予算委員会 第3号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1987/04/27
会議録
○委員長(桧垣徳太郎君) 予算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和六十二年度総予算三案審査のため、本日、日本銀行副総裁三重野康君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、昭和六十二年度一般会計予算、昭和六十二年度特別会計予算、昭和六十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 本日及び明日の二日間にわたり、国際経済及び通貨問題等各般の問題について総括方式により集中的に審議を行います。 質疑者等は、お手元の質疑通告表のとおりであります。 これより順次質疑を行います。坂野重信君。
○坂野重信君 時間が往復で七十八分でございまして余り時間がありませんので、ひとつお答えの方はできるだけ簡潔にお願いいたしたいと思います。 まず、総理に対しまして政治姿勢。長い間の異常国会を経まして、先般原衆議院議長の調停が行われまして、協議機関の協議の内容といいますか、範囲等について必ずしも受けとめ方が一致していない点もあるようでございますが、いずれにしてもこれからが大事な時期であると思います。そこで、総理の税制に対するこれからの取り組み方について簡便にひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 税制改革はぜひやり遂げなければならないと考えております。初心忘るべからずというのが私の気持ちでございます。 先般来いろいろお騒がせしたような状況、経緯がございまして、甚だ遺憾でございました。しかし、各党の話し合いにより、議長のあっせん案が出まして、まず第一に、税制改革は重大であってできるだけ早期にやらなければいけない、その税制改革の中には直接税、間接税のバランス、改革の問題も含まれており、そして至急各党とも全力を尽くして行うべきである、そういうことが確認されましたことは大きな前進であると思います。そのために各党間で協議機関を設けまして、速やかに全力を尽くすということも合意された次第でございます。したがいまして、この各党間の協議機関をできるだけ早期に成立さして実のある協議を推進していただきたい。政府はその結果を見守りたいと考えておる次第でございます。
○坂野重信君 そこで、大事な協議機関が衆議院に設置されることになるわけでございますが、税制問題は参議院にとってもまことにこれは大事な問題でございますので、委員長にひとつお願いしたいわけでございますが、桧垣委員長において参議院においても協議機関が実現するようにぜひお取り計らい願いたいと思います。 それについての、総理ということよりも自民党総裁としての何か所見でもございましたら、この参議院に設置するかどうかについて御意見があれば承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 衆議院議長のあっせんのもとに衆議院側においてはそういうものができましたが、参議院のことは参議院の各党がお決めになることでございまして、我々がとやかく言うべき問題ではございません。しかし、自民党総裁としての御質問でございますから、各党いろいろ話をいたしまして、衆議院と同じようにそのような協議機関ができれば、私、非常に国民の皆さんもお喜びになるのではないかと拝察いたしております。
○委員長(桧垣徳太郎君) 坂野君に申し上げます。 委員長に御要望があったわけでございますが、本件は理事会において協議をいたします。
○坂野重信君 よろしくお願いします。 税制問題はこの辺にいたしまして、総理はいよいよ近日中にアメリカに向けて出発されますので、訪米に当たっての問題につきまして総理の見解をただしたいと思います。 私が申し上げるまでもございません。中曽根総理は大変アメリカの事情に詳しいわけでございますが、何しろ報道等によりますと対日情勢は極めて厳しい状態である。そういう中で総理が近く訪米されようとしているわけでございます。米国政府はともかくとして、特に議会筋が大変厳しいと聞いておりまして、例えば半導体の問題についても今すぐに解決するということもなかなか難しいような情勢も伺っておりますし、また貿易収支の赤字も減るどころかふえておりまして、そういう現状の中での訪米、まことに御苦労さんだと思います。しかし、国民の多くの皆さんが、中曽根総理のいわゆるロン・ヤスの関係のもとで、総理によって事態の好転が期待できるんじゃないかということを本当に皆さんが期待しているわけでございますので、そのことをお忘れなく、ぜひひとつ頑張ってきていただきたいと思うわけでございます。 そこで、まだ訪米される前に手のうちを明らかにするということについてはいろいろ問題があるかもしれませんが、今回の訪米にあるいは首脳会談に臨む総理としての基本方針と決意等につきましての総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日米関係は、根底的には友好と提携の基本は微動だにもしないものがあると考えております。また、我々は熱意を持ってそれを持続し強化させていきたいと考えております。しかし、現在の状況を見ますと、経済問題等を中心にいたしまして幾つかの緊張あるいは問題が重大化しているという情勢であると思います。 こういうときに当たりまして、私が渡米して会談をするころ貿易制限法案が下院を通過するという情報等もあり、私はむしろ行かない方がいいという御議論も内外にございましたけれども、私は、こういうときこそ行政の最高責任者として身をもってアメリカへ渡って、そしてレーガン大統領以下議会の指導者あるいは関係各位と胸襟を開いた話し合いをいたしまして、我々の主張、申すべきものは申し、先方の考えで聞くべきものには耳を傾けて、そして誤解をなくし、そしてこの問題を解決する、あるいは解決の軌道を設定する、そういう形によって現在の経済的な緊張や困難な問題を明るい方向へ転換させることに全力を注いでまいるつもりでございます。こういうときこそやはり行政の最高責任者として行く義務がある、そういう責任感を私は感じまして参るつもりでございます。 先に安倍特使を訪米させまして、いろいろな問題について我が方の考え方を先方にも申し上げ、ホワイトハウスあるいは行政府あるいは議会の指導者等とも話をしていただきまして、粗ごなしをさしていただきました。それを受けまして、安倍特使が話してきたことは政府の責任においてこれを実行する、そういう保証を私が確実にやる必要があると思いますし、安倍特使が話さなかったこと、あるいは不十分であるという問題については、私からやはり我が方の考えをはっきりと申し、先方と話し合いもしておかなければならない、そう考えております。 一つ一つのケースについては、政府を挙げて全力を奮って解決するように今努力し、二十九日ぎりぎりまで各省を督励して解決すべき問題は解決すべく努力しておるところでございます。しかし一方において、この問題はアメリカ側の努力も必要とする問題であります。特に、財政赤字を削減すること、あるいは競争力を付加すること等々、また輸出に対してアメリカ企業が積極的な意欲を持つということも大事であります。そういうような諸点については言うべきことも言ってまいるつもりでございます。 今、半導体の問題が不幸な事態になっておりますが、これも速やかに解決するように全力を尽くしてまいりたいと思います。半導体の問題というのは、やはり小指に刺さったとげみたいなもので、ちくちくちくちく常に精神的な痛みを両国に与えるものでありまして、そういう意味におきましても、両国の友好親善を促進するためにも一日も早くこのとげは抜いておかなければならない、そう考え、アメリカ側の協力も強く要請してみたいと考えております。 そのほかに、日本のこの大きな黒字というものにつきましては、やはり市場の開放あるいは我が方としては内需の振興という問題を約束しておるのでありまして、それを着実に実施するという考え方も申し述べできないと思いますし、第三国あるいは途上国に対する我々の経済協力、資金還流等々につきましても、今各省庁で詰めさしておりますから、具体的な考えを申し述べて日本側の積極的な考え方を示してまいりたいと思っております。 しかし、それ以上に今日の日米関係において重要な問題は、平和と軍縮の問題がございます。レイキャビク以後、米ソ間でINF等を中心にして軍縮と平和の問題が進み、過般はシュルツ長官がモスコーを訪問いたしまして、そしてかなり前進したやに印象づけられる話し合いがINF等について行われたようであります。我々は、特にアジアの犠牲においてこのINF問題が片づけられてはならぬ、そういうことを常に言ってきておりまして、グローバルベース、世界的規模において解決されるということ、終局的にはゼロを目標にするということ、そういうことを言ってきたのでございますが、これらの問題につきましてもよくアメリカ側の考えを承り、我が方の考えも申し述べ、そして来るべきベニス・サミットにおきまして政策協調をうまくやって、そして西側陣営が団結して平和と軍縮のためにレーガン大統領の対ソ交渉を激励する、そういう場にしていきたいと考えております。 なお、世界経済全般をどう対処していくかという重大な問題もございまして、これらにつきましてもレーガン大統領と話をし、かつまたベニス・サミットにおける準備もしていきたいと考えておるところでございます。 しかし、いずれにせよ、この日米間というものは、単に経済のみならず政治、経済、文化、安全保障、広範にわたる深い積極的な提携を持っておる、この太い流れがあります。この太い提携の基本がいささかも採るいではならぬし、経済によって傷つけられてはならぬのでありまして、そういう大事な大本をお互いがわきまえてこれを大事にし合い、さらにこれを強固にする方向にアメリカの指導者、ホワイトハウスあるいは行政府あるいは議会の指導者と積極的に話してきたい、そう考えておる次第でございます。 皆さんの御支援を心からお願い申し上げる次第であります。
○坂野重信君 大変御苦労さんでございますが、ぜひ頑張ってきていただきたいと思います。また、外務大臣も御同行されるようでございますから、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。 そこで、大蔵大臣に若干お尋ねいたしたいと思いますが、今話がありましたように、アメリカは今世界一の債務国、日本はまた世界一の債権国、昔と立場が逆転してきたわけでございますが、アメリカ、西ドイツを含むEC各国の批判というものは大変厳しくなっておりまして、日本の公約の市場開放であるとか内需主導型経済への切りかえのおくれというものが指摘されておる。そして、為替協調介入の努力にもかかわらず、先週はついに円レート百三十円台ということにもなる。そういうことを考えますと、協調介入の効果にどうも限界があるのではないかというぐあいに考えられますし、この為替安定を一体どうしてこれからやっていくのか。この際、通貨制度の考え直しというようなことまでも一歩踏み込んで考えなければならぬ時期が来たのじゃないか。例えばターゲットゾーンとかレファレンスゾーンというような提案もあるようでございますが、大蔵大臣のこの辺についての所見をひとつ簡潔で結構でございますからお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 為替相場が不安定でございまして、御心配をおかけいたしております。 幾たびか各国の蔵相・中央銀行総裁が集まりましてこれに対応する策を合意いたしておるわけでございますが、基本的には、やはり各国の基本的な経済政策を協調的にやっていく、赤字国、黒字国おのおののすべきことをするということで、各国ともその努力はいたしておりますけれども、おのおのの国、殊に民主主義の国々でございますので、なかなかそれが思うようにまいらない点もございます。 我が国におきまして、例えばこの六十二年度予算案が参議院に回付になりましたのはこのたび異例に遅い時期でございますようなこともその一例であると思いますし、米国におきましても、ただいま総理が言われましたように、財政赤字、貿易赤字の削減というものはなかなか実績が上がってこないといったようなことが、やはり努力にもかかわらず十分に市場に信認されていないということになろうかと思います。 介入というのは、そういう基本的な政策協調がありました上での乱高下を防ぐという手段、これにつきましてはいわゆるG7で幅広い合意がございますし、現に幅広くその介入が行われておりまして、これは協調の実が上がっておると思いますが、何と申しましてもこれは補助的な手段でございますので、やはり基本的には政策協調というものが進んでいくということが大事である。このたびの総理大臣の御訪米も、一つはその点についての日米間のお話の確認ということがあろうかと思いますが、ECにつきましても、先般四極通産・貿易産業大臣の会議がございましたのもそういう目的を持っておったと存じます。 このターゲットゾーンというようなことにつきましては、従来からいろいろ議論がございますのですが、現実にそれをどのように設定するか、また設定したとして、それが現実の問題として崩れたときにどうするかといったようなことにつきましては、なかなか実際問題としてそれを合意することは行いがたいし、また仮に合意をいたしました場合には、それは公知の事実となりますので、市場に対してそれがいい効果を持つか、反対の効果を持つかということにも問題がございまして、現実の問題といたしましては、私どもがG7等々でやっておりますような、お互いに連絡をし合いながらの共同介入というものがむしろ効果的なのではないかと考えております。
○坂野重信君 もう一つ大蔵大臣、事務当局でも結構ですが、我が国の九百億ドルにも達する大幅な黒字、一体これはどこに行っているんだろうと、私ども選挙中にもよく選挙民から聞かれたことがあるんですが、国民の皆さんにはどうも経済大国、貿易黒字の実感というものがわかっておりません、わいていない。これは相当あっちこっち外国に流出していると思うんですが、どのくらい全世界に流出しているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 長期資本の収支、これは入りましたものと出ましたものとの差額のネットでございますが、五十九年度五百四十二億ドル、六十年度七百三十一億ドル、六十一年度は多分千億ドルを上回るような額になっております。これは出と入りのネットの、しかも長期資本の出でございます。
○坂野重信君 そこで総理にお伺いしたいんですけれども、この長期資本からいいますと、まさに黒字を上回る資本流出というものがあちこちに流出している、還流されているということですから、それなりに各国の経済開発に大変貢献していると思います。こういうことは今までのロン・ヤス会談で話題にはなっていないかもしれませんが、今や国内はまさに円高不況感があちこち出ておりますし、この際思い切ってさっき話がありましたような経済調整を急いで、社会資本の整備とか国民生活を豊かにする内需拡大政策を急がなければならぬという、国内的にもまた国際的にもそういう時期になってきたわけでございますので、この際日本はこの訪米を控えてひとつ踏み切った内需拡大政策をとるということを、自民党としての党議決定もございますし、それを受けて当然政府としてもお考えいただけるものと思っておるわけでございます。 日本だけでやりましても、相手がやっぱり一緒になってやっていただき史せんと貿易の均衡というものは期待ができないわけでございますので、どうかひとつ向こうに行かれましたら、先方に対して一層の財政赤字の削減あるいは産業競争力の強化、対外的な商品の販売努力が足らぬとよく言われておりますが、そういうことについて強く要請していただきたいと思うわけでございますが、所見をお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先般自由民主党におきまして新しい緊急経済政策の大綱をつくっていただいて、さらに数日前に総合経済対策要綱ということで、それをやや具体化した案をおつくりいただいた次第で、これは自由民主党の決定でございます。その中には、最初のところに、「我が党は、」さきに決定した内需拡大の基本方針に基づき、「早急に、次に掲げる事項を中心に五兆円を上回る財政措置を伴なう内需拡大策を講ずる。」、こう言っておりまして、この趣旨に沿って安倍特使もアメリカで言明してきておるところでございます。これらの内容につきましては、いずれ予算が成立しましたら、今各省を動員いたしまして、この肉づけになるようないわゆる緊急政策、総合政策と言っていますが、これを発表して実施に入りたい。これは公共事業の繰り上げ以下、補正予算等の問題も含むものでございますが、それを誠実にかつ着実に実行して、そして実質的に効果の上がる、実効的な内容にしていきたい、そう考えておる次第でございます。 アメリカ側に対しましても、先ほど来申し上げましたように、アメリカもやるべきことをやってもらわなきゃいけません。我々は、サミットにおきましてもあるいはG7におきましてもあるいは四極閣僚会議におきましても、各国が行うべき役割分担を明示しております。我々は我々の明示したところを誠実に実行しなければなりませんが、一面において、各国がまたやるべきこともやはり誠実に着実に実行してもらわなければならない、そういう点もまた私たちは強調しなければならぬ、そう思っておる次第でございます。 しかし、いずれにせよ、我が国はこれだけの大きな黒字を持って世界経済の上にも大きなインパクトを与える存在にもなっておるわけでございますから、責任は非常に重いと思うのであります。そういう意味におきまして、我々まずみずから着実にこれを実行していかなければならぬと考えております。
○坂野重信君 そこで、党の総合経済対策要綱というものは、御承知のとおりに四月の二十四日に党議決定したわけでございますが、それと相前後していわゆる新前川リポートということも出ておりますが、若干ニュアンスの違いが読んでみますと感じられます。前川リポートの方は経済構造調整というのが主眼でございますから若干長期的なもの、自民党の方は今すぐにでも実行できるというようなものに主眼を置いておりますし、中の提言についてもいろいろ、例えば前川リポートの方で市街化区域の宅地並み課税問題であるとか、あるいは公共投資の配分の見直しであるとか、いろいろありますが、いろいろな意見がこれはあると思いますけれども、この辺の調整といいますか整理といいますか、それはもう総理のもちろん高度の政治判断によって対米折衝されるわけでございますが、その辺についてどのような扱い方をおやりになるのかお伺いしたいと思います。 それから経済企画庁長官には、政府の総合経済政策の決定はいつごろになるのか、それを簡単にお答えいただきたいと思います。 以上、二点をお願いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる新前川リポートというのは、前の基本的な前川リポートを受けまして、それの実践に向かって今日の段階において行うべきことを特別につくりまして、そしてその特別委員会の報告として経済審議会に報告するその内容を言っておるので、まだ経済審議会全体として決定したものではないのであります。 それで、いわゆる新前川リポートと言われるものは、中長期的な日本の経済構造の改革等を中心に論じておるところであり、我々がここで言っておるのは内需振興のための緊急政策を言っておるので、そういう意味において若干の時間的ずれというものも存在するし、視点の相違というものもあり得ると考えております。 いずれにせよ、それとの調和という問題につきましては党でもゆっくりじっくりよく相談してもらう。またこれは中間報告でありまして、経済審議会の所見としてはなっていないのであります。そういう意味におきまして、経済審議会の所見として出てきた段階におきまして党でじっくりこれを検討してもらい、政府とも協議する、そういうことになると思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 政府の総合経済対策につきましては、予算の成立を前提として実行できるように政府部内として作成を急げと、こういう御指示がかねてから総理からございまして作成を進めているわけでございますが、御指摘がございましたように、党における内需拡大基本方針、そして総合経済対策要綱が作成され発表になりましたので、その趣旨を踏まえながら、できるだけ効果的な対策を講ずることができるように予算成立後に早急にまとめさしていただきたい、かように考えて今作業にいそしんでいる次第でございます。
○坂野重信君 きのうの新聞の報道によりますと、安倍総務会長がお帰りになって総理にいろいろ報告されたようでございますが、その一番目に、やっぱり内需拡大、これが一番大事な問題だということを言っておりますし、具体的に着実に、しかも継続的な実行というようなことを挙げられているようでございます。そういうこともございますので、これから各関係大臣に対しまして順次この党の総合経済対策要綱に基づいて各省がどういうことを現在お考えになっているのか、時間の関係もありますので、順次お尋ねしますので順番にひとつお答えいただきたいと思います。 まず大蔵大臣には、公共事業の前倒し、党では八〇%以上と言っておりますが、その方針。それから大型の補正、これも党では五兆円以上と言っておりますが、それに対する大型補正の規模と編成の時期と財源。財源は、私ども主張しておりますように、これはもう建設国債を発行せざるを得ないと思いますが、それ以外にNTTの株の売却代金とかという話も出ておりますし、それから補正が今までのようなゼロ国債ということでなしに、真水でぜひお願いしたいと思いますが、その辺のお話。それから投資部門に対するシーリングの見直し問題。今までいろいろ歴代の大蔵大臣が苦労されて、補助率カット等が行われておりますが、もうこれは限界に来ております。その辺についてのシーリングの見直し。それから財投金利及び政策金融の金利引き下げ等についてのお話をお伺いしたい。 それから天野建設大臣でございますが、大型補正が仮に五兆円以上ということになった場合に、消化の可能性があるかどうかということが第一点。 それから第二点は規制緩和と民活事業の推進でございまして、これは貿易で稼いだ黒字を活用することからいっても極めて大切なことであります。例えば、これは運輸大臣にも大いに関係のあることでございますが、時間の関係でひとつ建設大臣にまとめてお願いしたいと思いますが、東京駅等の高層化等の都市開発問題あるいは地方の民活、これは通産大臣やその他大変各省にわたる問題でございますが、時間の関係がありますので、これもまとめて便宜上天野建設大臣からお願いしたい。 それから三番目は住宅対策。これはまさに民活そのものですよ、一般の公共事業と若干性格が違いますから。これはやっぱり住宅金融公庫のローンとか住宅減税の拡充をさらにひとつ徹底してお願いしたい。アメリカとかイギリスに比べればまだまだ日本の住宅減税の率は低いわけですから、そういうものを踏まえて良質な住宅づくりの問題。 それから葉梨自治大臣には、地方の負担金の財源対策をどうされるのかということ。 それから綿貫国土庁長官には、東京の地価対策の問題。いろいろ苦労されているようでございますが、今法律も提案されておりますし、抜本的な対策がないものかどうか。地価対策閣僚会議が官房長官のもとで主宰されているようですが、何かそれの中に、あるいは別個に専門家会議というようなものを設置して、もうちょっと継続的に、思い切って専門家でもってこの問題を討議する必要があるのではないかと思いますけれども、その辺の問題を含めてひとつ御説明いただきたいと思います。国有地の払い下げ問題、これはいろいろ問題が出ておりまして、批判も受けておるのは御承知のとおりでございますが、この辺についての今後の扱いをどうするかという問題も含めてお願いいたしたい。それからなお、国土庁長官には、四全総は一体いつごろ決定されるのか。基本方針として東京一点集中是正と地方分散、これは党でも強く機会あるごとに主張されているわけでございまして、どういうお考えでおやりになっているのか。東京の地価対策にも役に立つわけでございますから、この辺のお話をお伺いしたい。 以上、とりあえずお願いいたしまして、その後でまた総括的に総理に二、三の点をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 自民党の決定いたしました総合経済対策要綱につきましては、政府としてもこの考え方の精神を尊重して各省において具体化をしていくということを官房長官の名において表明されたというふうに、本日そういうことがありましたと承知をいたしております。したがいまして、この趣旨に従いまして、まず前倒しの点でございますが、何分にも予算が成立をいたしておりませんので私どもが成立前にその施行につきまして申しますことは 越のそしりがございまして、非常に申しにくい状況であることを御理解いただきたいと思いますが、予算が成立いたしましたら、できるだけ早く御了解を得てひとつ前倒しをいたしたい。それは、事務的に可能な限りの限界までやらせていただくということがこの自民党の総合経済対策要綱の趣旨ではないかと存じます。それはぜひそういたさなければならないと思っております。 そういたしますと、当然補正の問題が起こってまいります。補正も、昨年と比べますと内外の状況は大変違っておりますから、大きなものにならざるを得ないと思います。昨年の補正におきましてもある程度の建設国債の発行をいたしました。財政再建の途中ではございますけれども、しかしおのずから臨時緊急の必要があることでもございますので、そういう意味でかなりの建設国債の発行になることは避けられないし、またそれ自身必要なことであろうと考えております。その時期でございますが、経済情勢を見ながらと思っております。昨年のように、災害の見当をある程度つけたいという感じもございますけれども、しかしこれは大まかに従来の経験法則で計上することもできないわけではございませんので、その辺は情勢を見ながらと思っております。なお、財源につきまして、NTTの株式からの収益でございますが、これは予算が成立いたしませんと売ることができないのでございますが、いずれにいたしましても、これは国債償還の財源に充てました後できますならば、これは法律事項でございますので、必要がありましたらお許しを得まして、法律を改めましても、これは一時的な財源でございますが、しかし過去の国民の努力の集積でございますから本来なら投資的な目的に用いるべきでないかと考えておりまして、そういう意味では公共事業、さらにはまた地方民活等々との関連でも何か役立つ方法はないだろうかということを、しばらくの間事務当局に各省とも御連絡をしながら検討をいたしてもらっております。そこいらのことは、その総合経済対策要綱の趣旨に従いまして内外の情勢に即応していたしてまいりたいと思っております。 なお、政府関係機関の金利の引き下げにつきましては、実はお預かりの金利との関係がございますが、これも御了解を得ながらできるだけ引き下げてまいりたいというふうに思っております。 それから六十三年度予算の編成の問題でございますが、実は昨年の暮れに六十二年度の編成をいたしましたときに、この五年間ゼロシーリングあるいはマイナスシーリングの努力をいたしてまいりましてそれなりに非常な成果を上げた、物の考え方も制度おそれによって随分いろんなことが改善をされたということはもう疑いのないところでございますが、同時にまた五年間ずっと減らしてまいりました。ふやさないところでない、減らしてまいりましたことのデメリットもいろんなところに出てまいりましたので、特に投資的経費については六十三年度は何か新しい発想をすべきではないかということを昨年の暮れに事務当局に申してございまして、各省とも御相談をしながらいろいろ考えてくれておるようでございます。この自民党の総合経済対策要綱に「投資的経費については、概算要求基準において見直しを行う。」云々とございますのも、私どもとしてはそのような意味に理解をいたしておりまして、いろいろ検討を進めておるところでございます。
○国務大臣(天野光晴君) 数多く申されましたので取り落としがあるときには後でまた追加しますから、よろしくお願いいたします。 まず補正予算の追加の金額の問題ですが、今五兆円という言葉が使われておるようでありますが、五兆円は、事業費の五兆円と国庫で持つ五兆円とでは随分違います。過去の例でいくと、事業費の五兆円だと思いますが、それはもう大した支障なくやりこなせます。全部五兆円そっくり国が出すということになりますとなかなか容易でありませんが、ただ問題は、地方の負担する、地方自治団体の財政の問題を十二分に考慮してもらうという前提条件をつけておきます。 次に、内需振興、地域経済の活性化のために規制緩和やいろんな話がありましたが、立ちおくれている住宅、社会資本の整備を推進し、内需の拡大、地域経済の活性化を図るためには、公共事業の確保、拡大を図るとともに、住宅、社会資本整備の分野における規制の見直しや民間活力の活用を図ることが重要である。このため建設省としては従来より良好な町づくりを促進する観点からの都市計画あるいは建築規制の見直し、東京湾横断道路の大規模民活プロジェクトの推進、あるいは地方民活プロジェクトの推進等を行ってきたところでありますが、さらに今国会において、規制の見直しの観点から集落地域の整備法案及び建築基準法の一部改正案を、また民間活力の活用の観点から民間都市開発の推進に関する特別措置法案及び総合保養地域整備法案を提出しているところであります。今後とも積極的な民間活力の活用に努めてまいりたいと思っております。 内需拡大の柱である住宅建設については、もう坂野先生は私より玄人ですからおわかりのはずでございまして、金融公庫等の融資等について、貸付金利等の問題についても十二分にこれは検討してやりたいと考えております。 次に、東京駅周辺の再開発の問題でありますが、今事務当局で連携をとらせまして準備中でございます。私個人の意見で申し上げますならば、現在の地価暴騰の対策としてはこれ以外ないのではないか、東京都内の地価の暴騰の対策はこれ以外ないという考え方を持っております。そういう観点から、責任者は国土庁でございますが、できるだけ協力して実現に向けるように努力をいたしたいと考えております。
○国務大臣(葉梨信行君) 公共投資の追加規模とか補正予算の取り扱いにつきましては、政府としてまだ方針を決めておりませんのでお答え申し上げる段階ではないと思いますが、公共投資、公共事業が追加されます場合には、その裏づけとなります地方負担につきまして必要な財源措置を講じ、事業が順調に消化されるよう努めてまいる所存でございます。
○国務大臣(綿貫民輔君) 東京の地価対策と四全総の策定、二点についてのお尋ねでございます。 東京の地価対策につきましては、供給と規制ということが言われるわけでございまして、先ほどいろいろのプロジェクトの一つとして東京駅周辺の開発等、建設大臣からもお話がございましたが、関係省庁の皆様方と供給面については今後とも対策を十分協議してまいるつもりでございます。 なお、規制面につきましては、短期の譲渡の重課税あるいは監視区域の設定等を盛り込みました国土利用計画法あるいは税制の法案をただいま国会に提出いたしておりますので、これらを成立させていただきますならばある程度の成果が得られると確信いたしておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思っております。 四全総の策定につきましては、国土の均衡ある発展ということを核にいたしまして、国土庁試案を目下事務的に詰めつつございます。近々関係省庁並びに国土審議会に御相談をさせていただく予定でございます。
○坂野重信君 中曽根総理に一言。 この内需拡大に関連いたしまして公共事業と四全総との関係でございますが、いずれ四全総は今お話しのように近く策定され、しかも地方分散方針ということでいくと思いますが、一般公共事業というものはそうなるとやっぱり地方というものを重視した配分を考えていただいて、さっき申し上げたいろんな民間活力、これはまことに大事な仕事でございますが、こういう方はなかなか地方といっても難しい面もございますし、できるだけ東京等の大都市を中心として民間の活力を大いに展開していただくというような基本的な方向でどうかと思うわけでございますが、それを一点お伺いしたい。 もう一点は、いよいよ新行革審が発足するわけでございますが、長い間総理初め行革審の皆さんが大変苦労されたわけでございますが、この際でございますから、積極財政方式というものについての切りかえに踏み切らざるを得ない時期へ来たと思うわけでございます。その辺の期待が大変大きいわけでございますが、この二つについての御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 予算の編成等につきましては、党ともよく相談をいたしまして実効性のあるものにしたいと、先ほど来申し上げているとおりでございます。そして、地方との関係におきましても、きめの細かい相談をいたしまして、地方の皆さんにも喜んでいただけるような、御納得のいくような積極策を講じていきたい、いわゆる多極分散型、そういうことが我々の基本的な考えてあります。ただ、東京あるいは大阪等の大都市におきましては地価対策という問題をやはり重視しなければならぬ点がございまして、そういう点も片方では注意する必要がございます。 それで、一言で言えば、民活というようなものは大都会向きである。やはり公共事業費の分配という財政を大きく使うという面は地方に重点を置き、特に失業問題あるいは城下町等でいろいろ苦しんでいらっしゃる、そういう方面に財政的措置というものは向けるのが適当ではないかと考えております。 それから新行革審につきましては、先般、院で御承認をいただきまして早速発足した次第でございますが、近く会長声明、談話というものを出されるように聞いております。今の事態にかんがみまして、既に臨調あるいは行革審答申の中に盛られておりますることを援用いたしまして、臨時緊急の措置として、社会資本の整備あるいは投資経費による内需の拡大ということはこれは現時点においては当然認めてよろしいと、そういうお考えやに今のところ承っておりますが、どういうものが出てまいりますか、その辺を今注目しておるところであります。
○坂野重信君 次に、総合経済対策要綱の中の対外経済問題に移りたいと思います。 まず総理に、今までもう話が既に出ておりますが、私は、この際我が国は、貿易摩擦の解消あるいは輸出国から輸入国への転換、あるいは世界経済活性化への積極的貢献と、安倍さんがアメリカに行ってお話のあった点でも、十億ドル以上の外国品の政府調達であるとか、あるいはアンタイドローンというような、二百五十億とかいろんな話が出ているようでございますが、この際そういう方向転換を我が国としては踏み切るべき時期に来たんじゃないか。アメリカに対しても、長い間アメリカのおかげで我々は今日までやってきたわけでございますから、やっぱりある程度のことは思い切ってここでひとつ御恩返しをするということも含めて、冷静な気持ちで対応すべきだと思うわけでございますが、これについての御所見。 それから、これは一つの思いつきでございますが、開発途上国と第三世界に対する開発援助というものを一段と強化すべきことは当然でございますが、その姿勢を示すためにも、例えば世銀の総裁ポストを日本で、日本人が世銀の総裁にでもなるようなことをひとつ提案といいますか、要求されたらどうかと思うわけでございますが、その点のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本がこれだけ黒字を累積している状況から見まして、この黒字の資金というものを世界的に還流して世界経済を活性化させるときであり、また我々の責任でもあるというふうに考えております。もっとも、その黒字というのは政府が持っているわけじゃなくて輸出会社が持っておるわけでありますが、しかし日本にたまってきているということはもう現実でございますから、ある程度の財政措置も我々は考えて、出血を覚悟してもやらなきゃならぬ、そう考えておるところであり、ODAに関しましてこれを七年計画というものを二年ぐらい繰り上げる、急いでやる、そういうこととか、世銀あるいはアメリカ開発銀行、アジア開発銀行等々の国際機関等を通じ、あるいは場合によっては二国間同士で日本が経済協力を増大して行う、そういう方向で今いろいろ各省間で詰めをやらしております。 去年、我々は秋に約九十六億ドルに及ぶ今のような資金還流措置を行いました。我々はさらにことしはそれをかなり上回る額について今各省庁で詰めをやらしておるところでございまして、これによりまして日本の発展途上国特に債務国等に対する配慮というものを十分示していきたい。もちろんアンタイドのやり方で、日本の産業のためにやるのではない、そういう点も明確にしていきたいと思いますし、情勢によっては、そのほかいろいろ途上国や債務国の苦しみというものに合うような考え方に立った融資方式というものも考慮していかなければならぬと考えておるところでございます。 それから世銀の総裁の問題でございますが、これは日本だけで決める問題じゃありませんが、この間コナブル総裁と会いましたときに、日本は国際的に金融的に世界にこれだけ貢献しておる、またマーケットもこれだけ拡大してきておる、そういうような面から見まして、トップクラスの重役と申しますか、オフィシャルズという言葉で言いましたが、トップクラスのオフィシャルズにぜひ日本人を採用していただきたい、我々は強くこれを希望するということをコナブル総裁に私からも直接申し上げておるところであります。
○坂野重信君 それでは、対外経済につきましてまた関係大臣に順番にお尋ねしますので、これもひとつ、もう時間があと二十七分でございますので、簡潔にお願いいたしたいと思います。 まず田村通産大臣に、去る四月の二十四、五、六日ですか、第十三回の四極通商会議が開催されたわけでございますが、その概況と成果につきまして簡明に御報告いただきたいのが一点。第二点は半導体問題、今までの経緯は必要ありませんが、今後の解決の見通しにつきまして、わかる範囲内でお願いいたしたい。 その次は、加藤農林水産大臣でございます。この間からリン農務長官、ヤイター通商代表等が日本に参りまして、大変農水大臣は頑張っていただいておりますが、米あるいは十二品目、牛肉、かんきつ類等市場開放の要請が非常に強くなっている。特に米については向こうの要請も厳しいようでございますが、私が申し上げるまでもなく、これはもう長年の日本人本来の主食であって、特に本年から大幅の減反で生産農家は大変苦慮をしている真っ最中でございますので、仮に多角的貿易交渉、ウルグアイ・ラウンドでの協議には応ぜざるを得ないということはあっても、米の市場開放、とても今の状態で自由化には応じることはできないと思っておりますが、農林水産大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。 それからその次は、橋本運輸大臣と天野建設大臣です。 安倍報告にもこの関西国際空港の外国建設企業の参入問題があったようでございますが、これについての運輸大臣の方針をお伺いいたしたい。 建設大臣には、これも建設大臣に関係がありますので、それと一般的に外国建設企業の我が国進出に対する要望にいかに対応するか、この点の方針を伺いたいと思います。 時間がもうちょっとありますから、唐沢郵政大臣には、第二KDDの方の問題はどういうぐあいになっているのか、御報告いただきたいと思います。 以上です。
○国務大臣(田村元君) 時間を焦っておられるようですから簡単に申し上げます。 まず雰囲気でありますが、前回、昨年九月のポルトガルのシントラで行われました四極貿易大臣会議は、ガット閣僚会議の直前でありまして、ニューラウンドにいかに対応するかという議論でありましたから、これは相当白熱した議論がありました。特に我が国に対してはバランス・オブ・ベネフィットという、いわゆる俗に言うBOBという問題で厳しい対応がありました。私の方からは、結果として得た利益に対してガットでとかく論ぜられるべきものではないという反論をしました。 ところが、今度はそういうことがありませんでしたから、特にG7におきまして宮澤大蔵大臣を初め各国の、実際には六人だったのですけれども、大蔵大臣、中央銀行総裁が集まって、為替レートという面からではありましたけれども、各国のそれぞれ今後の対応ということをこなしておいてもらったものですから、その点、個別問題というのは余り出ないで、マクロ的視点から経済、貿易が論ぜられたという、これが環境面としては大きな変化でありました。 それで、各国とも、現下の世界経済情勢は非常に厳しい、容易ならぬ事態であるという認識はまず一致いたしました。それから、特に現在の貿易インバランスの是正のためには、いわゆる協調介入による為替調整のみでは不十分であろうという点も皆が一致をいたしました。各国は、相手国の非難をしたり、あるいは相手国への注文のみに終始しないで、なんじ何をなすべし、我また何をなすべきやということを議論しようではないかということで、相互に政策協調を行うことで非常に高度な合意が行われたのであります。これは非常に私はよかったと思います。 それから貿易インバランスの是正のためには輸出抑制じゃだめだということ、これは非常に新しい問題でありますが、輸出抑制でデフレ効果を招いたってしょうがない、それよりもあくまで拡大均衡のもとでの解決が必要であるということが皆から強く出てまいりました。日本の場合も拡大均衡という点では堂々と歩みなさい、だが輸出に見合う輸入はきちっとしなさいよという点で、相当太いくぎを刺されたということであります。 それから内需拡大、もうこれは今世界じゅうのはやり言葉でございまして、とにかく内需拡大ということを言わないと会議が進まないというぐらいのことでございます。これは確かに、特に日本や西ドイツのようなタイプの国は外需ということに偏った面がありますから、内需と外需のバランスをとるという意味で内需拡大策、これはもう当然のことでございます。 例えばこういうことが出ました。日本という名前こそ出ませんでしたけれども、政府が何らかの施策を発表する。そのアナウンスメントは、外為市場に敏感に伝わってこれを動かすだけの効果があっていいんだが、全然その効果がないじゃないか。逆に、何かアナウンスすると、円が高くなってドルが安くなるという逆の現象が起こるではないか。お互いに為替市場に対して大きなインパクトを与えるような、そういう施策を発表する、なぜ敏感に対応してこないんだろうと。それは、従来の内需拡大策というものに対して為替市場が信頼していない、非常に失望感を抱いておるということではないのかという発言がございました。 特に、自由民主党が策定しました総合経済対策というのをコピーで皆大体手に入れておったようですが、それに対して、先ほど真水というお話がありましたが、その真水ベースでやれ、リアルマネーでやれと、こういうことでございまして、中央政府による追加的財政支出というものが基本にならなければだめだということが非常に強く言われました。言うなれば水割りじゃだめだよ、ストレートだよと、こういうことだと思うんです。私も非常に厳粛に受けとめてまいった。しかし会議の空気は、シントラのときと違って非常に穏やかな友好的なものであった、こういうことでございます。 それから半導体でございますが、半導体につきましては、先般、私とヤイター代表とで二日にわたって数時間の協議をいたしました。ヤイター代表の方から、官僚を入れないでさしでやろう、こういうことになったものですから、さしでやりました。そこで、来週もしくは再来週という言葉を使ったのですが、なるべく早い機会にまず実務者同士で、専門家同士で話し合いをさせる、日米半導体協定に対する日米の解釈のずれがあるかもしれぬから、そういう点のすり合わせもしようじゃないか、それから今後のスケジュールの打ち合わせもしようじゃないか、こういうことで合意をしました。 それから四月のデータが出そろうのが大体五月の中ごろになりますから、五月中旬に双方のデータを突き合わせて討議をしよう、そのデータは互いに相手に対して説得力を持ったものでなければならぬ、こういうことでございます。ですから、説得力を持ったデータを日本が持っていけばそれで解決と、こういうことになるだろうと思っておりますが、だからといって五月の中旬に解決するという筋のものではありませんけれども、その検討にまた相当時間がかかりましょうけれどもそういうスケジュールでございます。
○国務大臣(加藤六月君) 私は、リン農務長官、ヤイター通商代表とお話し合いをする基本前提といたしましては、我が国は世界最大の農産物の輸入国である、したがって世界農産物貿易に非常に貢献しておるということが一点と、第二点は、アメリカの農産物貿易における世界的シェアが大変下がってきておる中で我が国のアメリカ農産物の輸入シェアは維持あるいは増大しておる、これは日本国民のそして政府の英知と努力の結果である、これを十分に認識してから話し合う必要があるということを基本理念といたしまして、いろいろお話をいたしました。 お尋ねの米につきましては、我が国の米の問題をガット新ラウンドの場において取り上げたいという米国側の意向につきましては、ガット新ラウンドの交渉の具体的内容等は今後多数国間で決定していく問題である、こういう考え方を述べておきました。そして我が国としては、今後とも国会における米の需給安定に関する決議等の趣旨を体し、米の国内自給という基本方針のもとに、米国側の理解をさらに深めるよう全力を傾注いたしますとともに、今後の対処について誤りなきを期してまいりたい所存であるし、そういう点をお話しいたしました。 十二品目につきましては、米国はあくまでも完全自由化を主張しておりますけれども、また主張いたしましたが、我が国としましては、十二品目の重要性にかんがみ、米国の考え方は受け入れられないということを申し上げ、また今もそう考えておるところでございます。この問題は、現在ガットのパネルの場に移行しておるわけでございますけれども、我が国といたしましては、日米関係に配慮する立場から、品目ごとの事情に即しまして現実的解決を目指して二国間協議を行うことが望ましく、この点米国側の理解を得るように努力もいたしたところでございます。 それから牛肉、かんきつにつきましても、来年四月一日、すなわち一九八八年四月一日から完全自由化しろという要請がございましたけれども、私としましては、牛肉、かんきつについては本年度、一九八七年度の都合のよい時期に関係国と協議する予定になっておるし、そのつもりである、今後とも牛肉、かんきつをめぐる我が国の農業の実情等につきまして相手国に十分説明してその理解を求めていく考えでございますが、いずれにしましても、我が国としては輸入自由化やあるいはその自由化の時期を明示することは困難である、こういうお話をし、また今後もそういう方針に従いましてやっていく決意でございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 関西国際空港のプロジェクトについてのお尋ねでありますが、私どもは従来から、アメリカのみならず韓国あるいはEC等から問い合わせがありますたびに、内外の業者を差別することなく公正な競争のチャンスを与えるということを世間にも表明してまいりました。 ただ、現実に現在進行いたしております関西国際空港の護岸、埋め立て、連絡橋といういわゆる第一段の工事につきましては、既に発注済みあるいは発注時期が極めて切迫をいたしておりまして、内外を問わずこれまで、大阪湾という特定の自然的なまた地理的条件のもとにおける特定の工事の方法を用いる工事に対して、技術的な蓄積のない企業が元請業者となることは事実上困難であります。しかし、それに続く人工島に空港施設などを建設する工事あるいは調査、機材の調達につきましては、これは徹底して外国企業にも我が国の企業と同様の、公平、公正かつ無差別な参加の機会を与えることとしておりますし、現に、既に基本調査等あるいは関連諸機械等について契約の済んでおるようなものもございます。 この方針につきましてはこれから先も当然継続するわけでありまして、去る四月二十四日、このような基本的な考え方に基づきまして、関西国際空港株式会社から今後の対処方針を世上明らかにさせていただきました。運輸省としては、外務省、建設省など関係省庁とも連絡を密にしながら、現在関西空港プロジェクトに対してさまざま行われております論議に対し、円満な解決に向けての最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(天野光晴君) 我が国の建設市場一般について言えば、制度としては内外の差別はなく、外国企業であるがゆえに差別されることはないというのが基本的な考えてあります。したがって、参入を希望する外国企業は積極的に企業努力を行う必要があると考えております。
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 第二KDDについてのお尋ねでございますが、国際電気通信分野では現在二つのグループが新規参入を希望いたしております。しかし国際電気通信の新規参入というのは、既存のKDDとの有効な競争のためにも、また外国の例を見ましても、一社が適当と考えられますので、二つのグループが経団連の渡辺情報通信委員長に調整を依頼いたしまして、四月の二日に調整案が出されました。これによりますと、中核を八社とし、株式も均等、役員も派遣できることになっております。なお、この中核八社の中には英米の企業が一社ずつ含まれております。この調整案に基づきまして四月の十五日に第一回の中核八社の会議が持たれましたが、非常に友好的かつ率直な意見が交わされたように聞いております。一日も早くこの調整案に基づきまして妥当な結論が得られるように期待をいたしております。 我々といたしましては、外資の参入は、法の規制にありますように三三%までは歓迎すると以前から申しておりますが、特に渡辺調整案にあります、外国の企業の役員参加を認めるというのは今までアメリカ、イギリスにも例のない画期的なことでございまして、日本の電気通信分野は最も進んでおるということをこの間もヤイター代表によく御説明したところであります。
○坂野重信君 最後になってまいりましたが、防衛庁長官に一点と外務大臣に一点と、この二問だけで終わりたいと思います。 防衛庁長官には申し上げるまでもなく防衛問題でございますが、政府は防衛計画大綱に基づいて中期防衛力整備計画を推進しながら六十二年度の予算を組まれたわけでございますが、たまたまGNPに対して一%をわずかにオーバーしたということでございます。これは我が党総務会においても了承しておりまして、政府はそういう方針で予算を編成されておることはよく承知しておりますが、しかしこれは貴重な税金でございますので、私は経済的な立場から考えますと、防衛庁の方針はよくわかっております、原則は国産ということもわかっておりますが、こういう円高のときでございますから、できるならば装備品の一部でも輸入ということを考えることによって、むだのない防衛費の使い方ということが考えられるんじゃないか。いろんなことがアメリカの議員等から来ていることも承知しておりますが、その辺についての防衛庁長官のお考えをお聞きしたいと思いますが、どうですか。 外務大臣には、具体的な問題で本当にいろいろ心配していただいているわけでございますが、山陰の島根県の竹島問題の所属問題です。これは私が申し上げるまでもございません、外務大臣の定期会合等でも話が出ておりますが、何しろ地元の漁民にとっては大変な損失もあるし、本来は島根県の当然の領土であるというこれは長年の願望でありますので、今までも努力していただいておりますけれども、これからもひとつぜひ御努力いただきたいと思う次第でございます。 以上で私の質問は終わりますが、総理も外務大臣も大変御苦労さまでございますが、ぜひひとつ頑張ってきていただきたいと思います。 以上をもって私の質問を終わります。答弁は時間内でよろしくお願いいたします。
○国務大臣(栗原祐幸君) 防衛力の整備は、今御指摘のとおり、防衛計画の大綱水準を達成しようというので中期防を今やっているわけです。これは継続的、計画的にやらなきゃいかぬ。防衛というのは継続的、計画的でございます。したがいまして、いろいろの経済情勢はございますけれども、防衛という観点から継続的、計画的にやるというのが本旨でございます。 今御指摘のような点につきましては、一応そういう考え方もあるなというふうには思いますけれども、基本は曲げてはならぬというふうに考えております。
○国務大臣(倉成正君) 竹島の領土権の問題でございますが、政府といたしましては、竹島の領有権に関する日韓間の紛争はあくまでも平和的手段によって解決をするという基本方針に基づいて行ってまいっております。あらゆる外交経路を通じ韓国政府に対し、韓国の竹島に対する領土権の主張は認められない旨を厳重に申し入れるとともに、累次の巡視の結果に基づき、韓国が各種の施設を設け不法占拠を続けていることに対して、繰り返し抗議を申し入れているところでございます。 なお、竹島周辺での漁業の安全操業。問題については、領有権問題とも密接に絡んでおるのでございますが、政府といたしましては、我が国の漁業関係者の生活、現実的にその漁民の利益を確保するという見地から交渉を続けていく所存でございます。
○坂野重信君 終わります。(拍手) —————————————
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、安恒良一君の質疑を行います。安恒良一君。
○安恒良一君 衆議院で予算を十分に議論されないまま来ておりますからいろんなことをお聞きしたいんですが、きょうは国際経済と通貨問題に限定をしてお聞きしたいと思います。 そこでまず円高問題でありますが、四月の二十四日に一ドルが百四十円台を突破しまして、本日は百二十七円七十銭ということで、もはや私は底なしではないか、こういうふうに円高の加速が続いておりますが、この状況を総理、大蔵大臣、日銀総裁はどう受けとめられておりますか。また、この円急騰の原因、それから今後の見通しについてお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 円の上昇がまたございまして御心配をおかけいたしておるわけでございます。個々の相場についてどう考えるか、どう見通すかということは、これは申し上げますと不測の影響も与えますのでその点はお許しをいただきたいと存じますが、やはり、先ほども坂野委員に申し上げておりましたように、我が国においてもなかなかいろいろな事情から、私どもが予算でやりたいと思っておりますことが実現をしないような現状でございますし、米国におきましても貿易赤字、財政赤字の削減というものが思うようにできていないということについて、つまり、各国の政策協調についてその実が十分に上がっていないということを市場が読んでおるということであろうかと思います。殊に、どちらかと申しますと、ただいま安恒委員の仰せられました四月二十三日ごろから今日までの動きを見ておりますと、これは円だけの動きとも思えないところがございまして、また金の相場が上がったりもいたしております等々から、やはり米国の貿易赤字がなかなか改善をしないということが一つの大きな理由になっておるかとも思われます。 しかし、いわゆるG7でこういうときのための合意をいたしておりますので、私どもはその市場の乱高下については協調してこれを防ぐ努力を、G7の国ばかりでなくヨーロッパのその他の国も実はいたしておりますし、我が国もいたしておりまして、何とかそういういわゆる乱高下的な動きは防いでまいりたい。しかしやはり基本的には、政策の協調の実を上げていくということが大事なことであると思います。
○参考人(三重野康君) 円レートは、先生がおっしゃいましたように、今月の半ばから百五十円台を割りまして、つい先週末は百四十円を割り、本日は百三十七円台で推移しましたが、締め際は百三十八円十銭まで戻って終わっております。もちろんこれは、今大蔵大臣からもお話がありましたように、アメリカの大幅な赤字ということを背景にいたしておりますが、為替需給は、もう先生百も御承知だと思いますけれども、ファンダメンタルを反映した為替の需給プラス相場観で動いているわけでございますが、この間ファンダメンタルはほとんど大きな変化はございませんので、今回のドル安というものはやはり一種の投機と申しますか、これから申しますものをきっかけにした投機によるものというふうに私どもは見ています。 きっかけと申しますのは、一つはやはり先週発表されましたアメリカのGNP、第一・四半期四・三と比較的高うございましたが、中身を見ますとやはり在庫の増加によるもので、アメリカの実体経済は悪いのじゃないかということが一つ。もう一つは、この為替のドル安によりまして海外からのアメリカに対する投資が減ってきたのではないか。特に、来月早々の国債の入札が減るのではないか。そういったものをきっかけにして大きな投機の波が起こったものというふうに理解をしております。もちろんこれに対しましては、これまた大臣がおっしゃいましたように、G7の合意に基づく協調介入をいたしておりまして、今後ともこれはぜひとも積極的に行ってまいりたい、これ以上のドル安円高というのは日本経済だけではなくて世界の経済に大きな影響を与えますので、そういうことにしてまいりたいと思っております。 この先につきましては、通貨当局が具体的な水準をいろいろ申し上げるのはいかがかと思いますので差し控えますが、各先進諸国との協調によってぜひとも安定を取り戻したい、こういうふうに考えております。
○安恒良一君 この二十四日の外為市場では、円だけではなくてスイス・フラン、西ドイツ・マルクも上昇していますね。いわば今日はドルが全面安という状態になっているんですが、私は既にドルの暴落が始まっているのではないかという心配を実はしているんですが、この点大蔵大臣、日銀副総裁の見解を求めます。
○国務大臣(宮澤喜一君) この二、三日、マルクにいたしましてもスターリングにいたしましてもそうでございますが、安恒委員の言われますような傾向がちょっと見えております。ただ、これは非常に短期的なことでございますので、今おっしゃいましたようなことを固定的にこれだけのことでお答えするのは十分な裏づけがないと思います。 そういうことになりますとこれはまたそれなりにひとり歩きをするような出来事になりますので、そうなってはならないことであって、各国がお互いに協調してそういうことを防いでいかなければならないと思っておりまして、私は今安恒委員のおっしゃいましたようなことが既に起こりつつあるというふうには考えておりません。
○参考人(三重野康君) 大臣と同じ答弁になるかと思いますが、確かに先週末からのレートは単に円ひとり高ではなくて、ヨーロッパ各通貨に対してもドルが安くなっているのは事実でございます。今大臣が申されましたように、例えばきょうのレートの動きも百三十七円台で始まりまして、引け際は自律的に百三十八円十銭まで戻っておりますし、暴落というふうには思っておりません。
○安恒良一君 私、折々このことの中身は後から聞いていこうと思います。そうならぬことを私も望むんです。 そこで大蔵大臣にお聞きしたいんですが、六十二年度予算決定後の記者会見で、当時大蔵大臣は、一ドル百七十円前後が輸出関連企業の許容の範囲という見解を示されました。この考え方はお変わりになっていないと思う。というのは、当時から四カ月しかたっておりませんので、考え方が急変するはずはないと私は思います。それではその円の急騰を防ぎ得なかった政府の責任、それから宮澤さんは経済では一番詳しいと言われていますが、どうも宮澤大蔵大臣にはない見通しの甘さについて、どのように御反省、お考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の暮れ、十二月の末には円が百六十円がらみでございました。その水準でかなり十一、十二と安定をしておりまして、これでいいかというお尋ねがあっちこっちから記者会見などでもございましたときに、私は、アメリカの貿易収支というのはやがて改善するはずであるので、そういうことになれば、それは円に対しては弱くなる、ドルが強くなるはずであるから、百六十円というものでこれでもう終わりなんだ、いいのだとは思っていないということを申しておりました。 それがそうならなかったのはなぜかというお尋ねで、それは一月の十九日でありますとか、そのときそのときでいろいろ理由はありましたし、ヨーロッパの通貨の動きがあったり、説明はございますけれども、大勢として申しますと、先ほど申し上げましたように、やはり各国の、黒字国は黒字国、赤字国は赤字国としての政策協調が十分に進行していない。もっと端的に申しますと、現象としてはアメリカの貿易赤字がいっとき減りかかったかと思われましたが、まだそういう基調には入っていないと見られることがやはり一番大きな原因になっておるのではなかろうかと思います。
○安恒良一君 いや、私はあなたの経済の見通しの甘さについて反省を求めているんですが、後でいいからお答えを願いたいんです。 そこで、日銀は再三介入を続けられておりますが、どうもこの介入だけは焼け石に水じゃないか、それから各国の協調介入も今のところほとんど効果が上がっていない、だから介入という小手先の手段では到底円レートの安定は私は無理だと思うんです。それから、我が国の場合でも介入の資金となる外為証券発行残高ももう限度いっぱいになっているし、資金的にも極めて不十分ではないのかと思います。 そこで日銀にもお聞きしますが、市場介入以外の新たな金融政策としての円安定化対策をお考えになっているかどうか、これは大蔵大臣、日銀両方にお聞きをしたいんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃいますとおり、介入というのは乱高下に当たっての一種の安定のための補助的な手段でございますから、それだけで為替相場を安定させるということ、介入に期待することは無理なことでございます。やはり基本的には経済政策の各国間の協調ということであろうと思います。ただ、私どもがいわゆるルーブル合意でG7による協調介入という体制をつくりましたのは、仮にそれが十分に相場を戻していないにいたしましても、これがなかった場合にどういうことであったであろうかということを考えますと、それなりの役割は果たしている。恐らく、市場でいわば投機的な動きをしようとする向きから申しますならば、各国が少なくとも相当の資金を持って介入体制をとり、それが現実に行われているということは、それなりの効果があるということはこれはお認めをいただいても間違いでないと思います。 ただ、これはあくまで補助的な手段でございますから、基本的には財政金融政策等々による、我が国で申せば内需拡大ということになりましょうし、アメリカで申せば財政赤字、貿易赤字の縮小、これが基本であるというふうに考えます。
○参考人(三重野康君) 大臣と同じ答弁になるかと思いますけれども、ただいままでのいわゆる協調介入は、私どもはそれなりの効果があったのではないかというふうに考えております。いわゆるG7は当然のことでございますが、G7以外の国もこの協調介入に参加していただいておりまして、その点についての効果はあると思います。ただし、介入だけではどうにもならないことも委員御指摘のとおりでございまして、やはり政策協調と介入と両輪そろっていって初めてより完璧になるものというふうに思います。そういう意味で、既にいろいろと政府においてもお考えのようでございますが、一刻も早く片一方の政策についても、より充実した施策が行われることが望ましいと考えております。
○安恒良一君 日銀副総裁は的確なお答えをされていませんが、私は、市場介入以外に新たな金融政策としての円安定化対策をお持ちでありましょうかどうかと。あるならある、ないならない、あるとすればどういうものがあるのか。
○参考人(三重野康君) いわゆる金融政策といたしましては、累次の公定歩合引き下げによりまして二・五%という世界最低の金利まで下がっておりますし、ここにおいてさらに金融政策からの安定政策というのは今のところやはり考えられないと思っております。
○安恒良一君 今のところ考えていないということですが、円が百三十九円台をつけたとき、米の通貨当局は我が国に対して利下げの要請を行う方向でまとまったという報道を私は読んでいます。しかしあなたは今、公定歩合の引き下げは反対だ、こういうことなんですが、そうしますと、我が国の公定歩合の引き下げは考えていないということであれば、逆に今度は米国に対して利上げ要請などを行っていく必要があると思いますが、その点について、その辺をどのように、アメリカ側からはさらに公定歩合の引き下げの要請が来ている、日銀としてはもうこれより以上下げられないと言っている。しかしこれは、金融政策の一つとして公定歩合政策というのは非常に重要なんですね。ですから大蔵大臣、日銀副総裁、その点について米国に対して利上げ要請などを行っているのかどうか、そこのところはどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これはお互いの国にお互いの国の事情がありまして自分の国のことはやはり自分の国が一番よく知っているということに尽きるわけでございますが、そういう意味で申しますと私は、アメリカから我が国に対して公定歩合を下げてくれというような要請があっておるとは承知しておりません。我が国の物価が非常に低い状況から見ればもう少し短期金利というものは下がってもいいのではないかという、そういう見方はありますが、それは公定歩合のことではないわけでございます。長短金利の関連であろうと思います。 それからアメリカにも今安恒委員の言われるような説もございますことは私ども承知をいたしておりますが、やはりある程度アメリカ経済の景気を維持するということがいろんな意味で大事だと考えられる観点からいいますと、なかなかおっしゃいますようなことにも踏み切れない。いろいろな議論があるのではないかというふうに見ております。
○参考人(三重野康君) 中央銀行同士でお互いに非常に連絡を密にいたしておりますけれども、それぞれの金融政策につきましては、自分の国のいろいろな事情がございますので、その国の事情によって行っておりまして、相手に下げてくれとか、あるいはそういうような話は一切ございません。ただ連絡は非常に密にしておりますが、現在のところそういう今までのような考えでございます。
○安恒良一君 続いて、レーガン・ボンドの発行が取りざたされていますが、ドル安対策の一環としてレーガン・ボンドの発行も一つの有利な対策ではないかというふうに私は考えます。最近、為替のリスクを恐れて米国の国債を買い控えている我が国の機関投資家も、レーガン・ボンドが発行されれば安心して米国債に投資することができるだろうと思いますし、アメリカ政府もその場合、アメリカよりも安い、低い金利で資金を調達することができるようになりますし、さらにドル安是正にもそのことはつながるのではないか。いわば一石三鳥とでもいいましょうか、そういうことだと私は思います。 そこで、我が国からもこの考え方をアメリカに主張すべきではないかと思いますが、大蔵大臣、日銀副総裁の見解を示していただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) アメリカの財務長官とはいろいろな機会に自由に議論をしておりますので、そういう話が出たこともございます。安恒委員の言われますような考え方も一つの考え方でございますけれども、しかしほかのもう一つの立場からいいますと、そこまでアメリカもしなければならなくなったのかというような、かつて御記憶のようにカーター・ボンドというものがございましたから、そういうふうに逆に市場に受け取られるということもベーカー財務長官としては考えなければならないということも言っておられるように報道されております。でございますから、結局市場に対しての通貨当局の自信というもの、市場がそれをそのように考えるか考えないかという市場への反響ということを絶えず考えていなければならないという要素がもう一つその問題には入ってきておりまして、最も最近伝えられるところでは、そういうことからいえば、いろいろ議論はあるだろうけれども自分としてはどうかなというのがベーカー氏の考えだというふうに聞いております。いずれにしてもこれはアメリカの発行するボンドのことでございますので、アメリカの財務長官の考えというものがやはり主になっていくであろうと思っております。
○参考人(三重野康君) 大蔵大臣の御答弁と同じになるわけでございますが、確かに委員御指摘のとおり、九年ほど前にカーター・ボンドというものを出したことはそのとおりでございます。しかしながら、これが今に役に立つかどうかということはやはり向こうの政府が決めるべきことだと思っておりますので、私どもとしましてはレーガン・ボンドというものができるかどうかはアメリカの政府のあれにまつべきだ、こういうふうに考えております。
○安恒良一君 大蔵大臣、私はあなたのこのことに対する見解を聞いている。というのは、そう余りアメリカに御遠慮されることはないと思うんです。総理が行かれる前だから、微妙なときだからということもあるかもわかりませんが、今の円とドルの関係では、アメリカとてもそんなことを言っておれる段階ではないんじゃないでしょうか。だから、一つの方向として我が国から積極的に、この際レーガン・ボンドを発行したらどうだということぐらいの提起について、そんなに遠慮をされる必要があるのかどうかなと。どうも大蔵大臣は、いやそれはアメリカが考えることだということ以外でのあなた自身のコメントがないんですが、そこはどうなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 別段遠慮はいたしておりませんけれども、これはアメリカの発行するボンドのことでございますので、私がこうあるべきだ、あるべきでないということを申しますことは余り適切な問題ではないだろうというふうに思っておるわけです。
○安恒良一君 それでは、アメリカのことだとおっしゃいますから今度は日本のできることでちょっと聞いてみたいと思いますが、円の安定化の方策として資金運用部の資金の活用が考えられます。先般、資金運用部資金法の改正によりまして、預託金利の決定の弾力化とか資金運用部の対象範囲の拡大が行われました。そこで米国の国債等に資金運用が可能になったと私は思います。 そこで、大蔵大臣は運用部資金による米国国債の購入についてどうお考えになっていますか、考え方を聞かしてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 法律の改正をお願いいたしましたのは、そういう将来運用の道を開いておきたいということでお願いをいたしたわけでございます。 ただ、具体的な問題になりますと、国民のお金をお預かりしているわけでございますから、それをどういう形で、長短どういうものに投資をするか、その場合のいわば金利と申しますか、収益がどうであるか。それと、為替差損、差益との関係がどうなるかというようなことは、これはよほど慎重に考えてまいりませんといけませんので、もう少しいわば落ちついた状況で判断をしてまいらなければならないだろう。道をお開きいただきましたことは、将来何かのためにそういうことが適当であればやってみたいということなんでございますけれども、いかにもただいま為替相場が落ちついておりませんので、ただいますぐにということを考えておるわけではございません。
○安恒良一君 その点、運用部資金による米国国債の購入は我が国の政府の主体的判断でできることですね。しかし、大臣も指摘されましたように、生保などで多額の為替評価損をこうむったことも反省しなきゃならぬと思いますが、少なくとも安全、確実かつ有利、こういう運用という観点から私はやらなきゃならぬだろうというふうに思うんですが、そうかといって私は全くこれをやらない方がいいと言っているのではないわけです。より慎重な考え方で臨むべきであると思いますが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま長期の金利で申しますと、日米の間にほとんど五%、五ポイント開きがございます。八・何がしと三・何がしてございますから。したがってそういう意味での収益は非常に大きいのではございますけれども、それにいたしましても、いかにも為替相場がこういうふうに動いておりますと、個々の機関投資家と違いまして、やはり国民のお金をお預かりしておりますので、この際は慎重に考えるべきではないかと思っております。
○安恒良一君 そこで今度は総理にお聞きをしますが、三月末に百五十円台を突破してから米国の金利が急騰しており、今後ドルの暴落による金利高騰から米国の経済は場合によれば失速をする、それから累積債務問題の再燃等、世界経済が大きな混乱に陥れられることを私は非常に心配します。既に米国では金利の急騰、インフレ期待の高まり等ドル安の弊害が出てきていると思いますが、この点は世界経済の発展の観点から米国に対しても厳しく私は警告をすべきところに来ていると思います。今度総理が渡米されますが、この点について総理はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ドルが暴落しているとは思いません。ただ、最近のいろいろな経済数字等の読み方につきまして、機関投資家やあるいは投機筋というものが動いてドルが弱含みで推移しているという状態であることは言えると思います。 しかし、G7あるいは打ち続くサミットにおきまして、こういう為替相場の問題については各国の協調が確認されており、ある程度の実績も既に上がっておるところであります。したがいまして、この協調というものをさらに強めまして、各国連帯共同して為替相場を安定させる方向に今後とも私は努力してまいりたいと思っております。 アメリカの金利が急に上がるということは、これは好ましくないことでありまして、それはアメリカ景気に影響するのみならず、途上国、債務国の金利の支払いに影響するところが出てくる、そのことはまた、それらの国々の輸出を阻害する現象にもなります。そっちの方をまた大きく考えなければなりませんので、我々といたしましては世界経済全体の物、金の循環が順調に行われるように今後とも関係各国の協調体制を重視し、積極的にその実を上げていきたいと考えております。
○安恒良一君 暴落しているかしていないかという認識の問題もあると思いますけれども、我が国の円高における大変な経済の状況等を考えると、私は厳しく指摘をするものは指摘をしていかなければならぬのじゃないか。例えば、一昨年のG5、それから本年二月のG7、四月のG7と一連の国際会議を見ますと、何か先進国のうち我が国だけが一方的に守勢に立たされている、こういうふうに思われるのでありますが、これらの一連の会議においては、米国には財政赤字の削減、それから西ドイツ、日本には内需拡大、これが政策課題とされたと思います。 ところが、米国の財政赤字の削減の努力は私はまだ不十分ではないかと思うんですが、我が国としてはもっとこのことを米国に主張すべきではないでしょうか、総理、その点どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは、各国が仕事を分担し合いまして、各国の責任においてやるべき仕事が明示されております。その中で、我が国は黒字の削減があり、アメリカは財政赤字の削減がありまして、アメリカ側に対しても我々は強くその実現を期待しまた要請していきたいと考えております。
○安恒良一君 アメリカに対して赤字削減について強く期待をするとか要請をする、こういうことでありますが、そこで具体的な問題として、米国の八七年度予算教書を見ますと、軍事費の支出が六・二%も増加しております。米国の財政赤字拡大の大きな要因の一つがこの軍事費支出の継続的増加にあるわけですが、この点についても我が国は米国に強く要求すべきではないだろうか。ただ、総理の場合、中曽根内閣になって防衛費が非常な勢いで伸びておりまして、とうとうことしもうGNP一%を突破するという状況ですから、なかなか御主張しにくい点もあるかとも思いますが、しかしながら、アメリカの予算の中に占める支出増の割合から見ますとこのことは大変なことだと思いますが、こういう点についても我が国としてアメリカ政府に対して強く主張すべきことは主張する、こういう点が必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。 それからいま一つは、総理も言われましたように、いわゆる米ソを中心とする世界の軍縮、これは非常に重要だと総理は前段強調されました。そういうような状況の中で軍事費支出が六・二%も増加しているというこの問題について、総理はどう考え、どのように対処されようとしているんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの予算の内容や編成について我々が干渉すべき立場にはありません。しかし、一般論といたしまして、米ソあるいは世界各国が軍事費をできるだけ削減ないし節減いたしまして、そのお金を内需の振興とかあるいは途上国、債務国あるいは極貧国の救済に向けていくということは望ましいことであると私も考えております。しかし、同盟国であるアメリカに対しまして、その具体的な予算の内容について一々言挙げする問題ではなくして、これはアメリカの議会、アメリカの国民がみずから決めることであり、我々としては、国際会議においてアメリカが行うと約束した財政削減、赤字の削減、そういう考え方に立って強くこれを要請していきたい、そう思う次第であります。
○安恒良一君 貿易赤字と財政の赤字、双子の赤字を解消することができるかどうかというのは、総理も言われましたように、米国自身の反省と努力が必要だということは言うまでもないことです。例えば、今はドル安ですからアメリカが輸出を伸ばすには絶好の機会になっているわけです。ところが、私はどうも米国の産業の空洞化がそれを阻んでいるのではないだろうかというふうに実は思うわけです。米国産業の空洞化の要因はいろいろあると思います。ありますが、その米国産業の基本が軍事産業に頼り過ぎているという面が非常に大きいのではないか、こういう点に米国産業の構造を見るわけですが、そういう点について総理、お考え、御感想がありますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの予算あるいは財政の内容が国民経済にどういう影響を持っているか私はそう深く勉強したことはありませんが、ほかの国から比べれば防衛費は多いわけでありますから、ほかの国と比べるという一般的比較からすれば、防衛費というものはかなりそういう意味においては負担になっている、日本のような場合はそういう防衛費をできるだけ減らしてそして民需、平和産業に大きく力をいたしてこれだけの繁栄を示している、そういう結果は過去四十年の過程を考えてみるとそう言われるのではないかと思っております。
○安恒良一君 総理、私は今本当にアメリカが貿易を、輸出を伸ばすには絶好のチャンスにもかかわらず、一般の産業が、アメリカの場合はいわゆる対外に産業が空洞化しているわけですね。ですから、そこのところにやはりいろんな問題があるんじゃないか。日本の場合もこれから産業の空洞化ということは真剣に考えなきゃならぬ問題がありますからあえてそのことを言ったんです。 そのことはそれにしまして、例えば富士通とフェアチャイルドとの合併がアメリカの圧力で破談になったという例がございますね。これはどうも、アメリカ側が軍事産業への外国分野の受け入れを国策としては認めないことを示すとともに、それが私は米国の国際競争力の低下をもたらしているのではないだろうかというふうに思います。結局、アメリカの双子の赤字を解消するためには軍事費の削減が不可欠であり、今度行かれましたら、この点をアメリカ政府との間の話し合いで十分主張されないとなかなか今日のアメリカの双子の赤字を解消するということは困難だというふうに私は考えますが、その点について総理のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの産業の力を余り軽く見ちゃいかぬと私は思うんです。アメリカの産業というものは現在においても非常に底力を持っております。非常に強くなってきますと、大体多国籍になってまいりまして各地に進出してまいります。その力はしかし本国にまだ残っておるわけてあります。ただ、いろいろな事情でその力が発揮できないという情勢ができてきておる。日本もだんだん力がついてきまして、そして多国籍的になり外国にどんどん進出しておりますけれども、それじゃ日本の産業の力が国内で弱るかと言えば私は必ずしもそうではない。研究費を常に使ってそしていろいろな開発をやっておるのは大体本国でやっておる場合が多いのでありますから、そういう意味においてアメリカの力を軽視しては間違うと私は思って、まだ我々が及ばないぐらいの巨大な力を持っていると考えなければならぬのであります。 ただ、これから長い将来というものを考えてみますと、国際的に水平分業というような関係がだんだん進んできておりまして、物や金の動きについては国境というものの意味が次第に薄れてきつつある。そうすると外国へ出ている企業の商売、仕事と、本国におる企業というものと一体になって物を考えていかないと概念が違ってくるという時代になってまいります。日本の場合でもアメリカが日本に随分進出してきております。テキサス・インスツルメントとかモトローラとかありますけれども、それらは本国におけるアメリカの企業と一体になっておるわけであります。OEMと称して向こうのブランドでこっちがつくっておるものを出しておるというケースも非常に多い。それは日本だけじゃなくて韓国に対してもシンガポール、香港に対してもそういうケースは多いわけでありますから、世界経済の様相が少しずつ変わってきておる。 したがって、本国と一体となった考え方に全体としての物の見方というものをそろそろ変えていく。主権国家の政治的な国境というものを中心に物を考える考え方から、経済というものの世界性というものに目を転じて思考をしていく必要がだんだん出てきている。これがサービスその他がどんどん進化し、情報が進めば進むだけそういう方向に動くであろう、今そういう門口に来ている、そういう認識を持っておる次第であります。
○安恒良一君 その問題、総理の認識は認識として承りまして、ちょっときょうは時間がありませんから多国籍企業の問題は改めてまたやりたいと思います。 そこで、次は貿易摩擦問題に質問を進めたいと思いますが、円レートが百三十円台に突入したし、半導体問題では報復関税が課せられる。昨今の日米経済状況は世間でいわゆる貿易戦争だとこう言っているんですね。そういう言い方すら世間ではされておりますが、私はもちろんこれは日米双方に責任があると思います。しかし、日本側の対応で何がこうした結果を招いたというふうに総理はお考えでしょうか。日本側の対応に間違いがなかったのかあったのか、何がこういうことの結果を招いたというふうに思われますか、総理に伺いたいのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 貿易戦争というものは存在しておりません。経済摩擦あるいは貿易摩擦というものは存在しているだろう、これはお互いの話し合いによって努力すべきであると思います。 原因については、今までここでいろいろ申し上げました。また、各大臣からも御答弁申し上げたとおりです。半導体の問題につきましては、通産大臣が議会で御答弁申し上げましたように、我が方は協定を遵守しておるつもりであります。しかし、協定の解釈等についてアメリカ側と若干そごしている面もありましてこのような事態になったことは甚だ不幸でありますが、一日も早くこれが撤回され、正常に復すように双方で努力していきたいと思っております。
○安恒良一君 私は日本側の原因はいろいろあるというふうに思いますが、産業構造から始まりまして日本的な市場競争のあり方まで、広範囲にいろんな問題があるだろうと思います。しかし、最近の状況では、中曽根内閣になりまして超緊縮型財政運営が結果的には輸出に活路を求めることに追い込んでしまったのではないだろうか。例えば一般歳出の伸び五年間ゼロ、公共投資は三カ年ゼロ、四年間マイナス、こういう状況ですね。ですから、経済全体の活力を失わせ、縮小再生産型に陥ったことは私は否めない事実だと思います。 ですから、やはりこの点をまず私は反省する必要があると思いますが、この点の反省はどう総理はお考えになっていますか。政策の失敗を認めたからこそ今回は自民党としては六十二年度に五兆円の追加補正、いわゆる内需拡大の基本方針を決められて、安倍さんにいわゆる総理の代行ということでアメリカ側に説明させられたと思いますが、こういう点について、総理としては今までとってきた財政政策の反省についてお考えがございましたら聞かせてもらいたいと思います。 〔委員長退席、理事原文兵衛君着席〕
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり最近の現象は急激な円高が非常に大きな影響を与えておると私は考えておりまして、円高につきましては、日本側の事情もありますが、アメリカ側あるいは世界的な事情もあるので、日本だけの責めに帰すべきものではないんです。 昨年の経済成長率等を見ましても、内需は三・九でかなり上がっておるわけです。しかし外需が落ちてまいりまして、これが一・四落ちた、そこで二・五ということになった。つまり外需が非常に落ちた、輸出が落ちてきている。バランスがそういうふうに変わってきておる。そういうところに原因があるので、内需の振興という面についてはかなりの線にいっておるのです。しかし、輸出が落ちてきたということを内需でカバーするという方向にこの際強く動く必要がある。そういう認識のもとに、五兆円を上回る財政支出を伴う財政策を自民党とともに検討しておるわけなのでありまして、これは現在の事態に適応するために緊急的にできるだけ早期にやりたいと考えておるところでございます。
○安恒良一君 どうも総理は自分の失敗やその反省をなかなかされないようですが、私はそういうことでは今の対外経済摩擦は解消できないんじゃないかと思います。 総理はよくこの予算委員会でも、国際国家日本、こういう言葉をお使いになられますが、私は行動も国際国家日本にふさわしいものにしなければならないと思います。今日の円高、報復措置、こういうものを考えますと、本当に国際国家にふさわしい政策をとってきたんだろうか。とってきておった上で世界から非難されるということになれば、私は理屈に合わないと思います。しかしながら、私が指摘をしたように、中曽根内閣になって五年間の皆さん方の超緊縮型財政運営という問題については、やはり今日の円高の一つの問題としての反省はあってしかるべきだと思いますが、再度総理にその点についてお聞きをします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革はあくまでやらなければならぬのでありまして、現在の国民にもあるいは将来の国民にもできるだけ負担を加重させないように、我々としてはできるだけ小さい政府で、効率的な政府でそういう行政を目指していくべきものであります。そういう意味におきまして、臨時行政調査会、土光臨調の答申を尊重し、あるいはその後の臨行審の答申等も尊重し、デレギュレーションを徹底していくために、三公社を解体しまして国鉄以下を民有化する、そういう一連の政策をやってきておるので、私はこの道は正しい道であると思っておるのです。 国民はあくまで、できるだけ税金が多くならぬように、またできるだけ子孫に対して重い負担を残さぬように、我々のときに解決すべきものは解決しようと、そういう気持ちでいらっしゃると思うのであり、政治家としてはそういう次の時代もにらんだ長期的安定的な財政なりあるいは社会政策というものを考えていかなければならない、そういう考えに立って私は施策をしてきたつもりであります。ただ、最近のこの急激な円高という現象、こういうものに対してはこれは急激に対応する必要が出てきた、そういう意味で今の五兆円云々に及ぶ緊急政策を出してきておるのであります。これは当然行うべきことであると考えております。
○安恒良一君 何かこう、最近最近と言われていますけれども、竹下大蔵大臣のときのG7以来、今日のこの円高がどれだけ日本経済に重大な影響を与えているのか、国民生活にどれだけ重大な危機をもたらしているのか、雇用問題その他に。そういう点についての認識が、私はどうも総理以下関係閣僚は非常に甘いんじゃないか。国民が今日この円高問題について経済政策の転換をどれだけ求めているかということについて、私はぜひ真剣にお考えを願いたいと思うんです。行財政改革をやることといわゆる円高が、これだけの円高によって、それが日本経済に与えている打撃という点、この点についても私はやっぱり真剣に政府としてはお考えくださらなければいけないとこの点では思います。私の考え方を申し上げておきます。 そこで今度は、総理は、新前川レポート、こう言われるもの、これを持って訪米をされると聞いていますが、総理はいかなる決意を持ってこの報告の実現に取り組もうとされているのか、またレーガン大統領との会談に臨もうとされているのか。総理の決意のほどを、新前川レポートについてお伺いをします。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる新前川リポートというものはまだ正式の答申になっていないのであります。これは経済審議会の中における特別委員会が総会に対して報告を出したというので、これが総会で審議されて、しかる後に手続を経て政府に答申されるものなので、またそれは正式のものにはなっていない、そういうふうに御了解願いたいと思います。 いわゆる前川リポートに対しましては、これを政府・与党で取り上げまして、その内容を検討して、そしてその大部分は公正妥当で至急取り上げる必要があるという判定のもとに、政府はそれを基礎にしまして構造調整の方針を決め、昨年の五月一日に正式に決めて、そしてこれを推進する本部をつくって、私が本部長でこれを推進してきたわけでございます。私はかなりこれは前進してきていると思うのであります。 この間、大体どういうところをやったかと調べてみますと、内需の振興、この中にデレギュレーションというものがありますが、電電や国鉄の民有化それから住宅減税。これは住宅ローン残高の一%を所得税から控除するというようなことで、大体今百四十五万戸から百五十万戸レベルで住宅建設は推移しておるんです。場所によっては大工さんが不足しているところもあるんです。余っているところもありますけれども、そういうところも出てきておる。そういう意味において、住宅政策等も今懸命に進めておるところであります。それから、地方公共団体と提携しまして地方でいろいろな仕事を起こしております。これらもだんだん緒についてきておるところです。それから企業の構造転換等についても幾つかの仕事が進められております。 それから税制の改革については、この間うち法案を提出いたしましたが、これは各党の協議によりまして、議長の裁定の線に沿ってこれを前進さしていかなきゃならないと思います。 そのほか、市場アクセスの問題にいたしましても、大体製品輸入が増大してまいりまして、六十年は三一%であったのが四一・八%に輸入品に占める製品の比率がふえてきておりますし、数量ベースにおきましても二四・四%、昨年に比べて六十一年、一昨年に比べてふえておる。対外直接投資にいたしましても、六十一年四月から六十二年までは大体八四・六%ふえております。六十年度の二〇・三%に比べると、対外投資は八〇%台にまでふえてきておる。額にいたしましても、六十年が百二十二億ドルに対して、六十一年の四月からこの二月まで百九十五億ドルに及んでおります。 それから東京オフショア市場の開設であるとか、あるいはODA、開発途上国への資金管理、これは昨年が九十六億ドルの資金管理をIMF及び世銀等を通じてやっておるところであります。 そのほか、労働時間の短縮の問題について答申をいただきましたので、四十時間制度ということで労働基準法の改正の提議をしておるところでございまして、去年の五月から一年近くの間の歩みを見てみますと、かなりの点で前進しているのであります。しかし、さらに我々は国内の経済構造調整を行って、国際経済に調和する型の日本の経済構造に転換していく、この国際的約束をさらに推進していかなければならない、そう考えておる次第なのであります。
○安恒良一君 総理は物の見方がえらい楽観的なんですが、これは後から議論します。 経済の見通し問題でも、昨年の十一月の臨時国会で経企庁長官と総理と議論したときも、今言ったような甘い見通しをされた。見通しをされたけれども、結論は全く私が言ったとおりに経済見通しはなってしまっているわけですよ、結論は。後からこれはやりますけれども。私の方が論争を挑んで、私が論争したとおりに経済はなっている。ですから、今総理は、非常に何か今の円高問題が一過性の問題であるし、投機的な問題であるかのごとく日本の経済の前途をかなり楽観視されていますが、にもかかわらずに、いわゆる貿易黒字の幅はだんだんたまっている。円高は急速に加速化している。我が国においては非常な失業なりがふえている。そして、国民は円高におけるところのメリットというのは何にも受けてない、何も感じない、これが今の現象じゃないでしょうか。そういうときに、まあ為政者というのはなかなか自分の失敗を反省することはお嫌いになるというのはわからぬわけでもないんですが、しかし、やはりこの点は十分いま少しシビアに今日の日本の経済の置かれているところをまず見る必要があるんではないだろうかと私は思います。 そこで、あなたは、いわゆる新前川レポートというのはまだ正式のものになっていないから、そうすると、今回はレーガンさんとお話しになるときに新前川レポートの中身についてはもう全然お話しされない、こういうふうに承っていいんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 相手と話す前にこっちの手のうちをそう見せるものじゃないので、今の前川レポートというものが正式の報告として来ておるものではありませんから、首脳会談においてそういう話が出れば、これはこういう性質のものだということになるでしょうが、今のところあれを売り物にしようなんという考えはありません。
○安恒良一君 昨年、十分我々に相談しないまま外国に行って、前川レポートで約束をされて、衆参の予算委員会で厳しい指摘をされていますから、総理は慎重にそう言われていると思いますが、どうも率直に言って、新前川レポートの中身を見ましても、一般論的にメニューはいろいろ書いてあるが、どうも具体性に欠けている。加えて、実行くのアクションプログラムが非常にない。ですから私は、今この経済問題、日米の貿易摩擦問題その他いろいろ考えますと、この両三年が正念場だと思います。それから、政策の努力を集中的にしなきゃならぬというふうに思うんですが、どうもこの前川レポートを見ましても、そこのところが新前川レポートも私は欠けているというふうにこの点では思うわけです。 ですから、今アメリカや諸外国が言っているのは、もう報告は要らぬのだ、日本に実行を求めるのみだ、こういうことがいろいろ言われているというふうに私は思うんですが、やはり総理、この内需の拡大に対して、私は前回の予算委員会でも申し上げたんですが、今度内需拡大のための経済対策という。ことで自民党でお決めになりましたが、これも率直なことを言って、従来の繰り返しがほとんどであって、あえて新味があるとすれば、五兆円という数字が今度ついただけであります。こういう意味からいうと、内需拡大について発想の大胆な転換が必要じゃないだろうか。そういう点について総理はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど来申し上げておりますように、行政改革は一貫してやらなきゃならぬ、仕事もやらなきゃならぬと思いますが、最近の円高の急激な現象にかんがみまして緊急の措置をやる必要がある、そういう認識のもとに、臨調及び行革審で認められておる緊急措置を思い切ってやろうということで党でお決めいただいた。これを政府は検討し、そして予算が成立いたしました後で政府としてはこれを政策として取り上げまして実行していきたい、そう思っておるところでございます。要するに、政治は生き物でありますから、一つの原則を守ってきておりますけれども、そのときの情勢情勢によって対応すべきときには十分対応していく、そういう態度で進んでおる次第なのであります。
○安恒良一君 そこで、私は労働大臣にお聞きをしたいんですが、可処分所得の拡大というのは私は内需拡大の第一歩だと思いますが、今度自民党が決められた緊急経済対策の中で、可処分所得の拡大というものの一つには、これは「税制改革を実現し、国民経済の活力を高める減税を行う」と、こうなっているんですが、私はまず減税を行うべきだというふうに思っているんです。それはちょこっと入っていますが、それ以外のことは、いわゆる一から八項まで、「内需拡大のための経済対策」ということの中に入っていませんが、可処分所得の拡大のための内需拡大についてどういうふうに労働大臣としてはやろうとお考えになっていますか、お考えを聞かしてください。
○国務大臣(平井卓志君) 大変決め手が難しい御質問でございまして、ただやはりこの可処分所得、委員が御指摘のようにこの減税問題、これも非常に大きいウエートでございますが、同時に物価の安定ということも、両面から考えなければなりませんし、また先ほど来前川レポートの話が出ておりますけれども、これで指摘がございますように、経済成長の成果というものが当然労働時間の短縮、また賃金の適切な配分ということにもつながっていかなければなりませんし、そのこと自体が勤労者福祉、生活の向上のみならず、この内需の拡大の面からも望ましいことというふうに考えております。 なお、ついででございますが、今申し上げました賃金の面でございますが、これはもう委員十分御専門で、御案内のように厳しい春闘と言われて今日に至っておるわけでございますが、具体的な配分というのは、やはり労使の自主的な判断、これが基本であろうかというふうに考えております。 いずれにしても減税問題、さらにはより一層の物価安定、さらには踏み込んで物価の引き下げということが配分と同時に非常な重要なポイントでなかろうか、かように考えております。
○安恒良一君 労働大臣、緊急経済対策要綱の中には、今申し上げたような労働時間の短縮問題も触れられておらなければ、経済力に見合った賃金の引き上げなどというのが全然触れられてないわけですよね。いわゆる減税のところだけを、税制改革をまず実現し、それから国民経済の活力に見合った減税を行うとなっていますが、少なくともこれをお決めくださったとき、これは自民党が決めたことだからと言われますが、その後政府としてもこれを追認されておるようですが、やはり国際的に非常に働きバチ、働き中毒と言われていますね、そういう問題。 それから、ここでちょっと質問しておきたいんですが、購買力平価に基づく賃金水準はアメリカと日本の関係はどうなっているでしょうか。
○政府委員(岡部晃三君) 購買力平価でございますが、私どもの方で試算をいたしましたところ、現在の円ドル関係の市場における価格とは違いまして、一ドル約二百三十八円前後というふうに私ども試算しているところでございます。
○安恒良一君 ですから、これを計算し直しますと、大体アメリカ一〇〇に対して日本が八一なんですよね、大臣。もう既にGNPが世界第一位になっていますから、GNP国民一人当たり。それから見ますと私はやはり可処分所得の拡大、こういうのが内需拡大の一つの第一歩だと思いますから、減税それから経済力に見合った賃金の引き上げ、それから労働時間の短縮、こういうことが大きな方針として打ち出されてこないと、口で言う内需拡大、だから私はこれは今までのことに比べるとただ五兆円という金が話だけだとこう言って総理にも迫ったんです。こういう点について、これ以上この点でもう時間をとるわけにはいきませんから、大臣、こういうものをお決めになるとき労働大臣としてはしかとそこのところを考えておつくりにならぬと、これでは本当の意味の内需拡大にはもう画竜点睛といいますか、一番大きいところがかなりこれは欠落している、こういうことになるわけですから、このことだけは、答弁は要りませんから御指摘を申し上げておきます。 そこでひとつ具体的にお聞きをしたいのですが、総理が昨年アメリカに行かれたとき、内需拡大、市場開放をうたった前川レポートというものを摩擦解消のために使われたことは事実ですが、この一年間に本当に前・前川レポートの実効がある政策というのがどういうものがあっただろうか。総理はくどくどと数字をいろいろ読まれました。しかし、外国から言う目に見える市場開放がどれだけ行われたのだろうかということが私は非常に問題だと思います。というのは、国際摩擦が起こるのは日本だけに問題があるとは私は思いません。すなわち、日本が全面的な加害者で諸外国は弱き被害者というのは私は当たらないと思う。国益や国際的な駆け引きも複雑に絡む背景があることも私は承知しています。 そこで総括的に、日本の市場は本当に閉鎖的なのだろうか、市場開放は閉鎖的なのであるかどうか、国際的にはどういう分野でどの程度の開放が不足だというふうにお考えになりますか。総理のお考えと海外からの指摘を、担当大臣の認識を国民の前にこの点がわかるようにお答えを願いたいのです。法務大臣、大蔵大臣、農林大臣、建設大臣、郵政大臣、通産大臣、運輸大臣、以上の大臣ですね。この点について具体的な問題はそれぞれ事務当局に通告しておきましたから、法務大臣の場合には弁護士開業の問題とか、大蔵大臣の場合には東京証券取引所の会員の問題とか、具体的中身は今読み上げませんが、全大臣に通告してありますので、本当にあなたたちはこの点を国民にわかるように、さらにこれと重ねて御答弁願いたいのですが、所管大臣は日本の市場開放はおくれていると国際的に見て我が国が非難されても仕方がないという判断をお持ちなのか。 〔理事原文兵衛君退席、委員長着席〕 いやそうじゃないのだと、胸を張ってそんなことはないと考えているのかどうか、こういう点もあわせてお考えをお聞かせください。
○国務大臣(遠藤要君) 法務省としては、外国人弁護士の受け入れに関する特別措置法を皆さんの御協力をちょうだいいたして四月一日から施行させていただきました。 この問題は、先生の御発言の中にもございましたけれども、一つはやはり市場開放の一環として要請があったと承知をいたしておりますけれども、私どもとしては、これを契機として我が国の司法制度全体を見直し、そしてその判断の結果が、やはり我が国として諸外国より今物的、人的の問題において非常に交流が増加しております。そのようなときに当たって国際的法律事務の的確な処理をしていくということになりますると、よその国の弁護士も日本に入りたい、日本の弁護士もよその国に行くというようなことが適切ではないかと、かような考えを持ちまして、相互保障のもとに弁護士の国際交流の制度を図ったと、そのような点で大変皆さんに改めて感謝を申し上げたいと思いますが、いい時期に、市場開放のときにこの問題が提言されこれを処理することができたということを申し上げてお答えといたします。ありがとうございました。
○国務大臣(宮澤喜一君) 証券取引所の会員権の問題でございますけれども、これは基本的には取引所自身の決定すべきことではあるのでございますけれども、大蔵省としても行政では深い縁のあることであって、そこで一昨年の暮れでしたが、現実には昨年の二月になりましたが、スペースの許す限りである程度の会員権の付与をいたしました。しかし、それではなおそこに選に漏れた会社がかなり殊に海外関係でございまして、今のところでは来年の五、六月ごろには別館と申しますかスペースを広げますので、それでブースを置くことができますから、そういう状況になりまして新しく希望の方々の中から選考することがかなりできるのではないか。 それは現実の時期は来年のたしか五月ころ、夏前と聞いておりますが、そういうことがわかっておりますから、間もなく、これから夏、秋にかけましてほぼどのぐらいの新しい会員をつくることができるかということを外国に向かっても言えることになるだろうと思っておりまして、これで問題はほぼ片づくかと思っております。
○国務大臣(加藤六月君) 我が国の農産物輸入は、経済の高度成長とそれに伴う農産物需要の拡大、増大、需要構造の変化に対応して大幅に増加してきております。今日我が国は世界最大の農産物の輸入国であります。そして、我が国農業の国際化の進展の過程で、我が国は国内農業を取り巻く厳しい情勢に適切に対応しつつ可能な限り農産物市場のアクセス改善に努めてまいりました。こうした結果、我が国の農産物の平均関税率は、土地条件の比較的似通っているECよりもかなり低い水準、日本は平均八・六%、ECは一二・三% でありますが、となっておりまして、また輸入制限品目はこの二十年間で約五分の一、百三品目が二十二品目になるまでに減少させてきております。 農業については、その特殊性を踏まえ、各国とも、世界すべての国がそれぞれの国内事情に応じて所要の国境措置、農業保護助成措置を講じているのが実態でございます。また、先ほども申し上げましたが、我が国が世界最大の農産物輸入国であること等を総合的に勘案しますれば、我が国の農産物市場は閉鎖的とは考えでおりません。 なお、こういった問題についての基本的な考え方は、米は国内自給を基本とする、畜産物については需要動向を踏まえつつ国内生産で不足する分を輸入することにより適切な対応を図っているところでございます。
○安恒良一君 たくさん大臣を指名しましたが、これなかなか時間かかりますから、既に運輸大臣と建設大臣にかかわる問題は自民党の議員の前の御質問で出ていますから、それから第二KDD、自動車電話のことも郵政大臣お答えになったようですから、通産大臣、スーパーコンピューターについてどう考えるか、それだけ聞かせてください。
○国務大臣(田村元君) スーパーコンピューターにつきましては、昨年の一月からコンピューターに関する関税を撤廃いたしました。御承知のとおりです。市場開放は進んでおりまして、内外無差別のもとで導入が進んでおります。政府機関、いわゆる政府調達ですが、このコンピューター調達につきましても、従来より内外無差別でございます。導入手続をより透明化するために、統一的なガイドラインの案をつくって米政府にも提示したところでございます。 御参考までに申し上げますと、六十一年一月一日以前、コンピューター本体が関税率が四・九%、周辺装置が六・〇%、部品が四・九%、それが一月一日から全部ゼロになりました。
○安恒良一君 私がお聞きをした中で、胸を張って言えるかどうかということを聞いたんですが、どうも胸を張って言える人は余りいないような気がします。 そこで、私はどうも非常に心配しているのは、この五年間に、外国から言われたり指摘をされた後にやるのじゃなくして、日本自体が自主的に優先的にこれらの分野で国際的に開放したものがありますなれば具体例を、日本がみずからやったもの、これをやったというものがありましたら、どの大臣からでも結構ですからひとつ言ってみてくたさい。向こうから指摘をされる前に日本みずからがやったというのがあったら言ってください。
○国務大臣(田村元君) 指摘をされる前か後が、それはわかりませんが、とにかく鉱工業製品におきましては、我が国の関税率は平均二・一%、世界の経済先進国の中で最低でございます。これは胸を張って申し上げます。
○安恒良一君 いや、私は、実は中曽根内閣になって五年間、こっちから自主的におやりになっているのはないと思うんです、胸を張って。 どうも日本政府のやり方を見ていますと、基本姿勢が、外圧を利用するもしくは小出しにと、これでは日本政府は積極的にやっているという見方が見えない。例えば第二KDD、自動車電話、大阪国際空港の建設、東京証券取引所会員の問題、外国事務等々、どうも私が見るとどれも外圧によって渋々やっている、こういうやり方が多いんじゃないかという、だけど結果的にそのことは市場開放をしているという。私は外圧を利用しなければなぜできないんだろうかというのが不思議でならないんです。そういうことをやるとこれは世界的に孤立を深めていくことに私はなると思いますから。こういうやり方じゃない、弊害を除去する手だてはどうすればできるのでしょうか。それともどうしてもやはりこういう外圧なり他国からの指摘がないとできないというふうに思うんでしょうか。ここは政策全般にかかわりますから、総理のお考えを聞かしてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) これはやはり日本の歴史に根差す点がかなりあり、地政治学的位置に関する部分も非常にあります。 ごらんのように、ペリー提督が来て約百五十年ぐらいになりますか、百三十年ぐらいですね、たしか。西洋の諸国はもうその前から資本主義が発達しておって、そして分業はどんどん進んで、周りに同じくらいの力を持った国々がたくさんおりますから、しかもまだ文化的にも同一性を持っておる国々が多いですから、したがって非常に交流が盛んであります。我が国は極東の一小国でありまして、明治維新から初めて開国をやって西欧に追いつくと。そういうことで駆け足で追いついてまいりまして、追いつくためにはある程度国家が機関車にならざるを得ない。そういうところからある程度の統制、規制というものもやり、あるいは帝国大学みたいなものをつくって官吏を養成してそうして追いつくという、一生懸命やってきたわけであります。 そういうわけですから、外国から比べてみてややもすれば開放性は少ない。戦争が長引いたために統制、規制は強まっていった。そういうところで、戦争に負けて初めてぷっつり糸を切って、自由民主主義、あるいは自由世界、あるいは自由貿易、そういう面に入ってきた国であります。戦争に負けて廃墟の中から立ち上がるという面から見まして、やはり重化学工業からスタートしなければだめだと、そういうことで石炭国管までやりましたね。私は社会党と一緒にやってひどい目に遭いましたけれども。ともかく、あのころ民主党は選挙で惨敗してしまいました、芦田内閣が。そういうような経験もありまして、やはり石炭国管というようなことまでやって、傾斜生産で日本の復興を速めてきたわけでありますが、それはある程度力になったとも思います。 そういういろいろな経過を経まして、高度経済成長へ今までのような経過をたどってようやく四十年代にヨーロッパの国々に追いつき、そして五十年代には追い越すと、そういうようなことで急激に現象が出てまいりまして、そうなるというと、どんどん開放しなければ世界が言うことを聞かない、自分一人で、一人もうけするようなマージャンをやる連中はもうだれもつき合わなくなる、そういう情勢が馴致されてきて、今大慌てになってやっているのが現実じゃありませんでしょうか。そういう点で我々は世界国家、国際国家になろうという合い言葉をつくって、国民的目標として輸入ということを国民の皆さんにも御了解いただいて、そして今懸命の努力をしておると、そういう状態であると御認識願いたいと思うのであります、
○安恒良一君 総理は社会党と一緒になって惨敗されたときのことだけ言われますが、今度も売上税で統一地方選挙では大惨敗をされたわけですから、そこも忘れぬようにしておいていただきたいということを一言申し上げておきます。 そこで、新前川レポートについて少しお聞きをしておきたいんですが、私は新前川レポートの抽象的なところ、不明確なところを言いましたが、総理はこの点についてどう考えられるか。財政について、内需拡大のための臨時緊急の思い切った財政措置を講ずることになっていますね、前川レポート。どのような措置をとるのか明確でありませんので、これは減税でしょうか、それとも公共投資でしょうか、そこのところを総理はどういうふうにお考えになってこれからやっていかれようとするんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この前川リポートというものと関係なしに、政府独自の見解に立ちまして、内外の情勢を見て内需拡大策に入った。それで、自民党は四月の初めにその大体の大綱を考え、そして先般具体的な要綱をつくり上げ、そして予算が成立したら現実政策としての緊急総合政策を発表する。そういう意味で、予算成立を待ちまして、今各省庁あわせまして前から懸命の作業をやらせている最中でございます。しかし、党が約束したことは政府としてもこれを尊重してぜひ実現したい、そう思っておりまして、目下検討しておるというところでございます。 要するに、実効性のある財政出動というものを重点に考えておる、そういう意味の内需拡大策というものを今度はやる必要があると思っております。
○安恒良一君 どうもまだ中身がはっきりしませんから、それでもう一つ聞いておきたいんですが、「臨時緊急の思い切った財政措置を講ずる」と、こういうふうに言われていまして、一方では「特例公債依存体質からの早期脱却に努めること」になっていますね。昭和六十五年度の特例公債依存体質脱却という、これは総理が表看板といいますか、金看板とされていますが、この隣どうなるんだろうか。私は、やっぱりこの六十五年度の脱却はひとまずもうここでは断念をする、そして少しでも財政の対応力を高めるべきではないだろうかというふうに思います。 例えば、私ども社会党としては、政府の財政再建計画を五年間延期し、それは一九九五年に繰り延べるべきだということを政策として実は提言しているわけですが、こういう点について総理として、また大蔵大臣として、どういうふうにするのか。 また、それはなぜかというと、どうも大槻さんのところの新行革審では一昭和六十五年度赤字公債脱却の財政再建目標を三年間先送りにしようという検討がなされている。そこで私は、この際国内外にもアピールするために、やはり積極財政への転換ということを言わざるを得ないところに来ているじゃないか。そうすると、率直に言って、実現不可能になった有名無実の財政再建目標をいつまでも掲げていることよりも、やはり新財政再建方針を、積極財政方針を今もう打ち出さなきゃならぬところへ来ている。これは、私は秋の臨時国会でもそのことを強調したんですが、その後、あれから半年たってますますその感を深くしますし、既にそのことについては新行革審でも議論がされているようでありますし、さらに前川レポートは二つの点を掲げていますが、この点について総理、大蔵大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 何分にも一般会計の二割程度のものが国債費になっておる、利払いでございますけれども。そして、これはどうも少しも減らないわけでございますから、それでは財政の弾力性というものがいかにも失われておって、財政がやるべきことができないこの現状というのはだれが見ましてもどうかしなければいけないわけでありますので、そういう意味で、できるだけ早く特例公債というものはやめたい。これは財政の弾力性を回復するために必要なことだというふうにすら私は実は思っております。 そこで、六十五年ということになれば確かにだんだん日も少ない、難しくなってきたのではないかとおっしゃれば、大変厳しいとは私も思っておりますけれども、そうかといって、これ以上国債の利払いがふえることも大変に問題でございますから、仮にこの旗をおろすとしたら、それならほかにどういう旗を掲げて財政の節減をやっていくかということを考えませんと、ただもうこれやめちまえばいいというわけにはどうもまいらない。これは、大蔵大臣としてまいらないと申しますよりは、そうしませんと利払いがどんどんふえていって、財政が本当に必要なことができなくなるという意味で申し上げておるわけでございます。 それで、まだ実は六十五年までには多少時間がございまして、本来我が国の経済はもう少し高い成長率を私は潜在的には持っておると思っておりますので、この数年間のは、税収なんかからいいましてもちょっと我が国の実力からいうと低過ぎるのではないかということもございますから、経済運営をもう少し、いわゆる先ほどからお話しの内需拡大というようなことでやってまいりますと、税収なんかももう少し期待ができるような経済になっていくのではないか。そういうことも見ながらただいまの問題は、まだ少し時間がございますから考えてまいりたいと思っております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 現在は六十二年度の予算の御審議を願っている最中でございまして、この六十二年度予算の基礎になっておる考え方は、ここでも御答弁申し上げましたように、増税なき財政再建あるいは六十五年度赤字公債依存体質脱却の旗はおろしませんと、そういう理念のもとにできている六十二年度予算の御審議を願っている最中にこれを動かすようなことを言えないのは当然のことであり、そういう基礎の上にこれができているということをまず申し上げたい。 第二番目に、じゃ予算成立後はどうかという御質問ですが、大蔵大臣が今御答弁になりましたように、時間もありますし、それから最も大事なことは、安易なことに流れて子孫にツケを回して今生活している我々だけが、安穏というと言い過ぎですけれども、エンジョイしていいのかと。そういうもう少し歴史的なスパンを長くして、日本全体の健全性、子孫の繁栄のためというものを考えた考慮で財政というものは常に運営されなければならない。これは鉄則である、政治家の責任である。政党政治になると、ややもすれば短時間的に、目前のことに、国民に甘いことを言ってそれで何とか票を獲得しようと、そういうことに流れがちでありますけれども、しかしそれはやってはならぬ。やりたいことではあるけれどもやってはならぬ。そういうことであると私は肝に銘じておるのであります。ですから、渋い男だと言われるかもしれませんが、やはりこういう立場にならせていただきますと、やっぱり民族の将来や国家の将来も考えざるを得ないのであります。 そこで、こういうような大きな状況変化も出てまいりましたから、そこで臨時緊急の措置として思い切った措置をやる、そういうことでありまして、じゃベースはどういうことであるかということをお尋ねでございますが、このベースの問題につきましては、思いつきでそう軽々に変えてはいかぬ。我々が土光さんを中心にしてやってきた行政改革というのは、それなりの国民の支持と期待を込めた重みのある、厳粛性のあるものであると考えておるんです。したがいまして、この新しい行革審ができましたから、行革審におきましてもしっかりとこの研究もしていただき、そして長続きのする、権威のある、しかも時代に沿った、国民も納得するようなそういう原則を決めて、その上に立って政治というものは重々しく長期的に継続性に耐えるようなものでやっていきたいというのが私の考え方であります。
○安恒良一君 何か総理は政治家の倫理を説かれたようですが、そういう倫理だったら、売上税問題なんかが出てきてあんな結末にならなかっただろうし、統一地方選挙の結果も国民の総批判が政府・自民党に下るようなこともなかったと私は思います。ですから、ここできょうは総理と政治倫理のことについていろいろ議論をする時間がありませんから、これはまた改めてやらしてもらうことにします。 今言っていることは数字、経済の問題を私は言っているわけですね。ですから、前川レポートでも、臨時緊急の思い切った財政措置を講じなさい、講じなきゃならぬと言っているし、それからいわゆる新行革審では、どうも赤字公債脱却、財政再建目標を三年間なり先送りしようという検討がされていると、こういうことを聞いておるわけですね。ですから、五兆円という問題は、えらい何か簡単に、緊急措置だからというふうに大蔵大臣も総理も問われて簡単に、それは今の財政再建計画を変えなくていいと言われているんですが、私は簡単な問題じゃないと思うんですよ。 仮に五兆円、GNPの一・五%に相当しますよ。そうすると、ことしの経済見通しは三・五%なんですよね、今の予算では。じゃそれに一・五%を足して五%に上方修正ができるかといったら、そんな状況じゃないじゃないですか。私どもは現在審議している予算ではとても三・五%は達成できないと思います。これは後から議論しますが、できない。だから、あくまでも大型補正ですね、それは五兆円という金ですから。政府ベースの五兆円というのはかなり大型補正だと思いますよ。そういうものを想定しなけりゃ私は六十二年度の経済見通しはとても達成できないと思うんです。 そういう非常に重要な局面に来ているのに、まだ年月があるからあるからということだけで、精神条項で済む問題じゃないんですよ、この問題。精神条項じゃないんです、具体的な数字の、経済の話ですから。それから言いますと、もうやはりこの際、私は何も緊縮財政を、財政再建計画をやめろなんということを言っているわけじゃないんですよ、総理。やはり五カ年なら五カ年ぐらい先に延長して積極財政に転じないと、とても今あなたたちが口で幾ら答弁されてもできないことは事実なんですよ。まだ先があるさなんて言っておっても、総理がやめた後の、ニューリーダーのだれがなるか知らぬけれども、その人が困るだけの話ですよ。そのときのことを言われて、あのとき私と論争したらこうなったじゃないですかと、こう言われるだけの話ですね。だから私は、もう経済の話なんですから、精神的にそういうものを掲げておきたいとか、子孫に悪例を残したくないという精神的な話は、話で結構ですよ。 しかし、現実の経済政策としては、やはりもう六十五年度特例公債依存脱却というこの経済のやり方は無理がある。むしろこの際は積極経済を組んで、そしてそれによって、宮澤さんおっしゃったように、経済の成長を高めることが税収の増大にもつながるわけでしょう。そういうところに来ているんじゃないですか。去年の秋もそのことを言って、去年の秋以降僕と論争したことがどれだけ具体的によくなっていますか。よくなってはいないじゃないですか。円高問題一つをとらえても、我が国の経済情勢、一つ一つの経済指標をとらえても、去年の臨時国会で議論をし合った後にどれだけよくなっていますか。ますます日本の経済はぬかるみに入っていっているじゃないですか。 そういう点から考えると、どうも今の答弁については理解に苦しむんです。私は、きょうはいわゆる集中方式ですから、このことについてはそれだけにとどめておきますが、もう一遍そこのところの考え方を大蔵大臣、どうですか。考え方を聞かしてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 考え方はこのように私は思っておりますのですが。今内需振興ということが国際的にもまた国内の事情からも我が国にとっては極めて大事なことである。しかし、財政はなかなかそれを十分にできないような状況にあることもまた事実でございます。そういういわば二律背反したような中でこの仕事をいたさなければなりませんが、今としては、やはり臨時緊急の、そういう度合いが強いわけでございますから、入り用なことはぜひしなければならないと思っております。それが第一でございます。 しかし、第二に、それならば、それをやるのに、すぐに六十五年赤字国債脱却というものがつっかえてしまうかと、それに頭をぶってしまうかというと、御承知のようにそういう事情であるわけではない。やはりどっちかといえば、重点的に内需拡大をしようといたしますれば、より緊急度の低いものはできるだけ抑えてでも緊急度の高いものをやりたいという考え方は大事でございますから、そういう意味で、六十五年度赤字国債云々はつらくはなっておりますけれども、今それを外してしまわなければこの緊急の仕事ができないかというと、そういうわけではございませんから、もう少し時間を与えていただいて推移を見ていきたい、こう思っておるわけでございます。
○安恒良一君 この問題も平行線ですから、また改めて連休明けの中で議論をしたいと、このように思います。 そこで、二十一世紀に向かっての社会資本のストックについて、「良質な社会資本ストックを我が国の国際的地位にふさわしい水準に向けて着実かつ計画的に充実し、画期的に国民生活の質を高める。」と、こういうふうに新前川レポートで書いてありますが、どのような社会資本のストックがどの程度になれば国際的地位にふさわしくなるのか、この点について建設大臣、具体的にお聞かせください。
○国務大臣(天野光晴君) 社会資本のストックに関する我が国の水準は、欧米先進諸国に比べ一般的に著しく低い水準にあると言えます。例えば、欧米水準に比べて自動車一万台当たり高速道路延長は約四分の一、下水道普及率は約五分の二、一人当たり公園面積は約十分の一の水準にあります。 建設省としては、欧米水準を一つの目安として、今後国民生活の向上を目指す所管事業の計画的かつ効率的な推進を図っていきたいと考えております。
○安恒良一君 これも私の聞いたことには一つも答えてない。中身ですからね、どの程度になれば世界的水準になるのかということですから。これも後に譲りましょう、時間がだんだんもうなくなりますから。 そこで総理にお聞きしたいんです。社会資本の整備における公共、民間の役割分担についてはどのようなケースを総理はお考えでしょうか。社会資本の充実について、今いろいろ社会資本の充実はこういう問題があるということだけは建設大臣言われましたね。建設大臣がお考えになる社会資本の充実を言われたわけですが、その場合に、この社会資本整備における公共、民間の役割分担について総理としてはどうお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 社会資本の整備については、国あるいは地方公共団体というものが大きな責任をしょっておると私思います。それと同時に、民間を刺激して、民間の力を大いに活用して、官民相ともに社会資本の充実に連携して進むと、そういうようなことも、今の自由主義市場経済をとっている日本の政策としては十分考うべき政策であると考えております。 当面の情勢を見ますと、やはり不況地域に対する公共事業費の配分ということが非常に大事であると思います。大都会は割合に民間活力を考える、それから地方、特に不況の地方に対しては国ないし地方のお金を相当投入する、そういう形が現在行うべきやり方ではないかと考えております。
○安恒良一君 まだまだこの問題で聞きたいことがあるんですが、次に行きます。 自治大臣にお聞きしたいんですが、地方公共団体が主体性を発揮して十分な社会資本サービスの提供を可能にする、それがためには資金調達面の充実強化等について具体的にどのような措置をお考えですか。
○国務大臣(葉梨信行君) 地方公共団体が、社会資本サービスを提供していくために公的な施設整備を行っているわけでございます。そのための資金でございますが、毎年策定しております地方債計画におきまして必要十分な量を計上してきたところでございます。そして、そのために良質な資金を確保するような努力を行っており、これからもそのような努力を続けていきたい。良質な資金は一体何か。いろいろ具体的な内容はありましょうが、安くまた十分な資金量を確保するという努力を続けておりまして、そのようなことで裏づけを行っていきたいと考えているところでございます。
○安恒良一君 私もその良質な資金の中身についてもう少し議論したいんですが、もう時間がありませんからこれぐらいの問題にしておきたいと思います。 そこで、この問題の最後になりますが、例えば前の前川リポート、それから今度のを見ましても、早急に着手すべき政策として掲げられておる問題でも、二年ないし三年かかっても本当に実行可能かどうかという点もたくさん書いてあるわけですね。そこで総理、今度訪米される際には、もし早急に実現が難しいと思われるものがあればどういうものか、それからできるものは何か、こういう点をはっきり明確に整理されて、そしてアメリカ側と十分お話し合いをしてくださる必要があるんじゃないかというふうに私は思うんです。そうでないと、日本は口先ばかりで実行が伴わない、こういう非難がまた返ってきはしないか。今度の新前川リポートを読みましてもそう思います。 こういう点について、二十九日から訪米をされるわけですが、以上の点についてはどういうふうにお考えでしょうか、総理。
○国務大臣(中曽根康弘君) 会談でどういう話題が出てくるかまだ未定でありますから、いろいろ準備はしておりますけれども、こっちからそういうような問題について積極的に触れるべきものであるかどうか、そういう点も検討すべき問題であります。 私は、いろいろな内容、話すべき問題の重要性から見れば、前川リポートの今のような程度の話というものは会談の中に入ってくる余地はないのではないかと、そう思います。もっと大臣レベルとかあるいは事務レベルの話ではないかと思っております。
○安恒良一君 それでは、次は半導体問題をお聞きしたかったんですが、時間が余りないようですから、私はこれは後に譲ることにしまして、経済見通し問題についてこの際少しお聞きをしておきたいと思います。 実際、六十二年度の経済見通しは三・五%の成長を見込んでおられますが、円がこれだけ急騰しました。そこでこの達成は不可能ではないかと思います。それから六十年度から三年間連続過大。そうなると、六十年も六十一年も全部過大見通しで実績はそれを下回ったわけですが、そういう危険があるのではないかと思いますが、経企庁長官、どうですか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 六十二年度の経済見通してございますが、私どもは、内需が大体四%程度伸びる、それに対しまして、円高によりまして外需要因が〇・五%マイナスである、そういうことから差し引色三・五%の経済見通しを立てたわけでございますが、問題は、当時の私どもが計算の基礎に使いました為替レートは百六十三円でございますから、あれから二十円以上の円高になっている、こういうことでございます。 そこで、そういう状況の中でGNPを構成いたします各要素がどういう影響を受けるかということを考えますと、実は消費は依然として堅調でございますし、総理のお話もございましたが、住宅投資は百四十五万戸から百五十万戸数の非常に好調でございますが、さらなる円高で影響を受けるのはやはり民間設備投資でございますから、これが今後の円高の推移でどうなるかということでございます。 問題は、大蔵大臣を中心としてこの円レートの安定のために政府としてもまた日銀としても国際協調のもとでできるだけの努力をしてございますから、何とか円レートを安定させていきたい、こういうことでございます。この度合いによりまして民間設備投資のこれからの動きが決まってくるわけでございますので、私どもはこうしたことに対して、民間の企業が経済の見通しに自信を持っていただけるためには、政府としてある程度積極的な措置を講じなきゃならない、そのための前提がさしあたって六十二年度予算の早期成立てあり、そして速やかな着工である。そういうことでございまして、その後にこの総合経済対策を準備しているわけでございますので、このあたりを今後どう実行していくかということにかかっているわけでございますが、全力を尽くしてまいりたい、かように考える次第でございます。
○安恒良一君 ここであなた、去年の論争を思い起こしてください。六十一年度は四%達成できるかと言うたら、ああでもないこうでもないと言って達成できると言ったけれども、実際は実績見込みは三%じゃないですか。それから六十年度は四・六%が四・三%、これが実績でしょう。しかも今度の三・五%については、あなたも言われたようにいわゆる円レートは百六十三円で計算しているんですよ。現実に二十円以上も高くなっているじゃないですか。そういう中で本当にこの三・五%の実質経済の成長が達成できると思っているんですか。すなわち、政府の三・五%はもう無理だ、夏季で補正予算で追加を見込んでもなお無理がありはしないか、こう言っている民間機関すらあるんですから、もうあなたは去年の秋私に全くうそを言ったことになっているんだよ。また今度うそを言うんですか。二回うそを言ったら大変ですよ、世の中は。あなたが去年の秋私から指摘されたことは、私が言ったとおりになったじゃないですか。この点について再答弁を求めます。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 昨年の見通してございますが、これも総理から御答弁がございましたが、内需につきましては、実は民間設備投資のマイナスを昨年の四月、五月そして九月以降の総合経済対策で財政支出によってカバーいたしまして、結果的には四%前後の内需の伸び率を確保したわけでございます。ただ、円高の進行が余りにも急速でございましたので外需の方で大きく狂いまして、どうも外需で一・五%前後のマイナスになりそうである、そういうことでございますので、差し引き三%を切って、三%から場合によってはさらに二・五、六%になるかなと、こういうようなことでございます。私どもは結局、内需の拡大という一つの大きな政策課題と、そして国際経済調整という政策課題と、この二つの政策課題を同時に並行的に実行しなければならない。そうしますと、実際実現される経済成長率というのは内需と外需の差額で決まりますので、必ずしも政府が見通したとおりにならない場合も外需要素が大きく動けばある、こういうことでございます。
○安恒良一君 あなたは経済企画庁長官がよく勤まりますね。私は今経済の見通しを聞いているんですよ。内需がどうなったとか外需がどうなったかと聞いているんじゃないんだよ。去年の秋もそういう論争をして、四%は無理だろうと言ったのをあなたはできる、できると言って、私が言ったとおりに三%になった。しかも、今あなたが言っておられることで、今回の場合でも円レートがこんなに急激に高くなっているじゃないですか、あなたたちが計算したときに比べて。それで本当に経済の見通しが、三・五%が達成困難かどうかということを聞いているわけですよ。内需がどうだとか外需がどうだとか、そんな言いわけめいたことを聞いているんじゃない。六十二年度の経済見通しについて今論争しているわけですからね。しかも、あなたがおっしゃったように外需関係では円レートがこんなに上がっているじゃないですか。それでもあなたは、円レートがこれだけ上がっておっても六十二年度は三・五%は間違いありませんか。もう一遍念を押しておきますよ、いいですか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 経済は生き物でございますから必ずしも国が考えたとおりにならない場合もあり得るわけでございますが、これは政府の見通してございますので、その見通しの前提になりましたいろんな要素が国際的ないろんな要素で動いた場合には、それに近づくように、まさに財政金融政策の要を得てできるだけ政府の見通しに近づく努力を政策的に進める、こういうことでございます。 ただ、お話をいたしましたように、依然として消費は堅調でございますし住宅投資も堅調でございますが、問題は民間設備投資がどうなるかということにかかっているわけでございますので、これを回復するためには、やはり民間企業が日本の経済に対してどれだけの成長期待を持つことができるかということでございますので、先ほど申しましたように、まず予算を上げていただいて大幅前倒しをする、そしてしかるべき時期に総合経済対策を実行する、こういう形で民間企業のコンフィデンスを何とか回復することが私は見通しに近い線で六十二年度GNPが推移をするための基本的な関係だ、かように考える次第でございます。
○安恒良一君 円レート問題はどうですか。今のような状況で簡単に円レートがあなたたちが計算をしたようなところに戻ると思っているんですか、あなたは。世界の経済の動きがよくわからないんじゃないですか。円レート問題はどうですか。あなたは盛んに言っている。円レートは今既に百四十円を割ったじゃないですか。その状態がずっとこれから続いていく中でそんな簡単にあなたはできるんですか。その点どう思いますか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) これはなかなか先生難しい問題でございまして、我が国政府も大蔵大臣、日銀総裁を中心といたしまして全力を尽くしているわけでございますし、アメリカ側もいっときは円高ドル安を是認すると見られる節の発言などがあったような感じもいたしました時期もございましたけれども、ここまでドルが下がってまいりますともうアメリカの当局者もドルの安定には真剣になってきていると、かように私どもは考える次第でございますから、やっぱり国際的な通貨協調、調整政策がこれから真剣に進められるとすると、私どもはある程度の円ドルレート、国際通貨の安定というのは決して期待できないことではない。そういうことが達成いたしますと、今非常に落ち込んでいますが、私はその円レートの安定が実現すれば民間の企業心理が非常に前向きにこれから動いてくると、こういうことを予測しておかしくないのじゃないかと考える次第であります。
○安恒良一君 どうもあなたの見通しは全く甘いんですね、全く甘い。 そこで通産大臣に伺いますが、通産省の試算によれば、一ドル百四十五円が続けば六十二年度の経済成長率は一・六%にとどまるとの見方をされていますが、これは間違いありませんか。通産省としては、現行のままでは六十二年度の実質成長率が一%台となるのは必至で、そのためにGNPの二%分に相当する需要を政策的に追加しなければ対外不均衡の是正、景気浮揚も十分にできない、こういう見方をされて発表されていますが、通産大臣どうですか。
○国務大臣(田村元君) 一・二%というものを公表したかどうか、まことに申しわけありませんが私まだ聞いておりませんけれども、率直に言って百四十五円の場合には相当大幅に下回るおそれがある。百四十円の場合には、民間の試算ではございますけれども、一・一ぐらいになりはせぬかというような試算が行われておることは事実でありますから。そこで、今おっしゃったように、思い切った措置を講じなければならぬ。つまり、風のないときにたこを揚げるようなものですから、これは政策的にぐんと風を吹かしてたこを揚げなきゃならぬ、こういうことだと思うんです。 でございますから、今企画庁長官に大分おっしゃいましたが、これはむしろ財政当局におっしゃった方が効果があるんじゃないか、経済的波及効果はその方があるんじゃないか。それも宮澤大臣じゃなしに主計局長あたりにおっしゃった方が経済波及効果が大きいのじゃないか、そのように思います。
○安恒良一君 まあジョークで言われたと思いますけれども、予算委員会ですからちょっと今のジョークはいただけませんね。私は、経済成長率は一・六%にとどまるというのはおたくが発表されたのを見ているわけです。 そこで、経企庁長官に再度伺いますが、やはり現状のままでは三・五%の成長は困難である、だから相当規模の大型補正を前提としないと六十二年度は達成できないんじゃないか、そのことが具体的に五兆円という形、自民党の内需拡大基本方針の中で五兆円を上回る財政措置、こういうことを行って内需を拡大する、こういうふうになっているんじゃないでしょうか、その点はどうですか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) GNPの中に占めます財政の役割というものはそんなに多くはないわけでございますし、何といっても大宗は消費であり民間設備投資でございますが、問題は、消費や民間設備投資が将来に向かってどういうような期待でことし行動するかということが大きく経済成長を動かすわけでございます。そういう点で、再三申しておりますように、予算の早期執行、そうして思い切った財政金融の措置、五兆円という数字が出ておりますが、そうした政策を国がとることによってGNP、経済を構成する各要素を活性化して、そして三・五%経済成長を達成することになる、こういうふうに御理解を賜りたいと思う次第であります。
○安恒良一君 少し素直にある程度認められたようですが、そこで、通産大臣からも言われたように、これは大蔵大臣に聞かなきゃなりませんね、そこになりますと。いわゆるこの五兆円の具体的な財政措置の内容、それからその財源措置については大蔵大臣どうするつもりですか、この五兆円は。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はそれが困るのでございまして、いろいろ考えているんです。いろいろ考えているのでございますが、予算を今御審議中でございますので、これを通していただきました後でございますとその次の手順を申し上げることができるのでございますが、その前に後のことを申し上げるわけにいきませんで、実はそこが苦しいところでございます。しかし、安恒委員のおっしゃっていらっしゃることは私も本当のことをおっしゃっていらっしゃると自分で思っているものですから、さて後のことはいろいろ考えておかなきゃならない——いろいろに実は考えております。機会がありまして申し上げることができますときにはまた申し上げますけれども、いろいろに考えております。
○安恒良一君 例えば仮に五兆円としましても、これはやっぱりGNP比に直しますと、今さっき言ったように一・五%なんですよね、一・五%。そうすると、経済の見通しが三・五ですから、本当なら五兆円にすれば、あなたが言うとおりになれば、これは確かに五%経済が成長するはずですが、とてもそんな状況にはありませんね。ですから、どうしてもあくまでも大型補正を想定しないと私は六十二年度経済見通しというのは達成ができないと、今のやりとりを聞いても考えるわけですね。ですから、その点は経企庁長官どうなんでしょうか。 それから続いて同じく大蔵大臣にこれをお聞きしたいんですが、いわゆる予算編成のあり方として、また経済見通しのあり方として、少し今の現状がおかしいとお思いになりませんか。それはなぜかというと、私が何回も今やりとりしておったように、ある程度大型の補正を前提としないとなかなか来年度の経済達成は困難だ。これはもうだれが見てもわかることなんですね。ですから、本当なら今審議してしているこの今度の予算の中に緊急経済対策が織り込まれるべきではないだろうかと私は思うんです。あなたたちは、予算を上げてくれ、ここまで出かかっているけれども上げる前に言うと大変なことになるからということで、後で後でとこう言って逃げられていますね。しかし私は、今日のような日本の経済情勢の中ではやはり、国会のことなんですから、単なる揚げ足取りでなくして、お互いにきちっと中身を議論する意味からいうと、経済のあり方や予算編成のあり方について、今本予算を議論しているときであっても、大型の補正をしなければ政府の見通しが達成困難だというときには、やっぱり大胆に問題を提起されるべきじゃないでしょうか。それを、とにかく予算を上げてくれ、上げたらすぐ後から出します。これじゃ私は国民はたまったものじゃないし、お互いにそういうことは話し合いをすればわかることじゃないでしょうか。ですから、そうでないと私は、今我々が議論している予算は欠陥予算だというふうに考えざるを得ないんですよ、欠陥予算だと。 こういう点についてひとつ大蔵大臣の率直なお考えを、それから経企庁長官を含めて、少しお互いにこの国会の場で真剣に日本の経済を憂えてお話し合いをするわけですから、野党がこう言ったから与党がこうだからというそんなことをのけて、やっぱり経済のあり方という問題について今日考えなきゃならぬところに来ているんじゃないでしょうか。そういう点について率直なお考えをお聞かせ願いたいと、こう思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) もう今の経済情勢で言えばかなり大きな補正予算を考えないと政府が考えているような経済成長というのは難しいんじゃおいかなということをおっしゃっていらっしゃいます。私は自分の所管でございませんので正確に申し上げるわけではございませんけれども、やはり今の経済情勢はなかなか容易ならぬことでございますから、おっしゃるような大きな補正予算を考えなければならないなと、そういうような意味でおっしゃっていらっしゃることをよくわかっていると申し上げたわけでございます。 さてそこで、しかしそれならば、この予算はもともと欠陥予算だろうということをおっしゃいますと、この予算を編成いたしましたのは昨年の暮れでございますから百六十円がらみの為替であった、為替だけを一つ例で申し上げるわけですけれども。これがこうやって動いておりますからそうすると一体いつの時点でということにならざるを得ませんで、やはり本予算というのは補正予算と違いまして一年間のこれから先のすべての施策のもとになるものでございますから、これはこれとして御審議をいただいて決めていただいて、その後に変わってくる情勢に即応して補正をさせていただくと。そうでございませんと、もとを決めませんと、くるくるくるくる状況が変わっていくということでは財政のやりようはございません。 ただ、そうは申しましても、このように御審議の過程の中で、こういう状況だからこれは補正等々が必要ではないかとおっしゃることは私ども十分肝に銘じて承っておりまして、決してうかつに承っているわけではございません。
○国務大臣(近藤鉄雄君) たびたび申し上げてありますように、今大事なことは予算を通していただいてその速やかな実行ができる状況をつくっていただくことでございますし、その後見としても大幅な補正予算を含む総合経済対策をしろ、こういうお話でございますので、私ども党の御指示ということで、しかも安倍総務会長を初め対米公約にもなって、決してこれはアメリカが言ったから、アメリカのためということじゃございませんで、日本のためでもございますが、そうした公約の形にもなっているわけでございます。私どもはそのことを真剣に考えて、予算が通った後でできるだけの思い切った措置を講ずる、こういうことでひとつ御理解をいただきたいということでございます。
○安恒良一君 この問題で最後にちょっと大蔵大臣に、経済の見通しと同時に大蔵大臣の見解を伺っておきたいんですが、パリのG7の蔵相会議で為替安定対策、政策協調が申し合わされた。我が国には一層の内需拡大が要請されました。そこであなたたちは、この六十二年度経済見通しとされている中で、内需の伸びを四・一%というふうに設定されているわけですね。ところが私は、今日の円の関係その他でこのこと自体が不十分ではないか、日本の内需の伸び四・一%自体が不十分ではないかというふうに思います。 最近、前段でいろいろやりとりしましたが、積極財政論がかなりいろんなところから大きくなっていますね。積極財政論というのが大きくなっていることは事実だと思うんです。ですから、経済の見通しとともに、この内需の伸び四・一%は不十分ではないかと思いますが、その点について大蔵大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大づかみに見まして住宅は比較的よろしいわけですし、それから何といっても消費者物価がほとんどゼロあるいはマイナスでございますから、そういう意味で消費は一般的には堅調である、消費の型にもよりますけれども、そういうふうに見ております。 ただ、一つ逆の側にございますのは、企業がこういう状況でございますから賃金決定が非常に慎重であったという面はあろうと思いますけれども、全体といたしまして、まあまあ底がたいということは言えるのではないか。それ以上のことは、ちょっと大づかみなことしか私申し上げられませんので、なんでございましたら所管大臣からお答えになられるかと思います。
○安恒良一君 もう時間がありませんから最後に一つだけ聞いておきたいんですが、政府は昨年度も、年度後半は景気がよくなる、こういう楽観的な景気観測を述べてこられた。しかし、事実は私が前段で指摘をしたとおりの結果になりました。鉄鋼、造船等では予想をはるかに超えた人員整理が行われ、しかも今宮澤さんもおっしゃいましたように、春闘の賃上げ率は史上最低を記録するなど個人消費が盛り上がる要素はありません。それから設備投資の動向も不調で、さらに一段と円高が輸出を直撃し、景気が上向く条件は残念ながら今見当たらないのであります。終わってみたら六十一年度と同様に成長率は未達成で、景気は悪く、犠牲を強いられたのは勤労国民、勤労大衆、こうなる危険があってはいけないと思います。決してそうならないという約束を総理、大蔵大臣、労働大臣各大臣に求めます。決してそういうことにはならぬよということを約束していただけますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうになりませんようにこれからの財政経済政策をやってまいらなければならないと私ども思っております。
○国務大臣(平井卓志君) 賃上げの問題についてお触れになりましたけれども、これは先ほども御答弁申し上げましたように、やはり国民経済的視野に立って労使の方々が真剣にお話し合いになって決められたものと、かように考えております。 労働省として今後どうするかということでございますが、関係省庁と緊密に連携をいたしながら、やはり総合的には適度な経済成長、物価安定、さらに週休二日制等の労働時間短縮、これに真剣に取り組んでまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣と同じであります。
○安恒良一君 これで終わります。(拍手) —————————————
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、稲村稔夫君の質疑を行います。稲村君。
○稲村稔夫君 ただいまは安恒委員からいろいろと経済問題各般にわたって伺ったわけであります。私は、そうした中で特に農業の観点から国際経済、国際問題をどうとらえておられるか、この点について、特に総理が今度訪米をされるわけでありますから、それだけにぜひ確かめておきたい、こう思っていることが幾つかございますので、その辺に絞って御質問を申し上げたいと存じます。 ただ、その方に入ります前に、ただいまの安恒委員の質問をずっと伺っておりまして、いわゆる勤労庶民と言われる立場、労働者ばかりではありません、中小零細企業あるいは農民、こういう人たちの現状というものを一体どういうふうに政府の皆さんはとらえておられるのだろうかということが私には大変大きな疑問になってまいりました。 数字でいろいろと挙げられました。成長についても希望的観測などがいろいろと言われましたけれども、しかし現実の問題、私の周りを見る限りでは、それこそ職安に通う人間はどんどんとふえていき、円高のために中小零細企業、特に零細企業というのはもう大変な状況にあります。農家経済もそれこそ破綻の状況と言っていいと思います。地価の高いところにおられる方はそれでも土地をやりくりするということができている人もおりますけれども、そうでない地域の農家の皆さんはもう大変な不安の中に今陥っています。こうした皆さん方の叫び、痛みというのが一体どれほどおわかりになっているのだろうか、本当に私は心配になってまいりました。もちろんきょう私はそのことを論争するつもりではございませんが、ただ、今のやりとりを聞いていて本当に残念に思うわけでありまして、これはまたいずれかの機会にいろいろと意見も申し上げたい、こんなふうにも思っております。 前置きはその程度にいたしまして、まず、先日来我が国にやってこられましたアメリカのリン農務長官、かなり性急にと言っていいと思いますけれども、米の市場開放等を求めてこられたようであります。ヤイター通商代表部代表もその辺のところを踏まえているようでありますが、このことは衝に当たられました農林水産大臣、かなり奮闘されたということが農業新聞等では報ぜられておりますが、リン農務長官がこうした性急な要求をされたその背景といいましょうか、それはどんなものというふうに考えておられますか。 衝に当たられました農林水産大臣からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤六月君) リン長官、ヤイター代表がいろいろお話をされた背景ということを考えますと、一つは、世界の米の貿易量が縮小する中で米国、タイ、豪州等特定の輸出国が激しい輸出競争を行っておるということが一つあろうと思います。そして二番目には、米国の米の輸出量が七〇年代後半にはタイと同量程度であったものが、アメリカの米の価格が国際価格に比べて割高であること等によりまして、八五年度にはタイ国の約半分の百九十万程度に減少しておるということが二番目の理由じゃないだろうか。三番目は、アメリカの農業政策を見ますと、昨年四月からマーケティングローン制が設けられまして、これにより米国の財政負担は膨大なものになっているわけでございますけれども、その反面米国産米の輸出がしやすくなったことというのがあるのではないだろうか。さらには、ただいま米国議会において貿易法案の審議に際して保護主義的な動きが強まっておる、こういった背景といいますか、事情があってあのような御主張をされたのではないかと私は勘案いたしております。
○稲村稔夫君 確かにアメリカの米の輸出量の減少ということがこれは一つ大きなものとしてあると思います。しかし、アメリカの貿易全体の中で占める米の位置というのですか、そういうものから考えていきますならば、従来私どもが聞かされてきたこと、日本とのパートナーシップなどということが言われてまいりましたけれども、そうした中で日本における米の地位というものあるいは国民感情等を配慮して今まで米についてはアメリカ側は一切我が国に要求をしてこなかった、こんなふうに言われてきたわけでありますけれども、そういう立場があったとしますならば、それこそ農業の米という非常に小さな範囲だけを考えていけばおっしゃるような輸出の大幅な減少というようなことが問題になりましょうけれども、しかしアメリカの全体の中でいって、しかもアメリカの貿易赤字の解消というそういう観点からいっても、今このように性急に要望を出してくるというのはどうも納得がいかないというわけであります。 さらに、アメリカのリン農務長官の要望の中には、新聞によりますと、わずかでも市場開放を実現せよ、こういうような要求があったというふうにも書かれております。この辺は要するに、わずかでもという要求をされるにはそれなりにかなり大きな政治的意味があるのではないだろうか、こんなふうにも思うんですけれども、その辺はいかがでありますか。
○国務大臣(加藤六月君) 私との話し合いでは、わずかでもいいから開放しろというお話は出ませんでした。
○稲村稔夫君 それでは、それは新聞が憶測の報道をした、こういうことになるんでしょうか。いずれにいたしましても、こうした米に対しての要求というのは、今までのアメリカのあり方から考えていけばそれこそ非常に大きな変化ということになるわけでありますが、そのアメリカ自身が持っている問題点についてどのように理解をしておられるか。私は私なりに考える問題点を少し申し上げてみますので、お考えを伺いたいと思います。 まず、財政的負担のことなども言われましたが、そうした財政的負担をやってなおかつタイとの、タイ米との国際競争に敗れているというのが今のアメリカの米の実情なんでありましょうが、しかし補助金つきでタイ米と競争をすることによって、タイ自身が国際価格を引き下げていかざるを得ない、そういう状況の中へ追い込まれる。それでタイの農村自身が大変な疲弊をしているということが伝えられております。そのことはタイ国自身がアメリカに抗議を申し入れたりなんかしていたという経過などもあるわけでありますけれども、そういたしますと、アメリカ自身が途上国経済をみずから圧迫する、こういう役割をしているということになるのだと私は思うんですが、その辺はいかがですか。
○国務大臣(加藤六月君) アメリカが途上国経済を圧迫しておるのではないかという御趣旨でございますが、アメリカの主張というのは、市場を開放し、そして農業関係の補助金というそれぞれの国が抱えておる問題をより少なくしていこう、こういう立場に立って、世界の市場が開放されていくという立場に立っていろいろ主張し行動をしておるという判断を私はとっております。
○稲村稔夫君 それにいたしましても、現実にやっていることは、タイ貿易の米が輸出の中で占めている比重は非常に高いんですよ。そしてタイ経済はそれでもっている部分というのがかなりあるわけでありまして、違う言い方をすればそこへ殴り込みをかけているわけですから、これは今おっしゃるようなふうにアメリカ側が仮に言うとしても現実にやっていることは、途上国経済をそれこそ、先進国がみずからの農業生産を保護するために、破壊する方向へ、極端な言い方をすればそういう方向を志向している、こんなふうに言ってもいいのではないかと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) 今日、世界の農産物貿易というものは停滞が甚だしいものがあります。そしてまた世界的に食糧事情の伸びも停滞いたしております。それに伴う農産物価格の下落という問題があります。 そこで私としましては、農産物の輸出国間で基本的に話を詰めるべきである。そして我が日本のような世界最大の農産物輸入国は、それを冷静に見ながら国民に対して安定的な供給を確保していくことである。したがいまして、基本的には農産物の輸出国同士間における冷静な話し合いが必要ではないか、こういう基本的立場をとっております。 もちろん、ことし一月にタイ国にキャンベラの日豪経済閣僚会議の帰りに寄りましたときに、タイ国国内においても今稲村委員がおっしゃったような若干の意見があったことは私は耳にいたしております。
○稲村稔夫君 そこで総理、今農林水産大臣から私は御答弁をいただきましたけれども、いろいろと輸出国間の話を具体的に輸出国間同士でやるべきである、こういう観点が今述べられました。そうすると、まず我が国に対する性急な米についての市場開放要求ということよりも、先にそのことをやってもらうようなそういう国際的誘導といいましょうか、そういうようなことは総理はお考えになりませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 農林大臣がお答えしましたように、米の問題という問題は非常に政府は重視している、ないがしろにできない問題であると考えております。したがいまして、ガットのニューラウンド等において農業問題が一般的に包括的にいろいろ補助金問題等も含めて提起されてくるというような場合には、日本政府としても同じテーブルに着く、そういうことはせざるを得ない立場になるでしょう、そういう趣旨の考え方をこの間ヤイター氏にも私は話したのであります。
○稲村稔夫君 関連はしておりますけれども、私が伺おうと思いましたことを、通告しておりましたので先にお答えをいただいた形になりました。 そこで問題は、ガットの場でいろいろと議論をする、それにはテーブルに着かざるを得ない、こういうふうに言われたと言いますが、今アメリカはガットで決着をつけよう、こういう姿勢でいるわけですけれども、それだけに、ガットでの米の問題についての議論というのはかなり厳しいことになるという御判断はなさっておりませんか。
○国務大臣(加藤六月君) ウルグアイ・ラウンドにおきまして、農産物、農産物貿易に関するすべてのものを議題にするということでございまして、いろいろな国が米について主張することも自由でございます。その場におきましても、私としたら、我が国の米の需給に関する基本的考え方、米作というものの我が国社会における重要性等は主張してまいらなくてはならないと考えております。
○稲村稔夫君 ちょっと話題を変える形になりますが、この間総理の意を受けて安倍特使が行かれました。その安倍特使が、半導体摩擦に関連をして改めて牛肉、オレンジの自由化をシュルツ国務長官から要請をされた、こういう新聞記事がございますけれども、まずその内容がどういうものだったのかということが一つと、それからそこでは米の問題は出たのでありましょうか。この辺は総理の特使として行かれたそうでありますから総理も御報告を聞いておられると思いますので、お答えいただければと思います。
○国務大臣(加藤六月君) 東京におきまして、私とリン農務長官、ヤイター通商代表との話し合いというのがワシントンに伝わりまして、それに対する話が出たということも聞いております。また、牛肉、オレンジについての話も出たと聞いております。牛肉、オレンジあるいはまた米につきましては、今私がお答え申し上げたと同じ立場で安倍特使はお答えになっておると承っております。
○稲村稔夫君 米の問題はさらにまた後でもう一度伺いますけれども、その前に、牛肉、オレンジの問題が出たというお話でありましたが、この牛肉、オレンジ、それぞれアメリカの生産は、例えば牛肉はオーストラリアの牛肉とはこれは競争にはならない、そういう形のものだと思いますし、それからまたオレンジも、ジュース用のオレンジはブラジルにもう対抗できる状況ではない、こういうふうにも言われております。そういたしますと、言ってみれば、輸出といっても我が国をそれこそもう目当てにした輸出を中心にして対応されているんではないだろうか、こんなふうにも疑いたくなりますけれども、その辺の事情はどのように押さえておられますか。
○国務大臣(加藤六月君) その点につきましては、私もリン長官、ヤイター通商代表にも相当申し上げたのでございますが、さらに申し上げますと、アメリカには食肉輸入法という法律がございまして、ある面でいえば非自由化いたしております。あなたの国が非自由化しておきながら日本に対して自由化を求めるのは加藤六月としては納得ができないということをたびたび申し上げておきました。 さらに今の、おいしい、おいしくないという、あるいは競争力がある、ないの問題になりますと、グレープフルーツにしましても輸入牛肉にしましても、アメリカで食べるグレープフルーツや牛肉よりか、日本に輸入した牛肉やグレープフルーツの方が質もそれからおいしさも非常にいい、高級な牛肉、高級なフルーツを日本ヘアメリカは輸出しておる、こういうように私は判断をいたしております。
○国務大臣(倉成正君) もう農林大臣からお話がございましたけれども、農産物の十二品目については御承知のとおり米国は従来よりその自由化を求めてきておりまして、我が国との間で協議を行ってきましたけれども、これが協議が成立しない、満足する解決に至らなかったということで、八六年の十月二十七日にガットの理事会で米国はパネルの設置を要求し決定された次第でございます。 なお、米については、先ほどお話がございましたけれども、ちょうどウルグアイ・ラウンドの際には農林大臣が御不在でございました。そこで、ちょうど米国の精米業者が三〇一条について提訴をしようということでございました。その際に私も、農林大臣にかわりましてリン長官に日本の米の実情、非常にセンシティブな問題であるということもお話しし、またヤイター代表にもそのお話をしました。また、ニューヨークにおいてシュルツ国務長官にも米の問題はお話をしたわけでございまして、センシティブな問題ということはよく理解するということで、八六年の十月二十三日に米政府は本件の提訴を却下したわけでございます。 なお、安倍訪米につきましては、シュルツ国務長官から、東京におけるヤイター通商代表、リン農務長官とのやりとりを踏まえまして、米問題に関しての我が国の政府のウルグアイ・ラウンドにおける取り組みにつき質問があったと聞いております。そして安倍特使からは、先ほど総理からお話がございましたように、ラウンドに参加する各国が、それぞれの抱えるすべての農業問題、これは御案内のとおり、アメリカとヨーロッパの間にも、アメリカとオーストラリアとの間にも、それぞれいろいろな問題がございます。したがって、そういう問題及び制度についてウルグアイ・ラウンドで議論を行う段階になれば、我が国としても米の問題を含むあらゆる農業問題を討議することを拒否するものではない、こういうふうに我が国の考えを国務長官に説明したと聞いておるわけでございまして、これに関するガットの条項は第十七条、国家貿易の十七条、また十三条がこれに関係すると思います。
○稲村稔夫君 我が国の農政に及ぼす影響等についてはさらに、これはきょうは時間がございませんから改めてまたいろいろとお聞きをしなければならない、こんなふうに思っております。 ただ、一番問題は、アメリカの現在の主張というのが、先ほどの米のお話のように、生産国同士の話でということでいきますが、その生産国同士の話でいったときに、アメリカ自身が競争力を失ってきている分野というのがだんだんと出てきているんです。途上国が生産力が上がってくればくるほど、それこそアメリカの競争力が低下をする、こんなことにもなってくるわけで、それが今度は我が国に全部はみ出してきたのではこれはとてもたまらぬ、こういうことになるのではないかと思うんです。それだけに、基本的な我が国の構えというもの、私は何回も所管の委員会でも伺ってきております、総理にも伺ったことがありますけれども、例えば米だけを基本にして、そしてその米だけはという形はだんだん追い込まれていくばかりではないかというふうにも思うんですよ。 やはり我が国農業をどうするのか。その農業の中で、例えば今減反をやっているでしょう、米の生産が過剰だということで減反をやっています。転作をやらせます。しかし、転作をしたときに何に転作をするんだと言ったら、飼料作物です、あるいは麦です、大豆ですと、こういうふうにやらざるを得ないんですね。しかし、そうすれば、飼料作物を生産し大豆を生産し小麦を生産すれば、それはそれだけ今度は輸入量とのかかわりというのが出てくるのはこれまた必然なわけですね。ですから、我が国全体の中でこの物はここまでは自給するんですよ、この範囲を超えては輸入をしませんよというものがそれぞれの分野の中でつくられていって、そして米をガードするような格好にならなければ、裸にされたままで米を一生懸命守るんだ守るんだと、こう言われても守り切れるものではない、こんなふうに私は思うんですよ。そういう意味で言ったら、現在の農政、もう一歩考えていただかなきゃならないものがあるのではないかと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) 私もそこら辺については相当きつく申し上げておるわけでございます。 もう改めて私が申し上げるまでもなく、私は、先ほど来お答えいたしておりますが、日本は世界最大の農産物の輸入国である。食糧自給率が先進国の中で最も低く、現状程度の農業の維持は絶対必要である。それから、我が国は農業予算の削減を率先して実施している一方、行政価格の引き下げも実施しておる。そして水田面積の約三〇%の減反に取り組んでおるのであるということ、あるいはまた、小麦、トウモロコシ、大豆等はほとんど八、九〇%を諸外国から輸入しておるということもあります。こういうことを中心にいろいろ申し上げておるわけでございます。 ただ、いつも申し上げておりますように、そういう中で我々は農政審の答申、報告をいただいております。農政審の報告を一生懸命実施していきまして、そして生産者もぎりぎり、国民といいますか消費者に見放されてはならない、内外価格差という問題は最大限配慮して、我が国内においても、汗を流し血を流すような努力というものを血を流しながらやっていただくことによって国民の理解と支持がある、そういう中で基本的なものを守っていく、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○稲村稔夫君 もう時間がなくなりましたから最後に総理に伺いたいのでありますが、今度訪米をされました際には必ず、牛肉、オレンジ等具体的なあれになるかどうかわかりませんが、農産物のより自由化ということが要望をされるのではないかというふうにも想定をされますし、また特に米についても話題として出されてくるのではないか、要求として出されてくるのではないかということを懸念するわけでありますが、こうした問題に対してどのような決意でおられるか、それをお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) ここで農林大臣が御答弁申し上げました趣旨に沿って努力してまいりたいと思います。
○委員長(桧垣徳太郎君) 本日はこの程度にとどめます。 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十二分散会 —————・—————