうに申し上げておるわけでございますが、それじゃ具体的にどの範囲だということになりますと、先ほど言ったように、船舶そのものが一千海里なら一千海里の範囲内を移動しておるわけでございますから、それによって行動の範囲というものはおのずから変わってくるわけでありますが、強いて申し上げれば、今も、航路帯の幅が防空範囲で言えば百マイルぐらいの幅になったというようにお考えいただければいいと思います。それは例えば対潜活動でP3C等が哨戒をする、あるいは艦艇の、船団の航行に応じてその周辺の対潜哨戒をやっていくという際に、艦艇のすぐ近くだけやっておったのでは相手の潜水艦が近づいてくるのを発見できませんから、そのある幅をもって対潜哨戒をしていく、そして比較的安全と思われる航路帯を船団そのものが航行していくのと同じような考え方でとらえていただければ幸いであります。
○神崎委員 この問題については今後また議論をしたいと思いますけれども、洋上防空、またシーレーン防衛の問題というのは、今回の一%枠突破の問題と私はリンクしている、このように思うわけであります。一%枠という防衛コストの問題、これは我が国が採用している基盤的防衛力構想という防衛戦略の問題と「防衛計画の大綱」という防衛政策の問題、この二つとリンクした防衛コストが含まれて、この三点で我が国の防衛力整備のあり方というものが決まっているのだろうと私は思うわけであります。それが、今般一%枠が突破された。その突破の主要な原因というのは、私は、この洋上防空を柱としたシーレーン防衛、今後ここがこれからどんどんどんどん拡大されるだろうと思いますし、そうなると一%枠突破と我が国の防衛のあり方をめぐるこの防衛戦略の考え方、また防衛政策というものは当然変わってくるだろうし、また今大きく変えようと防衛当局がしているのじゃないかと思うわけであります。 その意味において、まずこの基盤的防衛力構想という現在の防衛戦略、これを今後変えるつもりがあるのかないのか。中期防なんか見ますと、脅威対応論をうかがわせるような記載も現にあるわけでありますけれども、脅威対応論、かつての年次防時代の脅威対応論に戻るようなことがあるのかないのか、まずこの点についてお尋ねをしたい。
○西廣政府委員 基盤的防衛力構想と脅威対応論というものが全く違ったものであるのかどうかということについてはいろいろ御意見の分かれるところだろうと思いますが、私は、基盤的防衛力構想というのは、私自身その立案に参画いたしましたので、次のように理解をいたしております。 それは、日本に対する軍事的な脅威というものはもろもろあるわけでございますけれども、現在の世界情勢というものが、ある一国、例えば日本の隣接している一国と力に若干の相違でも起きたら直ちに相手が襲いかかってくるといったようないわゆる弱肉強食の状況ということではない。全体としてのやはり東西の力のバランスなりそれぞれの同盟関係、そういったもので戦争というものはかなり強く抑止をされておるという前提に立ったのが基盤的防衛力であると思います。したがって、基盤的防衛力では日本自身が、その種の世界的なバランスといいますか、ある意味のマクロ的な安定状態というものの中で自分自身が力の空白になってそこで問題を惹起しないようにそれなりの能力というものを持たなくてはいけない、それが基盤的防衛力である。 その持つべき防衛力の指標としては、小規模限定的な事態というように申しておりますが、周辺のある国がほとんど現状というものを変更しないままの軍事力で日本を攻撃したというような事態を想定して、そういったものには直ちに、日米安保というものがあってもアメリカの支援というものが期待できるわけではございませんので、そういったものには独力で対応できる防衛力というものを持たなくてはいけないんじゃないかというのが基盤的防衛力の非常に大ざっぱな言い方をすれば考え方だろうと思います、 そのような、相手が現状をそう変えないで日本に差し向け得る軍事力の質なり量というものは、それなりに時代の推移によって方そのものについては変化をしてきておるわけであります。したがって、そういう意味で、ある固定した防衛力を持てばもうそれですべていいということではなくて、その時代の推移によって変化していく状況の中での限定的小規模な事態、つまりそれは時代が経ればそれなりに軍事技術的にも進歩したものになるし、場合によっては兵力的にも大きくなる場合も生じてくるわけですが、そういった形での小規模限定的な侵略に対しては独力で対応し得るということでありますから、その意味で言えば極めて限定的な形ではあっても脅威対抗論であることもまた否定できないわけであります。 したがって、私どもが現在申し上げておる例えば洋上防空の必要性というのは、まさにその種軍事技術の進歩に伴って日本に対するあるいは日本の船舶に対する経空脅威というものが質的に変わってきた、それに対応するために従来と同じ程度の防護能力を持つために何をしなくてはいけないかということでございますので、私は、基盤的防衛力構想というものはいささかも変更されてないし、まさに基盤的防衛力で期待をしている防衛力を維持しあるいは整備するために何をしなくてはならないかという研究の一環であるというように考えておる次第であります。
○神崎委員 防衛庁長官はどういうふうに理解されておりますか。
○栗原国務大臣 今政府委員の言うたとおりであります。
○神崎委員 そういたしますと、長官としてはこの基盤的防衛力構想と脅威対応論というものは、これは併存するという理解ですか。いわゆる相反するものではないという理解ですか。
○栗原国務大臣 次元が違うと思います。
○神崎委員 次元が違うというふうにおっしゃられましたけれども、もう少し詳しく、どういうふうに次元が違うのかおっしゃってください。
○栗原国務大臣 もっと言いますと、いわゆる「防衛計画の大綱」、基盤的防衛力というもの、これは今政府委員が述べたような状況でやっておる、それを変える必要はない、こういうことであります。
○神崎委員 そうすると「防衛計画の大綱」の話になりましたけれども、今長官は「防衛計画の大綱」は変える必要はない、こういう御答弁をされましたけれども、これは別表を含めて変える必要はない、こういう趣旨でしょうか。
○栗原国務大臣 別表を含めて現在変える必要はない、こういうことです。
○神崎委員 そういたしますと、午前中の質疑では、よくわからなかったのですけれども、洋上防空の研究というのですか、この構想次第によってはこの別表の見直しがあり得るというような趣旨の御答弁にも受けとめられたのですけれども、その点はいかがなんですか。
○栗原国務大臣 これは前から言っているように、大綱と別表、これは一体的なものだ、ただし別表を若干動かしたからそれが大綱の見直しになるというものじゃない、こういうのが私の見解であります、そういう意味で、いわゆる別表を若干いじったからといって「防衛計画の大綱」に背くようなものじゃない、いわゆる専守防衛の域を脱するものではない、そういう趣旨で答弁したのであります。
○神崎委員 そういたしますと、洋上防空の研究というものが進んでまいりますと、別表を若干いじることはあり得るということでございましょうか。
○西廣政府委員 よく大綱水準というように言われておりますが、大綱水準というのは、私は一つのポイントに絞って重点だけ申し上げれば、先ほど来申し上げているように、小規模・限定的な侵略に対しておおむね単独で対抗できる能力というものを主要にしていると思います。その能力というのは、先ほど来申し上げているように技術の水準なりあるいは相手方の兵力組成の変化等によって変わってくるものでありますから、相対的なものでありますから、その間には変動するものであるというようにかねがね申し上げているわけであります。したがって、その相手方の限定・小規模侵略に対応できる能力というものが、相手方が大きくなればこちらも大きくならざるを得ないということで、その範囲内において我が方の防衛体制というものが見直され、別表が改正されるというのは、ある意味では大綱が予定してある変更であるというように、これまたかねがねお答え申し上げているとおりであります。 したがって、それは大綱の基本的な考え方、基盤的防衛力構想を変更したものではないというふうに申し上げているわけですが、それではすぐ洋上防空研究において別表なりが変わるのかということになりますと、これは今後の検討の結果次第でありますけれども、我々としては大綱の基本的な考え方、基盤的防衛力構想を変えないのは当然のこととして、できる限り別表というものについてもそれを尊重して、その枠組みの中で考えていくということが非常に重要であろうということで、まさにそれが研究の大きな課題の一つになっておるわけであります。 それを、相対的な力を維持するためにどんどんふやしてそれに対応して合わせていくということであれば比較的容易であろうかと思いますけれども、それでは大綱なり基盤的防衛力構想というものをつくったそもそもの精神なりあるいは先般閣議決定で見られたようにできる限り防衛費というものについて控え目な金額の中でやっていこうといういわゆる一%精神と申しますか、そういったものを守る意味でも、いろいろな工夫を重ねて別表も動かさないで済めばそれにこしたことはないということで研究をいたしているわけでありますので、その辺のところは十分御理解をいただきたいと思うわけであります。
○神崎委員 終わります。
○大村委員長 神田厚君。
○神田委員 まず最初に外務省にお尋ねをいたしますが、過日夜ソ連の駐在武官と三菱商事の社員が国外退去を求められました。一体ソ連が言っているような容疑の事実があったのかどうか、この点をまずお聞かせをいただきたいと思います。 同時に、それに対しまして在日ソ連通商部の人物を国外退去させましたが、このような形での応酬というものが今後拡大するのかどうか、その辺の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○長谷川(和)政府委員 在ソ連大使館の防衛駐在官の件でございますが、通常大使館員の職務というのは、任国にありまして必要に応じて任国政府と協議、交渉し、あるいは任国の政治経済また社会情勢等を視察するというものでございます。今回竹島防衛駐在官がオデッサに参りましたのも、このような通常の職務の一環として現地に参ったわけでございます。いずれにしろ大使館員として公的資格に反するような行為を行ったことはなく、またソ連側が言う諜報活動を行ったというのは全く事実無根でございます。 三菱商事の支店次長の場合は、先方によりますれば、ソ連外国貿易省より非公開の通商情報の不法入手をたびたび行った、またやみ取引に従事し、さらにソ連における外国人の滞在移動規則に違反したということでございますが、三菱商事は、本件は全く事実無根である、そのように押しております。
○神田委員 それで、日本としましても在日通商代表部の人物の国外退去を求めたということでありますが、このような形でこれらの応酬がなお拡大する状況なのかどうか、その辺について考え方をお聞かせいただきます。
○長谷川(和)政府委員 ソ連側の意図については当方としてそんたくのしようもございませんが、我が方としては、我が方の主権内のとり得る措置を当然のこととしてとっただけのことで、こういった今回とった措置というのは報復でも対抗措置でもないということでございます。
○神田委員 それでは、ペルシャ湾情勢についてちょっと御質問をいたします。 機雷の敷設という新たな事態の中で各国が掃海艇などの派遣をして掃海作業をしております。そこで、日本タンカーの安全航行の問題でありますが、これらの状況の中でタンカー航行の安全確保のためにどのような措置がとられているのか、この点についてお聞かせをいただきたいのであります。
○倉成国務大臣 御案内のとおり、ペルシャ湾には日章旗を掲げているといないとにかかわらず常時大体十四、五隻のタンカーがおりますし、日本の石油の輸入の約五五%がホルムズ海峡を通ってきているという現況にかんがみまして、ペルシャ湾における日本船を含む船舶の航行の安全というものにつきましては大変重大な関心を持っているわけでございます。したがいまして、私どもはあらゆる機会にこのペルシャ湾の安全航行についてイラン、イラク双方に対しまして注意を喚起しているところでございますけれども、特に、先般ベネチア・サミットの後に私テヘランの方に参りまして、イランの指導者の方々とお目にかかりましてペルシャ湾の安全航行について格別の注意を喚起いたしました。しかし、基本的にはイラン・イラク戦争が終結しない限りにおいてはペルシャ湾だけの安全ということは大変難しいことになるわけでございまして、イラクの方は御承知のとおりパイプラインで既に油を輸送しているということもございますので、どうしても陸上戦闘が行われる、そうすると今度は海上の攻撃が行われる、これに対する報復が行われる、そういう悪循環を繰り返していくことになるわけでございます。特に、私がテヘランに参りました前後から機雷の敷設ということが言われておりまして、大変心配しておりましたけれども、不幸にして触雷事故というのが起こったわけでございます。しかしながら、ペルシャ湾では七月十四日以来航空機やガンボートによる本格的な船舶攻撃は行われていないという事実がございます。しかし、タンカーの触雷が相次いで起こっている。したがって、この機雷をどうやって排除するかということについて、アメリカを初めヨーロッパの諸国が本格的にこれらの問題に取り組んでおるのが状況でございます。 したがって、我が国といたしましてはこういった危険な状況にかんがみまして、日本船を含む船舶の安全航行を確保するためにできるだけイラン、イラク双方の自制を求めるために外交努力を続けておる次第でございます。これが現状でございますけれども、いずれにしましても、各国による掃海はペルシャ湾の安全航行にとって大変大切なことでございますので、これらの諸国の掃海事業につきまして大変高く評価をしておる次第でございます。
○神田委員 ペルシャ湾のこういう状況がありますが、そういう中で日本としてはどうも安保にただ乗りをしているという非難がアメリカなどでまだ出てきているようでありますね。したがって、日本に対しまして費用負担を要求すべきだということも言われておるようでありますが、それらのようなことがあるのかどうか。日本としては、そういう各国の事業に対しまして何らかの形で協力をする意思があるのかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいまのところ、日本に対するそのような要請はございません。日本といたしましては、イラン、イラク双方に対する外交ルートを持っておる唯一の先進国と称してもよいわけでございますので、イランに対しましても、イラクに対しましても、一日も早く冷静に、このイラン・イラク戦争が終結するような努力を、外交努力によって最善を尽くしておるのが現状でございます。 なお、ペルシャ湾の安全航行その他の問題について、何か国際的なスキームをつくって日本に協力を要請してくるということが将来起こるかどうか、そのことは予断を許しませんけれども、そういうものが何か出てまいりました場合には、その時点においていかなる協力が日本としてできるかどうか検討をさせていただきたいと思います。
○神田委員 国連決議等もございまして、イラン・イラク戦争の終結に対し各国が非常な努力をしております。特に大臣におかれましても精力的な御活動をなさったようでありますが、この終結の見通しといいますかそういう点についてはどういう感触をお持ちでありますか。
○倉成国務大臣 これはもう世界じゅうの人が関心を持っておりますけれども、見通しをつけることがなかなか大変難しいというのが現状でございまして、私自身についても確たる見通しをつけることができ得ないというのが現状でございます。 しかしながら、御案内のように国連の安全保障理事会の決議に対しましてイラク側は受諾いたしました。しかし、イラン側は拒否もしないし受諾もしないという立場でございますし、国連の事務総長のあっせんについては、安全保障理事会の決議の実行という意味での国連の事務総長の行動については受け入れることはできないけれども、国連の事務総長が独自の立場でテヘランに来ていろいろなことをやることについては歓迎するという態度でございます。私がジュネーブにおきましてイランのベラヤチ外務大臣と会いましたときもそういう考え方でございますので、一縷の望みがやはりあると思うわけでございますので、我が国といたしましては国連のデクエヤル事務総長の活動をできるだけ支援して、そして一日も早くイラン・イラク戦争が終結に向かうように、そしてすぐ全体が戦禍が終わることが仮にないといたしましても、できるだけ小規模に鎮静化していく、事実上大きな事件が起こらないという形の中で問題の解決の糸口をつけていきたいということでございますけれども、残念ながらサウジにおける事件が起こったり、バスラの付近におけるイランが一部を占領しているというようないろいろな問題がございますので、前途はなかなか多難であると思いますけれども、しかし我が国といたしましてはあらゆる知恵を絞って、志を同じゅうする国々と力を合わせて最善を尽くしたいと思っておる次第でございます。
○神田委員 それでは次に、先ほど来問題になっております洋上防空の問題につきまして、御質問を申し上げたいと思います。 中期防で検討が予定をされております洋上防空体制についての中間報告という形での防衛庁の考え方が発表されました。しかしながらこれは中間報告でございまして、最終的なこれらの報告はいつごろまでに出して、どのような形で発表されるのか、この点についてまずお聞かせをいただきます。
○西廣政府委員 洋上防空研究は、先ほど来申し上げておりますように庁内における勉強会というような性格のものでございますので、中間報告というのは、委員会に中間的に作業グループから報告があったというものであって、決してこれを公表した、あるいは公表するという性質のものとは考えておりません。 また、今後この研究がさらに進められていくと思いますが、これらの研究がまとまったから外部に発表するということではなくて、その研究の成果をある程度取り入れながら行政に移すべきものがあれば、例えば防衛力整備等に移すものがあればそれは防衛力整備計画なりあるいは年度年度の業務計画、ひいては観算要求なりに反映していく、そういった形で外部に我々の考え方をお伝えし、お願いをしていくという形になろうかと思います。
○神田委員 防衛局長は洋上防空についていわゆる要撃ユニットという考え方を従来示してまいりましたが、全体的な洋上防空の研究が現時点でまだまとまっておらないわけでありまして、またほかの装備の導入が固まらないにもかかわらず、六十三年度予算では概略OTHレーダーとエイジス艦に関しての予算要求、経費を請求したいという考え方だと聞いておりますが、この点について御説明をいただきます。
○西廣政府委員 洋上防空研究に関連してOTHレーダーあるいは対ミサイル対処のためのエイジス艦等の研究がなされたことは事実でございます。ただこれらはそれぞれ違った意味でも独立した問題として我々大きく関心を持ち、かつ現在遂行されつつある五カ年計画に盛り込まれておるわけでございます。その一つのOTHレーダーというのは洋上防空に際しての初度探知能力としての監視機能というものを果たすことも事実でございますが、同時に、我が国のような専守防衛の防衛力によって国を守ろうという国にとって極めて必要な各種の戦略情報なり戦術情報を取得する手段としてOTHレーダーはこれまた非常に有効な手段であると考えられておるわけでございます。そういう意味で、その種の我が国周辺におけるさまざまな艦艇なり航空機の行動というものが探知できる手段というものを持ちたいという気持ちはかねがねあり、そのためにOTHレーダーが有効ではないかということで研究をし、その成果次第によっては整備をするということで五カ年計画が決まっておるわけでございますが、これについてはまだ結論が、引き続き検討する事項があるので今後引き続き調査をいたしたいということで現在固まりつつございます。 もう一方、いわゆるエイジス艦等で代表されます艦艇搭載のミサイル対処機能の向上という点につきましてこれまた五カ年計画で現在の艦艇部隊の持っておる自艦防空なり船団防空能力としてのミサイル対処能力が極めて劣弱であるという事実認識に立ってこれを改善するための研究をし、しかるべき措置をするということで五カ年計画が決まっております。この点についても、洋上防空研究会でももちろん研究をいたしましたし、そのミサイル対処能力そのものについての勉強も行政サイドとしてしてきたわけでございますが、その点現在既に装備しておりますターターといったようなミサイル、そういったものとの経費効率等の比較等も含めて現在検討は最終段階に来ておりますので、でき得れば六十三年度予算要求にもその研究成果を盛り込んだ概算要求をし、その研究の成果なり内容というものを十分皆様方にも御説明して御理解を賜りたいというように考えておる次第であります。
○神田委員 要撃ユニットという考え方に立ては、当然空中給油機、先ほども話題になっておりましたが、空中給油機等の問題も同時に考えられなければならないわけでありますが、その点はどういうふうになっているのか。この空中給油機やあるいはAWACSの導入問題というのはどのように考えられているのか、この点時期も含めまして御答弁をいただきたいと思います。
○西廣政府委員 要撃ユニットという考え方は、かって私、仮にOTHレーダーのような広域の捜索能力というものが得られれば、常時、ある船舶、船団なりあるいはある海域の上に戦闘機を配備しておく、いわゆるCAPをしておくということよりも、そういった早期探知能力を土台にして要撃ユニットというものを編成しておいて、いざというときに飛び出していった方がはるかに今は経費効率上はいいんではなかろうかというような思いつきから申し上げたことがあります。 以後、洋上防空研究会においてもそのときの仕組み、要撃ユニットのようないわゆるアラートシステムといいますか、状況が出てから発進をするというような体制がいいのか、あるいはCAPのような体制がいいのか、いろいろな方式を組み合わせてどれが経費効率的にいいのかというような研究を進めております。 その結果、幾つかの答えも得られておりますが、しかし実際にそれではそういったものをすぐ整備をするのかということになりますと、これはまだ将来の問題でございますし、そういった要撃ユニットというものを仮につくってそれに従事する戦闘機部隊そのものが新たに必要なのか、それとも現在の全般防空に従事をしておる戦闘機を使用すれば足りるのかとかという問題もございますし、早期警戒機についても現在のE2Cで十分賄えるのか、あるいはAWACSのような新しい早期警戒機の方がより経費効率的にいいのかといったような研究も今後さらに深めていかなくてはいけないというように思っております。 同様に、給油機の問題につきましても、給油機は、そういった洋上防空に限らずいわゆる国土防空においても、逐次相手方の航空機、ミサイル等の性能が上がってまいりますと、レーダーサイトで発見してから発進したのでは間に合わないという状況も考えられるとすると、いわゆるCAP用法といいますか、ある程度空中待機をさせる用法というようなことも考えざるを得ないかもしれない。そういった段階で、空中給油機の必要性ということも出てまいると思うわけでございますが、そういったことも含めてまだまだこれから時間をかけて研究しなくてはいけないということで、いまだそれらについて研究にもほとんどタッチしてない、まだ入っていない状況でありますので、今後もまだしばらく時間をかけて研究せざるを得ないというように考えておる次第であります。
○神田委員 このような構想を実現するということはいろいろ指摘されておりますが、一つは防衛範囲が非常に拡大をする、もう一つは防衛費がかなり増額をされなければならない。したがって現在の「防衛計画の大綱」との整合性をどういうふうに保っていくのかという大きな問題があるわけでありますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
○西廣政府委員 「防衛計画の大綱」言いかえれば基盤的防衛力との整合性ということにつきましては、先ほど神崎先生の方にもお答えしたと思いますが、「防衛計画の大綱」で期待をしておる防衛能力、防衛水準というものは、我々かねがね申しておるような限定的な小規模侵攻に対して独力で対応できる能力を持つということでございます。その限定的侵攻する敵の態様というものが、軍事技術の進歩によって先ほど来申し上げているように空からの脅威というものの中身が変わってくるということでありますから、その防衛効果といいますか能力そのものについて、相手方の能力向上に対応してどういうシステムなりどういう防衛力を持つかという問題でございますので、あくまで我々が検討しておるのは現在の基盤的防衛力、「防衛計画の大綱」の枠組みの中の問題であるというように考えております。
○神田委員 それでは次に、米国装備の事前集積の問題について御質問申し上げます。 中曽根総理は七月三十日の衆議院本会議で、米国装備の事前集積について、情勢に応じて検討すると答弁したわけでありますが、防衛庁としては具体的にどのように検討していかれるつもりでありますか。
○西廣政府委員 事前集積の問題につきましては、これも何度がお答えしておると思いますが、我が国有事の際に我々としてはアメリカの陸上部隊、陸軍についてもその支援を期待しているところであります。といたしますると、その際に大量の重装備まで含めて海を渡ってくるということになりますると相当な時間を要するということで、事前にそういった装備が日本に集積をされておるということは、支援を受ける我が方にとっては極めて都合のいいことであることは間違いないわけであります。 また、最近のアメリカの陸軍の改編等によりまして、我が国が支援を受けるのに一番手近な例えばハワイの二十五師団等が軽装備師団に変わってきたというようなことを考えますと、我が国に対する潜在的脅威として最も注目しておりますソ連の陸軍ということになるとかなりの重装備でありますから、そういったものに対応するためにはアメリカから支援を受ける陸上部隊というものも相当重装備のものである必要があるというように我々は考えております。 そういう点で、ポンカスというものが有効な手段であるということは我々重々承知しておるわけでございますが、同時に、この事前集積をするということはアメリカの側にとってみますと二重装備をするということになるわけです。つまりそのように集積をしておく装備と同様のものを本国に持って常日ごろから訓練をしておく必要がある。そうでなければ、せっかく集積してあってもこれを使いこなす師団なりそういう部隊というものがない、すぐ使える人間がいないということでございますので、せっかく物があっても使いこなせないということになります。ということは、ある部隊について同様の装備を二重に装備しなくちゃならないということで非常な金の負担を生ずる問題であります。したがってアメリカとしても、やたらにこの事前集積をふやすわけにはいかないということで、彼ら自身の判断で逐次ふやしていく、あるいは今後事前集積すべき計画というものを持っておるわけでございます。それについて我々も非常に関心を持ち、我々自身が事前集積の有効性について認識しているということはかねがねアメリカに伝えておりますけれども、今までのところアメリカとしてそういった日本に対する事前集積の計画というものがないものですから、これについてあえて我が方が直ちにそれに対応する措置を検討するといった状況には入っていないという状況でございます。
○神田委員 この問題、なかなか複雑な問題でありますが、総理から、情勢に応じて検討するというふうな本会議での明確な答弁がございました。これは、初めてこの事前集積の問題について日本国として積極的に対応するということを述べたものだと思うのでありますが、栗原長官が九月から十月にかけて訪米をするというふうに聞いておりますけれども、その場合においてこのような問題を話し合いの中に含めていくのかどうか、また訪米の目的というのは一体どういうところにあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○栗原国務大臣 訪米の目的は、再三申し上げておりますとおり、今度はワインバーガー長官の方から、いささか砕けた格好で、夫妻でアメリカへ来てくれ、こういうことなんです。しかし、向こうに参りますと、ただ参りましたということにはならぬと思うのです。FSXの問題とかあるいは対潜能力の問題、そういった問題が話になると思いますから、それはそれなりにお話をして適切な対応をいたしたいと考えております。 この事前集積の問題については、今防衛局長からも話がありましたが、いささかこれはデリケートなんですね、アメリカの方も負担を伴うというところがありますから。したがいまして、これはアメリカさんの方から話があったときには、私の方はそれに対応して処置をしたいと思いますけれども、こちらの方からあえて申し上げるというつもりはございません。
○神田委員 防衛局長が八月二十日の衆議院内閣委員会で、事前集積について日本から話を出せば、集積する装備を買えということにもなりかねないというような答弁をしているわけでありますが、NATOなどを見ましても、そのように事前集積をしている国がアメリカの装備を買っているということもないようでありますから、そういうふうなことは、私は日本として話を出すこともないというふうに考えておりますが、この問題は、お話がありましたように非常にデリケートな問題でありますので、これらについては米国におきまして長官の明断な御努力をひとつ要望したい、このように。思っております。 それで、特に防衛庁内局において事前集積の問題については非常に消極的だという話を情報として聞くわけでありますが、これらについては何か特別なお考えがあるのでありましょうか。
○西廣政府委員 私、決して防衛庁内で事前集積について強く消極的な者がいるというふうには存じておりませんが、ただ、この問題は、日本国内で話し合われるときは、えてして在日米陸軍司令部筋から出る話が多いわけでございます。現地部隊である在日米軍としては、その種事前集積が行われておるということが彼らの任務を果たす上でより有効であり望ましいと思っておることは間違いないと思うわけですが、アメリカ全体としての優先順位がどうなっているかというようなことはまた別途あろうかと思います。したがいまして、私どもとして、現地レベルでその種の話を直接やるということは望ましくないというように考えております。
○神田委員 次に、主要装備の耐用年数の見直しの問題でございます。 これも我が党が各委員会で取り上げているわけでありますが、防衛費の節約という観点から、この際自衛隊の主要装備の耐用年数の見直しを行うべきである、このように考えておりますが、この点についてのお考えをお聞かせいただきます。
○山本(雅)政府委員 自衛隊の装備品につきましては、一番重要なことは、その特性に応じましていかに必要な性能を維持するかということでございます。なお、そのほか長期間使用することの経済性とか、あるいは老朽化したものを使っておりますと危険なこともございますから、そういうような問題を総合的に検討して決めておるわけでございます。 具体的には、既に御案内のように、戦車については長期間使用した経年変化の著しいものをそれぞれ検査して決めておりますし、艦艇についても航空機についても、それぞれの耐用命数の決め方を防衛庁内部でもちまして精査しておるような段階でございます。 したがいまして、現在のところ、防衛庁といたしましては、委員御指摘の限られた防衛費の範囲内でいかに効率的に費用対効果のいいものを使っていくかということに最大の力点を置いておりまして、今までのところは極力装備品を長期的に維持し得るよう努力しておりますが、この点は諸外国に比しましても何ら遜色のないものになっているというように確信しておる段階でございます。
○神田委員 それでは最後に、これは通告をしておりませんでしたが、昨日の朝日新聞の、米国の民間調査機関が米軍の文書を入手をして、それによって米軍の核兵器の事故対応策として日本も協議の対象になって、しかもその処理隊が横須賀、佐世保にも分遣されているというような報道がございました。 それで、それらの文書の方向からしますと既に外務省と米国との間で秘密協議の可能性もあるのではないかというようなことも解説されておるのでありますが、外務省当局としては全く心当たりはないと否定の談話も発表をしているようでありますけれども、この点について御説明をいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 報道されておるような米側の文書については政府といたしましては入手しておりません。現段階におきましては当該文書の内容についてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。 また、政府といたしましては、事前協議制度という確たる制度がございますから、核持ち込みについては事前協議制度がある以上、米国による核持ち込みはないことについて何ら疑いを有しておりません。
○神田委員 終わります。
○大村委員長 東中光雄君。
○東中委員 最初に、さきの上田委員の質問に関連しまして、国際緊急援助隊の派遣に関する法律との関連で、先ほど何か将来、自衛隊もこの中に入れていくことも検討するみたいな趣旨の、そういうふうに聞こえぬでもないような御答弁がありましたので、これはゆゆしいことだと思うのですが、外務大臣、どういう趣旨でおっしゃっているのですか、ちょっとお伺いしたいのです。
○倉成国務大臣 先ほどからるるお答え申し上げましたのは、今回の国際緊急援助隊の派遣に関する法律については自衛隊は入っておりません、また自衛隊がなくても十分やっていけますと、そういうお答えをしたわけでございます。 それに対して、将来についてどうかというお尋ねでございましたから、緊急援助隊の活動にかかわる問題については自衛隊がなくても十分やっていけるけれども、将来自衛隊の参加について、もしこれが必要と判断されるようになった場合、これは外務委員会におきまして自衛隊を参加さすべしという御意見もございました、それに反対の御意見もございました、そういうことも踏まえまして、そういう事態になりましたら改めて検討さるべきことであって、将来の検討課題である。もちろんその場合でも自衛隊の法律に基づき国際緊急援助活動を行うのに本法別表を国会の審議を経て改正することも必要でもございますし、また国会の議論あるいは憲法上の諸問題、いろいろな問題を十分検討した上でこの問題は考慮すべきであるというのが、私が先般、先ほどからるるお答えした趣旨でございます。
○東中委員 外務委員会での十九日の論議は私も要約だけは承知しておるつもりです。永末さんからの御質問に対するお答えだと思うのですが、事は、自衛隊については私たちは憲法違反の存在だというふうに思っておりますけれども、憲法違反の軍隊であると思っているけれども、政府側の御説明からいっても自衛隊というのは海外派兵はできないものなんだ、憲法上できないんだという建前に立っているわけですから、それを援助隊だということで滑り込ませていくような感じがちょっとしましたので。 今の御答弁を聞きますと、この前の外務委員会で答えられましたように、長い将来にわたって考えた場合にはという前提でこういろいろお話しされている全くその仮定のことで、しかもそのときについては十分憲法上のことも踏まえて検討しなければいかぬというふうに私はとっておったのですけれども、どうもニュアンスによって、今は考えてないけれどももうちょっと先になると考えるのだ、検討するんだというふうなニュアンスが強くなってきておるのだったら非常に問題じゃないかというふうに感じたわけであります。 総理大臣が去年の一月三十日に衆議院本会議でこれに関連をした答弁をされたときも、「身分を外務省に移すとかあるいは総理府に移すとか、ほかの関係各省庁においても、そのように身分を移す」何かそういうふうなことも考えてという趣旨のことを言われておりましたね。いわゆる自衛隊の海外派遣とか自衛隊の海外派兵でないのはもちろんですけれども、そういうものとしては言われてない、さすがに言われてないと私は理解しておったのですが、その点改めて、遠い将来そういう仮定の検討をするようなことがあるとすれば、それは憲法上のことも含めて十分検討しなければいかぬという御趣旨に聞いてよろしいかどうか。
○倉成国務大臣 さすが東中先生、私が言いたいことをそのままおっしゃったわけでございまして、いずれにしましても、この問題はかりそめにも憲法の精神に反するような誤解を受けてはならない、しかし、将来の問題についていろいろ外務委員会における御意見がございましたから、そういう場合にはやはり国会の論議、世論の動向、また憲法の精神を十分踏まえて慎重に検討すべきものである、そうお答えをしたわけでございまして、私が外務委員会におきましても当委員会におきましても、ただいま東中委員に対してお答えしていることも、言葉の若干小さなてにをはは違うかもしれませんけれども、一切変わっておりません、おっしゃるとおりでございます。
○東中委員 それでは、防衛庁長官も外務大臣と同じだというふうに先ほど言われましたが、同じに伺っておってよろしいわけですね。――では次の問題を伺いたいと思います。 ニアミス問題ですが、この間、十一日に土佐湾上空で全日空機と海自機のニアミス問題が起こりましたが、十九日にまた北海道で起こった。えらい頻発をしているわけです。つい最近は十津川で米軍機がワイヤを切ってしまうというふうな問題も起こりました。この十一日、十九日のニアミスについて、防衛庁の方はどういうふうに、つかんでいらっしゃる事実を簡単に明らかにしてほしいと思います。
○長谷川(宏)政府委員 八月十一日、四国南方沖海上におきまして海上自衛隊のU36A型機と全日空機との間で、また八月十九日には千歳飛行場の近辺におきまして航空自衛隊のF15型機と全日空機との間で、いわゆるニアミスが発生したとされております。これらの報告はいずれも全日空機側からなされておりますが、自衛隊機の機長の報告によりますと、民間機を視認しつつその前方を通過したことはあるのですが、民間機との間には相当の距離がありまして衝突等の危険は感じなかったとのことでありまして、現時点におきまして直ちにニアミスに該当するとは断定できないと考えております。 これらの事案につきましては、現在運輸省におきまして調査を行っているところでありますので、防衛庁としてもこれに積極的に協力しつつ早急かつ厳正に事案を解明することとしております。航空交通の安全確保につきましては、今後とも万全を期してまいりたいと考えております。
○東中委員 土佐沖は、視認しつつ前方を通過と言われたのですが、距離はどれくらいに接近したというのですか、北海道の場合はどうなのですか。
○長谷川(宏)政府委員 お答えします。 海上自衛隊機の証言によりますと、最近接時の距離は左後方約三マイルであったとのことであります。それから、千歳の場合では、民間機が自機の後方三マイルないし五マイルを通過して左側へ飛行していくのを視認したということになっております。
○東中委員 自衛隊としては、航空機の運航に関する訓令第二十六条二項で航空交通異常接近というふうに認めた場合には報告を出すようになっていますね。自衛隊としては報告は出てこなかったけれども、全日空側からニアミスという認識で運輸大臣に報告が出た。それであなたが今いわゆると言われたのはそういうことだと思うのですけれども、自衛隊の訓令に基づくニアミス、異常接近という状態が起こったという条件というのは、この訓令で決めているとおりなのですか。この訓令の内容をちょっと簡単に説明をしてほしいのです。
○長谷川(宏)政府委員 けさほども御説明いたしましたけれども、防衛庁におきまして航空機の運航に関する訓令二十六条におきまして次のように規定しております。すなわち「飛行中の航空機は、編隊飛行その他の接近が予定される飛行以外の場合においては、他の航空機と六百メートル以上の水平距離又は百五十メートル以上の垂直距離を保たなければならない。ただし、航空交通管制機関の別段の指示があった場合は、これによる。」二項におきまして、「飛行中の航空機と他の航空機との間で前項の規定に反する接近が行なわれた場合においては、当該航空機の機長、航空交通管制部隊の長又は航空警戒管制部隊の長は、航空交通異常接近として長官が別に定めるところにより、すみやかに長官に報告するものとする。」 以上であります。
○東中委員 編隊飛行というのは一メーターか二メーターぐらいの間隔で飛ぶというのは当たり前のことなんで、「その他の接近が予定される飛行」というのは何を言っているのですか。
○長谷川(宏)政府委員 これは例として編隊飛行を掲げてありますが、およそ自衛隊機同士等で接近が予定される飛行、そういうものをすべて指すものであります、例えば訓練空域で対戦闘機戦闘というふうなものを行う場合には当然接近するわけでありますが、そういうのがすべてこれに入る、こういうことであります。
○東中委員 私も飛行機に乗っていたことがあるからよく知っているのですよ、それは相手方にしている飛行機、一緒に同じ方向に飛んでいる飛行機との間隔というのは、同じ方向に同じスピードで大体動いておれば、一メーターだろうが五十センチに近づこうがそんなものは一つも怖くも何でもないのですね。 問題は自衛隊機と民間機ですよ。その関係が問題になっているわけですね。民間機というのは一定のコースを一定の方向で飛んでいるわけでしょう、自衛隊機は自由に移動するということもあるわけでしょう。そういう状態における接近度合いをこの訓令では同一水平面なら六百メーターというのですよ、六百メーターといったら、私なんかが飛行機に乗っていた四十年以上も前のときでもほんの瞬間ですよ、こんなものよくつくっているなど私思いますよ。真っ正面で、同じ水平面上で見たら飛行機というのは見えぬのですよ。上から下を見ても下から上を見ても飛行機の形というのは見えますが、正面から見たらすうっとした線にしか見えないのですよ。ですから、そんなものはむしろ発見が大変なんです。自衛隊機の方は比較的行動がしやすいから、相手方の輸送機は大きいからこれは早く発見できるのです。旅客機の側から見たら、一定のコースを飛んでおって、あらわれるかあらわれぬかわからぬものが急にあらわれる。六百メーター近くまで来るまで自衛隊の方はいいと思っているのですからね。ところがこっちの方は、六百メーターで見てごらんなさい。それはもう命がけになりますよ。六百メーターなんというのはとんでもないことだ。スピードでいいますと、全日空が〇・八マッハで飛んでおるというふうにして、さっきのF15が最高の二・五マッハで飛んでおるとすれば、一秒間に約千メーター動くでしょう、真っ正面から合わしたら。六百メーターだったら一秒間もないのですよ。あっと思ったらもうしゃっと行くわけですよ。 こんな規則をつくって、編隊飛行とかそういう感覚で物を見てはいかぬ。こういうことでやっておれば旅客機側から見たら非常に危険を感じる。現に危険を感じているわけでしょう。民間機の航空法の場合は距離なんて書いてないですよ。機長が危ないと感じた状態、それがニアミスなんだというふうに言わざるを得ない、そういう性質のものなんで、スピードアップされている状態で、上下の百五十メーターはそこそこでいいとは思いますけれども、水平面における六百メーターというものはいかぬ。私はこう思うのですが、ひとつ……。
○長谷川(宏)政府委員 けさほども御説明いたしましたけれども、自衛隊の使用する航空機は本来民間機などのいわゆる他の航空機と近接して飛行するような運航は行わないのであります。したがいまして、この定めは他の航空機にどこまで近接してよいかという意味での距離ではありません。万一やむを得ず自衛隊機が他の航空機と近接して飛行しなければならなくなった場合におきまして衝突のおそれのないように維持しなければならない間隔を定めたのがこの訓令であります。かつ、それに反する接近が行われた場合には長官への報告を義務づける、そういう規定であります。 他方、航空法の七十六条の二につきましても、これは「機長は、飛行中他の航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認めたときは、運輸省令で定めるところにより運輸大臣にその旨を報告しなければならない。」ということで、すべての機長を指すわけであります。ですから、防衛庁の飛行機が例えば他の飛行機に接触をしかけられたという場面では我々の方がむしろ脅威を感じるかもしれないわけでありまして、そういう場面では我々の方に運輸大臣への報告義務がある、こういう規定でございます。したがいまして、先ほどから私どもの機長は衝突等の危険は一切感じていなかったというふうに御説明申し上げている次第です。
○東中委員 私は、飛行機の性格が違うと言うのです。二百人も三百人も、ジャンボのように五百人も乗せるという、世界じゅうでないようなああいう飛行機が日本で飛んでいるわけでしょう。旅客機なんというのはコースで飛んでいるわけです。やはり接近するのですから、現にさっき後方とかいろいろ言っていますけれども三マイルということでしょう。三マイルといったらたった五千メーターですがな。そこまで接近しているじゃないですか。それを規則では六百メーターと書いてあるのはいかぬ。せめて五マイルとなぜせぬのですか。 防衛庁長官。飛行機の場合には六百メーターといったら距離があるんだなんて思っておったら大問違いですから、これはぜひ検討してもらう必要があるのではないか、スピードが上がっているだけに。だって雫石のときに起こったじゃないですか。起こらぬといったって起こったのだから、そういう事態なんですから。しかも飛行機の場合、パイロットは見張りは一番大切ですけれども、視認というけれども、なかなか見えないです。同一水平面上を飛んでいるときは見えないのだということを前提にして、見える側が距離をとるというふうにすべきだと思うので、この訓令は再検討をぜひしてほしいと思うのです。防衛庁長官の御意見をお伺いしておきたいと思います。
○栗原国務大臣 私は少なくともそういう航空機の運用についての知識は素人ですから、素人が確定的な答えをするのは適当でないと思う。したがって、あなたの御意見はよく専門家、特に権威ある運輸省の方に、きょうこういう意見があった、この意見は一体どう見るかということで問い合わせてみたいと思います。
○東中委員 これは防衛庁の訓令なんですよ。だから私言っているのです。(栗原国務大臣「同じことなんだ、よく聞いた上でないとだめだ」と呼ぶ)だから、聞いてもらうことはいいのですけれども、ただくどいようですけれども、先ほど申し上げましたように六百メーターじゃ、フルスピードで真っ正面から来たら一秒に満たない、そういう異常な状態なんだ。だから、訓練が非常に強化される、飛ぶのが非常に多くなる、そして日本の空が過密になっているだけに、そういう点では特別に配慮しなければ、大変な事故が起こってからでは、雫石のようなことが起こってからではもう役に立たぬわけですので、このことを特に要求しておきたいと思います。 それで、ココム関係についてお伺いをしたいのですが、ココム規制が非常に拡大され強化されてきたのはレーガン政権になってからだということが非常に明らかになっています。 八二年二月にワインバーガー国防長官が最初の八三会計年度の国防報告を出した中でこのココム強化の方向を打ち出してきたわけでありますが、これを見てみますと、「我々の国際的目標は、米国の戦争遂行能力の改善及び同盟国・友好国の戦力強化である。これは協力的な防衛協定、安全保障援助及び武器売却を通じてなされるものである」云々、こうなっておりまして、「米国安全保障を前進させ、かつソ連の前進を妨害するために技術移転」結局技術の輸出になるのでしょうが、「技術移転を統制する。」というふうに書かれております。そして「技術移転の分野においては、軍事重要技術リスト(MCT」)の改定を完了し、またココムにおいてこのリストを多国間ベースで技術移転の統制として使用することを実施するため手段を講じている。」その次の八四年度の国防報告によりますと、これをこういうふうに進めてきた、そして目標達成のために主要なイニシアチブをとってやってきたということが書かれておるわけであります。 ここで私はお伺いしたいのですけれども、ココムのリストのもとになっているのが、レーガン政権になって見直し、つくられた今のMCTL、訳は軍事重要技術リストと仮に私たちはしているわけですが、それの改定によるものだということが、それ以後、八八会計年度の国防報告に至るまで明白に出てきていると思うのですが、この米国の軍事重要技術リストというのは我が国の外務省なりあるいは防衛庁なりへ来ておるものなのでしょうか、来ていないものなんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○渡辺(幸)政府委員 委員御指摘のとおり、一九八〇年代に入りまして東西関係の雰囲気が緊張度を増したということもございまして、米国において、いわゆる戦略物資の対共産圏の輸出規制について検討が進められたことは事実でございます。 委員御指摘のMCTLリストの改定も進められたということでございまして、私どもの承知していることではそのMCTLリストというのは西側の技術で、汎用の技術を含めまして軍事転用が行われる可能性の難易度についての解説を付したものだそうでございまして、外務省といたしまして、そのリストを持ってございます。そのリストは一般に公表のものと非公表のものと双方あって、そのリストによって一般の技術がどの程度軍事用に転用されるかというようなことが解説されているものであると承知しております。
○東中委員 このリストは何回も改定をされておるようでありますが、もう必要でなくなった技術については削除するあるいは新しく開発された技術については追加をする、こういうふうに言われておると思うのですが、一回だけ八四年ですか公表されたことがありますね。それは我々も入手することができたし、皆さんにも入っているんだろうと思いますけれども、それ以後は全部ココムの場においてさえ公表していないというふうに言われておりますが、それより以前、八四年度以前も公表もしていないというふうに言われておりますが、その点はいかがですか。
○渡辺(幸)政府委員 委員御指摘のMCTLというリストは、米国政府自身特に国防省が、先ほど申しましたように一般の技術でそれが軍事用に転用される可能性の高いもの、どの程度のものかということを書いたリストであると承知しておりまして、それをも参考といたしまして米国政府がココムにおいてココムリストレビューにおけるアメリカの見解をまとめている、こういうことでございます。先ほど申しましたように公表されているものと非公表のものとございまして、公表のものについては外務省として所持しているということでございます。
○東中委員 公表のものは持っておる、公表されていないものは持っていない、こういう御趣旨ですか、今言われた趣旨がちょっとはっきりしないのだけれども。
○渡辺(幸)政府委員 公表のものは持ってございまして、八六年の非公表のリストも持っております。
○東中委員 ココムリストは、現在のココムリストですね、日本の外為法化した百七十八品目に相当するのかどうか知りませんけれども、そのココムのリストは全部秘密でありますが、その内容は全部持っておられるわけですか。しかし、秘密のMCTLが内容になっているものについてはココムリストといえどもわからないというのがあるんじゃないですか。
○渡辺(幸)政府委員 ココムとは、委員御承知のとおり米国を含め我が国を含めた自由主義諸国の共産圏に対する戦略物資の規制を申し合わせる機関でございまして、そこでココムリストというものを作成して、それについては各国とも共産圏に対する輸出を規制していこうということでございます。したがいまして、そのココムリスト自身は当然のことながら我々日本政府としても所持しているということでございます。 他方、MCTLについて世米国政府の独自のリストでございまして、これといわゆるココムリストと完全に一対一で照合するかというとそういうことではございません。ココムリストは米国あるいはその他の参加国が、ココムリストに含めるべきものはこういうものである、あるいは外すべきものはこういうものであるということで、いわばコンセンサス、全会一致ということで決定してつくられるものでございます。
○東中委員 そういう建前じゃなくて、例えば八四年度のアメリカ国防報告では、重要技術プロジェクトはMCTLの編成というか開発というか、及び改定が含まれる、このために、七九年輸出管理法をつくり、それから輸出規制。輸出統制リストヘのMCTLの適用及び輸出統制に国防省が技術的関与をすることに対する産業界の理解を変えていくこと、そういうことをやって、結局ココムリストの中へ入れていくのだということをはっきりと言っています。 そしてそれをやっていくために、一九八二年一月にココムハイレベル会合というのを初めてやった。ハイレベル会合というのは、ココムができて以来三十年近くぶりにレーガン政権になってやったのでしょう。それから後、大改定をやっていくわけですから、そして八二年秋から三年間に米国がやろうとしたものが首尾よくやることができた。ココムのリストにすることができたということが八七年度の国防報告の中にちゃんと載っているわけです。だから、全部それが入っていって首尾よくいったのだ、いろいろ困難はあったけれども首尾よくいったのだと天下に向かって世界に向かって国防報告で言っているじゃないですか。そういう形で我が国の輸出に対してもココム規制がかかってきている。 私は、これは一番最初に申し上げたように、国際的な目標は米国の戦争遂行能力が改善され、同盟国、友好国の軍事強化のためだ、そのために米国を前進させソ連の前進を妨害する、そのための輸出統制なんだ。こう言ってやった中身は四年、五年の間に完成されてきた。国防報告全体を見たらはっきり出てきていますね。これは武器輸出三原則を決めたあの国会決議の線からいいましても、日本の安全保障じゃなくて日本の軍事同盟、戦争遂行能力の加担、一方に対しては技術を規制してソ連の安全保障を妨害するとはっきり書いてあるわけですから、こういうところに加担していることになるので、安全保障の名前で実は日本の技術を全部米国が動員をしている、そして相手方へは汎用技術であろうが何であろうがとめることによって敵視する、こういう関係になっていると思うのです。そういう点で私は問題だと思いますので、余り時間がないのですが、外務大臣からまず基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
○倉成国務大臣 東中先生のお話を聞いておりますと、どうも技術というのは全部自由にすべきだ、相手国が共産国であろうが何であろうが自由にすべきだという議論の上に立っての御議論であろうかと思います。 ココムの参加国は、アイスランドを除いたNATOの国と日本との十六カ国がこれに参加しておるわけでございまして、いずれにしましても日本とアメリカは日米安保条約を結んでいる。NATO諸国はそれによって防衛を全うしているわけでございますから、したがって、これらの国々が相手国の戦略に利するようなものについて話し合いをすることによって一定の規制をするということ、これは当然のことではないかと思うわけでございまして、このことについて疑念を挟まれること自体、私はどうも先生ほどの方がそういう議論をされるのはちょっと理解に苦しむわけでございます。先方もまた日本に最新の技術を何でも、あるいはNATOの諸国に対して与えておるわけでもないわけでございまして、これは当然あってしかるべき問題である。 しかし、世の中が非常に平和になり、本当に世界に核兵器が全然なくなって、戦争というようなものがこの世の中からなくなってくる、そして本当に理想的な世界が出てくるというような時代になってくれば、自由貿易の原則に基づいて、こういうココムとかいろいろな同盟条約とか、そういうのがなくなることもあり得るでしょう。しかし、これはやはり遠い将来の理想の姿であって、現実の世界はそうでないということを考えてまいりますと、現時点において最小限このような規制をとることは正しい選択である、そしてこれは西側の安全のみならず日本の安全にとっても不可欠の要素であると私は考える次第でございます。
○東中委員 時間がなくてさっぱり質問が進まなかったのですけれども、東芝とソ連の原潜の低音化の問題について随分奇妙な統一見解が出されて、証拠はないけれども因果関係が考えられるというような日本語にならぬ統一見解が出されましたが、この点については、予算委員会で正森君の質問に対する総理大臣の答弁で私は事実関係は非常にはっきり出ていると見ています。 簡単ですから読んでみますと、「因果関係があるとは言っていないのです。因果関係については濃厚な嫌疑がある、疑いがある、そういうことを言っているので、あると私は言ってはおりません。それは、まだ我々が証拠を握っているわけでもなし、現場を見たわけでもなし、そういうふうに断定すべき何物も今持っていないから言うのです。しかし、諸般の情勢を見、またいろいろな我々が受けておる情報その他を見ますと、なるほどソ連の原潜の音というものは、七九年あるいはそれ以前から改良して減ってきていると思うのです。これはもう日進月歩ですから、」「最近の趨勢全般を見ますと、七九年だけではない、今日に至るまで、かなりそういう顕著な結果が出てあるがごときいろいろな知識を我々は持ってきておる。そういう点を見ますと、東芝の問題が原因であるか、あるいはそうでないか、これはわかりません。」 はっきりそう言っていますね。わからなかったら、因果関係ありとは言えませんと言うのが普通なんだけれども、嫌疑が濃厚なんであります、こうなるのですよ。ここで物すごい飛躍があるのですね。それで、嫌疑が濃厚だからと言って、それが原因みたいにして、今度は潜水艦探知能力をふやすために防衛庁は協力をするんだと言って、粟原防衛庁長官が海軍長官と話し合いをされる。これはどうしてもいただけないと私は思うのですね。 あの協定につきましては、この間実施をされました栗原長官とウェッブ会談の後、それに従って八月一日に防衛庁海上幕僚監部防衛部長の吉川さんと米海軍省戦略政策部長のエイチソン少将が意見交換をして一定の結論を出したというふうに報道されておるわけですが、共同研究のどういう話し合いをされたのか。 それから、P3Cを今までから少し、一〇%ほど値が高くなるけれども、アップデートⅡからⅢ型へ品物を変えて買い入れるという方向を決めたと報道されておりますが、その関係をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○西廣政府委員 先般行われました米側とのネービー・ツー・ネービーのソ連の潜水艦の静粛化が進んでいくことに対応しての措置、研究については、これは何も東芝云々ということと関係して考えておるのではなくて、我々自身、あるいは米側もそうですが、ソ連の潜水艦が逐次静粛化してきつつある、それは我々にとって、西側全体もそうでありますが、日本の防衛にとって大変重要な問題だという認識がありますので、これに対応して何らかの形で我々の対潜能力というものを向上させるための研究というものは必要であるという、ワインバーガー長官と防衛庁長官との合意のもとに始められたものであります。 協議の内容というのは、いずれにしましても日米安保条約の枠組みの中で行うわけでありますが、先般の海上自衛隊の防衛部長が参りましたときの話し合いでは、まず対潜行動ということになりますと、海洋調査といいますか、その対潜部隊が行動する海域の海洋状況というものを十分に把握するということがまず何よりの前提であります。そういった点で、お互いの海洋調査というものについての活動というものをより強化をしようじゃないか、そして、しかるべき時期にそういったもののデータ交換なりそういったこともしようじゃないかといったような話し合いがあったわけであります。 もう一点は、捜索分析能力の向上という問題であります。これもいろいろな面があると思います。例えば、そういった捜索なり分析をするためのいろいろな機材の研究ということもあろうと思いますし、さらには、そういった分析能力のお互いの知識の交換といったようなこともあろうかと思いますが、そういったものについても今後さらにお互いの研究を進めていきたいということになりました。 もう一つは、対潜訓練の関係であります。訓練につきましても、従来日米それぞれのやり方でやっておったわけでありますが、お互いにいいところを取り合って、より訓練の強化に努めたいというようなことが話し合われた次第であります。
○東中委員 P3Cの新型は……。
○西廣政府委員 P3Cについて、新聞紙上等で新しいタイプのものを今度概算要求するのじゃないかということが書かれております。事実、私どもP3Cを導入し始めてからもう十年たちますが、その間、途中段階、五年ほどたったときに新型といいますか、改善したものを入れておりますし、その後も機会あるごとにそういうものを改善したいということで考えておりまして、中期計画でもP3Cの改善というものは考えておりますので、我々としては新しいタイプのものが整備し得る状況になれば整備したいということで現在詰めておりまして、早急に結論を得たいと思っております。いずれにしましても東芝事件等とは全く関係のない、防衛力整備の一連の計画の中のものでございます。
○東中委員 終わります。
○大村委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十四分散会